JP2024071583A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】光照射手段の配置を改善できる遊技機を提供すること。【解決手段】光照射装置K2100からの光はベース板K2060の厚さ方向に対して交差する方向でベース板K2060に進入し得る位置に配置されることから、ベース板K2060の厚さ幅の内側で光の照射範囲を拡げられ、光により照らす面積を増大させることができることからベース板K2060を明るく視認させることができると共に、光照射装置K2100をベース板K2060の後方に離して配置する必要がないので、ベース板K2060の背面側に可動役物の配設スペースを十分確保することができる。即ち、光照射装置K2100の配置を改善することができる。【選択図】図422

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(特許文献1)。
特開2006-333887号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、光照射手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、光照射手段の配置を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置される。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設される。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置される。
請求項1記載の遊技機によれば、光照射手段の配置を改善できる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解背面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの正面斜視図である。 第1動作ユニットの背面斜視図である。 第1動作ユニットの分解正面斜視図である。 第1動作ユニットの分解背面斜視図である。 回転動作ユニットの分解正面斜視図である。 回転動作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、回転動作ユニットの背面図である。 (a)及び(b)は、回転動作ユニットの背面図である。 第1動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの背面図である。 第1動作ユニットの背面図である。 第1動作ユニットの背面図である。 第2動作ユニットの正面斜視図である。 第2動作ユニットの背面斜視図である。 第2動作ユニットの分解正面斜視図である。 第2動作ユニットの分解背面斜視図である。 回転動作ユニットの分解正面斜視図である。 回転動作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、回転動作ユニットの背面図である。 (a)及び(b)は、回転動作ユニットの背面図である。 第3動作ユニットの正面斜視図である。 第3動作ユニットの背面斜視図である。 第3動作ユニットの分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの分解背面斜視図である。 開閉動作ユニットの分解正面斜視図である。 開閉動作ユニットの分解背面斜視図である。 第3動作ユニットの開閉動作ユニットの背面図である。 第3動作ユニットの開閉動作ユニットの背面図である。 導光板ユニットの分解正面斜視図である。 導光板ユニットの分解背面斜視図である。 補助導光板ユニットの分解正面斜視図である。 補助導光板ユニットの分解背面斜視図である。 補助導光板ユニットの背面図である。 (a)は、図47のXLVIIIa-XLVIIIa線における補助導光板ユニットの断面図であり、(b)は、図47のXLVIIIb-XLVIIIb線における補助導光板ユニットの断面図である。 (a)から(f)は、補助導光板ユニットの模式正面図である。 遊技盤の分解正面斜視図である。 遊技盤の分解背面斜視図である。 補助導光板ユニットの分解正面斜視図である。 補助導光板ユニットの分解背面斜視図である。 補助導光板ユニットの正面図である。 図54のLV-LV線における補助導光板ユニットの断面図である。 下流側案内部材の分解正面斜視図である。 下流側案内部材の分解背面斜視図である。 視認態様変化シートの構成を模式的に示す模式図である。 (a)及び(b)は、方向視の違いによる下流側案内部材の見え方の変化を示す模式図である。 第2実施形態における第1動作ユニットの背面図である。 第3実施形態における第1動作ユニットの模式背面図である。 第1動作ユニットの模式背面図である。 第1動作ユニットの模式背面図である。 (a)及び(b)は、第4実施形態における球案内ユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、第5実施形態における回転動作ユニットの背面図である。 第6実施形態における流路前側構成部材の断面図である。 第7実施形態におけるパチンコ機の背面図である。 基板ボックスの正面斜視図である。 基板ボックスの背面斜視図である。 基板ボックスの正面図である。 (a)は、基板ボックスの背面図であり、(b)は、図71(a)の矢印LXXIb方向視における基板ボックスの側面図である。 (a)は、基板ボックスの部分正面斜視図であり、(b)は、基板ボックスの部分背面斜視図である。 (a)及び(b)は、基板ボックスの部分正面図であり、(c)及び(d)は、基板ボックスの部分背面図である。 (a)は、図73(b)のLXXIVa-LXXIVa線における基板ボックスの部分断面図であり、(b)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、基板ボックスの部分正面図であり、(b)は、基板ボックスの部分背面図である。 図75(b)のLXXVI-LXXVI線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、基板ボックスの部分正面図であり、(b)は、基板ボックスの部分背面図である。 (a)は、第8実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図78(a)のLXXVIIIb-LXXVIIIb線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、第9実施形態における保護カバーの部分断面図である。 (a)は、第10実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図79(a)のLXXIXb-LXXIXb線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、図79(a)のLXXIXc-LXXIXc線における基板ボックスの部分断面図であり、(d)は、図79(a)のLXXIXd-LXXIXd線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)から(c)は、第11実施形態における基板ボックスの部分断面図であり、(d)は、第12実施形態における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第13実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図81(a)のLXXXIb-LXXXLb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第14実施形態における基板ボックスの部分断面図であり、(b)は、第15実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(c)は、図82(b)のLXXXIIc-LXXXIIc線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第16実施形態における基板ボックスの部分断面図であり、(b)は、図83(a)のLXXXIIIc-LXXXIIIc線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第17実施形態における基板ボックスの保護カバーの正面図であり、(b)は、図84(a)の矢印LXXXIVb方向視における保護カバーの側面図であり、(c)は、図84(b)の矢印LXXXIVc方向視における保護カバーの背面図である。 (a)は、基板ボックスの背面図であり、(b)は、図85(a)の矢印LXXXVb方向視における基板ボックスの側面図であり、(c)は、図85(b)のLXXXVc-LXXXVc線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第18実施形態における基板ボックスの保護カバーの側面図であり、(b)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第19実施形態における基板ボックスの保護カバーの正面図であり、(b)は、図87(a)の矢印LXXXVIIb方向視における保護カバーの側面図であり、(c)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第20実施形態における基板ボックスの保護カバーの部分背面図であり、(b)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、第21実施形態における保護カバーの部分背面図であり、(d)は、図88(c)のLXXXViiid-LXXXVIIId線における保護カバーの部分断面図である。 (a)は、第22実施形態における保護カバーWg500の部分背面図であり、(b)は、図89(a)のLXXXIXb-LXXXIXb線における保護カバーの部分断面図であり、(c)は、第23実施形態における基板ボックスの部分背面図である。 (a)は、第24実施形態における基板ボックスの保護カバーの側面図であり、(b)は、基板ボックスの側面図であり、(c)は、図90(b)のXCc-XCc線における基板ボックスの断面図である。 (a)は、第25実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図91(a)の矢印XCIb方向視における基板ボックスの部分側面図であり、(c)は、保護カバーの背面図である。 (a)及び(c)は、図91(a)のXCIIa部における基板ボックスの背面図であり、(b)は、図92(a)のXCIIb-XCIIb線における基板ボックスWj100の部分断面図であり、(d)は、図92(c)のXCIId-XCIId線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、図91(a)のXCIIa部における基板ボックスの背面図であり、(b)は、図93(a)のXCIIIb-XCIIIb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第26実施形態における基板ボックスの部分正面図であり、(b)は、図94(a)のXCIVb-XCIVb線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、図94(a)のXCIVc-XCIVc線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)及び(c)は、図94(a)のXCIVb-XCIVb線における基板ボックスの部分断面図であり、(b)及び(d)は、図94(a)のXCIVc-XCIVc線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第27実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図96(a)のXCVIb-XCVIb線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、図96(a)のXCVIc-XCVIc線における基板ボックスの部分断面図であり、(d)は、保護カバーの背面図であり、(e)は、図96(d)のXCVIe-XCVIe線における保護カバーの断面図である。 (a)は、図96(a)のXCVIIa部における基板ボックスの背面図であり、(b)は、図96(a)のXCVIb-XCVIb線における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、図96(a)のXCVIc-XCVIc線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第28実施形態における基板ボックスの部分正面図であり、(b)は、図98(a)のXCVIIIb-XCVIIIb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第29実施形態における基板ボックスの部分正面図であり、(b)は、図99(a)の矢印XCIXb方向視における保護カバーの側面図であり、(c)は、図99(a)のXCIXc-XCIXc線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第30実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図100(a)のCb-Cb線における基板ボックスの部分断面図である。 第31実施形態における保護カバーの背面図である。 (a)は、第32実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図102(a)のCIIb-CIIb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第33実施形態における基板ボックスの部分断面図であり、(b)は、第34実施形態における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第35実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図104(a)のCIVb-CIVb線における基板ボックスの部分断面図である。 第36実施形態における基板ボックスの部分背面図である。 (a)は、第37実施形態における基板ボックスの部分背面図であり、(b)は、図106(a)のCVIb-CVIb線における基板ボックスの部分断面図である。 (a)は、第38実施形態における基板ボックスの部分断面図であり、(b)は、第39実施形態における基板ボックスの部分断面図であり、(c)は、第40実施形態における基板ボックスの保護カバーの部分背面図である。 第41実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 経路構成装置の分解正面斜視図である。 経路構成装置の部分拡大正面図である。 (a)及び(b)は、図113のCXIVa-CXIVa線における経路構成装置の部分断面図である。 (a)及び(b)は、図113の範囲CXVaにおける経路構成装置の部分正面図である。 (a)及び(b)は、図113の範囲CXVaにおける経路構成装置の部分正面図である。 (a)及び(b)は、図113の範囲CXVaにおける経路構成装置の部分正面図である。 (a)及び(b)は、図113の範囲CXVaにおける経路構成装置の部分正面図である。 図109の範囲CXIXにおける遊技盤の部分正面図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)から(d)は、普通入賞口(スルーゲート)における球の通過の検出と、電動役物の状態の計時変化の一例を示した図である。 第42実施形態における遊技盤の分解正面斜視図である。 (a)は、正面ユニットの正面図であり、(b)は、正面ユニットの背面図である。 正面ユニットの分解正面斜視図である。 正面ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、振分けユニットの正面図であり、(b)は、振分けユニットの背面図である。 (a)は、図126(a)のCXXVIIa-CXXVIIa線における振分けユニットの断面図であり、(b)は、図127(a)のCXXVIIb-CXXVIIb線における振分けユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、図127(a)のCXXVIIb-CXXVIIb線における振分けユニットの断面図である。 (a)から(d)は、検出装置における球の通過の検出と、羽部材の状態の計時変化の一例を示した図である。 図123(a)のCXXX-CXXX線における遊技盤の断面図である。 (a)及び(b)は、図130のCXXXIa-CXXXIa線における入賞口ユニット及び送球ユニットの部分断面図である。 第43実施形態における遊技盤の部分正面図である。 第44実施形態における遊技盤の部分正面図である。 第45実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 入賞ユニットの正面斜視図である。 入賞ユニットの背面斜視図である。 入賞ユニットの分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解背面斜視図である。 入賞ユニットの分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解背面斜視図である。 入賞ユニットの分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解背面斜視図である。 入賞ユニットの分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、入賞ユニットの正面図であり、(b)は、図148(a)の矢印CXLVIIIb方向視における入賞ユニットの側面図であり、(c)は、図148(a)の矢印CXLVIIIc方向視における入賞ユニットの上面図である。 (a)及び(b)は、図148(c)のCXLIXa-CXLIXa線における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCL-CL線における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCLI-CLI線における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCLII-CLII線における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCL-CL線における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCLI-CLI線における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCLII-CLII線における入賞ユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、図148(c)のCLVIa-CLVIa線における入賞ユニットの断面図である。 (a)から(d)は、入賞ユニットの正面斜視図である。 (a)から(d)は、入賞ユニットの正面斜視図である。 (a)から(d)は、入賞ユニットの正面斜視図である。 (a)から(d)は、入賞ユニットの正面斜視図である。 (a)及び(b)は、入賞ユニットの正面斜視図である。 (a)及び(b)は、図148(b)のCLXIIa-CLXIIa線における入賞ユニットの部分断面図である。 (a)及び(b)は、図148(b)のCLXIIa-CLXIIa線における入賞ユニットの部分断面図である。 (a)から(c)は、電動役物の状態の計時変化の一例を示した図である。 保留種別、遊技状態、特別図柄の種別および変動時間の関係を説明する図である。 図156(a)のCLXVI-CLXVI線におけるスライド部材、傾倒部材及び伝達部材の断面図である。 図156(a)のCLXVI-CLXVI線におけるスライド部材、傾倒部材及び伝達部材の断面図である。 図156(a)のCLXVI-CLXVI線におけるスライド部材、傾倒部材及び伝達部材の断面図である。 図148(c)のCLI-CLI線における板部材、ベース板、スライド部材、傾倒部材及び伝達部材の断面図である。 (a)及び(b)は、図135の範囲CLXXaにおける上側可変入賞装置の拡大正面図である。 (a)から(c)は、図135の範囲CLXXaにおける上側可変入賞装置の拡大正面図である。 (a)から(c)は、図135の範囲CLXXaにおける上側可変入賞装置の拡大正面図である。 (a)から(c)は、図170(a)のCLXXIIIa-CLXXIIIa線における移動上蓋部材及び移動床部材の断面図である。 (a)から(c)は、図170(a)のCLXXIIIa-CLXXIIIa線における移動上蓋部材及び移動床部材の断面図である。 (a)は、第1の特別作動パターンにおける第2特定入賞口の計時変化を示した図であり、(b)は、第2の特別作動パターンにおける第2特定入賞口の計時変化を示した図であり、(c)は、第3の特別作動パターンにおける第2特定入賞口の計時変化を示した図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、特別図柄1乱数テーブルにおける第1当たり乱数カウンタと判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、特別図柄2乱数テーブルにおける第1当たり乱数カウンタと判定値との対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1当たり種別選択テーブルにおける第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2当たり乱数テーブルにおける第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 正面枠及び外枠の上面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、大当たり演出の流れの一例を説明するための概略図であり、(b)は、エンディング演出の流れの一例を説明するための概略図であり、(c)、(d)及び(e)は、大当たり演出の一部であるエンディング演出において表示されるエンディング表示演出の表示画面を例示した図である。 (a)は、エンディング演出において表示される社名表示演出の表示画面を例示した図であり、(b)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 (a)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図であり、(b)は、エンディング演出終了直後における表示画面を例示した図である。 エンディング演出と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。 図148(c)のCLI-CLI線における第46実施形態における入賞ユニットの断面図である。 図148(c)のCLI-CLI線における入賞ユニットの断面図である。 (a)は、第47実施形態における入賞ユニットを模式的に示す模式図であり、(b)は、入賞ユニットの別例を模式的に示す模式図である。 (a)及び(b)は、第48実施形態における入賞ユニットを模式的に示す模式図である。 (a)及び(b)は、図135の範囲CLXXaにおける第49実施形態における上側可変入賞装置の正面図である。 (a)及び(b)は、第50実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 (a)及び(b)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 (a)及び(b)は、第51実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 (a)及び(b)は、第52実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。 カード忘れ防止表示演出における枠ボタン表示の計時変化、枠ボタンの操作の有効性の計時変化および枠ボタンの操作の一例を示した図である。 第53実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図203の矢印CCVa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図203の矢印CCVb方向視における下側フレームの側面図である。 図202のCCVI-CCVI線における下側フレームの断面図である。 図202のCCVI-CCVI線における下側フレームの断面図である。 図203のCCVIII-CCVIII線における下側フレームの断面図である。 (a)は、図206のCCIXa部における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図202のCCIXb-CCIXb線における下側フレームの部分拡大断面図である。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図202のCCVI-CCVI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図202のCCVI-CCVI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図202のCCVI-CCVI線における断面に対応する。 第54実施形態における下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図218の矢印CCXXa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図218の矢印CCXXb方向視における下側フレームの側面図である。 図217のCCXXI-CCXXI線における下側フレームの断面図である。 図217のCCXXI-CCXXI線における下側フレームの断面図である。 図219のCCXXIII-CCXXIII線における下側フレームの部分拡大断面図である。 図219のCCXXIV-CCXXIV線における下側フレームの部分拡大断面図でる。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図217のCCXXI-CCXXI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図217のCCXXI-CCXXI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図217のCCXXI-CCXXI線における断面に対応する。 図227(b)のCCXXVIII-CCXXVIII線における下側フレームの部分拡大断面図である。 第55実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの背面図である。 第55実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、第56実施形態における皿部材の上面図であり、(b)は、図233(a)のCCXXXIIIb-CCXXXIIIb線における皿部材の断面図であり、(c)は、図233(a)のCCXXXIIIc-CCXXXIIIc線における皿部材の断面図である。 (a)は、第57実施形態における下側フレームの断面図であり、図219のCCXXIV-CCXXIV線における断面に対応し、(b)は、第58実施形態における下側フレームの断面図であり、図219のCCXXIV-CCXXIV線における断面に対応する。 第59実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図241の矢印CCXLIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図241の矢印CCXLIIIb方向視における下側フレームの側面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応し、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応し、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応し、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、図240のCCXLVIIa-CCXLVIIa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図240のCCXLVIIb-CCXLVIIb線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(c)は、図244のCCXLVIIc-CCXLVIIc線における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第60実施形態における下側フレームの断面図である。 (a)及び(b)は、第61実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第62実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 第63実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 第64実施形態における下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの正面図である。 (a)及び(b)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(a)は、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応し、(b)は、図244のCCXLVIIc-CCXLVIIc線における断面に対応する。 (a)から(c)は、第65実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)及び(b)は、第66実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)は、図257(a)のCCLVIIIa-CCLVIIIa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図257(b)のCCLVIIIb-CCLVIIIb線における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの部分拡大断面図であり、図244のCCXLVIIc-CCXLVIIc線における断面に対応する。 第67実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図266の矢印CCLXVIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図266の矢印CCLXVIIIb方向視における下側フレームの側面図であり、(c)は、図266のCCLXVIIIc-CCLXVIIIc線における下側フレームの断面図である。 (a)は、正面部材の図示が省略された状態における下側フレームの正面図であり、(b)は、背面側カバー部材の図示が省略された状態における下側フレームの部分拡大背面図であり、(c)は、下側フレームの上面図である。 (a)は、図269(c)のCCLXXa-CCLXXa線における下側フレームの断面図であり、は、図270(a)のCCLXXb-CCLXXb線における下側フレームの断面図であり、(c)は、下側フレームの部分拡大下面図である。 (a)は、正面部材の図示が省略された状態における下側フレームの正面図であり、(b)は、背面側カバー部材の図示が省略された状態における下側フレームの部分拡大背面図であり、(c)は、下側フレームの上面図である。 (a)は、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における下側フレームの断面図であり、(b)は、図272(a)のCCLXXIIb-CCLXXIIb線における下側フレームの断面図であり、(c)は、下側フレームの部分拡大下面図である。 第68実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図269のCCLXXa-CCLXXa線における断面に対応する。 (a)は、振分通路の正面斜視図であり、(b)は、図274(a)の矢印CCLXXIVb方向視における振分通路の正面図であり、(c)は、図274(b)の矢印CCLXXIVc方向視における振分通路の下面図であり、(d)は、図274(b)の矢印CCLXXIVd方向視における振分通路の側面図である。 第69実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図269のCCLXXa-CCLXXa線における断面に対応する。 (a)は、第70実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、第70実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、第71実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 下側フレームの上面図である。 (a)は、第71実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 下側フレームの上面図である。 (a)は、第72実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応し、(b)は、第73実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応し、(c)は、第74実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応する。 (a)は、第75実施形態における下側フレームの部分上面図であり、(b)は、第76実施形態における下側フレームの部分上面図である。 (a)は、振分通路の正面斜視図であり、(b)は、第78実施形態における振分通路の振分通路に垂直な方向視の図であり、(c)は、第79実施形態における振分通路の振分通路に垂直な方向視の図であり、(d)は、第80実施形態における振分通路の部分拡大断面図であり、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応し、(e)は、第81実施形態における振分通路の部分拡大断面図であり、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応する。 (a)は、第82実施形態における下側フレームの部分拡大上面図であり、(b)は、第83実施形態における下側フレームの部分拡大上面図である。 第84実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 (a)は、確定通路の分解正面斜視図であり、(b)は、駆動手段の分解正面斜視図である。 (a)は、確定通路の分解背面斜視図であり、(b)は、駆動手段の分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図294の矢印CCXCVIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図294の矢印CCXCVIb方向視における下側フレームの側面図であり、(c)は、図294のCCXCVIc-CCXCVIc線における下側フレームの断面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大正面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大正面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 変位部材の部分上面図である。 下側フレームの正面図である。 (a)は、下側フレームの背面図であり、(b)は、図301(a)の矢印CCCIb方向視における下側フレームの側面図でありる。 下側フレームの正面図である。 (a)は、下側フレームの背面図であり、(b)は、図303(a)の矢印CCCIIIb方向視における下側フレームの側面図である。 (a)及び(c)は、第85実施形態における下側フレームの部分拡大正面図であり、(b)及び(d)は、下側フレームの部分拡大上面図である。 (a)及び(b)は、第86実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、第87実施形態における下側フレームの上面図であり、(b))は、下側フレームの部分拡大正面図である。 (a)は、下側フレームの上面図であり、(b))は、下側フレームの部分拡大正面図である。 第88実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 変位手段の分解正面斜視図である。 変位手段の分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図316の矢印CCCXVIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図316の矢印CCCXVIIIb方向視における下側フレームの側面図であり、(c)は、図316のCCCXVIIIc-CCCXVIIIc線における下側フレームの断面図である。 (a)は、下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 左側変位部材の部分上面図である。 第89実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 振分手段の分解正面斜視図である。 振分手段の分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図331の矢印CCCXXXIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図331の矢印CCCXXXIIIb方向視における下側フレームの側面図であり、(c)は、図331のCCCXXXIIIc-CCCXXXIIIc線における下側フレームの断面図である。 (a)は、図333(c)のCCCXXXIVa-CCCXXXIVa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、図333(c)のCCCXXXIVa-CCCXXXIVa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 下側フレームの部分上面図である。 下側フレームの部分上面図である。 (a)は、第90実施形態における下側フレームの断面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、下側フレームの断面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)、(c)及び(e)は、第6通路部材の第4通路部、中間通路部材の転動面、振分手段の変位通路部材および第2変位通路の第2変位通路部の上面模式図であり、(b)、(d)及び(f)は、第6通路部材の第4通路部、中間通路部材の転動面、振分手段の変位通路部材および第2変位通路の第2変位通路部の正面模式図である。 第91実施形態における下側フレームの部分拡大上面図である。 (a)は、第92実施形態における下側フレームの部分拡大上面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大正面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大上面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大正面図である。 (a)は、第93実施形態における下側フレームの部分拡大上面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大正面図である。 第94実施形態における下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの部分拡大上面図である。 第95実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 外枠に対して内枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を開放した状態で裏パックを内枠に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を閉鎖すると共に正面枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 正面枠を取り外した状態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤および内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解斜視正面図である。 正面枠の分解斜視背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第96実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 遊技盤の分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解背面斜視図である。 図358のCCCLXIII部における遊技盤の部分拡大正面図である。 図363のCCCLXIV-CCCLXIV線における遊技盤の断面図である。 入賞ユニットの斜視図である。 入賞ユニットの斜視図である。 入賞ユニットの斜視図である。 入賞ユニットの斜視図である。 遊技盤の背面斜視図である。 遊技盤の分解背面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 前層側可動装置の正面分解斜視図である。 前層側可動装置の背面分解斜視図である。 第1可動装置の分解正面斜視図である。 第1可動装置の分解背面斜視図である。 昇降装置の分解正面斜視図である。 昇降装置の分解背面斜視図である。 長尺装置の分解正面斜視図である。 長尺装置の分解背面斜視図である。 移動装置の分解正面斜視図である。 移動装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、前層側可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大背面図である。 第1可動装置の部分拡大背面図である。 (a)、(b)、(c)及び(d)は、第1可動装置の部分正面図である。 第2可動装置の分解正面斜視図である。 第2可動装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 (a)、(b)及び(c)は、上下スライド部材、追従可能部材及び連動部材の模式正面図である。 後層側可動装置の分解正面斜視図である。 後層側可動装置の分解背面斜視図である。 第3可動装置の分解正面斜視図である。 第3可動装置の分解背面斜視図である。 (a)、(b)及び(c)は、上後カバー部材、延設回転部材、基端側スライド部材及びピニオンの正面図である。 後層側可動装置の部分拡大正面図である。 後層側可動装置の正面図である。 後層側可動装置の正面図である。 後層側可動装置の正面図である。 (a)から(f)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(e)は、パチンコ機の模式正面図である。 第97実施形態におけるベース板及び光照射装置の背面図である。 ベース板及び光照射装置の背面斜視図である。 ベース板及び光照射装置の分解背面斜視図である。 ベース板及び光照射装置の分解正面斜視図である。 図418のCDXXII-CDXXII線におけるベース板及び光照射装置の部分断面図である。 パチンコ機の模式正面図である。 第98実施形態におけるベース板及び光照射装置の分解背面斜視図である。 ベース板及び光照射装置の分解正面斜視図である。 図418のCDXXII-CDXXII線に対応する線におけるベース板及び光照射装置の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図55を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤A13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤A13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤A13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤A13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤A13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤A13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤A13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤A13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤A13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤A13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板A60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板A60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板A60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤A13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板A60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板A60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤A13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤A13の構成について説明する。
遊技盤A13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤A13の正面外周が囲まれ、遊技盤A13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤A13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤A13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤A13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤A13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物640aが開放状態の時は、開閉板がベース板A60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口640側へ入球可能となり、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成される。
なお、電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物640aが開放状態の時は、開閉板の上面を伝って球が第2入賞口640に案内され易く構成され、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなるように構成することができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板A60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板60には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレームA86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤A13に組み付けられ、遊技盤A13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤A13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、スルーゲート67の正面視右下側には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。なお、第2入賞口640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側でも良い。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10とは異なり、遊技盤13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機10では、「右打ち」では第1入賞口64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲート67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口64の右方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右方に限らず、例えば、第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側や、可変表示装置ユニット80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤A13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤A13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤A13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物640aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータAMT1,AMT2,AMT3,AMT4等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤A13及び動作ユニットA200の構造について説明する。図5は、遊技盤A13及び動作ユニットA200の分解正面斜視図であり、図6は、遊技盤A13及び動作ユニットA200の分解背面斜視図である。なお、図5及び図6では、背面ケースA210の開口A211aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口A211aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニットA200は、底壁部A211と、その底壁部A211の外縁から立設される外壁部A212とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケースA210を備える。背面ケースA210は、底壁部A211の中央に矩形状の開口A211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口A211aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケースA210は、外壁部A212の正面側端部に遊技盤A13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤A13に面で支持される支持板部A213を備える。
その支持板部A213が遊技盤A13に面で支持された状態で、遊技盤A13のベース板A60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤A13と動作ユニットA200とを一体的に固定することができるので、遊技盤A13及び動作ユニットA200の全体としての剛性の向上を図ることができる。
背面ケースA210の背面側には、一対の変位規制装置A214が配設される。変位規制装置A214は、背面ケースA210の背面からの手動操作により、突出状態と没入状態とで状態変化可能に構成されており、突出状態において、後述する可動役物(第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500)が演出待機状態から移動開始することを規制する。
変位規制装置A214を採用することにより、本実施形態のように、ベース板A60の中央の開口が導光板ユニットA700で閉塞される場合であっても、パチンコ機10の出荷や搬送を容易とすることができる。
詳述すると、従来、可動役物が変位する範囲に緩衝材(わた等のクッション部材)を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段により、出荷時や搬送時に可動役物が変位することを防止する場合があった。しかし、ベース板A60の中央の開口部が本実施形態のように閉塞されていると緩衝材を抜き取るための貫通箇所が無いため、遊技盤A13と背面ケースA210とを分解しないと緩衝材を抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
この対策として、本実施形態では変位規制装置A214を採用している。これにより、遊技盤A13及び背面ケースA210の固定を解除することなく、可動役物の移動を規制する突出状態と、その規制が解除される没入状態とで変位規制装置A214の状態を切り替えることができる。
なお、一対の変位規制装置A214は、それぞれ異なる可動役物の移動を規制する部材として配設されている。即ち、可動役物の個数が増減すれば、変位規制装置A214の個数を増減させることで対応することができる。
ベース板A60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板A60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板A60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
動作ユニットA200は、遊技盤A13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニットA200は、背面ケースA210と、その背面ケースA210の正面視内側右部および正面視内側上部に配設されると共に背面ケースA210の手前側寄りに配設される第1動作ユニットA400と、背面ケースA210の正面視内側左部および正面視内側上部に配設されると共に第1動作ユニットA400と背面ケースA210の底壁部A211との間に配設される第2動作ユニットA500と、背面ケースA210の正面視内側下部に配設される第3動作ユニットA600と、第1動作ユニットA400の前側において背面ケースA210の外壁部A212の前端面に締結固定される導光板ユニットA700と、を備える。
具体的には、第3動作ユニットA600は、開口A211aの下方位置において、第2動作ユニットA500は、開口A211aの左方位置および上方位置において、それぞれ背面ケースA210の底壁部A211に締結固定される。また、第1動作ユニットA400は、開口A211aの右方位置において背面ケースA210の底壁部A211に締結固定され、開口A211aの上方位置において第2動作ユニットA500の前側面に締結固定される。まず、この動作ユニットA200の動作制御の概要について説明する。
図7から図12は、動作ユニットA200の動作制御の一例を示す動作ユニットA200の正面図である。図7では、演出待機状態の第1動作ユニットA400、第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600が図示され、図8では、張出状態の第1動作ユニットA400と、演出待機状態の第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600とが図示される。
また、図9では、張出状態の第2動作ユニットA500と、演出待機状態の第1動作ユニットA400及び第3動作ユニットA600とが図示され、図10では、張出状態の第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500と、演出待機状態の第3動作ユニットA600とが図示され、図11では、張出状態の第3動作ユニットA600と、演出待機状態の第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500とが図示される。
また、図12では、演出待機状態から外形の変化を生じずに回転動作した後の第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500と、演出待機状態における外形を維持したまま上昇した後における第3動作ユニットA600とが図示される。
また、図7から図12において、導光板ユニットA700の補助導光板ユニットA700bの縁部と、装飾部材A808の縁部と、センターフレームA86の縁部とで囲む形状が想像線で図示される。この想像線で囲まれる形状が、正面視で第3図柄表示装置81を視認可能な実際の大きさであり、この想像線で囲まれる形状よりも外側においては(特に左右側においては)、導光板ユニットA700の補助導光板ユニットA700bや装飾部材A808に目隠しされるので、退避状態における第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500の視認性を低下させることができる。
図8から図10に図示されるように、第1動作ユニットA400の変位軌跡と第2動作ユニットA500の変位形跡とが、正面視で部分的に重なるが、第1動作ユニットA400の変位軌跡と第2動作ユニットA500の変位軌跡とが前後でずれている(上面視で重ならない)ので、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500は、動作中に互いに衝突しない。そのため、図10に図示されるように、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500の双方を張出状態とすることができる。
図8から図11に図示されるように、第1動作ユニットA400又は第2動作ユニットA500の変位軌跡と、第3動作ユニットA600の変位軌跡とは、正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第1動作ユニットA400又は第2動作ユニットA500が張出状態の時に、第3動作ユニットA600が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニットA400や第2動作ユニットA500の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニットA600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニットA600の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニットA400が演出待機状態であり且つ第2動作ユニットA500が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニットA400又は第2動作ユニットA500と、第3動作ユニットA600とが衝突することを避けることができる。これにより、第1動作ユニットA400、第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600の配置自由度を向上することができる(変位軌跡が正面視で重なることを許容できる)。
第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500の動作態様は、回転動作中に、回転される回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さが変化する態様で実行されるよう構成されるが、詳細は後述する。
第3動作ユニットA600の動作態様は、開閉動作ユニットA600bの昇降動作と、移動部材A650の開閉動作とが、異なるタイミングで実行可能となるように構成される。即ち、開閉動作ユニットA600bが上側終端位置に配置された状態で、移動部材A650の開閉動作が実行されるように制御される。
上述したように、本実施形態では、衝突の可能性がある場合を見越して各動作ユニットA400,A500,A600の動作タイミングをずらすように制御する場合があるが、衝突の可能性をはじめから排除できていれば同時に駆動させることは当然可能であり、図12に示すのは、各動作ユニットA400,A500,A600が演出待機状態から同時に駆動され、互いに衝突しない位置まで移動した場合に相当する。
即ち、各動作ユニットA400,A500,A600の演出待機状態から図12に示す状態まで移動させる状態変化を、各動作ユニットA400,A500,A600がそれぞれ演出待機状態であることを条件として、各動作ユニットA400,A500,A600をそれぞれ駆動させる駆動装置を駆動させることで実現可能に構成されているので、複数の動作ユニットA400,A500,A600による一体感のある動作演出を実現可能となる。
図12に示す状態では、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500は、回転動作中に回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さが変化し始める直前の姿勢となっている。即ち、これ以上の傾倒動作が生じた場合には回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さを変化させることに駆動力が消化されることになるので、回転動作ユニットA400b,A500bの動作抵抗が上昇することになる。そのため、その動作抵抗が変化し始める姿勢となる図12の姿勢において動作ユニットA400,A500を停止させることを容易とすることができる。
更に傾倒動作が進めば、回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さの変化量は益々大きくなることから、動作抵抗は益々大きくなる。この抵抗により、バネ弾性による弾性力に似た動作抵抗の変化を生じさせることができるので、図12の姿勢に動作ユニットA400,A500を維持したり、傾倒し過ぎた場合であっても戻したりしやすくすることができる。
第3動作ユニットA600については、後述するように、昇降動作に利用される駆動装置と、移動部材A650を開閉させる駆動装置とは別であるので、昇降動作に利用される駆動装置の駆動のみ実行し、移動部材A650の駆動を実行しないことにより、第3動作ユニットA600を図12の状態で停止させる制御を容易に行うことができる。
このようにして、第1動作ユニットA400、第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600を同時に駆動させる制御を実行可能とし、一体感のある動作を実現しながら、各動作ユニットA400,A500,A600が衝突することを避けることができる。
各動作ユニットA400,A500,A600の配置に対応して、その後方に配置されている第3図柄表示装置81の表示が見える範囲が変わる。即ち、各動作ユニットA400,A500,A600の全てが演出待機状態にある場合が第3図柄表示装置81の表示が見える範囲(面積)が最大の状態(図7参照)であり、張出状態となる動作ユニットA400,A500,A600に対応して、第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なるように構成される。
演出待機状態からの各動作ユニットA400,A500,A600の張出程度によっても、第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なる。また、例えば、同じ動作ユニット(例えば、第1動作ユニットA400)が動作する場合であっても、図8に示す状態と、図12に示す状態とでは、動作量も、回転動作ユニットA400bの外形も異なる(張出位置側の方が大きい)ことから、第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
また、例えば、同じ動作ユニット(例えば、第3動作ユニットA600)が動作する場合であっても、図11に示す状態と、図12に示す状態とでは、上下位置は同じであるが、移動部材A650の左右配置が異なることで第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
また、例えば、複数の同じ動作ユニット(例えば、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA500)が動作する場合であっても、図10に示す状態と、図12に示す状態とでは、複数の動作ユニットA400,A500が交差しているか否かが異なることで、第3図柄表示装置81の表示領域のうち複数の動作ユニットA400,A500に隠されない範囲として連続的に視認される範囲の個数(図10では上下左右の4個、図12では1個)が異なっている。
このように、各動作ユニットA400,A500,A600により第3図柄表示装置81の表示領域を隠す範囲を複数種類設けることにより、第3図柄表示装置81の表示と各動作ユニットA400,A500,A600とを合わせて視認させる演出のバリエーションを多くすることができる。
即ち、第3図柄表示装置81では、各動作ユニットA400,A500,A600により隠されていない範囲において表示演出を展開するように制御されているところ、各動作ユニットA400,A500,A600により隠される範囲が複数種類で変化することから、各動作ユニットA400,A500,A600により隠されていない範囲における表示演出のバリエーションを多くすることができ、表示演出の演出効果を向上させることができる。
例えば、図12のように、大きな範囲に広がる連続的に視認可能な表示領域が保持される場合には、全画面でアニメーションを流して遊技者に視認させることで遊技者をリラックスさせることができる一方、図8、図9又は図10等のように表示領域が分割されているように視認される場合には、各分割された範囲における表示を区別させて(例えば、有利展開と不利展開とで区別された表示として)、それらの表示のうちいずれかが選択されて以後の演出展開が決まるように演出すれば、各分割された範囲における表示への注目力を向上させることができる。
次いで、図13から図26を参照して、第1動作ユニットA400について説明する。図13は、第1動作ユニットA400の正面斜視図であり、図14は、第1動作ユニットA400の背面斜視図である。
第1動作ユニットA400は、背面ケースA210(図5参照)に保持される支持ユニットA400aと、その支持ユニットA400aに正面視右側下部に配置される回転軸棒AJ1を中心に回転動作可能に支持される回転動作ユニットA400bと、を備える。
第1動作ユニットA400では、駆動モータAMT1が左上側に配設されており、回転軸棒AJ1が右下側に配設されている。これにより、回転軸棒AJ1の付近に駆動モータAMT1を配設する場合に比較して、回転軸棒AJ1周辺の構造を簡素化でき、回転軸棒AJ1の配置を右隅に寄せることができる。
更に、回転軸棒AJ1の付近に駆動モータAMT1を配設する場合に見られるような、回転動作ユニットA400bの前側または後側に駆動モータAMT1を配設する場合に比較して、第1動作ユニットA400の前後幅を短くすることができる。従って、背面ケースA210(図5参照)の前後方向に複数の可動役物を積層配置する場合のスペースを十分に確保することができる。
図15は、第1動作ユニットA400の分解正面斜視図であり、図16は、第1動作ユニットA400の分解背面斜視図である。図15及び図16では、支持ユニットA400aが分解されており、回転動作ユニットA400bは非分解の状態で図示される。
支持ユニットA400aは、背面ケースA210(図5参照)に締結固定される固定支持ユニットA410と、その固定支持ユニットA410に配置が固定される駆動モータAMT1を有し、その駆動モータAMT1の駆動力を回転動作ユニットA400bに伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA420と、を備える。
固定支持ユニットA410は、背面ケースA210(図5参照)の底壁部A211の正面視右部に締結固定される縦長部材A411と、その縦長部材A411の上端側部と前後方向で対向配置される横長部材A413と、その横長部材A413と縦長部材A411の間に配設される板金部材が前方に折曲形成される補強部材A415と、その補強部材A415の折曲形成された部分を横長部材A413との間に挟み込む配置で横長部材A413に締結固定される上カバー部材A417と、を備える。
縦長部材A411は、回転動作ユニットA400bの回転軸棒AJ1が挿通される筒状支持部A411aと、右下側に配設される変位規制装置A214(図6参照)の突出先端が挿入される非演出用孔A411bと、メンテナンス用に締結ネジを付け外しできる大きさに貫通形成される補修用孔A411cと、回転動作ユニットA400bの配置を検出することで第1動作ユニットA400が演出待機状態または張出状態であることを検出するための検出センサA411dと、を備える。
非演出用孔A411bは、正面視において右側の装飾部材A808に目隠しされる箇所に形成される(図8参照)。そのため、回転動作ユニットA400bの配置に関わらず、非演出用孔A411bを通して変位規制装置A214(図6参照)が遊技者に視認されることを避け易くすることができる。
なお、このような目隠しの効果は、上側の変位規制装置A214についても同様に生じる。即ち、上側の変位規制装置A214は第2動作ユニットA500の変位を規制するためのものであるが、これについても上側の装飾部材A808に目隠しされることで、変位規制装置A214が遊技者に視認されることを避け易くすることができる。
検出センサA411dとしては、通常、フォトカプラ形式のセンサが利用されるが、これに限られるものではない。例えば、磁気センサでも良いし、接触式のセンサでも良い。
横長部材A413は、樹脂材料から横長板状に形成される板状本体A413aと、その板状本体A413aに貫通形成される案内長孔A414と、板状本体A413aの左端側において前方側に膨出された膨出部に駆動モータMT1を支持可能に貫通形成されるモータ支持孔A413bと、板状本体A413aの上端部から前方に板状に延設され、その延設先端側に雌ネジが形成された複数の突設部A413cが形成される板状延設部A413dと、を備える。
補強部材A415は、金属板から折曲形成される部材であって、板状本体A413aの背面側に張り合わせるように配置され組立状態(図13参照)において縦長部材A411と横長部材A413との間に挟まれる板状本体A415aと、その板状本体A415aの上端から正面側へ折曲形成され複数の突設部A413cを挿通可能な複数の貫通孔A415bが穿設される折曲板A415cと、その折曲板A415cから折曲形成され金属棒AMB1が挿通される貫通孔が形成される一対の保持用折曲部A415dと、案内長孔A414を外側から囲む形状で穿設される長孔A415eと、を備える。
上カバー部材A417は、樹脂材料から形成される部材であって、横長部材A413との間に補強部材A415を挟む位置関係で貫通孔A415bに挿通される突設部A413cの雌ネジに螺入される締結ネジにより横長部材A413に締結固定される板状本体A417aと、その板状本体A417aに一端が支持される付勢バネA417bと、その付勢バネA417bの他端が支持され、付勢バネA417bの付勢力で左右方向に延びる可動域の右端に付勢されるダンパ部材A417cと、を備える。
駆動伝達ユニットA420は、駆動モータAMT1が左端側に支持される板金部材であって左右両端部において横長部材A413に締結固定される支持部材A421と、その支持部材A421の正面側に回転可能に支持される複数の回転部材から構成される伝達機構A423と、その伝達機構A423の回転部材を正面側から覆うように支持部材A421に締結固定される被覆カバーA425と、伝達機構A423と回転動作ユニットA400bとを連結する連結機構A427と、を備える。
伝達機構A423は、内周側に歯が形成される環状のベルトA423aと、そのベルトA423aの歯と噛み合う形状の歯が外周側に形成され、ベルトA423aを緩み無く支持可能となるように支持部材A421の柱状部A421aに回転可能に支持される左右一対のプーリーA423b,A423cと、駆動モータAMT1の駆動軸に相対動作不能に固定される駆動ギアA423dと、左プーリーA423cの背面側に形成されるギア部A423eおよび駆動ギアA423dに歯合されるように支持部材A421の柱状部A421aに回転可能に支持される伝達ギアA423fと、を備える。
被覆カバーA425は、支持部材A421の本体板部に形成される雌ネジと締結固定されるだけでなく、プーリーA423b,A423cや伝達ギアA423fを支持する柱状部A421aの先端に形成される雌ネジにも締結固定される。これにより、柱状部A421aの剛性を向上させることができ、プーリーA423b,A423cや伝達ギアA423fの回転を安定させることができる。
連結機構A427は、回転動作ユニットA400bの上端側部が連結されると共に正面側の凹部A427bで金属棒AMB1を受け入れることで動作方向が左右方向とされる連結部材A427aと、その連結部材A427aの凹部A427bを正面側から塞ぐように連結部材A427aに締結固定されることで連結部材A427aとの間からの金属棒AMB1の脱落を防止する防止部材A427cと、その防止部材A427cとの間にベルトA423aを挟む配置で防止部材A427cに締結固定されるベルト固定部材A427dと、を備える。
一対の凹部A427bには、金属棒AMB1が挿通される円筒状のカラーA427fが配設され、そのカラーに挿通された状態の金属棒AMB1を外周の溝部で支持する滑車A427gが回転可能に連結部材A427aに支持されている。これにより、金属棒AMB1に対する連結部材A427aの姿勢がずれることを防止し易くできると共に、動作抵抗を低減させることができる。
ベルト固定部材A427dのベルトA423aと対向配置される上面部には、ベルトA23aの内周側に形成される歯形状に対応する係合突部A427hが形成される。この係合突部A427hとベルトA423aの歯とが噛み合うようにベルトA423aを配置させ、ベルトA423aの外周側(上のベルトA423aの上側)に防止部材A427cを対向配置させるようにしてベルト固定部材A427dと防止部材A427cとを締結固定させる。
これにより、ベルトA423aが係合突部A427hから脱落することを避けることができる。また、ベルトA423aを押圧するようにして固定する場合と異なり、ベルトA423aの耐久性を向上させながら、ベルトA423aが連結機構A427に対して滑ることを防止することができる。
このような構造により、連結機構A427は、駆動モータAMT1が駆動回転され、歯合伝達により左プーリーA423cが回転されることでベルトA423aの左右に延びている箇所が左右方向に移動されることに伴って、金属棒AMB1に案内されて左右方向に移動される。
連結部材A427aは、回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448が挿通される上下方向に延びる案内長孔A427eを備える。回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448は、案内長孔A427e及び固定支持ユニットA410の案内長孔A414に挿通されることで、連結機構A427が左右方向に移動されることに伴って、回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448が上下方向かつ左右方向に移動される。
このように左右方向に移動する連結機構A427を介して、回転動作ユニットA400bに駆動力が伝達され、回転動作ユニットA400bが変位される。以下、回転動作ユニットA400bの詳細について説明する。
図17は、回転動作ユニットA400bの分解正面斜視図であり、図18は、回転動作ユニットA400bの分解背面斜視図である。図17及び図18に図示されるように、回転動作ユニットA400bは、下端側に回転軸棒AJ1が嵌合される基礎板部材A430と、回転軸棒AJ1と直交する平面上において回転軸棒AJ1を通る直線方向にスライド移動可能となるように基礎板部材A430に連結される移動部材A440と、基礎板部材A430及び移動部材A440に挿通され移動部材A440のスライド移動時に、そのスライド移動と直交する方向に移動可能とされる方向切替部材A450と、その方向切替部材A450の移動により配置または姿勢が変化されることで回転動作ユニット400bの短手方向の長さが変化するように遊技者に見せるための装飾部材A460と、基礎板部材A430との間に形成される空間に方向切替部材A450を配置するようにして基礎板部材A430に嵌合または締結固定され方向切替部材A450を正面側から覆う形状で形成される覆設部材A470と、を備える。
基礎板部材A430は、回転軸棒AJ1が嵌合される長尺板状の板状本体A431と、その板状本体A431に回転軸棒AJ1を通る同一直線上に穿設される上下一対の案内長孔A432と、その一対の案内長孔A432の間の位置において案内長孔A432の延びる方向と直交する方向に延びるように穿設される複数の補助長孔A433と、上側の案内長孔A432の下端付近における板状本体A431の短手方向端部に案内長孔A432と平行な長孔として形成される一対の支持長孔A434と、板状本体A431から背面側に筒状に突設される誤動作防止筒部A435と、案内長孔A432が配置される直線と平行に延びる形状で板状本体A431の下端部正面から突設される一対の案内延設部A436と、板状本体A431の下端部から下方へ板状に張り出す板状検出片A437と、を備える。
誤動作防止筒部A435は、右側の変位規制装置A214(図6参照)の突出先端が挿通可能な大きさで形成される貫通孔である。この誤動作防止筒部A435は、第1動作ユニットA400の演出待機状態において非演出用孔A411b(図8参照)の前方に配置されている。
変位規制装置A214の突出先端が前方に突出する突出状態にされると、その突出先端は非演出用孔A411bを通り誤動作防止筒部A435に挿通されることで、回転動作ユニットA400bの回転動作が規制される。
板状検出片A437は、検出センサA411d(図15参照)の検出溝に配置可能となる前後位置に形成されている。板状検出片A437は、回転軸棒AJ1が支持される側(背面側)において形成されている。これにより、回転軸棒AJ1の変形等により回転軸棒AJ1が曲がる(傾斜する)事態が生じた場合であっても、板状検出片A437の位置ずれを最小限にとどめることができるので、板状検出片A437が検出センサA411dの検出溝に収まる前後位置から外れる位置に配置されることを回避し易くすることができる。
検出センサA411d(図15参照)により板状検出片A437の配置が検出されることで、回転動作ユニットA400bの姿勢を把握することができるので、複数の動作ユニットA400~A600が個別の駆動源で駆動される場合であっても、互いに衝突する事態が生じることを回避できる。
移動部材A440は、内部に配設される発光基板の発光手段から照射される光によって正面側の装飾板A441を明るく照らす演出を実行可能に構成され、その装飾板A441との間で発光基板を挟むように配設される板状本体A442と、その板状本体A442の背面に突設される一対の挿通突部A443と、基礎板部材A430の補助長孔A433に対応する位置において上下方向と左右傾斜する方向とを組合せた形状で穿設される複数の機能長孔A444と、一対の挿通突部A443が配置される直線と平行に延設される延設部A445と、板状本体A422の右上隅部から背面側に突設され駆動伝達ユニットA420の案内長孔A427e(図15参照)に挿通される柱状突設部A448と、を備える。
装飾板A441は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A441aと、その透光性領域A441aの短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A441bと、を備える。
これにより、機能長孔A444を形成する関係上、基板の配置が短手方向中央部寄りに制限される場合であっても、発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A441aで行い、その他の鍍金領域A441bでは鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
挿通突部A443は、基礎板部材A430の案内長孔A432に挿通されると共に先端に螺入されるネジ及びカラー部材AC1により案内長孔A432からの脱落が防止されるよう構成される。
機能長孔A444は、上下一対の長孔と、一対の挿通突部A443を結ぶ直線で反転した形状となるもう一組の上下一対の長孔との、4つの長孔から構成されており、各長孔の形状は、反転の関係を除き共通とされている。
複数の機能長孔A444のうち、上下一対の長孔は、一方の長孔を、一対の挿通突部A443を結ぶ直線に沿って平行移動させた位置に形成されている。即ち、上下一対の長孔の対応する箇所は、同一直線上に延びるか、平行配置される関係が維持される。
延設部A445は、基礎板部材A430の一対の案内延設部A436の間隔よりも若干短い幅長さで形成され、移動部材A440の移動時のガイドとして機能している。また、延設部A445は、延設方向断面が正面側を開放したコの字状に形成されているが、この形状により、剛性の向上だけでなく、基板に接続される配線A449の断線防止にも機能している。即ち、コの字の開放された側から延設部A445に配線A449を保持させることにより、他の動作部材と配線A449との接触を避けることができる。
配線A449は、フラットケーブルで構成されており、回転軸棒AJ1周りの回転に対応する方向に撓み可能な配線と、延設部A445の延びる方向に撓み可能な配線とで構成される。
本実施形態では、駆動モータAMT1を回転軸棒AJ1から離れた位置に配設していることから(図14参照)、回転軸棒AJ1周りにスペースを確保し易くでき、このスペースを配線A449が撓むためのスペースとして利用できる。これにより、配線A449に無理な負荷が加えられることを避けることができ、配線A449の耐久性を向上させることができる。
方向切替部材A450及び装飾部材A460についてまとめて説明する。方向切替部材A450は、左右一対の部材から構成されており、板状本体A451と、その板状本体A451の左右内側部において背面から上下一対で突設される柱状部A452と、板状本体A451の左右外側部において穿設される上下一対の貫通孔A453と、を備える。
柱状部A452は、移動部材A440の機能長孔A444と、基礎板部材A430の補助長孔A433とに順に挿通されており、移動部材A440の配置に応じて、一対の挿通突部A443を結ぶ直線と直交する方向に変位可能となっている。即ち、移動部材A440の配置に応じて、方向切替部材A450は、一対の挿通突部A443を結ぶ直線と直交する方向に変位され得る(移動部材A440の移動方向に対して直交する方向に変位され得る)。
装飾部材A460は、左右一対の平行移動部材A461と、左右一対の回転移動部材A465と、を備える。平行移動部材A461は、板状本体A462と、その板状本体A462の左右外側における下方隅部から背面側へ突設される柱状部A463と、板状本体A462の左右外側における中央側部から背面側へ突設される長尺柱状部A464と、を備える。
回転移動部材A465は、板状本体A466と、その板状本体A466の上端部において背面から突設される柱状部A467と、その柱状部A467よりも下側において穿設される貫通孔A468と、を備える。
柱状部A463は、先端に雌ネジが形成されている。その雌ネジに方向切替部材A450の下側の貫通孔A453に挿通される締結ネジが螺入されることで、装飾部材A460と方向切替部材A450とが締結固定される。
長尺柱状部A464は、先端に雌ネジが形成されているが、締結固定に利用されるものではなく、部材の脱落を防ぐ目的で利用される。即ち、長尺柱状部A464が挿通される回転移動部材A465は、平行移動部材A461に対して回転動作可能に構成される。
長尺柱状部A464は、先に方向切替部材A450の上側の貫通孔A453に挿通され、その後から回転移動部材A465の貫通孔A468に挿通される。長尺柱状部A464の先端にネジ頭の大きなネジが固定されることにより、回転移動部材A465が長尺柱状部A464から脱落することを防止することができる。
回転移動部材A465の柱状部A467は、基礎板部材A430の支持長孔A434に支持されることで、変位は小さくされる。このように構成することで、貫通孔A468を変位させる方向切替部材A450の変位よりも、回転移動部材A465の柱状部A467の反対側の端部(下端部)の変位を大きくすることができる。
覆設部材A470は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A471と、その透光性領域A471の短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A472と、を備える。
これにより、方向切替部材A450や装飾部材A460が配設されることで移動部材A440側から照射される光が遮られ易い短手方向両側位置においても演出効果を高く維持することができる。即ち、発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A471で行い、その他の鍍金領域A472では鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
覆設部材A470は、下端部において背面側に突設される一対の突設部A473を備える。突設部A473は、基礎板部材A430の案内延設部A436の正面側端部と対応する位置に配置される。
このように配置することにより、組立状態において、覆設部材A470と基礎板部材A430とで移動部材A440の延設部A445が挿通される開口部を形成することができる。これにより、移動部材A440の移動方向を延設部A445の延設方向に安定させることができる。
図19(a)、図19(b)、図20(a)及び図20(b)は、回転動作ユニットA400bの背面図である。図19(a)、図19(b)、図20(a)及び図20(b)では、回転動作ユニットA400bの移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動する様子が時系列で図示される。
即ち、第1動作ユニットA400の演出待機状態(図7参照)における回転動作ユニットA400b(図19(a)参照)から、張出状態(図8参照)における回転動作ユニットA400b(図20(b)参照)までの、相対移動の様子が図示される。なお、図19及び図19の紙面における上下は、実際の上下方向とは異なっており、移動部材A440のスライド移動の方向が紙面の上下と合致する姿勢で図示されている。
機能長孔A444は、一対の挿通突部A443を通る直線に対して平行に延びる第1平行部A444aと、その第1平行部A444aに一端が連なるように形成され第1平行部A444aに対して傾斜する方向に直線状に延びる傾斜部A444bと、その傾斜部A444bの他端に連なるように形成され第1平行部A444aの延びる方向に対して平行に延びる第2平行部A444cと、を備える。
ここで、図19(a)では、方向切替部材A450の柱状部A452が第1平行部A444aの端部側に配置された状態が図示され、図19(b)では、方向切替部材A450の柱状部A452が第1平行部A444aと傾斜部A444bとの交差位置に配置された状態が図示され、図20(a)では、方向切替部材A450の柱状部A452が傾斜部A444bと第2平行部A444cとの交差位置に配置された状態が図示され、図20(b)では、方向切替部材A450の柱状部A452が第2平行部A444cの端部側に配置された状態が図示される。
第1平行部A444aの長さは十分に長く形成されている。これにより、移動部材A440が、図19(a)に示す状態から、基礎板部材A430に対して相対移動を開始しても、暫くは(図19(b)に示す状態までは)、方向切替部材A450が移動部材A440の短手方向に移動されることが無く、短手方向幅の短い外観を維持した状態で回転動作ユニットA400bを回転動作させることができる。
傾斜部A444bは、第1平行部A444aが形成される位置から移動部材A440の短手方向外側へ向けて延びる。そのため、第1平行部A444aに方向切替部材A450の柱状部A452が配置されている状態から移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動し、柱状部A452が傾斜部A444bに入ると、方向切替部材A450が移動部材A440の短手方向外側へ向けて移動する。
方向切替部材A450の一対の柱状部A452は、一対の補助長孔A433に挿通されており、一対が平行に案内される。そのため、方向切替部材A450の基礎板部材A430に対する相対移動は、基礎板部材A430の短手方向への平行移動となる。
その移動の速度は、傾斜部A444bが直線状に形成されていることにより、移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動する速度に対して比例する。そのため、移動部材A440と、方向切替部材A450及び装飾部材A460とが、連動する動作演出を実行させ易くすることができる。
第2平行部A444cは、第1平行部A444a程の長さは無く、必要最小限の長さで形成される。第2平行部A444cを形成する目的は、回転動作ユニットA400bの演出効果の向上のためである。
即ち、第1動作ユニットA400が張出状態まで駆動され駆動モータAMT1(図15参照)が停止された場合に、ダンパ部材A417cに付勢バネA417bから与えられる付勢力で連結機構A427が若干押し戻され、移動部材A440が基礎板部材A430に対して逆方向(戻る方向)に相対移動した場合であっても、第2平行部A444cがあることで、移動部材A440の短手方向における方向切替部材A450の位置を変化させないようにすることができる。
これにより、第1動作ユニットA400の張出状態において駆動モータAMT1の駆動を停止させるという制御を採用する場合に生じ得る付勢バネA417bの付勢力による押し戻し動作が、生じた場合であっても、張出状態における第1動作ユニットA400の外観(回転動作ユニットA400bの短手方向の長さ)を維持し易くすることができる。
図19(a)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第1長さAD1とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第1角度Aθ1とされる。
図19(b)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第2長さAD2とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第2角度Aθ2とされる。
第2長さAD2は第1長さAD1よりも長くなるよう構成される(第1長さAD1<第2長さAD2)。第2角度Aθ2は第1角度Aθ1よりも小さくなるよう構成される(第1角度Aθ1>第2角度Aθ2)。
図20(a)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第3長さAD3とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第3角度Aθ3とされる。
第3長さAD3は第2長さAD2よりも長くなるよう構成される(第1長さAD1<第2長さAD2<第3長さAD3)。第3角度Aθ3は第2角度Aθ2よりも小さくなるよう構成される(第1角度Aθ1>第2角度Aθ2>第3角度Aθ3)。
図20(b)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第4長さAD4とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第4角度Aθ4とされる。
第4長さAD4は第3長さAD3よりも長くなるよう構成される(第1長さAD1<第2長さAD2<第3長さAD3<第4長さAD4)。第4角度Aθ4は第3角度Aθ3よりも小さくなるよう構成される(第1角度Aθ1>第2角度Aθ2>第3角度Aθ3>第4角度Aθ4)。
従って、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態となるまでにおいて、回転動作ユニットA400bは、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が徐々に長くなるように変化され、それに伴い、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度が徐々に小さくなるように変化される。
図21、図22及び図23は、第1動作ユニットA400の正面図である。図21、図22及び図23では、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態へ向けて駆動される様子が時系列で図示される。
図21では、第1動作ユニットA400の演出待機状態が図示され、図22では、第1動作ユニットA400の演出待機状態と張出状態との間の状態であって、回転動作ユニットA400bの外観が姿勢変化を除いて演出待機状態と同じとなる状態が図示され、図23では、第1動作ユニットA400の張出状態が図示される。
図21に示す状態では、板状検出片A437が検出センサA411dの検出溝に配置される。これにより、第1動作ユニットA400が演出待機状態にあることを、対応する制御装置に把握させることができる。
案内長孔A414は、図22に示す柱状突設部A448よりも右側に形成される回転軸棒AJ1を中心とする円弧形状に沿う円弧部A414aと、図22に示す柱状突設部A448よりも左側において直線状に形成され円弧部A414aと滑らかに連なる(連なる部分における円弧部A414aの接線方向に延びる)直線部A414bと、を備える。
即ち、柱状突設部A448が円弧部A414aに配置されている状態では(図21及び図22参照)、回転動作ユニットA400bの回転動作が生じても、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離は第1長さAD1(図19(a)参照)に維持され、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じないので、回転動作ユニットA400bの外観は維持される。
図22に示す状態から、図23に示す状態への回転動作の過程において、回転動作ユニットA400bの短手方向に回転移動部材A465が張り出すように、回転動作ユニットA400bの外観が変化される。
図22に示す状態から図23に示す状態までの間において、柱状突設部A448が案内される直線部A414bは、回転軸棒AJ1を中心とする円と1点で交差する配置とされているので、柱状突設部A448の配置と、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448の間の距離とが、一対一で対応する。
回転移動部材A465の張出量は、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448の間の距離に対応するよう構成されているので(図19及び図20参照)、回転移動部材A465が張出始める柱状突設部A448の位置や、柱状突設部A448の位置に対応した回転移動部材A465の張出量を、構造面から特定できる。
そのため、回転動作ユニットA400bの姿勢変化と回転移動部材A465の張出とを個別の駆動源で実行する場合に問題となり得る、回転動作ユニットA400bの姿勢の変化量(角度)が不十分な状態で回転移動部材A465が張り出して背面ケースA210(図5参照)と衝突するという事態を回避することができる。
駆動モータAMT1(図15参照)の駆動力が伝達されベルトA423aが動作されると、連結機構A427が金属棒AMB1に案内されて左右方向にスライド変位される。本実施形態では、駆動モータAMT1の駆動量の制御によって、回転動作ユニットA400bが図21に示す状態と図22に示す状態とを往復するように動作させたり、回転動作ユニットA400bが図22に示す状態と図23に示す状態とを往復するように動作させたり、回転動作ユニットA400bが図21に示す状態と図23に示す状態とを往復するように動作させたりすることができる。
張出状態の側(左側)において、連結機構A427はダンパ部材A417cと当接し付勢バネA417bからの弾性力で減速される。これにより、第1動作ユニットA400を張出状態とする向きでベルトA423aを高速で動作させた場合であっても、連結機構A427が張出状態の側(左側)で跳ね返る等して、ベルトA423aに過大な負荷が加えられることを回避し易くすることができ、ベルトA423a及び連結機構A427の耐久性を向上させることができる。
図21に示す第1動作ユニットA400の演出待機状態から回転動作ユニットA400bが始動する場合、柱状突設部A448の始動方向は回転軸棒AJ1を中心とし柱状突設部A448を通る円の接線方向AT1へ向くことになる。
本実施形態では、図21に示す状態において、接線方向AT1と金属棒AMB1が延びる方向(左右方向)との成す角度が小さくなるように構成されているので、駆動モータAMT1の駆動力を効率的に伝達して回転動作ユニットA400bの回転動作を実行させることができる。
図22に示す状態において、接線方向AT1の向きが直線部A414bと平行となる。そのため、図22に示す状態から回転動作ユニットA400bを正面視反時計回りに回転動作させる場合の回転方向の抵抗を小さくすることができる。
図22に示す状態から図23に示す状態までの間に、接線方向AT1の向きと、金属棒AMB1が延びる方向(左右方向)との成す角度が漸増し、接線方向AT1の下方向の成分が大きくなる。そのため、回転動作ユニットA400bを回転動作させる力は自重の割合が増え、駆動モータAMT1の駆動力に余剰が生まれる。この余剰分の駆動力を、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動に利用することができる。
このように、駆動モータAMT1の駆動力を、回転動作ユニットA400bの回転動作にも、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動にも、利用するという構成を採用しながら、それら複数の動作に駆動力が必要となるタイミングをずらすように構成することで、一時点で必要とされる駆動力の最大値を下げることができ、駆動モータAMT1の小形化を図ることができる。
図23に示すように、回転軸棒AJ1と、駆動力の伝達箇所としての柱状突設部A448とを結ぶ直線と金属棒AMB1の延びる方向とが成す角度よりも、移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動する方向としての移動方向AM1と金属棒AMB1の延びる方向とが成す角度の方が小さくなるように構成される。
本実施形態では、移動方向AM1と金属棒AMB1の延びる方向とが成す角度が鋭角とされており、金属棒AMB1の延びる方向で伝達される駆動モータAMT1の駆動力の移動方向AM1へ向く成分を確保し易くすることができるので、移動部材A440の基礎板部材A430に対する相対移動よりも先に、回転動作ユニットA400bを回転動作させる方向で駆動力が伝達されてしまい、回転動作ユニットA400bの動作抵抗が大きくなる事態が発生することを避けることができる。なお、本実施形態では、移動方向AM1が、回転動作ユニットA400bの長手方向と一致する。
柱状突設部A448に駆動モータAMT1からの負荷が左右方向で伝達されると、その負荷は移動方向AM1で移動部材A440を相対移動させる下向きの負荷と、回転動作ユニットA400bを回転軸棒AJ1中心に回転させる(起こす)方向の上向きの負荷とに分解される。駆動モータAMT1からの負荷が左右方向(真横方向)であるからこそ、このように、上下方向への負荷の分解をスムーズに生じさせることができる。
この時、移動方向AM1に分解される負荷の方向には、回転軸棒AJ1は配置されていないので、その負荷も、回転軸棒AJ1を中心として回転動作ユニットA400bを回転させるように作用する。
即ち、本実施形態では、柱状突設部A448が、回転軸棒AJ1を通り移動方向AM1と平行な直線からずれた位置に配置されているので、移動部材A440を移動方向AM1で相対移動させる成分の負荷が、回転動作ユニットA400bの回転方向にも生じるので、柱状突設部A448から回転軸棒AJ1に向かう負荷が過大になる場合のように、回転動作不良が生じることを回避し易くすることができる。
図24、図25及び図26は、第1動作ユニットA400の背面図である。図24、図25及び図26では、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態へ向けて駆動される様子が時系列で図示され、縦長部材A411の図示が省略される。
図24では、第1動作ユニットA400の演出待機状態が図示され、図25では、第1動作ユニットA400の演出待機状態と張出状態との間の状態であって、回転動作ユニットA400bの外観が姿勢変化を除いて演出待機状態と同じとなる状態が図示され、図26では、第1動作ユニットA400の張出状態が図示される。
即ち、図24が、図21に示す状態の回転動作ユニットA400bの背面図に相当し、図25が、図22に示す状態の回転動作ユニットA400bの背面図に相当し、図26が、図23に示す状態の回転動作ユニットA400bの背面図に相当する。
主に図25を参照して、第1動作ユニットA400の演出待機状態を起点とした回転動作ユニットA400bの動作について説明する。なお、図19及び図20を適宜参照する。
図25に示す状態から、回転動作ユニットA400bが背面視時計回りに回転され、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第2長さAD2(図19(b)参照)になるまでにおいては、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じるが、移動部材A440の短手方向への方向切替部材A450の移動は生じない。そのため、回転動作ユニットA400bの外観は、長手方向に延びるように変化し、短手方向の変化は生じない。
回転動作ユニットA400bが背面視時計回りに更に回転され、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第2長さAD2の状態から第3長さAD3(図20(a)参照)になるまでにおいては、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じ、更に移動部材A440の短手方向への方向切替部材A450の移動が生じる。
そのため、回転動作ユニットA400bの外観は、長手方向に延びるように変化し、且つ、短手方向の幅が広くなるように変化する。このように、回転動作ユニットA400bの外観の変化は、回転動作ユニットA400bの回転動作中において、長手方向のみが変化する状態と、長手方向が変化すると共に短手方向が変化する状態とで、2段階で生じるように構成される。
回転動作ユニットA400bが背面視時計回りに更に回転され、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第3長さAD3の状態から第4長さAD4(図20(b)参照)になるまでにおいては、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じるが、移動部材A440の短手方向への方向切替部材A450の移動は生じない。そのため、回転動作ユニットA400bの外観は、長手方向に延びるように変化し、短手方向の変化は生じない。
これにより、第1動作ユニットA400の張出状態(図26参照)において駆動モータAMT1の駆動を停止させるという制御を採用する場合に生じ得る、付勢バネA417b(図21参照)の付勢力による押し戻し動作が生じた場合であっても、張出状態における第1動作ユニットA400の外観(回転動作ユニットA400bの短手方向の長さ)を維持し易くすることができる。
このように、回転動作ユニットA400bの傾倒動作においては、各区間で基礎板部材A430に対して相対動作する部材の個数が異なる。この相対動作する部材の個数に対応させて駆動モータAMT1の制御負荷を切り替えるよう制御することで(例えば、部材の個数が多くなる範囲で制御負荷を増加させ、部材の個数が少なくなる範囲で制御負荷を減少させることで)、動作抵抗の変化の影響を抑えることができ、回転動作ユニットA400bの動作速度が局所的に変化することを防止し易くすることができる。
図25に示す状態から、柱状突設部A448が左方の速度成分が一定で移動する場合における、回転動作ユニットA400bの回転角度の変化について説明する。まず、図25に示す状態において、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を結ぶ直線と、案内長孔A414の直線部A414bとは、直交する。
図25に示す状態から、柱状突設部A448が左方の速度成分が一定で移動する場合、柱状突設部A448が案内長孔A414の直線部A414bに案内されることから、回転動作ユニットA400bの回転角度Aφ1は、図26に示すように、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448とを結ぶ直線を斜辺とし、図25に示す回転軸棒AJ1と柱状突設部A448とを結ぶ直線を底辺とし、直線部A414bに沿う直線を高さAX1とする直角三角形の鋭角の角度として特定される。
ここで、第1長さAD1を単位長さと仮定した場合、直角三角形の関係式として三角関数から式1[tanAφ1=AX1]が成立するので、その逆関数として式2[Aφ1=arctanAX1]が成立する。
式2から、柱状突設部A448が左方の速度成分一定で移動することに伴い高さAX1が一定速度で増加する場合、回転角度Aφ1の変化量は漸減することになる。従って、本実施形態において、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させ、連結機構A427の連結部材A427a(図21参照)を一定速度で左右方向に移動させる場合に、図25に示す状態から図26に示す状態へ向けての始動時における回転角度Aφ1の変化量を最大として、徐々に回転角度Aφ1の変化量が減少するという動作態様で回転動作ユニットA400bを回転動作させることができる。
即ち、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させるという単純な制御を採用しながら、回転動作ユニットA400bについては、回転速度を徐々に減少させるという動作態様を実現することができる。
これにより、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態へ向けて動作する場合には、始動時は高速で回転させつつも、張出状態に近づく程、回転動作ユニットA400bの回転速度を減少させる。そのため、回転動作ユニットA400bの登場時の驚きを遊技者に与えつつ、張出状態においては回転動作ユニットA400bの配置や姿勢を維持することで遊技者の視界に残し易くすることを、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させる制御で実現することができる。
一方、第1動作ユニットA400が張出状態から演出待機状態へ向けて動作する場合には、始動時は遅速で回転させつつも、演出待機状態へ近づく程、回転動作ユニットA400bの回転速度を増加させる。そのため、回転動作ユニットA400bの退避側への始動時の余韻を残しつつ、演出待機状態付近においては回転動作ユニットA400bの回転速度を高速とすることで、回転動作ユニットA400bを速やかに退避させることを、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させる制御で実現することができる。
これにより、回転動作ユニットA400bの動作として、回転方向の変位と直動方向の変位とを同時に生じさせながら、回転方向の変位が目立つ(回転速度が大きい)動作状態と、回転方向の変位が目立たない(回転速度が小さい)状態であって直動方向の変位が目立つ動作状態とを、構成することができる。
即ち、第1動作ユニットA400の演出待機状態(図24参照)から背面視時計回りの回転動作を実行させる場合に、図25に示す状態までは、移動部材A440の基礎板部材A430に対する相対移動をほとんど生じさせないようにされ、更に、図25に示す状態からの回転動作において、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させる場合における第1動作ユニットA400の回転速度が漸減するようにされている。
これにより、第2長さAD2の直線の先端が案内長孔A414の中心線と一致する位置に柱状突設部A448が配置される状態を境とする、回転方向の変位が目立つ動作状態と、回転方向の変位が目立たずに直動方向の変位が目立つ動作状態との、動作状態の移行を違和感なく且つスムーズに生じさせることができる。
図24から図26に示すように、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの回転動作にあたっては、図24からの回転開始時から図25に示す状態までは、柱状突設部A448が円弧部A414aに案内されることから、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じず、回転動作のみが生じる。
図25に示す状態から図26に示す状態までは、回転動作ユニットA400bの回転動作に伴い、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動が生じる。相対移動の態様は、図19及び図20に示す順序で生じる。
図25では、図19及び図20に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4が、対応して図示される。図25に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4の姿勢が、図19及び図20に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4の各状態における回転動作ユニットA400bの姿勢に対応する。
即ち、図25に示す状態から、第2長さAD2の姿勢まで回転動作ユニットA400bが回転する際には、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動のみが生じる(図19(a)及び図19(b)参照)。
更に、第2長さAD2の姿勢から第3長さAD3の姿勢まで回転動作ユニットA400bが回転する際には、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動に加え、方向切替部材A450の相対移動も生じる(図19(b)及び図20(a)参照)。
更に、第3長さAD3の姿勢から第4長さAD4の姿勢まで回転動作ユニットA400bが回転する際には、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動のみが生じる(図20(a)及び図20(b)参照)。
このように、本実施形態では、回転動作ユニットA400bの回転動作に伴い、他の複数の部材の相対動作も生じるように構成されているが、各部材の相対動作の開始タイミングが同じではなく、互いにずれるように構成されている。これにより、回転動作ユニットA400bの動作に必要な駆動力が急激に増大することを避けることができる。
図25に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4の長さの変化と、姿勢の変化との対応関係について説明する。右側に図示される第1長さAD1と第2長さAD2との間の角度と、第2長さAD2と第3長さとの間の角度とは、ほとんど変わらないが(約18度)、第1長さAD1と第2長さAD2との差と、第2長さAD2と第3長さAD3との差は、後者の方が前者よりも3倍以上ある。
そのため、回転動作ユニットA400bが右側に図示される第1長さAD1の姿勢から第2長さAD2の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さよりも、回転動作ユニットA400bが第2長さAD2の姿勢から第3長さAD3の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さの方が3倍以上長くなる。
更に、回転動作ユニットA400bが第2長さAD2の姿勢から第3長さAD3の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さよりも、回転動作ユニットA400bが第3長さAD3の姿勢から第4長さAD4の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さの方が長くなる。
これにより、回転動作ユニットA400bの動作態様を、回転動作が主の状態から、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動(直線的な動作)が主の状態へ、段階的に移行させることができる。
ここで、第1動作ユニットA400の張出状態へ向けた回転動作の終盤(例えば、図25の第3長さAD3の姿勢から第4長さAD4の姿勢までの状態)において、回転軸棒AJ1を中心として背面視時計回り方向に移動する柱状突設部A448に対して、移動方向AM1を背面視反時計回り方向に戻すように構成される(図19及び図20参照)。
即ち、回転動作ユニットA400bの回転角度を部分的に相殺するように、柱状突設部A448と移動方向AM1との間の角度が小さくされるので、図26に示される状態における移動方向AM1(図23参照)の角度変化をおさえることができる。これにより、例えば、ダンパ部材A417cを介して付勢バネA417bの付勢力で回転動作ユニットA400bが若干押し戻されたとしても(図23参照)、それによる移動方向AM1の角度変化を抑えることができる。
これにより、第1動作ユニットA400の張出状態において、回転動作ユニットA400bの短手方向幅が変化し難いように構成される(図20参照)だけでなく、移動方向AM1の角度変化も抑えることができるので、第1動作ユニットA400を張出状態で安定させ易くすることができる。
また、回転動作ユニットA400bによれば、張出状態へ向かうほど長手方向に長くなるように構成されているので、回転動作ユニットA400bに回転方向からかけられる空気抵抗は傾倒終端側ほど大きくなる。そのため、空気抵抗による制動作用を効果的に生じさせることができる。
更に、回転動作ユニットA400bによれば、張出状態へ向かうほど方向切替部材A450や装飾部材A460が短手方向に張り出すことで、前後方向視の面積が大きくなる。そのため、前後方向への倒れに対する空気抵抗を大きくすることができるので、回転動作ユニットA400bの前後方向への倒れを防止し易くすることができる。
次いで、図27から図34を参照して、第2動作ユニットA500について説明する。図27は、第2動作ユニットA500の正面斜視図であり、図28は、第2動作ユニットA500の背面斜視図である。
第2動作ユニットA500は、背面ケースA210(図5参照)に保持される支持ユニットA500aと、その支持ユニットA500aに正面視左側下部に配置される回転軸棒AJ2を中心に回転動作可能に支持される回転動作ユニットA500bと、を備える。
第2動作ユニットA500では、駆動モータAMT2が右上側に配設されており、回転軸棒AJ2が左下側に配設されている。これにより、回転軸棒AJ2の付近に駆動モータAMT2を配設する場合に比較して、回転軸棒AJ2周辺の構造を簡素化でき、回転軸棒AJ2の配置を左隅に寄せることができる。
更に、回転軸棒AJ2の付近に駆動モータAMT2を配設する場合に見られるような、回転動作ユニットA500bの前側または後側に駆動モータAMT2を配設する場合に比較して、第2動作ユニットA500の前後幅を短くすることができる。従って、背面ケースA210(図5参照)の前後方向に複数の可動役物を積層配置する場合のスペースを十分に確保することができる。
更に、駆動モータAMT2の軸線の方向を上下方向とすることで、前後幅を駆動モータAMT2の本体部の直径程度の前後幅に抑えている。これにより、第2動作ユニットA500の前後幅を短くすることができる。
また、駆動モータAMT1(図14参照)の軸線の方向と駆動モータAMT2の軸線の方向とを直交させていることにより、片方の駆動モータAMT1の駆動時に生じる振動(軸線と直交する平面上の振動)により、もう片方の駆動モータAMT2が動かされる(誤動作される)ことを回避し易くすることができる。
図29は、第2動作ユニットA500の分解正面斜視図であり、図30は、第2動作ユニットA500の分解背面斜視図である。図29及び図30では、支持ユニットA500aが分解されており、回転動作ユニットA500bは非分解の状態で図示される。
支持ユニットA500aは、背面ケースA210(図5参照)に締結固定される固定支持ユニットA510と、その固定支持ユニットA510に配置が固定される駆動モータAMT2を有し、その駆動モータAMT2の駆動力を回転動作ユニットA500bに伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA520と、を備える。
固定支持ユニットA510は、背面ケースA210(図5参照)の底壁部A211の正面視右部に締結固定される縦長部材A511と、その縦長部材A511の上端側部に締結固定される横長部材A513と、その横長部材A513の背面側に配設される板金部材から折曲形成される補強部材A515と、縦長部材A511の下側部に配設され回転動作ユニットA500bの下端部を前側から覆うように構成される覆設部材A517と、を備える。
横長部材A513は、樹脂材料から横長板状に形成される板状本体A513aと、その板状本体A513aに貫通形成される案内長孔A514と、板状本体A513aの右端側において前方側に二股状に突出された突出部で駆動伝達ユニットA520の駆動ギアA523dを支持可能に形成される支持部A513bと、その板状本体A513aに一端が支持される付勢バネA513cと、その付勢バネA513cの他端が支持され、付勢バネA513cの付勢力で左右方向に延びる可動域の左端に付勢されるダンパ部材A513dと、を備える。
なお、案内長孔A514の形状は、第1動作ユニットA400で上述した案内長孔A414(図24参照)の形状と左右対称とされる。これにより、回転動作ユニットA500bの回転動作の関係(回転角度と長手方向の移動幅との関係)は、左右対称であることを除き、回転動作ユニットA400bで説明した回転動作(図21から図26参照)と同じなので、第2動作ユニットA500についての回転動作の説明は省略する。
なお、案内長孔A514は、上側の変位規制装置A214(図6参照)の突設先端が挿通される箇所に相当する。上側の変位規制装置A214が突出状態とされると、その突設先端が柱状突設部A546(図28参照)と干渉し、柱状突設部A546の移動を制限するように構成される。
補強部材A515は、金属板から折曲形成される部材であって、板状本体A513aの背面側に張り合わせるように配置される板状本体A515aと、その板状本体A515aから折曲形成され金属棒AMB2が挿通される貫通孔が形成される一対の保持用折曲部A515bと、案内長孔A514を外側から囲む形状で穿設される長孔A515cと、を備える。
覆設部材A517は、樹脂材料から形成される部材であって、板状部の左右側端部および下側端部が背面側に延設される形状から形成される本体部A517aと、その本体部A517aに形成され回転動作ユニットA500bの回転軸棒AJ2が挿通される筒状支持部A517bと、回転動作ユニットA500bの配置を検出することで第2動作ユニットA500が演出待機状態または張出状態であることを検出するための検出センサA517cと、を備える。
検出センサA517dとしては、通常、フォトカプラ形式のセンサが利用されるが、これに限られるものではない。例えば、磁気センサでも良いし、接触式のセンサでも良い。
駆動伝達ユニットA520は、横長部材A513の右端部に締結固定され駆動モータAMT2が支持される支持部材A521と、その支持部材A521の上面側において回転可能に支持される複数の回転部材から構成される伝達機構A523と、その伝達機構A523の左端の回転部材を保持し横長部材A513に締結固定される左端保持部材A525と、伝達機構A523と回転動作ユニットA500bとを連結する連結機構A527と、を備える。
伝達機構A523は、内周側に歯が形成される環状のベルトA523aと、そのベルトA523aの歯と噛み合う形状の歯が外周側に形成され、ベルトA523aを緩み無く支持可能となるように支持部材A521及び左端保持部材A525を介して横長部材A513に回転可能に支持される左右一対のプーリーA523b,A523cと、駆動モータAMT2の駆動軸に相対動作不能に固定される駆動ギアA523dと、右プーリーA523bの下面から回転軸線を中心とする筒状に延設される筒状部の下端部に形成されるギア状部であって駆動ギアA523dと噛み合う伝達ギア部A523eと、を備える。
プーリー523b,523c及び駆動ギアA523dの回転軸線は、互いに平行に構成される。これにより、駆動モータAMT2が駆動され、駆動ギアA523dが回転されると、その回転が伝達ギア部A523eに伝達されることで右プーリーA523bが回転されることで、ベルトA523aの左右方向に延びている箇所が左右方向に移動される態様でベルトA523aが駆動される。
左端保持部材A525は、樹脂材料から形成され板状本体A513aに締結固定され左プーリーA523cを回転可能に支持する上側部材A525aと、金属材料から形成され上側部材A525aとの間で左プーリーA523cを挟み込む配置で上側部材A525aに締結固定される下側部材A525bと、を備える。
連結機構A527は、回転動作ユニットA500bの上端側部が連結されると共に正面側の凹部A527bで金属棒AMB2を受け入れることで動作方向が左右方向とされる連結部材A527aと、その連結部材A527aの凹部A527bを正面側から塞ぐように連結部材A527aに締結固定されることで連結部材A527aとの間からの金属棒AMB2の脱落を防止する防止部材A527cと、を備える。
連結部材A527aは、上端部にベルト523aの後面と当接される平面板状の当接部A527dを備え、防止部材A527cは、当接部A527dと対応する位置に鋸歯状の鋸状当接部A527eを備える。
当接部A527dがベルトA523aの平面状部(外周側部)と対向配置され、鋸状当接部A527eがベルトA523aの鋸歯状部(内周側部)と対向配置される状態で、当接部A527d及び鋸状当接部A527eでベルトA523aを挟み込むようにすることで、ベルトA523aに対する平面当接部A527d及び鋸状当接部A527eの滑りによる位置ずれを防止することができる。
防止部材A527cとの締結固定のために連結部材A527aには柱状の締結部が形成されるが、その内の一つに滑車A527gが回転可能に支持され、滑車A527gの外周の溝に金属棒AMB2が配置されるよう連結機構A527が設計される。これにより、連結機構A527と金属棒AMB2との間で生じる動作抵抗を低減することができるので、第2動作ユニットA500を動作させるために駆動モータAMT2に要求される駆動力を低減することができ、駆動モータAMT2の小形化を図ることができる。
このような構造により、連結機構A527は、駆動モータAMT2が駆動回転され、歯合伝達により右プーリーA523bが回転されることでベルトA523aの左右に延びている箇所が左右方向に移動することに伴って、金属棒AMB2に案内されて左右方向に移動される。
連結部材A527aは、回転動作ユニットA500bの柱状突設部A546が挿通される上下方向に延びる案内長孔A527fを備える。回転動作ユニットA500bの柱状突設部A546は、案内長孔A527f及び固定支持ユニットA510の案内長孔A514に挿通されることで、連結機構A527が左右方向に移動されることに伴って、回転動作ユニットA500bの柱状突設部A546が上下方向かつ左右方向に移動される。
このように左右方向に移動する連結機構A527を介して、回転動作ユニットA500bに駆動力が伝達され、回転動作ユニットA500bが変位される。以下、回転動作ユニットA500bの詳細について説明する。
図31は、回転動作ユニットA500bの分解正面斜視図であり、図32は、回転動作ユニットA500bの分解背面斜視図である。図31及び図32に図示されるように、回転動作ユニットA500bは、下端側において回転軸棒AJ2に回転可能に支持される基礎部材A530と、回転軸棒AJ2と直交する平面上において回転軸棒AJ2を通る直線方向にスライド移動可能となるように基礎部材A530に連結される移動部材A540と、基礎部材A530及び移動部材A540に挿通され移動部材A540のスライド移動時に、そのスライド移動と直交する方向に移動可能とされる方向切替部材A550と、その方向切替部材A550の移動により配置または姿勢が変化されることで回転動作ユニット500bの短手方向の長さが変化するように遊技者に見せるための変化部材A560と、その変化部材A560よりも前側に配設固定され基礎部材A530との間に形成される空間に移動部材A540及び方向切替部材A550を配置するようにして固定支持部材A565を介して基礎部材A530に固定される覆設部材A570と、を備える。
基礎部材A530は、長尺板状の板状本体A531と、その板状本体A531の長尺方向と平行な長孔として穿設される上下一対の案内長孔A532と、その一対の案内長孔A532の間の位置において上下方向と左右傾斜する方向とを組合せた形状で穿設される複数の機能長孔A533と、板状本体A531との間に空間を形成するようにして板状本体A531の下端部の短手方向両端に締結固定される空間構成部材A534と、その空間構成部材A534に前後方向で穿設され回転軸棒AJ2に支持される支持孔A535と、空間構成部材A534が締結固定される位置よりも上側において板状本体A531の短手方向に張り出すように形成され締結ネジの挿通部として機能する一対の張出挿通部A536と、を備える。
機能長孔A533は、上下一対の長孔と、その一対の長孔に対して反転した形状となるもう一組の上下一対の長孔との、4つの長孔から構成されており、各長孔の形状は、反転の関係を除き共通とされている。
複数の機能長孔A533のうち、上下一対の長孔は、一方の長孔を、案内長孔A532の長手方向に沿って平行移動させた位置に形成されている。即ち、上下一対の長孔の対応する箇所は、同一直線上にあるか、平行配置される関係が維持される。
機能長孔A533のうち、上下一対の長孔と、もう一組の上下一対の長孔とは、案内長孔A532の延びる方向に沿って、配置がずらされている。このように構成することで、配置がずらされていない場合に比較して空きスペースを利用し易くなり、板状本体A531の短手方向の長さを抑えながら板状本体A531の短手方向の機能長孔A533の長さを確保し易くすることができる。
空間構成部材A534は、正面側下端部を起点として支持孔A535から離れる方向に板状に張り出す板状検出片A534aを備える。板状検出片A534aは、検出センサA517c(図30参照)の検出溝に配置可能となる前後位置に形成されている。
板状検出片A534aは、回転軸棒AJ2が支持される側(正面側)において形成されている。これにより、回転軸棒AJ2の変形等により回転軸棒AJ2が曲がる(傾斜する)事態が生じた場合であっても、板状検出片A534aの位置ずれを最小限にとどめることができるので、板状検出片A534aが検出センサA517cの検出溝に収まる前後位置から外れる位置に配置されることを回避し易くすることができる。
検出センサA517cにより板状検出片A534aの配置が検出されることで、回転動作ユニットA500bの姿勢を把握することができるので、複数の動作ユニットA400~A600が個別の駆動源で駆動される場合であっても、互いに衝突する事態が生じることを回避できる。
移動部材A540は、樹脂材料から形成される板状本体A541と、その板状本体A541の正面側に締結固定され正面側に複数のLED等の発光手段が配設される発光基板A542と、発光基板A542の上側部を覆う形状とされ発光基板A542の発光手段からの光を透過可能な部分を有するように構成され板状本体A541に締結固定される装飾部材A543と、基礎部材A530の案内長孔A532に挿通される程度に突設される一対の挿通突部A544と、基礎部材A530の機能長孔A533に対応する位置において案内長孔A532の延びる方向と直交する方向に延びるように穿設される複数の補助長孔A545と、板状本体A541の左上隅部から背面側に突設され駆動伝達ユニットA520の案内長孔A527f(図30参照)に挿通される柱状突設部A546と、を備える。
移動部材A540をこのように構成することで、発光基板A542に配設される発光手段から照射される光によって装飾部材A543を明るく照らす演出が実行可能となる。加えて、発光基板A542に配設されるLED等の発光手段は、光軸が前向き(基板前面と直交する方向)に配置されるLEDだけでなく、特に短手方向端部において、光軸が横向き(基板前面と平行な方向)に配置されるLEDを備える。これにより、光を利用した演出効果を向上させることができるが、詳細は後述する。
移動部材A540の下端部は、第2動作ユニットA500の演出待機状態(図27参照)において、基礎部材A530の板状本体A531と空間構成部材A534との間に形成される空間に配置される。即ち、正面視で、移動部材A540が支持孔A535に挿通される回転軸棒AJ2と重なり得るよう構成されており、移動部材A540の配置自由度を向上させることができる。
装飾部材A543は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A543aと、その透光性領域A543aの短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A543bと、を備える。
これにより、機能長孔A533や補助長孔A545を形成する関係上、基板の配置が短手方向中央部寄りに制限される場合であっても、正面向きの発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A543aで行い、その他の鍍金領域A543bでは鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
また、装飾部材A543の短手方向端部は背面側へは延びておらず、発光基板A542の側面を覆っていない。これにより、発光基板A542の横方向に照射される光が装飾部材A543で減衰されることなく、発光演出において、対象物を十分に照らすことができる。
挿通突部A544は、基礎部材A530の案内長孔A532に挿通されると共に先端に螺入されるネジ及びカラー部材AC1により案内長孔A532からの脱落が防止されるよう構成される。このように構成することで、移動部材A540が、案内長孔A532に沿って基礎部材A530に対して相対移動可能に構成される。
方向切替部材A550は、左右対応する部材の組から構成されており、対応する板状本体A551と、その板状本体A551の左右内側部において正面側へ突設される長手方向に一対で配置される正面柱状部A552と、その正面柱状部A552の突設方向と同一直線上で背面側へ突設される長手方向に一対で配置される背面柱状部A553と、板状本体A551の左右外側部において長手方向に穿設される貫通孔A554と、板状本体A551との間に移動部材A540を配置可能な空間を保つようにして板状本体A551の左右外側および上側の外周端部において板状本体A551に締結固定される移動装飾部材A555と、その移動装飾部材A555の下端部から長手方向(貫通孔A554と平行な方向)に穿設される貫通孔A556と、を備える。
本実施形態では、板状本体A551及び移動装飾部材A555は、演出を考慮して有色透明の光透過性の樹脂材料から形成される。特に、樹脂の色を黄色で構成していることから、移動部材A540の鍍金領域A543b(金色の鍍金)との色の連続性を良くすることができ、動作時の発光演出効果を向上することができる。
板状本体A551及び移動装飾部材A555は、全く違わない同形状の部材で構成することができれば、部材を共通化できる可能性があり好ましい場合がある。これに対し、本実施形態では、板状本体A551及び移動装飾部材A555は対応する2部材で構成されており、全く同じ形状で構成されているものではないが、この形状の違いは機能的な要求から設計されたものである。
例えば、上端部における形状の違いは、移動部材A540の柱状突設部A546がある側において、柱状突設部A546との干渉を避けるための切欠きが形成されていることで、異なる形状となっている。
また、例えば、正面柱状部A552や背面柱状部A553の配置の違いは、機能長孔A533や補助長孔A545が左右非対称な位置に配設されていることで、異なる形状となっている。
このような機能的な要求を背面側の構成に受け持たせることにより、遊技者に視認される移動装飾部材A555の正面側の形状の設計自由度を向上させることができ、本実施形態では左右対称形状とすることで、回転動作ユニットA500bの演出効果を向上させることができる。
正面柱状部A552は、移動部材A540の補助長孔A545に挿通され、背面柱状部A553は、基礎部材A530の機能長孔A533に挿通されている。これにより、方向切替部材A550は、基礎部材A530に対する移動部材A540の配置に応じて、補助長孔A545の延びる方向に変位可能となっている。
背面柱状部A553は、基礎部材A530の機能長孔A533に挿通されると共に先端に螺入されるネジ及びカラー部材AC1により機能長孔A533からの脱落が防止されるよう構成される。
一方で、基礎部材A530に対して、移動部材A540は挿通突部A544により連結され、方向切替部材A550は背面柱状部A553により連結されることで脱落の防止としては十分なので、正面柱状部A552においては、移動部材A540との間にカラー部材AC1が配設され、ネジの螺入による脱落の防止は行われていない。
これにより、発光基板A542を補助長孔A545のすぐ近くまで形成させても、カラー部材AC1と発光基板A542との擦れが生じることが無いので、発光基板A542の耐久性が落ちることは無く、発光基板A542の形状の設計自由度を向上させることができる。
また、ネジ頭が移動装飾部材A555と干渉することを避けることができ、移動装飾部材A555と移動部材A540との前後間隔を短くすることができる。これにより、方向切替部材A550の前後厚さを短くすることができる。
変化部材A560は、左右一対の部材から構成されており、方向切替部材A550の貫通孔A554に変位可能(回転変位および貫通孔A554の延びる方向の変位が可能)に支持される案内支持部材A561と、その案内支持部材A561が背面側に締結固定される翼状部材A562と、その翼状部材A562に回転可能に支持される中間変位部材A563と、その中間変位部材A563を翼状部材A562との間に挟む配置で翼状部材A562に締結固定される固定部材A564と、基礎部材A530の張出挿通部A536に締結固定され中間変位部材A563を回転可能に支持する固定支持部材A565と、その固定支持部材A565との間に中間変位部材A563を挟む配置で固定支持部材A565に締結固定される固定部材A566と、を備える。
翼状部材A562は、中間変位部材A563を回転可能に支持する柱状部であって、先端部に形成される雌ネジに締結ネジが螺入されることで固定部材A564が締結固定される支持締結部A562aと、案内支持部材A561が締結固定される被締結部A562bと、を備える。
中間変位部材A563は、板状に形成される部材であって、支持締結部A562aが挿通される第1貫通孔A563aと、固定支持部材A565が挿通され固定支持部材A565に回転可能に支持される第2貫通孔A563bと、方向切替部材A550の貫通孔A556に挿通され変位可能(回転変位および貫通孔A556の延びる方向の変位が可能)に支持される挿通突部A563cと、を備える。
固定支持部材A565は、円弧状部の外周部から直線上の一対の脚部が形成される左右対称形状とされ、脚部の下端から背面側へ柱状に突設され基礎部材A530の張出挿通部A536に締結固定される柱状固定部A565aと、円弧状部の左右上端部において背面側に突設される柱状部であって中間変位部材A563の第2貫通孔A563bを回転可能に支持する柱状支持部A565bと、を備える。
柱状支持部A565bは、先端に雌ネジが形成されており、その雌ネジに固定部材A566の挿通孔A566aに挿通された締結ネジが螺入されることで、中間変位部材A563の固定支持部材A565からの脱落を防止する態様で固定支持部材A565に固定部材A566を締結固定することができる。
なお、本実施形態では、固定部材A566の締結ネジの挿通部として、挿通孔A566aのみではなく、間に他の部材を挟むことなく固定支持部材A565と締結固定するための締結ネジを挿通する挿通孔A566bも用意されている。
そのため、締結ネジの螺入位置は、臨機応変に変更することができる。例えば、挿通孔A566a,A566bの全てに締結ネジを挿通し螺入しても良い。この場合、柱状支持部A565bの強度を締結ネジの強度により向上することができるので、柱状支持部A565bが破損して中間変位部材A563が抜け落ちることを回避し易くすることができる。
また、例えば、挿通孔A566a又は挿通孔A566bのいずれか一方に締結ネジを挿通し螺入しても良い。この場合、締結ネジの必要個数を削減することができるので、製品の製造コストを低減することができる。
覆設部材A570は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A571と、その透光性領域A571の短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A572と、その鍍金領域A572の背面側において短手方向外側端部から背面側へ延設され、その延設端部から折曲形成される一対の爪状部A573と、固定支持部材A565に締結固定される複数の被締結柱状部A574と、を備える。
透光性領域A571及び鍍金領域A572により、発光基板A542の形状が補助長孔A545と干渉しない形状に制限される場合においても、発光演出の演出効果を高く維持することができる。即ち、発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A571で行い、その他の鍍金領域A572では鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
爪状部A573は、移動部材A540の装飾部材A543の短手方向両側を案内可能に支持するよう構成される。これにより、移動部材A540の前後方向の位置ずれを抑制することができるので、特に、張出状態(図9参照)において移動部材A540が基礎部材A530に対して前倒れしたり後倒れしたりすることを防止し易くすることができる。
被締結柱状部A574は、固定支持部材A565の一対の脚部の中央側部および円弧状部の中央部に対応する位置に配置され、各位置において固定支持部材A565に挿通される締結ネジが螺入されることで、固定支持部材A565に締結固定される。
図33(a)、図33(b)、図34(a)及び図34(b)は、回転動作ユニットA500bの背面図である。図33(a)、図33(b)、図34(a)及び図34(b)では、回転動作ユニットA500bの移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動する様子が時系列で図示される。なお、図33(a)、図33(b)、図34(a)及び図34(b)では、カラー部材AC1の図示が省略される。
図33(a)、図33(b)、図34(a)及び図34(b)では、第2動作ユニットA500の演出待機状態(図7参照)における回転動作ユニットA500b(図33(a)参照)から、張出状態(図9参照)における回転動作ユニットA500b(図34(b)参照)までの、相対移動の様子が図示される。
案内長孔A532は、平行に延びる一対の長孔であるが、一直線上に形成されているものではない。上側の案内長孔A532は基礎部材A530の短手方向中央部に形成される一方、下側の案内長孔A532は回転軸棒AJ2を避けるように短手方向中央部から少しずれた位置に配設される。
このように、案内長孔A532を若干ずらした場合であっても、移動部材A540を一対の案内長孔A532で支持しているので、移動部材A540を案内長孔A532の延びる方向にスムーズに移動させることができる。また、このように案内長孔A532の配置をずらすことで、回転軸棒AJ2を基礎部材A530の短手方向中央位置に配設することができる。
機能長孔A533は、案内長孔A532が延びる方向に対して平行に延びる第1平行部A533aと、その第1平行部A533aに一端が連なるように形成され第1平行部A533aに対して傾斜する方向に直線状に延びる傾斜部A533bと、その傾斜部A533bの他端に連なるように形成され第1平行部A533aの延びる方向に対して平行に延びる第2平行部A533cと、を備える。
ここで、図33(a)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が第1平行部A533aの端部側に配置された状態が図示され、図33(b)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が第1平行部A533aと傾斜部A533bとの交差位置に配置された状態が図示され、図34(a)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が傾斜部A533bと第2平行部A533cとの交差位置に配置された状態が図示され、図34(b)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が第2平行部A533cの端部側に配置された状態が図示される。
第1平行部A533aの長さは十分に長く形成されている。これにより、移動部材A540が、図33(a)に示す状態から、基礎部材A530に対して相対移動を開始しても、暫くは(図33(b)に示す状態までは)、方向切替部材A550が移動部材A540の短手方向に移動し難いように構成される。
第2動作ユニットA500の動作において、移動部材A540の基礎部材A530に対する相対移動は、回転軸棒AJ2を中心とする回転動作ユニットA500bの回転動作と同時に行われることになるが、図33(a)に示す状態から図33(b)に示す状態までは、短手方向幅の短い外観を維持した状態で回転動作ユニットA500bを回転動作させることができる。
傾斜部A533bは、第1平行部A533aが形成される位置から基礎部材A530の短手方向外側へ向けて延びる。そのため、第1平行部A533aに方向切替部材A550の背面柱状部A553が配置されている状態から移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動し、背面柱状部A553が傾斜部A533bに入ると、方向切替部材A550が移動部材A540の短手方向外側へ向けて移動する。
方向切替部材A550の一対の背面柱状部A553は、一対の補助長孔A545(図32参照)に挿通されており、一対が平行に案内される。そのため、方向切替部材A550の移動部材A540に対する相対移動は、移動部材A540の短手方向への平行移動となる。
その移動の速度は、傾斜部A533bが直線状に形成されていることにより、移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動する速度に対して比例する。そのため、移動部材A540及び方向切替部材A550が連動する動作演出を実行させ易くすることができる。
第2平行部A533cは、第1平行部A533a程の長さは無く、必要最小限の長さで形成される。第2平行部A533cを形成する目的は、回転動作ユニットA500bの演出効果の向上のためである。
即ち、第2動作ユニットA500が張出状態まで駆動され駆動モータAMT2(図29参照)が停止された場合に、ダンパ部材A513dに付勢バネA513cから与えられる付勢力で連結機構A527が若干押し戻され、移動部材A540が基礎部材A530に対して逆方向(戻る方向)に相対移動した場合であっても、第2平行部A533cがあることで、移動部材A540の短手方向における方向切替部材A550の位置を変化させないようにすることができる。
これにより、第2動作ユニットA500の張出状態において駆動モータAMT2の駆動を停止させるという制御を採用する場合に生じ得る、付勢バネA513c(図29参照)の付勢力による押し戻し動作が生じた場合であっても、張出状態における第2動作ユニットA500の外観(回転動作ユニットA500bの短手方向の長さ)を維持し易くすることができる。
ここで、第2動作ユニットA500の回転動作ユニットA500bと、第1動作ユニットA400の回転動作ユニットA400bとの違いについて説明する。まず、回転動作ユニットA500bでは、案内長孔A532が一直線上に配置されていないことは上述した通りである。
第2動作ユニットA500の回転動作ユニットA500bでは、機能長孔A533が基礎部材A530の短手方向に並べられるのではなく、長手方向に配置がずらされている。これにより、基礎部材A530の長手方向に並設される機能長孔A533間の隙間に短手方向反対側に形成される機能長孔A533の一部を入り込ませることができるので、基礎部材A530の短手方向の長さを短くすることができる。
方向切替部材A550の背面柱状部A553の配置は、機能長孔A533の配置の上下ずれの寸法に合わせて、上下にずれるように構成している。これにより、左右の方向切替部材A550の相反する方向(移動部材A540の短手方向)への動作タイミングを合致させることができる。
回転動作ユニットA400bでは、移動部材A440に機能長孔A444が形成されていたが、回転動作ユニットA500bでは、機能長孔A533が基礎部材A530に形成されている。
このことから、第1動作ユニットA400では、回転動作ユニットA400bが回転動作し移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動することに伴い機能長孔A444も基礎板部材A430に対して相対移動したが(図19及び図20参照)、第2動作ユニットA500では、回転動作ユニットA500bが回転動作し移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動しても、機能長孔A533の配置は基礎部材A530に対して相対移動することは無い。
逆に、第1動作ユニットA400では基礎板部材A430に補助長孔A433(図17参照)が形成されていたのが、第2動作ユニットA500では移動部材A540に補助長孔A545が形成されおり(図32参照)、対応関係が逆となっている。
この関係から、第2動作ユニットA500の回転動作ユニットA500bに形成される機能長孔A533は、第1動作ユニットA400の回転動作ユニットA400bに形成される機能長孔A444と上下の関係が逆になっている。
このように、機能長孔A444,A533と補助長孔A433,A545の配置の対応関係が逆とされていることに、機能長孔A444,A533の上下の関係を逆にして対応することで、回転動作ユニットA500bにおいても、長手方向に延びる過程で回転動作ユニットA500bの短手方向の長さが増大するという、回転動作ユニットA400bと同様の動作態様を実現させることができる。
第2動作ユニットA500では、回転動作ユニットA500bの長手方向における方向切替部材A550の配置は、移動部材A540の補助長孔A545の配置に対応することになる。そのため、移動部材A540が基礎部材A530に対して回転動作ユニットA500bの長手方向に相対移動することに伴い、方向切替部材A550は、移動部材A540の移動量と同様の移動量で回転動作ユニットA500bの長手方向に移動し、それと同時に、移動部材A540の短手方向に移動する。
即ち、方向切替部材A550の移動は、移動部材A540に対しては移動部材A540の短手方向(案内長孔A532の延びる方向と直交する方向)への相対移動となり、基礎部材A530に対しては機能長孔A533の形成方向に沿う相対移動となる。
変化部材A560は、第2貫通孔A563bが基礎部材A530に固定される固定支持部材A565の柱状支持部A565bに支持される一方、挿通突部A563cは変位可能な方向切替部材A550の貫通孔A556に支持され、案内支持部材A561は変位可能な貫通孔A554に支持される。これにより、変化部材A560に対して、基礎部材A530を支点とする移動部材A540の短手方向への変位量に対応して回転するという、移動部材A540の変位とも方向切替部材A550の変位とも異なる変位を生じさせることができる。
なお、第2動作ユニットA500が演出待機状態から張出状態となるまでにおいて、回転動作ユニットA500bは、回転軸棒AJ2と柱状突設部A546との間の距離が徐々に長くなるように変化され、それに伴い、回転軸棒AJ2及び柱状突設部A546を通る直線と、回転動作ユニットA500bの長手方向(移動部材A540の移動方向)に延びる直線との間の角度が徐々に小さくなるように変化されることは、図19及び図20を参照して第1動作ユニットA400の説明で上述したのと同じであるので、ここでは説明を省略する。
次いで、図35から図42を参照して、第3動作ユニットA600について説明する。図35は、第3動作ユニットA600の正面斜視図であり、図36は、第3動作ユニットA600の背面斜視図である。
第3動作ユニットA600は、背面ケースA210(図5参照)に保持される支持ユニットA600aと、その支持ユニットA600aに昇降動作可能に支持される開閉動作ユニットA600bと、を備える。
図37は、第3動作ユニットA600の分解正面斜視図であり、図38は、第3動作ユニットA600の分解背面斜視図である。図37及び図38では、支持ユニットA600aが分解されており、開閉動作ユニットA600bは非分解の状態で図示される。
支持ユニットA600aは、背面ケースA210(図5参照)に締結固定される固定支持ユニットA610と、その固定支持ユニットA610に配置が固定される駆動モータAMT3を有し、その駆動モータAMT3の駆動力を開閉動作ユニットA600bに伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA620と、を備える。
固定支持ユニットA610は、背面ケースA210(図5参照)の底壁部A211の正面視下部に締結固定される横長部材A611と、その横長部材A611の右上側部に締結固定される装飾部材A613と、その装飾部材A613の下側において横長部材A611に締結固定される右側部材A615と、横長部材A611の左側部との間に駆動伝達ユニットA620が移動可能な空間を空けて締結固定される左側部材A617と、を備える。
横長部材A611は、板状本体A611aと、その板状本体A611aの上下端部から正面側に折曲形成される一組の支持形成部A611bと、その支持形成部A611bに上下方向で挿通され固定される金属製の円柱状部材から形成される昇降支持棒A611cと、を備える。
昇降支持棒A611cは、開閉動作ユニットA600bの背面側部に挿通された状態で支持形成部A611bに支持されることで、開閉動作ユニットA600bの昇降の方向を案内し、板状本体A611aに対する開閉動作ユニットA600bの前後方向の配置を維持するように機能する。
装飾部材A613は、背面側が開放された箱状に形成される本体部A613aと、その本体部A613aの正面側側面の左側端部から左方へ張り出し形成される張出部A613bを備える。張出部A613bは、第3動作ユニットA600の演出待機状態における開閉動作ユニットA600bの前倒れを抑制するよう機能するが、詳細は後述する。
右側部材A615は、左側部材A617と共同で、導光板ユニットA700(図5参照)を支持し、導光板ユニットA700が締結固定される部材である。即ち、開閉動作ユニットA600bは、第3動作ユニットA600の演出待機状態において導光板ユニットA700の後方に配置され、張出状態へ状態変化されることで導光板ユニットA700の中央側へ向けて上昇変位されるよう構成される。
左側部材A617は、板状本体A617aと、その板状本体A617aの背面側から円柱状に突設形成される支持部A617bと、その支持部A617bを中心とする円弧に沿って穿設される扇状貫通孔A617cと、支持部A617bと同軸となる配置で板状本体A617aに配設される金属棒に巻かれ、一端が固定され他端が扇状貫通孔A617cを臨む位置に配設される上昇方向付勢の捩りバネA617dと、板状本体A617aの下側において背面側が開放された箱状に形成される箱状部A617eと、その箱状部A617eの背面側から円柱状に突設形成される支持部A617fと、駆動モータAMT3の駆動ギアAMG3を挿通可能な大きさで箱状部A617eに穿設される挿通孔A617gと、その挿通孔A617gの下側縁部から背面側へ断面円弧状で延設され延設端部において挿通孔A617gを部分的に覆う覆設部A617hと、支持部A617f側に検出隙間を向ける姿勢で箱状部A617eの背面側に締結固定される検出センサA617iと、を備える。
覆設部A617hは、駆動ギアAMG3が駆動モータAMT3の駆動軸から抜けて、駆動ギアAMG3が背面側へ脱落することを防止するストッパとして機能する。これにより、駆動ギアAMG3が駆動モータAMT3から脱落する事態を回避することができる。
検出センサA617iは、駆動伝達ユニットA620の配置を検出することで、第3動作ユニットA600が演出待機状態なのか、張出状態なのかを、把握可能とするための装置である。
駆動伝達ユニットA620は、横長部材A611と左側部材A617との間において回転動作可能となるように支持部A617bに支持され開閉動作ユニットA600bに連結される回転動作部材A621と、その回転動作部材A621に駆動モータAMT3の駆動力を伝達可能となるように支持部A617fに回転可能に支持される伝達部材A625と、を備える。
回転動作部材A621は、板状本体A621aと、その板状本体A621aの端部において左側部材A617の支持部A617bを挿通可能に穿設される挿通孔A621bと、長手方向の直線が挿通孔A621bを通る長孔として穿設される伝達長孔A621cと、挿通孔A621bに近い上端部から正面側に突設され捩りバネA617dの他端を受けるバネ受突部A621dと、板状本体A621aの挿通孔A621bが配設される端部と反対側の端部において正面側に円柱状に突設され開閉動作ユニットA600bに挿通される挿通突部A621eと、を備える。
回転動作部材A621は、支持部A617bが挿通孔A621bに挿通されることで、左側部材A617に回転可能に支持される。支持部A617bの先端に螺入される抜け止め用のネジは、横長部材A611の貫通孔A611dを通して付け外し可能な構成となっている。即ち、本実施形態では、左側部材A617を横長部材A611に締結固定した後で、支持部A617bの先端にネジを螺入させるという組立手順を採用することができる。
伝達部材A625は、駆動ギアAMG3と歯合される本体ギア部A625aと、その本体ギア部A625aの背面側において全周からフランジ状に張り出す張出部A625bと、その張出部A625bの外周側端部から背面側に円柱状に突設される挿通突部A625cと、張出部A625bの外周側端部から折曲形成され回転軸から離れる方向に延設される延設部A625dと、を備える。
挿通突部A625cは、カラー部材AC1を介して回転動作部材A621の伝達長孔A621cに挿通される。これにより、伝達部材A625の回転と回転動作部材A621の回転とを連動させることができる。
延設部A625dは、検出センサA617iの検出隙間を横切ることが可能な位置に配設される。即ち、延設部A625dが検出センサA617iの検出隙間に配置されているか否かにより、伝達部材A625の姿勢を対応する制御装置に把握させることができる。
図39は、開閉動作ユニットA600bの分解正面斜視図であり、図40は、開閉動作ユニットA600bの分解背面斜視図である。開閉動作ユニットA600bは、樹脂材料から形成される板状部材A630と、その板状部材A630との間に空間を形成するように板状部材A630の正面側に締結固定される空間形成部材A640と、板状部材A630と空間形成部材A640との間の空間に移動可能に支持される一対の移動部材A650と、板状部材A630に締結固定される駆動モータAMT4と、その駆動モータAMT4の駆動力を移動部材A650に伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA660と、その駆動伝達ユニットA660を板状部材A630との間に挟むように板状部材A630に締結固定される背面カバー部材A670と、その背面カバー部材A670との間で昇降支持棒A611cを挟むように背面カバー部材A670に締結固定される案内ユニットA680と、を備える。
板状部材A630は、板状本体A631と、その板状本体A631の背面側に円柱状に突設される突設支持部A632と、その突設支持部A632を中心とする円弧状に穿設される一対の円弧状孔A633と、突設支持部A632と平行に突設される突設支持部A634と、背面カバ―部材A670との間の空間を形成するために板状本体A631の外縁部に沿う枠状で背面側へ突設される枠状部A635と、を備える。
空間形成部材A640は、骨組みを形成する本体部材A641と、その本体部材A641の正面側に締結固定される透光性の透光部材A642と、その透光部材A642を囲むように内部がくり抜かれ正面側に鍍金が塗布された状態で本体部材A641に締結固定される非透過性の鍍金部材A643と、透光部材A642の全域に光を照射可能に形成され本体部材A641に締結固定される発光基板A644と、移動部材A650の配置を検出するために本体部材A641の背面側に配設される検出センサA645と、を備える。
本体部材A641は、背面側に左右方向に長い一対の案内溝部A641aと、その案内溝部A641aの端部付近に突設形成されるストッパ部A641bと、を備える。案内溝部A641aは、上下に平行に並べられる一対の溝であり、左上から右下へ向かう直線状の長尺溝であって、移動部材A650の移動を案内可能に構成される。ストッパ部A641bは、移動部材A650が空間形成部材A640から脱落することを防止するための突部であり、移動範囲の終端位置に配置された移動部材A650と係合可能に構成される。
発光基板A644から延びるフラットケーブルA644aにより、移動部材A650への電力供給が可能となっている。本実施形態では、フラットケーブルA644aが案内溝部A641aの長尺方向に沿って延びるように配設されている。これにより、移動部材A650の移動時にフラットケーブルA644aに過大な負荷が与えられることを回避し易くすることができ、フラットケーブルA644aの耐久性を向上させることができる。
移動部材A650は、回転対称に配置される同一形状の一対の部材から構成され骨組みを形成する本体部材A651と、異なる形状で形成され対応する本体部材A651に締結固定される装飾部材A655と、を備える。
このように構成することで、駆動力が伝達される箇所については形状を共通化することで、伝達機構の簡素化および樹脂型の兼用を図ることができる一方で、遊技者に視認される側には装飾部材A655を配設することで、簡素化された形状が演出面にまで影響を与えることを避けることができる。
本体部材A651は、長尺方向を案内溝部A641aの長尺方向に沿わせる姿勢で配設され左右方向外側への移動時に先頭になる側から正面側へ延設されることで上面視L字状に形成される長尺本体部A652と、回転可能に構成され案内溝部A641aの内側に配置可能な大きさで形成される一対のローラー部材A653と、を備える。
長尺本体部A652は、左右方向外側への移動時にストッパ部A641bと対向配置され当接し得る被ストッパ部A652aと、長手方向略中央部から短手方向に板状に張り出す被検出部A652bと、短手方向に延びる矩形状で背面側から凹設される凹設部A652cと、を備える。
被検出部A652bは、検出センサA645の検出溝を横切ることができる形状で配設される。被検出部A652bが検出センサA645の検出溝に配置されることで、移動部材A650が移動終端に配置されたことを対応する制御装置に把握させることができる。
本実施形態では、検出センサA645は下側の本体部材A651の下側にのみ配置されているので、被検出部A652bは下側の本体部材A651に配設されていれば十分であり、上側の本体部材A651には被検出部A652bは不要であるが、樹脂型を共通化する関係上、上側の本体部材A651にも被検出部A652bが形成されている。
ローラー部材A653は、移動部材A650の案内溝部A641aに対する動作抵抗を低下させるように機能する。即ち、移動部材A650が案内溝部A641aに対して摺動する場合に比較して、ローラー部材A653が転がることで摩擦力を低減することができるので、移動部材A650の移動をスムーズに行わせることができる。
装飾部材A655は、本体部材A651の被ストッパ部A652aが配設される側の端部とは反対側の端部の前側部に締結固定される部材であって、光透過性の樹脂材料から形成される透光部材A656と、その透光部材を囲む枠状に形成される枠状部材A657と、透光部材A656及び枠状部材A657側に光を照射するLED等の発光手段を備える発光基板A658と、を備える。
装飾部材A655と本体部材A651との締結により、上面視で左右方向の一方が開放されたコの字を形成することができる。このコの字の内側にフラットケーブルA644aが配設され、フラットケーブルA644aの一端が発光基板A658に接続される。このように構成することで、フラットケーブルA644aが本体部材A651や装飾部材A655の外方にはみ出し、遊技者から視認されることを回避することができる。
装飾部材A655は、互いに近接配置される移動部材A650の閉状態(図7参照)では、透光部材A642の前側を覆うように配設され、互いに離れる移動部材A650の開状態(B5参照)では、透光部材A642の前側から退き透光部材A642及び装飾部材A655を同時に視認させるように配設される。
即ち、装飾部材A655のみを視認させて発光演出を行う状態と、装飾部材A655の間に透光部材A642を配置させ、これらを同時に視認させて発光演出を行う状態と、を移動部材A650の配置に応じて切り替えることができる。
駆動伝達ユニットA660は、駆動モータAMT4の駆動軸に相対回転不能に固定される駆動ギアA661と、板状部材A630の突設支持部A632に回転可能に支持される回転板部材A662と、板状部材A630の突設支持部A634に回転可能に支持され駆動ギアA661と回転板部材A662とを連動させる伝達ギアA663と、を備える。
回転板部材A662は、突設支持部A632を挿通可能に穿設される貫通孔A662aと、その貫通孔A662aを中心とする扇状に形成される一対の扇状板部A662bと、一方の扇状板部A662bの円弧状部に伝達ギアA663と歯合されるギア歯が形成される円弧状ギア部A662cと、貫通孔A662aを中心とする回転対称となる位置(本実施形態では、180度ずれた位置)において扇状板部A662bの正面側に円柱状に突設される一対の突設部A662dと、を備える。
回転板部材A662が、円形の円板状部材では無く、円の一部をくり抜いたような形状から形成されていることにより、回転板部材A662と板状本体A631との間で擦れが生じる面積を低減することができる。これにより、回転板部材A662の回転時に生じる抵抗を低減することができるので、駆動モータAMT4に要求される駆動力を低減させることができる。
突設部A662dは、板状部材A630の円弧状孔A633を通り、移動部材A650の凹設部A652cに挿通される。即ち、突設部A662dの配置が変化されることで、凹設部A652cの配置が連動して変化されることに伴い移動部材A650の移動が生じる。
背面カバー部材A670は、板状部材A630の枠状部A635と同一形状の外形を有し板状部材A630に締結固定される板状本体A671と、その板状本体A671の右端から板状に張り出す張出部A672と、板状本体A671の背面側に突設され案内ユニットA680の回転部材の回転軸を支持する上下一対の突設支持部A673と、回転板部材A662の回転軌跡と関連して板状本体A671に穿設される複数の円弧状貫通孔A674と、を備える。
張出部A672は、演出待機状態において張出部A613b(図37参照)の後方に配置される部分であって、仮に開閉動作ユニットA600bが前倒れした状態で張出状態から演出待機状態に戻る場合等において、張出部A613bから後ろ向きの負荷を受けることで、開閉動作ユニットA600bの姿勢を元に戻す(後倒れさせる)部分として機能する。
案内ユニットA680は、正面側が開放された箱状に形成される箱状本体A681と、その箱状本体A681の内部に配置される左右方向に延びる回転軸で回転可能に構成される上下一対のローラー部材A682と、箱状本体A681の内部に配置され前後方向に延びる回転軸で回転可能に構成される左右一組が上下一対で配設される滑車状部材A683と、左右に長い形状で穿設される長尺貫通孔A684と、を備える。
ローラー部材A682が箱状本体A681の貫通孔A681aから背面側にはみ出すよう構成されているので、箱状本体A681の背面が固定支持ユニットA610(図37参照)の板状本体A611aと対向配置された場合に、板状本体A611aとの接触の関係を、箱状本体A681の擦れではなく、ローラー部材A682の転がりとすることができる。これにより、開閉動作ユニットA600bの昇降動作時に固定支持ユニットA610から受ける抵抗を低減し易くすることができる。
滑車状部材A683の間には、箱状本体A681の凹設部A681bを通された昇降支持棒A611c(図37参照)が配設される。これにより、案内ユニットA680は昇降支持棒A611cに案内されて上下方向に昇降動作されることから、開閉動作ユニットA600bの動作方向を安定させることができる。
長尺貫通孔A684は、回転動作部材A621の挿通突部A621e(図37参照)が挿通される長孔である。即ち、長尺貫通孔A684を介して、駆動モータAMT3(図37参照)の駆動力が開閉動作ユニットA600bに伝達される。
図41及び図42は、第3動作ユニットA600の開閉動作ユニットA600bの背面図である。図41では、第3動作ユニットA600の演出待機状態における開閉動作ユニットA600bが図示され、図42では、第3動作ユニットA600の張出状態における開閉動作ユニットA600bが図示される。
なお、図41及び図42では、理解を容易とするために、背面カバー部材A670及び案内ユニットA680の図示が省略され、背面カバー部材A670の円弧状貫通孔A674の配置が想像線で図示され、回転板部材A662の突設部A662dの配置が想像線で図示される。
図41及び図42に示すように、開閉動作ユニットA600bの動作態様は、回転板部材A662の回転に伴い突設部A662dの配置が突設支持部A632を中心とする円弧に沿って変化することに伴い、一対の移動部材A650が突設支持部A632の上側および下側で、対応する案内溝部A641a(図40参照)の形成方向(互いに平行な方向)に沿って、逆方向に平行移動するというものである。
ここで、上述のように、移動部材A650の本体部材A651は、回転対称に配置される同一形状の一対の部材から構成されており、且つ、突設部A662dの配置も、本体部材A651の回転対称の回転軸となる突設支持部A632を中心に対称な位置とされているので、突設部A662dから移動部材A650に与えられる影響は、一対の部材で共通に与えられる。
即ち、例えば、回転板部材A662が高速で回転すれば、一対の移動部材A650が共通の速度で高速で平行移動するし、回転板部材A662が突然反転動作(回転方向を変える動作)する場合でも、一対の移動部材A650を同時に反転動作させることができる。
回転板部材A662の扇状板部A662bと、背面カバー部材A670の円弧状貫通孔A674との配置関係について説明する。扇状板部A662bと円弧状貫通孔A674とが前後方向で重なる面積は回転板部材A662の回転の過程で変化する。扇状板部A662bと背面カバー部材A670との間には挟まれる空気による空気抵抗が生じるが、背面カバー部材A670に円弧状貫通孔A674が形成されている箇所においては、その空気抵抗が低減されることになる。
図42に、第3動作ユニットA600の演出待機状態における回転板部材A662の扇状板部A662bの配置範囲(図41参照)の角度幅が第1領域AE21で図示され、図41に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転された後の扇状板部A662bの配置範囲の角度幅が第2領域AE22で図示され、その第2領域AE22に扇状板部A662bに配置された状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転された後の扇状板部A662bの配置範囲の角度幅が第3領域AE23で図示され、第3動作ユニットA600の張出状態における回転板部材A662の扇状板部A662bの配置範囲の角度幅が第4領域AE24で図示される。
図41に示すように、本実施形態では、回転板部材A662の姿勢に関わらず、一方の扇状板部A662bは少なくとも1つの円弧状貫通孔A674と対向配置される。そのため、図41に示す状態(扇状板部A662bが第1領域AE21に配置される状態)は、扇状板部A662bと円弧状貫通孔A674との重なる面積が最も小さい状態、即ち、扇状板部A662bにかけられる空気抵抗が最大となる状態として図示される。
第1領域AE21に配置される状態において、扇状板部A662bの背面視時計回り側の縁部は、円弧状貫通孔A674と調度重ならない位置に配置される。そのため、回転板部材A662が背面視時計回りに回転を開始すると、扇状板部A662bと元々重なっていた円弧状貫通孔A674(左右に配置される円弧状貫通孔A674)に加えて、他の円弧状貫通孔A674(上下に配置される円弧状貫通孔A674)とも重なり始め、その状態は扇状板部A662bが第2領域AE22に配置される状態まで継続される。
他の円弧状貫通孔A674と扇状板部A662bとの重なる面積は、回転板部材A662の回転角度が大きくなるにつれて大きくなるので、回転板部材A662の回転開始から空気抵抗を徐々に小さくでき、更に回転が進むにつれて回転板部材A662にかけられる空気抵抗が更に小さくなるようにすることができる。これにより、回転板部材A662の回転および移動部材A650の移動をスムーズに実行することができる。
扇状板部A662bが第2領域AE22に配置される状態では、扇状板部A662bの背面視反時計回り側の縁部は、調度、左右に配置される円弧状貫通孔A674の背面視反時計回り側の縁部に重なる位置に配置される。即ち、回転板部材A662が背面視時計回りに回転すると、扇状板部A662bの背面視反時計回り側の縁部が背面視で円弧状貫通孔A674の内部に入り込むことになる。
そのため、回転板部材A662が背面視時計回りに回転を継続すると、左右に配置される円弧状貫通孔A674と扇状板部A662bとの重なる面積が徐々に小さくなるが、一方で、他の円弧状貫通孔A674(上下に配置される円弧状貫通孔A674)と扇状板部A662bとの重なる面積は徐々に大きくなる。これらは、同じ角度ずつの変化となるので、結局のところ、円弧状貫通孔A674と扇状板部A662bとの重なる面積は一定に維持される。
この状態は、扇状板部A662bが第3領域AE23に配置される状態まで継続される。即ち、扇状板部A662bが第2領域AE22に配置される状態から、第3領域AE23に配置される状態までは、回転板部材A662にかかる空気抵抗を一定に維持することができる。
扇状板部A662bが第3領域AE23に配置される状態から、扇状板部A662bが第4領域AE24に配置される状態までは、扇状板部A662bが左右に配置される円弧状貫通孔A674と重なる面積が徐々に小さくなることから、回転板部材A662の回転が進むにつれて回転板部材A662にかけられる空気抵抗が大きくなるようにすることができるので、回転板部材A662及び移動部材A650の減速をスムーズに行うことができる。
扇状板部A662bが第4領域AE24に配置される状態は、扇状板部A662bの背面視反時計回り側の縁部が左右に配置される円弧状貫通孔A674の背面視時計回り側の縁部に調度重なる位置とされる。
そのため、図42に示す状態から背面視反時計回り方向に回転板部材A662を回転させる場合(第3動作ユニットA600の張出状態における配置から演出待機状態における配置に動作させる場合)においても、上述と同様の空気抵抗の変化を生じさせることができる。
従って、図41に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転動作する場合か、図42に示す状態から回転板部材A662が背面視反時計回りに回転動作する場合かに関わらず、双方向で、上述のような空気抵抗の変化を生じさせることができる。
また、回転板部材A662を介する駆動力伝達により動作される移動部材A650は上下に一対で構成されており、移動部材A650から回転板部材A662に与えられる荷重の向きは、回転板部材A662の動作方向に関わらず同じである。
即ち、図41に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転動作する場合には、上側の移動部材A650からの負荷が左向きに生じ、下側の移動部材A650からの負荷が右向きに生じる一方で、図42に示す状態から回転板部材A662が背面視反時計回りに回転動作する場合には、上側の移動部材A650からの負荷が右向きに生じ、下側の移動部材A650からの負荷が左向きに生じる。
即ち、回転板部材A662に与えられる負荷は、方向が逆転しているだけで、回転方向の違いによる変化はない。従って、図41に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転動作する場合か、図42に示す状態から回転板部材A662が背面視反時計回りに回転動作する場合かに関わらず、双方向で、生じる動作抵抗を同じとすることができ、動作速度を共通化とすることができる。
次いで、図43から図48を参照して、導光板ユニットA700について説明する。図43は、導光板ユニットA700の分解正面斜視図であり、図44は、導光板ユニットA700の分解背面斜視図である。
図43及び図44に示すように、導光板ユニットA700は、背面ケースA210(図5参照)に保持され背面ケースA210の正面側開口の大部分を覆う大きさで形成される覆設導光板ユニットA700aと、その覆設導光板ユニットA700aの左側部に締結固定される補助導光板ユニットA700bと、を備える。
覆設導光板ユニットA700aは、板状の導光板A701と、その導光板A701に向けて光を照射するLED等の複数の発光手段を有し導光板A701の左側に配設される左発光基板A702と、導光板A701に向けて光を照射するLED等の複数の発光手段を有し導光板A701の上側に配設される上発光基板A703と、それら導光板A701、左発光基板A702及び上発光基板A703の位置ずれを防止するように固定する前後一組の枠状部材A710と、を備える。
導光板A701は、光透過性の樹脂材料から矩形の平板状に形成され、右下部に切り欠きA701aを備える。導光板A701の裏面には、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭に沿って溝部が形成されており、左発光基板A702や上発光基板A703から導光板A701へ光が入射されると、その溝部で光が屈折され、遊技者に対して特定のキャラクター等の輪郭に沿うライン状の光を視認させることができる。
左発光基板A702及び上発光基板A703は、複数のLEDの光軸が、導光板A701の端面に直角に入射するように配設される。導光板A701に入射する方向を2方向で構成していることで、上述のライン状の光は、少なくとも、左発光基板A702からの光のみを入射する場合と、上発光基板A703からの光のみを入射する場合との2種類を生じさせることができる。
枠状部材A710は、矩形の枠状から導光板A701の切り欠きA701aが分断された形状から形成され、背面ケースA210(図5参照)の外壁部A212の前端部に締結固定される一組の左右固定部A711と、第3動作ユニットA600(図5参照)の右側部材A615や左側部材A617に締結固定される一対の下固定部A712と、第1動作ユニットA400の支持部材A421(図13参照)に前後方向で当接する当接支持部A713と、を備える。
当接支持部A713は、上下に並ぶベルトA423a(図15参照)の間に配置される。上側のベルトA423aに連結機構A427が配設されることから、当接支持部A713を下側のベルトA423a寄りの位置に配設させることで、連結機構A427の移動を阻害することなく、枠状部材A710の当接支持部A713の支持に支持部材A421の剛性を利用することができる。
図45は、補助導光板ユニットA700bの分解正面斜視図であり、図46は、補助導光板ユニットA700bの分解背面斜視図である。補助導光板ユニットA700bは、表裏面にLEDが配設される板状の発光基板A720と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され発光基板A720のLEDから照射される光を受光可能となるように発光基板A720の正面側に配設される前側板部材A730と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され発光基板A720のLEDから照射される光を受光可能となるように発光基板A720の背面側に配設される後側板部材A740と、光透過性の樹脂材料から形成され発光基板A720との間に前側板部材A730を挟むように配設される前カバー部材A750と、を備える。
発光基板A720は、上下に長尺の板状本体A721と、その板状本体A721から右方に先端円弧状に膨らむように形成される複数の膨出板部A722と、その膨出板部A722と対応する位置で板状本体A721の左側部において凹設される複数の凹設部A723と、板状本体A721の正面側において上下に並べられる複数の指向性の高いLED等の発光手段であって光軸が左方へ向けられる複数の正面発光部A724と、その正面発光部A724に対応する板状本体A721の背面側の位置(矢印F―B上で平行移動させた位置)において上下に並べられる指向性の低いLED等の発光手段であって光軸が左方へ向けられる複数の背面発光部A725と、を備える。
膨出板部A722が上下方向の複数位置に形成されていることで、前側板部材A730や後側板部材A740と発光基板A720との支持面積(互いに面接触する面積)を大きく確保することができる。これにより、組立状態における発光基板A720の姿勢の安定を図ることができる。
正面発光部A724からの光は、前側板部材A730に受光される。複数の正面発光部A724の光の光軸は、それぞれ左方を向き互いに平行とされるので、前側板部材A730を広い範囲で均一に光らせることができる。
背面発光部A725からの光は、後側板部材A740に受光される。複数の背面発光部A725の光の光軸は、それぞれ左方を向き互いに平行とされるので、後側板部材A740を広い範囲で均一に光らせることができる。
上述のように、正面発光部A724と背面発光部A725とが、前後方向で対応する位置に配置されているので、正面発光部A724により照らされる前側板部材A730の範囲と、背面発光部A725により照らされる後側板部材A740の範囲とを対応させることができる。
これにより、正面発光部A724及び背面発光部A725の両方を発光させた場合には、それらの光が合わさることで、前側板部材A730及び後側板部材A740における正面発光部A724又は背面発光部A725に照らされる範囲を、より明るく視認させることができる。
一方で、正面発光部A724又は背面発光部A725の片側を発光させる場合においても、前側板部材A730又は後側板部材A740の明るくなる箇所は、位置ずれすることが無いので、演出の違和感を生じさせにくくすることができる。
正面発光部A724又は背面発光部A725により明るく照らされる範囲が同じにされるので、例えば、正面発光部A724のみを発光させた状態から、背面発光部A725のみを発光させる状態へ移行させたとしても、遊技者が受ける平面的な光の明暗のパターン(正面視でどの位置が明るく、どの位置が暗くなるかというパターン)が変化することを避けることができる。これにより、遊技者の疲労間を低減させることができる。
前側板部材A730は、正面側側面が平滑面として形成される板状本体A731と、その板状本体A731の背面側側面において、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭に沿って形成されるライン状溝部A732と、板状本体A731の背面側に円柱状に突設され先端に形成される雌ネジにネジが螺入されることで枠状部材A710(図43参照)に締結固定される複数の締結部A733と、前カバー部材A750との締結固定のために円形に穿設される挿通貫通孔A734と、前カバー部材A750との位置合わせのために上下方向に長い長孔上に穿設される位置合わせ長孔A735と、を備える。
正面発光部A724からの光が前側板部材A730に受光された場合、ライン状溝部A732で光が屈折されることにより、上記イラストの形状の輪郭がライン状に明るく視認される。
後側板部材A740は、前側板部材A730の正面視外形と同一形状で光透過性の樹脂材料から形成される板状本体A741と、その板状本体A741の正面視外形と同一形状から形成され板状本体A741の背面側に配設される光不透過(又は透過性の低い)白色のシートA742と、板状本体A741の正面視外形と同一形状から形成され板状本体A741の正面側に配設される光透過性の薄肉樹脂板A743と、左上隅部において板状本体A741、シートA742及び薄肉樹脂板A743を前後方向に貫くように同位置に形成される第1貫通孔A741a,A742a,A743aと、下側部において板状本体A741、シートA742及び薄肉樹脂板A743を前後方向に貫くように同位置に形成される第2貫通孔A741b,A742b,A743bと、を備える。
板状本体A741は、正面側側面が平滑面で形成され、背面側側面に無数のシボが形成される。これにより、板状本体A741に受光された光のうち、背面側へ抜けた光がシートA742に反射されると、その光は無数のシボで拡散され、面発光される。これにより、板状本体A741の背面側部を効率的に明るくすることができる。
薄肉樹脂板A743には、ライン状溝部A732の輪郭の元となるイラストが描かれており、本実施形態では、イラストに対応する色が塗られている。そのため、背面発光部A725からの光が後側板部材A740に受光された場合、薄肉樹脂板A743に描かれたイラストが、板状本体A741の背面側のシボにより面発光で明るく視認される。
前カバー部材A750は、背面側に無数の半球状の突設部が形成される板状本体A751と、その板状本体A751の上縁部および右縁部から背面側に板状に延設される延設縁部A752と、板状本体A751の左端部において発光基板A720の位置合わせに利用される突設部および締結に利用される雌ネジ部から構成される締結部A753と、板状本体A751の右端部から背面側に円柱状に突設される複数の円柱状締結部A754と、その円柱状締結部A754よりも細径で突設長さが短い突設部A755と、正面側に装飾が施され板状本体A751の正面側に貼り付けられる光透過性の装飾シールA756と、を備える。
組立において、突設部A755が前側板部材A730の位置合わせ長孔A735に挿通され、円柱状締結部A754が前側板部材A730の挿通貫通孔に挿通されることで、前側板部材A730を前カバー部材A750に対して位置合わせすることができる。
更に続けて、前側板部材A730に重ねるようにして発光基板A720を締結部A753で位置合わせし、その発光基板A720に重ねるようにして後側板部材A740を配置する。この時、円柱状締結部A754が後側板部材A740の第1貫通孔A741a,A742a,A743aに挿通され、前側板部材A730の右下の締結部A733が後側板部材A740の第2貫通孔A741b,A742b,A743bに挿通されることで、後側板部材A740を前側板部材A730に対して位置合わせすることができる。
前カバー部材A750に前側板部材A730、発光基板A720及び後側板部材A740を位置合わせした状態で、補助導光板ユニットA700bを覆設導光板ユニットA700a(図43参照)に締結固定する場合、前側板部材A730の締結部A733及び前カバー部材A750の円柱状締結部A754に押圧力(締結力)がかけられる。
本実施形態では、締結部A733及び円柱状締結部A754が、発光基板A720の外方に配設されているので、組立において押圧力(締結力)が意図せず過大になった場合であっても、発光基板A720が割れたり破損したりする事態を回避し易くすることができる。
前カバー部材A750の右上に配置される円柱状締結部A754により、前側板部材A730、後側板部材A740及び前カバー部材A750の位置合わせと、発光基板A720に対する前側板部材A730及び後側板部材A740の押し付け(押圧)とを、一箇所で行うことができる。これにより、組立の工数を削減することができる。
図47は、補助導光板ユニットA700bの背面図であり、図48(a)は、図47のXLVIIIa-XLVIIIa線における補助導光板ユニットA700bの断面図であり、図48(b)は、図47のXLVIIIb-XLVIIIb線における補助導光板ユニットA700bの断面図である。図48(a)では、円柱状締結部A754の中心を通る断面が図示される。
補助導光板ユニットA700bの組立時には、前カバー部材A750に前側板部材A730を位置合わせして組み付けた後で、発光基板A720を前カバー部材A750に組み付ける際に、締結部A753の雌ネジが形成される締結部の端面と、膨出板部A722が面で当接する前側板部材A730の背面側側面との高さ(前後方向位置)が合うようになっており、発光基板A720の姿勢が安定するようになっている。
更に、発光基板A720の後ろから後側板部材A740を組み付けると、後側板部材A740の前側側面が膨出板部A722と広範囲で面で当接することで、後側板部材A740の姿勢の安定と、局所的な負荷の低減とを図っている。
図47及び図48(a)に示すように、前側板部材A730と後側板部材A740とが発光基板A720と重なる形状が同じとなるように形成されているので、円柱状締結部A754に螺入される締結ネジによる押圧力が、前側板部材A730及び後側板部材A740を介して発光基板A720にバランスよく伝えられる。押圧力が、発光基板A720をせん断する力として機能することを避けることができるので、発光基板A720の割れや欠けを避けることができる。
発光基板A720の縁部に前側板部材A730及び後側板部材A740から押圧力をかけられることで、前側板部材A730と後側板部材A740とが、発光基板A720の表裏面に押し付けられる。
これにより、発光基板A720の板状本体A721に対する前側板部材A730及び後側板部材A740の前後位置を正確に合わせることで、正面発光部A724に対する前側板部材A730の前後位置および背面発光部A725に対する後側板部材A740の前後位置を容易に合わせることができるので、前側板部材A730及び後側板部材A740への受光位置を合わせ易くすることができる。
円柱状締結部A754は、正面発光部A724及び背面発光部A725の光軸と重ならない位置(間の位置)に配設される。これにより、前側板部材A730に受光される正面発光部A724からの光の光軸を円柱状締結部A754が遮ることが無いので、前側板部材A730を利用した発光演出の演出効果を向上させることができる。
図48(b)は、下から3個目の背面発光部A725の中心を通る断面として図示される。図47及び図48(b)に示すように、締結部A733は、背面発光部A725の光軸と重なる位置に配設されている。
このように締結部A733を配設する場合であっても、締結部A733は前側板部材A730を貫通するような部分では無く、正面発光部A724の光を遮ることはない。また、後側板部材A740で受光される光は、後側板部材A740を面発光させるために指向性を若干低くされることから(指向性の低いLEDが選定され易いので)、光軸上に締結部A733が配置されていたとしても光が完全に遮られるものではないので、発光演出への影響を少なくすることができる。即ち、後側板部材A740を利用した発光演出の演出効果を下げることなく、前側板部材A730の締結部A733の配設自由度を向上させることができる。
前カバー部材A750に対する後側板部材A740の締結固定においては、板状本体A741の正面側面が薄肉樹脂板A743の左側縁部を板状本体A721の背面側面との間で挟むように締結固定されることで、薄肉樹脂板A743が板状本体A741から浮き上がることが防止される。
この場合、薄肉樹脂板A743に与えられる負荷が、締結ネジのように点で生じる負荷ではなく、発光基板A720の板状本体A721との間で薄肉樹脂板A743の左側縁部に沿って線(面)で生じる負荷となるので、薄肉樹脂板A743にかけられる単位面積当たりの押圧力を低減させることができる。これにより、薄肉樹脂板A743の割れや欠けを回避し易くすることができる。
図48(a)及び図48(b)で示すように、指向性の高いLEDから選定される正面発光部A724からの照射光の進行経路AL1は、前側板部材A730に受光された後、前側板部材A730の前後面で全反射する態様でライン状溝部A732に到達するまでは左右方向に延び、ライン状溝部A732に到達すると屈折され、正面側へ向きが変えられる。
そのため、正面側から前側板部材A730を視認する際に正面発光部A724から光が照射されている場合には、ライン状溝部A732から正面側に向かう光が遊技者の目に届くので、ライン状溝部A732の元となる形状としての、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭が光っているように視認させることができる。
背面発光部A725からの光は、正面発光部A724からの光よりも指向性が低いものとされているので、背面発光部A725からの光は後側板部材A740内を全反射する態様にはなく、後側板部材A740を均一に照らすように機能する。
図48に示すように、前側板部材A730の正面発光部A724側の端部および後側板部材A740の背面発光部A725側の端部は、発光基板A720の正面発光部A724及び背面発光部A725の照射方向側(右側)の端部よりも、正面発光部A724及び背面発光部A725側に配置される。
これにより、発光基板A720の板状本体A721を遮蔽板として利用することができるので、正面発光部A724(背面発光部A725)から照射された光が前側板部材A730(後側板部材A740)に受光される前に漏れることを避けることができる。これにより、例えば、正面発光部A724から照射される光が後側板部材A740に受光される事態や、背面発光部A725から照射される光が前側板部材A730に受光される事態を回避し易くすることができ、発光演出が不良となることを避け易くすることができる。
板状本体A751は、背面側に形成される無数の半球状の突設部A751aにより、正面側からの光を受光した場合に、その光を拡散させて面発光させる。これにより、光演出の効果を向上させることができると共に、前カバー部材A750の背面側の視認性を低くできるので、発光基板A720の目隠しとして利用することができる。
板状本体A751の背面側には発光基板A720の正面発光部A724が配設されるが、正面発光部A724から照射される光は板状本体A751側へ向く方向と直交する方向で前側板部材A730に入射され、前側板部材A730内で全反射されることから、板状本体A751は正面発光部A724から照射される光で照らされにくい構成となっており、暗く視認され、演出領域として使いにくいという事情がある。
これに対し、本実施形態では、板状本体A751の背面側に形成される無数の半球状の突設部A751aにより、受光した光を拡散させることができるので、遊技者に板状本体A751を明るい状態で視認させることができる。
更に、板状本体A751の正面側面全域を覆う形状の装飾シールA756が板状本体A751の正面側に貼り付けられることで、光により板状本体A751の背面側に形成される無数の突設部A751aの形状が目立つ効果を低減し、明るく照らされた装飾シールA756の正面側の装飾の視認性を良くすることができる。
図49(a)から図49(f)は、補助導光板ユニットA700bの視認態様を模式的に示す補助導光板ユニットA700bの模式正面図である。説明の便宜上、補助導光板ユニットA700bを矩形状の外形で図示し、その内側に三角形のイラストAIL1,AIL2が図示される場合として模式的に図示する。この三角形のイラストAIL1,AIL2が、薄肉樹脂板A743やライン状溝部A732(図46参照)により形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭の一例に該当する。
図49(a)から図49(f)では、正面発光部A724(図45参照)の点灯または消灯の違いや、背面発光部A725(図46参照)の点灯または消灯の違いによる、補助導光板ユニットA700bの見映えの違いの一例が図示される。
図49(a)では、正面発光部A724(図45参照)が消灯され、背面発光部A725(図46参照)が消灯される場合が図示される。この場合には、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2が視認可能とされる。
図49(b)では、正面発光部A724(図45参照)が消灯され、背面発光部A725(図46参照)が点灯される場合が図示される。この場合には、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2が照らされた状態で視認可能とされる。
図49(c)では、正面発光部A724(図45参照)が点灯され、背面発光部A725(図46参照)が消灯される場合が図示される。この場合には、ライン状溝部A732(図46参照)に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2の形状の輪郭が照らされ、ライン状の光として視認されることになる。この場合、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2の形状はライン状の光により遮られ、視認性が低下される。
図49(d)では、正面発光部A724(図45参照)が点灯され、背面発光部A725(図46参照)が点灯される場合が図示される。この場合には、図49(c)に図示される状態よりも、補助導光板ユニットA700bの正面側部の明るさを向上させることができる。
図49(e)では、板状本体A721の上下半分位置よりも上側の正面発光部A724(図45参照)が消灯され、板状本体A721の上下半分位置よりも下側の正面発光部A724が点灯され、板状本体A721の上下半部位置よりも上側の背面発光部A725(図46参照)が点灯され、板状本体A721の上下半部位置よりも下側の背面発光部A725(図46参照)が消灯される場合が図示される。
この場合には、補助導光板ユニットA700bの上側半分では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1が照らされた状態で視認可能とされ、補助導光板ユニットA700bの下側半分では、ライン状溝部A732(図46参照)に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL2の形状の輪郭が照らされ、ライン状の光として視認される。
図49(f)では、板状本体A721の上下半分位置よりも上側の正面発光部A724(図45参照)が点灯され、板状本体A721の上下半分位置よりも下側の正面発光部A724が消灯され、背面発光部A725(図46参照)が消灯される場合が図示される。
この場合には、補助導光板ユニットA700bの上側半分では、ライン状溝部A732(図46参照)に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1の形状の輪郭が照らされ、ライン状の光として視認され、補助導光板ユニットA700bの下側半分では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL2が視認可能とされる。
図49(a)から図49(f)に示すように、本実施形態では、補助導光板ユニットA700bの正面側の視認態様を、正面発光部A724(図45参照)の点灯、消灯、及び背面発光部A725(図46参照)の点灯、消灯の組合せのバリエーションに対応して変化させることができる。
図50は、遊技盤A13の分解正面斜視図であり、図51は、遊技盤A13の分解背面斜視図である。図50及び図51に示すように、遊技盤A13は、ベース板A60の窓部A60aにセンターフレームA86が正面側から締結固定され、そのセンターフレームA86の左右を遊技球が流下可能となるように構成されている。
遊技盤A13は、光透過性の樹脂材料から遊技球の流下を分岐させる突設部を有する形状で形成されセンターフレームA86の左上側に配設される流下分岐部材A801と、光透過性の樹脂材料から遊技球の流下を案内する流路として左右に並んで設けられる2本の案内流路を構成する形状で形成されセンターフレームA86の右方前側に配設される案内部材A802と、その案内部材A802の下方においてベース板A60に固定され光透過性の樹脂材料から遊技球の流下を案内する流路として左右に並んで設けられる2本の案内流路を構成する形状で形成される下流側案内部材A803と、センターフレームA86の内側に配設される光透過性の装飾部材A808の背面側に配設され装飾部材A808に光を照射可能に構成される補助導光板ユニットA810と、を備える。
流下分岐部材A801は、センターフレームA86がベース板A60に配設された場合において窓部A60aの内側の領域の前方に配置される。この場合、補助導光板ユニットA810から流下分岐部材A801へ向かう光は、ベース板A60を通らず、ベース板A60の板厚よりも薄いセンターフレームA86を通り流下分岐部材A801に到達することになるので、流下分岐部材A801に到達する光の減衰を抑えることができる。
案内部材A802は、ベース板A60の窓部A60aの右上領域A60bを正面側から覆う形状から形成される板状本体A802aと、その板状本体A802aから正面側に板状に延設される一対の延設板A802bと、遊技球を減速させるために板状本体A802a又は延設板A802bから突設される複数の減速突部A802cと、を備え、右上領域A60bの上下位置においてベース板A60に締結固定される。
案内部材A802の背面側には、右上領域A60bに収められベース板A60の板厚よりも板厚の薄いセンターフレームA86の張出板部A86aを挟んで、補助導光板ユニットA810が配設される。この場合、補助導光板ユニットA810から案内部材A802へ向かう光は、ベース板A60を通らず、ベース板A60の板厚よりも薄いセンターフレームA86の張出板部A86aを通り案内部材A802に到達することになるので、案内部材A802に到達する光の減衰を抑えることができる。
減速突部A802cは、左側の流路については、向かい合う一対の延設板A802bの両方から突設されており、これにより流下する遊技球を左右に揺らすことができる。右側の流路については、右側の延設板A802bから突設されると共に、板状本体A802aから前方に突設されており、これにより流下する遊技球を左右および前後方向に揺らすことができる。
このように、案内部材A802により形成される2本の流路を流下する遊技球は、どちらも減速突部A802cからの減速を受けるが、その流下態様は、どちらの流路を流下するかによって異なる。これにより、遊技者は、遊技球の流下態様を見ることで、遊技球がどちらの流路を流下しているかを即座に把握することができる。
また、このように構成することで、外縁部材73(図2参照)に減速突部を形成する必要が無いので、外縁部材73を共通部品として構成することができる。これにより、製品のコスト削減を図ることができる。
本実施形態では、案内部材A802により、一本の流路よりも左右幅の広い二本の流路を構成することになるので、強度面での問題が生じやすい。これに対し、本実施形態では、流路を形成する延設板A802bが板状本体A802aの中央に配置されており、案内部材A802の補強材としての役割も担っている。これにより、案内部材A802を厚みの薄い部材として構成しても、強度不足となることを避け易くすることができる。
下流側案内部材A803は、板状本体A803aと、その板状本体A803aの背面から延設される延設板A803bと、を備え、それらの前後関係が案内部材A802と逆とされる。
案内部材A802により形成される2本の流路と異なり、下流側案内部材A803により形成される2本の案内流路は、その流路形状自体が、左右で異なる。即ち、左側の流路は、左下方に傾斜する流路であるが、右側の流路は、左右に蛇行する経路として形成される。これにより、いずれの流路を流下するかにより、遊技球の流下態様を大きく変化させることができる。
図52は、補助導光板ユニットA810の分解正面斜視図であり、図53は、補助導光板ユニットA810の分解背面斜視図である。補助導光板ユニットA810は、表面にLEDが配設される一組の板状の正面発光基板A820と、裏面にLEDが配設される一組の板状の背面発光基板A830と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され正面発光基板A820のLEDから照射される光を受光可能となるように正面発光基板A820の正面側に配設される前側板部材A840と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され背面発光基板A830のLEDから照射される光を受光可能となるように背面発光基板A830の背面側に配設される後側板部材A850と、光透過性の低い白色の樹脂材料から形成され背面発光基板A830との間に後側板部材A850を挟むように配設されるベース部材A860と、を備える。
正面発光基板A820は、上側に配設される上側基板A821と、右側に配設される右側基板A825と、を備える。上側基板A821は、板状本体A822と、板状本体A822の正面側において右下隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が右側へ向けられる複数のエッジ発光部A823と、そのエッジ発光部A823よりも左側に配設される複数のLED等の発光手段であって光軸が正面側へ向けられる複数の面発光部A824と、を備える。
エッジ発光部A823からの光は、前側板部材A840に受光される。複数のエッジ発光部A823の光の光軸は、それぞれ右側を向き、前側板部材A840の前平面に対して平行とされるので、前側板部材A840を広い範囲で光らせることができる。
更に、エッジ発光部A823は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真右を向くのではなく、光軸の間隔が右側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A823からの光を前側板部材A840の広範囲に導光させることができる。
面発光部A824からの光は、正面側に配設される装飾部材A808(図50参照)に受光される。複数の面発光部A824の光の光軸は、それぞれ正面側を向き互いに平行とされるので、装飾部材A808を広い範囲で均一に光らせることができる。
右側基板A825は、板状本体A826と、板状本体A826の正面側において左上隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が上側へ向けられる複数のエッジ発光部A827と、そのエッジ発光部A827よりも下側に配設される複数のLED等の発光手段であって光軸が正面側へ向けられる複数の面発光部A828と、を備える。
エッジ発光部A827からの光は、前側板部材A840に受光される。複数のエッジ発光部A827の光の光軸は、それぞれ上側を向き、前側板部材A840の前平面に対して平行とされるので、前側板部材A840を広い範囲で光らせることができる。
更に、エッジ発光部A827は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真上を向くのではなく、光軸の間隔が上側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A827からの光を前側板部材A840の広範囲に導光させることができる。
上側基板A821のエッジ発光部A823からの光が前側板部材A840の左端から受光されるのに対し、エッジ発光部A827からの光は前側板部材A840の下端から受光されるようになっているので、前側板部材A840が正面視で中央側において括れ部A844を有するように括れた形状となっている場合であっても、前側板部材A840の全域に光が届き易くすることができる。
面発光部A828からの光は、正面側に配設される装飾部材A808(図50参照)に受光される。複数の面発光部A828の光の光軸は、それぞれ正面側を向き互いに平行とされるので、装飾部材A808を広い範囲で均一に光らせることができる。
背面発光基板A830は、上側に配設される上側基板A831と、右側に配設される右側基板A835と、を備える。上側基板A831は、板状本体A832と、板状本体A832の背面側において右下隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が右側へ向けられる複数のエッジ発光部A833と、を備える。
エッジ発光部A833からの光は、後側板部材A850に受光される。複数のエッジ発光部A833の光の光軸は、それぞれ右側を向き、後側板部材A850の前平面に対して平行とされるので、後側板部材A850を広い範囲で均一に光らせることができる。
更に、エッジ発光部A833は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真右を向くのではなく、光軸の間隔が右側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A833からの光を後側板部材A850の広範囲に導光させることができる。
右側基板A835は、板状本体A836と、板状本体A836の正面側において左上隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が上側へ向けられる複数のエッジ発光部A837と、を備える。
エッジ発光部A837からの光は、後側板部材A850に受光される。複数のエッジ発光部A837の光の光軸は、それぞれ上側を向き、後側板部材A850の前平面に対して平行とされるので、後側板部材A850を広い範囲で均一に光らせることができる。
更に、エッジ発光部A837は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真上を向くのではなく、光軸の間隔が上側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A837からの光を後側板部材A850の広範囲に導光させることができる。
上側基板A831のエッジ発光部A833からの光が後側板部材A850の左端から受光されるのに対し、エッジ発光部A837からの光は後側板部材A850の下端から受光されるようになっているので、後側板部材A850が正面視で中央側において括れた形状となっている場合であっても、後側板部材A850の全域に光が届き易くすることができる。
正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827と、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837とが、前後方向で対応する位置(矢印F―B上で平行移動させた位置)に配置されているので、エッジ発光部A823,A827により照らされる前側板部材A840の範囲と、エッジ発光部A833,A837により照らされる後側板部材A850の範囲とを対応させることができる。
これにより、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827と、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837との両方を発光させた場合には、それらの光が合わさることで、前側板部材A840及び後側板部材A850におけるエッジ発光部A823,A827又はエッジ発光部A833,A837に照らされる範囲を、より明るく視認させることができる。
一方で、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827又は背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837の片側を発光させる場合においても、前側板部材A840又は後側板部材A850の明るくなる箇所は、位置ずれすることが無いので、演出の違和感を生じさせにくくすることができる。
正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827又は背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837により明るく照らされる範囲が同じにされるので、例えば、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827のみを発光させた状態から、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837のみを発光させる状態へ移行させたとしても、遊技者が受ける平面的な光の明暗のパターン(正面視でどの位置が明るく、どの位置が暗くなるかというパターン)が変化することを避けることができる。これにより、遊技者の疲労間を低減させることができる。
前側板部材A840は、正面側側面が平滑面として形成される板状本体A841と、その板状本体A841の背面側側面において、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭に沿って形成されるライン状溝部A842と、ベース部材A860との締結固定のために円形に穿設される挿通貫通孔A843と、板状本体A841の中腹部が括れるように形成される括れ部A844と、を備える。
正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827からの光が前側板部材A840に受光された場合、ライン状溝部A842で光が屈折されることにより、上記イラストの形状の輪郭がライン状に明るく視認される。
括れ部A844を有する板状本体A841の形状は、ライン状溝部A842の元となるイラストの形状の外形に合わせた結果の形状である。即ち、ライン状に光る形状は、板状本体A841の全域で視認されることになるので、板状本体A841に演出上無駄な箇所を生じさせないようにすることができる。
後側板部材A850は、前側板部材A840の正面視外形と同一形状で光透過性の樹脂材料から形成される板状本体A851と、その板状本体A851の正面視外形と同一形状から形成され板状本体A851の正面側に配設される光透過性の薄肉樹脂板A855と、左上隅部において板状本体A851及び薄肉樹脂板A855を前後方向に貫くように同位置に形成される第1貫通孔A851a,A855aと、下側部において板状本体A851及び薄肉樹脂板A855を前後方向に貫くように同位置に形成される第2貫通孔A851b,A855bと、を備える。
板状本体A851は、前側板部材A840の括れ部A844と対応する位置において括れ部A844と同様の形状から形成される括れ部A852を備え、正面側側面が平滑面で形成され、背面側側面に無数のシボが形成される。これにより、板状本体A851に受光された光のうち、背面側へ抜けた光が白色のベース部材A860に反射されると、その光は無数のシボで拡散され、面発光される。これにより、板状本体A851の背面側部を効率的に明るくすることができる。
板状本体A851は、括れ部A852を備えており、括れ部A852の片側から受光された光が括れ部A852を通過した後においては括れ部A852の幅に制限された範囲で進行し易いため、本実施形態の板状本体A851のように、括れ部A852の両側において括れ部A852の幅よりも幅広に形成される場合には、括れ部A852の片側から受光された光を板状本体A851の全域に広げることは難しい。
そこで、本実施形態では、括れ部A852の上側においてはエッジ発光部A833からの光が板状本体A851に受光され、括れ部A852の下側においてはエッジ発光部A837からの光が板状本体A851に受光されるように構成することで、括れ部A852を採用しながらも、括れ部A852の上側または下側のみから光を受光する場合に比較して、板状本体A851の全域に光を受光させることを可能にしている。これにより、板状本体A851の全域を効率的に明るくすることができる。
薄肉樹脂板A855には、ライン状溝部A842の輪郭の元となるイラストが描かれており、本実施形態では、イラストに対応する色が塗られている。そのため、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837からの光が後側板部材A850に受光された場合、薄肉樹脂板A855に描かれたイラストが、板状本体A851の背面側のシボにより面発光で明るく視認される。
ベース部材A860は、白色の樹脂材料から形成される部材であって、正面視略L字状に形成される板状本体A861と、その板状本体A861に支持される後側板部材A850の位置合わせを行う位置合わせ突部A862と、後側板部材A850が締結固定される締結部A863と、背面発光基板A830が位置合わせ及び締結固定される基板締結部A864と、板状本体A861から正面側に台状に形成される台部A865と、板状本体A861の正面から台部A865の正面側側面に合う高さで円柱状に突設され先端に雌ネジが形成される円柱状締結部A866と、板状本体A861の正面から円柱状に突設され先端に雌ネジが形成され、円柱状締結部A866の突設長さよりも正面発光基板A820の厚さ分突設方向に長くされる板挟み締結部A867と、を備える。
補助導光板ユニットA810の組立は、ベース部材A860に対して、後側板部材A850、背面発光基板A830、正面発光基板A820、前側板部材A840の順で締結固定されることで行われる。
まず、ベース部材A860に対する後側板部材A850の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する後側板部材A850の締結固定は、対応する位置合わせ突部A862に第1貫通孔A851a及び第2貫通孔A851bを挿通させた状態で板状本体A851に挿通される締結ネジが締結部A863に螺入されることで、行われる。
この時、締結ネジは板状本体A851には挿通されるが、薄肉樹脂板A855には挿通されない。そのため、板状本体A851をベース部材A860に締結固定した状態で、対応する位置合わせ突部A862に第1貫通孔A855a及び第2貫通孔A855bを挿通させることで、ベース部材A860及び板状本体A851に対する薄肉樹脂板A855の位置合わせを容易に行うことができる。
更に、締結時の押圧力により薄肉樹脂板A855が割れる事態を避けることができる。また、板状本体A851の締結は維持したままで、薄肉樹脂板A855の交換を行うことも可能となる。
次に、ベース部材A860に対する背面発光基板A830の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する背面発光基板A830の締結固定は、背面発光基板A830が基板締結部A864に締結固定されることで行われる。
基板締結部A864は、それぞれ後側板部材A850の貫通孔A853に挿通されていることで、後側板部材A850のベース部材A860に対する位置合わせとしても機能する。
ベース部材A860に対する背面発光基板A830の締結固定においては、上側基板A831の板状本体A832の背面側面が薄肉樹脂板A855の左側縁部を板状本体A851の正面側面との間で挟むように締結固定され、右側基板A835の板状本体A836の背面側面側が薄肉樹脂板A855の右下側縁部を板状本体A851の正面側面との間で挟むように締結固定されることで、薄肉樹脂板A855が板状本体A851から浮き上がることが防止される。
この場合、薄肉樹脂板A855に与えられる負荷が、締結ネジのように点で生じる負荷ではなく、左側縁部に沿って線(面)で生じる負荷となるので、薄肉樹脂板A855にかけられる単位面積当たりの押圧力を低減させることができる。これにより、薄肉樹脂板A855の割れや欠けを回避し易くすることができる。
上述のように、背面発光基板A830の締結固定においては、板状本体A832の背面側面が後側板部材A850の正面側面と面で当接するように構成しているので、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837の光軸と、後側板部材A850との、前後方向(後側板部材A850の正面側面が向く方向)における位置合わせを容易に行うことができる。これにより、後側板部材A850への受光を良好とすることができる。
次に、ベース部材A860に対する正面発光基板A820の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する正面発光基板A820の締結固定は、正面発光基板A820の背面側面の左下側部が台部A865に面で当接された状態で、正面発光基板A820が円柱状締結部A866に締結固定されることで行われる。
正面発光基板A820と背面発光基板A830とは平行となるように配設されており、それらの間には間隔が開けられているので、正面発光基板A820と、背面発光基板A830及び後側板部材A850との間では、押圧力が生じないように構成される。
次に、ベース部材A860に対する前側板部材A840の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する前側板部材A840の締結固定は、前側板部材A840が板挟み締結部A867に締結固定されることで行われる。
板挟み締結部A867の配置は、正面発光基板A820の外方かつ近傍とされているので、板挟み締結部A867への締結固定時に生じる押圧力が、点での荷重として正面発光基板A820に与えられることを避けることができる。これにより、正面発光基板A820の割れや欠けを防止することができる。
前側板部材A840には、正面発光基板A820に配設されるエッジ発光部A823等のLEDの配置位置を確保するための貫通孔A845が形成されており、この貫通孔A845を除く板状本体A841の背面側面が、正面発光基板A820の板状本体A822,A826に対して面で押圧力をかけるようにして、ベース部材A860に締結固定される。これにより、正面発光基板A820の板状本体A822,A826を利用して、前側板部材A840の支持面積を増大させることができる。
ベース部材A860に対する前側板部材A840の締結固定においては、前側板部材A840の板状本体A841の背面側面が正面発光基板A820の正面側面と面で当接するように構成しているので、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827の光軸と、前側板部材A840との、前後方向(前側板部材A840の正面側面が向く方向)における位置合わせを容易に行うことができる。これにより、後側板部材A850への受光を良好とすることができる。
上述のように、正面発光基板A820、背面発光基板A830、前側板部材A840及び後側板部材A850は、それぞれ、ベース部材A860に形成される各構成部分に位置合わせされ、締結固定される。これにより、ベース部材A860の正面側面と平行な方向における正面発光基板A820、背面発光基板A830、前側板部材A840及び後側板部材A850の位置合わせを容易に行うことができる。
また、基板が前後に並ぶ一組ずつの正面発光基板A820及び背面発光基板A830で構成される場合であっても、光が受光される部材として対応する前側板部材A840又は後側板部材A850と、前後方向で当接するように締結固定させることで、ベース部材A860の正面側面と交差する方向における正面発光基板A820、背面発光基板A830、前側板部材A840及び後側板部材A850の位置合わせを容易に行うことができる。
図54は、補助導光板ユニットA810の正面図であり、図55は、図54のLV-LV線における補助導光板ユニットA810の断面図である。図54では、装飾部材A808の外形および右上領域A60b(図50参照)の外形が想像線で図示され、正面発光基板A820の外形の内で前側板部材A840と重なる箇所が隠れ線で図示され、図55では、ベース部材A860の中央側に配置される円柱状締結部A866(図52参照)の中心を通る断面が図示される。
図54に示すように、正面発光基板A820は、正面視で装飾部材A808の外形内に収まるよう配設されており、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827からの光を受光する前側板部材A840は、正面視で装飾部材A808からはみ出して配設されている。
これにより、正面発光基板A820を装飾部材A808で目隠ししながら、補助導光板ユニットA810全体の前後厚さを抑えることができる。即ち、補助導光板ユニットA810の前側板部材A840の背面側に発光基板を配置して前側板部材A840の発光演出を行う場合、前側板部材A840を発光させるのに適切な距離だけ離して発光基板を配置する必要があるので、ユニットの前後幅が嵩むことになり、その後方に動作役物を配置するスペースが削られることになる。
これに対し、本実施形態では、正面発光基板A820の配置を前側板部材A840の後方ではなく、前側板部材A840に対して左右または前後方向にずらした位置とすることで、補助導光板ユニットA810の前後幅を短くすることができるので、補助導光板ユニットA810の後方に動作役物を配置するスペースを十分に確保することができる。
本実施形態では、案内部材A802(図50参照)を採用することで、窓部A60aの右上領域A60bの前方にも遊技領域が形成される。補助導光板ユニットA810の右端部は、右上領域A60bに入り込んでいる。即ち、前後方向でベース板A60の板厚よりも内側に配置されている。
これにより、ベース板A60の後方に補助導光板ユニットA810が配置される場合に比較して、遊技盤A13(図50参照)の前後厚さを低減させることができる。更に、ベース板A60の後方に補助導光板ユニットA810が配置されベース板A60の板厚分を透過して遊技領域に到達する光に比較して、遊技領域に進入する光の減衰が生じ難くなるようにすることができるので、右上領域A60bの前方の遊技領域を明るく照らすことができる。
前側板部材A840は、正面発光基板A820の縁部と重なる形状から形成される。即ち、前側板部材A840が正面発光基板A820の正面側からベース部材A860に締結固定される際に前側板部材A840から正面発光基板A820に与えられる押圧力は、正面発光基板A820の縁部に沿って分けられることになるので、単位面積あたりの荷重を低減させることができる。
これにより、正面発光基板A820と前側板部材A840との間にかけられる負荷が過剰となることを避けながら、正面発光基板A820と前側板部材A840とを面接触させることができるので、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827の光軸と、前側板部材A840との位置合わせを容易に行うことができる。
図55で示すように、指向性の高いLEDから選定されるエッジ発光部A823,A827からの照射光の進行経路AL2は、前側板部材A840に受光された後、前側板部材A840の前後面で全反射する態様でライン状溝部A842に到達するまでは左右方向に延び、ライン状溝部A842に到達すると屈折され、正面側へ向きが変えられる。
そのため、正面側から前側板部材A840を視認する際にエッジ発光部A823,A827から光が照射されている場合には、ライン状溝部A842から正面側に向かう光が遊技者の目に届くので、ライン状溝部A842の元となる形状としての、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭が光っているように視認させることができる。
なお、エッジ発光部A833,A837(図53参照)を構成するLEDは、エッジ発光部A823,A827を構成するLEDよりも指向性の低いLEDが採用される。これにより、後側板部材A850の全域を均一に発光させることができる。
即ち、エッジ発光部A833,A837(図53参照)からの光は、後側板部材A850からの光は後側板部材A850内を全反射する態様にはなく、後側板部材A850を均一に照らすように機能する。
図2に戻って説明する。図2に示すように、正面視におけるセンターフレームA86の右下側に、下流側案内部材A803が配設される。下流側案内部材A803は、案内部材A802に案内された遊技球が、スルーゲート67を通過するか否かに関わらず案内される流路を構成する。
図56は、下流側案内部材A803の分解正面斜視図であり、図57は、下流側案内部材A803の分解背面斜視図である。なお、図56及び図57では、下流側案内部材A803が固定されるベース板A60の一部のみが図示され、ベース板A60のその他の部分についての図示が省略される。
下流側案内部材A803は、板状本体A803aと、その板状本体A803aの背面から延設される延設板A803bと、を有する前側部材A803zと、その前側部材A803zの背面側に配置され前側部材A803zとの間に遊技球が流下可能な経路を形成するように前側部材A803zに締結固定された状態でベース板A60に締結固定される光透過性の樹脂材料から形成される後側部材A804と、前側部材A803zの板状本体A803aの前面に貼り付けられる装飾板部材A805と、を備え、組立状態(図2参照)において、案内部材A802に案内された遊技球が、板状本体A803aと後側部材A804との間の領域を流下可能に構成される。
延設板A803bは、板状本体A803aの左縁部から延設され上下方向に延びる板部と左下方向に延びる傾斜板部から形成される左延設板A803cと、その左延設板A803cと対応する形状から形成されると共に対向配置され左延設板A803cとの間の領域に左側流路ATL1を形成する中側左延設板A803dと、その中側左延設板A803dの途中位置から枝分かれして右方に延設される部分を有し左右に屈曲しながら下方へ延びるように形成される中側右延設板A803eと、その中側右延設板A803eと対向配置され中側右延設板A803eとの間の領域に右側流路ATL2を形成する右延設板A803fと、を備える。
左側流路ATL1を流下する遊技球は、左延設板A803c及び中側左延設板A803dの延びる方向である左下方向へ流下する途中で、左延設板A803cと中側左延設板A803dとの間に配設され組立状態において後側部材A804のセンサ支持部A804aに保持される球検出用の検出センサASE1を通過して、後側部材A804の開口部A804bを通りベース板A60の後方へ向けて排出される。そのため、左側流路ATL1に流入した遊技球は、第2入賞口640や特定入賞口65a(図2参照)に案内されることはない。
左側流路ATL1の延びる方向(左下方向)は、右側流路ATL2から離れる方向なので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方が視認可能な場合に左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
検出センサASE1で遊技球が検出された場合の制御としては、種々の態様が考えられるが、本実施形態では、検出センサASE1で遊技球の通過が検出された場合、1個の賞球が払い出されるように制御される。
なお、賞球の個数は一例であり、1個に限られることはなく、2個でも、それ以上の個数でも良い。一方で、本実施形態のように賞球個数を1個とすることで、右打ちされた遊技球が左側流路ATL1を流れた場合の球減りを抑えることができる。
また、賞球の個数が2個またはそれ以上の個数の場合には、発射球を差し引いても、遊技者に払い出される賞球により遊技者の持ち球が増加する。これにより、左側流路ATL1に球が流入した場合の残念感を低減することができる。
右側流路ATL2に流入した遊技球は、中側右延設板A803eの上流側において右下方向へ延びる傾斜面A803e1に沿って流下する。この場合、球の流下する向きは右側流路ATL2と隣り合って設けられる左側流路ATL1から離れる向きとなるので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方が視認可能な場合に、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
傾斜面A803e1を転動する球は板状本体A803aの上縁付近を右方に流れるので、自由落下と類似の態様で球を流下させる左側流路ATL1を流下する球に比較して、下流側案内部材A803を上から覗き込むような方向視で見る場合の球の視認性を高くすることができる。換言すれば、下流側案内部材A803を上から覗き込むような方向視で球が視認される期間を引き延ばすことができる。
右側流路ATL2を流下する遊技球は、右延設板A803fの内側から左方へ延設される延設板A803f1を転動し、その転動球を受け入れるように円弧状に湾曲形成される中側右延設板A803eの湾曲面A803e2に沿って流下する。
延設板A803f1を転動する球は左側流路ATL1に近づく向きで流下することになるが、湾曲面A803e2が左側流路ATL1との間に隙間を空けて配置されており、湾曲面A803e2に沿って流下する球は左側流路ATL1から離れる向きで流下するように構成されることから、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
また、左側流路ATL1を流下する球の流下態様が重力方向に沿って左に傾斜しながら流下する態様であるのに対して、右側流路ATL2を流下する球の流下態様が左右に蛇行しながら流下する態様であることからも、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方が視認可能な場合に、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
また、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とで、下流側案内部材A803の内部流路に滞在する期間を異ならせることができる。例えば、左側流路ATL1と右側流路ATL2とに同時に球が流入した場合に、左側流路ATL1を流下する球は素早く下方へ流され、右側流路ATL2を流下する球は左右方向に蛇行することから、左側流路ATL1と右側流路ATL2とを流下する球が同じ高さに位置する期間を短くすることができる(球の高さ位置を異ならせることができる)。これにより、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
右側流路ATL2を通過した遊技球は、ベース板A60の正面側を下方へ流下し、第2入賞口640や特定入賞口65a(図2参照)側へ向けて案内される。そのため、下流側案内部材A803を流下する球の内、右側流路ATL2を流下した球に限って、第2入賞口640又は特定入賞口65aに入球し得るように構成される。
上述したように、右側流路ATL2は左右に蛇行する流路として形成されているので、球が自由落下する場合に比較して、球の上下方向の速度を低減させることができる。これにより、第2入賞口640又は特定入賞口65aに到達した時における球の上下方向の速度を低減させることができるので、球との衝突で電動役物640aの開閉板や可変入賞装置65の開閉板が破損する事態の発生を防止し易くすることができる。
装飾板部材A805は、樹脂材料から形成され、視認させる方向に関わらず同程度に光を透過させる透明シートA805aと、視認させる方向により光の透過性が変化するように構成される視認態様変化シートA806と、を備える。
視認態様変化シートA806は、正面視で左側流路ATL1を含む大きさで形成され、透明シートA805aは、正面視で右側流路ATL2を含む大きさで形成されており、視認態様変化シートA806及び透明シートA805aから構成される装飾板部材A805が板状本体A803aの外縁部よりも若干小さな領域を占めるような形状から形成される。
図58は、視認態様変化シートA806の構成を模式的に示す模式図である。視認態様変化シートA806は、視野角制御シートとも言い換えることができるものであり、透明シリコーンゴムA806aと黒色シリコーンゴムA806bとを交互に配置したルーバーフィルムの表裏に透明樹脂フィルムA806cを張り合わせた構造とされており、製造時に黒色シリコーンゴムA806bの配置間隔や姿勢を異ならせることにより透過する光の角度範囲(視野角)を設計することが可能となっている。
視認態様変化シートA806は、図56に示すように板状本体A803aの正面側に貼り付けられるシートであり、ガラスユニット16との間の隙間という限られた範囲に配置されるものであるため、その肉厚は非常に薄いことが求められる。本実施形態においても、透明樹脂フィルムA806cはポリカーボネートを材料とする厚さ約0.2mmのフィルムで、黒色シリコーンゴムA806bの配置間隔(ピッチ)は約0.1mmという、微細に設計されたシートが利用される。
図59(a)及び図59(b)は、方向視の違いによる下流側案内部材A803の見え方の変化を示す模式図である。図59(a)では、図58の矢印AEL1方向視における見え方が図示され、図59(b)では、図58の矢印AEL2方向視における見え方が図示される。なお、図59では、方向視の違いによる外形の変化が生じ得るが、便宜上外形の変化を無視し同形状で図示される。また、図59では、視認態様変化シートA806を透過して視認される左側流路ATL1及び右側流路ATL2の内側面が実線で図示される。
本実施形態では、視認態様変化シートA806を透過させて視認態様変化シートA806の奥側を視認可能な視野角が約30度になるように黒色シリコーンゴムA806b(図58参照)の配置間隔や姿勢を設計している。
即ち、図59(a)に示すように、矢印AEL1(図58参照)の方向視で視認態様変化シートA806を視認させた場合(下流側案内部材A803の真正面から視認させた場合)には、視認態様変化シートA806を透過させて奥側に配置されている左側流路ATL1を視認させることができる。
一方で、図59(b)に示すように、視野角よりも大きな角度の矢印AEL2(図58参照)の方向視で視認態様変化シートA806を視認させた場合(下流側案内部材A803の真正面から横にずれた位置、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)の真正面から斜めに視認させた場合)には、視認態様変化シートA806を透過させることができず視認態様変化シートA806の正面側を視認させることになるので(表面に図形やイラスト等の装飾が施されている場合にはその装飾を視認させることになるので)、左側流路ATL1を流下する球を視認させ難くすることができる。
このように、本実施形態では、矢印AEL2の方向視で下流側案内部材A803を視認させる場合よりも、矢印AEL1の方向視で下流側案内部材A803を視認させる場合の方が、遊技者は左側流路ATL1を流下する遊技球を視認し易い。
上述したような視認態様変化シートA806の機能を利用して、下流側案内部材A803を通る球の内、遊技者にとって利益の大きな側の球のみを遊技者に視認させるように演出することができる。このことについて詳述する。
パチンコ機10で遊技を行う遊技者は、基本的には、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域や、その手前側を動作する可動役物(例えば、動作ユニットA400~A600)により展開される演出を視認しながら遊技を行うため、遊技領域の特定の範囲を凝視することは稀となることが多く、下流側案内部材A803についても、第3図柄表示装置81を正面から視認するそのままの姿勢で横目に見る(例えば、図58の矢印AEL2の方向視で見る)ということが多くなる。
例えば、第2入賞口640や特定入賞口65a(図2参照)へ向けて球を発射するために右打ち遊技を行う時短中や確変中においても、遊技者は第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域における演出に注目したいため、下流側案内部材A803を横目に見て遊技球が確かに流下していることを確認したら、下流側案内部材A803から視線を外して、第3図柄表示装置81の表示領域に注目することが通常である。
そのような短い時間でしか視認されない下流側案内部材A803において、本実施形態では、左側流路ATL1に流入した遊技球は第2入賞口640や特定入賞口65a(図2参照)側へは流れず遊技領域から排出されてしまう。このような構成は、パチンコ機10の単位時間当たりの賞球性能を規格内に収めるために(遊技の時間調整や賞球調整のために)採用されるものであるが、遊技者にとっては、左側流路ATL1に流れる球は余り好ましい球では無い。
そのような好ましくない球の流下を見せられることにより、遊技者の興趣は下げられてしまい、再びパチンコ機10を遊技しようという意欲を削ぐ結果を招き易く、好ましくない場合がある。
これに対し、本実施形態では、視認態様変化シートA806により、遊技者が下流側案内部材A803を横目に見るような方向視(例えば、矢印AEL2の方向視)では、左側流路ATL1を流れる遊技球については視認させず、右側流路ATL2を流れる遊技球のみを視認させるようにしている。
即ち、下流側案内部材A803を横目に見る場合には右側流路ATL2を流下する球しか見せないようにすることで、下流側案内部材A803を遊技球が流下する流路を左側流路ATL1と右側流路ATL2との複数で用意しながら、遊技者に右側流路ATL2を流下する遊技球のみを視認させることができるので、遊技者に対して、発射した球の全てが第2入賞口640や特定入賞口65a側へ案内されている(無駄なく案内されている)ように思わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができるので、遊技者の再遊技の意欲を向上させることができる。
このように、本実施形態では、視認態様変化シートA806の利用により、第3図柄表示装置81の表示領域で展開される表示演出を視認しながら遊技をしている遊技者が、左側流路ATL1を流下する不利益な球(第2入賞口640や特定入賞口65a側へ案内されない球)を見ないで済むように構成でき、右側流路ATL2を流下する都合の良い球(第2入賞口640や特定入賞口65a側へ案内される球)のみを見られるようにすることができる。
一方、遊技者によっては、左側流路ATL1を流下するような不利益な球についても、視認したいと要望する。この場合には、第3図柄表示装置81の前方から頭を動かして、下流側案内部材A803の正面からの方向視(図58の矢印AEL1の方向視)で見ることで左側流路ATL1を流れる球を視認することができるので、左側流路ATL1を流下するような不利益な球についても視認したいと要望する遊技者の不満が蓄積することを回避することができ、このような遊技者の再遊技の意欲が低減されることを防止することができる。
図60を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニットA400の回転動作ユニット400bが、傾倒動作に伴い長手方向(回転軸棒AJ1と回転先端とを結ぶ方向)に延びるように構成される場合を説明したが、第2実施形態の第1動作ユニットA2400では、回転動作ユニット400bの傾倒動作に伴い長手方向に延びたり縮んだりするように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60は、第2実施形態における第1動作ユニットA2400の背面図である。図60では、演出待機状態における第1動作ユニットA2400が図示される。なお、第2実施形態における第1動作ユニットA2400では、回転動作ユニット400bは第1実施形態と同一である一方で、支持ユニットA2400aは第1実施形態の支持ユニットA400aに対して、特に案内長孔A2414が異なる。なお、図60の説明では、図19及び図20を適宜参照する。
支持ユニットA2400aは、第1実施形態で上述した案内長孔A414の代わりに、回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448が案内される案内長孔A2414を備える。
案内長孔A2414は、右端部から左方へ円弧状に延びる第1円弧部A2414aと、その第1円弧部A2414aよりも左側において第1円弧部A2414aよりも半径の短い円弧状に形成される第2円弧部A2414bと、その第2円弧部A2414bよりも左側において第1円弧部A2414aよりも半径の長い円弧状に形成される第3円弧部A2414cと、第1円弧部A2414aの左端部と第2円弧部A2414bの右端部とを繋ぐ直線孔状に形成される第1直線部A2414dと、第2円弧部A2414bの左端部と第3円弧部A2414cの右端部とを繋ぐ直線孔状に形成される第2直線部A2414eと、を備える。
第1円弧部A2414aは、半径が第2長さAD2(図19(b)参照)とされる第2半径AR2の回転軸棒AJ1を中心とする円弧状に形成され、第2円弧部A2414bは、半径が第1長さAD1(図19(a)参照)とされる第1半径AR1の回転軸棒AJ1を中心とする円弧状に形成され、第1直線部A2414dは、傾斜した直線状に形成される。
そのため、第1動作ユニットA2400の演出待機状態から駆動モータAMT1が駆動され、回転動作ユニットA400bが傾倒動作を開始すると、柱状突設部A448が第1円弧部A2414aを移動する間は回転動作ユニットA400bの長手方向の長さは変化せず回転動作のみが継続される。
更に、柱状突設部A448が第1直線部A2414dを移動する間は回転動作ユニットA400bの長手方向の長さが縮む方向に変化しながら回転動作が継続されるので、駆動抵抗が増加する。
更に、柱状突設部A448が第2円弧部A2414bを移動する間は回転動作ユニットA400bの長手方向の長さは変化せず回転動作が継続されるので、その分、駆動抵抗が減少する。
このように、案内長孔A2414によれば、柱状突設部A448が第1直線部A2414dに進入する際に駆動抵抗を増加させるように構成されていることから、柱状突設部A448が第1直線部A2414dに進入する際の姿勢で回転動作ユニットA400bを急停止させるような動作制御を容易に行うことができる。
柱状突設部A448が、第1円弧部A2414a、第1直線部A2414d、第2円弧部A2414bの順で移動する際には、回転動作ユニットA400bの長手方向の長さが変化するだけであり(図19(a)及び図19(b)参照)、回転動作ユニットA400bの幅方向の長さの変化は生じない。
第2直線部A2414eは、回転軸棒AJ1の中心を通る直線AVL2上を延びる傾斜した直線状に形成される。そのため、第2直線部A2414eを柱状突設部A448が移動する際には、回転動作ユニットA400bの回転動作は停止され、長手方向に延びる変位のみが生じる。
第2直線部A2414eを柱状突設部A448が左側へ向けて移動する間に、柱状突設部A448と回転軸棒AJ1との間の長さが第2長さAD2よりも長くなると、回転動作ユニットA400bの長手方向に延びる変位に加えて、回転動作ユニットA400bの短手方向に広がる変位が生じる(方向切替部材A450及び装飾部材A460の左右外側への変位、図20参照)。
そのため、柱状突設部A448が第2直線部A2414eを移動する間において、駆動モータAMT1にかけられる抵抗として、回転動作ユニットA400bの長手方向に延びる変位に伴う抵抗がかけられる状態から、その抵抗に加えて回転動作ユニットA400bの短手方向に広がる変位に伴う抵抗がかけられる状態へ移行される。
これにより、回転動作ユニットA400bの変位の抵抗を増加させることができるので、駆動モータAMT1からの駆動力が一定とされる場合において、回転動作ユニットA400bに生じる変位の速度を変化させることができる。即ち、柱状突設部A448と回転軸棒AJ1との間の長さが第2長さAD2よりも短い状態に比較して、柱状突設部A448と回転軸棒AJ1との間の長さが第2長さAD2よりも長い状態における変位の速度を遅くさせることができるので、回転動作ユニットA400bの短手方向の変位を遊技者に印象付けることができる。
第3円弧部A2414cは、半径が第4長さAD4(図20(b)参照)とされる第4半径AR4の回転軸棒AJ1を中心とする円弧状に形成され、回転動作ユニットA400bの傾倒先端側ほど下側に配置される。
これにより、柱状突設部A448が第2直線部A2414eから第3円弧部A2414cに進入した後は、回転動作ユニットA400bが長手方向にも短手方向にも最大まで変位した状態(図20(b)参照)における、回転動作(傾倒動作)を生じさせることができるので、回転動作ユニットA400bの回転動作の迫力を大きくすることができる。
なお、第3円弧部A2414cの左端部の位置は、第1実施形態における案内長孔A414の左端部と同じ位置とされる。第3円弧部A2414cの左端部に柱状突設部A448が配置される状態から、回転動作ユニットA400bを傾倒動作させる方向とは逆方向に駆動モータAMT1を駆動させた場合に、柱状突設部A448が案内長孔A2414を右側へ案内されることで回転動作ユニットA400bが起き上がる方向に回転動作されることは、第1実施形態における第1動作ユニットA400と同様である。
図61から図63を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニットA400の回転動作ユニット400bが、起立した状態から傾倒動作に伴い倒れていくように動作する場合を説明したが、第3実施形態の第1動作ユニットA3400では、水平方向に延びる状態から傾倒動作に伴い倒れていくように動作するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図61から図63は、第3実施形態における第1動作ユニットA3400の模式背面図である。図61では、第1動作ユニットA3400の第1の演出待機状態が模式的に図示され、図62では、第1動作ユニットA3400の張出状態が模式的に図示され、図63では、第1動作ユニットA3400の第2の演出待機状態が模式的に図示される。また、図61から図63では、配置関係の把握を容易とするために、背面ケースA210(図7参照)の外形位置(下側部において図示が一部省略されている)と、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形位置とが想像線で図示される。
第1動作ユニットA3400は、背面ケースA210の内側において背面ケースA210に締結固定される支持部材A3400aと、その支持部材A3400aに固定配置される回転軸棒AJ3を中心として回転動作可能に支持される回転動作ユニットA3400bと、を備える。
支持部材A3400aは、回転動作ユニットA3400bの変位を案内するための案内長孔A3414を備えている。案内長孔A3414は、回転軸棒AJ3を中心とする円弧状に形成される円弧部A3414aと、その円弧部A3414aの下端部から直線状に延設され延設先端側の方が回転軸棒AJ3に近い直線部A3414bと、その直線部A3414bの下側端部から下方に凹設される凹設部A3414cと、を備える。
なお、支持部材A3400aと回転動作ユニットA3400bとが重なって図が見難くなることを避ける目的で、支持部材A3400aは、外形が想像線で図示され、その外形の内側においては案内長孔A3414を除き図示が省略される。
回転動作ユニットA3400bは、回転軸棒AJ3に回転可能に支持される基端側部材A3430と、その基端側部材A3430の回転先端側に配設され基端側部材A3430に対して回転軸棒AJ1を中心とする円の径方向に変位可能に構成される先端側部材A3440と、を備える。
先端側部材A3440は、移動本体A3441と、その移動本体A3441の回転軸棒AJ3に近い側から前後方向に突設され、案内長孔A3414に挿通される被案内突部A3442と、を備える。
第3実施形態における駆動力の伝達は、第1実施形態においてベルトA423aに案内される連結部材A427aの案内長孔A427eが左右方向に移動することに伴い、柱状突設部A448(図15及び図16参照)に駆動力が左右方向にかけられることで回転動作ユニットA400bが変位されるのと同様に構成される。
即ち、第3実施形態における第1動作ユニットA3400では、ベルトA423a、連結部材A427a及び案内長孔A427e(図示せず)の姿勢を90度変化させて上下方向に移動させるように構成しており、これらが上下方向に移動することに伴い、案内長孔A427eに挿通されている被案内突部A3442に駆動力が上下方向にかけられることで回転動作ユニットA3400bが変位される。
第1動作ユニットA3400の、第1の演出待機状態からの回転動作について説明する。第1の演出待機状態(図61参照)から被案内突部A3442を下方へ移動させるように駆動力が生じると、回転動作ユニットA3400bは回転軸棒AJ3を中心とする回転動作を開始する。
ここで、被案内突部A3442が案内長孔A3414の円弧部A3414aに案内されている間は、基端側部材A3430に対する先端側部材A3440の相対移動(回転動作ユニットA3400bの長手方向の変位)は生じない(図62参照)。
図62に図示される状態から更に、被案内突部A3442を下方へ移動させるように駆動力が生じると、被案内突部A3442が案内長孔A3414の直線部A3414bに入ることになるので、回転が進むほど被案内突部A3442が回転軸棒AJ3に近づくことになる。
そのため、回転動作ユニットA3400bは回転軸棒AJ3を中心とする回転動作に加えて、先端側部材A3440が基端側部材A3430に近づく方向への相対移動が開始されるので、駆動抵抗が増加する。
回転動作ユニットA3400bの傾倒が終端まで進むと、図63に図示されるように、被案内突部A3442が案内長孔A3414の凹設部A3414cに入り込む分、直線部A3414bの下端側に配置されている場合に比較して、被案内突部A3442と回転軸棒AJ3との間の距離が長くなる方向に先端側部材A3440が基端側部材A3430に対して相対移動する。
即ち、第1の演出待機状態から回転動作ユニットA3400bが傾倒動作する場合、回転動作ユニットA3400bの先端側部材A3440は、基端側部材A3430に対して相対移動しない状態から基端側部材A3430に対して近づく方向に相対移動する状態へ移行し、その後、基端側部材A3430に対して近づく方向に相対移動する状態から基端側部材A3430に対して離れる方向に相対移動する状態へ移行する。このように、回転動作ユニットA3400bが傾倒動作する場合における先端側部材A3440の基端側部材A3430に対する相対移動のバリエーションを増加させることができる。
図63に図示される状態において、被案内突部A3442の回転軸棒AJ3を中心とする回転方向への移動は凹設部A3414cにより防止される。そのため、回転動作ユニットA3400bの傾倒動作を高速で実行させた場合であっても、回転方向の戻り動作(反動による逆方向の回転動作)が生じることを、被案内突部A3442が凹設部A3414cに食い止められることにより防止することができる。
なお、図63に図示される状態から上方向の駆動力を生じさせることにより、被案内突部A3442が逆方向に案内される態様で回転動作ユニットA3400bを回転動作(起き上がり動作)させることができる。
上述のように、第3実施形態では、回転動作ユニットA3400bの傾倒動作の方向が自重で回転動作するような方向に設定されるので、傾倒動作開始時に要求される駆動力を低減することができる。
また、傾倒動作中に回転動作ユニットA3400bが長手方向に縮むという外観の変化を生じさせることができる。これにより、傾倒動作中に回転動作ユニットA3400bをコンパクトにする側に変形させる演出を実行することができ、その演出の際に生じる遠心力を低減させることで、途中で停止させる位置や、終端における停止を安定させることができる。
また、先端側部材A3440の変位を規定するための案内長孔A3414が回転軸棒AJ3の近傍に配置されるので、案内長孔A3414を形成するための支持部材A3400aを小形化することができる。加えて、背面ケースA210における回転動作ユニットA3400bの回転先端側の領域(図61において第3図柄表示装置81よりも右側の領域)にまで第1動作ユニットA3400の構成を配設することを不要とすることができるので、背面ケースA210における動作ユニットの配置の自由度を向上させることができる。
図64を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、固定された下流側案内部材A803により遊技領域を流下する球の視認性が変化する場合を説明したが、第4実施形態の球案内ユニットA4900では、球の視認性を変化させる部分が変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64(a)及び図64(b)は、第4実施形態における球案内ユニットA4900の断面図である。図64(a)では、電動役物640aが閉鎖された状態が図示され、図64(b)では、電動役物640aが開放された状態が図示される。
図64では、電動役物640aの中間部を通り左右方向と直交する平面における断面図が図示され、理解を容易とするために、ベース板A60及びガラスユニット16が想像線で図示され、電動役物640aについては開閉板のみが図示されその他の駆動機構についての図示が省略される。
図64に示すように、球案内ユニットA4900は、ガラスユニット16とベース板A60との間において球の流下経路を形成するユニットであって、光透過性の樹脂材料から形成されベース板A60に締結固定される流路形成部材A4910と、その流路形成部材の前面に沿って昇降動作可能に構成され光透過性の樹脂材料から形成される導光変位部材A4920と、その導光変位部材A4920を流路形成部材A4910とは反対側から挟むように配設され光透過性の樹脂材料から形成されベース板A60に締結固定される覆設部材A4930と、導光変位部材A4920を駆動させるためのソレノイドA4940と、を備える。
流路形成部材A4910は、ベース板A60の表面に沿って形成される背面側板部A4911と、その背面側板部A4911の正面側に球の直径よりも若干長い間隔を空けて平行配置される正面側板部A4912と、背面側板部A4911及び正面側板部A4912の下端部を繋ぐ肉厚本体部A4913と、を備える。
背面側板部A4911には、電動役物640aを貫通させる貫通孔A4911aが形成されており、その貫通孔A4911aにより電動役物640aが正面側板部A4912に近接配置される閉鎖状態(図64(a)参照)と、後方に退避される開放状態(図64(b)参照)とで、前後に平行移動可能に構成される。
導光変位部材A4920は、流路形成部材A4910の正面側板部A4912の前側面に対向配置され前側面に変位を案内される被案内板部A4921と、その被案内板部A4921の下端部から後方へ延設される延設部A4922と、を備える。
被案内板部A4921は、上側部の背面側から溝状に切りかかれる複数のライン状溝部A4921aを備える。ライン状溝部A4921aは、被案内板部A4921の端部から入射した光を屈折させ正面側へ向けて出射させるように機能する(第1実施形態で上述したライン状溝部A732(図48参照)と同様の機能を有する)。
覆設部材A4930は、被案内板部A4921の前側面に対向配置され、流路形成部材A4910の正面側板部A4912と共に被案内板部A4921の変位を案内するように構成される前側案内板部A4931と、その前側案内板部A4931の下端部から後方へ延設され後端部がベース板A60に締結固定される延設部A4932と、その延設部A4932の前側端部の上面側に固定配置され上方へ向けて光を照射するLED等の発光手段A4933aを有する発光基板A4933と、を備える。
発光手段A4933aは、光軸が導光変位部材A4920の被案内板部A4921の延設方向(上下方向)に沿うように配置および設計され、光が被案内板部A4921の下端部から被案内板部A4921の内側を上方向に導光されるように構成される。即ち、発光手段A4933aから照射された光は、ライン状溝部A4921aまで到達するように構成される。
本実施形態では、発光手段A4933aから光が照射されると、ライン状溝部A4921aで屈折された光が正面側へ進行することになるので、ライン状溝部A4921aが明るく発光し、ライン状溝部A4921aを通した視認性が低下する。
そのため、ライン状溝部A4921aと重なる方向視で視認する場合には、その後方を流下する球の視認性が低下する。ライン状溝部A4921aを前後方向の方向視で視認するよりも、ライン状溝部A4921aを斜め下方に見下ろすような方向ADL1の方向視で視認する方が、電動役物640a上を転動する球を視認し易くなる。
一方、図64(a)において電動役物640aの上面を転動する球を斜め上方から視認する方向ADL1の方向視における位置から目の位置を変えずに、電動役物640aよりも下側を転動する球(図64(b)で図示される位置の球に相当)を斜め上方から視認するために方向ADL2の方向視で視認しようとする場合には、目線上にライン状溝部A4921aが入り込むことになり、球の視認性が悪くなる。
そのため、球を視認性良く見たい遊技者は、電動役物640aの開閉の度に目の位置を変える必要が生じることになるので、球の発射は右打ち遊技を行えばよいので遊技者の遊技負担を減らせているが、目の位置を頻繁に変えることによる遊技負担が増大することになる。
これに対し、本実施形態では、電動役物640aの動作タイミングとソレノイドA4940の駆動タイミングとが同期するように制御される。即ち、電動役物640aが開放状態となるのに合わせて、ソレノイドA4940が駆動され、導光変位部材A4920が下方へ変位することで、電動役物640aよりも下側を転動する球への視線をライン状溝部A4921aが遮る状態を解消するようにしている。
これにより、遊技者は、目の位置を変えずに視線の方向を方向ADL1と方向ADL2とで変えるだけでも、電動役物640aの開閉に応じて球の転動位置が変わっても球の視認性が損なわれることは無いので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、図64(a)に示す状態において球案内ユニットA4900を前後方向視で見る場合、電動役物640aよりも下側を転動する球がある場合には、その球への視線はライン状溝部A4921aに遮られることはない。そのため、電動役物640aが開放状態から閉鎖状態に切り替えられた直後に電動役物640aの真下を流下する球が存在する場合(例えば、オーバー入賞球が存在する場合)、その球については、前後方向視で遊技者に視認させることで、球を問題なく視認させることができる。
図64(a)に示す状態に比較し、図64(b)に示す状態の方が、発光手段A4933aと被案内板部A4921との間の距離が短い。そのため、発光手段A4933aからの光が被案内板部A4921へ向けて照射される場合に、図64(a)に示す状態に比較して図64(b)に示す状態の方が光の漏れが少ないことから、発光手段A4933aから照射される光量が同じでも図64(a)に示す状態に比較して図64(b)に示す状態の方がライン状溝部A4921aを明るく照らすことができる。
一方、図64(b)に示す状態に比較して、図64(a)に示す状態の方が、ライン状溝部A4921aの位置を遊技者側(上側)に寄せることができるので、ライン状溝部A4921aにより屈折される光により照らされる覆設部材A4930の範囲をより遊技者側(上側)に寄せることができる。
覆設部材A4930の前側案内板部A4931の前側面には図形やイラスト等の装飾が施されており、この装飾の照らされる範囲をより遊技者側(上側)に寄せるようにすることができるので、前側案内板部A4931による演出効果を向上させることができる。
図65を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニットA400の柱状突設部A448が移動部材A440の背面側から突設形成されており、板状本体A442に対して相対移動し得ない場合を説明したが、第5実施形態の第1動作ユニットA5400では、移動部材A5440に対して相対移動可能に配設される柱状突設部材A5448が構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図65(a)及び図65(b)は、第5実施形態における回転動作ユニットA5400bの背面図である。図65(a)では、演出待機状態(図7参照)に対応する状態における回転動作ユニットA5400bの様子が図示され、図65(b)では、張出状態(図7参照)に対応する状態における回転動作ユニットA5400bの様子が図示される。
以下では、第1実施形態で説明した回転動作ユニットA400bとの違いに焦点を当てて、回転動作ユニットA5400bの構成について説明する。本実施形態における回転動作ユニットA5400bでは、第1実施形態における柱状突設部A448と対応する部材として、柱状突設部材A5448が移動部材A5440に対して相対移動可能に配設されている。
即ち、柱状突設部材A5448は、移動部材A5440の板状本体A5442に穿設される案内長孔A5442aに突設先端部分(背面側端部)が後方へ向けて挿通されて張り出す一方で、突設基端部(正面側部)が案内長孔A5442aよりも大きな形状から形成されることで抜け止めとして機能する結果、柱状突設部材A5448が板状本体A5442に対して案内長孔A5442aに沿って相対移動可能に構成される。
柱状突設部材A5448は、一方向の付勢力を生じるバネなどの付勢部材(図示せず)により案内長孔A5442aの右側端部(図65(b)において柱状突設部材A5448が配置される端部)へ向けて付勢される。
案内長孔A5442aは、演出待機状態において回転軸棒AJ1を中心とする円弧に沿って延びる湾曲した長孔として形成される。これにより、柱状突設部材A5448の配置が案内長孔A5442aの内部で変化した場合であっても、その変化によって柱状突設部材A5448が案内長孔A414の円弧部A414a(図24参照)から外れることを回避することができる。
これにより、演出待機状態から回転動作ユニットA5400bが傾倒動作する場合に、柱状突設部材A5448と円弧部A414aとの間で生じる動作抵抗が増加することを回避し易くすることができる。
回転動作ユニットA5400bでは、基礎板部材A5430が、長手方向先端部(図65(a)上側端部)の短手方向片側(図65(a)左側)から延設される延設案内部A5438を備える。
延設案内部A5438は、案内長孔A5442aのどこに柱状突設部材A5448が配置されている場合であっても、柱状突設部材A5448と当接し得る位置まで延設されており、当接時に生じる荷重により柱状突設部材A5448を案内長孔A5442aに沿って移動させることができるようになっている。
即ち、図65(b)に図示されるように柱状突設部材A5448が案内長孔A5442aの一端(図65(b)紙面左側端部)に配置されている状態から、移動部材A5440が基礎板部材A5430に対して回転軸棒AJ1側へ移動する場合に、その移動途中で柱状突設部材A5448が延設案内部A5438の上側面に当接することで荷重を受けて案内長孔A5442aの他端(図65(a)紙面右側端部)へ向けて移動される。そして、最終的には、移動部材A5440の移動方向としての回転軸棒AJ1を通る直線上に柱状突設部材A5448が配置される。
上述のような構成により、第1動作ユニットA5400の演出待機状態からの傾倒動作時における、回転動作ユニットA5400bへの駆動力伝達を良好とすることができることについて説明する。
ここで、張出状態からの駆動力伝達においては、第1実施形態で上述した通り、柱状突設部A448に与えられる荷重のうちの、移動部材A440の基礎板部材A430に対する相対移動方向(回転軸棒AJ1を通る直線方向)に平行な成分は、回転軸棒AJ1を通らず、回転軸棒AJ1を中心とする回転方向の力を生じさせるので、回転動作ユニットA400bの張出状態からの移動を良好とすることができる。
第1実施形態では、この効果を生じさせるために、敢えて柱状突設部A448の配置を移動部材A440の短手方向の中心からずらしている。一方で、柱状突設部A448の配置がずれた状態のまま回転動作ユニットA400bを起立させ、その起立状態を柱状突設部A448で支えて維持する場合、回転動作ユニットA400bの長手方向が鉛直方向に向く姿勢ではバランスが取りにくく、若干傾斜した姿勢にしがちである(図24参照)という難点があった。
これに対し、本実施形態によれば、柱状突設部材A5448を移動部材A5440に対して相対移動可能に構成しているので、回転動作ユニットA5400bを起立させる際に(図65(a)参照)、回転動作ユニットA400bの長手方向が鉛直方向に向く姿勢でバランスを取り易くすることができる。
本実施形態では、案内長孔A5442aの長さの設計次第で、回転動作ユニットA5400bを起立させる状態における回転動作ユニットA5400bの姿勢を任意に設計することができる。このように、本実施形態では、張出状態からの駆動力伝達を良好とする効果を維持しながら、演出待機状態における姿勢の設計自由度を向上させることができる。
図66を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、視認態様変化シートA806により、方向視が左右方向に角度変化した場合における球流下経路(遊技領域)の見え方が変化する場合を説明したが、第6実施形態の流路前側構成部材A6900では、方向視が上下方向に角度変化した場合における球流下経路(遊技領域)の見え方が変化するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図66は、第6実施形態における流路前側構成部材A6900の断面図である。図66では、球が通過可能な箇所において、上下方向の辺と前後方向の辺とにより構成される平面で流路前側構成部材A6900が断面視される。なお、流路前側構成部材A6900と対向配置されるベース板A60の前後側面が想像線で図示される。
流路前側構成部材A6900は、ベース板A60の前側に対向配置され非透過性の樹脂材料から形成される目隠し部材A6910と、その目隠し部材A6910の正面側に貼り付けられる(又は締結固定される)光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、正面側に装飾が施される化粧板A6920と、目隠し部材A6910をベース板A60に締結固定する締結固定用部A6930と、を備える。
目隠し部材A6910は、上下方向に板状に延びる一対の板状本体A6911(図66にはその片側が図示されている)と、その一対の板状本体A6911の間を左右方向に延び、一対の板状本体A6911とで左右方向に延びる矩形長孔A6912を構成する複数のルーバー部A6913と、を備える。
矩形長孔A6912及びルーバー部A6913の左右方向長さは、球の直径よりは長くされており、配置箇所における遊技領域の左右幅に対応させた長さで形成される。また、ルーバー部A6913の上下間隔は、球の直径よりも小さくなるように設計されている。
目隠し部材A6910の製造方法としては、種々の態様が例示される。例えば、板状本体A6911に複数のルーバー部A6913が固定されるような態様でも良いし、板状本体A6911の前後長さに対応する厚みの板にドリル加工等で孔を空けて矩形長孔A6912を形成した残りの部分として複数のルーバー部A6913が形成されるような態様でも良い。
ルーバー部A6913は、前後方向に若干幅広に形成されており、その上下側面に装飾用のイラストが施されている。矢印AEL61の方向視で流路前側構成部材A6900を視認した場合、ルーバー部A6913に視線が遮られることとなるので、その背面側を流下する球AB61を視認し難い状況が生まれる。この場合、遊技者にはルーバー部A6913の上側面に施されるイラストを視認させることにより演出効果の低下を避けている。
一方、矢印AEL62の方向視(前後方向に沿う方向視)で流路前側構成部材A6900を視認した場合、ルーバー部A6913の上下側面と視線とが重なることは無く、ルーバー部A6913の上下厚みで隠される以外の部分、即ち、矩形長孔A6912を通して球AB61を視認させることができる。
本実施形態では、図66に示すように、ルーバー部A6913が前後幅よりも上下厚みが短い形状とされているので、矢印AEL62の方向視で流路前側構成部材A6900を視認させる場合の方が、矢印AEL61の方向視で流路前側構成部材A6900を視認させる場合に比較して、流路前側構成部材A6900の後方を流下する球AB61の視認性を向上させることができる。
次いで、図67から図77を参照して、本発明の第7実施形態における基板ボックスW100について説明する。まず、図67から図71を参照して、基板ボックスW100の概略構成について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図67は、第7実施形態におけるパチンコ機W10の背面図であり、図68は、基板ボックスW100の正面斜視図であり、図69は、基板ボックスW100の背面斜視図であり、図70は、基板ボックスW100の正面図であり、図71(a)は、基板ボックスW100の背面図であり、図71(b)は、図71(a)の矢印LXXIb方向視における基板ボックスW100の側面図であり、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外された状態が図示される。図72(a)は、基板ボックスW100の部分正面斜視図であり、図72(b)は、基板ボックスW100の部分背面斜視図であり、図72(a)及び図72(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500及び封印シールWSLが取り外された状態が図示される。
なお、図67から図71における矢印F-B、矢印L-R及び矢印U-Dは、基板ボックスB100の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれ示している。なお、以下の各図においても同様であるので、その説明は省略する。
また、第7実施形態におけるパチンコ機W10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対し、基板ボックスW100を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
図67から図71に示すように、基板ボックスW100は、ボックスカバーW200と、そのボックスカバーW200により開口が覆われるボックスベースW300と、それらボックスカバーW200及びボックスベースW300を開封不能に連結(かしめ構造による連結)する封印ユニットW400と、その封印ユニットW400により連結されたボックスカバーW200及びボックスベースW300の封印ユニットW400とは反対側の端部に配設される保護カバーW500及び封印シールWSLとを備え、主制御基板(図示せず)が収納される。なお、基板ボックスW100はに、サブ制御基板、発光演出または放音演出に伴う基板、各種スイッチ、コネクタ、遊技盤、役物または役物を駆動させるための駆動モータが収納されても良い。
封印ユニットW400には、回転軸W410が形成される。回転軸W410は、基板ボックスW100を内枠12(図1参照)の背面側に回転可能に軸支するための軸であり、基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の上下方向(矢印U-D方向)に平行、且つ、基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の左右方向(矢印L-R方向)に直交する軸として形成される。
また、回転軸W410は、背面視(矢印F方向視)において、基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の右方側(矢印R方向側)に配設される。なお、回転軸W410を基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の左方側(矢印L方向側)に配設しても良く、回転軸W410を基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の上方側(矢印U方向側)、下方側(矢印D方向側)、正面側(矢印F方向側)、或いは、背面側(矢印B方向側)に配設しても良い。
ボックスカバーW200は、正面視略横長矩形の板状に形成される背面壁部W201と、その背面壁部W201の4辺からボックスベースW300側(矢印F方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部を連結する左壁部W202及び右壁部)と、左壁部W202から左方側へ突出されるカバー側被係合部W210とを主に備える。ボックスカバーW200は、各壁部によりボックスベースW300側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスカバーW200は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
カバー側被係合部W210には、後述するベース側被係合部W310と共に、保護カバーW500が取り付けられる。カバー側被係合部W210は、左壁部W202から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ向けて突出されるベース部W211と、ベース部W211の突出先端部に形成される側壁部W212と、側壁部W212から封印ユニットW400とは反対側へ突出される平面部W220、上側張出部W213a及び下側張出部W213bと、ベース部W211及び平面部W220の背面からボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ向けて突出されるカバー部W214とを主に備える。
ベース部W211は、左壁部W202と側壁部W212とを連結するための部位であり、板状に形成される。側壁部W212は、保護カバーW500の封印ユニットW400側(矢印R方向側)への変位を規制するための部位であり、板状に形成される。
側壁部W212には、上側張出部W213a、下側張出部W213b及び平面部W220が配設される。上側張出部W213aは、平面部W220よりも上方側(矢印U方向側)となる位置に配設され、下側張出部W213bは、平面部W220よりも上側張出部W213aとは反対側(矢印D方向側)となる位置に配設される。
下側張出部W213bの背面は、側壁部W212の背面および後述する保護カバーW500の立設部W540よりもボックスベースW300側(矢印F方向側)に配設される。
平面部W220は、封印シールWSLが貼着される部位であり、板状に形成される。平面部W220は、ボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ向けて突出される突起W221及び一対の立設部W222と、平面部W220の上下方向(矢印U-D方向)の両端に配設される一対の両端壁部W223と、平面部W220の背面に凹設される凹部W224a,W224bと、平面部W220の板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して穿設される一対の締結孔W225と、平面部W220の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における端部に切り欠かれる切欠き部W226(図76参照)とを主に備える。
突起W221は、保護カバーW500の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)への変位を規制するための突起である。突起W221には、封印ユニットW400とは反対側から封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向かうにつれてボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部W221aが形成される。
立設部W222及び両端壁部W223は、側壁部W212と保護カバーW500との間に形成される隙間から不正に挿入された針金が平面部W220と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制するための部位である。
一対の立設部W222は、側壁部W212から所定の距離を隔てて上下方向(矢印U-D方向)に延びて形成される。上下方向における一対の立設部W222の両端部は、一対の両端壁部W223に接合され、一対の立設部W222と一対の両端壁部W223との間には隙間が非形成とされる。
一対の両端壁部W223は、板状に形成され、一対の両端壁部W223の板厚方向が対向された姿勢で上下方向(矢印U-D方向)における平面部W220の両端部に配設される。一対の両端壁部W223のボックスベースW300側(矢印F方向側)の端部およびボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)の端部は、平面部W220の正面および背面よりもボックスベースW300側およびボックスベースW300とは反対側へそれぞれ突出して形成される。また、一対の両端壁部W223の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部は、平面部W220の封印ユニットW400とは反対側の端部よりも封印ユニットW400とは反対側へ突出して形成される。なお、一対の両端壁部W223の正面は、立設部W222の突出面と略同一面上に配設される。
凹部W224a,W224bは、封印シールWSLの貼着面と平面部W220との間に空間を形成させるための部位である。凹部W224a,W224bがそれぞれ分離して形成されることにより、平面部W220と封印シールWSLとが貼着される面積を大きくできる。
なお、凹部W224a,W224bは、それぞれ連結して形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200の成形性を確保し易くできると共に、製造コストを低減できる。また、凹部W224a,W224bは、平面部W220の板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200の成形性を確保し易くできる。
左右方向(矢印L-R方向)における凹部W224aの寸法は、後述する保護カバーW500の連結片W531aの左右方向における寸法と略同一またはやや大きく形成され、上下方向(矢印U-D方向)における凹部W224aの寸法は、連結片W531aの上下方向における寸法の略3倍の大きさに形成される。上下方向における凹部W224bの寸法は、保護カバーW500の連結片W531bの上下方向における寸法と略同一またはやや大きく形成され、左右方向における凹部W224bの寸法は、連結片W531bの左右方向における寸法の略3倍の大きさに形成される。
一対の締結孔W225は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300を締結するねじ(図示せず)が挿入される孔である。一対の締結孔W225を挿通したねじがボックスベースW300に締結されることにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が締結される。
切欠き部W226は、後述するボックスベースW300の切欠き部W325と共に、封印シールWSLの貼着面側(矢印R方向側)に空間を形成させるための部位である。切欠き部W226は、平面部W220の上端から下端にかけて連続して形成される。また、切欠き部W226は、側壁部W212側(矢印R方向側)から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W325とは反対側(矢印B方向側)へ傾斜して形成される。
カバー部W214は、ベース部W211及び平面部W220からボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部の右方側の端部を連結する右壁部)と、上壁部、下壁部および右壁部の立設先端部を連結する背面壁部W214aとを主に備える。カバー部W214及び平面部W220により封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)が開放された箱状に形成される。
上壁部および下壁部は、左右方向(矢印L-R方向)に延びて形成され、上下方向(矢印U-D方向)において、突起W221及び一対の立設部W222の間にそれぞれ配設される。背面壁部W214aは、板状に形成される。背面壁部W214aの封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部は、突起W221よりも封印ユニットW400側(矢印R方向側)に配設され、背面視(矢印F方向視)において、突起W221は、視認可能とされる。これにより、突起W221と後述する保護カバーW500の係合孔W533との係合を視認可能とでき、ボックスカバーW200と保護カバーW500との係合状態を確認できる。
なお、背面視において、背面壁部W214aの封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部が突起W221に重なる位置まで背面壁部W214aが突出して形成されても良い。これにより、突起W221と係合孔W533との係合を解除させ難くできる。
ボックスベースW300は、正面視略横長矩形の板状に形成される正面壁部W301と、その正面壁部W301の4辺からボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部を連結する左壁部W302及び右壁部)と、左壁部W302から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ突出されるベース側被係合部W310とを主に備える。ボックスベースW300は、各壁部により背面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスベースW300は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
ベース側被係合部W310には、カバー側被係合部W210と共に、保護カバーW500が取り付けられる。ベース側被係合部W310は、左壁部W302から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ突出される上側張出部W311、カバー部W312及び平面部W320を主に備える。
上側張出部W311は、正面視(矢印B方向視)において、カバー側被係合部W210の上側張出部W213aに対応する位置に配設される。また、上側張出部W311の正面は、正面壁部W301の正面と略同一面上に配設される。
カバー部W312は、板状に形成される正面壁部W312aと、封印ユニットW400側(矢印R方向側)の辺を除く正面壁部W312aの3辺からボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部を連結する左壁部W312b)とを主に備える。上壁部、下壁部および左壁部W312bは、板状に形成され、それら上壁部、下壁部および左壁部W312bの立設先端部は平面部W320に接合される。
正面壁部W312aの背面には、上下方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて一対の突起W312cがボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて突出される。一対の突起W312cは、保護カバーW500の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)への変位を規制するための突起である。一対の突起W312cには、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)から封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向かうにつれてボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部W312dが形成される。
左壁部W312bには、側面視(矢印R方向視)において、一対の突起W312cに対応する位置に一対の挿通孔W312eが板厚方向(矢印L-R方向)に貫通して穿設される。一対の挿通孔W312eの内形は、一対の突起W312cの外形よりも大きく形成され、側面視において、一対の突起W312cが視認可能とされる。
平面部W320は、封印シールWSLが貼着される部位であり、板状に形成される。平面部W320は、上下方向(矢印U-D方向)における平面部W320の両端部に配設される一対の両端壁部W321と、平面部W320の板厚方向に(矢印F-B方向)にに貫通して穿設される一対の締結孔W322と、平面部W320からボックスカバーW200とは反対側(矢印F方向側)へ向けて突出される一対の抑制部W323と、平面部W320からボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて突出される突出部W324とを主に備える。
一対の両端壁部W321は、板状に形成され、一対の両端壁部W321の板厚方向を上下方向(矢印U-D方向)に沿わせた姿勢で平面部W320に配設される。一対の両端壁部W321のボックスカバーW200とは反対側(矢印F方向側)の端部は、平面部W320の正面よりも突出して形成される。また、一対の両端壁部W321の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部は、平面部W320の封印ユニットW400とは反対側の端部よりも突出して形成される。
一対の締結孔W322は、ボックスカバーW200に穿設される一対の締結孔W225を挿通したねじ(図示せず)が締結される孔であり、一対の締結孔W322の内周にはめねじが設けられる。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が締結される。
一対の抑制部W323は、保護カバーW500と封印シールWSLとが当接することを抑制するための部位である。一対の抑制部W323の突出長さは、封印シールWSL厚さ寸法よりも長く形成される。上下方向(矢印U-D方向)において、一対の抑制部W323は、一対の挿通孔W312eに対応する位置に配設される。
突出部W324は、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における平面部W320の端部に配設され、突出部W324の突出先端部には、切欠き部W325が切欠き形成される(図76参照)。突出部W324のボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けての突出長さは、平面部W220の正面に対する一対の両端壁部W223の突出長さと同一に形成される。これにより、突出部W324及び平面部W220が当接した状態において、一対の両端壁部W321と一対の両端壁部W223との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の内側に針金が不正に挿入されることを抑制できる。
切欠き部W325は、ボックスカバーW200の切欠き部W226と共に、封印シールWSLの貼着面側(矢印R方向側)に空間を形成させるための部位である。切欠き部W325は、平面部W320(突出部W324)の上端から下端にかけて連続して形成され、前後方向(矢印F-B方向)において切欠き部W226に対向して配設される。また、切欠き部W325は、左壁部W302側(矢印R方向側)から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W226とは反対側(矢印F方向側)へ傾斜して形成される。
保護カバーW500は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に貼着された封印シールWSLを遮蔽するためのものであり、正面視略縦長矩形の板状に形成される背面壁部W510と、その背面壁部W510から正面側(矢印F方向側)へ所定の間隔を隔てて対向され正面視略縦長矩形の板状に形成される正面壁部W520と、右方側(矢印R方向側)を除く背面壁部W510及び正面壁部W520の3辺を連結する壁部(上壁部、下壁部W501および左壁部W502)と、背面壁部W510及び正面壁部W520に連結され板状に形成される係合部W530a,W530bと、下壁部W501から下方側(矢印D方向側)へ向けて立設され板状に形成される立設部W540とを主に備える。
保護カバーW500は、各壁部により右方側(矢印R方向側)が開放された箱状に形成される。なお、保護カバーW500は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
左右方向(矢印L-R方向)における背面壁部W510及び正面壁部W520の長さは、平面部W220及び平面部W320の長さよりも長く形成される。また、背面壁部W510及び正面壁部W520の対向間の距離は、ボックスカバーW200の両端壁部W223の背面からボックスベースW300の両端壁部W321の正面までの距離と略同一またはやや大きく形成される。また、保護カバーW500の上壁部および下壁部W501の対向間の距離は、一対の両端壁部W223(両端壁部W321)の対向面とは反対側の面どうしの距離よりも大きく形成される。
これらにより、保護カバーW500の内側にカバー側被係合部W210及びベース側被係合部W310が配設可能とされると共に、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた状態において前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW500の変位が規制される。
背面壁部W510は、上下方向(矢印U-D方向)に沿って断続して形成され、本実施形態では、1箇所において非形成とされる。背面壁部W510は、上下方向において非形成とされる側であり、左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ向けて立設されるリブ部W511と、そのリブ部W511の先端どうしを連結する連結部W512とを主に備える。
背面壁部W510の背面は、ボックスカバーW200の側壁部W212の背面よりもやや正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、背面壁部W510の背面が側壁部W212の背面よりも背面側(矢印B方向側)に配設され、背面壁部W510が側壁部W212よりも背面側へ突出した態様で背面壁部W510及び側壁部W212の間に段差が形成されることを抑制できる。その結果、かかる段差を利用してボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外すことを抑制できる。
リブ部W511及び連結部W512は、係合部W530aを支持するための部位である。リブ部W511が背面壁部W510の左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から立設されることにより、背面壁部W510及び係合部W530bの隙間から不正に挿入された針金が平面部W220と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制できる。
リブ部W511の立設長さは、ボックスカバーW200の平面部W220に対する両端壁部W223の背面側(矢印B方向側)へ向けての突出長さよりも短く形成される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた状態において、リブ部W511が封印シールWSLに当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
連結部W512は、左方側(矢印L方向側)におけるリブ部W511どうしを連結して配設され、左右方向(矢印L-R方向)における連結部W512の長さは、背面壁部W510の長さよりも短く形成される。
正面壁部W520は、上下方向(矢印U-D方向)に沿って断続的に形成され、本実施形態では、2箇所において非形成とされる。なお、上下方向において背面壁部W510に非形成部が形成される位置は、正面壁部W520に非形成部が形成される位置とは異なる位置とされる。正面壁部W520は、上下方向において非形成とされる側であり、左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて立設されるリブ部W521と、そのリブ部W521の先端どうしを連結する連結部W522とを主に備える。
正面壁部W520の正面は、ボックスベースW300の上側張出部W311の正面と略同一面上またはやや背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、正面壁部W520の正面が上側張出部W311の正面よりも正面側(矢印F方向側)に配設され、正面壁部W520が上側張出部W311よりも正面側へ突出した態様で正面壁部W520及び上側張出部W311の間に段差が形成されることを抑制できる。その結果、かかる段差を利用してボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外すことを抑制できる。
リブ部W521及び連結部W522は、係合部W530bを支持するための部位である。リブ部W521が正面壁部W520の左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から立設されることにより、正面壁部W520及び係合部W530aの隙間から不正に挿入された針金が平面部W320と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制できる。
リブ部W521の立設長さは、ボックスベースW300の平面部W320に対する両端壁部W321の正面側(矢印F方向側)へ向けての突出長さよりも短く形成される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた状態において、リブ部W521が封印シールWSLに当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
連結部W522は、左方側(矢印L方向側)におけるリブ部W521どうしを連結して配設され、左右方向(矢印L-R方向)における連結部W522の長さは、正面壁部W520の長さよりも短く形成される。
係合部W530a,W530bは、保護カバーW500をボックスカバーW200及びボックスベースW300に係合させるための部位である。本実施形態では、保護カバーW500における背面壁部W510側には一つの係合部W530aが配設され、正面壁部W520側には上下方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて一対(二つ)の係合部W530bが配設される。
係合部W530aは、上下方向(矢印U-D方向)において一対の係合部W530bの間に配設される。これにより、上下方向において、ボックスカバーW200及びボックスベースW300と保護カバーW500との係合位置を分散させることができ、不正にボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を取り外しにくくできる。
係合部W530a,W530bの左方側(矢印L方向側)の端部に形成される複数(本実施形態では、3個)の連結片W531と、係合部W530a,W530bにおける連結片W531とは反対側(矢印R方向側)の端部に形成される傾斜部W532と、その傾斜部W532と連結片W531との間に穿設される係合孔W533とを主に備える。
係合部W530a,W530bは、連結片W531を介して背面壁部W510(リブ部W511)又は正面壁部W520(リブ部W521)に連結される。これにより、係合部W530a,W530bは、背面壁部W510又は正面壁部W520よりも背面壁部W510及び正面壁部W520の対向間側に配設される。その結果、係合部W530a(係合部W530b)が背面壁部W510(正面壁部W520)と略同一面上に配設される場合と比較して、保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた(係合された)状態では、係合部W530a(係合部W530b)及び封印シールWSLの対向間の距離を小さくできる。
係合部W530a,W530bの右方側(矢印R方向側)の端部は、正面壁部W520及び背面壁部W510の右方側の端部よりも右方側へ突出して形成される。係合部W530aに形成される傾斜部W532及び係合孔W533は、係合部W530bに形成される傾斜部W532及び係合孔W533と形状が異なるものの、本実施形態では、同一の符号を付して説明する。
連結片W531のうち、係合部W530a,W530bの左方側(矢印L方向側)の端部から左方側へ向けて突出される連結片W531を連結片W531a、係合部W530a,W530bの左方側における上下方向(矢印U-D方向)の両端部から上下方向へ向けて突出される一対の連結片W531を連結片W531bとそれぞれ定義する。連結片W531aは、背面壁部W510又は正面壁部W520の連結部W512,W522に支持され、一対の連結片W531bは、背面壁部W510又は正面壁部W520のリブ部W511,W521に接合される。
連結片W531a,W531bは、背面視において略矩形の板状に形成される。板厚方向(矢印F-B方向)における連結片W531a,W531bの厚さ寸法は、係合部W530a,W530bと略同一に形成され、連結片W531a,W531bの正面および背面は、係合部W530a,W530bの正面および背面と略同一面上にそれぞれ配設される。即ち、連結片W531a,W531bと係合部W530a,W530bとの間には、段差が非形成とされる。これにより、連結片W531a,W531bと係合部W530a,W530bとの間に段差が形成される場合と比較して、連結片W531a,W531bと係合部W530a,W530bとの間に応力集中が生じることを抑制でき、連結片W531a,W531bの強度を確保できる。
連結片W531a,W531bにおいて封印シールWSLに対向する面および封印シールWSLに対向する面とは反対側の面を連結する一対の面(以下「連結片W531a,W531bの側面」と定義する)は、連結片W531a,W531bの封印シールWSLに対向する面および封印シールWSLに対向する面とは反対側の面に直交して形成される。なお、連結片W531a,W531bの正面および背面とは、保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた(係合された)状態において、封印シールWSLに対し平行に形成される面であり、連結片W531a,W531bの一対の側面は、封印シールWSLに対し直交して形成される面である。
ここで、連結片W531bと係合部W530bの先端部との間の距離は、連結片W531bと係合部W530aの先端部との間の距離よりも大きく形成される。また、上述したように、板厚方向(矢印F-B方向)における係合部W530bの厚さ寸法は、係合部W530aの厚さ寸法よりも小さく形成される。これらにより、係合部W530bは、係合部W530aよりも弾性変形し易く形成される。
傾斜部W532は、係合部W530a,W530bを弾性変形させ易くするための部位であり、右方側(矢印R方向側)から左方側(矢印L方向側)へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)に傾斜して形成される。
係合孔W533は、ボックスカバーW200の突起W221又はボックスベースW300の突起W312cを取り囲むための部位である。係合孔W533の内周面と突起W221,W312cの右方側(矢印R方向側)の面とが当接することにより、保護カバーW500の左方側(矢印L方向側)への変位が規制される。
立設部W540は、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられることを抑制するための部位である。
立設部W540は、下壁部W501から上壁部とは反対側(矢印D方向側)へ向けて突出され、立設部W540の突出長さは、上方側(矢印U方向側)に配設される両端壁部W223,W321と上側張出部W213aとの間の距離よりも大きく形成される。
また、立設部W540は、下側張出部W213bよりも背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させた場合において、立設部W540と下側張出部W213bとが当接することを抑制でき、保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられる。
一方で、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させた場合、立設部W540と上側張出部W311とが当接され、保護カバーW500の右方側への変位が規制される。これにより、保護カバーW500が右方側へ向けて変位され、係合部W530aとボックスベースW300の左壁部W312bとが当接する、又は、係合部W530bとボックスカバーW200の側壁部W212とが当接することを抑制できる。その結果、係合部W530a,W530bが破損することを抑制できる。なお、立設部W540は、非形成とされても良い。
封印シールWSLは、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封を抑制するためのものであり、シート状に形成される。封印シールWSLは、上面視において略コ字状に折り曲げられ、平面部W220、平面部W320及び突出部W324にかけて貼着される。封印シールWSLは、裏面側に接着剤が塗布される接着シートと、表面側に識別情報がプリントされる表示シートとを主に備え、接着シートの表面と表示シートの裏面とが貼着されて形成される。
上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの寸法は、一対の両端壁部W223,W321の対向間の距離よりもやや小さく形成される。封印シールWSLが平面部W220、平面部W320及び突出部W324にかけて貼着されることにより、一対の両端壁部W223,W321側を除いて、切欠き部W226,W325が封印シールWSLにより遮蔽される。従って、切欠き部W226,W325を視認させ難くでき、不正を行う者が切欠き部W226,W325を利用して封印シールWSLを容易に切断させ難くできる。
接着シートの裏面は、ボックスカバーW200の平面部W220及びボックスベースW300の平面部W320に貼着される部位であり、接着シートと表示シートとの接着力よりも接着シートと平面部W220及び平面部W320との接着力が強く形成される。これにより、平面部W220及び平面部W320から封印シールWSLを剥がそうとする場合、接着シートと表示シートとの接着が解除され、接着シートから表示シートが分離され、接着シートと平面部W220及び平面部W320との接着が維持される。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封を抑制し易くできる。
表示シートの表面には、識別情報として、複数の数字、パチンコ機W10の名称(機種名)、メーカー名、又は、基板情報等が記載される(図示せず)。識別情報は、平面部W220に貼着される位置に記載される。これにより、内枠12(図1参照)が開放されることにより識別情報が視認可能とされる。その結果、識別情報が平面部W320に貼着される位置に記載される場合と比較して、識別情報を視認するために内枠12に対し基板ボックスW100を回転させる操作を不要とできる。
また、表示シートの表面には、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより視認可能となる特殊インキが模様を成して塗布される。
封印シールWSLの外周縁は、鋸刃状に形成される。これにより、平面部W220及び平面部W320から封印シールWSLを剥がす場合、鋸刃状の凹部に応力集中を生じさせ易くでき、封印シールWSLを分断させ易くできる。その結果、封印シールWSLの少なくとも一部を平面部W220及び平面部W320に貼着させた状態に維持させ易くでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封を抑制し易くできる。
なお、封印シールWSLは、ICチップを備えても良い。ICチップに格納されるID情報をスキャナーで受信することにより、基板ボックスW100が不正に取り換えられていないかを確認できる。また、不正を試みる者が封印シールWSLを不正に入手することや、封印シールWSLを偽造することを一層困難とできる。
次いで、図73及び図74を参照して、ボックスカバーW200及びボックスベースW300への保護カバーW500の取り付けについて説明する。図73(a)及び図73(b)は、基板ボックスW100の部分正面図であり、図73(c)及び図73(d)は、基板ボックスW100の部分背面図である。図74(a)は、図73(b)のLXXIVa-LXXIVa線における基板ボックスW100の部分断面図であり、図74(b)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスW100の部分断面図である。
なお、図73(a)及び図73(c)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられる前の状態が図示され、図73(b)及び図73(d)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた後の状態が図示される。また、図73(a)及び図73(b)では、突起W312cが破線により図示され、図73(c)及び図73(d)では、凹部W224a,W224bが破線により図示される。また、一対の係合部W530bと一対の突起Ws328との係合の態様については、一方(上方)及び他方(下方)において同一であるため、一方における断面図を図示して説明し、他方における説明は省略する。
図73(a)及び図73(c)に示すように、上下方向(矢印U-D方向)において、係合部W530a,W530bの係合孔W533の位置をボックスカバーW200の突起W221及びボックスベースW300の突起W312cの位置に合わせた状態から(図72参照)、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させる。
保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530aの傾斜部W532と突起W221の傾斜部W221aとが当接し、係合部W530bの傾斜部W532と突起W312cの傾斜部W312dとが当接する(図72参照)。係合部W530a,W530bの傾斜部W532と突起W221の傾斜部W221a及び突起W312cの傾斜部W312dとが当接された状態から保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530a,W530bが背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形される。
係合部W530a,W530bが背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形されることにより、保護カバーW500を背面側へ向けて回転させ易くできる。これにより、係合部W530aが背面側(正面側)へ向けて弾性変形され、係合部W530bが正面側(背面側)へ向けて弾性変形される場合と比較して、係合部W530a,W530bの弾性変形量を小さくできる。その結果、係合部W530a,W530bの破損を抑制し易くできる。
係合部W530a,W530bが背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形される状態から続けて保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、図73(b)、図73(d)及び図74に示すように、係合部W530aの係合孔W533の内側に突起W221が配設され(係合部W530aと突起W221とが係合され)、一対の係合部W530bの係合孔W533の内側に一対の突起W312cが配設される(一対の係合部W530bと一対の突起W312cとが係合される)。これにより、係合部W530a,W530bの弾性変形が解除される。
以下、係合部W530aの係合孔W533の内側に突起W312cが配設され、係合部W530bの係合孔W533の内側に突起W221が配設された状態を規制状態と定義する。なお、一対の係合部W530bと一対の突起W312cとの係合の態様については、一方側(上方側)及び他方側(下方側)において同一であるため、一方側における断面のみを図示し、他方側における断面図は省略して説明する。
背面壁部W510及び正面壁部W520の対向間の距離は、ボックスカバーW200の両端壁部W223の背面からボックスベースW300の両端壁部W321の正面までの距離と略同一またはやや大きく形成されるため、規制状態では、前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW500の変位が規制される。これにより、係合部W530a(係合部W530b)と突起W221(突起W312c)との係合が解除されることが抑制される。
また、規制状態では、突起W221の傾斜部W221aとは反対側(矢印R方向側)の面と係合部W530aの係合孔W533の内側面とが当接し、突起W312cの傾斜部W312dとは反対側(矢印R方向側)の面と係合部W530bの係合孔W533の内周面とが当接することにより、保護カバーW500の左方側(矢印L方向側)への変位が規制される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に貼着された封印シールWSLが露出されることを抑制できる。
また、規制状態では、背面視において、連結片W531a,W531bが凹部W224a,W224bに重なる位置に配設される。詳細には、連結片W531aは、上下方向(矢印U-D方向)において、凹部W224aの略中央となる位置に配設され、連結片W531bは、左右方向(矢印L-R方向)において、凹部W224bの略中央となる位置に配設される。
また、規制状態では、背面壁部W510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部W520の右方側の端部がボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302に当接される。また、係合部W530aの右方側の端部が側壁部W212に当接される。これらにより、保護カバーW500の右方側への変位が規制される。なお、背面壁部W510の右方側の端部、係合部W530aの右方側の端部あるいは正面壁部W520の右方側の端部の少なくともいずれか一つがボックスカバーW200の側壁部W212或いはボックスベースW300の左壁部W302に当接されても良い。
ここで、保護カバーW500の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、背面壁部W510の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212との間に隙間が形成され、かかる隙間を利用して保護カバーW500の内側へ針金が不正に挿入される虞がある。これにより、平面部W220と封印シールWSLとの貼着が不正に解除される虞がある。
これに対し、平面部W220に一対の立設部W222が配設されることにより、保護カバーW500の内側へ針金が不正に挿入された場合であっても、その不正に挿入された針金を一対の立設部W222に当接させることができる。これにより、平面部W220と封印シールWSLとの貼着が不正に解除されることを抑制できる。
また、一対の両端壁部W223の正面は、立設部W222の突出面と略同一面上に配設されるため、一対の両端壁部W223の正面(立設部W222の突出面)と背面壁部W510の内面とが当接した状態において、立設部W222の突出面(一対の両端壁部W223の正面)と背面壁部W510の内面との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、かかる隙間を利用して針金が不正に挿入され、平面部W220と封印シールWSLとの貼着が解除されることを抑制できる。
次いで図75から図77を参照して、ボックスカバーW200及びボックスベースW300からの保護カバーW500の取り外しについて説明する。図75(a)は、基板ボックスW100の部分正面図であり、図75(b)は、基板ボックスW100の部分背面図である。図76は、図75(b)のLXXVI-LXXVI線における基板ボックスW100の部分断面図である。図77(a)は、基板ボックスW100の部分正面図であり、図77(b)は、基板ボックスW100の部分背面図である。
なお、図75(a)及び図75(b)では、保護カバーW500から係合部W530a,W530bが切断された状態が図示される。また、図77(a)及び図77(b)では、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外された状態が図示され、保護カバーW500から切断された係合部W530a,W530bが二点鎖線により図示される。
また、図76では、係合部W530aの一対の連結片W531bの一方が図示され、一対の連結片W531bの一方における切断について説明するが、一対の連結片W531bの他方および連結片W531aの切断の態様については、一対の連結片W531bの一方と同一であるため、一対の連結片W531bの他方および連結片W531aの切断の説明は省略する。また、係合部W530bの連結片W531a,W531bの切断については、係合部W530aの態様と同一であるため、係合部W530bの連結片W531a,W531bの切断の説明は省略する。
図75に示すように、係合部W530a,W530bの連結片W531a,W531bが切断工具(図示せず)により切断されることで、保護カバーW500(背面壁部W510及び正面壁部W520)から係合部W530a,W530bが分離される。なお、切断工具としては、ニッパ―、ハサミ、カッターナイフ又はナイフ等が例示される。
例えば、切断工具がニッパ―やハサミから構成され、一対の刃の間に連結片W531a,W531bを挟み込んで連結片W531a,W531bを切断する場合は、連結片W531a,W531bの一対の側面に一対の刃がそれぞれ当接され、一対の側面の対向側へ向けて一対の刃が変位することで連結片W531a,W531bが切断される。
また、例えば、切断工具がカッターナイフやナイフから構成され、単一の刃を用いて連結片W531a,W531bを切断する場合は、連結片W531a,W531bの一対の側面の一方に刃を当接させ、一対の側面の他方へ向けて刃が変位することで連結片W531a,W531bが切断される。
上述したように、背面視において、保護カバーW500の連結片W531bは、凹部W224bに重なる位置に配設される(図73参照)。即ち、図76に示すように、凹部W224bは、封印シールWSLを介して係合部W530bの連結片W531bと対向して封印シールWSLとは反対側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。これにより、封印シールWSLと凹部W224bとの間に空間を形成でき、連結片W531bを切断するために背面壁部W510及び係合部W530aの間に切断工具の先端(図示せず)が挿入された場合、切断工具の先端を凹部W224bに受け入れ可能とできる。その結果、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
即ち、連結片W531bが切断された場合に、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成できる。これにより、封印シールWSLの痕跡の有無に基づいて、封印シールWSLの状態(封印シールWSLが新品であるか再利用したものであるか)を確認可能とできる。また、封印シールWSLに痕跡が形成されることで、封印シールWSLが再利用されることを抑制できる。
また、連結片W531bは、左右方向(矢印L-R方向)における凹部W224bの略中央となる位置に配設される。また、連結片W531bは、背面視において、凹部W224bに重なる位置に配設される(図73参照)。従って、連結片W531bを切断するために切断工具(図示せず)の先端が連結片W531bの側面側に配設された状態において、切断工具の先端を凹部W224bに受け入れ易くできる。その結果、連結片W531bの切断動作により封印シールWSLが破損させ易くでき、封印シールWSLの痕跡(破損)を作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、係合部W530a(連結片W531b)は、リブ部W511に連結されるため、背面壁部W510と封印シールWSL(平面部W220)との対向間隔よりも、連結片W531bと封印シールWSL(平面部W220)との対向間隔が小さく形成される。これにより、切断工具の先端を封印シールWSLに近づけることができ、凹部W224bに受け入れ易くできる。その結果、封印シールWSLを破損させ易くできる。
なお、上述したように、背面視において、保護カバーW500の連結片W531aは、凹部W224aに重なる位置に配設される(図73参照)。これにより、連結片W531bを切断するのと同様、連結片W531aを切断するために、背面壁部W510及び係合部W530aの間に切断工具の先端(図示せず)が挿入された場合、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
連結片W531aは、係合部W530a,W530bから左方側(矢印L方向側)へ向けて突出され、連結片W531bは、係合部W530a,W530bから上下方向へ向けて突出される。これにより、連結片W531aを切断する場合と連結片W531bを切断する場合とで切断工具(図示せず)の向きを変更させる必要が生じる。その結果、不正を行う者が連結片W531a,W531bを切断するために要する時間を引き延ばすことができ、不正行為の抑制を図ることができる。
図77に示すように、保護カバーW500から係合部W530a,W530bが切断されることにより、規制状態が解除され、保護カバーW500が左方側(矢印L方向側)へ向けて変位可能とされる。
このように、連結片W531a,W531bを切断する際に切断工具の先端(図示せず)で封印シールWSLが破損され易くすることで、例えば、不正に連結片W531a,W531bが切断され(係合部W530a,W530bが分離され)保護カバーW500が取り外された後、係合部W530a,W530bが接着剤により接合された保護カバーW500が取り付けられた状態であっても、封印シールWSLの痕跡(破損)により連結片W531bが切断されたこと、即ち、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
なお、不正を行う者が連結片W531a,W531bが切断されていない状態の保護カバーW500を所持し、連結片W531a,W531bが切断された保護カバーW500に代えて、連結片W531a,W531bが切断されていない状態の保護カバーW500を取り付けた状態であっても、封印シールWSLの痕跡(破損)により不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、不正を行う者が平面部W220(平面部W320)から封印シールWSLを不正に剥がし主制御基板(図示せず)に不正操作を行った後、その剥がした封印シールWSLを平面部W220(平面部W320)に再び貼着することにより封印シールWSLの貼着の解除を作業者(店員)に認識させ難くする場合であっても、不正を行う者による主制御基板への不正操作の虞を封印シールWSLの痕跡(破損)により作業者(店員)に認識させ易くできる。
ここで、保護カバーW500と比較して、不正を試みる者が封印シールWSLを不正に入手することや、封印シールWSLを偽造することは困難である。従って、本実施形態のように、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外す際、封印シールWSLを破損させ易く(痕跡を付与し易く)することで主制御基板(図示せず)への不正操作の虞を作業者(店員)に認識させ易くすることが特に有効となる。
また、基板ボックスW100が内枠12(図1参照)の背面側(矢印B方向側)に配設(軸支)され、凹部W224a,W224bが基板ボックスW100の背面側を構成するボックスカバーW200に形成されるため、内枠12が開放され内枠12の背面側が視認可能とされた状態では、封印シールWSLの痕跡(破損)が視認可能とされる。これにより、例えば、凹部W224a,W224bが基板ボックスW100の正面側(矢印F方向側)を構成するボックスベースW300(平面部W320)に凹設され、内枠12に対し基板ボックスW100を回転させることにより封印シールWSLの破損が視認可能とされる場合と比較して、作業者(店員)に封印シールWSLの痕跡(破損)を容易に認識させ易くできる。
封印シールWSLに痕跡(破損)が無い場合は、封印シールWSLに不正操作が施されていない可能性が高いと判断できる。一方で、封印シールWSLに痕跡(破損)が有る場合には、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外され、封印シールWSLが剥がされた後に封印シールWSLが再度、貼着された可能性が高いと判断できる。又は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外され、その際に封印シールWSLに痕跡(破損)が形成されたことにより、不正を試みた可能性が高いと判断できる。
次いで、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封について説明する。ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外された状態において、ボックスカバーW200及びボックスベースW300と封印シールWSLとの貼着を解除する、又は、ボックスカバーW200(平面部W220)及びボックスベースW300(突出部W324)の境界において、封印シールWSLを切断する。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が開封される。
ここで、平面部W220及び平面部W320に切欠き部W226,W325が形成され、前後方向(矢印F-B方向)において切欠き部W226,W325が対向して配設されることにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が組み合わされた状態では、断面視において、略V字状の空間が封印シールWSLの貼着面側(矢印R方向側)に形成される。これにより、切断工具の先端を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くでき、封印シールWSLを切断させ易くできる(図76参照)。また、ボックスカバーW200及びボックスベースW300を組み合わせることにより、封印シールWSLの貼着面側に空間を容易に形成でき、突出部W324に凹部を形成する場合と比較して、ボックスベースW300の製造コストを低減できる。
また、切欠き部W226が側壁部W212側(矢印R方向側)から平面部W220の先端側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W325とは反対側(矢印B方向側)へ傾斜して形成され、切欠き部W325が左壁部W302側(矢印R方向側)から平面部W320の先端側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W226とは反対側(矢印F方向側)へ傾斜して形成されることにより、平面部W220及び突出部W324の境界において、平面部W220及び突出部W324と封印シールWSLとの間に非貼着とされる領域が形成される(図76参照)。その結果、封印シールWSLを切断することにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の係合を解除させ易くできる。
次いで、図78(a)及び図78(b)を参照して、本発明の第8実施形態における基板ボックスW2100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図78(a)は、第8実施形態における基板ボックスW2100の部分背面図であり、図78(b)は、図78(a)のLXXVIIIb-LXXVIIIb線における基板ボックスW2100の部分断面図である。なお、図78(a)では、ボックスカバーW2200の両端壁部W223及び両端突出部W2223aが破線により図示され、図78(b)では、保護カバーW2500から係合部W2530a,W2530bが切断された状態が図示される。
図78(a)及び図78(b)に示すように、第8実施形態における基板ボックスW2100の保護カバーW2500では、連結片W2531bが背面壁部W2510及び正面壁部W2520に接続される。
連結片W2531bは、上下方向(矢印U-D方向)における背面壁部W2510及び正面壁部W2520の端縁部から前後方向(矢印F-B方向)に延びる垂下部W2531cと、その垂下部W2531cの先端から上下方向に延びる平行部W2531dとを備え、断面視において略L字状に形成される。また、第7実施形態における背面壁部W510及び正面壁部W520と比較して、背面壁部W2510及び正面壁部W2520の対向間の距離が大きく形成される。
ボックスカバーW2200の一対の両端壁部W223は、両端壁部W223から背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて突出される両端突出部W2223aを備え、ボックスベースW2300の一対の両端壁部W321は、両端壁部W321から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ向けて突出される両端突出部W2321aを備える。
両端突出部W2223aの突出長さは、両端壁部W223及び背面壁部W510の対向間の距離と略同等またはやや小さく形成される。また、左右方向(矢印L-R方向)における両端突出部W2223aの長さは、両端壁部W223の略1/3に形成され、側壁部W212側(矢印R方向側)における両端突出部W2223aの一端は、側壁部W212に当接して配設される。
両端突出部W2321aの突出長さは、両端壁部W321及び正面壁部W520の対向間の距離と略同等またはやや小さく形成される。また、左右方向(矢印L-R方向)における両端突出部W2321aの長さは、両端壁部W321の略1/3に形成され、カバー部W312側(矢印R方向側)における両端突出部W2321aの一端は、左壁部W312bに当接して配設される(図72参照)。
これらにより、規制状態においては、両端突出部W2223a(両端突出部W2321a)及び背面壁部W510(正面壁部W520)が当接することにより、前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW2500の変位が規制される。その結果、係合部W530a(係合部W530b)と突起W221(突起W312c)との係合が解除されることが抑制される(図74参照)。
ボックスカバーW2200及びボックスベースW2300からの保護カバーW2500の取り外しは、連結片W531a及び連結片W2531bの垂下部W2531cが切断工具(図示せず)により切断され、保護カバーW2500から係合部W2530a,W2530bが分離されることにより行われる。
左右方向(矢印L-R方向)において、保護カバーW2500が両端突出部W2223a(両端突出部W2321a)よりも側壁部W212(左壁部W312b)とは反対側(矢印L方向側)へ変位された状態では、両端突出部W2223a(両端突出部W2321a)及び背面壁部W510(正面壁部W520)が非当接とされ、前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW2500の変位の規制が解除される。
ここで、連結片W2531bに垂下部W2531cが形成されることにより、連結片W2531bに垂下部W2531cが非形成の場合と比較して、前後方向(矢印F-B方向)において垂下部W2531cに形成される切断部と封印シールWSLとの対向間の距離を小さくできる。これにより、切断工具の先端や(図示せず)、連結片W2531bの切断部を封印シールWSLに当接させ易くでき、封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、垂下部W2531cに形成される切断部を封印シールWSLに対向させることができ、ボックスカバーW2200及びボックスベースW2300から保護カバーW2500を取り外す際、垂下部W2531cに形成される切断部により封印シールWSLを破損させ易くできる。これらにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図78(c)を参照して、本発明の第9実施形態における保護カバーW3500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図78(c)は、第9実施形態における保護カバーW3500の部分断面図であり、図78(a)のLXXVIIIb-LXXVIIIb線における断面図に対応する。
図78(c)に示すように、第9実施形態における保護カバーW3500では、背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)とが略同一面上に形成され、連結片W3531bを介して背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)とが連結される。
連結片W3531bは、上下方向(矢印U-D方向)における係合部W3530a,W3530b、背面壁部W3510及び正面壁部W3520の端縁部から背面壁部W3510及び正面壁部W3520の対向側へ向けて延びる一対の垂下部W3531cと、一対の垂下部W3531cの先端どうしを連結する平行部W3531dとを備え、断面視において略コ字状に形成される。
ボックスカバーW200及びボックスベースW300からの保護カバーW3500の取り外しは(図78(b)参照)、連結片W3531bの平行部W3531dが切断工具(図示せず)により切断され、保護カバーW3500から係合部W3530a,W3530bが分離されることにより行われる。
背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)とが略同一面上に形成されることにより、背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)との間に段差が形成されることを抑制できる。これにより、保護カバーW3500に指を引っ掛け難くでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外すことを抑制し易くできる。
一対の垂下部W3531cが形成されることにより、背面壁部W3510(正面壁部W3520)と封印シールWSLとの対向間隔よりも、連結片W3531bと封印シールWSLとの対向間隔が小さく形成される(図78(b)参照)。これにより、切断工具の先端を封印シールWSLに近づけることができ、封印シールWSLを破損させ易くできる。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図79を参照して、本発明の第10実施形態における基板ボックスW4100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図79(a)は、第10実施形態における基板ボックスW4100の部分背面図であり、図79(b)は、図79(a)のLXXIXb-LXXIXb線における基板ボックスW4100の部分断面図であり、図79(c)は、図79(a)のLXXIXc-LXXIXc線における基板ボックスW4100の部分断面図であり、図79(d)は、図79(a)のLXXIXd-LXXIXd線における基板ボックスW4100の部分断面図である。
図79に示すように、第10実施形態における基板ボックスW4100の保護カバーW4500は、突起W4534を備える。突起W4534は、係合部W4530a,W4530bの突出先端において、係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて四角錐状に突出して形成される。
なお、係合部W4530a,W4530bに突起W4534が形成されることにより、平面部W4220(平面部W4320)が突起W4534の突出量だけ正面側(背面側)に形成される。これにより、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300に保護カバーW4500を取り付ける際、突起W4534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
また、突起W4534が係合部W4530a,W4530bの突出先端に配設されるため、規制状態において、突起W4534は、封印シールWSLよりも側壁部W212側(カバー部W312側)に配設される。
ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300から保護カバーW4500を不正に取り外すために、係合部W4530a,W4530bを切断せず、係合部W4530a,W4530bを弾性変形させることにより係合部W4530a(係合部W4530b)と平面部W4220の突起W221(平面部W4320の突起W312c)との係合を解除することが考えられる。
本実施形態では、突起W4534が係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて突出して形成されるため、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300からの保護カバーW4500の取り外しの際、突起W4534及び封印シールWSLを当接させ易くできる。また、突起W4534が四角錐状に形成されるため、突起W4534及び封印シールWSLが当接することにより、封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、突起W4534が封印シールWSLよりも側壁部W212側(カバー部W312側)に配設されるため、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300からの保護カバーW4500の取り外しの際、封印シールWSLの貼着面および貼着面に対向する表面を連結する側面に突起W4534を当接させることができる。
これにより、封印シールWSLの表面に突起W4534が当接され、突起W4534が封印シールWSLの表面を滑りながら(突起W4534が封印シールWSLを破損させないまま)ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300からの保護カバーW4500が取り外される場合と比較して、封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、突起W4534は、上下方向(矢印U-D方向)における係合部W4530a,W4530bの両端部に一対が形成される。一対の突起W4534により封印シールWSLが破損された場合、係合部W4530a(係合部W4530b)と背面壁部W510(正面壁部W520)との隙間から封印シールWSLの破損を視認させ易くできる。
これらにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、突起W4534を利用することにより、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300の開封(封印シールWSLの切断)を容易に行うことができる。詳細に説明すると、保護カバーW4500から係合部W4530a(係合部W4530b)を分離させ、突起W4534を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させることにより、封印シールWSLを切断し易くできる。
これにより、切断工具(図示せず)の携行を不要とできる。また、係合部W4530a(係合部W4530b)は、保護カバーW4500に対し小さく形成されるため、一対の両端壁部W223や一対の両端壁部W321との干渉を抑制できるので、封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。その結果、封印シールWSLの切断を好適に行うことができる。
次いで、図80(a)から図80(c)を参照して、本発明の第11実施形態における基板ボックスW5100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図80(a)から図80(c)では、係合孔W533が破線により図示される。また、図80(a)から図80(c)の説明においては、図73(c)を適宜参照する。
図80(a)から図80(c)は、第11実施形態における基板ボックスW5100の部分断面図であり、図73(b)のLXXXa-LXXXa線における断面図に対応する。なお、図80(a)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーW5500を取り付けるために係合部W5530bが弾性変形された状態が図示され、図80(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーW5500を不正に取り外すために係合部W5530bが弾性変形され、突起W312cと係合孔W533との係合が解除された状態が図示され、図80(c)は、図80(b)における状態から保護カバーW5500が左方側(矢印L方向側)へ向けて変位された状態が図示される。
図80(a)から図80(c)に示すように、第11実施形態における基板ボックスW5100のボックスベースW5300は、凹部W5326を備え、保護カバーW5500は、突起W5534を備える。
なお、係合部W5530bに突起W5534が形成されることにより、平面部W5320が突起W5534の突出量だけ背面側に形成される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーW5500を取り付ける際、突起W5534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
凹部W5326は、封印シールWSLの貼着面と平面部W5220との間に空間を形成させるための部位であり、平面部W5320の正面に凹設される。凹部W5326は、規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成され、右方側(矢印R方向側)における凹部W5326の内側面は、突起W5534よりも右方側に配設される。
左右方向(矢印L-R方向)における凹部W5326の長さは、ボックスベースW5300の突起W312cの左右方向における寸法よりも大きく形成され、係合孔W533が突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)となる位置まで保護カバーW5500が左方側へ向けて変位された状態においても、左方側における凹部W5326の内側面は、突起W5534よりも左方側に配設される。
突起W5534は、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーW5500を不正に取り外すために係合部W5530bを弾性変形させた際、封印シールWSLを破損させるための突起であり、封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて突出して形成される。
即ち、突起W5534が箱状に形成される保護カバーW5500の内側へ向けて突出されるため、基板ボックスW5100や保護カバーW5500の製造作業や運搬作業等において、作業者(店員)が突起W5534に接触し、負傷することを抑制できる。
突起W5534は、上下方向(矢印U-D方向)における係合部W5530bの両端側に一対が形成される。これにより、係合部W5530bと正面壁部W520との隙間から封印シールWSLの破損を視認させ易くできる(図73(c)参照)。
次いで、図80(b)を参照して、係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態について説明する。図80(b)に示すように、突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるため、係合部W5530bが不正に突起W312cの突出寸法よりも大きく封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形された状態では、一対の突起W5534の先端が凹部W5326により形成される空間に配設され、一対の突起W5534により封印シールWSLが破損される。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
図80(c)は、図80(b)における状態から係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態を維持しつつ保護カバーW5500を左方側(矢印L方向側)へ向けて変位させ、係合孔W533が突起W312cよりも左方側に位置した状態(係合孔W533と突起W312cとの係合が解除された状態)が図示される。
上述したように、左右方向(矢印L-R方向)における凹部W5326の長さは、突起W312cの寸法よりも大きく形成されるため、係合孔W533が突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)となる位置まで保護カバーW5500が左方側へ向けて変位された状態においても、凹部W5326により形成される空間に一対の突起W5534の先端を配設させることができる。これにより、封印シールWSLが破損される領域を大きくでき、封印シールWSLの破損を作業者(店員)に認識させ易くできる。
このように、係合部W5530bの連結片W531a,W531bを切断することなく、係合部W5530bを弾性変形させて係合孔W533と突起W312cとの係合を解除させる場合には、封印シールWSLに痕跡(破損)が付与され易くできる。
次いで、図80(d)を参照して、本発明の第12実施形態における基板ボックスW6100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図80(d)では、係合孔W533が破線により図示される。
図80(d)は、第12実施形態における基板ボックスW6100の部分断面図であり、図73(b)のLXXXa-LXXXa線における断面図に対応する。なお、図80(d)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500を不正に取り外すために係合部W5530bが弾性変形され、突起W312cと係合孔W533との係合が解除された状態が図示される。
図80(d)に示すように、第12実施形態における基板ボックスW6100のボックスベースW6300は、凹部W6326を備える。凹部W6326は、第11実施形態における凹部W5326と比較して、左右方向(矢印L-R方向)における凹設寸法が短く形成される。なお、本実施形態では、凹部W6326の凹設形状は、保護カバーW5500の突起W5534の外形と略同一に形成される。また、凹部W6326は、規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。
これらにより、係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態では、突起W5534の先端が凹部W6326により形成される空間に配設され、突起W5534が凹部W6326の内側に当接することにより、保護カバーW5500の左方側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制される。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が不正に取り外されることを抑制できる。
また、係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態では、一対の突起W5534の先端が凹部W6326により形成される空間に配設され、一対の突起W5534により封印シールWSLが破損される。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図81を参照して、本発明の第13実施形態における基板ボックスW7100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図81(a)は、第13実施形態における基板ボックスW7100の部分背面図であり、図81(b)は、図81(a)のLXXXIb-LXXXLb線における基板ボックスW7100の部分断面図である。なお、図81(a)では、一対の締結孔W7225が破線により図示される。
図81に示すように、第13実施形態における基板ボックスW7100の平面部W7220及び平面部W7320には、一対の締結孔W7225及び一対の締結孔W7322が保護カバーW500の連結片W531bと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。即ち、一対の締結孔W7322は、封印シールWSLを介して係合部W530bの連結片W531bと対向して封印シールWSLとは反対側(矢印F方向側)へ向けて穿設される。
締結孔W7322は、背面視において、円状に形成され、締結孔W7322の直径は、左右方向(矢印L-R方向)における連結片W531bの寸法よりも大きく形成される。
これらにより、ボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結させるねじと封印シールWSLとの間に空間を形成でき、連結片W531bを切断するために背面壁部W510及び係合部W530aの間に切断工具の先端(図示せず)が挿入された場合、切断工具の先端を締結孔W7322に受け入れ可能とできる。その結果、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くでき、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
締結孔W7322を利用して(切断工具の先端を締結孔W7322に受け入れ可能として)ボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結するためのねじに対応する位置に封印シールWSLの痕跡(破損)が形成されるため、封印シールWSLによりボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結するためのねじが遮蔽される場合であっても、封印シールWSLの痕跡(破損)に基づいてかかるねじの位置を把握できる。これにより、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
また、ボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結するためのねじを挿通させるための機能と、切断工具の先端(図示せず)を配設させるための空間を形成するための機能とを一対の締結孔W7225に兼用させることができる。これにより、平面部W7220に凹部W224b(図72参照)を形成することを抑制でき、製造コストを低減できる。
次いで、図82(a)を参照して、本発明の第14実施形態における保護カバーW8500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図82(a)は、第14実施形態における基板ボックスW8100の部分断面図であり、図76(a)のLXXXIIa部における断面に対応する。
図82(a)に示すように、第14実施形態における保護カバーW8500の連結片W8531bは、断面視において平行四辺形に形成される。本実施形態では、連結片W8531bの一対の側面が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成される。
詳細には、封印シールWSLとは反対側(矢印B方向側)から封印シールWSL側(矢印F方向側)へ向かうにつれて右方側(矢印R方向側)に傾斜して形成される。なお、封印シールWSLとは反対側から封印シールWSL側へ向かうにつれて左方側(矢印L方向側)に傾斜して形成されても良い。
これにより、切断工具(図示せず)を用いて連結片W8531bを切断する際、封印シールWSLとは反対側(矢印B方向側)から封印シールWSL側(矢印F方向側)へ向かう方向に対し右方側(矢印R方向側)へ向けて切断工具の先端を回転させ易くできる。その結果、切断工具の先端を凹部W224bに受け入れ可能とでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。従って、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図82(b)及び図82(c)を参照して、本発明の第15実施形態における保護カバーW9500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図82(b)は、第15実施形態における基板ボックスW9100の部分背面図であり、図82(c)は、図82(b)のLXXXIIc-LXXXIIc線における基板ボックスW9100の部分断面図である。
図82(b)及び図82(c)に示すように、第15実施形態における保護カバーW9500の連結片W9531bは、断面視において前後方向(矢印F-B方向)に延び縦長略矩形に形成される第1部W9531b1と、その第1部W9531b1の係合部W530a及びリブ部W511(連結部W512)側の端部に配設され、リブ部W511(連結部W512)の延びる方向に沿って延び、断面視において、横長略矩形に形成される第2部W9531b2とを備える。
第1部W9531b1は、第2部W9531b2の延びる方向における略中央に配設される。第1部W9531b1及び第2部W9531b2の封印シールWSLとは反対側に形成される面は、略同一面上に配設され、第1部W9531b1と封印シールWSLとの間の対向間隔よりも第2部W9531b2と封印シールWSLとの間の対向間隔が小さくされる。
これにより、切断工具(図示せず)により第1部W9531b1を切断する際、切断工具の先端を凹部W224bにより形成される空間に受け入れさせ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。従って、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、左右方向(矢印L-R方向)において、第1部W9531b1は、第2部W9531b2よりも小さく形成される。これにより、第2部W9531b2よりも第1部W9531b1を切断し易くできる。
なお、断面視において、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の断面積は、略同一に形成される。これにより、保護カバーW9500を樹脂金型により成形する際には、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の断面積の相違を抑制でき、保護カバーW9500(連結片W9531b)の成形性を確保できる。
次いで、図83を参照して、本発明の第16実施形態における基板ボックスWa100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図83(a)及び図83(c)は、第16実施形態における基板ボックスWa100の部分断面図であり、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における断面に対応する。図83(b)は、図83(a)のLXXXIIIc-LXXXIIIc線における基板ボックスWa100の部分断面図である。なお、図83(c)は、図83(a)における状態から保護カバーWa500が左方側(矢印L方向側)へ向けて変位された状態が図示される。また、図83の説明においては、図73を適宜参照する。
図83(a)及び図83(b)に示すように、第16実施形態における基板ボックスWa100の保護カバーWa500は、その保護カバーWa500の左壁部W502の内側面から突出される切断部Wa550を備える。切断部Wa550は、封印シールWSLを切断するための部位である。
切断部Wa550が左壁部W502の内側面から突出されることにより、保護カバーWa500(の左壁部W502)の強度を向上できる。これにより、保護カバーWa500を破損させ難くできる。
切断部Wa550の突出量は、規制状態における左壁部W502と封印シールWSLとの対向間の距離よりも小さく形成される。これにより、規制状態において、切断部Wa550が封印シールWSLを切断することを抑制できる。
切断部Wa550は、左右方向(矢印L-R方向)において、平面部W220及び平面部W320に形成される切欠き部W226,W325に対向して配設される。上下方向(矢印U-D方向)における切断部Wa550の寸法は、一対の両端壁部W223,W321の対向間の距離よりもやや小さく形成され、上下方向における封印シールWSLの両端の間の距離よりも大きく形成される。
また、切断部Wa550は、前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の略中央から背面壁部W510側(矢印B方向側)へ偏った位置に配設される。これにより、例えば、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた場合、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向して配設されることを抑制できる。従って、切断部Wa550の機能を奏することを抑制できる。
切断部Wa550は、保護カバーWa500の内側面から切断部Wa550の突出先端側(矢印R方向側)へ向かうにつれて前後方向(矢印F-B方向)における寸法が小さく形成される。また、切断部Wa550の突出先端側(矢印R方向側)は、図83(b)に示す断面視において、鋸刃状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)に屈曲を繰り返して形成される。これらにより、切欠き部W226,W325に形成される空間へ向けて切断部Wa550が変位されることで、封印シールWSLを切断させ易くできる。
図83(a)に示すように、保護カバーWa500の背面壁部Wa510及び正面壁部Wa520は、第7実施形態における保護カバーW500の背面壁部W510及び正面壁部W520と比較して、左右方向(矢印L-R方向)における寸法が小さく形成される。これにより、規制状態において、背面壁部Wa510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部Wa520の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302との間には隙間が形成される(図73(b)及び図73(d)参照)。かかる隙間は、切断部Wa550に形成される鋸刃状において、封印シールWSLとは反対側に形成される凹部と封印シールWSLとの間の距離よりも大きく形成される。
一方で、係合部W530aの右方側(矢印R方向側)の端部がボックスカバーW200の側壁部W212に当接される。これにより、保護カバーWa500の右方側への変位が規制され、規制状態が維持される。なお、係合部W530bの右方側(矢印R方向側)の端部がボックスベースW300の左壁部W302に当接されることにより(図74参照)、保護カバーWa500の右方側への変位が規制されても良い。
次いで、図83(c)を参照して、切断部Wa550による封印シールWSLの切断について説明する。図83(c)に示すように、係合部W530a,W530bが切断されることにより(図75参照)、保護カバーWa500は、封印ユニットW400側(矢印R方向側、図68参照)へ向けて変位可能とされる。保護カバーWa500を封印ユニットW400側へ向けて変位させることにより、切断部Wa550は、切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れ可能とされ、切断部Wa550により封印シールWSLが切断される。
ここで、一対の両端壁部W223,W321と背面壁部W510及び正面壁部W520とが当接されることにより、保護カバーWa500が前後方向(矢印F-B方向)に変位されることを抑制できる。従って、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向された状態を維持でき、切断部Wa550による封印シールWSLの切断が容易とされる。
本実施形態では、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーWa500を取り外すために係合部W530a,W530bを切断する作業と保護カバーWa500を封印ユニットW400側(矢印R方向側、図68参照)へ向けて変位可能とさせる作業とを別々に行う必要がなく、一連の作業として効率的に行うことができる。
上述したように、規制状態において、背面壁部Wa510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部Wa520の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302との間に形成される隙間は、切断部Wa550に形成される鋸刃状において、封印シールWSLとは反対側に形成される凹部と封印シールWSLとの間の距離よりも大きく形成されるため、切断部Wa550に形成される鋸刃状の全体を切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れ可能とできる。これにより、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの両端の間において封印シールWSLが切断され、封印シールWSLが平面部W220側と平面部W320側とに分離される。
また、保護カバーWa500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、背面壁部Wa510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部Wa520の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302とが当接される(図74参照)。これにより、保護カバーWa500の右方側へ向けての変位が規制される。
なお、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に当接されることにより、保護カバーWa500の右方側へ向けての変位が規制されても良い。この場合、切断部Wa550により切欠き部W226,W325に封印シールWSLを貼着させることができる。言い換えると、切欠き部W226,W325から封印シールWSLを剥がしにくくできる。これにより、切欠き部W226,W325から封印シールWSLを剥がす際、封印シールWSLを破損させ易くでき、封印シールWSLの痕跡(破損)を作業者(店員)に認識させ易くできる。
本実施形態では、保護カバーWa500を側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより封印シールWSLを容易に切断できる。これにより、例えば、作業者(店員)が切断工具を所持していない場合であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易に行うことができる。
切断部Wa550は、左右方向(矢印L-R方向)において、平面部W220及び平面部W320に形成される切欠き部W226,W325に対向して配設されるため、封印シールWSLにより切欠き部W226,W325が遮蔽された状態であっても、切断部Wa550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くできる。
切断部Wa550は、左壁部W502の内側面から突出されるため、箱状に形成される保護カバーWa500から露出されることを抑制できる。これにより、封印シールWSLの切断作業、基板ボックスWa100や保護カバーWa500の製造作業や運搬作業等において、作業者(店員)が切断部Wa550に接触し、負傷することを抑制できる。
また、切断部Wa550は、左壁部W502の内側面から突出されるため、切断部Wa550は、保護カバーWa500と比較して小さく形成される。言い換えると、保護カバーWa500は、切断部Wa550と比較して大きく形成される。従って、作業者(店員)は、保護カバーWa500を把持することにより切断部Wa550を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
保護カバーWa500(切断部Wa550)は、樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形されるため、例えば、金属材料を用いて鋭利に形成される切断工具と比較して封印シールWSLの切断性が低い。これに対し、封印シールWSLの貼着面側に切欠き部W226,W325による空間が形成されるため、切断部Wa550の切断性が低い場合であっても、封印シールWSLを切断させ易くできる。
次いで、図84及び図85を参照して、本発明の第17実施形態における基板ボックスWb100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図84(a)は、第17実施形態における基板ボックスWb100の保護カバーWb500の正面図であり、図84(b)は、図84(a)の矢印LXXXIVb方向視における保護カバーWb500の側面図であり、図84(c)は、図84(b)の矢印LXXXIVc方向視における保護カバーWb500の背面図である。図85(a)は、基板ボックスWb100の背面図であり、図85(b)は、図85(a)の矢印LXXXVb方向視における基板ボックスWb100の側面図であり、図85(c)は、図85(b)のLXXXVc-LXXXVc線における基板ボックスWb100の部分断面図である。
なお、図84及び図85では、係合部Wb530a,Wb530bが保護カバーWb500から切断された状態が図示される。また、図84では、係合部Wb530a,Wb530bが二点鎖線により図示され、図85(b)では、切断部Wb550及びガイド部Wb560が破線により図示される。また、保護カバーWb500から係合部Wb530a,Wb530bが切断されることにより、保護カバーWb500に形成される空間をそれぞれ空間WS1,WS2と定義する。
図84に示すように、第17実施形態における基板ボックスWb100の保護カバーWb500は、背面壁部W510に連結される係合部Wb530a及び切断部Wb550と、正面壁部W520に連結される係合部Wb530b及びガイド部Wb560とをを備える。
係合部Wb530aは、逃がし部Wb534aを備える。逃がし部Wb534aは、係合部Wb530aと切断部Wb550との当接を抑制するための部位であり、背面視において、切断部Wb550に重なる位置において係合部Wb530aの上面から下方側(矢印D方向側)へ向けて凹設される。
逃がし部Wb534aの底面(下方側に形成される面)は、後述する切断部Wb550の刃部Wb552よりも下方側(矢印D方向側)に形成され、左右方向(矢印L-R方向)における逃がし部Wb534aの側面は、後述する切断部Wb550の支持部Wb551及び刃部Wb552よりも左右方向両端側に形成される。これにより、係合部Wb530aと切断部Wb550との当接が抑制される。
係合部Wb530aが切断される前の状態において、逃がし部Wb534aは、切断部Wb550を取り囲んで形成される。これにより、作業者(店員)が切断部Wa550に接触し、負傷することを抑制できる。
切断部Wb550は、封印シールWSLを切断するための部位であり、上方側(矢印U方向側)に配設されるリブ部W511から係合部Wb530a側(矢印D方向側)へ向けて突出される支持部Wb551と、その支持部Wb551の突出先端部から係合部Wb530aの先端側(矢印R方向側)へ向けて突出される刃部Wb552とを備える。
支持部Wb551は、リブ部W511と刃部Wb552との間に所定の間隔を設けて刃部Wb552を支持するための部位である。刃部Wb552は、支持部Wb551に支持され円柱状に形成される基部とその基部の突出先端部において、円錐状に形成される先端部とを備える。先端部が円錐状に形成されることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
なお、切断部Wb550は、下方側(矢印D方向側)に配設されるリブ部W511から係合部Wb530a側(矢印U方向側)へ向けて突出され、逃がし部Wb534aは、係合部Wb530aの下面から上方側(矢印U方向側)へ向けて凹設されても良い。
係合部Wb530bは、上方側(矢印U方向側)に配設される一対のリブ部W521及び連結部W522に連結され、逃がし部Wb534bを備える。逃がし部Wb534bは、係合部Wb530bとガイド部Wb560との当接を抑制するための部位であり、正面視において、ガイド部Wb560に重なる位置において係合部Wb530bの下面から上方側(矢印U方向側)へ向けて凹設される。
逃がし部Wb534bの底面(上方側に形成される面)は、ガイド部Wb560の突出先端部よりも上方側(矢印U方向側)に形成され、左右方向(矢印L-R方向)における逃がし部Wb534bの側面は、ガイド部Wb560の左右方向における側面よりも左右方向両端側に形成される。これにより、係合部Wb530bとガイド部Wb560との当接が抑制される。
また、逃がし部Wb534bが形成されることにより、係合部Wb530bが保護カバーWb500から分離された状態では、係合孔W533と突起W312cとの係合を解除させるため(図73参照)、係合部Wb530bを変位させる際の係合部Wb530bとガイド部Wb560との当接を抑制させ易くでき、ボックスベースWb300からの係合部Wb530bの取り外しを容易とできる。
ガイド部Wb560は、切断部Wb550により封印シールWSLを切断する際、保護カバーWb500の姿勢を維持させるための部位であり、上方側(矢印U方向側)に配設される一対のリブ部W521のうちの下方側(矢印D方向側)に配設されるリブ部W521から上方側へ向けて突出される。ガイド部Wb560は、左右方向(矢印L-R方向)において、切断部Wb550の刃部Wb552先端部よりも左方側(矢印L方向側)に配設される。
なお、ガイド部Wb560は、下方側(矢印D方向側)に配設される一対のリブ部W521のうちの上方側(矢印U方向側)に配設されるリブ部W521から下方側へ向けて突出され、係合部Wb530bは、逃がし部Wb534bは、下方側に配設される一対のリブ部W521及び連結部W522に連結される係合部Wb530bの上面から下方側へ向けて凹設されても良い。
次いで、図85を参照して、保護カバーWb500(切断部Wb550)による封印シールWSLの切断について説明する。なお、本実施形態では、ボックスベースWb300の突出部Wb324の突出長さが第7実施形態における突出部W324の突出長さよりも小さく形成され、平面部W220及び平面部W320の対向する側の面とは反対側の面どうしの間隔が小さく形成される。また、平面部W220及び平面部W320には、一対の両端壁部W223,W321(図72参照)が非形成とされる。
図85は、係合部Wb530a,Wb530bが切断されて空間WS1,WS2が形成された保護カバーWb500を矢印LXXXVb方向視において、反時計回りに回転させ、空間WS1,WS2に平面部W220及び平面部W320が配設され、切欠き部W226,W325により形成される空間に刃部Wb552が配設された状態が図示される。
このように、本実施形態では、保護カバーWb500は、切断部Wb550を備えるため、作業者(店員)が切断工具を所持していない場合であっても、ボックスカバーWb200及びボックスベースWb300の開封作業を容易に行うことができる。
切断部Wb550は、空間WS1に配設されることにより、視認可能とされる。これにより、切断部Wb550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設し易くでき、封印シールWSLを切断させ易くできる。
また、空間WS2に平面部W220及び平面部W320が配設されることにより、ガイド部Wb560と突出部W324とを当接させることができる。これにより、上下方向(矢印U-D方向)を回転軸として保護カバーWb500が回転されることを抑制でき、切断部Wb550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設し易くできる。
切断部Wb550は、保護カバーWb500のリブ部W511から突出されるため、切断部Wb550は、保護カバーWb500と比較して小さく形成される。言い換えると、保護カバーWb500は、切断部Wb550と比較して大きく形成される。従って、作業者(店員)は、保護カバーWb500を把持することにより切断部Wb550を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
次いで、図86を参照して、本発明の第18実施形態における基板ボックスWc100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図86(a)は、第18実施形態における基板ボックスWc100の保護カバーWc500の側面図であり、図86(b)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスWc100の部分断面図である。なお、図86(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースWb300から取り外された保護カバーWc500を用いて封印シールWSLを切断する状態が図示される。
図86(a)に示すように、第18実施形態における基板ボックスWc100の保護カバーWc500は、切断部Wc550を備える。切断部Wc550は、封印シールWSLを切断するための部位であり、立設部Wc540の下方側(矢印D方向側)の端部において背面壁部W510側(矢印B方向側)から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成される。
保護カバーWc500の下壁部W501に対する立設部Wc540の下壁部W501とは反対側(矢印D方向側)への立設長さは、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される。
次いで、図86(b)を参照して、保護カバーWc500(切断部Wc550)による封印シールWSLの切断について説明する。なお、図86(b)では、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から取り外された保護カバーWc500の姿勢が変更された状態とされる。詳細には、切断部Wc550(立設部Wc540)が左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かう姿勢とされる。
保護カバーWc500は、切断部Wc550を備えるため、作業者(店員)が切断工具を所持していない場合であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易に行うことができる。
上述したように、下壁部W501に対する立設部Wc540の下壁部W501とは反対側(矢印D方向側)への立設長さは、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介して下壁部W501を平面部W220に当接させることにより、切断部Wc550を切欠き部W226,W325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、切断部Wc550の位置と切欠き部W226,W325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部W226,W325が遮蔽された状態であっても、切断部Wc550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くできる。下壁部W501と平面部W220との当接を維持しつつ、保護カバーWc500を上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
切断部Wc550は、保護カバーWc500の立設部Wc540から突出されるため、切断部Wc550は、保護カバーWc500と比較して小さく形成される。言い換えると、保護カバーWc500は、切断部Wc550と比較して大きく形成される。従って、作業者(店員)は、保護カバーWc500を把持することにより切断部Wc550を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
次いで、図87を参照して、本発明の第19実施形態における基板ボックスWd100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図87(a)は、第19実施形態における基板ボックスWd100の保護カバーWd500の正面図であり、図87(b)は、図87(a)の矢印LXXXVIIb方向視における保護カバーWd500の側面図であり、図87(c)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスWd100の部分断面図である。なお、図87(b)は、切断された係合部Wd530aが立設部Wd540に取り付けられた状態が図示され、図87(c)は、ボックスカバーW200及びボックスベースWb300から取り外された保護カバーWd500を用いて封印シールWSLを切断する状態が図示される。
図87(a)及び図87(b)に示すように、第19実施形態における基板ボックスWd100の保護カバーWd500は、ガイド部Wd560を備える。立設部Wd540は、左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)において、下壁部W501の略中央となる位置に配設される。
左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)における立設部Wd540の寸法は、下壁部W501の板厚方向(矢印U-D方向)における係合部Wd530aの係合孔W533の寸法と略同一またはやや小さく形成される。また、背面壁部W510と正面壁部W520との対向方向(矢印F-B方向)における立設部Wd540の寸法は、左壁部W502の板厚方向における係合孔W533の内側面どうしの寸法と略同一またはやや小さく形成される。これらにより、図87(b)に示すように、立設部Wd540を係合孔W533に嵌合(係合)でき、保護カバーWd500から切断された係合部Wd530aを保護カバーWd500に取り付ける(保持する)ことができる。
なお、左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)における立設部Wd540の寸法が下壁部W501の板厚方向(矢印U-D方向)における係合部Wd530aの係合孔W533の寸法よりもやや大きく形成され、背面壁部W510と正面壁部W520との対向方向(矢印F-B方向)における立設部Wd540の寸法が左壁部W502の板厚方向における係合孔W533の内側面どうしの寸法よりもやや大きく形成されても良い。立設部Wd540を弾性変形させつつ立設部Wd540と係合孔W533とが係合されることにより、保護カバーWd500から係合部Wd530aが外れることを抑制できる。また、保護カバーWd500に係合部Wd530aが取り付けられた状態において、保護カバーWd500に対する係合部Wd530aの姿勢が変化させることを抑制できる。その結果、係合部Wd530aを用いて封印シールWSLを切断することを容易に行える。
立設部Wd540に正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーW500がボックスカバーWb200及びボックスベースWb300に取り付けられることを抑制する機能と係合部Wd530aを取り付ける(保持する)機能とを兼用させることができ、これらの機能を備えた部位がそれぞれ保護カバーWd500に配設される場合と比較して保護カバーWd500の製造コストを低減できる。また、係合部Wd530aの取り付け部(保持部)を簡素化できる。また、保護カバーWd500の外面に配設される部位を低減させることができ、保護カバーWd500の配設の自由度を向上させることができる。
背面壁部W510には連結部W512が非形成とされ(図72参照)、係合部Wd530aの連結片W531aが左壁部W502に連結される。また、連結部W512が非形成とされることにより、第7実施形態における係合部W530aと比較して(図73参照)、左壁部W502の板厚方向における係合部Wd530aの寸法が大きく形成される。本実施形態では、連結片W531a側(矢印L方向側)における係合孔W533の内側面と連結片W531aと間の距離が、正面壁部W520側(矢印F方向側)における立設部Wd540の正面と背面壁部W510とは反対側に形成される正面壁部W520の正面との間の距離よりも大きく形成される。
これにより、係合部Wd530aを保護カバーWd500に取り付けた状態において、連結片W531aの切断面を正面壁部W520よりも背面壁部W510とは反対側へ配設できる。
ガイド部Wd560は、保護カバーWd500(係合部Wd530a)を用いて封印シールWSLを切断する際、平面部W220の切欠き部W226及び平面部W320の切欠き部W325により形成される空間に係合部Wd530aの連結片W531aを配設させ易くするための部位である。ガイド部Wd560は、板状に形成され、そのガイド部Wd560の板厚方向を左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)に沿わせた姿勢で配設される。
ガイド部Wd560における下壁部W501側(矢印D方向側)に形成されるガイド面Wd561と下壁部W501の外側面との間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される(図87(c)参照)。
次いで、図87(c)を参照して、保護カバーWd500(係合部Wd530a)による封印シールWSLの切断について説明する。なお、図87(c)では、ボックスカバーW200及びボックスベースWb300から取り外された保護カバーWd500の姿勢が変更された状態とされる。詳細には、左右方向(矢印L-R方向)において正面壁部W520がボックスベースW300の突出部W324に対向した姿勢とされる。
上述したように、ガイド部Wd560における下壁部W501側(矢印D方向側)に形成されるガイド面Wd561と下壁部W501の外側面との間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介してガイド部Wd560のガイド面Wd561を平面部W320の正面に当接させることにより、切断された係合部Wd530aの連結片W531aを切欠き部W226,W325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、連結片W531aの位置と切欠き部W226,W325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部W226,W325が遮蔽された状態であっても、連結片W531aを切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くできる。ガイド面Wd561と平面部W320の正面との当接を維持しつつ、保護カバーWd500を上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
保護カバーWd500は、係合部Wd530aよりも大きく形成されるため、作業者(店員)は、保護カバーWd500を把持することにより係合部Wd530a(連結片W531a)を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
次いで、図88(a)及び図88(b)を参照して、本発明の第20実施形態における基板ボックスWe100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図88(a)は、第20実施形態における基板ボックスWe100の保護カバーWe500の部分背面図であり、図88(b)は、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線における基板ボックスWe100の部分断面図である。なお、図88(b)は、切断された係合部Wd530aを用いて封印シールWSLを切断する状態が図示される。
図88(a)に示すように、第20実施形態における基板ボックスWe100の保護カバーWe500は、連結片W531bが非形成とされ(図72参照)、係合部We530aと連結部W512と連結する一対の連結片We531aを備える。
係合部We530aと連結部W512との間の距離、即ち、一対の連結片We531aの延設長さは、切欠き部We226,We325により形成される空間の凹設深さよりも短く形成される。
切欠き部We226,We325は、平面部e220及び突出部We324の対向面とは反対側へ向けてそれぞれ凹設して形成され、切欠き部We226,We325により形成される空間は、断面視において、略コ字状に形成される。切欠き部We226,We325の対向間の距離は、上下方向(矢印U-D方向)における一対の連結片We531aの幅寸法と略同等またはやや大きく形成される。これにより、切欠き部We226,We325により形成される空間に切断された一対の連結片We531aを受け入れ可能とできる。
また、側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けての切欠き部We226,We325の切欠き寸法は、左右方向(矢印L-R方向)における一対の連結片We531aの延設寸法よりもやや大きく形成される。
一対の連結片We531aの対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される(図88(b)参照)。
次いで、図88(b)を参照して、係合部We530aによる封印シールWSLの切断について説明する。なお、図88(b)では、保護カバーWe500から分離された係合部We530aの姿勢が変更された状態とされる。詳細には、左右方向(矢印L-R方向)において係合部We530aの一対の連結片We531aがボックスベースWe300の突出部We324に対向した姿勢とされる。
上述したように、一対の連結片We531aの対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介して一対の連結片We531aの一方の対向面を平面部We320の正面に当接させることにより、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、一対の連結片We531aの他方の位置と切欠き部We226,We325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部We226,We325が遮蔽された状態であっても、一対の連結片We531aの一方における一対の連結片We531aの対向面を平面部We320の正面に当接させることにより、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に受け入れ可能とできる(配設できる)。一対の連結片We531aの一方の対向面と平面部We320の正面との当接を維持しつつ、係合部We530aを上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
また、側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けての切欠き部We226,We325の切欠き寸法は、左右方向(矢印L-R方向)における一対の連結片We531aの延設寸法よりもやや大きく形成されることにより、切断された一対の連結片We531aの切断側の端部が側壁部W212側における切欠き部We226,We325の底面と当接することを抑制でき、切欠き部We226,We325の破損を抑制できる。
このように、本実施形態では、保護カバーWe500に対し小さく形成される係合部We530aを用いて封印シールWSLを切断できるので、係合部We530aと平面部W220及び平面部W320の一対の両端壁部W223,W321(図72参照)との干渉を抑制して、封印シールWSLの切断を容易に行うことができる。
また、一対の連結片We531aが保護カバーWe500に連結される状態(一対の連結片We531aが切断される前の状態)では、一対の連結片We531aには切断部が非形成とされるため、作業者(店員)が一対の連結片We531aの切断部に接触し、負傷することを抑制できる。
次いで、図88(c)及び図88(d)を参照して、本発明の第21実施形態における保護カバーWf500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図88(c)は、第21実施形態における保護カバーWf500の部分背面図であり、図88(d)は、図88(c)のLXXXViiid-LXXXVIIId線における保護カバーWf500の部分断面図である。
図88(c)及び図88(d)に示すように、第21実施形態における保護カバーWf500の係合部Wf530aは、切断部Wf550を備える。
係合部Wf530aは、第7実施形態における係合部W530aと比較して(図73参照)、連結片W531bが連結部W512と反対側(矢印R方向側)へ向けて所定の距離だけ変位されて配設され、連結部W512側(矢印L方向側)における係合部Wf530aの端部に切断部Wf550が形成される。なお、切断部Wf550は、一対のリブ部W511に対向して一対形成される。
切断部Wf550は、上下方向(矢印U-D方向)において、係合部Wf530aの中央側から両端側へ向かうにつれて板厚方向における寸法が小さく形成される。即ち、切断部Wf550の先端部は、鋭利に形成される。これにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
一方で、切断部Wf550は、一対の連結片W531bよりも連結部W512側(矢印L方向側、係合孔W533とは反対側)に配設されるため、係合孔W533とボックスカバーW200の突起W221との係合に影響を与えない(図74参照)。言い換えると、切断部Wf550が形成されることにより、係合部Wf530aの弾性が小さくされることを抑制できる。
従って、ボックスカバーW200及びボックスベースW300(図73参照)に保護カバーWf500を取り付けるための係合力が、切断部Wf550の形成により低下されることを抑制できる。
また、切断部Wf550は、リブ部W511及び連結部W512に対向して配設される。これにより、保護カバーWf500から係合部Wf530aが分離される前の状態において、作業者(店員)が切断部Wf550に接触し、負傷することを抑制できる。
次いで、図89(a)及び図89(b)を参照して、本発明の第22実施形態における保護カバーWg500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図89(a)は、第22実施形態における保護カバーWg500の部分背面図であり、図89(b)は、図89(a)のLXXXIXb-LXXXIXb線における保護カバーWg500の部分断面図である。
図89(a)及び図89(b)に示すように、第22実施形態における保護カバーWg500は、連結片W531bが非形成とされ(図72参照)、係合部Wg530aと連結部W512と連結する一対の連結片Wg531aを備える。
一対の連結片Wg531aは、連結部W512側および係合部Wg530a側からその連結部W512および係合部Wg530aの対向間へ向かうにつれて図89(b)に示す断面視において断面積が小さく形成される。言い換えると、一対の連結片Wg531aは、連結部W512側および係合部Wg530a側からその連結部W512および係合部Wg530aの対向間へ向けて一対の四角錐台が連結された形状に形成される。
これにより、保護カバーWg500から係合部Wg530aを分離させる際、一対の連結片Wg531aを切断し易くできる。また、一対の連結片Wg531aの切断面は、連結部W512および係合部Wg530aの対向間において図89(b)に示す断面積が一定に形成される場合と比較して小さく形成されるので、一対の連結片Wg531aの切断部が鋭利に形成される。その結果、封印シールWSLを切断させ易くできる。
次いで、図89(c)を参照して、本発明の第23実施形態における基板ボックスWh100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図89(c)は、第23実施形態における基板ボックスWh100の部分背面図である。
図89(c)に示すように、第23実施形態における基板ボックスWh100の保護カバーWh500は、規制部Wh570を備える。
規制部Wh570は、係合部W530aが不正に弾性変形されることを規制するための部位である。規制部Wh570は、一対の連結片W531bよりも係合部W530aの先端側(矢印R方向側)に配設され、係合部W530aよりも正面壁部W520(図72参照)とは反対側(矢印B方向側)に配設される。
これにより、平面部W220の突起W221と係合部W530aの係合孔W533との係合解除するために係合部W530aが不正に弾性変形された場合であっても、係合部W530aと規制部Wh570とが当接することで係合部W530aの弾性変形を規制できる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースW300(図72参照)から保護カバーWh500が不正に取り外されることを抑制し易くできる。
次いで、図90を参照して、本発明の第24実施形態における基板ボックスWi100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図90(a)は、第24実施形態における基板ボックスWi100の保護カバーWi500の側面図であり、図90(b)は、基板ボックスWi100の側面図であり、図90(c)は、図90(b)のXCc-XCc線における基板ボックスWi100の断面図である。なお、図90では、保護カバーWi500から係合部W530aが分離された状態が図示される。
図90(a)に示すように、第24実施形態における基板ボックスWi100の保護カバーWi500は、第7実施形態における保護カバーW500の正面壁部W520に代えて、背面壁部W510が配設される。詳細に説明すると、前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の両端部に一対の背面壁部W510が配設される。なお、一対の背面壁部W510は、図90(a)に示す側面視において対称となる姿勢で配設される。また、一対の背面壁部W510は,第20実施形態における係合部We530及び一対の連結片We531aを備える(図88(c)及び図88(d)参照)。
次いで、図90(b)及び図90(c)を参照して、保護カバーWi500による封印シールWSLの切断について説明する。なお、図90(b)及び図90(c)では、保護カバーWi500の姿勢が変更された状態とされる。詳細には、左右方向(矢印L-R方向)において保護カバーWi500の一対の連結片We531aがボックスベースWe300の突出部We324に対向した姿勢とされる。なお、本実施形態では、連結部W512側よりも係合部We530a側において一対の連結片We531aが切断された状態が図示される。
一対の連結片We531aの対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介して一対の連結片We531aの一方の対向面を平面部We320の正面に当接させることにより、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、一対の連結片We531aの他方の位置と切欠き部We226,We325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部We226,We325が遮蔽された状態であっても、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に配設させ易くできる。一対の連結片We531aの一方の対向面と平面部We320の正面との当接を維持しつつ、係合部We530aを上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
本実施形態では、保護カバーWi500に形成される一対の連結片We531aを用いて封印シールWSLを切断させることにより、第20実施形態における係合部We530aに形成される一対の連結片We531aを用いて封印シールWSLを切断させる場合と比較して作業者(店員)は、保護カバーWi500を把持し易く、切断作業を容易に行える。
次いで、図91から図93を参照して、本発明の第25実施形態における基板ボックスWj100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図91(a)は、第25実施形態における基板ボックスWj100の部分背面図であり、図91(b)は、図91(a)の矢印XCIb方向視における基板ボックスWj100の部分側面図であり、図91(c)は、保護カバーWj500の背面図である。図92(a)及び図92(c)は、図91(a)のXCIIa部における基板ボックスWj100の背面図であり、図92(b)は、図92(a)のXCIIb-XCIIb線における基板ボックスWj100の部分断面図であり、図92(d)は、図92(c)のXCIId-XCIId線における基板ボックスWj100の部分断面図である。図93(a)は、図91(a)のXCIIa部における基板ボックスWj100の背面図であり、図93(b)は、図93(a)のXCIIIb-XCIIIb線における基板ボックスWj100の部分断面図である。
なお、図91(a)及び図91(b)では、ボックスカバーWj200及びボックスベースW300から保護カバーWj500が取り外された状態が図示される。また、図92(a)、図92(c)及び図93(a)では、背面壁部Wj214aの図示が一部省略される。
図91(a)及び図91(b)に示すように、第25実施形態における基板ボックスWj100のボックスカバーWj200は、第7実施形態における突起W221に代えて(図72参照)、弾性変形規制手段Wj230を備える。
カバー部Wj214の背面壁部Wj214aは、第7実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成され、背面視において、弾性変形規制手段Wj230に重なる位置に配設される。背面壁部Wj214aの正面には、後述する第2規制状態において、第2規制部Wj250に対向する位置に第2規制部Wj250側(矢印F方向側)へ向けて突出される規制壁部Wj214bが形成される。規制壁部Wj214bは、保護カバーWj500の係合部Wj530aの弾性変形を規制するための部位である。
平面部Wj220には、弾性変形規制手段Wj230に対応する位置に切欠きWj227が形成され、その切欠きWj227により形成される空間に後述する弾性変形規制手段Wj230の第2規制部Wj250が配設される。
上下方向(矢印U-D方向)における平面部Wj220及び平面部Wj320の寸法は、第7実施形態における平面部W220及び平面部W320の寸法(図72参照)よりも小さく形成され、保護カバーWj500の内側に平面部Wj220及び平面部Wj320が配設された状態において、保護カバーWj500は、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300に対し上下方向に変位可能とされる。
弾性変形規制手段Wj230は、規制状態において保護カバーWj500の係合部Wj530aが不正に弾性変形されることを抑制するためのものであり、第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250とを備える。なお、弾性変形規制手段Wj230の説明においては、図92及び図93を適宜参照する。
第1規制部Wj240は、規制状態において、左方側(矢印L方向側)へ向けての保護カバーWj500の変位を規制するための部位であり、平面部Wj220の背面から背面壁部Wj214a側(矢印B方向側)へ向けて突出される。第1規制部Wj240には、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面壁部Wj214a側へ傾斜する傾斜部Wj241が形成される。
第2規制部Wj250は、規制状態において、下方側(矢印D方向側)へ向けての保護カバーWj500の変位を規制するための部位であり、上下方向(矢印U-D方向)において第1規制部Wj240に対向して配設される。第2規制部Wj250は、切欠きWj227により形成される平面部Wj220の側壁から第1規制部Wj240側(矢印D方向側)へ向けて突出される板状の支持部Wj251と、その支持部Wj251の突出先端部から規制壁部Wj214b側(矢印B方向側)へ向けて突出される係合部Wj252とを備える。
支持部Wj251は、その支持部Wj251の板厚方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢で配設され、支持部Wj251の板厚は、平面部Wj220の板厚よりも小さく形成される。これにより、前後方向における外力が第2規制部Wj250に作用された場合、平面部Wj220に対して支持部Wj251を弾性変形させることができる。
係合部Wj252は、第1規制部Wj240側(矢印D方向側)から第1規制部Wj240とは反対側(矢印U方向側)へ向かうにつれて規制壁部Wj214b側(矢印B方向側)へ向けて傾斜して形成される。第1規制部Wj240とは反対側(矢印U方向側)に形成される係合部Wj252の上面は、上下方向(矢印U-D方向)に直交して形成される。
図91(c)に示すように、保護カバーWj500の係合部Wj530aは、第7実施形態における係合部W530aと比較して上下方向(矢印U-D方向)における寸法が小さく形成される。これにより、保護カバーWj500の内側に平面部Wj220及び平面部Wj320が配設された状態から、保護カバーWj500を上下方向に変位させた場合であっても係合部Wj530aとカバー部Wj214との当接を抑制できる。
次いで、図92及び図93を参照して、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300への保護カバーWj500の取り付けについて説明する。まず、上下方向(矢印U-D方向)において、カバー部Wj214の規制壁部Wj214bが形成されていない位置に保護カバーWj500の係合部Wj530aを対向させ、保護カバーWj500をボックスカバーWj200及びボックスベースWj300側(矢印R方向側)へ向けて変位させる。
係合部Wj530aの先端部と第1規制部Wj240の傾斜部Wj241とが当接することにより、係合部Wj530aは、第1規制部Wj240の突出先端側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形される。
図92(a)及び図92(b)に示すように、背面壁部Wj510と側壁部W212とが当接することにより、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300に対する右方側(矢印R方向側)へ向けての保護カバーWj500の変位が規制される(以下「第1規制状態」と称す)。
第1規制状態においては、保護カバーWj500の係合孔W533の内側に第1規制部Wj240が配設され、係合部Wj530aの弾性変形が解除される。また、第1規制状態においては、係合孔W533の内壁と第1規制部Wj240の右方側(矢印R方向側)に形成される面とが当接することにより、保護カバーWj500の左方側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制される。
次いで、図92(c)及び図92(d)に示すように、第1規制状態から保護カバーWj500を上方側(矢印U方向側)へ向けて変位させることにより、係合部Wj530aの上端部と第2規制部Wj250の係合部Wj252とが当接し、第2規制部Wj250がカバー部Wj214の背面壁部Wj214aとは反対側(矢印F方向側)へ向けて弾性変形される。
ここで、支持部Wj251の板厚が平面部Wj220の板厚よりも小さく形成されるため、係合部Wj530aの上端部により支持部Wj251が弾性変形され、保護カバーWj500の上方側(矢印U方向側)へ向けての変位が許容される。
次いで、図93(a)及び図93(b)に示すように、係合孔W533の内壁と第1規制部Wj240の下方側(矢印D方向側)に形成される面とが当接することにより、保護カバーWj500の上方側(矢印U方向側)へ向けての変位が規制される(以下「第2規制状態」と称す)。
第2規制状態においては、係合孔W533の内壁と係合部Wj252の上方側(矢印U方向側)に形成される面とが当接することにより、保護カバーWj500の下方側(矢印D方向側)へ向けての変位が規制される。その結果、第2規制状態から第1規制状態へ向けての保護カバーWj500の変位が規制される。
また、第2規制状態においては、前後方向(矢印F-B方向)において係合部Wj530aの少なくとも一部が規制壁部Wj214bに重なる位置に配設される。従って、係合部Wj530aの背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制壁部Wj214bに当接することにより規制される。言い換えると、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300から保護カバーWj500を不正に取り外すために、第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250と係合部Wj530a(係合孔W533)と係合が解除されることが規制壁部Wj214bにより規制される。
上述したように、背面視において、背面壁部Wj214aが弾性変形規制手段Wj230に重なる位置に配設されるため、第2規制部Wj250を遮蔽できる。これにより、第2規制部Wj250を不正に弾性変形させ、第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250と係合部Wj530a(係合孔W533)との係合を解除させ難くできる。
これらにより、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300から保護カバーWj500が不正に取り外されることを抑制できる。
次いで、図94及び図95を参照して、本発明の第26実施形態における基板ボックスWk100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図94(a)は、第26実施形態における基板ボックスWk100の部分正面図であり、図94(b)は、図94(a)のXCIVb-XCIVb線における基板ボックスWk100の部分断面図であり、図94(c)は、図94(a)のXCIVc-XCIVc線における基板ボックスWk100の部分断面図である。図95(a)及び図95(c)は、図94(a)のXCIVb-XCIVb線における基板ボックスWk100の部分断面図であり、図95(b)及び図95(d)は、図94(a)のXCIVc-XCIVc線における基板ボックスWk100の部分断面図である。
なお、図94では、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500が取り外された状態が図示される。また、本実施形態では、保護カバーW500において、上方側(矢印U方向側)に配設される係合部W530bを係合部W530b1、下方側(矢印D方向側)に配設される係合部W530bを係合部W530b2とそれぞれ異なる符号を付して説明する(図72参照)。
図94に示すように、第26実施形態における基板ボックスWk100のボックスベースWk300は、第7実施形態における一対の突起W312cのうちの下方側(矢印D方向側)に配設される突起W312cに代えて(図73参照)、突起Wk312cを備える。また、ボックスベースWk300のカバー部Wk312は、係止部Wk312fを備える。
突起Wk312cは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印L方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部Wk312dを備える。突起Wk312cは、左右方向(矢印L-R方向)において突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)に配設される。詳細には、傾斜部Wk312dと正面壁部W312aとの境界は、突起W312cの傾斜部W312dと正面壁部W312aとの境界よりも左方側に形成され、右方側に形成される突起Wk312cの側面は、右方側に形成される突起W312cの側面よりも左方側に形成される。また、左右方向における突起Wk312の寸法は、左右方向における突起W312の寸法の略1/2に形成される。
これらにより、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300に保護カバーW500を取り付ける際、係合部W530b1と突起W312cとの当接よりも係合部W530b2と突起Wk312cとの当接を早く行える(図95参照)。また、係合部W530b1と突起W312cとの係合(係合部W530b1の係合孔W533の内側に突起W312cが配設されること)よりも係合部W530b2と突起Wk312cとの係合を早く行える。また、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態において、保護カバーW500を左右方向(矢印L-R方向)に変位させることができる。
係止部Wk312fは、背面側(矢印B方向側)への係合部W530bの変位を規制するための部位であり、左壁部W302から左方側(矢印L方向側)へ向けて突出される。係止部Wk312fは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印L方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部Wk312gを備える。
左右方向における係止部Wk312fと突起Wk312cとの間の距離は、係合部W530bと係合孔W533の内側面との間の距離よりも大きく設定される。また、傾斜部Wk312gは、左右方向(矢印L-R方向)において突起Wk312に重なる位置に形成される。これらにより、係合部W530bが突起Wk312cに係合された状態から右方側(矢印R方向側)へ向けて保護カバーW500を変位させることにより、係合部W530bの先端部を傾斜部Wk312gに当接させることができる。
次いで、図95を参照して、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300への保護カバーW500の取り付けについて説明する。なお、図95(a)及び図95(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300へ保護カバーW500が取り付けられる途中であり、係合部W530b1が弾性変形された状態が図示され、図95(c)及び図95(d)は、規制状態における基板ボックスWk100が図示される。
上下方向(矢印U-D方向)において、係合部W530a,W530b1,W530b2の係合孔W533の位置をボックスカバーW200の突起W221及びボックスベースWk300の突起W312c,Wk312cの位置に合わせた状態から(図72及び図73参照)、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530b2の先端部が突起Wk312cの傾斜部Wk312dに当接する。係合部W530b2が背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形されることにより、保護カバーW500の右方側へ向けての変位が許容される。
次いで、係合部W530b2の係合孔W533の内側に突起Wk312cが配設されることにより、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が解除され、図95(b)に示すように、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合される。
上述したように、突起Wk312cは、左右方向(矢印L-R方向)において突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)に配設されるため、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態では、図95(a)に示すように、係合部W530b1の先端部が突起W312cの傾斜部W312dに当接し、係合部W530b1は、背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形された状態とされる。
また、左右方向(矢印L-R方向)における突起Wk312の寸法は、左右方向における突起W312の寸法の略1/2に形成されるため、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態において、保護カバーW500の右方側(矢印R方向側)へ向けての変位が許容される。
次いで、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態から保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、図95(c)に示すように、係合部W530b1と突起W312cとが係合され、係合部W530b1の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が解除され、基板ボックスWk100が規制状態となる。
上述したように、傾斜部Wk312gは、左右方向(矢印L-R方向)において突起Wk312に重なる位置に形成されるため、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、図95(d)に示すように、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接し、係合部W530b2が正面側(矢印F方向側)へ向けて弾性変形される。その結果、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制される。
このように、本実施形態では、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制されることにより、係合部W530b2が背面側へ向けて不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
また、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制されるため、保護カバーW500をボックスカバーW200及びボックスベースWk300に取り付ける動作(保護カバーW500の右方側へ向けての変位)と係合部W530b2の背面側へ向けての弾性変形を規制させる動作とを同一とでき、基板ボックスWk100の規制状態への動作を容易とできる。
なお、係合部W530b1と突起W312cとが係合とが係合されることにより、保護カバーW500の左方側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制され、係合部W530b2の正面側(矢印F方向側)へ向けての弾性変形が解除されることを抑制できる。
また、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接されることにより、保護カバーW500を正面側(矢印F方向側)へ向けて変位させることができ、背面壁部W510と立設部W222との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、背面壁部W510と立設部W222との間に形成される隙間から不正に挿入された針金が平面部W220と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制し易くできる。
次いで、図96及び図97を参照して、本発明の第27実施形態における基板ボックスWl100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図96(a)は、第27実施形態における基板ボックスWl100の部分背面図であり、図96(b)は、図96(a)のXCVIb-XCVIb線における基板ボックスWl100の部分断面図であり、図96(c)は、図96(a)のXCVIc-XCVIc線における基板ボックスWl100の部分断面図であり、図96(d)は、保護カバーWl500の背面図であり、図96(e)は、図96(d)のXCVIe-XCVIe線における保護カバーWl500の断面図である。図97(a)は、図96(a)のXCVIIa部における基板ボックスWl100の背面図であり、図97(b)は、図96(a)のXCVIb-XCVIb線における基板ボックスWl100の部分断面図であり、図97(c)は、図96(a)のXCVIc-XCVIc線における基板ボックスWl100の部分断面図である。
なお、図96(a)から図96(c)では、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500が取り外された状態が図示される。また、図97(a)では、先端部Wl436が破線により図示される。
図96(a)から図96(c)に示すように、第27実施形態における基板ボックスWl100のボックスカバーWl200は、第7実施形態における突起W221に代えて(図72参照)、弾性変形規制手段Wl230を備える。
弾性変形規制手段Wl230は、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500が不正に取り外されることを抑制するためのものであり、平面部W220から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される第1規制部Wl240と、第2規制部Wl250とを備える。
第1規制部Wl240及び第2規制部Wl250は、上下方向(矢印U-D方向)において、後述する保護カバーWl500の連結部Wl535の上下方向における寸法だけ隔てて配設される。これにより、第1規制部Wl240及び第2規制部Wl250の対向間に連結部Wl535が配設可能とされる。
第1規制部Wl240には、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部Wl241が形成される。左右方向(矢印L-R方向)において傾斜部Wl241とは反対側に形成される面である係止面Wl242は、前後方向(矢印F-B方向)に沿って形成される。
第2規制部Wl250には、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する第1傾斜部Wl251及び第1傾斜部Wl251における右方側の端部から右方側へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)へ傾斜する第2傾斜部Wl252が形成される。上下方向(矢印U-D方向)において、第1規制部Wl240の係止面Wl242に重なる位置に第2傾斜部Wl252が配設される。
図96(d)及び図96(e)に示すように、保護カバーWl500の係合部Wl530aは、連結部Wl535と、その連結部Wl535の先端に配設される先端部Wl536とを備える。
連結部Wl535は、左右方向(矢印L-R方向)における係合部Wl530aの略中央から右方側(矢印R方向側)へ向けて突出される。連結部Wl535の突出寸法は、左右方向における第1規制部Wl240の寸法よりも大きく形成され、左右方向における第2規制部Wl250の寸法よりも小さく形成される。
連結部Wl535の下面に形成される傾斜部Wl535aは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜して形成される。即ち、連結部Wl535は、先端部Wl536との連結部よりも係合部Wl530aとの連結部が小さく形成される。これにより、係合部Wl530aに対し連結部Wl535(先端部Wl536)を変形させ易くできる。
先端部Wl536は、上下方向(矢印U-D方向)に延びて形成される。本実施形態では、連結部Wl535よりも上方側(矢印U方向側)における先端部Wl536を上側先端部Wl536a、連結部Wl535よりも下方側(矢印D方向側)における先端部Wl536を下側先端部Wl536bとそれぞれ符号を付して説明する。
次いで、図97を参照して、規制状態における基板ボックスWl100について説明する。上述したように、連結部Wl535の突出寸法は、左右方向における第1規制部Wl240の寸法よりも大きく形成されるため、第1規制部Wl240は、係合部Wl530aと上側先端部Wl536aとの間に形成される空間に配設される。
一方で、連結部Wl535の突出寸法は、左右方向における第2規制部Wl250の寸法よりも小さく形成されるため、第2規制部Wl250の第2傾斜部Wl252と下側先端部Wl536bとが当接する。これにより、連結部Wl535(先端部Wl536)は、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として回転され(捩じられ)、下側先端部Wl536bが背面側(矢印B方向側)へ向けて変位され、上側先端部Wl536aが正面側(矢印F方向側)へ向けて変位される。
上述したように、傾斜部Wl535aは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜して形成されるため、係合部Wl530aに対し連結部Wl535(先端部Wl536)を回転させ易くできる。
上側先端部Wl536aが正面側(矢印F方向側)へ向けて変位されることにより、上側先端部Wl536aと第1規制部Wl240との係合量を大きくできる(左右方向における上側先端部Wl536aと第1規制部Wl240との重なりを大きくできる)。これにより、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500を不正に取り外し難くできる。
また、下側先端部Wl536bと第2規制部Wl250と係合を不正に解除するために、下側先端部Wl536bを背面側(矢印B方向側)へ向けて変位させる場合、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として回転され(捩じられ)上側先端部Wl536aが正面側(矢印F方向側)へ向けて変位されるため、上側先端部Wl536aと第1規制部Wl240との係合量を大きくできる。これにより、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500を不正に取り外し難くできる。
次いで、図98を参照して、本発明の第28実施形態における基板ボックスWm100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図98(a)は、第28実施形態における基板ボックスWm100の部分正面図であり、図98(b)は、図98(a)のXCVIIIb-XCVIIIb線における基板ボックスWm100の部分断面図である。なお、本実施形態における封印シールWSLは、第7実施形態における封印シールWSLに対し上下方向(矢印U-D方向)における寸法が小さい以外は同一に形成されるため、同一の符号を付して説明する。また、図98(a)では、ボックスカバーWm200及びボックスベースWm300から保護カバーWm500が取り外された状態が図示される。
図98に示すように、第28実施形態における基板ボックスWl100のボックスベースWm300は、一対の弾性変形規制手段Wm330を備える。なお、平面部Wm320には、弾性変形規制手段Wm330に対応する位置に切欠きWm327が形成され、その切欠きWm327により形成される空間に弾性変形規制手段Wm330が配設される。また、ボックスカバーWm200の平面部Wm220は、規制突起Wm228を備え、保護カバーWm500の係合部Wm530bは、突起Wm534を備える。
弾性変形規制手段Wm330は、規制状態において保護カバーWm500の係合部Wm530bが不正に弾性変形されることを抑制するためのものであり、切欠きWm327から突出される連結部Wm331と、その連結部Wm331の突出先端部から左右方向(矢印L-R方向)に延設される延設部Wm332と、その延設部Wm332の両端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される当接部Wm333及び規制部Wm334とを備える。
連結部Wm331は、板状であり、切欠きWm327により形成される平面部Wm320の側壁から封印シールWSL側へ向けて突出される。連結部Wm331の正面に形成される傾斜部Wm331aは、上方側(矢印U方向側)から下方側(矢印D方向側)へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)へ傾斜して形成される。即ち、連結部Wm331は、延設部Wm332との連結部よりも平面部Wj220の側壁との連結部が小さく形成される。これにより、平面部Wj220の側壁に対し延設部Wm332(当接部Wm333及び規制部Wm334)を変形させ易くできる。
当接部Wm333は、後述する保護カバーWm500の突起Wm534が当接される部位であり、延設部Wm332の延設方向(矢印L-R方向)における延設部Wm332の一方側(矢印L方向側)の端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される。
規制部Wm334は、延設部Wm332の延設方向(矢印L-R方向)における当接部Wm333とは反対側(矢印R方向側)の端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出され、規制状態において、保護カバーWm500の係合部Wm530bの背面側(矢印B方向側)となる位置に形成される。
平面部Wm220の規制突起Wm228は、背面側(矢印B方向側)へ向向けての弾性変形規制手段Wm330の変位を規制するための突起であり、平面部Wm220からボックスベースWm300の平面部Wm320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。前後方向(矢印F-B方向)において、規制突起Wm228は、左右方向(矢印L-R方向)におい延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設される。なお、規制突起Wm228は、前後方向において、連結部Wm331又は規制部Wm334に重なる位置に配設されても良い。
保護カバーWm500の突起Wm534は、弾性変形規制手段Wm330を変形(回転)させるための突起であり、係合部Wm530bの背面から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される。突起Wm534は、係合部Wm530bの先端部から弾性変形規制手段Wm330の延設部Wm332の延設寸法と略同等の距離を隔てて配設される。これにより、規制状態において、当接部Wm333及び規制部Wm334の正面側(矢印F方向側)に係合部Wm530bの先端部および突起Wm534を配設できる。
図98(b)に示すように、規制状態において、係合部Wm530bの突起Wm534と弾性変形規制手段Wm330の当接部Wm333とが当接当接する。これにより、連結部Wm331(延設部Wm332)は、上下方向(矢印U-D方向)を回転軸として回転され(捩じられ)、当接部Wm333が背面側(矢印B方向側)へ向けて変位され、規制部Wm334が正面側(矢印F方向側)へ向けて変位される。
上述したように、傾斜部Wm331aは、上方側(矢印U方向側)から下方側(矢印D方向側)へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)へ傾斜して形成されるため、平面部Wj220の側壁に対し連結部Wm331(延設部Wm332)を回転させ易くできる。
規制部Wm334が正面側(矢印F方向側)へ向けて変位されることにより、規制部Wm334と係合部Wm530bの先端部との間の距離を小さくできる。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。なお、規制状態において、規制部Wm334は、係合部Wm530bの背面に当接されても良い。
上述したように、前後方向(矢印F-B方向)において、規制突起Wm228が左右方向(矢印L-R方向)におい延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設されるため、規制突起Wm228と延設部Wm332とが当接することにより延設部Wm332(当接部Wm333及び規制部Wm334)が背面側(矢印B方向側)へ向けて変位されることを規制できる。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。
次いで、図99を参照して、本発明の第29実施形態における基板ボックスWn100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図99(a)は、第29実施形態における基板ボックスWn100の部分正面図であり、図99(b)は、図99(a)の矢印XCIXb方向視における保護カバーWn500の側面図であり、図99(c)は、図99(a)のXCIXc-XCIXc線における基板ボックスWn100の部分断面図である。なお、図99(a)では、ボックスカバーW200及びボックスベースWn300から保護カバーWn500が取り外された状態が図示され、保護カバーWn500の突起Wn534及び一対の壁部Wn538が破線により図示される。
図99に示すように、第29実施形態における基板ボックスWn100のボックスベースWm300は、一対の爪部Wm340を備え、保護カバーWn500の係合部Wn530bは、突起Wn534及び一対の壁部Wn538を備える。
ボックスベースWm300の正面壁部Wn312aには、一対の爪部Wm340に対応する位置に切欠きが形成され、その切欠きにより形成される空間に一対の爪部Wm340が配設される。一対の爪部Wm340は、正面壁部Wn312aの背面から左方側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成され、正面壁部Wn312aよりも背面側(矢印B方向側)に配設される。
一対の爪部Wm340は、ボックスカバーW200及びボックスベースWn300に保護カバーWn500を係合させるための部位であり、規制状態では、前後方向(矢印F-B方向)において、保護カバーWn500の係合部Wn530bに重なる位置に配設される。一対の爪部Wm340には、その爪部Wm340の突出先端側(矢印L方向側)となる位置に係合孔Wm341が穿設される。
係合孔Wm341は、後述する保護カバーWn500の突起Wn534の外形よりもやや大きく形成され、係合孔Wm341の内側に突起Wn534が配設(係合孔Wm341に突起Wn534が係合)されることにより、保護カバーWn500がボックスカバーW200及びボックスベースWn300に係合される。
係合部Wn530bは、その係合部Wn530bの上下方向(矢印U-D方向)における両端部において、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離を隔てて一対の連結片W531bをそれぞれ備える。これにより、係合部Wn530bの弾性変形が抑制される。
また、係合部Wn530bは、第7実施形態における係合部W530bと比較して正面側(矢印F方向側)に形成され、本実施形態では、正面壁部W520と略同一面上に配設される。
突起Wn534は、係合部Wn530bから背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて突出される。突起Wn534は、規制状態では、前後方向(矢印F-B方向)において、係合孔Wm341に重なる位置に配設される。これにより、保護カバーWn500をボックスカバーW200及びボックスベースWn300に係合できる。
一対の壁部Wn538は、正面壁部W520と係合部Wn530bとの間に形成される隙間から不正に挿入された針金が係合孔Wm341と突起Wn534との係合を解除することを抑制するための部位である。一対の壁部Wn538は、係合部Wn530bにおいて、正面壁部W520に対向する側の端部に形成される。これにより、一対の壁部Wn538の対向間に突起Wn534が配設される。また、一対の壁部Wn538は、係合部Wn530bから背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて突出される。
図99(c)に示すように、規制状態において、係合孔Wm341の内側に突起Wn534が配設され、係合孔Wm341の内側壁と突起Wn534とが当接することにより、保護カバーWn500の左方側(矢印L方向側)への変位が規制される。
また、係合部Wn530bは、正面壁部W520と略同一面上に配設され、一対の爪部Wm340は、正面壁部Wn312aよりも背面側(矢印B方向側)に配設されるため、規制状態において、係合部Wn530bよりも背面壁部W510側(矢印B方向側)に一対の爪部Wm340が配設される。従って、保護カバーWn500により一対の爪部Wm340が遮蔽される。これにより、一対の爪部Wm340が不正に弾性変形されることを抑制でき、ボックスカバーW200及びボックスベースWn300から保護カバーWn500が不正に取り外されることを抑制できる。
次いで、図100を参照して、本発明の第30実施形態における基板ボックスWo100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図100(a)は、第30実施形態における基板ボックスWo100の部分背面図であり、図100(b)は、図100(a)のCb-Cb線における基板ボックスWo100の部分断面図である。なお、図100(a)では、抜け止めピンWo580の図示が省略される。
図100に示すように、第30実施形態における基板ボックスWo100の保護カバーWo500は、抜け止めピンWo580を備え、平面部Wq220は、凹部Wo229を備える。
なお、保護カバーWo500が抜け止めピンWo580を備えることにより、平面部Wo220は、係合部Wo530aに対する正面側(矢印F方向側)へ向けての抜け止めピンWo580の突出量だけ正面側に形成される。これにより、抜け止めピンWo580と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
カバー部Wo214の背面壁部Wo214aは、第7実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成される(図73参照)。背面壁部Wo214aには、規制状態における背面視において、係合部Wo530aの係合孔W533に重なる位置に突起Wo214bが平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。突起Wo214bは、ボックスカバーWo200と保護カバーWo500(係合部Wo530a)とを係合させるため(保護カバーWo500の側壁部W212とは反対側への変位を規制するため)の部位である。
平面部Wo220には、前後方向(矢印F-B方向)において、抜け止めピンWo580に重なる位置に凹部Wo229が凹設される。凹部Wo229は、平面部Wo220の背面からボックスベースW300の平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。これにより、凹部Wo229と封印シールWSLとの間に空間が形成される。
凹部Wo229は、背面視において、円状に形成され、凹部Wo229の内径は、後述する頭部Wo581の外径と略同一またはやや大きく形成される。これにより、係合部Wo530aが変位(弾性変形)されると、凹部Wo229の内側へ抜け止めピンWo580の一部を受け入れ可能とできる。
保護カバーWo500の係合部Wo530aは、連結片W531aと係合孔W533との対向間に挿通孔Wo538を備える。挿通孔Wo538は、後述する抜け止めピンWo580のピン部Wo582を挿通させるための孔であり、背面視において、円状に形成される。
抜け止めピンWo580は、樹脂材料を素材とし、板状に形成される頭部Wo581と、その頭部Wo581から板厚方向に立設され板状に形成される一対のピン部Wo582と備える。
頭部Wo581は、背面視において、円状に形成され、頭部Wo581の外径は、挿通孔Wo538の内径よりも大きく形成される。
一対のピン部Wo582の立設長さは、封印シールWSLとは反対側における係合部Wo530aの背面と封印シールWSLとの間の寸法よりも小さく形成される。一対のピン部Wo582は、板厚方向に所定の間隔を隔てて配設される。また、一対のピン部Wo582はたわみ変形可能な板厚に形成され、一対のピン部Wo582は、互いに近接する方向に変形可能とされる。
ピン部Wo582の立設先端部には、対向面側とは反対側へ向けて突出される係止部Wo583が形成される。係止部Wo583の対向面側とは反対側の部位には、立設先端側へ向かうにつれて係止部Wo583の対向面側へ傾斜して形成される傾斜部o584が形成され、立設先端側における係止部Wo583の外形は、挿通孔Wo538を挿通可能な大きさに形成される。
頭部Wo581側(立設先端側とは反対側)における係止部Wo583の外形は、挿通孔Wo538を挿通不能な大きさに形成される。また、頭部Wo581側における係止部Wo583の外形は、一対のピン部Wo582が互いに近接する方向へ向けてたわみ変形された場合には、挿通孔Wo538を挿通可能な大きさに形成される。また、立設先端側における係止部Wo583の外形は、挿通孔Wo538を挿通可能な大きさに形成される。
これらにより、抜け止めピンWo580は、一対のピン部Wo582が互いに近接する方向へ向けてたわみ変形されることにより、係止部Wo583が挿通孔Wo538を挿通される。一方で、一対のピン部Wo582のたわみ変形が解除されることにより、係止部Wo583は、係合部Wo530aに当接され、挿通方向(矢印F方向)とは反対方向(矢印B方向)への変位が規制される。
傾斜部o584が立設先端側へ向かうにつれて係止部Wo583の対向面側へ傾斜して形成されるため、傾斜部o584と挿通孔Wo538の内周とが当接することにより、一対のピン部Wo582が互いに近接する方向へ向けてたわみ変形される。
頭部Wo581の外径は、挿通孔Wo538の内径よりも大きく形成されることにより、頭部Wo581が係合部Wo530aに当接し、抜け止めピンWo580の挿通方向(矢印F方向)への変位が規制される。これにより、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
一方で、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300から不正に保護カバーWo500を取り外すために、係合部Wo530aが正面側(矢印F方向側)へ向けて不正に弾性変形された場合では、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接する。これにより、正面側(矢印F方向側)へ向けての係合部Wo530aの弾性変形が規制され、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300からの保護カバーWo500の取り外しが抑制される。
また、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接することにより、封印シールWSLが破損される。これにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
なお、前後方向(矢印F-B方向)において、抜け止めピンWo580(一対のピン部Wo582)に重なる位置における平面部Wo220には、封印シールWSLとは反対側(矢印F方向側)へ向けて凹部が凹設されても良い。これにより、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接することにより、封印シールWSLを破損させ易くできる。
次いで、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300への保護カバーWo500の取り付けについて説明する。ボックスカバーWo200及びボックスベースW300へ保護カバーWo500を取り付ける際は、保護カバーWo500に抜け止めピンWo580が非係合とされ、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300に保護カバーWo500が取り付けられた状態において、保護カバーWo500に抜け止めピンWo580を係合させる。
これにより、抜け止めピンWo580が係合された保護カバーWo500がボックスカバーWo200及びボックスベースW300に取り付けられる場合と比較して、抜け止めピンWo580(係止部Wo583)による封印シールWSLの破損を抑制できる。
次いで、図101を参照して、本発明の第31実施形態における保護カバーWp500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図101は、第31実施形態における保護カバーWp500の背面図である。なお、本実施形態では、保護カバーWp500が取り付けられるボックスカバー及びボックスベースの図示は省略し、ボックスカバー及びボックスベースからの保護カバーWp500の取り外しの概念について説明する。また、図101の説明においては、図100を適宜参照する。
図101に示すように、第33実施形態における保護カバーWp500は、第2係合部Wp590を備える。保護カバーWp500は、保護カバーWp500の上壁部および下壁部W501の略中央において上壁部(下壁部W501)と平行な面に対し対称(図101上下対称)に一対が形成される。また、保護カバーWp500の正面壁部Wp520には係合部W530bが非形成とされる(図72参照)。
係合部Wp530aは、その係合部Wp530aの上下方向(矢印U-D方向)における両端部において、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離を隔てて一対の連結片W531bをそれぞれ備える。一対の連結片W531bのうちの左方側(矢印L方向側)に配設される連結片W531bは、背面壁部Wp510に連結され、一対の連結片W531bのうちの右方側(矢印R方向側)に配設される連結片W531bは、第2係合部Wp590に連結される。
第2係合部Wp590は、抜け止めピンWo580が係合される部位である。第2係合部Wp590は、挿通孔Wo538、連結片W531a及び一対の連結片W531bを備える。連結片W531aは、第2係合部Wp590の左方側(矢印L方向側)の端部と背面壁部Wp510とに連結され、連結片W531bは、第2係合部Wp590の上下方向(矢印U-D方向)の両端部と係合部Wp530aの上端部(下端部)及び上壁部(下壁部W501)とに連結される。
ボックスカバー及びボックスベースには、上下方向(矢印U-D方向)において、一対の係合部Wp530a一方の係合孔W533に対応する位置に、その係合孔W533に係合される突起をそれぞれ備える。それら突起は、背面壁部Wp510及び正面壁部Wp520の略中央において背面壁部Wp510(正面壁部Wp520)と平行な面に対し対称に配設される。
これにより、ボックスカバーに形成される突起と一対の係合部Wp530aの一方(他方)の係合孔W533とが係合可能された状態では、ボックスベースに形成される突起および一対の係合部Wp530aの他方(一方)の係合孔W533は非係合とされる。
ボックスカバーに形成される突起と一対の係合部Wp530aの一方(他方)の係合孔W533とが係合可能された状態では、一方(他方)の係合部Wp530aに連結される第2係合部Wp590の挿通孔Wo538に抜け止めピンWo580が挿通され、第2係合部Wp590と抜け止めピンWo580とが係合される。
ボックスカバー及びボックスベースから不正に保護カバーWp500を取り外すために、一方(他方)の係合部Wp530aが正面側(矢印F方向側)へ向けて不正に弾性変形された場合では、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接する。これにより、正面側(矢印F方向側)へ向けての一方(他方)の係合部Wp530aの弾性変形が規制され、ボックスカバー及びボックスベースからの保護カバーWp500の取り外しが抑制される。
また、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接することにより、封印シールWSLが破損される。これにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
ボックスカバー及びボックスベースからの保護カバーWp500の取り外しは、一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590に連結される連結片W531a,W531bが切断工具(図示せず)により切断され、保護カバーWp500から一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590が分離されることにより行われる。
ここで、一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590が分離された保護カバーWp500は、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として180度回転(反転)させることにより、ボックスベースに形成される突起および一対の係合部Wp530aの他方(一方)の係合孔W533とが係合可能とされる。
これにより、ボックスカバー及びボックスベースの開封を抑制するために、保護カバーWp500を2回用いることが(再利用)できる。その結果、ボックスカバー及びボックスベースの開封する毎に保護カバーWp500が廃棄される場合と比較して、パチンコ機W10のメンテナンスコストを低減できる。
また、保護カバーWp500から一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590が分離されているか否かにより、保護カバーWp500が再利用されてボックスカバー及びボックスベースに取り付けられる状態か、新しい保護カバーWp500がボックスカバー及びボックスベースに取り付けられる状態かを区別できる。従って、パチンコ機W10のメンテナンス記録と照合することにより、例えば、メンテナンス記録では、保護カバーWp500が再利用される状態が記載されているのに対し、新しい保護カバーWp500をボックスカバー及びボックスベースに取り付けられている場合、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図102を参照して、本発明の第32実施形態における基板ボックスWq100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図102(a)は、第32実施形態における基板ボックスWq100の部分背面図であり、図102(b)は、図102(a)のCIIb-CIIb線における基板ボックスWq100の部分断面図である。
図102に示すように、第32実施形態における基板ボックスWq100の保護カバーWq500は、第2係合部Wq590及び一対の突起Wq534を備える。なお、保護カバーWq500が第2係合部Wq590を備えることにより、上下方向(矢印U-D方向)における背面壁部Wq510の寸法が第7実施形態における背面壁部W510の寸法よりも短く形成される。
また、係合部Wq530aに一対の突起Wq534が形成されることにより、平面部Wq220が一対の突起Wq534の突出量だけ正面側(矢印F方向側)に形成される。これにより、ボックスカバーWq200及びボックスベースW300に保護カバーWq500を取り付ける際、一対の突起Wq534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
平面部Wq220には、前後方向(矢印F-B方向)において、一対の突起Wq534に重なる位置に凹部Wq229が凹設される。凹部Wq229は、平面部Wq220の背面からボックスベースW300の平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。これにより、凹部Wq229と封印シールWSLとの間に空間が形成される。
カバー部Wq214の背面壁部Wq214aは、第7実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成される(図73参照)。背面壁部Wq214aには、規制状態における背面視において、係合部Wq530aの係合孔W533(図73参照)に重なる位置に突起Wq214bが平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。突起Wq214bは、ボックスカバーWq200と保護カバーWq500(係合部Wq530a)とを係合させるため(保護カバーWq500の側壁部W212とは反対側への変位を規制するため)の部位である。また、カバー部Wq214には、下方側(矢印D方向側)における側壁が非形成とされる。
第2係合部Wq590は、係合部Wq530aの下方側(矢印D方向側)における端部に配設され、一対の突起Wq534は、係合部Wq530aにおける第2係合部Wq590とは反対側(矢印U方向側)の端部に配設される。また、一対の突起Wq534は、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離を隔てて配設される。
第2係合部Wq590には、挿通孔Wo538が穿設される(図100参照)。その挿通孔Wo538を挿通して抜け止めピンWo580のピン部Wo582が挿通された状態で、抜け止めピンWo580が第2係合部Wq590に係合される。
次いで、ボックスカバーWq200及びボックスベースW300からの保護カバーWq500の取り外しについて説明する。保護カバーWq500から係合部Wq530aが分離された状態において、ボックスカバーWq200から係合部Wq530aを取り外す場合、カバー部Wq214には下方側(矢印D方向側)における側壁が非形成とされるため、係合部Wq530aを下方側へ向けて変位させることでボックスカバーWq200からの係合部Wq530aの取り外しが容易とされる。
ここで、係合部Wq530aの係合孔W533と背面壁部Wq214aの突起Wq214bとの係合を解除するために、係合部Wq530aを平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて変位させる必要がある。
一方で、第2係合部Wq590に抜け止めピンWo580が係合され、ピン部Wo582の突出先端部が第2係合部Wq590よりも平面部W320側(矢印F方向側)に配設されるため、ピン部Wo582の突出先端部が背面壁部Wq510に当接され易い。
従って、ピン部Wo582の突出先端部と背面壁部Wq510との当接を抑制するために、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として抜け止めピンWo580が平面部W320とは反対側(矢印B方向側)へ向けて回転される。これにより、一対の突起Wq534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転され、一対の突起Wq534により封印シールWSLが破損される。
また、一対の突起Wq534が封印シールWSLと凹部Wq229との間に形成される空間に受け入れられ易く、一対の突起Wq534により封印シールWSLを破損させ易くできる。また、封印シールWSLにおいて、一対の突起Wq534により破損された領域を大きくできる。
このように、本実施形態では、ボックスカバーWq200からの係合部Wq530aの取り外しにおいて、封印シールWSLを破損させ易くすることで主制御基板(図示せず)への不正操作の虞を作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図103(a)を参照して、本発明の第33実施形態における基板ボックスWr100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図103(a)は、第33実施形態における基板ボックスWr100の部分断面図であり、図73(b)のLXXIVb-LXXIVb線に対応する。なお、図103(a)の説明においては、図74(a)を適宜参照する。
図103(a)に示すように、第33実施形態における基板ボックスWr100のボックスカバーWr200は、第7実施形態における突起W221に代えて(図72参照)、突起Wr214bを備える。
なお、平面部Wr220には突起W221が非形成とされ、背面視において、係合部W530aに重なる位置には係合孔W533よりも側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)となる位置まで切欠きが形成される。これにより、係合部W530aが平面部Wr220側(矢印F方向側)へ向けて弾性変形された場合においても、係合部W530aが平面部Wr220に当接し、係合部W530aの弾性変形が規制されることを抑制できる。
カバー部Wr214の背面壁部Wr214aは、第7実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成される(図73参照)。背面壁部Wr214aには、背面視において、係合部W530aの係合孔W533に重なる位置に突起Wr214bが平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。突起Wr214bは、ボックスカバーWr200と保護カバーWr500(係合部W530a)とを係合させるため(保護カバーWr500の側壁部W212とは反対側への変位を規制するため)の部位である。
突起Wr214bが背面壁部Wr214aから平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出されることにより、ボックスカバーWr200と保護カバーWr500とを係合させるために係合部W530aを正面壁部W520側(平面部Wr220側)へ向けて弾性変形させることができる。
一方で、一対の係合部W530bは、ボックスベースW300と保護カバーWr500とを係合させるために背面壁部W510側(平面部W320側、矢印B方向側)へ向けて弾性変形される(図74(a)参照)。従って、ボックスカバーWr200及びボックスベースW300と保護カバーW500との係合を不正に解除させるために係合部W530aを弾性変形(変位)させる方向(矢印F方向)と一対の係合部W530bを弾性変形(変位)させる方向(矢印B方向)とを反対方向とすることができる。
これにより、係合部W530a(一対の係合部W530b)と突起Wr214b(一対の突起W312c)との係合を解除させるために係合部W530a(一対の係合部W530b)を弾性変形(変位)させると、その係合部W530a(一対の係合部W530b)の弾性変形(変位)に伴い一対の係合部W530b(係合部W530a)を一対の突起W312c(突起Wr214b)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーWr200及びボックスベースW300から保護カバーWr500が不正に取り外されることを抑制できる。
また、突起Wr214bが背面壁部Wr214aから平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出されることにより、突起Wr214bと係合孔W533との係合が背面壁部Wr214aにより遮蔽される。これにより、突起Wr214bと係合孔W533との係合が不正に解除され難くできる。
次いで、図103(b)を参照して、本発明の第34実施形態における基板ボックスWs100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図103(b)は、第34実施形態における基板ボックスWs100の部分断面図であり、図73(b)のLXXIVa-LXXIVa線に対応する。なお、図103(b)の説明においては、図74(b)を適宜参照する。
図103(b)に示すように、第34実施形態における基板ボックスWs100のボックスベースWs300は、第7実施形態における一対の突起W312cに代えて(図73参照)、一対の突起Ws328を備える。なお、一対の係合部W530bと一対の突起Ws328との係合の態様については、一方(上方)及び他方(下方)において同一であるため(図73参照)、一方における断面図を図示して説明し、他方における説明は省略する。
ボックスベースWs300の正面壁部W312aには、突起W312cが非形成とされ、正面視において、一対の係合部W530bの係合孔W533に重なる位置まで平面部Ws320が伸びて形成される。その平面部Ws320の延出先端部には、正面視において、一対の係合部W530bの係合孔W533に重なる位置に一対の突起Ws328が平面部W220側(矢印B方向側)へ向けて突出される。一対の突起Ws328は、ボックスベースWs300と保護カバーW500(一対の係合部W530b)とを係合させるため(保護カバーW500の左壁部W302とは反対側への変位を規制するため)の部位である。
一対の突起Ws328が平面部Ws320から正面壁部W312aとは反対側(矢印F方向側)へ向けて突出されることにより、ボックスベースWs300と保護カバーW500とを係合させるために一対の係合部W530bを正面壁部W312a側(平面部W220とは反対側)へ向けて弾性変形させることができる。
一方で、係合部W530aは、ボックスカバーW200と保護カバーW500とを係合させるために正面壁部W520とは反対側(平面部W220とは反対側、矢印B方向側)へ向けて弾性変形される(図74(b)参照)。従って、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300と保護カバーW500との係合を不正に解除させるために係合部W530aを弾性変形(変位)させる方向(矢印B方向)と一対の係合部W530bを弾性変形(変位)させる方向(矢印F方向)とを反対方向とすることができる。
これにより、係合部W530a(一対の係合部W530b)と突起W221(一対の突起Ws328)との係合を解除させるために係合部W530a(一対の係合部W530b)を弾性変形(変位)させると、その係合部W530a(一対の係合部W530b)の弾性変形(変位)に伴い一対の係合部W530b(係合部W530a)を一対の突起Ws328(突起W221)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
次いで、図104を参照して、本発明の第35実施形態における基板ボックスWt100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図104(a)は、第35実施形態における基板ボックスWt100の部分背面図であり、図104(b)は、図104(a)のCIVb-CIVb線における基板ボックスWt100の部分断面図である。なお、図104では、基板ボックスWt100から保護カバーW500が取り外された状態が図示される。
図104に示すように、第35実施形態における基板ボックスWt100のボックスカバーWt200(平面部Wt220)は、第7実施形態における凹部W224bに代えて、(図73参照)、突部Wt224bを備える。
突部Wt224bは、平面部Wt220の背面から平面部W320とは反対側(矢印B方向側)へ向けて突出し、断面視において、略矩形状に形成される。突部Wt224bにより、平面部Wt220の強度を確保できる。
突部Wt224bには、一対の切欠きWt224b1が形成される。切欠きWt224b1により形成される突部Wt224bの対向面どうしの間に形成される空間を切断空間WS3と定義する。切断空間WS3は、規制状態では、背面視において、係合部W530aの連結片W531bに重なる位置に配設される。
切欠きWt224b1により形成される突部Wt224bの対向面どうしの間の距離は、上下方向(矢印U-D方向)における連結片W531b(図73参照)の延設寸法と略同等またはやや大きく形成される。これにより、連結片W531bを切断する際、切断工具(図示せず)の先端を切断空間WS3に受け入れ可能とできる。
突部Wt224bは、上下方向(矢印U-D方向)に延び一対の両端壁部W223を連結して形成される。これにより、切断空間WS3を除き、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの両端の間において封印シールWSLを突部Wt224bに貼着できる。従って、上下方向における封印シールWSLの両端側が突部Wt224bに貼着されない場合と比較して、封印シールWSLにしわが生じることを抑制でき、平面部Wt220の背面と封印シールWSLとの間に空間が生じることを抑制できる。その結果、平面部Wt220の背面から封印シールWSLが剥がされ易くなることを抑制できる。
また、突部Wt224bと一対の両端壁部W223とが連結されることにより、一対の両端壁部W223の強度を確保できる。
なお、突部Wt224bは、上下方向(矢印U-D方向)において、封印シールWSLの両端よりも一対の両端壁部W223側に延びて形成されていれば、一対の両端壁部W223に非連結とされても良い。
上下方向(矢印U-D方向)において、突部Wt224bの突設先端部と一対の両端壁部W223の突出先端部との間の距離は、係合部W530aの正面(正面壁部W520に対向する面)と背面壁部W510の正面(正面壁部W520に対向する面)との間の距離よりも大きく形成される(図72参照)。これにより、ボックスカバーWt200及びボックスベースW300に保護カバーW500を取り付ける際、突部Wt224bに貼着された封印シールWSLと係合部W530aとが当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
なお、上下方向(矢印U-D方向)において、突部Wt224bの突設先端部と一対の両端壁部W223の突出先端部との間の距離は、係合部W530aの正面(正面壁部W520に対向する面)と背面壁部W510の正面(正面壁部W520に対向する面)との間の距離が略同一に形成されても良い。
左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法は、係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成される。
次いで、突部Wt224bへの封印シールWSLの貼着について説明する。封印シールWSLは、突部Wt224bの突出形状に沿って貼着され、突部Wt224bの突出先端面と平面部Wt220とを連結する一対の側面および突出先端面に貼着される。
一方で、封印シールWSLは、切欠きWt224b1により形成される突部Wt224bの対向面や切断空間WS3における平面部Wt220には貼着されない。従って、封印シールWSLは、切断空間WS3を取り囲んだ態様で突部Wt224bに貼着される。
これにより、連結片W531bを切断する際(図73参照)、切断工具(図示せず)の先端を切断空間WS3に配設させ易くできる。その結果、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法は、係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成されるため、封印シールWSLに対向する態様で切断工具(図示せず)の先端を配設させることができる。これにより、封印シールWSLに形成される痕跡(破損)を大きくできる。
次いで、図105を参照して、本発明の第36実施形態における基板ボックスWu100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図105は、第36実施形態における基板ボックスWu100の部分背面図であり、図73(b)のLXXXa-LXXXa線における断面図に対応する。
図105に示すように、第36実施形態における基板ボックスWu100の保護カバーWu500は、突起Wu534を備える。突起Wu534は、第11実施形態における突起W5534に対し、係合部Wu530bの突出先端側(矢印R方向側)に形成される突起Wu534の側面Wu534cが突出先端側へ向けて凸となる円弧上に湾曲して形成される。係合部Wu530bの突出先端とは反対側(矢印L方向側)に形成される突起Wu534の側面Wu534dは、係合部Wu530b及び突起Wu534の突出先端を直線状に連結して形成される。
これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーWu500を取り付けるために係合部Wu530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形されると、突起Wu534の側面Wu534cが封印シールWSLに対向される。従って、ボックスベースW5300や保護カバーWu500の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、突起Wu534の側面Wu534cと封印シールWSLとが当接される場合においても、保護カバーWu500をカバー部W312側(矢印R方向側)へ向けて変位させる際、封印シールWSLが破損されることを抑制し易くできる。
言い換えると、保護カバーWu500が突起Wu534を備える場合であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300への保護カバーWu500の取り付け時においては、封印シールWSLの破損が抑制され易い。
一方で、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーWu500を不正に取り外すために、係合部Wu530bを弾性変形させつつ保護カバーWu500をカバー部W312とは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させる場合、側面Wu534c,Wu534dの連結部(突起Wu534の突出先端部)により封印シールWSLを破損させ易くできる。
このように、本実施形態では、保護カバーWu500が突起Wu534を備え、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーWu500を不正に取り外す場合、封印シールWSLが破損され易い構成であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーWu500を取り付ける際、封印シールWSLが破損されることを抑制し易くできる。
なお、側面Wu534dは、側面Wu534c側(矢印R方向側)へ向けて凹状に湾曲して形成されても良い。これにより、側面Wu534c及び側面Wu534dの連結部を鋭利に形成でき、封印シールWSLを破損させ易くできる。
次いで、図106を参照して、本発明の第37実施形態における基板ボックスWv100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図106(a)は、第37実施形態における基板ボックスWv100の部分背面図であり、図106(b)は、図106(a)のCVIb-CVIb線における基板ボックスWv100の部分断面図である。なお、図106(a)では、凹部Wv229及び封印シールWSLの外形が破線により図示される。また、図106の説明においては、図102を適宜参照する。
図106に示すように、第37実施形態における基板ボックスWv100のボックスカバーWv200は、第32実施形態におけるボックスカバーWq200に加え、凹部Wv229を備える。
凹部Wv229は、規制状態における背面視において、抜け止めピンWo580に重なる位置に凹設される。凹部Wv229は、背面視において、円状に形成され、凹部Wv229の内径は、頭部Wo581の外径よりもやや大きく形成される。封印シールWSLは、凹部Wv229よりも側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)において平面部Wv220に貼着される。言い換えると、封印シールWSLは、凹部Wv229には非貼着とされる。
また、保護カバーWv500(係合部Wv530a)に形成される一対の突起Wv534の突出量は、第32実施形態における一対の突起Wq534よりも短く形成される。詳細には、保護カバーWv500に抜け止めピンWo580が配設(係合)された状態において、一対の突起Wv534の突出先端部は、抜け止めピンWo580の係止部Wo583の突出先端部よりもボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)に形成される。
また、一対の突起Wv534のうち、左壁部W502側(矢印L方向側)に配設される突起Wv534は、背面視において、封印シールWSLに重なる位置に配設される。これにより、一対の突起Wv534がボックスベースW300側(矢印F方向側)向けて変位(回転)された場合、左壁部W502側に配設される突起Wv534と封印シールWSLとの当接させることができる。
なお、係合部Wv530aに一対の突起Wv534が形成されることにより、平面部Wv220が一対の突起Wv534の突出量だけボックスベースW300側(矢印F方向側)に形成される。これにより、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300に保護カバーWv500を取り付ける際、一対の突起Wv534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
一方で、規制状態において、保護カバーWv500に抜け止めピンWo580が配設(係合)されることにより、抜け止めピンWo580の係止部Wo583の突出先端部は、一対の突起Wv534の突出先端部よりもボックスベースW300側(矢印F方向側)に配設される。これにより、係止部Wo583の突出先端部は、凹部Wv229により形成される空間に受け入れられる。
これらにより、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300に保護カバーWv500を取り付ける際は、抜け止めピンWo580が非配設(非係合)とされた状態の係合部Wv530aを弾性変形させ、係合部Wv530aの係合孔W533(図103(a)参照)とボックスカバーWv200の突起Wq214bとが係合できる。
規制状態において、保護カバーWv500に抜け止めピンWo580が配設(係合)された状態では、係止部Wo583が凹部Wv229の底面に当接することにより係合部Wv530aの弾性変形が規制される。これにより、係合部Wv530aとボックスカバーWv200との係合の解除が抑制される。
また、係合部Wv530aの係合孔W533(図73参照)と背面壁部Wq214aの突起Wq214bとの係合を解除するために、係合部Wv530aを不正に弾性変形させた状態で保護カバーWv500を側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させた場合、係止部Wo583が凹部Wv229の内周面に当接されることにより保護カバーWv500の側壁部W212とは反対側へ向けての変位が規制される。これにより、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300からの保護カバーWv500の取り外しを抑制できる。
次いで、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300からの保護カバーWv500の取り外しについて説明する。保護カバーWv500から係合部Wv530aが分離された状態において、ボックスカバーWv200から係合部Wv530aを取り外す場合、係合部Wv530aの係合孔W533と背面壁部Wq214aの突起Wq214bとの係合を解除すると共に、ピン部Wo582の突出先端部と凹部Wv229の内周面との当接を抑制するために、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として抜け止めピンWo580が平面部W320とは反対側(矢印B方向側)へ向けて回転される。これにより、一対の突起Wv534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転される。この状態から係合部Wv530aを側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させることにより、一対の突起Wv534と封印シールWSLとが当接され、封印シールWSLが破損される。
このように、本実施形態では、ボックスカバーWv200からの係合部Wv530aの取り外しにおいて、封印シールWSLを破損させ易くすることで主制御基板(図示せず)への不正操作の虞を作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図107(a)を参照して、本発明の第38実施形態における保護カバーWw500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図107(a)は、第38実施形態における基板ボックスWw100の部分断面図であり、図76(a)のLXXXIIa部における断面に対応する。
図107(a)に示すように、第38実施形態における保護カバーWw500の連結片Ww531bは、異なる樹脂材料を用いて二色成形により成形される。言い換えると、連結片Ww531bが剛性の異なる複数(本実施形態では、2種類)の部位から形成される。
連結片Ww531bは、第1連結片Ww531b1及び第1連結片Ww531b1とは異なる剛性を有する樹脂材料から形成される第2連結片Ww531b2から構成され、第1連結片Ww531b1及び第2連結片Ww531b2は、係合部W530a(図76参照)の突出方向(矢印L-R方向)に並んで配設される。
これにより、切断工具(図示せず)を用いて連結片Ww531bを切断する際、切断工具の先端を回転させ易くできる。詳細には、例えば、第1連結片Ww531b1が第2連結片Ww531b2よりも硬度が高い樹脂材料を用いて成形され、切断工具がニッパ―やハサミから構成され、一対の刃の間に連結片Ww531bを挟み込んで連結片Ww531bを切断する場合、第1連結片Ww531b1に対し第2連結片Ww531b2が切断され易い。
従って、第1連結片Ww531b1に対し第2連結片Ww531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図107(b)を参照して、本発明の第39実施形態における保護カバーWx500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図107(b)は、第39実施形態における基板ボックスWx100の部分断面図であり、図76(a)のLXXXIIa部における断面に対応する。
図107(b)に示すように、第39実施形態における保護カバーWx500の連結片Wx531bは、第1連結片Wx531b1及び正面壁部W520から背面壁部W510へ向かう方向(矢印F-B方向、図76参照)における寸法が第1連結片Wx531b1よりも小さく形成される第2連結片Wx531b2から構成される。
第1連結片Wx531b1及び第2連結片Wx531b2は、係合部W530a(図76参照)の突出方向(矢印L-R方向)に並んで配設され、断面視において、連結片Wx531bは略L字状に形成される。
これにより、切断工具がニッパ―やハサミから構成され、一対の刃の間に連結片Wx531bを挟み込んで連結片Wx531bを切断する場合、第1連結片Wx531b1に対し第2連結片Wx531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図107(c)を参照して、本発明の第40実施形態における保護カバーWy500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図107(c)は、第40実施形態における基板ボックスWy100の保護カバーWy500の部分背面図である。なお、図107(c)の説明においては、図88(b)を適宜参照する。
図107(c)に示すように、第40実施形態における基板ボックスWy100の保護カバーWy500は、切断部Wy550を備える。また、連結片We531aが切断部Wy550と所定の距離を隔てて配設される。
切断部Wy550は、係合部Wy530aから連結部W512側(矢印L方向側)へ向かうにつれて一対の連結片W531bを連結する方向(矢印U-D方向)における幅寸法が小さく形成される。言い換えると、切断部Wy550は、背面視において、鋭角状に形成される。これにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
なお、保護カバーWy500に係合部Wy530aが連結された状態では、切断部Wy550が背面壁部W510及び連結部W512に取り囲まれて配設される。これにより、作業者(店員)が切断部Wy550に接触し、負傷することを抑制できる。
連結片W531a及び切断部Wy550の対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される(図88(b)参照)。
これにより、保護カバーWy500から係合部Wy530aを分離させ、切断部Wy550側(矢印D方向側)における連結片We531aの側面を平面部We320の正面に当接させることにより、切断部Wy550を切欠き部We226,We325により形成される空間に受け入れ可能とできる(配設できる)。その結果、切欠き部We226,We325を探す手間を抑制でき、封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図108から図121を参照し、第41実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図108は、第41実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図109はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図110はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図108に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図108に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図109参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図108に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図108参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図109参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図111参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図108参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図108参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図111参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図109参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図108参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図109参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図109に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、普通入賞口(スルーゲート)66,67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図108参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60の構成は樹脂材料に限られるものではない。例えば、薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成されるようにしても良い。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図108参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図109を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図108参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
なお、上述の遊技領域は狭義の解釈であり、広義の意味として、遊技領域を、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域として表現しても良い。この意味において、遊技領域は、遊技盤13の正面側の領域に限られるものではない。例えば、後述するセンサSEの上流側に配置される経路も遊技領域に含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図111参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図109の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図109の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口66,67(又は後述する普通入賞口(スルーゲート)765)を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64へ入球した遊技球が後述するセンサSEに検出された場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球した遊技球が下流側のセンサ(図示せず)に検出された場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、特定入賞口65aへの入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特別遊技のラウンド数や、特別遊技終了後における電動役物640aの作動パターンが異なるように構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒~60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行しても良い。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが駆動され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、0.1秒または1秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口66,67,765を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口66,67,765についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa、大当たりb)と、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となる場合(例えば、後述する大当たりC、大当たりc)と、が用意されている。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が次に大当たりとなるまでの間継続される場合を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるようにしても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変化しないが、第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、普通図柄の当たり確率は変化しないが、第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、「通常状態」とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率も変化しておらず、第2入賞口640へ球が入賞し易いわけでもない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間が変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが励磁された状態(励磁状態、後述する移動板部材641が前側位置に配置され第1送球経路KR1に進入している状態)にある場合は、その電動役物640aが非励磁とされ退避した状態(非励磁状態、後述する移動板部材641が後側位置に配置され第1送球経路KR1から退避している状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図109の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図111参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
この第1図柄表示装置37A,37Bにおいて特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37A,37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入賞口64の下流側に配置されるセンサSE、および第2入賞口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64の下流側に配置されるセンサSE、第2入賞口640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、8R確変大当たり、4R通常大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「8R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。
また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことであり、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで電動役物640aの作動パターンが変化すること(又は第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップすること)で第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2入賞口640への入賞のし易さもアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入賞口(スルーゲート)66,67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83と、普通入賞口66,67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプ84と、が設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図111参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図111参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図111参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が通常大当たりであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、確変大当たりであれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aにより遊技球が案内され易くなるので、電動役物640aが配置される遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大賞球個数を獲得できる大当たり(大当たりa,b,c)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入賞口640へと球を入球させることが難しいため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが第2入賞口640に球を案内し難いよう制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
本実施形態では、右打ちを行っているか否かの判断方法として、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)67(図109参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)67(図109参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞口65aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置65に負荷を与えて特定入賞口65aを開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞口65aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の最上位置(図109における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
次に、可変入賞装置65において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、可変入賞装置65の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず特定入賞口65aへの入球を検出した場合などが例示される。
可変入賞装置65において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)66,67は、可変表示装置ユニット80の両側の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、普通入賞口(スルーゲート)765は、経路構成装置700の内部流路を流下する遊技球を検出可能に配設される。
普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、ベース板60に配設される普通入賞口(スルーゲート)66,67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、1つでも良いし、その他の複数(例えば、3つ以上)であっても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)66,67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右いずれか一方でも良いし、可変表示装置ユニット80の上方や下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチとしてのセンサSEがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図111参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図111参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64及び第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると、第1入賞口スイッチとしてのセンサSE又は第2入賞口スイッチ(流下する球が連続で通過することが無いよう配置される各スイッチ)がオンとなることに基づいて5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数や賞球数の大小関係を逆にしても良い。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aはスライド移動可能に構成されており、通常は電動役物640aが非励磁状態(退避状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが励磁状態(進入状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
なお、上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなるようにしても良い。即ち、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなるようにしても良い。
特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(特別遊技状態における賞球個数)が得られる大当たり(大当たりA,a,b,c)となる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが非励磁状態(退避状態)にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが励磁状態(進入状態)となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、電動役物640aが配設される側へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64、または第2入賞口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させる。加えて、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を後方に退避させ、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左右側や上側でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図108参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図110に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図111参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図111参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図111を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図111は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図110参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図110参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図112から図114を参照して、経路構成装置700の全体構成について説明をする。図112は、経路構成装置700の分解正面斜視図であり、図113は、経路構成装置700の部分拡大正面図であり、図114(a)及び図114(b)は、図113のCXIVa-CXIVa線における経路構成装置700の部分断面図である。
図113では、振分け部材760の内周面、シーソー部材762、連通孔751及び回収孔752の外形が破線で図示される。また、図114(a)では、電動役物640aが後述する第1送球経路KR1から退避している退避状態が図示され、図114(b)では、電動役物640aが第1送球経路KR1に進入している進入状態が図示される。
図112に示すように、経路構成装置700は、遊技盤13のセンターフレーム86の下側に配設され、ベース板60に対して正面側に配置される正面側形成部710と、ベース板60に対して背面側に配置される背面側形成部720と、を主に備えて形成される。
正面側形成部710は、ベース板60の正面側に取着される入賞部材730と、その入賞部材730の左右両側における正面側に配設される屈曲部材740と、を主に備えて形成される。
背面側形成部720は、ベース板60の背面側に取着される介設部材750と、その介設部材750の背面側に配設される振分け部材760と、介設部材750にソレノイド640sが固定配置される電動役物640aと、を主に備えて形成される。
入賞部材730は、ベース板60の板正面に配設され貫通孔60aを覆う形状で薄肉に形成されベース板60に装着される覆設板部711と、その覆設板部711の左右中央位置において前後方向に穿設される上側球通過孔713と、その上側球通過孔713の下側に配置され前後方向に穿設される下側球通過孔714と、覆設板部711の左右方向中央上部に位置する第1入賞口64と、その第1入賞口64の下側(下側球通過孔714の下側)に位置する第2入賞口640と、左右方向両側に位置し前後方向に貫通形成される貫通孔731と、その貫通孔731の下側に位置し前後方向に貫通形成される下側挿通孔732と、右側の下側挿通孔732よりも左側において前後方向に貫通形成される球通過孔734aを有する第1球送球部734と、その第1球送球部734の下縁部右端から右上方向に延びる長孔として前後方向に貫通形成される貫通孔735と、右側の下側挿通孔732よりも右側において前後方向に貫通形成される球通過孔736aを有する第2球送球部736と、上側球通過孔713を基準として第1球送球部734と左右対称に形成される第3球送球部737と、を主に備えて形成される。
貫通孔731は、その内部に後述する屈曲部材740の上側突出部741が挿通される部材であり、上側突出部741の背面視における外形よりも少し大きく開口する正面視略矩形状に形成される。
下側挿通孔732は、背面側に配設される介設部材750の回収孔752と連通される孔であり、介設部材750の回収孔752と対向する位置に形成される。また、下側挿通孔732は、下面側が湾曲される正面視略D字形状に開口される。
下側挿通孔732の背面には、球の通過を検知するセンサSEは配設される。センサSEは、正面視略矩形状に形成されると共に、その側面に球の直径よりも少し大きい直径の貫通孔が形成される部材であり、その貫通孔の内部を球が通過することで球の通過を検出することができる。センサSEは、貫通孔の軸が下側挿通孔732の下面側の円弧軸と同軸上に位置して配設される。これにより、貫通孔の開口方向を背面側に向かうに従って少し下方に傾斜する様態とすることができるので、センサSEの貫通孔内部を通過する球が貫通孔の内側に留まることを抑制できる。
第1球送球部734は、介設部材750の第1傾斜溝755の上流側端部に連通される位置に配置される球通過孔734aと、その球通過孔734aの正面視U字形状の縁部が正面側に突設される突設縁部734bと、その突設縁部734bの下流側部において球経路側に突設され、その突設先端が背面側へ傾斜する形状であることから流下してきた球を背面側に送球可能とされる下流側送球部734cと、を備える。
貫通孔735は、移動板部材641が前後方向に挿通可能な形状から形成される。即ち、移動板部材641の右側案内部643及び左側案内部645とそれらを連結する連結部との正面視における外形よりも若干大きな形状で形成される。
これにより、移動板部材641の退避状態では、貫通孔735により移動板部材641の前端部が支持され、移動板部材641の進入状態では、貫通孔735により移動板部材641の後端側が支持されることで、移動板部材641の配置を安定させることができる。
第2球送球部736は、介設部材750の第2傾斜溝757の上流側端部に連通される位置に配置される球通過孔736aと、その球通過孔736aの正面視U字形状の縁部が正面側に突設される突設縁部736bと、その突設縁部736bの下流側部において球経路側に突設され、その突設先端が背面側へ傾斜する形状であることから流下してきた球を背面側に送球可能とされる下流側送球部736cと、を備える。
第3球送球部737は、第1球送球部734の左右対称に形成される一方で、電動役物640aにより遊技球が案内されるようには構成されていない。左方向からの球の入球を許容する形状であり、球の入球の頻度を少なくすることができる。第3球送球部737は一般入賞口63(図109参照)と同様の機能を有している。即ち、球の入球により、5個~15個の球が賞球として払い出される。なお、第3球送球部737への入球が稀なことから、入球した場合の遊技者の利益の最大化を図るために、賞球個数は最大(15個)で設定される。
屈曲部材740は、上述した入賞部材730の貫通孔731と下側挿通孔732との正面側に配設される部材であり、正面視におけるベース板60(図109参照)の左右方向略中央位置を対称に2つ配設され、その外形形状は概略左右対称に形成される。
また、屈曲部材740は、正面視において、遊技領域を形成する内レール61(図109参照)との間に、球が通過可能な大きさの隙間が形成される位置に配置される。これにより、屈曲部材740の下側の遊技領域を流下する球が、屈曲部材740と内レール61との間に挟まれて遊技領域に留まることが抑制される。
屈曲部材740は、正面視略矩形の板状体から形成され、その背面から突出する上側突出部741と、その上側突出部741よりも下方から突出する下側突出部743と、上側突出部741及び下側突出部743の対向間に形成される開口744と、を備えて形成される。
上側突出部741は、背面視において下側が開放する略U字形状に形成され、その外形が、入賞部材730の貫通孔731の内形よりも少し小さく設定される。これにより、屈曲部材740を入賞部材730に配置する際には、上側突出部741を貫通孔731の内部に挿入して配設できる。よって、屈曲部材740を入賞部材730へ配置する際には、上側突出部741を挿入して位置決めすることができるので、その組み付け工程を簡易にできる。
下側突出部743は、上側突出部741の下側に形成されると共に、上側が開放される背面視略U字形状に形成される。即ち、背面視すると、上側突出部741と下側突出部743との互いの開放部分が上下方向に対向する様態に形成される。
下側突出部743は、入賞部材730の貫通孔731から屈曲部材740側に送球される球を入賞部材730の下側挿通孔732に送球するための経路(以下、「第2送球経路KR2」と称す)を形成するための部材であり、下側挿通孔732と前後方向に対向する位置に形成される。
下側突出部743の背面側への突出距離は、球の直径よりも大きい寸法に設定される。また、下側突出部743の突出先端面が入賞部材730と当接した状態で屈曲部材740が入賞部材730に配置される。よって、屈曲部材740と入賞部材730との対向間の距離寸法が球の直径よりも大きくされ、屈曲部材740と入賞部材730との対向間に球が鉛直方向に送球される送球路(以下、「第1送球経路KR1」と称す)が形成される。
屈曲部材740には、上側突出部741の上部内面から下側突出部743の下部内面に亘って突出する案内部742が形成される。案内部742は、側面視において背面側が開放される略U字形状に突出される。
案内部742は、入賞部材730の貫通孔731から屈曲部材740(第1送球経路KR1)に送球される球を鉛直方向に送球した後に、入賞部材730の下側挿通孔732に送球する突壁であり、下側の内縁部の上下方向高さは、背面に配置される下側挿通孔732の下側の内縁部の高さよりも少し小さく形成される。
案内部742は、背面側に配置される貫通孔731の正面視における左右方向中央線に沿って形成される。これにより、案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)されるので、球を容易に左右方向に位置ずれさせることができる。
開口744は、上側突出部741と下側突出部743との対向間に形成される所定の隙間であり、背面視における左右方向両側に形成される。また、開口744は、側面視において、背面側が開放する略U字形状に形成される。
開口744は、背面側端部の上端の高さが、同じ前後位置の案内部742の先端側部と略同一の上下方向高さに設定されると共に、背面側端部の下端の高さが、移動板部材641の右側案内部643の下側面と略同一の上下方向高さに設定される。開口744は、第1送球経路KR1と第4送球経路KR4との連結部分の左右方向の側面に開口して形成される。
振分け部材760は、正面視横長矩形に形成されると共に、正面側が開放された箱状体に形成される。また、振分け部材760は、正面視において左右方向略中央位置で屈曲されており、左右方向略中央位置から左右方向外側に向かうに従って下側に傾斜して形成される。また、振分け部材760の左右方向の両端部は、上述した入賞部材730の貫通孔731と対向する位置に設定される。
振分け部材760は、正面視における左右方向中央位置から左右両側へ向けて下方傾斜する一対の傾斜面761と、その互いの傾斜面761の中央に配置されるシーソー部材762と、シーソー部材762の上方に形成される送球口763と、シーソー部材762の回転を規制するための規制壁部764と、右側の傾斜面761に案内される球が通過可能な位置に配設される普通入賞口(スルーゲート)765と、を主に備えて形成される。
一対の傾斜面761は、左右反対方向に延びる傾斜面であって、水平面に対する傾斜角度が左右対称となるように形成される。なお、本実施形態では、上流側において若干急な傾斜角度となる領域を設け、その下流側において傾斜角度が緩やかとなる領域の傾斜角度が水平面に対して5度で形成される。
送球口763は、振分け部材760の正面側に開口を形成するための部材であり、入賞部材730の第1入賞口64と対向する位置に形成される。これにより、振分け部材760が後述する介設部材750に配設されると、送球口763と介設部材750との対向間に空間を形成することができる。
その空間は、球の外径よりも大きい空間(即ち、球が通過可能な空間)に形成されると共に、ベース板60に穿設された貫通孔60bを介して入賞部材730の第1入賞口64の内部空間と連結される。これにより、第1入賞口64に入賞される球を送球口763と介設部材750との対向間の空間に送球して、その空間の内部を送球させることができる。
軸部762bは、シーソー部材762を軸周りに回転させるための軸支部であり、円柱形状に形成されると共に、シーソー部材762の円環内側に挿通される。この状態で、軸部762bが、介設部材750と振分け部材760との間に挟持されることで、シーソー部材762は軸部762bを軸に回転可能に配置される。
突起762aは、上述した送球口763と介設部材750との対向間の空間から球が送球される際に、球を左右の傾斜面761に交互に一球ずつ振り分けるための突起であり、中央部の突起762aの先端が位置する方向と左右方向反対側に球が送球される。両端に突設される突起762aは、シーソー部材762の変位を規制すると共に、球の通過した際にかかる重みにより、中央部の突起762aの先端が位置する方向を変位させる(シーソー部材762を回転させる)部材であり、突起762aの先端面と規制壁部764とが当接することでシーソー部材762の回転が規制される。
一方、規制壁部764と当接していない突起762aは、球が中央部の突起762aに案内されると、案内された球がその突起762aと衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が規制壁部764と当接してその変位が規制される。
傾斜面761は、上述したシーソー部材762によって左右に振り分けられた球が転動して送球される経路(以下、「第3送球経路KR3」と称す)の転動面であり、振分け部材760の左右方向中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、振分け部材760のシーソー部材762によって左右に振り分けられた球は、傾斜面761上を転動されて、傾斜面761の下降側の端部に送球(転動)される。
傾斜面761の下降側の端部には、その端部に向かうに従って、背面側の側面が前方に厚みを増すように介設部材750へ近接する方向へ傾斜して形成される。これにより、傾斜面761を転動してその端部まで送球された球を、振分け部材760の前方に配設される介設部材750の連通孔751に送球することができる。
普通入賞口(スルーゲート)765は、介設部材750と振分け部材760との間に配設され、介設部材750と振分け部材760とが連結固定されることで内側に固定配置される。
普通入賞口(スルーゲート)765の球通過孔の内側面であって、傾斜面761に沿う側の面が、傾斜面761の上面と面位置となるように、普通入賞口(スルーゲート)765の配置は設計される。
これにより、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過する際に、球に与えられる抵抗を最小限に抑えることができ、普通入賞口(スルーゲート)765が配設される右側の傾斜面761を流下する球と、普通入賞口(スルーゲート)765が配設されていない左側の傾斜面761を流下する球との、流下速度を均一化することができる。
普通入賞口(スルーゲート)765の機能は、上述した普通入賞口(スルーゲート)66,67と共通である。即ち、普通入賞口(スルーゲート)765は、球が通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる検出口としての機能を有する。
また、第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過すると、その通過回数は、普通入賞口(スルーゲート)66,67の通過回数と共同で最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。
なお、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
介設部材750は、屈曲部材740と振分け部材760との前後間に介在する部材であって、正面視横長矩形状に形成されると共に、正面視における左右方向の中央下部に上述した可変入賞装置65と、左右両側に前後方向に貫通される連通孔751と、その連通孔751の下側に開口される回収孔752と、連通孔751及び回収孔752の間で前後方向に左右長尺の形状で貫通形成される支持凹部753と、左右中央位置を下流側端部として正面視左側へ向かって下降傾斜する直線状の第1傾斜溝755と、その第1傾斜溝755の下方において左右中央位置を下流側端部として正面視左側へ向かって下降傾斜する直線状の第2傾斜溝757と、その第2傾斜溝757の下方に配置される第2回収孔758と、を主に備えて形成される。
連通孔751は、振分け部材760の左右両端部の正面側に形成されると共に、入賞部材730の貫通孔731の背面側に形成される。よって、振分け部材760の左右両端部の空間と、入賞部材730の貫通孔731の内部空間とが連通孔751を介して連結される。従って、上述した振分け部材760の傾斜面761の上部を転動する球を、連通孔751を通過させて、入賞部材730の貫通孔731に送球する経路(以下、「第4送球経路KR4」と称す)を形成することができる。
回収孔752は、上述したように、入賞部材730の下側挿通孔732の背面側に開口形成される開口である。即ち、回収孔752は、センサSEの背面側に連結されており、センサSEを通過する球が、その回収孔752の開口に送球される。回収孔752は、店舗に設置される球を循環する装置に連結されており、回収孔752に回収された球は、循環装置により循環されて遊技球として再び球発射ユニット112aから打出しされる。
支持凹部753は、移動板部材641の右側案内部643が前後方向に移動するために十分な空間を確保するために形成される凹設溝部である。右側案内部643の下面と上下方向で対向する支持凹部753の下底面は、左右方向に水平な平面形状で形成される。また、右側案内部643の上面と上下方向で対向する支持凹部753の上天面は、傾斜面643aと同様の傾斜角度の平面形状で形成される。
即ち、支持凹部753は、左側から右側へ凹設されており、左側が広く右側が狭い楔形状に形成され、機能的には、正面視における右側案内部643の上下幅よりも若干大きな上下幅(若干大きな楔形状)から形成される。
これにより、移動板部材641の利用において、前後方向にスライド移動させる際には、右側案内部643が支持凹部753の内側を案内されることになるので移動をスムーズに実行することができ、右側案内部643を第1送球経路KR1に進入させて流下してきた球を受け止める際には、支持凹部753の下底面により右側案内部643を下支えすることができる。即ち、支持凹部753は、移動板部材641の移動を円滑にさせる効果と、移動板部材641の上下位置を安定させる効果とを奏する。
第1傾斜溝755は、上流側端部が球通過孔734aに連通する位置に配設され、下流側端部に到達した球を正面側形成部710の上側球通過孔713を通して正面側に送球可能な形状で構成される。
第2傾斜溝757は、上流側端部が球通過孔736aに連通する位置に配設され、下流側端部に到達した球を正面側形成部710の下側球通過孔714を通して正面側に送球可能な形状で構成される。
本実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757は、直線状溝形状で形成され、各溝が沿う直線が互いに平行となる関係で形成される。
第2回収孔758は、第2入賞口640に入球した球が送球される開口であり、第2入賞口スイッチ(図示せず)よりも上流側に配設される。第2回収孔758は、店舗に設置される球を循環する装置に連結されており、第2回収孔758に回収された球は、循環装置により循環されて遊技球として再び球発射ユニット112aから打出しされる。
上側球通過孔713と下側球通過孔714とは、鉛直方向に沿う直線上に並べられ、その同一直線上における下側球通過孔714の下側に第2入賞口640が配置される(図113参照)。
そのため、上側球通過孔713を通して正面側に送球された球は下側球通過孔714の正面側を通過して第2入賞口640に入球する。また、下側球通過孔714を通して正面側に送球された球は、上側球通過孔713から正面側に送球された球の流下経路と合流し、第2入賞口640に入球する。
球の流下経路の合流位置において、上側球通過孔713から流下する球の流下方向は鉛直方向となっており、合流位置における落下速度を大きくすることができるので、上側球通過孔713及び下側球通過孔714から案内された球が合流位置に同時に到達したとしても、上側球通過孔713から流下する球を勢いで下方に通過させることができるので、球詰まりが生じることを回避し易い。
また、下側球通過孔714の左右縁部から正面側に延設される壁部714aにより、合流位置から球が左右に逸れることを防止し易くすることができる。また、壁部714aは、左右外側から第2入賞口640へ球が入球することを防止するようにも作用する。
上側球通過孔713の左右縁部および上側縁部から正面側に延設される壁部713aにより、上側球通過孔713から正面側に送球された直後の球に対して、ベース板60の正面側を流下してきた球が衝突することを防止することができる。また、壁部713aは、ベース板60の正面側を流下してきた球が第2入賞口640側へ向けて流下することを妨げるようにも作用する。
電動役物640aは、介設部材750に固定配置されるソレノイド640sと、そのソレノイド640sと連動可能に連結され、ソレノイド640sの駆動により前後方向にスライド移動する移動板部材641と、を備える。
移動板部材641は、ソレノイド640sの駆動力が伝達される板状部であって上下方向に延設される伝達板部642と、その伝達板部642の正面側端部に配設され正面側に突設形成される左側案内部645と、その左側案内部645の右方に延設される右側案内部643と、を備える。
右側案内部643は、球の転動面となる上面が右側へ向けて下降傾斜する傾斜面643aとして形成され、正面視で連通孔751と回収孔752との間に配設される。
左側案内部645は、球の転動面となる上面が左側へ向けて下降傾斜する傾斜面645aとして形成され、正面視で屈曲部材740と第1球送球部734とを繋ぐように配設される。傾斜面645aの下流側端部の上面は、第1球送球部734の突設縁部734bの下側端部の上面と面位置となるよう配置される。
第1送球部734の突設縁部734bが上方に開放された皿状ではなく、開放側は右側に向けられることで上側に蓋がある形状となっているので、左側案内部645で転動する球の受入をスムーズに行いながら、左側案内部645で跳ねた球や、第1送球部734に上側から到達するような経路で流下する球が、球通過孔734aに飛び込み入球することは生じ難いようにすることができる。なお、突設蓋部734bの形状を皿状に形成して、上側からの球の飛び込みを可能とする形状を採用しても良い。
なお、左側案内部645に着地した球であっても、跳ね返りが収まるまでは第1送球部734に入りにくい。そのため、左側案内部645での跳ね返りを小さくする構成を採用することが好ましい。
例えば、左側案内部645の上方において球と衝突可能な釘を密に配置したり、覆設板部711の正面側に突設される減速凸部を複数配置したりすることで、球の流下の勢いを予め落とすようにしても良い。また、傾斜面645aにクッション性の高いシート部材を貼り付けるようにして、球のバウンドを抑制するようにしても良い。
移動板部材641は、ソレノイド640sが非励磁とされる非励磁状態では、第1送球経路KR1から退避する退避状態とされ(図114(a)参照)、ソレノイド640sの励磁状態(駆動力が生じている状態)では、第1送球経路KR1に進入する進入状態とされる(図114(b)参照)。
以上のように構成される経路構成装置700により、遊技球が次のように送球される。第1入賞口64から入る球は、振分け部材760に送球されて振分け部材760のシーソー部材762により左右方向どちらか一方の第3送球経路KR3に送球される。第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると、正面側に配置される介設部材750の連通孔751の内部の第4送球経路KR4に送球される。第4送球経路KR4を送球される球は、屈曲部材740の背面側の第1送球経路KR1に送球される。第1送球経路KR1を送球される球は、屈曲部材740の下側突出部743に案内されて第2送球経路KR2に送球される。第2送球経路KR2を送球される球は、入賞部材730の下側挿通孔732を通過して介設部材750の回収孔752に送球され、センサSEの内部を通過する。
第4送球経路KR4から第1送球経路KR1に送球される球は、ベース板60の正面側へ向けて流下することになり、その球は、遊技者視線で遊技者に近づいてきているように見える。これにより、遊技領域を下方に流下する他の遊技球との流下態様の違いが明確化されるので、第4送球経路KR4から第1送球経路KR1に送球される球の存在感を高めることができる。
次いで、図115及び図116を参照して、球の流下態様の設定について説明する。図115(a)、図115(b)、図116(a)及び図116(b)は、図113の範囲CXVaにおける経路構成装置700の部分正面図である。
図115(a)、図115(b)、図116(a)及び図116(b)では、第1入賞口64に3個の球P1~P3が間を空けずに連続で入球した場合における流下態様が、0.5秒間隔の時系列で図示される。
即ち、図115(a)の状態から0.5秒後の状態として図115(b)が図示され、図115(b)の状態から0.5秒後の状態として図116(a)が図示され、図116(a)の状態から0.5秒後の状態として図116(b)が図示される。なお、一例として、図115(a)では、中央部の突起762aの先端が左側を向いた状態が図示される。
図115(a)に図示するように、球P1が中央部の突起762aに案内されると、案内された球P1が両端部の突起762aの一方と衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が規制壁部764と当接してその変位が規制される(図115(b)参照)。
この状態で、シーソー部材762を押し下げた球P1は右側へ向けて流下しており、同時に次の球P2が中央部の突起762aに案内される。この時、球P2が中央部の突起762aに到達すると同時に、先にシーソー部材762を押し下げた球P1は普通入賞口(スルーゲート)765を通過する(図115(b)参照)。
球P2は、シーソー部材762によって左側へ向けて流下され、同時に次の球P3が中央部の突起762aに案内される。この時、球P3が中央部の突起762aに到達すると同時に、球P1は右側案内部643の下側に配置される(図116(a)参照)。その後、球P3は、シーソー部材762によって右側へ向けて流下される(図116(b)参照)。
このように、本実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765の配置が電動役物640aの配置との関係で規定されている。即ち、球P1が普通入賞口(スルーゲート)765を通過してから、右側案内部643の下側に配置されるまでの間に、次の球P3が普通入賞口(スルーゲート)765に到達しないように設計されている。
ここで、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されると、予め設定されている作動パターンに基づいて電動役物640aの動作が実行される。電動役物640aの動作は、作動パターンの途中で割り込みが生じるというものではない。作動パターンに基づく電動役物640aの動作が継続されている時に普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されたとしても、その検出に因る電動役物640aの動作の実行は、現在実行されている作動パターンに基づく電動役物640aの動作が完了するまで保留される。
そのため、球の流下時間を基準として普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ影響を与えられるように電動役物640aの作動パターンを設定しても、電動役物640aの動作の実行が保留される事態が生じると、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ与える影響が予想外のものになる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、球が右側案内部643に到達するまでの時間幅で電動役物640aの作動パターンを設定するという前提において、次の球P3が普通入賞口(スルーゲート)765に検出される時まで、先の球P1が普通入賞口(スルーゲート)765に検出されたことに伴う電動役物640aの動作が継続されている事態を回避することができる(事前に電動役物640aの動作が終了する)。
従って、球の通過が普通入賞口(スルーゲート)765で検出されたら、電動役物640aの動作の実行が保留されることなく即座に、予め設定されている作動パターンに基づいて電動役物640aの動作を実行させることができる。これにより、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ与える影響が予想外のものになる可能性を低くすることができる。
図117(a)、図117(b)、図118(a)及び図118(b)は、図113の範囲CXVaにおける経路構成装置700の部分正面図である。図117(a)及び図117(b)と、図118(a)及び図118(b)とでは、右側の傾斜面761を球が流下する様子の異なる一例が、時系列で図示される。
即ち、図117(a)では、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過している状態が図示され、図117(b)では、球の通過時に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態(図114(a)参照)で維持され、球が回収孔752に案内されている状態が図示される。
また、図118(a)では、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過している状態(図117(a)と同様の状態)が図示され、図118(b)では、球の通過直前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入する進入状態とされ(図114(b)参照)、球が第2球送球部736側に案内される状態が図示される。
なお、図118(b)において移動板部材641にドットが描画されているのは、移動板部材641が正面側にスライド移動しており手前側を球が通過することを許容しない状態であることを模式的に示すものである。
ここで、移動板部材641は、ソレノイド640sが非励磁とされる非励磁状態では、第1送球経路KR1から退避する退避状態とされ(図114(a)参照)、ソレノイド640sの励磁状態(駆動力が生じている状態)では、第1送球経路KR1に進入する進入状態とされる(図114(b)参照)から、非励磁状態では、正面視で移動板部材641の上面に到達した球は移動板部材641の正面側を通過して下方向に流下する一方で、励磁状態では、正面視で移動板部材641の上面に到達した球は移動板部材641の傾斜面643a又は傾斜面645aを転動して左右方向に流下する。
例えば、図118(b)に示す矢印に沿って流下する。詳述すれば、移動板部材641の励磁状態において、第1送球経路KR1に到達した球は傾斜面643aの上面を転動して開口744を通過後落下して第2球送球部736に受け入れられる。
なお、移動板部材641の励磁状態において、右側の屈曲部材740と第1球送球部734との間を流下しようとする球は傾斜面645aの上面を転動して球通過孔734aに案内され、第2入賞口640に入球することになる。
図119は、図109の範囲CXIXにおける遊技盤13の部分正面図である。図119では、ソレノイド640sが励磁状態とされ移動板部材641の進入状態が図示されている。
上述したように、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の機能は共通であるので、経路構成装置700に入球した球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過することに因る場合に限らず、上述の右打ち遊技を行う場合に、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過することに因っても電動役物640aは作動する。
この場合、右打ち遊技で発射された遊技球は第1入賞口64に案内される球よりも右側の屈曲部材740の天井面に到達する球の方が多くなるので(約10倍となるので)、移動板部材641の進入状態において、球は、電動役物640aの右側案内部643よりも左側案内部645に到達し易い。
左側案内部645に到達した球は、流下して第1球送球部734に到達するまでソレノイド640sが励磁状態で維持されていれば第2入賞口640に入球することになり、第1球送球部734に到達する前にソレノイド640sが非励磁状態に切り替えられたとしても、その真下に流下するだけであり、球が回収孔752に案内されることは無い。即ち、球が左側案内部645に到達した球により特別図柄1の抽選を獲得する事態を防止することができる。
進入状態における左側案内部645に到達した球は、着地位置に関わらず約1.0秒あれば、第1球送球部734に受け入れられる。一方で、0.5秒等のごく短い時間で移動板部材641が退避状態に変化する場合には、進入状態における左側案内部645の左端付近に球が着地した場合であっても、第1球送球部734への入球が阻害される可能性がある。
そのため、第1入賞口64に入球せずに流下する球が、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765での球の検出による抽選の結果動作されて進入状態とされる左側案内部645にタイミングよく到達した場合に、その球が第1球送球部734に受け入れられるかどうかは、電動役物640aの作動態様による。
特に、通常状態における作動パターン(後述する第4の作動パターン)では、移動板部材641が進入状態とされる期間が0.5秒よりも短いため、球が第1球送球部734に受け入れられる確率は極端に低くされている。
第1入賞口64に入球した球においては、第1送球経路KR1に到達したタイミングで移動板部材641が進入状態であれば、右側案内部643に案内されて最終的に第2入賞口640に入球することになるので、センサSE(図114(b)参照)を通過することはなく、特別図柄1の抽選を獲得する事態を防止することができる。一方で、球が第1送球経路KR1に到達したタイミングで移動板部材641が退避状態であれば、第2送球経路KR2に案内されてセンサSEを通過することから、特別図柄1の抽選を獲得することになる。
このように、本実施形態の電動役物640aによれば、球が右側案内部643に到達し得る経路(第1入賞口64に入球した後の経路)で流下するか、左側案内部645に到達し得る経路で流下するか、によって、その球による特別図柄1の抽選の獲得の可能性(特別図柄2の抽選の獲得の可能性)を異ならせることができる。
また、右側案内部643へは、球が間隔をあけて到達することは上述した通りであるが、左側案内部645へは、シーソー部材762の作用で間隔が空けられるものではないので、普通入賞口(スルーゲート)67側を流下した複数の球が同時に到達し得る。従って、左側案内部645は、右側案内部643に比較して丈夫に形成しておくことが好ましい。
そのため、本実施形態では、左側案内部645を伝達板部642(図112参照)に配設させるという構成を採用している。即ち、ソレノイド640sに近い側(駆動力伝達経路の上流側)である伝達板部642に左側案内部645を配設させることで、左側案内部645の姿勢変化を抑制するようにしている。これにより、左側案内部645に複数の球が乗ることで重みがかけられた場合であっても、左側案内部645が過度に姿勢変化して移動板部材641の動作抵抗が上昇することを避けることができる。
なお、左側案内部645を丈夫に形成する手段は、上述したものに限られるものではない。例えば、左側案内部645の板厚を右側案内部643の板厚よりも厚く形成しても良いし、左側案内部645の下部と伝達板部642とを連結するリブを形成しても良い。
図120を参照して、ROM202(図111参照)の内容について説明する。図120(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図120(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図120(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図120(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図120(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図120(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図120(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第2の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図120(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図120(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図120(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図120(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第3の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に関わらず15ラウンドの大当たり遊技を実行可能である一方で、大当たり遊技終了後の電動役物640aの作動パターンの振分けが特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合と異なるように設定される。特に、大当たりcで違いが顕著となるが、詳細は後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図120(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図120(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図120(c)の202c2参照)。
本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図121(a)から図121(d)は、普通入賞口(スルーゲート)765における球の通過の検出と、電動役物640aの状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図121(a)では、第1の作動パターンにおける計時変化が図示され、図121(b)では、第2の作動パターンにおける計時変化が図示され、図121(c)では、第3の作動パターンにおける計時変化が図示され、図121(d)では、第4の作動パターンにおける計時変化が図示される。
なお、第4の作動パターンは、通常中や、大当たりC,c(図120(b)参照)の終了後に特別図柄の抽選が100回終了した後において採用される作動パターンである。
図121(a)から図121(d)では、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されたことによる第2図柄の変動表示がされ(本実施形態では約0.1秒後)、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出された時を基準とする電動役物640aの各作動パターンの内、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1(本実施形態では約0.5秒)の時間長さにおける電動役物640aの状態の意味について詳述する。
基準時間Td1の長さは、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過してから右側案内部643を通過するまでの時間に該当する時間として設定されている。
図121(a)に示すように、第1の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、第2図柄の変動表示の終了後(普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから0.1秒経過後)において基準時間Td1に亘って電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した進入状態(図において、「進」とも示す。以降の図において同様である)で維持される。
第1の作動パターンでは、基準時間Td1を超えて、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約3.0秒後まで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約3.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に到達した球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持することができる。これにより、球を第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
加えて、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内し易くすることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ易くすることができる。
図121(b)に示すように、第2の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、基準時間Td1の経過直前に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態に変化し、基準時間Td1の経過直後に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態(図において、「退」とも示す。以降の図において同様である)に変化する。
第2の作動パターンでは、基準時間Td1を超えて、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約1.0秒後まで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約1.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に球が到達した場合であっても、球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持するとは言えないため、右打ち遊技で球を第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内し易くすることができる。球が右側案内部643に到達してから0.5秒間は、移動板部材641が進入状態に維持されるので、球を第2球送球部736側へ安定して送球することができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ易くすることができる。
図121(c)に示すように、第3の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、第2図柄の変動表示の終了後(普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから0.1秒経過後)、電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態で維持され、基準時間Td1の経過直前に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態(図において、「退」とも示す。以降の図において同様である)に変化し、基準時間Td1の経過直後に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態に変化する。
第3の作動パターンでは、基準時間Td1経過後において、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約3.0秒間に到達するまで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約3.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に到達した球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持することができる。これにより、球を第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内する事態の発生を抑えることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ難くすることができる。
なお、シーソー部材762によって右側に流された球が普通入賞口(スルーゲート)765に検出されるタイミングで普通図柄(第2図柄)の変動が継続中であった場合には、その球が第1送球経路KR1に到達する際に電動役物640aが進入状態とされることは生じ得る。この場合は、シーソー部材762により右側に流された球が第2入賞口640に入球され、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
図121(d)に示すように、第4の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態で維持され、移動板部材641が進入状態に変化した後、基準時間Td1の経過直前に再び電動役物640aの移動板部材641が退避状態に変化する。第4の作動パターンでは、基準時間Td1で制御が完結する(普通図柄の変動終了までに約0.5秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に球が到達した場合であっても、球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持するとは言えないため、右打ち遊技で球を第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内する事態の発生を抑えることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ難くすることができる。即ち、第1入賞口64に複数の球が入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるよう構成することができる。
以上詳述した各作動パターンによれば、特別図柄1又は特別図柄2の抽選の獲得により大当たりの獲得を目指す遊技状態において、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。
例えば、第1の作動パターン及び第3の作動パターンでは、右打ち遊技において特別図柄2の抽選の獲得を目指すことができるので、第3図柄表示装置81において上述した「右打ちナビ」を表示することが好ましい。
更に、第1の作動パターンでは、移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している状態(図114(b)参照)で維持される期間が長く、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している状態とされるので、第1入賞口64に入球した場合であっても、シーソー部材762で右側に流された球の一部で特別図柄2の抽選を獲得することができる。これにより、右打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が受ける不利益を低く抑えることができる。
一方、第3の作動パターンでは、移動板部材641が進入状態(図114(b)参照)で維持される期間が長いが、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1から退避している退避状態とされるので、普通入賞口(スルーゲート)765での球の通過と同時に普通図柄(第2図柄)の変動が開始される場合において、その球は移動板部材641の正面側を通過して、センサSEに案内される。
即ち、第1入賞口64に入球した場合に、シーソー部材762で右側に流された球で特別図柄2の抽選を獲得する可能性を低くすることができる。これにより、右打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が受ける不利益を第1の作動パターンでの場合に比較して高くすることができる。
例えば、第2の作動パターン及び第4の作動パターンでは、右打ち遊技において特別図柄2の抽選の獲得を目指すことは、電動役物640aの動作時間が短すぎることから困難であるので、第3図柄表示装置81において上述した「右打ちナビ」を表示することはせず、左打ち遊技を推奨することが好ましい。
この場合において、第2の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している進入状態(図114(b)参照)とされるので、第1入賞口64に入球した場合であっても、シーソー部材762で右側に流された球の一部で特別図柄2の抽選を獲得することができる。
これにより、左打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が獲得できる特別図柄の抽選を、特別図柄1と特別図柄2との交互で生じさせることができる。なお、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が進入状態とされる場合に特別図柄2の抽選を獲得できるのは、普通入賞口(スルーゲート)765での球の通過と同時に普通図柄(第2図柄)の変動が開始される場合なので、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出された時に普通図柄(第2図柄)の変動が継続している場合には、特別図柄2の抽選を獲得し易いという効果を奏することができない。
一方で、第2の作動パターン(又は第4の作動パターン)では、普通入賞口(スルーゲート)765での球の検出から電動役物640aの動作制御の終了までが0.5秒間で設定されるので、同時間幅が3秒間で設定される第1,第3の作動パターンに比較して、普通図柄(第2図柄)の変動が保留される事態が生じる可能性を低くすることができる。従って、特別図柄2の抽選を獲得し易いという効果を高確率で奏することができる。
一方、第4の作動パターンでは、移動板部材641の進入状態(図114(b)参照)は第2の作動パターン同様に短いことに加え、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が退避状態とされるので、第1入賞口64に入球した場合に、シーソー部材762で右側に流された球で特別図柄2の抽選を獲得する可能性を低くすることができる。これにより、左打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が獲得できる特別図柄の抽選のほとんどを、特別図柄1の抽選で占めることができる。
以上詳述したように、各作動パターンによれば、特別図柄1又は特別図柄2の抽選の獲得により大当たりの獲得を目指す遊技状態において、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。
図120(b)に戻って特別図柄1の大当たりと特別図柄2の大当たりとの、遊技者が得られる利益の違いについて説明する。
まず、最大ラウンド(本実施形態において、15ラウンド)の大当たりを獲得する確率は、特別図柄2の方が高い。特別図柄1の大当たりの内、最大ラウンドの大当たりは20%であるのに比較して、特別図柄2の大当たりは100%で最大ラウンドとなる。従って、少なくとも賞球個数の面から、特別図柄2の大当たりにより遊技者が得られる利益の方が、特別図柄1の大当たりにより遊技者が得られる利益に比較して大きい。
また、大当たり遊技終了後に高確率状態となる場合において、特別図柄2の大当たりであれば100%で右打ち遊技となり、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得することができるが、特別図柄1の大当たりの内の30%(大当たりB)では、右打ち遊技とはならず左打ち遊技が推奨され、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選が交互に生じることになる。
この場合、左打ち遊技では、右打ち遊技に比較して特別図柄の抽選を獲得する時間効率が落ちることに加え、1/2で特別図柄1の抽選が実行されることから最大ラウンドの大当たりを獲得するまでのハードルが多くなる。
また、大当たり遊技終了後に低確率状態となる場合において、特別図柄2の大当たり(大当たりc)であれば右打ち遊技となり、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得することができるが、特別図柄1の大当たり(大当たりC)では、右打ち遊技とはならず左打ち遊技が推奨され、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選が交互に生じることになる。
この場合、左打ち遊技では、右打ち遊技に比較して特別図柄の抽選を獲得する時間効率が落ちることに加え、1/2で特別図柄1の抽選が実行されることから最大ラウンドの大当たりを獲得するまでのハードルが多くなる。
更に、特別図柄の抽選が100回という条件は同じであるが、大当たりcであれば特別図柄2の抽選を100回獲得することが容易であることに対して、大当たりCでは、特別図柄1の抽選が50回、特別図柄2の抽選が50回で100回の抽選が終了してしまうので、実質的には特別図柄2の抽選を50回しか獲得することができない。
まとめると、特別図柄2の抽選による大当たりは、特別図柄1の抽選による大当たりに比較して、少なくとも、第1に、最大ラウンドの大当たりを獲得し易いこと、第2に、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得する遊技状態にし易いこと、第3に、右打ち遊技により特別図柄の抽選を獲得する時間効率を高い状態で維持し易いこと、という有利な点を有する。
上記第41実施形態では、特別図柄2での抽選が優先的に実行される場合において、抽選に係る変動時間が3秒~5分程度の選択肢から確率で選択される前提で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行する場合において、特別図柄2の抽選に係る変動時間を意図的に長く設定する遊技状態を構成しても良い。
即ち、例えば、大当たりBの終了後や、大当たりCの終了後の特別図柄の100回の抽選において、特別図柄2の抽選の変動時間が常に10分で設定されるようにしても良い。この場合、第1入賞口64に入球した球がセンサSEを通過する場合と、第2入賞口640を通過する場合とが交互に生じる前提において、特別図柄2の保留個数が満タンとなった後に第1入賞口64に入球させると、球が第2入賞口640を通過しても特別図柄2の抽選を獲得することができず、特別図柄1の抽選が繰り返し実行されることになる。
また、遊技者は、特別図柄2の保留個数が満タンの場合には第1入賞口64には入球させないように遊技することもできるが、この場合には遊技の時間効率を悪くすることができ、同一時間内における大当たりの発生回数を低減させることができる。これにより、遊技機店側の経営が赤字となることを回避し易くすることができる。
上述の遊技状態では、シーソー部材762から右側に流される球は、特別図柄2の保留個数が満タンになるまでは、特別図柄2の抽選を獲得する利益と賞球の払い出しを受ける利益とを遊技者に与えるので、特別図柄1の抽選を獲得する利益と賞球の払い出しを受ける利益とを遊技者に与えるものとしての、シーソー部材762から左側に流される球よりも遊技者が得られる利益が大きい。
一方で、特別図柄2の保留個数が満タンになっている状態では、シーソー部材762から右側に流される球は、賞球の払い出しを受ける利益を遊技者に与えるのみとなるので、特別図柄1の抽選を獲得する利益が加算されている分だけシーソー部材762から左側に流される球よりも遊技者が得られる利益が小さい。
即ち、シーソー部材762から右側に流される球と、左側に流される球との、遊技者に与えられる利益の大小を、特別図柄2の保留個数が満タンか否かにより切り替えることができる。
なお、上述の遊技状態において、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことに基づく移動板部材641の動作は複数の作動パターンから抽選で選択されるよう構成しても良い。
例えば、第2の作動パターンでの動作が5%であり、残りの95%は第4の作動パターンで動作するように制御しても良い。この場合、第2の作動パターンで移動板部材641が動作すれば特別図柄2の抽選を獲得できるという利点があるので、移動板部材641に対する注目力を向上することができる。
一方で、特別図柄2の保留個数が満タンの場合には、第4の作動パターンで動作すれば特別図柄1の抽選を獲得できる一方で、第2の作動パターンで移動板部材641が動作すると特別図柄1,2の抽選共に獲得することができないという不利益があるので、この場合にも移動板部材641に対する注目力を向上することができる。即ち、特別図柄2の保留個数が満タンである場合も、満タンでない場合も、移動板部材641に対する注目力を向上することができる。
なお、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行する場合において、特別図柄1の抽選に係る変動時間を意図的に長く設定する遊技状態を構成しても良い。例えば、特別図柄1の抽選の変動時間を常に10分で設定することで、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選との両方が生じ得る遊技状態において、特別図柄1の抽選の結果が出る前に特別図柄2の抽選を複数回実行することができる。これにより、特別図柄1の抽選による大当たりが意図せず発生し、遊技者に不利益を与える可能性を低くすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
普通入賞口(スルーゲート)765が配設される右側の傾斜面761を流下する球と、普通入賞口(スルーゲート)765が配設されていない左側の傾斜面761を流下する球との、流下速度の均一化を図ることができる。
また、第1入賞口64に入球した球が第2入賞口640側の流路に分岐される位置(例えば、第1送球経路KR1)や、第2入賞口640側に落下する位置(例えば、上側球通過孔713、下側球通過孔714)において、球の流下方向が前後方向成分を有する。これにより、第2入賞口640への球の流下に関係が深い箇所を目立たせることができる。
また、第2入賞口640への経路は下側球通過孔714の正面側で合流することになるが、この合流位置は移動板部材641から十分離れている。これにより、合流位置で衝突した球からの負荷が移動板部材641に付与される事態を避けることができる。なお、上側球通過孔713と下側球通過孔714との左右位置をずらすと共に第2入賞口640の左右幅を球2個分以上に拡大することで、下側球通過孔714の正面側における流路の合流を避けるようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されてから普通図柄の変動表示が終了するまでに、次の球が普通入賞口(スルーゲート)765で検出されないように管理することが可能な場合を形成可能である。これにより、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球に、その球が検出されたことにより動作制御される電動役物640aをタイミングよく作用させることができる。
また、移動板部材641は、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球に対しても、普通入賞口(スルーゲート)66,67を通過した球に対しても作用可能に配設される。これにより、移動板部材641の利用可能性を高めることができる。
即ち、移動板部材641を、第1入賞口64への入球を狙う左打ち遊技が推奨される遊技状態においても、普通入賞口(スルーゲート)67への入球を狙う右打ち遊技が推奨される遊技状態においても、有効に利用することができる。なお、これは左右対称盤面に限定された効果ではなく、例えば、非対称盤面(例えば、普通入賞口(スルーゲート)66が省略された構成)においても奏する効果である。
また、移動板部材641に乗る球の個数について、左側案内部645では同時に複数の球が乗り得る一方で、右側案内部643に乗る球の個数を1個に限定している。これにより、左側案内部645よりも右側案内部643を丈夫に構成することで、移動板部材641の耐久性を向上させることができる。
また、電動役物640aの作動パターンを複数用意することで、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。例えば、第1入賞口64に繰り返し入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンと、を切り替えることができる。
また、特別図柄の抽選の獲得パターンとして、右打ち遊技を推奨する場合において、図らずも第1入賞口64に入球した場合に、特別図柄1の抽選を繰り返し獲得し易いパターンと、シーソー部材762で右側に流された球については高確率で特別図柄1の抽選の獲得が回避されるパターンと、を切り替えることができる。
次いで、図122から図131を参照して、第42実施形態について説明する。第41実施形態では、経路構成装置700により振り分けられる一方の経路を球が流下する場合に普通入賞口(スルーゲート)765を球が通過する場合を説明したが、第42実施形態の振分ユニット980では、球が振り分けられる複数の経路において球が普通入賞口(スルーゲート)としての検出装置SE4,SE5を通過するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図122は、第42実施形態における遊技盤13の分解正面斜視図である。なお、図122では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニットの図示が省略される。
図122に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図109参照)が取り付けられる中央開口の下側にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔2060aがルータ加工によって形成される。
貫通孔2060aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
入賞口ユニット930は、正面ユニット940と、その正面ユニット940の背面側に配設される特定入賞口ユニット950と、その特定入賞口ユニット950の背面側に配設される駆動ユニット960と、その駆動ユニット960の駆動力で上下方向に動作可能に構成される変位部材966とを主に備えて形成される。なお、変位部材966の説明は後述する。
特定入賞口ユニット950は、正面ユニット940に形成される特定入賞口65aの内側に一部が挿入されており、特定入賞口65aを介して遊技球を特定入賞口ユニット950の内側に送球可能とされる。
駆動ユニット960は、特定入賞口ユニット950の背面側に配設されると共に、変位部材966を介して正面ユニット940に配設される羽部材945に連結される。これにより、駆動ユニット960の駆動力で変位部材966を動作させることに伴い、羽部材945を回転変位させることができる。なお、羽部材945の動作についての詳しい説明は後述する。
次いで、図123から図125を参照して、正面ユニット940の詳細な説明をする。図123(a)は、正面ユニット940の正面図であり、図123(b)は、正面ユニット940の背面図である。図124は、正面ユニット940の分解正面斜視図であり、図125は、正面ユニット940の分解背面斜視図である。なお、図123(a)及び図123(b)では、羽部材945の外形が隠れ線で図示される。
図123から図125に示すように、正面ユニット940は、ベース板60に締結される背面ベース941と、その背面ベース941に遊技球の直径よりも大きい距離を隔てて配設される正面ベース943と、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に回転可能な状態で配設される2個(一対)の羽部材945とを主に備えて形成される。
背面ベース941は、正面視における外形が上下反対向きの略T字状に形成されると共に、所定の板厚を備える板状体から形成される。また、背面ベース941は、無色透明の樹脂材料から形成されており、入賞口ユニット930(正面ユニット940)がベース板60に配設された状態において、背面ベース941を介してベース板60の貫通孔2060aの内部を視認できる。
背面ベース941は、下端部に切り欠き形成される第1アウト口71と、その第1アウト口71の上方に位置し水平方向に長い矩形状に貫通形成される特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの上方に貫通形成される第2入賞口640と、第1アウト口71と反対側の縁部(上縁部)に切り欠き形成される第1入賞口64とを主に備える。
背面ベース941は、外縁部に板厚方向に貫通する貫通孔941aを複数個備える。貫通孔941aは、正面側から背面側に向かって縮径する第1貫通孔941a1と、背面側から正面側に向かって縮径する第2貫通孔941a2とから形成される。
第1貫通孔941a1は、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に締結固定するためのタッピングネジを挿通する孔であり、内径がタッピングネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。
また、第1貫通孔941a1は、上述したように、正面側から背面側に向かって縮径して形成されるので、タッピングネジの頭部を正面側の拡径部分に収容することができる。従って、タッピングネジの頭部が遊技領域に突出することを抑制できる。さらに、第1貫通孔941a1の近傍には、背面ベース941の背面から円柱状に突出する位置決め突起942aが形成される。
位置決め突起942aは、ベース板60の貫通孔2060aの周囲に形成される位置決め孔に対応する位置に形成されると共に、位置決め孔の内径と略同一の外径に形成される。これにより、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に対して位置決めして配設できる。
第2貫通孔941a2は、背面ベース941と正面ベース943とを締結するためのネジを背面ベース941側から挿通する孔であり、内径がネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。即ち、正面ベース943は、背面ベース941の背面側からネジで締結される。この場合、正面ベース943の背面ベース941からの取り外しの作業は、入賞口ユニット930をベース板60から取り外した状態とする必要がある。従って、遊技者が不正をして遊技盤13の前面側(遊技領域側)から正面ベース943のみを取り外すことを抑制できる。
また、第2貫通孔941a2は、上述したように、背面側から正面側に向かって縮径して形成されるので、ネジの頭部を背面側の拡径部分に収容することができる。従って、背面ベース941の背面側にネジの頭部が突出することを抑制できる。その結果、背面ベース941の背面側に後述する特定入賞口ユニット950を配設する場合に、ネジの頭が特定入賞口ユニット950に当接することを抑制できる。
背面べース941は、重力方向下側端部の外形が、遊技盤13の内レール61(図109参照)の内縁に沿って形成される。第1アウト口71は、切欠き底部の縁部(重力方向上側の縁部)が内レール61の内縁と遊技球の直径以上離間する寸法に形成される。これにより、遊技盤13の前面に形成される遊技領域を流下する遊技球のうち第1入賞口64、第2入賞口640、特定入賞口65a及び一般入賞口63(図109参照)のいずれにも流入しなかった遊技球を、第1アウト口71を介して遊技盤13の背面側(遊技領域の反対側)に送球できる。
第1入賞口64は、第1アウト口71と反対側の端部を半円形状に切り欠いて形成される。また、第1入賞口64は、その内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。これにより、後述する第1受部941gの内部に流入する遊技球を第1入賞口64を介して背面側(遊技領域の反対側(図123(b)紙面手前側)に送球できる。
第1入賞口64の縁部には、遊技領域側(図123(a)紙面手前側)に突出すると共にカップ状に形成される第1受部941gと、遊技領域と反対側(図123(b)紙面手前側)に断面U字状に突出する第1送球部942gとが形成される。
第1受部941gは、内側に1球分の遊技球を受け入れ可能な大きさに形成される。これにより、第1受部941g(第1入賞口64)の重力方向上側から遊技領域を流下する遊技球を第1受部941gの内側に流入させることができる。
また、第1受部941gは、底面が背面側に下降傾斜して形成される。これにより、第1受部941gに流入した遊技球を第1入賞口64を介して背面側(第1送球部942g側)に送球できる。
さらに、第1受部941gは、ベース板60の短手方向(図123左右方向)両端の上端部から、下側に向けて左右方向外側に傾斜して延設される案内部941g1を備える。案内部941g1は、所定の厚みを備える板状体に形成されると共に、遊技領域と反対側(背面側)の側面が、背面ベース941の前面側に連結される。これにより、第1受部941gの剛性を高めることができ、流下領域を流下する遊技球が第1受部941gに衝突して、第1受部941gが破損することを抑制できる。
また、背面ベース941に第1入賞口64、第2入賞口640及び特定入賞口65を一体に形成すると、遊技領域を流下する遊技球に変化を与える遊技釘の配置が足りなくなる可能性があるため、遊技球の流下方向を変化させ難くなる。従って、遊技者の興趣が損なわれる恐れがあるところ、案内部941g1に遊技球を衝突させることで、遊技球の流下方向に変化を与えることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、案内部941g1は、背面ベース941の正面側を第2入賞口640側に向かって流下する遊技球が衝突した場合に、その遊技球を左右方向外側に案内できる。これにより、第2入賞口640に遊技球が入球する確率が過度に高くなることを防止することができる。
第1送球部942gは、重力方向上側が開放するU字に形成されており、その内縁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。また、第1送球部942gは、底面が背面側に向かって下降傾斜して形成されると共に、突出先端側が、後述する送球ユニット970の流入口982dの縁部に当接される。これにより、第1受部941gの内側から第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球される遊技球を背面側に転動させて、送球ユニット970に送球することができる。
第1送球部942gは、突出先端の上方端部が、側面視矩形状に切り欠かれる第1凹欠部942g1を備える。第1凹欠部942g1は、後述する送球ユニット970の第2突起982d1が載置される切欠きであり、第2突起982d1の側面視形状と略同一の大きさに凹欠される。なお、第1送球部942g及び送球ユニット970の配置についての詳しい説明は後述する。
第2入賞口640は、正面視において上方が湾曲した略D字状に貫通形成されると共に、内縁が遊技球の外径よりも大きく形成される。これにより、後述する羽部材945の対向間に送球される遊技球を第2入賞口640から背面側に送球できる。
第2入賞口640には、その縁部に、正面側に突出する正面側壁部941bと、背面側に突出する第2送球部942cとが形成される。
正面側壁部941bは、ベース板60の短手方向における第2入賞口の両側縁部に沿って形成される。正面側壁部941bは、その突出先端面が後述する正面ベース943の送球ガイド部943dと当接する大きさに設定される。
第2送球部942cは、第2入賞口640の下側縁部の両端のそれぞれに背面視略L字に屈曲して形成される。第2送球部942cは、重力方向(図123(b)上下方向)における寸法が遊技球の半径よりも大きく設定される。これにより、後述する正面ベース943の転動部943aを転動する遊技球が転動部943aの上面から落下することを抑制できる。
一対の第2送球部942cは、ベース板60の短手方向(図123(b)左右方向)における対向間の距離寸法が後述する正面ベース943の転動部943aのベース板60の短手方向(図123(b)左右方向)における長さ寸法と略同一に設定され、内側に転動部943aが配設される。
第2送球部942cは、組立状態において変位部材966の内側に配置され、上下左右方向で変位部材966と対向配置される。第2送球部942cの外側面間の左右幅が変位部材966の第2開口966cの内側面間の左右幅よりも若干短く形成される。これにより、第2送球部942cにより、変位部材966の左右方向変位を制限することができる。
背面ベース941は、第2入賞口640の近傍の上側(第1入賞口64側)に、背面ベース941の遊技領域側から遊技領域と反対側に向かって円形状に2箇所に凹設される第1軸孔941dと、その第1軸孔941dの軸を中心に湾曲して背面ベース941に貫通形成される2箇所の第1開口941eと、その2箇所の第1開口941eの対向方向外側に位置し背面側に突設される第1ガイド壁942bと、を備えて形成される。
第1軸孔941dは、後述する羽部材945を軸支する軸部材945aを支持可能とされ、軸部材945aの外径と略同一の内径に形成される。これにより、軸部材945aの一端を第1軸孔941dに挿入して支持できる。
第1開口941eは、第1軸孔941dの中心を軸とする円弧状に開口される。また、第1開口941eは、羽部材945の突起945bを挿通可能とされ、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの最大幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に突起945bが第1開口941eの内面に当接することを抑制できる。
一対の第1ガイド壁942bは、後述する変位部材966が変位される際に、変位部材966の上下方向変位を案内する壁であり、一対の第1ガイド壁942bの対向間における距離寸法が、変位部材966の短手方向(左右方向)の距離寸法よりも若干大きく設定される。
また、一対の第1ガイド壁942bは、背面視略L字に形成され、屈曲部分が互いに近づく方向に延設される。これにより、変位部材966の突出部966aを第1ガイド壁942bの屈曲部分に当接させて、変位部材966の変位距離を規制できる。
特定入賞口65aは、一対の羽部材945の対向方向(図123(b)左右方向)に長い矩形状に開口形成されており、その開口の内側に後述する特定入賞口ユニット950の開閉板が配設される。
背面ベース941は、特定入賞口65aと第2送球部942cとの対向間に膨出する膨出部942hと、特定入賞口65aの外枠から第1ガイド壁942b側(図123(b)上側)に突出する第2ガイド壁942dとを備える。
膨出部942hは、背面ベース941の背面側に膨出すると共に、特定入賞口65aの外枠と第2送球部942cとに連結される。これにより、後述する変位部材966を背面ベース941の背面側に配設した場合に、変位部材966と背面ベース941の背面との接触面積を小さくすることができ、変位部材966の摩擦(摺動)抵抗を抑えることができる。
第2ガイド壁942dは、変位部材966の下端部分の変位を案内する壁面であり、一対の第2ガイド壁942dの対向間の距離寸法が変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。従って、変位部材966を一対の第2ガイド壁942dの対向間に配設した場合に、変位部材966の下端部分の変位部材966の短手方向(左右方向)への変位距離を規制できる。
従って、変位部材966は、上述した第2送球部942cが内側に配置されて左右方向の変位が制限されるだけでなく、第2ガイド壁942dが外側に配置されて左右方向の変位が制限される。これにより、変位部材966の左右方向変位を長期間にわたって制限することができる。
背面ベース941は、特定入賞口65aの左右両端の上側縁部に下側に向かって半円状に切り欠いて形成される第2アウト口941fを備える。第2アウト口941fは、正面ベース943に形成される第3受部944aに流入した遊技球をベース板60の背面側に送球するための切り欠きであり、遊技球の直径よりも大きい形状に形成される。
また、第2アウト口941fの縁部には、背面視略U字状に形成され背面側に突出する第3送球部942eが形成される。これにより、第2アウト口941fの内側を介して背面側に送球した遊技球を第3送球部942eの内側に送球できる。
第3送球部942eは、背面視U字の湾曲部分(下側部分)が背面側に突出するに従って重力方向下側に傾斜して形成されており、第2アウト口941fから送球された遊技球を背面側に転動させることができる。
背面ベース941は、第1開口941eの上側端部から上方に直線的に延びる形状で貫通形成される第3貫通孔941iと、その第3貫通孔941iの上端部から左右外側へ向けて第1軸孔941dの軸を中心とする円弧形状で貫通形成される第4貫通孔941jと、一対の第3貫通孔941iの間に遊技球が通過可能な大きさで穿設される送球孔941kと、その送球孔941kの下縁部を基端として背面側へ延びる転動板部941lと、を備えて形成される。
第3貫通孔941iは、羽部材945の組み付け時に延設部945d及び板状部945eを背面側へ通すための貫通孔である。また、第4貫通孔941jは、羽部材945の動作時に延設部945dの変位を許容するための貫通孔であり、正面視(軸部材945aの軸方向視)における延設部945dの変位軌跡を丸ごと含む形状で穿設される。なお、板状部945eは背面ベース941を通過して背面側に配置されているので、板状部945eの変位軌跡まで考慮することは不要である。
送球孔941kは、羽部材945の開放状態において板状部945eの上面を転動した球を正面側に送球するための開口である。送球孔941kの正面側においては送球孔941kの下方が開け放されているので(図124及び図125参照)、送球孔941kに正面側から球が進入する可能性を低くすることができる。
即ち、送球孔941kの前側領域を、板状部945eの上面を転動した球と、羽状本体945の上面を転動した球との合流位置として形成しながら、送球孔941kを通しての球の流れは専ら正面側へ向く流れとすることができる。
転動板部941lは、背面側へ向けて上昇傾斜する傾斜板として形成されており、延設先端側で乗った球を基端側(正面側)へ流下させるよう構成されている。転動板部941の上面を転動して基端側まで到達した球は、送球孔941kを通って背面ベース941の正面側(背面ベース941と正面ベース943との間の空間)に到達し、その後、流下することになる。
正面ベース943は、正面視における外形が背面ベースよりも小さい上下反対の略T字状に形成される。また、正面ベース943は、無色透明な板状体から形成される。これにより、正面ベース943と背面ベース941との対向間を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。
正面ベース943は、上述した背面ベース941の第2入賞口640及び第2アウト口941fのそれぞれに対応する位置に突設される第2受部943c及び第3受部944aを主に備えて形成される。
第2受部943cは、背面視略U字に形成され、正面視において内側に背面ベース941の第2入賞口640が配置される。また、第2受部943cの開放側(U字の開放側)には、後述する一対の羽部材945が配設される。
さらに、第2受部943cの背面ベース941側への突出距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。よって、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に遊技球を送球することができると共に、遊技球が後述する一対の羽部材945の対向間の外側から第2入賞口640に流入することを抑制できる。
また、第2受部943cは、その内縁から内側に突設される送球ガイド部943dと、湾曲部分の内側から背面ベース側に突設される転動部943aとを備える。
送球ガイド部943dは、一対の羽部材945の下側に一対形成される。また、一対の送球ガイド部943dは、背面ベース941の正面側壁部941bと対応する位置にそれぞれ形成されており、背面ベース941と正面ベース943とが組み合わされると、その端面同士が当接される。これにより、一対の羽部材945の対向間に流入した遊技球を送球ガイド部943dの対向間に送球できる。
転動部943aは、一対の送球ガイド部943dの対向間の下側に形成されると共に、上側の端面943a1が背面ベース941側に向かって下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部943aは、背面ベース941と正面ベース943とが締結された(組み合わされた)状態において、第2入賞口640の内側下端に配置されると共に、先端が背面ベース941の背面側に突出される。
これにより、一対の送球ガイド部943dの対向間に送球された遊技球を転動部943aの端面943a1に送球できると共に、その遊技球を端面943a1の上部を転動させて、背面ベース941の背面側に送球できる。
また、正面ベース943は、第2受部943cの開口側(上側)に、背面ベース941の第1軸孔941dと対向する位置に円環状に突設される円環突起943bを備える。円環突起943bは、その内縁の第2軸孔943b1を備え、その第2軸孔943b1の内側に後述する羽部材945を軸支する軸部材945aの他端を挿入できる。上述したように、軸部材945aは、一端が背面ベース941の第1軸孔941dに挿入される。よって、背面ベース941と正面ベース943との対向間に軸部材945aを挟持して支持できる。
第3受部944aは、背面視略U字形成されており、その内側に背面ベース941の第2アウト口941fが配置される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を第3受部944aの内側に流入させることができると共に、第3受部944aに流入した遊技球を第2アウト口941fを介して背面側に送球することができる。
羽部材945は、正面視において、背面ベース941に形成される第2入賞口640を間に挟んで一対配設される。羽部材945は、有色の半透明材料から形成されており、正面ベース943を介して遊技者から視認可能とされる。
羽部材945は、正面視略三角形状に形成されると共に、背面ベース941と正面ベース943との対向間幅よりも厚みが小さく形成される羽状本体945mと、その羽状本体945mの背面側から突出する突起945bと、羽状本体945mの厚み方向(背面ベース941側から正面ベース943側)に貫通形成される挿通孔945cと、羽状本体945mの端部であって挿通孔945cが配置される側とは反対側の端部から背面側へ延設される連結部945dと、その延設部945dの先端側から羽状本体945mの長手方向(図123(a)上下方向)に板状で延設される板状部945eと、を主に備える。
延設部945d及び板状部945eは、組立状態(図123(a)参照)において貫通孔941i,941jを通過し、振分ユニット980の内部において動作可能に構成される部分であるが、詳細は後述する。
挿通孔945cは、背面ベース941と正面ベース943との対向間に支持される軸部材945aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、背面ベース941と正面ベース943とを締結(組立)する際に、挿通孔945cに軸部材945aを挿通させることで、羽部材945を回転可能な状態で背面ベース941と正面ベース943との対向間に配設できる。これにより、羽部材945は、回転先端側が近接する閉鎖状態(図123(a)参照)と、回転先端側が左右両外側に開くように変位される開放状態とで変位可能とされる。
突起945bは、後述する変位部材966の摺動溝966a2に挿通され、駆動ユニット960の駆動力が伝達される伝達部分である。突起945bは、その先端が背面ベース941の第1開口941eを通って背面ベース941の背面側に突出して、摺動溝966a2に挿通可能な寸法に設定される。
変位部材966は、正面視において上側が開放したコ字形状で形成されており、上側端部から左右方向外側に突出する突出部966aと、下側端部から背面側に膨出する膨出部966bと、を備え、正面視略中央位置に第2開口966cが貫通形成される。
第2開口966cは、正面視における内縁の形状が第2入賞口640よりも大きく形成されると共に、内側に第2入賞口640が配置される。これにより、第2入賞口640を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
突出部966aは、変位部材966の短手方向両外側に位置すると共に長手方向に延設される当接部966a1と、変位部材966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝966a2と、を備える。
摺動溝966a2は、内側に上述した羽部材945の突起945bが挿入される長孔であり、変位部材966の短手方向に長い長穴に形成される。また、摺動溝966a2は、幅寸法が羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に、突起945bが摺動溝966a2の幅方向に対向する両内面に当接して、羽部材945の動作が規制されることを抑制できる。
膨出部966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔966b1が形成される。連結孔966b1は、駆動ユニット960の伝達部材が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材の先端の外形よりも大きく設定される。
駆動ユニット960の伝達部材を介して変位部材966が下側位置に配置されることに対応して、羽部材945は閉鎖状態とされる。一方で、駆動ユニット960の伝達部材を介して変位部材966が上側位置に配置されることに対応して、羽部材945は開放状態とされる。
次いで、図126及び図127を参照して、振分けユニット980について説明する。図126(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図126(b)は、振分けユニット980の背面図であり、図127(a)は、図126(a)のCXXVIIa-CXXVIIa線における振分けユニット980の断面図であり、図127(b)は、図127(a)のCXXVIIb-CXXVIIb線における振分けユニット980の断面図である。
振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、を主に備えて形成される。なお、振分け部983は、第41実施形態におけるシーソー部材762に対応する部材である。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b~985g)と、その複数の開口の上側に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986bとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、を備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
凹部985hは、ベース部985aの短手方向(左右方向)略中央位置において正面ベース981側から背面側に向かって凹設される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、下側内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981の反対側(背面側)に転動させることができる。
開口985eは、左右中央位置よりも開口985b側に形成され、開口985fは、左右中央位置よりも開口985c側に形成される。以下において、開口985e,985fでは同様の構成が採用されるので、第2通路TR2を流下した球を受け入れ可能な開口985fのについて詳細な説明を行い、第1通路TR1を流下した球を受け入れ可能な開口985eの説明は省略する。
開口985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985f3と、重力方向に延設され流入通路985f1及び排出通路985f3を連結する中間通路985f2と、その中間通路985f2において遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4と、を主に備えて形成される(図126(b)及び図127(a)参照)。
流入通路985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985f1に流入させることができる。
中間通路985f2は、重力方向に延設して形成され、上側が流入通路985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985f1を通過する遊技球を中間通路985f2に流入させることができる。
凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
検出装置SE3は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、検出装置SE3の長手方向の一方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向の他方に検出装置SE1を制御する検出基板SE1bが配設される。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985f2の上側から流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
凹設部985f4は、流入通路985f1及び排出通路985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985f3は、中間通路985f2の下側に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、通路ユニット990の挿通孔に連結される。これにより、中間通路985f2を通過する遊技球を、排出通路985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、左右中央位置における背面ベース985の下端部に形成される。また、開口985gは、下側の内面が正面ベース981側と反対側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
背面ベース985は、後述する第1通路TR1又は第2通路TR2に検出装置SE4,SE5を配置するための切り欠きである開口部985kが、背面視において検出装置SE4,SE5の外形と略同一の形状で形成される。これにより、検出装置SE4,SE5をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。なお、検出装置SE4,SE5の構造は検出装置SE3の構造として上述したものと同様なので、説明は省略する。
また、検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aの軸方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と第1通路TR1又は第2通路TR2の空間とが略一致する位置に配置される。
これにより、遊技球が第1通路TR1又は第2通路TR2の上側から流下する場合に、検出装置SE4,SE5の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1又は第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が第1通路TR1又は第2通路TR2と検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aに球が通過したと検出された場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる装置として構成される。
開口部985kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の空間と連なって形成される。即ち、第1通路TR1又は第2通路TR2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、第1通路TR1又は第2通路TR2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース985の反対側)に膨出する膨出部982と、を主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981fと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図122参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って正面側に立設される側壁部981bを備えて形成される。
また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口640に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口640に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942c(図125参照)と当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、下側の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1(図125参照)よりも下側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。
膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略左右中央位置において背面ベース985側に向かって延びる壁状に形成される立設壁982aと、重力方向下の複数箇所において遊技球を背面側へ送球可能な湾曲面として形成される凹部982e~982jとを主に備えて形成される。
また、膨出部982は、立設壁982aの下側において前後方向で穿設される送球開口982kと、その送球開口982kの左右両側において前後方向に縦長矩形状で穿設される挿通開口982lと、その挿通開口982lの上端部から左右外側に延設される形状で穿設される回転許容開口982mと、を備える。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、上側縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1(図125参照)の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの下側端面までの距離寸法L14(図126(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの下側内縁までの距離寸法L15(図123(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの下側に形成されると共に、上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁との水平方向間隔が遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの上側には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の下側の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球は、図示しない球排出路へと案内される。即ち、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球は、第1アウト口71に流入した球と同様、いかなる利益を遊技者に与えることなく排出される。
なお、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球により遊技者に与えられる利益については、種々の変更が可能である。例えば、予め設定された個数の賞球が払い出される利益として設計しても良いし、普通図柄の抽選や大当たり抽選を行うための検出装置に球が検出されることで得られる利益として設計しても良い。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の下側の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、下側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第2通路TR2は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985fに流入可能とされる。
送球開口982kは、凹部982h及び凹部982jの間に形成される。また、送球開口982kの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2の間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3の下側に形成される転動面982gは、正面側に向けて下降傾斜する傾斜面として形成される。これにより、第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の背面側を流下した遊技球が正面ベース981の正面側に通過可能となる通路となる。
本実施形態では、第3分岐通路BK3は、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されており、その受け入れた遊技球は、送球開口982k及び送球孔941k(図123(a)参照)を通して正面側へ流れ、第2入賞口640に入球可能となるように構成されている。
膨出部982の傾斜部982bは、膨出部982の下側に形成されると共に、下側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、膨出部982の左右幅方向に亘って形成される。
これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1及び第2分岐通路BK2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b~985f側(背面側)に案内して開口985b~985fに流入させ易くできる。
一方、第3分岐通路BK3を流下する遊技球を転動面982gに当接させることで、流下する遊技球を送球開口982k側(正面側)に案内して、送球開口982kに流入させ易くすることができる。
転動面982gは、正面視で左右対称形状ではなく、左側部の方が右側部よりも下側に形成されることで左右非対称形状とされる。これにより、第3分岐通路BK3に左右から同時に球が到達した場合に第3分岐通路BK3において球が左右に並ぶことを避け易くすることができ、球の並ぶ方向(直列方向)が上下方向成分を有するようにすることができる。これにより、第3分岐通路BK3で球詰まりが生じることを避け易くすることができ、球詰まりと関連して羽部材945が動作不能となる事態を避けることができる。
挿通開口982lは、ベース部材60に入賞口ユニット930及び送球ユニット970を組み付ける際に、羽部材945の延設部945d及び板状部945eを膨出部982の背面側へ挿通させるための開口である。
即ち、入賞口ユニット930の組立状態において背面ベース941の第3貫通孔941iに挿通され背面側に張り出した延設部945d及び板状部945e(図123(b)参照)は、送球ユニット970の挿通開口982lにも挿通され、延設部945dが挿通開口982lを貫いている状態で、膨出部982の背面側に板状部945eが配置される。
回転許容開口982mは、膨出部982を貫いている延設部945dの変位が規制されることを避けるために必要となる範囲に貫通形成される開口である。回転許容開口982mが最小限の大きさ(遊技球の直径よりも小さな幅)で形成されることにより、回転許容開口982mを通して遊技球が正面側に送球されることを避けることができる。次いで、図128を参照して羽部材945の開閉動作に伴う板状部945eの変位について説明する。
図128(a)及び図128(b)は、図127(a)のCXXVIIb-CXXVIIb線における振分けユニット980の断面図である。図128(a)では、閉鎖状態における羽部材945(板状部945e)が図示され、図128(b)では、開放状態における羽部材945(板状部945e)が図示される。
図128(a)に示すように、羽部材945の閉鎖状態では、第1通路TR1及び第2通路TR2から退避されており、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球は開口985e,985fに流される。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下した球が第3分岐通路BK3側に案内されることの防止を図ることができる。
図128(b)に示すように、羽部材945の開放状態では、第1通路TR1及び第2通路TR2に板状部945eが進入しており、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球は第3分岐通路BK3側に流される。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下した球が開口985e,985fに案内されることの防止を図ることができる。
即ち、羽部材945は、開放状態と閉鎖状態とで切り替えられることで、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球が案内される側を切り替え可能に構成される。換言すれば、羽部材945は、羽状本体945m(図124参照)が配置される背面ベース941と正面ベース943との間の領域を流下する球の案内方向を切り替えるように作用するのみならず、板状部945eが配置される振分ユニット980の内部領域を流下する球の案内方向を切り替えるように作用する。
球が上流分岐位置BK0に到達した直後に羽部材945が開閉動作する場合について説明する。上流分岐位置BK0は、流下する球が羽部材945の作用を受ける位置の直前の位置として設定される。羽部材945の開放状態において球が上流分岐位置BK0に到達した直後に、羽部材945が閉鎖状態へ向けて開閉動作すると、球は板状部945eにより第3分岐通路BK3側に押し込まれる。
一方で、羽部材945の閉鎖状態において球が上流分岐位置BK0に到達した直後に、羽部材945が開放状態へ向けて開閉動作すると、球は開口985e,985fに案内されるか、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内される。
このように、羽部材945の動作方向側が閉塞されることなく、動作方向側に球を案内可能な程度の空間が形成されるので、羽部材945と膨出部982との間で球が挟まることで球詰まりが生じる事態の発生を回避し易くすることができる。
開口985e,985fに案内された場合には、球は検出装置SE3に検出されることで特別図柄1の抽選を獲得可能であり、賞球の払い出しの利益を受けることができるが、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された場合には、特別図柄1の抽選も、賞球の払い出しの利益も、得ることはできない。
従って、羽部材945が閉鎖状態の時に上流分岐位置BK0に球が到達した場合には、その直後に羽部材945が開閉動作することにより遊技者が不利益を受ける可能性がある。そのため、上流分岐位置BK0及び羽部材945に対する注目力を向上することができる。
図128(b)に示すように、羽部材945及び羽状部945eは左右対称形状で構成されるので、第1通路TR1で流下した球と、第2通路TR2で流下した球とで、羽部材945による拾い易さに差は生じないようにすることができる。なお、左右から同時に球が案内された場合における球詰まりの防止は、第3分岐通路BK3の転動面としての転動面982gの形状を上述したように左右非対称とすることにより図っている。
図126及び図127に戻って説明する。振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L17(図127(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。
また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも下側に設定される。これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。
よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
次いで、駆動ユニット960の駆動による羽部材945の作動パターンについて説明する。まず、図128を参照して、第1入賞口64に入球した球の流下に要する時間の関係について説明する。
第1入賞口64に入球した球は、送球通路TR0に到達した後、振分け部983を傾倒動作させて左右片側に流下される。この傾倒動作は、図115(a)及び図115(b)においてシーソー部材762の動作として説明した内容と重複するので説明は省略するが、本実施形態では、その傾倒動作に要する時間を十分長く確保する目的で、磁性体988b,988cの磁力が大きくなるように設計している。即ち、本実施形態では、振分け部983の傾倒動作(図115(a)に示す状態から図115(b)に示す状態までの動作)に少なくとも0.8秒かかるように設計されている。
振分け部963の傾倒動作後、球が送球通路TR0から第1通路TR1側に流れた場合、その球が検出装置SE4に検出されるまでに0.4秒間要するように通路が設計される。また、振分け部963の傾倒動作後、球が送球通路TR0から第2通路TR2側に流れた場合、その球が検出装置SE5に検出されるまでに0.2秒間要するように通路が設計される。即ち、検出センサSE4と検出センサSE5との上下方向の距離は、球の流下速度で0.2秒間を要する距離として設定される。
流下する球が羽部材945の作用を受ける直前の位置として、上流分岐位置BK0が左右一対で設定される。送球通路TR0から第1通路TR1側又は第2通路TR2側に球が流れてから、上流分岐位置BK0に到達するまでに0.6秒間を要するように設計される。
即ち、検出装置SE4に球が検出されてから、その球が上流分岐位置BK0に到達するまでに0.2秒間を要する。また、検出装置SE5に球が検出されてから、その球が上流分岐位置BK0に到達するまでに0.4秒間を要する。
上流分岐位置BK0に球が到達したタイミングで羽部材945が閉鎖状態であれば、球は開口985b,985c又は開口985e,985fを通過する一方で、上流分岐位置BK0に球が到達したタイミングで羽部材945が開放状態であれば、球は第3分岐通路BK3側に案内され、送球開口982k(図126(a)参照)を通過する。
上述のような流路構成によれば、駆動ユニット960の駆動による羽部材945の作動パターンを、検出装置SE4,SE5で球が検出されてから0.6秒よりも短い時間で終了する作動パターンで設計するようにすれば、第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合であっても、検出装置SE4,SE5で球が検出したら即座に普通図柄の変動を開始することができる。
例えば、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が第1通路TR1側に流れて検出装置SE4で検出された場合、次の球が第2通路TR2側に流れるまでには0.8秒の空きがあり、検出装置SE5の方が0.2秒分だけ検出装置SE4よりも上側にあるとしても0.6秒の空きが確保される。即ち、先の球が検出装置SE4で検出されてから、次の球が検出装置SE5で検出されるまでに0.6秒を要する。
例えば、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が第2通路TR2側に流れて検出装置SE5で検出された場合、次の球が第1通路TR1側に流れるまでには0.8秒の空きがあり、検出装置SE4の方が0.2秒分だけ検出装置SE5よりも下側にあるので1.0秒の空きが確保される。即ち、先の球が検出装置SE5で検出されてから、次の球が検出装置SE4で検出されるまでに1.0秒を要する。
このように、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が左右どちらに流れた場合であっても、球が検出装置SE4,SE5に検出される間隔は0.6秒以上となる。
この前提のもと、本実施形態で説明する第11の作動パターン~第14の作動パターンは、それぞれ球が検出装置SE4,SE5で検出されてから0.5秒で完了する(普通図柄の変動表示の終了までに0.5秒を要する)ように設計されているので、第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合であっても、検出装置SE4,SE5で球が検出したら即座に普通図柄の変動を開始することができる。そのため、検出装置SE4,SE5での球の検出から羽部材945の動作が実行されるまでに時間遅れが生じることを防止することができる。
図129(a)から図129(d)は、検出装置SE4,SE5における球の通過の検出と、羽部材945の状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図129(a)では、第11の作動パターンにおける計時変化が図示され、図129(b)では、第12の作動パターンにおける計時変化が図示され、図129(c)では、第13の作動パターンにおける計時変化が図示され、図129(d)では、第14の作動パターンにおける計時変化が図示される。
図129(a)から図129(d)では、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されたことによる第2図柄の変動表示(0.1秒)の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83(図109参照)に表示された場合における羽部材945の状態の計時変化について説明する。
図129(a)に示すように、第11の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.4秒間維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においても、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においても、羽部材945が開放状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下するか第2通路TR2で流下するかに関わらず、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができる。即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選よりも特別図柄2の抽選の方が多くなる。
図129(b)に示すように、第12の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.2秒間維持される。その後の0.2秒間は、閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においては羽部材945が開放状態で維持されるが、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においては羽部材945が閉鎖状態とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができるが、球が第2通路TR2で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させることはできないので、その球は検出装置SE3(図127(a)参照)に検出される。
即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に生じる。球が第1通路TR1で流下する場合が特別図柄2の抽選に対応する。
図129(c)に示すように、第13の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)、0.2秒後に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.2秒間維持される。その後、閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においては羽部材945が閉鎖状態とされるが、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においては羽部材945が開放状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させることはできないので、その球は検出装置SE3(図127(a)参照)に検出されるが、球が第2通路TR2で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に生じる。球が第2通路TR1で流下する場合が特別図柄2の抽選に対応する。
図129(d)に示すように、第14の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)、0.4秒が経過する直前に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その直後に閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においても、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においても、羽部材945が閉鎖状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下するか第2通路TR2で流下するかに関わらず、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄2の抽選よりも特別図柄1の抽選の方が多くなる。
図129(a)から図129(d)に示すように、羽部材945の作動パターンを異ならせることにより、第1入賞口64に入球した場合に獲得される抽選が、特別図柄1の抽選となるか特別図柄2の抽選となるかを切り替えることができる。
即ち、第11の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、特別図柄2の抽選を連続で獲得可能とされる。また、第14の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、特別図柄1の抽選を連続で獲得可能とされる。
第12の作動パターン又は第13の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、第1通路TR1で流下する球と第2通路TR2で流下する球とで獲得される抽選の特別図柄が異なり、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されることになる。
ここで、特別図柄1の抽選による大当たりで遊技者が得られる利益と、特別図柄2の抽選による大当たりで遊技者が得られる利益とが異なる場合、その大当たりが特別図柄1の抽選によるものか、特別図柄2の抽選によるものかについての遊技者の注目度合いは大きい。
従来、振分け部983で左右に球が振り分けられる遊技機では、振分け部983により左右一方側(通常は左側)に流された球により特別図柄1の抽選を獲得でき、左右他方側(通常は右側)に流された球により特別図柄2の抽選を獲得できるように構成されていた。
そのため、振分け部983により球が左右どちらに流されるかを確認できれば、その後は球から目を離しても、これから実行される抽選が特別図柄1の抽選か特別図柄2の抽選かを把握することができた。この場合、振分け部983の下流側における球の流下経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として有効利用できていないという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態では、第12の作動パターンでは第1通路TR1で流下する球により特別図柄2の抽選を獲得でき、第13の作動パターンでは第2通路TR2で流下する球により特別図柄2の抽選を獲得できる。そのため、球が振分け部983により左右どちらに流されるかを確認するだけでは、その球が特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを把握することはできない。
即ち、振分け部983の下流側において、球が羽部材945の板状部945eに拾われるか否かを確認したり、球が送球孔941k(図125参照)を通り手前側に流れて第2入賞口640に入球するか否かを確認したりしないと、その球が特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを把握することはできないように構成できる。これにより、振分け部983の下流側における球の流下経路に対する注目力を向上することができ、遊技領域を演出領域として有効利用することができる。
なお、各作動パターンにおいて、主に第1入賞口64に入球した球と羽部材945との関係について説明したが、羽部材945の羽状本体945mは背面ベース941(図122参照)よりも正面側に配置されていることから、背面ベース941の正面側を流下する球が、羽部材945が開放状態となったタイミングでちょうどよく羽部材945に到達した場合には、その球が第2入賞口640に案内されることは当然生じ得る。
図130は、図123(a)のCXXX-CXXX線における遊技盤13の断面図であり、図131(a)及び図131(b)は、図130のCXXXIa-CXXXIa線における入賞口ユニット930及び送球ユニット970の部分断面図である。
図131(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図131(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。なお、図130及び図131の説明では、図129を適宜参照する。
図130に示すように、振分ユニット980の送球開口982kよりも転動板部941l及び送球孔941kが正面側に配置されるので、振分ユニット980の内部流路で第3分岐通路BK3に案内された球は正面側へ向けて流下する。
この球は、遊技者目線で自分側に近づいてくるように見えるので、遊技領域を下方に流下する球や、第1入賞口64や第3受部944a等に入球する球のように後方へと流れることで、遊技者から遠ざかるように見える球とは明確に異なる流下態様で視認される。
これにより、遊技者に、自分側に近づいてくるように見える球に注目して遊技させることで、遊技者は、第1入賞口64に入球した球が振分ユニット980の内部流路から抜け出して第2入賞口640側へ流れる事態が生じた場合に、その事態の発生に容易に気づくことができる。
従って、遊技者が気づかないうちに球が第2入賞口640に入球し、遊技者が気づかないうちに特別図柄2の抽選が実行される事態の発生を回避し易くすることができる。
また、振分ユニット980の正面側(背面ベース941の正面側)において流下する球は遊技者の視線を遮るように作用し得る。そのため、振分ユニット980の内部経路を流下している時の球の視認性を低下させ易くすることができるので、第3分岐通路BK3に案内され、自分側に近づいてくるように見える遊技球をより一層目立たせることができる。
なお、送球孔941kは正面ベース943の背面側に配置されるので、正面ベース943が不透明の樹脂材料から形成される場合には、送球孔941k及び送球孔941kを通り正面側に案内される球の視認性を低下させることができる。
この場合、第1入賞口64に入球する球は容易に確認できるが、その球が送球孔941kを正面側に流下することの把握を困難とすることができるので、第1入賞口64に入球した球が、遊技者が気づかないうちに第2入賞口640に入球し、特別図柄2の抽選が実行される事態を容易に発生させることができる。
図130に示すように、第2入賞口640の下流側(背面側)には、球の通過を検出可能な検出装置SE6が配設される。検出装置SE6は、検出装置SE3と同様の構成からなる遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。
検出装置SE3に球が通過することにより獲得できる抽選が特別図柄1の抽選であることに対して、検出装置SE6に球が通過することにより獲得できる抽選は、特別図柄2の抽選とされる。
第11の作動パターン~第14の作動パターン(図129参照)の内、どの作動パターンで羽部材945が動作するかは、第1当たり種別選択テーブル202b(図120参照)に基づいて、予め設定される。
本実施形態では、大当たり種別が大当たりA,a,bの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第11の作動パターンに設定される。大当たり種別が大当たりB,Cの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第12の作動パターンに設定される。大当たり種別が大当たりcの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第13の作動パターンに設定される。第11~第13の作動パターンの継続期間以外の期間においては、羽部材945の作動パターンが第14の作動パターンに設定される。
これにより、第1入賞口64に入球し左右側に球が振り分けられるという同一の事象に対して、球により特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを、どの作動パターンで動作するかにより変化させることができる。従って、第1入賞口64に入球した球の流下経路に対する注目力を向上することができ、遊技者の視線を引き付けることができる。
図129で図示した他に、羽部材945の作動パターンとしては、検出装置SE4,SE5や普通入賞口(スルーゲート)66,67(図109参照)で球が検出されたタイミングから羽部材945が長時間(約2秒間)開放する長開放の作動パターンも用意されている。
長開放の作動パターンで羽部材945が動作される場合には、ベース板60(図122参照)の手前側を流下した球が羽状本体945m(図124参照)で拾われ易くすることができる。加えて、第1入賞口64に入球した球が第3分岐通路BK3側に案内され易くすることができる(図128(b)参照)。
このように、羽状本体945mに拾われた球が第2入賞口640に繰り返し入球する状態を構成し易い。これに加え、第1入賞口64に一旦入球した球を板状部945e(図128(b)参照)によって第3分岐通路BK3側に案内して最終的には第2入賞口640に入球するように構成し易い。従って、特別図柄1での抽選を避け、特別図柄2での抽選を繰り返し獲得する遊技態様を遊技者に提供することができる。
図131(b)に示すように、羽部材945の開放状態において、背面ベース941の正面側において羽状本体945mに乗った球P21と、背面ベース941の背面側において板状部945eに乗った球P22とを、異なる前後位置(切り分けられた位置)で同時に案内することができる。
そのため、この状態で羽部材945が閉鎖状態に変化しても、球P21と球P22とが衝突する事態が発生することを回避できる。これにより、羽部材945の開閉動作を球が邪魔して、開閉動作が完了しないという動作不良を避けることができる。
更に、羽状本体945mに同時に乗せられる球P21の個数(本実施形態では、片側に1個)よりも、板状部945eの球P22を乗せられる分、羽部材945の開放状態において同時に案内可能な球の個数を増やすことができる。
例えば、全球を羽部材945へ向けて発射する遊技態様では、羽部材945が開放状態の時に片側の羽部材945の羽状本体945mに同時に乗せられる球は1個であり、複数の球を同時に乗せることは困難である。
一方で、一部の球を羽部材945へ向けて発射して、残りの球を第1入賞口64へ向けて発射する遊技態様では、羽状本体945mに球が乗っているか否かに関わらず、板状部945eに球を乗せることができるので、片側の羽部材945に球が同時に乗る状態となり易い。
即ち、全球を羽部材945へ向けて発射する遊技態様か、一部の球を羽部材945の他に第1入賞口64へ向けて発射する遊技態様かで、羽部材945に同時に乗せられる球の個数を変化させることができる。
第1入賞口64を経由して羽部材945に到達する球P22と、第1入賞口64を経由せずに羽部材945に到達する球P21とでは、到達前の球の流下方向が異なることから、到達後の球の流下速度が異なることから、同時に到達した球でも見え方が異なる。
即ち、球P22は、第1通路TR1又は第2通路TR2を鉛直下方に流下して、羽部材945の板状部945eに到達する一方、球P21は、案内部941g1(図123(a)参照)よりも左右外側から左右内側に向く速度成分を有する流下方向で羽状本体945mに到達する。
従って、左右方向の速度成分が大きい分だけ、球P21の方が球P22に比較して、羽部材945到達後の左右内側への流下速度が速くなる。従って、球P21と球P22とが羽部材945に同時に到達したとしても、球P21と球P22とが正面視で重なる時間を短くすることができるので、羽部材945を転動する球の視認性を向上させることができる。
球P22が転動板部941lの上面を転動して送球孔941kを通過して背面ベース941の正面側に流れるタイミングによっては、球P21と衝突し得る(経路が合流する)。
ここで、送球孔941kの下縁の上下位置よりも、羽部材945の回転基端側における上面高さ上下位置の方が下側に配置される。これにより、転動板部941lを転動した球が背面ベース941の正面側に飛び込む上下位置と、羽状本体945mを転動した球が一対の羽部材945の間の空間に飛び込む上下位置とを、上下方向でずらすことができる。
そのため、球同士が衝突した場合に、それらの球の上下位置をずらすことができるので、自重に任せて流下させることで複数の球を順番に流下させることができる。これにより、球詰まりの抑制を図ることができる。
なお、羽部材945の長開放の作動パターンでは、開放の継続期間が0.6秒を超えていることからも分かるように、例えば第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合において普通図柄の変動開始に待ち時間が生じる(普通図柄の変動が保留され得る)。
そのため、図129で説明したような、検出装置SE4,SE5で球が検出されたタイミングと羽部材945の開閉タイミングとを球の流下に要する時間と対応させて設定した場合と異なり、球の配置と羽部材945の開閉とを対応させることが困難となる。
従って、全ての球を第2入賞口640側に案内できるものではなく、第1入賞口64に入球する球の内、いくつかは羽部材945が閉鎖状態(図128(a)参照)のタイミングで上流分岐位置BK0に到達する可能性はある。
一方で、長開放の作動パターンにおいて、羽部材945が閉鎖状態で維持される時間(動作待ち時間、動作後待ち時間)を短時間(例えば、0.1秒)に設定することで、羽部材945が閉鎖状態(図128(a)参照)のタイミングで上流分岐位置BK0に到達する事態が生じる確率を極力低下させることができる。
板状部945eの上面を転動する球P22は、振分け部983の動作の影響で、少なくとも1.8秒間隔をあけて球が到達する。即ち、複数の球が同時に乗ることは無いように構成される。
一方で、羽状本体945mに球P21が到達する間隔は何ら制限されているものではなく、同時に複数の球が到達し得る。そのため、板状部945eに比較して羽状本体945mを丈夫に形成することが好ましい。
この点、本実施形態では、板状部945eよりも羽状本体945mの方が、板厚が大きく形成されることで、丈夫に形成されている。また、羽状本体945mは軸部材945aに直接支持されることで、球の重みによる前後方向の姿勢変化や撓みを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ベース板60の正面側に配設される羽部材945の羽状本体945mから背面側に板状部945eを張り出させることで、ベース板60の内部に配設される振分けユニット980の内部を流下する遊技球に作用可能とすることができる。
即ち、羽部材945は、ベース板60の正面側を流下する遊技球を第2入賞口640側に案内し易い状態と、第2入賞口640側への流下を防止する状態とを切り替えることに加えて、第1入賞口64に入球した遊技球を第2入賞口640側に案内し易い状態と、第2入賞口640側への流下を防止する状態とを切り替えることができる。
更に、羽状本体945mの上面を転動している球と、板状部945eの上面を転動している球との間には、仕切り板として機能する背面ベース941が配設されており、球同士の任意の位置での衝突を回避することができる。
これにより、羽状本体945mを転動している球と板状部945eを転動している球とが衝突することで球が羽部材945から零れる(第2入賞口640に案内される側の反対側に零れる)事態が発生することを回避することができる。
また、第1入賞口64に入球した球が第2入賞口640側の流路に分岐される位置(例えば、第3分岐通路BK3)において、球の流下方向が前後方向成分を有する。これにより、第2入賞口640への球の流下に関係が深い箇所を目立たせることができる。
また、検出装置SE4,SE5で球が検出されてから普通図柄の変動表示が終了するまでに、検出装置SE4,SE5で検出されないように管理することが可能な場合を形成可能である。これにより、検出装置SE4,SE5を通過した球に、その球が検出されたことにより動作制御される羽部材945をタイミングよく作用させることができる。
第1通路TR1に球が送球されるタイミングと、第2通路TR2に球が送球されるタイミングとは、少なくとも0.8秒間隔が空けられるので、第3分岐通路BK3に左右から同時に球が進入することは無いが、加えて転動面982gが左右非対称に形成されることで、第3分岐通路BK3で球詰まりが生じることをより避け易くすることができる。これにより、球の流下経路の合流位置が羽部材945に近い構成であっても、球詰まりを原因とする羽部材945の動作不良が生じることを防止することができる。
また、ベース板60の正面側において羽部材945の上面を転動する球の速度と、ベース板60の内部において羽部材945の上面を転動する球の速度とが異なるように構成される。これにより、前後で球が重なった状態が持続的に続くことを避けることができ、羽部材945の上面を転動している球の個数を把握し易くすることができる。
また、羽部材945に乗る球の個数について、羽状本体945mでは同時に複数の球が乗り得る一方で、板状部945eに乗る球の個数を1個に限定している。これにより、板状部945eよりも羽状本体945mを丈夫に構成することで、羽部材945の耐久性を向上させることができる。
また、電動役物640aの作動パターンを複数用意することで、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。例えば、第1入賞口64に繰り返し入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンと、特別図柄2の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、を切り替えることができる。
また、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンにおいて、左右どちらの遊技球が特別図柄2の抽選に対応するかが反対となるパターンを形成することができる。これにより、振分け部983で球が左右どちらに流れたかを確認するだけでは情報として不十分となるので、振分け部983の下流側の領域に対する注目力を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選の獲得パターンとして、右打ち遊技を推奨する場合において、図らずも第1入賞口64に入球した場合に、特別図柄1の抽選を獲得し易いパターンと、高確率で特別図柄1の抽選の獲得が回避されるパターンと、を切り替えることができる。
次いで、図132を参照して、第43実施形態について説明する。第41実施形態では、経路構成装置700により振り分けられる一方の経路を球が流下する場合に普通入賞口(スルーゲート)765を球が通過する場合を説明したが、第43実施形態の経路構成装置3700では、他方の経路を球が流下する場合に球の通過を検出可能な普通入賞口(スルーゲート)3765が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図132は、第43実施形態における遊技盤13の部分正面図である。経路構成装置3700では、振分け部材760により左右に振り分けられる経路の内、左側の経路に普通入賞口(スルーゲート)3765が配設される。
普通入賞口(スルーゲート)3765は、シーソー部材762からの左右方向距離が、シーソー部材762と普通入賞口(スルーゲート)765との左右方向距離と同じとなるように配設される。
第1入賞口64に入球した遊技球が右側に流れる場合だけでなく、左側に流れる場合も普通図柄の抽選を獲得することができるので、電動役物640aの動作頻度を高めることができる。
上記第41実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の通過回数が最大4回まで保留される場合を説明した。この場合、保留が途切れることなく電動役物640aを連続動作させ易く、右打ち遊技をスムーズに実行させることができるという利点がある。
これに対し、本実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765,3765の通過回数が最大1回まで保留されるように構成される。そして、保留球数が0個の時において普通図柄の抽選で選択される作動パターンと、保留球数が1個の時において普通図柄の抽選で選択される作動パターンとが、異なるように構成されている。保留球数が満タン(1個)という状態は、保留球数が4個の場合に比較して生じ易いので、作動パターンの違いが頻繁に生じる。
本実施形態では、一例として、確変状態において、普通図柄の保留球数が0個の時には、第2の作動パターンが選択され易く、普通図柄の保留球数が1個の時には、第1の作動パターンが選択され易いよう構成される。
この前提で、第1入賞口64に連続で入球した場合(図115及び図116参照)に、3個目の球P3が移動板部材641に到達するタイミングで電動役物640aを進入状態に維持し易くすることができる。
即ち、球P1が普通入賞口(スルーゲート)765に検出され、その検出から基準時間Td1が経過するよりも前に球P2が普通入賞口(スルーゲート)3765に検出されることになるので、球P2の検出による普通図柄の抽選で選択される作動パターンは第1の作動パターンになり易い。
そのため、球P3が移動板部材641に到達する前から電動役物640aが進入状態で維持されることになるので、図115(a)に示すような状態から、球P1,P2の双方を第2球送球部736に案内することができる。
なお、図115(a)では、球P1が右側に流れる場合を説明したが、シーソー部材762の傾きが逆となっており、球P1が左側に流れる場合においても、球P2の検出による普通図柄の抽選で選択される作動パターンは第1の作動パターンになり易い。そのため、球P2が移動板部材641に到達する前から電動役物640aが進入状態で維持されることになるので、球P2を第2球送球部736に案内することができる。
なお、本実施形態では、一例として普通図柄の保留球数が1個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第41実施形態での説明と同様に、普通図柄の保留球数を4個で設定しても良い。
次いで、図133を参照して、第44実施形態について説明する。第41実施形態では、移動板部材641が、第1入賞口64に入球した遊技球を案内する右側案内部643と、第1入賞口64に入球しなかった遊技球を案内する左側案内部645と、を備え、案内部643,645間が仕切られる場合を説明したが、第44実施形態の経路構成装置4700では、第1入賞口64に入球しなかった遊技球が右側案内部643側まで案内可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図133は、第44実施形態における遊技盤13の部分正面図である。図133に示すように、電動役物4640aの状態が退避状態と進入状態とで切り替えられることで前後方向にスライド移動する移動板部材4641が、右側案内部643と、その右側案内部643の傾斜面643aの傾斜に沿って右側案内部643の左側端部から左上方向に延設される上流側案内部4645と、を備える。
上流側案内部4645は、球を転動させる傾斜面4645aが右側へ向けて下降傾斜しており、その傾斜角度が右側案内部643の傾斜角度と同じ角度(水平に対して約5度)で形成される。
本実施形態では、屈曲部材740の左右内側壁部に、移動板部材4641の上面を転動する球が通過可能となる大きさの開口が形成される。即ち、開口744(図114(a)参照)と同様の開口部が、屈曲部材740の左右内側壁部(右側案内部643の左側の壁部)に貫通形成される。
これにより、第1送球経路KR1への流入経路として、第1入賞口64を通過した球の経路の他に、上流側案内部4645を転動して右側案内部643に至る経路を用意することができる。
図133に示すように、上流側案内部4645から右側案内部643を経て球が転動する場合、移動板部材4641の動作タイミング次第で、球が回収孔752に受け入れられる場合もあるし、第2球送球部736に受け入れられる場合もある。
即ち、球が第1送球経路KR1上に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に切り替えられると、球は回収孔752へ向けて流下する。一方で、球がKR1上に配置されている時に依然として電動役物4640aが進入状態を維持していると、球は右側案内部643を右側に通過し、第2球送球部736へ向けて流下する。即ち、厳雄板部材4641の上面を右側へ転動する球を、回収孔752又は第2球送球部736へ向けて流下させることができる。
移動板部材4641は、右下方向に下降傾斜しているが、右打ちにより発射された球が屈曲部材740の上方を左方に通過して移動板部材4641に到達する場合、左方向への勢いで移動板部材4641を左向きに通過する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第1球送球部734の突設縁部734bが、移動板部材4641の左端部よりも上側に張り出すように配設される。即ち、移動板部材4641の左端部を通過しそうになった球を突設縁部734bに衝突させることで、球を跳ね返らせることができ、移動板部材4641の上面において球が右向きに転動する状態を形成し易くすることができる。
更に、球の跳ね返りの反発力が右向きに大きくなるほど、球が移動板部材4641の右端に到達するまでの時間を短縮することができる。即ち、突設縁部734bによって、球が移動板部材4641の左端部から零れ落ちることを防止する効果だけでなく、移動板部材4641が進入状態で維持されている間に球を移動板部材4641の右端部まで到達させ易くすることができる。
なお、移動板部材4641の左端部は球通過孔734aよりも上側に配置されている。そのため、電動役物4640aが進入状態の時に、球が移動板部材4641の上面を左側に進行して、左側端部に到達する直前に移動板部材4641が退避状態に変化する場合、球が放物線を描いて左向きに飛ぶことになり、低確率ではあるが、第1球送球部734の球通過孔734aに球を入球させることができる。
次いで、図134から図183を参照し、第45実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)B10に適用した場合の一実施形態について説明する。図134は、第45実施形態におけるパチンコ機B10の正面図であり、図135はパチンコ機B10の遊技盤B13の正面図であり、図136はパチンコ機B10の背面図である。
なお、以下の説明では、図134に示す状態のパチンコ機B10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図134に示す状態のパチンコ機B10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図135参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機B10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図134に示すように、パチンコ機B10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠B11と、その外枠B11と略同一の外形形状に形成され外枠B11に対して開閉可能に支持された内枠B12とを備えている。外枠B11には、内枠B12を支持するために正面視(図134参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジB18が取り付けられ、そのヒンジB18が設けられた側を開閉の軸として内枠B12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠B12には、多数の釘BKG1や入賞口B63,B64等を有する遊技盤B13(図135参照)が着脱可能に装着される。この遊技盤B13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠B12には、球を遊技盤B13の前面領域に発射する球発射ユニットB112a(図137参照)やその球発射ユニットB112aから発射された球を遊技盤B13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
なお、釘BKG1の図示は、特に詳述しない限り釘BKG1の長さ方向視における外形を示す。即ち、釘BKG1は一般的には正面側の先端部が膨らんだ形状(まち針に類似の形状)で形成されるが、その膨らんだ部分の形状が図示されており、ベース板B60に打ち込まれる細径部の形状は図示されていない。従って、図135において、釘BKG1間の隙間が球の直径未満の長さであった場合でも、釘BKG1の図示されていない細径部の間の隙間が球の直径以上の長さであれば、球が通過することはあり得る。
内枠B12の前面側には、その前面上側を覆う正面枠B14と、その下側を覆う下皿ユニットB15とが設けられている。正面枠B14および下皿ユニットB15を支持するために正面視(図134参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジB19が取り付けられ、そのヒンジB19が設けられた側を開閉の軸として正面枠B14および下皿ユニットB15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠B12の施錠と正面枠B14の施錠とは、シリンダ錠B20の鍵穴B21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠B14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部B14cが設けられている。正面枠B14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニットB16が配設され、そのガラスユニットB16を介して遊技盤B13の前面がパチンコ機B10の正面側に視認可能となっている。
正面枠B14には、球を貯留する上皿B17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿B17に賞球や貸出球などが排出される。上皿B17の底面は正面視(図134参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿B17に投入された球が球発射ユニットB112a(図137参照)へと案内される。また、上皿B17の上面には、枠ボタンB22が設けられている。この枠ボタンB22は、例えば、第3図柄表示装置B81(図135参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠B14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部B14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部B29~B33が設けられている。パチンコ機B10においては、これら電飾部B29~B33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部B29~B33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠B14の正面視(図134参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプB34が設けられている。
また、右側の電飾部B32下側には、正面枠B14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓B35が形成され、遊技盤B13前面の貼着スペースBK1(図135参照)に貼付される証紙等がパチンコ機B10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機B10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部B29~B33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材B36が取り付けられている。
窓部B14cの下方には、貸球操作部B40が配設されている。貸球操作部B40には、度数表示部B41と、球貸しボタンB42と、返却ボタンB43とが設けられている。パチンコ機B10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部B40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部B41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタンB42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿B17に供給される。返却ボタンB43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿B17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部B40が不要となるが、この場合には、貸球操作部B40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿B17の下側に位置する下皿ユニットB15には、その中央部に上皿B17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿B50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿B50の右側には、球を遊技盤B13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドルB51が配設される。
操作ハンドルB51の内部には、球発射ユニットB112aの駆動を許可するためのタッチセンサB51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチB51bと、操作ハンドルB51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルB51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサB51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤B13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルB51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサB51aおよび発射停止スイッチB51bがオフとなっている。
下皿B50の正面下方部には、下皿B50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーB52が設けられている。この球抜きレバーB52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿B50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーB52の操作は、通常、下皿B50の下方に下皿B50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿B50の右方には、上述したように操作ハンドルB51が配設され、下皿B50の左方には灰皿B53が取り付けられている。
図135に示すように、遊技盤B13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板B60に、球案内用の多数の釘BKG1や風車BWFの他、レールB61,B62、一般入賞口B63、第1入賞口B64、第2入賞口B640、第3入賞口B64b、可変入賞装置B65、上側可変入賞装置B700、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67、可変表示装置ユニットB80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠B12(図134参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板B60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板B60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口B63、第1入賞口B64及び第2入賞口B640が配設される入賞ユニットB400、第3入賞口B64bが配設される可変入賞装置B65、上側可変入賞装置B700、可変表示装置ユニットB80は、ルータ加工によってベース板B60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤B13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板B60の構成は樹脂材料に限られるものではない。例えば、薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板B60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成されるようにしても良い。
遊技盤B13の正面中央部分は、正面枠B14の窓部B14c(図134参照)を通じて内枠B12の正面側から視認することができる。以下に、主に図135を参照して、遊技盤B13の構成について説明する。
遊技盤B13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールB62が植立され、その外レールB62の内側位置には外レールB62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールB61が植立される。この内レールB61と外レールB62とにより遊技盤B13の正面外周が囲まれ、遊技盤B13とガラスユニットB16(図134参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤B13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤B13の正面であって2本のレールB61,B62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材B73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
なお、上述の遊技領域は狭義の解釈であり、広義の意味として、遊技領域を、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域として表現しても良い。この意味において、遊技領域は、遊技盤B13の正面側の領域に限られるものではない。例えば、後述する検出センサB462の上流側経路も遊技領域に含まれ得る。
2本のレールB61,B62は、球発射ユニットB112a(図137参照)から発射された球を遊技盤B13上部へ案内するために設けられたものである。内レールB61の先端部分(図135の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤B13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールB62の先端部(図135の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムB69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムB69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レールB61の右下側の先端部と外レールB62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材B70がベース板B60に打ち込んで固定されている。
遊技盤B13の正面側における遊技領域B301は、内側中央位置に配置されるセンターフレームB86に対して、左側遊技領域B302、右側遊技領域B303及び下側遊技領域B304で大きく分かれている。
左側遊技領域B302は、遊技球の発射強度を抑えて発射する左打ちをされた遊技球が流下する遊技領域であり、右側遊技領域B303は、左打ちよりも遊技球の発射強度を増大させて発射する右打ちをされた遊技球が流下する遊技領域である。また、下側遊技領域B304は、左側遊技領域B302又は右側遊技領域B303を通過した遊技球が流下する遊技領域である。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機B10では、第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口B66,B67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。
第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)では、特別図柄の大当たりか否か(外れか)の当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
第2入賞口B640への入球に対して行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)では、特別図柄の大当たりか、外れか、又は小当たりかの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われ、特別図柄の小当たりと判定された場合にはその小当たり種別の判定も行われる。
即ち、第2入賞口B640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選により大当たりか否かの判定が行われることに加えて、大当たりでは無い場合に、小当たりか外れかの判定が行われる。
本実施形態では、外れ以外であるが、大当たりとは異なる性質の当選として小当たりが用意されている。即ち、大当たりは、高確率状態や時短状態などに遊技状態を移行させる契機(遊技の節目)を発生させるが、小当たりは、遊技状態を移行させる契機を発生しない。
なお、高確率状態で小当たりに当選しても、その小当たりの終了を契機として高確率状態が終了することはなく(上限回数に達した場合を除く)、通常状態や時短状態で小当たりに当選しても、その小当たりの終了を契機として高確率状態に移行することはない。但し、小当たりは、大当たりと同様に可変入賞装置B65を作動させる条件を満たすものとして位置づけられている。
なお、本パチンコ機B10では、特別図柄の低確率状態では、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、32分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、大当たりの確率は一例であり、特別図柄の低確率状態における確率が特別図柄の高確率状態における確率の10分の1未満にならない関係を満たす限りにおいて、種々の数値で設定可能である。
なお、説明の便宜上、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ遊技球が入球した場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口B640へ遊技球が入球した場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
また、本パチンコ機B10では、特別図柄の低確率状態では、320分の318の確率で特別図柄2の抽選において特別図柄の小当たりと判定され、特別図柄の高確率状態では、320分の309の確率で特別図柄2の抽選において特別図柄の小当たりと判定される。なお、小当たりの確率は一例であり、種々の数値で設定可能である。
特別図柄の小当たりになる(当選する)と、小当たり遊技が行われて可変入賞装置B65が開閉動作する。遊技者は小当たり遊技中に可変入賞装置B65の内側に配置される特定入賞口B65aに遊技球を入球させることで、ある程度の賞球を獲得することができる。本実施形態の小当たり遊技は、可変入賞装置B65が開放されてから1.8秒後に閉鎖するという動作が実行される。
なお、特別図柄の小当たりにおける可変入賞装置B65の作動パターンとしては、単一のパターンとしても良いし、複数種類のパターンを設けても良い。例えば小当たり種別によって、特定入賞口B65aの開閉動作の回数や、開放および閉鎖時間により設定される作動パターンが異なるように構成されるようにしても良い。具体的には、1.8秒間の開放する作動パターンでも良いし、0.12秒間の開放が数秒間隔で15回(累計1.8秒間の開放)繰り返される作動パターンでも良いし、その他の作動パターンでも良い。
特別図柄の大当たりになる(当選する)と、パチンコ機B10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65a又は上側可変入賞装置B700の第2特定入賞口B700aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aへの入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特別遊技のラウンド数や、特別遊技終了後における電動役物B640aの作動パターンが異なるように構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒~60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて変動表示が行われている間に球が第1入賞口B64、第3入賞口B64b、または第2入賞口B640へと入球すると、その入球回数は入賞口への入球に基づいて行われる抽選に対応する特別図柄の種別(特別図柄1又は特別図柄2)毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置B37A,B37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置B81においても示される。第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて変動表示が終了した場合に、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bについての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口B640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合であっても、特別図柄1と特別図柄2とは、対応する先の特別図柄(特別図柄1又は特別図柄2)の変動表示が終了した場合に、対応する次の特別図柄(特別図柄1又は特別図柄2)の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。換言すれば、対応しない特別図柄(例えば、特別図柄1に対する特別図柄2)の変動が終了していなくても、対応する先の特別図柄の変動表示が終了すれば、対応する次の特別図柄の抽選が行われる。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合であっても、特別図柄1と特別図柄2とは、対応する先の特別図柄の変動表示が終了した場合に、対応する次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始されるよう構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良い。
また、特別図柄2の保留球に基づく抽選が特別図柄1の保留球に基づく抽選よりも優先的に実行されるように構成しても良く、この場合は、特別図柄2の保留球が0個よりも多い状態が維持される間、特別図柄1の保留球に基づく抽選が実行されることを回避できる。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒、2.0秒または3.9秒)だけ第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが駆動され、第2入賞口B640へ球が入球し得る状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口B640へ入球し得る状態となり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置B83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、0.05秒または1秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置B83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口B66,B67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置B37A,B37Bにより表示されると共に、第2図柄保留ランプB84においても示される。第2図柄表示装置B83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口B66,B67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機B10が特別図柄の特殊確変状態(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりA、大当たりa)と、パチンコ機B10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりB、大当たりb、大当たりc)と、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となる場合(例えば、後述する大当たりC、大当たりc)と、が用意されている。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が次に大当たりとなるまでの間継続される場合を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるようにしても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。また、時短状態となる特別図柄の抽選回数と、特別図柄の確変状態が付与される特別図柄の抽選回数とが異なるように設定されても良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
本実施形態における「特別図柄の特殊確変状態(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の確変中)」は、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時であり、且つ、高頻度で小当たりを伴う状態であり、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い状態で遊技を行いながら、特別遊技状態へ移行する前から、小当たり遊技によってまとまった数の賞球を獲得することができる遊技の状態のことである。普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第2入賞口B640へ球が入賞し易い遊技の状態として形成される。電動役物B640aは、後述する第3の作動パターンで動作される。
本実施形態における「特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)」は、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第3入賞口B64bへ球が入賞し易い遊技の状態として形成される。電動役物B640aは、後述する第2の作動パターンで動作される。
一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、特別図柄の低確率状態の一態様であり、普通図柄の当たり確率はアップして、後述する入賞ユニットB400の作用により第3入賞口B64bへ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。電動役物B640aは、後述する第2の作動パターンで動作される。
また、「通常状態」とは、特別図柄の低確率状態(高確率状態ではない状態)の一態様であり、普通図柄の時短中ではない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率も変化しておらず、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ球が入賞し易いわけでもない状態)のことをいう。電動役物B640aは、後述する第1の作動パターンで動作される。
特別図柄の特殊確変中や、特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aの作動パターンが変更され、基本的に通常状態に比較して、第2入賞口B640又は第3入賞口B64b側に遊技球が案内され易い状態が長い時間維持されるよう設定される。
本実施形態では、電動役物B640aが非励磁とされた状態(非励磁状態、即ち、後述する移動板部材B641が前側位置に配置され第1送球経路BKR1に進入している状態)にある場合は、その電動役物B640aが励磁された状態(励磁状態、即ち、後述する移動板部材B641が後側位置に配置され第1送球経路BKR1から退避している状態)にある場合と比較して、第2入賞口B640又は第3入賞口B64b側に遊技球が案内され易い状態となる。よって、特別図柄の特殊確変中、特別図柄の確変中、及び普通図柄の時短中は、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ球が入球し易い状態となり、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物B640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変化せずに、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが開放される時間、および電動役物B640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが開放される時間や、電動役物B640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図135の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置B37A,B37Bが配設されている。第1図柄表示装置B37A,B37Bは、主制御装置B110(図137参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機B10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置B37A,B37Bは、球が、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入賞したか、第2入賞口B640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入賞した場合には、第1図柄表示装置B37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口B640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置B37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置B37A,B37Bは、LEDにより、パチンコ機B10が特殊確変中か確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が特殊確変大当たりに対応した図柄か確変大当たりに対応した図柄か通常大当たりに対応した図柄か小当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機B10の各種遊技状態を示唆することができる。
この第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口B64、第3入賞口B64b、または第2入賞口B640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎(即ち特別図柄の種別ごとであって、特別図柄1に対応する第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球回数と、特別図柄2に対応する第2入賞口B640への入球回数とが別々)にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置B37A,B37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置B81においても示される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球、及び第2入賞口B640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
なお、本パチンコ機B10では、第1入賞口B64、第3入賞口B64b又は第2入賞口B640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機B10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R特殊確変大当たり、8R確変大当たり、4R大当たりが用意されている。第1図柄表示装置B37A,B37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R特殊確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に特殊確変状態(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の高確率状態)へ移行する確変大当たりのことであり、「8R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。
また、「4R大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となるか、又は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する大当たりのことである。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口B63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットB80が配設されている。
可変表示装置ユニットB80には、第1入賞口B64、第3入賞口B64b、第2入賞口B640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置B37A,B37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置B81と、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置B83と、普通入賞口B66,B67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプB84と、が設けられている。
また、可変表示装置ユニットB80には、第3図柄表示装置B81の外周を囲むようにして、センターフレームB86が配設されている。このセンターフレームB86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置B81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置B81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置B114(図137参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中および右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置B81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置B81は、主制御装置B110(図137参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置B37A,B37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置B37A,B37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置B81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機B10においては、後述する主制御装置B110(図137参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。
一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。また、特別図柄の抽選結果が小当たりであった場合は、特定の小当たり用図柄が最終的に停止する変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が通常大当たりであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特殊確変大当たり又は確変大当たりであれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。また、特別図柄の抽選結果が小当たりであれば、「賞球用意」との文字が付加された図柄が表示装置の表示領域の中央に停止する変動表示が行われる。
第2図柄表示装置B83は、球が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機B10では、球が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置B83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置B83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機B10は、第2図柄表示装置B83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口B640に付随された電動役物B640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの上流側に配置される電動役物B640aに遊技球が拾われる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第3入賞口B64b又は第2入賞口B640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物B640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第3入賞口B64b又は第2入賞口B640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物B640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)B66,B67は、可変表示装置ユニットB80の両側の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技領域B301に発射された球の内、左側遊技領域B302又は右側遊技領域B303を流下する球が必ず通過する位置に配設されている(上流側の釘BKG1配置が、球を普通入賞口(スルーゲート)B66,B67に集めるように構成されている)。
なお、遊技領域B301に発射された球と普通入賞口(スルーゲート)B66,B67との関係はこれに限られるものではない。例えば、遊技領域B301に発射された球のうち、流下する球の一部が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過するように構成しても良い。
球の普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置B37A,B37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプB84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプB84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置B81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置B83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置B37A,B37B及び第3図柄表示装置B81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプB84の点灯を第3図柄表示装置B81の一部で行うようにしても良い。また、第1図柄表示装置B37A,B37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプB84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
また、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、ベース板B60に配設される普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、1つでも良いし、その他の複数(例えば、3つ以上)であっても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の組み付け位置は可変表示装置ユニットB80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットB80の左右いずれか一方でも良いし、可変表示装置ユニットB80の上方や下方でも良い。
可変表示装置ユニットB80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口B64が配設されている。この第1入賞口B64へ球が入賞すると遊技盤B13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(後述する検出センサB442)に球の通過が検出され、第1入賞口スイッチがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図137参照)で特別図柄1の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置B37Aで示される。
一方、第1入賞口B64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口B640が配設されている。第2入賞口B640へ球が入賞すると遊技盤B13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(後述する検出センサB462)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図137参照)で特別図柄2の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置B37Bで示される。
なお、第2入賞口B640へは、入賞ユニットB400の内部を経由した球のみが入賞するよう構成され、入賞ユニットB400を介さない入賞が防止されるよう構成されているが、詳細は後述する。
また、第2入賞口B640の正面視下方には、球が入賞し得る第3入賞口B64bが配設されている。第3入賞口B64bへ球が入賞すると遊技盤B13の裏面側に設けられる第3入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第3入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図137参照)で特別図柄1の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置B37Aで示される。
なお、第3入賞口B64bへは、入賞ユニットB400の内部を経由した球のみが入賞するよう構成され、入賞ユニットB400を介さない入賞が防止されるよう構成されているが、詳細は後述する。
また、第1入賞口B64、第3入賞口B64b及び第2入賞口B640は、それぞれ、球が入賞すると、第1入賞口スイッチ、第3入賞口スイッチ又は第2入賞口スイッチがオンとなることに基づいて5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。
なお、本実施形態においては、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口B640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口B640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口B640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数や賞球数の大小関係を逆にしても良い。
第2入賞口B640(及び第3入賞口B64b)には電動役物B640aが付随されている。この電動役物B640aは、通常は電動役物B640aが非励磁状態(前進閉鎖状態)となって、球が第2入賞口B640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置B83に表示された場合、電動役物B640aが励磁状態(後退開放状態)となり、球が第2入賞口B640へ入賞しやすい状態となる。
特別図柄の特殊確変中は、通常状態に比較して、第2入賞口B640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口B64は、第2入賞口B640に設けられているような電動役物B640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口B64に球が入賞した場合と第2入賞口B640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(特別遊技状態における賞球個数)が得られる大当たり(大当たりA,a)となる確率は、第2入賞口B640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口B64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
よって、通常中においては、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの上流側に配置される電動役物B640aにより、遊技球が第2入賞口B640に入賞しづらいので、電動役物B640aのない第1入賞口B64へ球が到達し易い発射強度で球を発射し、第1入賞口B64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の特殊確変中や特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67に球を通過させることで、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの上流側に配置される電動役物B640aが動作制御された場合に電動役物B640aに球が拾われ易く、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bに入賞しやすい状態であるので、電動役物B640aへ球が到達し易い発射強度で球を発射し、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過させて電動役物B640aを動作させると共に、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへの入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機B10は、パチンコ機B10の遊技状態(特殊確変状態であるか、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか等)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を、第1入賞口B64に球が到達し易い発射強度での発射と、電動役物B640aへ球が到達し易い発射強度での発射とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中においては、電動役物B640aが特別図柄の通常状態と同様の作動パターンで駆動される。そのため、大当たり遊技中において第2入賞口B640や第3入賞口B64bに入球し難いよう構成することができる。
なお、本実施形態では、左側遊技領域B302を流下した球も、右側流下領域B303を流下した球も、第1入賞口B64又は電動役物B640aに到達し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口B64へは左側流下領域B302を流下した球のみが到達し、電動役物B640aへは右側流下領域B303を流下した球のみが到達するよう構成しても良い。
この場合、通常中においては、第1入賞口B64へ向けて、可変表示装置ユニットB80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口B64への入賞によって大当たりの抽選の機械を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の特殊確変中や特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67に球を通過させることで、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが動作制御された場合に電動役物B640aに球が拾われ易く、第2入賞口B640に入賞しやすい状態であるので、電動役物B640aが配置される側へ向けて、可変表示装置ユニットB80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)B67を通過させて電動役物B640aを動作させると共に、第2入賞口B640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
これにより、パチンコ機B10の遊技状態に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
また、この場合、「右打ち」を行うべき状況において、第3図柄表示装置B81に特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の(特殊)確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成しても良い。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置B81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤B13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
また、「左打ち」をすべき状況にも関わらず、遊技者が「右打ち」を実行している場合に、推奨される遊技態様と、実行中の遊技態様とが異なることを遊技者に対して報知できることが好ましい。例えば、第3図柄表示装置B81において警告画像を表示するようにしても良い。
この警告画像は、遊技者が遊技盤B13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置B81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
例えば、通常状態において電動役物B640aが第2入賞口B640に球を案内し難いよう制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口B640へと球を入球させにくい)パチンコ機を想定する。この場合、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口B64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成する。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置B81の画面に、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
右打ちを行っているか否かの判断方法としては、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)B67(図135参照)に対して球が入球したか否かによって判断するようにすれば良い。
また、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)B67(図135参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成することが容易だが、これに限られるものではない。例えば、大当たり遊技中や小当たり遊技中以外の状態において、特定入賞口B65aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置B65に負荷を与えて特定入賞口B65aを開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、大当たり遊技中や小当たり遊技中以外の状態において、特定入賞口B65aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機B10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニットB80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニットB80の最上位置(図135における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
本実施形態では、第1入賞口B64の下側には可変入賞装置B65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)B65aが設けられている。
パチンコ機B10においては、第2入賞口B640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で小当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置B37A又は第1図柄表示装置B37Bを点灯させる。加えて、その小当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置B81に表示させて、小当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技として、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65aが、所定時間(例えば、1.8秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
また、パチンコ機B10においては、第1入賞口B64、第3入賞口B64b、または第2入賞口B640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置B37A又は第1図柄表示装置B37Bを点灯させる。加えて、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置B81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置B65は、具体的には、特定入賞口B65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口B65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前方に傾倒させ、球が特定入賞口B65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。なお、第2特定入賞口B700aの開閉態様については後述する。
可変入賞装置B65は、入賞ユニットB400の内部を経由した球のみでなく、入賞ユニットB400には入球せずに入賞ユニットB400の左右外方を釘BKG1に案内されて流下する球も入球し得るように、横方向の長さが設計されている。即ち、特定入賞口B65aの横幅は、入賞ユニットB400の横幅よりも長くなるように設計されている。
入賞ユニットB400の内部に案内され易いか否かは、入賞ユニットB400よりも上流側に配設される釘BKG1の状態によって変化するが、本実施形態では、釘BKG1の状態によって、遊技者が有利になりすぎたり不利になりすぎたりすることを防止することができる(有利さのバランスをとることができる)。
即ち、例えば、入賞ユニットB400の内部に球が高い確率で案内され易い場合、入賞ユニットB400の内部を介して球が案内される第2入賞口B640や第3入賞口B64bに球を通過させて抽選を受ける時短中や、確変中においては、特別図柄の抽選を頻繁に受けることができ遊技者にとって有利となる。
一方で、大当たり遊技や小当たり遊技において可変入賞装置B65に球を入球させる場合には、入賞ユニットB400の内部に入った球は可変入賞装置B65に到達する前に第2入賞口B640や第3入賞口B64bに拾われてしまい、特定入賞口B65aにまで到達する球は少なくなる。加えて、入賞ユニットB400から逸れて、入賞ユニットB400の左右外方を流下する球も少ないとなれば、特定入賞口B65aへの入球により頻度よく賞球の払い出しを受けるという遊技には不利である。
また、例えば、入賞ユニットB400の内部に球が案内される確率が低い場合、入賞ユニットB400の内部を介して球が案内される第2入賞口B640や第3入賞口B64bに球を通過させて抽選を受ける時短中や、確変中においては、特別図柄の抽選を受ける間隔が長くなり易く、遊技効率の面から遊技者にとって不利となる。
一方で、大当たり遊技や小当たり遊技において可変入賞装置B65に球を入球させる場合には、入賞ユニットB400の内部に入る球自体が少ないので、第2入賞口B640や第3入賞口B64bに拾われてしまい、特定入賞口B65aにまで到達することができないという球自体が少なくなる。加えて、入賞ユニットB400から逸れて、入賞ユニットB400の左右外方を流下する球は多くなるので、特定入賞口B65aが開状態となった時に、多数の球を特定入賞口B65aに入球させ、多量の賞球の払い出しを受けることが期待できるので、遊技者にとって有利となる。
このように、釘BKG1の状態によって入賞ユニットB400の内部に球が案内され易い場合と球が案内され難い場合とが生じたとしても、釘BKG1の状態が、特別図柄の抽選を獲得し大当たりを目指す期間において遊技者にとって有利に働く場合には、大当たり遊技中において遊技者にとって不利に働かせることができる一方で、釘BKG1の状態が、特別図柄の抽選を獲得し大当たりを目指す期間において遊技者にとって不利に働く場合には、大当たり遊技中において遊技者にとって有利に働かせることができる。これにより、釘BKG1の状態によって、遊技者が有利になりすぎたり不利になりすぎたりすることを防止することができる(有利さのバランスをとることができる)。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが所定時間開放され、その特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aの開放中に、球が特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700a内へ入賞することを契機として特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
また、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aは2つに限るものではなく、1つや、3以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口B64の下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットB80の左右側や上側でも良い。
遊技盤B13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースBK1が設けられ、貼着スペースBK1に貼られた証紙等は、正面枠B14の小窓B35(図134参照)を通じて視認することができる。
遊技盤B13には、第1アウト口B71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口B63,B64,B64b,B65a,B640,B700aにも入賞しなかった球は、第1アウト口B71、左アウト口B71L又は右アウト口B71Rを通って図示しない球排出路へと案内される。
第1アウト口B71は、第1入賞口B64の下方に配設される。左アウト口B71Lは、特定入賞口B65aの左方に配設され、右アウト口B71Rは、特定入賞口B65aの右方に配設される。
本実施形態では、特定入賞口B65aの配置を遊技領域の下縁付近としているので、内レールB61と特定入賞口B65aとの間の隙間が狭い。そのため、特定入賞口B65aの左右外方において遊技領域の下縁を転動する複数の球が全て第1アウト口B71へ向かうように構成すると、内レールB61と特定入賞口B65aとの間に球詰まりが生じる可能性があり、遊技を中断させる要因となる。
これに対し、本実施形態では、左アウト口B71L及び右アウト口B71Rが配設されることで、特定入賞口B65aの左右外方において遊技領域の下縁を転動する球が第1アウト口B71へ向かう前に、その球を、左アウト口B71L又は右アウト口B71Rを通って図示しない球排出路へと排出することができる。これにより、内レールB61と特定入賞口B65aとの間で球詰まりが生じる事態を回避することができるので、遊技が中断することを回避することができる。
遊技盤B13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘BKG1が植設されているとともに、風車BWF等の各種部材(役物)とが配設されている。
図136に示すように、パチンコ機B10の背面側には、制御基板ユニットB90,B91と、裏パックユニットB94とが主に備えられている。制御基板ユニットB90は、主基板(主制御装置B110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置B113)と表示制御基板(表示制御装置B114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットB91は、払出制御基板(払出制御装置B111)と発射制御基板(発射制御装置B112)と電源基板(電源装置B115)とカードユニット接続基板B116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットB94は、保護カバー部を形成する裏パックB92と払出ユニットB93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置B110、音声ランプ制御装置B113および表示制御装置B114、払出制御装置B111および発射制御装置B112、電源装置B115、カードユニット接続基板B116は、それぞれ基板ボックスB100~B104に収納されている。基板ボックスB100~B104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスB100(主制御装置B110)および基板ボックスB102(払出制御装置B111および発射制御装置B112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスB100,B102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスB100,B102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスB100,B102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットB93は、裏パックユニットB94の最上部に位置して上方に開口したタンクB130と、タンクB130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールB131と、タンクレールB131の下流側に縦向きに連結されるケースレールB132と、ケースレールB132の最下流部に設けられ、払出モータB216(図137参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置B133とを備えている。タンクB130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置B133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールB131には、当該タンクレールB131に振動を付加するためのバイブレータB134が取り付けられている。
また、払出制御装置B111には状態復帰スイッチB120が設けられ、発射制御装置B112には可変抵抗器の操作つまみB121が設けられ、電源装置B115にはRAM消去スイッチB122が設けられている。状態復帰スイッチB120は、例えば、払出モータB216(図137参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみB121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチB122は、パチンコ機B10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図137を参照して、本パチンコ機B10の電気的構成について説明する。図137は、パチンコ機B10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置B110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPUB201が搭載されている。MPUB201には、該MPUB201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMB202と、そのROMB202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMB203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置B110では、MPUB201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置B37A,B37Bおよび第3図柄表示装置B81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機B10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置B111や音声ランプ制御装置B113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置B110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置B110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMB203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUB201の内部レジスタの内容やMPUB201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMB203は、パチンコ機B10の電源の遮断後においても電源装置B115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMB203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMB203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMB203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機B10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMB203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMB203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUB201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路B252からの停電信号BSG1が入力されるように構成されており、その停電信号BSG1がMPUB201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置B110のMPUB201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインB204を介して入出力ポートB205が接続されている。入出力ポートB205には、払出制御装置B111、音声ランプ制御装置B113、第1図柄表示装置B37A,B37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口B65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドB209が接続され、MPUB201は、入出力ポートB205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポートB205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチB208、電源装置B115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路B253が接続され、MPUB201は各種スイッチB208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路B253より出力されるRAM消去信号BSG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置B111は、払出モータB216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUB211は、そのMPUB211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMB212と、ワークメモリ等として使用されるRAMB213とを有している。
払出制御装置B111のRAMB213は、主制御装置B110のRAMB203と同様に、MPUB211の内部レジスタの内容やMPUB211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMB213は、パチンコ機B10の電源の遮断後においても電源装置B115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMB213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置B110のMPUB201と同様、MPUB211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路B252から停電信号BSG1が入力されるように構成されており、その停電信号BSG1がMPUB211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置B111のMPUB211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインB214を介して入出力ポートB215が接続されている。入出力ポートB215には、主制御装置B110や払出モータB216、発射制御装置B112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置B111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置B111に接続されるが、主制御装置B110には接続されていない。
発射制御装置B112は、主制御装置B110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルB51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットB112aを制御するものである。球発射ユニットB112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルB51に触れていることをタッチセンサB51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチB51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルB51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドルB51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置B113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)B226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部B29~B33、表示ランプB34など)B227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置B114で行われる第3図柄表示装置B81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUB221は、そのMPUB221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMB222と、ワークメモリ等として使用されるRAMB223とを有している。
音声ランプ制御装置B113のMPUB221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインB224を介して入出力ポートB225が接続されている。入出力ポートB225には、主制御装置B110、表示制御装置B114、音声出力装置B226、ランプ表示装置B227、その他装置B228、枠ボタンB22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置B113は、主制御装置B110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置B81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置B114へ通知する。また、音声ランプ制御装置B113は、枠ボタンB22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタンB22が操作された場合は、第3図柄表示装置B81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置B114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置B81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置B114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置B81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置B114は、この音声ランプ制御装置B113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置B81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置B113は、表示制御装置B114から第3図柄表示装置B81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置B113では、表示制御装置B114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置B81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置B226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置B227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置B114は、音声ランプ制御装置B113および第3図柄表示装置B81が接続され、音声ランプ制御装置B113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置B81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置B114は、第3図柄表示装置B81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置B113へ送信する。音声ランプ制御装置B113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置B226から音声を出力することで、第3図柄表示装置B81の表示と音声出力装置B226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置B115は、パチンコ機B10の各部に電源を供給するための電源部B251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路B252と、RAM消去スイッチB122(図136参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路B253とを有している。電源部B251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置B110~B114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部B251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチB208などの各種スイッチや、ソレノイドB209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置B110~B114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路B252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置B110のMPUB201および払出制御装置B111のMPUB211の各NMI端子へ停電信号BSG1を出力するための回路である。停電監視回路B252は、電源部B251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号BSG1を主制御装置B110および払出制御装置B111へ出力する。停電信号BSG1の出力によって、主制御装置B110および払出制御装置B111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部B251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置B110および払出制御装置B111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路B253は、RAM消去スイッチB122(図136参照)が押下された場合に、主制御装置B110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号BSG2を出力するための回路である。主制御装置B110は、パチンコ機B10の電源投入時に、RAM消去信号BSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置B111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置B111に対して送信する。
次いで、入賞ユニットB400の全体構成について説明する。図138は、入賞ユニットB400の正面斜視図であり、図139は、入賞ユニットB400の背面斜視図である。図138及び図139に示すように、入賞ユニットB400は、ベース板B60(図135参照)の開口部を塞ぐようにしてベース板B60の正面に締結固定される場合にベース板B60に螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通孔B411が穿設される板部材B410を備える。
即ち、板部材B410よりも正面側の部分は、ベース板B60(図135参照)とガラスユニットB16(図134参照)との間に配設される部分であり、板部材B410よりも背面側の部分は、ベース板B60のガラスユニットB16に対向する前側面よりも背面側に配設される部分である。
入賞ユニットB400の板部材B410は、上端部左右中央位置に、上方からの球を受け、その球を後方へ送球可能な形状で形成される球受部B412を備え、球受部B412から後方へ送球された球が遊技盤B13の第1入賞口B64(図135参照)に入球する。
入賞ユニットB400の内側に案内された球の内、一部の球は第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図135参照)に入賞するよう構成されている。その球は、入賞ユニットB400の内側において一度後方へ送球されてから、流下方向が前後逆転し、再び板部材B410の正面側に配置された後で、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ入賞するが、球の流下の詳細は後述する。
図140及び図142は、入賞ユニットB400の分解正面斜視図であり、図141及び図143は、入賞ユニットB400の分解背面斜視図である。図140及び図141では、電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)が図示され、図142及び図143では、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)が図示される。なお、非励磁状態と励磁状態とにおける電動役物B640aの配置の詳細については後述する。
図140から図143に図示されるように、入賞ユニットB400は、ベース板B60(図135参照)に締結固定される板部材B410と、その板部材B410の正面側に配設され板部材B410に締結固定される前意匠部材B420と、板部材B410の背面側に配設され板部材B410に締結固定される中段部材B430と、その中段部材B430の上側に配設され中段部材B430に締結固定される上段部材B440と、中段部材B430と上段部材B440との間において中段部材B430に前後スライド移動可能に支持され電動役物B640aを構成するスライド部材B450と、を備える。
板部材B410は、光透過性の樹脂材料から形成され、左右中央位置において球が通過可能の左右幅で上下方向に長い略矩形状で穿設される中央開口部B413と、その中央開口部B413の上端部よりも右上側においてスライド部材B450の前側先端部に乗った後の球が通過可能な大きさで穿設される球通過開口B414と、その球通過開口B414の下側に連続的に形成され球通過開口B414の左右幅よりも左右外側に拡大されスライド部材B450が挿通可能とされる摺動開口B415と、その摺動開口B415の下側に連続的に形成され中段部材B430の突出部B437aの外形に対応する略矩形状で穿設され突出部B437aが挿通支持される支持開口B416と、その支持開口B416の下側に連続的に形成され球が通過可能な左右幅で穿設される球排出開口B417と、を備える。
なお、球通過開口B414、摺動開口B415、支持開口B416及び球排出開口B417は、左右対称に構成されることから、左側の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
中央開口部B413は、中段部材B430の中央流路B431に案内され正面側へ流下した球が正面側に通過する開口である。また、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)では、球が背面側に通過して第2入賞口スイッチ(後述する検出センサB462)に案内される開口としても機能するが、詳細は後述する。
球通過開口B414は、板部材B410の正面側において非励磁状態(図138参照)におけるスライド部材B450に乗った球が通過可能となる開口である。即ち、スライド部材B450上に受け止められた球は球通過開口B414を通過することで板部材B410の背面側に案内される。
摺動開口B415は、スライド部材B450の前後動作時においてスライド部材B450の先端部B451を摺動させる態様で支持する開口である。板部材B410は、摺動開口B415の左右端部から、摺動開口B415の内側面の形状を維持しながら後方に延設されるスライド支持部B418を備える。これにより、摺動開口B415よりも後方位置でスライド部材B450を支持することができるので、スライド部材B450が摺動開口B415の前後幅以上の変位幅でスライド変位する場合であっても、スライド部材B450の変位を安定させることができる。
支持開口B416を通して、中段部材B430の突出部B437aが正面側に張り出される。中段部材B430の突出部B437aには、板部材B410よりも前側において球の通過を検出可能な検出センサB435の開口B435aが配設されている。即ち、非励磁状態のスライド部材B450に受け止められた球の内、スライド部材B450が励磁状態とされる前に球通過開口B414を通過しなかった球は、その真下において支持開口B416の前側に配設される開口B435aを通過する。
球排出開口B417は、支持開口B416の前側に配設される開口B435aを通過した球の通過を許容して、背面側に送球するための開口部である。
前意匠部材B420は、光透過性の樹脂材料から形成され、意匠面を構成する前板部B421と、その前板部B421の左右中央位置上端部において球受部B412の下縁部を受け入れ可能な形状で背面側に突設形成される接合部B422と、その接合部B422の下端部から左右一対で下方に延設される一対の仕切り板B423と、その仕切り板B423の下側部において中段部材B430の突出部B437aを支持可能な高さ位置で左右外方に突出形成される支持部B424と、その支持部B424よりも下側において球の流下経路を構成する湾曲壁として前板部B421から後方に突出形成される湾曲壁部B425と、接合部B422の上縁部から左右外側へ向けて突設形成され球の流下方向を変化可能に形成される左右一対の軒部B426と、その軒部B426よりも左右外側かつ下側において前板部B421の後側面から後側に突設形成される左右一対の球案内突条B427と、を備える。
前意匠部材B420が光透過性の樹脂材料から形成されていることから、前板部B421が前側から覆う態様であっても、前板部B421を通してその背面側の構成や、流下する球を視認することができる。即ち、電動役物B640a(スライド部材B450や、傾倒部材B470)の状態や、前板部B421の背面側における球の流下態様を、遊技者は視認することができる。
接合部B422が、板部材B410の球受部B412の下縁との継ぎ目が目立たないように球受部B412を受入可能な形状から形成されているので、球受部B412と前板部B421とを正面視で一体的に見せることができる(図138参照)。
そのため、球受部B412と前板部B421とに別々の意匠を形成する設計ばかりでなく、球受部B412と前板部B421とを組み合わせて完成する意匠を形成するよう設計しても良い。
接合部B422は、板部材B410の正面側における球の流下方向を制限する機能をも有している。即ち、非励磁状態のスライド部材B450上に受け止められた球が左右内側に流下する勢いで、直接左右中央位置に流れ込むことは、接合部B422と衝突することにより防止される。即ち、スライド部材B450上に受け止められた球の流下経路は、スライド部材B450の状態と、接合部B422とにより制限されることになる。
そのため、非励磁状態のスライド部材B450に受け止められた球はスライド部材B450に乗って後方へ案内されるか、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられることで、支持開口B416の前側に配設される開口B435aへ案内されることになる。
仕切り板B423は、板部材B410の正面側における球の流下方向を制限する機能を有している。即ち、仕切り板B423が配設されることにより、中央開口部B413を正面側に通過した球が左右外側に排出されることを防止して、専ら下方に流下するように球の流下経路を制限している。
湾曲壁部B425は、球の流下経路が左右外側へ流れるように形成されている。これにより、湾曲壁部B425に案内されて球排出開口B417を通り後方へ流れる球と、中央開口部B413を通り後方へ流れる球と、を正面視で区別し易くしている。
また、球の流下経路が左右外側へ流れないよう形成される場合と異なり、中央開口部B413の前後位置と球排出開口B417の前後位置との左右間隔を空けることで、特定の部材を配置するスペースを確保することができる。なお、本実施形態では、電動役物B640aに駆動力を伝達させるための部材(第1部材B481)を配置するためのスペース(受入凹部B465)が形成されるが、詳細は後述する。
軒部B426は、上側面が、接合部B422の上側面と同一傾斜の平滑面として形成され、接合部B422の左右側上側面に乗った球の流下方向を左右外側方向へ切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
球案内突条B427は、スライド部材B450に乗った球の内、検出センサB435の開口B435aへ向けて流下する球の流下経路に沿って形成されており、流下する球と接触する部分として機能する。
これにより、長期間使用して球と擦れることにより前板部B421の後側面が摩耗してすり減る場合であっても、球案内突条B427の先端部からすり減らすことができるので、球と前板部B421の後側面との接触面積を小さいまま維持することができる。
また、前意匠部材B420は光透過性の樹脂材料から形成されているので、正面側に生じるか背面側に生じるかに寄らず、擦り傷により透過の程度が低下する。換言すれば、擦り傷が発生する面積が大きいほど、前意匠部材B420を通して前意匠部材B420の後ろ側に配設される部材を視認し難くなる。本実施形態では、前意匠部材B420の背面側を流下する球の視認性を確保するために、前意匠部材B420の透過の程度を高く維持しておくことが望ましい。
これに対し、本実施形態では、擦り傷の発生箇所を、球案内突条B427に限定することができるので、前意匠部材B420に生じる擦り傷を最低限に抑え、且つ、流下する球の視認性を確保することができる。
中段部材B430は、スライド部材B450を下支えする部材であって、スライド部材B450に左右方向から挟まれる位置に形成される中央流路B431と、非励磁状態におけるスライド部材B450の下側に配設される左右一対の検出センサB435と、を備える。
中央流路B431は、球の直径よりも若干長い左右幅で形成され正面側へ向けて下降傾斜する底面部B431aと、底面部B431aの左右において球の通過を防止するように上方へ立設される左壁部B432及び右壁部B433と、底壁部431aの後方において球の通過を防止するように上方へ立設される後壁部B434と、を備える。
左壁部B432は、後壁部B434との間に球の直径よりも若干長い前後幅の隙間B432aを確保するよう構成され、右壁部B433は、後壁部B434との間に球の直径よりも若干長い前後幅の隙間B433aを確保するよう構成される。
隙間B433aは、隙間B432aよりも正面側にずれた位置に配置されている。本実施形態では、隙間B432aの前側端部と隙間B433aの後側端部との前後方向位置がおおよそ合致するよう隙間B432a,B433aが配設される。
左壁部B432は、後端部から上半部が切り欠かれたような形状で位置合わせ部B432bが形成される。右壁部B433は、後端部から上半部が切り欠かれたような形状で位置合わせ部B433bが形成される。位置合わせ部B432b,B433bは、上段部材B440を中段部材B430に組み付ける際の位置合わせに利用されるが、詳細は後述する。
左壁部B432は、後側部において、中央流路B431に面する右側面は平滑面とされる一方で、中央流路B431に面していない左側面に前側部よりも左右幅が短くなるよう切欠き部B432cが形成される。
右壁部B433は、後側部において、中央流路B431に面する左側面は平滑面とされる一方で、中央流路B431に面していない右側面に前側部よりも左右幅が短くなるよう切欠き部B433cが形成される。
切欠き部B432c,B433cは、同様の前後幅で形成され、スライド移動時のスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aとの干渉を回避するよう機能するが、詳細は後述する。
後壁部B434は、隙間B432a,B433aの後端部を結ぶ湾曲壁部として形成される。これにより、隙間B432aを通過して後壁部B434に当接した球を、正面側へ滑らかに方向転換させることができる。
検出センサB435は、球の通過が検出されても図柄の抽選を伴わない検出センサとして構成される。即ち、球が検出センサB435を通過した場合に、特別図柄の抽選も普通図柄の抽選も実行されず、賞球の払い出しが実行される。本実施形態では、検出センサB435に1個の球の入賞が検出されることに対応して、5個の賞球が払い出されるよう制御される。
上段部材B440は、光透過性の樹脂材料から形成され、球受部B412に受け入れられた球が流下するための後方へ下降傾斜する流路を構成する上側流路構成部B441と、その上側流路構成部B441を流下した球を検出する検出センサB442と、上側流路構成部B441の上蓋として締結固定され検出センサB442を上側流路構成部B441に固定するための上蓋部材B443と、少なくとも中段部材B430の中央流路B431の天井部を構成する天井構成部B444と、スライド部材B450の上面を転動する球の流下を案内する左側壁部B445及び右側壁部B446と、を備える。
上段部材B440が光透過性の樹脂材料から形成されていることで、ベース板B60を介して入賞ユニットB400を見下ろす遊技者視線において、上段部材B440の下側にある球流路(中央流路B431及びスライド部材B450に案内される流路)を、上段部材B440越しに視認させることができる。即ち、遊技者は、スライド部材B450上を転動し、中央流路B431を流下する球を視認することができる。
検出センサB442は、第1入賞口B64(図135参照)に入球した球を検出する。即ち、球が検出センサB442を通過した場合に、特別図柄1の抽選が実行され、賞球の払い出しが実行される。
上蓋部材B443は、左側へ球が流れる経路が左側壁部B445の後端部よりも後側に配置されている。これにより、上側流路構成部B441を流下する球が左壁部445により案内される流路の上側に配置される事態が生じることを回避することができる。これにより、左壁部445により案内される球の視認性が、上側流路構成部B441を流下する球により低下することを回避することができる。
左側壁部B445は、前後方向に延び、後方端部で左右中央側へ向けて湾曲する壁部として形成される。湾曲部分の左右中央側の先端部の前後位置は、中段部材B430の後壁部B434の左側端部の前後位置と合致する。
右側壁部B446は、前後方向に延び、後方端部で左右中央側へ向けて湾曲する壁部として形成される。湾曲部分の左右中央側の先端部の前後位置は、中段部材B430の後壁部B434の右側端部の前後位置と合致する。
即ち、左側壁部B445及び右側壁部B446は共に、中段部材B430の隙間B432a,B433aの後端部を形成する後壁部B434と連なるように形成され、隙間B432a,B433aに球を案内するよう構成されている。つまり、左側壁部B445の後端部よりも、右側壁部B446の後端部の方が、正面側にずれた位置に配置されている。
スライド部材B450は、非透過性の樹脂材料から形成され、左右一対の先端部B451と、その先端部B451の左右内側部から後方に延設される左案内板部B452及び右案内板部B453と、左案内板部B452及び右案内板部B453を後方端部において連結固定する中央固定部B454と、を備える。
スライド部材B450が非透過性の樹脂材料から形成されることにより、スライド部材B450の下側を流下する球(例えば、下段部材B460の左右経路B463を流下する球)をスライド部材B450により隠す(見え難いように遮蔽する)ことができる。これにより、中段部材B430が光透過性の樹脂材料から形成される場合においても、スライド部材B450上を転動する球と、スライド部材B450の下側を流下する球(例えば、下段部材B460の左右経路B463を流下する球)とが、遊技者目線(入賞ユニットB400を正面側から斜め下方向に見下ろす目線)方向で重なって見える事態の発生を回避することができる。
一対の先端部B451は、中央流路B431を挟んで左右対称形状に形成されると共に、中央流路B431を挟んで左右対称の位置に配置され、水平に対する同角度で左右一対が左右内側へ向けて下降傾斜し、且つ、後側へ向けて左右一対が同角度で下降傾斜する姿勢の板状に形成されている。
左案内板部B452及び右案内板部B453は、先端部B451の傾斜に従いながら後方へ延設されており、その延設長さは、左案内板部B452の方が右案内板部B453よりも長い。従って、後端部における上下位置は、左案内板部B452の方が、右案内板部B453よりも低い。
左案内板部B452は、後側略半部の右縁部付近に、板上面の右方へ向けた下降傾斜の程度が大きくなるように形成される傾斜面部B452aを備える。また、右案内板部B453は、後側略半部の左縁部付近に、板上面の左方へ向けた下降傾斜の程度が大きくなるように形成される傾斜面部B453aを備える。
傾斜面部B452a,B453aは、スライド部材B450が、非励磁状態か、励磁状態かに関わらず、隙間B432a,B433aに対して左右方向で対向配置されるのに十分な前後幅で形成される。
即ち、スライド部材B450の上面を転動する球が隙間B432a,B433aを通過するタイミングにおいて、スライド部材B450が非励磁状態か、励磁状態かに関わらず、球を傾斜面部B452a,B453aの傾斜に沿って流すことができるので、流下方向を左右内側へ向く方向に寄せることができる。
右案内板部B453の方が延設長さを短くされることから、右案内板部B453の後側にスペースを確保することが可能である。本実施形態では、その空いたスペースに電動役物B640aを駆動するためのソレノイドBSOL41を配設することで、入賞ユニットB400をソレノイドBSOL41の収まりよく(上面視で略正方形となる形状で)構成することができる。
なお、傾斜面部B452a,B453aの形成幅(左右幅)は任意に設定可能とされる。例えば、中央流路B431の底面部B431aの上方側まで張り出し、上面視で部分的に重なるように構成しても良い。この場合、球の流下をスムーズにすることができる。
図144及び図146は、入賞ユニットB400の分解正面斜視図であり、図145及び図147は、入賞ユニットB400の分解背面斜視図である。図144から図147では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、中段部材B430よりも下層の部材についても分解して図示される。また、図144及び図145では、入賞ユニットB400を斜め上から視認する状態が図示され、図146及び図147では、入賞ユニットB400を斜め下から視認する状態が図示される。
入賞ユニットB400は、中段部材B430の下側に配設され中段部材B430に締結固定される下段部材B460と、中段部材B430と下段部材B460との間において下段部材B460に前後傾倒可能に支持され電動役物B640aを構成する傾倒部材B470と、ソレノイドBSOL41の駆動力をスライド部材B450及び傾倒部材B470に伝達する伝達部材B480と、を備える。
まず、図144から図147を参照して、入賞ユニットB400の、板部材B410、前意匠部材B420、中段部材B430、上段部材B440及びスライド部材B450の構成について追加の説明をする。
前意匠部材B420は、一対の仕切り板B423の左右中間位置から左右外側に若干ずれた位置において、球の流下を案内する一対の突条部として形成される球案内突条B428を備える。
球案内突条B428の突設先端部(後端部)は、前側へ向けて下降傾斜する形状とされているので、後側から到達した球が案内される場合に、球に下向きの負荷を与えやすくすることができ、球が後側に跳ね返ることを回避し易くすることができる。
球案内突条B428は、板部材B410の中央開口部B413を正面側に通過した球の流下経路に沿って形成されており、流下する球と接触する部分として機能する。球案内突条B428は、流下する球の左右中心よりも左右外側にずれた一対の突条から形成されている。これにより、球案内突条B428の左右内側角部に球が接触し易くすることができるので、球案内突条B428の摩耗が角部から生じるようにすることができる。これにより、球案内突条B428の左右中央部の破損を抑制することができる。
これにより、長期間使用して球と擦れることにより前板部B421の後側面が摩耗してすり減る場合であっても、球案内突条B428の先端部からすり減らすことができるので、球と前板部B421の後側面との接触面積を小さいまま維持することができる。
また、前意匠部材B420は光透過性の樹脂材料から形成されているので、正面側に生じるか背面側に生じるかに寄らず、擦り傷により透過の程度が低下する。換言すれば、擦り傷が発生する面積が大きいほど、前意匠部材B420を通して前意匠部材B420の後ろ側に配設される部材を視認し難くなる。本実施形態では、前意匠部材B420の背面側を流下する球の視認性を確保するために、前意匠部材B420の透過の程度を高く維持しておくことが望ましい。
これに対し、本実施形態では、擦り傷の発生箇所を、球案内突条B428に限定することができるので、前意匠部材B420に生じる擦り傷を最低限に抑え、且つ、流下する球の視認性を確保することができる。
中段部材B430は、左壁部B432及び右壁部B433よりも左右外側に延設され検出センサB435を上側から押さえて支える支持延設部B436と、検出センサB435を乗せる板形状部材であって支持延設部B436が左右端部において締結固定されるベース板B437と、を備える。
左壁部B432及び右壁部B433の間に配置される底面部B431aの反対面側(下面側)において、後端側寄りの位置から鉛直下方に向けて係止板部B431bが板状に突設される。係止板部B431bは、スライド部材B450の移動終端を規定する部分として機能するが、詳細は後述する。
支持延設部B436は、上側面が前後方向に沿う平滑面として形成され、検出センサB435の開口B435aの上方を開放し球が通過可能な矩形状で穿設される開口部B436aと、上側面に左右方向に延びる態様で上方へ向けて突設形成される突条部B436bと、を備える。
突条部B436bは、中段部材B430の組立状態(図142参照)において前側面が検出センサB435の開口B435aの縁部と滑らかに連通する位置に配設される。これにより、スライド部材B450の励磁状態(図142参照)において先端部B451の正面側を下方に流れる球が先端部B451と検出センサB435との隙間に入り込んでしまい、意図せず流下が滞ることを回避することができる。即ち、突条部B436bにより球の流下を案内することができ、球の流下を滑らかにすることができる。
また、突条部B436bは、スライド部材B450の非励磁状態(図140参照)において、先端部B451と左案内板部B452又は右案内板部B453とのつなぎ目の真下に配置される。そのため、先端部B451に球が乗った場合に、その球の重みで先端部B451と左案内板部B452又は右案内板部B453とが前倒れする方向に撓み変形する事態になったとしても、先端部B451と左案内板部B452又は右案内板部B453とのつなぎ目を突条部B436bで下から支えることができるので、上記撓み変形を抑制することができる。
ベース板B437は、所々、上下方向に穿設されることで開口部が形成される。即ち、検出センサB435を配設させるために前側に突出形成される突出部B437aには、検出センサB435の開口よりも大きな開口が検出センサB435の開口を塞がない配置で穿設され、右後端部では、嵌合支持されるソレノイドBSOL41の下側部においてソレノイドBSOL41のプランジャ―BSOL41aを貫通させるための開口部B437bが形成され、中央後端部では、伝達部材B480の第2部材B485を貫通させ変位を許容するために十分な前後幅の開口部B437cが形成される。
ベース板B437は、下側面において、傾倒部材B470に駆動力を伝達する伝達部材B480の第1部材B481を受け入れるための部分として前後方向に延びる受入凹部B437dと、下段部材B460に案内される球の経路の天井を構成し後方へ向けて下降傾斜する傾斜面部B437eと、その傾斜面部B437eの左右端部から下方に延設される一対の延設壁の前端部において後方へ向けて下降傾斜する傾斜ストッパB437fと、を備える。
傾斜ストッパB437fにより、傾倒部材B470の非励磁状態における姿勢を真上に起立する姿勢よりも若干傾斜した姿勢に設定しつつも、球の経路を塞ぐことができるので、傾倒部材B470の開閉角度を小さく抑えることができる。これにより、傾倒部材B470の開閉動作に要する時間を短縮できることから、球噛みの発生を抑えることができるが、詳細は後述する。
上段部材B440の天井構成部B444は、中段部材B430の底面部B431aと上下方向で対向配置され前方へ向かう程上昇傾斜する傾斜面部B444aと、その傾斜面部B444aよりも左右両側に配置される部分の後端部から断面L字形状で下方へ延設される一対の延設部B444bと、を備える。
傾斜面部B444aは、中央流路B431の天井部を構成しており、傾斜面部B444aが前方へ向かう程上昇傾斜していることから、中央流路B431の断面積(開口面積)が前方へ向かう程大きくなる。即ち、下流側へ向かう程に流路面積が大きくなるので、中央流路B431を前方へ向けて流れるという流下態様において、球詰まりの発生を抑制することができる。
延設部B444bは、上段部材B440を中段部材B430に組み付ける場合に、後端部の左右内側端部を中段部材B430の位置合わせ部B432b,B433bに係合させることで位置合わせ可能に設計されている。
このように組み付けることで、延設部B444bの後側面の前後位置が、左壁部B432及び右壁部B433の後端部(隙間B432a,B433aの前端)の前後位置と一致する。即ち、延設部B444bには、前後方向で対向配置される左側壁部B445又は右側壁部B446との間に隙間B444cが設けられ、この隙間B444cは、隙間B432a,B433aの真上に配置され隙間B432a,B433aと連続的につながるよう構成される。
換言すれば、球が通過する開口の下側部を隙間B432a,B433aが構成し、その隙間B432a,B433aが下側部を構成する開口の上側部は、隙間B444cにより構成される。これにより、隙間B432a,B433aの上側部が開放され、球が跳ねた場合には隙間B432a,B433aを飛び越えて球が流下できる場合と異なり、球が隙間B432a,B433a,B444cから外れた位置を通過することを防止することができる。
スライド部材B450は、前後方向に延びる態様で左案内板部B452及び右案内板部B453の下側面から下方に突設形成される一対の突条部B455を備える。突条部B455は、左右幅が左案内板部B452や右案内板部B453の左右幅よりも細く設計され、突設端部(下端部)が、スライド部材B450の移動方向(前後方向)に沿う形状とされている。
スライド部材B450の前後移動時には、突条部B455が中段部材B430の支持延設部B436に下支えされるが、この場合に、スライド部材B450と支持延設部B436との接触面積を抑えることができるのでスライド部材B450の移動抵抗を抑えることができると共に、左案内板部B452や右案内板部B453が上面に乗る球の重さによる前倒れ変位(変形)を抑制することができる。
突条部B455は、左案内板部B452及び右案内板部B453に沿って形成され、リブとして機能することで、前後方向に長尺の左案内板部B452及び右案内板部B453の剛性を高めることができる。
突条部B455は、先端部B451よりも後方に配設される。換言すれば、先端部B451の下側面に突条部B455は形成されておらず、先端部B451の剛性までを高めるものではない。
これにより、スライド部材B450の弾性変形のし易さを、部位ごとに変化させることができる。即ち、先端部B451は、ある程度の弾性変形は許容するよう構成することで、例えばスライド部材B450が前方へ移動する場合に、スライド部材B450の前端部と前意匠部材B420との間に球が噛み込んだとしても、先端部B451の弾性変形および弾性回復により生じる負荷により球の噛み込みを早期に解消することができる。
先端部B451が弾性変形する場合に、左案内板部B452及び右案内板部B453までもが弾性変形すると、左案内板部B452及び右案内板部B453が前後方向に長尺な形状であることも影響し、左案内板部B452及び右案内板部B453の上面を流下する球の流下経路の断面積が狭められる可能性がある。
この場合、既に球通過開口B414を通過済みであって左案内板部B452又は右案内板部B453の上面を転動する球の流下抵抗が大きくなり、左案内板部B452又は右案内板部B453の上面を球が通過する時間が通常より長くなる要因となり得る。
これに対し、本実施形態では、左案内板部B452及び右案内板部B453には突条部B455が形成されており、その突条部B455がリブとして機能することで左案内板部B452及び右案内板部B453までもが弾性変形することを回避することができる。これにより、左案内板部B452及び右案内板部B453の上面を流下する球の流下経路の断面積の大きさを維持することができ、左案内板部B452又は右案内板部B453の上面を球が通過する時間を管理し易くすることができる。
従って、先端部B451が弾性変形し易いことによる効果と、左案内板部B452及び右案内板部B453が弾性変形し難いことによる効果と、の両方を同時に奏することができる。
次に、入賞ユニットB400の、板部材B410、前意匠部材B420、中段部材B430、上段部材B440及びスライド部材B450以外の構成について説明する。
下段部材B460は、球の転動経路を複数構成する。即ち、下段部材B460は、傾倒部材B470に拾われた球を転動させる中央経路B461と、検出センサB435を通過した球を転動させる左右経路B463と、を備える。中央経路B461を転動した球は、その後方に配設される検出センサB462に通過を検出される。
検出センサB462は、第2入賞口B640(図135参照)に入球した球の通過を検出する。即ち、球が検出センサB462を通過した場合に、特別図柄2の抽選が実行され、賞球の払い出しが実行される。
また、下段部材B460は、傾倒部材B470を傾倒可能に軸支する受部の下半部を構成する軸受部B464と、傾倒部材B470に駆動力を伝達する伝達部材B480の第1部材B481を受け入れるための部分として前後方向に延びる受入凹部B465と、スライド部材B450に駆動力を伝達する伝達部材B480の第2部材B485を傾倒可能に軸支する受部の下半部を構成する軸受部B466と、を備える。
軸受部B464は、上方が開放される凹部として構成され、傾倒部材B470の被支持突部B473が配置された状態で中段部材B430が下段部材B460に締結固定されることで、軸受部B464と中段部材B430とによって傾倒部材B470が傾倒可能に軸支される。
受入凹部B465は、前後方向に長い第1部材B481を受け入れるために前後方向に十分に長く、且つ、第1部材B481の上下方向変位を許容するために十分な深さを有する領域として、中央経路B461と左右経路B463との間の位置に形成される。受入凹部B465から第1部材B481が脱落することが防止されることで、第1部材B481の左右方向への変形を抑制することができる。
軸受部B466は、上方が開放される凹部として構成され、伝達部材B480の第2部材B485が配置された状態で中段部材B430が下段部材B460に締結固定されることで、軸受部B466と中段部材B430とによって第2部材B485が傾倒可能に軸支される。
傾倒部材B470は非励磁状態では、図144に示すように起き上がり、中央経路B461側への入球を規制する姿勢とされる一方、励磁状態では傾倒変位し(図142参照)、中央経路B461側への入球を許容する姿勢とされる。
傾倒部材B470は、先端へ向かう程に緩やかに内巻き(上向き)に湾曲する板状部B471と、その板状部B471の下端部において左右方向に円柱形状で突設される一対の円柱部B472と、その円柱部B472の左右端部から円柱部B472と同軸かつ円柱部B472よりも小径の円柱形状で突設される被支持突部B473と、右側の円柱部B472の外周部から側面視でC字形状に延設され伝達部材B480の第1部材B481と当接して負荷伝達を受ける被伝達部B474と、を備える。
板状部B471は、球の直径程度の左右幅で形成されており、複数の球が同時に着地することを防止できるように構成される。
円柱部B472は、被支持突部B473と同様に、下段部材B460に回転可能に軸支される部分である。円柱部B472が構成されることで、回転時の摺動負荷や、球からの負荷により生じる重力方向の負荷を受け持つ面積を確保することができるので、被支持突部B473だけで軸支される場合に比較して、機械的な摩耗を抑えることができる。
伝達部材B480は、後端部においてプランジャ―BSOL41aが左右方向で差し込まれることで上下方向での脱落が規制されるよう構成される第1部材B481と、その第1部材B481と連動する第2部材B485と、を備える。
プランジャ―BSOL41aがベース板B437の開口部B437bにより上下方向を除く前後左右への移動が制限されており、そのプランジャ―BSOL41aが左右方向で差し込まれる第1部材B481は、受入凹部B465により左右方向への移動が制限されることから、第1部材B481とプランジャ―BSOL41aとが左右方向で脱落する等して連結が解除されることを防止し易くすることができる。
ソレノイドBSOL41の励磁状態が切替られプランジャ―BSOL41aが上下方向に変位することで、第1部材B481は、上下方向に変位し、第2部材B485は、前後に傾倒する方向で変位するが、詳細は後述する。
図148(a)は、入賞ユニットB400の正面図であり、図148(b)は、図148(a)の矢印CXLVIIIb方向視における入賞ユニットB400の側面図であり、図148(c)は、図148(a)の矢印CXLVIIIc方向視における入賞ユニットB400の上面図である。
図148(a)から図148(c)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示される。また、図148(b)及び図148(c)には、入賞ユニットB400が組み付けられるベース板B60の前後側面の位置が想像線で図示される。本実施形態では、ベース板B60の前側面の正面側を流下した球が、入賞ユニットB400に到達する。
図148(c)に示すように、電動役物B640aの非励磁状態では、軒部B426よりも左右外側にスライド部材B450の先端部B451が配置され、その先端部B451は、図148(b)に示すように後方へ向けて下降傾斜している。
そのため、ベース板B60の正面側を流下する球が球受部B412から逸れて、軒部B426を介して先端部B451に乗った球や、軒部B426を介さず直接的に先端部B451に乗った球(飛び込み球)は、先端部B451の傾斜に沿って後方に寄せられる。そして、球が球通過開口B414(図144参照)を通過可能な位置に到達した場合には、先端部B451の傾斜に沿ってスライド部材B450の上面を伝って左案内板部B452又は右案内板部B453側へ流れる。
図149(a)及び図149(b)は、図148(c)のCXLIXa-CXLIXa線における入賞ユニットB400の断面図である。図149(a)では、電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の非励磁状態が図示され、図149(b)では、電動役物B640aの励磁状態が図示される。また、図149(a)及び図149(b)では、ベース板B60に植設される一部の釘BKG1が図示される。
スライド部材B450の状態の切り替えは、前後方向へのスライド移動であり、正面視で非励磁状態と励磁状態との違いを判別し難いよう構成される。これにより、スライド部材B450へ向けて流下する遊技球がスライド部材B450の上面を転動するか先端部B451の正面側を下方へ流れるかを予想し難くすることができる。
傾倒部材B470の状態の切り替えは、傾倒動作であり、非励磁状態と励磁状態との違いを判別し易いよう構成される。これにより、球が第2入賞口B640(図135参照)に入球し得る状態か否かの判別を容易とすることができる。
図149(a)及び図149(b)を参照して、入賞ユニットB400に到達する球の流下態様について説明する。なお、図149(a)及び図149(b)で図示される断面において入賞ユニットB400は左右対称形状から形成されるので、左右片側での説明に留め、反対側の説明は省略する。
図149(a)に示すように、球受部B412を逸れて流下する球は、例えば軒部B426を介して流れる経路BDR1で流下する。この場合、軒部B426に遮られることで球通過開口B414への最短距離で球が流下することはなく、先端部B451上での滞在時間が延ばされる。また、軒部B426の傾斜により左右外側への速度成分を有して流下するので、スライド部材B450に着地して跳ねた後の球は、左右外側へ向けて跳ね返り易い。
これに対して、本実施形態では、スライド部材B450の上面が左右内側へ向けて下降傾斜していることから、球の跳ね返りの方向を左右内側に寄せることができる。これにより、経路BDR1で流下した球がスライド部材B450の先端部B451の左右外側に零れる事態を回避し易くすることができる。
更に、本実施形態では、スライド部材B450の先端部B451を左右外側へ向けて流れる球と対向する位置に釘BKG1が植設されている。そのため、球が先端部B451の左右外側へ向けて流れた場合であっても、勢いの大きな球ほど、釘BKG1との衝突によりスライド部材B450側に戻り易いようにすることができる。先端部B451の左右外側へ向けて球が流れた場合に、その球の勢いが不十分であると、釘BKG1との衝突によっても跳ね戻らず、釘BKG1とスライド部材B450の先端部B451との間を球が流下することになる。
経路BDR1とは異なる経路で流下する場合も、釘BKG1の配置との影響から、通常は経路BDR1がスライド部材B450に到達する地点と同一の地点BDR1aに到達し、スライド部材B450に案内される。
スライド部材B450の上面を転動する球と対向配置される位置に連なって植設される釘BKG1の上を流下して地点BDR1aに到達する球は、スライド部材B450の先端部B451が釘BKG1側に張り出して形成されていることから、スライド部材B450の先端部B451と釘BKG1との間に脱落することが抑制される。
なお、釘BKG1で跳ね飛ばされた球が先端部B451の左右内側部(球通過開口B414の前方位置)へ向かって飛ぶ場合もあるが、その球と軒部B426とが衝突し易いよう軒部B426の配置が設計されている。即ち、本実施形態では、球が釘BKG1で跳ね飛ばされることによるイレギュラーな流下態様においても、球が地点BDR1aを経由せずに球通過開口B414の前方位置に到達する事態の発生を抑制している。本実施形態では、釘BKG1で跳ね飛ばされて、地点BDR1aを経由せずに球通過開口B414の前方位置に到達する球の頻度は、釘BKG1で跳ね飛ばされる球の10個に1個程度となるように調整して設計される。
図149(b)に示すように、電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の励磁状態において球が経路BDR1で流下する場合、球はスライド部材B450に着地することはなく、軒部B426の傾斜により生じた左右方向の速度成分を維持しつつ流れる。
スライド部材B450の先端部B451の左右外側への張出代がない分、釘BKG1との間の隙間を狭くする作用を見込むことができず、球は開口部B436aの左右外方へ逸れて流下する。また、上述した軒部B426の設計から、球が釘BKG1で跳ね飛ばされることによるイレギュラーな流下態様で、球が球通過開口B414の前方位置に到達する事態の発生は抑制されており、球が検出センサB435の開口B435aを通過する事態の発生が抑制されている。
即ち、経路BDR1に例示されるように球が流下する場合、スライド部材B450の非励磁状態であれば球は先端部B451の上面を左右内側へ案内され易く、スライド部材B450の励磁状態でれば球は検出センサB435の開口B435aに直接入球する事態は生じ難く、前意匠部材B420の左右外側を流下し易い。
次いで、非励磁状態のスライド部材B450の先端部B451に乗った後の球の流下態様について説明する。スライド部材B450の先端部B451に乗った球が、先端部B451の傾斜に沿って左右内側へ向けて流れ、球通過開口B414を通過するまでスライド部材B450が非励磁状態で維持される場合には、その球は問題なく先端部B451よりも後側へ流れ、第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図135参照)に入球する可能性が高まる。
それ以外の場合として、球が先端部B451に乗っている間にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられる場合を説明する。
図149(a)の球配置BB1は、スライド部材B450の左右外側端部に乗っている状態として図示される。球配置BB1に球がある場合にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、その球の後方は板部材B410により遮られているので、スライド部材B450の移動と共にその球が後方に移動することはできず、その球は前意匠部材B420の左右外側を流下する。
図149(b)の球配置BB2は、中段部材B430の開口部B436aの左右外側縁部の上方に球の中心が配置される状態として図示される。球配置BB2に球がある場合にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、その球の後方は板部材B410により遮られているので、スライド部材B450の移動と共にその球が後方に移動することはできない。
一方で、前意匠部材B420の左右外側を流下するか、開口部B436a側へ流下するかは、その時の球の勢いや、球の中心位置の偏りにより変化する。開口部B436a側へ流下した球は検出センサB435の開口B435aを通過し、遊技者には賞球の払い出しが行われる。
そのため、球配置BB2に球がある時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合の球の行方は不確定であり、且つ、球の行方次第で遊技者が得られる利益が変化するので、球配置BB2に球がある時のスライド部材B450に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
図149(b)の球配置BB3は、球通過開口B414の正面に球が配置される状態として図示される。球配置BB3に球がある場合にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、その球の後方は球通過開口B414で開放されているので、スライド部材B450の移動と共にその球がスライド部材B450から受ける負荷により後方に移動する(スライド部材B450により押し込まれる形で後方に移動する)。
即ち、球配置BB3に球が配置される時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられたとしても、その球(1個のみ)については、球通過開口B414の後方へ流下させることができる。この場合において、スライド部材B450の先端部B451の上側面は後方へ向けて下降傾斜しているので、スライド部材B450の移動中に球が前側に零れることを防止し易くすることができる。
なお、本実施形態によれば、球配置BB3は左右対称に形成されるので、左右両側の球配置BB3の両方に球が乗っている状態でスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、球は2個ともスライド部材の移動と共に後方に移動し、球通過開口B414の後方へ流下する。
このように、本実施形態によれば、先端部B451に球が乗っている状態からスライド部材B450が励磁状態に切り替えられるという同様の状態変化であっても、先端部B451上の球の配置次第で、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられた後の球の流下経路が変化するよう構成されている。そのため、先端部B451に球が乗っている状態において、その球およびスライド部材B450の移動態様に対する注目力を向上させることができる。
そして、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられる時の球配置BB1~BB3は、下流側(球配置BB3側)へ向かう程、遊技者が得られる可能性のある利益は大きくなる。そのため、スライド部材B450上に球が乗った後も、遊技者が得られる可能性のある利益は増大し続けることになるので、その球の流下に対する注目力を向上させることができる。
また、スライド部材B450上の球は、1個に限定されるものではなく、例えば、球配置BB1と球配置BB3とに同時に球が配置される可能性もある。この場合は、球配置BB3の球が球通過開口B414を後方へ通過し、球配置BB1の球が球配置BB3側へ到達するまで(本実施形態では約0.2秒間)、スライド部材B450が非励磁状態で維持されている方が遊技者の得られる可能性のある利益は高くなるので、球およびスライド部材B450の動きに対する注目力を向上させることができる。
図150は、図148(c)のCL-CL線における入賞ユニットB400の断面図であり、図151は、図148(c)のCLI-CLI線における入賞ユニットB400の断面図であり、図152は、図148(c)のCLII-CLII線における入賞ユニットB400の断面図である。図150から図152では、電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)が図示される。
電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)では、図150から図152に示すように、スライド部材B450が前進位置に配置され、傾倒部材B470が閉鎖位置に配置される。
まず、図150及び図152を参照して、スライド部材B450の上面を転動する球の流路の構成について説明する。スライド部材B450が前進位置に配置されると、前意匠部材B420とスライド部材B450との間の前後幅が球の直径未満になるので、検出センサB435の開口B435aへの球の流入は防止されることになり、先端部B451に乗った球は球通過開口B414の後方へ導入される。
球通過開口B414を通過した球は、中段部材B430と上段部材B440とに囲まれる領域に沿ってスライド部材B450上を転動する。上段部材B440は、スライド部材B450の上面に対向配置される天井面B447を備える。
天井面B447は、スライド部材B450の上面の傾斜とは異なり、前後方向(本実施形態では、スライド部材B450の変位方向)に沿って延設される平面として形成される。そのため、天井面B447とスライド部材B450との上下間に形成される流路の断面積が後方側(下流側)へ向かう程大きくなるので、球詰まりの発生を抑制することができたり、球の流下抵抗が上昇することを回避したりすることができる。
また、これにより、スライド部材B450上を後方へ向けて転動する球が上方へ跳ねた場合や、球が後方に押される負荷を受けて後方へ跳ねた場合であっても、球が天井面B447と衝突する事態が生じることを回避し易くすることができる。
図152に示すように、天井面B447の上下位置よりも天井構成部B444の傾斜面部B444aの上下位置の方が下側とされる。そのため、天井面B447近くまで球が跳ねていた場合であっても、隙間B444cを通って球が中央流路B431に合流する前に、球の高さ位置を傾斜面部B444aまで落とすことができる。
即ち、球の勢いを落としてから中央流路B431に合流させることができる。これにより、中央流路B431に左右から球が任意のタイミングで導入され、衝突し得るような場合であっても、新たに中央流路B431に案内される球から中央流路B431に既に配置されていた球に対して、その球を逆流させる程の大きな負荷が与えられる事態が発生することを回避し易くすることができる。従って、中央流路B431内での球の逆流を抑制し、球流れを円滑化(スムーズに)することができる。
なお、この作用は、天井面B447の高さ位置は左右で同一とされることから、右案内板部B453に案内される球だけでなく、左案内板部B452に案内される球にも同様に生じる。
天井面B447は、後端部において湾曲面として形成され左側壁部B445及び右側壁部B446と滑らかに連結される湾曲案内部B447aを備える。球がスライド部材B450の上面で跳ねて湾曲案内部B447aと衝突した場合、湾曲案内部B447aの形状に沿って球の流下方向を下方に向けることができるので、球をスライド部材B450側に近づけることができる。
これにより、球を傾斜面部B444aの上下位置よりも下側にスムーズに変位させることができるので、中央流路B431への球の合流をスムーズに行わせることができる。
図150及び図152に示すように、スライド部材B450の上面を転動する球の前後方向の移動幅は、数センチメートル(約3~5センチメートル)におよぶが、ベース板B60の正面側で占める長さ(左右幅)は、左右片側において約1~2センチメートルに抑えられている(図149参照)。
即ち、スライド部材B450は、球を案内する経路長さに比較して、ベース板B60の正面側においてスライド部材B450が配設される範囲(正面視で占める面積)を小さくすることができるよう構成される。これにより、球をスライド部材B450で案内する長さを十分に確保しながら、スライド部材B450が占める遊技領域のスペースを小さくすることができるので、他の電動役物や、入賞口等を配設するスペースを遊技領域に確保することができる。
図152に示すように、上段部材B440の傾斜面部B444aと、スライド部材B450の右案内板部B453(及び左案内板部B452、図150参照)とは、前後方向の傾斜角度が同一とされている。これにより、右案内板部B453から中央流路B431へ球が通過する右開口部BRT(右側の隙間B444c、傾斜面部B444a及び右案内板部B453に区画される開口部)と、左案内板部B452から中央流路B431へ球が通過する左開口部BLT(左側の隙間B444c、傾斜面部B444a及び左案内板部B452に区画される開口)との面積が同一に確保される。
即ち、左右の開口部BLT,BRTは前後位置が異なるため、後方の左開口部BLTの方が傾斜面部B444aの上下位置が低くなることで開口部BLT,BRTの面積(上下幅)が小さくなる可能性があるが、本実施形態では、傾斜面部B444aの上下位置が低くなることに対応してスライド部材B450の右案内板部B453(及び左案内板部B452、図150参照)の上下位置が同様に低くなるので、左右の開口部BLT,BRTの上下幅を同一に確保することができる。
これにより、球が右案内板部B453に案内されるか、左案内板部B452に案内されるかによって、球が中央流路B431に合流する際の流下抵抗が変化する事態の発生を防止し易くすることができる。
一方で、球が右案内板部B453に案内されるか、左案内板部B452に案内されるかによって、スライド部材B450上を球が転動する前後長さは異なる(左案内板部B452の方が右案内板部B453に比較して約11mm(球の直径分)以上長い)ので、球通過開口B414を球が通過してから中央流路B431に合流するまでに要する時間は異なるが、球の流下に要する時間についての詳細は後述する。
なお、図150~図152では、左右の開口部BLT,BRTが、スライド部材B450が前進位置に配置されている場合の開口配置として想像線で図示される。また、他の実線との重なりを避けるために若干小さく図示されるが、形状が小さいものに限定する意図では無く、左案内板部B452又は右案内板部B453から中央流路B431に滑らかに案内されるのに十分な大きさ及び配置で形成される。
次いで、図151を参照して、中央流路B431について説明する。スライド部材B450に案内された球は、左右両側において前後で位置が異なる開口部BLT,BRTで、傾斜面部B452a,B453aの傾斜に沿って中央流路B431に導入される。
その導入された球は、中央流路B431に沿って正面側へ向けて流下し、傾倒部材B470が閉鎖位置にある場合には、球案内突条B428に衝突した後で下方へ流下し、入賞ユニットB400から脱落して第3入賞口B64b(図135参照)へ向けて流下する。
ここで、上側流路構成部B441には球受部B412に受け入れられた球が順番に流下することから、突然に球の個数が増えることは無く、上蓋部材B443の傾斜は上側流路構成部B441と平行となっている。一方で、中央流路B431には左右から同時に球が案内される等、同時期に中央流路B431に複数の球が配置され、球が連なったり、球同士で生じる負荷により球が浮き上がったりする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中央流路B431の天井部を構成する傾斜面部B444aは、前方へ向かう程上昇傾斜していることから、中央流路B431の断面積(開口面積)が前方へ向かう程大きくなる。即ち、下流側へ向かう程に流路面積が大きくなるので、中央流路B431を前方へ向けて流れるという流下態様において、球詰まりの発生を抑制することができる。即ち、途中位置で球が合流するという流路構成であっても、流路面積が大きく確保されていることから、球の流下抵抗が上昇することを回避することができる。
図153は、図148(c)のCL-CL線における入賞ユニットB400の断面図であり、図154は、図148(c)のCLI-CLI線における入賞ユニットB400の断面図であり、図155は、図148(c)のCLII-CLII線における入賞ユニットB400の断面図である。図153から図155では、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)が図示される。
なお、図153~図155では、左右の開口部BLT,BRTが、図150~図152での図示と同様に、スライド部材B450が前進位置に配置されている場合の開口配置として想像線で図示される。
電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)では、図153から図155に示すように、スライド部材B450が後退位置に配置され、傾倒部材B470が開放位置に配置される。
図153及び図155に示すように、スライド部材B450が後退位置に配置されると、スライド部材B450の先端部B451は板部材B410の前側面よりも後方に配置される。これにより、スライド部材B450への新たな球の着地を防止することができる。
即ち、スライド部材B450の下流側に配置される中央流路B431よりも下流側に配置される第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図135参照)へ向けた新たな球の導入が生じない。そのため、スライド部材B450に乗っていた球が傾倒部材B470の正面側を流れきるまでに要する時間を超えて励磁状態を維持すれば、入賞ユニットB400に案内されている球は全て傾倒部材B470に拾われ得る。加えて、スライド部材B450に案内される球が加算されることはないので、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへの入球個数が過大となることを防止できる。なお、球の入球制御の詳細については後述する。
図153及び図155に示すように、スライド部材B450の下面には細幅の突条部B455が形成されており、その細幅の突条部445が中段部材B430の支持延設部B436に下支えされている。これにより、スライド部材B450が前後方向に傾倒する姿勢変化を抑制すると共に、スライド部材B450の前後移動時のスライド部材B450と支持延設部B436との接触面積を低減することで摩擦抵抗を低減することができる。
スライド部材B450が励磁状態に切り替えられ、前進位置から後退位置に変位する時に左案内板部B452又は右案内板部B453に球が乗っている場合、左案内板部B452及び右案内板部B453の上面が後方へ向けて下降傾斜していることから球滑りが抑制され、スライド部材B450と一体的に(スライド部材B450の変位量と同一の変位量で)後方へ移動する。加えて、スライド部材B450を介して与えられる負荷により球が後方へ加速される。
一方で、スライド部材B450が励磁状態から非励磁状態に切り替えられ、後退位置から前進位置に変位する時に左案内板部B452又は右案内板部B453に球が乗っている場合、スライド部材B450の上面の傾斜との関係により、球が配置される前後位置におけるスライド部材B450の上下高さは下降し、スライド部材B450と球との上下間隔が広げられる。
即ち、球はスライド部材B450に対して浮いた状態を介して、再びスライド部材B450に着地することになり、球がスライド部材B450と一体的に前方に移動することは回避される。
加えて、スライド部材B450の変位開始時(球とスライド部材B450との上下間隔が空く前)に球に前転方向のスピンがかけられる場合には、スライド部材B450上の球の流下速度を増加させることができる。
スライド部材B450が非励磁状態から励磁状態に切り替えられる際、左案内板部B452又は右案内板部B453に既に乗っている球は、そのまま左案内板部B452又は右案内板部B453に乗ったままとされ、より下流側で流下経路の分岐が確定する。
一方、スライド部材B450が非励磁状態から励磁状態に切り替えられる際、球通過開口B414の前方に配置された球は、検出センサB435の開口B435aへ向けて落下する可能性があることは、図149で上述した通りである。即ち、球通過開口B414の前方の位置において、検出センサB435の開口B435aを通過して遊技領域外に排出されるか、別の流下経路で流れるかという、球の流下経路の分岐が確定する可能性がある。
本実施形態では、検出センサB435の開口B435aの方が、左案内板部B452及び右案内板部B453よりも正面側に位置するよう構成されている。これにより、検出センサB435への注目力を向上させることができ、検出センサB435の開口B435a側に流下経路が分岐し、開口B435aを通過する球を視認し易くすることができる。
図154に示すように、スライド部材B450が後退位置に配置されている場合であっても、傾斜面部B452aが左開口部BLTに配置される。即ち、傾斜面部B452aは、スライド部材B450の配置に関わらず左開口部BLTに配置されるのに十分な前後幅で形成される。傾斜面部B453aも同様である。
中央流路B431に導入された球が中央流路B431を通過した時に、依然として傾倒部材B470が開放位置に配置されている場合、その球は傾倒部材B470に拾われて検出センサB462を通過する。
即ち、傾倒部材B470の前方の位置は、球が検出センサB462を通過して遊技領域外に排出されるか、別の流下経路で流れるかという、球の流下経路の分岐が確定する位置である。
本実施形態では、傾倒部材B470の方が、左案内板部B452及び右案内板部B453よりも正面側に位置するよう構成されている。これにより、傾倒部材B470への注目力を向上させることができ、検出センサB462側に流下経路が分岐し、検出センサB462側へ流下する球を視認し易くすることができる。
このように、入賞ユニットB400では、球の流下経路の分岐が確定する位置を正面側に配置するように構成している。更に、球の流下経路の分岐が確定する複数の位置(球通過開口B414の前方の位置や、傾倒部材B470の前方の位置)を、球が間を空けずに通過するのではなく、十分な時間を空けて通過するよう構成することで、球に注目する遊技者が視線を動かす余裕を作ることができる。
加えて、球の流下経路の分岐が確定する複数の位置(球通過開口B414の前方の位置や、傾倒部材B470の前方の位置)間の、正面視における間隔を狭める(図149参照)ことにより、球に注目する遊技者が視線を動かす余裕を作ることができる。
図154に示すように、傾倒部材B470の回転軸としての被支持突部B473は、中央流路B431の前端部よりも後方に奥まった位置に配置されている。加えて、閉鎖位置における傾倒部材B470は、中段部材B430の傾斜ストッパB437fの傾斜に対応して若干前倒れしている(図151参照)。
これにより、閉鎖位置における傾倒部材B470の前方に流下中の球が配置されている時に、傾倒部材B470が励磁状態とされ開放位置へ向けて変位したとしても、傾倒部材B470の前面は既に前方へ向けて傾斜しているので、球に対して下方向の負荷を与えやすく、球を早期に下方へ排出することができる。即ち、球が傾倒部材B470と前意匠部材B420との間で挟まり、傾倒部材B470の開放位置への変位が阻害される時間が長引く事態を回避し易くすることができる。
また、傾倒部材B470の開閉動作における回転角度を小さくすることができるので、開閉動作に要する時間を短くすることができる。従って、開閉のタイミングを制御し易くすることができると共に、過入球を防止し易くすることができる。
本実施形態では、傾倒部材B470の板状部B471の左右幅が球の直径程度の長さで形成され(図149参照)、開放位置から閉鎖位置へ変位する間において複数の球を拾うことはできないように構成されていることからも、過入球を防止し易くすることができる。
傾倒部材B470に拾われた球が流下する流路の天井部を構成する傾斜面部B437eは、後側部において中央経路B461と平行な傾斜面として形成され、傾倒部材B470に近い側としての前側部において、前方へ向けた上昇傾斜の角度が増すように構成されている。
これにより、傾倒部材B470に拾われた球が傾倒部材B470との衝突により跳ねた場合であっても、その球を中央経路B461と傾斜面部B437eとの間の経路にスムーズに導入させることができる。従って、傾倒部材B470に乗った球の重さや、その球の中央経路B461と傾斜面部B437eとの間の経路への流入抵抗が高いことにより球に変位を妨げられることにより、傾倒部材B470の閉鎖位置へ向けた変位が遅れる事態の発生を回避することができる。
図155に示すように、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、同一の前後位置におけるスライド部材B450の上下位置が上がるので、右開口部BRTの下縁がせり上がり、球が通過可能な面積が小さくなる。左開口部BLTも同様である。
この時、左側壁部B445又は右側壁部B446の後端部に到達した球は、その位置においてスライド部材B450の上下位置が上がることの影響で、跳ね上がる。これにより、球の運動エネルギーが増大する可能性がある。
一方で、傾斜面部B444aとスライド部材B450との上下間隔は、スライド部材B450が前進位置に配置されていた状態よりも狭められることで球の流下抵抗が上がり、傾斜面部B444aにより球の勢いが落とされる作用が増強されている。これにより、球の勢い(運動エネルギー)を十分に落としてから中央流路B431に球を案内することができる。
図156(a)及び図156(b)は、図148(c)のCLVIa-CLVIa線における入賞ユニットB400の断面図である。図156(a)では、電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の非励磁状態が図示され、図156(b)では、電動役物B640aの励磁状態が図示される。なお、図156(a)及び図156(b)では、隙間B444cの前後方向の中間位置を通る断面が図示される。
本実施形態では、左開口部BLTと右開口部BRTとが前後に位置ずれしているため、左右の開口部が左右方向に延びる直線上に配置される場合にしばしばみられるような、開口部を通過する球同士が左右方向で衝突し、球同士で生じさせ合う負荷が左右方向外側に向くことでバランスしてしまい、球の流下が滞るという不具合を回避することができる。
一方、本実施形態では、左案内板部B452上の球が中央流路B431に導入される左開口部BLTよりも正面側に配置される右開口部BRTを通して、右案内板部B453上の球が中央流路B431に導入されるよう構成されるので、右開口部BRTを通過しようとする球と、中央流路B431を流下している球とが衝突する可能性がある(図156(a)参照)。この場合、流路形状上はそうなり難いように設計していても、球が互いに与え合う負荷がバランスしてしまい球の流れが停止する事態が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられ後退位置へ変位する場合に、中央流路B431を流下している球の上下位置には影響しない一方で、右案内板部B453に乗っている球の上下位置が上げられることで、中央流路B431に配置されている球と、右案内板部B453に乗っている球との間に一瞬ではあるが間隔を空けることができる。この間に中央流路B431に配置されている球が中央流路B431の傾斜に沿って流れることで、球が互いに与え合う負荷のバランスを崩すことができる。
また、スライド部材B450が非励磁状態に切り替えられ前進位置へ変位する場合に、中央流路B431を流下している球の上下位置には影響しない一方で、右案内板部B453の上下位置が下げられることで、右案内板部B453の上方の球と右案内板部B453との間に一瞬ではあるが間隔を空けることができる(浮かせることができる)。この間隔を埋めるように右案内板部B453の上方の球が下方へ変位する際に、その球は中央流路B431に配置されている球からの負荷に押されて左右外側へ変位すると考えられるので、球が互いに与え合う負荷のバランスを崩すことができる。
このように、本実施形態では、中央流路B431への合流位置で球が互いに与え合う負荷がバランスする事態が生じたとしても、スライド部材B450の状態が切り替えられることで、負荷がバランスしている一方の球の配置を変えることができ、負荷のバランスを崩すことができるよう構成されている。これにより、スライド部材B450から中央流路B431を介する球の流れをスムーズに保つことができる。
なお、上述の負荷のバランスを崩す作用は、スライド部材B450の状態が切り替えられるタイミングで生じることから、この作用を見込んで、スライド部材B450の作動パターンを設計しても良い。即ち、スライド部材B450の状態の切り替えの頻度が高い方が、流下中の球同士の負荷のバランスを崩し易いので、球の流下を滑らかにすることができる。
次いで、図157から図161を参照して、スライド部材B450の先端部B451が配置される位置に到達した球の流下経路のバリエーションについて説明する。
図157(a)から図157(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図157(a)から図157(d)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図157(a)から図157(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図157(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図149(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、図157(b)に示すように球通過開口B414を通過して、スライド部材B450上を上段部材B440の左側壁部B445又は右側壁部B446に沿って流下する。
その後、図157(c)に示すようにスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aを介して中央流路B431に流入し、中央流路B431の傾斜に沿って正面側へ流下する。その後、図157(d)に示すように、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を通過した球は下方へ流下する。
図157(a)から図157(d)に示すように、入賞ユニットB400を球が通過する期間に亘って電動役物B640aが非励磁状態で維持される場合、先端部B451に着地した球は中央開口部B413の前側を落下して第3入賞口B64b(図135参照)へ向けて流下する。
図158(a)から図158(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図158(a)及び図158(b)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図158(c)及び図158(d)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、図158(a)から図158(d)では、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図158(a)から図158(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図158(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図149(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、球通過開口B414の正面側へ向けて左右内側へ流下し、図158(b)に示すように球配置BB2(図149(a)参照)を経由する。
流下中の球が球配置BB2に配置されている時に、図158(c)に示すように電動役物B640aが励磁状態に切り替えられると、球は慣性で左右内側へ流れ、図158(d)に示すように球は球通過開口B414の正面側を下方へ流下して、検出センサB435の開口B435aを通過する。
図158(a)から図158(d)に示すように、先端部B451に球が乗った後、短時間の内に電動役物B640aが励磁状態に切り替えられた場合、先端部B451に乗っていた球は球通過開口B414の前側を落下して検出センサB435の開口B435aを通過し得る。
もっとも、慣性が左右内側に作用しないほど極めて短時間の内に電動役物B640aが励磁状態に切り替えられた場合には、先端部B451に乗っていていた球は開口B435aから外れて検出センサB435の左右外側を流下し得る。
図159(a)から図159(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図159(a)及び図159(b)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図159(c)及び図159(d)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、図159(a)から図159(d)では、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図159(a)から図159(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図159(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図149(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、図159(b)に示すように球通過開口B414を通過して、スライド部材B450上を上段部材B440の左側壁部B445又は右側壁部B446に沿って流下する。
その後、図159(c)に示すようにスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aを介して中央流路B431に流入し、中央流路B431の傾斜に沿って正面側へ流下する。その後、図159(d)に示すように、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を通過した球は下方へ流下して、傾倒部材B470に拾われて後方へ流下する。
図159(a)から図159(d)に示すように、入賞ユニットB400を球が通過する間に電動役物B640aが非励磁状態から励磁状態に切り替えられ、励磁状態で維持される場合、先端部B451に着地した球は中央開口部B413の前側を落下して傾倒部材B470に拾われ第2入賞口B640(傾倒部材B470により開閉される開口、図135参照)に入球する。
図160(a)から図160(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図160(a)、図160(b)及び図160(d)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図160(c)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、図160(a)から図160(d)では、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図160(a)から図160(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図160(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図149(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、図160(b)に示すように球通過開口B414を通過して、スライド部材B450上を上段部材B440の左側壁部B445又は右側壁部B446に沿って流下する。
その後、図160(c)に示すようにスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aを介して中央流路B431に流入し、中央流路B431の傾斜に沿って正面側へ流下する。この時点では、図159(c)に示すのと同様に、図160(c)に示すように電動役物B640aが励磁状態とされている。
その後、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を球が通過するよりも前に、図160(d)に示すように電動役物B640aが非励磁状態に切り替えられる。その後、図160(d)に示すように、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を通過した球は下方へ流下する。
図160(a)から図160(d)に示すように、入賞ユニットB400を球が通過する間に電動役物B640aが非励磁状態から励磁状態に切り替えられ、再び非励磁状態に切り替えられた場合、先端部B451に着地した球は中央開口部B413の前側を落下して第3入賞口B64b(図135参照)へ向けて流下する。
このように、本実施形態では、球通過開口B414を球が通過した後で電動役物B640aが励磁状態に切り替えられた時点では、その球が傾倒部材B470に拾われるか否かが不明とされる。
即ち、球通過開口B414を球が通過してからの傾倒部材B470の状態変化の態様次第で、球が傾倒部材B470の正面側を落下して第3入賞口B64bへ向けて流下するか、傾倒部材B470に拾われて第2入賞口B640へ向けて流下するかが変わるのであり、どちらへ向けて流下するかは球が傾倒部材B470に到達するまで不明とされる。これにより、球通過開口B414を通過して傾倒部材B470の正面側位置へ向けて流下する球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
先端部B451に球が乗る時には、その球が球通過開口B414へ流入するか否かの分岐点となることから注目力を向上し、球が中央開口部B413を通過する時には、その球が傾倒部材B470に拾われるか否かの分岐点として注目力を向上することができる。これにより、入賞ユニットB400の内部を流下する球に対する注目力を複数位置で向上させることができる。
図161(a)及び図161(b)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図161(a)及び図161(b)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、先端部B451の正面側を流下する球の流れが矢印で図示される。なお、図161(a)及び図161(b)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
図161(a)に示すように、スライド部材B450が前進位置に配置される場合には先端部B451の左右外側部に着地する左右位置(球配置BB1、図149(a)参照)を通る経路で球が流下した場合、球は開口部B436aの左右外側へ流れる。即ち、球は検出センサB435の開口B435aを通過しない。
図161(b)に示すように、スライド部材B450の前側位置へ向けて、左右内方への速度成分を有する球が飛び込むように流下する場合、その球が検出センサB435の開口B435aに入球する可能性はある。
一方で、スライド部材B450の先端部B451の配置が後方に奥まっていることから(図153参照)、飛び込むように流下する球が先端部B451に乗ることは防止されている。この防止の作用は、球通過開口B414と先端部B451とで囲われる開口面積が減少されることによっても強化されている。
即ち、先端部B451が後方へ向けて下降傾斜するよう形成されていることから、スライド部材B450が前進位置に配置される場合(図150参照)において球通過開口B414と共に開口部を形成するスライド部材B450の部分(先端部B451の後縁部に相当)の上下位置よりも、スライド部材B450が後退位置に配置される場合(図153参照)において球通過開口B414と共に開口部を形成し得るスライド部材B450の部分(先端部B451の前縁部に相当)の上下位置の方が、高い。
そのため、スライド部材B450が後退位置に配置される方が、球通過開口B414と先端部B451とで囲われる開口の下辺(先端部B451により形成される辺に相当)の上下位置が上がることで、開口面積が減少される。これにより、スライド部材B450の前側位置へ向けて左右内方への速度成分を有する球が飛び込むように流下する場合に、その球が先端部B451側に進入することを防止し易くすることができる。
このように、電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の前側位置を流下する球は、概ね入賞ユニットB400の左右外側へ逸れて流れ、一部は検出センサB435の開口B435aに入球する。
一方で、電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の前側位置を流下する球はスライド部材B450上に乗ることは防止されるので、電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の下流側に配置される第2入賞口B640(図135参照)や第3入賞口B64bへ向けた新たな球の導入が行われる事態を回避することができる。
図157から図161に示すように、入賞ユニットB400は、スライド部材B450の先端部B451に乗った球の流下を複数位置で分岐させることができる。まず、非励磁状態のスライド部材B450の先端部B451に球が乗った直後において(第1の分岐位置)、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合、その球は検出センサB435の開口B435aへ向けて流下し得る(図158(c)参照)。
一方で、開口B435aに流下しなかった球は、先端部B451から傾斜に沿って流れる。その球が、左案内板部B452又は右案内板部B453に乗っている時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合には、その球は、依然としてスライド部材B450に乗ったままとなる。また、底面部B431aに乗っている時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合(図159(c)参照)には、その球は、依然として底面部B431aに乗ったままとなる。
左案内板部B452又は右案内板部B453を後方へ向けて流下する球は、左案内板部B452又は右案内板部B453の前後幅全域に亘って形成される左右方向の傾斜によって、常時左右内側に寄せられながら、後方へ向けて流下する。これにより、球が左案内板部B452又は右案内板部B453の後端部に到達するよりも前から、球を下流の中央流路B431側に寄せることができる。従って、左案内板部B452又は右案内板部B453の後端部に球が到達してから初めて中央流路B431側に方向転換するよりも、中央流路B431側への球の流入をスムーズにすることができる。
中央流路B431に流入した球は、中央流路B431の傾斜に沿って前方へ向けて転動する。中央流路B431の前端部から球が落下する際に(第2の分岐位置)、電動役物B640aの傾倒部材B470が非励磁状態で閉鎖位置に配置されていれば、球は下方へ落下し(図157(d)参照)、電動役物B640aの傾倒部材B470が励磁状態で開放位置に配置されていれば、球は傾倒部材B470に拾われて後方へ流下する(図159(d)参照)。
本実施形態では、スライド部材B450を転動する遊技球の流下方向を前後方向を含むように設定することで、正面視におけるスライド部材B450及び傾倒部材B470の寸法以上の経路長さで遊技球を転動させることができる。
パチンコ機B10の開発の条件として、例えば、電動役物B640aの正面視における幅寸法は無制限に延ばせるものではなく、長さの限界が設定される(例えば、55mm)が、本実施形態によれば、正面視における電動役物B640aの左右幅寸法はパチンコ機B10の開発の条件を満たしつつ、電動役物B640aを介する実際の球の転動長さを更に延ばすことができる。これにより、電動役物B640a上を流れて下流側の入賞口へ球が案内される構成において、正面視における電動役物B640aの配置スペースを狭めながら、球の流下に要する時間を長くすることができる。
更に、電動役物B640aとして、流下する遊技球に当接する箇所(先端部B451及び傾倒部材B470)を離れた位置に設けている。これにより、その間の中央流路B431の長さの分、電動役物B640aの形状を超えて遊技球の流下長さを稼ぐことができる。
図162(a)及び図162(b)は、図148(b)のCLXIIa-CLXIIa線における入賞ユニットB400の部分断面図である。図162(a)では、スライド部材B450が前進位置に配置された状態(非励磁状態)が図示され、図162(b)では、図162(a)に示す状態からスライド部材B450が後退位置に配置された状態(励磁状態)に切り替えられた直後の状態が図示される。また、図162(a)及び図162(b)では、スライド部材B450がスライド移動した時にスライド部材B450又は中央流路B431に球が配置されていた球について図示される。
図162(a)及び図162(b)に示すように、スライド部材B450がスライド移動した時に左案内板部B452に乗っていた球は、スライド部材B450と共にスライド移動の変位量だけ後方に変位する。更に、左案内板部B452が後方へ向けて下降傾斜する傾斜面を構成するので(図150参照)、球に後向きの負荷が与えられ、球は加速される。
一方で、スライド部材B450がスライド移動した時に中央流路B431に乗っていた球は、特段後方に変位することもなく、固定の床面を転動する。従って、同様の経路を球が流下する場合であっても、スライド部材B450がスライド移動する時に左案内板部B452に乗っていた球と、スライド部材B450がスライド移動する時に左案内板部B452に乗っておらず中央流路B431に乗っていた球とでは、流下に要する時間が異なるが、要する時間の違いの詳細については後述する。
なお、図162(a)及び図162(b)では、スライド部材B450及び中央流路B431により形成される流下領域に2個の球が配置される場合において、スライド部材B450及び中央流路B431にそれぞれ1個ずつ球が配置される状態が図示されているが、これに限られるものではない。例えば、左案内板部B452又は右案内板部B453にのみ球が配置される場合も考えられるし、中央流路B431にのみ球が配置される場合も考えられる。また、配置される球の個数は2個に限られるものではなく、1個の場合もあるし、3個以上の複数の場合もある。
図163(a)及び図163(b)は、図148(b)のCLXIIa-CLXIIa線における入賞ユニットB400の部分断面図である。図163(a)では、スライド部材B450が前進位置に配置された状態(非励磁状態)が図示され、図163(b)では、図163(a)に示す状態からスライド部材B450が後退位置に配置された状態(励磁状態)に切り替えられた直後の状態が図示される。また、図163(a)及び図163(b)では、スライド部材B450がスライド移動した時にスライド部材B450又は中央流路B431に球が配置されていた球について図示される。
図163(a)及び図163(b)に示すように、スライド部材B450がスライド移動した時に右案内板部B453に乗っていた球は、左案内板部B452に乗っていた球と同様に、スライド部材B450と共にスライド移動の変位量だけ後方に変位する。更に、右案内板部B453が後方へ向けて下降傾斜する傾斜面を構成するので(図152参照)、球に後向きの負荷が与えられ、球は加速される。
一方で、スライド部材B450がスライド移動した時に中央流路B431に乗っていた球は、特段後方に変位することもなく、固定の床面を転動する。従って、同様の経路を球が流下する場合であっても、スライド部材B450がスライド移動する時に右案内板部B453に乗っていた球と、スライド部材B450がスライド移動する時に右案内板部B453に乗っておらず中央流路B431に乗っていた球とでは、流下に要する時間が異なるが、要する時間の違いの詳細については後述する。
球がスライド部材B450上を流下して中央流路B431の前端を通過するまでに要する時間について説明する。本実施形態では、球通過開口B414を通過した球が右案内板部B453を転動して流下する場合、球の流下中にスライド部材B450のスライド動作が生じなければ、球通過開口B414を通過した球は約2.0秒で中央流路B431の前端を通過する。
一方、球通過開口B414を通過した球が左案内板部B452を転動して流下する場合、球の流下中にスライド部材B450のスライド動作が生じなければ、球通過開口B414を通過した球は約2.4秒で中央流路B431の前端を通過する。
スライド部材B450は、球通過開口B414を通過してから中央流路B431の前端を通過するまでの経路の半分を構成する。即ち、球通過開口B414を通過した球が右案内板部B453上を流下する場合、球が球通過開口B414を通過してから約1.0秒を経過する前にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受ける一方、球が球通過開口B414を通過してから約1.0秒を経過した後にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受けることはない。
また、球通過開口B414を通過した球が左案内板部B452上を流下する場合、球が球通過開口B414を通過してから約1.2秒を経過する前にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受ける一方、球が球通過開口B414を通過してから約1.2秒を経過した後にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受けることはない。
本実施形態では、左右一対の球通過開口B414に球が同じタイミングで入球した場合であっても、スライド部材B450のスライド動作のタイミングによっては、球がスライド部材B450から後向きの負荷を受ける場合と、球がスライド部材B450から後向きの負荷を受けない場合とが同時に生じ得る。
即ち、球が球通過開口B414を通過してから約1.0秒を経過した後であって、約1.2秒を経過する前にスライド部材B450がスライド動作する場合には、左案内板部B452上を流下していた球が後向きの負荷を受け、右案内板部B453上を流下していた球は後向きの負荷を受けない。
球がスライド部材B450に乗っている時にスライド部材B450が後方へ向けてスライド動作した場合、球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するまでに要する時間が約0.5秒短縮される。
この0.5秒の内訳としては、概略で、スライド部材B450の前後方向の変位量(約12mm)により約0.3秒短縮され、スライド部材B450から球に与えられる負荷による加速により0.2秒短縮される。
左案内板部B452又は右案内板部B453を後方へ向けて転動した球は、隙間B432a又は隙間B433aを通り(図157(b)参照)、中央流路B431に流入する。隙間B432aと隙間B433aとが、前後に位置ずれしていることから、隙間B432aにおける球の通過と、隙間B433aにおける球の通過とが同時に生じた場合に、それらが左右方向で正面衝突を起こすことを避けることができる。これにより、隙間B432a又は隙間B433aを通過した球が、球との衝突により押し戻されて逆流する事態を避けることができる。
電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の前側位置を流下する球がスライド部材B450上に到達することは防止されるので(図161参照)、電動役物B640aが励磁状態に切り替えられてから傾倒部材B470に到達するまでに最も時間がかかるのは、電動役物B640aの励磁状態への切り替え時点にスライド部材B450の先端部B451上に乗っていた球であり、その球以降は傾倒部材B470に球が到達することはない。
図164(a)から図164(c)は、電動役物B640aの状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図164(a)では、第1の作動パターンにおける計時変化が図示され、図164(b)では、第2の作動パターンにおける計時変化が図示され、図164(c)では、第3の作動パターンにおける計時変化が図示される。
図164(a)から図164(c)では、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67で球の通過が検出されたことにより動作制御される電動役物B640aの作動パターンについて説明する。
なお、図135に示すように、本実施形態では、電動役物B640aへ向けて流下する球は漏れなく普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過するように釘配置が設計され、球の発射間隔(0.6秒間隔)に比較して、球が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過すること(普通図柄の単一の抽選)を契機とする電動役物B640aの作動時間(基準の作動パターンでの作動時間、普通図柄の抽選の間隔に相当)の方が長くされるので、弾球遊技中は普通図柄の保留球数が途切れ難く、普通図柄の保留球数が常に0よりも多い状態で維持され易い。そのため、電動役物B640aの動作は、基準の作動パターンが間隔を空けずに繰り返し実行される。
図164(a)に示すように、第1の作動パターンでは、待機時間Bt1a(本実施形態では0.1秒間)でスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt1b(本実施形態では3.9秒間)でスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持されるパターンを基準の作動パターンBRP1として、これが繰り返される。
なお、詳細には、非励磁状態を構成する0.1秒間の内訳として、0.05秒間で第2図柄の変動表示が行われ、その終了後に0.05秒間スライド部材B450が前進位置で維持されている。
スライド部材B450が前進位置に配置されると、球はスライド部材B450の先端部B451に乗ることができるが、0.1秒間は、球が球配置BB1から球配置BB3(図149(a)参照)まで変位するのに要する時間(約0.2秒間)に比較して十分ではない。
そのため、電動役物B640aが第1の作動パターンで動作制御される状態では、球が球通過開口B414を通過することが防止され、球が中央流路B431に導入されることが防止されるので、球が第2入賞口B640や第3入賞口B64b(図135参照)に入球することを防止することができる。
図164(b)に示すように、第2の作動パターンでは、待機時間Bt2a(本実施形態では1.8秒間)でスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt2b(本実施形態では0.2秒間)でスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持され、その後、待機時間Bt2aでスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt2bでスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持されるパターンを、基準の作動パターンBRP2として、これが繰り返される。
なお、詳細には、非励磁状態を構成する1.8秒間の内訳として、0.05秒間で第2図柄の変動表示が行われ、その終了後に1.75秒間スライド部材B450が前進位置で維持されている。
スライド部材B450が前進位置に配置されると、球はスライド部材B450の先端部B451に乗ることができ、その後もスライド部材B450が0.2秒間前進位置で維持されていれば、球は球通過開口B414を通過してスライド部材B450上を転動し、中央流路B431側へ案内される。
球が到達する位置およびタイミングと、球が中央流路B431の前端を通過するまでに経過する時間との対応関係について説明する。球配置BB1からBB3に到達するまでに約0.2秒を要するので、球が球通過開口B414を通過し始めるのはスライド部材B450が前進位置に配置されてから0.2秒後である。
球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第1左入球期間BTIL1(本実施形態では0.2~0.6秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.4秒後である第1左排出期間BTOL1(本実施形態では2.6~3.0秒)後に中央流路B431の前端を通過する。この場合、球は、スライド部材B450が動作する前に中央流路B431に到達するので、スライド部材B450からの負荷による球の流下速度変化は生じない。
また、球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第2左入球期間BTIL2(本実施形態では0.6秒~1.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が0.5秒短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.9秒後である第2左排出期間BTOL2(本実施形態では2.5~3.7秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
一方、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第1右入球期間BTIR1(本実施形態では0.2~0.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.0秒後である第1右排出期間BTOR1(本実施形態では2.2~2.8秒)後に中央流路B431の前端を通過する。この場合、球は、スライド部材B450が動作する前に中央流路B431に到達するので、スライド部材B450からの負荷による球の流下速度変化は生じない。
また、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第2右入球期間BTIR2(本実施形態では0.8秒~1.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.5秒後である第2右排出期間BTOR2(本実施形態では2.3~3.3秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
そのため、電動役物B640aが第2の作動パターンで動作制御される状態では、球が球通過開口B414を通過した場合に、球が中央流路B431の前端を通過するタイミングで電動役物B640aが非励磁状態(スライド部材B450が前進位置に配置され、傾倒部材B470が閉鎖位置に配置される状態)とされているので、球は傾倒部材B470に拾われないことから第2入賞口B640(図135参照)へは案内されず、第3入賞口B64b(図135参照)側へ案内される。
このように、本実施形態では、球の配置によって(遅く入球した球に対して)、スライド部材B450の動作時に球に負荷が与えられ、球の通過に要する時間が短縮される。これにより、スライド部材B450が非励磁状態で維持される場合に球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するのに要する時間(左案内板部B452を介して流下する場合に要する時間(本実施形態では約2.4秒間))よりも短い周期の作動パターンでスライド部材B450を動作させながらも、そのスライド部材B450の作動パターンの周期内で、球を中央流路B431の前端から通過させることができる。
従って、1回目(n回目)に前進位置にスライド部材B450が配置されている状態において球通過開口B414を通過した球を、スライド部材B450が後退位置に配置される状態を経由して、2回目(n+1回目)に前進位置にスライド部材B450が配置されている状態において中央流路B431の前端から通過させることができる。
即ち、球通過開口B414の球の通過と、中央流路B431の前端からの球の通過とを、スライド部材B450が前進位置に配置されるn回目の状態およびn+1回目の状態を1セットで完結させることができる。
図164(c)に示すように、第3の作動パターンでは、待機時間Bt3a(本実施形態では2.0秒間)でスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt3b(本実施形態では2.0秒間)でスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持されるパターンを基準の作動パターンBRP3として、これが繰り返される。
なお、詳細には、非励磁状態を構成する2.0秒間の内訳として、0.05秒間で第2図柄の変動表示が行われ、その終了後に1.95秒間スライド部材B450が前進位置で維持されている。
スライド部材B450が前進位置に配置されると、球はスライド部材B450の先端部B451に乗ることができ、その後もスライド部材B450が0.2秒間前進位置で維持されていれば、球は球通過開口B414を通過してスライド部材B450上を転動し、中央流路B431側へ案内される。
球が到達する位置およびタイミングと、球が中央流路B431の前端を通過するまでに経過する時間との対応関係について説明する。球配置BB1からBB3に到達するまでに約0.2秒を要するので、球が球通過開口B414を通過し始めるのはスライド部材B450が前進位置に配置されてから0.2秒後である。
球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第3左入球期間BTIL3(本実施形態では0.2~0.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.4秒後である第3左排出期間BTOL3(本実施形態では2.6~3.2秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
また、球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第4左入球期間BTIL4(本実施形態では0.8秒~2.0秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.9秒後である第4左排出期間BTOL4(本実施形態では2.7~3.9秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
一方、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第3右入球期間BTIR3(本実施形態では0.2~1.0秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.0秒後である第3右排出期間BTOR3(本実施形態では2.2~3.0秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
また、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第4右入球期間BTIR4(本実施形態では1.0秒~2.0秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.5秒後である第4右排出期間BTOR4(本実施形態では2.5~3.5秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
そのため、電動役物B640aが第3の作動パターンで動作制御される状態では、球が球通過開口B414を通過した場合に、球が中央流路B431の前端を通過するタイミングで電動役物B640aが励磁状態(スライド部材B450が後退位置に配置され、傾倒部材B470が開放位置に配置される状態)とされているので、球は傾倒部材B470に拾われて、漏れなく第2入賞口B640(図135参照)に案内され、第3入賞口B64b(図135参照)側へは案内されない。
このように、本実施形態では、球の配置によって(遅く入球した球に対して)、スライド部材B450の動作時に球に負荷が与えられ、球の通過に要する時間が短縮される。これにより、スライド部材B450が非励磁状態で維持される場合に球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するのに要する時間(左案内板部B452を介して流下する場合に要する時間(本実施形態では約2.4秒間))よりも、スライド部材B450が後退位置で維持される期間が短い作動パターンであっても、スライド部材B450が後退位置で維持される間に球を中央流路B431の前端から通過させることができる。
従って、基準の作動パターンにおいて、電動役物B640aの非励磁状態において前進位置に配置されるスライド部材B450に乗り中央流路B431側へ流下した球を、電動役物B640aの励磁状態において開放位置に配置される傾倒部材B470で拾いきることができる。即ち、球通過開口B414の球の通過と、中央流路B431の前端からの球の通過とを、基準の作動パターンBRP3で完結させることができる。
上述したように、電動役物B640aに案内された球は、電動役物B640aの作動パターンに対応して、異なる入球口を通過することになる。まず、第1の作動パターンで電動役物B640aが動作制御される場合、球は球通過開口B414を通過せず、検出センサB435の開口B435aを通過するか、開口B435aから逸れて落下する。
そのため、特別図柄の抽選に関するサポートが生じるものではなく、特別図柄の抽選は専ら第1入賞口B64への入球によるものとなるので、特別図柄の抽選を間隔を空けずに頻繁に生じさせることは難しい。スライド部材B450の正面側を流下した球が開口B435aを通過した場合に賞球の払い出しが生じることで遊技者の手持ちの遊技球を増やす面でのサポートのみが生じる。
次に、第2の作動パターンで電動役物B640aが動作制御される場合、球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するタイミングでは電動役物B640aは非励磁状態とされ、傾倒部材B470は閉鎖位置に配置されるので、球は傾倒部材B470の正面側を第3入賞口B64b(図135参照)側へ向けて流下する。
そのため、特別図柄1の抽選を頻繁に生じさせることができる。また、第3入賞口B64bに球が入球した場合に賞球の払い出しが生じることで遊技者の手持ちの遊技球を増やす面でのサポートも生じる。
次に、第3の作動パターンで電動役物B640aが動作制御される場合、球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するタイミングでは電動役物B640aは励磁状態とされ、傾倒部材B470は開放位置に配置されるので、球は傾倒部材B470に拾われて第2入賞口B640(図135参照)へ向けて、即ち、検出センサB462(E5参照)へ向けて流下する。
そのため、特別図柄2の抽選を頻繁に生じさせることができる。また、第2入賞口B640に球が入球した場合に賞球の払い出しが生じることで遊技者の手持ちの遊技球を増やす面でのサポートも生じる。
このように第1の作動パターンから第3の作動パターンが設定可能とされることで、電動役物B640aが常時開閉駆動される設計においても、第2入賞口B640への入球が生じる場合と、第2入賞口B640への入球が防止される場合とを、切り替えることができる。
即ち、電動役物B640aの駆動制御が、第1の作動パターン又は第2の作動パターンで実行される場合には、球の第2入賞口B640への入球が防止され、電動役物B640aの駆動制御が、第3の作動パターンで実行される場合には、球の第2入賞口B640への入球が頻繁に生じる。
図165は、保留種別、遊技状態、特別図柄の種別および変動時間の関係を説明する図である。なお、理解を容易とするために、特別図柄2についてのみ図示し、特別図柄1についての図示を省略する。
特別図柄1では、変動時間は、低確率状態でも高確率状態でも同様に設定されており、特別図柄1の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合、変動時間は5秒または20秒に決定され、特別図柄1の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は20秒に決定される。
一方、本実施形態では、特別図柄2の抽選の状態が上述した低確率状態または高確率状態のいずれかに設定され、設定されている遊技状態に基づいて変動時間が異なるようにして遊技が進行する。
図165に示すように、低確率状態(本実施形態における通常状態または時短状態)において、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合または小当たり図柄が決定された場合、変動時間は10分間に決定される。一方で、低確率状態において、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は20秒に決定される。
変動時間を10分と長い時間で設定しているのは、低確率状態において第2入賞口B640に球が入球した場合に遊技者が得られる利益を低くするためである。これにより、入賞ユニットB400の内部を流下する球が偶発的に第2入賞口B640に入球する事態が生じたとしても、遊技状態が高確率状態に移行されない限り、特別図柄2の変動を長引かせることができるので、特別図柄2の抽選による利益を遊技者が得られ難いようにすることができる。
本実施形態では、特別図柄2の保留球数は4個まで許容されるので、特別図柄2の保留球で大当たり図柄が決定されている場合、その決定に基づく大当たりが10分後~30分後に発生する(特別図柄の変動が停止する)という事態が生じ得る。
そのため、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定されたタイミングで遊技をしている遊技者と、その保留された特別図柄2に基づく大当たりが発生したタイミングで遊技をしている遊技者が異なる事態や、大当たりが発生するタイミングで遊技をしている遊技者がいない事態が生じ得る。
このような場合、大当たりが発生したタイミングで即座に特別遊技状態に移行すると、現在遊技をしている遊技者や、近くの別のパチンコ機で遊技をしている遊技者が、突然特別遊技が始まったことに驚いてしまい、遊技者に故障かと疑われる可能性がある。
これに対し、大当たりが決定された場合において、特別遊技状態に移行する条件を定めることができる。本実施形態では、大当たりが決定された後(特別図柄の変動が停止した後)で第3図柄表示装置B81の表示画面に表示される指示に従いスルーゲートB66,B67に球を通過させることで、特別遊技状態に移行させることができる。
即ち、スルーゲートB66,B67に球が通過するまでは、特別遊技状態へ移行されることは無いように制御されることで、遊技者に故障かと疑われる可能性を低くすることができる。なお、特別遊技状態へ移行させるために球を通過させる箇所はスルーゲートB66,B67に限定されるものではなく、例えば、一般入賞口B63を球が通過することで、特別遊技状態に移行されるように制御しても良い。
また、高確率状態(本実施形態における確変状態または特殊確変状態)において、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合、変動時間は5秒または20秒に決定される。
また、高確率状態において、特別図柄2の保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は2秒に決定される。一方、高確率状態において、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は20秒に決定される。
高確率状態では、特に特別図柄2の保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合の変動時間が短く設定されているので、第2入賞口B640に球が頻繁に入球する状態(本実施形態では、電動役物B640aの駆動制御が第3の作動パターンで実行される場合)では、遊技者は、頻繁に小当たり遊技を実行させ特定入賞口B65aを開放させることができるので、特定入賞口B65aへの入球に基づく賞球を頻繁に得ることができる。
なお、特別図柄の変動時間の設定はこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、各図柄の変動時間として多種多様なバリエーションを加えても良いし、特別図柄の保留個数に対応して変動時間の長短が変わるようにしても良い。特別図柄の保留個数に対応して変動時間の長短が変わる場合には、一般的には、保留個数が少ない場合の方が、保留個数が多い場合(満タンに近い場合)に比較して、変動時間が長くなるように設定される。
本実施形態では、従来の機種に見られたような、不適切なタイミングで特別図柄2の抽選を獲得するように球を発射することで遊技者に不測の利益が生じるという問題点を解消することができる。
即ち、従来の機種においても、本実施形態のように特別図柄1の抽選に係る第1入球口への入球頻度が高くなる状態と、特別図柄2の抽選に係る第2入球口への入球頻度が高くなる状態とを切り替えられるように構成する例が見られた。
しかし、電動役物B640aの設置個数が1個に限定される場合、第1入球口または第2入球口の何れか一方に付随するよう電動役物B640aが設置され、他方の入球口には電動役物B640aが設置されず、常に球が入球可能な状態とされることが想定される。
この場合において、遊技盤B13の中央に配置される一方の入球口(第1入賞口B64に相当、図135参照)よりも、他方の入球口の入球効率が高い場合や、他方の入球口への入球による抽選で大当たりとなった場合に遊技者が得られる利益が極めて高い場合などには、パチンコ機B10が提供するゲームとしては一方の入球口に球を入賞させるべきタイミングであると報知していても、遊技者が他方の入球口へ向けて球を発射する可能性がある。
低確率状態における特別図柄2の変動時間を超長期とすることで他方の入球口の入球に基づく変動の消化効率を下げるという対策を行ったとしても、特別図柄2の保留個数に因らず特別図柄1の保留に基づく変動が開始される場合には、予め他方の入球口に入球させて特別図柄2を変動させた上で一方の入球口に球を入賞させるゲームを進行させることで、パチンコ機B10が提供する遊技を行っている間に特別図柄2の変動時間を消化させることができるとすれば、その抑止力は低いと言える。
パチンコ機B10が提供するゲームとしては一方の入球口に球を入賞させるべきタイミングであっても、他方の入球口への入球により大当たりとなると特別遊技状態に移行することになり、パチンコ機B10が提供するゲームとして意図されていない利益を遊技者に与えることになるとすれば、遊技の公平性の面で問題がある。
これに対し、本実施形態では、単一のソレノイドBSOL41により駆動される電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)により、特別図柄1の抽選に係る第1入球口(第3入賞口B64bに相当)への入球頻度を上げるようにサポートする状態(電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動制御される状態)では、特別図柄2の抽選に係る第2入球口(第2入賞口B640に相当)への入球頻度を下げることができる一方で、特別図柄2の抽選に係る第2入球口への入球頻度を上げるようにサポートする状態(電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動制御される状態)では、特別図柄1の抽選に係る第1入球口への入球頻度を下げることができる。
更に、特別図柄1の抽選に係る第1入球口(第3入賞口B64bに相当)への入球頻度も、特別図柄2の抽選に係る第2入球口(第2入賞口B640に相当)への入球頻度も、共に低くする状態(電動役物B640aが第1の作動パターンで駆動制御される状態)を構成することもできる。
これにより、パチンコ機B10が提供するゲームとして意図されていない利益を遊技者に与えることを防止することができ、遊技の公平性の面で改良することができる。
図166から図168は、図156(a)のCLXVI-CLXVI線におけるスライド部材B450、傾倒部材B470及び伝達部材B480の断面図である。図166から図168では電動役物B640aの非励磁状態から励磁状態への切替動作が時系列で図示されており、図166では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図167では、第1部材B481が上昇する一方でスライド部450の配置が前進位置で維持される状態が図示され、図168では、電動役物B640aの励磁状態が図示される。また、図166から図168では、配置の参考として板部材B410の外形が想像線で図示される。
図166から図168で図示されるように、電動役物B640aの非励磁状態から励磁状態への切替動作は、スライド部材B450の動作タイミングと傾倒部材B470の動作タイミングとにずれがある。
即ち、動作開始から途中位置までは傾倒部材B470のみが動作し(図166及び図167参照)、途中位置からは傾倒部材B470及びスライド部材B450が動作する(図167及び図168参照)。この時、動作終了タイミングは、スライド部材B450と傾倒部材B470とでほぼ同時となる(図168参照)。
以下で詳しく説明する。第1部材B481は、ソレノイドBSOL41のプランジャ―BSOL41a(図144参照)と一体的に動作することから、ソレノイドBSOL41の駆動タイミングに同期して上下動作する。
一方で、第1部材B481の後端部に形成される一対の伝達板部B482を介して第1部材B481から第2部材B485への駆動力伝達が行われる構成において、電動役物B640aの非励磁状態では、上板部B482aが第2部材B485の偏心突部B486と当接される一方で、下板部B482bと偏心突部B486との間に隙間が確保されている。
第2部材B485は、回転軸部B485aを中心に回転動作可能に支持されており、スライド部材B450を介して係止板部B431bに係止される(図151参照)ことで、非励磁状態(図166参照)における配置が前転方向変位の終端位置となるように構成されている。
非励磁状態から第1部材B481が上昇する過程において、下板部B482bと偏心突部B486とが当接されるまでは第2部材B485の姿勢およびスライド部材B450の配置は維持され、傾倒部材B470のみが傾倒動作する。即ち、ソレノイドBSOL41の駆動力は傾倒部材B470に集中して伝達される。
第1部材B481が上昇する過程において、下板部B482bと偏心突部B486とが当接した後は、下板部B482bに偏心突部B486が持ち上げられる態様で第2部材B485が回転軸部B485aを中心に後転方向に回転動作する。
このように、同一のソレノイドBSOL41(図144参照)の駆動力を利用しながら、電動役物B640aを励磁状態から非励磁状態に切り替える場合に、傾倒部材B470に駆動力が必要となるタイミングと、スライド部材B450に駆動力が必要となるタイミングとをずらしている。
特に、スライド部材B450への駆動力伝達が開始される状態(図167参照)以降において、第1部材B481の上方から傾倒部材B470の被伝達部B474が退避されていることから、傾倒部材B470の動作は自重に任せ、ソレノイドBSOL41の駆動力がスライド部材B450の移動に費やされる。
また、上述のように、電動役物B640aの非励磁状態から励磁状態への切替動作において、傾倒部材B470の傾倒動作が先行して開始されるので、スライド部材B450の動作抵抗によらず傾倒部材B470の傾倒動作を開始することができる。
従って、スライド部材B450に球が乗っている場合であっても、その球の重さの影響で傾倒部材B470の傾倒動作が遅れるという事態の発生を回避することができるので、傾倒部材B470が開放位置に配置されることにより球が第2入賞口B640へ向けて案内される期間の開始タイミングが制御とずれる事態の発生を回避することができる。
また、傾倒部材B470の変位開始時に正面側に球が配置されており、傾倒部材B470と前意匠部材B420(図151参照)との間で球を挟むような場合であっても、スライド部材B450に駆動力が割り振られることなく傾倒部材B470に駆動力が伝達されていることから、球を下方に排斥するのに十分な力を生じさせることができる。そのため、傾倒部材B470と前意匠部材B420との間に球が挟まった状態を早期に解消することができる。
一方で、スライド部材B450にソレノイドBSOL41(図145参照)の駆動力が伝達される段階では(図167及び図168参照)、傾倒部材B470へ割り振られる駆動力は極めて少なくなり駆動力をスライド部材B450に集中させることができるので、スライド部材B450上に球が配置されている場合に、その球に対してスライド部材B450を介して与えられる後向きの負荷を確保することができる。
本実施形態では、傾倒部材B470へ向けて流下する球の経路が板部材B410と前意匠部材B420とに囲まれ、球が傾倒部材B470から逸れないように構成されている(図154参照)。そのため、図167に示すように、傾倒部材B470が全開放する前の状態であっても、傾倒部材B470に球の重みが与えられることで傾倒部材B470が開放位置へ変位される(押し下げられる)ことから、球が傾倒部材B470に拾われ易く構成することができる。
電動役物B640aの励磁状態から非励磁状態への切替動作(図168から図166へ戻る動作)においても、スライド部材B450の動作タイミングと傾倒部材B470の動作タイミングとにずれがある。
即ち、動作開始(図168参照)から途中位置(図167参照)までは伝達部材B480の第1部材B481に傾倒部材B470の被伝達部B474が押し下げられると共に、第1部材B481の下板部B482bに第2部材B485の係止突設部B487が押し下げられることで、傾倒部材B470及びスライド部材B450が共に動作する。一方で、途中位置(図167参照)でスライド部材B450が前進位置に既に到達しているので、途中位置からは傾倒部材B470のみが動作される。
これにより、電動役物B640aの励磁状態から非励磁状態への切替動作において、傾倒部材B470の動作完了よりも先にスライド部材B450を前進位置に配置させることができる。そのため、球が先端部B451に乗り易いようにすることができる(先端部B451に球が拾われる期間をなるべく延ばすことができる)と共に、傾倒部材B470に球が拾われ易くすることができる(傾倒部材B470が閉鎖位置に到達するまでの期間を引き延ばすことができる)。
また、本実施形態では、スライド部材B450の先端部B451の下側には突条部B455が形成されておらず、先端部B451において上下方向の弾性変形が許容される。そのため、励磁状態(図168参照)から非励磁状態(図166参照)への切替動作において、スライド部材B450と前意匠部材B420(図153参照)との間に球が挟まり、スライド部材B450の変位が抑制され得る事態が生じたとしても、先端部B451を弾性変形させてスライド部材B450の前方変位を継続することができるので、スライド部材B450と連動する傾倒部材B470の起き上がり動作が不良となることを回避し、傾倒部材B470の起き上がり動作を確実に完了させることができる。
本実施形態では上述のように、同一のソレノイドBSOL41(図144参照)の駆動力を利用しながら、電動役物B640aを非励磁状態から励磁状態に切り替える場合に、傾倒部材B470に駆動力が必要となるタイミングと、スライド部材B450に駆動力が必要となるタイミングとをずらしている。
上述のように、本実施形態では、電動役物B640aが非励磁状態から励磁状態に切替動作される場合には、傾倒部材B470の動作開始が先行し、その後でスライド部材B450の動作が開始され、傾倒部材B470及びスライド部材B450の動作終了のタイミングはほぼ同じとなるように設定されている。
スライド部材B450側からの負荷伝達について説明する。図166に示すように、第2部材B485の下端部(回転軸部B485aの下方の部分)には回転軸部B485aの軸方向に沿って係止突設部B487が突設形成される。
係止突設部B487は、前後方向で第1部材B481の下板部B482bと当接するよう配設される。この当接部分に生じる摩擦力により、電動役物B640aの非励磁状態における第1部材B481の意図せぬ上昇(浮き上がり)を抑制することができ、傾倒部材B470を閉鎖位置に維持し易くすることができる。
更に、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450を後ろ向きに移動させ、連動して第2部材B485を後転方向に回転変位させる方向の負荷(後向きの負荷)がスライド部材B450に与えられた場合であっても、係止突設部B487の移動方向に下板部B482bが配置されていることにより、第2部材B485の回転変位が止められ、スライド部材B450の後方への変位も止められる。
この場合において、係止突設部B487の移動方向(回転軸部B485aを中心とした円に沿う方向)と、第1部材B481の移動方向(上下方向)とが交差する(直交する)ことから、係止突設部B487を介して伝達される負荷によって第1部材B481が上下方向に変位することを防止している。これにより、非励磁状態において、スライド部材B450が予期せず後方に変位する事態の発生を回避し易くすることができる。
これにより、例えば、パチンコ機B10(図134参照)の外部から遊技領域内に不正に金属細線(ピアノ線や針金等)を進入させて、その金属細線を介してスライド部材B450に負荷を与え、電動役物B640aの配置を変化させる不正行為への対策とすることができる。
特に、非励磁状態においてベース板B60(図135参照)の正面側に張り出しており、不正行為を行う者が負荷を与えることが容易であると考えるであろうスライド部材B450について対策を行うことで、不正行為の継続の抑制を図ることができる。
図169は、図148(c)のCLI-CLI線における板部材B410、ベース板B437、スライド部材B450、傾倒部材B470及び伝達部材B480の断面図である。図169では、構造の理解を容易とするための入賞ユニットB400の不要な構成の図示が省略されており、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態に切り替えられる途中において傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間に球が挟まることで傾倒部材B470の動作が一時的に停止した状態が図示される。
上述したように、傾倒部材B470とスライド部材B450との動作は伝達部材B480を仲立ちとして連動する。本実施形態では、図169に示すように、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間で球が挟まった(球噛みが生じた)場合において、スライド部材B450の前進が抑えられており、板部材B410の球通過開口B414(図149参照)の正面側を流下する球が、スライド部材B450に拾われにくいように構成されている。
従って、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間で球が挟まった(球噛みが生じた)場合に、入賞ユニットB400の内部に想定外に多量の球が滞留する事態が生じることを回避し易くすることができる。
これにより、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間に球が挟み込まれた場合に、スライド部材B450に次々に球が拾われ、傾倒部材B470側に向けて次々に球が流下して、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとで挟み込まれた球に対して後追いの球が次々に重なり、傾倒部材B470の動作不良を引き起こす事態が生じることを回避することができる。
図135に戻って説明する。本実施形態では、遊技領域の左右幅略中央位置において、センターフレームB86の上側部を構成するようにして、上側可変入賞装置B700が配設される。レールB61,B62に沿って打ち出された球の一部は、釘に衝突しながら上側可変入賞装置B700に到達する。
図170(a)及び図170(b)は、図135の範囲CLXXaにおける上側可変入賞装置B700の拡大正面図である。図170(a)では、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態が図示され、図170(b)では、上側可変入賞装置B700の開放状態が図示される。
上側可変入賞装置B700は、ベース板B60に前後方向で穿設される開口を塞ぐようにベース板B60に締結固定されガラスユニットB16(図134参照)との間で球を流下させる経路を構成する基礎板部材B710と、その基礎板部材B710の上側部に前後方向で穿設される逆V字開口B711を通って前後方向にスライド移動可能とされる移動上蓋部材B730と、その移動上蓋部材B730の正面側を通過した遊技球が通過(入賞)可能に構成される第2特定入賞口B700aが形成される検出センサと、基礎板部材B710の下側部に前後方向で穿設される矩形開口B712を通って前後方向にスライド移動可能とされる移動床部材B740と、球が通過可能な開口部B751が基礎板部材B710の正面側に配置され基礎板部材B710の正面側を流下する球の通過を検出可能に構成される複数の検出センサB750と、を備える。
また、移動床部材B740の正面側を通過した遊技球は、内レールB61や外レールB62と同様に帯状の金属板で湾曲形状に形成されベース板B60の正面側に植立される中間レール部材B781に受け止められる。
中間レール部材B781の最下端部の後方位置において、ベース板B60に球抜き開口B782が形成されている。中間レール部材B781に受け止められた球は球抜き開口B782を通って、図示しない球排出路へと案内される。
上側可変入賞装置B700は、正面側に配設されるガラスユニットB16との間で遊技領域を形成するように配置される。ガラスユニットB16は透明なため、遊技者は正面視で第2特定入賞口B700aや検出センサB750の開口部B751を視認することができる。
なお、ガラスユニットB16の背面側に、正面視で第2特定入賞口B700aや検出センサB750の開口部B751と重なる大きさの樹脂板部材を配置し、その樹脂板部材と基礎板部材B710との間で球が流下するように構成しても良い。この場合、樹脂板部材として透過性の部材を採用するか、不透過性の部材を採用するかで、遊技球の視認性を異ならせることができる。例えば、不透過性の部材を採用した場合には、上側可変入賞装置B700を、特定入賞口700aや開口部B751への球の通過を視認困難なものとして構成することができる。
基礎板部材B710は、上側部において左右端部がセンターフレームB86の左右中央側の端部に近接する細幅の逆V字形状で穿設される逆V字開口B711と、下側部において左右長尺の矩形状で穿設される矩形開口B712と、逆V字開口B711の下側において正面側に延設される板状部であって第2特定入賞口B700a側へ向けて下降傾斜する左右一対の傾斜転動板部B713と、その傾斜板部713よりも下側かつ検出センサB750よりも左右外側の位置において正面側に延設される板状部であって検出センサB750側へ向けて下降傾斜する左右一対の傾斜外壁板部B714と、第2特定入賞口B700aの下方において第2特定入賞口B700aを通過した球を受け入れ可能な間隔を空けて正面側に延設される一対の板状部であって下端部が矩形開口B712に近接配置される左右一対の貯留板部B715と、検出センサB750の下方において開口部B751を通過した球を内側に受け入れ可能な左右幅のU字形状で正面側に延設される左右一対の受入部B716と、その受入部B716の内側の形状で前後方向に穿設され受入部B716で受け入れられた球を背面側へ排出する左右一対の排出開口B717と、を備える。
傾斜転動板部B713、傾斜外壁板部B714、貯留板部B715及び受入部B716は、ガラスユニットB16との間に球をこぼさないために十分な位置まで延設される。即ち、正面視において、球は傾斜転動板部B713、傾斜外壁板部B714、貯留板部B715及び受入部B716を貫通することはなく、その形状に沿って流下する。
傾斜外壁板部B714は、検出センサB750の上側において傾斜転動板部B713との間に球が入り込み得る隙間を構成する。これにより、検出センサB750の上側において左右外側へ逸れた球を、傾斜に沿って検出センサB750側へ案内することができる。
貯留板部B715は、第2特定入賞口B700aの中心軸から左右に同距離だけ離れた位置に配置される。即ち、第2特定入賞口B700aの中心軸が、貯留板部B715の左右側面と平行な平面であって一対の貯留板部B715の中間位置に配置される平面上に配置される。これにより、第2特定入賞口B700aに入球した球が一対の貯留板部B715の間の隙間に流入し易くすることができる。
移動上蓋部材B730は、左右外側へ向けて下降傾斜する正面視逆V字形状に屈曲した板部B731を有し、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態では板部B731がベース板B60の正面側に張り出し、移動上蓋部材B730に乗った球は板部B731の傾斜に沿って左右外側へ流される。
上側可変入賞装置B700の開放状態に切り替えられると、板部B731はベース板B60の前端面よりも後方に退避され、板部B731上に乗っていた球は傾斜転動板部B713へ向けて落下する。
この時、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態において板部B731の傾斜に沿って流下していた球は左右外側へ向けた速度を有しているため、傾斜転動板部B713の左右外側部に着地し易い。その上で、傾斜転動板部B713の左右内側へ向けた傾斜に沿って流れて、第2特定入賞口B700aを通過することになる。
即ち、板部B731の上面を流れる球の流下方向を、第2特定入賞口B700aに最短距離で向かう方向に比べて迂回した方向にさせ易く、第2特定入賞口B700aを球が通るまでの時間を長引かせることができる。
移動上蓋部材B730が左右両側に傾斜していることで、第2特定入賞口B700aを球が通るまでの時間を長引かせるという上記の効果を複数経路で生じさせることができるので、球の流下が遅くなることによって球の流下が滞ることを抑制することができる。
つまり、球が通るまでの時間を長引かせつつも、球の滑らかな流下を保ち易いので、球詰まりを疑って遊技者が球の発射を止めるという事態の発生を避けることができる。即ち、球の発射を促進することができる。
更に、球が通るまでの時間を長引かせることで複数の球が第2特定入賞口B700aの上側近辺に配置された場合であっても、それらは必ず第2特定入賞口B700aを通過するという構成なので、遊技者は第2特定入賞口B700aを視界に入れておくことで、移動上蓋部材B730の前側を通過した球を見失う事を避けられる。
なお、板部B731と傾斜転動板部B713との上下間隔は、左右中央側において最長となり、左右外側へ向かうにつれて短くなるよう構成されている。更に、左右外側端部においては、その上下間隔は球の直径未満となるように構成されている。
そのため、例えば、球が傾斜転動板部B713の左右外側端部に乗っている場合に、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態に切り替えられることで移動上蓋部材B730の板部B731が正面側にスライド移動すると、板部B731から球に対して左右内側へ押し込む方向の負荷が生じる。
これにより、板部B731の正面側を通過した球が傾斜転動板部B713の左右外側端部で滞留することを回避できると共に、その球が第2特定入賞口B700aに到達するまでの期間が過度に長くなることを回避することができる。
移動上蓋部材B730と、移動床部材B740とは、後述するソレノイドB763の駆動力により、同期して前後反対方向に動作する。図170(a)及び図170(b)では、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の外形は、ガラスユニットB16との間の隙間が、球を通過させないための長さとして十分に短い場合には実線で図示され、ガラスユニットB16との間を球が通り得る程度にガラスユニットB16との間の隙間が長い場合には想像線で図示される。
即ち、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態では、移動床部材B740は後側へ退避され、貯留板部B715の下方へ球が排出可能とされ(図170(a)参照)、上側可変入賞装置B700の開放状態では、移動床部材B740は前側へ張り出され、貯留板部B715の下方への球の排出が不能とされる(図170(b)参照)。
上側可変入賞装置B700の開放状態において移動上蓋部材B730の前側を流下した球が第2特定入賞口B700aに通過を検出されると賞球の払い出しが行われる一方、検出センサB750の開口部B751は、入球を契機として遊技状態を変化させるための特定領域として機能する。即ち、大当たり遊技中に球が開口部B751を通過したことを要件として、大当たり遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするように制御されるが、詳細は後述する。
図171(a)から図171(c)は、図135の範囲CLXXaにおける上側可変入賞装置B700の拡大正面図である。図171(a)から図171(c)では、上側可変入賞装置B700への球の入球態様の一例が時系列で図示される。
図171(a)から図171(c)において、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の外形が、実線で図示される意味と、想像線で図示される意味とは、図170(a)及び図170(b)での図示における意味と同様である。
図171(a)に示すように、上側可変入賞装置B700の開放状態では、移動上蓋部材B730の前側を通過した球は、傾斜転動板部B713を転動し第2特定入賞口B700aを通過するか、または、例えば第2特定入賞口B700aの真上から落下するような球は傾斜転動板部B713を介さずに第2特定入賞口B700aに直接流入する。
第2特定入賞口B700aを通過した球は、図171(b)に示すように貯留板部B715と移動床部材B740とにより構成される領域に順番に貯留される。そして、球で貯留板部B715の上端付近まで満たされた場合に(貯留板部B715の上端部付近に4個目で第2特定入賞口B700aを通過した球BP1が配置された状態で)、球BP1の後追いで第2特定入賞口B700aを通過した球BP2は、貯留板部B715の間の隙間に入球することはできず、左右に流れて開口部B751を通過する(図171(c)参照)。
即ち、貯留板部B715の上端部付近まで球で満たされた場合に、貯留板部B715の内側に配置された球ではなく、その後追いで貯留板部B715の上端部付近に到達した球が開口部B751を通過する。
図171に示す例によれば、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球が第2特定入賞口B700aを通過すれば、球は開口部B751を通過することになる。
図172(a)から図172(c)は、図135の範囲CLXXaにおける上側可変入賞装置B700の拡大正面図である。図172(a)から図172(c)では、上側可変入賞装置B700への球の入球態様の一例が時系列で図示される。
図172(a)から図172(c)において、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の外形が、実線で図示される意味と、想像線で図示される意味とは、図170(a)及び図170(b)での図示における意味と同様である。
図172(a)に示すように、上側可変入賞装置B700の開放状態では、貯留板部B715と移動床部材B740とにより構成される領域に球が貯留されている状態が維持され、移動上蓋部材B730の前側を通過した球は、傾斜転動板部B713を転動し第2特定入賞口B700aを通過するか、または、例えば第2特定入賞口B700aの真上から落下するような球は傾斜転動板部B713を介さずに第2特定入賞口B700aに直接流入する。
図172(a)に示す状態は、図171(b)に示す状態と同様に、貯留板部B715の間に貯留される球に乗ることで貯留板部B715の上端部付近に配置され得る球BP1が流下している。
この状態で、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態に切り替えられると、移動床部材B740が後方へ退避し、貯留板部B715の間の領域に貯留されていた球が下から順に排出される(図172(b)参照)。
図172(b)及び図172(c)では、球が1個だけ排出された状態が図示されるが、排出される球の個数は、移動床部材B740が後方へ退避している時間の長さに対応しており、短時間であれば一部の球が排出され、長時間であれば全球が排出される。
貯留板部B715の間の領域から球が排出されていることから、4個目で第2特定入賞口B700aを通過した球BP1は、貯留板部B715の上端部付近よりも球一つ分(即ち、排出個数分)だけ下方に配置され、図172(c)に示すように球BP1の後追いで第2特定入賞口B700aを通過した球BP2も、貯留板715の間の領域に入球することになり、球BP2が貯留板部B715の上端部付近に配置されることになる。
図172(c)に示す状態から、更に球BP2の後追いで第2特定入賞口B700aを通過した球は、貯留板部B715の間の隙間に入球することはできず、左右に流れて開口部B751を通過する。
即ち、図172に示す例によれば、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球が第2特定入賞口B700aを通過したとしても、必ずしも球は開口部B751を通過するとは限らない。
球が開口部B751を通過するか否かは、後追いの球BP2が第2特定入賞口B700aを通過して貯留板部B715の上端部付近に到達するまで、貯留板部B715の上端部付近に球BP1が配置されている状態(図171(c)参照)が維持されるか否かに因る。
貯留板部B715からの球の排出は、移動上蓋部材B730が閉鎖されるタイミングで生じ(図172(b)参照)、排出される球の個数は開閉動作の長さに関係するので、移動上蓋部材B730の開閉動作の発生が頻繁であるほど、また、移動上蓋部材B730が閉鎖される時間が長いほど、貯留板部B715の上端部付近に球BP1が配置されている状態(図171(c)参照)が維持され難くなり、球が開口部B751を通過し難くなる。なお、移動上蓋部材B730の動作制御の詳細については後述する。
図173(a)から図173(c)は、図170(a)のCLXXIIIa-CLXXIIIa線における移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の断面図である。図173(a)から図173(c)では、ベース板B60の前端面および後端面が想像線で図示され、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態から開放状態へ切り替えられる様子が時系列で図示される。なお、図173(a)から図173(c)では、理解を容易とするために、駆動伝達装置B760が断面図ではなく、右方向から視認する側面図として図示される。
駆動伝達装置B760は、ベース板B60の背面側寄りの位置で固定配置される回転軸BJ1に軸支される第1部材B761と、ベース板B60の正面側寄りの位置で固定配置される回転軸BJ2に軸支される第2部材B762と、電磁力によりプランジャ―B763aを上下方向にスライド移動可能に構成されるソレノイドB763と、そのソレノイドB763のプランジャ―B763aが嵌め込まれそのプランジャ―B763aのスライド移動に同期して上下方向にスライド移動する伝達部材B764と、を備える。
上側可変入賞装置B700の閉鎖状態(図173(a)参照)では、第1部材B761が前倒姿勢でベース部材60側の下支え部(図示せず)に下支えされ、移動上蓋部材B730が前進位置に配置され、第2部材B762が後倒姿勢でベース部材60側の下支え部(図示せず)に下支えされ、移動床部材B740が後退位置に配置される。
上側可変入賞装置B700の開放状態(図173(c)参照)では、第1部材B761が後倒姿勢とされ、移動上蓋部材B730が後退位置に配置され、第2部材B762が前倒姿勢とされ、移動床部材B740が前進位置に配置される。
第1部材B761は、右側面から右方に突設部B761aが断面円形状で突設形成され、伝達部材B764は、突設部B761aの下方に位置するように突設部B761a側(本実施形態では、後側)に延設される後方延設部B764aと、その後方延設部B764aの上側において後方延設部B764aと平行に突設部B761a側に延設され先端が屈曲形成される屈曲延設部B764bと、を備える。
第2部材B762は、右側面から右方に突設部B762aが断面円形状で突設形成され、伝達部材B764は、突設部B762aの上方に位置するように突設部B762a側(本実施形態では、後側)に延設される後方延設部B764cと、その後方延設部B764cの下側において後方延設部B764cと平行に突設部B762a側に延設され先端が屈曲形成される屈曲延設部B764dと、を備える。
ソレノイドB763は、電磁力が発生することで(励磁状態)、プランジャ―B763aを上方に引き上げるよう構成され、電磁力が消えると(非励磁状態)、コイルバネの付勢力および重力によってプランジャ―B763aが下方に下ろされる。
移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の連動について説明する。図173(a)に示すように、ソレノイドB763の非励磁状態においてプランジャ―B763aが下方側終端位置に配置されることに伴い、駆動伝達装置B760の伝達部材B764が下方側終端位置に配置される。
ソレノイドB763が励磁状態とされることで、伝達部材B764が上方へスライド移動されるが、そのスライド移動の過程で、まず屈曲延設部B764dの上面に突設部B762aが押し上げられる態様で第2部材B762が前転方向に回動し始める(図173(b)参照)。
この間、後方延設部B764aも同様に上方へスライド移動されるが、後方延設部B764aと突設部B761aとの隙間が埋められるに留まり、突設部B761aは後方延設部B764aから負荷を与えられない。即ち、第1部材B761は依然として前倒姿勢を維持している。
図173(b)の状態から更に伝達部材B764が上方へスライド移動すると、後方延設部B764aの上面に突設部B761aが押し上げられる態様で第1部材B761が後転方向に回動し、後倒姿勢に変化する(図173(c)参照)。
本実施形態では、第1部材B761が前倒姿勢から後倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量と、第2部材B762が後倒姿勢から前倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量とが同じとされる。
そのため、第1部材B761が後倒姿勢になる前に、第2部材B762は前倒姿勢になる。本実施形態では、屈曲延設部B764dの後方への延設長さが、第2部材B762の前倒姿勢における突設部B762aの前端部を超えない長さとされているので、第2部材B762が前倒姿勢となった後において屈曲延設部B764dから第2部材B762へ上向きの負荷が生じることが防止される。
更に、屈曲延設部B764dの後端側において下方へ延びる部分の後面が突設部B762aと当接し、斜め前下方への変位を規制することで、第2部材B762の後転方向への回動を防止している。
この場合において、突設部B762aから伝達部材B764にかけられる負荷は主に前後方向の負荷となるので、突設部B762aを介して伝達される負荷により伝達部材B764が上下方向に変位することを防止し易くすることができ、伝達部材B764の配置を維持し易くすることができる。
図173(a)から図173(c)に示すように、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態から開放状態への切替動作は、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に動作するものではなく、動作タイミングに時間差がある。
即ち、事前に移動床部材B740が前進位置へ向けた動作を開始し、その後で移動上蓋部材B730が後退位置へ向けた動作を開始する。これにより、移動上蓋部材B730が後退位置に変位した直後に移動上蓋部材B730の正面側を球が通過したとしても、その時には既に移動床部材B740が前進位置に配置されているようにすることができる。
これにより、移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が通り過ぎるまで移動床部材B740が前進位置に配置されず、球が移動床部材B740の正面側を通り過ぎてしまい、貯留板部B715の間に球が貯留されない事態を回避することができる。
なお、これに加えて、本実施形態では移動上蓋部材B730の形状から、板部B731の上面を転動した球が第2特定入賞口B700aを通過するまでの期間が長くなるように図っていることからも、貯留板部B715の間に球が貯留されない事態を回避することができる。
図174(a)から図174(c)は、図170(a)のCLXXIIIa-CLXXIIIa線における移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の断面図である。図174(a)から図174(c)では、ベース板B60の前端面および後端面が想像線で図示され、上側可変入賞装置B700が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる様子が時系列で図示される。なお、図174(a)から図174(c)では、理解を容易とするために、駆動伝達装置B760が断面図ではなく、右方向から視認する側面図として図示される。
移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の連動について説明する。図174(a)に示すように、ソレノイドB763の励磁状態においてプランジャ―B763aが上方側終端位置に配置されることに伴い、駆動伝達装置B760の伝達部材B764が上方側終端位置に配置される。
ソレノイドB763が非励磁状態とされることで、ソレノイドB763に設けられるコイルバネの付勢力および重力によりプランジャ―B763aが下方へ移動され、伝達部材B764が下方へスライド移動されるが、そのスライド移動の過程で、まず屈曲延設部B764bの下面に突設部B761aが押し下げられる態様で第1部材B761が前転方向に回動し始める(図174(b)参照)。
この間、後方延設部B764cも同様に下方へスライド移動されるが、後方延設部B764cと突設部B762aとの隙間が埋められるに留まり、突設部B762aは後方延設部B764cから負荷を与えられない。即ち、第2部材B762は依然として前倒姿勢を維持している。
図174(b)の状態から更に伝達部材B764が下方へスライド移動すると、後方延設部B764cの下面に突設部B762aが押し下げられる態様で第2部材B762が後転方向に回動し、後倒姿勢に変化する(図174(c)参照)。
本実施形態では、第1部材B761が後倒姿勢から前倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量と、第2部材B762が前倒姿勢から後倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量とが同じとされる。
そのため、第2部材B762が後倒姿勢になる前に、第1部材B761は前倒姿勢になる。本実施形態では、屈曲延設部B764bの後方への延設長さが、第1部材B761の前倒姿勢における突設部B761aの前端部を超えない長さとされているので、第1部材B761が前倒姿勢となった後において屈曲延設部B764bから第1部材B761へ下向きの負荷が生じることが防止される。
更に、屈曲延設部B764bの後端側において上方へ延びる部分の後面が突設部B761aと当接し、斜め前上方への変位を規制することで、第1部材B761の後転方向への回動を防止している。
この場合において、突設部B761aから伝達部材B764にかけられる負荷は主に前後方向の負荷となるので、突設部B761aを介して伝達される負荷により伝達部材B764が上下方向に変位することを防止し易くすることができ、伝達部材B764の配置を維持し易くすることができる。
図174(a)から図174(c)に示すように、上側可変入賞装置B700の開放状態から閉鎖状態への切替動作は、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に動作するものではなく、動作タイミングに時間差がある。
即ち、事前に移動上蓋部材B730が前進位置へ向けた動作を開始し、その後で移動床部材B740が後退位置へ向けた動作を開始する。これにより、移動上蓋部材B730が閉鎖するきっかけとなる球(例えば、規定個数目で第2特定入賞口B700aを通過する球)について、その球が貯留板部B715の上端部付近に到達するまでの時間を引き延ばすことができる。
即ち、移動床部材B740が後退位置へ移動され、貯留板部B715から球が排出され始めるまでの時間を引き延ばすことができるので、移動上蓋部材B730が閉鎖するきっかけとなる球が検出センサB750の開口部B751を通過する可能性を高めることができる。
特に、移動上蓋部材B730が閉鎖するきっかけとなる球は、板部B731の前側を通過するので、板部B731の傾斜の影響を受けておらず、左右内側向きの速度を有したまま流下することが多い。そのため、第2特定入賞口B700aへの到達までの期間を短くすることができるので、移動床部材B740が後退位置へ変位する前に貯留板部B715の上端部付近に到達することへの遊技者の期待感を高めることができる。
更に、本実施形態では、第2特定入賞口B700aから検出センサB750までの距離が短いことに加え、貯留板部B715の上端部付近が第2特定入賞口B700aの真下に配置されることから、第2特定入賞口B700aを通りさえすれば、その球が検出センサB750の開口部B751を通過するかもしれないと思わせることができ、遊技者の期待感を上げることができる。
次いで、図175を参照して、本実施形態の大当たり遊技における1ラウンド目に開放される第2特定入賞口B700aの開放パターンについて説明する。なお、図175の説明では、図135、図137及び図170から図174を適宜参照する。
図175(a)は、第1の特別作動パターンにおける第2特定入賞口B700aの計時変化を示した図であり、図175(b)は、第2の特別作動パターンにおける第2特定入賞口B700aの計時変化を示した図であり、図175(c)は、第3の特別作動パターンにおける第2特定入賞口B700aの計時変化を示した図である。
MPUB201(図137参照)は、大当たりを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当たり遊技の制御を開始する。以下、大当たり遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の作動制御について説明する。
なお、図175(a)から図175(c)において、上開下閉は、移動上蓋部材B730が後退位置に配置されており且つ移動床部材B740が前進位置に配置されている状態を意味し、上閉下開は、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されており且つ移動床部材B740が後退位置に配置されている状態を意味する。本実施形態では、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の変位のタイミングがずれることは上述の通りであるが、図175(a)から図175(c)では、タイミングのずれを表現しない形で簡略して図示される。
まず、第1の特別作動パターンの動作が実行される場合について説明する。本実施形態では、後述するように、第1の特別作動パターンに基づいて移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が動作するようMPUB201がソレノイドB763を駆動制御する大当たり種別が用意されている。この大当たり種別の大当たりを決定した場合、MPUB201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間BOP1(10秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、オープニング時間BOP1の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材B730を前進位置から後退位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを開放するようソレノイドB763を駆動制御して、移動上蓋部材B730に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材B730を前進位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを閉鎖するようソレノイドB763を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の特別作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて移動床部材B740が前進位置に配置された状態が常に継続されるので、図171を参照して上述したように、規定個数の球を第2特定入賞口B700aに通過させる過程において、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球を貯留板部B715側へ向けて流下させることができる。従って、球が開口部B751を通過する場合を容易に生じさせることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間BInt1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間BInt1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
ラウンド間第1インターバル時間BInt1は、移動上蓋部材B730が前進位置へ変位される直前に移動上蓋部材B730の前側を通過した球が移動床部材B740の前側を通過するのに十分な時間として設定されればよく、本実施形態では約2秒間とされる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に特定入賞口B65aが開放される。そして、ラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、特定入賞口B65aを閉鎖し、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間BInt1を挟んで3ラウンド目~最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、特定入賞口B65aが開閉される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間BInt1およびエンディング時間ED(例えば、11秒)が経過するまで特定入賞口B65aが閉鎖状態で保持され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
次に、第2の特別作動パターンの動作が実行される場合について説明する。本実施形態では、後述するように、第2の特別作動パターンに基づいて移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が動作するようMPUB201がソレノイドB763を駆動制御する大当たり種別が用意されている。この大当たり種別の大当たりを決定した場合、MPUB201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間BOP1(10秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、オープニング時間BOP1の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材B730を前進位置から後退位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを開放するようソレノイドB763を駆動制御して、移動上蓋部材B730に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材B730を前進位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを閉鎖するようソレノイドB763を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の特別作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて移動上蓋部材B730が後退位置に配置されると共に移動床部材B740が前進位置に配置される状態と、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されると共に移動床部材B740が後退位置に配置される状態とが約1秒毎に切り替えられる。
換言すれば、第2特定入賞口B700a側へ球を誘導できると共に貯留板部B715の間の位置に球を貯留可能な状態と、第2特定入賞口B700a側への球の誘導が制限されると共に貯留板部B715の間の位置に貯留された球が排出される状態とが約1秒毎に切り替えられる。
本実施形態では、貯留板部B715の間の位置からの球の排出は1個当たり約0.2秒で完了されるよう形成される。そのため、移動床部材B740が後退位置に約1秒間配置されている間に貯留板部B715の間の位置から最大で5個の球が移動床部材B740の前側を流下可能となる。また、パチンコ機B10に許容される球の発射間隔(本実施形態では、0.6秒間隔)から考えて、移動上蓋部材B730が後退位置に約1秒間配置されている間に移動上蓋部材B730の前側を通過する球の個数は多くて3個程度である。
そのため、図172を参照して上述したように、規定個数の球を第2特定入賞口B700aに通過させる過程において、貯留板部B715の間の隙間に貯留された球が排出され得る状態が構成される。その上で、単位時間(約1秒間)当たりに貯留板部B715の間の隙間側へ誘導できる球の個数よりも、貯留板部B715の間の隙間から排出できる球の個数の方が多いので、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球を貯留板部B715の間の隙間に貯留させる状態を構成することが困難である。従って、球が開口部B751を通過する場合を生じさせることが困難である。
一方で、見かけ上は開口部B751が閉鎖されていないことから、球のイレギュラーな流下態様や、パチンコ機B10の設置時の傾斜等により、稀に開口部B751への入球が生じる可能性があるかもしれないと遊技者に思わせることができるので、上側可変入賞装置B700に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了した後の制御は、第1の特別作動パターンで動作する場合と同様なので、説明を省略する。
次に、第3の特別作動パターンの動作が実行される場合について説明する。本実施形態では、後述するように、第3の特別作動パターンに基づいて移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が動作するようMPUB201がソレノイドB763を駆動制御する大当たり種別が用意されている。この大当たり種別の大当たりを決定した場合、MPUB201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間BOP1(10秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、オープニング時間BOP1の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材B730を前進位置から後退位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを開放するようソレノイドB763を駆動制御して、移動上蓋部材B730に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材B730を前進位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを閉鎖するようソレノイドB763を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第3の特別作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて移動上蓋部材B730を後退位置で、且つ移動床部材B740を前進位置で約1秒間維持する状態と、移動上蓋部材B730を前進位置で、且つ移動床部材B740を後退位置で約0.2秒間維持する状態とが、交互に切り替えられる。
換言すれば、第2特定入賞口B700a側へ球を誘導できると共に貯留板部B715の間の位置に球を貯留可能な状態が約1秒間維持される態様と、第2特定入賞口B700a側への球の誘導が制限されると共に貯留板部B715の間の位置に貯留された球が排出される状態が約0.2秒間維持される態様とが、交互に繰り返される。この時間設定によれば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態は、1ラウンド目のラウンド遊技において最大で約25回形成可能とされる。
本実施形態では、貯留板部B715の間の位置からの球の排出は1個当たり約0.2秒で完了されるよう形成される。そのため、移動床部材B740が後退位置に約0.2秒間配置されている間に貯留板部B715の間の位置から最大で1個の球が移動床部材B740の前側を流下可能となる。また、パチンコ機B10に許容される球の発射間隔(本実施形態では、0.6秒間隔)から考えて、移動上蓋部材B730が後退位置に1秒間配置されている間に移動上蓋部材B730の前側を通過する球の個数は多くて3個程度である。
そのため、図172を参照して上述したように、規定個数の球を第2特定入賞口B700aに通過させる過程において、貯留板部B715の間の隙間に貯留された球が排出され得る状態が構成される。
その上で、単位時間(約1秒間)当たりに貯留板部B715の間の隙間側へ誘導できる球の個数よりも、第2単位時間(約0.2秒間)当たりに貯留板部B715の間の隙間から排出できる球の個数の方が少ないので、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球を貯留板部B715の間の隙間に貯留させる状態を構成することが、第2の特別作動パターンで上述する場合よりも容易とされる。従って、球が開口部B751を通過する場合を第2の特別作動パターンで上述する場合よりも生じさせることが容易とされる。
一方で、貯留板部B715の間の隙間に貯留された球は移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の変位が生じる毎に(約1.2秒間隔)、1個の割合で排出されるので、移動上蓋部材B730の前側を球が通過する頻度や、時間間隔によっては、球が開口部B751を通過せずに1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する場合も生じうる。
本実施形態における第3の特別作動パターンによれば、球が移動上蓋部材B730の前側を通過する頻度を上げることで、球が開口部B751を通過する可能性を高めることができるので、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける遊技における球の発射態様を継続打ち(球の発射を止めることなく、パチンコ機B10に許容される球の発射間隔(本実施形態では、0.6秒間隔)で球を連続で発射させる態様)にさせ易い。
これにより、遊技者が単発打ち(超過賞球等の利益を得るための技術介入として、球の発射を意図的に止めて0.6秒間隔以上の間隔を空けて球を一発ずつ発射する態様)を行うことを防止し易くすることができので、遊技者の経験の多少に関わらず遊技者が得られる利益の均一化を図ることができる。
なお、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了した後の制御は、第1の特別作動パターンで動作する場合と同様なので、説明を省略する。
図176を参照して、ROMB202(図137参照)の内容について説明する。図176(a)は、主制御装置B110内のROMB202の電気的構成を示すブロック図である。図176(a)に示すように、主制御装置B110のROMB202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブルB202a、第1当たり種別選択テーブルB202b、第2当たり乱数テーブルB202c、および変動パターン選択テーブルB202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブルB202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブルB202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
変動パターン選択テーブルB202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、第1当たり種別選択テーブルB202b及び第2当たり乱数テーブルB202cの詳細は後述する。
図176(b)は、第1当たり乱数テーブルB202aの内容を模式的に示した模式図であり、図176(c)は、特別図柄1乱数テーブルB202a1における第1当たり乱数カウンタC3と判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、図176(d)は、特別図柄2乱数テーブルB202a2における第1当たり乱数カウンタC3と判定値との対応関係を模式的に示した模式図である。
第1当たり乱数テーブルB202aは、図176(b)に示す通り、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブルB202a1と、第2入賞口B640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブルB202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブルB202a1は、図176(c)に示す通り、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく、特別図柄1の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。特別図柄1の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1~319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブルB202a2は、図176(d)に示す通り、第2入賞口B640への入球に基づく、特別図柄2の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。特別図柄2の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1~318」であるか判別されて、「1~318」であれば小当たりであると判別される。その他、「319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本制御例のパチンコ機B10における第1当たり乱数カウンタC3は、0~319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく特別図柄1の抽選時に、特別図柄1の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄1の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。
一方で、第2入賞口B640への入球に基づく特別図柄2の抽選時に、特別図柄2の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄2の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は318であるので、特別図柄2の小当たりとなる確率は「318/320」となる。
特別図柄1乱数テーブルB202a1及び特別図柄2乱数テーブルB202a2における上記の説明は、本実施形態における低確率状態に該当する。高確率状態では、「0」に加えて更に、取得した第1乱数カウンタC3の値が「1~9」であれば大当たりであると判別されるよう変更される。従って、高確率状態において特別図柄1又は特別図柄2の大当たりとなる確率は、「1/32」となる。
図177(a)は、第1当たり種別選択テーブルB202bにおける第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図177(b)は、第2当たり乱数テーブルB202cにおける第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
第1当たり種別選択テーブルB202b(図177(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機B10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルB202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図177(a)のB202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
この場合、遊技状態は単なる確変中ではなく、特殊確変中(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の確変中)に対応する。そのため、遊技者は、次の大当たりを獲得する前に、小当たりにより開放される特定入賞口B65aに球を入賞させることができ、多くの賞球の払い出しを受けることができる。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
1ラウンド目において開口部B751を球が通過しないというシチュエーションは、上側可変入賞装置B700への球の発射が満足にされずに、所定時間(例えば、30秒)が経過して1ラウンド目のラウンド遊技が終了した場合が想定される。
球発射ユニットB112aの球詰まりや、遊技領域における球詰まりにより、そのような事態が生じる可能性はある。これに対し、本実施形態では、特別図柄の大当たりが決定された場合に、スルーゲートB66,B67を球が通過するまでは大当たり遊技が開始されないように制御されているので、球詰まりに気づかずに大当たり遊技が開始される状況を避け易くすることができる。
なお、特別図柄の大当たりが決定された後における第3図柄表示装置B81での表示は、スルーゲートB66,B67を狙うのか、上側可変入賞装置B700を狙うのか、遊技者が混乱しないように工夫することが好ましい。例えば、大当たりが決定された直後は、スルーゲートB66,B67及び上側可変入賞装置B700の位置に向けた矢印を表示する等して狙わせ、大当たり遊技が開始された後はスルーゲートB66,B67の位置に向けた矢印の表示を消し、上側可変入賞装置B700の位置に向けた矢印の表示のみを残すようにしても良い。これにより、スルーゲートB66,B67に球を通過させた後で上側可変入賞装置B700に球を入球させるという遊技の流れをスムーズに行わせることができる。
なお、上側可変入賞装置B700へ向けて発射された球は、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態であれば、移動上蓋部材B730の傾斜に沿って左右に流され、遊技領域B301を流れてスルーゲートB66,B67を通過することになる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図177(a)のB202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
この場合、遊技状態は確変中に対応する。そのため、遊技者は、基本的には次の大当たりを獲得する前に多くの賞球の払い出しを受けることはできないので、短時間で次の大当たりを獲得できるようにと遊技を進行させることになる。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図177(a)のB202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第2の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が通過することが困難とされるので、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
この場合、遊技状態は時短中に対応する。そのため、遊技者は、基本的には次の大当たりを獲得する前に多くの賞球の払い出しを受けることはできないので、短時間で次の大当たりを獲得できるようにと遊技を進行させることになる。
また、電動役物B640aの作動パターンが大当たりBの後の遊技状態と同一とされるので、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかは、電動役物B640aの動作態様からは判別できない。そのため、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知しなければ、遊技者に予想させるという遊技態様を構成することができる。一方で、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知するようにしても良い。
特別図柄1の抽選(第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口B640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図177(a)のB202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンに設定される状態(特殊確変中に対応する)が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「30~49」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図177(a)のB202b5参照)。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
大当たりbとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態(確変中に対応する)が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図177(a)のB202b6参照)。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
大当たりcとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第3の特別作動パターンとされ、遊技者の球の発射態様次第で、検出センサB750の開口部B751を球が通過する場合と、開口部B751を球が通過しない場合とが形成される。
1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態(確変中に対応する)が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
一方、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態(時短中に対応する)が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
このいずれの場合も、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンで同じなので、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかは、電動役物B640aの動作態様からは判別できない。そのため、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知しなければ、遊技者に予想させるという遊技態様を構成することができる。
一方で、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知するようにしても良い。現に、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかは、1ラウンド目において開口部B751を球が通過するか否かに因るので、開口部B751を遊技者が視認可能とされる本実施形態のパチンコ機B10においては、遊技者は、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを把握できている場合が多い。
そのため、仮に、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを遊技者が把握できていないという前提で第3図柄の変動演出を設計する場合には、1ラウンド目において開口部B751を視認し難くする工夫や、開口部B751から目を逸らさせるような工夫を設けることが好ましい。
例えば、開口部B751を視認し難くする工夫としては、上側可変入賞装置B700に光を照射する照射手段の光量を、特に開口部B751付近において落としたり、開口部B751付近において極めて強くして眩しくさせたりすることで、開口部B751自体の視認性を落とすようにしても良いし、第3図柄表示装置B81で実行する演出に遊技者の視線を集めることで、開口部B751への注目力を相対的に低下させるようにしても良い。
特別図柄2の抽選(第2入賞口B640への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、30%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。
一方で、15ラウンドの大当たりを獲得できる可能性が、特別図柄1の抽選に比較して高く設定されている。そのため、特別図柄1の抽選を受ける状況に比較して、特別図柄2の抽選を受ける状況の方が、15ラウンドの大当たりが獲得できるかもしれないという期待感を高めることができる。
第2当たり乱数テーブルB202c(図177(b)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図177(b)のB202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~239」が規定されている(図177(b)のB202c2参照)。
本実施形態のパチンコ機B10では、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブルB202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
そして、普通図柄の高確率状態でも、普通図柄の低確率状態でも、頻繁に普通図柄の当たりとなる。そのため、電動役物B640aが頻繁に作動する状態を構成させることができる。
次いで、本実施形態におけるエンディング演出について説明する。まず、パチンコ機B10の上皿B17と、上皿B17付近に配置される操作ボタン群について説明する。
図178は、正面枠B14及び外枠B11の上面図である。正面枠B14には、球を貯留する上皿B17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿B17に賞球や貸出球などが排出される。上皿B17の底面は正面視(図134参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿B17に投入された球が球発射ユニットB112a(図137参照)へと案内される。
また、上皿B17の上面には、枠ボタンB22が設けられている。この枠ボタンB22は、例えば、第3図柄表示装置B81(図135参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作されることが一般的であるが、本実施形態では、大当たり遊技中(大当たり演出中)に操作されることで特定の演出を実行させるために利用されるものであり、詳細は後述する。
また、上皿B17の上面には、上述の貸球操作部B40と同様の機能を有する第2貸球操作部B40bが配設されている。第2貸球操作部B40bには、第2度数表示部B41bと、第2球貸しボタンB42bと、第2返却ボタンB43bとが設けられている。
パチンコ機B10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で第2貸球操作部B40bが操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。
具体的には、第2度数表示部B41bはカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。第2球貸しボタンB42bは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿B17に供給される。第2返却ボタンB43bは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿B17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では第2貸球操作部B40bが不要となるが、この場合には、第2貸球操作部B40bの設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
また、上皿B17の上面における第2貸球操作部B40bの左方には球抜き操作部B44が配設される。球抜き操作部B44を押込み操作すると、球を上皿B17から下皿B50(図134参照)へ向けて流下させることができるので、遊技者は、上皿B17に貯留された球を全球発射せずとも、任意のタイミングで遊技を終了することができる。
また、上皿B17の上面における枠ボタンB22の右方には、方向操作部B45が配設される。方向操作部B45は、上面視で上下左右の各方向に対応した位置に配置される独立操作可能な4個の操作部を有しており、例えば、パチンコ機B10から出力される音量の大小の調整を行ったり、第3図柄表示装置B81等の表示装置やLED等の発光手段の発光強度の調整を行ったり、遊技に関する演出(例えば変動演出)のタイプを複数態様で切り替え可能とされる場合にその切り替えを行ったりする場合に、遊技者等により操作される。
ここで、図179を参照して、第3図柄表示装置B81の表示内容について説明する。図179は、第3図柄表示装置B81の表示画面を説明するための図面であり、図179(a)は、変動演出の表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図179(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機B10においては、主制御装置B110(図137参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」又は「大当たりa」(図177参照)であれば奇数番号「7」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」又は「大当たりb」(図177参照)であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われ、「大当たりC」又は「大当たりc」(図177参照)であれば偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。
一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。なお、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、特別図柄の大当たりになる可能性が高いことを示唆(予告)する連続予告演出が行われることがあり、その場合には、変動表示が行われると、所定の主図柄の組み合わせ(例えば、有効ラインLB1上に、主図柄の組み合わせが左図柄列BZ1から順に「3」「4」「1」)である、所謂「チャンス目」が必ず表示される。
図179(a)に示すように、第3図柄表示装置B81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域BDm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域BDsとなっている。
主表示領域BDmは、左・中・右の3つの表示領域BDm1~BDm3に区分けされており、その3つの表示領域BDm1~BDm3に、それぞれ3つの図柄列BZ1,BZ2,BZ3が表示される。各図柄列BZ1~BZ3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列BZ1~BZ3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列BZ1~BZ3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列BZ1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列BZ2及び右図柄列BZ3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域BDmには、各図柄列BZ1~BZ3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域BDmの中段部が有効ラインLB1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列BZ1→右図柄列BZ3→中図柄列BZ2の順に、有効ラインLB1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインLB1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域BDsは、主表示領域BDmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域BDs1~BDs3に等区分されている。このうち、小領域BDs1は、第1入賞口B64,第3入賞口B64b又は第2入賞口B640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域BDs2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図179(b)に示すように、主表示領域BDmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域BDsにおいては、右の小領域BDs3に動画(図示せず)が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域BDs2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
第3図柄表示装置B81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域BDsの小領域BDs1においても示される。小領域BDs1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(本実施形態では、「麦わら帽子」の図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域BDs1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域BDs1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
同様に、第3図柄表示装置B81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第2入賞口B640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域BDsの小領域BDs1においても示される。小領域BDs1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(本実施形態では、「星形状」の図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域BDs1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域BDs1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
本実施形態では、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入球した場合の保留球数が小領域BDs1の上半部に横並びで表示されるのに対し(図179(b)参照)、第2入賞口B640へ入球した場合の保留球数が小領域BDs1の下半部に横並びで表示される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球、及び第2入賞口B640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域BDs1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置B81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置B81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニットB80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
続けて、図180を参照して、第3図柄表示装置B81において行われる大当たり演出について説明する。図180(a)は、大当たり演出の流れの一例を説明するための概略図であり、図180(b)は、エンディング演出の流れの一例を説明するための概略図であり、図180(c)、図180(d)及び図180(e)は、大当たり演出の一部であるエンディング演出において表示されるエンディング表示演出の表示画面を例示した図である。
主制御装置B110では、第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、図180(a)に示すように、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置B81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置B81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、1秒~60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
図180(a)に示すように、大当たり演出は、ファンファーレ演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。
ファンファーレ演出は、これからパチンコ機B10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知し、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aに向けて球を発射させるように促し、多数の賞球を払い出すことを報知するための演出である。
図180(b)に示すように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(特別図柄の大当たり確率の大小、次の大当たりを獲得するまでにまとまった賞球の払い出しが期待できるか否か、普通図柄の時短期間等)を遊技者に報知するエンディング表示演出が実行される。
また、エンディング演出には、場合に応じて、パチンコ機B10の製造会社を報知する社名表示演出や、遊技終了時や離席時に残額が存在するカード等(記録媒体、他にコイン等)の返却のための操作するように示唆するカード忘れ防止表示演出が、実行されるが、詳細は後述する。
第3図柄表示装置B81において大当たり演出が行われる場合には、図180(a)に示すように、まず、第3図柄の停止表示がなされるタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へファンファーレコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、変動演出に続けて、ファンファーレ演出が開始される。
次に、ファンファーレ演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ第1ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、ファンファーレ演出に続けて、第1ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。本実施形態では、パチンコ機B10が特別遊技状態へ移行した後、その状態は、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aの開閉が大当たり種別に応じた回数だけ繰り返されるまで(最大15ラウンド、図177(a)参照)継続される。
第1ラウンドが開始され、第2特定入賞口B700aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、第2特定入賞口B700aが閉鎖されると共に、第1ラウンドが終了する。すると、ラウンド間インターバル時間Int1(図175参照)を挟んで直ぐに第2ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ第2ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、第1ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第2ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。
第2ラウンドが開始され、特定入賞口B65aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、特定入賞口B65aが閉鎖されると共に、第2ラウンドが終了する。すると、ラウンド間インターバル時間Int1(図175参照)を挟んで直ぐに第3ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ第3ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、第2ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第3ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。
第3ラウンドが開始されると、第2ラウンドの場合と同様に、特定入賞口B65aの開閉制御が行われる。その後は、新たなラウンドが開始されるタイミングとなる毎に、新たなラウンド数を示すラウンド数コマンドが主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ送信されると共に、特定入賞口B65aの開閉制御が行われる。これにより、第1ラウンドから最終ラウンド(最大15ラウンド)までの各ラウンド演出が順番に実行される。
そして、最終ラウンドの特定入賞口B65aの開閉が終了したタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へエンディングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、エンディング演出が開始される。上述したように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了が遊技者に報知されると共に、エンディング表示演出において大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(特別図柄の大当たり確率の大小、次の大当たりを獲得するまでにまとまった賞球の払い出しが期待できるか否か、普通図柄の時短期間等)が遊技者に報知される。
エンディング表示演出では、例えば、図180(c)に示すように、第3図柄表示装置B81の画面中央よりも若干上寄りの位置で、大当たり遊技において払い出された賞球個数を示す賞球表示B801が表示され、第3図柄表示装置B81の画面右下に、「チャンス100回」との内容を示す識別表示B802が表示される。また、その識別表示B802の上側に「まだ諦めるな」との内容を示す信頼度表示B803が表示され、識別表示B802の下側に後述する時間表示B811が表示される。
時間表示B811は、エンディング演出(エンディング表示演出のみの場合を含む)の終了時を報知する役割を有し、適切なタイミングから終端位置B812へ向けて右端部が移動するが、詳細は後述する。
この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりC」(図177参照)である場合か、抽選結果が「大当たりc」であって大当たり遊技中に検出センサB750の開口部B751(図170参照)を球が通過しなかった場合に表示されるものであり、識別表示B802が、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでは電動役物B640aが第2の作動パターンで動作制御される状態が継続され、特別図柄の大当たり確率は低確率(本実施形態では、320分の1)であることを意味する。
このように表示を構成することで、識別表示B802の意味を遊技者が理解できない場合であっても、信頼度表示B803により、次回大当たりの可能性が少ないながらあることを遊技者は認識することができる。
即ち、第3図柄表示装置B81の画面のエンディング表示演出を視認することで、遊技者に次回大当たりの期待感を持たせることができるので、意欲的に遊技を継続させることができる。
また、エンディング表示演出では、例えば、図180(d)に示すように、第3図柄表示装置B81の画面中央よりも若干上寄りの位置で、大当たり遊技において払い出された賞球個数を示す賞球表示B801が表示され、第3図柄表示装置B81の画面右下に、「確率変動突入」との内容を示す識別表示B802が表示される。また、その識別表示B802の上側に「期待大」との内容を示す信頼度表示B803が表示され、識別表示B802の下側に後述する時間表示B811が表示される。
この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりB」又は「大当たりb」(図177参照)である場合に表示されるものであり、識別表示B802が、大当たり終了後から特別図柄の次回大当たりとなるまでは、電動役物B640aが第2の作動パターンで動作制御される状態が継続され、特別図柄の大当たり確率は高確率(本実施形態では、32分の1)であることを意味する。
また、この画面における識別表示B802、信頼度表示B803及び時間表示B811は、抽選結果が「大当たりc」であって大当たり遊技中に検出センサB750の開口部B751(図170参照)を球が通過した場合にも表示されるが、その場合には、賞球表示B801が図180(d)に示す数値と異なり、図180(c)に示す「600」とされる。
このように表示を構成することで、識別表示B802の意味を遊技者が理解できない場合であっても、信頼度表示B803により、次回大当たりに期待できることを遊技者は認識することができる。
即ち、第3図柄表示装置B81の画面のエンディング表示演出を視認することで、遊技者に次回大当たりの期待感を持たせることができるので、意欲的に遊技を継続させることができる。
なお、識別表示B802及び信頼度表示B803の内容は、これに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、識別表示B802に「次回大当たり確定」と表示し、信頼度表示B803に「更なる賞球準備中」と表示するようにしても良い。
また、エンディング表示演出では、例えば、図180(e)に示すように、第3図柄表示装置B81の画面中央よりも若干上寄りの位置で、大当たり遊技において払い出された賞球個数を示す賞球表示B801が表示され、第3図柄表示装置B81の画面右下に、「ラッシュ突入」との内容を示す識別表示B802が表示される。また、その識別表示B802の上側に「超期待大」との内容を示す信頼度表示B803が表示され、識別表示B802の下側に後述する時間表示B811が表示される。
この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりA」又は「大当たりa」(図177参照)である場合に表示されるものであり、識別表示B802が、大当たり終了後から特別図柄の次回大当たりとなるまでは、電動役物B640aが第3の作動パターンで動作制御される状態が継続され、特別図柄の大当たり確率は高確率(本実施形態では、32分の1)であることを意味する。
このように表示を構成することで、識別表示B802の意味を遊技者が理解できない場合であっても、信頼度表示B803により、次回大当たりに期待できることに加えて、それ以上の利益を獲得可能であることを遊技者は認識することができる。
即ち、第3図柄表示装置B81の画面のエンディング表示演出を視認することで、遊技者に次回大当たりの期待感に加えて、それ以上の利益(例えば、次の大当たりを獲得する前の段階において、小当たりを利用した入賞により賞球の増加が見込めること)に対する期待感を持たせることができるので、意欲的に遊技を継続させることができる。
このように、識別表示B802は、大当たり遊技終了後の遊技状態に対応して表示を変化させるように構成されており、遊技者は、エンディング表示演出を視認することで、大当たり遊技終了後に得られる利益の予想を立てることができる。
なお、識別表示B802及び信頼度表示B803の内容は、これに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、「ラッシュ突入」に代えて、「超確変突入」でも良いし、「小当たりラッシュ突入」でも良いし、「超有利モード」等の特有の名称を付して表示しても良い。
次いで、エンディング演出における社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出について説明する。図180(b)に示す例におけるエンディング演出では、エンディング表示演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ社名表示コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、エンディング表示演出に続けて、社名表示演出が開始される。
次に、社名表示演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へカード忘れ防止表示コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、社名表示演出に続けて、カード忘れ防止表示演出が開始される。
カード忘れ防止表示演出が終了することで、エンディング演出が終了する。エンディング演出の終了後は、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。一方で、保留されている始動入賞が無ければ(保留球数が0個であれば)、第3図柄表示装置B81では変動待機画面が表示される。
図181(a)は、エンディング演出において表示される社名表示演出の表示画面を例示した図であり、図181(b)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図181(a)及び図181(b)では、エンディング表示演出に次いで社名表示演出が実行され、その社名表示演出に次いでカード忘れ防止表示演出が実行される場合(図180(b)参照)について説明する。
図181(a)及び図181(b)で示す例では、エンディング演出の実行時間が、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出でそれぞれ均等に分けられ、エンディング演出の実行時間が15秒に設定される。この場合には、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出はそれぞれ5秒ずつ割り当てられる。
図181(a)に示すように、社名表示演出では、第3図柄表示装置B81の画面の中央付近における特定表示B810として、パチンコ機B10の製造会社名(Aカンパニー)が表示される。
また、図181(b)に示すように、カード忘れ防止表示演出に切り替わると、第3図柄表示装置B81の画面の中央付近における特定表示B810として、カードユニットの差込口からカードが返却される様子を示す静止画(又は動画)が表示され、その下方に「カードの取り忘れにご注意下さい」とのコメントが表示される。
図181(a)及び図181(b)で示す例におけるエンディング演出では、5秒間実行されるエンディング表示演出の終了後、社名表示演出が5秒間実行され、カード忘れ防止表示演出が5秒間実行されることから、エンディング表示演出の終了時から次の変動演出の開始まで10秒の間が空くことになる。本実施形態では、その空いた時間を有効に利用することができるよう工夫されている。
図181(a)及び図181(b)に図示されるように、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の実行中に共通して、第3図柄表示装置B81の画面の下端部付近には時間経過とともに右先端部が右方へ移動する時間表示B811が表示され、第3図柄表示装置B81の画面の右上隅部には枠ボタンB22を模式的に示す枠ボタン表示B813が表示され、その枠ボタン表示B813の右側には目盛りが上下に並んでおり現在の発光強度(パチンコ機B10に配設されるLED(例えば、電飾部B29~B33や表示ランプB34(図134参照))等の発光手段の発光強度や、第3図柄表示装置B81の画面の明るさ)の設定値を遊技者に把握可能に表示する(5段階の内、上から2番目の設定値であると表示する)目盛り表示B814が表示され、枠ボタン表示B813及び目盛り表示B814の下方には「長時間の光に注意して下さい」という内容の注意コメント表示B815が表示される。
本実施形態では、エンディング演出中では、枠ボタン表示B813が第3図柄表示装置B81の画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の押し込み操作が有効になるように制御される。即ち、エンディング演出中では、枠ボタン表示B813が第3図柄表示装置B81の画面に表示されていない場合における枠ボタンB22の操作は無効とされる。
第3図柄表示装置B81の画面において、枠ボタン表示B813及び目盛り表示B814は、カード忘れ防止表示演出の途中(残り4秒の時点)で非表示とされるが、特定表示B810、時間表示B811及び注意コメント表示B815は、カード忘れ防止表示演出が終了するまで表示が継続される。
ここで、遊技球が第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bに入球したとしても、エンディング演出の実行中は特別図柄の変動が停止されるので、特別図柄の保留球数が減少しない。そのため、特別図柄の保留球数が満タンの場合に第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bに入球しても、遊技者は特別図柄の抽選を受けることができない。一方で、エンディング演出が終了した後であれば、特別図柄の変動が開始されるので、特別図柄の保留球数が満タンから減少し、始動口に球を入球させることで遊技者が特別図柄の抽選を受けることができる可能性が高まる。
また、エンディング演出中を含む大当たり遊技中は、電動役物B640aの作動パターンが通常中の作動パターンとされる。本実施形態では、第1の作動パターン(図164(a)参照)となるので、遊技球がスライド部材B450に拾われ難い。一方で、エンディング演出が終了すれば、大当たり種別に対応した作動パターンで電動役物B640aが駆動されることになるので、遊技球がスライド部材B450に拾われ易くなるので、遊技球が第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図135参照)に入球し易くなる。
このような事情から、遊技者は、ラウンド遊技が終了した後は、エンディング演出の終了後に球を発射開始した方が、損が少ないと考え易いところ、従来の遊技機では、エンディング演出がいつ終わるのかが分かり難かった。即ち、遊技結果としてはエンディング表示演出で示されているので、遊技者としてはすぐに変動演出が始まると思いやすく、エンディング表示演出から画面が切り替わるや否や球を発射すると考えられるが、実は社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の分だけエンディング演出が残っている場合があり、そのことに気付いた時には既に球は発射されており、遊技者はエンディング演出中に発射して数発の球を無駄にしたと不満に感じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、時間表示B811の移動態様は、エンディング演出の終了と同時に時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するように設定されている。即ち、時間表示B811の右端部が時間経過と共に右方へ移動し、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達した後で変動演出が開始されるので、エンディング演出の長さと、エンディング演出の終了時を把握し易くすることができるので、エンディング演出中に球を発射するという事態を回避し易くすることができる。
なお、時間表示B811の移動態様は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、時間表示B811及び終端位置B812の表示態様が、時間表示B811の左端部と終端位置B812との間の長さを10秒分の長さの目安として設計されている。エンディング演出の開始時にエンディング演出の終了までが10秒以上である場合には、エンディング演出の終了まで約10秒となるタイミングまでは、時間表示B811の右端部は停止されたままとなるか極めて遅い速度で移動するように設定され、エンディング演出の終了まで約10秒となるタイミングで、時間表示B811の右端部が時間経過と共に右方へ等速で移動を開始するように設定される。
一方で、エンディング演出の開始時にエンディング演出の終了までが10秒未満である場合には、時間表示B811の右端部は即座に移動開始される。この場合において、時間表示B811の移動速度は、エンディング演出の終了と同時に時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する速度として設定される(即ち、エンディング演出の終了までが5秒であれば、10秒間かけて終端位置B812まで移動する場合の速度の2倍の速度で設定される)。
なお、本実施形態では、図181(a)及び図181(b)に示すように、終端位置B812の上方に遊技球の打ち出し開始を示唆する「GO」の文字が常に表示されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達した時または時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する数秒前(例えば、発射された球がスルーゲートB66,B67に到達するまでに要する平均的な秒数前)に「GO」の文字を表示させるようにしても良い。この場合の表示は、「GO」の文字が非表示の状態から表示されるものでも良いし、「GO」が半透明で表示される状態から実体化するように表示されるものでも良い。
この場合、「GO」の文字が表示されることを目印にして球の発射を開始すれば、エンディング演出の終了前に球がスルーゲートB66,B67を通過することを回避し易くすることができるので、遊技者は移動する時間表示B811を目で追う必要が無くなる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、「GO」の文字の表示態様は、何ら限定されるものではない。例えば、「球発射開始」や、「バーが到達したら打ち出し開始」というコメントと入れ替えても良い。また、「GO」の文字の大きさが常に同じである必要はない。例えば、時間表示B811の右端部が移動するにつれて「GO」の文字が徐々に大きくなっていく態様でも良い。この場合において、「GO」の文字の最大の大きさが半透明で表示されており、徐々に大きくなる「GO」の文字の大きさが、半透明で示される最大の大きさと一致するタイミングを、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングと合わせるように制御しても良い。
図181に示す状態において、遊技者が枠ボタンB22の操作を実行しなかった場合には、図181(b)に示すカード忘れ防止表示演出の継続中に時間表示B811が終端位置B812に到達した後で、第3図柄表示装置B81の画面は図179(b)に示したような画面に切り替わり、変動演出が開始される。
図181に示すように、枠ボタン表示B813が第3図柄表示装置B81の画面に表示されている場合、一般的には枠ボタンB22の操作が可能であることを示している。図181に示す状態において、遊技者が枠ボタンB22の操作を実行した場合の第3図柄表示装置B81の画面の切り替わりについて説明する。
図182(a)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図であり、図182(b)は、エンディング演出終了直後における表示画面を例示した図である。
図182(a)では、図181(b)に示す状態(枠ボタン表示B813が表示されている状態)において、遊技者が枠ボタンB22(図178参照)を操作した場合に切り替えられる第3図柄表示装置B81の画面が図示される。
枠ボタンB22を操作して第3図柄表示装置B81の画面が図182(a)に示す状態に切り替えられた場合も、枠ボタンB22を操作しなかった場合と同様に、時間表示B811の右端部が時間経過と共に右方へ移動し、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達した後で第3図柄表示装置B81の画面は図182(b)に示したような画面に切り替わり、変動演出が開始される。
図182(a)に示すように、遊技者が枠ボタンB22を操作すると、特定表示B810としての、カードユニットの差込口からカードが返却される様子を示す静止画(又は動画)及び「カードの取り忘れにご注意下さい」とのコメントは、第3図柄表示装置B81の画面の左上隅に移動されると共に、表示態様が縮小される。これにより、特定表示B810の識別性を低下させることができ、遊技者の注意力を特定表示B810以外の部分に向けさせ易くすることができる。
画面の中央付近には方向操作部B45を模式的に示す方向操作部表示B816が表示され、その方向操作部表示B816の左側には、目盛りが上下に並んでおり現在の発光強度の設定値を遊技者に把握可能に表示する(5段階の内、上から2番目の設定値であると表示する)縦目盛り表示B817が表示され、方向操作部表示B816の下側には、目盛りが左右に並んでおり現在の音量の大小の設定値を遊技者に把握可能に表示する(5段階の内、上(右)から3番目の設定値であると表示する)横目盛り表示B818が表示される。
更に、注意コメント表示B815の下側には、「長時間の音に注意して下さい」という内容の第2注意コメント表示B819が表示される。注意コメント表示B815及び第2注意コメント表示B819は、遊技者が設定値を確認できる対象の種類に対応して表示されている。
図182(a)に示すように、方向操作部表示B816が表示画面に表示されている状態では、方向操作部B45の上下方向のボタンを操作することで、縦目盛り表示B817の設定値を変更することができる。即ち、目盛りが並ぶ方向と、目盛りの設定値を変更するために操作するボタンの方向とが対応しており、遊技者に操作方法を容易に理解させることができる。
図182(a)に示すように、方向操作部表示B816が表示画面に表示されている状態では、方向操作部B45の左右方向のボタンを操作することで、横目盛り表示B818の設定値を変更することができる。即ち、目盛りが並ぶ方向と、目盛りの設定値を変更するために操作するボタンの方向とが対応しており、遊技者に操作方法を容易に理解させることができる。
また、方向操作部表示B816が表示画面に表示されていない状態では方向操作部B45の操作は無効となるように制御されている。これにより、遊技者は、方向操作部表示B816の有無を確認するだけで現在行う方向操作部B45の操作が有効か無効かを認識することができる。
縦目盛り表示B817の端部付近に電球を模した表示がされており、縦目盛り表示B817により発光強度(パチンコ機B10に配設されるLED(例えば、電飾部B29~B33や表示ランプB34(図134参照))等の発光手段の発光強度や、第3図柄表示装置B81の画面の明るさ)を設定可能であることを遊技者に容易に理解させることができる。また、横目盛り表示B818の端部付近に音符を模した表示がされており、横目盛り表示B818により音量の大小を設定可能であることを遊技者に容易に理解させることができる。
図182(b)に示す状態では、特別図柄の変動演出が開始される状態として同様とされる図179(b)に示す状態と異なり、方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛り表示B818が縮小された状態で小領域BDs3に配置される。
そのため、エンディング演出が終了して、変動演出が実行された後もしばらくは、方向操作部表示B816が継続して表示され、発光強度の設定を変更したり、音量の大小の設定を変更したりすることができる。
本実施形態では、方向操作部表示B816は、エンディング演出の終了後に開始される1回目の変動演出の高速変動表示中には継続して表示され、その変動演出の高速変動表示終了後に非表示とされる。
これにより、少なくとも、図柄が停止表示され変動演出が終了するタイミングでは方向操作部表示B816は非表示とされ、方向操作部B45の操作は無効とされることから、遊技者が方向操作部B45を操作する事態は生じないので、方向操作部B45を操作することに集中しており図柄の停止表示を見逃すという事態を避けることができる。
また、高速変動中は、保留球数に空きができることから、特別図柄の抽選を受けるために遊技者は球の発射を開始することになるが、方向操作部B45は片手操作が可能とされるので、球の発射を害することを回避することができる。遊技者が球を数発発射している間に(発射している状態を経て)、方向操作部表示B816は非表示とされる。
エンディング演出の終了後に開始される2回目の変動演出からは、方向操作部表示B816が非表示とされる。即ち、第3図柄表示装置B81の画面は図179(b)に示すような状態とされ、変動演出が実行される。
図183は、エンディング演出と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。図183に示すように、本実施形態では、エンディング表示演出は、大当たり種別に関わらず実行される(図183中、○で表記)。
また、社名表示演出は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態が、遊技者にとって最も有利な状態となる場合に実行されるので、社名表示演出を視認した遊技者に対して、大当たり遊技終了後の遊技状態に対する期待感を持たせることができる。
本実施形態では、大当たり遊技終了後に特殊確変状態に突入する大当たり種別である「大当たりA」又は「大当たりa」のエンディング演出において社名表示演出が実行され(図183中、○で表記)、その他の大当たり種別の大当たり遊技のエンディング演出において社名表示演出は実行されない(図183中、×で表記)。
なお、社名表示演出の実行の条件は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態に対応するものであり、大当たり遊技における払い出し個数に対応するものではない。即ち、大当たり遊技における払い出し個数が例えば0個であっても、社名表示演出は実行される。
なお、本実施形態では、「大当たりA」又は「大当たりa」の大当たり遊技における払い出し個数は全大当たり種別の内で最大個数であるので、社名表示演出が実行された場合に、遊技者に対して、払出賞球個数が最大個数の大当たり遊技が実行されたことを実感させることができる。
また、カード忘れ防止表示演出は、大当たり遊技における払い出し個数が8ラウンド分の個数以上(所定の個数以上)である場合に実行されるので、カード忘れ防止表示演出を視認した遊技者に対して、多くの賞球を獲得した喜びを実感させることができる。
本実施形態では、15ラウンドの大当たり種別である「大当たりA」又は「大当たりa」及び8ラウンドの大当たり種別である「大当たりB」又は「大当たりb」のエンディング演出においてカード忘れ防止表示演出が実行され(図183中、○で表記)、その他の大当たり種別の大当たり遊技のエンディング演出においてカード忘れ防止表示演出は実行されない(図183中、×で表記)。
このように、本実施形態では、大当たり種別に対応して、エンディング演出の内容が異なる。エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出は、それぞれ5秒間の演出となるので、組み合わせの違いに対応して、エンディング演出の実行時間が異なることになる。
例えば、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりa」の大当たり遊技におけるエンディング演出は、15秒間かけて実行され、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりb」の大当たり遊技におけるエンディング演出は、10秒間をかけて実行され、大当たり種別が「大当たりC」又は「大当たりc」の大当たり遊技におけるエンディング演出は、5秒間をかけて実行される。
このような事情から、遊技者からすると、エンディング演出の終了時点を図りがたく球の発射タイミングに迷う可能性があるが、本実施形態では、時間表示B811(図181参照)によりエンディング演出の終了時点を把握可能になっている。
即ち、エンディング演出の時間が違っても、時間表示B811の右端部の移動スピードが変更されること(又は、時間表示B811の移動開始点が変更されること)により、時間表示B811が終端位置B812に到達した時にエンディング演出が終了することは同一とされており、時間表示B811を視認することで、遊技者が球の発射タイミングに迷うことがないようにすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
なお、大当たり種別に対応して規定され不変なのはエンディング演出の実行時間であり、エンディング演出中における内容は可変である。例えば、実行時間としては15秒のエンディング演出であっても、ある条件が満たされれば(又はランダムで)、エンディング表示演出を10秒として、残りの5秒で社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出を実行するようにしても良い。特に、初回の大当たり時には、エンディング表示演出を長めに設定することで、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、図184及び図185を参照して、第46実施形態について説明する。第45実施形態では、入賞ユニットB400において中央流路B431を流下する球を下支えする部分としての底面部B431aが固定の板部として構成される場合を説明したが、第46実施形態の入賞ユニットB2400では、中央流路B2431を流下する球を下支えする部分の形状が変化するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図184及び図185は、図148(c)のCLI-CLI線における第46実施形態における入賞ユニットB2400の断面図である。図184では、電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)が図示され、図185では、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)が図示される。
電動役物B640aは、第45実施形態と同じ傾倒部材B470と、第45実施形態のスライド部材B450と部分的に形状が異なるスライド部材B2450と、を備える。なお、スライド部材B2450は形状が部分的に異なるだけであり、動作態様は第45実施形態のスライド部材B450と同じである。
スライド部材B2450の、第45実施形態におけるスライド部材B450との違いについて説明する。スライド部材B2450は、中央固定部B454の前端部から下方に突設される下突設部B2456と、中央固定部B454の前端部から前方に突設される前突設部B2457と、を備える。
第45実施形態における入賞ユニットB400では、図154に示すように、中央固定部B454の配置と、中段部材B430の後壁部B434の配置とが、上下方向で重なっておらず、中段部材B430にスライド部材B450を上から被せるようにして組み付けることが可能であったが、第46実施形態における入賞ユニットB2400では、前突設部B2457が後壁部B434の後端部よりも前側に張り出す形状とされており、そのままでは組み付け方法を流用することができない。
これに対して、本実施形態では、図184に示す断面を中心とする左右幅(本実施形態では、約3mm程度の左右幅)で、底面部B431a、係止板部B431b及び後壁部B434に連続的に切れ込みB2431dが形成される。即ち、切れ込みB2431dは、後壁部B434の上端部から下端部までを切り、その位置から底面部B431aの途中位置まで、且つ、係止板部B431bの途中位置まで続く開放部として形成される。
切れ込みB2431dの左右幅が、前突設部B2457の左右幅よりも若干長い左右幅として形成されていることで、図185に示す配置において、スライド部材B2450の前突設部B2457の配置と、中段部材B2430の切れ込みB2431dの配置とを重ねることができる。
そのため、切れ込みB2431dを通してスライド部材B2450の前突設部B2457は中段部材B2430を上下方向に通過することができるので、中段部材B2430にスライド部材B2450を上から被せるようにして組み付けることが可能となっている。
下突設部B2456は、切れ込みB2431dの外側における係止板部B431bの後面と当接可能な位置まで突設される、スライド部材B2450の前側移動終端を規定するための部分である。
第45実施形態では、中央固定部B454の前端部が係止板部B431bの後面に突き当たる位置でスライド部材B450の前側移動終端が規定されていたが(図151参照)、第46実施形態においても、中央固定部B454の前端部から真下に突設される下突設部B2456の前面が係止板部B431bの後面に突き当たる位置でスライド部材B2450の前側移動終端が規定されるので、第46実施形態におけるスライド部材B2450の前側移動終端位置と、第45実施形態におけるスライド部材B450の前側移動終端位置とは、同じ位置とされる。
前突設部B2457は、上方へ向けて突設される一対の球干渉突設部B2458a,B2458bを備える。球干渉突設部B2458a,B2458bは、切れ込みB2431dに進入可能な左右位置において前後に並ぶように配設されており、後側の球干渉突設部B2458bよりも、前側の球干渉突設部B2458aの方が、上端位置が低くなるように形成される。
球干渉突設部B2458bの上端位置と、球干渉突設部B2458aの上端位置とを通る直線の前後方向傾斜角度は、中段部材B2430の底面部B431aの上面の前後方向傾斜角度と同じとなるように形成される。
球干渉突設部B2458a,B2458bの突設長さは、スライド部材B2450が前進位置に配置された場合に、底面部B431aの上面から上方に1~2mmだけ張り出す程度の長さとされている(図184参照)。これにより、スライド部材B2450が後退位置に配置された場合に、底面部B431aの上面からはみ出さないように、球干渉突設部B2458a,B2458bの上端位置を切れ込みB2431dの内側(中段部材B2430の上下方向の肉厚寸法の内側)に収めることができる。
これにより、スライド部材B2450が前進位置に配置される場合には、中央流路B2431を流下する球に対して、球干渉突設部B2458a,B2458bを当接させることができる一方、スライド部材B2450が後退位置に配置される場合には、中央流路B2431を流下する球と、球干渉突設部B2458a,B2458bとが当接しないよう構成することができる。
図184及び図185で説明した構成により、第46実施形態における入賞ユニットB2400では、第45実施形態で説明した入賞ユニットB400により生じる作用に加えて、中央流路B2431を流下する球の流下速度を場合により変化させることができる。
例えば、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)になった場合には、球干渉突設部B2458a,B2458bが中央流路B2431の外方に退避するので、中央流路B2431を流下する球が球干渉突設部B2458a,B2458bとの当接により減速されることはなくなる。
加えて、第45実施形態で上述したように、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化する際に左案内板部B452又は右案内板部B453(図140参照)に乗っている球は、左案内板部B452又は右案内板部B453により後方に押し込まれることで流下方向(矢印B方向)に加速される。
従って、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化した場合には、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全区域において、球の流下速度が速くなり易い。
また、例えば、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)になった場合には、球干渉突設部B2458a,B2458bが底面部B431aの上面から中央流路B2431側に張り出すので、中央流路B2431を流下する球が球干渉突設部B2458a,B2458bに当接し減速される。これにより、中央流路B2431での球の流下の減速作用が、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)である場合に比較して生じ易くなり、球の流下態様を落ち着かせることができる(整流させることができる)。
加えて、第45実施形態で上述したように、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化する際に左案内板部B452又は右案内板部B453(図140参照)に球が乗っていたとしても、左案内板部B452又は右案内板部B453は球との間に隙間を生じさせる方向(球を押込まない方向、矢印F方向)に変位するので、球の流下速度の変化は抑制される(加速されるわけではない)。
従って、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化した場合には、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全区域において、球の流下速度が遅くなり易い。
このように、本実施形態では、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化した場合には、球の流下速度を速める作用が、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全体で生じる一方で、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化した場合には、球の流下速度を遅くする作用が、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全体で生じる。
そのため、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化した場合と、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化した場合とで、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路を通過するのに要する期間の違い(長短の差)を大きくすることができる。
次いで、図186を参照して、第47実施形態について説明する。第45実施形態では、入賞ユニットB400において内部流路が前後に延びる流路として形成される場合を説明したが、第47実施形態の入賞ユニットB3400では、内部流路が左右に延びる流路として形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図186(a)は、第47実施形態における入賞ユニットB3400を模式的に示す模式図であり、図186(b)は、入賞ユニットB3400の別例として入賞ユニットB3400bを模式的に示す模式図である。なお、図186において、釘BKG1は、ベース板B60に打ち込まれる細径部が実線で図示され、正面側先端部の膨らんだ部分が想像線で図示される。
入賞ユニットB3400は、例えば、右側遊技領域B303(図135参照)におけるスルーゲートB67の下流側などに配置され、遊技領域B301に配置される球の流下を案内するユニットとして構成される。
入賞ユニットB3400は、遊技盤B13のベース板B60(図135参照)とガラスユニットB16(図134参照)との間に配設される板状部材から形成される流路構成部B3410と、遊技領域の内方に配置される突出状態(前進位置の状態に相当)と遊技領域の外方に退避する退避状態(後退位置の状態に相当)とで状態変化するように前後方向にスライド変位されるスライド部材B3420と、を備える。
スライド部材B3420は、流路構成部B3410の球入口B3411付近の第1スライド部材B3421と、球出口B3412付近の第2スライド部材B3422と、が分かれて配置されており、これらが背面側で一体的に構成されることで、一体的にスライド変位する。
即ち、第1スライド部材B3421が突出状態となるのに同期して第2スライド部材B3422が突出状態となり、第1スライド部材B3421が退避状態となるのに同期して第2スライド部材B3422が退避状態となるように、スライド部材B3420が一体的に構成される。
入賞ユニットB3400に入球した球の流下態様のバリエーションについて説明する。球入口B3411を通り入球した球が第1スライド部材B3421と干渉する位置に到達した時に、第1スライド部材B3421が退避状態であった場合や、第1スライド部材B3421が突出状態であったとしても極めて短時間(球が右側に案内されるのに要する時間(例えば、0.2秒)よりも短い時間)で退避状態に切り替えられた場合には、球は途中排出部B3413から流路構成部B3410の外方(左側外方)に排出される。途中排出部B3413を通過した球は、本実施形態では、第2入賞口B640や第3入賞口B64bを逸れて流下するように構成される。
一方、球入口B3411を通り入球した球が第1スライド部材B3421と干渉する位置に到達した時に、第1スライド部材B3421が、球を案内するのに十分な長さ(例えば、0.2秒)で突出状態を維持した場合、球は流路構成部B3410の内部に案内される。
流路構成部B3410の内部に案内された球が球出口B3412に到達するタイミングで第2スライド部材B3422が突出状態となっているか、退避状態となっているかで、その後の球の流下経路が変化する。
即ち、第2スライド部材B3422が突出状態となっていれば、球は第2入賞口B640の真上を第2スライド部材B3422の上面を転動しながら通過して、第3入賞口B64b側へ流下する。なお、本実施形態では、第3入賞口B64bの上流側に球の通過を検出可能な検出センサBSE1が配置されており、この検出センサBSE1が第45実施形態における検出センサB442(図140参照)と同様の働きをする。
即ち、検出センサBSE1により、球が球通過開口BSE1aを通過したことが検出されると、第1入賞口スイッチがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図137参照)で特別図柄1の抽選がなされるよう構成される。
一方で、第2スライド部材B3422が退避状態となっていれば、球は第2入賞口B640側へ流下する。なお、本実施形態では、第2入賞口B640の上流側に球の通過を検出可能な検出センサBSE2が配置されており、この検出センサBSE2が第45実施形態における検出センサB462(図144参照)と同様の働きをする。
即ち、検出センサBSE2により、球が球通過開口BSE2aを通過したことが検出されると、第2入賞口スイッチがオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図137参照)で特別図柄2の抽選がなされるよう構成される。
第2スライド部材B3422の真下に第2入賞口B640が配置されており、球が第2入賞口B640に入り易い配置となっているが、検出センサBSE2とその真上の釘BKG1との間隔や、その反対側(右側)における検出センサBSE2と流路構成部B3410との間隔は、球の直径よりも長くなるように設計されている。即ち、第2スライド部材B3422が退避状態とされており、第2入賞口B640側へ流下した球の内の何個かは、第2入賞口B640から逸れて流下し得るよう構成される。
なお、図示はしていないが、入賞ユニットB3400の下側に小当たり遊技で開閉動作される可変入賞装置B65が配設されることで、入賞ユニットB3400よりも下方に流れた球(第2入賞口B640にも第3入賞口B64bにも入球せずに逸れた球、例えば、途中排出部B3413側に流れた球)を小当たり遊技で開放された特定入賞口B65aに入球させることができる。
図186(b)に示すように、途中排出部B3413の形成を省略し、第1スライド部材B3421の真下に一般入賞口B63を配置しても良い。この時、球入口B3411を通り入球した球が第1スライド部材B3421と干渉する位置に到達した時に、第1スライド部材B3421が退避状態であった場合や、第1スライド部材B3421が突出状態であったとしても極めて短時間(球が右側に案内されるのに要する時間(例えば、0.2秒)よりも短い時間)で退避状態に切り替えられた場合には、その球は一般入賞口B63に入球する。
なお、図186(b)に示す実施形態では、一般入賞口B63の上流側に球の通過を検出可能な検出センサBSE3が配置されており、この検出センサBSE3が第45実施形態における検出センサB435(図144参照)と同様の働きをする。即ち、検出センサBSE3により、球が球通過開口BSE3aを通過したことが検出されると、特別図柄の抽選も普通図柄の抽選も実行されず、賞球の払い出しが実行される。
図186(b)に示すように、球出口B3412から左側へ排出された球を零すことが無いように、入賞口を近接配置させるようにしても良い。なお、図186(b)に示す実施形態では、球出口B3412に第3入賞口B64bが近接配置されることで、第2スライド部材B3422の突出状態において流路構成部B3410の外方(左方)に案内された球が確実に第3入賞口B64bに入球される。
これにより、釘BKG1に衝突して流下経路が変化する等して第3入賞口B64bから球が逸れる事態が生じ得る図186(a)に示す実施形態に比較して、第2スライド部材B3422の突出状態において流路構成部B3410の外方(左方)に案内された球による賞球が得られない事態が発生することを避けることができる。
次いで、図187を参照して、第48実施形態について説明する。第45実施形態では、入賞ユニットB400において電動役物B640aが離れて配置される複数の部材から構成され、上流側の部材が球に当たるタイミングと下流側の部材が球に当たるタイミングとの間隔を長くする場合を説明したが、第48実施形態の入賞ユニットB4400では、電動役物B4420が単一の部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図187(a)及び図187(b)は、第48実施形態における入賞ユニットB4400を模式的に示す模式図である。図187(a)では、電動役物B4420が、ベース板B60(図135参照)とガラスユニットB16(図134参照)との間の領域(遊技領域)に張り出して配置される前進位置とされる状態が図示され、図187(b)では、電動役物B4420が、遊技領域から退避して後方に配置される後退位置とされる状態が図示される。
図187(a)及び図187(b)では、電動役物B4420の部分の内、入賞ユニットB4400の内部において、球の通過を遮る位置に配置されている部分の外形を実線で図示すると共に内部をドット模様で塗って図示する一方、球の通過を遮らない(許容する)位置に配置されている部分の外形を想像線で図示する。
なお、図187において、釘BKG1は、ベース板B60に打ち込まれる細径部が実線で図示され、正面側先端部の膨らんだ部分が想像線で図示される。
入賞ユニットB4400は、遊技盤B13のベース板B60(図135参照)とガラスユニットB16(図134参照)との間に配設される板状部材から形成され球の流下経路を構成する流路構成部B4410と、その流路構成部B4410の内方に配置され球の流下経路を変化させる電動役物B4420と、を備える。
電動役物B4420は、球を転動させる上面を有し前後方向に変位可能に案内される転動板部B4421と、その転動板部B4421の下流側端部から突出形成され、球の流下を妨害可能な程度の強度で形成される妨害棒部B4425と、を備える。
本実施形態では、流路構成部B4410の上流側端部に開放形成される球入口B4411を通り流路構成部B4410に入った球が電動役物B4420の配置される位置に到達した時に、電動役物B4420が前進位置に配置されているか、後退位置に配置されているかで、球の流下経路が異なる。
まず、流路構成部B4410に入った球が電動役物B4420の配置される位置に到達した時に電動役物B4420が前進位置に配置されている場合(図187(a)参照)、球は転動板部B4421の上面を転動して流路構成部B4410を左側(特定入賞口B65a側)へ流れる。
この時、妨害棒部B4425は、ベース板B60の前面に対して球の直径の1.5倍以上に離れた位置に配置される。例えば、流路構成部B4410とガラスユニットB16との間に配設され流路構成部B4410を前側から覆う板状部材に形成される開口部に入り込むことで、流路構成部B4410内を流下する球の流下を妨害しない位置に配置される。
一方、流路構成部B4410に入った球が電動役物B4420の配置される位置に到達した時に電動役物B4420が後退位置に配置されている場合(図187(b)参照)、球は転動板部B4421の正面側を流下して流路構成部B4410を下側(第2入賞口B640側)へ流れる。
この時、妨害棒部B4425は、流路構成部B4410を流下する球と衝突し球の通過を妨害(防止)可能な前後位置に配置される。これにより、電動役物B4420が後退位置に配置されている場合(図187(b)参照)において、流路構成部B4410の板状部(例えば、転動板部B4421の下側に配置される板状部B4412)で跳ねた球が妨害棒部B4425に向けて飛んだとしても、その妨害棒部B4425を超えて(通過して)、特定入賞口B65a側へ球を案内する案内部B4413を流れることを防止することができる。
即ち、妨害棒部B4425に向けて飛んだ球は、その妨害棒部B4425に左方への勢いを殺され、真下に落下して第2入賞口B640に入球するか、又は右方へ跳ね返された後に、板状部B4412の上面を転動して第2入賞口B640に入球することになる。
このように、本実施形態では、電動役物B4420が前進位置に配置されるか後退位置に配置されるかによって、球入口B4411に入球した球は、電動役物B4420を下方へ通過して板状部B4412上を転動して流下する方向か、電動役物B4420を左方へ通過して案内部B4413上を転動して流下する方向か、のいずれかの方向に分けられる。
入賞ユニットB4400のように経路および入賞口B65a,B640を形成する目的の一つに、球入口B4411に入球した球の大多数を特定入賞口B65a側に案内する状態(案内状態)と、球入口B4411に入球した球の大多数を特定入賞口B65a側に案内しない状態(非案内状態)と、を切り替え可能に電動役物B4420の動作を制御することが考えられる。
この制御は、電動役物B4420の作動パターン(開閉の長さ)を切り替えることにより達成可能だが、電動役物B4420の転動板部B4421の左右長さが短いと、非案内状態とされていても、球が特定入賞口B65a側に案内される事態が生じ易い。
例えば、転動板部B4421が前進位置に配置される時間を、転動板部B4421が前進位置に配置された数秒後に到達した球が転動板部B4421を通過するのに要する時間よりも短く設定したとしても、電動役物B4420が前進位置に配置されるのと同時に球が到達した場合(球の到達タイミングと電動役物B4420が前進位置に配置されるタイミングとのずれがほとんど無い場合)や、球が通常よりも勢いが大きい状態(例えば、加速する方向の回転が生じている状態)で到達した場合には、転動板部B4421が前進位置に配置されている内に球が案内部B4413側へ通過してしまう事態が生じ得る。
この対策として、第1に、通常は左右長さが55mm以下で設計される転動板部B4421の左右長さを、それ以上の長さ(例えば、77mmや、100mm)で設計しても良い。この場合、電動役物B4420の非案内状態として、転動板部B4421が前進位置に配置される時間の設計自由度を向上させることができる。
また、転動板部B4421の左右幅を長く設計することにより、電動役物B4420が前進位置に配置されている状態において転動板部B4421に乗る球の個数を増加させることができる。
通常の左右長さ(55mm以下)で転動板部B4421が形成されている場合、転動板部B4421に同時に乗る球はせいぜい2個~3個といったところであるが、それ以上の長さ(例えば、100mm)で転動板部B4421が形成される場合、転動板部B4421に同時に4個以上の球が乗る状態を生じさせることができる。
転動板部B4421に同時に4個以上の球が乗っている状態で電動役物B4420が後退位置に変位すると、4個以上の球が一度に第2入賞口B640側へ案内されるので、短時間で特別図柄2の保留個数を4個(満タン)にすることができる。
また、第45実施形態で説明したように、球が1個ずつ電動役物640に案内される場合と異なり、電動役物B4420の上面に乗っている複数個の球は、電動役物B4420が後退位置に変位した直後に同時に第2入賞口B640側へ落下するので、複数個の球を第2入賞口B640側に流下させるために電動役物B4420が後退位置に配置を維持することが要求される時間長さを短くすることができる。即ち、電動役物B4420の作動パターンの設計自由度を向上させることができる。
次の対策として、第2に、転動板部B4421が前進位置から後退位置へ変位する間際に転動板部B4421の下流側端部から案内部B4413へ移る球の流れを、妨害棒部B4425により断ち切ることができるよう構成することができる。
即ち、妨害棒部B4425の配設位置が、転動板部B4421の下流側端部よりも案内部B4413側へ張り出す位置(本実施形態では、転動板部B4421の上面と直交して斜め左上方向に張り出すことで案内部B4413側に張り出している)とすることで、電動役物B4420の案内状態(図187(a)参照)において転動板部B4421の下流側端部を球が通過しようとする場合であっても、その直後に電動役物B4420が非案内状態(図187(b)参照)とされれば、その通過した球の流れを妨害棒部B4425により遮ることができる。
これにより、転動板部B4421の左右長さが短い場合であっても、電動役物B4420が前進位置に配置される状態から、後退位置に配置される状態に切り替わる直前に、案内部B4413へ移る球が特定入賞口B65a側に案内されがたくすることができる。
換言すれば、転動板部B4421を左側に通過しようとする球を妨害棒部B4425により第2入賞口B640側に引き戻すことができる。これにより、転動板部B4421の左右長さを最大限に使って、電動役物B4420が前進位置に配置される状態において電動役物B4420に乗る球の個数を増やすことができ、電動役物B4420が後退位置に配置されることで第2入賞口B640側へ落下させる球の個数を増やすことができる。
また、これにより、転動板部B4421の左右長さから想定される球の個数よりも多くの球を、電動役物B4420が前進位置から後退位置に変位した直後に第2入賞口B640側に流下させることができる。
即ち、転動板部B4421に乗っている球に加えて、転動板部B4421の下流側端部を通過しかけた後で妨害棒部B4425に引き戻される(逆流させられる)球をも第2入賞640側に流下させることができるので、第2入賞口B640の入賞頻度を向上させることができる。
一方で、流路構成部B4410は、球入口B4411を除き電動役物B4420側に球が流入しないように流路を上から覆う態様で天井部B4414が形成される。即ち、電動役物B4420への球の導入は、球入口B4411に限定されることから、電動役物B4420上に滞留する球の個数が想定を超えて多くなる事態(例えば、球が2段以上に積み重なるような態様で滞留する事態)の発生を防止することができる。
このように、本実施形態によれば、転動板部B4421上を球が通過するか否かで球の流下経路が切り替えられる。即ち、電動役物B4420が前進位置で維持される期間が、転動板部B4421上を球が通過するのに要する時間を超える場合に、初めて球が特定入賞口B65a側へ流れることになる。
この点は、上述の第45実施形態で説明したように、先端部B451さえ通過していれば左案内板部B452又は右案内板部B453上を球が通過していようがいまいが、球の流下経路の切り替えには影響しない場合とは異なる。
なお、図187(a)に図示される電動役物B4420の状態が、上述した第45実施形態における電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の非励磁状態に相当し、図187(b)に図示される電動役物B4420の状態が、上述した第45実施形態における電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の励磁状態に相当する。この場合において、転動板部B4421がスライド部材B450に相当し、妨害棒部B4425が傾倒部材B470に相当する。
次いで、図188を参照して、第49実施形態について説明する。第45実施形態では、上側可変入賞装置B700が、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の隙間へ向かって流下する場合を説明したが、第49実施形態の上側可変入賞装置B5700では、第2特定入賞口B700aを通過した球の流下を切り替えるための切替装置B5770が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図188(a)及び図188(b)は、図135の範囲CLXXaにおける第49実施形態における上側可変入賞装置B5700の正面図である。図188(a)では、上側可変入賞装置B5700の閉鎖状態が図示され、図188(b)では、上側可変入賞装置B5700の開放状態が図示される。
図188(a)及び図188(b)に示すように、第49実施形態における上側可変入賞装置B5700は、第45実施形態における基礎板部材B710の構成を部分的に流用して形成される基礎板部材B5710を備える。
基礎板部材B5710は、傾斜外壁板部B714から下側の構成の配置を下方に下げ、それにより傾斜転動板部B713と傾斜外壁板部B714との間にできた空間に、左右一対の中間板部B5718と、その中間板部B5718の一部と縁部が沿う形状で前後方向に穿設され中間板部B5718に受け入れられた球を背面側へ排出する左右一対の排出開口B5719と、を備える。
中間板部B5718は、傾斜転動板部B713と傾斜外壁板部B714との間にできた空間に向けて正面側に延設される板状部であって、左右外側端部からの球の零れを防止するための防止壁部B5718aと、その防止壁部B5718aの下端部と接続され第2特定入賞口B700aの左右方向位置側へ向けて上昇傾斜する方向に延設される傾斜板部B5718bと、その傾斜板部B5718bの延設端部と接続され切替装置B5770の球受回転部材B5771の回転軸BJ51を中心として球受回転部材B5771の半径よりも若干長い曲率半径の円弧形状で形成される円弧板部B5718cと、を備える。
切替装置B5770は、回転軸BJ51を回転中心として回転動作可能に構成される球受回転部材B5771と、その球受回転部材B5771に左右から対向配置される位置に左右一対で配設される流下規制部材B5778と、を備える。
流下規制部材B5778は、回転軸BJ51を中心として球受回転部材B5771の半径よりも若干長い曲率半径の円弧形状で形成され、基礎板部材B5710の部材前面よりも正面側に張り出して球受回転部材B5771から排出される球の通過を規制する前進位置と、基礎板部材B5710の部材前面よりも背面側に退避して球受回転部材B5771から排出される球の通過を許容する後退位置と、で変位可能に構成される。
球受回転部材B5771は、第2特定入賞口B700aの左右中心の真下に配置され前後方向に延びる回転軸BJ51を中心に回転動作可能とされる円板形状部材であって、第2特定入賞口B700aを通過した球を受け入れ可能となるように外周側から凹設される球受凹部B5772が90度間隔で4箇所形成される。
球受回転部材B5771を駆動する駆動装置と、流下規制部材B5778を駆動する駆動装置とは、ソレノイドB763(図173参照)とは異なる駆動装置(図示せず)が利用される。この場合において、球受回転部材B5771を駆動する駆動装置が流下規制部材B5778を駆動する駆動装置に兼用されても良い。
本実施形態では、1ラウンド目のラウンド遊技において、ソレノイドB763は第1の特別作動パターン(図175(a)参照)で駆動され、球受回転部材B5771は、90度/秒の回転速度で時計回り方向に常時回転される。
流下規制部材B5778は、1ラウンド目のラウンド遊技における動作態様が、大当たり種別に応じて変化可能に設定される。例えば、大当たりA,B,a,b(図177参照)では、常に前進位置で固定され、大当たりCでは、常に後退位置で固定され、大当たりcでは、1秒ごとに前進位置と後退位置とが切り替えられるよう駆動される。
第2特定入賞口B700aを通過した球の流下態様について説明する。本実施形態では、第2特定入賞口B700aを通過した球は、球受回転部材B5771のいずれかの球受凹部B5772に必ず受け入れられる。
球が球受凹部B5772に受け入れられた状態で球受回転部材B5771が回転することで、球受凹部B5772の配置の変化に伴って、球受凹部B5772に受け入れられた球も変位する。
球受回転部材B5771の回転中において、球受凹部B5772の下側縁部(球受凹部B5772の回転軸BJ51を中心とした径方向外側端部における一対の縁部の内の下側の縁部。球の流下面を形成する側)が傾斜板部B5718bの上面と面一になった時に、流下規制部材B5778が後退位置に配置されている場合、傾斜板部B5718bと面一になった球受凹部B5772から球が排出されることになり、その球は排出開口B5719を通り上側可変入賞装置B5700から排出される。このように排出される球は、一対の貯留板部B715の間の隙間に貯留されることは無い。
一方、球受回転部材B5771の回転中において、球受凹部B5772の下側縁部が傾斜板部B5718bの上面と面一になった時に、流下規制部材B5778が前進位置に配置されている場合、球の排出が流下規制部材B5778により規制され、球受凹部B5772から球が排出されることなく球受回転部材B5771の回転が継続される。その後、球受凹部B5772が左右一対の円弧板部B5718cの間の位置に配置されると、球は一対の円弧板部B5718cの隙間を通って、一対の貯留板部B715の間の隙間へ向かって流下し、貯留され得る。
即ち、本実施形態では、切替装置B5770の動作態様に対応して、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の隙間へ向かって流下する場合と、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の隙間に到達することなく排出される場合と、を構成することができる。
そのため、第1の特別作動パターンで移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が駆動されることで、ラウンド遊技中は一対の貯留板部B715の間の隙間に案内された球が排出されずに貯留される態様であっても、特に大当たりcの場合のように、ラウンド遊技中における流下規制部材B5778の配置が切り替わる場合には、第2特定入賞口B700aへの入球タイミング次第で、一対の貯留板部B715に案内される球の個数が十分多くなる場合(本実施形態では、5個以上となる場合)と、それよりも少ない場合とが生じ得るので、遊技者の上側可変入賞装置B700に対する注目力を向上させることができる。
また、切替装置B5770から一対の貯留板部B715側に球が1個通過すれば良いのではなく、1対の貯留板部B715の間の位置を満タンにする個数を超える個数(本実施形態では5個以上)の球が通過して初めて開口部B751に球を確実に通過させることができるようになるので、遊技者の上側可変入賞装置B700に対する注目力を長い間高い状態で維持することができる。
本実施形態によれば、球が第2特定入賞口B700aを通過するまでよりも、球が第2特定入賞口B700aを通過して球受回転部材B5771により変位されている時の方が、球の流下速度が遅くされる。これにより、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の位置に到達するまでの時間を遅らせることができる。従って、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された直後に移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が即座に一対の貯留板部B715の間の位置に到達することを回避することができる。
次いで、図189から図191を参照して、第50実施形態について説明する。第45実施形態では、時間表示B811により大当たり遊技のエンディング演出の終了時を把握できる場合を説明したが、第50実施形態における発射時間表示B6811では、エンディング演出の終了時直前における適切な球の発射タイミングを把握できるように第3図柄表示装置B81の表示が設計される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図189(a)及び図189(b)は、第50実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図189(a)では、枠ボタンB22(図178参照)を操作することにより特定表示B810が中央から移動された後における表示画面が図示され、図189(b)では、図189(a)に示す状態において枠ボタンB22を操作することで切り替えられた後における表示画面が図示される。
本実施形態では、図189(b)に示すように、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタンB22を操作すると、方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛表示818が、球を発射して狙うと遊技者が利益を得られる可能性がある位置を示唆する発射位置示唆表示B6820に切り替えられ、時間表示B811に重ねて、発射時間表示B6811が表示される。
発射位置示唆表示B6820は、遊技領域(の少なくとも一部)のイラストや写真等を(模式的に)表示する遊技領域表示B6821と、その遊技領域表示B6821の一部を矢印などで指し示し、球を発射して狙うべきであることが遊技者に分かるように表示する目標示唆表示B6822と、を備える。
本実施形態では、発射位置示唆表示B6820は、遊技領域表示B6821として、遊技盤B13(図135参照)の全体が表示され、目標示唆表示B6822として、スルーゲートB66,B67(図135参照)が指し示されると共に「ここを狙って」とのコメントが表示される。
なお、発射位置示唆表示B6820はこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技領域表示B6821として遊技盤B13の全体を表示するのではなく、遊技盤B13の一部を表示するようにしても良い。例えば、スルーゲートB66,B67を含む一部として、風車BWF(図135参照)よりも上側の部分のみが表示されるようにしても良いし、スルーゲートB66,B67周辺(又はスルーゲートB66,B67のいずれかの周辺)のみが表示されても良い。
遊技盤B13の一部を表示するような場合において、遊技領域表示B6821は静止画として表示されても、動画として表示されても良い。例えば、発射位置示唆表示B6820において、これから発射される球の周辺を模式的に表示するものとして遊技領域表示B6821を構成し、その球が発射されて流下してスルーゲートB66,B67に到達するという経路に沿って遊技領域表示B6821を動かして(動画として表示して)、球がスルーゲートB66,B67に到達したら遊技領域表示B6821をスルーゲートB66,B67周辺の表示で固定する(静止画として表示する)ようにしても良い。
また、例えば、目標示唆表示B6822として、球を発射して狙う位置を指し示すために矢印を表示するのではなく、その位置を光らせるように表示しても良いし、その位置を除く他の部分を暗く表示することで相対的に目立たせるように表示しても良い。
また、目標示唆表示B6822により指し示される位置は初めから固定されても良いし、移動した後で固定されるようにしても良い。例えば、球が発射される経路に沿って光を移動させて、その光がスルーゲートB66,B67まで到達したら、スルーゲートB66,B67に到達した位置で光を固定するようにしても良い。
このように、発射位置示唆表示B6820が表示されることで、遊技者は、エンディング演出の終了後にどこを狙って球を発射するべきなのかを容易に把握することができる。これにより、エンディング演出の終了後における遊技の進行をスムーズにすることができる。
発射時間表示B6811は、時間表示B811と同様に、時間経過とともに右先端部が右方へ移動するものとして表示され、その移動速度は時間表示B811の移動速度と同じとされる。また、発射時間表示B6811の右先端部は、時間表示B811の右先端部よりも終端位置B812側に配置されており、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するよりも前に、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達する。
本実施形態では、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングから、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングまでに経過する時間長さは、球が発射されてからスルーゲートB66,B67(目標示唆表示B6822により指し示される位置)に到達するまでに経過する平均的な長さよりも若干長くなるように設計される。
そのため、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングで発射された球がスルーゲートB66,B67を通過するまでに、現在実行中の大当たり遊技のエンディング演出が終了する。
このように、発射時間表示B6811を目安にして球を発射することで、発射した球がスルーゲートB66,B67を大当たり遊技中(エンディング演出の終了前)に通過することを避けることができる。これにより、スルーゲートB66,B67に球が検出されることにより実行される第2図柄の抽選において遊技者が得られる利益の最大化を図ることができる。
即ち、一般的には大当たり遊技中にスルーゲートB66,B67に球が検出されることにより実行される第2図柄の抽選は、通常中の確率で行われるので、遊技者が得られる利益は最小となる。大当たり遊技の終了後であれば、大当たり種別に応じて第2図柄の抽選の確率が上昇し得るので、球がスルーゲートB66,B67を大当たり遊技中に通過することを避けることで、第2図柄の抽選において遊技者が得られる利益(電動役物B640aの作動パターンの違いにより変化する利益)の最大化を図ることができる。
更に、発射時間表示B6811を目安にして球を発射することで、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達してから球を発射する場合に比較して、大当たり遊技終了から、その大当たり遊技終了後において球が初めてスルーゲートB66,B67を通過するまでの時間長さを短くすることができる。
このように、発射時間表示B6811を目安にして球を発射することで、大当たり遊技終了間際に発射した球が大当たり遊技中(エンディング演出の終了前)にスルーゲートB66,B67を通過する事態の発生を最小限に抑えることで遊技者が得られる利益の最大化を図りながら、大当たり遊技終了後に球がスルーゲートB66,B67を通過するまでの期間を短縮することで遊技の進行をスムーズにすることができる。
図190は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図190では、図189(b)に示す状態から発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達した時における表示画面が図示される。
図190に示すように、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達すると、目標示唆表示B6822の表示態様が切り替わる。本実施形態では、目標示唆表示B6822においてコメントを囲む枠の形状が変化されると共に、「狙って」の部分が拡大される。
即ち、目標示唆表示B6822の「狙って」の部分が拡大されるタイミングは、発射示唆表示6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングと一致する。そのため、遊技者に発射時間表示B6811を視認させずとも、発射位置示唆表示B6820を視認させるようにすれば、目標示唆表示B6822の変化のタイミングから適切な発射タイミングで球を発射させるように遊技者に促すことができる。
これにより遊技者は、発射位置示唆表示B6820を視認することで、球を発射して狙う位置だけでなく、球を発射するタイミングをも把握することができる。従って、第3図柄表示装置B81の表示から必要な上方を取捨選択して遊技する遊技者の遊技負担を低減することができる。
図191(a)及び図191(b)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図191(a)では、図189(a)に示す状態からエンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67で球の通過が検出された場合に切り替えられる表示画面が図示される。
また図191(b)では、図191(a)の表示から時間が経過して、仮に発射示唆表示6811が表示されていた場合に発射示唆表示6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングにおける表示が図示される。即ち、図191(b)における時間表示B811の右先端部の配置は、図190における時間表示B811の右先端部の配置と同じである。
図191(a)に示すように、図189(a)に表示される状態から枠ボタンB22(図178参照)を操作することなく遊技者が球を発射した場合において、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67で球の通過が検出された場合、方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛表示818が、遊技者に球の発射を停止することを促すための遊技停止示唆表示B6831に切り替えられる。
本実施形態では、遊技停止示唆表示B6831として、鉄道の踏切に設置される遮断機を模したイラストであって、遮断機が降りている状態の静止画が表示されると共に、「止めろ」とのコメントが表示される。これにより、球の発射を止めることを遊技者に促すことができるので、エンディング演出の終了前に発射される球の個数を減少させることができる。
図191(b)に示すように、遊技停止示唆表示B6831が表示された状態から時間が経過すると、遊技停止示唆表示B6831は、遊技者に球の発射の準備を促すための遊技準備示唆表示B6841に切り替えられる。
本実施形態では、遊技準備示唆表示B6841として、鉄道の踏切に設置される遮断機を模したイラストであって、遮断機が上がっている状態の静止画が表示されると共に、「始め」とのコメントが表示される。これにより、球の発射を停止する期間が終了したことを遊技者に把握させることができ、遊技者に球の発射の準備をするように促すことができる。
本実施形態では、遊技者が枠ボタンB22を操作しない場合には発射時間表示B6811(図189(b)参照)は表示されないが、遊技停止示唆表示B6831から遊技準備示唆表示B6841に切り替えられるタイミングは、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングと一致する。
そのため、図189(a)に示す状態で枠ボタンB22を操作することで得られる利益(即ち、発射時間表示B6811を視認することで適切な球の発射タイミングを把握できる利益)と同様の利益を、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67で球が検出された場合に得ることができる。
これにより、例えば、枠ボタンB22の故障などにより枠ボタンB22の操作が行われない場合に、遊技者が得られる利益が過度に減少することを避けることができる。即ち、枠ボタンB22の操作が行われないことで発射位置示唆表示B6820(図189(a)参照)の表示が行われないために、遊技者が適切な球の発射タイミングを把握することができずに、エンディング演出の終了前にも関わらず遊技者が球の発射を開始した場合であっても、遊技停止示唆表示B6831又は遊技準備示唆表示B6841が表示されることで、遊技者に球の発射を停止させたり、適切なタイミングで遊技者に球の発射の準備をさせたりすることができる。
なお、遊技停止示唆表示B6831や遊技準備示唆表示B6841の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遮断機のイラストではなく、パチンコ機B10のハンドルB51(図134参照)の絵に×マークが付されたイラストを表示するようにしても良い。例えば、静止画ではなく動画として構成しても良い。例えば、第3図柄表示装置B81の表示画面の一部ではなく表示画面の全体で表示するように構成しても良い。
なお、注意コメント表示B815や第2注意コメント表示B819の内容は、図191に図示した内容に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、球の発射に対応した内容としても良い。即ち、ハンドルB51(図134参照)を模したイラストを表示して、ハンドルB51に反時計回りの矢印を併記することで、球の発射を停止することを示唆するようにしたり、ハンドルB51に時計回りの矢印を併記することで、球の発射開始タイミングを示唆するようにしたりしても良い。また、特別図柄の保留球数に対応するコメント(「満タン」、とか「空き1個あり」とか)を表示するようにしても良い。
次いで、図192及び図193を参照して、第51実施形態について説明する。第45実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタンB22を操作すると、第3図柄表示装置B81の表示画面に方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛り表示B818が表示され、光量の強弱や音量の大小の調整が可能となる場合を説明したが、第51実施形態における状況示唆表示B7821では、遊技者により行われた光量や音量の設定に対する、現在実行中の光量や音量の設定についてのコメントが表示されるように設計される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図192(a)、図192(b)及び図193は、第51実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図192(a)及び図193では、エンディング演出として同じタイミング(時間表示B811の右先端部の位置が同じタイミング)の異なる大当たり遊技における表示画面が図示され、図192(b)では、図192(a)に示す状態から時間が経過した後における表示画面が図示される。
本実施形態では、図192(a)に示すように、エンディング演出における枠ボタン表示B813(図181(b)参照)に従って枠ボタンB22(図178参照)を操作すると、第3図柄表示装置B81の表示画面に方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛り表示B818が表示されると共に、その上方に状況示唆表示B7821が表示される。
状況示唆表示B7821は、種々のコメントが表示されるように設計されているが、図192(a)では「キャンセル」と記載されており、光量や音量の設定の変更が初期化された(最大値に戻された)ことを示唆している。
即ち、本実施形態では、光量や音量の設定が、設定変更の実行から規定の時間が経過することにより音声ランプ制御装置B113(図137参照)により初期化される(最大値に戻される)よう設定されており、その初期化が実行された後における最初の大当たり遊技のエンディング演出において、状況示唆表示B7821に「キャンセル」のコメントが表示されるようになっている。
これにより、例えば、方向操作部B45(図178参照)の左スイッチ及び下スイッチ(音量や光量を弱める側に変化させるために操作するスイッチ)は機能するが、右スイッチ及び上スイッチ(音量や光量を強める側に変化させるために操作するスイッチ)は故障している場合に、光量や音量を一度最低まで下げたら、それ以降は遊技者が変わっても光量や音量を一切上げることができないという事態の発生を避けることができる。
遊技者は状況示唆表示B7821に「キャンセル」のコメントが表示されたことを視認することで、光量や音量の設定の変更が初期化された(最大値に戻された)ことを把握できる。直前に光量や音量の設定の変更を行った遊技者と、現在遊技を行っている遊技者とが同じ場合、光量や音量の設定を、初期化(最大値に戻される)の直前の状態に戻したいと考えると思われる。
これに対し、本実施形態では、その初期化が実行された後における最初の大当たり遊技のエンディング演出において、その初期化(最大値に戻される)の直前の状態における光量の設定が、縦目盛り表示B817に過去光量表示B7817として残され(薄塗りで図示される部分に相当)、その初期化(最大値に戻される)の直前の状態における音量の設定が、横目盛り表示B818に過去音量表示B7818として残される(薄塗りで図示される部分に相当)。
そのため、遊技者は、過去光量表示B7817を目印に方向操作部B45を操作して光量の設定変更を行い、且つ過去音量表示B7818を目印に方向操作部B45を操作して音量の設定変更を行うことで、光量や音量の設定を、初期化(最大値に戻される)の直前の状態に容易に復帰させることができる。
上述したように、過去光量表示B7817及び過去音量表示B7818は、光量や音量の初期化が音声ランプ制御装置B113(図137参照)により実行された後における最初の大当たり遊技のエンディング演出において表示される一方で、そのタイミングを逃すと表示が消失するように設定され、光量や音量の設定の変更の手間が増える(難易度が上がる)ようになっている。
これにより、過去光量表示B7817及び過去音量表示B7818が表示されているタイミングで方向操作部B45を操作するように遊技者に仕向けることができるので、第3図柄表示装置B81の表示画面に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
図192(b)に示すように、遊技者が方向操作部B45を操作することで光量や音量の設定が初期化(最大値に戻される)の直前の状態に復帰されると、状況示唆表示B7821の「キャンセル」とのコメントが、「復帰完了」とのコメントに切り替えられる。
遊技者は状況示唆表示B7821に「復帰完了」のコメントが表示されたことを視認することで、光量や音量の設定が、初期化(最大値に戻される)の直前の状態に復帰できたことを把握することができる。これにより、設定変更が実行できたので、規定の時間が経過するまでは、音声ランプ制御装置B113(図137参照)による光量や音量の初期化(最大値に戻される)は行われない。
図193に示す表示では、状況示唆表示B7821に「自動継続」とのコメントが表示されており、音量や光量の設定は、遊技者により設定された状態で維持されている。そのため、遊技者は音量や光量の設定の変更を行う必要が無いので、時間表示B811の動きに注視し、球の発射タイミングを図ることに集中することができる。
このように、エンディング演出における状況示唆表示B7821の内容を変化させ、その内容次第で、遊技者に光量や音量の設定の変更のための方向操作部B45の操作を促せるように構成することで、エンディング演出に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
次いで、図194から図196を参照して、第52実施形態について説明する。第45実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中において常に枠ボタン表示B813が表示されており枠ボタンB22の操作が可能となる場合を説明したが、第52実施形態における枠ボタン表示B8813は、カード忘れ防止表示演出の実行中における、更に限定された期間において実体として表示され、枠ボタンB22の操作が可能となる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図194(a)、図194(b)及び図195は、第52実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を時系列で例示した図である。図194(a)、図194(b)及び図195では、枠ボタン表示B8813の表示は、半透明に表示されている場合が想像線で図示され、実体として表示されている場合が実線で図示される。
本実施形態においてカード忘れ防止表示演出が開始されると、図194(a)に示すように、第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に特定表示B810が表示されることに加えて、複数の半透明の枠ボタン表示B8813が表示画面の縁部付近に点在するように表示される。枠ボタン表示B8813は、時間経過に伴って表示画面の中央に向けて移動する。
半透明の枠ボタン表示B8813が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に到達して合体すると、図194(b)に示すように枠ボタン表示B8813が実体化する。枠ボタン表示B8813が実体化した状態において枠ボタンB22の入力が有効となるように制御されており、枠ボタンB22の入力が有効に検出されると第3図柄表示装置B81の表示画面に操作有効表示B8813a(本実施形態では、「Gооd」とのコメント)が表示され、その後、第3図柄表示装置B81の表示画面が第45実施形態で説明した図182(a)に図示される状態に移行する。
遊技者が枠ボタンB22の操作を実行して、第3図柄表示装置B81の表示画面を図182(a)に図示される状態に移行させたい場合、枠ボタン表示B8813が実体化するタイミングを図るために、遊技者は移動する枠ボタン表示B8813を目で追うことになる。
枠ボタン表示B8813の移動経路上には特定表示B810が表示されているので、枠ボタン表示B8813を目で追う遊技者の視界に特定表示B810が入るように仕向けることができる。また、枠ボタン表示B8813が実体化する位置を特定表示B810が表示される位置と重ねることで、遊技者が枠ボタン表示B8813の背後に表示される特定表示B810に注目するように仕向けることができる。
そもそも、カード忘れ防止表示演出が開始されてから、枠ボタン表示B8813が実体化するまでの期間は、特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に表示されるので、カード忘れ防止表示演出の開始直後に枠ボタンB22を操作可能とされ特定表示B810を即座に表示画面の隅に移動させられる場合に比較して、特定表示B810が遊技者の視界に入り易くすることができる。
枠ボタン表示B8813が実体化した状態で枠ボタンB22を操作しなかった場合、図195に示すように、第3図柄表示装置B81の表示画面の中央位置から外側へ向けて半透明に表示される枠ボタン表示B8813が移動する。
図195に示す状態では、枠ボタンB22の入力が無効となるように制御されており、枠ボタンB22が入力操作されても第3図柄表示装置B81の表示画面に操作無効表示B8813b(本実施形態では、「Miss」とのコメント)が表示されるだけであり、表示画面は図182(a)に図示される状態には移行されず、特定表示B810が表示画面の中央に配置される状態で維持される。
このように、本実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中における枠ボタンB22の操作タイミングを限定することで、以下のような好ましい作用を生じさせることができる。
即ち、枠ボタン表示B8813の表示態様が半透明の表示から実体としての表示に変わることで枠ボタンB22を操作可能なタイミングを示唆する場合において、枠ボタン表示B8813の表示態様が変わるまでは特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に配置され、遊技者の視界に入り易いように構成されているので、特定表示B810に対する注目力を向上することができる。
更に、カード忘れ防止表示演出の途中において枠ボタン表示B8813が実体としての表示から半透明の表示に切り替えられることで、枠ボタンB22を操作して表示画面が図182(a)に図示される状態に移行されるタイミングから、カード忘れ防止表示演出期間の終端までの期間が短くなりすぎることを回避することができる。
これにより、遊技者が枠ボタンB22を有効に操作したにも関わらず、カード忘れ防止表示演出が終了するまでに光量や音量の設定を変更するのに十分な時間を確保できなかったために、光量や音量を好みの設定まで変更させることができない事態が生じることを避けることができる。
従って、せっかく枠ボタンB22を操作しても光量や音量の設定を好みの状態まで変更させることができなかったという経験をした遊技者が、枠ボタンB22の操作の価値を低く見積もるという事態が発生することを避けることができる。これにより、遊技者の枠ボタンB22の操作(エンディング演出中の操作のみならず、遊技中における操作)に対する意欲が低下するという事態の発生を未然に回避することができる。
なお、枠ボタン表示B8813に音符のマークや、電球のマークを付属させることで、枠ボタンB22の操作により調整できる対象を示唆するようにしても良い。この場合、遊技者が音量の調整をしたいと考えている時には、音符のマークが付属されている場合には枠ボタン表示B8813への注目力を向上させることができ、電球のマークが付属されている場合には枠ボタン表示B8813から注意を逸らすことができる。
図196は、カード忘れ防止表示演出における枠ボタン表示B8813の計時変化、枠ボタンB22の操作の有効性の計時変化および枠ボタンB22の操作の一例を示した図である。図196では、一例として、カード忘れ防止表示演出の期間を等分に三分割し、半透明の枠ボタン表示B8813が点在する第1期間BT81(図194(a)参照)と、枠ボタン表示B8813が合体して実体化する第2期間BT82(図194(b)参照)と、再び半透明になり枠ボタン表示B8813が点在する第3期間BT83(図195参照)と、にそれぞれ割り当てられた場合が図示されている。
カード忘れ防止表示演出の期間中にいつでも枠ボタンB22を操作できた第45実施形態と異なり、本実施形態では、第2期間BT82においてのみ枠ボタンB22の操作が有効とされる。第2期間BT82で枠ボタンB22を操作すれば、第3図柄表示装置B81の表示画面が図182(a)に図示される状態に移行され、光量や音量の設定変更が可能となる。一方で、第1期間BT81や第3期間BT83で枠ボタンB22をいくら操作しても、光量や音量の設定変更は不可能となるように制御されている。
図196では、各期間BT81,BT82,BT83が同じ場合を図示したが、各期間BT81,BT82,BT83の長さは目的に応じて種々の態様に変更可能とされる。以下、第1期間81の長さの変化または第3期間BT83の長さの変化により期待できる作用の一例について説明する。
例えば、第1期間BT81をより短く設定することで、枠ボタンB22の操作が有効となる第2期間BT82への移行が早まる。そのため、光量や音量の設定の変更に費やせる期間の最大長さを長くすることができる。
第1期間BT81を短くする設定は、例えば、初当り(連荘の一回目の大当たり)の大当たり遊技におけるエンディング演出で採用することが効果的である場合がある。時短状態や確変状態や大当たり遊技中においては、特定の歌が流れる場合があり、通常状態における音声には興味が無いが、特定の歌は聞きたいという遊技者がいる。
このような遊技者は、通常状態では音量を下げて遊技を行っていても、通常状態から大当たり遊技状態を経て、時短状態や確変状態へ移行する場合において、特定の歌が聞こえる程度まで音量を上げたいと考えている。
そのため、特に、初当りの大当たり遊技におけるエンディング演出において、光量や音量の設定の変更に費やせる期間の最大長さを長くすることで、通常状態から大当たり遊技状態を経て、時短状態や確変状態へ移行する適切なタイミングにおいて音量の設定変更を行うことが容易となり、上記特定の歌は聞きたいという遊技者の遊技に対する満足感を向上させることができる。
また、例えば、第1期間BT81をより長く設定することで、枠ボタンB22の操作が有効となる第2期間BT82への移行が遅くなる一方で、特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に表示される期間を長く維持することができる。
第1期間BT81を長くする設定は、例えば、連荘中の大当たり遊技におけるエンディング演出で採用することが効果的である場合がある。音量や光量の設定変更は、初当り時に行えば多くの場合十分であり、連荘中に音量や光量の設定変更をしたくなる事態が発生する可能性は低いため、第2期間BT82への移行が遅くなることで音量や光量の設定変更に費やせる期間の最大長さが短くなっても、遊技者が受ける不利益は少ない。
一方で、連荘が続く程、遊技者の興奮の度合いは高くなるので、興奮のあまり、遊技を終了する際にカードユニットに挿入されたカード等の返却を忘れる可能性が高くなる。これに対し、第1期間BT81が長く設定されている場合、カード忘れ防止表示演出中において特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に表示される期間を長く維持できるので、遊技者がカード等の返却に意識を向けるように仕向けることができる。
また、例えば、第2期間BT82をより短く設定することで、枠ボタンB22が操作され図182(a)に図示される状態に移行されることを困難とすることができる。この場合、移動する枠ボタン表示B8813で遊技者の視線を特定表示B810に誘導できることに加え(図194(a)参照)、複数の枠ボタン表示B8813が合体した状態での操作を失敗するように仕向けることができ、第3図柄表示装置B81の表示画面を図195に示す状態まで移行させる可能性を高くすることができる。
これにより、カード忘れ防止表示演出中に亘り特定表示B810を表示画面の中央に維持することができることに加えて、枠ボタン表示B8813が移動することで、特定表示B810に遊技者の視線を誘導する効果を期待できる。従って、枠ボタン表示B8813が無い場合に比較して、遊技者に特定表示B810の印象を強く残すことができる。
また、例えば、第2期間BT82をより長く設定することで、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を長く維持することができるので、枠ボタンB22の操作機会を確保することができる。
また、例えば、第3期間BT83をより短く設定することで、相対的にT82を長くすることができ、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を長く維持することができるので、枠ボタンB22の操作機会を確保することができる。
また、例えば、第3期間BT83をより長く設定することで、第2期間BT82において枠ボタンB22を操作することで図182(a)に図示される状態に移行した後の、カード忘れ防止表示演出の残り期間を長く確保することができるので、光量や音量の設定の変更が中途半端になることを回避し易くすることができる。
なお、各期間BT81,BT82,BT83の長さを、上記した理由以外の理由で変更するようにしても良い。例えば、大当たり遊技中において既に第1図柄の抽選が済んでいる保留球に大当たりがある場合に、第1期間BT81が極めて短くされ、その分だけ第2期間BT82が長くなるように制御されるようにしても良い。
この場合、カード忘れ防止表示演出が、図194(a)の状態を経由せずに、図194(b)の状態から開始されたかのように遊技者に見せることができるので、遊技者に違和感を与えることができる。この違和感により保留球に大当たりがあることを把握することができるようになると遊技者に分からせることで、カード忘れ防止表示演出に遊技者が注目するように仕向けることができるので、カード忘れ防止表示演出に対する注目力を向上させることができる。これにより、カードユニットに挿入されたカード等の返却について遊技者に意識させることができ、実際に遊技者がカード等を忘れる事態の発生を抑制することができる。
次いで、図197から図212を参照して、第53実施形態におけるセンターフレームC86について説明する。
上記各実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第53実施形態におけるセンターフレームC86は、上側フレームC86aと下側フレームC86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図197は、第53実施形態における遊技盤C13の正面図である。図197に示すように、センターフレームC86は、ベース板60の窓部60a(図149参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームC86aと下側フレームC86bとを備える。
上側フレームC86aは、ベース板60の窓部60a(図149参照)における上側(図197上側)及び左右(図197左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームC86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図197下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームC86a及び下側フレームC86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームC86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図197下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームC86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームC86bについて説明する。図198は、下側フレームC86bの正面斜視図であり、図199は、下側フレームC86bの背面斜視図である。なお、図198及び図199では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図198及び図199に示すように、下側フレームC86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COPinと、その受入口COPinに連通される第1通路CRt1と、その第1通路CRt1を案内された球が流下される第2通路CRt2と、その第2通路CRt2を案内された球(第2通路CRt2をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第3通路CRt3と、その第3通路CRt3を案内された球が振分部材C170により振り分けられて流下される第4通路CRt4及び第5通路CRt5と、第4通路CRt4を案内された球が流下される第6通路CRt6と、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COPoutとが形成される(図206及び図207参照)。
なお、上側フレームC86aには、上側フレーム通路CRt0(図197参照)が形成される。上側フレーム通路CRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図197左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路CRt0の下流端に下側フレームC86bの受入口COPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路CRt0に流入(入球)した球は、受入口COPinを介して、上側フレーム通路CRt0から下側フレームC86bの第1通路CRt1へ流入(入球)される。
下側フレームC86bには、球の重さにより動作する振分部材C170が配設されており(図206及び図207参照)、連なった状態の球が第3通路CRt3を案内される場合には、先行する球が第4通路CRt4へ振り分けられる一方、後行する球が第5通路CRt5へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第4通路CRt4へ振り分けられる。
ここで、第5通路CRt5の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図197参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt5へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt6には、その第6通路CRt6を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図197左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt6には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt4へ振り分けられた球は、第6通路CRt6において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt5へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC86bは、連なった状態の球が第3通路CRt3へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第4通路CRt4)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt5))へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図198から図199に加え、図200から図212を参照して、下側フレームC86bの詳細構成について説明する。
図200は、下側フレームC86bの分解正面斜視図であり、図201は、下側フレームC86bの分解背面斜視図である。図202は、下側フレームC86bの上面図であり、図203は、下側フレームC86bの正面図であり、図204は、下側フレームC86bの背面図である。図205(a)は、図203の矢印CCVa方向視における下側フレームC86bの側面図であり、図205(b)は、図203の矢印CCVb方向視における下側フレームC86bの側面図である。
図206及び図207は、図202のCCVI-CCVI線における下側フレームC86bの断面図であり、図208は、図203のCCVIII-CCVIII線における下側フレームC86bの断面図である。図209(a)は、図206のCCIXa部における下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図209(b)は、図202のCCIXb-CCIXb線における下側フレームC86bの部分拡大断面図である。なお、図206では、振分部材C170が第1位置に配置された状態が、図207では、振分部材C170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図198から図209に示すように、下側フレームC86bは、正面部材C110と、その正面部材C110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C120と、正面部材C110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C130と、その背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C140と、背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される第2中間部材C150と、背面部材C130及び第2中間部材C150の対向間に介設される第1介設部材C160及び振分部材C170と、正面部材C110並びに第1及び第2中間部材C140,C150の対向間に介設される第2介設部材C180と、背面部材C130の背面に配設される装飾部材C190及び迂回部材C200と、を備える。
なお、下側フレームC86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C170及び装飾部材C190が背面部材C130に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図198参照)。
また、下側フレームC86bは、振分部材C170及び装飾部材C190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C170及び装飾部材C190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt1から第6通路CRt6を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C170による振り分け動作とその動作に伴う装飾部材C190の変位を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC86bは、第1中間部材C140または第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第3通路CRt3における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C170による振り分け動作との少なくとも一方または両方を遊技者に視認させられる一方で、後行する球が振分部材C170により第5通路CRt5に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態ではほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt5を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C170及び装飾部材C190は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt3を通過する球や振分部材C170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112と、それら正面部C111及び底面部C112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部C113とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図197参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C180の底面が対向配置され、底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、第2介設部材C180に貫通形成した貫通孔を第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
連結部C113には、受入口COPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口COPinは、上述したように、上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0から球を受け入れる開口である。なお、ベース板60にセンターフレームC86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームC86aの背面が正面部C111及び連結部C113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路CRt0の下流端と受入口COPinとが連通される。
皿部材C120は、通路の底面を形成する上側底面部C121及び下側底面部C122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C123及び下側側壁部C124とを備える。
上側底面部C121は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口COPinから離間する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部C121は、受入口COPinよりも鉛直方向下方(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路CRt0との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材C120は、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部C121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝C121aが凹設される(図209参照)。凹溝C121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝C121の溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝C121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝C121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部C121上の球を2箇所(上側底面部C121と凹溝C121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝C121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路CRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を落下させると共に、上側底面部C121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121(第1通路CRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部C121(第1通路CRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部C123は、上側底面部C121(第1通路CRt1)の上流側および下流側の端部と、上側底面部C121(第1通路CRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部C123には、上側底面部C121(第1通路CRt1)の下流側の端部に切り欠き部C123aが切り欠き形成され、この切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図209(b)参照)。
下側側壁部C124は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C122(第2通路CRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C122は、上面視において、上側底面部C121と平行に並設され、上側底面部C121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部C122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C123における切り欠き部C123aに対応する位置では、下側側壁部C124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側側壁部C124には、円弧状に湾曲した下側底面部C122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C122の長手方向における一端側)に上側底面部C121(第1通路CRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ流入する場合に、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C122(第2通路CRt2)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図202参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C122(第2通路CRt2)に流下した球が、かかる下側底面部C122(第2通路CRt2)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図209参照)。これにより、下側底面部C122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C122(第2通路CRt2)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C122(第2通路CRt2)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C122の円弧形状(下側底面部C122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図209(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材C120は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部C122(第2通路CRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材C130は、板状に形成される本体部C131と、その本体部C131の正面から立設される下ストッパ部C132、上ストッパ部C133及び軸支座部C134とを備える。
本体部C131には、その本体部C131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt5)を連通するための開口である開口C131aが開口形成される。開口C131aの下方には、本体部C131の外縁を窪ませた凹部C131bが形成される。凹部C131bは、迂回部材C200との対向間に第5通路CRt5の一部を形成する。
下ストッパ部C132は、振分部材C170が下方へ変位された際に、その振分部材C170の下面に当接可能に形成され、振分部材C170の第2位置を規定する(図207参照)。一方、上ストッパ部C133は、振分部材C170が上方へ変位された際に、その振分部材C170の上面に当接可能に形成され、振分部材C170の第1位置(所定位置)を規定する(図206参照)。
軸支座部C134は、軸C192を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C192は、装飾部材C190に固着されており、本体部C131の背面から挿通された軸C192に振分部材C170が回転不能に連結されることで、振分部材C170及び装飾部材C190が一体となって本体部C131(軸支座部C134)に回転可能に軸支される。また、軸C192は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C134に軸支される。
第1中間部材C140は、板状の本体部C141と、その本体部C141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C142、天面部C143及び通路部C144とを備え、背面部材C130の正面視左側に配設される。
第1中間部材C140が背面部材C130に配設された状態では、底面部C142、天面部C143及び通路部C144の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。これにより、背面部材C130と第1中間部材C140(本体部C141、底面部C142及び天面部C143)とに区画された空間により第3通路CRt3が形成されると共に、背面部材C130と第1中間部材C140(通路部C144)と第2位置にある振分部材C170とにより区画された空間により第4通路CRt4が形成される(図207参照)。
なお、底面部C142は、皿部材C120側から振分部材C170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C144は、第2位置にある振分部材C170に対向する位置に形成される対向部C144aと、球の転動面を形成する底面部C144bとを備え、底面部C144bは、第2位置にある振分部材C170側から対向部C144a側へ向けて下降傾斜されると共に、背面部材C130側から正面部材C110側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、第2位置へ変位した振分部材C170から球を第4通路CRt4に受け入れると共にその球を第6通路CRt6へ流出(転動)させることができる。
ここで、皿部材C120の下側底面部C122(第2通路CRt2)は前後方向(矢印F-B方向)に沿って球を転動させ、皿部材C120から底面部C142へは、左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)球が流下され、底面部C142(第3通路CRt3)は皿部材C120から流下された球を左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)転動させる。
この場合、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動によって先行の球CB1及び後行の球CB2(図210参照)の間隔が決定されるところ、それら両球CB1,CB2は、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ左右方向に沿って流下されると共に、底面部C142(第3通路CRt3)を左右方向に沿って流下(転動)されるので、両球CB1,CB2の間隔を正面視により確認可能とし、遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C150は、板状の本体部C151と、その本体部C151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C152とを備え、背面部材C130の正面視右側に配設される。第2中間部材C150が背面部材C130に配設された状態では、底面部C152の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。
本体部C151には、その外縁を窪ませた凹部C151aが形成される。底面部C152は、その下面に迂回部材C200(樋部C203)が対向配置され、凹部C151a及び底面部C152と迂回部材C200(樋部C203)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、迂回部材C200を筒状に形成して第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
第1介設部材C160は、第5通路CRt5の一部における球の転動面を形成する部材であり、背面部材C130と第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、背面部材C130と第2中間部材C150(本体部C151)と第1介設部材C160とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される。
第1介設部材C160は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図207参照)。よって、振分部材C170によって第1介設部材C160(第5通路CRt5)に振り分けられた球を、第1介設部材C160上で往復動させた後、開口C131aへ流出させることができる。
これにより、例えば、振分部材C170によって振り分けられた球を開口C131aへ直接流出させる構成と比較して、開口C131aへ流出するまでに要する時間を長くすることができる。即ち、第1入賞口64に入球(入賞)する確率が高い状態の形成を期待する遊技者に対し、かかる状態が形成されたことを気づかせ易くできると共に、かかる状態を楽しむ時間を確保させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1介設部材C160には、背面部材C130の開口C131aに対応する位置(即ち、第1介設部材C160の転動面の内の鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C160aが凹設される。流出面C160aは、第1介設部材C160を案内される球を、開口C131aへ流出させるための部位であり、開口C131aへ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
振分部材C170は、嵌合穴C171aが一側に形成される本体部C171と、その本体部C171の嵌合穴C171aが形成される側と反対側となる他側に形成される受入部C172と、本体部C171の上面側に形成される転動部C173とを備え、嵌合穴C171aに嵌合された軸C192(軸支座部C134)を中心として回転可能とされる。
嵌合穴C171aは、断面D字状の穴として形成され、その断面形状に一致した断面形状を有する軸C192が嵌合されることで、本体部C171に軸C192が回転不能に固着される。軸C192は、装飾部材C190にも回転不要に固着されており、よって、軸C192を介して、本体部C171(振分部材C170)と装飾部材C190とが一体化(1のユニットとして形成)される。
この場合、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットは、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C170と反対側、図206右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C170は、受入部C172側が上昇され(正面視において軸C192を中心として時計回りに回転され)、上ストッパ部C133に回転が規制された状態(第1位置(所定位置)に配置された状態)とされる(図206参照)。
一方、振分部材C170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C170が配設される側、図206左側)に偏心される。よって、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C170は、受入部C172側が下降され(正面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C132に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図207参照)。
装飾部材C190は、本体部C191の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされ、振分部材C170の第1位置と第2位置との間の変位(回転)に伴って、装飾部材C190(本体部C191)も回転され、遊技者から視認される位置(形態)が変化される。よって、かかる装飾部材C190の位置(形態)に基づいて、振分部材C170の状態(即ち、球の振り分け方向)を遊技者に認識させることができる。また、振分部材C170を変位させるための錘としての役割と、球の振り分け方向を認識させる部位としての役割とを装飾部材C190に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
なお、振分部材C170が第2位置に配置された後、受入部C172から第1中間部材C140の通路部C144へ球が排出(流出)されると、振分部材C170は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重心位置の軸C192からの偏心)の作用により、第1位置(所定位置)へ復帰される。
このように、振分部材C170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C173へ到達させる可能性を付与できる(図210から図212参照)。
受入部C172は、第1位置において第3通路CRt3に対向する位置に形成される対向部C172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C172bとを備える。
受入部C172は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交し、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図206参照)。
ここで、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C172aの転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第3通路CRt3へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C172aは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から受け入れた球を対向部C172aにより受け止めて、第3通路CRt3へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142(通路部C144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C172に受け入れた球が早期に第1中間部材C140の通路部C144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C172bは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C172に受け入れた球が第1中間部材C140の通路部C144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C170を第2位置に確実に到達させることができる。
なお、上述した理由(第3通路CRt3への逆流防止)により、対向部C172aを、転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C172は、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の通路部C144へ向けて下降傾斜するように形成される(図207参照)。これにより、受入部C172に受け入れた球を、第1中間部材C140の通路部C144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C172bを転動している間、その球の重量を振分部材C170に作用させ、振分部材C170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C173(第5通路CRt5)へ案内可能な状態)に維持しやすくできる。
転動部C173は、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球を、第2介設部材C160(第5通路CRt5)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)の下流端と、第2介設部材C160(第5通路CRt5)の上流端との間に位置(架設)される。
転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)は、受入部C172の対向部C172aから突出して形成される。即ち、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)には、対向部C172aから上流側(第1中間部材C140(第3通路CRt3)側、矢印L方向)へ向けて突出される板状の部位が形成される。この板状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球が受入部C172へ流入されると、その球の重量で振分部材C170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C170の下面が下ストッパ部C132に当接されることで、振分部材C170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C132に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C142(転動面)の下流端と転動部C173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C142の下流端よりも転動部C173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
更に、振分部材C170は、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)が、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成される。即ち、転動部C173の上流側の端面は、転動部C173の転動面側の縁部よりも、受入部C172(対向部C172a)側の縁部の方が、第1中間部材C140に近接される形状に形成される。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
受入部C172と転動部C173とは、C192に対して、同じ側(球の重量により振分部材C170を回転させる方向が同じとなる側)に配置される。よって、受入部C172に受け入れた球の重量により振分部材C170が第2位置に配置された後、球が受入部C172から排出されたとしても、転動部C173を転動する球の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持することができる。即ち、第5通路CRt5へ案内する球がある場合、その球の重量を利用して、振分部材C170の姿勢を、球を第5通路CRt5へ案内するための姿勢に維持させることとができる。
よって、受入部C172に受け入れた球(底面部C172bを転動する球)の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持する必要がなく、かかる底面部C172bの延設長さを短くすることができ、その分、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
ここで、振分部材C170は、底面部C142(第3通路CRt3)から受入部C172へ向けて球が転動する方向(受入部C172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C172が球を受け入れる方向と受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C170(受入部C172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C172に滞留される球の重量を利用して振分部材C170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C173において球を安定して転動させることができる。
また、球の反転を利用して、その滞留時間を確保できることで、その分、受入部C172における底面部C172bの延設長さを短くして、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
第2介設部材C180は、第6通路CRt6における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C111と第1中間部材C140及び第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、正面部材C110と第1中間部材C140及び第2中間部材C150と第2介設部材C180とに区画された空間により第6通路CRt6が形成される。
第2介設部材C180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C180(第6通路CRt6)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt6の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C110の底面部C112との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。
装飾部材C190は、板状に形成される本体部C191と、その本体部C191に固着される軸C192とを備え、上述したように、軸C192を介して、振分部材C170に連結(一体化)される。なお、本体部C191の正面には、キャラクターなどの図柄が印刷やシールの添付により表示され、そのキャラクターの動き(変位)に基づいて、振分部材C170の動作が遊技者に視認可能とされる。
なお、軸C192は、ベース板60(図197参照)に直交する姿勢で配置される。よって、下側フレームC86bの前後方向(矢印F-B方向)寸法の小型化を図ることができる。
迂回部材C200は、板状の本体部C201と、その本体部C201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C202と、その壁面部C202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C203とを備え、開口C131aに対向する位置において、背面部材C130の背面側に配設される。
迂回部材C200が背面部材C130に配設された状態では、壁面部C202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C130(本体部C131)の背面に当接され、且つ、樋部C203の立設先端(矢印F方向側)が第2中間部材C150(本体部C151)の背面に当接されると共に、樋部C203の縁部が第2中間部材C150(底面部C152)の底面に当接される。
これにより、背面部材C130(本体部C131)と迂回部材C200(本体部C201及び壁面部C202)とに区画された空間、及び、第2中間部材C150(底面部C152)と迂回部材C200(樋部C203)とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される(図208参照)。
なお、樋部C203は、背面部材C130側から第2中間部材C150側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C130の開口C131aから迂回部材C200内へ流入された球を樋部C203上を転動させて、正面部材C110の底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt5へ流入させることができる。
次いで、振分部材C170による球の振り分け動作について説明する。図210から図212は、振分部材C170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図202のCCVI-CCVI線における断面に対応する。
なお、図210(a)及び図210(b)は、振分部材C170が第1位置に配置された状態を示し、図206に対応する。図211(b)及び図212は、振分部材C170が第2位置に配置された状態を示し、図207に対応する。
図210(a)に示すように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、受入部C172は、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C172は、底面部C142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C172aが配置され、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C172bが配置される。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C173は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C173は、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C172bが配置される。なお、転動部C173と、底面部C142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の天面部C143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。但し、かかる間隔を球の直径よりも大きな間隔としても良い。
第1中間部材C140の底面部C142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図210(b)に示すように、球CB1が振分部材C170の受入部C172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C172aに当接され(受け止められ)、受入部C172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。上述したように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、天面部C143の下流端と、転動部C173の上流端との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定されるので、球CB2が、球CB1を乗り越えて、転動部C173へ流入されることを抑制できる。即ち、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図210(b)に示すように、球CB1が受入部C172に受け入れられると、図211(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C170に作用される。
ここで、受入部C172は、対向部C172aの底面部C172bに連結される側の領域と、底面部C172bの対向部C172aに結される側の領域とが、即ち、対向部C172aと底面部C172bとの連結部分が、軸C192側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図211(a)と図211(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C172(対向部C172aと底面部C172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C192と反対側の外縁)よりも、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)の軌跡が、軸C192に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図211(a)に示す状態から振分部材C170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、球CB1が通路部C144へ向けて底面部C172bを転動されると共に、球CB2が転動部C173に流下される(転動部C173に受け入れられる)。
図211(b)及び図212に示すように、振分部材C170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C172から通路部C144(第4通路CRt4)へ流入されると共に、球CB2が転動部C173を転動して、第1介設部材C160(第5通路CRt5)へ流入される。
球CB1,CB2が第4通路CRt4及び第5通路CRt5へ流入された後は、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。なお、振分部材C170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C173到達し、その転動部C173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C173を転動して第5通路CRt5へ流入(案内)される。
上述したように、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)は、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成されるので、振分部材C170が第2位置から第1位置へ変位(回転)を開始した後であっても、転動部C173の上流側の傾斜面(端面)を利用して、第3の球を転動部C173へ流入させ易くできる。
なお、振分部材C170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第4通路CRt4へ振り分けられる。
以上のように、第53実施形態における下側フレームC86bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図213から図228を参照して、第54実施形態におけるセンターフレームC2086について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図213は、第54実施形態における下側フレームC2086bの正面斜視図であり、図214は、下側フレームC2086bの背面斜視図である。なお、図213及び図214では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC2086bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図213及び図214に示すように、下側フレームC2086bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COP2000inと、その受入口COP2000inに連通される第1通路CRt2001と、その第1通路CRt2001を案内された球(第1通路CRt2001をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第2通路CRt2002と、その第2通路CRt2002を案内された球が振分部材C2170により振り分けられて流下される第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004と、第3通路CRt2003を案内された球および第4通路CRt2004から落下した球(第4通路CRt2004の終端に到達しなかった球)が流下される第6通路CRt2006と、第4通路CRt2004を案内された球(第4通路CRt2004の終端に達した球)が流下される第5通路CRt2005と、その第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COP2000outとが形成される(図221及び図222参照)。
なお、第54実施形態におけるセンターフレームは、上側フレーム(図示せず)と下側フレームC2086bとから構成される。第54実施形態における上側フレームは、その上側フレーム通路(図示せず)の形状が、第53実施形態における上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0と異なる点を除き、他の構成は第53実施形態における上側フレームC86aと同一の構成であるので、その説明は省略する。
上側フレーム通路は、遊技領域のうちの正面視左側(図197左側)の領域(センターフレーム(上側フレーム)とレール61(図197参照)との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路の下流端に下側フレームC2086bの受入口COP2000inが連通される。即ち、遊技領域から上側フレーム通路に流入(入球)した球は、受入口COP2000inを介して、上側フレーム通路から下側フレームC2086bの第1通路CRt2001へ流入(入球)される。
下側フレームC2086bには、球の重さにより動作する振分部材C2170が配設されており(図221及び図222参照)、連なった状態の球が第2通路CRt2002を案内される場合には、先行する球が第3通路CRt2003へ振り分けられる一方、後行する球が第4通路CRt2004へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第3通路CRt2003へ振り分けられる。
ここで、第4通路CRt4の終端に達した球は、第5通路CRt5へ流下されるところ、第5通路CRt2005の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図197参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt2005を案内された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt2006には、その第6通路CRt2006に案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図197左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt2006には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt2004へ振り分けられた球は、第6通路CRt2006において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt2005を案内される球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC2086bは、第53実施形態の場合と同様に、連なった状態の球が第2通路CRt2002へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第3通路CRt2003)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt2005))へ球を流下させる第4通路CRt2004へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、本実施形態では、第4通路CRt2004を案内される球が途中で第6通路へ落下可能に形成され、落下せずに第4通路CRt2004の終端に達した球のみが第5通路CRt2005へ流下(流入)可能とされる。そのため、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、連なった状態の球のうちの後行する球が第4通路CRt2004に振り分けられた後は、かかる第4通路CRt2004の終端まで球が落下せずに達することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図213から図214に加え、図215から図228を参照して、下側フレームC2086bの詳細構成について説明する。
図215は、下側フレームC2086bの分解正面斜視図であり、図216は、下側フレームC2086bの分解背面斜視図である。図217は、下側フレームC2086bの上面図であり、図218は、下側フレームC2086bの正面図であり、図219は、下側フレームC2086bの背面図である。図220(a)は、図218の矢印CCXXa方向視における下側フレームC2086bの側面図であり、図220(b)は、図218の矢印CCXXb方向視における下側フレームC2086bの側面図である。
図221及び図222は、図217のCCXXI-CCXXI線における下側フレームC2086bの断面図である。図223は、図219のCCXXIII-CCXXIII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図224は、図219のCCXXIV-CCXXIV線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図でる。なお、図221では、振分部材C2170が第1位置に配置された状態が、図222では、振分部材C2170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図213から図224に示すように、下側フレームC2086bは、正面部材C2110と、その正面部材C2110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C2120と、正面部材C2110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C2130と、その背面部材C2130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C2140、第2中間部材C2150、第1介設部材C2160、磁性部C2400及び受け部材C2500と、背面部材C2130及び第1中間部材C2140の対向間に介設される振分部材C2170と、正面部材C2110及び背面部材C2130の対向間に介設される第2介設部材C2180と、背面部材C2130の背面に配設される迂回部材C2200及び磁石C2300と、を備える。
なお、下側フレームC2086bは、各部材どうしそれぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C2170が背面部材C2130及び第1中間部材C2140に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図213参照)。
また、下側フレームC2086bは、振分部材C2170を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C2170が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt2001から第6通路CRt2006を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C2170による振り分け動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC2086bは、少なくとも第1中間部材C2140が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第2通路CRt2002における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C2170による振り分け動作とを遊技者に視認させられると共に、後行する球が振分部材C2170により第4通路CRt2004に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態では第5通路CRt2005に流入されれば、ほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt2005を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C2170は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C2140が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C2140に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt2003を通過する球や振分部材C2170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C2110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC2086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図197参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C2180の底面が対向配置される。なお、底面部C112には、流出口COPoutに連通する筒状の部位が形成され、この筒状の部位が第5通路CRt2005の一部とされる。よって、第5通路CRt2005の内壁面に正面部材C2110と第2介設部材C180との重なり部分(継ぎ目)が形成されないので、流出口COPoutから第5通路CRt2005内を遊技者が覗き込んだ際の外観を良くすることができると共に、重なり部分(継ぎ目)から針金等の異物が侵入されることを回避できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
皿部材C2120は、通路の底面を形成する上側底面部C2121及び下側底面部C2122と、通路の側壁を形成する側壁部C2124を備える。
上側底面部C2121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、受入口COP2000inから離間する方向(矢印方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
下側底面部C2122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図209(b)参照)。
側壁部C2124は、上側底面部C2121(第1通路CRt2001)の通路幅と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C2122は、上面視において、上側底面部C2121と略90度に交差され、上側底面部C2121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C2122の長手方向における一端側(矢印F方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
側壁部C2124には、円弧状に湾曲した下側底面部C2122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)から底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C2122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C2122の長手方向における一端側)に上側底面部C2121から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C2121から下側底面部C2122(第1通路CRt2001)へ流入する場合に、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C2122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を案内される球を、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出させるための部位であり、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C2122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C2142(第2通路CRt2002)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C2122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図217参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C2124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C2124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C2122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C2122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に流下した球が、かかる下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C2122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図221参照)。これにより、下側底面部C2122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する側壁部C2124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C2122(第1通路CRt2001)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C2122の円弧形状(下側底面部C2122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図209(b)及び図220(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させ易くできる。
背面部材C2130は、板状に形成される本体部C2131と、その本体部C2131の正面から立設される軸支座部C2134とを備える。
本体部C2131には、その本体部C2131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt2005)を連通するための開口である開口C2131aと、振分部材C2170(錘C2175)との干渉を回避するための開口である開口C2131cとが開口形成される。開口C2131aの下方には、本体部C2131の外縁を窪ませた凹部C2131bが形成される。凹部C2131bは、迂回部材C2200との対向間に第5通路CRt2005の一部を形成する。
軸支座部C2134は、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C2174は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C2134と第1中間部材C2140の軸支座部C2141bとに軸支される。
第1中間部材C2140は、板状の本体部C2141と、その本体部C2141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2142、天面部C2143、通路部C2144及び下ストッパ部C2145とを備え、背面部材C2130の正面視左側に配設される。
本体部C2141には、その本体部C2141の正面側と背面側とに形成される通路(第3通路CRt2003及び第6通路CRt2006)を連通するための開口である開口C2141aが形成される。また、本体部C2141の背面からは、軸支座部C2141bが立設される。軸支座部C2141bは、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。
第1中間部材C2140が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2142及び天面部C2143の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。これにより、背面部材C2130と第1中間部材C2140(本体部C2141、底面部C2142及び天面部C2143)とに区画された空間により第2通路CRt2002が形成されると共に、背面部材C2130と第1中間部材C2140(底面部C2142及び通路部C2144)と第2位置にある振分部材C2170とにより区画された空間により第3通路CRt2003が形成される(図222参照)。
底面部C2142は、皿部材C2120側から振分部材C2170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C2144は、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)と開口C2141aとの対向間に位置し、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)側から開口C2141a側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、通路部C2144は、第2位置へ変位した振分部材C2170から球を受け入れると、その球を開口C2141aを介して第6通路CRt2006へ流出(転動)させることができる。
なお、底面部C2142は、振分部材C2170(底面部C2172b)が上方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の上面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第1位置を規定する(図221参照)。一方、下ストッパ部C2145は、振分部材C2170(底面部C2172b)が下方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の下面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第2位置を規定する(図222参照)。
なお、振分部材C2170は、第1位置から第2位置に変位(回転)されると、転動部C2173の上面(転動面)が上方へ変位(上昇)される。即ち、振分部材C2170が第2位置に配置された状態における底面部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態における底面部C2173の上面(転動面)よりも上方(矢印U側)に位置される。
第2中間部材C2150は、板状の本体部C2151と、その本体部C2151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2152及び壁面部C2153,C2154とを備え、第1中間部材C2140との間に所定の間隔を隔てつつ、背面部材C2130の正面視右側に配設される。
なお、本実施形態では、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との間の対向間隔(矢印L-R方向の間隔)が、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)寸法に球の直径の少なくとも2倍以上の大きさを加算した寸法よりも大きな値に設定される。よって、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側(第1中間部材C2140との間、及び、第2中間部材C2150との間の両方)に、球が通過可能な空間をそれぞれ確保することができる。よって、球の流下する方向の種類(バリエーション)を増やし、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152が、背面部材C2130の開口C2131aに連通可能となる位置に配置されると共に、開口2131aへ向けて下降傾斜される。よって、底面部C2152は、第4通路CRt2004の終端に達した球(磁性部C2400の終端から落下した球)を受け入れると、その球を開口C2131a内へ流入(転動)させることができる。即ち、底面部C2152の上面側に第5通路CRt2005の一部が形成される。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152及び壁面部C2153,C2154の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。また、底面部C2152の上面(転動面)の縁部に沿って本体部C2151及び壁面部C2153,C2154が所定量だけ上方(矢印U方向)へ突出される。
磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153は、第4通路CRt2004を案内される球の移動方向(磁性部C2400の下縁(球を吸着する縁部)に沿う方向)の延長線と交差する面を形成する。これにより、第4通路CRt2004から排球された(磁性部C2400から落下した)球を、壁面部C2153により直接受け止めて、或いは、底面部C2152でバウンドした(跳ね上がった)後に壁面部C2153により受け止めて、底面部C2152上へ落下させることができる。なお、実施形態では、壁面部C2153は、磁性部C2400の終端(矢印R方向の端部)における下縁(球が吸着される縁部)よりも高い位置まで形成される。
一方、底面部C2152の上面からの突出寸法は、磁性部C2400に近い側に位置する壁面部C2154の突出寸法、及び、本体部C2151の突出寸法が、磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153の突出寸法よりも小さく(低く)される。これにより、底面部2152(第5通路CRt2005)から第1介設部材C2160又は第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)へ球が落下可能として、遊技の興趣を高められる。なお、壁面部C2154及び本体部C2151の突出寸法は、球の直径よりも小さくされることが好ましい。
受け部材C2500は、上面(転動面)を形成する第1底面部C2501及び第2底面部C2502を備え、第1中間部材C2140と第2中間部材2150との対向間であって、磁性部C2400の下方(矢印U方向側)となる位置に配設される。よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を第1底面部C2501及び第2底面部C2502で受け止めて、第1介設部材C2160へ流下(転動)させることができる。
第1底面部C2501は、第2底面部C2502との接続部から第1中間部材C2140側(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成され、第2底面部C2502は、第1底面部C2501との接続部から第2中間部材C2150側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、第1底面部C2501及び第2底面部C2502は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて下降傾斜される(図224参照)。
上述したように、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側には、第1中間部材C2140及び第2中間部材C2150との間に少なくとも球1個分の空間がそれぞれ形成される。
よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させて、第1介設部材C2160へ流下させることができる。この場合、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を受け止めた部位(第1底面部C2501又は第2底面部C2502)に応じて、その球を流下させる方向を異ならせることができる。
また、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させた上で、それら第1底面部C2501又は第2底面部C2502の下流端から第1介設部材C2160へ流下させることができる。これにより、かかる球を、第1介設部材C2160の長手方向に沿って転動させ易くできる。
なお、第1底面部C2501及び第2底面部C2502の少なくとも一方または両方は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて上昇傾斜されていても良く、或いは、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて非傾斜(即ち、水平)とされていても良い。
また、受け部材C2500は、その長手方向(矢印L-R方向)の一側のみに球が通過可能な空間が確保される形態(即ち、第1中間部材C2140又は第2中間部材C2150の一方との間のみに球が流下(通過)可能な空間が形成され、他方との間では球の流下(通過)が不能とされる形態)でも良い。この場合には、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向寸法を確保して、その分、球の転動時間を長くできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
第1介設部材C2160は、受け部材C2500から流下された球を、第2介設部材C2180へ流下させる転動面を形成する部材であり、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との対向間に介設される。
第1介設部材C2160の上面(転動面)には、球を第2介設部材C2180へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C2161及び側方流出面C2162)が形成される。中央流出面C2161は、第2介設部材C2180の中央流出面C181(即ち、第1入賞口64)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)され、側方流出面C2162は、中央流出面C2161から遊技盤13の幅方向(図197左右方向)へ位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。また、第1介設部材C2160の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C2162が形成され、起伏の頂部に中央流出面C2161が形成される。
なお、側方流出面C2162は、第2介設部材C2180の側方流出面C182に対して、遊技盤13の幅方向(図197左右方向)における外側(矢印L方向または矢印R方向)へ位置を異ならせて形成(配置)される。よって、側方流出面C2162から流下される球を、第2介設部材C2180の側方流出面C182よりも外側(即ち、側方流出面C182へ向けて下降傾斜する第2介設部材C2180の上面(転動面))へ流下させることができる。従って、かかる球を、第2介設部材C2180の長手方向に沿って転動させ易くできる。その結果、第2介設部材C2180の中央流出面C181から流下させる(即ち、第1入賞口64へ入球(入賞)する)機会を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
振分部材C2170は、軸C2174が軸支される本体部C2171と、その本体部C2171の一側に形成される受入部C2172と、本体部C2171の上面側に形成される転動部C2173と、軸C2174を挟んで受入部C2172と反対側となる位置において本体部C2171に配設(取着)される真鍮製の錘C2175とを備え、軸C2174(軸支座部C2134,C2141b)を中心として回転可能とされる。
振分部材C2170は、その重心位置が回転中心(軸C2174)に対して他側(錘C2175が配設される側、即ち、軸C2174を挟んで受入部C21720と反対側、図221右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が上昇され(正面視において軸C2174を中心として時計回りに回転され)、底面部C2142に回転が規制された状態(第1位置に配置された状態)とされる(図221参照)。
一方、振分部材C2170の受入部C2172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C2174)に対して一側(受入部C2172が形成される側、即ち、軸C2174に対して錘C2175と反対側、図222左側)に偏心される。よって、受入部C2172に球を受け入れた状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が下降され(正面視において軸C2174を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C2145に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図222参照)。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された後、受入部C2172から第1中間部材C2140の通路部C2144へ球が排出(流出)されると、振分部材C2170は、振分部材C2170の自重(重心位置の軸C2174からの偏心)の作用により、第1位置へ復帰される。
このように、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C2170の自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C2170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C2173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C2173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C2173へ到達させる可能性を付与できる(図225から図227参照)。
受入部C2172は、第1位置において第2通路CRt2002に対向する位置に形成される対向部C2172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C2144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C2172bとを備える。
受入部C2172は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交し、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図221参照)。
ここで、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C2172aの転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C2172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第2通路CRt2002へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C2172aは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から受け入れた球を対向部C2172aにより受け止めて、第3通路CRt2003へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142(通路部C2144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C2172に受け入れた球が早期に第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C2170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C2170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C2172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C2172に受け入れた球が第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C2170を第2位置に確実に到達させることができる。
この場合、本実施形態では、底面部C2172bは、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、対向部C2172aに接続される基端側(図221右側、矢印R方向側)の領域における上昇傾斜の角度が、対向部C2172aと反対側となる先端側(図221左側、矢印L方向側)の領域における上昇傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。また、言い換えると、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aと反対側となる先端側(図221左側)の領域における下降傾斜の角度が、対向部C2172aに接続される基端側(図221右側)の領域における下降傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。
よって、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)される初期段階では、底面部C2172bの基端側(図221右側)の領域における上昇傾斜を利用して、受入部C2172(底面部C2172b)における球の保持を確実としつつ、後期段階では、底面部C2172bの先端側(図221左側)の領域における下降傾斜を利用して、通路部C2144(第3通路CRt2003)への球の排球をスムーズに行わせることができる。
なお、上述した理由(第2通路CRt2002への逆流防止)により、対向部C2172aを、転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C2172は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の通路部C2144へ向けて下降傾斜するように形成される(図222参照)。これにより、受入部C2172に受け入れた球を、第1中間部材C2140の通路部C2144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C2172bを転動している間、その球の重量を振分部材C2170に作用させ、振分部材C2170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C2173(第4通路CRt4)へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
転動部C2173は、受入部C2172(底面部2172b)に対して軸C2174を挟んで反対側となる領域に形成される。即ち、受入部C2172に受け入れられた球の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、その回転に伴って上方(矢印U方向)へ上昇される領域を少なくとも含む領域に転動部C2173が形成される。即ち、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、転動部C2173の下流側が上方へ持ち上げられ、磁性部C2400との間の距離が短縮される。よって、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
この場合、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、転動部C2173が、軸C2174を挟んで水平方向(矢印L-R方向)反対側のみに形成されていると、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いによって、振分部材C2170が第1位置へ向けて回転される虞がある。よって、転動部C2173の高さ位置(鉛直方向位置)が下がり、磁性部C2400との間の距離が拡大されることで、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)られない虞がある。
これに対し転動部C2173は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、軸C2174と鉛直方向において重なる範囲(領域)にわたって形成される(図222参照)。即ち、転動部C2173の上流側(第2通路CRt2002側)の領域は、軸C2174よりも水平方向一側(矢印L方向側)に位置し、その上流側を転動する球の重量を、振分部材C2170を第2位置に維持する方向の力として作用させることができる。
よって、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いを利用して、第2位置にある状態を維持させる方向の慣性力を振分部材C2170に作用させ、その慣性力の作用により第2位置にある状態を維持する方向へ振分部材C2170が変位(回転)しようとしている間に、球を転動部C2173の下流側の領域まで転動させることができる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
受入部C2172の底面部C2172bの延設長さ(球を案内する方向の長さ)は、転動部C2173の延設長さよりも大きな寸法に設定される。よって、転動部C2173を球が転動する間、同時に、受入部C2172の底面部C2172bを別の球が転動する状態を形成しやすくできる。即ち、転動部C2173を球が転動する間、受入部C2172の底面部C2172bに別の球の重量を振分部材C2170に作用させておくことができる。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
特に、受入部C2172の底面部C2172bは、軸C2174から離間する方向(軸C2174に直交する方向)へ延設されるので、底面部C2172bを球が転動するに従って、力の作用点(球の重量が作用する位置)と支点(回転中心)との距離を大きく(増加)させることができる。即ち、底面部C2172bを球が転動するに従って、振分部材C2170を第2位置へ維持し易くできる(第2位置に配置された振分部材C2170を第1位置へ変位(回転させる)のに必要な力を大きくできる)。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
ここで、振分部材C2170は、底面部C2142(第2通路CRt2002)から受入部C2172へ向けて球が転動する方向(受入部C2172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C2172を球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C2172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C2172が球を受け入れる方向と受入部C2172を球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C2170(受入部C2172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C2172に滞留される球の重量を利用して振分部材C2170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C2173において球を安定して転動させることができる。
転動部C2173は、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球を、磁性部C2400(第4通路CRt2004)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C2170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)の下流端と、磁性部C2400(第4通路CRt2004)の上流端との間に位置(架設)される。
上述したように、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間で変位(回転)されることで、その上面(転動面)の高さ位置が上下方向(矢印U-D)方向へ変位(昇降)される。これにより、転動部C2173を磁性部C2400よりも下方となる位置に配置できる。
その結果、振分部材C2170を第2位置に配置して、転動部C2173を上方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400に近づけて、重力の作用に抗して、球を吸着させ易くできる一方、振分部材C2170を第1位置に配置して、転動部C2173を下方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400から離間させて、重力の作用も利用して、球を吸着させない態様を確実に形成できる。
転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)と受入部C2172の対向部C2172aとの連結部分は、上流側(第1中間部材C2140(第2通路CRt2002)側、矢印L方向)へ向けて突出される鋭角な突部形状に形成される。この突部形状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球が受入部C2172へ流入されると、その球の重量で振分部材C2170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C2170の下面が下ストッパ部C2145に当接されることで、振分部材C2170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C2145に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C2170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C2170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C2170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C2170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C2173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C2172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C2142(転動面)の下流端と転動部C2173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C2170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C2142の下流端よりも転動部C2173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C2170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
なお、第53実施形態の場合と同様に、転動部C2173の上流側の端面(第1中間部材C2140に対向する側の面、矢印L方向側の面)を、転動部C2173から第1中間部材C2140(底面部C2142)へ向けて下降傾斜させても良い。即ち、転動部C2173の上流側の端面を、転動部C2173の転動面側の縁部よりも、受入部C2172(対向部C2172a)側の縁部の方が、第1中間部材C2140に近接される断面形状としても良い。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C2170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
磁性部C2400は、金属製の長尺板状体であり、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C2400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C2400の上流端へ飛び付く。即ち、磁性部C2400の下縁(正面(矢印F方向の面)と下面(矢印D方向の面)とが交差して形成される稜線)に吸着される(図228参照)。磁性部C2400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C2400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿って移動される。
この場合、球の状態(振分部材C2170の転動部C2173から磁性部C2400へ飛び付く際の球の速度や球の位置、球の回転状態など)に応じて、磁性部C2400の下縁から球が落下する可能性(終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態を形成できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
特に、磁性部C2400(第4通路CRt2004)は、振分部材C2170と第5通路CRt2005との間の通路を形成するので、遊技の興趣を高めることができる。即ち、振分部材C2170によって第4通路CRt2004に振り分けられる球は、先行する球CB1との間の距離が所定量より小さい状態(即ち、先行する球CB1と連なった状態)で第2通路CRt2002を流下(転動)する球(後行する球CB2)だけであり、かかる後行する球B2が発生する可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て振分部材C2170に到達した球(後行する球B2)を、落下する可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)がある不安定な状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
磁性部C2400の厚み寸法は、球の直径よりも小さい値(本実施形態では、球の直径の6%)に設定される。よって、磁性部C2400の下縁に外面点CP1が吸着された球は、位置CP1よりも下方となる位置の外面点CP2が本体部C2131の正面に当接される。この場合、球の重心は、外面点CP2よりも本体部C2131の正面から離れて位置するので、球の自重(重心に作用する重力)が、外面点CP1を支点として、外面点CP2を本体部2131の正面に押し当てる方向の力(即ち、図228において外面点CP1を中心として球を右回り(時計まわり)に回転させる力)として作用される(図228参照)。
これにより、磁性部C2400に球が吸着されると、かかる球を、外面点CP1と外面点CP2との2点で支持することができ、その結果、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿った球の移動を安定化できる。また、外面点CP2における本体部2131の正面との間の摩擦抵抗を利用して、球の移動速度を緩やか(低速化)することができる。よって、これによっても、球の移動を安定化できると共に、第4通路CRt2004の通過に要する時間を嵩ませて、球が落下せずに第5通路CRt2005に到達することを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、背面部材C2130の本体部c2131を挟んで、磁石C2300と磁性部C2400を配設し、磁性部C2400に沿って球を移動(摺動)させる構成とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化とを容易としつつ、球の通過経路を簡素な構造で形成できる。
第2介設部材C2180は、第6通路CRt2006における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160との対向間に介設される。即ち、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160と第2介設部材C2180に区画された空間により第6通路CRt2006が形成される。
第2介設部材C2180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt2006の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C2110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C2180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C2180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C2180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C2110の底面部C112との対向間に第5通路CRt2005の一部が形成される。
迂回部材C2200は、板状の本体部C2201と、その本体部C2201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C2202と、その壁面部C2202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C2203とを備え、開口C2131aに対向する位置において、背面部材C2130の背面側に配設される。
迂回部材C2200が背面部材C2130に配設された状態では、壁面部C2202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C2130(本体部C2131)の背面に当接され、且つ、樋部C2203の立設先端(矢印F方向側)が第2介設部材C2180の背面に当接されると共に、樋部C2203の縁部が第1介設部材C2160の底面に当接される。
これにより、背面部材C2130(本体部C2131)と迂回部材C2200(本体部C2201及び壁面部C2202)とに区画された空間、及び、第1介設部材C2160と迂回部材C2200(樋部C2203)とに区画された空間により第5通路CRt2005の一部が形成される(図223及び図224参照)。
なお、樋部C2203は、背面部材C2130側から第2介設部材C2180側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C2130の開口C2131aから迂回部材C2200内へ流入された球を樋部C2203上を転動させて、正面部材C2110の底面部C112と第2介設部材C2180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt2005へ流入させることができる。
次いで、振分部材C2170による球の振り分け動作について説明する。図225から図227は、振分部材C2170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図217のCCXXI-CCXXI線における断面に対応する。図228は、図227(b)のCCXXVIII-CCXXVIII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。
なお、図225(a)及び図225(b)は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態を示し、図221に対応する。図227(a)及び図227(b)は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態を示し、図222に対応する。
図225(a)に示すように、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、受入部C2172は、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C2172は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C2172aが配置され、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C2172bが配置される。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、転動部C2173と対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C2173は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C2172bが配置される。なお、転動部C2173と、底面部C2142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを抑制できる。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の天面部C2143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを許容できる。
この場合、振分部材C2170が第1位置にある状態では、転動部C2173が、水平方向(矢印L-R方向)において、軸C2174を挟んで、底面部C2142(第2通路CRt2002)と反対側に位置し、且つ、底面部C2142(第2通路CRt2002)から離間する方向(矢印R方向)へ向かって下降傾斜される。
よって、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入したとしても、かかる球により、振分部材C2170が第2位置へ向けて回転される(即ち、転動部C2173が上方へ持ち上げられる)ことを抑制できると共に、転動部C2173の下降傾斜に沿って球を第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下させることができる。その結果、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付いて(吸着されて)、第4通路CRt2004を流下する(第5通路CRt2005へ到達する)ことを抑制できる。
但し、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付く(吸着される)ことが可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。即ち、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さく、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1を乗り越える場合に、球CB2が磁性部C2400に飛び付き(吸着)可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。球CB2は、本来は、第4通路CRt2004へ振り分けられるべき球であるので、かかる球が第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されることを抑制して、遊技者に不利になることを抑制できる。
第1中間部材C2140の底面部C2142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図225(b)に示すように、球CB1が振分部材C2170の受入部C2172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C2172aに当接され(受け止められ)、受入部C2172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。これにより、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図225(b)に示すように、球CB1が受入部C2172に受け入れられると、図226(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C2170に作用される。
ここで、受入部C2172は、対向部C2172aの底面部C2172bに連結される側の領域と、底面部C2172bの対向部C2172aに連結される側の領域とが、即ち、対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分が、軸C2174側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図226(a)と図226(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C2170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C2170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C2170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C2170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C2172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C2172(対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C2174と反対側の外縁)よりも、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)の軌跡が、軸C2174に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C2173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C2172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C2173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図226(a)に示す状態から振分部材C2170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、図226(b)に示すように、球CB1が通路部C2144へ向けて底面部C2172bを転動されると共に、球CB2が転動部C2173に流下される(転動部C2173に受け入れられる)。
図227(a)及び図227(b)に示すように、振分部材C2170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C2172から通路部C2144(第3通路CRt2003)へ流入されると共に、転動部C2173を転動した球CB2が、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入される。
球CB1,CB2が第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004へ流入された後は、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C2170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C2173到達し、その転動部C2173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C2173を転動する。この場合、球CB1が受入部C2172(底面部C2172b)上にあるか否か、第3の球の転動速度(勢い)などに起因して、第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されるか、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入されるかが決定される。即ち、2つの状態を形成可能とできる。
なお、振分部材C2170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C2172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第3通路CRt2003へ振り分けられる。
以上のように、第54実施形態における下側フレームC2086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第3通路CRt2003へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C2170により球CB2を上方へ持ち上げて第4通路CRt2004へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第3通路CRt2003へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図229から図232を参照して、第55実施形態におけるセンターフレームC3086について説明する。
上記第53実施形態では、振分部材C170が回転される場合を説明したが、第54実施形態における振分部材C3170は、スライド変位される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図229及び図231は、第55実施形態における下側フレームC3086bの部分拡大断面図であり、図230及び図232は、下側フレームC3086bの背面図である。なお、図229及び図230では、振分部材C3170が第1位置に配置された状態が、図231及び図232では、振分部材C3170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図229及び図231は、図202のCCVI-CCVI線における断面に対応する。
ここで、第55実施形態における下側フレームC3086bは、第53実施形態における下側フレームC86bに対し、振分部材C3170を変位させる構造および振分部材C3170に装飾部材C3190を連動ささせる構造が異なる点を除き、その他の構成は同一に構成される。
図229から図232に示すように、背面部材C3130の本体部C131には、直線状の2本の案内溝C3131cが互いに平行な姿勢で上下方向に沿って延設される。これら2本の案内溝C3131cは、下方側(矢印D方向側)ほど第1中間部材C140に近接する方向に傾斜する姿勢で配設される。
即ち、第2位置における振分部材C3170の水平方向(矢印L-R方向)位置は、第1位置における振分部材C3170の水平方向位置よりも中間部材C140に近接する側(矢印L側)に位置されるる。
振分部材C3170には、上下一対を一組とする合計4本の軸C3171aが本体部C3171の背面から突出される。軸C3171aは、案内溝C3131cに摺動可能に挿通される被案内部であり、かかる軸C3171aが案内溝C3131cに沿って摺動されることで、振分部材C3170が第1位置と第2位置との間をスライド変位(直動)される。
左右の案内溝C3131cには、軸C3171aが一組ずつ配設される。よって、振分部材C3170は、回転による姿勢の変化を生じさせずに(即ち、底面部C172b及び転動部C173の傾斜角度を一定に維持させたまま)、第1位置と第2位置との間をスライド変位可能とされる。
なお、案内溝C3131cに挿通された軸C3171aの先端には、案内溝C3131cの溝幅よりも大径のカラーCWが配設され、かかるカラーCWが、軸C3171aが案内溝C3131cから抜け出ることを規制する抜け止めとされる。
振分部材C3170は、案内溝C3131cの上端(矢印U方向の端部)に軸c3171aが当接して、上方への変位が規制されることで、第1位置に規定(配置)され(図229及び図230参照)、振分部材C3170の下面に下ストッパ部C132が当接して、下方への変位が規制されることで、第2位置に規定(配置)される(図231及び図232参照)。
装飾部材C3190は、本体部C191と一体に形成され、軸C192を中心として径方向外方へ延設されるアーム部C3193を備え、アーム部C3193には、直線状の案内溝C3193aが軸C192を中心とする径方向に沿って延設される。案内溝C3193aには、軸C3171aが摺動可能に挿通される。
装飾部材C3190は、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C3170と反対側、図230左側)に偏心される。よって、無負荷状態では、装飾部材C3190は、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされ(背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、図230参照)、振分部材C3170は、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、第1位置に配置された状態とされる(図229及び図230参照)。
一方、振分部材C3170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、振分部材C3170及び装飾部材C3190全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C3170が配設される側、図232右側)に偏心される。即ち、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C3170は、球の重量により案内溝C3131cに沿って下降され、第2位置に配置される。また、装飾部材C3190は、アーム部C3193が軸C3171aにより下方へ押し下げられ、背面視において軸C192を中心として時計回りに回転された状態とされる(図232参照)。
第2位置において、受入部C172から通路部C144へ球が排球されると、装飾部材C3190が、その重心位置の偏心を利用して、背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされる。これに伴い、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、振分部材C3170が第1位置に配置(復帰)される(図229及び図230参照)。
振分部材C3170が第1位置と第2位置との間でスライド変位されることによる球CB1及び球CB2の振り分け動作については、上述した第53実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、第55実施形態における下側フレームC3086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
ここで、第53実施形態の場合のように、振分部材C170が軸C192を中心として回転される構造では、受入部C172の変位量を確保する(第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能とする)ために、軸C192と受入部C172との間の長さ(距離)を大きくする必要があり、幅方向(軸C192と受入部C172とを結ぶ方向)における振分部材C170の大型化を招く。
これに対し、本実施形態では、振分部材C3170を上下方向にスライド変位させるので、受入部C172の変位量を確保(即ち、第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能と)しつつ、回転中心(軸C192)と受入部C172とを連結する部位を設ける必要がない分、幅方向における振分部材C3170の小型化を図ることができる。即ち、振分部材C3170の幅方向の寸法を、転動部C173の転動面の長さ寸法(矢印L-R方向寸法)とすることができる。
次いで、図233を参照して、第56実施形態における皿部材C4120について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図233(a)は、第56実施形態における皿部材C4120の上面図であり、図233(b)は、図233(a)のCCXXXIIIb-CCXXXIIIb線における皿部材C4120の断面図であり、図233(c)は、図233(a)のCCXXXIIIc-CCXXXIIIc線における皿部材C4120の断面図である。
皿部材C4120は、通路の底面を形成する上側底面部C4121及び下側底面部C4122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C4123及び下側側壁部C4124を備える。
上側底面部C4121は、上面視において略直線状の通路(第1通路CRt4001)として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、下側底面部C4122へ近接する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
上側側壁部C4123は、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の通路幅を区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。但し、通路幅は、複数の球を並列の状態で案内可能な寸法(球の2倍よりも大きい寸法)であっても良い。
上側側壁部C4123には、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の下流側の端部に切り欠き部C4123aが切り欠き形成され、この切り欠き部c4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上面視において、前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設され、その延設方向一端側および他端側における形状が略直線状の直線部C4122aと、それら一対の直線部C4122aの間において、上面視において、流出面C122a側が凹となる円弧状に湾曲する円弧部C4122bとから形成される。なお、円弧部C4122bは、前後方向の略中央において、上側底面部C4121の延設方向(矢印L-R方向)上流側(矢印L方向側)へ最も張り出した形状とされる。
また、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、一対の直線部C4122aでは円弧部C4122bへ向かうにつれて鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて下降傾斜する平面として形成され、円弧部C4122bでは略水平に形成される。即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される。
下側側壁部C4124は、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C4122の直線部C4122aは、上面視において、上側底面部C4121に対し、略直交して配設され、上側底面部C4121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C4122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部、直線部C4122aの上昇傾斜側)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C4123における切り欠き部C4123aに対応する位置では、下側側壁部C4124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)における下側側壁部C4124には、円弧部C4122bの前後方向の略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)から底面部C142(第3通路CRt3、図206参照)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上述したように、一対の直線部C4122a及び円弧部C4122bから形成され、直線部C4122aの上昇傾斜側(下側底面部C4122の長手方向における一端側)に上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3、図206参照)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ流入する場合に、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C4122の円弧部C4122bには、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)における略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される(図206参照)。
よって、下側底面部C4122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる(図206参照)。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C4122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側、矢印L方向側)に位置する下側側壁部C4124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C4124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C4112を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C4122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に流下した球が、かかる下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C4122が円弧状に湾曲して形成され、その円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)に切り欠き部C124aが形成される。よって、円弧部C4122bを転動する球には切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124へ向けて遠心力が作用され、これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3、図206参照)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
次いで、図234(a)を参照して、第57実施形態における下側フレームC5086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図234(a)は、第57実施形態における下側フレームC5086bの断面図であり、図219のCCXXIV-CCXXIV線における断面に対応する。なお、図234(a)では、下側フレームC5086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C5400の断面のみ図示される。
磁性部C5400は、金属製の長尺体であり、背面部材C2130と反対側(矢印F方向側)における端部から突部が鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される。よって、磁性部C5400は、断面形状が略L字状に形成される。また、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな間隔を隔てた位置に配設されると共に、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される。
磁性部C5400は、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C5400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C5400の上流端へ飛び付く(図227参照)。即ち、磁性部C5400の突部の底面に吸着される。磁性部C5400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C5400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C5400の長手方向に沿って磁性部C5400の下流端へ移動される。これにより、磁性部C5400に沿って流下された球を第5通路CRt2005(図222参照)へ案内できる。
上述したように、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな距離隔てた位置に配設されるため、磁性部C5400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することが抑制される。よって、球に摩擦力が作用されることが抑制できるので、球の流下速度を高くすることができる。また、球が背面部材C2130の正面に支持されないことで、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図234(b)を参照して、第58実施形態における下側フレームC6086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図234(b)は、第58実施形態における下側フレームC6086bの断面図であり、図219のCCXXIV-CCXXIV線における断面に対応する。なお、図234(b)では、下側フレームC6086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C6400の断面のみ図示される。
第58実施形態における磁性部C6400は、第57実施形態における磁性部C5400に対し、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される点を除き、他の構成は第57実施形態における磁性部C5400と同一の構成である。
磁性部C6400の突部の底面に吸着された球は、その底面の傾斜と、磁石部C2300から直接作用される磁力との効果により、背面部材C2130に当接される。従って、球に摩擦力を作用させることができ、磁性部C6400に沿って流下する球の流下速度を遅くできる。これにより、球の移動時間を長くでき、遊戯の興趣を高めることができる。
また、磁性部C6400の突部と背面部材C2130とで球を挟み込むことができ、球が磁性部C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
次いで、図235から図247を参照して、第59実施形態におけるセンターフレームD86について説明する。
上記各実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第59実施形態におけるセンターフレームD86は、上側フレームD86aと下側フレームD86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図235は、第59実施形態における遊技盤D13の正面図である。図235に示すように、センターフレームD86は、ベース板60の窓部60a(図149参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームD86aと下側フレームD86bとを備える。
上側フレームD86aは、ベース板60の窓部60a(図149参照)における上側(図235上側)及び左右(図235左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームD86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図235下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームD86a及び下側フレームD86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームD86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図235下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームD86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームD86bについて説明する。図236は、下側フレームD86bの正面斜視図であり、図237は、下側フレームD86bの背面斜視図である。なお、図236及び図237では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームD86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図236及び図237に示すように、下側フレームD86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口DOPinと、その受入口DOPinに連通される第1通路DRt1と、その第1通路DRt1を案内された球が流下される第2通路DRt2と、その第2通路DRt2を案内された球(第2通路DRt2をその長手方向(矢印F-B方向)に沿って往復動した球)が流下される第3通路DRt3と、その第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)が、第3通路DRt3から流下される位置に応じて振り分けられる第4通路DRt4、第5通路DRt5及び第6通路DRt6と、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球が流下される第7通路DRt7と、第6通路DRt6を案内された球が流下される第8通路DRt8と、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOPoutとが形成される(図244から図246参照)。
なお、第6通路DRt6及び第8通路DRt8は、第6通路DRt6の下流端に第8通路DRt8の上流端が連通(接続)されており、1本の通路を形成する。即ち、該通路は、上流側の一部(前半)が第6通路DRt6により、下流側の一部(後半)が第8通路DRt8により、それぞれ形成される。
また、上側フレームD86aには、上側フレーム通路DRt0(図235参照)が形成される。上側フレーム通路DRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図235左側)の領域(センターフレームD86(上側フレームD86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路DRt0の下流端に下側フレームD86bの受入口DOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路DRt0に流入(入球)した球は、受入口DOPinを介して、上側フレーム通路DRt0から下側フレームD86bの第1通路DRt1へ流入(入球)される。
第3通路DRt3の通路幅は、所定間隔を隔てて対向する側壁(中間部材D140の側壁部D142と背面部材D130の側壁部D132と)により区画されるところ、これら通路幅を区画する側壁の一方(背面部材D130の側壁部D132)は、一部が分断され(側壁が非形成とされ)、その分断された領域と上面視において隣接する位置に、球が流下可能な流下口DOPflが開口される。
第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)は、流下口DOPflを介して、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれかへ流下(入球)可能とされる。
流下口DOPflは、第3通路DRt3の長手方向と直交する方向(矢印B方向)へ張り出し、第3通路DRt3の長手方向に沿って延設される上面視略矩形の空間(開口)として形成される。なお、流下口DOPflは、背面部材D130の本体部D131及び連結部D133により区画される。
流下口DOPflには、第3通路DRt3の長手方向に沿って、第4通路DRt4、第第6通路DRt6及び5通路DRt5の上流端(上流側の開口)が順に並設される。即ち、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)は、流下口DOPflの長手方向中央に位置し、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上流端(上流側の開口)は、第6通路DRt6の上流端を挟んで、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側)にそれぞれ位置する。
よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央を含む領域へ流下する球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)又は他側(矢印R方向側)を含む領域へ流下する球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。即ち、第3通路DRt3を案内される球が、第4通路DRt4から第6通路DRt6のいずれに振り分けられるかは、第3通路DRt3から流下する位置(領域)に応じて決定される。
ここで、第6通路DRt6を案内された球は、第8通路DRt8へ流下(流入)されるところ、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図235参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球は、第7通路DRt7へ流下(流入)されるところ、第7通路DRt7には、その第7通路DRt7を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面D151が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図235左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面D152が形成(配置)される。また、第7通路DRt7には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が形成され、起伏の頂部に中央流出面D151が形成される。
そのため、第4通路DRt4又は第5通路DRt5に振り分けられた球は、第7通路DRt7において、中央流出面D161から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面D162から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第6通路DRt6へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられることで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って球が往復動する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第6通路DRt6に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、本実施形態における下側フレームD86bでは、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)に、一対の変位部材D180が開閉可能(閉鎖位置と開放位置との間で変位可能)に配設される。一対の変位部材D180は、基端側が回転可能に軸支され、基端側の反対側となる先端側が上方側(矢印U方向側)となる姿勢で配設され、基端側を回転軸として、先端側を互いに近接または離間する方向へ変位(回転)させることで、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)とされる。
一対の変位部材D180は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に所定間隔を隔てて配置され、それら一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)した球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)されなかった球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。
一対の変位部材D180の先端側の対向間隔は、開放位置での対向間隔が閉鎖位置での対向間隔よりも大きくされ、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)されると、閉鎖位置にある場合と比較して、第6通路DRt6へ流入(入球)可能な領域が拡大され、第4及び第5通路DRt4,DRt5に流入(入球)可能な領域が縮小される。即ち、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の間隔(寸法)に対し、一対の変位部材D180の先端側の対向間隔が占める割合は、開放位置における割合が閉鎖位置における割合よりも大きくされる。よって、一対の変位部材D180が開放位置にある状態では、閉鎖位置にある状態と比較して、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすい。
この場合、一対の変位部材D180は、後述するように、第6通路DRt6に球が流入(入球)されると、その球の重量(質量)を利用して、閉鎖位置から開放位置へ変位(回転)される。具体的には、第6通路DRt6には、転動部材D170が配設され、その転動部材D170上を球が転動している間は、一対の変位部材D180が開放位置に配置(変位)され、転動部材D170上に球が存在しない間は、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置(変位)される。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第6通路DRt6に球が流入(入球)された場合に、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)され(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされ)、これにより、第6通路DRt6へ入球された球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
よって、第6通路DRt6へ第1の球が入球されれば、一対の変位部材D180の開放位置への変位(回転)により、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その後行する第2の球の第6通路DRt6への入球に起因して(第2の球の重量を利用した変位部材D180の開放位置への変位により)、次に後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、以降、これらの態様を繰り返すことができる。よって、第6通路DRt6への球の入球により、第6通路DRt6への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施例では、一対の変位部材D180は、閉鎖位置に変位(回転)された状態では、対向間隔の最小値が球の直径よりも若干大きな寸法(例えば、球の直径の1.3倍)に設定され、開放位置に変位(回転)された状態では、先端側における対向間隔が球の直径の約3倍に設定される。
次いで、図236から図237に加え、図238から図247を参照して、下側フレームD86bの詳細構成について説明する。
図238は、下側フレームD86bの分解正面斜視図であり、図239は、下側フレームD86bの分解背面斜視図である。図240は、下側フレームD86bの上面図であり、図241は、下側フレームD86bの正面図であり、図242は、下側フレームD86bの背面図である。
図243(a)は、図241の矢印CCXLIIIa方向視における下側フレームD86bの側面図であり、図243(b)は、図241の矢印CCXLIIIb方向視における下側フレームD86bの側面図である。
図244(a)、図245(a)及び図246(a)は、下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応する。図244(b)、図245(b)及び図246(b)は、下側フレームD86bの部分拡大背面図である。
なお、図244(a)及び図244(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図246(a)及び図246(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
また、図245(a)及び図245(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態が図示される。
また、図245(a)及び図246(a)では、転動部材D170上を転動する球の図示が省略され、図244(b)、図245(b)及び図246(b)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。
図247(a)は、図240のCCXLVIIa-CCXLVIIa線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図247(b)は、図240のCCXLVIIb-CCXLVIIb線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図247(c)は、図244のCCXLVIIc-CCXLVIIc線における下側フレームD86bの部分拡大断面図である。
図236から図247に示すように、下側フレームD86bは、正面部材D110と、その正面部材D110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材D120と、正面部材D110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材D130と、正面部材D110及び背面部材D130の対向間に介設され、正面部材D110の背面および背面部材D130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される中間部材D140と、正面部材D110及び中間部材D140の対向間に介設される第1介設部材D150と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に介設される第2介設部材D160と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に配設される転動部材D170及び変位部材D180と、背面部材D130の背面側に配設される伝達部材D190及び迂回部材D200と、背面部材D130に変位可能に配設(回転可能に軸支)され、一側(矢印F方向側)に変位部材D180が固着されると共に他側(矢印B側側)が伝達部材D190に当接可能とされる軸支部材D210と、を備える。
転動部材D170及び変位部材D180は、中間部材D140及び背面部材D130の対向間において、変位(回転)可能に配設され、伝達部材D190は、背面部材D130の背面側において、変位(回転)可能に配設される。
なお、下側フレームD86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190が背面部材D130にそれぞれ変位可能に配設(回転可能に軸支)されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図236参照)。
また、下側フレームD86bは、変位部材D180及び伝達部材D190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、変位部材D180及び伝達部材D190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路DRt1から第8通路DRt8を通過する球を遊技者に視認させると共に、変位部材D180の開閉動作(開閉状態)を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。或いは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の一部の正面側に位置する領域のみが光透過性の樹脂材料から構成される形態でも良い。変位部材D180を視認できれば、その開閉状態に基づいて、第6通路DRt6へ球が流下(入球)されやすい状態か否かを遊技者が把握でき、仮に、変位部材D180が視認できなくても、転動部材D170を視認できれば、その転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)に基づいて、変位部材D180の開閉状態を遊技者が把握でき、遊技の興趣を高めることができるからである。
よって、転動部材D170を有色の樹脂材料から構成することが好ましい。転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)を遊技者に視認させやすくできるからである。
なお、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、これら変位部材D180又は転動部材D170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材D110は、正面を形成する板状の正面部D111と、その正面部D111の背面から立設される板状の底面部D112と、それら正面部D111及び底面部D112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部D113とを備える。
正面部D111には、その正面部D111の下側(矢印D方向側)及び側方側(矢印L方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔D111aが板厚方向に穿設される。下側フレームD86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔D111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部D111には、第1入賞口64(図235参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口DOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口DOPoutは、上述したように、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部D112は、その上面に第1介設部材D150の底面が対向配置され、底面部D112と第1介設部材D150(凹部D153)との対向間に第8通路DRt8の一部(最下流となる部分)が形成される。よって、例えば、第1介設部材D150に貫通形成した貫通孔を第8通路DRt8の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部D112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、その底面部D112の立設先端(矢印B方向側)が、中間部材D140における底面部D144の立設先端(矢印F方向側)に全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD86bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
なお、底面部D112は、第8通路DRt8を区画する部分の正面部D111からの立設寸法が、底面部D112の他の部分における立設寸法よりも大きくされ、底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分は、その立設先端が、中間部材D140の本体部D141の正面に当接される。
連結部D113の上面側(矢印U方向側)には、皿部材D120が配設され、タッピングネジにより締結固定される。
皿部材D120は、受入口DOPinと、その受入口DOPinから受け入れた球を案内する通路の底面を形成する上側底面部D121及び下側底面部D122と、通路の側壁を形成する上側側壁部D123及び下側側壁部D124とを備える。
受入口DOPinは、上述したように、上側フレームD86aの上側フレーム通路DRt0から球を受け入れる開口である(図235参照)。なお、ベース板60にセンターフレームD86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームD86aの背面が正面部D111及び連結部D113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路DRt0の下流端と受入口DOPinとが連通される。
上側底面部D121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口DOPinから離間する方向(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部D121は、上側フレーム通路DRt0の下流端よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路DRt0の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部D121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝D121aが凹設される(図209参照)。凹溝D121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝D121aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝D121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝D121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部D121上の球を2箇所(上側底面部D121と凹溝D121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝D121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路DRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を落下させると共に、上側底面部D121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121(第1通路DRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部D121(第1通路DRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部D123は、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側(矢印B方向側)の端部と、上側底面部D121(第1通路DRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する壁部であり、鉛直方向(矢印F-B方向)に立設された板状体として形成される。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部D123には、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側の端部に切り欠き部D123aが切り欠き形成され、この切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図246参照)。
なお、下側底面部D122は、上側底面部D121の下流端(切り欠き部D123aが形成される部分)よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側底面部D121の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側底面部D121から下側底面部D122へ球を自由落下させる構成とされる。
下側側壁部D124は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向(球を案内する方向、矢印F-B方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部D122(第2通路DRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部D122は、上面視において、上側底面部D121と平行に並設され、上側底面部D121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部D122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部D123における切り欠き部D123aに対応する位置では、下側側壁部D124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下(落下)可能とされる。
下側側壁部D124には、円弧状に湾曲した下側底面部D122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部D124aが切り欠き形成され、この切り欠き部D124aを介して、下側底面部D122(第2通路DRt2)から第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その一方の上昇傾斜側(下側底面部D122の長手方向における一端側)に上側底面部D121(第1通路DRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部D124aから第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ流入する場合に、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部D122には、切り欠き部D124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面D122aが凹設される。流出面D122aは、下側底面部D122(第2通路DRt2)を案内される球を、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出させるための部位であり、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部D122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面D122aを利用して、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面D122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部D122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部D124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図240参照)。
また、上面視において、切り欠き部D124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部D124に球を当接させた状態では、球が流出面D122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部D124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部D124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面D122aが形成される(球が下側底面部D122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面D122aを横切る)。
本実施形態では、下側底面部D122は、その延設方向(矢印F-B方向)に直交し鉛直方向(矢印U-D方向)に平行な平面での断面形状が、水平方向(矢印F-B方向)に平行な直線形状に形成される。但し、上述した実施形態の場合(図209参照)のように、下側底面部D122を切り欠き部D124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜させても良い。
流出面D122aの形成位置は、下側底面部D122の長手方向(下側底面部D122を往復動する球の転動方向、矢印F-B方向)中央よりも一端側(本実施形態では、上側底面部D121の下流端側、矢印B方向側)に偏った(近接した)位置に配設される(図246参照)。
この場合、下側底面部D122の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置は、長手方向一端側(矢印B方向側の端部)と他端側(矢印F方向側の端部)とで同一とされ、下側底面部D122の円弧形状(下側底面部D122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状)は、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の曲率が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の曲率よりも大きくされる。即ち、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の半径が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の半径よりも小さくされる。
これにより、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の領域において、先行する球に後行する球を追いつかせ易くできると共に、追いついた際の衝突を緩やかとして(即ち、後行の球が先行の球に衝突した際の衝撃で、両球の間隔が広がることを抑制して)、先行する球と後行する球とが連なった状態を形成し易くできる。その結果、両球を、連なった状態で、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材D120は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部D122(第2通路DRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材D130は、板状に形成される本体部D131と、本体部D131よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D131と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D132と、それら本体部D131及び側壁部D132を連結する連結部D133と、本体部D131の背面から立設される区画壁D134と、を備える。
本体部D131には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D131aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支孔D131bと、伝達部材D190の胴部D192が挿通される挿通孔D131cと、球を通過可能とする開口D131d,D131eと、球に当接可能とされる突部D131fとが形成される。
軸支部D131aは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)に軸受として形成され、中間部材D140の背面には、軸支部D131aに対面する位置に、軸支部D141aが形成される。転動部材D170は、その幅方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の側面および他側の側面から軸D171の端部がそれぞれ突出される。軸D171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸D171の両端が、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとにそれぞれ軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に転動部材D170が回転可能に配設される。
軸支孔D131bは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通する孔として形成され、中間部材D140の背面には、軸支孔D131bに対面する位置に、軸支部D141bが形成される。軸支部材D210の軸D211は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で、本体部D131の軸支孔D131bと変位部材D180の軸孔とに順に挿通され、変位部材D180の一側(中間部材D140側)の側面から突出された軸D211の一端が、中間部材D140の軸支部D141bに軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に変位部材D180が回転可能に配設される。
挿通孔D131cは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成され、伝達部材D190の胴部D192の回転を許容する大きさの開口(孔)として形成される。伝達部材D190は、胴部D192の軸方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の端面および他側の端面から軸D191の端部がそれぞれ突出され、これら軸D191の両端が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とにそれぞれ軸支される。これにより、中間部材D140と迂回部材D200との対向間であって、背面部材D130の背面側において、伝達部材D190が回転可能に配設される。
開口D131d,D131eは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、本体部D131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路DRt5及び第8通路DRt8)を連通するための開口として形成される。なお、開口D131d,D131eは、1球のみが通過可能(同時に2球が通過不能)な大きさに設定される。
ここで、第6通路DRt6は、背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140との対向間)に形成され、第8通路DRt8は、上流側(前半部分)が背面部材D130(本体部D131)の背面側(迂回部材D200との対向間)に形成されると共に、下流側(後半部分)が背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140の内部、正面部材D110及び第1介設部材D150の対向間)に形成される。
よって、第6通路DRt6の下流端と第8通路DRt8の上流端とが開口D131dにより接続され、第8通路DRt8の上流側(前半部分)と下流側(後半部分)とが開口D131eにより接続される。即ち、第6通路DRt6を流下(案内)された球は、開口D131dを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の正面側から背面側へ移動され、第8通路DRt8へ流入される。また、第8通路DRt8の上流側(前半部分)を流下(案内)された球は、開口D131eを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の背面側から正面側へ移動され、第8通路DRt8の下流側(後半部分)へ流入される。
突部D131fは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では5箇所)に配設される(図247(c)参照)。なお、突部D131fの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
突部D131fの下端(矢印D方向側の端部)は、正面視において、第2位置に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の半径よりも小さくなる位置に設定される(図246参照)。よって、転動部材D170が第2位置に配置された状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
また、突部D131fの上端(矢印U方向側の端部)は、正面視において、初期位置(第1位置)に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の直径よりも大きくなる位置に設定される(図244参照)。よって、第2位置に配置された転動部材D170(本体部D172)の上面から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
複数の突部D131fの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D131fは、中間部材D140(本体部D141)の背面から突設される複数の突部D141gに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図247(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持し易く(長く)できる。
突部D131fの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D131fの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D131fは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D131fを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D131fに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D132は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、中間部材D140の側壁部D142と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
区画壁D134は、本体部D131及び迂回部材D200と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D134により区画された領域が第8通路DRt8とされる。区画壁D134により区画される領域は、背面視(矢印F方向視)において、横長の略矩形状に形成され、長手方向一端側(矢印L方向側)に開口D131dが、長手方向他端側(矢印R方向側)に開口D131eが、それぞれ配設されると共に、長手方向一端側から他端側へ向けて下降傾斜される。
中間部材D140は、板状に形成される本体部D141と、本体部D141よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D141と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D142と、それら本体部D141及び側壁部D142を連結する連結部D143と、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141の背面から立設される区画壁(第4通路区画壁D145L、第5通路区画壁D145R、第6通路区画壁D146、第8通路区画壁D147)と、を備える。
本体部D141には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D141aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支部D141bと、伝達部材D190の軸D191を軸支する軸支部D141cと、球を通過可能とする開口D141d,D141e,D141fと、球に当接可能とされる突部D141gとが形成される。
軸支部D141a,D141b,D141cは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、上述したように、背面部材D130の軸支部D131a、軸支孔D131b及び迂回部材D200の軸支部D201と対面する位置にそれぞれ形成される。
即ち、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとに転動部材D170の軸D171が、背面部材D130の軸支孔D131bと中間部材D140の軸支部D141bとに軸支部材D210の軸D211が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とに伝達部材D190の軸D191が、それぞれ軸支される。なお、転動部材D170の軸D171、軸支部材D210の軸D211、伝達部材D190のいずれも、その軸方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設される。
開口D141d,D141e,D141fは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
開口D141d,D141eは、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の出口(第7通路DRt7へ球を流出させる開口)としてそれぞれ形成され、第1介設部材D150の上面(球の転動面)よりも上方に形成される。即ち、第4通路DRt4及び第5通路DRt5を案内された球は、開口D141d,D141eを介して、第7通路DRt7へ流出(流下)される。
開口D141fは、中間部材D140(本体部D141)の背面側に位置する第8通路DRt8の下流端と、中間部材D140(本体部D141)の正面側に位置する第8通路DRt8の上流端とを連通させる連通口(開口)として形成される。即ち、開口D141dは、中間部材D140の本体部D141を貫通する通路(第8通路DRt8)の一部として形成される。
突部D141gは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では6箇所)に配設される(図247(c)参照)。なお、突部D141gの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
複数の突部D141gの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D141gは、背面部材D130(本体部D131)の正面から突設される複数の突部D131fに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図247(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
本実施形態では、背面部材D130の本体部D131の正面と中間部材D140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径よりも大きい寸法に設定され、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径と略同一または球の直径よりも若干小さい寸法に設定される。但し、両仮想面の間の対向間隔を球の直径よりも大きい寸法に設定しても良い。
突部D141gの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D141gの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D141gを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D141gに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D142は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、上述したように、背面部材D130の側壁部D132と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
連結部D143は、側壁部D142の下方側(矢印D方向側)の縁部と本体部D141の上方側(矢印U方向側)の縁部とを長手方向(矢印L-R方向)の全域にわたって連続して連結し、その連結部D143の上面側(矢印U方向側)に第2介設部材D160が配設される。
連結部D143は、中間部材D140の第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rと上下方向(矢印U-D方向)に所定間隔を隔てて対向し、それらの対向間に第4通路DRt4及び第5通路DRt5がそれぞれ形成される。即ち、連結部D143は、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上面(上側の内面)を形成する。
底面部D144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、その底面部D144の立設先端(矢印F方向側)が、正面部材D110における底面部D112の立設先端(矢印B方向側)に当接される。即ち、底面部D144は、開口D141fが開口される領域およびその近傍の領域において分断して形成される。
底面部D144が分断された領域(開口D141fを含む領域)では、上述したように、正面部材D110における底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分の立設先端が、開口D141fの下方側(矢印D方向側)と左右の側方側(矢印L方向側および矢印R方向側)とにおいて、本体部D141の正面に当接される。
第4通路区画壁D145Lは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第4通路DRt4を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第4通路区画壁D145Lは、転動部が左右方向(矢印L-R方向)に延設され、転動部は、長手方向一端側(矢印R方向側)が上面視において流下口DOPflに重なる位置(流下口DOPflに入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設されると共に、長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて下降傾斜され、長手方向他端側が開口D141dの下縁と重なる位置まで延設され、その延設端(長手方向他端)には、上下方向(矢印U-D方向)に沿う縦壁部が連結される。
なお、第4通路区画壁D145Lは、長手方向他端側(矢印L方向側)の一部(開口D141dと重なる領域)が開口D141dへ向けても下降傾斜され、第4通路区画壁D145L(転動面)の長手方向他端に達した球を開口D141dへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第4通路DRt4へ入球された球は、第4通路区画壁D145Lの長手方向一端側(矢印R方向側)に受け入れ(受け止め)られ、第4通路区画壁D145L上を長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて転動される。長手方向他端に到達した球は、長手方向他端に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141dを介して、第7通路DRt7(第1介設部材D150)へ流出(流下)される。
第5通路区画壁D145Rは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第5通路DRt5を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
なお、第5通路区画壁D145Rは、正面視において、第4通路区画壁D145Lに対して、変位部材D180を中心として、左右対称に形成され、その構成および作用は、上述した第4通路区画壁D145Lの構成および作用と実質同一であるので、説明を省略する。
第6通路区画壁D146は、本体部D141と第4通路区画壁D145Lと背面部材D130の本体部D131と転動部材D170と共に第6通路DRt6を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第6通路区画壁D146は、転動部材D170の長手方向一端側(矢印L方向側、転動部材D170を転動する球の転動方向の延長線上)に並設され、その転動部材D170を転動した球を受け入れ可能に形成される転動部と、その転動面の端部(転動部材D170と反対側)に連結され上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成される縦壁部とを備える。
なお、第6通路区画壁D146は、転動部の上面(転動面)が開口D141fへ向けて下降傾斜され、転動部材D170から受け入れた球を開口D141fへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第6通路DRt6へ入球され、転動部材D170を転動した球は、第6通路区画壁D146の転動部(転動面)に受け入れられ、その転動部の端部に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141fを介して、第8通路DRt8へ流出(流下)される。
第8通路区画壁D147は、第8通路DRt8の一部(背面部材D130と中間部材D140との間に形成される部分)を区画する部位であり、断面略矩形(枠状)の筒状に形成され、開口D141fと背面部材D130の開口D131eとを連通させる。即ち、背面部材D130の開口D131eから流出された球は、第8通路区画壁D147により区画される通路(空間)へ流入され、その通路(空間)を流下(転動)した後、開口D141fから流出され、第8通路DRt8の残部(正面部材D110と第1介設部材D150との間に形成される部分)へ流入される。
第1介設部材D150は、第7通路DRt7における球の転動面を形成する部材であり、正面部材D110と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、正面部材D110と中間部材D140と第1介設部材D150とに区画された空間により第7通路DRt7が形成される。第1介設部材D150の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第4通路DRt4(開口D141d)又は第5通路DRt5(開口D141e)から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
第1介設部材D150の上面(転動面)には、上述したように、第1介設部材D150(第7通路DRt7)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D151及び側方流出面D152)が形成される。また、第7通路DRt7の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面D151が配置される。
なお、正面部材D110の正面部D111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面D151及び側方流出面D152が形成される領域を除き、第1介設部材D150の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第1介設部材D150の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面D151又は側方流出面D152からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第1介設部材D150の底面には、凹部D153が凹設され、上述したように、かかる凹部D153と正面部材D110の底面部D112との対向間に第8通路DRt8の一部が形成される。
第2介設部材D160は、第3通路DRt3における球の転動面を形成する部材であり、背面部材D130と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、背面部材D130と中間部材D140と第2介設部材D160とに区画された空間により第3通路DRt3が形成される。第2介設部材D160の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第2通路DRt2から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
なお、本実施形態では、第2介設部材D160の上面(転動面)は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置が最も低くされ、第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向かうに従って高さ位置が高くなるように形成される。
即ち、第2介設部材D160の上面(転動面)は、一対の変位部材D180の対向空間に対応する位置から長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向けて上昇傾斜して形成される。よって、第3通路DRt3の長手方向(矢印L-R方向)に沿って球が往復動可能とされる。
第2介設部材D160の上面(転動面)には、球を第2介設部材D160(第3通路DRt3)から流下口DOPflへ流出させるために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D161及び側方流出面D162)が形成(凹設)される。
中央流出面D161は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置に配設(形成)される。一方、側方流出面D162は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間よりも第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)となり、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間に対応する(変位部材D180の先端よりも対向空間の中央側となる)位置に配設(形成)される。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球は一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされ、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球は第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ入球可能とされる。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球と、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球との両者が、一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされる。
本実施形態では、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4及び第5通路DRt5へ球が流下(入球)可能な寸法に設定される。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間には、上面視において、球の直径よりも大きな隙間(間隔)が流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に確保(形成)される。これにより、変位部材D180が開放位置に配置されても、第6通路DRt6だけでなく、第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流下(入球)も可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
但し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法を、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4又は第5通路DRt5の少なくとも一方へ球が流下(入球)不能な寸法に設定しても良い。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間の隙間(間隔)を、上面視において、球の直径よりも小さい寸法(球が通過不能な寸法)としても良い。これにより、変位部材D180が開放位置に配置された場合には、第6通路DRt6のみへ球を流下(入球)可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
中央流出面D161は、上面視において、その凹面の延設長さ(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に直交する方向(矢印F-B方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも大きくされる。また、中央流出面D161は、上面視において、その凹面の幅(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に沿う方向(矢印L-R方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の幅よりも大きくされる。
よって、中央流出面D161の形成個数(1箇所)が、側方流出面D162の形成個数(2箇所)よりも少ない場合であっても、第3通路DRt3を往復動する球が中央流出面D161から流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)する確率を確保できる。
なお、凹面の延設長さ及び幅を、中央流出面D161と側方流出面D162とにおいて、同一に設定しても良い。また、本実施形態とは逆に、中央流出面D161(凹面)の延設長さを側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも小さくしても良い。これらの場合には、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、第3通路DRt3を往復動する球を流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)させ難くして、相対的に、変位部材D180が開放位置に配置された場合の有利度を顕著とできる。
また、中央流出面D161又は側方流出面D162の少なくとも一方または両方の形成(第2介設部材D160の上面への凹設)を省略しても良い。第3通路DRt3を往復動する球が、流下口DOPflへ流下する位置を流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に沿って均等として、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれの通路へ球が流下(入球)するかのランダム性を高めることができる。
転動部材D170は、軸D171と、その軸D171が長手方向一端側に配設される長尺板状の本体部D172と、その本体部D172の長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側)に配設される伝達部D173と、軸D171を挟んで伝達部D173(本体部D172)の反対側に配設される錘部D174とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D171を中心として回転可能に配設される。
軸D171は、上述したように、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。よって、軸D171を中心に転動部材D170が変位(回転)されることで、本体部D172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D172は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D171は、本体部D172の内部に埋設され、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171を越える位置まで形成される。即ち、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方側(矢印U方向側)を通過した後、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ転動(流入)される。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置を境として、伝達部D173側が平坦面として形成され、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、軸D171に直交する平面で切断した形状が、伝達部D173側では直線形状とされ、錘部D174側では軸D171と同芯の円弧形状とされる(図244参照)。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171よりも伝達部D173側が平坦面として形成されるので、その領域を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D172の上面は、断面直線である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
ここで、本体部D172の上面(転動面)を転動する球を、軸D171に到達する前に、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)させる構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用によって、転動部材D170の本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位されている状態(転動部材D170(本体部D172)が初期位置(第1位置)に復帰される前の状態)で、球が本体部D172の上面から排球されるため、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受け、転動部材D170にばたつきが発生する。転動部材D170がばたつくと、変位部材D180の開閉状態が不安定となり、遊技の興趣の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を越えて転動されるため、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用を抑制し、転動部材D170の本体部D172が初期位置(第1位置)に復帰された状態で、球を本体部D172の上面から排球させることができる。よって、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受けても、転動部材D170にばたつきが発生することを抑制できる。その結果、変位部材D180の開閉状態を安定させ、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、上述したように、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を境として、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。よって、本体部D172の上面を転動する球が軸D171の上方(矢印U方向)を通過した後は、本体部D172の上面への球の重量は非作用とされる。即ち、本実施形態では、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置よりも伝達部D173側の領域とされ、軸D171の上方となる位置よりも錘部D174側となる領域は、転動面としては機能されない。
伝達部D173は、転動部材D170の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、本体部D172の長手方向他端側から軸D171と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設される。伝達部D173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D190の被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D170がその上面を転動する球の重量によって軸D171を中心に変位(回転)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図244から図246参照)。
錘部D174は、転動部材D170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D172の長手方向一端側から本体部D172の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、転動部材D170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D170は、錘部D174の重さ(重心位置の軸D171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる。
即ち、転動部材D170は、無負荷状態(本体部D172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D170の本体部D172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D170は、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D170の第1位置(初期位置)は、本体部D172の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の縦壁部と反対側の端面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、本体部D172が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の上方への変位(軸D171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図244参照)。
一方、転動部材D170の第2位置は、錘部D174の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の下面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、錘部D174が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の下方への変位(軸D171を中心とする正面視時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図246参照)。
転動部材D170は、第1位置に配置された状態では、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D170(本体部D172)上の球を開口D141f(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D170は、軸D171を中心として回転可能に軸支され、本体部D172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも小さくされる。
これにより、本体部D172の上面(転動面)を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が本体部D172の上面を通過するのに要する時間を嵩ませる(長くする)ことができる。その結果、転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されいてる時間を長くして、変位部材D180が開放位置に配置された状態(少なくとも一対の変位部材D180の対向間隔が、閉鎖位置に配置された状態における対向間隔よりも広くされた状態)を維持しやすく(長く)できる。
本実施形態では、転動部材D170は、1球の球の重量が本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央に作用された状態において、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合うように形成される(転動部材D170全体としての重心位置が軸D171を通過する鉛直線上に位置される)。
よって、1球の球のみが転動部材D170の本体部D172を転動する場合、その球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側(軸D171と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
一方、球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側(伝達部D173と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)される(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転される)。
転動部材D170の本体部D172を2球以上の球が転動する場合(本体部D172に2球以上の球の重量が作用される場合)には、それら各球の転動位置(本体部D172の長手方向における位置)に関わらず、転動部材D170の重心位置が、軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
このように、転動部材D170の転動面(本体部D172)の長手方向(矢印L-R方向)の途中(本実施形態では長手方向中央)につり合い位置を設けることで、そのつり合い位置を球が通過した後は、転動部材D170を第2位置から第1位置へ徐々に変位(回転)させることができる。その結果、変位部材D180を開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
なお、1球の球の重量が作用した場合に、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合う位置は、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側であっても良く、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側であっても良い。
変位部材D180は、第3通路DRt3から流下口DOPflへ流下(入球)された球を第6通路DRt6へ向けて案内するための部材であり、上述したように、軸支部材D210に軸支され、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される。
軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に固着される軸D211と、その軸D211の軸方向と直交する方向(径方向外方)へ張り出す張出部D212と、その張出部D212から軸D211と平行な姿勢(矢印F-B方向に沿う姿勢)で突出され、伝達部材D190に連結される連結ピンD213とを備える。
軸支部材D210は、上述したように、軸D211が中間部材D140(本体部D141)の軸支部D141b及び背面部材D130(本体部D131)の軸支孔D131bに軸支される。張出部D212は、背面部材D130(本体部D131)の背面側に配設され、連結ピンD213は、軸D211と平行な姿勢で背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される。
軸支部材D210の軸D211は、変位部材D180に固着される。また、連結ピンD213は、軸D211に対して軸方向と直交する方向(径方向)に位置を異ならせる(軸D211に対して偏心した位置に配置される)。よって、伝達部材D190の変位(回転)に伴い、連結ピンD213が変位されると、その連結ピンD213の変位が軸D211の回転に変換され、軸D211と共に変位部材D180が変位(回転)される。
なお、連結ピンD213は、軸D211よりも外側(一対の変位部材D180が対向する空間と反対側)に配設される。よって、連結ピンD213が下方(矢印D方向)へ変位される(押し下げられる)ことで、変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、連結ピンD213が上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)ことで、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)される。
変位部材D180の閉鎖位置および開放位置は、変位部材D180の基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで規定される。即ち、変位部材D180は、基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで、一対の変位部材D180どうしを互いに近接させる方向(対向間隔が小さくなる方向)又は互いに離間させる方向(対向間隔が大きくなる方向)への変位が規制され、閉鎖位置または開放位置に配置される((図244から図246参照)。
また、変位部材D180及び軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に軸支部材D210の軸D211が固着されることで、一体化(ユニット化)される。
これら変位部材D180及び軸支部材D210が一体化された部品(以下「変位部材D180ユニット」と称す)は、少なくとも閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180ユニット全体としての重心位置が、軸D211よりも他方の変位部材D180ユニット側に位置(偏心)される。即ち、軸D211(矢印F-B)方向視において、軸D211を通過する仮想線よりも他方の変位部材D180ユニット側に重心位置が位置(偏心)される。
その結果、変位部材D180ユニットは、重心位置の軸D211からの偏心を利用して(即ち、重心位置の偏心が、一対の変位部材D180を互いに近接させる方向へ回転させる力として作用され)、閉鎖位置に配置された姿勢の維持が可能とされる。
伝達部材D190は、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180(軸支部材D210)へ伝達するための部材であり、軸D191と、その軸D191が軸方向一側(矢印F方向側)の端面および他側(矢印B方向側)の端面から突出される円柱状の胴部D192と、その胴部D192の軸方向一側の外周面から径方向外方へ延設される被伝達部D193と、胴部D192の軸方向他側の外周面から径方向外方へ延設される本体部D194及び錘部D195とを備える。
軸D191は、前後方向(矢印F-B)に沿う姿勢で配設され、上述したように、軸D191の一端は、胴部D192が背面部材D130の挿通孔D131cに挿通されることで、中間部材D140の軸支部D141cに軸支され、軸D191の他端は、迂回部材D200の軸支部D201に軸支される。
被伝達部D193は、転動部材D170(伝達部D173)から転動部材D170の変位(回転)が伝達される部位であり、背面部材D130における本体部D131の正面側(矢印F方向側)に配設される。
上述したように、被伝達部D193の延設先端側(矢印L方向側)は、転動部材D170の伝達部D173の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図244から図246参照)。
ここで、伝達部材D190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)において、所定の隙間が形成され、球の重量を受けた転動部材D170が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される場合には、上述した所定の隙間を埋めた後に、転動部材D170の伝達部D173が伝達部材D190の被伝達部D193に当接可能とされる。即ち、転動部材D170は、上述した隙間を埋めるだけの変位(下降)をしなければ、伝達部材D190の被伝達部D193を下方へ押し下げることができない。
これにより、転動部材D170の変位が比較的小さい場合には、転動部材D170の変位を変位部材D180へ伝達させないようにすることができる。よって、例えば、遊技機を叩いて転動部材D170を変位(下降)させることや、針金等の異物で転動部材D170を変位(下降)させようとする不正を成功し難くできる。
本体部D194は、伝達部材D190の変位(回転)を軸支部材D210の連結ピンD213へ伝達するための部位であり、背面部材D130における本体部D131の背面側(矢印B方向側)に配設される。
本体部D194には、溝D194L,D194Rが形成され、これら溝D194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。よって、転動部材D170の変位(回転)が伝達され、伝達部材D190が変位(回転)されると、伝達部材D190の挿通溝D194L,D194Rにおける内壁面により連結ピンD213が下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。これにより、変位部材D180ユニットが変位(回転)され、変位部材D180が開放位置または閉鎖位置に配置される。
溝D194Rは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、溝の幅寸法(連結ピンD213が相対的に摺動変位する方向と直交する方向の寸法)が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、軸D191を中心とする円弧と交差する方向に沿って直線状に延設される。よって、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、伝達部材D190が変位(回転)されている間、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。
溝D194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)における溝の幅寸法が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)へ向かうに従って溝の幅寸法が増加される。
詳細には、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191から遠い側の内壁面は、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされ、軸D191に近い側の内壁面は、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部)から上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)へ向かうに従って軸D191からの距離が大きくされる円弧状に湾曲して形成される。
なお、軸支部材D210は、軸D211に対して連結ピンD213が偏心されるため、連結ピンD213と伝達部材D190の軸D191との間の距離は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において最大とされ、変位部材D180が開放位置へ向けて変位されるに従って減少される。即ち、連結ピンD213は、下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態ほど、伝達部材D190の軸D191との間の距離が小さくされる。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も上方(矢印U方向)へ変位された(押し上げされた)状態、図244参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けない(当接されない)。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態、図246参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191に近い側の内壁面から作用を受け(当接され)、その作用により徐々に上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)。
このように、連結ピンD213は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、伝達部材D190が変位(回転)されても、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面から作用を受けないため、下方へ変位されず(押し下げられず)、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)に達してから(図245参照)、その上方側の延設端部における内壁面によって下方へ変位される(押し下げられる)。
これにより、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる。即ち、一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる。
即ち、本実施形態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図244参照)。
転動部材D170が球の重量を受けて初期位置(第1位置)から変位(回転)され、伝達部材D190の変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、下方へ変位されず(押し下げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が閉鎖位置に維持される。
転動部材D170の初期位置(第1位置)からの変位(回転)に伴って、伝達部材D190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置から開放位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、内壁面)に達すると(図245参照)、その上方側の延設端部(内壁面)により下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の閉鎖位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も下方へ変位され(押し下げられ)、一対の変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、転動部材D170が第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置される。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングを異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180の開放位置への変位(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球))を期待する遊技者に対し、開放状態に変化を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
錘部D195は、伝達部材D190の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D194の長手方向一端側から軸D191と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部材D190は、錘部D195の重量により、伝達部材D190全体としての重心位置が、軸D191よりも錘部D195側に位置(偏心)される。その結果、伝達部材D190は、錘部D195の重さ(重心位置の軸D191からの偏心)を利用して、初期位置(変位部材D180を閉鎖位置とする位置、図244参照)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰(即ち、変位部材D180の閉鎖位置への復帰)が可能とされる。
即ち、伝達部材D190は、被伝達部D193が転動部材D170の伝達部D173によって下方(矢印D方向)へ変位されて(押し下げられて)いない状態では、本体部D194が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(背面視において、軸D191を中心として反時計回りに回転され)、初期位置に配置される(変位部材D180を閉鎖位置に配置させる)と共に、初期位置に維持される。これにより、伝達部材D190を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
迂回部材D200は、背面部材D130の区画壁D134による区画領域よりも背面視において大きな外形を有する板状に形成され、区画壁D134の立設先端面(矢印B方向側の面)に配設されることで、区画壁D134と共に第8通路DRt8を区画する。また、迂回部材D200には、区画壁D134による区画領域よりも背面視において外方となる領域に、軸支部D201が形成される。
次いで、図244から図246と図247(c)とを参照して、変位部材D180の開閉動作について説明する。
図244に示すように、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)されていない状態では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置される。そのため、伝達部材D190は、転動部材D170から作用を受けず、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
この状態において、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球(図示せず)が流入(入球)されると、かかる球は、一対の変位部材D180の対向間を通過(流下)し、転動部材D170の本体部D172における長手方向他端側(軸D171と反対側、矢印R方向側)の上面(転動面)に落下された後、本体部D172の上面を長手方向一端側(軸D171側、矢印L方向側)へ向けて転動される。
図245に示すように、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を球が転動する状態では、その球の重量を受けて、転動部材D170が第2位置へ向けて変位(回転)され、図246に示すように、転動部材D170が更に変位(回転)されて第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置され、それら変位部材D180の対向間隔が最大に拡大される。
転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球(図示せず)は、本体部D172の長手方向一端側(軸D171側、矢印L側)から、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)され、開口D131dを介して、第8通路DRt8へ転動(流入)される。
その後、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に球が存在しなくなると、転動部材D170が自重により初期位置(第1位置)へ復帰され、これに伴って、伝達部材D190が自重により初期位置へ復帰されることで、変位部材D180が閉鎖位置へ配置される(図244参照)。
このように、本実施形態では、転動部材D170(本体部D172)が軸D171を中心として回転可能に軸支され、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)された球が、軸D171側(矢印L方向側)へ向けて転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動される。
上述したように、転動部材D170は、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に落下させることができる。
ここで、例えば、本体部D172の上面(転動面)を転動する球の転動方向が、軸D171から離間する方向に設定される構造では、球が転動部材D170(本体部D172)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離が近いため、球が所定距離だけ転動して軸D171からの距離(力点と支点との間の距離)が確保されるまでの間は、錘部D174の重量に対抗することができず、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができない。
これに対し、本実施形態によれば、球が本体部D172の上面を転動する際に、その初期段階において、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を確保して、錘部D174の影響を小さくできるので、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させやすくできる。
即ち、球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された直後に、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させ、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
特に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に直接落下させることができるので、球の重量の作用のみでなく、球の落下する勢い(運動エネルギー)を利用して、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができる。この点においても、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への球の流下(入球)を見届けた遊技者に対し、その直後に変位部材D180の開放位置への変位を開始させることができ、テンポの良い演出を行うことができる。
また、第3通路DRt3上を複数の球が転動する場合に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合に、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)されやすくできる。
転動部材D170は、その上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171へ近づく方向とされるので、転動部材D170の本体部D172の上面を球が転動するに従って、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を徐々に短くして、錘部D174の影響を大きくできる。よって、転動部材D170を第2位置から初期位置(第1位置)へ向けて徐々に復帰させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、開放位置に配置されていた変位部材D180を閉鎖位置へ向けて徐々に変位(回転)させることができる。これにより、例えば、第3通路DRt3上を他の球が往復動されている場合に、その他の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放されている有利な状態(少なくとも閉鎖位置に配置された状態よりも開放量が大きい状態)に間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、転動部材D170は、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が転動部材D170に落下される場合に、落下された球を、転動部材D170の上下方向(矢印U-D方向)における変位量が大きい側(軸D171から離間された側)で受け止めることができる。
よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位(回転)、即ち、錘部D174を上方へ持ち上げるためのエネルギーとして吸収(消費)できる。その結果、本体部D172の上面(転動面)に落下した球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材D170に安定して作用させ、変位部材D180の状態を安定させる(例えば、閉鎖位置へ向けて変位部材D180が一時的に変位(回転)されることを抑制)できる。
また、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170とは別の部材(固定された非変位の部材、例えば、背面部材D130や中間部材D140の一部)に落下させる場合には、その別の部材の破損を招きやすくなるところ、上述のように、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位により吸収(消費)できることで、球の衝突による転動部材D170やその転動部材D170を軸支する背面部材D130及び中間部材D140の破損を抑制できる。その結果、球の落下を許容できる分(球の落下高さの上限を緩やかとできる分)、設計の自由度を高めることができる。
第6通路DRt6の側壁(内側面)を形成する背面部材D130の本体部D131及び中間部材D140の本体部D141には、突部D131f,D141g(作用手段)が突設され、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球に作用可能に形成される。
即ち、突部D131f,D141gは、所定間隔を隔てて対向配置される本体部D131,D141から第6通路DRt6内へ向けて突設されると共に上下方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設される。
よって、球が第6通路DRt6を通過する際には、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する場合だけでなく、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)から浮いた状態で移動する場合であっても、突部D131f,D141gを球に当接させ、抵抗を付与することで、球の速度を低くすることができる。
その結果、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
この場合、突部D131f,D141gは、第6通路DRt6(転動部材D170の本体部D172)を挟んだ両側に形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置されるので、球が第6通路DRt6を通過する際に、球を突部D131f,D141gに交互に当接させることができる。
これにより、球に抵抗を付与するだけでなく、球の速度成分に横方向(転動方向に直交する方向)の速度成分を付加することができる(球の進路を、直進ではなく、ジグザグとできる)。よって、球が第6通路DRt6を通過するのに要する時間を長くできる。従って、この点からも、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
一方で、突部D131f,D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材D170(本体部D172)の上面(転動面)から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により転動部材D170の本体部D172が上方へ変位された場合でも、かかる転動部材D170の本体部D172に球の重量を速やかに作用させ、本体部D172を元の状態に速やかに復帰させることができる。
その結果、転動部材D170の本体部D172を球が通過する間は、本体部D172に球の重量を作用させ、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態を維持し易くできる。
転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)が平坦面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成され、段差が非形成とされる。よって、本体部D172の上面を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、変位部材D180が変位(回転)可能に形成され、その変位(回転)によって、第6通路DRt6への球の流入(入球)のされやすさを変化させる構造において、変位部材D180は、第6通路DRt6へ球が入球された場合に、第6通路DRt6へ球が入球されやすくなる側(開放位置)へ変位されるので、第6通路DRt6へ1の球が入球されれば、その球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
即ち、第6通路DRt6へ第1の球が流入(入球)されれば、その第1の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第2の球(第1の球の後続となる第2の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その第2の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第3の球の以降も、これらの態様を繰り返すことができる。
よって、第6通路DRt6への1の球の流入(入球)により、第6通路DRt6への球の入球の連鎖が発生することを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
この場合、変位部材D180の球が入球されやすくなる側(開放位置)への変位は、第6通路DRt6に流入(入球)された球の重量を利用して行われる。よって、変位部材D180を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
特に、本実施形態では、第6通路DRt6の球の転動面を転動部材D170により形成し、転動する球の重量の作用により転動部材D170が変位(回転)される構成であるので、球の重量を利用できる時間を確保できる。その結果、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすくされた状態を維持しやすくできる。
次いで、図248を参照して、第60実施形態について説明する。第59実施形態では、変位部材D180が外部から強制的に開放可能とされたが、第60実施形態の変位部材D180は、外部から強制的に開放されることを規制可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図248(a)及び図248(b)は、第60実施形態における下側フレームD2086bの断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応する。なお、図248(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図248(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図248に示すように、伝達部材D2190は、係合部D2196を備える。なお、伝達部材D2190は、第59実施形態における伝達部材D190に対し、係合部D2196を更に備える点のみで相違し、その他の構成は同一である。
係合部D2196は、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)を許容し、且つ、転動部材D170が初期値(第1位置)に配置された状態において、閉鎖位置にある変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されることを規制するための部位であり、被伝達部D193の上面(矢印U方向側の面)から立設され、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に外面(軸D191と反対側の面)を対面させて配設される。
係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が軸D171を中心として回転される際の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)の変位軌跡と交差しない形状(変位軌跡に接する形状、又は、変位軌跡との間に隙間を有する形状)に形成される。よって、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が許容される(図248(b)参照)。
よって、第6通路DRt6へ球が流入(入球)され、その球が転動部材D170の本体部D172の上面を転動する際には、その球の重量を利用して、転動部材D170を第2位置へ変位させることができる。その結果、転動部材D170の伝達部D173により伝達部材D2190の被伝達部D193を下方へ変位させ(押し下げ)、変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができる。
また、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図248(a)左回り、即ち、開放位置に配置された変位部材D180が開放位置へ向けて変位される方向)の回転を規制可能な形状に形成される。
具体的には、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図248(a)左回り)に回転され、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)が、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に当接して押圧する際に、その伝達部D173の延設先端が軸D171へ向かう方向へ押圧される(伝達部D173の延設先端に係合部D2196から作用される力の延長線上に軸D171が位置される)。
よって、転動部材D170を変位(回転)させるための力成分が形成されず、転動部材D170が初期位置(第1位置)に維持される(回転不能とされる)ことで、伝達部材D2190の正面視反時計回り(図248(a)左回り)の回転が規制される(図248(a)参照)。即ち、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けての変位(回転)が規制される。
このように、本実施形態によれば、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球の重量が作用されていない状態)では、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)を規制することができる。即ち、例えば、針金等の異物を挿入して、閉鎖位置にある変位部材D180を、開放位置へ向けて強制的に変位させる不正(第6通路DRt6へ球が流入(入球)しやすくする不正)を抑制できる。
この場合、本実施形態では、転動部材D170を利用する(転動部材D170の伝達部D173に伝達部材D2190の係合部D2196を係合させる)ことで、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)が規制される。よって、変位部材D180が強制的に変位(回転)されることを規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達部材D190を流用することができるので、その分、変位部材D180を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
次いで、図249を参照して、第61実施形態について説明する。第59実施形態では、転動部材D170を転動する球の転動方向が軸D171へ近づく方向とされたが、第61実施形態の転動部材D3170は、球の転動方向が軸D3171から遠ざかる(離間される)方向とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図249(a)及び図249(b)は、第61実施形態における下側フレームD3086bの部分拡大断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応する。なお、図249(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図249(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図249に示すように、転動部材D3170は、軸D3171と、その軸D3171が長手方向他端側(矢印R方向側)に配設される長尺板状の本体部D3172と、その本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)に配設される錘部D3174と、その錘部D3174を挟んで本体部D3172の反対側に配設される伝達部D3173とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D3171を中心として回転可能に配設される。
なお、転動部材D3170の各部D3171~D3174は、第59実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、伝達部材D3190は、第59実施形態における伝達部材D3190に対し、被伝達部D3193の向き(延設方向)のみが相違し、その他の構成は同一である。
軸D3171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D130と中間部材D140とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D3171を中心に転動部材D3170が変位(回転)されることで、本体部D3172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D3172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D3171が配設される側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D3172は、第2位置に配置された状態(姿勢)では、その長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
本体部D3172の上面(転動面)は、平坦面として形成される。よって、転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D3174の作用により本体部D3172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D3172の上面は、平坦面(軸D3171に直交する平面で切断した断面が断面直線)である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
錘部D3174は、転動部材D3170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)から本体部D3172の延設方向と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D3173は、転動部材D3170の変位(回転)を伝達部材D3190へ伝達するための部位であり、錘部D3174の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から軸D3171と反対側(矢印R方向側)へ向けて更に延設される。伝達部D3173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D3190の被伝達部D3193の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D3170がその上面を転動する球の重量によって軸D3171を中心に変位(回転)され、伝達部D3173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D3173によって伝達部材D3190の被伝達部D3193が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D3190が軸D3191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
なお、本実施形態では、伝達部D3173から被伝達部D3193へ向けて突起が突設(立設)される。但し、被伝達部D3193から伝達部D3173へ向けて突起が突設(立設)されても良い。即ち、転動部材D3170の変位(回転)が、伝達部D3173及び被伝達部D3193を介して、伝達部材D3190に伝達可能とされれば足りる。
転動部材D3170(本体部D3172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D3172上を球が転動していない状態)では、転動部材D3170全体としての重心位置が、軸D3171よりも錘部D3174(及び伝達部D3173)側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D3170は、錘部D3174(及び伝達部D3173)の重さ(重心位置の軸D3171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる(図249(a)参照)。
即ち、転動部材D3170は、無負荷状態(本体部D3172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D3172が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D3171を中心として時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D3170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D3170の本体部D3172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D3170全体としての重心位置が本体部D3172側(軸D3171を挟んで錘部D3174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D3170は、本体部D3172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D3171を中心として反時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D3170の第1位置(初期位置)は、本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、本体部D3172がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の下方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図249(a)参照)。
一方、転動部材D3170の第2位置は、錘部D3174の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、錘部D3174がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の上方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図249(b)参照)。
転動部材D3170は、第1位置に配置された状態では、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D3170(本体部D3172)上の球を開口D131d(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D3170は、軸D3171を中心として回転可能に軸支され、本実施形態では、本体部D3172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも大きくされる。
即ち、本実施形態では、第6通路DRt6へ流入(入球)した球は、本体部D3172の上面(転動面)であって、軸D3171の近傍となる位置に落下され、本体部D3172の上面を軸D3171から離間される方向(遠ざかる方向)へ向けて転動される。
これにより、球が転動部材D3170の本体部D3172の上面(転動面)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D3171(支点)との距離を短くし、錘部D3174の重量を支配的としておき、球が本体部D3172の上面を転動するに従って、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)を徐々に大きく(長く)し、錘部D174の重量に対抗させることができる。その結果、転動部材D3170を初期位置(第1位置)から第2位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ徐々に変位(回転)させ、その開放量(一対の変位部材D180の対向間隔)を徐々に増加させることができる。これにより、例えば、第2の球が第3通路DRt3を往復動する場合に、その第2の球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)する期待を徐々に高まらせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合でも、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)させやすくできる。
一方で、転動部材D3170の上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171から遠ざかる(離間する)方向とされることで、少なくとも球が本体部D3172の終端(長手方向一端側、矢印L方向側の端部)に達した際には、転動部材D3170が第2位置に配置された状態とされる。
即ち、本体部D3172の上面(転動面)から中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)される直前の状態では、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)が最大とされ、球の重量が本体部D3172に最大に作用されていたところ、本体部D3172の上面から第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)されると、球の重量の作用が瞬間的になくなり、錘部D3174の作用のみとなる。
そのため、転動部材D3170が第2位置から初期位置(第1位置)へ最大の速度で復帰させ、開放位置に配置されていた変位部材D180を即座に閉鎖位置に配置させることができる。よって、テンポの良い演出を行うことができる。また、第2の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放位置へ向けて徐々に変位(回転)されている間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)を転動する球が1球とされる場合には、その球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)へ向けて転動されるに従って転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて徐々に変位(回転)され、球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)に達した際には(少なくとも球が中間部材D140の第6通路区画壁D146へ転動(流入)する前に)、転動部材D3170が第2位置に配置されるように構成される。
次いで、図250を参照して、第62実施形態について説明する。第59実施形態では、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中に転動部材D170のみが配設されたが、第62実施形態における一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中には、転動部材D170及び第2転動部材D4220が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図250(a)及び図250(b)は、第62実施形態における下側フレームD4086bの部分拡大背面図であり、軸D4221に直交する平面で区画壁D4134及び第2転動部材D4220を切断した状態が図示される。
なお、図250(a)では、第2転動部材D4220が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図250(b)では、第2転動部材D4220が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図250に示すように、背面部材D4130は、その背面から立設される区画壁D4134を備える。
区画壁D4134は、本体部D131、迂回部材D200及び第2転動部材D4220と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D4134と第2転動部材D4220により区画された領域が第8通路DRt8とされる。
第2転動部材D4220は、軸D4221と、その軸D4221が長手方向一端側(矢印L方向側)に配設される長尺板状の本体部D4222と、その本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)に配設される錘部D4224と、その錘部D4224を挟んで本体部D4222の反対側に配設される伝達部D4223とを備え、背面部材D4130と迂回部材D200との間に軸D4221を中心として回転可能に配設される。
なお、第2転動部材D4220の各部D4221~D4224は、第59実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、背面部材D4130の区画壁D4134は、第59実施形態における区画壁D134に対し、球の転動面を形成する壁部の一部が省略される(第2転動部材D4220の本体部D4222に置き換えられる)点で相違し、その他の構成は同一である。
軸D4221は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D4130と迂回部材D200とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D4221を中心に第2転動部材D4220が変位(回転)されることで、本体部D4222は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D4222は、その上面が第8通路DRt8における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)を、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D4221が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、開口D131dの下流側(開口D131dから流下する球を受け入れ(受け取り)可能な位置)に配設される。
本体部D4222は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)の上面が、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D4221は、本体部D4222の内部に埋設され、本体部D4222の上面(転動面)は、軸D4221を越える位置まで形成される。即ち、本体部D4222の上面を転動する球は、軸D4221の上方側(矢印U方向側)を通過した後、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部へ転動(流入)される。
錘部D4224は、第2転動部材D4220の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)から本体部D4222の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D4223は、第2転動部材D4220の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、錘部D4224の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から伝達部材D190(錘部D195)へ向けて延設される。伝達部D4223の延設先端側(矢印U方向側)は、伝達部材D190の錘部D195の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、第2転動部材D4220がその上面を転動する球の重量によって軸D4221を中心に変位(回転)され、伝達部D4223が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D4223によって伝達部材D190の錘部D195が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
第2転動部材D4220(本体部D4222)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D4222上を球が転動していない状態)では、第2転動部材D4220全体としての重心位置が、軸D4221よりも錘部D4224(及び伝達部D4223)側に位置(偏心)される。その結果、第2転動部材D4220は、錘部D4224(及び伝達部D4223)の重さ(重心位置の軸D4221からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置(第1位置)への復帰が可能とされる(図250(a)参照)。
即ち、第2転動部材D4220は、無負荷状態(本体部D4222上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D4222が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D4221を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、第2転動部材D4220を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、第2転動部材D4220の本体部D4222上を球が転動する際には、その球の重量により、第2転動部材D4220全体としての重心位置が本体部D4222側(軸D4221を挟んで錘部D4224と反対側)に位置(偏心)される。これにより、第2転動部材D4220は、本体部D4222が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D4221を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、第2転動部材D4220の第1位置(初期位置)は、本体部D4222の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面(矢印L方向側の面)が、第2転動部材D4220の第2位置は、本体部D4222の長手方向他端側(矢印R方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、それぞれ区画壁D4134に当接されることで規定される。
第2転動部材D4220は、第1位置に配置された状態では、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、第2転動部材D4220(本体部D4222)上の球を開口D131eへ向けて確実に転動させることができる。
このように、本実施形態によれば、第6通路DRt6に転動部材D170が配設されると共に、その第6通路DRt6の下流となる第8通路DRt8に第2転動部材D4220が配設される。よって、第59実施形態と比較して、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)の長さが同一であっても、第2転動部材D4220が配設される分、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。その結果、変位部材D180が開放位置へ変位された状態(変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持(長く)しやすくできる。
ここで、1の部材(転動部材D170(本体部D172))の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成では、下側フレームD86bの限られたスペース(幅方向(矢印L-R方向)寸法)に、長手方向寸法を延長した転動部材D170を配設することが困難となる。一対の変位部材D180の配設位置を下側フレームD86bの幅方向一側(矢印L方向側)に偏らせれば、その分、転動部材D170(本体部D172)の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長することは可能であるが、その延長できる長さには限界がある。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とすることができず、遊技の興趣が低下する。
これに対し、本実施形態によれば、複数の部材(本実施形態では、転動部材D170及び第2転動部材D4220)を配設して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成であるので、下側フレームD4086bの限られたスペースを有効に活用して、球の重量を利用できる区間を十分に確保(長く)できる。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とでき、遊技の興趣を向上できる。
即ち、転動部材D170の背面側(矢印B方向側)に第2転動部材D4220を配設し、これらを前後方向(矢印F-B方向)に重ねる構成であるので、下側フレームD4086bのデッドスペースとなる前後方向の厚みを有効に活用して、転動部材D170及び第2転動部材D4220により、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。
また、このように、球の重量を利用できる区間を確保(長く)しつつ、一対の変位部材D180を下側フレームD4086bの幅方向(矢印L-R)中央に配設できるので、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状(幅方向中央へ向けて下降傾斜する形状)とでき、遊技の興趣を向上できる。
経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の所定の変位(球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)が1回形成されるのみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の上述した所定の変位を複数回(本実施形態では2回)形成できる。変位部材D180の開放と閉鎖を繰り返されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する遊技者に、変位部材D180の変位状態と第3通路DRt3上の他の球との関係を着目させ、遊技の興趣を向上できる。
また、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を複数(2以上)の球が通過しても、変位部材D180の変位態様は1通り(即ち、球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)のみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を複数の球が通過する間に形成できる変位部材D180の変位態様を複数通りとできる。即ち、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方と他方とに球の重量が作用するタイミング(球が転動するタイミング)の組み合わせにより、変位部材D180の変位態様を多様とできる。その結果、意外性のある演出を行うことができる。
転動部材D170の伝達部D173は、伝達部材D190における被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に位置し、本体部D172に球の重量が作用した場合には、被伝達部D193を下方へ変位させる(押し下げる)。第2転動部材D4220の伝達部D4223は、伝達部材D190における錘部D195の下方側(矢印D方向側)に位置し、本体部D4222に球の重量が作用した場合には、錘部D195を上方へ変位させる(押し上げる)。
即ち、転動部材D170及び第2転動部材D4220が球の重量の作用により動作して、伝達部材D190を変位(回転)させる場合、伝達部材D190の変位(回転)方向が同方向とされ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の動作が対抗されない。同様に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方が初期位置へ復帰する動作(球の重量が作用されず錘部D174,D4224の重量で変位(回転))する場合、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方の動作の状態に関わらず、一方の動作と他方の動作は対抗されない(一方の動作と他方の動作との両方が許容される)。
このように、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量が作用された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して伝達部材D190へ伝達でき、且つ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量の作用が解除された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して行わせることができる。
よって、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)を複数の球が通過する場合には、それら球の転動する位置に応じて、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方または他方の動作のみに起因して伝達部材D190を変位(回転)させることも、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方および他方の両者の動作に起因して伝達部材D190を変位(回転)させることもでき、これらの組み合わせにより、変位部材D180が変位する態様を多様化できる。
例えば、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用されれば、その一方の動作により変位部材D180を、閉鎖位置へ向けた変位の途中で、開放位置へ向けて変位させることができる。
また、例えば、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用され、その一方の動作により変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方に球の重量が作用され、その他方の方が球の重量の作用が大きい(変位部材D180を変位させる力が強い)場合には、他方の動作により、変位部材D180を、より速い変位速度で、開放位置へ変位させることができる。
また、本実施形態によれば、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)と、第2転動部材D4220の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)とを別々に設ける必要がなく、かかる部材(伝達手段)として、伝達部材D190を共用できる。よって、部品点数を低減して、構造の簡素化を図ることができる。その結果、動作の信頼性の向上と製品コストの低減とを達成できる。
次いで、図251を参照して、第63実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図251は、第63実施形態における下側フレームD5086bの部分拡大背面図であり、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。なお、図251(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が図示される。
図251に示すように、本体部D5194には、溝D5194L,D194Rが形成され、これら溝D5194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。
なお、伝達部材D5190は、第59実施形態における伝達部材D190に対し、溝D194Lの形状のみが相違し、その他の構成は同一である。
溝D5194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、溝の幅寸法が連結ピンD213の直径よりも大きな寸法に設定される。溝の幅寸法は、溝D5194Lの延設方向に沿って一定とされる。
詳細には、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面は、軸D191から遠い側の内壁面と軸D191に近い側の内壁面との両者が、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされる。
よって、連結ピンD213は、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けず(当接されず)、溝D5194Lの下方側または上方側の延設端部(矢印D方向側または矢印U方向側の端部)からのみ作用を受ける(下方側または上方側の延設端部における内壁面によって上方または下方へ変位される(押し下げ又は押し下げられる)。
これにより、本実施形態によれば、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ変位させる場合だけでなく、開放位置から閉鎖位置へ変位させる場合においても、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる(一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる)。
具体的には、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図246参照)。
転動部材D170の第2位置から初期位置(第1位置)への変位(回転)が開始され、これに伴い、伝達部材D5190の初期位置への変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、上方へ変位されず(押し上げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が開放位置に維持される。
転動部材の第2位置からの変位(回転)に伴って、伝達部材D5190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置から閉鎖位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、内壁面)に達すると、その下方側の延設端部(内壁面)により上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の開放位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も上方へ変位され(押し上げられ)、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)され、伝達部材D190が初期位置に達すると、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置される(図244参照)。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングだけでなく、開放位置から閉鎖位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングも異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180が開放された状態(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球)がされやすい状態)を期待する遊技者に対し、閉鎖位置へ変位される態様に変化を持たせ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図252から図255を参照して、第64実施形態における下側フレームD6086bについて説明する。
第59実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)された球は全て第8通路DRt8(流出口DOPout)へ案内される場合を説明したが、第64実施形態の第6通路DRt6には、その途中に第9通路DRt9が接続され、第6通路DRt6に流入(入球)された球が、第8通路DRt8(流出口DOPout)又は第9通路DRt9(流出口DOP6out)のいずれか一方へ案内される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図252は、第64実施形態における下側フレームD6086bの分解正面斜視図であり、図253は、下側フレームD6086bの分解背面斜視図である。図254は、下側フレームD6086bの正面図であり、図255(a)及び図255(b)は、下側フレームD6086bの部分拡大断面図である。
なお、図255(a)は、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応し、図255(b)は、図244のCCXLVIIc-CCXLVIIc線における断面に対応する。
図252から図255に示すように、第64実施形態における下側フレームD6086bは、第6通路DRt6の途中に接続される第9通路DRt9と、その第9通路DRt9に案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOP6outとが形成される。
即ち、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8へ流入(入球)され、第8通路DRt8を流下した後、流出口DOPoutから遊技領域へ流出される一方、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の途中で第9通路DRt8へ流入(入球)された球は、第9通路DRt9を流下した後、流出口DOP6outから遊技領域へ流出される。
ここで、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図235参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6から第8通路DRt8へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第9通路DRt9の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOP6outは、第1入賞口64(図235参照)に対して水平方向一側へ位置を異ならせて配設される(鉛直方向下方に第1入賞口64が重ならない位置に形成(配置)される)。そのため、第6通路DRt6から第9通路DRt9へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第8通路DRt8へ流下された球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD6086bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられた場合、その第6通路DRt6を流下する球は、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6の終端まで球が流下されれば、球の重量(重さ)が転動部材D170に作用される時間を最大限確保して、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされた)状態を維持しやすくできる。一方、第6通路DRt6を流下する球が、途中で第9通路DRt9へ流下されると、球の重量(重さ)を転動部材D170へ作用させることができなくなり、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)される(第6通路DRt6へ球が入球され難くなる)。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された状態を維持して、第3通路DRt3から第6通路DRt6へ球が振り分けられやすくするために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、この点からも遊技の興趣を高めることができる。
正面部材D6110は、正面部D111に開口形成される開口DOP6outと、正面部D111の背面から立設される板状の底面部D6112を備え、中間部材D6140は、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141に開口形成される開口D6148と、を備える。
底面部D6112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、底面部D6144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、底面部D6112の立設先端(矢印B方向側)と底面部D6144の立設先端(矢印F方向側)とが全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD6086bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
底面部D6112,D6144の一部(中間部材D6140における開口D6148の下方に位置する部分)は、第9通路DRt9の転動面を形成する。かかる転動面を形成する部分は、第1介設部材D150の底面との間に所定間隔(球の直径よりも大きな間隔)を隔てて形成される。
また、底面部D6112,D6144における上述した転動面を形成する部分は、その長手方向(矢印L-R方向)の略中央へ向けて下降傾斜して形成され、その鉛直方向における高さ位置が最も低い部分(長手方向の略中央となる部分)には、流出面D6112a,D6144aがそれぞれ凹設される。
流出面D6112a,D6144aは、底面部D6112,D6144(転動面を形成する部分)を案内される球を、流出口DOP6outへ流出させるための部位であり、流出口DOP6outへ向けて下降傾斜する凹面として一体に形成される。即ち、開口DOP6outは、流出面D6112a,D6144aに対応する位置(球が流出可能な位置)に開口形成される。
中間部材D6140の開口D6148は、転動部材D170(第6通路DRt6)を転動する球を第9通路DRt9へ受け入れる開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、開口6148は、第6通路DRt6を区画する一対の側壁のうちの一方の側壁に開口形成され、開口6148を介して、第6通路DRt6の途中に第9通路DRt9の上流端が接続される。
開口D6148の転動部材D170の長手方向における寸法は、複数の球(本実施形態では3球)が同時に通過可能な大きさに設定される。また、開口D6148の下縁は、球の重量(重さ)により第2位置(最下方へ押し下げられた位置)に配置された転動部材D170の上面よりも下方(矢印U方向側)となる位置に形成され(図255(a)参照)、開口D6148の上縁は、球の重量(重さ)が作用されず初期位置(第1位置、最上方に復帰した位置)に配置された転動部材D170の上面との間に球の直径よりも大きな間隔を隔てる位置に形成される。よって、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、球が開口D6148を通過可能とされる。
開口D6148の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図255(a)右側)に位置する側縁(以下「上流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図255(a)右側)の縁部よりも下流側(矢印L方向側、図255(a)左側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の上流側側縁は、一対の変位部材D180の基部における対向空間と鉛直方向において重ならない位置(下流側となる位置)に配設される。即ち、一対の変位部材D180のうちの第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図255(a)左側)に位置する変位部材D180の基部(上流側に位置する変位部材D180と対向する対向面)よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における下流側に位置する。
これにより、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が即座に開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避し、転動部材D170を球が転動する形態を形成できる。よって、球の重量(重さ)を転動部材D170に作用させ、一対の変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができると共に、第6通路DRt6の終端まで球が達するか否かを遊技者に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本体部D141には、開口D6148の上流側側縁に対して、第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図255(b)右側)となる位置に突部D141gが突設される。よって、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170をその長手方向に沿って転動する際には、突部D141gの作用(当接)により球の転動を遅延させ(速度を低下させ)、転動部材D170を転動する球を遊技者に把握させやすくできると共に、突部D141gの作用(当接)により球を開口D6148と反対側(本体部D131側)へ移動させ、第6通路DRt6の終端まで球が達することを遊技者に期待させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
開口D6148の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図255(a)左側)に位置する側縁(以下「下流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図255(a)左側)の縁部(軸D171)よりも上流側(矢印R方向側、図255(a)右側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の下流側側縁は、開口D131dと正面視において重ならない位置(上流側となる位置)に配設される。即ち、開口D131dの第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図255(a)右側)の側縁よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における上流側に位置する。
これにより、第6通路DRt6の終端に球が達したにも関わらず、その球が開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避できる。よって、開口D6148の下流側側縁を球が通過すれば、第8通路DRt8へ球を確実に流入(入球)させられるとの安心感を遊技者に感じさせるとができる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
但し、開口D6148の下流側側縁を、開口D131dと正面視において重なる位置(開口D131dの下流側側縁と重なる位置または下流側となる位置)に配設しても良い。この場合には、第6通路DRt6の終端に球が達した後も、かかる球の流入(入球)先が第8通路DRt8又は第9通路DRt9のいずれとなるのかを未確定とできる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、上述したように、突部D131f,D141gは千鳥状に配置され、開口D6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側には、突部D131fが本体部D131から突設される。よって、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170を転動する際には、突部D131fの作用(当接)により球を開口D6148側(本体部D141側)へ移動(転動方向を変化)させることができる。即ち、突部D131fの作用を受けた球が、開口6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図255(a)及び図255(b)右側)に位置する本体部D141に衝突(当接)し、開口D6148から離間する側へ球を跳ね返されるのか、或いは、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)されるのかを遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、開口D6148の上流側側縁および下流側側縁の間には、正面視において重なる位置に、本体部D131の複数の突部D131fが配設される(図255(a)参照)。これにより、転動部材D170を転動する球に突部D131fを作用(当接)させ、球の転動方向に変化(開口D6148側へ向く転動方向の成分)を付与することができる。これにより、突部D131fとの当接により、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ球が流入(入球)される可能性を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、パチンコ機10は、鉛直方向に対して、1~2度程度、傾斜させた姿勢(所謂「寝かせ」が付与された姿勢、即ち、パチンコ機10の底面に対して上面を背面側(矢印B方向側)に位置させた姿勢)で設置される。この場合、本実施形態では、開口D6148は、第6通路DRt6を区画する壁部のうちの正面側(パチンコ機10の正面側、矢印F方向側)に位置する壁部(本体部D141)に開口形成される。
よって、転動部材D170をその長手方向に沿って球が転動する際には、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側を通過させやすくでき、その結果、球に突部D131fを作用させやすくできる。一方で、転動部材D170の転動面(上面)は、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側から開口D6148側へ向けて上昇傾斜されるため、突部D131fの作用を受けて開口D6148へ向けて移動された球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ移動させることができる。
これにより、球に突部D131fが比較的強く作用(当接)された場合には、球が、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)される一方、球に突部D131fが比較的弱く作用(当接)された場合には、開口D6148側へ向かった球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ戻すことができる。よって、突部D131fの球への作用の態様(当接する際の球の速度や球の進入角度など)に応じて、球の転動態様に変化を付与でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、このように、パチンコ機10の「寝かせ」を利用することで、下側フレームD6086bの各部材を互いに直交する関係で構成できる。即ち、本体部D131と本体部D141とを平行に配置し、それら本体部D131,D141に対して、転動部材D170の転動面(上面)を直交させる(即ち、軸D171を本体部D131,D141に直交した姿勢で軸支させる)構成とできる。よって、これら各部材の一部の部材のみを他の部材に対して傾斜させた姿勢としたり、傾斜した姿勢で軸D171を軸支させたりする必要がなく、その分、構造の簡素化をして、各部品の成型性や組み立て性の向上を図ることができる。その結果、製品コストの低減を図ることができる。
次いで、図256を参照して、第65実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図256(a)から図256(c)は、第65実施形態における下側フレームD7086bの部分拡大背面図であり、転動部材D170が初期位置(第1位置)と第2位置との間で変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される際の遷移状態が図示される。
なお、図256(a)から図256(c)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。また、図251(a)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態に(図244参照)、図256(c)は、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態に(図246参照)、それぞれ対応する。図256(b)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態(図245参照)に対応する。
図256(a)から図256(c)に示すように、第65実施形態における伝達部材D7190は、本体部D194の外縁に配設され、その本体部D194の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設される表示部D7197を備える。詳細には、表示部D7197は、軸D191と反対側の端部となる本体部D194の長手方向端部から上方(矢印U方向)へ向けて延設される。
ここで、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)と、中間部材D140の側壁部D142の上縁(矢印U方向側の縁部)とは、上下方向(矢印U-D方向)における位置(高さ位置)が略同一とされる。
図256(a)に示すように、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図244参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も上方(矢印U方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出(配置)され、その突出した部分が遊技者から視認可能とされる。
一方、図256(c)に示すように、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図246参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も下方(矢印D方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも下方に表示部D7197の全体が没入(配置)される(表示部D7197の全体が側壁部D132の背面側に配置される)。よって、表示部D7197を遊技者が直接視認することが不能とされる。なお、中間部材D140及び背面部材D130を通して表示部D7197を透視することは可能とされる。
このように、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)から表示部D7197の延設先端側(一部)が突出する突出量(突出寸法)は、図256(a)に示すように、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図244参照)において最大とされる。図256(b)に示すように、転動部材D170に球の重量が作用され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位されるに従って、上述した突出量(遊技者から視認可能な部分の大きさ)が徐々に減少され、変位部材D180が開放に配置された状態(図246参照)において最小(非突出とされ遊技者から視認不能)とされる。
よって、遊技者は、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出しているか否かを視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置または閉鎖位置のいずれにあるか)を把握することができる。更に、その突出量(突出寸法)を視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置から閉鎖位置までの間のいずれの位置にあるか)を把握することができる。
次いで、図257から図259を参照して、第66実施形態における下側フレームD8086bについて説明する。
第64実施形態では、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、転動部材D170側への突部D131fの突設量(突設寸法)が一定とされる場合を説明したが、第66実施形態の突部D131fは、転動部材D170の変位(回転)位置に応じて、転動部材D8170側への突設量(突設寸法)が変化(増減)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、第66実施形態における下側フレームD8086bは、突部D131fが第2突部D131faを備える点、及び、転動部材D8170の錘部D8174の重量が異なる点を除き、他の構成(例えば、形状や配設数)は第64実施形態のD6086bの構成とされる。よって、第2突部D131fa及び転動部材D6087を除く他の構成についての説明は省略する。
図257(a)及び図257(b)は、第66実施形態における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図240のCCXLIVa-CCXLIVa線における断面に対応する。なお、図257(a)では、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図244参照)が、図257(b)では、転動部材D8170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図246参照)が、それぞれ図示される。
図258(a)は、図257(a)のCCLVIIIa-CCLVIIIa線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図258(b)は、図257(b)のCCLVIIIb-CCLVIIIb線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図である。図259は、下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図244のCCXLVIIc-CCXLVIIc線における断面に対応する。
図257から図259に示すように、背面部材D8130に配設される複数(本実施形態では5本)の突部D131fには、所定(本実施形態では2本)の突部D131fから転動部材D8170へ向けて第2突部D131faが突設される。なお、本実施形態では、第2突部D131faが突設される(所定の)突部D131fは、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる3本の突部D131fのうちの下流側(矢印L方向側)に位置する2本の突部D131fとされる。
転動部材D8170の本体部D172には、背面部材D8130と対向する側の側面(縁部)に、上面視において突部D131fの突設方向(突部D131fを受け入れる方向)へ凹設される凹部が形成される(図259参照)。凹部は、転動部材D8170の本体部D172の長手方向に沿って所定間隔(本実施形態では略等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では4箇所)に配設される。即ち、凹部は、突部D131fに対向する位置にそれぞれ形成(凹設)される。
なお、本実施形態では、凹部の上面視形状は、円弧状に湾曲した形状とされる。但し、矩形形状であっても良い。即ち、転動部材D8170が変位(回転)される際に、第2突部D131faと干渉しない大きさであれば、その形状は限定されない。
第2突部D131faは、突部D131fの正面(矢印F方向側の面)から上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部へ向けて突設され、その第2突部D131faの突設先端側(一部)が、上面視において(図259参照)、上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部に受け入れられる(凹部の内部空間に位置される)。即ち、上面視において、転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)の一部が第2突部D131faにより形成される。
なお、第2突部D131faの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、第2突部D131faの断面形状を略矩形状としても良い。また、第2突部D131faの突設方向は、突部D131fの突設方向と同方向とされる。但し、第2突部D131faの突設方向を、突部D131fの突設方向と異なる方向(傾斜する方向)としても良い。
第2突部D131faの高さ位置(矢印U-D方向位置)は、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)と略同一または若干低い位置となり(図258(a)参照)、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置となる(図258(b)参照)ように設定される。
即ち、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図257(a)及び図257(b)右側の面)が本体部D172の上面(球の転動面)よりも低い位置(矢印D方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させない(作用させない)ようにできる。
一方、転動部材D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて所定量だけ変位(回転)された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図257(a)及び図257(b)右側の面)の少なくとも一部が本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させる(作用させる)ことができる。
なお、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置される第2突部D131faの側面の面積が最大とされる。よって、この場合には、転動面をバウンドしながら球が転動(第6通路DRt6を移動)する場合であっても、かかる球に第2突部D131faの側面を当接(作用)させやすくできる。
第2突部D131faは、転動部材D8170(本体部D172)を挟んで、開口D6148と反対側に形成される。即ち、第2突部D131faは、開口D6148へ向けて突設される。本体部D172の上面(転動面)を転動する球が、第2突部D131faから作用を受けると(第2突部D131faに当接されると)、その作用(当接)の反動で開口D6148(第9通路DRt9)へ転動され、かかる開口D6148(第9通路DRt9)へ流入(入球)され易くなる。即ち、球が第6通路DRt6の終端に到達し難くなる。
転動部材D8170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、上述したように、転動部材D8170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D8174側に位置(偏心)され、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に維持(又は復帰)される。一方、転動部材D8170の本体部D172上を球が転動し、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D8174と反対側)に位置(偏心)される状態では、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(第2位置に配置される)。
この場合、本実施形態では、本体部D172の位置DP(図257参照)に1球の球が位置する状態(1球の球の重量が位置DPに作用する状態)において、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171上に位置するように、錘部D8174の重量が設定される。
即ち、球が非転動とされる静的な状態を仮定すると、本体部D172の位置DPよりも上流側(軸D171と反対側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第2位置へ向かう方向へ変位(回転)され、本体部D172の位置DP上に1球の球が位置する(球の重量が作用する)状態では、転動部材D8170は軸D171を中心として釣り合い(即ち、転動部材D8170を変位(回転)させる力が非形成とされ)、本体部D172の位置DPよりも下流側(軸D171側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第1位置へ向かう方向へ変位(回転)される。
このように構成される転動部材D8170によれば、第3通路DRt3から1球の球が初期位置(第1位置)にある転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)に流下されると、その球の重量(及び落下の勢い)により、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位され、転動部材D8170が第2位置に配置される。
かかる球が本体部D172の上面を下流側(位置DP)へ向かって転動されると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171へ徐々に近接されることで、本体部D172が上方(矢印U方向)へ徐々に変位(回転)され、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)される。
本体部D172の上面を転動する球が位置DPに達すると、それまでの転動部材D8170の変位(回転)に伴う慣性力の影響により、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が継続され、球が位置DPを越えると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が錘部D8174側に偏心されることで、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が加速される。
本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球が、位置DPを越えた後、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faに達する前に、転動部材D8170が第2位置に配置される。即ち、1球の球のみが第6通路DRt6に流下(入球)された場合には、本体部D172の上面を転動する球に第2突部D131faは作用(当接)されない。
但し、球の第3通路DRt3からの流下位置や流下方向、流下途中での変位部材D180との衝突などの要素に起因して、下流側へ向かる球の速度(転動速度)が平均的な速度よりも速い場合には、転動部材D8170が第2位置に配置される前に、本体部D172の上面を転動する球が上流側(又は下流側)の第2突部D131faに到達して、球が第2突部D131faから作用を受けることもある。即ち、1球のみの球が転動する場合であっても、第2突部D131faの作用を球に付与できる場合を形成でき、上述した要素の影響を遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faと位置DPとの間の距離は、球の直径の略2倍に設定される。但し、かかる距離は、任意に設定可能である。1球の球のみが転動される場合には、上述した距離を短くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与しやすくできる一方、上述した距離を長くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与し難くできる。
ここで、本実施形態では、本体部D172上に2球の球が位置する状態(2球の球の重量が作用する状態)では、それら2球の球のそれぞれの位置に関わらず(例えば、2球とも位置DPよりも下流側(軸D171と位置DPとの間)に位置していたとしても)、それらの球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に偏心するように、錘部D8174の重量が設定される。
よって、例えば、1球の球のみが本体部D172上を転動し、その球の転動位置が位置DPを越えたことで、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球に第2突部D131faが作用(当接)されず、第6通路DRt6の終端への球の到達が期待される状態)であっても、他の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)される(転動部材D8170(本体部D172)の上面に2球の球が位置する状態とされる)と、転動部材D8170が第2位置に配置され(又は、少なくとも第2位置へ向けて変位(回転)され)、球に第2突部D131faが作用(当接)可能な状態(第9通路DRt9へ球が流入(入球)され易い状態)を形成できる。
このように、本実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)した球(転動部材D8170(本体部D172)を転動する球)が1球のみであれば、球に第2突部D131faが作用(当接)し難くして、第6通路DRt6の終端に球を到達させ易くできる(第1入賞口64へ入賞させることができる)一方、第1の球が転動されている状態で、更に第2の球が第6通路DRt6へ流下(入球)されると、第1の球に第2突部D131faを作用(当接)させ、第6通路DRt6の終端に第1の球を到達させ難くすることができる。
即ち、第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8を介して、第1入賞口64(図235参照)に入賞されるため、遊技者は、転動部材D8170上に球が存在しない状態では、第3通路DRt3から第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する。一方で、第1の球が第6通路DRt6に流入(入球)した後は、その第1の球に第2突部D131faが作用(当接)しないように、逆に、次の球(第2の球)が第6通路DRt6に更に流入(入球)しないことを期待する。このように、常に第6通路DRt6への流入(入球)を期待させるのではなく、第6通路DRt6への球の入球数に応じて期待する状況を変化させて、遊技の興趣を向上できる。
特に、本実施形態では、上述したように、第1の球が位置DPへ近づくに従い、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)される。第1の球が位置DPを越えると、転動部材D8170が第1位置に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
即ち、第1の球が第2突部D131faに近づくに従い、変位部材D180を徐々に閉鎖位置へ向けて変位(回転)させ、第2の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)し難くできる。よって、第1の球が第6通路DRt6の終端に達することの遊技者の期待度を高めることができる。
次いで、図260から図272を参照して、第67実施形態におけるセンターフレームE86について説明する。
図260は、第67実施形態における遊技盤E13の正面図である。図260に示すように、センターフレームE86は、ベース板60の窓部60a(図149参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームE86aと下側フレームE86bとを備える。
上側フレームE86aは、ベース板60の窓部60a(図149参照)における上側(図260上側)及び左右(図260左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームE86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図260下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームE86a及び下側フレームE86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームE86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図260下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームE86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図261から図262を参照して下側フレームE86bについて説明する。図261は、下側フレームE86bの正面斜視図であり、図262は、下側フレームE86bの背面斜視図である。なお、図261及び図262では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームE86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。また、図263から図281についても同様である。
図261及び図262に示すように、下側フレームE86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される一対の受入口EOPinと、その一対の受入口EOPinに連通される一対の第1通路ERt1と、その一対の第1通路ERt1を案内された球が流下される一対の第2通路ERt2と、その一対の第2通路ERt2を案内された球が流下される一対の第3通路ERt3と、その一対の第3通路ERt3に案内された球が後述する振分通路E150に形成される突起部E151により振り分けられて流下される第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6と、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6を案内された球が第4通路ERt4へ案内される第7通路ERt7と、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口EOPoutとが形成される。
なお、一対の受入口EOPin、第1通路ERt1、第2通路ERt2及び第3通路ERt3は、遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)における中心に対し線(面)対称(図260左右対称)にそれぞれ形成される。
また、上側フレームE86aには、一対の上側フレーム通路ERt0が配設される(図260参照)。上側フレーム通路ERt0は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路ERt0の下流端に下側フレームE86bの受入口EOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球は、受入口EOPinを介して、上側フレーム通路ERt0から下側フレームE86bの第1通路ERt1へ流入(入球)される。
下側フレームE86bには、駆動モータE191により動作する振分通路E150が配設されており、球は、振分通路E150に形成される突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)され、第3通路ERt3から第4通路ERt4、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6のいずれかに振り分けられる。
ここで、第4通路ERt4の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口EOPoutは、第1入賞口64(図260参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第4通路ERt4へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
また、第7通路ERt7へ振り分けられた球は、第4通路ERt4へ案内されるため、第1入賞口64へ入賞し易い。
また、第6通路ERt6には、その第6通路ERt6を案内される球を第7通路ERt7へ案内するために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第7通路ERt7の正面側(矢印F方向側)に第1流出面E141aが形成(配置)される。そのため、第6通路ERt6の第1流出面E141aに案内される球は、第1入賞口64へ入賞し易い。
一方、第5通路ERt5は、第6通路ERt6側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、第5通路ERt5と第7通路ERt7との境界の背面側(矢印B方向側)には一対の立て壁部E135cがそれぞれ配設される。従って、第5通路ERt5へ振り分けられた球は、第7通路ERt7よりも第6通路ERt6へ案内され易い。
第6通路ERt6には、第1流出面E141aに対して遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第2流出面E141bが形成(配置)される。
なお、第6通路ERt6には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面E141bが形成され、起伏の頂部に第1流出面E141aが形成される。従って、第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第1流出面E141aから第7通路ERt7へ送球されるよりも第2流出面E141bから遊技領域へ流出され易い。
即ち、第3通路ERt3から第5通路ERt5もしくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームE86bは、球が振分通路E150に形成される突起部E151に当接することにより第4通路ERt4から第6通路ERt6のいずれかに振り分けられた場合に、第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球は第1入賞口64(図260参照)への入賞が容易となる(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)一方、第3通路ERt3から第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第7通路ERt7(および第7通路ERt7の下流に形成される第4通路ERt4)を移動して第1入賞口64へ入賞することが困難となる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第3通路ERt3を案内される球が第4通路ERt4に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図261から図262に加え、図263から図268を参照して、下側フレームE86bの詳細構成について説明する。
図263は、下側フレームE86bの分解正面斜視図であり、図264は、下側フレームE86bの分解背面斜視図である。図265は、下側フレームE86bの上面図であり、図266は、下側フレームE86bの正面図であり、図267は、下側フレームE86bの背面図である。図268(a)は、図266の矢印CCLXVIIIa方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図268(b)は、図266の矢印CCLXVIIIb方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図268(c)は、図266のCCLXVIIIc-CCLXVIIIc線における下側フレームE86bの断面図である。
図261から図268に示すように、下側フレームE86bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E130と、正面部材E110及びベース部材E130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E130に配設される振分通路E150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E180と、そのカバー部材E180の内側に配設される駆動手段E190と、を備える。
駆動手段E190は、カバー部材E180に往復動可能に配設される。また、振分通路E150が駆動手段E190に係合されることで、振分通路E150は、ベース部材E130に往復動可能に配設される。
中央通路E160、流路調整ブロックE170及びカバー部材E180は、タッピングネジによりベース部材E130にそれぞれ締結固定され、誘導部材E120及びベース部材E130は、タッピングネジにより正面部材E110にそれぞれ締結固定される。
介設部材E140は、正面部材E110とベース部材E130とに挟持される。これらにより、下側フレームE86bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図261参照)。
また、下側フレームE86bは、振分通路E150及び駆動手段E190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分通路E150及び駆動手段E190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路ERt1から第7通路ERt7を移動する球を遊技者に視認させると共に、振分通路E150の往復動を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、振分通路E150及び駆動手段E190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームE86bは、駆動手段E190の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、駆動手段E190が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材E110は、正面を形成する板状の正面板E111と、その正面板E111の背面から立設される板状の底面部E112とを備える。
正面板E111は、その長手方向両端に鉛直方向に延設される一対の鉛直部と、それら鉛直部どうしを連結し、長手方向両端から中央へ向けて鉛直方向下方に傾斜される傾斜部とから形成される。
正面板E111には、その正面板E111の外縁に沿って複数の挿通孔E111aが板厚方向に穿設される。下側フレームE86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔E111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板E111には、受入口EOPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口EOPinは、上述したように、上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球を受け入れる開口である(図260参照)。
正面板E111には、第1入賞口64(図260参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口EOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口EOPoutは、正面視円状であり、球の外形よりもやや大きく形成される。流出口EOPoutは、上述したように、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
正面板E111には、上述したように、第1流出面E141aの正面側(矢印F方向側)に張出し部E111bが突設される。また、第2流出面E141bの正面側(矢印F方向側)に正面視において第2流出面E141bと略同一の形状の切欠き部E111cが形成される。切欠き部E111cを通過することで、第6通路ERt6を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される。
正面板E111の背面には、傾斜部の長手方向外側に一対の規制部E111dが突設される。正面部材E110とベース部材E130との間には介設部材E140が挟持されており、規制部E111dが介設部材E140の転動部E141の上面に当接することで、介設部材E140がベース部材E130から上方(矢印U方向)へ脱離することを抑制できる。これにより、正面部材E110若しくはベース部材E130に対して介設部材E140をタッピングネジにより締結固定することを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
底面部E112は、正面板E111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
誘導部材E120は、正面部材E110と共に第1通路ERt1を形成するためのものであり、一対の側面部E121と、一対の側面部E121を連結する背面部E122と、を備える。
一対の側面部E121は、側面視縦長略矩形の板状体に形成される。一対の側面部E121は、短手方向一端側の面(矢印F方向側の面)が正面板E111(正面部材E110)の背面(矢印B方向側の面)に当接した状態で、左右方向(矢印L-R方向)に球の直径よりも大きな間隔を隔てて対向配置される。
背面部E122は、一対の側面部E121の短手方向他端どうし及び上端どうしを連結すると共に、側面部E121の短手方向一端から他端へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
誘導部材E120及び正面板E111(正面部材E110)によって球が移動(流下、落下)可能に区画された空間により、第1通路ERt1が形成される。また、第1通路ERt1の下方(矢印D方向)は開放される。これにより、受入口EOPinを通過して第1通路ERt1に流入した球の流下方向を下方に変更(変化)して第2通路ERt2に案内できる。
ベース部材E130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E133と、その一対の第1斜面部E133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。ベース部材E130については、図261から図268に加え、図269から図272を参照して詳細構成について説明する。
湾曲部E131は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図268(c)参照)。
湾曲部E131には、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置に流出面E131aが凹設される。流出面E131aは、湾曲部E131を案内される球を振分通路E150へ流出させるための部位であり、振分通路E150へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
壁板E132には、切欠き部E132aが振分通路E150側(一対の壁板E132の対向する側)に切欠き形成される。この切欠き部E132aを通過することで湾曲部E131から振分通路E150へ球が流下可能とされる。また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成される(本実施形態では球の直径の約5倍の大きさ)。切欠き部E132aの大きさが大きいほど、前後方向において任意の位置から球を振分通路E150へ流下できる。
湾曲部E131と壁板E132とに区画された空間により第2通路ERt2が形成される。なお、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、誘導部材E120(第1通路ERt1)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設され、第1通路ERt1との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、第1通路ERt1から第2通路ERt2へ球が自由落下される。
また、誘導部材E120(第1通路ERt1)は、湾曲部E131の正面側(矢印F方向側)における鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1通路ERt1から第2通路ERt2の正面側の端部へ球を送球できる。
これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)の正面側の端部へ流下された球は、湾曲部E131の円弧状に湾曲した形状に沿って前後方向(矢印F-B方向)へ往復動できる。これにより、前後方向への速度成分を有した状態で湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を送球できる。
第1斜面部E133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E133には、挿通孔E133aと、規制部E133bと、溝部E133cとが形成される。
挿通孔E133aは、第1斜面部E133の略中央に開口形成(板厚方向に穿設)され、後述する振分通路E150の被係合部E153が挿通可能に形成される(図263、図270(b)参照)。
規制部E133bは、第1斜面部E133の下面において挿通孔E133aの正面側の縁から立設され、その下面は第1斜面部E133の傾斜面に対し平行に形成される(図270(b)、図271(b)参照)。
溝部E133cは、第1斜面部E133の前後方向略中央において傾斜方向に沿って形成される溝であり、挿通孔E133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。溝部E133cには、後述する振分通路E150の被ガイド部E152が傾斜方向に摺動可能に配設される(図263、図270(a)、図272(a)参照)。溝部E133cの周囲には、溝部E133cの破損を抑制するためのガイド壁が立設される。
第1斜面部E133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE202とが配設される。
円柱体E201は、第1斜面部E133における振分通路E150の変位を容易とするためのものであり、円柱状に形成され、また、その軸を中心として軸孔が形成される。軸孔に回転軸が挿通され、その回転軸が前後方向(矢印F-B方向)に沿った状態で第1斜面部E133に配設される。これにより、円柱体E201は、第1斜面部E133に回転可能に配設される。円柱体E201が軸周りに回転することにより、円柱体E201の外周面に当接する振分通路E150は容易に変位できる。
カバーE202は、円柱体E201を第1斜面部E133に保持するためのものであり、第1斜面部E133の外形よりやや小さい板状に形成される。カバーE202は、第1斜面部E133の挿通孔E133aに対応する位置に挿通孔E133aよりも大きな孔が穿設され、一対の溝部E133cに対応する位置に溝部E133cの外形と略同一の溝が形成される。また、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
カバーE202は、その上面が第1斜面部E133の傾斜面と平行な状態で第1斜面部E133の上面に配設される。
カバーE202の円柱体E201に対応する位置に穿設される孔よりも長い回転軸が円柱体E201に挿通され、円柱体E201及び回転軸を第1斜面部E133に配設し、タッピングネジにより第1斜面部E133とカバーE202とが締結固定されることで、カバーE202は、回転軸および回転軸が挿通された円柱体E201を第1斜面部E133に保持できる。
なお、円柱体E201は、カバーE202に形成される孔を通して、その側面(外周面)の一部がカバーE202の上面から突出して配設され、これにより、円柱体E201と振分通路E150とが当接可能となる。
取付け部E134は、第1斜面部E133の傾斜方向下降側の端部より鉛直方向下方(矢印D方向)において略水平に形成される。また、取付け部E134の前端は、第1斜面部E133の前端より背面板E137側(矢印B方向側)に配設される。
取付け部E134及び第1斜面部E133と第2斜面部E135とを連結して湾曲部E134aが配設され、湾曲部E134aは、背面板E137側へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
第2斜面部E135は、第5通路ERt5(の一部)を形成するための部位であり、取付け部E134よりも鉛直方向下方(矢印D方向)において背面板E137から正面部材E110へ向けて下降傾斜して形成される。第2斜面部E135には、挿通孔E135aと、中央通路E135bと、一対の立て壁部E135cと、仕切り部E135dと、送球壁E135eとが形成される。
第2斜面部E135と取付け部E134と湾曲部E134aと背面板E137とに区画された空間に第5通路ERt5が形成される。
挿通孔E135aは、第2斜面部E135の略中央に球の外形よりも大きく開口形成(板厚方向に穿設)される。挿通孔E135aの外周には、後述する中央通路E160の円筒壁E163の下端を挿入するための凹部が挿通孔E135aの外縁に沿って凹設される。
中央通路E135bは、第7通路ERt7を形成するための部位であり、鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、その湾曲形状は球の外形よりも大きく形成される。これにより、中央通路E135bに球が送球されると、中央通路E135bから第2斜面部E135の傾斜面へ球が送球(流出)されることを抑制できる。
中央通路E135bは、第2斜面部E135の正面側(矢印F方向側)の縁と挿通孔E135aとを連結し、第2斜面部E135の正面側の縁から挿通孔E135aへ向けて下降傾斜して形成される。これにより中央通路E135bに案内された球を挿通孔E135aへ向けて送球できる。即ち、中央通路E135bの円弧状に湾曲した空間により第7通路ERt7が形成される。
なお、中央通路E135bは、左右方向(矢印L-R方向)において第1流出面E141aと重なる位置に配設される。これにより、第1流出面E141aから送球される球を中央通路E135bへ案内できる。
一対の立て壁部E135cは、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)とを区切るための部位であり、中央通路E135bの左右方向(矢印L-R方向)両端の背面板E137側(矢印B方向側)に鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対の立て壁部E135cの前後方向(矢印F-B方向)の長さは、中央通路E135bの長さよりも短く形成され、中央通路E135bの挿通孔E135a側(矢印B方向側)に配設される。
これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cの正面側(矢印F方向側)において第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることで、球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される。一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cに当接することで、(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることが抑制され、球は、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下し第6通路ERt6へ案内される。このように、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ球が送球され難くすることにより、遊技の興趣を高めることができる。
仕切り部E135dは、鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設され、挿通孔E135aの外縁と背面板E137とを連結して形成される。これにより、一方の振分通路E150(第3通路ERt3)から流下された球が、第2斜面部E135の他方の振分通路E150(第3通路ERt3)側へ案内されることを抑制できる。
送球壁E135eは、第2斜面部E135の下面から立設して形成される(図270(a)参照)。送球壁E135eは、挿通孔E135aの背面側(矢印B方向側)の縁に沿った円弧部と、その円弧部の両端から正面側(矢印F方向側)に延設される直線部とから、下面視略U字状に形成される。これにより、送球壁E135eで囲まれた空間を球が送球可能に形成され、挿通孔E135aを通過した球を後述するカバー部材E180の背面側通路E181bへ送球できる。
張出し部E136は、湾曲部E131側から第2斜面部E135側へ向けて下降傾斜して形成され、張出し部E136には、ガイド部E136aが形成される。
ガイド部E136aは、ベース部材E130への介設部材E140の組み付けを容易とするための部位であり、張出し部E136の対向する側(左右方向内側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対のガイド部E136aの対向間に後述する介設部材E140の下側通路E143が配設される。
背面板E137は、正面視横長略矩形の板状から形成される。背面板E137は、一対の第1斜面部E133、一対の取付け部E134及び第2斜面部E135の背面側の端部に当接して配設され、背面板E137の上端は、振分通路E150(第3通路ERt3)及び第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球よりも上方(矢印U方向)に位置する。これにより、背面板E137は、振分通路E150(第3通路ERt3)又は第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が背面板E137の背面側(矢印B方向側)に案内されることを抑制できる。
介設部材E140は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される転動部E141と、その転動部E141の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて突設される板状の当接部E142と、その当接部E142の背面から立設される下側通路E143と、を備える。
転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成される。
転動部E141の上面は、正面部材E110側(矢印F方向側)からベース部材E130側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部E141の上面には、背面側(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される第1流出面E141aと、正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される第2流出面E141bとが形成される。
また、転動部E141には、起伏が形成され、その頂部が中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。起伏の底部に第2流出面E141bが配置される一方、起伏の頂部に第1流出面E141aが配置される。従って、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。
なお、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配置され、これにより、第1流出面E141aを流下する球を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内できる。
転動部E141の上面の左右方向(矢印L-R方向)両端には切欠き部E141cが形成され、その切欠き部E141cには、正面部材E110の突設部E111eが当接される。また、介設部材E140は、張出し部E136の上面に当接して配設される。これにより、介設部材E140は、ベース部材E130(正面部材E110)に固定される。その結果、介設部材E140(転動部E141の上面)とベース部材E130と正面部材E110(正面板E111の背面)とに区画された空間により第6通路ERt6が形成される。
当接部E142には、流出口EOPoutの背面となる位置に通路口E142aが開口形成(板厚方向に穿設)される。通路口E142aは、正面視略矩形であり、球の外形よりもやや大きく形成される。
下側通路E143は、通路口E142aの外縁からカバー部材E180側(矢印B方向側)へ向けて突設され、その下側通路E143により区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
下側通路E143は、カバー部材E180側から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、下側通路E143の側面および下面は上面よりカバー部材E180側に突出して形成される。即ち、下側通路E143は、カバー部材E180側の上面が開放される。
また、下側通路E143の下面には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝E143aが凹設される(図269(a)参照)。凹溝E143aは、下側通路E143の下面の突出方向に沿って略直線状に延設される。
凹溝E143aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝E143aの溝深さ(下側通路E143の下面に垂直方向の寸法)は、凹溝E143aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、下側通路E143の下面上の球を2箇所(下側通路E143の下面と凹溝E143aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝E143aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球を安定した状態で案内できる。詳しく説明すると、凹溝E143aにより球が挟み込まれた態様となることで、幅方向に変位することを抑制された状態で幅方向中央を流下できる。
その結果、寸法公差や組立公差に起因して流出口EOPoutと通路口E142aとの中心位置がずれ、通路口E142aの正面に正面部材E110(正面板E111)が一部配設された場合(通路口E142aの外縁の一部が正面部材E110(正面板E111)に塞がれた状態)においても、下側通路E143(第4通路ERt4)を流下した球は、流出口EOPoutを通過して遊技領域へ流出される。
上述したように、下側通路E143は、張出し部E136の一対のガイド部E136aの対向間に配設される。これにより、下側フレームE86bの組立ての際、一対のガイド部E136aに下側通路E143を当接させることで、ベース部材E130への下側通路E143(介設部材E140)の配設を容易に行える。
振分通路E150は、その上面を球が移動(流下、転動)するためのものであり、第1斜面部E133(カバーE202)の上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1斜面部E133と同様、振分通路E150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される。振分通路E150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E150の下面から立設される一対の被ガイド部E152と、その一対の被ガイド部E152の間に立設される被係合部E153と、を備える。振分通路E150については、図261から図268に加え、図269から図272を参照して詳細構成について説明する。
突起部E151は、球の移動(流下)方向を変化させるための部位であり、振分通路E150の上面に規則的に、それら突起部E151どうしの間を球が移動(流下、転動)可能な間隔を備えて複数配設される。突起部E151の形状は、振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される。その略六角形状は、振分通路E150の傾斜方向に平行に配設される2辺が他の4辺よりも長い、言い換えると、前後方向(矢印F-B方向)よりも振分通路E150の傾斜方向に沿った方向に長く形成される。また、長く形成される2辺を除いた他の4辺は同一長さに形成される。また、突起部E151の側面は、振分通路E150に対し傾斜(本実施形態においては振分通路E150の上面に対して略45度傾斜)して形成され、突起部E151は、六角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E150に平行な平面での断面積が、振分通路E150の上面から離れるに従い小さく形成される。
突起部E151は、長い辺同士を平行にして前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔(本実施形態においては振分通路E150の上面における対向間距離が球の直径の略4分の1)を隔てて形成される。また、前後方向に列をなして配設される一の組の突起部E151郡に対しその傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、突起部E151の前後方向における配設間距離の半分だけ前後方向にずれて配設される。即ち、前後方向において、傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、一の組の突起部E151郡の対向間にそれぞれ配設される。これにより、前後方向における一対の突起部E151の長い辺の間を流下した球を、傾斜方向下降側に配設される突起部E151に当接させることができる。
また、突起部E151の短い辺どうしの対向間隔は、突起部E151の長い辺同士の対向間隔と同一に形成される。これにより、一の突起部E151は、その周囲に配設される突起部E151から同一の距離だけ隔てた態様で振分通路E150に配設される。振分通路E150の上面および突起部E151の傾斜した側面E151aに区画された空間により、第3通路ERt3が形成される。
なお、本実施形態における突起部E151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる。また、突設先端における突起部E151どうしの対向間隔は球の直径よりも小さく形成される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、隣り合う突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)できる。即ち、突起部E151は、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、突起部E151に当接することで球の流下方向が変更(変化)され、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)に形成される突起部E151の対向間に案内される。このように、突起部E151は、傾斜方向に沿って流下した球の流下方向を変更(変化)できる。
また、前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う突起部E151の長い辺どうしの間を移動(流下、転動)することで、球は、振分通路E150の傾斜方向に沿って湾曲部E131側から中央通路E160へ移動(流下、転動)できる。
また、振分通路E150を流下する球は、突起部E151に当接することで、その流下速度が減少される。これにより、振分通路E150が突起部E151を備えない場合と比較して、振分通路E150を流下する球の流下時間を長くできる。
また、突起部E151は、振分通路E150の上面から突設して形成されるため、遊技者に視認し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させ易くできる。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面を移動(流下、転動)する球は比較的移動速度が低く、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面の移動(流下、転動)に比較的時間を要するところ、突起部E151との当接により球の移動(流下、転動)に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
このように、本実施形態では、突起部E151により振分通路E150を流下する球の流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを一つの部位(突起部E151)が行うことで、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
なお、振分通路E150は傾斜して配設されるため、球の流下速度が減少した場合においても、球の自重により流下速度が増加されることで、第3通路ERt3を流下できる。
振分通路E150の前後の縁に接して配設される突起部E151は、略六角形状の一部のみ形成される、言い換えると、突起部E151の形状が振分通路E150の前後の縁で切り取られた態様に形成される。これにより、振分通路E150により多くの第3通路ERt3を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
被ガイド部E152は、振分通路E150の前後方向(矢印F-B方向)の略中央に被係合部E153を挟んで左右方向(矢印L-R方向)に一対配設される(図270(a)、図272(a)参照)。被ガイド部E152の前後方向の寸法は、ベース部材E130の溝部E133cの溝幅と同等またはやや小さく形成される。被ガイド部E152が溝部E133cに挿入されることで、振分通路E150のベース部材E130に対する前後方向への変位が規制される。
上述したように、溝部E133cの周囲にはガイド壁が立設されるため、被ガイド部E152が溝部E133cのガイド壁に当接することで、溝部E133cが破損することを抑制できる。
被係合部E153には、その背面が正面側(矢印F方向側)へ凹設される係合凹部E153aと、被係合部E153の下端に正面に向けて突設される規制片E153bとが形成される(図270(b)参照)。
係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成される。規制片E153bは、第1斜面部E133(振分通路E150)の傾斜面に対し平行であり、第1斜面部E133の規制部E133bの下方(矢印D方向)に配設される。これにより、振分通路E150が傾斜方向に変位する場合、規制片E153bと規制部E133bとが当接することを抑制できる。一方、規制片E153bと規制部E133bとが当接することで、振分通路E150が上方(矢印U方向)に変位することを抑制できる。
振分通路E150は、カバーE202の上面から突出する円柱体E201の側面と当接した状態で、第1斜面部E133の傾斜面と平行に配設される。円柱体E201がその軸を回転軸として回転することで、振分通路E150の変位を容易に行うことができる。
また、振分通路E150は、少なくとも一部が湾曲部E131の下方に配設される、即ち、振分通路E150が湾曲部E131の下方から取付け部E134側へ抜けきらない位置に配設され、振分通路E150と湾曲部E131との間の距離は、球の半径よりも小さく配設される(図270(a)、図272(a)参照)。これにより、振分通路E150に送球された球が、湾曲部E131の下方からベース部材E130の長手方向両端から流出することを抑制できる。また、湾曲部E131と振分通路E150とで球が挟持されることを抑制できる。
振分通路E150は、その傾斜面に垂直な方向視において傾斜方向に長い略矩形の板状体に形成される。これにより、振分通路E150の長手方向一端側(下降傾斜側)に配設される第2斜面部E135(第5通路ERt5)若しくは中央通路E160(第4通路ERt4)よりも短手方向である正面側(矢印F方向側)に配設される介設部材E140(第6通路ERt6)へ球を送球し易くできる。
また、振分通路E150の短手方向となる前後方向(矢印F-B方向)の長さは、少なくとも球の直径の2倍よりも大きい寸法、本実施形態においては球の直径の略4.5倍の寸法に形成される。これにより、振分通路E150の傾斜方向下降側に複数(本実施形態では2箇所)の球の移動(流下、落下)領域を形成できる。この結果、振分通路E150を流下した球が複数形成される通路(第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6)の内、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い第4通路ERt4へ振り分けられることを期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、下側フレームE86bに不正を行っても、その不正を働き難くできる。詳細に説明すると、第4通路ERt4よりも第1入賞口64に球が入賞する確率の低い第5通路ERt5又は第6通路ERt6の一方に第4通路ERt4へ球が流下する不正を行っても、第5通路ERt5又は第6通路ERt6の他方を球が移動(流下、落下)することで、その不正を働き難くできる。
振分通路E150の傾斜方向下降側は、その正面側の一部に切欠き部E150aが形成される。切欠き部E150aを通過することで、振分通路E150を流下(落下)した球を流路調整ブロックE170に当接し易くできる。
中央通路E160は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される架設通路E161と、その架設通路E161の左右方向略中央に開口形成(板厚方向に穿設)される上方孔E162と、架設通路E161の下面から上方孔E162に沿って立設される円筒壁E163と、架設通路E161の左右方向両端に配設される据付部E164と、を備える。
架設通路E161の幅寸法(架設通路E161の延設方向および鉛直方向に垂直な方向、矢印F-B方向)は、球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球を架設通路E161の左右方向略中央(架設通路E161の鉛直方向の最下方)に形成される上方孔E162へ案内できる。
架設通路E161には、その後端側(矢印B方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される背面壁E161aが形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その背面側から落下することを抑制できる。
架設通路E161は、その延設方向に直交する平面での断面形状が鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その正面側から流下(落下)することを抑制できる。
上方孔E162は、上面視円状であり、第2斜面部E135に形成される挿通孔E135aと略同一の大きさに、即ち、球の外形よりも大きく形成される。上方孔E162の周囲には上方へ向けて突設される突起部E162aが形成される。これにより、架設通路E161を流下する球が上方孔E162に案内され難くできる。
円筒壁E163は、上方孔E162と略同一の内径を有する円筒状に形成され、その下端が、第2斜面部E135の挿通孔E135aの外周に凹設される凹部に挿入した状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、円筒壁E163の下端と第2斜面部E135の上面との間に隙間が形成されることを抑制できる。また、第2斜面部E135に対し中央通路E160の位置決めを行うことができる。
左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E135bに対応する位置には、円筒壁E163に切欠き部E163aが切欠き形成され、その切欠きは球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161の円弧状に湾曲した空間および円筒壁E163により囲まれた空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
据付部E164は、上面視縦長略矩形であり、中央通路E160がベース部材E130(取付け部E134)に固定(配設)された状態では、据付部E164の上面は、第1斜面部E133に配設されるカバーE202の上面と面一に形成される。これにより、振分通路E150が変位されても、振分通路E150と中央通路E160(据付部E164)とが当接することを抑制できる。
流路調整ブロックE170は、球の流下方向を変更(変化)させるためのものであり、略三角錐状に形成される。流路調整ブロックE170には、ベース部材E130の正面と平行な正面壁E171と、湾曲部E134aに対向する外壁E172と、中央通路E135bに対向する内壁E173とが形成される。一対の流路調整ブロックE170は、中央通路E135bの長手方向(矢印L-R方向)両側にそれぞれ配設される。
流路調整ブロックE170は、上面視、第2斜面部E135の傾斜方向下降側(矢印F方向側)へ向かうに従いその幅が大きくなる三角形状に形成され、正面壁E171とベース部材E130の正面とが面一に形成された状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を流下する球が流路調整ブロックE170に当接することを抑制できる。
外壁E172は、湾曲部E134aへ向けて凸状に湾曲して形成され、内壁E173は、中央通路E135bから流路調整ブロックE170の中心へ向けて凹状に湾曲して形成される。外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間は、球の外形よりも大きくそれぞれ配設され、これにより、外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間を球がそれぞれ流下できる。
カバー部材E180は、ベース部材E130の下方(矢印D方向)に配設される正面側カバー部材E181と、その正面側カバー部材E181の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側カバー部材E182と、を備える。
なお、カバー部材E180及び後述する駆動手段E190においては、図261から図268に加え、図270を適宜参照して説明する。
正面側カバー部材E181には、正面視横長略矩形に形成される本体部E181aと、本体部E181aの長手方向略中央に正面側カバー部材E181側(矢印F方向側)から背面側カバー部材E182側(矢印B方向側)へ向けて凹設される背面側通路E181bと、本体部E181aの長手方向一側(矢印L方向側)に配設されるモータ取付け面E181cと、モータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)に配設される第1上面板E181dと、モータ取付け面E181cの長手方向他側(矢印R方向側)において第1上面板E181dから鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てて平行に配設される第1下面板E181eと、第1下面板E181eの長手方向他側(矢印R方向側)において鉛直方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて平行に立設される第2上面板E181f及び第2下面板E181gと、第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面に配設される複数の(本実施形態では5個)スライド突起E181hと、鉛直方向(矢印U-D方向)における第1下面板E181eと第2下面板E181gとの間に配設される軸支部E181iとが形成される。
なお、モータ取付け面E181c、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gは、本体部E181aの背面から立設される。
背面側通路E181bには、その下面から立設される送球板E181b1と、送球板E181b1に対して長手方向(矢印L-R方向)両側に立設される一対の支持板E181b2とが形成される。
長手方向における送球板E181b1は、第2斜面部E135の挿通孔E135aの中心に対応する位置に配設され、送球板E181b1の上面の背面側(矢印B方向側)には、背面側へ向けて上昇傾斜する送球傾斜部E181b3が形成される。これにより、中央通路E160の円筒壁E163内を案内された球は、送球傾斜部E181b3に当接し、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)される。
一対の支持板E181b2は、送球板E181b1上を流下する球を案内するための部位であり、送球壁E135eの直線部の鉛直方向下方にそれぞれ形成される。
背面側通路E181bの上面は、開口形成され、その開口を通して第2斜面部E135の送球壁E135eが背面側通路E181bに挿入され、第2斜面部E135の下面、送球板E181b1、送球壁E135e及び一対の支持板E181b2に区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
モータ取付け面E181cは、後述する駆動手段E190の取付け部材E192が配設(固定)される部位であり、モータ取付け面E181cには、長手方向略中央に中央切欠きE181c1が形成され、その切欠き形状は、背面側(矢印B方向側)が開口された上面視略U字状に形成される。
第1上面板E181dと第2上面板E181fとは平行して配設される。従って、第1下面板E181eと第2下面板E181gとも平行に配設される。第1上面板E181dと第1下面板E181eとにより区画された空間、第2上面板E181fと第2下面板E181gとにより区画された空間は、後述する駆動手段E190の第1伝達部材E194、第2伝達部材E195をそれぞれ配設するための空間である。
第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面には、前後方向(矢印F-B方向)に突起E181e1がそれぞれ複数(本実施形態では第1下面板E181eは2箇所、第2下面板E181gは4箇所)形成される。突起E181e1と第1伝達部材E194もしくは第2伝達部材E195とが当接することにより、第1下面板E181eと第1伝達部材E194との間、第2下面板E181gと第2伝達部材E195との間に発生する摩擦力を低減し、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位を容易に行える(図269(b)参照)。
スライド突起E181hは、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位をガイドするためのものであり、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gに対して平行して配設される。
軸支部E181iは、本体部E181aの背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、背面側カバー部材E182の正面には、軸支部E181iに対面する位置に、軸支部E182dが形成される。後述する駆動手段E190のピニオンギヤE196は、その側面(前後方向の面、矢印F-B方向の面)から軸E197の端部がそれぞれ突出される。軸E197は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸E197の両端が、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとにそれぞれ軸支される。これにより、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182との対向間にピニオンギヤE196が回動可能に配設される。
背面側カバー部材E182には、正面視横長略矩形に形成される本体部E182aと、本体部E182aの長手方向一側(矢印L方向側)において本体部E182aの正面から立設される第1上面板E182bと、本体部E182aの長手方向他側(矢印R方向側)において本体部E182aの正面から立設される第2上面板E182cと、正面側カバー部材E181の軸支部E181iに対面する位置において本体部E182aの正面に配設される軸支部E182dと、を備える。
第1上面板E182b、第2上面板E182cには、正面側(矢印F方向側)が開口された第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1がそれぞれ形成される。第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1には、後述する第1伝達部材E194の係合ベースE194b、第2伝達部材E195の係合ベースE194bがそれぞれ挿通される。
軸支部E182dは、駆動手段E190の軸E197を軸支するためのものであり、本体部E182aの正面(矢印F方向側の面)に軸受けとして形成され、上述したように、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと対面する位置に形成される。
即ち、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとに駆動手段E190の軸E197が軸支され、その軸方向は、前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢とされる。
駆動手段E190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E194と、第1伝達部材E194に係合される第2伝達部材E195と、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との間に介設されるピニオンギヤE196と、ピニオンギヤE196の軸心を挿通する軸E197と、を備える。
駆動モータE191は、振分通路E150をその傾斜方向へ変位させるためのものであり、その軸を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けた状態で配設される。これにより、軸を前後方向(矢印F-B方向)へ向けて配設する場合と比較して、前後方向における配設スペースを小さくできる。
取付け部材E192は、駆動モータE191を正面側カバー部材E181に固定(配設)するためのものであり、取付け部材E192には、上面視略矩形の板状に形成されるベース部E192aと、ベース部E192aの外縁に沿って鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて立設される周壁部E192bとが形成される。
ベース部E192aには、その略中央に駆動モータE191の軸を挿通するための挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に駆動モータE191の軸が挿通した状態で駆動モータE191が取付け部材E192に固定(配設)される。駆動モータE191の軸の上端は、周壁部E192bの上端よりも鉛直方向上方に配設される。
駆動力伝達部材E193は、駆動モータE191の駆動力を第1伝達部材E194へ伝達するためのものであり、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも小さい円柱状に形成され、その軸心には駆動モータE191の軸が固着される。駆動力伝達部材E193には、軸心とは異なる位置に配設される偏心軸E193aと、駆動力伝達部材E193の側壁から突設されるフランジ部E193bとが形成される。
偏心軸E193aは、第1伝達部材E194に係合される部位であり、駆動力伝達部材E193の直径よりも小さな円柱状に形成され、上面視、偏心軸E193aの外縁は、駆動力伝達部材E193の外縁に内接して配設される。従って、偏心軸E193aの軸心は、駆動力伝達部材E193の軸心とは異なる位置に配設される、即ち、駆動モータE191の軸に対し偏心して配設される。よって、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心とした円状に変位する。
フランジ部E193bは、駆動力伝達部材E193の鉛直方向上方(矢印U方向)への変位を規制するための部位であり、鉛直方向(矢印U-D方向)において駆動モータE191側(矢印D方向側)の端部に配設される。フランジ部E193bの外形は、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも大きな円状に形成され、これにより、フランジ部E193bは、モータ取付け面E181cに当接できる。その結果、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1に挿通された駆動力伝達部材E193がモータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)へ脱離することを抑制できる。
第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達するためのものである。
第1伝達部材E194には、上面視略矩形の板状に形成される本体部E194aと、その本体部E194aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bから正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cと、本体部E194aの他側(矢印R方向側)における側面から突設される第1ラック部E194dと、本体部E194aの下面に凹設される伝達凹部E194eとが形成される。
本体部E194aは、駆動力伝達部材E193の上方(矢印U方向)に配設される。本体部E194aの前後方向(矢印F-B方向)の大きさは、駆動力伝達部材E193の外形よりも大きく形成され、本体部E194aの前端と後端との間、即ち、上面視、本体部E194aと重なる位置に駆動力伝達部材E193が配設される。
係合部E194cは、正面視略円状であり、その外形は、係合凹部E153aの左右方向(矢印L-R方向)の内壁の対向間距離と同等またはやや小さく形成される。これにより、係合部E194cを係合凹部E153aに挿入できる。係合部E194cと係合凹部E153aの左右方向の内壁とが当接することにより、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達できる。
また、係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設されるため、係合部E194cは、係合凹部E153a内を鉛直方向に変位できる。即ち、鉛直方向における駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ非伝達とできる。
このように、係合部E194cは、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ伝達する一方、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ非伝達とすることで、振分通路E150は、ベース部材E130の第1斜面部E133の傾斜面に沿って変位できる。
第1ラック部E194dには、その下面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、第1伝達部材E194の左右方向への変位によりピニオンギヤE196が回動される。
伝達凹部E194eは、前後方向(矢印F-B方向)に延設され、正面端から背面端まで形成される。また、伝達凹部E194eの凹溝の幅(左右方向(矢印L-R方向)における内壁の対向間距離)は、偏心軸E193aの外形と同等またはやや大きく形成される。偏心軸E193aを伝達凹部E194eに挿入することで、駆動モータE191の駆動力が駆動力伝達部材E193を介して第1伝達部材E194に伝達される。
詳細に説明すると、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心として円状に変位する。伝達凹部E194eの左右方向の内壁と偏心軸E193aとが当接することにより、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの左右方向の変位が第1伝達部材E194に伝達され、第1伝達部材E194が左右方向に変位する。
一方、伝達凹部E194eは、本体部E194aの正面端から背面端まで形成される、即ち、駆動力伝達部材E193の外形よりも長く形成されるため、偏心軸E193aと伝達凹部E194eの前後方向の内壁とは非当接とされる。従って、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの前後方向の変位は第1伝達部材E194に非伝達とされ、第1伝達部材E194が前後方向に変位することを抑制できる。
また、偏心軸E193aは、上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194の左右方向への変位を所定量に設定できる、即ち、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向へ変位することを抑制できる。また、第1伝達部材E194の左右方向への変位を往復動とすることができる。
第2伝達部材E195は、背面視横長略矩形の本体部E195aと、その本体部E195aの一側(矢印L方向側)における側面から突設される第2ラック部E195bと、本体部E195aの長手方向略中央に配設されるガイド溝E195cと、本体部E195aの他側(矢印R方向側)の上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cとが形成される。
第2ラック部E195bには、その上面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196の回動により、第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)へ変位される。
ガイド溝E195cは、長手方向(左右方向、矢印L-R方向)に延設され、その内側に正面側カバー部材E181に形成され、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182とを締結固定するための締結部が挿通される。正面側カバー部材E181の締結部がガイド溝E195cに挿通されることで、第2伝達部材E195の左右方向への変位をガイドできる。また、正面側カバー部材E181の締結部にはタッピングネジが螺合されるため、タッピングネジの剛性を利用して、正面側カバー部材E181の締結部とガイド溝E195cとの当接による破損を抑制できる。
ピニオンギヤE196は、その軸方向が前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。軸方向に穿設される挿通孔に軸E197が挿通され、軸E197が、正面側カバー部材E181及び背面側カバー部材E182に配設される軸支部E181i,E182dに軸支されることで、ピニオンギヤE196は、カバー部材E180に回動可能に配設される。
次いで、図269から図272を参照して、駆動手段E190による振分通路E150の変位(往復)動作について説明する。図269(a)及び図271(a)は、正面部材E110の図示が省略された状態における下側フレームE86bの正面図であり、図269(b)及び図271(b)は、背面側カバー部材E182の図示が省略された状態における下側フレームE86bの部分拡大背面図であり、図269(c)及び図271(c)は、下側フレームE86bの上面図である。
図270(a)は、図269(c)のCCLXXa-CCLXXa線における下側フレームE86bの断面図であり、図270(b)は、図270(a)のCCLXXb-CCLXXb線における下側フレームE86bの断面図であり、図270(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。図272(a)は、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における下側フレームE86bの断面図であり、図272(b)は、図272(a)のCCLXXIIb-CCLXXIIb線における下側フレームE86bの断面図であり、図272(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。
なお、図269及び図270では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図271及び図272では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図269及び図270に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第1位置に配置された状態において、中央通路E160の据付部E164の上方には振分通路E150が配置される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球しやすくできる。
また、振分通路E150の切欠き部E150aは、上面視、流路調整ブロックE170の外壁E172に近づいた位置に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を外壁E172に当接させ易くできる。これにより、球の送球方向を変更(変化)でき、遊技の興趣を高めることができる。
図271及び図272に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第2位置に配置された状態において振分通路E150は、上面視その傾斜方向下降側の端部が、据付部E164の左右方向における略中央に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を通過(流下、転動)した球は据付部E164の上面を転動できる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球されるまでの時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150と第1伝達部材E194、第2伝達部材E195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることで係合される。上述したように、係合凹部E153aは、背面視鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成されるため、係合凹部E153a内において、係合部E194cは鉛直方向(矢印U-D方向)に変位できる。これにより、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)に変位する場合においても、振分通路E150は、左右方向に変位すると共に、鉛直方向に変位できる。これにより、振分通路E150は、その傾斜方向(第1斜面部E133の傾斜方向)に沿って変位できる。即ち、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向と平行な方向(振分通路E150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向かう方向)に振分通路E150及びその上面に形成される突起部E151を変位(往復動)させることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向に変化(変更)を付与し易くできる。また、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
また、上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球が、突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)可能に配設されるため、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。よって、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制するために、振分通路E150(第3通路ERt3)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、駆動手段E190を簡素化できる。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
上述したように、偏心軸E193aを第1伝達部材E194の伝達凹部E194eに挿入されるため、偏心軸E193aの変位と同様、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2ラック部E195b、即ち、第2伝達部材E195は、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
このように、ピニオンギヤE196を介して第1伝達部材E194の変位が第2伝達部材E195へ伝達される。これにより、駆動モータE191の配設個数を抑制して、製品コストの削減を図ることができる。また、第1伝達部材E194の変位に連動して第2伝達部材E195が変位できる、即ち、第1伝達部材E194の変位と第2伝達部材E195の変位の同期を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、ピニオンギヤE196を介するため、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との変位を逆方向(逆位相)とすることができる。即ち、ベース部材E130(第1斜面部E133)上において、一対の振分通路E150が変位(往復動)する際に発生する左右方向(矢印L-R方向)の振動を互いに打ち消すことができる。これにより、制振部材を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位は、第1位置から第2位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。なお、振分通路E150、第1伝達部材E194の変位の方向、第2伝達部材E195の変位の方向、及び、ピニオンギヤE196の回動の方向以外は第1位置から第2位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保つことで、振分通路E150を第1位置と第2位置との間で左右方向(矢印L-R方向)へ往復動させることができる。詳細に説明すると、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かう変位では、振分通路E150を第1位置から第2位置へ変位させる。また、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かう変位では、振分通路E150を第2位置から第1位置へ変位させる。
このように、偏心軸E193aを上面視円状に変位させることで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保った状態で振分通路E150を第1位置と第2位置との間で往復動させることができる。これにより、駆動モータE191の駆動方向を切り替えることを抑制できる。その結果、駆動モータE191を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、偏心軸E193aは上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向への変位することを抑制できる。例えば、駆動力伝達部材E193を介せず、駆動モータE191が第1伝達部材E194に係合される形態では、駆動モータE191の誤作動やセンサの制御不良等で、第1伝達部材E194が所定量を超えて変位する虞がある。
これに対し、本実施形態では、偏心軸E193aは上面視円状に変位することで第1伝達部材E194は所定の範囲内において左右方向へ変位するため、第1伝達部材E194が他の部材(例えば、中央通路E160)に当接することを抑制できる。また、駆動モータE191の駆動方向の切り替え(駆動の停止や再駆動)による振動の発生を抑制でき、振分通路E150の往復動を滑らかにできる。
図261から図268に戻って、下側フレームE86bを流下する球について説明する。
正面板E111に形成される受入口EOPinを通過することで、球は、第1通路ERt1へ案内され、次いで、球の自重により第1通路ERt1を落下することで、湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内される。
湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内された球は、その形状により、前後方向(矢印F-B方向)へ往復動しつつ、壁板E132の切欠き部E132aを通過することで、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される球は、前後方向への速度成分を有した状態で切欠き部E132aを通過できる。
また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成されるため、切欠き部E132aの任意の位置から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を案内できる。
これらにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ流下される球を不規則にでき、従って、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、上述したように、突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)される。ここで、球の流下方向が、背面側(矢印B方向側)に変更(変化)され、ベース部材E130の背面板E137に当接すると共に背面板E137の正面側(矢印F方向側)に配設される突起部E151の側面E151aに当接する、即ち、背面板E137と突起部E151とに挟持されることで、球の流下が抑制される虞がある。
これに対し、本実施形態においては、駆動モータE191により振分通路E150が振分通路E150(第1斜面部E133)の傾斜方向に沿って往復動するため、背面板E137と突起部E151とにより球が挟持されることを抑制できる。また、振分通路E150が変位(往復動)することで、球と突起部E151との当接を不規則にでき、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化できる。これにより、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、突起部E151に当接し、流下する球の速度が減少することで、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。また、流下方向が変更(変化)されることで、架設通路E161(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に案内される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が中央通路E160の架設通路E161(第4通路ERt4)に送球されると、架設通路E161の左右方向略中央に形成される上方孔E162へ向けて案内される。架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその案内方向が変更(変化)されることなく流下することで、上方孔E162を通過し、円筒壁E163(第4通路ERt4)内を鉛直方向下方(矢印D方向)へ流下(落下)する。
円筒壁E163内を流下(落下)した球は、第2斜面部E135の挿通孔E135aを通過し、正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内され、送球板E181b1の送球傾斜部E181b3に当接することで、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)され、送球板E181b1の上面を流下する(図268(c)参照)。
送球板E181b1の上面を流下した球は、そのまま介設部材E140の下側通路E143(第4通路ERt4)を流下し、当接部E142の通路口E142aを通過し、正面部材E110の流出口EOPoutから遊技領域へ流出される。
架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその流下方向が変更(変化)される場合、架設通路E161の正面側(矢印F方向側)から第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球されると、介設部材E140(第6通路ERt6)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて案内される。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を介設部材E140(第6通路ERt6)へ向けて流下される球が、第2斜面部E135に配設される流路調整ブロックE170に当接することで、その流下方向が変更(変化)される。流路調整ブロックE170の内壁E173に当接した球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される可能性があり、これにより、遊技の興趣を高めることができる。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて流下される球のうち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界の背面側(矢印B方向側)に配設される一対の立て壁部E135cに当接することで、球が中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることが抑制される。
中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内された球は、その傾斜方向により第2斜面部E135の挿通孔E135a(矢印B方向)へ向けて流下し、挿通孔E135aを通過して正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内される。
ここで、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球のうち、中央通路E160よりも背面板E137側(矢印B方向側)に送球された球は、円筒壁E163に当接することで、挿通孔E135aを通過することが抑制される。
また、第2斜面部E135に形成される仕切り部E135dに当接することにより、球が振分通路E150の左右方向(矢印L-R方向)一側から他側もしくは他側から一側へ送球されることを抑制できる。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球が、取付け部E134の側面(左右方向に形成される面)に当接しその流下方向が変更(変化)されることで、中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることを抑制できる。
また、仕切り部E135dに当接することにより、球が円筒壁E163の背面側(矢印B方向側)を流下することを抑制できる。これにより、遊技者が第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球を見失うことを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)の前端(矢印F方向側の端部)、もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)から送球される球は、介設部材E140(第6通路ERt6)の転動部E141を、その延設方向中央へ向けて転動する。ここで、転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成されるため、介設部材E140(第6通路ERt6)へ流下された球は、転動部E141の形状に沿って延設方向(左右方向)へ往復動し、第1流出面E141aから中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される、もしくは第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)される。
なお、流路調整ブロックE170は、正面視左右方向(矢印L-R方向)において第2流出面E141bと重なる位置に配設される。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が、そのまま第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)されることを抑制できる。従って、転動部E141を転動させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)に突起部E151を形成することで、球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。言い換えると、球の移動(流下、転動)方向にランダム性を付与できる。即ち、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、突起部E151を機能させることができる。
同様に、駆動手段E190を備えることで球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)でき、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、駆動手段E190を機能させることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)し、中央通路E160側の端部を通過した(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球は、架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)のどちらかの通路に案内される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下(流下方向側の端部を通過)した球が架設通路E161(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)、即ち、第1入賞口64に球が入賞する確率の低い通路へ送球(案内)される。言い換えると、振分通路E150を長手方向に渡り切らなかった球は、第1入賞口64に球が入賞する確率が低くなる。
これにより、振分通路E150の中央通路E160側(流下方向側)の端部を通過し(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球が送球(案内)されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、突起部E151に当接することで振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下速度を遅くでき、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、突起部E162aにより、架設通路E161(第4通路ERt4)に案内された球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球できる。
一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に形成される中央通路E135b(第7通路ERt7)により、第2斜面部E135(第5通路ERt5)、介設部材E140(第6通路ERt6)に案内された球を第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)背面側通路E181b(第4通路ERt4)に送球できる。これにより、球が遊技領域に流出(流下)されるまで、球が背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図273から図274を参照して、第68実施形態における下側フレームE2086bについて説明する。
上記第67実施形態では、振分通路E150の上面に突起部E151が突設される場合を説明したが、第68実施形態における振分通路E2150の上面は、円弧状に湾曲して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図273は、第68実施形態における下側フレームE2086bの部分拡大断面図であり、図269のCCLXXa-CCLXXa線における断面に対応する。なお、図273(a)は、振分通路E2150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図273(b)は、図273(a)に対し、コイルばねとして構成される弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。図274(a)は、振分通路E2150の正面斜視図であり、図274(b)は、図274(a)の矢印CCLXXIVb方向視における振分通路E2150の正面図であり、図274(c)は、図274(b)の矢印CCLXXIVc方向視における振分通路E2150の下面図であり、図274(d)は、図274(b)の矢印CCLXXIVd方向視における振分通路E2150の側面図である。
図273及び図274に示すように、下側フレームE2086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E2130と、正面部材E110及びベース部材E2130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E2130に配設される振分通路E2150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、を備える(図261参照)。
ベース部材E2130は、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の平面部E2133と、中央通路E160側において一対の平面部E2133の上方(矢印U方向)に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E2130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図263参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。
平面部E2133は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2133aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2133bがそれぞれ形成される。
支持突起E2133aは、円柱状に形成される。支持部E2133bは側面視略矩形の板状体であり、平面部E2133の上面から突設され、その突設方向先端側(矢印U方向側)には後述する支持軸E20jを挿通するための挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。複数の支持突起E2133a及び複数の支持部E2133bは、前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔ててそれぞれ配設される。
振分通路E2150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形に形成される。振分通路E2150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2150bがそれぞれ形成される。
支持突起E2150aは、上面視、支持突起E2133aに対応する位置にそれぞれ配設される。支持部E2150bは、支持部E2133bに対し、上面視前後方向に異ならせた位置にそれぞれ配設される。詳細には、一対の支持部E2133bの対向間に支持部E2150bがそれぞれ配設される。
支持部E2150bには、支持部E2133bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。
振分通路E2150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E2151が形成され、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。この円弧状に湾曲した空間により第3通路ERt203が形成される。
介設部材E140側(矢印F方向側、図261参照)における転動面E2151の端部は、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に形成される。従って、転動面E2151を流下する球は、背面板E137側における転動面E2151の端部を通過して背面板E137に当接するよりも、介設部材E140側における転動面E2151の端部を通過して介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球され易い(図261参照)。
弾性ばねE2190は、上述したように、コイルばねとして構成され、その内径は、支持突起E2133a,E2150aの外径と同等またはやや大きく形成される。支持突起E2133a,E2150aを弾性ばねE2190の内側に挿通することで、支持突起E2133a,E2150aは、弾性ばねE2190を支持できる。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に支持軸E20jを挿通することで、振分通路E2150を平面部E2133へ係合できる。
なお、支持軸E20jは、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150を回動可能に係合するためのものであり、支持部E2133b,E2150bの挿通孔と同等またはやや小さな外径を有する棒状の円柱体として形成され、前後方向に沿った姿勢で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に挿通される。
これらにより、一対の振分通路E2150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E2150は、ベース部材E2130(平面部E2133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ係合される。また、一対の振分通路E2150の長手方向(矢印L-R方向)両端側は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E2151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E2151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E2151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E2150を流下する球について説明する。湾曲部E131(第2通路ERt2)を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E2150に案内された球は、転動面E2151(第3通路ERt203)を前後方向へ往復動しつつ、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
前後方向への往復動により、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、背面板E137と当接することで、再び転動面E2151(第3通路ERt203)へ案内される。
一方、前後方向への往復動により、介設部材E140側(矢印F方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内される(図261参照)。
転動面E2151の介設部材E140側(矢印F方向側)における端部を通過せず、即ち、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内されず、転動面E2151の傾斜方向下降側の端部を通過した球は、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される。
このように、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に転動面E2151が湾曲して形成されることで球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に球を案内できる(図261参照)。即ち、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E2151(第3通路ERt203)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E2150は、支持軸E20jを回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、振分通路E2150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図268(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E2151(第3通路ERt203)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E2151(第3通路ERt203)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)を流下中に後行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)に案内されることで、先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E2150の傾斜をさらに小さくできる。その結果、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図275を参照して、第69実施形態における下側フレームE3086bについて説明する。
上記第68実施形態では、振分通路E2150の上面が、円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、第69実施形態における振分通路E3150の上面は、平面状に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図275は、第69実施形態における下側フレームE3086bの部分拡大断面図であり、図269のCCLXXa-CCLXXa線における断面に対応する。なお、図275(a)は、振分通路E3150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図275(b)は、図273(a)に対し、弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。
図275に示すように、下側フレームE3086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E3130と、正面部材E110及びベース部材E3130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E3130に配設される振分通路E3150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、ボールジョイントE3200と、を備える(図261参照)。
ベース部材E3130は、第68実施形態におけるベース部材E2130に対し、支持部E2133bに代えてボールジョイントE3200のソケットE3220が平面部E3133に配設される以外は同一に形成される。
平面部E3133の支持突起E2133aよりも中央通路E160側における平面部E3133の前後方向(矢印F-B方向)略中央には、ボールジョイントE3200のソケットE3220が配設される。
ここで、ボールジョイントE3200について説明する。ボールジョイントE3200は、ボール部材E3210と、ソケットE3220とから形成される。
ボール部材E3210には、球状に形成される球部E3211と、その球部E3211に結合される固定部E3212とが形成される。ソケットE3220には、その上面に球部E3211の外径と同等またはやや大きく形成される受け口E3221が凹設される。球部E3211が受け口E3221に挿入されることで、ソケットE3220に対してボール部材E3210が、変位可能に係合される。
振分通路E3150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形の板状体から形成される。振分通路E3150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側にボール部材E3210が形成される。
支持突起E2150a及びボール部材E3210は、上面視、平面部E3133に形成される支持突起E2133a及びソケットE3220に対応する位置にそれぞれ配設される。
板状体に形成される振分通路E3150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E3151が形成される。転動面E3151により第3通路ERt303が形成される。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で平面部E3133の上面に配設されるソケットE3220(受け口E3221)に振分通路E3150の下面に配設されるボール部材E3210(球部E3211)を挿入することで、振分通路E3150を平面部E3133へ係合できる。
これらにより、一対の振分通路E3150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E3150は、ベース部材E3130(平面部E3133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ配設される。また、一対の振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)両端は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設されており、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E3150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E3151の傾斜方向下降側(矢印D方向側)の端部、即ち、転動面E3151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E3151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E3151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E3150を流下する球について説明する。湾曲部E131を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E3150に案内された球は、転動面E3151(第3通路ERt303)を前後方向へ変位可能であり、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
ここで、前後方向における転動面E3151(第3通路ERt303)への球の当接(落下)位置により、振分通路E3150は、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)へ傾斜する(図261参照)。
詳細に説明すると、ボールジョイントE3200を介して振分通路E3150がベース部材E3130(平面部E3133)に係合されるため、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図261参照)側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、背面板E137側から介設部材E140側へ向けて下降傾斜する。一方、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、介設部材E140側から背面板E137側へ向けて下降傾斜する。即ち、前後方向において、球が当接(落下)した側へ転動面E3151(第3通路ERt303)が下降傾斜する。
これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)(図261参照)のいずれかの通路に球を案内できる。即ち、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E3151(第3通路ERt303)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E3150は、ボールジョイントE3200を回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、長手方向(矢印L-R方向)における振分通路E3150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図268(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E3151(第3通路ERt303)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)を流下中に、後行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)に案内されることで先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)における傾斜をさらに小さくできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることで、前後方向(矢印F-B方向)における振分通路E3150の傾斜方向を変更(変化)できる場合がある。
例えば、先行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図261参照)側を流下している状態において、後行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側に当接(落下)した場合、前後方向における転動面E3151の傾斜の下降方向を介設部材E140側から背面板E137側に変更(変化)できる場合がある。このように、転動面E3151(第3通路ERt303)を球が流下中に、前後方向における転動面E3151の傾斜方向が変更(変化)することで、球の送球先を変更でき、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態においては、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aに、同一の弾性ばねE2190がそれぞれ配設される場合を説明したが、異なる弾性ばね、即ち、異なる弾性係数を有する弾性ばねがそれぞれ配設されてもよい。
例えば、介設部材E140側(矢印F方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数を背面板E137側(矢印B方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数よりも小さくすることで、振分通路E3150を介設部材E140側に下降傾斜させ易くできる(図261参照)。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球が、転動面E3151と背面板E137とに当接した(挟持された)状態で転動面E3151(第3通路ERt303)を流下し、中央通路E160と背面板E137との間を流下(落下)して第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内されることを抑制できる。
次いで、図276から図277を参照して、第70実施形態における下側フレームE4086bについて説明する。
上記第67実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第70実施形態では、一対の振分通路E150に加え、一対の第2振分通路E4150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図276(a)及び図277(a)は、第70実施形態における下側フレームE4086bの正面図であり、図276(b)及び図277(b)は、下側フレームE4086bの背面図である。なお、図276及び図277は模式的に図示され、図276(a)及び図277(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略される。また、図276(b)及び図277(b)では、理解を容易とするため、振分通路E150、第2振分通路E4150及び駆動手段E4190のみが表示される。また、図276では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図277では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図276から図277に示すように、下側フレームE4086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E4130と、正面部材E110及びベース部材E4130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E4130に配設される振分通路E150、第2振分通路E4150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E4130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E4180と、そのカバー部材E4180の内側に配設される駆動手段E4190と、を備える(図261参照)。
ベース部材E4130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131(図261参照)と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E4133と、その一対の第1斜面部E4133の対向間に形成される一対の第3斜面部E4139と、その一対の第3斜面部E4139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E4130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図263参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E4137と、を備える。
第3斜面部E4139が形成されるため、第67実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E4133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3斜面部E4139は、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E4133と取付け部E134との間に配設され、第1斜面部E4133に平行に形成される。
背面板E4137は、第1斜面部E4133と同様、第67実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第2振分通路E4150は、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一であるため、その説明は省略する。第2振分通路E4150に突起部E151が形成されることで、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成される。第2振分通路E4150は、鉛直方向(矢印U-D方向)において振分通路E150(第3通路ERt3)と中央通路E160(第4通路ERt4)との間に配設される。即ち、第2振分通路E4150は、振分通路E150(第3通路ERt3)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)であり、中央通路E160(第4通路ERt4)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。
駆動手段E4190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E4194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E4195及び第3伝達部材E4198と、第2伝達部材E4195に係合される第4伝達部材E4199と、複数(本実施形態では3個)のピニオンギヤE196と、を備える。
なお、本実施形態における複数のピニオンギヤE196は全て同一であるが、理解を容易とするため、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196a、第1伝達部材E4194と第3伝達部材E4198との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196b、第2伝達部材E4195と第4伝達部材E4199との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196cと符号を付して区別する。
第1伝達部材E4194は、第67実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E4194dの上面にピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第67実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、本体部E4195aの上面であって長手方向(矢印L-R方向)一方側(矢印L方向側)にピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、駆動モータE191の駆動力を第2振分通路E4150へ伝達するためのものである。
第3伝達部材E4198には、本体部E4198aと、その本体部E4198aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図263参照)とが形成される。本体部E4198aの下面には、ピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196bの回動により、第3伝達部材E4198が左右方向へ変位される。
第4伝達部材E4199には、本体部E4199aと、その本体部E4199aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図263参照)とが形成される。本体部E4199aの下面には、ピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196cの回動により、第4伝達部材E4199が左右方向へ変位される。
図276に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに離間した位置に配設される。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態において、第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する、即ち、上面視、第2振分通路E4150の全体が振分通路E150と重なる位置に配置される。従って、第2振分通路E4150は、球の通路を非形成とする位置に配置される。
これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球は、第2振分通路E4150を移動(流下、転動)せず、架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球(落下)される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることができる。この結果、振分通路E150(第3通路ERt3)から流下(落下)した球が、架設通路E161に当接し跳ね返ることで、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ流下(落下)させ易くできる。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160(第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ球を送球できる場合がある。これにより、球が架設通路E161を転動して上方孔E162へ向けて流下する場合と比較して、突起部E162aとの当接による第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)することを抑制できる(図265参照)。
このように、本実施形態では、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、第67実施形態と比較して架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図260参照)へ入賞し難くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を低くできる)。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161を流下することなく、即ち、球が突起部E162aに当接することなく上方孔E162へ送球されることで、球が上方孔E162を通過し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球が、架設通路E161を流下せず、直接、上方孔E162を通過することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
図277に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに近づいた位置に配設される。
なお、振分通路E150が第2位置に配置された状態において第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向上昇側の端部よりも上方孔E162側に位置する。即ち、上面視、第2振分通路E4150の一部は視認可能な位置に配設される。これにより、振分通路E150を流下した球を第2振分通路E4150に案内できる。その結果、第2振分通路E4150を流下した球を、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ送球し易くできる。
ここで、第2振分通路E4150は、振分通路E150よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設されるため、球が第2振分通路E4150から架設通路E161へ流下(落下)された場合、振分通路E150から架設通路E161へ流下(落下)された場合と比較して、架設通路E161に当接することによる球の跳ね返り量を小さくできる。これにより、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)を抑制できる。
これらのように、振分通路E150から第2振分通路E4150へ案内されることで、架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図260参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。よって、第2振分通路E4150に球が案内される(振分通路E150が第2位置に配置された状態において振分通路E150から球が送球される)ことを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分通路E150が第2位置に配置された状態においては、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成されるため、第67実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、第2振分通路E4150に形成される突起部E151の上面に当接させることができる。従って、湾曲部E131から振分通路E150への流下(落下)に加え、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、突起部E151の上面を移動(流下、転動)させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。詳しく説明すると、平面状に形成される突起部E151の上面を移動(流下、転動)することで、球が第3通路ERt3を移動(流下、転動)することを抑制できるため、第3通路ERt3を移動(流下、転動)する態様と第3通路ERt3を移動(流下、転動)しない態様との両方を形成し易くできる。
次いで、駆動手段E4190による振分通路E150及び第2振分通路E4150の往復動作について説明する。
第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195と振分通路E150、及び、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199と第2振分通路E4150とは、係合部E194cが被係合部E153の係合凹部E153aに挿入されることでそれぞれ係合される(図270参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から壁板E132側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から壁板E132側に変位することで、第1伝達部材E4194は中央通路E160側から壁板E132側に変位する。これにより、第1伝達部材E4194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E4194の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第1ラック部E4194dの下面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196aは、背面視時計回りに回動され、第1ラック部E4194dの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196bは、背面視反時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196aと歯合する第2伝達部材E4195(第2ラック部E195b)は、中央通路E160側から壁板E132側に変位し、第2伝達部材E4195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。また、ピニオンギヤE196bと歯合する第3伝達部材E4198(本体部E4198a)は、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第3伝達部材E4198に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
また、第2伝達部材E4195の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第2伝達部材E4195の本体部E4195aの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196cは、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196cと歯合する第4伝達部材E4199の本体部E4199aは、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第4伝達部材E4199に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の中央通路E160側から壁板E132側への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
ここで、振分通路E150、第2振分通路E4150、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位方向およびピニオンギヤE196a,E196b,E196cの回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E4194の変位により第2伝達部材E4195から第4伝達部材E4199を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位を連動させることができる。これにより、一対の振分通路E150と一対の第2振分通路E4150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図278から図281を参照して、第71実施形態における下側フレームE5086bについて説明する。
上記第67実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第71実施形態では、振分通路E150に加え、一対の振分通路E150の対向間に第3振分通路E5150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図278(a)及び図280(a)は、第71実施形態における下側フレームE5086bの正面図であり、図278(b)及び図280(b)は、下側フレームE5086bの背面図である。図279及び図281は、下側フレームE5086bの上面図である。なお、図278から図281は模式的に図示され、図278(a)及び図280(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略され、図279(a)及び図281(a)では、誘導部材E120の図示が省略される。また、理解を容易とするため、図278(b)及び図280(b)では、振分通路E150、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが表示される。また、図279(b)及び図281(b)では、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが図示されると共に、第3振分通路E5150は、その外形のみが図示される。また、図278及び図279では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図280及び図281では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図278から図281に示すように、下側フレームE5086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120(図261参照)と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E5130と、正面部材E110及びベース部材E5130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E5130に配設される振分通路E150、第3振分通路E5150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E5130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E5180と、そのカバー部材E5180の内側に配設される駆動手段E5190と、を備える。
ベース部材E5130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E5133と、その一対の第1斜面部E5133の対向間に形成される一対の第3取付け部E5139と、その一対の第3取付け部E5139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E5130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図263参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E5137と、を備える。
第3取付け部E5139が形成されるため、第67実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E5133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3取付け部E5139は、第3振分通路E5150を変位可能に係合するためのものであり、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E5133と取付け部E134との間に配設され、その上面は水平に形成される。
長手方向他側(矢印R方向側)における第3取付け部E5139の上面には、後述する第3振分通路E5150の被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される第3ガイド部E5139aが形成される。
第3ガイド部E5139aは、上面視縦長略矩形の板状体と、その板状体の延設方向(矢印F-B方向)両端から第3取付け部E5139へ向けて突設される一対の板状体とから形成され、側面視コ字状に形成される。この第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される。
背面板E5137は、第1斜面部E5133と同様、第67実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第3振分通路E5150は、その上面を球が流下するためのものであり、上面視横長略矩形の板状体から形成され、その上面に形成される突起部E151と、長手方向他側(矢印R方向側)に形成される被ガイド部E5152と、長手方向一側(矢印L方向側)に形成される被係合部E5153とを備える。
第3振分通路E5150に突起部E151が形成されるため、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成される。また、第3振分通路E5150の上面への突起部E151の配設の態様は、振分通路E150の配設の態様と同様とされる。
被ガイド部E5152は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、上述したように、被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に挿通されることで、第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)へ変位できる。
被係合部E5153は、駆動モータE191の駆動力を第3振分通路E5150へ伝達するためのものであり、第3振分通路E5150の長手方向一側(矢印L方向側)の端面から下方(矢印D方向)に突設される。被係合部E5153の下端であって長手方向他側(矢印R方向側)における側面にはラックギヤE194d1が刻設される。
第3振分通路E5150の長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、第2位置に配設された一対の振分通路E150の対向間よりも大きく形成される。従って、振分通路E150から流下(落下)した球が、第3振分通路E5150の長手方向両端に配設される被ガイド部E5152又は被係合部E5153に当接することを抑制できる。これにより、被ガイド部E5152又は被係合部E5153が破損することを抑制できる。
被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aに挿通され、被係合部E5153に刻設されるラックギヤE194d1と後述する第2ピニオンギヤE5196とが歯合した状態で第3振分通路E5150は第3取付け部E5139(ベース部材E5130)に配設される。
駆動手段E5190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E5194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E5195と、ピニオンギヤE196と、第2ピニオンギヤE5196と、を備える。
第1伝達部材E5194は、第67実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に第2ピニオンギヤE5196と歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第67実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成される。
第2ピニオンギヤE5196は、その軸方向が鉛直方向(矢印U-D方向)に沿う姿勢で配設され、ピニオンギヤE196に対し、軸方向における寸法(厚さ)が大きく形成される点で相違し、その他の構成は同一である。なお、第2ピニオンギヤE5196の軸方向における寸法(厚さ)は、第1伝達部材E5194の第1ラック部E5194dの鉛直方向における寸法と第3振分通路E5150の被係合部E5153の下端に形成されるラックギヤE194d1の鉛直方向における寸法との合計よりも大きく形成される。これにより、第2ピニオンギヤE5196は、鉛直方向に位置を違えて第1ラック部E5194dと被係合部E5153とに歯合可能に形成される。
図278及び図279に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160と背面板E5137との間に配設される(以下「第3位置」と称す)。これにより、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内されることで、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160と背面板E5137との間に流下(落下)される球が第5通路ERt5に送球されることを抑制できる。その結果、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が中央通路E160(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。また、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成されるため、第67実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、前後方向において第3振分通路E5150と背面板E5137との対向間距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、第3振分通路E5150と背面板E5137とで球が挟持されることを抑制でき、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)上を球が流下できる。
図280及び図281に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第3振分通路E5150は、少なくともその一部が上面視、中央通路E160に重なる位置、即ち、中央通路E160の上方(矢印U方向)に配設される(以下「第4位置」と称す)。これにより、振分通路E150から第3振分通路E5150に案内することで、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを抑制できる。なお、第3振分通路E5150に案内された球は、第3振分通路E5150の前端もしくは後端を横切って第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球される。
また、第3振分通路E5150は、前後方向における背面板E5137との対向間距離が球の直径よりも大きく形成される位置に配設される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から第3振分通路E5150と背面板E5137との間に流下される球を、第3振分通路E5150に当接することなく、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
このように、本実施形態においては、第67実施形態と比較して、振分通路E150が第1位置に配設され、第3振分通路E5150が第3位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。一方、振分通路E150が第2位置に配設され、第3振分通路E5150が第4位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。即ち、第3振分通路E5150(振分通路E150)の配設位置により、中央通路E160(第4通路ERt4)への送球の難易度を変化でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、第3振分通路E5150は、一対の振分通路E150の対向間に配設されるため、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)を流下した球を中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内できる場合がある。即ち、第3通路ERt3を流下する球を、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)に加え、中央通路E135b(第7通路ERt7)にも送球できることで、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、駆動手段E5190による振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動作について説明する。
振分通路E150と第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることでそれぞれ係合される(図270参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から湾曲部E131側に変位することで、第1伝達部材E5194は中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E5194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2伝達部材E5195の第2ラック部E195bは、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E5195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に形成されるラックギヤE194d1と歯合する第2ピニオンギヤE5196は、上面視反時計回りに回動される。
これにより、第2ピニオンギヤE5196と歯合する第3振分通路E5150の被係合部E5153は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ変位し、これにより、第3振分通路E5150は、第3位置から第4位置へ変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第4位置から第3位置への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
なお、振分通路E150、第3振分通路E5150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195の変位方向、ピニオンギヤE196及び第2ピニオンギヤE5196の回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E5194の変位により第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E5194、第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150の変位を連動させることがでる。これにより、一対の振分通路E150と第3振分通路E5150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、第2ピニオンギヤE5196には、鉛直方向に位置を違えて被係合部E5153と第1ラック部E5194dとが歯合される(本実施形態においては、鉛直方向上方(矢印U方向)に被係合部E5153が歯合され、鉛直方向下方(矢印D方向)に第1ラック部E5194dが歯合される)。これにより、第1伝達部材E5194と第3振分通路E5150との変位の方向を直交できる、即ち、第1伝達部材E5194がベース部材E5130の長手方向(矢印L-R方向)に変位すると共に、第3振分通路E5150をベース部材E5130の短手方向(矢印F-B方向)に変位できる。これにより、ピニオンギヤの配設個数を抑制でき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図282(a)を参照して、第72実施形態における下側フレームE6086bについて説明する。
上記第67実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第72実施形態では、第1斜面部E6133に対する振分通路E6150の配設角度が変化(変更)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図282(a)は、第72実施形態における下側フレームE6086bの部分拡大断面図である。なお、図282(a)は、図271(c)のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応する。また、下側フレームE6086bは、遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)における中心に対し線(面)対称(図260左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第72実施形態における下側フレームE6086bは、第67実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E6130及び振分通路E6150についてのみ説明する。
図282(a)に示すように、ベース部材E6130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E6133と、その一対の第1斜面部E6133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E6130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E6137と、を備える(図263参照)。
第1斜面部E6133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E6133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E6133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図270(b)、図271(b)参照)と、溝部E133cと、突出部E6133dとが形成される。
突出部E6133dは、長手方向(矢印L-R方向)におけるベース部材E6130の湾曲部E131側において第1斜面部E6133の上面から突出して形成される。
第1斜面部E6133には、振分通路E6150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E6201と、カバーE6202とが配設される。
円柱体E6201は、第67実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
カバーE6202は、円柱体E6201の外形が大きく形成された分、円柱体E6201に対応する位置に円柱体E6201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
長手方向(矢印L-R方向)における中央通路E160側に配設される一対の円柱体E6201は、第1斜面部E6133に配設されるのに対し、長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E131側に配設される一対の円柱体E6201は、突出部E6133dに配設される。これにより、第1斜面部E6133の傾斜角度に対し振分通路E6150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E6133に対し振分通路E6150の変位(往復動)を非平行とできる。
背面板E6137は、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第67実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E6150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E6150の下面から立設される一対の被ガイド部E6152と、その一対の被ガイド部E6152の間に立設される被係合部E6153と、を備える。
上述したように、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が、上方(矢印U方向)に配設されるため、第67実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E6152及び被係合部E6153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E6153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E6153aも被係合部E6153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E6152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E6150のベース部材E6130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図282(b)及び図282(c)を参照して、第73実施形態および第74実施形態における下側フレームE7086b,E8086bについて説明する。
上記第67実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第73実施形態および第74実施形態では、振分通路E7150,E8150の変位に伴い、振分通路E7150,E8150の配設角度が変化(変更)する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図282(b)は、第73実施形態における下側フレームE7086bの部分拡大断面図であり、図282(c)は、第74実施形態における下側フレームE8086bの部分拡大断面図である。なお、図282(b)及び図282(c)は、図271のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応する。また、下側フレームE7086b,E8086bは、遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)における中心に対し線(面)対称(図260左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第73実施形態および第74実施形態における下側フレームE7086b,E8086bは、第67実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E7130,E8130及び振分通路E7150,E8150についてのみ説明する。
図282(b)に示すように、第73実施形態におけるベース部材E7130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E7133と、その一対の第1斜面部E7133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E7130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E7137と、を備える(図263参照)。
第1斜面部E7133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E7133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E7133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図270(b)、図271(b)参照)と、溝部E133cとが形成される。
第1斜面部E7133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201a及び複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201bと、カバーE7202とが配設される。
円柱体E7201aは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の中央通路E160側に配設される。なお、円柱体E7201aは、第67実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
円柱体E7201bは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の湾曲部E131側に配設される。なお、円柱体E7201bの外形は、円柱体E7201aの外形よりも大きく形成される。これにより、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。また、第1斜面部E7133の傾斜角度に対し振分通路E7150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E7133に対し振分通路E7150の変位(往復動)を非平行とできる。
カバーE7202は、円柱体E7201a,7201bの外形が大きく形成された分、円柱体E7201a,7201bに対応する位置に円柱体E7201a,7201bの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
背面板E7137は、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第67実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E7150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E7150の下面から立設される一対の被ガイド部E7152と、その一対の被ガイド部E7152の間に立設される被係合部E7153と、湾曲部E131側における振分通路E7150の下面に形成される斜面部E7154と、を備える。
上述したように、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第67実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E7152及び被係合部E7153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E7153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E7153aも被係合部E7153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E7152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E7150のベース部材E7130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E7153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
斜面部E7154は、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて下降傾斜して形成され、その斜面部E7154に円柱体7201bが当接する。従って、振分通路E7150は、第1位置から第2位置へ向かうにつれてその傾斜角度を大きくされる。即ち、振分通路E7150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
図282(c)に示すように、第74実施形態におけるベース部材E8130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E8133と、その一対の第1斜面部E8133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E8130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E8137と、を備える(図263参照)。
第1斜面部E8133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E8133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E8133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図270(b)、図271(b)参照)と、溝部E133cと、湾曲ガイド部E8133dとが形成される。
第1斜面部E8133には、振分通路E8150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体7201aと、カバーE8202とが配設される。
カバーE8202は、円柱体E7201aの外形が大きく形成された分、円柱体E7201aに対応する位置に円柱体E7201aの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
湾曲ガイド部E8133dは、振分通路E8150の傾斜角度を変化(変更)させるための部位であり、第1斜面部E8133の湾曲部E131側において湾曲ガイド部E8133dの上面から突出して形成され、その上面は下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。
湾曲ガイド部E8133dの円弧状の湾曲面には、振分通路E8150の湾曲部E131側の端部が当接され、円柱体E7201aと共に振分通路E8150を支持(保持)する。振分通路E8150が第1位置から第2位置へ向かうにつれて変位することにより、湾曲部E131側の端部は、湾曲ガイド部E8133dの湾曲面に沿って上方側(矢印U方向側)に変位する。これにより、振分通路E8150の傾斜角度を大きくできる。即ち、振分通路E8150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
背面板E8137は、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第67実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E8150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E8150の下面から立設される一対の被ガイド部E8152と、その一対の被ガイド部E8152の間に立設される被係合部E8153と、を備える。
上述したように、第67実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第67実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E8152及び被係合部E8153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E8153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E8153aも被係合部E8153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E8152が第1斜面部E8133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E8150のベース部材E8130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E8153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図283を参照して、第75実施形態および第76実施形態における下側フレームE9086b,E10086bについて説明する。
上記第67実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第75実施形態および第76実施形態では、振分通路E150がベース部材E9130,E10130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に変位(往復動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図283(a)は、第75実施形態における下側フレームE9086bの部分上面図であり、図283(b)は、第76実施形態における下側フレームE10086bの部分上面図である。なお、図283では理解を容易とするため、振分通路E150の図示が省略される。また、下側フレームE9086b,E10086bは、遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)における中心に対し線(面)対称(図260左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第75実施形態および第76実施形態における下側フレームE9086b,E10086bは、第67実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E9130,E10130についてのみ説明する。
図283(a)に示すように、第75実施形態におけるベース部材E9130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E9133と、その一対の第1斜面部E9133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E9130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図263参照)。
第1斜面部E9133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E9133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E9133には、挿通孔E9133aと、規制部E133b(図270(b)、図271(b)参照)と、溝部E9133cとが形成される。
第1斜面部E9133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE9202とが配設される。
円柱体E201は、溝部E9133cに沿って(平行に)配設され、カバーE9202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E9133aに対応する位置に挿通孔E9133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
溝部E9133cは、挿通孔E9133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。
挿通孔E9133a及び一対の溝部E9133cは、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に延設される。詳細には、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて前方(矢印F方向)に傾斜して延設される。従って、振分通路E150(図265参照)は、溝部E9133cの延設方向に沿って(平行に)変位される。
即ち、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合、振分通路E150は中央通路E160側から湾曲部E131側へ変位すると共に、後方側(矢印B方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の前方側(矢印F方向側)に振分通路E150の突起部E151(図265参照)を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を後方側(矢印B方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し難くできる。
一方、振分通路E150が第2位置から第1位置へ変位する場合、振分通路E150は湾曲部E131側から中央通路E160へ変位すると共に、前方側(矢印F方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の後方側(矢印B方向側)に振分通路E150の突起部E151を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を前方側(矢印F方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し易くできる。
なお、係合凹部E153a(図270(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
このように、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合と第2位置から第1位置へ変位する場合とで、球の移動(流下、転動)し易い方向を変化(変更)できるため、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
図283(b)に示すように、第76実施形態におけるベース部材E10130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E10133と、その一対の第1斜面部E10133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E10130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図263参照)。
第1斜面部E10133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E10133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E10133には、挿通孔E10133aと、規制部E133b(図270(b)、図271(b)参照)と、溝部E10133cとが形成される。
第1斜面部E10133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE10202とが配設される。
カバーE10202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E10133aに対応する位置に挿通孔E10133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
挿通孔E10133aは、第67実施形態における挿通孔E133aに対し前後方向の幅(開口部)が大きく形成される。これにより、振分通路E150(図265参照)が長手方向(矢印L-R方向)に変位(往復動)すると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても、挿通孔E10133aと被係合部E153(図270(a)参照)とが当接することを抑制できる。
溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される。また、溝部E10133cは、挿通孔E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。これにより、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する場合において、振分通路E150を長手方向(矢印L-R方向)に変位させると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。その結果、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する過程において振分通路E150を前方側(矢印F方向側)へ変位させる態様と後方側(矢印B方向側))へ変位させる態様と作り出すことができ、球の移動(流下、転動)し易い方向の変化(変更)の回数を多くできる。
なお、係合凹部E153a(図270(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
次いで、図284(a)及び図273を参照して、第77実施形態における振分通路E11150について説明する。
上記第68実施形態では、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150が回動される場合を説明したが、第77実施形態では、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150が回動される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図284(a)は、第77実施形態における振分通路E11150の正面斜視図である。振分通路E11150は、第68実施形態における振分通路E2150の支持部E2150bの配設個数および配設位置が異なる以外は振分通路E2150と同一に形成されるため、振分通路E11150の支持部E11150b以外の説明は省略する。
図284(a)に示すように、振分通路E11150の支持部E11150bは、振分通路E11150の中央通路E160側における下面から中央通路E160側に向けて突出して形成される。支持部E11150bは、振分通路E11150の前後方向(矢印F-B方向)における略中央に配設される。
支持部E11150bには、支持部E2150bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が支持部E11150bの上面に垂直な方向に穿設される。
これにより、第77実施形態における下側フレームE11086bでは、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150を回動できる。詳細には、支持部E11150bに穿設された挿通孔の軸心を回動軸として振分通路E11150の湾曲部E131側を前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。これにより、振分通路E11150の転動面E2151を移動(流下、転動)する球に前後方向への速度成分を付与でき、球の移動(流下、転動)を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図284(b)から図284(e)を参照して、第78実施形態から第81実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150について説明する。なお、第78実施形態から第81実施形態においては適宜、図261を参照して説明する。
上記第67実施形態では、突起部E151が振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される場合を説明したが、第78実施形態から第81実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、その形状が様々な態様に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図284(b)は、第78実施形態における振分通路E12150の振分通路E12150に垂直な方向視の図であり、図284(c)は、第79実施形態における振分通路E13150の振分通路E13150に垂直な方向視の図であり、図284(d)は、第80実施形態における振分通路E12150の部分拡大断面図であり、図284(e)は、第81実施形態における振分通路E13150の部分拡大断面図である。なお、図284(d)及び図284(e)は、図271のCCLXXIIa-CCLXXIIa線における断面に対応する。また、突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の上面に規則的に配設されるため、その一部のみを図示する。
図284(b)に示すように、第78実施形態における振分通路E12150の突起部E12151は、振分通路E12150の上面から球状に突出して形成される。これにより、振分通路E12150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E12151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができ、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
なお、突起部E12151どうしの対向間距離は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、球は、振分通路E12150に留まることを抑制でき、振分通路E12150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向けて振分通路E12150の傾斜方向に沿って(平行に)移動(流下、転動)できる。その結果、球が振分通路E12150に留まることを抑制するために、振分通路E12150を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制でき、駆動手段E190を簡素化できる。
図284(c)に示すように、第79実施形態における振分通路E13150の突起部E13151は、振分通路E13150の上面から突出され、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成される。また、突起部E13151は、第67実施形態における突起部E151と同様、四角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E13150に平行な平面での断面積が、振分通路E13150の上面から離れるに従い小さく形成される。
これにより、第67実施形態における突起部E151に対し傾斜方向に沿って(平行に)形成される直線部を省略できるため、振分通路E13150の上面において傾斜方向への球の移動(流下、転動)を少なくできる。言い換えると、振分通路E13150の上面において傾斜方向に垂直な方向への球の移動(流下、転動)を多くできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかに案内されるまでに球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)回数を増やすことができ、遊技の興趣を向上できる。
図284(d)に示すように、第80実施形態における振分通路E14150の突起部E14151は、振分通路E14150の上面から円錐状に突出して形成される。これにより、振分通路E14150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E14151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができると共に、突起部E14151を乗り越えて球が移動(流下、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできると共に、突起部E14151による球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
図284(e)に示すように、第81実施形態における振分通路E15150の突起部E15151は、その側面が、突起部E15151の中心に向けて凹設される。これにより、振分通路E15150の上面を移動(流下、転動)する球が、突起部E15151を乗り越え易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図285(a)を参照して、第82実施形態における下側フレームE16086bについて説明する。
上記第70実施形態では、第2振分通路E4150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第82実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図285(a)は、第82実施形態における下側フレームE16086bの部分拡大上面図である。なお、図285(a)は、振分通路E150が第2位置に配置された状態が図示される。
第82実施形態おける下側フレームE16086bは、第70実施形態おける下側フレームE4086bに対し、第2振分通路E4150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第2振分通路E16150についてのみ説明する。
図285(a)に示すように、第2振分通路E16150は、正面視において振分通路E150に対し平行に配設される、即ち、第2振分通路E16150は、壁板E132から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される(図277(a)参照)。第2振分通路E16150は、第2振分通路E16150に垂直な方向視において略矩形の板状体に形成され、前後方向(矢印F-B方向)の長さは、振分通路E150の中央通路E160側における前後方向の長さと略同一に形成される。これにより、振分通路E150が第2位置に配置された状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第2振分通路E16150に送球(案内)できる。言い換えると、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。
第2振分通路E16150の外縁には、案内部E16154が立設され、案内部E16154には案内切欠き部E16154aが中央通路E160側に切欠き形成される。案内切欠き部E16154aは球の直径よりもやや大きく形成され、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160(架設通路E161)に対応する位置に形成される。これにより、第2振分通路E16150の案内切欠き部E16154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E16154により、第2振分通路E16150に送球(案内)された球が案内切欠き部E16154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第2振分通路E16150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150が第2位置に配置される、即ち、振分通路E150から第2振分通路E16150に送球(案内)可能な状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図260参照)。
一方、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過すること期待させることができる。
また、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、振分通路E150の端部から流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に振分通路E150が第2位置に配置された状態において球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図285(b)を参照して、第83実施形態における下側フレームE17086bについて説明する。
上記第71実施形態では、第3振分通路E5150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第83実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図285(b)は、第83実施形態における下側フレームE17086bの部分拡大上面図である。なお、図285(b)は、振分通路E150が第1位置に配置された状態が図示される。
第83実施形態おける下側フレームE17086bは、第71実施形態おける下側フレームE5086bに対し、第3振分通路E5150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第3振分通路E17150についてのみ説明する。
図285(b)に示すように、第3振分通路E17150は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。また、第3振分通路E17150は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して配設される。
第3振分通路E17150の外縁には、案内部E17154が立設され、案内部E17154には案内切欠き部E17154aが介設部材E140側(矢印F方向側)に切欠き形成される。案内切欠き部E17154aは球の直径よりもやや大きく形成され、左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E160の上方孔E162に対応する位置に形成される。これにより、案内切欠き部E17154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を上方孔E162(第4通路ERt4)、もしくは、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E17154により、第3振分通路E17150に送球(案内)された球が案内切欠き部E17154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に上方孔E162(第4通路ERt4)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第3振分通路E17150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過し、且つ、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)された球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図260参照)。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から上方孔E162(第4通路ERt4)に送球(案内)でき、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から中央通路E135b(第7通路ERt7)に送球(案内)できる。即ち、振分通路E150が第1位置および第2位置のどちらに配置された状態においても、球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
一方、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過したものの、中央通路E160(第4通路ERt4)および第3振分通路E17150に送球(案内)されなかった球、即ち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球(案内)された球は、第1入賞口64へ入賞し難く(第1入賞口64へ入賞する確率を低く)される。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することに加え、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)されることを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図286から図303を参照して、第84実施形態におけるセンターフレームF86について説明する。
図286は、第84実施形態における遊技盤F13の正面図である。図286に示すように、センターフレームF86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームF86aと下側フレームF86bとを備える。
上側フレームF86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図286上側)及び左右(図286左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームF86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図286下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームF86a及び下側フレームF86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81(図144参照)が視認可能とされる。
なお、上側フレームF86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図286下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームF86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる(図144参照)。
次いで、図286に加え、図287から図288を参照して下側フレームF86bについて説明する。図287は、下側フレームF86bの正面斜視図であり、図288は、下側フレームF86bの背面斜視図である。なお、図287から図288では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームF86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。また、図287から図303についても同様である。
図286から図288に示すように、下側フレームF86bには、球が移動(流下、転動)可能に形成される第1通路FRt1と、その第1通路FRt1を案内された球が移動(流下、転動)される第2通路FRt2及び一対の第3通路FRt3と、第2通路FRt2若しくは一対の第3通路FRt3の一端側を案内された球が移動(流下、転動)される第4通路FRt4と、一対の第3通路FRt3の他端側もしくは第4通路FRt4を案内された球が移動(流下、転動)される第5通路FRt5と、第5通路FRt5を案内された球が流下される第6通路FRt6と、第1入賞口64を案内された球が移動(流下、転動)される第7通路FRt7と、第5通路FRt5を案内された球が第6通路FRt6へ案内(流入、送球)される開口として形成される流入口FOPf1(図289参照)と、第6通路FRt6を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout1と、第7通路FRt7を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout2とが形成される。
なお、一対の第3通路FRt3は、遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)における中心に対し線(面)対称(図286左右対称)に配設される。
上側フレームF86aには、上側フレーム通路FRt0が配設される(図286参照)。上側フレーム通路FRt0は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路FRt0の下流端に第1通路FRt1の上流端が連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路FRt0に流入(入球)した球は、第1通路FRt1の上流端を介して、上側フレーム通路FRt0から下側フレームF86bの第1通路FRt1へ流入(入球)される。なお、遊技領域から上側フレーム通路FRt0に流入(入球)した球は、上側フレーム通路FRt0から下側フレームF86bの第1通路FRt1若しくは第5通路FRt5へ流入(入球)されても良い。
ここで、第6通路FRt6の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout1は、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路FRt5の流入口FOPf1(図289参照)を通過して第5通路FRt5から第6通路FRt6へ振り分けられた(案内された)球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
なお、第5通路FRt5には、第1入賞口64に対して遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F112bが形成(配置)される。そのため、第5通路FRt5の流出面F112bへ案内(送球、流下)される球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf1を通過して第5通路FRt5から第6通路FRt6へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
また、第5通路FRt5には、起伏F112aが形成され、起伏F112aの底部に流出面F112bが形成される。また、起伏F112aの頂部は、流入口FOPf1(図289参照)へ向けて下降傾斜される。従って、第5通路FRt5のうち、起伏F112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられ、第5通路FRt5の延設方向(図286左右方向)に沿って移動(流下、転動)される球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)されるよりも流出面F112bから遊技領域へ流出され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
一方、起伏F112aの頂部の上方から起伏F112aの頂部へ振り分けられた球は、流入口FOPf1(図289参照)へ向けての下降傾斜に沿って第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
第1通路FRt1には、その第1通路FRt1を案内される球を第2通路FRt2、第3通路FRt3へ案内するために正面側(図286紙面手前側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第1流出面F114a、第2流出面F114bがそれぞれ形成(配置)される。第2流出面F114bは、第1流出面F114aに対して遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。
なお、第1通路FRt1には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面F114bが形成され、起伏の頂部に第1流出面F114aが形成される。従って、第1通路FRt1へ振り分けられた球は、第1流出面F114aから第2通路FRt2へ送球されるよりも第2流出面F114bから第3通路FRt3へ流出され易い。
第2通路FRt2には、その第2通路FRt2を案内される球を第4通路FRt4へ案内するために第2通路貫通孔F171b(図293参照)が形成(配置)される。第2通路貫通孔F171bは、上面視において、第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aに重なる位置に配置される。これにより、第2通路FRt2にへ振り分けられた球は、第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aを通過し易い。
第4通路FRt4には、その第4通路FRt4を案内される球を第5通路FRt5へ案内するために第1振り分け孔F161a及び複数(本実施形態においては2箇所)の第2振り分け孔F161bがそれぞれ形成(配置)される。
第1振り分け孔F161aは、第5通路FRt5の起伏F112aの頂部の上方に形成(配置)され、複数の第2振り分け孔F161bは、遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)において、第5通路FRt5の起伏F112aの頂部と底部(流出面F112b)との間にそれぞれ配置される。
従って、第1振り分け孔F161aを通過した球は、第5通路FRt5において、流入口FOPf1(図289参照)へ向けての起伏F112aの下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易く(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させやすく)できる。従って、第2通路FRt2に振り分けられた球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い。
一方、複数の第2振り分け孔F161bを通過した球は、第5通路FRt5において、その第5通路FRt5の延設方向(図286左右方向)に沿って起伏F112aの頂部から底部(流出面F112b)へ向けて移動(流下、転動)し、流出面F112bから遊技領域へ流出され易い(本実施形態では、第1入賞口64に球を入賞させ難い)。
第3通路FRt3には、その第3通路FRt3を案内される球を第4通路FRt4或いは第5通路FRt5へ振り分ける(案内する)ために第3通路流出面F131a、第3通路貫通孔F131dがそれぞれ形成(配置)される。
第3通路流出面F131aは、第3通路FRt3の延設方向において第4通路FRt4側に形成され、第3通路貫通孔F131dは、第4通路FRt4(第3通路流出面F131a)とは反対側に形成される。また、第3通路貫通孔F131dは、第5通路FRt5の起伏F112aの頂部および底部に対して遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)に位置を異ならせて形成される。従って、第3通路貫通孔F131dを通過して第5通路FRt5へ振り分けられた球は、第5通路FRt5の延設方向(図286左右方向)に沿って移動(流下、転動)する。
また、第3通路FRt3には起伏が形成され、起伏の頂部は、第1通路FRt1の第2流出面F114bの鉛直方向(図286上下方向)における位置が最も低い位置よりも第4通路FRt4側に配置される。従って、第3通路FRt3へ振り分けられた(案内された)球は、第3通路流出面F131aから第4通路FRt4へ振り分けられる(案内される)よりも第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5へ振り分けられ(案内され)易い。
第7通路FRt7には、球の重さにより変位(回転)する可動通路F193が配設される(図300参照)。可動通路F193の変位(回転)に連動して演出手段F120が動作することで、球が第7通路FRt7に案内された(球が第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くできる。
下側フレームF86bには、球の重さにより変位(回転)する変位部材F130及びその変位部材F130の動作に連動する確定通路F140が配設される。なお、確定通路F140の一対の遮断部F143aは、正面視において、流入口FOPf1の縁よりも内側に配置され(図297参照)、第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf1を通過し難い(第6通路FRt6へ振り分けられ難い)。言い換えると、一対の遮断部F143aは、第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球が流入口FOPf1を通過することを妨げ易い位置に配設される。
なお、変位部材F130は、第3通路FRt3に案内された球が第3通路貫通孔F131dへ向けて移動(流下、転動)することで動作する。確定通路F140は、変位部材F130の動作に連動することで変位し、動作後においては、正面視、一対の遮断部F143aは、流入口FOPf1の縁よりも外側へ変位される(図298参照)。
なお、本実施形態では、確定通路F140の遮断部F143aが流入口FOPf1の縁よりも内側に配置されることを確定通路F140が流入口FOPf1を閉塞させる、遮断部F143aが流入口FOPf1の縁よりも外側へ変位されることを確定通路F140が流入口FOPf1を開放させる、とそれぞれ定義する。
従って、第3通路FRt3に振り分けられた球が第3通路貫通孔F131dへ向けて移動(流下、転動)することで確定通路F140が流入口FOPf1を開放させた状態では(図298参照)、一対の遮断部F143aの対向間の距離が大きくされる方向へ一対の遮断部F143aが変位される。これにより、第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf1を通過して第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
なお、確定通路F140が流入口FOPf1を閉塞させた状態では(図297参照)、第3通路FRt3の第3通路流出面F131aから第4通路FRt4へ案内(送球、流下)された球が第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aを通過する確率は、第3通路FRt3の第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5へ案内(送球、流下)された球が第5通路FRt5の流入口FOPf1を通過する確率よりも高く設定される。従って、第3通路FRt3へ振り分けられた球は、第3通路貫通孔F131dよりも第3通路流出面F131aへ向けて移動(流下、転動)する方が流入口FOPf1を通過して第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
このように、本実施形態における下側フレームF86bは、第1通路FRt1をその延設方向に沿って移動(流下、転動)する球が第2通路FRt2に振り分けられる(案内される)ことで、第1入賞口64に入賞し易く(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させ易く)できる。
また、確定通路F140が流入口FOPf1を閉塞させた状態において(図297参照)、第1通路FRt1をその延設方向に沿って移動(流下、転動)する球が第3通路FRt3に振り分けられ(案内され)、次いで、第3通路流出面F131aから第4通路FRt4に振り分けられる(案内される)ことで、第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5に振り分けられる(案内される)場合よりも第1入賞口64に入賞し易くできる。
また、第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5に振り分けられ(案内され)、第5通路FRt5の延設方向に沿って球が移動(流下、転動)している状態において、その第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球の後続となる球が第3通路FRt3を第3通路貫通孔F131dへ向けて移動(流下、転動)する(変位部材F130を動作させ、確定通路F140が流入口FOPf1を開放させる)ことで、第5通路FRt5を移動する(第3通路FRt3を第3通路貫通孔F131dへ向けて移動する球の先行となる)球を第6通路FRt6へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64に入賞し易くできる)。
よって、第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aを非通過の球(第1入賞口64へ入賞する確率が低い球)であっても、変位部材F130を変位(回転)させる(確定通路F140が流入口FOPf1を開放させる)ことで球を第6通路FRt6へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率が高められる)。これにより、第5通路FRt5の延設方向に沿って球が移動(流下、転動)している状態において、変位部材F130を移動(流下、転動)する球の有無を遊技者に意識させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図287から図288に加え、図289から図296を参照して、下側フレームF86bの詳細構成について説明する。
図289は、下側フレームF86bの分解正面斜視図であり、図290は、下側フレームF86bの分解背面斜視図である。図291(a)は、確定通路F140の分解正面斜視図であり、図291(b)は、駆動手段F180の分解正面斜視図であり、図292(a)は、確定通路F140の分解背面斜視図であり、図292(b)は、駆動手段F180の分解背面斜視図である。図293は、下側フレームF86bの上面図であり、図294は、下側フレームF86bの正面図であり、図295は、下側フレームF86bの背面図である。図296(a)は、図294の矢印CCXCVIa方向視における下側フレームF86bの側面図であり、図296(b)は、図294の矢印CCXCVIb方向視における下側フレームF86bの側面図であり、図296(c)は、図294のCCXCVIc-CCXCVIc線における下側フレームF86bの断面図である。
図287から図296に示すように、下側フレームF86bは、通路部材F110と、その通路部材F110の正面板F111の背面側(矢印B方向側)に配設される演出手段F120と、その演出手段F120に変位(回転)可能に係合(支持)され、通路部材F110の立て壁部F113の正面側(矢印F方向側)に配設される一対の変位部材F130と、演出手段F120の背面側に配設される確定通路F140と、その確定通路F140の背面側に配設される背面部材F150と、その背面部材F150に固定され、通路部材F110の立て壁部F113の正面側に配設される振分通路F160と、その振分通路F160に固定され、通路部材F110の立て壁部F113の正面側に配設される第2通路部材F170と、背面部材F150の背面側に配設される駆動手段F180と、を備える。
通路部材F110及び演出手段F120には流出口FOPout1及び下方孔F121aがそれぞれ形成され、それら流出口FOPout1及び下方孔F121aに確定通路F140の通路部F141bが挿通される。また、通路部材F110及び演出手段F120には第1切欠き部F113b及び上方孔F121bがそれぞれ形成され、第1切欠き部F113b及び上方孔F121bに振分通路F160の固定部F162が挿通される。
変位部材F130は、演出手段F120に変位(回転)可能に係合(支持)される。変位部材F130には、確定通路F140の連結部材F145が回転不能に係合(固着)されており、変位部材F130が変位(回転)することで連結部材F145が変位(回転)する。これにより、確定通路F140の開閉部材F143(遮断部F143a)が流入口FOPf1を開放させる。
また、駆動手段F180には、演出手段F120の可動部材F122が係合されており、駆動手段F180が駆動することで可動部材F122が上下方向(矢印U-D方向)に往復動する。
また、通路部材F110には背面部材F150がタッピングネジにより締結固定される。演出手段F120、確定通路F140、振分通路F160及び駆動手段F180は、タッピングネジにより背面部材F150にそれぞれ締結固定され、第2通路部材F170は、タッピングネジにより振分通路F160に締結固定される。これらにより、下側フレームF86bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図287、図288参照)。
また、通路部材F110の下方側(矢印D方向側)であって、演出手段F120の正面側(矢印F方向側)には、第7通路F190がタッピングネジによりベース板60に締結固定される。
下側フレームF86bは、通路部材F110、背面部材F150、振分通路F160及び第2通路部材F170が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、演出手段F120、変位部材F130、確定通路F140及び駆動手段F180が有色の樹脂材料から構成される。また、第7通路F190は、光透過性の樹脂材料から構成される。
なお、変位部材F130の正面側(矢印F方向側)に配設される壁部F132の上端は、変位部材F130を移動(流下、転動)する球の上端よりも低く形成される。よって、第1通路FRt1から第7通路FRt7を移動する球を遊技者に視認させると共に、変位部材F130、演出手段F120及び確定通路F140の動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、演出手段F120、変位部材F130及び確定通路F140は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームF86bは、駆動手段F180の正面側(矢印F方向側)に配設される演出手段F120が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、駆動手段F180が遊技者に視認不能とされる。なお、駆動手段F180は、演出手段F120が光透過性の樹脂材料から構成されることで、駆動手段F180が遊技者に視認可能となるように構成されても良い。
通路部材F110は、第1通路FRt1及び第5通路FRt5を形成するためのものであり、正面を形成する板状の正面板F111と、その正面板F111の背面から突設される下側通路F112と、その下側通路F112の背面側(矢印B方向側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に延設される立て壁部F113と、その立て壁部F113の背面から突設される上側通路F114と、下側通路F112及び上側通路F114の左右方向両端側の端部から鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される一対の留め部F115と、を備える。
背面部材F150、立て壁部F113及び上側通路F114により区画された空間により第1通路FRt1が形成され、正面板F111、下側通路F112及び立て壁部F113により区画された空間により第5通路FRt5が形成される。
正面板F111は、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球が遊技領域へ流出されることを抑制するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される中央部と、その中央部の左右方向両端側から外側へ向けて鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜される傾斜部とから形成される。正面板F111の傾斜部の上端は、下側通路F112の上面よりも鉛直方向上方に形成される。これにより、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球は、正面板F111の傾斜部の背面に当接可能となり、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球の遊技領域への流出が抑制される。
正面板F111には、その正面板F111の外縁に沿って複数の挿通孔F111aが板厚方向に穿設される。下側フレームF86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔F111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板F111の中央部には、第1入賞口64(図286参照)の鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置に流出口FOPout1が開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口FOPout1は、正面視略矩形状であり、球の外形よりもやや大きく形成される。上述したように、流出口FOPout1は、第6通路FRt6を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口である。
正面板F111には、流出口FOPout1の鉛直方向上方(矢印U方向)に張出し部F111bが鉛直方向上方へ向けて突設される。また、正面視における形状が下側通路F112の流出面F112bの形状と略同一となる切欠き部F111cが流出面F112bの正面側(矢印F方向側)に形成される。張出し部F111bにより、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球の遊技領域への流出が抑制され、切欠き部F111cを通過することで、第5通路FRt5へ振り分けられた球が遊技領域へ流出(流下)される。
下側通路F112は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、立て壁部F113側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、下側通路F112は、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、下側通路F112へ案内(送球、流下)された球を立て壁部F113に当接させつつ左右方向に沿って揺動(移動、転動)させることができる。
なお、下側通路F112には、流入口FOPf1の正面側(矢印F方向側)となる位置に起伏F112aが形成され、起伏F112aの底部、言い換えると、左右方向(矢印L-R方向)へ向かうにつれて下降傾斜して形成される面と起伏F112aとの境界には、一対の流出面F112bが凹面として形成(配置)される。起伏F112aは、起伏F112aの頂部から左右方向へ向けて下降傾斜されると共に、背面側(矢印B方向側、流入口FOPf1側)へ向けて下降傾斜して形成される。一方、流出面F112bは、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される。
従って、起伏F112aの頂部の上方(矢印U方向)から起伏F112aへ案内(送球、流下)された球は、起伏F112aの頂部を背面側(矢印B方向側、流入口FOPf1側)へ向けて移動(流下、転動)し、流入口FOPf1を通過して(流入口FOPf1へ流入して)第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い。一方、起伏F112aの頂部とは異なる位置へ案内(送球、流下)された球は、流出面F112bへ向けて移動(流下、転動)し、流出面F112bから遊技領域へ流出され易い。
立て壁部F113は、下側通路F112と上側通路F114とを連結するための部位である。立て壁部F113には、下側通路F112の起伏F112aの背面側(矢印B方向側)となる位置に膨出部F113aが形成され、その膨出部F113aには、流入口FOPf1が開口形成(板厚方向に穿設)される。
膨出部F113aは、正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成される。これにより、立て壁部F113に当接しつつ下側通路F112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球が起伏F112aを通過する際、その起伏F112aを通過する球へ正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分を付与できる。その結果、起伏F112aを通過する球を第6通路FRt6へ案内(送球、流下)させ難くできる(流入口FOPf1へ流入させ難くできる)。
流入口FOPf1の左右方向(矢印L-R方向)における寸法は、球の外形よりも大きく形成され、詳細には、球の外形の略3倍の大きさに形成される。なお、正面視において流入口FOPf1の縁により囲まれた領域のうち、左右方向略中央を除いた領域には確定通路F140の一対の開閉部材F143(遮断部F143a)が配設される。これにより、下側通路F112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され難い。
なお、一対の開閉部材F143の対向間は球の外形よりもやや大きく形成され、一対の開閉部材F143の対向間を通過した(開閉部材F143の対向間へ流入した)球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)される。
流入口FOPf1の上方側(矢印U方向側)における内周面には、上方へ向けて切り欠かれる第1切欠き部F113bが形成され、その第1切欠き部F113bの上方側における内周面には、上方へ向けて切り欠かれる第2切欠き部F113cが形成される。また、流入口FOPf1の左右方向両端側における立て壁部F113には、一対の挿通孔F113dが板厚方向に開口形成(板厚方向に穿設)される。
第1切欠き部F113bは、振分通路F160の固定部F162が挿通される切欠きであり、第2切欠き部F113cは、第2通路部材F170の固定部F172が挿通される切欠きである。また、一対の挿通孔F113dは、変位部材F130の軸F133が挿通される孔である。
立て壁部F113の上端は、上側通路F114の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に形成される。これにより、上側通路F114の上面を移動(流下、転動)する球を立て壁部F113の背面に当接させることができ、上側通路F114の上面を移動(流下、転動)する球が下側通路F112(第5通路FRt5)へ流出(流下)されることを抑制できる。
また、立て壁部F113には、正面視における形状が上側通路F114の第1流出面F114a及び第2流出面F114bの形状と略同一となる第3切欠き部F113e及び第4切欠き部F113fが第1流出面F114a及び第2流出面F114bの正面側(矢印F方向側)にそれぞれ形成される。
第3切欠き部F113eを通過することで、第1通路FRt1を案内された球が第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内(送球、流出)され、第4切欠き部F113fを通過することで、第1通路FRt1を案内された球が変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)される。
上側通路F114は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。
なお、上側通路F114(第1通路FRt1)の左右方向(矢印L-R方向)における略中央には起伏が形成され、起伏の頂部から左右方向へ向かうにつれて下降傾斜される。また、起伏の頂部には第2通路部材F170側(正面側、矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第1流出面F114aが形成(配置)され、起伏の底部、言い換えると、左右方向に下降傾斜して形成される面と起伏面との境界には、変位部材F130側(正面側、矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として一対の第2流出面F114bが形成(配置)される。
従って、上側通路F114(第1通路FRt1)へ振り分けられた(案内された)球は、第1流出面F114aから第3切欠き部F113eを通過して第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内されるよりも第2流出面F114bから第4切欠き部F113fを通過して変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)され易い。
また、上側通路F114は、背面部材F150側(矢印B方向側)に向けて下降傾斜して形成される。これにより、上側通路F114(第1通路FRt1)の左右方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(流下、転動)する球は、第1流出面F114a又は第2流出面F114bを通過し易く、第2通路部材F170(第2通路FRt2)若しくは変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)されることに要する時間を嵩ませることができる。その結果、第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ振り分けられる(案内される)ことを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
留め部F115には、複数(本実施形態においては2箇所)の挿通孔F115aが板厚方向に穿設され、その挿通孔F115aに挿通したタッピングネジが背面部材F150に締結されることで、通路部材F110に背面部材F150が固定(配設)される。
演出手段F120は、球が第7通路FRt7に案内された(第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くするためのものであり、固定部材F121と、その固定部材F121の下方(矢印D方向)であり、且つ、背面側(矢印B方向側)に配設される可動部材F122と、固定部材F121及び可動部材F122の背面側(矢印B方向側)に配設される着色部材F123と、を備える。
固定部材F121は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される本体部と、その本体部の左右方向両端側から下方(矢印D方向)へ向けて突出される突出部とから形成される。可動部材F122は、左右方向に延設される本体部と、その本体部の左右方向両端側から上方(矢印U方向)へ向けて突出される突出部とから形成される。固定部材F121の本体部および突出部と可動部材F122の本体部および突出部とにより囲まれた空間に開口部が形成される。
詳細は後述するが、可動部材F122は上下方向(矢印U-D方向)に往復動可能に配設される。これにより、固定部材F121及び可動部材F122により形成される開口部の大きさが変化可能に形成される。なお、可動部材F122は、固定部材F121の背面側(矢印B方向側)に配設されることで、固定部材F121と可動部材F122との当接が抑制される。
固定部材F121には、左右方向(矢印L-R方向)略中央に配設される下方孔F121aと、その下方孔F121aの上方側(矢印U方向側)に配設される上方孔F121bと、その上方孔F121bの左右方向両端側に配設される一対の挿通孔F121cとが開口形成(板厚方向に穿設)される。また、固定部材F121の背面には、一対の挿通孔F121cの左右方向中央側となる位置に一対の規制片F121d(図297参照)が形成される。
下方孔F121a及び上方孔F121bは、通路部材F110の流入口FOPf1及び第1切欠き部F113bの背面側(矢印B方向側)にそれぞれ形成される。下方孔F121aを介して確定通路F140の開閉部材F143が固定部材F121の正面側(矢印F方向側)に配設される。また、上方孔F121bを介して振分通路F160の第4通路部F161が通路部材F110の立て壁部F113の正面側に配設される。
一対の挿通孔F121cは、変位部材F130の軸F133を挿通させるための孔であり、通路部材F110の第2流出面F114bの下方(矢印D方向)に穿設される。挿通孔F121cの正面側(矢印F方向側)および背面側(矢印B方向側)における端部にはブッシュ(図示せず)がそれぞれ配設される。それらブッシュを介して軸F133が固定部材F121に回転可能に係合(軸支)される。
一対の規制片F121dは、確定通路F140(連結部材F145)の変位(回転)を規制するための部位であり、連結部材F145の錘支持部F145cに当接可能に形成される(図297参照)。
可動部材F122は、球の外形よりも大きく形成され、詳細には、可動部材F122の左右方向(矢印L-R方向)における寸法が球の外形の略20倍の大きさに形成される。これにより、球と比較して、可動部材F122の動作(変位)を遊技者に視認させ易くできる。
可動部材F122は、駆動手段F180に係合されており、駆動手段F180が駆動することで可動部材F122は上下方向(矢印U-D方向)に往復動される。なお、駆動手段F180は、球が第7通路FRt7に案内されたことを契機として駆動する。よって、可動部材F122が上下方向に往復動することで、球が第7通路FRt7に案内された(球が第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くできる。
着色部材F123は、駆動手段F180を遊技者に視認不能とさせるためのものであり、着色された板状体から形成される。着色部材F123の下端は、最も下方(矢印D方向)に位置した状態における可動部材F122の本体部の上端よりも下方に形成される。
また、着色部材F123は、可動部材F122とは異なる色に着色される。これにより、可動部材F122の上下方向(矢印U-D方向)における往復動を遊技者に視認させ易くでき、下側フレームF86bに振り分けられた(案内された)球が第7通路FRt7に案内された(球が第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くできる。
変位部材F130は、確定通路F140の開閉部材F143を動作(変位、回転)させるためのものであり、通路部F131と、その通路部F131の正面端に配設される壁部F132と、を備える。通路部F131、壁部F132及び通路部材F110の立て壁部F113により区画された空間により第3通路FRt3が形成される。また、変位部材F130には、軸F133が前後方向(矢印F-B方向)に沿った姿勢で配設(固着)される。
通路部F131は、上側通路F114の第2流出面F114bから案内(送球、流下)された球を振分通路F160(第4通路FRt4)もしくは通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分ける(案内させる)ための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される板状体から形成される。
通路部F131には左右方向(矢印L-R方向)へ向かうにつれて下降傾斜される起伏が形成され、起伏の頂部よりも振分通路F160側(左右方向中央側)が上述した第3通路流出面F131aとして形成される。起伏の頂部よりも振分通路F160側(第3通路流出面F131aとは反対側、左右方向両端側)には転動面F131bが形成され、第3通路流出面F131aと転動面F131bとの境界が起伏の頂部として形成される。また、通路部F131には転動面F131bの先端となる位置に下方側(矢印D方向側)に凹設される凹部F131cが形成される。
通路部F131の延設方向(矢印L-R方向)において、第3通路流出面F131aに対向する位置(第3通路流出面F131aの端部よりも左右方向中央側となる位置)には、振分通路F160における背面側(矢印B方向側)が配置される。これにより、第3通路流出面F131aから振り分けられた(案内された)球を振分通路F160の中央とは異なる位置(偏心した位置)へ案内(送球、流下)できる。
通路部F131の前後方向(矢印F-B方向)における幅寸法は、球の直径よりも大きく形成され、転動面F131bは、起伏の頂部から凹部F131cへ向かうにつれて前後方向における幅寸法が徐々に大きく形成される。
第3通路流出面F131a及び転動面F131bは、通路部F131の延設方向(左右方向)において、起伏の頂部とは反対側へ向かうにつれて下降傾斜してそれぞれ形成される。また、転動面F131bは、壁部F132側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。これらにより、転動面F131bへ振り分けられた(案内された)球を壁部F132へ当接させつつ転動面F131bを移動(流下、転動)させることができる。
凹部F131cは、円筒状に形成され、その凹部F131cの底面F131c1には上述した第3通路貫通孔F131dが形成(穿設)される。言い換えると、底面F131c1は、第3通路貫通孔F131dの周囲に沿って連続して形成される。第3通路貫通孔F131dは、球の直径よりもやや大きな直径を有する円状に形成され、その第3通路貫通孔F131dの中心は、凹部F131cの中心軸上に配置される。
凹部F131cの内径は、球の直径の略1.5倍の大きさに形成され、凹部F131cの内周面と第3通路貫通孔F131dの内周面との間の距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、凹部F131cへ案内(送球、流下)された球の重心を第3通路貫通孔F131dの内周面よりも中心側へ位置させることができ、球の重量を利用して凹部F131cへ案内(送球、流下)された球を、第3通路貫通孔F131dへ向けて変位させることができる。
また、凹部F131cの凹設深さは、球の直径よりも小さく形成される。これにより、凹部F131cに案内(送球、流下)された球を遊技者に視認させることができる。また、凹部F131cの底面F131c1は、平坦面に形成される。言い換えると、底面F131c1の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さが第3通路貫通孔F131dの周囲に沿って連続して同一に設定される。
上述したように、転動面F131bが壁部F132側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、転動面F131bを移動(流下、転動)する球を壁部F132に当接させつつ凹部F131cへ案内(送球、流下)できる。言い換えると、凹部F131c(第3通路貫通孔F131d)の中心軸に対し、偏心した位置(中心軸とは異なる位置)へ向けて球を移動(流下、転動)させることができる。
これにより、球に作用する遠心力を利用して凹部F131cへ案内(送球、流下)された球を凹部F131cの内周面(第3通路貫通孔F131dの周囲)に沿って移動(流下、転動)させることができる。また、凹部F131cの内周面(第3通路貫通孔F131dの周囲)に当接した状態で球が移動(流下、転動)することで球の速度を低下させることができる。その結果、第3通路貫通孔F131dへ流入して凹部F131cから球が案内(送球、流下)されることを遅延させることができる(球が第3通路貫通孔F131dへ流入することに要する時間を嵩ませることができる)。
また、通路部F131には、起伏の頂部よりもやや左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に下方側(矢印D方向側)に突出する連結部が形成され、その連結部には断面D字状の穴として形成される嵌合穴F131eが連結部の背面から正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。嵌合穴F131eは、軸F133を回転不能に嵌合(固着)させるための孔である。
壁部F132は、通路部F131の第3通路流出面F131a若しくは転動面F131bを移動(流下、転動)が通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位である。
壁部F132は、有色の樹脂材料から構成されており、通路部F131の起伏を遊技者に視認不能とできる。これにより、通路部F131(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)された球が第3通路流出面F131a若しくは転動面F131bへ案内(送球、流下)されるかを遊技者に判別させ難くでき、遊技の興趣を高めることができる。
一方、壁部F132の上端と通路部F131の上面との間の距離は球の直径よりも小さく形成される。これにより、通路部F131(第3通路FRt3)を移動(流下、転動)する球を遊技者に視認可能とできる。
軸F133は、金属材料から棒状に形成され、その軸F133の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢でブッシュ(図示せず)を介して固定部材F121に回転可能に係合される。
軸F133の前端側及び後端側は、嵌合穴F131eの断面形状および確定通路F140の連結本体部F145aに穿設される挿通孔F145a1の断面形状に一致した外形にそれぞれ形成される。嵌合穴F131eに軸F133の前端側が嵌合(固着)されることで通路部F131に軸F133が回転不能に配設(軸支)され、挿通孔F145a1に軸F133の後端側が嵌合されることで連結本体部F145aに軸F133が回転不能に配設(軸支)される。軸F133を介することで、変位部材F130と確定通路F140とが一体化(1のユニットとして形成)される。
確定通路F140は、通路部材F110の流入口FOPf1を通過した(流入口FOPf1へ流入した)球を第1入賞口64へ案内(送球、流下)するためのものであり、第6通路部材F141と、その第6通路部材F141に配設される軸F142と、その軸F142に回転可能に係合される開閉部材F143と、その開閉部材F143に係合するとともに左右方向(矢印L-R方向)に変位するスライド部材F144と、そのスライド部材F144と変位部材F130の軸F133とを連結する連結部材F145と、その連結部材F145に配設される錘F146と、を備える。
第6通路部材F141は、取付け部F141aと、その取付け部F141aの正面から突設される通路部F141b及び一対の球受け部F141cと、取付け部F141aの背面から突設される軸受け部F141dと、その軸受け部F141dの左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される複数(本実施形態においては4個)の締結部F141eと、を備える。
取付け部F141aは、正面視、横長略矩形の板状体から形成される。第6通路部材F141へ案内(送球、流下)された球が取付け部F141aに当接することにより、球が背面側(矢印B方向側)へ変位することが規制される。
通路部F141bは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される底面部F141b1と、その底面部F141b1の左右方向両端側から上方(矢印U方向)へ向けて突設される一対の壁部F141b2と、を備え、正面視において略U字状に形成される。一対の壁部F141b2の対向面間の距離は球の外形よりもやや大きく形成され、底面部F141b1及び一対の壁部F141b2により区画された空間により第6通路FRt6が形成される。
通路部F141bは、通路部材F110の流出口FOPout1の背面側(矢印B方向側)に配設され、流出口FOPout1を通過させることで、通路部F141b(第6通路FRt6)を移動(流下、落下)する球が遊技領域へ流出(第1入賞口64へ案内)される。
底面部F141b1の上面には、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて一対の突部F141b3が突設される。突部F141b3は、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設されると共に、突部F141b3の上面は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、一対の突部F141b3の対向面間の距離は、球の直径よりも小さくされると共に、突部F141b3の正面端における突設長さ(矢印U-D方向の寸法)は、底面部F141b1の上面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、底面部F141b1上の球を2箇所(突部F141b3の上端部における対向面側の一対の稜線部分)で位置決めすることができる。よって、一対の突部F141b3が非形成の場合と比較して、通路部F141bの左右方向(矢印L-R方向)における球の移動(流下、転動)位置を一定とし易くできる。よって、通路部材F110の流出口FOPout1を通過した球を第1入賞口64へ入賞(案内)させ易くできる。
球受け部F141cは、流入口FOPf1を通過した球を通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)するための部位である。球受け部F141cは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される板状体から形成され、左右方向両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。
球受け部F141cの下面は、通路部F141bの壁部F141b2の上端に当接して配設される。これにより、壁部F141b2に第6通路FRt6を形成する機能と球受け部F141cを支持(補強)する機能とを兼用させることができ、球受け部F141cの破損を抑制し易くできる。
軸受け部F141dは、軸F142を支持するための部位であり、その軸受け部F141dの上面には、下方(矢印D方向)へ向けて凹部が凹設される。その凹部に軸F142の下端側が配設(係合)されることで、軸F142が軸受け部F141dに支持される。
締結部F141eは、確定通路F140と背面部材F150とを締結固定するためのタッピングネジが螺合される部位である。締結部F141eが取付け部F141aの背面から突設されることにより、取付け部F141aと背面部材F150との間に所定の空間を形成することができる。その空間を利用して軸F142や一対のスライド部材F144が配設される。
軸F142は、開閉部材F143を変位(回転)させる際の回転軸である。軸F142は、金属材料から円柱状に形成され、その軸F142の外径は、第6通路部材F141の軸受け部F141dに形成される挿通穴の内径よりもやや小さく形成される。
開閉部材F143は、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を流入口FOPf1へ流入させ難くするためのものである。開閉部材F143は、左方側(矢印L方向側)に配設される左側開閉部材F143Lと右方側(矢印R方向側)に配設される右側開閉部材F143Rとから構成され、それら左側開閉部材F143L及び右側開閉部材F143Rは、一対の球受け部F141cの正面側(矢印F方向側)にそれぞれ配設される。
左側開閉部材F143Lは、遮断部F143aと、その遮断部F143aの背面端から下方側(矢印D方向側)に突出する連結部F143bと、その連結部F143bの下端から背面側(矢印B方向側)に突設する突出部F143cと、を備える。
右側開閉部材F143Rは、左側開閉部材F143Lに対し、連結部F143bが省略され、突出部F143cが遮断部F143aの上端から背面側(矢印B方向側)に突出する点を除いて、遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)における中心に対し線(面)対称(図286左右対称)に形成される。よって、右側開閉部材F143Rにおける左側開閉部材F143Lと対称に形成される部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
遮断部F143aは、板状体から形成され、遮断部F143aの上端側は背面側(矢印B方向側)に屈曲して形成される。その遮断部F143aの屈曲された部位の背面端に連結部F143bが配設される。遮断部F143aは、正面視において、通路部材F110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。言い換えると、遮断部F143aは、流入口FOPf1の縁よりも内側に配設される。従って、遮断部F143aは、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球と当接可能に配設される。
一対(左側開閉部材F143L及び右側開閉部材F143R)の遮断部F143aの対向間の距離は、球の直径よりもやや大きく形成される。これにより、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ難くできる(第6通路FRt6へ案内させ難くできる)。
また、遮断部F143aは、軸F142を中心とする円弧状に湾曲して形成される。言い換えると、遮断部F143aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側から左右方向中央側へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)に凸となる湾曲状に形成される。
これにより、遮断部F143aに当接した球を通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)させると共に、正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)させることができる。その結果、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を流出面F112bへ案内(送球、流下)し易くできる(第6通路FRt6へ案内させ難くできる)。
連結部F143bは、左側開閉部材F143Lの突出部F143cと右側開閉部材F143Rの突出部F143cとが当接することを抑制するための部位である。左側開閉部材F143Lに連結部F143bが形成されることで、左側開閉部材F143Lに形成される突出部F143cが右側開閉部材F143Rに形成される突出部F143cの下方(矢印D方向)に配設される。
突出部F143cは、軸F142に軸支されると共に、スライド部材F144に係合される部位である。突出部F143cの連結部F143b側(正面側、矢印F方向側)には、軸支孔F143dが穿設され、その軸支孔F143dよりも背面側(矢印B方向側)となる位置には、係合孔F143eが穿設される。
軸支孔F143dは、軸F142の外径と同等またはやや大きく形成され、軸支孔F143dに軸F142が挿通されることで、左側開閉部材F143Lが軸F142を回転軸として回転可能に係合(軸支)される。
係合孔F143eには、左側スライド部材F144Lの第1係合部F144cが挿通(係合)される。係合孔F143eは、上面視、前後方向(矢印F-B方向)に長い長孔状に形成される。詳細には、係合孔F143eに左側スライド部材F144Lの第1係合部F144cが挿通(係合)された状態において、係合孔F143eの内周面と第1係合部F144cとの間に左側開閉部材F143Lの回転(変位)による突出部F143cの前後方向(矢印F-B方向)の変位量よりも大きな隙間が形成される。
これにより、左側スライド部材F144Lの左右方向(矢印L-R方向)への変位に対し、係合孔F143eの前後方向(矢印F-B方向)における内周面と第1係合部F144cとが当接し、左側開閉部材F143Lの回転(変位)が規制されることを抑制できる。
スライド部材F144は、開閉部材F143を動作(変位、回転)させるためのものである。スライド部材F144は、左側開閉部材F143Lに係合される左側スライド部材F144Lと、右側開閉部材F143Rに係合される右側スライド部材F144Rとから構成される。
左側スライド部材F144Lは、スライド本体部F144aと、そのスライド本体部F144aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の下端部から左右方向中央側へ向けて延設される延設部F144bと、その延設部F144bから上方(矢印U方向)へ突出される第1係合部F144cと、スライド本体部F144aから正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される第2係合部F144dと、を備える。
右側スライド部材F144Rは、左側スライド部材F144Lに対し、延設部F144bがスライド本体部F144aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の上端部から延設され、第1係合部F144cが下方(矢印D方向)へ向けて突出される点を除いて、遊技盤F13の幅方向(図286左右方向)における中心に対し線(面)対称(図286左右対称)に形成される。よって、右側スライド部材F144Rにおける左側スライド部材F144Lと対称に形成される部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
スライド本体部F144aは、板状体から形成され、スライド本体部F144aの左右方向(矢印L-R方向)両端部は背面側(矢印B方向側)に屈曲して形成される。その背面側に屈曲される部位には板厚方向(矢印L-R方向)に挿通孔F144a1がそれぞれ穿設される。
挿通孔F144a1には、背面部材F150のスライド棒F158が挿通(係合)され(図297参照)、これにより、スライド部材F144はスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位可能に配設(係合)される。
左側スライド部材F144Lに形成される延設部F144bと右側スライド部材F144Rに形成される延設部F144bとは上下方向(矢印U-D方向)に所定の距離だけ隔てて配設される。これにより、右側スライド部材F144Rの第1係合部F144c及び右側開閉部材F143Rの突出部F143cは、左側スライド部材F144Lの第1係合部F144c及び左側開閉部材F143Lの突出部F143cの上方(矢印U方向)に配設される。これにより、第1係合部F144c及び突出部F143cを上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置にそれぞれ配設でき、確定通路F140(開閉部材F143及びスライド部材F144)の設計の自由度を向上させることができる。
第1係合部F144cは、開閉部材F143の係合孔F143eに挿通(係合)される部位であり、円柱状に形成される。左側スライド部材F144Lがスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に変位し係合孔F143eの内周面を押進することで、開閉部材F143が軸F142を回転軸として回転する。
第2係合部F144dは、連結部材F145のスライド係合部F145bに挿通(係合)される部位であり、円柱状に形成される。第2係合部F144dとスライド係合部F145bとの係合により、連結部材F145の変位(回転)にスライド部材F144が連動して変位する。
連結部材F145は、スライド部材F144を動作(変位)させるためのものであり、連結本体部F145aと、その連結本体部F145aから下方(矢印D方向)へ突出されるスライド係合部F145bと、連結本体部F145aから左右方向(矢印L-R方向)中央側へ突出される錘支持部F145cと、を備える。
連結本体部F145aは、円柱状に形成される。連結本体部F145aには、前後方向(矢印F-B方向)に沿って断面D字状の孔として形成される挿通孔F145a1が穿設される。挿通孔F145a1に変位部材F130の軸F133が回転不能に配設(固着)されることで、変位部材F130の変位(回転)に連動して連結部材F145を変位(回転)させることができる。
スライド係合部F145bは、円柱状に形成され、そのスライド係合部F145bには、スライド部材F144の第2係合部F144dが挿通(係合)される挿通孔F145b1が穿設される。
挿通孔F145b1は、正面視、上下方向(矢印U-D方向)に長い長孔状に形成される。詳細には、挿通孔F145b1にスライド部材F144の第2係合部F144dが挿通(係合)された状態において、挿通孔F145b1の内周面と第2係合部F144dとの間に連結部材F145の変位(回転)によるスライド係合部F145bの上下方向(矢印U-D方向)の変位量よりも大きな隙間が形成される。
これにより、左側スライド部材F144Lの左右方向(矢印L-R方向)への変位に対し、挿通孔F145b1の上下方向における内周面とスライド部材F144の第2係合部F144dとが当接し、連結部材F145の変位(回転)が規制されることを抑制できる。
錘支持部F145cは、背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設される円筒状に形成され、錘支持部F145cの内周面は、錘F146の外径よりもやや大きく形成される。錘支持部F145cの内周面に錘F146が配設(係合)されることで、錘F146が連結部材F145に配設(支持)される。
錘F146は、連結部材F145の重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F146が挿通孔F145a1よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設されることで、連結部材F145及び錘F146の全体の重心は、挿通孔F145a1よりも左右方向両端側にに位置する。
背面部材F150は、下側フレームF86bの背面を形成するためのものであり、背面壁部F151と、その背面壁部F151の左右方向(矢印L-R方向)両端、且つ、下端から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される一対の第1固定部F152と、一対の第1固定部F152の上方(矢印U方向)において正面側へ向けて突出される一対の第2固定部F153と、一対の第2固定部F153の左右方向中央側において正面側へ向けて突出される一対の締結部F154と、一対の締結部F154の左右方向中央側において正面側へ向けて突出される一対の第1支持部F155と、一対の第1支持部F155の左右方向中央側において正面側へ向けて突出される第2支持部F156と、背面壁部F151の背面から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される突出部F157と、を備える。また、背面部材F150には、一対のスライド棒F158が配設(係合)される。
背面壁部F151は、横長略矩形の板状体から構成され、背面壁部F151には、一対の第1逃がし孔F151aと、一対の第1逃がし孔F151aよりも下方側(矢印D方向側)に形成される一対の第2逃がし孔F151bとが板厚方向にそれぞれ開口形成(板厚方向に穿設)される。また、背面壁部F151の下端には、切欠き部F151cが上方(矢印U方向)へ向けて切欠き形成される。
第1逃がし孔F151aは、連結部材F145の錘支持部F145cの外形よりも大きく形成され、第1逃がし孔F151aの内側に錘支持部F145cが配設される。これにより、下側フレームF86bの前後方向(矢印F-B方向)の厚み寸法を小さくできる。
第2逃がし孔F151bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて凸となる半円状の湾曲部F151b1と、その湾曲部F151b1の左右方向中央側において上下方向(矢印U-D方向)に延設される直線部F151b2とから構成される。湾曲部F151b1は、駆動手段F180の連結部材F184の外形よりもやや大きく形成され、第2逃がし孔F151b(湾曲部F151b1)を挿通して背面部材F150の正面側(矢印F方向側)へ連結部材F184が配設される。
直線部F151b2は、駆動手段F180の連結部材F184が上下方向(矢印U-D方向)に往復動するための逃がし孔である。直線部F151b2の上端は、湾曲部F151b1の上端と一体に形成され、直線部F151b2の下端は、湾曲部F151b1の下端よりも下方(矢印D方向)に形成される。これにより、連結部材F184が下方に変位した状態においては、連結部材F184の背面側(矢印B方向側)には背面壁部F151が位置する(湾曲部F151b1が非形成とされる)。このように、背面壁部F151に開口形成(穿設)される湾曲部F151b1を小さく形成することで、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
切欠き部F151cは、駆動手段F180の駆動モータF181と第7通路F190のスイッチF192とを電気的に接続する配線(図示せず)を挿通させる部位であり、これにより、背面部材F150の正面側(矢印F方向側)に配置されるスイッチF192と背面部材F150の背面側(矢印B方向側)に配置される駆動手段F180の駆動モータF181とが電気的に接続される。
第1固定部F152は、ベース板60に背面部材F150を締結固定するための部位であり、四角柱状に形成される。第1固定部F152には挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、背面部材F150がベース板60に固定(配設)される。通路部材F110の正面板F111に加え、第1固定部F152がベース板60に固定(配設)されることで、下側フレームF86bのベース板60に対する姿勢の安定化を図ることができる。
また、第1固定部F152が背面壁部F151の下端に配設されるため、上下方向(矢印U-D方向)において、第1固定部F152と正面板F111との間の距離を大きく設定でき、下側フレームF86bのベース板60に対する姿勢の安定化を一層図ることができる。
第2固定部F153及び締結部F154は、通路部材F110に背面部材F150を締結固定するための部位であり、第2固定部F153は四角柱状に、締結部F154は円柱状に、それぞれ形成される。
留め部F115の挿通孔F115aを挿通したタッピングネジが第2固定部F153に締結固定されることで、背面部材F150が通路部材F110に固定(配設)される。また、締結部F154には、前後方向(矢印F-B方向)に沿って挿通孔が穿設され、その挿通孔にタッピングネジが挿通されることで、背面部材F150が通路部材F110に固定(配設)される。
第1支持部F155及び第2支持部F156は、スライド棒F158を支持するための部位である。第1支持部F155及び第2支持部F156には左右方向(矢印L-R方向)に沿って挿通孔がそれぞれ穿設され、それら挿通孔にスライド棒F158が挿通されることで、背面部材F150にスライド棒F158が配設(支持)される。
また、第2支持部F156には、その第2支持部F156の正面側(矢印F方向側)に、上下方向(矢印U-D方向)に沿って挿通孔F156aが穿設され、第2支持部F156の正面端には係止部F156bが突出して形成される。
挿通孔F156aの内径は、軸F142の外径よりもやや大きく形成され、挿通孔F156aに軸F142が挿通される。軸F142が確定通路F140の軸受け部F141d及び第2支持部F156(挿通孔F156a)により支持(係合)されることで、軸F142が下側フレームF86bに配設される。係止部F156bは、確定通路F140の開閉部材F143の変位(回転)を規制する部位である。
突出部F157は、駆動手段F180のガイド部材F185を挿通したタッピングネジが締結固定される部位であり、円柱状から形成される。突出部F157が背面壁部F151の背面から突出されることで、タッピングネジの締結代を大きくできる。
スライド棒F158は、確定通路F140のスライド部材F144をスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位させるためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。スライド棒F158の外周面には、第1支持部F155よりもやや左右方向(矢印L-R方向)中央側となる位置に、径方向へ向けての切り込みが形成され、その切り込みには金属リング状のCリング(図示せず)が嵌合される。これにより、スライド棒F158は、第1支持部F155及び第2支持部F156に抜去不能に支持される。
スライド棒F158は、そのスライド棒F158の延設方向(軸方向)が左右方向(矢印L-R方向)に沿った姿勢で第1支持部F155及び第2支持部F156に支持(配設)される。スライド棒F158がスライド部材F144の挿通孔F144a1に挿通(係合)されることで、スライド部材F144がスライド棒F158に配設(係合)される。
振分通路F160は、振分通路F160に形成された複数の振り分け孔に応じて下側通路F112(第5通路FRt5)の異なる位置へ球を案内(送球、流下)するためのいわゆるクルーンと呼ばれる装置である。振分通路F160は、第4通路部F161と、その第4通路部F161の背面端から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出して形成される固定部F162と、を備える。
第4通路部F161は、上面視において円状であり、上方(矢印U方向)から下方(矢印D方向)へ向けて凹設して形成され、第4通路部F161の凹設底面は、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる湾曲状に形成される。また、第4通路部F161は、固定部F162から正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される。
これらにより、第4通路部F161へ案内(送球、流下)された球を第4通路部F161の中央へ向けて移動(流下、転動)させると共に、その第4通路部F161の中央においては、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて移動(流下、転動)させることができる。
第4通路部F161の凹設底面には、第1振り分け孔F161a及び複数(本実施形態においては2箇所)の第2振り分け孔F161bが板厚方向に穿設される。第1振り分け孔F161a及び複数の第2振り分け孔F161bは、通路部材F110の下側通路F112と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に穿設され、これにより、第1振り分け孔F161a若しくは第2振り分け孔F161bを通過した球を下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分ける(案内させる)ことができる。
第1振り分け孔F161aは、下側通路F112の起伏F112aの頂部の上方(矢印U方向)となる位置に穿設される。複数の第2振り分け孔F161bは、左右方向(矢印L-R方向)において第1振り分け孔F161aとは異なる位置であり、第1振り分け孔F161aより正面側(矢印F方向側)に穿設される。
第1振り分け孔F161aを通過して下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)球は、起伏F112aの頂部へ案内(送球、流下)されで、立て壁部F113の流入口FOPf1へ流入して確定通路F140(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
また、第1振り分け孔F161aは、第2振り分け孔F161bよりも第4通路部F161の流入口FOPf1側(矢印B方向側)に穿設される。これにより、第1振り分け孔F161aを通過した球が起伏F112aの頂部を移動(流下、転動)する距離を小さくでき、球を確定通路F140(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)させ易くできる。
一方、第2振り分け孔F161bを通過して下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)球は、左右方向(矢印L-R方向)において起伏F112aの頂部とは異なる位置へ案内(送球、流下)されるため、起伏F112aの頂部から左右方向へ向けての下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、正面板F111の切欠き部F111cを通過して遊技領域に流出(流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
また、第2振り分け孔F161bは、第1振り分け孔F161aよりも第4通路部F161の遊技領域側(矢印F方向側、流入口FOPf1とは反対側)に穿設される。これにより、第2振り分け孔F161bを通過した球と流入口FOPf1との間の距離を大きくでき、球を流入口FOPf1へ案内させ難くできる(下側通路F112の流出面F112bへ案内させ易くできる)。
従って、振分通路F160に振り分けられた球が第2振り分け孔F161bよりも第1振り分け孔F161aを通過することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
固定部F162は、振分通路F160を背面部材F150に締結固定させるためのものである。固定部F162の上面には下方(矢印D方向)へ向けて凹設される凹部が形成され、その凹部に第2通路部材F170の固定部F172が挿入(内嵌)される。
第2通路部材F170は、上側通路F114の第1流出面F114aを案内された球を振分通路F160へ振り分ける(案内する)ためのものであり、通路部F171と、その通路部F171の下面から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される固定部F172と、を備える。
通路部F171は、その通路部F171の上面を球が移動(流下、転動)する部位であり、通路部材F110の立て壁部F113よりも正面側(矢印F方向側、遊技領域側)に配設される。また、通路部F171は、第1流出面F114a(第3切欠き部F113e)の正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、通路部F171は、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて延設すると共に、正面側へ向かうにつれて下降傾斜して形成される。立て壁部F113との当接部を除く通路部F171の外縁には、立設部F171aが上方(矢印U方向)へ向けて立設され、その立設部F171aに区画された空間により、第2通路FRt2が形成される。
通路部F171の先端には球の外形よりもやや大きく形成される第2通路貫通孔F171bが穿設される。第2通路貫通孔F171bは、振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方(矢印U方向)に形成される(上面視において第2通路貫通孔F171bと第1振り分け孔F161aとが重なる位置に形成される)。第2通路貫通孔F171bを通過することで、通路部F171(第2通路FRt2)へ振り分けられた(案内された)球は、振分通路F160の第1振り分け孔F161aへ案内される。
通路部F171の上面には、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて一対の突部F171cが突設される。突部F171cは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設されると共に、突部F171cの上面は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、一対の突部F171cの対向面間の距離は、球の直径よりも小さくされると共に、突部F171cの正面端における突設長さ(矢印U-D方向の寸法)は、通路部F171の上面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、通路部F171上の球を2箇所(突部F171cの上端部における対向面側の一対の稜線部分)で位置決めすることができる。よって、一対の突部F171cが非形成の場合と比較して、通路部F171の左右方向(矢印L-R方向)における球の移動(流下、転動)位置を一定とし易くできる。これにより、第2通路貫通孔F171bを通過した球を振分通路F160の第1振り分け孔F161aへ案内させ易くできる。
固定部F172は、略矩形の直方体から形成され、固定部F172の外形は振分通路F160の固定部F162に形成される凹部の内形と同等またはやや小さく形成される。固定部F172が固定部F162に形成される凹部に配設(固定、内嵌)されることで、振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方に(矢印U方向)に第2通路貫通孔F171bを配設し易く(正確に配設)できる。
ここで、例えば、第2通路部材F170を背面部材F150に固定(配設)させる場合、背面部材F150へ振分通路F160及び第2通路部材F170を固定する際の誤差(組立公差)や背面部材F150、振分通路F160及び第2通路部材F170の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、第2通路貫通孔F171bが振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方(矢印U方向)に配置されない(上面視において、第2通路貫通孔F171bの中心と第1振り分け孔F161aの中心とが一致しない)虞がある。この場合、第2通路貫通孔F171bを通過した球が第1振り分け孔F161aを通過せず、第2振り分け孔F161bへ振り分けられる(案内される)虞がある。
これに対し、第2通路部材F170が振分通路F160に固定(配設)されることで、第1振り分け孔F161aの上方に(矢印U方向)に第2通路部材F170の第2通路貫通孔F171bを配設し易く(正確に配設)でき、第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内された球は、第1振り分け孔F161aを通過して確定通路F140(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
駆動手段F180は、演出手段F120の可動部材F122を動作させるためのものであり、駆動力を発生させる駆動モータF181と、その駆動モータF181を支持(固定)する支持部材F182と、その支持部材F182を左右方向(矢印L-R方向)に貫通して配設される伝達軸F183と、その伝達軸F183の端部に係合される連結部材F184と、その連結部材F184の左右方向両端側において連結部材F184を係合(支持)するガイド部材F185と、を備える。なお、駆動手段F180の駆動については、図301及び図303を適宜参照して説明する。
駆動モータF181は、演出手段F120の可動部材F122を動作(上下方向に往復動)させる駆動力を与えるためのものであり、その駆動モータF181の軸を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けた状態で配設される。これにより、軸を前後方向(矢印F-B方向)へ向けて配設する場合と比較して、前後方向における配設スペースを小さくできる。また、駆動モータF181の軸にはギア(図示せず)が配設(固着)される。
支持部材F182は、駆動モータF181を支持(固定)するためのものであり、箱状に形成される。支持部材F182は、タッピングネジにより背面部材F150の背面に締結固定される。支持部材F182の下面には、駆動モータF181の外形よりもやや大きく形成される挿通孔が穿設され、その挿通孔を挿通して駆動モータF181の軸が支持部材F182の内側に配設される。
伝達軸F183は、駆動モータF181の駆動力を連結部材F184へ伝達するためのものであり、軸部F183aと、その軸部F183aの左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される伝達部F183bと、その伝達部F183bの左右方向両端側の端面から突出する偏心軸F183cと、を備える。
軸部F183aは、左右方向(矢印L-R方向)に沿った棒状に延設され、軸部F183aは、支持部材F182を貫通して配設される。軸部F183aには、支持部材F182の内側となる位置にギア(図示せず)が配設(固着)され、その軸部F183aに配設されるギアと駆動モータF181の軸に配設されるギア(図示せず)とが噛合することで、駆動モータF181の駆動力が伝達軸F183に伝達される。
伝達部F183bは、円柱状に形成され、その伝達部F183bの軸心は、左右方向(矢印L-R方向)に沿った姿勢で配設される。伝達部F183bの軸心に軸部F183aが固定(配設)され、伝達部F183bの軸心とは異なる位置に偏心軸F183cが配設される。即ち、偏心軸F183cは、伝達部F183bの軸心に偏心して配設される。これにより、伝達部F183bが軸部F183aを回転軸として回転することで、側面視において偏心軸F183cは、伝達部F183bの軸心(軸部F183a)を中心とした円状に変位する。
連結部材F184は、演出手段F120の可動部材F122を動作(上下方向に往復動)させるためのものであり、本体部F184aと、その本体部F184aの左右方向(矢印L-R方向)両端側の端面から突出される一対の被ガイド部F184bと、本体部F184aの正面に配設される取付け部F184cと、を備える。
本体部F184aには、前後方向(矢印F-B方向)に沿ってスライド溝F184a1が開口形成される。スライド溝F184a1は、伝達軸F183の偏心軸F183cが配設可能に形成され、スライド溝F184a1の前後方向における長さは偏心軸F183cの前後方向における変位量と同等またはやや大きく形成される。これにより、伝達軸F183を介して駆動モータF181の駆動力が連結部材F184に伝達される。
詳細に説明すると、駆動モータF181が駆動することで、側面視において、偏心軸F183cは、伝達部F183bの軸心(軸部F183a)を中心として円状に変位する。スライド溝F184a1の前後方向(矢印F-B方向)に沿った内壁を偏心軸F183cが押進することにより、偏心軸F183cの上下方向の変位が連結部材F184に伝達され、連結部材F184が上下方向に変位する。
一方、スライド溝F184a1の前後方向(矢印F-B方向)における長さは、偏心軸F183cの前後方向における変位量と同等またはやや大きく形成されるため、偏心軸F183cとスライド溝F184a1の前後方向両側に形成される内壁とは非当接とされる。従って、偏心軸F183cの前後方向の変位は連結部材F184に非伝達とされ、連結部材F184が前後方向に変位することを抑制できる。
また、偏心軸F183cは、側面視において円状に変位するため、連結部材F184の上下方向(矢印U-D方向)への変位を所定量に設定できる、即ち、連結部材F184が所定量を超えて上下方向へ変位することを抑制できる。また、偏心軸F183cを一定方向に変位させることで上下方向における連結部材F184の変位を往復動とすることができる。これにより、駆動モータF181の駆動方向を切り替えるための制御を不要とできる。
一対の被ガイド部F184bは、前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔ててそれぞれ配設される。一対の被ガイド部F184bが一対のガイド溝F185aにそれぞれ係合(挿通)されることで、ガイド部材F185に対する連結部材F184の回転が抑制される。
取付け部F184cは、前後方向(矢印F-B方向)を板厚方向とする板状に形成される。取付け部F184cには、複数の挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが演出手段F120の可動部材F122に締結されることで、連結部材F184に可動部材F122が固定(配設)される。
ガイド部材F185は、連結部材F184が上下方向(矢印U-D方向)へ変位(往復動)することを案内(連結部材F184が前後方向へ変位することを規制)するためのものである。ガイド部材F185には、複数の挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F150の突出部F157に締結されることで、背面部材F150にガイド部材F185が固定(配設)される。
ガイド部材F185には、連結部材F184の一対の被ガイド部F184bに対応する位置に一対のガイド溝F185aが穿設される。ガイド溝F185aは、上下方向(矢印U-D方向)に沿って延設され、ガイド溝F185aの上下方向における延設長さは、被ガイド部F184bの上下方向における変位量よりもやや大きく形成される。ガイド溝F185aに、被ガイド部F184bが挿通(配設)されることで、連結部材F184(被ガイド部F184b)がガイド溝F185aの延設方向(上下方向)に沿って変位可能とされると共に、連結部材F184(被ガイド部F184b)の前後方向(矢印F-B方向)への変位が規制される。
第7通路F190は、第1入賞口64へ入賞した球を遊技領域へ流出(流下)させるためのものであり、背面通路部材F191と、その背面通路部材F191の正面側(矢印F方向側)に配設されるスイッチF192と、そのスイッチF192の上方(矢印U方向)に配設される可動通路F193と、を備える。
背面通路部材F191は、第1入賞口64へ入賞した球が背面側(矢印B方向側)に変位することを規制するための部材であり、正面視において横長略矩形の板状体から形成される。背面通路部材F191は、ベース板60の背面から球の外形よりもやや大きな距離だけ隔てて配設され、ベース板60、背面通路部材F191及び可動通路F193により囲まれた空間により第7通路FRt7が形成される。
背面通路部材F191は、その背面通路部材F191の周縁部に配設される複数(本実施形態においては4個)の係合突部F191aと、背面通路部材F191の下端に配設されるスイッチ受け部F191bと、を備える。また、背面通路部材F191の下端側には、切欠き部F191cが切欠き形成される。
係合突部F191aには、挿通孔が穿設されており、その挿通孔に挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。また、係合突部F191aの突設長さは、球の外形よりも大きく形成され、係合突部F191aの突設先端をベース板60の背面に当接させることで、ベース板60と背面通路部材F191との間に球を案内(送球、流下)可能な空間を形成できる。
スイッチ受け部F191bは、背面通路部材F191の下端から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成され、スイッチ受け部F191bの上面にスイッチF192が支持(配設)される。切欠き部F191cは、可動通路F193の外形に沿った形状に切り欠かれ、これにより、背面通路部材F191と可動通路F193とが当接することが抑制される。
スイッチF192は、駆動手段F180の駆動モータF181を駆動させる信号を出力するためのものであり、スイッチF192と駆動モータF181とは、配線(図示せず)により電気的に接続される。スイッチF192がオンされ、このオン動作に基づいて駆動モータF181へ信号が出力される。
可動通路F193は、スイッチF192をオンするためのものであり、被軸支部F193aと、その被軸支部F193aから正面側に突設される軸F193bと、被軸支部F193aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の端部に形成される通路部F193cと、を備える。
軸F193bがベース板60に穿設される挿通孔に挿通されることで、可動通路F193は、ベース板60に回転可能に支持される。また、可動通路F193の重心は、軸F193bよりも通路部F193c側に位置し、通路部F193cがスイッチF192に当接することで、可動通路F193の変位(回転)が規制される。なお、可動通路F193(通路部F193c)に球が非配設の状態においては、スイッチF192はオフの状態とされる。
通路部F193cは、可動通路F193(第7通路FRt7)へ案内(送球、流下)された球を遊技領域に流出(流下)させるための部位であり、通路部F193cには、通路部F193cの背面側(矢印B方向側)の端部から上方(矢印U方向)へ向けて突出する壁部F193c1と、通路部F193cの下面から下方(矢印D方向)へ向けて突出される押部F193c2と、通路部F193cの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置に配設される流出面F193c3と、が形成される。
通路部F193cは、背面通路部材F191側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成されると共に、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる湾曲状に形成される。これにより、通路部F193cへ案内(送球、流下)された球を壁部F193c1に当接させつつ左右方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)させることができ、球が遊技領域に流出(流下)されることを遅延させることができる。
また、通路部F193cの被軸支部F193aとは反対側における端部が第1入賞口64の下方(矢印D方向)に位置する。これにより、第1入賞口64から通路部F193cへ案内(送球、流下)された球を通路部F193cに沿って揺動(移動、転動)させ易くできる。
押部F193c2は、スイッチF192をオンさせるための部位であり、スイッチF192に当接した状態で配設される。可動通路F193(通路部F193c)に球が非配設の状態においては、スイッチF192はオフの状態であり、スイッチF192により可動通路F193の変位(回転)が規制される。可動通路F193(通路部F193c)に球が振り分けられ、可動通路F193の重量が増加することで、可動通路F193は、軸F193bを中心軸として変位(回転)し、スイッチF192がオンされる。
流出面F193c3は、ベース板60側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として形成(配置)される。また、流出面F193c3は、ベース板60の流出口FOPout2の背面に形成され、これにより、通路部F193cへ案内(送球、流下)された球が流出口FOPout2へ流入して遊技領域へ流出(流下)される。
なお、本実施形態におけるベース板60は、上記各実施形態におけるベース板60に対し、流出口FOPout2が穿設される以外は同一に形成されるため、同一の符号を付して説明する。
次いで、図297から図298を参照して、変位部材F130の変位(回転)に対する確定通路F140の開閉部材F143の変位(回転)について説明する。図297(a)及び図298(a)は、下側フレームF86bの部分拡大正面図であり、図297(b)及び図298(b)は、下側フレームF86bの部分拡大背面図である。
なお、図297は、変位部材F130の変位(回転)前(以下「閉塞状態」と称す)における下側フレームF86bが、図298は、変位部材F130の変位(回転)後(以下「開放状態」と称す)における下側フレームF86bが、それぞれ図示される。また、図297(a)及び図298(a)においては、通路部材F110の張出し部F111bの図示が省略され、図297(b)及び図298(b)においては、背面部材F150の図示が省略される。
また、図298では、右方側(矢印R方向側)に配置された変位部材F130の変位(回転)後における下側フレームF86bが図示されるが、左方側(矢印L方向側)に配置された変位部材F130が変位(回転)した状態や、一対の変位部材F130が変位(回転)した状態においても下側フレームF86bの開放状態と定義する。
図297に示すように、閉塞状態において、一対の開閉部材F143の遮断部F143aの対向面側の側面が背面部材F150の係止部F156bに当接することで開閉部材F143の変位が規制される。
上述したように、遮断部F143aは、正面視において、通路部材F110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。従って、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf1へ流入し難く、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され難い。
一対の遮断部F143aの対向間の距離は、球の直径よりもやや大きく形成される。言い換えると、一対の遮断部F143aは、流入口FOPf1の左右方向中央側には非配設とされ、流入口FOPf1で囲まれた領域における左右方向両側に配設される。
これにより、閉塞状態においても、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球は、一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入して、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)可能となる。
また、一対の遮断部F143aの対向間は、下側通路F112の起伏F112aの頂部の背面側(矢印B方向側)に形成される。これにより、下側通路F112の起伏F112aの頂部へ振り分けられた球は、起伏F112aの背面側(矢印B方向側)へ向けての下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、一対の遮断部F143aの対向間へ流入して、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い。
閉塞状態において、変位部材F130、連結部材F145及び錘F146の全体の重心は、軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。これにより、一対の遮断部F143aの対向する面と背面部材F150の係止部F156bとの当接状態が維持され、下側フレームF86bが閉塞状態に維持される。
以下に図291及び図292を適宜参照して詳細に説明する。変位部材F130、連結部材F145及び錘F146の全体の重心が軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置することで、変位部材F130には、軸F133を回転軸として凹部F131c側(左右方向両端側、図293参照)が上方(矢印U方向)へ向けて回転する力が作用する。
軸F133と連結部材F145とは回転不能に係合(固着)されるため、連結部材F145のスライド係合部F145bには、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて回転する力が作用し、スライド係合部F145bに係合されるスライド部材F144(第2係合部F144d)には、左右方向両端側へ向けて変位する力が作用する。
スライド部材F144(第1係合部F144c)には、開閉部材F143(係合孔F143e)が係合されるため、スライド部材F144に左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位する力が作用することで、開閉部材F143には、軸F142を回転軸として係合孔F143eが左右方向両端側へ向けて回転する力が作用する。
なお、遮断部F143aと係合孔F143eとは、軸F142を挟んで前後方向(矢印F-B方向)に配設される。従って、遮断部F143aには、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて回転する力が作用し、これにより、一対の遮断部F143aの対向面側の側面と背面部材F150の係止部F156bとの当接状態が維持され、下側フレームF86bが閉塞状態に維持される。
次いで、下側フレームF86bの閉塞状態から開放状態への動作について説明する。上側通路F114の第2流出面F114b(第1通路FRt1)を案内された球が変位部材F130の転動面F131bへ案内(送球、流下)され(図287参照)、球が左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて移動(流下、転動)することで、転動面F131bを移動(流下、転動)する球を含む変位部材F130、連結部材F145及び錘F146の全体の重心が、軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。
これにより、変位部材F130は、軸F133を回転軸として凹部F131c側(左右方向両端側、図293参照)が下方(矢印D方向)へ向けて回転し、連結部材F145の連結本体部F145aが上方(矢印U方向)へ向けて回転する。上方へ回転した連結本体部F145aが演出手段F120の規制片F121dに当接することで、変位部材F130及び確定通路F140の動作が規制され、下側フレームF86bが開放状態に配置(維持)される。
なお、変位部材F130及び確定通路F140の各部材には上述した下側フレームF86bの閉塞状態の維持とは反対方向に力が作用することで下側フレームF86bが開放状態へ動作されるため、その詳細な説明は省略する。
図298に示すように、下側フレームF86bの開放状態において、遮断部F143aは、通路部材F110の立て壁部F113の背面側(矢印B方向側)に配置される。言い換えると、遮断部F143aは、正面視において、通路部材F110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認不能となる位置に変位される。従って、下側フレームF86bの閉塞状態と比較して、一対の遮断部F143aの対向間の距離が大きくなり、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を、一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ易くできる。
下側フレームF86bの開放状態において、変位部材F130は、変位(回転)された状態に維持される。これにより、下側フレームF86bの開放状態を遊技者に視認させ易くできる。
このように、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)を移動(流下、転動)する球が変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ案内(送球、流下)されることで(図287参照)、球の重量を利用して変位部材F130が閉塞状態から開放状態へ向けて変位(回転)する。これにより、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を、一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ易くでき、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。
従って、下側通路F112(第5通路FRt5)を球が移動(流下、転動)している場合に、変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bを移動(流下、転動)する球の有無を遊技者に意識させ、興趣を高めることができる。
なお、下側フレームF86bの解放状態から閉塞状態へ向けての動作は、変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bから球が流出される(転動面F131bに球の重量が非作用となる)ことで行われる。下側フレームF86bの解放状態から閉塞状態へ向けての力(重力)の作用、は閉塞状態の維持と同様であるためその説明は省略する。
このように、球の重量を利用して下側フレームF86bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させることができるため、駆動装置を不要とでき、製造コストを低減できる。
ここで、遊技の興趣を高めるを高めるために、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)を移動(流下、転動)する球(以下「先行の球」と称す)が変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ振り分けられることで(図287参照)、その先行の球の後続となる球(以下「後続の球」と称す)が第2通路部材F170(第2通路FRt2)若しくは振分通路F160(第4通路FRt4)へ振り分けられ易く(第1入賞口64へ入賞され易く)なる場合が考えられる。
この場合、下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)先行の球は、流出面F112bから遊技領域へ流出され易く(第1入賞口64へ入賞し難く)、従って、遊技者に最後まで注視され難い。
これに対し、本実施形態では、後続の球が変位部材F130の転動面F131b(第3通路FRt3)へ振り分けられる(案内される)ことで、先行の球を一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ易くできる(第1入賞口64へ入賞させ易くできる)。これにより、下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた先行の球を遊技者に最後まで注視させることができる。
また、後続の球が転動面F131bを移動(流下、転動)することで、先行の球だけでなくその先行の球よりも先に下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)球(以下「先々行の球」と称す)を第1入賞口64へ入賞させ易くできる。
従って、下側通路F112(第5通路FRt5)へ複数(2個以上)の球が振り分けられた(案内された)状態において、後続の球が転動面F131bへ振り分けられることで、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する複数の球の全てを第1入賞口64へ入賞させ易くできるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、先行の球が変位部材F130の転動面F131b(第3通路FRt3)へ振り分けられる(案内される)ことで、先々行の球を第1入賞口64へ入賞させ易くでき、先行の球が下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)状態では、先行の球は第1入賞口64へ入賞可能となる。このように、先々行の球を第1入賞口64へ入賞させ易くする役割と第1入賞口64へ入賞する役割とを兼用させることができ、球の価値を高めることができる。
図287から図296に戻って、下側フレームF86bを流下する球について説明する。遊技領域を流下する球のうち、上側フレームF86aに配設される上側フレーム通路FRt0(図286参照)を案内された球は、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)の上流端に流入(入球)される。
上側通路F114(第1通路FRt1)の上流端に流入(入球)された球は、上側通路F114(第1通路FRt1)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って上側通路F114の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)し、第1流出面F114a若しくは第2流出面F114bから第2通路部材F170(第2通路FRt2)若しくは変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)される。
第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内(送球、流出)された球は、通路部F171の突出方向(矢印F方向)に沿って移動(流下、転動)し、通路部F171に穿設される第2通路貫通孔F171bを通過して振分通路F160(第4通路FRt4)へ案内(送球、流出)される。
変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)された球は、変位部材F130の延設方向(矢印L-R方向)に沿って第3通路流出面F131a若しくは転動面F131b上を移動(流下、転動)する。第3通路流出面F131aを移動(流下、転動)した球は、振分通路F160(第4通路FRt4)へ案内(送球、流出)され、転動面F131b上を移動(流下、転動)した球は、第3通路貫通孔F131dを通過して通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)へ案内(送球、流出)される。
ここで、変位部材F130の通路部F131に形成される起伏の頂部(第3通路流出面F131aと転動面F131bとの境界)は、上側通路F114(第1通路FRt1)の第2流出面F114bの鉛直方向(矢印U-D方向)における位置が最も低い位置よりも振分通路F160(第4通路FRt4)側となる位置に形成される。これにより、上側通路F114(第1通路FRt1)から通路部F131(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)された球は、第3通路流出面F131a(振分通路F160、第4通路FRt4)よりも転動面F131b(下側通路F112、第5通路FRt5)へ案内(送球、流下)され易い。
変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)された球が転動面F131bへ案内(送球、流下)されることで、下側フレームF86bが開放状態に配置され、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。
上述したように、変位部材F130の軸F133は、通路部材F110の第2流出面F114bの下方(矢印D方向)に配設されるため、第2流出面F114bから案内(送球、流下)された球を軸F133の上方(矢印U方向)における通路部F131へ案内(送球、流下)させることができる。これにより、通路部F131へ球が案内(送球、流下)された際の衝撃を通路部F131に加え軸F133により受け止めることができ、通路部F131の破損を抑制し易くできる。
また、転動面F131bを球が転動(送球、流下)するに従って、変位部材F130及び確定通路F140を徐々に変位(回転)させることができる。これにより、連結部材F145の連結本体部F145aと演出手段F120の規制片F121dとが当接する際の衝撃を小さくでき、連結本体部F145a又は規制片F121dの破損を抑制し易くできる。
ここで、図299を参照して、変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)について説明する。図299は、変位部材F130の部分上面図であり、図299(a)は、下側フレームF86bの閉塞状態、図299(b)から図299(d)は、下側フレームF86bの開放状態における変位部材F130が図示される(図297、図298参照)。
図299(a)に示すように、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)(図293参照)から変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ案内(送球、流下)された球CB1は、転動面F131bに形成される下降傾斜に沿って凹部F131cへ向けて移動(流下、転動)される。
図299(b)に示すように、転動面F131bが壁部F132側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、球CB1は、壁部F132に当接しつつ凹部F131cへ向けて移動(流下、転動)される。このように、球CB1を壁部F132に当接しつつ移動(流下、転動)させることで、壁部F132との間に生じる摩擦力を利用して球の移動速度を低減できる。これにより、下側フレームF86bの開放状態における期間を長くできる。
図299(c)に示すように、球CB1が壁部F132に当接しつつ移動(流下、転動)されることにより、球CB1は、凹部F131cにおける壁部F132側(矢印F方向側)へ案内される。即ち、球CB1は、凹部F131cの軸心(第3通路貫通孔F131dの中心)から偏心した位置へ向けて案内される。
図299(d)に示すように、凹部F131cの軸心(第3通路貫通孔F131dの中心)から偏心した位置へ球CB1が案内されることで、球CB1は、凹部F131cの内周面に沿って周回され易い。これにより、球CB1が第3通路貫通孔F131dへ流入して変位部材F130(第3通路FRt3)から流出(流下)されることを遅延させることができる。その結果、変位部材F130に球CB1の重量が作用している期間を長くでき、下側フレームF86bの開放状態における期間を長くできる。
また、凹部F131cの内周面に沿って球CB1を移動(流下、転動)させることで、凹部F131cの内周面との間に生じる摩擦力を利用して球の移動速度を低減でき、球CB1が第3通路貫通孔F131dへ流入することを遅延させることができる。
ここで、凹部F131cの内周面および底面F131c1は、平坦面に形成される、言い換えると、凹部F131cの内周面が径方向において同一に形成され、底面F131c1が鉛直方向(矢印U-D方向)において同一に形成される。従って、、凹部F131cの内周面および底面F131c1に高低差が無く、球CB1を凹部F131cの内周面に沿って周回させ易くできる。
また、凹部F131cの内周面および底面F131c1が連続して形成される、言い換えると、凹部F131cの内周面および底面F131c1に間欠部が非形成とされるため、球CB1を凹部F131cの内周面に沿って周回させ易くできる。
図287から図296に戻って説明する。上述したように、通路部F131の延設方向(矢印L-R方向)において、第3通路流出面F131aに対向する位置には、振分通路F160における背面側(矢印B方向側)が配置される。
これにより、第3通路流出面F131a(第3通路FRt3)から第4通路部F161(第4通路FRt4)へ振り分けられた(案内された)球を円状に湾曲して形成される第4通路部F161の凹設側面に沿って移動(流下、転動)させることができ、第1振り分け孔F161a若しくは第2振り分け孔F161bを通過して下側通路F112(第5通路FRt5)へ案内(送球、流出)されることを遅延させることができる。その結果、遊技者に第1振り分け孔F161aを通過することを期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
第2通路部材F170の第2通路貫通孔F171bは、振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方(矢印U方向)に形成される(上面視において第2通路貫通孔F171bと第1振り分け孔F161aとが重なる位置に形成される)ため(図293参照)、第2通路部材F170(第2通路FRt2)から振分通路F160(第4通路FRt4)へ振り分けられた(案内された)球は、振分通路F160の第1振り分け孔F161aを通過し易い。
一方、振分通路F160の第4通路部F161は、固定部F162から正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成され、且つ、第2振り分け孔F161bは、第1振り分け孔F161aより正面側に穿設されるため、変位部材F130(第3通路FRt3)から振分通路F160(第4通路FRt4)へ振り分けられた(案内された)球は、第2振り分け孔F161bを通過し易い。
振分通路F160(第4通路FRt4)の第1振り分け孔F161aを通過した球は、下側通路F112(第5通路FRt5)に形成される起伏F112aの頂部のへ案内(送球、流出)される。起伏F112aの背面側(矢印B方向側)へ向けての下降傾斜により、起伏F112aの頂部へ案内(送球、流出)された球は、流入口FOPf1へ向けて移動(流下、転動)し、開閉部材F143の一対の遮断部F143aの対向間へ流入して確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
一方、振分通路F160(第4通路FRt4)の第2振り分け孔F161bを通過、若しくは、変位部材F130(第3通路FRt3)の第3通路貫通孔F131dを通過した球は、下側通路F112(第5通路FRt5)に形成される起伏F112aの頂部とは異なる位置へ案内(送球、流出)される。
下側通路F112(第5通路FRt5)の流出面F112bは、起伏F112aの底部に形成されるため、起伏F112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられた球は、下側通路F112(第5通路FRt5)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)し、流出面F112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
また、立て壁部F113には膨出部F113aが正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成されるため、下側通路F112(第5通路FRt5)の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、膨出部F113aに沿って移動(流下、転動)することで、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分が付与される。従って、下側通路F112(第5通路FRt5)の左右方向中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、立て壁部F113に穿設される流入口FOPf1へ流入し難く、流出面F112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
ここで、下側フレームF86bの閉塞状態では、一対の遮断部F143aは、流入口FOPf1の縁部の内側に配設される。一方、下側フレームF86bの開放状態では、遮断部F143aは、通路部材F110の立て壁部F113の背面側(矢印B方向側)に配置され、閉塞状態よりも一対の遮断部F143aの対向間の距離が大きくされる。これにより、下側通路F112(第5通路FRt5)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、閉塞状態よりも開放状態において流入口FOPf1(一対の遮断部F143aの対向間)へ流入し、確定通路F140の第6通路部材F141(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
従って、下側通路F112(第5通路FRt5)を球が移動(流下、転動)している状態において、下側フレームF86bが開放状態となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
流入口FOPf1(一対の遮断部F143aの間)へ流入した球は、確定通路F140の第6通路部材F141(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され、第6通路部材F141の通路部F141bに形成された一対の突部F141b3に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。次いで、通路部材F110の流出口FOPout1を通過して第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)される。
次いで、図300から図303を参照して、演出手段F120の可動部材F122の動作(上下方向の往復動)について説明する。図300及び図302は、下側フレームF86bの正面図である。図301(a)及び図303(a)は、下側フレームF86bの背面図であり、図301(b)は、図301(a)の矢印CCCIb方向視における下側フレームF86bの側面図であり、図303(b)は、図303(a)の矢印CCCIIIb方向視における下側フレームF86bの側面図である。
なお、図300及び図301は、可動部材F122が最も下方(矢印D方向)に配置された状態が図示され、図302及び図303は、可動部材F122が最も上方(矢印U方向)に配置された状態が図示される。
また、図300及び図302においては、ベース板60及び第7通路F190の背面通路部材F191の図示が省略され、図301及び図303においては、駆動手段F180のガイド部材F185の外形が二点鎖線で図示される。
図300及び図301に示すように、可動部材F122が最も下方(矢印D方向)に配置された状態では、固定部材F121の本体部および突出部と可動部材F122の本体部および突出部とにより囲まれた空間に開口部が形成され、その開口部から着色部材F123が露出される(着色部材F123が遊技者に視認可能とされる)。また、駆動手段F180の伝達軸F183に配設される偏心軸F183c及び連結部材F184は、最も下方(矢印D方向)に位置する。
次いで、可動部材F122の上方(矢印U方向)への動作(変位)について説明する。第1入賞口64から第7通路F190(第7通路FRt7)へ振り分けられた(案内された)球が可動通路F193の通路部F193cに案内(送球、流出)されることで、球および可動通路F193の重量により、可動通路F193は、軸F193bを回転軸として通路部F193cが下方側(矢印D方向側)へ向けて変位(回転)する。
これにより、スイッチF192がオンされ、駆動モータF181が駆動される。駆動モータF181の駆動により、伝達軸F183が回転し、偏心軸F183cが上方(矢印U方向)へ向けて変位する。偏心軸F183cと連結部材F184のスライド溝F184a1との係合により、連結部材F184が上方(矢印U方向)へ向けて変位することで、連結部材F184に固定(配設)される可動部材F122が上方へ向けて動作(変位)する。
可動部材F122の動作(変位)により、遊技者は、球が第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)されたことを視認でき、遊技者が第1入賞口64を注視することを不要とできる。なお、可動通路F193へ案内(送球、流出)された球は、通路部F193cの流出面F193c3からベース板60の流出口FOPout2を通過して遊技領域へ流出(流下)される。
図302及び図303に示すように、可動部材F122が最も下方(矢印D方向)に配置された状態と比較して、可動部材F122が最も上方(矢印U方向)に配置された状態では、固定部材F121の本体部および突出部と可動部材F122の本体部および突出部とにより囲まれた開口部は小さく、その開口部から露出される着色部材F123の露出面積が減少する。このように、可動部材F122の動作(変位)により、着色部材F123の露出面積が変化(減少あるいは増加)することで、可動部材F122が動作(変位)したこと、即ち、球が第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)されたことを遊技者に視認させ易くできる。
なお、可動部材F122が最も上方(矢印U方向)に配置された状態では、可動部材F122の本体部の下端は、着色部材F123の下端よりも下方(矢印D方向)に配設され、可動部材F122の下方から着色部材F123が露出することが抑制される。これにより、可動部材F122が上方(矢印U方向)に変位するにつれて着色部材F123の露出面積を減少させ続ける(可動部材F122の下方から着色部材F123が露出されることを抑制する)ことができ、可動部材F122が動作(変位)したことを遊技者に視認させ易くできる。
次いで、図304を参照して、第85実施形態における下側フレームF2086bについて説明する。上記第84実施形態では、確定通路F140の開閉部材F143とスライド部材F144とが係脱不能に係合される場合を説明したが、第85実施形態における確定通路F2140の開閉部材F2143とスライド部材F2144とは係脱可能に係合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図304(a)及び図304(c)は、第85実施形態における下側フレームF2086bの部分拡大正面図であり、図304(b)及び図304(d)は、下側フレームF2086bの部分拡大上面図である。なお、図304(a)及び図304(b)は、下側フレームF2086bの閉塞状態が図示され、図304(c)及び図304(d)は、右方側(矢印R方向側)に配置された変位部材F130が変位(回転)した場合における下側フレームF2086bの開放状態が図示される。また、図304では、下側フレームF2086bの変位部材F130と、確定通路F2140の軸F142、開閉部材F2143、スライド部材F2144及び連結部材F145と、背面部材F150の一対のスライド棒F158と、が模式的に図示される。
図304に示すように第85実施形態における開閉部材F2143の遮断部F143aには、左右方向(矢印L-R方向)両端側における背面から背面側(矢印B方向側)に突設する被規制部F2143fが形成される。また、スライド部材F2144のスライド本体部F144aには、被規制部F2143fの背面側となる位置に正面側(矢印F方向側)へ向けて突出する規制部F2144eが形成される。
また、開閉部材F2143の突出部F2143cに形成される係合孔F2143eには、左右方向(矢印L-R方向)両端側に切欠きF2143e1が形成される。これらにより、不正に開閉部材F2143を操作して開閉部材F2143を変位(回転)させることを抑制できる。
詳細に説明すると、図304(a)及び図304(b)に示すように、外力により軸F142を回転軸として開閉部材F2143を回転させる場合、係合孔F2143eに切欠きF2143e1が形成されるため、開閉部材F2143の突出部F2143c(係合孔F2143e)とスライド部材F2144の第1係合部F144cとは非係合となる。
これにより、開閉部材F2143の回転に対し、スライド部材F2144は、背面部材F150のスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位されず、閉塞状態の位置に留まる。その結果、被規制部F2143fと規制部F2144eとが当接し、開閉部材F2143の変位(回転)が抑制される。
図304(c)及び図304(d)に示すように、変位部材F130の変位(回転)に連動してスライド部材F2144が背面部材F150のスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位される場合、スライド部材F2144の規制部F2144eは、開閉部材F2143の被規制部F2143fの背面側(矢印B方向側)とは異なる位置へ変位する。これにより、開閉部材F2143が変位(回転)可能となり、スライド部材F2144の変位に連動して開閉部材F2143が変位(回転)される。
なお、開閉部材F2143には、図示しない付勢ばね(例えば、ねじりばね)が係合され、その付勢ばねにより、開閉部材F2143の遮断部F143aには左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて変位する付勢力が作用される。これにより、変位部材F130(第3通路FRt3)から球が流出(流下、落下)されると、下側フレームF2086b(開閉部材F2143)は、開放状態から閉塞状態に動作される。
次いで、図305を参照して、第86実施形態における下側フレームF3086bについて説明する。第86実施形態における下側フレームF3086bでは、確定通路F3140の錘支持部F3145cが破損して脱落した場合、スライド部材F3144の変位が規制される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図305(a)及び図305(b)は、第86実施形態における下側フレームF3086bの部分拡大背面図であり、図305(a)は、下側フレームF3086bの閉塞状態が図示され、図305(b)は、下側フレームF3086bの開放状態が図示される。
なお、図305(b)では、右方側(矢印R方向側)に配置された変位部材F130が変位(回転)した場合における下側フレームF3086bの開放状態であり、左方側(矢印L方向側)に配置された確定通路F3140の錘支持部F3145cが破損して連結本体部F145aから脱落した状態が模式的に図示される。
また、図305では、演出手段F3120の固定部材F3121、変位部材F130、確定通路F3140、背面部材F150のスライド棒F158及び振分通路F160のみが図示される。
図305に示すように第86実施形態における確定通路F3140は、スライド部材F3144のスライド本体部F3144aの上面が背面部材F150のスライド棒F158の上端と略同一の高さに形成され、スライド部材F3144には、スライド本体部F3144aの上端から突設される規制部F3144eが形成される。
規制部F3144eは、スライド部材F3144において左右方向(矢印L-R方向)両端側に形成され、その規制部F3144eの上端には、左右方向両端側へ向かうにつれて上昇傾斜する呼び込み部F3144fが形成される。
また、演出手段F3120の固定部材F3121の背面には、規制部F3121eが形成される。規制部F3121eは、左右方向(矢印L-R方向)において、スライド部材F3144の規制部F3144eと対面して配設され、下側フレームF3086bの閉塞状態において、規制部F3144eと所定(連結部材F3145の錘支持部F3145cの外形よりもやや大きい寸法)の距離を隔てて配設される。
確定通路F3140の錘支持部F3145cは、四角柱状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)において、スライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間に配設される。
本実施形態における下側フレームF3086bでは、錘支持部F3145cが演出手段F3120の規制片F121dに当接した際の衝撃や連結本体部F145aから錘支持部F3145cを不正に切断する等により、連結部材F3145から錘支持部F3145cが脱落した場合、その錘支持部F3145cは、スライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間に落下される。脱落した錘支持部F3145cは、スライド部材F3144のスライド本体部F3144aの上面および背面部材F150のスライド棒F158により支持される。
連結部材F3145から錘支持部F3145cが脱落した場合、1のユニットとして形成される変位部材F130及び確定通路F3140の全体の重心が軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。これにより、スライド部材F3144は、左右方向中央側へ向けて変位され、下側フレームF3086bは開放状態へ向けて動作(変位)する。
ここで、本実施形態おける下側フレームF3086bでは、脱落した錘支持部F3145cがスライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間に落下することで、錘支持部F3145cによりスライド部材F3144の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位が規制される。これにより、錘支持部F3145cの脱落に起因して下側フレームF3086bが開放状態となることを抑制できる。
また、スライド部材F3144が左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて変位され、スライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間の距離が錘支持部F3145cの外形の寸法よりも小さい状態(下側フレームF3086bの開放状態)においては、錘支持部F3145cが呼び込み部F3144fに当接することで、スライド部材F3144を左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位させることができる。これにより、下側フレームF3086bを閉塞状態とできる。言い換えると、錘支持部F3145cが脱落することにより、下側フレームF3086bが開放状態に維持されることを抑制できる。
次いで、図306から図307を参照して、第87実施形態における下側フレームF4086bについて説明する。第87実施形態における下側フレームF4086bでは、変位部材F4130が変位(回転)することで、振分通路F160の第2振り分け孔F161bを球が通過することが抑制される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図306(a)及び図307(a)は、第87実施形態における下側フレームF4086bの上面図であり、図306(b)及び図307(b)は、下側フレームF4086bの部分拡大正面図である。なお、図306は、下側フレームF4086bの閉塞状態が図示され、図307は、下側フレームF4086bの開放状態が図示される。また、図306及び図307では、変位部材F4130の抑制部F4134の一部が破線にて図示される。
図306から図307に示すように第87実施形態における変位部材F4130には、第84実施形態における変位部材F130に加え、抑制部F4134が形成される。抑制部F4134は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状体から形成され、その抑制部F4134の左右方向両端側の端部は、通路部F131に連結される。抑制部F4134の左右方向中央側の端部は、振分通路F160の第2振り分け孔F161bの下方側(矢印D方向側)へ向けて延設して形成される。また、抑制部F4134の左右方向中央側の端部には、上方側(矢印U方向側)へ向けて突出する突出部F4134aが突設される。
突出部F4134aは、円柱状から形成され、その突出部F4134aの外径は、振分通路F160(第4通路FRt4)の第2振り分け孔F161bの内径よりも小さく形成される。
突出部F4134aは、軸F133よりも下方側(矢印D方向側)に配設され、軸F133を回転軸として変位部材F4130が変位(回転)することで、突出部F4134aは、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて回転(変位)される。
また、図306に示すように、下側フレームF4086bの閉塞状態においては、突出部F4134aは、振分通路F160の第2振り分け孔F161bの内周面よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される。これにより、振分通路F160(第4通路FRt4)の第2振り分け孔F161bを通過した球が突出部F4134aに当接することを抑制できる。
一方、図307に示すように、下側フレームF4086bの開放状態においては、軸F133を回転軸として変位部材F4130が変位(回転)することで、突出部F4134aは、振分通路F160の第2振り分け孔F161bを挿通した状態に配設される。
従って、下側フレームF4086bの開放状態においては、第4通路部F161(第4通路FRt4)へ案内された球は、第2振り分け孔F161bを通過することが抑制され、第1振り分け孔F161aへ案内(送球、流出)させることができる(第1入賞口64へ入賞し易くできる)。
本実施形態における下側フレームF4086bでは、開放状態において、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ振り分け易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できると共に、振分通路F160の第4通路部F161(第4通路FRt4)を移動(流下、転動)する球を通路部F141b(第6通路FRt6)へ振り分け易くできる。
言い換えると、変位部材F4130の通路部F131(第3通路FRt3)へ振り分けられた球が、第3通路流出面F131a若しくは第3通路貫通孔F131dのどちらへ向けて移動(流下、転動)する場合であっても通路部F141b(第6通路FRt6)へ振り分け易く(第1入賞口64へ入賞し易く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図308から図320を参照して、第88実施形態における下側フレームF5086bについて説明する。上記第84実施形態では、球が変位部材F130の通路部F131へ振り分けられる(案内される)ことで開閉部材F143が変位(回転)する場合を説明したが、第88実施形態における下側フレームF5086bでは、変位手段F5150の変位部材F5155に球が保持されることで開閉部材F5158が変位(回転)する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図308は、第88実施形態における遊技盤F5013の正面図である。図308に示すように、センターフレームF5086は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームF5086aと下側フレームF5086bとを備える。
上側フレームF5086aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図308上側)及び左右(図308左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームF5086bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図308下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームF5086a及び下側フレームF5086bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81(図144参照)が視認可能とされる。
なお、上側フレームF5086aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図308下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームF5086bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図308に加え、図309から図310を参照して下側フレームF5086bについて説明する。図309は、下側フレームF5086bの正面斜視図であり、図310は、下側フレームF5086bの背面斜視図である。
図309から図310に示すように、下側フレームF5086bには、球が移動(流下、転動)可能に形成される第1通路FRt51と、その第1通路FRt51を案内された球が移動(流下、転動)される第2通路FRt52及び一対の第3通路FRt53と、第2通路FRt52若しくは一対の第3通路FRt53を案内された球が移動(流下、転動)される第4通路FRt54と、第4通路FRt54を案内された球が流下される第5通路FRt55と、第4通路FRt54を案内された球が第5通路FRt55へ案内(流入、送球)される開口として形成される流入口FOPf51と、第5通路FRt55を流下された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout1とが形成される。
なお、一対の第3通路FRt53は、遊技盤F5013の幅方向(図308左右方向)における中心に対し線(面)対称(図308左右対称)に配設される。
上側フレームF5086aには、上側フレーム通路FRt50が配設される(図308参照)。上側フレーム通路FRt50は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路FRt50の下流端に第1通路FRt51の上流端が連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路FRt50に流入(入球)した球は、第1通路FRt51の上流端を介して、上側フレーム通路FRt50から下側フレームF5086bの第1通路FRt51へ流入(入球)される。なお、遊技領域から上側フレーム通路FRt50に流入(入球)した球は、上側フレーム通路FRt50から下側フレームF5086bの第1通路FRt51若しくは第4通路FRt54へ流入(入球)されても良い。
ここで、第5通路FRt55の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout1は、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第4通路FRt54の流入口FOPf51を通過して第4通路FRt54から第5通路FRt55へ振り分けられた(案内された)球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
なお、第4通路FRt54には、第1入賞口64に対して遊技盤F5013の幅方向(図308左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F5112bが形成(配置)される。そのため、第4通路FRt54の流出面F5112bへ案内(送球、流下)される球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf51を通過して第4通路FRt54から第5通路FRt55へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
また、第4通路FRt54には、起伏F5112aが形成され、起伏F5112aの底部に流出面F5112bが形成され、起伏F5112aの頂部は、第5通路FRt55(流入口FOPf51)に向けて下降傾斜される。従って、第4通路FRt54のうち、起伏F5112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられ、第4通路FRt54の延設方向に沿って移動(流下、転動)される球は、第5通路FRt55へ案内(送球、流下)されるよりも流出面F5112bから遊技領域へ流出され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
一方、起伏F5112aの頂部へ振り分けられた球は、その起伏F5112aの下降傾斜に沿って第5通路FRt55へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
第1通路FRt51には、その第1通路FRt51を案内される球を第2通路FRt52、第3通路FRt53へ案内するために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第1流出面F5114a、第2流出面F5114bがそれぞれ形成(配置)される。第2流出面F5114bは、第1流出面F5114aに対して遊技盤F5013の幅方向(図308左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。
なお、第1通路FRt51には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面F5114bが形成され、起伏の頂部に第1流出面F5114aが形成される。従って、第1通路FRt51へ振り分けられた球は、第1流出面F5114aから第2通路FRt52へ送球されるよりも第2流出面F5114bから第3通路FRt53へ流出され易い。
第2通路FRt52及び第3通路FRt53には、その第2通路FRt52若しくは第3通路FRt53を案内される球を第4通路FRt54へ案内するために遊技盤F5013の幅方向(図308左右方向)の中央側から両端側へ向けて下降傾斜してそれぞれ形成される。
第2通路FRt52の下流端には、案内された球の重さにより動作(変位)する変位手段F5150の変位部材F5155が配設され、動作(変位)後における変位部材F5155は、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部とは異なる配置される。従って、第2通路FRt52へ案内された球は、第4通路FRt54の流出面F5112bへ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
また、第3通路FRt53の下流端は、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部に対して遊技盤F5013の幅方向(図308左右方向)に異ならせた位置にそれぞれ配置されるため、第4通路FRt54の流出面F5112bへ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
下側フレームF5086bには、球の重さにより動作(変位)する変位手段F5150の開閉部材F5158が配設される。なお、開閉部材F5158は、正面視において流入口FOPf51の内周面よりも内側に配置され、第4通路FRt54を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf51を通過して第5通路FRt55へ振り分けられ(案内され)難い。
変位手段F5150は、第2通路FRt52を案内された球が変位部材F5155へ案内(送球、流下)されることで動作(変位)する。開閉部材F5158は、変位部材F5155の動作に連動することで変位し、正面視において流入口FOPf51の内周面よりも外側へ変位される(図320参照)。
従って、第2通路FRt52に振り分けられた球が変位部材F5155へ案内(送球、流下)され、変位部材F5155が動作(変位)している、言い換えると、開閉部材F5158が流入口FOPf1を開放させた状態では、第4通路FRt54を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf51を通過して第5通路FRt55へ案内(送球、流下)され易くなる(第1入賞口64へ入賞し易くなる)。
また、一対の開閉部材F5158の右側開閉部材F5158Rは、一対の変位部材F5155の右側変位部材F5155Rに非連動とされ、第5通路FRt55へ少なくとも一球が案内(送球、流下)されるまで動作(変位)後における位置に留まり、右側開閉部材F5158Rは流入口FOPf51を開放させた状態となり続ける(図320参照)。
このように、本実施形態における下側フレームF5086bは、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられ(案内され)、第4通路FRt54の延設方向に沿って球が移動(流下、転動)している状態において、その第4通路FRt54の延設方向に沿って移動(流下、転動)する球の後続となる球が第2通路FRt52へ案内(送球、流下)され、変位部材F5155が動作(変位)することで、第4通路FRt54の延設方向に沿って移動する(変位部材F5155へ案内された球の先行となる)球を第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させやすくできる(第1入賞口64に入賞し易くできる)。
また、一対の変位部材F5155の右側変位部材F5155Rが動作(変位)することで、第5通路FRt55へ少なくとも一球が案内(送球、流下)されるまで、第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ易い(第1入賞口64に入賞し易い)状態に維持できる。
よって、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられた(第1入賞口64へ入賞する確率が低い)球であっても、変位部材F5155が動作することで第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率が高められる)。その結果、第4通路FRt54を球が移動(流下、転動)している状態において、変位部材F5155、特に、右側変位部材F5155Rが動作することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図309から図310に加え、図311から図318を参照して、下側フレームF5086bの詳細構成について説明する。
図311は、下側フレームF5086bの分解正面斜視図であり、図312は、下側フレームF5086bの分解背面斜視図である。図313は、変位手段F5150の分解正面斜視図であり、図314は、変位手段F5150の分解背面斜視図である。図315は、下側フレームF5086bの上面図であり、図316は、下側フレームF5086bの正面図であり、図317は、下側フレームF5086bの背面図である。図318(a)は、図316の矢印CCCXVIIIa方向視における下側フレームF5086bの側面図であり、図318(b)は、図316の矢印CCCXVIIIb方向視における下側フレームF5086bの側面図であり、図318(c)は、図316のCCCXVIIIc-CCCXVIIIc線における下側フレームF5086bの断面図である。
図309から図318に示すように、下側フレームF5086bは、通路部材F5110と、その通路部材F5110の立て壁部F5113の正面側(矢印F方向側)に配設される第2通路部材F5120と、通路部材F5110の背面側(矢印B方向側)に配設される背面部材F5130と、その背面部材F5130と通路部材F5110との間に配設される第5通路部材F5140と、背面部材F5130の背面側に配設される変位手段F5150と、その変位手段F5150の下方側(矢印D方向側)に配設される維持手段F5160と、を備える。
通路部材F5110には流出口FOPout1が形成され、その流出口FOPout1に第5通路部材F5140の第5通路部F5141が挿通される。また、通路部材F5110及び背面部材F5130には第1挿通孔F5113b及び第2逃がし孔F5131bがそれぞれ形成され、第1挿通孔F5113b及び第2逃がし孔F5131bに変位手段F5150の変位部材F5155が挿通される。
また、背面部材F5130には第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dが形成され、第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dに変位手段F5150の一対の開閉部材F5158が挿通され、第4逃がし孔F5131dに及び維持手段F5160の通路部材F5162が挿通される。
動作(変位)後における一対の変位部材F5155の右側変位部材F5155Rは、維持手段F5160に係合されることで、その動作(変位)後における位置に留まる。維持手段F5160に球が案内(送球、流下)されることで、右側変位部材F5155Rと維持手段F5160との係合が解除され、右側変位部材F5155Rは、動作(変位)前の位置へ復帰する。
通路部材F5110には、背面部材F5130及び第2通路部材F5120がタッピングネジによりそれぞれ締結固定される。第5通路部材F5140、変位手段F5150及び維持手段F5160は、タッピングネジにより背面部材F5130にそれぞれ締結固定される。これらにより、下側フレームF5086bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図309、図310参照)。
下側フレームF5086bは、通路部材F5110、第2通路部材F5120及び維持手段F5160や変位部材F5155を除く変位手段F5150が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、第5通路部材F5140及び変位手段F5150の変位部材F5155が有色の樹脂材料から構成される。また、変位手段F5150の振り分け部材F5154は、その振り分け部材F5154の一部(表示部F5154d)に塗装が施される。よって、第1通路FRt51から第5通路FRt55を移動する球を遊技者に視認させると共に、変位部材F5155及び振り分け部材F5154の表示部F5154dの動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第5通路部材F5140及び変位手段F5150の変位部材F5155は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームF5086bは、維持手段F5160の正面側(矢印F方向側)に位置する第5通路部材F5140が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、維持手段F5160が正面側から遊技者に視認不能とできる。なお、維持手段F5160は、第5通路部材F5140が光透過性の樹脂材料から構成されることで、維持手段F5160が正面側から遊技者に視認可能となるように構成されても良い。
通路部材F5110は、第1通路FRt51及び第4通路FRt54を形成するためのものであり、正面を形成する板状の正面板F5111と、その正面板F5111の背面から突設される下側通路F5112と、その下側通路F5112の背面側(矢印B方向側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に延設される立て壁部F5113と、その立て壁部F5113の背面から突設される上側通路F5114と、下側通路F5112及び上側通路F5114の左右方向両端側の端部から鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される一対の留め部F5115と、を備える。
背面部材F5130、立て壁部F5113及び上側通路F5114により区画された空間により第1通路FRt51が形成され、正面板F5111、下側通路F5112及び立て壁部F5113により区画された空間により第4通路FRt54が形成される。
正面板F5111は、下側通路F5112の上面を移動(流下、転動)する球が遊技領域へ流出されることを抑制するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される中央部と、その中央部の左右方向両端側から外側へ向けて鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜される傾斜部とから形成される。正面板F5111の傾斜部の上端は、下側通路F5112の上面よりも鉛直方向上方に形成される。これにより、下側通路F5112の上面を移動(流下、転動)する球は、正面板F5111の傾斜部の背面に当接可能となり、下側通路F5112の上面を移動(流下、転動)する球の遊技領域への流出が抑制される。
正面板F5111には、その正面板F5111の外縁に沿って複数の挿通孔F111aが板厚方向に穿設される。下側フレームF5086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔F111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板F5111の中央部には、第1入賞口64(図308参照)の鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置に流出口FOPout1が開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口FOPout1は、第5通路FRt55を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口である。
正面板F5111には、流出口FOPout1の鉛直方向上方(矢印U方向)に張出し部F5111bが鉛直方向上方へ向けて突設される。また、正面視における形状が下側通路F5112の流出面F5112bの形状と略同一となる切欠き部F5111cが流出面F5112bの正面側(矢印F方向側)に形成される。切欠き部F5111cを通過することで、第4通路FRt54を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される。
下側通路F5112は、第84実施形態における下側通路F112に対し、左右方向(矢印L-R方向)における起伏F5112a及び一対の流出面F5112bの形状や、下側通路F5112の前後方向(矢印F-B方向)における寸法が異なる以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
起伏F5112aは、第84実施形態における起伏F112aと比較して、左右方向(矢印L-R方向)方向の幅寸法が大きく形成される。また、流出面F5112bは、第84実施形態における流出面F112bと比較して、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向かうにつれて左右方向(矢印L-R方向)における凹設寸法が大きく形成される。従って、下側通路F5112(第1通路FRt51)の正面側を移動(流下、転動)する球は、流出面F5112bを左右方向に通過する(横切る)よりも流出面F5112bから遊技領域へ流出され易い。
立て壁部F5113は、下側通路F5112と上側通路F5114とを連結するための部位である。立て壁部F5113には、左右方向(矢印L-R方向)中央側に膨出部F5113aが形成され、その膨出部F5113aには、流入口FOPf51が開口形成(板厚方向に穿設)される。
また、立て壁部F5113には、流入口FOPf51の左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される一対の第1挿通孔F5113bと、その第1挿通孔F5113bの上方側(矢印U方向側)に配設される一対の第2挿通孔F5113cと、流入口FOPf51の上方に配設される第3挿通孔F5113dと、が開口形成(板厚方向に穿設)される。
流入口FOPf51の左右方向(矢印L-R方向)における寸法は、球の外形よりも大きく形成され、詳細には、球の外形の略5倍の大きさに形成される。上述したように、流入口FOPf51は、第4通路FRt54を案内された球が第5通路FRt55へ流出される際の出口となる開口である。なお、正面視において流入口FOPf51の内周面により囲まれた領域のうち、左右方向左右方向略中央を除いた領域には変位手段F5150の開閉部材F5158が配設される。これにより、下側通路F5112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球を第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ難くできる。
膨出部F5113aは、正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成される。これにより、立て壁部F5113に当接しつつ下側通路F5112(第4通路FRt54)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球が起伏F5112aを通過する際、起伏F5112aを通過する球へ正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分を付与できる。その結果、起伏F5112aを通過する球を第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ難くできる(流入口FOPf1を通過させ難くできる)。
第1挿通孔F5113bは、変位手段F5150の変位部材F5155を挿通させるための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜して配設される。これにより、変位部材F5155を変位させる(変位部材F5155と第1挿通孔F5113bとが当接することを抑制する)ための開口を小さくでき、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
第1挿通孔F5113bには、上方側(矢印U方向側)へ向けて切欠かれる切欠き部F5113b1が切欠き形成される。その切欠き部F5113b1へ変位手段F5150の変位部材F5155を変位させることで、変位手段F5150の第2軸受け部材F5152に対し、変位部材F5155を上方側(矢印U方向側)へ変位させることができ、変位部材F5155と第2軸受け部材F5152との係合を解除できる。
第2挿通孔F5113cには、タッピングネジが挿通され、その第2挿通孔F5113cを挿通したタッピングネジが第2通路部材F5120に締結されることで、第2通路部材F5120が立て壁部F5113に固定(配設)される。
第3挿通孔F5113dは、変位手段F5150の振り分け部材F5154を挿通させるための部位であり、これにより、変位手段F5150の振り分け部材F5154が立て壁部F5113の正面側(矢印F方向側)に配設される。
立て壁部F5113の上端は、上側通路F5114の上面よりも鉛直方向上方に形成される。これにより、上側通路F5114の上面を移動(流下、転動)する球は、立て壁部F5113の背面に当接可能となり、第4通路FRt54へ流出(流下)されることを抑制できる。
また、立て壁部F5113の上端には、正面視における形状が上側通路F5114の第1流出面F5114a及び第2流出面F5114bの形状と略同一となる切欠きが第1流出面F5114a及び第2流出面F5114bの正面側(矢印F方向側)にそれぞれ形成される。それら切欠きを通過することで、第1通路FRt51を案内された球が第2通路FRt52、或いは、第3通路FRt53へ流出(流下)される。
上側通路F5114は、第84実施形態における上側通路F114に対し、第1流出面F5114a及び一対の第2流出面F5114bの形状や、上側通路F5114の前後方向(矢印F-B方向)における寸法が異なる以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
第1流出面F5114aは、第84実施形態における第1流出面F114aと比較して、左右方向(矢印L-R方向)における幅寸法が大きく形成される。従って、上側通路F5114(第1通路FRt51)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、第1流出面F5114aへ案内され易く、第1流出面F5114aから第2通路FRt52へ案内(送球、流下)され易い。
一方、第2流出面F5114bは、第84実施形態における第2流出面F114bと比較して、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向かうにつれて左右方向(矢印L-R方向)における幅寸法が大きく形成される。従って、上側通路F5114(第1通路FRt51)の正面側を移動(流下、転動)する球は、第2流出面F114bを左右方向に通過する(横切る)よりも第2流出面F114bから第2通路部材F5120(第2通路FRt52)へ流出され易い。
留め部F5115は、第84実施形態における留め部F115に対し、留め部F5115の形状が異なることや、留め部F5115の板厚方向に穿設される挿通孔F115aが1箇所であること以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
第2通路部材F5120は、第2通路FRt52及び第3通路FRt53を形成するためのものであり、第2通路部F5121と、その第2通路部F5121の左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される湾曲部F5122と、第2通路部F5121の正面端から突設される第2通路壁部F5123と、第2通路部F5121の正面側(矢印F方向側)に配設される一対の第3通路部F5124(図315参照)と、その第3通路部F5124の外縁に配設される第3通路壁部F5125と、一対の第3通路壁部F5125の間に配設される中央壁部F5126と、を備える。
第2通路部F5121、第2通路壁部F5123及び通路部材F5110の立て壁部F5113により区画された空間により第2通路FRt52が形成され、第3通路部F5124(図315参照)、第3通路壁部F5125及び通路部材F5110の立て壁部F5113(膨出部F5113a)により区画された空間により第3通路FRt53が形成される。
第2通路部F5121は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から形成される。第2通路部F5121は、左右方向(矢印L-R方向)中央側から両端側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第2通路部F5121へ案内(送球、流下)された球を左右方向に沿って移動(流下、転動)させることができる。
また、第2通路部F5121は、立て壁部F5113側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第2通路部F5121を移動(流下、転動)する球が第3通路部F5124へ案内(送球、流出)されること、若しくは、湾曲部F5122に当接すること無く第2通路部F5121から移動(流下、落下)されることを抑制できる。
また、第2通路部F5121の左右方向(矢印L-R方向)中央側には、切欠き部F5121aが切欠き形成される。切欠き部F5121aは、通路部材F5110の立て壁部F5113の第3挿通孔F5113dを挿通した変位手段F5150の振り分け部材F5154を第2通路部F5121の上面に配設させるための切欠きである。
湾曲部F5122は、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球の変位の方向を変化させるための部位であり、上面視において左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて凹となる湾曲状に形成される。湾曲部F5122に当接することで、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球の変位の方向が第2通路部F5121の延設方向先端側(左右方向両端側)から正面側(矢印F方向側)へ向けて変更される。
第2通路壁部F5123は、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球が通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位であり、第2通路部F5121の正面端から上方(矢印U方向)へ向けて立設して形成される。
第2通路壁部F5123の立設高さは、球の外形よりもやや小さく形成され、これにより、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球が遊技者に視認可能とされる。なお、第2通路壁部F5123の立設高さは、球の外形よりもやや小さく形成されても良い。この場合においても、第2通路壁部F5123が光透過性の樹脂材料から構成されるため、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球が遊技者に視認可能とされる。
第3通路部F5124は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、第3通路部F5124は、左右方向(矢印L-R方向)中央側から両端側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第3通路部F5124へ案内(送球、流下)された球を通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)させることができる。
第3通路壁部F5125は、第3通路部F5124の上面を移動(流下、転動)する球が通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位であり、第3通路部F5124の正面端及び左右方向(矢印L-R方向)中央側の端部から上方(矢印U方向)へ向けて立設して形成される。
なお、第3通路壁部F5125は、第3通路部F5124の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部には非形成であり、その非形成部を通過することで、第3通路部F5124の上面を移動(流下、転動)する球が通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)される。
また、第3通路壁部F5125の上方側(矢印U方向側)には、第2通路壁部F5123に連結する連結部F5125aが形成される。連結部F5125aが第2通路壁部F5123に連結されることで、第3通路壁部F5125に球が当接する等により第3通路壁部F5125が破損することを抑制し易くできる。
なお、連結部F5125aは、第3通路部F5124の上面から球の外形よりも大きな距離だけ上方側(矢印U方向側)に隔てた位置に配設され、これにより、第3通路部F5124の上面を移動(流下、転動)する球は、連結部F5125aと第3通路部F5124との間を通過して通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)される。
中央壁部F5126は、上側通路F5114の第1流出面F5114aから第2通路部F5121へ案内(送球、流下)された球が通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位であり、一対の第3通路壁部F5125の間において、第2通路部F5121の正面端から上方(矢印U方向)へ向けて立設して形成される。
背面部材F5130は、下側フレームF5086bの背面を形成するためのものであり、背面壁部F5131と、その背面壁部F5131の左右方向(矢印L-R方向)両端側から突出される一対の固定部F5132と、を備える。
背面壁部F5131は、横長略矩形の板状体から構成され、背面壁部F5131には、左右方向(矢印L-R方向)中央側に形成される第1逃がし孔F5131aと、第1逃がし孔F5131aよりも下方側(矢印D方向側)であって第1逃がし孔F5131aよりも左右方向両端側に形成される一対の第2逃がし孔F5131bと、右方側(矢印R方向側)に形成される第2逃がし孔F5131bの下方側に形成される第3逃がし孔F5131cと、左方側(矢印L方向側)に形成される第2逃がし孔F5131bの下方側に形成される第4逃がし孔F5131dと、が板厚方向にそれぞれ開口形成(板厚方向に穿設)される。
第1逃がし孔F5131aは、変位手段F5150の振り分け部材F5154及び第2係合部F5157cを挿通させるための部位であり、横長略矩形に形成される。
第2逃がし孔F5131bは、変位手段F5150の変位部材F5155を挿通させるための部位であり、横長略矩形にそれぞれ形成される。第2逃がし孔F5131bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜してそれぞれ配設される。これにより、変位部材F5155を変位させる(変位部材F5155と第2逃がし孔F5131bとが当接することを抑制する)ための開口を小さくでき、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dは、変位手段F5150の開閉部材F5158を挿通させるための部位であり、横長略矩形に形成される。また、第4逃がし孔F5131dには、維持手段F5160が挿通される。
第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜してそれぞれ配設される。これにより、開閉部材F5158を変位させる(開閉部材F5158と第3逃がし孔F5131c又は第4逃がし孔F5131dとが当接することを抑制する)ための開口を小さくでき、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
固定部F5132は、ベース板60に背面部材F5130を締結固定するための部位である。通路部材F5110の正面板F5111に加え、固定部F5132がベース板60に固定(配設)されることで、下側フレームF5086bのベース板60に対する姿勢の安定化を図ることができる。
また、通路部材F5110の留め部F5115に穿設される挿通孔F115aを挿通したタッピングネジが固定部F5132に締結固定されることで、背面部材F5130が通路部材F5110に固定(配設)される。
固定部F5132の正面端は、ベース板60に当接して配設される。また、固定部F5132の下方端は、変位手段F5150の変位部材F5155や開閉部材F5158よりも下方(矢印D方向)に配設される。これらにより、針金等の異物の侵入を抑制し易くでき、変位手段F5150の変位部材F5155や開閉部材F5158を不正に操作することを抑制し易くできる。
第5通路部材F5140は、第5通路FRt55を形成するためのものであり、第5通路部F5141と、その第5通路部F5141の背面側(矢印B方向側)であって、第5通路部F5141の上方側(矢印U方向側)に配設される一対の誘導部F5142と、を備える。
第5通路部F5141は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される底面部F5141aと、その底面部F5141aの左右方向両端側から上方(矢印U方向)へ向けて突設される一対の壁部F5141bと、を備え、正面視において略U字状に形成される。また、底面部F5141aの上面には、幅方向(矢印L-R方向)中央から所定の距離だけ離れた位置に一対の突部F5141cがそれぞれ突設される。底面部F5141a及び一対の壁部F5141bにより区画された空間により第5通路FRt55が形成される。
第5通路部F5141は、第84実施形態における確定通路F140の通路部F141bに対し、前後方向(矢印F-B方向)における延設長さが異なる以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
第5通路部材F5140が背面部材F5130に固定された状態において、第5通路部F5141は、通路部材F5110の流出口FOPout1の背面側(矢印B方向側)に配設され、流出口FOPout1を通過させることで、第5通路部F5141(第5通路FRt55)を移動(流下、落下)する球を遊技領域へ流出させることができる。
誘導部F5142は、流入口FOPf51を通過した球を維持手段F5160の通路部材F5162へ案内(送球、流下)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。
変位手段F5150は、その変位手段F5150の動作(変位)に応じて通路部材F5110の下側通路F5112を移動(流下、落下)する球の第5通路部材F5140(第5通路FRt55)への案内のされ易さを変化させるためのものであり、第1軸受け部材F5151と、その第1軸受け部材F5151から左右方向(矢印L-R方向)両端側に所定の距離だけ隔てて配設される一対の第2軸受け部材F5152と、第1軸受け部材F5151及び第2軸受け部材F5152に固定(配設)されるスライド棒F5153と、第1軸受け部材F5151に回転可能に係合される振り分け部材F5154と、第2軸受け部材F5152に回転可能に係合される変位部材F5155と、その変位部材F5155に配設される錘F5156と、スライド棒F5153及び変位部材F5155に係合されるスライド部材F5157と、そのスライド部材F5157に係合される開閉部材F5158と、その開閉部材F5158を回転可能に保持する保持部材F5159と、を備える。
本実施形態においては、左右方向(矢印L-R方向)における左方側(矢印L方向側)に配設される変位部材F5155、スライド部材F5157及び開閉部材F5158を左側変位部材F5155L、左側スライド部材F5157L及び左側開閉部材F5158Lと、右方側(矢印R方向側)に配設される変位部材F5155、スライド部材F5157及び開閉部材F5158を右側変位部材F5155R、右側スライド部材F5157R及び右側開閉部材F5158Rと、それぞれ符号を付して区別する。
第1軸受け部材F5151は、第2軸受け部材F5152と共にスライド棒F5153を保持するためのものであり、第1軸受け部材F5151には、第1軸受け部材F5151の背面から背面側(矢印B方向側)へ突出して形成される規制部F5151aと、第1軸受け部材F5151の上面から上方(矢印U方向)へ突出して形成される軸部F5151bとが形成される。
また、第1軸受け部材F5151には、複数(本実施形態においては2箇所)の挿通孔が穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130の背面壁部F5131に締結されることで、第1軸受け部材F5151が背面壁部F5131に固定(配設)される。
規制部F5151aは、板状体であり、第1軸受け部材F5151における下方側(矢印D方向側)に配設される。規制部F5151aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成される。また、規制部F5151aには、スライド棒F5153を挿通するための挿通孔が形成される。
軸部F5151bは、円柱状に形成され、軸部F5151bには、振り分け部材F5154が回転可能に係合される。これにより、振り分け部材F5154は、軸部F5151bを回転軸として回転(変位)可能に係合される。
第2軸受け部材F5152は、背面部材F5130の背面壁部F5131に固定(配設)される。なお、第2軸受け部材F5152は、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに対して垂直となる方向に所定(スライド棒F5153の軸方向寸法よりも小さい)距離だけ隔てた位置に配設される。
第2軸受け部材F5152には、第2軸受け部材F5152の背面から背面側(矢印B方向側)へ突出して形成される規制部F5152aが形成される。規制部F5152aは、板状体であり、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに対し平行に配設される。また、規制部F5152aには、スライド棒F5153を挿通するための挿通孔が形成される。
規制部F5152a若しくは第1軸受け部材F5151の規制部F5151aにスライド部材F5157が当接することで、スライド部材F5157の変位が規制される。
また、第2軸受け部材F5152には、複数(本実施形態においては2箇所)の挿通孔が穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130の背面壁部F5131に締結されることで、第2軸受け部材F5152が背面壁部F5131に固定(配設)される。
また、第2軸受け部材F5152には、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向かうにつれて上昇傾斜する方向に突出する突出部(図示せず)が突設され、その突出部に玉軸受F5152bが配設される。
玉軸受F5152bは、内輪と、その内輪の外周面に配設される複数の玉と、それら複数の玉を介して内輪に回転可能に配設される外輪と、から構成される。玉が自転することで、内輪の外周面と外輪の内周面とが当接する場合と比較して内輪と外輪との間に生じる摩擦が低くなり、内輪に対して外輪が容易に回転できる。第2軸受け部材F5152の突出部(図示せず)に内輪を外嵌することで、玉軸受F5152bは、突出部に支持(配設)される。
スライド棒F5153は、そのスライド棒F5153の延設方向に沿ってスライド部材F5157を変位させるためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。スライド棒F5153の外周面には、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aよりもやや左右方向(矢印L-R方向)中央側となる位置および第2軸受け部材F5152の規制部F5152aよりもやや左右方向両端側となる位置に、径方向へ向けての切り込みがそれぞれ形成される。
第1軸受け部材F5151の軸部F5151b及び第2軸受け部材F5152の規制部F5152aに穿設される挿通孔にスライド棒F5153を挿通した状態でスライド棒F5153に形成される切り込みに金属リング状のCリング(図示せず)をそれぞれ嵌合することで、スライド棒F5153は、第1軸受け部材F5151及び第2軸受け部材F5152に抜去不能に支持される。
また、スライド棒F5153は、そのスライド棒F5153の延設方向(軸方向)が第1軸受け部材F5151の規制部F5151a(第2軸受け部材F5152の規制部F5152a)に垂直な方向に沿った姿勢で第1軸受け部材F5151及び第2軸受け部材F5152に支持される。従って、スライド棒F5153は、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜した姿勢で配設される。
振り分け部材F5154は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)方向を変更させるためのものであり、被係合部F5154aと、その被係合部F5154aの正面端から立設される中間部F5154bと、その中間部F5154bの上端から正面側(矢印F方向側)へ向けて突設される振り分け部F5154cと、中間部F5154bの正面に配設される表示部F5154dと、を備える。
被係合部F5154aは、板状体から形成され、被係合部F5154aのの背面側(矢印B方向側)における端部には挿通孔が穿設される。その挿通孔に第1軸受け部材F5151の軸部F5151bが挿通されることで、振り分け部材F5154は、第1軸受け部材F5151の軸部F5151bに軸支される。
また、被係合部F5154aの延設方向(矢印F-B方向)の略中央には、上方(矢印U方向)へ向けて軸部F5154a1が突設される。軸部F5154a1は、円柱状から形成され、軸部F5154a1には、スライド部材F5157の第2係合部F5157cが係合される。
中間部F5154bは、板状体から形成され、通路部材F5110の第3挿通孔F5113d及び第2通路部材F5120の切欠き部F5121aを通過して通路部材F5110の立て壁部F5113と第2通路部材F5120の中央壁部F5126との間に配設される。中間部F5154bの上端は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121よりも上方(矢印U方向)に配設され、これにより、振り分け部F5154cは、第2通路部F5121の上方(矢印U方向)に配設される。
また、中間部F5154bは、第2通路部材F5120の切欠き部F5121aに沿って湾曲して形成される。これにより、振り分け部材F5154が回転(変位)した場合において、中間部F5154bと第2通路部材F5120の第2通路部F5121とが当接することを抑制できる。
振り分け部F5154cは、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から形成される。振り分け部F5154cの上面には起伏が形成され、起伏の頂部は、振り分け部F5154cの左右方向の略中央に配設される。起伏は、左右方向両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、振り分け部F5154cへ振り分けられた球は、その下降傾斜に沿って左右方向中央側から左右方向両端側へ向けて移動(流下、落下)する。
表示部F5154dは、振り分け部F5154cの位置を示す部位であり、振り分け部F5154cの下方(矢印D方向)に配設される。表示部F5154dは、着色されており、表示部F5154d(振り分け部F5154c)の位置を遊技者に視認させ易くできる。
変位部材F5155は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121から振り分けられた(案内された)球を通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)するためのものであり、第2軸受け部材F5152の玉軸受F5152bに軸支(係合)される軸支部F5155aと、その軸支部F5155aの外周面から正面側(矢印F方向側)に突設する腕部F5155bと、軸支部F5155aの外周面から背面側(矢印B方向側)に突設する錘支持部F5155cと、腕部F5155bの先端に配設される本体部F5155dと、その本体部F5155dの背面側(矢印B方向側)に配設される保持部F5155eと、その保持部F5155eの左右方向(矢印L-R方向)中央側に配設される規制壁F5155fと、を備える。
軸支部F5155aは、玉軸受F5152bの軸方向に沿って凹設される円筒状に形成され、軸支部F5155aの内周面は、玉軸受F5152bの外径よりもやや大きく形成される。軸支部F5155aの内周面に玉軸受F5152bが内包されることで、変位部材F5155は、玉軸受F5152bに回転可能に軸支される。
腕部F5155bは、板状体であり、背面部材F5130の第2逃がし孔F5131b及び通路部材F5110の第1挿通孔F5113bを挿通して配設される。腕部F5155bの延設長さは、背面部材F5130の背面壁部F5131と通路部材F5110の立て壁部F5113との間の距離よりも長く形成される。これにより、軸支部F5155aが玉軸受F5152bに軸支された状態において腕部F5155bの先端は、通路部材F5110の立て壁部F5113よりも正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、パチンコ機10(図143参照)に衝撃等が加えられた場合、腕部F5155bを撓ませ易く(軸支部F5155aに対し、腕部F5155bの先端を変位させ易く)できる。
腕部F5155bの外形は、背面部材F5130の第2逃がし孔F5131b及び通路部材F5110の第1挿通孔F5113bよりも小さく形成される。これにより、腕部F5155bに外力が加えられた場合、腕部F5155bは、第2逃がし孔F5131b及び第1挿通孔F5113bに挿通された状態において、左右方向(矢印L-R方向)又は上下方向(矢印F-B方向)に変位可能に配設される。
また、軸支部F5155aが玉軸受F5152bに軸支された状態では、腕部F5155bの上面と通路部材F5110の第1挿通孔F5113bの上方側(矢印U方向側)における縁との間の距離は、玉軸受F5152bの軸方向寸法よりも小さく形成される。これにより、腕部F5155bが玉軸受F5152bの軸方向に変位した場合において、軸支部F5155aと玉軸受F5152bとの軸支が解除されることを抑制できる。
なお、通路部材F5110の第1挿通孔F5113bに形成される切欠き部F5113b1へ腕部F5155bを案内させることで、玉軸受F5152bの軸方向への腕部F5155bの変位量を大きくでき、軸支部F5155aと玉軸受F5152bとの軸支を解除できる。
錘支持部F5155cは、玉軸受F5152bの軸方向に沿って凹設される円筒状に形成され、錘支持部F5155cの内周面は、錘F5156の外径よりもやや大きく形成される。錘支持部F5155cの内周面に錘F5156が内包されることで、錘F5156が錘支持部F5155cに配設(支持)される。
また、錘支持部F5155cの上面には、玉軸受F5152bの軸方向に沿って突出する突出部F5155c1が突設され、突出部F5155c1がスライド部材F5157の第2挿通孔F5157a2に挿通されることで、変位部材F5155とスライド部材F5157とが係合される。
本体部F5155dは、着色され、これにより、変位部材F5155が動作(回転、変位)していることを遊技者に視認させ易くできる。本体部F5155dには、下方側(矢印D方向側)に円筒状に凹設される凹部F5155d1が形成され、その凹部F5155d1の底面には貫通孔F5155d2が円状に穿設される。凹部F5155d1と貫通孔F5155d2とは同一軸上に配置される。
凹部F5155d1の内径は、球の直径の略1.5倍の大きさに形成され、凹部F5155d1の内周面と貫通孔F5155d2の内周面との間の距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球の重心を貫通孔F5155d2の内周面よりも内側へ位置させることができ、球の自重を利用して凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球を、貫通孔F5155d2へ向けて変位させることができる。
また、凹部F5155d1の凹設深さは、球の直径よりも小さく形成される。これにより、凹部F5155d1に球が案内(送球、流下)されたことを遊技者に視認させることができる。
保持部F5155eは、前後方向(矢印F-B方向)に球の直径よりも小さい距離だけ隔てて配設される一対の直線部F5155e1と、一対の直線部F5155e1の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部どうしを連結する湾曲状の湾曲部F5155e2とを備え、上面視において略U字状に形成される。
保持部F5155eは、左右方向(矢印L-R方向)において、第2通路部材F5120の湾曲部F5122と第2通路壁部F5123との間であって、第2通路部F5121の正面側(矢印F方向側)且つ下方側(矢印D方向側)に配設される。これにより、湾曲部F5122に案内(送球)され、湾曲部F5122と第2通路壁部F5123との間から正面側へ向けて移動(流下、落下)した球は、保持部F5155eへ案内(送球、流下)される。
保持部F5155eは、正面側(矢印F方向側)へ向かうにつれて上昇傾斜して配設される。これにより、正面側に配設される直線部F5155e1に当接させることで、保持部F5155eへ案内(送球、流下)された球の正面側へ向けての変位を規制できる。その結果、保持部F5155eへ案内(送球、流下)された球が、保持部F5155eから通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制し易くできる。
また、保持部F5155eは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して配設される。これにより、保持部F5155eへ案内(送球、流下)された球を湾曲部F5155e2に当接させた状態に維持でき、一対の直線部F5155e1及び湾曲部F5155e2により球を保持できる。
保持部F5155eは、本体部F5155dにおける背面側(矢印B方向側)に配設され、本体部F5155dの背面側における内周面へ向けた姿勢で配設される。言い換えると、一対の直線部F5155e1の略中央を本体部F5155dの中心軸とは異なる位置(偏心した位置)へ向けた姿勢で配設される。これにより、保持部F5155eから振り分けられた(案内された)球を本体部F5155dの凹部F5155d1(貫通孔F5155d2)の中心軸とは異なる位置(偏心した位置)へ案内(送球、流下)でき、貫通孔F5155d2へ流入することを遅延させることができる。
規制壁F5155fは、板状体であり、上面視において、背面側(矢印B方向側)へ向けて凸となる湾曲状に形成される。規制壁F5155fの左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部は、保持部F5155eの背面側に配設される直線部F5155e1の端部に連結され、規制壁F5155fの左右方向中央側の端部は、本体部F5155dの凹部F5155d1の内周面の上方(矢印U方向)に配設される。
これにより、規制壁F5155fに沿って保持部F5155eから本体部F5155dの凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球を凹部F5155d1の内周面側、言い換えると、凹部F5155d1(貫通孔F5155d2)の中心軸とは異なる位置へ球を案内(送球、流下)できる。その結果、凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球をその凹部F5155d1の内周面に沿って変位させる(凹部F5155d1の中心軸へ向けて変位させ難くする)ことができ、凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球が貫通孔F5155d2を通過することに要する時間を嵩ませることができる。
錘F5156は、変位部材F5155の重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F5156が玉軸受F5152bの回転軸よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に配設されることで、変位部材F5155及び錘F5156の全体の重心は、玉軸受F5152bよりも背面側(矢印B方向側)に位置する。
スライド部材F5157は、変位部材F5155と開閉部材F5158とを連結するためのものである。左側スライド部材F5157Lは、スライド本体部F5157aと、そのスライド本体部F5157aの下方側(矢印D方向側)に配設される第1係合部F5157bと、スライド本体部F5157aの上方側(矢印U方向側)に配設される第2係合部F5157cと、を備える。
右側スライド部材F5157Rは、左側スライド部材F5157Lに対し、第2係合部F5157cが省略されると共に、被係合部F5157dが配設される点を除いて、同一に形成される。よって、右側スライド部材F5157Rについては、被係合部F5157dについてのみ説明し、その他の部位における詳細な説明は省略する。
スライド本体部F5157aは、板状体から形成され、スライド本体部F5157aの左右方向(矢印L-R方向)両端部は背面側に屈曲して形成される。その背面側に屈曲される部位には板厚方向に第1挿通孔F5157a1がそれぞれ穿設される。第1挿通孔F5157a1には、スライド棒F5153が挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157はスライド棒F5153の延設方向に沿って変位可能に係合される。
また、スライド本体部F5157aの下端部は、背面側に屈曲して形成され、その背面側に屈曲される部位には板厚方向に第2挿通孔F5157a2が穿設される。第2挿通孔F5157a2には、変位部材F5155の突出部F5155c1が挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157と変位部材F5155とが係合される。
第1係合部F5157bは、板状体であり、スライド本体部F5157aの正面端から下方側(矢印D方向側)に延設される。また、第1係合部F5157bの下端は正面側(矢印F方向側)に屈曲して形成され、その屈曲された部位には、挿通孔F5157b1が穿設される。
挿通孔F5157b1には、開閉部材F5158の突出部F5158cが挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157と開閉部材F5158とが係合される。挿通孔F5157b1は、前後方向(矢印F-B方向)に延びる長孔状に形成され、開閉部材F5158の突出部F5158cは、前後方向に変位可能に挿通(係合)される。
第2係合部F5157cは、板状体であり、スライド本体部F5157aの正面端から上方側(矢印U方向側)に延設される。また、第2係合部F5157cの上端は正面側(矢印F方向側)に屈曲して形成され、その屈曲された部位には、挿通孔F5157c1が穿設される。挿通孔F5157c1には、振り分け部材F5154の軸部F5154a1が挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157と振り分け部材F5154とが係合される。
被係合部F5157dは、板状体から形成される。被係合部F5157dには挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが第1係合部F5157bに締結されることで、被係合部F5157dが第1係合部F5157bに固定(配設)される。
被係合部F5157dの右方側(矢印R方向側)は、背面側(矢印B方向側)へ向けて屈曲して形成され、その屈曲部には磁性材料から構成される磁性体(図示せず)が配設される。その磁性体が維持手段F5160の磁性体F5164に磁着されることで、右側スライド部材F5157Rが磁性体F5164係合(固定)される。
開閉部材F5158は、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、落下)する球が流入口FOPf51を通過し難くするためのものであり、遮断部F5158aと、その遮断部F5158aの下端から背面側(矢印B方向側)へ向けて延設される連結部F5158bと、その連結部F5158bの下面から下方(矢印D方向)に突出する突出部F5158cと、を備える。
遮断部F5158aは、通路部材F5110の膨出部F5113aに沿って湾曲して形成される。言い換えると、遮断部F5158aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。
これにより、遮断部F5158aに当接することで、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を左右方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、左右方向に沿って揺動(移動、転動)すると共に遮断部F5158aの湾曲形状に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。その結果、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を流出面F5112bがへ案内(送球、流下)し易くでき、第5通路FRt55へ案内させ難くできる(流入口FOPf51を通過させ難くできる)。
連結部F5158bは、保持部材F5159に係合(軸支)されるための部位であり、背面側(矢印B方向側)における連結部F5158bには、挿通孔F5158b1が穿設される。挿通孔F5158b1には、保持部材F5159の軸支部F5159cが挿通(係合、軸支)され、これにより、開閉部材F5158は、軸支部F5159cに回転可能に係合(軸支)される。
突出部F5158cは、円柱状に形成され、正面側(矢印F方向側)における連結部F5158bに配設される。突出部F5158cがスライド部材F5157の挿通孔F5157b1に挿通されることで、開閉部材F5158とスライド部材F5157とが係合される。
ここで、スライド部材F5157の挿通孔F5157b1は、前後方向(矢印F-B方向)に延びる長孔状に形成されるため、スライド部材F5157が左右方向(矢印L-R方向)に変位し、開閉部材F5158(突出部F5158c)が保持部材F5159の軸支部F5159c回転軸として回転する(前後方向に変位する)場合においても、係合部F5158c1と挿通孔F5157b1の内周面とが当接することを抑制できる。
また、開閉部材F5158は、正面側(矢印F方向側)に配設される突出部F5158c及び背面側(矢印B方向側)に配設される挿通孔F5158b1により、スライド部材F5157及び保持部材F5159に係合(支持)される。これにより、前後方向(矢印F-B方向)に距離を隔てた2箇所で開閉部材F5158を係合(支持)でき、開閉部材F5158の姿勢を安定化させることができる。
保持部材F5159は、開閉部材F5158を回転可能に係合(軸支)するためのものであり、固定部F5159aと、その固定部F5159aから正面側(矢印F方向側)に突出する突出部F5159bと、その突出部F5159bから上方側(矢印U方向側)に突出する軸支部F5159cと、を備える。
固定部F5159aは、板状体から形成される。また、固定部F5159aには挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130に締結されることで、保持部材F5159が背面部材F5130に固定(配設)される。突出部F5159bは、板状体から形成され、固定部F5159aの正面から正面側(矢印F方向側)に突出して形成される。
軸支部F5159cは、開閉部材F5158を回転可能に軸支するための部位であり、円柱状に形成される。軸支部F5159cは、その軸支部F5159cの軸方向が玉軸受F5152bの軸方向と平行となる姿勢で突出部F5159bに配設される。
また、軸支部F5159cは、突出部F5159bの突出先端側(矢印F方向側)に配設される。これにより、開閉部材F5158の連結部F5158bの前後方向(矢印F-B方向)への延設寸法を短くでき、開閉部材F5158が軸支部F5159cを回転軸として回転する際の開閉部材F5158の姿勢の安定化を図ることができる。
維持手段F5160は、変位手段F5150の右側スライド部材F5157Rの変位後における状態を維持するためのものであり、軸配設部材F5161と、その軸配設部材F5161に回転可能に軸支される通路部材F5162及び係合部材F5163と、係合部材F5163に配設される磁性体F5164と、を備える。
軸配設部材F5161は、板状体から形成され、背面部材F5130の背面壁部F5131に対し平行に配設される第1壁部F5161aと、その第1壁部F5161aの左方側(矢印L方向側)における端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて延設される第2壁部F5161bと、を備える。
また、軸配設部材F5161には、挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130に締結されることで、維持手段F5160が背面部材F5130に固定(配設)される。なお、軸配設部材F5161に形成される挿通孔の一部は、保持部材F5159の固定部F5159aに形成される挿通孔に対応する位置に形成される。これにより、保持部材F5159を背面部材F5130に固定(配設)するためのタッピングネジを軸配設部材F5161の固定(配設)に兼用でき、製品コストの削減を図ることができる。
第1壁部F5161aには、背面側(矢印B方向側)へ向けて突出する第1軸部F5161cが突設され、第2壁部F5161bには、左方側(矢印L方向側)へ向けて突出する第2軸部F5161dが突設される。第1軸部F5161c及び第2軸部F5161dは、係合部材F5163及び通路部材F5162を軸支するための部位である。
通路部材F5162は、係合部材F5163を変位(回転)させるためのものであり、通路部F5162aと、その通路部F5162aの背面から背面側(矢印B方向側)へ向けて延設される被軸支部F5162bと、その被軸支部F5162bの背面側の端部から右方側(矢印R方向側)へ向けて突出する伝達部F5162cと、を備える。
通路部F5162aは、板状体から形成され、正面側(矢印F方向側)を除く端部には、上方側(矢印U方向側)へ向けて突出する壁部が形成される。通路部F5162aは、第5通路部材F5140の第5通路部F5141の背面側(矢印B方向側)に配設され、通路部F5162a及び第5通路部F5141により区画された空間により第5通路FRt55が形成される。通路部F5162aへ振り分けられた球は、壁部が非形成とされる正面側(矢印F方向側)の端部を通過して、第5通路部材F5140の第5通路部F5141へ案内(送球、流下)される。
被軸支部F5162bは、前後方向(矢印F-B方向)に延びる棒状体から形成される。被軸支部F5162bには挿通孔が形成され、その挿通孔に第2軸部F5161dが挿通されることで、通路部材F5162が軸配設部材F5161に回転可能に軸支される。
伝達部F5162cは、円柱状に形成される。伝達部F5162cと係合部材F5163の被伝達部F5163bとが係合することで、通路部材F5162の回転(変位)に伴い、係合部材F5163を変位(回転)させることができる。
係合部材F5163は、変位手段F5150の右側スライド部材F5157Rの変位を規制するためのものであり、被軸支部F5163aと、その被軸支部F5163aの延設方向一端に配設される被伝達部F5163bと、被軸支部F5163aの延設方向他端に配設される保持部F5163cと、を備える。
被軸支部F5163aは、左右方向(矢印L-R方向)に延びる棒状体から形成される。被軸支部F5163aには挿通孔が形成され、その挿通孔に第1軸部F5161cが挿通されることで、係合部材F5163が軸配設部材F5161に回転可能に軸支される。
被伝達部F5163bは、通路部材F5162側(矢印L方向側)における被軸支部F5163aの端部に配設される。被伝達部F5163bは、連結部F5163b1と、その連結部F5163b1の上下方向(矢印U-D方向)における端部から平行に突出される一対の突出部F5163b2と、一対の突出部F5163b2の突出先端であって、一対の突出部F5163b2の対向面から突出する係合部F5163b3と、を備える。
一対の係合部F5163b3の突出先端は、湾曲して形成される。また、一対の係合部F5163b3の突出先端の対向間の距離は、通路部材F5162の伝達部F5162cの外径と同等またはやや大きく形成される。一対の係合部F5163b3の間に伝達部F5162cが配設されることで被伝達部F5163bと伝達部F5162cとが上下方向(矢印U-D方向)において係合される。
なお、一対の突出部F5163b2(係合部F5163b3)は平行に配設されるため、一対の係合部F5163b3と伝達部F5162cとは前後方向(矢印F-B方向)において非係合とされる(一対の突出部F5163b2に対して伝達部F5162cが前後方向に変位可能とされる)。これらにより、第2軸部F5161dを回転軸とする通路部材F5162の回転に対し、第1軸部F5161cを回転軸として係合部材F5163を回転させることができる。
また、一対の係合部F5163b3の突出先端が湾曲して形成され、伝達部F5162cが円柱状に形成されるため、一対の係合部F5163b3と伝達部F5162cとの接触面積を小さくでき、一対の係合部F5163b3と伝達部F5162cとの間に生じる摩擦力を低減できる。これにより、通路部材F5162又は係合部材F5163の動作不良や被伝達部F5163b又は伝達部F5162cの破損を抑制できる。
保持部F5163cは、磁性体F5164を保持(固定)するための部位である。保持部F5163cは、被伝達部F5163bとは反対側(矢印R方向側)における被軸支部F5163aの端部から上方側(矢印U方向側)へ向けて突出して形成される。
磁性体F5164は、右側スライド部材F5157Rの変位を規制するためのものであり、鉄、コバルト、ニッケル又はそれらの合金等の磁性材料から構成される板状体に形成される。磁性体F5164には挿通孔が穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが保持部F5163cに締結されることで、磁性体F5164が保持部F5163cに保持(固定)される。
右側スライド部材F5157Rが磁性体F5164側(矢印R方向側)へ向けて変位した場合、磁性体F5164と右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dに配設される磁性体(図示せず)とが磁着する。これにより、右側スライド部材F5157Rが変位前の状態へ復帰(変位)することを規制できる。
ここで、維持手段F5160の通路部材F5162、係合部材F5163及び磁性体F5164の全体の重心は、軸配設部材F5161にの第2軸部F5161dよりも背面側(矢印B方向側)に位置する。これにより、通路部材F5162は、第2軸部F5161dを回転軸として伝達部F5162cが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)し、通路部F5162aが上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する。通路部F5162aが第5通路部材F5140に当接することで、通路部材F5162の回転(変位)が規制される。
次いで、図319から図321を参照して、変位手段F5150の変位部材F5155の変位(回転)に対する開閉部材F5158の変位(回転)について説明する。なお、開閉部材F5158の変位(回転)の説明においては、図313から図314を適宜参照して説明する。
図319は、変位部材F5155(左側変位部材F5155L及び右側変位部材F5155R)の変位(回転)前における下側フレームF5086bを、図320は、左側変位部材F5155Lの変位(回転)後における下側フレームF5086bを、図321は、右側変位部材F5155Rの変位(回転)後における下側フレームF5086bを、それぞれ図示しており、図319(a)、図320(a)及び図321(a)は、下側フレームF5086bの正面図であり、図319(b)、図320(b)及び図321(b)は、下側フレームF5086bの背面図である。
なお、図319から図321において、第2通路部材F5120の中央壁部F5126の図示が省略され、第3通路壁部F5125の一部が破断された状態が図示される。また、下側フレームF5086bにおいて、変位部材F5155が変位(回転)する前の状態を閉塞状態、変位部材F5155が変位(回転)した後の状態を開放状態、とそれぞれ称す。
図319に示すように、下側フレームF5086bの閉塞状態において、スライド部材F5157(左側スライド部材F5157L及び右側スライド部材F5157R)のスライド本体部F5157aが第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに当接することでスライド部材F5157の変位が規制され、開閉部材F5158の遮断部F5158aは、正面視において、通路部材F5110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。言い換えると、規制部F5151aは、流入口FOPf51の縁よりも内側に配設される。
なお、一対の遮断部F5158aの対向面間の距離は、球の直径よりもやや大きく形成される。言い換えると、一対の遮断部F5158aは、流入口FOPf51の左右方向中央側には非配設とされ、流入口FOPf51で囲まれた領域における左右方向両側に配設される。
これにより、閉塞状態においても、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球は、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入して、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)可能となる。
また、一対の遮断部F5158aの対向間は、下側通路F5112の起伏F5112aの頂部の背面側(矢印B方向側)に形成される。これにより、起伏F5112aの頂部へ振り分けられた球は、起伏F5112aの背面側(矢印B方向側)へ向けての下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、一対の遮断部F5158aの対向間へ流入して、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)され易い。
閉塞状態において、変位部材F5155、錘F5156、スライド部材F5157及び開閉部材F5158の全体の重心は、玉軸受F5152bよりも背面側(矢印B方向側)に位置する。玉軸受F5152bは、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向かうにつれて下降傾斜する方向へ傾いて配設されており、玉軸受F5152bよりも背面側が下方側(矢印D方向側)へ向けて変位する。
これにより、スライド部材F5157のスライド本体部F5157aには、下方側(矢印D方向側)へ向けて変位する力が作用する。その結果、スライド部材F5157のスライド本体部F5157aと第1軸受け部材F5151の規制部F5151aとの当接状態が維持され、下側フレームF5086bは、閉塞状態に維持される。
次いで、下側フレームF5086bの閉塞状態から開放状態への動作について説明する。第2通路部材F5120の第2通路部F5121を案内された球が変位部材F5155の保持部F5155eへ案内(送球、流下)、保持されることで、変位部材F5155、錘F5156、スライド部材F5157及び開閉部材F5158に保持部F5155eに保持された球を加えた全体の重心が、正面側(矢印F方向側)に位置する。
これにより、変位部材F5155の本体部F5155dには、下方側(矢印D方向側)へ向けて変位する力が作用し、スライド部材F5157のスライド本体部F5157aには、上方側(矢印U方向側)へ向けて変位する力が作用する。
スライド本体部F5157aが上方側(矢印U方向側)へ向けて変位し、第2軸受け部材F5152の規制部F5152aに当接することで、スライド部材F5157の変位が規制され、下側フレームF5086bが開放状態に配置(維持)される。
ここで、下側フレームF5086bの開放状態への動作は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)から振り分けられた(案内された)球が変位手段F5150の保持部F5155eへ案内(送球、流下)され、球と共に変位部材F5155が変位(回転)することにより行われる。
上述したように、本実施形態においては、腕部F5155bが撓み易く(軸支部F5155aに対し、腕部F5155bの先端が変位し易く)形成され、保持部F5155eから球が移動(流下、落下)され易く形成される。
ここで、第84実施形態における下側フレームF86bでは、球が変位部材F130の通路部F131(第3通路FRt3)へ振り分けられる(案内される)ことで閉塞状態から開放状態へ動作される。従って、パチンコ機10(図143参照)に衝撃等が加えられた場合、変位部材F130が変位することで第1入賞口64へ入賞し易い状態(開放状態)となる。
これに対し、本実施形態における下側フレームF5086bでは、変位手段F5150の保持部F5155eに保持されることで閉塞状態から開放状態へ動作され、パチンコ機10(図143参照)に衝撃等が加えられた場合、保持部F5155eから球が移動(流下、落下)され易い。これにより、パチンコ機10に衝撃等が加えられた場合、第1入賞口64へ入賞し難い状態(閉塞状態)とできることで、パチンコ機10に衝撃等が加えられることを抑制し易くできる。
図320及び図321に示すように、下側フレームF5086bの開放状態において、遮断部F5158aは、通路部材F5110の立て壁部F5113の背面側(矢印B方向側)に配置される。言い換えると、遮断部F5158aは、正面視において、通路部材F5110に形成される流入口FOPf51を介して遊技者から視認不能となる位置に配設される。従って、下側フレームF5086bの閉塞状態と比較して、一対の遮断部F5158aの対向間の距離が大きくなり、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入させ易くできる。
下側フレームF5086bの開放状態において、変位部材F5155は、変位(回転)された状態に維持される。これにより、下側フレームF5086bの開放状態を遊技者に視認させ易くできる。
このように、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)を移動(流下、転動)する球が第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)されることで(図309参照)、球の重量を利用して変位部材F5155が閉塞状態から開放状態へ向けて変位(回転)する。これにより、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入させ易くでき、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。
従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)を球が移動(流下、転動)している場合に、第2通路部F5121(第2通路FRt52)を移動(流下、転動)する球の有無を遊技者に意識させ、興趣を高めることができる。
なお、下側フレームF5086bの解放状態から閉塞状態へ向けての動作は、変位部材F5155から球が流出される(変位部材F5155に球の重量が非作用となる)ことで行われる。下側フレームF5086bの解放状態から閉塞状態へ向けての力(重力)の作用は開放状態の維持と同様であるためその説明は省略する。
このように、球の重量を利用して下側フレームF5086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させることができるため、駆動装置を不要とでき、製造コストを低減できる。
ここで、閉塞状態において、振り分け部材F5154の振り分け部F5154cの起伏の頂部は、通路部材F5110の第1流出面F5114aの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置よりも右方側(矢印R方向側)となる位置に配設される。
これにより、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)の第1流出面F5114aから第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球は、振り分け部F5154cに案内され、左側変位部材F5155Lへ向けて移動(流下、転動)される。
第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球が、左側変位部材F5155Lへ振り分けられ、玉軸受F5152bを回転軸として左側変位部材F5155Lが回転することで、左側スライド部材F5157Lが、左方側(矢印L方向側)へ向けて変位される。
また、左側スライド部材F5157Lの第2係合部F5157cと振り分け部材F5154の被係合部F5154aとは係合されるため、左側スライド部材F5157Lの変位に連動して振り分け部F5154cが左方側(矢印L方向側)へ向けて変位される。その結果、振り分け部F5154cの起伏の頂部は、第1流出面F5114aの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置よりも左方側(矢印L方向側)となる位置に配設される。
なお、開放状態のうち、振り分け部材F5154、左側変位部材F5155L、左側スライド部材F5157L及び左側開閉部材F5158Lが動作(回転、変位)した状態を「第1開放状態」と称す。
従って、第1開放状態において、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)の第1流出面F5114aから第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球は、振り分け部F5154cに案内され、右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)される。
ここで、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用されている状態において、第2の球(第1の球に後行する球であって、第1流出面F5114aから第2通路FRt52へ流下される球)が、第2通路FRt52又は第3通路FRt53から左側変位部材F5155Lへ向けて流下して、左側変位部材F5155Lへ衝突されると、左側変位部材F5155Lから第1の球が脱落(流下)する虞がある。第1の球が左側変位部材F5155Lから脱落(流下)されると、遮断部F5158aが閉塞状態に復帰されてしまい、流入口FOPf51へ球が流入され難くなる。
特に、第4通路FRt54上に第3の球がある状態で、左側変位部材F5155Lへ第1の球の重量が作用され、遮断部F5158aが開放状態となることで、流入口FOPf51への第3の球の流入を遊技者が期待していた場合には、第1の球の脱落(遮断部F5158aの遮蔽状態への復帰)は、期待を中断させ、遊技の興趣の低下を招く。
これに対し、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用されている状態では、第2の球を、振り分け部F5154cの案内により、右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)させることができる。即ち、第2の球が、左側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)することを規制(抑制)できる。
これにより、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用されている状態において、かかる左側変位部材F5155Lが第2の球の影響を受ける(第2の球が、第2通路FRt52又は第3通路FRt53から左側変位部材F5155Lへ向けて流下して、別の第2の球の左側変位部材F5155Lへの衝突により、左側変位部材F5155Lから第1の球が脱落(流下)する)ことを抑制できる。即ち、第2の球の衝突によって、遮断部F5158aの状態が変化する(開放状態から閉塞状態となる)ことを抑制できる。その結果、流入口FOPf51への球の流入のし易さが途中で変化されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用された状態では、第2の球を所定位置(例えば、第1通路FRt51上)に保留する(移動を停止させる)構成も考えられる。
これに対し、振り分け部F5154cは、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用された状態において、第2の球を、所定位置に保留するのではなく、右側変位部材F5155Rへ案内する(左側変位部材F5155Lよりも右側変位部材F5155Rへ移動し易くする)ので、流入口FOPf51への球(例えば、第4通路FRt54上にある第3の球)の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。
即ち、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(第2の球が左側変位部材F5155Lに衝突し、第1の球が左側変位部材F5155Lから脱落する)ことを抑制しつつ、第2の球を右側変位部材F5155Rに受け取らせ、その受け取った第2の球の重量が右側変位部材F5155Rに作用された状態を形成することで、右側変位部材F5155Rによっても、流入口FOPf51への球(第3の球)の流入がし易くされた状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
また、第2通路FRt52及び第3通路FRt53の正面側(矢印F方向側)には、第2通路壁部F5123及び第3通路壁部F5125が立設されるので、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用されている状態において、第2通路FRt52又は第3通路FRt53から流下する球が左側変位部材F5155Lの側面に衝突(当接)され難くできる。これにより、左側変位部材F5155Lから第1の球が脱落(流下)することを抑制して、流入口FOPf51への球の流入のし易さが途中で変化されることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、左側変位部材F5155Lに重量を作用させていた第1の球に別の球(第2の球)が当接する場合には、第1の球が左側変位部材F5155Lから脱落しても、その第1球に代わって、別の球(第2の球)が左側変位部材F5155Lに重量を作用させることができる場合がある。また、左側変位部材F5155Lの上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位、保持部5155e又は凹部F5155d1)に別の球(第2の球)が当接する(受け取られる)場合には、重量を作用させていた第1の球に加え、或いは、第1の球に置き換わって、別の球(第2の球)が左側変位部材F5155Lに重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球(第2の球)が少なくとも左側変位部材F5155Lの側面へ衝突(当接)し難くできれば有効となる。即ち、玉軸受F5152bを回転軸として回転される左側変位部材F5155Lに対し、第2通路壁部F5123及び第3通路壁部F5125が有効となる。
この場合、左側変位部材F5155Lは、玉軸受F5152bを回転軸として回転されることで、第2通路FRt52の流下部(左側変位部材F5155Lへ球を流下させる部位、第2通路壁部F5123が非形成とされる部位)及び第3通路FRt53の流下部(左側変位部材F5155Lへ球を流下させる部位、第3通路壁部F5125が非形成とされる部位)から離れる方向へ変位することができる。これにより、流下部から流下した別の球(第2の球)が左側変位部材F5155の側面に衝突(当接)し難くできる。
なお、第2通路FRt52及び第3通路FRt53の通路長さは任意に設定可能であり、本実施形態の場合よりも短い長さに設定されることが好ましい。また、振り分け部F5154cの大きさ(矢印L,R方向寸法)を本実施形態の場合よりも大きくして、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用された状態では、第2流出面F5114b(一対の第2流出面F5114bのうちの左側変位部材F5155L側に位置するもの)から第2通路FRt52へ流下される球も右側変位部材F5155Rへ案内されるように構成しても良い。また、第2流出面F5114bの形成を省略しても良い。いずれの場合においても、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用されている状態において、かかる左側変位部材F5155Lが第2の球の影響を受けることを抑制し易くできる。
第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球は、右側変位部材F5155Rへ振り分けられ、右側変位部材F5155R、右側スライド部材F5157R及び右側開閉部材F5158Rが動作(回転、変位)することで下側フレームF5086bが開放状態となる。以下、開放状態のうち、右側変位部材F5155R、右側スライド部材F5157R及び右側開閉部材F5158Rが動作(回転、変位)した状態を「第2開放状態」と称す。
下側フレームF5086bの第2開放状態においては、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dに配設される磁性体(図示せず)が、維持手段F5160の磁性体F5164に磁着される。これにより、変位部材F5155の本体部F5155dから球が流出(流下)された状態においても、右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)が動作(回転、変位)する(第2開放状態から閉塞状態へ動作する)ことを抑制できる。従って、下側フレームF5086bは、第2開放状態(一対の遮断部F5158aの対向間の距離が大きくされた状態)に維持される。
これにより、右側変位部材F5155Rから球が流出(流下)され、球の重量が右側変位部材F5155Rに非作用の状態においても、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入させ易い状態を維持できる。
このように、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)から第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球が、右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)することで、左側変位部材F5155Lへ向けて移動(流下、転動)する場合と比較して、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球が一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入されることを遊技者に期待させ易くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)から第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球(先行の球)が、左側変位部材F5155Lへ向けて移動(流下、転動)することで、その先行の球の後続となる球(後続の球)を右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)させることができる。言い換えると、先行の球が左側変位部材F5155Lへ振り分けられてから所定の時間内に後続の球が上側通路F5114(第1通路FRt51)から第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、下側フレームF5086bの第2開放状態において、右側変位部材F5155Rは、変位された状態に維持されるため、下側フレームF5086bが第2開放状態であることを遊技者に理解させ易くできる。
次いで、第2開放状態から閉塞状態への動作(変位)について説明する。一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入した球が維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)されることで、通路部材F5162、係合部材F5163及び磁性体F5164に球を加えた全体の重心は軸配設部材F5161の第2軸部F5161dよりも正面側(矢印F方向側)に位置する。これにより、通路部材F5162は第2軸部F5161dを回転軸として通路部F5162a(伝達部F5162c)が下方側(上方側)へ向けて回転する。
通路部F5162aの下方側へ向けての回転により、係合部材F5163は第1軸部F5161cを回転軸として保持部F5163cが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転し、右側スライド部材F5157Rと維持手段F5160との係合(着磁)が解除される。その結果、下側フレームF5086bが閉塞状態に配置される。
このように、下側フレームF5086bが第2開放状態(第1入賞口64へ入賞され易い状態)へ動作されると、少なくとも一球が維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)される(第1入賞口64へ入賞される)までの間、下側フレームF5086bを第2開放状態に維持することができる。
これにより、第2開放状態において、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51への球の流入を確実化できる。言い換えると、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ球が流入されないまま、下側フレームF5086bが第2開放状態から閉塞状態へ動作されることを抑制できる。その結果、遊技者に安心感を付与でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、下側フレームF5086bを流下する球について説明する。遊技領域を流下する球のうち、上側フレームF5086aに配設される上側フレーム通路FRt50(図308参照)を案内された球は、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)の上流端に流入(入球)される。
上側通路F5114(第1通路FRt51)の上流端に流入(入球)された球は、上側通路F5114(第1通路FRt51)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って上側通路F5114の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)し、第1流出面F5114a若しくは第2流出面F5114bから第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)若しくは第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ案内(送球、流出)される。
第1流出面F5114aから第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)された球は、振り分け部材F5154の振り分け部F5154cの傾斜方向に沿って左側変位部材F5155L側(矢印L方向側)へ向けて移動(流下、転動)し、湾曲部F5122に当接することで移動方向が正面側(矢印F方向側)へ変更される。これにより、第2通路部F5121の正面側に配設される左側変位部材F5155Lへ球が案内(送球、流出)される。
ここで、湾曲部F5122は、上面視において左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて凹となる湾曲状に形成されるため、第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)された球の移動速度の大きさを維持したまま、球の移動の方向を正面側(矢印F方向側)へ変更できる。これにより、湾曲部F5122が非形成の場合と比較して、早く左側変位部材F5155Lへ球を案内(送球、流出)できる。
また、左側変位部材F5155Lは、玉軸受F5152bに軸支されるため、玉軸受F5152bが非配設の場合と比較して、左側変位部材F5155Lへ球が案内(送球、流出)されてから左側変位部材F5155Lが回転(変位)するまでの時間を短くでき、第1開放状態となるまでの時間を短くできる。
これにより、左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)された球の後続となる球が、続けて左側変位部材F5155Lへ向けて第2通路部F5121(第2通路FRt52)を移動(流下、転動)する(振り分け部F5154cの変位前に第1流出面F5114aから第2通路部F5121へ案内される)場合であっても、後続の球が先行の球(左側変位部材F5155Lへ案内された球)に当接することを抑制でき、先行の球が左側変位部材F5155Lから落下(流出)することを抑制できる。
左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)された球は、左側変位部材F5155Lと共に玉軸受F5152bを回転軸として回転(変位)し、流入口FOPf51側(左右方向中央側)へ向けて変位される。
ここで、玉軸受F5152bは、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向かうにつれて下降傾斜して配設されるため、左側変位部材F5155Lは、左右方向両端側から中央側へ向かうにつれて下方側(矢印D方向側)へ変位する。言い換えると、左側変位部材F5155Lは、通路部材F5110の下側通路F5112の傾斜部の傾斜方向に沿って変位する。
これにより、左側変位部材F5155Lが下側通路F5112と第2通路部材F5120との間において変位する場合であっても、左側変位部材F5155Lと下側通路F5112又は第2通路部材F5120とが当接することを抑制するための空間を小さくできる。即ち、下側通路F5112と第2通路部材F5120との配設間距離を小さくでき、下側フレームF5086bを小型化できる。
また、鉛直方向(矢印U-D方向)において、第2通路部F5121(第2通路FRt52)と左側変位部材F5155Lとの距離(段差)を小さくできる。これにより、第2通路部F5121(第2通路FRt52)を移動(流下、転動)する球を左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)させ易くできる。
また、鉛直方向(矢印U-D方向)において、左側変位部材F5155Lと下側通路F5112(第4通路FRt54)との距離を小さくできる。これにより、左側変位部材F5155Lから振り分けられた球が下側通路F5112(第4通路FRt54)に当接する際の衝撃力を小さくでき、下側通路F5112の破損を抑制できる。
左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)された球は、保持部F5155eに保持される。これにより、左側変位部材F5155Lの回転(変位)時、左側変位部材F5155Lから球が落下(流出)することを抑制できる。
ここで、図319から図321に加え、図322を参照して、左側変位部材F5155Lの変位および左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)について説明する。図322は、左側変位部材F5155Lの部分上面図であり、図299(a)は、下側フレームF5086bの閉塞状態、図322(b)から図322(d)は、下側フレームF5086bの第1開放状態における左側変位部材F5155Lが図示される。
図322(a)に示すように、第2通路部F5121(第2通路FRt52)(図315参照)から左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流下)された球CB51は、保持部F5155eにより左側変位部材F5155Lに保持される(保持部F5155eから変位することが抑制される)。
図322(b)に示すように、左側スライド部材F5157Lのスライド本体部F5157aが第2軸受け部材F5152の規制部F5152aに当接することで左側スライド部材F5157L(左側変位部材F5155L)の変位が規制され、下側フレームF5086bは、第1開放状態に配置される。
下側フレームF5086bの第1開放状態において、球CB51は、保持部F5155eに保持された状態に維持される。このように、下側フレームF5086bの閉塞状態から第1開放状態への動作において、球CB51の移動(流下、転動)が停止される(球CB51が保持部F5155eに保持された状態に維持される)ことで、球CB51が貫通孔F5155d2へ流入することを抑制できる。これにより、下側フレームF5086bの第1開放状態における期間を長くできる。
なお、左側変位部材F5155Lの変位が規制される(下側フレームF5086bが第1開放状態に配置される)ことで慣性力が作用することにより、保持部F5155eに保持された球CB51は、本体部F5155dへ向けて移動(流下、転動)される。このように、球CB51に作用する慣性力を利用して球CB51が移動(流下、転動)を再開できる(保持部F5155eによる保持が解除される)ことで、保持部F5155eによる保持を解除させる駆動装置を不要とできる。
また、下側フレームF5086bの第1開放状態では閉塞状態と比較して、保持部F5155eの左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれての下降傾斜の角度が小さく形成される。これにより、球CB51の移動(流下、転動)を確実化させ易く(保持部F5155eによる保持が解除され易く)できる。
図322(c)に示すように、球CB51が規制壁F5155fに当接しつつ移動(流下、転動)されることにより、球CB51は、凹部F5155d1における規制壁F5155f側(矢印B方向側)へ案内される。即ち、球CB51は、凹部F5155d1の軸心(貫通孔F5155d2の中心)から偏心した位置へ案内される。
図322(d)に示すように、凹部F5155d1の軸心(貫通孔F5155d2の中心)から偏心した位置へ球CB51が案内されることで、球CB51は、凹部F5155d1の内周面に沿って周回され易い。これにより、球CB51が貫通孔F5155d2へ流入して左側変位部材F5155Lから流出(流下)されることを遅延させることができる。その結果、左側変位部材F5155Lに球CB51の重量が作用している期間を長くでき、下側フレームF5086bの開放状態における期間を長くできる。
また、凹部F5155d1の内周面に沿って球CB51を移動(流下、転動)させることで、凹部F5155d1の内周面との間に生じる摩擦力を利用して球の移動速度を低減でき、球CB51が貫通孔F5155d2へ流入することを遅延させることができる。
ここで、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3は、平坦面に形成される、言い換えると、凹部F5155d1の内周面が径方向において同一に形成され、底面F5155d3が鉛直方向(矢印U-D方向)において同一に形成される。従って、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3に高低差が無く、球CB51を凹部F5155d1の内周面に沿って周回させ易くできる。
また、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3が連続して形成される、言い換えると、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3に間欠部が非形成とされるため、球CB51を凹部F5155d1の内周面に沿って周回させ易くできる。
図319から図321に戻って下側フレームF5086bを流下する球について説明する。下側フレームF5086bの第1開放状態において、左側変位部材F5155Lの貫通孔F5155d2(図315参照)は、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)の正面側(矢印F方向側)における上方(矢印U方向)に配設される。上述したように、下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流下)された球は、立て壁部F5113に当接しつつ左右方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)する、即ち、下側通路F5112(第4通路FRt54)の背面側(矢印B向側)を揺動(移動、転動)する。
これにより、本体部F5155d(貫通孔F5155d2)から下側通路F5112(第4通路FRt54)へ振り分けられた球が下側通路F5112(第4通路FRt54)を揺動(移動、転動)する球に当接することを抑制できる。
また、下側フレームF5086bの第1開放状態において、左側変位部材F5155Lの本体部F5155dは、通路部材F5110の流出面F5112bの上方(矢印U方向)に配設される。これにより、本体部F5155dから振り分けられた球を遊技領域へ流出(流下)させ易くできる。
次いで、下側フレームF5086bの第2開放状態について説明する。下側フレームF5086bが第1開放状態に動作(変位)されると、振り分け部材F5154の振り分け部F5154cの頂部は第1流出面F5114aの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置よりも左方側(矢印L方向側)となる位置に配設される。これにより、第1流出面F5114aから第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)された球は、振り分け部F5154cの傾斜方向に沿って右側変位部材F5155R側(矢印R方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。これにより、右側変位部材F5155Rへ球が案内(送球、流出)される。
球が右側変位部材F5155Rへ振り分けられてから下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流出)されるまでの右側変位部材F5155Rの動作(回転、変位)については、遊技盤F5013の幅方向(図308左右方向)における中心に対し左側変位部材F5155Lと線(面)対称(図308左右対称)であるため、その詳細な説明については省略する。これにより、下側フレームF5086bが第2開放状態に動作(変位)する。
ここで、右側変位部材F5155Rが動作(回転、変位)することで、右側スライド部材F5157Rは、維持手段F5160の保持部F5163cへ向けて変位する。これにより、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dに配設される磁性体(図示せず)が維持手段F5160の磁性体F5164に磁着される。その結果、右側変位部材F5155Rから球が流出(流下)された状態においても、下側フレームF5086bは第2開放状態に維持される。
次いで、図315を参照して、上側通路F5114(第1通路FRt51)に形成される第2流出面F5114bから案内(送球、流出)される球の動作(変位)について説明する。第2流出面F5114bから案内(送球、流出)された球は、まず、第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ振り分けられる(案内される)。
第2流出面F5114bは、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ振り分けられた(案内された)球は、正面側へ向けて移動(流下、転動)し、次いで、第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ振り分けられる(案内される)。
ここで、第2流出面F5114bから振り分けられた(案内された)球を一旦、第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)することで、第2通路部F5121(第2通路FRt52)を左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて移動(流下、転動)する球に当接させることができる。
これにより、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて移動(流下、転動)する球を第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ案内(送球、流出)可能とできる。言い換えると、第1流出面F5114aから第2振り分けられた(案内された)球が変位部材F5155へ案内(送球、流出)不能とでき、下側フレームF5086bを開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ動作させ難くできる。
その結果、第1流出面F5114aから振り分けられた(案内された)球と第2流出面F5114bから振り分けられた(案内された)球とが非当接となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ案内(送球、流出)された球は、左右方向(矢印L-R方向)中央側から両端側へ向けて移動(流下、転動)し、第3通路部F5124(第3通路FRt53)の左右方向両端側の端部から通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流下)される。
ここで、第3通路部F5124(第3通路FRt53)の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部の下方(矢印D方向)には、変位部材F5155の動作(変位)範囲が形成される。これにより、第3通路部F5124(第3通路FRt53)から振り分けられた(案内された)球が動作(変位)中の変位部材F5155の腕部F5155bに当接可能とできる。
上述したように、腕部F5155bが撓み易く(軸支部F5155aに対し、腕部F5155bの先端が変位し易く)形成されるため、球が腕部F5155bに当接することで、変位部材F5155の保持部F5155eに保持された球を落下(流出)させ易くできる。これにより、下側フレームF5086bが閉塞状態から開放状態へ動作することを抑制可能とできる。
従って、第3通路部F5124(第3通路FRt53)から振り分けられた(案内された)球が変位部材F5155に非当接となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図309から図318に戻って説明する。通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流下)された球は、下側通路F5112(第4通路FRt54)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(流下、転動)し、開閉部材F5158の一対の遮断部F5158a及び流入口FOPf51へ流入して第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内される、若しくは、下側通路F5112の流出面F5112bから遊技領域へ流出(流下)される。
ここで、一対の遮断部F5158aは、正面視において、流入口FOPf51を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。言い換えると、一対の遮断部F5158aは、流入口FOPf51の縁部の内側に配設される。従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)へ振り分けられた(案内された)球は、流入口FOPf51へ流入し難く、流出面F5112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
また、立て壁部F5113には膨出部F5113aが正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成されるため、下側通路F5112(第4通路FRt54)の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、膨出部F5113aに当接することで、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分が付与される。従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、立て壁部F5113に穿設される流入口FOPf51へ流入し難く、流出面F5112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
ここで、下側フレームF5086bの閉塞状態では、一対の遮断部F5158aは、流入口FOPf51の縁部の内側に配設される。一方、下側フレームF5086bの開放状態では、遮断部F5158aは、通路部材F5110の立て壁部F5113の背面側(矢印B方向側)に配置され、閉塞状態よりも一対の遮断部F5158aの対向間の距離が大きくされる。これにより、下側通路F5112(第4通路FRt54)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、閉塞状態よりも開放状態において流入口FOPf51(一対の遮断部F5158aの対向間)へ流入し、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)している状態において、下側フレームF5086bが開放状態となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
流入口FOPf51(一対の遮断部F5158aの対向間)へ流入した球は、維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)される。上述したように、通路部F5162aへ球が案内(送球、流下)されることで、係合部材F5163は第1軸部F5161cを回転軸として保持部F5163cが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転する。これにより、下側フレームF5086bが第2開放状態に配置される場合においては(図321参照)、右側スライド部材F5157Rと維持手段F5160との係合(着磁)が解除され、下側フレームF5086bが閉塞状態に配置される。
維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)された球は、次いで、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)され、第5通路部F5141に形成された一対の突部F5141cに沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)し、通路部材F5110の流出口FOPout1を通過して第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)される。
次いで、図323から図335を参照して、第89実施形態における下側フレームF6086bについて説明する。上記第84実施形態では、流入口FOPf1及び流出面F112bが同一の通路(第5通路FRt5)に形成される場合を説明したが、第89実施形態における下側フレームF6086bでは、流入口FOPf61と流入口FOPf62とが異なる通路にそれぞれ形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図323は、第89実施形態における遊技盤F6013の正面図である。図323に示すように、センターフレームF6086は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームF6086aと下側フレームF6086bとを備える。
上側フレームF6086aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図323上側)及び左右(図323左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームF6086bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図323下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームF6086a及び下側フレームF6086bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81(図144参照)が視認可能とされる。
なお、上側フレームF6086aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図323下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームF6086bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図323に加え、図324から図325を参照して下側フレームF6086bについて説明する。図324は、下側フレームF6086bの正面斜視図であり、図325は、下側フレームF6086bの背面斜視図である。
図324から図325に示すように、下側フレームF6086bには、球が移動(流下、転動)可能に形成される一対の第1通路FRt61と、一対の第1通路FRt61を案内された球が移動(流下、転動)される第2通路FRt62と、その第2通路FRt62を案内された球が移動(流下、転動)される一対の第3通路FRt63及び一対の第4通路FRt64と、一対の第3通路FRt63を案内された球が移動(流下、転動)される第5通路FRt65と、その第5通路FRt65を案内された球が流下される第6通路FRt66と、第5通路FRt65及び第2通路FRt62を案内された球が第6通路FRt66及び第4通路FRt64へ案内(流入、送球)される開口として形成される流入口FOPf61及び流入口FOPf62と、第6通路FRt66及び第4通路FRt64を流下された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout1及び流出口FOPout62とが形成される。
なお、一対の第1通路FRt61、一対の第3通路FRt63及び一対の第4通路FRt64は、遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)における中心に対し線(面)対称(図323左右対称)にそれぞれ配設される。
上側フレームF6086aには、上側フレーム通路FRt60が配設される(図323参照)。上側フレーム通路FRt60は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路FRt60の下流端に第1通路FRt61の上流端が連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路FRt60に流入(入球)した球は、第1通路FRt61の上流端を介して、上側フレーム通路FRt60から下側フレームF6086bの第1通路FRt61へ流入(入球)される。
なお、図示は省略するが、上側フレーム通路FRt60は、遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)における中心に対し線(面)対称(図323左右対称)にそれぞれ配設される。従って、遊技領域から上側フレーム通路FRt60に流入(入球)した球は、遊技盤F6013の右方側(図323右方側)に配設された上側フレーム通路FRt60から遊技盤F6013の右方側に配設される第1通路FRt61へ流入(入球)される。
ここで、第6通路FRt66の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout1は、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路FRt65の流入口FOPf61を通過して第5通路FRt65から第6通路FRt66へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
また、第2通路FRt62には、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面としておが形成(配置)される。そのため、第2通路FRt62の流出面F6112bに沿って案内(送球、流下)される球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第4通路FRt64の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout62は、第1入賞口64に対して遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。そのため、第4通路FRt64へ案内(送球、流下)される球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf1を通過して第5通路FRt65から第6通路FRt66へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
なお、第2通路FRt62には、起伏F6112aが形成され、起伏F6112aの底部は流入口FOPf62の正面側(矢印F方向側、遊技領域側)に配設される。また、第2通路FRt62は、背面側(矢印B方向側、遊技領域とは反対側)へ向けて下降傾斜して形成されており、起伏の底部へ案内(送球、流下)される球は、第4通路FRt64へ振り分けられる確率が高い。
また、流出面F6112bは起伏F6112aの頂部に形成される。従って、第2通路FRt62へ振り分けられた球は、流出面F6112bから第1入賞口64へ送球されるよりも起伏F6112aの底部から第4通路FRt64へ流出され易い。
結果として、起伏の底部へ案内(送球、流下)される球は、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf61を通過して第5通路FRt65から第6通路FRt66へ振り分けられた球や第2通路FRt62の流出面F6112bから振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
第3通路FRt63には、その第3通路FRt63へ振り分けられた球を第5通路FRt65へ案内(送球、流下)するための当接部F6154が形成(配置)される。第3通路FRt63は、鉛直方向下方(矢印D方向)に凹となる湾曲状に形成されており、当接部F6154は、第3通路FRt63において第1通路FRt61とは反対側の端部に配設される。
第1通路FRt61から第3通路FRt63に振り分けられた球の速度(運動エネルギー)が所定量よりも大きい場合は、球は第3通路FRt63の湾曲面を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて移動(流下、転動)し、当接部F6154に当接する。これにより、球の移動(流下、転動)方向が変更され、第5通路FRt65へ振り分けられる。
なお、第3通路FRt63の湾曲底面には、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F6114aが形成(配置)されており、球の速度(運動エネルギー)が所定量以下の場合は当接部F6154に当接できず、流出面F6114aから第2通路FRt62へ振り分けられる。
第5通路FRt65には、流入口FOPf61及び一対の挿通孔F6121bが形成(配置)されており、第5通路FRt65へ振り分けられた球は、流入口FOPf61若しくは一対の挿通孔F6121bを通過して第6通路FRt66若しくは第2通路FRt62へ案内(送球、流下)される。
なお、一対の挿通孔F6121bは、第2通路FRt62の起伏F6112aの頂部(流出面F6112b)に対して遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。そのため、一対の挿通孔F6121bを通過した球は、第2通路FRt62の起伏F6112aの頂部(流出面F6112b)へ案内され難く、起伏F6112aの底部から第4通路FRt64へ案内され易い(第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
下側フレームF6086bには、球の重さにより動作する振分手段F6170の変位部材F6173に形成される当接部F6173bが当接部F6154よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に配設されており(図335参照)、当接部F6173bが第3通路FRt63に配置された状態においては、第3通路FRt63の湾曲面を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量以下の場合であっても当接部F6173bに当接することにより球の移動(流下、転動)方向が変更され、球は第4通路FRt64へ振り分けられる。
よって、第3通路FRt63をその延設方向に沿って移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量以下の場合であっても、振分手段F6170(変位部材F6173)が動作することで第5通路FRt65へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率が高められる)。その結果、第3通路FRt63を球が移動(流下、転動)している状態において、振分手段F6170(変位部材F6173)が動作することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図324から図325に加え、図326から図333を参照して、下側フレームF6086bの詳細構成について説明する。
図326は、下側フレームF6086bの分解正面斜視図であり、図327は、下側フレームF6086bの分解背面斜視図である。図328は、振分手段F6170の分解正面斜視図であり、図329は、振分手段F6170の分解背面斜視図である。図330は、下側フレームF6086bの上面図であり、図331は、下側フレームF6086bの正面図であり、図332は、下側フレームF6086bの背面図である。図333(a)は、図331の矢印CCCXXXIIIa方向視における下側フレームF6086bの側面図であり、図333(b)は、図331の矢印CCCXXXIIIb方向視における下側フレームF6086bの側面図であり、図333(c)は、図331のCCCXXXIIIc-CCCXXXIIIc線における下側フレームF6086bの断面図である。
図324から図333に示すように、下側フレームF6086bは、通路部材F6110と、その通路部材F6110の立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)に配設される第5通路部材F6120と、通路部材F6110の下側通路F6112の下方側(矢印D方向側)に配設される第6通路部材F6130と、その第6通路部材F6130の背面側(矢印D方向側)に配設される中間通路部材F6140と、その中間通路部材F6140の背面側に配設される背面部材F6150と、その背面部材F6150の左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される一対の第1通路部材F6160と、背面部材F6150の背面側に配設される振分手段F6170と、を備える。
通路部材F6110には流出口FOPout1及び流出口FOPout62が形成され、流出口FOPout1に第6通路部材F6130の第6通路部F6131が挿通され、流出口FOPout62に第6通路部材F6130の第4通路部F6132が挿通される。また、通路部材F6110には、流入口FOPf61及び流入口FOPf62が形成され、流入口FOPf61及び流入口FOPf62は、中間通路部材F6140の第1凹部F6141及び第2凹部F6142に対応する位置にそれぞれ配設される。
中間通路部材F6140及び背面部材F6150には貫通孔F6143が形成され、貫通孔F6143に振分手段F6170の変位通路部材F6174が挿通される。また、背面部材F6150には挿通孔F6151bが形成され、挿通孔F6151bに振分手段F6170の変位部材F6173が挿通される。
通路部材F6110には第5通路部材F6120及び背面部材F6150がタッピングネジによりそれぞれ締結固定される。第6通路部材F6130は、タッピングネジにより中間通路部材F6140に締結固定され、中間通路部材F6140、第1通路部材F6160及び振分手段F6170は、タッピングネジにより背面部材F6150にそれぞれ締結固定される。これらにより、下側フレームF6086bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図324、図325参照)。
下側フレームF6086bは、通路部材F6110、第5通路部材F6120、第6通路部材F6130、背面部材F6150、第1通路部材F6160及び振分手段F6170の変位通路部材F6174が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、中間通路部材F6140及び振分手段F6170の変位部材F6173が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路FRt61から第6通路FRt66を移動する球を遊技者に視認させると共に、振分手段F6170の変位部材F6173の動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、中間通路部材F6140及び振分手段F6170の変位部材F6173は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームF6086bは、振分手段F6170の連結部材F6175の正面側(矢印F方向側)に位置する中間通路部材F6140が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、振分手段F6170の連結部材F6175が正面側から遊技者に視認不能とできる。なお、中間通路部材F6140が光透過性の樹脂材料から構成されることで、振分手段F6170の連結部材F6175が正面側から遊技者に視認可能となるように構成されても良い。
通路部材F6110は、第2通路FRt62及び第3通路FRt63を形成するためのものであり、正面を形成する板状の正面板F6111と、その正面板F6111の背面から突設される下側通路F6112と、その下側通路F6112の前後方向(矢印F-B方向)における略中央から鉛直方向上方(矢印U方向)に延設される立て壁部F6113と、その立て壁部F6113の端部から背面側(矢印B方向側)に延設される上側通路F6114と、下側通路F6112の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部から鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される一対の留め部F6115と、を備える。
正面板F6111、下側通路F6112、立て壁部F6113及び背面部材F6150により区画された空間により第2通路FRt62が形成され、上側通路F6114及び背面部材F6150により区画された空間により第3通路FRt63が形成される。
正面板F6111には、複数の挿通孔F111aが板厚方向に穿設され、流出口FOPout1及び流出口FOPout62が開口形成(板厚方向に穿設)される。本実施形態における流出口FOPout1は、第6通路FRt66を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口であり、流出口FOPout62は、第4通路FRt64を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口である。
正面板F6111には、正面視における形状が下側通路F6112の流出面F6112bの形状と略同一となる切欠き部F6111bが流出面F6112bの正面側(矢印F方向側)に形成される。切欠き部F6111bを通過することで、第2通路FRt62を案内された球が第1入賞口64へ送球される。
下側通路F6112は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、下側通路F6112は、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、下側通路F6112へ案内(送球、流下)された球を背面部材F6150若しくは立て壁部F6113に当接させつつ左右方向に沿って揺動(移動、転動)させることができる。
なお、下側通路F6112の左右方向(矢印L-R方向)における略中央には起伏F6112aが形成され、起伏F6112aの頂部には、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F6112bが形成(配置)される。
また、起伏F6112aの底部、言い換えると、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される部位と起伏F6112aとの境界は、立て壁部F6113の流入口FOPf62の正面(矢印F方向)に形成(配置)される。従って、下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球は、流出面F6112bから第1入賞口64へ案内されるよりも起伏F6112aの底部から立て壁部F6113の流入口FOPf62を通過して第4通路FRt64へ案内され易い(遊技領域へ流出され易い)。
立て壁部F6113は、下側通路F6112と上側通路F6114とを連結するための部位である。上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)両端は下側通路F6112と面一に形成されており、従って、立て壁部F6113は、左右方向における下側通路F6112の両端とは非連結に形成される。言い換えると、立て壁部F6113の左右方向における延設長さは、下側通路F6112の左右方向における延設長さよりも小さく形成される。
立て壁部F6113には、流入口FOPf61及び一対の流入口FOPf62が開口形成(板厚方向に穿設)される。流入口FOPf61の左右方向(矢印L-R方向)における寸法は、球の外形よりもやや大きく形成される。流入口FOPf62の左右方向における寸法は、球の外形の略2倍の大きさに形成される。上述したように、流入口FOPf61及び流入口FOPf62は、第5通路FRt65を案内された球が第6通路FRt66へ流出される際の出口となる開口である。
立て壁部F6113は、正面側(矢印F方向側)へ向けて凸となる湾曲状に形成され、これにより、立て壁部F6113に当接しつつ下側通路F6112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球が下側通路F6112の起伏F6112aを通過する際、その球へ正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分が付与される。その結果、起伏F6112aを通過する球を流出面F6112b(第1入賞口64)へ案内し易くでき、第4通路FRt64へ案内させ難くできる。
立て壁部F6113の上端は、上側通路F6114の上面の形状と略同一に形成される。これにより、上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内された球を上側通路F6114の正面から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ流出(流下、落下)させることができる。
上側通路F6114は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、上側通路F6114は、下方側(矢印D方向側)へ向けて凹となる湾曲状に形成される。また、上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)両端は、下側通路F6112の上面と面一に形成され、これにより、下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する球を上側通路F6114(第3通路FRt63)へ振り分け易く(案内し易く)できる。
また、上側通路F6114は、背面部材F6150側(矢印B方向側)に向けて下降傾斜して形成される。これにより、上側通路F6114(第3通路FRt63)の左右方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球を下側通路F6112(第2通路FRt62)へ流出(流下、落下)させ難くできる。
上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)中央側における上方(矢印U方向)には、背面部材F6150の当接部F6154が配設される。左右方向両端側から中央側へ向けて上側通路F6114を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量よりも大きい場合、球は、当接部F6154に当接できる。
一方、左右方向両端側から中央側へ向けて上側通路F6114を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量よりも小さい場合、球は、当接部F6154に非当接であり、上側通路F6114の湾曲形状に沿って左右方向両端側へ向けて移動(流下、転動)する。言い換えると、球は、上側通路F6114の延設方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)する。
なお、上側通路F6114の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置(湾曲凹部)には、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F6114aが形成(配置)される。従って、上側通路F6114へ振り分けられた球のうち、背面部材F6150の当接部F6154に非当接となる球は、流出面F6114aから下側通路F6112へ案内(送球、流下)される。
また、上側通路F6114の上方側(矢印U方向側)には、切欠きF6114bが形成される。切欠きF6114bの内周面は、振分手段F6170の変位部材F6173に形成される当接部F6173bの外形よりもやや大きく形成され、切欠きF6114bを通過することで、当接部F6173bは、上側通路F6114の下面側から上面側へ変位可能に配設される。
なお、上側通路F6114において、流出面F6114aよりも左右方向(矢印L-R方向)中央側における上側通路F6114を第1傾斜部F6114c、左右方向両端側における上側通路F6114を第2傾斜部F6114d、とそれぞれ符号を付して説明する。
留め部F6115には、挿通孔F115aが板厚方向に穿設され、その挿通孔F115aに挿通したタッピングネジが背面部材F6150に締結されることで、通路部材F6110に背面部材F6150が固定(配設)される。
留め部F6115は、ベース板60の背面に当接して配設される。また、下側通路F6112は、正面板F6111の左右方向(矢印L-R方向)一端から他端において連続的に形成される。これらにより、針金等の異物の侵入が抑制される。なお、留め部F6115は、ベース板60の背面から所定の距離を隔てて配設され、留め部F6115とベース板60の背面とが非当接とされても良い。
第5通路部材F6120は、第5通路FRt65を形成するためのものであり、第5通路部F6121と、その第5通路部F6121の外縁から立設される壁部F6122と、その壁部F6122の左右方向(矢印L-R方向)両端から背面部材F6150側(矢印B方向側)へ向けて突設される連結部F6123と、を備える。また、壁部F6122の正面には有色部材F6124が配設される。第5通路部F6121、壁部F6122及び通路部材F6110の立て壁部F6113により区画された空間により第5通路FRt65が形成される。
第5通路部F6121は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から形成される。第5通路部F6121には、流出面F6121aと、その流出面F6121aの左右方向(矢印L-R方向)両側に配設される一対の挿通孔F6121bとが形成される。
第5通路部F6121は、通路部材F6110の上側通路F6114よりも正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、上側通路F6114を移動(流下、転動)する球が第5通路部材F6120(第5通路部F6121)に当接することを抑制できる。また、第5通路部F6121は、背面部材F6150の当接部F6154よりも下方(矢印D方向)に配設される。これにより、当接部F6154に当接した球を第5通路部F6121へ案内(送球、流下)できる。
第5通路部F6121の左右方向(矢印L-R方向)中央側は、正面側(矢印F方向側)へ向けて張り出して形成され、その張り出し部に一対の挿通孔F6121bが穿設される。第5通路部F6121の背面側(矢印B方向側)の端部(立て壁部F6113)と挿通孔F6121bとの間の部位の寸法は球の外形よりも大きく形成され、かかる部位を球が移動(流下、転動)可能に形成される。
第5通路部F6121は、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成されると共に、立て壁部F6113側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。
流出面F6121aは、第5通路部F6121の左右方向略中央であって、立て壁部F6113の流入口FOPf61の正面側(矢印F方向側)となる位置に形成される凹面として形成される。従って、第5通路部F6121へ案内(送球、流下)された球は、流出面F6121aへ案内(送球、流出)され易く、中間通路部材F6140の第1凹部F6141(流入口FOPf61)へ案内(送球、流出)され易い。
挿通孔F6121bは、第5通路部F6121へ振り分けられた球を下側通路F6112へ流出(流下、落下)させるための部位である。これにより、第5通路部F6121へ振り分けられた球を中間通路部材F6140の第1凹部F6141(流入口FOPf61)へ非案内とでき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第5通路部F6121には、挿通孔F6121bが非形成とされても良い。これにより、第5通路部材F6120に案内(送球、流出)された球を確実に中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第1入賞口64)へ案内(送球、流下)できる。
壁部F6122は、第5通路部F6121の上面を移動(流下、転動)する球が、下側通路F6112へ流出(流下)することを抑制するための部位であり、壁部F6122の突設高さは、球の外形よりも小さく形成される。これにより、第5通路部F6121の上面を移動(流下、転動)する球を遊技者に視認させ易くできる。
壁部F6122には、流出面F6121aの上方(矢印U方向)(一対の挿通孔F6121bの対向間)となる位置に突部F6122aが流入口FOPf61側(矢印B方向側)へ向けて突出して形成される。突部F6122aに当接することで、第5通路部F6121の上面を移動(流下、転動)する球を背面側(矢印B方向側)へ向けて移動(流下、転動)させることができ、挿通孔F6121bへ案内され難くできる。
連結部F6123は、第5通路部材F6120を背面部材F6150に固定(配設)させるための部位である。連結部F6123の下端と通路部材F6110の上側通路F6114の上面との間の寸法は、球の外形よりも大きく形成される。これにより、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が連結部F6123に当接することを抑制できる。
有色部材F6124は、有色の樹脂材料から構成される。これにより、第5通路部F6121を移動(流下、転動)する球が、流出面F6121aから流入口FOPf61を通過して第6通路FRt66へ案内(送球、流出)される、或いは、挿通孔F6121bを通過して下側通路F6112へ流出(流下、落下)されることを遊技者に視認させ難くでき、遊技の興趣を高めることができる。
第6通路部材F6130は、中間通路部材F6140から振り分けられた(案内された)球を遊技領域へ流出させるためのものであり、第6通路部材F6130の左右方向(矢印L-R方向)略中央に形成される第6通路部F6131と、その第6通路部F6131の左右方向両側に形成される一対の第4通路部F6132と、を備える。
第6通路部F6131は、中間通路部材F6140の第1凹部F6141から振り分けられた球を遊技領域へ流出させるための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される底面部F6131aと、その底面部F6131aの左右方向両端から上方(矢印U方向)へ向けて突設される一対の壁部F6131bと、を備え、正面視において略U字状に形成される。一対の壁部F6131bの対向面間の距離は球の外形よりもやや大きく形成され、底面部F6131a、一対の壁部F6131b及び通路部材F6110の下側通路F6112により区画された空間により第6通路FRt66(の一部)が形成される。
第6通路部F6131は、通路部材F6110の流出口FOPout1の背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、第6通路部F6131へ振り分けられた(案内された)球は、流出口FOPout1を通過し、を遊技領域へ流出される。
底面部F6131aの上面には、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて一対の突部F6131cが突設される。突部F6131cは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設されると共に、突部F6131cの上面は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、一対の突部F6131cの対向面間の距離は、球の直径よりも小さくされると共に、突部F6131cの正面端における突設長さ(矢印U-D方向の寸法)は、底面部F6131aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、底面部F6131a上の球を2箇所(突部F6131cの上端部における対向面側の一対の稜線部分)で位置決めすることができる。よって、一対の突部F6131cが非形成の場合と比較して、第6通路部F6131の幅方向(矢印L-R方向)における球の移動(流下、転動)位置を一定とし易くできる。よって、通路部材F6110の流出口FOPout1を通過した球を第1入賞口64へ入賞(案内)させやすくできる。
第4通路部F6132は、振分手段F6170の変位通路部材F6174から振り分けられた球を遊技領域へ流出させるための部位であり、前後方向(矢印F-B方向)に延設される底面部F6132aと、その底面部F6132aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の端部から上方(矢印U方向)へ向けて突設される側壁部F6132bと、底面部F6132aの背面側の端部から上方へ向けて突設される背面壁F6132cと、側壁部F6132bと背面壁F6132cとを連結する湾曲部F6132dと、背面壁F6132cの上面から上方へ向けて突設される規制壁F6132eと、を備える。底面部F6132a、側壁部F6132b、背面壁F6132c、湾曲部F6132d及び通路部材F6110の下側通路F6112により区画された空間により第4通路FRt64(の一部)が形成される。
第4通路部F6132は、通路部材F6110の流出口FOPout62の背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、第4通路部F6132へ振り分けられた(案内された)球は、流出口FOPout62を通過し、を遊技領域へ流出される。
底面部F6132aの上面には、前後方向(矢印F-B方向)に沿って下方側(矢印D方向側)へ凹設する凹部F6132a1が形成される。凹部F6132a1は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、これにより、球の自重を利用して第4通路部F6132へ案内(送球、流下)された球を遊技領域へ流出させることができる。
また、凹部F6132a1は、底面部F6132aの左右方向(矢印L-R方向)略中央に形成される。これにより、第4通路部F6132へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)位置を第4通路部F6132の左右方向の略中央とできる。
ここで、中間通路部材F6140へ第6通路部材F6130を固定する際の誤差(組立公差)やベース板60へ通路部材F6110固定する際の誤差(組立公差)等の要因に起因して、第4通路部F6132と流出口FOPout62との相対的位置が設計された位置とは異なって配設され、第4通路部F6132を移動(流下、転動)する球が通路部材F6110の正面板F6111へ当接する虞がある。この場合、第4通路部F6132に球が滞留し易くなり、振分手段F6170の変位通路部材F6174から第4通路部F6132へ球が振り分けられ(案内され)難くなる。従って、変位通路部材F6174に球が滞留する虞がある。
これに対し、底面部F6132aの上面に凹部F6132a1が形成され、第4通路部F6132の左右方向(矢印L-R方向)の略中央を球が移動(流下、転動)することで、球が通路部材F6110の正面板F6111に当接することを抑制でき、第4通路部F6132を移動(流下、転動)する球を遊技領域に流出させ易くできる。その結果、振分手段F6170の変位通路部材F6174から第4通路部F6132へ球を振り分け(案内され)易くでき、変位通路部材F6174に球が滞留することを抑制できる。
背面壁F6132cには、挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが中間通路部材F6140に締結されることで、第6通路部材F6130が中間通路部材F6140に固定(配設)される。
湾曲部F6132dは、左右方向(矢印L-R方向)中央側(背面側)へ向けて凹となる湾曲状に形成される。湾曲部F6132dに当接することで、左右方向中央側へ向けて移動(流下、転動)する球の速さを小さくすることなく球を正面側(矢印F方向側)へ案内できる。これにより、第4通路部F6132に球を滞留させ難くでき、変位通路部材F6174に球を滞留させ難くできる。
規制壁F6132eは、上面視において、略L字状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)に延設される直線部とその直線部の左右方向中央側の端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて延設される屈曲部とから形成される。通路部材F6110の下側通路F6112から振り分けられた(案内された)球を規制壁F6132eの屈曲部に当接させることで球が左右方向両端側(振分手段F6170の変位通路部材F6174)へ向けて変位することを規制でき、流入口FOPf62を通過した球が変位通路部材F6174へ振り分けられる(案内される)ことに要する時間を嵩ませることができる。
これにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた(案内された)球が変位通路部材F6174を移動(流下、転動)している状態において、言い換えると、変位通路部材F6174から第4通路部F6132へ振り分けられる(案内される)前に変位通路部材F6174へ振り分けられた球の後続となる球を下側フレームF6086bに案内(流入)させ易くできる。
中間通路部材F6140は、第5通路部材F6120の第5通路部F6121や通路部材F6110の下側通路F6112から振り分けられた(案内された)球を第6通路部材F6130の第6通路部F6131や振分手段F6170の変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)させるためのものである。
中間通路部材F6140は、その中間通路部材F6140の左右方向(矢印L-R方向)略中央に形成される第1凹部F6141と、その第1凹部F6141の左右方向両側に形成される一対の第2凹部F6142と、その第2凹部F6142の下方側(矢印D方向側)に形成される一対の貫通孔F6143と、を備える。
第1凹部F6141及び通路部材F6110の立て壁部F6113により区画された空間により第6通路FRt66(の一部)が形成され、第2凹部F6142及び立て壁部F6113により区画された空間により第4通路FRt64(の一部)が形成される。
第1凹部F6141は、背面側(矢印B方向側)へ向けて球の外形よりも大きく凹設して形成される。また、第1凹部F6141は、上下方向(矢印U-D方向)に延設され、その第1凹部F6141の上端は、通路部材F6110の流入口FOPf61の背面側に、第1凹部F6141の下端は、第6通路部材F6130の第6通路部F6131の背面側に、それぞれ配設される。これにより、球の自重を利用して、第5通路部材F6120の第5通路部F6121(通路部材F6110の流入口FOPf61)から振り分けられた球を第6通路部材F6130の第6通路部F6131へ案内(送球、流下)できる。
第2凹部F6142は、背面側(矢印B方向側)へ向けて球の外形よりも大きく凹設して形成される。第2凹部F6142において球が当接する面として形成される転動面F6142aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、球の自重を利用して、通路部材F6110の下側通路F6112(流入口FOPf62)から振り分けられた球を振分手段F6170の変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)できる。
貫通孔F6143は、振分手段F6170の変位通路部材F6174を挿通させるための部位である。貫通孔F6143を挿通することで、振分手段F6170の変位通路部材F6174を中間通路部材F6140の正面側(矢印F方向側)に配設できる。
背面部材F6150は、第5通路部材F6120、中間通路部材F6140、第1通路部材F6160及び振分手段F6170を支持するためのものであり、背面板F6151と、その背面板F6151の左右方向(矢印L-R方向)両端に配設される一対の側板F6152と、背面板F6151の下端に配設される下板F6153と、背面板F6151の正面から突設される当接部F6154と、背面板F6151の背面から突出される突出板F6155と、を備える。
背面板F6151は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状体から構成される。背面板F6151の左右方向中央側における下方側(矢印D方向側)には、背面側(矢印B方向側)へ向けて凹設される凹部F6151aが形成される。凹部F6151aの上面は非形成とされ、言い換えると、凹部F6151aは上方側が開放して形成され、その開放部を通過して振分手段F6170の連結部材F6175の下端が凹部F6151aの正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、背面板F6151には、当接部F6154の下方側(矢印D方向側)であって、通路部材F6110の切欠きF6114bの背面側(矢印B方向側)となる位置に挿通孔F6151bが板厚方向に穿設される。挿通孔F6151bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて延設して形成され、その挿通孔F6151bには、振分手段F6170の当接部F6173bが挿通される。
側板F6152は、上下方向(矢印U-D方向)に延びる板状体から構成され、側板F6152の下端は、下板F6153に連結して形成される。また、側板F6152の対向面とは反対側の面には一対の突起F6152aがそれぞれ形成される。
突起F6152aは、円柱状に形成され、前後方向(矢印F-B方向)に所定の距離だけ隔てて配設される。突起F6152aに第1通路部材F6160の固定孔F6164aが嵌合されることで、第1通路部材F6160が背面部材F6150に固定(配設)される。
下板F6153は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状体から構成される。下板F6153は、一対の側板F6152に連結して配設され、下板F6153と一対の側板F6152との間には隙間が非形成とされる。
また、下板F6153の正面と一対の側板F6152の正面とは面一に形成され、下板F6153及び一対の側板F6152の正面は、ベース板60の背面に当接される。これらにより、背面部材F6150の内側への針金等の異物の侵入が抑制される。
なお、一対の側板F6152と下板F6153とは非連結(非当接)に配設され、下板F6153と一対の側板F6152との間には隙間が形成されても良い。また、下板F6153の正面と一対の側板F6152の正面とは非面一に形成され、下板F6153の正面または一対の側板F6152の正面は、ベース板60の背面に非当接とされても良い。
当接部F6154は、通路部材F6110の上側通路F6114を移動(流下、転動)する球を第5通路部材F6120へ振り分けるための部位である。当接部F6154は、上側通路F6114の上面から所定の距離だけ隔てて配設される。なお、所定の距離とは、球の半径よりも大きく且つ球の直径よりも小さく設定される。これにより、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球を当接部F6154に当接させることができる。また、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が当接部F6154を乗り越えることを抑制できる。
当接部F6154は、板状体から構成される。当接部F6154は、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、上側通路F6114の上面と略平行に配設される。当接部F6154の傾斜方向下側の面、言い換えると、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球に対向する面には、傾斜方向上側(上側通路F6114の上面を移動する球が近接する方向)へ向けて凹となる湾曲面F6154aが湾曲して形成される。
上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)し、当接部F6154の湾曲面F6154aに当接した球は、その球の移動(流下、転動)方向が正面側(矢印F方向側)へ変更され、これにより、球が上側通路F6114から第5通路部材F6120へ振り分けられる(案内される)。
突出板F6155は、振分手段F6170の錘支持部材F6176の変位を規制するための部位であり、板状体から構成される。突出板F6155の下面に錘支持部材F6176が当接することで、錘支持部材F6176の上方側(矢印U方向側)へ向けての変位が規制される。
第1通路部材F6160は、上側フレーム通路FRt60(図323参照)から振り分けられた(案内された)球を通路部材F6110の下側通路F6112へ案内(送球、流下)させるためのものである。第1通路部材F6160は、上側フレーム通路FRt60の下流端に連通される溝部F6161と、その溝部F6161の下流端に連通される凹部F6162と、凹部F6162の下面から突設される案内部F6163及び固定部F6164と、を備える。溝部F6161や凹部F6162により区画された空間により第1通路FRt61が形成される。
溝部F6161は、溝状に形成され、その溝部F6161の溝形状は、球の外形と略同等に形成(凹設)される。また、溝部F6161は、上流端(上側フレーム通路FRt60(図323参照)に連通される側の端部)から下流端(凹部F6162に連通される側の端部)へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、球の自重を利用して、上側フレーム通路FRt60から振り分けられた球を凹部F6162へ向けて移動(流下、転動)させることができる。
溝部F6161の溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、球の半径と略同等に形成される。これにより、上側フレーム通路FRt60(図323参照)から振り分けられた(案内された)球を溝部F6161に沿って移動(流下、転動)させることができ、溝部F6161の下流端以外の部位(溝部F6161の上流端と下流端との間の部位)から凹部F6162へ案内(送球、流下)されることを抑制できる。
溝部F6161は、前後方向(矢印F-B方向)に延設して形成される直線部と、その直線部の下流端から湾曲して形成される湾曲部と、から形成される。溝部F6161の湾曲部は、凹部F6162の凹設側面に連結して形成される。
凹部F6162は、上方(矢印U方向)が開放された円筒状に形成され、その凹部F6162の底面は、下方側(矢印D方向側)へ凹となるすり鉢状に形成される。また、凹部F6162の底面には、凹設側面から球の外形よりも大きい距離だけ隔てて一対の挿通孔F6162aが穿設される。
上述したように、溝部F6161の湾曲部と凹部F6162の凹設側面とが連結して形成されることで、溝部F6161から振り分けられた(案内された)球を凹部F6162の内周面に沿って移動(流下、転動)させることができる。これにより、一対の挿通孔F6162aを通過させ難くできる。その結果、一対の挿通孔F6162aを通過する第1の球と、その第1の球の後続となる第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。
挿通孔F6162aは、凹部F6162から通路部材F6110の下側通路F6112へ球を振り分ける(案内する)ための部位であり、球の外形よりもやや大きく形成される。一対の挿通孔F6162aは、凹部F6162の中心軸から前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔てて形成される。
なお、正面側(矢印F方向側)に形成される孔を挿通孔F6162a1、背面側(矢印B方向側)に形成される孔を挿通孔F6162a2とそれぞれ異なる符合を付して区別する。挿通孔F6162a1は、通路部材F6110の立て壁部F6113よりも正面側(矢印F方向側)に穿設され、挿通孔F6162a2は、立て壁部F6113よりも背面側(矢印B方向側)に穿設される。
これにより、例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過した球は、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過して右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160へ向けて下側通路F6112の上面を移動(流下、転動)する。これに対し、左方側に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、立て壁部F6113の正面を通過せず、下側通路F6112の左方側から左方側に形成される上側通路F6114へ案内(送球、流出)される。
案内部F6163は、凹部F6162の挿通孔F6162a1,F6162a2を通過した球を通路部材F6110の下側通路F6112へ案内(送球、流出)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて下降傾斜して形成される。凹部F6162と下側通路F6112との間に案内部F6163を介設することで、下側通路F6112へ案内(送球、流出)される際の球の衝撃を小さくでき、下側通路F6112の破損を抑制できる。また、下側通路F6112に当接した際の跳ね返り量を小さくでき、通路部材F6110の正面板F6111を超えて下側通路F6112から遊技領域へ球が流出(流下、落下)されることを抑制できる。
案内部F6163には、挿通孔F6162a1,F6162a2の下方側(矢印D方向側)となる位置に一対のガイド凹部F6163aが下側通路F6112側(左右方向両端側)へ向けて凹設して形成される。ガイド凹部F6163aは、球の外形と略同等の形状に湾曲して形成され、これにより、案内部F6163に案内(送球、流出)された球は、前後方向(矢印F-B方向)への変位が規制される。
その結果、挿通孔F6162a1を通過した球が、上側通路F6114へ案内(送球、流出)されることや、挿通孔F6162a2を通過した球が、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過することを抑制できる。
固定部F6164は、第1通路部材F6160を背面部材F6150(側板F6152)へ固定(配設)させるための部位であり、固定部F6164には、一対の固定孔F6164aが板厚方向に穿設される。固定孔F6164aは、側板F6152の突起F6152aが挿通可能に形成され、前後方向(矢印F-B方向)に延びる長孔状に形成される。これにより、前後方向(矢印F-B方向)において、通路部材F6110(下側通路F6112)に対する第1通路部材F6160の配設位置を変更可能とできる。
その結果、一方の第1通路部材F6160に形成される挿通孔F6162a1を通過した球が、一方の第1通路部材F6160側に配設される上側通路F6114へ案内(送球、流出)されることや、一方の第1通路部材F6160に形成される挿通孔F6162a2を通過した球が、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過し、他方の第1通路部材F6160へ向けて下側通路F6112を移動(流下、転動)する(立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過する)ことを生じさせることができる。
振分手段F6170は、球の重さにより動作して、通路部材F6110の上側通路F6114を移動(流下、転動)する球の移動方向を変更させるためのものであり、支持部材F6171と、その支持部材F6171に支持される第1軸F6172と、その第1軸F6172に軸支される一対の変位部材F6173と、その変位部材F6173に係合される一対の変位通路部材F6174と、その変位通路部材F6174と変位部材F6173とを連結する一対の連結部材F6175と、その連結部材F6175に配設される一対の錘支持部材F6176と、その錘支持部材F6176に配設される一対の錘F6177と、連結部材F6175を軸支する一対の第2軸F6178と、を備える。
変位部材F6173、変位通路部材F6174、連結部材F6175、錘支持部材F6176、錘F6177及び第2軸F6178は、遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)における中心に対し線(面)対称(図323左右対称)にそれぞれ配設される。
また、連結部材F6175を介することで、変位部材F6173と変位通路部材F6174とが一体化(1のユニットとして形成)される。なお、本実施形態においては、連結部材F6175に錘支持部材F6176が固定(配設)され、その錘支持部材F6176に錘F6177が配設(支持)されることで、変位部材F6173、変位通路部材F6174、連結部材F6175、錘支持部材F6176及び錘F6177が一体化(1のユニットとして形成)される。
支持部材F6171は、板状体から構成され、支持部材F6171の左右方向(矢印L-R方向)両端側には、正面側(矢印F方向側)へ向けて屈曲される一対の屈曲部F6171aが形成される。屈曲部F6171aには、挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に第1軸F6172が挿通されることで、第1軸F6172が支持部材F6171に支持される。
また、支持部材F6171の下端には、切欠きF6171bが上方(矢印U方向)へ向けて切欠き形成される。切欠きF6171bに錘支持部F6176bが当接することで、変位部材F6173(変位通路部材F6174)の変位が規制される。
支持部材F6171及び一対の屈曲部F6171aにより区画された空間に第1軸F6172、一対の変位部材F6173及び一対の連結部材F6175を配設することで、針金等の異物の侵入が抑制される。
第1軸F6172は、一対の変位部材F6173を変位可能に係合(支持)するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。第1軸F6172には、支持部材F6171の一対の屈曲部F6171aの左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に切り込みが形成され、その切り込みには金属リング状のCリング(図示せず)が嵌合される。これにより、第1軸F6172は、支持部材F6171に抜去不能に支持される。
変位部材F6173は、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球の移動方向を変更させるためのものであり、板状体から構成される本体部F6173aと、その本体部F6173aから正面側(矢印F方向側)へ向けて突出する当接部F6173bと、本体部F6173aから背面側(矢印B方向側)へ向けて突出する被支持部F6173c及び係合部F6173dと、を備える。
変位部材F6173は、着色されて構成される。これにより、変位部材F6173が変位したことを遊技者に視認させ易くできる。ここで、一対の変位部材F6173は、異なる色に着色される。これにより、一対の変位部材F6173の一方または他方が変位された状態を遊技者に視認させ易くできる。なお、一対の変位部材F6173は、同色に着色されても良い。
本体部F6173aは、板状体から構成され、背面部材F6150の背面板F6151の背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、通路部材F6110の上側通路F6114を移動(流下、転動)する球が本体部F6173aに当接することを抑制できる。
なお、本体部F6173aは、一対の変位部材F6173の一方と他方とで外形が異なるものの、その本体部F6173aの外形は、変位部材F6173の機能に関与しないので同一の符号を付して説明する。
当接部F6173bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、通路部材F6110の上側通路F6114の上面と略平行に配設される。当接部F6173bの外形は、上側通路F6114の切欠きF6114bの内周面よりもやや小さく形成され、当接部F6173bは、切欠きF6114bの内側に配設される。
当接部F6173bは、板状体から構成され、上側通路F6114の上面と略平行であると共に、略面一に配設される。当接部F6173bの傾斜方向下側の面、言い換えると、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球に対向する面には、傾斜方向上昇側(上側通路F6114の上面を移動する球が近接する方向)へ向けて凹となる湾曲面F6173b1が湾曲して形成される。
詳細は後述するが、当接部F6173bが通路部材F6110の上側通路F6114の上面から所定の距離だけ隔てた位置に配設され、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球と当接可能な位置に変位された場合、湾曲面F6173b1に当接することで、球の移動(流下、転動)方向が正面側(矢印F方向側)へ変更される。これにより、球が上側通路F6114から第5通路部材F6120へ振り分けられる(案内される)。
なお、湾曲面F6173b1は、正面側(矢印F方向側)へ向かうにつれて傾斜方向上昇側(上側通路F6114の上面を移動する球が近接する方向)へ傾斜して形成されても良い。
被支持部F6173c及び係合部F6173dは、板状体からそれぞれ構成され、被支持部F6173c及び係合部F6173dには、板厚方向に穿設される挿通孔がそれぞれ形成される。それら挿通孔に第1軸F6172が挿通されることで、変位部材F6173は、第1軸F6172に左右方向(矢印L-R方向)への変位が可能に支持される。
なお、被支持部F6173cは、当接部F6173bの背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、当接部F6173bに球が当接した際の被支持部F6173cに生じるモーメントを低減でき、被支持部F6173cの破損を抑制できる。
また、第1軸F6172に対し、被支持部F6173c及び係合部F6173dの2箇所により変位部材F6173を支持することで、第1軸F6172との支持が1箇所の場合と比較して、当接部F6173bに球が当接した際の衝撃により被支持部F6173c又は係合部F6173dが破損することを抑制し易くできる。
また、被支持部F6173c及び係合部F6173dは、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて配設される。これにより、当接部F6173bに球が当接した際の変位部材F6173の姿勢の変化を抑制し易くできる。
係合部F6173dには、係合部F6173dの背面側(矢印B方向側)の端部が左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて屈曲される屈曲部F6173d1が形成される。その屈曲部F6173d1には板厚方向に穿設される挿通孔F6173d2が形成される。挿通孔F6173d2は、連結部材F6175の被係合部F6175b1が挿通可能に形成され、上下方向(矢印U-D方向)に延びる長孔状に形成される。これにより、変位部材F6173と変位通路部材F6174とが係合されると共に、被係合部F6175b1は、挿通孔F6173d2に対し、上下方向に変位可能に係合される。
変位通路部材F6174は、中間通路部材F6140の転動面F6142aを移動(流下、転動)する球を第6通路部材F6130の第4通路部F6132へ振り分ける(案内する)ためのものであり、通路部F6174aと、その通路部F6174aの左右方向(矢印L-R方向)両端側の縁部から立設される外側壁部F6174bと、通路部F6174aの正面側(矢印F方向側)の縁部から立設される正面壁部F6174cと、通路部F6174aの左右方向中央側の縁部から立設される内側壁部F6174dと、通路部F6174aの背面側(矢印B方向側)の縁部から立設される連結部F6174eと、を備える。
通路部F6174aは、前後方向(矢印F-B方向)に延びる板状体から構成され、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて下降傾斜して配設される。通路部F6174aには、その通路部F6174aの上面から突設される突部F6174a1が形成される。
突部F6174a1は、前後方向(矢印F-B方向)に延びる直線部と、その直線部の前端から左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて屈曲される屈曲部と、から構成され、直線部の上面は、正面側(矢印F方向側)へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、屈曲部の上面は、左右方向中央側へ向かうにつれて下降傾斜して形成される。
突部F6174a1の直線部は、外側壁部F6174b及び内側壁部F6174dから球の半径よりも小さい距離だけ隔てて配設される。また、突部F6174a1の屈曲部は、正面壁部F6174c及び内側壁部F6174dの正面端から球の半径よりも小さい距離だけ隔てて配設される。これらにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた球は、突部F6174a1の上面を転動可能となり、球の自重を利用して第6通路部材F6130の第4通路部F6132へ案内(送球、流下)される。
外側壁部F6174b及び正面壁部F6174cの突設高さは、球の半径よりも大きく形成される。これにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた球が外側壁部F6174b及び正面壁部F6174cを乗り越え、ベース板60と背面部材F6150の背面板F6151との間に脱落することを抑制できる。また、正面壁部F6174cの突設高さは、球の直径よりも小さく形成される。これにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた球を遊技者に視認させ易くできる。
また、外側壁部F6174b及び内側壁部F6174dには、通路部F6174aの突部F6174a1側(左右方向における通路部F6174aの中央側)へ向けて突設する突起F6174b1,F6174d1がそれぞれ形成される。突起F6174b1,F6174d1は、突設先端へ向けて前後方向(矢印F-B方向)の幅寸法が小さくなるテーパ状に形成される。また、突起F6174b1は、突起F6174d1よりも背面側(矢印B方向側)に形成される。
突部F6174a1の上面を移動(流下、転動)する球が突起F6174b1,F6174d1に当接することで、その球の正面側(矢印F方向側)への移動(流下、転動)速度を小さくできる。これにより、変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)された球が変位通路部材F6174を通過することに要する時間を嵩ませることができる。
また、突起F6174b1に当接することで、突部F6174a1の上面を移動(流下、転動)する球に左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて変位させることができる。これにより、突起F6174b1に当接した球を突起F6174d1に当接させ易くできる。
連結部F6174eは、変位通路部材F6174と連結部材F6175とを締結固定するためのタッピングネジが螺合される部位である。変位通路部材F6174が連結部材F6175に固定され、連結部材F6175と変位部材F6173とが係合されることで、変位通路部材F6174の変位に連動して変位部材F6173を変位させることができる。
連結部材F6175は、変位通路部材F6174の変位に変位部材F6173を連動させるためのものであり、被軸支部F6175aと、その被軸支部F6175aの外周面から上方側(矢印U方向側)へ向けて突出する第1連結部F6175bと、被軸支部F6175aの外周面から左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて突出する第2連結部F6175cと、を備える。
被軸支部F6175aは、円柱状に形成され、その被軸支部F6175aの中心軸を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢で配設される。また、被軸支部F6175aには、被軸支部F6175aの中心軸に沿って挿通孔が穿設され、その挿通孔に第2軸F6178が挿通されることで、連結部材F6175が第2軸F6178に軸支される。
第1連結部F6175bは、前後方向(矢印F-B方向)において、第1軸F6172と変位部材F6173の屈曲部F6173d1との間に配設される。第1連結部F6175bの上端部には、背面側(矢印B方向側)へ向けて突出する被係合部F6175b1が形成され、被係合部F6175b1が変位部材F6173の挿通孔F6173d2に挿通されることで、変位部材F6173と変位通路部材F6174とが係合される。
ここで、本実施形態における第1連結部F6175bは、第2軸F6178を回転軸として回転変位されるのに対し、変位部材F6173は、第1軸F6172に左右方向(矢印L-R方向)への変位が可能に支持される。よって、第1連結部F6175b(被係合部F6175b1)は、変位部材F6173に対して上下方向(矢印U-D方向)に相対変位しつつ変位部材F6173を左右方向へ変位させる。
上述したように、変位部材F6173の挿通孔F6173d2は、上下方向(矢印U-D方向)に延びる長孔状に形成され、詳細には、挿通孔F6173d2に被係合部F6175b1が挿通された状態では、挿通孔F6173d2の上下端と被係合部F6175b1とが当接不能に形成される。
これにより、振分手段F6170の動作時において、被係合部F6175b1と挿通孔F6173d2の側面(上下方向に延びる内周面)とが当接することで、変位部材F6173が左右方向(矢印L-R方向)に変位される。一方、挿通孔F6173d2の上下端と被係合部F6175b1とが当接不能なため、変位部材F6173が上下方向(矢印U-D方向)に変位することを抑制できる。
また、変位部材F6173の屈曲部F6173d1が係合部F6173dの背面側(矢印B方向側)の端部から左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて屈曲され、その屈曲部F6173d1の正面側(矢印F方向側)に第1連結部F6175bが配設される。従って、屈曲部F6173d1と第1連結部F6175bとの間に形成される隙間のうち、左右方向両端側が係合部F6173dにより遮蔽される。
ここで、屈曲部F6173d1と第1連結部F6175bとの間に形成される隙間が露出される場合、かかる隙間に針金等の異物を挟み入れることで第1連結部F6175b又は変位部材F6173の変位が抑制される虞がある。これに対し、本実施形態では、係合部F6173dが第1連結部F6175bと屈曲部F6173d1との間に形成される隙間のうち、少なくとも左右方向(矢印L-R方向)両端側を遮蔽することで、針金等の異物が挟み込まれることを抑制し易くできる。
第2連結部F6175cは、被軸支部F6175aと変位通路部材F6174とを連結するための部位であり、第1連結部F6175bよりも正面側(矢印F方向側)において被軸支部F6175aに配設される。第2連結部F6175cの上面には、下方側(矢印D方向側)へ向けて切欠きが形成され、これにより、第2連結部F6175cと錘支持部材F6176とが当接することを抑制できる。
錘支持部材F6176は、錘F6177を支持するためのものであり、延設部F6176aと、その延設部F6176aの先端に形成される錘支持部F6176bと、を備える。
延設部F6176aは、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から構成され、延設部F6176aの一端(基端)は、タッピングネジ等により連結部材F6175の第1連結部F6175bに締結固定される。なお、延設部F6176aの延設方向は、連結部材F6175の第2連結部F6175cの延設方向とは反対側、即ち、第2連結部F6175cが被軸支部F6175aから左右方向両端側へ向けて延設されるのに対し、延設部F6176aは、連結部材F6175の第1連結部F6175bから左右方向中央側へ向けて延設される。
延設部F6176aの一端(基端)は、遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)における中心に対し、遊技盤F6013の一側に配設され、延設部F6176aの他端(先端)は、遊技盤F6013の幅方向における中心に対し、遊技盤F6013の他側に配設される。言い換えると、延設部F6176aの他端(先端)は、遊技盤F6013の幅方向における中心に対し、延設部F6176aの一端(基端)とは反対側に配設される。
例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される連結部材F6175の第1連結部F6175bに締結固定される延設部F6176aの一端(基端)は、遊技盤F6013の幅方向(図323左右方向)における中心よりも左方側に配設され、延設部F6176aの他端(先端)は、遊技盤F6013の幅方向における中心よりも右方側(矢印R方向側)に配設される。
ここで、左方側(矢印L方向側)に配設される錘支持部材F6176は、連結部材F6175の正面に固定(配設)され、右方側(矢印R方向側)に配設される錘支持部材F6176は、連結部材F6175の背面に固定(配設)される。これにより、一対の連結部材F6175が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合においても一対の錘支持部材F6176が当接することを抑制できる。
錘支持部F6176bは、正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設される円筒状に形成され、錘支持部F6176bの内周面は、錘F6177の外径よりもやや大きく形成される。錘支持部F6176bの内周面に錘F6177が内包されることで、錘F6177が錘支持部F6176bに配設(支持)される。
また、錘支持部F6176bが正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設されるため、振分手段F6170が背面部材F6150に配設された(組み付けられた)状態においても、錘F6177を挿脱できる。
錘F6177は、重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F6177が錘支持部F6176bに配設されることで、1のユニットとして形成される変位部材F6173、変位通路部材F6174、連結部材F6175、錘支持部材F6176及び錘F6177の全体(以下「振分手段F6170の可動部」と称す)の重心が第2軸F6178よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。
第2軸F6178は、連結部材F6175を軸支(回転可能に係合)するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。第2軸F6178は、前後方向(矢印F-B方向)に沿った姿勢で配設され、第2軸F6178は、連結部材F6175の被軸支部F6175aに穿設される挿通孔に挿通される。これにより、連結部材F6175は第2軸F6178を回転軸として回転可能に形成される。
連結部材F6175と変位部材F6173とが係合されることで、連結部材F6175の変位(回転)に連動して変位部材F6173は、第1軸F6172の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位可能に形成される。
次いで、図334から図335を参照して、振分手段F6170の動作について説明する。図334(a)及び図335(a)は、図333(c)のCCCXXXIVa-CCCXXXIVa線における下側フレームF6086bの部分拡大断面図であり、図334(b)及び図335(b)は、下側フレームF6086bの部分拡大背面図である。
なお、図334(b)及び図335(b)では、背面部材F6150の背面板F6151の図示が省略される。また、図334は、振分手段F6170の可動部の動作前における下側フレームF6086bを、図335は、振分手段F6170の可動部の動作後における下側フレームF6086bを、それぞれ図示しており、振分手段F6170の可動部が動作する前の状態を動作前状態、振分手段F6170の可動部が動作した後の状態を動作後状態、とそれぞれ定義する。
図334に示すように、下側フレームF6086bの動作前状態において、変位通路部材F6174の内側壁部F6174dが中間通路部材F6140の貫通孔F6143の内周面に当接することで変位通路部材F6174の動作(変位)が規制され、変位部材F6173の当接部F6173bは、通路部材F6110の上側通路F6114の上面に対し面一となる位置に配設される。
これにより、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することを抑制できる。また、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が、当接部F6173bの上面を移動(流下、転動)可能となり、背面部材F6150の当接部F6154に当接可能となる。
なお、当接部F6173bが上側通路F6114の上面と面一に形成された状態では、当接部F6173bは、上側通路F6114の一部とみなす。このように、当接部F6173bを上側通路F6114の一部とすることで、例えば、球を移動(流下、転動)可能とするために、切欠きF6114bに嵌め込み可能に形成される嵌め込み部材を省略でき、製造コストを低減できる。
ここで、下側フレームF6086bの動作前状態において、当接部F6173bが背面部材F6150の背面側(矢印B方向側)に配設され、当接部F6173bが前後方向(矢印F-B方向)に変位される構成が考えられる。この場合、前後方向における振分手段F6170の寸法が大きくなり、下側フレームF6086bが大型化する虞がある。
これに対し本実施形態における当接部F6173bは、上側通路F6114の上面と面一に形成されるため、前後方向(矢印F-B方向)における振分手段F6170の寸法を小さくできる。また、上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)中央側における空間を有効に活用でき、下側フレームF6086bを小型化できる。
また、動作前状態において、振分手段F6170の可動部の重心は、第2軸F6178よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。これにより、変位通路部材F6174が上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、変位通路部材F6174の内側壁部F6174dと中間通路部材F6140の貫通孔F6143の内周面との当接が維持される。その結果、下側フレームF6086bは、動作前状態に維持される。
次いで、下側フレームF6086bの動作前状態から動作後状態への動作について説明する。変位通路部材F6174に球が案内(送球、流下)されることで、球を加えた振分手段F6170の可動部の重心が第2軸F6178よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。
これにより、振分手段F6170の可動部には、変位通路部材F6174が下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、錘支持部材F6176の錘支持部F6176bは、上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する。
その結果、変位部材F6173は、第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位し、当接部F6173bは、通路部材F6110の上側通路F6114の上面から所定の間隔だけ隔てた位置に変位し、上側通路F6114を移動(流下、転動)する球と当接可能な位置に配置される。なお、所定の間隔は、球の直径よりもやや小さい間隔に設定される。これにより、上側通路F6114の上面と当接部F6173bとの間に球が挟まることを抑制できる。
また、錘支持部F6176bは、背面部材F6150の突出板F6155や支持部材F6171に当接し、これにより、振分手段F6170の可動部の動作(変位)が規制され、下側フレームF6086bが動作後状態に配置(維持)される。
上述したように、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の錘支持部材F6176は、連結部材F6175の正面に固定(配設)されるのに対し、右方側(矢印R方向側)に配設される振分手段F6170の錘支持部材F6176は、連結部材F6175の背面に固定(配設)される。そのため、右方側(矢印R方向側)に配設される錘支持部材F6176の錘支持部F6176bは、背面部材F6150の突出板F6155とは非当接となる位置に配設される。
これにより、振分手段F6170の可動部のうち、左方側(矢印L方向側)に配設される錘支持部材F6176は、突出板F6155に当接し、右方側(矢印R方向側)に配設される錘支持部材F6176は、支持部材F6171の切欠きF6171bの内周面に当接する。従って、左方側と右方側とで、振分手段F6170の可動部の変位量が異なる虞がある。
これに対し、支持部材F6171に切欠きF6171bが形成されることで、動作前状態における突出板F6155及び切欠きF6171bと一対の錘支持部F6176bとの間の距離を同一とできる。これにより、振分手段F6170の可動部の左方側と右方側とで動作(変位)量を同一とできる。
また、振分手段F6170の可動部の動作時において、連結部材F6175の被係合部F6175b1は、第2軸F6178の上方(矢印U方向)を横切って左右方向(矢印L-R方向)中央側から左右方向両端側へ向けて変位する。これにより、被係合部F6175b1が第2軸F6178よりも左右方向中央側に位置する状態においては、被係合部F6175b1は上方へ向けて変位し、被係合部F6175b1が第2軸F6178よりも左右方向両端側に位置する状態においては、被係合部F6175b1は下方(矢印D方向)へ向けて変位する。
従って、長孔状に形成される挿通孔F6173d2の上下方向(矢印U-D方向)における寸法を小さくでき、係合部F6173d(屈曲部F6173d1)を小さく形成できる。その結果、振分手段F6170の設計の自由度を向上や製品コストの削減を図ることができる。
ここで、下側フレームF6086bの動作前状態において、当接部F6173bが上側通路F6114の上面と面一に形成されるため、動作前状態から動作後状態における当接部F6173bの変位量を小さくでき、動作前状態から動作後状態への動作に要する時間を短縮できる。
例えば、当接部F6173bが前後方向(矢印F-B方向)に変位される構成では、当接部F6173bの変位量は、球の直径よりも大きく設定される。これにより、当接部F6173bの変位量を小さくでき、動作前状態から動作後状態への動作に要する時間を短縮できる。
また、例えば、上側通路F6114の上面から球の直径よりも大きな間隔だけ隔てて当接部F6173bが配設される構成では、当接部F6173bの変位量は、球の半径よりも大きく設定される。また、かかる構成では、下側フレームF6086bの動作前状態から動作後状態への動作により、上側通路F6114の上面と当接部F6173bとの間に球が挟まる虞がある。
図335に示すように、下側フレームF6086bの動作後状態においては、変位部材F6173が左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位され、変位部材F6173の当接部F6173bは、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球に当接可能な位置に配置される。
当接部F6173bは、背面部材F6150の当接部F6154よりも下方側(矢印D方向側)に配設される。これにより、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が背面部材F6150の当接部F6154に当接不能な速度(運動エネルギー)であっても、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで上側通路F6114(第3通路FRt63)から第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分けられる。
下側フレームF6086bの開放状態において、変位部材F6173は、変位された状態に維持される。これにより、下側フレームF6086bの開放状態を遊技者に視認させ易くできる。
このように、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球を当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接させることで、上側通路F6114(第3通路FRt63)の上面を移動(流下、転動)する球を第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。これにより、下側フレームF6086bが動作後状態となる、言い換えると、変位通路部材F6174を移動する球の有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、当接部F6173bが流出面F6114aよりも左右方向(矢印L-R方向)中央側、言い換えると、上側通路F6114の上面を球が上昇する位置に配置される。これにより、上側通路F6114の上面を上昇する球は徐々に速度が低下され、球の移動(流下、転動)と、球と当接部F6173bとの当接とを遊技者に視認させ易くできる。
なお、下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態へ向けての動作は、変位通路部材F6174から球が流出される(変位通路部材F6174に球の重量が非作用となる)ことで行われる。下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態へ向けての力(重力)の作用、は動作前状態の維持と同様であるためその説明は省略する。
このように、球の重量を利用して下側フレームF6086bを動作前状態から動作後状態、或いは、動作後状態から動作前状態へ向けて動作させることができるため、駆動装置を不要とでき、製造コストを低減できる。
図324から図333に戻って、下側フレームF6086bを流下する球について説明する。遊技領域を流下する球のうち、上側フレームF6086aに配設される上側フレーム通路FRt60(図323参照)を案内された球は、第1通路部材F6160の溝部F6161(第1通路FRt61)の上流端に流入(入球)される。
第1通路部材F6160の溝部F6161の上流端に流入(入球)された球は、凹部F6162へ案内(送球、流出)され、凹部F6162の底面に穿設される挿通孔F6162a1若しくは挿通孔F6162a2から通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)される。
下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)された球は、下側通路F6112(第2通路FRt62)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って下側通路F6112の左右方向中央側へ向けて移動(流下、転動)する。
なお、一方側(例えば、右方側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた(案内された)球は、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過して、下側通路F6112(第2通路FRt62)の他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。
ここで、下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)することや立て壁部F6113に当接することにより、球には摩擦力が作用し、球の速度(運動エネルギー)が減少する。
これにより、下側フレームF6086bの動作前状態においては、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)され、上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇する球は、背面部材F6150の当接部F6154に当接不能とされる。従って、球は、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cと第2傾斜部F6114dとを往復動した後、他方側の上側通路F6114に形成される流出面F6114aから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)される。
また、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)された球は、凹面として形成される流出面F6114aを通過することで球の速度(運動エネルギー)が減少される。
これにより、上側通路F6114(第3通路FRt63)を移動(転動)する球と当接部F6154との当接を抑制し易くできる。このように、上側通路F6114(第3通路FRt63)へ振り分けられた(案内された)球を下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)させる機能と、上側通路F6114を移動(転動)する球の速度(運動エネルギー)を減少させる機能とを流出面F6114aに兼用させることができ、製品コストの削減を図ることができる。
流出面F6114aから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)された球は、流出面F6112bから第1入賞口64へ案内(送球、流下)される、若しくは、起伏F6112aの底部から立て壁部F6113の流入口FOPf62へ流入して中間通路部材F6140の第2凹部F6142(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)される。
次いで、球が他方側(左方側)に配設される第2凹部F6142(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された場合について説明する。
他方側(左方側)に配設される第2凹部F6142(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された球は、他方側に配設される振分手段F6170の変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)される。これにより、下側フレームF6086bが動作前状態から動作後状態へ動作される。詳細には、他方側の変位部材F6173が変位された状態における動作後状態へ動作される。
他方側(左方側)に配設される変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された球は、次いで、他方側に配設される第6通路部材F6130の第4通路部F6132(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)される。これにより、下側フレームF6086bが動作後状態から動作前状態へ動作される。他方側に配設される第4通路部F6132(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された球は、通路部材F6110の流出口FOPout62を通過して遊技領域へ流出される。
なお、下側フレームF6086bの動作後状態、詳細には、球が他方側(左方側)に配設される振分手段F6170の変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)を移動(流下、転動)している状態においては、その他方側に配設される変位通路部材F6174を移動する球(以下「第1の球」と称す)の後続となる球(以下「第2の球」と称す)であり、一方側(右方側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1へ流入された第2の球は、他方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。
ここで、図336を参照して、下側フレームF6086bの動作後状態において、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球の移動(流下、転動)について説明する。図336は、下側フレームF6086bの部分上面図である。なお、図336では、変位部材F6173に形成される当接部F6173bを除く振分手段F6170の図示が省略される。
図336(a)に示すように、下側フレームF6086bの動作後状態において、当接部F6173bは、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cを上昇する球CB61に当接可能な位置に配設される。
詳細には、下側フレームF6086bの動作前状態において、第1傾斜部F6114cを上昇する球CB61が最も上方側(矢印U方向側)へ到達する位置よりも下方側(矢印D方向側)に当接部F6173bが配設される。
次いで、図336(b)に示すように、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB61は、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで、第1傾斜部F6114cを上昇すると共に、湾曲面F6173b1に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)される。言い換えると、球CB61には、正面側へ向けての速度成分が付与される。
ここで、球CB61が最も上方側(矢印U方向側)へ到達した位置では、球の速度が0となり(又は速度が小さくなり)球の勢いが弱い。そのため、球CB61が最も上方側へ到達する位置に当接部F6173bが配設された場合、球CB61が当接部F6173bに当接しても正面側(矢印F方向側)へ向けて案内されない虞がある。
これに対し、本実施形態では、第1傾斜部F6114cを上昇する球CB61が最も上方側(矢印U方向側)へ到達する位置よりも下方側(矢印D方向側)に当接部F6173bが配設されるため、球CB61の勢いが強い(速度が確保される)。これにより、球CB61の勢いを利用して、当接部F6173bに当接した球CB61を正面側(矢印F方向側)へ向けて案内し易くできる。
次いで、球CB61が正面側(矢印F方向側)へ向けて変位することにより、図336(c)に示すように、球CB61は、第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられ、壁部F6122に当接することで、正面側(矢印F方向側)へ向けての移動(流下、転動)が規制される。
ここで、下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態への動作では、当接部F6173bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側から左右方向中央側へ向けて変位される。また、第1傾斜部F6114cを上昇する(当接部F6173bへ向けて移動する)球CB61には、左右方向中央側および上方側(矢印U方向側)へ向けて移動する。従って、下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態への動作における当接部F6173bの変位方向には、第1傾斜部F6114cを当接部F6173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれる。
これにより、球CB61と当接部F6173bとの当接により球CB61の移動方向(左右方向中央側へ向けての方向)へ当接部F6173bを変位させ(下側フレームF6086bの動作前状態における当接部F6173bの配設位置へ向けて後退させ)、衝撃を吸収できる。その結果、当接部F6173bの破損を抑制できる。
次いで、図336(d)に示すように、第5通路部F6121の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての下降傾斜に沿って球CB61は移動(流下、転動)され、流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入される。或いは、挿通孔F6121bへ流入して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)される(図324参照)。
図324から図333に戻って説明する。このように、下側フレームF6086bが動作後状態へ動作される(第1の球が変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)される)ことで、第2の球や第2の球の後続となる球を第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分ける(案内させる)ことができる。上述したように、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分けられた(案内された)球は、第1入賞口64へ入賞し易く、従って、下側フレームF6086bの動作後状態において、第2の球や第2の球の後続となる球が下側フレームF6086bへ振り分けられる(案内される)ことを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、球の当接により変位部材F6173に作用する力の方向と変位部材F6173の動作後状態から動作前状態への変位の方向(左右方向中央側)との少なくとも一部を一致させることができる。これにより、球が当接した際、変位部材F6173を動作前状態へ向けて変位させることで変位部材F6173に加わる衝撃力を小さくでき、変位部材F6173が破損することを抑制できる。
なお、下側フレームF6086bの動作後状態において、一方側(右方側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過して他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)された球は、球の速度(運動エネルギー)が減少した状態で変位部材F6173の当接部F6173bに当接される。従って、球が当接した際の当接部F6173bに加わる衝撃力を小さくでき、変位部材F6173が破損することを抑制できる。
次いで、他方側(左方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)について説明する。他方側に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から振り分けられた(案内された)球は、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過せず、他方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。
この場合、挿通孔F6162a1から振り分けられた(案内された)球と比較して下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する球の移動量が小さい。また、立て壁部F6113に非当接とされる。これらにより、球に作用する摩擦力が小さく、球の速度(運動エネルギー)の減少が抑制される。
その結果、下側フレームF6086bの動作前状態において、一方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)された球は、背面部材F6150の当接部F6154に形成される湾曲面F6154aに当接可能となる。
ここで、図337を参照して、下側フレームF6086bの動作前状態において、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球の移動(流下、転動)について説明する。図337は、下側フレームF6086bの部分上面図である。なお、図337では、振分手段F6170の図示が省略される。
図337(a)に示すように、第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から振り分けられた(案内された)球CB62は、挿通孔F6162a1から振り分けられた(案内された)球と比較して速度(運動エネルギー)が大きく、当接部F6173bに形成される湾曲面F6173b1に当接される。
これにより、図337(b)に示すように、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB62は、第1傾斜部F6114cを上昇すると共に、湾曲面F6173b1に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)される。言い換えると、球CB62には、正面側へ向けての速度成分が付与される。
次いで、図337(c)に示すように、球CB62は、第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられ、壁部F6122に当接することで、正面側(矢印F方向側)へ向けての移動(流下、転動)が規制される。
なお、湾曲面F6173b1は、その湾曲面F6173b1の正面側(矢印F方向側)における先端が左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて突出して形成されるため、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接する場合と比較して(図336参照)、左右方向両端側における壁部F6122に当接する。
第5通路部F6121は、背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、球CB62は、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)するに従い、背面側(壁部F6113)へ向けて移動(流下、転動)する。
これにより、図337(d)に示すように、球CB62は、挿通孔F6162a1から振り分けられた(案内された)球と比較して挿通孔F6121bへ流入されるよりも流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入され易い。
図324から図333に戻って説明する。下側フレームF6086bの動作後状態において、他方側(左方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)については、上述した一方側(右方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1から下側通路F6112(第2通路FRt62)振り分けられた(案内された)場合と同様であるため、その説明は省略する。
なお、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1を通過した球と他方側(左方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球とでは、他方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が異なる。詳細には、他方側の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、一方側の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過した球と比較して速度(運動エネルギー)が大きい。
これにより、下側フレームF6086bの動作後状態において、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1を通過した球と他方側(左方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球とで、変位部材F6173の当接部F6173bに当接した衝撃による変位部材F6173の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位量を異ならせることができる。
また、本実施形態においては、動作前状態から動作後状態へ向けての動作中において変位部材F6173の当接部F6173bに球が当接可能とされる。これにより、変位部材F6173(変位通路部材F6174)の変位の程度により、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121への振り分け位置を異ならせることができる。言い換えると、壁部F6122への当接位置を異ならせることができる。
これらにより、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分けられた(案内された)球が、第5通路部材F6120の流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入される、或いは、挿通孔F6121bへ流入して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)されるかを遊技者に判断させ難くすることができ、興趣を向上させることができる。
流入口FOPf61へ流入された球は、順に中間通路部材F6140の第1凹部F6141、第6通路部材F6130の第6通路部F6131へ案内(送球、流下)され、通路部材F6110の流出口FOPout1から流出された後、第1入賞口64へ入賞される。
第5通路部材F6120の挿通孔F6121bから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)については、上述した上側通路F6114(第3通路FRt63)の流出面F6114aから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)と同一であるため、その説明は省略する。
なお、複数(2球以上)の球(例えば、第1の球および第1の球の先行となる球)が変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ続けて案内(送球、流下)される、言い換えると、変位通路部材F6174に作用する球の重量が大きくなることで、変位部材F6173の当接部F6173bと球との当接による変位部材F6173の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位量を小さくできる。
これにより、例えば、球との当接による変位部材F6173の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位量が小さい場合、球を左右方向(矢印L-R方向)両端側における第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分け易く(案内し易く)できる。その結果、挿通孔F6121bへ流入されるよりも流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入させ易くできる。
従って、複数の球が変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)に続けて案内(送球、流下)される、言い換えると、通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する球が連なった状態で変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)されることを遊技者に期待させることができ、興趣を向上させることができる。
また、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1と挿通孔F6162a2とが前後方向(矢印F-B方向)に並設される。これにより、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)から通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球が、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過するか否かを遊技者に視認させ難くできる。
言い換えると、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)から通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球が、一方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流下)される、もしくは、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過し他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流下)されるかを遊技者に視認させ難くできる。その結果、下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球を遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図338から図340を参照して、第90実施形態における下側フレームF7086bについて説明する。第90実施形態における下側フレームF7086bでは、第89実施形態よりも動作後状態を長く維持するために、変位通路部材F7174の左右方向(矢印L-R方向)両端側に第2変位通路F7180(第7通路FRt77)が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図338(a)及び図339(a)は、第90実施形態における下側フレームF7086bの断面図であり、図338(b)及び図339(b)は、下側フレームF7086bの背面図である。図340は、第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aへの球の振り分けを模式的に図示したものであり、図340(a)、図340(c)及び図340(e)は、下側フレームF7086bの上面模式図であり、図340(b)、図340(d)及び図340(f)は、図340(a)の矢印CCCXLb、図340(c)の矢印CCCXLd及び図340(e)の矢印CCCXLf方向視における下側フレームF7086bの正面模式図である。
なお、図338(a)及び図339(a)は、第2変位通路F7180の前後方向(矢印F-B方向)中央において前後方向に垂直な平面で切断した断面に対応する。また、図338は、振分手段F7170及び第2変位通路F7180の動作前における状態を、図339は、振分手段F7170及び左方側(矢印L方向側)に配設される第2変位通路F7180の動作後における状態を、それぞれ図示している。また、図338(b)及び図339(b)では、背面部材F6150の背面板F6151の図示が省略される。
また、図340(a)、図340(c)及び図340(e)は、下側フレームF7086bにおける第6通路部材F6130の第4通路部F6132、中間通路部材F6140の転動面F6142aの一部、振分手段F7170の変位通路部材F7174及び第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの一部のみが図示され、図340(b)、図340(d)及び図340(f)は、下側フレームF7086bにおける第6通路部材F6130の第4通路部F6132、中間通路部材F6140の転動面F6142aの一部、正面壁部F6174cを除く振分手段F7170の変位通路部材F7174及び第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの一部のみが図示される。
また、図340では、所定の間隔を隔てた2球が中間通路部材F6140の第2凹部F6142(第4通路FRt64)へ振り分けられた状態が図示され、図340(a)及び図340(b)は、それら2球が第2凹部F6142の転動面F6142aを移動(流下、転動)する状態、図340(c)及び図340(d)は、第4通路FRt64へ振り分けられた球のうち、先行となる球(以下「先行の球CB71」と称す)が振分手段F7170の変位通路部材F7174へ振り分けられた状態、図340(e)及び図340(f)は、先行の球CB71の後続となる球(以下「後続の球CB72」と称す)が第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aへ振り分けられた状態、がそれぞれ図示される。
図338から図339に示すように第90実施形態における振分手段F7170には、第89実施形態における振分手段F6170に加え、変位通路部材F7174の左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に一対の第2変位通路F7180が配設される。
第2変位通路F7180は、その第2変位通路F7180の変位(回転)により変位部材F6173を動作(変位)させるためのものであり、第2変位通路部材F7181と、その第2変位通路部材F7181を軸支する軸F7182と、第2変位通路部材F7181に配設される錘F7183と、を備える。
第2変位通路部材F7181は、球の通路となる第2変位通路部F7181aと、その第2変位通路部F7181aに一端が固定(配設)される支持部F7181bと、その支持部F7181bの他端に固定(配設)される被軸支部F7181cと、その被軸支部F7181cに固定(配設)される錘支持部F7181dと、を備える。
第2変位通路部F7181aは、中間通路部材F6140の転動面F6142aから振り分けられた(案内された)球が移動(流下、転動)するための部位であり、転動面F7181a1と、その転動面F7181a1の縁部から立設される壁部F7181a2と、を備える。転動面F7181a1及び壁部F7181a2により区画された空間により第7通路FRt77が形成される。
転動面F7181a1は、左右方向(矢印L-R方向)両端側が正面側(矢印F方向側)に屈曲される、上面視において略L字状の板状体から構成される。また、転動面F7181a1(第7通路FRt77)の延設長さは、変位通路部材F7174の延設長さの略3倍の延設長さに形成される(図328参照)。
壁部F7181a2は、第2変位通路部F7181aに案内(送球、流下)された球の変位を規制するための部位であり、変位通路部材F7174側(左右方向中央側)の端部(第2変位通路部F7181aの上流端)および正面側(矢印F方向側)に屈曲される部位の正面側の端部(第2変位通路部F7181aの下流端)を除く縁部から立設される。
転動面F7181a1において、上流端に壁部F7181a2が非形成とされることで、中間通路部材F6140の転動面F6142aから第2変位通路部F7181aへ球が案内(送球、流下)され、転動面F7181a1の下流端に壁部F7181a2が非形成とされることで、第2変位通路部F7181aから遊技領域に球が流出される。
なお、ベース板60には、転動面F7181a1の下流端の正面(矢印F方向)となる位置に挿通孔(図示せず)が穿設され、かかる挿通孔を通過させることで、球が遊技領域に流出される。
壁部F7181a2の突設高さは、球の半径よりも大きく形成される。これにより、第2変位通路部F7181aへ振り分けられた球が壁部F7181a2を乗り越え、ベース板60と背面部材F6150との間に脱落することを抑制できる。
支持部F7181bは、第2変位通路部F7181aと被軸支部F7181cとを連結するための部位であり、棒状体から構成される。被軸支部F7181cは、筒状に形成され、その被軸支部F7181cの内周側に軸F7182が挿通される。これにより、軸F7182(被軸支部F7181c)を回転軸として第2変位通路部材F7181が回転可能に形成される。
錘支持部F7181dは、錘F7183を支持するための部位である。錘支持部F7181dは、一端(基端)が被軸支部F7181cに固定(配設)され、錘支持部F7181dの他端(先端)には錘F7183を固定(配設)するための凹部が正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設して形成される。
軸F7182は、第2変位通路部材F7181を回転可能に係合(軸支)するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。軸F7182は、前後方向(矢印F-B方向)に沿った姿勢で配設され、背面部材F6150の背面板F6151と下板F6153とにより支持される。これにより、第2変位通路部材F7181は軸F7182を回転軸として回転可能に形成される。
錘F7183は、第2変位通路F7180の重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F7183が錘支持部F7181dに配設されることで、第2変位通路F7180の重心は、軸F7182よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。
振分手段F7170の変位通路部材F7174は、第89実施形態における変位通路部材F6174に対し外側壁部F7174bの突設高さが異なる以外は同一に形成され、その外側壁部F7174bの突設高さは、球の直径よりもやや大きく形成される。これにより、変位通路部材F7174に球が案内(送球、流下)された状態では、上下方向(矢印U-D方向)において球の最も上方側(矢印U方向側)の部位は、外側壁部F7174bの突設先端よりも下方側(矢印D方向側)となる。
また、外側壁部F7174bの突設高さは、動作後状態において、第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの上面よりも下方側(矢印D方向側)となる寸法に形成される。これにより、中間通路部材F6140の転動面F6142aを移動(流下、転動)する球は、第2変位通路部F7181aへ振り分け可能とされる。
次いで、第2変位通路F7180の動作について説明する。図338に示すように、下側フレームF7086bの動作前状態において、第2変位通路F7180の錘支持部F7181dと振分手段F7170の錘支持部材F6176とは当接、或いは、所定の距離(例えば、1mm)だけ隔てて配設される。また、第2変位通路F7180の壁部F7181a2の上端が背面部材F7150の側板F7152から突設される突部F7152bに当接することで第2変位通路F7180の動作(変位)が規制される。
また、動作前状態において、一対の第2変位通路F7180の重心は、軸F7182よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側にそれぞれ位置する。これにより、第2変位通路F7180には、第2変位通路部F7181aが上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、第2変位通路F7180の壁部F7181a2の上端と背面部材F7150の側板F7152から突設される突部F7152bとの当接が維持される。その結果、下側フレームF7086bは、動作前状態に維持される。
次いで、下側フレームF7086bの動作前状態から動作後状態への動作について説明する。第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aに球が案内(送球、流下)されることで、球を加えた第2変位通路F7180の全体の重心が軸F7182よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。
これにより、第2変位通路F7180には、第2変位通路部F7181aが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、錘支持部F7181dは、上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する。その結果、振分手段F7170の錘支持部材F6176が上方側へ向けて回転(変位)し、変位部材F6173は、第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位される(下側フレームF7086bが動作後状態へ動作される)。
ここで、図340を参照して第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aへの球の振り分けについて説明する。図340(a)及び図340(b)に示すように、先行の球CB71および後続の球CB72が転動面F6142aを移動(流下、転動)する状態(動作前状態)では、変位通路部材F7174の外側壁部F7174bの少なくとも一部が第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの上面よりも上方側(矢印U方向側)となる位置に配設される。これにより、先行の球CB71は、外側壁部F7174bに当接可能となり、転動面F6142aから第2変位通路部F7181aへ案内される(変位通路部材F7174へ非案内とされる)ことを抑制できる。
次いで、図340(c)及び図340(d)に示すように、先行の球CB71が変位通路部材F7174へ案内(送球、流下)されることで、先行の球CB71の重量により変位通路部材F7174が下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)し、下側フレームF7086bは、動作後状態へ動作される(図339参照)。
ここで、先行の球CB71は、変位通路部材F7174の突起F6174b1に当接することで、先行の球CB71の正面側(矢印F方向側)への移動(流下、転動)速度を小さくでき、また、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)させることができる。これにより、図340(e)及び図340(f)に示すように、後続の球CB72を第2変位通路F7180へ振り分けやすくできる。
詳細には、先行の球CB71が左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて、即ち、後続の球CB72へ向けて移動(流下、転動)することで、左右方向における先行の球CB71と後続の球CB72との距離を小さくできる。また、先行の球CB71の正面側(矢印F方向側)への移動(流下、転動)速度を小さくすることで、前後方向(矢印F-B方向)において先行の球CB71と後続の球CB72とが離間することを抑制できる。
これにより、突起F6174b1が非形成の場合と比較して、先行の球CB71の上方側(矢印U方向側)の部位に後続の球CB72を当接(落下)させることができる。その結果、後続の球CB72の下方側(矢印D方向側)への変位(落下、流下)量を小さくでき、第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの上面へ後続の球CB72を案内(送球、流下)し易くできる。
図338から図339に戻って説明する。転動面F7181a1(第7通路FRt77)の延設長さは、変位通路部材F7174の延設長さよりも長く形成されるため(図328参照)、球が第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181a(第7通路FRt77)を移動(流下、転動)することに要する時間を変位通路部材F7174を移動(流下、転動)することに要する時間よりも嵩ませることができる。これにより、変位通路部材F7174へ球が振り分けられる場合と比較して、第2変位通路部F7181a(第7通路FRt77)へ球が振り分けられることで動作後状態となる時間を嵩ませることができる。
従って、通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する2球が所定の間隔よりも小さい間隔だけ隔てた状態で中間通路部材F6140の第2凹部F6142(第4通路FRt64)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図341を参照して、第91実施形態における下側フレームF8086bについて説明する。第91実施形態における下側フレームF8086bでは、動作前状態と動作後状態とで、第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球の第1入賞口64への入賞し易さが異なる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図341は、第91実施形態における下側フレームF8086bの部分拡大上面図であり、図341(a)は、動作前状態における下側フレームF8086bが、図341(b)は、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の当接部F6173bが変位した動作後状態における下側フレームF8086bが、それぞれ図示される。
図341に示すように、第91実施形態における第5通路部材F8120の挿通孔F8121bは、第89実施形態における挿通孔F6121bと比較して、左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に穿設される。
詳細には、動作後状態において、振分手段F6170の当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)に案内(送球、流下)された球の移動方向の延長線上に穿設される。これにより、動作後状態において、当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)に案内(送球、流下)された球を挿通孔F8121bへ向けて移動(流下、転動)させ易くできる。
また、第5通路部材F8120には、挿通孔F8121bの縁に沿って立設部F8121b1が配設される。立設部F8121b1の立設高さは、所定以上の速度を有する球が乗り越え可能な高さに形成される。
また、背面部材F8150の当接部F8154に形成される湾曲面F8154aの正面端は、第89実施形態における湾曲面F6154aの正面端と比較して、左右方向(矢印L-R方向)中央側となる位置に形成される。これにより、動作前状態において、当接部F8154に当接することで第5通路部材F8120(第5通路FRt65)に案内(送球、流下)された球を一対の挿通孔F8121bの間へ向けて移動(流下、転動)させ易くできる。言い換えると、一対の挿通孔F8121bへ向けて移動(流下、転動)させ難くできる。
本実施形態における下側フレームF8086bでは、動作後状態において、例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)に振り分けられた球は、立て壁部F6113の正面を通過せず、左方側に形成される上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)され、速度(運動エネルギー)の減少が抑制された状態で球が第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
上述したように、挿通孔F8121bは、振分手段F6170の当接部F6173bに当接した球の移動方向の延長線上に穿設されるため、第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、挿通孔F8121bへ向けて移動(流下、転動)され易く、第5通路部材F8120の壁部F8122に当接され難い。
これらにより、動作後状態において、一方側(上述の例では左方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過し、当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、立設部F8121b1を乗り越え挿通孔F8121bを通過し易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
一方、動作後状態において、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)に振り分けられた球は、速度(運動エネルギー)が減少した状態で第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
従って、当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、立設部F8121b1を乗り越え難く(挿通孔F8121bを通過し難く)、流出面F6121aから中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
また、動作前状態においては、背面部材F8150の当接部F8154は、当接部F6173bよりも上方側(矢印U方向側)に配設されるため、当接部F8154に当接した球は、速度(運動エネルギー)が減少した状態で第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
また、当接部F8154に当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、一対の挿通孔F8121bの間へ向けて移動(流下、転動)し、第5通路部材F8120の壁部F6122に当接され易く、挿通孔F8121bへ案内され難い。
従って、当接部F8154に当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、立設部F8121b1を乗り越え難く(挿通孔F8121bを通過し難く)、流出面F6121aから中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
上述したように、動作前状態においては、一対の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、挿通孔F6162a1を通過した球と比較して第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)され易く、第1入賞口64へ入賞し易い。
一方、動作後状態、例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の当接部F6173bが変位した動作後状態においては、左方側に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球は、第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された後、挿通孔F8121bを通過して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
このように、動作前状態と動作後状態とで、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球の第1入賞口64への入賞し易さを変化させることで、動作前状態では、球が挿通孔F6162a2を通過することを遊技者に期待させ、動作後状態では、振分手段F6170の当接部F6173bが変位した側(上述の例では左方側)の挿通孔F6162a2を球が通過しないことを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1を通過した球は、左方側(矢印L方向側)に配設される上側通路F6114(第3通路FRt63)から第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。この場合、球は、立設部F8121b1を乗り越え難く(挿通孔F8121bを通過し難く)、流出面F6121aから中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
従って、動作後状態では、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)へ振り分けられた(案内された)球は、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160へ振り分けられた(案内された)球よりも第1入賞口64へ入賞し易い。これにより、動作後状態を契機として、右方側に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)へ球が振り分ける(案内する)ことを遊技者に意図させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図342及び図343を参照して、第92実施形態における下側フレームF9086bについて説明する。第92実施形態における下側フレームF9086bでは、動作前状態と動作後状態とで、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球の第1入賞口64への入賞し易さが異なる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図342(a)及び図343(a)は、第92実施形態における下側フレームF9086bの部分拡大上面図であり、図342(b)及び図343(b)は、下側フレームF9086bの部分拡大正面図である。
なお、図342は、動作前状態における下側フレームF9086bが、図343は、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の当接部F6173bが変位した動作後状態における下側フレームF9086bが、それぞれ図示される。また、図342(b)及び図343(b)では、中間通路部材F9140に形成される連結孔F9144が破線で図示される。
図342及び図343に示すように第92実施形態における中間通路部材F9140には、中間通路部材F9140の上面と第1凹部F6141とを貫通する連結孔F9144が穿設される。また、連結孔F9144の上方側(矢印U方向側)における通路部材F9110には、挿通孔F9116が板厚方向に穿設される。
また、右方側(矢印R方向側)における背面部材F9150には当接部F6154が配設される一方、左方側(矢印L方向側)における背面部材F9150には当接部F6154が非配設とされる。
次いで、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球の移動(流下、転動)について説明する。第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球は、通路部材F9110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられ、立て壁部F6113の正面を通過せず、上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。従って、下側通路F6112(第2通路FRt62)に振り分けられた球は、速度(運動エネルギー)の減少が抑制された状態で上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。
図342に示すように、動作前状態において、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、通路部材F9110の挿通孔F9116に到達し、中間通路部材F9140の連結孔F9144を介して第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)される。
よって、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球を第1入賞口64へ入賞し易く(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させ易く)できる。
一方、動作前状態において、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、背面部材F9150の当接部F6154に当接して第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
第5通路部材F6120の第5通路部F6121には、一対の挿通孔F6121bが穿設される。従って、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球と比較して右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、第1入賞口64へ入賞し難い。
次いで、図343に示すように、動作後状態において、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、振分手段F6170の当接部F6173bに当接して第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。言い換えると、通路部材F9110の挿通孔F9116へ案内(送球、流下)されることが当接部F6173bに抑制される。従って、動作前状態と比較して第1入賞口64へ入賞し難い。
なお、動作後状態において、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、振分手段F6170の当接部F6173bに当接して第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。従って、動作前状態と動作後状態とで第1入賞口64への入賞されやすさはほぼ同一である。
このように、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球は、動作前状態では、ほぼ確実に第1入賞口64へ入賞できるのに対し、動作後状態では、動作前状態と比較して第1入賞口64へ入賞され難い。
従って、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球が、動作前状態において、上側通路F6114を上方側へ向けて移動(流下、転動)することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図344を参照して、第93実施形態における下側フレームF10086bについて説明する。第93実施形態における下側フレームF10086bでは、第89実施形態における下側フレームF6086bの当接部F6154が非配設とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図344(a)は、第93実施形態における下側フレームF10086bの部分拡大上面図であり、図344(b)は、下側フレームF10086bの部分拡大正面図である。
なお、図344は、動作後状態における下側フレームF10086bが図示される。また、図344(a)では、変位部材F10173の当接部F10173bを除く振分手段の図示が省略され、図344(b)では、第5通路部材F6120の図示が省略される。
図344に示すように、第93実施形態における当接部F10173bには、上側通路F6114の傾斜における上昇方向(図344(b)矢印J方向、以下「上昇方向」と称す)側に第2湾曲面F10173b2が湾曲して形成される。第2湾曲面F10173b2は、上側通路F6114の傾斜における下降方向(図344(b)矢印K方向、以下「下降方向」と称す)側へ向けて凹設される。
次いで、通路部材F6110の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)について説明する。下側フレームF10086bの動作前状態において、上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇方向(矢印J方向)へ向けて移動(流下、転動)する球は、当接部F10173bにおける上側通路F6114と面一に形成される案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも上昇方向側へ案内される。
上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇方向(矢印J方向)へ向けて移動(流下、転動)する球は、次第に速度が小さくなり、一旦止まった後、下降方向(矢印K方向)へ向けて移動(流下、転動)する。上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向(矢印K方向)へ向けて移動(流下、転動)する球は、再度、当接部F10173bの案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも下降方向側へ案内される。
一方、球が当接部F10173bの案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも上昇方向側(矢印J方向側)へ案内されてから当接部F10173bの案内面F10173b3を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)するまでの間に、下側フレームF10086bが動作後状態に動作された場合、当接部F10173bは、球と当接可能となる位置へ向けて変位されるため、上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、第2湾曲面F10173b2に当接される。
第2湾曲面F10173b2に当接されることにより、球は、第2湾曲面F10173b2の湾曲面に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて変位され、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられる。
ここで、当接部F10173bに第2湾曲面F10173b2が非形成、例えば、上側通路F6114の上昇方向側(矢印J方向)が前後方向(矢印F-B方向)に沿って平坦な面として形成される場合、その当接部F10173bの平坦面に球が当接し、球の移動(流下、転動)が規制される虞がある。
この場合、下側フレームF10086bが動作前状態に動作されることにより、球は、上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)し、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ球が振り分けられない(非案内となる)虞がある。
従って、球が当接部F10173bの案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも上昇方向側(矢印J方向側)へ案内されてから当接部F10173bの案内面F10173b3を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)するまでの間に、下側フレームF10086bが動作後状態に動作された場合であっても、球が第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ球が振り分けられず(非案内となり)、遊技の興趣が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態では、当接部F10173bに第2湾曲面F10173b2が形成されるため、上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)球を第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられることができ、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図345及び図346を参照して、第94実施形態における下側フレームF11086bについて説明する。上記第89実施形態では、変位通路部材F6174に球の重量を利用して、変位部材F6173が動作(変位)される場合を説明したが、第94実施形態では、球の重量の利用に加え、アクチュエータ(ソレノイドF11002)の駆動力によっても、変位部材F6173が動作(変位)可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図345は、第94実施形態における下側フレームF11086bの背面斜視図であり、図346は、下側フレームF11086bの部分拡大上面図である。第94実施形態における下側フレームF11086bは、第89実施形態における下側フレームF6086bに対し、センサF11001と、ソレノイドF11002とを更に備える。
なお、図346では、第1領域F11003a及び第2領域F11003bがハッチングを付した領域として模式的に図示される。第1領域F1103aは、挿通孔F6162a2へ球が流入可能な領域(位置)であり、挿通孔F6162a2と同心の円環状の範囲として定義される。第2領域F1103bは、挿通孔F6162a1へ球が流入可能な領域(位置)であり、挿通孔F6162a1と同心の円環状の範囲として定義される。本実施形態では、第1領域F1103aと第2領域F1103bとは同一の大きさとされる。
図345及び図346に示すように、センサF1101は、挿通孔F6162a2(即ち、凹部F6162に穿設される一対の挿通孔F6162aのうちの背面側(矢印B方向側)に形成される孔)を通過する球を検出するためのセンサ(貫通孔の内周を通過する球を検出する近接スイッチ)であり、挿通孔F6162a2に連なるガイド凹部F6163aの下流端に配設される。
なお、センサF1101は、一対(正面視左方側(矢印L方向側)及び右方側(矢印R方向側))の第1通路部材F6160における挿通孔F6162a2のそれぞれに配設される。また、センサF1101は、ガイド凹部F6163aによる球の案内方向に影響を与えない態様で配設される。例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、立て壁部F6113の正面側ではなく、下側通路F6112から正面視左方側(矢印L方向側)の上側通路F6114へ案内(送球、流出)される。
ソレノイドF11002は、一対の変位部材F6173をそれぞれ独立して変位させるためのアクチュエータであり、背面板F6151の背面に一対が向かい合わせの姿勢(プランジャーF11002bを変位部材F6173に連結させた姿勢)で配設(固着、取着)される。
ソレノイドF11002は、コイル、固定鉄心および戻りばねが収容されるケースF11002aと、そのケースF11002aに対して出没(直線変位)可能とされるプランジャーF11002bとを備え、プランジャーF11002bの直線変位の方向を第1軸F6172と平行とする姿勢で配設される。
なお、ソレノイドF11002は、プル(吸引)ソレノイドとして構成される。即ち、非通電時には、戻りばねの弾性力によりプランジャーF11002bが突出した状態とされ、変位部材F6173が初期位置(当接部F6173bに球が当接不能な位置)に配置され、通電時には、プランジャーF11002bがプル(吸引)動作されることで、変位部材F6173が第1軸F6172に沿って変位(スライド)され、かかる変位部材F6173が突出位置(上側通路F6114の上面から突出され、当接部F6173bに球が当接可能な位置)に配置される。
なお、戻りばねの弾性力は、変位通路部材F6174に球の重量が作用した場合に、その球の重量によっても、変位部材F6173を動作(変位)可能な大きさに設定される。但し、変位通路部材F6174に球の重量が作用しても、その球の重量では、変位部材F6173を動作(変位)不能となるように構成しても良い。或いは、変位通路部材F6174及びその変位通路部材F6174の変位(球の重量が作用することによる変位)を変位部材F6173へ伝達する機構を省略しても良い(即ち、ソレノイドF11002の駆動によってのみ変位部材F6173が変位する構成としても良い)。
本実施形態では、センサF11001によって球の通過が検出されたことを契機(条件)として、ソレノイドF11002の所定時間の通電が実行される。具体的には、センサF110001により球の通過が検出されると、その検出から即座にソレノイドF11002の通電が実行され、かかる通電が5秒間継続される。
なお、センサF110001により球の通過が検出されてからソレノイドF11002の通電が開始されるまでの時間は、任意であり、球の通過の検出後、所定時間の経過を待って(待機して)、通電が開始されても良い。即ち、通電を開始するタイミングを球の通過の検出から遅延させても良い。後続の球に対する変位部材F6173(当接部F6173b)の影響(後続の球が流入口FOPf61へ流入し易くされる態様)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、遅延の時間として、複数種類を準備し、それら複数種類からランダムに設定されても良い。
また、ソレノイドF11002の通電を継続する時間は任意であり、上記例示した時間(5秒)より短くても長くても良い。
ソレノイドF11002の通電は、断続的に行われても良い。例えば、第1の時間(例えば、0.5秒)の通電と、第2の時間(例えば、1秒)の非通電とが所定時間(例えば、5秒)の間、繰り返される態様が例示される。この場合、第1の時間と第2の時間とはどちらが長くても良く、同じ長さでも良い。第1の時間および(又は)第2の時間が、毎回、異なる長さであっても良い。
所定時間(例えば、5秒)の間、通電(例えば、0.5秒)と非通電(例えば、1秒)とを繰り返す態様を1セットとして、かかる1セットを複数回(例えば、15回)実行しても良い。
また、センサF11001によって球の通過が検出され、且つ、所定確率(例えば、199分の1)の抽選の結果、当選した場合に、ソレノイドF11002の通電が実行されるようにしても良い。
ソレノイドF11002の通電を実行する条件は、上記各態様を組み合わせても良い。
挿通孔F6162a2から下側通路F6112へ流入した球は、第89実施形態の場合と同様に、挿通孔F6162a1から下側通路F6112へ流入した球よりも、流入口FOPf61へ流入し易くされる。よって、第1通路部材F6160(凹部F6162)へ流入した球が、挿通孔F6162a1,F6162a2のどちらから下側通路F6112へ流入するか、即ち、球が流下する位置(第1領域F11003a又は第2領域F11003b)を遊技者に注視(意識)させることができる。その結果、第1領域F1103a(挿通孔F6162a2)からの流下を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
一方で、センサF11001によって球の通過が検出されたことを契機(条件)として、ソレノイドF11002の所定時間の通電が実行され、これにより、流入口FOPf61へ球が流入し易くなるように、変位部材F6173の変位が行われる。よって、第2領域F1103b(挿通孔F6162a1)からの流下であっても、流入口FOPf61への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1通路部材F6160(凹部F6162)は、第1領域F11003aと第2領域F11003bとの間を球が移動可能に形成されるので、第1領域F11003a又は第2領域F11003bのどちらから球が流下されるのか、凹部F6162における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
また、挿通孔F6162a1,F6162a2から変位部材F6173までの球の経路は、挿通孔F6162a2(第1領域F11003a)から流下した球が変位部材F6173まで移動する第1経路と、挿通孔F6162a1(第2領域F11003b)から流下した球が変位部材F6173まで移動する第2経路とを備えるところ、これら第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成される。
これにより、挿通孔F6162a2(第1領域F11003a)から流下した球が変位部材F6173へ到達可能な経路と、挿通孔F6162a1(第2領域F11003b)から流下した球が変位部材F6173へ到達可能な経路との種類を、一定のスペース内において、より多く確保することができる。その結果、球の移動のバリエーションを多くして、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1経路とは、例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の第1通路部材F6160(凹部F6162)における挿通孔F6162a2(第1領域F11003a)から流下した球が、正面視左方側(矢印L方向側)の下側通路F6112における背面板F6151側の領域と、正面視左方側(矢印L方向側)の上側通路F6114とを、順に、正面視左方側(矢印L方向側)の変位部材F6173まで移動する経路である。
一方、第2経路とは、例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の第1通路部材F6160(凹部F6162)における挿通孔F6162a1(第2領域F11003b)から流下した球が、正面視左方側(矢印L方向側)の下側通路F6112における正面板F6111側の領域と、正面視中央の下側通路F6112(正面板F6111と立て壁部F6113との間の領域)と、正面視右方側(矢印R方向側)の下側通路F6112における正面板F6111側の領域と、正面視右方側(矢印R方向側)の下側通路F6112における背面板F6151側の領域と、正面視右方側(矢印R方向側)の上側通路F6114とを、順に、正面視右方側(矢印R方向側)の変位部材F6173まで移動する経路である。
また、挿通孔F6162a1,F6162a2から球が流下する際には、挿通孔F6162a1,F6162a2への進入状態(進入角度、進入速度など)や進入時における挿通孔F6162a1,F6162a2の内周面との接触状態(接触角度、接触強さ等)等に起因して、流下方向や流下速度、球の回転方向が変化される。そのため、第1経路と第2経路との間で球が移動可能に形成されていることが有効となり、これにより、挿通孔F6162a2(挿通孔F6162a1)から流下したとした球が、第1経路の途中で第2経路へ(第2経路の途中で第1経路へ)移動するなどの種々の形態を形成することができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、下側通路F6112及び上側通路F6114とには、球の転動面から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の突起(当接手段)が形成されていても良い。この場合には、第1経路または(及び)第2経路を移動する球が突起(当接手段)に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、突起(当接手段)の突設位置は、任意である。突起(当接手段)の配置としては、例えば、第1経路と第2経路との境界(例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の下側通路F6112上であって、挿通孔F6162a2から流下した球が上側通路F6114へ向かう経路と挿通孔F6162a1から流下した球が正面視中央の下側通路F6112(正面板F6111と立て壁部F6113との間の領域)へ向かう経路とを隔て、正面板F6111と背面板F6151とに平行な仮想線)に沿って、所定間隔(球が間を通過可能な間隔)を隔てつつ、複数のが列設される形態が例示される。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図347から図356を参照し、第95実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図347は、第95実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図348は、パチンコ機H10の背面図であり、図349は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図350は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図351は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図352は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図353は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図354は、正面枠H14の分解斜視正面図であり、図355は、正面枠H14の分解斜視背面図である。なお、図352では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図347に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図347に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図347参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図347~図355に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図347参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図350参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図352及び図353参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図352参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図352参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図351参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータ(図示しない)とを主に備えて形成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われるように構成しても良い。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図352に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図352に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図351に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図354及び図355に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図353参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有するガラスユニットH16が配設される(図347参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図347及び図351に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図356参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図347に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図356参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図347に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図348参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図352参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部材H181が配設される。ボタン部材H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図352参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図354参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射球送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図354参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図352参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図352参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図354参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図355に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図354参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図352参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図352に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図352に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。
ベース板H60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図347参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図352を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図347参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図352の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
外レールH62の先端部(図352の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図352の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図356参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図356参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図356参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図356参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図356参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図352参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。
図348に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図356参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射装置H117aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図356参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図356を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図356は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180の操作ボタン部材H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部材H181などがそれぞれ接続されている。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部材H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部材H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図356では、操作ユニットH180の操作ボタン部材H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図356参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図356参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図357から図417を参照し、第96実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)K10に適用した場合の一実施形態について説明する。図357は、第96実施形態におけるパチンコ機K10の正面図であり、図358はパチンコ機K10の遊技盤K13の正面図である。
なお、以下の説明では、図357に示す状態のパチンコ機K10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図357に示す状態のパチンコ機K10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図358参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機K10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、符号について、第95実施形態におけるパチンコ機H10が本実施形態ではパチンコ機K10とされているように、共通の機能を有するものに対して類似の符号が設定されている。
即ち、本実施形態では、パチンコ機K10は、少なくとも、正面枠K14(第95実施形態の正面枠H14に相当)と、ベース板K60(第95実施形態のベース板H60に相当)と、内レールK61(第95実施形態の内レールH61に相当)と、外レールK62(第95実施形態の外レールH62に相当)と、一般入賞口K63(第95実施形態の一般入賞口H63に相当)と、第1入賞口K64(第95実施形態の第1入賞口H64に相当)と、第2入賞口K640(第95実施形態の第2入賞口H640に相当)と、電動役物K640a(第95実施形態の電動役物H640aに相当)と、第1可変入賞装置K65(第95実施形態の可変入賞装置H65に相当)と、第1特定入賞口K65a(第95実施形態の特定入賞口H65aに相当)と、スルーゲートK67(第95実施形態のスルーゲートH67に相当)と、戻り球防止部材K68(第95実施形態の戻り球防止部材H68に相当)と、返しゴムK69(第95実施形態の返しゴムH69に相当)と、アウト口K71(第95実施形態のアウト口H71に相当)と、を備える。
更に、本実施形態では、パチンコ機K10は、少なくとも、外縁部材K73(第95実施形態の外縁部材H73に相当)と、可変表示装置ユニットK80(第95実施形態の可変表示装置ユニットH80に相当)と、第3図柄表示装置K81(第95実施形態の第3図柄表示装置H81に相当)と、センターフレームK86(第95実施形態のセンターフレームH86に相当)と、を備える。
図358に示すように、遊技盤K13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板K60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車KWFの他、レールK61,K62、一般入賞口K63、第1入賞口K64、第2入賞口K640、第1可変入賞装置K65、第2可変入賞装置K650、スルーゲートK67、可変表示装置ユニットK80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12(図357参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板K60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口K63、第1入賞口K64、第2入賞口K640、可変表示装置ユニットK80は、ルータ加工によってベース板K60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤K13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板K60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板K60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤K13の正面中央部分は、正面枠K14に配設されるガラスユニットH16(図357参照)を通じて内枠H12の正面側から視認することができる。以下に、主に図358を参照して、遊技盤K13の構成について説明する。
遊技盤K13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールK62が植立され、その外レールK62の内側位置には外レールK62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールK61が植立される。この内レールK61と外レールK62とにより遊技盤K13の正面外周が囲まれ、遊技盤K13とガラスユニットH16(図357参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤K13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤K13の正面であって2本のレールK61,K62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材K73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレールK61,K62は、球発射ユニットH112a(図356参照)から発射された球を遊技盤K13上部へ案内するために設けられたものである。内レールK61の先端部分(図358の左上部)には戻り球防止部材K68が取り付けられ、一旦、遊技盤K13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールK62の先端部(図358の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムK69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムK69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図358の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bの機能は第95実施形態において説明したので、ここでは説明を省略する。
尚、本パチンコ機K10では、第1入賞口K64及び第2入賞口K640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機K10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R時短有通常大当たり、4R時短有通常大当たり、15R時短無し通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本パチンコ機K10では、時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物K640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物K640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口K640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも前方に張り出すことで、開閉板の上面を遊技球が転動可能となり、その転動した遊技球が第2入賞口K640へ入球可能となり、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも後方に退避され、遊技球を第2入賞口K640まで橋渡しすることができなくなることで遊技球が第2入賞口K640に入球し難くなるように構成される。
なお、電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化が前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる例として、電動役物K640aの下方に第2入賞口K640が配置され、電動役物K640aが開放状態の時に開閉板が後方に退避され、電動役物K640aが閉鎖状態の時に開閉板が前方に張り出すように構成しても良い。即ち、電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口K640側へ入球可能となり、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口K640との間を塞ぐことで球が第2入賞口K640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成されるようにしても良い。
また、電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板の上面に拾われた遊技球が第2入賞口K640に案内され易く、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口K640との間を塞ぐことで球が第2入賞口K640に入球し難くなるように構成することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口K63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板K60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニットK80が配設されている。可変表示装置ユニットK80には、第1入賞口K64及び第2入賞口K640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置K81と、スルーゲートK67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板K60には、第3図柄表示装置K81を正面視で囲むようにして、センターフレームK86が配設されている。
第3図柄表示装置K81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図356参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置K81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置K81は、主制御装置H110(図356参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置K81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートK67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機K10では、球がスルーゲートK67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機K10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口K640に付随された電動役物K640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口K640の電動役物K640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物K640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物K640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲートK67は、可変表示装置ユニットK80の右側の領域において遊技盤K13に組み付けられ、遊技盤K13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートK67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートK67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置K81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置K81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置K81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲートK67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートK67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲートK67の組み付け位置は可変表示装置ユニットK80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットK80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示される場合等には、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニットK80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口K64が配設されている。この第1入賞口K64へ球が入賞すると遊技盤K13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図356参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、スルーゲートK67の正面視左下側には、球が入賞し得る第2入賞口K640が配設されている。この第2入賞口K640へ球が入賞すると遊技盤K13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図356参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。なお、第2入賞口K640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口K64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側(例えば、第1入賞口K64よりも正面視左下側)でも良い。
また、第1入賞口K64および第2入賞口K640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。この場合の賞球個数の大小関係は逆転しても良い。
第2入賞口K640には電動役物K640aが付随されている。この電動役物K640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物K640aが閉鎖状態(退避状態)となって、球が第2入賞口K640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートK67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物K640aが開放状態(張出状態)となり、球が第2入賞口K640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物K640aが開放状態(張出状態)となる回数が増える。更に、時短中は、電動役物K640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口K64に球が入賞した場合と第2入賞口K640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は同一(約1/319)である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R時短有通常大当たりとなる確率は、第2入賞口K640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口K64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口K64は、第2入賞口K640にあるような電動役物K640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口K640に入賞しづらいので、電動役物K640aのない第1入賞口K64へ向けて、可変表示装置ユニットK80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口K64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短中は、スルーゲートK67に球を通過させることで、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが開放状態となりやすく、第2入賞口K640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口K640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲートK67を通過させて電動役物K640aを開放状態にすると共に、第2入賞口K640への入賞によって15R時短有通常大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機K10とは異なり、遊技盤K13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口K64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口K640を狙うこともできる。この場合、遊技者から球の打ち方を変化させる煩わしさを取り去ることができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機K10では、「右打ち」では第1入賞口K64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲートK67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機K10は、パチンコ機K10の遊技状態(時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口K64の右方には第2可変入賞装置K650(図358参照)が配設されており、その下流側位置に第2特定入賞口K650aが設けられている。パチンコ機K10においては、第1入賞口K64又は第2入賞口K640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置K81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口K650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2特定入賞口K650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口K650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口K650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
抽選された大当たりが時短有通常大当たりだった場合、大当たり遊技終了後の時短中に右打ち遊技を行うことで、第2入賞口K640へ遊技球を入賞させることができる。本実施形態では、付与される時短の回数は3回とされ、第2入賞口K640に遊技球が入賞すると、約1/2の確率で小当たりが発生し、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて小当たりに対応したLEDが点灯する。この小当たりにより、第2特定入賞口K650aよりも上流側に配置される第1特定入賞口K65aが所定時間開放され、その第1特定入賞口K65aの開放中に、球が第1特定入賞口K65a内へ入賞し、その特定入賞口K65aの下流側の特定領域K65cを通過することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。
このように、本パチンコ機K10では、右打ち遊技において、第2入賞口K640へ遊技球が入球すると約1/2の確率で特別遊技状態へ遊技状態を遷移させることが可能になり、これは左打ち遊技における大当たり確率(約1/319)よりも著しく高い確率となるので、右打ち遊技状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特定入賞口K65a,K650aの個数は限定されるものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口K64の右方に限らず、例えば、第1入賞口K64の下方右側や、第1入賞口K64の下方左側や、可変表示装置ユニットK80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤K13には、アウト口K71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口K63,K64,K65a,K640,K650aにも入賞しなかった球は、アウト口K71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤K13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
なお、本実施形態におけるその他装置H228(図356参照)には、駆動ソレノイドKSOL41や駆動モータKMT41a,KMT41b,KMT51,KMT61,KMT71,KMT81,KMT82等が含まれる。
なお、本実施形態においても、その他装置H228(図356参照)には、上述の役物装置の駆動源だけではなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示せず)や、第2入賞口K640の電動役物K640aの駆動源等(駆動ソレノイドK247及び駆動ソレノイドK253等)を含む構成としても良い。
また、本実施形態における各種スイッチH208(図356参照)には、検出センサK413,K418,K556a,K556b,K556c,K565,K711e,K716,K858等が含まれる。
次いで、遊技盤K13及び動作ユニットK300の構造について説明する。図359は、遊技盤K13及び動作ユニットA200の分解正面斜視図である。なお、図359の説明においては、図358を適宜参照する。
動作ユニットK300は、遊技盤K13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されているが、詳細は後述する。動作ユニットK300の支持板部K313が遊技盤K13に面で支持された状態で、遊技盤K13のベース板K60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤K13と動作ユニットK300とが一体的に固定され、遊技盤K13及び動作ユニットK300の全体としての剛性の向上が図られている。
ベース板K60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板K60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板K60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
図360は、遊技盤K13の分解正面斜視図である。図360では、入賞ユニットK200から化粧カバーK220が分解された状態が図示されている。また、図358と同様に球案内用の釘の図示が省略されると共に、それと加えて風車KWF(図358参照)の図示も省略されている。
図361は、入賞ユニットK200の分解正面斜視図であり、図362は、入賞ユニットK200の分解背面斜視図である。図361及び図362に図示されるように、入賞ユニットK200は、ベース板K60の前面に締結固定されるベース部材K201と、そのベース部材K201の正面側に配置されベース部材K201と共に球の流下経路を構成する化粧カバーK220と、ベース部材K201の背面側から進退動作する電動役物K640aを有する第1電動役物K240と、その第1電動役物K240よりも下側においてベース部材K201の背面側に配設され、ベース部材K201の背面側から進退動作する可動板K251を有する第2可変入賞装置K650としての第2電動役物K250と、を備える。
ベース部材K201は、背面側に突条状に形成される突条縁部の内側において光拡散形状が形成される板状本体K202と、その板状本体K202に穿設される案内開口K203と、案内開口K203の正面側を流下する球を減速させるよう正面側に突設される複数の減速突起K204と、案内開口K203よりも下側において板状本体K202に穿設される案内開口K205と、その案内開口K205の下縁に沿って正面側に突設される突条部K206と、案内開口K205の上側において板上本体K202に凹設される複数の減速凹部K207と、案内開口K203よりも下側であり案内開口K205よりも上側の位置において左右方向に長尺の突条状に形成される長尺突条K208と、案内開口K205の上縁に沿って背面側に延設される延設部K209と、案内開口K205よりも下側において球を背面側へ案内可能に形成される複数の球案内部K210と、板状本体K202の光拡散形状が形成されている箇所に光を照射可能なLED等の複数の発光部K212を有しており板状本体K202の背面側に締結固定される電飾基板K211と、を備える。
化粧カバーK220は、ベース部材K201の板状本体K202と共に球の流下経路の前後を区画する板状本体K221と、その板状本体K221から背面側へ延設され球の流下経路を形成する延設形成部K222と、その延設形成部K222で縁取られる領域の内側において板状本体K221から背面側に突設形成され流下経路を分岐させる分岐形成部K223と、延設形成部K222で縁取られる領域の内側において板状本体K221から背面側に突設形成されベース部材K201の案内開口K203へ向けて球を案内する傾斜面が後面に形成される傾斜形成部K224と、ベース部材K201の減速凹部K207の前方位置に対応して板状本体K221から背面側に突設形成される複数の減速突起K225と、延設形成部K222で縁取られる領域よりも下側の箇所に光を照射可能なLED等の複数の発光部K228を有しており延設形成部K222の延設先端と略面一を形成することで板状本体K221と十分な距離を開けて化粧カバーK220に締結固定される電飾基板K227と、を備える。
第1電動役物K240は、第2入賞口K640と、案内開口K203を通り前方に配置される張出状態(開放状態)において球を第2入賞口K640へ向けて案内可能な電動役物K640aと、その電動役物K640aを駆動させる駆動ソレノイドK247が内部に配設され電動役物K640aを下側から支える支持箱部材K246と、電動役物K640aが前後方向に変位できるように電動役物K640aの上面を案内すると共に第2入賞口K640への経路の天井部を形成する上カバー部材K248と、を備える。
電動役物K640aは、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、左方へ向けて下降傾斜する第1形成面K241と、その第1形成面K241の下流側端部に連設され後方へ向けて下降傾斜する第2形成面K242と、その第2形成面K242における第1形成面K241に対する左右方向逆側(左側)において左前部を頂点として右方および後方へ向けて下降傾斜する第3形成面K243と、を備える。
第2電動役物K250は、案内開口K205を通り前後方向に進退動作可能な可動板K251と、その可動板K251を駆動させる駆動ソレノイドK253が内部に配設され可動板K251を下側から支える支持箱部材K252と、を備える。
可動板K251は、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、駆動ソレノイドK253が非励磁の状態において前方側に張り出す張出状態(閉鎖状態)では、第2特定入賞口K650aへの入球が防止され、駆動ソレノイドK253が励磁された状態において後方に退避する退避状態(開放状態)では、第2特定入賞口K650aへの入球が許容される。
可動板K251の張出状態では、可動板K251を傾倒させる方向に球の重みが作用した場合に、突条部K206が可動板K251の下面と当接することで、その傾倒が防止される。
更に、可動板K251の後端側上方には延設部K209が配設されているので、延設部K209が可動板K251の上面と当接することで、可動板K251の傾倒が防止される。このように、複数箇所での当接により、可動板K251の傾倒を防止することができる。
図363は、図358のCCCLXIII部における遊技盤K13の部分拡大正面図であり、図364は、図363のCCCLXIV-CCCLXIV線における遊技盤K13の断面図である。図363では、化粧カバーK220の内側の形状が想像線で図示される。
図363に図示されるように、分岐形成部K223は、電動役物K640aの右端部へ向けて上面に到達した球を案内可能に配置されている。また、傾斜形成部K224は、右側へ張り出す部分が、第1電動役物K240の第3形成面K243に対応して、正面視で右方へ向けて下降傾斜する。
これにより、第1電動役物K240の電動役物K640aの張出状態において、電動役物K640aの上面に球が衝突して電動役物K640aに上下方向に跳ねるような変位が生じた場合における第3形成面K243と傾斜形成部K224との衝突を面での衝突とすることができるので、衝突時の荷重が点で生じる場合に比較して、第3形成面K243が受ける荷重を分散させることができ、電動役物K640aの破損を回避し易くすることができる。
図363では、化粧カバーK220の板状本体K221の正面側に施される大形意匠K221aと、小形意匠K221bとが、図示される。ここで、本実施形態では大形意匠K221aの縁取りの色として電動役物K640a及び可動板K251と同じ赤が選択され、縁取り以外の部分は、基本的には無色透明とされ、特に電飾基板K227と前後で重なる位置においては白色で不透明に施され、小形意匠K221bは有色(本実施形態では白)不透明の装飾として形成される。これに対応して、大形意匠K221aには赤色を示す網掛けを付し、小形意匠K221bには網掛けを付さずに図示する。
小形意匠K221bは、電動役物K640aの上面を転動する球の流下経路に沿う方向を示す矢印先端部形状(左下側に頂点を有するカッコ形状)としてデザインされており、小形意匠K221bを視認した遊技者に対して球の流下経路について示唆するよう機能する。
このように、化粧カバーK220の装飾としての大形意匠K221aと、電動役物K640a及び可動板K251との色を合わせることにより、電動役物K640a及び可動板K251を装飾の一部として遊技者に視認させることが可能となる。
本実施形態では、図363に図示されるように、電動役物K640a及び可動板K251の傾斜の方向(左側へ向けて下降傾斜する方向)と、大形意匠K221aの傾斜が揃っているので、電動役物K640a及び可動板K251と大形意匠K221aとを合わせて「一つの装飾模様」として視認させることができる。そして、この場合において、電動役物K640a及び可動板K251の配置の違いによる見え方の違いを利用して、視認される上述の「一つの装飾模様」を変化させることができる。
図363に図示されるように、電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)の前方は、板状本体K221が無色透明とされており、視認性が良い。そのため、電動役物K640a又は可動板K251により案内される球の視認性を向上させることができる。
更に、電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)の上下位置の前方は、板状本体K221の大形意匠K221aとして有色(本実施形態では赤)透明とされており、無色透明よりも視認性が低下されている。これにより、遊技者の視線を視認性の良い電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)へ誘導することができるので、電動役物K640a又は可動板K251により球が案内されている場合に、その球を判別させ易くすることができる。
図364では、第1電動役物K240及び第2電動役物K250の非励磁状態における電動役物K640a(退避状態)及び可動板K251(張出状態)の配置が実線で図示され、第1電動役物K240及び第2電動役物K250の励磁状態における電動役物K640a(張出状態)及び可動板K251(退避状態)の配置が想像線で図示される。
電動役物K640aは、励磁状態(張出状態)において上面が球の流下面として機能する。即ち、案内開口K203を通り第2入賞口K640(図361参照)へ案内される球は図364に想像線で図示される張出状態の電動役物K640aの上面を転動する。
そのため、電動役物K640aよりも下側かつ可動板K251よりも上側に配置され電動役物K640aを斜め下方に見下ろす方向視KDR21で視認する遊技者が視認可能な光を照射するLEDとして図364に図示される発光部K212からの光が、電動役物K640aを転動する球に隠されて遊技者の目に届かなくなる事態を回避することができる。
即ち、図364に図示される発光部K212からの光は、電動役物K640aよりも下側を通り遊技者の目に届くので、電動役物K640aの上面を転動する球の有無により発光部K212からの光の視認態様が変化することが防止される。
また、発光部K212からの光が電動役物K640a自体を明るく照らすように作用することで、電動役物K640a上を明るくすることができる。発光部K212からの光が電動役物K640aに到達するよりも前に、電動役物K640a上を転動する球に遮蔽されることは無いので、電動役物K640a上に球が有るか否かに因らず電動役物K640aの明るさ(見映え)が変わることを防止できる。このように、電動役物K640a上に球が有るか否かに因らず電動役物K640aを明るくすることができ、電動役物K640a上を転動する球の視認性を向上させることができる。
この場合において、第1形成面K241の形成部のように板厚の寸法がより小さい部分において電動役物K640a上を明るくする程度を高めることができるので、電動役物K640aの明るさは、第3形成面K243の形成部よりも第1形成面K241の形成部を明るくすることができる。
これにより、電動役物K640a上を転動する球の流下経路の下流側よりも上流側に遊技者の視線を誘導することができ、分岐形成部K223における球の分岐に注目させることができる。
これにより、分岐形成部K223の上面を左に流れて電動役物K640aの上面に案内され得る球の存在と、分岐形成部K223の上面を右に流れて電動役物K640aには案内されずに下流側へ流下する球の存在とを、遊技者に把握させることができるので、発射球数よりも第2入賞口K640(図361参照)へ案内される球数が少ないことから、遊技領域から球が漏れたり、球の発射が適切に行われなかったりという遊技機不良が生じていると思い込み、遊技者が遊技を止めてしまう事態が生じることを防止し易くすることができる。
図364に図示されるように、第2電動役物K250の可動板K251は、左右縁部が前後方向に延びる突条状に下方に突設され、その突設先端がベース部材K201の突条部K206に下支えされることで、張出状態における可動板K251の前傾方向の姿勢変化が防止されている。
また、可動板K251の上側には延設部K209が形成されており、可動板K251が前傾方向に姿勢変化する場合に、その姿勢変化を規制する。即ち、本実施形態では、可動板K251の姿勢変化を抑制するための形状部がベース部材K201に形成されており、化粧カバーK220には形成されていない。
このように構成することで、可動板K251の姿勢変化を抑制するという作用は生じさせつつ、化粧カバーK220に凹凸形状が形成される領域を狭めることができるので、化粧カバーK220を介して球の流下経路を視認する場合における流下経路の視認性を向上させることができる。
なお、延設部K209は、下面の形状が、前方または斜前上方向からの光を全反射させるように湾曲した形状とされている。これにより、延設部K209の基端部が配設される板状本体K202よりも後側に延びている可動板K251の後側部が遊技者に視認されることを避けることができ、可動板K251については、専ら、板状本体K202よりも前側に張り出している部分に注目させることができる。
なお、本実施形態では、延設部K209の形状の設計により延設部K209の下側の構造物を視認させないようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部K209の表面に、ミラーテープや、遮光テープを貼り付けることで、光の透過を防止するように構成しても良い。
また、可動板K251付近を前後方向の方向視KDR22で視認する場合において、減速凹部K207の上縁部K207aを介して張出状態における可動板K251の上面を視認できるように、減速凹部K207が形成される。即ち、上縁部K207aが鏡のように機能して、可動板K251の色(本実施形態では赤色)で上縁部K207aを視認させることができる。
一方、可動板K251が退避状態とされると、可動板K251の先端は上縁部K207aよりも後方に退避するので、上縁部K207aが鏡のように機能して、突条部K206の上面付近の色(本実施形態では無色透明であり、上縁部K207aと同じ)で上縁部K207aを視認させることができる。
即ち、上縁部K207aの視認態様(色味)を、可動板K251が張出状態とされるか(赤色で視認される)、可動板K251が退避状態とされるか(無色透明で視認される)で変化させることができる。これにより、可動板K251の状態が変化した場合における可動板K251付近の視認態様の変化の程度を大きくすることができる。
上縁部K207aは、中央と右側の減速凹部K207では、可動板K251の上面に略平行なライン状で形成されているので、可動板K251の上面を転動する球よりも若干上側において、球の流下方向に平行に延びる上縁部K207aが可動板K251と同じ赤色で視認される。これにより、可動板K251の上面を転動する球の流下方向を、可動板K251とは異なる位置にある上縁部K207aにより遊技者に把握させることができる。
更に、上縁部K207aは、左側の減速凹部K207では、可動板K251の上面を左側へ案内された球が案内される流路(可動板K251よりも左側の流路)へ向けた左方向へ下降傾斜するライン状で形成されているので、可動板K251の左端部を過ぎて流下する球の流下方向に沿って延びる上縁部K207aが可動板K251と同じ赤色で視認される。これにより、可動板K251の上面を左方へ通り過ぎた後の球の流下方向を、可動板K251とは異なる位置にある上縁部K207aにより遊技者に把握させることができる。
図363及び図364を参照して、更に上縁部K207aについて説明する。上縁部K207aが形成される減速凹部K207は、球が進入可能となるように上下幅が球の直径よりも長くなるように形成されている。
そのため、遊技者が方向視KDR22で可動板K251付近を視認している場合に、可動板K251の上面を球が転動する場合であっても、その球により上縁部K207aが隠されることはない。従って、可動板K251の上面を転動する球の上下において、可動板K251と、その可動板K251と同様に左下方へ傾斜する上縁部K207aとにより、2本の赤色のライン状の装飾を遊技者に視認させることができる。
ここで、方向視KDR22に対して上縁部K207aが鏡として作用して可動板K251を視認させる場合の光の通り道は、減速凹部K207を通るので、可動板K251上を流下する球がある場合であっても、球が減速凹部K207に進入していなければ上縁部K207aの視認態様に影響はない。
また、球が減速凹部K207に進入している場合であっても、球は球体である一方で減速凹部K207の凹設側端部は平面であり、減速凹部K207が球により満たされることはないので、球に遮蔽されずに進行する光が上縁部K207aで反射されて遊技者の目に届くことになる。
従って、可動板K251上を球が流下する場合であっても、上縁部K207aの視認態様の変化を小さくすることができる。即ち、上縁部K207aが赤色で視認される状態は、可動板K251上に球が有る場合にも、無い場合にも、共通に生じさせることができる。
図363に図示されるように、本実施形態では、化粧カバーK220の大形意匠K221aの縁取りの内側に、上縁部K207a及び可動板K251が沿うように配置されており、化粧カバーK220の大形意匠K221aの縁取りの色と、可動板K251の色とは共通とされる。
そのため、可動板K251が張出状態の場合には、大形意匠K221aの縁取りを部分的に太くするように上縁部K207aが作用し、可動板K251が退避状態の場合には、上縁部K207aが透明に視認されることで、大形意匠K221aの縁取りが均一となるように視認される。
大形意匠K221aの縁取りとして視認される形状が部分的に太い場合が可動板K251の張出状態に対応し、大形意匠K221aの縁取りとして視認される形状の太さが均一である場合が可動板K251の退避状態に対応することから、遊技者は、大形意匠K221aの縁取りの太さを視認することで可動板K251の状態を把握することができる。
可動板K251上を転動する球の流下経路の手前側には、化粧カバーK220の減速突起K225が位置する。減速凹部K207とは違い、減速突起K225の上下幅は球の直径よりも小さくされる(球の半径よりも小さくされる)。これにより、可動板K251上を球が転動する場合に、球が減速突起K225により隠されて(見え難くされて)、遊技者が球の位置を把握できなくなる事態を避けることができる。
図365、図366、図367及び図368は、斜め下方に見下ろす方向視KDR21における入賞ユニットK200の斜視図である。図365、図366、図367及び図368では、電動役物K640aや可動板K251の配置の違いに伴う化粧カバーK220の大形意匠K221a及び小形意匠K221bの視認態様の違いを説明するために、化粧カバーK220については、板状本体K221の外形が想像線で図示されると共に大形意匠221aおよび小形意匠K221bの位置が図示され、背面側に張り出す形状部としての分岐形成部K223、傾斜形成部K224及び減速突起K225の配置が想像線で図示される。
また、図365、図366、図367及び図368では、赤色の大形意匠K221aの縁取り、電動役物K640a及び可動板K251に、共通の網掛けが付される。なお、入賞ユニットK200に案内された球の流下経路の詳細については図示が省略されているので、流下経路の詳細について図363を適宜参照する。
図365では、第1電動役物K240において電動役物K640aが退避状態(非励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が張出状態(非励磁状態)とされる。この状態は、主に通常状態に対応する。
図365に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図361参照)に案内されることは無く、第2特定入賞口K650aに案内されることもない(図363参照)状態である。
この状態において、大形意匠K221aは、縁取りの内側の上下中央部に可動板K251が進入しているように視認され、大形意匠K221a自体の形状があたかも切断されているように遊技者に印象付けることができる。
従って、大形意匠K221a自体の形状があたかも切断されているように視認されている場合と、第2入賞口K640及び第2特定入賞口K650aに球が案内されない状態とが対応するので、遊技者は、大形意匠K221aの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
図366では、第1電動役物K240において電動役物K640aが張出状態(励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が張出状態(非励磁状態)とされる。この状態は、主に時短状態や確変状態において頻繁に生じる状態に対応する。
図366に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図361参照)に案内され得る一方で、第2特定入賞口K650aに案内されることはない(図363参照)状態である。
この状態において、小形意匠K221bは、大形意匠K221aの縁取りの内側に進入しているように視認される電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される。この場合、図365で図示されるように背景色が無色の場合に比較して、白色の小形意匠K221bを目立たせることができる。
従って、小形意匠K221bが電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される場合と、第2入賞口K640に球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、小形意匠K221bの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球が第2入賞口K640に入球され得るかどうかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
ここで、化粧カバーK220に施される小形意匠K221bを判別し易い装飾とすると、その装飾が邪魔になり球自体の流れが見え難くなる可能性があり、逆に、球の流れを見え易くするために淡い装飾とすると、装飾としては見え難い演出効果の小さいものになる可能性がある。光照射により形状を浮かび上がらせる導光パネル等を利用する手もあるが、高価であったり、ある程度の厚みを要する等の設計に絡む条件から配置が限定されたりするといった問題点があり、万能ではない。
これに対し、本実施形態では、化粧カバーK220の前面の装飾で完結させるのではなく、小形意匠K221bの見映えに、電動役物K640aが影響を及ぼし得るように構成することで、装飾の見映えと、球の見え易さとを両立させている。
即ち、小形意匠K221b単体では目立たない装飾とすることで、電動役物K640aが退避状態とされている場合には、小形意匠K221bを目立たせないことで化粧カバーK220の背面側を流下する球自体に注目させるようにする一方、電動役物K640aが張出状態とされる場合には、小形意匠K221b自体を目立たせて、第2入賞口K640への入球に期待させる装飾としての演出効果を向上させることができる。
電動役物K640aを背景として小形意匠K221bを目立たせる場合、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入すると、小形意匠K221bの見栄えが変化することが懸念される。
ベース部材K201の板状本体K202と化粧カバーK220の板状本体K221(図361参照)とで形成される流路の前後幅は球の直径よりも十分に長くされていること(約19mm)、パチンコ機K10は一般的に数度(約1度)だけ後側へ傾斜されていること、を考慮すれば、電動役物K640aの上面を転動する球は後側に配置されるベース部材K201の板状本体K202に接しながら流下する可能性が高いので、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入する前提となる球が化粧カバーK220側に寄る(前側寄りで流下する)事態が生じる可能性を低くすることができる。
従って、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入する事態を生じ難くすることができるので、電動役物K640a上を球が転動している状態における小形意匠K221bの見栄えの変化を防止し易くすることができる。
図367では、第1電動役物K240において電動役物K640aが退避状態(非励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が退避状態(励磁状態)とされる。この状態は、主に特別遊技状態のラウンド遊技中の状態に対応する。
図367に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図361参照)に案内されることは無く、第2特定入賞口K650a(図363参照)に案内され得る状態である。
退避状態の可動板K251は、先端部が案内開口K205の後側まで十分に収納され(図364参照)、方向視DR21では視認不能とされる。また、退避状態の可動板K251の上側を覆う延設部K209(図364参照)の全反射の作用により、延設部K209を介して可動板K251を視認することが不可能とされるので、図367に図示される状態において、可動板K251を完全に隠すことができる。
図367に図示される状態において、電動役物K640aが小形意匠K221bの背景色を構成することはなく、大形意匠K221aの縁取りの内側において可動板K251が視認されることも無いので、遊技者に対して、大形意匠K221a自体の形状を印象的に視認させることができる。
従って、大形意匠K221a自体の形状が切断されない状態で視認されている場合と、第2特定入賞口K650aに球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、大形意匠K221aの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
なお、本実施形態では、方向視DR21において、可動板K251が大形意匠K221aの縁取りの内側に視認されるか否かで状態の切替を把握可能に構成される一方で、方向視DR22において、図363で上述したように、上縁部K207aが赤色で視認されることで大形意匠K221aの縁取りの太さが部分的に変化するか否かで状態の切替を把握可能に構成される。
このように、本実施形態では、見栄えの変化を生じさせる主体は可動板K251で共通としつつも、見栄えが変わる対象を複数設けてあるので、遊技者が入賞ユニットK200を視認する方向視が遊技中に変化したとしても、大形意匠K221aの視認態様から入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測させるという目的を達成させることができる。
図368では、第1電動役物K240において電動役物K640aが張出状態(励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が退避状態(励磁状態)とされる。この状態は、主に特別遊技状態のラウンド遊技中において、第2図柄の抽選で当たりとなり、電動役物K640aが駆動された状態に対応する。
図368に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図361参照)に案内され得るか、又は、第2特定入賞口K650a(図363参照)に案内され得る状態である。
この状態において、小形意匠K221bは、大形意匠K221aの縁取りの内側に進入しているように視認される電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される。この場合、図365で図示されるように背景色が無色の場合に比較して、白色の小形意匠K221bを目立たせることができる。
従って、小形意匠K221bが電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される場合と、第2入賞口K640に球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、小形意匠K221bの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球が第2入賞口K640に入球され得るかどうかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
一方、特別遊技状態では電動役物K640aの励磁時間が極端に短くされるので、実際に球が第2入賞口K640に入球する事態は発生し難いように構成されている。従って、電動役物K640aを利用して、小形意匠K221bの見映えを変化させるだけの(第2入賞口K640への入球による賞球は発生させ難い)演出を実行させることができる。
図369は、遊技盤K13の背面斜視図であり、図370は、遊技盤K13の分解背面斜視図である。図369に図示されるように、ベース板K60は、内部においてセンターフレームK86を内嵌可能な形状で開口形成される開口部K60wを備えている。また、ベース板K60は、内レールK61及び外レールK62(図358参照)により外縁が区画される遊技領域の形成範囲においては強度面から肉厚が十分に確保されており、遊技領域の形成範囲の外方において、背面側から凹設されるようにして肉厚が削られる形成凹部K60a~K60dを備える。
開口部K60wは、センターフレームK86を前後幅に亘って支持する目的から、ベース板K60の厚み方向(前後方向)の位置が異なっても同一形状となるように形成される。これにより、センターフレームK86を安定的に支持することができる。
左上側の第1形成凹部K60aは、外レールK62(図358参照)の左上側に配設される樹脂製の遮蔽部材K74の後方に配置されており、遮蔽部材K74により第1形成凹部K60aが目隠しされる。
右上側の第2形成凹部K60bは、外縁部材K73(図358参照)及び外縁部材K73よりも上側の範囲の後方に配置されており、外縁部材K73により第2形成凹部K60bが目隠しされる。
左下側の第3形成凹部K60cは、外レールK62(図358参照)の左下側に配置され第1図柄表示装置H37A,H37Bが内蔵される樹脂製の遮蔽部材K75の後方に配置されており、遮蔽部材K75により第3形成凹部K60cが目隠しされる。
図370に図示されるように、遊技盤K13は、ベース板K60の下側部の背面側に締結固定される左右長尺の樋用前側部材K91と、その樋用前側部材K91の背面側に締結固定され樋用前側部材K91と共同で球を流下させる樋を構成する樋用後側部材K92と、その樋用後側部材K92の背面側に締結固定され正面側へ光を照射するLEDが配置される電飾基板K93と、その電飾基板K93の取り外しを防止可能となるように電飾基板K93を挟む用にして樋用後側部材K92に締結固定される防止部材K94と、その防止部材K94と共同で球を流下させる樋を構成する補助部材K95と、樋用後側部材K92に製造条件から生じる不要な開口部を塞ぐ機能を有すると共に電気配線を結束バンドで束ねる支持部としての機能する閉塞部材K96と、を備える。
電飾基板K93からの光は、遊技領域の左下側に配置される一般入賞口K63へ向けて照射される。即ち、電飾基板K93に配置されるLEDを点灯させることにより、一般入賞口K63を明るく視認させることができるので、遊技者の一般入賞口K63への注目力を、電飾基板K93に配置されるLEDの点灯または消灯により変化させることができる。
右下側の第4形成凹部K60dは、外レールK62の下縁よりも下側において外縁部材K73の下端側形成部K73a(図360参照)の後方の領域を含むように配置されており、その下端側形成部K73aにより第4形成凹部K60dの少なくとも一部が目隠しされる。
第4形成凹部K60dの後方には樋用前側部材K91及び樋用後側部材K92の左側部が配置されており、第4形成凹部K60dの後方の領域を球が流下可能に構成されている。
図371は、動作ユニットK300の分解正面斜視図である。なお、図371の説明においては、図359を適宜参照する。動作ユニットK300は、左右に長尺に形成され正面視で第3図柄表示装置K81の表示領域の上側に配設される上側装飾部材K330と、上下に長尺で形成され正面視で第3図柄表示装置K81の表示領域の左側に配設される左側装飾部材K350と、上側装飾部材K330及び左側装飾部材K350が正面側に締結固定される前層側可動装置K400と、その前層側可動装置K400の後側に配設される後層側可動装置K800と、前層側可動装置K400及び後層側可動装置K800が収容され締結固定される背面ケースK310と、を備える。
背面ケースK310は、底壁部K311と、その底壁部K311の外縁から立設される外壁部K312とから正面側が開放された箱状に形成される。背面ケースK310は、底壁部K311の中央に矩形状の開口K311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口K311aは、第3図柄表示装置K81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置K81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケースK310は、外壁部K312の正面側端部に遊技盤K13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図358参照)において遊技盤K13に面で支持される支持板部K313を備える。
その支持板部K313が遊技盤K13に面で支持された状態で、遊技盤K13のベース板K60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤K13と動作ユニットK300とを一体的に固定することができるので、遊技盤K13及び動作ユニットK300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
前層側可動装置K400は、左右長尺に構成され初期位置としての上端位置から上下移動可能な第1可動装置K401と、第1可動装置K401の下側の左右中心位置において昇降移動可能に構成される第2可動装置K701と、を備える。
上側装飾部材K330は、内部に発光基板が配設され、発光基板から前側に照射される光が透光性の装飾部分に照射されることで発光演出を行う一方で、初期位置の第1可動装置K401を目隠しすることが可能な大きさで形成される。
左側装飾部材K350は、内部に発光基板が配設され、発光基板から前側に照射される光が透光性の装飾部分に照射されることで発光演出を行う一方で、第1可動装置K401の左側における駆動力伝達機構を目隠しすることが可能な大きさで形成される。
後層側可動装置K800は、前側に前層側可動装置K400が配置される関係上、その前層側可動装置K400よりも背面ケースK310における奥側(後側)に配設されることから、前層側可動装置K400よりも可変表示装置ユニットK80に近い位置に配設される。
後層側可動装置K800は、前後に層状に配置される板状部材が左右方向にスライド移動されることで、第3図柄表示装置K81の表示領域を露出させたり、隠したりするように動作する第3可動装置K801を備える。
後層側可動装置K800は、背面ケースK310の底壁部K311に締結固定され、前層側可動装置K400は、後層側可動装置K800よりも外側を通る締結部を介して背面ケースK310の底壁部K311に締結固定されると共に、後層側可動装置K800の非可動部分に締結固定される。まず、動作ユニットK300の動作制御の概要について例示して説明する。
図372から図378は、動作ユニットK300の動作制御の一例を示す動作ユニットK300の正面図である。図372では、第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801がそれぞれ演出待機状態である場合について図示される。即ち、図372において、第1可動装置K401は上側装飾部材K330に隠されており、第3可動装置K801は前層側可動装置K400に隠されているため、第1可動装置K401及び第3可動装置K801を正面視で視認することはできない。
図373では、第2可動装置K701が演出待機状態よりも下降された下降配置状態とされることで、空いたスペースに第1可動装置K401が進入するように落下することで第1可動装置K401が落下位置状態とされ、第3可動装置K801は演出待機状態とされる場合について図示される。
第1可動装置K401の位置と第2可動装置K701の位置とが前後にずれておらず(上面視で重なっており)、第2可動装置K701が演出待機状態のままだと落下後の第1可動装置K401と衝突してしまうことから、予め第2可動装置K701が下降配置状態とされた後で第1可動装置K401が落下するように駆動制御される。
第1可動装置K401は、少なくとも最背面側の部材(長尺装置K540の本体部K541)が非透過となるように構成されているので、第1可動装置K401と重なる部分については第3図柄表示装置K81による表示が隠される。従って、図373に示す状態において、遊技者は第3図柄表示装置K81の表示領域における表示を正面視で完全には視認することができない。
図374では、第1可動装置K401及び第2可動装置K701がそれぞれ演出待機状態とされ、第3可動装置K801が第3図柄表示装置K81の手前側を塞ぐ閉塞状態とされる場合について図示される。
第3可動装置K801は、正面視矩形状に形成される板状部K811,K821,K831は、光透過性に形成されており、その透過の度合いを部分的に異ならせている。これにより、図374に示すように板状部K811,K821,K831により第3図柄表示装置K81の表示領域の全域が塞がれる場合に、第3図柄表示装置K81の表示が視認され易い部分と、第3図柄表示装置K81の表示が板状部K811,K821,K831に隠されて板状部K811,K821,K831の表面の装飾が視認され易い部分とを構成することができる。
図375では、第1可動装置K401が落下位置状態における上下位置を保ったまま、移動装置K560が左側にスライド移動された後で、下降配置状態とされていた第2可動装置K701が演出待機状態に変化されており、第3可動装置K801が閉塞状態とされる場合が図示される。
移動装置K560を左右にスライド移動させ第2可動装置K701と干渉しない位置(図375参照)まで移動させた上で、第2可動装置K701を移動させることで、移動装置K560と第2可動装置K701との間隔を狭め、且つ、動作ユニットK300の正面視中央側に第2可動装置K701を寄せて、第1可動装置K401及び第2可動装置K701を遊技者に視認させ易くしている。
図375に図示されるように、第1可動装置K401の変位軌跡と第3可動装置K801の変位軌跡とが、正面視で部分的に重なるが、第1可動装置K401の変位軌跡と第3可動装置K801の変位軌跡とが前後でずれている(上面視で重ならない)ので、第1可動装置K401及び第3可動装置K801は、動作中に互いに衝突しない(干渉しない)。そのため、図375に図示されるように、第1可動装置K401を演出待機状態から落下位置状態へ変化させた状態において、第3可動装置K801を演出待機状態から閉塞状態に変化させることができる。
このようにして、第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801を、それぞれ演出待機状態から駆動させる制御を実行可能とし、一体感のある動作を実現しながら、各可動装置K401,K701,K801が衝突することを避けることができる。
図375に示す状態では、第3可動装置K801の左側に描かれる装飾、第1可動装置K401の移動装置K560に描かれる装飾、第2可動装置K701に描かれる装飾および入賞ユニットK200の化粧カバーK220に描かれる装飾を一連で視認させることで意味を持たせる演出を実行可能とされる(第3可動装置K801に描かれる装飾については本図では図示を省略する。詳細は後述する)。
図376では、第1可動装置K401及び第3可動装置K801が演出待機状態とされ、第2可動装置K701が上昇配置状態とされる場合が図示される。第2可動装置K701は、演出待機状態ではセンターフレームK86の下側部と大部分が重なり視認性が悪いが(図358参照)、上昇配置状態では、半分以上がセンターフレームK86の下側部よりも上側に配置されることで、第2可動装置K701の視認性が向上される。
図377では、第2可動装置K701及び第3可動装置K801が演出待機状態とされ、第1可動装置K401の右側のみが途中位置まで落下した片側落下状態とされる場合が図示され、図378では、図377の状態から第1可動装置K401の移動装置K560が可動域の右端部まで変位された場合が図示される。
第1可動装置K401において、演出待機状態と片側落下状態との変化が生じる際には、移動装置K560の位置は左右方向中央側に維持される。これにより、昇降変位時に第1可動装置K401の左右バランスが崩れることを避けることができる。
図378に図示される片側落下状態では、移動装置K560の姿勢が右斜め下に倒れる態様で傾くため、移動装置K560の正面側の意匠が傾いてしまい、見栄えが悪くなる。これに対し、本実施形態では、演出待機状態から片側落下状態へ変化し、更に演出待機状態に変化するまでの間、移動装置K560の正面側の意匠を回転させ続けるように制御される。これにより、移動装置K560の正面側の意匠が傾いて見栄えが悪くなるという事態を避けることができる。
本実施形態では、移動装置K560の正面側の意匠の回転は、移動装置K560が正面視右方に移動する際には正面視時計回り(右向き前転方向)とされ、移動装置K560が正面視左方に移動する際には正面視反時計回り(左向き前転方向)とされる。これにより、移動装置K560の左右方向の移動と、回転動作とを遊技者に関連して把握させることができ、統一的な動作演出とすることができる。
図372から図378に示すように、各可動装置K401,K701,K801の状態に対応して、その後方に配置されている第3図柄表示装置K81の表示が見える範囲が変わる。即ち、各可動装置K401,K701,K801の全てが演出待機状態にある場合が第3図柄表示装置K81の表示が見え易い範囲(面積や位置)が最大の状態(図372参照)であり、演出待機状態から状態が変化される可動装置K401,K701,K801に対応して、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なるように構成される。
演出待機状態からの各可動装置K401,K701,K801の状態の変化の程度によっても、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なる。また、例えば、同じ可動装置(例えば、第1可動装置K401)が動作する場合であっても、図373に示す状態と、図378に示す状態とでは、動作量や、第3図柄表示装置K81の表示領域と重なる第1可動装置K401の面積や位置が異なることから、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
即ち、第3図柄表示装置K81では、各可動装置K401,K701,K801により隠されない範囲(可動装置K401,K701,K801を透視することで表示を視認可能な範囲を含む)における表示演出を視認させるように制御が設計されているところ、各可動装置K401,K701,K801により隠される範囲(可動装置K401,K701,K801を透視することで表示を視認可能な範囲を除く)が複数種類で変化することから、各可動装置K401,K701,K801により隠されない範囲における表示演出のバリエーションを多くすることができ、表示演出の演出効果を向上させることができる。
次いで、図379から図400を参照して、第1可動装置K401について説明する。図379は、前層側可動装置K400の正面分解斜視図であり、図380は、前層側可動装置K400の背面分解斜視図である。
前層側可動装置K400の内、第2可動装置K701を除く部分を構成する第1可動装置K401は、略左右対称形状の部材から左右一対で構成され背面ケースK310に締結固定される一対の支持部材K410と、その支持部材K410の下側部において回転可能に支持される一対の回転部材K430と、その回転部材K430を回転させる駆動力を発生させる一対の駆動モータKMT41a,KMT41bと、回転部材K430の回転の状態に対応して昇降可能に構成される昇降装置K500と、を備える。
更に、第1可動装置K401は、支持部材K410の前方の開放部に蓋をするように支持部材K410に締結固定される左右一対の前カバー部材K440と、右側の前カバー部材K440に前側から締結固定され昇降装置K500の動作態様を切り替える切替装置K460と、回転部材K430の回転の状態に対応して昇降装置K500の下降を許容する許容状態と昇降装置K500の下降を防止する防止状態とで変化される左右一対の状態変化装置K470と、を備える。
更に、第1可動装置K401は、左側の前カバー部材K440の下側部に正面側から締結固定され光透過性樹脂から形成される装飾部材K402と、その装飾部材K402へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板K403と、右側の前カバー部材K440の下側部に正面側から締結固定され光透過性樹脂から形成される装飾部材K404と、その装飾部材K404へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板K405と、前層側可動装置K400の組立状態(図371参照)における支持部材K410及び前カバー部材K440と第2可動装置K701との隙間を上側から塞ぐ上カバー部材K406と、を備える。
前カバー部材K440の詳細について説明する。前カバー部材K440は、略L字状に形成される板状本体K441と、その板状本体K441に上下方向に延びる長孔として穿設され昇降装置K500の昇降を案内する案内長孔K442と、その案内長孔K442の下端部近傍に配設される樹脂部材であって昇降装置K500の下降時の衝撃を吸収可能な吸収部材K443と、板状本体K441の背面から回転部材K430へ向けて突設される突設部K444と、案内長孔K442の前方に配置され案内長孔K444を前側に通過した昇降装置K500の締結部K533に連結される連結部材K445と、を備える。
図381は、第1可動装置K401の分解正面斜視図であり、図382は、第1可動装置K401の分解背面斜視図である。図381及び図382では、第1可動装置K401の内、支持部材K410、回転部材K430及び状態変化装置K470が図示され、前カバー部材K440及び切替装置K460の図示は省略される。
図381及び図382に示すように、支持部材K410は、正面視略L字状に形成される本体部K411と、その本体部K411の下側部の正面側に円筒状に突設され回転部材K430を回転可能に支持する支持部K412と、その支持部K412の左右方向外側に回転部材K430の姿勢を検出するために配設される検出センサK413と、本体部K411の下端部の正面側に円筒状に突設され状態変化装置K470の下側回転部材K471を回転動作可能に支持する支持部K414と、昇降装置K500を案内可能に上下方向に延びる長孔として形成される案内長孔K415と、その案内長孔K415に沿ってギア歯が形成されるラックK416と、本体部K411の背面側に上下方向に並べて形成され状態変化装置K470の連動部材K473の昇降移動を案内する案内突設部K417と、本体部K411の上端部の正面側に配設され昇降装置K500が演出待機状態における位置に配置されているか否かを検出可能な検出センサK418と、本体部K411に上端部が吊り下げられ下端部が昇降装置K500の鉤状部K515に引っかけられるコイルスプリングK419と、を備える。
更に、支持部材K410は、昇降装置K500の昇降動作を案内するものとして上下方向に延びる金属棒K421と、その金属棒K421の下端が差し込まれる支持受部K422と、金属棒K421に昇降装置K500を沿わせるために昇降装置K500との間で金属棒K421を挟む位置で昇降装置K500に締結固定される被固定部材K423と、金属棒K421の上端が支持部材K410の本体部K411から上方向および前方向に抜けないようにするための抜け止めとしての補助部材K424と、を備える。
なお、本実施形態では、左側の金属棒K421に対しては前カバー部材K440の板状本体K441が補助部材K424と同様の機能を果たすように構成されることで、補助部材K424は右側にのみ配設されている。
回転部材K430は、駆動モータKMT41a,KMT41bの駆動軸に固定される駆動ギアKG42の回転を支持部材K410の本体部K411に支持される中間ギアKG43を介して伝達するために背面側の全周に亘ってギア歯K432が形成される円板状の本体部K431と、その本体部K431の中心部において円形に穿設され支持部材K410の支持部K412が挿通される回転中心孔K433と、本体部K431の外周側縁部において回転部材K430の回転軸線と平行な回転軸線で回転自在に連結され昇降装置K500を下支えする伝達筒状部K434と、回転中心孔K433の同心円形状の突条において支持部材K410の検出センサK413が検出可能な幅で形成される切り欠き部K435と、本体部K431の外周側付近において背面側に突設される一組の突条により形成される案内溝K436と、を備える。
状態変化装置K470は、支持部材K410の支持部K414に回転動作可能に支持される下側回転部材K471と、その下側回転部材K471の左右内側端部から回転部材K430側へ向けて突設され案内溝K436に受け入れられる切替突部K472と、下側回転部材K471の左右外側端部に配設される軸部を介して互いに相対動作可能に連結される連動部材K473と、連動部材K473の上下端部を構成する板状部に上下に長い長孔として穿設され支持部材K410の案内突設部K417が挿通されることで連動部材K473の動作方向を上下方向とするための複数の案内長孔K474と、連動部材K473の上端部付近において正面側に突設される切替突部K475と、支持部材K410の本体部K411に回転動作可能に支持され切替突部K475の配置に対応して回転方向の姿勢が変化する上側回転部材K476と、を備える。
昇降装置K500は、回転部材K430の伝達筒状部K434に下支えされた状態において、回転部材K430の伝達筒状部K434の上下位置が上方向に変化する際に持ち上げられることで、上昇移動可能に構成される。
図383は、昇降装置K500の分解正面斜視図であり、図384は、昇降装置K500の分解背面斜視図である。昇降装置K500は、回転部材K430の伝達筒状部K434に直接的に押し上げられ得る左右一組の下側部材K510と、その下側部材K510の上端部の背面側に回転可能に支持される左右一対の変速ギアK520と、下側部材K510の昇降移動量が変速ギアK520により増減されて伝達されるように変速ギアK520に歯合されるラックK532を有しており下側部材K510と連動して昇降移動する左右一組の上側部材K530と、その上側部材K530に左右両端部が支持される長尺装置K540と、その長尺装置K540の長尺方向にスライド移動可能に構成される移動装置K560と、を備える。
下側部材K510は、正面視略L字形状に形成される本体部K511と、その本体部K511の下端において下側部材K510の移動方向(上下方向)と直交する平面状に形成される平面部K512と、本体部K511の背面側から円筒状に突設される内部に雌ネジが形成されており変速ギアK520を支持可能に構成される支持締結部K513と、金属棒K421(図381参照)に案内される被案内部K514と、本体部K511の上端部の正面側に鉤形状に形成されコイルスプリングK419(図381参照)の下端部が引っかけられる鉤状部K515と、を備える。
支持締結部K513に締結されるネジは、変速ギアK520の抜け止めとして機能し、その頭部が支持部材K410の案内長孔K415の内側に配置される。これにより、支持締結部K513に締結されるネジの頭部の張り出し分を吸収することができ、変速ギアK520の背面側面を支持部材K410の本体部K411の前側面で支持することができる。更に、支持締結部K513に締結されるネジの移動方向が案内長孔K415に制限されることによって、下側部材K510を安定して上下方向に移動させることができる。
鉤状部K515を介して、下側部材K510は、コイルスプリングK419(図381参照)により上向きに付勢される。これにより、コイルスプリングK419の付勢力で昇降装置K500の上昇移動を補助することができる。
変速ギアK520は、中間円板K521の背面側に第1ギアK522が形成され、中間円板K521の正面側に第1ギアK522と同軸で第2ギアK523が形成される。中間円板K521は、第1ギアK522の直径よりも直径が大きく、且つ、第2ギアK523の直径よりも直径が大きい円形状の板部として形成されており、これにより、第1ギアK522又は第2ギアK523と歯合している相手部材が前後方向に位置ずれして、反対の第2ギアK523又は第1ギアK522と歯合する事態が生じることが防止される。
第1ギアK522は、支持部材K410のラックK416(図381参照)と歯合され、第2ギアK523は、上側部材K530のラックK532と歯合される。第1ギアK522の歯数は8であり、第2ギアK523の歯数は12である。
従って、下側部材K510が昇降移動した場合に、その下側部材K510の昇降移動量の1.5倍の移動量で、上側部材K530が下側部材K510に対して相対移動することになるが、昇降移動の詳細については後述する。
上側部材K530は、上下方向に長尺の本体部K531と、その本体部K531の背面側において左右外側に向けて上下方向に延設されるラックK532と、本体部K531の正面側に上下一対で突設される円筒状部であって内部に雌ネジが形成される締結部K533と、本体部K531の背面側に円筒状に突設されており長尺装置K540を回転動作可能に支持する回転軸部K534と、その回転軸部K534と平行な方向で円筒状に突設される補助突部K535と、金属棒K421(図381参照)に案内される被案内部K536と、上側回転部材K476(図381参照)に下支えされる湾曲面として形成される湾曲受部K537と、を備える。
締結部K533には、連結部材K445(図379参照)が締結固定される。即ち、前カバー部材K440の案内長孔K442(図379参照)を前側へ貫通した締結部K533の先端に連結部材K445が締結固定される。これにより、締結部K533の移動が案内長孔K442に制限されることになるので、上側部材K530の昇降移動を安定させることができる。
上側部材K530は被案内部K536に、下側部材K510は被案内部K514によって、それぞれ金属棒K421(図381参照)に案内されるので、下側部材K510及び上側部材K530の前後左右方向の倒れを防止することができる。
図385は、長尺装置K540の分解正面斜視図であり、図386は、長尺装置K540の分解背面斜視図である。図385及び図386では、位置関係の理解を容易とするために上側部材K530及び移動装置K560が図示される。
長尺装置K540は、左右長尺の板状に形成される本体部K541と、その本体部K541の左右中央部において背面側に円筒状に突設される支持軸部K542と、その支持軸部K542に回転可能に支持される中央ギアK543と、支持軸部K542と平行な方向に円筒状に突設される複数の案内突設部K544と、その案内突設部K544に案内され本体部K541の長尺方向にスライド移動可能に構成される一対のスライドラックK545と、を備える。
本体部K541の前側部には、左右外側端部よりも内側に終端位置が形成される左右長尺の凹部K541aが形成される。凹部K541aは、長尺装置K540の組立状態(図383参照)において、移動装置K560の背面側下端部が受け入れられる部分として機能している。
スライドラックK545は、図386に示す状態における左右外側の上下幅よりも左右内側の上下幅の方が短くされる左右一組の板状部材であって、左右外側端の下端部において前後方向に穿設され上側部材K530の回転軸部K534が受け入れられる受入部K546と、その受入部K546を中心とする円弧形状で穿設され補助突部K535が受け入れられる円弧状部K547と、図386に示す状態における左右方向に長い長孔形状で穿設され案内突設部K544が受け入れられる複数の案内長孔K548と、中央ギアK543に歯合されるラックK549と、を備える。
スライドラックK545のスライド移動方向は、案内長孔K548が延設される方向(図386に占めす状態における左右方向、本体部K541の長尺方向)に設定される。そのため、左右の上側部材K530の上下位置が一致している時(最近接位置)を基準として、上側部材K530同士の上下方向の位置ずれ寸法が大きくなるにつれて、本体部K541の長尺方向外側へ向けて相対移動することになるが、詳細は後述する。
更に、長尺装置K540は、本体部K541に正面側から締結固定される化粧部材K551と、その化粧部材K551の内部に配設され正面側に光を照射するLEDが配設される電飾基板K552と、化粧部材K551の左側端部に締結固定されるモータ支持部材K553と、そのモータ支持部材K553に支持される駆動モータKMT51の駆動力を伝達可能な伝達ギア群KG52を介して回転されることで移動装置K560の軸線方向の位置を変化させるように構成されるネジ軸K554と、化粧部材K551の背面側においてネジ軸K554の両端部が回転可能に受け入れられる支持受部K555と、電飾基板K552の背面側において検出溝を背面側へ向けた姿勢で化粧部材K551の後側板部を貫通する位置に設けられるフォトカプラ形式の検出センサK556a~K556cと、を備える。
ネジ軸K554の軸線方向は本体部K541の長手方向と一致しており、移動装置K560のネジ軸K554の軸線方向の移動は、凹部K541aの形成されている範囲に制限される。
検出センサK556a~K556cは、移動装置K560の配置を検出可能に構成されている。即ち、移動装置K560が、第1可動装置K401の演出待機状態における左右中央位置に配置されている場合には、中央検出センサK556bに検出され、移動装置K560が、ネジ軸554の軸線方向に沿って左右にスライド移動し、その移動範囲の右側終端位置に配置されている場合には右側検出センサK556aに検出され、移動範囲の左側終端位置に配置されている場合には左側検出センサK556cに検出される。
図387は、移動装置K560の分解正面斜視図であり、図388は、移動装置K560の分解背面斜視図である。移動装置K560は、本体部K561と、その本体部K561の上端部に締結固定される前側受部K571と、その前側受部K571に後面側から締結固定される後側受部K572と、前側受部K571と後側受部K572との間に保持され自らの開口方向(図387における矢印L-R方向)を回転軸とする回転が防止されるように構成されるナットKNT61と、を備える。
ナットKNT61は、長尺開口部KNT61aの内周側において、ネジ軸K554(図385をご参照下さい)の外周に螺旋状に切られる溝部に対応するように形成される突条が、螺旋状に形成されている。
これにより、長尺開口部KNT61aにネジ軸K554が挿通されている状態でネジ軸K554が回転駆動されると、その回転駆動量に対応して、ナットKNT61はネジ軸K554の軸線方向に移動される。即ち、駆動モータKMT51(図385参照)の駆動に対応して、移動装置K560のネジ軸K554の軸線方向の配置が変化するよう構成される(ボールネジの構造が流用される)。
前側受部K571は、ナットKNT61の配設位置よりも下方から正面側へ板状に突設される被検出板部K571aを備える。長尺装置K540の検出センサK556a~K556c(図386参照)の検出溝に被検出板部K571aが位置する場合と、位置しない場合とで、検出センサK556a~K556cからの出力を異ならせることができる。この検出センサK556a~K556cの出力の違いから、音声ランプ制御装置H113(図356参照)に、移動装置K560が、第1可動装置K401の演出待機状態における左右中央位置に配置されているか、移動範囲の左右方向終端位置に配置されているか、そのいずれでもないか、を判断させることができる。
更に、移動装置K560は、本体部K561の下端部に締結固定されるモータ受部K575と、そのモータ受部K575に保持される駆動モータKMT61と、その駆動モータKMT61の駆動軸に固定され本体部K561とモータ受部K575との間に配設される駆動ギアKMG62と、その駆動ギアKMG62に歯合される位置で本体部K561の支持軸部K562に回転可能に支持される伝達ギアKMG63と、その伝達ギアKMG63に歯合される終端ギアKMG64と、本体部K561の円形開口部K563に挿通される中心挿通部K579が終端ギアKMG64に締結固定される回転装飾部材K578と、を備える。
更に、移動装置K560は、本体部K561の正面側に配設され円形開口部K563に対応する位置に円形開口K564aが形成される電飾基板K564と、その電飾基板K564の円形開口K564aに対応する位置に円形開口K567aが形成され、光透過性の樹脂材料から形成され電飾基板K564からの照射光を屈折可能(乱反射可能)なカットが形成される受光部材K567と、を備える。
電飾基板K564及び受光部材K567は、電飾基板K564、受光部材K567の順で本体部K561に重ねられ、円形開口部K563の中心軸線に円形開口K564a及び円形開口K567aの中心軸線が合致するように配置され、本体部K561に締結固定される。
電飾基板K564は、背面側にフォトカプラ形式の検出センサK565が配設される。検出センサK565の検出溝は、本体部K561に穿設される開口部K561aの背面側に位置し、伝達ギアKMG63の環状リブを受け入れ可能とされる。
伝達ギアKMG63の環状リブには切り欠き部KMG63aが等間隔(180度間隔)で切り欠き形成されており、検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する場合と、位置しない場合とで、検出センサK565からの出力を異ならせることができる。この検出センサK565の出力の違いから、音声ランプ制御装置H113(図356参照)は伝達ギアKMG63の位相を判断でき、回転装飾部材K578の位相を判断できる。
本実施形態では、伝達ギアMG63の歯数に対する終端ギアKMG64の歯数が1/2の関係にあるので、伝達ギアMG63が半回転することで終端ギアKMG64が一回転する。検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する位相から伝達ギアMG63が半回転すると、再び検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する。
即ち、検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する場合、その切欠き部KMG63aがどちらの切り欠き部KMG63aであったとしても、終端ギアKMG64及び回転装飾部材K578の位相は同じとされる。
図389(a)及び図389(b)は、前層側可動装置K400の部分拡大正面図である。図389(a)及び図389(b)では、主に切替装置K460が図示されており、便宜上、手前側の装飾部分を部分的に破り図示することで、内部構造を視認可能となるようにしている。図389(a)では、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされる状態が図示され、図389(b)では、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態が図示される。
図389(a)及び図389(b)に図示されるように、切替装置K460は、右側の前カバー部材K440の板状本体K441に締結固定される基板部材K461と、基板部材K461に支持孔部K462bを中心とする回転動作が可能に支持されるストッパ部材K462と、基板部材K461に締結固定される駆動ソレノイドKSOL41と、基板部材K461に支持孔部K463bを中心とする回転動作が可能に支持され、駆動ソレノイドKSOL41の駆動力をストッパ部材K462に伝達可能に構成される伝達部材K463と、を備える。
ストッパ部材K462は、支持孔部K462bが端部に穿設されるアーム部K462aと、そのアーム部K462aの長手方向に延びる長孔形状で穿設される案内長孔K462cと、アーム部K462aの長手方向における支持孔部K462bが形成される端部の反対側の端部から背面側に突設される突設受部K462dと、を備える。
伝達部材K463は、支持孔部K463bが形成されるアーム部K463aと、そのアーム部K463aとは異なる方向に支持孔部K463bから延びる補助アーム部K463cと、その補助アーム部K463cの延設先端部から後側に突設され駆動ソレノイドKSOL41の直進動作部KSOL41aの直進変位により伝達部材K463が回転動作される態様で連結される伝達基端突部K463dと、アーム部K463aの先端部から後側に突設されストッパ部材K462の案内長孔K462cに受け入れられる伝達先端突部K463eと、を備える。
切替装置K460の作用について説明する。基板部材K461は、連結部材K445の移動軌跡に入り込まないよう連結部材K445よりも前側に配設されている一方で、ストッパ部材K462の突設受部K462dは、基板部材K461よりも下側において基板部材K461よりも後側まで延びており、状態次第で、連結部材K445の移動軌跡に入り込む。
図389(a)に図示されるように、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態では、突設受部K462dが案内長孔K442の前方に配置されており、連結部材K445の移動軌跡に入り込む。
即ち、図389(a)に図示される状態における連結部材K445の下降変位は、突設受部K462dにより途中停止される、この場合、連結部材K445を介して昇降装置K500等の荷重が突設受部K462dにかけられることになるが、突設受部K462dが支持孔部K462bを起点とする鉛直下方(連結部材K445を介した荷重の方向)に配置されていることから、連結部材K445を介する昇降装置K500等の荷重によりストッパ部材K462が回転動作することを回避し易くすることができる。
これにより、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態において、連結部材K445の移動を案内長孔K442の長さの途中位置で停止させることができる。また、連結部材K445の途中停止が頻繁に生じる動作制御を行う場合であっても、連結部材K445の途中停止のために駆動ソレノイドKSOL41を励磁させる必要はないので、励磁状態とする回数の増加を抑えることができ、駆動ソレノイドKSOL41の寿命の長期化を図ることができる。
図389(b)に図示されるように、図389(a)に図示される状態から駆動ソレノイドKSOL41が励磁されると、直進動作部KSOL41aの上下変位により伝達部材K463が回転動作され、その回転動作と連動してストッパ部材K462が回転動作されることで、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡から退避する。
これにより、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態では、連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに停止されることはなく、連結部材K445が案内長孔K442の終端まで移動可能とされる。
これにより、連結部材K445が締結固定される締結部K533を有する上側部材K530(図383参照)の移動可能量を、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされる状態(図389(a)参照)と、駆動ソレノイドKSOL41の励磁状態(図389(b)参照)とで切り替えることができる。
図390から図395は、第1可動装置K401の部分拡大正面図である。図390から図395では、昇降装置K500の右側部が、回転部材K430が正面視反時計回り方向で回転動作される第1の動作態様に基づいて昇降移動する様子が時系列で図示される。
なお、図390から図395では、可動部の理解を容易とするために、支持部材K410の本体部K411の右下端部および右上部、下側部材K510の本体部K511の前側面部、変速ギアK520の中間円板K521及び第2ギアK523、及び、上側部材K530の本体部K531の前側面部が、部分的に破られて図示される。
図390では、演出待機状態における第1可動装置K401が図示される。即ち、回転部材K430は切り欠き部K435(図382参照)が検出センサK413の検出溝に配置される位相とされ、上側部材K530は湾曲受部K537が進入状態の上側回転部材K476に下支えされることで上下移動が防止され、上側部材K530の上下移動が防止されることに伴い変速ギアK520の回転も防止され、その変速ギアK520が支持される下側部材K510の上下移動も防止される。
即ち、図390に図示されるように、回転部材K430の伝達筒状部K434が下側部材K510の下方から退避している状態であっても、上側部材K530の上下移動が上側回転部材K476により防止されることで、下側部材K510の上下移動が防止されることになる。
図391では、図390に図示される状態から回転部材K430が正面視反時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動される。回転部材K430の回転中において、伝達筒状部K434が突設部K444の湾曲面に対向配置される。突設部K444が伝達筒状部K434よりも回転部材K430の回転中心側に配設されること、及び、突設部K444の突設先端(後側先端)が回転部材K430の前側面と対向配置されることにより、伝達筒状部K434が回転部材K430の径方向に位置ずれするような姿勢ずれ(回転軸に対して回転部材K430が傾斜する姿勢ずれ)を防止することができる。
これにより、回転部材K430が、偏心した位置において本体部K431を回転軸線に対して傾斜させる方向の荷重を受けた場合であっても、回転部材K430の姿勢変化を抑制することができるので、回転部材K430の回転抵抗を低減することができる。
図391では、下側回転部材K471の切替突部K472が、依然として案内溝K436の大径溝K436aに維持される。切替突部K472が大径溝K436aに維持される間は、状態変化装置K470の状態は図390に図示される状態で維持されており、昇降装置K500の上下位置も維持される。
また、図390では、駆動ソレノイドKSOL41(図389(b)参照)が非励磁の状態(図389(a)参照)が図示され、図391以降は、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡から退避するように、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図389(b)参照)が図示される。
図392では、図391に図示された状態から、回転部材K430が正面視反時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動され、下側回転部材K471の切替突部K472が受け入れられる部位が、案内溝K436の大径溝K436aから小径溝K436bに切り替えられ、昇降装置K500が落下を開始する直前の状態が図示される。
切替突部K472が小径溝K436bに受け入れられるようになると、下側回転部材K471が支持部材K410の支持部K414を中心に回転動作され、下側回転部材K471の回転動作により連動部材K473及び切替突部K475が上下移動されることで、上側回転部材K476が支持孔K476aを中心に進入状態から退避状態へ回転移動される。
上側回転部材K476は、湾曲受部K537と対向配置される回転先端部K476bが、支持孔K476aにおける回転中心を中心とする円弧形状面として形成されている。また、湾曲受部K537は、進入状態(図390参照)における上側回転部材K476の回転先端部K476bと面当たり可能な曲面形状から形成される。
これにより、進入状態における上側回転部材K476の回転先端部K476bに湾曲受部K537が当接している状態から、上側回転部材K476を退避状態へ回転移動させる際に生じる抵抗を摩擦抵抗に限定することができ、抵抗が過大となることを防止することができる。
また、進入状態における上側回転部材K476に対して湾曲受部K537を介して与えられる昇降装置K500の自重は、上側回転部材K476が退避状態へ向かう方向の反対方向(図392の反時計回り方向)の荷重として上側回転部材K476に付与される。
従って、湾曲受部K537と上側回転部材K476との間の動作抵抗を小さくしながらも、湾曲受部K537を介して上側回転部材K476へ付与される昇降装置K500の自重により上側回転部材K476が退避状態へ変化する事態が生じることを防止することができる。
また、上述した上側回転部材K476の形状により、第1可動装置K401の片側落下状態のように左右バランスが崩れた場合に、自重のみではなく左右方向成分を有する荷重が湾曲受部K537から上側回転部材K476に与えられる場合に、その荷重を上側回転部材K476の回転中心へ向けるようにすることができる。これにより、上側回転部材K476の姿勢を安定させることができ、昇降装置K500の支持を安定させることができる。
図393では、図392に図示された状態から、昇降装置K500が落下した後の状態としての落下位置状態(図373参照)が図示される。なお、落下位置状態に至るまでには、昇降装置K500の右側部だけでなく、左側部も回転部材K430が回転され上側回転部材K476が回転移動されているが、左側部における回転部材K430の第1の動作態様における回転方向は、右側部における回転部材K430の第1の動作態様における回転方向(正面視反時計回り方向)の逆方向(正面視時計回り方向)になる。
昇降装置K500の落下による移動は、上側部材K530が前カバー部材K440の吸収部材K443(図380参照)に停止される位置まで生じるように構成されており、下側部材K510が回転部材K430の伝達筒状部K434に衝突するまで生じるようには構成されていない。
そのため、昇降装置K500の落下時の衝撃荷重が伝達筒状部K434に伝達される事態が生じることを回避することができる。即ち、昇降装置K500の落下の衝撃が伝達筒状部K434や下側部材K510に伝達されることによる破損の発生を回避し易くすることができる。
昇降装置K500の下側部材K510、変速ギアK520及び上側部材K530の昇降移動の詳細について説明する。まず、下側部材K510及び上側部材K530は、それぞれ共通の金属棒K421によって上下方向にスライド移動可能に案内される。
下側部材K510が図392に示す状態から下降する場合、変速ギアK520が支持部材K410のラックK416との歯合により回転され、その回転により上側部材K530のラックK532が変速ギアK520に対して上下方向に相対移動する。
即ち、上側部材K530は、下側部材K510が上下方向に移動した場合に、下側部材K510の移動による変速ギアK520の上下方向の移動量に加えて、変速ギアK520の回転時に歯合する上側部材K530のラックK532の移動量分、下側部材K510に対して相対移動する。
本実施形態では、上側部材K530のラックK532と歯合する第2ギアK523の歯数は、下側部材K510の移動に伴い支持部材K410のラックK416と歯合して回転する第1ギアK522の歯数の1.5倍に設計されているので、上側部材K530は、下側部材K510の移動量に下側部材K510の移動量の1.5倍の長さが加算された移動量で移動される。
従って、上側部材K530は、下側部材K510の移動量KVD1の2.5倍の移動量KVD2で上下移動される(KVD1:KVD2=2:5)。これにより、上側部材K530の上下方向の移動距離が、駆動モータKMT41a,KMT41b(図381参照)により回転される回転部材K430の伝達筒状部K434の上下方向の移動距離に限定されることを避けることができる。
即ち、回転部材K430の直径を小さく抑えつつ、上側部材K530の上下方向の移動距離は長く設計することができるので、上側部材K530や回転部材K430の配置の設計自由度を向上することができる。
下側部材K510よりも左側において突設部K444が配設され、下側部材K510の左端部は突設部K444の右側平面部に上下方向に案内される。これにより、下側部材K510の左側への位置ずれを突設部K444により防止することができる。
図394では、図393に図示された状態から回転部材K430が更に反時計回り方向に回転されることで伝達筒状部K434により下側部材K510が持ち上げられ、且つ、依然として下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の小径溝K436bに受け入れられている状態が図示される。
回転部材K430の回転により伝達筒状部K434が下側部材K510の下面と擦れながら回転移動することになるが、下側部材K510の下面が平面部K512として形成されているので、伝達筒状部K434と下側部材K510との間で生じる動作抵抗を低減することができる。
更に、コイルスプリングK419から下側部材K510に付与される上向きの付勢力により、下側部材K510から伝達筒状部K434へ向けて下向きに与えられる荷重が低減されることによっても、伝達筒状部K434と下側部材K510との間で生じる動作抵抗を低減することができる。
図395では、図394に図示される状態から、回転部材K430が更に反時計回りに回転され、下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の大径溝K436aに受け入れられている状態が図示される。
図395では、上側回転部材K476が、図394に図示される退避状態から、進入状態へ変化している。この際、上側部材K530の湾曲受部K537が上側回転部材K476の回転先端部K476bよりも上側に配置されており、湾曲受部K537と回転先端部K476bとの間に隙間が生じている。これにより、上側回転部材K476の動作抵抗を低減することができる。
ここで、退避状態の上側回転部材K476を進入状態に変化させるためには、自重に抵抗して連動部材K473を上方へ変位させる必要があるので、進入状態の上側回転部材K476を退避状態に変化させる場合よりも大きな力が必要となる。
これに対し、本実施形態では、退避状態の上側回転部材K476を進入状態に変化させる場合において湾曲受部K537と回転先端部K476bとの間に隙間を生じさせることで、上側回転部材K476の動作抵抗を低減させ、状態の変化に必要な力が過大となることを回避している。
図395に図示される状態から回転部材K430が更に反時計回りに回転されると、図390に図示される状態に戻る。このように、回転部材K430が反時計回りに回転され続ける場合、昇降装置K500の上下移動は循環可能とされる。即ち、回転部材K430の第1の動作態様は、昇降装置K500の上下移動を循環させることができる動作態様である。
図396及び図397は、第1可動装置K401の部分拡大正面図である。図396及び図397では、図390に図示される状態から回転部材K430が時計回りに回転されることに基づいて昇降装置K500の右側部が下降する第2の動作態様の一部が時系列で図示される。
第2の動作態様は、演出待機状態(図390参照)から図396、図397の順に変化した後で、回転部材K430を反時計回りに回転駆動させ演出待機状態に復帰するまでの動作態様である。
なお、図396及び図397では、可動部の理解を容易とするために、支持部材K410の本体部K411の右下端部および右上部、下側部材K510の本体部K511の前側面部、変速ギアK520の中間円板K521及び第2ギアK523、及び、上側部材K530の本体部K531の前側面部が、部分的に破られて図示される。
また、図396及び図397では、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡に侵入するように、駆動ソレノイドKSOL41(図389(a)参照)が非励磁の状態が図示される。
図396では、図390に図示される状態から回転部材K430が正面視時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動される。下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の小径溝K436bに受け入れられることに基づいて、上側回転部材K476が退避状態に変化されているが、回転部材K430の伝達筒状部K434に下側部材K510が下支えされることにより、昇降装置K500は落下しない。
即ち、下側部材K510は、自重により回転部材K430の伝達筒状部K434に押し付けられる状態を維持しており、回転部材K430の回転に伴って、平面部K512と伝達筒状部K434との当接が維持されるように上下移動する。
図397では、図396に図示される状態から回転部材K430が正面視時計回りに回転され、連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに受け止められ下降が停止される状態が図示される。
これにより、連結部材K445が締結固定される上側部材K530の下降も停止され、それに伴い下側部材K510の下降も停止されるので、図397に図示される状態から回転部材K430が更に正面視時計回りに回転された場合には、回転部材K430の伝達筒状部K434は下側部材K510の平面部K512から離れる。
図397に図示される状態から演出待機状態への復帰の際には、回転部材K430を反対方向(図397において反時計回り方向)に回転させ、伝達筒状部K434で下側部材K510を押し上げる。
この場合において、回転部材K430の回転が図397に図示される状態から開始されるか、図397に図示される状態よりも回転部材K430が正面視時計回りに若干回転された状態から開始されるかに関わらず、昇降装置K500から伝達筒状部K434にかけられる荷重は、図397に図示される状態から生じる。
図397に図示される状態は、伝達筒状部K434が回転部材K430の回転軸としての支持部K412の真右に配置され、伝達筒状部K434の移動方向(伝達筒状部K434の移動軌跡に引かれた接線の方向)が上下方向を向く状態であるので、下側部材K510に対して上向きの荷重を効率的に付与することができる。これにより、図397に図示される状態からの演出待機状態への復帰動作を迅速に行わせることができる。
なお、図397に図示される状態から回転部材K430が更に正面視時計回りに回転される場合、回転部材K430の伝達筒状部K434は下側部材K510の上面に当接し、下側部材K510に対して下側へ向く荷重を伝達させ得る。即ち、下側部材K510を上昇させる方向の荷重を生じさせることができないので、回転部材K430を正面視時計回りに回転させ続ける駆動制御では、昇降装置K500の動作は循環しない。
図398及び図399は、第1可動装置K401の部分拡大背面図である。図398では、演出待機状態(図372参照)における第1可動装置K401が図示され、図399では、片側落下状態(図377参照)における第1可動装置K401が図示される。
図398に図示される第1可動装置K401の演出待機状態では、左右両側の上側部材K530が上側回転部材K476により支持される(図391参照)。一方、図399に図示される第1可動装置K401の片側落下状態では、左側の上側部材K530は上側回転部材K476により支持される一方で、右側の上側部材K530は、締結固定される連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに支持されることにより(図397参照)、長尺装置K540が傾けられる。
図399に図示される状態では、図398に図示される状態から左右の回転軸部K534間の距離が延びており、この延びた寸法の分だけ、スライドラックK545が長尺装置K540の長手方向に変位する。
一対のスライドラックK545は、互いに共通の中央ギアK543に歯合されており、長尺装置K540の長手方向に沿って相反する方向に変位することになるので、長尺装置K540の長手方向に沿う変位量は互いに共通である。
即ち、演出待機状態からの右側のスライドラックK545の移動量KSDaと、演出待機状態からの左側のスライドラックK545の移動量KSDbとは同じである(KSDa=KSDb)。
これにより、図398に図示される状態から、図399に図示される状態への変化における中央ギアK543の左右方向の位置ずれを抑制することができるので、その中央ギアK543を支持する本体部K541の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
ここで、第1可動装置K401が演出待機状態から落下位置状態へ変化される場合、左右の回転部材K430(図382参照)が第1の動作態様で回転駆動され、左右の上側回転部材K476(図392参照)が演出待機状態における進入状態から同時に退避状態に変化されることにより、左右の上側部材K530(図393参照)が同時に落下することが好ましい。更に、上昇動作時には、左右の回転部材K430が同じ回転角度で回転動作されることで、左右の高さのずれが無い状態で昇降装置K500を上昇させることができる。
しかし、左右の回転部材K430(図382参照)の動作抵抗を全く同じにすることは困難であるし、それぞれ対応する駆動モータKMT41a,KMT41b(図382参照)により駆動されるところ、駆動モータKMT41a,KMT41bの品質により、同じ電圧を供給した場合であっても若干回転速度のずれが生じ得る。そのため、昇降装置K500の上下動作にあたり、昇降装置K500の左右側の高さ位置にずれが生じる可能性がある。
更に、本実施形態では、回転部材K430の回転による伝達筒状部K434の上下位置変化が、下側部材K510から上側部材K530へ伝達される際に2.5倍に増大させられる(図390から図395参照)。そのため、回転部材K430の位相のずれが小さくても、そのずれは2.5倍になって上側部材K530に支持される長尺装置K540の左右側の高さ位置のずれとして現れる。
このように、本実施形態では、昇降装置K500の左右側の高さ位置のずれが生じ得る。昇降装置K500の左右側の高さ位置のずれが生じる場合、昇降装置K500の上下移動中に長尺装置K540の姿勢が前後方向を向く直線を軸にして傾くことになり、見栄え悪くなり易い。
これに対し、本実施形態では、上述したように左右のスライドラックK545の移動量KSDa,KSDbが同じになるように構成されているので、長尺装置K540の姿勢が傾いた場合であっても、長尺装置K540の左右中心位置の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
これにより、演出待機状態において長尺装置K540の左右中央位置に配置される移動装置K560の、昇降装置K500の上下移動中における左右方向の位置ずれを抑制することができる。
スライドラックK545は、回転軸部K534側における基端側の構造が共通とされる一方、中央ギアK543と歯合されるラックK549の配置は上下で異なるように構成されている。
本実施形態では、図399に図示される片側落下状態が頻繁に生じるように制御される一方、その逆側(左側が下端となるように傾斜する姿勢)となるように制御されることは極めて少ない(無い)。
そのため、本実施形態では、片側落下状態における中央ギアK543とラックK549との歯合状態を適正化し易いようにスライドラックK545を形成している。即ち、片側落下状態において、中央ギアK543に覆いかぶさる側(回転軸部K534が上側となる側)のラックK549が中央ギアK543の上側に配置されるように形成している。
更に、回転軸部K534をラックK549の下端に配置することにより、中央ギアK543に覆いかぶさる側のラックK549の中央ギアK543側への張出量を長くしている。これにより、中央ギアK543に覆いかぶさる側のラックK549の自重により、そのラックK549と中央ギアK543との歯合態様を適正化し易くすることができる。
図399に図示されるように、第1可動装置K401の片側落下状態は、演出待機状態から、左側の上側部材K530の回転軸部K534を基端側として傾倒することで変化される状態であって、その傾倒動作の基端側に駆動モータKMT51が配設される。
即ち、重量物としての駆動モータKMT51の配置を基端側とすることで、重心を基端側に寄せることができ、演出待機状態から片側落下状態への変化の際に上下移動する傾倒動作の先端側(右側)の重量を軽くすることができる。これにより、片側落下状態において連結部材K445からストッパ部材K462の突設受部K462dが受ける荷重(図397参照)を低減することができる。
図400を参照して、移動装置K560の駆動制御の一例について説明する。図400(a)、図400(b)、図400(c)及び図400(d)は、第1可動装置K401の部分正面図である。
図400(a)、図400(b)、図400(c)及び図400(d)では、第1可動装置K401の落下位置状態(図373参照)の上下位置に長尺装置K540が配置された状態における移動装置K560の移動が時系列で図示されており、移動装置K560の左右位置については、図400(a)に図示される配置が図373の配置と同じであり、図400(d)に図示される配置が図375の配置と同じである。
まず、図400に図示される駆動制御が実行される場合には、第1可動装置K401の長尺装置K540が演出待機状態(図372参照)における上下位置から落下位置状態(図373参照)における上下位置まで下降(落下)移動される。この移動の開始から落下位置状態に到達した後も継続して、移動装置K560の回転装飾部材K578は、駆動モータKMT61(図387参照)が正方向(正面視時計回り方向)に回転される際の駆動力により正面視時計回り方向に継続的に回転される。
図400(a)で図示されるように移動装置K560が左右中央位置KC41に配置される状態で継続される回転中に、伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63a(図387参照)の検出センサK565(図388参照)の検出溝への配置間隔から、音声ランプ制御装置H113(図356参照)は、回転装飾部材K578の実際の回転速度KVR1を検出する。
その回転速度KVR1が、予め規定される設計値に収まっていれば、音声ランプ制御装置H113(図356参照)による制御により、検出センサK565の検出間隔の中間のタイミング(図400(b)参照)で、駆動モータKMT51(図385参照)が正方向(移動装置K560を右方へ移動させる方向、矢印Lの方向視時計回り方向)に回転駆動され、移動装置K560が速度KVS1で移動される。
図400(b)からの駆動モータKMT51の駆動開始後、検出センサK565からの出力により検出センサK565の検出溝に伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63aが配置されたと判定されたことに基づいて、音声ランプ制御装置H113(図356参照)は、駆動モータKMT61(図387参照)及び駆動モータKMT51(図385参照)の駆動を停止するように制御される。
即ち、回転装飾部材K578の姿勢が検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが配置される際の適切な姿勢(上下左右の方向が合っている姿勢)で停止するタイミングと、移動装置K560の左右方向への移動が停止されるタイミングとを合致させることができる。
図400(c)に図示される右側途中位置KR42に配置される状態から、駆動モータKMT61(図387参照)が逆方向へ回転駆動されると同時に、駆動モータKMT51(図385参照)が逆方向に回転駆動されることで、移動装置K560が図400(d)に図示される左側途中位置KL43まで移動される。
この時、駆動モータKMT61の回転速度KVR2は、回転速度KVR1よりも遅く設定され、駆動モータKMT51の回転速度は同じとされることで移動装置K560の左右方向の移動速度は速度KVS1に維持される。
図400(c)から駆動モータKMT61(図387参照)が回転駆動された後、最初に伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63aが検出センサK565の検出溝に配置されたことに基づいて、音声ランプ制御装置H113(図356参照)は、駆動モータKMT61(図387参照)及び駆動モータKMT51(図385参照)の駆動を停止するように制御される。
ここで、図400(b)から図400(c)までは回転装飾部材K578が半回転しており、図400(c)から図400(d)までは回転装飾部材K578が一回転している。そのため、速度関係が同じであれば、図400(c)に図示される右側途中位置KR42と、図400(d)に図示される左側途中位置KL43とは、左右中央位置KC41を境に左右対称な位置となる。
これに対し、本実施形態では、回転速度KVR1よりも回転速度KVR2の方が遅く設定されているので(KVR1>KVR2)、左右中央位置KC41から右側途中位置KR42までの距離よりも、左右中央位置KC41から左側途中位置KL43までの距離の方が長くなる。このように、移動装置K560の停止位置を左右非対称に設定することができる。
本実施形態では、移動装置K560が左側途中位置KL43に配置された状態が、被検出部K571aが中央検出センサK556bの検出溝の外方に出始める配置に対応する(中央検出センサK556bの出力が切り替わる配置となる)。
この場合、被検出部K571a(図387参照)は、移動装置K560の左右中心から左右方向に対称に延設されていることから、被検出部K571aが中央検出センサK556b(図386参照)の検出溝の外方に出るか否かは、左右いずれかに関わらず左右中央位置KC41からの移動装置K560の移動量に因ることになる。
即ち、図400(a)、図400(b)及び図400(c)に図示される状態では、依然として被検出部K571a(図387参照)は中央検出センサK556b(図386参照)の検出溝に配置されており、図400(d)に図示される状態で初めて、被検出部K571aが中央検出センサK556bの検出溝の外方に出る(この条件を満たす左右長さで被検出部K571aが設計される)。
図400(d)に図示される状態は、上述のように図375に図示される状態に対応しているので、中央検出センサK556b(図386参照)の検出溝から被検出部K571aが出ていること、及び中央検出センサK556bの検出溝から被検出部K571aが出る際に駆動モータKMT51(図385参照)が逆方向に駆動されていたと音声ランプ制御装置H113(図356参照)で判定されたことに基づいて第2可動装置K701(図375参照)が駆動されることで、移動装置K560と第2可動装置K701が動作中に接触することを回避することができる。
本実施形態では、上述の回転速度KVR1,KVR2及び速度KVS1が、図400に時系列で図示される一連の動作直後に被検出部K571a(図387参照)が中央検出センサK556b(図386参照)の外方に配置されることを実現可能な関係の速度で設計される。
以上、詳述したように、第1可動装置K401では、回転部材K430の回転に伴う伝達筒状部K434の変位が増大されて、昇降装置K500の変位が生じる。これにより、回転部材K430の回転角度が小さい場合であっても、昇降装置K500の変位量を大きく確保することができる。
また、第1可動装置K401では、演出待機状態からの回転部材K430の回転方向により、2種類の変位態様で昇降装置K500を変位させることができるように構成される。この時、昇降装置K500の変位量を変化させるものとしての切替装置K460が同期して制御されることにより、昇降装置K500の変位速度だけでなく、変位範囲を変化させることができるので、演出のバリエーションを増加させることができる。
また、第1可動装置K401では、昇降装置K500の左右側の上下方向のスライド量にずれが生じても、スライドラックK545の移動量KSDa,KSDbが同じになるように構成されることで移動装置K560の左右方向変位を抑制するよう構成される。これにより、昇降装置K500の上下方向変位時の移動装置K560の左右位置のずれを抑えることができ、演出効果を向上させることができる。
また、第1可動装置K401では、移動装置K560の左右方向のスライド移動の速度や停止タイミングが、回転装飾部材K578の回転の速度や停止タイミングの検出を元に決められる。これにより、異なる駆動源で駆動される動作部材の動作を統一させることができ、演出に一体感を持たせることができる。
移動装置K560の左右方向のスライド移動には、ボールネジに利用される構造を流用しているので、移動装置K560の移動速度や、停止位置の制御を正確に行うことができる。これにより、演出の再現性を向上させることができる。
また、第1可動装置K401では、移動装置K560のスライド移動の方向と、回転装飾部材K578の回転動作の方向とが対応するように動作制御される。これにより、複数の可動部材の動作に一体感を持たせることができ、演出効果を向上させることができる。
図379及び図380に戻って説明する。図379及び図380に図示されるように、前層側可動装置K400には、第1可動装置K401の下側の左右中心位置において一対の支持部材K410を連結するように第2可動装置K701が配設される。以下で、第2可動装置K701の詳細について説明する。
図401は、第2可動装置K701の分解正面斜視図であり、図402は、第2可動装置K701の分解背面斜視図である。第2可動装置K701は、骨格を構成する部材であって一対の支持部材K410(図379参照)に連結固定されるベース部材K710と、そのベース部材K710に対して上下方向にスライド移動可能に支持される上下スライド部材K720と、ベース部材K710に配設され上下スライド部材K720を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータKMT71と、その駆動モータKMT71の駆動力を上下スライド部材K720に伝達する伝達装置K730と、上下スライド部材K720の正面側に配置され上下スライド部材K720に追従する移動が可能に構成される追従可能部材K740と、その追従可能部材K740及び上下スライド部材K720の両方に支持されており、追従可能部材K740及び上下スライド部材K720の移動に連動する一対の連動部材K750と、追従可能部材K740及び連動部材K750を挟むようにして正面側から上下スライド部材K720に締結固定される主装飾部材K760と、を備える。
ベース部材K710は、正面視矩形状の本体部K711と、その本体部K711の正面側に互いに平行に突設される複数の円筒状の支持部K712と、上下方向に延びる姿勢で本体部K711の正面視左側に配設固定される金属棒K713と、金属棒K713の延設方向と平行な上下方向に延びる長孔K714と、ベース部材K710の背面側において長孔K714の後方と長孔K714の上端部から左方に延びる範囲の後方とで略L字に形成される支持領域K715と、ベース部材K710に配設され伝達装置K730が演出待機状態にあることを検出可能とされる検出センサK716と、ベース部材K710の背面側に固定部材K717により固定される中継基板K718と、を備える。
本体部K711には、下端部において正面側から横長のカバー部材K711aが締結固定される。カバー部材K711aは、金属棒K713を前側から本体部K711に押さえる部材であって、金属棒K713の下方への脱落を防止する下側防止片K711bと、駆動モータKMT71の駆動軸から駆動ギアKMG72が脱落することを防止する前側防止片K711cと、を備える。
また、本体部K711には、長孔K714の中間部右側位置において正面側へ張り出す張出部K711dが形成され、その張出部K711dの内側に検出溝が前側に配置される検出センサK711eが配設される。また、金属棒K713の左側において正面側へ張り出す張出部K711fが形成される。検出センサK711eの出力の切替により、上下スライド部材K720が第2可動装置K701の下降配置状態にあるか否かを判別可能に構成されるが、詳細は後述する。
支持部K712の内、第1支持部712aは、駆動モータKMT71の駆動軸に固定される駆動ギアKMG72に歯合される伝達ギアKMG73を回転可能に支持する。なお、他の支持部712b~712dについては後述する。
支持領域K715の左上終端部においてコイルスプリングKSP74の一端が支持され、そのコイルスプリングKSP74は、支持領域K715の交差位置の内側に円筒状に突設される支持部K715aに回転可能に支持されるリング状のセットカラーKRG75の外形円弧に沿って曲げられる。
コイルスプリングKSP74の他端は、長孔K714を貫通する上下スライド部材K720の締結部K723に締結固定されることで締結部K723と共に上下方向にスライド移動可能な被案内部材KLG76に引っかけられる。即ち、コイルスプリングKSP74が、被案内部材KLG76を介して上下スライド部材720を上方向に向けて付勢するように構成される。
検出センサK716は、演出待機状態において伝達装置K730の駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出溝に入ることに基づいて、第2可動装置K701が演出待機状態であることを検出可能に構成される。
中継基板K718は、支持領域K715の後側開放部を部分的に塞ぐように形成される。即ち、中継基板K718が支持領域K715の後側開放部を塞ぐことにより、コイルスプリングKSP74が後側に脱落することを回避し易くすることができる。
上下スライド部材K720は、板状の本体部K721と、その本体部K721の左下部において金属棒K713が挿通可能となるように上下方向に貫通される矩形の筒状に形成される被挿通部K722と、ベース部材K710の長孔K714に挿通され被案内部材KLG76が締結固定される上下一対の締結部K723と、互いに平行に左右方向に延びて連動部材K750の移動を案内する複数の長孔K724と、伝達装置K730の伝達終端部材K737を支持するために本体部K721の背面側へ円筒状に突設される複数の支持部K725と、位置検出に用いられ本体部K721の右上部から後方に延設される被検出片K726と、小形コイルスプリングKSP77の上端を吊り下げ可能な爪部を有するバネ支持部K727と、を備える。
被挿通部K722が金属棒K713に案内されることにより、上下スライド部材K720は、金属棒K713の延設方向である上下方向に案内される。同様に、締結部K723がベース部材K710の長孔K714に案内されることによっても、上下スライド部材K720は上下方向に案内される。従って、上下スライド部材K720の移動方向は上下方向に制限される。
伝達装置K730は、支持部K712の第2支持部K712bに回転可能に支持され前層ギア部K731aが伝達ギアKMG73に歯合される駆動側二層ギアK731と、支持部K712の第3支持部K712cに回転可能に支持され駆動側二層ギアK731の後層伝達部K731bと係合する伝達側二層ギアK733と、支持部K712の第4支持部K712dに回転可能に支持され伝達側二層ギアK733の前層ギア部K733aと基端側ギア部K735aが歯合されることで伝達側二層ギアK733の回転と連動して回転動作するアーム部材K735と、そのアーム部材K735の回転先端部K735bに下側先端部K737cが連結される伝達終端部材K737と、を備える。
駆動側二層ギアK731の後層伝達部K731bは、全周にギア歯が形成されるものではなく、一部にギア歯が形成されずに外形が回転軸を中心とする円弧状に形成される円弧状部K732を備え、その円弧状部K732の最外径部は回転軸と平行な方向である後方へ向けて延設されており、この円弧状部K732の延設先端が検出センサK716の検出溝に進入可能に構成される。
伝達側二層ギアK733の後層伝達部K733bは、全周にギア歯が形成されるものではなく、一部にギア歯が形成されずに、回転軸側へ張り出す円弧状(凹形状)に形成される円弧状部K734を備え、この円弧状部K734と駆動側二層ギアK731の円弧状部K732とが面で当接可能に構成されるが、詳細は後述する。
伝達終端部材K737は、板状に形成されており、支持部K725の内の上下スライド部材K720の上端部に形成される第1支持部K725aに回転可能に支持される基端側支持孔K737aと、その基端側支持孔K737aを中心とする円弧状に形成され支持部K725の内の第2支持部K725bが挿通される案内孔K737bと、アーム部材K735の回転先端部K735bに対して相対回転可能に連結される下側先端部K737cと、を備える。
追従可能部材K740は、板状に形成される本体部K741と、その本体部K741に上下方向に長い長孔上に穿設される複数(本実施形態では、左右中央と左右両端との3箇所)の上下長孔K742と、上下スライド部材K720の長孔K724と対応する位置において長孔K724の左右長さと同等の左右長さで形成され、本体部K741の左右中心側へ向けて下降傾斜する逆ハの字形状に形成される複数(本実施形態では、左右に上下一対ずつ)の傾斜長孔K743と、本体部K741の左端側下部から後方に延設される左側受部K744と、本体部K741の右端側下部から後方に延設される右側受部K745と、小形コイルスプリングKSP77の下端に吊り下げられる爪部を有するバネ支持部K746と、を備える。
追従可能部材K740は、小形コイルスプリングKSP77の付勢力により上下スライド部材K720の動作に追従するように構成されている一方で、常に追従するのでは無く、上下スライド部材K720の上昇の途中で、左側受部K744が張出部K711fに、右側受部K745が張出部K711dにせき止められることで、追従可能部材K740が置き去りにされる態様での上下スライド部材K720の移動を構成可能とされるが、詳細は後述する。
連動部材K750は、板状に形成される左右一対の本体部K751と、その本体部K751の背面側に上下一対で円筒状に突設される締結突設部K752と、を備える。
締結突設部K752は、正面側から、追従可能部材K740の傾斜長孔K743、上下スライド部材K720の長孔K724の順で挿通され、先端に形成される雌ネジに螺入されるネジのネジ頭により脱落が防止される。
主装飾部材K760は、内部に電飾基板K761aが配設され、その電飾基板K761aからの光が照射される前側面が光透過性の板状部材から形成される本体部K761と、その本体部K761の背面から突設される複数の締結部K762と、を備える。
締結部K762は、正面側から追従可能部材K740の上下長孔K742に挿通された状態で、上下スライド部材K720の本体部K721に締結固定される。即ち、主装飾部材K760の上下配置は上下スライド部材K720の上下配置と同一とされ、上下スライド部材K720と追従可能部材K740との上下方向の相対移動量は、追従可能部材K740の上下長孔K742の寸法に制限される。
図403(a)、図403(b)、図404(a)及び図404(b)は、第2可動装置K701の正面図である。なお、図403(a)、図403(b)、図404(a)及び図404(b)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ変化する様子が時系列で図示されており、第2可動装置K701の構成の内、上下スライド部材K720が想像線で図示され、その上下スライド部材K720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図401参照)の図示が省略される。
図403(a)に図示されるように、第2可動装置K701の演出待機状態では、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732に対して、伝達側二層ギアK733の円弧状部K734が面で当接されている。
この状態において、円弧状部K732は、円弧状部K734の最大径位置(円周方向の両端部)よりも伝達側二層ギアK733の回転軸に近い位置まで張り出していることにより、伝達側二層ギアK733の回転を規制することができる。これにより、伝達側二層ギアK733よりも駆動力の伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737を停止した状態で安定させることができる。
図403(a)に図示される第2可動装置K701の演出待機状態において、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が、検出センサK716の検出溝に入っている。本実施形態では、円弧状部K732の円弧方向の形成長さは検出溝を形成する検出センサK716の厚みよりも長い。そのため、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態を検出しても駆動側二層ギアK731の位相を正確に判定することはできない。
一方、本実施形態では、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態においては伝達側二層ギアK733が回転することは無い(図403(a)に図示される状態を維持する)ように構成されている(歯合回転が開始されないようにギア歯の形成位置が設計されている)ので、その伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側にあるアーム部材K735や伝達終端部材K737が演出待機状態における配置にあるか否かの判定は、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態を検出することで行うことができる。
このように、検出センサK716に検出される状態における円弧状部K732の配置には許容幅を持たせつつも、検出センサK716に円弧状部K732が検出されてさえいれば、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が第2可動装置K701の演出待機状態おける配置に維持されていると音声ランプ制御装置H113(図356参照)に判定させることができるので、第2可動装置K701に演出待機状態を形成させる駆動側二層ギアK731の位相にある程度の幅を持たせることができる。
換言すれば、図403(a)に図示される状態から、駆動側二層ギアK731が正逆方向にある程度(本実施形態では45度未満の角度)回転し、位相がずれたとしても、伝達側二層ギアK733に回転は生じず、そのままの状態が維持されるよう構成されている。
その前提に対応して、円弧状部K732は、駆動側二層ギアK731の回転軸を中心とする角度が90度となるように形成されているので、検出センサK716が円弧状部K732の円弧方向中央位置に配置される状態から、正逆方向に45度未満の角度で回転したとしても、円弧状部K732が検出センサK716の検出溝に入っている状態が維持される。
従って、第2可動装置K701のアーム部材K735及び伝達終端部材K737を、演出待機状態における配置にするための駆動側二層ギアK731の位相に約90度分の許容幅を持たせることができる。そのため、駆動側二層ギアK731の停止時の位相が正確には定まりにくいほどの過大な速度での駆動から、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を瞬間的に停止させるような一般的には困難とされる動作態様を容易に実現することができる。
即ち、駆動側二層ギアK731については約90度分の許容幅で停止させれば良く、その許容幅における駆動側二層ギアK731の回転開始時から回転継続中に亘ってアーム部材K735及び伝達終端部材K737が第2可動装置K701の演出待機状態に維持されることから、駆動側二層ギアK731が停止するよりも前にアーム部材K735及び伝達終端部材K737を第2可動装置K701の演出待機状態における配置で停止させることができる。
図403(b)では、図403(a)に図示される状態から駆動側二層ギアK731が正面視反時計回りに45度を超える角度で回転されることに伴い、伝達側二層ギアK733が回転し始めた状態が図示される。
図403(b)に図示される状態は、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出センサK716の検出溝から出た瞬間に相当する。図403(b)に図示される状態からはギア歯の歯合回転により駆動側二層ギアK731から伝達側二層ギアK733に駆動力が伝達されることになるので、検出センサK716の検出溝から円弧状部K732が出た時点から駆動ギアKMG72の回転角度を適切に制御することで、伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737の配置を制御することができる。
即ち、第2可動装置K701のアーム部材K735は、演出待機状態から、アーム部材K735が上側へ90度回転した上昇配置状態まで回転動作可能とされることから、その回転動作に必要となる駆動ギアKMG72の回転角度をギア比の関係から予め算出しておき、その回転角度で駆動ギアKMG72を回転させることにより、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を上昇配置状態の位置に配置することができる。従って、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が上昇配置状態の位置に配置されたことを検出するための検出装置を不要とすることができる。
図404(a)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ向けて動作する際の略中間の状態が図示されており、この状態において追従可能部材K740の右側受部K745(図402参照)がベース部材K710の張出部K711d(図401参照)の下面に当接し、追従可能部材K740のそれ以上の上昇が防止される。なお、追従可能部材K740のそれ以上の上昇が防止されることによる演出効果については後述する。
図404(b)では、第2可動装置K701の上昇配置状態が図示される。第2可動装置K701の上昇配置状態では、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78上に配置される。
これにより、第2可動装置K701の上昇配置状態において上下スライド部材K720や上下スライド部材K720に配設される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760の重力方向(下向き)の変位を抑制することができる。
換言すれば、上下スライド部材K720の第1支持部K725aを介して伝達終端部材K737に伝達される重力方向(下向き)の負荷は、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)上およびアーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)上へ向かうことから、この負荷により伝達終端部材K737及びアーム部材K735が回転動作する事態を避け易くすることができる。
これにより、駆動側二層ギアK731や伝達側二層ギアK733の回転を停止させるための荷重を要することなく第2可動装置K701を上昇配置状態で維持することができるので、第2可動装置K701を上昇配置状態で維持しながら駆動モータKMT71(図401参照)を非励磁とすることができるので、駆動モータKMT71の耐用年数を長くすることができる。
図405(a)及び図405(b)は、第2可動装置K701の正面図である。なお、図405(a)及び図405(b)では、第2可動装置K701が演出待機状態(図403(a)参照)から動作開始してから下降配置状態へ変化する様子が時系列で図示されており、第2可動装置K701の構成の内、上下スライド部材K720が想像線で図示され、その上下スライド部材K720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図401参照)の図示が省略される。
図405(a)では、図403(a)に図示される状態から駆動側二層ギアK731が正面視時計回りに45度を超える角度で回転されることに伴い、伝達側二層ギアK733が回転し始めた状態が図示される。
図405(a)に図示される状態は、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出センサK716の検出溝から出た瞬間に相当する。図405(a)に図示される状態からはギア歯の歯合回転により駆動側二層ギアK731から伝達側二層ギアK733に駆動力が伝達されることになるので、検出センサK716の検出溝から円弧状部K732が出た時点から駆動ギアKMG72の回転角度を適切に制御することで、伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737の配置を制御することができる。
即ち、第2可動装置K701のアーム部材K735は、演出待機状態から、アーム部材K735が下側へ90度回転した下降配置状態まで回転動作可能とされることから、その回転動作に必要となる駆動ギアKMG72の回転角度をギア比の関係から予め算出しておき、その回転角度で駆動ギアKMG72を回転させることにより、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を下降配置状態の位置に配置することができる。従って、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が下降配置状態の位置に配置されたことを検出するための検出装置を不要とすることができる。
なお、本実施形態では、第2可動装置K701が下降配置状態に変化したことが、上下スライド部材K720の被検出片K726がベース部材K710の検出センサK711eの検出溝に入ることにより判定されるように構成される。検出センサK711eによる検出は、他の可動装置との連動を伴う動作制御で利用されることになるが、詳細は後述する。
図405(b)では、第2可動装置K701の下降配置状態が図示される。第2可動装置K701の下降配置状態では、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78上に配置される。
これにより、第2可動装置K701の上昇配置状態において上下スライド部材K720や上下スライド部材K720に配設される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760の上向きの変位を抑制することができる。
換言すれば、上下スライド部材K720の第1支持部K725aを介して伝達終端部材K737に伝達されるコイルスプリングKSP74による上向きの付勢力は、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)からベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)へ向かう方向とされることから、この付勢力により伝達終端部材K737及びアーム部材K735が回転動作する事態を避け易くすることができる。
これにより、駆動側二層ギアK731や伝達側二層ギアK733の回転を停止させるための荷重を要することなく第2可動装置K701を下降配置状態で維持することができるので、第2可動装置K701を下降配置状態で維持しながら駆動モータKMT71(図401参照)を非励磁とすることができるので、駆動モータKMT71の耐用年数を長くすることができる。
この場合、駆動モータKMT71の駆動力で下降配置状態に変化させた後においてはコイルスプリングKSP74の付勢力の大小に関わらず下降配置状態で維持することができるので、コイルスプリングKSP74の付勢力の設計の幅を広げることができ、コイルスプリングKSP74の付勢力を十分に大きく設定しておくことで、十分な補助が得られ、下降配置状態からの駆動開始に必要となる駆動力を低減することができる。
図406(a)、図406(b)及び図406(c)は、上下スライド部材K720、追従可能部材K740及び連動部材K750の模式正面図である。図406(a)から図406(c)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ変化するまでの上下スライド部材K720、追従可能部材K740及び連動部材K750の配置の変化が時系列で模式的に図示される。
図406(a)に図示されるように、第2可動装置K701の演出待機状態においては、上下スライド部材K720に対して追従可能部材K740が小形コイルスプリングKSP77の付勢力により引き付けられており、上下スライド部材K720の上下方向動作に対して追従可能部材K740も一体的に動作する。
連動部材K750の配置は上下スライド部材K720と追従可能部材K740との配置関係により決まるように構成されるため、上下スライド部材K720の上下方向動作に対して追従可能部材K740が一体的に動作する状況においては、連動部材K750も上下スライド部材K720と一体的に動作する。なお、連動部材K750の動作原理についての詳細は後述する。
図406(b)では、追従可能部材K740の右側受部K745がベース部材K710の張出部K711dの下面に当接した状態が図示される(図404(a)参照)。図406(b)における配置が、追従可能部材K740の移動範囲の上端位置となっており、これ以上に上下スライド部材K720が上昇を続ける場合には、上下スライド部材K720及び追従可能部材K740の一体性は崩れ、相対移動することになる。
図406(c)では、第2可動装置K701の上昇配置状態が図示される(図404(b)参照)。図406(c)に図示されるように、上昇配置状態では、演出待機状態に比較して追従可能部材K740に対して上下スライド部材K720が相対的に移動する。これにより、小形コイルスプリングKSP77は引き延ばされ、上下スライド部材K720の長孔K724と追従可能部材K740の傾斜長孔K743とが重なる左右位置が変化される。
上下スライド部材K720の長孔K724と追従可能部材K740の傾斜長孔K743とが重なる位置に連動部材K750の締結突設部K752が配置されることから、追従可能部材K740に対して上下スライド部材K720が相対的に移動することに伴って連動部材K750の左右位置が変化する。即ち、左右内側の配置から、左右外側へ配置されるように左右位置が変化している。
このように、第2可動装置K701の上昇動作と連動して、連動部材K750の左右方向の動作をさせるように構成されているので、単純に上昇動作するのみの可動役物に比較して、上昇動作時の注目力を向上させることができる。
図406(c)に図示される状態から上下スライド部材K720が下降される場合、図406(b)に図示される状態に到達するまでは小形コイルスプリングKSP77の付勢力により追従可能部材K740の配置が維持され、図403(b)に図示される状態に到達してからは上下スライド部材K720及び追従可能部材K740が一体的に下降され、図406(a)に図示される状態に戻ることになる。即ち、上下スライド部材K720の下降動作は、図406(c)、図406(b)、図406(a)の順の時系列で生じる。
以上、詳述したように、第2可動装置K701では、アーム部材K735の動作範囲の途中位置において、ある程度の角度範囲でアーム部材K735が回転した場合であっても、主装飾部材K760の位置が安定するように構成される。これにより、途中位置に主装飾部材K760を高速移動させ、停止させることが容易となる。
また、第2可動装置K701では、アーム部材K735の動作範囲の終端位置では、荷重の方向をアーム部材K735の回転軸へ向く方向に設定することで、アーム部材K735を終端位置において安定させることができる。
図371に戻って説明する。図371に図示されるように、前層側可動装置K400よりも背面側において、背面ケースK310に後層側可動装置K800が配設される。以下で、後層側可動装置K800の詳細について説明する。なお、構造の説明を先に行うために、第3可動装置K801に形成される装飾についての図示は省略し、装飾の詳細については後述する。
図407は、後層側可動装置K800の分解正面斜視図であり、図408は、後層側可動装置K800の分解背面斜視図である。後層側可動装置K800は、第3図柄表示装置K81(図373及び図374参照)の正面側を開閉動作可能に構成される第3可動装置K801と、その第3可動装置K801を背面側から支持する支持部材K850と、その支持部材K850の上側支持部材K851に正面側から第3可動装置K801を挟むように配設され上側支持部材K851に締結固定される上前カバー部材K861と、上側支持部材K851に背面側から締結固定される上後カバー部材K864と、を備える。
更に、後層側可動装置K800は、左右一対で配置される駆動モータKMT81,KMT82と、その駆動モータKMT81,KMT82の駆動力を伝達するために上側支持部材K851に回転可能に支持されるギア部材群であって上側支持部材K851と上後カバー部材K864との間に配設される左右一対の伝達装置K870と、その伝達装置K870の動作に伴い左右方向にスライド移動する左右一対の基端側スライド部材K880と、を備える。
支持部材K850は、上述の上側支持部材K851と、伝達装置K870のギア群を回転可能に支持するように円筒状に突設される複数の支持部K852と、基端側スライド部材K880をスライド移動可能に支持するための左右方向に延設される複数の長孔K853と、正面側において左右方向に延びるようにギア歯が刻設される左右一対の上側延設ギア歯K854および下側延設ギア歯K855と、第3可動装置K801の金属棒KMB83,KMB84の左右端部を支持する端側支持部K856と、金属棒KMB83,KMB84の略中間位置を上側支持部材K851との間で挟持するように上側支持部材K851に締結固定される複数の中間支持部材K857と、上側支持部材K851の背面側に配設され基端側スライド部材K880が第3可動装置K801の演出待機状態における位置に配置されていることを検出する左右一対の検出センサK858と、第3可動装置K801の下端側を後側から支持する部材であって、背面ケースK310(図371参照)に締結固定される下側支持部材K859と、を備える。
長孔K853は、右側においては二本、左側においては一本で形成されているが、基端側スライド部材K880を支持するという機能は共通である。即ち、右側の基端側スライド部材K880の形状が、長孔K853に挿通される複数の円柱状突部K882の上下位置が異なるため、対応する平行な二本の長孔K853が形成される一方、左側の基端側スライド部材K880の形状が、長孔K853に挿通される複数の円柱状突部K882の上下位置が同じため、左右に延びる長い一本の長孔K853に複数の円柱状突部K882が両方共支持される。
上前カバー部材K861は、背面側から突設される複数の円柱状部K862を備える。円柱状部K862は、左右に一対ずつ形成されており、それぞれが左右方向に延びる一本の直線上に形成される。
上後カバー部材K864は、左側の基端側スライド部材K880の左右方向の移動を案内するために左右方向に延設されるように穿設される案内長孔K865を備える。左側の基端側スライド部材K880は、案内長孔K865から背面側へ貫通される抜け止め突部K888に抜け止め用のネジが固定され、この抜け止め用のネジのネジ頭が案内長孔K865に干渉することにより抜け止めされる。
伝達装置K870は、駆動モータKMT81,KMT82の回転軸に固定される駆動ギアK871と、その駆動ギアK871の回転が伝達される中間ギアK872,K873と、中間ギアK873と歯合する円周ギア部K875を有する延設回転部材K874と、を備える。
延設回転部材K874は、上述の円周ギア部K875と、その円周ギア部K875よりも背面側において回転中心から径方向外側へ延設される延設部K876と、を備える。延設部K876には、その延設先端部において背面側へ円柱状に突設される円柱突部K876aが形成される。
伝達装置K870では、駆動モータKMT81,KMT82が回転駆動されると、駆動ギアK871から中間ギアK872,K873を介して延設回転部材K874へ駆動力が伝達され、延設部K876が回転動作されることに伴って、円柱突部K876aが変位され、その変位により基端側スライド部材K880が左右方向に変位される。
基端側スライド部材K880は、板状の本体部K881と、支持部材K850の長孔K853に案内される複数の円柱状突部K882と、左右中心側の円柱状突部K882の左右方向外側に配置され円柱状突部K882よりも正面側へ突設され第3可動装置K801のピニオンK825を回転可能に支持する回転支持部K883と、本体部K881に上下方向に延びる形状で前後方向に穿設される長孔K884と、左右方向外側端部から下方に延設され支持部材K850の検出センサK858の検出溝に進入可能に形成される被検出部K885と、を備える。
左側の基端側スライド部材K880には、背面側へ円柱状に突設され上後カバー部材K864の案内長孔K865に挿通された上で、先端部から抜け止め用のネジ部材が締結固定される抜け止め突部K888を備える。
図409は、第3可動装置K801の分解正面斜視図であり、図410は、第3可動装置K801の分解背面斜視図である。なお、図409及び図410の説明では、図407及び図408を適宜参照する。
第3可動装置K801は、支持部材K850の端側支持部K856に固定される左右方向に長尺の金属棒KMB83に左右方向にスライド移動可能に案内される後側開閉部材K810と、金属棒KMB83よりも正面側において支持部材K850の端側支持部K856に固定される左右方向に長尺の金属棒KMB84に左右方向にスライド移動可能に案内される中側開閉部材K820と、その中側開閉部材K820よりも正面側において上前カバー部材K861の円柱状部K862(図408参照)に左右方向にスライド移動可能に支持される前側開閉部材K830と、を備える。
後側開閉部材K810は、上下に長尺の左右一対の板状部K811と、その板状部K811の上端部との間で金属棒KMB83を挟む位置に配置され板状部K811に締結固定され正面側に軸受構造が形成される軸受構造部材K813と、その軸受構造部材K813の上面にギア歯が刻設されるラック部K814に歯合され中側開閉部材K820の支持部K826に回転可能に支持されるピニオンK815と、支持部材K850の下側支持部材K859(図407参照)に締結固定され下側支持部材K859との間で板状部K811の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する溝形成部材K818と、を備える。
中側開閉部材K820は、上下に長尺の左右一対の板状部K821と、その板状部K821の上端部との間で金属棒KMB84を挟む位置に配置され板状部K821に締結固定され板状部K821の上端部との間で軸受構造を形成する軸受構造部材K823と、板状部K821の背面側に突設される突設部の上面にギア歯が刻設されるラック部K824に歯合され基端側スライド部材K880の回転支持部K883に回転可能に支持されるピニオンK825と、を備える。
更に、中側開閉部材K820は、板状部K821の背面側に円筒状に突設され後側開閉部材K810のピニオンK815を回転可能に支持すると共に先端に螺入されるネジのネジ頭によりピニオンK815の抜け止めを行う支持部K826と、板状部K821の上端側における左右外側端部から正面側に突設され前側開閉部材K830と左右方向で当接可能とされる突設部K827と、後側開閉部材K810の溝形成部材K818の正面側に締結固定され溝形成部材K818との間で板状部K821の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する第2溝形成部材K828と、を備える。
前側開閉部材K830は、上下に長尺の左右一対の板状部K831と、その板状部K831の上端側で左右方向に延設される部分に左右方向長尺形状で前後方向に穿設され上前カバー部材K861の円柱状部K862(図408参照)に挿通されることで支持される長孔K833と、その長孔K833よりも下側において中側開閉部材K820の突設部K827を受け入れ可能に板状部K831に凹設される凹設部K835と、中側開閉部材K820の第2溝形成部材K828の正面側に締結固定され第2溝形成部材K828との間で板状部K831の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する第3溝形成部材K838と、を備える。
上述の構成から第3可動装置K801に生じる駆動力伝達は以下のようになる。即ち、基端側スライド部材K880の左右方向の移動量がピニオンK825を介して中側開閉部材K820の板状部K821に伝達され、その板状部K821の移動量がピニオンK815を介して後側開閉部材K810の板状部K811に伝達される。板状部K821及び板状部K811の移動は、歯合により生じる。
また、中側開閉部材K820の板状部K821の移動量が、突設部K827が凹設部K835の左右内側面を押進することにより前側開閉部材K830の板状部K831に伝達される。板状部K831の移動は、中側開閉部材K820から押進されることにより生じる。
従って、板状部K821の移動に伴い板状部K811は常時連動することになる一方で、板状部K821が移動しても、突設部K827が凹設部K835の左右内側面を押進しない範囲においては、板状部K831は静止したままとなる。
図411(a)、図411(b)及び図411(c)は、上後カバー部材K864、延設回転部材K874、基端側スライド部材K880及びピニオンK825の正面図である。図411(a)、図411(b)及び図411(c)では、第3可動装置K801の演出待機状態からの延設回転部材K874の動作例が時系列で図示される。
まず、図411(a)に図示されるように、第3可動装置K801の演出待機状態では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される位置で、延設回転部材K874が回転方向で上後カバー部材K864の上側構成部K866に当接され、それ以上の回転が防止される。
即ち、円柱突部K876aが延設回転部材K874の回転中心よりも左右外側へ向けて回転する回転動作では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される位置で停止され、それ以上の回転は生じないように構成される。
図411(a)に図示される状態から円柱突部K876aが左右内側へ向けて回転すると、円柱突部K876aの左右位置が変化することに伴い、円柱突部K876aが挿通されている長孔K884を有する基端側スライド部材K880が連動して、支持部材K850の長孔K853(図408参照)に案内される左右方向にスライド移動し、図411(b)に図示される連動切替状態へ移行する。
図411(b)に図示されるように、第3可動装置K801の連動切替状態では、延設回転部材K874の円柱突部K876aの変位方向が左右方向に沿うことにより、基端側スライド部材K880へ伝達される左右方向の力が最大となる。
図411(b)に図示される状態から更に延設回転部材K874が回転されることにより、円柱突部K876aの左右位置が変化することに伴い、円柱突部K876aが挿通されている長孔K884を有する基端側スライド部材K880が連動して、支持部材K850の長孔K853(図408参照)に案内される左右方向にスライド移動し、図411(c)に図示される閉塞状態へ移行する。
図411(c)に図示されるように、第3可動装置K801の閉塞状態では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置される位置で、延設回転部材K874が回転方向で上後カバー部材K864の傾斜形成部K867に当接され、それ以上の回転が防止される。
即ち、円柱突部K876aが延設回転部材K874の回転中心よりも左右内側へ向けて回転する回転動作では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置される位置で停止され、それ以上の回転は生じないように構成される。
これにより、第3可動装置K801が閉塞状態へ移行した後において基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重において、延設回転部材K874の回転軸が受ける割合を減らすことができる。
即ち、第3可動装置K801の閉塞状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの中心が延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される場合、基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重の全てが延設回転部材K874の回転軸に与えられることになるので、延設回転部材K874の耐久性が低下する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第3可動装置K801の閉塞状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの中心が延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置されるので、基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重が、延設回転部材K874の回転軸が受ける成分と、傾斜形成部K867が受ける成分とに分解されるので、荷重の集中を避けることができ、延設回転部材K874の耐久性を向上させることができる。
なお、正面視左側における上側構成部K866及び正面視右側における傾斜形成部K867は、上側支持部材K851(図408参照)から背面側に突設形成されており、正面視左側における傾斜形成部K867及び正面視右側における上側構成部K866は、上後カバー部材K864の上縁部として形成されている。
また、第3可動装置K801が閉塞状態において、円柱突部K876aの中心と延設回転部材K874の回転中心とを結ぶ直線が、左右方向に延びる直線に対する角度は5度とされる。
そのため、円柱突部K876aの中心と延設回転部材K874の回転中心との長さを25mmとした場合に、延設回転部材K874が5°過回転することで基端側スライド部材K880が左右方向外側に戻る変位量は、0.1mmであり(25-25cоs(5°))、遊技者に認識されるほどの距離とはならないので、例えば、延設回転部材K874が過回転することにより板状部K811(図409参照)が左右方向外側に戻ることで演出効果が低下するといった事態が生じる可能性を低減できる。
更に、基端側スライド部材K880の回転支持部K883に支持されるピニオンK825と、上側延設ギア歯K854及びラック部K824とのバックラッシュが0.1mm程度となるように設計しておけば、延設回転部材K874が5°過回転することによる基端側スライド部材K880の左右方向の変位は上述のバックラッシュに収まり、ラック部K824を有する中側開閉部材K820の板状部K821や、その板状部K821と連動する後側開閉部材K810の板状部K811が左右方向外側に変位することを避けることができる。以下、図412を参照して、板状部K821と板状部K811との連動について説明する。
図412は、後層側可動装置K800の部分拡大正面図である。図412では、内部構造を分かり易くするために、上前カバー部材K861及び前側開閉部材K830の図示が省略され、中側開閉部材K820の板状部K821が部分的に破られて図示されると共に中側開閉部材K820の外形が想像線で図示される。また、ピニオンK815は、上側において支持部材K850の下側延設ギア歯K855と歯合する大径ギアK815aが図示され、下側において後側開閉部材K810のラック部K814と歯合する小径ギアK815bが図示される。
図412を参照して、駆動力の伝達方法について説明する。まず、駆動モータKMT81,KMT82の駆動力が伝達され伝達装置K870の延設回転部材K874が回転動作されることにより基端側スライド部材K880が左右方向にスライド移動され(図411参照)、それにより移動される回転支持部K883を回転中心とするピニオンK825が上側延設ギア歯K854との噛み合いで回転される(図412において回転支持部K883が左側に移動する場合には正面視時計回りに回転される)。
ピニオンK825の回転により、下側で歯合されているラック部K824が左方へ移動されることになるので、中側開閉部材K820の板状部K821が左方へ移動する。この時、ピニオンK825が上側延設ギア歯K854と噛み合う歯数と、ピニオンK825がラック部K824と噛み合う歯数とが同じなので、回転支持部K883の左右方向の移動量の倍の移動量で中側開閉部材K820の板状部K821を移動させることができる。
従って、板状部K821を目的の距離移動させるために必要な基端側スライド部材K880の移動量を短くすることができるので、基端側スライド部材K880の配置に要するスペースを削減することができる。
中側開閉部材K820が左右方向に移動されると、支持部K826に支持されるピニオンK815の大径ギアK815aが下側延設ギアK855との噛み合いで回転される(図412において支持部K826が左側に移動する場合には正面視時計回りに回転される)。
ピニオンK815の回転により、下側で小径ギアK815bと歯合されているラック部K814が左方へ移動されることになるので、後側開閉部材K810の板状部K811が左方へ移動する。
この時、大径ギアK815aの歯数が23で形成される一方、小径ギアK815bの歯数が11で形成されることから、支持部K826の左右方向の移動量の34/23倍の移動量で後側開閉部材K810の板状部K811を移動させることができる。
このように構成することで、基端側スライド部材K880を介する駆動力伝達を、移動量の最も大きい後側開閉部材K810ではなく、中側開閉部材K820に対して行うことが可能となる。
ここで、移動量の最も大きい後側開閉部材K810に基端側スライド部材K880を介して駆動力を伝達するようにしても第3可動装置K801の開閉動作は実行可能であるところ、この場合、基端側スライド部材K880の移動量を後側開閉部材K810の移動量に合わせて長く設定する必要が生じるので、延設回転部材K874(図411参照)の長さが過大に必要となり、延設回転部材K874を利用した伝達機構を採用することができなくなる要因となる。
こうなった場合、回転速度が同じであっても、延設回転部材K874(図411参照)の姿勢に対応して左右方向の速度が変化するという延設回転部材K874に特有の作用効果を生じさせることができなくなる。
これに対し、本実施形態では、基端側スライド部材K880を介する駆動力伝達を中側開閉部材K820に対して行う構成を採用した上で、左右方向にスライド移動するピニオンK815を採用することにより、中側開閉部材K820の板状部K821の移動量よりも後側開閉部材K810の板状部K811の移動量を増大させることで、後側開閉部材K810の移動量を最大としている。
これにより、板状部K811の移動量は大きく確保したまま、基端側スライド部材K880の移動量は抑えることができるので、延設回転部材K874(図411参照)の長さが過大となることを防止することができ、延設回転部材K874に特有の作用効果を生じさせることができる。
図413、図414及び図415は、後層側可動装置K800の正面図である。図413、図414及び図415では、演出待機状態から閉塞状態へ向けて第3可動装置K801の状態が変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図413では、第3可動装置K801の演出待機状態が図示され(図373参照)、図414では、第3可動装置K801の連動切替状態が図示され、図415では、第3可動装置K801の閉塞状態が図示される(図374参照)。図413から図415では、連動の理解を容易にするために、中側開閉部材K820の突設部K827の配置と、前側開閉部材K830の凹設部K835の配置とが想像線で図示される。
また、図413で図示される状態は図411(a)に図示される状態に対応しており、図414で図示される状態は図411(b)に図示される状態に対応しており、図415で図示される状態は図411(c)に図示される状態に対応している。
図413に図示されるように、第3可動装置K801の演出待機状態では、中側開閉部材K820の突設部K827が凹設部K835の左右外側縁部と当接し、前側開閉部材K830の左右内側への移動が規制される。
板状部K821,K811が左右内側へ移動する過程(図412参照)において、図413に図示される演出待機状態から図414に図示される連動切替状態までは、突設部K827は凹設部K835の内部を移動し、左右内側縁部と当接することは無い。
そのため、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じない。従って、図413に図示される状態から図414に図示される状態までにおいて、前側開閉部材K830の板状部K831の配置は維持される。
また、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じないので、図413に図示される演出待機状態から中側開閉部材K820及び後側開閉部材K810を動作させるために要する駆動力を低減させることができる。
更に、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じないので、図413に図示される状態と図414に図示される状態との間で板状部K821,K811を往復させる態様で駆動させる場合(中間往復駆動)に駆動モータKMT81,KMT82(図407参照)が受ける抵抗を低減させることができ、駆動モータKMT81,KMT82に蓄積される疲労を低減させることができる。
板状部K821,K811が左右内側へ移動する過程(図412参照)において、図414に図示される連動切替状態から図415に図示される閉塞状態までは、突設部K827が凹設部K835の左右内側縁部を押進するように当接するので、板状部K821,K811の移動に伴って前側開閉部材K830の板状部K831も左右内側へ向けて移動される。
図414に図示される連動切替状態は、板状部K831が移動を開始する状態なので、板状部K831の静止摩擦を上回る駆動力を要することになるが、本実施形態では、連動切替状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの移動方向が板状部K831の移動方向である左右方向に向くようにされ、力を効率的に伝達することができるよう構成される(図411(b)参照)。
これにより、板状部K831の静止摩擦以上の十分な駆動力を板状部K831に伝達することができるので、板状部K831との連動開始時における板状部K821,K811の移動速度の減少量を抑えることができ、板状部K821,K811と板状部K831との連動を滑らかに生じさせることができる。
図415に図示される閉塞状態から、突設部K827の左右方向外側へ向けた移動が生じた場合、その移動の開始から突設部K827が凹設部K835の内側を移動する間においては、突設部K827から前側開閉部材K830の板状部K831へ向けて駆動力が伝達されることは無く、板状部K831は図415に図示される配置で維持される。
従って、図415に図示される閉塞状態から板状部K821,K811を左右方向外側へ向けて移動開始させる際には板状部K831からの抵抗を受けないので、板状部K821,K811の移動に要する駆動モータKMT81,KMT82(図407参照)の駆動力を低減することができる。同様のことが、図413に図示される演出待機状態から板状部K821,K811を左右方向内側へ向けて移動開始させる際にも言える。
また、これにより、上述した延設回転部材K874の過回転(図411(c)参照)による左右方向外側への戻り移動分がギアのバックラッシュに収まらない場合であっても、突設部K827の左右方向外側への移動により板状部K831が左右方向外側へ移動することを回避することができるので、板状部K831の配置を維持することができる。
図413に図示される状態から図414に図示される状態に変化した後、延設回転部材K874の回転方向を変えるように駆動させ、図413に戻るように駆動制御させることも可能である。
この場合、図414に図示される状態に変化するまで継続的に延設回転部材K874に駆動力を伝達させるように制御しても良いし、図414に図示される状態に変化するよりも前に駆動力の発生を停止させるように制御しても良い。
後者の場合であっても、延設回転部材K874の自重により図411(b)に図示される姿勢までは回転が継続され、且つ、図414に図示される状態で板状部K831の静止摩擦がかけられることから延設回転部材K874を図411(b)に図示される状態で停止させ易い。
即ち、延設回転部材K874が図411(b)に到達する程度の時間を空けて逆方向に駆動させるように制御する(パルス的に駆動力を発生させる)ことで、図377に図示される状態と図414に図示される状態とを往復する動作演出を実行することができる。
以上、詳述したように、第3可動装置K801では、3枚の板状部K811,K821,K831を連動させる動作態様ながら、その連動のタイプを変えることができる。即ち、動作開始時は板状部K811,K821のみの連動としながら、動作途中から板状部K831も連動させるように構成される。これにより、動作を複雑化し、演出効果を向上することができる。
また、第3可動装置K801では、板状部K811,K821,K831を移動終端まで移動させた後で延設回転部材K874が過回転し、板状部K811,K821,K831からの反動による荷重の全てが回転軸に与えられることを避けている。これにより、延設回転部材K874の耐用年数を上げることができる。
更に、延設回転部材K874の過回転の寸法を、板状部K811,K821,K831の移動が生じない程度に抑えることで、板状部K811,K821,K831の戻り動作による演出効果の低下(板状部K811間に隙間が生じる等の問題)を避けることができる。
図357に戻って説明する。本実施形態におけるパチンコ機K10では、正面枠K14の内側に配設されるガラスユニットH16の上下左右を囲むようにして、表示ランプK900が配設される。
表示ランプK900は、ガラスユニットH16の上側に横長形状に形成されるトップランプK910と、ガラスユニットH16の右側に縦長形状に形成される右側サイドランプK920と、ガラスユニットH16の左側に縦長形状に形成される左側サイドランプK930と、を備える。
表示ランプK900は、パチンコ機K10にエラーが発生している場合や、賞球の払い出しが生じている場合等に、パチンコ機K10の内部状態に対応した機能用表示態様で発光したり、ガラスユニットH16を通して視認される動作ユニットK300(図359参照)や第3図柄表示装置K81(図358参照)等で行われる演出に対応した演出用表示態様で発光したりするように音声ランプ制御装置H113(図356参照)に制御される。以下で、パチンコ機K10が演出用表示態様で制御される際の一例について説明する。
図416(a)から図416(f)及び図417(a)から図417(e)は、パチンコ機K10の模式正面図である。図416(a)から図416(f)及び図417(a)から図417(e)では、パチンコ機K10で実行される演出制御の一例が時系列で図示される。
図416(a)では、第3図柄表示装置K81で大当たりに対応した第3図柄が左右に揃った状態(停止していない状態)が表示され、大当たりが示唆されている状態が図示される。この状態において、表示ランプK900は白色で発光され、遊技盤K13は、背後からのLED等照射により全体的に白色で発光される(白色の発光を第1の網掛けで図示する)。
ここから、動作ユニットK300及び第3図柄表示装置K81における演出動作の後で、第3図柄が停止表示された状態を経て、大当たり遊技が開始される。演出動作の詳細について以下で説明する。
図416(b)では、検出センサK711e(図405(b)参照)からの出力が変化され、第3図柄表示装置K81の正面側に配置される第2可動装置K710が下降配置状態になったと音声ランプ表示装置H113(図356参照)が判定した後で、第1可動装置K401が落下位置状態に変化した状態が図示される。
第1可動装置K401の回転装飾部材K578は、移動装置K560が落下動作される前から既に正面視時計回り方向に回転動作されており、第1可動装置K401が落下位置状態に変化した後も回転動作が継続される。
遊技領域の背面側では、動作ユニットK300側からの発光が抑えられ、遊技盤13が暗転しているように視認される。表示ランプK900では、遊技者に虹色の光を視認させるように発光態様が制御される(虹色の発光を第2の網掛けで図示する)。これにより、パチンコ機K10全体の煌びやかさは維持しながら、遊技者の視線を遊技領域ではなく第3図柄表示装置K81の内側へ誘導することができる。
図416(c)では、移動装置K560の回転動作が継続される状態で、駆動モータKMT51(図386参照)が正方向に駆動されることで移動装置K560が右方に移動され、右側検出センサK556a(図386参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動方向が逆方向に反転され、移動装置K560が左方に移動され、左側検出センサK556c(図386参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動方向が正方向に反転され、移動装置K560が右方に移動され、中央検出センサK556b(図386参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動が停止される様子が図示される。
この時、移動装置K560の回転装飾部材K578の回転方向は、移動装置K560が右方に移動している状態では右へ向けて前転する回転方向とされ、移動装置K560が左方に移動している状態では左へ向けて前転する回転方向とされる。これにより、移動装置K560の左右方向のスライド移動と、回転装飾部材K578の回転方向とを対応させて、一体感のある動作演出を実行することができる。
移動装置K560の電飾基板K564(図387参照)では、回転装飾部材K578を虹色に発光させるようにLEDの発光色が設計される。なお、電飾基板K564に限らず、LEDによる光を虹色に視認させるための設計は、LEDの発光色を予め決めておいて遊技者が虹色に視認可能に発光させるLEDを選択するように設定しても良いし、各LEDを複数の発光色で発光可能に構成して発光色の切替を遊技者に虹色に視認させ易い順番で行うようにしても良い。
第3図柄表示装置K81では、前側のレイヤーで移動装置K560の位置に対応する位置で移動装置K560の外形よりも若干大きな円形の虹色の渦巻きが表示される。即ち、渦巻きの表示も移動装置K560の左右方向の移動に伴い移動される。更に、後側のレイヤーで表示領域全体に虹色の雲状の表示がされる。
遊技領域の背面側では、動作ユニットK300側からの発光が抑えられ、遊技盤13が暗転しているように視認される。表示ランプK900では、遊技者に虹色の光を視認させるように発光態様が制御される。これにより、パチンコ機K10全体の煌びやかさは維持しながら、遊技者の視線を遊技領域ではなく第3図柄表示装置K81の内側へ誘導することができる。
図416(d)では、中央検出センサK556bの出力により移動装置K560が左右方向中央位置に配置されたことが把握されている状態で第1可動装置K401が演出待機状態へ変化された後の状態が図示される。
第1可動装置K401が演出待機状態へ変化されるまでの間、回転装飾部材K578は正面視時計回り方向の回転が継続される。即ち、第1可動装置K401は、回転装飾部材K578が回転動作されている状態で長尺装置K540及び移動装置K560が上昇される。
第1可動装置K401が演出待機状態へ変化され、移動装置K560が上側装飾部材K330に隠されると同時に、入賞ユニットK200の発光部K212(図361参照)、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図372参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図402参照)から一斉に光が照射される。更に、第3図柄表示装置K81では、前側のレイヤーで男性キャラクターが力を溜める様子が表示される。
図416(e)では、第3図柄表示装置K81を除く発光が、左右内側へ向けて消灯していく様子が図示される。即ち、右側サイドランプK920及び左側サイドランプK930から消灯し始め、次に、トップランプK910の左右外側、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板における左右外側、左側装飾部材K350(図372参照)の内部の発光基板および入賞ユニットK200の発光部K212(図361参照)が消灯し、最後にトップランプK910の左右内側、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板における左右内側および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図402参照)が消灯し、第3図柄表示装置K81を除いてパチンコ機K10が暗く視認される状態が形成される。
これにより、遊技者の視線を徐々に遊技領域の中央側、即ち、第3図柄表示装置K81の中央側へ誘導することができ、この後実行される演出に向けた期待感を上昇させることができる。そして、遊技者の視線を誘導し終えたタイミングで、第3図柄表示装置K81に表示されていた男性キャラクターの溜めた力を開放する動作が表示されており、この直後に第1可動装置K401が演出待機状態から落下位置状態へ変化される。
図416(f)では、第1可動装置K401が落下位置状態へ変化された状態で、回転装飾部材K578の回転が維持されている様子が図示される。第1可動装置K401が落下位置状態へ変化されるのと同時に、パチンコ機K10は全体的に明るく視認される。
即ち、入賞ユニットK200の発光部K212(図361参照)、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図372参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図402参照)から一斉に光が照射される。この光の態様は、白色光でも良いし、虹色でも良いし、白色光から虹色に変化する発光態様でも良い。
更に、第1可動装置K401においては、電飾基板K564(図387参照)からの光により回転装飾部材K578が虹色に視認されることに加えて、電飾基板K552(図385参照)から白色光が照射されることで化粧部材K551も全体的に明るく視認される。
図417(a)では、第1可動装置K401の移動装置K560が回転装飾部材K578を回転させながら右側途中位置KR42(図400(c)参照)まで移動してから停止した状態が図示される。
この状態において、遊技領域とその内側の範囲では、回転装飾部材K578のみが電飾基板564(図387参照)からの光で明るく照らされ、その他の電飾基板(入賞ユニットK200の発光部K212(図361参照)、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図372参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図402参照)等)は消灯される。
第3図柄表示装置K81の表示領域では、前側のレイヤーにおいて回転装飾部材K578の周辺に集中させる形状の光が表示され、後側のレイヤーが黒背景で表示されることで、回転装飾部材K578に注目させる演出が実行される。
図417(b)では、第1可動装置K401の移動装置K560が回転装飾部材K578を回転させながら左側途中位置KL43(図400(d)参照)まで移動してから停止した状態が図示される。
この動作の過程で、第3図柄表示装置K81の表示領域において黒背景から白背景に表示が変化されることに合わせて、第3可動装置K801が演出待機状態から閉塞状態へ変化される。これにより、遊技領域よりも内側における視界が明るくされる。
図417(c)では、第1可動装置K401の被検出板部K571a(図387参照)が中央検出センサK556b(図386参照)の検出溝から出たと、中央検出センサK556bの出力の変化から音声ランプ制御装置H113(図356参照)に判定された場合において、第2可動装置K701が下降配置状態から演出待機状態へ変化させた状態が図示される。
この状態において、第3図柄表示装置K81では第3可動装置K801の板状部K811,K821,K831に施された装飾(図417(b)中に「S」字の装飾として図示)を強調する表示が実行され、板状部K811,K821,K831を通して表示が遊技者に視認されることで、板状部K811,K821,K831のみが視認される場合とは異なる態様で視認される。
図417(c)に図示される状態において、遊技者に対して、「SFME」(SienceFictionMyEnergyの頭文字を想定)との文字の羅列からなる一連の演出表示を視認させることができる。なお、本実施形態では例としてローマ字の羅列による一連の表示として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、仮名文字や漢字の羅列でも良いし、イラストや形状による羅列でもいい。
また、図417(b)から図417(c)に変化する過程において、入賞ユニットK200の発光部K212(図361参照)、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図372参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図402参照)から一斉に白色光が照射される。更に、第1可動装置K401においては、電飾基板K564(図387参照)からの光により回転装飾部材K578が明るく視認されることに加えて、電飾基板K552(図385参照)から白色光が照射されることで化粧部材K551も全体的に明るく視認される。
更に、図417(c)に変化した後(第2可動装置K701が演出待機状態へ変化され各可動装置が停止した後)において、板状部K811,K821,K831に施された上記装飾に対応する第3図柄表示装置K81の表示領域で虹色に表示される。それに加えて、入賞ユニットK200の発光部K212(図361参照)、上側装飾部材K330(図372参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図372参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図402参照)及び第1可動装置K401の電飾基板K564(図387参照)からの光により、パチンコ機K10が全体で虹色を形成するように発光される。
このように、各可動装置が停止する前と停止した後とで、発光態様を統一的に変化させることで、遊技者に対して、各可動装置が移動中である期間と、各可動装置の移動が停止された後とを区別し易くすることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
図417(d)では、パチンコ機K10が全体で虹色を形成するように発光される状態は維持されたままで、回転装飾部材K578が回転されながら移動装置K560が左右中央位置まで到達した状態が図示される。回転装飾部材K578の回転は、移動装置K560が左右中央に到達した後も継続される。
図417(e)では、第1可動装置K401が演出待機状態への変化を開始する(上昇移動する)のに合わせて第3可動装置K801が閉塞状態から演出待機状態へ向けて変化される。第3可動装置K801の状態が変化されるのに合わせて、第3図柄表示装置K81の表示は、板状部K811,K821,K831に施された装飾を強調する表示から第3図柄が左右に揃った状態の表示に切り替えられる。
即ち、第3図柄表示装置K81の前側のレイヤーで板状部K811,K821,K831に施された装飾を強調する表示が板状部K811,K821,K831の移動に追従するように移動されるように表示され、後側のレイヤーで第3図柄が左右に揃った後、停止表示される様子が表示される。即ち、図417(e)に図示されるように停止図柄が第3図柄表示装置K81に表示され、大当たりの発生が示された後で、大当たり遊技が開始される。
第3図柄が表示されてから停止表示されるまでの間に、第1可動装置K401の検出センサK418(図381参照)の出力が変化され、昇降装置K500が演出待機状態における高さに配置されていることが音声ランプ制御装置H113(図356参照)に判定され、第2可動装置K701が演出待機状態に変化させるように制御される。
図418から図423を参照して、第97実施形態について説明する。第96実施形態では、ベース板K60の背面側に形成される形成凹部K60a~K60dの内側が空間として機能する場合を説明したが、第97実施形態では、ベース板K2060の第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bの内側に光照射装置K2100が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図418は、第97実施形態におけるベース板K2060及び光照射装置K2100の背面図であり、図419は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の背面斜視図である。図418及び図419に図示されるように、光照射装置K2100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K2060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
これにより、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図359参照)の配置位置が光照射装置K2100により制限されることを回避することができる。換言すれば、光照射装置K2100の有無に関係なく、動作ユニットK300の配置をベース板K2060に寄せることができる。
また、光照射装置K2100がベース板K2060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、遊技領域後方の視認性が光照射装置K2100により低下されたり、視線が遮断されたりすることを防止することができる。即ち、光照射装置K2100の有無に関わらず、遊技者は、ベース板K2060を透視して背面側の動作ユニットK300(図359参照)を容易に視認することができる。
ベース板K2060は、形成凹部K60a~K60dの遊技領域側の縁部を構成すると共に遊技領域を形成する領域の外形の後方に位置する外形傾斜部K2060eと、環状に形成される遊技領域の内側位置において、背面側へ向かうにつれて内形が拡大する方向の傾斜面が全周において形成される傾斜開口部K2060wを備える。
本実施形態では、外形傾斜部K2060eは、形成凹部K60a~K60dの凹設先端側(前側)における形状よりも、ベース板K2060の後端側における形状の方が一回り小さくされ、ベース板K2060を横断した場合の断面形状においてベース板K2060の後側面に対する傾斜角度が約45度となるように形成される。
また、傾斜開口部K2060は、ベース板K2060の前端側における形状よりも、ベース板K2060の後端側における形状の方が一回り大きくされ、ベース板K2060を横断した場合の断面形状においてベース板K2060の前側面に対する傾斜角度が約45度となるように形成される。
図420は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の分解背面斜視図であり、図421は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の分解正面斜視図である。
光照射装置K2100は、LED等からなる複数の発光手段K2111が配設される電飾基板K2110と、その電飾基板K2110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K2060に締結固定される中間部材K2120と、を備える。
光照射装置K2100は、共通の構成で共通の機能を有する部材の組が左右一対で配置されているので、右側の電飾基板K2110及び中間部材K2120の組について説明を行い、左側の電飾基板K2110及び中間部材K2120の組については説明を省略する。
電飾基板K2110の正面視外形形状は、ベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状に沿って複数の発光手段K2111が間隔を空けて配置されている。
中間部材K2120の正面視外形形状は、電飾基板K2110と同様にベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状部側において、発光手段K2111の前方の領域を含むようにライン状に傾斜面K2121が形成される。
傾斜面K2121は、背面側ほど円弧形状の径が大きくなる方向で傾斜形成され、傾斜の角度が略45度となるように設計されている。
本実施形態では、ベース板K2060の形成凹部K60a~K60dの凹設端面、外形傾斜部K2060e、傾斜開口部K2060w及び中間部材K2120の傾斜面K2121に、無数の凹凸から形成されるシボ加工が施される。
図422は、図418のCDXXII-CDXXII線におけるベース板K2060及び光照射装置K2100の部分断面図である。図422では、一の発光手段K2111の中心を通ると共に外形傾斜部K2060eの円弧と直角に交差する平面で断面視された形状が図示される。
また、図422では、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の視認態様の違いが生じる原因となる、3段階で異なる位置を進行する進行方向KLD21~KLD23について図示される。
図422に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121を透過する光は進行方向KLD21で進行するので、遊技者は遊技領域の外縁の後方に対応する外形傾斜部K2060eよりも若干外側の位置を明るく視認することができる。
傾斜面K2121及び第2形成凹部K60bの凹設端面には上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜面K2121の形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁の若干外側を明るく視認させることができる。
図422に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121で反射された後、外形傾斜部K2060eで屈折された光は進行方向KLD22で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、遊技領域の外縁の後方に位置する外形傾斜部K2060eに対応する位置を明るく視認することができる。
外形傾斜部K2060eには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、外形傾斜部K2060eの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁付近を明るく視認させることができる。
図422に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121で反射された後、外形傾斜部K2060eを透過し、傾斜開口部K2060wで反射された光は進行方向KLD23で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、傾斜開口部K2060wの縁部に対応する位置(センターフレームK86(図360参照)の配置に対応する位置)を明るく視認することができる。
傾斜開口部K2060wには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜開口部K2060wの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の中央部において遊技領域を区画するセンターフレームK86の外縁部を明るく視認させることができる。
図422に図示されるように、本実施形態によれば、電飾基板K2110を遊技領域の外方に配置しながら、電飾基板K2110の発光手段K2111からの光を遊技領域の外縁の若干外側、遊技領域の外縁付近およびセンターフレームK86(図360参照)の外縁部を通して遊技者に視認させることができるので、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させることができる。
このように、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させるために発光手段K2111を構成することで、発光手段K2111の配置スペースを低減できるので電飾基板K2110の小形化を図ることができる。
また、図422に図示されるように、光照射装置K2100がベース板K2060の板厚に収まる位置(光照射装置K2100の後端面がベース板K2060の板状部の後端面と面一)とされていることで、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図359参照)の配置自由度を向上させることができる。即ち、ベース板K2060の板状部の後端面に密着する態様で動作ユニットK300を配置したとしても、光照射装置K2100を配設することが可能であり、ベース板K2060を明るく視認させることができる。
図422に図示されるように、発光手段K2111からの光が遊技領域を通過する前に上下左右方向に進行する場合、その光の進行はベース板K2060の前端面よりも後側において生じる。即ち、上下左右方向に進行する範囲において、光は遊技領域を通過しないので、上下左右方向に進行する範囲において光が遊技領域に位置する球に遮られる事態は生じない。
そのため、遊技領域における球の配置状況によって、進行方向KLD21~KLD23の光の量が変化することを回避することができるので、遊技領域の外方から遊技領域の内側へ向けて光を進行させる構成を採用しながら、弾球遊技中において球に光が遮蔽されてベース板K2060の明るさが低下するといった事態を回避することができる。
なお、光照射装置K2100の配設位置は、第1形成凹部K60aや第2形成凹部K60bに限定されるものではなく、第3形成凹部K60cに配設するようにしても良い。この場合、一般入賞口K63(図360参照)に入球した球の流下経路に発光手段K2111からの光が進入し得るので、一般入賞口K63に球が入球した場合、その球により光が遮断される。
この球による遮断の作用は、遊技領域の中央側へ進行する光の見え方に影響を与えることになる。即ち、発光手段K2111から照射され傾斜開口部K2060wまで進行する光が、一般入賞口K63に球が入球した場合に、その球に遮断されることで傾斜開口部K2060wに届かなくなる。
これにより、一般入賞口K63への入球と、傾斜開口部K2060wの視認態様とが対応するので、遊技者は、一般入賞口K63を視認せずとも、傾斜開口部K2060wを視認しておくことで、一般入賞口K63への入球を把握することができる。
この場合、傾斜開口部K2060wは第3図柄表示装置K81(図358参照)の前方の開口を縁取るセンターフレームK86(図358参照)に対応する位置にあるので、傾斜開口部K2060wで反射される光を視認可能な視界としておくことで、一般入賞口K63への入球の有無を把握しながら、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示演出を楽しんで視認することができる。
なお、実際は、ベース板K2060で屈折したり、反射したりする関係上、発光手段K2111からの光の進行方向は屈折し得るが、図422においては、発光手段K2111からの光の進行方向は、理解を容易とするために上下左右方向で模式的に記載した。
図423は、パチンコ機K10の模式正面図である。図423では、パチンコ機K10にベース板K2060及び光照射装置K2100を配設した場合における、視認態様が図示される。
図423に図示されるように、ベース板K2060の背面側に配設される光照射装置K2100からの光が傾斜開口部K2060wを介してセンターフレームK86に照射される。これにより、センターフレームK86を明るく照らすことができる。
この時、動作ユニットK300に配設される電飾基板や発光基板に配設されるLEDを消灯させた状態で、光照射装置K2100からは光を照射させることで、センターフレームK86を目立たせることができ、その内側に配置される第3図柄表示装置H81に注目させることができる。
また、センターフレームK86は、上側装飾部材K330よりも前側に配置されているので、上側装飾部材K330の内部に配設される発光基板のLEDを点灯させた状態で光照射手段K2100から光を照射させることで、正面視において、発光される上側装飾部材K330がセンターフレームK86に沿って視認される光により分断されているように見せることができる。
図424から図426を参照して、第98実施形態について説明する。第96実施形態では、ベース板K60の背面側に形成される形成凹部K60a~K60dの内側が空間として機能する場合を説明したが、第98実施形態では、ベース板K2060の第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bの内側に光照射装置K3100が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図424は、第98実施形態におけるベース板K2060及び光照射装置K3100の分解背面斜視図であり、図425は、ベース板K2060及び光照射装置K3100の分解正面斜視図である。
光照射装置K3100は、LED等からなる複数の発光手段K3111が配設される電飾基板K3110と、その電飾基板K3110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K2060に締結固定される中間部材K3120と、を備える。
光照射装置K3100は、共通の構成で共通の機能を有する部材の組が左右一対で配置されているので、右側の電飾基板K3110及び中間部材K3120の組について説明を行い、左側の電飾基板K3110及び中間部材K3120の組については説明を省略する。
電飾基板K3110の正面視外形形状は、ベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状に沿って複数の発光手段K3111が間隔を空けて配置されている。
中間部材K3120は、正面視外形形状が電飾基板K3110と同様にベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように設計されており、発光手段K3111の前方において、遊技領域の外縁に対応する円弧形状の中心側に開放側が向くU字形状に穿設される複数の開口部K3121と、その開口部K3121のU字形状の内側の構成部においてU字形状の凹端部へ向かうにつれて背面側へ傾斜するように形成される複数の傾斜面K3122と、を備える。
傾斜面K3122は、中間部材K3120の遊技領域側の円弧と直交する方向で対向配置される開口部K3121の壁部との間隔が背面側へ向かう程狭くなる方向で傾斜形成され、傾斜の角度が略45度となるように設計されている。
本実施形態では、ベース板K2060の形成凹部K60a~K60dの凹設端面、外形傾斜部K2060e及び傾斜開口部K2060wに、無数の凹凸から形成されるシボ加工が施される。
図426は、図418のCDXXII-CDXXII線に対応する線におけるベース板K2060及び光照射装置K3100の部分断面図である。図426では、一の発光手段K3111の中心を通ると共に外形傾斜部K2060eの円弧と直角に交差する平面で断面視された形状が図示される。
図426に図示されるように、光照射装置K3100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K2060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
また、図426では、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の視認態様の違いが生じる原因となる、3段階で異なる位置を進行する進行方向KLD31~KLD33について図示される。
図426に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122を透過する光は進行方向KLD31で進行するので、遊技者は遊技領域の外縁の後方に対応する外形傾斜部K2060eよりも若干外側の位置を明るく視認することができる。
第2形成凹部K60bの凹設端面には上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるが、開口部K3121で空間が閉じられていることにより光の拡散が開口部K3121内で抑制される。これにより、発光手段K3111の配置に対応した光であって、開口部K3121の大きさに拡大された点在光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁の若干外側を明るく視認させることができる。
図426に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122で反射された後、外形傾斜部K2060eで屈折された光は進行方向KLD32で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、遊技領域の外縁の後方に位置する外形傾斜部K2060eに対応する位置を明るく視認することができる。
外形傾斜部K2060eには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K3111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、外形傾斜部K2060eの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁付近を明るく視認させることができる。
図426に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122で反射された後、外形傾斜部K2060eを透過し、傾斜開口部K2060wで反射された光は進行方向KLD33で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、傾斜開口部K2060wの縁部に対応する位置(センターフレームK86(図360参照)の配置に対応する位置)を明るく視認することができる。
傾斜開口部K2060wには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K3111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜開口部K2060wの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の中央部において遊技領域を区画するセンターフレームK86の外縁部を明るく視認させることができる。
図426に図示されるように、本実施形態によれば、電飾基板K3110を遊技領域の外方に配置しながら、電飾基板K3110の発光手段K3111からの光を遊技領域の外縁の若干外側、遊技領域の外縁付近およびセンターフレームK86(図360参照)の外縁部を通して遊技者に視認させることができるので、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させることができる。
このように、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させるために発光手段K3111を構成することで、発光手段K3111の配置スペースを低減できるので電飾基板K3110の小形化を図ることができる。
また、図426に図示されるように、光照射装置K3100がベース板K2060の板厚に収まる位置(光照射装置K3100の後端面がベース板K2060の板状部の後端面と面一)とされていることで、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図359参照)の配置自由度を向上させることができる。即ち、ベース板K2060の板状部の後端面に密着する態様で動作ユニットK300を配置したとしても、光照射装置K3100を配設することが可能であり、ベース板K2060を明るく視認させることができる。
図426に図示されるように、発光手段K3111からの光が遊技領域を通過する前に上下左右方向に進行する場合、その光の進行はベース板K2060の前端面よりも後側において生じる。即ち、上下左右方向に進行する範囲において、光は遊技領域を通過しないので、上下左右方向に進行する範囲において光が遊技領域に位置する球に遮られる事態は生じない。
そのため、遊技領域における球の配置状況によって、進行方向KLD31~KLD33の光の量が変化することを回避することができるので、遊技領域の外方から遊技領域の内側へ向けて光を進行させる構成を採用しながら、弾球遊技中において球に光が遮蔽されてベース板K2060の明るさが低下するといった事態を回避することができる。
なお、光照射装置K3100の配設位置は、第1形成凹部K60aや第2形成凹部K60bに限定されるものではなく、第3形成凹部K60cに配設するようにしても良い。この場合、一般入賞口K63(図360参照)に入球した球の流下経路に発光手段K3111からの光が進入し得るので、一般入賞口K63に球が入球した場合、その球により光が遮断される。
この球による遮断の作用は、遊技領域の中央側へ進行する光の見え方に影響を与えることになる。即ち、発光手段K3111から照射され傾斜開口部K2060wまで進行する光が、一般入賞口K63に球が入球した場合に、その球に遮断されることで傾斜開口部K2060wに届かなくなる。
これにより、一般入賞口K63への入球と、傾斜開口部K2060wの視認態様とが対応するので、遊技者は、一般入賞口K63を視認せずとも、傾斜開口部K2060wを視認しておくことで、一般入賞口K63への入球を把握することができる。
この場合、傾斜開口部K2060wは第3図柄表示装置K81(図358参照)の前方の開口を縁取るセンターフレームK86(図358参照)に対応する位置にあるので、傾斜開口部K2060wで反射される光を視認可能な視界としておくことで、一般入賞口K63への入球の有無を把握しながら、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示演出を楽しんで視認することができる。
なお、実際は、ベース板K2060で屈折したり、反射したりする関係上、発光手段K2111からの光の進行方向は屈折し得るが、図422においては、発光手段K2111からの光の進行方向は、理解を容易とするために上下左右方向で模式的に記載した。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。以下に示す変形例(別実施形態)においても同様であり、一の変形例における構成の一部または全部を、他の変形例における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の変形例としても良い。以下に示す変形例の適用対象となる実施形態は任意であり、いずれの変形例(変形例の組み合わせ又は置き換え)をいずれの実施形態に適用しても良い。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、回転動作ユニットA400bが傾倒と拡大とを合わせたような動作態様で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基礎板部材A430の移動と移動部材A440の移動とを利用して、左右方向にスライド移動する扉状の扉部材を移動させるようにしても良い。
この場合、基礎板部材A430の回転先端部から前方へ向けて突設される円柱状部を基礎板部材A430の正面側に配置される第1扉部材に形成される上下方向に延びる長孔形状の第1支持部に支持させ、移動部材A440の回転先端部から前方へ向けて突設される円柱状部を移動部材A440の正面側に配置される第2扉部材に形成される上下方向に延びる長孔形状の第2支持部に支持させることで、回転動作ユニットA400bの傾倒動作と連動させる形で第1扉部材および第2扉部材を左右方向にスライド移動させることができる。
第1扉部材は第2扉部材よりも第3図柄表示装置81の表示領域の外方側に配置され、第1扉部材および第2扉部材のスライド移動中において、基礎板部材A430の回転先端部は第1支持部を上下方向に案内され、移動部材A440の回転先端部は第2支持部を上下方向に案内される。
この場合における第1扉部材および第2扉部材の左右位置および移動速度は、基礎板部材A430及び移動部材A440の回転先端部の左右位置および移動速度に対応する。そのため、回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分に基づいて移動する第1扉部材に対して、回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分に加えて移動部材A440の長手方向の延びの分だけ移動量が大きくなることから、第1扉部材の移動速度よりも第2扉部材の移動速度を大きく構成することができる。
基礎板部材A430が演出待機状態から張出状態へ向かうにつれて回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分が徐々に小さくなることから、第1扉部材が左右外側に退避する位置からの第1扉部材の左右方向の移動速度も徐々に小さくなるように構成される(駆動モータMT1の駆動速度が一定の場合に第1扉部材の左右方向の移動速度が徐々に小さくなる)。
一方、移動部材A440の回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分も、基本的には張出状態へ向かうにつれて徐々に小さくなるが、移動部材A440は傾倒終端側に近づくほど長手方向に延びる量が大きくなる。そのため、第2扉部材が左右外側に退避する位置からの第2扉部材の左右方向の移動速度は、移動部材A440の延びが生じる傾倒終端側で大きくなる(駆動モータMT1の駆動速度が一定の場合に第2扉部材の左右方向の移動速度が駆動モータMT1寄りに大きくなる)。
そのため、特に回転動作ユニットA400bの傾倒終端側において、同時点における第1扉部材の移動速度と第2扉部材の移動速度とを大きく異ならせることができ、扉部材を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA500とが左右一対で構成されているので、各動作ユニットA400,A500でそれぞれ扉部材を動かすように構成し、第3図柄表示装置81の正面側で扉を閉める(左右の扉部材の移動方向先端側の縁部の間に正面視で隙間が無い状態とする)演出を実行可能な演出装置を構成しても良い。
また、第1動作ユニットA400で左右方向に移動させる扉部材により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分(又は全体)を隠すことができるように構成しても良い。この場合において、第2動作ユニットA500で左右方向に移動させる扉部材によっても第3図柄表示装置81の表示領域の大部分(又は全体)を隠すことができるように構成しても良い。
本実施形態では、第1動作ユニットA400の方が第2動作ユニットA500の手前側に配置されるので、例えば、第1動作ユニットA400により移動される扉部材により第3図柄表示装置81の表示領域の全体が隠されている状態で、第2動作ユニットA500の配置を遊技者に分からせない(隠す)ように構成することもできる。これにより、第1動作ユニットA400により移動される扉部材が第3図柄表示装置81の手前側から退避するように動いたとしても、第2動作ユニットA500により移動される扉部材によって第3図柄表示装置81が隠されていたことで、第3図柄表示装置81の表示を依然として見せない状態を構成することができる。これにより、遊技者の扉部材に対する注目力を向上させることができる。
上記第1実施形態では、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、機能長孔A444の形状により、移動部材A440の長手方向への変位が先に生じ、その後で、移動部材A440の長手方向と交差する方向への方向切替部材A450の変位が生じたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能長孔A444の形状を、第1平行部A444aを省略して、第1平行部A444aの長さ分だけ傾斜部A444bの形成位置を移動部材A440の回転先端側へ平行移動させ、同様に第2平行部A444cも傾斜部A444bの端部と連結されるように延ばすようにしても良い。このような形状によれば、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、移動部材A440の変位と方向切替部材A450の変位とが同時に生じる状態から開始され、その後で、移動部材A440の変位のみ生じる状態へ移行するような変位を生じさせることができる。
また、傾斜部A444bの回転軸棒AJ1側端部から、回転軸棒AJ1に近づくほど移動部材A440の短手方向中心側へ向けて傾斜する長孔により形成される逆傾斜部が形成されるようにしても良い。このような形状によれば、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、移動部材A440が長手方向に延びる方向の変位と方向切替部材A450が短手方向に広がる方向の変位とが同時に生じる状態から開始され、その後で、移動部材A440が長手方向に延びる方向の変位と方向切替部材A450が短手方向に近づく(中心側に寄る)方向の変位とが同時に生じる状態へ移行するような変位を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、機能長孔A444の形状が、一対が対称形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対を非対称で構成しても良い。この場合、左側の方向切替部材A450が変位開始するタイミングや変位量と、右側の方向切替部材A450が変位開始するタイミングや変位量とが異なる演出役物を構成することができるので、周囲の状況に合った変位態様を構成することができる(障害物に当たらないような変位量や変位タイミングを考慮して、左右で異なる変位を生じさせることができる)。
上記第1実施形態では、回転動作ユニットA400bが回転動作する際に、移動部材A440が基礎板部材A430に対する直線方向に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作ユニットA400bが回転動作する際に、回転動作ユニットA400bに配設される別の回転部材が回転動作するように構成しても良い。この場合、回転動作ユニットA400bの外形の変化とは異なる視認態様の変化を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、傾倒開始時において回転動作ユニットA400bの外形が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒開始時から回転動作ユニットA400bの外形が変化されるように案内長孔A414の形状を設計することで、傾倒開始時における回転動作ユニットA400bの動作抵抗を増加させることができるので、傾倒開始時の姿勢での回転動作ユニットA400bの姿勢維持を容易とすることができる。
上記第1実施形態では、回転動作ユニットA400bの傾倒方向動作および起き上がり方向動作の双方を駆動力により動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、途中位置からは駆動力の発生を解除して自重で傾倒を実行させるなど、駆動力によらない移動態様を実行可能としても良い。この場合、駆動力で動作させる場合と駆動力に因らずに動作させる場合とで、回転動作ユニットA400bの動作態様を異ならせ、動作のバリエーションを増やすことができる。更に、駆動の継続時間を短くすることができことから、駆動モータAMT1の耐用年数を延ばすことができる。
上記第1実施形態では、基礎板部材A430の正面側に移動部材A440が部分的に重なるように配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基礎板部材A430に回転先端方向へ延びる金属棒が配設されており、その金属棒の回転先端側に、金属棒の延びる方向にスライド変位可能に案内されるように移動部材A440が配設されるようにすることで、基礎板部材A430と移動部材A440とが正面視で重ならないようにしても良い。この場合、基礎板部材A430の正面側が移動部材A440に隠されないので、基礎板部材A430の正面側部分を演出に利用することができる。
上記第1実施形態では、回転動作ユニットA400bの外形の変化が回転動作ユニットA400bの姿勢に対応して生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外形の変化の有無を切り替えるための別の駆動装置を用意しても良い。この駆動装置により、案内長孔A414の形状を切り替えたり、機能長孔A444の形状を切り替えたりすることにより、回転動作ユニットA400bの姿勢に対応した回転動作ユニットA400bの外形の態様を複数種類用意することができる。
また別の駆動装置により、移動部材A440と方向切替部材A450とを駆動変位させるように構成することで、回転動作ユニットA400bの姿勢の変化が生じていない時に移動部材A440及び方向切替部材A450を同時に変位可能に構成しても良い。例えば、回転動作ユニットA400bが外形の変化を伴わずに傾倒終端に到達し、傾倒終端において別の駆動装置で移動部材A440と方向切替部材A450とを同時に駆動変位させることもできるように構成することで、回転動作ユニットA400bの演出効果の向上を図ることができる。
上記第1実施形態では、駆動モータAMT1の動作速度を一定とし、回転動作ユニットA400bの回転動作の角速度が漸減する態様で動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、角速度の減少量を考慮して、駆動モータAMT1の駆動速度を漸増させることで、回転動作ユニットA400bの回転動作の角速度が一定となる制御態様でも、回転動作ユニットA400bの回転動作を実行可能にしても良い。
上記第1実施形態では、回転板部材A662にかかる空気抵抗の変化により、回転板部材A662の動作抵抗が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転板部材A662にかけられる摩擦抵抗(例えば、移動方向と直交する方向から当接する板部材による接触抵抗)が変化するようにしても良いし、回転板部材A662にかけられる粘性抵抗(例えば、ダンパ部材等による抵抗)が変化するようにしても良い。
上記第1実施形態では、前側板部材A730と後側板部材A740に挟まれる発光基板A720からの光照射について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光基板の照射面側が前側板部材A730及び後側板部材A740の端面と対向配置されるように配置されても良い。
この場合において、前側板部材A730(又は後側板部材A740)には、発光基板A720からの光照射(板の延びる方向に沿う方向への照射)が行われる一方、後側板部材A740(又は前側板部材A730)へは、その後側板部材A740(又は前側板部材A730)の光入射端面に光照射部の配置面が対向配置される別の発光基板(発光基板A720に対して姿勢が90度異なる発光基板)からの光照射が行われるように構成しても良い。これにより、発光基板A720によっては対応が難しいと考えられる、前側板部材A730又は後側板部材A740の厚みが大きい場合にでも、適切な位置に光を入射させ易くすることができる。
上記第1実施形態では、前カバー部材A750の突設部A751aと発光基板A720とは間隔を空けて配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部A751aが発光基板A720に押圧力を付与し得る寸法関係で設計しても良い。この場合、発光基板A720にかけられる押圧力を突設部A751aの数だけ分割させることができるので、発光基板A720の配置を安定させることができる。
前カバー部材A750の突設部A751aは、光を拡散させることを一つの目的とし、それぞれ同形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、正面発光部A724よりも左側位置(照射方向の逆側位置、前側板部材A730の外方側)における突設部A751aの曲率よりも、正面発光部A724よりも右側位置(照射方向側の位置、前側板部材A730の内方側)における突設部A751aの曲率を大きくするように構成しても良い。この場合、前側板部材A730に近い側における突設部A751aの拡散角を小さくできるので、拡散した光が前側板部材A730を広く照らしてしまい、ライン状溝部A732によるライン状の光の視認性を低下させることを避けることができる。
上記第1実施形態では、発光基板A720には前側板部材A730及び後側板部材A740に光を照射する発光部A724,A725が配設されることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、発光基板A720から前カバー部材A750に光を照射する発光部が配設されても良い。この場合、発光部A724,A725が発光基板A720の端部付近に配設されていることから、発光部A724,A725から照射される光と干渉しない位置に前カバー部材A750に光を照射する発光部を設けることを容易とすることができ、光の干渉を避けることができる。
上記第1実施形態では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状に合わせて前側板部材A730のライン状溝部A732が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ライン状溝部A732を、薄肉樹脂板A743に形成されるイラストとは別の図形やイラストの形状で形成しても良い。この場合、ライン状溝部A732が発光される場合(ライン状溝部A732の形状が発光される場合)と、ライン状溝部A732が発光されない場合(薄肉樹脂板A743に形成されるイラストが見える場合)との見映えの違いを大きくすることができる。
なお、前側板部材A730のみではなく薄肉樹脂板A743にもライン状溝部A732を形成するようにしても良い(又は、発光基板A720の前後に前側板部材A730を配置しても良い)。この場合に、背面発光部A725にも指向性の高いLEDを採用すれば、薄肉樹脂板A743においてもライン状の光を視認させる光演出を実現することができる。
また、薄肉樹脂板A743のみではなく前側板部材A730にも特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストが形成されるようにしても良い(又は、発光基板A720の前後に後側板部材A740を配置しても良い)し、前側板部材A730と後側板部材A740の前後配置を逆にしても良い。
これらの各場合において、正面発光部A724や背面発光部A725の指向性は目的に合わせて選択すれば良い(指向性を高くすれば全反射をさせ易く、指向性を低くすればば全反射が生じにくいので板部材の側面の広い範囲を光らせやすい)。また、発光基板A720の前側に配置される部材と後側に配置される部材とで、形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状を同じにしても良いし、異ならせても良い。
上記第1実施形態では、前カバー部材A750から突設される部分により、前側板部材A730、発光基板A720及び後側板部材A740が位置決めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前側板部材A730から前後に突設される部分により、前カバー部材A750、発光基板A720及び後側板部材A740が位置決めされても良い。この場合、前側板部材A730から突設される部分の突設長さを短くすることができるので、組立中に前側板部材A730を落とす等して誤って突設部分を破損する可能性を低めることができる。
また、後側板部材A740から突設される部分により前側板部材A730、発光基板A720及び前カバー部材A750が位置決めされるようにしても良い。後側板部材A740はライン状溝部が形成される部材とは異なるので、突設される部分の位置がライン状溝部により制限されることが無い。そのため、突設される部分の配置自由度を向上させることができる。
また、発光基板A720、前側板部材A730及び後側板部材A740の位置決めのみを行い、前カバー部材A750との間では位置決めを行わないようにしても良い。この場合、発光基板A720、前側板部材A730及び後側板部材A740の位置は合わせたままで前カバー部材A750を取り外すことができる。これにより、装飾部分としての前カバー部材A750の取り替え(汚れた場合の取り替え、スペック変更に伴う取り替え等)を容易に行うことができる。
位置決めのために突設される部分の形成位置は、種々の態様が例示される。例えば、前カバー部材A750との位置決めを想定するのであれば前カバー部材A750の後方位置に形成される方が良い。一方で、前カバー部材A750との位置決めを想定しないのであれば、締結部A733がそうであるように、前カバー部材A750の後方位置とは異なる位置に形成しても良い。
上記第1実施形態では、視認態様変化シートA806により左右方向での視線の方向の傾斜角度の違いにより、下流側案内部材A803の後方流路を流下する球の視認性が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。左右方向での視線の方向の傾斜角度の違いで視認性を変化させる場合には、隣で遊技している遊技者に球の流下をのぞき見される可能性を低くできるという効果があるが、例えば、視認態様変化シートA806を、上下方向での視線の方向の傾斜角度の違いにより下流側案内部材A803の後方流路を流下する球の視認性が変化するように構成する場合には、遊技者の後ろ側で立っている他者にのぞき見される可能性を低くできるという効果がある。
上記第1実施形態では、前側部材A803zの板状本体A803aの正面側に視認態様変化シートA806が貼り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設板A803bの左右外側面に視認態様変化シートA806を貼り付けるようにしても良い。この場合、左側流路ATL1や右側流路ATL2に対して左右方向側からの方向視で視認する場合に、左側流路ATL1や右側流路ATL2を視認し易い方向視と、左側流路ATL1や右側流路ATL2を視認し難い方向視とをつくることができる。
上記第1実施形態では、視認態様変化シートA806により、第3図柄表示装置81の正面側に頭を配置した遊技者が横目で下流側案内部材A803側を見る場合における球の視認性の低下について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の表示面全体に視認態様変化シートA806と同様の機能を生じるシートを貼り付け、下流側案内部材A803の正面側に頭を配置した遊技者が横目で第3図柄表示装置81の表示を見難い(視認態様変化シートA806に遮光される)ように構成しても良い。この場合、下流側案内部材A803の後方を流下する球に注目している状況において第3図柄表示装置81の表示を視認させないことで遊技者の気を散らさないようにすることができ、更に、第3図柄表示装置81から照射される光が遊技者に到達しないような構成とすることができるので、遊技者は、眩しい光を目に受ける状況を回避することができ、目を休めることができる。
上記第1実施形態では、視認態様変化シートA806により、左側流路ATL1を視認し難い場合を構成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、視認し難い場合を構成するのは右側流路ATL2としても良いし、左側流路ATL1及び右側流路ATL2としても良く、その選択は任意である。右側流路ATL2は第2入賞口640へ球を案内する流路であるところ、左側流路ATL1の形状を変形して左側流路ATL1を流下した球が特定入賞口65aへ案内されるように構成することで、視認態様変化シートA806の設計次第で、第2入賞口640へ案内される球のみを視認し易くしたり、特定入賞口65aへ案内される球のみを視認し易くしたりするといった演出が可能となる。
例えば、視認態様変化シートA806を左側流路ATL1及び右側流路ATL2の正面側を覆うように配置する前提において、左側流路ATL1の正面側を覆う視認態様変化シートA806は正面視と左斜め方向からの方向視とでは透過性が高い一方で右斜め方向からの方向視では透過性が低くなるように設計され、右側流路ATL2の正面側を覆う視認態様変化シートA806は正面視と右斜め方向からの方向視とでは透過性が高い一方で左斜め方向からの方向視では透過性が低くなるように設計される場合、正面視では左側流路ATL1及び右側流路ATL2の透過性を高くし、左斜め方向からの方向視では左側流路ATL1の透過性は高くする一方で右側流路ATL2の透過性を低くし、右斜め方向からの方向視では左側流路ATL1の透過性は低くする一方で右側流路ATL2の透過性を高くすることができる。
また、この場合において、正面視では左側流路ATL1及び右側流路ATL2の透過性を低くするように構成しても良い。この場合、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の両方共を同時に視認可能な状況を排除することができるので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方を同時に見たい遊技者に対して下流側案内部材A803を上側から覗き込ませるという遊技をさせるように仕向けることができる。
視認態様変化シートA806の表面には、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状等の装飾を付すようにしても良い。
上記第1実施形態では、流下する球の視認性を視認態様変化シートA806により変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後一対の光透過性板の間に光を非透過のルーバー板部が配置され、そのルーバーが首振り動作したり、撓んだりすることで、遊技者の視線を遮る場合と、透過させる場合とを切り替えられるようにしても良い。
また、前後一対の非透過の板部材に開口が形成されており、例えば前側の板部材が後側の板部材に対して平行移動できるよう構成される場合に、各板部材に形成される開口の位置の正面視でのずれにより、前後の開口の内部を通る方向視については奥側を視認することができる一方で、前後いずれかの開口から外れる方向視については板部材に視線が遮られることで奥側を視認することができないように構成しても良い。
上記第1実施形態では、検出センサSE1に球が検出されることで賞球が払い出される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球の払い出しは無くても良い。賞球の払い出しが無い場合の用途として、例えば、検出センサSE1での球の検出に基づいて大当たり遊技の種類(ラウンド数等)を選択させるような遊技機への利用が想定される。このような遊技機では、大当たり遊技の種類を選択させるタイミング以外では検出センサSE1に対する注目力は極端に下がることが考えられるため、その前側に視認態様変化シートA806を配置して検出センサSE1を隠すことに意味がある。
また、賞球の払い出しが無い場合の別の用途として、例えば、検出センサSE1が特定入賞口65aの下流側に配置され、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入球した球の通過が検出された場合に大当たり終了後の遊技状態が所定の有利状態に移行するように制御される「V入賞口(特定領域)」として利用される遊技機への利用が想定される。このような遊技機では、大当たり遊技中以外では検出センサSE1に球が案内されることは無いので、大当たり遊技中以外では検出センサSE1に対する注目力は極端に下がることが考えられるため、その前側に視認態様変化シートA806を配置して検出センサSE1を隠すことに意味がある。
なお、大当たり中において、視認態様変化シートA806の正面位置に遊技者が頭を移動させれば、視認態様変化シートA806を透視して、その背面側の検出センサSE1を視認することが可能となるので、大当たり遊技中において検出センサSE1が見難いという不満を解消することができる。
また、例えば、賞球の払い出しがある場合に、球の検出に対応して第3図柄表示装置81において払い出し個数に対応した数字(「+1」や「+3」等)を表示するようにしても良い。この場合、遊技者は、下流側案内部材A803の後方を流下する球を視認できない場合であっても、第3図柄表示装置81の表示から賞球の払い出しが生じたことを理解することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第1実施形態では、補助導光板ユニットA810において、前側板部材A840がライン状溝部A842を備えることで光の輪郭を視認させるような光演出を可能とする一方で、後側板部材A850にはライン状溝部A842は形成されず、均一な面発光での光演出を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、前側板部材A840のみではなく後側板部材A850にもライン状溝部A842を形成するようにしても良い。この場合に、エッジ発光部A833,A837にも指向性の高いLEDを採用すれば、後側板部材A850においてもライン状の光を視認させる光演出を実現することができる。
また、後側板部材A850のみではなく前側板部材A840にも特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストが形成されるようにしても良いし、前側板部材A840と後側板部材A850の前後配置を逆にしても良い。
これらの各場合において、エッジ発光部A823,A827,A833,A837の指向性は目的に合わせて選択すれば良い(指向性を高くすれば全反射をさせ易く、指向性を低くすればば全反射が生じにくいので板部材の側面の広い範囲を光らせやすい)。また、前側板部材A840と後側板部材A850とで、形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状を同じにしても良いし、異ならせても良い。
上記第1実施形態では、正面発光部A724及び背面発光部A725は、複数のLEDの光軸がそれぞれ互いに平行とされるよう構成され、エッジ発光部A823,A827及びエッジ発光部A833,A837は、複数のLEDの光軸がそれぞれ互いに放射状となる関係で構成される(進行方向先端側ほど隣の光軸との間隔が広がる態様で設定される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これらの光軸の関係を、逆にしても良い。
上記第2実施形態では、案内長孔A2414の直線状部が傾斜する方向に延びる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線状部の延びる方向が水平方向に延びるよう構成しても良い。この場合、往路と復路とでの動作抵抗の違いを小さくすることができる。
上記第4実施形態では、導光変位部材A4920を駆動させるソレノイドA4940を個別に用意する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物640aの駆動装置を兼用しても良い。この場合、電動役物640aの動作タイミングと導光変位部材A4920の動作タイミングとを合わせ易くすることができる。
また、導光変位部材A4920の代わりに、主には第3図柄表示装置81の正面側に張り出す動作を行う可動役物(例えば、第1動作ユニットA400)をセンターフレームA86の内部領域を通してベース板A60の前側に張り出し可能に構成し、球の流路への視線を遮る位置まで移動可能に構成することで、可動役物を球の流路への視線を遮るために利用しても良い。この場合、可動役物に個別の駆動装置を、球の流路への視線を遮るための駆動装置に兼用すれば良いので、ソレノイドA4940を不要とすることができる。
上記第4実施形態において、覆設部材A4930の前側案内板部A4931に特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストを形成するようにすれば、そのイラストによりライン状溝部A4921aを見え難くすることができる。これにより、発光手段A4933aを点灯させていない場合における球案内ユニットA4900の見映えを良くすることができる。また、前側案内板部A4931に形成されるイラストに対応した形状でライン状溝部A4921aを形成することで、演出効果を向上させることができる。
上記第4実施形態において、導光変位部材A4920の被案内板部A4921に視認態様変化シートA806を貼り付けるようにしても良い。この場合、遊技者の視線が変化しなくても、導光変位部材A4920が変位することで遊技者の視線と視認態様変化シートA806との相対的な位置関係が変化するので、遊技者が視線を変化させていないにも関わらず、導光変位部材A4920の後方を流下する球の視認性を変化させる場合を生じさせることができる。
上記第4実施形態において、導光変位部材A4920の被案内板部A4921への光の入射、発光手段の個数や配置、点灯させる発光手段の選択、及び構造の設計に、第1実施形態で説明した補助導光板ユニットA700bや補助導光板ユニットA810の構造の全て又は全部を流用するようにしても良い。
上記第5実施形態では、延設案内部A5438に柱状突設部材A5448が押進されることで移動部材A5440に対して相対変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作ユニットA5400bの傾倒角度に基づいて歯合回転するギア及びラックと柱状突設部材A5448とが連動するように構成することで、回転動作ユニットA5400bの傾倒角度に対応して柱状突設部材A5448を変位させても良いし、柱状突設部材A5448を駆動させるための駆動装置を回転動作ユニットA5400bに配設させて駆動装置の駆動制御により柱状突設部材A5448を駆動変位させても良い。
上記第7実施形態から第40実施形態では、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510に一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが連結(配設)され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520に一対の(二つの)係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが連結(配設)される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a或いは係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが省略されても良い。
上記第7実施形態から第40実施形態において、凹部W224a,W224bが平面部W320,W4320,We320,Wj320,Wm320,Ws320の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530b側における正面に凹設され、正面視おいて、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの連結片W531a,W531bが凹部W224a,W224bに重なる位置に配設されても良い。
上記第7実施形態から第40実施形態において、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500の背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510において正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520と対向する側の面に立設部W222が立設されても良い。立設部W222が背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510における先端側(左壁部W502とは反対側)に配設されることにより、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500を取り外す際、立設部W222により封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第7実施形態から第40実施形態において、立設部W540,Wc540,Wd540を用いて封印シールWSLを切断しても良く、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの傾斜部W532(突出先端部)を用いて封印シールWSLを切断しても良い。これにより、傾斜部W532に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを弾性変形させ易くさせる機能と封印シールWSLを切断する機能とを兼用させることができ、製造コストを低減できる。
上記第7実施形態から第40実施形態において、立設部W540,Wc540,Wd540が非成形とされ、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が前後反対とされた状態でボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200のカバー側被係合部W210及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300のベース側被係合部W310に受け入れ可能とされても良い。これにより、不正を行う者が誤って保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が前後反対とされた状態でボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200のカバー側被係合部W210及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300のベース側被係合部W310に係合させようと試み、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bと封印シールWSLとを当接させ、封印シールWSLを破損させる機会を付与できる。
上記第7実施形態から第40実施形態では、一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、二つ以上(複数)の係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設されても良い。係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが複数配設される場合、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aの少なくとも一つが第33実施形態おけるカバー部Wr214の突起Wr214bにより係合される構成としても良い。即ち、複数の係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aにおいて、弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、例えば、第7実施形態おける突起W221との係合を解除させるために突起W221に係合される係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aを弾性変形(変位)させることにより、第33実施形態おける突起Wr214bに係合される係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aを突起Wr214bとの係合が維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300から保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第7実施形態から第40実施形態では、一対(二つ)の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが一つ配設されても良く、三つ以上配設されても良い。係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが三つ以上配設される場合、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの少なくとも一つが第34実施形態おける平面部Ws320の突起Ws328により係合される構成としても良い。即ち、複数の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bにおいて、弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、例えば、第7実施形態おける突起W312cとの係合を解除させるために突起W312cに係合される係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを弾性変形(変位)させることにより、第34実施形態おける突起Ws328に係合される係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを突起Ws328との係合が維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300から保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第7実施形態から第40実施形態では、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500における背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側には一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側には一対(二つ)の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが配設され、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側と正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側とで異なる数の係合部が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側と正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側とで係合部が同数だけ配設されても良い。例えば、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが二つ配設され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側に係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが二つ配設されても良い。
上記第7実施形態から第40実施形態では、上下方向(矢印U-D方向)において一対の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの間に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、背面視において、一対の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの一方に重なる位置に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設されても良い。即ち、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが上下方向において、一方に偏って配設されても良い。
上記第7実施形態から第40実施形態において、切欠き部W226,We226,W325,We325により形成される傾斜面が直線状に形成されても良く、封印シールWSLの貼着面とは反対側へ向けて凹となる湾曲状に形成されても良い。
上記第10実施形態では、突起W4534が係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて四角錐状に突出して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、三角錐状等の多角錐状、円錐状、四角柱や三角柱状等の多角柱状、円柱状に形成されても良い。多角柱状や円柱状に形成される場合、封印シールWSLの破断面を引きちぎった形状とでき、破断(破損)された封印シールWSLが再利用された場合、破断(破損)の痕跡を作業者に認識させ易くできる。
上記第10実施形態から第12実施形態、第32実施形態および第37実施形態において、ボックスカバーW200,W4200,Wq200,Wv200及びボックスベースW300,W5300,W6300に保護カバーW4500,W5500,Wq500,Wv500を取り付ける際、突起W4534,W5534,Wq534,Wv534により、封印シールWSLが破損されても良い。
上記第11実施形態および第12実施形態において、一対の両端壁部W223,W321の一部が非形成とされても良い。例えば、一対の両端壁部W223,W321において、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における一部が非形成とされる場合、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300,W6300への保護カバーW5500の取り付けにおいて係合部W5530bの係合孔W533と突起W312cとが係合される前の状態、又は、またはボックスカバーW200及びボックスベースW5300,W6300からの保護カバーW5500の取り外しにおいて係合孔W533と突起W312cとの係合が解除された後の状態では、保護カバーW5500を前後方向(矢印F-B方向)へ変位可能とされる。これにより、突起W5534を封印シールWSLに当接させることができ、封印シールWSLを破損させることができる。
上記第11実施形態および第12実施形態において、保護カバーW5500から切断された係合部W5530bの突起W5534を利用して封印シールWSLを切断しても良い。これにより、切断工具(図示せず)の携行を不要とでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易とできる。
上記第12実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)に延びて形成されても良い。例えば、凹部W6326が突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの突起W312c側(矢印R方向側)の半分(不正に取り外すために変位させる範囲のうちの前半部分)まで伸びて形成されることで、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成することと、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が取り外されることを抑制することを両立させることができる。
即ち、連結片W531a,W531bを切断せずに係合部5530bを弾性変形させて突起W312cと係合孔W533との係合が解除された際には、突起W5534が凹部W6326に受け入れられるので、係合部5530bを突起W312cとは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させることで、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成できる。一方で、突起W5534が凹部W6326の突起W312cとは反対側の内壁に当接されることで、係合部5530bの突起W312cとは反対側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制され、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が取り外されることを抑制できる。
上記第12実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)において突起W312c側(矢印R方向側)へ延びて形成されても良い。例えば、凹部W6326が突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの突起W312cとは反対側(矢印L方向側)の半分(不正に取り外すために変位させる範囲のうちの後半部分)まで伸びて形成されても良い。
上記第12実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)となる位置に形成されても良い。突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの途中に形成されても良い。
上記第14実施形態において、連結片W8531bの封印シールWSLに対向する面または封印シールWSLに対向する側とは反対側の面が封印シールWSLに対し非平行に形成されても良い。
上記第14実施形態において、連結片W8531bにおける一対の側面の少なくとも一方が対向する側とは反対側へ向けて凸となる曲面に形成されても良い。これにより、連結片W8531bの一対の側面の少なくとも一方に形成される曲面に沿って切断工具を回転させ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第14実施形態において、連結片W8531bにおける一対の側面の少なくとも一方が対向する側へ向けて凹となる曲面に形成されても良い。
上記第14実施形態では、連結片W8531bの一対の側面が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、連結片W8531bの一対の側面の一方が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成され、一対の側面の他方が封印シールWSL(平面部W220)に対し直交して形成されても良い。
上記第15実施形態において、断面視では、連結片W9531bの第1部W9531b1及び第2部W9531b2が略楕円形に形成されても良い。これにより、曲面に沿って切断工具を回転させ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第15実施形態において、連結片W9531bの第1部W9531b1及び第2部W9531b2の境界に段部が形成される(第1部W9531b1と第2部W9531b2とが直接連結される)場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、第1部W9531b1と第2部W9531b2との間に、滑らかに連結する連結部が介設されても良い。即ち、介設部は、第1部W9531b1から第2部W9531b2へ向かうに従い、その介設部の断面形状が第1部W9531b1の断面形状から第2部W9531b2の断面形状に徐々に変化する形状の部位として形成される。これにより、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の連結部に応力集中が生じることを抑制でき、連結片WV9531bの強度を確保できる。また、介設部により切断工具を第2部W9531b2から第1部W9531b1へ向けて変位させ易くできる。
上記第15実施形態において、係合部W530aが不正に弾性変形された場合、第1部W9531b1により封印シールWSLを破損させても良い。
上記第16実施形態において、切断部Wa550が前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の略中央から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ偏った位置に配設され、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた場合、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向される位置に配設されても良い。これにより、係合部W530a,W530bが切断され、保護カバーWa500が封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向けて変位させた状態においても、封印シールWSLが切断させることを抑制できる。一方で、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーWa500を取り外し、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢で保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられることにより切断部Wa550を切欠き部W226,W325に対向される位置に配設でき、切断部Wa550を用いて封印シールWSLを切断できる。その結果、不正を行う者に切断部Wa550を利用させ難くできる。
上記第16実施形態では、切断部Wa550が鋸刃状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、直線状に形成されても良く、切断部Wa550の突出先端部が、0度から180度までのsin波を連結した形状から形成されても良い。なお、切断部Wa550が直線状に形成される場合、封印シールWSLに対し平行に形成されても良く、少なくとも一部が傾斜して形成されても良い。切断部Wa550が封印シールWSLに対し平行に形成されることにより、封印シールWSLを切断する際、封印シールWSLの破断面が引きちぎられた態様に形成できる。これにより、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。
上記第16実施形態では、切断部Wa550に形成される鋸刃状の全体が切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れられ、封印シールWSLが平面部W220側と平面部W320側とに分離される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、平面部W220側および平面部W320側における封印シールWSLが一部において連結されても良い(少なくとも一部が切断されれば良い)。言い換えると、切断部Wa550により封印シールWSLにミシン目(上下方向において、所定の間隔を隔てて切断部と連結部とが形成される形状)が形成されても良い。これにより、封印シールWSLを切断(平面部W220側と平面部W320側とに分離)させ易くできる。一方で、封印シールWSLに形成される連結部を切断(破断)させる際、その破断面を引きちぎった形状とでき、切断(破断)された封印シールWSLが再利用された場合、切断の痕跡を作業者に認識させ易くできる。また、保護カバーWa500を側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより封印シールWSLにミシン目を形成することを容易に行うことができる。
上記第17実施形態では、刃部Wb552が円錐状に形成される先端部を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではい。例えば、刃部Wb552の先端部が円柱状に形成され、刃部Wb552の先端部における断面形状が突出方向(矢印L-R方向)において一定とされても良い。言い換えると、刃部Wb552の先端部が鋭利に形成されなくても良い。これにより、刃部Wb552を用いて封印シールWSLを切断する際、封印シールWSLの破断面が引きちぎられた態様に形成できる。これにより、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。また、刃部Wb552の先端部が三角錐や四角錐等の多角錐状に形成されても良く、刃部Wb552の先端部が三角柱や四角柱等の多角柱状に形成されても良い。
上記第17実施形態から第20実施形態、第24実施形態および第40実施形態において、ボックスカバーW200,Wb200,We200の平面部W220,We220又はボックスベースW300,We300の平面部W320,We320における封印シールWSLが貼着される面(ガイド部Wb560,Wd560、下壁部W501又は連結片We531aを沿わせる面)に凹凸が形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200,Wb200,We200の平面部W220,We220又はボックスベースW300,We300の平面部W320,We320に沿ってガイド部Wb560,Wd560、下壁部W501又は連結片We531aを一対の両端壁部W223の一方から他方へ向けて変位させた場合、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの一端と他端との間において封印シールWSLに形成される破断面の位置を前後方向(矢印F-B方向)に変化させることができる。その結果、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。
上記第19実施形態において、立設部Wd540と係合孔W533との嵌合(係合)に加え、保護カバーWd500が係合部Wd530aを係合するための係合部を備えても良い。例えば、保護カバーWd500の背面壁部W510に係合部が形成され、係合部Wd530aの連結片W531aとは反対側(傾斜部W532側)の端部が背面壁部W510に形成される係合部に係合されても良い。これにより、保護カバーWd500の異なる2箇所において係合部Wd530aを係合でき、保護カバーWd500に対する係合部Wd530aの取り付けを強固にできる。また、係合部Wd530aの姿勢を維持し易くできる。その結果、係合部Wd530aを用いることによる封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。
上記第25実施形態では、弾性変形規制手段Wj230(第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250)が平面部Wj220に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、弾性変形規制手段Wj230が平面部Wj320の背面側(矢印B方向側)の面に形成され、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300が組み合わされることにより、規制状態において、弾性変形規制手段Wj230が係合部Wj530aの係合孔W533の内側となる位置に配設されても良い。ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300が組み合わされることにより、弾性変形規制手段Wj230と係合部Wj530aとが係合される。ボックスカバーWj200は、カバー部Wj214及び弾性変形規制手段Wj230を備えるため、ボックスカバーWj200の樹脂成形型が複雑化するのに対し、弾性変形規制手段Wj230がボックスベースWj300に形成されることにより、ボックスカバーWj200の樹脂成形型を簡略化できる。その結果、製造コストを低減できる。
上記第26実施形態において、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに非当接とされても良い(係合部W530b2が弾性変形されなくても良い)。これにより、一対の係合部W530bの一方と他方とが異なる方向にそれぞれ弾性変形されることを抑制できる。その結果、一対の係合部W530bの一方(他方)の弾性変形量を小さくでき、一対の係合部W530bの一方(他方)破損させ難くできる。
上記第26実施形態では、カバー部Wk312の係止部Wk312fがボックスベースWk300に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係止部Wk312fが側壁部W212の正面側(矢印F方向側)の面に形成され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300が組み合わされることにより、規制状態において、係止部Wk312fが係合部W530b2の先端部に当接される位置に配設されても良い。ボックスカバーW200及びボックスベースWk300が組み合わされることにより、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接される。ボックスベースWk300は、カバー部Wk312を備えるため、ボックスベースWk300の樹脂成形型が複雑化するのに対し、係止部Wk312fがボックスカバーW200に形成されることにより、ボックスベースWk300の樹脂成形型を簡略化できる。その結果、製造コストを低減できる。
上記第26実施形態において、保護カバーW500に係合部W530b1又は係合部W530b2が2箇所以上に形成され、ボックスベースWk300に突起W312c又は突起Wk312cが2箇所以上に形成されても良い。例えば、上下方向(矢印U-D方向)における保護カバーW500の両端側に係合部W530b2が一対形成され、それら一対の係合部W530b2の間に係合部W530b1が形成される場合、係合部W530b1のボックスカバーW200側(矢印B方向側)への弾性変形が係合部W530b1の両端において抑制され易くでき、係合部W530b1が不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500を不正に取り外し難くできる。また、例えば、上下方向(矢印U-D方向)における保護カバーW500の両端側に係合部W530b1が一対形成され、それら一対の係合部W530b1の間に係合部W530b2が形成される場合、背面視において、係合部W530b2を係合部W530aに重なる位置に配設できる。これにより、係合部W530aを不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500を不正に取り外し難くできる。
上記第27実施形態において、連結部Wl535に切欠きが形成されても良い。これにより、連結部Wl535を回転させ(捩じられ)易くできる。
上記第28実施形態では、規制突起Wm228が左右方向(矢印L-R方向)において延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、規制部Wm334の下方に配設されても良い。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。
上記第34実施形態では、一対の突起Ws328を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、一対の突起Ws328の一方(他方)のみが形成され、一対の突起Ws328の他方(一方)に対応する位置には、第7実施形態における突起W312cが形成されても良い。言い換えると、上下方向(矢印U-D方向)における一方(他方)には突起Ws328が形成され、他方(一方)には突起W312cが形成されても良い。これにより、保護カバーW500の一対の係合部W530bの一方と他方とで弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、一方(他方)の係合部W530bと突起Ws328(突起W312c)との係合を解除させるために一方(他方)の係合部W530bを弾性変形(変位)させることにより、他方(一方)の係合部W530bと突起W312c(突起Ws328)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第35実施形態において、突部Wt224bに形成される一対の切欠きWt224b1に突部Wt224bどうしを連結する連結部が形成されても良い。これにより、突部Wt224bの強度を確保できる。
上記第35実施形態では、突部Wt224bが断面視において、略矩形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、断面視において、平面部Wt220とは反対側へ向けて凸となる湾曲状に形成されても良い。これにより、突部Wt224bに封印シールWSLを貼着させ易くできる(突部Wt224bから封印シールWSLが剥がれ難くできる)。
上記第35実施形態では、左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法が係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも小さく形成されても良く、大きく形成されても良い。
左右方向(矢印L-R方向)における突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも小さく形成される場合、突部Wt224bに貼着された封印シールWSLが連結片W531bにより遮蔽され、不正を行う者から視認不能とできる。これにより、不正を行う者が切断工具により封印シールWSLを破損させ易くできる。
左右方向(矢印L-R方向)における突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも大きく形成される場合、切断工具の先端を連結片W531bの一対の側面に対向させることにより、連結片W531bを切断する操作を行うことなく切断工具を封印シールWSLに当接させることができ、封印シールWSLを破損させることができる。
上記第37実施形態において、凹部Wv229が一対の突起Wv534とは反対側(矢印D方向側)へ向けて延びて形成されても良い。これにより、保護カバーWv500から分離された係合部Wv530aをボックスカバーWv200から取り外す際、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として突起Wv534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転され、突起Wv534が封印シールWSLに当接した状態を維持しつつ係合部Wv530aを凹部Wv229の延びる方向(矢印D方向)へ向けて変位させることができる。その結果、封印シールWSLに形成される痕跡(破損)を大きくできる。
上記第39実施形態において、第1連結片Wx531b1及び第2連結片Wx531b2が異なる樹脂材料を用いて二色成形により成形されても良い。例えば、第1連結片Wx531b1が第2連結片Wx531b2よりも高い剛性を有する樹脂材料を用いて成形される場合、第1連結片Wx531b1の形状(第2連結片Wx531b2よりも正面壁部W520から背面壁部W510へ向かう方向における寸法が大きく形成される形状)に加え、剛性の高い樹脂材料を用いて成形されるため、第1連結片Wx531b1に対し第2連結片Wx531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を一層回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第39実施形態では、連結片Wx531bが断面視において、略L字状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、断面視において、略コ字状に形成され、開放される側が封印シールWSLに対向する姿勢で配設されても良い。これにより、切断中において、前後方向(矢印F-B方向)における連結片Wx531bの切断抵抗を変化させることができ、切断工具(図示せず)を回転させ易くできる。
上記各実施形態では、第1入賞口64に入球した球が可動の電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64に入球した球の流下経路に、球の流下のランダム性を上昇させるための釘が配設し、釘との衝突により確率で球が第2入賞口640側に案内されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作は、普通図柄の抽選により決定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の電源投入から一定パターンで動作するように制御されるものでも良い。この場合、電動役物640a又は羽部材945に対する注目力を向上させることができる。
また、電動役物640a又は羽部材945が一定動作する場合において、スルーゲート765や検出装置SE4,SE5を依然として配置するようにしても良い。例えば、球の通過が検出されることにより、第3図柄表示装置81や音響装置やLED等により、球が通過したことを遊技者に報知するように制御しても良い。この場合、球が電動役物640a又は羽部材945の近くを流下するタイミングであることを遊技者が把握し易くすることができる。
上記各実施形態では、普通図柄の抽選を保留可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、普通図柄の抽選が保留されず、普通図柄の変動中に普通入賞口66等で球の通過が検出されたとしても、普通図柄の抽選がされないように構成しても良い。
上記各実施形態では、球の流下経路の分岐位置にシーソー部材762又は振分け部983が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分岐位置に釘を配置しても良いし、分岐位置に樹脂材料から形成される突設部を配置しても良い。これらと球とが衝突することで、球の流下経路を分岐させることができる。この場合、球が交互に流下する場合だけでなく、片側に連続で流下する場合(タイミング)を生じさせることができる。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作時間を、0.5秒~3秒程度の短い時間で設定したが、必ずしもこれに限れるものではない。例えば、通常状態における普通図柄の抽選の内の約10%の確率で、3秒よりも長い時間(例えば、5秒間)において、電動役物640aが進入状態で維持され、又は、羽部材945が開放状態で維持されるような長開放作動パターンで動作されるよう設定しても良い。
長開放作動パターンで動作されている場合、第1入賞口64に入球した球を電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内し易くすることができる。そのため、長開放作動パターンで動作している時に発射した球(1分に100球が上限という発射間隔から考えて限られた球数の球)の内、第1入賞口64に入球した球が、第2入賞口640側へは案内されないという事態を回避することができる。
長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作している場合には、電動役物640a又は羽部材945にめがけて球を発射する方が、特別図柄2の抽選を獲得し易いので遊技者にとって有利である。そのため、長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作開始する前に、第3図柄表示装置81や、音響装置や、LED等の手段により、遊技者に電動役物640a又は羽部材945めがけて球を発射させるように、予め報知するように制御しても良い。
報知は、電動役物640a又は羽部材945の配置次第で変更されるものであるが、第41実施形態では、右打ちを示唆するよう報知する方が、球が電動役物640に到達し易いので望ましい。
一方、第42実施形態では、左打ち又は右打ちのどちらで球を発射しても羽部材945に到達し易さに差は無いが、それまでの発射状態を継続する意味で、左打ちを示唆するように報知する方が望ましい。なお、通常状態から右打ち遊技を行う遊技者向けに、発射を継続させるような内容で報知しても良い。
上記第41実施形態では、センサSEで通過が検出されることにより特別図柄1の抽選を獲得可能とされ、第2入賞口640を球が通過して下流側のスイッチに球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側のセンサSEで通過が検出される場合および第2入賞口640の下流側のスイッチで球が検出される場合に特別図柄1の抽選を獲得可能とし、右側のセンサSEで通過が検出される場合に特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
この場合、シーソー部材762により球が右側に流された場合に、電動役物640aの退避状態において球が第1送球経路KR1を通過した方が遊技者の利益が大きくなるという遊技性を構成することができる。
上記第41実施形態では、シーソー部材762の回転動作(左右傾倒動作)が0.5秒よりも短い時間で完了する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸部のクリアランスを小さくする等して、動作抵抗を増加させ、シーソー部材762の回転動作にかかる時間を1.0秒以上に設定しても良い。この場合、第1入賞口64に球が連球で入球したとしても、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことによる変動表示が終了してから、次の球がシーソー部材762により左側に流されるという遊技性を構成することができる。
上記第41実施形態では、案内部742が上側突出部741の内部に形成される流路の左右中央位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内部742が左右に並列されるよう構成しても良い。この場合、互いの突出先端面は、互いの対向する面に近づくほど、基部側に向かって傾斜して形成されるようにすることで、2つの案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)される球が、左右方向に位置ずれすることを効果的に抑制できる。
上記第41実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765と屈曲部材740との間が樹脂製の経路でつながれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、釘で球を案内する経路を構成しても良い。この場合、球の流下速度をばらつかせることができる。
上記第41実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が平行な直線形状溝として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が、非平行でも良い。また、湾曲経路で形成されても良い。湾曲の場合は、金属レールのように球の下側の案内面が湾曲する態様でも良いし、前後に蛇行する態様で湾曲するものでも良い。
上記第41実施形態では、移動板部材641が進入状態の時に左側案内部645が覆設板部711の正面側に配置され、その上面を球が転動可能となる場合を説明した。この場合において、覆設板部711の正面側に球の転動経路と交差する方向に延びる突条が突設されても良い。これにより、左側案内部645の上面を転動する球を突条に衝突させることによる球の減速を図ることができる。
上記第41実施形態では、右側案内部643により右側に流された球は漏れなく第2球送球部736に受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643が第2球送球部736の上側位置まで延長して形成されており、第2球送球部736の右隣に一般入賞口63が配設されるようにしても良い。
この場合、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が退避状態に変化すれば球は第2球送球部736に受け入れられるが、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が依然として進入状態で維持される場合には、球は第2球送球部736を右側に通過し、一般入賞口63に受け入れられる。
即ち、右側案内部643により球が右側に流された時点では、球が第2球送球部736に案内されるのか、一般入賞口63に案内されるのか判別できないので、球に対する注目力を向上させることができる。
上記第41実施形態では、大当たり種別に対応した電動役物640aの作動パターンが一つで制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別に対応して複数の作動パターンが予め設定されており、普通入賞口(スルーゲート)765での球通過検出時にいずれの作動パターンで制御されるかが確率で選択され、選択された作動パターンで電動役物640aの動作が実行されるようにしても良い。
上記第41実施形態では、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第1の作動パターンか第2の作動パターンで設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第4の作動パターンとなる場合を含むようにしても良い。この場合、高確率状態なのか、低確率状態なのかの判別をし難くすることができる。
上記第41実施形態では、第1入賞口64に入球した球がシーソー部材762を経由して下流側に流れる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、シーソー部材762及び左側流路の形成を省略するようにしても良い。即ち、第1入賞口64及び右側経路のみから流路が構成去れるようにしても良い。
この場合、連球で入球する場合を排除し難くなるが、例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設して、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第41実施形態では、第1入賞口64に入球した球は、右側案内部643に乗り、左側案内部645とは反対側に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643の傾斜が左側案内部645側に下降傾斜する形状とされ、第1入賞口64に入球した球が右側案内部643から左側案内部645側に流れ、第1球送球部734に案内されるように構成しても良い。
この場合、十分長く移動板部材641が進入状態で維持された場合に、第1送球経路KR1に配置されていた球を第1球送球部734に案内することができ、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
一方で、移動板部材641の進入状態が短い場合には第1球送球部734と屈曲部材740との間に球が落下することになるが、この位置に、球を受け入れることで遊技者に所定の利益を付与する受入口を配置しても良い。
その受入口に球が入球した場合における利益は、賞球の払い出しでも良いし、特別図柄1又は特別図柄2の抽選でも良いし、普通図柄の抽選でも良いし、転落抽選(高確率状態から低確率状態へ遊技状態を変化させる抽選)でも良いし、その他の利益でも良い。いずれにせよ、移動板部材641の上面を転動する球に対する注目力を向上することができる。
なお、右側案内部643の右端からより右側に上昇傾斜するように板を延長して、屈曲部材740の右側において落下した球を受け止め可能に構成しても良い。この場合において、屈曲部材740の右側から移動板部材641の上面を転動する球が第1送球経路KR1に到達するように構成される場合、球が第1送球経路KR1に配置されている状態で移動板部材641が退避状態となるように動作することで、球が第1送球経路KR1で落下してセンサSEに検出され、特別図柄1の抽選を獲得可能となる。
上記第41実施形態では、遊技領域の左側に普通入賞口(スルーゲート)66が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側に配置される普通入賞口(スルーゲート)66の配設を省略しても良い。この場合、左打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)765に限定され、右打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)67,765とされる。
即ち、左打ちで球を発射させることで、電動役物640aの動作を普通入賞口(スルーゲート)765での普通図柄の抽選による動作に限定することができるので、第1の作動パターン又は第2の作動パターンで電動役物640aが動作する場合に、右側案内部643に案内されずにセンサSEに検出される事態の発生を回避し易くすることができる。
一方で、右打ちで球を発射させた方が、普通図柄の抽選は獲得し易いので、遊技効率を上げやすい。即ち、遊技者は、遊技効率は低下するがセンサSEに球が検出される事態の発生を回避し易いように遊技を実行するか、遊技効率は上がるがセンサSEに球が検出される可能性が若干上がる遊技を実行するか、好みで選択することができる。
上記第41実施形態では、移動板部材641が屈曲部材740の外方まで張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側案内部645の形成が省略されても良い。この場合において、第2球送球部736を第2入賞口640として機能させても良い。
上記第41実施形態では、右側案内部643へ球が振分け部材760により形成される経路から案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60の正面側から右側案内部643に案内されるものでも良い。この場合、右側案内部643の左端部から同一傾斜で左側に板部が延設され、その板部の上面を転動する球が屈曲部材740の内部に進入できるように屈曲部材740の左側面に開口を形成すればよい。
上記第41実施形態では、移動板部材641の上面を転動し左右異なる方向に転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755の下端側において球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良いし、第2送球部736の後方に球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
即ち、第2傾斜溝757の形成を省略する等して、左側案内部645の上面を転動した球を検出する位置と、右側案内部643の上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第42実施形態では、羽部材945の上面を前後異なる位置で転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3分岐通路BK3の後方に球通過孔が形成され、その下流側に検出装置が配設され、その検出装置により球の通過が検出されることで、検出装置SE6と同様に、特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。
即ち、送球孔941k及び送球開口982kの形成を省略する等して、羽状本体945mの上面を転動した球を検出する位置と、板状部945eの上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第42実施形態では、板状部945eが羽部材945の回転先端側で羽状本体945mに連結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部945dが羽部材945の回転基端側に形成されても良いし、回転径方向の中間位置で形成されても良い。特に、延設部945dの回転基端側に形成される場合には、第4貫通孔941jや回転許容開口982mの形成幅を小さくすることができ、孔形成に伴い生じる背面ベース941や膨出部982の強度低下を最小限に抑えることができる。
なお、板状部945eに球が乗る場合、延設部945dを起点として板状部945eは撓み変形される可能性があるが、延設部945dが羽部材945の回転先端側に形成されている場合には、板状部945eが撓み変形から弾性回復する際に生じる弾性力が、球を第3分岐通路BK3側へ入れ込む方向で生じる。これにより、板状部945eの上面に到達した球を安定して第3分岐通路BK3側へ案内することができる。
上記第42実施形態では、一対の羽部材945の両方に延設部945d及び板状部945eが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の羽部材945にのみ延設部945d及び板状部945eが形成されても良い。
上記第42実施形態では、羽部材945の開放状態において、羽状本体945mの転動面と、板状部945eの転動面とが、同一の傾斜面で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの傾斜角度の方が、羽状本体945mの傾斜角度に比較して、浅い(水平との角度が小さい)ように形成しても良い。
この場合、羽状本体945mを転動する球の速度の方が、板状部945eを転動する球の速度よりも速くなり易くすることができる。そのため、前後に配置された球が正面視で重なった状態が維持される事態を回避し易くすることができる。
また、羽状本体945mに1個の球が乗っている場合に比較して、板状部945eに1個の球が乗っている場合の方が、球から羽部材945にかけられる動作抵抗が大きくなるようにすることができ、羽部材945の動作速度を低下させることができる。
また、羽部材945が前後方向のスライド移動で出没するよう構成される場合において、同様に、羽状本体945mの傾斜角度と板状部945eの傾斜角度とを異ならせても良い。この場合、板状部945e及び羽状本体945mに同時に球が乗った場合であっても、羽部材945の動作長さによっては、板状部945e又は羽状本体945mの一方で転動する球が転動板部941lに到達する一方で、板状部945e又は羽状本体945mの他方で転動する球が転動板部941lに到達する前に落下する状態を生じさせることができる。
上記第42実施形態では、羽部材945の開放状態における羽状本体945mの上面近傍から延設部945dが延設されることで羽状本体945mの上面と板状部945eの上面とが前後で重なって見える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの上面と、羽状本体945mの上面とを、上下でずらすように形成しても良い。この場合、板状部945eに球が乗っている状態で羽状本体945mに球が乗ったとしても、その上下位置にずれがあるので、前側の球で後側の球が完全に隠される事態を回避し易くすることができる。
上記第42実施形態では、板状部945eが左右対称位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状本体945mを左右対称形状としながら、左側の板状部945eよりも右側の板状部945eの方が上側に配置される(左右非対称で配置される)ように構成しても良い。この場合、正面から見易い羽状本体945mの見映えは左右対称を維持しながら、その背面側においてに配設される板状部945eの上面を転動する球の流下経路を左右非対称とすることができる。これにより、対称線上に球が到達した場合に左右方向の負荷がバランスして球詰まりが生じる事態を回避し易くすることができる。
上記第42実施形態では、磁性体988b,988cを利用して振分け部983の動作抵抗を設計し、球の流下間隔の最短側を規定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設しても良い。この場合、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第44実施形態では、上流側案内部4645の傾斜面4645aと右側案内部643の傾斜面643aとが、同一傾斜である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも大きくしても良い。この場合、傾斜面4645a上を転動する球の右側への加速を大きくすることができるので、第1送球経路KR1に球が配置されている状態で電動役物4640aが退避状態となったとしても、勢いで第2球送球部736側に流れるという状態を構成することができる。即ち、右方向の加速が大きくなることで、球が回収孔752に流下する事態を回避し易くすることができる。この意味で、第1入賞口64に入球した球に比較して、傾斜面4645aを転動して流下する球の方が、第2球送球部736に入球し易くすることができる。
また、例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも小さくしても良い。この場合、傾斜面643a上に球が滞在する時間を長くすることができるので、球が第1送球経路KR1に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に変化し、球が回収孔752に流下する事態が生じ易くなる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400の動作を複数態様で制御することで、入賞ユニットB400の内部を通る球が、ほぼ第2入賞口B640に案内される状態と、ほぼ第3入賞口B64bに案内される状態とを切り替え可能とされることを利用して、大当たり遊技後の遊技状態として、小当たり遊技が頻繁に生じる(ほぼ毎回の特別図柄の変動で生じる)よう設定され、小当たり遊技において開放された特定入賞口B65aに球を入賞させることで大当たり遊技に移行される前から多量の賞球の払い出しを受けることができる特殊確変状態と、小当たり遊技は頻繁には生じない確変状態とを構成可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たり遊技が頻繁に生じるような設定とはされず(必ずしも特定入賞口B65aは必要とはされず)、入賞ユニットB400を利用して、特別図柄1の抽選を受けるための入賞口(第3入賞口B64bに相当)側に球を案内し易い状態と、特別図柄2の抽選を受けるための入賞口(第2入賞口B640に相当)側に球を案内し易い状態とで切り替え可能とされても良い。
この場合、大当たり遊技終了後に移行される遊技状態において、遊技としては入賞ユニットB400へ向けて球を発射するという共通の遊技態様としながら、大当たりを獲得した場合に期待される大当たりの大当たり種別の振分けを変えられるパチンコ機を構成することができる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400が、第2入賞口B640にも第3入賞口B64bにも球を案内し難い第1の作動パターンか、第3入賞口B64bに球を案内し易い第2の作動パターンか、第2入賞口B640に球を案内し易い第3の作動パターンか、で電動役物B640aが動作可能に構成させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの双方に球を案内し易い作動パターンで電動役物B640aが動作可能としても良い。
そのための実現手段としては、例えば、第3の作動パターンにおける基準の作動パターンBRP3の動作時間Bt3bを1.0秒として、残りの1.0秒はスライド部材B450が非励磁状態で維持されるようにすれば、待機時間Bt3aの間に先端部B451に拾われた球が第2入賞口B640に案内される場合と、第3入賞口B64bに案内される場合とを生じさせることができる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400において、前進位置に配置されたスライド部材B450の先端部B451に球が乗っている状態でソレノイドBSOL41を駆動させた場合に、先端部B451に乗っている球が先端部B451の上面に押し込まれる形で球通過開口B414を通過可能に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450が後退位置に配置された状態では、先端部B451の上面と球通過開口B414の上縁との間の寸法が球の直径未満の長さに設計するようにしても良い。
即ち、先端部B451の上面は、前方へ向かう程に上昇傾斜する傾斜面として形成されているところ、スライド部材B450の変位方向は前後方向なので、先端部B451の上面と球通過開口B414の上縁との間の寸法は、スライド部材B450が前進位置に配置される場合よりも、スライド部材B450が後退位置に配置される場合の方が短くなる。
これを利用して、スライド部材B450が前進位置に配置される場合には球が球通過開口B414を通過可能とされる一方で、スライド部材B450が前進位置から後退位置に変位する際に先端部B451に乗っている球については、球通過開口B414の上縁部に球が引っかかる寸法関係で設計することで、スライド部材B450が前進位置から後退位置に変位する際に先端部B451に乗っている球が球通過開口B414を通過することを防止することができる。これにより、球通過開口B414への球の入球確率を下げることができる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400において、左壁部B432及び右壁部B433が球の左右方向の通過を遮る程度の高さで形成されており、左案内板部B452又は右案内板部B453から中央流路B431側への球の導入は、左壁部B432又は右壁部B433の後側に配置される左開口部BLT又は右開口部BRTを通る態様に限定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左壁部B432及び右壁部B433の上下高さを低く設計して、球が左壁部B432及び右壁部B433の上側を通過可能にしても良い。
また、例えば、スライド部材B450の上面の上下位置が、スライド部材B450が前進位置に配置される場合と後退位置に配置される場合とで異なることを利用して、左壁部B432及び右壁部B433の高さを、スライド部材B450が前進位置に配置される場合(上面の上下位置が低い場合)には、左壁部B432及び右壁部B433の上側を球が通過することを遮るのに十分とする(例えば、スライド部材B450の上面の上下位置よりも左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置の方が上側となるように設計する)一方で、スライド部材B450が後退位置に配置される場合(上面の上下寸法が高い場合)には、左壁部B432及び右壁部B433の上側を球が通過することを許容できる(球が通過可能とする、例えば、スライド部材B450の上面の上下位置よりも左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置の方が下側となるように設計する)ようにしても良い。
この場合、スライド部材B450の上面を転動して中央流路B431側へ流下する球の流下経路のバリエーションとして、左壁部B432又は右壁部B433の後側に配置される左開口部BLT又は右開口部BRTを通る流下経路の他に、スライド部材B450が後退位置に配置された状態において左壁部B432又は右壁部B433の上側を通る流下経路を構成することができる。
また、スライド部材B450の上面の上下位置と、左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置との関係を、左右で異ならせるようにしても良い。例えば、左壁部B432の上側を球が通過することを許容する状態で右壁部B433の上側を球が通過することは制限するように構成したり、右壁部B433の上側を球が通過することを許容する状態で右壁部432の上側を球が通過することは制限するように構成したりしても良い。
この場合、スライド部材B450に案内される球の流下経路を、球が左側を流下するか、球が右側を流下するかで大きく異ならせることができる。
上記第45実施形態では、球を拾うための構造としてスライド部材B450の先端部B451と傾倒部材B470の板状部B471とを備え、先端部B451が正面視で板状部B471の左右外側かつ上側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450の二股の構造をやめて、先端部B451に対応する部分が板状部B471の真上に配置されるようにしても良い。
この場合、ベース板B60とガラスユニットB16との間の領域における先端部B451と板状部B471との間の位置に、球の通過を規制する固定の規制板を設けることで、先端部B451に拾われなかった球が板状部B471に拾われる入賞態様を避けることができる。
これにより、入賞ユニットB400の左右方向寸法を低減することができる。また、先端部B451を1つとすることで、入賞ユニットB400内の経路において球の合流が生じることを無くせるので、入賞ユニットB400の設計自由度を向上することができる(設計を簡素化することができる)。
上記第45実施形態では、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が水平方向に延びるように形成されており、中央流路B431の上側に配置される天井構成部B444の傾斜面部B444aが正面側へ向かうほど上昇傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が、後方へ向かう程に下降傾斜する面として構成しても良い。この場合、スライド部材B450の上面を流下する球の流下経路の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)が大きくなりすぎて、流下中の球がバタつくことを避けることができる。
例えば、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が、後方へ向かう程に上昇傾斜する面として構成しても良い。この場合、スライド部材B450の上面を流下する球の流下経路の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)を大きく確保することができるので、スライド部材B450が後方へ変位する際に、スライド部材B450の上面に乗っていた球が後方へ押し込まれてスライド部材B450の後方側位置における球の密度が高くなったとしても、それによってスライド部材B450の上側で球詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
例えば、中央流路B431の上側に配置される天井構成部B444が、正面側へ向かうほど下降傾斜するように構成しても良いし、水平方向に延びるように構成しても良い。この場合、中央流路B431の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)が大きくなりすぎて、流下中の球がバタつくことを避けることができる。
上記第45実施形態では、スライド部材B450に拾われた球が通過する球通過開口B414や、傾倒部材B470に拾われた球が通過する中央開口部B413の左右幅が、球の直径よりも若干長い程度とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414や中央開口部B413の左右幅を球の直径の複数倍(例えば、2倍)よりも若干長い程度の寸法で設計し、合わせて、スライド部材B450の左案内板部B452及び右案内板部B453、中央流路B431及び傾倒部材B470の左右幅も同様の左右幅で設計しても良い。この場合、スライド部材B450や傾倒部材B470で一度に拾うことができる球の個数を増加させることができるので、入賞効率を上げることができる。
上記第45実施形態では、球通過開口B414の左右幅と、中央開口部B413の左右幅とを合わせている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414の左右幅を球の直径よりも若干長い程度で設計し、中央開口部B413の左右幅を球の直径の複数倍よりも若干長い程度の寸法で設計するようにしても良く、合わせて中央流路B431の左右幅および傾倒部材B470の左右幅を中央開口部B413の左右幅と同様の思想で設計しても良い。
この場合、中央流路B431から下流側の領域において球が左右に並んで流下できるようになるので、左右一対の球通過開口B414を同時に球が通過した場合であっても、中央流路B431で球が合流してしまい流下抵抗が増加するという事態を避け易くすることができる。
また、例えば、球通過開口B414の左右幅を球の直径の複数倍よりも若干長い程度の寸法で設計し、中央開口部B413の左右幅を球の直径よりも若干長い程度で設計するようにしても良く、合わせてスライド部材B450の先端部B451、左案内板部B452及び右案内板部B453の左右幅を球通過開口B414の左右幅と同様の思想で設計しても良い。
この場合、スライド部材B450と傾倒部材B470とが連動するという条件下において、入賞ユニットB400の内部経路の最上流側(入口側)における第1入球効率(スライド部材B450に球が拾われる効率)を向上しながら、その第1入球効率よりも入賞ユニットB400の内部経路の最下流側(出口側)における第2入球効率(傾倒部材B470に球が拾われる効率)を低減することができる。
これにより、遊技者に対して、入賞ユニットB400の入口に入る見かけ上の入球効率(第1入球効率)が高いように見せて、実際に傾倒部材B470に球が拾われる確率(第2入球効率)は低減されるよう構成することができる。これにより、遊技者の入賞ユニットB400への入球効率についての印象を良くすることができ、遊技者が遊技を継続するように仕向けることができる。
上記第45実施形態では、スライド部材B450の左案内板部B452の傾斜角度と、右案内板部B453の傾斜角度とが同じとなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右案内板部B453の傾斜角度を左案内板部B452の傾斜角度よりも大きくしても良いし、左案内板部B452の傾斜角度を右案内板部B453の傾斜角度よりも大きくしても良い。
特に、後者の場合、左案内板部B452及び右案内板部B453の前後長さの違いによる球の流下時間の差を、球の流下速度で補わせることができるので、左右の先端部B451が同時に球を受けた場合に、それらの球が中央流路B431に到達するタイミングを合わせ易くすることができる。
また、前者の場合は逆に、左案内板部B452及び右案内板部B453の前後長さの違いによる球の流下時間の差を、球の流下速度が助長することになるので、左右の先端部B451が同時に球を受けた場合に、それらの球が中央流路B431に到達するタイミングを異ならせ易くすることができる。
上記第45実施形態では、スライド部材B450が、遊技領域から球を受ける先端部B451のみでなく、その後方流路においても球を転動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端部B451のみで球と接触し、先端部B451の下流側へ流れた球は、左案内板部B452や右案内板部B453等を上から覆う固定板部(変位しない部分)の上面を転動するようにしても良い。この場合、スライド部材B450の変位により球が加速されたり減速されたりする範囲を狭くすることができる。
また、この場合、先端部B451の構成および動作態様を変更し、前方に傾倒する動作態様(傾倒部材B470で例示される動作態様)としても良い。即ち、非励磁状態において、傾倒部材B470で説明した開放位置とされ、励磁状態において、傾倒部材B470で説明した閉鎖位置とされるように構成しても良い。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400において、先端部B451に拾われた球が傾倒部材B470に到達するまでの経路において固定の底面部B431aを転動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、底面部B431aがスライド部材B450の動作と連動して動作するように構成しても良い。この場合、入賞ユニットB400の内部流路において球詰まりが生じていたとしても、内部流路の全体で動作が生じることから、球をほぐすことができ、球詰まりの解消を図ることができる。なお、底面部B431aの動作としては、スライド部材B450の逆方向に動作するものでも良いし、スライド部材B450と一体的に構成する等して同方向に動作するものでも良い。
上記第45実施形態では、固定の底面部B431aが球を直線的に転動させる傾斜面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、底面部B431aが湾曲形成されることで球の流下方向が湾曲するようにして球の流下速度の変化が顕著になるように構成しても良いし、流下中に球が落下する範囲を有するよう構成し球が跳ねることで流下態様がばらつくようにしても良いし、球が蛇行して流下するよう流路を繰り返し屈曲させることで球が通過するまでの時間を長くするようにしても良い。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400において、球通過開口B414が単なる開口部である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414に球通過を検出する検出センサが配設され、球通過開口B414への入球を検出可能に構成しても良い。この場合、球通過開口B414への入球を検出した場合に、第3図柄表示装置B81等で遊技者に対して報知することで、遊技者に対して球通過開口B414を球が通過したことに気付かせることができ、入賞ユニットB400の注目力を向上させることができる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400において、先端部B451に拾われた球が必ず傾倒部材B470側まで案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内部流路に排出用開口が形成され、一部の球は排出用開口を通り排出されることで、先端部B451に拾われた球の一部しか傾倒部材B470まで案内されることは無いように構成しても良い。この場合において、スライド部材B450は排出用開口を開閉させる部材としても機能するように構成しても良い。
上記第45実施形態では、スライド部材B450の左案内板部B452及び右案内板部B453が、前後方向で同一傾斜の板状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、途中で傾斜が変わるようにしても良いし、上面が階段状に形成されるようにしても良い。この場合、スライド部材B450上における球の配置次第で、スライド部材B450が後方に変位した際に球が受ける負荷の大きさを変化させることができる(例えば、階段状に形成される場合に、段の近くに球が配置されており段の側面から負荷を受けるか、段から離れて球が配置されており段の上面と滑るようにして負荷を受けるかで異ならせることができる)。
例えば、上流側(前側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度に比較して、下流側(後側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度を小さく形成する場合、上流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷を、下流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷よりも大きくすることができる。これにより、スライド部材B450上の上流側および下流側に配置される複数の球の間隔を、スライド部材B450の変位により狭める(縮める、密にする)ことができる。
また、例えば、上流側(前側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度に比較して、下流側(後側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度を大きく形成する場合、上流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷を、下流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷よりも小さくすることができる。これにより、スライド部材B450上の上流側および下流側に配置される複数の球の間隔を、スライド部材B450の変位により広げる(拡大する、疎にする)ことができる。
また、例えば、流下経路に沿って左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜の大小が複数回変化するように構成しても良い。この場合、球の配置によって、スライド部材B450の変位により球同士の間隔が縮まる場合と、球同士の間隔が広がる場合との両方を生じさせることができる。
また、例えば、左案内板部B452における上面の傾斜角度と、右案内板部452における上面の傾斜角度とを異ならせるようにしても良い。即ち、左案内板部B452の上面は前後方向で水平面に対する傾斜が同一の板状に形成される一方で、右案内板部B453の上面は水平面に対する傾斜が途中で変化するように形成されても良い。この場合、スライド部材B450の変位により球が受ける負荷の態様を、球が左案内板部B452上に配置されているか、球が右案内板部452上に配置されているかで異ならせることができる。
上記第45実施形態では、スライド部材B450と傾倒部材B470とが、伝達部材B480が間に介在することにより連動するものであり、スライド部材B450又は傾倒部材B470の一方で球噛み等の不具合が生じると、他方の動作にも影響を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、伝達部材B480の第2部材B485の部分であってスライド部材B450と対向配置される回動先端部の前側と、スライド部材B450の中央固定部B454とが対向する位置(間の位置)に前後方向で伸縮可能なコイルスプリングを介在させるように構成する。常には、第2部材B485側にスライド部材B450がコイルスプリングの付勢力で押し付けられており第2部材B485とスライド部材B450とが連動するように構成する一方で、スライド部材B450の前端と前意匠部材B420との間に球が挟み込まれた(球噛みした)場合には、スライド部材B450の前方への変位が妨害される分だけコイルスプリングが縮むことでカバーされるように構成することで、スライド部材B450が前進位置に配置されていなくても第2部材B485を前方に傾倒させることができる。
これにより、第1部材B481の動作が第2部材B485に妨害されることを回避することができるので、スライド部材B450側で生じた球噛みにより、傾倒部材B470の動作が途中で停止することを回避し易くすることができる。
このように、伝達部材B480を利用して駆動力の伝達経路を複数設けるような場合であっても、一の伝達経路にコイルスプリング等の部材(緩衝材などでも良い)を介在させることで、一の伝達経路で生じた不具合が、他の伝達経路にまで伝わることを避けることができる。
上記第45実施形態では、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態へ切替動作される場合に、下板部B482bに係止突設部B487が押し下げられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、係止突設部B487の形成を省略しても良い。電動役物B640aの励磁状態では、下板部B482bが第2部材B485の偏心突部B486と当接される一方で、上板部B482aと偏心突部B486との間に隙間が確保されている。
第2部材B485の自重による回転方向の負荷は、回転径方向外端部において第2部材B485に当接されるスライド部材B450と中段部材B430との間の静止摩擦を下回っており、第2部材B485が自重で前転方向に変位することは防止される。即ち、下板部B482bと偏心突部B486との当接が解除されても、第2部材B485の姿勢は維持される。
そのため、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態へ切替動作される場合に、上板部B482aに偏心突部B486が押し下げられるまでスライド部材B450が後退位置で維持され、傾倒部材B470のみが起き上がり動作する。即ち、ソレノイドBSOL41の駆動力は傾倒部材B470に集中して伝達される。この場合、スライド部材B450の動作開始タイミングと傾倒部材B470の動作開始タイミングとがずれることになる。
即ち、動作開始から途中位置までは傾倒部材B470のみが動作し、途中位置からは傾倒部材B470及びスライド部材B450が動作する。第1部材B481が下降する過程において、上板部B482aと偏心突部B486とが当接した後は、上板部B482aに偏心突部B486が押し下げられる態様で第2部材B485が回転軸部B485aを中心に前転方向に回転動作する。動作終了タイミングは、スライド部材B450と傾倒部材B470とでほぼ同時となる。
この場合、励磁状態から非励磁状態への切替動作において、スライド部材B450と前意匠部材B420との間に球が挟まり、スライド部材B450の変位が抑制され得る事態が生じたとしても、スライド部材B450の変位に先行して傾倒部材B470の起き上がり動作が開始されているので、傾倒部材B470の起き上がり動作まで抑制されることを防止することができる。
これにより、スライド部材B450の変位が抑制されることと連動して、傾倒部材B470の起き上がり動作が遅れ、予期せぬタイミングで球が傾倒部材B470に拾われる事態を回避し易くすることができる。
なお、第2部材B485の自重による回転方向の負荷は、回転径方向外端部において第2部材B485に当接されるスライド部材B450と中段部材B430との間の静止摩擦を下回っており、第2部材B485が自重で前転方向に変位することは防止される場合を例にしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2部材B485の重心が傾倒先端側に寄るように設計されることで、第2部材B485が自重で前転方向に変位し得るようにしても良い。
上記第45実施形態では、スライド部材B450と傾倒部材B470とが単一のソレノイドBSOL41の駆動力により連動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450を駆動する駆動装置と、傾倒部材B470を駆動する駆動装置とを別々に構成し、非連動で動作可能に構成しても良い。
この場合において、例えば、スライド部材B450が後退位置に配置されてから約3秒経過(入賞ユニットB400の内部に流入した球が通過しきるのに十分な時間が経過)してから傾倒部材B470が開放位置に変位されるようにし、その後でスライド部材B450が前進位置に配置される際には傾倒部材B470が閉鎖位置に配置されるような作動パターンを追加しても良い。この場合、傾倒部材B470に球が拾われることを防止し易くすることができる。
上記第45実施形態では、傾倒部材B470が閉鎖する際に球を挟んだ場合においても先端部B451で球を拾い難く構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、そもそも、傾倒部材B470に球が到達し得るタイミングにおいて傾倒部材B470の閉鎖動作が生じないようにソレノイドBSOL41を駆動させるように設定しても良い。この場合、傾倒部材B470の閉鎖をスムーズに実行することができる。
また、傾倒部材B470に球が到達し得るタイミングにおいては、傾倒部材B470は開放動作のみが生じるようにソレノイドBSOL41を駆動させるように設定しても良い。この場合、球の重みが傾倒部材B470を開放させる方向に作用することから、傾倒部材B470の開放を補助することができると共に、傾倒部材B470から第1部材B481及び第2部材B485を介してスライド部材B450に負荷を伝達させることにより、スライド部材B450の後退位置へ向けた動作をスムーズに行わせることができる。
上記第45実施形態では、待機時間Bt1a~Bt3a及び動作時間Bt1b~Bt3bから設定される作動パターンBRP1~BRP3が繰り返し実行されることにより、入賞ユニットB400を流下する球の流下経路が切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基準の作動パターンとしては動作時間のみが設定され、待機時間の代わりに第2図柄の変動表示にかかる時間が設定されるようにしても良い。
例えば、基準の作動パターンとして動作時間を3.9秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を0.1秒で設定する場合、その0.1秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第1の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
また、例えば、基準の作動パターンとして動作時間を0.2秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を1.8秒で設定する場合、その1.8秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第2の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
また、例えば、基準の作動パターンとして動作時間を2.0秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を2.0秒で設定する場合、その2.0秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第3の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に釘BKG1が配設され、釘BKG1の状態次第で、入賞ユニットB400の内部流路から下方へ流下した球の第3入賞口B64bへの入球確率が変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に、第49実施形態で説明した切替装置B5770が配設され、切替装置B5770の動作に対する球の入球タイミング次第で、第3入賞口B64bに入球されるか否かが決定されるものでも良い。この場合、釘BKG1の状態に左右されずに第3入賞口B64bへ入球させることができる。
また、例えば、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に、2個(又はN個)に1個の割合で第3入賞口B64b側に球を導入する振分装置(例えば、シーソー機構)を配設しても良い。この場合、釘BKG1の状態に左右されずに、振分装置により2個(又はN個)に1個は第3入賞口B64bに入球させることができるので、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
上記第45実施形態では、スルーゲートB66,B67の上側を流下する球が、釘BKG1によりスルーゲートB66,B67に導かれるように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、スルーゲートB66,B67への案内に、釘BKG1に代えて、又は釘BKG1と組み合わせて、樹脂材料による構造物を使用しても良い。この場合、樹脂材料による構造体が釘BKG1よりも状態の変化が生じにくいので、スルーゲートB66,B67への球の案内を安定させることができる。
また、例えば、釘BKG1の配設個数を減らしたり、配設位置を変えたりすることにより、スルーゲートB66,B67の上側を流下する球が全てスルーゲートB66,B67を通過するのではなく、一部の球はスルーゲートB66,B67から逸れて流下するように構成しても良い。
上記第45実施形態では、傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能であり、傾倒部材B470に拾われなかった球が第3入賞口B64bに入球することで特別図柄1の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、抽選を獲得可能な特別図柄の割り振りを逆転させる(傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄1の抽選を獲得可能であり、傾倒部材B470に拾われなかった球が第3入賞口B64bに入球することで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる)ようにしても良い。この場合、大当たり終了後の電動役物B640aの作動パターンを、大当たりA,aの場合に第2の作動パターンとして、大当たりB,C,b,cの場合に第3の作動パターンとすれば、第45実施形態で説明した遊技性と同様の遊技性を保つことができる。更に、第45実施形態で説明した場合と異なり、第3入賞口B64bに球が入球し易い状態において小当たり遊技が発生し易く、特定入賞口B65aに球が入球し易いよう構成されることから、第3入賞口B64bから零れた球が特定入賞口B65aに拾われる事態を生じさせ易くすることができる。
また、例えば、傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能な条件下で、第3入賞口B64bに入球することでも特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。この場合、特定入賞口B65aを入賞ユニットB400の左右外端よりも左右方向外側に張り出さない寸法および位置で配設するようにしても良い。
電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下したほとんどの球が入賞ユニットB400から排出され第3入賞口B64b側へ流下する。一方で、電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下したほとんどの球が傾倒部材B470に拾われることで、第3入賞口B64b側へは流れ出ない。そして、特定入賞口B65aは、入賞ユニットB400から排出され第3入賞口B64b側へ流下した球の内、第3入賞口B64bから零れた球を受け入れるよう配設されることで、新たな遊技性を構成することができる。
即ち、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動されるか、第3の作動パターンで駆動されるかに関わらず、特別図柄2の抽選を獲得可能とされる。そのため、小当たり遊技として特定入賞口B65aの開閉が頻繁に生じ得る。
ここで、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下した球のほとんどが第3入賞口B64b側へ流下するので、その内の何割かが第3入賞口B64bから零れて特定入賞口B65aに入球することで、遊技者は多量の賞球の払い出しを受けることができる。
一方、電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動される場合には、ほとんどの球が特定入賞口B65a側に向かわない(傾倒部材B470に拾われる)ので、特定入賞口B65aへの入球が生じ難く、遊技者は多量の賞球の払い出しを受けることはできない。
このように、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動されるか、第3の作動パターンで駆動されるかに関わらず、遊技者は特別図柄2の抽選を獲得可能とされることから特定入賞口B65aの開閉が頻繁に生じるが、電動役物B640aの作動パターンの違いによって特定入賞口B65aへ球が案内される確率が変化することで、特定入賞口B65aの開放時(小当たり遊技発生時)に特定入賞口B65aに入球させ多量の賞球が得られる場合と、そうでない場合とを生じさせるという遊技性を構成することができる。
上記第45実施形態では、入賞ユニットB400に流入した球により遊技者が得られる利益として、球が検出センサB435の開口B435aを通過した場合には特別図柄の抽選はされず、賞球の払い出しのみがされる一方で、球が第3入賞口B64bを通過した場合には特別図柄1の抽選がされ、賞球の払い出しもされるよう設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が検出センサB435の開口B435aを通過した場合に特別図柄1の抽選がされ、賞球の払い出しもされる一方で、球が第3入賞口B64bを通過した場合に特別図柄の抽選はされず、賞球の払い出しのみがされるよう設定しても良い。
この場合、第1の作動パターンでは、球が稀に開口B435aを通過することで、第1入賞口B64への入球数に加えて開口B435aを通過することで特別図柄1の抽選頻度が増加する。
第2の作動パターンでは、球は先端部B451に拾われ電動役物B640aの励磁状態において傾倒部材B470の正面側を通り第3入賞口B64bに入賞しやすくされるので、入賞ユニットB400に流入した球によって特別図柄の抽選頻度は増加されず、賞球の払い出しが多くなる。入賞ユニットB400は、開口B435aを球が通過可能に開放されている場合においても開口B435aの球の通過は10個に1個の割合とされることから、動作時間Bt2bの開口B435aの開放では球が開口B435a側に流入することはほとんどない。そのため、第2の作動パターンにおいて、特別図柄1の抽選頻度の上昇はほとんど起きない。
第3の作動パターンでは、待機時間Bt3aにおいて先端部B451に拾われた球は、動作時間Bt3bにおいて傾倒部材B470に拾われ易いので、特別図柄2の抽選頻度が増加する。また、動作時間Bt3bにおいては、先端部B451の正面側を球が通り開口B435aを通過し得るので、特別図柄1の抽選頻度も増加する。
また、検出センサB435aの開口B435aを、アウト口(賞球の払い出し無し、図柄抽選無しであり、遊技領域から球を排出する開口部)として、単に球の通過を計数するためのセンサとして利用しても良い。この場合、開口B435aにより、開口B435aを球が通過する頻度を計測することができる。
また、第2入賞口B640の機能と、第3入賞口B64bの機能とを逆で設定しても良い。この場合、特殊確変状態とする場合の作動パターンを第2の作動パターンとし、確変状態とする場合の作動パターンを第3の作動パターンに設定すれば良く、第3入賞口B64bに球が入球する抽選で小当たりを発生させ、第3入賞口B64bから逸れた球が特定入賞口B65aに入球し得るパチンコ機を構成することができる。
これにより、第3入賞口B64bの真上に配置される釘BKG1の状態として、球が第3入賞口B64bに入り易ければ、小当たりは生じ易いが第3入賞口B64bから逸れる球は少ないために特定入賞口B65aの入賞数が過多となることは抑制できる一方で、第3入賞口B64bの真上に配置される釘BKG1の状態として、球が第3入賞口B64bに入り難ければ、小当たりは生じ難いが第3入賞口B64bから逸れる球は多いために一旦特定入賞口B65aが開放されれば多量の球を特定入賞口B65aに入球させ得る。即ち、第3入賞口B64bへ入球し易いかどうか(有利不利)と、特定入賞口B65aへ入球し易いかどうか(不利有利)とがバランスするパチンコ機を構成することができる。
上記第45実施形態では、上側可変入賞装置B700において、貯留板部B715間に球が4個まで貯留可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715が間に球を1個だけ配置可能な形状で形成されるようにしても良い。この場合、貯留板部B715間で停留される球は移動床部材B740に乗っており、その球に衝突した球を検出センサB750の開口部B751に流入させることができる。この場合、球が検出センサB750の開口部B751を通り易い状態にあるか否かを、貯留板部B715間における球の有無を確認することで容易に把握することができるので、貯留板部B715間の球の個数を数える必要がある場合に比較して遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記第45実施形態では、上側可変入賞装置B700において、貯留板部B715の左右両側において複数の検出センサB750が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサB750の配設個数は1個でも良い。また、1個配置する場合において、貯留板部B715の左右に配置されるいずれかを残し、何れかを除外するようにしても良いし、貯留板部B715の前後に位置ずれして検出センサB750が配置されるようにしても良い。
貯留板部B715の正面側に検出センサB750が配置される場合には開口部B751を通過する球を遊技者に見せ易くすることができる。一方、貯留板部B715の背面側に検出センサB750が配置される場合には開口部B751を通過する球が貯留板部B715に貯留される球に隠される作用を付加することができるので、開口部B751に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
上記第45実施形態では、上側可変入賞装置B700において、ラウンド遊技における規定個数と貯留板部B715間に貯留可能な球の個数との関係が、10個対4個である場合を説明したが、個数の関係は任意に定められるものであり、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、10個対10個とする場合、上側可変入賞装置B700に対して、規定個数を超える個数の球の入賞(11個以上の入賞、オーバー入賞)があった場合に、開口部B751を球が通過するパチンコ機を構成することができる。この場合、規定個数の入球に留まる場合に比較してラウンド遊技において得られる賞球個数が増加する喜びと、大当たり遊技が終了した後に移行される遊技状態が有利な状態になることに対する喜びとを、遊技者に同時に与えることができる。
上記第45実施形態では、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730を駆動する駆動装置とは別で移動床部材B740を駆動する駆動装置を設けるようにしても良い。
この場合の動作パターンは、上記第45実施形態で説明したような動作パターンに加えて、多種多様な動作パターンを構成することができる。例えば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された場合に、移動床部材B740を後退位置に配置することもできる。この場合、移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が貯留板部B715の間の位置に貯留されないようにすることができるので、球が開口部B751に入球する可能性を低めることができる。
また、例えば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された場合に、移動床部材B740を単独で前後(繰り返し)動作させるようにしても良い。この場合において、移動床部材B740が後退位置に維持される期間が0.2秒よりも長い場合には貯留板部B715の間の位置から球を排出させることができ、一方、移動床部材B740が後退位置に維持される期間が0.2秒よりも短い場合には貯留板部B715の間の位置に球を留めることができる。
また、例えば、移動上蓋部材B730が前進位置に配置された場合に、移動床部材B740を前進位置に配置することもできる。この場合、ラウンド遊技中に移動上蓋部材B730が開閉を繰り返すような駆動態様であっても、貯留板部B715の間の位置に球が貯留される状態を維持することができる。更に、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されてから、移動床部材B740を前進位置から後退位置に変位させるまでに数秒のタイムラグが生じるようにすることで、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される直前に多数の球がまとまって入球したような場合に、それらの球が開口部B751側に到達し、開口部B751を通過し得るタイミングまで貯留板部B715の間の位置から球を排出しないようにすることができる。
上記第45実施形態では、上側可変入賞装置B700は、大当たり遊技において開閉される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側可変入賞装置B700が小当たり遊技において開閉されるよう構成し、検出センサB750を、開口部B751を球が通過することにより大当たり遊技を実行可能とするための検出センサとして構成しても良い。
ここで、小当たり遊技における上側可変入賞装置B700の開放時間の合計が1.8秒までとされる場合において、移動上蓋部材B730を後退位置に配置したら0.12秒経過する度に前進位置に配置させるという規則で移動上蓋部材B730を前後に繰り返し変位させる状態において、移動上蓋部材B730を後退位置に15回まで配置することができる(0.12×15=1.8)。
移動上蓋部材B730が前進位置に配置される場合において貯留板部B715の間の位置に配置される球が排出されないよう移動床部材B740が駆動される場合、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態で移動上蓋部材B730の正面側を流下した球を貯留板部B715の間の位置に貯留することができ、球を開口部B751に入球させ易い。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満とされる駆動態様に対応する。
一方、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される場合において貯留板部B715の間の位置に配置される球が排出され得るよう移動床部材B740が駆動される場合、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態で移動上蓋部材B730の正面側を流下した球が貯留板部B715の間の位置から次々に排出され、球を開口部B751に入球させ難い。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上とされる駆動態様に対応する。
小当たり遊技は、予め規定された駆動パターンで移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が開閉されることになる。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間に多数の球を上側可変入賞装置B700に入球させることが好ましいが、例えば、0.1秒と0.3秒との違いを見分けることは困難である。
そこで、小当たり遊技の駆動パターンとして、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間よりも、発射した球が到達するまでの期間だけ前倒ししたタイミングで、上側可変入賞装置B700へ向けて球を発射することを促す報知を実行するようにしても良い。この報知に従い球を発射すれば、貯留板部B715の間の位置に球を貯留させ開口部B751に球を入球させ易くすることができる。このように、球の発射の適切なタイミングを報知するようにすることで、報知外のタイミングで球を発射することによる球損の発生を回避し易くすることができる。
小当たり遊技の駆動パターンとして、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間が2回用意され、その間に移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上の状態が繰り返される期間が配置されるようにする場合、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される1回目の期間において球が開口部B751に入球しなかった場合に、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される2回目の期間の前に、上側可変入賞装置B700へ向けて球を発射することを促す報知を実行するようにしても良い。
この場合、例えば、球発射装置の詰まりなどで球を発射できていなかった場合においても、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上の状態が繰り返される期間が長めに(例えば、15秒で)設定される場合には、その間に球発射装置の詰まりを修復できる可能性を高めることができる。
なお、発射した球が到達するまでの期間だけ前倒ししたタイミングは、上側可変入賞装置B700の配置次第で変更され得る。上記第45実施形態のように遊技領域の上端部付近に配置される場合には1~2秒とされるが、遊技領域の右下端位置等に配置される場合にはもっと長く、その上流側における球経路(釘BKG1により形成される経路または樹脂部材により流路形成される経路)の長さによっては、5~10秒程度の長さまで幅が生じる。
また、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合を例示したが、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが独立で駆動するように構成される場合において、移動床部材B740が後退位置に配置される期間が0.2秒未満となる駆動態様で繰り返し動作される期間を狙って、上述の報知を行うようにしても良い。
この場合、移動床部材B740の動作態様と、移動上蓋部材B730の動作態様とは対応しないので、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される期間の長さを見て、移動床部材B740の動作と対応付けることは困難となる。従って、上述の報知に対する注目力を向上させることができる。
上記第45実施形態では、一対の貯留板部B715の間に球が貯留されている間において、球を開口部B751に入球させ易い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作により、開口部B751に球を誘導する誘導状態と、誘導しない非誘導状態とで状態が変化される状態変化手段が配設され、その状態変化手段の動作は、一対の貯留板部B715から排出された球の運動エネルギーにより行われるよう構成しても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間から球が排出された後において開口部B751に入球させ易くできる遊技機を構成することができる。
上記第45実施形態では、一対の貯留板部B715への球の進入を、球によって妨害する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の貯留板部B715の間の領域への球の入球の可否を切り替える開閉手段を配設しても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間の位置が球で満タンになる前においても、開閉手段により一対の貯留板部B715の間に球が進入できない状態を構成することができ、球が開口部B751を通過する事態を生じさせることができる。
この場合において、開閉手段の大きさとして種々の態様を例示することができるが、正面視における大きさが球の大きさよりも小さくすることで、開閉手段を目立たせないようにすることができ、球が開口部B751へ流入するタイミングを遊技者に予測され難くすることができる。
また、開閉手段の正面視における大きさを球の大きさよりも大きくすることで、開閉手段の状態を遊技者に把握させ易くすることができ、球が開口部B751へ流入するか否かを判別し易くすることができる。
上記第45実施形態では、第2特定入賞口B700aを通過した球は一対の貯留板部B715の間の領域に高確率で案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715と第2特定入賞口B700aとの間に球と接触可能な配置で釘BKG1が配設されるようにしても良い。
これにより、一対の貯留板部B715の間の領域が満タンになる前に、釘BKG1と衝突した球が検出センサB750の開口部B751を通過するイレギュラー入賞が誘発され易くなるようにすることができる。特に、第2特定入賞口B700aを複数の球が連なって通過した時など、球同士の接触により流下が乱れた場合にイレギュラー入賞が誘発され易くなる。
一方で、釘BKG1は、一対の貯留板部B715に貯留されている球とは非接触となるような位置に配置される。これにより、一対の貯留板部B715に貯留された球の排出をスムーズに行わせることができる。
なお、球と接触可能な配置で配設されるのは、必ずしも釘である必要はない。例えば、基礎板部材B710から前側に突設される突設部を構成し、この突設部と球とが衝突するようにしても良い。この場合、釘BKG1の場合に比較して、突設部の形状の設計自由度を向上させることができる。例えば、左右方向に長く開口部B751に近づく程に下降傾斜する突条状に形成することで、開口部B751に球が案内される可能性を高めることができる。
また、例えば、基礎板部材B710の正面側に可動部材を配設するようにし、その可動部材に衝突した球が、可動部材により勢いを付けられることで、球が開口部B751に案内され得るようにしても良い。可動部材の動作は、回転動作でも良いし、直線方向のスライド動作でも良いし、それらの組合せによる動作でも良い。
また、例えば、第2特定入賞口B700aが左右方向に往復変位したり、検出センサB750及び貯留板部B715が左右方向に往復変位したりすることで、タイミング次第で、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715側ではなく、検出センサB750の開口部B751側に流れる場合が生じるようにしても良い。
上記第45実施形態では、第2特定入賞口B700aの真下に球が貯留される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B700aの下流側に斜め下方に延びる球通路が形成され、その球通路の下流側端部に検出センサB750の開口部B751が形成され、球通路の途中位置において球貯留部が下方に延び、その球貯留部の下端に移動床部材B740が配設される構成において、球貯留部が満タンになると後追いの球が球貯留部の最上部の球の上を転動して球通路を下流側に流れ、その球が検出センサB750の開口部B751を通過するように構成しても良い。
また、第2特定入賞口B700aの開口方向は斜め方向に向いていても良く、その第2特定入賞口B700aを開閉する部材はスライド変位するものでなくても、回動変位するもの(例えば、一対の開閉部材で構成されるチューリップタイプの一の開閉部材を利用したもの)でも良い。
なお、第2特定入賞口B700aの下流側に斜め下方に延びる球通路の方向は何ら限定されるものではない。例えば、正面視で斜め下方(左右側へ向かうにつれて下方へ向かう斜め)でも良いし、左右方向視で斜め下方(前後側へ向かうにつれて下方へ向かう斜め)でも良い。
特に、後側へ向かうにつれて下方へ向かう斜めの場合、開口部B751を、球貯留部よりも手前側に配置することができる。これにより、球貯留部に貯留される球よりも、開口部B751を通過する球を目立たせることができるので、開口部B751における球の通過を遊技者が視認し易くすることができる。
上記第45実施形態では、一対の貯留板部B715の上端部に球が配置されるために一対の貯留板部B715の間に配置する必要のある球の個数が一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間経過に合わせて移動床部材B740の上面の上下位置が上下方向に変化することや、移動床部材B740として貯留板部B715の下端の球を乗せる板部材が複数枚で上下方向に並設され上から順に開放されるように動作すること等により、一対の貯留板部B715の間に配置される複数の球の内、最下端に配置される球の上下位置を変化させることで、一対の貯留板部B715の上端部に球が配置されるために一対の貯留板部B715の間に配置する必要のある球の個数が変化するようにしても良い。
また、一対の貯留板部B715の左右間隔が変化するように貯留板部B715が変位可能に構成されても良い。この場合において、左右間隔が球の直径よりも若干長い間隔である場合には4個で満タンになるとしても、左右間隔が球の直径の2倍よりも若干長い間隔である場合には8個で満タンになるので、検出センサB750の開口部B751に球を通過させる難易度を変化させることができる。
また、4個で満タンになるように構成する場合であっても、一対の貯留板部B715の左右間隔が球の直径よりも若干長い間隔である場合に比較して、一対の貯留板部B715の左右間隔が球の直径の2倍よりも若干長い間隔である場合の方が、貯留板部B715の上下長さを半分にすることができるので、球を貯留するための高さ寸法を短くすることができる。これにより、貯留板部B715の設計自由度を向上させることができる。
上記第45実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に配置される球を常に視認できるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715の間の位置における球の視認性を低下可能に構成する(例えば、可動部材で目隠しするように構成したり、光の加減で見え難くするように構成したりする)ようにしても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間の位置で球が満タンになるタイミングを遊技者に予想され難くすることができる。
なお、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留される球の個数が4個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。0個でも良いし、1個でも良いし、3個でも良いし、5個以上でも良い。例えば8個(規定個数に近い数字)とすることで、第3の特別作動パターンにおいて検出センサB750の開口部B751に球が通過する可能性を大きく低下させることができる。
上記第45実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留され、移動床部材B740が後退位置に配置されることで流下される球は球抜き開口B782を通り遊技領域から排出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動床部材B740が後退位置に配置されることで流下される球が、複数孔を有するクルーンに排出されるようにしても良い。
このクルーンは、複数孔の内の1つを検出センサB750の開口部B751と同様の機能を有する特定孔とすることで、ラウンド遊技中に球が開口部B751を通過することが確認できないままに移動床部材B740が後退位置に配置され、一対の貯留板部B715の間の位置から球が流されたとしても、遊技者はクルーンの特定孔に球が入球することによる利益を獲得できる可能性があるので、一対の貯留板部B715の間の位置から流された球に対する注目力を向上させることができる。
上記第45実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留された球ではなく、その貯留された球の後追いの球が開口部B751を通過し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715の途中部分が開閉可能に構成されており、その開閉部分の下流側にも検出センサB750が配設されており、貯留板部B715の途中部分が開放されることで、一対の貯留板部B715の間に貯留された球の内のいずれかが流され、検出センサB750の開口部B751を通過し得るように構成しても良い。
上記第45実施形態では、移動上蓋部材B730の駆動装置と移動床部材B740の駆動装置とが共にソレノイドB763であり、移動上蓋部材B730の動作と移動床部材B740の動作とが連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動床部材B740の駆動用にソレノイドB763とは別の駆動装置を設け、互いに独立して動作可能にしても良い。この場合、上記第45実施形態で説明した動作態様に加えて、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の双方が前進位置に配置される場合や、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の双方が後退位置に配置される場合を構成可能となる。
上記第45実施形態では、移動上蓋部材B730が左右両側に下降傾斜する板形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730を一方向に傾斜する平板形状で形成しても良い。この場合であっても、移動上蓋部材B730が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動床部材B740が前進位置へ変位するという動作の順番が好適に機能して、移動上蓋部材B730が後退位置に変位するのと同時に移動上蓋部材B730の正面側を流れた球が、移動床部材B740が前進位置に配置されるよりも前に移動床部材B740の正面側を通過するという事態を避けることができる。
上記第45実施形態では、移動上蓋部材B730が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動床部材B740が前進位置へ変位する動作順序である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に変位しても良いし、動作順序が逆でも良い。
また、移動床部材B740が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動上蓋部材B730が前進位置へ変位する動作順序である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に変位しても良いし、動作順序が逆でも良い。
上記第45実施形態では、前進位置に配置される移動上蓋部材B730の上面を転動する球の背面側に配設される基礎板部材B710の前面が平滑面である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730の上面を転動する球の流下方向と交差する方向(例えば、上下方向)に長尺な突条形状で基礎板部材B710の前面から正面側へ突設される複数の減速突起が、球の流下方向に沿って並べられるようにしても良い。この代わりに、又はこれに加えて、移動上蓋部材B730の上面を階段状に形成して、球の流下速度を減速させるように構成しても良い。
これにより、移動上蓋部材B730の上面を転動流下する球の流下速度を低下させることができるので、移動上蓋部材B730の一度の開放(前進位置から後退位置に変位すること)で移動上蓋部材B730の正面側を通過する球の個数を多くすることができるので、移動上蓋部材B730が閉鎖状態(前進位置に配置された状態)とされた場合に一対の貯留板部B715の間から球が抜けていくという構成であっても、一対の貯留板部B715の間に球を溜めやすくすることができ、検出センサB750の開口部B751を球が通過する可能性を高めることができる。
上記第45実施形態では、移動上蓋部材B730の下流側に一対の貯留板部B715や移動床部材B740や検出センサB750が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730の構成を省略し、球が一対の貯留板部B715や移動床部材B740や検出センサB750の側へ常に流下可能な状態とされていても良い。
上記第45実施形態では、大当たり遊技において、1ラウンド目では移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能とされ、2ラウンド目以降のラウンド遊技では特定入賞口B65aが開放され特定入賞口B65aに入球可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。どのラウンド遊技でどちらの特定入賞口B65a,B700aに入球可能となるように制御するかは任意に設定可能とされる。
例えば、2ラウンド目以降のラウンド遊技においても移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御されても良い。この場合、特定入賞口B65aへの入球が小当たり遊技でのみ生じるように構成することができる(全ラウンド遊技において移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される場合に相当)ので、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数の設定が、大当たり遊技における賞球個数に影響を与えることを回避することができる。
そのため、例えば、第2特定入賞口B700aへの入球に対する賞球の払い出し個数よりも、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数を多く設定することで、大当たり遊技による賞球個数を抑える一方で、小当たり遊技による賞球個数が増大される遊技機を構成することができる。
また、例えば、第2特定入賞口B700aへの入球に対する賞球の払い出し個数よりも、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数を少なく設定することで、小当たり遊技による賞球個数を抑える(例えば、発射球と同等の賞球個数を維持する程度に抑える)一方で、大当たり遊技による賞球個数が増大される遊技機を構成することができる。
なお、複数のラウンド遊技において移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される場合、大当たり遊技後の遊技状態が開口部B751に遊技球が通過するか否かで変化するという事象については、第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される少なくとも1のラウンド遊技において遊技球が開口部B751を通過すれば、開口部B751に遊技球が通過したと認められる。
上記第45実施形態では、特別図柄1の抽選で小当たりと判定されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、特別図柄1でも特別図柄2でも小当たりと判定され得るようにしても良いし、特別図柄1で小当たりと判定され得る一方で特別図柄2では小当たりと判定され得ないように構成しても良い。
上記第45実施形態では、通常中の電動役物B640aの作動パターンが第1の作動パターンとされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、通常中の電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンとなるように構成しても良い。
この場合、通常中(特別図柄の低確率状態)から第2入賞口B640に球が入球し得ることになるが、特別図柄の低確率状態における特別図柄2の変動時間は、大当たりを除き長期間(本実施形態では10分)で設定されるので、特別図柄2の抽選で大当たりを獲得するようなことは稀であり、基本的には第1入賞口B64への入球による特別図柄1の抽選で大当たりを目指す遊技性を構築することができる。
この場合において、例えば、大当たりBの大当たり遊技を実行した後における遊技状態が次に大当たりを獲得するまでは高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が特別図柄の抽選が100回終了するまで継続するように設定すると、101回目の特別図柄の抽選以降において電動役物B640aを第3の作動パターンで動作させることになり、これは大当たりAの大当たり遊技を実行した後における遊技状態と同じである。即ち、大当たり遊技終了後に規定回数(上記第45実施形態では100回)の特別図柄の抽選を挟んで特殊確変状態に移行する場合を構成可能とすることができる。
なお、大当たりCの場合も、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が特別図柄の抽選が100回終了するまで継続するように構成され、101回目の特別図柄の抽選以降において電動役物B640aは第3の作動パターンで動作するように制御されるが、特別図柄の低確率状態なので、単に通常状態へ移行することになる。
上記第45実施形態では、大当たり種別の振分けが特別図柄1と特別図柄2とで異なる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄1と特別図柄2とで大当たり種別の振分けが同じとなるように設定しても良い。この場合、どちらの特別図柄で大当たりを獲得したとしても差が生じないので、特別図柄1の大当たりに係る抽選と特別図柄2の大当たりに係る抽選とを同一視することができる。この場合、例えば、特別図柄2の抽選が長時間変動で実行される場合(例えば、10分の変動)を除外し、特別図柄1の抽選で選択される変動時間と同様の変動時間とすることで、あたかも、特別図柄の保留球数が8個(特別図柄1の保留球数4個と特別図柄2の保留球数4個との合計)である遊技機を構成することができる。
また、例えば、特別図柄1の大当たりの内、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別と、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる大当たり種別との比率(上記第45実施形態において1:1)と、特別図柄2の大当たりの内、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別と、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる大当たり種別との比率(上記第45実施形態において1:1)とを異ならせるように構成しても良い。
この場合において、特別図柄2の大当たりの方が、特別図柄1の大当たりに比較して、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別の割合が大きいように構成することで、特別図柄2の大当たりが連続して発生し易い状態に移行可能な遊技機を構成することができる。
上記第45実施形態では、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の表示と同時に方向操作部表示B816を表示可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の後に、方向操作部表示B816を表示して音量光量を調整可能となる調整期間を設けるようにしても良い。この場合、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、調整期間の終了タイミングを意味すると同時に、大当たり遊技終了後の変動演出の開始タイミングを意味するので、遊技者は時間表示B811を視認しておけば、調整期間における音量光量の調整から変動演出の開始タイミング後の球発射までの行動を、適切なタイミングでスムーズに行うことができる。
エンディング演出の期間は大当たり種別により規定されるところ、エンディング演出の内部構成については大当たり種別が同じであっても変更可能となる。調整期間を設ける場合、調整期間が設けられていない場合に比較して、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出を実行する期間が狭められることになるが、いずれかの演出の継続時間を短くしたり、複数の演出を同時に行ったりすることで、遊技者に違和感を与えることなくエンディング演出を実行することができる。
調整期間を設けるか否かは、任意に設定することができるが、例えば、大当たり遊技中に実行される演出が、複数のバリエーションの内、特に光量が強くなり易い(光量最強)演出または特に音量が大きくなり易い(音量最大)とされた場合に、エンディング演出において調整期間を設けるようにしても良い。これにより、遊技者の遊技負担を低下させることができる。
調整期間を設けるかどうかとは無関係に、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の長さを変更することができる。例えば、大当たりが連荘している最中において、短期間に何度も見ても情報量が増加するわけではない社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の長さを短くしたり同時に表示したりすれば、その分だけエンディング表示演出を長くすることができる。エンディング表示演出は、実際に獲得できた賞球個数(現在実行中の大当たり遊技のみでも良いし、連荘中における累積でも良い)や、大当たり遊技終了後の遊技状態という、遊技者にとっての重要性が高い情報が表示されるので、表示期間を長くすることで、遊技者がその情報を見逃す可能性を低くすることができる。
例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる場合、連荘が途絶える可能性が高いので、その後遊技者が遊技を終えて離席する可能性が高い。そのため、エンディング演出においてカード忘れ防止表示演出の長さを長くすることで、遊技者がカードを持ち帰り忘れる可能性を低くすることができる。
例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が特殊確変状態へ移行する場合、遊技者の出玉への期待感が最も高まっているタイミングであるので、このタイミングにおいて社名表示演出を視認させることで、現在遊技しているパチンコ機および製造会社への印象が良くなるように図ることができる。また、大当たりが連荘すれば、ますます遊技者の期待感が高まっていくことから、連荘数が上がっていくほどに社名表示演出を長くするように設定することで、印象をよりよくさせることができる。
上記第45実施形態では、エンディング演出において音量光量の調整が可能とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出において音量光量の調整が実行されたかを判定し、その判定結果が、エンディング演出終了後の変動演出の決定に影響を与えるよう構成しても良い。
例えば、変動演出として、通常の主図柄停止の報知に比較して、光量や音量が大きくなり易い特定演出(一発告知演出など)が用意されている場合に、直前のエンディング演出中に光量を下げる調整が実行されたにも関わらず、特定演出を実行すると、ただでさえ光で目が疲労していると考えられる遊技者に対して、更なる疲労を与える可能性があり、途中で遊技を中断する可能性がある。そこで、直前のエンディング演出中に光量を下げる調整が実行された場合には、特定演出は実行されないように制御することで、遊技者の疲労の回復を待ちながら遊技を継続させることができる。
また、大当たり遊技中において、大当たり遊技の終了後の遊技状態で流れる曲を変更する操作を遊技者が行った場合には、遊技者はその曲を聞きたいと感じているはずなので、現在実行中の大当たり遊技のエンディング演出において、方向操作部表示B816を表示する期間を確保するようにしても良い。
上記第45実施形態では、エンディング演出の終了タイミングで時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の終了タイミングにおいて普通図柄の変動表示が継続中であり、エンディング演出の終了タイミングと普通図柄の次変動の開始タイミングとの間に時間差がある場合には、その時間差の分、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングをエンディング演出の終了タイミングに対してずらす(遅らせる)ようにしても良い。これにより、エンディング演出の後で球を発射しているにも関わらず、大当たり遊技中から継続中の作動パターン(通常状態における作動パターン、第1の作動パターン)で電動役物B640aが動作している状態の入賞ユニットB400に球が入球するという事態を回避することができる。
即ち、エンディング演出の後で発射した球を、大当たり遊技終了後から移行した後の作動パターン(第2の作動パターン又は第3の作動パターン)で電動役物B640aが動作している状態の入賞ユニットB400に入球させることができる。
この場合においても、エンディング演出が終了したら、特別図柄の保留球があれば、エンディング演出の終了後に特別図柄の変動が開始される。一方で、時間表示B811の表示は継続して残したいので、例えば、主表示領域BDmにおいてはエンディング演出の表示を継続し、副表示領域BDsの小領域BDs3において特別図柄の変動を表示し、普通図柄の次変動が開始されるタイミングとなり次第、小領域BDs3の表示が主表示領域BDm3に拡大されながら移動するように構成しても良い。
画面上で特別図柄を移動させることになるので、低速変動中(リーチ等)になる前段階で移動させることが好ましい。そのため、上述のような表示態様(特別図柄の移動)は、エンディング演出の終了タイミングから普通図柄の次変動の開始タイミングまでの時間差の方が、特別図柄の低速変動中に移行するまでにかかる時間よりも短いという特定の条件が整った場合にのみ行うようにしても良い。
但し、変動演出の決定は、変動開始時にされるので、エンディング演出の終了よりも後になる。そのため、上述のような表示態様を行うことができるかどうかは、エンディング演出中には不明となるので、エンディング演出終了後に、上記特定の条件が整っていると音声ランプ制御装置B113に判定された場合に、終端位置B812を右方に移動させたり、「+2秒」等の数字を表示させたりすることで、球発射タイミングが後倒れしたことを報知するように構成しても良い。この場合、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達することで遊技者は球の発射を開始すると考えられるが、その直後に球発射タイミングが後倒れしたことの報知がされれば、それを見た遊技者は球の発射を停止させることができる。これにより、球損を最小限とさせることができる。
上記第45実施形態では、特定表示B810や枠ボタン表示B813等の表示が、第3図柄表示装置B81の表示画面の一部に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示画面の全体に表示される(全画面表示される)ように構成しても良いし、表示画面の異なる部分に表示されるようにしても良い。
上記第45実施形態では、エンディング演出において時間表示B811が初めから表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の途中から表示されても良いし、枠ボタンB22の操作により表示されるようにしても良い。また、枠ボタンB22の操作を行う度に、時間表示B811が表示されたり、時間表示B811の表示が消えたりするようにしても良い。
上記第45実施形態では、時間表示B811がバーとして表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示画面に任意の数字を表示し、その数字を目標値(例えば0(ゼロ))までカウントダウンさせていく表示としたり、目標値(例えば、600)までカウントアップさせていく表示としても良い。この場合、表示が目標値となるタイミング(時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングに相当)を遊技者が図り易くすることができる。
また、この表示は、第3図柄表示装置B81の表示画面において表示する場合に限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置B81とは別の第2の表示装置や、7セグメント表示器を用意して、それら第2の表示装置や、7セグメント表示器においてカウントダウン又はカウントアップさせる表示を実行しても良い。
なお、時間表示B811を、バーとカウントダウン(カウントアップ)との両方で表現するようにしても良い。例えば、時間表示B811をバーとして表示することに加えて、時間表示B811が終端位置B812に到達する数秒前(例えば3秒前)から、表示画面に数字(例えば3)を表示し、その数字をカウントダウンさせていく表示を実行しても良い。この場合、表示が0(ゼロ)となるタイミング(時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングに相当)を遊技者が図り易くすることができる。
上記第45実施形態では、枠ボタン表示B813が表示画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の操作が有効になる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813が表示されていなくても枠ボタンB22の操作が有効となる状態を構成可能としても良い。
上記第45実施形態では、枠ボタン表示B813が表示画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の操作が有効になる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22の内部に発光手段が配設され、枠ボタンB22が操作可能なタイミングで発光手段が発光するように制御しても良い。この場合、操作対象(枠ボタンB22)の位置を遊技者に把握させ易くすることができる。
上記第45実施形態では、エンディング演出において、社名表示演出は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態が、遊技者にとって最も有利な状態となる場合に実行され、カード忘れ防止表示演出は、大当たり遊技における払い出し個数が8ラウンド分の個数以上(所定の個数以上)である場合に実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出が実行される条件と、カード忘れ防止表示演出が実行される条件とを入れ替えても良い。
また、社名表示演出またはカード忘れ防止表示演出の少なくとも一方は、大当たり種別によらず、大当たり遊技の度に常に実行されるように設定しても良いし、所定の大当たり回数目(例えば、連荘中において奇数回目の大当たりとか、3の倍数の大当たり等)で実行されるように設定しても良い。
なお、エンディング演出の内容は、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、「パチンコは遊技です。のめり込みに注意しましょう」という、遊技者を落ち着かせるための文字列を表示したり、不慣れな遊技者等に向けて店員呼び出しボタンの説明をする動画を表示したり、可動役物を待機位置に復帰させるためのボタン操作について説明する動作を表示したりしても良い。これらいずれの表示を実行している間においても、枠ボタン表示B813を表示して枠ボタンB22の操作を促したり、時間表示B811を表示して次演出への移行タイミングを報知したりすることができる。
上記第45実施形態では、遊技者にとって最も有利な状態は、特殊確変状態である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技終了後の状態が、確変状態か時短状態(通常状態)かで異なる場合(特殊確変状態には移行しない場合)には、遊技者にとって最も有利な状態は確変状態とされる。
また、大当たり遊技終了後の状態が時短状態のみであり、時短状態が継続する抽選回数に差がある場合には、時短状態が継続する抽選回数が最も多くなる状態が、遊技者にとって最も有利な状態とされる。
また、大当たり遊技終了後の状態が確変状態のみであり、一方の大当たり種別では次回大当たりまで確変状態が継続される一方で、他方の大当たり種別では所定の抽選回数後は特殊確変状態に移行される場合(通常状態の電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンとされる場合等)には、他方の大当たり種別の方が特殊確変状態において小当たり遊技中に得られる賞球分有利なので、遊技者にとって最も遊技な状態とされるのは他方の大当たり種別の大当たり終了後の状態とされる。
上記第45実施形態では、エンディング演出において、エンディング表示演出が常に実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出が実行されない大当たり種別を構成しても良い。特に、賞球の払い出し個数が他の大当たり種別に比較して極端に少ない大当たり種別(例えば、突然確変大当たりや、突然通常大当たり等)の時には、エンディング表示演出を省略した方が賞球の払い出しが極端に少ないことを遊技者に意識させないようにすることができ、且つ、大当たり遊技終了後の図柄の変動を早期に開始させることができる。
また、特に、特殊確変状態と大当たり遊技との境目を目立たせずに遊技を行わせるための演出(例えば、小当たり遊技における賞球個数と大当たり遊技における賞球個数とを合算して表記する演出)を構成する際には、連荘中にはエンディング表示演出を省略し、連荘の終了時にエンディング表示演出を実行することで、遊技者に対して特殊確変状態と大当たり遊技とをまとめて一つの有利状態として見せることができる。
また、上述の内容はエンディング表示演出に限られるものではない。例えば、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出についても、連荘に突入する最初の大当たりのエンディング表示において表示させる一方で、連荘中は大当たり種別に関わらず表示させないようにしても良い。
上記第45実施形態では、賞球表示B801と識別表示B802とが同じタイミングで画面に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球表示B801が画面に表示されてから、表示が切り替わった後で識別表示B802が表示されるようにしても良い。この場合、大当たり遊技で獲得した利益と、大当たり遊技から移行された後で獲得できる利益とを、分けて遊技者に理解させることができるので、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
上記第45実施形態では、エンディング演出におけるエンディング表示演出と、社名表示演出と、カード忘れ防止表示演出との長さをそれぞれ同一(5秒)に設定したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各演出の長さは、大当たり種別ごとに任意に設定することができる。例えば、カード忘れ防止表示演出の実行期間を他の演出に比較して長くする(例えば、10秒等)ようにしても良いし、カード忘れ防止表示演出を繰り返し実行するように構成しても良い。
また、繰り返し実行する場合には、連続で繰り返しても良いし、他の演出を挟んで繰り返すようにしても良い。例えば、カード忘れ防止表示演出の終了後に、エンディング表示演出(2回目)を表示させるように構成しても良い。この時、1回目のエンディング表示演出では賞球表示B801は表示するが識別表示B802及び信頼度表示B803を表示せず、2回目のエンディング表示演出において識別表示B802及び信頼度表示B803を表示して賞球表示は表示しないようにしても良い。
これにより、大当たり遊技で遊技者が獲得できた利益(賞球個数)を報知するタイミングと、大当たり遊技の終了後における遊技の状態を報知するタイミングとを分けることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。また、エンディング演出の終盤に遊技者の興味関心の高い内容(上述の例では識別表示B802)を表示することで、エンディング演出に対する遊技者の注目力を高い状態で維持することができる。
また、エンディング演出の所定のタイミングにおいて遊技者の興味関心の高い内容(上述の例では識別表示B802を表示可能とする場合に、その表示への切り替えタイミングの前に枠ボタンB22の操作を実行させるように演出しても良い。即ち、枠ボタン表示B813を行うことで、第3図柄表示装置B81に対する遊技者の注目力を高めると共に、枠ボタンB22の操作により遊技に参加している感覚を遊技者に与えることができ、枠ボタンB22の操作直後に識別表示B802を表示することで遊技者が識別表示B802を見逃す事態を回避し易くすることができる。
なお、エンディング演出の長さは数秒間に限定されるものではなく、その長さは任意に(例えば、大当たり種別に応じて)設定可能である。即ち、数秒で終了するエンディング演出の他に、数分を要するエンディング演出が用意されても良い。
上記第45実施形態では、エンディング演出におけるエンディング表示演出と、社名表示演出と、カード忘れ防止表示演出との長さをそれぞれ同一(5秒)に設定し、実行される演出の組合せ次第でエンディング演出の実行期間が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の実行期間は固定にして、社名表示演出が短く設定される場合には、代わりにカード忘れ防止表示演出が長くなるように構成しても良い。
この場合、社名表示演出が短い期間で終了したことを把握できた遊技者は、その時点でカード忘れ防止表示演出が長くなることを知ることができるので、音量や光量の設定変更にかけられる時間が長くなることを把握することができ、遊技者の枠ボタンB22を操作する意欲を向上させることができる。
上記第45実施形態では、エンディング表示演出の後に社名表示演出が実行され、その社名表示演出の後に、カード忘れ防止表示演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の表示順は任意に設定可能であり、社名表示演出の前にカード忘れ防止表示演出が実行されるようにしても良い。
また、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出のいずれか2つの演出が同時に実行される(並列で実行される)ように構成しても良い。この場合、表示の重なりを避けるために、第3図柄表示装置B81における表示位置を分けるようにすると良い。これによれば、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出が順に実行される(直列で実行される)場合に比較して、演出を同時に実行させている分だけエンディング演出に要する時間を短くすることができる。
上記第45実施形態では、社名表示演出が実行されるとカード忘れ防止表示演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出と社名表示演出とが実行され、カード忘れ防止表示演出が省略される大当たり種別を用意しても良い。
上記第45実施形態では、エンディング表示演出の後で枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示され、設定を変更することができようになる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示され設定を変更することができる期間が経過した後で、エンディング表示演出が実行されるようにしても良い。
この場合において、枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示される期間は、エンディング演出に入ってから(最終ラウンドのラウンド遊技が終了してから)開始されるようにしても良いし、大当たり遊技における終盤のラウンド遊技の消化中から開始されるようにしても良い。いずれの場合でも、エンディング表示演出から変動演出への移行をスムーズにすることができる。
なお、方向操作部表示B816が表示され方向操作部B45を操作可能となるタイミングは、枠ボタンB22を操作した後に限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813が表示されず、枠ボタンB22の操作を介することなく、方向操作部表示B816が表示され方向操作部B45を操作可能とする場合があっても良い。
上記第45実施形態では、方向操作部表示B816が表示画面の中央に表示され、音量や光量の調整を行っている最中にも特定表示B810が表示画面の端側に移動した状態で視認可能とされており、カード忘れ防止表示演出が継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、離席しようとしている遊技者が音量や光量を改めて調整するはずがないという判断から、音量や光量の調整が実行されたらカード忘れ防止表示演出が消えるように構成しても良い。
上記第45実施形態では、枠ボタン表示B813の表示中に枠ボタンB22を操作したら調整画面に移行するように説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を押している間は調整画面に移行し、枠ボタンB22を離すと操作前の画面に戻るようにしても良い。これにより、音量や光量の設定変更のためには両手操作が最適であることを遊技者に分からせることができ、ハンドルB51から手を離させることができるので、エンディング演出中における球発射を抑制することができる。
なお、遊技者が枠ボタンB22を操作するまえから、「枠ボタンを押した状態で光量や音量の設定変更が可能です」と表示させても良い。これにより、両手操作が必要であることを遊技者に一度で把握させることができる。エンディング演出において両手操作をさせることで、発射しても遊技者にとって利益率の悪いタイミングにおける球の発射を抑制することができる。即ち、報知は、遊技球の発射を抑えた方が遊技者にとって利益が高くなる可能性があるタイミングにおいて、複数の操作手段を同時に操作させる態様で行うようにすれば良い。
また、例えば、枠ボタンB22を操作する度に、音量の設定変更が可能な状態(表示態様)と、光量の設定変更が可能な状態(表示態様)とを、切り替えられるようにしても良い。
また、例えば、エンディング演出中は、枠ボタンB22を押している間は調整画面に移行し、枠ボタンB22を離すと操作前の画面に戻るように制御される一方で、エンディング演出が終了して変動演出の表示画面に移行したら、枠ボタンB22を押していなくても音量や光量の調整を実行できるように制御しても良い。これにより、エンディング演出の終了後にまで両手操作が強いられることを防止することができるので、遊技者は、ハンドルB51を操作しながら音量や光量の設定変更をすることができる。
上記第45実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタン表示B813に従って枠ボタンB22を操作した場合に特定表示B810が画面の端側に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出の実行中に枠ボタン表示B813に従って遊技者が枠ボタンB22を操作した場合には、特定表示B810としての製造会社名(Aカンパニー)が第3図柄表示装置B81の画面の左上隅(端側)に移動され、それに続けて、特定表示B810にカード取り忘れ防止表示が表示されるようにしても良い。社名表示演出の実行中に、第3図柄表示装置B81の画面中央に方向操作部表示B816を表示させ、遊技者に対して音量や光量の設定変更が可能であることを報知するようにしても良い。
また、特定表示B810が表示画面の端側に表示された状態となっても、規定時間以内(例えば2秒以内)に音量や光量の設定変更が実行されなかった場合には、特定表示B810が画面中央(移動前の配置)に戻るように設定しても良い。
上記第45実施形態では、エンディング演出において音量や光量の設定の変更を行うことができるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出から移行する特殊確変中、確変中や時短中における特別図柄の変動演出のパターンにバリエーション(第1の態様、第2の態様)が設けられている場合に、そのいずれを選択するかの設定の変更を行うことができるようにしても良い。ここで、第1の態様と第2の態様との組合せとしては、任意に設定可能であるが、例えば、白黒表示態様とカラー表示態様との組合せや、漫画的な表示態様とアニメ的な表示態様との組合せや、枠ボタンB22の連打操作を要求する表示態様と枠ボタンB22の長押し操作を要求する表示態様との組合せ等が例示される。
また、例えば、大当たり演出中や、変動演出中に流れる曲(主題歌等)の設定を変更可能な場合は、エンディング演出において曲の設定の変更を行うことができるようにしても良い。エンディング演出ではなく、ファンファーレ演出中でも良いし、ラウンド遊技中でも良いし、ラウンド間インターバル中でも良いし、それらを跨いだ期間でも良い。
上記第45実施形態では、エンディング演出中に、時間表示B811及び終端位置B812によってエンディング演出の終了タイミングを報知したり、枠ボタンB22の操作に伴って表示演出が変化したりすることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出の終了タイミング又は発生タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、図柄の変動中やリーチ中に行われても良いし、エンディング演出を除く大当たり遊技中の演出中に行われても良い。
例えば、図柄の変動中やリーチ中に行われる場合において、報知される演出の終了タイミングは、特別図柄の変動が停止されるタイミングでも良いし、演出としての疑似連続変動が開始されるタイミングでも良い。前者の場合、特別図柄の保留球数が1減ることで新たな特別図柄の抽選を獲得できるようになるので、遊技者に対して球の発射を促すタイミングとして適切である。後者の場合、特別図柄の変動自体は数分にわたる場合に、その途中のタイミングで短く区切ることで、遊技者の集中力を保つことができる。
リーチ終盤での枠ボタン表示B813に伴う枠ボタンB22の操作が行われると、大当たりであれば大当たり用の表示画面に移行し、はずれであれば、はずれ用の表示画面に移行するように構成することで、枠ボタン表示B813を見ている遊技者に対して特別図柄の変動の結果を分からせ易くすることができる。
例えば、エンディング演出を除く大当たり遊技中の演出中に行われるようにしても良い。ラウンド中における、枠ボタン表示B813及び枠ボタンB22の操作は、例えば、昇格演出(例えば、ファンファーレ演出では4ラウンド大当たりであると演出上報知したが実際は15ラウンド大当たりであることを報知する演出など、ファンファーレ演出での報知により遊技者が得られると予想される利益よりも高い利益を遊技者が得られる大当たりであることを報知する演出)に利用することができる。
特に、上記第45実施形態のように、ラウンド遊技において開口部B751を球が通過するか否かで大当たり遊技終了後の遊技状態が変化する場合において、そのラウンド遊技中に枠ボタン表示B813を表示するようにし、遊技者に対して枠ボタンB22の操作を促すことで、遊技者の注意を開口部B751から逸らし、開口部B751を球が通過したか否かの確認をし損なう事態を生じさせることができる。
パチンコ機B10が、表示画面の正面側に張り出す可動役物を備える場合に、ラウンド中の枠ボタン表示B813に従う枠ボタンB22の操作があり、昇格演出を実行する時に可動役物が表示画面の正面側に張り出すように制御されると、遊技者としては可動役物の動きで昇格演出に成功したことが分かり易い。ラウンド中の枠ボタン表示B813に従う枠ボタンB22の操作があったとしても、昇格演出を実行しない時(ファンファーレ演出での報知と実際の報知が同じである場合)には可動役物が表示画面の正面側に張り出さないように制御することで遊技者に対して昇格演出に失敗したことを分からせ易い。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、所定時間第1図柄の抽選が行われないと実行される遊技説明表示演出(デモ画面)中に実行するようにしても良い。この場合、報知により、遊技説明表示演出が一巡したことを遊技者に分からせることができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、所定時間内で所定の検出口に球を通過させる遊技に関する演出において、所定時間内において所定の検出口を依然として球が通過していない場合に実行するようにしても良い。この場合、報知により、遊技者に球が検出口を通過していないことに気付かせることができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、大当たり遊技におけるファンファーレ演出中や、ラウンド間インターバルにおいて実行するようにしても良い。この場合、演出の終了タイミングで特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが開放されることになるので、遊技者は、球を発射するのに適したタイミングを容易に把握することができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、大当たり遊技におけるラウンド遊技およびラウンド間インターバルを複数含む期間中に行われるようにしても良い。これにより、単一のラウンド遊技やラウンド間インターバルとして設定される時間よりも長時間の演出を構成することができ、その長時間の演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化を実行可能とすることにより、遊技者を飽きさせることなく遊技に集中させることができる。
上記第45実施形態では、カード忘れ防止表示演出がエンディング演出において実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1図柄の保留球数が0になってから、所定時間が経過した時に実行されるようにしても良い。この場合、大当たりを獲得する前の遊技者に対しても、カード忘れ防止表示演出を視認させることができる。
また、例えば、長時間(例えば、60秒以上)の第1図柄の変動開始時に実行されるようにしても良い。この場合、空き時間で飲み物等の購入をしようと考えている遊技者に対して、長時間の第1図柄の変動が開始されることを報知できると共に、離席時にカード忘れを起こさないように注意喚起することができる。
上記第45実施形態では、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間は、エンディング演出の終了までや、エンディング演出終了後の初回の変動中等までとされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1図柄の変動中における第3図柄の高速変動表示中や、第3図柄の中速変動表示中に設定されても良い。この場合、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間が終了するタイミングから、高速変動表示中から中速変動表示中へ移行するタイミングや、中速変動表示中から低速変動表示中(リーチ表示中等)へ移行するタイミングを、遊技者は把握可能となる。
また、特別図柄の変動中に亘って(低速変動表示中も含めて)、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間を構成可能としても良い。この場合において、方向操作部表示B816を小領域BDs3に表示するようにしても良いし、小領域BDs3と主表示領域BDmとで表示を入替可能としても良い。
この場合において、特別図柄の変動表示中において、調整可能とされる期間が用意されていることを示唆する報知が実行され、その後でその期間の報知が実行され、枠ボタン表示B813等がされ、方向操作部表示B816を表示可能となり音量や光量の調整が可能とされるというように、報知を段階的に行うように構成しても良い。この場合、特別図柄の変動表示中であっても、遊技者の興味を段階的に移すことができるので、調整可能とされる期間が用意されていることに遊技者が気づかない事態が生じることを回避し易くすることができる。
これに加えて、音量光量の調整が次変動以降も有効となるように制御しても良いし、音量光量の調整を行った際に変動していた特別図柄が大当たりとなった場合に、音量光量の調整を維持した状態で大当たり遊技を行うことができるように制御しても良い。
また、例えば、初回の変動中までに限られず、複数回目の変動が終了するまでは光量や音量が調整可能とされる期間が継続するように構成しても良いし、第1図柄の変動が所定の態様(例えば、長時間の変動や、大当たりを獲得する変動など)となるまでは光量や音量が調整可能とされる期間が継続するように構成しても良い。
また、大当たりとなった変動演出の後半においてや、ファンファーレ演出において、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間が用意されても良い。この場合、大当たり中の音量設定を行うことができ、期間の終了のタイミングから大当たり遊技の開始タイミングを遊技者は把握することができる。
上記第45実施形態では、終端位置B812が固定されており、時間表示B811が時間経過と共に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811の移動速度は一定速度とされても良いし、時間表示B811の移動速度が途中で変化可能に構成されても良い。また、例えば、時間表示B811の右端部が逆方向(左側)に移動する場合があるように構成しても良い。
また、例えば、終端位置B812が動くことができるように構成しても良い。即ち、時間表示B811の移動中に、終端位置B812も移動することで、時間表示B811が終端位置B812に到達するまでの時間を予想し難くすることができる。
なお、終端位置B812の移動は、時間表示B811が到達するのを待って、時間表示B811が到達した直後に移動するように構成しても良いし、時間表示B811が終端位置B812に到達する前において移動するように構成しても良い。
また、時間表示B811の移動先としての終端位置B812の移動方向は、左右方向に限定されるものではない。例えば、上下方向に移動しても良いし、渦を巻くように移動しても良い。これにより、時間表示B811が終端位置B812に到達するまでの時間を予想され難くすることができる。
上記第45実施形態では、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで、方向操作部816が表示画面の中央に表示され、特定表示B810は表示画面に隅に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を操作する前から特定表示B810が表示画面の隅に配置されていても良い。また、例えば、枠ボタンB22を操作することで表示画面の中央付近まで可動役物が張り出し、その可動役物に隠されない位置に特定表示B810の表示位置が変化するようにしても良い。
また、例えば、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで、特定表示B810が消えるように設定しても良いし、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで始めて時間表示B811および終端位置B812が表示されるように構成しても良いし、これらの組合せでも良い。
上記第45実施形態では、エンディング演出において音量を変更した場合、表示画面における横目盛り表示B818の表示態様が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これに加えて、又はこれに代えて、音量を変更した場合に所定のセリフが出力されるようにしても良い。
例えば、「カードの取り忘れにご注意下さい」というセリフが出力されるように構成する場合、遊技者が音量を変更する度に、遊技者に対してカード忘れに対する注意喚起を行うことができる。
また、セリフの内容、音量または音声(声色)が、変更後の音量に対応して変化するようにしても良い。特に、セリフの内容(例えば、「カードの取り忘れにご注意下さい」又は「カードを確実にお持ち帰り下さい」)や声色が変わる場合(例えば、異なるキャラクターの声色)には、遊技者が自分の好みの音量に設定することを容易にすることができる。
上記第45実施形態では、エンディング演出で注意コメント表示B815や第2注意コメント表示B819に表示されるコメントが、遊技者が設定変更できる対象と一致する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者が設定変更できる対象と一致しないコメントが表示されるようにしても良い。
この場合において、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合に、注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に「大当たり!?」や「大チャンス発生中」という期待表示(大当たりが獲得可能であるかもしれないと遊技者に期待させるコメント表示)を行うことで、遊技者はエンディング演出中に次の大当たりの獲得に期待することができるので、エンディング演出に対する遊技者の注目力を向上させることができると共に、遊技者の枠ボタンB22の操作意欲を高めることができる。
注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に期待表示がされ、既に大当たりの獲得が期待できる場合、球の無駄打ちを避けるため、大当たり遊技が開始されるまでは球の発射を控えることが通常である。そのため、エンディング演出の終了時点に合わせて時間表示B811を終端位置B812に到達させるようにしても、遊技者の注目力を高めることができない可能性が高い。
そこで、時間表示B811を、エンディング演出の終了時点で終端位置B812に到達させる態様ではなく、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成しても良い。この場合、時間表示B811及び終端位置B812に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
この場合において、時間表示B811及び終端位置B812は、エンディング演出において表示開始され大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングまで表示が継続されるようにしても良いし、エンディング演出においては表示されずにその後の変動演出への移行後に表示されるようにしても良い。
前者の場合、エンディング演出を見ている段階から既に大当たりを獲得できていることに遊技者は気付けるので、大当たり遊技の終了直後に球を発射する必要性はないことを遊技者は把握することができる。そのため、遊技者は球の打ち出しを抑えることができる。
後者の場合、エンディング演出から変動演出へ移行されたら大当たりとなる抽選の変動演出を待たずに時間表示B811及び終端位置B812が表示されても良いし、大当たりとなる抽選の変動演出が開始された後または変動演出の開始と同時に表示されるようにしても良い。いずれの場合であっても、遊技者は、変動演出が終了する前から大当たりとなることを把握することができるので、例えば、変動演出が長時間となる(例えば、1変動に10分を要する)場合であっても、遊技者は球の打ち出しを抑えることができるし、保留している始動入賞に大当たりがあることに気付かずに遊技機を離席するという事態を回避し易くすることができる。
なお、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合に、エンディング演出では期待表示を表示しないが、変動演出中に時間表示B811及び終端位置B812が表示され、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成しても良い。
なお、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合において、大当たりとなる始動入賞の個数に対応して表示態様を変えるようにしても良い。例えば、大当たりとなる始動入賞の個数が2個の場合に、「大当たり×2!?」との期待表示を注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に表示するようにしても良いし、「複数回大当たり!?」との期待表示として、複数の大当たりとなるが、大当たりとなる始動入賞が何個あるかは不明とするようにしても良い。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
この時、時間表示B811を、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成する場合には、エンディング演出の終了から最初に大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングとすることで、遊技者の気持ちを大当たり遊技へスムーズに移行させることができる。
また、遊技者が設定変更できる対象と一致しないコメントの表示位置を、小領域BDs3に設定し、枠ボタン表示B813の表示中に枠ボタンB22が操作されることで枠ボタン表示B813が消えたら、そのコメントを視認可能とするように構成しても良いし、コメントの表示を表示画面全体(全画面表示)に設定しても良い。この場合、遊技者の枠ボタンB22の操作意欲を高めることができる。
上記第45実施形態では、カード忘れ防止表示演出から次の変動演出に移行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、カード忘れ防止表示演出と次の変動表示画面との間に、第3図柄表示装置B81の表示画面に一枚絵(静止画)を表示させるようにしても良い。この場合において、一枚絵の表示開始時点で、図柄変動が開始される場合には、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、一枚絵が表示開始される時点に合うように設定すると良い。
また、大当たり遊技終了後の変動表示画面に移行してから暫くしてから図柄変動が開始されるようにしても良い。この場合には、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、大当たり遊技終了後の変動表示画面に移行してからのタイミングに設定すると良い。
上記第45実施形態では、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達したタイミングを、遊技者が球を発射開始するのに適したタイミングとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811が、遊技者が球を発射することで所定の利益を得られる期間中に表示され、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達したタイミングを、遊技者が球の発射を終了するのに適したタイミングとして構成するようにしてもいい。この場合、時間表示B811が右方に移動している期間中において、遊技者に球を発射させることを促すことができ、且つ、適切なタイミングで球の発射を止めるように遊技者に促すことができる。
また、この場合において、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する前のタイミングにおいて規定の条件が満たされた場合には、第3図柄表示装置B81の表示画面に「準備完了」等の文字列を表示したり、表示画面の表示を切り替えたりして、規定の条件が満たされたことを遊技者に報知するようにしても良い。この場合において、規定の条件が満たされた後においても時間表示B811の表示を維持したままにしても良いし、規定の条件が満たされた場合には時間表示B811の表示を消すようにしても良い。
例えば、特別図柄1(特別図柄2、又は両方)の保留球数が4個(満タン)になることを条件として表示画面に文字列が表示されるように遊技機が制御されていれば、遊技者は文字列を確認することで、球をこれ以上発射しても特別図柄1(特別図柄2、又は両方)の抽選を獲得することができないことを把握することができる。これにより、時間表示B811の移動速度を急激に変化させる等の制御をすることなく、適切なタイミングで球の発射を止めるように遊技者に促すことができる。
上記第45実施形態では、枠ボタンB22を押す前は注意コメント表示B815が表示されており、枠ボタンB22を押した後で第2注意コメント表示B819が表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、枠ボタンB22を押した後も注意コメント表示B815のみが表示され、方向操作部816及び縦目盛り表示B817は表示されるが、横目盛り表示B818の表示はされないように制御しても良い。この場合、枠ボタンB22を押す前から表示されていた注意コメント815の内容と、枠ボタンB22を操作することで設定の変更が可能になる対象(光量)が一致するので、枠ボタンB22の操作に対する遊技者の満足感を高めることができる。
例えば、枠ボタンB22を押す前において注意コメント表示B815が消えており第2注意コメント表示B819のみが表示されている場合には、枠ボタンB22を押した後も第2注意コメント表示B819が表示され注意コメント表示B815の表示はされず、方向操作部816及び横目盛り表示B818は表示されるが、縦目盛り表示B817の表示はされないように制御しても良い。この場合、枠ボタンB22を押す前から表示されていた第2注意コメント819の内容と、枠ボタンB22を操作することで設定の変更が可能になる対象(音量)が一致するので、枠ボタンB22の操作に対する遊技者の満足感を高めることができる。
これにより、遊技者は、自分が設定を変更したい対象(音量または光量)の設定を変更できるか否かを予め確認した上で、枠ボタンB22を操作するか否かを選択することができるので、枠ボタンB22の操作負担を低減することができる。
また、枠ボタン表示B813と、枠ボタンB22を操作した場合における操作対象とが別箇所に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813の三角マークが音符になっている場合には、枠ボタンB22の操作により音量の調整が可能である一方で、枠ボタン表示B813の三角マークが電球マークになっている場合には、枠ボタンB22の操作により光量の調整が可能となるように制御しても良い。即ち、枠ボタン表示B813自体の表示態様を変化させることで、枠ボタンB22の操作により調整可能となる対象を報知するようにしても良い。
また、枠ボタンB22に対応する操作手段が複数あり、それぞれ形状が異なる場合には、枠ボタン表示B813として異なる形状に対応した表示を構成することができるので、枠ボタン表示B813によりどの操作手段を操作すればよいかを遊技者に報知することができる。この場合において、操作される操作手段に対応して、調整可能となる対象が変わるように構成しても良い。
上記第46実施形態では、スライド部材B2450が前突設部B2457と一体成形される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前突設部B2457とスライド部材B2450とが別体で成形され、スライド部材B2450が前後方向にスライド移動することに伴う負荷伝達により、前突設部B2457が上下方向に出没変位することで、球干渉突設部B2458a,B2458bが底面部B431aの上面から張り出す場合と、底面部B431aの上面から張り出さない場合とが切り替えられるように構成しても良い。
この場合、球干渉突設部B2458a,B2458bが前後方向に変位する場合に比較して、球干渉突設部B2458a,B2458bから球に対して与えられる負荷の、中央流路B2431における球の流下方向に沿う成分を小さくすることができるので、球干渉突設部B2458a,B2458bが前方へ変位した際に誤って球を加速させる事態が生じることを避け易くすることができる。
上記第48実施形態では、転動板部B4421と妨害棒部B4425とが一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動板部B4421に妨害棒部B4425を組み付け可能に構成することで、妨害棒部B4425を組み付けずに使用する場合と、妨害棒部B4425を転動板部B4421に組み付けて使用する場合とで、転動板部B4421を兼用することができ、転動板部B4421を共通部品化することによるコストダウンを図ることができる。
また、例えば、転動板部B4421と妨害棒部B4425とを別体で形成し、転動板部B4421の動作時に妨害棒部B4425が連動するよう構成しても良い。これにより、転動板部B4421と妨害棒部B4425との配置の自由度を向上することができる。なお、この場合において、転動板部B4421を駆動する駆動装置を、妨害棒部B4425を駆動する駆動装置と兼用するようにしても良いし、別の駆動装置を用意しても良い。
上記第48実施形態では、転動板部B4421の下流側端部が、案内部B4413の右端部よりも右側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動板部B4421の下流側端部が左方に延長され、案内部B4413の上面に被さるように形成されても良い。この場合、転動板部B4421の上面を転動して流下する球をスムーズに案内部B4413に乗せることができる。即ち、球の重みで転動板部B4421の高さ位置が下がり(沈み込み)、転動板部B4421の上面が案内部B4413の上面よりも低位置に配置され、転動板部B4421の下流側に到達した球が案内部B4413側に移る際の流下抵抗が大きくなる事態が生じることを防止することができる。転動板部B4421の上流側端部や、可変入賞装置B65の開閉部材の両端部においても同様のことがいえる。
上記第48実施形態では、電動役物B4420が前後方向にスライド変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動変位するように構成しても良い。回動変位の回転軸は、例えば、上記第48実施形態において転動板部B4421が出没する開口部(流路構成部B4410の背面側に形成される横長の開口部)において開口部に沿う方向に延びるように配設されても良い。
その回転軸から下方に垂れ下がるように横長矩形状の開閉板を形成する。開閉板が垂れ下がった状態が非案内状態に対応し、この状態において開閉板の下流側端部において妨害棒部B4425に対応するように球の通過を妨害可能な妨害部分が形成される。非案内状態から開閉板が起き上がる方向(後転方向)に90度回動されることで、開閉板が案内部B4413側に球を案内可能な状態とされ、この状態が案内状態に対応する。この状態において、妨害部分は流路構成部B4410の背面側に退避される。
このように構成することで、非案内状態において回転軸よりも板状部B4412側へ球が流れた場合であっても、開閉板が後転方向に変位する際の球の配置次第で、球を回転軸よりも上側に救い上げることができる。
また、回動変位の回転軸は、例えば、上記第48実施形態において転動板部B4421が出没する開口部の下端部において前後方向に延びるように配設されるようにしても良い。回転軸から、第48実施形態における案内状態と同様の方向に開閉板が延びる状態を案内状態として構成する。案内状態から、回転軸を中心に反時計回りに90度回転する状態(非案内状態に対応する)にまで開閉板が回動変位できるように、球入口B4411及び天井部B4414の上下配置が上方に引き上げられている。即ち、本構成によれば、案内状態から、開閉板が反時計回りに90度回動された状態が非案内状態として構成されることとなり、第48実施形態における転動板部B4421と、妨害棒部B4425とが、同じ部分により構成されることになる。
このように構成することで、開閉板が案内状態から非案内状態へ向けて回動される場合に、案内状態において開閉板の上面に乗っている球を、残らず案内部B4413側へ案内することができる。これにより、第48実施形態において電動役物B4420が案内状態から非案内状態へ向けてスライド変位される場合に、案内状態において転動板部B4421の上面に乗っている球がほとんど板状部B4412側に流下することに比較して、案内部B4413側へ球を容易に案内させることができる。
上記第49実施形態では、第2特定入賞口B700aと開口部B751との間に回転変位する球受回転部材B5771が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右に首振り可能に構成される回動部から形成され、球の流下経路を左右いずれかに振り分けるように動作可能としても良い。
また、例えば、スライド変位する開閉板を配設するようにしても良い。この場合において、開閉板を、一対の貯留板部B715の間の領域への流路または開口部B751の開閉に利用するようにしても良い。
また、開閉板が、一対の貯留板部B715の間の領域への流路または開口部B751上に配置されるように構成することで、球の流下経路を切り替えるように構成しても良い。即ち、一対の貯留板部B715の間の領域への流路が開放される一方で開口部B751が閉鎖される状態と、一対の貯留板部B715の間の領域への流路が閉鎖される一方で開口部B751が開放される状態と、を開閉板により切り替え可能に構成しても良い。
上記第49実施形態では、球受凹部B5772に球が1個ずつ受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1を超える所定数(例えば、2個ずつ)受け入れられるように構成しても良い。この場合、球受回転部材B5771が一定速度で回転動作する場合に、一対の貯留板部B715の間の位置に複数個(所定数)の球をまとめて入球させることができる。
上記第49実施形態では、球受回転部材B5771が時計回り方向に常に回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、常時回転動作することは同じとして、所定間隔で反時計回り方向に回転する動作タイミングを入れるようにしても良い。この場合、例えば、球受凹部B5772と流下規制部材B5778との間で球噛みが生じた場合であっても、回転方向が反転することにより球噛みの解消を図ることができる。
また、所定の大当たり種別の場合に、ラウンド遊技の初めの10秒間は球受回転部材B5771が停止され、10秒間が経過した後で球受回転部材B5771が回転動作されるようにしても良い。この場合、初めの10秒間において一対の貯留板部B715側(開口部B751側)に球が流下しないようにすることができるので、釘BKG1の状態として移動上蓋部材B730側に導かれる球よりも逸れる球の方が多いような状態の方が、初めの10秒間における第2特定入賞口B700aの入球個数を減らせることから、開口部B751を球が通過する可能性を高めることができる。
また、大当たり種別ごとに、球受回転部材B5771の回転方向や、回転速度(一定か可変かも含めて)や、回転方向の反転の有無等を設定するようにしても良い。この場合、球受回転部材B5771に対する注目力を向上させることができる。
上記第49実施形態では、第2特定入賞口B700aと球受回転部材B5771との間の距離が、第2特定入賞口B700aから球受凹部B5772に球が流れる際に球が横に零れない程度に狭い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B700aと球受回転部材B5771との間の距離が球の直径よりも長くされ、球受凹部B5772が球で満たされている場合に第2特定入賞口B700aを通過した球は横に零れて傾斜板部B5718bへ流れるように構成しても良い。
この場合、球受回転部材B5771の回転が停止されても第2特定入賞口B700aへの入球が滞ることが無いので、球受回転部材B5771を所定のタイミングで停止させる制御を行うことができる。
ラウンド遊技中において球受回転部材B5771を停止させる時には、次に球受回転部材B5771が動作開始されるまで球が一対の貯留板部B715の間の位置に流入しないようにすることができるので、一対の貯留板部B715の間の位置に球が導入されるタイミングや、開口部B751を球が通過するタイミングを遅らせることができる。
上記第50実施形態では、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングから、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングまでに経過する所定の時間長さは、球が発射されてからスルーゲートB66,B67(目標示唆表示B6822により指し示される位置)に到達するまでに経過する平均的な長さよりも若干長くなるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が発射されてからスルーゲートB66,B67に到達するまでに経過する平均的な長さを比較対象として、スルーゲートB66,B67への入球確率を加味して、より長い時間で上述の所定の時間長さを設計するようにしても良い。
上記第50実施形態では、第3図柄表示装置B81の表示画面に目標示唆表示B6822としてスルーゲートB66,B67を狙うことを促す表示を構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技や、時短状態、確変状態または特殊確変状態における遊技が右打ちで行われる遊技機では、目標示唆表示B6822の代わりに「右打ち」との表示を表示画面に表示させるようにしても良い。また、目標示唆表示B6822が拡大されるタイミングでは、「右打ち」の表示が全体として大型化されるように構成しても良い。または、エンディング演出中に亘り「右打ち」の表示が第3図柄表示装置B81の表示画面のどこかにされるよう構成しても良いし、エンディング演出の途中から「右打ち」の表示が第3図柄表示装置B81の表示画面のどこかにされるよう構成しても良い。
例えば、目標示唆表示B6822がファンファーレ演出で表示される場合、上側可変入賞装置B700の第2特定入賞口B700aや開口部B751を狙うことを示唆するように目標示唆表示B6822を設計しても良い。この場合において、開口部B751で球の通過が検出されるまで、目標示唆表示B6822が、1ラウンド目のラウンド遊技中において表示画面に維持されるように設定される場合、遊技者は目標示唆表示B6822が消えることで球が開口部B751を通過したことを把握することができるため、目標示唆表示B6822に対する注目力を向上させることができる。
また、目標示唆表示B6822のように表示画面においてスルーゲートB66,B67を狙うことを促す方法の他に、例えば、遊技盤B13のスルーゲートB66,B67付近を発光させる発光手段を配設させておき、目標示唆表示B6822がされるタイミングに倣って発光手段を発光させるようにしても良い。これにより、遊技者は、光を頼りにして球を狙う位置を把握することができる。
また、目標示唆表示B6822は、エンディング演出において表示される場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、エンディング演出から変動演出に移行する場合に、その変動演出においても、所定期間は継続して目標示唆表示B6822の表示を維持するように構成しても良い。また、目標示唆表示B6822の表示期間は、所定の時間幅で設定されても良いし、目標とされる入球口での球の入球が(所定個数、例えば第1図柄の保留球数として許容される個数、本実施形態では4個)検出されるまで継続されても良い。
上記第50実施形態では、遊技停止示唆表示B6831が球の発射の停止を促すために使用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技停止示唆表示B6831を、枠ボタンB22の操作の停止を促すために使用するようにしても良い。これにより、枠ボタンB22の操作として不適切なタイミングとは知らずに枠ボタンB22を操作するような遊技者に対して、不適切なタイミングで枠ボタンB22を操作していることを分からせることができるので、遊技負担を低減させることができる。
また、遊技停止示唆表示B6831を、「右打ち」の実行を停止させることを促し、「左打ち」については停止させないような表記(例えば、「左打ちに戻してください」というコメント)で構成しても良い。
また、遊技停止示唆表示B6831の代わりに、電飾部B29~B33や表示ランプB34等を強烈に発光させたり、異常色(例えば、濃赤色)で発光させたりしても良いし、スピーカーから大音量で「球の発射を止めてください」とか「左打ちに戻してください」等のコメントを出力したりしても良い。
上記第50実施形態では、遊技停止示唆表示B6831が、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67での球の通過が検出された場合に表示されると説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、所定の入球口への球の入球が予定されていない期間であるにも関わらず、所定の入球口での入球が検出された場合に表示するようにしても良い。
所定の入球口としては、スルーゲートB66,B67に限られるものではなく、様々な入球口(一般入賞口B63、第1入賞口B64、第2入賞口B640、スルーゲートB67、特定入賞口B65a、第2特定入賞口B700a、開口部B751等)が例示される。
例えば、球の入球が予定されていない期間としては、エンディング演出の実行中の他に、右打ち機(時短状態など所定の期間において右打ちで遊技を行う遊技機)において、所定の期間以外の期間が例示される。即ち、所定の期間以外の期間に、遊技領域の右側に配置される入球口での入球が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示されるように設定することで、不適切なタイミングで遊技者が右打ちすることを抑止することができる。
また、例えば、球の入球が予定されていない期間としては、大当たり遊技におけるファンファーレ演出中やラウンド間第1インターバル時間BInt1が例示される。即ち、ファンファーレ演出中やラウンド間第1インターバル時間BInt1に、入球口での入球が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示されるように設定することで、特定入賞口B65aや第2特定入賞口B700aへの流下経路が開放されていない(閉鎖されている)タイミングにおける球の発射を抑制でき、無駄球の発生を最小限に抑えることができる。
上記第50実施形態では、遊技停止示唆表示B6831により即時の球の発射の停止を促す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の始動口(例えば、第2入賞口B640)の入球に伴う抽選の保留球数に対応して表示を変えるようにしても良い。
即ち、例えば、球の発射により所定の始動口への入球が期待できるよう制御され、保留球数が満タン(4個)となるまで余裕がある場合には(例えば、保留球数が2個の場合には)、遊技停止示唆表示B6831としてその余裕分として遊技者が把握できるコメントを表示したり(例えば、「あと2個」)、遊技停止示唆表示B6831は表示せずに遊技準備示唆表示B6841を表示したりして、保留球数が満タンとなったら、上記第50実施形態で説明したような遊技停止示唆表示B6831や、「準備完了」等のコメントのように球の発射が不要であることを示唆するように構成しても良い。
上記第50実施形態では、球の発射が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示され、球の発射の停止を促す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技停止示唆表示B6831の代わりに、又は遊技停止示唆表示B6831に合わせて、遊技者に利益の有る情報が表示(報知)されるように構成しても良い。これにより、球を無駄打ちしたという残念感だけが遊技者に与えられる場合に比較して、遊技者の残念感を低減させることができる。そればかりか、場合によっては、エンディング演出において遊技者が好んで球を発射するように仕向けることができる。
この場合において、遊技者に利益の有る情報としては、例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が第1図柄の低確率状態なのか第1図柄の高確率状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか確変状態なのか特殊確変状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後に所定の抽選回数が経過した後に電動役物B640aの作動パターンが変化するのか変化しないのかという情報や、現在保留されている第1図柄の抽選の保留球の中に大当たりとなるものがあるのか無いのかという情報や、遊技機が第1図柄の大当たり確率の設定を変更できる(例えば、低確率状態の大当たり確率を、1/320で設定する(設定1)か、1/256で設定する(設定2)かを変更でき、高確率状態の大当たり確率を、1/32で設定する(設定1)か、1/26で設定する(設定2)かを変更できる)よう構成される場合に現在の大当たり確率の設定が示唆される情報などが例示される。
上記第51実施形態では、光量や音量の設定変更を実行してから規定の時間が経過すると、設定変更がキャンセル(初期化)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、設定変更がキャンセルされる条件としては種々の態様が例示される。例えば、遊技が開始される前に表示画面において実行される遊技説明表示(所謂デモ画面)への移行を設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、時刻を判定できるように制御しておいて規定の時刻になることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、当日または複数日での大当たり回数が規定の大当たり回数とることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
また、所定のタイミング(例えば、遊技開始前における遊技説明表示において枠ボタン表示B813が表示されているタイミングや、遊技中において枠ボタン表示B813が表示されていないタイミング等)において枠ボタンB22が操作されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、エンディング演出中に所定の入賞口またはスルーゲートB66,B67で球の通過が検出されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、所定の大当たり種別の大当たりを獲得することを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、上皿B17に貯留される球の量が許容量を超えた場合に報知される球抜き報知が実行されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
また、右打ち遊技すべきではないタイミングにおいてスルーゲートB67で球の通過が検出されるなど球が右側遊技領域B303を流下していると判定された場合に行われるよう設定される報知であって、遊技者に左打ちで遊技を行うことを促すための報知(例えば、「左打ちに戻してください」等の音声を出力する報知、第3図柄表示装置B81の表示画面に左向きの矢印と「左打ちに戻してください」というコメントを表示する報知)が実行されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
上記第51実施形態では、エンディング演出において音量も光量も設定変更可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音量のみを変更できる状態と、光量のみを変更できる状態と、音量も光量も変更できる状態と、を切り替え可能に構成しても良い。この切り替えは、枠ボタンB22の操作で切り替えても良いし、実行される演出に対応して音声ランプ制御装置B113により切り替えられるようにしても良い。
上記第51実施形態では、音量や光量の設定変更がキャンセルされる直前における音量や光量の設定が過去光量表示B7817や過去音量表示B7818により遊技者が把握可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、現在の状態と、直前の設定値との差を表す数値を、「+1」や「-2」等の表示や音声で報知しても良い。この場合、キャンセルされる前の設定に戻すために必要な操作を遊技者に把握させ易くすることができる。
上記第51実施形態では、音量や光量の設定がキャンセルされる前の状態における設定を示唆する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者が音量や光量の設定変更を実行している際に、設定変更前の設定が示唆されるように構成しても良い。この場合、遊技者が意図的に変更をかけたとしても、実際変更してみたら気に入らなかったというのであれば、元の設定に容易に戻すことができる。そのため、音量や光量の設定変更に対するハードルを下げることができる。
上記第52実施形態では、点在する枠ボタン表示B8813が合体したら実体化し、枠ボタンB22の操作が有効となる表示態様を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22の操作を促す表示としてではなく(操作に関わる表示であるか否かに関わらず)、エンディング演出の経過時間の目安となる演出として、半透明の枠ボタン表示B8813が所定のタイミングで実体化するように構成しても良い。
また、例えば、半透明な単一の枠ボタン表示B8813が移動または停止しており、所定のタイミングで半透明な状態と実体化される状態とで切り替えられるように表示しても良い。この場合、枠ボタン表示B8813が実体化されるタイミングを遊技者が予想し難くすることができるので、枠ボタン表示B8813に対する注目力を向上させることができる。
上記第52実施形態では、枠ボタン表示B8813が実体化するタイミングを枠ボタンB22の操作タイミングとして表示する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811が移動する横長形状の枠に枠ボタンB22の操作タイミングを示唆するマークやコメント(「PUSH」等)などを表示するようにしても良い。この場合、時間表示B811を、エンディング演出の終了タイミングを示唆する目的と、枠ボタンB22の操作タイミングを示唆する目的とで兼用することができる。
上記第52実施形態では、点在している枠ボタン表示B8813が、移動して合体した後で更に離れる方向に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B8813が合体して実体化した後、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を過ぎたら、枠ボタン表示B8813が消えるように制御しても良い。
上記第52実施形態では、枠ボタン表示B8813が半透明か実体化しているかが、枠ボタンB22の操作が有効となるか無効となるかに対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B8813が実体化している期間において、枠ボタンB22の操作が無効となる状態と、枠ボタンB22の操作が有効となる状態とを構成しても良い。
例えば、枠ボタンB22の操作の有効または無効の切替のタイミングは上記第52実施形態で説明した態様と同じに設定しながら、カード忘れ防止表示演出が開始された直後から枠ボタン表示B8813が表示画面の中央で実体化されて表示されるように構成しても良い。
上記第52実施形態では、各期間BT81,BT82,BT83が枠ボタンB22の操作が無効になる期間と有効になる期間との区切りとして設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各期間BT81,BT82,BT83はそれぞれ枠ボタンB22の操作が有効とされ、各期間BT81,BT82,BT83の違いは、枠ボタンB22の操作により移行する演出態様の違いとして設定されるようにしても良い。
即ち、第1期間BT81において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更が可能となるが光量の設定変更は可能とならない調整表示画面に移行し、第2期間BT82において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更も光量の設定変更も可能となる調整表示画面に移行し、第3期間BT83において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更が可能とならず光量の設定変更は可能となる調整表示画面に移行するようにしても良い。また、これとは別に、各期間BT81,BT82,BT83の違いを、枠ボタンB22の操作により移行する演出表示(表示が実行される動画)の違いとして設定されるようにしても良い。
上記第52実施形態では、各期間BT81,BT82,BT83が同じ長さに設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。各期間BT81,BT82,BT83の長さは任意に設定可能であり、その設定内容は種々の条件に対応させることができる。
例えば、大当たり種別ごとに各期間BT81,BT82,BT83の長さの設定を変えるようにしても良いし、確変状態が複数回続く連荘継続中においては今更設定を変更する可能性は少ないとして第2期間BT82を短くするように設定しても良い。
また、特に音量や光量が大きくなる大当たり種別(最大ラウンドの大当たりや、格別に演出が激しい(長い)大当たり)の場合には設定変更を実行し易いように第2期間BT82を長くするように設定しても良い。この場合において、第1期間BT81を短く設定しておくと、エンディング演出において音量や光量の設定変更を実行する期間を長く確保することができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記第52実施形態では、枠ボタン表示B8813の表示態様に従い枠ボタンB22を操作することで光量や音量の設定変更を実行可能となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を操作することで、遊技者に利益の有る情報が表示されるようにしても良い。
この場合において、遊技者に利益の有る情報としては、上述したのと同様に、例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が第1図柄の低確率状態なのか第1図柄の高確率状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか確変状態なのか特殊確変状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後に所定の抽選回数が経過した後に電動役物B640aの作動パターンが変化するのか変化しないのかという情報や、現在保留されている第1図柄の抽選の保留球の中に大当たりとなるものがあるのか無いのかという情報や、遊技機が第1図柄の大当たり確率の設定を変更できる(例えば、低確率状態の大当たり確率を、1/320で設定する(設定1)か、1/256で設定する(設定2)かを変更でき、高確率状態の大当たり確率を、1/32で設定する(設定1)か、1/26で設定する(設定2)かを変更できる)よう構成される場合に現在の大当たり確率の設定が示唆される情報などが例示される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図197左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図197右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400,C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400,C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400,C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第53実施形態から第94実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400,C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が開放位置へ変位(回転)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、変位部材D180が開放位置に配置され、転動部材D170,D3170,D8170が第2位置に配置された状態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置されるように形成しても良い。この場合には、第6通路DRt6に球が流下(入球)されると、第6通路DRt6に球が流下(入球)され難くなる側へ変位部材D180が変位(回転)される。よって、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)し、その第1の球が第6通路DRt6の終端に達するまでの間に、第2の球が第6通路DRt6に流下(入球)されることを、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)される場合よりも困難として、遊技の興趣を高めることができる。
なお、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成する場合には、転動部材D170,D3170,D8170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190に伝達される構造を、上述した場合(第59実施形態から第66実施形態の場合)と逆向きとすれば良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が上述した場合と逆方向に回転されるように、伝達部D173,D3173と被伝達部D193,D3193の位置関係を設定すれば良い。
具体的には、被伝達部D193を転動部材D170から離間する方向(図244(a)右側、矢印R方向)へ延設させるとと共に、その被伝達部D193の上方まで伝達部D173を延設し、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D173が被伝達部D193を下方(矢印D方向)へ押し下げる(即ち、第59実施形態の場合とは逆回り(図244(a)において時計回り)に伝達部材D190を回転させる)構成とすれば良い。
また、被伝達部D3193を転動部材D170側(図249(a)左側、矢印L方向)へ延設させるとと共に、その被伝達部D3193の下方まで伝達部D3173を延設し、転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D3173が被伝達部D3193を上方(矢印U方向)へ押し上げる(即ち、第61実施形態の場合とは逆回り(図249(a)において時計回り)に伝達部材D3190を回転させる)構成とすれば良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の変位部材D180を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により変位させる(転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により一対の変位部材D180へ伝達する)場合を説明したが、2の伝達部材を設け、一対の変位部材D180の一方を第1の伝達部材により、他方を第2の伝達部材により、それぞれ変位させる(転動部材D170,D3170又は第2転動部材D4220の変位を第1の伝達部材および第2の伝達部材により一対の変位部材D180の一方および他方へそれぞれ伝達する)構成としても良い。
この場合、例えば、転動部材D170の変位を第1の伝達部材により、第2転動部材D4220の変位を第2の伝達部材により、それぞれ伝達する構成としても良い。これにより、変位部材D180の変位態様を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第6通路DRt6において、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面と中間部材D140,D6140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされ、また、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされる場合を説明したが、これら両対向間隔のうちの少なくとも一方の対向間隔を上下方向に沿って変化させても良い。
例えば、上方(矢印U方向、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から離間する方向)へ向かうに従って、対向間隔が狭くされるようにしても良い。これにより、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から跳ね上がった球を速やかに下降させ、球の重量を作用させやすくできる。かかる技術思想は、第8通路DRt8における対向間隔においても同様である。
上記第53実施形態から第94実施形態では、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面から突部D131f,D141gをそれぞれ突設する場合を説明したが、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面に凹部をそれぞれ凹設する構成としても良い。凹部によっても球の通過(転動)を遅延させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球の通過を遅延させる遅延手段の一例として、突部D131f,D141gを例示したが、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を通過(転動)する球が当接可能な位置に配設され、その当接により変位または変形される手段(例えば、風車、金属製の弾性ばね(板ばねやコイルばね)、樹脂製の弾性片、ゴムシートなど)が例示される。即ち、球との当接により発生するエネルギー(運動エネルギーや粘性抵抗)を利用して、球の通過を遅延させる手段が例示される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を平坦面とする場合を説明したが、その上面(転動面)に凹凸や段差を設けても良い。これにより、球に抵抗を付与して、その通過(転動)を遅延させられる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)しやすくされる場合を説明したが、これとは逆の構成としても良い。即ち、変位部材D180の初期位置を開放位置とし、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、変位部材D180を閉鎖位置へ配置することで、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)され難くなるようにしても良い。この場合には、第6通路DRt6への球の流入(入球)よりも第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流入(入球)の方が有利な遊技状態としても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ伝達する伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を設ける場合を説明したが、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を省略しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220と変位部材D180(変位部材D180ユニット)とを直接連結し、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ直接伝達する構成としても良い。
例えば、転動部材D170,D3170,8170又は第2転動部材D4220に、伝達部材D190(本体部D194)の溝D194L,D194Rを設け、その溝D194L,D194Rに軸支部材D210の連結ピンD213を連結(挿通)させる。これにより、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190が省略される分、部品点数を削減して、製品コストを低減できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される一方、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されない場合を説明したが、これらを逆としても良い。
即ち、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されず、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される構成としても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の変位部材D180が回転可能とされる場合を説明したが、一対の変位部材D180の少なくとも一方(又は両方)がスライド変位可能とされる構成でも良い。スライド変位される構成であっても、第6通路DRt6への球の入球のしやすさを変化させ、遊技の興趣を向上できる。なお、スライド変位の態様としては、直線に沿って変位される態様、曲線に沿って変位される態様、直線と曲線とを組み合わせた形状に沿って変位される態様が例示される。
この変位態様については、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190についても同様であり、これらのうちの少なくとも1つ(又は全部)がスライド変位可能とされる構成でも良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が自重により初期位置へ復帰可能に構成される場合を説明したが、初期位置へ復帰させる方向へ付勢力を付与する付勢手段を設けても良い。これらの初期位置への復帰を速やかに行わせることができれば、変位部材D180の閉鎖位置への速やかな配置を可能とでき、遊技の興趣を向上できる。なお、付勢手段としては、コイルばね、板ばね、ねじりばね、ゴム状弾性体などが例示される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、変位部材D180が一対配設される場合を説明したが、変位部材D180の配設数は、1個であっても良く、3個以上であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化される場合を説明したが、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されない形態であっても良い。例えば、一対の変位部材D180の一方と他方との変位(回転)方向が同方向とされる形態(対向間隔を一定としつつ、変位部材D180の先端側の開放部分の位置が左右(矢印L-D方向)に変位される形態)であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の変位部材D180の一方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動し、一対の変位部材D180の他方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる場合を説明したが、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動する構成としても良く、或いは、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる構成としても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、突部D131f,D141gが延設方向(上下方向)に沿って連続して形成される場合を説明したが、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って非連続に形成(断続的に形成)しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗を付与しやすくできる。この場合、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って千鳥状に配置しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗をより付与しやすくできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、説明を省略したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)され、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下した球が、本体部D172,D3172における転動方向と逆方向(矢印R方向)へ移動することを規制する規制手段を設けても良い。規制手段は、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれに設けても良い。また、規制手段としては、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれかから立設され、球に当接可能に形成される形状の部位が例示される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下される場合を説明したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140に形成される部位(受け部)の上面に落下され、その受け部から転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172へ球が流入(転動)される構成でも良い。落下の衝撃が収まった(小さくなった)状態で、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172が球を受け取れるので、球の重量が作用する初期段階での変位部材D180のばたつき(振動)を抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とが、上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される(即ち、前後方向(矢印F-B方向)に位置を違えて配設される)場合を説明した。この場合には、下側フレームD86b~D8086bの上下方向(矢印U-D方向)の寸法を抑制できる。但し、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とを、正面視(矢印B方向視)において並列に配設(並設)する(即ち、上下方向(矢印U-D方向)に位置を違えて配設する)構成でも良い。この場合、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とは、上面視(矢印D方向視)において、重なることが好ましい。その分、下側フレームD86b~D8086bの前後方向(矢印F-B方向)の寸法を抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D170と第2転動部材D4220とが上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される場合を説明したが、転動部材D170と第2転動部材D4220とを上面視(矢印D方向視)において直列に配設(長手方向に沿って直線状に配設)しても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、表示部D7197を本体部D194に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示部D7197を錘部D195に配設しても良い。即ち、表示部D7197を、錘部D195の外縁に配設し、その錘部D195の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設させても良い。
この場合には、表示部D9197の配置を上述した場合とは逆の配置とする(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態で表示部D7197を遊技者から視認不能とし、変位部材D180が開放位置に配置された状態で、表示部D7197の突出量を最大とする)ことができる。また、表示部D7197の重量を利用して、錘部D195に埋設する金属製の錘の量を減らす(又は省略する)ことができ、その分、部品点数を低減して、材料コストの低減を図ることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第2突部D131faが複数(本実施形態では5本)の突部D131fのうちの一部(本実施形態では2本)のみに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2突部D131faの形成本数は任意であり、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数の突部D131fの全部に第2突部D131faを形成しても良い。また、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良く、正面視において中間部材D140の開口D6148と重ならない突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、転動部材D8170が第1位置に配置された状態において、第2突部D131faの上面が本体部D172の上面(転動面)から突出する寸法は、上流側(軸D171から遠い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各第2突部D131faにおいて同一の寸法としても良い。或いは、下流側(軸D171に近い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法としても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、介設部材E140の転動部E141の長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E134aと流路調整ブロックE170との間に対応する位置には、転動部E141の上面が背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される傾斜面が形成されても良い。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を往復動する球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球する可能性を生じさせることができる。第5通路ERt5へ送球された球は、第7通路ERt7へ案内される可能性があるため、遊技の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、中央通路E160の架設通路E161には背面壁E161aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面壁E161aに加え、架設通路E161の前端側(矢印F方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される前面壁が形成されてもよい。これにより、架設通路E161に案内された球が、架設通路E161の前端側の縁を通過して第2斜面部E135へ流下(落下)されることを抑制できる。従って、架設通路E161に案内された球が上方孔E162を通過し易くできる、即ち、第4通路ERt4を流下して第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、正面板E111に張出し部E111bが突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出し部E111bが突設されなくても良い。これにより、介設部材E140の転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ送球される可能性を生じさせることができる。即ち、転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、駆動モータE191により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位(往復動)し、上記第53実施形態から第94実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位(回動)する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バイブレータにより振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位されても良い。これにより、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を左右方向(矢印L-R方向)へ変位(往復動)できるのに加え、前後方向(矢印F-B方向)へも変位(往復動)できる。その結果、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150上を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)させ易くできる。また、上記第53実施形態から第94実施形態では、背面板E137と突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151との間に球が挟持されることを抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が前後方向(矢印F-B方向)に並設されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第1伝達部材E194の第1ラック部E194dと第2伝達部材E195の第2ラック部E195bとの間にピニオンギヤE196が一つ配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数のピニオンギヤが配設されてもよい。この場合、各ピニオンギヤの歯数を異ならせる、即ち、減速機として作用させることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度とを異ならせることができる。また、ピニオンギヤが偶数個配設されることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)との変位方向を同一にできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、挿通孔E133a,E9133a,E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に形成される溝部E133c,E9133c,E10133cが、同一形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非同一形状に形成されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150を左右方向(矢印L-R方向)に往復動させると共に、上面視において鉛直方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動する態様に変位させることができる。詳細には、被係合部E153(係合凹部E153a)を回動軸として振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の湾曲部E131側と中央通路E160側とで前後方向(矢印F-B方向)に異なる方向に変位させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面から突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面に凹設される凹部に形成されても良い。また、凹部は、その外縁が不連続とされても良く、突出される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151どうしの間に形成される空間が凹部とされても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、突起部E151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に垂直な方向視において略六角形状に形成され、第78実施形態では、突起部E12151は、球状に形成され、第79実施形態では、突起部E13151は、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成され、第80実施形態では、突起部E14151は、振分通路E14150に垂直な方向視において円状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、略五角形状や略七角形状など略多角形状、もしくは、多角錐状に形成されても良い。また、円柱状に形成されても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されても良い。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度は同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度が各側面でそれぞれ異なっていても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を略直交とさせることで、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。また、例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を傾斜方向上昇側に形成される側面の傾斜角度よりも小さくすることで、球を傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)させ易くできる。その結果、球の移動(流下、落下)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に複数の突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一つの突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されれば良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面の一部に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面への突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔は一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔がそれぞれ異なっても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向(矢印F-B方向)中央側に配設される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔を大きくすることで、前後方向両端側に送球された場合と比較して、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する回数を減らすことができる。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側において、球は、傾斜方向に沿って流下し易くなる。即ち、球の流下方向が変更(変化)され難くできる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側に送球された球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。また、突起部E151,E13151,E14151,E15151の対向間距離(配設間隔)が、球の直径の略4分の1より大きくてもよく、球の直径の略4分の1より小さくても良い。対向間距離(配設間隔)を大きくすることで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面を移動(流下、転動)する球の流下速度を大きくした状態で球を突起部E151,E13151,E14151,E15151に当接させることができ、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が連続的に変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動を断続的に行うことで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が断続的に変位されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を流下する球に慣性力を付与でき、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する際の衝撃力を変更(変化)でき、球の移動(流下、転動)方向の変更(変化)を多様とできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が駆動モータE191により駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ソレノイドや弾性ばねにより駆動されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、駆動モータE191の軸に駆動力伝達部材E193が固着され、駆動モータE191の一方向への回動により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が往復動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動方向を切り換えることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を往復動させても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球が流下可能に振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151により球の流下が抑制されても良い。これにより、後行する球は、流下が抑制された先行する球に当接することができ、後行する球の流下方向を変更(変化)できる。即ち、流下が抑制された先行する球は、後行する球に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151と同様の効果を奏することができ、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を流下する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。また、球の流下方向を不規則に変更(変化)できる。なお、流下が抑制された先行する球に後行して流下する球が当接することで、先行する球が流下を再開できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して略45度傾斜して形成され、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面が45度よりも大きく傾斜しても良く、45度よりも小さく傾斜しても良い。また、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1よりも高く形成されても良く、球の半径の略2分の1よりも低く形成されてもよい。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を大きく、もしくは、突設高さを高くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。一方、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を小さく、もしくは、突設高さを低くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。また、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151を乗り越えて振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)し易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に規制片E153bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制片E153bが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150はその傾斜面に対し垂直な方向に変位できる。詳細に説明すると、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に流下(落下)する球の自重が作用することで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150は、第1伝達部材E194,E4194,E5194、第2伝達部材E195,E4195,E5195、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199に係合される係合部E194cを軸として回動できる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の傾斜角度を変更(変化)でき、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)を流下する球の移動(流下、転動)時間を延長(変化)できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150に切欠き部E150aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切欠き部E150aが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の上面に形成される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の数を増やすことができる。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150から中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球し易くできる、即ち、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが同一の態様に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで、配設される突起部E151の配設個数又は配設間隔が異なっていても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150がそれぞれ遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)における中心に対し線(面)対称(図260左右対称)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが非対称に変位しても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が形成されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150が弾性ばねE2190により変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150に加え、湾曲部E131及び壁板E132が弾性ばねE2190により変位されても良い。これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)を移動(流下、転動)する球の前後方向(矢印F-B方向)の変位速度を変化(変更)させることができ、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接しなくても良い。この場合、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径よりも小さくすることで、球が湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との間から流出することを抑制できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、平面部E2133と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設されても良い。この場合、弾性ばねE2190は伸びた状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との当接状態が維持される、もしくは、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径より小さい状態に維持される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータやソレノイドにより変位されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、支持軸E20jにより平面部E2133と振分通路E2150,E3150とが係合され、弾性ばねE2190がコイルばねとして構成され、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位(回動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弾性ばねE2190がねじりばねとして構成されても良い。この場合、ねじりばねを支持軸E20jに係合しておけばよく、これにより、弾性ばねE2190を係合するための支持突起E2133a,E2150aの配設を抑制できる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E2150,E3150が前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として回動され、第77実施形態では、振分通路E11150が上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150が左右方向(矢印L-R方向)を回動軸として回動されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150を移動(流下、転動)する球を前後方向(矢印F-B方向)に移動させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向の変化を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、平面部E2133の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持部E2133bが支持突起E2133aよりも中央通路E160側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部E2133bが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持突起E2133aが支持部E2133bよりも中央通路E160側に形成されても良い。また、支持突起E2133aが長手方向両端側と、その支持突起E2133aよりも長手方向中央側に形成され、長手方向におけるそれら支持突起E2133aの間に支持部E2133bが形成されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に突起部E151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151が配設されなくても良い。即ち、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面が平坦に形成されても良い。これにより、振分通路E150から流下(落下)される球の変位を遊技者に予測し易くできる。また、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の一部には突起部E151が配設され、残りの他部には突起部E151が配設されなくても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第2振分通路E4150が、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150の前後方向(矢印F-B方向)における長さが、振分通路E150の前後方向における長さよりも大きく形成されても良い。これにより、第2振分通路E4150に移動(流下、転動)された球を介設部材E140へ案内(送球)し易くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、振分通路E150が第1位置に配置された状態において第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも上方孔E162(中央通路E160)側に位置しても良い。これにより、振分通路E150を流下(落下)した球を第2振分通路E4150,E16150へ送球させ易くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図260参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150,E17150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第3振分通路E5150,E17150は、短手方向(矢印F-B方向)における全部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設されても良い。これにより、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前後方向(矢印F-B方向)において、第3振分通路E5150,E17150が、中央通路E160よりも介設部材E140側(矢印F方向側)に配設されても良い。これにより、第3振分通路E5150が第3位置に配設される場合と同様、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が架設通路E161(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、斜面部E7154が直線状に形成され、第74実施形態では、湾曲ガイド部E8133dが円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、斜面部E7154が円弧状に湾曲して形成され、湾曲ガイド部E8133dが直線状に形成されても良い。また、斜面部E7154又は湾曲ガイド部E8133dが直線と円弧を組み合わせた形状に形成されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側フレームE9086bは、遊技盤E13の幅方向(図260左右方向)における中心に対し線(面)対称(図260左右対称)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下側フレームE9086bが非対称に形成されても良い。例えば、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方に形成される溝部E9133cは、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成され、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の他方に形成される溝部E9133cは、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成されても良い。例えば、上面視においてベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方と他方とで溝部E9133cが同一に形成され、振分通路E150の変位の態様が同一であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、単一の曲線から形成されても良く、また、直線と曲線とが組み合わされた形状に形成されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁には、案内切欠き部E16154a,E17154aを除き、案内部E16154,E17154が立設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも外縁の一部に形成されれば良い。これにより、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁に案内部E16154,E17154が非形成の場合と比較して、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、変位部材F130の壁部F132の背面または転動面F131bの上面に突部が形成されても良い。これにより、転動面F131b(第3通路FRt3)を移動(流下、転動)する球が凹部F131cへ振り分けられる(案内される)ことを遅延させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086b(確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143a)が変位(回転)されても良い。例えば、変位部材F130に検出手段が配設され、変位部材F130の転動面F131bへ球が案内された、又は、変位部材F130が変位(回転)されたことを検出手段が検出することで、駆動装置を駆動させても良い。
なお、検出手段としては、カメラ、重量センサ、変位センサ、トルクセンサ等が挙げられる。また、例えば、ソレノイドがスライド部材F144のスライド本体部F144aを左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて押進することや、駆動モータが開閉部材F143を回転させることで遮断部F143aが変位(回転)される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、一方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、他方側に配設される確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが変位しても良く、一対の遮断部F143aが変位しても良い。例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される変位部材F130の変位(回転)により、右方側(矢印R方向側)に配設される確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが変位しても良く、一対の遮断部F143aが変位しても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、伝達軸F183の偏心軸F183cが伝達部F183bの軸心(軸部F183a)に偏心して配設され、伝達部F183bの軸心を中心とした円状に変位されることで、演出手段F120の可動部材F122が動作(上下方向に往復動)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動手段F180がラックアンドピニオン機構(ラック部材およびピニオン部材)から構成されることで可動部材F122が動作されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが一対配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遮断部F143aが1個配設されても良い。例えば、一方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、遮断部F143aが一方側へ向けて変位され、他方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、遮断部F143aが他方側へ向けて変位されることで遮断部F143aの変位の態様を増やすことができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、上側フレーム通路FRt0,FRt50に流入(入球)した球は、上側通路F114,F5114、或いは、下側通路F112,F5112へ送球されても良い。これにより、下側通路F112,F5112へ球が振り分けられ易くなり、下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086b,F5086bが開放状態に動作されることを遊技者に一層期待させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、上側フレーム通路FRt0,FRt50は、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の幅方向における中心に対し線(面)対称に配設される、即ち、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013のの右方側に配設されても良く、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の幅方向における中心に対し線(面)対称にそれぞれ配設されても良い。従って、遊技領域から上側フレーム通路FRt0,FRt50に流入(入球)した球は、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の右方側に配設された上側フレーム通路FRt0,FRt50から遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の右方側に配設される第1通路FRt1,FRt51へ流入(入球)されても良く、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の左方側または右方側に配設された上側フレーム通路FRt0,FRt50の一方から遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の左方側または右方側に配設される第1通路FRt1,FRt51の一方へ流入(入球)されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合、かかる開閉部材F2143の変位(回転)を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合には、開閉部材F2143の変位(回転)に連動して変位(スライド又は回転)可能とされ、且つ、変位部材F130が球の重量により変位されることで、開閉部材F2143が変位(回転)された場合には、開閉部材F2143に連動せず、非変位とされる所定部材を流入口FOPf1よりも上流に設け、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合、所定部材が変位(スライド又は回転)され、かかる所定部材によって、流入口FOPf1へ球が流入し難くなるように構成しても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF5086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により変位手段F5150の開閉部材F5158が変位(回転)されても良い。例えば、変位部材F5155に検出手段が配設され、変位部材F5155の本体部F5155dへ球が案内された、又は、変位部材F5155が変位(回転)されたことを検出手段が検出することで、駆動装置を駆動させても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dと維持手段F5160の磁性体F5164とが磁着されることで右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)の動作(回転、変位)が規制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aとスライド部材F5157のスライド本体部F5157aとの対向間にソレノイドが突出されることでスライド部材F5157の変位が規制されることや、スライド本体部F5157aに磁性体が配設され、その磁性体が第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに配設される電磁石に着磁されることで右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)の動作(回転、変位)が規制されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球CB51に作用する慣性力を利用して球CB51の移動(流下、転動)が再開される(保持部F5155eによる保持が解除される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下側フレームF5086bの開放状態における保持部F5155eの下方(上方)となる位置に磁性体が配設され、その磁性体と球CB51との間に作用する反発力により、球CB51の移動(流下、転動)が再開されても良い。また、下側フレームF5086bに駆動装置(例えば、ソレノイドや駆動モータ)が配設され、駆動装置の駆動により球CB51が変位されることで球CB51の移動(流下、転動)が再開されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、変位部材F5155のうちの左側変位部材F5155L及び右側変位部材F5155Rが同時に球を受け取り可能(第2通路FRt52から球が流入可能)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。
例えば、左側変位部材F5155Lと右側変位部材F5155Rとが連動するように構成し、且つ、左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方が球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された状態では、他方が球を受け取り不能な位置(球の重量が作用した場合に変位可能な範囲の終端)に配置されるようにしても良い。即ち、左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方が球を受け取ると、その球の重量により、上記変位可能な範囲の終端へ向けて一方が変位されると共に、球を受け取り可能な位置(初期位置)へ向けて他方が変位され、球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された他方が球を受け取ると、その球の重量により、上記変位可能な範囲の終端へ向けて他方が変位されると共に、球を受け取り可能な位置(初期位置)へ向けて一方が変位される。
この場合、球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された変位部材F5155(左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方)に対応する開閉部材F5158(左側開閉部材F5158L又は右側開閉部材F5158Rの一方)は、流入口FOPf51へ球を流入し難くさせる位置へ配置され、上記変位可能な範囲の終端に配置された変位部材F5155(左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの他方)に対応する開閉部材F5158(左側開閉部材F5158L又は右側開閉部材F5158Rの他方)は、流入口FOPf51へ球が流入し易くする位置へ配置される。但し、その逆の配置であっても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1と挿通孔F6162a2とが前後方向(矢印F-B方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左右方向(矢印L-R方向)に並設され、例えば、挿通孔F6162a1が挿通孔F6162a2よりも左右方向両端側に並設されても良い。これにより、球が挿通孔F6162a1へ流入される、或いは、挿通孔F6162a2へ流入されることを遊技者に視認させ易くできる。
この場合、下側通路F6112(第2通路FRt62)を正面側(背面側)へ向けて下降傾斜される。これにより、一方側の挿通孔F6162a1へ流入した球は一方側の挿通孔F6162a2へ流入した球と比較して正面側(背面側)へ向けての変位量が大きく、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過して他方側の上側通路F6114へ案内(送球)され、挿通孔F6162a2へ流入した球は、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過せずに一方側の上側通路F6114へ案内(送球)される。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球が上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cと第2傾斜部F6114dとを往復動可能となる位置に当接部F6173bが配設されても良い。これにより、当接部F6173bと当接可能となる位置に球を複数回到達させることができ、球を流入口FOPf61へ流入させ易くできる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作後状態において、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB61が当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで、球CB61が第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cが正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜される、背面部材F6150の背面板F6151に電磁石が配設される、又は、背面板F6151に正面側へ向けて風を送る送風装置が配設されることにより、球CB61が第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、変位通路部材F6174の通路部F6174a又は第2変位通路F7180の転動面F7181a1の上面に突部が形成されても良い。これにより、通路部F6174a又は転動面F7181a1から球が流出(流下、排出)されることを遅延させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bを動作前状態から動作後状態、或いは、動作後状態から動作前状態へ向けて動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bが動作され(振分手段F6170の変位部材F6173,F10173が変位され)ても良い。例えば、変位通路部材F6174又は第2変位通路F7180に検出手段が配設され、変位通路部材F6174の通路部F6174a又は第2変位通路F7180の転動面F7181a1へ球が案内された、又は、変位通路部材F6174又は第2変位通路F7180が変位(回転)したことを検出手段が検出することで、駆動装置が駆動されても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、動作後状態における振分手段F6170の状態を維持する(変位を規制する)ための維持手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bに形成されても良い。これにより、変位通路部材F6174から球が流出(流下、排出)された場合、言い換えると、変位通路部材F6174に球の重量が作用されない状態においても、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bを動作後状態に維持でき、遊技の興趣を高めることができる。例えば、変位通路部材F6174の底面に磁性体が配設され、貫通孔F6143の内周面に電磁石が配設され、それら磁性体と電磁石とが着磁されることで振分手段F6170の変位が規制される。
なお、かかる維持手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bに形成される場合、少なくとも1球が流入口FOPf61へ流入されることを契機として維持手段による振分手段F6170の変位の規制を解除する解除手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086bに形成されても良い。これにより、流入口FOPf61への球の流入が確実化される。即ち、少なくとも1球が流入口FOPf61へ流入されるまでの間、遊技者に安心感が付与され、興趣を高めることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作後状態から動作前状態への動作における当接部F6173b,F10173bの変位方向には、第1傾斜部F6114cを当接部F6173b,F10173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、動作前状態から動作後状態への動作における当接部F6173b,F10173bの変位方向に、第1傾斜部F6114cを当接部F6173b,F10173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれても良い。これにより、球CB61と当接部F6173b,F10173bとの当接により当接部F6173b,F10173bが動作前状態における配設位置へ変位されることを抑制でき、球CB61を第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ確実に振り分けることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作前状態から動作後状態への動作において、変位部材F6173,F10173が第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変位部材F6173,F10173が前後方向(矢印F-B方向)を軸として回転されても良い。これにより、変位部材F6173,F10173を左右方向に変位させるための空間を不要とでき、設計の自由度を向上させることができる。
上記第53実施形態から第94実施形態では、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により変位部材F6173を変位させ、流入口FOPf61への球の流入のし易さを変化させる形態を説明したが、かかる形態を他の実施形態に適用しても良い。
例えば、所定位置(例えば、上側フレーム通路FRt0よりも上流(遊技盤F13上の遊技領域(球の流下加納な領域))、又は、上側フレーム通路FRt0よりも下流(下側フレームF86bの遊技領域(球の流下加納な領域))にセンサF11001を配設し、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により開閉部材F143を変位(開放または閉鎖)させ、流入口FOPf1への球の流入のし易さを変化(流入し易くする、又は、流入し難くする)させても良い。
また、例えば、所定位置(例えば、上側フレーム通路FRt0よりも上流(遊技盤F13上の遊技領域(球の流下加納な領域))、又は、上側フレーム通路FRt0よりも下流(下側フレームF86bの遊技領域(球の流下加納な領域))にセンサF11001を配設し、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により抑制部F4134(変位部材F4130)を変位(開放または閉鎖)させ、第2振り分け孔F161b(第1振り分け孔F161a、即ち、流入口FOPf1)への球の流入のし易さを変化(流入し易くする、又は、流入し難くする)させても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、センサF11001を挿通孔F6162a2に配設したが、その配設位置は任意に設定できる。例えば、挿通孔F6162a1に配設しても良い。
上記第53実施形態から第94実施形態では、球の重量を利用して、所定の部材を変位させ、かかる所定の部材の変位により、他の球が第1の流入口へ入球し易くされ、その結果、かかる他の球が第2の流入口へ入球し易くなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、球の重量を利用して、所定の部材を変位させ、かかる所定の部材の変位により、他の球が第1の流入口へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が第2の流入口へ入球し易くなるように構成しても良い。
例えば、第1入賞口64を第5通路FRt5の流出面F112bの鉛直方向下方に配置し、且つ、変位部材F130に球の重量が作用した場合、開閉部材F143(遮断部F143a)が流入口FOPf1を閉鎖させる(球を流入し難くさせる)方向へ変位される形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf1に流入した球よりも、流入口FOPf1に流入せず流出面F112bから流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位部材F130を変位させ、かかる変位部材F130の変位(開閉部材F143による流入口FOPf1の閉鎖)により、他の球が流入口FOPf1へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出面F112bを利用して、第1入賞口64へ入球し易くされる。
また、例えば、第1入賞口64を第4通路FRt54の流出面F5112bの鉛直方向下方に配置し、且つ、変位部材F5130に球の重量が作用した場合、開閉部材F5158が流入口FOPf51を閉鎖させる(球を流入し難くさせる)方向へ変位される形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf51に流入した球よりも、流入口FOPf51に流入せず流出面F5112bから流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位部材F5130を変位させ、かかる変位部材F5130の変位(開閉部材F5158による流入口FOPf51の閉鎖)により、他の球が流入口FOPf51へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出面F5112bを利用して、第1入賞口64へ入球し易くされる。
また、例えば、第1入賞口64を流出口FOPout62の鉛直方向下方に配置し、且つ、変位通路部材F6174に球の重量が作用した場合、変位部材F6173が球に作用(当接)不能な位置に方向へ変位される(変位通路部材F6174に球の重量が作用していない状態では、変位部材F6173が球に作用(当接)可能な位置に配置(上側通路F6114の上面から突出されている)形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf61に流入した球よりも、流入口FOPf61に流入せず流出口FOPout62から流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位通路部材F6174を変位させ、かかる変位通路部材F6174の変位(変位部材F6173に当接した他の球の進行方向が変更されることの回避)により、他の球が流入口FOPf61へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出口FOPout62から第1入賞口64へ入球し易くされる。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200の第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態に応じて入賞ユニットK200の見え方が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御することにより、入賞ユニットK200の見え方が変化するように構成しても良い。
この時、入賞ユニットK200の第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態に対応させるようにして、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御しても良いし、第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態とは無関係に発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御しても良い。
例えば、第1電動役物K240の電動役物K640aが開放状態の時に光を強化するようにしたり、第2電動役物K250の可動板K251が開放状態の時に光を強化するようにしたりしても良いし、逆に弱くするようにしても良い。
また、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を、球が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに入球した場合に変化させるように制御しても良い。この場合、入賞ユニットK200の見え方の違いから、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aへの入賞を把握させることができる。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200の板状本体K202の裏側に拡散形状が形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体K202の裏側面または表裏面が平滑に形成されても良い。この場合、板状本体K202の透過性を向上させることができるので、入賞ユニットK200内を流下する球や、第1電動役物K240の電動役物K640aや、第2電動役物K250の可動板K251等の視認性を向上させることができる。
上記各実施形態では、発光部K228からの光が電動役物K640a上を転動する球に遮られないものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光部K228を、電動役物K640a上を転動する球の経路の後方や、可動板K251上を転動する球の経路の後方に配置しても良い。この場合、発光部K228からの光が、電動役物K640a上を転動する球や、可動板K251上を転動する球に遮られ得る。
これにより、発光部K228を点灯制御させている場合に、光が明滅しているように視認させることができ、発光部K228からの光の見え方を変化させることができる。この時、電動役物K640a上を転動する球による光の明滅により、第2入賞口K640へ入球することを示唆することができる一方、可動板K251上を転動する球による光の明滅により、第2特定入賞口K650aに入球せずに球が可動板K251上を左方に通過し得ることを示唆することができる。
上記各実施形態では、電動役物K640aや、可動板K251が、有色で不透明である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640a又は可動板K251の少なくとも一方が、有色透明の樹脂材料から形成されても良い。この場合、化粧カバーK220と重ねて視認される場合の作用は維持しながら、電動役物K640a又は可動板K251を通過する光により入賞ユニットK200の視認態様を変化させ易くすることができる。また、電動役物K640a又は可動板K251の少なくとも一方が、無色透明の樹脂材料から形成されても良い。この場合であっても、電動役物K640a又は可動板K251を通過する光により入賞ユニットK200の視認態様を変化させ易くすることができる。
上記各実施形態では、可動板K251から反射した光が上縁部K207aを介して視認可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aから反射した光を電動役物K640aとは異なる位置で反射させて遊技者に視認させ、電動役物K640aの状態を把握可能とさせるための反射部を上縁部K207aとは別で設けても良い。
なお、反射部は入賞ユニットK200の内側に配置されても良いし、入賞ユニットK200の外方に配置されるようにしても良い。この場合、入賞ユニットK200とは異なる位置を視認して、電動役物K640aの状態を把握させることができる。また、上縁部K207aの機能を奏する部分についても、入賞ユニットK200の内側に限らず、入賞ユニットK200の外方に配置されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物K640aや可動板K251が前後方向でスライドし、遊技者側に見せる面が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右方向に沿う回転軸で前後方向に回転動作するように構成しても良い。この場合、閉状態で遊技者に見せる面(前面)と、開状態で遊技者に見せる面(閉状態での後面、開状態での上面)とが異なるので、表裏の面の態様を異ならせる(例えば、色を変える)ことで、開状態か閉状態かで、化粧カバーK220(小形意匠K221b等)の背景色を変化させることができる。
上記各実施形態では、電動役物K640a及び可動板K251が赤色で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、電動役物K640aと可動板K251とが異なる色で形成されても良いし、赤以外の青や黄色等あらゆる色を採用可能である。また、小形意匠K221bの色は白色に限定されるものでなく、金や黄色等あらゆる色を採用可能である。何れの色を採用した場合であっても、小形意匠K221bの背景色となる場合と、ならない場合とを構成でき、小形意匠K221bの見え方を変化させることができる。この時、色の選択として、相対的に判別しやすい関係で色を選択した方が、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、昇降装置K500の上下変位が回転部材K430の変位に対して増大されるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500の変位量が回転部材K430の変位量と一致しても良い。この場合、昇降装置K500の動作をより安定させることができる。
上記各実施形態では、切替装置K460により昇降装置K500の右側構成部の下降が制限されることで、昇降装置K500が右側を下方にする傾斜姿勢で片側落下状態を構成可能であることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500が右側を下方にする傾斜姿勢から、左側構成部を落下位置状態まで変位させることで、左側を下方にする第2の傾斜姿勢を構成可能にしても良い。この場合、演出待機状態から第2の傾斜姿勢に変化するように制御しても良い、片側落下状態を経由して第2の傾斜姿勢に変化するように制御しても良い。前者の方が、昇降装置K500による状態変化を顕著にすることができる一方で、後者の方が、状態変化後の昇降装置K500の姿勢を安定させ易くすることができる。
上記各実施形態では、回転装飾部材K578の回転速度を方向に因らず一定として、移動装置K560の左右方向のスライド速度を変化させるよう制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K578の回転速度または移動装置K560の左右方向のスライド速度の少なくとも一方を、方向に対応して変化させるように制御するようにできれば良い。
上記各実施形態では、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まっている場合の動作制御について説明したが、回転装飾部材K578の動作制御は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まらなかった場合にエラー信号を出して演出役物の動作を実行しないようにするのではなく、回転装飾部材K578の回転速度から新たに駆動モータKMT51の回転速度を算出して、その新たに算出された回転速度により移動装置K560を左右方向にスライド移動させるようにしても良い。これにより、回転装飾部材K578の回転後の停止位置と、移動装置K560の移動後の停止位置とを対応付けやすくすることができ、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まる場合と同様に、連動を適切に実行させることができる。
なお、速度の再計算をするのではなく、回転装飾部材K578を停止させるタイミングを、移動装置K560のスライド移動を停止させるタイミングとずらすことができるように制御しても良い。
上記各実施形態では、昇降装置K500の昇降動作と、状態変化装置K470の動作とが、共通の回転部材K430の動作に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500の昇降動作と、状態変化装置K470の動作とが、異なる駆動装置からの駆動力で動作されるように制御しても良い。
上記各実施形態では、第2可動装置K701において、アーム部材K735が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向にスライド移動する可動ラックを構成し、この可動ラックの昇降量が主装飾部材K760に伝達されるようにしても良い。この場合、可動ラックにより左右幅を抑えて構成することができる。
上記各実施形態では、第2可動装置K701において、円弧状部K732,K734が面で当接することでアーム部材K735の回転を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、アーム部材K735を途中位置で停止させる位置に配置可能な可動のストッパ部材を設けるようにしても良い。この場合、ストッパ部材の配置により、アーム部材K735を途中位置で停止させ易い場合と、途中停止させない場合とを構成することができる。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874の回転開始は、延設回転部材K874の長尺方向が左右方向に沿う姿勢から生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設回転部材K874の長尺方向が上方向を向く姿勢から生じさせるものでも良い。この場合、延設回転部材K874の長尺方向が下方向を向くまでの回転角度を大きくすることができる。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874の過回転を小さく抑えることで、板状部K811,K821,K831の戻り動作が生じないように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長孔K884の短手方向幅を十分に確保して円柱突部K876aとの間に隙間を確保したり、円柱突部K876aの回転軸側の肉部を削ることで長孔K884との隙間を確保したり、長孔K884の先端部に円柱突部K876aの移動軌跡に沿う円弧形状部を設けることで円柱突部K876aと長孔K884との干渉を避けるようにしても良い。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874が回転終端で面と当接して止まる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転終端で円柱突部K876aが凹部に収容させることで止まるように構成しても良い。
上記各実施形態では、ベース板K2060の外形傾斜部K2060eや、傾斜開口部K2060wや、光照射装置K2100の傾斜面K2121や、光照射装置K3100の傾斜面K3122等の傾斜角度として一例を記載したが、必ずしもこれに限られるものではなく、光を屈折させたり反射させたりして、光らせる対象に光が届くような形状から形成されていればよい。
上記各実施形態では、発光手段K2111,K3111が湾曲線に沿って並ぶ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右や上下等の所定の方向に延びる直線上に並ぶように構成しても良い。
上記各実施形態では、発光手段K2111,K3111からの光が正面側に進行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域内方へ向けて光が進行するように形成されても良い。この場合、正面視では隠される範囲(遊技領域外方の範囲)からの光によっても遊技領域を照らすことができるので、遊技領域をより明るくすることができる。
上記各実施形態では、光がベース板K2060の開口を通過する前における傾斜開口部K2060wにおいて光が反射または屈折し正面側に進行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K2060の開口を通過した後における傾斜開口部K2060wの縁部における反射または屈折によっても光を正面側へ進行させるようにしても良い。また、ベース板K2060の開口内に、光を反射または屈折可能な物体を配置して、その物体によりベース板K2060の開口内で光の進行方向を変化させて正面側に光を進行させるようにしても良い。この場合、ベース板K2060の開口縁部以外の箇所からも遊技者へ光を届けることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<回転中に外形が変化する変位手段>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段を有する演出手段を備え、前記演出手段は、前記変位手段の傾倒中に、少なくとも前記回転軸から離れる方向に延びるような外形の変化を視認させることが可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段が勢いよく傾倒するように演出したとしても、傾倒時に変位手段の外形が変化することはないので、迫力に欠け、演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、演出手段が、変位手段の傾倒中に外形を変化可能に構成されることから、変位手段が勢いよく傾倒している最中に外形を変化させるという迫力ある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機A1において、前記変位手段の傾倒中に、傾倒中の前記変位手段の前記外形を維持させる第1状態から傾倒中の前記変位手段の前記外形を変化させる第2状態へ移行可能に構成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、変位手段の傾倒動作が進むほど、外形が維持される第1状態から外形が変化する第2状態へ移行されるので、傾倒し始めにおいて必要となる力を抑えることができ、傾倒動作をスムーズに開始し易くすることができる。
遊技機A2において、前記変位手段は、傾倒を開始する側の変位終端位置において前記第1状態となるように構成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、傾倒開始時に外形を変化させるための力を不要とできるので、傾倒開始時に必要となる力を傾倒に必要な力のみにできることから、必要とされる力を低減することができる。
遊技機A2又はA3おいて、前記第1状態から前記第2状態へ移行する方向で前記変位手段が傾倒する過程で、前記変位手段の傾倒角度に対する前記外形の変化の度合いが増大する区間を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第2状態における変位手段の傾倒中における外形の変化が、第1状態で配置されていた側から離れる程に(傾倒する程に)大きくなるので、変位手段の傾倒の度合いと、変位手段の外形の変化の度合いとを対応付けることができる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記所定の回転軸を中心に傾倒可能に支持される軸側手段と、その軸側手段に対して相対変位可能に構成される構成手段と、を備え、第1姿勢から傾倒することで第2姿勢となるよう構成され、前記第1姿勢よりも前記第2姿勢の方が、前記構成手段と前記所定の回転軸との距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、傾倒の方向に対応して、構成手段と所定の回転軸との距離の変化の方向が一方向に定められることで、傾倒の角度が大きくなるほど効果の度合いを大きくさせることができる。
即ち、変位手段が傾倒するほど、構成手段が所定の回転軸から離れていくことになるので、変位手段の重心位置を傾倒先端側に移動させることができ、傾倒の勢いを変位手段の自重により補助することができるので、勢いよい傾倒動作を実現できることから、演出効果を高めることができる。
更に、変位手段が傾倒の逆方向(起き上がり方向)に変位するほど、構成手段が所定の回転軸に近づいていくことになるので、変位手段の重心位置を回転軸側に移動させることができ、起き上がり動作に必要となる力を減少させることができる。
遊技機A5において、前記第1姿勢を終端姿勢とする所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いよりも、前記第2姿勢を終端姿勢とする前記所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いを大きくさせる度合い変化手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第2姿勢付近において、小さな傾倒角度であっても構成手段の所定の回転軸との距離を大きく変化させることができることから、所定の回転軸に対する変位手段の配置を大きくは変えずに、変位手段の外形を大きく変化させるという演出を行うことができる。
更に、第2姿勢から第1姿勢へ起き上がる変位(傾倒とは逆方向の変位)を変位手段に生じさせる場合に、変位の開始後において構成手段と所定の回転軸との距離を大きく変化させる(短くする)ことができるので、変位手段の重心を早期に所定の回転軸側に寄せることができ、起き上がる変位に必要となる力を低減することができる。
遊技機A5又はA6において、前記構成手段は、前記所定の回動軸を中心とする円の径方向に変位可能な第1構成手段と、前記径方向と直交する方向に変位可能な第2構成手段と、を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで、変位手段の外形を更に異ならせることができる。
遊技機A7において、前記変位手段の傾倒中において、前記第1構成手段の変位開始から遅れて、前記第2構成手段の変位が開始されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第1構成手段の変位と第2構成手段の変位とが同時に開始される場合に比較して、必要とされる力を低減させることができる。
遊技機A7又はA8において、前記第2構成手段は、前記軸側手段に配設されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A7又はA8の奏する効果に加え、所定の回転軸側が膨らんだ外観形状で、変位手段を視認させることができる。
遊技機A7又はA8において、前記第2構成手段は、前記構成手段に配設されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A7又はA8の奏する効果に加え、構成手段側の広い外観形状で、変位手段を視認させることができる。
<回転軸から離れた位置で駆動力伝達>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備え、前記所定の回転軸よりも前記変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して前記駆動手段の駆動力が前記変位手段に伝達されるよう構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1軸線の側における変位手段の構造が大型化し易く、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが困難となるという問題点があった。即ち、変位手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、駆動手段の駆動力が、変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して伝達されることから、第1軸線の側における変位手段の構造を簡素化することができ、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが容易となる。これにより、変位手段の配置を改善することができる。
遊技機B1において、前記変位手段の傾倒中において、前記駆動手段による駆動力の方向を所定方向に維持しながら、前記配置部の変位方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動力の方向を維持している状態で、配置部の変位方向を変化可能に構成されるので、駆動手段の動作が単調であっても、配置部の変位を複雑にすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づくほど、前記配置部に与えられる駆動力の方向が、前記所定の回転軸と前記配置部とを通る直線方向に近づくことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、傾倒中に配置部に与えられる駆動力の方向を変化させることにより、変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づく場合に、傾倒方向に生じる荷重が過大となることを避けることができる。
これにより、変位手段の傾倒が高速で生じる場合であっても、変位手段が傾倒側の変位終端位置に到達する際の衝撃を和らげ易くすることができるので、変位手段の耐久性を向上することができる。また、衝撃吸収用の緩衝材を不要とできる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力の方向は、前記変位手段に対して所定の直線方向の負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を安定させ易くすることができる。また、駆動力のうち、変位手段の傾倒方向へ向く成分と変位手段の傾倒方向に対して直交する方向へ向く成分との比は、変位手段の位置(姿勢)に対応して定まるので、変位手段の傾倒方向への負荷の大小を、変位手段の位置(姿勢)に対応させることができる。
遊技機B4において、前記所定の直線方向と、前記配置部に当接される前記変位手段の当接部の移動方向のうちの前記所定の回転軸を中心とする回転方向成分との間の角度が大きくなるほど、前記配置部と、前記所定の回転軸との間の距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、駆動力の方向と傾倒する変位手段の変位方向との間の角度が大きいという、傾倒方向の負荷を伝達し難い状況であっても、駆動力が伝達される配置部と所定の回転軸との間の距離を長くすることにより、変位手段の傾倒のための駆動力が不足することを回避し易くすることができる。
即ち、変位手段の傾倒範囲において、傾倒に必要となる駆動力が局所的に増減することを抑制することにより、必要となる駆動力の変化幅を小さく抑え、駆動手段の選定を容易とすることができる。
遊技機B4又はB5において、前記変位手段は、表示装置の前方位置と、表示装置の外方位置とで変位可能とされ、前記前方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度は、前記外方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度よりも大きいことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、前方位置における回転方向の勢いを低減させることができるので、回転動作の停止を狙いの位置でさせ易い。そのため、回転途中では高速で回転動作させる一方、前方位置では回転をスムーズに止めるという動作を、容易に行うことができる。
遊技機B6において、前記外方位置から前記前方位置へ向かう程、前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度が大きくなることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、回転動作を段階的に減速させることができる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記変位手段に接続させる電気配線は、前記所定の回転軸側から接続されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配置を傾倒先端側にずらしたことにより空いたスペースを、電気配線の配置スペースとして有効利用することができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記配置部は、第2の所定の直線方向で移動されることで前記所定の回転軸との距離が変化可能に構成され、前記配置部を通る前記第2の所定の直線方向は、前記所定の回転軸を通らないように構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、配置部を第2の所定の直線方向で移動させるための力を、変位手段を所定の回転軸を中心に回転動作させるためにも利用することができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を伝達可能な無端ベルトを備えることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位幅を大きく確保し易くすることができる。
<抵抗感を範囲ごとに変化させる>
変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備える遊技機において、変位中の前記変位手段が受ける力の態様を、前記変位手段の位置に対応して変化させる態様変化手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位中の変位手段が受ける力について何ら考慮されておらず、変位途中において駆動手段に与えられる負荷が急激に変化する等する可能性があり、改良の余地があるという問題点があった。即ち、変位手段の変位について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、態様変化手段により、変位中の変位手段が受ける力の態様を、変位手段の位置に対応して変化させることができることから、変位途中において変位手段に与えられる力を適切に調整することができ、駆動手段に与えられる負荷が急激に変化することを防止できる。これにより、変位手段の変位を改良することができる。
遊技機C1において、前記変位手段は、第1範囲と、その第1範囲と異なる第2範囲とを変位可能であって、前記態様変化手段により前記変位手段が受ける力は、前記第1範囲に配置される場合よりも、前記変位手段が前記第2範囲に配置される場合の方が大きくなることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、変位手段が受ける力の態様を範囲ごとに変化させることができる。
遊技機C2において、前記第1範囲または前記第2範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含む範囲とされることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、変位終端において変位手段が受ける力が変化することを防止することができる。
遊技機C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の前記変位終端を含むことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位手段の変位終端からの変位に要する駆動力を低減させることができる。
遊技機C4において、前記態様変化手段は、前記変位手段に対して相対変位可能な相対変位手段を備え、前記第2範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数が、前記第1範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数よりも多くされることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、相対変位する相対変位手段の個数を変化させることで演出効果を高めながら、態様変化手段から生じる力の増減を生じさせることができる。
遊技機C5において、前記相対変位手段は、第1の態様で相対変位する第1相対変位手段と、第2の態様で相対変位する第2相対変位手段と、を備え、前記変位手段が一方の変位終端から変位開始する場合に、前記第1相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、複数態様で相対変位する相対変位手段が同時に相対変位を開始するのではなく、相対変位のタイミングがずらされることにより、変位手段の変位を安定させることができる。
遊技機C6において、前記変位手段が他方の変位終端から変位開始する場合に、前記第2相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、変位手段が変位を開始する終端ごとに、先に相対変位する相対変位手段を異ならせることで、演出効果の向上を図ることができる。
遊技機C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、少なくとも一方の変位終端において、変位手段を減速させ易くすることができる。
遊技機C8において、前記変位手段が受ける前記力は、所定の抵抗力であることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、変位手段が受ける所定の抵抗力を変位終端で大きくし、変位途中で小さくするように構成することで、変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機C8又はC9において、前記第1範囲は、前記変位手段の両方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、両変位終端において変位手段を減速させ易くすることができるので、両変位方向において変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機C10において、前記変位手段は一対で構成され、その一対の前記変位手段から前記駆動手段側に伝達される荷重は、前記両方の変位終端において同じとされることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、両方の変位終端からの変位開始に要する駆動力を同じにすることができる。
<基板に位置合わせされる導光板に平行に光を照射>
板状部材から構成される第1手段と、その第1手段の所定面側に配設される第1発光手段と、その第1発光手段の光を受光可能な板状の第1受光手段と、を備え、前記第1受光手段は、前記所定面と対向配置される側面が前記第1手段の前記所定面と当接されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、発光手段が配設される板状部材と、その板状部材の発光手段に対向配置され、発光手段の光が入射されるよう構成される板状部を有する受光手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-198675号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、受光手段を位置合わせするための他の部材が必要であり、構造が複雑化するという問題点があった。即ち、受光手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、第1手段と第1受光手段との当接により第1受光手段の第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して改善することができる。
遊技機D1において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2受光手段についても第1手段との当接により第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段および第2受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して更に改善することができる。
遊技機D2において、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第1手段に、所定の押圧手段からの押圧により固定可能とされることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、押圧手段からの押圧により3部材を固定可能とされるので、複数部材を固定するための固定箇所を減らすことができ、製造工数を削減できる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1受光手段を支持可能に構成される支持手段を備え、その支持手段は、前記第1手段に嵌合可能な第1突設部と、前記第1受光手段に嵌合可能な第2突設部と、を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、支持手段によって第1手段および第1受光手段を支持することで、第1手段の板面と平行な方向における第1手段と第1受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
なお、第2受光手段が配設される場合において、第2突設部が第2受光手段にも嵌合可能に構成するようにしても良い。この場合、第1手段の板面と平行な方向における第1受光手段と第2受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
遊技機D3又はD4において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接され、前記第1手段は、前記第2突設部の外方に配置され、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第2突設部において所定の押圧手段により押圧され固定可能とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、手段からの押圧力が第1手段の端部にかけられるようにすることができる。これにより、押圧力が過大になった場合でも、第1手段の端部が破損することで留めることができ、発光手段が配設される中央部側が破損することを避け易くすることができる。
遊技機D5において、前記第1受光手段または前記第2受光手段は、第1手段と当接する当接部の形状が対応するように構成されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、所定の押圧手段からの押圧により第1受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分と、第2受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分とを対応させることができるので、第1手段にかけられる力の方向を面直方向にしやすく、表裏にかけられる力のバランスを良くすることができる。これにより、第1手段の面と傾斜する方向に力がかけられることによる第1手段の割れを防止することができる。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が、前記反対面と当接され、前記第1発光手段は、前記第2発光手段に対応する位置に配置され、前記第2発光手段の照射方向に対して平行な方向に光を照射するよう構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1発光手段から第1受光手段に光が照射される位置と、第2発光手段から第2受光手段に光が照射される位置とを、対応させることができる。これにより、異なる発光部により照らされる位置を合わせることができるので、第1受光手段および第2受光手段の平面と直交する方向視における発光演出を良好とすることができる。
遊技機D7において、前記第1発光手段は、複数の発光部を備え、それら複数の発光部からの光の光軸方向が互いに平行とされることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、第1発光手段の光により第1手段を広範囲で均一に光らせることができる。
遊技機D1からD8のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1発光手段を支持可能に構成される支持手段、を備え、前記第1受光手段は、前記第1手段が配設される側の反対側の被支持面が前記支持手段の支持面に支持されるよう構成され、前記被支持面または前記支持面は、複数の突起部を備え、その複数の突起部は、所定の発光手段からの光を受けて演出可能に構成されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD8のいずれかの奏する効果に加え、複数の突起部を、光を受けて演出する演出面と、押圧力を分割可能な構造面とで利用することができる。
遊技機D9において、前記所定の発光手段は、前記第1発光手段に対する前記第1受光手段の反対側に配置されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、所定の発光手段からの光と第1発光手段からの光とが干渉することを避けることができる。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、前記第1手段は、複数枚の板状部材を備えることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10のいずれかの奏する効果に加え、第1受光手段へ光を照射する第1発光手段の配設箇所を増やすことができるので、第1受光手段の大きさの設計自由度を向上させることができる。
遊技機D1からD11のいずれかにおいて、前記第1受光手段の受光側端部は、前記第1発光手段の照射方向側の前記第1手段の端部よりも前記発光手段側に配置されることを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D1からD11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段を遮蔽部材として利用することで、第1受光手段に受光される前の光が漏れることを防止することができる。
<光を通す方向を制限する制限手段>
前面側に遊技球が流下可能な領域を構成する流下手段と、その流下手段よりも正面側に設けられ、背面側に位置する前記領域を遊技球が流下する場合がある正面側手段と、を備え、前記正面側手段は、第1方向の方向視と、その第1方向の方向視よりも前記領域を流下する遊技球を視認し易い第2方向の方向視とで視認可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球の流下経路の正面側に装飾用の文字や図形等が描かれた透明板が配設される遊技機がある(例えば、特開2017-23543号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、装飾用の文字や図形越しに流下経路を流れる遊技球を視認することになるが、どちらか一方を見易くすると(例えば、装飾用の文字や図形を濃くすると)、他方の視認性が悪くなる(例えば、遊技球が見え難くなる)といった事態が生じ得ることになり、遊技中における遊技球の視認性について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、正面側手段は、見る方向によって、流下手段を流下する遊技球を視認し易い状態と、視認し難い状態とを構成できる。即ち、第1方向視においては正面側手段の正面側を視認させる一方で、第2方向視において正面側手段越しに遊技球を視認させるようにすることで、正面側手段を採用したまま、遊技中における遊技球の視認性を改善することができる。
遊技機E1において、前記正面側手段は、光透過性の樹脂材料から形成され、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、方向選択手段により、光が透過可能な方向を制限することにより、方向の違いによる視認性の程度の違いをより明確にすることができる。
遊技機E2において、前記流下手段よりも正面側に配置され、遊技球が流下する領域の前側面を構成する前側面構成手段を備え、前記方向選択手段は、前記正面側手段と前記前側面構成手段との間の領域に配置され所定の厚みを有するよう構成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、方向視の違いによる視認性の変化を、正面側手段と前側面構成手段との間という厚みの薄い領域に配置される方向選択手段により実現できるので、方向選択手段自体による光の減衰の影響を受け難くすることができ、第1方向の方向視と、第2方向の方向視との見え方の違いを顕著にすることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記方向選択手段により視認される方向で遊技球の視認性が変化する第1の流路と、視認される方向で遊技球の視認性が変化しない第2の流路とが隣り合って設けられることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、所定範囲を視認する遊技者の視線の方向の違いにより、第2の流路に注目させ易い状態と、第1の流路および第2の流路の両方に同程度に注目させ易い状態とを生じさせることができる。
遊技機E4において、前記第1の流路を流下する遊技球を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、方向選択手段により遊技球が第1の流路を流下したことを視認できない事態が生じても、検出手段により遊技球の流下が検出された場合に遊技者側に報知を行うように制御することが可能となるので、第1の流路を遊技球が流下したか否かを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機E4又はE5において、前記第1の流路に流入した遊技球は、前記第1の流路を介して遊技領域から排出されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E4又はE5の奏する効果に加え、遊技領域から排出される予定の第1の流路を流下する遊技球に比較して、流下した後も遊技領域を流下し得る第2の流路を流下する遊技球に対して、より注目させることができる。
遊技機E1からE6のいずれかにおいて、前記正面側手段は、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備え、その方向選択手段は、その表面側を覆うように光透過性の樹脂部材が配置され、その樹脂部材の表面に装飾図形が形成されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6のいずれかの奏する効果に加え、第1方向から領域側へ視線を送る遊技者に対して、樹脂部材の表面の装飾図形を視認させることができるので、正面側手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機E7において、前記方向選択手段は、積層配置される複数の板状部を有する板状手段から形成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、前後方向の隙間寸法が大きい場合に、その隙間を方向選択手段により埋め易くすることができる。
遊技機E1からE8のいずれかにおいて、光照射手段を備え、その光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE8のいずれかの奏する効果に加え、光照射手段の光を点灯させる場合と、消灯させる場合とで、正面側手段の視認性に変化を生じさせることができるので、領域を流下する遊技球の視認性の切り替えを、演出に対応させて実行させることができる。
遊技機E9において、前記光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化される範囲を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、光照射手段の照射態様を切り替えることにより、正面側手段の範囲ごとの視認性を変化させることができる。これにより、遊技球が流下する領域を視認性良く視認できる方向を、光照射手段により切り替えることができる。
遊技機E1からE10のいずれかにおいて、前記正面側手段は、変位可能に構成されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E1からE10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が目線を動かさなくても、正面側手段が変位することにより遊技者の目線と正面側手段との間の角度が変化する場合を生じさせることができ、領域の視認性を変化させることができる。
<基板ボックスW100~W3100,W700~W9100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備え、前記係合部材が取り外されて、前記配設部材が取り外される遊技機において、前記係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされることを特徴とする遊技機WA1-0。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WA1-0によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされる。これにより、その状況に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
遊技機WA1-0において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記連結部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機WA1-1。
遊技機WA1-1によれば、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、連結部に対応する位置に形成されるので、連結部が切断される際に、凹部(空間)を利用して(連結部を切断するための工具の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を破損させやすくできる。即ち、切断部が切断された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機WA1-1において、前記第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、前記ねじの頭部は、前記凹部に位置することを特徴とする遊技機WA1-2。
遊技機WA1-2によれば、遊技機WA1-1の奏する効果に加え、第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、ねじの頭部は、凹部に位置するので、連結部が切断される際に形成される配設部材の痕跡を、ねじの頭部に対応する位置に形成することができる。よって、配設部材によりねじの頭部が隠れている場合でも、配設部材の痕跡に基づいて、ねじの位置を把握できる。その結果、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
遊技機WA1-1又はWA1-2において、前記係合部材は、前記本体部と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記連結部と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機WA1-3。
遊技機WA1-3によれば、遊技機WA1-1又はWA1-2の奏する効果に加え、係合部材は、本体部と配設部材との間の対向間隔よりも連結部と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、連結部を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、連結部が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
遊技機WA1-1からWA1-3のいずれかにおいて、前記連結部は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されることを特徴とする遊技機WA1-4。
遊技機WA1-4によれば、遊技機WA1-1からWA1-3のいずれかの奏する効果に加え、連結片は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されるので、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を移動させることができる。よって、工具の先端を配設部材に当接させ、配設部材を破損させやすくできる。
例えば、一対の刃の間に連結片を挟み込んで(一対の刃を両側面に当接させて)、連結片を切断する工具を使用する場合には、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を回転させ、その回転に伴って、工具の先端を配設部材に当接させやすくできる。
遊技機WA1-1からWA1-4のいずれかにおいて、前記連結部は、第1部分と、その第1部分よりも両側面の間の距離が小さくされる第2部分とを備え、前記第1部分と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記第2部分と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機WA1-5。
遊技機WA1-5によれば、遊技機WA1-1からWA1-4のいずれかの奏する効果に加え、第2部分は、第1の部分よりも両側面間の距離が小さくされるので、第2部分の切断により、連結部の切断を容易とできる。
この場合、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、第2部分を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、第2部分が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
また、このように、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされる(即ち、第2部分を配設部材側へ延長できる)ことで、その分、第1部分と第2部分との横断面の面積の差を抑制できる。よって、係合部材を樹脂材料から形成する場合には、その成形性を確保できる。
<基板ボックスW4100~W6100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記係合部材の係合部は、前記配設部材へ向けて突設される突部を備えることを特徴とする遊技機WA2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WA2-1によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材は、配設部材へ向けて突設される突部を備えるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機WA2-1において、前記突部は、前記係合部の外縁側に位置されることを特徴とする遊技機WA2-2。
遊技機WA2-2によれば、遊技機WA2-1の奏する効果に加え、突部は、係合部の外縁側に位置されるので、第1部材に係合部材が係合された状態であっても、配設部材の痕跡を視認しやすくできる。即ち、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)の確認を行いやすくできる。
遊技機WA2-1又はWA2-2において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機WA2-3。
遊技機WA2-3によれば、遊技機WA2-1又はWA2-2の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作(弾性変形)により第1部材との係合が解除される際には、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
遊技機WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されていることを特徴とする遊技機WA2-4。
遊技機WA2-4によれば、遊技機WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されているので、配設部材の破損範囲を確保できる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
遊技機WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されていることを特徴とする遊技機WA2-5。
遊技機WA2-5によれば、遊技機WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されているので、配設部材の破損範囲の確保と、係合部材が第1部材から不正に取り外されることの抑制とを図ることができる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
一方で、係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位された後は、凹部に受け入れられた突部の先端を凹部の終端に係合させることができる。これにより、係合部材の所定方向への変位を規制することができるので、係合部材が第1部材から不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWa100~Wc100,Wi100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が分離された前記本体部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機WB1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WB1-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、係合部が分離された本体部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすいので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、前記連結部が切断された状態では、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接する位置まで前記本体部が前記第1部材および前記第2部材に対して変位可能とされることを特徴とする遊技機WB1-2。
遊技機WB1-2によれば、遊技機WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、本体部は、配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、連結部が切断された状態では、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接する位置まで本体部が第1部材および第2部材に対して変位可能とされるので、連結部を切断した後であって、第1部材および第2部材から本体部を取り外す前に、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる(配設部材の配設状態を変更する)ことができる。即ち、連結部を切断し、本体部を第1部材および第2部材から取り外す作業と、取り外した本体部(変更手段)を使用して配設部材の配設状態を変更する作業とを別々に行う必要がなく、これらの作業を一連の作業として効率的に行うことができるので、配設部材の配設状態の変更を容易に行うことができる。
また、変更手段が配設部材の所定領域に対応する位置に配設されるので、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け(取り外し)作業時、或いは、連結部材の切断により係合部が分離された本体部の廃棄処理時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機WB1-2において、前記本体部の前記変更手段は、前記配設部材の前記所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されていることを特徴とする遊技機WB1-3。
遊技機WB1-3によれば、遊技機WB1-2の奏する効果に加え、本体部の変更手段は、配設部材の所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されているので、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させた際に、配設部材の配設状態を変更しやすくできる。
遊技機WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機WB1-4。
遊技機WB1-4によれば、遊技機WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
本体部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、係合部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機WB1-4において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記本体部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機WB1-5。
遊技機WB1-5によれば、遊技機WB1-4の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機WB1-5において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機WB1-6。
遊技機WB1-6によれば、遊技機WB1-5の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
<基板ボックスWe100~Wg100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部から分離された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機WB2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WB2-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部から分離された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機WB2-2。
遊技機WB2-2によれば、遊技機WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、本体部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記配設部材へ向けて突設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機WB2-3。
遊技機WB2-3によれば、遊技機WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され配設部材へ向けて突設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、配設部材へ向けて突設され(即ち、配設部材に対向する位置に配設され)、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、係合手段は、係合部から配設部材へ向けて突設されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、係合手段により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機WB2-2又はWB2-3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記係合部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機WB2-4。
遊技機WB2-4によれば、遊技機WB2-2又はWB2-3の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機WB2-4において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機WB2-5。
遊技機WB2-5によれば、遊技機WB2-4の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
遊技機WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、前記変更手段は、切断された前記連結部により形成されることを特徴とする遊技機WB2-6。
遊技機WB2-6によれば、遊技機WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、変更手段は、切断された連結部により形成されるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、係合部材の係合部は、比較的小さく、連結部は係合部よりも更に小さいので、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できると共に、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を形成しやすい。よって、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすくできる。
また、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされる(即ち、切断された連結部が変更手段となる)ので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機WB2-6において、前記連結部は、前記係合部の一辺の一側の端部を前記本体部に連結する一側連結部と、前記係合部の前記一辺の前記一側と反対側の他側の端部を前記本体部に連結する他側連結部とを備えることを特徴とする遊技機WB2-7。
遊技機WB2-7によれば、連結部は、係合部の一辺の一側の端部を本体部に連結する一側連結部と、係合部の一辺の一側と反対側の他側の端部を本体部に連結する他側連結部とを備えるので、配設部材の所定領域における一側には一側連結部を使用して係合部を一側へ変位させると共に、配設部材の所定領域における他側には他側連結部を使用して係合部を他側へ変位させることで、所定領域の配設状態を変更できる。即ち、係合部を持ち替えて係合部の向きを反転させなくても、周囲の部材(第1部材または第2部材)との干渉を抑制しつつ、所定領域の一側の端部および他側の端部まで、その配設状態を変更(切断)できる。よって、配設部材の所定領域における配設状態を効率的に変更できる。
遊技機WB2-6又はWB2-7において、前記連結部は、前記本体部に連結される側と前記係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる部位を備えることを特徴とする遊技機WB2-8。
遊技機WB2-8によれば、遊技機WB2-6又はWB2-7の奏する効果に加え、連結部は、本体部に連結される側と係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる所定部位を備えるので、所定部位の切断により、連結部の切断を容易とできる。また、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を、切断された連結部(所定部位)に形成しやすくできる。
<基板ボックスWd100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部とその本体部から分離された前記係合部とが連結可能に形成され、前記本体部に連結された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機WB3-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WB3-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部とその本体部から分離された係合部とが連結可能に形成され、本体部に連結された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすい一方、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機WB3-1において、前記係合部は、前記第1部材に係合される部位が前記本体部に連結されることを特徴とする遊技機WB3-2。
遊技機WB3-2によれば、遊技機WB3-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材に係合される部位が本体部に連結されるので、本体部と連結するための部位を係合部に別途設ける必要がない。即ち、第1部材に係合される部位を、本体部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
遊技機WB3-1又はWB3-2において、前記係合部材は、前記第1部材と係合する姿勢を規定可能に前記本体部に形成される規定部を備え、前記本体部は、前記規定部が前記係合部に連結されることを特徴とする遊技機WB3-2。
遊技機WB3-3によれば、遊技機WB3-1又はWB3-2の奏する効果に加え、係合部材は、第1部材と係合する姿勢を規定可能に本体部に形成される規定部を備え、本体部は、規定部が係合部に連結されるので、係合部と連結するための部位を本体部に別途設ける必要がない。即ち、係合部材の姿勢を規定する部位(規定部)を、係合部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
<基板ボックスWj100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が前記第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、前記第1部材または前記第2部材は、前記所定方向へ変位された前記係合部材に対し、前記第1部材との係合が解除される方向への前記係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機WC1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WC1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、係合部材は、係合部が第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、第1部材または第2部材は、所定方向へ変位された係合部材に対し、第1部材との係合が解除される方向への係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC1-1において、前記第1部材または前記第2部材は、前記抑制手段による前記係合部の変位の抑制が可能な位置から前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機WC1-2。
遊技機WC1-2によれば、遊技機WC1-1の奏する効果に加え、第1部材または第2部材は、抑制手段による係合部の変位の抑制が可能な位置から係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えるので、係合部と第1部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC1-2において、前記規制手段は、前記所定方向へ変位された前記係合部材の前記係合部と係合可能に形成され、前記係合部と係合することで、前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされることを特徴とする遊技機WC1-3。
遊技機WC1-3によれば、遊技機WC1-2の奏する効果に加え、規制手段は、所定方向へ変位された係合部材の係合部と係合可能に形成され、係合部と係合することで、係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされるので、係合部材を所定方向へ変位させるだけで、係合部材の変位が規制手段により規制された状態を形成でき、係合部材の組み付け作業の作業性を向上できる。
遊技機WC1-3において、前記第1部材または前記第2部材は、前記規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機WC1-4。
遊技機WC1-4によれば、遊技機WC1-3の奏する効果に加え、1部材または第2部材は、規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えるので、係合部と規制手段との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWk100,Wl100,Wr100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方と前記係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されることを特徴とする遊技機WC2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WC2-1によれば、第1部材または第2部材の少なくとも一方と係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部および第2係合部と、を備え、前記第1係合部および前記第2係合部は、前記係合部材の変位に伴って、前記第1係合部材が前記第1部材に係合された後に、前記第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、前記第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機WC2-2。
遊技機WC2-2によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機WC2-2によれば、遊技機WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部および第2係合部は、係合部材の変位に伴って、第1係合部材が第1部材に係合された後に、第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
即ち、第1部材との係合が解除される方向への第1係合部の変位は、規制手段により規制でき、規制手段による第1係合部の変位の規制を解除する方向への係合部材の変位は、第1部材と第2係合部との係合により規制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC2-2において、前記第1係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向と、前記第2係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であることを特徴とする遊技機WC2-3。
遊技機WC2-3によれば、遊技機WC2-2の奏する効果に加え、第1係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向と、第2係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であるので、例えば、第1の方向へ係合部材を変位させて、第1係合部を係合させた後、第2の方向へ係合部材を変位させて、第2係合部を係合させる2段階の操作を行う必要がなく、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができる。よって、係合部材の取り付け操作を簡素化して、作業効率を高めることができる。
また、2段階の操作が必要となる構成では、第2の方向への操作を作業者が失念すると、第2係合部が係合されず、第1部材および第2位部材から係合部材が不正に取り外される虞があるところ、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができることで、必要な操作を作業者が失念することを抑制でき、第2係合部を確実に係合させることができる。
遊技機WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第2部材に係合される第2係合部と、を備え、前記第1係合部と前記第1部材との係合が解除される前記第1係合部の変位の方向と、前記第2係合部と前記第2部材との係合が解除される前記第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされることを特徴とする遊技機WC2-4。
遊技機WC2-4によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材および第2部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材および第2部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機WC2-4によれば、遊技機WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部と第1部材との係合が解除される第1係合部の変位の方向と、第2係合部と第2部材との係合が解除される第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされるので、第1係合部または第2係合部の一方を係合が解除される方向へ変位させると、その一方の変位に伴う係合部材の変位によって、第1係合部または第2係合部の他方を係合が維持される方へ変位させることができる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部は、前記係合部の第1部分および第2部分の2箇所が前記第1部材に係合され、前記第1部分または前記第2部分の一方と前記第1部材との係合が解除される方向へ前記係合部が変位されると、前記第1部分または前記第2部分の他方と前記第1部材との係合が維持される方向へ前記係合部が変位されることを特徴とする遊技機WC2-5。
遊技機WC2-5によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部分および第2部分と第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部(第1部分および第2部分)との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機WC2-5によれば、遊技機WC2-1の奏する効果に加え、第1部分または第2部分の一方と第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位されると、第1部分または第2部分の他方と第1部材との係合が維持される方向へ係合部が変位されるので、第1部材と係合部との係合を解除し難くできる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWo100~Wq100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機において、取付部材を備え、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記取付部材は、前記係合部に取り付け可能に形成され、前記第1部材と前記係合部との係合が解除される方向への前記係合部の変位が前記取付部材により抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機WD1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WD1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、取付部材は、係合部に取り付け可能に形成され、第1部材と係合部との係合が解除される方向への係合部の変位が取付部材により抑制可能に形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
一方で、係合部に取付部材が取り付けられていても、本体部から係合部を分離(切断)することは可能であるので、正規の作業においては、係合部の分離(切断)により、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を容易に取り外すことができる。
遊技機WD1-1において、前記係合部は、前記第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、前記係合部の第1面側が前記第1部材へ近接され、前記取付部材は、前記係合部に取り付けられると、前記取付部材の一部が前記係合部の前記第1面と前記第1部材との間に配置されることを特徴とする遊技機WD1-2。
遊技機WD1-2によれば、遊技機WD1-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、係合部の第1面側が第1部材へ近接され、取付部材は、係合部に取り付けられると、取付部材の一部が係合部の第1面と第1部材との間に配置されるので、第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位可能な距離を、取付部材の一部が配置される分、短くすることができる。その結果、第1部材と係合部との係合を解除され難くできるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WD1-2において、前記取付部材は、第1部材に係合された前記係合部に取り付け可能に形成されることを特徴とする遊技機WD1-3。
遊技機WD1-3によれば、遊技機WD1-2の奏する効果に加え、取付部材は、第1部材に係合された係合部に取り付け可能に形成されるので、第1部材に係合部を係合させる際に、係合部の変位が取付部材の一部によって阻害されない。よって、第1部材への係合部の係合(即ち、第1部材および第2部材への係合部材の装着)をスムーズに行うことができる。また、第1部材と係合部との係合代を大きくできるので、第1部材と係合部との係合が解除されることを抑制しやすくできる。
遊技機WD1-2又はWD1-3において、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材を備え、前記係合部の取り付けられた前記取付部材の一部は、前記第1面から突設される突部として形成され、前記突部は、前記第1部材に配設される前記配設部材に向けて突設されることを特徴とする遊技機WD1-4。
遊技機WD1-4によれば、遊技機WD1-2又はWD1-3の奏する効果に加え、第1部材および第2部材に配設される配設部材を備え、係合部の取り付けられた取付部材の一部は、第1面から突設される突部として形成され、突部は、第1部材に配設される配設部材に向けて突設されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機WD1-4において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機WD1-5。
遊技機WD1-5によれば、遊技機WD1-4の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
<無駄球を減らすための構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記検出手段を通過した遊技球を前記動作手段まで所定経路で案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機YA1。
パチンコ機等の遊技機において、検出領域で遊技球の通過を検出してから規定の時間経過後に開閉動作する可動役物を備える遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出領域を通過した遊技球の流下経路は複数通りの流下態様で流下するので、遊技球の流下態様次第で、検出領域を通過した遊技球が可動役物に拾われる場合と、可動役物から零れる場合とがランダムに生じることになることから、可動役物から零れる遊技球が多い場合には、遊技者は遊技機店が遊技者に不利になる調整を行っているのではないかと誤解し易く、平等な環境で遊技することができていないと不満に思う可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YA1によれば、検出手段を通過してからの遊技球の流下はランダムではなく、案内手段により遊技球が動作手段まで案内されるので、検出手段を通過した遊技球が動作手段に拾われるか、動作手段から零れるかの違いが、動作制御(入賞時に予め行われた抽選の当否に基づく制御)によるものであると遊技者に理解させることができる。即ち、案内手段の構成により規定される流下時間に基づいて、動作手段の動作制御のパターンが設定されているのであり、遊技機店の調整によるものではないと理解することができるので、平等な環境で遊技していると感じさせることができる。
なお、遊技領域は、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域を意味し、例えば、遊技盤の正面側の領域に限られるものではない。例えば、遊技球の通過を検出することで第1図柄の抽選がされる検出装置の上流側に形成される流路であって、遊技盤の内部や遊技盤の背面側に配設される流路も遊技領域に含まれる。
遊技機YA1において、前記案内手段は、前記遊技領域の背面側を通るように配設されることを特徴とする遊技機YA2。
遊技機YA2によれば、遊技機YA1の奏する効果に加え、案内手段で案内される遊技球を、遊技領域で流下する遊技球により隠すことができるので、案内手段から動作手段までの領域における注目力を向上することができる。
遊技機YA2において、前記案内手段に案内される遊技球は、所定範囲において遊技領域を構成する遊技盤の正面側に向けて流下することを特徴とする遊技機YA3。
遊技機YA3によれば、遊技機YA2の奏する効果に加え、案内手段に案内される遊技球が遊技盤の正面側に流下することから、遊技者に遊技球が近づいてくるように視認させることができる。そのため、通常の下方に流下するだけの遊技球との比較において、案内手段に案内される遊技球を目立たせることができる。
遊技機YA1からYA3のいずれかにおいて、前記案内手段は、遊技球が前記検出手段から前記動作手段まで流下するのに要する時間を管理可能に構成されることを特徴とする遊技機YA4。
遊技機YA4によれば、遊技機YA1からYA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を動作手段で拾うパターンの動作制御と、零すパターンの動作制御とを、容易に設定することができる。
遊技機YA1からYA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、閉鎖状態または開放状態において遊技球を転動させる態様で流下を案内するよう構成され、遊技球の流下方向の幅寸法が、遊技球の直径の2倍以下に設定される第1動作部を備え、その第1動作部に前記案内手段に案内された遊技球が誘導されることを特徴とする遊技機YA5。
遊技機YA5によれば、遊技機YA1からYA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動作部によって、遊技球が動作手段に案内される時間を短縮することができると共に、動作手段で遊技球を1球ずつ案内することができる。動作手段の幅を短くすることができる。
遊技機YA5において、前記動作手段は、第1動作部よりも長い第2動作部を備え、遊技球が前記第1動作部を転動するのに要する期間よりも、遊技球が前記第2動作部を転動するのに要する期間の方が長く構成されることを特徴とする遊技機YA6。
遊技機YA6によれば、遊技機YA5の奏する効果に加え、同様に動作手段に到達した遊技球の案内態様として、動作手段が同様の動作パターンで動作している場合に、遊技球が第1動作部に到達するか、第2動作部に到達するかによって、遊技球が下流側にどのように流下するかを変えることができる。
遊技機YA6において、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、異なる流下領域に案内されることを特徴とする遊技機YA7。
遊技機YA7によれば、遊技機YA6の奏する効果に加え、一の動作手段を利用して、球の案内方向を複数方向構成することができるので、動作手段による遊技球の案内時の見映えを複数通りで実現することができる。
遊技機YA7において、前記検出手段を通過した遊技球は、前記第1動作部に案内され得るよう構成され、前記検出手段を通過せずに流下した遊技球は、前記第2動作部に案内され得ることを特徴とする遊技機YA8。
遊技機YA8によれば、遊技機YA7の奏する効果に加え、検出手段を通過した遊技球が、その他の遊技球に弾かれて案内不良が生じる不具合を防止することができる。
遊技機YA6からYA8のいずれかにおいて、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、動作手段上での衝突が抑制されることを特徴とする遊技機YA9。
遊技機YA9によれば、遊技機YA6からYA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段上を転動する遊技球が衝突して、流下態様の不均一が生じることを回避し易くすることができる。
なお、第1動作部上に配置される遊技球と、第2動作部上に配置される遊技球との間に壁が配置されることで隔離されても良いし、壁は無いとしても衝突しないような流下態様に管理されても良い。
遊技機YA9において、前記第1動作部に案内される遊技球は、前記第2動作部に案内される遊技球の流下方向とは逆側へ流下することを特徴とする遊技機YA10。
遊技機YA10によれば、遊技機YA9の奏する効果に加え、第1動作部に案内される遊技球と、第2動作部に案内される遊技球とが、同方向に流下する場合と異なり、遊技球の流下速度に関わらず遊技球の衝突を回避することができる。
なお、遊技球の流下方向は、左右逆方向でも良いし、前後逆方向でも良い。また、所定軌跡(例えば、円形状軌跡)に沿う逆方向でも良い。
遊技機YA1からYA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定経路として複数経路を備えることを特徴とする遊技機YA11。
遊技機YA11によれば、遊技機YA1からYA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作パターンの種類は少なくしながら、遊技球の流下パターンを増やすことができる。
<8チャンスの経路にセンサが配置され不利側から有利側に球を引き抜く構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、遊技球の流下経路を構成する構成手段と、その構成手段の下流側に配設され遊技球が第1入球口に案内される第1経路と、前記構成手段の下流側に配設され遊技球が第2入球口に案内される第2経路と、を備える遊技機において、前記第1経路を流下する遊技球を前記第2経路側へ移動させる移動手段を備えることを特徴とする遊技機YB1。
パチンコ機等の遊技機において、入球口に遊技球が通る順番で、遊技球がどの経路に向かうかが周期的に変化する遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入球口への入球の有利不利は遊技球が入球する周期でのみ変化することになり、全般的に有利な状態や、全般的に不利な状態を形成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技者の有利度合いの変化幅が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機YB1によれば、移動手段によって、構成手段に構成される経路を流下した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかを無秩序に生じさせることができるので、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機YB1において、前記構成手段に構成される経路は、分岐経路であることを特徴とする遊技機YB2。
遊技機YB2によれば、遊技機YB1の奏する効果に加え、移動手段の作用により遊技球の流下態様に変化が生じるだけでなく、経路の分岐によっても遊技球の流下態様に変化を生じさせることができるので、構成手段に入球した遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機YB1又はYB2において、前記経路を流下する遊技球の通過を検出可能に構成される検出手段を備え、前記移動手段は、前記経路内における遊技球の流下に影響を与える態様で動作可能に構成される動作手段を備え、その動作手段は、第1状態の場合に遊技球が第1入球口へ向けて送球され、第2状態の場合に遊技球が第2入球口へ向けて送球されるよう構成され、前記検出手段で遊技球の通過が検出されることに基づいて動作制御可能に構成されることを特徴とする遊技機YB3。
遊技機YB3によれば、遊技機YB1又はYB2の奏する効果に加え、動作手段の動作パターン次第で、構成手段に入球した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかが切り替えられるので、遊技球が入球する入球口の周期性を低くし易くすることができる。これにより、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機YB3において、前記動作手段は、前記構成手段の外側を流下する遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機YB4。
遊技機YB4によれば、遊技機YB3の奏する効果に加え、構成手段に構成される流路を流下する遊技球を案内する手段と、構成手段に構成される流路外で流下する遊技球を案内する手段と、を動作手段で兼用することができる。
遊技機YB3又はYB4において、前記構成手段の前記経路外に配設される第2検出手段を備え、前記検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、前記第2検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、が異なることを特徴とする遊技機YB5。
遊技機YB5によれば、遊技機YB3又はYB4の奏する効果に加え、動作手段への案内態様を複数種類で構成することができる。
なお、案内態様の違いについては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の経路の違いであっても良いし、遊技球の流下速度の違いであっても良い。
遊技機YB3からYB5のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えにより、遊技球の流下方向を上下方向と左右方向とで変化させることを特徴とする遊技機YB6。
遊技機YB6によれば、遊技機YB3からYB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下方向の変化を遊技者が把握し易いようにすることができる。
遊技機YB3からYB6のいずれかにおいて、前記検出手段は、遊技球の通過に基づいて所定の図柄が所定期間変動するように制御され、前記所定期間は、遊技球が前記経路に入球してから前記検出手段を通過するまでに要する期間よりも短く設定されることを特徴とする遊技機YB7。
遊技機YB7によれば、遊技機YB3からYB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の経路の入口から検出手段までの間に配置される遊技球が1個以下の状態を維持することにより、検出手段を遊技球が通過する時点において図柄が変動中であるという事態を回避することができる。従って、検出手段を遊技球が通過した直後に所定の図柄の変動を開始させることができる。
従って、遊技球が検出手段を通過するタイミングと、遊技球が検出手段を通過したことに基づく動作手段の動作制御を開始するタイミングと、を合わせることができる。
遊技機YB7において、前記動作手段は、前記検出手段で検出された遊技球を案内しない第1制御態様と、前記検出手段で検出された遊技球を案内する第2制御態様とで、制御態様が切替可能とされることを特徴とする遊技機YB8。
遊技機YB8によれば、遊技機YB7の奏する効果に加え、動作手段の動作が実行されたとしても、制御態様の違いにより、動作手段に遊技球が案内される場合と、案内されない場合とを構成できるので、動作手段の動作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機YB8において、前記制御態様の切替は、前記検出手段での検出の度に実行可能に構成され、切替可能な前記制御態様の種類は、大当たり遊技の度に変化可能に構成されることを特徴とする遊技機YB9。
遊技機YB3からYB9のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球口に入球することで遊技者が得られる利益と、遊技球が前記第2入球口に入球することで遊技者が得られる利益とが異なることを特徴とする遊技機YB10。
遊技機YB10によれば、遊技機YB3からYB9のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<動作手段に複数位置で流下する構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、遊技球が流下可能な第1流下位置と、その第1流下位置とは異なる第2流下位置と、を備え、前記第1流下位置を流下する遊技球の流下態様と前記第2流下位置を流下する遊技球の流下態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機YC1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段に遊技球が検出されることに基づいて可動役物が開放し、その可動役物により遊技球が入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が可動役物に案内される態様は単調であり、可動役物の注目力を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YC1によれば、動作手段が遊技球を流下させる複数の流下位置を備えており、遊技球がどの流下位置を流下するかで流下態様が異なるように構成されるので、遊技球が可動役物に案内される態様にバリエーションを設けることができ、可動役物の注目力を向上させることができる。
遊技機YC1において、前記流下態様は、遊技球の流下速度、流下方向または流下間隔であることを特徴とする遊技機YC2。
遊技機YC2によれば、遊技機YC1の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の流れをばらつかせることができ、その遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機YC1又はYC2において、前記第1流下位置は、前記検出手段を通過した遊技球が流下可能な位置として設定されることを特徴とする遊技機YC3。
遊技機YC3によれば、遊技機YC1又はYC2の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達していることを確認することで、遊技球が検出手段を通過したことを把握できるので、検出手段を視認する必要をなくすことができる。
また、検出手段を通過した遊技球と、検出手段を通過しなかった遊技球とが、動作手段の別位置で流下するようにすることで、動作手段に同時に乗せることができる遊技球の個数を、全球が検出手段を通過するように狙う発射態様か、一部の遊技球は検出手段を逸らすことを狙う発射態様かで、変化させることができる。
遊技機YC3において、前記検出手段を通過した遊技球の流下経路は、分岐しない経路として構成されることを特徴とする遊技機YC4。
遊技機YC4によれば、遊技機YC3の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達したことを確認することで、その遊技球が検出手段を通過したことを把握することができる。
遊技機YC1からYC4のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下した遊技球の流下経路と、前記第2流下位置を流下した遊技球の流下経路とは、前記動作手段の下流側における所定の合流位置において合流することを特徴とする遊技機YC5。
遊技機YC5によれば、遊技機YC1からYC4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段により流下された遊技球により遊技球が得られる利益を、その流下位置によらず同じとすることができる。
遊技機YC5において、前記合流位置は、前記動作手段から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機YC6。
遊技機YC6によれば、遊技機YC5の奏する効果に加え、合流時に遊技球で生じる負荷が動作手段の動作に与える影響を小さくすることができる。これにより、動作手段の動作を円滑に実行することができる。
遊技機YC5において、前記合流位置は、前記動作手段に近接配置されることを特徴とする遊技機YC7。
遊技機YC7によれば、遊技機YC5の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の通過を検出する検出装置を、より上流側に配置することができるので、利益を早期に生じさせることができる。従って、動作手段に沿って遊技球が流下してから利益発生までの待ち時間を短縮することができる。
遊技機YC5からYC7のいずれかにおいて、前記合流位置で遊技球が下方に落下するよう構成されることを特徴とする遊技機YC8。
遊技機YC8によれば、遊技機YC5からYC7のいずれかの奏する効果に加え、合流した後の球が逆流したり、球詰まりが生じたりする事態の発生を回避することができる。
遊技機YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が同じように構成されることを特徴とする遊技機YC9。
遊技機YC9によれば、遊技機YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に到達した遊技球に注目する側を統一することができるので、遊技者が注目すべき箇所を容易に把握させることができる。
遊技機YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機YC10。
遊技機YC10によれば、遊技機YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下する方向を視認することで、遊技球が第1流下位置を流下したか、遊技球が第2流下位置を流下したかを、判断することができるので、動作手段に近接配置される遊技球が前後に重なり見難い構成においても、動作手段よりも下流側において遊技球の流下方向を把握することができる。
遊技機YC1からYC10のいずれかにおいて、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益を付与可能に構成される第1入球口と、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益よりも大きな第2の利益を付与可能に構成される第2入球口と、を備え、前記第1流下位置は、前記第1入球口に入球した遊技球の流下経路に配置され、前記動作手段は、前記第1流下位置を流下する遊技球を前記第2入球口側に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機YC11。
遊技機YC11によれば、遊技機YC1からYC10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段によって、第1入球口に入球した遊技球により利益が付与される前に、その遊技球を第2入球口側に引き抜くことができる。
これにより、例えば、左右対称盤面の遊技機(特別図柄の抽選のための入賞口や、特別遊技において開閉する入賞口が、左右中央位置に縦並びに配置され、それらの入賞口に左打ちでも右打ちでも入球させることができる盤面構成の遊技機)であっても、動作手段の動作によって、第1入球口への入球により利益が生じる頻度を落とすことができる。
そのため、第1入球口への入球頻度を落とすために、第1入球口へ遊技球が案内されない右打ち経路を構成する必要性を下げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
<分岐手段で分岐する第1流路と第2流路との有利不利を変化可能>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、所定の入球領域の下流側に第1流路および第2流路を構成する構成手段と、を備え、遊技球が前記第1流路を流下する場合に遊技者が得られる第1の利益と、遊技球が前記第2流路を流下する場合に遊技者が得られる第2の利益と、の大小関係を変化可能に構成される変化手段を備えることを特徴とする遊技機YD1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域を流下した遊技球が左側に流下した場合と、右側に流下した場合とで、遊技者が得られると期待される利益に違いがある遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が流下した場合に有利な方向が固定されているため、分岐位置における遊技球の流下方向さえ確認できればその後で得られる利益が予想できてしまい、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が到達する前に遊技者の集中力のピークが来てしまうので、分岐位置から確定領域までの経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として利用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YD1によれば、変化手段によって、第1の利益と第2の利益との大小関係が切替可能とされることから、遊技者の集中力のピークを、遊技球が第1流路または第2流路に入球する時点ではなく、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が入球する時点に持ってくることができるので、分岐領域から確定領域までの経路に対する注目力を高く維持することができる。これにより、遊技境域を演出領域として有効利用することができる。
なお、利益が確定する時点としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が検出口(検出領域、特定領域等)を通過する時点としても良いし、遊技球が検出口を通過したことで確定した利益が遊技者側に報知される時点(遊技者が利益を認識できる時)としても良い。
遊技機YD1において、前記第1の利益または前記第2の利益の内、大側の利益が遊技者に付与される場合に、遊技球を正面側に流下させる流下領域を備えることを特徴とする遊技機YD2。
遊技機YD2によれば、遊技機YD1の奏する効果に加え、遊技球が通常の流下態様(下方に流下する流下態様)と異なる際に大側の利益が遊技者に付与されることから、遊技球を視認させることで、大側の利益が付与されたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機YD1又はYD2において、前記第1流路および前記第2流路は合流可能に構成され、その合流位置への進入位置に上下方向の位置差があることを特徴とする遊技機YD3。
遊技機YD3によれば、遊技機YD1又はYD2の奏する効果に加え、第1流路および第2流路から、遊技球が合流位置に同時に進入した場合であっても、衝突時の負荷が上下方向(第1流路および第2流路と交差する方向)で生じるので、遊技球が逆流することを回避し易くすることができる。
遊技機YD3において、前記進入位置は、遊技球の通過頻度が高い側が下側配置されることを特徴とする遊技機YD4。
遊技機YD4によれば、遊技機YD3の奏する効果に加え、高頻度で所定の進入位置を通過する遊技球が、他の進入位置に誤って入球することを避け易くすることができる。
遊技機YD1からYD4のいずれかにおいて、前記第1流路および前記第2流路は、遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備え、前記第1流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、前記第2流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機YD5。
遊技機YD5によれば、遊技機YD1からYD4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作制御は同一としながら、第1流路を遊技球が流下する場合と、第2流路を遊技球が流下する場合とで、動作手段が遊技球に作用するか否かを異ならせることができる。
<3状態で切替>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段の動作態様に対応して、遊技球が第1入球口に入球し易い第1状態と、遊技球が第2入球口に入球し易い第2状態と、遊技球が第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、で状態を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機YE1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1始動口および第2始動口(第1の第2始動口)に入球し易い状態と、第2始動口(第2の第2始動口)のみに入球し易い状態と、で状態を切り替えることはできるが、第1始動口のみに入球し易い状態に切り替えることはできず、遊技球の入球態様の自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機YE1によれば、動作手段の動作態様に対応して、第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、第2入球口に入球し易い第2状態だけでなく、第1入球口に入球し易い第1状態にも状態を切り替えることができるので、遊技球の入球態様の自由度を向上させることができる。
遊技機YE1において、前記第3状態では、流下した遊技球が第1入球口に入球する場合と、第2入球口に入球する場合とが、交互に生じることを特徴とする遊技機YE2。
遊技機YE2によれば、遊技機YE1の奏する効果に加え、第3状態における第1入球口への入球個数と第2入球口への入球個数とを均一化することができる。
遊技機YE1又はYE2において、流下した遊技球が、前記第1入球口または前記第2入球口に入球可能に形成される所定流路を備えることを特徴とする遊技機YE3。
遊技機YE3によれば、遊技機YE1又はYE2の奏する効果に加え、所定流路を遊技球が流下している時点では、その遊技球は第1入球口に入球する可能性も、第2入球口に入球する可能性も残されているので、所定流路を流下している遊技球に対する注目力を向上することができる。
<サポートで特1特2の両方が貯まる>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、前記動作手段が配置される位置まで流下した遊技球の流下経路を、前記第1入球口側へ向かう第1経路と、前記第2入球口側へ向かう第2経路と、その他の経路と、に分岐可能に構成されることを特徴とする遊技機YF1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動片の開状態において第2始動口(第2の第2始動口)に入球し易い状態を形成することができるが、第1始動口へ入球し易い状態を形成することはできず、可動片による遊技球の案内態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YF1によれば、動作手段から下流側の流下経路として、第1経路と第2経路とが形成されることで、第1入球口へ遊技球を案内することも第2入球口へ遊技球を案内することもできるので、動作手段による遊技球の案内態様を改良することができる。
遊技機YF1において、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益よりも、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益が大きく設定され、前記第1入球口は前記動作手段の中央側の下方に配置され、前記第2入球口は前記動作手段の端側の下方に配置されることを特徴とする遊技機YF2。
遊技機YF2によれば、遊技機YF1の奏する効果に加え、動作手段の端側まで遊技球が流れきれば第2入球口に入球可能となるので、途中位置で落下する(タイミングよく動作手段が動作する)ことで第1入球口に入球する事態に比較して、第2入球口に遊技球が入球する事態を発生し易くすることができる。
遊技機YF1又はYF2において、動作手段の端部からの遊技球の零れを防止するための零れ防止手段を備えることを特徴とする遊技機YF3。
遊技機YF3によれば、遊技機YF1又はYF2の奏する効果に加え、零れ防止手段によって動作手段から遊技球が勢い余って零れる事態を回避することができるので、動作手段に遊技球が到達した場合の遊技者の安心感を高めることができる。
また、零れ防止手段で遊技球が高反発で跳ね返るようにすることで、動作手段の上面における遊技球の転動速度を高め、動作手段の上面を遊技球が短時間で通過し易くすることができる。
<振分け左右で構成違い>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する複数の検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、その動作手段に案内された遊技球が入球可能に構成される被案内入球口と、を備える遊技機において、前記複数の検出手段は、前記動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、その第1検出手段とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機YG1。
パチンコ機等の遊技機において、普図始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、普図始動口に案内される経路と、開閉部材側に案内される経路とが、別経路とされ、それぞれの経路を遊技球が交互に流下するため、普図始動口の真上に配置される釘に遊技球が衝突して普図始動口から逸れる事態が生じると、次に普図始動口に遊技球が案内されるまでに期間が開いてしまうことから、開閉部材が閉じている時に開閉部材側に遊技球が流下するという、期待感の薄い状態になり易い。この場合、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YG1によれば、動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、動作手段の上流側とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えるので、遊技球が検出手段に検出される状況を頻繁に生じさせることができる。これにより、動作手段の動作頻度を向上させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機YG1において、前記第1検出手段と前記動作手段との間に所定の流路が形成されることを特徴とする遊技機YG2。
遊技機YG2によれば、遊技機YG1の奏する効果に加え、第1検出手段から動作手段への遊技球の流れを整流化することができる。
遊技機YG1又はYG2において、前記動作手段は、前記第2検出手段を通過する遊技球の流下経路側へ延びるように形成されることを特徴とする遊技機YG3。
遊技機YG3によれば、遊技機YG1又はYG2の奏する効果に加え、第2検出手段側の注目力が第1検出手段側の注目力との比較において低くなり過ぎることを回避することができる。
<遊技球を案内する手段が長い>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を案内する案内手段と、その案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出する第1検出手段と、前記案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出した場合に、前記第1検出手段に遊技球の通過が検出されることに基づいて遊技者に与え得る利益とは異なる利益を遊技者に与え得る第2検出手段と、を備え、前記案内手段は、前記入球領域から流下した遊技球を受けるための所定部と、その所定部よりも下流側に配置され前記所定部の変位に対応して変位する下流側部と、を備え、少なくとも前記下流側部の配置に応じて、遊技球を前記第1検出手段に案内し易い第1状態と、遊技球を前記第2検出手段に案内し易い第2状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機BA1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の検出領域(第2始動入賞口27)において遊技球の通過が検出された場合において、一定確率で開放されて奥側に配設される賞球口への遊技球の案内が可能となる可動役物(第2可変入賞装置31)が配設され、その可動役物の開放動作を頻繁に生じさせて賞球口への入球が頻繁に生じることにより多量の賞球の払い出しを遊技者が獲得できる遊技状態が、通常状態よりも有利な遊技状態として設定される遊技機がある(例えば、特開2017-169630号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、別の検出領域(可変始動入賞口28a)に可動部材(開閉部材28b)が配設されていることを理由に、所定の検出領域を開閉する可動部材が配設されておらず、常に遊技球を所定の検出領域に通過可能に構成されている。通常状態では遊技領域の左側に遊技球を流下させる遊技方法が推奨されているが、遊技初心者などは特に、誤って遊技領域の右側に遊技球を流下させるように発射してしまう場合がある。
所定の検出領域において遊技球の通過が検出された場合、可動役物の開放動作の抽選(小当たりの抽選)の他に、特別図柄の抽選(大当たりの抽選)も行われ、特別図柄の抽選による大当たりが発生すると、大当たり終了後の遊技状態としてペナルティが課され、通常状態よりも不利な遊技を強いられることとなる。遊技初心者からすれば、理由もわからずペナルティを課されたと疑念を抱きかねず、遊技機に対する興味関心が薄れ、新規の遊技者を獲得し損なる状況を生み出しかねない。即ち、遊技初心者に優しくなく、平等性に欠けるという問題点があった。
これに対し、遊技機BA1によれば、案内手段が第1状態で維持されることで、第1検出手段へ遊技球が案内され易い状態を構成することができ、この状態において第2検出手段(所定の検出領域)への遊技球の案内を抑制することができる。これにより、案内手段を利用することで、第2検出手段に遊技球を通過させることを防ぐことができ、遊技の平等性を高めることができる。
なお、案内手段は、所定部と下流側部とが一体的に形成されるよう構成されても良いし、所定部と下流側部とが別体で形成されるよう構成されても良い。
遊技機BA1において、前記下流側部は、前記第1状態において前記第2検出手段への遊技球の案内を防止可能とされ、前記第2状態において前記第1検出手段への遊技球の案内を防止可能とされるよう構成されることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、遊技機BA1の奏する効果に加え、下流側部により、案内手段を介して流下する遊技球が通過する検出手段を切り替えることができる。
遊技機BA1又はBA2において、前記案内手段は、前記所定部が受けた遊技球を前記下流側部へ向けて流下させる中間部を備えることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA1又はBA2の奏する効果に加え、中間部により、案内手段を介して流下する遊技球が第1検出手段に案内されるのか、第2検出手段に案内されるのかが、不明確な状態を引き延ばすことができる。
なお、中間部は、下流側部の変位に対応して変位可能に構成しても良いし、下流側部の変位に関わらず変位しないように構成しても良い。
遊技機BA3において、前記中間部は、前記第1状態でも前記第2状態でも遊技球の流下方向が変化しないよう構成され、下流側において前記第1検出手段または前記第2検出手段への案内が行われることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA3の奏する効果に加え、入球領域に入球した後の遊技球が中間部を案内されている時に案内手段が第1状態と第2状態とで切り替わったとしても、中間部における遊技球の流下方向に影響を与えないので、中間部を案内されている遊技球の流下態様の変化から案内手段の状態変化を把握されるという事態の発生を避けることができる。
遊技機BA1からBBA4のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記第1状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を制限する位置に配置され、前記第2状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機BA5。
遊技機BA5によれば、遊技機BA1からBBA4のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の状態の切り替えによって、案内手段への新たな遊技球の入球の可否を切り替えることができる。
また、所定部における遊技球の通過と、下流側部における遊技球の通過と、のそれぞれに注目させることができる。即ち、遊技者の視線を複数位置で集めることができ、案内手段の注目箇所を増加させることができる。
遊技機BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、同時に実行されることを特徴とする遊技機BA6。
遊技機BA6によれば、遊技機BA5の奏する効果に加え、異なる位置で同時に切替が実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えか、下流側部における切り替えか、いずれかを選択して視認させるという遊技性を付与することができる。
遊技機BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、タイミングがずれて実行されることを特徴とする遊技機BA7。
遊技機BA7によれば、遊技機BA5の奏する効果に加え、別タイミングで異なる位置における切り替えが実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えと、下流側部における切り替えと、が視線をずらすことで視認することができるという遊技性を付与することができる。加えて、遊技者の視線の動きを誘導することができる。
遊技機BA1からBBA7のいずれかにおいて、前記所定部は、前後方向にスライド変位することを特徴とする遊技機BA8。
遊技機BA8によれば、遊技機BA1からBBA7のいずれかの奏する効果に加え、正面視における所定部の動きが目立つことを避けることができる。所定部は、案内手段への入球の可否を切り替える部分であり、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所ではないので、目立つことを避けることで、相対的に下流側部の動作を目立たせることができる。
遊技機BA1からBBA8のいずれかにおいて、前記下流側部は、回転動作する態様で変位することを特徴とする遊技機BA9。
遊技機BA9によれば、遊技機BA1からBBA8のいずれかの奏する効果に加え、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所としての下流側部の動きを目立たせることができる。
遊技機BA1からBBA9のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部と前記下流側部との間の正面視における距離よりも、前記所定部から前記下流側部へ流下する遊技球の流下距離が長くなるように構成されることを特徴とする遊技機BA10。
遊技機BA10によれば、遊技機BA1からBBA9のいずれかの奏する効果に加え、所定部から流れた遊技球が下流側部に到達する前に、遊技者が所定部から下流側部に視線を移動させ易くすることができる。
遊技機BA1からBBA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部を介さない遊技球が前記下流側部へ到達することを防止するための防止手段を備えることを特徴とする遊技機BA11。
遊技機BA11によれば、遊技機BA1からBBA10のいずれかの奏する効果に加え、防止手段により、下流側部へ到達する遊技球の流下経路を制限することができるので、遊技球が意図しない経路で下流側部に到達し、誤った検出手段に入球する事態の発生を避けることができる。
遊技機BA1からBBA11のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記入球領域からの複数の遊技球を前記所定部が受ける第1期間よりも、その第1期間に前記所定部が受けた前記複数の遊技球が前記下流側部を通過する第2期間を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機BA12。
遊技機BA12によれば、遊技機BA1からBBA11のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により、所定部が遊技球を受けるタイミングのずれよりも、下流側部における遊技球の通過タイミングのずれを小さくすることができるので、下流側部での遊技球の流下方向の切替の精度を保ちながら、所定部において遊技球を受けるタイミングのずれの許容幅を拡大することができ、快適な遊技を提供し易くすることができる。
遊技機BA12において、前記所定部は、変位する際に、遊技球を加速させる方向の負荷を遊技球に負荷する形状から構成されることを特徴とする遊技機BA13。
遊技機BA13によれば、遊技機BA12の奏する効果に加え、所定部の変位が生じる際に遊技球を加速させる方向の負荷が生じることになるので、所定部が変位する前に所定部を通過した遊技球へ向けて、所定部が変位する際に所定部上に配置された遊技球を加速させることで、遊技球同士の間隔が縮まる状況を生じさせることができる。
<流下経路を引き延ばす>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、遊技球を流下させる第1可動部と、その第1可動部よりも下流側に配置され遊技球を流下させる第2可動部と、前記第1可動部および前記第2可動部の間に配置され遊技球を流下させる所定部と、を備えることを特徴とする遊技機BB1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入球可能な検出センサと、その検出センサに遊技球を案内する可動部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、検出センサへ向けた遊技球の流下経路が可動部材の長さに限定されるので、遊技球の流下が単調となり易いので遊技者を飽きさせ易い可能性があることから、遊技球の流下態様について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BB1によれば、検出手段の上流側に配置される流下手段が、所定部を挟む複数の可動部を備えることから、可動部の長さや形状にバリエーションを持たせ易くでき、遊技球の流下態様について改良することができる。
遊技機BB1において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において前記所定部と上下方向で重なる重なり部を備えることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、重なり部を介して所定部へ遊技球を流すことができるので、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
遊技機BB1又はBB2において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において、遊技球の流下する向きを前記所定部側へ向けさせるための傾斜部を備えることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1又はBB2の奏する効果に加え、傾斜部によって遊技球の流下向きを所定部側へ寄せることができるので、遊技球の流下が乱れた場合であっても、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
<下流側において遊技球を密集させる>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、前記入球領域に所定間隔で入球した複数の遊技球が、前記下流側領域を流下する間隔を、前記所定間隔よりも短くするための所定手段を備えることを特徴とする遊技機BBZ1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域から遊技球が流下した場合において、その遊技球から与えられる負荷により第1検出手段または前記第2検出手段への遊技球の案内が可能となる2種類の開放状態を構成可能な複数の可動役物が配設され、その可動役物は、それぞれ賞球口に所定個数の遊技球が入球した場合に機械的な負荷の伝達により開放状態から閉鎖するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2016-202338号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、通常時は第1検出手段にも第2検出手段にも遊技球を案内しない状態で維持されているので、遊技球を第1検出手段に案内する第1状態と、遊技球を第2検出手段に案内する第2状態と、合計で3つの状態に切り替えられるが、いずれの状態においても、入球領域に入球した後の遊技球の流下経路は一本道とされており、入球領域に入球するタイミング(間隔)と、その入球に伴う賞球の払い出しのタイミング(間隔)とがほぼ同じとされるので、遊技者に与えられる利益が発生するタイミングが遊技球の発射間隔(一定間隔)に制限されてしまい、遊技に緩急をつけることが難しく、遊技者の興趣を高めることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機BBZ1によれば、流下手段の所定手段により、遊技球が入球領域に入球する間隔よりも、遊技球が下流側領域を流下する間隔が短くなる場合を生じさせることができるので、遊技球の発射間隔よりも短い間隔で遊技球が下流側領域を流下する場合を生じさせることができる。これにより、遊技球が入球領域に入球したことで遊技者に与えられる利益の発生タイミングが一定間隔となることを避け易くすることができ、遊技に緩急をつけることで、遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機BBZ1において、前記所定手段は、前記入球領域側における遊技球の流下速度を、前記下流側領域側における遊技球の流下速度よりも大きくさせるように構成されることを特徴とする遊技機BBZ2。
遊技機BBZ2によれば、遊技機BBZ1の奏する効果に加え、所定手段により、下流側領域側を流下する遊技球が、入球領域側における遊技球に追いつかれるような状態を構成することができる。
遊技機BBZ1又はBBZ2において、前記流下手段は、一方向または他方向に変位可能に構成され、前記一方向における変位または前記他方向における変位によって、前記入球領域に入球した遊技球に対して前記下流側領域へ向けた所定の負荷を与え得るよう構成されることを特徴とする遊技機BBZ3。
遊技機BBZ3によれば、遊技機BBZ1又はBBZ2の奏する効果に加え、流下手段が往復変位可能に構成されており、遊技手段は、流下手段が一方向に変位する場合に流下手段を流下するか、流下手段が他方向に変位する場合に流下手段を流下するかによって、流下態様を変化させることができる。
遊技機BBZ3において、前記流下手段を流下する遊技球は、遊技球の流下方向に分岐が生じない非分岐位置と、遊技球の流下方向に分岐が生じ得る分岐位置と、のいずれかに配置されることを特徴とする遊技機BBZ4。
遊技機BBZ4によれば、遊技機BBZ3の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を流下している間中において、遊技球が分岐位置に配置されている場合に比較して、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
遊技機BBZ4において、前記分岐位置は、前記非分岐位置よりも視認性が高くなる側に配置されることを特徴とする遊技機BBZ5。
遊技機BBZ5によれば、遊技機BBZ4の奏する効果に加え、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
なお、視認性が高くなる側としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技者に近い側(前側)であっても良いし、遊技領域を流下する遊技球に隠され難い位置側であっても良いし、LED等の発光演出が生じた場合に眩しくならない側であっても良い。
遊技機BBZ4又はBBZ5において、前記分岐位置は、前記入球領域側の第1位置と、その第1位置よりも下流側の第2位置と、に配置され、前記第1位置と前記第2位置との間に前記非分岐位置が配置されることを特徴とする遊技機BBZ6。
遊技機BBZ6によれば、遊技機BBZ4又はBBZ5の奏する効果に加え、遊技球が流下手段上を流下する場合において、分岐位置に2回、間隔をあけて配置されることから、1個の遊技球が流下手段に案内される場合に遊技者の注目力を2回のタイミングで向上させることができる。これにより、遊技球への注目力を効率よく向上させることができる。
遊技機BBZ1からBBZ6のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記入球領域側の水平面に対する傾斜角度が、前記下流側領域側の水平面に対する傾斜角度よりも大きくされることを特徴とする遊技機BBZ7。
遊技機BBZ7によれば、遊技機BBZ1からBBZ6のいずれかの奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球が、入球領域側でより加速され、下流側領域側における遊技球との間隔と短くすることができる。
遊技機BBZ1からBBZ7のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記下流側領域よりも大きいことを特徴とする遊技機BBZ8。
遊技機BBZ8によれば、遊技機BBZ1からBBZ7のいずれかの奏する効果に加え、入球領域に同時に複数の遊技球が入球し易くすることができ、それらの遊技球が下流側領域で密集する(連なる)状態が生じ易くなるようにすることができる。
遊技機BBZ8において、前記入球領域は複数箇所に分割配置可能に構成されることを特徴とする遊技機BBZ9。
遊技機BBZ9によれば、遊技機BBZ8の奏する効果に加え、遊技球の流下手段への入球箇所が複数用意されているので、流下手段への遊技球の入球頻度を高めることができる。
遊技機BBZ9において、遊技球が入球する前記入球領域の違いに対応して、前記流下手段に流下される遊技球の流下経路が異なることを特徴とする遊技機BBZ10。
遊技機BBZ10によれば、遊技機BBZ9の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を通過するまでの期間や、流下手段上の遊技球の配置等が、遊技球がいずれの入球領域に入球するかに対応して変化し得ることから、流下手段に入球した遊技球が、いずれの入球領域から入球したかについての遊技者の興味関心を高めることができ、入球領域への注目力を向上することができる。
遊技機BBZ1からBBZ10のいずれかにおいて、前記流下手段を流下する遊技球が、前記下流側領域へ向けた流下経路から外れないようにするための流下経路制限手段を備えることを特徴とする遊技機BBZ11。
遊技機BBZ11によれば、遊技機BBZ1からBBZ10のいずれかの奏する効果に加え、流下経路制限手段により、入球領域に入球した遊技球が確実に下流側領域に到達するように構成することができる。
<入球領域から離れた位置で遊技球を受ける技術思想>
遊技球を入球領域へ案内可能とする第1状態と、前記入球領域への遊技球の入球を制限する第2状態とで状態を切り替え可能とされる切替手段と、その切替手段へ向けて遊技球が流下可能な流下領域と、を備え、前記流下領域は、前記切替手段の前記入球領域から離れた側に配置されることを特徴とする遊技機BC1。
パチンコ機等の遊技機において、賞球口へ遊技球を案内可能とする状態と賞球口への遊技球の入球を制限する状態とで切り替えられる可動役物への、遊技球の着地位置が、賞球口付近の下流側位置と、その下流側位置よりも上流側の上流側位置とで複数あり、下流側位置に着地するか上流側位置に着地するかに関わらず、遊技球が賞球口を通過可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2017-029531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、上流側位置に着地した遊技球が賞球口に近接するタイミングで下流側位置に別の遊技球が着地して、複数の遊技球がかたまって賞球口を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりする可能性があるという問題点があった。換言すれば、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BC1によれば、入球領域から離れた側において遊技球が切替手段に流下されるよう構成されているので(切替手段への遊技球の着地位置が制限されているので)、切替手段を流下する間に遊技球を整列させることができ、入球領域を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりすることを回避することができるので、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良を図ることができる。
遊技機BC1において、前記流下領域の外方における前記切替手段への流下を防止する防止手段を備えることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、防止手段によって、遊技球が流下領域の外方を通って切替手段へ到達することを防止することができる。
遊技機BC2において、前記切替手段は、遊技領域を構成する遊技盤前面よりも後側に少なくとも一部が配設されることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC2の奏する効果に加え、遊技球が切替手段に着地する位置を少なくとも遊技領域側(遊技盤前面)に登場させ、その他の少なくとも一部を遊技盤前面よりも後側に配設することで、切替手段上の遊技球の流下長さを遊技盤前面よりも後側に確保しながら、切替手段が遊技領域を侵食する長さを狭めることができる。これにより、他の構成を配置する領域を広く確保し、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
遊技機BC1からBC3のいずれかにおいて、前記切替手段は、遊技球が転動可能な第1部と、その第1部よりも下流側に配置される第2部とを備え、前記流下領域から前記切替手段に着地する遊技球は、前記第1部に着地し易く構成されることを特徴とする遊技機BC4。
遊技機BC4によれば、遊技機BC1からBC3のいずれかの奏する効果に加え、切替手段上を長距離で転動させることで遊技球の跳ねを抑え流下を落ち着かせることができると共に、入球領域までの流下長さを確保でき、遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機BC4において、前記切替手段は、前記第1部と前記第2部との間に、前記第1状態および前記第2状態において遊技球を橋渡し可能な案内経路を備えることを特徴とする遊技機BC5。
遊技機BC5によれば、遊技機BC4の奏する効果に加え、切替手段の第1部に着地した後の遊技球について、切替手段の状態に関係なく遊技球の転動を維持させる箇所としての案内経路が配設されることから、切替手段の状態切替と、遊技球の流下態様の変化とが一対一で対応する場合に比較して、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
遊技機BC5において、前記案内経路における遊技球の流下長さが複数種類構成されることを特徴とする遊技機BC6。
遊技機BC6によれば、遊技機BC5の奏する効果に加え、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
なお、案内経路における遊技球の流下長さが変化する要因としては、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への入球位置の違いで変化するよう構成されても良いし、切替手段への入球のタイミングと切替手段の状態が切り替えられるタイミングとの相対的な関係により変化するよう構成されても良い。
遊技機BC5又はBC6において、前記切替手段は、前記案内経路よりも上流側における所定範囲に亘って、遊技球を案内経路側に接近するように移動させる接近手段を備えることを特徴とする遊技機BC7。
遊技機BC7によれば、遊技機BC5又はBC6の奏する効果に加え、接近手段により、案内経路に遊技球が乗るタイミングよりも事前に案内経路側に遊技球を寄せることができるので、案内経路への橋渡し部分における遊技球の滞留を回避することができる。
遊技機BC7において、前記接近手段は、前記切替手段の第1部または前記案内経路における遊技球の流下方向と直交する方向に遊技球を移動させる傾斜面であることを特徴とする遊技機BC8。
遊技機BC8によれば、遊技機BC7の奏する効果に加え、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下方向と、傾斜面の傾斜方向とが直交することから、傾斜面により遊技球に与えられる負荷が、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下速度を加速も減速もさせず、影響を最小限に抑えることができる。
遊技機BC4からBC8のいずれかにおいて、前記第2部は、同時の複数個の遊技球の受入を制限するよう構成されることを特徴とする遊技機BC9。
遊技機BC9によれば、遊技機BC4からBC8のいずれかの奏する効果に加え、第2部に想定以上の遊技球が入球する事態を回避し易くすることができる。
遊技機BC1からBC9のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記流下領域側の端部側の所定区間に遊技球が着地してから、その遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に状態が切り替えられた場合に、その遊技球が前記案内経路側に入球することを制限する入球制限手段を備えることを特徴とする遊技機BC10。
遊技機BC10によれば、遊技機BC1からBC9のいずれかにおいて、切替手段が微小時間での状態切替を実行した場合に、遊技球が案内経路側に誤って入球することを回避し易くすることができる。
遊技機BC1からBC10のいずれかにおいて、前記切替手段は、下流側部において遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機BC11。
遊技機BC11によれば、遊技機BC1からBC10のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の下流側において遊技球の流下態様を落ち着かせる(整流させる)ことができる。
<複数個目の入球が、先の入球に影響されて検出手段を通過し易い>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通った遊技球が流下可能な第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域に遊技球が配置されていない状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第1の場合よりも、前記下流側領域に遊技球が配置されている状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第2の場合の方が、遊技球が前記第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により後の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段に遊技球が1個受け入れられた時点で特定入球口へ入球するものと考えられるので、遊技者が安心できてしまい、2個目以降の開閉手段への入球に注目させることが困難であるという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられる遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機BD1によれば、下流側領域に受け入れられた遊技球の内、複数個目に受け入れられた遊技球の方が、1個目に受け入れられた遊技球よりも、第2流下領域に受け入れられる可能性が高くなるよう構成されるので、下流側領域に流下した遊技球に対する注目力を持続させることができる。
遊技機BD1において、前記下流側領域に1球目で入球した遊技球よりも、2球目以降で入球した遊技球の方が、第2流下領域に入球し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を長い間維持することができる。
遊技機BD1又はBD2において、前記下流側領域に遊技球が複数個同時に配置されている場合に、前記第2流下領域を遊技球が流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD1又はBD2の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を、遊技球が下流側領域に配置されている間において維持することができる。また、遊技球の発射態様を遊技者に意識させることができる。
遊技機BD1からBD3のいずれかにおいて、前記下流側領域に複数の遊技球が停留することで、第2流下領域に遊技球が受け入れられ易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD4。
遊技機BD4によれば、遊技機BD1からBD3のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の配置態様に注目させることができる。
遊技機BD1からBD4のいずれかにおいて、流下領域からの遊技球の流下経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段を備え、前記下流側領域は、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられた直後において、前記第2流下領域側に遊技球が案内され難いように構成されることを特徴とする遊技機BD5。
遊技機BD5によれば、遊技機BD1からBD4のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられた後における下流側領域に対する遊技者の注目力の維持期間を長くすることができる。
遊技機BD5において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から、前記下流側領域に所定期間に入球した遊技球よりも、前記所定期間経過後に入球した遊技球の方が、第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD6。
遊技機BD6によれば、遊技機BD5の奏する効果に加え、下流側領域に対する注目力を開閉手段が第1状態に切り替えられた時点から長く持続させることができる。
遊技機BD6において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から前記所定期間が経過した後においては、前記流下領域を流下した遊技球が前記第2流下領域を流下するまでの期間の変化を抑制可能とされることを特徴とする遊技機BD7。
遊技機BD7によれば、遊技機BD6の奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられ所定期間が経過した後における遊技球の流下態様(流下期間)を一定とすることで、下流側領域における注目力を下げ、遊技者をリラックスさせることができる。
遊技機BD5からBD7のいずれかにおいて、前記流下領域に、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられてから数えて1個目で入球した遊技球を、前記第2流下領域側へ案内しないように構成される案内球選択手段を備えることを特徴とする遊技機BD8。
遊技機BD8によれば、遊技機BD5からBD7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に遊技球を受け入れさせるために、開閉手段の第1状態において複数個の遊技球を入球させる必要が生じるので、開閉手段および開閉手段を通過する遊技球の個数に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BD1からBD8のいずれかにおいて、前記第2流下領域に受け入れられる遊技球の個数と、前記第2流下領域に受け入れられない遊技球の個数とを同等とするよう構成されることを特徴とする遊技機BD9。
遊技機BD9によれば、遊技機BD1からBD8のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に全球入球する場合のように、過度に多くの遊技球が受け入れられる場合が生じることで、遊技者に過度な期待を持たせることを回避することができる。
遊技機BD1からBD9のいずれかにおいて、前記下流側領域が受入可能な遊技球の最大個数が設定され、その最大個数を超えた遊技球が前記第2流下領域に受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機BD10。
遊技機BD10によれば、遊技機BD1からBD9のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域および第2流下領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BD1からBD10のいずれかにおいて、通過した遊技球が前記第1流下領域側に流入し易い位置に、流下領域を配置可能とされることを特徴とする遊技機BD11。
遊技機BD11によれば、遊技機BD1からBD10のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域に配置された遊技球が第1流下領域側に流入し易い状態が構成され易い。
遊技機BD1からBD11のいずれかにおいて、前記下流側領域に配置された遊技球を前記下流側領域で留めるための滞留手段を備えることを特徴とする遊技機BD12。
遊技機BD12によれば、遊技機BD1からBD11のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを滞留手段により制限することができる。
遊技機BD1からBD12のいずれかにおいて、前記第2流下領域は、前記第1流下領域よりも上側に配置されることを特徴とする遊技機BD13。
遊技機BD13によれば、遊技機BD1からBD12のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを、配置の高低差で防止することができる。
<遊技球との当接、非当接の切り替え>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能な当接可能手段と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機BE1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材により開閉される入球口に入球した遊技球の流下経路において複数の可動部材が配設され、可動部材からの負荷を受けて遊技球の流下経路が変化し得る遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、可動部材は流下した遊技球と必ず当接し得るよう構成されているので、入球口に入球した遊技球の流下態様が変わり映えせず、遊技者を飽きさせる可能性が高く、遊技者の興趣を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BE1によれば、当接可能手段が、下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能とされるので、遊技球が当接可能手段に当接する場合と、当接可能手段に当接しない場合とで、遊技球の流下態様を大きく異ならせることができる。これにより、遊技球の流下態様のバリエーションを多くすることができ、遊技者の興趣を向上させる観点で改良することができる。
遊技機BE1において、前記当接可能手段に当接している遊技球を介して負荷を受けた遊技球が、前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BE1又はBE2において、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられた場合において、前記流下領域から前記下流側領域に流下した遊技球が前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機BE3。
遊技機BE3によれば、遊技機BE1又はBE2の奏する効果に加え、開閉手段が開放されるタイミングで当接可能手段に遊技球が当接している場合に、開閉手段が開放された後で開閉手段を通過した遊技球が第2流下領域を流下し易くなることから、当接可能手段に対する注目力を向上させることができる。
<遊技球の通過を止められる状態を経て第2遊技領域に遊技球が受け入れられる>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域の所定部における遊技球の通過が防止される状態から、前記第2流下領域に遊技球が流下可能な状態へ移行されることを特徴とする遊技機BEZ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、入球口と特定入球口との位置が、左右の違いがあるだけでほとんど変わらないので、遊技球が特定入球口に入球したかどうかを開閉手段越しには一目で把握させ難い。特定入球口へ遊技球が入球したことに起因して液晶装置に報知がされる場合には、液晶装置での表示の方が分かり易いので、遊技者の注目力が液晶装置に集中してしまうという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機BEZ1によれば、下流側領域の所定部において遊技球の通過が防止される状態を経て、第2流下領域に遊技球が流下するように構成されるので、第2流下領域への入球準備状態として下流側領域で停止している遊技球に遊技者の視線を集めることができ、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることができる。
遊技機BEZ1において、前記所定部は、前記第1流下領域に位置することを特徴とする遊技機BEZ2。
遊技機BEZ2によれば、遊技機BEZ1の奏する効果に加え、所定の利益の付与には影響しない領域としての第1流下領域への入球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、所定の遊技球によって、遊技球の通過が防止されることを特徴とする遊技機BEZ3。
遊技機BEZ3によれば、遊技機BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球が第2流下領域から逸れて流下した場合であっても、所定部を塞ぐかもしれないという期待感から、その遊技球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
遊技機BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、遊技球とは異なる所定部材によって、遊技球の通過が防止され、前記所定部材の正面視における大きさは、遊技球の大きさよりも小さく設定されることを特徴とする遊技機BEZ4。
遊技機BEZ4によれば、遊技機BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球の通過を防止する所定部材が、遊技球よりも目立たないようにすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BEZ1からBEZ4のいずれかにおいて、前記第1流下領域が遊技球で満たされた状態を経て、後追いで到達する遊技球が前記第2流下領域へ受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機BEZ5。
遊技機BEZ5によれば、遊技機BEZ1からBEZ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の目線を第1流下領域に留める状態から、第2流下領域へ移行させることができるので、当初から第2流下領域に注目される場合に比較して、第2流下領域が視認される期間を長くすることができる。
更に、第2流下領域への入球時には、第1流下領域が遊技球で満たされることから、第2流下領域へ入球した遊技球を見失ったとしても、一目で第2流下領域へ入球可能な状態であると把握することができる。
遊技機BEZ5において、前記第1流下領域に遊技球を留める滞留状態と、前記第1流下領域から遊技球を排出する排出状態と、で切替可能とされる状態切替手段を備え、前記開閉手段の状態の切り替えに対応して、前記状態切替手段の状態が切り替えられることを特徴とする遊技機BEZ6。
遊技機BEZ6によれば、遊技機BEZ5の奏する効果に加え、開閉手段と状態切替手段との状態の切り替えを関連付けることができるので、いずれか一方を視認することで、他方の状態を予測し易くすることができる。
遊技機BEZ5又はBEZ6において、前記第1流下領域に受け入れ可能な遊技球の上限個数が設定されていることを特徴とする遊技機BEZ7。
遊技機BEZ7によれば、遊技機BEZ5又はBEZ6の奏する効果に加え、第1流下領域に配置されている遊技球の個数を確認することで、あと何球の遊技球を流下領域に通過させれば第2流下領域に遊技球が受け入れられるかの予測を立て易くすることができる。
遊技機BEZ1からBEZ7のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出可能な排出可能状態と、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出不能な排出不能状態とで状態を切り替えるように変位することを特徴とする遊技機BEZ8。
遊技機BEZ8によれば、遊技機BEZ1からBEZ7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域への遊技球の受入の前提として遊技者の注目力の高い下流側領域へ遊技球が排出されるか否かが、変位手段の状態により変化するように構成されることから、下流側領域および変位手段に対する注目力を向上させることができる。
即ち、流下領域を通過した遊技球が下流側領域に確実に流下する場合には、遊技球が流下領域を通過する個数を把握すれば第2流下領域に遊技球が流下するタイミングを経験から予測することができるので、下流側領域にまでは視線をやらずに遊技をしても不利益は大きくない可能性があった。
これに対し、変位手段の状態次第で下流側領域への遊技球の流下の有無が切り替えられる状況下では、流下領域を通過する遊技球の個数と、下流側領域に流下する遊技球の個数にずれが生じることから、下流側領域にも視線を向ける必要がある。これにより、下流側領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BEZ8において、前記変位手段は、受け入れた遊技球の流下速度を、流下領域を流下する遊技球の流下速度に比較して減速可能に構成されることを特徴とする遊技機BEZ9。
遊技機BEZ9によれば、遊技機BEZ8の奏する効果に加え、変位手段に受け入れられた遊技球の流下速度を落とすことができるので、変位手段に受け入れられた遊技球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
遊技機BEZ8又はBEZ9において、前記変位手段は、遊技球を所定数まで受け入れ可能な球受部を備え、前記変位手段の変位により前記球受部に受け入れられた遊技球が変位することを特徴とする遊技機BEZ10。
遊技機BEZ10によれば、遊技機BEZ8又はBEZ9の奏する効果に加え、変位手段の変位に伴い変位する遊技球の個数を、球受部に対して所定数までに制限することができるので、変位手段の変位速度を所定の範囲に設定することで、所定期間において変位手段から下流側領域に排出され得る遊技球の個数を所定の範囲に抑えることができる。
<エンディングにおいて終了時点を知らせる報知手段>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機BG1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了したら特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技の終了時点が分かり難く、特図変動遊技が可能な状態に切り替わった直後に特別図柄の抽選を開始させたいという遊技者にとって、不満の元となっていた。
例えば、一般的な遊技進行として、特別図柄1の抽選で大当たりとなった後で、大当たり遊技終了後に特別図柄1よりも有利な特別図柄2の抽選を獲得容易な状態に移行する振分けが存在する遊技機があるが、このような遊技機では、大当たり遊技終了直後は特別図柄2の抽選が未獲得な状態で始まるので、特別図柄1の抽選が保留されていると、大当たり遊技終了後に特別図柄1の抽選が実行されてしまい、万が一その抽選で大当たりを獲得すると、遊技者に不利益が生じる可能性があった。
この事態を回避するため、大当たり終了後の特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に、大当たり終了後になるべく間隔を空けずに特別図柄2の抽選を獲得することが好ましいので、特別図柄2の抽選を獲得できる状態になるや否や遊技球の発射を開始することが望まれる。
一方で、特別図柄2の抽選を獲得するために入球口は電動役物により開閉される場合が一般的であるが、その電動役物は大当たり遊技中には閉鎖状態で維持されており、大当たり遊技終了後に開放可能な状態となる。そのため、電動役物が開放される前に遊技球を発射しても、その多くは無駄球となり易い。
このような事情から、大当たり遊技中に電動役物側へ遊技球を発射しても電動役物が閉鎖状態を維持しており特別図柄2の抽選を獲得できないので遊技球の発射は避けたいが、それにも増して特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に特別図柄2の抽選を獲得するために大当たり遊技が終了するや否や開放された電動役物の下流側にある入球口に遊技球を打ち込みたいと遊技者は思うと考えられる。
これに対し、従来の遊技機では、いつ大当たり遊技が終了するのかが分かり難く、遊技球を発射させるタイミングを図りがたいという問題点があった。
これに対し、遊技機BG1によれば、所定の演出の終了時点を遊技者が把握可能に報知する報知手段を備えるようにしたので、その報知手段の報知を目安として遊技球を発射させるタイミングを図り易くすることができる。
遊技機BG1において、前記所定の演出は、第1演出またはその第1演出とは報知の内容が異なる第2演出の少なくとも一方が実行され、報知の組み合わせによって前記継続期間が変化可能とされ、前記報知手段は、前記所定の演出の前記継続期間の違いを遊技者に伝達可能に構成され、所定の演出の終了時点を示す終了手段と、現時点から前記終了時点までに経過する時間を示す時間報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、所定の演出の継続期間が複数種類用意されている場合においても、現在行われている所定の演出の継続期間と、その終了時点とを把握することができる。
遊技機BG2において、前記時間報知手段は、現時点から前記所定の演出の終了時点までに経過する時間と、所定の時間差を設けた疑似時間を示す疑似時間報知手段を備えることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、遊技機BG2の奏する効果に加え、疑似時間報知手段により、所定の演出の終了時点よりも前の好ましいタイミングを遊技者に報知することができる。これにより、例えば、遊技球が発射されてから所定の入球口に到達するまでに経過し得る時間を所定の演出の実行中に消化することができ、所定の演出の終了直後に所定の入球口に遊技球を流入させるという遊技を実現させ易くすることができる。
遊技機BG1からBG3のいずれかにおいて、前記所定の演出は、少なくとも所定の特典遊技の終了直前に実行可能とされるものであり、前記特典遊技の種別に対応して、実行の態様が変化されることを特徴とする遊技機BG4。
遊技機BG4によれば、遊技機BG1からBG3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の種別と、所定の演出とを対応付けることができる。
遊技機BG1からBG4のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記所定の演出期間の終了時の所定期間前の時点を報知することを特徴とする遊技機BG5。
遊技機BG5によれば、遊技機BG1からBG4のいずれかの奏する効果に加え、報知手段により所定演出期間の終了時を前もって把握させることができる。
なお、所定の演出期間のタイミングは、何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。例えば、所定の特定遊技中でも良いし、図柄変動中でも良いし、図柄変動待機中でも良い。
遊技機BG1からBG5のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時に、表示手段の表示領域に遊技者を冷静にさせるための所定の静止画または動画が表示されることを特徴とする遊技機BG6。
遊技機BG6によれば、遊技機BG1からBG5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の遊技に対するのめり込みを効果的に抑制することができる。
遊技機BG1からBG6のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時の後において、表示手段の表示が切り替えられることを特徴とする遊技機BG7。
遊技機BG7によれば、遊技機BG1からBG6のいずれかの奏する効果に加え、表示が切り替えられることにより所定の演出の終了時を過ぎたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機BG7において、前記所定の演出の終了時の後において、前記所定の演出から継続して特定の演出を実行可能とされることを特徴とする遊技機BG8。
遊技機BG8によれば、遊技機BG7の奏する効果に加え、所定の演出の終了時の後において新規で演出を実行する場合に比較して、所定の演出の実行中から特定の演出を実行することができるので、演出時間を長く確保することができる。
遊技機BG1からBG8のいずれかにおいて、前記所定の演出は、表示手段の表示領域の少なくとも一部において視認可能に実行されることを特徴とする遊技機BG9。
遊技機BG9によれば、遊技機BG1からBG8のいずれかの奏する効果に加え、表示手段の表示領域を視認すれば所定の演出を確認することができるので、表示手段の表示領域外(例えば、遊技領域の外方等)で所定の演出が実行される場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機BG8又はBG9において、表示手段の表示領域における表示の、所定のタイミングにおける態様が異なる場合を構成可能とされることを特徴とする遊技機BG10。
遊技機BG10によれば、遊技機BG8又はBG9の奏する効果に加え、所定のタイミングにおける態様に対する注目力を向上させることができる。
なお、所定のタイミングにおける異なる態様については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定のタイミングで動作開始する場合と、所定のタイミングで停止維持される場合とで異なる場合や、所定のタイミングで操作可能となる場合と、所定のタイミングで操作不能とされる場合とで異なる場合等が例示される。
遊技機BG8又はBG9において、前記所定の演出の終了時よりも前において、終了時であるように錯覚させる錯覚演出を実行させることを特徴とする遊技機BG11。
遊技機BG11によれば、遊技機BG8又はBG9の奏する効果に加え、錯覚演出ごとに遊技者の集中力を高めることができる。
遊技機BG8からBG11のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時から、所定の条件が満たされるまで表示手段の表示領域において遊技球の発射により所定の利益を獲得可能であることを示唆する示唆表示がされることを特徴とする遊技機BG12。
遊技機BG12によれば、遊技機BG8からBG11のいずれかの奏する効果に加え、表示領域を視認する遊技者に対して、示唆表示により遊技球の発射に適したタイミングを知らせることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、所定の条件の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定期間が経過することでも良いし、所定の入球口を所定個数の遊技球が通過したことや、その通過を検出したことでも良い。
遊技機BG12において、前記示唆表示は、所定の入球口またはその所定の入球口を開閉する電動役物の開閉の抽選を実行する開閉抽選入球口を狙うことを示唆する表示であることを特徴とする遊技機BG13。
遊技機BG13によれば、遊技機BG12の奏する効果に加え、示唆表示により、発射した遊技球の狙いが明確にされるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機BG12又はBG13において、前記所定の演出において、所定の発射可能タイミングまで継続される表示が構成され、前記所定の発射タイミングを過ぎても発射がされない場合または所定の検出口で遊技球が検出されない場合、そのいずれかがされるまで所定の報知が継続されることを特徴とする遊技機BG14。
遊技機BG14によれば、遊技機BG12又はBG13の奏する効果に加え、所定の報知が継続されていることを確認すれば、所定の発射タイミングを過ぎてから、遊技球の発射がされていないか、所定の検出口で遊技球が検出されていないかのいずれかであることを、遊技者に把握させることができる。
遊技機BG12からBG14のいずれかにおいて、前記所定の演出中に所定個数の入球または前記所定個数以上の入球を検出した場合に、所定の報知をすることを特徴とする遊技機BG15。
遊技機BG15によれば、遊技機BG12からBG14のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知により、所定の演出中に所定個数以上に入球が生じていることを遊技者に知らせることができるので、それをヒントに遊技者は遊技球の発射強度の調整等を行うことができ、遊技負担を軽減させることができる。
なお、所定の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の四字熟語が表示されるものでも良いし、遊技球の発射を躊躇させるための表示がされるものでも良いし、所定の発光手段を発光させるものでも良いし、所定の音声を出力するものでも良い。
遊技機BG1からBG15のいずれかにおいて、前記所定の演出は、遊技者により行われる音量の設定に関わらず所定の音量で実行されるか、又は、遊技者により行われる発光強度の設定に関わらず所定の発光強度や所定の発光色で実行されることを特徴とする遊技機BG16。
遊技機BG16によれば、遊技機BG1からBG15のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の設定により、音や光に遊技者が気づかない事態が発生することを防止することができる。
<エンディングにおいて音量光量の変更期間を設定する>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に、遊技に関わる所定の設定を変更可能な変更可能状態を構成可能な変更手段と、を備えることを特徴とする遊技機BH1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BH1によれば、所定の演出中に、変更可能状態を構成可能とされているので、所定の演出中における暇な時間を、所定の設定を変更させる時間に当てることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良することができる。
遊技機BH1において、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段を備え、前記変更可能状態において、前記報知手段による演出が継続されることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、所定の設定を変更させた後で、ハンドルを再び握ることが好ましいタイミングを遊技者に知らせることができる。これにより、適切なタイミングで遊技球を発射しないことによる不利益を遊技者が受けることを避け易くすることができる。
遊技機BH1又はBH2において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定が切り替え可能な状態を構成可能であることを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH1又はBH2の奏する効果に加え、変更可能な所定の設定が複数あることで、遊技者が暇となる時間が長い場合であっても、遊技者が手持無沙汰となることを避け易くすることができる。
遊技機BH3において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定または変更中の前記所定の設定が表示手段により表示されることを特徴とする遊技機BH4。
遊技機BH4によれば、遊技機BH3の奏する効果に加え、遊技に関わる所定の設定の内の、変更される対象を表示により明確とすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機BH1からBH4のいずれかにおいて、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域が変化することを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH1からBH4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が行った所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域を変化させることで、遊技者が興味を持つと考えられる表示を遊技者の視線の先に配置させることができる。これにより、遊技者に視線を動かす煩わしさを感じさせることなく、遊技に集中させることができる。
遊技機BH5において、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段の表示領域の一部が視認不能とされる状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機BH6。
遊技機BH6によれば、遊技機BH5の奏する効果に加え、所定の操作により表示手段の表示領域の一部が視認不能となることから、視認不能となる可能性がある表示を視認できる状態で維持したいと考える遊技者に対して、所定の操作を行うか否かを考えさせることができる。これにより、遊技者がむやみに所定の操作を行う事態を回避し易くすることができる。
遊技機BH1からBH6のいずれかにおいて、前記変更可能状態で前記所定の設定を変更した場合に、その変更が所定条件で戻される、又は前記変更が所定条件で無効化されるよう構成されることを特徴とする遊技機BH7。
遊技機BH7によれば、遊技機BH1からBH6のいずれかの奏する効果に加え、所定条件の成立により所定の設定が戻される、又は無効化されるので、違和感から、所定条件が成立したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定条件としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技が開始されることでも良いし、大当たり遊技が所定回数継続されることでも良いし、所定期間に所定個数以上の遊技球を所定の検出手段で検出することでも良いし、所定のタイミングで所定の操作手段を操作することでも良い。
遊技機BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行するために操作した所定の操作手段の操作により達成されることを特徴とする遊技機BH8。
遊技機BH8によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作をすることで所定の設定の変更を戻す、又は無効化することができるので、所定の設定の変更を戻す、又は無効化することを意図的に行うことを容易にすることができる。
遊技機BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行したタイミングによらず、所定のタイミングで達成されることを特徴とする遊技機BH9。
遊技機BH9によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、所定条件が所定のタイミングで達成されるので、所定条件がいつまでたっても達成されないという事態を回避することができる。
なお、所定のタイミングは、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、特図変動が所定回数実行された場合でも良いし、所定の内容の報知がされた場合でも良いし、正午など所定の時刻とされても良い。
遊技機BH7において、前記所定条件は、所定の状態が所定時間経過することにより達成されることを特徴とする遊技機BH10。
遊技機BH10によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻ること、又は無効化されることにより、所定の状態が所定時間経過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定の状態については何ら限定されるものではない。例えば、大当たり遊技が連荘した場合において獲得した大当たりの大当たり種別が同じ(又は所定のラウンド数以上や以下)で繰り返されることでも良いし、操作手段の操作がされないことでも良いし、特図変動が実行されないことでも良い。
遊技機BH1からBH10のいずれかにおいて、前記所定の設定に予め所定の目標量を設定可能とされ、前記変更可能状態において、前記所定の設定と前記目標量との差分を把握可能とする差分報知手段を備えることを特徴とする遊技機BH11。
遊技機BH11によれば、遊技機BH1からBH10のいずれかの奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻された、又は無効となった場合であっても、遊技を行う遊技者が同じであれば、差分報知手段により目標量との差分を把握しながら所定の設定を変更することで、所定の設定を戻される前、又は無効とされる前の状態に容易に戻すことができる。
これにより、遊技を行う遊技者が交代した場合に、所定の設定が前の遊技者の設定のままで維持されることで後の遊技者に与える遊技負担を考慮して所定の設定の変更が戻される、又は無効化されるよう遊技機が制御されている場合においても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができることから、遊技を行う遊技者が交代していないにも関わらず意図せず所定の設定が戻された、又は無効化されたとしても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができるので、遊技者に与える遊技負担を軽減することができる。
<同一の表示を状況によって表示態様変更>
遊技に関する所定の表示演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記所定の表示演出の実行中に前記所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されることを特徴とする遊技機BI1。
パチンコ機等の遊技機において、表示装置の正面側に配置される可動役物と、表示装置の表示とを組み合わせて一体的な形状を視認させることができる遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動役物の配置位置、大きさ及び形状に合わせて、表示の配置位置、大きさ及び形状を決める必要があるので、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BI1によれば、所定の表示演出の実行中に、所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されるので、可動役物の形状の影響を受けることなく、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良することができる。
遊技機BI1において、前記所定の表示演出は、表示領域の中央側に表示される場合よりも、表示領域の端側に表示される場合の方が、識別性が低下するよう構成されることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、遊技機BI1の奏する効果に加え、表示領域のどの位置に表示されるかによって、所定の表示演出に対する注目力の調整を行うことができる。
なお、識別性を低下させる態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、半透明で表示するようにしても良いし、表示の大きさを小さくするようにしても良い。
遊技機BI1又はBI2において、前記変更は、所定の操作手段が操作されることにより実行されることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、遊技機BI1又はBI2の奏する効果に加え、所定の表示演出の表示態様の変更を実行するか否かを、遊技者に選択させることができる。これにより、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
<ボタン操作絡み>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に所定の操作手段が操作されることにより、前記所定の演出を第1の状態から第2の状態に切り替え可能に構成される演出切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機BIZ1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。
これに対し、遊技機BIZ1によれば、所定の演出中に、所定の操作手段を操作することで実行される演出を切り替え可能とされるので、所定の演出中における暇な時間を、所定の操作手段を操作する時間に当てることができる。操作手段を操作することにより演出が切替可能とされるので、遊技者の操作手段の操作意欲を効果的に高めることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。
遊技機BIZ1において、前記所定の操作手段を操作可能であることを報知可能な操作報知手段を備え、前記操作報知手段の報知に従い前記所定の操作手段を操作することで、前記所定の演出の態様が切り替えられることを特徴とする遊技機BIZ2。
遊技機BIZ2によれば、遊技機BIZ1の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が操作報知手段により補助されることから、不慣れな遊技者であっても迷うことなく所定の操作手段を操作することができる。
遊技機BIZ2において、前記操作報知手段からの報知は、前記所定の演出の継続期間の一部の時間において実行されることを特徴とする遊技機BIZ3。
遊技機BIZ3によれば、遊技機BIZ2の奏する効果に加え、操作報知手段からの報知が所定の演出の継続時間の一部の時間で実行されるので、その他の時間においては所定の演出を視認させる余裕を持たせることができる。
なお、操作報知手段からの報知のタイミングは何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の演出の途中から操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の途中まで操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良い。また、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行される場合において、その報知の実行中に亘って操作が有効となっても良いし、操作が無効となる時間を含むようにしても良い。
遊技機BIZ1からBIZ3のいずれかにおいて、前記所定の演出の後半の所定期間において、前記所定の操作手段の操作により演出が切り替えられないよう構成されることを特徴とする遊技機BIZ4。
遊技機BIZ4によれば、遊技機BIZ1からBIZ3のいずれかの奏する効果に加え、所定の演出の後半の所定期間における所定の操作手段の操作を無効とすることで、後半の所定期間における所定の演出に注目させることができる。
遊技機BIZ4において、前記所定の演出の後半の前記所定期間において、表示手段の表示領域における前記操作報知手段の表示を非表示とすることを特徴とする遊技機BIZ5。
遊技機BIZ5によれば、遊技機BIZ4の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が無効となる期間に入ったことを、表示手段の表示領域を視認することで把握することができる。
遊技機BIZ1からBIZ5のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作により切り替えられる演出が複数種類用意されている場合において、前記所定の操作手段の操作により実行される演出を予測させるための付属報知手段を備えることを特徴とする遊技機BIZ6。
遊技機BIZ6によれば、遊技機BIZ1からBIZ5のいずれかの奏する効果に加え、付属報知手段により所定の操作手段の操作により実行される演出が予測できるので、所定の操作手段を操作したにも関わらず予想外の演出に切り替えられたという残念感や徒労感を低減することができ、遊技者は好みの演出に切り替えられる時にのみ所定の操作手段を操作すれば良いので、繰り返し所定の操作手段を操作する煩わしさを解消することができる。
遊技機BIZ1からBIZ6のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作は、前記所定の演出の途中から可能となることを特徴とする遊技機BIZ7。
遊技機BIZ7によれば、遊技機BIZ1からBIZ6のいずれかの奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が可能となるまでの間は、所定の演出に注目させることができる。
遊技機BIZ6又はBIZ7において、前記付属報知手段は、特定の操作タイミングを示唆するための表示を備えており、前記特定の操作タイミングは、前記所定の演出の終了時点までに所定の調整期間を確保可能なタイミングとして設定されることを特徴とする遊技機BIZ8。
遊技機BIZ8によれば、遊技機BIZ6又はBIZ7の奏する効果に加え、調整期間の長さ次第で特定の操作タイミングが変化し得るので、特定の操作タイミングから、所定の操作手段を操作した後の演出の展開を予想させることができる。
遊技機BIZ1からBIZ8のいずれかにおいて、前記所定の操作手段を操作したことで切り替えられた演出の態様は、所定の条件で、切り替えられる前の態様に戻されることを特徴とする遊技機BIZ9。
遊技機BIZ9によれば、遊技機BIZ1からBIZ8のいずれかの奏する効果に加え、所定の条件で演出の態様が切り替えられる前の状態に戻されるので、再び所定の操作手段を操作させることができる。これにより、所定の操作手段の操作回数を多くすることができ、遊技者が遊技に参加している雰囲気を高めることができる。
遊技機BIZ2から遊技機BIZ9のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、同時に操作される前記所定の操作手段の個数が異なる複数種類の態様が設けられていることを特徴とする遊技機BIZ10。
遊技機BIZ10によれば、遊技機BIZ2からBIZ9のいずれかの奏する効果に加え、同時に操作される所定の操作手段の個数が1個の場合と、2個以上となる場合とが設けられることになるので、敢えて2個の所定の操作手段を操作させるようにすることで、遊技球を発射する必要のないタイミングでの暇を紛らわせて遊技に熱中させることができる。この場合、遊技者の手を球発射用のハンドルから離させることができるので、遊技球の誤発射を抑制でき、発射した遊技球が無駄になることによる不要な不利益の発生を回避することができる。
遊技機BIZ2からBIZ10のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となった場合に実行される報知を含むことを特徴とする遊技機BIZ11。
遊技機BIZ11によれば、遊技機BIZ2からBIZ10のいずれかの奏する効果に加え、操作報知手段からの報知を視認させることで、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となったことを遊技者に把握させることができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機CA10。
遊技機CA10によれば、遊技機CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機CA11。
遊技機CA11によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機CA12。
遊技機CA12によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機CA13によれば、遊技機CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機CA14。
遊技機CA14によれば、遊技機CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機CA15。
遊技機CA15によれば、遊技機CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機CA16。
遊技機CA16によれば、遊技機CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機CA17。
遊技機CA17によれば、遊技機CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機CA18。
遊技機CA18によれば、遊技機CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機CA19。
遊技機CA19によれば、遊技機CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機CA20。
遊技機CA20によれば、遊技機CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機CA21。
遊技機CA21によれば、遊技機CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機CA22。
遊技機CA22によれば、遊技機CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機CA23。
遊技機CA23によれば、遊技機CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA24。
遊技機CA24によれば、遊技機CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA25。
遊技機CA25によれば、遊技機CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA26。
遊技機CA26によれば、遊技機CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機DA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1からDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA4。
遊技機DA4によれば、遊技機DA1からDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA2又はDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA5。
遊技機DA5によれば、遊技機DA2又はDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機DA6。
遊技機DA6によれば、遊技機DA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5又はDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機DA7。
遊技機DA7によれば、遊技機DA5又はDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機DA8。
遊技機DA8によれば、遊技機DA5からDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA5からDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機DA9。
遊技機DA9によれば、遊技機DA5からDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機DA10。
遊技機DA10によれば、遊技機DA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機DA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機DA11。
遊技機DA11によれば、遊技機DA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機DA10又はDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機DA12。
遊技機DA12によれば、遊技機DA10又はDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA13。
遊技機DA13によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機DA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA16。
遊技機DA16によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DA5からDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機DA17。
遊技機DA17によれば、遊技機DA5からDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機DA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機DA18。
遊技機DA18によれば、遊技機DA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機DA5からDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機DA19。
遊技機DA19によれば、遊技機DA5からDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機DB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機DB3。
遊技機DB3によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1からDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1からDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材を複数備え、前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機DC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機DC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DC1又はDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1又はDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DC1からDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DC4。
遊技機DC4によれば、遊技機DC1からDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機DD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機DD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機DD2又はDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機DD4。
遊技機DD4によれば、遊技機DD2又はDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機EA2又はEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA2又はEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機EB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1からEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機EC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機EC1又はEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC1又はEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC4。
遊技機EC4によれば、遊技機EC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機EC5。
遊技機EC5によれば、遊技機EC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームF86b~F5086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位される第2手段と、を備え、前記第2手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FA1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、第2手段が被流入部の大きさを変更する方向へ変位されるので、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA1において、前記被流入部の大きさを変更する方向へ前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機FA2。
遊技機FA2によれば、遊技機FA1の奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くした状態を維持できる。よって、球の流入を期待できる期間または期待し難い期間を確保でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA2において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、前記維持手段は、前記第1手段が受け取った球の重量により前記第2手段が前記被流入部の大きさを大きくする方向へ変位された状態を維持し、前記解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機FA3。
遊技機FA3によれば、遊技機FA2の奏する効果に加え、少なくとも1の球が被流入部に流入されるまでの間、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態が維持されるので、被流入部への球の流入を確実化できる。よって、遊技者に安心感を付与できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA3において、前記維持手段により維持された状態では、球を受け取ることで変位された位置に前記第1手段が維持されることを特徴とする遊技機FA4。
遊技機FA4によれば、遊技機FA3の奏する効果に加え、維持手段による維持がされた状態(被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態)であることを、第1手段の変位位置からも遊技者に理解させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA1から遊技機FA4のいずれかにおいて、前記第1手段から球が流下することを遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機FA5。
遊技機FA5によれば、遊技機FA1から遊技機FA4の奏する効果に加え、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機FA5において、前記遅延手段は、前記第1手段に形成される開口と、その開口の周囲に沿って球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第1転動部とを備え、前記第1転動部を転動し前記開口へ流入されることで、球が前記第1手段から流下されることを特徴とする遊技機FA6。
遊技機FA6によれば、遊技機FA5の奏する効果に加え、開口の周囲に沿って第1転動部を転動することで、球の速度を低下させられるので、その分、第1手段からの球の流下を遅延させられる。即ち、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機FA6において、前記第1転動部は、前記開口の周囲に沿って連続して形成され、前記遅延手段は、前記第1転動部における前記開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第2転動部を備えることを特徴とする遊技機FA7。
遊技機FA7によれば、遊技機FA6の奏する効果に加え、第1転動部が、開口の周囲に沿って連続して形成されるので、第1転動部において球を周回させることができる。また、第2転動部が、第1転動部における開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされるので、第1転動部における球の周回を形成しやすくできる。その結果、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機FA7において、前記第1転動部を球が転動する状態では、前記第1転動部の鉛直方向における高さが前記開口の周囲に沿って略同一に設定されることを特徴とする遊技機FA8。
遊技機FA8によれば、遊技機FA7の奏する効果に加え、高低差が形成されることを抑制して、第1転動部において球を周回させやすくできる。
遊技機FA5から遊技機FA8のいずれかにおいて、前記遅延手段は、球が転動可能とされ前記第1手段に形成される転動部と、その転動部に球を保持する保持手段と、を備え、前記保持手段に保持された球は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位されることで、前記保持手段を乗り越えて転動可能とされることを特徴とする遊技機FA9。
遊技機FA9によれば、遊技機FA5から遊技機FA8のいずれかの奏する効果に加え、球の転動を一時的に停止させることができる。よって、第1手段が球の重量により所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間を長くできる。その分、被流入部が大きくされている期間を長くできる。また、第1手段の姿勢変化を利用して保持手段の保持が解除される(球が転動を再開する)ので、解除する手段を設けることを不要とできる。
遊技機FA9において、前記遅延手段は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位された場合に、前記保持手段により保持された球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機FA10。
遊技機FA10によれば、遊技機FA9の奏する効果に加え、作用手段の作用により、保持手段による球の保持の解除を確実化できる(球が保持手段を乗り越えやすくすることができる)。
遊技機FA9又は遊技機FA10において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記転動部が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機FA11。
遊技機FA11によれば、遊技機FA9又は遊技機FA10の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球の衝突により、保持手段による保持が解除されることを抑制できる。
遊技機FA1から遊技機FA11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機FA12。
遊技機FA12によれば、遊技機FA1から遊技機FA11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機FA12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段および前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FA13。
遊技機FA13によれば、遊技機FA12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
<下側フレームF6086b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部と、その被流入部へ向けて球が移動可能に形成される経路と、を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位され前記経路を移動する球に作用可能に形成される第2手段と、を備えることを特徴とする遊技機FB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FB1によれば、所定の球が経路を移動する場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、経路を移動する所定の球に第2手段が作用可能とされる。よって、経路を移動する所定の球の被流入部への流入の可能性が第2手段の作用により変化させることができる。その結果、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB1において、前記第1手段球が受け取った球の重量により変位された位置から変位される前の位置へ向かう前記第2手段の変位方向には、前記経路を前記第2手段へ向けて移動する球の移動方向成分が含まれることを特徴とする遊技機FB2。
遊技機FB2によれば、遊技機FB1の奏する効果に加え、経路を第2手段へ向けて移動する球が第2手段へ当接した際に、その球の移動方向へ第2手段も変位(初期位置へ向けて後退)して、衝撃を吸収できる。よって、第2手段の破損を抑制できる。
遊技機FB2において、前記第1手段が受け取った球の重量により変位された前記第2変位手段は、前記経路を移動する球に対して、前記被流入部へ流入され易くなるように作用することを特徴とする遊技機FB3。
遊技機FB3によれば、遊技機FB2の奏する効果に加え、被流入部へ球を流入させ易くできるので、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB2又はFB3において、前記経路は、傾斜して形成される傾斜部を備え、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機FB4。
遊技機FB4によれば、遊技機FB2又はFB3の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球は徐々に速度を低下させるので、球の移動と、その球への第2手段の作用とを遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB4において、前記傾斜部は、傾斜して形成される第1傾斜部と、その第1傾斜部と反対方向へ傾斜して形成される第2傾斜部とを備え、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部を球が往復移動可能に形成され、前記第2手段は、前記第1傾斜部または前記第2傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FB5。
遊技機FB5によれば、遊技機FB4の奏する効果に加え、傾斜部(第1傾斜部および第2傾斜部)における球の往復移動により、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB4又は遊技機FB5において、前記第2手段が前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置は、前記傾斜部を上昇する球が到達可能な最大到達位置よりも下方となる位置であることを特徴とする遊技機FB6。
ここで、最大到達位置では、球の速度が低く(又は速度が0となり)、球の勢いが弱いため、傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に第2手段が変位され、第2手段に球が当接したとしても、被流入部へ流入されやすくなる方向へ球を案内できない虞がある。これに対し、遊技機FB6によれば、遊技機FB4又は遊技機FB5の奏する効果に加え、最大到達位置よりも下方となる位置において、傾斜部を上昇する球に第2手段が作用可能とされることで、球の速度が確保されている状態で、球を第2手段に当接させることができる。よって、球の勢いを利用して、被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内しやすくできる。
また、第1傾斜部および第2傾斜部を球が往復移動する構成においては、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させやすくできる。
遊技機FB6において、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置に変位された状態では、前記傾斜部を下降する球に作用可能に形成されることを特徴とする遊技機FB7。
遊技機FB7によれば、遊技機FB6の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球が通過した後に、第2手段が球に作用可能な位置に変位された場合であっても、傾斜部の頂部に達して下降する球に作用を与える可能性を形成できる。
遊技機FB4から遊技機FB7のいずれかにおいて、前記第2手段は、円弧状の湾曲に沿って球を案内可能に形成される案内部を備え、前記傾斜部を上昇する球は、前記案内部に沿って移動されることで、前記被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内されることを特徴とする遊技機FB8。
遊技機FB8によれば、遊技機FB4から遊技機FB7のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球を、湾曲に沿って徐々に案内(移動方向を転換)することができる。即ち、被流入部へ流入されやすくなる方向へ確実に案内できる。
遊技機FB8において、前記第2手段は、前記傾斜部から突出可能に形成され、前記第2手段が前記傾斜部から非突出とされた状態では、前記第2手段が前記傾斜部の一部とされることを特徴とする遊技機FB9。
ここで、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)を収納するためのスペースとして傾斜部の幅と同等のスペースを傾斜部の側方に確保する必要があり、大型化する。これに対し、遊技機FB9によれば、遊技機FB8の奏する効果に加え、第2手段(案内部)の収容に必要なスペースを傾斜部の側方に確保する必要がなく、また、傾斜部の厚み方向のデッドスペースを有効に活用できるので、その分、小型化できる。
また、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)に必要な変位量が大きい分、第2手段を変位させるのに要する時間が嵩む。これに対し、遊技機FB8によれば、遊技機FB7の奏する効果に加え、第2手段(案内部)に必要な変位量が抑制できる分、第2手段を変位させるのに要する時間を短縮できるので、傾斜部を上昇する球に作用する位置に第2手段を速やかに配置できる。
遊技機FB1から遊技機FB9のいずれかにおいて、前記経路を移動する球に作用可能な位置に前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機FB10。
遊技機FB10によれば、遊技機FB1から遊技機FB9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させやすくした状態を維持できる。よって、球の流入を期待しやすくでき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB10において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、その解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機FB11。
遊技機FB11によれば、遊技機FB10の奏する効果に加え、被流入部への球の流入を確実化できる。即ち、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位されれば、少なくとも1の球が流入されるまでの間、安心感を付与できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB1から遊技機FB11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機FB12。
遊技機FB12によれば、遊技機FB1から遊技機FB11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機FB12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段が前記所定位置へ変位可能に形成され、前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FB13。
遊技機FB13によれば、遊技機FB12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、コストを抑制できる。
<下側フレームF86b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第1手段と、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態で前記受け取った球とは別の球の影響を前記第1手段が受けることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FC1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、被流入部への所定の球の流入のし易さを変化させることができる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制手段で抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC1において、前記第1手段へ向けて球が移動可能に形成される経路を備え、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段へ向けて移動し難くする第1規制手段を備えることを特徴とする遊技機FC2。
遊技機FC2によれば、遊技機FC1の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球が第1手段へ向けて移動し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC2において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第2手段を備え、前記経路は、前記第1手段および前記第2手段へ向けて球が移動可能に形成され、前記第1規制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段よりも前記第2手段へ移動し易くすることを特徴とする遊技機FC3。
遊技機FC3によれば、遊技機FC2の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球を第2手段へ向けて移動し易くできるので、被流入部への所定の球の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。即ち、第1手段に球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(例えば、経路を移動する球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制しつつ、経路を移動する球を第2手段に受け取らせ、その受け取った球の重量が第2手段に作用された状態を形成することで、第2手段によっても、被流入部への所定の球の流入のし易さが変化された状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC3において、前記第1手段または前記第2手段が受け取った球の重量により変位される第3手段を備え、前記第3手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FC4。
遊技機FC4によれば、遊技機FC2又はFC3の奏する効果に加え、第3手段の変位により球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段および第2手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC1から遊技機FC4のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が作用された状態において、前記第1手段の少なくとも側面に前記別の球が当接し難くする第2規制手段を備えることを特徴とする遊技機FC5。
遊技機FC5によれば、遊技機FC1から遊技機FC3のいずれかの奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第2規制手段により、第1手段の少なくとも側面に球が当接し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段の側面に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1手段に重量を作用させていた球に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球が第1手段から脱落しても、その球に代わって、別の球が第1手段に重量を作用させることができる場合がある。また、第1手段の上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位)に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球に加え、別の球も第1手段に重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球が少なくとも第1手段の側面へ当接し難くできれば有効となる。
遊技機FC2において、前記第1手段の変位を前記第1規制手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機FC6。
遊技機FC6によれば、遊技機FC2の奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第1規制手段を変位させられる。よって、第1規制手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機FC6において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第1規制手段の重量により、前記第1手段および前記第1規制手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FC7。
遊技機FC7によれば、遊技機FC6の奏する効果に加え、第1手段および第1規制手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
遊技機FC5において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記第1手段が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機FC8。
遊技機FC8によれば、遊技機FC5の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球が第1手段の側面に当接することを抑制できる。
<下側フレームF11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、前記被流入部へ球が移動可能に形成される経路と、前記被流入部への球の流入のし易さを変化させる変化手段と、を備え、第1位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球が、第2位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球よりも前記被流入部へ流入し易くされることを特徴とする遊技機FD1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FD1によれば、被流入部への球の流入のし易さを変化手段により変化させることができるので、経路を移動する球に対する変化手段の影響を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球が、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるので、球が経路へ流入する位置(第1位置または第2位置)を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1位置からの球が入り易くする構成としては、例えば、当接部F6154が例示される。
遊技機FD1において、前記第1位置から前記経路へ流入する球を検出可能に形成される検出手段を備え、少なくとも前記検出手段により球が検出されることを条件に、前記被流入部へ球が流入し易くなるように前記変化手段による変化が行われることを特徴とする遊技機FD2。
遊技機FD2によれば、遊技機FD1が奏する効果に加え、遊技者に期待感を持たせて、遊技の興趣を高めることができる。即ち、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球は、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるところ、更に、被流入部へ球が流入し易くなるように変化手段による変化が行われるので、被流入部への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、変化手段による変化(被流入部へ球が流入し易くなる動作)が行われる条件としては、検出手段により球が検出されることに加え、所定時間の経過、抽選の当選、或いは、これらの組み合わせを条件としても良い。また、変化手段による変化が行われる期間としては、所定時間で区切っても良く、動作の回数で区切っても良い。
遊技機FD2において、前記第1位置および前記第2位置が形成される形成手段を備え、前記形成手段は、前記第1位置と前記第2位置との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機FD3。
遊技機FD3によれば、遊技機FD2の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置または第2位置のどちらから経路へ球が流下するか、形成手段における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FD2又はFD3において、前記経路は、前記第1位置から流下した球が移動可能に形成される第1経路と、前記第2位置から流下した球が移動可能に形成される第2経路とを備え、前記第1経路と前記第2経路との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機FD4。
遊技機FD4によれば、遊技機FD2又は遊技機FD3の奏する効果に加え、第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置(第2位置)から流入した球が第1経路(第2経路)のみを移動可能に形成される場合と比較して、一定のスペース内に形成できる球の移動可能な経路の種類をより多く確保できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FD4において、前記第1経路または前記第2経路から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の当接手段を備えることを特徴とする遊技機FD5。
遊技機FD5によれば、遊技機FD4の奏する効果に加え、第1経路または第2経路を移動する球が当接手段に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<複数の手段を異なる契機で動作させる構造>
第1位置と第2位置とを変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させ得る第1手段と、前記変位手段の変位を防止できる第1状態と前記変位手段の変位を防止できない第2状態とで状態変化可能な第2手段と、前記第1手段の動作に基づいて前記第2手段の状態を前記第1状態と前記第2状態とで変化可能に構成される変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機KA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段を所定位置から変位させる演出を行う演出役物において、変位手段を所定位置に保持する保持手段と、変位手段を所定位置に変位させるための駆動力を伝達する伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、保持手段と伝達手段とで、駆動装置が別であることから、例えば、伝達手段の駆動装置が故障している時に、保持手段の駆動装置が動かされ変位手段が所定位置から移動(落下)された場合に、変位手段を所定位置に復帰させることができなくなるので、変位手段の演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。即ち、上述した従来の遊技機では、変位手段の演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KA1によれば、変化手段により、第2手段の状態の変化が第1手段の動作に基づくので、第1手段が動作し得ない状態において、第2手段が第1状態から第2状態に変化されることを防止することができる。これにより、変位手段が所定位置に復帰できないにも関わらず第2手段が第1状態から第2状態に変化されてしまい変位手段が所定位置から変位させられる事態が生じることを防止することができるので、変位手段の演出効果の向上を図ることができる。
遊技機KA1において、前記第1位置は前記第2位置よりも上側に位置し、前記第2手段は、前記変位手段が所定位置よりも前記第1位置側に配置されている状態で前記所定位置よりも前記第2位置側に進入することで前記第1状態に変化されることを特徴とする遊技機KA2。
遊技機KA2によれば、遊技機KA1の奏する効果に加え、第2手段が第1状態にされる際に変位手段と第2手段との間に隙間を生じさせることで、摩擦力が生じることを回避でき、動作不良を防止することができる。
更に、変位手段と第2手段とは第1手段により連動することから、動作タイミングがずれることを避け易いことに加え、第2手段を別の駆動機構で動作させる場合には必要となる変位手段が所定位置よりも第1位置側に位置したことを検出する検出センサを不要とすることができる。
遊技機KA1又はKA2において、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に回転動作可能に構成され、前記第1状態において、前記変位手段からの荷重を前記回転軸へ向けさせる形状から構成されることを特徴とする遊技機KA3。
遊技機KA3によれば、遊技機KA1又はKA2の奏する効果に加え、変位手段からの荷重で第2手段の状態が変化される事態を回避し易くすることができる。
遊技機KA1からKA3のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記変位手段と前記第2手段との間に隙間を空ける第1連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機KA4。
遊技機KA4によれば、遊技機KA1からKA3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を第1状態から第2状態へ変化させる場合における変位手段と第2手段との間の動作抵抗を小さくすることができる。
遊技機KA1からKA4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記第2手段を前記変位手段に擦らせる第2連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機KA5。
遊技機KA5によれば、遊技機KA1からKA4のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の位置を基準にして変位手段の位置を特定することができるので、変位手段の変位開始位置を安定させることができる。
遊技機KA4又は遊技機KA5において、前記第1連動状態と前記第2連動状態とでは、前記第1手段の動作方向が反転されることを特徴とする遊技機KA6。
遊技機KA6によれば、遊技機KA4又は遊技機KA5の奏する効果に加え、第1手段の停止状態から、第1連動状態での連動が生じるのか、第2連動状態での連動が生じるのかを遊技者に分からせ難くすることができる。
遊技機KA1からKA6のいずれかにおいて、前記変位手段が前記第1位置に配置されている状態において前記第2手段が前記第1状態から前記第2状態へ変化された場合に、変位手段は、前記第1手段に支持されない状態での非支持変位を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機KA7。
遊技機KA7によれば、遊技機KA1からKA6のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に支持されていないことから第2手段との連動ではない動作態様で変位手段を動作させることができる。
遊技機KA7において、前記変位手段に前記非支持変位をさせる場合に、前記変位手段と前記第1手段との間を仕切るように配設される接触防止部を備えることを特徴とする遊技機KA8。
遊技機KA8によれば、遊技機KA7の奏する効果に加え、非支持変位において第1手段と変位手段とが誤って接触し、破損することを避けることができる。
遊技機KA1からKA8のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第1状態から前記第2状態に変化させる場合に、前記変化手段が重力方向に下降変位されることを特徴とする遊技機KA9。
遊技機KA9によれば、遊技機KA1からKA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段が第1状態から第2状態へ変化する際に、変化手段の変位に要する力を重力で補助させることができる。
遊技機KA1からKA9のいずれかにおいて、前記変位手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第1の比で変化させる第1変位量変化手段と、前記第2手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第2の比で変化させる第2変位量変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機KA10。
遊技機KA10によれば、遊技機KA1からKA9のいずれかにおいて、第1手段の変位に伴う変位手段の変位量と第2手段の変位量とを異ならせることができるので、連動の設計自由度を向上させることができる。
<付勢力での移動の停止位置が複数あるように構成>
移動可能な第1移動手段と、その第1移動手段の移動に連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2移動手段と、その第2移動手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けて付勢する付勢手段と、を備える遊技機において、前記第2移動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定位置に配置された場合の前記第1移動手段の移動を防止可能な防止手段を備えることを特徴とする遊技機KB1。
パチンコ機等の遊技機において、付勢力により液晶表示装置の前側に張り出す移動手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-240386号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の配置は、液晶表示装置の前側か、液晶表示装置の前側とは異なる位置かの2位置に限定されており、取り得る状態のバリエーションが少ないことから遊技者が飽きてしまう可能性があり、移動手段を利用した演出効果に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KF1によれば、防止手段が第1移動手段の移動を防止することにより、第2移動手段を第1位置と第2位置との間の所定位置で止めることができるので、第2移動手段の停止位置として、第1位置または第2位置の2種類だけでなく、所定位置も使うことができる。これにより、第2移動手段の取り得る状態のバリエーションを増やすことができ、第2移動手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機KB1において、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第1移動手段に伝達可能な伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持しながら所定範囲で動作可能に構成されることを特徴とする遊技機KB2。
遊技機KB2によれば、遊技機KB1の奏する効果に加え、所定範囲においては伝達手段の配置が定まっていなくても第2移動手段を所定位置に維持することができるので、駆動手段の制御を簡素化することができる。
遊技機KB2において、前記伝達手段は、駆動手段の駆動方向に因らず、前記所定範囲における動作が生じた場合に前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持させるように構成されることを特徴とする遊技機KB3。
遊技機KB3によれば、遊技機KB2の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力に沿う方向の動作か、付勢力に抗する方向の動作かによらず、第2移動手段を所定位置に維持し易くすることができる。これにより、第2移動手段を高速移動させた後に所定位置で急速停止させる動作態様を、動作方向に因らず、簡素な制御で実現可能とすることができる。
遊技機KB2又はKB3において、前記伝達手段は、前記第1移動手段側に配設される第1伝達手段と、前記駆動手段側に配設される第2伝達手段と、を備え、前記第2伝達手段は、前記第1伝達手段の凹設部に進入した状態において第1伝達手段の動作を停止させる動作停止手段を備え、前記遊技機は、前記動作停止手段の配置を検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機KB4。
遊技機KB4によれば、遊技機KB2又はKB3の奏する効果に加え、動作停止手段に複数の機能を兼用させることができ、動作停止手段の形状を簡素化させることができる。
遊技機KB4において、前記第2移動手段が所定位置に配置されるか否かで、前記検出手段の出力が切り替えられるよう構成されることを特徴とする遊技機KB5。
遊技機KB5によれば、遊技機KB4の奏する効果に加え、検出手段の出力から第2移動手段が所定位置に配置されているか否かを判定することができる。
遊技機KB1からKB5のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第1位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機KB6。
遊技機KB6によれば、遊技機KB1からKB5のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第1位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第1位置で停止させることができる。
遊技機KB1からKB6のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第2位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機KB7。
遊技機KB7によれば、遊技機KB1からKB6のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第2位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第2位置で停止させることができる。
遊技機KB1からKB7のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが平行となることを特徴とする遊技機KB8。
遊技機KB8によれば、遊技機KB1からKB7のいずれかの奏する効果に加え、所定位置に配置された第2移動手段への力の伝達効率を向上させることができる。
<スライド移動する部材のスライド開始時までの助走範囲を構成>
所定軸を中心に回転移動可能に支持される第1手段と、その第1手段の回転移動と連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2手段と、を備え、前記第2手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機KC1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動する第1手段と移動する第2手段とを備え、第1手段の周方向の力を第2手段に伝達させることで、第2手段を移動させる遊技機がある(例えば、特開2007-098027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第2手段としての扉部材に力を伝達させる第1手段としてのピニオンは、第2手段の配置に関係なく荷重を与えるものであり、扉部材および自身の慣性に打ち勝って回転するために必要な駆動力が大きいことから、駆動装置が励磁されてからピニオンの回転が開始されるまでの時間差が長くなり易いという問題点があった。即ち、第2手段の動作に改善の余地があるという問題点があった。
そのため、遊技機の演出に合わせたタイミングで駆動装置が励磁されても、ピニオン及び扉部材の動作タイミングが遅れることになるので、演出に合致しないタイミングでピニオン及び扉部材が動作することになり、演出効果が低下する可能性がある。即ち、上述した従来の遊技機では、第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KC1によれば、第2手段を第1位置から第2位置へ移動させる際に、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿うので、第1手段の回転の勢いを利用して第2手段の慣性に容易に打ち勝つことができ、第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の動作を改善することができ、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機KC1において、前記第1手段の移動方向が前記第2手段の移動方向に沿う場合に、前記第1手段の回転先端が前記所定軸よりも下側に位置するよう構成されることを特徴とする遊技機KC2。
遊技機KC2によれば、遊技機KC1の奏する効果に加え、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿う姿勢で第1手段を安定させ易くすることができる。
遊技機KC1又はKC2において、前記第1手段に所定方向で当接し得る当接手段を備え、前記第1手段が前記当接手段と当接し停止されることに基づいて、前記第2手段が前記第2位置に維持可能とされることを特徴とする遊技機KC3。
遊技機KC3によれば、遊技機KC1又はKC2の奏する効果に加え、第1手段が当接手段と当接し停止されることに基づいて、第2手段が第2位置に配置されることから、第2手段を係止する必要を無くすことができるので、第2手段を第2位置で停止させるために第2手段に大きな荷重がかけられるという事態を避けることができ、第2手段の破損を防止することができる。
遊技機KC3において、前記当接手段は、前記第1手段に回転方向から当接する面であって、前記第2手段の移動方向に対して傾斜する傾斜面として構成されることを特徴とする遊技機KC4。
遊技機KC4によれば、遊技機KC3の奏する効果に加え、傾斜面に第1手段が当接している状態で、第1手段に第2手段の移動方向の荷重が加えられた場合に、その荷重を、所定軸へ向かう方向と、第1手段の回転方向とに分散させることができる。これにより、所定軸が受ける荷重を低減することができる。
遊技機KC1からKC4のいずれかにおいて、前記第1手段が所定方向に回転動作され前記第2手段が前記第1位置から前記第2位置まで移動された後に継続される前記第1手段の回転動作により、前記第2手段が移動されないように構成されることを特徴とする遊技機KC5。
遊技機KC5によれば、遊技機KC1からKC4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転による第2手段の配置のずれを回避し易くすることができる。
遊技機KC1からKC5のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第2位置から前記第1位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機KC6。
遊技機KC6によれば、遊技機KC1からKC5のいずれかの奏する効果に加え、第1移動手段の移動方向に因らず第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機KC1からKC6のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量に比例して前記第2手段の移動方向で移動可能とされる第3手段を備えることを特徴とする遊技機KC7。
遊技機KC7によれば、遊技機KC1からKC6のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の移動を開始させる前に予め第1手段を回転させている状態において、第3手段を移動させることができるので、遊技機の演出効果を向上させることができる。
遊技機KC3からKC7のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量には、前記第3手段の移動が生じない程度の限界値が設定されており、前記第2手段が前記第2位置に到達してから前記第1手段が前記当接手段に当接するまでの回転量は、前記限界値以下となるように構成されることを特徴とする遊技機KC8。
遊技機KC8によれば、遊技機KC3からKC7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転により第3手段が位置ずれすることを回避することができる。
遊技機KC7又はKC8において、前記第2手段を移動させない範囲における前記第1手段の往復動作を可能に構成されることを特徴とする遊技機KC9。
遊技機KC9によれば、遊技機KC7又はKC8の奏する効果に加え、第2手段の移動が生じる場合に比較して、第3手段を抵抗少なく移動させることができる。
遊技機KC9において、前記第1手段への駆動力伝達が、第1手段の所定量の移動を待たずに停止されるよう制御されることを特徴とする遊技機KC10。
遊技機KC10によれば、遊技機KC9の奏する効果に加え、駆動力による勢いで移動した第1手段が、第2手段の慣性抵抗(静止摩擦)により停止されることになるので、第1手段の所定量の移動中において駆動力伝達を生じさせ続ける場合に比較して、第2手段の誤動作を回避し易くすることができる。
<球に対する光の見え方を演出に利用するように発光手段を配置する>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態を形成可能な形成手段と、光を照射可能な光照射手段と、を備え、前記入球領域へ向かう第1流下態様または前記入球領域へ向かわない第2流下態様で遊技球を流下させ得るよう構成され、遊技球が前記第1流下態様で流下している場合における前記光照射手段からの光の見え方と、遊技球が前記第2流下態様で流下している場合における前記光照射手段からの光の見え方とを異ならせるよう構成されることを特徴とする遊技機KD1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内可能な状態と案内不能な状態とを切り替える可動体よりも上流側の下側領域に光照射手段を配置し、発光演出を行う遊技機がある(例えば、特開2016-120220号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、光照射手段の上側に形成される坂の上を遊技球が流下するものであり、光照射手段からの光が照射される領域には遊技球が入り込まないよう構成されているので、遊技球が流下した場合に光の見え方が変化することは無く光照射手段の付近では遊技球が明るく見えるのだが、可動体と光照射手段との間に若干の距離があるために可動体側に光が届きにくく、可動体付近が暗く視認されてしまい、通常の注目力で行う遊技では入球領域に遊技球が入っているのかどうかが判別し難い。
そのため、遊技者に可動体付近を覗き込む遊技を強いることになり、遊技者の遊技負担を大きくさせ、興趣の向上を図れなくなる可能性があった。即ち、上述した従来の遊技機では、遊技者の興趣の向上の観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KD1によれば、遊技球が入球領域へ向かう第1流下態様で流下しているか、遊技球が入球領域へ向かわない第2流下態様で流下しているかによって、光照射手段からの光の見え方を異ならせるよう構成されているので、光照射手段からの光を視認することにより、遊技球が入球領域へ向かっているか否かを遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機KD1において、前記光照射手段は、前記第1流下態様で流下する遊技球に光が遮蔽されない位置に配置されることを特徴とする遊技機KD2。
遊技機KD2によれば、遊技機KD1の奏する効果に加え、遊技球が入球領域に入球を継続している場合においても、光照射手段からの光による演出効果を維持することができる。
遊技機KD1又はKD2において、前記光照射手段は、前記形成手段を光で照らす位置に配置されることを特徴とする遊技機KD3。
遊技機KD3によれば、遊技機KD1又はKD2の奏する効果に加え、形成手段の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
遊技機KD3において、前記形成手段よりも正面側に配置され遊技球の流下経路を覆う覆設手段を備え、前記覆設手段の正面側に描かれる形状は、前記形成手段の形状に沿う形状とされることを特徴とする遊技機KD4。
遊技機KD4によれば、遊技機KD1からKD3のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の視認性が向上されることに伴って、覆設手段の視認性を向上させることができる。即ち、形成手段を介して視認される光により覆設手段の正面側に描かれる形状を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機KD4において、前記覆設手段に描かれる前記形状は、後方を視認し易い第1視認部と、その視認容易部よりも視認性が劣る第2視認部とから形成され、前記第1視認部は、少なくとも前記第1流下態様における遊技球の流下経路の前方に形成され、前記形成手段を介して進行する光は、前記第1視認部を通過することを特徴とする遊技機KD5。
遊技機KD5によれば、遊技機KD4の奏する効果に加え、第1流下態様で流下する遊技球に対する注目力を向上させることができると共に、第1視認部を明るくすることで後方の視認性を向上させることができる。
遊技機KD1からKD5のいずれかにおいて、形成手段を支持する支持手段を備え、その支持手段は、形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能に形成される反射部を備えることを特徴とする遊技機KD6。
遊技機KD6によれば、遊技機KD1からKD5のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の色味が反射部を介しても視認されるように構成することができる。
遊技機KD6において、前記反射部は、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能とされ、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせない状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射不可能とされることを特徴とする遊技機KD7。
遊技機KD7によれば、遊技機KD6の奏する効果に加え、反射部の視認態様と、形成手段の状態とが対応づけられる。これにより、形成手段の状態の変化が分かり難い場合であっても、反射部を視認することで形成手段の状態を把握することができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
遊技機KD6又はKD7において、前記反射部は、遊技球の流下経路よりも上側に形成されることを特徴とする遊技機KD8。
遊技機KD8によれば、遊技機KD6又はKD7の奏する効果に加え、流下経路を流下する遊技機により反射部が隠される事態を回避し易くすることができる。
遊技機KD3からKD8のいずれかにおいて、前記覆設手段は、前記形成手段を背景として視認可能な位置に前記形成手段よりも小さな形状部を備えることを特徴とする遊技機KD9。
遊技機KD9によれば、遊技機KD3からKD8のいずれかの奏する効果に加え、形成手段を背景とした形状部の視認態様と、形成手段を背景としない形状部の視認態様とを異ならせることで、固定の覆設手段の見え方を変化させることができる。
遊技機KD9において、前記形状部が、前記形成手段の上流側位置に配置されることを特徴とする遊技機KD10。
遊技機KD10によれば、遊技機KD9の奏する効果に加え、形状部により注目させる箇所を形成手段の上流側位置とすることで、形状部付近で遊技者に視認された遊技球が入球領域に入球するまでの時間を長く確保することができる。これにより、遊技者に入球領域への入球を確認させる時間的余裕を与えることができる。
<化粧板の背後の変位手段の見え方が配置によって異なる>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる第1位置と遊技球を前記入球領域へ向かわせない第2位置とに変位可能な変位手段と、光透過性材料から形成され、所定方向視で前記変位手段の少なくとも一部と重なるよう配置される透過手段と、を備え、前記透過手段には所定の装飾が施され、前記変位手段が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって、前記所定方向視における前記変位手段と前記透過手段との重なる領域が変化し得ることを特徴とする遊技機KE1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域の正面側に覆設される化粧部材が可動とされ、その化粧部材を動かすことで入球領域付近の見え方を変化させる遊技機がある(例えば、特開2015-107293号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、化粧部材を動作させるための駆動手段や伝達機構が別途必要となることから、入球領域付近の領域が駆動手段や伝達機構により圧迫され易く、入球領域付近の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機KE1によれば、透過手段を通して変位手段が視認される構造において、変位手段の配置が変化することで透過手段と変位手段とが重なる領域が変化することから、透過手段を動作させなくても透過手段の所定の装飾を異なる態様で視認させることができる。これにより、駆動手段や伝達機構が配設されるスペースを空けることができ、入球領域付近の設計自由度を向上させることができる。
遊技機KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の背景とされることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機KE2。
遊技機KE2によれば、遊技機KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機KE1又はKE2において、前記所定の装飾は、前記入球領域と関連する形状とされることを特徴とする遊技機KE3。
遊技機KE3によれば、遊技機KE1又はKE2の奏する効果に加え、所定の装飾への注目を、入球領域への注目へと誘導させ易くすることができる。
遊技機KE1からKE3のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記所定方向視とは異なる方向視であって、前記所定の装飾と前記変位手段とが重ならない方向視において視認可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機KE4。
遊技機KE4によれば、遊技機KE1からKE3のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾における視認態様の変化を煩わしく感じる遊技者に対して、遊技負担を低減させることができる。
遊技機KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の後方から退避されることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機KE5。
遊技機KE5によれば、遊技機KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機KE1からKE5のいずれかにおいて、前記入球領域を複数備え、前記所定の装飾が、各入球領域に対応して複数設けられることを特徴とする遊技機KE6。
遊技機KE6によれば、遊技機KE1からKE5のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾を視認することで、複数の入球領域のどこに遊技球が案内されるのかを把握し易くすることができる。
遊技機KE6において、複数の前記所定の装飾は、異なる大きさで形成されることを特徴とする遊技機KE7。
遊技機KE7によれば、遊技機KE6の奏する効果に加え、所定の装飾による遊技球の入球先の判別をしやすくすることができる。また、複数の入球領域の利益差に応じて、所定の装飾の大小関係が設定されることで、遊技者に直感的に得られる利益を把握させることができる。
遊技機KE6又はKE7において、複数の前記所定の装飾は、一方の内部に他方が配置される態様で設けられることを特徴とする遊技機KE8。
遊技機KE8によれば、遊技機KE6又はKE7の奏する効果に加え、複数の所定の装飾に注目させる場合に、遊技者が目線を変えることを不要することができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機KE1からKE8のいずれかにおいて、前記透過手段は、前記変位手段の位置を合わせる位置合わせ部を備えることを特徴とする遊技機KE9。
遊技機KE9によれば、遊技機KE1からKE8のいずれかの奏する効果に加え、位置合わせ部により、変位手段が第1状態とされた場合における変位手段と所定の装飾との位置ずれを抑制することができる。
遊技機KE9において、前記位置合わせ部は、前記所定の装飾とは異なる位置に配設されることを特徴とする遊技機KE10。
遊技機KE10によれば、遊技機KE9の奏する効果に加え、所定の装飾の視認性を確保することができる。
<複数の層を組み合わせて一連の装飾となる構造>
第1の層に第1手段が配置可能とされ、所定方向視において前記第1の層の後方の第2の層に第2手段が配置可能とされる遊技機において、前記第2手段は、前記第1手段に対して独立して変位可能であり、前記所定方向視において所定領域に配置される前記第1手段および前記第2手段が、一連で視認され得ることを特徴とする遊技機KF1。
パチンコ機等の遊技機において、はさみの刃を模した形状から形成される第1手段および第2手段を備え、第1手段および第2手段により一連で視認される遊技機がある(例えば、特開2011-110255号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段および第2手段が互いに連動しているため、動作速度が遅くなり、第1手段および第2手段が液晶表示装置の外方に配置された状態から、第1手段および第2手段が液晶表示装置の前方に配置されて一連で視認させる状態に変化するまでに時間が長くかかることになり、演出の自由度が低くなる可能性があるという問題点があった。即ち、第1手段および第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KF1によれば、第1手段が、第2手段に対して独立して変位可能に構成されているので、第1手段の動作速度が第2手段の重さにより制限されることを避けることができ、第1手段および第2手段の動作の迅速化を図ることができ、第1手段および第2手段の演出効果を向上させることができる。なお、第1の層や第2の層は、表示装置の前方に配置される層でも良いし、表示装置の内部に設けられる層や、表示のレイヤーでも良い。
遊技機KF1において、前記第1手段が可動とされる状態と非可動とされる状態とを切替可能に構成されることを特徴とする遊技機KF2。
遊技機KF2によれば、遊技機KF1の奏する効果に加え、第1手段で動的に演出する状態と、第1手段を非可動として一連の形状に注目させる状態とを切り替えることができる。
遊技機KF1又はKF2において、前記第1手段が非可動とされる状態において前記第2手段が可動とされることを特徴とする遊技機KF3。
遊技機KF3によれば、遊技機KF1又はKF2の奏する効果に加え、第2手段についても第1手段に独立して変位可能とされることから、動作演出のバリエーションを増加させることができる。
遊技機KF1からKF3のいずれかにおいて、前記第1手段は、動作手段と被動作手段とを備え、動作手段の変位が、被動作手段の状態に対応して生じるよう構成されることを特徴とする遊技機KF4。
遊技機KF4によれば、遊技機KF1からKF3のいずれかの奏する効果に加え、動作手段と被動作手段とが独立動作する場合のように互いに衝突することを防止することができる。
遊技機KF1からKF4のいずれかにおいて、前記第1手段と前記第2手段とが一連で視認されない状態から、前記第1手段と前記第2手段とが移動することで互いに近づいた近接状態において一連で視認されることを特徴とする遊技機KF5。
遊技機KF5によれば、遊技機KF1からKF4のいずれかの奏する効果に加え、一連で視認される範囲を狭めることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機KF1からKF5のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段は、前記所定領域で動作が停止され、前記所定領域以外の領域では動作が継続され得ることを特徴とする遊技機KF6。
遊技機KF6によれば、遊技機KF1からKF5のいずれかの奏する効果に加え、所定領域において一連で視認される場合以外における第1手段または第2手段の視認態様を継続動作により変化させることができるので、一連で視認される態様への注目力を向上させることができる。
遊技機KF1からKF6のいずれかにおいて、前記第1手段で囲われる領域に前記第2手段が配置され、前記第2手段の発光態様に対応して、前記第1手段の発光態様が変化されることを特徴とする遊技機KF7。
遊技機KF7によれば、遊技機KF1からKF6のいずれかの奏する効果に加え、発光態様を対応させることにより第1手段および第2手段による演出効果を向上させることができる。
遊技機KF1からKF7のいずれかにおいて、前記所定方向視において前記第1手段または前記第2手段と重なり得る位置に表示領域を有する表示装置を備え、前記表示領域からの光が、前記第1手段または前記第2手段に対応する領域で照らされることを特徴とする遊技機KF8。
遊技機KF8によれば、遊技機KF1からKF7のいずれかの奏する効果に加え、表示装置の表示領域からの光により第1手段または第2手段を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機KF8において、前記表示領域からの光の態様が、前記第1手段または前記第2手段の変位中と、前記第1手段または前記第2手段の非変位中とで変化可能とされることを特徴とする遊技機KF9。
遊技機KF9によれば、遊技機KF8の奏する効果に加え、第1手段または第2手段の見せ方を、変位中と非変位中とで異ならせることができるので、一連で視認させる状態と、それ以外の状態とで、第1手段または第2手段の見せ方にバリエーションを設けることができる。
遊技機KF8又はKF9において、前記表示領域で、前記第1手段または前記第2手段の視認態様に対応した表示がされることを特徴とする遊技機KF10。
遊技機KF10によれば、遊技機KF8又はKF9の奏する効果に加え、第1手段または第2手段が透過性材料で構成されている場合に、表示領域における表示と第1手段または第2手段自体の装飾とが組み合わされた視認態様で視認させることができる。
また、第1手段または第2手段に動作不良が生じた場合であっても、表示領域における表示を第1手段または第2手段に代替させることができ、演出効果の低下を最小限に留めることができる。
<ベース板の裏側に基板を配置>
正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置されることを特徴とする遊技機KG1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(例えば、特開2006-333887号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、限られた発光手段で遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材の広い範囲を明るく照らすために、発光基板を遊技盤からある程度離して配設する必要があるため、そのためのスペースを遊技盤の背面側に確保する必要がある一方で、発光基板と遊技盤との間に演出用の可動役物を配設してしまうと、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材に可動役物の影が映ることで暗くなってしまうため、この観点からは発光手段を遊技盤側に寄せて可動役物の配設スペースを作りたいという、相反する課題があった。即ち、光照射手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KG1によれば、光照射手段からの光は遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で遊技盤に進入し得る位置に配置されることから、遊技盤の厚さ幅の内側で光の照射範囲を拡げられ、光により照らす面積を増大させることができることから遊技盤を明るく視認させることができると共に、光照射手段を遊技盤の後方に離して配置する必要がないので、遊技盤の背面側に可動役物の配設スペースを十分確保することができる。即ち、光照射手段の配置を改善することができる。
遊技機KG1において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設されることを特徴とする遊技機KG2。
遊技機KG2によれば、遊技機KG1の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
遊技機KG1又はKG2において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置されることを特徴とする遊技機KG3。
遊技機KG3によれば、遊技機KG1又はKG2の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤の厚み寸法内に収めることができるので、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
遊技機KG1からKG3のいずれかにおいて、前記遊技盤は、背面側面に前記光照射手段からの光を正面側へ向けさせるための変化部を備えることを特徴とする遊技機KG4。
遊技機KG4によれば、遊技機KG1からKG3のいずれかの奏する効果に加え、変化部の配置により正面視における光の見え方を容易に設計することができる。
遊技機KG4において、前記遊技盤は、前記変化部にシボ加工が形成されることを特徴とする遊技機KG5。
遊技機KG5によれば、遊技機KG4の奏する効果に加え、変化部で光を拡散させることができ、変化部を明るく視認させるためのLED等の光照射部の個数を削減させることができる。
遊技機KG4又はKG5において、前記変化部は、前記光照射手段から所定の光軸で発射される光が到達し得る複数位置に形成されることを特徴とする遊技機KG6。
遊技機KG6によれば、遊技機KG4又はKG5の奏する効果に加え、所定の光軸で発射される光により変化部が明るく視認される範囲を広げることができる。
遊技機KG4からKG6のいずれかにおいて、前記変化部は、前記遊技盤の内側の開口部の縁部に周状に形成されることを特徴とする遊技機KG7。
遊技機KG7によれば、遊技機KG4からKG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤の内側の開口部の縁部を略円環状に照らすことができる。これにより、開口部内側に配置される表示装置への視線誘導をし易くすることができる。
遊技機KG7において、前記変化部は、前記開口部の縁部前端よりも縁部後端の方が開口が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機KG8。
遊技機KG8によれば、遊技機KG7の奏する効果に加え、開口部の縁部前端を基準として遊技盤にセンターフレームを配設することができ、変化部を介する光によりセンターフレームを明るく照らすことができる。
遊技機KG1からKG8のいずれかにおいて、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光の進行方向が正面側へ向けられるまでの間、その光は前記遊技盤の厚み寸法内を進行することを特徴とする遊技機KG9。
遊技機KG9によれば、遊技機KG1からKG8のいずれかの奏する効果に加え、正面側へ向けられる前の光が遊技領域内を進行する場合と異なり、遊技領域を流下する球に光が遮られることを回避することができる。
遊技機KG9において、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光は、前記遊技領域に配設される入球領域に入球した遊技球の通過経路を通過可能に構成されることを特徴とする遊技機KG10。
遊技機KG10によれば、遊技機KG9の奏する効果に加え、光照射手段から進入した光が遮蔽された場合と、遊技球が入球領域に入球したこととを対応付けることができるので、光照射手段から照射される光に対する注目力を向上させることができる。
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF10及びKG1からKG10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF10及びKG1からKG10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF10及びKG1からKG10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
16 ガラスユニット(前側面構成手段)
81 第3図柄表示装置(表示装置)
A60 ベース板(流下手段)
A400 第1動作ユニット(演出手段)
A400b 回転動作ユニット(変位手段)
A414 案内長孔(度合い変化手段、態様変化手段の一部)
A423a ベルト(無端ベルト)
A427 連結機構(当接部)
A430 基礎板部材(軸側手段、変位手段)
A440 移動部材(構成手段の一部、第1構成手段、相対変位手段の一部)
A444 機能長孔(態様変化手段の一部)
A448 柱状突設部(配置部)
A449 配線(電気配線)
A450 方向切替部材(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A460 装飾部材(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A500 第2動作ユニット(演出手段)
A500b 回転動作ユニット(変位手段)
A514 案内長孔(度合い変化手段、態様変化手段の一部)
A523a ベルト(無端ベルト)
A527 連結機構(配置部)
A530 基礎部材(軸側手段、変位手段)
A533 機能長孔(態様変化手段の一部)
A540 移動部材(構成手段の一部、第1構成手段、相対変位手段の一部)
A546 柱状突設部(当接部)
A550 方向切替手段(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A560 変化部材(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A662 回転板部材(変位手段)
A674 円弧状貫通孔(態様変化手段の一部)
A710 枠状部材(押圧手段の一部)
A720 発光基板(第1手段)
A724 正面発光部(第1発光手段、複数の発光部)
A725 背面発光部(第2発光手段、複数の発光部)
A730 前側板部材(第1受光手段)
A740 後側板部材(第2受光手段)
A750 前カバー部材(押圧手段の一部、支持手段)
A753 締結部(第1突設部)
A754 円柱状締結部(第2突設部)
A803z 前側部材(正面側手段)
A806 視認態様変化シート(方向選択手段)
A820 正面発光基板(第1手段の一部、板状部材)
A830 背面発光基板(第1手段の一部、板状部材)
A4920 導光変位部材(方向選択手段の一部、板状手段)
A4930 覆設部材(方向選択手段の一部、板状手段)
A4933a 発光手段(光照射手段)
AJ1 回転軸棒(回転軸)
AJ2 回転軸棒(回転軸)
AMT1 駆動モータ(駆動手段)
AMT2 駆動モータ(駆動手段)
AMT4 駆動モータ(駆動手段)
ASE1 検出センサ(検出手段)
ATL1 左側流路(第1の流路)
ATL2 右側流路(第2の流路)
W10 パチンコ機(遊技機)
W200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200 ボックスカバー(第1部材、第2部材)
Wj214a 背面壁部(遮蔽手段)
Wj214b 規制壁部(抑制手段)
W220 平面部(被当接部)
W223 両端壁部(当接部)
W224a,W224b 凹部
Wj250 第2規制部(規制手段)
W300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300 ボックスベース(第1部材、第2部材)
Wk312f 係止部(規制手段)
W320,We320 平面部(被当接部)
W321 両端壁部(当接部)
W5326,W6326 凹部
W500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500 保護カバー(係合部材)
W501 下壁部(当接部)
W502 左壁部(本体部)
W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510 背面壁部(本体部)
W510 背面壁部(当接部)
W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520 正面壁部(本体部)
W520 正面壁部(当接部)
W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a 係合部
W530a 係合部(第1係合部、第2係合部)
W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530b 係合部(第1部分、第2部分)
W530b 係合部(第1係合部、第2係合部)
W530b1 係合部(第2係合部)
W530b2 係合部(第1係合部)
W531a,We531a,Wf531a 連結片(連結部)
We531a 連結片(変更手段、当接部、連結部、一側連結部、他側連結部)
W531b,W2531b,W3531b,W8531b,W9531b,Ww531b,Wx531b 連結片(連結部)
W9531b1 第1部(第2部分)
W9531b2 第2部(第1部分)
W4534,W5534,Wq534,Wu534,Wv534 突起(突部)
Wd540 立設部(規定部)
Wa550,Wb550,Wy550 切断部(変更手段)
Wb560,Wd560 ガイド部(当接部)
Wo580 抜け止めピン(取付部材)
Wo583 係止部(突部)
WSL 封印シール(配設部材)
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(遊技盤本体)
60 ベース板(遊技領域構成手段の一部)
67 普通入賞口(検出手段、第2検出手段)
112a 球発射ユニット(遊技球発射装置)
640 第2入賞口(第2入球口)
640a 電動役物(動作手段)
643 右側案内部(第1動作部、第1流下位置)
645 左側案内部(第2動作部、第2流下位置)
700 経路構成装置(遊技領域構成手段の一部)
734 第1球送球部(零れ防止手段)
736a 球通過孔(被案内入球口)
740 屈曲部材(案内手段の一部)
750 介設部材(案内手段の一部)
760 振分け部材(案内手段の一部)
765 普通入賞口(検出手段、第1検出手段)
930 入賞口ユニット(遊技領域構成手段の一部)
945 羽部材(移動手段、動作手段)
945e 板状部(動作手段の一部、第1流下位置)
945m 羽状本体(動作手段の一部、第2流下位置)
980 振分ユニット(遊技領域構成手段の一部、構成手段の一部)
3765 普通入賞口(検出手段、第2検出手段)
BK3 第3分岐通路(第2経路の一部)
SE3 検出装置(第1入球口)
SE4,SE5 検出装置(検出手段)
SE6 検出装置(第2入球口)
TR1 第1通路(第1経路の一部)
TR2 第2通路(第1経路の一部)
B10 パチンコ機(遊技機)
B13 遊技盤(遊技盤)
B22 枠ボタン(操作手段の一部)
B64b 第3入賞口(検出手段、第2検出手段、第1検出手段)
B66,B67 スルーゲート(開閉抽選入球口)
B81 第3図柄表示装置(演出実行手段の一部、報知手段の一部、変更手段の一部、演出切替手段の一部、操作報知手段の一部、表示手段)
B113 音声ランプ制御装置(演出実行手段の一部、報知手段の一部、変更手段の一部、演出切替手段の一部、操作報知手段の一部)
B410 板部材(入球制限手段の一部)
B413 中央開口部(入球領域の一部、下流側領域の一部、分岐位置の一部(第2位置)の後方に配置)
B414 球通過開口(入球領域の一部)
B420 前意匠部材(防止手段の一部)
B422 接合部(案内手段の一部、防止手段)
B423 仕切り板(案内手段の一部、防止手段)
B428 球案内突条(下流側領域の一部)
B430 中段部材(流下経路制限手段の一部)
B431 中央流路(案内手段の一部、中間部、流下手段の一部、非分岐位置の一部、案内経路の一部、所定部)
B440 上段部材(流下経路制限手段の一部)
B450 スライド部材(案内手段の一部、流下手段の一部、切替手段の一部、第1可動部)
B451 先端部(所定部、第1部)
B452 左案内板部(所定手段の一部、非分岐位置の一部)
B452a 傾斜面部(接近手段、重なり部、傾斜部)
B453 右案内板部(所定手段の一部、非分岐位置の一部)
B453a 傾斜面部(接近手段、重なり部、傾斜部)
B470 傾倒部材(案内手段の一部、下流側部、分岐位置の一部(第2位置)に配置、第2部、第2可動部)
B640 第2入賞口(検出手段、第1検出手段、第2検出手段)
B640a 電動役物(案内手段の一部、切替手段の一部)
B700a 第2特定入賞口(流下領域、案内球選択手段の一部)
B715 貯留板部(下流側領域の一部、第1流下領域の一部、案内球選択手段の一部、滞留手段の一部)
B730 移動上蓋部材(開閉手段)
B740 移動床部材(滞留手段の一部、状態切替手段、当接可能手段)
B751 開口部(第2流下領域、案内球選択手段の一部)
B782 球抜き開口(第1流下領域の一部)
B810 特定表示(所定の表示演出の一部)
B811 時間表示(報知手段の一部、時間報知手段)
B812 終端位置(報知手段の一部、終了手段)
B813 枠ボタン表示(操作報知手段の一部)
B815 注意コメント表示(付属報知手段の一部)
B819 第2注意コメント表示(付属報知手段の一部)
BB3 球配置(分岐位置の一部、第1位置)
BDR1 経路(流下領域の一部)
B2458a 球干渉突設部(減速手段)
B2458b 球干渉突設部(減速手段)
B5770 切替装置(変位手段)
B5772 球受凹部(球受部)
B6811 発射時間表示(疑似時間報知手段)
B6822 目標示唆表示(示唆表示の一部)
B6841 遊技準備示唆表示(示唆表示の一部)
B7817 過去光量表示(差分報知手段)
B7818 過去音量表示(差分報知手段)
C13 遊技盤
C60 ベース板(遊技盤)
C60a 開口
C122,C2122,C4122 下側底面部(往復面、第1の通路)
C122a 流出面(流出部)
C123a,C4123a 切り欠き部(流入部)
C130,C2130 背面部材(ベース部材)
C140,C2140 第1中間部材(ベース部材)
C142,C2142 底面部(上流面、第2の通路)
C144,C2144 通路部(第1の通路)
C170,C2170,C3170 振分部材(変位部材、本体部)
C172,C2172 受入部(第1面)
C172b,C2172b 底面部(第1面)
C173,C2173 転動部(第2面)
C2174 軸
C190 装飾部材(錘部)
C192 軸
C2300 磁石(吸着部材)
C2400,C5400 磁性部(吸着部材、下面形成部材)
COPin,COP2000in 受入口(流入部)
CRt2 第2通路(第1の通路)
CRt3 第3通路(第2の通路)
CRt4 第4通路(第1の通路)
CRt5 第5通路(第2の通路)
CRt2001 第1通路(第1の通路)
CRt2002 第2通路(第2の通路)
CRt2003 第3通路(第1の通路)
CRt2004 第4通路(第2の通路)
CRt2005 第5通路(第2の通路)
CB1 球(第1の球)
CB2 球(第2の球)
D13 遊技盤(遊技機)
D131f 突部(作用手段、突部)
D131fa 第2突部(落下手段)
D141g 突部(作用手段、突部)
D170,D3170,D8170 転動部材
D180 変位部材
D190,D2190,D3190,D5190,D7190 伝達部材(伝達手段)
D4220 第2転動部材(転動部材)
DRt3 第3通路(上流通路)
DRt6 第6通路(通路)
DRt9 第9通路(落下通路)
E135b 中央通路(入球手段)
E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E133150,E14150,E15150 振分通路(通路部材、第1通路部材)
E2150,E3150,E11150 振分通路(通路部材)
E4150,E16150 第2振分通路(通路部材、第2通路部材)
E5150,E17150 第3振分通路(通路部材、第2通路部材)
E151,E12151,E13151,E14151,E15151 突起部(付与手段、突部、変化手段、変位手段)
E2151,E3151 転動面(転動部)
E160 中央通路(入球手段)
E190,E4190,E5190 駆動手段(変化手段、変位手段、第2変位手段)
E2190 弾性ばね(変位手段)
E196,E196a ピニオンギヤ(変位手段)
E196b,E196c ピニオンギヤ(第2変位手段)
E5196 第2ピニオンギヤ(第2変位手段)
F130 変位部材(第1変位手段)
F131b 転動面(第2転動部)
F131c 凹部(遅延手段、第1転動部)
F131d 第3通路貫通孔(開口)
F143 開閉部材(第2変位手段)
F143L 左側開閉部材(第2変位手段)
F143R 右側開閉部材(第2変位手段)
F144 スライド部材(伝達手段)
F145 連結部材(伝達手段)
F5121 第2通路部(流下部)
F5123 第2通路壁部(第2規制手段)
F5125 第3通路壁部(第2規制手段)
F5154 振り分け部材(抑制手段)
F5154c 振り分け部(抑制手段、第1規制手段)
F5155 変位部材(第1変位手段、第1手段)
F5155L 左側変位部材(第1変位手段、第1手段)
F5155R 右側変位部材(第1変位手段、第2手段)
F5155d1 凹部(遅延手段、第1転動部)
F5155d2 貫通孔(開口)
F5155e 保持部(第2転動部、転動部、保持手段)
F5157 スライド部材(伝達手段)
F5158 開閉部材(第2変位手段)
F5158a 遮断部(第3手段)
F5158L 左側開閉部材(第2変位手段)
F5158R 右側開閉部材(第2変位手段)
F5162 通路部材(解除手段)
F5163 係合部材(維持手段)
F6112 下側通路(経路)
F6114 上側通路(経路)
F6114 上側通路(経路、傾斜部)
F6114c 第1傾斜部(傾斜部)
F6114d 第2傾斜部(傾斜部)
F6160 第1通路部材(形成手段)
F6162 凹部(形成手段)
F6174 変位通路部材(第1変位手段)
F6173 変位部材(第2変位手段、変化手段)
F6173b1 湾曲面(案内部)
F6175 連結部材(伝達手段)
F7181 第2変位通路部材(第1変位手段)
F11001 センサ(変化手段)
F11002 ソレノイド(変化手段)
F11003a 第1領域(第1位置)
F11003b 第2領域(第2位置)
FOPf1,FOPf51,FOPf61 流入口(被流入部)
FRt3 第3通路(第1転動部、第2転動部)
FRt52 第2通路(流下部、経路)
FRt63 第3通路(経路、傾斜部)
K10 パチンコ機(遊技機)
K13 遊技盤
K60 ベース板(遊技盤)
K60a 第1形成凹部(凹設部の一部)
K60b 第2形成凹部(凹設部の一部)
K60c 第3形成凹部(凹設部の一部)
K60d 第4形成凹部(凹設部の一部)
K63 一般入賞口(入球領域の一部)
K65a 第1特定入賞口(入球領域の一部)
K81 第3図柄表示装置(表示装置)
K201 ベース部材(支持手段)
K207a 上縁部(反射部)
K212 発光部(光照射手段)
K220 化粧カバー(覆設手段、透過手段)
K221a 大形意匠(所定の装飾の一部)
K221b 小形意匠(所定の装飾の一部)
K224 傾斜形成部(位置合わせ部)
K251 可動板(形成手段の一部、変位手段の一部)
K400 前層側可動装置(第1手段の一部)
K430 回転部材(第1手段)
K444 突設部(接触防止部)
K470 状態変化装置(変化手段)
K476 上側回転部材(第2手段)
K500 昇降装置(変位手段、動作手段)
K640a 電動役物(形成手段の一部、変位手段の一部)
K640 第2入賞口(入球領域の一部)
K701 第2可動手段(被動作手段)
K716 検出センサ(検出手段)
K730 伝達装置(伝達手段)
K731 駆動側二層ギア(第2伝達手段)
K732 円弧状部(防止手段、動作停止手段)
K733 伝達側二層ギア(第1伝達手段)
K735 アーム部材(第1移動手段)
K760 主装飾部材(第2移動手段)
K800 後層側可動装置(第2手段)
K820 中側開閉部材(第3手段)
K830 前側開閉部材(第2手段)
K867 傾斜形成部(当接手段)
K874 延設回転部材(第1手段)
K900 表示ランプ(第1手段の一部)
K2060 ベース板(遊技盤)
K2060e 外形傾斜部(変化部)
K2060w 傾斜開口部(変化部)
K2100 光照射装置(光照射手段)
K3100 光照射装置(光照射手段)
KMT71 駆動モータ(駆動手段)
KSP74 コイルスプリング(付勢手段)
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF10及びKG1からKG10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2006-333887号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、光照射手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、光照射手段の配置を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置される。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設される。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、光照射手段の配置を改善できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
<符号>
10 パチンコ機(遊技機)
16 ガラスユニット(前側面構成手段)
81 第3図柄表示装置(表示装置)
A60 ベース板(流下手段)
A400 第1動作ユニット(演出手段)
A400b 回転動作ユニット(変位手段)
A414 案内長孔(度合い変化手段、態様変化手段の一部)
A423a ベルト(無端ベルト)
A427 連結機構(当接部)
A430 基礎板部材(軸側手段、変位手段)
A440 移動部材(構成手段の一部、第1構成手段、相対変位手段の一部)
A444 機能長孔(態様変化手段の一部)
A448 柱状突設部(配置部)
A449 配線(電気配線)
A450 方向切替部材(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A460 装飾部材(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A500 第2動作ユニット(演出手段)
A500b 回転動作ユニット(変位手段)
A514 案内長孔(度合い変化手段、態様変化手段の一部)
A523a ベルト(無端ベルト)
A527 連結機構(配置部)
A530 基礎部材(軸側手段、変位手段)
A533 機能長孔(態様変化手段の一部)
A540 移動部材(構成手段の一部、第1構成手段、相対変位手段の一部)
A546 柱状突設部(当接部)
A550 方向切替手段(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A560 変化部材(構成手段の一部、第2構成手段、相対変位手段の一部)
A662 回転板部材(変位手段)
A674 円弧状貫通孔(態様変化手段の一部)
A710 枠状部材(押圧手段の一部)
A720 発光基板(第1手段)
A724 正面発光部(第1発光手段、複数の発光部)
A725 背面発光部(第2発光手段、複数の発光部)
A730 前側板部材(第1受光手段)
A740 後側板部材(第2受光手段)
A750 前カバー部材(押圧手段の一部、支持手段)
A753 締結部(第1突設部)
A754 円柱状締結部(第2突設部)
A803z 前側部材(正面側手段)
A806 視認態様変化シート(方向選択手段)
A820 正面発光基板(第1手段の一部、板状部材)
A830 背面発光基板(第1手段の一部、板状部材)
A4920 導光変位部材(方向選択手段の一部、板状手段)
A4930 覆設部材(方向選択手段の一部、板状手段)
A4933a 発光手段(光照射手段)
AJ1 回転軸棒(回転軸)
AJ2 回転軸棒(回転軸)
AMT1 駆動モータ(駆動手段)
AMT2 駆動モータ(駆動手段)
AMT4 駆動モータ(駆動手段)
ASE1 検出センサ(検出手段)
ATL1 左側流路(第1の流路)
ATL2 右側流路(第2の流路)
W10 パチンコ機(遊技機)
W200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200 ボックスカバー(第1部材、第2部材)
Wj214a 背面壁部(遮蔽手段)
Wj214b 規制壁部(抑制手段)
W220 平面部(被当接部)
W223 両端壁部(当接部)
W224a,W224b 凹部
Wj250 第2規制部(規制手段)
W300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300 ボックスベース(第1部材、第2部材)
Wk312f 係止部(規制手段)
W320,We320 平面部(被当接部)
W321 両端壁部(当接部)
W5326,W6326 凹部
W500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500 保護カバー(係合部材)
W501 下壁部(当接部)
W502 左壁部(本体部)
W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510 背面壁部(本体部)
W510 背面壁部(当接部)
W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520 正面壁部(本体部)
W520 正面壁部(当接部)
W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a 係合部
W530a 係合部(第1係合部、第2係合部)
W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530b 係合部(第1部分、第2部分)
W530b 係合部(第1係合部、第2係合部)
W530b1 係合部(第2係合部)
W530b2 係合部(第1係合部)
W531a,We531a,Wf531a 連結片(連結部)
We531a 連結片(変更手段、当接部、連結部、一側連結部、他側連結部)
W531b,W2531b,W3531b,W8531b,W9531b,Ww531b,Wx531b 連結片(連結部)
W9531b1 第1部(第2部分)
W9531b2 第2部(第1部分)
W4534,W5534,Wq534,Wu534,Wv534 突起(突部)
Wd540 立設部(規定部)
Wa550,Wb550,Wy550 切断部(変更手段)
Wb560,Wd560 ガイド部(当接部)
Wo580 抜け止めピン(取付部材)
Wo583 係止部(突部)
WSL 封印シール(配設部材)
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(遊技盤本体)
60 ベース板(遊技領域構成手段の一部)
67 普通入賞口(検出手段、第2検出手段)
112a 球発射ユニット(遊技球発射装置)
640 第2入賞口(第2入球口)
640a 電動役物(動作手段)
643 右側案内部(第1動作部、第1流下位置)
645 左側案内部(第2動作部、第2流下位置)
700 経路構成装置(遊技領域構成手段の一部)
734 第1球送球部(零れ防止手段)
736a 球通過孔(被案内入球口)
740 屈曲部材(案内手段の一部)
750 介設部材(案内手段の一部)
760 振分け部材(案内手段の一部)
765 普通入賞口(検出手段、第1検出手段)
930 入賞口ユニット(遊技領域構成手段の一部)
945 羽部材(移動手段、動作手段)
945e 板状部(動作手段の一部、第1流下位置)
945m 羽状本体(動作手段の一部、第2流下位置)
980 振分ユニット(遊技領域構成手段の一部、構成手段の一部)
3765 普通入賞口(検出手段、第2検出手段)
BK3 第3分岐通路(第2経路の一部)
SE3 検出装置(第1入球口)
SE4,SE5 検出装置(検出手段)
SE6 検出装置(第2入球口)
TR1 第1通路(第1経路の一部)
TR2 第2通路(第1経路の一部)
B10 パチンコ機(遊技機)
B13 遊技盤(遊技盤)
B22 枠ボタン(操作手段の一部)
B64b 第3入賞口(検出手段、第2検出手段、第1検出手段)
B66,B67 スルーゲート(開閉抽選入球口)
B81 第3図柄表示装置(演出実行手段の一部、報知手段の一部、変更手段の一部、演出切替手段の一部、操作報知手段の一部、表示手段)
B113 音声ランプ制御装置(演出実行手段の一部、報知手段の一部、変更手段の一部、演出切替手段の一部、操作報知手段の一部)
B410 板部材(入球制限手段の一部)
B413 中央開口部(入球領域の一部、下流側領域の一部、分岐位置の一部(第2位置)の後方に配置)
B414 球通過開口(入球領域の一部)
B420 前意匠部材(防止手段の一部)
B422 接合部(案内手段の一部、防止手段)
B423 仕切り板(案内手段の一部、防止手段)
B428 球案内突条(下流側領域の一部)
B430 中段部材(流下経路制限手段の一部)
B431 中央流路(案内手段の一部、中間部、流下手段の一部、非分岐位置の一部、案内経路の一部、所定部)
B440 上段部材(流下経路制限手段の一部)
B450 スライド部材(案内手段の一部、流下手段の一部、切替手段の一部、第1可動部)
B451 先端部(所定部、第1部)
B452 左案内板部(所定手段の一部、非分岐位置の一部)
B452a 傾斜面部(接近手段、重なり部、傾斜部)
B453 右案内板部(所定手段の一部、非分岐位置の一部)
B453a 傾斜面部(接近手段、重なり部、傾斜部)
B470 傾倒部材(案内手段の一部、下流側部、分岐位置の一部(第2位置)に配置、第2部、第2可動部)
B640 第2入賞口(検出手段、第1検出手段、第2検出手段)
B640a 電動役物(案内手段の一部、切替手段の一部)
B700a 第2特定入賞口(流下領域、案内球選択手段の一部)
B715 貯留板部(下流側領域の一部、第1流下領域の一部、案内球選択手段の一部、滞留手段の一部)
B730 移動上蓋部材(開閉手段)
B740 移動床部材(滞留手段の一部、状態切替手段、当接可能手段)
B751 開口部(第2流下領域、案内球選択手段の一部)
B782 球抜き開口(第1流下領域の一部)
B810 特定表示(所定の表示演出の一部)
B811 時間表示(報知手段の一部、時間報知手段)
B812 終端位置(報知手段の一部、終了手段)
B813 枠ボタン表示(操作報知手段の一部)
B815 注意コメント表示(付属報知手段の一部)
B819 第2注意コメント表示(付属報知手段の一部)
BB3 球配置(分岐位置の一部、第1位置)
BDR1 経路(流下領域の一部)
B2458a 球干渉突設部(減速手段)
B2458b 球干渉突設部(減速手段)
B5770 切替装置(変位手段)
B5772 球受凹部(球受部)
B6811 発射時間表示(疑似時間報知手段)
B6822 目標示唆表示(示唆表示の一部)
B6841 遊技準備示唆表示(示唆表示の一部)
B7817 過去光量表示(差分報知手段)
B7818 過去音量表示(差分報知手段)
C13 遊技盤
C60 ベース板(遊技盤)
C60a 開口
C122,C2122,C4122 下側底面部(往復面、第1の通路)
C122a 流出面(流出部)
C123a,C4123a 切り欠き部(流入部)
C130,C2130 背面部材(ベース部材)
C140,C2140 第1中間部材(ベース部材)
C142,C2142 底面部(上流面、第2の通路)
C144,C2144 通路部(第1の通路)
C170,C2170,C3170 振分部材(変位部材、本体部)
C172,C2172 受入部(第1面)
C172b,C2172b 底面部(第1面)
C173,C2173 転動部(第2面)
C2174 軸
C190 装飾部材(錘部)
C192 軸
C2300 磁石(吸着部材)
C2400,C5400 磁性部(吸着部材、下面形成部材)
COPin,COP2000in 受入口(流入部)
CRt2 第2通路(第1の通路)
CRt3 第3通路(第2の通路)
CRt4 第4通路(第1の通路)
CRt5 第5通路(第2の通路)
CRt2001 第1通路(第1の通路)
CRt2002 第2通路(第2の通路)
CRt2003 第3通路(第1の通路)
CRt2004 第4通路(第2の通路)
CRt2005 第5通路(第2の通路)
CB1 球(第1の球)
CB2 球(第2の球)
D13 遊技盤(遊技機)
D131f 突部(作用手段、突部)
D131fa 第2突部(落下手段)
D141g 突部(作用手段、突部)
D170,D3170,D8170 転動部材
D180 変位部材
D190,D2190,D3190,D5190,D7190 伝達部材(伝達手段)
D4220 第2転動部材(転動部材)
DRt3 第3通路(上流通路)
DRt6 第6通路(通路)
DRt9 第9通路(落下通路)
E135b 中央通路(入球手段)
E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E133150,E14150,E15150 振分通路(通路部材、第1通路部材)
E2150,E3150,E11150 振分通路(通路部材)
E4150,E16150 第2振分通路(通路部材、第2通路部材)
E5150,E17150 第3振分通路(通路部材、第2通路部材)
E151,E12151,E13151,E14151,E15151 突起部(付与手段、突部、変化手段、変位手段)
E2151,E3151 転動面(転動部)
E160 中央通路(入球手段)
E190,E4190,E5190 駆動手段(変化手段、変位手段、第2変位手段)
E2190 弾性ばね(変位手段)
E196,E196a ピニオンギヤ(変位手段)
E196b,E196c ピニオンギヤ(第2変位手段)
E5196 第2ピニオンギヤ(第2変位手段)
F130 変位部材(第1変位手段)
F131b 転動面(第2転動部)
F131c 凹部(遅延手段、第1転動部)
F131d 第3通路貫通孔(開口)
F143 開閉部材(第2変位手段)
F143L 左側開閉部材(第2変位手段)
F143R 右側開閉部材(第2変位手段)
F144 スライド部材(伝達手段)
F145 連結部材(伝達手段)
F5121 第2通路部(流下部)
F5123 第2通路壁部(第2規制手段)
F5125 第3通路壁部(第2規制手段)
F5154 振り分け部材(抑制手段)
F5154c 振り分け部(抑制手段、第1規制手段)
F5155 変位部材(第1変位手段、第1手段)
F5155L 左側変位部材(第1変位手段、第1手段)
F5155R 右側変位部材(第1変位手段、第2手段)
F5155d1 凹部(遅延手段、第1転動部)
F5155d2 貫通孔(開口)
F5155e 保持部(第2転動部、転動部、保持手段)
F5157 スライド部材(伝達手段)
F5158 開閉部材(第2変位手段)
F5158a 遮断部(第3手段)
F5158L 左側開閉部材(第2変位手段)
F5158R 右側開閉部材(第2変位手段)
F5162 通路部材(解除手段)
F5163 係合部材(維持手段)
F6112 下側通路(経路)
F6114 上側通路(経路)
F6114 上側通路(経路、傾斜部)
F6114c 第1傾斜部(傾斜部)
F6114d 第2傾斜部(傾斜部)
F6160 第1通路部材(形成手段)
F6162 凹部(形成手段)
F6174 変位通路部材(第1変位手段)
F6173 変位部材(第2変位手段、変化手段)
F6173b1 湾曲面(案内部)
F6175 連結部材(伝達手段)
F7181 第2変位通路部材(第1変位手段)
F11001 センサ(変化手段)
F11002 ソレノイド(変化手段)
F11003a 第1領域(第1位置)
F11003b 第2領域(第2位置)
FOPf1,FOPf51,FOPf61 流入口(被流入部)
FRt3 第3通路(第1転動部、第2転動部)
FRt52 第2通路(流下部、経路)
FRt63 第3通路(経路、傾斜部)
K10 パチンコ機(遊技機)
K13 遊技盤
K60 ベース板(遊技盤)
K60a 第1形成凹部(凹設部の一部)
K60b 第2形成凹部(凹設部の一部)
K60c 第3形成凹部(凹設部の一部)
K60d 第4形成凹部(凹設部の一部)
K63 一般入賞口(入球領域の一部)
K65a 第1特定入賞口(入球領域の一部)
K81 第3図柄表示装置(表示装置)
K201 ベース部材(支持手段)
K207a 上縁部(反射部)
K212 発光部(光照射手段)
K220 化粧カバー(覆設手段、透過手段)
K221a 大形意匠(所定の装飾の一部)
K221b 小形意匠(所定の装飾の一部)
K224 傾斜形成部(位置合わせ部)
K251 可動板(形成手段の一部、変位手段の一部)
K400 前層側可動装置(第1手段の一部)
K430 回転部材(第1手段)
K444 突設部(接触防止部)
K470 状態変化装置(変化手段)
K476 上側回転部材(第2手段)
K500 昇降装置(変位手段、動作手段)
K640a 電動役物(形成手段の一部、変位手段の一部)
K640 第2入賞口(入球領域の一部)
K701 第2可動手段(被動作手段)
K716 検出センサ(検出手段)
K730 伝達装置(伝達手段)
K731 駆動側二層ギア(第2伝達手段)
K732 円弧状部(防止手段、動作停止手段)
K733 伝達側二層ギア(第1伝達手段)
K735 アーム部材(第1移動手段)
K760 主装飾部材(第2移動手段)
K800 後層側可動装置(第2手段)
K820 中側開閉部材(第3手段)
K830 前側開閉部材(第2手段)
K867 傾斜形成部(当接手段)
K874 延設回転部材(第1手段)
K900 表示ランプ(第1手段の一部)
K2060 ベース板(遊技盤)
K2060e 外形傾斜部(変化部)
K2060w 傾斜開口部(変化部)
K2100 光照射装置(光照射手段)
K3100 光照射装置(光照射手段)
KMT71 駆動モータ(駆動手段)
KSP74 コイルスプリング(付勢手段)

Claims (3)

  1. 正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、
    前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置されることを特徴とする遊技機。
  2. 前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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