JP2024051716A - 遊技機 - Google Patents

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JP2024051716A JP2022158022A JP2022158022A JP2024051716A JP 2024051716 A JP2024051716 A JP 2024051716A JP 2022158022 A JP2022158022 A JP 2022158022A JP 2022158022 A JP2022158022 A JP 2022158022A JP 2024051716 A JP2024051716 A JP 2024051716A
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Abstract

【課題】遊技球の流下態様を好適とすることができる遊技機を提供すること。【解決手段】傾斜突部A618が形状変化範囲A618bを備え、その形状変化範囲A618bに当接した遊技球が開閉板A641の対向部A641cに当接しない場合には、対向部A641cが遊技球から荷重を受けることを避けることができ、開閉板A641の破損を抑制することができる。更に開閉板A641のカバー部材A630に対する対向箇所がカバー部材A630に対して平行に形成される場合に比較して、開閉板A641の先端部と球とが衝突し易い箇所(張出し度合が大きい箇所)を限定することができる。従って、遊技球の流下態様を好適とすることができる。【選択図】図540

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
変位手段を備える遊技機がある(特許文献1)。
特開2016-87301号公報
しかしながら、上述した遊技機では、遊技球の流下態様を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の流下を好適とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する所定の遊技領域と、その所定の遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入球領域と、その入球領域の上流側における所定通路を前記所定の遊技領域へ向けて発射された遊技球が通過される場合の第1状態と前記所定通路を前記所定の遊技領域からの遊技球が通過されない場合の第2状態とで変化可能な変化手段と、を備える遊技機であって、前記所定通路の少なくとも一部を構成する第1配設手段側に配設される所定手段と、前記所定通路を挟んで前記第1配設手段と対向配置される第2配設手段と、を備え、前記変化手段は、前記所定手段に対向配置される対向部と、その対向部よりも前記入球領域側の位置に形成される形成部と、を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記対向部は、前記第2配設手段に対向配置される所定部を備え、前記所定部は、少なくとも前記第1状態において、前記第2配設手段の延設方向に対して傾斜する方向に延設される。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記所定手段は、前記所定の遊技領域からの遊技球が当接可能な当接手段を備え、その当接手段に当接した遊技球を前記所定部に当接させないよう構成され、前記当接手段が前記対向部に対応する態様で形成される。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技球の流下を好適とすることができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、変化手段と遊技球との衝突を好適とすることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、変位手段に当接して流下する遊技球の流下態様を好適とすることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 外枠に対して内枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を開放した状態で裏パックを内枠に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を閉鎖すると共に正面枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 正面枠を取り外した状態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤および内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解斜視正面図である。 正面枠の分解斜視背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 遊技盤の分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解正面斜視図である。 入賞ユニットの分解背面斜視図である。 図12のZ01m部における遊技盤の部分拡大正面図である。 図17のX02m-X02m線における遊技盤の断面図である。 入賞ユニットの斜視図である。 入賞ユニットの斜視図である。 入賞ユニットの斜視図である。 入賞ユニットの斜視図である。 遊技盤の背面斜視図である。 遊技盤の分解背面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 前層側可動装置の正面分解斜視図である。 前層側可動装置の背面分解斜視図である。 第1可動装置の分解正面斜視図である。 第1可動装置の分解背面斜視図である。 昇降装置の分解正面斜視図である。 昇降装置の分解背面斜視図である。 長尺装置の分解正面斜視図である。 長尺装置の分解背面斜視図である。 移動装置の分解正面斜視図である。 移動装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、前層側可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大正面図である。 第1可動装置の部分拡大背面図である。 第1可動装置の部分拡大背面図である。 (a)、(b)、(c)及び(d)は、第1可動装置の部分正面図である。 第2可動装置の分解正面斜視図である。 第2可動装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 (a)、(b)及び(c)は、上下スライド部材、追従可能部材及び連動部材の模式正面図である。 後層側可動装置の分解正面斜視図である。 後層側可動装置の分解背面斜視図である。 第3可動装置の分解正面斜視図である。 第3可動装置の分解背面斜視図である。 (a)、(b)及び(c)は、上後カバー部材、延設回転部材、基端側スライド部材及びピニオンの正面図である。 後層側可動装置の部分拡大正面図である。 後層側可動装置の正面図である。 後層側可動装置の正面図である。 後層側可動装置の正面図である。 (a)から(f)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(e)は、パチンコ機の模式正面図である。 第3実施形態におけるベース板及び光照射装置の背面図である。 ベース板及び光照射装置の背面斜視図である。 ベース板及び光照射装置の分解背面斜視図である。 ベース板及び光照射装置の分解正面斜視図である。 図72のX03m-X03m線におけるベース板及び光照射装置の部分断面図である。 パチンコ機の模式正面図である。 第4実施形態におけるベース板及び光照射装置の分解背面斜視図である。 ベース板及び光照射装置の分解正面斜視図である。 図72のX03m-X03m線に対応する線におけるベース板及び光照射装置の部分断面図である。 第5実施形態における動作ユニットの正面図である。 (a)から(d)は、移動装置の正面図である。 前層側可動装置の第1可動装置の部分背面図である。 前層側可動装置の第1可動装置の部分背面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 パチンコ機の模式正面図である。 (a)及び(b)は、パチンコ機の部分正面図である。 図12のZ01m部に対応する範囲における遊技盤の部分拡大正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)及び(b)は、第2可動装置の正面図である。 第2可動装置の正面図である。 後層側可動装置の後側開閉部材の板状部、中側開閉部材の板状部及び前側開閉部材の板状部を模式的に示す正面模式図である。 (a)は、第3図柄表示装置の表示領域の正面図であり、(b)は、図100(a)に図示される第3図柄表示装置の表示領域の正面側に配置された板状部の正面図である。 (a)は、第3図柄表示装置の表示領域の正面図であり、(b)は、図101(a)に図示される第3図柄表示装置の表示領域の正面側に配置された板状部の正面図である。 後層側可動装置の後側開閉部材の板状部、中側開閉部材の板状部及び前側開閉部材の板状部を模式的に示す正面模式図である。 (a)から(c)は、第3図柄表示装置及び後層側可動装置の板状部の上面図である。 (a)から(i)は、図85(a)のZ04m部におけるパチンコ機の部分拡大正面図である。 (a)から(c)は、図85(a)のZ04m部におけるパチンコ機の部分拡大正面図である。 (a)及び(b)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)から(c)は、パチンコ機の模式正面図である。 (a)及び(b)は、パチンコ機の模式正面図である。 第6実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の正面図である。 遊技盤の背面図である。 図111のX05m-X05m線における遊技盤の部分断面図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の正面図である。 第7実施形態における遊技盤の正面図である。 (a)は、図117のZ06a部における遊技盤の部分拡大正面図であり、図118(b)は、図118(a)の部分拡大正面図である。 第8実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 外枠に対して内枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を開放した状態で裏パックを内枠に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を閉鎖すると共に正面枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 正面枠を取り外した状態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤および内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解背面斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 上側装飾ユニットの分解正面斜視図である。 上側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 化粧ユニットの分解正面斜視図である。 化粧ユニットの分解背面斜視図である。 上側装飾ユニットの正面図である。 上側装飾ユニット及び右側装飾ユニットの正面図である。 (a)は、図134におけるX07a線における上側装飾ユニットの断面模式図であり、(b)は、図134におけるX07b線における上側装飾ユニットの断面模式図である。 (a)は、右側装飾ユニットの正面図であり、(b)は、右側装飾ユニットの側面図である。 (a)は、右側装飾ユニットの分解正面斜視図であり、(b)は、右側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、重板ユニットの分解正面斜視図であり、(b)は、重板ユニットの分解背面斜視図である。 支持板部の正面図である。 左重板ユニットの分解正面斜視図である。 右重板ユニットの分解正面斜視図である。 (a)は、正面枠の分解正面斜視図であり、(b)は、正面枠の正面斜視図である。 (a)は、図136(b)に示すX08a線における右側装飾ユニットおよび上側装飾ユニットの断面模式図であり、(b)は、図136(b)に示すX08b線における右側装飾ユニットおよび上側装飾ユニットの断面模式図である。 上下皿ユニットの正面図である。 上下皿ユニットの分解正面斜視図である。 上下皿ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、ベース部材および上皿形成部材の正面図であり、(b)は、ベース部材および上皿形成部材の背面図である。 (a)は、図147(a)のX12a線におけるベース部材の断面図であり、(b)は、図147(a)のX12b線におけるベース部材の断面図であり、(c)は、図147(a)のX12c線におけるベース部材の断面図である。 (a)は、下皿形成部材の正面図であり、(b)は、下皿形成部材の背面図である。 下皿形成部材の分解正面斜視図である。 下皿形成部材の分解背面斜視図である。 (a)は、連結部の上面図であり、(b)は、連結部の下面図であり、(c)は、図152(b)のX13c線における連結部の断面図である。 上下皿ユニットの分解斜視図である。 (a)及び(b)は、ベース部材から下皿形成部材を取り外した状態における上下皿ユニッの断面図であり、図144のX09a線における上下皿ユニッの断面と対応する。 (a)は、図144のX09a線における上下皿ユニットの断面図であり、(b)は、図155(a)のX14b線における上下皿ユニットの断面図である。 (a)は、上下皿ユニットの下面図であり、(b)は、下側保護板の正面図である。 (a)は、下側保護板の斜視正面図であり、(b)は、下側保護板の斜視背面図である。 (a)は、図156(a)のX15a線における上下皿ユニットの断面図であり、(b)は、図156(a)のX15b線における上下皿ユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、正面枠の側面図である。 (a)は、正面枠の下面図であり、(b)は、正面枠の側面図である。 (a)は、上側保護板の正面図であり、(b)は、図161(a)のX16b線における上側保護板の断面図であり、(c)は、図161(a)のX16c線における上側保護板の断面図である。 (a)は、図144のX10a線における上下皿ユニットの断面図であり、(b)は、図144のX10b線における上下皿ユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、第1化粧板から上側保護板を分解した状態における上下皿ユニットの断面図である。 (a)は、操作ユニットの正面斜視図であり、(b)は、操作ユニットの背面斜視図である。 操作ユニットの分解正面斜視図である。 操作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、駆動手段の正面図であり、(b)は、図167(a)のY17b線における駆動手段の側面図である。 駆動手段の正面分解斜視図である。 (a)は、伝達軸棒の正面分解斜視図であり、(b)は、伝達軸棒の背面分解斜視図である。 (a)は、図168の矢印Y18a方向における右円板カムの側面図であり、(b)は、図168の矢印Y18b方向における右円板カムの側面図であり、(c)は、図168の矢印Y18c方向視における左円板カムの側面図であり、(d)は、図168の矢印Y18d方向視における左円板カムの側面図である。 (a)及び(b)は、図168の矢印Y19a方向視における解除部材および回転爪部材の側面図である。 図144のX11m線における操作ユニットの断面図である。 図144のX11m線における操作ユニットの断面図である。 図144のX11m線における操作ユニットの断面図である。 図144のX11m線における操作ユニットの断面図である。 図144のX11m線における操作ユニットの断面図である。 図144のX11m線における操作ユニットの断面図である。 (a)は、揺動装置上面図であり、(b)は、図178(a)の矢印Y20b方向視における揺動装置の側面図である。 (a)は、図178(b)のX21a線における揺動装置の断面図であり、(b)は、図178(a)のX21b線における揺動装置の断面図である。 揺動装置の分解正面斜視図であり、(a)は、揺動装置の分解背面斜視図である。 揺動装置の分解背面斜視図である。 (a)は、ベース手段の分解正面斜視図であり、(b)は、ベース手段の分解背面斜視図である。 (a)は、駆動手段の分解正面斜視図であり、(b)は、駆動手段の分解背面斜視図である。 (a)は、ベース手段および駆動手段の上面図であり、(b)は、図184(a)のX22b線における駆動手段の断面図である。 (a)は、ベース手段および駆動手段の上面図であり、(b)は、図185(a)のX23b線における駆動手段の断面図である。 (a)及び(b)は、揺動装置の断面図であり、図178(b)のX21a線における断面に対応する。 内枠の正面図である。 内枠の分解正面斜視図である。 球発射ユニットの分解正面斜視図である。 発射位置送球ユニットの分解斜視図である。 (a)は、図187のX24a線における球発射ユニット及び発射位置送球ユニットの断面図であり、(b)は、図187のX24b線における球発射ユニット及び発射位置送球ユニットの断面図である。 (a)は、退避位置における発射手段の正面図であり、(b)は、初期位置における発射手段の正面図であり、(c)は、発射位置における発射手段の正面図である。 (a)及び(b)は、図191(b)のMCMVII部における球発射ユニット及び発射位置送球ユニットの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、図191(b)のMCMVII部における球発射ユニット及び発射位置送球ユニットの部分拡大断面図である。 図191(a)のMCMIX部における球発射ユニット及び発射位置送球ユニットの部分拡大断面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の分解正面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 (a)は、演出動作ユニットの正面図であり、(b)は、演出動作ユニットの背面図である。 演出動作ユニットの花弁動作装置側の分解正面斜視図である。 演出動作ユニットの花弁動作装置側の分解背面斜視図である。 演出動作ユニットの円環形成ユニット側の分解正面斜視図である。 演出動作ユニットの円環形成ユニット側の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、演出動作ユニットの正面図である。 花弁動作装置の分解正面斜視図である。 花弁動作装置の分解背面斜視図である。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図207(a)のX25b線における花回転ユニットの断面図である。 花回転ユニットの分解正面斜視図である。 花回転ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、図207(a)のY25a方向視における第1装飾ユニットの側面図であり、(b)は、第1装飾ユニットの分解正面斜視図である。 (a)から(c)は、第1装飾ユニットの側面図であり、図207(a)のY25a方向視における側面図と対応する。 (a)から(d)は、変位ユニットが傾倒基準位置に配置された状態における第1装飾ユニットの側面図であり、(a)のY25a方向視における側面図と対応する。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図213(a)のX26b線における花回転ユニットの断面図である。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図214(a)のX27b線における花回転ユニットの断面図である。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図215(a)の矢印Y28b方向視における花回転ユニットの側面図であり、(c)は、図215(a)の矢印Y28c方向視における花回転ユニットの側面図である。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図216(a)の矢印Y29b方向視における花回転ユニットの側面図であり、(c)は、図216(a)の矢印Y29c方向視における花回転ユニットの側面図である。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図217(a)の矢印Y30b方向視における花回転ユニットの側面図であり、(c)は、図217(a)の矢印Y30c方向視における花回転ユニットの側面図である。 (a)は、花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図218(a)の矢印Y31b方向視における花回転ユニットの側面図であり、(c)は、図218(a)の矢印Y31c方向視における花回転ユニットの側面図である。 (a)及び(b)は、花回転ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、花回転ユニットの正面図である。 (a)から(d)は、従動ギヤ及び検出センサの背面図である。 (a)から(c)は、花回転ユニットを正面視した模式図である。 第9実施形態における花回転ユニットを正面視した模式図である。 (a)から(c)は、花回転ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、第10実施形態における花回転ユニットの正面図である。 (a)は、第11実施形態における花回転ユニットの正面図であり、(b)は、図226(a)のMCMXLb線における花回転ユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、第12実施形態における花回転ユニットの正面図である。 (a)は、第13実施形態における第1装飾ユニットの側面図であり、図207(a)のY25a方向視における側面図と対応し、(b)は、第1装飾ユニットの分解正面斜視図である。 (a)及び(b)は、第1装飾ユニットの側面図である。 (a)は、第14実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図134のX07a線における断面に対応し、(b)は、第15実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図134のX07a線における断面に対応する。 第16実施形態における上側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、上側装飾ユニットの正面図である。 (a)は、図232(a)のX32a線における上側装飾ユニットの断面模式図であり、(b)は、図232(b)のX32b線における上側装飾ユニットの断面模式図である。 (a)は、第17実施形態における右側装飾ユニットの分解正面斜視図であり、(b)は、右側装飾ユニットおよび上側装飾ユニットの断面模式図である。 (a)は、第18実施形態における右側装飾ユニットおよび上側装飾ユニットの断面模式図であり、(b)は、第19実施形態における右側装飾ユニットおよび上側装飾ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、第20実施形態における右側装飾ユニットおよび上側装飾ユニットの断面模式図である。 第21実施形態における上下皿ユニットの分解正面斜視図である。 (a)及び(b)は、上下皿ユニットの側面図である。 (a)は、図238(a)のX33aにおける上下皿ユニットの断面図であり、(b)は、図238(b)のX33b線における上下皿ユニットの断面図である。 (a)から(d)は、第22実施形態における上下皿ユニットの断面図であり、図238(a)のX33a線における断面と対応する。 (a)及び(b)は、第23実施形態における正面枠の正面模式図である。 (a)は、図241(a)のX34a線における上側装飾ユニットの断面模式図であり、(b)は、図241(b)のX34b線における上側装飾ユニットの断面模式図である。 (a)は、第24実施形態における上下皿ユニットの断面図であり、(b)は、第25実施形態における上下皿ユニットの断面図である。 (a)は、第26実施形態における上下皿ユニットの断面図であり、(b)は、第27実施形態における上下皿ユニットの断面図である。 (a)は、第28実施形態における揺動装置の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応し、(b)は、駆動モータおよび当接手段の分解正面斜視図である。 (a)から(d)は、揺動装置の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応する。 (a)は、第29実施形態における揺動装置の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応し、(b)は、駆動モータおよび変位手段の分解正面斜視図である。 (a)から(c)は、揺動装置の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応する。 (a)は、第30実施形態における発射位置送球ユニット及び球発射ユニットにおける断面図であり、図187のX24a線における断面図と対応し、(b)は、発射位置送球ユニット及び球発射ユニットにおける断面図であり、図187のX24b線における断面図と対応する。 (a)は、第31実施形態における発射位置送球ユニット及び球発射ユニットにおける断面図であり、図187のX24a線における断面図と対応し、(b)は、第32実施形態における発射位置送球ユニット及び球発射ユニットにおける断面図であり、図187のX24a線における断面図と対応する。 第33実施形態における内枠の正面図である。 (a)は、経路変更部材の背面図であり、(b)は、図252(a)の矢印Y35b方向視における経路変更部材の側面図であり、(c)は、図252(b)のX35c線における経路変更部材の断面図であり、(d)は、図252(a)のX35d線における経路変更部材の断面図である。 (a)は、第34実施形態における内枠の正面図であり、(b)は、第35実施形態における内枠の正面図である。 (a)は、第36実施形態における球発射ユニットの正面図であり、(b)は、第37実施形態における球発射ユニットの正面図であり、(c)は、第38実施形態における球発射ユニットの正面図である。 (a)は、第39実施形態における球発射ユニット及び発射位置送球ユニットの断面図であり、図187のX24b線における断面図と対応し、(b)は、図255(a)におけるMCMLXIXb方向視における球発射ユニットの正面図であり、(c)は、第40実施形態における球発射ユニットの正面図であり、図255(a)のMCMLXIXb方向視における正面図と対応し、(d)は、第41実施形態における球発射ユニットの正面図であり、図255(a)のMCMLXIXb方向視における正面図と対応する。 (a)及び(b)は、第42実施形態における正面枠H35014の正面模式図である。 (a)及び(b)は、第43実施形態における内枠H12の背面模式図である。 (a)は、第44実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応し、(b)は、上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(b)のX32b線における断面に対応する。 (a)は、第45実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応し、(b)は、上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(b)のX32b線における断面に対応する。 (a)は、第46実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応し、(b)は、上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(b)のX32b線における断面に対応する。 (a)から(c)は、第47実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応する。 (a)は、第48実施形態における上側装飾ユニットの断面模式図であり、図134におけるX07a線における断面に対応し、(b)は、図262(a)の矢印X36b方向視における上側装飾ユニットの上面模式図である。 (a)及び(c)は、第49実施形態における揺動装置の正面模式図であり、(b)は、図263(a)のX37b線における揺動装置の断面模式図であり、(d)は、図263(c)のX37d線における揺動装置の断面模式図である。 (a)は、第50実施形態における揺動装置の正面模式図であり、(b)は、図264(a)のX38b線における揺動装置の断面模式図である。 (a)及び(c)は、第50実施形態における揺動装置の正面模式図であり、(b)は、図265(a)のX39b線における揺動装置の断面模式図であり、(d)は、図265(c)のX39d線における揺動装置の断面模式図である。 (a)は、第51実施形態における操作ユニットの断面模式図であり、(b)は、図266(a)のX40b線における操作ユニッの断面模式図である。 (a)及び(b)は、第52実施形態における操作ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、第53実施形態における操作ユニットの断面模式図である。 第54実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 外枠に対して内枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を開放した状態で裏パックを内枠に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機の正面斜視図である。 外枠に対して内枠を閉鎖すると共に正面枠を開放(展開)した状態を示すパチンコ機の正面斜視図である。 正面枠を取り外した状態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤および内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解背面斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解背面斜視図である。 複合動作役物ユニットの分解正面斜視図である。 複合動作役物ユニットの分解背面斜視図である。 演出動作ユニットの分解正面斜視図である。 演出動作ユニットの分解背面斜視図である。 可動装飾ユニットの分解正面斜視図である。 可動装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、演出動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、演出動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 左側支持装飾部の分解正面斜視図である。 左側支持装飾部の分解背面斜視図である。 昇降駆動部の分解正面斜視図である。 昇降駆動部の分解背面斜視図である。 (a)、(b)及び(c)は、昇降駆動部の背面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 切替動作部の分解正面斜視図である。 切替動作部の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、駆動ベース、駆動ソレノイド、スライド体及び回転切替部の正面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 第2の上下移動制御(第1動作パターン)における検出センサ、駆動モータ、被案内部、検出センサ、駆動モータ、検出センサ及び対応表示の計時変化を示した図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 複合動作役物ユニットの正面図である。 第2の上下移動制御(第2動作パターン)における検出センサ、駆動モータ、被案内部、検出センサ、駆動モータ、検出センサ及び対応表示の計時変化を示した図である。 スライド動作役物ユニットの分解正面斜視図である。 スライド動作役物ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、スライド動作役物ユニットの正面図である。 (a)、(b)及び(c)は、導光板の正面図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 昇降動作役物ユニットの正面図である。 昇降動作役物ユニットの正面図である。 昇降動作役物ユニットの正面図である。 遊技盤及び動作ユニットの部分正面斜視図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第55実施形態における可動装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、演出動作ユニット及び可動装飾ユニットの部分正面図である。 第56実施形態における正面枠の分解正面斜視図である。 第3図柄表示装置、複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第57実施形態における可動装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、可動装飾ユニットの部分正面図である。 ピン付きギア及びリンク部材の正面図である。 第58実施形態における複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、ピン付きギアの動作について時系列で図示される可動装飾ユニット及び回転移動部材の部分正面図である。 複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 複合動作役物ユニット、スライド動作役物ユニット及び昇降動作役物ユニットの正面図である。 第59実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 遊技盤及び内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解背面斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第60実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の上面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の分解正面斜視部である。 正面枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解背面斜視図である。 上側装飾ユニットの分解正面斜視図である。 上側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 ベースユニットの分解正面斜視図である。 ベースユニットの分解背面斜視図である。 切替構成部の分解正面斜視図である。 切替構成部の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、切替構成部の背面図である。 化粧ユニットの分解正面斜視図である。 化粧ユニットの分解背面斜視図である。 (a)から(c)は、図361(a)のX41a-X41a線における正面枠の部分断面図である。 (a)は、第1電飾基板の正面図であり、(b)は、図365(a)の矢印Y42b方向視における第1電飾基板の上面図であり、(c)は、図365(a)の矢印Y42c方向視における第1電飾基板の下面図である。 上側装飾ユニットの部分正面図である。 図366のX43m-X43m線における上側装飾ユニットの部分断面図である。 図366のX44m-X44m線における上側装飾ユニットの部分断面図である。 図366のX45m-X45m線における上側装飾ユニットの部分断面図である。 上側装飾ユニットの正面図である。 (a)は、右側装飾ユニットの正面図であり、(b)は、図371(a)の矢印Y46b方向視における右側装飾ユニットの側面図である。 (a)は、右側装飾ユニットの正面斜視図であり、(b)は、右側装飾ユニットの背面斜視図である。 右側装飾ユニットの分解正面斜視図である。 右側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、基板支持部材の左側面図であり、(b)は基板支持部材の右側面図である。 図375(b)のX47m-X47m線における基板支持部材、左側カバー部材及び右側カバー部材の部分断面図である。 図375(b)のX48m-X48m線における基板支持部材、左側カバー部材及び右側カバー部材の部分断面図である。 上下皿ユニットの正面図である。 上下皿ユニットの分解正面斜視図である。 上下皿ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、下皿形成部材の正面図であり、(b)は、下皿形成部材の背面図である。 下皿形成部材の分解正面斜視図である。 下皿形成部材の分解背面斜視図である。 操作ユニットの分解正面斜視図である。 操作ユニットの分解正面斜視図である。 操作ユニットの分解背面斜視図である。 操作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、図378のX49m-X49m線における上下皿ユニットの部分断面図である。 (a)及び(b)は、図378のX49m-X49m線における上下皿ユニットの部分断面図である。 第61実施形態における上側装飾ユニットの正面図である。 上側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、図361(a)のX41a-X41a線に対応する平面における上側装飾ユニットの断面図である。 第62実施形態における下側反射部材の正面斜視図である。 図366のX44m-X44m線に対応する平面における上側装飾ユニットの断面図である。 上側装飾ユニットの正面図である。 図366のX44m-X44m線に対応する平面における第63実施形態における上側装飾ユニットの断面図である。 第64実施形態における上側装飾ユニットの正面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の分解正面斜視部である。 第65実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の分解正面斜視部である。 パチンコ機の上面図である。 上側装飾ユニットの分解正面斜視図である。 上側装飾ユニットの分解背面斜視図である。 パチンコ機の上面図である。 パチンコ機の上面図である。 パチンコ機の上面図である。 (a)は、図400のX50a-X50a線におけるパチンコ機の部分断面図であり、(b)は、図400のX50a-X50a線に対応する線におけるパチンコ機の部分断面図である。 パチンコ機の上面図である。 (a)及び(b)は、パチンコ機の上面図である。 第66実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 (a)は、上下皿ユニットの下皿形成部材の正面図であり、(b)は、上下皿ユニットの下皿形成部材の背面図である。 上下皿ユニットの下皿形成部材の分解正面斜視図である。 上下皿ユニットの下皿形成部材の分解背面斜視図である。 図413(a)のX51m-X51m線における上下皿ユニットの部分断面図である。 (a)及び(b)は、第67実施形態における下皿形成部材の背面図である。 第68実施形態における遊技機の動作ユニットの正面斜視図である。 遊技盤および動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 (a)は、液晶表示装置の正面図であり、(b)は、液晶表示装置の背面図である。 液晶表示装置の分解斜視正面図である。 液晶表示装置の分解斜視背面図である。 液晶表示装置の分解図である。 (a)は、導電部材の斜視図であり、(b)は、導電部材の側面図であり、(c)は、図432(b)の矢印A01c方向視における導電部材の正面図であり、図(d)は、図432(c)のA01d-A01d線における導電部材の断面図であり、(e)は、図432(b)のA01e-A01e線における導電部材の断面図である。 (a)は、基板部材の正面図であり、(b)は、図433(a)のCLXIVb-CLXIVb線における基板部材の断面図である。 液晶表示装置の背面図である。 (a)は、図434のCLXVIa-CLXVIa線における液晶表示装置の断面図であり、(b)は、図435(a)の範囲A04bにおける液晶表示装置の拡大断面図である。 (a)から(c)は、液晶表示装置の断面図である。 (a)から(c)は、液晶表示装置の断面図である。 (a)は、第69実施形態における導電部材の側面図であり、(b)は、図438(a)の矢印A02b方向視における導電部材の正面図であり、(c)は、図438(b)のA02c-A02c線における導電部材の断面図であり、(d)は、図438(a)のA02d-A02d線における導電部材の断面図である。 (a)は、第70実施形態における導電部材の側面図であり、図439(b)は、図439(a)の矢印A03b方向視における導電部材の正面図であり、図439(c)は、図439(b)のA03c-A03c線における導電部材の断面図であり、図439(d)は、図439(a)のA03d-A03d線における導電部材の断面図である。 (a)は、第71実施形態における導電部材の側面図であり、(b)は、図440(a)の矢印A07b方向視における導電部材の正面図であり、(c)は、図440(b)のA07c-A07c線における導電部材の断面図であり、(d)は、図440(c)のA07d-A07d線における導電部材の断面図である。 (a)は、第72実施形態における導電部材の側面図であり、(b)は、図441(a)の矢印A08b方向視における導電部材の正面図であり、(c)は、図441(b)のA08c-A08c線における導電部材の断面図であり、(d)は、図441(c)のA08d-A08d線における導電部材の断面図である。 (a)は、第73実施形態における導電部材の側面図であり、(b)は、図442(a)の矢印A09b方向視における導電部材の正面図であり、(c)は、図442(b)のA09c-A09c線における導電部材の断面図であり、(d)は、図442(a)のA09d-A09d線における導電部材の断面図である。 第74実施形態における液晶表示装置の断面図である。 (a)は、第75実施形態における導電部材の側面図であり、(b)は、図444(a)の矢印A11c方向視における導電部材の正面図であり、図444(c)は、(b)のA11c-A11c線における導電部材の断面図である。 (a)は、第76実施形態における導電部材の斜視図であり、(b)は、導電部材の側面図であり、(c)は、図445(b)の矢印A12c方向視における導電部材の正面図であり、(d)は、図445(c)のA12d-A12d線における導電部材の断面図であり、(e)は、図445(b)のA12e-A12e線における導電部材の断面図である。 (a)は、第77実施形態における導電部材の側面図であり、(b)は、図446(a)の矢印A13b方向視における導電部材の正面図であり、(c)は、図446(b)のA13c-A13c線における導電部材の断面図であり、(d)は、図446(a)のA13d-A13d線における導電部材の断面図である。 第78実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 遊技盤及び内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解背面斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第79実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の正面図である。 上下皿ユニットの正面図である。 上下皿ユニットの分解正面斜視図である。 上下皿ユニットの分解背面斜視図である。 操作デバイスの分解正面斜視図である。 操作デバイスの分解背面斜視図である。 固定ベース装置の分解正面斜視図である。 固定ベース装置の分解背面斜視図である。 駆動伝達装置の分解正面斜視図である。 駆動伝達装置の分解背面斜視図である。 駆動伝達装置の別方向からの分解正面斜視図である。 (a)は、矢印L方向視における駆動モータ及び第1クラッチギアの右側面図であり、(b)は、矢印R方向視における第2クラッチギア、伝達ギア及び動作アーム部材の左側面図であり、(c)は、駆動モータ、第1クラッチギア、第2クラッチギア、伝達ギア及び動作アーム部材の正面図である。 (a)及び(b)は、図469(c)の領域Z54aにおける第1クラッチギア、第2クラッチギア及び伝達ギアの拡大図である。 (a)、(b)及び(c)は、動作部材、追従動作部材、スライド体及び動作アーム部材の模式図である。 操作デバイスの側面図である。 図459のX53m-X53m線における操作デバイスの模式断面図である。 操作デバイスの側面図である。 図459のX53m-X53m線に対応する線における操作デバイスの模式断面図である。 図459のX53m-X53m線に対応する線における操作デバイスの模式断面図である。 (a)は、図475のX55a-X55a線における操作デバイスの断面図であり、(b)は、図476のX55b-X55b線における操作デバイスの断面図である。 (a)から(e)は、操作デバイス及び第3図柄表示装置を模式的に示す模式正面図であり、(f)は、演出実行タイミング及び事前タイミングの関係を示す模式図である。 (a)から(d)は、操作デバイス及び第3図柄表示装置を模式的に示す模式正面図である。 (a)から(e)は、操作デバイス及び第3図柄表示装置を模式的に示す模式正面図である。 (a)、(b)、及び(c)は、第80実施形態における動作部材、追従動作部材、スライド体及び駆動伝達装置の動作アーム部材の模式図である。 (a)、(b)、及び(c)は、動作部材、追従動作部材、スライド体及び駆動伝達装置の動作アーム部材の模式図である。 第81実施形態における操作デバイスの右側面図である。 第81実施形態における操作デバイスの右側面図である。 操作デバイスの部分正面図である。 (a)及び(b)は、動作部材、追従動作部材、スライド体、回転伝達部材、干渉部材及び動作アーム部材の模式図である。 第82実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 遊技盤及び内枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解正面斜視図である。 正面枠の分解背面斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第83実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤及び動作ユニットの正面斜視図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 (a)は、第1球流下構造体の正面斜視図であり、(b)は、第1球流下構造体の背面斜視図である。 第1球流下構造体の分解正面斜視図である。 第1球流下構造体の分解背面斜視図である。 第1球流下構造体の正面図である。 図504のB01m-B01m線における第1球流下構造体の断面図である。 図504のB02m-B02m線における第1球流下構造体の断面図である。 第1球流下構造体の正面図である。 動作ユニットの分解斜視正面図である。 揺動ユニットの正面図である。 揺動ユニットの背面図である。 揺動ユニットの分解正面斜視図である。 揺動ユニットの分解正面斜視図である。 (a)及び(b)は、揺動ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、揺動ユニットを正面視した模式図である。 第84実施形態における遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 (a)は、第1球流下構造体の正面斜視図であり、(b)は、第1球流下構造体の背面斜視図である。 第1球流下構造体の分解正面斜視図である。 第1球流下構造体の分解背面斜視図である。 第1球流下構造体の正面図である。 (a)及び(b)は、振分部材及び変位伝達装置の正面図である。 (a)、(b)及び(c)は、ベース板及び第1球流下構造体の部分背面図である。 (a)、(b)及び(c)は、図521(c)のB04a-B04a線における遊技盤の断面図である。 (a)は、振分部材及び回転部材の拡大正面図であり、(b)は、図522(a)のB05b-B05b線における振分部材及び回転部材の部分断面図である。 (a)は、振分部材及び回転部材の拡大正面図であり、(b)は、図522(b)のB06b-B06b線における振分部材及び回転部材の部分断面図である。 図523(b)のB07m-B07m線における振分部材及び回転部材の部分断面図である。 第85実施形態における第1球流下構造体の正面図である。 図526のB09m-B09m線における第1球流下構造体の断面図である。 図526のB09m-B09m線における第1球流下構造体の断面図である。 (a)は、第86実施形態における揺動ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、図529(a)のE01b-E01b線における揺動ユニットの模式断面図であり、(c)は、図529(a)のE01c-E01c線における揺動ユニットの模式断面図である。 揺動ユニットを正面視した模式図である。 揺動ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、第87実施形態における揺動ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、図532(a)のE02b-E02b線における揺動ユニットの模式断面図であり、(c)は、図532(a)のE02c-E02c線における揺動ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、上側揺動手段および上側動力付与手段の正面視における模式図である。 (a)及び(b)は、上側揺動手段および上側動力付与手段の正面視における模式図である。 (a)及び(b)は、上側揺動手段および上側動力付与手段の正面視における模式図である。 (a)は、第88実施形態における揺動ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、図536(a)のE03b-E03b線における揺動ユニットの模式断面図であり、(c)は、図536(a)のE03c-E03c線における揺動ユニットの模式断面図である。 (a)は、図536(a)のE04a-E04a線における揺動ユニットの断面模式図であり、(b)及び(c)は、図537(a)のE04b-E04b線における揺動ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、揺動ユニットの正面視における模式図である。 (a)及び(b)は、変形例における揺動ユニットの模式断面図である。 第89実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 第2球流下構造体の正面斜視図である。 第2球流下構造体の背面斜視図である。 第2球流下構造体の分解正面斜視図である。 第2球流下構造体の分解背面斜視図である。 第2球流下構造体の正面図である。 (a)は、電動役物の正面図であり、(b)は、図548(a)の矢印B13b方向視における電動役物の斜視図である。 (a)及び(b)は、図548(a)の矢印B13b方向視における開閉板、中間リンク部材、駆動ソレノイド及び先端固定部材の分解図である。 図547のB11m-B11m線における第2球流下構造体の部分断面図である。 図547のB12m-B12m線における第2球流下構造体の部分断面図である。 図547のB12m-B12m線における第2球流下構造体の部分断面図である。 (a)及び(b)は、図547のB14a-B14a線における第2球流下構造体の部分断面図である。 図553(a)の範囲B15mにおける第2球流下構造体の部分断面図である。 動作ユニットの分解斜視正面図である。 上変位ユニットの正面図である。 上変位ユニットの背面図である。 上変位ユニットの分解正面斜視図である。 上変位ユニットの分解背面斜視図である。 ベース手段の分解斜視正面図である。 ベース手段の分解斜視背面図である。 ベース手段の正面図である。 ベース手段の背面図である。 (a)は、ベース手段の正面図であり、(b)は、ベース手段の背面図である。 (a)は、ベース手段の正面図であり、(b)は、ベース手段の背面図である。 (a)は、ベース手段の正面図であり、(b)は、ベース手段の背面図である。 (a)は、変位規制手段の分解斜視正面図であり、(b)は、変位規制手段の分解斜視背面図である。 (a)及び(b)は、変位規制手段の背面図である。 (a)及び(b)は、ベース手段の正面図である。 (a)は、上変位手段の正面図であり、(b)は、上変位手段の背面図である。 上変位手段の分解斜視正面図である。 上変位手段の分解斜視背面図である。 (a)及び(b)は、上変位手段の背面図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、正面視における上変位ユニットの模式図である。 (a)及び(b)は、正面視における上変位ユニットの模式図である。 (a)及び(b)は、正面視における上変位ユニットの模式図である。 下変位ユニットの正面図である。 下変位ユニットの分解正面斜視図である。 下変位ユニットの分解背面斜視図である。 下変位ユニットの正面図である。 図547の範囲B16mに対応する範囲における第90実施形態における第2球流下構造体の部分正面図である。 (a)及び(b)は、図547のB14a-B14a線に対応する線における第91実施形態における第2球流下構造体の部分断面図である。 図547の範囲B16mに対応する範囲における第92実施形態における第2球流下構造体の部分正面図である。 図547の範囲B16mに対応する範囲における第93実施形態における第2球流下構造体の部分正面図である。 図585のB17m-B17m線における第2球流下構造体の部分断面図である。 図585のB17m-B17m線における第2球流下構造体の部分断面図である。 図547の範囲B16mに対応する範囲における第94実施形態における第2球流下構造体の部分正面図である。 図547のB12m-B12m線に対応する線における第95実施形態における第2球流下構造体の部分断面図である。 (a)及び(b)は、図589のB18a-B18a線における第2球流下構造体の部分断面図である。 図547のB12m-B12m線に対応する線における第96実施形態における第2球流下構造体の部分断面図である。 (a)及び(b)は、図547のB14a-B14a線に対応する線における第97実施形態における第2球流下構造体の部分断面図である。 図547の範囲B16mに対応する範囲における第2球流下構造体の部分正面図である。 図593のB19m-B19m線における第2球流下構造体の部分断面図である。 第98実施形態における上変位手段の分解斜視図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、第99実施形態における上変位ユニット及び下変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニット及び下変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニット及び下変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、第100実施形態における下変位ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、回転手段を正面視した模式図であり、(c)は、回転手段を上面視した模式図である。 (a)及び(c)は、図602(a)のE05a-E05a線における下変位ユニットの断面模式図であり、(b)及び(d)は、回転手段を上面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニット及び下変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、回転手段および変位手段を上面視した模式図であり、(b)は、上変位ユニット及び下変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、回転手段および変位手段を上面視した模式図であり、(b)は、上変位ユニット及び下変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、第101実施形態における上変位ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、図607(a)のE06b-E06b線における上変位ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、上変位ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、上変位ユニットを側面視した模式図である。 (a)は、上変位ユニットE5100を正面視した模式図であり、図610(b)は、上変位ユニットE5100を側面視した模式図である。 (a)は、第102実施形態における上変位ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、図611(a)のE07b-E07b線における上変位ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)は、第103実施形態における上変位ユニットを正面視した模式図であり、(b)は、図614(a)のE08b-E08b線における上変位ユニットの断面模式図である。 (a)は、上変位ユニットを背面視した模式図であり、(b)及び(c)は、図615(a)のE09b-E09b線における上変位ユニットの断面模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、第104実施形態における上変位ユニットを正面視した模式図である。 (a)及び(b)は、変位規制手段の背面図である。 (a)及び(c)は、回転体を正面視した模式図であり、(b)は、図621(a)のE10b-E10b線における回転体の断面模式図であり、(d)は、図621(c)のE10d-E10d線における回転体の断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図10を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図2は、パチンコ機H10の背面図であり、図3は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図4は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図5は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図6は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図7は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図8は、正面枠H14の分解斜視正面図であり、図9は、正面枠H14の分解斜視背面図である。なお、図6では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図1~図9に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図1参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図4参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図6及び図7参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図6参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図6参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図5参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータ(図示しない)とを主に備えて形成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われるように構成しても良い。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図6に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図6に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図5に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図8及び図9に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図7参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有するガラスユニットH16が配設される(図1参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図1及び図5に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図10参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図1に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図10参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図1に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図2参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図6参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部材H181が配設される。ボタン部材H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図6参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図8参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射球送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図8参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図6参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図6参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図8参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図9に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図8参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図6参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図6に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図6に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。
ベース板H60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図1参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図6を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図1参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図6の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
外レールH62の先端部(図6の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図6の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図10参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図10参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図10参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図10参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図10参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図6参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。
図2に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図10参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射装置H117aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図10参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図10を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180の操作ボタン部材H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部材H181などがそれぞれ接続されている。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部材H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部材H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図10では、操作ユニットH180の操作ボタン部材H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図10参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図10参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図11から図71を参照し、第2実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)K10に適用した場合の一実施形態について説明する。図11は、第2実施形態におけるパチンコ機K10の正面図であり、図12はパチンコ機K10の遊技盤K13の正面図である。
なお、以下の説明では、図11に示す状態のパチンコ機K10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図11に示す状態のパチンコ機K10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図12参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機K10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、符号について、第1実施形態におけるパチンコ機H10が本実施形態ではパチンコ機K10とされているように、共通の機能を有するものに対して類似の符号が設定されている。
即ち、本実施形態では、パチンコ機K10は、少なくとも、正面枠K14(第1実施形態の正面枠H14に相当)と、ベース板K60(第1実施形態のベース板H60に相当)と、内レールK61(第1実施形態の内レールH61に相当)と、外レールK62(第1実施形態の外レールH62に相当)と、一般入賞口K63(第1実施形態の一般入賞口H63に相当)と、第1入賞口K64(第1実施形態の第1入賞口H64に相当)と、第2入賞口K640(第1実施形態の第2入賞口H640に相当)と、電動役物K640a(第1実施形態の電動役物H640aに相当)と、第1可変入賞装置K65(第1実施形態の可変入賞装置H65に相当)と、第1特定入賞口K65a(第1実施形態の特定入賞口H65aに相当)と、スルーゲートK67(第1実施形態のスルーゲートH67に相当)と、戻り球防止部材K68(第1実施形態の戻り球防止部材H68に相当)と、返しゴムK69(第1実施形態の返しゴムH69に相当)と、アウト口K71(第1実施形態のアウト口H71に相当)と、を備える。
更に、本実施形態では、パチンコ機K10は、少なくとも、外縁部材K73(第1実施形態の外縁部材H73に相当)と、可変表示装置ユニットK80(第1実施形態の可変表示装置ユニットH80に相当)と、第3図柄表示装置K81(第1実施形態の第3図柄表示装置H81に相当)と、センターフレームK86(第1実施形態のセンターフレームH86に相当)と、を備える。
図12に示すように、遊技盤K13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板K60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車KWFの他、レールK61,K62、一般入賞口K63、第1入賞口K64、第2入賞口K640、第1可変入賞装置K65、第2可変入賞装置K650、スルーゲートK67、可変表示装置ユニットK80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12(図11参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板K60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口K63、第1入賞口K64、第2入賞口K640、可変表示装置ユニットK80は、ルータ加工によってベース板K60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤K13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板K60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板K60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤K13の正面中央部分は、正面枠K14に配設されるガラスユニットH16(図11参照)を通じて内枠H12の正面側から視認することができる。以下に、主に図12を参照して、遊技盤K13の構成について説明する。
遊技盤K13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールK62が植立され、その外レールK62の内側位置には外レールK62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールK61が植立される。この内レールK61と外レールK62とにより遊技盤K13の正面外周が囲まれ、遊技盤K13とガラスユニットH16(図11参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤K13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤K13の正面であって2本のレールK61,K62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材K73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレールK61,K62は、球発射ユニットH112a(図10参照)から発射された球を遊技盤K13上部へ案内するために設けられたものである。内レールK61の先端部分(図12の左上部)には戻り球防止部材K68が取り付けられ、一旦、遊技盤K13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールK62の先端部(図12の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムK69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムK69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図12の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bの機能は第1実施形態において説明したので、ここでは説明を省略する。
尚、本パチンコ機K10では、第1入賞口K64及び第2入賞口K640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機K10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R時短有通常大当たり、4R時短有通常大当たり、15R時短無し通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本パチンコ機K10では、時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物K640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物K640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口K640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも前方に張り出すことで、開閉板の上面を遊技球が転動可能となり、その転動した遊技球が第2入賞口K640へ入球可能となり、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも後方に退避され、遊技球を第2入賞口K640まで橋渡しすることができなくなることで遊技球が第2入賞口K640に入球し難くなるように構成される。
なお、電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化が前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる例として、電動役物K640aの下方に第2入賞口K640が配置され、電動役物K640aが開放状態の時に開閉板が後方に退避され、電動役物K640aが閉鎖状態の時に開閉板が前方に張り出すように構成しても良い。即ち、電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口K640側へ入球可能となり、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口K640との間を塞ぐことで球が第2入賞口K640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成されるようにしても良い。
また、電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板の上面に拾われた遊技球が第2入賞口K640に案内され易く、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口K640との間を塞ぐことで球が第2入賞口K640に入球し難くなるように構成することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口K63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板K60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニットK80が配設されている。可変表示装置ユニットK80には、第1入賞口K64及び第2入賞口K640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置K81と、スルーゲートK67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板K60には、第3図柄表示装置K81を正面視で囲むようにして、センターフレームK86が配設されている。
第3図柄表示装置K81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図10参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置K81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置K81は、主制御装置H110(図10参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置K81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートK67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機K10では、球がスルーゲートK67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機K10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口K640に付随された電動役物K640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口K640の電動役物K640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物K640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物K640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲートK67は、可変表示装置ユニットK80の右側の領域において遊技盤K13に組み付けられ、遊技盤K13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートK67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートK67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置K81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置K81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置K81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲートK67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートK67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲートK67の組み付け位置は可変表示装置ユニットK80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットK80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示される場合等には、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニットK80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口K64が配設されている。この第1入賞口K64へ球が入賞すると遊技盤K13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図10参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、スルーゲートK67の正面視左下側には、球が入賞し得る第2入賞口K640が配設されている。この第2入賞口K640へ球が入賞すると遊技盤K13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図10参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。なお、第2入賞口K640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口K64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側(例えば、第1入賞口K64よりも正面視左下側)でも良い。
また、第1入賞口K64および第2入賞口K640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。この場合の賞球個数の大小関係は逆転しても良い。
第2入賞口K640には電動役物K640aが付随されている。この電動役物K640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物K640aが閉鎖状態(退避状態)となって、球が第2入賞口K640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートK67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物K640aが開放状態(張出状態)となり、球が第2入賞口K640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物K640aが開放状態(張出状態)となる回数が増える。更に、時短中は、電動役物K640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口K64に球が入賞した場合と第2入賞口K640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は同一(約1/319)である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R時短有通常大当たりとなる確率は、第2入賞口K640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口K64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口K64は、第2入賞口K640にあるような電動役物K640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口K640に入賞しづらいので、電動役物K640aのない第1入賞口K64へ向けて、可変表示装置ユニットK80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口K64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短中は、スルーゲートK67に球を通過させることで、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが開放状態となりやすく、第2入賞口K640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口K640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲートK67を通過させて電動役物K640aを開放状態にすると共に、第2入賞口K640への入賞によって15R時短有通常大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機K10とは異なり、遊技盤K13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口K64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口K640を狙うこともできる。この場合、遊技者から球の打ち方を変化させる煩わしさを取り去ることができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機K10では、「右打ち」では第1入賞口K64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲートK67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機K10は、パチンコ機K10の遊技状態(時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口K64の右方には第2可変入賞装置K650(図12参照)が配設されており、その下流側位置に第2特定入賞口K650aが設けられている。パチンコ機K10においては、第1入賞口K64又は第2入賞口K640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置K81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口K650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2特定入賞口K650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口K650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口K650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
抽選された大当たりが時短有通常大当たりだった場合、大当たり遊技終了後の時短中に右打ち遊技を行うことで、第2入賞口K640へ遊技球を入賞させることができる。本実施形態では、付与される時短の回数は3回とされ、第2入賞口K640に遊技球が入賞すると、約1/2の確率で小当たりが発生し、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて小当たりに対応したLEDが点灯する。この小当たりにより、第2特定入賞口K650aよりも上流側に配置される第1特定入賞口K65aが所定時間開放され、その第1特定入賞口K65aの開放中に、球が第1特定入賞口K65a内へ入賞し、その特定入賞口K65aの下流側の特定領域K65cを通過することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。
このように、本パチンコ機K10では、右打ち遊技において、第2入賞口K640へ遊技球が入球すると約1/2の確率で特別遊技状態へ遊技状態を遷移させることが可能になり、これは左打ち遊技における大当たり確率(約1/319)よりも著しく高い確率となるので、右打ち遊技状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特定入賞口K65a,K650aの個数は限定されるものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口K64の右方に限らず、例えば、第1入賞口K64の下方右側や、第1入賞口K64の下方左側や、可変表示装置ユニットK80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤K13には、アウト口K71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口K63,K64,K65a,K640,K650aにも入賞しなかった球は、アウト口K71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤K13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
なお、本実施形態におけるその他装置H228(図10参照)には、駆動ソレノイドKSOL41や駆動モータKMT41a,KMT41b,KMT51,KMT61,KMT71,KMT81,KMT82等が含まれる。
なお、本実施形態においても、その他装置H228(図10参照)には、上述の役物装置の駆動源だけではなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示せず)や、第2入賞口K640の電動役物K640aの駆動源等(駆動ソレノイドK247及び駆動ソレノイドK253等)を含む構成としても良い。
また、本実施形態における各種スイッチH208(図10参照)には、検出センサK413,K418,K556a,K556b,K556c,K565,K711e,K716,K858等が含まれる。
次いで、遊技盤K13及び動作ユニットK300の構造について説明する。図13は、遊技盤K13及び動作ユニットA200の分解正面斜視図である。なお、図13の説明においては、図12を適宜参照する。
動作ユニットK300は、遊技盤K13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されているが、詳細は後述する。動作ユニットK300の支持板部K313が遊技盤K13に面で支持された状態で、遊技盤K13のベース板K60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤K13と動作ユニットK300とが一体的に固定され、遊技盤K13及び動作ユニットK300の全体としての剛性の向上が図られている。
ベース板K60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板K60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板K60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
図14は、遊技盤K13の分解正面斜視図である。図14では、入賞ユニットK200から化粧カバーK220が分解された状態が図示されている。また、図12と同様に球案内用の釘の図示が省略されると共に、それと加えて風車KWF(図12参照)の図示も省略されている。
図15は、入賞ユニットK200の分解正面斜視図であり、図16は、入賞ユニットK200の分解背面斜視図である。図15及び図16に図示されるように、入賞ユニットK200は、ベース板K60の前面に締結固定されるベース部材K201と、そのベース部材K201の正面側に配置されベース部材K201と共に球の流下経路を構成する化粧カバーK220と、ベース部材K201の背面側から進退動作する電動役物K640aを有する第1電動役物K240と、その第1電動役物K240よりも下側においてベース部材K201の背面側に配設され、ベース部材K201の背面側から進退動作する可動板K251を有する第2可変入賞装置K650としての第2電動役物K250と、を備える。
ベース部材K201は、背面側に突条状に形成される突条縁部の内側において光拡散形状が形成される板状本体K202と、その板状本体K202に穿設される案内開口K203と、案内開口K203の正面側を流下する球を減速させるよう正面側に突設される複数の減速突起K204と、案内開口K203よりも下側において板状本体K202に穿設される案内開口K205と、その案内開口K205の下縁に沿って正面側に突設される突条部K206と、案内開口K205の上側において板上本体K202に凹設される複数の減速凹部K207と、案内開口K203よりも下側であり案内開口K205よりも上側の位置において左右方向に長尺の突条状に形成される長尺突条K208と、案内開口K205の上縁に沿って背面側に延設される延設部K209と、案内開口K205よりも下側において球を背面側へ案内可能に形成される複数の球案内部K210と、板状本体K202の光拡散形状が形成されている箇所に光を照射可能なLED等の複数の発光部K212を有しており板状本体K202の背面側に締結固定される電飾基板K211と、を備える。
化粧カバーK220は、ベース部材K201の板状本体K202と共に球の流下経路の前後を区画する板状本体K221と、その板状本体K221から背面側へ延設され球の流下経路を形成する延設形成部K222と、その延設形成部K222で縁取られる領域の内側において板状本体K221から背面側に突設形成され流下経路を分岐させる分岐形成部K223と、延設形成部K222で縁取られる領域の内側において板状本体K221から背面側に突設形成されベース部材K201の案内開口K203へ向けて球を案内する傾斜面が後面に形成される傾斜形成部K224と、ベース部材K201の減速凹部K207の前方位置に対応して板状本体K221から背面側に突設形成される複数の減速突起K225と、延設形成部K222で縁取られる領域よりも下側の箇所に光を照射可能なLED等の複数の発光部K228を有しており延設形成部K222の延設先端と略面一を形成することで板状本体K221と十分な距離を開けて化粧カバーK220に締結固定される電飾基板K227と、を備える。
第1電動役物K240は、第2入賞口K640と、案内開口K203を通り前方に配置される張出状態(開放状態)において球を第2入賞口K640へ向けて案内可能な電動役物K640aと、その電動役物K640aを駆動させる駆動ソレノイドK247が内部に配設され電動役物K640aを下側から支える支持箱部材K246と、電動役物K640aが前後方向に変位できるように電動役物K640aの上面を案内すると共に第2入賞口K640への経路の天井部を形成する上カバー部材K248と、を備える。
電動役物K640aは、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、左方へ向けて下降傾斜する第1形成面K241と、その第1形成面K241の下流側端部に連設され後方へ向けて下降傾斜する第2形成面K242と、その第2形成面K242における第1形成面K241に対する左右方向逆側(左側)において左前部を頂点として右方および後方へ向けて下降傾斜する第3形成面K243と、を備える。
第2電動役物K250は、案内開口K205を通り前後方向に進退動作可能な可動板K251と、その可動板K251を駆動させる駆動ソレノイドK253が内部に配設され可動板K251を下側から支える支持箱部材K252と、を備える。
可動板K251は、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、駆動ソレノイドK253が非励磁の状態において前方側に張り出す張出状態(閉鎖状態)では、第2特定入賞口K650aへの入球が防止され、駆動ソレノイドK253が励磁された状態において後方に退避する退避状態(開放状態)では、第2特定入賞口K650aへの入球が許容される。
可動板K251の張出状態では、可動板K251を傾倒させる方向に球の重みが作用した場合に、突条部K206が可動板K251の下面と当接することで、その傾倒が防止される。
更に、可動板K251の後端側上方には延設部K209が配設されているので、延設部K209が可動板K251の上面と当接することで、可動板K251の傾倒が防止される。このように、複数箇所での当接により、可動板K251の傾倒を防止することができる。
図17は、図12のZ01m部における遊技盤K13の部分拡大正面図であり、図18は、図17のX02m-X02m線における遊技盤K13の断面図である。図17では、化粧カバーK220の内側の形状が想像線で図示される。
図17に図示されるように、分岐形成部K223は、電動役物K640aの右端部へ向けて上面に到達した球を案内可能に配置されている。また、傾斜形成部K224は、右側へ張り出す部分が、第1電動役物K240の第3形成面K243に対応して、正面視で右方へ向けて下降傾斜する。
これにより、第1電動役物K240の電動役物K640aの張出状態において、電動役物K640aの上面に球が衝突して電動役物K640aに上下方向に跳ねるような変位が生じた場合における第3形成面K243と傾斜形成部K224との衝突を面での衝突とすることができるので、衝突時の荷重が点で生じる場合に比較して、第3形成面K243が受ける荷重を分散させることができ、電動役物K640aの破損を回避し易くすることができる。
図17では、化粧カバーK220の板状本体K221の正面側に施される大形意匠K221aと、小形意匠K221bとが、図示される。ここで、本実施形態では大形意匠K221aの縁取りの色として電動役物K640a及び可動板K251と同じ赤が選択され、縁取り以外の部分は、基本的には無色透明とされ、特に電飾基板K227と前後で重なる位置においては白色で不透明に施され、小形意匠K221bは有色(本実施形態では白)不透明の装飾として形成される。これに対応して、大形意匠K221aには赤色を示す網掛けを付し、小形意匠K221bには網掛けを付さずに図示する。
小形意匠K221bは、電動役物K640aの上面を転動する球の流下経路に沿う方向を示す矢印先端部形状(左下側に頂点を有するカッコ形状)としてデザインされており、小形意匠K221bを視認した遊技者に対して球の流下経路について示唆するよう機能する。
このように、化粧カバーK220の装飾としての大形意匠K221aと、電動役物K640a及び可動板K251との色を合わせることにより、電動役物K640a及び可動板K251を装飾の一部として遊技者に視認させることが可能となる。
本実施形態では、図17に図示されるように、電動役物K640a及び可動板K251の傾斜の方向(左側へ向けて下降傾斜する方向)と、大形意匠K221aの傾斜が揃っているので、電動役物K640a及び可動板K251と大形意匠K221aとを合わせて「一つの装飾模様」として視認させることができる。そして、この場合において、電動役物K640a及び可動板K251の配置の違いによる見え方の違いを利用して、視認される上述の「一つの装飾模様」を変化させることができる。
図17に図示されるように、電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)の前方は、板状本体K221が無色透明とされており、視認性が良い。そのため、電動役物K640a又は可動板K251により案内される球の視認性を向上させることができる。
更に、電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)の上下位置の前方は、板状本体K221の大形意匠K221aとして有色(本実施形態では赤)透明とされており、無色透明よりも視認性が低下されている。これにより、遊技者の視線を視認性の良い電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)へ誘導することができるので、電動役物K640a又は可動板K251により球が案内されている場合に、その球を判別させ易くすることができる。
図18では、第1電動役物K240及び第2電動役物K250の非励磁状態における電動役物K640a(退避状態)及び可動板K251(張出状態)の配置が実線で図示され、第1電動役物K240及び第2電動役物K250の励磁状態における電動役物K640a(張出状態)及び可動板K251(退避状態)の配置が想像線で図示される。
電動役物K640aは、励磁状態(張出状態)において上面が球の流下面として機能する。即ち、案内開口K203を通り第2入賞口K640(図15参照)へ案内される球は図18に想像線で図示される張出状態の電動役物K640aの上面を転動する。
そのため、電動役物K640aよりも下側かつ可動板K251よりも上側に配置され電動役物K640aを斜め下方に見下ろす方向視KDR21で視認する遊技者が視認可能な光を照射するLEDとして図18に図示される発光部K212からの光が、電動役物K640aを転動する球に隠されて遊技者の目に届かなくなる事態を回避することができる。
即ち、図18に図示される発光部K212からの光は、電動役物K640aよりも下側を通り遊技者の目に届くので、電動役物K640aの上面を転動する球の有無により発光部K212からの光の視認態様が変化することが防止される。
また、発光部K212からの光が電動役物K640a自体を明るく照らすように作用することで、電動役物K640a上を明るくすることができる。発光部K212からの光が電動役物K640aに到達するよりも前に、電動役物K640a上を転動する球に遮蔽されることは無いので、電動役物K640a上に球が有るか否かに因らず電動役物K640aの明るさ(見映え)が変わることを防止できる。このように、電動役物K640a上に球が有るか否かに因らず電動役物K640aを明るくすることができ、電動役物K640a上を転動する球の視認性を向上させることができる。
この場合において、第1形成面K241の形成部のように板厚の寸法がより小さい部分において電動役物K640a上を明るくする程度を高めることができるので、電動役物K640aの明るさは、第3形成面K243の形成部よりも第1形成面K241の形成部を明るくすることができる。
これにより、電動役物K640a上を転動する球の流下経路の下流側よりも上流側に遊技者の視線を誘導することができ、分岐形成部K223における球の分岐に注目させることができる。
これにより、分岐形成部K223の上面を左に流れて電動役物K640aの上面に案内され得る球の存在と、分岐形成部K223の上面を右に流れて電動役物K640aには案内されずに下流側へ流下する球の存在とを、遊技者に把握させることができるので、発射球数よりも第2入賞口K640(図15参照)へ案内される球数が少ないことから、遊技領域から球が漏れたり、球の発射が適切に行われなかったりという遊技機不良が生じていると思い込み、遊技者が遊技を止めてしまう事態が生じることを防止し易くすることができる。
図18に図示されるように、第2電動役物K250の可動板K251は、左右縁部が前後方向に延びる突条状に下方に突設され、その突設先端がベース部材K201の突条部K206に下支えされることで、張出状態における可動板K251の前傾方向の姿勢変化が防止されている。
また、可動板K251の上側には延設部K209が形成されており、可動板K251が前傾方向に姿勢変化する場合に、その姿勢変化を規制する。即ち、本実施形態では、可動板K251の姿勢変化を抑制するための形状部がベース部材K201に形成されており、化粧カバーK220には形成されていない。
このように構成することで、可動板K251の姿勢変化を抑制するという作用は生じさせつつ、化粧カバーK220に凹凸形状が形成される領域を狭めることができるので、化粧カバーK220を介して球の流下経路を視認する場合における流下経路の視認性を向上させることができる。
なお、延設部K209は、下面の形状が、前方または斜前上方向からの光を全反射させるように湾曲した形状とされている。これにより、延設部K209の基端部が配設される板状本体K202よりも後側に延びている可動板K251の後側部が遊技者に視認されることを避けることができ、可動板K251については、専ら、板状本体K202よりも前側に張り出している部分に注目させることができる。
なお、本実施形態では、延設部K209の形状の設計により延設部K209の下側の構造物を視認させないようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部K209の表面に、ミラーテープや、遮光テープを貼り付けることで、光の透過を防止するように構成しても良い。
また、可動板K251付近を前後方向の方向視KDR22で視認する場合において、減速凹部K207の上縁部K207aを介して張出状態における可動板K251の上面を視認できるように、減速凹部K207が形成される。即ち、上縁部K207aが鏡のように機能して、可動板K251の色(本実施形態では赤色)で上縁部K207aを視認させることができる。
一方、可動板K251が退避状態とされると、可動板K251の先端は上縁部K207aよりも後方に退避するので、上縁部K207aが鏡のように機能して、突条部K206の上面付近の色(本実施形態では無色透明であり、上縁部K207aと同じ)で上縁部K207aを視認させることができる。
即ち、上縁部K207aの視認態様(色味)を、可動板K251が張出状態とされるか(赤色で視認される)、可動板K251が退避状態とされるか(無色透明で視認される)で変化させることができる。これにより、可動板K251の状態が変化した場合における可動板K251付近の視認態様の変化の程度を大きくすることができる。
上縁部K207aは、中央と右側の減速凹部K207では、可動板K251の上面に略平行なライン状で形成されているので、可動板K251の上面を転動する球よりも若干上側において、球の流下方向に平行に延びる上縁部K207aが可動板K251と同じ赤色で視認される。これにより、可動板K251の上面を転動する球の流下方向を、可動板K251とは異なる位置にある上縁部K207aにより遊技者に把握させることができる。
更に、上縁部K207aは、左側の減速凹部K207では、可動板K251の上面を左側へ案内された球が案内される流路(可動板K251よりも左側の流路)へ向けた左方向へ下降傾斜するライン状で形成されているので、可動板K251の左端部を過ぎて流下する球の流下方向に沿って延びる上縁部K207aが可動板K251と同じ赤色で視認される。これにより、可動板K251の上面を左方へ通り過ぎた後の球の流下方向を、可動板K251とは異なる位置にある上縁部K207aにより遊技者に把握させることができる。
図17及び図18を参照して、更に上縁部K207aについて説明する。上縁部K207aが形成される減速凹部K207は、球が進入可能となるように上下幅が球の直径よりも長くなるように形成されている。
そのため、遊技者が方向視KDR22で可動板K251付近を視認している場合に、可動板K251の上面を球が転動する場合であっても、その球により上縁部K207aが隠されることはない。従って、可動板K251の上面を転動する球の上下において、可動板K251と、その可動板K251と同様に左下方へ傾斜する上縁部K207aとにより、2本の赤色のライン状の装飾を遊技者に視認させることができる。
ここで、方向視KDR22に対して上縁部K207aが鏡として作用して可動板K251を視認させる場合の光の通り道は、減速凹部K207を通るので、可動板K251上を流下する球がある場合であっても、球が減速凹部K207に進入していなければ上縁部K207aの視認態様に影響はない。
また、球が減速凹部K207に進入している場合であっても、球は球体である一方で減速凹部K207の凹設側端部は平面であり、減速凹部K207が球により満たされることはないので、球に遮蔽されずに進行する光が上縁部K207aで反射されて遊技者の目に届くことになる。
従って、可動板K251上を球が流下する場合であっても、上縁部K207aの視認態様の変化を小さくすることができる。即ち、上縁部K207aが赤色で視認される状態は、可動板K251上に球が有る場合にも、無い場合にも、共通に生じさせることができる。
図17に図示されるように、本実施形態では、化粧カバーK220の大形意匠K221aの縁取りの内側に、上縁部K207a及び可動板K251が沿うように配置されており、化粧カバーK220の大形意匠K221aの縁取りの色と、可動板K251の色とは共通とされる。
そのため、可動板K251が張出状態の場合には、大形意匠K221aの縁取りを部分的に太くするように上縁部K207aが作用し、可動板K251が退避状態の場合には、上縁部K207aが透明に視認されることで、大形意匠K221aの縁取りが均一となるように視認される。
大形意匠K221aの縁取りとして視認される形状が部分的に太い場合が可動板K251の張出状態に対応し、大形意匠K221aの縁取りとして視認される形状の太さが均一である場合が可動板K251の退避状態に対応することから、遊技者は、大形意匠K221aの縁取りの太さを視認することで可動板K251の状態を把握することができる。
可動板K251上を転動する球の流下経路の手前側には、化粧カバーK220の減速突起K225が位置する。減速凹部K207とは違い、減速突起K225の上下幅は球の直径よりも小さくされる(球の半径よりも小さくされる)。これにより、可動板K251上を球が転動する場合に、球が減速突起K225により隠されて(見え難くされて)、遊技者が球の位置を把握できなくなる事態を避けることができる。
図19、図20、図21及び図22は、斜め下方に見下ろす方向視KDR21における入賞ユニットK200の斜視図である。図19、図20、図21及び図22では、電動役物K640aや可動板K251の配置の違いに伴う化粧カバーK220の大形意匠K221a及び小形意匠K221bの視認態様の違いを説明するために、化粧カバーK220については、板状本体K221の外形が想像線で図示されると共に大形意匠221aおよび小形意匠K221bの位置が図示され、背面側に張り出す形状部としての分岐形成部K223、傾斜形成部K224及び減速突起K225の配置が想像線で図示される。
また、図19、図20、図21及び図22では、赤色の大形意匠K221aの縁取り、電動役物K640a及び可動板K251に、共通の網掛けが付される。なお、入賞ユニットK200に案内された球の流下経路の詳細については図示が省略されているので、流下経路の詳細について図17を適宜参照する。
図19では、第1電動役物K240において電動役物K640aが退避状態(非励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が張出状態(非励磁状態)とされる。この状態は、主に通常状態に対応する。
図19に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図15参照)に案内されることは無く、第2特定入賞口K650aに案内されることもない(図17参照)状態である。
この状態において、大形意匠K221aは、縁取りの内側の上下中央部に可動板K251が進入しているように視認され、大形意匠K221a自体の形状があたかも切断されているように遊技者に印象付けることができる。
従って、大形意匠K221a自体の形状があたかも切断されているように視認されている場合と、第2入賞口K640及び第2特定入賞口K650aに球が案内されない状態とが対応するので、遊技者は、大形意匠K221aの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
図20では、第1電動役物K240において電動役物K640aが張出状態(励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が張出状態(非励磁状態)とされる。この状態は、主に時短状態や確変状態において頻繁に生じる状態に対応する。
図20に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図15参照)に案内され得る一方で、第2特定入賞口K650aに案内されることはない(図17参照)状態である。
この状態において、小形意匠K221bは、大形意匠K221aの縁取りの内側に進入しているように視認される電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される。この場合、図19で図示されるように背景色が無色の場合に比較して、白色の小形意匠K221bを目立たせることができる。
従って、小形意匠K221bが電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される場合と、第2入賞口K640に球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、小形意匠K221bの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球が第2入賞口K640に入球され得るかどうかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
ここで、化粧カバーK220に施される小形意匠K221bを判別し易い装飾とすると、その装飾が邪魔になり球自体の流れが見え難くなる可能性があり、逆に、球の流れを見え易くするために淡い装飾とすると、装飾としては見え難い演出効果の小さいものになる可能性がある。光照射により形状を浮かび上がらせる導光パネル等を利用する手もあるが、高価であったり、ある程度の厚みを要する等の設計に絡む条件から配置が限定されたりするといった問題点があり、万能ではない。
これに対し、本実施形態では、化粧カバーK220の前面の装飾で完結させるのではなく、小形意匠K221bの見映えに、電動役物K640aが影響を及ぼし得るように構成することで、装飾の見映えと、球の見え易さとを両立させている。
即ち、小形意匠K221b単体では目立たない装飾とすることで、電動役物K640aが退避状態とされている場合には、小形意匠K221bを目立たせないことで化粧カバーK220の背面側を流下する球自体に注目させるようにする一方、電動役物K640aが張出状態とされる場合には、小形意匠K221b自体を目立たせて、第2入賞口K640への入球に期待させる装飾としての演出効果を向上させることができる。
電動役物K640aを背景として小形意匠K221bを目立たせる場合、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入すると、小形意匠K221bの見栄えが変化することが懸念される。
ベース部材K201の板状本体K202と化粧カバーK220の板状本体K221(図15参照)とで形成される流路の前後幅は球の直径よりも十分に長くされていること(約19mm)、パチンコ機K10は一般的に数度(約1度)だけ後側へ傾斜されていること、を考慮すれば、電動役物K640aの上面を転動する球は後側に配置されるベース部材K201の板状本体K202に接しながら流下する可能性が高いので、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入する前提となる球が化粧カバーK220側に寄る(前側寄りで流下する)事態が生じる可能性を低くすることができる。
従って、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入する事態を生じ難くすることができるので、電動役物K640a上を球が転動している状態における小形意匠K221bの見栄えの変化を防止し易くすることができる。
図21では、第1電動役物K240において電動役物K640aが退避状態(非励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が退避状態(励磁状態)とされる。この状態は、主に特別遊技状態のラウンド遊技中の状態に対応する。
図21に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図15参照)に案内されることは無く、第2特定入賞口K650a(図17参照)に案内され得る状態である。
退避状態の可動板K251は、先端部が案内開口K205の後側まで十分に収納され(図18参照)、方向視DR21では視認不能とされる。また、退避状態の可動板K251の上側を覆う延設部K209(図18参照)の全反射の作用により、延設部K209を介して可動板K251を視認することが不可能とされるので、図21に図示される状態において、可動板K251を完全に隠すことができる。
図21に図示される状態において、電動役物K640aが小形意匠K221bの背景色を構成することはなく、大形意匠K221aの縁取りの内側において可動板K251が視認されることも無いので、遊技者に対して、大形意匠K221a自体の形状を印象的に視認させることができる。
従って、大形意匠K221a自体の形状が切断されない状態で視認されている場合と、第2特定入賞口K650aに球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、大形意匠K221aの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
なお、本実施形態では、方向視DR21において、可動板K251が大形意匠K221aの縁取りの内側に視認されるか否かで状態の切替を把握可能に構成される一方で、方向視DR22において、図17で上述したように、上縁部K207aが赤色で視認されることで大形意匠K221aの縁取りの太さが部分的に変化するか否かで状態の切替を把握可能に構成される。
このように、本実施形態では、見栄えの変化を生じさせる主体は可動板K251で共通としつつも、見栄えが変わる対象を複数設けてあるので、遊技者が入賞ユニットK200を視認する方向視が遊技中に変化したとしても、大形意匠K221aの視認態様から入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測させるという目的を達成させることができる。
図22では、第1電動役物K240において電動役物K640aが張出状態(励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が退避状態(励磁状態)とされる。この状態は、主に特別遊技状態のラウンド遊技中において、第2図柄の抽選で当たりとなり、電動役物K640aが駆動された状態に対応する。
図22に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図15参照)に案内され得るか、又は、第2特定入賞口K650a(図17参照)に案内され得る状態である。
この状態において、小形意匠K221bは、大形意匠K221aの縁取りの内側に進入しているように視認される電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される。この場合、図19で図示されるように背景色が無色の場合に比較して、白色の小形意匠K221bを目立たせることができる。
従って、小形意匠K221bが電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される場合と、第2入賞口K640に球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、小形意匠K221bの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球が第2入賞口K640に入球され得るかどうかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
一方、特別遊技状態では電動役物K640aの励磁時間が極端に短くされるので、実際に球が第2入賞口K640に入球する事態は発生し難いように構成されている。従って、電動役物K640aを利用して、小形意匠K221bの見映えを変化させるだけの(第2入賞口K640への入球による賞球は発生させ難い)演出を実行させることができる。
図23は、遊技盤K13の背面斜視図であり、図24は、遊技盤K13の分解背面斜視図である。図23に図示されるように、ベース板K60は、内部においてセンターフレームK86を内嵌可能な形状で開口形成される開口部K60wを備えている。また、ベース板K60は、内レールK61及び外レールK62(図12参照)により外縁が区画される遊技領域の形成範囲においては強度面から肉厚が十分に確保されており、遊技領域の形成範囲の外方において、背面側から凹設されるようにして肉厚が削られる形成凹部K60a~K60dを備える。
開口部K60wは、センターフレームK86を前後幅に亘って支持する目的から、ベース板K60の厚み方向(前後方向)の位置が異なっても同一形状となるように形成される。これにより、センターフレームK86を安定的に支持することができる。
左上側の第1形成凹部K60aは、外レールK62(図12参照)の左上側に配設される樹脂製の遮蔽部材K74の後方に配置されており、遮蔽部材K74により第1形成凹部K60aが目隠しされる。
右上側の第2形成凹部K60bは、外縁部材K73(図12参照)及び外縁部材K73よりも上側の範囲の後方に配置されており、外縁部材K73により第2形成凹部K60bが目隠しされる。
左下側の第3形成凹部K60cは、外レールK62(図12参照)の左下側に配置され第1図柄表示装置H37A,H37Bが内蔵される樹脂製の遮蔽部材K75の後方に配置されており、遮蔽部材K75により第3形成凹部K60cが目隠しされる。
図24に図示されるように、遊技盤K13は、ベース板K60の下側部の背面側に締結固定される左右長尺の樋用前側部材K91と、その樋用前側部材K91の背面側に締結固定され樋用前側部材K91と共同で球を流下させる樋を構成する樋用後側部材K92と、その樋用後側部材K92の背面側に締結固定され正面側へ光を照射するLEDが配置される電飾基板K93と、その電飾基板K93の取り外しを防止可能となるように電飾基板K93を挟む用にして樋用後側部材K92に締結固定される防止部材K94と、その防止部材K94と共同で球を流下させる樋を構成する補助部材K95と、樋用後側部材K92に製造条件から生じる不要な開口部を塞ぐ機能を有すると共に電気配線を結束バンドで束ねる支持部としての機能する閉塞部材K96と、を備える。
電飾基板K93からの光は、遊技領域の左下側に配置される一般入賞口K63へ向けて照射される。即ち、電飾基板K93に配置されるLEDを点灯させることにより、一般入賞口K63を明るく視認させることができるので、遊技者の一般入賞口K63への注目力を、電飾基板K93に配置されるLEDの点灯または消灯により変化させることができる。
右下側の第4形成凹部K60dは、外レールK62の下縁よりも下側において外縁部材K73の下端側形成部K73a(図14参照)の後方の領域を含むように配置されており、その下端側形成部K73aにより第4形成凹部K60dの少なくとも一部が目隠しされる。
第4形成凹部K60dの後方には樋用前側部材K91及び樋用後側部材K92の左側部が配置されており、第4形成凹部K60dの後方の領域を球が流下可能に構成されている。
図25は、動作ユニットK300の分解正面斜視図である。なお、図25の説明においては、図13を適宜参照する。動作ユニットK300は、左右に長尺に形成され正面視で第3図柄表示装置K81の表示領域の上側に配設される上側装飾部材K330と、上下に長尺で形成され正面視で第3図柄表示装置K81の表示領域の左側に配設される左側装飾部材K350と、上側装飾部材K330及び左側装飾部材K350が正面側に締結固定される前層側可動装置K400と、その前層側可動装置K400の後側に配設される後層側可動装置K800と、前層側可動装置K400及び後層側可動装置K800が収容され締結固定される背面ケースK310と、を備える。
背面ケースK310は、底壁部K311と、その底壁部K311の外縁から立設される外壁部K312とから正面側が開放された箱状に形成される。背面ケースK310は、底壁部K311の中央に矩形状の開口K311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口K311aは、第3図柄表示装置K81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置K81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケースK310は、外壁部K312の正面側端部に遊技盤K13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図12参照)において遊技盤K13に面で支持される支持板部K313を備える。
その支持板部K313が遊技盤K13に面で支持された状態で、遊技盤K13のベース板K60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤K13と動作ユニットK300とを一体的に固定することができるので、遊技盤K13及び動作ユニットK300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
前層側可動装置K400は、左右長尺に構成され初期位置としての上端位置から上下移動可能な第1可動装置K401と、第1可動装置K401の下側の左右中心位置において昇降移動可能に構成される第2可動装置K701と、を備える。
上側装飾部材K330は、内部に発光基板が配設され、発光基板から前側に照射される光が透光性の装飾部分に照射されることで発光演出を行う一方で、初期位置の第1可動装置K401を目隠しすることが可能な大きさで形成される。
左側装飾部材K350は、内部に発光基板が配設され、発光基板から前側に照射される光が透光性の装飾部分に照射されることで発光演出を行う一方で、第1可動装置K401の左側における駆動力伝達機構を目隠しすることが可能な大きさで形成される。
後層側可動装置K800は、前側に前層側可動装置K400が配置される関係上、その前層側可動装置K400よりも背面ケースK310における奥側(後側)に配設されることから、前層側可動装置K400よりも可変表示装置ユニットK80に近い位置に配設される。
後層側可動装置K800は、前後に層状に配置される板状部材が左右方向にスライド移動されることで、第3図柄表示装置K81の表示領域を露出させたり、隠したりするように動作する第3可動装置K801を備える。
後層側可動装置K800は、背面ケースK310の底壁部K311に締結固定され、前層側可動装置K400は、後層側可動装置K800よりも外側を通る締結部を介して背面ケースK310の底壁部K311に締結固定されると共に、後層側可動装置K800の非可動部分に締結固定される。まず、動作ユニットK300の動作制御の概要について例示して説明する。
図26から図32は、動作ユニットK300の動作制御の一例を示す動作ユニットK300の正面図である。図26では、第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801がそれぞれ演出待機状態である場合について図示される。即ち、図26において、第1可動装置K401は上側装飾部材K330に隠されており、第3可動装置K801は前層側可動装置K400に隠されているため、第1可動装置K401及び第3可動装置K801を正面視で視認することはできない。
図27では、第2可動装置K701が演出待機状態よりも下降された下降配置状態とされることで、空いたスペースに第1可動装置K401が進入するように落下することで第1可動装置K401が落下位置状態とされ、第3可動装置K801は演出待機状態とされる場合について図示される。
第1可動装置K401の位置と第2可動装置K701の位置とが前後にずれておらず(上面視で重なっており)、第2可動装置K701が演出待機状態のままだと落下後の第1可動装置K401と衝突してしまうことから、予め第2可動装置K701が下降配置状態とされた後で第1可動装置K401が落下するように駆動制御される。
第1可動装置K401は、少なくとも最背面側の部材(長尺装置K540の本体部K541)が非透過となるように構成されているので、第1可動装置K401と重なる部分については第3図柄表示装置K81による表示が隠される。従って、図27に示す状態において、遊技者は第3図柄表示装置K81の表示領域における表示を正面視で完全には視認することができない。
図28では、第1可動装置K401及び第2可動装置K701がそれぞれ演出待機状態とされ、第3可動装置K801が第3図柄表示装置K81の手前側を塞ぐ閉塞状態とされる場合について図示される。
第3可動装置K801は、正面視矩形状に形成される板状部K811,K821,K831は、光透過性に形成されており、その透過の度合いを部分的に異ならせている。これにより、図28に示すように板状部K811,K821,K831により第3図柄表示装置K81の表示領域の全域が塞がれる場合に、第3図柄表示装置K81の表示が視認され易い部分と、第3図柄表示装置K81の表示が板状部K811,K821,K831に隠されて板状部K811,K821,K831の表面の装飾が視認され易い部分とを構成することができる。
図29では、第1可動装置K401が落下位置状態における上下位置を保ったまま、移動装置K560が左側にスライド移動された後で、下降配置状態とされていた第2可動装置K701が演出待機状態に変化されており、第3可動装置K801が閉塞状態とされる場合が図示される。
移動装置K560を左右にスライド移動させ第2可動装置K701と干渉しない位置(図29参照)まで移動させた上で、第2可動装置K701を移動させることで、移動装置K560と第2可動装置K701との間隔を狭め、且つ、動作ユニットK300の正面視中央側に第2可動装置K701を寄せて、第1可動装置K401及び第2可動装置K701を遊技者に視認させ易くしている。
図29に図示されるように、第1可動装置K401の変位軌跡と第3可動装置K801の変位軌跡とが、正面視で部分的に重なるが、第1可動装置K401の変位軌跡と第3可動装置K801の変位軌跡とが前後でずれている(上面視で重ならない)ので、第1可動装置K401及び第3可動装置K801は、動作中に互いに衝突しない(干渉しない)。そのため、図29に図示されるように、第1可動装置K401を演出待機状態から落下位置状態へ変化させた状態において、第3可動装置K801を演出待機状態から閉塞状態に変化させることができる。
このようにして、第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801を、それぞれ演出待機状態から駆動させる制御を実行可能とし、一体感のある動作を実現しながら、各可動装置K401,K701,K801が衝突することを避けることができる。
図29に示す状態では、第3可動装置K801の左側に描かれる装飾、第1可動装置K401の移動装置K560に描かれる装飾、第2可動装置K701に描かれる装飾および入賞ユニットK200の化粧カバーK220に描かれる装飾を一連で視認させることで意味を持たせる演出を実行可能とされる(第3可動装置K801に描かれる装飾については本図では図示を省略する。詳細は後述する)。
図30では、第1可動装置K401及び第3可動装置K801が演出待機状態とされ、第2可動装置K701が上昇配置状態とされる場合が図示される。第2可動装置K701は、演出待機状態ではセンターフレームK86の下側部と大部分が重なり視認性が悪いが(図12参照)、上昇配置状態では、半分以上がセンターフレームK86の下側部よりも上側に配置されることで、第2可動装置K701の視認性が向上される。
図31では、第2可動装置K701及び第3可動装置K801が演出待機状態とされ、第1可動装置K401の右側のみが途中位置まで落下した片側落下状態とされる場合が図示され、図32では、図31の状態から第1可動装置K401の移動装置K560が可動域の右端部まで変位された場合が図示される。
第1可動装置K401において、演出待機状態と片側落下状態との変化が生じる際には、移動装置K560の位置は左右方向中央側に維持される。これにより、昇降変位時に第1可動装置K401の左右バランスが崩れることを避けることができる。
図32に図示される片側落下状態では、移動装置K560の姿勢が右斜め下に倒れる態様で傾くため、移動装置K560の正面側の意匠が傾いてしまい、見栄えが悪くなる。これに対し、本実施形態では、演出待機状態から片側落下状態へ変化し、更に演出待機状態に変化するまでの間、移動装置K560の正面側の意匠を回転させ続けるように制御される。これにより、移動装置K560の正面側の意匠が傾いて見栄えが悪くなるという事態を避けることができる。
本実施形態では、移動装置K560の正面側の意匠の回転は、移動装置K560が正面視右方に移動する際には正面視時計回り(右向き前転方向)とされ、移動装置K560が正面視左方に移動する際には正面視反時計回り(左向き前転方向)とされる。これにより、移動装置K560の左右方向の移動と、回転動作とを遊技者に関連して把握させることができ、統一的な動作演出とすることができる。
図26から図32に示すように、各可動装置K401,K701,K801の状態に対応して、その後方に配置されている第3図柄表示装置K81の表示が見える範囲が変わる。即ち、各可動装置K401,K701,K801の全てが演出待機状態にある場合が第3図柄表示装置K81の表示が見え易い範囲(面積や位置)が最大の状態(図26参照)であり、演出待機状態から状態が変化される可動装置K401,K701,K801に対応して、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なるように構成される。
演出待機状態からの各可動装置K401,K701,K801の状態の変化の程度によっても、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なる。また、例えば、同じ可動装置(例えば、第1可動装置K401)が動作する場合であっても、図27に示す状態と、図32に示す状態とでは、動作量や、第3図柄表示装置K81の表示領域と重なる第1可動装置K401の面積や位置が異なることから、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
即ち、第3図柄表示装置K81では、各可動装置K401,K701,K801により隠されない範囲(可動装置K401,K701,K801を透視することで表示を視認可能な範囲を含む)における表示演出を視認させるように制御が設計されているところ、各可動装置K401,K701,K801により隠される範囲(可動装置K401,K701,K801を透視することで表示を視認可能な範囲を除く)が複数種類で変化することから、各可動装置K401,K701,K801により隠されない範囲における表示演出のバリエーションを多くすることができ、表示演出の演出効果を向上させることができる。
次いで、図33から図54を参照して、第1可動装置K401について説明する。図33は、前層側可動装置K400の正面分解斜視図であり、図34は、前層側可動装置K400の背面分解斜視図である。
前層側可動装置K400の内、第2可動装置K701を除く部分を構成する第1可動装置K401は、略左右対称形状の部材から左右一対で構成され背面ケースK310に締結固定される一対の支持部材K410と、その支持部材K410の下側部において回転可能に支持される一対の回転部材K430と、その回転部材K430を回転させる駆動力を発生させる一対の駆動モータKMT41a,KMT41bと、回転部材K430の回転の状態に対応して昇降可能に構成される昇降装置K500と、を備える。
更に、第1可動装置K401は、支持部材K410の前方の開放部に蓋をするように支持部材K410に締結固定される左右一対の前カバー部材K440と、右側の前カバー部材K440に前側から締結固定され昇降装置K500の動作態様を切り替える切替装置K460と、回転部材K430の回転の状態に対応して昇降装置K500の下降を許容する許容状態と昇降装置K500の下降を防止する防止状態とで変化される左右一対の状態変化装置K470と、を備える。
更に、第1可動装置K401は、左側の前カバー部材K440の下側部に正面側から締結固定され光透過性樹脂から形成される装飾部材K402と、その装飾部材K402へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板K403と、右側の前カバー部材K440の下側部に正面側から締結固定され光透過性樹脂から形成される装飾部材K404と、その装飾部材K404へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板K405と、前層側可動装置K400の組立状態(図25参照)における支持部材K410及び前カバー部材K440と第2可動装置K701との隙間を上側から塞ぐ上カバー部材K406と、を備える。
前カバー部材K440の詳細について説明する。前カバー部材K440は、略L字状に形成される板状本体K441と、その板状本体K441に上下方向に延びる長孔として穿設され昇降装置K500の昇降を案内する案内長孔K442と、その案内長孔K442の下端部近傍に配設される樹脂部材であって昇降装置K500の下降時の衝撃を吸収可能な吸収部材K443と、板状本体K441の背面から回転部材K430へ向けて突設される突設部K444と、案内長孔K442の前方に配置され案内長孔K444を前側に通過した昇降装置K500の締結部K533に連結される連結部材K445と、を備える。
図35は、第1可動装置K401の分解正面斜視図であり、図36は、第1可動装置K401の分解背面斜視図である。図35及び図36では、第1可動装置K401の内、支持部材K410、回転部材K430及び状態変化装置K470が図示され、前カバー部材K440及び切替装置K460の図示は省略される。
図35及び図36に示すように、支持部材K410は、正面視略L字状に形成される本体部K411と、その本体部K411の下側部の正面側に円筒状に突設され回転部材K430を回転可能に支持する支持部K412と、その支持部K412の左右方向外側に回転部材K430の姿勢を検出するために配設される検出センサK413と、本体部K411の下端部の正面側に円筒状に突設され状態変化装置K470の下側回転部材K471を回転動作可能に支持する支持部K414と、昇降装置K500を案内可能に上下方向に延びる長孔として形成される案内長孔K415と、その案内長孔K415に沿ってギア歯が形成されるラックK416と、本体部K411の背面側に上下方向に並べて形成され状態変化装置K470の連動部材K473の昇降移動を案内する案内突設部K417と、本体部K411の上端部の正面側に配設され昇降装置K500が演出待機状態における位置に配置されているか否かを検出可能な検出センサK418と、本体部K411に上端部が吊り下げられ下端部が昇降装置K500の鉤状部K515に引っかけられるコイルスプリングK419と、を備える。
更に、支持部材K410は、昇降装置K500の昇降動作を案内するものとして上下方向に延びる金属棒K421と、その金属棒K421の下端が差し込まれる支持受部K422と、金属棒K421に昇降装置K500を沿わせるために昇降装置K500との間で金属棒K421を挟む位置で昇降装置K500に締結固定される被固定部材K423と、金属棒K421の上端が支持部材K410の本体部K411から上方向および前方向に抜けないようにするための抜け止めとしての補助部材K424と、を備える。
なお、本実施形態では、左側の金属棒K421に対しては前カバー部材K440の板状本体K441が補助部材K424と同様の機能を果たすように構成されることで、補助部材K424は右側にのみ配設されている。
回転部材K430は、駆動モータKMT41a,KMT41bの駆動軸に固定される駆動ギアKG42の回転を支持部材K410の本体部K411に支持される中間ギアKG43を介して伝達するために背面側の全周に亘ってギア歯K432が形成される円板状の本体部K431と、その本体部K431の中心部において円形に穿設され支持部材K410の支持部K412が挿通される回転中心孔K433と、本体部K431の外周側縁部において回転部材K430の回転軸線と平行な回転軸線で回転自在に連結され昇降装置K500を下支えする伝達筒状部K434と、回転中心孔K433の同心円形状の突条において支持部材K410の検出センサK413が検出可能な幅で形成される切り欠き部K435と、本体部K431の外周側付近において背面側に突設される一組の突条により形成される案内溝K436と、を備える。
状態変化装置K470は、支持部材K410の支持部K414に回転動作可能に支持される下側回転部材K471と、その下側回転部材K471の左右内側端部から回転部材K430側へ向けて突設され案内溝K436に受け入れられる切替突部K472と、下側回転部材K471の左右外側端部に配設される軸部を介して互いに相対動作可能に連結される連動部材K473と、連動部材K473の上下端部を構成する板状部に上下に長い長孔として穿設され支持部材K410の案内突設部K417が挿通されることで連動部材K473の動作方向を上下方向とするための複数の案内長孔K474と、連動部材K473の上端部付近において正面側に突設される切替突部K475と、支持部材K410の本体部K411に回転動作可能に支持され切替突部K475の配置に対応して回転方向の姿勢が変化する上側回転部材K476と、を備える。
昇降装置K500は、回転部材K430の伝達筒状部K434に下支えされた状態において、回転部材K430の伝達筒状部K434の上下位置が上方向に変化する際に持ち上げられることで、上昇移動可能に構成される。
図37は、昇降装置K500の分解正面斜視図であり、図38は、昇降装置K500の分解背面斜視図である。昇降装置K500は、回転部材K430の伝達筒状部K434に直接的に押し上げられ得る左右一組の下側部材K510と、その下側部材K510の上端部の背面側に回転可能に支持される左右一対の変速ギアK520と、下側部材K510の昇降移動量が変速ギアK520により増減されて伝達されるように変速ギアK520に歯合されるラックK532を有しており下側部材K510と連動して昇降移動する左右一組の上側部材K530と、その上側部材K530に左右両端部が支持される長尺装置K540と、その長尺装置K540の長尺方向にスライド移動可能に構成される移動装置K560と、を備える。
下側部材K510は、正面視略L字形状に形成される本体部K511と、その本体部K511の下端において下側部材K510の移動方向(上下方向)と直交する平面状に形成される平面部K512と、本体部K511の背面側から円筒状に突設される内部に雌ネジが形成されており変速ギアK520を支持可能に構成される支持締結部K513と、金属棒K421(図35参照)に案内される被案内部K514と、本体部K511の上端部の正面側に鉤形状に形成されコイルスプリングK419(図35参照)の下端部が引っかけられる鉤状部K515と、を備える。
支持締結部K513に締結されるネジは、変速ギアK520の抜け止めとして機能し、その頭部が支持部材K410の案内長孔K415の内側に配置される。これにより、支持締結部K513に締結されるネジの頭部の張り出し分を吸収することができ、変速ギアK520の背面側面を支持部材K410の本体部K411の前側面で支持することができる。更に、支持締結部K513に締結されるネジの移動方向が案内長孔K415に制限されることによって、下側部材K510を安定して上下方向に移動させることができる。
鉤状部K515を介して、下側部材K510は、コイルスプリングK419(図35参照)により上向きに付勢される。これにより、コイルスプリングK419の付勢力で昇降装置K500の上昇移動を補助することができる。
変速ギアK520は、中間円板K521の背面側に第1ギアK522が形成され、中間円板K521の正面側に第1ギアK522と同軸で第2ギアK523が形成される。中間円板K521は、第1ギアK522の直径よりも直径が大きく、且つ、第2ギアK523の直径よりも直径が大きい円形状の板部として形成されており、これにより、第1ギアK522又は第2ギアK523と歯合している相手部材が前後方向に位置ずれして、反対の第2ギアK523又は第1ギアK522と歯合する事態が生じることが防止される。
第1ギアK522は、支持部材K410のラックK416(図35参照)と歯合され、第2ギアK523は、上側部材K530のラックK532と歯合される。第1ギアK522の歯数は8であり、第2ギアK523の歯数は12である。
従って、下側部材K510が昇降移動した場合に、その下側部材K510の昇降移動量の1.5倍の移動量で、上側部材K530が下側部材K510に対して相対移動することになるが、昇降移動の詳細については後述する。
上側部材K530は、上下方向に長尺の本体部K531と、その本体部K531の背面側において左右外側に向けて上下方向に延設されるラックK532と、本体部K531の正面側に上下一対で突設される円筒状部であって内部に雌ネジが形成される締結部K533と、本体部K531の背面側に円筒状に突設されており長尺装置K540を回転動作可能に支持する回転軸部K534と、その回転軸部K534と平行な方向で円筒状に突設される補助突部K535と、金属棒K421(図35参照)に案内される被案内部K536と、上側回転部材K476(図35参照)に下支えされる湾曲面として形成される湾曲受部K537と、を備える。
締結部K533には、連結部材K445(図33参照)が締結固定される。即ち、前カバー部材K440の案内長孔K442(図33参照)を前側へ貫通した締結部K533の先端に連結部材K445が締結固定される。これにより、締結部K533の移動が案内長孔K442に制限されることになるので、上側部材K530の昇降移動を安定させることができる。
上側部材K530は被案内部K536に、下側部材K510は被案内部K514によって、それぞれ金属棒K421(図35参照)に案内されるので、下側部材K510及び上側部材K530の前後左右方向の倒れを防止することができる。
図39は、長尺装置K540の分解正面斜視図であり、図40は、長尺装置K540の分解背面斜視図である。図39及び図40では、位置関係の理解を容易とするために上側部材K530及び移動装置K560が図示される。
長尺装置K540は、左右長尺の板状に形成される本体部K541と、その本体部K541の左右中央部において背面側に円筒状に突設される支持軸部K542と、その支持軸部K542に回転可能に支持される中央ギアK543と、支持軸部K542と平行な方向に円筒状に突設される複数の案内突設部K544と、その案内突設部K544に案内され本体部K541の長尺方向にスライド移動可能に構成される一対のスライドラックK545と、を備える。
本体部K541の前側部には、左右外側端部よりも内側に終端位置が形成される左右長尺の凹部K541aが形成される。凹部K541aは、長尺装置K540の組立状態(図37参照)において、移動装置K560の背面側下端部が受け入れられる部分として機能している。
スライドラックK545は、図40に示す状態における左右外側の上下幅よりも左右内側の上下幅の方が短くされる左右一組の板状部材であって、左右外側端の下端部において前後方向に穿設され上側部材K530の回転軸部K534が受け入れられる受入部K546と、その受入部K546を中心とする円弧形状で穿設され補助突部K535が受け入れられる円弧状部K547と、図40に示す状態における左右方向に長い長孔形状で穿設され案内突設部K544が受け入れられる複数の案内長孔K548と、中央ギアK543に歯合されるラックK549と、を備える。
スライドラックK545のスライド移動方向は、案内長孔K548が延設される方向(図40に占めす状態における左右方向、本体部K541の長尺方向)に設定される。そのため、左右の上側部材K530の上下位置が一致している時(最近接位置)を基準として、上側部材K530同士の上下方向の位置ずれ寸法が大きくなるにつれて、本体部K541の長尺方向外側へ向けて相対移動することになるが、詳細は後述する。
更に、長尺装置K540は、本体部K541に正面側から締結固定される化粧部材K551と、その化粧部材K551の内部に配設され正面側に光を照射するLEDが配設される電飾基板K552と、化粧部材K551の左側端部に締結固定されるモータ支持部材K553と、そのモータ支持部材K553に支持される駆動モータKMT51の駆動力を伝達可能な伝達ギア群KG52を介して回転されることで移動装置K560の軸線方向の位置を変化させるように構成されるネジ軸K554と、化粧部材K551の背面側においてネジ軸K554の両端部が回転可能に受け入れられる支持受部K555と、電飾基板K552の背面側において検出溝を背面側へ向けた姿勢で化粧部材K551の後側板部を貫通する位置に設けられるフォトカプラ形式の検出センサK556a~K556cと、を備える。
ネジ軸K554の軸線方向は本体部K541の長手方向と一致しており、移動装置K560のネジ軸K554の軸線方向の移動は、凹部K541aの形成されている範囲に制限される。
検出センサK556a~K556cは、移動装置K560の配置を検出可能に構成されている。即ち、移動装置K560が、第1可動装置K401の演出待機状態における左右中央位置に配置されている場合には、中央検出センサK556bに検出され、移動装置K560が、ネジ軸554の軸線方向に沿って左右にスライド移動し、その移動範囲の右側終端位置に配置されている場合には右側検出センサK556aに検出され、移動範囲の左側終端位置に配置されている場合には左側検出センサK556cに検出される。
図41は、移動装置K560の分解正面斜視図であり、図42は、移動装置K560の分解背面斜視図である。移動装置K560は、本体部K561と、その本体部K561の上端部に締結固定される前側受部K571と、その前側受部K571に後面側から締結固定される後側受部K572と、前側受部K571と後側受部K572との間に保持され自らの開口方向(図41における矢印L-R方向)を回転軸とする回転が防止されるように構成されるナットKNT61と、を備える。
ナットKNT61は、長尺開口部KNT61aの内周側において、ネジ軸K554(図39参照)の外周に螺旋状に切られる溝部に対応するように形成される突条が、螺旋状に形成されている。
これにより、長尺開口部KNT61aにネジ軸K554が挿通されている状態でネジ軸K554が回転駆動されると、その回転駆動量に対応して、ナットKNT61はネジ軸K554の軸線方向に移動される。即ち、駆動モータKMT51(図39参照)の駆動に対応して、移動装置K560のネジ軸K554の軸線方向の配置が変化するよう構成される(ボールネジの構造が流用される)。
前側受部K571は、ナットKNT61の配設位置よりも下方から正面側へ板状に突設される被検出板部K571aを備える。長尺装置K540の検出センサK556a~K556c(図40参照)の検出溝に被検出板部K571aが位置する場合と、位置しない場合とで、検出センサK556a~K556cからの出力を異ならせることができる。この検出センサK556a~K556cの出力の違いから、音声ランプ制御装置H113(図10参照)に、移動装置K560が、第1可動装置K401の演出待機状態における左右中央位置に配置されているか、移動範囲の左右方向終端位置に配置されているか、そのいずれでもないか、を判断させることができる。
更に、移動装置K560は、本体部K561の下端部に締結固定されるモータ受部K575と、そのモータ受部K575に保持される駆動モータKMT61と、その駆動モータKMT61の駆動軸に固定され本体部K561とモータ受部K575との間に配設される駆動ギアKMG62と、その駆動ギアKMG62に歯合される位置で本体部K561の支持軸部K562に回転可能に支持される伝達ギアKMG63と、その伝達ギアKMG63に歯合される終端ギアKMG64と、本体部K561の円形開口部K563に挿通される中心挿通部K579が終端ギアKMG64に締結固定される回転装飾部材K578と、を備える。
更に、移動装置K560は、本体部K561の正面側に配設され円形開口部K563に対応する位置に円形開口K564aが形成される電飾基板K564と、その電飾基板K564の円形開口K564aに対応する位置に円形開口K567aが形成され、光透過性の樹脂材料から形成され電飾基板K564からの照射光を屈折可能(乱反射可能)なカットが形成される受光部材K567と、を備える。
電飾基板K564及び受光部材K567は、電飾基板K564、受光部材K567の順で本体部K561に重ねられ、円形開口部K563の中心軸線に円形開口K564a及び円形開口K567aの中心軸線が合致するように配置され、本体部K561に締結固定される。
電飾基板K564は、背面側にフォトカプラ形式の検出センサK565が配設される。検出センサK565の検出溝は、本体部K561に穿設される開口部K561aの背面側に位置し、伝達ギアKMG63の環状リブを受け入れ可能とされる。
伝達ギアKMG63の環状リブには切り欠き部KMG63aが等間隔(180度間隔)で切り欠き形成されており、検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する場合と、位置しない場合とで、検出センサK565からの出力を異ならせることができる。この検出センサK565の出力の違いから、音声ランプ制御装置H113(図10参照)は伝達ギアKMG63の位相を判断でき、回転装飾部材K578の位相を判断できる。
本実施形態では、伝達ギアMG63の歯数に対する終端ギアKMG64の歯数が1/2の関係にあるので、伝達ギアMG63が半回転することで終端ギアKMG64が一回転する。検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する位相から伝達ギアMG63が半回転すると、再び検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する。
即ち、検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する場合、その切欠き部KMG63aがどちらの切り欠き部KMG63aであったとしても、終端ギアKMG64及び回転装飾部材K578の位相は同じとされる。
図43(a)及び図43(b)は、前層側可動装置K400の部分拡大正面図である。図43(a)及び図43(b)では、主に切替装置K460が図示されており、便宜上、手前側の装飾部分を部分的に破り図示することで、内部構造を視認可能となるようにしている。図43(a)では、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされる状態が図示され、図43(b)では、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態が図示される。
図43(a)及び図43(b)に図示されるように、切替装置K460は、右側の前カバー部材K440の板状本体K441に締結固定される基板部材K461と、基板部材K461に支持孔部K462bを中心とする回転動作が可能に支持されるストッパ部材K462と、基板部材K461に締結固定される駆動ソレノイドKSOL41と、基板部材K461に支持孔部K463bを中心とする回転動作が可能に支持され、駆動ソレノイドKSOL41の駆動力をストッパ部材K462に伝達可能に構成される伝達部材K463と、を備える。
ストッパ部材K462は、支持孔部K462bが端部に穿設されるアーム部K462aと、そのアーム部K462aの長手方向に延びる長孔形状で穿設される案内長孔K462cと、アーム部K462aの長手方向における支持孔部K462bが形成される端部の反対側の端部から背面側に突設される突設受部K462dと、を備える。
伝達部材K463は、支持孔部K463bが形成されるアーム部K463aと、そのアーム部K463aとは異なる方向に支持孔部K463bから延びる補助アーム部K463cと、その補助アーム部K463cの延設先端部から後側に突設され駆動ソレノイドKSOL41の直進動作部KSOL41aの直進変位により伝達部材K463が回転動作される態様で連結される伝達基端突部K463dと、アーム部K463aの先端部から後側に突設されストッパ部材K462の案内長孔K462cに受け入れられる伝達先端突部K463eと、を備える。
切替装置K460の作用について説明する。基板部材K461は、連結部材K445の移動軌跡に入り込まないよう連結部材K445よりも前側に配設されている一方で、ストッパ部材K462の突設受部K462dは、基板部材K461よりも下側において基板部材K461よりも後側まで延びており、状態次第で、連結部材K445の移動軌跡に入り込む。
図43(a)に図示されるように、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態では、突設受部K462dが案内長孔K442の前方に配置されており、連結部材K445の移動軌跡に入り込む。
即ち、図43(a)に図示される状態における連結部材K445の下降変位は、突設受部K462dにより途中停止される、この場合、連結部材K445を介して昇降装置K500等の荷重が突設受部K462dにかけられることになるが、突設受部K462dが支持孔部K462bを起点とする鉛直下方(連結部材K445を介した荷重の方向)に配置されていることから、連結部材K445を介する昇降装置K500等の荷重によりストッパ部材K462が回転動作することを回避し易くすることができる。
これにより、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態において、連結部材K445の移動を案内長孔K442の長さの途中位置で停止させることができる。また、連結部材K445の途中停止が頻繁に生じる動作制御を行う場合であっても、連結部材K445の途中停止のために駆動ソレノイドKSOL41を励磁させる必要はないので、励磁状態とする回数の増加を抑えることができ、駆動ソレノイドKSOL41の寿命の長期化を図ることができる。
図43(b)に図示されるように、図43(a)に図示される状態から駆動ソレノイドKSOL41が励磁されると、直進動作部KSOL41aの上下変位により伝達部材K463が回転動作され、その回転動作と連動してストッパ部材K462が回転動作されることで、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡から退避する。
これにより、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態では、連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに停止されることはなく、連結部材K445が案内長孔K442の終端まで移動可能とされる。
これにより、連結部材K445が締結固定される締結部K533を有する上側部材K530(図37参照)の移動可能量を、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされる状態(図43(a)参照)と、駆動ソレノイドKSOL41の励磁状態(図43(b)参照)とで切り替えることができる。
図44から図49は、第1可動装置K401の部分拡大正面図である。図44から図49では、昇降装置K500の右側部が、回転部材K430が正面視反時計回り方向で回転動作される第1の動作態様に基づいて昇降移動する様子が時系列で図示される。
なお、図44から図49では、可動部の理解を容易とするために、支持部材K410の本体部K411の右下端部および右上部、下側部材K510の本体部K511の前側面部、変速ギアK520の中間円板K521及び第2ギアK523、及び、上側部材K530の本体部K531の前側面部が、部分的に破られて図示される。
図44では、演出待機状態における第1可動装置K401が図示される。即ち、回転部材K430は切り欠き部K435(図36参照)が検出センサK413の検出溝に配置される位相とされ、上側部材K530は湾曲受部K537が進入状態の上側回転部材K476に下支えされることで上下移動が防止され、上側部材K530の上下移動が防止されることに伴い変速ギアK520の回転も防止され、その変速ギアK520が支持される下側部材K510の上下移動も防止される。
即ち、図44に図示されるように、回転部材K430の伝達筒状部K434が下側部材K510の下方から退避している状態であっても、上側部材K530の上下移動が上側回転部材K476により防止されることで、下側部材K510の上下移動が防止されることになる。
図45では、図44に図示される状態から回転部材K430が正面視反時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動される。回転部材K430の回転中において、伝達筒状部K434が突設部K444の湾曲面に対向配置される。突設部K444が伝達筒状部K434よりも回転部材K430の回転中心側に配設されること、及び、突設部K444の突設先端(後側先端)が回転部材K430の前側面と対向配置されることにより、伝達筒状部K434が回転部材K430の径方向に位置ずれするような姿勢ずれ(回転軸に対して回転部材K430が傾斜する姿勢ずれ)を防止することができる。
これにより、回転部材K430が、偏心した位置において本体部K431を回転軸線に対して傾斜させる方向の荷重を受けた場合であっても、回転部材K430の姿勢変化を抑制することができるので、回転部材K430の回転抵抗を低減することができる。
図45では、下側回転部材K471の切替突部K472が、依然として案内溝K436の大径溝K436aに維持される。切替突部K472が大径溝K436aに維持される間は、状態変化装置K470の状態は図44に図示される状態で維持されており、昇降装置K500の上下位置も維持される。
また、図44では、駆動ソレノイドKSOL41(図43(b)参照)が非励磁の状態(図43(a)参照)が図示され、図45以降は、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡から退避するように、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)が図示される。
図46では、図45に図示された状態から、回転部材K430が正面視反時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動され、下側回転部材K471の切替突部K472が受け入れられる部位が、案内溝K436の大径溝K436aから小径溝K436bに切り替えられ、昇降装置K500が落下を開始する直前の状態が図示される。
切替突部K472が小径溝K436bに受け入れられるようになると、下側回転部材K471が支持部材K410の支持部K414を中心に回転動作され、下側回転部材K471の回転動作により連動部材K473及び切替突部K475が上下移動されることで、上側回転部材K476が支持孔K476aを中心に進入状態から退避状態へ回転移動される。
上側回転部材K476は、湾曲受部K537と対向配置される回転先端部K476bが、支持孔K476aにおける回転中心を中心とする円弧形状面として形成されている。また、湾曲受部K537は、進入状態(図44参照)における上側回転部材K476の回転先端部K476bと面当たり可能な曲面形状から形成される。
これにより、進入状態における上側回転部材K476の回転先端部K476bに湾曲受部K537が当接している状態から、上側回転部材K476を退避状態へ回転移動させる際に生じる抵抗を摩擦抵抗に限定することができ、抵抗が過大となることを防止することができる。
また、進入状態における上側回転部材K476に対して湾曲受部K537を介して与えられる昇降装置K500の自重は、上側回転部材K476が退避状態へ向かう方向の反対方向(図46の反時計回り方向)の荷重として上側回転部材K476に付与される。
従って、湾曲受部K537と上側回転部材K476との間の動作抵抗を小さくしながらも、湾曲受部K537を介して上側回転部材K476へ付与される昇降装置K500の自重により上側回転部材K476が退避状態へ変化する事態が生じることを防止することができる。
また、上述した上側回転部材K476の形状により、第1可動装置K401の片側落下状態のように左右バランスが崩れた場合に、自重のみではなく左右方向成分を有する荷重が湾曲受部K537から上側回転部材K476に与えられる場合に、その荷重を上側回転部材K476の回転中心へ向けるようにすることができる。これにより、上側回転部材K476の姿勢を安定させることができ、昇降装置K500の支持を安定させることができる。
図47では、図46に図示された状態から、昇降装置K500が落下した後の状態としての落下位置状態(図27参照)が図示される。なお、落下位置状態に至るまでには、昇降装置K500の右側部だけでなく、左側部も回転部材K430が回転され上側回転部材K476が回転移動されているが、左側部における回転部材K430の第1の動作態様における回転方向は、右側部における回転部材K430の第1の動作態様における回転方向(正面視反時計回り方向)の逆方向(正面視時計回り方向)になる。
昇降装置K500の落下による移動は、上側部材K530が前カバー部材K440の吸収部材K443(図34参照)に停止される位置まで生じるように構成されており、下側部材K510が回転部材K430の伝達筒状部K434に衝突するまで生じるようには構成されていない。
そのため、昇降装置K500の落下時の衝撃荷重が伝達筒状部K434に伝達される事態が生じることを回避することができる。即ち、昇降装置K500の落下の衝撃が伝達筒状部K434や下側部材K510に伝達されることによる破損の発生を回避し易くすることができる。
昇降装置K500の下側部材K510、変速ギアK520及び上側部材K530の昇降移動の詳細について説明する。まず、下側部材K510及び上側部材K530は、それぞれ共通の金属棒K421によって上下方向にスライド移動可能に案内される。
下側部材K510が図46に示す状態から下降する場合、変速ギアK520が支持部材K410のラックK416との歯合により回転され、その回転により上側部材K530のラックK532が変速ギアK520に対して上下方向に相対移動する。
即ち、上側部材K530は、下側部材K510が上下方向に移動した場合に、下側部材K510の移動による変速ギアK520の上下方向の移動量に加えて、変速ギアK520の回転時に歯合する上側部材K530のラックK532の移動量分、下側部材K510に対して相対移動する。
本実施形態では、上側部材K530のラックK532と歯合する第2ギアK523の歯数は、下側部材K510の移動に伴い支持部材K410のラックK416と歯合して回転する第1ギアK522の歯数の1.5倍に設計されているので、上側部材K530は、下側部材K510の移動量に下側部材K510の移動量の1.5倍の長さが加算された移動量で移動される。
従って、上側部材K530は、下側部材K510の移動量KVD1の2.5倍の移動量KVD2で上下移動される(KVD1:KVD2=2:5)。これにより、上側部材K530の上下方向の移動距離が、駆動モータKMT41a,KMT41b(図35参照)により回転される回転部材K430の伝達筒状部K434の上下方向の移動距離に限定されることを避けることができる。
即ち、回転部材K430の直径を小さく抑えつつ、上側部材K530の上下方向の移動距離は長く設計することができるので、上側部材K530や回転部材K430の配置の設計自由度を向上することができる。
下側部材K510よりも左側において突設部K444が配設され、下側部材K510の左端部は突設部K444の右側平面部に上下方向に案内される。これにより、下側部材K510の左側への位置ずれを突設部K444により防止することができる。
図48では、図47に図示された状態から回転部材K430が更に反時計回り方向に回転されることで伝達筒状部K434により下側部材K510が持ち上げられ、且つ、依然として下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の小径溝K436bに受け入れられている状態が図示される。
回転部材K430の回転により伝達筒状部K434が下側部材K510の下面と擦れながら回転移動することになるが、下側部材K510の下面が平面部K512として形成されているので、伝達筒状部K434と下側部材K510との間で生じる動作抵抗を低減することができる。
更に、コイルスプリングK419から下側部材K510に付与される上向きの付勢力により、下側部材K510から伝達筒状部K434へ向けて下向きに与えられる荷重が低減されることによっても、伝達筒状部K434と下側部材K510との間で生じる動作抵抗を低減することができる。
図49では、図48に図示される状態から、回転部材K430が更に反時計回りに回転され、下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の大径溝K436aに受け入れられている状態が図示される。
図49では、上側回転部材K476が、図48に図示される退避状態から、進入状態へ変化している。この際、上側部材K530の湾曲受部K537が上側回転部材K476の回転先端部K476bよりも上側に配置されており、湾曲受部K537と回転先端部K476bとの間に隙間が生じている。これにより、上側回転部材K476の動作抵抗を低減することができる。
ここで、退避状態の上側回転部材K476を進入状態に変化させるためには、自重に抵抗して連動部材K473を上方へ変位させる必要があるので、進入状態の上側回転部材K476を退避状態に変化させる場合よりも大きな力が必要となる。
これに対し、本実施形態では、退避状態の上側回転部材K476を進入状態に変化させる場合において湾曲受部K537と回転先端部K476bとの間に隙間を生じさせることで、上側回転部材K476の動作抵抗を低減させ、状態の変化に必要な力が過大となることを回避している。
図49に図示される状態から回転部材K430が更に反時計回りに回転されると、図44に図示される状態に戻る。このように、回転部材K430が反時計回りに回転され続ける場合、昇降装置K500の上下移動は循環可能とされる。即ち、回転部材K430の第1の動作態様は、昇降装置K500の上下移動を循環させることができる動作態様である。
図50及び図51は、第1可動装置K401の部分拡大正面図である。図50及び図51では、図44に図示される状態から回転部材K430が時計回りに回転されることに基づいて昇降装置K500の右側部が下降する第2の動作態様の一部が時系列で図示される。
第2の動作態様は、演出待機状態(図44参照)から図50、図51の順に変化した後で、回転部材K430を反時計回りに回転駆動させ演出待機状態に復帰するまでの動作態様である。
なお、図50及び図51では、可動部の理解を容易とするために、支持部材K410の本体部K411の右下端部および右上部、下側部材K510の本体部K511の前側面部、変速ギアK520の中間円板K521及び第2ギアK523、及び、上側部材K530の本体部K531の前側面部が、部分的に破られて図示される。
また、図50及び図51では、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡に侵入するように、駆動ソレノイドKSOL41(図43(a)参照)が非励磁の状態が図示される。
図50では、図44に図示される状態から回転部材K430が正面視時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動される。下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の小径溝K436bに受け入れられることに基づいて、上側回転部材K476が退避状態に変化されているが、回転部材K430の伝達筒状部K434に下側部材K510が下支えされることにより、昇降装置K500は落下しない。
即ち、下側部材K510は、自重により回転部材K430の伝達筒状部K434に押し付けられる状態を維持しており、回転部材K430の回転に伴って、平面部K512と伝達筒状部K434との当接が維持されるように上下移動する。
図51では、図50に図示される状態から回転部材K430が正面視時計回りに回転され、連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに受け止められ下降が停止される状態が図示される。
これにより、連結部材K445が締結固定される上側部材K530の下降も停止され、それに伴い下側部材K510の下降も停止されるので、図51に図示される状態から回転部材K430が更に正面視時計回りに回転された場合には、回転部材K430の伝達筒状部K434は下側部材K510の平面部K512から離れる。
図51に図示される状態から演出待機状態への復帰の際には、回転部材K430を反対方向(図51において反時計回り方向)に回転させ、伝達筒状部K434で下側部材K510を押し上げる。
この場合において、回転部材K430の回転が図51に図示される状態から開始されるか、図51に図示される状態よりも回転部材K430が正面視時計回りに若干回転された状態から開始されるかに関わらず、昇降装置K500から伝達筒状部K434にかけられる荷重は、図51に図示される状態から生じる。
図51に図示される状態は、伝達筒状部K434が回転部材K430の回転軸としての支持部K412の真右に配置され、伝達筒状部K434の移動方向(伝達筒状部K434の移動軌跡に引かれた接線の方向)が上下方向を向く状態であるので、下側部材K510に対して上向きの荷重を効率的に付与することができる。これにより、図51に図示される状態からの演出待機状態への復帰動作を迅速に行わせることができる。
なお、図51に図示される状態から回転部材K430が更に正面視時計回りに回転される場合、回転部材K430の伝達筒状部K434は下側部材K510の上面に当接し、下側部材K510に対して下側へ向く荷重を伝達させ得る。即ち、下側部材K510を上昇させる方向の荷重を生じさせることができないので、回転部材K430を正面視時計回りに回転させ続ける駆動制御では、昇降装置K500の動作は循環しない。
図52及び図53は、第1可動装置K401の部分拡大背面図である。図52では、演出待機状態(図26参照)における第1可動装置K401が図示され、図53では、片側落下状態(図31参照)における第1可動装置K401が図示される。
図52に図示される第1可動装置K401の演出待機状態では、左右両側の上側部材K530が上側回転部材K476により支持される(図45参照)。一方、図53に図示される第1可動装置K401の片側落下状態では、左側の上側部材K530は上側回転部材K476により支持される一方で、右側の上側部材K530は、締結固定される連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに支持されることにより(図51参照)、長尺装置K540が傾けられる。
図53に図示される状態では、図52に図示される状態から左右の回転軸部K534間の距離が延びており、この延びた寸法の分だけ、スライドラックK545が長尺装置K540の長手方向に変位する。
一対のスライドラックK545は、互いに共通の中央ギアK543に歯合されており、長尺装置K540の長手方向に沿って相反する方向に変位することになるので、長尺装置K540の長手方向に沿う変位量は互いに共通である。
即ち、演出待機状態からの右側のスライドラックK545の移動量KSDaと、演出待機状態からの左側のスライドラックK545の移動量KSDbとは同じである(KSDa=KSDb)。
これにより、図52に図示される状態から、図53に図示される状態への変化における中央ギアK543の左右方向の位置ずれを抑制することができるので、その中央ギアK543を支持する本体部K541の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
ここで、第1可動装置K401が演出待機状態から落下位置状態へ変化される場合、左右の回転部材K430(図36参照)が第1の動作態様で回転駆動され、左右の上側回転部材K476(図46参照)が演出待機状態における進入状態から同時に退避状態に変化されることにより、左右の上側部材K530(図47参照)が同時に落下することが好ましい。更に、上昇動作時には、左右の回転部材K430が同じ回転角度で回転動作されることで、左右の高さのずれが無い状態で昇降装置K500を上昇させることができる。
しかし、左右の回転部材K430(図36参照)の動作抵抗を全く同じにすることは困難であるし、それぞれ対応する駆動モータKMT41a,KMT41b(図36参照)により駆動されるところ、駆動モータKMT41a,KMT41bの品質により、同じ電圧を供給した場合であっても若干回転速度のずれが生じ得る。そのため、昇降装置K500の上下動作にあたり、昇降装置K500の左右側の高さ位置にずれが生じる可能性がある。
更に、本実施形態では、回転部材K430の回転による伝達筒状部K434の上下位置変化が、下側部材K510から上側部材K530へ伝達される際に2.5倍に増大させられる(図44から図49参照)。そのため、回転部材K430の位相のずれが小さくても、そのずれは2.5倍になって上側部材K530に支持される長尺装置K540の左右側の高さ位置のずれとして現れる。
このように、本実施形態では、昇降装置K500の左右側の高さ位置のずれが生じ得る。昇降装置K500の左右側の高さ位置のずれが生じる場合、昇降装置K500の上下移動中に長尺装置K540の姿勢が前後方向を向く直線を軸にして傾くことになり、見栄え悪くなり易い。
これに対し、本実施形態では、上述したように左右のスライドラックK545の移動量KSDa,KSDbが同じになるように構成されているので、長尺装置K540の姿勢が傾いた場合であっても、長尺装置K540の左右中心位置の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
これにより、演出待機状態において長尺装置K540の左右中央位置に配置される移動装置K560の、昇降装置K500の上下移動中における左右方向の位置ずれを抑制することができる。
スライドラックK545は、回転軸部K534側における基端側の構造が共通とされる一方、中央ギアK543と歯合されるラックK549の配置は上下で異なるように構成されている。
本実施形態では、図53に図示される片側落下状態が頻繁に生じるように制御される一方、その逆側(左側が下端となるように傾斜する姿勢)となるように制御されることは極めて少ない(無い)。
そのため、本実施形態では、片側落下状態における中央ギアK543とラックK549との歯合状態を適正化し易いようにスライドラックK545を形成している。即ち、片側落下状態において、中央ギアK543に覆いかぶさる側(回転軸部K534が上側となる側)のラックK549が中央ギアK543の上側に配置されるように形成している。
更に、回転軸部K534をラックK549の下端に配置することにより、中央ギアK543に覆いかぶさる側のラックK549の中央ギアK543側への張出量を長くしている。これにより、中央ギアK543に覆いかぶさる側のラックK549の自重により、そのラックK549と中央ギアK543との歯合態様を適正化し易くすることができる。
図53に図示されるように、第1可動装置K401の片側落下状態は、演出待機状態から、左側の上側部材K530の回転軸部K534を基端側として傾倒することで変化される状態であって、その傾倒動作の基端側に駆動モータKMT51が配設される。
即ち、重量物としての駆動モータKMT51の配置を基端側とすることで、重心を基端側に寄せることができ、演出待機状態から片側落下状態への変化の際に上下移動する傾倒動作の先端側(右側)の重量を軽くすることができる。これにより、片側落下状態において連結部材K445からストッパ部材K462の突設受部K462dが受ける荷重(図51参照)を低減することができる。
図54を参照して、移動装置K560の駆動制御の一例について説明する。図54(a)、図54(b)、図54(c)及び図54(d)は、第1可動装置K401の部分正面図である。
図54(a)、図54(b)、図54(c)及び図54(d)では、第1可動装置K401の落下位置状態(図27参照)の上下位置に長尺装置K540が配置された状態における移動装置K560の移動が時系列で図示されており、移動装置K560の左右位置については、図54(a)に図示される配置が図27の配置と同じであり、図54(d)に図示される配置が図29の配置と同じである。
まず、図54に図示される駆動制御が実行される場合には、第1可動装置K401の長尺装置K540が演出待機状態(図26参照)における上下位置から落下位置状態(図27参照)における上下位置まで下降(落下)移動される。この移動の開始から落下位置状態に到達した後も継続して、移動装置K560の回転装飾部材K578は、駆動モータKMT61(図41参照)が正方向(正面視時計回り方向)に回転される際の駆動力により正面視時計回り方向に継続的に回転される。
図54(a)で図示されるように移動装置K560が左右中央位置KC41に配置される状態で継続される回転中に、伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63a(図41参照)の検出センサK565(図42参照)の検出溝への配置間隔から、音声ランプ制御装置H113(図10参照)は、回転装飾部材K578の実際の回転速度KVR1を検出する。
その回転速度KVR1が、予め規定される設計値に収まっていれば、音声ランプ制御装置H113(図10参照)による制御により、検出センサK565の検出間隔の中間のタイミング(図54(b)参照)で、駆動モータKMT51(図39参照)が正方向(移動装置K560を右方へ移動させる方向、矢印Lの方向視時計回り方向)に回転駆動され、移動装置K560が速度KVS1で移動される。
図54(b)からの駆動モータKMT51の駆動開始後、検出センサK565からの出力により検出センサK565の検出溝に伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63aが配置されたと判定されたことに基づいて、音声ランプ制御装置H113(図10参照)は、駆動モータKMT61(図41参照)及び駆動モータKMT51(図39参照)の駆動を停止するように制御される。
即ち、回転装飾部材K578の姿勢が検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが配置される際の適切な姿勢(上下左右の方向が合っている姿勢)で停止するタイミングと、移動装置K560の左右方向への移動が停止されるタイミングとを合致させることができる。
図54(c)に図示される右側途中位置KR42に配置される状態から、駆動モータKMT61(図41参照)が逆方向へ回転駆動されると同時に、駆動モータKMT51(図39参照)が逆方向に回転駆動されることで、移動装置K560が図54(d)に図示される左側途中位置KL43まで移動される。
この時、駆動モータKMT61の回転速度KVR2は、回転速度KVR1よりも遅く設定され、駆動モータKMT51の回転速度は同じとされることで移動装置K560の左右方向の移動速度は速度KVS1に維持される。
図54(c)から駆動モータKMT61(図41参照)が回転駆動された後、最初に伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63aが検出センサK565の検出溝に配置されたことに基づいて、音声ランプ制御装置H113(図10参照)は、駆動モータKMT61(図41参照)及び駆動モータKMT51(図39参照)の駆動を停止するように制御される。
ここで、図54(b)から図54(c)までは回転装飾部材K578が半回転しており、図54(c)から図54(d)までは回転装飾部材K578が一回転している。そのため、速度関係が同じであれば、図54(c)に図示される右側途中位置KR42と、図54(d)に図示される左側途中位置KL43とは、左右中央位置KC41を境に左右対称な位置となる。
これに対し、本実施形態では、回転速度KVR1よりも回転速度KVR2の方が遅く設定されているので(KVR1>KVR2)、左右中央位置KC41から右側途中位置KR42までの距離よりも、左右中央位置KC41から左側途中位置KL43までの距離の方が長くなる。このように、移動装置K560の停止位置を左右非対称に設定することができる。
本実施形態では、移動装置K560が左側途中位置KL43に配置された状態が、被検出部K571aが中央検出センサK556bの検出溝の外方に出始める配置に対応する(中央検出センサK556bの出力が切り替わる配置となる)。
この場合、被検出部K571a(図41参照)は、移動装置K560の左右中心から左右方向に対称に延設されていることから、被検出部K571aが中央検出センサK556b(図40参照)の検出溝の外方に出るか否かは、左右いずれかに関わらず左右中央位置KC41からの移動装置K560の移動量に因ることになる。
即ち、図54(a)、図54(b)及び図54(c)に図示される状態では、依然として被検出部K571a(図41参照)は中央検出センサK556b(図40参照)の検出溝に配置されており、図54(d)に図示される状態で初めて、被検出部K571aが中央検出センサK556bの検出溝の外方に出る(この条件を満たす左右長さで被検出部K571aが設計される)。
図54(d)に図示される状態は、上述のように図29に図示される状態に対応しているので、中央検出センサK556b(図40参照)の検出溝から被検出部K571aが出ていること、及び中央検出センサK556bの検出溝から被検出部K571aが出る際に駆動モータKMT51(図39参照)が逆方向に駆動されていたと音声ランプ制御装置H113(図10参照)で判定されたことに基づいて第2可動装置K701(図29参照)が駆動されることで、移動装置K560と第2可動装置K701が動作中に接触することを回避することができる。
本実施形態では、上述の回転速度KVR1,KVR2及び速度KVS1が、図54に時系列で図示される一連の動作直後に被検出部K571a(図41参照)が中央検出センサK556b(図40参照)の外方に配置されることを実現可能な関係の速度で設計される。
以上、詳述したように、第1可動装置K401では、回転部材K430の回転に伴う伝達筒状部K434の変位が増大されて、昇降装置K500の変位が生じる。これにより、回転部材K430の回転角度が小さい場合であっても、昇降装置K500の変位量を大きく確保することができる。
また、第1可動装置K401では、演出待機状態からの回転部材K430の回転方向により、2種類の変位態様で昇降装置K500を変位させることができるように構成される。この時、昇降装置K500の変位量を変化させるものとしての切替装置K460が同期して制御されることにより、昇降装置K500の変位速度だけでなく、変位範囲を変化させることができるので、演出のバリエーションを増加させることができる。
また、第1可動装置K401では、昇降装置K500の左右側の上下方向のスライド量にずれが生じても、スライドラックK545の移動量KSDa,KSDbが同じになるように構成されることで移動装置K560の左右方向変位を抑制するよう構成される。これにより、昇降装置K500の上下方向変位時の移動装置K560の左右位置のずれを抑えることができ、演出効果を向上させることができる。
また、第1可動装置K401では、移動装置K560の左右方向のスライド移動の速度や停止タイミングが、回転装飾部材K578の回転の速度や停止タイミングの検出を元に決められる。これにより、異なる駆動源で駆動される動作部材の動作を統一させることができ、演出に一体感を持たせることができる。
移動装置K560の左右方向のスライド移動には、ボールネジに利用される構造を流用しているので、移動装置K560の移動速度や、停止位置の制御を正確に行うことができる。これにより、演出の再現性を向上させることができる。
また、第1可動装置K401では、移動装置K560のスライド移動の方向と、回転装飾部材K578の回転動作の方向とが対応するように動作制御される。これにより、複数の可動部材の動作に一体感を持たせることができ、演出効果を向上させることができる。
図33及び図34に戻って説明する。図33及び図34に図示されるように、前層側可動装置K400には、第1可動装置K401の下側の左右中心位置において一対の支持部材K410を連結するように第2可動装置K701が配設される。以下で、第2可動装置K701の詳細について説明する。
図55は、第2可動装置K701の分解正面斜視図であり、図56は、第2可動装置K701の分解背面斜視図である。第2可動装置K701は、骨格を構成する部材であって一対の支持部材K410(図33参照)に連結固定されるベース部材K710と、そのベース部材K710に対して上下方向にスライド移動可能に支持される上下スライド部材K720と、ベース部材K710に配設され上下スライド部材K720を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータKMT71と、その駆動モータKMT71の駆動力を上下スライド部材K720に伝達する伝達装置K730と、上下スライド部材K720の正面側に配置され上下スライド部材K720に追従する移動が可能に構成される追従可能部材K740と、その追従可能部材K740及び上下スライド部材K720の両方に支持されており、追従可能部材K740及び上下スライド部材K720の移動に連動する一対の連動部材K750と、追従可能部材K740及び連動部材K750を挟むようにして正面側から上下スライド部材K720に締結固定される主装飾部材K760と、を備える。
ベース部材K710は、正面視矩形状の本体部K711と、その本体部K711の正面側に互いに平行に突設される複数の円筒状の支持部K712と、上下方向に延びる姿勢で本体部K711の正面視左側に配設固定される金属棒K713と、金属棒K713の延設方向と平行な上下方向に延びる長孔K714と、ベース部材K710の背面側において長孔K714の後方と長孔K714の上端部から左方に延びる範囲の後方とで略L字に形成される支持領域K715と、ベース部材K710に配設され伝達装置K730が演出待機状態にあることを検出可能とされる検出センサK716と、ベース部材K710の背面側に固定部材K717により固定される中継基板K718と、を備える。
本体部K711には、下端部において正面側から横長のカバー部材K711aが締結固定される。カバー部材K711aは、金属棒K713を前側から本体部K711に押さえる部材であって、金属棒K713の下方への脱落を防止する下側防止片K711bと、駆動モータKMT71の駆動軸から駆動ギアKMG72が脱落することを防止する前側防止片K711cと、を備える。
また、本体部K711には、長孔K714の中間部右側位置において正面側へ張り出す張出部K711dが形成され、その張出部K711dの内側に検出溝が前側に配置される検出センサK711eが配設される。また、金属棒K713の左側において正面側へ張り出す張出部K711fが形成される。検出センサK711eの出力の切替により、上下スライド部材K720が第2可動装置K701の下降配置状態にあるか否かを判別可能に構成されるが、詳細は後述する。
支持部K712の内、第1支持部712aは、駆動モータKMT71の駆動軸に固定される駆動ギアKMG72に歯合される伝達ギアKMG73を回転可能に支持する。なお、他の支持部712b~712dについては後述する。
支持領域K715の左上終端部においてコイルスプリングKSP74の一端が支持され、そのコイルスプリングKSP74は、支持領域K715の交差位置の内側に円筒状に突設される支持部K715aに回転可能に支持されるリング状のセットカラーKRG75の外形円弧に沿って曲げられる。
コイルスプリングKSP74の他端は、長孔K714を貫通する上下スライド部材K720の締結部K723に締結固定されることで締結部K723と共に上下方向にスライド移動可能な被案内部材KLG76に引っかけられる。即ち、コイルスプリングKSP74が、被案内部材KLG76を介して上下スライド部材720を上方向に向けて付勢するように構成される。
検出センサK716は、演出待機状態において伝達装置K730の駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出溝に入ることに基づいて、第2可動装置K701が演出待機状態であることを検出可能に構成される。
中継基板K718は、支持領域K715の後側開放部を部分的に塞ぐように形成される。即ち、中継基板K718が支持領域K715の後側開放部を塞ぐことにより、コイルスプリングKSP74が後側に脱落することを回避し易くすることができる。
上下スライド部材K720は、板状の本体部K721と、その本体部K721の左下部において金属棒K713が挿通可能となるように上下方向に貫通される矩形の筒状に形成される被挿通部K722と、ベース部材K710の長孔K714に挿通され被案内部材KLG76が締結固定される上下一対の締結部K723と、互いに平行に左右方向に延びて連動部材K750の移動を案内する複数の長孔K724と、伝達装置K730の伝達終端部材K737を支持するために本体部K721の背面側へ円筒状に突設される複数の支持部K725と、位置検出に用いられ本体部K721の右上部から後方に延設される被検出片K726と、小形コイルスプリングKSP77の上端を吊り下げ可能な爪部を有するバネ支持部K727と、を備える。
被挿通部K722が金属棒K713に案内されることにより、上下スライド部材K720は、金属棒K713の延設方向である上下方向に案内される。同様に、締結部K723がベース部材K710の長孔K714に案内されることによっても、上下スライド部材K720は上下方向に案内される。従って、上下スライド部材K720の移動方向は上下方向に制限される。
伝達装置K730は、支持部K712の第2支持部K712bに回転可能に支持され前層ギア部K731aが伝達ギアKMG73に歯合される駆動側二層ギアK731と、支持部K712の第3支持部K712cに回転可能に支持され駆動側二層ギアK731の後層伝達部K731bと係合する伝達側二層ギアK733と、支持部K712の第4支持部K712dに回転可能に支持され伝達側二層ギアK733の前層ギア部K733aと基端側ギア部K735aが歯合されることで伝達側二層ギアK733の回転と連動して回転動作するアーム部材K735と、そのアーム部材K735の回転先端部K735bに下側先端部K737cが連結される伝達終端部材K737と、を備える。
駆動側二層ギアK731の後層伝達部K731bは、全周にギア歯が形成されるものではなく、一部にギア歯が形成されずに外形が回転軸を中心とする円弧状に形成される円弧状部K732を備え、その円弧状部K732の最外径部は回転軸と平行な方向である後方へ向けて延設されており、この円弧状部K732の延設先端が検出センサK716の検出溝に進入可能に構成される。
伝達側二層ギアK733の後層伝達部K733bは、全周にギア歯が形成されるものではなく、一部にギア歯が形成されずに、回転軸側へ張り出す円弧状(凹形状)に形成される円弧状部K734を備え、この円弧状部K734と駆動側二層ギアK731の円弧状部K732とが面で当接可能に構成されるが、詳細は後述する。
伝達終端部材K737は、板状に形成されており、支持部K725の内の上下スライド部材K720の上端部に形成される第1支持部K725aに回転可能に支持される基端側支持孔K737aと、その基端側支持孔K737aを中心とする円弧状に形成され支持部K725の内の第2支持部K725bが挿通される案内孔K737bと、アーム部材K735の回転先端部K735bに対して相対回転可能に連結される下側先端部K737cと、を備える。
追従可能部材K740は、板状に形成される本体部K741と、その本体部K741に上下方向に長い長孔上に穿設される複数(本実施形態では、左右中央と左右両端との3箇所)の上下長孔K742と、上下スライド部材K720の長孔K724と対応する位置において長孔K724の左右長さと同等の左右長さで形成され、本体部K741の左右中心側へ向けて下降傾斜する逆ハの字形状に形成される複数(本実施形態では、左右に上下一対ずつ)の傾斜長孔K743と、本体部K741の左端側下部から後方に延設される左側受部K744と、本体部K741の右端側下部から後方に延設される右側受部K745と、小形コイルスプリングKSP77の下端に吊り下げられる爪部を有するバネ支持部K746と、を備える。
追従可能部材K740は、小形コイルスプリングKSP77の付勢力により上下スライド部材K720の動作に追従するように構成されている一方で、常に追従するのでは無く、上下スライド部材K720の上昇の途中で、左側受部K744が張出部K711fに、右側受部K745が張出部K711dにせき止められることで、追従可能部材K740が置き去りにされる態様での上下スライド部材K720の移動を構成可能とされるが、詳細は後述する。
連動部材K750は、板状に形成される左右一対の本体部K751と、その本体部K751の背面側に上下一対で円筒状に突設される締結突設部K752と、を備える。
締結突設部K752は、正面側から、追従可能部材K740の傾斜長孔K743、上下スライド部材K720の長孔K724の順で挿通され、先端に形成される雌ネジに螺入されるネジのネジ頭により脱落が防止される。
主装飾部材K760は、内部に電飾基板K761aが配設され、その電飾基板K761aからの光が照射される前側面が光透過性の板状部材から形成される本体部K761と、その本体部K761の背面から突設される複数の締結部K762と、を備える。
締結部K762は、正面側から追従可能部材K740の上下長孔K742に挿通された状態で、上下スライド部材K720の本体部K721に締結固定される。即ち、主装飾部材K760の上下配置は上下スライド部材K720の上下配置と同一とされ、上下スライド部材K720と追従可能部材K740との上下方向の相対移動量は、追従可能部材K740の上下長孔K742の寸法に制限される。
図57(a)、図57(b)、図58(a)及び図58(b)は、第2可動装置K701の正面図である。なお、図57(a)、図57(b)、図58(a)及び図58(b)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ変化する様子が時系列で図示されており、第2可動装置K701の構成の内、上下スライド部材K720が想像線で図示され、その上下スライド部材K720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図55参照)の図示が省略される。
図57(a)に図示されるように、第2可動装置K701の演出待機状態では、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732に対して、伝達側二層ギアK733の円弧状部K734が面で当接されている。
この状態において、円弧状部K732は、円弧状部K734の最大径位置(円周方向の両端部)よりも伝達側二層ギアK733の回転軸に近い位置まで張り出していることにより、伝達側二層ギアK733の回転を規制することができる。これにより、伝達側二層ギアK733よりも駆動力の伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737を停止した状態で安定させることができる。
図57(a)に図示される第2可動装置K701の演出待機状態において、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が、検出センサK716の検出溝に入っている。本実施形態では、円弧状部K732の円弧方向の形成長さは検出溝を形成する検出センサK716の厚みよりも長い。そのため、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態を検出しても駆動側二層ギアK731の位相を正確に判定することはできない。
一方、本実施形態では、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態においては伝達側二層ギアK733が回転することは無い(図57(a)に図示される状態を維持する)ように構成されている(歯合回転が開始されないようにギア歯の形成位置が設計されている)ので、その伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側にあるアーム部材K735や伝達終端部材K737が演出待機状態における配置にあるか否かの判定は、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態を検出することで行うことができる。
このように、検出センサK716に検出される状態における円弧状部K732の配置には許容幅を持たせつつも、検出センサK716に円弧状部K732が検出されてさえいれば、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が第2可動装置K701の演出待機状態おける配置に維持されていると音声ランプ制御装置H113(図10参照)に判定させることができるので、第2可動装置K701に演出待機状態を形成させる駆動側二層ギアK731の位相にある程度の幅を持たせることができる。
換言すれば、図57(a)に図示される状態から、駆動側二層ギアK731が正逆方向にある程度(本実施形態では45度未満の角度)回転し、位相がずれたとしても、伝達側二層ギアK733に回転は生じず、そのままの状態が維持されるよう構成されている。
その前提に対応して、円弧状部K732は、駆動側二層ギアK731の回転軸を中心とする角度が90度となるように形成されているので、検出センサK716が円弧状部K732の円弧方向中央位置に配置される状態から、正逆方向に45度未満の角度で回転したとしても、円弧状部K732が検出センサK716の検出溝に入っている状態が維持される。
従って、第2可動装置K701のアーム部材K735及び伝達終端部材K737を、演出待機状態における配置にするための駆動側二層ギアK731の位相に約90度分の許容幅を持たせることができる。そのため、駆動側二層ギアK731の停止時の位相が正確には定まりにくいほどの過大な速度での駆動から、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を瞬間的に停止させるような一般的には困難とされる動作態様を容易に実現することができる。
即ち、駆動側二層ギアK731については約90度分の許容幅で停止させれば良く、その許容幅における駆動側二層ギアK731の回転開始時から回転継続中に亘ってアーム部材K735及び伝達終端部材K737が第2可動装置K701の演出待機状態に維持されることから、駆動側二層ギアK731が停止するよりも前にアーム部材K735及び伝達終端部材K737を第2可動装置K701の演出待機状態における配置で停止させることができる。
図57(b)では、図57(a)に図示される状態から駆動側二層ギアK731が正面視反時計回りに45度を超える角度で回転されることに伴い、伝達側二層ギアK733が回転し始めた状態が図示される。
図57(b)に図示される状態は、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出センサK716の検出溝から出た瞬間に相当する。図57(b)に図示される状態からはギア歯の歯合回転により駆動側二層ギアK731から伝達側二層ギアK733に駆動力が伝達されることになるので、検出センサK716の検出溝から円弧状部K732が出た時点から駆動ギアKMG72の回転角度を適切に制御することで、伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737の配置を制御することができる。
即ち、第2可動装置K701のアーム部材K735は、演出待機状態から、アーム部材K735が上側へ90度回転した上昇配置状態まで回転動作可能とされることから、その回転動作に必要となる駆動ギアKMG72の回転角度をギア比の関係から予め算出しておき、その回転角度で駆動ギアKMG72を回転させることにより、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を上昇配置状態の位置に配置することができる。従って、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が上昇配置状態の位置に配置されたことを検出するための検出装置を不要とすることができる。
図58(a)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ向けて動作する際の略中間の状態が図示されており、この状態において追従可能部材K740の右側受部K745(図56参照)がベース部材K710の張出部K711d(図55参照)の下面に当接し、追従可能部材K740のそれ以上の上昇が防止される。なお、追従可能部材K740のそれ以上の上昇が防止されることによる演出効果については後述する。
図58(b)では、第2可動装置K701の上昇配置状態が図示される。第2可動装置K701の上昇配置状態では、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78上に配置される。
これにより、第2可動装置K701の上昇配置状態において上下スライド部材K720や上下スライド部材K720に配設される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760の重力方向(下向き)の変位を抑制することができる。
換言すれば、上下スライド部材K720の第1支持部K725aを介して伝達終端部材K737に伝達される重力方向(下向き)の負荷は、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)上およびアーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)上へ向かうことから、この負荷により伝達終端部材K737及びアーム部材K735が回転動作する事態を避け易くすることができる。
これにより、駆動側二層ギアK731や伝達側二層ギアK733の回転を停止させるための荷重を要することなく第2可動装置K701を上昇配置状態で維持することができるので、第2可動装置K701を上昇配置状態で維持しながら駆動モータKMT71(図55参照)を非励磁とすることができるので、駆動モータKMT71の耐用年数を長くすることができる。
図59(a)及び図59(b)は、第2可動装置K701の正面図である。なお、図59(a)及び図59(b)では、第2可動装置K701が演出待機状態(図57(a)参照)から動作開始してから下降配置状態へ変化する様子が時系列で図示されており、第2可動装置K701の構成の内、上下スライド部材K720が想像線で図示され、その上下スライド部材K720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図55参照)の図示が省略される。
図59(a)では、図57(a)に図示される状態から駆動側二層ギアK731が正面視時計回りに45度を超える角度で回転されることに伴い、伝達側二層ギアK733が回転し始めた状態が図示される。
図59(a)に図示される状態は、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出センサK716の検出溝から出た瞬間に相当する。図59(a)に図示される状態からはギア歯の歯合回転により駆動側二層ギアK731から伝達側二層ギアK733に駆動力が伝達されることになるので、検出センサK716の検出溝から円弧状部K732が出た時点から駆動ギアKMG72の回転角度を適切に制御することで、伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737の配置を制御することができる。
即ち、第2可動装置K701のアーム部材K735は、演出待機状態から、アーム部材K735が下側へ90度回転した下降配置状態まで回転動作可能とされることから、その回転動作に必要となる駆動ギアKMG72の回転角度をギア比の関係から予め算出しておき、その回転角度で駆動ギアKMG72を回転させることにより、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を下降配置状態の位置に配置することができる。従って、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が下降配置状態の位置に配置されたことを検出するための検出装置を不要とすることができる。
なお、本実施形態では、第2可動装置K701が下降配置状態に変化したことが、上下スライド部材K720の被検出片K726がベース部材K710の検出センサK711eの検出溝に入ることにより判定されるように構成される。検出センサK711eによる検出は、他の可動装置との連動を伴う動作制御で利用されることになるが、詳細は後述する。
図59(b)では、第2可動装置K701の下降配置状態が図示される。第2可動装置K701の下降配置状態では、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78上に配置される。
これにより、第2可動装置K701の上昇配置状態において上下スライド部材K720や上下スライド部材K720に配設される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760の上向きの変位を抑制することができる。
換言すれば、上下スライド部材K720の第1支持部K725aを介して伝達終端部材K737に伝達されるコイルスプリングKSP74による上向きの付勢力は、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)からベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)へ向かう方向とされることから、この付勢力により伝達終端部材K737及びアーム部材K735が回転動作する事態を避け易くすることができる。
これにより、駆動側二層ギアK731や伝達側二層ギアK733の回転を停止させるための荷重を要することなく第2可動装置K701を下降配置状態で維持することができるので、第2可動装置K701を下降配置状態で維持しながら駆動モータKMT71(図55参照)を非励磁とすることができるので、駆動モータKMT71の耐用年数を長くすることができる。
この場合、駆動モータKMT71の駆動力で下降配置状態に変化させた後においてはコイルスプリングKSP74の付勢力の大小に関わらず下降配置状態で維持することができるので、コイルスプリングKSP74の付勢力の設計の幅を広げることができ、コイルスプリングKSP74の付勢力を十分に大きく設定しておくことで、十分な補助が得られ、下降配置状態からの駆動開始に必要となる駆動力を低減することができる。
図60(a)、図60(b)及び図60(c)は、上下スライド部材K720、追従可能部材K740及び連動部材K750の模式正面図である。図60(a)から図60(c)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ変化するまでの上下スライド部材K720、追従可能部材K740及び連動部材K750の配置の変化が時系列で模式的に図示される。
図60(a)に図示されるように、第2可動装置K701の演出待機状態においては、上下スライド部材K720に対して追従可能部材K740が小形コイルスプリングKSP77の付勢力により引き付けられており、上下スライド部材K720の上下方向動作に対して追従可能部材K740も一体的に動作する。
連動部材K750の配置は上下スライド部材K720と追従可能部材K740との配置関係により決まるように構成されるため、上下スライド部材K720の上下方向動作に対して追従可能部材K740が一体的に動作する状況においては、連動部材K750も上下スライド部材K720と一体的に動作する。なお、連動部材K750の動作原理についての詳細は後述する。
図60(b)では、追従可能部材K740の右側受部K745がベース部材K710の張出部K711dの下面に当接した状態が図示される(図58(a)参照)。図60(b)における配置が、追従可能部材K740の移動範囲の上端位置となっており、これ以上に上下スライド部材K720が上昇を続ける場合には、上下スライド部材K720及び追従可能部材K740の一体性は崩れ、相対移動することになる。
図60(c)では、第2可動装置K701の上昇配置状態が図示される(図58(b)参照)。図60(c)に図示されるように、上昇配置状態では、演出待機状態に比較して追従可能部材K740に対して上下スライド部材K720が相対的に移動する。これにより、小形コイルスプリングKSP77は引き延ばされ、上下スライド部材K720の長孔K724と追従可能部材K740の傾斜長孔K743とが重なる左右位置が変化される。
上下スライド部材K720の長孔K724と追従可能部材K740の傾斜長孔K743とが重なる位置に連動部材K750の締結突設部K752が配置されることから、追従可能部材K740に対して上下スライド部材K720が相対的に移動することに伴って連動部材K750の左右位置が変化する。即ち、左右内側の配置から、左右外側へ配置されるように左右位置が変化している。
このように、第2可動装置K701の上昇動作と連動して、連動部材K750の左右方向の動作をさせるように構成されているので、単純に上昇動作するのみの可動役物に比較して、上昇動作時の注目力を向上させることができる。
図60(c)に図示される状態から上下スライド部材K720が下降される場合、図60(b)に図示される状態に到達するまでは小形コイルスプリングKSP77の付勢力により追従可能部材K740の配置が維持され、図57(b)に図示される状態に到達してからは上下スライド部材K720及び追従可能部材K740が一体的に下降され、図60(a)に図示される状態に戻ることになる。即ち、上下スライド部材K720の下降動作は、図60(c)、図60(b)、図60(a)の順の時系列で生じる。
以上、詳述したように、第2可動装置K701では、アーム部材K735の動作範囲の途中位置において、ある程度の角度範囲でアーム部材K735が回転した場合であっても、主装飾部材K760の位置が安定するように構成される。これにより、途中位置に主装飾部材K760を高速移動させ、停止させることが容易となる。
また、第2可動装置K701では、アーム部材K735の動作範囲の終端位置では、荷重の方向をアーム部材K735の回転軸へ向く方向に設定することで、アーム部材K735を終端位置において安定させることができる。
図25に戻って説明する。図25に図示されるように、前層側可動装置K400よりも背面側において、背面ケースK310に後層側可動装置K800が配設される。以下で、後層側可動装置K800の詳細について説明する。なお、構造の説明を先に行うために、第3可動装置K801に形成される装飾についての図示は省略し、装飾の詳細については後述する。
図61は、後層側可動装置K800の分解正面斜視図であり、図62は、後層側可動装置K800の分解背面斜視図である。後層側可動装置K800は、第3図柄表示装置K81(図27及び図28参照)の正面側を開閉動作可能に構成される第3可動装置K801と、その第3可動装置K801を背面側から支持する支持部材K850と、その支持部材K850の上側支持部材K851に正面側から第3可動装置K801を挟むように配設され上側支持部材K851に締結固定される上前カバー部材K861と、上側支持部材K851に背面側から締結固定される上後カバー部材K864と、を備える。
更に、後層側可動装置K800は、左右一対で配置される駆動モータKMT81,KMT82と、その駆動モータKMT81,KMT82の駆動力を伝達するために上側支持部材K851に回転可能に支持されるギア部材群であって上側支持部材K851と上後カバー部材K864との間に配設される左右一対の伝達装置K870と、その伝達装置K870の動作に伴い左右方向にスライド移動する左右一対の基端側スライド部材K880と、を備える。
支持部材K850は、上述の上側支持部材K851と、伝達装置K870のギア群を回転可能に支持するように円筒状に突設される複数の支持部K852と、基端側スライド部材K880をスライド移動可能に支持するための左右方向に延設される複数の長孔K853と、正面側において左右方向に延びるようにギア歯が刻設される左右一対の上側延設ギア歯K854および下側延設ギア歯K855と、第3可動装置K801の金属棒KMB83,KMB84の左右端部を支持する端側支持部K856と、金属棒KMB83,KMB84の略中間位置を上側支持部材K851との間で挟持するように上側支持部材K851に締結固定される複数の中間支持部材K857と、上側支持部材K851の背面側に配設され基端側スライド部材K880が第3可動装置K801の演出待機状態における位置に配置されていることを検出する左右一対の検出センサK858と、第3可動装置K801の下端側を後側から支持する部材であって、背面ケースK310(図25参照)に締結固定される下側支持部材K859と、を備える。
長孔K853は、右側においては二本、左側においては一本で形成されているが、基端側スライド部材K880を支持するという機能は共通である。即ち、右側の基端側スライド部材K880の形状が、長孔K853に挿通される複数の円柱状突部K882の上下位置が異なるため、対応する平行な二本の長孔K853が形成される一方、左側の基端側スライド部材K880の形状が、長孔K853に挿通される複数の円柱状突部K882の上下位置が同じため、左右に延びる長い一本の長孔K853に複数の円柱状突部K882が両方共支持される。
上前カバー部材K861は、背面側から突設される複数の円柱状部K862を備える。円柱状部K862は、左右に一対ずつ形成されており、それぞれが左右方向に延びる一本の直線上に形成される。
上後カバー部材K864は、左側の基端側スライド部材K880の左右方向の移動を案内するために左右方向に延設されるように穿設される案内長孔K865を備える。左側の基端側スライド部材K880は、案内長孔K865から背面側へ貫通される抜け止め突部K888に抜け止め用のネジが固定され、この抜け止め用のネジのネジ頭が案内長孔K865に干渉することにより抜け止めされる。
伝達装置K870は、駆動モータKMT81,KMT82の回転軸に固定される駆動ギアK871と、その駆動ギアK871の回転が伝達される中間ギアK872,K873と、中間ギアK873と歯合する円周ギア部K875を有する延設回転部材K874と、を備える。
延設回転部材K874は、上述の円周ギア部K875と、その円周ギア部K875よりも背面側において回転中心から径方向外側へ延設される延設部K876と、を備える。延設部K876には、その延設先端部において背面側へ円柱状に突設される円柱突部K876aが形成される。
伝達装置K870では、駆動モータKMT81,KMT82が回転駆動されると、駆動ギアK871から中間ギアK872,K873を介して延設回転部材K874へ駆動力が伝達され、延設部K876が回転動作されることに伴って、円柱突部K876aが変位され、その変位により基端側スライド部材K880が左右方向に変位される。
基端側スライド部材K880は、板状の本体部K881と、支持部材K850の長孔K853に案内される複数の円柱状突部K882と、左右中心側の円柱状突部K882の左右方向外側に配置され円柱状突部K882よりも正面側へ突設され第3可動装置K801のピニオンK825を回転可能に支持する回転支持部K883と、本体部K881に上下方向に延びる形状で前後方向に穿設される長孔K884と、左右方向外側端部から下方に延設され支持部材K850の検出センサK858の検出溝に進入可能に形成される被検出部K885と、を備える。
左側の基端側スライド部材K880には、背面側へ円柱状に突設され上後カバー部材K864の案内長孔K865に挿通された上で、先端部から抜け止め用のネジ部材が締結固定される抜け止め突部K888を備える。
図63は、第3可動装置K801の分解正面斜視図であり、図64は、第3可動装置K801の分解背面斜視図である。なお、図63及び図64の説明では、図61及び図62を適宜参照する。
第3可動装置K801は、支持部材K850の端側支持部K856に固定される左右方向に長尺の金属棒KMB83に左右方向にスライド移動可能に案内される後側開閉部材K810と、金属棒KMB83よりも正面側において支持部材K850の端側支持部K856に固定される左右方向に長尺の金属棒KMB84に左右方向にスライド移動可能に案内される中側開閉部材K820と、その中側開閉部材K820よりも正面側において上前カバー部材K861の円柱状部K862(図62参照)に左右方向にスライド移動可能に支持される前側開閉部材K830と、を備える。
後側開閉部材K810は、上下に長尺の左右一対の板状部K811と、その板状部K811の上端部との間で金属棒KMB83を挟む位置に配置され板状部K811に締結固定され正面側に軸受構造が形成される軸受構造部材K813と、その軸受構造部材K813の上面にギア歯が刻設されるラック部K814に歯合され中側開閉部材K820の支持部K826に回転可能に支持されるピニオンK815と、支持部材K850の下側支持部材K859(図61参照)に締結固定され下側支持部材K859との間で板状部K811の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する溝形成部材K818と、を備える。
中側開閉部材K820は、上下に長尺の左右一対の板状部K821と、その板状部K821の上端部との間で金属棒KMB84を挟む位置に配置され板状部K821に締結固定され板状部K821の上端部との間で軸受構造を形成する軸受構造部材K823と、板状部K821の背面側に突設される突設部の上面にギア歯が刻設されるラック部K824に歯合され基端側スライド部材K880の回転支持部K883に回転可能に支持されるピニオンK825と、を備える。
更に、中側開閉部材K820は、板状部K821の背面側に円筒状に突設され後側開閉部材K810のピニオンK815を回転可能に支持すると共に先端に螺入されるネジのネジ頭によりピニオンK815の抜け止めを行う支持部K826と、板状部K821の上端側における左右外側端部から正面側に突設され前側開閉部材K830と左右方向で当接可能とされる突設部K827と、後側開閉部材K810の溝形成部材K818の正面側に締結固定され溝形成部材K818との間で板状部K821の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する第2溝形成部材K828と、を備える。
前側開閉部材K830は、上下に長尺の左右一対の板状部K831と、その板状部K831の上端側で左右方向に延設される部分に左右方向長尺形状で前後方向に穿設され上前カバー部材K861の円柱状部K862(図62参照)に挿通されることで支持される長孔K833と、その長孔K833よりも下側において中側開閉部材K820の突設部K827を受け入れ可能に板状部K831に凹設される凹設部K835と、中側開閉部材K820の第2溝形成部材K828の正面側に締結固定され第2溝形成部材K828との間で板状部K831の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する第3溝形成部材K838と、を備える。
上述の構成から第3可動装置K801に生じる駆動力伝達は以下のようになる。即ち、基端側スライド部材K880の左右方向の移動量がピニオンK825を介して中側開閉部材K820の板状部K821に伝達され、その板状部K821の移動量がピニオンK815を介して後側開閉部材K810の板状部K811に伝達される。板状部K821及び板状部K811の移動は、歯合により生じる。
また、中側開閉部材K820の板状部K821の移動量が、突設部K827が凹設部K835の左右内側面を押進することにより前側開閉部材K830の板状部K831に伝達される。板状部K831の移動は、中側開閉部材K820から押進されることにより生じる。
従って、板状部K821の移動に伴い板状部K811は常時連動することになる一方で、板状部K821が移動しても、突設部K827が凹設部K835の左右内側面を押進しない範囲においては、板状部K831は静止したままとなる。
図65(a)、図65(b)及び図65(c)は、上後カバー部材K864、延設回転部材K874、基端側スライド部材K880及びピニオンK825の正面図である。図65(a)、図65(b)及び図65(c)では、第3可動装置K801の演出待機状態からの延設回転部材K874の動作例が時系列で図示される。
まず、図65(a)に図示されるように、第3可動装置K801の演出待機状態では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される位置で、延設回転部材K874が回転方向で上後カバー部材K864の上側構成部K866に当接され、それ以上の回転が防止される。
即ち、円柱突部K876aが延設回転部材K874の回転中心よりも左右外側へ向けて回転する回転動作では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される位置で停止され、それ以上の回転は生じないように構成される。
図65(a)に図示される状態から円柱突部K876aが左右内側へ向けて回転すると、円柱突部K876aの左右位置が変化することに伴い、円柱突部K876aが挿通されている長孔K884を有する基端側スライド部材K880が連動して、支持部材K850の長孔K853(図62参照)に案内される左右方向にスライド移動し、図65(b)に図示される連動切替状態へ移行する。
図65(b)に図示されるように、第3可動装置K801の連動切替状態では、延設回転部材K874の円柱突部K876aの変位方向が左右方向に沿うことにより、基端側スライド部材K880へ伝達される左右方向の力が最大となる。
図65(b)に図示される状態から更に延設回転部材K874が回転されることにより、円柱突部K876aの左右位置が変化することに伴い、円柱突部K876aが挿通されている長孔K884を有する基端側スライド部材K880が連動して、支持部材K850の長孔K853(図62参照)に案内される左右方向にスライド移動し、図65(c)に図示される閉塞状態へ移行する。
図65(c)に図示されるように、第3可動装置K801の閉塞状態では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置される位置で、延設回転部材K874が回転方向で上後カバー部材K864の傾斜形成部K867に当接され、それ以上の回転が防止される。
即ち、円柱突部K876aが延設回転部材K874の回転中心よりも左右内側へ向けて回転する回転動作では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置される位置で停止され、それ以上の回転は生じないように構成される。
これにより、第3可動装置K801が閉塞状態へ移行した後において基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重において、延設回転部材K874の回転軸が受ける割合を減らすことができる。
即ち、第3可動装置K801の閉塞状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの中心が延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される場合、基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重の全てが延設回転部材K874の回転軸に与えられることになるので、延設回転部材K874の耐久性が低下する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第3可動装置K801の閉塞状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの中心が延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置されるので、基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重が、延設回転部材K874の回転軸が受ける成分と、傾斜形成部K867が受ける成分とに分解されるので、荷重の集中を避けることができ、延設回転部材K874の耐久性を向上させることができる。
なお、正面視左側における上側構成部K866及び正面視右側における傾斜形成部K867は、上側支持部材K851(図62参照)から背面側に突設形成されており、正面視左側における傾斜形成部K867及び正面視右側における上側構成部K866は、上後カバー部材K864の上縁部として形成されている。
また、第3可動装置K801が閉塞状態において、円柱突部K876aの中心と延設回転部材K874の回転中心とを結ぶ直線が、左右方向に延びる直線に対する角度は5度とされる。
そのため、円柱突部K876aの中心と延設回転部材K874の回転中心との長さを25mmとした場合に、延設回転部材K874が5°過回転することで基端側スライド部材K880が左右方向外側に戻る変位量は、0.1mmであり(25-25cоs(5°))、遊技者に認識されるほどの距離とはならないので、例えば、延設回転部材K874が過回転することにより板状部K811(図63参照)が左右方向外側に戻ることで演出効果が低下するといった事態が生じる可能性を低減できる。
更に、基端側スライド部材K880の回転支持部K883に支持されるピニオンK825と、上側延設ギア歯K854及びラック部K824とのバックラッシュが0.1mm程度となるように設計しておけば、延設回転部材K874が5°過回転することによる基端側スライド部材K880の左右方向の変位は上述のバックラッシュに収まり、ラック部K824を有する中側開閉部材K820の板状部K821や、その板状部K821と連動する後側開閉部材K810の板状部K811が左右方向外側に変位することを避けることができる。以下、図66を参照して、板状部K821と板状部K811との連動について説明する。
図66は、後層側可動装置K800の部分拡大正面図である。図66では、内部構造を分かり易くするために、上前カバー部材K861及び前側開閉部材K830の図示が省略され、中側開閉部材K820の板状部K821が部分的に破られて図示されると共に中側開閉部材K820の外形が想像線で図示される。また、ピニオンK815は、上側において支持部材K850の下側延設ギア歯K855と歯合する大径ギアK815aが図示され、下側において後側開閉部材K810のラック部K814と歯合する小径ギアK815bが図示される。
図66を参照して、駆動力の伝達方法について説明する。まず、駆動モータKMT81,KMT82の駆動力が伝達され伝達装置K870の延設回転部材K874が回転動作されることにより基端側スライド部材K880が左右方向にスライド移動され(図65参照)、それにより移動される回転支持部K883を回転中心とするピニオンK825が上側延設ギア歯K854との噛み合いで回転される(図66において回転支持部K883が左側に移動する場合には正面視時計回りに回転される)。
ピニオンK825の回転により、下側で歯合されているラック部K824が左方へ移動されることになるので、中側開閉部材K820の板状部K821が左方へ移動する。この時、ピニオンK825が上側延設ギア歯K854と噛み合う歯数と、ピニオンK825がラック部K824と噛み合う歯数とが同じなので、回転支持部K883の左右方向の移動量の倍の移動量で中側開閉部材K820の板状部K821を移動させることができる。
従って、板状部K821を目的の距離移動させるために必要な基端側スライド部材K880の移動量を短くすることができるので、基端側スライド部材K880の配置に要するスペースを削減することができる。
中側開閉部材K820が左右方向に移動されると、支持部K826に支持されるピニオンK815の大径ギアK815aが下側延設ギアK855との噛み合いで回転される(図66において支持部K826が左側に移動する場合には正面視時計回りに回転される)。
ピニオンK815の回転により、下側で小径ギアK815bと歯合されているラック部K814が左方へ移動されることになるので、後側開閉部材K810の板状部K811が左方へ移動する。
この時、大径ギアK815aの歯数が23で形成される一方、小径ギアK815bの歯数が11で形成されることから、支持部K826の左右方向の移動量の34/23倍の移動量で後側開閉部材K810の板状部K811を移動させることができる。
このように構成することで、基端側スライド部材K880を介する駆動力伝達を、移動量の最も大きい後側開閉部材K810ではなく、中側開閉部材K820に対して行うことが可能となる。
ここで、移動量の最も大きい後側開閉部材K810に基端側スライド部材K880を介して駆動力を伝達するようにしても第3可動装置K801の開閉動作は実行可能であるところ、この場合、基端側スライド部材K880の移動量を後側開閉部材K810の移動量に合わせて長く設定する必要が生じるので、延設回転部材K874(図65参照)の長さが過大に必要となり、延設回転部材K874を利用した伝達機構を採用することができなくなる要因となる。
こうなった場合、回転速度が同じであっても、延設回転部材K874(図65参照)の姿勢に対応して左右方向の速度が変化するという延設回転部材K874に特有の作用効果を生じさせることができなくなる。
これに対し、本実施形態では、基端側スライド部材K880を介する駆動力伝達を中側開閉部材K820に対して行う構成を採用した上で、左右方向にスライド移動するピニオンK815を採用することにより、中側開閉部材K820の板状部K821の移動量よりも後側開閉部材K810の板状部K811の移動量を増大させることで、後側開閉部材K810の移動量を最大としている。
これにより、板状部K811の移動量は大きく確保したまま、基端側スライド部材K880の移動量は抑えることができるので、延設回転部材K874(図65参照)の長さが過大となることを防止することができ、延設回転部材K874に特有の作用効果を生じさせることができる。
図67、図68及び図69は、後層側可動装置K800の正面図である。図67、図68及び図69では、演出待機状態から閉塞状態へ向けて第3可動装置K801の状態が変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図67では、第3可動装置K801の演出待機状態が図示され(図27参照)、図68では、第3可動装置K801の連動切替状態が図示され、図69では、第3可動装置K801の閉塞状態が図示される(図28参照)。図67から図69では、連動の理解を容易にするために、中側開閉部材K820の突設部K827の配置と、前側開閉部材K830の凹設部K835の配置とが想像線で図示される。
また、図67で図示される状態は図65(a)に図示される状態に対応しており、図68で図示される状態は図65(b)に図示される状態に対応しており、図69で図示される状態は図65(c)に図示される状態に対応している。
図67に図示されるように、第3可動装置K801の演出待機状態では、中側開閉部材K820の突設部K827が凹設部K835の左右外側縁部と当接し、前側開閉部材K830の左右内側への移動が規制される。
板状部K821,K811が左右内側へ移動する過程(図66参照)において、図67に図示される演出待機状態から図68に図示される連動切替状態までは、突設部K827は凹設部K835の内部を移動し、左右内側縁部と当接することは無い。
そのため、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じない。従って、図67に図示される状態から図68に図示される状態までにおいて、前側開閉部材K830の板状部K831の配置は維持される。
また、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じないので、図67に図示される演出待機状態から中側開閉部材K820及び後側開閉部材K810を動作させるために要する駆動力を低減させることができる。
更に、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じないので、図67に図示される状態と図68に図示される状態との間で板状部K821,K811を往復させる態様で駆動させる場合(中間往復駆動)に駆動モータKMT81,KMT82(図61参照)が受ける抵抗を低減させることができ、駆動モータKMT81,KMT82に蓄積される疲労を低減させることができる。
板状部K821,K811が左右内側へ移動する過程(図66参照)において、図68に図示される連動切替状態から図69に図示される閉塞状態までは、突設部K827が凹設部K835の左右内側縁部を押進するように当接するので、板状部K821,K811の移動に伴って前側開閉部材K830の板状部K831も左右内側へ向けて移動される。
図68に図示される連動切替状態は、板状部K831が移動を開始する状態なので、板状部K831の静止摩擦を上回る駆動力を要することになるが、本実施形態では、連動切替状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの移動方向が板状部K831の移動方向である左右方向に向くようにされ、力を効率的に伝達することができるよう構成される(図65(b)参照)。
これにより、板状部K831の静止摩擦以上の十分な駆動力を板状部K831に伝達することができるので、板状部K831との連動開始時における板状部K821,K811の移動速度の減少量を抑えることができ、板状部K821,K811と板状部K831との連動を滑らかに生じさせることができる。
図69に図示される閉塞状態から、突設部K827の左右方向外側へ向けた移動が生じた場合、その移動の開始から突設部K827が凹設部K835の内側を移動する間においては、突設部K827から前側開閉部材K830の板状部K831へ向けて駆動力が伝達されることは無く、板状部K831は図69に図示される配置で維持される。
従って、図69に図示される閉塞状態から板状部K821,K811を左右方向外側へ向けて移動開始させる際には板状部K831からの抵抗を受けないので、板状部K821,K811の移動に要する駆動モータKMT81,KMT82(図61参照)の駆動力を低減することができる。同様のことが、図67に図示される演出待機状態から板状部K821,K811を左右方向内側へ向けて移動開始させる際にも言える。
また、これにより、上述した延設回転部材K874の過回転(図65(c)参照)による左右方向外側への戻り移動分がギアのバックラッシュに収まらない場合であっても、突設部K827の左右方向外側への移動により板状部K831が左右方向外側へ移動することを回避することができるので、板状部K831の配置を維持することができる。
図67に図示される状態から図68に図示される状態に変化した後、延設回転部材K874の回転方向を変えるように駆動させ、図67に戻るように駆動制御させることも可能である。
この場合、図68に図示される状態に変化するまで継続的に延設回転部材K874に駆動力を伝達させるように制御しても良いし、図68に図示される状態に変化するよりも前に駆動力の発生を停止させるように制御しても良い。
後者の場合であっても、延設回転部材K874の自重により図65(b)に図示される姿勢までは回転が継続され、且つ、図68に図示される状態で板状部K831の静止摩擦がかけられることから延設回転部材K874を図65(b)に図示される状態で停止させ易い。
即ち、延設回転部材K874が図65(b)に到達する程度の時間を空けて逆方向に駆動させるように制御する(パルス的に駆動力を発生させる)ことで、図31に図示される状態と図68に図示される状態とを往復する動作演出を実行することができる。
以上、詳述したように、第3可動装置K801では、3枚の板状部K811,K821,K831を連動させる動作態様ながら、その連動のタイプを変えることができる。即ち、動作開始時は板状部K811,K821のみの連動としながら、動作途中から板状部K831も連動させるように構成される。これにより、動作を複雑化し、演出効果を向上することができる。
また、第3可動装置K801では、板状部K811,K821,K831を移動終端まで移動させた後で延設回転部材K874が過回転し、板状部K811,K821,K831からの反動による荷重の全てが回転軸に与えられることを避けている。これにより、延設回転部材K874の耐用年数を上げることができる。
更に、延設回転部材K874の過回転の寸法を、板状部K811,K821,K831の移動が生じない程度に抑えることで、板状部K811,K821,K831の戻り動作による演出効果の低下(板状部K811間に隙間が生じる等の問題)を避けることができる。
図11に戻って説明する。本実施形態におけるパチンコ機K10では、正面枠K14の内側に配設されるガラスユニットH16の上下左右を囲むようにして、表示ランプK900が配設される。
表示ランプK900は、ガラスユニットH16の上側に横長形状に形成されるトップランプK910と、ガラスユニットH16の右側に縦長形状に形成される右側サイドランプK920と、ガラスユニットH16の左側に縦長形状に形成される左側サイドランプK930と、を備える。
表示ランプK900は、パチンコ機K10にエラーが発生している場合や、賞球の払い出しが生じている場合等に、パチンコ機K10の内部状態に対応した機能用表示態様で発光したり、ガラスユニットH16を通して視認される動作ユニットK300(図13参照)や第3図柄表示装置K81(図12参照)等で行われる演出に対応した演出用表示態様で発光したりするように音声ランプ制御装置H113(図10参照)に制御される。以下で、パチンコ機K10が演出用表示態様で制御される際の一例について説明する。
図70(a)から図70(f)及び図71(a)から図71(e)は、パチンコ機K10の模式正面図である。図70(a)から図70(f)及び図71(a)から図71(e)では、パチンコ機K10で実行される演出制御の一例が時系列で図示される。
図70(a)では、第3図柄表示装置K81で大当たりに対応した第3図柄が左右に揃った状態(停止していない状態)が表示され、大当たりが示唆されている状態が図示される。この状態において、表示ランプK900は白色で発光され、遊技盤K13は、背後からのLED等照射により全体的に白色で発光される(白色の発光を第1の網掛けで図示する)。
ここから、動作ユニットK300及び第3図柄表示装置K81における演出動作の後で、第3図柄が停止表示された状態を経て、大当たり遊技が開始される。演出動作の詳細について以下で説明する。
図70(b)では、検出センサK711e(図59(b)参照)からの出力が変化され、第3図柄表示装置K81の正面側に配置される第2可動装置K710が下降配置状態になったと音声ランプ表示装置H113(図10参照)が判定した後で、第1可動装置K401が落下位置状態に変化した状態が図示される。
第1可動装置K401の回転装飾部材K578は、移動装置K560が落下動作される前から既に正面視時計回り方向に回転動作されており、第1可動装置K401が落下位置状態に変化した後も回転動作が継続される。
遊技領域の背面側では、動作ユニットK300側からの発光が抑えられ、遊技盤13が暗転しているように視認される。表示ランプK900では、遊技者に虹色の光を視認させるように発光態様が制御される(虹色の発光を第2の網掛けで図示する)。これにより、パチンコ機K10全体の煌びやかさは維持しながら、遊技者の視線を遊技領域ではなく第3図柄表示装置K81の内側へ誘導することができる。
図70(c)では、移動装置K560の回転動作が継続される状態で、駆動モータKMT51(図40参照)が正方向に駆動されることで移動装置K560が右方に移動され、右側検出センサK556a(図40参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動方向が逆方向に反転され、移動装置K560が左方に移動され、左側検出センサK556c(図40参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動方向が正方向に反転され、移動装置K560が右方に移動され、中央検出センサK556b(図40参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動が停止される様子が図示される。
この時、移動装置K560の回転装飾部材K578の回転方向は、移動装置K560が右方に移動している状態では右へ向けて前転する回転方向とされ、移動装置K560が左方に移動している状態では左へ向けて前転する回転方向とされる。これにより、移動装置K560の左右方向のスライド移動と、回転装飾部材K578の回転方向とを対応させて、一体感のある動作演出を実行することができる。
移動装置K560の電飾基板K564(図41参照)では、回転装飾部材K578を虹色に発光させるようにLEDの発光色が設計される。なお、電飾基板K564に限らず、LEDによる光を虹色に視認させるための設計は、LEDの発光色を予め決めておいて遊技者が虹色に視認可能に発光させるLEDを選択するように設定しても良いし、各LEDを複数の発光色で発光可能に構成して発光色の切替を遊技者に虹色に視認させ易い順番で行うようにしても良い。
第3図柄表示装置K81では、前側のレイヤーで移動装置K560の位置に対応する位置で移動装置K560の外形よりも若干大きな円形の虹色の渦巻きが表示される。即ち、渦巻きの表示も移動装置K560の左右方向の移動に伴い移動される。更に、後側のレイヤーで表示領域全体に虹色の雲状の表示がされる。
遊技領域の背面側では、動作ユニットK300側からの発光が抑えられ、遊技盤13が暗転しているように視認される。表示ランプK900では、遊技者に虹色の光を視認させるように発光態様が制御される。これにより、パチンコ機K10全体の煌びやかさは維持しながら、遊技者の視線を遊技領域ではなく第3図柄表示装置K81の内側へ誘導することができる。
図70(d)では、中央検出センサK556bの出力により移動装置K560が左右方向中央位置に配置されたことが把握されている状態で第1可動装置K401が演出待機状態へ変化された後の状態が図示される。
第1可動装置K401が演出待機状態へ変化されるまでの間、回転装飾部材K578は正面視時計回り方向の回転が継続される。即ち、第1可動装置K401は、回転装飾部材K578が回転動作されている状態で長尺装置K540及び移動装置K560が上昇される。
第1可動装置K401が演出待機状態へ変化され、移動装置K560が上側装飾部材K330に隠されると同時に、入賞ユニットK200の発光部K212(図15参照)、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図26参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照)から一斉に光が照射される。更に、第3図柄表示装置K81では、前側のレイヤーで男性キャラクターが力を溜める様子が表示される。
図70(e)では、第3図柄表示装置K81を除く発光が、左右内側へ向けて消灯していく様子が図示される。即ち、右側サイドランプK920及び左側サイドランプK930から消灯し始め、次に、トップランプK910の左右外側、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板における左右外側、左側装飾部材K350(図26参照)の内部の発光基板および入賞ユニットK200の発光部K212(図15参照)が消灯し、最後にトップランプK910の左右内側、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板における左右内側および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照)が消灯し、第3図柄表示装置K81を除いてパチンコ機K10が暗く視認される状態が形成される。
これにより、遊技者の視線を徐々に遊技領域の中央側、即ち、第3図柄表示装置K81の中央側へ誘導することができ、この後実行される演出に向けた期待感を上昇させることができる。そして、遊技者の視線を誘導し終えたタイミングで、第3図柄表示装置K81に表示されていた男性キャラクターの溜めた力を開放する動作が表示されており、この直後に第1可動装置K401が演出待機状態から落下位置状態へ変化される。
図70(f)では、第1可動装置K401が落下位置状態へ変化された状態で、回転装飾部材K578の回転が維持されている様子が図示される。第1可動装置K401が落下位置状態へ変化されるのと同時に、パチンコ機K10は全体的に明るく視認される。
即ち、入賞ユニットK200の発光部K212(図15参照)、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図26参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照)から一斉に光が照射される。この光の態様は、白色光でも良いし、虹色でも良いし、白色光から虹色に変化する発光態様でも良い。
更に、第1可動装置K401においては、電飾基板K564(図41参照)からの光により回転装飾部材K578が虹色に視認されることに加えて、電飾基板K552(図39参照)から白色光が照射されることで化粧部材K551も全体的に明るく視認される。
図71(a)では、第1可動装置K401の移動装置K560が回転装飾部材K578を回転させながら右側途中位置KR42(図54(c)参照)まで移動してから停止した状態が図示される。
この状態において、遊技領域とその内側の範囲では、回転装飾部材K578のみが電飾基板564(図41参照)からの光で明るく照らされ、その他の電飾基板(入賞ユニットK200の発光部K212(図15参照)、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図26参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照)等)は消灯される。
第3図柄表示装置K81の表示領域では、前側のレイヤーにおいて回転装飾部材K578の周辺に集中させる形状の光が表示され、後側のレイヤーが黒背景で表示されることで、回転装飾部材K578に注目させる演出が実行される。
図71(b)では、第1可動装置K401の移動装置K560が回転装飾部材K578を回転させながら左側途中位置KL43(図54(d)参照)まで移動してから停止した状態が図示される。
この動作の過程で、第3図柄表示装置K81の表示領域において黒背景から白背景に表示が変化されることに合わせて、第3可動装置K801が演出待機状態から閉塞状態へ変化される。これにより、遊技領域よりも内側における視界が明るくされる。
図71(c)では、第1可動装置K401の被検出板部K571a(図41参照)が中央検出センサK556b(図40参照)の検出溝から出たと、中央検出センサK556bの出力の変化から音声ランプ制御装置H113(図10参照)に判定された場合において、第2可動装置K701が下降配置状態から演出待機状態へ変化させた状態が図示される。
この状態において、第3図柄表示装置K81では第3可動装置K801の板状部K811,K821,K831に施された装飾(図71(b)中に「S」字の装飾として図示)を強調する表示が実行され、板状部K811,K821,K831を通して表示が遊技者に視認されることで、板状部K811,K821,K831のみが視認される場合とは異なる態様で視認される。
図71(c)に図示される状態において、遊技者に対して、「SFME」(SienceFictionMyEnergyの頭文字を想定)との文字の羅列からなる一連の演出表示を視認させることができる。なお、本実施形態では例としてローマ字の羅列による一連の表示として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、仮名文字や漢字の羅列でも良いし、イラストや形状による羅列でもいい。
また、図71(b)から図71(c)に変化する過程において、入賞ユニットK200の発光部K212(図15参照)、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図26参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照)から一斉に白色光が照射される。更に、第1可動装置K401においては、電飾基板K564(図41参照)からの光により回転装飾部材K578が明るく視認されることに加えて、電飾基板K552(図39参照)から白色光が照射されることで化粧部材K551も全体的に明るく視認される。
更に、図71(c)に変化した後(第2可動装置K701が演出待機状態へ変化され各可動装置が停止した後)において、板状部K811,K821,K831に施された上記装飾に対応する第3図柄表示装置K81の表示領域で虹色に表示される。それに加えて、入賞ユニットK200の発光部K212(図15参照)、上側装飾部材K330(図26参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図26参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照)及び第1可動装置K401の電飾基板K564(図41参照)からの光により、パチンコ機K10が全体で虹色を形成するように発光される。
このように、各可動装置が停止する前と停止した後とで、発光態様を統一的に変化させることで、遊技者に対して、各可動装置が移動中である期間と、各可動装置の移動が停止された後とを区別し易くすることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
図71(d)では、パチンコ機K10が全体で虹色を形成するように発光される状態は維持されたままで、回転装飾部材K578が回転されながら移動装置K560が左右中央位置まで到達した状態が図示される。回転装飾部材K578の回転は、移動装置K560が左右中央に到達した後も継続される。
図71(e)では、第1可動装置K401が演出待機状態への変化を開始する(上昇移動する)のに合わせて第3可動装置K801が閉塞状態から演出待機状態へ向けて変化される。第3可動装置K801の状態が変化されるのに合わせて、第3図柄表示装置K81の表示は、板状部K811,K821,K831に施された装飾を強調する表示から第3図柄が左右に揃った状態の表示に切り替えられる。
即ち、第3図柄表示装置K81の前側のレイヤーで板状部K811,K821,K831に施された装飾を強調する表示が板状部K811,K821,K831の移動に追従するように移動されるように表示され、後側のレイヤーで第3図柄が左右に揃った後、停止表示される様子が表示される。即ち、図71(e)に図示されるように停止図柄が第3図柄表示装置K81に表示され、大当たりの発生が示された後で、大当たり遊技が開始される。
第3図柄が表示されてから停止表示されるまでの間に、第1可動装置K401の検出センサK418(図35参照)の出力が変化され、昇降装置K500が演出待機状態における高さに配置されていることが音声ランプ制御装置H113(図10参照)に判定され、第2可動装置K701が演出待機状態に変化させるように制御される。
なお、上記演出制御の一例では、各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)で視認させる内容と、第3図柄表示装置K81の表示領域で視認させる内容とを異なるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面に各可動装置が配置される際の視認態様と同様の視認態様で遊技者に視認させるように、第3図柄表示装置K81の表示領域に各可動装置の形状や模様の表示(動画表示、静止画表示)を行うことができるよう構成しても良い。
正面視であれば、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面に各可動装置が配置される場合と、第3図柄表示装置K81の表示領域に各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)の形状や模様が表示される場合とで、視認態様を似せることができる。この場合、各可動装置のいずれかが故障して動かなくなった場合であっても、故障した各可動装置に対応する表示で補うことにより、演出効果の低下を最小限に抑えることができる。
第3図柄表示装置K81の表示領域に各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)に対応する表示を行う表示態様は、なにも各可動装置が故障した時にのみ実行されるものに限られるものではない。例えば、実行される演出に対応して、各可動装置が動作される場合と、各可動装置の動作は行われずに、各可動装置に対応する表示が第3図柄表示装置K81で行われる場合とが生じるようにしても良い。
この場合において、各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)を動作させない場合において、各可動装置の電飾(第1可動装置K401の電飾基板K564(図41参照)や、第2可動装置K701の電飾基板K761a(図56参照))の発光をオフにしたり、目隠しとなる部材の背面側に隠したりすることで、遊技者の視線を第3図柄表示装置K81で行われる各可動装置に対応する表示に誘導し易くすることができる。
また、各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)に対応する表示が第3図柄表示装置K81で行われる場合としては、各可動装置自体を表示する場合に限られるものではない。例えば、第1可動装置K401において、回転装飾部材K578に対応する位置が白抜きされ、正面視で回転装飾部材K578の外方に対応する位置に表示を行うことで、表示を回転装飾部材K578の移動に対応させるようにしても良い。
この場合において、例えば、長尺装置K540(図54参照)を光透過性の樹脂材料から構成し長尺装置K540を通して第3図柄表示装置K81の表示が視認可能に構成されていると、あたかも、回転装飾部材K578が第3図柄表示装置K81の表示領域に浮いているかのように視認させることができる。
この場合において、更に第1可動装置K401が故障で動作しなくなった場合には、回転装飾部材K578に対応する位置として白抜きされていた位置に、回転装飾部材K578の形状や模様を表示することで、第1可動装置K401の動作に基づく視認態様と似た視認態様を表示による実行することができるので、遊技者に対して違和感を与え難くすることができる。
また、移動により第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置される第1可動装置K401や第3可動装置K801では問題とならないが、移動により第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に一部しか配置されない第2可動装置K701については、第3図柄表示装置K81と重なる配置における表示態様のみを設定するようにしても良いし、第3図柄表示装置K81の枠の下縁を、正面視における演出待機状態(又は上昇配置状態)の第2可動装置K701と重なる位置にまで下げるようにして表示領域を広げるようにしても良い。
この場合において、第3図柄表示装置K81の表示領域おける第2可動装置K701の配置可能位置と同じ位置(表示領域の下側範囲)に、第2可動装置K701の形状や模様を表示するようにすることで、第2可動装置K701を動作させずとも、第2可動装置K701が動作しているかのように視認させることができる。
この場合において、第2可動装置K701が故障して動作不可能となった場合には、第2可動装置K701を下降配置状態に維持して、電飾基板K761a(図56参照)を消灯しておくことで、第2可動装置K701の動作で実現されていた演出効果は第3図柄表示装置K81の表示により補うようにし、且つ、第2可動装置K701については目立たせなくすることで、取り外しなどの修理作業を省略することができる。
図72から図77を参照して、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、ベース板K60の背面側に形成される形成凹部K60a~K60dの内側が空間として機能する場合を説明したが、第3実施形態では、ベース板K2060の第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bの内側に光照射装置K2100が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72は、第3実施形態におけるベース板K2060及び光照射装置K2100の背面図であり、図73は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の背面斜視図である。図72及び図73に図示されるように、光照射装置K2100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K2060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
これにより、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図13参照)の配置位置が光照射装置K2100により制限されることを回避することができる。換言すれば、光照射装置K2100の有無に関係なく、動作ユニットK300の配置をベース板K2060に寄せることができる。
また、光照射装置K2100がベース板K2060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、遊技領域後方の視認性が光照射装置K2100により低下されたり、視線が遮断されたりすることを防止することができる。即ち、光照射装置K2100の有無に関わらず、遊技者は、ベース板K2060を透視して背面側の動作ユニットK300(図13参照)を容易に視認することができる。
ベース板K2060は、形成凹部K60a~K60dの遊技領域側の縁部を構成すると共に遊技領域を形成する領域の外形の後方に位置する外形傾斜部K2060eと、環状に形成される遊技領域の内側位置において、背面側へ向かうにつれて内形が拡大する方向の傾斜面が全周において形成される傾斜開口部K2060wを備える。
本実施形態では、外形傾斜部K2060eは、形成凹部K60a~K60dの凹設先端側(前側)における形状よりも、ベース板K2060の後端側における形状の方が一回り小さくされ、ベース板K2060を横断した場合の断面形状においてベース板K2060の後側面に対する傾斜角度が約45度となるように形成される。
また、傾斜開口部K2060は、ベース板K2060の前端側における形状よりも、ベース板K2060の後端側における形状の方が一回り大きくされ、ベース板K2060を横断した場合の断面形状においてベース板K2060の前側面に対する傾斜角度が約45度となるように形成される。
図74は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の分解背面斜視図であり、図75は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の分解正面斜視図である。
光照射装置K2100は、LED等からなる複数の発光手段K2111が配設される電飾基板K2110と、その電飾基板K2110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K2060に締結固定される中間部材K2120と、を備える。
光照射装置K2100は、共通の構成で共通の機能を有する部材の組が左右一対で配置されているので、右側の電飾基板K2110及び中間部材K2120の組について説明を行い、左側の電飾基板K2110及び中間部材K2120の組については説明を省略する。
電飾基板K2110の正面視外形形状は、ベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状に沿って複数の発光手段K2111が間隔を空けて配置されている。
中間部材K2120の正面視外形形状は、電飾基板K2110と同様にベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状部側において、発光手段K2111の前方の領域を含むようにライン状に傾斜面K2121が形成される。
傾斜面K2121は、背面側ほど円弧形状の径が大きくなる方向で傾斜形成され、傾斜の角度が略45度となるように設計されている。
本実施形態では、ベース板K2060の形成凹部K60a~K60dの凹設端面、外形傾斜部K2060e、傾斜開口部K2060w及び中間部材K2120の傾斜面K2121に、無数の凹凸から形成されるシボ加工が施される。
図76は、図72のX03m-X03m線におけるベース板K2060及び光照射装置K2100の部分断面図である。図76では、一の発光手段K2111の中心を通ると共に外形傾斜部K2060eの円弧と直角に交差する平面で断面視された形状が図示される。
また、図76では、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の視認態様の違いが生じる原因となる、3段階で異なる位置を進行する進行方向KLD21~KLD23について図示される。
図76に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121を透過する光は進行方向KLD21で進行するので、遊技者は遊技領域の外縁の後方に対応する外形傾斜部K2060eよりも若干外側の位置を明るく視認することができる。
傾斜面K2121及び第2形成凹部K60bの凹設端面には上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜面K2121の形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁の若干外側を明るく視認させることができる。
図76に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121で反射された後、外形傾斜部K2060eで屈折された光は進行方向KLD22で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、遊技領域の外縁の後方に位置する外形傾斜部K2060eに対応する位置を明るく視認することができる。
外形傾斜部K2060eには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、外形傾斜部K2060eの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁付近を明るく視認させることができる。
図76に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121で反射された後、外形傾斜部K2060eを透過し、傾斜開口部K2060wで反射された光は進行方向KLD23で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、傾斜開口部K2060wの縁部に対応する位置(センターフレームK86(図14参照)の配置に対応する位置)を明るく視認することができる。
傾斜開口部K2060wには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜開口部K2060wの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の中央部において遊技領域を区画するセンターフレームK86の外縁部を明るく視認させることができる。
図76に図示されるように、本実施形態によれば、電飾基板K2110を遊技領域の外方に配置しながら、電飾基板K2110の発光手段K2111からの光を遊技領域の外縁の若干外側、遊技領域の外縁付近およびセンターフレームK86(図14参照)の外縁部を通して遊技者に視認させることができるので、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させることができる。
このように、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させるために発光手段K2111を構成することで、発光手段K2111の配置スペースを低減できるので電飾基板K2110の小形化を図ることができる。
また、図76に図示されるように、光照射装置K2100がベース板K2060の板厚に収まる位置(光照射装置K2100の後端面がベース板K2060の板状部の後端面と面一)とされていることで、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図13参照)の配置自由度を向上させることができる。即ち、ベース板K2060の板状部の後端面に密着する態様で動作ユニットK300を配置したとしても、光照射装置K2100を配設することが可能であり、ベース板K2060を明るく視認させることができる。
図76に図示されるように、発光手段K2111からの光が遊技領域を通過する前に上下左右方向に進行する場合、その光の進行はベース板K2060の前端面よりも後側において生じる。即ち、上下左右方向に進行する範囲において、光は遊技領域を通過しないので、上下左右方向に進行する範囲において光が遊技領域に位置する球に遮られる事態は生じない。
そのため、遊技領域における球の配置状況によって、進行方向KLD21~KLD23の光の量が変化することを回避することができるので、遊技領域の外方から遊技領域の内側へ向けて光を進行させる構成を採用しながら、弾球遊技中において球に光が遮蔽されてベース板K2060の明るさが低下するといった事態を回避することができる。
なお、光照射装置K2100の配設位置は、第1形成凹部K60aや第2形成凹部K60bに限定されるものではなく、第3形成凹部K60cに配設するようにしても良い。この場合、一般入賞口K63(図14参照)に入球した球の流下経路に発光手段K2111からの光が進入し得るので、一般入賞口K63に球が入球した場合、その球により光が遮断される。
この球による遮断の作用は、遊技領域の中央側へ進行する光の見え方に影響を与えることになる。即ち、発光手段K2111から照射され傾斜開口部K2060wまで進行する光が、一般入賞口K63に球が入球した場合に、その球に遮断されることで傾斜開口部K2060wに届かなくなる。
これにより、一般入賞口K63への入球と、傾斜開口部K2060wの視認態様とが対応するので、遊技者は、一般入賞口K63を視認せずとも、傾斜開口部K2060wを視認しておくことで、一般入賞口K63への入球を把握することができる。
この場合、傾斜開口部K2060wは第3図柄表示装置K81(図12参照)の前方の開口を縁取るセンターフレームK86(図12参照)に対応する位置にあるので、傾斜開口部K2060wで反射される光を視認可能な視界としておくことで、一般入賞口K63への入球の有無を把握しながら、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示演出を楽しんで視認することができる。
なお、実際は、ベース板K2060で屈折したり、反射したりする関係上、発光手段K2111からの光の進行方向は屈折し得るが、図76においては、発光手段K2111からの光の進行方向は、理解を容易とするために上下左右方向で模式的に記載した。
図77は、パチンコ機K10の模式正面図である。図77では、パチンコ機K10にベース板K2060及び光照射装置K2100を配設した場合における、視認態様が図示される。
図77に図示されるように、ベース板K2060の背面側に配設される光照射装置K2100からの光が傾斜開口部K2060wを介してセンターフレームK86に照射される。これにより、センターフレームK86を明るく照らすことができる。
この時、動作ユニットK300に配設される電飾基板や発光基板に配設されるLEDを消灯させた状態で、光照射装置K2100からは光を照射させることで、センターフレームK86を目立たせることができ、その内側に配置される第3図柄表示装置H81に注目させることができる。
また、センターフレームK86は、上側装飾部材K330よりも前側に配置されているので、上側装飾部材K330の内部に配設される発光基板のLEDを点灯させた状態で光照射手段K2100から光を照射させることで、正面視において、発光される上側装飾部材K330がセンターフレームK86に沿って視認される光により分断されているように見せることができる。
図78から図80を参照して、第4実施形態について説明する。第2実施形態では、ベース板K60の背面側に形成される形成凹部K60a~K60dの内側が空間として機能する場合を説明したが、第4実施形態では、ベース板K2060の第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bの内側に光照射装置K3100が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図78は、第4実施形態におけるベース板K2060及び光照射装置K3100の分解背面斜視図であり、図79は、ベース板K2060及び光照射装置K3100の分解正面斜視図である。
光照射装置K3100は、LED等からなる複数の発光手段K3111が配設される電飾基板K3110と、その電飾基板K3110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K2060に締結固定される中間部材K3120と、を備える。
光照射装置K3100は、共通の構成で共通の機能を有する部材の組が左右一対で配置されているので、右側の電飾基板K3110及び中間部材K3120の組について説明を行い、左側の電飾基板K3110及び中間部材K3120の組については説明を省略する。
電飾基板K3110の正面視外形形状は、ベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状に沿って複数の発光手段K3111が間隔を空けて配置されている。
中間部材K3120は、正面視外形形状が電飾基板K3110と同様にベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように設計されており、発光手段K3111の前方において、遊技領域の外縁に対応する円弧形状の中心側に開放側が向くU字形状に穿設される複数の開口部K3121と、その開口部K3121のU字形状の内側の構成部においてU字形状の凹端部へ向かうにつれて背面側へ傾斜するように形成される複数の傾斜面K3122と、を備える。
傾斜面K3122は、中間部材K3120の遊技領域側の円弧と直交する方向で対向配置される開口部K3121の壁部との間隔が背面側へ向かう程狭くなる方向で傾斜形成され、傾斜の角度が略45度となるように設計されている。
本実施形態では、ベース板K2060の形成凹部K60a~K60dの凹設端面、外形傾斜部K2060e及び傾斜開口部K2060wに、無数の凹凸から形成されるシボ加工が施される。
図80は、図72のX03m-X03m線に対応する線におけるベース板K2060及び光照射装置K3100の部分断面図である。図80では、一の発光手段K3111の中心を通ると共に外形傾斜部K2060eの円弧と直角に交差する平面で断面視された形状が図示される。
図80に図示されるように、光照射装置K3100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K2060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
また、図80では、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の視認態様の違いが生じる原因となる、3段階で異なる位置を進行する進行方向KLD31~KLD33について図示される。
図80に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122を透過する光は進行方向KLD31で進行するので、遊技者は遊技領域の外縁の後方に対応する外形傾斜部K2060eよりも若干外側の位置を明るく視認することができる。
第2形成凹部K60bの凹設端面には上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるが、開口部K3121で空間が閉じられていることにより光の拡散が開口部K3121内で抑制される。これにより、発光手段K3111の配置に対応した光であって、開口部K3121の大きさに拡大された点在光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁の若干外側を明るく視認させることができる。
図80に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122で反射された後、外形傾斜部K2060eで屈折された光は進行方向KLD32で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、遊技領域の外縁の後方に位置する外形傾斜部K2060eに対応する位置を明るく視認することができる。
外形傾斜部K2060eには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K3111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、外形傾斜部K2060eの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁付近を明るく視認させることができる。
図80に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122で反射された後、外形傾斜部K2060eを透過し、傾斜開口部K2060wで反射された光は進行方向KLD33で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、傾斜開口部K2060wの縁部に対応する位置(センターフレームK86(図14参照)の配置に対応する位置)を明るく視認することができる。
傾斜開口部K2060wには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K3111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜開口部K2060wの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の中央部において遊技領域を区画するセンターフレームK86の外縁部を明るく視認させることができる。
図80に図示されるように、本実施形態によれば、電飾基板K3110を遊技領域の外方に配置しながら、電飾基板K3110の発光手段K3111からの光を遊技領域の外縁の若干外側、遊技領域の外縁付近およびセンターフレームK86(図14参照)の外縁部を通して遊技者に視認させることができるので、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させることができる。
このように、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させるために発光手段K3111を構成することで、発光手段K3111の配置スペースを低減できるので電飾基板K3110の小形化を図ることができる。
また、図80に図示されるように、光照射装置K3100がベース板K2060の板厚に収まる位置(光照射装置K3100の後端面がベース板K2060の板状部の後端面と面一)とされていることで、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図13参照)の配置自由度を向上させることができる。即ち、ベース板K2060の板状部の後端面に密着する態様で動作ユニットK300を配置したとしても、光照射装置K3100を配設することが可能であり、ベース板K2060を明るく視認させることができる。
図80に図示されるように、発光手段K3111からの光が遊技領域を通過する前に上下左右方向に進行する場合、その光の進行はベース板K2060の前端面よりも後側において生じる。即ち、上下左右方向に進行する範囲において、光は遊技領域を通過しないので、上下左右方向に進行する範囲において光が遊技領域に位置する球に遮られる事態は生じない。
そのため、遊技領域における球の配置状況によって、進行方向KLD31~KLD33の光の量が変化することを回避することができるので、遊技領域の外方から遊技領域の内側へ向けて光を進行させる構成を採用しながら、弾球遊技中において球に光が遮蔽されてベース板K2060の明るさが低下するといった事態を回避することができる。
なお、光照射装置K3100の配設位置は、第1形成凹部K60aや第2形成凹部K60bに限定されるものではなく、第3形成凹部K60cに配設するようにしても良い。この場合、一般入賞口K63(図14参照)に入球した球の流下経路に発光手段K3111からの光が進入し得るので、一般入賞口K63に球が入球した場合、その球により光が遮断される。
この球による遮断の作用は、遊技領域の中央側へ進行する光の見え方に影響を与えることになる。即ち、発光手段K3111から照射され傾斜開口部K2060wまで進行する光が、一般入賞口K63に球が入球した場合に、その球に遮断されることで傾斜開口部K2060wに届かなくなる。
これにより、一般入賞口K63への入球と、傾斜開口部K2060wの視認態様とが対応するので、遊技者は、一般入賞口K63を視認せずとも、傾斜開口部K2060wを視認しておくことで、一般入賞口K63への入球を把握することができる。
この場合、傾斜開口部K2060wは第3図柄表示装置K81(図12参照)の前方の開口を縁取るセンターフレームK86(図12参照)に対応する位置にあるので、傾斜開口部K2060wで反射される光を視認可能な視界としておくことで、一般入賞口K63への入球の有無を把握しながら、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示演出を楽しんで視認することができる。
なお、実際は、ベース板K2060で屈折したり、反射したりする関係上、発光手段K2111からの光の進行方向は屈折し得るが、図76においては、発光手段K2111からの光の進行方向は、理解を容易とするために上下左右方向で模式的に記載した。
図81から図108を参照して、第5実施形態について説明する。上記各実施形態では、移動装置K560の回転装飾部材K578の前面に装飾が施されている場合を説明したが、第5実施形態では、移動装置K4560の前面側に表示が可能な小型の表示装置K4580が移動装置K4560に設けられている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図81は、第5実施形態における動作ユニットK4300の正面図である。図81に図示されるように、動作ユニットK4300では、移動装置K4560の略中央部に表示装置K4580が配設される。
表示装置K4580は、正面側に表示面が向けられた小形の液晶ディスプレイで構成されており、その周囲には内側の縁部が表示装置K4580の表示領域を囲むように略円形状から形成される回転装飾部材K4578が設けられている。
回転装飾部材K4578は、正面視における外形が略四角形とされ、その内側に開口が形成されており、その開口の内側縁部が表示装置K4580の表示領域を囲むように形成されることにより、表示装置K4580の表示領域の枠を構成する。
移動装置K4560の背面側には駆動モータKMT4061が配設されており、駆動モータKMTの駆動力が不図示の伝達機構を介して伝達されることで、回転装飾部材K4578が正逆方向に回転可能に構成される。
回転装飾部材K4578は、前後方向に開口される視認窓部K4578aを備える。視認窓部K4578aは、回転装飾部材K4578の回転中心から放射線状に延びる2本の直線と、回転装飾部材K4578の回転中心と同軸の円弧として形成される2本の湾曲線とにより囲まれる略扇形状に形成される。
視認窓部K4578aは、表示装置K4580の表示領域を囲う枠部K4581(即ち、表示装置K4580の表示領域の外側端部を形成する部分)よりも正面視内側に形成されている。そのため、視認窓部K4578aを通して、表示装置K4580の表示領域における表示を視認させることができる。
図82(a)、図82(b)、図82(c)及び図82(d)は、移動装置K4560の正面図である。図82(a)、図82(b)、図82(c)及び図82(d)では、移動装置K4560の視認態様の変化の一例が時系列で図示される。
図82(a)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の回転装飾部材K4578の動作パターンが時系列で図示される。図82(a)に図示されるように、まず第1の演出制御例では、回転装飾部材K4578は、視認窓部K4578aが回転軸の上方に配置される状態(上から1番目に図示される状態)から、時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の右方に配置される状態に変化され(上から2番目に図示される状態)、続けて反時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の上方に配置される状態に戻る(上から1番目に図示される状態に相当)ことで、第1の演出制御例が終了される。
次に、第2の演出制御例では、回転装飾部材K4578は、視認窓部K4578aが回転軸の上方に配置される状態(上から1番目に図示される状態)から、反時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の左方に配置される状態に変化され(上から3番目に図示される状態)、続けて時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の上方に配置される状態に戻る(上から4番目に図示される状態に相当)ことで、第2の演出制御例が終了される。
図82(a)では、説明の便宜上、第1の演出制御例と第2の演出制御例とを繋げて説明したが、回転装飾部材K4578の動作制御としてはこれに限られるものではない。例えば、第1の演出制御例または第2の演出制御例で繰り返し回転動作されるような状態を構成可能にしても良いし、第2の演出制御例から第1の演出制御例につながるように回転動作されるような状態を構成可能にしても良いし、第1の演出制御例と第2の演出制御例とが交互に連続で実行されるような状態を構成可能にしても良い。
図82(b)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の第1の視認態様が図示される。図82(b)に図示されるように、第1の演出制御例および第2の演出制御例の第1の視認態様では、視認窓部K4578aが回転軸の右方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される円形状の第1視認対象物K4580xを視認可能とされる。
更に、第2の演出制御例の終了後に、回転装飾部材K4578の内周側における表示装置K4580の表示領域に、「〇GET」との表示がされる。これにより、遊技者は、表示装置K4580の表示領域を通して、何らかの遊技価値(遊技上の利益)を獲得したことを把握することができる。
図82(c)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の第2の視認態様が図示される。図82(c)に図示されるように、第1の演出制御例および第2の演出制御例の第2の視認態様では、視認窓部K4578aが回転軸の左方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される丸形状および三角形状の第2視認対象物K4580yを視認可能とされる。
更に、第2の演出制御例の終了後に、回転装飾部材K4578の内周側における表示装置K4580の表示領域に、「〇△GET」との表示がされる。これにより、遊技者は、表示装置K4580の表示領域を通して、何らかの遊技価値(遊技上の利益)を獲得したことを把握することができる。また、「〇GET」や「〇△GET」との表示の違いから、遊技者に対して、得られる遊技価値の違いを想起させることができる。
図82(d)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の第3の視認態様が図示される。図82(d)に図示されるように、第1の演出制御例および第2の演出制御例の第3の視認態様では、視認窓部K4578aが回転軸の右方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される円形状の第1視認対象物K4580xを視認可能とされ、視認窓部K4578aが回転軸の左方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される丸形状および三角形状の第2視認対象物K4580yを視認可能とされる。
更に、第2の演出制御例の終了後に、回転装飾部材K4578の内周側における表示装置K4580の表示領域に、「〇GET、〇△GET」との表示がされる。これにより、遊技者は、表示装置K4580の表示領域を通して、何らかの遊技価値(遊技上の利益)を獲得したことを把握することができる。また、「〇GET」や「〇△GET」との表示の違いから、遊技者に対して、得られる遊技価値の違いを想起させることができる。
上述した、第1の演出制御例および第2の演出制御例により移動装置K4560が動作制御される第1の演出用途例について説明する。この第1の演出用途例では、大当たり遊技状態において、移動装置K4560が遊技者から視認される位置に移動され(図81参照)、上述の第1の演出制御例および第2の演出制御例で動作制御される。
第1の演出用途例では、大当たり遊技状態における各ラウンド遊技の終了時に、第1の演出制御例および第2の演出制御例により移動装置K4560が動作制御され、右打ちで発射された遊技球の流下が相対的に右寄りとなる遊技球が入球され易い第2特定入賞口K650a(図12参照)に遊技球が入球した個数に対応して第1視認対象物K4580xが表示され、第2特定入賞口K650aに入球される遊技球よりは相対的に左寄りの経路を流下する遊技球が入球され易い第2入賞口K640(図12参照)に遊技球が入球した個数に対応して第2視認対象物K4580yが表示される。
そのため、各ラウンド遊技において規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が第2特定入賞口K650aに入球されることで各ラウンド遊技が終了されることが通常であるので、基本的には、第1視認対象物K4580xは、10個の丸形状で視認されることになり、「〇GET」(図82(b)参照)との表示についても、入球個数に対応して「〇×10GET」等の表示がされる。これにより、遊技者は、払い出される賞球個数を予想することができる。
一方で、遊技態様によっては、10個以上の遊技球が入球される場合も、入球される遊技球が1個や2個にも関わらず、時間経過によりラウンド遊技が終了される場合もある。この場合には、入球された遊技球の個数に対応した数で、第1視認対象物K4580xが表示される。
また、各ラウンド遊技における電動役物K640a(図12参照)の開放時間は、遊技球の入球に満たない程度に短くされるので、第2入賞口K640(図12参照)への入球は基本的には生じず、第2視認対象物K4580yが視認されるのは稀である。
一方、稀であっても、第2入賞口K640へ遊技球が入球された場合には、ラウンド遊技中にも関わらず、賞球だけでなく、特別図柄の抽選をも獲得することができる。本実施形態では、賞球の払い出しのみに対応する表示として第1視認対象物K4580xを表示し、賞球の払い出しに加えて別の利益(例えば、特別図柄の抽選)も遊技者に付与され得る表示として第2視認対象物K4580yを表示することで、遊技者に付与され得る利益を区別して報知するようにしている。これにより、遊技者の遊技負担を低減すると共に、視認対象物K4580x,K4580yに対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の第1の演出用途例では、視認される視認対象物K4580x,K4580yの有無によらず、各ラウンド遊技の終了時に第1の演出制御例および第2の演出制御例により移動装置K4560が動作制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、視認対象物K4580x,K4580yが視認されるように動作させる一方で、視認対象物K4580x,K4580yが視認されない場合(表示されていない場合)には動作を実行しないようにしても良い。即ち、例えば、第1視認対象物K4580xが表示されており、第2視認対象物K4580yが表示されていない場合には、第1の演出制御例による動作のみを実行し、第2の演出制御例による動作は実行しないようにしても良い。
この場合、各ラウンド遊技の終了時において回転装飾部材K4578を動作させる時間長さを短くできるので、回転装飾部材K4578の動作期間をラウンド間インターバルに容易に収めることができる。また、第2の演出制御例による動作が実行されないことを把握すれば、第2視認対象物K4580yが表示されていないことを遊技者は把握でき、第2入賞口K640に入球していないことも把握できるので、第2視認対象物K4580yを視認して確認する必要がある場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
また、例えば、第1視認対象物K4580xが表示されておらず、第2視認対象物K4580yが表示されている場合には、第1の演出制御例による動作を実行せず、第2の演出制御例による動作のみを実行させるようにしても良い。
この場合、各ラウンド遊技の終了時において回転装飾部材K4578を動作させる時間長さを短くできるので、回転装飾部材K4578の動作期間をラウンド間インターバルに容易に収めることができる。また、第1の演出制御例による動作が実行されないことを把握すれば、ラウンド遊技中にも関わらず第2特定入賞口K650aに入球されていないという異常事態であることに遊技者が気付けるので、球の発射が実行されているか(球は供給されているか、球詰まりが生じていないか等)や、第2可変入賞装置K650は正常に作動しているのか等を確認するように促すことができる。
また、例えば、第1視認対象物K4580xが表示されておらず、第2視認対象物K4580yも表示されていない場合には、第1の演出制御例による動作も、第2の演出制御例による動作も実行せずに、ラウンド遊技を終了させるようにしても良い。
この場合、各ラウンド遊技の終了時において回転装飾部材K4578を動作させる時間長さを短くできる(無くせる)ので、回転装飾部材K4578の動作期間をラウンド間インターバルに容易に収めることができる。また、第1の演出制御例による動作が実行されないことを把握すれば、ラウンド遊技中にも関わらず第2特定入賞口K650aに入球されていないという異常事態であることに遊技者が気付けるので、球の発射が実行されているか(球は供給されているか、球詰まりが生じていないか等)や、第2可変入賞装置K650は正常に作動しているのか等を確認するように促すことができる。
また、第1視認対象物K4580xが表示されておらず、第2視認対象物K4580yも表示されていない場合とは、そもそも遊技者が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに狙って遊技球を打ち出していない状況(遊技者が遊技をやめた状況や、遊技者が敢えて左打ちで球を発射させる変則打ちを行っている状況等)が想定されるので、このような状況にまで回転装飾部材K4578を回転させても、遊技者の注目力を集めることはできないことから、回転動作を実行させないようにしても良い。
なお、第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yが視認される位置が、回転装飾部材K4578の回転軸の右方または左方の位置である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸の右方または左方の位置から、回転装飾部材K4578の回転軸を中心として上方に回転移動された上流側位置において第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yが視認されるようにしても良いし、その上流側位置で視認された状態から、回転装飾部材K4578の回転に伴う視認窓部K4578aの移動に伴い第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yも回転移動するように構成しても良い。
なお、第2視認対象物K4580yの「△GET」の部分は、特別図柄の抽選が獲得できることを暗に示唆する意味合いのある報知である。そのため、例えば、入球による特別図柄の抽選が獲得できない状態(例えば、保留球数が満タンである状態)において第2入賞口K640に入球した場合には、特別図柄の抽選が獲得できないことと対応させて、「〇△GET」の代わりに「〇GET」との表示をするようにしても良い。
図83は、前層側可動装置K4400の第1可動装置K4401の部分背面図である。図83では、演出待機状態における長尺装置K540の外形(図52参照)が想像線で図示される。
図83では、左側の上側部材K530は演出待機状態における配置から変化されず、右側の上側部材K530が移動範囲の最下端まで下降した状態が実線で図示される。即ち、右側の上側部材K530のみが、落下位置状態(図27,図47参照)における配置に位置している。
図83に想像線で図示される演出待機状態は、左右共に、上側部材K530の下方への変位が進入状態の上側回転部材K476に規制されている状態であり(図44参照)、図83に実線で図示される状態は、右側の上側回転部材K476が退避状態とされ右側の上側部材K530のみが下方へ変位した状態である(図47参照)。
右側の上側部材K530の上下位置は、回転部材K430の伝達筒状部K434の配置次第で複数のバリエーションが生じ得る(図47,図48,図49,図51参照)。従って、長尺装置K540の姿勢の傾斜角度も複数のバリエーションが生じ得る。本実施形態では、左側の上側部材K530の回転軸部K534を支点として、長尺装置K540の右側を回転動作の先端側とする変位を実行可能とされ、その変位に基づく長尺装置K540の姿勢の傾斜角度は何ら限定されるものではなく、(左右に沿う姿勢から約45度未満で)任意の傾斜角度が可能とされる。
長尺装置K540には、回転装飾部材K4578が回転動作可能に支持されている。回転装飾部材K4578の回転動作は、長尺装置K540が演出待機状態における位置(左右両側共に進入状態の上側回転部材K476に下方への変位が規制される位置)にあるか、右側の上側回転部材K476が退避状態とされ長尺装置K540の姿勢が傾斜した位置にあるかに関わらず、実行可能に構成される。
図83に実線で図示されるように、長尺装置K540の姿勢が傾斜された状態から、演出待機状態における位置として長尺装置K540の姿勢が左右方向に沿わされるまでの、上側回転部材K476の動作態様は、長尺装置K540の動作と連動されることを説明する。
長尺装置K540を支持する上側部材K530は、下側部材K510を介して、回転部材K430の伝達筒状部K434から押し上げ方向の荷重を受け得る(図48参照)。伝達筒状部K434の配置は、回転部材K430の表面側の状態に対応する(図36参照)。
上側回転部材K476は、下側回転部材K471が回転部材K430の案内溝K436を介して受ける荷重により支持部K414を中心に回転動作(姿勢変化)されることにより、進入状態(図45参照)と退避状態(図46参照)とで変化される。案内溝K436の状態(位相)は、回転部材K430の裏面側の状態に対応する(図36参照)。
そのため、回転部材K430を介して、上側部材K530と上側回転部材K476とが連動され得る。即ち、図83に図示される右側の上側部材K530が上昇方向に移動され、上側部材K530が上側回転部材K476に対応する上下高さ位置を通過することに基づいて(図48参照)、上側回転部材K476が退避状態から進入状態に変化される(図49参照)。
これにより、長尺装置K540の戻り動作が防止されることになり、長尺装置K540が左右に沿わされた姿勢に維持される。このようにして、長尺装置K540が、演出待機状態における位置に維持される。
上側回転部材K476の進入状態への維持は、駆動力によるものではなく、回転部材K430の案内溝K436の形状的特徴から、下側回転部材K471の姿勢が維持されることによる。即ち、下側回転部材K471の切替突部K472が大径溝K436aに維持されることによる。
そのため、回転部材K430を駆動する駆動モータKMT41a,KMT41b(図36参照)の駆動力が解除された状態であっても、上側回転部材K476を進入状態で維持することができる。
これにより、長尺装置K540を演出待機状態における位置に維持するための消費電力を低減させることができる。また、パチンコ機K4010の電源が遮断された場合(突然の停電や、店舗営業時間外の時)であっても、上側回転部材K476の状態を進入状態で維持することができる。これにより、長尺装置K540の配置を演出待機状態の位置で安定させることができ、電源を遮断して行うメンテナンス作業を容易とすることができる。
長尺装置K540の姿勢の水平線に対する傾斜角度は、図83に図示される状態で最大となる(右第2傾斜姿勢)。この傾斜は、右が下になる傾斜のみならず、左右の上側部材K530の上下位置が反転されることで、傾斜が左右逆の姿勢を構成することが可能である(左第2傾斜姿勢)。
ここで、スライドラックK545が利用されることなく、長尺装置K540の左右いずれか(図83における左側)の端部が回転軸部K534を軸に回転動作するのみである場合(例えば、スライドラックK545と本体部K541(図39参照)とが一体成形される場合)、その回転軸部K534を中心とする長尺装置K540の回転動作により姿勢が傾斜することに伴い、移動装置K4560の移動範囲の左右側終端(上述の回転軸部K534側終端)で、移動装置K4560と支持部材K410とが干渉する可能性がある。
この場合、移動装置K4560の移動幅が、長尺装置K540の姿勢が傾斜していない場合と、長尺装置K540の姿勢が傾斜している場合とで異なることから、演出効果を低下させる可能性がある。
また、長尺装置K540の回転先端側(図83における右側)への移動装置K4560の移動終端位置は、長尺装置K540の傾斜が大きくなるほど回転軸としての回転軸部K534側(図83における左側)に寄ることからも、移動装置K4560の移動範囲を狭める原因となり得る。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態同様、図83に図示されるように、長尺装置K540が傾斜される際に、案内突設部K544に対して、移動量KSDMだけスライドラックK545が左右外側へスライド移動される。これにより、移動装置K4560の役物移動幅KSDFの左右配置も調整される(回転軸部K534から離れる方向に変位する)。
これにより、長尺装置K540が傾斜された状態に移動装置K4560と支持部材K410とが干渉することを避けることができるので、移動装置K4560を一対の支持部材K410の間(第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側(図27参照)の領域からはみ出させることなく、十分な移動幅を確保することができる。
加えて、長尺装置K540の回転先端側(図83における右側)への移動装置K4560の移動終端位置が回転先端側へ延ばされることからも、移動装置K4560の移動範囲を十分に確保することができる。これにより、長尺装置K540の傾斜の大小に関わらず、演出領域の左右幅を大きく使った演出を構成可能とすることができる。
図84は、前層側可動装置K4400の第1可動装置K4401の部分背面図である。図84では、片側落下状態における長尺装置K540の外形(図53参照)が想像線で図示される。
図84では、右側の上側部材K530は片側落下状態における配置から変化されず、左側の上側部材K530が移動範囲の最下端まで下降した状態が実線で図示される。即ち、左側の上側部材K530のみが、落下位置状態(図27,図47参照)における配置に位置している。
図84では、長尺装置K540の姿勢の水平線に対する傾斜角度は、図83に図示される状態よりも小さい(左第1傾斜姿勢)。この傾斜は、左が下になる傾斜のみならず、左右の上側部材K530の上下位置が反転されることで、傾斜が左右逆の姿勢を構成することが可能である(右第1傾斜姿勢)。
本実施形態では、上記各実施形態同様、右第1傾斜姿勢は、想像線で図示される片側落下状態における姿勢に他ならない。即ち、本実施形態では、左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と、右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置とでは、上下位置が異なる。
なお、本実施形態では、上記各実施形態同様、切替装置K460が左右片側(本実施形態では右側)にのみ配置されることから(図33参照)、図84に図示されるように右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置との上下配置が異なるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものでは無い。
例えば、切替装置K460を左右両側に配置するように構成し、上側部材K530を左右いずれでも途中停止させられるものであれば、右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置との上下位置を同じにすることは可能である。なお、切替装置K460を左側にのみ配置するよう構成すれば、右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置の上下関係が、本実施形態における上下関係とは逆となる演出装置を構成することが可能となる。
また、落下のように急速な変位を必要としない場合には、切替装置K460の有無に関わらず、上側部材K530の配置を片側落下状態における下側の配置(図84に図示される右側(矢印R側)の上側部材K530の配置)にすることが、回転部材K430の回転制御により可能とされる(図51参照)。
そのため、左右一対の回転部材K430の制御の設定次第で、長尺装置K540の上下配置を異ならせることなく右第1傾斜姿勢にしたり左第1傾斜姿勢にしたりすることもできるし、長尺装置K540の上下配置を異ならせて右第1傾斜姿勢にしたり左第1傾斜姿勢にしたりすることもできる(図84参照)。
ここで、スライドラックK545が利用されることなく、長尺装置K540の左右いずれか(図84に図示される右側(矢印R側))の端部が回転軸部K534を軸に回転動作するのみである場合(例えば、スライドラックK545と本体部K541(図39参照)とが一体成形される場合)、その回転軸部K534を中心とする長尺装置K540の回転動作により姿勢が傾斜することに伴い、移動装置K4560の移動範囲の左右側終端(上述の回転軸部K534側終端)で、移動装置K4560と支持部材K410とが干渉する可能性がある。
この場合、移動装置K4560の移動幅が、長尺装置K540の姿勢が傾斜していない場合と、長尺装置K540の姿勢が傾斜している場合とで異なることから、演出効果を低下させる可能性がある。
また、長尺装置K540の回転先端側(図84に図示される左側(矢印L側))への移動装置K4560の移動終端位置は、長尺装置K540の姿勢が水平に近づく程に回転先端側に寄ることからも、移動装置K4560が支持部材K410と干渉する可能性があり、移動装置K4560の移動範囲を狭める原因となり得る。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態同様、片側落下状態(図53参照)から長尺装置K540が図84に図示される状態に変化するまでの間にスライドラックK545がスライド変位する。即ち、まず長尺装置K540が水平姿勢になるまでに、案内突設部K544に対して、移動量KSDa,KSDb(図53参照)だけスライドラックK545が左右内側へスライド移動される。次に、長尺装置K540が図84に図示される左第1傾斜姿勢になるまでに、案内突設部K544に対して、移動量KSDa,KSDb(図53参照)だけスライドラックK545が左右外側へスライド移動される。
これにより、移動装置K4560の役物移動幅KSDFの左右配置も調整される。即ち、役物移動幅KSDFが、長尺装置K540の姿勢が水平姿勢に近づく程、回転軸としての(図84に図示される右側(矢印R側)の)回転軸部K534に近づく側に移動されるよう構成されている。
これにより、長尺装置K540が傾斜された状態においては、移動装置K4560と支持部材K410とを離すことができ、これらが干渉することを避けることができるので、移動装置K4560を一対の支持部材K410の間(第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側(図27参照)の領域からはみ出させることなく、十分な移動幅を確保することができる。
加えて、長尺装置K540の姿勢が水平に近づく際に役物移動幅KSDFの左右配置を回転軸部K534に寄せることにより、長尺装置K540の回転先端側(図84に図示される左側(矢印L側))が、その回転先端側の支持部材K410に入り込むことを防止することができる。これにより、長尺装置K540の傾斜の有無に関わらず、一対の支持部材K410の間(第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側(図27参照))の領域の左右幅を大きく使った演出を構成可能とすることができる。
本実施形態では、上記各実施形態と同様、移動装置K4560の配置は、回転駆動されるネジ軸K554とナットKNT61(図39及び図41参照)とにより制御される。ネジ軸K554及びナットKNT61はボールネジの構造を構成しているので、長尺装置K540の姿勢が傾斜したとしても、自重で下降変位する(ネジ軸K554の延びる方向、即ち、長尺装置K540の長手方向に変位する)ことは防止される。
即ち、ネジ軸K554(図39参照)が駆動モータKMT51の駆動により回転されれば、移動装置K4560はネジ軸K554の延びる方向(長尺装置K540の長手方向)に変位される一方、ネジ軸K554が回転されることが無ければ、移動装置K4560の配置がネジ軸K554の延びる方向(長尺装置K540の長手方向)に対して変位することが防止される。
図85(a)から図85(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図であり、図86は、パチンコ機K4010の模式正面図である。図85(a)では、長尺装置K540が右第1傾斜姿勢(図32参照)とされた場合における視認態様の一例が図示され、図85(b)では、長尺装置K540が右第2傾斜姿勢(図83参照)とされた場合における視認態様の一例が図示され、図85(c)では、長尺装置K540が左第2傾斜姿勢とされた場合における視認態様の一例が図示される。なお、図85の説明では、図12を適宜参照する。
図85(a)に図示される状態は、第1可動装置K4401の第1の動作パターンの途中状態として図示される。即ち、第1可動装置K4401の第1の動作パターンでは、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図52参照)から、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作される状態で長尺装置K540が右第1傾斜姿勢となるように制御され(図53参照)、回転装飾部材K4578の回転動作は継続したまま移動装置K4560が移動可能範囲の右端までスライド移動される(図85(a)参照)。
更にその後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転される(反時計回りにされる)と共に移動装置K4560が左右中央までスライド移動されて戻り(図53参照)、その後、第1可動装置K4401の演出待機状態(図52参照)へ戻るように右側の上側部材K530を上昇させるよう制御されることで、第1の動作パターンが完了される。
図85(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域に右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の傾斜に平行な矢印形状の第1背面表示K81aが複数表示されると共に、表示装置K4580にはローマ字の「V」を意味する第1前面表示K4580aが表示される(第1前面表示K4580aは「Vを狙え」を意味する表示でも良い)。これにより、遊技者に第1可変入賞装置K65の第1特定入賞口K65aへ向けて遊技球を発射させ、特定領域K65c(図12参照)の通過を狙わせるように報知することができる。
なお、表示装置K4580の表示態様と、第3図柄表示装置K81の表示態様とが連動するように構成しても良い。例えば、表示装置K4580に第1前面表示K4580aが表示される状態で、特定領域K65cに遊技球が入球することに基づいて、表示装置K4580における第1前面表示K4580aは消えて、第3図柄表示装置K81に「V」の表示が移動されるように構成しても良い(例えば、第1前面表示K4580aが、表示装置K4580から第3図柄表示装置K81に移動するように見えるように第3図柄表示装置K81と表示装置K4580とで描画の設定をして、遊技者に視認させるようにしても良い)。
上述の報知の実行中において、回転装飾部材K4578は、時計回り方向に回転動作される。これにより、回転装飾部材K4578の動作態様を視認した遊技者に対して、遊技球の流下する方向を直感的に把握させることが可能となる。
即ち、第1可変入賞装置K65(図12参照)へ向けて遊技球を発射するように右打ちする状況において、回転装飾部材K4578の上側をセンターフレームK86(図12参照)に沿って右方に通過した遊技球は、回転装飾部材K4578の右側を流下することを、回転装飾部材K4578の動作態様と対応させて遊技者に直感的に把握させることができるので、遊技球を遊技者が目で追うことを容易にさせることができる。
図85(a)に図示されるように、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580が右側へ移動されることにより、右打ちされた遊技球が流下する範囲(第3図柄表示装置K81の表示領域よりも右側の範囲)と、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580とを近づけることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と、流下する遊技球とを遊技者の視界に同時に収め易くすることができる。
これにより、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580を視認する遊技者に対して、遊技球の発射が問題なく実行されていることを目視で確認させることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と遊技球の流下範囲とが離れており同時に視認することができない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、回転装飾部材K4578の回転の継続と停止との態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、反時計回りに反転するまでは時計回りの回転動作が継続されるようにしても良いし、時計回りの回転動作が間欠的に生じるようにしても良い。
時計回りの回転動作が間欠的に生じる場合、その回転動作の開始の間隔は、例えば、一定の期間を開けて回転動作が再開始されるようにしても良いし、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定されるものでも良い。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、スルーゲートK67(図12参照)を遊技球が通過したことを検出したことに基づいて回転装飾部材K4578が回転開始されるようにすることで、回転装飾部材K4578の近傍を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578の回転開始タイミングとを合わせることができる。これにより、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
なお、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図12参照)を通過する確率は、そのスルーゲートK67の上流側の釘配置などの条件によるが、右打ちされた遊技球が全てスルーゲートK67を通過する場合には、回転装飾部材K4578の右側を遊技球が流下する場合に、もれなく回転装飾部材K4578を回転動作させることができる。
また、右打ちされた遊技球が全てはスルーゲートK67(図12参照)を通過するものではない(一部はスルーゲートK67を外れ得る)場合であっても、スルーゲートK67を遊技球が通過した特定の時点を契機として、パチンコ機K4010の球発射間隔を空けて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させる(例えば、0.6秒間隔で回転動作させる)ことで、スルーゲートK67を通過するか否かに関わらずスルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングに合わせて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させることができる。
従って、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図12参照)を通過する確率に関わらず、スルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578を回転動作させるタイミングとをおおよそ合致させることができるので、遊技者は、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、遊技球が第1特定入賞口K65a又は特定領域K65c(図12参照)に入球することに基づいて、回転装飾部材K4578を回転動作させるようにしても良い。この場合、遊技者は、第1特定入賞口K65a又は特定領域K65cに注視していなくても、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することで、遊技球が第1特定入賞口K65a又は特定領域K65cに入球したことを把握することができる。
これにより、遊技球が第1特定入賞口K65a又は特定領域K65c(図12参照)に入球したことを、第3図柄表示装置K81の表示領域から目を逸らすことなく把握することができるので、第1特定入賞口K65a又は特定領域K65cへ向けて遊技球を発射するように要求される期間において、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、保留個数に係る報知(特に、保留が満タンか否か)でも良いし、オーバー入賞(規定個数以上の入賞による超過賞球払い出しの発生)の報知でも良いし、遊技モード選択に係る報知でも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に係る報知でも良いし、大当たり遊技中におけるラウンド数に係る報知や入賞個数(又は払い出し個数)に係る報知でも良い。
図85(a)に図示される状態から移動装置K4560が左方向へスライド移動するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、第1特定入賞口K65a(図12参照)の開放期間が終了するタイミングと対応させても良いし、特定領域K65c(図12参照)を遊技球が通過するタイミングと対応させても良いし、入球態様に関わらない特定のタイミングでスライド移動するように制御しても良い。
特に、第1特定入賞口K65a(図12参照)の開放期間が終了するタイミングと対応させる場合、移動装置K4560の動作態様を視認する遊技者に対して、移動装置K4560が移動した場合に右打ちを終了すると無駄球を減少させられる可能性があることを報知する手段として移動装置K4560を機能させることができる。
また、この場合には、遊技球を右打ちしないタイミングに、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作されることになる。そのため、回転装飾部材K4578が時計回りで回転動作する状況と、右打ちを継続する状況とを関連付けて把握している遊技者に対して、第1特定入賞口K65a(図12参照)の開放期間が終了した後にまで遊技球を右打ち発射しないようにさせるための報知を回転装飾部材K4578で実行することができる。
図85(b)に図示される状態は、図85(a)に図示される状態よりも水平に対する長尺装置K540の傾斜角度が大きい状態であり、第1可動装置K4401の第2の動作パターンの途中状態として図示される。即ち、第1可動装置K4401の第2の動作パターンでは、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図52参照)から、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作される状態で長尺装置K540が右第2傾斜姿勢となるように制御され(図83参照)、回転装飾部材K4578の回転動作は継続したまま移動装置K4560が移動可能範囲の右端までスライド移動される(図85(b)参照)。
更にその後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転される(反時計回りにされる)と共に移動装置K4560が左右中央までスライド移動されて戻り(図83参照)、その後、第1可動装置K4401の演出待機状態(図52参照)へ戻るように右側の上側部材K530を上昇させるよう制御されることで、第2の動作パターンが完了される。
図85(b)では、第3図柄表示装置K81の表示領域に右第2傾斜姿勢における長尺装置K540の傾斜に平行な矢印形状の第2背面表示K81bが複数表示されると共に、表示装置K4580にローマ字の「R」を意味する第2前面表示K4580bが表示される。
図85(a)に図示される状態よりも水平に対する長尺装置K540の傾斜角度が大きくされることで、図85(a)に図示される状態よりも、遊技者の視線を斜め下方向(本実施形態では、左斜め下方向)に誘導することができる。これにより、遊技者に、第1特定入賞口K65aの左斜め下方向に位置する第2特定入賞口K650a(図12参照)へ向けて遊技球を発射させるように報知することができる。
この場合、表示装置K4580に描画される第2前面表示K4580bの「R」をラウンド遊技と対応付けることができるので、ラウンド数と対応付けて、第2前面表示K4580bを「R1」や「R5」等に表示を切り替えることで、表示装置K4580の表示により遊技の進行度合いを報知することができる。
また、第2特定入賞口K650aと第2入賞口K640との配置関係から、図85(b)に図示される状態で、遊技者に第2入賞口K640(図12参照)へ向けて遊技球を発射させるように報知することもできる。
この場合、表示装置K4580に描画される第2前面表示K4580bの「R」をラッシュ(確変遊技等)と対応付けることができるので、確変状態や時短状態の残り抽選回数と対応付けて「R100」や「R2」等に第2前面表示K4580bを切り替えることで、表示装置K4580の表示により遊技の進行度合いを報知することができる。
上述の報知の実行中において、回転装飾部材K4578は、時計回り方向に回転動作される。これにより、回転装飾部材K4578の動作態様を視認した遊技者に対して、遊技球の流下する方向を直感的に把握させることが可能となる。
即ち、第2入賞口K640又は第1特定入賞口K65a(図12参照)へ向けて遊技球を発射するように右打ちする状況において、回転装飾部材K4578の上側をセンターフレームK86(図12参照)に沿って右方に通過した遊技球は、回転装飾部材K4578の右側を流下することを、回転装飾部材K4578の動作態様と対応させて遊技者に直感的に把握させることができるので、遊技球を遊技者が目で追うことを容易にさせることができる。
図85(b)に図示されるように、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580が右側へ移動されることにより、右打ちされた遊技球が流下する範囲(第3図柄表示装置K81の表示領域よりも右側の範囲)と、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580とを近づけることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と、流下する遊技球とを遊技者の視界に同時に収め易くすることができる。
これにより、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580を視認する遊技者に対して、遊技球の発射が問題なく実行されていることを目視で確認させることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と遊技球の流下範囲とが離れており同時に視認することができない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、回転装飾部材K4578の回転の継続と停止との態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、反時計回りに反転するまでは時計回りの回転動作が継続されるようにしても良いし、時計回りの回転動作が間欠的に生じるようにしても良い。
時計回りの回転動作が間欠的に生じる場合、その回転動作の開始の間隔は、例えば、一定の期間を開けて回転動作が再開始されるようにしても良いし、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定されるものでも良い。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、スルーゲートK67(図12参照)を遊技球が通過したことを検出したことに基づいて回転装飾部材K4578が回転開始されるようにすることで、回転装飾部材K4578の近傍を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578の回転開始タイミングとを合わせることができる。これにより、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
なお、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図12参照)を通過する確率は、そのスルーゲートK67の上流側の釘配置などの条件によるが、右打ちされた遊技球が全てスルーゲートK67を通過する場合には、回転装飾部材K4578の右側を遊技球が流下する場合に、もれなく回転装飾部材K4578を回転動作させることができる。
また、右打ちされた遊技球が全てはスルーゲートK67(図12参照)を通過するものではない(一部はスルーゲートK67を外れ得る)場合であっても、スルーゲートK67を遊技球が通過した特定の時点を契機として、パチンコ機K4010の球発射間隔を空けて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させる(例えば、0.6秒間隔で回転動作させる)ことで、スルーゲートK67を遊技球が通過したか否かに関わらずスルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングに合わせて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させることができる。
従って、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図12参照)を通過する確率に関わらず、スルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578を回転動作させるタイミングとをおおよそ合致させることができるので、遊技者は、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
なお、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、遊技球が第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図12参照)に入球することに基づいて、回転装飾部材K4578を回転動作させるようにしても良い。この場合、遊技者は、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aに注視していなくても、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することで、遊技球が第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aに入球したことを把握することができる。
これにより、遊技球が第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図12参照)に入球したことを、第3図柄表示装置K81の表示領域から目を逸らすことなく把握することができるので、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aへ向けて遊技球を発射するように要求される期間において、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、保留個数に係る報知(特に、保留が満タンか否か)でも良いし、オーバー入賞(規定個数以上の入賞による超過賞球払い出しの発生)の報知でも良いし、遊技モード選択に係る報知でも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に係る報知でも良いし、大当たり遊技中におけるラウンド数に係る報知や入賞個数(又は払い出し個数)に係る報知でも良い。
図85(b)に図示される状態から移動装置K4560が左方向へスライド移動するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、第2入賞口K640a(図12参照)に遊技球が入球し易い期間(時短中または確変中の期間)が終了するタイミングと対応させても良いし、第2特定入賞口K650a(図12参照)が開放される期間(大当たり遊技におけるラウンド中の期間または大当たり遊技中の期間)が終了するタイミングと対応させても良いし、入球態様に関わらない特定のタイミングでスライド移動するように制御しても良い。
特に、第2入賞口K640a(図12参照)に遊技球が入球し易い期間(時短中または確変中の期間)が終了するタイミングと対応させる場合、又は、第2特定入賞口K650a(図12参照)が開放される期間(大当たり遊技におけるラウンド中の期間または大当たり遊技中の期間)が終了するタイミングと対応させる場合、移動装置K4560の動作態様を視認する遊技者に対して、移動装置K4560が移動した場合に右打ちを終了すると無駄球を減少させられる可能性があることを報知する手段として移動装置K4560を機能させることができる。
また、この場合には、遊技球を右打ちしないタイミングに、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作されることになる。そのため、回転装飾部材K4578が時計回りで回転動作する状況と、遊技球が回転装飾部材K4578の上方位置を通り回転装飾部材K4578の右側を流れる状況(右打ちを継続する状況)とを関連付けて把握している遊技者に対して、第2入賞口K640a又は第2特定入賞口K650a(図12参照)の開放期間が終了した後にまで遊技球を右打ち発射しないようにさせるための報知を回転装飾部材K4578で実行することができる。
なお、第3図柄表示装置K81に、長尺装置K540の傾斜に対応した第1背面表示K81aや第2背面表示K81bを表示する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域自体が傾斜したように遊技者に見得るように第3図柄表示装置K81内の表示を構成しても良い。即ち、第3図柄表示装置K81による表示を全体的に傾ける。これにより、あたかも長尺装置K540の姿勢が傾斜すると共に第3図柄表示装置K81の姿勢も傾斜したかのように見せる演出を実行することができる。
なお、図85(a)及び図85(b)についての上述の説明では、第1の動作パターンと第2の動作パターンとを独立した動作パターンとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図85(a)に図示される状態から、長尺装置K540が上昇されるのではなく、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁される(図43(b)参照)ことにより更に落下され、図85(b)に図示される状態に変化し、その後で長尺装置K540の右側が上昇されることで演出待機状態(図52参照)に戻るといった動作パターンを設定しても良い。
この動作パターンは、例えば、右打ち遊技における遊技の一組の流れが、遊技球を第1特定入賞口K65aに入球させ、特定領域K65c(図12参照)を通過させた後で、第2特定入賞口K650a(図12参照)に遊技球が入球し易くなる期間や、第2入賞口K640(図12参照)に遊技球が入球し易くなる期間が開始されるものである場合に、特に有効である。
この遊技の一組の流れとしては、例えば、特定領域K65cに遊技球が入球することに基づいて特別遊技が開始され、第2特定入賞口K650aが開放されるという遊技の流れや、特別遊技の期間の終了後に第2入賞口K640が開放されるという遊技(特別遊技の終了後に時短状態となる遊技)の流れ等が想定される。
この場合、上述の右打ち遊技における遊技の一組の流れでは、遊技球の入賞箇所としての注目箇所が変化(即ち、第1特定入賞口K65a及び特定領域K65c近傍から第2特定入賞口K650a及び第2入賞口K640近傍へ変化)することになるが、この変化のタイミングで、図85(a)の状態から図85(b)の状態に変化させるようにすれば、遊技者に対して注目箇所が変化したことをリアルタイムに報知することができる。これにより、遊技者が注目箇所の変化に対応できず、遊技球の入賞を見逃すという事態を避け易くすることができる。
図85(c)に図示される状態は、図85(b)に図示される状態と長尺装置K540の傾斜が左右対称である状態であり、第1可動装置K4401の第3の動作パターンの途中状態として図示される。即ち、第1可動装置K4401の第3の動作パターンでは、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図52参照)から、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作される状態で長尺装置K540が左第2傾斜姿勢となるように制御され(図85(c)参照)、回転装飾部材K4578の回転動作は継続したまま移動装置K4560が移動可能範囲の左端までスライド移動される(図85(c)参照)。
更にその後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転される(時計回りにされる)と共に移動装置K4560が左右中央までスライド移動されて戻り、その後、第1可動装置K4401の演出待機状態(図52参照)へ戻るように左側の上側部材K530を上昇させるよう制御されることで、第3の動作パターンが完了される。
図85(c)では、第3図柄表示装置K81の表示領域に左右方向で左側を向く大きな矢印形状の第3背面表示K81cが一つ表示されると共に、表示装置K4580には漢字の「左」を意味する第3前面表示K4580cが表示される。これにより、遊技者に、左打ちで遊技球を発射させるように報知することができる。
この報知の実行中において、回転装飾部材K4578は、反時計回り方向に回転動作される。これにより、回転装飾部材K4578の動作態様を視認した遊技者に対して、遊技球の流下する方向を直感的に把握させることが可能となる。
即ち、遊技領域の左側に配置される一般入賞口K63や第1入賞口K64(図12参照)へ向けて遊技球を発射するように左打ちする状況において、回転装飾部材K4578の上側をセンターフレームK86(図12参照)に沿って左方に流下した遊技球は、回転装飾部材K4578の左側を流下することを、回転装飾部材K4578の動作態様と対応させて遊技者に直感的に把握させることができるので、遊技球を遊技者が目で追うことを容易にさせることができる。
図85(c)に図示されるように、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580が左側へ移動されることにより、左打ちされた遊技球が流下する範囲(第3図柄表示装置K81の表示領域よりも左側の範囲)と、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580とを近づけることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と、流下する遊技球とを遊技者の視界に同時に収め易くすることができる。
これにより、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580を視認する遊技者に対して、遊技球の発射が問題なく実行されていることを目視で確認させることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と遊技球の流下範囲とが離れており同時に視認することができない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、回転装飾部材K4578の回転の継続と停止との態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、時計回りに反転するまでは反時計回りの回転動作が継続されるようにしても良いし、反時計回りの回転動作が間欠的に生じるようにしても良い。
反時計回りの回転動作が間欠的に生じる場合、その回転動作の開始の間隔は、例えば、一定の期間を開けて回転動作が再開始されるようにしても良いし、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定されるものでも良い。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合の一例について説明する。例えば、内レールK61と外レールK62との間を通過する遊技球を検出可能な検出装置を設けると共に、遊技領域に入球した遊技球が図85(c)に図示される状態における移動装置K4560の左方を通過するまでにかかる概略の必要流下期間を予め設定する。
この場合において、上述の検出装置により遊技球の通過が検出されてから、上述の必要流下期間だけ遅延させたタイミングで回転装飾部材K4578の回転動作を開始させることで、遊技球が移動装置K4560の左方を通過するタイミングと、回転装飾部材K4578が回転動作を開始するタイミングとを合わせることができる。これにより、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
また、遊技球の流下態様に対応させて回転動作の開始時期が設定される場合について、例えば、遊技球が第1入賞口K64又は一般入賞口K63(図12参照)に入球することに基づいて、回転装飾部材K4578を回転動作させるようにしても良い。この場合、遊技者は、第1入賞口K64又は一般入賞口K63に注視していなくても、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することで、遊技球が第1入賞口K64又は一般入賞口K63に入球したことを把握することができる。
これにより、遊技球が第1入賞口K64又は一般入賞口K63(図12参照)に入球したことを、第3図柄表示装置K81の表示領域から目を逸らすことなく把握することができるので、第1入賞口K64又は一般入賞口K63へ向けて遊技球を発射するように要求される期間において、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、保留個数に係る報知(特に、保留が満タンか否か)でも良いし、オーバー入賞(規定個数以上の入賞による超過賞球払い出しの発生)の報知でも良いし、遊技モード選択に係る報知でも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に係る報知でも良いし、大当たり遊技中におけるラウンド数に係る報知や入賞個数(又は払い出し個数)に係る報知でも良い。
図85(c)に図示される状態から移動装置K4560が右方向へスライド移動するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、第1入賞口K64(図12)に数球(1個でも良いし、複数個でも良い)の遊技球が入球したタイミングと対応させても良いし、第1入賞口K64の保留が数個溜まったタイミングと対応させても良いし、アウト口71(図12参照)を数球の遊技球が通過したタイミングと対応させても良いし(この場合において、スルーゲートK67で遊技球の通過が検出されないことを前提としても良いし、その前提を不要としても良い)、入球態様に関わらない特定のタイミングでスライド移動するように制御しても良い。
なお、移動装置K4560がスライド移動する場合に回転装飾部材K4578が回転され、その回転方向がスライド移動の方向に対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。回転装飾部材K4578の回転動作と移動装置K4560のスライド移動とは、独立した駆動装置により実行されるので、動作態様の対応関係は制御プログラム次第である。
例えば、図85(c)で図示した第3の動作パターンにおいて、演出待機状態に戻る途中動作として移動装置K4560が右方にスライド移動する場合における回転装飾部材K4578の回転方向を、反時計回り方向にしても良い(維持しても良い)。これにより、移動装置K4560を演出待機状態における配置(図52参照)に戻す動作を実行しながら、回転装飾部材K4578の回転方向により、左打ち遊技を継続させるように遊技者に仕向けることができる。
また、例えば、図85(c)で図示した第3の動作パターンにおいて、演出待機状態に戻る途中動作として移動装置K4560が右方にスライド移動する場合における回転装飾部材K4578の回転を、停止させても良い。これにより、移動装置K4560を演出待機状態における配置(図52参照)に戻す動作を実行しながら、回転装飾部材K4578の状態と、遊技球の流下方向との関係性を切断させるように演出することができる。
また、例えば、上述の回転装飾部材K4578の回転を停止させる制御を、第1入賞口K64又は第2入賞口K640への入球に基づく特別図柄の抽選で大当たりが生じた場合に実行可能に制御しても良い。特別図柄の抽選で大当たりが生じていれば、その大当たりの告知まで特別図柄の保留が減少しないので、保留が満タンとなった以降は遊技球をいくら第1入賞口K64又は第2入賞口K640に入球させても特別図柄の抽選を得られず、無駄球が生じ易い状況が生じ得る。
そのため、遊技者は早急に球の発射を停止し、大当たりが告知されることを待つ方が得な場合が多い。即ち、回転装飾部材K4578の回転が停止された状態と、回転装飾部材K4578の左右いずれにも遊技球が流下しない状態とを対応付けて報知することで、遊技者に遊技球の発射を停止するように仕向けることができる。
更には、回転装飾部材K4578の回転が一度停止された状況において、第1入賞口K64又は第2入賞口K640に遊技球が入球された場合に、回転装飾部材K4578の回転動作を再開させるようにしても良い。これにより、遊技者の意図によらず発射が継続されている場合(例えば、操作ハンドルH51(図1及び図11参照)の回動位置は戻しておらず発射停止スイッチH51b(図1参照)で球の発射を停止させる操作をしている場合に、発射停止スイッチH51bの押し込みが甘い場合)であっても、回転装飾部材K4578の動作態様を遊技者に視認させることで、発射が継続されていることを遊技者に気づかせることができる。これに気付いた遊技者は、操作の改良をする(例えば、発射停止スイッチH51bを強く押し込む)ことで、球の発射を停止させることで、無駄球の発射個数を抑えることができる。
これにより、回転装飾部材K4578の左右いずれにも遊技球を流下させることなく、演出に注視し、大当たりの告知のタイミングを待つように遊技者に仕向けることができる。そのため、遊技者は、回転装飾部材K4578の回転が停止していることを確認できれば、遊技球の発射を停止することにより無駄球を低減させることができることに加え、大当たりが得られることを把握することができる。従って、回転装飾部材K4578への遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、図85(a)から図85(c)に図示した表示態様は例示であり、何ら限定されるものではない。例えば、図85(b)で図示される第2背面表示K81bの矢印を、左右反転させたうえで、図85(c)に図示される状態における第3図柄表示装置K81の表示に採用しても良いし、図85(c)で図示される第3背面表示K81cの矢印を、左右反転させたうえで、図85(a)又は図85(b)に図示される状態における第3図柄表示装置K81の表示に採用しても良い。
また、図85(a)から図85(c)では、第3図柄表示装置K81において、矢印が下降傾斜する姿勢で表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、矢印が上昇傾斜する姿勢で表示されるようにしても良い。
この表示(例えば、第2背面表示K81bの上下を反転した形状の表示)を図85(c)に図示される左第2傾斜姿勢で採用することで、正面枠K14の表示ランプK900の一部として右上隅に配設される右上ランプK940へ向けた矢印として視認させることができる。
右上ランプK940は、例えば、通常は消灯されているが、特別図柄の抽選が大当たりとなった場合等の遊技者にとって利益となる事象が生じた場合や、球の払い出しが生じている場合等に基づいて点灯または点滅するよう制御される。そのため、遊技者にとって興味関心の大きな発光部であるが、第3図柄表示装置K81の表示領域に注目力が集中する通常の遊技態様では、視界に収まりにくいほど外側の位置(正面枠K14の右上隅)に配置されているので、きっかけが無ければ、右上ランプK940が点灯または点滅したことに遊技者が気づけない可能性がある。
これに対し、右上ランプK940が点灯または点滅するタイミングに合わせて、上述の表示(例えば、第2背面表示K81bの上下を反転した形状の表示)を図85(c)に図示される左第2傾斜姿勢で採用することで、第3図柄表示装置K81における表示により、正面枠K14に配設される右上ランプK940へ向けて遊技者の視線を誘導することができる。
これにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置K81の表示領域よりも外方であって、正面枠K14に配設される右上ランプK940に誘導することができるので、第3図柄表示装置K81の表示領域を遊技者が見続ける場合に比較して、遊技者の目の疲労を低減させることができる。
この場合、遊技者の視界を、第3図柄表示装置K81の表示領域および遊技領域の一部が収まる程度の狭い範囲から、正面枠K14も含めた範囲まで広げさせるように仕向けることで、遊技者の目の位置を後退させることができる。これにより、遊技者の目の疲労を低減することができる。
なお、右上ランプK940に視線誘導するための表示を、第3図柄表示装置K81の表示領域の前方に収める必要はない。例えば、上側装飾部材K330の内部に配置されるLEDの内、右上ランプK940から離れた側のLEDから右上ランプK940に近い側のLEDの順番でLEDを光らせることで光の筋(帯)を形成し、右上ランプK940側に視線を誘導するようにしても良い。
また同様の発光のさせ方を、遊技領域の後方から前方へ向けて光を照射するLEDや、ガラスユニットH16の外方に配置される表示ランプK900において実行させるようにしても良い。これにより、右上ランプK940への視線誘導を広い範囲で行うことができる。
なお、演出効果の観点から、長尺装置K540の移動時に回転装飾部材K4578が回転動作している場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、回転装飾部材K4578が回転していない状態で長尺装置K540の移動を実行させても良い。この場合、長尺装置K540の落下時に回転装飾部材K4578が破損するという事態を避け易くすることができる。
また、回転装飾部材K4578の停止中における移動装置K4560のスライド移動を可能に構成しても良い。この場合、移動装置K4560のスライド移動にバリエーションを持たせることができるので、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
また、回転装飾部材K4578の回転駆動制御の設定は、上述したものに限られるものではない。例えば、表示装置K4580の表示や、移動装置K4560の移動方向に関わらず、電源投入から一定の方向の回転が継続されるように制御してもいいし、等間隔で回転装飾部材K4578の回転方向が反転されるように制御しても良い。
また、遊技球の流下に対応して回転装飾部材K4578が回転されるように構成しても良い。この場合、遊技球が特定の範囲を流下した場合に回転装飾部材K4578が回転するように構成することで、遊技者は、回転装飾部材K4578を視認したままで、遊技球が特定の範囲を流下したことを把握することができるので、遊技負担の軽減を図ることができる。
なお、遊技球が特定の範囲を流下した場合の検出は、遊技球の通過を検出するためのセンサを設けても良いし、特定の範囲を流下する遊技球からの荷重により、回転装飾部材K4578の回転が生じるように構成されても良い。後者の場合において、遊技球の重さが伝達されることで回転装飾部材K4578の回転力が生じるように構成しても良いし、遊技球の荷重により回転装飾部材K4578の回転を規制するためのロックが解除され、回転装飾部材K4578の回転が許容される構成でも良い。
特に、四角形状の回転装飾部材K4578の外形には、回転軸から遠い部分と、近い部分とが形成されていることから、引っかかりとなり、荷重を回転方向に伝達させ易くすることができる。
また、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)における遊技球の通過が検出されることに基づいて、表示装置K4580の表示領域が発光したり、スピーカー等の音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声が出力されたりするように制御しても良い。
表示装置K4580の表示領域が発光される場合において、その発光態様の設定については何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の何れで遊技球の通過が検出されたかに関わらず表示装置K4580の表示領域の全範囲を発光させるようにしても良いし、発光を入賞位置に対応させたものに設定しても良い。
前者の場合、表示装置K4580の表示領域の発光に気付いた遊技者は、その発光態様のみからでは、遊技球が入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)のどこを通過したのかを把握することができないので、遊技者の注目力を入賞口K65a,K640,K650aの配置位置側へ移させることができる。これにより、遊技者の目線を表示装置K4580の表示領域から遊技領域側へ誘導させることができる。
後者の場合、例えば、比較的右側に配置される第1特定入賞口K65a(図12参照)で遊技球の通過が検出された場合には表示装置K4580の表示領域の右側部を発光させる一方、第1特定入賞口K65aよりも左側に配置される第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図12参照)で遊技球の通過が検出された場合には表示装置K4580の表示領域の左側部を発光させるようにしても良い。この場合、表示装置K4580の発光態様(発光範囲)を視認した遊技者に対して、遊技球がどこを通過したのかを予想させ易くさせることができる。
なお、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)を通過する遊技球を一律に扱っても良いし、又は、遊技球を区別して扱い、その区別に対応して発光の有無および音声出力の有無を切り替えるようにしても良い。
例えば、第1特定入賞口K65a又は第2特定入賞口K650a(図12参照)を通過する遊技球を、特別遊技状態におけるラウンド遊技の規定個数(本実施形態では10個)に収まる遊技球か、それを超えて通過する遊技球(オーバー入賞の遊技球)かで区別可能に構成しても良い。
この場合において、規定個数に収まる遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させない一方、規定個数を超えた遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させるように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させた場合に、規定個数を超えた遊技球の通過が第1特定入賞口K65a又は第2特定入賞口K650a(図12参照)において生じることに伴う賞球の払い出しが得られることを同時に把握させることができるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。
または、規定個数に収まる遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させる一方、規定個数を超えた遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させないように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させたとしても、規定個数を超えた遊技球の通過が第1特定入賞口K65a又は第2特定入賞口K650a(図12参照)において生じているか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。そのため、オーバー入賞球の発生により、特別遊技状態で払い出される賞球にばらつきが生じる場合であっても、そのばらつきが遊技者に気付かれ難くすることができ、遊技者の不満が蓄積される事態を避け易くすることができる。
例えば、第2入賞口K640(図12参照)を通過する遊技球を、第2入賞口K640の入賞により抽選される第1図柄(例えば、特別図柄2)の保留球数に空きがある場合に通過した遊技球か、特別図柄2の保留球数が満タンである場合に通過した遊技球(オーバーフローの遊技球)かで区別可能に構成しても良い。
この場合において、特別図柄2の保留球数が満タンである場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させない一方、特別図柄2の保留球数に空きがある場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させるように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させることで、第2入賞口K640(図12参照)の遊技球の通過により特別図柄2の抽選を得られたことを遊技者に把握させることができる。
または、特別図柄2の保留球数が満タンである場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させる一方、特別図柄2の保留球数に空きがある場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図10参照)から入賞用の音声を出力させないように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させることで、第2入賞口K640(図12参照)を遊技球が通過したにも関わらず特別図柄2の抽選が得られていないことを遊技者に把握させることができる。
この場合、遊技者に対して、このまま球の発射を継続するか(球の発射を継続しておけば特別図柄2の保留球数に空きが出るや否や第2入賞口K640(図12参照)に入球を生じさせて特別図柄2の抽選を得られる可能性があるので遊技の迅速さが高まる一方でアウト球の個数が多くなり易い)、特別図柄2の保留球数に空きが出るまで球の発射を一時中断するか(球の発射を停止すればアウト球は発生しなくなるが入球間隔は長くなる可能性が高く遊技の迅速さは低下し易い)の、遊技態様の選択に役立つ情報を提供することができ、遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、表示装置K4580の表示領域の発光と、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力とは、必ずしもセットで生じさせる必要はない。例えば、表示装置K4580の表示領域の発光は生じるが音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力は生じない場合や、表示装置K4580の表示領域の発光は生じずに音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力のみが生じる場合等が設定されても良い。
なお、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の通過により表示装置K4580の表示領域の発光と、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力がされる場合に限られるものではない。例えば、入賞口K65a,K640,K650aの通過により、対応するLEDが発光されるようにしても良い。
即ち、例えば、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図12参照)に遊技球が入球した場合に、その後方から光を照射する発光部K212(図15参照)から光が照射されるようにしても良い。これにより、明るく視認される箇所と、遊技球の入球箇所とを対応づけることができるので、遊技者は、明るく視認される箇所から、入球により得られる利益を予想し易くなる。
また、表示装置K4580の表示と明るくされる入賞ユニットK200とが近づけられている場合(図85(b)参照)、表示装置K4580における表示と入賞ユニットK200の前側における意匠(「E」の記号)とを一連で視認させることができる。これにより、表示装置K4580だけで視認される態様とも、入賞ユニットK200だけで視認される態様とも異なる態様で視認させることができるので、演出のバリエーションを増加させることができる。
なお、上述のように、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力のタイミングが、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)を遊技球が通過した場合に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。
例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の上流側に配置される開閉板(例えば、入賞口K65aを開閉する開閉板K65b、第2入賞口K640を開閉する電動役物K640a(図12参照)、第2特定入賞口K650aを開閉する第2電動役物K250(図17参照))の何れかが、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させることができる開放状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光され、音声出力装置H226(図10参照)から特定の音声が出力される一方、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させ難くする閉鎖状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光されず、音声出力装置H226(図10参照)から特定の音声が出力されないように制御しても良い。
この場合、遊技者に対して、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様を確認させることで、遊技球を右打ちで発射させる期間と、遊技球の打ち出しを停止させる期間とを、判別させ易くすることができる。
即ち、遊技者は、表示装置K4580の表示領域において発光され、音声出力装置H226(図10参照)から特定の音声が出力された場合に、遊技球を発射する一方で、表示装置K4580の表示領域において発光されず、音声出力装置H226(図10参照)から特定の音声が出力されない場合に、遊技球の発射を停止させることで、発射された球が入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)のいずれにも入球せず遊技領域から排出されるという事態が生じる可能性を低くすることができ、遊技における無駄球の個数を削減させることができる。
または、入賞口K65a,K640,K650aの上流側に配置される開閉板(例えば、入賞口K65aを開閉する開閉板K65b、第2入賞口K640を開閉する電動役物K640a(図12参照)、第2特定入賞口K650aを開閉する第2電動役物K250(図17参照))の何れかが、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させることができる開放状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光されず、音声出力装置H226(図10参照)から特定の音声が出力されない一方、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させ難くする閉鎖状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光され、音声出力装置H226(図10参照)から特定の音声が出力されるように制御しても良い。
この場合であっても、発光の有無や音声の出力の有無と、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の何れかへの入球とを関連づけることができるので、遊技者に対して、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様を確認させることで、遊技球を右打ちで発射させる期間と、遊技球の打ち出しを停止させる期間とを、判別させ易くすることができる。
なお、入賞口K65a,K640,K650aの上流側に配置される開閉板(例えば、入賞口K65aを開閉する開閉板K65b、第2入賞口K640を開閉する電動役物K640a(図12参照)、第2特定入賞口K650aを開閉する第2電動役物K250(図17参照))の何れかが、現在、開放状態か閉鎖状態かに関連して、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様を切り替える制御に限らず、種々の制御態様が例示される。なお、音声の出力態様の切り替えとは、音の発生は継続している上で変化を生じさせることでも良いし、音が発生される状態と消音される状態(ミュート)との変化でも良い。
例えば、開閉板の状態が切り替えられるよりも前における一時点から、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様を切り替えるように制御しても良い。
この場合において、例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の上流側に配置される開閉板が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる数秒前に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるようにしても良い。
この場合、その切り替え時点を遊技球の発射開始の目安とすることで、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)が開放状態となってから球を発射する場合に生じ易い、入賞口K65a,K640,K650aが開放状態となってからの一球目の遊技球の入賞タイミングが、発射球が入賞口K65a,K640,K650aに到達するまでの移動時間(タイムラグ)分だけ遅れるという事態を解消することができる。
特に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるタイミングを、開閉板が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる時点よりも、発射球が入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)に到達するまでの移動時間(タイムラグ)分だけ前の時点とすることで、発射球が入賞口K65a,K640,K650aに到達する直前に、入賞口K65a,K640,K650aの上流側に配置される開閉板が開放状態に切り替えられる状況を生じさせることができることから、遊技をスムーズに進行させることができる。
また、例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の上流側に配置される開閉板が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる数秒前に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるようにしても良い。
この場合、その切り替え時点を遊技球の発射停止の目安とすることで、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)が閉鎖状態となってから球の発射を停止する場合には防ぐことのできない、入賞口K65a,K640,K650aの何れもが閉鎖状態となっているにも関わらず、既に発射してしまっている球が第3図柄表示装置K81の右側を流下し、何れの入賞口K65a,K640,K650aにも入球せずにアウト口K71(図12参照)から排出されるという事態を解消することができる。
特に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるタイミングを、開閉板が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる時点よりも、発射球が入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)に到達するまでの移動時間(タイムラグ)分だけ前の時点とすることで、その時点で球の発射を停止すれば、その前に発射された球については入賞口K65a,K640,K650aが開放状態の時に到達させることができることから、無駄球の低減を図ることができる。
なお、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)を特定せず、いずれかの入賞口K65a,K640,K650aが開放された場合に報知を行うようにしても良いし、開放された入賞口K65a,K640,K650aに対応した報知を行っても良い。例えば、開放された入賞口K65a,K640,K650aに対応するLEDが発光されるようにしても良い。
即ち、例えば、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図12参照)が開放された場合に、その後方から光を照射する発光部K212(図15参照)から光が照射されるようにしても良い。これにより、明るく視認される箇所と、遊技球の入球可能箇所とを対応づけることができるので、遊技者は、明るく視認される箇所から、入球により得られる利益を予想し易くなる。
図87を参照して、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)の上流側に配置される開閉板の状態が切り替えられるよりも前における一時点から、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図10参照)からの特定の音声の出力態様を切り替えるように制御される第3の演出制御例について説明する。なお、以下では便宜的に、第1特定入賞口K65aの開閉板の状態が切り替えられるよりも前における一時点からの演出態様について説明するが、同様の演出を、第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aでも適用させることは可能である。
図87(a)及び図87(b)は、パチンコ機K4010の部分正面図である。図87(a)及び図87(b)では、第3の演出制御例が実行される場合における、第1特定入賞口K65aの開閉板K65b(図12参照)が開放状態に変化される数秒前における第3図柄表示装置K81の表示領域内における変化が時系列で図示される。
即ち、図87(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域にサイズが縮小されたパチンコ機K4010の正面図K4010Fが表示され、図87(b)では、第3図柄表示装置K81よりも手前側の層において長尺装置K540が右第2傾斜姿勢(図83参照)に変化された後、移動装置K4560が移動範囲の右端に到達したことが右側検出センサK556a(図40参照)により検出された状態が図示される。
この場合において、移動装置K4560の回転装飾部材K4578の環形状が所謂虫眼鏡のレンズ枠に見立てられ、表示装置K4580には、第3図柄表示装置K81に表示されるパチンコ機K4010の正面図K4010Fにおける第1可変入賞装置K65(図12参照)付近の拡大正面図K65Fが表示される。
表示装置K4580の表示は、第3図柄表示装置K81に表示されるパチンコ機K4010との位置関係に合わせて変化されるように制御されており、図87(b)の位置では、第1可変入賞装置K65(図12参照)付近の拡大正面図K65Fが表示される。
このように、表示装置K4580の表示が、第3図柄表示装置K81に表示されるパチンコ機K4010の全体から一部に寄っていくように変化されることで、第3図柄表示装置K81に表示される正面図K4010Fと、表示装置K4580に表示される拡大正面図K65Fとを一連で視認させ易くすることができ、遊技者に対して、表示装置K4580の表示がパチンコ機K4010の一部を意味することを理解させ易くすることができる。
これにより、表示装置K4580の表示が何を意味しているのか、又は、表示装置K4580の表示がパチンコ機K4010を意味していることが理解できても表示がパチンコ機K4010のどの部分を意味しているかについて、遊技者が理解できないために、表示装置K4580の表示が意味をなさなくなるという事態の発生を回避し易くすることができる。
更に、第3図柄表示装置K81に正面図K4010Fが表示される前後位置よりも、拡大正面図K65Fが表示される前後位置の方が前側(遊技者側)とされることで、パチンコ機K4010の全体から、一部に変化される際に、表示が遊技者側に近づいてきているように、遊技者に錯覚させることができる。これにより、臨場感のある表示演出を構成することができる。
図87(b)に図示される状態において、第3図柄表示装置K81の表示領域の内、長尺装置K540の右上側の範囲において、表示装置K4580に向かう矢印と「狙え」との文字が表示され、音声出力装置H226(図10参照)からは「ここを狙って球を打ち出せ」との音声が出力される。
これにより、第1特定入賞口K65aの開閉板K65b(図12参照)が開放状態に変化される前から、遊技球をどこに向かって発射すれば良いのか、どのタイミングで発射すれば良いのかを遊技者に把握させ易くなるため、遊技者の遊技負担を低減させることができる。以降、第3の演出制御例について続けて説明する。
第3の演出制御例では、図87(b)の表示に基づいて遊技者が右打ちで球を発射し、その球が第1特定入賞口K65a(図12参照)に入球されると(1球目の入球検出に基づいて)、表示装置K4580の表示が、上述したように右向きの矢印の模様(図86参照)に切り替えられ、第3図柄表示装置K81における正面図K4010Fの表示が消される。代わりに、第3図柄表示装置K81では、第1特定入賞口K65aへの入球が検出される度に、「+15」等の賞球の払い出しを想起させる数字表示(他に、「ポイントGET」や、コインの表示等でも良い)が表示される。
第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65aへの入球が検出される度に表示装置K4580に矢印形状(図86参照)が表示され、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作されるが、その表示態様および回転動作態様が一定ではなく、変化し得るように制御される。
即ち、第3の演出制御例では、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状(図86参照)の大きさおよび回転装飾部材K4578の回転速度に比較して、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状の大きさおよび回転装飾部材K4578の回転速度が、同じか、それ以上となるように制御される。
これにより、第1特定入賞口K65a(図12参照)に入球される球数が多くなるほど、表示装置K4580に表示される矢印形状(図86参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が大きくなり易い状況を構成することができる。更に、第1特定入賞口K65aに入球される球数が多くなるほど、第3図柄表示装置K81に表示される「+15」等の賞球の払い出しを想起させる数字表示の表示数が多くなるため、回転装飾部材K4578の回転と数字表示の表示(数)とを一連で視認させることができる。
従って、遊技者は、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球個数と、表示装置K4580に表示される矢印形状(図86参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度とを対応付けて把握することができる。この場合、表示装置K4580に表示される矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度から、払い出される賞球個数の多少を予想し易くすることができるので、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
なお、第3の演出制御例において、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状(図86参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度に対する、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度の変化量(速度上昇量)は、毎回同じでも良いし、異なるようにしても良い。
例えば、矢印形状(図86参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、先の遊技球の入球に基づく矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が第1段階だった場合に、その後の遊技球の入球に基づく矢印形状の大きさ及びおよび回転装飾部材K4578の回転速度が第2段階に変化するパターンのみならず、第3~5段階に変化するパターンをも実行可能に構成しても良い。
この場合に、例えば、表示される矢印形状(図86参照)の大きさが変化しきる前に、次の球が入球した(短時間で2球連続入球した)場合に矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が一段階増加し、更に次の球に基づいて表示される矢印形状の大きさが変化しきる前に更に次の球が入球した(短時間で3球連続入球した)場合に矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が二段階増加するように構成しても良い。この場合、矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度の変化態様から、高頻度の入球が生じたことを遊技者に把握させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口K65aに入球されず、第2電動役物K250の可動板K251の上面を左方へ流されることで第2特定入賞口K650aにも入球されなかった球が、左側の球案内部K210(図17参照)に入球した場合に、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
右側の球案内部K210(図17参照)がアウト口K71(図12参照)と同様の機能を備える一方で、左側の球案内部K210(図17参照)は一般入賞口K63(図12参照)と同様の機能を備えており、入球に基づき賞球の払い出しが行われる。即ち、左側の球案内部K210(図17参照)への入球と同様、一般入賞口K63に入球した場合にも、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65a(図12参照)に入球せずに下流に流れた球の存在に気付かせることができるので、開閉板K65bが閉鎖状態の時に球の発射をしていないか、球の発射強度は適切か、といった、操作ハンドルH51(図11参照)の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、第1特定入賞口K65a(図12参照)に発射球の全てが入球される状況下では、表示装置K4580の表示の切り替えは生じずに図87(b)に図示される状態が維持され、回転装飾部材K4578の回転動作も生じない一方で、第1特定入賞口K65aに発射球の一部が入球されない状況下においては、表示装置K4580の表示の切り替えを生じ、回転装飾部材K4578も回転動作される。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65aに適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側の球案内部K210(図17参照)への入球では表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作を生じさせず、一般入賞口K63(図12参照)への入球に基づいて、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65a(図12参照)側、即ち、回転装飾部材K4578の上側を右方へ案内されずに、回転装飾部材K4578の左側へ案内され流れた球の存在に気付かせることができるので、球の発射強度が弱くなっていないか、といった、操作ハンドルH51(図11参照)の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が右方に流下し続ける状況が維持される時には表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行されることはなく、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が一つでも左方に流下する場合に表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行され得る。
そのため、表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行された場合、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が左方に流下する程度に、発射強度が弱まっている証拠になるので、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作を視認した遊技者に対して、操作ハンドルH51(図11参照)の操作強度を見直させるよう促すことができる。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65a(図12参照)に適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578の回転動作が、遊技球の入球に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、表示装置K4580の表示または回転装飾部材K4578の回転動作の少なくとも一方が、遊技球の入球に因らず発生するようにしても良い。
この場合において、回転装飾部材K4578の回転速度が、操作ボタン部材H181(図11参照)の操作(押し込み、連打、長押し等)に基づいて増加可能に構成されても良い。例えば、回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、操作ボタンH181の操作によりどの段階まで増加するのか(増加上限)と、遊技者が得られる利益の期待値(大当たり遊技における払い出し賞球個数の多少(獲得した大当たりのラウンド数の多少)、特図抽選の大当たり期待度など)とを対応させることにより、操作ボタン部材H181の操作意欲を向上させることができる。
なお、上述した増加上限の設定を、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球に基づいて表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作が生じる場合の、矢印形状(図86参照)の大きさや回転装飾部材K4578の回転速度の増加上限に適用しても良い。これにより、表示装置K4580や回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
上述した第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状(図86参照)の大きさや、回転装飾部材K4578の回転速度が変化され得る(増加され得る)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上述の大きさや回転速度が減少され得るように制御しても良いし、増加と減少との両方の変化が可能とされるように制御しても良い。
また、表示装置K4580の表示領域で表示される色彩や、回転装飾部材K4578を発光させる電極基板K564(図41参照)のLEDからの発光色の変化が生じるようにしても良い。即ち、色彩の変化に段階(例えば、初めは青色で発光されていたものが、青の次が緑色の発光、緑色の次が紫色の発光、紫色の次が赤色の発光、赤色の次が虹色の発光と、変化する順番)が設けられ、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球に基づいて表示装置K4580で表示される色彩が変化されるように制御しても良い。
この場合、遊技者は、表示装置K4580で表示される内容や、回転装飾部材K4578の回転速度といった、一瞬での認識が困難となる可能性がある情報よりも、容易に一瞬で認識できる色彩という情報により、第1特定入賞口K65a(図12参照)への入球態様に基づく情報を得ることができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
なお、入球により、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力の切り替えが生じる入球口として、上流側に開閉板のある入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板の無い、第1入賞口K64、一般入賞口K63、スルーゲートK67、アウト口K71等(図12参照)でも良い。
この場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力の切り替えの態様から、対応する入賞口への入球頻度(通過頻度)を遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者に対して遊技を継続するか否かの判断に有用な情報を提供することができる。
また、入球に基づいて光が照射される位置は、必ずしも表示装置K4580の表示領域に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、対応する入賞口の上流側の位置(遊技領域内の位置)でも良いし、対応する入賞口に案内される球が貯留され得る(一時滞留され得る)位置(例えば、第1特定入賞口K65aよりも上流側であり開閉板K65bよりも下流側の位置や、第2入賞口K640よりも上流側であり電動役物K640a上方の位置や、第2特定入賞口K650aよりも上流側であり可動板K251よりも下流側の位置(図12,図17参照))でも良い。この場合、対応する入賞口に未だ入球していない球が配置され得る位置が明るく照らされることにより、遊技球に対する視界を明るくすることができ、遊技球の視認性を向上させることができる。
この場合において、上述した表示装置K4580で実行される発光制御を、上述の対応する入賞口の上流側の位置や、対応する入賞口に案内される球が貯留され得る位置に光を照射する装置でも実行可能に構成される場合、発光制御を実行する位置を、表示装置K4580か、その他の位置かで状況に応じて切り替えることで、遊技者に注目させる位置を切り替えさせることができる。
上述のように、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)への入球により、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図10参照)からの入賞用の音声の出力の切り替えが生じることで、入球したことを遊技者に把握させることが可能となる。
一方で、入賞口K65a,K640,K650a(図12参照)に遊技球がこれから入球する可能性があることを報知することによっても、遊技者の期待感を高めることができる。以下では、遊技球がこれから入球し得ることを報知する報知態様の一例について説明する。
図88は、図12のZ01m部に対応する範囲における遊技盤K13の部分拡大正面図である。図88では、入賞ユニットK200が図示されており、化粧カバーK220の内部形状が想像線で図示され、電飾基板K211,K227の発光部K212,K228が、隠れ線で図示される(図15及び図16参照)。
発光部K212,K228はLEDから形成されており、正面側へ光軸が向けられる。即ち、化粧カバーK220の板状本体K221に対して照射される光は、図88で図示される発光部K212,K228の配置を中心とする略円形の範囲において、その中心から離れるほど光量が落ちるような視認態様で視認される。
光が視認される範囲(円の直径)は、採用するLED次第であるが、本実施形態では、隣り合う円の直径同士が外接する程度の関係となるように発光部K212,K228を構成する。なお、円の直径が、隣の発光部K212,K228と重なるほど広いと淡く弱い光で視認され易く、円の直径が、隣の発光部K212,K228には届かない程度の大きさとすると中心部は強力な光となるが各個独立した光として視認され易い。LEDの採用時には、これらのバランスを考えて、演出効果の観点から選択するようにすれば良い。
本実施形態では、上記各実施形態と同様に、化粧カバーK220に大形意匠K221a及び小形意匠K221b(図15参照)が施されている分、意匠による演出効果を高めることができる一方で、化粧カバーK220の背面側を流下する遊技球の視認性が低下する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態と同様に、球の流下経路よりも背面側から化粧カバーK220側(正面側)へ向けて照射される光により、遊技球がどこへ向かって流下しているのかを遊技者に把握させることができるように構成される。
まず、球の流下態様の種類について説明する。遊技領域の右側を流下して第1可変入賞装置K65(図12参照)側から入賞ユニットK200に入球した遊技球は、まず第1流下態様KFL51で流下する。
第1流下態様KFL51で流下した遊技球は、分岐形成部K223に到達し、左右方向に分岐される。分岐形成部K223で遊技球が左側へ流れた場合に、電動役物K640aが開放状態で維持される場合(図20参照)、遊技球は第2流下態様KFL52で流下する。第2流下態様KFL52で流下した遊技球は、案内開口K203を通過し、第2入賞口K640(図12参照)に入球する。
分岐形成部K223で遊技球が左側へ流れた場合に、遊技球が通過しきる前に電動役物K640aが閉鎖状態に変化されると(図19参照)、遊技球は第3流下態様KFL53で流下する。第3流下態様KFL53で流下した遊技球は、減速凹部K207の正面側に到達する。
分岐形成部K223で遊技球が右側へ流れた場合において、延設形成部K222の一部であって球案内部K210に連結される排出延設部K222aから逸れた場合、遊技球は第4流下態様KFL54で流下する。第4流下態様KFL54で流下した遊技球は、可動板K251に上流側端部から到達するように流れ、第3流下態様KFL53と合流し得る。
分岐形成部K223で遊技球が右側へ流れた場合において、延設形成部K222の一部であって球案内部K210に連結される排出延設部K222aに導入された場合、遊技球は第5流下態様KFL55で流下する。第5流下態様KFL55で流下した遊技球は、右側の球案内部K210を通り遊技領域から排出される。
第3流下態様KFL53又は第4流下態様KFL54で遊技球が流下している場合に、可動板K251が閉鎖状態で維持されると(図19参照)、球は第6流下態様KFL56で流下する。第6流下態様KFL56で流下した遊技球は、入賞ユニットK200の左側から遊技領域へ排出される。
第3流下態様KFL53又は第4流下態様KFL54で遊技球が流下している場合に、可動板K251が開放状態にされると(図21及び図22参照)、球は第7流下態様KFL57で流下する。第7流下態様KFL57で流下した遊技球は、第2特定入賞口K650aに入球する。
上述のように、入賞ユニットK200に入球した遊技球の流下態様には複数のバリエーションがあるので、各バリエーションに対応させるものとして、遊技球の流下範囲の後方に複数の発光部K212(各発光部K212a~K212w)が配置される。
発光部K212からの光は、その前方(光照射方向)に球が位置する場合には球により部分的に遮られる一方、前方に球が位置しない場合には化粧カバーK220の板状本体K221に投影される。
本実施形態では、球に当接して影響を与える凹凸形状の構成をベース部材K201の板状本体K202の前面側に集めて、板状本体K221の後面は大部分が平滑面となるように構成している。
これにより、板状本体K221に投影された光が凹凸形状により屈折する部分を狭めることができ、板状本体K221に投影された光を最大限に広い範囲で視認させることができる。更に、板状本体K221の板厚のばらつきを抑えることで、化粧カバーK220の明るさをほぼ均一にすることができる。
また、第4流下態様KFL54で流下する遊技球を可動板K251へ案内する位置において後方へ向かうほど下降傾斜する形状で形成される傾斜面部K229(図16参照)が形成されている。
傾斜面部K229は、流下中の球の前後配置を後方側寄りに修正することで、その下流側における流下態様を調整し易くできる。即ち、可動板K251の上面を球が流下し始める当初から減速凹部K207側に球を寄せることで、十分な減速作用を生じさせることができる。
また、可動板K251が開放状態とされていた場合(図21及び図22参照)に第7流下態様KFL57で流下し始める当初から球を後方側に寄せることで、可動板K251の下流側で球が滞留することを回避でき、第2特定入賞口K650aの通過を迅速に生じさせることができる。
傾斜面部K229に発光部K212から光が照射された場合には、傾斜面部K229の面で反射させることにより発光部K212からの光の向きを上方へ変化させることができるが、詳しくは後述する。
発光部K212は、黄色の光を照射可能な上流側発光部K212a,K212bと、赤色の光を照射可能な下流側発光部K212c,K212dと、白色の光を照射可能な分散発光部K212g,K212wと、を備える。
第1上流側発光部K212aは、第1流下態様KFL51で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第1上流側発光部K212aから光が照射されている状態において第1流下態様KFL51で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の黄色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、光の黄色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化したことを視認することで、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握することができる。
第2上流側発光部K212bは、第2流下態様KFL52で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第2上流側発光部K212bから光が照射されている状態において第2流下態様KFL52で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の黄色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後も継続して光の黄色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が第2流下態様KFL52で流下していると予測を立てることができる。
第1下流側発光部K212cは、第3流下態様KFL53で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第1下流側発光部K212cから光が照射されている状態において第3流下態様KFL53で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の赤色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が可動板K251側へ流下していると予測を立てることができる。
第2下流側発光部K212dは、第4流下態様KFL54で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第2下流側発光部K212dから光が照射されている状態において第4流下態様KFL54で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の赤色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が可動板K251側へ流下していると予測を立てることができる。
ここで、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化されたことを視認したとしても、それだけでは、遊技球が第3流下態様KFL53で流下しているのか、遊技球が第4流下態様KFL54で流下しているのかを区別することは困難である。
一方で、第3流下態様KFL53で流下した球は可動板K251の左右長さの途中位置に到達するのに対し、第4流下態様KFL54で流下した球は可動板K251の上流側端部から到達するため、球が可動板K251に到達してから可動板K251が開放されるまでの時間が同じ場合、第3流下態様KFL53で流下した球に比較して第4流下態様KFL54で流下した球の方が第2特定入賞口K650aに入球され易い。
そのため、遊技球が第3流下態様KFL53で流下しているのか、遊技球が第4流下態様KFL54で流下しているのかを区別できた方が、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様と可動板K251の動作態様とを共に把握した場合に、球が第2特定入賞口K650aに入球し得るか否かを正確に把握できるようになる。
この観点から、本実施形態では、第1下流側発光部K212cから照射される光の見え方と、第2下流側発光部K212dから照射される光の見え方とを異ならせることにより、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様の変化が第1下流側発光部K212cからの光が遮蔽されたことによるものなのか、第2下流側発光部K212dからの光が遮蔽されたことによるものなのかを区別可能に構成される。
即ち、第1下流側発光部K212cからの光は、前後方向で照射される光が化粧カバーK220に到達されるものなので、正面視で第1下流側発光部K212cを中心に広がる略円形の光として視認される一方、第2下流側発光部K212dからの光は、傾斜面部K229で反射されて上方へ延びて化粧カバーK220に到達されるものなので、正面視で第2下流側発光部K212dを下端して上方に延びる帯状に視認される。
そのため、光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化されることは同じであっても、その視認態様が変化される光により視認される形状が略円形であれば、球は第3流下態様KFL53で流下していることを遊技者が把握でき、視認態様が変化される光により視認される形状が帯状であれば、球は第4流下態様KFL54で流下していることを遊技者が把握できる。
このように、本実施形態によれば、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様を、球が第3流下態様KFL53で流下している場合と、球が第4流下態様KFL54で流下している場合とで、異ならせることができる。
第1分散発光部K212gは、第5流下態様KFL55又は第6流下態様KFL56で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第1分散発光部K212gから光が照射されている状態において第5流下態様KFL55又は第6流下態様KFL56で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の白色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の白色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が入賞ユニットK200から排出されていると予測を立てることができる。
なお、分散発光部K212gは、第5流下態様KFL55で流下する球に光を照射可能な位置に配置されるLEDと、第6流下態様KFL56で流下する球に光を照射可能な位置に配置されるLEDとがある。これらは、第5流下態様KFL55で流下する球は球案内部K210を通して遊技領域から排出される一方、第6流下態様KFL56で流下する球は遊技領域に戻されるという点で異なるが、入賞ユニットK200から排出されることは共通である。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の白色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される場合に、入賞ユニットK200に入球した遊技球が第2入賞口K640にも第2特定入賞口K650aにも入球されずに化粧カバーK200から排出されると予測をたてることができる。
第2分散発光部K212wは、入賞ユニットK200を流下する球に照射光が遮られない(正面視で球と重ならない)位置に配置される。そのため、第2分散発光部K212wから照射される光は、入賞ユニットK200の内部を流下する遊技球の影響を受けることなく化粧カバーK220に到達する。これにより、入賞ユニットK200の内部における球の流下の有無に因らず、化粧カバーK220(図15参照)の正面視での明るさを確保することができる。
即ち、化粧カバーK220(図15参照)に最低限の明るさを確保させることにより、化粧カバーK220の内部を球が流下する際に生じる上述した化粧カバーK220(図15参照)の視認態様の変化(色の強弱を伴う変化)を認識し易くすることができる。
なお、第2分散発光部K212wの発光制御は、球の入球によらず一定のパターンで発光制御されるものでも良いし、球の入球によって発光の強弱が変化されるように制御されても良い。
例えば、球が案内開口K203を通過して第2入賞口K640(図12参照)を通過したことが検出された場合に、約0.2秒、第2分散発光部K212wの発光強度が強くなるように発光制御することで、化粧カバーK220(図15参照)を介した白色の光の視認態様の変化から、第入賞口K640に遊技球が入球したことを遊技者が把握することができる。
同様のことを、発光部K228の発光制御で行っても良い。即ち、球が第2特定入賞口K650aを通過したことが検出された場合に、約0.2秒、発光部K228の発光強度が強くなるように発光制御することで、化粧カバーK220(図15参照)を介した白色の光の視認態様の変化から、第2特定入賞口K650aに遊技球が入球したことを遊技者が把握することができる。
上述した入賞ユニットK200の構成によれば、化粧カバーK220の後方を流下する球自体を視認せずとも、化粧カバーK220(図15参照)の視認態様の変化により、入賞ユニットK200に球が入球したことを把握させることができる。
入賞ユニットK200に球が入球した後、後方からの光により化粧カバーK220に球の影が形成され、その影が大形意匠K221aや小形意匠K221bといった、他の領域よりも透過性の低い領域と重なることで化粧カバーK220の視認性を変化させ、演出効果の向上が図られている。
更に、球の影が大形意匠K221aや小形意匠K221bと重なる位置を流下している間において第2入賞口K640(図12参照)や第2特定入賞口K650aへの入球の可能性が残されている一方、球の影が大形意匠K221aや小形意匠K221bから離れる(球が第5流下態様KFL55や第6流下態様KFL56で流下する)と第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aへの入球の可能性が無くなる。
従って、球の影が大形意匠K221aや小形意匠K221bの近くを流下するか否かについて注目させることができるので、球の影のみではなく、大形意匠K221aや小形意匠K221bの注目力をも向上させることができる。
また、球がどこへ向けて流下しているのかを把握させることができる。即ち、光の黄色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図15参照)の視認態様が変化される状態が維持される場合には、球は第2入賞口K640(図12参照)へ向かっており、光の赤色成分の強弱が変化する状態に化粧カバーK220の視認態様が変化された場合には、球が第2特定入賞口K650aに向かうようになっており、光の白色成分の強弱が変化する状態に化粧カバーK220の視認態様が変化された場合には、球が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに入球されず入賞ユニットK200から排出されるようになっていることを、遊技者に把握させることができる。
なお、傾斜面部K229を球が衝突可能な位置に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球の流下範囲からは離して、球と衝突しない位置に傾斜面部K229と同様の形状部を構成しても良い。この場合、球との衝突により傾斜面部K229が破損する可能性が低いので、傾斜面部K229による光屈折の作用を長期に亘り生じさせることができる。
また、傾斜面部K229の傾斜面を、後方へ向かうほど下降傾斜する傾斜面としたが、光の屈折を生じさせる目的からすれば、これに限られるものではなく、後方へ向かうほど左右方向に傾斜するでも良いし、後方へ向かうほど上昇傾斜する傾斜面としても良い。
例えば、減速突起K204(図17参照)が位置する範囲の正面側において、化粧カバーK220の背面に後方へ向かうほど上昇傾斜する傾斜面を形成すると、減速突起K204が位置する範囲において正面側へ照射される光を下方へ屈折させることで、化粧カバーK220に沿う上下方向に延びる帯状の光を遊技者に視認させることができる。即ち、傾斜面部K229で屈折され上方へ進行する光とは逆に、屈折した後で光を下方に進行させることによる光の帯を視認させることができる。
なお、上述の実施形態では発光部K212,K228は基本的には発光したままで維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技のラウンド遊技において発光部K212,K228を点灯させる場合に、ラウンド間インターバルでも点灯を継続させても良いし、ラウンド間インターバルにおいては点灯を止めても良い。
前者の場合、ラウンド間インターバルを遊技者に意識させることなく、楽に遊技させることができる。後者の場合、ラウンド間インターバルを遊技者に意識させることで、大当たり遊技における区切りを分かり易くし、大当たり遊技があとどれくらいで終了するのかを予測させ易くすることができる。これにより、遊技者が大当たり遊技のエンディング演出時にまで球の発射を継続して多量の無駄球が発生する事態を回避させ易くすることができる。
また、上述の実施形態では発光部K212,K228は基本的には発光したままで維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aへの入賞時に発光態様が変更され、入賞ユニットK200の視認態様を変更可能に構成しても良い。
この場合において、第2入賞口K640への入賞においては、第2入賞口K640の入賞に対応する特別図柄の保留個数が満タンの時の入賞の場合にも発光態様が変更されるように構成されても良いし、特別図柄の保留個数が満タンの時の入賞では発光態様の変更が生じないようにしても良い。
前者の場合、発光態様の変更が賞球の払い出しと対応するので、遊技者に対して、賞球の払い出しが生じることを認識させることができる。後者の場合、発光態様の変更と特別図柄の抽選の発生とを対応づけることができるので、遊技者に対して、特別図柄の抽選が生じることを認識させることができる。
第2特定入賞口K650aへの入賞においては、第2特定入賞口K650aへの入賞がラウンド遊技における規定個数を超えた入賞の場合に発光態様が変更されるように構成されても良いし、規定個数を超えた入賞では発光態様の変更が生じないようにしても良い。
前者の場合において、規定個数を超えた入賞の場合の発光態様の変化を、規定個数までの入賞と同様の態様としておけば発光態様の変更と賞球の払い出しの発生とを対応させることができ遊技者に賞球の払い出しの発生を認識させることができるが、規定個数までの入賞とは異なる態様で行うようにしても良い。
規定個数を超えた入賞の場合の発光態様の変化を、規定個数までの入賞とは異なる態様で行うようにする場合、第2特定入賞口K650aへの超過入賞が発生したことを遊技者に意識させ易くすることができる。なお、規定個数を超えた入賞の場合の変化については、第3図柄表示装置K81での表示に反映させても良い。
後者の場合、超過入賞については遊技者に意識させないようすることができるので、超過入賞が発生し易いのか、し難いのかを、遊技者に認識させ難くすることができ、大当たり遊技において超過入賞を狙って遊技球の発射間隔を変える等の特殊な発射態様を促す事態の発生を回避し易くすることができる。
なお、上述の入賞ユニットK200では、小形意匠K221bの視認性が正面視よりも斜め方向視からの方が向上し得ることで、遊技者に斜め方向視から視認しての遊技を促すことができる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、斜め方向視では、入賞ユニットK200内を流下する遊技球を視認し難くなるように構成しても良い。
即ち、例えば、小形意匠K221bが背面側に張り出して形成されることで、正面視では小形意匠K221b同士の隙間から奥側が視認し易い一方で、斜め方向視では小形意匠K221bの張り出した部分が重なって見えることで隙間が狭まり(無くなり)奥側が視認し難くなるように構成しても良い。
この場合、斜め方向視から視認したとしても入賞ユニットK200の内部の状態を把握し難くすることができるので、遊技者に対して、斜め方向視から視認することを意識させないようにし、正面視での遊技を促すことができる。これにより、正面視で意匠性が最も高まるように設計されている小形意匠K221bと大形意匠K221aとの組合せによる意匠を、綺麗に視認させる状態を維持することができる。このように遊技者の視線を誘導できる場合には、大形意匠K221a又は小形意匠K221bの一方を遊技球の流下範囲よりも後方に形成した場合であっても、小形意匠K221bと大形意匠K221aとの組合せによる意匠を綺麗に見せることができる。
図89(a)から図89(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図89(a)から図89(c)では、第1可動装置K4401の水平落下動作パターンが時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)とされることが拡大図示される。
水平落下動作パターンでは、図89(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図26,図44参照)から、左側の回転部材K430が時計回りに、右側の回転部材K430が反時計回りに、同期して回転動作され、左右の回転部材K430が第1解除姿勢(図47参照)とされる。
図89(b)に図示されるように、切替装置K460のストッパ部材K462が連結部材K445の移動軌跡から退避する退避位置に配置されており(図43(b)参照)、第1可動装置K4401が切替装置K460に支持される状態ではない。そのため、昇降装置K4500の左右両側の支持が解除され、落下動作が生じることで、図89(b)に図示されるように、第1可動装置K4401は演出待機状態から落下位置状態(図27参照)に変化される。
この場合、昇降装置K4500において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の中間位置(図89(b)参照)に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。即ち、左右両端部で両持ち支持される長尺装置540の中間位置に移動装置K4560を配置させることにより、長尺装置K540の撓みによる衝撃吸収効果を利用して移動装置K4560に伝達される衝撃を低減させることができる。
図89(c)に図示されるように、図89(b)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻される。これにより、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
なお、水平落下動作パターンの動作中、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御される、表示装置K4580の表示領域においても、回転装飾部材K4578の回転と同方向および同速度で回転する態様で表示されるように制御される。これにより、左右の回転部材K430の片側に動作不良が生じ、長尺装置K540の姿勢の水平が崩れた場合であっても、移動装置K4560の見映えの低下を最低限に抑えることができる。
即ち、移動装置K4560が傾いて視認される場合に比較して、移動装置K4560の傾きを目立たせなくすることができるので、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
図90(a)から図90(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図90(a)から図90(c)では、第1可動装置K4401の水平下降動作パターンが時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)とされることが拡大図示される。
水平下降動作パターンでは、図90(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図26,図44参照)から、左側の回転部材K430が反時計回りに、右側の回転部材K430が時計回りに、同期して回転動作され、左右の回転部材K430が第2解除姿勢(図50参照)とされる(図90(b)参照)。
回転部材K430の第2解除姿勢では、上側回転部材K476が退避状態とされることから(図50参照)、左側の回転部材K430を反時計回りに、右側の回転部材K430を時計回りに更に回転させることで、昇降装置K4500を下降させることができる(図51参照)。左右の回転部材K430の回転を同期させていることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を代表途中停止位置まで下降させることができる(図90(c)参照)。
図90(c)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻される。これにより、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
なお、水平下降動作パターンの動作中、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御される、表示装置K4580の表示領域においても、回転装飾部材K4578の回転と同方向および同速度で回転する態様で表示されるように制御される。これにより、左右の回転部材K430の片側に動作不良が生じ、長尺装置K540の姿勢の水平が崩れた場合であっても、移動装置K4560の見映えの低下を最低限に抑えることができる。
即ち、移動装置K4560が傾いて視認される場合に比較して、移動装置K4560の傾きを目立たせなくすることができるので、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
なお、図90(a)から図90(c)では、切替装置K460のストッパ部材K462が連結部材K445の移動軌跡から退避する退避位置に配置される(図43(b)参照)場合を説明したが、回転部材K430が図90(c)に図示される姿勢に到達するまでは、ストッパ部材K462が連結部材K445の移動を妨げることはなく(図51参照)、ストッパ部材K462の配置が昇降装置K4500の姿勢に影響を与えるものではない。そのため、切替装置K460を非励磁(図43(a)参照)としたままで長尺装置K540を、水平下降動作パターンで動作させることも可能である。
一方、下降動作としては、図90(c)で図示される代表途中停止位置で長尺装置K540を停止させる態様に限らず、回転部材K430の回転を更に継続させて長尺装置K540を下降させる動作も可能であるところ、この場合には、切替装置K460が非励磁(図43(a)参照)であると、ストッパ部材K462が連結部材K445の移動の妨げとなり、長尺装置K540の姿勢の水平が崩れることになる。
このように、水平下降動作パターンでは、回転部材K430の回転の反転位置(図90(c)参照)にバリエーションを設けることにより長尺装置K540の下降到達位置を異ならせることができるところ、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)とされることで、長尺装置K540の下降到達位置の自由度を向上させることができる(より低い位置まで水平姿勢で到達できる)。
なお、回転部材K430が図90(a)に図示される状態から、第2解除姿勢(図90(b)参照)に到達するまでに、長尺装置K540が上昇されるので(図49参照)、長尺装置K540の配置を通して、回転部材K430が回転動作していることが遊技者に把握される可能性がある。
この場合、回転部材K430の状態が把握されてしまうと、この後に水平落下動作パターンで動作が生じるのか、水平下降動作パターンで動作が生じるのかを予測される可能性があり、第1可動装置K4401の演出効果が低減する可能性がある。前カバー部材K440の板状本体K441により回転部材K430への視界が遮蔽され(図26,図33参照)、回転部材K430の状態を正面視で視認することはできないようにされる本実施形態でも、回転部材K430の回転に連動される長尺装置K540の動作を視認することで、回転部材K430の状態が予想される可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態同様、図90で図示される水平下降動作パターンの他に、図90(a)に図示される状態から、左側の回転部材K430が反時計回りに、右側の回転部材K430が時計回りに、同期して回転動作され、図90(b)に図示される状態に到達する前の第1反転姿勢(図49参照)で回転方向が反転され、図90(a)に図示される状態に戻る第1途中反転動作パターンも実行可能とされる。
ここで、第1反転姿勢(図49参照)は、回転部材K430が長尺装置K540を移動範囲の上方端位置に到達させる姿勢であるので、第1反転姿勢に到達後も回転部材K430が同方向に回転を継続する水平下降動作パターンと、第1反転姿勢に到達後に回転部材K430が回転方向を反転させる第1途中反転動作パターンとで、長尺装置K540の配置および移動方向は変化しない。
従って、長尺装置K540を視認可能である一方、回転部材K430を視認不可能とされる遊技者に対して、現在、回転部材K430が何れの姿勢とされているのか(即ち、第1反転姿勢から何れの方向に回転したのか)を把握し難くさせることができる。
なお、水平下降動作パターンでの動作か、第1途中反転動作パターンでの動作かに関わらず、回転部材K430の第1反転姿勢に到達した時に回転部材K430の回転を一時停止させるように駆動制御しても良い。この場合、回転部材K430の反転時に必然的に生じる長尺装置K540の停止状態を、回転部材K430を第1反転姿勢で反転させない場合にも生じさせることができるので、遊技者が回転部材K430の姿勢の予想をすることをより困難にさせることができる。
また、第1反転姿勢で回転部材K430の回転方向を反転させる以外にも、第2解除姿勢(図90(b)参照)で回転部材K430の回転方向を反転させて、図90(a)に図示される状態に戻る第2途中反転動作パターンも実行可能にしても良い。
本実施形態では、上記各実施形態同様、図90(a)に図示される状態における長尺装置K540の上下位置(図44参照)と、図90(b)に図示される状態における長尺装置K540の上下位置(図50参照)とが同一とされる。
遊技中においては、遊技者が常に長尺装置K540に注目するということは無く、遊技者の注目力は遊技領域を流下する遊技球や、賞球の払い出し位置や、第3図柄表示装置K81の表示内容等に移り動く。そのため、回転部材K430を図90(a)に図示される状態と図90(b)に図示される状態とで行き来させる動作を単に繰り返すだけでも、それにより生じる長尺装置K540の上下動作の回数を遊技者が逐一計測しているわけではないので、遊技者に対して、回転部材K430が図90(a)に図示される状態なのか、図90(b)に図示される状態なのかを、把握させ難くすることができる。
このように、第1途中反転動作パターンや、第2途中反転動作パターンでの動作を実行可能とすることで、長尺装置K540の配置高さが同じであっても、それが図89(a)に図示される状態なのか、図90(b)に図示される状態なのかを、遊技者に把握され難くすることができる。尚且つ、長尺装置K540の配置高さが同じ状態から、水平落下動作パターンでの動作も、水平下降動作パターンでの動作も、実行可能に構成されているので、第1可動装置K4401の演出効果を向上させることができる。
なお、上述のように長尺装置K540が演出待機状態の高さ位置に配置される場合における回転部材K430の姿勢(位相)が複数態様想定される場合において、回転部材K430の姿勢(位相)に対応した報知が実行可能となるように構成しても良い。この報知は、遊技者側には報知されないシステム内部における報知でも良いし、遊技者側に認識される光照射を伴う報知でも良いし、スピーカー等の音声出力装置H226(図10参照)から音声が出力される報知でも良い。
図91(a)から図91(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図91(a)から図91(c)では、第1可動装置K4401の第11の動作パターン及び第12の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態(図43(a)参照)とされることが拡大図示される。
第11の動作パターン及び第12の動作パターンでは、図85(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図26参照)から、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)された後で、ストッパ部材K462に支持されることで、図91(a)に図示されるように、第1可動装置K4401は演出待機状態から片側落下状態(図31参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の右端に到達したことが右側検出センサK556a(図40参照)により検出されることに基づいて、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照、回転部材K430が左右逆なので図47の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)されることで、図91(b)に図示されるように、長尺装置K540が左第1傾斜姿勢(図84参照)とされる。
この場合、昇降装置K4500の右側の変位に比較して左側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の左側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の右端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4560の左側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、反時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の左端に到達することに基づいて停止される(図91(c)参照)。
図92(a)から図92(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図92(a)から図92(c)では、第1可動装置K4401の第11の動作パターンの一部(上昇方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態(図43(a)参照)とされることが拡大図示される。
第11の動作パターンでは、図91(c)に図示される状態の後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間に到達したことが中央検出センサK556b(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中央に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図92(a)参照)。スライド移動の停止後も、回転装飾部材K4578の回転動作は継続される。
その後、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、中間支持姿勢(図51参照)とされる。この過程において、昇降装置K4560の左側では、伝達筒状部K434を介して下側部材K510(図47参照)が押し上げられることで、長尺装置K540の左側が上昇される。
一方、昇降装置K4560の右側は、ストッパ部材K462に支持された状態であり、回転部材K430が中間支持姿勢(図51参照)となるまでは伝達筒状部K434を介する下側部材K510への荷重の伝達は生じない。そのため、図92(a)に図示される状態と図92(b)に図示される状態とで、昇降装置K4560の右側の上下位置は維持される。
即ち、左右一対の回転部材K430が同期して回転動作するが、左側の回転部材K430では昇降装置K4560の左側を押し上げる負荷が生じるが、右側の回転部材K430では昇降装置K4560を押し上げる関係にはならず、負荷が生じない。
その後、左右一対の回転部材K430の同期回転が継続され、第1可動装置K4401が演出待機状態に戻ることで(図92(c)参照)、第11の動作パターンが完了される。図92(b)に図示される状態からは、左右両側で、伝達筒状部K434を介して下側部材K510(図47参照)が押し上げられ、長尺装置K540が上昇される。
ここで、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図47参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第11の動作パターンによれば、左右一対の回転部材K430の回転開始のタイミングをずらして制御するのではなく、同時に回転開始させることにより、昇降装置K4560の動作態様を、左右の上昇タイミングがずれる態様とすることができる。
図93(a)から図93(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図93(a)から図93(c)では、第1可動装置K4401の第12の動作パターンの一部(上昇方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)とされることが拡大図示される。
第12の動作パターンでは、図91(c)に図示される状態の後、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁される(図43(b)参照)と共に、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される(図93(a)参照)。この状態において、長尺装置K540の姿勢は略左右水平とされる。
図93(a)に図示される状態からの移動装置K4560の右方への移動に先立って、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が、演出待機状態(図26参照)から下降配置状態(図27参照)へ変化される。これにより、移動装置K4560と第2可動装置K4701とが衝突する事態を回避することができる。第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態に変化したことは、検出センサK711eの出力が切り替えられることにより判別可能とされる(図59参照)。
検出センサK711eの出力が切り替えられ、第2可動装置K4701が下降配置状態に変化したと判定されたら、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間に到達したことが中央検出センサK556b(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中央に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図93(b)参照)。スライド移動の停止後も、回転装飾部材K4578の回転動作は継続される。
その後、図93(c)に図示されるように、図93(b)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻され、第12の動作パターンが完了される。
このように、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図47参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第12の動作パターンによれば、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させることにより動作パターンを第11の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させる際に長尺装置K540の重量が抵抗になり、駆動ソレノイドKSOL41に必要とされる駆動力が過大となる可能性があるが、本実施形態では、上記各実施形態同様、移動装置K4560をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータKMT51(図39参照)とは左右反対側に駆動ソレノイドKSOL41が配設されている。
これにより、駆動モータKMT51の重さで長尺装置K540の重心を左側に寄せながら、その反対側(右側)において駆動ソレノイドKSOL41を動作させるよう構成することにより、駆動ソレノイドKSOL41にかけられる長尺装置K540の重さを低減させることができ、駆動ソレノイドKSOL41に必要とされる駆動力を低減させることができる。
図94(a)から図94(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図94(a)から図94(c)では、第1可動装置K4401の第13の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)とされることが拡大図示される。
第13の動作パターンでは、図94(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図26参照)から、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)される。この時、駆動ソレノイドKSOL41が励磁されており、連結部材K445(図43(b)参照)の下方からストッパ部材K462が退避されることで連結部材K445がストッパ部材K462に支持されないので、図94(a)に図示されるように、第1可動装置K4401は演出待機状態から、長尺装置K540が右第2傾斜姿勢(図83参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の右端に到達したことが右側検出センサK556a(図40参照)により検出されることに基づいて、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照、回転部材K430が左右逆なので図47の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)されることで、図94(b)に図示されるように、長尺装置K540の姿勢は略左右水平とされる。
図94(a)から図94(b)への変化では、昇降装置K4500の右側の変位に比較して左側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の左側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の右端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4560の左側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、反時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の左端に到達することに基づいて停止される(図94(c)参照)。
図94(b)に図示される状態からの移動装置K4560の左方への移動に先立って、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が、演出待機状態(図26参照)から下降配置状態(図27参照)へ変化される。これにより、移動装置K4560と第2可動装置K4701とが衝突する事態を回避することができる。第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態に変化したことは、検出センサK711eの出力が切り替えられることにより判別可能とされる(図59参照)。
検出センサK711eの出力が切り替えられ、第2可動装置K4701が下降配置状態に変化したと判定されたら、回転装飾部材K4578の反時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560は、移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の左端に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図94(c)参照)。
なお、スライド移動の停止後も回転装飾部材K4578の回転動作が継続されるように制御しても良いし、スライド移動の停止に基づいて回転装飾部材K4578の回転動作が停止されるように制御しても良い。
図94(c)に図示される状態の後は、上述の第12の動作パターンと同様、図93(b)及び図93(c)に図示される状態を経て、演出待機状態まで戻され、第13の動作パターンが完了される。
即ち、第13の動作パターンでは、図94(c)に図示される状態から、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始され、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間に到達したことが中央検出センサK556b(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中央に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図93(b)参照)。スライド移動の停止後も、回転装飾部材K4578の回転動作は継続される。
その後、図93(c)に図示されるように、図93(b)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、長尺装置K540が演出待機状態まで戻され、第13の動作パターンが完了される。
このように、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図47参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第13の動作パターンによれば、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させることにより動作パターンを第11の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11の動作パターン(及び第12の動作パターン)と同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
図95(a)から図95(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図95(a)から図95(c)では、第1可動装置K4401の第21の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態(図43(a)参照)とされることが拡大図示される。
第21の動作パターンでは、図95(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図26参照)から、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照、回転部材K430が左右逆なので図47の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)される。これにより、第1可動装置K4401は演出待機状態から、長尺装置K540が左第2傾斜姿勢(図85(c)参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が反時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図40参照)により検出されることに基づいて、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)される。この時、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされており、連結部材K445(図43(b)参照)の下方にストッパ部材K462が配置されることで連結部材K445がストッパ部材K462に支持されることで、図95(b)に図示されるように、長尺装置K540が左第1傾斜姿勢(図84参照)に変化される。
図95(a)から図95(b)への変化では、昇降装置K4500の左側の変位に比較して右側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の右側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の左端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4560の右側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間位置に到達したことが中央検出センサK556b(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中間位置に到達することに基づいて停止される(図95(c)参照)。
なお、スライド移動の停止後も回転装飾部材K4578の回転動作が継続されるように制御しても良いし、スライド移動の停止に基づいて回転装飾部材K4578の回転動作が停止されるように制御しても良い。
なお、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が演出待機状態(図26参照)である場合に、図95(b)に図示される状態から図95(c)に図示される状態に変化しても、移動装置K4560と第2可動装置K4701との衝突は生じないので、図95(c)に図示されるように、第2可動装置K4701は演出待機状態で維持される。
図95(c)に図示される状態の後は、上述の第11の動作パターンと同様、図92(b)及び図92(c)に図示される状態を経て、演出待機状態まで戻され、第21の動作パターンが完了される。
即ち、第21の動作パターンでは、図95(c)に図示される状態から、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、長尺装置K540が演出待機状態まで戻され、第21の動作パターンが完了される。
このように、第21の動作パターンによれば、動作パターンを第11~13の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11~13の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
なお、第21の動作パターンにおいて、図95(b)に図示される状態以降において、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)を維持されることで、図95(b)に図示される長尺装置K540の左第1傾斜姿勢から、長尺装置K540の右側が落下して姿勢が水平にされた後で、長尺装置K540が上昇移動される動作パターンを第22の動作パターンとして設定しても良い。
即ち、第22の動作パターンにおいても、動作パターンを第11~13,21の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11~13,21の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
第22の動作パターンの場合、連結部材K445(図43(b)参照)がストッパ部材K462の突設受部K462dに上下方向で当接し、重みがかかった状態でストッパ部材K462が回転動作するのに十分な駆動力を生じさせる必要があるが、本実施形態では、上述の各実施形態同様、連結部材K445の下側先端が湾曲面から形成されているので、連結部材K445と突設受部K462dとの接触面積を小さくすることができる。これにより、摩擦抵抗を低減することができ、ストッパ部材K462の回転動作に要する駆動力を低減させることができる。
図96(a)から図96(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図96(a)から図96(c)では、第1可動装置K4401の第23の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図43(b)参照)とされることが拡大図示される。
第23の動作パターンでは、図96(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図26参照)から、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照、回転部材K430が左右逆なので図47の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)される。これにより、第1可動装置K4401は演出待機状態から、長尺装置K540が左第2傾斜姿勢(図85(c)参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が反時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図40参照)により検出されることに基づいて、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図47参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)される。この時、駆動ソレノイドKSOL41が励磁されており、連結部材K445(図43(b)参照)の下方からストッパ部材K462が退避されることで連結部材K445がストッパ部材K462に支持されないので、図96(b)に図示されるように、長尺装置K540の姿勢が略左右水平の姿勢に変化される。
図96(a)から図96(b)への変化では、昇降装置K4500の左側の変位に比較して右側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の右側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の左端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4500の右側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
図96(b)に図示される状態からの移動装置K4560の右方への移動に先立って、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が、演出待機状態(図26参照)から下降配置状態(図27参照)へ変化される。これにより、移動装置K4560と第2可動装置K4701とが衝突する事態を回避することができる。第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態に変化したことは、検出センサK711eの出力が切り替えられることにより判別可能とされる(図59参照)。
検出センサK711eの出力が切り替えられ、第2可動装置K4701が下降配置状態に変化したと判定されたら、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
なお、図96(b)では、昇降装置K4500の右側が下降(落下)される時点において第2可動装置K4701が下降配置状態に変化している場合が図示されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K4500の右側が下降(落下)された後で第2可動装置K4701が下降配置状態に変化するように制御されても良い。
この場合、昇降装置K4500の右側が下降(落下)した時点においては、第2可動装置K4701が移動装置K4560の移動と干渉する位置に配置されていることから、移動装置K4560が右に移動するのか、それとも移動せずに昇降装置K4500が上昇動作するのかを、遊技者に予測させ難くすることができる。これにより、第2可動装置K4701及び移動装置K4560に対する注目力を向上させることができる。
移動装置K4560は、移動範囲の中間位置に到達したことが中央検出センサK556b(図40参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中間位置に到達することに基づいて停止される(図96(c)参照)。
なお、スライド移動の停止後も回転装飾部材K4578の回転動作が継続されるように制御しても良いし、スライド移動の停止に基づいて回転装飾部材K4578の回転動作が停止されるように制御しても良い。
図96(c)に図示される状態の後は、上述の第12の動作パターンと同様である。即ち、図93(c)に図示されるように、図96(c)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻され、第23の動作パターンが完了される。
このように、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図47参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第23の動作パターンによれば、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させることにより動作パターンを第21,22の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11~13,21,22の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、回転装飾部材K4578等を備える移動装置K4560が正面視でセンターフレームK86(図12参照)の内方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、正面視でセンターフレームK86(図12参照)の外方に配置されるようにしても良い。この場合、回転装飾部材K4578の回転中心を固定した方が、センターフレームK86の外方を流下する遊技球と前後方向視で重なる範囲を限定することができるので、遊技球が回転装飾部材K4578と前後方向で重なることで遊技球を見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
また、例えば、正面視で右上ランプK940とセンターフレームK86(図12参照)との間に移動装置K4560が配置される場合、移動装置K4560が第3図柄表示装置K81の表示と右上ランプK940の発光態様とを繋ぐ役割を果たし、右上ランプK940、第3図柄表示装置K81の表示および表示装置K4580の表示を一連で視認させ易くすることができる。
これらは、右上ランプK940との間に限らず、他の表示ランプK900との間に移動装置K4560が配置される場合にも、同様のことが言える。例えば、移動装置K4560が左側サイドランプK930と第3図柄表示装置K81との間に配置される場合に、回転装飾部材K4578が時計回りに回転され、左側サイドランプK930において光が上方に立ち昇るように視認させるように左側サイドランプK930の内部に配置されるLEDの発光タイミングが制御され、第3図柄表示装置K81の左側範囲において光が下方に下げられるように視認させるような動画表示を行う場合、あたかも、左側サイドランプK930及び第3図柄表示装置K81により視認される光が回転装飾部材K4578を回転させているかのように遊技者に視認させることができる。このように、左側サイドランプK930による光と、回転装飾部材K4578の動作と、第3図柄表示装置K81による表示とを、一連で視認させることができる。
また、例えば、移動装置K4560を左側装飾装置K350の正面側に配置される場合、左側装飾装置K350の内部の発光基板からの光により、移動装置K4560の外形部の明るさを確保することができる。これにより、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
また、移動装置K4560が正面視でセンターフレームK86(図12参照)の外方に配置される場合、ベース板K13(図86参照)の背面側に配置されるようにしても良いし、ベース板K13の正面側に配置されるようにしても良い。
ベース板K13の正面側に移動装置K4560が配置される場合、ガラスユニットH16(図86参照)の背面側に配置されても良いし、ガラスユニットH16の正面側に配置されるようにしても良い。遊技者に対して近い方が、より遊技者に認識させ易く、演出性の向上を図ることができる。
移動装置K4560がガラスユニットH16(図86参照)の正面側に配置される場合に、移動装置K4560がガラスユニットH16に回転可能に固定されるように構成しても良く、第3図柄表示装置K81(図86参照)から照射される光により照らされ得るようにしても良い。これにより、第3図柄表示装置K81の光により、ガラスユニットH16の背面側に配置される動作ユニットK300(図13参照)を構成する可動部だけでなく、ガラスユニットH16の正面側に配置される可動部(移動装置K4560)をも照らすことができる。
図97(a)、図97(b)及び図98は、第2可動装置K4701の正面図である。なお、図97(a)、図97(b)及び図98では、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態(図59(b)参照)からアーム部材K735が正面視時計回りに回転動作されることで上下スライド部材K4720が上昇移動される突破上昇動作パターンが時系列で図示されており、第2可動装置K4701の構成の内、上下スライド部材K4720が想像線で図示され、その上下スライド部材K4720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図55参照)の図示が省略される。
図97(a)、図97(b)及び図98では、理解を容易とするために、正面視で重なる伝達終端部材K4737、アーム部材K735及び駆動側二層ギアK731が部分的に破断されたり、想像線で図示されたりすることで、奥側の構成が視認可能となるように図示される。
本実施形態における第2可動装置K4701は、上述の第2可動装置K701から多くの構成を流用しながらも、第2可動装置K701では不可能とされていた下降配置状態からのアーム部材K735の時計回り方向の回転動作を可能とするために、一部の構成が変更されている。
例えば、金属棒K713の配置が、下降配置状態から時計回り方向に回転動作するアーム部材K735と干渉しないように左方に移動されている。これに伴い、上下スライド部材K4720の左右幅も拡大されている。
加えて、案内孔K4737bは終端が延長されており、下降配置状態から伝達終端部材K4737が正面視時計回り方向に回転動作しても、上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の第2支持部K725b(図56参照)と干渉しない構成としている。
上記各実施形態では、金属棒K713の右側においてベース部材K710の本体部K711から正面側に延設されるストッパ部K711gの右側面がアーム部材K735に回転方向から当接する(左右方向で当接する)ことで、アーム部材K735及び伝達終端部材K4737の回転動作を下降配置状態で停止させる(せき止める)ように構成されていたが(図59(b)参照)、本実施形態では、ストッパ部K711gとアーム部材K735とは当接しないため、この作用は望めない。
一方で、本実施形態においても、上記各実施形態と同様に、下降配置状態において、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K4737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78と正面視で重なる位置に配置される。
そのため、第4支持部K712dを中心にアーム部材K735が下降配置状態から左右どちらの方向に回転動作した(振れた)場合、その回転動作に伴い基端側支持孔K737aの高さ位置が上昇することになるが、その上昇変位を押し戻す方向(基端側支持孔K737aの高さ位置を下げる方向)に、上下スライド部材K4720や、その上下スライド部材K4720に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図55参照)の自重がかけられるので、アーム部材K735の姿勢を下降配置状態における姿勢(図97(a)参照)で安定させることができる。
即ち、演出待機状態(図57(a)参照)からアーム部材K735を正面視時計回り方向に回転動作させ下降配置状態に変化させる動作制御において、アーム部材K735を90度回転させるための回転量で駆動ギアKMG72を回転させるように制御されるところ、制御不良が生じてアーム部材K735の回転角度に88度~92度といったばらつきが生じたとしても、そのばらつきが上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)、追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図55参照)の自重で修正されることで、アーム部材K735の姿勢を下降配置状態における姿勢(図97(a)参照)で安定させることができる。
図97(b)では、アーム部材K735の鉛直方向に対する傾斜角度が、図59(a)に図示される状態と同じであり、左右が反転された状態が図示される。即ち、基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の高さ位置は、図59(a)に図示される状態と同じである。
図98では、突破上昇動作パターンの動作終端状態が図示される。即ち、突破上昇動作パターンの動作終端状態は、後層伝達部K731bのギア歯と伝達側二層ギアK733の後層伝達部K733bのギア歯との噛み合いが解消する直前の回転角度の状態として設定される。
図98に図示される状態において、アーム部材K735は上昇配置状態(図58参照)における配置までは到達しない。即ち、下降配置状態からアーム部材K735を時計回りに回転動作させる突破上昇動作パターンの動作終端状態における基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の高さ位置は、下降配置状態からアーム部材K735を反時計回りに回転動作させる階段上昇動作パターンの動作終端状態における基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の高さ位置(図58(b)参照)よりも低い。
このような構成により、第2可動装置K4701によれば、下降配置状態を中心としてアーム部材K735を左右方向に往復回動させる(振動させる)ことにより、基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)を上下に往復動作(振動)させることができる。更に、下降配置状態を起点とした2通りの動作態様を、駆動モータKMG71(図56参照)を一定の速さで駆動継続させることは同一としながら、アーム部材K735の回転方向を異ならせる(駆動モータKMG71の駆動方向を異ならせる)ことにより生じさせることができる。
第1に、下降配置状態からアーム部材K735を反時計回り方向に回転動作させる階段上昇動作パターンの場合、下降配置状態から基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)が上昇された後(図59(a)参照)、演出待機状態における配置で上昇動作が一時停止され(図57(a)参照)、その後で上昇配置状態における高さ位置まで上昇移動される(図57(b),図58(a),図58(b)参照)。
第2に、下降配置状態からアーム部材K735を時計回り方向に回転動作させる突破上昇動作パターンの場合、下降配置状態から基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)が上昇されるまでは階段上昇動作パターンと同じであるが(図59(a)及び図97(b)参照)、上昇動作が一時停止されることはなく、動作終端状態まで一気に上昇移動される(図98参照)。
第2可動装置K4701によれば、特に下降配置状態付近では、アーム部材K735の前側に配置される上下スライド部材K4720によりアーム部材K735への視界が遮られることで、下降配置状態からアーム部材K735が時計回り方向に回転したのか、反時計回り方向に回転したのかを、遊技者が判別困難となるように構成されている。
そのため、第2可動装置K4701が下降配置状態から上昇移動された場合に、ある程度の上昇高さまでは(図59(a)及び図97(b)参照)、第2可動装置K4701が階段上昇動作パターンで動作されているのか、突破上昇動作パターンで動作されているのかを判別できないようにすることができる。
この場合において、第2可動装置K4701が階段上昇動作パターンで動作するか、突破上昇動作パターンで動作するかによって、その後の演出展開が変化したり、特図変動の大当たり期待度が変化したりするような設定を設けることで、第2可動装置K4701に対する注目力を向上させることができる。
ここで、途中停止させる動作パターンと、途中停止させない動作パターンとの切替は、上下スライド部材K4720に上下方向で当接可能な状態と、上下スライド部材K4720の移動軌跡から退避する状態とで切り替え可能な可動のストッパ部材を設けることでも実現可能である。この場合、円弧状部K732,K734を構成する必要もなくなる。
一方、ストッパ部材との当接により上下スライド部材K4720を停止させる構成の場合、動作速度が高速であるほど生じる負荷は大きくなるので、上下スライド部材K4720又はストッパ部材が破損する可能性が高くなる。破損を避けるために当接前にブレーキを生じさせたり、動作速度を遅くしたりする場合、途中停止させる動作パターンと、途中停止させない動作パターンとの違いが分かり難くなるため、演出効果が低くなる可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、階段上昇動作パターンにおいて上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)が途中停止する状態は、円弧状部K734に対して円弧状部K732が擦れている状態であり(図57(a)参照)、動作速度がどれだけ高速になったとしても破損する程の衝撃が生じるものではなく、むしろ回転方向の荷重が駆動力の伝達方向下流側(駆動側二層ギアK731よりも下流側の伝達側二層ギアK733、アーム部材K735及び伝達終端部材K4737等)に伝達されにくいように構成されているため、途中位置(図59(a)及び図97(b)参照)でのブレーキの必要は無く、高速動作が可能となる。
これにより、階段上昇動作パターンでは、高速で上昇動作していたものが突然止まるように演出できる一方、階段上昇動作パターンにおいて上昇速度を高めることができることに基づいて、その階段上昇動作パターンと紛らわしくさせる突破上昇動作パターンの上昇速度も高めることが可能となる。これにより、上昇移動の動作速度の設定自由度を向上させることができ、第2可動装置K4701の演出効果を向上させることができる。
図99は、後層側可動装置K4800の後側開閉部材K4810の板状部K4811、中側開閉部材K4820の板状部K4821及び前側開閉部材K4830の板状部K4831を模式的に示す正面模式図である。後側開閉部材K4810、中側開閉部材K4820及び前側開閉部材K4830は、上記各実施形態で上述した後層可動装置K800の後側開閉部材K810、中側開閉部材K820及び前側開閉部材K830と略同一の構造を備えている一方で、板状部K4811,K4821,K4831に施される装飾に違いがあるので、改めて説明する。
板状部K4811,K4821,K4831には、各板状部K4811,K4821,K4831と正面視で外形が同一形状のシールが貼り付けられることに因り、正面視において略全体がそのシールの色で視認される。
板状部K4811,K4821,K4831に施される装飾は、シールに印刷された形状によるものである。左側の板状部K4821,K4831にローマ字の「S」の形状の輪郭KOL481が施されるのは上記各実施形態と同様である(図71(b)参照)。
更に、本実施形態では、右側の板状部K4811,K4821にローマ字の「G」の形状の内側輪郭KOL482aと、その内側輪郭KOL482aの外側を囲うローマ字の「G」の形状の外側輪郭KOL482bとが施され、右側の板状部K4821にローマ字の「O」の形状の輪郭KOL483が施され、右側の板状部K4831に図形の「王冠」の形状の輪郭KOL484が施される。
本実施形態では、無色透明のシールに赤色で形状部分が印刷される。輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側における範囲が赤色で印刷されていることから、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側においては赤色で視認され、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側においては無色透明で視認される。
実際の遊技中においては、閉塞状態(図99参照)における板状部K4811,K4821,K4831は、それ単体で視認されるものではなく、板状部K4811,K4821,K4831の後方にある第3図柄表示装置K81も透けて見える(図71(b)及び図71(c)参照)。そのため、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様は、第3図柄表示装置K81の表示に対応して変化し得る。
図100(a)は、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面図であり、図100(b)は、図100(a)に図示される第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の正面図であり、図101(a)は、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面図であり、図101(b)は、図101(a)に図示される第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の正面図である。
図100(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域において、板状部K4811,K4821,K4831に貼り付けられたシールと同じ赤色(同じ濃さの赤色)の光で一面発光されるように表示される(第1態様)。
この場合、図100(b)に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側が表示領域の表示と同様に赤色で視認されることになり、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側の赤色と区別がつき難くなり、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484が判別し難くなる。
従って、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に遊技者の注目力が行き難くなり、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様としては、単に一面赤色で塗りつぶされているような印象を与える。
図101(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域において、板状部K4811,K4821,K4831に貼り付けられたシールの赤色に対して、赤以外の色も含む光(例えば、白色光)で一面発光されるように表示される(第2態様)。
この場合、図101(b)に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側では第3図柄表示装置K81の表示領域で照射される(赤以外の色も含む)光の色で視認される一方で、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側では、第3図柄表示装置K81の表示領域で照射される光の色の内、赤以外の色がシールに吸収され、赤色で視認される。
そのため、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側における(赤以外の色も含む)光の色と、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側における赤色とで、区別させ易くなり、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484を判別させ易くなる。
従って、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に遊技者の注目力を向かわせ易くなり、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様としては、遊技者に対する何らかの示唆が生じているような印象を与える。
このように、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示を一面同色の表示とする態様(図100(a)及び図101(a)参照)を採用しながらも、色の異なる第1態様と第2態様とでは、表示される光と板状部K4811,K4821,K4831のシールに印刷される色との関係から、板状部K4811,K4821,K4831を通した視認態様の印象を異ならせることができる。
なお、上述の実施形態では、無色透明の樹脂材料から形成される板状部K4811,K4821,K4831に色付きのシールが貼り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、非透過のプリントシールを貼り付けるようにしても良いし、色付きの樹脂材料(透明の樹脂材料でも良いし、非透過の樹脂材料でも良い)から板状部K4811,K4821,K4831を形成しても良い。
この場合に、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484による形状の構成は、2色成形により作っても良いし、形状に合わせたリール部材を貼り付けるようにしても良いし、形状に合わせた凹部や凸部を形成することで光の透過性を異ならせ視認態様を調整するようにしても良い。
樹脂材料に付けられる色は、硬化剤の色である場合等、無色透明の樹脂材料に比較して材料強度や材料の粘りを向上させる場合が多い。そのため、色付きの樹脂材料から板状部K4811,K4821,K4831を形成する場合、形状の設計自由度を向上させたままで十分な材料強度を発揮させることができる。
また、板状部K4811,K4821,K4831に形成される輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484を、貼り付けられるシールに形成される形状として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の形状により輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484を視認させるようにしても良い。
即ち、例えば、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に沿う形状で板状部K4811,K4821,K4831の背面側から後方に突条状に突設形成されるリブ部を形成しても良い。
リブ部が形成される箇所において、板状部K4811,K4821,K4831の厚み寸法が大きくなるので、透過性が低くされ、暗く視認される。即ち、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に沿って暗く視認されるラインが形成されることで、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484の内側との境界部を認識させ易くすることができ、演出性を向上させることができる。
更に、リブ部により、板状部K4811,K4821,K4831の材料強度を向上させることができ、板状部K4811,K4821,K4831の曲げ変形や、折れ変形を防止し易くすることができる。
このように、板状部K4811,K4821,K4831に輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に沿ったリブ部を形成することで、演出性を向上させつつ、板状部K4811,K4821,K4831の耐久性の向上も図ることができる。
上述の構成によれば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされているままで、第3図柄表示装置K81の表示領域の表示態様を切り替えることで、板状部K4811,K4821,K4831を通した視認態様の印象を瞬時に切り替えることができる。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされているままで、第3図柄表示装置K81の表示領域の表示態様を一面赤色の表示(図100(a)参照)から一面多色(例えば、赤色以外を含む色)の表示(図101(a)参照)に切り替えることで、板状部K4811,K4821,K4831を通した視認態様を図100(b)に図示される態様から図101(b)に図示される態様に瞬時に切り替えることができる。
このように、本実施形態によれば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態という同じ状態を構成している場合において、板状部K4811,K4821,K4831の輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484が判別され易く、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側を通して見える表示に注目させ易い(第3図柄表示装置K81の表示領域に注目させ易い)場合と、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484が判別され難く一面同じ色で視認されるために手前側の板状部K4811,K4821,K4831に注目させ易い場合とを切り替えることができる。
即ち、板状部K4811,K4821,K4831が透過性の材料から形成される場合に特有の、板状部K4811,K4821,K4831よりも後側に配置される第3図柄表示装置K81による表示に注目させるという機能(図101(b)参照)に加えて、板状部K4811,K4821,K4831が非透過の材料から形成される場合に特有の、板状部K4811,K4821,K4831自体に注目させて後側の第3図柄表示装置K81の表示領域には注目させ難くするという機能(図100(b)参照)をも生じさせることができる。
図101(a)及び図101(b)を参照して、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示態様の設定の一例を説明する。上述した説明では、第3図柄表示装置K81の表示領域で一面同じ態様(色味)の光を見せるように制御する場合を説明したが、例えば、図101(a)に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域を複数の範囲に分割し、それぞれの範囲で別々の表示態様で表示可能に構成しても良い。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされている場合において、輪郭KOL481を正面視で含む範囲において第1扉演出表示KER481が実行可能とされ、外側輪郭KOL482bを正面視で含む範囲において第2扉演出表示KER482が実行可能とされ、輪郭KOL483を正面視で含む範囲において第3扉演出表示KER483が実行可能とされ、輪郭KOL484を正面視で含む範囲において第4扉演出表示KER484が実行可能とされるように設定する。
各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484として、赤以外の色を含む表示を行う場合、その表示範囲は対応する各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484よりも大きいが、各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側においてはシールに赤色以外の色が吸収されることにより、赤以外の色の表示が視認されるのは各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側に限定される。
例えば、第1扉演出表示KER481において、虹色の七色を等間隔で縞状に並べたような表示を行うようにしても良い。この場合、輪郭KOL481の内側のみを虹色で視認させ、輪郭KOL481の外側は赤色で視認させることができるので、遊技者に対して、ローマ字の「S」を虹色で視認させることができる。これにより、遊技者に対して、何らかの利益を獲得可能であること(例えば、特別図柄の抽選で大当たりとなったこと)を示唆することができる。
例えば、第2扉演出表示KER482において、縦方向に延びる黄色の帯状部が左方に移動する表示が等間隔で実行され、第3扉演出表示KER483において、横方向に延びる黄色の帯状部が上方に移動する表示が等間隔で実行されるようにしても良い。
この場合、内側輪郭KOL482aの外側および外側輪郭KOL482bの内側のみで黄色部が左方に移動し、輪郭KOL483の内側のみで黄色部が上方に移動するように視認させ、内側輪郭KOL482aの内側、外側輪郭KOL482bの外側および輪郭KOL483の外側は赤色で視認させることができるので、遊技者に対して、ローマ字の「GO」を黄色部が動く態様で視認させることができると共に、黄色部の移動方向として視線を左上方向に誘導させることができる。
これにより、遊技者の視線が第3図柄表示装置K81の表示領域の右半分に偏っていたとしても、遊技者の視線を左方側へ誘導することができるので、輪郭KOL481を視界に入れさせることで、虹色のローマ字の「S」の表示に気付かせることができる。
例えば、第4扉演出表示KER484において、一面金色で、表示したり、消したりを交互に繰り返す(点滅させる)ように制御しても良い。この場合、表示中には、輪郭KOL484の内側のみを金色で視認させることで、「王冠」を印象付ける一方で、表示を消した場合には、「王冠」が無いかのように視認させることができる。
この場合において、表示する時間と、表示が消される時間との比を異ならせることにより、その印象を異ならせることができる。即ち、表示する時間の方が、表示が消される時間に比較して長い場合、「王冠」は濃く視認され、より実体化される。一方、表示する時間の方が、表示が消される時間に比較して短い場合、「王冠」は薄く視認され(透けて視認され)、残像のような印象を与える。
このように、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484の外縁形状を単なる矩形という単純な形状としながらも、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484の表示態様にのっとった形で各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の形状を遊技者に視認させることができる。
従って、第3図柄表示装置K81における表示態様を、前方に配置される各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の形状を表示する場合に比較して簡素なパターンとすることができるので、描画に要する時間を短くしつつ、遊技者には、各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の形状に対応した模様を視認さえることができる。
各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側の発光は、第3図柄表示装置K81の表示領域の発光を利用していることから、面発光で視認させることができる。そのため、点光源により発光される移動装置K4560(上述の各実施形態における移動装置K560に相当、図41参照)等に比較して、各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側を、より明るく、より均一に光らせることができ、視認性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484を開閉動作する板状部K4811,K4821,K4831の各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484のみに対応させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831と同様に開閉動作可能な第2扉状可動役物が板状部K4811,K4821,K4831の前層側(又は後層側)に配設されても良い。その第2扉状可動役物の板状部にもシールが貼り付けられ、第2扉状可動役物の閉塞状態において正面視で各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484と重なる位置において、シールに各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484とは異なる輪郭が施される。
この場合、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484の表示態様が同じであっても、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図28参照)であって第2扉状可動役物が演出待機状態(図26参照)とされる場合と、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図26参照)であって第2扉状可動役物が閉塞状態(図28参照)とされる場合とで、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側における視認態様を異ならせることができる。
板状部K4811,K4821,K4831は、上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831と同様に、閉塞状態(図65(c)及び図69参照)における停止と、連動切替状態(図65(b)及び図68参照)における停止とを容易に行うことができる。即ち、駆動力の停止タイミングが若干ずれた場合であっても、板状部K4811,K4821,K4831を、閉塞状態または連動切替状態で停止させることを容易に行うことができる。
左右の板状部K4811,K4821,K4831は、上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831と同様に、左右それぞれで独立の駆動モータKMT81,KMT82(図62参照)により駆動されるため、左右それぞれで動作タイミングを合わせた駆動や、左右独立で動作させる駆動が可能とされる。
即ち、上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831の状態として説明した、演出待機状態(図67参照)、連動切替状態(図68参照)、閉塞状態(図69参照)は、左右同時に動作される場合に限らず、左右いずれかが取り得る状態としても構成され得る。
ここで、左右の板状部K4811,K4821,K4831が、相手側の扉と当接して停止される場合には、片側だけを動作させた場合の停止位置が定まらない可能性がある。これに対して、本実施形態では、上述の各実施形態と同様に、板状部K4811,K4821,K4831を、閉塞状態または連動切替状態で停止させることを、相手側の部材(左右反対側の部材)との当接に因ることなく行うことができるので、左右の板状部K4811,K4821,K4831の左右一方のみを動作させる場合でも、閉塞状態または連動切替状態で正確に停止させることができる。
左右の板状部K4811,K4821,K4831の動作速度について説明する。上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831への駆動力伝達の上流側に位置する基端側スライド部材K880(図65及び図66参照)と同様に、駆動モータKMT81,KMT82(図62参照)が一定の駆動速度で駆動されている場合であっても、基端側スライド部材K880の移動速度を連動切替状態(図65(b)参照)において最大とすることができる。
図102は、後層側可動装置K4800の後側開閉部材K4810の板状部K4811、中側開閉部材K4820の板状部K4821及び前側開閉部材K4830の板状部K4831を模式的に示す正面模式図である。図102では、連動切替状態(図65(b)及び図68参照)における視認態様が図示される。
後層側可動装置K4800は、動作により、板状部K4811,K4821,K4831が、おおよそ重なることなく輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484の内容が明確に理解できる状態(図99参照)と、板状部K4811,K4821,K4831が、部分的に重なることで輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484(例えば、輪郭KOL482a,KOL482b)が見え難くなる状態(図102参照)とで、切替可能とされる。これにより、板状部K4811,K4821,K4831による視認態様のバリエーションを増やして、注目力の向上および演出効果の向上を図ることができる。
図102に図示されるように、板状部K4811,K4821,K4831の少なくとも一部が前後で重ねられることにより全体の左右幅が縮められることに加え、板状部K4811に形成される内側輪郭KOL482aの外側および外側輪郭KOL482bの内側(無色透明)と板状部K4821に形成される輪郭KOL482の外側(赤色)との重なる位置、及び、板状部K4811に形成される内側輪郭KOL482aの内側および外側輪郭KOL482bの外側(赤色)と板状部K4821に形成される輪郭KOL482の内側(無色透明)との重なる位置では、板状部K4811に形成される内側輪郭KOL482aの内側および外側輪郭KOL482bの外側の色(赤色)で視認されることになることから、輪郭KOL482a,KOL482bとして判別し易い(無色透明で視認される)部分の面積が減少される。
従って、図99に図示される状態に比較して、輪郭KOL482a,KOL482bとして形成される装飾の判別をし難くすることができる。仮に、板状部K4811,K4821,K4831の前後方向の重なり加減が変化することなく左右にスライド移動することがあった場合に比較して、本実施形態では輪郭KOL482a,KOL482bが第3図柄表示装置K81の前方の外方へ退避する前から重なり始める分、本実施形態の方が、輪郭KOL482a,KOL482bとして視認される(無色透明で視認される)面積の減少が早期に生じることになり、輪郭KOL482の判別をし難くさせることができる。
これにより、図99に図示される状態と、図102に図示される状態との、輪郭KOL482a,KOL482bの判別のし易さの違いを、より際立たせることができ、視認態様のバリエーションの差を大きくすることができる。
図102に図示される状態で、太い幅の想像線で図示される第3図柄表示装置K81の表示領域の内、板状部K4811,K4821,K4831の後方に位置する範囲において上述の第1態様の表示を実行することにより、板状部K4811,K4821,K4831を第3図柄表示装置K81の表示領域の左右側に配置される左右幅の長い枠構成部(フレームの一部)として視認させることができ、第3図柄表示装置K81の表示を視認させる領域を板状部K4811の間隔に狭めることができる(縮小表示態様)。
即ち、第3図柄表示装置K81の表示領域の大きさが変化したように見せることができるので、遊技者に対して、第3図柄表示装置K81自体の表示領域の大きさに適した表示演出だけではなく、見かけ上変化された(小さくされた)表示領域の大きさに適した表示演出を見せることを、同一の第3図柄表示装置K81により実行することができる。
一方、第3図柄表示装置K81の表示領域の内、板状部K4811,K4821,K4831の後方に位置する範囲において、板状部K4811,K4821,K4831のシールの色よりも濃い赤での濃淡による形状を視認させる表示(第3態様の表示)を行い(赤はシールにより吸収されないので板状部K4811,K4821,K4831越しに濃淡による形状を遊技者が視認可能)、板状部K4811の間隔に置いても赤の濃淡による形状を視認させる表示を行うようにしても良い。
例えば、図102に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域の上側範囲において左右方向に帯状に延びる第4背面表示K81dを板状部K4811,K4821,K4831のシールと同じ濃さの赤色で表示し、その第4背面表示K81dの内側に右方向を向く矢印形状の第5背面表示K81eを板状部K4811,K4821,K4831のシールの赤色よりも濃い赤色で表示する。
この場合、板状部K4811の内側端部で第3図柄表示装置K81の表示領域が仕切られているような印象を与えることはなく、板状部K4811,K4821,K4831越しに第3図柄表示装置K81の表示領域における第4背面表示K81d及び第5背面表示K81eを透けて見せることができる。
この態様によれば、第5背面表示K81eが板状部K4811の内側縁部と重なっていても遊技者に違和感を与えることがないので、第5背面表示K81eを左右方向(例えば、矢印の向く右方向)にスライド移動する動的表示として表示する場合においても、遊技者に違和感を与えることが無い。
このように、板状部K4811,K4821,K4831を第3図柄表示装置K81の正面側に配置したまま、第3図柄表示装置K81自体の表示領域の大きさに適した表示演出を実行することができる(非縮小表示態様)。
このように、本実施形態では、上述の各実施形態と同様に、板状部K4811,K4821,K4831が第3図柄表示装置K81の正面側に配置された状態において、遊技者に対して、第3図柄表示装置K81自体の表示領域の大きさに適した表示演出だけではなく、見かけ上変化された(小さくされた)表示領域の大きさに適した表示演出を見せることができ、これらは、第3図柄表示装置K81の表示態様を切り替えることにより実現される。
なお、上述した縮小表示態様や、非縮小表示態様において、板状部K4811,K4821,K4831の後方の表示範囲の指定は、板状部K4811,K4821,K4831の投影範囲に限られるものではない。
例えば、縮小表示態様において、上述した第1態様の表示を実行させる範囲の左右内側端は、板状部K4811の左右内側先端側(互いに対向配置される側)縁部よりも左右外側にずらすようにしても良い。この場合、板状部K4811,K4821,K4831の動作(停止位置)が不安定となったとしても、第1態様の表示が板状部K4811,K4821,K4831に覆われずに露出する事態の発生を回避し易くすることができる。
また、縮小表示態様において、板状部K4811の左右内側先端側において上下方向に延びる帯状の表示を行うことで、左右の板状部K4811の間隔における第3図柄表示装置K81の表示範囲と、板状部K4811,K4821,K4831の後方における表示範囲とを区別させ易くすることができるが、この帯状の表示の位置についても、板状部K4811の左右内側先端の投影範囲に限られるものではない。
例えば、左右の板状部K4811の対向する側(左右内側)にずらすようにしても良い。この場合、板状部K4811,K4821,K4831の動作(停止位置)が不安定となったとしても、帯状の表示が板状部K4811,K4821,K4831に覆われて、帯状の表示が視認され難くなる事態を回避し易くすることができる。
図103(a)、図103(b)及び図103(c)は、第3図柄表示装置K81及び後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831の上面図である。図103(a)、図103(b)及び図103(c)では、第3図柄表示装置K81と板状部K4811,K4821,K4831との位置関係が模式的に図示される。
図103(a)に図示されるように、本実施形態では、第3図柄表示装置K81の表示領域を覆う大きさで第3図柄表示装置K81の正面側に配設され、左右側端部が第3図柄表示装置K81の左右側の枠に接着される透明フィルムK4891と、その透明フィルムK4891の上下両側に一対で配設され透明フィルムK4891を把持する把持部K4892と、その把持部K4892を前後方向にスライド変位させる第1駆動装置K4893と、その第1駆動装置K4893を左右方向にスライド変位させる第2駆動装置K4894と、が第3図柄表示装置K81に配設される。
把持部K4892が初期位置(図103(a)参照)に配置されている状態では、透明フィルムK4891の前面は第3図柄表示装置K81の表示面K81sと平行とされており、透明フィルムK4891を通して視認される表示は、透明フィルムK4891が配設されていない場合と大きな変化はない。
図103(b)に図示されるように、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置される場合、透明フィルムK4891は、上面視で把持部K4892を頂点とする三角形状の2辺を形成する態様で変形され、透明フィルムK4891の前面が形成される平面KS49は第3図柄表示装置K81の表示面K81sと非平行とされる。この場合、透明フィルムK4891を通して視認される表示は、透明フィルムK4891が配設されていない場合と変化し得る。
図103(c)では、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置され、後層側可動装置K4800の右側の板状部K4811,K4821,K4831は演出待機状態における配置とされる一方で、左側の板状部K4811,K4821,K4831は閉塞状態における配置とされた状態が図示される。
図103(c)に図示されるように、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置されることで、正面視における、透明フィルムK4891の板状部K4811,K4821,K4831側の縁と、板状部K4811,K4821,K4831の透明フィルムK4891側の縁との前後間隔が狭められている。
更に、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置される場合における透明フィルムK4891の前面が形成される平面KS49と、閉塞状態における配置とされた板状部K4811,K4821,K4831が並べられる方向KL50とが略平行とされる。
透明フィルムK4891は、第3図柄表示装置K81側から入射された光を屈折させることで、平面KS49と垂直な方向に進行させ、遊技者に視認させる。これにより、透明フィルムK4891の前面を視認面として視認される第3図柄表示装置K81からの表示と、板状部K4811,K4821,K4831の前面を通して視認される装飾とを、一連で視認させ易くすることができる。
なお、透明フィルムK4891を通して視認させる第3図柄表示装置K81側の表示は、遊技者が平面KS49と直交する方向視で視認する可能性を考慮して、把持部K4892の左右位置よりも若干左右方向に超えて(図103(c)において左側にまで超えて)連続的に形成されるようにしても良い。この場合、遊技者が平面KS49と直交する方向視で視認した場合であっても、透明フィルムK4891と板状部K4811との間に隙間が視認されることを防止し易くすることができると共に、遊技者が正面視で視認している場合には、把持部K4892よりも左側の範囲においては板状部K4811とオーバーラップすることで、ほぼ板状部K4811の色(本実施形態では、赤色)で視認されることにより、把持部K4892の配置される左右中央位置で視認態様を区切ることができる。
なお、把持部K4892の前後位置は、第1駆動装置K4893を駆動させることにより変更可能とされる。そのため、透明フィルムK4891の前面が形成される平面KS49の傾斜角度は、任意に設定可能である。即ち、板状部K4811,K4821,K4831と透明フィルムK4891との前後間隔を調整することで視認性(一連で視認されるか、一連ではないように視認されるか)を調整したり、板状部K4811,K4821,K4831が並べられる方向に対する平面KS49の角度を敢えて傾斜させたりすることができる。
なお、把持部K4892の左右位置は、第2駆動装置K4894を駆動させることにより変更可能とされる。そのため、板状部K4811の端部が配置される左右位置と、把持部K4892の左右位置を合わせることで、板状部K4811の左右位置に関わらず、正面視における、透明フィルムK4891の板状部K4811,K4821,K4831側の縁と、板状部K4811,K4821,K4831の透明フィルムK4891側の縁との前後間隔を狭めることができる。
なお、本実施形態では、透明フィルムK4891が第3図柄表示装置K81の左右端を頂点として延ばされた場合に板状部K4811,K4821,K4831の並ぶ方向KL50に沿う位置関係で構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831と第3図柄表示装置K81との前後間隔が図103に図示される配置よりも短い場合には、透明フィルムK4891が第3図柄表示装置K81の左右端部よりも左右内側の部分を頂点として延ばされるよう構成することで、平面KS49と方向KL50とが平行な状態を構成することができる。
また、例えば、板状部K4811,K4821,K4831と第3図柄表示装置K81との前後間隔が図103に図示される配置よりも長い場合には、透明フィルムK4891の端が固定される位置を第3図柄表示装置K81の外枠から前方に離れた位置とすることで、平面KS49と方向KL50とが平行な状態を構成することができる。
なお、本実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831の移動方向が左右方向であることに基づいて透明フィルムK4891の変形方向を設計したが、板状部K4811,K4821,K4831の移動方向が変われば、透明フィルムK4891の変形方向も変わり得るのは当然である。例えば、板状部K4811,K4821,K4831が前後方向にスライド移動するのであれば、把持部K4892を第3図柄表示装置K81の左右に配置して透明フィルムK4891の変形を生じさせることも考えられる。
また、把持部K4892が上下片側に一つずつ配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、把持部K4892が上下片側に複数配置されるようにしても良い。この場合、変位する把持部K4892を場合ごとに切り替えることで透明フィルムK4891の変形態様を切り替えることができるし、複数の把持部K4892を同時に変位させることでも透明フィルムK4891の変形態様を異ならせることができる。
なお、本実施形態では、板状部K4811の厚み分、平面KS49と方向KL50との間に間隔が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811のスライド先端側(把持部K4892側)端部において、延ばされた透明フィルムK4891(図103(b)参照)と干渉しないように傾斜形成(鋭利に形成)されることで、平面KS49と方向KL50とが上面視で面一となるように構成しても良い。この場合、透明フィルムK4891と板状部K4811,K4821,K4831とを一連で視認させ易くすることができる。
図104(a)、図104(b)、図104(c)、図104(d)、図104(e)、図104(f)、図104(g)、図104(h)及び図104(i)は、図85(a)のZ04m部におけるパチンコ機K4010の部分拡大正面図である。
図104(a)では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)とされた場合が図示される。図104(b)では、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)とされると共に右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図69参照)とされた場合が図示される。
図104(c)では、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)とされると共に左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図69参照)とされた場合が図示される。図104(d)では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図69参照)とされた場合が図示される。
図104(e)では、右側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図68参照)とされると共に左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)とされた場合が図示される。
図104(f)では、左側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図68参照)とされると共に右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)とされた場合が図示される。図104(g)では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図68参照)とされた場合が図示される。
図104(h)では、左側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図68参照)とされると共に右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図69参照)とされた場合が図示される。
図104(i)では、右側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図68参照)とされると共に左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図69参照)とされた場合が図示される。
このように、後層側可動装置K4800(図99参照)への電圧印加の態様に対応する状態の違いにより、左右の板状部K4811,K4821,K4831の配置態様が変化される。これにより、第3図柄表示装置K81の表示領域における視認態様が変化されることになる。
本実施形態では、上記各実施形態と同様に、図104(a)から図104(i)に図示される状態を切り替えることで、第3図柄表示装置K81の表示領域の見せ方を切り替えることができる。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831で覆われる範囲において、第3図柄表示装置K81の表示を上述の第1態様で設定する場合、板状部K4811,K4821,K4831で覆われる範囲では一面同じ濃さの赤色で視認されることになり動的表示を視認させることができないので、図104(b)~図104(i)に図示される状態で動的表示を視認させることができる実質的な表示範囲(例えば、第3図柄表示装置K81や表示装置K4580等のように、枠状に囲まれて視認される表示範囲)は、図104(a)に図示される表示範囲よりも狭くなる。
また、例えば、図104(a)に図示される状態から図104(b)に図示される状態に変化することで、右側の範囲が隠されるところ、その後で図104(a)に図示される状態に再び変化された場合に、右側の範囲に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、例えば、図104(e)に図示される状態と図104(f)に図示される状態とが交互に生じるように変化させることで、動的表示を視認させることができる実質的な表示範囲が左右に往復変位されているように遊技者に視認させることができる。この場合に、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示が板状部K4811,K4821,K4831の変位と連動して左右にスライド移動されるように見えるように描画の設定を行うことで、実際に第3図柄表示装置K81を左右にスライド移動させることをしなくても、あたかも第3図柄表示装置K81が左右にスライド移動しているかのように見える演出を実現することができる。
これに限らず、図104(b)に図示される状態と図104(c)に図示される状態とが交互に生じるように変化させる場合や、図104(h)に図示される状態と図104(i)に図示される状態とが交互に生じるように変化させる場合においても、同様の演出を実現することができる。
図105(a)、図105(b)及び図105(c)は、図85(a)のZ04m部におけるパチンコ機K4010の部分拡大正面図である。図105(a)、図105(b)及び図105(c)では、パチンコ機K4010の変化の一例が時系列で図示される。なお、板状部K4811,K4821,K4831の模様や、色彩の図示が省略される。
図105(a)では、上述した第11の動作パターン(図91及び図92参照)の左右対称の動作パターンで第1可動装置K4401が動作され、後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831は左右共が閉塞状態(図99参照)で維持される第1の複合動作パターンが時系列で図示される。このような動作パターンは、切替装置K460(図91参照)を左側にも配置して、第11の動作パターンにならって切替装置K460を適切に制御することで実現可能である。
移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831の後方に配置される第3図柄表示装置K81から照射される光を板状部K4811,K4821,K4831を介して受ける。
板状部K4811,K4821,K4831は、シール部材により赤色で視認されるものであり、この板状部K4811,K4821,K4831を介する第3図柄表示装置K81からの光は、赤みがかった色となるので、移動装置K4560も外周あたりが赤みがかった色で視認されることになる。
図105(b)では、第2の複合動作パターンが時系列で図示される。第2の複合動作パターンは、途中まで(上から1,2枚目の図に対応)は、上述した第1の複合動作パターン(図91及び図93参照)で第1可動装置K4401が動作される。
一方、左右共が閉塞状態における後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831の内、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)に途中で変化され(上から3枚目の図に対応)、その直後に左側の切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁されることで、長尺装置K540の左側が落下され、長尺装置K540が水平姿勢となる(上から4枚目の図に対応)。
上述した第12の動作パターンでは、移動装置K4560が移動範囲の左端に到達した後で駆動ソレノイドKSOL41(図93(a)参照)が励磁されたが、第2の複合動作パターンでは、移動装置K4560が右端に到達するよりも早いタイミングで駆動ソレノイドKSOL41が励磁される。
即ち、移動装置K4560が移動範囲の左端と中央との間を移動中とされるタイミング(上から3枚目の図に対応)において、左側の板状部K4811,K4821,K4831が駆動されるのと合わせて駆動ソレノイドKSOL41(図93(a)参照)が励磁される。
この場合、左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされる間は移動装置K4560が長尺装置K540の長手方向に沿って右下方向にスライド移動されるが、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化されることに合わせて、まず移動装置K4560が下方へ変位し、その後の移動装置K4560の移動方向の傾斜も水平寄りになる。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831の動作が生じる側(左側)と、移動装置K4560の移動方向の変化(右下方向から下方向への変化)が生じる側とを合わせることができるので、遊技者に対して、移動装置K4560と板状部K4811,K4821,K4831とを一体的に視認させる動作演出を実行させることができる。
移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831の後方に配置される第3図柄表示装置K81から照射される光を、途中までは板状部K4811,K4821,K4831を介して受ける。
板状部K4811,K4821,K4831は、シール部材により赤色で視認されるものであり、この板状部K4811,K4821,K4831を介する第3図柄表示装置K81からの光は、赤みがかった色となるので、移動装置K4560も外周あたりが赤みがかった色で視認されることになる。
一方、移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化した後においては、板状部K4811,K4821,K4831を介することなく第3図柄表示装置K81から照射される光を受ける。
そのため、板状部K4811,K4821,K4831により生じていた赤みがかった変色が無くなり、移動装置K4560の外周あたりが第3図柄表示装置K81からの光で発光され、その光の色の影響を受けた態様で視認されることになる。
これにより、第3図柄表示装置K81による表示が切り替えられなくても、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態から演出待機状態に切り替えられることで、移動装置K4560の見映えを変化させる演出を実行することができる。
図105(c)では、第3の複合動作パターンが時系列で図示される。第3の複合動作パターンは、途中まで(上から1,2枚目の図に対応)は、図105(b)に図示される第2の複合動作パターンと同様に第1可動装置K4401が動作されるものであり、上述した第11の動作パターンに沿う図105(a)とも同様である。
一方、左右共が閉塞状態における後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831の内、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図67参照)に途中で変化され(上から3枚目の図に対応)、その直後に左側の切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁されることで(図93(a)参照)、長尺装置K540の左側が落下され、長尺装置K540が水平姿勢となる(上から4枚目の図に対応)。
上述した第12の動作パターンでは、移動装置K4560が移動範囲の左端に到達した後で駆動ソレノイドKSOL41(図93(a)参照)が励磁されたが、第3の複合動作パターンでは、移動装置K4560が右端に到達するよりも早いタイミングで駆動ソレノイドKSOL41が励磁される。
即ち、移動装置K4560が移動範囲の中央と右端との間を移動中とされるタイミング(上から3枚目の図に対応)において、左側の板状部K4811,K4821,K4831が駆動されるのと合わせて駆動ソレノイドKSOL41(図93(a)参照)が励磁される。
この場合、右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされる間は移動装置K4560が長尺装置K540の長手方向に沿って右下方向にスライド移動されるが、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化されることに合わせて、まず移動装置K4560が下方へ変位し、その後の移動装置K4560の移動方向の傾斜も水平寄りになる。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831の動作が生じる側(右側)と、移動装置K4560の移動方向の変化(右下方向から下方向への変化)が生じる側とを合わせることができるので、遊技者に対して、移動装置K4560と板状部K4811,K4821,K4831とを一体的に視認させる動作演出を実行させることができる。
移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831の後方に配置される第3図柄表示装置K81から照射される光を、途中までは板状部K4811,K4821,K4831を介して受ける。
板状部K4811,K4821,K4831は、シール部材により赤色で視認されるものであり、この板状部K4811,K4821,K4831を介する第3図柄表示装置K81からの光は、赤みがかった色となるので、移動装置K4560も外周あたりが赤みがかった色で視認されることになる。
一方、移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化した後においては、板状部K4811,K4821,K4831を介することなく第3図柄表示装置K81から照射される光を受ける。
そのため、板状部K4811,K4821,K4831により生じていた赤みがかった変色が無くなり、移動装置K4560の外周あたりが第3図柄表示装置K81からの光で発光され、その光の色の影響を受けた態様で視認されることになる。
これにより、第3図柄表示装置K81による表示が切り替えられなくても(同様の発光状態を維持した状態でも)、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態から演出待機状態に切り替えられることで、移動装置K4560の見映えを変化させる演出を実行することができる。
上述した第1~3の複合動作パターンでの移動装置K4560及び板状部K4811,K4821,K4831の動作演出を可能とすることで、閉塞状態における板状部K4811,K4821,K4831の前を移動装置K4560が斜め右方向に流下する態様の変位に対する遊技者の注目力を向上させることができる。なお、移動装置K4560及び板状部K4811,K4821,K4831の動作を全て左右対称に変更することで、移動装置K4560が斜め左方向に流下する態様の変位を実行することもできる。
更に、移動装置K4560の斜め右方向への変位が、右側終端まで継続される場合(図105(a)参照)に比較して、移動装置K4560の変位方向が途中で変化される場合(図105(b)及び図105(c)参照)の方が、遊技者が得られる利益が高い(例えば、大当たりの可能性が高かったり、払い出される賞球が多かったりする)ように演出される場合、遊技者に対して、斜め右方向に流下する態様で変位する移動装置K4560を変位方向が変わるように願いながら目で追うように仕向けることができる。
これにより、移動装置K4560に視線を合わせさせながらも、それだけでなく、その視界(移動装置K4560を中心とする視界)の後方にある板状部K4811,K4821,K4831に対する注目力をも向上させることができる。
なお、図105(a)から図105(c)では、移動装置K4560の後方に位置する板状部K4811,K4821,K4831が変位し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装置K4560の後方から外れた位置に配置される板状部K4811,K4821,K4831が変位する場合を構成しても良い。
例えば、移動装置K4560が図105(b)の上から2枚目の位置から、図105(b)の上から3枚目の位置まで変位した状態において、左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態のまま維持され、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化される動作パターンを構成しても良い。
この場合において、左側の切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41は非励磁で維持される(図91(c)参照)。更に、この動作パターンでは、移動装置K4560が左右中央位置(図105(a)の3枚目の位置に相当)に到達する前に右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態に変化されることから、移動装置K4560が左右中央位置に到達した後は、第1の複合動作パターンと同様に右下方向へスライド移動される。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831が変位した場合であっても、移動装置K4560の移動方向の変化が生じない状況を構成することができるので、板状部K4811,K4821,K4831は視界に入れながらも移動装置K4560については注目しないという遊技を避けさせ易くすることができる。
また、例えば、移動装置K4560が図105(c)の上から2枚目の位置から、図105(c)の上から3枚目の位置まで変位した状態において、右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態のまま維持され、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化される動作パターンを構成しても良い。
この場合において、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41は非励磁で維持される(図91(c)参照)。そのため、この動作パターンでは、移動装置K4560が左右中央位置に到達した後は、第1の複合動作パターンと同様に右下方向へスライド移動される。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831が変位した場合であっても、移動装置K4560の移動方向の変化が生じない状況を構成することができるので、板状部K4811,K4821,K4831は視界に入れながらも移動装置K4560については注目しないという遊技を避けさせ易くすることができる。
なお、図105(b)及び図105(c)では、閉塞状態から演出待機状態に変化する板状部K4811,K4821,K4831が左右片側である場合として第2の複合動作パターン及び第3の複合動作パターンを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、異なる複合動作パターンとして、第2,3の複合動作パターンにおいて、板状部K4811,K4821,K4831が左右共に閉塞状態から演出待機状態に変化する複合動作パターンで動作可能に構成しても良い。
この複合動作パターンであれば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態から演出待機状態に変化するタイミングにおける移動装置K4560の配置が限定されるものではない。例えば、左右中央に配置される場合(図105(a)の3枚目参照)でも良いし、スライド移動範囲の任意の配置で良い。
この複合動作パターンの場合、板状部K4811,K4821,K4831の状態が変化しさえすれば、移動装置K4560の配置に因らず、移動装置K4560の変位方向が途中で変化されることになるので、移動装置K4560に対する注目力よりも板状部K4811,K4821,K4831に対する注目力の方が高い状況を構成することができる。
板状部K4811,K4821,K4831の方が正面視での面積が大きいことから、視界に収める際のストレスは低くなるので、移動装置K4560を目で追う必要がある場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、上述した各複合動作パターンは、それぞれ独立した制御態様で限定されるものではなく、各複合動作パターンの部分同士を組み合わせて別の複合動作パターンとすることは当然可能である。
なお、上述した各複合動作パターンを実行している際に、第3図柄表示装置K81から正面側へ向けて光が照射されるようにしても良い。この場合において、第3図柄表示装置K81の表示領域の全体から光が照射されるようにしても良いし、板状部K4811,K4821,K4831の状態に対応して光を照射するようにしても良い。
例えば、閉塞状態の板状部K4811,K4821,K4831に覆われる範囲においては光を照射せず(又は、目立たない赤色の光を照射するようにして)、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変位され正面側が覆われなくなった箇所から鮮やかな光(例えば、白色光)を照射するようにしても良い。
即ち、例えば、図105(b)の3枚目の状態において第3図柄表示装置K81の左半分の領域において前方へ向けて光が照射されるようにしたり、図105(c)の3枚目の状態において第3図柄表示装置K81の右半分の領域において前方へ向けて光が照射されるようにしたりしても良い。
ここで、第3図柄表示装置K81側からの照射される光により移動装置K4560が照らされることで、移動装置K4560の視認態様(例えば、色味)が変化される。特に、回転装飾部材K4578の外形付近が、第3図柄表示装置K81側からの照射される光の色で視認されることになり、回転装飾部材K4578の演出効果の向上を図ることができる。
回転装飾部材K4578の内部にまで第3図柄表示装置K81側からの照射される光による色の影響が生じるものではないが、例えば、表示装置K4580の見え方を考慮して、第3図柄表示装置K81側からの照射される光の態様を設計するようにしても良い。
例えば、第3図柄表示装置K81側から赤色の光が照射されている場合に、表示装置K4580からも赤色の光を照射するようにすることで、あたかも、第3図柄表示装置K81側からの光が回転装飾部材K4578の内側を透過したかのように視認させることができる。
また、例えば、第3図柄表示装置K81側から白色の光が照射されている場合に、表示装置K4580からは黒色(又は銀色)の光を照射するようにし、回転装飾部材K4578の電飾を白色の光で点灯させることで、白色の背景(第3図柄表示装置K81側からの光および回転装飾部材K4578からの光)の中でひときわ目立つ黒色(又は銀色)の球体が斜め下方へ移動しているような印象を遊技者に与える演出を実行することができる。
即ち、表示装置K4580の視認態様に基づいて、移動装置K4560がより目立つように第3図柄表示装置K81側から照射される光の色を設計することで、移動装置K4560に対する注目力をより向上させることができ、移動装置K4560による演出効果を向上させることができる。
なお、図105(b)及び図105(c)で上述した各複合動作パターンにおいて、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化することに基づいて移動装置K4560が落下した後で、移動装置K4560が演出待機状態における配置に戻る前に板状部K4811,K4821,K4831が再び閉塞状態(例えば、図105(b)の2枚目の状態を参照)に変化するように動作させるようにしても良い。
この場合に、板状部K4811,K4821,K4831の配置により、第3図柄表示装置K81側からの光が板状部K4811,K4821,K4831を通り移動装置K4560に到達するか、第3図柄表示装置K81側からの光が板状部K4811,K4821,K4831を通らずに移動装置K4560に到達するかの違いが生じ、同じ位置に移動装置K4560が配置される場合であってもその視認態様が変化される。これにより、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
また、図105(b)及び図105(c)で上述した各複合動作パターンにおいて、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化した後で再び閉塞状態に戻る態様を採用し、閉塞状態に戻るまでの期間にバリエーション(長短)を設けても良い。
この場合において、期間の長短に関わらず、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化することに基づいて移動装置K4560が落下方向に変位するようにしても良いし、又は、閉塞状態に戻るまでの期間が基準(例えば、0.2秒や1秒等、短期間)よりも短い場合には、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化しても長尺装置K540の傾斜姿勢が維持され、移動装置K4560は落下されずに斜め下方への移動を継続するように構成しても良い。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831の動作と移動装置K4560の落下とが一対一で対応する場合に比較して、移動装置K4560の変位がどのような態様で実行されるかの予測をされ難くすることができるので、移動装置K4560への注目力を向上させることができる。
なお、上述の実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831を照らす広範囲の光が第3図柄表示装置K81から照射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831に貼り付けられるシール部材の赤色よりも濃い赤色の、長尺装置K540の傾斜と平行な直線状の帯状の模様が、長尺装置K540の上方または下方に少し離れて重ならない位置に表示されるようにしても良い。
これにより、長尺装置K540の左側部が落下した後においても、帯状の模様が残る(板状部K4811,K4821,K4831を通して視認される)ことにより、移動装置K4560の元の移動経路を遊技者が継続して視認可能にすることができる。そのため、遊技者が演出の時系列(例えば、移動装置K4560がどのような動きをして落下位置状態の位置に至ったか)を見失うことを避け易くすることができ、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
更に、板状部K4811,K4821,K4831が変位した場合には、この帯状の模様も板状部K4811,K4821,K4831の変位に付き従って左右方向に変位するように表示態様を制御しても良い。
この場合において、移動装置K4560の落下前において、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態に変化するように変位した場合に、板状部K4811,K4821,K4831の帯状の模様と移動装置K4560とが正面視で重なり始める位置関係となった場合に、あたかも帯状の模様と移動装置K4560とが干渉する(衝突する)ように移動装置K4560及び板状部K4811,K4821,K4831を動作させる制御をしても良い。
例えば、閉塞状態へ向けて左右内側に進行する板状部K4811,K4821,K4831の進行側端部に移動装置K4560が押されて、移動装置K4560が加速されるように動作させても良い。
又は、移動装置K4560と帯状の模様とが離れている時に比較して、移動装置K4560と帯状の模様とが正面視で重なり始める状態の方が板状部K4811,K4821,K4831の移動速度が減速されるようにしても良い。この場合、あたかも板状部K4811,K4821,K4831が移動装置K4560から荷重を受けて、板状部K4811,K4821,K4831の移動抵抗が増加されているかのように視認させることができる。
なお、図105(a)から図105(c)では、長尺装置K540の傾斜が、左端部を切替装置K460に支持される場合の姿勢で維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺装置K540の傾斜が僅かにずらされるようにして、移動装置K4560の移動方向が一直線方向だけではなく、その直線方向と交差する方向をも含むようにしても良い。
例えば、左側の回転部材K430が、中間支持姿勢(図51参照)と、その中間支持姿勢から回転部材K430が約15度時計回りに回転された姿勢とで、交互に切り替えられるような動作制御を行っても良い。この場合、長尺装置K540の左側端部が上下に往復変位されることから、移動装置K4560の移動方向の傾斜角度を、移動装置K4560のスライド移動中に変化させることができる。
また、例えば、右側の回転部材K430が、第1解除姿勢(図92(a)参照)と、その第1解除姿勢から回転部材K430が中間支持姿勢(図92(b)参照)とで、交互に切り替えられるような動作制御を行っても良い。この場合、長尺装置K540の右側端部が上下に往復変位されることから、移動装置K4560の移動方向の傾斜角度を、移動装置K4560のスライド移動中に変化させることができる。
この場合において、右側の回転部材K430が中間支持姿勢とされた場合、左右の回転部材K430の姿勢が合致されることで長尺装置K540が水平姿勢とされる。即ち、移動装置K4560の移動方向を、水平方向に対して下降傾斜する方向と、水平方向とで、変化させることができる。
また、例えば、左右の回転部材K430を共に動作させて、長尺装置K540に両側から作用するようにしても良い。この場合、移動装置K4560の移動方向のバリエーションを増加させることができる。左右の回転部材K430の動作タイミングを合わせることで長尺装置K540に作用するタイミングをずらしても良いし、片側の回転部材K430の動作中にもう片方の回転部材K430を動作させるようにしても良い。
また、回転部材K430の回転を、長尺装置K540が落下位置状態における位置(図105(b)の4枚目参照)に配置されている状態で実行するようにしても良い。例えば、図105(b)の4枚目に図示される状態から、左右両側の回転部材K430を中間支持姿勢(図92(b)参照)にしてから、再び第1解除姿勢(図92(a)参照)にするように動作させるようにしても良い。
この場合、第2可動装置K4701が下降配置状態(図94(c)参照)における配置に位置しておらず演出待機状態(図94(b)参照)における配置に位置している場合であっても、移動装置K4560が第2可動装置K4701の上方を離れて移動することになるので、移動装置K4560が第2可動装置K4701に移動を妨げられることを防止しつつ、移動装置K4560を右下の領域に到達させることができる。
言い換えれば、移動装置K4560を右下の領域に到達させる場合の経路として、長尺装置K540が落下位置状態における配置に位置した後で移動装置K4560が上昇方向へ移動することは無い上述の経路とは異なる移動経路を構成することができる。
なお、上記説明では、移動装置K4560の移動方向が回転部材K430の回転動作に基づいて変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺装置K540と対向配置される板状部K4811,K4821,K4831(図81参照)から、長尺装置K540が移動する領域側(正面側)へ向けて障害部が棒状に突設され、その障害部がスライド移動中の移動装置K4560と干渉するように作用することで、移動装置K4560の移動方向が変化するように構成しても良い。
即ち、例えば、図105(b)の2枚目に図示される移動装置K4560の回転装飾部材K4578の右下側から当接する位置に第1の障害部が配置されている場合、移動装置K4560が図105(b)の2枚目に図示される状態から更に右下方向へスライド移動される場合、第1の障害部と移動装置K4560とが干渉するので、第1の障害部を避けるように長尺装置K540ごと上方に変位される。そして、第1の障害部を右側へ越えると、長尺装置K540の姿勢が自重により図105(b)の2枚目に図示される状態に戻される。
又は、自重による復帰では動きが不安定になる場合等、長尺装置K540の姿勢変化を安定させたい場合には、上述の第1の障害部と同様の作用を生じさせる第2の障害部を、移動装置K4560の右上側から当接する位置に配置するようにすれば良い。これにより、第2の障害部を移動装置K4560と干渉させることができ、長尺装置K540の姿勢を図105(b)の2枚目の状態(元の姿勢)に確実に戻すことができるので、移動装置K4560のスライド移動方向を戻すことができる。
なお、上述の第1の障害部や第2の障害部は、板状部K4811,K4821,K4831(図81参照)から突設されるものに限定されるものではない。例えば、移動装置K4560よりも前側の層に配置される板状部から移動装置K4560側へ張り出すように設けられても良い。この場合、移動装置K4560との衝突で板状部K4811,K4821,K4831に荷重が加えられることを回避することができるので、板状部K4811,K4821,K4831の耐久性を向上させることができると共に、板状部K4811,K4821,K4831の動作をスムーズにさせることができる。
この場合において、移動装置K4560よりも前側の層に配置される板状部から張り出す正面視での形状は、移動装置K4560の移動する方向(左右方向に対して傾斜する方向)に対して交差する方向(直交する方向または略上下に延びる方向)に長尺の突条形状でも良い。この場合、移動装置K4560と障害物との衝突により、移動装置K4560のスライド方向を、前後方向の成分を有する方向に変化させることができ、立体感のある演出を実行することができる。
また、同様の障害物が板状部K4811,K4821,K4831から移動装置K4560側へ形成されても良い。この場合において、前方向に突設される障害物の正面視での配置と、後方向に突設される障害物の正面視での配置とは、重なるものでも良いし、ずれがあっても良い。重なる場合には移動装置K4560の前後位置のずれを修正し易くすることができ、ずれがある場合には移動装置K4560の前後変位を促進させることができる。
図106(a)及び図106(b)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。図106(a)では、演出待機状態(図26参照)における第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が実線で図示され、その第2可動装置K4701が上昇配置状態(図30参照)とされた場合における外形の輪郭KG4701が想像線で図示され、第3図柄表示装置K81の表示領域において演出待機状態における第2可動装置K4701の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第1下側演出表示KER471が図示される。
また、図106(b)では、上昇配置状態(図30参照)における第2可動装置K4701が実線で図示され、第3図柄表示装置K81の表示領域において上昇配置状態における第2可動装置K4701の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第2下側演出表示KER472が図示される。
第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472を利用する第4の演出制御例について説明する。第4の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472が、第2可動装置K4701の駆動の実行と対応して表示される。
第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472の表示のタイミングと、第2可動装置K4701の駆動実行のタイミングとは、同時でも、ずれがあって良い。例えば、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472の表示のタイミングの方が早い場合、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472を表示させ、遊技者に視認させることにより、遊技者に対して、第2可動装置K4701が動作されるかもしれないという期待感を持たせることができる。
また、第4の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472の表示が、第2可動装置K4701の動作に連動して切り替えられる。即ち、第2可動装置K4701が演出待機状態の場合には第1下側演出表示KER471が表示される(図106(a)参照)一方、第2可動装置K4701が上昇配置状態に変化されるのに合わせて第2下側演出表示KER472が表示される(図106(b)参照)。
これにより、第2可動装置K4701が動作される場合に、遊技者に視認される動作対象を、第2可動装置K4701の実際の大きさよりも大きく見せることができる。これにより、動作演出の迫力を増加させることができる。
第2可動装置K4701の動作中における外形に対応した形状の中間表示を、第1下側演出表示KER471と第2下側演出表示KER472との間の位置で表示可能に構成する場合、演出待機状態から上昇配置状態へ向けた第2可動装置K4701の移動に合わせて第3図柄表示装置K81の表示領域で表示する対象を、第1下側演出表示KER471から、中間表示、第2下側演出表示KER472の順に変化させることで、第2可動装置K4701の近傍における表示を、第2可動装置K4701と共に移動しているように視認させることができる。
また、同様に、上昇配置状態から演出待機状態へ向けた第2可動装置K4701の移動に合わせて第3図柄表示装置K81の表示領域で表示する対象を、第2下側演出表示KER472から、中間表示、第1下側演出表示KER471の順に変化させることで、第2可動装置K4701の近傍における表示を、第2可動装置K4701と共に移動しているように視認させることができる。
なお、第3図柄表示装置K81の表示領域において、第1下側演出表示KER471が表示される層と、第2下側演出表示KER472が表示される層とは、同じでも良いし、前後で異なるようにしても良い。例えば、第1下側演出表示KER471が表示される層よりも前側の層に第2下側演出表示KER472が表示されるように構成する場合には、第1下側演出表示KER471を表示しながら第2下側演出表示KER472を表示したとしても、第2下側演出表示KER472に第1下側演出表示KER471が隠されるように視認されることから(図106(b)参照)、表示が重なることで見映えが悪くなるという事態が生じない。これにより、第2下側演出表示KER472を第1下側演出表示KER471との切り替えの制御を簡素化することができる。
なお、第4の演出制御例では、第2可動装置K4701の動作タイミングに合わせて第1下側演出表示KER471と第2下側演出表示KER472とが切り替えられる場合を説明したが、演出制御は必ずしもこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。
例えば、第2可動装置K4701が演出待機状態で維持されている状態において、第2下側演出表示KER472の表示が開始される状況を構成可能としても良い。この場合、遊技者に対して、第2可動装置K4701が上昇配置状態へ向けた動作を開始するかもしれないという期待感を遊技者に持たせることができ、第2可動装置K4701に対する注目力を向上させることができる。
この場合において、第2下側演出表示KER472の表示の透明度にバリエーションを持たせ、透明度が低い(実体に近い)程、第2可動装置K4701が上昇配置状態へ向けた動作を開始する可能性が高いように構成することで、第2下側演出表示KER472に対する注目力をも向上させることができる。
また、例えば、第2可動装置K4701が上昇配置状態から演出待機状態に変化した後において、第2下側演出表示KER472が消えずに維持される状況を構成可能としても良い。この場合、第2可動装置K4701が上昇配置状態に位置されている状態では部材同士が干渉するために実行不能とされている第1可動装置K4401の水平落下動作パターン(図27及び図89参照)を、第2下側演出表示KER472を維持することであたかも第2可動装置K4701が上昇配置状態に残っているかのように見せながら実行することができる。
これにより、動作役物同士では動作軌跡の干渉が生じることで実現不可能な動作態様を、第3図柄表示装置K81の表示を利用して疑似的に実現させることができるので、演出の迫力を向上させることができる。
なお、第4の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第2下側演出表示KER472の輪郭を、第2可動装置K4701の外形に対応した形状として形成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2可動装置K4701を含む範囲として、第3図柄表示装置K81の枠の内周に沿って帯状に延びる輪郭の表示として形成しても良い。
この場合において、表示が第2可動装置K4701を起点として左右両側へ向けて第3図柄表示装置K81の枠に沿って延びるように移動し、合流した後で枠状(環状)に形成されても良い。また、表示が枠状(環状)に形成されている状態で、第2可動装置K4701の変化(動作や発光等)に合わせて、追加の表示が枠状(環状)の表示に重なり延びるように形成されたり、枠状(環状)の表示の幅が変化するように制御されたり、枠状(環状)の表示の色や明るさが変化するように制御されても良い。
この場合、第2可動装置K4701の変化の影響を、第3図柄表示装置K81の表示領域の全周に生じさせることができるので、遊技者が第2可動装置K4701を視認しておらず第2可動装置K4701の変化に気づかないという事態を回避し易くすることができる。
図107(a)から図107(c)、図108(a)及び図108(b)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。図107(a)では、下降配置状態(図27参照)における第2可動装置K4701が実線で図示され、第1可動装置K4401は演出待機状態に位置されており、第3図柄表示装置K81の表示領域において第1下側演出表示KER471と、演出待機状態における移動装置K4560の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第1上側演出表示KER451が図示される。
更に、図107(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域の中央において、制限時間を示すバーとボタン部材H181とを模式的に表示して、ボタン部材H181(図11参照)の操作を促す演出表示が実行される。
第1下側演出表示KER471及び第1上側演出表示KER451を利用する第5の演出制御例について説明する。第5の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第1上側演出表示KER451が、後に動作が実行される可能性がある可動部材を示唆する位置に表示される。即ち、第1上側演出表示KER451は、第1可動装置K4401の動作可能性を示唆する表示として表示され、第1下側演出表示KER471は、第2可動装置K4701の動作可能性を示唆する表示として表示される。
第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作は、遊技者がボタン部材H181(図11参照)を操作することに応じて実行される。そのため、遊技者に対して、第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701が動作することを願いながらボタン部材H181を操作させるように促すことができるので、ボタン部材H181の操作タイミングにおける遊技者の注目を、第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701が移動して来得る位置(例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の内方位置)に集めることができる。
なお、遊技者がボタン部材H181(図11参照)の操作を実行しなかった場合における制御態様は種々の態様が例示される。例えば、操作待ち期間の終了後に第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作が実行されるようにしても良いし、予め遊技者が操作を実行しないという意思表示をしている場合(自動操作を有効としている場合)等において、操作待ち期間の途中で第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作が実行されるようにしても良いし、ボタン部材H181の操作が実行されなかった場合には第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作が実行されないようにしても良い。
図107(b)では、第5の演出制御例における第1操作後報知態様が図示される。第1操作後報知態様では、図107(a)で図示される状態を経て、第1可動装置K4401が代表途中停止位置(図90(c)参照)よりも上方の位置まで変位され、第1上側演出表示KER451が消され、第2可動装置K4701が上昇配置状態に変化され、第2下側演出表示KER472が表示される。
これにより、第2可動装置K4701に形成される「M」の模様が遊技者に注目されることになる。「M」は、例えば「MAX」の頭文字と意味づけることができ、入賞ユニットK200の「E」と合わせて「MAX-Energy」と読めることから大きな利益を得られる可能性を遊技者に示唆できる。
一方、図107(c)では、第5の演出制御例における第2操作後報知態様が図示される。第2操作後報知態様では、図107(a)で図示される状態を経て、第2可動装置K4701は演出待機状態における位置まで変位され、第1下側演出表示KER471が消され、第1可動装置K4401が代表途中停止位置(図90(c)参照)に変化され、代表途中停止位置における移動装置K4560の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第2上側演出表示KER452が表示される。
これにより、移動装置K4560の表示装置K4580に表示される「P」の表示が遊技者に注目されることになる。「P」は、例えば「Petit」の頭文字と意味づけることができ、入賞ユニットK200の「E」と合わせて「Petit-Energy」と読めることから小さな利益を得られる可能性を遊技者に示唆できる。
第5の演出制御例による演出が、第1操作後報知態様へ進むか、第2操作後報知態様へ進むかによって、遊技者が得られる利益に差を設けるように制御することで、第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701が移動して来得る位置(例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の内方位置)に対する遊技者の注目力をより向上させることができ、ボタン部材H181(図11参照)の操作に対する操作意欲を上昇させることができる。
図108(a)では、第5の演出制御例における第3操作後報知態様が図示される。第3操作後報知態様では、図107(a)で図示される状態を経て、第1可動装置K4401(上記各実施形態の第1可動装置K401に相当)が落下位置状態(図27参照)に変化され、第2可動装置K4701(上記各実施形態の第2可動装置K701に相当)が下降配置状態(図27参照)で維持され、板状部K4811,K4821,K4831(上記各実施形態の板状部K811,K821,K831に相当)が閉塞状態に変化される。
この場合、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側で「SPME」と視認させ、「SPecial-MAX-Energy」と読めることから多大に大きな利益を得られる可能性を遊技者に示唆できる。
第5の演出制御例において、第2可動装置K4701が下降配置状態で維持されるのは第3操作後報知態様のみに設定されている。これに対応して、例えば、第1下側演出表示KER471(図106(a)参照)で表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の表示の変動方向が通常は上方向(立ち昇る方向)であるところ、第3操作後報知態様が予定されている状況においては表示の変動方向が下方向になる場合がある(例えば、2回に1回は下方向になる)ように設定することで、第1下側演出表示KER471を視認した遊技者に対して、ボタン部材H181(図11参照)の操作前から、第3操作後報知態様の演出動作が実行される可能性があるという期待感を持たせることができる。
図108(b)では、第5の演出制御例における第4操作後報知態様が図示される。第4操作後報知態様では、図107(a)で図示される状態を経て、第1可動装置K4401(上記各実施形態の第1可動装置K401に相当)が代表途中停止位置(図90(c)参照)よりも上方の位置まで変位され、第2可動装置K4701(上記各実施形態の第2可動装置K701に相当)が突破上昇動作パターンの動作終端状態(図98参照)に変化され、板状部K4811,K4821,K4831(上記各実施形態の板状部K811,K821,K831に相当)が連動切替状態(図68参照)に変化され、第3図柄表示装置K81ではガラス板が割れたような表示がされる。
このような表示を行うことで、遊技者に対して、抽選の外れを報知すると共に、あたかも第3図柄表示装置K81の周囲の可動役物の動作による衝撃で第3図柄表示装置K81の表示面K81s(図103参照)が割れたかのように視認させることで、遊技者を驚かせ、遊技者の集中力を高めることができる。
第5の演出制御例による演出が、第1操作後報知態様へ進むか、第2操作後報知態様へ進むか、第3操作後報知態様へ進むか、第4操作後報知態様へ進むかによって、遊技者が得られる利益に差を設けるように制御することで、第3図柄表示装置K81の表示領域の内方位置に対する遊技者の注目力をより向上させることができ、ボタン部材H181(図11参照)の操作に対する操作意欲を上昇させることができる。
なお、第3図柄表示装置K81の周囲の可動役物の動作と第3図柄表示装置K81の表示領域における表示とを関連させる表示態様は、上述のものに限られるものでない。例えば、第3図柄表示装置K81にゴム状の部材が表示され、可動役物が第3図柄表示装置K81の表示領域の前方に張り出すと共に、あたかも可動役物によりゴム状の部材が曲げられる(押し縮められる)ように動画表示しても良い。これにより、可動役物と表示とを一連で視認させることができる。
また、例えば、第3図柄表示装置K81に回転するルーレットが表示され、可動役物が第3図柄表示装置K81の表示領域の前方に張り出すことに合わせてルーレットが停止されるように動画表示しても良い。これにより、あたかも可動役物から表示領域におけるルーレットに荷重がかけられたような状況を表現することができ、遊技者に対して可動役物と表示とを一連で視認させることができる。
また、例えば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態における配置から演出待機状態における配置へ向けて移動される際に、第3図柄表示装置K81の表示領域において板状部K4811の内側端部に左右内側から掌を当てる人間の手が表示され、板状部K4811の移動速度と同じ移動速度で同方向に移動されるように動画表示しても良い。これにより、あたかも表示領域における表示から可動役物(板状部K4811)に荷重がかけられたような状況を表現することができ、遊技者に対して可動役物と表示とを一連で視認させることができる。
なお、板状部K4811,K4821,K4831の背面側に配置され、板状部K4811,K4821,K4831側へ光を照射するのは、第3図柄表示装置K81に限定されるものではない。例えば、電飾基板が配置されLED光が板状部K4811,K4821,K4831側へ照射されるものでも良い。また、電飾基板が移動不能に固定されているものでも良いし、移動可能(例えば、可動役物に配置されることで移動可能)に構成されているものでも良い。また、パトランプや警告灯のように、ランプ状の発光手段から板状部K4811,K4821,K4831側へ光が照射されるように構成しても良い。
また、板状部K4811,K4821,K4831は、センターフレームK86内に配置される場合に限られるものではない。例えば、遊技盤K13(図88参照)のベース板K60の(開口部の)前側に配置され、その開口部を開閉するように構成しても良いし、ベース板K60の背面側で開閉することで遊技領域の背景を変更可能に構成しても良い。いずれの場合でも、開閉される領域の視認態様を変更することで演出効果の向上を図ることができる。
図109から図116を参照して、第6実施形態について説明する。上記各実施形態では、遊技球が流下する遊技領域がセンターフレーム86の外方に形成される場合を説明したが、第6実施形態では、正面視でセンターフレームK5086の内側の位置においても遊技球が流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図109及び図110は、第6実施形態におけるパチンコ機K5010の正面図である。図109では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が右第1傾斜姿勢(図32参照)とされた状態が図示され、図110では、長尺装置K5540が右第2傾斜姿勢(図83参照)とされた状態が図示される。
長尺装置K5540は、上述した長尺装置K540に内方されていた電飾基板K552(図40参照)が取り除かれ、各構成部材が光透過性の樹脂材料から形成されており、移動装置K4560がスライド移動可能に配設される。
この場合、長尺装置K5540がセンターフレームK5086の正面視内方に登場した場合(図109及び図110参照)に、移動装置K4560の配置位置を通して後方の第3図柄表示装置K81が視認されることは無い(視線が遮断される)が、長尺装置K5540の配置位置では長尺装置K5540が透けることにより、第3図柄表示装置K81による表示が視認される。
これにより、遊技者に対して、移動装置K4560が浮いているように視認させることができ、移動装置K4560の四方八方において第3図柄表示装置K81からの報知態様(光や、表示)を視認させることができるので、移動装置K4560及び第3図柄表示装置K81による視認態様のバリエーションを増加させることができる。
センターフレームK5086は、演出待機状態における移動装置K4560の配置位置(左右中央位置、図52参照)よりも左側において遊技球が流下可能に形成される左側流路K5086Lと、演出待機状態における移動装置K4560の配置位置よりも右側において遊技球が流下可能に形成される右側流路K5086Rと、を備える。
左側流路K5086Lは、少なくとも後側面が光透過性の樹脂材料から形成される流路構造であって、センターフレームK5086の内方位置に遊技球を受け入れる第1流路K5086aと、その第1流路K5086aの下流側端部の分岐位置から遊技球を左側へ案内する第2流路K5086bと、その第2流路K5086bにおける遊技球の流下を検出可能な左側検出センサK5086cと、第1流路K5086aの下流側端部の分岐位置から遊技球を右側へ案内する第3流路K5086dと、その第3流路K5086dにおける遊技球の流下を検出可能な右側検出センサK5086eと、を備える。
左側流路K5086Lを流下した遊技球の内、第2流路K5086bを流下した遊技球は、遊技領域の左右方向中央位置よりも左側においてベース板K5060(上記各実施形態におけるベース板K60に相当、図12参照)の前方に排出され、一般入賞口K63又はアウト口K71(図12参照)を通して遊技領域から排出される。
左側流路K5086Lを流下した遊技球の内、第3流路K5086dを流下した遊技球は、遊技領域の左右方向中央位置に位置する第1入賞口K64(図12参照)の上方においてベース板K5060(上記各実施形態におけるベース板K60に相当、図12参照)の前方に排出される。第3流路K5086dの排出孔は、遊技球の排出位置を左右でばらつかせることができる程度に横長に形成されており、第3流路K5086dから排出された遊技球は、第1入賞口K64に入球するか、又は第1入賞口K64の左右側を逸れて流下しアウト口K71(図12参照)を通して遊技領域から排出される。
右側流路K5086Rは、少なくとも後側面が光透過性の樹脂材料から形成される流路構造であって、センターフレームK5086の内方位置に遊技球を受け入れる受入流路K5086jと、その受入流路K5086jにおける遊技球の流下を検出可能な検出センサK5086kと、受入流路K5086jの下流側端部の分岐位置から左側へ流れた遊技球を左側流路K5086Lの第3流路K5086dに案内可能となるように第3流路K5086dに連結される連結流路K5086lと、受入流路K5086jの下流側端部の分岐位置から右側へ流れた遊技球をスルーゲートK67(図12参照)の上流側において遊技領域に排出する右排出流路K5086mと、を備える。
右側流路K5086Rを流下した遊技球の内、連結流路K5086lを流下した遊技球は、上述の左側流路K5086Lの第3流路K5086dを流下した遊技球と同様に、第1入賞口K64に入球するか、又は第1入賞口K64の左右側を逸れて流下しアウト口K71(図12参照)を通して遊技領域から排出される。
右側流路K5086Rを流下した遊技球の内、右排出流路K5086mを流下した遊技球は、上述した「右打ち」で発射された遊技球と同様に、第3図柄表示装置K81よりも右側を流下し、第1特定入賞口K65a、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図12参照)に入球する可能性がある。また、第1特定入賞口K65a、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aのいずれの入賞口にも入球しなかった場合には、アウト口K71(図12参照)を通して遊技領域から排出され得る。
左側流路K5086L及び右側流路K5086Rは、遊技球が入球しさえすれば内部の振分け次第で第1入賞口K64へ遊技球が入球する可能性があるので、第3図柄表示装置K81の左側において遊技球を流下させる「左打ち」と同じ目的の別の球発射方法として、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rへ入球させる球発射方法をするように遊技者に促すことができる。
本実施形態では、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rの上流側端部に一定間隔で前後方向にスライド動作し左側流路K5086L及び右側流路K5086Rを開閉する開閉弁K5086Vが配設される。即ち、開閉弁K5086Vが開放状態の時に遊技球を左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球させることができる一方、開閉弁K5086Vが閉鎖状態の時には遊技球を左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球させるができないように構成される。
開閉弁K5086Vの開閉動作のパターンは、電源投入から一定動作であればよく、種々の態様が例示される。例えば、閉鎖状態を10秒維持した後で0.5秒だけ開放状態となり再び閉鎖状態を維持することの繰り返しの動作パターンでも良い。
また、閉鎖状態の時間間隔が同一である必要は無く、10秒閉鎖され開閉弁K5086Vが開放された直後の閉鎖状態は20秒間維持され、そこから開閉弁K5086Vが開放された直後の閉鎖状態は30秒間維持され、そこから開閉弁K5086Vが開放された直後の閉鎖状態は10秒間維持されるという繰り返しの動作パターンでも良い。
また、開放状態で維持される時間間隔が毎回0.5秒であっても良いし、0.5秒の場合と1.0秒の場合とが交互に生じるようにしても良いし、一定のパターンに準じて開放状態で維持される時間間隔が変化されるようにしても良い。
なお、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rの上流側の構成はこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rの上流側における遊技領域において、不図示の複数本の釘により、左側流路K5086Lや右側流路K5086R側に案内される遊技球の個数が過多とならないように調整されるようにしても良い。
遊技者としては、「左打ち」で球を発射した方が第1入賞口K64に球を入球させ易いのか(発射球数に対する入球の割合が高いのか)、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを狙って球を発射した方が第1入賞口K64に球を入球させ易いのか、を確認しながら球発射方法を変えることができる。これにより、遊技者の遊技態様のバリエーションを増加させることができ、好みの球発射方法を選択させることが可能となる。
ここで、「左打ち」を推奨される遊技状態においては、遊技者は第1入賞口K64に入球させ大当たりを獲得することを目的としているので、遊技球が左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球することで生じる不利益は無い場合が多い。
一方、「右打ち」を推奨される遊技状態(時短中や、確変中等)では、第2入賞口K640へ入球させ、抽選においてより有利な振分を獲得して、有利な状態を継続させる(連荘させる)ことが可能であるところ、この状態において第1入賞口K64へ入球した場合に不利な振分の大当たりを獲得する可能性があり、場合によっては有利な状態が途切れる危険性がある。即ち、「右打ち」を推奨させる遊技状態(時短中や、確変中等)では、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに遊技球を入球させることで遊技者に不利益が生じる可能性がある。
そのため、遊技者に対して、「右打ち」を推奨させる遊技状態(時短中や、確変中等)における球の発射強度を、最強に維持して、球が左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球することを防止させるように仕向けることができる。
これにより、「右打ち」を推奨させる遊技状態(時短中や、確変中等)における球の発射強度が遊技者によって変化するという事態を回避し易くすることができ、遊技領域の球の流下として想定される流下態様での遊技を実現させ易くすることができる。
例えば、スルーゲートK67の上流側の釘(不図示)の配置が、最強の発射強度で球を発射した場合にスルーゲートK67に球が案内され易いよう設計されているにも関わらず、遊技者が80%程度の発射強度で発射を継続していることによりスルーゲートK67にあまり球が案内されないという事態が生じ、遊技者に不満を持たせてしまうことを回避し易くすることができる。
本実施形態では、遊技球が左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを流下することに基づいて、回転装飾部材K4578が回転動作可能に構成されるところ、球の流下態様が同じでも、回転装飾部材K4578に対する遊技球の流下位置が異なれば回転装飾部材K4578の回転動作の態様が異なるように構成される。
例えば、図109に図示されるように、長尺装置K5540が右第1傾斜姿勢(図32参照)とされ、移動装置K4560が移動可能範囲の右端に配置されている場合には、左側検出センサK5086cで遊技球の通過が検出されることに基づいては回転装飾部材K4578の回転動作は生じず、右側検出センサK5086eで遊技球の通過が検出されることに基づいて回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作され、検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されることに基づいて回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作される。
即ち、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを流下する遊技球が、回転装飾部材K4578から十分に離れている場合(回転装飾部材K4578の外形の外方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づく回転装飾部材K4578の回転動作は生じない。一方で、回転装飾部材K4578に近い位置を流下する場合(回転装飾部材K4578の外形の内方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作され、その回転動作の方向は回転装飾部材K4578の回転軸に対して遊技球が流下する方向に対応する回転方向とされる。
これにより、遊技者は、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rの全体(広範囲)を注視せずとも、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することにより、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rにおける遊技球の流下の有無や、遊技球の流下位置を把握することができる。
例えば、図110に図示されるように、長尺装置K5540が右第2傾斜姿勢(図83参照)とされ、移動装置K4560が移動可能範囲の右端に配置されている場合には、左側検出センサK5086cで遊技球の通過が検出されることに基づいては回転装飾部材K4578の回転動作は生じず、右側検出センサK5086eで遊技球の通過が検出されることに基づいて回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作され、検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されることに基づいては回転装飾部材K4578の回転動作は生じない。
即ち、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを流下する遊技球が、回転装飾部材K4578から十分に離れている場合(回転装飾部材K4578の外形の外方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づく回転装飾部材K4578の回転動作は生じない。一方で、回転装飾部材K4578に近い位置を流下する場合(回転装飾部材K4578の外形の内方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作され、その回転動作の方向は回転装飾部材K4578の回転軸に対して遊技球が流下する方向に対応する回転方向とされる。
これにより、遊技者は、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rの全体(広範囲)を注視せずとも、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することにより、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rにおける遊技球の流下の有無や、遊技球の流下位置を把握することができる。
例えば、図110に図示される状態で「右打ち」遊技が実行される場合において、回転装飾部材K4578の回転動作が生じるのは遊技球が左側流路K5086Lに入球した場合のみとされるので、回転装飾部材K4578の回転動作を視認した遊技者に対して、遊技球の発射強度が低下している可能性を示唆することができる。
上述したように、同じ位置を流下する遊技球が検出センサK5086kに検出される場合であっても、検出センサK5086kによる検出に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作されない場合(図110参照)と、検出センサK5086kによる検出に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作される場合(図109参照)とを、構成することができる。
換言すれば、回転装飾部材K4578に対する遊技球の位置が異なる場合に、遊技球の流下と回転装飾部材K4578の回転動作の態様との関係が変化されるということである。又は、流下する遊技球の後方に配置される長尺装置K5540の長手方向に対する遊技球の流下方向(傾斜)が異なる場合に遊技球の流下と回転装飾部材K4578の回転動作の態様との関係が変化されるということでもある。
これにより、回転装飾部材K4578を漫然と視認するのではなく、回転装飾部材K4578の配置を意識しながら、回転装飾部材K4578を視認したり、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを視認したりするように仕向けることができるので、遊技者の視線を一箇所に集中させるのではなく、複数箇所に動かすことができる。
なお、検出センサK5086e,K5086kで遊技球の通過が検出されることに基づく回転装飾部材K4578の回転動作の態様は、種々の態様が例示される。例えば、検出センサK5086e,K5086kでの遊技球の通過が検出されることに基づいて、一定速度で回転装飾部材K4578が回転動作されても良いし、既に回転動作されている場合に追加で検出センサK5086e,K5086kでの遊技球の通過が検出された場合に回転装飾部材K4578の回転速度が増減(同一方向への回転動作であれば加速、相反する方向の回転動作であれば減速)されるようにしても良い。
即ち、図109に図示される状態において検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されたことに基づく回転装飾部材K4578の時計回り方向の回転動作が生じている場合に、検出センサK5086kで遊技球の通過が検出される場合には、回転装飾部材K4578の回転速度が増加され時計回り方向に回転動作される。
一方、図109に図示される状態において検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されたことに基づく回転装飾部材K4578の時計回り方向の回転動作が生じている場合に、右側検出センサK5086eで遊技球の通過が検出される場合には、回転装飾部材K4578の回転方向が相反するため、回転装飾部材K4578の回転速度が減速された後、反時計回り方向に回転動作される。
図111は、遊技盤K5013の背面図であり、図112は、図111のX05m-X05m線における遊技盤K5013の部分断面図である。なお、図111では、ベース板K5060の形状の把握を用意とするために、入賞ユニットK200(図14参照)等の構成部材や樋用前側部材K91等の排出経路構成部材(図24参照)等の図示が省略される。また、図112では、センターフレームK5086の図示が省略される。
ベース板K5060では、上記各実施形態で上述したベース板K60の形状を流用しながら、上記各実施形態で上述したベース板K2060の外形傾斜部K2060e及び傾斜開口部K2060wの形状を流用する。
図111及び図112に図示されるように、遊技盤K5013では、ベース板K5060の後側面に板状の導光部材K5150が固定されており、その導光部材K5150が端部から光を受光した場合にその光を導光部材K5150の内方位置において正面側に屈折させることで遊技者に対して光による形状を視認可能に構成される。
ベース板K5060の形成凹部K60a,K60bの内側には、光照射装置K5100が配設される。即ち、光照射装置K5100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K5060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
光照射装置K5100は、上述の光照射装置K2100(図74及び図75参照)と同様に、LED等からなる複数の発光手段K2111が配設される電飾基板K2110と、その電飾基板K2110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K5060に締結固定される中間部材K2120と、を備え、更に、電飾基板K2110の背面側に配設され電飾基板K2110の背面に沿う方向に光を照射可能とされるLED等からなる複数の第2発光手段K5112を備える。
電飾基板K2110の正面視外形形状は、ベース板K5060の形成凹部K60a,K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁を構成する外形傾斜部K2060eに沿って複数の発光手段K2111が間隔を空けて配置されている。この発光手段K2111が電飾基板K2110の正面側に配設されており、電飾基板K2110を挟んで発光手段K2111の前後反対側(前後方向で対応する位置)に第2発光手段K5112が配設される。
なお、便宜上、第2発光手段K5112と発光手段K2111とが前後方向で重なる位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2発光手段K5112の配置は、導光部材K5150により実現させる光演出の態様次第で変わり得る。
導光部材K5150は、センターフレームK5086(図109参照)が配設されるベース板K5060の中央開口を覆うような大きさで形成されており、所々に光を屈折させるために切り欠き形成される光屈折部K5151を備える。
第2発光手段K5112から照射される光は、導光部材K5150に端部から受光され得るように構成されており、全反射されながら導光部材K5150の内部を導光される。導光される光が光屈折部K5151で屈折されることで、光は導光部材K5150の正面側に進行方向を変えられることになり、遊技者の目に届く。
即ち、第2発光手段K5112が点灯している状態において、光屈折部K5151が発光しているように遊技者に視認させることができる。そのため、第2発光手段K5112の配置は正面視で形成凹部K60a,K60bに収まる位置におさえながら、光屈折部K5151を広い範囲で形成することで大きな形状の光を遊技者に視認させることができる。
また、第2発光手段K5112の並びは外形傾斜部K2060eに沿うライン状としながら、光屈折部K5151の形状の設計次第で、複雑な形状の光を遊技者に視認させることができる。
本実施形態では、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、遊技領域後方の視認性が光照射装置K5100により低下されたり、視線が遮断されたりすることを防止することができる。即ち、光照射装置K5100の有無に関わらず、遊技者は、ベース板K5060を透視してベース板K5060の背面側の構造(例えば、動作ユニットK4300(図81参照)を視認し易くすることができる。
また、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の正面視内方に配設されている場合、電飾基板K2110を遊技者に直接視認させないようにするための目隠し部材(例えば、電飾基板K2110を囲うケース部材や、視認性を悪くするためにシボ加工を形成した板状部材)を配設するスペースが余分に必要となり、演出に利用できるスペースが制限される可能性があった。
これに対し、本実施形態では、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、そもそも遊技者の目線が光照射装置K5100自体に向けられる可能性が低く、敢えて新たに目隠し部材を配設する必要はない。これにより、演出に利用できるスペースを確保することができる。
ここで、光照射装置K5100に代替される光照射部が正面視でセンターフレームK5086(図109参照)の内方に配置され、導光部材K5150も正面視でセンターフレームK5086の内方に配置されることで、光照射装置K5100による視線の遮断作用が遊技領域と重なる位置で生じないようにする場合には、光屈折部K5151の配置がセンターフレームK5086の内方に制限されるため、例えば、第3図柄表示装置K81(図109参照)の表示領域がセンターフレームK5086よりも大きいと、光屈折部K5151の配置や形状が第3図柄表示装置K81の表示領域の全域には届かなくなり、演出効果が低下する可能性がある。
一方、本実施形態によれば、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、導光部材K5150の大きさがセンターフレームK5086の大きさに制限されることが無い。そのため、第3図柄表示装置K81(図109参照)の表示領域がセンターフレームK5086の大きさよりも大きい場合でも、光屈折部K5151の配置や形状を第3図柄表示装置K81の表示領域の全域に届かせることが可能となるので、演出効果を向上させることができる。
上述のように、本実施形態では、導光部材K5150がセンターフレームK5086の外方にまで広がっているので、光屈折部K5151の形成次第で、センターフレームK5086の外方において、第2発光手段K5112からの光を遊技者に視認させることができる。以下で、複数の態様を例示して説明する。
まず、第2発光手段K5112の組を分ける。即ち、図111に図示されているように、複数の第2発光手段K5112は、右側の光照射装置K5100における第1範囲KG51、第2範囲KG52、第3範囲KG53及び第4範囲KG54と、左側の光照射装置K5100における第5範囲KG55、第6範囲KG56及び第7範囲KG57に分けられる。
各範囲KG51~KG54からの光は左下方向へ、各範囲KG55~KG57からの光は右下方向へ、導光部材K5150に沿って直線方向で進行されるところ、導光部材K5150には、線状の切り欠き部K5155a~K5155dが形成されており、交差する光の進行を遮断する。
第1切り欠き部K5155aは、第2範囲KG52から照射される光の進行範囲の左側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第6範囲KG56から照射される光の進行範囲に対応した長さ及び位置とされる。
即ち、第1切り欠き部K5155aにより、第2範囲KG52から照射される光が第1切り欠き部K5155aよりも左上側に漏れることが防止され、第6範囲KG56から照射される光が第1切り欠き部K5155aよりも右下側に通過することが防止される。
第2切り欠き部K5155bは、第4範囲KG54から照射される光の進行範囲の右側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第4範囲KG54側の端部から第7範囲KG57から照射される光の進行範囲に到達する直前までとされる。
即ち、第2切り欠き部K5155bにより、第3範囲KG53から照射される光が第2切り欠き部K5155bよりも左上側に漏れることが防止され、第4範囲KG54から照射される光が第2切り欠き部K5155bよりも右下側に漏れることが防止される一方、第7範囲KG57から照射される光は遮断されることなく進行可能とされる。
第3切り欠き部K5155cは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲の右側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第2切り欠き部K5155bにつながる端部から、第3範囲KG53から照射される光の進行範囲に対応した長さ及び位置とされる。
即ち、第3切り欠き部K5155cにより、第7範囲KG57から照射される光が第3切り欠き部K5155cよりも右上側に漏れることが防止され、第3範囲KG53から照射される光が第3切り欠き部K5155cよりも左下側に通過することが防止される。
第4切り欠き部K5155dは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲の左側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第7範囲KG57側の端部から第4範囲KG54から照射される光の進行範囲に到達する直前までとされる。
即ち、第4切り欠き部K5155dにより、第6範囲KG56から照射される光が第4切り欠き部K5155dよりも右上側に漏れることが防止され、第7範囲KG57から照射される光が第4切り欠き部K5155dよりも左下側に漏れることが防止される一方、第4範囲KG54から照射される光は遮断されることなく進行可能とされる。
導光部材K5150の光屈折部K5151は、第2発光手段K5112の配置に対応して異なる位置に異なる形状で形成される複数の屈折形状部K5151a~K5151fを備える。
第1屈折形状部K5151aは、第1範囲KG51から照射される光の進行範囲に形成され、左斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第1屈折形状部K5151aは、前後方向視でセンターフレームK5086の内方かつ右側の範囲に形成される。
第2屈折形状部K5151bは、第2範囲KG52から照射される光の進行範囲に形成され、第2範囲KG52側端部近傍から左下方向に広がる放射線状で凹設形成される。また、第2屈折形状部K5151bは、前後方向視でセンターフレームK5086(図109参照)の内外両側に亘って形成される横断部K5151b1と、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲を挟んで横断部K5151b1の反対側に横断部K5151b1の延長線上に形成される延長部K5151b2と、を備える。
このように、第2屈折形状部K5151bは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲において凹設形成されていないので、第7範囲KG57から光が照射された場合に第2屈折形状部K5151bが光って見えることを防止し易くすることができる。
第3屈折形状部K5151cは、第3範囲KG53から照射される光の進行範囲に形成され、右斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第3屈折形状部K5151cは、前後方向視でセンターフレームK5086(図109参照)の外方かつ右側の範囲に形成される。
第4屈折形状部K5151dは、第4範囲KG54から照射される光の進行範囲に形成され、右斜め下側に頂点を有する三角形形状で凹設形成される。また、第4屈折形状部K5151dは、前後方向視でセンターフレームK5086(図109参照)の内方かつ上側の範囲に形成される。
第5屈折形状部K5151eは、第5範囲KG55から照射される光の進行範囲に形成され、右斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第5折形状部K5151eは、前後方向視でセンターフレームK5086(図109参照)の内方かつ左側の範囲に形成される。
第6屈折形状部K5151fは、第6範囲KG56から照射される光の進行範囲に形成され、左斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第6屈折形状部K5151fは、前後方向視でセンターフレームK5086(図109参照)の外方かつ左側の範囲に形成される。
第7屈折形状部K5151gは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲に形成され、左斜め下側に頂点を有する三角形形状で凹設形成される。また、第7屈折形状部K5151gは、前後方向視でセンターフレームK5086(図109参照)の内方かつ上側の範囲に形成される。
上述した導光部材K5150の形成態様により、光照射装置K5100からの光の照射態様の違いに対応して、異なる形状の光を遊技者に視認させることができる。以下、光の形状の視認態様の一例について説明する。
図113は、パチンコ機K5010の正面図である。図113では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が右第1傾斜姿勢(図32参照)とされた状態が図示されると共に、第1の光演出態様が図示される。なお、図113では、理解を容易とするために左側流路K5086L及び右側流路K5086Rの図示を省略している。
図113に図示される第1の光演出態様では、第3図柄表示装置K81の表示領域の左側において、右上方向を指す矢印形状の第6背面表示K81fが表示される。更に、第2発光手段K5112(図111参照)の第1範囲KG51と第2範囲KG53とから光が照射されることによって、導光部材K5150(図111参照)の第1屈折形状部K5151a及び第3屈折形状部K5151cの形状で光って視認される。
更に、移動装置K4560の回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作され、表示装置K4580の表示領域に、右斜め下方向を向く矢印形状からなる第4前面表示K4580dが表示される。
この場合、図113に図示されるように、各矢印形状によって、第6背面表示K81fの下側終端を始点として、第3屈折形状部K5151c、第4前面表示K4580d、第1屈折形状部K5151aの順で、時計回り方向に視線を誘導する作用を生じさせることができる。これにより、遊技者に対して、視線誘導の方向に沿って、遊技球を遊技領域の右側へ向けて発射するように促すことができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置される移動装置K4560及び導光部材K5150の第1屈折形状部K5151aや、表示領域の外方に形成される第3屈折形状部K5151cをも同時に発光させることにより、遊技者に対して一連の装飾として視認させることができる。
特に、第3屈折形状部K5151cは、遊技領域に重なる矢印形状を遊技者に視認させることができるので、正面視でセンターフレームK5086(図109参照)の内方に表示領域が収まる第3図柄表示装置K81で矢印を表示する場合に比較して、遊技球を発射して狙うべき位置を、遊技者に正確に把握させることができる。
図114は、パチンコ機K5010の正面図である。図114では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が上方に退避された状態(演出待機状態)が図示されると共に、第2の光演出態様が図示される。
図114に図示される第2の光演出態様では、第3図柄表示装置K81の表示領域において第3背面表示K81cが表示される。更に、第2発光手段K5112(図111参照)の第5範囲KG55と第6範囲KG56とから光が照射されることによって、導光部材K5150(図111参照)の第5屈折形状部K5151e及び第6屈折形状部K5151fの形状で光って視認される。
この場合、図114に図示されるように、各矢印形状によって、遊技領域の右側への球の発射を止めて、第3図柄表示装置K81の左側を流下させるように遊技者の球発射強度を誘導する作用を生じさせることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球を遊技領域の左側へ向けて発射するように促すことができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置される導光部材K5150の第5屈折形状部K5151eや、表示領域の外方に形成される第6屈折形状部K5151fをも同時に発光させることにより、遊技者に対して一連の装飾として視認させることができる。
特に、第6屈折形状部K5151fは、遊技領域に重なる矢印形状を遊技者に視認させることができるので、正面視でセンターフレームK5086(図109参照)の内方に表示領域が収まる第3図柄表示装置K81で矢印を表示する場合に比較して、遊技球を発射して狙うべき位置を、遊技者に正確に把握させることができる。
図115は、パチンコ機K5010の正面図である。図115では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が右第2傾斜姿勢(図110参照)とされた状態が図示されると共に、第3の光演出態様が図示される。なお、図115では、理解を容易とするために左側流路K5086L及び右側流路K5086Rの図示を省略している。
図115に図示される第3の光演出態様では、表示装置K4580の表示領域においてエクスクラメーションマークからなる第5前面表示K4580eが表示される。更に、第2発光手段K5112(図111参照)の第2範囲KG52から光が照射されることによって、導光部材K5150(図111参照)の第2屈折形状部K5151bの形状で光って視認される。更に、右上ランプK940が点灯制御される。
この場合、図115に図示されるように、第2屈折形状部K5151bが正面視でセンターフレームK5086を突き抜けて右上方向に延びるように視認されるため、第5前面表示K4580eに注目した遊技者の視線を、第2屈折形状部K5151bにより形成されるラインにより右上方向に誘導することができ、右上ランプK940の点灯に気付かせることができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置される移動装置K4560や、表示領域の内外に亘って形成される導光部材K5150の第2屈折形状部K5151bをも同時に発光させることにより、遊技者に対して一連の装飾として視認させることができ、遊技者の視線を遊技領域の外方にまで誘導することができる。
特に、第2屈折形状部K5151bは、遊技領域に重なる位置においてもライン状の形状に沿った光を遊技者に視認させることができるので、正面視でセンターフレームK5086の内方に表示領域が収まる第3図柄表示装置K81での表示を遊技者に視認させる場合に比較して、第2屈折形状部K5151bによるラインが遊技領域で遮断されない分、遊技者の視線をガラスユニットH16の外方に配設される右上ランプK940まで遊技者の視線を誘導させ易くすることができる。
なお、表示装置K4580における表示の実行タイミングと、第2範囲KG52からの光の照射タイミングとの関係は、種々の態様が例示される。例えば、同時にでも良いし、時間差があっても良い。
例えば、表示装置K4580で第5前面表示K4580eを実行した後で第2範囲KG52からの光照射を実行することで、遊技者の視線を、表示装置K4580の表示領域に一端集めてから第2屈折形状部K5151bに映すように演出することができる。これにより、表示装置K4580による表示と第2屈折形状部K5151bでの光の形状とが生じた後においては右上ランプK940を含めた一連の視認態様を形成する一方で、その形成過程において、遊技者の視線を右上ランプK940に効果的に誘導することができる。
図116は、パチンコ機K5010の正面図である。図116では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が上方に退避された状態(演出待機状態)が図示されると共に、第4の光演出態様が図示される。
図116に図示される第4の光演出態様では、第3図柄表示装置K81の表示領域において「光ればオーブンだ」とのコメントからなる第7背面表示K81gが表示される。更に、第2発光手段K5112(図111参照)の第4範囲KG54と第7範囲KG57とから光が照射されることによって、導光部材K5150(図111参照)の第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gの形状で光って視認される。
第2発光手段K5112(図111参照)の第4範囲KG54と第7範囲KG57におけるLEDは、開閉弁K5086V(図109参照)の開放時に点灯制御される。この場合、遊技者は、図116に図示されるように、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gの形状の光を視認できれば、開閉弁K5086Vの状態変化を視認し難い場合であっても、左側流路K5086L又は右側流路K5086R(図109参照)に遊技球を入球させられるタイミングを把握することができる。これにより、遊技者に対して、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gの光り方に注目して、球を発射させるという遊技態様を提供することができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置され、且つ、表示領域の外方に形成される第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gを発光制御させることにより、遊技者に対してこれらを一連の装飾として視認させることができる。
特に、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gは、ベース板K5060の背面側に固定されているから(図112参照)、第3図柄表示装置K81よりも、左側流路K5086L及び右側流路K5086R(図109参照)との距離が近い(前後方向でも近いし、前後方向と交差する方向でも近い)。
そのため、遊技者に対して、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gに注目させつつ、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gが光ったら第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gめがけて球を発射させるように促すことができるので、注目箇所と発射球で狙う箇所とが異なる場合に比較して、遊技者に違和感を持たれにくくすることができる。
図117から図118を参照して、第7実施形態について説明する。上記各実施形態では、第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aの正面側に配置される化粧カバーK220に大形意匠K221aや小形意匠K221bが施される場合を説明したが、第7実施形態では、スルーゲートK67から第1特定入賞口K65aまでの経路の正面側に装飾が施される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図117は、第7実施形態における遊技盤K5013の正面図である。図117に示すように、遊技盤K5013では、スルーゲートK67の下流側において第1特定入賞口K65aへの流路を構成する第2入賞ユニットK5270が配設される。
第2入賞ユニットK5270は、スルーゲートK67よりも下流に流下した遊技球を、第1特定入賞口K65a、又は、より下流の入賞ユニットK200に振り分け可能に構成される。
第2入賞ユニットK5270は、遊技球の流路を構成すると共にベース板K60に固定される流路構成部材K5271と、その流路構成部材K5271の正面側に固定され流路構成部材K5270と共に流路の前側部を構成する化粧カバーK5280と、を備える。
流路構成部材K5271及び化粧カバーK5280は、光透過性の樹脂材料から構成されており、背面側に配置される電飾基板K405(図33参照)からの光照射により、流路構成部材K5271及び化粧カバーK5280が明るくされる光演出が実行される。
図118(a)は、図117のZ06a部における遊技盤K5013の部分拡大正面図であり、図118(b)は、図118(a)の部分拡大正面図である。図118(b)では、各形成部K5282,K5284の非変化領域K5282c,K5284cが図示される。
図118(a)に図示されるように、流路構成部材K5271により構成される遊技球の流路の正面側において、化粧カバーK5280に記号(本実施形態では、「A」、「B」等の記号)を視認させる模様が施されることにより、遊技球の流下に伴う演出性の向上を図っている。以下、詳述する。
流路構成部材K5271は、スルーゲートK67(図117参照)の下流に流下した遊技球を着地させるよう左右に亘って配置形成されると共に右方へ向けて下降傾斜する第1傾斜部K5272と、その第1傾斜部K5272の下流側端部に到達した遊技球を下方に流下させるよう鉛直方向に延びる鉛直構成部K5273と、その鉛直構成部K5273の下流側端部に到達した遊技球を着地させた後で左方へ流下させるように左方へ向けて下降傾斜する第2傾斜部K5274と、を備える。
即ち、スルーゲートK67の下流側には、流路構成部材K5271により、遊技球を右方に迂回させて流下させる迂回流路が形成されるので、遊技球が鉛直下方に落下される場合に比較して、化粧カバーK5280を通して遊技球が視認される期間が長くされると共に、遊技球が視認される範囲も広くなる。
化粧カバーK5280は、光透過性の樹脂材料から形成されるシールが前側面に貼り付けられており、そのシールに印刷される模様として、「A」との記号を形成する第1輪郭部K5281と、その第1輪郭部K5281の内側に形成される第1形成部K5282と、「B」との記号を形成する第2輪郭部K5283と、その第2輪郭部K5283の内側に形成される第2形成部K5284と、「!!」との記号を形成する第3輪郭部K5285と、その第3輪郭部K5285の内側に形成される第3形成部K5286と、を備え、「AB」、「A!!」、「B!!」又は「AB!!」という一連の装飾を視認させることが可能となるように構成している。
化粧カバーK5280側に流路構造の一部を設けることも可能だが、本実施形態では、化粧カバーK5280を単純な板部材として構成している。これにより、装飾を変更する(例えば、「AB」を「CD」に変更する。「AB」が数字の場合は、別の数字に変更する等)希望が生じた場合に、化粧カバーK5280を、別の装飾が形成される化粧カバーK5280と取り替えることで対処できるので、装飾の変更に伴う労力を低減させることができる。
なお、一連で視認させたい記号の選択は、遊技者に委ねるようにしても良いが、例えば、特定の記号(の組)に光を照射し、他の記号には光を照射しないようにして、特定の記号を一連で視認させ易いように構成しても良い。この場合に、「A」、「B」の全体ではなく、一部に光をあてることで、「A」、「B」とは異なる記号を視認させることが可能に構成しても良いし、同時に「!!」に光をあてて、一連の装飾として視認させても良い。
本実施形態では、第1輪郭部K5281、第2輪郭部K5283及び第3輪郭部K5285が黒色とされ、透過性が低く形成される一方、第1形成部K5282、第2形成部K5284及び第3形成部K5286は、黄色とされ、第1輪郭部K5281、第2輪郭部K5283及び第3輪郭部K5285に比較して光が透過し易いように形成される。
第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の幅は、球の直径よりも短くされる。これにより、化粧カバーK5280の背面側を球が流下し、第1輪郭部K5281又は第2輪郭部K5283の後方に球が位置する場合に、正面視で第1輪郭部K5281又は第2輪郭部K5283の内側に球が全て入り、球の視認性が極端に悪くなる事態が発生することを避けることができる。
このように構成することで、例えば、第1輪郭部K5281と第2輪郭部K5283とが隣り合って配置されている場合に、第1輪郭部K5281と第2輪郭部K5283との間に若干でも隙間がありさえすれば、その後方の第1流下位置KPD51に球が位置したとしても、正面視で第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の内側に球が全て入り、球の視認性が極端に悪くなる事態が発生することを避けることができる。
更に、本実施形態では、第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の幅が、球の半径よりも短くされている。これにより、例えば、第1輪郭部K5281との間に隙間を空けずに第2輪郭部K5283が配置された場合において、その後方の第2流下位置KPD52に球が位置したとしても、正面視で第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の内側に球が全て入り、球の視認性が極端に悪くなる事態が発生することを避けることができる。
第3輪郭部K5285及び第3形成部K5286により構成される模様は、流路構成部材K5271により構成される流路とはずれた位置に配置される。そのため、第3輪郭部K5285及び第3形成部K5286により化粧カバーK5280を介した球が隠される事態は生じ得ないので、設計の自由度が高い。現に、本実施形態では、第3輪郭部K5285が、左右方向の寸法が球の直径よりも長くなるように構成されており、装飾性の向上が図られている。
以上の構成から、図118(a)に図示されるように、第1輪郭部K5281、第1形成部K5282、第2輪郭部K5283及び第2形成部K5284の後方を球が流下可能に構成されていることから、無色透明の板を介して視認する場合に比較して、背面側の流路を球が通っているのか否かを分かり難くさせることができると共に、化粧カバーK5280のシールに印刷される模様を強調させて、化粧カバーK5280を目立たせることができる。
また、化粧カバーK5280の背面側を実際に球が通ると、化粧カバーK5280を介して視認される球の透け具合として、透過され易い場合と、透過されにくい場合とが繰り返されることで、長期に亘る球の見え方の変化を生じさせることができ、演出性を向上させることができる。
更に、化粧カバーK5280に球の影が映されることで、化粧カバーK5280の背面側を流下する球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。この球の影と、各輪郭部K5281,K5283や各形成部K5282,K5284とが重ねて視認されることにより、球が流下していない状況とは異なる模様を遊技者に視認させることができる。
流路構成部材K5271により構成される流路が迂回する略コの字状の流路とされ、左右方向および上下方向に球が流下する各位置において、第1輪郭部K5281や第2輪郭部K5283と球とが交差される。即ち、一球の遊技球が流下する場合であっても、透過され易い場合と、透過されにくい場合との変化を複数回生じさせることができるので、球が複数個流下して初めて球の見え方の変化が繰り返し生じる場合に比較して、演出性の向上をより容易に図ることができる。
背面側に配置される電飾基板K405(図33参照)から白色光が照射される場合、流路構成部材K5271及び化粧カバーK5280が明るくされる。一方で、球が流路構成部材K5271により形成される流路を流下している場合には、球の影が化粧カバーK5280に映されることで、化粧カバーK5280に形成される模様の見え方が変化する。
まず、球が流下していない時には、第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283と、第1形成部K5282及び第2形成部K5284との色の差が大きいため、「AB」との記号が鮮明に視認される。この「AB」との記号は、「AdvanceBase(有利状態)」の頭文字を意味しており、この「AB」との記号を明るく視認させることで、遊技者に対して、通常状態よりも有利な状態であることを報知することができる。
一方で、球が流下している時には、球の影と、第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283との色の違いが小さいため、球の影と第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283との見分けがつきにくく、第1形成部K5282及び第2形成部K5284に球形状の影の虫食いができたように視認される。この虫食いを視認することで、遊技者は、球が流下していることを把握することができる。
第1形成部K5282及び第2形成部K5284は、後方を球が流下することで球形状の影の虫食いができたように視認され得る変化領域K5282b,K5284bと、球の流下経路とは重ならないことでそもそも後方を球が流下することは無く、球形状の虫食いが生じ得ない非変化領域K5282c,K5284cと、を備える。
非変化領域K5282c,K5284cは、上述の「AB」との記号の一部をなす領域である一方で、図118(b)に図示されるように、「HK」との記号をなす領域でもある。この「HK」との記号は、「HoleKeep(開口維持)」の頭文字を意味しており、この「HK」との記号を明るく視認させることで、遊技者に対して、例えば、下流側の第1特定入賞口K65a(図117参照)が開放され、球が入球可能な状態であることを報知することができる。
上述のように、非変化領域K5282c,K5284cには球の影が生じ無いので、流下する複数の球の間隔に関わらず、非変化領域K5282c,K5284cを完全な状態(虫食いの無い状態)で視認させ易くすることができる。
ここで、第2傾斜部K5274を球が流下している最中において既に、第1形成部K5282及び第2形成部K5284に球形状の影の虫食いができたように視認されるところ、この状況において第1傾斜部K5272を球が流下する場合がある。即ち、化粧カバーK5280の後方位置を球が流下する場合、その個数が一球の場合も複数球の場合も、第1形成部K5282及び第2形成部K5284に球形状の影の虫食いができたように視認されることは同じであり、結局何球の球が流下しているのかを判別し難い場合がある。
これに対して、本実施形態では、第1形成部K5282の下端部に非透過形成部K5282aが形成される。非透過形成部K5282aは、略矩形の形状で非透過(透過性の低い)で白色に形成される。隣接する第1形成部K5282の色(本実施形態では、黄色)と色の区別がつき難い色関係であり、背面側に配置される電飾基板K405(図33参照)が消灯されている場合や、背面側に配置される電飾基板K405(図33参照)からの白色光により照らされている場合には非透過形成部K5282aが遊技者に認識され難い。
一方、背面側に配置される電飾基板K405(図33参照)からの白色光により照らされている場合に、非透過形成部K5282aの後方に遊技球が配置されると、球の影が非透過形成部K5282aの周囲に映されることになる。この場合、非透過形成部K5282aの色(本実施形態では白)に対して、球の影が黒色なので、色の区別がつき易くなり、非透過形成部K5282aが遊技者に認識され易くなる。即ち、遊技者は、非透過形成部K5282aを認識した回数をカウントすることで、化粧カバーK5280の後方を流下した遊技球の個数を正確に計数することができる。
なお、上述の各実施形態では、各輪郭部K5281,K5283が同じ幅で形成され、各形成部K5282,K5284が同じ幅で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。各輪郭部K5281,K5283をそれぞれ異なる幅で形成しても良いし、各形成部K5282,K5284をそれぞれ異なる幅で形成しても良いし、各幅を部位ごとに異ならせるデザインとしても良い。
また、各輪郭部K5281,K5283の方が各形成部K5282,K5284よりも幅が広い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各形成部K5282,K5284の方が各輪郭部K5281,K5283よりも幅が広くなるように模様が形成されても良い。この場合において、各輪郭部K5281,K5283は、その内外に関わらず、隣り合う部分と隙間を生じても良いし、隙間が埋められることで各輪郭部K5281,K5283の間の構成が排斥されるように構成しても良い。
なお、上記各実施形態では、化粧カバーK5280に「AB」との記号が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、「波模様」、「波紋」、「星形状」、「稲妻形状」など、広がりのある形状でも良い。
なお、上記各実施形態では、化粧カバーK5280の背面側に形成される流路がベース板K60の前側面よりも前側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K60の前側面よりも後ろ側に形成される流路の前側に模様が形成されても良い。
即ち、例えば、球が流下する樋を構成する樋用前側部材K91(図24参照)に模様が形成されても良い。この場合、模様の背面側を球が通ることもできるし、模様の前面側を球が通ることもできるので、模様の視認態様の変化のバリエーションを増加させることができる。
なお、上記各実施形態では、各輪郭部K5281,K5283と各形成部K5282,K5284との透過性の違いを色の違い実現した(黄色よりも黒色の方が、光を遮光するフィルターとしてより多くの色の光を遮光できる)が、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、各輪郭部K5281,K5283の板厚の方が各形成部K5282,K5284の板厚よりも分厚く構成されることで、各輪郭部K5281,K5283の方が各形成部K5282,K5284よりも光を透過し難いように構成されても良い。この場合、各輪郭部K5281,K5283と各形成部K5282,K5284との色を同じとしても、板厚が大きい方が光の吸収がされ易いことから、透過性の違いを生じさせることができる。
この場合に、各形成部K5282,K5284に対して各輪郭部K5281,K5283が前後方向に突設形成されることになるが、その形成方向は、前側でも、後側でも、前後両側でも良い。球が流下する領域側に形成される場合には球の流下方向に影響を与えることができるし、逆に、球が流下する領域とは反対側に形成されるようにすれば、球との衝突で削られることが無いので、各輪郭部K5281,K5283と各形成部K5282,K5284との透過性の違いを長期に亘り維持することができる。
また、各輪郭部K5281,K5283を挟んで各形成部K5282,K5284の反対側の領域(無色透明の領域)の板厚については、各形成部K5282,K5284と同様としても良いし、各形成部K5282,K5284よりも薄く形成しても良い。各形成部K5282,K5284よりも薄い方が、各輪郭部K5281,K5283の内側の領域に対する注目力を向上させ易くすることができる。
なお、上記各実施形態では、化粧カバーK5280の背面側に配置される電飾基板K405(図33参照)から白色光が照射され化粧カバーK5280が明るくされる場合を説明したが、そのバリエーションの一例について説明する。
例えば、右打ち遊技を促すものとして、大当たり遊技中や時短中において電飾基板K405(図33参照)から白色光を照射する一方で、右打ち遊技を促さない通常状態においては、電飾基板K405は消灯させるようにして、「AB」との記号を暗くして視認し難くしても良い。
この場合、電飾基板K405(図33参照)から常時光が照射される場合に比較して、遊技者が化粧カバーK5280の「AB」との記号を見て、有利状態であると勘違いし、誤って右打ち遊技を行う事態を回避し易くすることができる。
また、例えば、変化領域K5282b,K5284bを照らすLEDと、非変化領域K5282c,K5284cを照らすLEDとを別で用意しても良い。この場合、「AB」との記号の全体が明るくされる状況の他に、LEDの点灯パターン次第で、変化領域K5282b,K5284bのみが照らされる状況や、非変化領域K5282c,K5284cのみが照らされる状況を構成することができる。
この場合において、例えば、下流側の第1特定入賞口K65a(又は、第2入賞口K640、第2特定入賞口K650a、図117参照)が開放されている期間において、変化領域K5282b,K5284bのみを照らすLEDを消灯し、非変化領域K5282c,K5284cのみを照らすLEDを点灯させるようにしても良い。これにより、非変化領域K5282c,K5284cにより形成される「HK」を遊技者に認識させ易くでき、第1特定入賞口K65a(又は、第2入賞口K640、第2特定入賞口K650a、図117参照)へ向けた球の発射を実行するタイミングであることを容易に把握させることができる。
また、例えば、光の色は白に限られるものではなく、色付きの光を照射しても良いし、各記号で照射する光の色を異ならせても良いし、色が順番に変化する(例えば、虹の七色で順番(赤橙黄緑青蘭紫)に変化する)ように照射する光を制御しても良い。
また、例えば、光の照射態様(タイミング)は、化粧カバーK5280の「AB」との記号の全体を同時に明るくさせるように複数のLEDが同時に点灯されても良いし、記号を読ませる順序を考慮して、左から右の順で明るくなるように、複数のLEDの点灯タイミングをずらすようにしても良い。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図119から図222を参照し、第8実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図119は、第8実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図120は、パチンコ機H10の背面図であり、図121は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図122は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図123は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図124は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図125は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図126は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図127は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図124では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図119に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図119に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図119参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図119~図127に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図119参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図122参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図124及び図125参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図124参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図124参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図123参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。
なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放されたの内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図189参照)とを主に備えて形成される。
即ち、球発射ユニットH112aは、変位可能に構成される回転体H112a2を変位させて遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、駆動または動作可能に構成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われるように構成しても良い。
なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図124に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図124に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図123に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図126及び図127に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図125参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成されるガラスユニットH16が配設される(図119参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図119及び図123に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図128参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図119に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図128参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図119に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図120参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図124参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。
即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図124参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図126参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。
さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図126参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図124参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図124参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図126参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図127に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図126参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図124参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図124に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図124に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。
ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図119参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図124を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図119参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図124の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
外レールH62の先端部(図124の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図124の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図128参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。
また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。
また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。
なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。
また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。
なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図128参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。また、第3図柄表示装置H81は、後述する円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400に配設され、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴って第3図柄表示装置H81の表示を切り替える(表示を変更する)ものであっても良い。
また、第8実施形態では、第3図柄表示装置H81の周囲(上方)に退避位置における花弁動作装置G800が配置され、その花弁動作装置G800が張出位置に変位されると花弁動作装置G800が第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位される。よって、花弁動作装置G800が張出位置に変位される際には、第3図柄表示装置H81の演出を花弁動作装置G800と共に遊技者に視認させることができる。
なお、花弁動作装置G800は、花回転ユニットG400の正面側(矢印F方向側)に配設される第2装飾ユニットG480が光透過性の材料から形成される。従って、花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態においては、第2装飾ユニットG480の第2装飾ユニットG480を介して第3図柄表示装置H81の少なくとも一部が遊技者に視認される。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図128参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図128参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図128参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図124参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。
また、上記第8実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。
例えば、上記第8実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図120に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図128参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図128参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図128を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図128は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、及び、駆動手段H750が含まれる。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図128では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図128参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図128参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図129から図135を参照して、上側装飾ユニットH14aについて説明する。図129は、上側装飾ユニットH14aの分解正面斜視図であり、図130は、上側装飾ユニットH14aの分解背面斜視図であり、図131は、化粧ユニットH320の分解正面斜視図であり、図132は、化粧ユニットH320の分解背面斜視図である。
初めに、図129及び図130を参照して、上側装飾ユニットH14a、及び、上側装飾ユニットH14aのベースユニットH310について説明する。図129及び図130に示すように、上側装飾ユニットH14aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH320とを主に備える。
ベースユニットH310は、正面視において左右方向(矢印L-R方向)に長い矩形状のベース部材H311と、そのベース部材H311の左右両側に配設されるスピーカー組立体H312と、それら一対のスピーカー組立体H312の間に配設される検出装置H313と、ベース部材H311の左側端部に配設される前扉取付金具H57とを主に備える。
ベース部材H311は、後述する化粧ユニットH320の背面側(矢印B方向側)の空間を覆う部材であり、正面視において化粧ユニットH320と略同一の形状に形成される。また、ベース部材H311は、長手方向(矢印L-R方向)の中央部に前後方向に開口する開口H311aと、化粧ユニットH320及びスピーカー組立体H312に接続される配線を係止するための係止部H311bと、上方側(矢印U方向側)の縁部に沿って背面側に向かって立設される覆設部H311dと、その覆設部H311dよりも下方側に所定の間隔を隔てる位置から正面側(矢印F方向側)に向かって立設される立設部H311eと、それら覆設H311dおよび立設部H311eの間の位置において背面側に向かって溝状に形成される係合凹部H311cとを主に備える。なお、ベースユニットH310は、ベース部材H311の背面側から挿通される螺子が化粧ユニットH320に螺入されることで、化粧ユニットH320の背面側に締結される。
開口H311aは、化粧ユニットH320及びスピーカー組立体H312に連結される配線を通すための開口であり、複数の配線が挿通可能な大きさに形成される。なお、本実施形態では、化粧ユニットH320及びスピーカー組立体H312に連結される配線が同じ開口から挿通されるが、これに限られるものではなく、それぞれの配線が異なる開口から挿通されるよう複数の開口を備えるものであっても良い。
なお、本実施形態では、開口H311aがベース部材H311の中央部の一か所に形成されることで、ベース部材H311の剛性を確保して、ベース部材H311が破損することを抑制できる。
係止部H311bは、開口H311aから挿通されスピーカー組立体H312に接続される配線を係止するためのものであり、ベース部材H311の正面側(矢印F方向側)から略L字状に突出して形成される。また、係止部H311bは、開口H311aの下方側からスピーカー組立体H312に向かう直線に沿って複数個形成される。
覆設部H311dは、上側装飾ユニットH14aが本体枠H14dに配設される際に、本体枠H14dの上端面を覆う部分であり、背面側(矢印B方向側)に向かう立設寸法が本体枠H14dの前後方向の厚みよりも大きく設定される。これにより、上側装飾ユニットH14aを本体枠H14dに配設した際に本体枠H14dの上端面を上側装飾ユニットH14aにより隠すことができる。
立設部H311eは、化粧ユニットH320とベースユニットH310とが組み付けられた際に、化粧ユニットH320の上面板H332を支持する部分であり、上面板H332の厚み分、ベース部材H311の上端面よりも下方側(矢印D方向側)の位置に形成される。即ち、上面板H332は、背面側(矢印B方向側)の端部が立設部H311eに載置された状態で配設される。また、上面板H332は、背面側の端部に形成される背面側凸部H332bがベース部材H311の係合凹部H311cに挿入されており、これにより、上面板H332も上方側(矢印U方向側)への移動が抑制される。
なお、ベース部材H311は、非透過の樹脂材料から形成されており、これにより、正面側(矢印F方向側)に配設される化粧ユニットH320の光がベース部材H311側(矢印B方向側)に反射した場合に、その光がベース部材H311側から漏れ出ることを抑制できる。
スピーカー組立体H312は、電気信号を可聴音波に変換して聴こえるようにする音響機器であるスピーカー(コーン型スピーカー)H312aと、そのスピーカーH312aの前面フランジH312a1をベース部材H311に締結固定する締結部材H312bとを主に備える。
スピーカーH312aは、遊技に関連して演出音(録音された音楽、効果音、音声など)を発するものであり、ベース部材H311の開口H311aを通した配線が接続されることで、音声ランプ制御装置H113に接続されるように構成される(図128参照)。音声ランプ制御装置H113によりスピーカーH312aに電気振動が伝達されることで、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)および背面側から遊技に関連した演出音を放音(出力)することができる。
なお、スピーカーH312aの前面部には、スピーカーH312aから発せられる音声の通過を許容する合成繊維素材からなる保護カバーが被覆されている。そして、この保護カバーが被覆されてなるスピーカーH312aは、前面部の保護カバーが後述するスピーカーカバーH27を介して外部の大気と直接接触することで、前面部側に放音(出力)された音を篭らせることなく、高音質にして再生出力できる。即ち、スピーカーH312aは、前面部から放音(出力)される音が遊技者にとって聞こえやすい周波数帯の音を放音可能に構成される。
また、スピーカーH312aは、振動(動作)して音を発生させる振動板(前面部側)が締結部材H312bにより遊技者側(正面視において遊技盤H13の中央下方側)に向けた姿勢で配設される。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音を遊技者に聞こえやすくできる。
締結部材H312bは、スピーカーH312aの背面側(矢印B方向側)を覆う形状に形成されると共に、ベース部材H311の正面側(矢印F方向側)とスピーカーH312aとの間に所定の隙間を形成するようにスピーカーH312aを支持した状態でベース部材H311に配設される。これにより、後述する装飾ユニットH330の配設空間H300FにスピーカーH312aを配設した際に、スピーカーH312aの背面側に空間(第2空間H300Bを形成できる。
また、締結部材H312bは、背面側(矢印B方向側)を覆う複数個所に開口される開口部H312b1を備え、その開口部H312b1を介してスピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音を第2空間H300Bに放音することが可能とされる。
検出装置H313は、光を照射する発光部およびその発光部から照射され対象物によって反射する光を受光する受光部を備える光センサとして形成され、ガラスユニットH16の透明ガラスH16aの前方における遊技者の手指の有無を検出可能に形成される。なお、遊技者の手指の有無を検出する検出装置H313(各種スイッチH208(図128参照))は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(音声出力や液晶表示)を実行可能とされる。
検出装置H313の発光部は、光を遊技盤H13(図125参照)の正面側(矢印F方向側)に出射できるように、上側装飾ユニットH14aの下方側(矢印D方向側)に向けて配設される。また、検出装置H313は、後述する化粧ユニットH320の内部空間に配設されると共に、化粧ユニットH320に形成される検出用開口部H333aから発光部の光を上側装飾ユニットH14aの下方側に出射可能となっている。これにより、検出装置H313は、上側装飾ユニットH14aの内側の奥まった位置に配設され、遊技者が検出装置H313に直接触れることを抑制できる。
次いで、図131及び図132を参照して化粧ユニットH320について説明する。図131及び図132に示すように、化粧ユニットH320は、背面側(矢印B方向側)が開放した箱状(図130参照)に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350とを主に備える。
装飾ユニットH330は、ベースユニットH310(図129参照)の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H332、下面板H333及び左面板H334を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)の縁部に沿う位置に配設される上面板H332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の縁部に沿って配設され上面板H332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H334と、正面板H331の中央部正面側に配設される装飾板H335とを主に備える。
正面板H331は、後述する発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350が配設される部材であり、発光ユニットH340の光を透過可能な透明な樹脂材料から形成される。また、正面板H331は、ベース部材H311の正面側(矢印F方向側)に対向配置される本体部H331aと、その本体部H331aの外縁部から背面側に向かって撓む外縁部H331bとを備え、背面側の中央部が凹む椀型に形成される。なお、正面板H3331は、正面視においてベースユニットH310の正面側を塞ぐ大きさに形成される。
本体部H331aには、正面視おける左右方向(矢印L-R方向)中央部に装飾板H335が配設される領域が形成されると共に、その領域の外側に音伝達ユニットH350のスピーカーカバーH27を通過する音を上側装飾ユニットH14aの外側(正面側)に放音可能なスリットH331a1が形成される。
スリットH331a1は、ベースユニットH310のスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に開口して形成される。これにより、スピーカーH312aから正面側に放音(出力)される音をスリットH331a1を介して正面側に放音できる。
また、スリットH331a1は、正面視において一方向に長い長孔に形成され、その幅が遊技球よりも小さく設定される。これにより化粧ユニットH320の内部に指や遊技球などが挿入されることを抑制できると共に、スピーカーH312aからの音の放音性を確保できる。なお、本実施形態では、スリットH331a1は、正面視において上下方向(矢印U-D方向)に長い長孔に形成される。よって、パチンコ機H10に対する上下方向の放音性を確保できる。
外縁部H331bは、本体部H331aの背面側(矢印B方向側)に配設される取付部材H341を正面板H331の内側に収容するための部分であり、外縁部H331bの背面側への延設距離が、取付部材H341の前後方向(矢印F-B方向)における厚みよりも大きく設定される。これにより、正面板H331の外縁部H331bと取付部材H341とが上下方向(矢印U-D方向)に重なる状態で配設される。
なお、本実施形態では、外縁部H331bは、上下方向(矢印U-D方向)において取付部材H341と所定の隙間を隔てる位置に形成され、これにより、外縁部H331bと取付部材H341との対向間に第1連通路H300C(図135(a)参照)が形成される。
上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340、音伝達ユニットH350、及び、一対のスピーカー組立体H312を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の外縁部H331bに沿う形状に形成されると共に、上面板H332及び下面板H333の端部同士が左面板H334により連結される。また、正面板H331の右側(矢印R方向側)縁部には、後述する右側装飾ユニットH14cが配設される。これにより、化粧ユニットH320は、右側が右側装飾ユニットH14cにより塞がれることで、背面側のみが開放する箱状に形成される。なお、右側装飾ユニットH14cについての詳しい説明は後述する。
また、化粧ユニットH320には、箱状に形成される内側に後述する発光ユニットH340が配設される。なお、発光ユニットH340は、左右方向(矢印L-R方向)における寸法が化粧ユニットH320よりも小さく形成される。従って、化粧ユニットH320に発光ユニットH340を配設することで、発光ユニットH340の左右両側(スリットH331a1)の背面側に一対の配設空間H300Fを形成し、それら一対の配設空間H300Fを利用して一対のスピーカー組立体H312を化粧ユニットH320の内側に配設することができる。
また、上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334は、非透過の樹脂材料から形成されており、発光ユニットH340から出射される光が上側装飾ユニットH14aの正面板H331からのみ抜け出るように構成される。これにより、上側装飾ユニットH14aの発光位置を限定して、遊技者の注目を一部(装飾板H335)に集めやすくできる。
上面板H332は、正面側(矢印F方向側)の縁部に沿って正面側に突出する正面側凸部H332aと、背面側(矢印B方向側)の縁部に沿って背面側に突出する背面側凸部H332bと、螺子を挿通可能な貫通孔を有する締結部H332cと、左右方向(矢印L-R方向)における両端部の下面側から突設される被係合部H332gと、を主に備える。
正面側凸部H332a及び背面側凸部H332bは、それぞれ上面板H332の正面側に配設される正面板H331及び上面板H332の背面側に配設されるベース部材H311に係合される部分であり、上面板H332の上方側(矢印U方向側)の端部よりも一段低い位置から突出される。
なお、正面側凸部H332aは、正面板H331の上方側の外縁部H331bよりも内側(下方側)に挿入されることで正面板H331と係合され、背面側凸部H332bは、ベース部材H311の係合凹部H311cに挿入されることでベース部材H311と係合可能とされる。これにより、上面板H332が上側装飾ユニットH14aに配設された状態で、上面板H332の正面側端部または背面側端部が正面板H331またはベース部材H311に対して浮き上がることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aが組み上げられた状態で、不正な部材が上面板H332側から挿入されることを抑制できる。
締結部H332cは、上面板H332の背面側(矢印B方向側)の端部から下方側(矢印D方向側)に向けて突出して形成される。また、締結部H332cは、螺子を挿通可能な貫通孔を備えており、その貫通孔に背面側から挿通した螺子を覆設部材H343に螺入することで、正面板H331に配設された覆設部材H343に上面板H332を締結できる。即ち、上面板H332は、正面板H331に覆設部材H343が配設された後、覆設部材H343に締結される。
被係合部H332gは、上面板H332の左右方向(矢印L-R方向)における両端部から下方側(矢印D方向側)に向かって突出して形成されており、上面板H332の左右方向外側端部に形成される第1片H332g1と、その第1片H332g1よりも上面板H332の内側に形成される第2片H332g2とを備える。
第1片H332g1及び第2片H332g2は、後述する右側装飾ユニットH14cの屈曲部H452の係合部H452bを対向間に挿入する部分であり(図142参照)、屈曲部H452の左右方向(矢印L-R方向)における厚みよりも、若干大きい隙間を隔てて配設される。
下面板H333は、上側装飾ユニットH14aの下面を構成する部分であり、正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かうに連れて上方側(矢印U方向側)に傾斜する状態で正面板H331に配設される。言い換えると、下面板H333は遊技盤H13(ベースユニットH310)から正面側に向かって離れるほど下方側(矢印D方向側)に張り出す状態で配設される。
これにより、正面板H331の正面視における外形(特に上下方向の大きさ)を大きくした場合であっても、遊技盤H13の遊技領域が小さくなることを抑制できる。よって、遊技盤H13の遊技領域を確保したまま、正面板H331の装飾性(意匠性)を向上(正面板H331の装飾可能な領域を大きく)できる。
また、下面板H333は、ベース部材H311に配設される検出装置H313の発光部および受光部と対向する位置に開口される検出用開口部H333aと、正面側(矢印F方向側)の縁部に沿って複数位置に開口される放音用開口部H333bと、それら検出用開口部H333a及び放音用開口部H333bの間の位置から上方側(矢印U方向側)に向かって立設される区画壁H333cとを備える。
検出用開口部H333aは、上述したように検出装置H313の検出光を通過させるための開口であり、検出装置H313の発光部および受光部と対応する大きさに形成される。これにより、ガラスユニットH16の透明ガラスH16aの前方における遊技者の手指の有無を検出装置H313により検出可能とされる。
また、検出用開口部H333aは、検出装置H313側に向かって立設される立設部H333a1を備え、その立設部H333a1の立設先端側に検出装置H313が配設される。これにより、検出用開口部H333aと検出装置H313との接続部分を上側装飾ユニットH14aの内側に形成できる。その結果、検出装置H313と検出用開口部H333aの開口端との隙間を上側装飾ユニットH14aの内側に設定でき(遊技者から視認しにくくでき)、検出装置H313と検出用開口部H333aの開口端との間の隙間から不正な部材が上側装飾ユニットH14aの内部に挿入されることを抑制できる。
なお、本実施形態では、検出装置H313が、光により遊技者の手指を検出するものとして説明したが、これに限らず、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等が配設されるものであっても良い。
放音用開口部H333bは、スピーカーH312aから放音(出力)される音を、ガラスユニットH16の正面側(上側装飾ユニットH14aの下方側)に放音して、正面側からスピーカーH312aの音が遊技者に伝達されるようにするための開口であり、正面視においてスピーカーH312aと遊技盤H13の第3図柄表示装置H81(図125参照)とを繋ぐ位置に形成される。
区画壁H333cは、下面板H333の左右方向(矢印L-R方向)に亘って立設される。また、区画壁H333cの上方側(矢印U方向側)への立設距離は、上側装飾ユニットH14aを組み立てた際に、先端部が覆設部材H343の下面に当接される長さに設定される。よって、上側装飾ユニットH14aを組み立てた状態では、区画壁H333cの正面側(矢印F方向側)と区画壁H333cの背面側(矢印B方向側)とが区画壁H333cにより区画される。
装飾板H335は、模様やキャラクターや文字等の情報を表示する板部材であり、全体が透明な樹脂材料から形成されると共に、正面側(矢印F方向側)の表面に模様やキャラクターや文字等の情報が描かれる。これにより、複数機種のパチンコ機H10がある場合には、装飾板H335の装飾を見ることで遊技者にどのパチンコ機H10であるのか認識させやすくなっている。
なお、パチンコ機H10の機種(遊技機の仕様)を変更する場合には、上側装飾ユニットH14aの全部を変更しなくても、装飾板H335のみを該当の模様やキャラクターや文字等の情報が描かれる装飾板H335に変更することで、変更先のパチンコ機H10に該当する装飾に切り替えることが可能となっている。
なお、本実施形態では、上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334は、非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上面板H332が透明な樹脂材料で形成され、下面板H333及び左面板H334が非透過の樹脂材料で形成され、発光ユニットH340から出射される光を正面板H331側から出射するだけでなく、上面板H332が配設される上方側からも出射可能に構成されていても良い。
また、上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334を透明な樹脂材料から形成しても良く、この場合には、装飾ユニットH330の全体から発光ユニットH340の光を出射することができる。
発光ユニットH340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に配設され光を発光可能に構成される基板部材H342と、基板部材H342との背面側を覆う覆設部材H343とを主に備える。
取付部材H341は、装飾ユニットH330の正面板H331の背面と対向する位置に配設され、正面視において装飾ユニットH330の装飾板H335と同形状に形成される板状の正面側板部H341aと、その正面側板部H341aの上方側(矢印U方向側)の縁部に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される上側縁部H341bと、正面側板部H341aの下方側(矢印D方向側)の縁部に沿って正面側に向かって立設される下側縁部H341cと、その下側縁部H341cと所定の間隔を隔てて下側縁部H341cに沿って延設される区画部H341dとを主に備え、正面側板部H341aの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子により、正面板H331の背面に締結される。なお、取付部材H341は、非透過性の樹脂材料から形成される。
正面側板部H341aは、後述する基板部材H342のLED(発光ダイオード)H342aの光の照射領域を区画する部材であり、基板部材H342のLEDH342aと対応する位置に開口する複数の開口部H341a1を備える。
取付部材H341は、非透過性の樹脂材料から形成されるので、基板部材H342のLEDH342aの光を開口部H341a1を介して正面側(矢印F方向側)に出射することで、基板部材H342のLEDH342aの光の照射領域が広がりすぎることを抑制できる。その結果、複数のLEDの発光色が混ざり合うことを抑制して、領域ごとに色違いの発光表示を装飾ユニットH330(装飾板H335)にさせることができる。
なお、取付部材H341の正面側板部H341aは、正面板H331を介して装飾板H335の背面側(矢印B方向側)に配設されており、装飾板H335に描かれる模様やキャラクターや文字等(本実施形態では文字)の情報の表示を部分的に色違いで発光させられるようになっている。
上側縁部H341bは、正面側板部H341aの開口部H341a1を介してLEDH342aから出射される光が上方側(矢印U方向側)に漏れ出ることを抑制する部分であり、正面板H331の背面に正面側(矢印F方向側)の端部が当接する大きさに形成される。
また、上側縁部H341bの上方側の側面には、凹凸状に形成される凹凸面H341b1が形成される。凹凸面H341b1は、凸部の頂点が前後方向(矢印F-B方向)に延びて形成され、左右方向(矢印L-R方向)に向かって複数の凹凸が現れるように形成される。
下側縁部H341cは、正面側板部H341aの開口部H341a1を介してLEDH342aから出射される光が下方側(矢印D方向側)に漏れ出ることを抑制する部分であり、正面板H331の背面に正面側(矢印F方向側)の端部が当接する大きさに形成される。
また、下側縁部H341cの下方側の側面には、凹凸状に形成される凹凸面H341c1が形成される。凹凸面H341b1は、凸部の頂点が前後方向(矢印F-B方向)に延びて形成され、左右方向(矢印L-R方向)に向かって複数の凹凸が現れるように形成される。
区画部H341dは、正面側板部H341aの開口部H341a1を介して区画部H341dと下側縁部H341cとの間に出射されるLEDH342aの光を区画する部分であり、下側縁部H341cと上下方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てる位置に形成されると共に、正面板H331の背面に正面側(矢印F方向側)の端部が当接する大きさに形成される。これにより、上側装飾ユニットH14aを正面視した際に、上方側の領域と下方側の領域とで上側装飾ユニットH14aの発光態様を変更(区画)することができる。
また、区画部H341dは、正面側(矢印F方向側)への立設距離が下側縁部H341cの正面側への立設距離よりも大きく設定される。これにより、区画部H341dと下側縁部H341cとの間に出射される光を区画部H341dにより下方側へ反射させやすくできる。即ち、パチンコ機H10の上方側に配設される上側装飾ユニットH14aから遊技者側(下方側)に向かって光を照射させやすくできる。その結果、光による演出で遊技者の興趣を高めやすくできる。
基板部材H342は、光を出射するLED(発光ダイオード)H342aが正面側(矢印F方向側)に複数個配設される。このLEDH342aにより基板部材H342の正面側に向けて光を出射可能に形成される。また、基板部材H342の背面側(矢印B方向側)には、基板部材H342に接続される配線を繋ぐコネクタH342bが配設される。
基板部材H342は、コネクタH342bにベース部材H311の開口H311aを通した配線が接続されることにより、LEDH342aから光を出射することが可能となっている。また、基板部材H342は、取付部材H341の正面側板部H341aの背面側(矢印B方向側)に形成される係合部に係止されることにより、取付部材H341の背面側に配設される。
覆設部材H343は、基板部材H342の背面側(矢印B方向側)を覆う部材であり、正面視における外形が基板部材H342よりも大きく形成され、背面側から挿通される螺子により取付部材H341に締結される。
また、覆設部材H343は、正面視における中央部が背面側(矢印B方向側)に向かって膨出し、正面側(矢印F方向側)の中央部が開口する箱状に形成される。さらに、覆設部材H343は、正面視における上方側(矢印U方向側)の側面から上方に向かって立設される区画壁H343bを備え、上側装飾ユニットH14aを組み立てた際に区画壁H343bの先端部が上面板H332と当接される。
なお、区画壁H343bは左右方向(矢印L-R方向)に延設されており、上側装飾ユニットH14aを組み立てた状態において、区画壁H343bの正面側(矢印F方向側)と区画壁H343bの背面側とが区画壁H343bにより区画される。
正面視における覆設部材H343の中央部の開口形状は、基板部材H342の正面視における外形と酷似した形状に形成される。よって、覆設部材H343を取付部材H341に配設した場合に、取付部材H341の背面側に配設される基板部材H342の背面に覆設部材H343が当接することを抑制できる。これにより、LEDH342aを発光することにより基板部材H342に生じる熱を覆設部材H343の内部空間に逃がすことができる。その結果、基板部材H342(LEDH342a)が破損することを抑制できる。
また、覆設部材H343は、背面側(矢印B方向側)に向かって膨出した端部に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する貫通孔(図示しない)が形成され、その貫通孔を介して、基板部材H342により発生する熱を覆設部材H343の外側に逃がすことができると共に、基板部材H342のコネクタH342bに接続される配線を挿通できる。
なお、覆設部材H343は、非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、基板部材H342のLEDH342aから照射される光が背面側に向かって反射したとしても、覆設部材H343を介して光が背面側に出射されることを抑制できる。その結果、LEDH342aの光を所定の領域から出射させやすくでき、光による演出効果を向上しやすくできる。
音伝達ユニットH350は、正面視においてベースユニットH310に一対配設されるスピーカー組立体H312と対応する位置に配設されるものであり、一対のスピーカー組立体H312の正面側(矢印F方向側)にそれぞれ1組ずつ配設される。
なお、本実施形態では、一対配設される音伝達ユニットH350の形状が左右で若干異なるが主要な構成は左右で同一であるため、左右で同一の符号を付すと共に正面視において左側に配設される音伝達ユニットH350を参照して説明する。
音伝達ユニットH350は、パンチングメタルから形成される薄板部材のスピーカーカバーH27と、そのスピーカーカバーH27の前後(矢印F-B方向)に配設される第1保持部材H351及び第2保持部材H352とを主に備え、装飾ユニットH330に一対形成される配設空間H300Fの内部に配設される。
スピーカーカバーH27は、スピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)される音を通過させると共に、スピーカーH312a側へ物体が挿通されることを抑制するための保護部材であり、スピーカーH312aの振動板(音を発生させる部分)に沿って配設される。
また、スピーカーカバーH27には、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に重なる部分に複数の貫通孔が形成され、その貫通孔を介してスピーカーH312aの正面側から放音(出力)される音を上側装飾ユニットH14aの外側に放音可能とされる。
なお、スピーカーカバーH27の貫通孔の穴径は、直径2ミリほどで形成されており、遊技者の指や不正な部材が挿通されにくいように形成される。その結果、スピーカーH312aの振動板にいたずらがされることを抑制して、スピーカーH312aが破損することを抑制できる。
また、本実施形態では、スピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔を隔てて正面板H331のスリットH331a1が配置されるように構成される。これにより、スリットH331a1を介してスピーカーH312a側に不正な部材を挿通できたとしても、スピーカーカバーH27までの所定の隙間により不正な部材を撓ませることで、不正な部材がそのままスピーカーカバーH27の貫通孔に挿通されることを抑制できる。その結果、スピーカーH312aの振動板にいたずらがされることを抑制して、スピーカーH312aが破損することを抑制できる。
第1保持部材H351及び第2保持部材H352は、スピーカーカバーH27を保持する部材であり、スピーカーカバーH27よりも大きい外形に形成され、スピーカーカバーH27の前後(矢印F-B方向)にそれぞれ配設される。
また、第1保持部材H351及び第2保持部材H352は、スピーカーカバーH27を通して放音される音が遮られないよう中央部(スピーカーカバーH27の貫通孔が形成される領域と対応する部分)に開口する第1開口部H351a、第2開口部H352aを備え、それら第1開口部H351a、第2開口部H352a及びスピーカーカバーH27の貫通孔を介して、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音を上側装飾ユニットH14aの外部に放音できる。
さらに、スピーカーカバーH27は、スピーカーH312aの前面フランジH312a1と当接する位置に配設される。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音をスピーカーカバーH27の貫通孔を介して、音伝達ユニットH350の正面側に放音することができる。
一方、スピーカーH312aの背面側(矢印B方向側)から放音(出力)される音は、スピーカーH312aよりも正面側(矢印F方向側)が音伝達ユニットH350により塞がれる(スピーカーH312aの正面側と背面側とが音伝達ユニットH350により区画される)ことにより、音伝達ユニットH350の正面側に回り込むことが抑制される。即ち、スピーカーH312aの背面側から放音(出力)され、開口部H312b1を介して第2空間H300Bに放音される音は、後述する第1空間H300A側に回り込むことが抑制される。
即ち、装飾ユニットH300の一対の配設空間H300Fのそれぞれに音伝達ユニットH350及びスピーカーH312aが配設されることで、配設空間H300Fの正面側と背面側とが区画され、スピーカーH312aの正面側に第1空間H300Aが形成されると共にスピーカーH312aの背面側に第2空間H300Bが形成される。
なお、音伝達ユニットH350は、第1保持部材H351及び第2保持部材H352の間にスピーカーカバーH27を挟持した状態で、第2保持部材H352の背面側から挿通される螺子を第1保持部材H351に螺入することで、1組のユニットとして構成される。また、1組のユニットとして構成された音伝達ユニットH350は、第2保持部材H352の背面側から挿通される螺子を覆設部材H343に螺入することで、発光ユニットH340と共に装飾ユニットH330に締結できる。
次いで、図133を参照して、放音用開口部H333bからの音の放音について説明する。図133は、上側装飾ユニットH14aの正面図である。なお、図133では、装飾ユニットH330が透明視された状態で図示される。
図133に示すように、上側装飾ユニットH14aは、正面視におけるスピーカーカバーH27の周囲を取り囲む態様で第1保持部材H351及び第2保持部材H352が配設される(即ち、スピーカーH312aの正面側と背面側とが音伝達ユニットH350及びスピーカーH312aにより区画され、配設空間H300Fの正面側を区画した第1空間H300Aが形成されると共に、配設空間H300Fの背面側を区画した第2空間H300Bが形成される)。
これにより、スピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)され、スピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側に放音される音が音伝達ユニットH350(第1保持部材H351及び第2保持部材H352)の背面側(矢印B方向側)に回り込むことを抑制できる。
また、音伝達ユニットH350及び発光ユニットH340の正面側(矢印F方向側)を取り囲む態様で装飾ユニットH330(図131参照)が配設されると共に、左右(矢印L-R方向)に一対配設される音伝達ユニットH350の間に発光ユニットH340が配設される。これにより、それぞれのスピーカーカバーH27の正面側に装飾ユニットH330、発光ユニットH340、音伝達ユニットH350で囲まれた第1空間H300A(図133参照)が形成される。
よって、左側のスピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に放音される音を左側の第1空間H300Aに伝達させることができると共に、右側のスピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側に放音される音を右側の第1空間H300Aに伝達させることができる。
また、図133に示すように第1空間H300Aを形成する領域における下面板H333には、放音用開口部H333bが形成される。これにより、スピーカーカバーH27の貫通孔を介して第1空間H300Aに放音される音を、正面板H331のスリットH331a1からだけではなく、放音用開口部H333bからも放音させることができる。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音される音を、上側装飾ユニットH14aの正面側(スリットH331a1側)及び下方側(放音用開口部H333b側)から放音させることができる。
即ち、第8実施形態における上側装飾ユニットH14aでは、スピーカーH312aから放音(出力)した音をスピーカーH312aの正面側のスリットH331a1と、スピーカーH312aの下方側の放音用開口部H333bの2箇所から放音することができる。これにより、パチンコ機H10の外側に音を好適に拡散する(広げる)ことができ、音の出力の態様を改善できる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
また、第8実施形態では、スリットH331a1と放音用開口部H333bとが第1空間H300Aに対して異なる方向に開口されるので、第1空間H300Aから異なる2方向に向けて音を放音することができる。これにより、音を立体的に拡散する(広げる)ことができ、音の出力の態様を改善できる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
なお、放音用開口部H333bは、スピーカーH312aが配設される位置よりも上側装飾ユニット(パチンコ機H10)の左右方向(矢印L-R方向)中央側に形成される。これにより、放音用開口部H333bを介して上側装飾ユニットH14aの下方側から放音される音を正面視におけるパチンコ機H10の中央側に伝達しやすくできる。その結果、パチンコ機H10を遊技する遊技者に上側装飾ユニットH14aから放音される音を聞かせやすくできる。
また、放音用開口部H333bは、上述したように正面視においてスピーカーH312a(スピーカーカバーH27)と遊技盤H13の第3図柄表示装置H81(図125参照)とを繋ぐ位置に形成される。即ち、放音用開口部H333bは、正面視においてスピーカーH312a(スピーカーカバーH27)と第3図柄表示装置H81との間の位置に形成される。
これにより、スピーカーH312a(放音用開口部H333b)から放音(出力)される音が遊技者に聞こえるタイミングと、第3図柄表示装置H81に表示される演出が遊技者に視認されるタイミングとに差ができることを抑制できる。よって、スピーカーH312a(放音用開口部H333b)から放音(出力)される音と第3図柄表示装置H81の表示による演出とを遊技者に関連付けやすくできる。
なお、第8実施形態における放音用開口部H333bは、スピーカーH312a(スピーカーカバーH27)と第3図柄表示装置H81との間の位置に形成される場合について説明したが、第3図柄表示装置H81でなく他の表示装置との間に放音用開口部H333bを形成しても良い。例えば、第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)を変位可能に形成される花回転ユニットG400(図196参照)の変位領域との間に放音用開口部H333bを形成して、花回転ユニットG400の変位に合わせてスピーカーH312a(放音用開口部H333b)から音を出力しても良い。
次いで、図134及び図135を参照して、上側装飾ユニットH14aの内部に形成される音の伝達経路について説明する。図134は、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH14cの正面図であり、図135(a)は、図134におけるX07a線における上側装飾ユニットH14aの断面模式図であり、図135(b)は、図134におけるX07b線における上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図134及び図135では、右側装飾ユニットH14cが上側装飾ユニットH14aに配設された状態が図示される。なお、図134及び図135では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図134及び図135(a)に示すように、上側装飾ユニットH14aの正面板H331と取付部材H341とは、外縁部H331bの上方側(矢印U方向側)の内面と取付部材H341の上側縁部H341bとの間に上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間(第1連通路H300C(図135(a)参照))を有した状態で正面板H331に取付部材H341が配設される。
また、外縁部H331bの上方側(矢印U方向側)の内面と取付部材H341の上側縁部H341bとの間に形成される隙間は、正面側(矢印F方向側)が正面板H331の本体部H331aにより塞がれ、背面側(矢印B方向側)が覆設部材H343の区画壁H343bにより塞がれており、前後方向(矢印F-B方向)にも所定の隙間を有した状態とされる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上方側に、左右方向(矢印L-R方向)に延設される空間の第1連通路H300Cが形成される。
第1連通路H300Cは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される両端が、スピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に形成される第1空間H300Aに連通される。これにより、一対のスピーカーカバーH27の正面側に形成されるそれぞれの第1空間H300Aが、第1連通路H300Cにより連通される。
よって、それぞれのスピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)され、スピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側の第1空間H300Aに放音される音を、第1連通路H300Cを介して隣の第1空間H300AのスリットH331a1又は放音用開口部H333bから上側装飾ユニットH14aの外側に放音することができる。
即ち、一方側(例えば、左側)に配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音を、他方側(例えば、右側)のスピーカーH312aの正面側に迂回させて、上側装飾ユニットH14aから放音することができる。
ここで、第1連通路H300Cを備えていない(即ち、一対の配設空間H300Fが連通されていない)場合には、それぞれのスピーカーH312aから放音(出力)される音を、それぞれのスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)の第1空間H300Aを介して上側装飾ユニットH14aからしか放音できない。そのため、第1連通路H300Cを備えていない場合には、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合に、上側装飾ユニットH14aの他方側からしか音が放音されなくなる。そのため、遊技者に違和感を与える可能性がある。
これに対し、第8実施形態では、一方側に配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音を他方側に配設されるスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に迂回させて上側装飾ユニットH14aから放音することができるので、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、他方側のスピーカーH312aから放音される音を上側装飾ユニットH14aの両側から放音させることができる。その結果、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、遊技者が違和感を感じることを抑制でき、遊技者が遊技を行わなくなることを抑制できる。
次いで、図133及び図134(b)に示すように、下面板H333と覆設部材H343とは、下面板H333と覆設部材H343との間に上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間(第2連通路H300D(図135(b)参照))を有した状態で覆設部材H343に下面板H333が配設される。
また、下面板H333と覆設部材H343との間に上下方向(矢印U-D方向)に形成される隙間は、正面側(矢印F方向側)が下面板H333の区画壁H333cにより塞がれており、背面側(矢印B方向側)がベース部材H311により塞がれる。即ち、前後方向(矢印F-B方向)にも所定の隙間(第2連通路H300D)を有した状態とされ、上側装飾ユニットH14aの下方側に、左右方向(矢印L-R方向)に延設される第2連通路H300Dが形成される。
第2連通路H300Dは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される両端が、スピーカーH312aの背面側(矢印B方向側)に形成される第2空間H300Bに連通される。これにより、一対のスピーカーH312aの背面側に形成されるそれぞれの第2空間H300Bが、第2連通路H300Dにより連通される。
これにより、それぞれのスピーカーH312aから背面側に向かって放音され、開口部H312b1を介して第2空間H300Bに放音される音を第2連通路H300D内に伝達させることができる。
下面板H333の第2連通路H300Dの下面側の内壁を形成する部分には、検出用開口部H333aが形成される。これにより、第2空間H300B内を伝わる音は、検出用開口部H333aから放音され、上側装飾ユニットH14aの下方側から放音されることとなる。
これにより、一方側に配設されるスピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音と、他方側に配設されるスピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音とを、第2空間H300B内で合わせて検出用開口部H333aから放音することができる。そのため、一方側に配設されるスピーカーH312a、又は、他方側に配設されるスピーカーH312aのどちらか(例えば、一方側)が破損して音が一方側のスピーカーH312aから放音(出力)されなくなったとしても、破損していない他方側のスピーカーH312aから放音(出力)される音を検出用開口部H333aから放音することができるので、遊技者が違和感を感じることを抑えることができる。
また、第8実施形態における検出用開口部H333aでは、検出装置H313の検出光及び反射光を通過させる役割と、音を上側装飾ユニットH14aの外側に放音させるための役割とをさせることができる。従って、下面板H333に形成する開口部の数を少なくすることができる。その結果、下面板H333の剛性が低下することを抑制できる。
さらに、スピーカーH312aには、背面側(矢印B方向側)から配線等がコネクタにより連結されため、スピーカーH312aの背面側に不正な部材が挿入されると不正な部材によりパチンコ機H10の不正がされやすいところ、スピーカーH312aの背面側に形成される第2連通路H300Dからの音の放音部分に検出装置H313が配設される構造であるので、検出装置H313により上側装飾ユニットH14aの内部に不正な部材が挿入されたことを検出装置H313により検出させることができる。その結果、不正部材が挿入されたまま遊技が継続されることを抑制できる。
なお、検出装置H313により不正がされていないか確認するタイミングとしては、パチンコ機H10の電源投入時や、パチンコ機H10の大当たりの終了時等、検出装置H313により遊技盤H13の正面側(矢印F方向側)の人の手や指を検知していない時に、不正部材が検出用開口部内に挿入されていないかを検出するように構成される。
ここで、コーン型のスピーカーH312aは、スピーカーの特性上、正面側(矢印F方向側)から放音される音と背面側(矢印B方向側)から放音される音とが逆位相の関係になる。そのため、正面側から放音される音と背面側から放音される音とを合わせる(混ぜる)とそれらの音が打ち消し合う恐れがある。
これに対し、本実施形態では、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音される音と、スピーカーH312aの背面側から放音される音とを、上側装飾ユニットH14aの異なる経路を通じて上側装飾ユニットH14aから放音させることができるので、正面側から放音される音と、背面側から放音される音とが打ち消し合うことを抑制できる。
特に、第8実施形態におけるスピーカーH312aでは、前面側に保護カバーがされ正面側の第1空間H300Aに放音(出力)される音が背面側の第2空間H300Bに放音(出力)される音に比べて高周波となり遊技者とって聞き取りやすい音とされる。上記したように、背面側の第2空間H300Bに放音(出力)される音が、正面側の第1空間H300A側に回り込むことを抑制することで、第1空間H300Aに放音(出力)される聞き取りやすい音が聞こえにくくなることを抑制できる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
また、スピーカーH312aの背面側から放音される音をスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音される音と異なる経路(第2連通路H300D)を伝達させることで、スピーカーH312aの正面側から放音される音と、スピーカーH312aの背面側から放音される音との音域を変更することができる。その結果、遊技者に聞こえる音の音域を増やすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、第8実施形態では、スピーカーH312aの背面側に形成される第2空間H300Bに音を放音するスリットH331a1(開口部)が形成されるのではなく、スピーカーH312aの正面側に形成される第1空間H300AにスリットH331a1が形成され(配設空間H300Fに配設されるスピーカーH312aの正面側にスリットH331a1(開口部)が形成され)、そのスリットH331a1が形成される側の第1空間H300A同士が第1連通路H300Cにより連通されるので、第1空間H300Aから第1連通路H300Cを通して、遊技者が聞き取りやすい周波数帯の音(高音質な音)を他方側の第1空間H300Aに導くことができる。
よって、一対のスピーカーH312aのうち一方側のスピーカーH312aが故障した場合に、他方側のスピーカーH312aから放音(出力)され第1連通路H300Cを介して一方側のスピーカーH312aが配設される第1空間H300Aから放音される音を遊技者が聞き取りやすくできる。その結果、一対のスピーカーH312aの一方が故障した場合において、遊技者が違和感を感じることを抑制できる。
次いで、図136から図143を参照して、右側装飾ユニットH14cについて説明する。初めに図136から図139を参照して、右側装飾ユニットH14cの全体構成について説明する。
図136(a)は、右側装飾ユニットH14cの正面図であり、図136(b)は、右側装飾ユニットH14cの側面図であり、図137(a)は、右側装飾ユニットH14cの分解正面斜視図であり、図137(b)は、右側装飾ユニットH14cの分解背面斜視図であり、図138(a)は、重板ユニットH400L,H400Rの分解正面斜視図であり、図138(b)は、重板ユニットH400L,H400Rの分解背面斜視図であり、図139は、支持板部H410の正面図である。
なお、図136(b)では、パチンコ機H10の内側から外側(矢印R方向側)を視認した状態における右側装飾ユニットH14cの側面が図示される。また、図139では、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の背面側(矢印B方向側)端部の外形が2点鎖線で図示される。
図136から図138に示すように、右側装飾ユニットH14cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH400Rと、それら重板ユニットH400L,H400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図126参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。
重板ユニットH400L,H400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH14cは、重板ユニットH400L,H400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。
支持板部H410は、組立状態において本体枠H14dの右側(矢印R方向側)の正面側(矢印F方向側)に配設される固定板H411と、その固定板H411の上下方向に延設された領域の正面側に配設される基板部材H412と、を主に備える。
固定板H411は、正面視(矢印B方向視)において上下(矢印U-D方向)左右(矢印L-R方向)を反転させた略L字状に形成される延設部H411aと、本体枠H14dと対向する背面側(矢印B方向側)の外縁に沿って背面側へ向かって立設される内縁部H411c,外縁部H411dとを主に備え、延設部H411a、外縁部H411d、及び、内縁部H411cにより断面が略C字状に形成される。
なお、内縁部H411cは、正面視におけるパチンコ機H10の内方側の延設部H411aの外縁に沿って形成され、外縁部H411dは、正面視におけるパチンコ機H10の外方側の延設部H411aの外縁に沿って形成される。
また、内縁部H411cの背面側(矢印B方向側)への立設距離は、外縁部H411dの延設部H411aからの背面側(矢印B方向側)への立設距離よりもガラスユニットH16(図123参照)の前後方向(矢印F-B方向)の厚み分小さく設定される。これにより、内縁部H411c(本体枠H14d)にガラスユニットH16を配設した際に、正面枠H14に対してガラスユニットH16が背面側に部分的に飛び出ることが抑制される。
さらに、正面枠H14の組立状態(図123参照)において、外縁部H411dの内壁(左側壁および下側壁)が本体枠H14dの外側面に当接され、内縁部H411cの内壁(右側壁)が本体枠H14dの内側面に所定の間隔を隔てた状態で配設される。即ち、固定板H411は、本体枠H14dの右側部分を外縁部H411dと内縁部H411cとで挟んだ状態で本体枠H14dに配設される。
また、固定板H411は、基板部材H412が取り付けられる領域の右側(矢印R方向側)において穿設される複数の右側用締結孔H411a1と、その右側用締結孔H411a1よりも右側において固定板H411に穿設される支持孔H411a2と、基板部材H412が取り付けられる領域の左側(矢印L方向側)において固定板H411に穿設される左側用締結孔H411a3と、を主に備える。
延設部H411aは、正面視において基板部材H412が重なる大きさに形成される。また、延設部H411aには、基板部材H412が配設される領域に正面側(矢印F方向側)へ向けて台状にせり出す台部H411bが形成され、その台部H411bの正面に面当たりする状態で基板部材H412が固定板H411に締結固定される。なお、本実施形態では、基板部材H412は、正面側から挿入される螺子が延設部H411aに螺入されることで台部H411bに締結固定される。
台部H411bは、正面枠H14の組立状態(図136(a)参照)において、幅方向(矢印L-R方向)外側の側面が重板ユニットH400L,H400Rに当接可能とされる。これにより、重板ユニットH400L,H400Rの左右方向(矢印L-R方向)への傾倒を抑制できる。即ち、支持板部H410に対する重板ユニットH400L,H400Rの姿勢を維持しやすくできる。
固定板H411の右側(矢印R方向側)側面においては、台部H411bよりも延設部H411aの方が、後述する右重板ユニットH400Rの外カバー部材H470、第1外レンズ部材H450、及び、第2外レンズ部材H460を組み合わせた厚み分、右側にずれた位置に形成される。これにより、延設部H411aの正面側(矢印F方向側)に外カバー部材H470、第1外レンズ部材H450、及び、第2外レンズ部材H460の背面側(矢印B方向側)端部を支持板部H410に当接させることができる。
一方、固定板H411の左側(矢印L方向側)側面においては、台部H411bの側面と内縁部H411cの側面とが略同一の面位置に形成され、前後方向(矢印F-B方向)において後述する左重板ユニットH400Lの内カバー部材H420の背面側(矢印B方向側)端部が内縁部H411cの背面側端部と同一の面位置に配置可能とされ、組立状態では内カバー部材H420の背面側端部H421bの内縁部が固定板H411の内縁部H411cの一部と当接される。
基板部材H412は、正面側に複数のLED(発光ダイオード)H412aが配置される電子基板(プリント基板)である。複数のLEDH412aは、上下方向(矢印L-R方向)に所定の間隔を空けて配設されると共に、後述する導光部材H440の湾曲形状に合わせて湾曲する列状に配置される(図139参照)。即ち、複数のLEDH412aは、導光部材H440が正面側から投影された形状の内側に配置され、導光部材H440の背面側(矢印B方向側)から導光部材H440へ向けて互いの光軸を平行にする姿勢で光を照射する。
なお、LEDH412aの幅(発光部分の左右幅)よりも、導光部材H440のLEDH412a側の端面の幅は長く形成される。よって、LEDH412aから照射される光は、導光部材H440の幅方向外側に漏れることなく導光部材H440に入射し、導光部材H440のいずれかの面から出射される。
また、列状に配置される複数のLEDH412aの上端に配設されるLEDH412a1は、導光部材H440よりも上方に配置されており、その光を外カバー部材H470の区画壁H478に照射可能とされる。なお、区画壁H478に照射される光については後述する。
右側用締結孔H411a1は、後述する右重板ユニットH400Rの外カバー部材H470に形成される背面側締結部H476と、第1外レンズ部材H450に形成される背面側締結部H456と、第2外レンズ部材H460に形成される背面側締結部H465とを位置決めすると共に、それら背面側締結部H456,H465,H476に締結される螺子が背面側から挿通される孔である。背面側締結部H456,H465,H476に螺子が螺入されることにより、外カバー部材H470,第1外レンズ部材H450,第2外レンズ部材H460が支持板部H410に締結固定される。
左側用締結孔H411a3は、後述する左重板ユニットH400Lの内カバー部材H420に形成される背面側締結部H428及び内レンズ部材H430に形成される背面側締結部H431b1を位置決めすると共に、それら背面側締結部H428,H431b1に締結される螺子が背面側から挿通される孔である。背面側締結部H428,H431b1に螺子が螺入されることにより、内カバー部材H420及び内レンズ部材H430が支持板部H410に締結固定される。
支持孔H411a2は、外カバー部材H470の突出部H479が挿通される貫通孔である。支持孔H411a2は、正面視において上下方向(矢印U-B方向)に長い矩形状に貫通形成されると共に、突出部H479の外形よりも若干大きく形成される。これにより、外カバー部材H470の左右方向(矢印L-R方向)の位置を規定しながら、外カバー部材H470の背面側(矢印B方向側)の端部を延設部H411aの正面側に当接させることができる。
次いで、図138及び図140を参照して、左重板ユニットH400Lについて説明する。図140は、左重板ユニットH400Lの分解正面斜視図である。図138及び図140に示すように、左重板ユニットH400Lは、窓部H14e(図119参照)の右側を構成すると共に光を透過可能な開口を有する内カバー部材H420と、その内カバー部材H420に右側から締結固定されると共に光透過性の無色の樹脂材料から形成される内レンズ部材H430と、右重板ユニットH400Rと対向配置される導光部材H440と、を主に備える。
内カバー部材H420は、上下(矢印U-D方向)に長尺の板状に形成される本体板部H421と、その本体板部H421の上端および下端に穿設される上側開口部H422及び下側開口部H423と、本体板部H421に開口される複数の開口部H424と、導光部材H440に挿通される円筒部であって導光部材H440を内カバー部材H420に固定する螺子が螺入される複数の第1締結部H425と、内レンズ部材H430に挿通される円筒部であって内レンズ部材H430を内カバー部材H420に固定する螺子が螺入される複数の第2締結部H426と、第1締結部H425及び第2締結部H426よりも長尺に形成され内レンズ部材H430及び導光部材H440に挿通される円筒部であって内レンズ部材H430及び導光部材H440を内カバー部材H420に固定する螺子が螺入される複数の第3締結部H427と、本体板部H421の右側に突設されると共に背面側から支持板部H410を固定するネジが螺入される複数の背面側締結部H428と、を主に備える。
本体板部H421は、側面視(パチンコ機H10の内側から外側に向かう方向視)において正面側(矢印F方向側)の端部を形成する正面側端部H421aが波を模した形状とされ、全体が有色の非透過の樹脂材料から形成される。また、本体板部H421の背面側(矢印B方向側)の端部を形成する背面側端部H421bは、側面視において上下方向(矢印U-D方向)に略直線状に延設され、右側装飾ユニットH14cの組立状態では背面側端部H421bが固定板H411の内縁部H411cの背面側端部と前後方向(矢印F-B方向)において略同一となる位置に配置される。
また、本体板部H421は、正面側端部H421aの上方側の一部(内レンズ部材H430の下側レンズ部H432よりも上方側に位置する部分)において、右重板ユニットH400Rに向かって立設される上側カバー部H421a1を備える。上側カバー部H421a1は、右重板ユニットH400Rと左重板ユニットH400Lとを組み合わせた場合に、右重板ユニットH400R(外カバー部材H470)に立設先端部が当接する大きさに形成される。即ち、左重板ユニットH400Lは、上方側の正面が上側カバー部H421a1により覆われた状態とされる。
一方、本体板部H421の上側カバー部H421a1よりも下方側(矢印D方向側)においては、正面側端部H421aと右重板ユニットH400R(第2外レンズ部材H460)との間に所定の隙間が形成され、その隙間に内レンズ部材H430が介在される。即ち、右側装飾ユニットH14cの下方側は、内カバー部材H420と外カバー部材H470との間から正面側(矢印F方向側)に向かって内レンズ部材H430と第2外レンズ部材H460とが張り出した状態とされる。
なお、本体板部H421は、非透過に形成されるものに限られることはなく、全部を光が透過可能な樹脂材料から形成したり、一部を光が透過可能な樹脂材料から形成したりしても良く、無色透明な樹脂材料から形成しても、半透明の樹脂材料から形成しても良い。
上側開口部H422及び下側開口部H423は、外カバー部材H470(締結部H472)に螺入される螺子が挿通される開口であり、本体板部H421に配設される内レンズ部材H430及び導光部材H440よりも上下方向(矢印U-D方向)の外側にずれた位置に形成される。これら上側開口部H422及び下側開口部H423に挿通される螺子が外カバー部材H470の締結部H472に螺入されることで、内カバー部材H420が外カバー部材H470に固定される。
開口部H424は、上下3箇所に並設されると共に組立状態において内レンズ部材H430の視認窓として機能する。各開口部H424は、側面視において撓んだ略半月状に形成され、下方側の開口部H424から上方側の開口部H424に向かって開口される領域が大きくされる。なお、本体板部H421の開口部H424が形成される縁部は、内レンズ部材H430(矢印R方向側)に向かって撓んで形成されており、これにより、内カバー部材H420と内レンズ部材H430との間に隙間が形成されることが抑制される。
第1締結部H425は、本体板部H421の正面側(矢印F方向側)の縁部に主に形成されており、導光部材H440と内レンズ部材H430を左右方向(矢印L-R方向)に重ねた場合に、内レンズ部材H430から張り出した導光部材H440の一部が締結される。即ち、第1締結部H425には、内レンズ部材H430を介さず導光部材H440が締結固定される。
第2締結部H426は、側面視における本体板部H421の中央領域に主に形成されており、内レンズ部材H430が締結される。即ち、第2締結部H426には、内レンズ部材H430のみが締結固定される。
第3締結部H427は、本体板部H421の背面側(矢印B方向側)の縁部に主に形成されており、導光部材H440と内レンズ部材H430とを左右方向(矢印L-R方向)に重ねた場合に、内レンズ部材H430と導光部材H440とが重なる領域に形成される。また、第3締結部H427は、左右に重ねた状態の内レンズ部材H430と導光部材H440を挿通可能な長さに形成されており、内レンズ部材H430と導光部材H440とを挿通した状態で締結される。
即ち、内レンズ部材H430は、第2締結部H426と第3締結部H427とにより内カバー部材H420に締結固定され、導光部材H440は、第1締結部H425と第3締結部H427とにより内カバー部材H420に締結固定される。
内レンズ部材H430は、内カバー部材H420と導光部材H440との間に配設され、導光部材H440から出射される光を透過して内カバー部材H420の開口部H424及び内カバー部材H420の正面側(矢印F方向側)から出射する部材であり、全体が透明の樹脂材料から形成される。
また、内レンズ部材H430は、内カバー部材H420の3箇所の開口部H424を覆う位置に形成される上側レンズ部H431と、その上側レンズ部H431の下方側に配設される下側レンズ部H432と、を主に備える。なお、上側レンズ部H431と、下側レンズ部H432とは、下側レンズ部H432側から挿通される螺子が上側レンズ部H431に螺入されることで締結固定されており、下側レンズ部H432が上側レンズ部H431よりも導光部材H440側(右重板ユニットH400R)に近接する位置に配設される。
上側レンズ部H431は、開口部H424の内側から視認される部分あり、3箇所の開口部H424を覆う大きさに形成される。また、上側レンズ部H431は、開口部H424と対応する位置に開口部H424の内側に向かって椀型に膨出する膨出部H431aと、背面側(矢印B方向側)の縁部に沿って導光部材H440側に向かって立設される背面側立設部H431bと、その背面側立設部H431bに連なる位置で穿設される第1開口部H431c及び第2開口部H431dと、背面側立設部H431bから背面側から円柱状に突設される背面側締結部H431b1と、を主に備える。
膨出部H431aは、開口部H424に嵌り込む部分であり、それぞれの開口部H424と対応する形状の外形に形成される。即ち、右側装飾ユニットH14cが組み立てられた状態において、開口部H424から膨出部H431aが右側装飾ユニットH14cの外側へ張り出した状態とされる。
また、膨出部H431aは、導光部材H440と対向する側の側面に凹凸が形成されており、この凹凸により膨出部H431a(上側レンズ部H431)に入射する光を開口部H424から拡散して右側装飾ユニットH14cの外側に出射することができる。
一方、膨出部H431aは、開口部H424に嵌り込む側の側面(即ち、開口部H424から右側装飾ユニットH14cの外側に突出する部分)が凹凸の少ない滑らかな面として形成される。これにより、膨出部H431aの光拡散性を維持しつつ、膨出部H431aの外面に異物(ちりやほこり等)が溜まる(入り込む)ことを抑制して膨出部H431aの清掃性を向上できる。
背面側立設部H431bは、導光部材H440の側面に当接する高さに設定される。これにより、導光部材H440の背面側(矢印B方向側)を上側レンズ部H431(内レンズ部材H430)に当接させて配設することで、右側装飾ユニットH14cの前後方向における中央部(内レンズ部材H430と導光部材H440との間)に所定の空間を形成できる。これにより、右側装飾ユニットH14cの内部に熱がこもることを抑制できる。
第1開口部H431cは、内カバー部材H420の第2締結部H426と対応する位置に形成される。これにより、第1開口部H431cを挿通した螺子を内カバー部材H420の第2締結部H426に螺入させて、内カバー部材H420と内レンズ部材H430とを締結することができる。
第2開口部H431dは、内カバー部材H420の第3締結部H427と導光部材H440の第2開口部H445と対応する位置に形成されると共に、第3締結部H427の外形よりも大きい内径に形成される。また、第3締結部H427は、上述したように内レンズ部材H430の第2開口部H431dを挿通可能な長さに形成されており、第2開口部H431dの内側に挿入された状態で、導光部材H440の第2開口部H445から挿通される螺子が螺入される。
なお、上側レンズ部H431は、内カバー部材H420の第1締結部H425よりも正面側(矢印F方向側)の端部が背面側(矢印B方向側)に位置する大きさに形成される。従って、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態では、上側レンズ部H431の正面側端部と内カバー部材H420の上側カバー部H421a1との間に所定の隙間が形成され、その隙間に内カバー部材H420の第1締結部がH425が配置される。これにより、導光部材H440の第1開口部H444を挿通した螺子を上側レンズ部H431(内レンズ部材H430)を介さず内カバー部材H420の第1締結部H425に螺入させることができる。
下側レンズ部H432は、上述したように、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、内カバー部材H420と外カバー部材H470との間から正面側に張り出す部分であり、正面側の端部が波形状に形成される。
また、下側レンズ部H432の正面側(矢印F方向側)の端部には、外カバー部材H470側(矢印R方向側)に向かって立設される立設部H432aが形成される。立設部H432aは、内カバー部材H420に導光部材H440を配設した状態において、導光部材H440よりも右重板ユニット側(矢印R方向側)に立設先端部が位置する大きさに形成される。即ち、立設部H432aの内側に導光部材H440が収容される。これにより、導光部材H440から正面側(矢印F方向側)に出射される光を立設部H432aを介して右側装飾ユニットH14cの正面側に出射させることが可能とされる。
さらに、下側レンズ部H432には、上側レンズ部H431の第2開口部H431dと同様の機能を有する開口部H432bが正面側の一部に形成される。これにより、右側装飾ユニットH14cの組立状態において、内カバー部材H420と導光部材H440との間に下側レンズ部H432を挟んだ状態とすることができる。従って、内カバー部材H420から下側レンズ部H432が離れることを抑制でき、内カバー部材H420と下側レンズ部H432との間に隙間が形成されることを抑制できる。
導光部材H440は、上述したように、基板部材H412のLEDH412aから照射される光を導光させる部材であり、全体が無色透明の熱可塑性樹脂材料から形成される。また、導光部材H440は、内カバー部材H420と内レンズ部材H430とを組み合わせた状態の左重板ユニットH400Lよりも一回り小さく形成されており、内カバー部材H420と内レンズ部材H430の内側に収容された状態で内カバー部材H420に締結される。
なお、導光部材H440に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、透明性を有するものが好ましく、アクリル系樹脂(メタクリル系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレン共重合化合物)を例示することができる。このうち、特にアクリル系樹脂を用いることで、平均輝度が高く、輝度分布の低下が少ない導光部材H440を得ることができる。
導光部材H440は、側面に第1の凹凸で形成される第1凹凸面H441と、第1の凹凸とは異なる第2の凹凸で形成される第2凹凸面H442と、背面側(矢印B方向側)の端部に突出して形成される複数の入射部H443と、正面側の縁部に沿う位置に穿設される複数の第1開口部H444と、背面側の縁部に沿う位置に穿設される複数の第2開口部H445と、正面側の縁部から正面側に向かって突出して形成される複数の係合部H446と、を主に備える。
第1凹凸面H441は、内レンズ部材H430の膨出部H431a及び下側レンズ部H432と対応する位置に主に形成される。即ち、第1凹凸面H441は、LEDH412aから入射する光を内カバー部材H420及び外カバー部材H470が配設される方向(左右方向(矢印L-R方向)へ主に反射可能に構成される。これにより、上側レンズ部H431の膨出部H431aおよび下側レンズ部H432から出射される光を遊技者に認識させやくできる。
なお、本実施形態における第1凹凸面H441は、底面に対する傾斜角度45°且つ底円の直径約1mmの円錐形状部が、約3mm間隔で格子状に分散配置されるパターンを有する型板を熱可塑性樹脂に押し当てる(熱プレスする)ことにより形成される。LEDH412aから照射された光の内、凹状部に到達した光は、凹状部により反射し、導光部材H440の左右側面から概略垂直な方向へ出射される。
第2凹凸面H442は、内レンズ部材H430の上側レンズ部H431および下側レンズ部H432を連結する部分と対応する位置に主に形成される。即ち、内カバー部材H420より覆設され遊技者から視認されにくい位置に形成される。
また、第2凹凸面H442は、内レンズ部材H430の膨出部H431aと対応する位置に形成される側の第1凹凸面H441の周囲を取り囲むように形成されると共に、凸部の頂点が上下に延設される凹凸状に形成される。これにより、第2凹凸面H442は、導光部材H440の背面側から正面側に向けて入射する光を上下に反射して、第1凹凸面H441側に拡散できるようになっている。その結果、第1凹凸面H441から遊技者に向けて出射される光量を増やすことができる。
入射部H443は、導光部材H440の背面側(矢印B方向側)に配設される基板部材H412のLEDH412aと対応する位置に一個ずつ形成される。また、入射部H443の突出先端は、側面視において背面側に向かって湾曲する形状に形成されており、この湾曲形状によりLEDH412aから入射される光を上下方向に拡散できる。これにより、LEDH412aの上下方向における配設間隔を空けても導光部材H440の全体に光を透過することができ、LEDH412aの配設数を少なくすることができる。
第1開口部H444は、内カバー部材H420の第1締結部H425に螺入される螺子が挿通される開口であり、第1締結部H425と対応する位置に形成される。よって、第1開口部H444を挿通させた螺子を第1締結部H425に螺入させることで、導光部材H440の正面側を内カバー部材H420に締結させることができる。
第2開口部H445は、内カバー部材H420の第3締結部H427に締結される螺子が挿通される開口であり、第3締結部H427と対応する位置に形成される。よって、第2開口部H445を挿通させた螺子を第3締結部H427に螺入させることで、導光部材H440の背面側を内カバー部材H420に締結させることができる。
係合部H446は、後述する右重板ユニットH400Rの被係合部H457と係合する部分であり、被係合部H457の内側に挿入可能な大きさに形成される。なお、係合部H446と被係合部H457との係合は、左重板ユニットH400Lと右重板ユニットH400Rとが組み立てられた状態で行われ、右重板ユニットH400Rの背面側から左重板ユニットH400Lが正面側にスライドされることで、被係合部H457に係合部H446が挿入されるようになっている。これにより、右重板ユニットH400Rと左重板ユニットH400Lとの正面側が互いに離れる左右方向(矢印L-R方向)に変位することを抑制できる。
次いで、左重板ユニットH400Lの組み立て方法について説明する。
初めに、左重板ユニットH400Lは、内カバー部材H420の右側(矢印R方向側)から内レンズ部材H430が内カバー部材H420に配設される。この場合、内カバー部材H420の第3締結部H427の先端が第1開口部H431cに挿入されることで、内カバー部材H420に内レンズ部材H430を位置決めした状態で配設することができる。
内カバー部材H420に内レンズ部材H430を配設した後は、内カバー部材H420の第2締結部H426に内レンズ部材H430の第2開口部H431dを挿通した螺子が螺入されることで、内レンズ部材H430が内カバー部材H420に固定される。
次に、内レンズ部材H430が内カバー部材H420に固定された状態で、導光部材H440が内カバー部材H420の右側(矢印R方向側)から内カバー部材H420に配設された後、導光部材H440の第2開口部H445を挿通させた螺子が内カバー部材H420の第3締結部H427に螺入され、導光部材H440の第1開口部H444を挿通させた螺子が内カバー部材H420の第1締結部H425に螺入されることで、内レンズ部材H430に導光部材H440が固定される。これにより、左重板ユニットH400Lが組み立てられる。
次いで、図138及び図141を参照して、右重板ユニットH400Rについて説明する。図141は、右重板ユニットH400Rの分解正面斜視図である。図138及び図141に示すように、右重板ユニットH400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H470と、を主に備える。
外カバー部材H470は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H471と、その本体板部H471の上端および下端に形成される2箇所の締結部H472と、本体板部H471に開口される複数の開口部H473と、第1外レンズ部材H450に先端が挿入される円筒部であって第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に固定する螺子が螺入される複数の第1締結部H474と、その第1締結部H474よりも短く形成される円筒部であって、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を外カバー部材H470に固定する螺子が螺入される複数の第2締結部H475と、本体板部H471の左側側面から突設されると共に背面側から支持板部H410を固定する螺子が螺入される複数の背面側締結部H476と、本体板部H471の背面側から突設され支持板部H410の支持孔H411a2に挿入される突出部H479と、を主に備える。
本体板部H471は、側面視(矢印L方向視)において、正面側(矢印F方向側)の端部が湾曲した円弧形状に形成されると共に、背面側の端部が上下方向に直線状に延設され、全体が非透過の樹脂材料から形成される。また、本体板部H471は、上端から左重板ユニットH400L側に向かって立設される立設部H477を備えており、正面視において上下(矢印U-D方向)左右(矢印L-R方向)を反転した略L字状に形成される。
なお、本体板部H471の上下方向(矢印U-D方向)における延設長さは、支持板部H410と対応する長さに形成されており、右重板ユニットH400Rを支持板部H410に配設した場合に固定板H411の正面側に重なる状態とされる。
立設部H477は、正面視における正面枠H14の上部右側を構成する部分であり、正面枠H14の組立状態において上側装飾ユニットH14a側に向かって立設される先端部が上側装飾ユニットH14aの上面板H332の右端部と当接する大きさに設定される。
また、立設部H477には、後述する第1外レンズ部材H450に形成される貫通孔H452aに挿通される挿通部H477aが複数個形成される。この挿通部H477aを貫通孔H452aに挿通した状態で、第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に配設することで、立設部H477と対向する第1外レンズ部材H450の屈曲部H452が立設部H477に対して相対変位することを抑制できる。
締結部H472は、左重板ユニットH400Lを右重板ユニットH400Rに固定するための螺子を螺入する部分であり、内カバー部材H420の本体板部H421に形成される上側開口部H422及び下側開口部H423と対応する位置に形成される。左重板ユニットH400Lと右重板ユニットH400Rとは、それぞれが組み立てられた状態で内カバー部材H420の上側開口部H422及び下側開口部H423に挿入される螺子を外カバー部材H470の締結部H472に螺入することで左重板ユニットH400Lが右重板ユニットH400Rに固定される。
複数の開口部H473は、第1外レンズ部材H450の複数の膨出部H455と対応する位置および形状に形成され、組立状態において第1外レンズ部材H450の視認窓として機能する。また、本体板部H471には、各開口部H473の開口縁に沿って第1外レンズ部材H450側にリブが立設され、そのリブの内側に膨出部H455が挿入された状態で配設される。これにより、外カバー部材H470と第1外レンズ部材H450との間に隙間が形成されることが抑制される。
なお、本体板部H421の上部に形成される開口部H473(以下「上端開口部H473a」と称す(図143(b)参照))の縁部に沿って形成されるリブには、下方側を形成するリブから左重板ユニットH400L側に向かって立設される区画壁H478が形成される。
区画壁H478は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の上方に立設先端部が位置する大きさに形成される。これにより、上端開口部H473aと対向する位置から出射される導光部材H440から出射される光と、他の領域から出射される光とが混ざることを抑制できる。その結果、上端開口部H473aから出射される光を他の光を区別しやすくできる。
第1締結部H474は、第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に固定するための螺子を螺入する部分であり、第1外レンズ部材H450に形成される第1挿通孔H453と対応する位置に形成される。
第2締結部H475は、第1外レンズ部材H450または第2外レンズ部材H460を外カバー部材H470に固定するための螺子を螺入する部分であり、第1外レンズ部材H450に形成される第2挿通孔H454又は第2外レンズ部材H460に形成される挿通部H464と対応する位置に形成される。
第1挿通孔H453に挿通される螺子が第1締結部H474に螺入され、第2挿通孔H454又は挿通部H464に挿通される螺子が第2締結部H475に締結されることにより、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が外カバー部材H470に固定される。
背面側締結部H476は、外カバー部材H470を支持板部H410に固定するための螺子を螺入する部分であり、支持板部H410の固定板H411に形成される右側用締結孔H411a1と対応する位置に形成される。外カバー部材H470は、右側用締結孔H411a1を挿通した螺子が背面側締結部H476に螺入されることで、支持板部H410に固定される。
第1外レンズ部材H450は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H451と、その本体板部H451の上端部から内カバー部材H420側に向かって屈曲する屈曲部H452と、外カバー部材H470に締結される螺子が挿通される貫通孔として構成される複数の第1挿通孔H453,第2挿通孔H454と、第1挿通孔H453で囲まれる領域において外カバー部材H470側(右側(矢印R方向側))に張り出し、外カバー部材H470越しに視認可能とされる膨出部H455と、本体板部H451の背面側に穿設されると共に背面側から支持板部H410に固定する螺子が螺入される背面側締結部H456と、正面側の縁部に沿って複数個形成される被係合部H457と、を主に備える。
また、第1外レンズ部材H450は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設され導光部材H440から出射される光を透過して外カバー部材H470の開口部H473及び外カバー部材H470の正面側から出射する部分であり、全体が半透明の樹脂材料から形成される。
本体板部H451は、前後端部の形状が外カバー部材のH470の前後端部の形状に倣って形成されると共に、下方側の端部から下方側に張り出す張出部H451aを備えて形成される。
張出部H451aは、外カバー部材H470の下方側から外カバー部材H470よりも正面側(矢印F方向側)に張り出す部分であり、背面側の端部が外カバー部材H470の正面側の端面に沿って形成される。即ち、張出部H451aは、外カバー部材H470の下方側において外カバー部材H470と前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配置される。
屈曲部H452は、外カバー部材H470の立設部H477と所定の間隔を隔ててて配設され、外カバー部材H470の立設部H477と共に正面枠H14の正面視における上部右側を構成する部分であり、正面視において右側から左側への立設距離が立設部H477よりも大きく設定される。即ち、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450を配設した状態では、第1外レンズ部材H450の屈曲部H452が、外カバー部材H470の立設部H477よりも張り出した状態とされる。
また、屈曲部H452は、本体板部H451に連結される基端部H452cと、その基端部H452cの先端側に連なって形成されると共に基端部H452cよりも一段高く形成される先端部H452dと、その基端部H452cと先端部H452dとの段差部分に開口する貫通孔H452aと、先端部H452dの先端側端部から上方側(矢印U方向側)に向かって屈曲する係合部H452bと、を主に備える。なお、屈曲部H452は、先端部H452dが外カバー部材H470の立設部H477よりも張り出した状態とされる。
貫通孔H452aは、上述したように外カバー部材H470の挿通部H477aが挿通される部分であり、複数の挿通部H477aと対応する位置にそれぞれ形成される。これにより、外カバー部材H470の立設部H477に対して、第1外レンズ部材H450の屈曲部H452の位置がずれることを抑制できる。
なお、挿通部H477aは、右側(矢印R方向側)から左側(矢印L方向側)に向かって突出して形成され、貫通孔H452aは、左右方向(矢印L-R方向)に貫通して形成される。これにより、外カバー部材H470に対して、左側から第1外レンズ部材H450を配設する際に、貫通孔H452aの内側に挿通部H477aを挿通させることができる。
係合部H452bは、上述した上側装飾ユニットH14aの上面板H332(被係合部H332g)と係合する部分であり、上面板H332との係合により、上面板H332に対して屈曲部H452が離間することを抑制して、上面板H332に対して立設部H477が離間することを抑制できる。なお、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの組み立て方法についての詳しい説明は後述する。
第1挿通孔H453は、上述したように外カバー部材H470の第1締結部H474に螺入される螺子が挿通される部分であり、第1締結部H474と対応する位置に形成される。また、第1挿通孔H453は、外カバー部材H470側(矢印R方向側)から導光部材H440側(矢印L方向側)に向かって円形状に凹設される凹設底面に形成されており、凹設部に第1締結部H474の先端部を挿入可能とされる。これにより、外カバー部材H470に対して第1外レンズ部材H450を位置決めしつつ、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450を固定することができる。
第2挿通孔H454は、上述したように外カバー部材H470の第2締結部H475に螺入される螺子が挿通される部分であり、第2締結部H475と対応する位置に形成される。なお、第2挿通孔H454は、第1挿通孔H453のように第2締結部H475の先端部を挿入可能な凹設部を備えておらず、本体板部H451の側面に第2締結部H475の先端部を当接させた状態で螺子が挿通される。
膨出部H455は、開口部H473に嵌り込む部分であり、それぞれの開口部H473と対応する形状の外形に形成される。即ち、右側装飾ユニットH14cが組み立てられた状態において、開口部H473から膨出部H455が右側装飾ユニットH14cの外側へ張り出した状態とされる。なお、上端開口部H473aに挿入される上端側の膨出部H455(以下「上方側膨出部H455a」と称す)は、上端開口部H473aの内縁と若干の隙間を隔てた状態で形成される。
背面側締結部H456は、第1外レンズ部材H450を支持板部H410に固定するための螺子を螺入する部分であり、支持板部H410の固定板H411に形成される右側用締結孔H411a1と対応する位置に形成される。第1外レンズ部材H450は、右側用締結孔H411a1を挿通した螺子が背面側締結部H456に螺入されることで、支持板部H410に固定される。
被係合部H457は、導光部材H440の係合部H446と係合する部分であり、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、係合部H446と対応する位置に形成される。また、被係合部H457は、本体板部H451の正面側端部にブリッジ状に形成されており、そのブリッジにより前後方向(矢印F-B方向)に開口する空間が形成される。
第2外レンズ部材H460は、全体が透明の樹脂材料から形成され、第1外レンズ部材H450の張出部H451aを除いた部分の下側(矢印D方向側)に配設される。また、第2外レンズ部材H460は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設される挟持部H461と、その挟持部H461よりも正面側に張り出される張出部H462と、挟持部H461及び張出部H462との間を連結する連結部H463と、を主に備える。
挟持部H461及び連結部H463は、第2外レンズ部材H460を外カバー部材H470に固定するための部分であり、外カバー部材H470の第2締結部H475と対応する位置に開口する複数の挿通部H464を備える。挿通部H464に挿通した螺子を外カバー部材H470の第2締結部H475に螺入することで、第2外レンズ部材H460を第1外レンズ部材H450と共に外カバー部材H470に固定できる。
また、挟持部H461には、背面側の端部に背面側締結部H465が形成される。背面側締結部H465は、第2外レンズ部材H460を支持板部H410に固定するための螺子を螺入する部分であり、支持板部H410の固定板H411に形成される右側用締結孔H411a1と対応する位置に形成される。第2外レンズ部材H460は、右側用締結孔H411a1を挿通した螺子が背面側締結部H465に螺入されることで、支持板部H410に固定される。
なお、上述した外カバー部材H470、第1外レンズ部材H450、及び、第2外レンズ部材H460の支持板部H410への固定は、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を固定した状態(即ち、右重板ユニットH400Rの組立状態)で行われる。より詳しくは、左重板ユニットH400Lと右重板ユニットH400Rとを組み付けた状態で行われる。
連結部H463は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と第1外レンズ部材H450の張出部H451aとの間に配設される部分であり、挟持部H461及び張出部H462よりも左右方向(矢印L-R方向)における厚みが薄く形成される。これにより、右重板ユニットH400Rの組立状態において、第1外レンズ部材H450の張出部H451aは、第2外レンズ部材H460の挟持部H461と張出部H462とにより前後が挟まれた状態とされる。
張出部H462は、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、上述した下側レンズ部H432と共に内カバー部材H420と外カバー部材H470との間から正面側(矢印F方向側)に張り出す部分であり、正面側の端部が下側レンズ部H432と同形状の波形状に形成される。
また、張出部H462には、正面側の端部に内カバー部材H420側(矢印L方向側)に向かって立設される立設部H462aが形成される。立設部H462aは、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、下側レンズ部H432の立設部H432aの正面側に重なる大きさに形成される。即ち、組立状態における右側装飾ユニットH14cの下側レンズ部H432の立設部H432aの正面側には、第2外レンズ部材H460の立設部H462aが重なる状態で配設される。
第2外レンズ部材H460の立設部H462aには、前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される被係合部H462a1が形成され、下側レンズ部H432の立設部H432aには、被係合部H462a1に向かって突出する係合部H432a1が形成される。これにより、右側装飾ユニットH14cの組立状態において、被係合部H462a1に係合部H432a1が挿入された状態とされ、左重板ユニットH400Lの正面側と右重板ユニットH400Rの正面側とが互いに離れる左右方向(矢印L-R方向)に変位することが規制される。
なお、本実施形態では、第2外レンズ部材H460及び下側レンズ部H432が透明の樹脂材料から形成されると共に、導光部材H440から出射される光を透過可能に形成されるので、立設部H462a及び立設部H432aに光を透過させることで被係合部H462a1及び係合部H432a1を遊技者に認識させにくくできる。その結果、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、右重板ユニットH400Rの組み立て方法について説明する。初めに、右重板ユニットH400Rは、外カバー部材H470の左側から第1外レンズ部材H450が重ね合わされる。この際、第1外レンズ部材H450の貫通孔H452aに外カバー部材H470の挿通部H477aが挿通されると共に、第1外レンズ部材H450の第1挿通孔H453が形成される凹部に第1外レンズ部材H450の第1締結部H474の先端部が挿入される。これにより、外カバー部材H470に対して第1外レンズ部材H450を位置決めしつつ配置することができる。
次に、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450が配置された状態で、第2外レンズ部材H460が外カバー部材H470の左側から第1外レンズ部材H450に配設される。この場合、第2外レンズ部材H460の挟持部H461と張出部H462との間に第1外レンズ部材H450の張出部H451aを挟み込まれる。これにより、第2外レンズ部材H460を第1外レンズ部材H450に対して位置決めしつつ配設できる。
最後に、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が配設された状態で、外カバー部材H470の第1締結部H474及び第2締結部H475に螺子が螺入されることで、右重板ユニットH400Rを組み立てることができる。
なお、本実施形態では、第1外レンズ部材H450と第2外レンズ部材H460とが色違いの樹脂材料から形成されるため、第1外レンズ部材H450と第2外レンズ部材H460とが別部材から構成されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を同色(例えば、無色透明)の樹脂材料から1の部材として構成しても良い。
次いで、図142及び図143を参照をして、右側装飾ユニットH14cと上側装飾ユニットH14aとについて説明する。図142(a)は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図142(b)は、正面枠H14の正面斜視図であり、図143(a)は、図136(b)に示すX08a線における右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図であり、図143(b)は、図136(b)に示すX08b線における右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。
なお、図142(a)では、本体枠H14dから上側装飾ユニットH14aを取り外した状態における正面枠H14が図示される。また、図143(a)及び図143(b)では、正面枠H14が組み立てられた状態における右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH14aの一部(上面板H332)の断面が模式的に図示される。
図142(a)及び図142(b)に示すように、右側装飾ユニットH14cと上側装飾ユニットH14aとは、右側装飾ユニットH14cを本体枠H14dに固定した後、正面側から上側装飾ユニットH14aが本体枠H14dに配設されて螺子により固定される。
この場合、上側装飾ユニットH14aの上面板H332が、右側装飾ユニットH14cの外カバー部材H470の立設部H477と隣り合う位置に配設される。なお、ここで説明する隣り合う位置とは、上面板H332と立設部H477とが当接している状態から組立公差や部品の寸法公差などにより若干の隙間を有した状態を含む位置である。
本実施形態においては、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとを、正面視における左右方向(矢印L-R方向)に分割する(正面視における本体枠H14dの上下両端の間の位置で分割)のではなく、上下方向(矢印U-D方向)に分割する(正面視における本体枠H14dの左右両端の間の位置で分割する)ことで、右側装飾ユニットH14cの上下方向における装飾領域を増やすことができる。
即ち、右側装飾ユニットH14cの外カバー部材H470の視認窓(開口部H473)を介して視認される領域を大きくすることができる。その結果、右側装飾ユニットH14cによる発光態様をパチンコ機H10の周囲にいる人に見せやすくできる。即ち、パチンコ機H10を遊技していない人に右側装飾ユニットH14c(パチンコ機H10)を注目させやすくできる。
また、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477とが左右方向に隣り合って配置され、上下方向に分割される(正面視における本体枠H14dの左右両端の間の位置で分割する)ので、右側装飾ユニットH14cに配設される基板部材H412や、上側装飾ユニットH14aに配設される基板部材H342に生じる熱を上面板H332と立設部H477との隙間から逃がしやすくできる。その結果、右側装飾ユニットH14cに配設される基板部材H412や、上側装飾ユニットH14aに配設される基板部材H342が熱により破損することを抑制できる。
しかしながら、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとを、左右方向(矢印L-R方向)に隣り合って配設するので、組立公差や部品の寸法公差などに起因して上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの境界に隙間が形成されたり、上側装飾ユニットH14a又は右側装飾ユニットH14cに作用された外力に起因して上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの境界に隙間が形成される虞がある。隙間が形成されると、隙間から異物(例えば、不正行為を行うための針金等、ちりやほこり等、液体)が侵入して内部の機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼす虞がある。特に、液体(例えば、遊技中に飲用するもの)は、微小な隙間であっても侵入しやすく、また、電気的構成に悪影響を及ぼしやすい。
なお、機械的構成に悪影響を及ぼす例としては、摺動する変位部材の間に異物が噛み込み変位部材の摺動が停止される場合や、光を透過する透過面が異物により汚れて光の発光態様が悪くなる場合や、異物が侵入することで異音が発生する場合や、異物によりセンサ等の検出態様が悪くなる(誤検出する)場合等が挙げられ、電気的構成に悪影響を及ぼす例としては、異物が基板部材に付着し基板部材がショートする場合や、異物が駆動モータ等の駆動源となる電気部品に付着しショートする場合や、異物が配線のコネクタ等に入り込むことで誤った信号が電気部品に送信される場合等が挙げられる。
また、上側装飾ユニットH14aは、上面(上面板H332)が略平坦な面に形成されており、遊技者が物を置きやすい構造となっている。そのため、遊技者が上側装飾ユニットH14aの上面に置いた物が上側装飾ユニットH14aの上面に溜まりやすくなっている。よって、正面枠H14の上側に上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの隙間から異物が入り込む可能性が高くなる。
これに対し、第8実施形態における右側装飾ユニットH14cには、図143(a)及び図143(b)に示すように、立設部H477の下方側に配設される第1外レンズ部材H450の屈曲部H452(先端部H452d)が立設部H477よりも立設部H477の立設方向(即ち、上側装飾ユニットH14a側)に張り出されて形成される。
即ち、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の重力方向下方側(矢印U方向側)に、第1外レンズ部材H450の屈曲部H452(先端部H452d)が配置される。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界に隙間が形成され、その隙間から侵入する異物を屈曲部H452で受け止めることができる。従って、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界から入った異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
また、屈曲部H452は、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の下方に先端部H452dが配設される共に、その先端部H452dに連なって境界(連結部)から離間する方向に延設される基端部H452cを備える。これにより、境界(連結部)に隙間が形成された場合に、その隙間から侵入した異物を先端部H452dで受け止めると共に、その受け止めた異物を機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼしにくい位置(本実施形態では、右側装飾ユニットH14cの内部)へ向けて基端部H452cにより案内できる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
なお、先端部H452d及び基端部H452c(屈曲部H452)は、それぞれ屈曲部H452の基端側(本体板部H451側)に向かって上面が下降傾斜して形成される。また、先端部H452d及び基端部H452cと所定の間隔を隔てる位置で先端部H452d及び基端部H452cの上方側を覆設する位置に外カバー部材H470の立設部H477が配設される。
即ち、先端部H452d及び基端部H452c(屈曲部H452)と、立設部H477との対向間に右側装飾ユニットH14cの右側に向かって延設される通路空間H400A(図143(a)及び(b)参照)が形成される。先端部H452dで受け止めた異物は、通路空間H400Aを介して所定の方向に案内されるので、異物の通過方向が通路空間H400Aにより規定される。よって、異物を機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼしにくい位置(本実施形態では、右側装飾ユニットH14cの内部)へ向けて案内しやすくできる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の下方に位置する屈曲部H452が、光を透過する第1外レンズ部材H450の一部により形成されるので、上面板H332に対する立設部H477の配置がずれて境界(連結部)の隙間が大きくなった場合に境界(連結部)の隙間から光を漏れ出させることができる。この光により、パチンコ機H10を設置するパチンコ店(ホール)の管理者(店員)にパチンコ機H10に異常がある(上面板H332と立設部H477との間に隙間が形成された)ことを認識させることができる。その結果、境界(連結部)の隙間が大きくなった状態のままパチンコ機H10が放置される(遊技可能な状態のままにされる)ことを抑制できる。
なお、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入する液体を先端部H452dで受け止めた場合には、基板部材H412のLEDH412aの発光に伴う熱により、その液体を蒸発させて上面板H332と立設部H477との境界(連結部)からパチンコ機H10の外部へ排出することができる。これにより、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)から侵入した液体により機械的構成や電気的構成(特に、液体による部品のショート)に悪影響が生じることを抑制できる。
さらに、右側装飾ユニットH14cの屈曲部H452には、その先端に係合部H452bが形成されており、この係合部H452bが、上側装飾ユニットH14aの上面板H332に形成される被係合部H332gに係合する(第1片H332g1と第2片H332g2との間に挿入される)ように形成される。よって、係合部H452bは、右側装飾ユニットH14cと上側装飾ユニットH14aとが本体枠H14dに配設された際に、上面板H332の第1片H332g1及び第2片H332g2の対向間に挿入され、上面板H332の被係合部H332gに係合される。
これにより、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH14cを本体枠H14dに配設した後で、上側装飾ユニットH14aに対して右側装飾ユニットH14cの位置がずれることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の隙間が大きくなることを抑制して、その境界(連結部)の隙間から異物が入りやすくなることを抑制できる。
被係合部H332gは、右側装飾ユニットH14cの立設部H477との連結部分となる上面板H332の左右方向(矢印L-R方向)の両端部に形成される。よって、上面板H332の左右方向の両端部から離れた位置に別部材で被係合部H332gが形成される場合に比べて、部品の製造公差や組立公差により被係合部の(係合部H452bと係合する)位置がずれることを抑制できる。よって、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の隙間が大きくなることを抑制して、その境界(連結部)の隙間から異物が入りやすくなることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
また、屈曲部H452の係合部H452bを上側装飾ユニットH14aに係合させるので、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)に対して、屈曲部H452の位置がずれることを抑制できる。よって、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から異物が入った場合に、その異物を屈曲部H452で確実に受け止めることができる。
なお、第1片H332g1と第2片H332g2とは、上側装飾ユニットH14aの背面側(矢印B方向側)の端部が開放されて(所定の隙間を隔てて)形成される。これにより、第1片H332g1と第2片H332g2との間への係合部H452bの配設は、本体枠H14dに上側装飾ユニットH14aを配設する際に、上側装飾ユニットH14aを本体枠H14dの正面側から背面側に向かって挿入することで、第1片H332g1と第2片H332g2との間に係合部H452bを挿入することができる。その結果、第1片H332g1と第2片H332g2との間に係合部H452bを挟み込んだ状態で、上側装飾ユニットH14aを本体枠H14dに配設することができる。
なお、図143に示すように、屈曲部H452は、外カバー部材H470の立設部H477と上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間を隔てて配設される(通路空間H400Aを備える)と共に、上面側が本体板部H451側(矢印R方向側)に向かって下方側(矢印D方向側)に傾斜して形成される。これにより、屈曲部H452で受け止めた異物を屈曲部H452の上面を転動させて(滑り落として)本体板部H451側(矢印R方向側)に移動させることができる。よって、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物を落下させることができる。その結果、異物を上側装飾ユニットH14aの装飾と関係のない位置に流下させることができ、異物により上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
また、屈曲部H452には、本体板部H451からの屈曲先端部に形成される係合部H452bが屈曲部H452の屈曲先端部に沿って屈曲先端部の全域に形成される。そのため、屈曲部H452で受け止めた異物が屈曲部H452の屈曲先端側(矢印L方向側)に転動した(滑り落ちた)としても、屈曲部H452の屈曲先端部を超えて異物が下方に落下することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
また、本実施形態では、屈曲部H452に段差が形成され、その段差に貫通孔H452aが形成される。上述したように、右側装飾ユニットH14cの上部は、上側装飾ユニットH14aのスピーカーH312aの背面側を覆う状態で配設される。従って、貫通孔H452aによりスピーカーH312aの背面側から放音される音を貫通孔H452aを介して立設部H477と屈曲部H452との間の隙間に放音させることができ、この音により屈曲部H452を微振動させることができる。
このスピーカーH312aの音による屈曲部H452の微振動により、屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすく(移動させやすく)できる。その結果、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物を落下させやすくできる。
また、本実施形態では、貫通孔H452aを介して放音される音が、スピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音であるので、スピーカーH312aの正面側から放音される音に比べて低音となりやすい。そのため、スピーカーH312aの音により屈曲部H452を振動させやすくできる。その結果、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物を落下させやすくできる。
次いで、外カバー部材H470の本体板部H471と、第1外レンズ部材H450の本体板部H451とについて説明する。図143に示すように、本体板部H471には、開口部H473が形成され、その開口部H473の内側に所定の隙間を空けた状態で本体板部H451の膨出部H455が挿入される。従って、本体板部H471と本体板部H451との対向間(通路空間H400A)は、開口部H473(特に上端開口部H473a)を介して右側装飾ユニットH14cの外側の空間に連通される。即ち、通路空間H400Aとパチンコ機H10の外部とを連通可能な開口部H473を備える。
よって、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物が落下する場合には、開口部H473(特に上端開口部H473a)を介して異物を右側装飾ユニットH14cの外側に排出することができる。
即ち、本実施形態では、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)と、右側装飾ユニットH14cの開口部H473とを連通する通路(本体板部H471及び本体板部H451の隙間と、立設部H477及び屈曲部H452の隙間)を備える。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から異物が入った場合に、その異物が右側装飾ユニットH14cの内部を下端まで落下することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
また、上側装飾ユニットH14aの上面板H332及び右側装飾ユニットH14cの立設部H477の境界(連結部)と、右側装飾ユニットH14cの開口部H473とを連通する通路空間H400Aは、右側装飾ユニットH14cのLEDH412aの光を拡散する導光部材H440のとは別の部材(第1外レンズ部材H450及び外カバー部材H470)に形成される。従って、通路を異物や液体が流れる場合にLEDH412aから出射される光の拡散性が悪くなることを抑制できる。その結果、異物を流す通路を有する右側装飾ユニットH14cの装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
さらに、第8実施形態では、通路空間H400Aの下方側(流下方向側)において第1外レンズ部材H450に膨出部H455が形成され、その膨出部H455が開口部H473に挿入される。これにより、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に落下する(通路空間H400Aを通過する)異物を膨出部H455に当接させると共に、膨出部H455の外面に沿って落下させることができる。その結果、開口部H473から異物を右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくできる。異物が右側装飾ユニットH14cの内部に留まることを抑制できる。
即ち、外カバー部材H470に対する第1外レンズ部材H450の位置決めとして膨出部H455を利用できるだけでなく、通路空間H400を通過する異物を受け止めてパチンコ機H10の外側に排出する手段としても膨出部H455を利用(兼用)できる。
特に、第1外レンズ部材H450の上方側に形成される上方側膨出部H455aは、屈曲部H452の基端部H452cと連続する高さに形成されるので、通路空間H400A内を通過する異物を基端部H452c上を通過させてそのまま上方側膨出部H455aに案内することができる。その結果、上端開口部H473aから異物を右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくできる。
なお、通路空間H400Aの基端部H452cは、上端開口部H473aに向かって傾斜して形成される。これより、第8実施形態における上端開口部H473aは、外カバー部材H470に対して前後方向における寸法が1/5以下に小さく設定されるが、通路空間H400A内を通過する異物を上端開口部H473aを通して右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくできる。
これにより、外カバー部材H470に対して異物が排出される部分を一部に限定して、異物が排出されていることを遊技者に分かりにくくできる。また、異物が排出される領域を外カバー部材H470の背面側に偏る位置に設定できるので、遊技者に視認されにくい位置から異物を排出することができる。その結果、遊技者の興趣が定価することを抑制できる。
また、上端開口部H473aの下方に位置する開口部H473は、少なくとも一部が上端開口部H473aと上下方向に重なる位置に形成されており、上端開口部H473aに案内されず落下する異物を他の開口部H473を通して右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくされる。
なお、上記第8実施形態では、上端開口部H473aの前後方向の大きさが外カバー部材H470に対して十分に小さく設定される場合について説明したが、上端開口部H473aの前後方向における大きさを外カバー部材H470の前後方向における大きさと略同一に設定しても良い。この場合には、上端開口部H473aからほとんどの異物を右側装飾ユニットH14cの外側に排出することができ、上端開口部H473aの下方側に他の開口部H473を不要とできる。その結果、設計の自由度を向上できる。
また、外カバー部材H470の上部に形成される上端開口部H473a(図150(b)参照)に上端開口部H473aの下方側縁部に連なって区画壁H478が突設され、上端開口部H473aに挿入される上方側膨出部H455aの周囲に、区画壁H478と対応する形状の開口H455a1が形成され、その開口H455a1に区画壁H478が挿通される。
即ち、通路空間H400Aと上端開口部H473aとが連通される下方側端部に区画壁H478が形成され、その区画壁H478が開口H455a1に挿入されるので、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450を組付ける際には、開口H455a1への区画壁H478の挿入により、外カバー部材H470と第1外レンズ部材H450とを位置決めできる。これにより、外カバー部材H470への第1外レンズ部材H450への組付け作業を容易とできる。
また、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450が配設された状態では、区画壁H478が通路空間H400の下方に位置するので、通路空間H400を上流(上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部))側から通過する異物を区画壁H478で受け止めると共に、その受け止めた異物を上端開口部H473aに向けて案内できる。
従って、外カバー部材H470に対する第1外レンズ部材H450の位置決めとして区画壁H478を利用できるだけでなく、通路空間H400を通過する異物を受け止めてパチンコ機H10の外側に排出する手段としても区画壁H478を利用(兼用)できる。
次いで、図144から図163を参照して、上下皿ユニットH15について説明する。初めに、図144から図146を参照して、上下皿ユニットH15の全体構成について説明する。図144は、上下皿ユニットH15の正面図であり、図145は、上下皿ユニットH15の分解正面斜視図であり、図146は、上下皿ユニットH15の分解背面斜視図である。
図144から図146に示すように、上下皿ユニットH15は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。
ベース部材H510は、上下皿ユニットH15を本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に配設するための部材であり、正面視において本体枠H14dよりも左右方向(矢印L-R方向)に大きく形成されると共に、下方側の縁部が本体枠H14dよりも下方側に位置して配設される。
上皿形成部材H520は、遊技領域に打ち出される球を貯留する上皿H17を上下皿ユニットの上部に形成するための部材であり、ベース部材H510の上方側の縁部に沿ってベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に配設される。
操作ユニットH180は、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H530の間に配設されると共に、遊技者に操作されるボタン部H181を上皿形成部材H520の上面よりも上方側に突出させた状態で配設される。
下皿形成部材H530は、上下皿ユニットH15の化粧面を構成する部材であり、正面視においてベース部材H510及び上皿形成部材H520を覆う位置に配設される。また、下皿形成部材H530は、下皿H50の貯留空間を形成する下皿構成ユニットH550と、その下皿構成ユニットH550に貯留された球を抜く球抜きユニットH560とを備える。
本体枠H14dへのベース部材H510の配設は、ベース部材H510に上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51を配設し、上下皿ユニットH15を組み立てた状態で取り付けられる。
次いで、図147及び図148を参照して、ベース部材H510について説明する。図147(a)は、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面図であり、図147(b)は、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の背面図であり、図148(a)は、図147(a)のX12a線におけるベース部材H510の断面図であり、図148(b)は、図147(a)のX12b線におけるベース部材H510の断面図であり、図148(c)は、図147(a)のX12c線におけるベース部材H510の断面図である。
図147に示すように、ベース部材H510は、本体枠H14dの下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。
また、ベース部材H510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第8実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
上皿用球流入部H513は、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図125参照)の前扉側上皿通路部H141から送球される球を上皿H17に流入させるための開口であり、前扉側上皿通路部H141と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。これにより、パチンコ機H10が遊技状態とされる際に通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141から送球される球を上皿H17に流入させることができる。
下皿用球流入部H514は、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図125参照)の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿H50に流入させるための開口であり、前扉側下皿通路部H142と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。これにより、パチンコ機H10が遊技状態とされる際に通路形成ユニットH140の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿H50に流入させることができる。
送球用球流出部H516は、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図125参照)を介して、上皿H17に貯留される球を発射位置送球ユニットH170に送球するための開口であり、発射位置送球ユニットH170の正面側開口H171と連通する位置に形成される。
また、送球用球流出部H516の下方には、送球用球流出部H516と同様にベース部材H510の前後方向に開口する排出用球流出部H518が形成される。排出用球流出部H518は、球排出レバーH54の操作により開放される開口であり、通路形成ユニットH140のファール球受口部H146(図126参照)に連通される。これにより、遊技者が球排出レバーH54を操作した際に、上皿H17に貯留した球を排出用球流出部H518を介して下皿H50に球を送球することができる。
締結孔H511は、ベース部材H510の背面側(矢印B方向側)に配設される本体枠H14d(図126参照)とベース部材H510とを締結固定するための螺子を螺入するための孔であり、本体枠H14dに形成される螺子挿通用の貫通孔と対応する位置に形成される。
また、一部の締結孔H511は、本体枠H14dの下部背面側(矢印B方向側)に締結固定される通路形成ユニットH140の背面側から本体枠H14dを介して挿通される螺子を螺入可能に形成される。即ち、通路形成ユニットH140を上下皿ユニットH15に締結可能に構成される。これにより、上下皿ユニットH15に対する通路形成ユニットH140の位置ずれを抑え、上皿用球流入部H513に対する前扉側上皿通路部H141の連通状態と、下皿用球流入部H514に対する前扉側下皿通路部H142の連通状態とを安定させることができる。その結果、通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141から上皿H17への球の流入、及び、前扉側下皿通路部H142から下皿H50への球の流入を安定させることができる。なお、ベース部材H510への通路形成ユニットH140の配設は、上下皿ユニットH15が組み立てられた状態で行われる。
挿通孔H512は、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に配設される上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51を締結するための螺子を挿通するための孔であり、上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51のそれぞれに形成されるねじ穴と対応する位置に形成される。これにより、ベース部材H510に上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51を締結固定できる。
次いで、上皿形成部材H520について説明する。上皿形成部材H520は、ベース部材H510との対向間に上皿H17の貯留空間を形成する部材であり、ベース部材H510側(背面側(矢印B方向側))から正面側(矢印F方向側)に向かって上方に湾曲するお椀型に形成され(図145参照)、背面側がベース部材H510に当接した状態でベース部材H510に配設される。これにより、上皿形成部材H520とベース部材H510とで上方側が開口された空間(上皿H17の貯留領域)が形成される。
また、上皿形成部材H520は、正面側(矢印F方向側)の一部がベース部材H510の上皿用球流入部H513の正面側に重なる位置に形成されており、上皿用球流入部H513を介して通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141からベース部材H510の正面側に送球される球を上皿形成部材H520に当接させて上皿H17の貯留空間に貯留できるように構成される。
なお、上皿形成部材H520は、上皿H17に貯留される遊技球を正面視において右側(矢印R方向側)に1球ずつ流下可能に構成されており、これにより、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される発射位置送球ユニットH170に1球ずつ球を送球することができる。
また、上皿形成部材H520は、正面視における右側(矢印R方向側)の上面に機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を備え、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を操作可能とされる。
なお、第8実施形態では、遊技者が操作する機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54が、上皿形成部材H520の1箇所にまとまって構成されるので、遊技者に各操作部を探す手間を省かせることができる。また、機能調整操作部H190及び貸球操作部H40がまとまって構成されるので、それら機能調整操作部H190及び貸球操作部H40に繋がる配線を一か所にまとめることができ、配線を作業を簡易にできる。
次いで、図148を参照して、ベース部材H510の凸状部H515について説明する。凸状部H515は、後述する下皿形成部材H530の被挿入部H555eに挿入され、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の位置決めを行う部分であり、被挿入部H555eにより形成される挿入空間と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。また、凸状部H515は、下方側に作用する力により若干弾性変形可能な樹脂材料から形成される。
図148に示すように、凸状部H515は、正面視において横長矩形に形成されると共に、突出先端に向かうほど正面視における上下左右の厚みが薄く(先細り形状に)形成され、上面側の上面側傾斜部H515aと、下面側の下面側傾斜部H515bと、左右の側面の側面側傾斜部H515cと、を備える。凸状部H515は、それら上面側傾斜部H515aと、下面側の下面側傾斜部H515bと、左右の側面の側面側傾斜部H515cとの傾斜により、凸状部H515を下皿形成部材H530に挿入しやすくなっている。
また、下面側傾斜部H515bには、左右方向(矢印L-R方向)における中央部に凸状部H515の突出先端から基端側に向かう溝状の凹部H515b1が凹設されると共に、その凹部H515b1の凹設底面の一部に被係合部H515b2が開口形成される。
被係合部H515b2は、後述する下皿形成部材H530の係合部H555b1が係合される開口であり、凸状部H515の突出先端から基端側に向かって溝状に形成される凹部H515b1の基端側の端部に形成される。
凹部H515b1は、後述する下皿形成部材H530の係合部H555b1が形成される突設部H555bを被係合部H515b2まで案内する案内溝であり、突設部H555bの左右方向(矢印L-R方向)における厚み寸法よりも溝幅が大きく形成される。なお、凹部H515b1に突設部H555bを案内することで、被係合部H515b2に対する係合部H555b1の位置ずれを抑えることができ、係合部H555b1の被係合部H515b2への係合を簡易にさせることができる。
なお、係合部H555b1が被係合部H515b2の内部に挿入され、係合部H555b1と被係合部H515b2とが係合状態とされた場合には、被係合部H515b2の正面側(矢印F方向側)の内面に係合部H555b1が当接することで、下皿形成部材H530に対してベース部材H510が離れる方向(対向間を広げる方向)に変位することが規制される。これにより、ベース部材H510と下皿形成部材H530との間に無理に隙間を形成して、その隙間から不正な部材が挿入されたりする(即ち、不正がされる)ことを抑制できる。
次いで、図149から図151を参照して下皿形成部材H530について説明する。初めに図149から図151を参照して下皿形成部材H530の全体構成について説明する。図149(a)は、下皿形成部材H530の正面図であり、図149(b)は、下皿形成部材H530の背面図であり、図150は、下皿形成部材H530の分解正面斜視図であり、図151は、下皿形成部材H530の分解背面斜視図である。
図149から図151に示すように、下皿形成部材H530は、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH15の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50を構成する下皿構成ユニットH550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。
化粧ユニットH540は、ベース部材H510に締結固定される第1化粧板H541と、その第1化粧板H541に締結固定されると共に第1化粧板H541と共に上下皿ユニットH15の化粧面を形成する第2化粧板H542と、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)の一部を覆って配設される上側保護板H570及び下側保護板H580と、を主に備える。
第1化粧板H541は、正面側(矢印F方向側)が凸状に湾曲する板状に形成され、上端の一部が上皿形成部材H520の正面側の外縁と当接する形状に形成されると共に、下端がベース部材H510の正面と当接する形状に形成される。また、第1化粧板H541は、正面側の化粧面の一部に開口する第1開口部H541aと、第2開口部H541bとを備え、全体が有色(桃色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
第1開口部H541aは、下皿H50の貯留領域に正面側(矢印F方向側)からのアクセスを可能にするための開口であり、遊技者の手が挿入可能な大きさに形成される。また、第1開口部H541aの背面側(矢印B方向側)には、下皿H50を構成するための下皿構成ユニットH550が配設される。
第2開口部H541bは、下皿H50の貯留領域に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560を配設するための開口であり、下皿H50の貯留用域の下方側に形成される。また、第2開口部H541bは、球抜きユニットH560を内側に収容可能な大きさに形成される。なお、球抜きユニットH560の詳細な構成については後述する。
第2化粧板H542は、上皿形成部材H520と下皿形成部材H530との間に配設される操作ユニットH180の正面側(矢印F方向側)に配設され、操作ユニットH180の正面側の化粧面を形成する部材であり、上端が操作ユニットH180及び上皿形成部材H520の一部と当接する形状に形成され、下方側が第1化粧板H541の背面側(矢印B方向側)に締結固定される。
また、第2化粧板H542は、全体が光を透過可能な無色透明の樹脂材料から形成される。これにより、背面側(矢印B方向側)の操作ユニットH180から出射される光を第2化粧板H542を介して上下皿ユニットH15の正面側(矢印F方向側)に出射することができる。
よって、例えば、操作ユニットH180のボタン部H181を操作が必要な場合に第2化粧板H542の正面側(矢印F方向側)から光を出射することで、遊技者にボタン部H181の操作が必要であることを認識させやすくできる。また、操作ユニットH180の光による演出を遊技者に視認させることができるので、操作ユニットH180光による演出効果を向上させやすくできる。
なお、第8実施形態では、第1化粧板H541を非透過性の材料から形成して、第2化粧板H542を透過性の材料から形成する場合について説明したが、第1化粧板H541及び第2化粧板H542の両方を透過性の材料から形成することも可能である。この場合、上下皿ユニットH15の光の透過領域を増やすことができるので、光による演出態様を増やすことができる。その結果、遊技者に与える興趣を向上させやすくできる。
上側保護板H570および下側保護板H580は、第1化粧板H541を保護する部材であり、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に形成される。なお、上側保護板H570及び下側保護板H580の詳細については後述する。
下皿構成ユニットH550は、下皿H50の底面を形成する底板H551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。
底板H551は、底面を形成する底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H555と、を主に備える。
底面部H553は、下皿H50に貯留される遊技球を支持する支持面であり、その一部に上下方向(矢印U-D方向)に開口する底面口H553aが形成される。また、底面部H553は、上面が底面口H553aに向かって下降傾斜する形状に形成されており、球抜きレバーH52の操作により底面口H553aが開放された際に、下皿H50に貯留された球を底面口H553aに向かって転動可能とされる。
正面側側壁H554は、下皿H50の正面側(矢印F方向側)の側面を形成する部分であり、第1化粧板H541の背面に沿って形成されると共に、第1開口部H541aの開口縁に上端が沿う形状に形成される。また、正面側側壁H554は、底面部H553から上方に向かって少なくとも遊技球の2球分の直径よりも高く立設される。これにより、下皿H50の貯留領域に貯留される遊技球を積み重ねて保持することが可能とされる。
連結部H555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H555dと、背面視において下方側が開放された門型に形成され本体部H555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H555eとを主に備え、全体が非透過性の樹脂材料から形成される。なお、連結部H555は、下方側に作用される力により若干弾性変形可能に形成される。
被挿入部H555eは、背面視において下方側が開放された門型に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有した形状に形成される。また、被挿入部H555eは、ベース部材H510に下皿構成ユニットH550を配設した際に、ベース部材H510の凸状部H515が挿入される部分であり、凸状部H515と対応する位置に配置される。なお、被挿入部H555eについての詳細な説明は後述する。
側面板H552は、下皿H50の貯留領域の上部を覆う上板H556と、その上板H556の背面側(矢印B方向側)の外縁から下方に向かって延設される背面側側壁H557と、を主に備える。
上板H556は、第1化粧板H541の第1開口部H541aの上方側の開口縁に沿う湾曲形状に形成されると共に、正面側(矢印F方向側)の外縁が第1化粧板H541の背面に当接される。
背面側側壁H557は、下皿H50の背面側(矢印B方向側)の側面を形成する部材であり、上板H556の背面側の縁部から底面部H553を超える下方側まで延設され、底面部H553の背面側の縁部に背面側側壁H557の正面を当接した状態で配設される。
また、背面側側壁H557は、ベース部材H510の下皿用球流入部H514と対向する位置に前後方向に開口する球案内開口H53を備える。これにより、通路形成ユニットH140の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿用球流入部H514及び球案内開口H53を介して下皿H50に流入させることができる。
なお、球案内開口H53は、下方側の開口縁が正面側側壁H554の上端よりも低い位置に形成される。これにより、下皿H50の貯留領域に球が貯留された際に、球案内開口H53から流入される球が貯留領域に積み重なる球の上部を転動して、第1化粧板H541の第1開口部H514aから流出することを抑制できる。
球抜きユニットH560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材H561と、その収容部材H561の内側に配設されるスライド板H562と、そのスライド板H562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材H561の外側に配置される球抜きレバーH52と、スライド板H562及び球抜きレバーH52を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、を主に備える。
収容部材H561は、第1化粧板H541の第2開口部H541bの内側に収容可能な大きさに形成され、第2開口部H541bの上方に配設される下皿構成ユニットH550の下方側に隣り合う状態で配設される。また、収容部材H561は、箱状に形成される内部に後述するスライド板H562の変位を案内する案内機構を備えており、その案内機構によりスライド板H562の変位方向が一方向に規定される。
スライド板H562は、底面部H553の底面口H553aの開口よりも大きい板状に形成され、底面口H553aの下側縁部を塞ぐ閉塞位置と、その閉塞位置から変位して底面口H553aを開放する開放位置とに変位可能に形成される。スライド板H562が閉塞位置に配置される場合には、下皿H50の貯留領域に球を貯留可能な状態とされ、スライド板H562が開放位置に配置される場合には、下皿H50の貯留領域にある球を底面口H553aから払い出す状態とされる。なお、収容部材H561には、スライド板H562を開放位置に配置した場合に、球を下方に挿通させるための排出口H561aが底面口H553aと対応する位置に形成される。
球抜きレバーH52は、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に遊技者が操作するためのレバーであり、スライド板H562に連なって形成される。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、スライド板H562が閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)から開放位置(排出口H561aを開放する位置)に変位される。
次いで、図152を参照して、下皿構成ユニットH550の被挿入部H555eについて説明する。図152(a)は、連結部H555の上面図であり、図152(b)は、連結部H555の下面図であり、図152(c)は、図152(b)のX13c線における連結部H555の断面図である。
上述したように、連結部H555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H555dと、背面視において下方側が開放された門型に形成され本体部H555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H555eとを主に備える。
図152に示すように、被挿入部H555eは、上面にT状に開口する開口部H555aと、その開口部H555aの下方側に位置し本体部H555dから突設される突設部H555bと、被挿入部H555eの側面から被挿入部H555eの内側に向かって立設される複数のガイド壁H555cと、を主に備える。
開口部H555aは、被挿入部H555eを形成する際に後述する突設部H555bを形成するための金型を挿通するための開口であり、突設部H555bの上面視における外形よりも若干大きい開口に形成される。
突設部H555bは、本体部H555dから背面側(矢印B方向側)に向かって突設されており、その突設先端部の上面に凸状に形成される係合部H555b1を備える。また、突設部H555bは、ベース部材H510の凸状部H515が被挿入部H555eに挿入される際に凸状部H515の凹部H515b1に案内される部分であり、凹部H515b1により形成される溝と対応する位置に形成される。
係合部H555b1は、ベース部材H510の被係合部H515b2に係合する部分であり、突設部H555bの上面から上方に向かって突設されると共に、前後方向に切断した断面が略三角形状に形成される。この断面における傾斜により、ベース部材H510の凸状部H515が被挿入部H555eに挿入される際、又は、ベース部材H510の凸状部H515から被挿入部H555eから引き抜かれる際に、突設部H555bを撓ませやすくできる。その結果、ベース部材H510に下皿形成部材H530を取り付ける作業、及び、ベース部材H510から下皿形成部材H530を取り外す作業を簡易にできる。
ガイド壁H555cは、ベース部材H510の凸状部H515が被挿入部H555eに挿入される際に、凸状部H515の左右方向(矢印L-R方向)における位置を調整する部分であり、被挿入部H555eの左右の両側壁に前後方向に所定の間隔で複数個並設される。
また、ガイド壁H555cは、背面側(凸状部H515の挿入部側)に形成されるガイド壁H555cに対して、正面側(凸状部H515の挿入方向側)に形成されるガイド壁H555cの方が被挿入部H555eの左右方向(矢印L-R方向)の中央側に張り出される(図152(b)参照)。
これにより、凸状部H515を被挿入部H555eに挿入し始めたタイミングでの凸状部H515とガイド壁H555cとの隙間を大きくして、凸状部H515を被挿入部H555eの内側に挿入しやすくできると共に、凸状部H515を被挿入部H555eに挿入し終えるタイミングでの凸状部H515とガイド壁H555cとの隙間を小さくして、凸状部H515に対する被挿入部H555eの配置を調整することができる。その結果、ベース部材H510に下皿形成部材H530を取り付ける作業を簡易にできる。
次いで、図153から図155を参照して、ベース部材H510への下皿形成部材H530の配設方法について説明する。図153は、上下皿ユニットH15の分解斜視図であり、図154(a)及び(b)は、ベース部材H510から下皿形成部材H530を取り外した状態における上下皿ユニットH15の断面図であり、図144のX09a線における上下皿ユニットH15の断面と対応し、図155(a)は、図144のX09a線における上下皿ユニットH15の断面図であり、図155(b)は、図155(a)のX14b線における上下皿ユニットH15の断面図である。
なお、図154(a)では、ベース部材H510から下皿形成部材H530が完全に取り外された状態における上下皿ユニットH15の断面が図示され、図154(b)では、ベース部材H510に下皿形成部材H530を取り付け途中における上下皿ユニットH15の断面が図示される。
図153から図155に示すように、ベース部材H510への下皿形成部材H530の配設は、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に上皿形成部材H520及び操作ユニットH180が配設された状態で行われる。なお、上皿形成部材H520及び操作ユニットH180は、ベース部材H510の背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子が上皿形成部材H520及び操作ユニットH180のそれぞれに螺入されることでベース部材H510の正面側に締結固定される。
上皿形成部材H520及び操作ユニットH180が配設された状態におけるベース部材H510の正面側(矢印F方向側)から下皿形成部材H530が押し込まれると、ベース部材H510の凸状部H515の正面側端部が下皿形成部材H530の被挿入部H555eの背面側端部と初めに重なり合い、凸状部H515が被挿入部H555eの内側に挿入される。
即ち、突設部H555b及び係合部H555b1は、被挿入部H555eの内側(被挿入部H555eの背面側端部よりも正面側)に位置し、被挿入部H555eよりも背面側(矢印B方向側)に突出されないので、ベース部材H510の凸状部H515の正面側端部が下皿形成部材H530の被挿入部H555eの背面側端部に初めに当接(案内)可能とされる。これにより、連結部H555に対する凸状部H515の所定以上の位置ずれが抑えられる。
図154(b)に示すように、被挿入部H555eの内側への凸状部H515の挿入がさらに行われると、凸状部H515の凹部H515b1の溝内に連結部H555に形成される突設部H555bが挿入され、凹部H515b1の案内溝に沿って突設部H555bが移動されることで、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の左右の配設位置が位置決めされる。
即ち、連結部H555は、凸状部H515を位置決めする位置決め手段(突設部H555b)を備え、凸状部H515は、突設部H555bによって位置決めされる被位置決め手段(凹部H515b1)を備えるので、ベース部材H510へ下皿形成部材H530を組付ける作業において、凹部H515b1と突設部H555bとによって、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを位置決めすることができる。これにより、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを螺子止めする際に、両者の部材の相対位置を位置合わせすることなく螺子止めすることができ、組付け作業を効率化できる。
図155に示すように、ベース部材H510に対し下皿形成部材H530が所定位置(組立位置)に配置されると、突設部H555bの突設先端側(背面側)に形成される係合部H555b1が、凹部H515b1に形成される被係合部H515b2の内部に挿入される。これにより、ベース部材H510に対し下皿形成部材H530が所定位置(組立位置)に配置された後、ベース部材H510と下皿形成部材H530との相対変位が規制される。
これにより、ベース部材H510へ下皿形成部材H530を組付ける作業において、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを螺子止めする際に、両者の部材を仮固定することができるので、両者の部材を抑えることなく螺子止めすることができ、組付け作業を効率化できる。
従って、ベース部材H510に下皿形成部材H530を組付ける際には、位置決めを可能とする凹部H515b1及び突設部H555bにそれぞれ係合部H555b1及び被係合部H515b2が形成されるので、凹部H515b1及び突設部H555bにより位置決めされた状態で、係合部H555b1及び被係合部H515b2が係合可能とされる。その結果、係合部H555b1及び被係合部H515b2の係合を容易に行うことができる。
なお、ベース部材H510に対し下皿形成部材H530が所定位置(組立位置)に配置された場合には、被挿入部H555eに挿入された凸状部H515の左右(矢印L-R方向)両側に被挿入部H555eのガイド壁H555cが当接され(図155(b)参照)、ガイド壁H555cに対して凸状部H515の左右方向への変位が規制される。
即ち、凹部H515b1と突設部H555bとによるベース部材H510と下皿形成部材H530との左右方向の位置決めに加えて、ガイド壁H555cと凸状部H515bb1とにより左右方向の位置決めがされる。これにより、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを螺子止めする際に、両者の部材の相対位置を位置合わせを確実にできる。
一方、被挿入部H555eに挿入された凸状部H515の上面および下面は、被挿入部H555eの上方側の内壁および突設部H555bの上面側傾斜部H515aとの間に所定の隙間を空けて配設される(図155(a)参照)。即ち、凸状部H515に対して被挿入部H555e(連結部H555)が上下方向に変位可能な状態で配設される。
また、ベース部材H510に下皿形成部材H530が配設された(被係合部H515b2に係合部H555b1が係合された)後では、ベース部材H510の挿通孔H512を介してベース部材H510の背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を下皿形成部材H530(第1化粧板H541)の背面側に螺入することで下皿形成部材H530がベース部材H510に締結固定される。この場合、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを締結する螺子は、凸状部H515及び被挿入部H555e(連結部H555)を避けた位置に締結される。これにより、凸状部H515に対して被挿入部H555e(連結部H555)が上下方向に変位可能な状態でベース部材H510と下皿形成部材H530とが締結固定される。即ち、被挿入部H555e(連結部H555)は、下皿形成部材H530の背面側に片持ち支持された状態とされると共に、凸状部H515は、ベース部材H510に片持ち支持された状態される。
また、被挿入部H555eを有する連結部H555には、操作ユニットH180の下面が当接した状態で配設される。よって、操作ユニットH180を連結部H555により支持させることができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。
また、上述したように、被挿入部H555e(連結部H555)は、下皿形成部材H530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された状態とされる。そのため、操作ユニットH180(ボタン部H181)を過剰に押圧する力が連結部H555に作用する場合には、連結部H555の非支持側(矢印F方向側)を操作ユニットH180の操作方向(下方)に変位させることで操作ユニットH180に作用する力を連結部H555で逃がすことができる。
詳しく説明すると、両側で支持される支持部材に操作ユニットH180が支持されたり、支持部材に操作ユニットH180が締結固定されるものであると、操作ユニットH180が過剰に押圧操作される場合にその押圧力を逃がすことができず、操作ユニットH180を支持する支持部材や操作ユニットH180に破損が生じやすいという問題がある。
これに対し、第8実施形態では、下皿形成部材H530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された連結部H555に操作ユニットH180が支持されるので、操作ユニットH180を過剰に押圧する力が連結部H555に作用した場合に連結部H555を弾性変形させることができる。この場合、操作ユニットH180と連結部H555とが被締結とされるので、連結部H555の弾性変形に伴って操作ユニットH180と連結部H555との当接位置(当接状態)を変更することができる。即ち、操作ユニットH180を連結部H555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180に作用する力が連結部H555に作用する場合に、連結部H555が破損したり操作ユニットH180が破損することを抑制できる。
即ち、第8実施形態では、操作ユニットH180を配設するための配設スペースを前後に隔てて配置される下皿形成部材H530及びベース部材H510と、下皿形成部材H530から突出され、下皿形成部材H530及びベース部材H510の対向間に位置する連結部H555と、下皿形成部材H530及びベース部材H510の対向間に配置されると共にベース部材H510に配設される操作ユニットH180とを備え、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)が連結部H555に当接可能とされるので、操作ユニットに操作に伴い作用される操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲内である場合には、操作ユニットH180を連結部H555により支持させることができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。
一方、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合には、連結部H555を弾性変形させて外力を逃がすことができる(操作力をベース部材H510と連結部H555とに分散させることができる。これにより、操作ユニットH180、下皿形成部材H530、及び、ベース部材H510の破損を抑制できる。
また、この場合、弾性変形される連結部H555が、上下皿ユニットH15の正面側に配置される(即ち、装飾側となる)下皿形成部材H530に形成されるので、連結部H555を弾性変形させて外力を逃がした場合に、下皿形成部材H530の装飾面が撓むことを抑制できる。即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合に、その操作力をベース部材H510と連結部H555とに分散させると、連結部H555の弾性変形に伴って、操作ユニットH180が配設されるベース部材H510も弾性変形されやすい。そのため、ベース部材H510が装飾面とされると、操作ユニットH180の操作に伴って装飾面の外観が悪化する(装飾面が撓んで部品同士の間に隙間が形成される)恐れがあるところ、連結部H555が形成される下皿形成部材H530が装飾面とされることで、遊技機の外観が悪化することを抑制できる。
さらに、第8実施形態では、被挿入部H555eを有する連結部H555には、本体部H555dの上面側に弾性部材H558が配設され、その弾性部材H558に操作ユニットH180の下面が当接した状態で配設される。詳しく説明すると、操作ユニットH180の下面が弾性部材H558を介して本体部H555dの上面に当接した状態で配設される。
従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H555を弾性変形させた場合に、操作ユニットH180と連結部H555との間に介在する弾性部材H558を弾性変形させることで、操作ユニットH180の下面と、連結部H555の上面とが擦れることを抑制できる。即ち、弾性部材H558を操作ユニットH180の下面および連結部H555の上面に当接させた状態で、操作ユニットH180を連結部H555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180の下面と連結部H555の上面とが擦れて異音が発生したり、それらの当接面が破損(摩耗)したりすることを抑制できる。
なお、第8実施形態では、操作ユニットH180が上方側から下方側に向かって操作され、その操作方向側に連結部H555が配置されるが、操作ユニットH180の操作方向は前後左右のどちらでもよく、その方向側に連結部H555が操作ユニットH180に当接した状態で配設される構造であればよい。
また、第8実施形態では、遊技者に操作される操作ユニットH180の下端が連結部H555に当接した状態で配設されるが、操作ユニットH180の操作により変位する変位部材(例えば、花弁動作装置G800のベースユニットG600)を連結部H555に当接した状態で配設しても良い。
この場合には、花弁動作装置G800が変位基端でベースユニットG600に当接した際に、ベースユニットG600に作用する力を連結部H555を弾性変形させることで逃がすことができる。その結果、花弁動作装置G800及びベースユニットG600が破損することを抑制できる。
次いで、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H555が所定範囲を超えて弾性変形される場合について説明する。
上記したように、連結部H555の被挿入部H555eには、ベース部材H510から突設される凸状部H515が内側に挿入されると共に、被挿入部H555eに挿入された凸状部H515の上面側傾斜部H515aが、被挿入部H555eの上方側の内壁との間に所定の隙間を空けて配設される。従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H555が所定範囲を超えて弾性変形される場合には、連結部H555の上方側の内壁を凸状部H515の上面に当接させて、連結部H555の弾性変形を抑制することができる。これにより、連結部H555の破損を抑制できる。
また、連結部H555(被挿入部H555e)と凸状部H515とは、非固定とされるので、連結部H555が拘束されず、連結部H555が凸状部H515に対して摺動できる。よって、連結部H555及び凸状部H515の弾性変形性を確保できる。これにより、連結部H555が凸状部H515に当接した際に、連結部H555と凸状部H515との間で作用する反力が急激に増加することを抑制でき、連結部H555及び凸状部H515の破損を抑制できる。
なお、第8実施形態では、操作ユニットH180は、凸状部H515に係合する係合部H555b1に当接されず、係合部H555b1が形成される本体部H555dの上面に当接されるので、操作ユニットH180を操作した力が係合部H555b1(突設部H555b)に直接作用することを抑制できる。そのため、突設部H555bのみが撓んで、係合部H555b1と被係合部H515b2との係合が解除されることを抑制できる。
また、係合部H555b1が形成される連結部H555には、本体部H555dの上面側に弾性部材H558が配設され、その弾性部材H558に操作ユニットH180の下面が当接した(弾性部材H558を弾性変形させた)状態で配設されるので、弾性部材H558により、操作ユニットH180のボタン部H181が押圧操作された際の所定の範囲(連結部H555が弾性変形されない程度)の押圧力を吸収できる。
さらに、弾性部材H558を弾性変形させた状態で操作ユニットH180を配設するので、操作ユニットH180や下皿形成部材H530の配置に誤差がある場合でも、弾性部材H558と操作ユニットH180との当接状態を維持することができる。よって、操作ユニットH180と弾性部材H558との間に隙間が形成されることを抑制でき、操作ユニットH180の操作した力により操作ユニットH180が下方に移動して操作ユニットH180の下面が弾性部材H558に当接することを抑制できる。その結果、操作ユニットH180を操作した際に衝撃が発生することを抑制できる。
次いで、図156からL15を参照して、第1化粧板H541に配設される下側保護板H580について説明する。図156(a)は、上下皿ユニットH15の下面図であり、図156(b)は、下側保護板H580の正面図であり、図157(a)は、下側保護板H580の正面斜視図であり、図157(b)は、下側保護板H580の背面斜視図であり、図158(a)は、図156(a)のX15a線における上下皿ユニットH15の断面図であり、図158(b)は、図156(a)のX15b線における上下皿ユニットH15の断面図である。
図156から図158に示すように、下側保護板H580は、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)を覆う正面側保護部H581と、その正面側保護部H581の下側縁部から背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲される底面側保護部H582と、その底面側保護部H582の下面から下方側に向かって突出される突出部H583と、正面側保護部H581の左右方向一方側(第8実施形態では正面視左側(矢印L方向側))の上端部から背面側に向かって突出して形成される係合部H585と、正面側保護部H581の左右方向他方側(第8実施形態では正面視右側(矢印R方向側)の背面から背面側に向かって突出して形成される締結部H584と、を主に備え、光透過性の半透明な樹脂材料から形成される。
正面側保護部H581は、第1化粧板H541の下部前面を覆う位置に形成されると共に、第1化粧板H541の前面に沿う形状に形成される。また、底面側保護部H582は、第1化粧板H541の下面を覆う位置に形成され、第1化粧板H541の底面に沿う形状に形成される。これら正面側保護部H581及び底面側保護部H582により、第1化粧板H541の下部に直接、遊技者の手や物が当接することを抑制して、第1化粧板H541の下部が破損することを抑制できる。
ここで、パチンコ機H10は、上述したように下皿H50の前方に遊技者が操作する球抜きレバーH52が配置されており、球抜きレバーH52を操作する遊技者の手が第1化粧板H541の下部に当接しやすく、また、下皿H50の下方に下皿H50から払い出された球を貯留する千両箱が配置され千両箱を交換する際に、その千両箱や遊技者の手が第1化粧板H541の下部に当接しやすくなっている。そのため、第1化粧板H541の下部は、他の装飾面を形成する部分(上側装飾ユニットH15a、左側装飾ユニットH15b、又は、右側装飾ユニットH15c)に比べて破損しやすいという問題がある。
これに対し、第8実施形態では、正面側保護部H581と底面側保護部H582とにより第1化粧板H541の下部を覆うことができるので、第1化粧板H541の下部が破損することを抑制できる。
また、仮に、遊技者の手や物が当接することにより下側保護板H580が破損する場合には、第1化粧板H541に配置される下側保護板H580を交換するだけでよいので、第1化粧板H541を交換する場合に比べて、第1化粧板H541に配置される他の部材(例えば、球抜きユニットH560など)を第1化粧板H541から取り外す必要がなくなる。その結果、破損時の部品交換作業を簡易に行うことができる。
さらに、正面側保護部H581は、第1化粧板H541の前面に対して所定の隙間を少なくとも一部に有した状態で配設される(図158参照)。従って、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって比較的大きな力が作用される場合には、第1化粧板H541との隙間の分、正面側保護部H581を撓ませることができる。よって、パチンコ機H10の正面側から作用する力が第1化粧板H541の下部に直接作用することを抑制して、第1化粧板H541の破損を抑制できる。
なお、第8実施形態では、正面側保護部H581の背面側に所定の隙間を有した状態で第1化粧板H541が配設される場合について説明したが、正面側保護部H581の背面側に所定の隙間を有した状態でLEDを配置するものであってもよい。
底面側保護部H582は、第1化粧板H541の下面に上面の全域が当接した状態で配設される(図158参照)。また、底面側保護部H582には、背面側(矢印B方向側)の外縁部に上下方向(矢印U-D方向)に貫通形成される被係合部H582aが2箇所に形成される。
被係合部H582aは、第1化粧板H541の下面から下方に向かって突出する係合部H541cと係合する部分であり、係合部H541cをその内部に収容可能な大きさに開口される。なお、係合部H541cへの被係合部H582aの係合方法については後述する。
突出部H583は、下皿H50に貯留された球を排出口H561aから千両箱に排出する際に球が飛び散ることを防止する部分であり、下皿H50の排出口H561aよりも正面側(矢印F方向側)に形成されると共に、下皿H50の排出口H561aよりもパチンコ機H10の右側(矢印R方向側)に偏る位置に形成される。
ここで、下皿H50には、その貯留領域に球を流入させる球案内開口H53が貯留領域に対して正面視左側(矢印L方向側)に偏る位置に形成されると共に、下皿H50から球を排出する排出口H561aが、下皿H50の貯留領域において中央よりも正面側(矢印F方向側)であって正面視右側(矢印R方向側)に偏る位置に形成される。これにより、下皿H50の貯留用域から排出される球に前方および右方に向かう方向成分を持たせて、千両箱の全体に散らばって排出させることができる。
しかしながら、千両箱にまだ球が貯留されていない場合など、千両箱に落下球が落下した際の衝撃が大きいと、千両箱に落下して跳ね上がる球が千両箱の上端を超える位置まで跳ね上がる場合がある。この場合、前方に向かう方向成分が球に付与されていると、その球が千両箱の正面側(矢印F方向側)から飛び出て遊技者側に落下し、遊技者がその球に注目することで遊技者に遊技を継続させることが困難となる恐れがある。
これに対し、第8実施形態では、正面視において突出部H583が排出口H561aを挟んで球案内開口H53と左右方向(矢印L-R方向)反対側(千両箱の正面右側の上部)に形成されるので、下皿H50から排出された球が千両箱に衝突して跳ね上がる場合に、その球を突出部H583に当接させることができる。その結果、下皿H50から排出される球が千両箱の上部から遊技者側に飛び出ることを抑制して、遊技者に遊技を継続させやすくできる。
また、突出部H583は、下皿H50から球を排出する排出口H561aよりも正面側(即ち、正面枠H14(図123参照)の底面の正面側に偏る位置)に形成されるので、下皿H50から排出された球が千両箱に衝突して跳ね上がって正面から飛び出ようとする場合に、その球を突出部H583に当接させやすくできる。その結果、下皿H50から排出される球が千両箱の上部から遊技者側に飛び出ることを抑制して、遊技者に遊技を継続させやすくできる。
さらに、突出部H583は、正面視におけるパチンコ機H10の左右方向(矢印L-R方向)に延設されると共に、正面視における排出口H561a側に近い左側(矢印L方向側)から排出口H561aから離れる右側(矢印R方向側)に向かって背面側(矢印B方向側)に傾斜して延設される。これにより、下皿H50から排出された球が千両箱に衝突して跳ね上がる場合に、千両箱の右方から飛び出ることを抑制することができ、遊技者に遊技を継続させやすくできる。
なお、第8実施形態における突出部H583は、正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲する湾曲壁H583aを複数個(4個)左右方向(矢印L-R方向)に連結させた形状に形成され、下皿H50から球を排出する排出口H561aよりも正面側(即ち、正面枠H14(図123参照)の底面の正面側に偏る位置)に形成される。これにより、下皿H50から排出された球が突出部H583に当接する場合に、その当接により跳ね返る方向を分散させる(ばらけさせる)ことができる。その結果、球を千両箱の全体に散らばって排出させやすくできる(即ち、一か所に集中して払い出されることを抑制できる)。
係合部H585及び締結部H584は、下側保護板H580を第1化粧板H541配設する際に、下側保護板H580の上部が第1化粧板H541から脱落することを抑制する部分であり、正面側保護部H581の上部に形成される。
係合部H585は、背面側(矢印B方向側)に向かって突出されると共にその突出先端が上方に向かって屈曲するL字状に形成されており、第1化粧板H541に下側保護板H580が配設された際に、第1化粧板H541と下皿構成ユニットH550の正面側側壁H554との間に形成される隙間に配置可能に構成される。これにより、係合部H585が形成される下側保護板H580の左側上部が前後方向に動くことを抑制できるようになっている。
なお、係合部H585の形状は、第1化粧板H541又は下皿構成ユニットH550に係合するものであればなんでもよく、例えば下方に向かって屈曲するL字状に形成されてもよい。
締結部H584は、第1化粧板H541の背面側(矢印B方向側)から挿通した螺子が螺入される部分であり、これにより、係合部H585及び被係合部H582aにより第1化粧板H541に係合させた下側保護板H580を第1化粧板H541に締結固定できる。
なお、第1化粧板H541への下側保護板H580の配設方法は、下側保護板H580の上部に形成される係合部H585を第1化粧板H541及び下皿構成ユニットH550の隙間に挿入した後で、下側保護板H580の下部に形成される被係合部H582aを第1化粧板H541の係合部H541cに係合させることで配設できる。
この場合、第1化粧板H541の係合部H541cは、下側保護板H580の配設方向と対向する側(正面側(矢印F方向側))の側面の一部が突出基端側に向かって正面側に傾斜して形成される。これにより、第1化粧板H541の係合部H541cに下側保護板H580の被係合部H582aを係合させる際に、下側保護板H580の底面側保護部H582を係合部H541cの傾斜面に沿って変形させて係合部H541cを乗り越えさせることができる。その結果、第1化粧板H541の係合部H541cに下側保護板H580の被係合部H582aを係合させやすくできる。
次いで、図159を参照して、正面枠H14を床に立てて仮置きする場合について説明する。図159(a)及び(b)は、正面枠H14の側面図である。なお、図159(a)及び(b)では、正面枠H14の下部が拡大して図示されると共に、床面が2点鎖線で図示される。また、図159(a)では、正面枠H14のベース部材H510及び第1化粧板H541の下面が床面に当接した状態で配置された状態が図示され、図159(b)では、図159(a)に示す状態から正面枠H14が前方に傾倒された状態が図示される。
なお、正面枠H14を床に立てて仮置きする場合とは、パチンコ機H10の製造時における工場の製造ラインでの一時的な仮置きや、パチンコ店(ホール)での設置作業や点検作業において正面枠H14を一時的にパチンコ機H10から取り外して仮置きする場合である。
この仮置き時において、ベース部材H510及び第1化粧板H541の下面が平坦面として構成されると、床面に凹凸があると、その凹凸を受けて正面枠H14の姿勢が安定せず、正面枠H14が倒れやすいという問題がある。
なお、正面枠H14の正面側(矢印F方向側)の面または背面側(矢印B方向側)の面を床面に載置することは、正面枠H14の正面側の装飾面や正面枠H14の背面側に配設されるガラスユニットH16に傷が生じる可能性や、正面枠H14の背面側から連結される配線が挟み込まれて断線する可能性があるため、行うことができない上、載置するためのスペースが嵩む。そのため、工場での製造工程やパチンコ店での設置作業や点検作業においては、載置するためのスペースを最小とするために、正面枠H14の長手方向一側(上面側または下面側)の面が床面に載置される。
これに対し、第8実施形態における正面枠H14では、図159(a)に示すように、ベース部材H510がその正面側に配設される下皿形成部材H530よりも下方側に突出する位置に配設され(即ち、下皿形成部材H530がベース部材H510の下端よりも上方側に配設されると共に、前後方向(矢印F-B方向)における幅が下皿形成部材H530の前後方向における幅よりも小さくされる。
これにより、図159(a)に示すように、ベース部材H510の下面が床面に当接する状態で正面枠H14が仮置きされる場合には、下皿形成部材H530の荷重により正面枠H14を前方側に傾けて、図159(b)に示すように、下皿形成部材H530に配設される下側保護板H580の突出部H583を床面に当接させることができる。
即ち、第8実施形態における正面枠H14は、正面枠H14の長手方向一側(下面側)の面から突出される突出部H583を備え、その突出部H583がベース部材H510から正面側に離れた位置(正面枠H14の下面における前後方向の前方側に偏る位置)に形成されるので、ベース部材H510の下端と突出部H583の突出先端とを床面に当接させて、正面枠H14を自立させることができる。これにより、正面枠H14の長手方向一側(下面側)の面が平坦面に形成される場合に比べて、床面の凹凸の影響を受けにくくすることができ、正面枠H14の自立時の姿勢を安定させることができる。その結果、正面枠H14を倒れにくくできる。
また、突出部H583は、ベース部材H510の下端と突出部H583の突出先端とが床面に当接される前後方向(矢印F-B方向)において、正面枠H14の下面の前後方向における中央よりも(正面枠H14の重心よりも)正面側(矢印F方向側)に偏る位置に形成される。
これにより、正面枠H14は、ベース部材H510の前後方向(矢印F-B方向)における幅が下皿形成部材H530の前後方向における幅よりも小さくされるので、重心位置が正面側に偏りやすいところ、その重心よりも正面側に突出部H583が形成されるので、正面枠H14の自立時における重心の偏りを抑制できる。即ち、当接位置の前後方向外側に正面枠H14の重心位置が位置して正面枠H14の自立時に正面枠H14が正面側に倒れやすくなることを抑制できる。
なお、突出部H583は、ベース部材H510の下端よりも突出先端が上方(矢印U方向)に位置するように構成される。従って、突出部H583を床面に当接させて正面枠H14を仮置きする場合に、正面枠H14を正面側(矢印F方向側)に傾けた状態で保持することができる。よって、突出部H583が床面に支持される点と、ベース部材H510及び第1化粧板H541が床面に支持される点との間に正面枠H14の重心を配置しやすくでき、正面枠H14を床面に立てて仮置きした場合に立てた状態での保持を安定させることができる。
また、突出部H583は、第1化粧板H541の下部に配設される球抜きユニットH560よりも突出先端が下方に位置するように構成される。これにより、突出部H583を床面に当接させて正面枠H14を仮置きする場合に、球抜きユニットH560が床面に当接することを抑制できる。従って、球抜きユニットH560に力が作用することを抑制して、球抜きユニットH560のスライド機構(スライド板H562のスライド変位)が破損することを抑制できる。
さらに、突出部H583は、正面視において左右方向(矢印L-R方向)の幅がベース部材H510及び下皿形成部材H530の左右方向の幅よりも小さく設定される。これにより、正面枠H14を床に仮置きした場合に突出部H583の突出先端と床面との当接面積を小さくすることができる。よって、正面枠H14を床に仮置きした場合に床面の凹凸の影響を受けにくくできる。その結果、正面枠H14の自立時の姿勢を安定させ、正面枠H14を倒れにくくすることができる。
なお、第8実施形態における突出部H583は、正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲する湾曲壁H583aを複数個(4個)左右方向(矢印L-R方向)に連結させた形状に形成されるので、正面枠H14を床に仮置きした場合に湾曲壁H583aの一部が床面に当接される。これにより、正面枠H14を床に仮置きした場合に突出部H583の突出先端と床面との当接面積を小さくすることができる。よって、正面枠H14を床に仮置きした場合に床面の凹凸の影響を受けにくくできる。その結果、正面枠H14の自立時の姿勢を安定させ、正面枠H14を倒れにくくすることができる。
次いで、床面に仮置きした正面枠H14持ち上げる場合について説明する。正面枠H14を持ち上げる際には、次工程で正面枠H14をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に取り付けることが多い。そのため、正面枠H14を持ち上げる作業者は、正面枠H14の正面側から正面枠H14の下面に手を差し込んで正面枠H14を持ち上げる。
この場合、図159(b)に示すように、突出部H583は、正面枠H14の下面の正面側(矢印F方向側)端部よりも背面側(矢印B方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるので、正面枠H14の正面側の下面と床面との間に所定の隙間を形成できる。これにより、作業者は、正面枠H14の正面側の下面と床面との間に指を差し入れて、突出部H583よりも正面側の部分に指を掛けることができる。その結果、作業者が正面枠H14を持ち上げやすくできる。
また、突出部H583が正面枠H14の下面の正面側(矢印F方向側)端部よりも背面側(矢印B方向側)に所定の間隔を隔てて配設されることで、突出部H583が正面枠H14の下面の正面側端部に形成される場合に比べて、自立状態における正面枠H14の傾きを変更することなく、突出部H583の下方への突出距離を短くすることができる。従って、突出部H583を使用しない場合(例えば、遊技中)に突出部H583が邪魔になることを抑制できる。
さらに、突出部H583が正面枠H14の下面の正面側端部に形成される場合に比べて背面側に突出部H583が形成されるので、遊技者から突出部H583が視認されることを抑制できる。その結果、突出部H583が遊技者の興味を無駄に引き付けることを抑制して、遊技者を遊技に集中させることができる。
次いで、図160を参照して、外枠H11(図121参照)に配設された正面枠H14を外枠H11に対して回転させる場合について説明する。図160(a)は、正面枠H14の下面図であり、図160(b)は、正面枠H14の側面図である。なお、図160(a)及び(b)では、作業者の手が2点鎖線で図示されると共に、正面枠H14以外(例えば外枠H11)の図示が省略される。
正面枠H14は、上述したように正面視において外枠H11(図121参照)の正面視左側上下の2箇所に取り付けられたヒンジH18を軸に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。また、上下皿ユニットH15に形成される突出部H583は、正面枠H14の正面視において、左右方向(矢印L-R方向)の中央よりも右側に偏る位置に形成されると共に、正面枠H14の回転軸から径方向外側に向かって延設される(一端側が回転軸に近い側に形成され、他端側が回転軸から離れる位置に形成される)。
よって、図160(a)及び(b)に示すように、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14を開放する場合には、突出部H583に作業者の手を把持させやすくできる。従って、外枠H11に対して正面枠H14を作業者が開放しやすくできる。
また、突出部H583は、複数の湾曲壁H583aを連結した形状とされるので、1の湾曲壁H583aの湾曲部分(凹部分)に遊技者の指を引っ掛けさせることができる。従って、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指が突出部H583に対して左右方向(矢印L-R方向)に滑ることを抑制できる。その結果、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。
さらに、複数の湾曲壁H583aには、その前後の側面に底面側保護部H582の下面と連結されるリブH583bが形成される。これにより、突出部H583の強度を確保して、突出部H583の破損を抑制できる。また、作業者が突出部H583に指を引っ掛けた場合に、突出部H583が底面側保護部H582に対して変形する(倒れる)ことを抑制できる。その結果、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指が突出部H583に引っ掛かりにくくなることを抑制できる。
また、突出部H583は、正面側保護部H581よりも背面側(矢印B方向側)に形成されるので、突出部H583に指を引っ掛ける作業者の指を上下皿ユニットH15の背面側に入れさせやすくできる。よって、作業者の指を上下皿ユニットH15の下部に配置する面積を増やすことができ、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14を開放する場合に正面枠H14を持ち上げる方向の力を作用させやすくできる。これにより、外枠H11に対して正面枠H14を開放する場合には、正面枠H14の正面視右側を持ち上げつつ正面枠H14を開放することができる。その結果、外枠H11の回転軸から離間する正面枠H14の右側がその自重により傾いて下面が外枠H11に当接している(回転抵抗が大きい)場合であっても、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。
次いで、図161から図163を参照して、上側保護板H570について説明する。初めに、図161及び図162を参照して、上側保護板H570の構成について説明する。図161(a)は、上側保護板H570の正面図であり、図161(b)は、図161(a)のX16b線における上側保護板H570の断面図であり、図161(c)は、図161(a)のX16c線における上側保護板H570の断面図であり、図162(a)は、図144のX10a線における上下皿ユニットH15の断面図であり、図162(b)は、図144のX10b線における上下皿ユニットH15の断面図である。
なお、図162(a)における断面位置と図161(b)における断面位置とは、同じ位置における断面が図示され、図162(b)における断面位置と図161(b)における断面位置とは、同じ位置における断面が図示される。
L21及び図162に示すように、上側保護板H570は、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)を覆う形状の正面側保護部H571と、その正面側保護部H571の対向する縁部から第1化粧板H541側に向かって立設される挿入部H572と、正面側保護部H571の下端から背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲して形成される屈曲部H573とを主に備える。
正面側保護部H571は、第1化粧板H541の前面に沿う形状の板状体から形成され、正面視において上皿H17と下皿H50との間の第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)を覆う位置に形成される。正面側保護部H571が第1化粧板H541の前面側に配置されることにより、第1化粧板H541に直接、遊技者の手や物が当接することを抑制して、第1化粧板H541が破損することを抑制できる。
ここで、下皿H50や下皿H50の下方に配置される千両箱に貯留された球を、パチンコ機H10の上皿H17に送るには、下皿H50や千両箱に貯留された球を遊技者が把持して上皿H17の貯留領域に送る必要がある。また、パチンコ機H10の遊技中には、右手で操作ハンドルH51を把持しておく必要があり、遊技中に上皿H17に球を送るには、左手で球をつかみ上皿H17に球を送る必要がある。
従って、上皿H17と下皿H50との間および上皿H17の左側は、遊技者の左手の動線上に位置しやすく、遊技者の手や物(例えば、遊技者が把持する球)が当接しやすくなっている。そのため、第1化粧板H541の正面視における上皿H17と下皿H50との間および上皿H17の左側は、他の装飾面を形成する部分(上側装飾ユニットH15a、左側装飾ユニットH15b、又は、右側装飾ユニットH15c)に比べて破損しやすいという問題がある。
これに対し、第8実施形態では、第1化粧板H541の正面視における上皿H17と下皿H50との間および上皿H17の左側を覆う位置に正面側保護部H571が配置されるので、第1化粧板H541に遊技者の手や物が直接当接することを抑制して、第1化粧板H541が破損することを抑制できる。
また、仮に、遊技者の手や物が当接することにより上側保護板H570が破損する場合には、第1化粧板H541に配置される上側保護板H570を交換するだけでよいので、第1化粧板H541を交換する場合に比べて、第1化粧板H541に配置される他の部材(例えば、球抜きユニットH560など)を第1化粧板H541から取り外す必要がなくなる。その結果、破損時の部品交換作業を簡易に行うことができる。
挿入部H572は、正面視において上下方向(矢印U-D方向)に長く形成されると共に左右方向(矢印L-R方向)の厚みが小さく形成される正面側保護部H571の左右両側の縁部に沿って延設されると共に、背面側に向かって立設される。
また、第1化粧板H541には、上側保護板H570の正面側保護部H571が配設される部分に背面側(矢印B方向側)に向かって凹む凹部H541dが形成されると共に、挿入部H572と対応する位置にその挿入部H572を挿入可能な被挿入部H541d1が形成される(図162(b)参照)。
凹部H541dは、正面側保護部H571の前後方向における厚みより少し大きく背面側(矢印B方向側)に凹設された形状に形成される。これにより、正面側保護部H571が正面側に配設した際に、正面側保護部H571の正面を第1化粧板H541の化粧面に沿って配置する(正面側保護部H571と第1化粧板H541との化粧面の繋ぎ目の段差を少なくする)ことができる。その結果、上下皿ユニットH15の化粧面を触る遊技者に違和感を感じさせにくくできる。
被挿入部H541d1は、挿入部H572の厚みよりも若干大きい溝状に形成されており、その溝の内部に挿入部H572を挿入可能に形成される。また、被挿入部H541d1は、その凹設底面に挿入部H572の背面側(矢印B方向側)の端部が当接可能な長さに設定される。即ち、正面側保護部H571の背面と凹部H541dの正面との隙間は、被挿入部H541d1の凹設底面に挿入部H572を当接させることで形成される。よって、正面側保護部H571の背面と凹部H541dの正面との隙間の形成を簡易にできると共に、その隙間を維持しやすくできる。
なお、被挿入部H541d1は、第1化粧板H541を背面側に曲げて形成されており、被挿入部H541d1が形成される領域の第1化粧板H541の板厚と、被挿入部H541d1以外の領域の第1化粧板H541の板厚とが略同一に形成される。これにより、被挿入部H541d1の剛性を確保することができる。その結果、被挿入部H541d1に挿入して配設される上側保護板H570に所定の力が作用される場合に、被挿入部H541d1が破損することを抑制できる。
一対形成されるうちの一方の被挿入部H541d1は、上端の凹設底面が切り欠かれる被係合部(図示せず)を備え、その被係合部に一方の挿入部H572の上端部から下方に向かって突設される係合部H572aが挿入可能とされる。これにより、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)に上側保護板H570を配設した際に、上側保護板H570の上側右部が背面側(矢印B方向側)に向かって移動することを抑制できる。
なお、正面側保護部H571には、係合部H572aが形成される一方と左右方向反対側の背面側(矢印B方向側)から被締結部H571a(図161(b)参照)が突設される。被締結部H571aは、第1化粧板H541側から正面側(矢印F方向側)に挿通される螺子を螺入させる部分であり、これにより、第1化粧板H541に対して上側保護板H570の上側左部を締結固定できる。
即ち、第8実施形態では、上側保護板H570の上側は、右側部分が係合部H572aにより第1化粧板H541に係合され、左側部分が被締結部H571aにより第1化粧板H541に締結される。これらの係合および締結により、上側保護板H570の上側部分が第1化粧板H541に対して正面側(矢印F方向側)に移動すること(脱落すること)を抑制できる。
本実施形態では、被締結部H571aが正面視における正面側保護部H571の左右方向(矢印L-R方向)の他方側に偏る位置に形成されるので、後述するように、正面側保護部H571に所定の力が作用する場合に正面側保護部H571を背面側(矢印B方向側)に向かって撓ませることが可能とされる。
即ち、正面側保護部H571の左右の両端が締結固定されては、正面側保護部H571に所定の力が作用する場合に正面側保護部H571が左右方向に変形できなくなるところ、第8実施形態では、左右方向の一方側が係合部H572aによる係合とされるので、正面側保護部H571の一方側への変形を可能とできる。
屈曲部H573は、第1化粧板H541の第1開口部H541aの内縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲して形成され、屈曲先端側の少なくとも一部が下皿H50の貯留空間に入り込んだ位置に形成される。また、屈曲部H573は、第1開口部H541aの内縁に沿って形成されることにより、正面視において上方側(正面側保護部H571の内側)に向かって凹状に湾曲して形成される。
また、屈曲部H573には、上下方向(矢印U-D方向)に開口する被係合部H573aが形成され、その被係合部H573aが第1化粧板H541の第1開口部H541aの上側内縁から下方に向かって突出する係合部H541eに係合される。なお、係合部H541eへの被係合部H573aの係合方法については後述する。
次いで、正面側保護部H571が第1化粧板H541の前面に配設された状態について説明する。図162に示すように正面側保護部H571は、第1化粧板H541の前面に対して所定の隙間を少なくとも一部に有した状態で配設される。
パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって比較的大きな力が作用される場合には、第1化粧板H541に対する正面側保護部H571の所定の隙間により正面側保護部H571を背面側に向かって撓ませることができる。よって、パチンコ機H10の正面側から作用する力が第1化粧板H541に直接作用することを抑制して、第1化粧板H541の破損を抑制できる。
しかしながら、上側保護板H570の下方側は、第1化粧板H541から下方に向かって突出する係合部H541eに被係合部H573aが係合されるだけであるので、第1化粧板H541に対する正面側保護部H571の所定の隙間により正面側保護部H571を背面側(矢印B方向側)に向かって撓ませた際に、正面視において正面側保護部H571の外側に向かって屈曲部H573が広がり、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除される恐れがある。
これに対し、第8実施形態では、挿入部H572が形成される正面側保護部H571の左右の両端から中央側に向かって正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲した形状に形成されるので、正面側保護部H571に正面側から所定の力が作用される場合に、正面側保護部H571を左右方向(矢印L-R方向)外側に広がる方向に撓ませることができ被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。
即ち、第8実施形態では、正面側保護部H571に正面側(矢印F方向側)から所定の力が作用する場合に、重力方向(矢印U-D方向)における弾性変形量に比べて、左右方向(矢印L-R方向)における弾性変形量を大きくすることができると共に、弾性変形量が小さい重力方向外側に第1化粧板H541(係合部H541e)と係合する被係合部H573aが形成されるので、正面側保護部H571が弾性変形した場合に、被係合部H573aの位置がずれることを抑制できる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。
なお、上側保護板H570は、左右方向(矢印L-R方向)の両側に形成される挿入部H572が第1化粧板H541の被挿入部H541d1に挿入されるので、正面側保護部H571に作用する力により正面側保護部H571が左右方向に変形する場合に正面側保護部H571が第1化粧板H541の化粧面に当接することを抑制できる。
また、挿入部H572が第1化粧板H541の被挿入部H541d1に挿入されるので、正面側保護部H571に作用する力により正面側保護部H571が左右方向に変形する場合に、正面側保護部H571の位置がずれることを抑制できる。その結果、上下皿ユニットH15の見た目が変わることを抑制できる。
また、第8実施形態では、屈曲部H573が、正面視において一対の挿入部H572の対向方向に延設されると共に、上方側(正面側保護部H571の内側)に向かって凹状に湾曲して形成されるので、正面側保護部H571が左右方向(矢印L-R方向)に弾性変形する場合に、その正面側保護部H571の撓みにより屈曲部H573の左右両側が引っ張られる力を、屈曲部H573の被係合部H573aが形成される部分を正面視における正面側保護部H571の中央側に傾倒させる方向の力に変換しやすくできる。
これにより、第8実施形態では、正面側保護部H571に正面側(矢印F方向側)から所定の力が作用して正面側保護部H571が弾性変形する場合に、被係合部H573aが係合部H541eとの係合を解除する方向に変位することを抑制できる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。
また、係合部H541eは、第1開口部H541aの内側に形成される。即ち、下皿H50の内側に形成されるので、被係合部H573aと係合部H541eとの係合箇所を遊技者から視認されにくくできる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が遊技者により解除されることを抑制できる。
なお、第8実施形態では、第1化粧板H541に突出形成される係合部H541eを上側保護板H570の被係合部H573aに係合される場合について説明したが、係合部H541eと被係合部H573aとが反対に形成されていてもよく、第1化粧板H541に凹設される被係合部に上側保護板H570に突出形成される係合部を係合させても良い。
この場合には、上側保護板H570に被係合部H573aの開口を形成する必要がなくなるので、第1化粧板H541に上側保護板H570を配設した際に、上下皿ユニットH15の化粧面に開口が現れなくなるので、遊技者が上側保護板H570と第1化粧板H541との係合を外そうとすることを抑制できる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。
次いで、図163を参照して、第1化粧板H541への上側保護板H570の配設方法について説明する。図163(a)及び(b)は、第1化粧板H541から上側保護板H570を分解した状態における上下皿ユニットH15の断面図である。
なお、図163(a)及び(b)は、図144のX10a線における上下皿ユニットH15の断面と対応する。また、図163(a)では、第1化粧板H541から上側保護板H570が完全に取り外された状態における上下皿ユニットH15の断面が図示され、図163(b)では、第1化粧板H541に上側保護板H570を取り付け途中における上下皿ユニットH15の断面が図示される。
図163(a)及び(b)に示すように、上側保護板H570を第1化粧板H541に取り付ける際には、第1化粧板H541の被挿入部H541d1に上側保護板H570の挿入部H572を挿入しつつ、上側保護板H570を第1化粧板H541に向かって押し込むことで、屈曲部H573が第1化粧板H541の第1開口部H541aの内縁に当接する上下位置に合わせられる。
この場合、第1化粧板H541の係合部H541eは、上側保護板H570の配設方向と対向する側(正面側(矢印F方向側)の側面の一部が突出基端側に向かって正面側に傾斜して形成される。これにより、第1化粧板H541の係合部H541eに上側保護板H570の被係合部H573aを係合させる際に、上側保護板H570の屈曲部H573を係合部H541eの傾斜面に沿って変形させて係合部H541eを乗り越えさせることができる。その結果、第1化粧板H541の係合部H541eに上側保護板H570の被係合部H573aを係合させやすくできる。
次いで、図164から図186を参照して、操作ユニットH180について説明する。初めに、図164から図166を参照して、操作ユニットH180の全体構成について説明する。図164(a)は、操作ユニットH180の正面斜視図であり、図164(b)は、操作ユニットH180の背面斜視図であり、図165は、操作ユニットH180の分解正面斜視図であり、図166は、操作ユニットH180の分解背面斜視図である。
図164から図166に示すように、操作ユニットH180は、上面にボタン部H181を有する傾倒装置H710と、その傾倒装置H710が上下方向(矢印U-D方向)に揺動可能な状態で内側に配設される下枠部材H720と、その下枠部材H720の内側に配設される揺動装置H730と、傾倒装置H710のリング部材H713を上方側(矢印U方向側)から支持し下枠部材H720と向かい合わせで配置される上枠部材H740と、下枠部材H720の下方側(矢印D方向側)に配設されアーム部材H755を介して傾倒装置H710に駆動力を伝達する駆動手段H750と、下枠部材H720の下方側に配設され駆動手段H750を左右方向(矢印L-R方向)と後方(矢印F方向)との三方から覆う箱状に形成される保護カバー部材H760と、を主に備える。
下枠部材H720は、下方側(矢印D方向側)に向かって凹状のカップ型に形成されると共に、光を透過可能な透明な樹脂材料で形成される。これにより、下枠部材H720の内側に揺動装置H730を配設できると共に、その揺動装置H730から正面側(矢印F方向側に向かって出射される光を正面側に透過できる。
また、下枠部材H720は、上述した上下皿ユニットH15の第2化粧板H542の背面に沿って湾曲した形状に形成される正面板H721と、その正面板H721の背面側(矢印B方向側)端部に連なって形成され、正面板H721の背面側の縁部から背面側に向かって上昇傾斜する形状に形成される背面板H722と、その背面板H722の背面側の上端から上方(矢印U方向)に突設される一対の突設部H723と、背面板H722から背面側に向かって延設され、下方側に駆動手段H750が保持される保持部形成板H724と、その保持部形成板H724の下方側に左右一対で配置される左側検出センサH725Lと、右側検出センサH725Rと、背面板H722の右側(矢印R方向側)の下端部に配設されるボタン検出センサH726と、を主に備える。
正面板H721は、操作ユニットH180を上下皿ユニットH15(ベース部材H510)に配設した際に、第2化粧板H542(図145参照)の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される部分であり、第2化粧板H542の背面に沿う湾曲形状に形成される。また、正面板H721は、正面側の外縁に沿って正面側に向かって立設される壁部H721aと、下端の一部に前後方向に開口される開口部H721bとを備える。
壁部H721aは、正面側の立設先端部が第2化粧板H542の背面に当接可能な立設距離に設定される。よって、操作ユニットH180を上下皿ユニットH15(ベース部材H510)に配設した際に、壁部H721aを除く正面板H721の正面と、第2化粧板H542の背面との間に空間を形成することができる。その空間により、第2化粧板H542の正面に入力される衝撃が正面板H721(操作ユニットH180)に直接作用することを抑制できる。その結果、後述する揺動装置H730の駆動手段H780及び変位部材H790が第2化粧板H542に入力される衝撃で揺動することを抑制できる。
開口部H721bは、後述する傾倒装置H710との隙間から下枠部材H720の内側にゴミ(埃等)や液体が流入された場合に、傾倒装置H710の外側に排出するための空間であり正面板H721の下方側端部に形成される。従って、下枠部材H720の内側に流入したゴミ(埃等)や液体を開口部H721bを介して操作ユニットH180の外側に排出することができる。
これにより、下枠部材H720の内側にゴミ(埃等)や液体が溜まって、操作ユニットH180の傾倒装置H710や揺動装置H730の変位が規制されたり、揺動装置H730の基板部材H773がショートしたりすることを抑制できる。
背面板H722は、後述する揺動装置H730を配設するためのベース板であり、揺動装置H730に螺入される螺子を挿通するための挿通孔H722aが前後方向(矢印F-B方向)に開口される。なお、揺動装置H730は、背面側(矢印B方向側)に向かって上昇傾斜する背面板H722に配設されることで、正面側(矢印F方向側)を上方側(矢印U方向側)に傾けた姿勢で配置される。
また、背面板H722は、左右の両外側に前後方向(矢印F-B方向)に開口される一対の開口部H722bと、一方の開口部H722b(正面視において右側の開口部H722b)と隣り合う位置に配置されるボタン検出センサH726を下枠部材H720に締結固定するための螺子を螺入するねじ穴(図示しない)と、を備える。
一対の開口部H722bは、下枠部材H720の外側に配置される駆動手段H750と、下枠部材H720の内側に配設される傾倒装置H710とを連結するための一対のアーム部材H755を挿通するための開口であり、それぞれのアーム部材H755の変位軌跡上に開口されると共に、アーム部材H755が変位された際にアーム部材H755と干渉しない程度の大きさに形成される。
一対の突設部H723は、背面板H722の上端から上方側(矢印U方向側)に向かって突設されると共に、その突設先端に傾倒装置H710のリング部材H713を上方側から挿入可能に上方側が開放される下側軸受け部H723aを備える。
下側軸受け部H723aは、一対の突設部H723のそれぞれの突設先端側を半円形状に凹設して形成されると共に、一対の突設部H723の対向面側を開放した形状に形成される。なお、下側軸受け部H723aは、その凹設部分の内側に傾倒装置H710のリング部材H713を配置可能に形成されており、円柱状に形成されるリング部材H713の直径よりも若干大きい直径の半円形状に形成される。
保持部形成板H724は、背面板H722の背面側(矢印B方向側)に配設される駆動手段H750を変位可能に保持するための部分であり、背面板H722の上方側(矢印U方向側)の縁部から背面側に延出して形成される。また、保持部形成板H724には、左右方向(矢印L-R方向)における中央部の下面側に駆動手段H750を駆動する駆動力を発生させる駆動モータH727が配設用ブラケットH728を介して取り付けられると共に、その駆動モータH727の左右方向外側に左側検出センサH725L及び右側検出センサH725Rが配設される。
また、保持部形成板H724には、駆動手段H750の伝達軸棒H753の前後を保持する保持部H724aが左右方向(矢印L-R方向)に離れた位置に一対形成される。それぞれの保持部H724aは、前後方向に所定の間隔を隔てた一対の突出部を備え、その一対の突出部の対向間に伝達軸棒H753を挟んで保持可能に形成される。
左側検出センサH725Lは、後述する駆動手段H750の左円板カムH754Lの回転位置を検出するセンサであり、右側検出センサH725Rは、駆動手段H750の右円板カムH754Rの回転位置を検出するセンサである。左側検出センサH725L及び右側検出センサH725Rは、それぞれの円板カムH754L,H754Rと対応する位置に配設される。なお、左側検出センサH725L及び右側検出センサH725Rは、円板カムH754L,H754Rに切り欠き形成される検出部H754gL,H754gRにより検出光が遮られなくなることで、それぞれの円板カムH754L,H754Rの回転位置を検出することができる。
ボタン検出センサH726は、上下一対の上方側センサH726aと下方側センサH726bとを備えて形成され、上方側センサH726aにより傾倒位置に配置される傾倒装置H710を検出可能とされ、下方側センサH726bにより傾倒位置から押し込まれた傾倒装置H710を検出可能とされる。即ち、上方側センサH726aは、傾倒位置に配置される傾倒装置H710の検出片H715を検出可能とされ、下方側センサH726bは、傾倒位置から押し込まれた位置の傾倒装置H710の検出片H715を検出可能とされる。
なお、操作ユニットH180の操作を検出する各センサ(左側検出センサH725L、右側検出センサH725R、ボタン検出センサH726)の各種スイッチH208(図128参照)は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(音声出力や液晶表示)を実行可能とされる。
傾倒装置H710は、上面にボタン部H181と、そのボタン部H181の正面側の外縁から下方側に向かって延設される正面側透過部H711と、ボタン部H181の左右両外側の外縁から下方側に向かって延設される側面側反射部H712と、ボタン部H181の背面側の外縁に沿って配設される軸部材H716(図174参照)と、その軸部材H716の両端に配設されるリング部材H713と、軸部材H716に巻き付けされるねじりバネH717と、側面側反射部H712の下端の縁部に沿って配設されるブラケットH714と、側面側反射部H712の正面側の下端に配設され、下方側に突出する検出片H715と、を主に備え、ボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712により下方側が開口する箱状に形成される。
なお、傾倒装置H710は、リング部材H713を回転軸として回転可能に形成されており、上述した傾倒位置と、その傾倒位置から正面側を上方側に回転させた起立位置との間で変位可能とされ、傾倒位置においてボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712の内側に揺動装置H730を配置可能とされる。なお、第8実施形態では、リング部材H713(回転軸)が傾倒装置H710の背面側に配置されるが、リング部材H713(回転軸)を正面側や左右のどちらか一方側に配置して、傾倒装置H710の背面側が上昇する形態や、左右のどちらか他方側が上昇する形態としても良い。
ボタン部H181は、遊技者が押圧操作する部材であり、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、上述した上皿形成部材H520と下皿形成部材H530(図145参照)との対向間から上方側(矢印U方向側)に突出する位置に配置される。また、ボタン部H181は、無色透明の樹脂材料から形成されており、下方側(矢印D方向側)に配置される揺動装置H730から出射される光を上方側に向かって透過可能とされる。なお、第8実施形態におけるボタン部H181は、貝を模した形状に形成されており、上面視において左右方向に広がる扇状に形成される。なお、第8実施形態では、ボタン部H181が無色透明の樹脂材料から形成されるが、ボタン部H181を有色の光を透過可能な樹脂材料から形成して、ボタン部H181を透過する光にボタン部H181の色味を付与する構造であっても良い。
正面側透過部H711は、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、ボタン部H181の正面側(矢印F方向側)を覆う部材であり、起立位置において上皿形成部材H520と下皿形成部材H530との対向間に下方側の端部が配置される。これにより、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、傾倒装置H710と下皿形成部材H530との対向間から針金やピアノ線等の不正な部材が挿入されることを抑制できる。
なお、正面側透過部H711(傾倒装置H710)は、光を透過可能な無色透明の樹脂材料から形成されるので、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態においては、下方側(矢印D方向側)に配置される揺動装置H730から出射される光を正面側透過部H711を介して正面上方側(即ち、遊技者側)に出射できる。また、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態においては、正面側透過部H711が正面板H721と対向する位置に配置されると共に後述する揺動装置H730の正面側に配置される。これにより、揺動装置H730から出射する光を正面側透過部H711及び正面板H721を介して正面側に出射できる。
さらに、正面側透過部H711は、遊技者により傾倒装置H710が下方に押し込まれた場合に、下方側の端部が後述する揺動装置H730に当接可能な大きさに形成され、傾倒装置H710を押圧操作に伴って揺動装置H730を変位可能とされる。これにより、傾倒装置H710の押圧操作に伴って揺動装置H730から出射される光の方向を変更できるので、揺動装置H730による光の態様を傾倒装置H710の押圧操作に伴って変更できる。なお、傾倒装置H710の当接による揺動装置H730の動作についての詳しい説明は後述する。
なお、第8実施形態では、揺動装置H730の正面板H721が透明の樹脂材料から形成され、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合に基板部材H773から出射される正面側透過部H711が正面板H721を介して正面側に出射される場合について説明したが、正面板H721を有色の不透明(光を非透過)の樹脂材料から形成しても良い。この場合には、傾倒装置H710が傾倒位置では、基板部材H773から出射される光の正面側への光の透過が規制され、傾倒装置H710が起立位置では、基板部材H773から出射される光の正面側への透過の規制が解除される。
即ち、傾倒装置H710が起立位置に配置される場合にのみ、正面側透過部H711から透過される基板部材H773の光を遊技者が視認可能とされる。これによれば、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合と起立位置に配置される場合とで遊技者側に出射される光の光量に差を設けやすくでき、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合に遊技者に傾倒装置H710に注目させやすくできる。
側面側反射部H712は、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、ボタン部H181の左右両側面を覆う部材であり、上皿形成部材H520と下皿形成部材H530との対向間に下方側の端部が配置される。これにより、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、傾倒装置H710と下皿形成部材H530との対向間から針金やピアノ線等の不正な部材が挿入されることを抑制できる。
また、側面側反射部H712は、下方側の端部に配設されるブラケットH714と重ない位置における左右両側に上方側に向かって凹設される被係合凹部H712aを備える。被係合凹部H712aは、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態から傾倒装置H710がねじりバネH717の付勢力で起立位置に変位することを抑制する(傾倒装置H710を傾倒位置に保持する)ために、後述する回転爪部材H757と係合する部分であり、回転爪部材H757と対応する位置に形成される。
また、側面側反射部H712は、傾倒装置H710の内部空間側に光を反射可能な塗装がされ、側面側反射部H712に照射される光を反射可能に形成される。ここで、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、側面側反射部H712が後述する揺動装置H730の背面側に配置される。これにより、揺動装置H730から側面側反射部H712側に光が出射される場合に、その光を正面側透過部H711側に反射させることができる。その結果、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される状態において、傾倒装置H710の正面側透過部H711から正面側に出射される光量を増加して、遊技者の興趣を向上できる。
リング部材H713は、傾倒装置H710の回転軸となる部分であり、円柱状に形成される。また、リング部材H713は、左右方向に軸を有しボタン部H181の背面側の縁部に沿って配設される。これにより、ボタン部H181の正面側の端部を下方に配置した傾倒位置と、その傾倒位置からボタン部H181の正面側の端部を上方に配置した起立位置との間で傾倒装置H710を回転させることができる。
なお、傾倒装置H710の軸部材H716には、ねじりバネH717が配設されており、そのねじりバネH717が下枠部材H720と傾倒装置H710とに係合される。これにより、傾倒装置H710は、下枠部材H720に対して正面側の端部を上方に押し上げる方向(起立位置に変位する方向)に付威された状態で下枠部材H720に配設される。
ブラケットH714は、アルミ等の金属材料を屈曲して構成され、下面視において側面側反射部H712の下縁部に沿う(正面側が開放された)コ字形状に形成される。ブラケットH714が傾倒装置H710の下面に配設されることで、ボタン部H181の押圧操作時に傾倒装置H710が下枠部材H720の背面板H722に当接して傾倒装置H710が破損することを抑制できる。
また、ブラケットH714は、コ字形状の対向する板部分から下方側に屈曲して形成される連結部H714aを備える。連結部H714aは、傾倒装置H710に駆動力を伝達する駆動手段H750のアーム部材H755が連結される部分であり、アーム部材H755の連結棒H755bを挿通可能な貫通孔が形成される。アーム部材H755の連結棒H755bが連結部H714aに挿通されることで、アーム部材H755の変位に連動して傾倒装置H710を変位させることができる。
検出片H715は、ボタン検出センサH726の検出光を遮る部材であり、ボタン検出センサH726の上方側センサH726aを遮る部分と下方側センサH726bを遮る部分とが異なる突出長さで形成される。詳しく説明すると、傾倒装置H710が傾倒位置から押し込まれた位置を検出する下方側センサH726bを遮る部分の突出距離が、傾倒装置H710の傾倒位置を検出する上方側センサH726aを遮る部分の突出距離よりも短く形成される。
上枠部材H740は、上面視において傾倒装置H710の側面側反射部H712の下端に屈曲形成される係合片H712bが引っかかる(上下方向に重なる)大きさの半円弧形状に形成される。これにより、傾倒装置H710が傾倒位置から起立位置に変位した際に、傾倒装置H710が起立位置を超えて上方側に張り出し変位することを抑制できる。
また、上枠部材H740は、下枠部材H720の背面板H722と上下方向に対向配置されると共に下側が開放された半円形状に形成され、傾倒装置H710のリング部材H713を支持する上側軸受け部H741を備える。
上側軸受け部H741は、下側軸受け部H723aとの対向間に傾倒装置H710のリング部材H713を収容してリング部材H713を保持する部分であり、円柱状に形成されるリング部材H713の半径よりも若干大きい半径の半円形状に形成される。
駆動手段H750は、傾倒装置H710の回転を制御する部分であり、下枠部材H720に配設される駆動モータH727の駆動力により駆動して、傾倒装置H710の回転を制御することができる。なお、駆動手段H750についての詳しい説明については後述する。また、駆動手段H750を駆動する駆動モータH727(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。
保護カバー部材H760は、上面視において略矩形状に形成される底面部H761と、その底面部H761の外縁に沿って延設され上方側に向かって立設される側壁部H762とを備え、上方側が開放する箱状に形成され、その内側に駆動手段H750を収容した状態で下枠部材H720の下面側に配置可能に構成される。
底面部H761は、正面側の端部から突出されると共に下方側に屈曲するL字形状に形成される係合部H763と、上方側に向かって突出され駆動手段H750の伝達軸棒H753を下方から支持する凸状部H764とを備える。
係合部H763は、駆動手段H750の第1スプリングH758の下端を係合させる部分である。第1スプリングH758は、保護カバー部材H760に対して軸支される回転爪部材H757の第1係合部H757dと、保護カバー部材H760の係合部H763とに両端が係合されることで、回転爪部材H757の第1係合部H757dを下方側に引っ張る方向に付勢することができる。
次いで、図167から図171を参照して、駆動手段H750について説明する。初めに図167及び図168を参照して、駆動手段H750の全体構成について説明する。図167(a)は、駆動手段H750の正面図であり、図167(b)は、図167(a)のY17b線における駆動手段H750の側面図であり、図168は、駆動手段H750の正面分解斜視図である。
図167及び図168に示すように、駆動手段H750は、板状の板金部材を折り曲げることにより骨組みを構成する本体部材H751と、その本体部材H751の左右両側に配設される軸部材H752と、駆動モータH727の駆動力を伝達する伝達軸棒H753と、その伝達軸棒H753の両端に回転不能に固定される一対の円板カムH754(左円板カムH754L、右円板カムH754R)と、その円板カムH754の連結ピンH754eが挿通されるアーム部材H755と、軸部材H752に軸支されると共に円板カムH754の第1突出部H754c1や第2突出部H754c2と回転方向で当接する解除部材H756と、その解除部材H756と同軸で軸支され解除部材H756の回転に伴って相対動作する回転爪部材H757と、その回転爪部材H757を下倒れさせる方向へ向けた付勢力を発生するコイルスプリング状のバネ部材である第1スプリングH758と、解除部材H756と回転爪部材H757との間で互いに離反させる方向の付勢力を発生するねじりバネ状のバネ部材である第2スプリングH759と、を主に備える。
本体部材H751は、アルミ等の金属材料から形成され、左右両端から上方へ向かって折曲され正面視コ字形状に形成される。また、本体部材H751は、対向配置される板部分の対向位置(同軸上)に穿設される軸支孔H751bと、左右方向(矢印L-R方向)に延設される板部分に穿設される挿通孔H751cと、を主に備える。なお、駆動モータH727は、正面時コ字状形状に形成される本体部材H751の内側に配置される。
軸支孔H751bは、軸部材H752の一端が圧入される孔であり、軸部材H752の外径と略同一の内径に形成される。軸支孔H751bに軸部材H752が圧入されることで、本体部材H751の左右両外側に軸部材H752が突出した状態で配設され、本体部材H751の左右両外側に解除部材H756及び回転爪部材H757を配設可能とされる。
次いで、図169を参照して、伝達軸棒H753について説明する。図169(a)は、伝達軸棒H753の正面分解斜視図であり、図169(b)は、伝達軸棒H753の背面分解斜視図である。
図169に示すように、伝達軸棒H753は、両端に円板カムH754(図168参照)が固定される柱部材H753aと、その柱部材H753aに軸支されると共に駆動モータH727の回転ギヤと歯合する伝達ギヤH753bと、その伝達ギヤH753bと柱部材H753aとの間で駆動力を伝達するか否かを軸方向の移動により切り替え可能な可動クラッチH753cと、その可動クラッチH753cを伝達ギヤH753bに押し付けるコイルバネH753dと、伝達ギヤH753bの軸部に挿入される挿入部材H753eと、を主に備える。
柱部材H753aは、金属性の材料から形成されると共に、断面六角形の柱状体に形成される。また、柱部材H753aは、その両端部に円板カムH754を係合させる溝状の係合溝H753a1を備える。
伝達ギヤH753bは、柱部材H753aが挿通される円形状の挿通孔H753b1と、可動クラッチH753cと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿った凹凸が形成されるクラッチ部H753b2と、を主に備える。
挿入部材H753eは、柱部材H753aに対する伝達ギヤH753bの軸位置を決める部材であり、伝達ギヤH753bの挿通孔H753b1に挿入可能な円柱状に形成される。また、挿入部材H753eは、柱部材H753aが挿通される六角形状の挿通孔H4753e1が形成され、柱部材H753aに対して回転(空回り)不能な状態で配設される。
伝達ギヤH753bは、挿通孔H753b1に挿入部材H753eが挿入された状態で柱部材H753aに挿入されることで、柱部材H753aが固定された場合にでも、柱部材H753a(挿入部材H753e)に対して回転(空回り)することができる。
可動クラッチH753cは、柱部材H753aが挿通される六角形状の挿通孔H753c1と、伝達ギヤH753bと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸方向に沿った凹凸が形成されると共にクラッチ部H753b2と係合可能に構成されるクラッチ部H753c2と、を主に備える。なお、本実施形態では、両クラッチ部H753b2,H753c2の頂部の角度が約100°の山形の凸部および凹部から構成される。
柱部材H753aの外形と同様の六角形状に挿通孔H753c1が形成されることで、挿通孔H753b1に柱部材H753aを挿通させた状態では、柱部材H753aに対する伝達ギヤH753bの回転(空振り)が規制される。
また、両クラッチ部H753b2,H753c2とが係合されることで、駆動モータH727から伝達ギヤH753bに伝達される駆動力が、可動クラッチH753cを介して柱部材H753aに伝達される。これにより、円板カムH754(図168参照)を回転させることが可能になる。
なお、可動クラッチH753cは、通常はコイルバネH753dの付勢力により伝達ギヤH753bに近接する位置に配置され、両クラッチ部H753b2,H753c2の係合関係が保たれる。一方で、可動クラッチH753cに軸方向の負荷がかけられることにより、柱部材H753aの軸方向に沿って伝達ギヤH753bから離反する態様で移動可能に構成される。
アーム部材H755は、樹脂材料から構成され、一方向に長い板状に形成される。またアーム部材H755は、長手方向一方側の端部に長手方向に沿って長孔状に穿設されると共に円板カムH754の連結ピンH754eが挿通される案内孔H755aと、長手方向他方側の端部に配設されると共に傾倒装置H710の連結部H714aに挿通される円柱状の連結棒H755bと、を主に備える。
アーム部材H755は、傾倒装置H710の連結部H714aに連結棒H755bが回転可能な状態で軸支される。また、案内孔H755aの長手方向における距離は、円板カムH754が回転された際の連結ピンH754eの回転軌跡の直径よりも大きく形成される。これらにより、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、円板カムH754が一回転以上回転した際に、円板カムH754の連結ピンH754eの変位に伴って連結ピンH754eを案内孔H755aに沿って摺動させられると共に、軸部H711eを軸に回転させられる。
次いで、図170を参照して、円板カムH754について説明する。図170(a)は、図168の矢印Y18a方向視における右円板カムH754Rの側面図であり、図170(b)は、図168の矢印Y18b方向視における右円板カムH754Rの側面図であり、図170(c)は、図168の矢印Y18c方向視における左円板カムH754Lの側面図であり、図170(d)は、図168の矢印Y18d方向視における左円板カムH754Lの側面図である。
なお、以下の説明では、左円板カムH754Lと右円板カムH754Rとのそれぞれにおいて、対向する側を「対向方向内側」と称し、対向する側と反対側を「対向方向外側」と称して説明する。
図170(a)及び(b)に示すように、右円板カムH754Rは、略円板状に形成される円板部H754aと、その円板部H754aの軸心部分に穿設される中心軸部H754bと、円板部H754aの軸心部分が対向方向内側に向かって屈曲されることで対向方向内側に向かって凸状に膨出される第1膨出部H754cと、その第1膨出部H754cの径方向外側部分から対向方向外側に向かって屈曲されることで対向方向外側に向かって凸状に膨出される第2膨出部H754dと、その第2膨出部H754dから対向方向外側に向かって円柱状に突出されアーム部材H755(図169参照)に連結される連結ピンH754eと、第2膨出部H754dよりも軸心側から対向方向外側に突設して形成される係合部H754fと、円板部H754aの外周面の一部を軸心側に向かって切り欠いて形成される右検出部H754gRと、を主に備える。
なお、右円板カムH754Rは、右検出部H754gRが、左円板カムH754Lの左検出部H754gLと60°の角度をなす位置に配置されることのみが異なり、その他は右円板カムH754Rの形状を鏡写しした形状から構成される。
中心軸部H754bは、内周が柱部材H753aと対応する六角形状に形成される。これにより、中心軸部H754bに柱部材H753aを挿通させた状態では、柱部材H753aに対する右円板カムH754Rの回転(空回り)が規制される。
第1膨出部H754cは、中心軸部H754bの軸を中心に円環形状に膨出して形成されると共に、外周面の一部から径方向の外側に突出する2箇所の第1突出部H754c1と、第2突出部H754c2とを備える。
第1突出部H754c1と第2突出部H754c2とは、後述する解除部材H756と当接する部分であり、同一の形状に形成されると共に中心軸部H754bの中心から径方向外側に同じ距離突出する位置に形成される。また、第1突出部H754c1と第2突出部H754c2とは、それぞれ円板部H754aの軸を中心に公転方向に約150°ずれた位置に形成され、円板カムH754の回転時に異なるタイミングで解除部材H756に当接可能に構成される。
連結ピンH754eは、駆動手段H750の第1初期状態において、傾倒状態における傾倒装置H710の軸部H711eと最も離間距離の長い位置に配置される。即ち、中心軸部H754bに対して傾倒状態における傾倒装置H710の軸部H511eの反対側に連結ピンH754eが配設される。
係合部H754fは、円板部H754aの中心軸部H754bを挟んで一対形成される。また、係合部H754fは、突出先端が略L字状に屈曲され、その屈曲部分の先端が柱部材H753aの係合溝H753a1に挿入される。これにより、柱部材H753aを右円板カムH754Rの中心軸部H754bに挿入した状態では、柱部材H753aに対して右円板カムH754Rの軸方向への変位が規制される。
次いで、図171を参照して、解除部材H756と回転爪部材H757とについて説明する。なお、解除部材H756と回転爪部材H757とは左右一対で配設され、それらの構成は左右で同一なので、一方のみを説明する。
図171(a)及び図171(b)は、図168の矢印Y19a方向視における解除部材H756及び回転爪部材H757の側面図である。なお、図171(a)では、解除部材H756に対して回転爪部材H757が第2スプリングH759の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図171(b)では、解除部材H756に対して回転爪部材H757が第2スプリングH759の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。
図171(a)及び図171(b)に示すように、解除部材H756は、軸部材H752に軸支される軸支孔H756aを有する円環状に形成される本体部H756b(図168参照)と、軸支孔H756aの中心軸を中心とする円弧形状で回転爪部材H757側に向かって本体部H756bから凸設される凸設ピンH756cと、本体部H756bから最大径で張り出す部分として構成される被当接部H756dと、を主に備え、樹脂材料から形成される。
解除部材H756は、軸支孔H756aが軸部材H752に軸支されることで、本体部材H751に対して回転可能に保持され、被当接部H756dに円板カムH754が当接しない状態では、第2スプリングH759の付勢力により回転爪部材H757に対して軸部材H752を軸に図171に示す状態において右回り方向に最大位置まで回転され、角度大状態とされる。
凸設ピンH756cは、回転爪部材H757に当接して、回転爪部材H757に駆動力を伝達する部分であり、回転爪部材H757に当接可能な長さに設定される。また、凸設ピンH756cには、第2スプリングH759の一端が係合されており、これにより、第2スプリングH759の付勢力が解除部材H756に伝達される。
被当接部H756dは、組立状態において、円板カムH754の第1突出部H754c1及び第2突出部H754c2が当接可能に構成される部分である。被当接部H756dに第1突出部H754c1及び第2突出部H754c2が当接されることで、解除部材H756を本体部材H751に対して回転させることができる。
回転爪部材H757は、軸部材H752に軸支される軸支孔H757aを有する本体部H575bと、軸支孔H757aの中心軸を中心とする円弧形状に沿って解除部材H756の凸設ピンH756cを案内可能な大きさで本体部H757bに穿設される(凸設ピンH756cの移動軌跡を内側に含む大きさで穿設される)案内長孔H757cと、本体部H757bから突設され第1スプリングH758の上端を係合可能に湾曲して形成される第1係合部H757dと、軸支孔H757aの中心軸から径方向外側に最大径で張り出した位置から軸支孔H757aを軸とする周方向に沿って本体部H757bから凸設される鉤状部H757eと、軸支孔H757aを軸とする周方向に沿って本体部H575bに凹設され第2スプリングH759の端部が係合される第2係合部H757fと、を主に備える。
本実施形態では、図171(a)に示す角度大状態において、解除部材H756が回転爪部材H757に対して後転方向(図171(a)時計回り方向)の終端位置に配置される。そのため、角度大状態において、被当接部H756dに押し下げ方向の負荷がかけられると、解除部材H756及び回転爪部材H757が一体となって後転方向に回転する。一方、角度大状態において、被当接部H756dに押し下げ方向の負荷がかけられると、図171(b)に示す角度小状態に至るまでは解除部材H756のみを回転させ回転爪部材H757の姿勢を維持することができる。
次いで、操作ユニットH180の動作について説明する。初めに、図172及び図173を参照して、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、遊技者が押し込み操作する場合に動作について説明する。
図172及び図173は、図144のX11m線における操作ユニットH180の断面図である。なお、図172では、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態が図示され、図173では、図172の状態から遊技者が傾倒装置H710を終端位置まで押し込んだ状態が図示される。また、図172及び図173では、傾倒装置H710を押圧操作する遊技者の手の一例が2点鎖線で図示される。
図172に示すように、傾倒装置H710は、ねじりバネH717により後転方向(図172時計周り)の付勢力を受けると共に、側面側反射部H712の被係合凹部H712aが回転爪部材H757の鉤状部H757eに引っ掛けられる。これにより、傾倒位置に配置された状態で傾倒装置H710が姿勢維持される。即ち、傾倒位置に配置された状態において傾倒装置H710には、後転方向(図172時計回り)の付勢力が常時作用される。
図172に示す状態において、傾倒装置H710の検出片H715gは、ボタン検出センサH726の上方側センサH726aの検出溝に挿通されると共に、ボタン検出センサH726の下方側センサH726bの検出溝の手前に配置される。これにより、パチンコ機H10は、傾倒装置H710が傾倒位置に配置されることと、遊技者による押圧操作がされていないこととを認識することができる。
図173に示すように、遊技者が傾倒装置H710を押し込む操作を行うと、傾倒装置H710が前転方向(図172反時計周り)に約3°回転する。この状態において、傾倒装置H710の検出片H715gは、ボタン検出センサH726の上方側センサH726aの検出溝に挿通されると共に、ボタン検出センサH726の下方側センサH726bの検出溝に挿通される。
従って、ボタン検出センサH726の上方側センサH726a及び下方側センサH726bの検出状態の変化を判定することにより、傾倒装置H710が傾倒位置から遊技者に押し込み操作されたことを判定することができる。
次いで、図172、図174及び図175を参照して、傾倒装置H710が傾倒位置から起立位置に第1の速度(円板カムH754の回転速度)で変位する場合の動作について説明する。図174及び図175は、図144のX11m線における操作ユニットH180の断面図である。なお、図174及び図175では、図172に示す状態から円板カムH754が所定量だけ前転方向(図174反時計回り方向)に回転し回転爪部材H757が姿勢変化した状態が図示される。
図174及び図175に示すように、傾倒装置H710が傾倒位置に配置され、かつ、駆動手段H750が第1初期状態とされる図172に示す状態から、円板カムH754を前転方向(図172反時計回り方向)に回転させると、円板カムH754の第1突出部H754c1が解除部材H756の被当接部H756dを押し下げることで解除部材H756が後転方向(図172時計回り方向)に回転し、その回転に伴い回転爪部材H757が傾倒装置H710の被係合凹部H712aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。
このとき、傾倒装置H710に連結されるアーム部材H755の案内孔H755aの一方の終端位置(傾倒装置H710に連結される側から遠い側の終端位置)に円板カムH754の連結ピンH754eが配置される。よって、傾倒装置H710の上昇方向の(起立位置への)動作は、アーム部材H755により規制されるので、傾倒装置H710の上昇動作が、円板カムH754の回転角度に対応した動作態様とされる。
そして、図175に示すように、円板カムH754の連結ピンH754eが、傾倒装置H710の連結部H714a(アーム部材H755の連結棒H755bが連結される位置)と円板カムH754の回転軸とを繋ぐ直線上まで回転されることで、傾倒装置H710が起立位置まで変位される。
なお、円板カムH754の第1突出部H754c1と解除部材H756との当接が解除され、解除部材H756が図174に示す状態から前転方向(図174反時計回り方向)に回転し、その回転に伴い回転爪部材H757が傾倒位置における傾倒装置H710の被係合凹部H712aと係合可能な位置(図172に示す位置と同じ位置)まで前転方向に回転される。
よって、図175に示す起立位置に配置された状態から、傾倒装置H710のボタン部H181が遊技者に押圧操作される場合には、傾倒装置H710に連結されるアーム部材H755を円板カムH754の連結ピンH754eに倣って(案内孔H755aに沿って連結ピンH754eを摺動させて)変位させることで、傾倒装置H710を傾倒位置まで変位させると共に、傾倒装置H710を傾倒位置に保持することができる。
また、図175に示す起立位置に配置された状態から、円板カムH754が前転方向(図175反時計回り方向)にさらに回転される場合には、円板カムH754の連結ピンH754eが前転方向に回転することで、アーム部材H755が下方に向けて引っ張られ、傾倒装置H710が傾倒位置に向けて変位される。即ち、円板カムH754の回転角度に対応した下降動作を傾倒装置H710にさせることができる。
次いで、図176及び図177を参照して、傾倒装置H710が傾倒位置から起立位置に第2の速度(傾倒装置H710の軸部材H716に配設されるねじりバネH717の付勢力)で変位する場合の動作について説明する。図176及び図177は、図144のX11m線における操作ユニットH180の断面図である。なお、図176では、図171に示す状態から円板カムH754が回転され、第2突出部H754c2が被当接部H756dに当接された状態が図示され、図177では、図176に示す状態から円板カムH754が所定量だけ前転方向(図176の反時計回り方向)に回転し回転爪部材H757が姿勢変化した状態が図示される。
図176及び図177に示すように、傾倒装置H710が傾倒位置に配置され、かつ、駆動手段H750が第2初期状態とされる図176に示す状態から、円板カムH754を前転方向(図176反時計回り方向)に回転させると、円板カムH754の第2突出部H754c2が解除部材H756の被当接部H756dを押し下げることで解除部材H756が後転方向(図176時計回り方向)に回転し、その回転に伴い回転爪部材H757が傾倒装置H710の被係合凹部H712aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。
このとき、傾倒装置H710に連結されるアーム部材H755の案内孔H755aの他方の終端位置(傾倒装置H710に連結される側に近い終端位置)に近い位置に円板カムH754の連結ピンH754eが配置される(即ち、一方の終端位置との間に距離を隔てた位置に配置される)。よって、傾倒装置H710の上昇方向の動作は、上記した第1の速度(円板カムH754の回転速度)に伴って変位されず、傾倒装置H710に配置されるねじりバネH717の付勢力による変位速度に伴って変位される。
なお、第8実施形態では、ねじりバネH717の付勢力による傾倒装置H710の変位速度は、第1の速度よりも速く設定される(即ち、付勢力が十分に強く設定される)。従って、第8実施形態では、第1の速度と第2の速度とで、傾倒装置H710の上昇方向への動作速度を変更することができるので、傾倒装置H710の変位による演出態様を増やすことができる。その結果、傾倒装置H710の変位による演出効果を向上できる。
また、第8実施形態では、円板カムH754を後転方向(図172~図177時計回り方向)に回転させて、円板カムH754の第1突出部H754c1及び第2突出部H754c2を被当接部H756dに当接させて解除部材H756を前転方向(図172~図177反時計回り方向)に回転させた場合には、上記したように回転爪部材H757が非変位とされる(図171(b)参照)。これにより、回転爪部材H757が傾倒装置の被係合凹部H712aとの係合を解除しない態様で、円板カムH754の位置を変更することができる。その結果、第1の速度または第2の速度で連続して傾倒装置H710を起立位置に変位させることが可能となり、傾倒装置H710の変位による演出効果を向上することができる。
次いで、図178から図186を参照して、揺動装置H730について説明する。初めに、図178から図181を参照して、揺動装置H730の全体構成について説明する。図178(a)は、揺動装置H730上面図であり、図178(b)は、図178(a)の矢印Y20b方向視における揺動装置H730の側面図であり、図179(a)は、図178(b)のX21a線における揺動装置H730の断面図であり、図179(b)は、図178(a)のX21b線における揺動装置H730の断面図であり、図180は、揺動装置H730の分解正面斜視図であり、図181は、揺動装置H730の分解背面斜視図である。
なお、上記したように、揺動装置H730はパチンコ機H10に対して変位部材H790を正面側上方に傾けた状態で下枠部材H720に配置される(図165参照)が、揺動装置H730における以下の説明では、ベース手段H770、駆動手段H780、及び、変位部材H790が配設される方向(図178(a)の上下方向)を前後方向として説明する。
図178から図181に示すように、揺動装置H730は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H780と、ベース手段H770を介して駆動手段H780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H790と、を主に備える。
なお、変位部材H790は、ベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位可能に配設されており、第1コイルバネH793及び第2コイルバネH794により駆動手段H780に対して正面側に平行に張り出した状態(図178(a)に示す状態)を駆動手段H780に対する変位部材H790の初期位置として説明する。
変位部材H790は、光を透過可能な無色透明な樹脂材料から形成されており、背面側(矢印B方向側)に配設されるベース手段H770から出射される光を正面側に透過可能に構成される。また、変位部材H790は、正面側に向かって半球状に湾曲して形成される透過部H791と、その透過部H791の背面側の縁部3箇所から背面側に向かって突出する係合部H792と、を主に備える。
透過部H791は、背面側(矢印B方向側)から入射される光を拡散して正面側から出射させるための光拡散部であり、半円形状に形成される内方側の側面(背面側の側面)に凹凸状に形成される凹凸部H791aを備え、無色透明の光を透過可能な樹脂材料から形成される。
なお、透過部H791の凹凸部H791aは、透過部H791の外方側の側面(正面側の側面)に形成されても良いし、透過部H791の内方側および外方側の両側面に形成しても良い。また、透過部H791が平坦面を有する平板状に形成され、その平坦面の少なくとも一方の側面に凹凸部H791aが形成されても良い。また、凹凸形状の凹凸部H791aにより光を拡散するものでなく、レーザー光等により透過部H791の内部に形成した傷により光を拡散するものであっても良い。
係合部H792は、上方側の同一高さ位置に形成される一対の上側係合部H792aと、下方側の縁部に形成される下側係合部H792bと、を備え、それら一対の上側係合部H792a及び下側係合部H792bがベース手段H770または駆動手段H780に変位可能な状態で連結される。これにより、変位部材H790は、ベース手段H770及び駆動手段H780に対して変位可能とされる。
一対の上側係合部H792aは、背面側の突出先端部から屈曲する屈曲部H792a1と、その屈曲部H792a1から背面側に向かって円柱状に突出する円柱部H792a2と、を主に備える。
屈曲部H792a1は、駆動手段H780に係合される部分であり、組み立て状態では駆動手段H780の内側に配設され、変位部材H790が正面側(矢印F方向側)へ所定距離変位する場合に、駆動手段H780に当接して変位部材H790の正面側への変位を規制可能とされる。これにより、駆動手段H780からの変位部材H790の脱落を抑制できる。なお、第8実施形態では、一対の上側係合部H792aのそれぞれの屈曲部H792a1が、それぞれ反対方向となる左右方向外側に向けて屈曲される。
円柱部H792a2は、上側係合部H792aと駆動手段H780との間に配設される第1コイルバネH793を案内する部分であり、第1コイルバネH793の内径よりも小さい外径に形成され、第1コイルバネH793の内部に挿入可能とされる。なお、上側係合部H792aは、円柱部H792a2に案内される第1コイルバネH793の付勢力により正面側に向かって付勢された状態で駆動手段H780に配設される。
下側係合部H792bは、ベース手段H770と係合される屈曲部H792b1を備える。組み立て状態では、ベース手段H770に形成される溝部の内側に屈曲部H792b1が挿入され、正面側(矢印F方向側)または背面側(矢印B方向側)へ変位部材H790が所定距離変位する場合に、ベース手段H770に当接して変位部材H790の正面側または背面側への変位を規制可能とされる。これにより、ベース手段H770からの変位部材H790の脱落を抑制できる。
なお、下側係合部H792bとベース手段H770との間には、第2コイルバネH794が配設されており、その第2コイルバネH794の付勢力により、下側係合部H792bは正面側に向かって付勢された状態で配設される。
変位部材H790は、第1コイルバネH793及び第2コイルバネH794により正面側に付勢されることで、ベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位した後で初期位置に変位することができる。即ち、変位部材H790に負荷がかけられていない状態(例えば、駆動手段H780からの駆動力が作用していない状態)では、駆動手段H780に対して変位部材H790が初期位置に配置される。
次いで、図182を参照して、ベース手段H770について説明する。図182(a)は、ベース手段H770の分解正面斜視図であり、図182(b)は、ベース手段H770の分解背面斜視図である。
図182(a)及び図182(b)に示すように、ベース手段H770は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に締結固定される上側ベース部材H771と、その上側ベース部材H771の下方側(矢印D方向側)に配設される下側ベース部材H772と、上側ベース部材H771の正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773と、基板部材H773の正面側を覆う態様で上側ベース部材H771の正面側に配設される第1拡散部材H774と、を主に備える。
上側ベース部材H771は、正面側に基板部材H773が取り付けられる正面部H771aと、その正面部H771aの上方側の縁部から背面側に向かって延設される上面部H771bと、正面部H771aの下方側の縁部の左右両端から背面側に向かって突出される第1係合部H771cと、正面部H771aの下方側の縁部から下方側に向かって突出される第2係合部H771dと、正面部H771aの左右両側に位置し前後方向に開口する円環形状に形成される挿通孔H771eと、を主に備え、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成される。
正面部H771aは、正面視において上方側が開放される略コ字形状に形成され、開放部分を介して正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773に配線を連結することができる。また、正面部H771aの開放部分を覆設する位置に基板部材H773を配設可能に形成され、開放部分を介して基板部材H773の発光により生じる熱を放温することが可能とされる。これにより、基板部材H773が熱により破損することを抑制できる。
また、正面部H771aには、左右両側に一対形成される挿通孔H771eの内側部分に第1拡散部材H774を挿通した螺子を螺入可能な締結部H771a1が円柱状に形成される。これにより、正面部H771aの正面側に第1拡散部材H774を締結固定することができる。
なお、基板部材H773は、正面部H771aに円柱状に形成される締結部H771a1を避けるように円弧状に凹設される凹部H773aを備え、その凹部H773aの内側に締結部H771a1を挿入した状態で正面部H771aの正面側に配設される。これにより、上側ベース部材H771に対する基板部材H773の上下左右方向への移動を規制でき、また、正面側に第1拡散部材H774が配設されることで、上側ベース部材H771に対する基板部材H773の前後方向の移動が規制される。
上面部H771bは、後述する駆動手段H780を軸支する部分であり、上下方向に円形状に貫通され駆動手段H780の軸部H783c,H784bが挿通される上側軸支部H771b1を備える。これにより、駆動手段H780がベース手段H770に対して相対変位可能な状態で保持される。
第1係合部H771cは、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に係合する部分であり、下枠部材H720に係合するように先端が屈曲される略L字状に形成される。下枠部材H720に揺動装置H730を配設する際には、第1係合部H771cを下枠部材H720に係合させることで、挿通孔H771eを挿通した螺子を下枠部材H720に締結させやすくできる。
なお、ベース手段H770は、挿通孔H771eを挿通した螺子を下枠部材H720に締結することにより、下枠部材H720に対して固定される。これにより、後述するように駆動手段H780が動作される際に、ベース手段H770が下枠部材H720に対して非変位とされる。
第2係合部H771dは、下側ベース部材H772に係合する部分であり、下側ベース部材H772に係合するように先端が屈曲される略L字状に形成される。上側ベース部材H771に下側ベース部材H772を配設する際には、第2係合部H771dを下側ベース部材H772に係合させることで、下側ベース部材H772を挿通した螺子を上側ベース部材H771に締結させやすくできる。
下側ベース部材H772は、上側ベース部材H771の下方側(矢印D方向側)に配設され、第2係合部H771dが係合される底面部H772aと、その底面部H772aの背面側(矢印D方向側)の縁部から上方側に延設され、上側ベース部材H771の背面側の一部を覆う背面部H772bと、を主に備え、光を非透過の樹脂材料から形成される。
底面部H772aは、第2係合部H771dを挿入させると共に第2係合部H771dの先端を係合可能な形状に凹設される被係合部H772a1と、矩形状に開口され変位部材H790の下側係合部H792bの屈曲部H792b1を挿入可能な開口部H772a2と、を主に備える。
開口部H772a2は、変位部材H790を駆動手段H780に対して初期位置から変位させる場合に、その変位を許容すると共に所定以上の変位を規制する部分であり、屈曲部H792b1に対して所定の隙間を有する大きさに形成される。
背面部H772bは、上下方向に円形状に貫通され駆動手段H780の軸部H783c,H784bが挿通される下側軸支部H772b1と、前後方向に穿設され上側ベース部材H771に螺入する螺子を背面側から挿入可能な挿通孔H772b2と、を主に備える。
下側軸支部H772b1は、上面部H771bに形成される上側軸支部H771b1と同軸上に形成される。これにより、駆動手段H780は、ベース手段H770に対して上下の軸部H783c,H784bが軸支され、上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1の中心を軸として回転可能とされる。
基板部材H773は、正面側に複数の発光手段H773bが配置される電子基板(プリント基板)であり、正面側に配設される第1拡散部材H774に向けて光を発光可能とされる。なお、第1拡散部材H774に出射される光は、第1拡散部材H774を透過して変位部材H790の背面側に出射され、変位部材H790を介し操作ユニットH180の正面側から出射される。
第1拡散部材H774は、正面視において基板部材H773を覆設する大きさに形成される。これにより、操作ユニットH180の内部に不正部材を挿入できたとしても、基板部材H773まで、その不正部材が挿入されることを抑制できる。即ち、基板部材H773は、遊技者の操作が不可能な領域に配置される。
また、第1拡散部材H774は、発光手段H773bの光が照射される領域が正面側に向かって部分的に膨出され、その膨出部分の正面側の側面に凹凸状に形成される凹凸部H774aが形成される。発光手段H773bから出射される光は、凹凸部H774aを介して正面側に出射されることにより左右上下方向に拡散される。これにより、第1拡散部材H774の正面側に配設される変位部材H790に発光手段H773bの光を照射しやすくできる。
また、第1拡散部材H774は、上側ベース部材H771の締結部H771a1に螺入する螺子を挿通可能に前後方向に挿通する挿通孔H774bを備え、正面側から挿通孔H774bを挿通した螺子を上側ベース部材H771に締結することで、上側ベース部材H771に締結固定される。
次いで、図183を参照して、駆動手段H780について説明する。図183(a)は、駆動手段H780の分解正面斜視図であり、図183(b)は、駆動手段H780の分解背面斜視図である。
図183(a)及び図183(b)に示すように、駆動手段H780は、駆動軸H781aを背面側(矢印B方向側)に向かって突出させた状態で配設される駆動モータH781と、その駆動モータH781の駆動軸H781aに連結される錘部材H782と、駆動モータH781及び錘部材H782の上方側を覆設する上側カバー部材H783と、駆動モータH781及び錘部材H782の下方側を覆設する下側カバー部材H784と、を主に備える。
錘部材H782は、駆動モータH781の駆動軸H781aの回転により回転される部材であり、駆動軸H781aが挿入される挿入孔H782aを備える。また、錘部材H782は、半円形状に形成されると共に、挿入孔H782aが円形部分の中心位置に形成される。即ち、錘部材H782は、駆動軸H781aの軸に対して一方に偏る位置に配置される。
そのため、錘部材H782を駆動軸H781aの軸を中心に回転させた際には、錘部材H782の回転に伴って錘部材H782の重心が駆動軸H781aの軸回りを回転変位することとなり、錘部材H782の回転に伴って錘部材H782の遠心力が作用する方向を変更することができる。この遠心力の作用する方向の変化により、駆動手段H780をベース手段H770に対して変位させることができる。なお、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位についての詳しい説明は後述する。
上側カバー部材H783は、駆動モータH781及び錘部材H782の上方側(矢印U方向側)を覆設するために下方側(矢印D方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H783aと、そのカバー部H783aの左右両側から上方側に向かって突設されると共に上方側の端部に背面側に向かって凹設される収容凹部H783b1が形成される突設部H783bと、カバー部H783aの上面から上方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の上側軸支部H771b1に挿入される上側軸部H783cと、を主に備え、光を非透過の樹脂材料から形成される。
収容凹部H783b1は、上述した変位部材H790(図181参照)の上側係合部H792aが挿入される部分であり、左右外側の側面に上側係合部H792aの屈曲部H792a1と係合可能な凸部H783b2が内側に向かって突出される。
また、凸部H783b2と上下に隣り合う部分には、収容凹部H783b1の一部が背面側に向かって切り欠かれる。これにより、凸部H783b2を左右外側に変形可能とされ、収容凹部H783b1の内側に上側係合部H792aを挿入する際には、凸部H783b2を左右外側に変形させて上側係合部H792aを挿入可能な大きさの開口を形成できる。
一方で、収容凹部H783b1の内側に上側係合部H792aを挿入した後では、凸部H783b2を元の位置に戻すことで、凸部H783b2を上側係合部H792aの屈曲部H792a1と前後方向に重なる位置に配置できる。その結果、変位部材H790が上側カバー部材H783(駆動手段H780)から抜け出ることを抑制できる。
なお、収容凹部H783b1の内側部分における左右方向(矢印L-R方向)の開口幅は、屈曲部H792a1を除く上側係合部H792aの左右方向における厚みよりも若干大きく形成される。これにより、所定の駆動力が変位部材H790に作用する場合に変位部材H790が駆動手段H780に対して左右方向に変位可能とされる。なお、駆動手段H780に対する変位部材H790の変位ついての詳しい説明は後述する。
下側カバー部材H784は、駆動モータH781及び錘部材H782の下方側(矢印D方向側)を覆設するために上方側(矢印U方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H784aと、カバー部H784aの下面から下方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の下側軸支部H772b1に挿入される下側軸部H784bと、下側カバー部材H784の背面側の縁部から下方側に向かって突設され正面側に弾性体H785が配設される被当接部H784cと、を主に備え、無色透明の樹脂材料から形成される。
被当接部H784cは、上述したボタン部H181が遊技者に押圧操作され傾倒装置H710が下方側に押し込まれる位置に変位した場合に、傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端が弾性体H785を介して当接される部分である。これにより、遊技者がボタン部H181を押圧操作した場合には、その遊技者の操作力が駆動手段H780に作用される。従って、ボタン部H181の操作に伴って傾倒装置H710の内側に配設される揺動装置H730を変位させることができる。その結果、ボタン部H181を操作する遊技者の興趣を向上できる。なお、ボタン部H181の押圧操作に伴う揺動装置H730の変位についての詳しい説明は後述する。
次いで、図184から図186を参照して、ベース手段H770に対して駆動手段H780および変位部材H790を変位させた場合について説明する。初めに、図184及び図185を参照して、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位について説明する。図184(a)は、ベース手段H770及び駆動手段H780の上面図であり、図184(b)は、図184(a)のX22b線における駆動手段H780の断面図であり、図185(a)は、ベース手段H770及び駆動手段H780の上面図であり、図185(b)は、図185(a)のX23b線における駆動手段H780の断面図である。
なお、図184(a)及び図184(b)では、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に時計回り方向(正面側を左方向)に回転させた状態(以下「左向き状態」と称す)が図示され、図185(a)及び図185(b)では、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に反時計回り方向(正面側を右方向)に回転させた状態(以下「右向き状態」と称す)が図示される。また、以下の説明では、左向き状態と右向き状態との間の中間位置に駆動手段H780が配置される状態(図178に示す状態)を「中間配置状態」と称して説明する。また、図184(b)及び図185(b)では、錘部材H782の変位により作用する遠心力の方向が矢印H782bの符号を付して図示される。
また、錘部材H782を駆動する駆動モータH781(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。
図184に示すように、駆動手段H780の駆動モータH781が回転されて、錘部材H782が駆動軸H781aに対して右側に位置する際には、その錘部材H782の遠心力が右方向に作用される(図184(b)の矢印H782b参照)。これにより、駆動手段H780の背面側が右方向に引っ張られ、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に反時計回り方向(正面側を右方向)に回転される。
一方、図185に示すように、駆動手段H780の駆動モータH781が回転されて、錘部材H782が駆動軸H781aに対して左側に位置する際には、その錘部材H782の遠心力が左方向に作用される(図185(b)の矢印H782b参照)。これにより、駆動手段H780の背面側が左方向に引っ張られ、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に時計回り方向(正面側を左方向)に回転される。
この場合、上記したように駆動手段H780には、変位部材H790が配設されるので、ベース手段H770に対して駆動手段H780を変位させた場合には、ベース手段H770に対して変位部材H790を変位させることができる。よって、ベース手段H770の第1拡散部材H774及び基板部材H773に対する変位部材H790の姿勢を変化させることができるので、変位部材H790の透過部H791を介して遊技者側に出射される光の態様を変更することができる。その結果、光の態様の変化による演出効果を向上することができる。
即ち、発光手段の正面に透過手段を配設し、発光手段から発光された光を透過手段に入射させ、透過手段を透過する光を遊技者に視認させることで、演出効果を得るものがある。この場合、発光手段の発光の態様(例えば、発光強度や点滅の間隔など)を変化させ、視認される光の態様を変化させるものもあるが、演出効果が十分ではない。また、発光手段と透過手段とを一体化(ユニット化)して、それら発光手段および透過手段から構成されるユニットを変位させることで、ユニットの変位に伴う光の移動を視認させるものもあるが、発光手段と透過手段との関係は一定であるため、透過手段を介して視認される光の態様(発光手段から透過手段に入射され、透過手段を透過する光の態様)自体は一様であり、演出効果が十分ではない。
これに対し、第8実施形態における操作ユニットH180では、発光手段H773bを有する基板部材H773の正面側に配設され光を拡散可能な凹凸部H791aを有する変位部材H790が、発光手段H773bの光の出射方向と交差する方向に発光手段H773bに対して変位することができるので、変位部材H790に対する光の入射位置を変更することができる。これにより、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出を変位部材H790の変位により変更できる。その結果、発光手段H773bによる光の演出を向上できる。
即ち、発光手段H773bに対して光を透過可能な変位部材H790が相対変位可能に配設されるので、発光手段H773bから変位部材H790への光の入射態様(入射角度)及び、変位部材H790を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)を変化させることができる。その結果、変位部材H790を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を高めることができる。
さらに、第8実施形態における操作ユニットH180では、発光手段H773bを有する基板部材H773が下枠部材H720に固定され、変位部材H790が基板部材H773及び下枠部材H720に対して変位可能とされるので、変位部材H790を介して視認される光の態様を変化させる演出に加え、発光手段H773bの発光状態(発光、非発光)に関わらず、変位部材H790を変位させて変位部材H790の変位を視認させる演出も行うことができる。
また、発光手段H773bを有する基板部材H773が下枠部材H720に固定され、変位部材H790が基板部材H773及び下枠部材H720に対して変位可能とされるので、変位部材H790を介して視認される光の態様を変更する際に、基板部材H773が振動することを抑制できる。その結果、発光手段H773b(基板部材H773)の破損を抑制できる。
さらに、上記したように、変位部材H790は、凹凸部H791aを備え、変位部材H790に入射する光を拡散可能とされるので、凹凸部H791aが形成されていない場合に比べて、発光手段H773b(基板部材H773)に対する変位部材H790の変位による光の態様の変化を大きくできる。その結果、変位部材H790を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を向上できる。
なお、第8実施形態における変位部材H790は、凹凸部H791aを有する場合について説明したが、変位の前後で発光手段H773bから出射される光の入射角を変更できるものであれば、変位部材H790が凹凸部H791aを備えず平坦面に形成されるものであっても良い。
また、第8実施形態における操作ユニットH180では、駆動手段H780がベース手段H770に対して軸部H783c,H784bを軸に変位可能に構成されるので、駆動手段H780に伴って変位する変位部材H790も同様に回転変位される。従って、変位部材H790が基板部材H773に対して左右方向(矢印L-R方向)に変位される際に、変位部材H790は前後方向(矢印F-B方向)にも変位される。これにより、発光手段H773bから出射される光が変位部材H790に入射するまでの距離を変更することができるので、変位部材H790の変位に伴って、変位部材H790の透過部H791を介して遊技者側に出射される光の態様を変更しやすくできる。その結果、発光手段による光の演出を向上できる。
なお、第8実施形態における揺動装置H730では、錘部材H782を駆動モータH781により回転させることで、錘部材H782の遠心力が作用する向きを変更してベース手段H770に対して駆動手段H780の位置を左向き状態および右向き状態の間で変更することができると共に、駆動手段H780に配設される変位部材H790をベース手段H770に対して変位することができる。よって、駆動モータH781の駆動を継続させることで、ベース手段H770に対して駆動手段H780の位置を左向き状態および右向き状態に繰り返し変位させることができる。
即ち、揺動装置H730に連結される(揺動装置H730と一緒に変位される)変位部材H790は、駆動モータH781が配設され、駆動モータH781の駆動力により変位される。従って、駆動モータH781の駆動力を利用して、発光手段H773b(基板部材H773)に対して変位部材H790を変位させることができるので、任意のタイミング(駆動モータH781を駆動するタイミング)で発光手段H773b(基板部材H773)に対して変位部材H790を変位させることができる。
また、揺動装置H730に駆動モータH781が配設されるので、駆動モータH781が下枠部材H720に固定される基板部材H773に配設される場合に比べて、変位部材H790に駆動力を伝達するまでの介在部品を少なくできる。従って、駆動モータH781の駆動力を揺動装置H730(変位部材H790)に使えやすくできる。
また、第8実施形態における揺動装置H730は、上述したように、揺動装置H730はパチンコ機H10に対して変位部材H790を正面側上方に傾けた状態で下枠部材H720に配置される(図165参照)ので、ベース手段H770に対して駆動手段H780を中間配置状態となる位置に変位させる場合には、錘部材H782を駆動軸H781aに対して下方側に配置することで、錘部材H782の重力によりベース手段H770に対して駆動手段H780を中間配置状態とされる位置まで回転させることができる。即ち、駆動手段H780の錘部材H782の停止位置を変更する(錘部材H782を所定位置に停止させる)ことで、ベース手段H770に対する駆動手段H780の停止位置を変更することができる。
さらに、第8実施形態における操作ユニットH180では、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に、傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端が弾性体H785を介して駆動手段H780に当接され、その当接により駆動手段H780をベース手段H770に対して中間配置状態の位置に変位させることができる。
また、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された場合には、変位部材H790が駆動手段H780と共に所定位置(駆動手段H780が中間位置状態とされる位置)に変位される。従って、遊技者のボタン部H181の押圧操作に連動して、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様を変更することができる。
即ち、第8実施形態における操作ユニットH180では、傾倒装置H710のボタン部H181を押圧操作した際に、駆動手段H780及び変位部材H790を変位させることができ、変位部材H790の少なくとも一部を第1拡散部材H774(基板部材H773)に対して近づける方向(第1拡散部材H774の正面側)に変位部材H790の透過部H791を変位させることができる。従って、第1拡散部材H774(基板部材H773)に透過部H791が近づくので、透過部H791を介して基板部材H773から出射される光を拡散しやすくできる。その結果、ボタン部H181が操作されたことを光により遊技者に認識させやすくでき、遊技者の興趣を向上できる。
なお、遊技者がボタン部H181の押圧操作に際に、変位部材H790の少なくとも一部が第1拡散部材H774(基板部材H773)に対して離れる方向(第1拡散部材H774の正面側から退避する方向)に変位するように構成しても良い。これによれば、透過部H791を第1拡散部材H774の正面側から退避させることができるので、上記した第1拡散部材H774の正面側に透過部H791が変位される場合に比べて、透過部H791による基板部材H773の光の拡散を抑えることができる。その結果、基板部材H773から出射される光を遊技者の手(ボタン部H181)に照射しやすくでき、遊技者の手に光を当てることでボタン部H181を押圧操作する際の興趣を向上できる。
また、駆動手段H780(変位部材H790)に当接可能に変位される傾倒装置H710を備え、駆動手段H780(変位部材H790)に当接された傾倒装置H710の変位に伴って駆動手段H780(変位部材H790)が変位可能とされるので、発光手段H773b(基板部材H773)に対する駆動手段H780(変位部材H790)の変位を傾倒装置H710の変位に連動させることができる。これにより、発光手段H773b(基板部材H773)に対する駆動手段H780(変位部材H790)の変位による演出効果を高めることができる。
なお、傾倒装置H710は、遊技者により操作される操作ユニットH180を備え、その操作ユニットH180)操作により、傾倒装置H710の変位に伴って駆動手段H780(変位部材H790)を変位させることができるので、駆動手段H780(変位部材H790)の変位を所望のタイミングで変位させることができる。これにより、変位部材H790を介して視認される光の態様と遊技者のボタン部H181の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。
例えば、遊技者のボタン部H181の押圧操作に連動して、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様を変更することができるので、光の演出態様の変更によりボタン部H181を所定位置まで押下したことを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者がボタン部H181を何度も押圧操作したり、遊技者がボタン部H181を必要以上に押圧操作し続けることを抑制できる。その結果、遊技者の間違った認識の操作によりボタン部H181が破損することを抑制できる。
また、第8実施形態では、駆動手段H780(変位部材H790)が駆動モータH781の駆動力により変位可能とされるので、駆動モータH781の駆動力により駆動手段H780(変位部材H790)が変位される態様に加え、傾倒装置H710の当接により駆動手段H780(変位部材H790)が変位(連動)される態様とを形成できる。これにより、駆動手段H780(変位部材H790)の変位の態様のバリエーションを増やすことができる。
なお、傾倒装置H710のボタン部H181の押圧操作がされて傾倒装置H710が駆動手段H780に当接された場合には(当接状態では)、駆動手段H780(変位部材H790)の変位が規制される。即ち、傾倒装置H710を駆動手段H780(変位部材H790)に当接させることで、駆動手段H780(変位部材H790)の変位を規制することができるので、駆動手段H780(変位部材H790)の変位を所望のタイミングで停止させることができる。
また、傾倒装置H710のボタン部H181は、遊技者により操作されるので、ボタン部H181の操作によって、傾倒装置H710の変位に伴う駆動手段H780(変位部材H790)の変位を構成できる。よって、駆動手段H780(変位部材H790)の変位の規制を遊技者の所望のタイミングで行わせることができる。これにより、駆動手段H780(変位部材H790)を介して視認される光の態様の変化と、ボタン部H181の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。
なお、第8実施形態における操作ユニットH180では、左向き状態や右向き状態とされる際に遊技者にボタン部H181を押下させて駆動手段H780を中間配置状態とする位置に変位させる態様や、遊技者のボタン部H181の操作前に、駆動手段H780を中間配置状態とする位置に変位させて、ボタン部H181の押下持に駆動手段H780が変位しない態様を形成することができる。
また、遊技者がボタン部H181を押圧操作し続けた場合には、変位部材H790の変位を規制した状態を維持することができるので、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様が変更しない演出態様を形成することができる。その結果、変位部材H790による光を演出態様(演出態様が変更される形態の他に演出態様が変更されない形態)を増やすことができ遊技者の興趣を向上できる。
さらに、遊技者がボタン部H181を押圧操作し続けた場合に、駆動手段H780の駆動モータH781を駆動することで、錘部材H782の回転により駆動手段H780に作用する遠心力を駆動手段H780に当接する傾倒装置H710に作用させることができる。これにより、ボタン部H181を押圧操作する感触を変更することができ、その結果、ボタン部H181を操作する遊技者の興趣を向上できる。
なお、第8実施形態における変位部材H790は、左右方向(矢印L-R方向)に揺動される場合について説明したが、変位部材H790が上下または前後方向または上下方向に揺動されるように構成しても良い。
また、第8実施形態では、操作ユニットH180のボタン部H181の操作により変位部材H790を変位させる場合について説明したが、操作ユニットH180の操作に連動するものではなく、機能調整操作部H190の各ボタンH191~H195の操作により変位部材H790を変位させるようにしても良い。この場合、各ボタンH191~H195の操作に合わせて、変位部材H790を変位させて光の態様を変更できるので、遊技者に各ボタンH191~H195を操作できていることを認識させやすくできる。特に、決定ボタンH191に連動させるようにした場合には、変位部材H790の変位により光の態様の変化で調整後の設定に変更されたことを認識させやすくできる。
次いで、図186を参照して、駆動手段H780に対する変位部材H790の変位について説明する。図186(a)及び図186(b)は、揺動装置H730の断面図であり、図178(b)のX21a線における断面に対応する。なお、図186(a)では、駆動手段H780が左向き状態に変位された状態が図示され、図186(b)では、駆動手段H780が右向き状態に変位された状態が図示される。なお、左向き状態に変位された状態と、右向き状態に変位された状態とは、その変位方向が反対向きになるだけであるので、以下の説明では、左向き状態とされる場合についてのみ説明し、右向き状態とされる場合についての説明は省略する。
図186(a)に示すように、駆動手段H780が左向き状態に変位される場合には、ベース手段H770に対して軸部H783c,H784bを軸に時計回り方向(正面側を左方向)に駆動手段H780が回転された際の慣性力が変位部材H790に伝達され、駆動手段H780に対して左方側(矢印L方向側)に変位する力が変位部材H790に作用する。
この場合、正面視における右方側(矢印R方向側)の上側係合部H792aが収容凹部H783b1の内壁側に当接されることで、その当接部分を軸に回転され正面視における左方側(矢印L方向側)の上側係合部H792aが収容凹部H783b1の背面側に向かって押し込まれる。即ち、変位部材H790は、駆動手段H780に対して正面視における左方側が背面側に押し込まれ、透過部H791を左側に向かうにつれて背面側に傾けた姿勢とされる。
従って、第8実施形態では、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位と連動して変位部材H790を軸部H783c,H784bの軸回りに変位させるだけでなく、駆動手段H780に対して変位部材H790を相対変位させることができる。
ここで、変位部材を変位するためにリンク構造等を変位部材に連結して、そのリンク構造により駆動手段の駆動力を変位部材に伝達して変位部材を変位させる構造では、変位部材の変位が駆動手段の駆動と一致(連動)するため、変位手段の変位の態様を複雑にすることが難しくなり、変位手段の変位による演出効果が低下する可能性があった。また、駆動手段の駆動力を変更して変位手段の変位態様を複雑にすることもできるが、この場合には駆動手段の制御が複雑になるという問題があった。
これに対し、第8実施形態における揺動装置H730では、ベース手段H770に対して変位する駆動手段H780と、その駆動手段H780に対して変位可能に配設される変位部材H790を備え、駆動手段H780をベース手段H770に対して変位させた際の慣性力により変位部材H790を駆動手段H780に対して変位可能に構成されるので、駆動手段H780の駆動モータH781の駆動力を一定とした場合であっても、変位部材H790の変位速度にばらつきを持たせることができる。その結果、駆動モータH781の制御を複雑化することなく、変位部材H790の変位態様を複雑にして、変位部材H790の変位による演出効果を向上できる。
また、ベース手段H770に変位可能に配設される駆動手段H780と、その駆動手段H780に変位可能に配設される変位部材H790を備え、駆動手段H780に対して変位された変位部材H790を透過して光を出射することができるので、変位部材H790の変位の態様が一様になることを抑制できると共に、第2手段から出射される光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化を大きくすることができる。
なお、駆動手段H780に対して相対変位された変位部材H790は、駆動手段H780の収容凹部H783b1と変位部材H790との間に配設される第1コイルバネH793により駆動手段H780に対して所定位置に変位するように構成される。これにより、駆動手段H780をベース手段H770に対して左向き状態にして変位部材H790の左側を背面側に傾けた後、第1コイルバネH793によりその傾きを戻すことができる。
即ち、変位部材H790は、ベース手段H770に対する駆動手段H780が変位した際の所定以上の慣性力が作用した場合に駆動手段H780に対して相対変位可能とされる一方、駆動手段H780から慣性力が作用していない(駆動手段H780が停止した状態の)場合に第1コイルバネH793により駆動手段H780に対して所定位置に規定可能に構成される。
これにより、駆動手段H780が変位した際の慣性力が所定以下の場合には、駆動手段H780と変位部材H790とを一体に変位させることができる一方、所定以上の慣性力が駆動手段H780から作用する場合には駆動手段H780に対して変位部材H790を相対変位させることができる。よって、変位部材H790を態様な態様で変位させることができる。
また、駆動手段H780に対して変位部材H790を所定位置に付勢する第1コイルバネH793は、弾性変形に伴って付勢力が大きくされるバネ部材で構成されるので、駆動手段H780をベース手段H770に対して回転させた際に生じる外力の強度(ベース手段H770に対して駆動手段H780が回転した際に変位部材H790に作用する慣性力の強さ)によって、駆動手段H780に対して変位部材H790を変位させる態様と変位させない態様と切り替えることができる(即ち、錘部材H782の回転速度を変更して駆動手段H780のベース手段H770に対する回転速度を変更することで、駆動手段H780に対する変位部材H790の変位量を変更することができる)。これにより、変位部材H790を多用な態様で変位させることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
なお、駆動手段H780に対する変位部材H790の姿勢を戻すための復帰手段としては、第1コイルバネH793の付勢力だけでなく、ゴムの弾性力、磁石の磁力、重力によるものであっても良い。しかしながら、磁力により駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規定する場合には、磁力線が直線でないため駆動手段H780に対して変位部材H790を規定位置に変位させる方向が定まりにくく、又、重力により駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規定する場合には、力が重力方向に作用するので駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規制することが難しい。従って、第8実施形態のように、弾性変形するバネやゴムにより、駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規定することが好ましい。
また、上記したように、揺動装置H730は、基板部材H773に対して変位することで、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出を変更して、発光手段H773bによる光の演出効果を向上できる。この場合、第8実施形態における揺動装置H730では、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位と連動して変位部材H790を軸部H783c,H784bの軸回りに変位させるだけでなく、駆動手段H780に対して変位部材H790を相対変位させることができるので、単に変位部材H790が回転変位する場合に比べて、基板部材H773に対する変位部材H790の変位態様を変更しやすくできる。従って、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出を変更しやすくできる。その結果、発光手段H773bによる光の演出効果を向上できる。
即ち、駆動手段H780に対して変位部材H790が相対変位可能な方向は、駆動手段H780の変位に伴って回転変位される方向と異なる前後方向(駆動手段H780に対して前後方向)に設定される。これにより、変位部材H790を多方向に変位させることができるので、変位部材H790による光の演出態様を変更しやすくできる。その結果、発光手段H773bによる光の演出効果を向上できる。
また、第8実施形態における揺動装置H730では、駆動手段H780が回転変位された際の慣性力で変位部材H790を駆動手段H780に対して相対変位させるので、変位部材H790を変位させるための別の駆動手段を配設することなく、変位部材H790の変位態様を複雑にすることができる。その結果、製造コストを削減できる。
次いで、図187から図195を参照して、球発射ユニットH112aについて説明する。初めに、図187及び図188を参照して、球発射ユニットH112aが配設される内枠H12について説明する。図187は、内枠H12の正面図であり、図188は、内枠H12の分解正面斜視図である。なお、図187では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに遊技球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
図187及び図188に示すように、内枠H12の外形を形成する枠形成ユニットH12aは、上方側(矢印U方向側)及び左右外側(矢印L-R方向側)の三方を囲うコ字形状に金属製の材料から構成される上側ベースユニットH12bと、そのコ字形状に構成される上側ベースユニットH12bの下方側(矢印D方向側)の開放部分に配設され上側ベースユニットH12bと共に枠状を形成する下側ベースユニットH12cと、下側ベースユニットH12cの正面側(矢印F方向側)に配設される球発射ユニットH112aと、下側ベースユニットH12cの背面側(矢印B方向側)に配設される鉤ユニットH12dと、を主に備える。
球発射ユニットH112aは、下側ベースユニットH12cの正面側(矢印F方向側)に凹設される収容凹部H12c1に球発射ユニットH112aの背面側(矢印B方向側)に配設される駆動モータH850を収容した状態で下側ベースユニットH12cの正面側に配設されると共に、正面側に配設される発射レールH112a1が枠形成ユニットH12a(図125参照)に配設される遊技盤H13(図124参照)の遊技領域と前後方向(矢印F-B方向)に一致する位置に配置され、発射レールH112a1から発射される遊技球を遊技盤H13の遊技領域に発射することができる。
なお、球発射ユニットH112aの正面側(矢印F方向側)には、外枠H11の背面側(矢印B方向側)に配設される発射位置送球ユニットH170が配設され、発射位置送球ユニットH170を介して上皿H17から球発射ユニットH112aに1球ずつ遊技球を送球可能とされる。
次いで、図189から図191を参照して、発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH112aについて説明する。図189は、球発射ユニットH112aの分解正面斜視図であり、図190は、発射位置送球ユニットH170の分解斜視図であり、図191(a)は、図187のX24a線における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の断面図であり、図191(b)は、図187のX24b線における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の断面図である。なお、図190では、正面側ケースH860及び送球手段H880が正面斜視図で図示されると共に、背面側ケースH870が背面斜視図で図示される。
図189に示すように、球発射ユニットH112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850と、を主に備える。
なお、駆動モータH850には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aの検出、及び、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化を検出する可変抵抗器の抵抗の検出があった場合に、それらが接続される入出力ポートH205を介して駆動モータH850を駆動する制御信号が駆動モータH850に送信される。これにより、所定の駆動力(操作ハンドルH51の回動操作量に応じた駆動力)で駆動モータH850が駆動される。
ベース部材H810は、下側ベースユニットH12cの収容凹部H12c1と対応する大きさの板状に形成され、収容凹部H12c1を覆設する状態で下側ベースユニットH12cに配設される。また、ベース部材H810は、正面側(矢印F方向側)に向かって膨出され案内手段H820及び当接手段H840の第1弾性部材H841を配設する基部となる第1膨出部H811と、正面側に向かって膨出して形成され当接手段H840の第2弾性部材H842を配設する基部となる第2膨出部H812と、前後方向(矢印F-B方向)に穿設され駆動モータH850の軸部H852が挿通される貫通孔H813と、を主に備える。
発射手段H830は、金属材料から矩形状の板状に形成されると共に一端側に駆動モータH850の軸部H852が挿入される挿入部H112a3を有する回転体H112a2と、弾性材料から形成され回転体H112a2の他端側の周囲を取り囲む状態で配設される発射部H831と、回転体H112a2と駆動モータH850の軸部H852とを締結固定するための締結部材H832と、を主に備える。
回転体H112a2は、ベース部材H810の貫通孔H813を正面側(矢印F方向側)に挿通された駆動モータH850の軸部H852が挿入部H112a3に挿入されると共に締結部材H832により軸部H852と締結され、駆動モータH850の駆動力により軸部H852を軸に回転可能とされる。これにより、発射手段H830は、退避位置(図192(a)参照)と発射位置(図192(c)参照との間で回転可能とされる。
発射部H831は、駆動モータH850により回転される回転体H112a2が回転された際に後述する球発射ユニットH112aの発射レールH112a1上に送球される遊技球に当接する部分であり、正面視における反時計回り側の側面に発射レールH112a1上の球に当接する当接面H831aを備え、弾性変形可能な弾性材料が形成される。
当接面H831aは、発射手段H830が発射位置から退避位置側に若干退避した初期位置(図192(b)参照)で発射レールH112a1上の遊技球に当接可能に構成されており、初期位置を超えて発射位置まで発射手段H830が回転されることで当接面H831aに当接する遊技球を発射することが可能とされる。
なお、発射部H831が弾性変形可能な樹脂材料から形成され、当接面H831aに遊技球を当接した際に発射部H831を変形させることができるので、遊技球に当接した衝撃が発射手段H830側に伝わることを抑制できると共に、発射部H831を遊技球に当接させた際の当接音を小さくすることができる。
案内手段H820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H821と、金属材料から形成され第1案内部材H821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H821aと、その背面部H821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821cと、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。
背面部H821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H821a1を備える。
凹部H821a1は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに形成される。また、凹部H821a1は、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される。なお、凹部H821a1による遊技球の案内についての詳しい説明は後述する。
第2案内部材H822は、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球を初期位置の発射手段H830と当接する位置に案内すると共に、発射手段H830により発射される遊技球が転動される発射レールH112a1を上面に有する。
発射レールH112a1は、前後方向における略中央部が下方側(矢印D方向側)に断面三角形状に凹んで形成されており、その凹部に沿って遊技球を案内可能とされる。なお、断面三角形状に凹設される下方側の頂部H112a4は、遊技球の発射方向視(図191(a)参照)において転動部H821bと連なる略同一の高さ、もしくは転動部H821bよりも若干高い位置に設定される。これにより、球発射方向視において発射レールH112a1を案内される遊技球の方が、転動部H821bを案内される遊技球よりも上方を案内され、発射レールH112a1から転動部H821bに案内される遊技球が詰まる(転動部H821bの端部に当接する)ことを抑制できる。その結果、発射レールH112a1から転動部H821bへの遊技球の送球を安定させることができる。
上方側ガイド部H821dは、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球が上方側(矢印U方向側)に弾むことを抑制するための部分であり、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と正面視において左右方向(矢印L-R方向)に隣り合う位置に形成されると共に、第2案内部材H822と上下方向に1球分以上離れた位置に形成される(図187参照)。
当接手段H840は、弾性部材から形成される第1弾性部材H841及び第2弾性部材H842を備え、第1弾性部材H841が初期位置の発射手段H830の回転体H112a2と当接可能な位置に配設され、第2弾性部材H872が退避位置の発射手段H830の回転体H112a2と当接可能な位置に配設される。これにより、発射手段H830を回転させる際に発射手段H830を発射位置および退避位置で停止させやすくできると共に、停止させた際の衝撃を吸収することが可能とされる。なお、発射手段H830は、初期位置で回転体H112a2が第1弾性部材H841に当接された後、第1弾性部材H841を弾性変形させつつ発射位置まで回転されることで遊技球を発射することが可能とされる。
次いで、図190を参照して、発射位置送球ユニットH170について説明する。図190に示すように、発射位置送球ユニットH170は、正面側(矢印F方向側)に配設され正面側開口H171を有する正面側ケースH860と、その正面側ケースH860の背面側(矢印B方向側)に配設され背面側開口H172を有する背面側ケースH870と、それら正面側ケースH860および背面側ケースH870の間に配設される送球手段H880とを主に備える。
送球手段H880は、ソレノイドH881と、そのソレノイドH881の駆動より第1位置および第2位置との間で変位可能な変位部材H882とを主に備え、第1位置に変位部材H882が変位されることにより上皿H17(正面側開口H171)から1球の遊技球を正面側ケースH860及び背面側ケースH870の内側に流入させて保持し、第2位置に変位部材H882が変位されることにより正面側ケースH860及び背面側ケースH870の内側に流入させて保持した1球の遊技球を背面側開口H172から排出して発射レールH112a1上に送球可能に構成される。これにより、1球ずつ遊技球を発射レールH112a1上に送球可能とされる。
なお、変位部材H882は、ソレノイドH881により変位されるものに限られず、例えば、モータ等の駆動手段により変位させても良い。また、変位部材H882は、駆動手段等の駆動源を備えず、球発射ユニットH112aにより発射される球の送球により一方向(第1位置)に変位され、自重により他方向(第2位置)に変位されるものであっても良い。
また、遊技球を送球するソレノイドH881(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。これにより、1球ずつ遊技球を発射レールH112a1上に送球可能とされる。
次いで、図191を参照して、発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH112aの配置について説明する。図191に示すように、発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH112aは、前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配置されると共に、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172が、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1よりも若干上方に配置される。これにより、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1に送球される遊技球が発射レールH112a1に当接して(遮られて)詰まることなく、発射レールH112a1上に送球される。
また、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの凹部H821a1と少なくとも一部が前後方向に重なる位置に形成される。これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を凹部H821a1に受け入れることができると共に、凹部H821a1の湾曲面に沿って流下させることができる。
ここで、球発射ユニットH112aの背面部H821aが平面状に形成される(背面部H821aに凹部H821a1が形成されていない)場合には、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172から遊技球が送球され背面部H821aに当接すると、その当接した反力が正面側に向かって作用する。よって、背面部H821aに当接した遊技球は、正面側に向かって跳ね返り発射位置送球ユニットH170の背面側に当接し背面側に向かって跳ね返る。即ち、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球が前後に暴れた状態で発射レールH112a1上(初期位置の発射手段H830と当接される位置)に案内される。
そのため、発射手段H830により発射される(打ち出される)遊技球が前後に暴れた状態で発射される虞があり、この場合、遊技球は発射レールH112a1に沿って真っ直ぐに送球されず、流路の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突することがある。このように、流路の内面に遊技球が衝突すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、発射手段H830により発射された遊技球の軌跡が安定しないという問題がある。
これに対し、第8実施形態における球発射ユニットH112aは、背面側開口H172の背面側に重なる位置に凹部H821a1を備え、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を湾曲状に形成される凹部H821a1の内面に当接させることができるので、凹部H821a1の内面に当接した遊技球に作用する反力を正面側だけでなく上下方向(矢印U-D方向)に作用させることができる。よって、背面部H821aに当接した遊技球が正面側に向かって跳ね返ることを抑制できる。従って、初期位置の発射手段H830と当接される位置に送球される遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、発射手段H830により発射される(打ち出される)遊技球の軌跡を安定させやすくできる。
また、凹部H821a1の下方側(矢印D方向側)の縁部は、背面側開口H172よりも下方側に配置されており、これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を凹部H821a1に当接させやすくできる。
なお、発射手段H830により発射される遊技球の転動面となる発射レールH112a1及び転動部H821bの前後(矢印F-B方向)には、背面側(矢印B方向側)に第1案内部材H821の背面部H821aが配設され、正面側(矢印F方向側)に背面側ケースH870が配設される。これにより、発射手段H830により発射される遊技球は、背面部H821aと背面側ケースH870と発射レールH112a1及び転動部H821bとに囲われた空間(流路)を転動して、遊技盤H13に送球される。
また、凹部H821a1は、正面視において背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される遊技球(図192(b)参照)と重なる背面側から発射レールH112a1及び転動部H821bとの連結部分を超える長さに形成される。
これにより、発射手段H830に打ち出された遊技球がすぐに前後方向に暴れた場合でもその遊技球を凹部H821a1の内側に受け入れることができると共に、発射レールH112a1上を転動する遊技球が転動部H821bに送球された衝撃で前後方向に暴れた場合でも球を凹部H821a1の内側に受け入れることができる。 即ち、凹部H821a1は、遊技球に外力が加わりやすい転動面の切り替わり部分や発射位置の背面側に形成される。これにより、第8実施形態では、発射される遊技球が前後に暴れることを抑制しやすくできる。
次いで、図192を参照して、発射手段H830による遊技球の発射について説明する。図192(a)は、退避位置における発射手段H830の正面図であり、図192(b)は、初期位置における発射手段H830の正面図であり、図192(c)は、発射位置における発射手段H830の正面図である。なお、発射手段H830は、駆動モータH850の駆動力が働いていない状態(即ち、操作ハンドルH51が操作されていない状態)では、初期位置に配置される。
図192に示すように、発射手段H830は、操作ハンドルH51が遊技者に操作されると、駆動モータH850が駆動され初期位置から退避位置に変位される。この場合、同時に発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172から1球の遊技球が発射レールH112a1上に送球され、初期位置の発射手段H830と当接可能な位置に保持される。
図192(a)に示す退避位置に発射手段H830が変位された後は、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで発射手段H830が図192(c)に示す発射位置に向けて変位される。この場合、図192(b)に示す初期位置で、発射レールH112a1上に保持される遊技球に発射手段H830の当接面H831aが当接されつつ、発射手段H830が発射位置まで変位されることで、当接面H831aが当接した遊技球が所定の発射強さで発射レールH112a1及び転動部H821b上を転動して遊技盤H13に送球される。
発射手段H830により遊技盤H13へ遊技球を発射した(打ち出した)後は、再度図192(a)に示す退避位置に発射手段H830を変位した後、図192(c)に示す発射位置に発射手段H830を変位させる動作が継続される。これにより、遊技盤H13に1球ずつ所定の間隔で遊技球を送球できる。
次いで、図193を参照して、発射レールH112a1及び転動部H821bを送球される遊技球について説明する。図193(a)及び図193(b)は、図191(b)のMCMVII部における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の部分拡大断面図である。なお、図193(a)及び図193(b)では、発射手段H830により発射される遊技球の遷移状態が順に図示される。
図193(a)に示すように、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1に送球される遊技球は、通常、発射レールH112a1の凹みの頂部H112a4に沿って発射レールH112a1の前後方向(矢印F-B方向)における中央部に案内される。
よって、図193(b)に示すように、発射手段H830の当接面H831aが当接して発射される遊技球は、発射レールH112a1の頂部H112a4に沿って転動し第1案内部材H821の転動部H821bに案内され、転動部H821bの前後方向(矢印F-B方向)における中央部を転動して遊技盤H13まで送球される。
次いで、図194及び図195を参照して、発射レールH112a1及び転動部H821bを送球される遊技球が前後方向に暴れる場合について説明する。図194(a)及び図194(b)は、図191(b)のMCMVII部における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の部分拡大断面図であり、図195は、図191(a)のMCMIX部における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の部分拡大断面図である。なお、図194(a)及び図194(b)では、発射手段H830により発射される遊技球の遷移状態が順に図示される。また、図195では、図194(b)に対応する位置に送球された遊技球が図示される。
図194(a)に示すように、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1に送球される遊技球が発射レールH112a1の凹みの頂部H112a4に対して前後方向(矢印F-B方向)に偏る位置に配置された(前後に暴れた)状態で、発射手段H830の当接面H831aが遊技球に当接される場合には、遊技球に対して前後に偏る位置に当接面H831aが当接される(例えば、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球が発射レールH112a1の頂部H112a4に向かう傾斜面に沿って発射レールH112a1の前後方向における中央部に案内される前に、発射手段H830の当接面H831aが遊技球に当接される場合には、遊技球に対して正面側に偏る位置に当接面H831aが当接される)。
これにより、発射レールH112a1に対して前後方向(矢印F-B方向)に向かう方向の力成分が遊技球に付与された状態で発射手段H830から遊技球が発射され(打ち出され)、案内手段H820を転動して遊技盤H13に送球される遊技球が前後に暴れる恐れがあった。この場合、上述したように遊技球は発射レールH112a1に沿って真っ直ぐに送球されず、流路の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突することがある。このように、流路の内面に遊技球が衝突すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、発射手段H830により発射された遊技球の軌跡が安定しないという問題がある。
これに対し、第8実施形態における案内手段H820は、遊技球の発射経路における背面側(矢印B方向側)の壁部を形成する背面部H821aに凹部H821a1が形成され、前後方向(矢印F-B方向)に遊技球が暴れる場合には、図194及び図195に示すように、遊技球の一部を凹部H821a1に受け入れて、凹部H821a1の内面に遊技球を当接させることができる。
ここで、凹部H821a1は、上記したように遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に形成されるので、凹部H821a1の内面に当接する遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凹部H821a1の内面に当接した反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る成分と、上方側または下方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
なお、第8実施形態における案内手段H820の凹部H821a1は、湾曲状に凹設される背面側の凹設底部が、発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも上方側に配置され、発射手段H830により発射される遊技球が背面側に向かって暴れる場合に、その遊技球を凹部H821a1の凹設底部よりも下方側に当接させることができる。即ち、上方側に向かって背面側に湾曲する領域に遊技球を当接させることができる。
従って、凹部H821a1の内面に当接する遊技球に上方に向かう方向の反力を付与することができ、下方側に向かう方向の力成分が付与されて、発射レールH112a1と遊技球との転動部分の抵抗が増加することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
即ち、発射手段H830により発射された遊技球が流路(発射レールH112a1、背面部H821a、背面側ケースH870により囲まれる通路)の内面(背面部H821aに当接する場合に、遊技球に作用する当接方向(前後方向)の反力を凹部H821a1により抑制可能とされるので、内面(背面部H821a)から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができる。
また、凹設して形成される凹部H821a1により遊技球に作用する当接方向(前後方向)の反力を抑制できるので、弾性変形可能な弾性部材に当接させて遊技球に作用する当接方向の反力を抑制する場合に比べて、転動(送球)方向の抵抗が増加することを抑制できる。即ち、凹部H821a1に当接させることで遊技球に作用する反力を分散(上下方向の反力を付与)して、当接方向の反力を小さくできるので、転動方向の抵抗が増加することを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができる。
さらに、凹部H821a1は、凹設して形成されるので、凸設して形成される場合に比べて、球発射ユニットH112aの前後方向の小型化を図ることができると共に、流路の空間を増加させることができるので流路内に遊技球が詰まることを抑制できる。
案内手段H820の背面部H821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H821aは、遊技盤H13(図124参照)の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。
即ち、凹部H821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H821a1の端部が背面部H821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H821a1の端部で凹部H821a1の内面に当接する遊技球が凹部H821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。
また、第8実施形態における発射位置送球ユニットH170は、変位部材H882の背面側開口H172から遊技球を発射レールH112a1に送球する球送球部H882a(図190参照)が背面側開口H172から背面側(矢印B方向側)に飛び出た位置に配置されると共に、変位部材H882が第2位置(発射レールH112a1に遊技球を送球する位置)に配置される際に発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも若干下方に位置される。
よって、発射手段H830により発射される遊技球が正面側(矢印F方向側)に暴れる場合には、その遊技球を球送球部H882aの上方側(矢印U方向側)の端部に当接させることができる。これにより、球送球部H882aに当接する遊技球に作用する反力に上方に向かう方向成分を付与することができる。即ち、球送球部H882aに当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、上方に向かう成分とに分散することができる。よって、背面側(矢印B方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
また、発射手段H830により発射される遊技球が正面側(矢印F方向側)に暴れる場合に遊技球を球送球部H882aに当接させることができるので、正面側に暴れる遊技球がそのまま背面側開口H172の内部に流入(即ち、逆流)することを抑制できる。その結果、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1への球の送球を安定させることができる。
さらに、凹部H821a1は、発射方向側の終端側に向かうに従って狭く(幅が小さく)形成される。これにより、凹部H821a1に遊技球が当接して案内される際に、その遊技球を凹部H821a1に当接した状態を維持しやすくできる。即ち、凹部H821a1は、遊技球の発射(送球)方向に向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、遊技球を凹部H821a1の内側に受け入れた状態(凹部H821a1により支持した状態)に維持しやすくできる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとを遊技球が転動(通過)している間、その遊技球に対して凹部H821a1の作用を継続させ、遊技球の暴れを抑えやすくできる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
なお、第8実施形態では、凹部H821a1の終端でのみ幅が狭く形成されるが、凹部H821a1は、全体に亘って溝幅が発射方向に向かって狭く形成されるものであっても良い。
また、第8実施形態では、発射方向側の終端側に向かうに従って凹部H821a1の幅が狭く(幅が小さく)形成される場合について説明したが、発射方向の終端側に向かうに従って凹部H821a1の幅が広く(幅が大きく)形成されても良い。
この場合には、比較的暴れが大きな遊技球に対して凹部を徐々に作用させることができる。即ち、遊技球と凹部H821a1との重なり(当接可能な)面積を徐々に大きくすることができる。これにより、凹部H821a1への遊技球の衝突により遊技球の暴れが増幅することを抑制できる。即ち、遊技球が当接方向と異なる方向に暴れる(例えば、上側に弾んだり)することを抑制できる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
次いで、図196から図198を参照して、動作ユニットG200について説明する。図196は、遊技盤H13の正面図であり、図197は、遊技盤H13の分解正面斜視図であり、図198は、動作ユニットG200の分解正面斜視図である。
図196から図198に示すように、動作ユニットG200は、箱状に形成される背面ケースG300を備え、その背面ケースG300の内部空間には、上方に演出動作ユニットG1000が、下方に発光装飾ユニットG500が、それぞれ配設される。
背面ケースG300は、正面視略矩形の底壁部G301と、その底壁部G301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部G302とを備え、それら各壁部G301,G302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部G301には、その中央に正面視矩形の開口G301aが開口形成され、その開口G301aを通じて、底壁部G301の背面に配設される第3図柄表示装置H81が視認可能とされる。
演出動作ユニットG1000は、背面ケースG300の底壁部G301に配設される門型のベースユニットG600(ベース部材G610)と、そのベースユニットG600(ベース部材G610)に変位可能に配設される花弁動作装置G800とを備え、その花弁動作装置G800をベースユニットG600(ベース部材G610)の前方(背面ケースH300の上方(矢印U方向))に退避させる退避位置と、背面ケースG300の開口G301a(即ち、第3図柄表示装置H81)の正面側に張り出す張出位置との間で変位させることができる(図204参照)。即ち、演出動作ユニットG1000は、変位可能に構成される花弁動作装置G800を備える。
また、図196では、花弁動作装置G800が退避位置に配置された状態が図示されており、図196に示すように、花弁動作装置G800が退避位置に配置された状態では、センターフレームH86の上枠部から花弁動作装置G800が視認可能とされる。また、花弁動作装置G800の退避位置と張出位置との間の変位に連動して後述する円環形成ユニットG700が変位するように形成されており、以下の説明では、花弁動作装置G800が退避位置に配置された状態の円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の位置を円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の退避位置、花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態の円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の位置を円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の張出位置として説明する。
なお、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800は、変位可能に構成され、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800の変位により花弁動作装置G800が変位可能に構成される。また、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800は、振動または動作可能に構成され、その振動または動作により花弁動作装置G800が振動または動作可能に構成される。
発光装飾ユニットG500は、樹脂材料から形成されるベース体G510と、そのベース体G510の正面側に配設される発光装置G520とを主に備え、発光装置G520の内部に配設された複数のLED(発光ダイオード)G521から発光する光の様態(例えば、照射するLEDG521の数やLED521の発光色)を変更することで、発光による演出を行う。
次いで、図199から図222を参照して、演出動作ユニットG1000について説明する。
初めに、図199から図203を参照して、演出動作ユニットG1000の全体構成について説明する。図199(a)は、演出動作ユニットG1000の正面図であり、図199(b)は、演出動作ユニットG1000の背面図であり、図200は、演出動作ユニットG1000の花弁動作装置G800側の分解正面斜視図であり、図201は、演出動作ユニットG1000の花弁動作装置G800側の分解背面斜視図であり、図202は、演出動作ユニットG1000の円環形成ユニットG700側の分解正面斜視図であり、図203は、演出動作ユニットG1000の円環形成ユニットG700側の分解背面斜視図である。
図199から図203に示すように、演出動作ユニットG1000は、門型に形成されるベースユニットG600と、そのベースユニットG600に配設される進退動作ユニットG900と、ベースユニットG600に配設され進退動作ユニットG900の駆動力により上下動される花弁動作装置G800と、ベースユニットG600に配設され花弁動作装置G800の上下動に連動して円環状態を形成する円環形成ユニットG700とを主に備えて形成される。
なお、第8実施形態では、演出動作ユニットG1000は、花弁動作装置G800が上方の退避位置から下方に変位して張出位置に変位されるが、退避位置は必ずしも上方でなくても良く、下方の退避位置から上方に変位して張出位置に変位されるものであっても良い。即ち、正面視における演出動作ユニットG1000を上下反対に配置しても良い。また、上下だけでなく、正面視における演出動作ユニットG1000を90度回転した状態で配置して、左右方向に花弁動作装置G800が変位するように構成しても良い。
ベースユニットG600は、背面ケースG300底壁部G301の正面側(矢印F方向側)に配設されるベース部材G610と、そのベース部材G610の正面側に配設される左側保持部材G620、右側保持部材G630、左側配線部材G640と、右側配線部材G650と、を主に備えて形成される。なお、本実施形態では、ベースユニットG600が、主に光を透過可能な樹脂材料から形成されるが、金属製の板材をプレス加工して形成するものであっても良い。
ベース部材G610は、左右方向(矢印L-R方向)に長い矩形の本体板部G611と、その本体板部G611の左右両端から下方に向かって延設される左側延設部G612と、右側延設部G613と、を主に備える。
本体板部G611は、後述する進退動作ユニットG900及び花弁動作装置G800が配設される部分であり、進退動作ユニットG900の各従動ギヤG921~G928及びアーム側従動ギヤG929を軸支するピン部G611a~G611hと、進退動作ユニットG900の左側アームユニットG930を軸支する軸支部G611jと、花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810の摺動面の一部を形成する摺動部G611kとが正面側(矢印F方向側)に形成される。
また、本体板部G611の背面側(矢印B方向側)には、背面ケースG300にベースユニットG600を締結固定するためのめねじが形成され、背面ケースG300の底壁部G301に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する貫通孔を通して螺子が締結される。これにより、背面ケースG300にベースユニットG600(演出動作ユニットG1000)を固定した状態で配設可能とされる。
なお、本実施形態では、本体板部G611の背面側にめねじが形成され、背面ケースG300の底壁部G301に前後方向(矢印F-B)方向に貫通する貫通孔が形成されるが、これに限らず、本体板部G611に前後方向に貫通する貫通孔が形成され、背面ケースG300の底壁部G301にめねじが形成されてもよい。この場合、背面ケースG300の正面側(矢印F方向側)に演出動作ユニットG1000を配設した後、背面ケースG300の背面側(矢印B方向側)に作業者が移動しなくても、演出動作ユニットG1000を背面ケースG300に配設作業した正面側から演出動作ユニットG1000を背面ケースG300にねじ止めすることができる。そのため、演出動作ユニットG1000の背面ケースG300への配設作業を簡易にすることができる。
ピン部G611a~G611hは、上述したように進退動作ユニットG900の各従動ギヤG921~G928及びアーム側従動ギヤG929を軸支する部分であり、円形状に形成され正面側(矢印F方向側)に向かって突設される。
また、ピン部G611a~G611e,G611hには、突設先端部にめねじが形成されており、対応する各ギヤG921~G925,G928を軸支した状態で立設先端部に螺子が締結される。これにより、ピン部G611a~G611e,G611hから各従動ギヤG921~G925,G928が抜け落ちることを抑制できる。
一方、ピン部G611f,G611gは、所定の内径を有する円環状に突設され、その外周側でギヤG926,G927を軸支可能に形成される。また、ピン部G611f,G611gには、その中心部に金属製の棒状部材G611m,G611nがそれぞれ嵌め込まれ、その金属製の棒状部材G611m,G611nにより、後述する円環形成ユニットG700(左側円環部材G710および右側円環部材G720)を軸支可能とされる。
なお、ピン部G611f,G611gに軸支されるギヤG926,G927は、金属製の棒状部材G611m,G611nに軸支される左側円環部材G710および右側円環部材G720と、本体板部G611との間に挟まれることで、棒状部材G611m,G611nから抜け落ちることが抑制される。
棒状部材G611mには、円形状に形成された小径部と、その小径部の軸方向一端側から径方向外側に張り出した大径部とを備えたカラーG611iaが先端部に締結固定される。カラーG611iaは、円環状に形成されるアーム側従動ギヤG929の内側に小径部が挿入して配設される。また、カラーG611iaの小径部とアーム側従動ギヤG929の内側との間には、若干の隙間が形成される。これにより、ピン部G611iからアーム側従動ギヤG929が抜け落ちることを抑制できると共に、アーム側従動ギヤG929がピン部G661i(カラーG611ia)に対して回転可能とされる。
棒状部材G611m,G611nは、後述する円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720を軸支する部分であり、本体板部G611の正面側に配設される左側保持部材G620との間で挟持される。なお、ピン部G611f,G611gに軸支される進退動作ユニットG900のギヤG926,G927は、棒状部材G611m,G611nに軸支される左側円環部材G710及び右側円環部材G720によりピン部G611f,G611gから抜け出ることが規制される。
軸支部G611jは、正面視(矢印B方向視)において本体板部G611の左側(矢印L方向側)に形成される。軸支部G611jは、上述したように進退動作ユニットG900の本体部材G931を軸支する部分であり、正面視円形状に形成されると共に正面側に向かって突設される。この軸支部G611jにより、進退動作ユニットG900の本体部材G931が軸支部G611jを軸として回転可能とされ、その軸支部G611jを中心(回転軸)とする本体部材G931の回転により進退動作ユニットG900に配設される花弁動作装置G800が上下方向(矢印U-D方向)に変位可能とされる。
摺動部G611kは、正面視において本体板部G611の右側(矢印R方向側)の上端、下端、及び右端の縁部を囲うように正面側に立設される壁部G611pの上端部と下端部との左端同士を上下方向(矢印U-D方向)に結んだ直線状に形成されており、壁部G611pよりも正面側への立設距離が低く設定される。これにより、壁部G611pと摺動部G611kとにより囲まれる領域の前方側に後述する右側保持部材G630を配設した際に、摺動部G611kと右側保持部材G630の背面側との対向間に溝を形成することができ、その溝に後述する花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810を摺動可能な状態で保持することができる。
なお、正面視(矢印B方向視)において本体板部G611の壁部G611pと摺動部G611kとにより囲まれる領域は、他の領域に比べて正面側に位置して(即ち、摺動部G611kの形成部分で正面側に向かって段差が形成されて)おり、摺動部G611kと右側保持部材G630の背面側との間に花弁動作装置G800のカラーG815を配設した場合に、カラーG815の大径部の外周面が本体板部G611の正面に当接することを抑制できる。これにより、花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810が摺動部G611kに沿って摺動する際の抵抗が増加すること抑制でき、花弁動作装置G800を上下方向(矢印U-D方向)にスムーズに変位させることができる。なお、花弁動作装置G800の動作についての詳しい説明は後述する。
左側延設部G612は、後述する円環形成ユニットG700が配設される部分であり、下方(矢印D方向)端部側に左側リンク軸支部G612aと、その左側リンク軸支部G612aよりも上方側(矢印U方向側)に左側保持部G612bとを備える。
左側リンク軸支部G612aは、円環形成ユニットG700の左側リンク部材G730の一端が軸支される部分であり、正面視円形状に形成されると共に正面側に立設して形成される。これにより、左側リンク部材G730の一端が左側リンク軸支部G612aを軸に回転可能な状態で保持される。
左側保持部G612bは、退避位置に配設される円環形成ユニットG700の左側円環部材G710の背面が当接可能な位置に形成されると共に、その円環形成ユニットG700の左側円環部材G710に連結される左側リンク部材G730の側面が当接可能な位置に形成される。これにより、退避位置に配置される左側円環部材G710に外部からの振動が作用した際に、左側円環部材G710が揺れ動いて、退避位置に配設される左側円環部材G710が遊技者から視認可能とされる位置(遊技盤H13のセンターフレームG86の内側領域)に変位することを抑制できる。
右側延設部G613は、左側延設部G612と同様に、後述する円環形成ユニットG700が配設される部分であり、下方(矢印D方向)の端部側に右側リンク軸支部G613aと、その右側リンク軸支部G613aよりも上方側(矢印U方向側)に右側保持部G613bとを備える。なお、右側リンク軸支部G613aは、上述した左側リンク軸支部G612aと連結される部材(右側リンク部材G740)が異なるだけであり、右側保持部G613bは、上述した左側保持部G612bと当接可能な部材(右側円環部材G720及び右側リンク部材G740)が異なるだけであり、その他の構成は同じであるので、それらの詳しい説明は省略する。
また、左側延設部G612と右側延設部G613との正面側には、左側延設部G612の左側リンク軸支部G612a、左側保持部G612b、右側リンク軸支部G613a、及び、右側保持部G613bを避けて左側配線部材G640と右側配線部材G650とが左側延設部G612の正面と右側延設部G613の正面との間に所定の空間を形成した状態で配設される。これら左側配線部材G640及び左側延設部G612の間の空間と、右側配線部材G650及び右側延設部G613の間の空間とを介して、後述する円環形成ユニットG700および花弁動作装置G800に連結される電気配線が挿通される。これにより、退避位置と張出位置との間で変位する円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800に電気配線が接触して、電気配線が断線したり電気配線の被覆が剥がれたりすることを抑制できる。
左側保持部材G620は、本体板部G611の正面視左側端部から上端部に沿って本体板部G611の左右方向(矢印L-R方向)の中央を超えた位置まで延設される板状に形成され、後述する進退動作ユニットG900の各従動ギヤG921~G928及びアーム側従動ギヤG929の正面側(矢印F方向側)を覆う状態で本体板部G611に配設される。
また、左側保持部材G620は、後述する進退動作ユニットG900の駆動モータG910の軸を挿通する貫通孔G621と、その貫通孔G621の周囲に駆動モータG910を左側保持部材G620に締結するためのめねじ部G622と、本体板部G611に配設される棒状部材G611m,G611nの正面側(矢印F方向側)を保持する凹部G623とを主に備え、本体板部G611に締結される。
貫通孔G621は、左側保持部材G620の正面視において左側(矢印L方向側)上部の背面側(矢印B方向側)に向かって一段低く形成される領域に形成される。これにより、左側保持部材G620に駆動モータG910を配設した際に、左側保持部材G620よりも正面側(矢印F方向側)に駆動モータG910が張り出すことを抑制できる。その結果、後述する円環形成ユニットG700が退避位置に変位されて、その円環形成ユニットG700が左側保持部材G620の正面側に位置する場合に、円環形成ユニットG700が駆動モータG910に当接することを抑制できる。
また、駆動モータG910は、正面側(矢印F方向側)から軸を貫通孔G621に挿通された後、駆動モータG910に形成された貫通孔を介して左側保持部材G620のめねじ部G622に螺子が締結されることで、左側保持部材G620に配設される。なお、左側保持部材G620に配設された駆動モータG910には、貫通孔G621を挿通した軸に背面側から駆動ギヤG911が配設される。
凹部G623は、本体板部G611の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向かって円形状に凹設され、凹設された内縁が本体板部G611に配設される棒状部材G611m,G611nと対応する形状(内径)に形成される。これにより、左側保持部材G620を本体板部G611に配設した際に、棒状部材G611m,G611nの先端部を凹部G623の内部空間に収容して保持することができる。
ここで、棒状部材G611m,G611nには、後述する円環形成ユニットG700の被軸支部G712ba,G722baが配設される(挿入される)。従って、円環形成ユニットG700は、被軸支部G712ba,G722baが棒状部材G611m,G611nに挿入された状態で、正面側(矢印F方向側)から左側保持部材G620がベース部材G610に配設されることで、ベースユニットG600に保持される。
右側保持部材G630は、上述したように、本体板部G611に形成される壁部G611pと摺動部G611kとの正面側(矢印F方向側)を覆う部材であり、壁部G611pの正面側への立設先端部に形成されるめねじに螺子で締結固定される。これにより、摺動部G611kと右側保持部材G630の背面との間に空間を形成でき、その空間に後述する花弁動作装置G800のアーム部G812(カラーG815)を摺動可能な状態で配設できる。
次いで、進退動作ユニットG900について説明する。進退動作ユニットG900は、駆動モータG910と、その駆動モータG910の軸に配設される駆動ギヤG911と、その駆動ギヤG911の回転により駆動モータG910の駆動力を伝達する複数の従動ギヤG921~G928,アーム側従動ギヤG929と、本体板部G611の軸支部G611jに軸支されると共にアーム側従動ギヤG929の回転により回転変位する左側アームユニットG930と、その左側アームユニットG930に連結され左側アームユニットG930の回転により変位可能なスライド板G940と、そのスライド板G940のスライド方向を規定するスライドレールG950とを主に備える。
なお、本実施形態では、従動ギヤG921~G928,アーム側従動ギヤG929,左側アームユニットG930,スライド板G940が主に、樹脂材料から形成される。また、進退動作ユニットG900の張出位置において、第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設されるスライド板G940は、光を透過可能な材料から形成される。これにより、第3図柄表示装置H81から出射される光が張出位置における進退動作ユニットG900のスライド板G940より第3図柄表示装置H81に反射して、スライド板G940と重ならない位置から視認される第3図柄表示装置H81の表示が認識されにくくなることを抑制できる。
駆動モータG910は、上述したように、ベースユニットG600の左側保持部材G620の貫通孔G621に軸を通して配設され、その軸に左側保持部材G620の背面側(矢印B方向側)から駆動ギヤG911が配設される。即ち、駆動モータG910の本体部分と駆動ギヤG911との間に左側保持部材G620を挟んだ状態で配設される。
従動ギヤG921は、駆動ギヤG911に刻設される歯に歯合されており、駆動ギヤG911が回転されることにより回転される。従動ギヤG921から順に歯合される従動ギヤG922~G928は、従動ギヤG921が駆動ギヤG911により回転されることで、中間のギヤG923から終端のギヤG928までが同期して回転される。
また、従動ギヤG925及び従動ギヤG928は、後述する円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720に駆動力を伝達可能に構成されており、正面側(矢印F方向側)に向かって突設される突設部G925a,G928aと、それら突設部G925a,G928aに軸支されるカラーG925b,G928bとを主に備えて形成される。
突設部G925a,G928aは、従動ギヤG925及び従動ギヤG928の回転軸と異なる位置(回転軸から径方向に離れた位置)に形成される。また、突設部G925a,G928aは、後述する左側円環部材G710及び右側円環部材G720の摺動溝G712bb,G722bbに挿通され、その挿通された先端側にカラーG925b,G928bが配設される。これにより、従動ギヤG925及び従動ギヤG928が回転される(駆動モータG910から駆動力が伝達される)と、その従動ギヤG925及び従動ギヤG928の回転に伴って突設部G925a,G928aの位置が変位され、この変位に伴って左側円環部材G710及び右側円環部材G720が変位される(即ち、左側円環部材G710及び右側円環部材G720に駆動力が伝達される)。
アーム側従動ギヤG929は、従動ギヤG922が従動ギヤG921と歯合する位置とは異なる位置で従動ギヤG921と歯合されており、駆動ギヤG911が回転されることで従動ギヤG921を介して回転可能に構成される。
また、アーム側従動ギヤG929は、正面側に向かって円柱状に突設される突設部G929aと、その突設部G929aの突設先端部に軸支されるカラーG929bと、外周面の正面側端部から径方向外側に向かって突設されると共に周方向に延設される壁部G929cと、その壁部G929cの一部から径方向外側に向かって突出して形成される被検出部G929dと、歯が刻設される外周面および壁部の間に膨出される膨出部G929eとを主に備え、左側アームユニットG930に駆動力を伝達可能に構成される。
突設部G929aは、アーム側従動ギヤG929の回転軸と異なる位置から突設され、後述する左側アームユニットG930の被軸支部G931aに挿通される。また、突設部G929aには、左側アームユニットG930の被軸支部G931aに挿通される先端側にカラーG929bが配設される。これにより、アーム側従動ギヤG929が回転される(駆動モータG910から駆動力が伝達される)と、そのアーム側従動ギヤG929の回転に伴って突設部G929aの位置が変位され、この変位に伴って左側アームユニットG930が変位される(即ち、左側アームユニットG930に駆動モータG910の駆動力が伝達される)。
壁部G929cは、アーム側従動ギヤG929の歯面を保護する部分であり、アーム側従動ギヤG929の歯面の側端面に連なって形成される。これにより、アーム側従動ギヤG929の歯の剛性を向上して、アーム側従動ギヤG929の歯が破損することを抑制できる。また、壁部G929cにより、アーム側従動ギヤG929の歯面に対して、軸方向に従動ギヤG921が相対変位することを抑制できるので、従動ギヤG921がピン部G611aから抜け落ちることを抑制できると共に、アーム側従動ギヤG929と従動ギヤG921との歯合状態が悪くなる(噛み合い位置が軸方向にずれる)ことを抑制できる。
また、突設部G929aは、壁部G929cから突設される。これにより、動作不良等で通常の動作よりも大きな駆動モータG910の駆動力が突設部G929aに作用する場合に、壁部G929cを撓ませてその力を逃がすことができる。そのため、通常の動作よりも大きな駆動力が作用する場合に、アーム側従動ギヤG929とギヤG922との歯合位置がずれることを抑制でき、歯合位置がずれたまま駆動してアーム側従動ギヤG929又はギヤG922の歯に過大が力が作用することを抑制できる。その結果、アーム側従動ギヤG929及びギヤG922の歯が破損すること抑制できる。
被検出部G929dは、アーム側従動ギヤG929の回転位置を検出するための突起であり、ベースユニットG600のベース部材G610に配設される検出装置G660に検出可能に配設される。本実施形態では、花弁動作装置G800が退避位置に配置される際に、被検出部G929dが検出装置G660に検出可能とされる。これにより、退避位置に花弁動作装置G800がその自重や外部から入力される振動で張出位置に変位しようとした場合に、退避位置から移動したことを検出して、花弁動作装置G800を退避位置に戻すための制御を行うことができる。その結果、花弁動作装置G800が誤って張出位置に変位して、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
なお、本実施形態では、花弁動作装置G800が退避位置に配置される際に被検出部G929dが検出装置G660に検出される場合について説明したが、これに限らず、花弁動作装置が張出位置に配置される際に被検出部G929dを検出する検出装置を別途備えてもよいし、花弁動作装置G800が張出位置に配置される際に被検出部G929dが検出されるように検出装置G660を配置してもよい。
この場合には、花弁動作装置G800が退避位置から張出位置に変位された際に、その変位を検出装置で検出することができるので、その検出に伴い張出位置に変位する直前で花弁動作装置G800の変位速度を低下させることで、張出位置に停止させることに伴い花弁動作装置G800に作用する振動を抑えることができる。よって、花弁動作装置G800を張出位置に張り出して花弁動作装置G800を遊技者から視認しやすい状態とした際に、花弁動作装置G800を遊技者に効果的に視認させることができる。その結果、遊技者の興趣を高めやすくできる。
膨出部G929eは、アーム側従動ギヤG929の回転範囲を規定する部材であり、花弁動作装置G800が退避位置と張出位置とに変位された際に、本体板部G611から張り出した規制部G611rに当接可能とされる。なお、規制部G611rは、花弁動作装置G800が退避位置と張出位置とのそれぞれに配置される場合の膨出部G929eの対応する位置に形成される(即ち、2か所に形成される)。これにより、制御不良等により、アーム側従動ギヤG929が回転しすぎることを抑制して、突設部G929aと左側アームユニットG930との連結部分が破損することを抑制できる。
左側アームユニットG930は、従動ギヤG921から伝達される駆動力をスライド板G940を介して花弁動作装置G800に伝達する部材であり、正面視においてT字状に形成される本体部材G931と、その本体部材G931をベースユニットG600に軸支するためのベース側カラーG932と、本体部材G931の背面側に配設されベース側カラーG932と同軸上の円環形状に形成されるバネ配設部材G933と、そのバネ配設部材G933の外周側に配設され本体部材G931に付勢力を作用させるねじりバネG934と、本体部材G931をスライド板G940に連結させるためのスライド側カラーG935とを主に備える。
本体部材G931は、正面視においてT字の上部側を左側(矢印L方向側)から右側(矢印R方向側)に向かって上方(矢印U方向側)に傾倒させた状態で配設され、左側(矢印L方向側)の端部が本体板部G611と左側保持部材G620との対向間に配設される。また、本体部材G931は、正面視においてT字に形成される下部側がスライド板G940の背面側に配設される。
本体部材G931は、正面視において左側(矢印L方向側)端部に形成される被軸支部G931aと、その被軸支部G931aの上方側(矢印U方向側)に上下方向(矢印U-D方向)に沿った溝状に形成される摺動溝G931bと、スライド板G940の背面側に位置しスライド板G940(正面側(矢印F方向側)に向かって突設される突設部G931cとを主に備えて形成される。
被軸支部G931aは、本体板部G611に形成される軸支部G611jが挿通可能に形成される貫通孔であり、軸支部G611jの外径よりも若干大きな円形状に形成される。また、被軸支部G931aには、ベース側カラーG932の小径部が若干の隙間を隔てた状態で配設される。これにより、本体部材G931は、本体板部G611の軸支部G611jの軸を中心に回転可能な状態で本体板部G611(ベース部材G610)に配設される。
摺動溝G931bは、上述したようにアーム側従動ギヤG929の突設部G929aが挿通される部分であり、突設部G929aがアーム側従動ギヤG929の回転に伴って回転された場合に、突設部G929aが摺動溝G931bの内部を摺動可能な大きさに形成される。
突設部G931cは、スライド板G940に連結される部分であり、後述するスライド板G940の摺動溝G942に挿入可能な長さに形成される。また、突設部G931cは、突設先端にスライド側カラーG935が配設され、スライド側カラーG935の外周面が摺動溝G942の内縁に当接した状態とされる。これにより、被軸支部G931a(軸支部G611j)を軸として本体部材G931を回転させた際に、本体部材G931に対してスライド板G940を相対変位させることができる。
バネ配設部材G933は、本体部材G931の背面側とベース部材G610の本体板部G611の正面側との間に配設され、円環状に形成された内側の空間に本体板部G611の軸支部G611jが挿通される。
また、バネ配設部材G933は、円環状に形成された軸方向の両端が径方向外側に立設されており、その両端に立設される対向間にねじりバネG934が配設される。これにより、ねじりバネG934が、本体部材G931の背面側や、ベース部材G610の本体板部G611の正面側に当接することを抑制できる。
ねじりバネG934は、本体部材G931を退避位置側に付勢する付勢力をアーム部材に作用させるバネであり、弾性変形された状態でバネ配設部材G933の外周側に配設される。また、ねじりバネG934は、一端がベース部材G610に係止されると共に他端が本体部材G931の背面側に係止される。
なお、ねじりバネG934は、弾性変形させていない状態では、複数回旋回して形成されるバネ部分の内径が、バネ配設部材G933の軸方向両端に立設される部分の外径よりも大きく形成される。これにより、ねじりバネG934をバネ配設部材G933に簡易に配設することができる。
また、ねじりバネG934は、一端がベース部材G610に係止されると共に他端が本体部材G931の背面側(矢印B方向側)に係止されて弾性変形された状態では、その弾性変形によりバネ部分の内径がバネ配設部材G933の軸方向両端に立設される部分の外径よりも小さくされる。これにより、ベース部材G610と本体部材G931とにねじりバネG934の両端が係合された状態とされた場合にねじりバネG934がベース部材G610や本体部材G931から脱落することを抑制できる。
本実施形態では、左側アームユニットG930を退避位置側に付勢するために、ねじりバネG934を配設したが、ねじりバネに限らず、コイルバネ、ゴム、磁石により左側アームユニットG930を退避位置側に付勢するように構成しても良い。また、退避位置側に左側アームユニットG930を付勢する形態でなく、張出位置側に付勢する形態や、退避位置と張出位置の間の位置に付勢する形態として、付勢される位置を基準位置として左側アームユニットG930を変位させても良い。
スライド板G940は、左側アームユニットG930に伝達される駆動力を花弁動作装置G800に伝達するための伝達部材である。スライド板G940は、背面側(矢印B方向側)から螺子を挿通可能に貫通形成される第1貫通孔G941と、本体部材G931が連結される摺動溝G942と、正面側(矢印F方向側)から螺子を挿通可能に貫通形成される第2貫通孔G943とを主に備える。
第1貫通孔G941は、後述する花弁動作装置G800にスライド板G940を締結するための螺子を挿通する孔であり、花弁動作装置G800の背面側ベース部材G820のねじ穴(雌ねじ)と対応する位置に形成される。第1貫通孔G941を介してスライド板G940と花弁動作装置G800とが締結されることで、スライド板G940の変位を介して左側アームユニットG930に伝達される駆動力を花弁動作装置G800に伝達することができ、花弁動作装置G800を退避位置と張出位置との間で変位させることが可能とされる。
摺動溝G942は、左右方向(矢印L-R方向)に長い溝状に形成されており、その溝に本体部材G931のスライド側カラーG935が摺動可能な状態で配設される。なお、スライド側カラーG935は、上述したように本体部材G931の突設部G931cの突設先端に配設される。また、摺動溝G942は、本体部材G931の突設部G931cの円弧状の変位軌跡と異なる方向に溝が延設される。
従って、本体部材G931が被軸支部G931a(軸支部G611j)を軸として回転されることに伴って突設部G931cが変位されると、スライド側カラーG935が摺動溝G942の内部を摺動しつつスライド板G940を上下方向(矢印U-D方向)に押し出し、スライド板G940を後述するスライドレールG950に沿って上下方向に変位させる。
スライドレールG950は、伸縮式の直線案内機構であり、その伸縮方向を上下方向(矢印U-D方向)に沿わせた姿勢で配設される。スライドレールG950は、ベース部材G610の本体板部G611の正面側(矢印F方向側)に配設される基部側レールG951と、その基部側レールG951の正面側に基部側レールG951に対して上下方向にスライド可能に配設される摺動側レールG952とを備える。
また、摺動側レールG952は、スライド板G940の背面側に第2貫通孔を介して締結固定される。これにより、スライド板G940は、摺動側レールG952に対する姿勢が固定されると共に、基部側レールG951に対する摺動側レールG952のスライド方向にスライド可能とされる。即ち、スライド板G940は、その変位方向が上下方向(矢印U-D方向)に限定される。上述したように、スライド板G940には、花弁動作装置G800が締結固定されるので、スライド板G940の上下方向の変位に伴って花弁動作装置G800を上下方向に変位させることが可能とされる。
なお、本実施形態では、スライドレールG950の基部側レールG951及び摺動側レールG952がアルミの金属材料から形成されるが、これに限らず、スライドレールG950が樹脂材料から形成されるものであっても良い。
円環形成ユニットG700は、正面視半円弧状に形成され、左右方向に対称に配設される一対の左側円環部材G710及び右側円環部材G720と、それら一対の左側円環部材G710及び右側円環部材G720のそれぞれの一端側に配設される左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740とを主に備えて形成される。なお、円環形成ユニットG700の左側円環部材G710、右側円環部材G720、左側リンク部材G730、右側リンク部材G740は主に樹脂材料から形成される。
なお、それぞれ一対形成される左側円環部材G710及び右側円環部材G720と、左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740とは、正面視において左右方向(矢印L-R方向)中央部を軸に線対称に形成されるので、以下の説明では左側(矢印L方向側)に配設される左側円環部材G710及び左側リンク部材G730を説明し、右側(矢印R方向側)に配設される右側円環部材G720と、右側リンク部材G740との説明は省略する。また、符号については、左側円環部材G710の頭のG71を右側円環部材G720でG72と表記し、左側リンク部材G730の頭のG73を右側リンク部材G740でG74と表記する。
左側円環部材G710は、正面側(矢印F方向側)が遊技者に視認可能な化粧面として形成されており、正面側に蝶や波や花等の装飾が形成されると共に、正面側の一部が光を透過可能な樹脂材料で形成される。詳しく説明すると、正面側に蝶や波や花等の輪郭線が光を非透過の樹脂材料で形成されると共に、それら蝶や波や花等の輪郭線の内側および外側が光を透過可能な樹脂材料で形成される。また、左側円環部材G710は、内部に光を出射可能なLED(発光ダイオード)を有する発光基板を備えており、光を透過可能な材料から形成される部分を介してLEDの光を遊技者側に照射可能に構成される。
また、左側円環部材G710は、半円環状に形成される一端側(正面視下方側(矢印D方向側))の背面に背面側に向かって円柱状に突出する突出部G711と、半円環状に形成される他端側(正面視上方側(矢印U方向側)の背面に背面側に向かって立設される連結部G712とを主に備えて形成される。
突出部G711は、後述する左側リンク部材G730に連結される部分であり、左側リンク部材G730よりも背面側に突出されると共に、その突出先端部にカラーG711aが突設部に対して回転可能な状態で配設される。
連結部G712は、左側円環部材G710の背面側から立設される立設部G712aと、その立設部G712aの立設先端部から左側円環部材G710の背面に沿う方向に屈曲される屈曲部G712bとを主に備える。
立設部G712aは、左側円環部材G710の背面とベース部材G610との間に進退動作ユニットG900の左側アームユニットG930を配設するための空間を形成する部分であり、左側アームユニットG930の本体部材G931の前後方向(矢印F-B方向)の厚みよりも背面側(矢印B方向側)への立設距離が大きく設定される。これにより、左側円環部材G710を本体部材G931よりも正面側(矢印F方向側)に配設することができ、左側円環部材G710の装飾面が本体部材G931に隠れることを抑制できる。なお、上記で説明する左側円環部材G710の背面とは、左側円環部材G710から突出部G711及び連結部G712を除いた部分における左側円環部材G710の背面である。
屈曲部G712bは、円環状に貫通形成される被軸支部G712baと、その被軸支部G712baと異なる位置に一方向に長い溝状に形成される摺動溝G712bbとを主に備えて形成される。
被軸支部G712baは、左側円環部材G710の回転軸が挿通される貫通孔であり、上述したベース部材G610の棒状部材G611mが挿通可能な大きさに貫通形成される(右側の右側円環部材G720はベース部材G610のピン部G612nが挿通可能な大きさに貫通形成される)。これにより、左側円環部材G710及び右側円環部材G720は、被軸支部G712b1が棒状部材G611m,G611nに軸支されることで、それぞれ棒状部材G611m,G611nを軸に回転可能な状態で配設される。
摺動溝G712bbは、進退動作ユニットG900の従動ギヤG925から進退動作ユニットG900から伝達される駆動モータG910の駆動力が伝達される部分であり、従動ギヤG925の突設部G925a(カラーG925b)が挿通可能な大きさに形成される(右側円環部材G720には摺動溝G722bbに突設部G928a(カラーG928b)が挿通される)。よって、左側円環部材G710及び右側円環部材G720は、駆動モータG910の駆動力で従動ギヤG925,G928(カラーG925b,G928b)が変位されることにより、駆動モータG910の駆動力が伝達される。
左側リンク部材G730は、左側円環部材G710の一端側を支持して、左側円環部材G710が前後方向に揺れ動くことを抑制する部材であり、ベース部材G610の左側延設部G612と左側円環部材G710とに連結される。
左側リンク部材G730は、正面視矩形の板状に形成されると共に、正面視における一端側に長手方向に沿う溝状に形成される溝部G731と、他端側に円環状に貫通形成される貫通孔G732とを主に備える。
貫通孔G732は、ベース部材G610の正面に対して平行な平面上を左側リンク部材G730が回転可能とするために、左側リンク部材G730の被軸支部となる貫通孔であり、ベース部材G610の正面に対して直交する前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される。
また、貫通孔G732には、ベース部材G610から前後方向に突設される左側リンク軸支部G612aが挿通可能に形成される。これにより、左側リンク軸支部G612aが挿通された状態では、左側リンク軸支部G612aを軸に左側リンク部材G730が回転可能とされる。
なお、貫通孔G732の内径と左側リンク軸支部G612aの外径とは、貫通孔G732に左側リンク軸支部G612aを挿通可能とする分の若干の隙間を有する大きさに形成される。これにより、左側リンク部材G730が回転した際に、左側リンク部材G730の一端側が前後方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。従って、左側リンク部材G730の一端側に連結される左側円環部材G710の一端側が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
溝部G731は、左側円環部材G710の突出部G711(カラーG711a)が挿通される部分であり、突出部G711と対応する位置に形成されると共に、カラーG711aが摺動可能な溝幅に形成される。これにより、棒状部材G611mを軸に左側円環部材G710が回転された際に、溝部G731の内縁に沿って突出部G711を変位させることができると共に、貫通孔G732に挿通される左側リンク軸支部G612aを軸に左側リンク部材G730を回転させることができる。
次いで、図204を参照して、ベース部材G610に対する花弁動作装置G800の動作および円環形成ユニットG700の動作について説明する。図204(a)及び(b)は、演出動作ユニットG1000の正面図である。なお、図204(a)では、花弁動作装置G800及び円環形成ユニットG700が退避位置に配置され、図204(b)では、花弁動作装置G800及び円環形成ユニットG700が張出位置に配置された状態が図示される。
また、図204(a)及び図204(b)では、理解を容易とするために、円環形成ユニットG700の外形および摺動溝G712bb、突出部G711が破線で図示されると共に、ベースユニットG600の左側保持部材G620を透明視した状態で図示される。
図204に示すように、駆動モータG910の駆動力により駆動ギヤG911が回転されると、その駆動ギヤG911に歯合される従動ギヤG921が回転される。これにより、従動ギヤG921に歯合されるアーム側従動ギヤG929が回転され、そのアーム側従動ギヤG929の回転に伴ってアーム側従動ギヤG929の突設部G929aに配設されるカラーG929bがアーム側従動ギヤG929の回転軸を中心に変位される。
カラーG929bは、上述したように本体部材G931の摺動溝G931bの内縁側を摺動可能に配設される。これにより、カラーG929bが変位されることで駆動モータG910の駆動力が本体部材G931に伝達され、被軸支部G931aを軸支する軸支部G611j(図200参照)を軸として(中心に)本体部材G931が回転される。
この本体部材G931の回転により、本体部材G931に連結されるスライド板G940(図200参照)を介して花弁動作装置G800が退避位置(図204(a)に示す位置)から下方(矢印D方向)に変位され張出位置(図204(b)に示す位置)まで変位される。
なお、花弁動作装置G800の背面側に連結されるスライド板G940は、上述したようにスライドレールG950により変位方向が上下方向(矢印U-D方向)に規定される。よって、左側アームユニットG930の回転変位を直線変位に変換して花弁動作装置G800を上下方向に変位させることができる。
また、花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810は、一端側(矢印R方向側)の端部にカラーG815が配設され、そのカラーG815が右側保持部材G630と本体板部G611の摺動部G611kとの対向間を上下方向(矢印U-D方向)に摺動可能な状態で挟まれる。これにより、正面側ベース部材G810が前後方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。従って、花弁動作装置G800が上下方向に変位される際に花弁動作装置G800が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
次いで、円環形成ユニットG700の変位について説明する。上述した花弁動作装置G800の変位と同様に、駆動モータG910の駆動力により駆動ギヤG911が回転されると、駆動ギヤG911に歯合する従動ギヤG921が回転される。従動ギヤG921には、従動ギヤG922~G928が歯合されるので、従動ギヤG921が回転されることにより、従動ギヤG922~G928が連動して回転される。
ここで上述したように、従動ギヤG925,G928には、その回転軸と異なる位置に突設部G925a,G928aが配設されており、従動ギヤG925,G928が回転されることに伴って突設部G925a,G928aに配設されるカラーG925b,G928bが変位される。
カラーG925b,G928bは、円環形成ユニットG700の摺動溝G712bb,G722bbに挿入されるので、カラーG925b,G928bの変位によりカラーG925b,G928bが摺動溝G712bb,G722bbの内縁に沿って摺動しつつ、円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720に駆動モータG910の駆動力を伝達する。
このように、従動ギヤG925,G928を介して円環形成ユニットG700に駆動モータG910の駆動力が伝達されることで、被軸支部G712ba,G722baを軸支する棒状部材G611m,G611nを軸として(中心に)円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720が回転される。
これら左側円環部材G710及び右側円環部材G720の回転により、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の突出部G711,G721が連結される左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740が、貫通孔G732,G742に挿通される左側リンク軸支部G612a及び右側リンク軸支部G613aを軸として回転される。
この左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740により、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の回転軸側から離れた位置の左側円環部材G710及び右側円環部材G720をベースユニットG600に連結することができる。これにより、左側円環部材G710及び右側円環部材G720が回転された際に、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の回転軸から離れた位置が回転軸方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。その結果、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の変位を遊技者に視認させやすくできる。
なお、左側円環部材G710及び右側円環部材G720(円環形成ユニットG700)は、駆動モータG910の駆動力により、半円環状に形成される装飾面の下方側(矢印D方向側)端部を中央から左右方向(矢印L-R方向)の外側に開いた退避位置(図204(a)に示す位置)と、半円環状に形成される装飾面の下方側端部を左右方向の中央側に移動させて閉じた(退避位置よりも近づけた状態の)張出位置(図204(b)に示す位置)との間で変位可能に形成される。
また、上述したように、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800は、同じ駆動モータG910(駆動源)の駆動力により変位可能に構成され、連動するように構成される。よって、円環形成ユニットG700が退避位置に配置された状態では、上述した花弁動作装置G800が退避位置に配置される。これにより、演出動作ユニットG1000の背面側に配設される第3図柄表示装置H81を遊技者に視認させやすくできる。
また、円環形成ユニットG700が張出位置に配置された状態では、左側円環部材G710及び右側円環部材G720が正面視において1の円環を形成する位置に配置されると共に、花弁動作装置G800が張出位置に配置され、左側円環部材G710及び右側円環部材G720により円環を形成した内側に花弁動作装置G800が配置される。これにより、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800の演出を合わせて遊技者に視認させやすくできる。その結果、演出効果を向上できる。
さらに、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態では、左側円環部材G710及び右側円環部材G720と花弁動作装置G800とが演出動作ユニットG1000の背面側に配設される第3図柄表示装置H81(図124参照)の正面側(矢印F方向側)に配置され、左側円環部材G710及び右側円環部材G720と花弁動作装置G800とに合わせた表示が第3図柄表示装置H81の表示面に表示される。これにより、第3図柄表示装置H81と左側円環部材G710及び右側円環部材G720と花弁動作装置H800とによる演出効果を向上できる。
なお、本実施形態では、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800が、同じ駆動モータG910(駆動源)の駆動力により変位される場合について説明したが、円環形成ユニットG700と花弁動作装置G800とで異なる2つの駆動源を備えるように構成しても良い。即ち、円環形成ユニットG700と花弁動作装置G800とを別々に変位させるように構成しても良い。この場合、円環形成ユニットG700の変位態様を複数形成することができるので、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800による演出効果を向上できる。
次いで、図205及び図206を参照して、花弁動作装置G800の全体構成について説明する。図205は、花弁動作装置G800の分解正面斜視図であり、図206は、花弁動作装置G800の分解背面斜視図である。
図205及び図206に示すように、花弁動作装置G800は、正面側に配設される正面側ベース部材G810と、その正面側ベース部材G810の背面側の一部を覆設した状態で配設される背面側ベース部材G820と、正面側ベース部材G810の背面側から軸を正面側に挿通した状態で正面側ベース部材G810の背面側に配設される駆動モータG830と、その駆動モータG830に連結され駆動モータG830の駆動力が伝達されるギヤ列G841~G848と、正面側ベース部材G810の正面側の一部の覆設した状態で正面側ベース部材G810に配設されるカバー部材G850と、正面側ベース部材G810の正面側に配設されると共にギヤ列G841~G848から駆動力が伝達される花回転ユニットG400とを主に備える。なお、本実施形態では、花弁動作装置G800の駆動モータG830を除いた他の部分が主に光を非透過の樹脂材料から成型される。
正面側ベース部材G810は、正面視略円環の板状に形成される円環部G811と、その円環部G811から径方向外側に突出するアーム部G812とを主に備え、それら円環部G811及びアーム部G812が背面側(矢印B方向側)を開放した箱状に形成される。なお、背面側が開放した箱状の円環部G811及びアーム部G812は、背面側の空間に後述する従動ギヤG843~G848を配設可能に形成されており、開放された底面から解放部(背面側端部)までの前後方向(矢印F-B方向)における距離が従動ギヤG843~G848の歯面の厚みよりも大きく設定される。
円環部G811には、円環状に形成された内縁に沿って正面側(矢印F方向側)に刻設される刻設部G811aと、背面側(矢印B方向側)の開放された底面から背面側に向かって円形状に突出される複数の軸支部G811b,G811cと、それら軸支部G811b,G811cと同様に背面側に向かって円形状に突出される複数の締結部G811d~G811fとが形成される。
また、円環部G811には、円環状に形成された内側に背面側(矢印B方向側)からカラーG813が挿入されると共に、後述する従動ギヤG847の回転位置を検出する検出センサG814が開放された底面に配設される。
アーム部G812には、前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される第1貫通孔G812aと、その第1貫通孔G812aの近傍で第1貫通孔G812aよりも大きい内径で貫通形成される第2貫通孔G812bと、その第2貫通孔G812bの縁部に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって円環状に立設される壁部G812cと、背面側の開放された底面から背面側に向かって円形状に突出される複数の軸支部G812d,G812eと、箱状に形成された側面に略円環状に立設される支持部G812fとが形成される。
刻設部G811aは、後述する花回転ユニットG400の回転ギヤG421(図210参照)が歯合される歯面であり、歯底が円環部G811の中心から径方向外側に向かって延設されると共に円環状に形成された円環部G811の内縁に沿って歯面が円環状に連なって形成される。
軸支部G811b,G811c,G812d,G812eは、後述する従動ギヤG846,G848が軸支される部分であり、従動ギヤG844~G846,G848の軸部と対応する位置に形成される。また、軸支部G811b,G811c,G812d,G812eには、背面側(矢印B方向側)の突出先端に螺子締結用の雌ねじが形成されており、背面側から螺子を締結することにより従動ギヤG844~G846,G848を正面側ベース部材G810に配設可能とされる。
なお、軸支部G811b,G812d,G812eは、突出先端部が軸支部G811cよりも背面側(矢印B方向側)に位置され、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を配設した際に背面側ベース部材G820の正面に軸支部G811b,G812d,G812eの突出先端面を当接可能とされる。そして、背面側ベース部材G820の貫通孔G822を背面側から挿通させた螺子を軸支部G811b,G812d,G812eの突出先端に締結することにより、従動ギヤG844~G846を正面側ベース部材G810に配設できると共に、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を配設(締結)可能とされる。
締結部G811d~G811fは、背面側ベース部材G820を正面側ベース部材G810に配設するための螺子を締結する部分であり、背面側(矢印B方向側)の先端に雌ねじが形成される。よって、背面側ベース部材G820の背面側から背面側ベース部材G820の貫通孔G822を挿通させた螺子を締結部G811d~G811fに締結することで、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を配設(締結)可能とされる。
即ち、締結部G811d~G811fだけでなく、従動ギヤG844~G846を正面側ベース部材G810に配設するための軸支部G811b,G812d,G812eでも正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820が締結される。よって、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を締結するための締結部を少なくすることができる。
第1貫通孔G812aは、駆動モータG830の駆動軸を挿通するための挿通孔であり、駆動モータG830の軸が回転した際に内周面に駆動モータG830の軸が当接しない程度の内径に形成される。
第2貫通孔G812bは、従動ギヤG843の連結部G843aを挿通させて、正面側ベース部材G810の正面側(矢印F方向側)に配設される従動ギヤG82と正面側ベース部材の背面側に配設される従動ギヤG842とを連結するための貫通孔であり、従動ギヤG843の連結部G843aの外径よりも若干大きな内径に形成される。
また、第2貫通孔G812bに沿って正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)に向かって壁部G812cが立設される。これにより、第2貫通孔G812bに対して連結部G843aがぶれることを抑制できる。その結果、従動ギヤG842,G843に歯合される駆動ギヤG841及び従動ギヤG844の歯合状態を安定させることができる。
支持部G812fは、アーム部G812の右側(矢印R方向)側の側面から右側に向かって円環状に突出して形成され、外周側にカラーG815が配設される。これにより、カラーG815が支持部G812fに対して回転可能な状態で支持される。
なお、カラーG815は、上述したようにベースユニットG600の摺動部G611kと右側保持部材G630との対向間に小径部が配設されると共に、大径部が摺動部G611kと右側保持部材G630との対向間の外側に配設される。これにより、カラーG815が摺動部G611kと右側保持部材G630との対向間を上下方向(矢印U-D方向)に摺動可能とされる。
背面側ベース部材G820は、正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)に配設される従動ギヤG843~G848の背面側を覆って、従動ギヤG843~G848の背面側への移動を規制する部材であり、従動ギヤG843~G848の背面側を覆設可能な大きさに形成される。
また、背面側ベース部材G820には、正面側ベース部材G810の円環部G811の正面視における中心と対応する位置に背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される凹部G821と、背面側ベース部材G820を正面側ベース部材G810に配設するための螺子を挿通する複数の貫通孔G822とが形成される。
凹部G821は、後述する花回転ユニットG400の棒部材G451の背面側(矢印B方向側)端部(D字カット部G451a)を挿入するための凹みであり、棒部材G451の背面側端部のD形状の外形と略同一の内形に形成される。
駆動モータG830は、後述する花回転ユニットG400の駆動源である。また、上述したように駆動モータG830は、正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)から第1貫通孔G812aを介して駆動軸を正面側(矢印F方向側)に突出させた状態で配設される。
また、駆動モータG830は、背面側(矢印B方向側)が開放する箱状に形成される正面側ベース部材G810の底面に配設される。これにより、駆動モータG830の背面側への突出距離を抑えることができ、花弁動作装置G800(駆動モータG830)が背面側に部分的に突出することを抑制できる。
駆動ギヤG841は、駆動モータG840の駆動軸に連結されるギヤであり、正面側ベース部材G810の正面側で駆動モータG840の駆動軸に連結される。また、駆動ギヤG841は、従動ギヤG842に歯合されており、駆動ギヤG841が回転することにより従動ギヤG842を回転させることができる。
従動ギヤG842は、上述したように従動ギヤG843から正面側(矢印F方向側)に向かって突出する連結部G843aを介して、正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)に配設される従動ギヤG843と連結される。これにより、従動ギヤG842が回転されることに伴って従動ギヤG843を回転させることができる。また、従動ギヤG843は、それぞれ順に歯合される従動ギヤG844~G848の従動ギヤG844に歯合される。
よって、駆動モータG840の駆動力により駆動ギヤG841が回転されると、従動ギヤG842~G847を介して駆動モータG840の駆動力が終端の従動ギヤG848まで伝達される。
なお、終端の従動ギヤG848は、後述する花回転ユニットG400の花弁側伝達部材G430に連結される従動ギヤG847の回転位置を検出するためのギヤであり、背面側の端部に径方向外側に突出する板状の被検出部G848aを備える。この被検出部G848aが、正面側ベース部材G810に配設される検出センサG814の検出光を遮ることで、従動ギヤG847の回転位置を検出可能とされる。
また、従動ギヤG847には、花回転ユニットG400の花弁側伝達部材G430に従動ギヤG847を締結するための螺子を挿通可能な貫通孔G847aが複数個形成されており、これにより従動ギヤG847と花回転ユニットG400(花弁側伝達部材G430)とが締結される。従って、従動ギヤG847が回転されることに伴って花回転ユニットG400に駆動モータG830の駆動力を伝達することができる。また、従動ギヤG847と花回転ユニットG400とが締結されるので、上述したように従動ギヤG848の被検出部G848aと検出センサG814とにより従動ギヤG847の回転位置を検出できる。従って、花回転ユニットG400の回転位置を検出センサG814により検出可能とされる。なお、花回転ユニットG400についての詳しい説明は後述する。
カバー部材G850は、正面側ベース部材G810の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動ギヤG841及び従動ギヤG842を正面側から視認不能にするための部材であり、光を非透過の樹脂材料から形成されると共に正面視において駆動ギヤG841及び従動ギヤG842の正面側を覆う状態で正面側ベース部材G810の正面側に配設される。
次いで、図207から図209を参照して、花回転ユニットG400について説明する。図207(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図207(b)は、図207(a)のX25b線における花回転ユニットG400の断面図であり、図208は、花回転ユニットG400の分解正面斜視図であり、図209は、花回転ユニットG400の分解背面斜視図である。なお、以下の説明では、理解を容易とするために、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480の正面視における中央の(棒部材G451を軸(中心)とする)回転軸を軸GOの符号を付して2点鎖線で図示している。
なお、花回転ユニットG400は、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480が変位可能に構成され、それら第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の変位により花回転ユニットG400が変位可能に構成される。また、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480は、振動または動作可能に構成され、それら第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の振動または動作により花回転ユニットG400が振動または動作可能に構成される。
図207から図209に示すように、花回転ユニットG400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個配設される第1装飾ユニットG420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設され光を発光可能に構成される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG460と、第2回転ベースG460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。
なお、第8実施形態における花回転ユニットG400は、主に樹脂材料から形成されると共に、光を透過可能な材料から形成され、基板部材G440から出射される光を正面側(矢印F方向側)に透過可能に構成される。
また、第8実施形態における花回転ユニットG400では、第1回転ベースG410の周囲に5個の第1装飾ユニットG420が配設されるが、第1装飾ユニットG420の個数は5個以外の個数であっても良い。さらに、第1装飾ユニットG420は、第1回転ベースG410の周囲に等間隔で配設されるものでなくても良く、不等間隔で第1回転ベースG410の周囲に配設されるものであっても良い。
第1固定ユニットG450は、背面側ベース部材G820の凹部G821に背面側(矢印B方向側)の先端が挿入されて背面側ベース部材G820と螺合される棒状の棒部材G451と、その棒部材G451の正面側(矢印F方向側)の先端に配設される円盤状の固定部材G452とを主に備えて形成される。
棒部材G451は、金属製の材料から形成され、前後方向(矢印F-B方向)に所定の長さを有する円柱形状に形成される。また、棒部材G451は、前後方向の両側端に外周面の一部を凹設したD字カット部G451aを備えており、上端の外縁形状がD字形状に形成される。また、背面側の端部が挿入される背面側ベース部材G820の凹部G821と、正面側の端部が挿入される固定部材G452の貫通孔G452eとの内縁形状は、棒部材G451の両端部の外縁形状に対応したD字形状に形成される。これにより、棒部材G451が、背面側ベース部材G820及び固定部材G452に対して回転することが規制され、背面側ベース部材G820に対して固定部材G452の相対位置が規定(固定)される。
固定部材G452は、正面視(矢印B方向視)において略円形の板状に形成されると共に、背面側(矢印B方向側)に配設される基板部材G440よりも正面視における外形が大きく形成される。また、固定部材G452は、全体が光を透過可能な透明な樹脂材料から形成される。これにより、背面側に配設される基板部材G440のLEDG441の光を透過して外側に出射可能とされる。
また、固定部材G452は、正面視における略中央部に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する貫通孔H452eと、背面側(矢印B方向側)の一面に正面側に向かって凹設される収容凹部G452aと、その収容凹部G452aの凹設底面に形成される雌ねじの締結孔G452bと、正面側の一面に背面側に向かって凹設される3箇所の凹設部G452cと、基板部材G440に接続される配線(図示しない)を挿通するための開口部G452dとを主に備える。
収容凹部G452aは、固定部材G452の背面側(矢印B方向側)に配設される基板部材G440を内側に収容するための凹部であり、基板部材G440の外形と対応した円形状で背面側から正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される。なお、収容凹部G452aの正面側における凹設深さは、基板部材G440の板厚よりも大きく設定される。これにより、基板部材G440は、固定部材G452の内側に収容した状態で配設される。
締結孔G452bは、基板部材G440を固定部材G452の背面側に固定するための螺子を締結するための雌ねじであり、基板部材G440を挿通した螺子が螺合される。これにより、基板部材G440が固定部材G452の背面側に固定される。
凹設部G452cは、後述する第2固定ユニットG470のカラーG476aを収容するための凹部であり、中央に螺子を挿通するための貫通孔が形成される。カラーG476aを凹設部G452cに収容した状態で、凹設部G452cに背面側から挿通した螺子を第2固定ユニットG470に螺合することで、固定部材G452(第1固定ユニットG450)と第2固定ユニットG470とが締結固定される。
なお、カラーG476aは、第1固定ユニットG450(固定部材G452)と第2固定ユニットG470との間に配設される第2回転ベースG460を回転可能な状態で保持するための部材であり、中央に貫通孔が形成される円盤状に形成される第2回転ベースG460の円盤部G461の貫通孔の内縁に沿って(当接した状態で)等間隔に3箇所に配設される。これにより、第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460が軸GOを中心に相対回転可能な状態で配設される。
基板部材G440は、発光手段となるLED(発光ダイオード)G441が配設される基板であり、正面側(矢印F方向側)にLEDG441が複数個(本実施形態では13個)分散配置されると共に、背面側(矢印B方向側)にLEDG442が複数個(本実施形態では15個)分散配置される。なお、LEDG441は、正面側および軸GOから離間する方向に向けて光を照射可能に配設され、LEDG442は、背面側および軸GOから離間する方向に向けて光を照射可能に配設される。
また、基板部材G440には、固定部材G452の凹設部G452cと対応する位置の3か所に開口部G443が開口形成される。これにより、基板部材G440を第1固定ユニットG450に配設した状態で、凹設部G452cに基板部材G440側(背面側)から螺子を挿通させることができる。
さらに、開口部G443を利用してLEDG441,G442の発光(特に、固定部材G50との対向間に配設される正面側(矢印F方向側)のLEDG441の発光)で基板部材G440に溜まる熱を放熱することができる。その結果、基板部材G440が破損することを抑制できる。
花弁側伝達部材G430は、正面視(矢印B方向視)において略円形状の板状に形成される伝達部G431と、その伝達部G431の背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出する軸支部G432とを主に備え、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。また、伝達部G431と軸支部G432との中心部には、前後方向(矢印F-B方向)に開口する被挿通部G433が形成される。
伝達部G431は、正面視(矢印B方向視)において湾曲状に開口形成される摺動溝G431aが周方向に5か所に形成され、被挿通部G433により中心が開口した円環形状に形成される。また、円環形状に形成された伝達部G431の正面視における外径は、花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第2回転ベースG460の円盤部G461の外径よりも若干小さく形成される。即ち、花弁側伝達部材G430は、第2回転ベースG460の背面側に重なる大きさに設定される。
摺動溝G431aは、後述する第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが挿通される部分であり、溝幅が摺動部G425aよりも若干大きく形成される。また、摺動溝G431aは、径方向内側の内側端部G431a1(図213(a)参照)から径方向外側の外側端部G431a2(図213(a)参照)に向かうに従って、反時計回りの湾曲形状に形成される。これにより、伝達部G431(花弁側伝達部材G430)の回転に伴って、摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aを摺動させて、第1装飾ユニットG420を変位させることができる。
また、摺動溝G431aは、正面視において湾曲して形成される摺動溝G431aの内側の内面の第1摺動面G431a3により、摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aを軸GOから径方向外側に押し出すことができると共に、正面視において湾曲して形成される摺動溝G431aの外側の内面の第2摺動面G431a4により、摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aを軸GOに向かって径方向内側に押し出すことができる。なお、第1装飾ユニットG420(摺動部G425a)の変位についての詳しい説明は後述する。
軸支部G432は、正面側ベース部材G810と背面側ベース部材G820との対向間に配設される従動ギヤG847(図205参照)に締結される部分であり、背面側(矢印B方向側)の端部に締結孔G432aが形成され、その締結孔G432aに従動ギヤG847の貫通孔G847aを挿通した螺子が螺合される。これにより、従動ギヤG847と軸支部G432とが締結され、従動ギヤG847の回転に伴って花弁側伝達部材G430を回転させることができる。
また、軸支部G432は、円環状の外径が正面側ベース部材G810のカラーG813(図205参照)の内径よりも小さく形成され、正面側ベース部材G810に対して回転可能な状態で配設される。
被挿通部G433は、上述した花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810と背面側ベース部材G820(図205参照)との対向間に挿通される配線(図示しない)を花回転ユニットG400の内側に通すための空間であり、前後(矢印F-B方向)に貫通形成される。これにより、第1回転ベースG410、花弁側伝達部材G430、及び、第1固定ユニットG450の間に配設される基板部材G440に配線を繋ぐことができる。
第1回転ベースG410は、正面側(矢印F方向側)に円盤状に形成される溝形成部G411と、その溝形成部G411の背面側(矢印B方向側)に円環状に突出する軸形成部G412と、それら溝形成部G411及び軸形成部G412の中心を前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される被軸支部G413とを主に備える。なお、本実施形態では、第1回転ベースG410の溝形成部G411と軸形成部G412とは、それぞれ異なる2の部材から形成され、溝形成部G411が光を透過可能な樹脂材料から形成されると共に軸形成部G412が光を非透過の樹脂材料から形成される。
溝形成部G411は、正面視において軸GOから径方向外側に向かって延設して形成される第2摺動溝G411aと、正面視における径方向外側の外縁部に所定の間隔で貫通形成される螺子挿通部G411bとを主に備え、被軸支部G413により中心が開口した円環形状に形成される。
第2摺動溝G411aは、後述する第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが挿通される部分であり、溝幅が摺動部G425aよりも若干大きく形成される。また、第2摺動溝G411aは、径方向内側の端部から径方向外側の端部に向かって直線状に形成される。即ち、上述した摺動溝G431aと異なる溝形状に形成される。これにより、摺動部G425aが摺動溝G431aの変位に伴って摺動される際に、摺動部G425aを第2摺動溝G411aに沿って変位させることができる(摺動部G425aを摺動溝G431aと第2摺動溝G411aとに沿って変位させることができる)。
螺子挿通部G411bは、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とを締結するための螺子を挿通するための挿通孔である。第1回転ベースG410の背面側(矢印B方向側)から螺子挿通部G411bに挿通させた螺子を第2回転ベースG460の螺子締結部G465に螺合させることで、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とを締結できる。即ち、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とは一体となって回転可能に構成される。
軸形成部G412は、被軸支部G413により中心が開口する円環状に形成される。また、軸形成部G412は、円環状に形成される外周面から径方向外側に円柱状に突出する装飾側軸部G412aを備える。
装飾側軸部G412aは、後述する第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421を軸支する部分であり、軸形成部G412の周方向に所定の間隔で5個(第1装飾ユニットG420の配設個数)形成され、回転ギヤG421の第1被軸支部G421aよりも若干小さい外径に形成されると共に、突出先端側に回転ギヤG421を螺子止めするための雌ねじが形成される。
被軸支部G413は、花弁側伝達部材G430の軸支部G432が挿入される部分であり、軸支部G432の外径よりも若干大きい内径の円環形状に形成される。これにより、第1回転ベースG410に対して花弁側伝達部材G430の姿勢を維持した状態で回転させることができる。
第2回転ベースG460は、正面視略円環状に形成される円盤部G461と、その円盤部G461の内周縁に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される正面側立設部G462と、その正面側立設部G462の内周面に刻設される複数の歯G463と、円盤部G461の外周縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される背面側立設部G464と、その背面側立設部G464の立設先端部の一部の複数個所(本実施形態では5か所)から背面側に向かって突出される螺子締結部G465とを主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。
円盤部G461は、正面視略円盤形状に形成される外径が第1固定ユニットG450の固定部材G452の外径よりも大きく形成される。また、背面側立設部G464の背面側(矢印B方向側)への立設距離は、第1固定ユニットG450の固定部材G452の前後方向(矢印F-B方向)における厚みよりも大きく設定される。これにより、第2回転ベースG460の円盤部G461と背面側立設部G464とにより形成される空間の内側に第1固定ユニットG450の固定部材G452を配設することができる(図206(b)参照)。
正面側立設部G462は、外周面に周方向に沿って所定の間隔で凹設される係合凹部G462a(図219(a)参照)を備える。係合凹部G462aは、後述する第2固定ユニットG470の係合片G477bが係合される部分であり、正面側立設部G462の外周面に軸GO側に向かって凹設され、その凹設面が周方向の一方側と他方側とで異なる形状に形成される。なお、係合凹部G462aについての詳しい説明は後述する。
歯G463は、後述する第2固定ユニットG470に配設される第1従動ギヤG474a,抵抗ギヤG475bの歯が歯合される部分であり、円盤部G461の内周縁に沿って全周に亘って形成される。これにより、第2回転ベースG460が回転されることに伴って第2固定ユニットG470に配設される第1従動ギヤG474a,抵抗ギヤG475bを回転させることができる。
なお、歯G463は、正面側立設部G462の内周面に凹設して形成されており、円盤部G461の内周面に非形成とされる。円盤部G461には歯G463を非形成とすることにより、円盤部G461の内周面を摺動面として利用することができ、カラーG476aを円盤部G461の内周面に沿って配置することで、第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460を回転させることができる。
背面側立設部G464は、外周面に凹凸状に形成される光拡散部G464aが形成される。また、上述したように、第2回転ベースG460の円盤部G461と背面側立設部G464とにより形成される空間の内側に第1固定ユニットG450の固定部材G452が配設されるので、固定部材G452を介して固定部材G452に配設される基板部材G440のLEDG441から出射される光を第1固定ユニットG450に入射させやすくできる。この場合、背面側立設部G464に光拡散部G464aが形成されるので、第2回転ベースG460に入射されたLEDG441の光を光拡散部G464aにより径方向外側に向かって拡散して出射させることができる。
螺子締結部G465は、上述したように第1回転ベースG410の螺子挿通部G411bを挿通させた螺子を締結する部分であり、背面側(矢印B方向側)の端部に雌ねじが形成される。これにより、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とが締結され、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とを軸GOを中心に一体に回転可能に構成される。
第2固定ユニットG470は、正面視円環状に形成される正面側光拡散部G471と、その正面側光拡散部G471の外周縁から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される側面側光拡散部G472と、を主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。
正面側光拡散部G471は、背面側から入射されるLEDG441の光を正面側に拡散して出射するための光拡散部であり、正面側が凹凸状に形成される。側面側光拡散部G472は、その側面側光拡散部G472の径方向内側から入射される光を径方向外側に拡散して出射するための光拡散部であり、外周面が凹凸状に形成される。これら正面側光拡散部G471及び側面側光拡散部G472により、基板部材G440の光を花回転ユニットG400の正面側および正面視における花回転ユニットG400の周囲に拡散することができる。
また、正面側光拡散部G471は、正面視(矢印B方向視)における中央部(軸GO側)に円形に形成される開口部G473と、背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出するギヤ保持部G474と、背面側から円柱状に突出する3か所のカラー保持部G476と、背面側を凹設して形成される凹部G475とを主に備える。
開口部G473は、第2装飾ユニットG480を転可能に保持するためのカラーG476aが挿入される開口であり、カラーG476aの小径部よりも若干小さい内径に形成される。なお、カラーG476aには、第2装飾ユニットG480の連結部G481がカラーG476aの内周面と若干の隙間を有した状態で挿入される。また、カラーG476aに挿入された連結部G481の先端は、第2固定ユニットG470の背面側(矢印B方向側)に配設される第2従動ギヤG473bの側面に締結固定される。これにより、第2固定ユニットG470に対して第2装飾ユニットG480が回転可能な状態で保持される。
ギヤ保持部G474は、後述する第1従動ギヤG474aを軸支する部分であり、第1従動ギヤG474aの内径よりも若干小さな外径に形成される。なお、第1従動ギヤG474aは、第2回転ベースG460の歯G463に歯合される。従って、第2固定ユニットG470に対して、第2回転ベースG460が回転されると、その第2回転ベースG460の回転に伴って第1従動ギヤG474aが回転される。
また、第1従動ギヤG474aには、第2装飾ユニットG480に締結固定される第2従動ギヤG473bが歯合されており、第1従動ギヤG474aの回転に伴って第2従動ギヤG473bが回転可能とされる。即ち、第2回転ベースG460が第2固定ユニットG470に対して回転されると、第2装飾ユニットG480が第2回転ベースG460の回転方向と反対方向に回転される。
カラー保持部G476は、第2回転ベースG460を回転可能に保持するためのカラーG476aが配設される突起であり、カラーG476aの内径よりも若干小さい外径に形成される。また、カラーG476aは、第2回転ベースG460の円盤部G461の内周面に沿って(円盤部G461の内縁側に)配置される。これにより、第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460を回転可能な状態で配設できる。
さらに、カラーG476aは、第1固定ユニットG450の凹設部G452cに背面側の大径部が収容される。また、カラーG476aの内側に配置されるカラー保持部G476には、凹設部G452cを挿通した螺子が締結される。これにより、第1固定ユニットG450と第2固定ユニットG470とが締結固定される。
凹部G475は、第2回転ベースG460が第2固定ユニットG470に対して回転しすぎることを抑制するために第2回転ベースG460の回転に抵抗を付与する抵抗手段G475aが配設される凹部であり、抵抗手段G475aと対応する大きさに凹設される。
また、抵抗手段G475aには、抵抗ギヤG475bが回転可能な状態で軸支されると共に、その抵抗ギヤG475bの歯が第2回転ベースG460の歯G463に歯合する位置に配設される。よって、第2回転ベースG460が第2固定ユニットG470に対して回転する場合に、抵抗ギヤG475bが回転される。抵抗ギヤG475bには抵抗手段G475aから一定の回転抵抗が作用されるので、第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460が回転する際に、第2回転ベースG460に抵抗手段G465aから一定の回転抵抗が作用される。これにより、第2回転ベースG460が駆動モータG830の駆動力が切断された後も、その慣性力によって回転が継続されることを抑制できる。即ち、駆動モータG830の駆動力を切断持に第2回転ベースG460の回転を停止することができる。
また、第2固定ユニットG470の背面側(矢印B方向側)には、逆回転規制ユニットG477が配設される。逆回転規制ユニットG477は、背面側カバーG477aと、その背面側カバーG477aに回転可能な状態で支持される係合片G477bと、係合片G477bを付勢するねじりバネG477cとを主に備えて形成される。
係合片G477bは、正面視略矩形の板状に形成されると共に、第2回転ベースG460の正面側立設部G462の外周面に当接可能な状態で配設される。また、係合片G477bは、第2回転ベースG460の外周面に対して所定の位置で係合可能とされ、この係合により、第2回転ベースG460の第2固定ユニットに対する所定の方向(矢印GL方向(図219参照))への回転が規制される。なお、係合片G477bと正面側立設部G462との係合について詳しい説明は後述する。
第2装飾ユニットG480は、正面視において略円形、詳細には花を模した形状に形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。また、第2装飾ユニットG480には、光を透過可能な塗料により、正面側に塗装が施される。よって、第2装飾ユニットG480は、背面側から入射する光を正面側に透過可能とされる。
また、第2装飾ユニットG480は、背面側の中央部に突出する連結部G481を備える。連結部G481は、上述したように、第2固定ユニットG470のカラーG476aに挿入されと共に、第2固定ユニットG470の第2従動ギヤG473bに締結される部分であり、カラーG476aの内周面と若干の隙間を有する大きさに形成される。これにより、第2装飾ユニットG480は、連結部G481を軸に(軸GOを中心に)第2固定ユニットG470に対して回転可能とされる。
なお、第8実施形態における第2装飾ユニットG480は、正面視において略円形に形成されるが、角形状や異形状に形成されるものであっても良い。また、第2装飾ユニットG480は、光を透過可能な樹脂材料から形成されるものではなく、正面側(矢印F方向側)側面および背面側(矢印B方向側)の側面に光を反射する装飾が施され、光を非透過に形成されるものであっても良い。
次いで、図210を参照して、第1装飾ユニットG420について説明する。図210(a)は、図207(a)のY25a方向視における第1装飾ユニットG420の側面図であり、図210(b)は、第1装飾ユニットG420の分解正面斜視図である。
なお、以下の説明では、図210(a)に示す状態の第1装飾ユニットG420に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図210(a)に示す状態の第1装飾ユニットG420に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側として、それぞれ説明する。
図210に示すように、第1装飾ユニットG420は、ギヤ歯が形成される回転ギヤG421と、その回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422と、その第1継手部材G422に配設される変位ユニットG426と、第1継手部材G422と変位ユニットG426との間に配設される第2継手部材G423と、その第2継手部材G423に配設される伝達部材G424と、その伝達部材G424に配設される被摺動部材G425とを主に備えて形成される。
回転ギヤG421は、第1回転ベースG410(図208参照)の装飾側軸部G412aに配設されるギヤであり、装飾側軸部G412aが挿通可能に貫通される第1被軸支部G421aと、外周面に刻設される歯G421bと、装飾側軸部G412aが挿入される側と反対面から突出する一対の連結部G421cとを主に備えて形成される。
第1被軸支部G421aは、装飾側軸部G412aの外径よりも若干大きい内径の貫通孔として形成される。回転ギヤG421は、図210(a)に示す左側(矢印L方向側)から第1被軸支部G421aに装飾側軸部G412aを挿通させると共に、第1被軸支部G421aを挿通させた装飾側軸部G412aの先端に第1被軸支部G421aの内径よりも大きい外径の頭部を有する螺子を締結することで、装飾側軸部G412aを軸として第1回転ベースG410に対して回転可能な状態で配設される。
歯G421bは、正面側ベース部材G810(図205参照)の刻設部G811aに歯合する歯であり、刻設部G811aと対応する形状に形成される。回転ギヤG421は、第1回転ベースG410(図207(b)参照)に軸支された状態で、第1固定ユニットG450(図207(b)参照)の棒部材G451が背面側ベース部材G820(図205参照)に挿入され固定される(花回転ユニットG400が正面側ベース部材G810及び背面側ベース部材G820に配設される)ことで、刻設部G811aに歯合される。
なお、刻設部G811aは、花回転ユニットG400が正面側ベース部材G810に対して回転した際の回転ギヤG421の回転軌跡と重なる位置に形成される。従って、回転ギヤG421は、花回転ユニットG400が正面側ベース部材G810に対して回転することに伴って、装飾側軸部G412aを軸として第1回転ベースG410に対して回転される。
連結部G421cは、板状に形成されると共に、その板状に形成された一面が第1被軸支部G421aを挟んで対向した状態で形成される。また、一対の連結部G421cは、対向する方向に貫通する第2被軸支部G421c1を備えており、その第2被軸支部G421c1に連結棒G421dが回転可能な状態で挿通される。
連結棒G421dは、第1継手部材G422を回転ギヤG421に連結するための部材であり、第2被軸支部G421c1に挿通可能な外径の円柱状に形成される。また、連結部G421cは、円柱状に形成される軸方向中央部に径方向に貫通する第3被軸支部G421d1と、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G421d2とを備える。
第3被軸支部G421d1は、後述する第1継手部材G422の連結棒G422cが挿通される部分であり、連結棒G422cよりも大きい外径に形成される。この第3被軸支部G421d1に連結棒G422cが挿通されることで、回転ギヤG421と第1継手部材G422とが連結される。これにより、第1継手部材G422は、回転ギヤG421が第1回転ベースG410に対して回転されることに伴って回転される。
止め輪保持部G421d2は、止め輪G421eが外嵌される部分であり、第2被軸支部G421c1に連結棒G421dが挿入された状態で止め輪G421eが連結棒G421dの両端に外篏されることで、第2被軸支部G421c1から連結棒G421dが抜け出ることが規制される。
なお、第8実施形態における連結棒G421d及び止め輪G421eは、金属製の材料から形成されており、連結棒G421dが連結部G421cに対して回転した際に破損することが抑制される。また、第8実施形態における連結棒G421dは、止め輪G421eにより止められるが、連結棒G421dの端部に螺子を締結して第2被軸支部G421c1から抜け出ることが規制されるものであっても良い。
第1継手部材G422は、円盤状に形成される第1連結部G422aと、その第1連結部G422aの一面から突出する一対の第2連結部G422bとを主に備えて形成される。
第1連結部G422aは、第1継手部材G422と変位ユニットG426とを連結する部分であり、円盤状に形成される中央部に変位ユニットG426の軸部G427を挿入する凹部G422a1が凹設される。
凹部G422a1は、変位ユニットG426の軸部G427の端部と同形状のD字状に凹設される。また、凹部G422a1には、変位ユニットG426の軸部G427の端部が圧入される。これにより、第1継手部材G422と変位ユニットG426とが連結され、第1継手部材G422の回転に伴って変位ユニットG426を回転させることができる。
第2連結部G422bは、板状に形成されると共に、その板状に形成された一面が凹部G422a1を挟んで対向した状態で形成される。また、一対の第2連結部G422bは、対向する方向に貫通する被軸支部G422b1を備えており、その被軸支部G422b1に連結棒G422cが回転可能な状態で挿通される。
連結棒G422cは、回転ギヤG421の連結棒G421dと連結される部材であり、連結棒G421dの第3被軸支部G421d1の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。連結棒G422cは、上述したように第3被軸支部G421d1に挿通されることで、回転ギヤG421の連結棒G421dに連結される。これにより、第1継手部材G422は、回転ギヤG421が第1回転ベースG410に対して回転されることに伴って回転される。
また、連結棒G422cは、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G422c1を備える。止め輪保持部G422c1は、止め輪G422dが外嵌される部分であり、被軸支部G422b1に連結棒G422cが挿入された状態で止め輪G422dが連結棒G422cの両端に外篏されることで、被軸支部G422b1から連結棒G422cが抜け出ることが規制される。
なお、第8実施形態における連結棒G422c及び止め輪G422dは、金属製の材料から形成されており、連結棒G422cが被軸支部G422b1に対して回転した際に破損することが抑制される。また、第8実施形態における連結棒G422cは、止め輪G42dにより止められるが、連結棒G422cの端部に螺子を締結して被軸支部G422b1から抜け出ることが規制されるものであっても良い。
被摺動部材G425は、花弁側伝達部材G430(図208参照)に連結される部材であり、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aと、その摺動部G425aの反対側(下方側)に貫通形成される被軸支部G425bとを主に備える。
摺動部G425aは、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの溝幅よりも小さい外径の円柱状に形成され、摺動溝G431aに挿通可能とされる。また、摺動部G425aは、摺動溝G431aに挿通される際に基端側に第1カラーG425a1(図208参照)が配設されると共に、摺動溝G431aに挿通された先端側に第2カラーG425a2(図208参照)が配設される。即ち、花弁側伝達部材G430の伝達部G431の前後方向(矢印F-B方向)を第1カラーG425a1と第2カラーG425a2とで挟んだ状態で、摺動部G425aが摺動溝G431aに挿入される。これにより、摺動部G425aに対して花弁側伝達部材G430が前後方向に揺れ動くことを抑制でき、摺動溝G431aの内側を摺動部G425aが摺動する際の抵抗を低減できる。
被軸支部G425bは、被摺動部材G425と伝達部材G424とを連結する部分であり、伝達部材G424に配設される第1連結棒G424cを挿通可能な内径の貫通孔として形成される。
伝達部材G424は、一対の板状の部材から形成されると共に、互い一面側を対向した状態で配設される。また、伝達部材G424は、被摺動部材G425と第2継手部材G423とを連結する部材であり、被摺動部材G425と伝達部材G424とを連結するための第1被軸支部G424aと、第2継手部材G423と伝達部材G424とを連結するための第2被軸支部G424bとを備える。
第1被軸支部G424aは、第1連結棒G424cが挿通される貫通孔であり、第1連結棒G424cを挿通可能な内径に形成されると共に、一対の伝達部材G424の対向する方向に貫通される。
第1連結棒G424cは、一対の伝達部材G424の間に被摺動部材G425(被軸支部G425b)を挟んだ状態で、伝達部材G424の第1被軸支部G424aと被摺動部材G425の被軸支部G425bとに挿通される。これにより、被摺動部材G425と伝達部材G424とが連結される。
また、第1連結棒G424cは、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G424c1を備える。止め輪保持部G424c1は、止め輪G424dが外嵌される部分であり、第1被軸支部G424aと被軸支部G425bとに第1連結棒G424cが挿入された状態で止め輪G424dが第1連結棒G424cの両端に外篏されることで、第1被軸支部G424aと被軸支部G425bとから第1連結棒G424cが抜け出ることが規制される。
なお、伝達部材G424と被摺動部材G425とは、第1連結棒G424cに対して回転可能に連結される。従って、後述する被摺動部材G425の変位に伴って被摺動部材G425に対して伝達部材G424の姿勢を変更することができる。
第2被軸支部G424bは、第2連結棒G424eが挿通される貫通孔であり、第2連結棒G424eを挿通可能な内径に形成されると共に、一対の伝達部材G424の対向する方向に貫通される。
第2連結棒G424eは、一対の伝達部材G424の間に第2継手部材G423(第1貫通孔G423a)を挟んだ状態で、伝達部材G424の第2被軸支部G424bと第2継手部材G423の第1貫通孔G423aとに挿通される。これにより、伝達部材G424と第2継手部材G423とが連結される。
また、第2連結棒G424eは、第1連結棒G424cと同様に、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G424e1を備える。止め輪保持部G424e1は、止め輪G424fが外嵌される部分であり、第2被軸支部G424bと第1貫通孔G423aとが挿入された状態で止め輪G424fが第2連結棒G424eの両端に外篏されることで、第2被軸支部G424bと第1貫通孔G423aとから第2連結棒G424eが抜け出ることが規制される。
なお、伝達部材G424と第2継手部材G423とは、第2連結棒G424eに対して回転可能に連結される。従って、伝達部材G424の変位(被摺動部材G425に対する姿勢の変化)に伴って伝達部材G424に対して第2継手部材G423の姿勢を変更することができる。
また、本実施形態における第1連結棒G424c、第2連結棒G424e、止め輪G424d,G424fは、金属製の材料から形成されており、第1連結棒G424c及び第2連結棒G424eが第1被軸支部G424a及び第2被軸支部G424bに対して回転した際に破損することが抑制される。
第2継手部材G423は、伝達部材G424と変位ユニットG426とを連結するための部材であり、矩形の立方体から形成される。また、第2継手部材G423は、異なる方向に貫通する第1貫通孔G423a及び第2貫通孔G423bを備える。なお、第1貫通孔G423aと第2貫通孔G423bとは、互いにずれた位置に形成される。
第1貫通孔G423aは、上述したように第2連結棒G424eが挿通される貫通孔であり、第2連結棒G424eを挿通可能な内径に形成される。第1貫通孔G423aに伝達部材G424の第2被軸支部G424bを挿通した第2連結棒G424eを挿通させることで、伝達部材G424と第2継手部材G423とが連結される。
第2貫通孔G423bは、変位ユニットG426の軸部G427が挿通される貫通孔であり、軸部G427を挿通可能な内径に形成される。第2貫通孔G423bに軸部G427を挿通することで、第2継手部材G423を介して伝達部材G424と変位ユニットG426とが連結される。これにより、伝達部材G424が変位されると、その伝達部材G424の変位に伴って変位ユニットG426を変位させることができる。
変位ユニットG426は、湾曲する板状に形成され、その湾曲する内側(矢印L方向側)の第1装飾面G426aと、その第1装飾面G426aと反対側(矢印R方向側)の側面の第2装飾面G426bと、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとの正面側(矢印F方向側)の端部同士を繋ぐ第1端面G426cと、その第1端面G426cの反対側(矢印B方向側)に形成され軸部G427に連結される連結部G426dとを主に備える。
なお、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b,第1端面G426cに金や銀等の反射率の高い装飾が施される。これにより、変位ユニットG426に照射される光を反射することができる。なお、変位ユニットG426の光の反射についての詳しい説明は後述する。
また、第8実施形態における変位ユニットG426は、正面視において花弁側伝達部材G430(第2装飾ユニットG480)に沿って湾曲する板状に形成されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、平板状や棒状(円柱状)に形成されるものであっても良い。また、第8実施形態における変位ユニットG426は、透明な樹脂材料で形成され、第1装飾面G426a,第2装飾面G426bから入射する光を透過して第1装飾面G426a,第2装飾面G426bから出射することで、透過する光による演出を遊技者に視認させるものであっても良い。
連結部G426dは、軸部G427を変位ユニットG426に連結するための部分であり、湾曲形成される変位ユニットG426の湾曲方向の内方側(矢印L方向側)に張り出して形成される。これにより、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b及び第1端面G426cを軸部G427の軸線上から外れた位置に配置することができる。これにより、軸部G427を軸に変位ユニットG426を回転させた際に、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b及び第1端面G426cを前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。
なお、連結部G426dには、軸部G427の上方側(矢印U方向側)の端部を挿入するための凹部(図示しない)が形成されており、その凹部に軸部G427の上方側の端部が圧入されることにより変位ユニットG426と軸部G427とが連結される。
次いで、図211及び図212を参照して、第1装飾ユニットG420の変位について説明する。なお、以下の説明では、図211(a)に示す第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の位置を起立位置として、図211(c)に示す第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の位置を傾倒基準位置(起立位置から第1装飾ユニットG420が倒れた状態の位置)として説明する。
初めに、図211を参照して変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位について説明する。図211(a)から図211(c)は、第1装飾ユニットG420の側面図であり、図207(a)のY25a方向視における側面図と対応する。なお、図211(a)から図211(c)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位する遷移状態が順に図示される。また、図211(a)から図211(c)では、花弁側伝達部材G430(図213(a)参照)の摺動溝G431aの内側端部G431a1及び外側端部G431a2の位置が2点鎖線で図示される。
図211(a)に示すように、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの内側端部G431a1に当接する位置に摺動部G425aが配設される状態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第1端面G426cを遊技者側(正面側(矢印F方向側)に向けた状態で配設される。
なお、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置に配置される状態では、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが花回転ユニットG400の軸GO側に向けて配置されており、正面視における花回転ユニットG400が縮小した状態とされる(図213参照)。
図211(b)及び図211(c)に示すように、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの内側端部G431a1に当接した位置から摺動部G425a(被摺動部材G425)が外側端部G431a2側(矢印R方向側)まで移動されると、その摺動部G425a(被摺動部材G425)の変位に伴って、被摺動部材G425に連結される伝達部材G424が第1連結棒G424cを軸として被摺動部材G425に対する姿勢を変えつつ外側端部G431a2側に変位される。
そして、伝達部材G424が変位されることにより、伝達部材G424に連結される第2継手部材G423が変位される。上述したように、第2継手部材G423には第2貫通孔G423bに変位ユニットG426の軸部G427が挿通されているので、第2継手部材G423の変位に伴って変位ユニットG426が変位される。
変位ユニットG426は、軸部G427が第1継手部材G422に連結され、第1継手部材G422は、回転ギヤG421に対して連結棒G421dを軸として回転可能に配設される。従って、被摺動部材G425の変位に伴って駆動力が変位ユニットG426まで伝達されると、変位ユニットG426は、連結棒G421dを軸として傾倒される。
連結棒G421dを軸とする変位ユニットG426の傾倒は、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの外側端部G431a2に摺動部G425aが当接することで規制される。なお、本実施形態では、連結棒G421dを軸として変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に約60度回転され、傾倒基準位置において第1装飾面G426aを正面側(矢印F方向側)に向けた状態とされる。
次いで、図212(a)から図212(d)を参照して、傾倒基準位置に配設される変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される場合について説明する。図212(a)から図212(d)は、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置された状態における第1装飾ユニットG420の側面図であり、図207(a)のY25a方向視における側面図と対応する。
なお、図212(a)から図212(d)では、傾倒基準位置に配置された変位ユニットG426が軸部G427を軸に回転された際の遷移状態が順に図示され、図212(a)に示す状態を傾倒基準位置として、順に90度ずつ回転された状態が図示される。また、本実施形態では、変位ユニットG426が軸部G427を軸に回転される場合に変位ユニットG426(第1装飾ユニットG420)が第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470(図208参照)の周囲を回転するが、ここでの説明では、図212(a)に示す図示を形式的に側面図として、図212(b)から図212(d)についても同様に側面図として説明する。
図212(a)から図212(d)に示すように、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置(図212(a)に示す位置)に変位された位置から回転ギヤG421が回転されると、その回転ギヤG421の回転に伴って、回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422が回転される。第1継手部材G422には、凹部G422a1に変位ユニットG426の軸部G427(図210(b)参照)が連結されるので、第1継手部材G422が回転されることにより変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される。
これにより、第1装飾面G426aを正面側(矢印F方向側)に向けた位置(傾倒基準位置)から変位ユニットG426が回転して、第2装飾面G426bを正面側に向けた位置(以下の説明では「傾倒半回転位置」と称す)に変位ユニットG426を回転させることができる。即ち、遊技者に視認させられる変位ユニットG426の表示面を変更することができる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。
また、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bは、軸部G427の軸心とずれた位置に形成される。従って、軸部G427を軸に変位ユニットG426を回転させると、装飾面(第1装飾面G426a及び第2装飾面G426b)の前後方向の位置を変位させることができる。
詳しく説明すると、図212(a)に示す傾倒基準位置では、第1装飾面G426aが軸部G427の軸心の延長線上よりも背面側(矢印B方向側)に位置して遊技者に視認され、図212(c)に示す傾倒半回転位置では、第2装飾面G426bが軸部G427の軸心の延長線上よりも正面側(矢印F方向側)に位置して遊技者に視認される。これにより、変位ユニットG426の変位に前後方向の動きを付与することができるので、遊技者の興趣を向上できる。
なお、図212(a)から図212(d)に示す位置まで変位ユニットG426が約270度回転したあとは、さらに回転ギヤG421の回転が継続されることで、図212(a)に示す回転基準位置まで回転される。即ち、変位ユニットG426は、回転ギヤG421の回転により軸部G427を軸とする回転が継続される。
次いで、図213及び図214を参照して、変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位させる際の駆動手段の駆動力の伝達について説明する。
図213(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図213(b)は、図213(a)のX26b線における花回転ユニットG400の断面図である。図214(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図214(b)は、図214(a)のX27b線における花回転ユニットG400の断面図である。
なお、図213及び図214では、理解を容易とするための花回転ユニットG400の基板部材G440よりも正面側(矢印F方向側)に配設される部材(基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480(図208参照)の図示が省略される。また、図213(a)及び図214(a)では、花弁側伝達部材G430の背面側の第2摺動溝G411aが鎖線で図示される。さらに、図213及び図214では、軸GOを中心とする正面視右回りの回転に矢印GRの符号が付して図示され、軸GOを中心とする正面視左回りの回転に矢印GLの符号が付して図示される。
初めに、上述したように、花弁側伝達部材G430は、軸支部G432(図208参照)が正面側ベース部材G810(図205参照)と背面側ベース部材G820(図205参照)との対向間に配設される従動ギヤG847(図205参照)に締結される。従って、従動ギヤG842~G846を介して従動ギヤG847が駆動モータG830の駆動力により回転されると、花弁側伝達部材G430が回転される。
花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aには、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが挿入されるので、図213(a)及び図214(a)に示すように、花弁側伝達部材G430が正面視右回り(矢印GR方向)に回転されると、摺動部G425aが摺動溝G431aの第1摺動面G431a3に沿って軸GOの径方向外側に押し出される。
この場合、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aには、花弁側伝達部材G430の背面側(矢印B方向側)が第1回転ベースG410の第2摺動溝G411aに挿入されるので、摺動部G425aが摺動溝G431aの第1摺動面G431a3により押し出されると、摺動部G425aは、第2摺動溝G411aに沿って軸GOの径方向外側に向かって移動される。これにより、上述した図211(a)から図211(c)に示すように、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位される。
なお、起立位置から傾倒基準位置に変位ユニットG426が変位される場合には、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが第1回転ベースG410の第2摺動溝G411aに沿って変位される。そのため、正面視(矢印B方向視)における軸GOを中心とする周方向(矢印GR方向や矢印GL方向)に第1装飾ユニットG420を変位させることなく、連結棒G421dを軸として変位ユニットG426を傾倒基準位置に変位させることができる。
また、図213及び図214に示すように、本実施形態では、変位ユニットG426が遊技盤H13(図196参照)の連結棒G421dを軸として回転可能に配設され、起立位置と傾倒基準位置との間で変位させることにより、正面視における変位ユニットG426の姿勢を変えることができるので、起立位置では正面視における外形を小さくできると共に、傾倒位置では正面視における外形を大きくできる。
これにより、花回転ユニットG400の正面視における外形を小さくするために、変位ユニットG426を他の部材(例えば、第2装飾ユニットG480)の背面側に隠す必要がなくなるので、変位ユニットG426を隠す部材の正面視における外形の大きさに関係なく変位ユニットG426の外形の大きさを変更することができる。
詳しく説明すると、花回転ユニットG400(第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480)において、第2装飾ユニットH480が第1装飾ユニットG420の外側に張り出され第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とが共に視認可能とされる拡大状態と、第2装飾ユニットG480を第1装飾ユニットG420に近づけて第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が視認不能とされる縮小状態とを形成し、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480との全体としての視覚上の大きさを変化させる演出が行われる。
しかしながら、この場合、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480の背面側(矢印B方向側)にスライド変位させて、第2装飾ユニットG480により第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を視認不能として縮小状態を形成する一方、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480の外方にスライド変位させて、第1装飾ユニットG420の所定の領域を視認可能として拡大状態を形成するものであると、第2装飾ユニットG480の背面側に第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を配置するため、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の正面視における外形を第2装飾ユニットG480の正面視における外形よりも小さくする必要があり(第2装飾ユニットG480の外形の大きさに依存するため)、変位ユニットG426の外形を大型化することが困難であるという問題がある。
即ち、第2装飾ユニットG480の正面視における外形を大きくすると、その分、他の部材の配設スペースが減少される。即ち、第2装飾ユニットG480の外形の大型化に伴い花回転ユニットG400全体の正面視における外形が大きくなり、他の部材に干渉しやすくなる。
一方、第1装飾ユニットG420の正面視における大きさを小さくしたのでは、その分遮蔽できる面積が小さくなるため、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が小さくなり、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる(拡大状態とした)際の大きさを大きくすることができない。
これに対し、本実施形態では、花回転ユニットG400の正面視における外形を小さくする際に、変位ユニットG426の姿勢を変えて、正面視における変位ユニットG426の外形を小さくすることができる。
即ち、第1装飾ユニットG420が変位されることで、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外側を向く状態(起立位置に配置された状態)と、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側(矢印F方向側)を向く状態(傾倒基準位置に配置された状態)とを形成可能に構成されるので、他の部材を配設するスペースを確保しつつ、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる際の大きさを大きくできる。
具体的には、第2装飾ユニットG480の正面視における大きさ(外形)を小さくできるので、その分、他の手段(部材)を配設するスペースを確保できる。また、他の手段(部材)を相対的に変位させる際に、他の部材が第2装飾ユニットG480(第1装飾ユニットG420)と干渉し難くでき、他の部材を相対的に変位させる演出の自由度を向上できる。
一方、第2装飾ユニットG480の正面視における大きさを小さくしても、第2装飾ユニットG480の正面視における大きさが第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の大きさに依存しないので、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を大きくできる。よって、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる際の大きさを大きくすることができる。
言い換えると、パチンコ機H10の役物が配設される空間は、上下左右方向に比べて前後方向(正面と背面とを結ぶ方向)のスペースに比較的余裕があるところ、その前後方向のスペースの利用して、第2装飾ユニットG480を前後方向に長くすることで、第2装飾ユニットG480の正面視の大きさを小さくできると共に、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の大きさを大きくできる。これにより、他の手段(部材)を配設するスペースを確保しつつ、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる際の大きさを大きくできる。また、縮小状態は小さく、拡大状態は大きくでき、縮小状態と拡大状態との間の正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
また、変位ユニットG426は、起立位置で第1装飾面G426aが軸GO側に向けて配置され(図207(b)参照)、傾倒基準位置で第1装飾面G426aが正面側(矢印F方向側)に向けられて配置される。上述したように第1装飾面G426aには、光を反射可能な装飾が施されているため、起立位置に配置される場合と、傾倒基準位置に配置される場合とで光の反射方向を変更することができる。
詳しく説明すると、変位ユニットG426が起立位置に配置され、第1固定ユニットG450、第2回転ベースG460、又は、第2回転ベースG460を介して基板部材G440から出射される光が第1装飾面G426aに照射される場合には、第1装飾面G426aが正面視において第2装飾ユニットG480側(軸GO側)に向けられているので、光が第2装飾ユニットG480側に向かって反射される。これにより、第2装飾ユニットG480を介して正面側(矢印F方向側)に向けて出射する光量を増やすことができる。その結果、第2装飾ユニットG480に注目させやすくできる。
一方、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置され、第1固定ユニットG450、第2回転ベースG460、又は、第2回転ベースG460を介して基板部材G440から出射される光が第1装飾面G426aに照射される場合には、第1装飾面G426aが正面側に向けられているので、光が遊技者側に反射される。これにより、第1装飾ユニットG420に注目させやすくできる。
即ち、第2装飾ユニットG480の背面側に配設され、光を発光可能に構成される基板部材G440を備え、第2装飾手段は、光透過性材料から構成され、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが光を反射可能に構成されるので、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側(矢印F方向側)を向く状態(拡大状態)とされた場合に、基板部材G440から発光され変位ユニットG426の第1装飾面G426aで反射した光を遊技者に視認させるだけでなく、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に向く状態とされた場合には、基板部材G4440から発光され変位ユニットG426で反射した光を第2装飾ユニットG480にその背面側(矢印B方向側)から入射させ、第2装飾ユニットG480を透過した光(第2装飾ユニットG480の正面側から出射される光を)遊技者に視認させることができる。これにより、光の視認態様を変化させ、演出効果を向上できる。
なお、第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の背面側にスライド変位させるものでは、縮小状態において基板部材G440から発光され変位ユニットG426で光を反射させても、その反射させた光が基板部材G440に遮られてしまい、第2装飾ユニットG480へ入射させることができないところ、本実施形態では、変位ユニットG426で反射された光を第2装飾ユニットG480及び基板部材G440にの正面視外側から回り込ませることができ、基板部材G440に遮られることなく、第2装飾ユニットG480の背面側(矢印B方向側)へ入射させることができる。
さらに、図213及び図214に示すように、起立位置から傾倒基準位置に変位する際の変位ユニットG426の回転軸(連結棒G421d)は、花弁側伝達部材G430の背面側(矢印B方向側)に重なる位置に配置される。そのため、第1装飾ユニットG420の回転軸(連結棒G421d)を遊技者側から視認しにくくできる。これにより、遊技者が第1装飾ユニットG420の機構を理解することで、第1装飾ユニットG420を変位させた際の遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図215から図218を参照して、軸部G427を軸として変位ユニットG426を傾倒基準位置から回転させる際の駆動手段の駆動力の伝達について説明する。
図215(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図215(b)は、図215(a)の矢印Y28b方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図215(c)は、図215(a)の矢印Y28c方向視における花回転ユニットG400の側面図である。図216(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図216(b)は、図216(a)の矢印Y29b方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図216(c)は、図216(a)の矢印Y29c方向視における花回転ユニットG400の側面図である。図217(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図217(b)は、図217(a)の矢印Y30b方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図217(c)は、図217(a)の矢印Y30c方向視における花回転ユニットG400の側面図である。図218(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図218(b)は、図218(a)の矢印Y31b方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図218(c)は、図218(a)の矢印Y31c方向視における花回転ユニットG400の側面図である。
なお、図215から図218では、傾倒基準位置に配置される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として90度ずつ回転された状態が順に図示される。また、図215から図218では、理解を容易とするための花回転ユニットG400の基板部材G440よりも正面側(矢印F方向側)に配設される部材(基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480(図208参照)の図示が省略される。
上述したように、起立位置から傾倒基準位置に変位する変位ユニットG426は、駆動モータG830の駆動力が伝達されて花弁側伝達部材G430が回転されることで、被摺動部材G425の摺動部G425aが第1摺動面G431a3に押し出される。この変位により、摺動部G425aは、摺動溝G431aの外側端部G431a2に当接する位置まで変位される。
この状態から、図215及び図216に示すように、駆動モータG830の駆動力の伝達を継続して軸GOを中心に花弁側伝達部材G430を正面視右回り(矢印GR方向)に回転させると、外側端部G431a2に当接する摺動部G425aが花弁側伝達部材G430の回転に伴って軸GOを中心とする花弁側伝達部材G430の回転方向(矢印GR方向)に変位される。即ち、花弁側伝達部材G430、第1装飾ユニットG420、及び、第1回転ベースG410までが一体となって、正面側ベース部材G810及び背面側ベース部材G820に対して軸GOを中心に正面視右回りに回転される。
第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421の歯G421bは、正面側ベース部材G810の刻設部G811aに歯合されているので、正面側ベース部材G810(正面側ベース部材G810)に対して第1装飾ユニットG420が軸GOを中心に回転されることで、第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421が装飾側軸部G412a(図214(b)参照)を軸として回転される。
上述したように、第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421が装飾側軸部G412aを軸として回転されると、その回転ギヤG421の回転に伴って、第1継手部材G422が回転されると共に、第1継手部材G422に軸部G427を介して連結される変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される。即ち、第1装飾ユニットG420は、軸GOを中心に正面視右回りに回転させられると共に、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させられる。
これにより、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位させて、花回転ユニットG400の正面視における視認可能領域を広げるだけでなく、その広げた視認可能領域で第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を複雑に変位させる(軸GOを中心に正面視右回りに回転させると共に、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させる)ことができる。
この場合、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位させたあと、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に回転させる(第2装飾ユニットG480の周りを周回(公転)させる)だけでは、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480の両者の相対変位が単調であり、十分な演出効果を得ることができない。
これに対し、第8実施形態における花回転ユニットG400では、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に回転させると共に、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させることができる。即ち、第1装飾ユニットG420は、第2装飾ユニットG480の周りを周回(公転)する(軸GOを中心に回転する)際に、軸部G427を軸に回転(自転)可能に構成されるので、両者の相対変位が単調となることを抑制でき、演出効果を高めることができる。
また、変位ユニットG426の第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bには、光を反射可能な装飾がされるので、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させる場合には、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bにより反射される光の方向へ変更することができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に注目させやすくでき、演出効果を高めることができる。
即ち、第1装飾ユニットG420は、軸部G427を軸に回転(自転)する際の回転中心を挟んで位置する第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bを備え、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bとが異なる態様に構成されるので、第2装飾ユニットG480の周りを第1装飾ユニットG420が周回(公転)する際に、第1装飾ユニットG420の異なる装飾面(第1装飾面G426a及び第2装飾面G426b)を交互に現出させることができる。これにより、例えば、視認される外形や反射される光の態様の変化を大きくして、演出効果を高めることができる。
さらに、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bが湾曲した形状に形成されるので、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとで光の反射態様が異ならせることができる。よって、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとの反射光による演出を異なる態様で遊技者に視認させることができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に注目させやすくでき、遊技者の興趣を向上できる。
なお、第8実施形態では、変位ユニットG426が軸GOから離れる方向に延びる軸(軸部G427の軸)を中心に回転(自転)される場合について説明したが、変位ユニットG426は、軸GOと平行に伸びる軸を中心に回転(自転)するものであっても良い。この場合、第1装飾面G426aへ光が照射される領域を一部にすることで、変位ユニットG426を回転(自転)させることで第1装飾面G426aに対する光の照射領域が変更され、第1装飾面G426aにより反射される反射光の反射態様を変更することができる。
また、第8実施形態では、花弁側伝達部材G430が軸GOを中心に約18度回転することで、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として約90度回転するように設定される。即ち、花弁側伝達部材G430が軸GOを中心に約72度回転することで、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として1回転するように設定される。
さらに、第1装飾ユニットG420は花弁側伝達部材G430(第1回転ベースG410)の軸GOを中心とする周囲に5個等間隔で配設される。即ち、隣り合う第1装飾ユニットG420と約72度の間隔を隔てて配設される。上述したように、第1装飾ユニットG420は、花弁側伝達部材G430が軸GOを中心に約72度回転することで、第1装飾ユニットG420が1回転するように設定されるので、正面視において変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置される位置を同一にできる(即ち、変位ユニットG426の第1装飾面G426aを遊技者に視認させる位置、及び、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを遊技者に視認させる位置を同じにできる)。
この場合、変位ユニットG426が傾倒基準位置となる位置の背面側(矢印B方向側)に重なる位置に正面側ベース部材G810のアーム部G812が配設される。即ち、前後方向(矢印F-B方向)における幅が小さくされる位置の背面側にアーム部G812が配設される。これにより、アーム部G812と変位ユニットG426との干渉を抑えつつ、アーム部G812を花回転ユニットG400に対して正面側に近づけて配置することができる。その結果、花弁動作装置G800が前後方向(矢印F-B方向)に大型化することを抑制できる。
また、第8実施形態では、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、同じ駆動モータG830の駆動力により行われるので、駆動手段(駆動モータG830)の配設数を少なくすることができる。その結果、製造コストを削減できると共に、花弁動作装置G800が大型化することを抑制できる。
さらに、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、異なるタイミングで行われる(即ち、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位をした後、変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される)ので、それぞれの駆動のタイミングが重なって、駆動力の伝達が不安となることを抑制できる。その結果、変位ユニットG426の変位が不安定となることを抑制できる。
なお、第8実施形態では、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、同じ駆動モータG830の駆動力により行われる場合について説明したが、これに限らず、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、それぞれ別の駆動手段の駆動力により変位されるように構成されていても良い。
この場合、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とに、駆動手段の駆動力を同時に付与することが可能になるので、起立位置から傾倒基準位置に変位させている途中に変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させ始めることができる。その結果、第1装飾ユニットG420に複雑な変位をさせることができ、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
次いで、図219から図221を参照して、第2装飾ユニットG480の回転について説明する。図219(a)及び図219(b)と図220(a)及び図220(b)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図221(a)から図221(d)は、従動ギヤG846からG848及び検出センサG814の背面図である。
なお、図219(a)から図220(b)では、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480が軸GOを中心に回転する遷移状態が順に図示され、図221(a)では、図219(a)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示され、図221(b)では、図219(b)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示され、図221(c)では、図220(a)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示され、図221(d)では、図220(b)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示される。
また、図219(a)から図220(b)では、第2装飾ユニットG480の全体が透明視され外形のみ2点鎖線で図示されると共に、第2固定ユニットG470の正面側光拡散部G471及び側面側光拡散部G472が透明視して図示される。さらに、図219(a)から図220(b)では、第2装飾ユニットG480の所定の1箇所を仮想点GAとして図示する。
上述したように、花弁側伝達部材G430の回転により第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転される際には、第1回転ベースG410に連結される第2回転ベースG460が第1回転ベースG410と共に軸GOを中心に正面視右回りに回転される。
第2回転ベースG460の歯G463には、第1従動ギヤG474aが歯合されており、第2回転ベースG460の回転により第1従動ギヤG474aが回転され、第1従動ギヤG474aに歯合する第2従動ギヤG473bが回転される。これにより、第2従動ギヤG473bに締結される第2装飾ユニットG480が回転させられる。
この場合、第2従動ギヤG473bと第2回転ベースG460の歯G463との間に奇数個(本実施形態では、1個)の第1従動ギヤG474aが配設されるので、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印R方向側)に回転される際に、第2装飾ユニットG480が軸GOを中心に正面視左回り(矢印L方向側)に回転される。即ち、正面視において第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とは反対方向に回転される。
従って、軸GOを中心に第1装飾ユニットG420が回転(公転)される際には、第2装飾ユニットG480に対する第1装飾ユニットG420の回転(公転)を遊技者に視認させることができる。そのため、第2装飾ユニットG480が実際よりも速い速度で回転しているように感じさせることができ、その結果、第1装飾ユニットG420の回転による演出効果を向上させることができる。
即ち、第1装飾ユニットG420の周回の速度と、第2装飾ユニットG480の回転の速度とが異なるので、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と第2装飾ユニットG480の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と同じ方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合に、第1装飾ユニットG420の周回の速度が第2装飾ユニットG480の回転の速度よりも遅くすることで、第1装飾ユニットG420が第1装飾ユニットG420と逆方向に周回していると遊技者に錯覚させることができる。また、例えば、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と反対方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合に、第1装飾ユニットG420の周回の速度が第2装飾ユニットG480の回転の速度よりも速くすることで、第1装飾ユニットG420の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させやすくし(見かけの速度をより速くして)、遊技者に第1装飾ユニットG420の周回(公転)を着目させやすくできる。
なお、本実施形態では、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とが正面視において反対方向に回転される場合について説明したが、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とを正面視において同じ方向に回転させるものであってもよい。即ち、第2従動ギヤG473bと第2回転ベースG460の歯G463との間に偶数個(例えば2個)の第1従動ギヤG474aを配設して、第2装飾ユニットG480を軸GOを中心に正面視右回り(矢印R方向)に回転させるものであっても良い。
この場合には、第2装飾ユニットG480に対する第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に視認させることで、第1装飾ユニットG420が実際よりも遅い速度で回転しているように感じさせることができる。そのため、花回転ユニットG400よりも他の演出(例えば、第3図柄表示装置H81の表示による演出)に注目させやすくできる。
即ち、第2装飾ユニットG480は、第1装飾ユニットG420の周回と同じ方向または反対方向へ回転可能に構成される連結部G481を備え軸GOを中心に回転(自転)可能に構成されるので、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と第2装飾ユニットG480の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と同じ方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合には、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と第2装飾ユニットG480の回転(自転)とを一体的に視認させ、遊技者に第1装飾ユニットG420の回転(自転)を着目させやすくできる一方、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と反対方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合には、第2装飾ユニットG480の回転(自転)の分、第1装飾ユニットG420の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させ(見かけの速度を速くして)、遊技者に第1装飾ユニットG420の周回(公転)を着目させやすくできる。
また、第2従動ギヤG473bに対して、第1従動ギヤG473aのギヤ比が約2倍に設定される。従って、図219(a)及び図219(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印R方向側)に約18度回転される際に、第2装飾ユニットG480は軸GOを中心に正面視左周り(矢印L方向側)に約36度回転される(図219の仮想点GA参照)。
即ち、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の回転量に対して、軸GOを中心とする第2装飾ユニットG480の回転量が大きく設定される。そのため、第1装飾ユニットG420が複雑な(軸GOを中心に正面視右回りに回転させると共に、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させる)変位をする場合であっても、第2装飾ユニットG480が回転していることを遊技者に認識させることができる。その結果、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の全体を遊技者に注目させることができ、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の変位による演出効果を向上できる。
なお、本実施形態では、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の回転量に対して、軸GOを中心とする第2装飾ユニットG480の回転量が大きく設定される場合について説明したが、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の回転量に対して、軸GOを中心とする第2装飾ユニットG480の回転量が小さく設定されても良い。
即ち、第2従動ギヤG473bに対して、第1従動ギヤG473aのギヤ比が半分に設定され、軸GOを中心に第1装飾ユニットG420が約18度回転される際に、軸GOを中心に第2装飾ユニットG480が約9度回転するようにしても良い。この場合には、第2装飾ユニットG480の回転を遊技者に認識させにくくできるので、第2装飾ユニットG480に対して第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に注目させやすくできる。その結果、遊技者の視線を一部に注目させやすくできる。
次いで、図219から図221を参照しつつ、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転され(変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転され)た位置から、第1装飾ユニットG420が軸GOを中心に正面視左回り(矢印GL方向)に回転されて変位ユニットG426が傾倒基準位置(図219(a)に示す位置)に変位される場合について説明する。
図219(a)及び図219(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として傾倒基準位置から約90度回転された際には、第2回転ベースG460が正面側立設部G462の外周面に係合片G477bを当接した状態で回転して、第2回転ベースG460の係合凹部G462aの内側から係合片G477bが抜け出され、正面側立設部G462に所定間隔を隔てて複数個所に形成される係合凹部G462aの間に係合片G477bが配置された状態とされる。
図219(b)に示す状態から図219(a)に示す傾倒基準位置に第1装飾ユニットG420を戻すためには、駆動モータG830の駆動方向を反対方向にして花弁側伝達部材G430を正面視左回り(矢印GL方向)に回転させる。これにより、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aに挿入される第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが摺動溝G431aの第2摺動面G431a4に押し出されて第1回転ベースG410が正面視左回りに回転される。従って、第1回転ベースG410の正面視左回りの回転に伴って第1装飾ユニットG420を変位させて、第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421を回転させることで、変位ユニットG426を傾倒基準位置まで戻す方向に軸部G427を軸として回転させることができる。
この場合、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置まで回転されると第1回転ベースG410の正面視左回り(矢印GL方向)の回転に伴って第2回転ベースG460も正面視左回りに回転され、正面側立設部G462の係合凹部G462aが係合片G477bと対応する位置に変位され、係合凹部G462aと係合片G477bとが係合される。即ち、係合片G477b及び係合凹部G462aは、第2回転ベースG460が正面視右回りの回転をされる場合に係合しない(引っ掛からない)形状に形成され、第2回転ベースG460が正面視左回りに回転される場合に係合する(引っ掛かる)形状に形成される。これにより、傾倒基準位置からの第2回転ベースG460の軸GOを中心とする正面視左回り(矢印GL方向)の回転が規制される。よって、第2回転ベースG460に連結される第1回転ベースG410の回転も規制される。
なお、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置まで回転された後、駆動モータG830の同方向への駆動が継続される(花弁側伝達部材G430の正面視左回り(矢印GL方向)の回転が継続される)場合には、第1回転ベースG410の回転が規制されることにより、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが摺動溝G431aの第2摺動面G431a4に押し出されて傾倒基準位置から起立位置まで変位される。
詳しく説明すると、第1回転ベースG410の回転が規制されることにより、花弁側伝達部材G430が第1回転ベースG410に対して相対変位される。これにより、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aに挿入される第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが摺動溝G431aの変位(花弁側伝達部材G430の回転)に伴って第2摺動面G431a4に当接され、摺動部G425aが外側端部G431a2から内側端部G431a1まで摺動される。これにより、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から起立位置まで変位される。
即ち、第1装飾ユニットG420は、第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)に近接する方向および離間する方向へそれぞれ変位可能に構成され、第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)へ近接する方向への第1装飾ユニットG420の変位は、第1装飾ユニットG420の軸部G427を軸とする回転(自転)における回転位置が所定の回転位置(傾倒基準位置)にある場合に行われるように構成される。これにより、常に同じ姿勢で第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)へ近接させることができ、第1装飾ユニットG420が第2装飾ユニットG480の外方側に干渉する(当接する)ことを抑制できる。これにより、第1装飾ユニットG420の外形形状の設計の自由度を高められると共に、第2装飾ユニットG480の外方側へ第1装飾ユニットG420をより近接させることができる。
本実施形態では、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の正面視右回り(矢印GR方向)の回転数に関係することなく、所定の位置(係合片G477b及び係合凹部G462aが係合する位置)まで第1装飾ユニットG420を正面視左回り(矢印GL方向)に回転させることで、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置に戻すことができる。これにより、花回転ユニットG400の正面視における領域を拡大して、第1装飾ユニットG420の変位による演出をした後、その演出時間よりも短いタイミングで花回転ユニットG400の正面視における領域を縮小することができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
なお、本実施形態では、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の配設間隔と、軸GOを中心とする係合凹部G462aとの形成間隔とが略同一に設定される。これにより、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転させた後、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置に変位を開始する位置を同じ位置に設定できる。従って、変位ユニットG426が起立位置に配置される場合における花回転ユニットG400の外形を同じすることができ、遊技者が違和感を持つことを抑制できる。
即ち、第1装飾ユニットG420が第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)に近接する方向に最も変位した際に、第1装飾ユニットG420の周回(公転)における周回位置が所定の周回位置となるように構成されるので、第1装飾ユニットG420が第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)に最も近づいた状態において、第1装飾ユニットG420の周回位置を常に同じ周回位置とすることができる。これにより、第2装飾ユニットG480の周りを第1装飾ユニットG420が周回(公転)する構成において、常に同じ周回位置において第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の外方側に最も近づいた状態とすることができると共に、常に同じ周回位置を起点(始点)として第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の外方側から離間する方向へ変位させることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
次いで、駆動モータG830の駆動方向を反対方向にして、図220(a)及び図220(b)に示す位置から図219(a)に示す傾倒基準位置に第1装飾ユニットG420を戻した場合について説明する。
図220(a)及び図220(b)に示す位置から第2回転ベースG460を正面視左周り(矢印GL方向)に回転させた場合には、図220(a)に示す第1装飾ユニットG420が傾倒半回転位置で、正面側立設部G462の係合凹部G462aの内側に係合片G477bが係合されることとなる。即ち、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置まで戻すことが不能とされる。
なお、本実施形態では、図221(c)及び図221(d)に示すように図220(a)及び図220(b)に示す位置まで花弁側伝達部材G430が回転されると、検出センサG814に従動ギヤG848の被検出部G848aが重なることとなる。この検出により、図220(a)及び図220(b)に示す位置から第2回転ベースG460を正面視左周り(矢印GL方向)に回転される駆動力が駆動モータG830から入力されることが規制される。
即ち、本実施形態では、図220(a)及び図220(b)に示す位置から第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置に回転されることが規制される。従って、変位ユニットG426が起立位置とされる場合には、花回転ユニットG400を同じ態様にすることができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
また、図221(a)に示すように、図219(a)に示す傾倒基準位置においても、検出センサG814に従動ギヤG848の被検出部G848aが重なるように構成される。これにより、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置される位置に対して、正面側立設部G462の係合凹部G462aと係合片G477bとの係合位置がずれた場合に、傾倒半回転位置に配置される状態で起立位置に戻される不具合を抑制できる。
一方、図221(b)に示すように、図219(b)に示す傾倒基準位置から変位ユニットG426が軸部G427を軸として少し回転される場合には、検出センサG814に従動ギヤG848の被検出部G848aが重ならないように構成される。従って、本実施形態においては、変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位された後、少なくとも軸部G427を軸として変位ユニットG426を回転させてから、起立位置への変位が行われるように構成される。
次いで、図222を参照して、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合について説明する。図222(a)から図222(c)は、花回転ユニットG400を正面視した模式図である。
なお、図222(a)では、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置に配置された状態が模式的に図示され、図222(b)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から起立位置に変位される途中の位置にある状態が模式的に図示され、図222(c)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置に配置された状態が模式的に図示される。また、図222(a)から図222(c)では、第2装飾ユニットG480が透明視して図示されると共に、第2装飾ユニットG480の外形が2点鎖線で図示される。
図222(a)に示すように、本実施形態における複数(5個)の第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置された場合に隣り合う変位ユニットG426どうしの間隔が小さくされた状態で花回転ユニットG400のベース部分(第1回転ベースG410,花弁側伝達部材G430,基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470)の周囲に配設される。これにより、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置に配置した場合に、正面視における花回転ユニットG400の全体を大型化して花回転ユニットG400の演出に注目させやすくできる。
しかしながら、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置に配置する場合には、第1装飾ユニットG420を連結棒G421dを軸として回転させて、花回転ユニットG400のベース部分に対する姿勢を変更するものである(即ち、軸GOに対する周方向の変位ユニットG426の1辺の長さ(大きさ)を変更せず、第1装飾ユニットG420を軸GOに向けて近づける)ため、変位ユニットG426を起立位置に変位させる場合に隣り合う変位ユニットG426の間隔が小さくなる。そのため、起立位置に配置する場合に隣り合う変位ユニットG426どうしが衝突して起立位置まで変位ユニットG426を変位させることができなくなる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、図222(b)及び図222(c)に示すように、傾倒基準位置から起立位置に変位ユニットG426を変位させる場合に、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部が、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GR方向側の端部に比べて先行して軸GOに向かって変位される。
即ち、第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが正面側(矢印F方向側)を向く状態から第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態となる際に、第1装飾ユニットG420の一側が他側よりも第2装飾ユニットG480の正面視外方側に到着するように構成される。
これにより、図222(c)に示すように起立状態とした場合には、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部を、矢印GL方向側に隣り合う第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GR方向側の端部と軸GOを中心とする径方向内側に重ねた状態で配設することができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合に、隣り合う変位ユニットG426どうしが衝突して起立位置まで変位ユニットG426を変位させることができなくなることを抑制できる。
また、第1装飾ユニットG420の一側が他側よりも第2装飾ユニットG480の正面視外方側に到着するように構成されることで、第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に複数配設される第1装飾ユニットG420が、変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態では、隣り合う第1装飾手段の一方の一側に他方の他側が軸GOから径方向外側に重なるので、縮小状態において第1装飾ユニットG420の配設に要するスペースを抑制できる。言い換えると、第1装飾ユニットG420の大きさを大きくできる。一方、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)では、隣り合う第1装飾ユニットG420の間の隙間を小さくできる。
また、図222(c)に示すように起立状態とした場合に、全ての第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部を、矢印GL方向側に隣り合う第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GR方向側の端部の内側に配置でき、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の外側端部の径方向における重なり方がそれぞれの第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)で異なる状態にならないので、正面視における花回転ユニットG400の見た目をよくすることができる。
さらに、図222(c)に示すように起立位置に第1装飾ユニットG420を配置した状態では、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部の正面側(矢印F方向側)に第2装飾ユニットG480の一部を重ねた状態とされる。
即ち、第2装飾ユニットG480は、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態において隣り合う第1装飾ユニットG420の一方の一側と他方の他側とが重なる部分の少なくとも一部と正面視において重なるように構成される。これにより、縮小状態において第1装飾ユニットG420どうしが重なる部分を遊技者から見えにくくできる。よって、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態(縮小状態)から第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)に遷移した際の意外性を向上できる。
なお、第8実施形態では、第2装飾ユニットG480が光を透過可能な透明な樹脂材料から形成されるので、第2装飾ユニットG480の背面側(矢印B方向側)に配設される第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)が視認可能とされる。しかしながら、第8実施形態における第2装飾ユニットG480では、有色(赤色)の透明な樹脂材料で形成されており、これにより第2装飾ユニットG480の背面側に重なる第1装飾ユニットG420が遊技者から見えにくくされる。
また、第8実施形態では、起立位置の第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部の正面側に第2装飾ユニットG480が重なる大きさに設定されるが、起立位置の第1装飾ユニットG420の全体に第2装飾ユニットG480が重なる大きさに第2装飾ユニットG480が設定されるものであっても良く、さらに、傾倒位置(拡大状態)の第1装飾ユニットG420の全体に第2装飾ユニットG480が重なる大きさに第2装飾ユニットG480が設定され、第2装飾ユニットG480を介して第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に視認させるものであっても良い。
次いで、図223から図224を参照して、第9実施形態における花回転ユニットG2400について説明する。上記第8実施形態では、複数個配設される第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)が同時に変位する場合について説明したが、第9実施形態では、複数個配設される第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)が異なるタイミングで変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図223を参照して、花回転ユニットG2400の花弁側伝達部材G2430について説明する。図223は、第9実施形態における花回転ユニットG2400を正面視した模式図である。
第9実施形態における花回転ユニットG2400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個(第9実施形態では6個)配設される第1装飾ユニットG420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G2430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG460と、第2回転ベースG460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。
なお、図223では、花弁側伝達部材G2430よりも正面側に配設される基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480の図示が省略される。
図223に示すように、第9実施形態における花弁側伝達部材G2430は、正面視(矢印B方向視)において略円形の板状に形成される伝達部G2431と、その伝達部G2431の背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出する軸支部G432とを主に備え、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。また、伝達部G431と軸支部G432との中心部には、前後方向(矢印F-B方向)に開口する被挿通部G433が形成される。
伝達部G2431は、正面視(矢印B方向視)において湾曲状に開口形成される第1摺動溝G2434及び第2摺動溝G2435が軸GOを中心とする周方向に所定の間隔で交互に形成される。
なお、伝達部G2431の正面視における外径は、第8実施形態と同様に花弁側伝達部材G430の正面側(矢印F方向側)に配設される第2回転ベースG460の円盤部G461の外径よりも若干小さく形成される。即ち、花弁側伝達部材G430は、第2回転ベースG460の背面側(矢印B方向側)に重なる大きさに設定される。
第1摺動溝G2434及び第2摺動溝G2435は、第1装飾ユニットG420の被摺動部材G425(摺動部G425a)が挿通される部分であり、溝幅が摺動部G425aよりも若干大きく形成される。
第1摺動溝G2434は、正面視(矢印B方向視)において伝達部G2431の径方向内側の内側端部G2434a1から径方向外側の外側端部G2434a2に向かうに従って、反時計周りの湾曲形状に形成される。
一方、第2摺動溝G2435は、正面視(矢印B方向視)において、軸GOを中心とする周方向に沿って延設される非変位部G2435aと、その非変位部G2435aの一端から径方向外側に向かうに従って反時計回りの湾曲形状に形成される変位部G2435bとを備える。
また、第2摺動溝G2435の変位部G2435bが連結される側と反対側の非変位部G2435aの内側端部G2435a1から変位部G2435bの径方向外側の外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする形成角度は、第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から外側端部G2434a2までの軸GOを中心とする形成角度と略同一に設定される。即ち、第1摺動溝G2434に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の軸GOを中心とする周方向の移動距離と、第2摺動溝G2435に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の軸GOを中心とする周方向の移動距離とが略同一に設定される。
さらに、第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1と第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1とは、正面視において軸GOからの離間距離が同一に設定され、第2摺動溝G2435の外側端部G2435b2と第1摺動溝G2434の外側端部G2434a2とは、正面視において軸GOからの離間距離が同一に設定される。即ち、第1摺動溝G2434に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の径方向における移動距離と、第2摺動溝G2435に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の径方向における移動距離とが略同一に設定される。
次いで、図224を参照して、第9実施形態における花回転ユニットG2400における変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位および傾倒基準位置から起立位置までの変位について説明する。
図224(a)から図224(c)は、花回転ユニットG2400を正面視した模式図である。なお、図224(a)から図224(c)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置まで変位する遷移状態が順に図示される。
初めに、図224を参照して、変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位について説明する。なお、変位ユニットG426が起立位置に配置される場合には、図223(a)に示すように、第1摺動溝G2434に連結される側の第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2摺動溝G2435に連結される側の第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426に対して軸GOを中心とする径方向外側に重なった状態で配設される。
また、変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位は、第8実施形態と同様に、駆動モータG830(図205参照)の駆動力により花弁側伝達部材G2430が正面視右回り(矢印GR方向)に回転され、第1摺動溝G2434及び第2摺動溝G2435の移動に伴って被摺動部材G425(摺動部G425aが軸GOを中心とする径方向外側に変位(摺動)されることで行われる。
図224(a)及び図224(b)に示すように、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置から変位され始めた場合には、第1摺動溝G2434に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)が花弁側伝達部材G2430の回転に伴って第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から離間され、湾曲形成される第1摺動溝G2434の内側の第1摺動面G2434a3に当接して軸GOを中心とする径方向外側に押し出される。これにより、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426は、起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始する。
一方、第2摺動溝G2435に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)は、花弁側伝達部材G2430の回転に伴って第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1から離間される。この場合、第2摺動溝G2435の非変位部G2435aは、軸GOを中心とする湾曲状に形成されるので、非変位部G2435a内を摺動する被摺動部材G425(摺動部G425a)は、第1回転ベースG410に対して相対位置を変更しない。従って、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420は、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始し始めた際に、起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始しない。
なお、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置への変位の開始は、被摺動部材G425(摺動部G425a)が第2摺動溝G2435の非変位部G2435aと変位部G2435bとの連結部を超える位置まで変位されることで行われる。
即ち、変位部G2435bは、上述したように径方向外側に向かうに従って反時計回りの湾曲形状に形成されるので、被摺動部材G425(摺動部G425a)が変位部G2435bまで変位されると、被摺動部材G425(摺動部G425a)に変位部G2435bの第1摺動面G2435b3に当接される。これにより、被摺動部材G425(摺動部G425a)が軸GOを中心とする径方向外側に押し出されて、起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始する。
次いで、図224(c)を参照して、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置まで変位された場合について説明する。上記したように、第2摺動溝G2435の外側端部G2435b2と第1摺動溝G2434の外側端部G2434a2とが、正面視において軸GOからの離間距離が同一に設定されるので、第1装飾ユニットG420の傾倒基準位置までの変位された場合には、隣り合う第1装飾ユニットG420同士の背面側(矢印B方向側)への傾倒角度を同一にすることができる。
即ち、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置に配置した場合の正面視における第1装飾ユニットG420のそれぞれの見え方を同一にすることができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
次いで、第9実施形態における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合についての説明をする。なお、第9実施形態における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置まで変位させる場合には、第8実施形態と同様に駆動モータG830の駆動方向を反対して花弁側伝達部材G2430を正面視左回り(矢印GL方向)に回転させることで行われる。
第9実施形態では、上述したように、第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1から外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする第2摺動溝G2435の形成角度が、第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする第1摺動溝G2434の形成角度と同一に設定され、かつ、第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1から外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする径方向の離間距離が、第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から外側端部G2434a2までの軸GOを中心とする径方向の離間距離と同一に設定されるので、第2摺動溝G2435の変位部G2435bの正面視における曲率が、第1摺動溝G2434の正面視における曲率よりも大きく形成される。
これにより、第9実施形態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位を開始した場合に、第2摺動溝G2345に連結される第1装飾ユニットG420を第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420に比べて早いタイミングで起立位置まで変位させることができる。即ち、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426は、第2摺動溝G2435の変位部G2435bと非変位部G2435aとの連結部まで被摺動部材G425(摺動部G425a)が変位されることで起立位置に変位される。
図224(b)及び図224(a)に示すように、第2摺動溝G2435の変位部G2435bと非変位部G2435aとの連結部まで被摺動部材G425(摺動部G425a)が変位された第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420は、花弁側伝達部材G2430が正面視左回り(矢印GL方向)の回転が継続されることで、非変位部G2435aの内部を摺動して非変位部G2435aの内側端部G2435a1まで変位される。
なお、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420が非変位部G2435aの内部を摺動して非変位部G2435aの内側端部G2435a1まで変位される場合に、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420が第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1まで変位される。これにより、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の軸GOを中心とする径方向外側に、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が重なって当接した状態(図224(a)に示す状態)とされる。
以上説明したように、第9実施形態では、隣り合う第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が異なるタイミングで起立位置まで変位される。即ち、第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426が正面側を向く状態から変位ユニットG426がだい2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態となる際に、隣り合う第1装飾ユニットG420の一方の変位が開始された後に他方の変位が開始されるように構成されるので、第1装飾ユニットG420を複雑な軌跡で変位させることを回避しつつ、隣り合う第1装飾ユニットG420同士が干渉することを抑制できる。例えば、第1装飾ユニットG420の一側が他側よりも先に第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に到着するようにする必要がなく、第1装飾ユニットG420の一側および他側が同時に第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に到着するようにできる。
よって、第9実施形態では、傾倒基準位置から起立位置まで変位ユニットG426変位させる場合に、第8実施形態における第1装飾ユニットG420のように、変位ユニットG426の周方向の一方側(矢印GL方向側)を他方側(矢印GR方向側)に比べて先行させる必要がないので、傾倒基準位置における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の第1装飾面G426aを遊技盤H13の正面に対して平行に配置することができる。その結果、第9実施形態における花回転ユニットG2400では、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置に配置した場合における花回転ユニットG2400の演出効果を向上させることができる。
また、第9実施形態における花回転ユニットG2400では、摺動部G425aが挿入される摺動溝を第1摺動溝G2434と第2摺動溝G2435との2種類で隣り合う第1装飾ユニットG420が衝突することを抑制できるので、第1装飾ユニットG420の配設数分、異なる形状の摺動溝を形成する必要がないので、花弁側伝達部材G2430の形状が複雑になったり、第1装飾ユニットG420の変位が複雑になることを抑制できる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位を安定して行うことができる。
なお、第9実施形態における花回転ユニットG2400では、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420に対して、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を先行して傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第2摺動溝G2435の変位部G2435bにおいて、第2摺動面G2345b4の正面視における曲率を、第1摺動溝G2434の第1摺動面G2434a3の正面視における曲率よりも大きくして、第2摺動面G2434a4により押し出されて傾倒基準位置から起立位置に変位される変位ユニットG426の変位よりも第2摺動面G2435b4により押し出されて傾倒基準位置から起立位置に変位される変位ユニットG426の変位を遅くしても良い。
この場合、起立位置から傾倒基準位置に変位させる際の第1摺動面G2435b3については第1摺動面G2434a3と同じ形状にすることができるので、起立位置から傾倒基準位置に変位ユニットG426を変位させる際には、第1摺動溝G2434と第2摺動溝G2435とで変位ユニットG426の変位タイミングを同じにできる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
即ち、第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態(縮小状態)から変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)となる際に、隣り合う第1装飾ユニットG420の一方の変位と他方の変位とが同時に開始されるように構成されるので、拡大状態から縮小状態となる際と、縮小状態から拡大状態となる際の第1装飾ユニットG420の変位の態様を異ならせることができる。これにより、第1装飾ユニットG420を変位させることによる演出効果を向上できる。
次いで、図225を参照して、第10実施形態における花回転ユニットG3400について説明する。上記第8実施形態では、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸に半回転される際に、係合片G477bが次の係合凹部G462aと係合可能な状態とされる場合について説明したが、第10実施形態では、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸に1回転される際に、係合片G477bが次の係合凹部G3462aと係合可能な状態とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図225を参照して、第10実施形態における花回転ユニットG3400の第2回転ベースG3460について説明する。図225(a)及び図225(b)は、第10実施形態における花回転ユニットG3400の正面図である。なお、図225(a)では、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置に配置された状態が図示され、図225(b)では、第1装飾ユニットG420が傾倒半回転位置に配置された状態が図示される。
第10実施形態における花回転ユニットG3400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個(第10実施形態では4個)配設される第1装飾ユニットG420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG3460と、第2回転ベースG3460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。
なお、図225では、第2回転ベースG3460よりも正面側に配設される第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480の図示が省略される。また、第10実施形態では、第8実施形態における花回転ユニットG400に比べて、第1装飾ユニットG420の配設数が異なる(少ない)分、第1装飾ユニットG420が連結される第1回転ベースG410の装飾側軸部G412a及び花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの形成数が異なる(少ない)がそれらの形成される数が異なるだけであるので、以下の説明において第10実施形態における第1装飾ユニットG420及び花弁側伝達部材G430を第8実施形態と同一の符号を付して説明する。
第10実施形態における第2回転ベースG3460は、正面視略円環状に形成される円盤部G461と、その円盤部G461の内周縁に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される正面側立設部G3462と、その正面側立設部G3462及び円盤部G461の内周面に刻設される複数の歯G463と、円盤部G461の外周縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される背面側立設部G464と、その背面側立設部G464の立設先端部の一部の複数個所から背面側に向かって突出される螺子締結部G465とを主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。
正面側立設部G3462は、外周面に周方向に沿って所定の間隔で4か所(即ち、90度の間隔で4か所)に凹設される係合凹部G462aを備える。係合凹部G462aは、第2固定ユニットG470の係合片G477bが係合される部分であり、外周面側から径方向内側に向かって凹設され、その凹設面が周方向の一方側と他方側とで異なる形状に形成される。
また、第10実施形態では、図225(a)及び図225(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に略45度回転されると、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として回転され傾倒半回転位置(即ち、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを正面側(矢印F方向側)に向けた位置)に変位するように構成される。
第2回転ベースG3460は、第8実施形態における第2回転ベースG460と同様に、第1回転ベースG410に締結されるので、第1装飾ユニットG420が軸GOを中心に回転される場合には、第1装飾ユニットG420の回転に伴って軸GOを中心に第1装飾ユニットG420と同様に回転される。
従って、図225(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から傾倒半回転位置まで回転される場合には、第2回転ベースG3460が略45度回転されるので、軸GOを中心に略90度の間隔で正面側立設部G3462に凹設される係合凹部G462aの中間位置に第2固定ユニットG470の係合片G477bが位置される。
これにより、第10実施形態では、第1装飾ユニットG420を傾倒半回転位置まで軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向に)回転させた状態で、駆動モータG830の駆動の方向を反対にしたとしても、第8実施形態のように傾倒半回転位置で係合片G477bが係合凹部G462aと係合することがなくなるので、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置を軸部G427を軸に回転させて傾倒基準位置に戻るまで、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に正面視左回り(矢印GL方向)に回転させることができる。
よって、第10実施形態では、傾倒半回転位置(即ち、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを正面側(矢印F方向側)に向けた状態で変位ユニットG426が連結棒G421dを軸として回転して、変位ユニットG426が起立位置に向かって変位されることを抑制できる。
これにより、第10実施形態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒させた状態から起立させる場合にその起立された態様を同一にすることができる。即ち、第8実施形態における花回転ユニットG400のように、変位ユニットG426が第2装飾面G426bを正面側に向けた状態で起立位置に変位することを抑制するために従動ギヤG848と検出センサG814とで、第1装飾ユニットG420の回転位置を検出する必要がなくなるので、第10実施形態では、従動ギヤG848及び検出センサG814を不要とすることができる。
さらに、検出センサG814の検出による制御を不要とすることができるので、従動ギヤG848及び検出センサG814を不要とすることで製造コストを低下できるだけでなく、花回転ユニットG400の制御を簡易にできる。その結果、花回転ユニットG400の変位を安定させやすくできる。
次いで、図226を参照して、第11実施形態における花回転ユニットG400について説明する。上記第8実施形態では、従動ギヤG848及び検出センサG814が配設される場合について説明したが、第11実施形態では、従動ギヤG848及び検出センサG814が取り外される場合について説明する。なお、第11実施形態では、第8実施形態における花弁動作装置G800から従動ギヤG848及び検出センサG814を取り外しただけであるので、第8実施形態と同一の符号を付してその説明は省略する。
図226(a)は、第11実施形態における花回転ユニットG400の正面図であり、図226(b)は、図226(a)のMCMXLb線における花回転ユニットG400の断面図である。上記したように、第8実施形態における従動ギヤG848及び検出センサG814は、軸部G427を中心とする第1装飾ユニットG420の回転位置を検出するためのものであり、この検出により第8実施形態では、第2装飾面G426bを正面側に向けた姿勢で起立位置に変位されることが抑制される。
第11実施形態では、上述したように従動ギヤG848及び検出センサG814が取り外されるので、図226(a)及び図226(b)に示すように、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを正面側(矢印F方向側)に向けた状態(即ち、変位ユニットG426を傾倒半回転位置に配置した状態)で変位ユニットG426を起立位置に変位させることができる。なお、変位ユニットG426を傾倒半回転位置から起立位置に変位させる駆動については、変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位させる駆動と同じであるため、その詳しい説明は省略する。
図226(a)及び図226(b)に示すように、変位ユニットG426が傾倒半回転位置から起立位置に変位された場合には、第2装飾面G426bを軸GO側に向けた姿勢で配置される。
ここで、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a側を中心に湾曲する板状に形成されるので、第2装飾面G426bを軸GO側に向けた姿勢で配置される場合には、変位ユニットG426の軸GOを中心とする周方向の両端が軸GOから径方向外側に離間する方向に湾曲した状態で配設される。
従って、傾倒基準位置から起立位置に変位された場合と正面視における態様を変更することができる。その結果、第11実施形態では、起立位置における第1装飾ユニットG420の配設態様を複数形成することができ、第1装飾ユニットG420による演出効果を向上できる。
また、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b,第1端面G426cに金や銀等の反射率の高い装飾が施されるので、傾倒基準位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様と、傾倒半回転位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様とで、変位ユニットG426により光が反射される方向を変更することができる。
詳しく説明すると、傾倒基準位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様では、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが軸GOを中心とする周方向に湾曲した態様で配置されるので、基板部材G440から発光され第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470を介して変位ユニットG426に照射される光を軸GO側に向けて反射させることができる。その結果、第2装飾ユニットG480を介して正面側に出射される光の光量を多くすることができ、花回転ユニットG400が縮小状態(変位ユニットG426が起立位置に配置された場合)でも花回転ユニットG400に注目させやすくできる。
一方、傾倒半回転位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様では、第2装飾面G426bの正面視における周方向の両端が軸GOから径方向に離れる方向に湾曲した態様で配置されるので、基板部材G440から発光され第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470を介して変位ユニットG426に照射される光を花回転ユニットG400の外側へ向けて反射させることができる。これにより、花回転ユニットG400の外側に配設される他の部材に花回転ユニットG400の基板部材G440から出射される光を照射することができる。例えば、張出位置で花回転ユニットG400を取り囲む態様で配設される円環形成ユニットG700(図199参照)に花回転ユニットG400の基板部材G440から出射される光を照射することができる。その結果、花回転ユニットG400以外(円環形成ユニットG700)の演出効果を向上させることができる。
次いで、図227を参照して、第12実施形態における花回転ユニットG5400について説明する。上記第8実施形態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から起立位置に変位される場合について説明したが、第12実施形態では、第1装飾ユニットG5420の変位ユニットG5426がどの位置からであっても起立位置に変位可能とされる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図227(a)及び図227(b)は、第12実施形態における花回転ユニットG5400の正面図である。なお、図227(a)では、変位ユニットG5426が起立位置に変位された状態の花回転ユニットG5400が図示され、図227(b)では、変位ユニットG5426が傾倒位置に変位された状態の花回転ユニットG5400が図示される。
図227に示すように、第12実施形態における花回転ユニットG5400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個配設される第1装飾ユニットG5420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG5460と、第2回転ベースG460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。
第1装飾ユニットG5420は、ギヤ歯が形成される回転ギヤG421と、その回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422と、その第1継手部材G422に配設される変位ユニットG5426と、第1継手部材G422と変位ユニットG426との間に配設される第2継手部材G423と、その第2継手部材G423に配設される伝達部材G424と、その伝達部材G424に配設される被摺動部材G425とを主に備えて形成される。
変位ユニットG5426は、6角形の柱状に形成され、柱状に形成された一端側の中央部に軸部G427が連結される。また、6角形の柱状に形成される変位ユニットG5426の外周面には、6面のそれぞれに異なる文字が装飾される。なお、異なる文字とは、例えば、「チャンス」、「激熱」、「もしかしたら・・」、「期待度50パーセント」等の大当たりの期待度を表現するものである。また、文字に限らず異なる絵柄や色をそれぞれ6面に装飾されるものであっても良い。
第2回転ベースG5460は、正面視略円環状に形成される円盤部G461と、その円盤部G461の内周縁に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される正面側立設部G5462と、その正面側立設部G5462及び円盤部G461の内周面に刻設される複数の歯G463と、円盤部G461の外周縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される背面側立設部G464と、その背面側立設部G464の立設先端部の一部の複数個所から背面側に向かって突出される螺子締結部G465とを主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。
正面側立設部G5462は、外周面に周方向に沿って連続して形成される係合凹部G462aを備える。係合凹部G462aは、第2固定ユニットG470の係合片G477bが係合される部分であり、外周面側から径方向内側に向かって凹設され、その凹設面が周方向の一方側と他方側とで異なる形状に形成される。
次いで、第1装飾ユニットG5420が軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転される場合について説明する。なお、第12実施形態における第1装飾ユニットG5420の変位ユニットG5426が起立位置から傾倒位置に変位する駆動は、第8実施形態における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位する駆動と同じであるため、その詳しい説明は省略する。
第1装飾ユニットG5420が軸GOを中心に正面視右回りに回転される場合には、第8実施形態における第1装飾ユニットG420と同様に、第1装飾ユニットG5420の回転ギヤG421が正面側ベース部材G810の刻設部G811aに歯合することで、軸部G427を軸として回転される。即ち、6角形の柱状に形成される変位ユニットG5426の外周面の装飾を切り替えながら変位される。
一方、第1装飾ユニットG5420の変位ユニットG5426を傾倒位置から起立位置に変位させるために、駆動モータG830の駆動の方向を反対方向に切り替えた場合には、正面側立設部G5462に係合凹部G462aが連続して形成されることにより、第2回転ベースG5460の軸GOを中心とする正面視左回り(矢印GL方向)の回転が規制される。これにより、駆動モータG830の駆動の方向を反対方向に切り替えた位置で、変位ユニットG5426を傾倒位置から起立位置に変位させることができる。
従って、第12実施形態では、変位ユニットG5426のそれぞれの外周面に装飾される装飾を所定の外周面に切り替えた状態のまま起立位置に変位ユニットG5426を変位させることができる。その結果、起立位置における態様を複数形成することができ、第1装飾ユニットG5420の変位による演出効果を向上できる。
なお、第12実施形態では、第1装飾ユニットG5420が軸GOを中心に正面視右回りに回転されて、正面視における変位ユニットG5426の装飾面が切り替えられる場合に、係合片G477bが隣りの係合凹部G462aに係合する位置に配置されるように構成される。これにより、所定の装飾面を正面側に向けた状態に変位ユニットG5426が変位された場合に、その位置で変位ユニットG5426を傾倒位置から起立位置に変位させることができる。
次いで、図228を参照して、第13実施形態における第1装飾ユニットG6420について説明する。上記第8実施形態では、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位される場合に、その回転軸からの変位ユニットG426の距離が一定(変わらない)状態とされる場合について説明したが、第13実施形態における変位ユニットG6426は、起立位置から傾倒基準位置に変位される場合に、その回転軸からの変位ユニットG5426の距離が変化される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図228(a)は、第13実施形態における第1装飾ユニットG6420の側面図であり、図207(a)のY25a方向視における側面図と対応し、図228(b)は、第1装飾ユニットG6420の分解正面斜視図であり、図229(a)及び図229(b)は、第1装飾ユニットG6420の側面図である。
なお、図229(a)及び図229(b)では、第1装飾ユニットG6420の変位ユニットG6426が傾倒基準位置まで変位される際の遷移状態が順に図示される。また、図228(a)、図229(a)、及び、図229(b)では、花弁側伝達部材G430(図213(a)参照)の摺動溝G431aの内側端部G431a1及び外側端部G431a2の位置が2点鎖線で図示される。
図228(a)及び図229(b)に示すように、第13実施形態における第1装飾ユニットG6420は、ギヤ歯が形成される回転ギヤG421と、その回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422と、その第1継手部材G422に配設される変位ユニットG6426と、変位ユニットG6426の一部を挟持した状態で配設される第2継手部材G6423と、その第2継手部材G6423に配設される伝達部材G424と、その伝達部材G424に配設される被摺動部材G425とを主に備えて形成される。
第2継手部材G6423は、伝達部材G424と変位ユニットG6426とを連結するための部材であり、矩形の立方体から形成される。また、第2継手部材G6423は、異なる方向に貫通する第1貫通孔G423a及び第2貫通孔G423bと、第2貫通孔G423bに連通するように側面を凹設して形成される凹設部G6423cとを備える。なお、第1貫通孔G423aと第2貫通孔G423bとは、互いにずれた位置に形成される。
凹設部G6423cは、後述する変位ユニットG6426の連結部G6426dが挿入される部分であり、連結部G6426dの厚みに対して少し幅が広い溝状に形成される。また、凹設部G6423cは、第2貫通孔G6423bを上下に分断する位置まで凹設される。
変位ユニットG6426は、湾曲する板状に形成され、その湾曲する内側(矢印L方向側)の第1装飾面G426aと、その第1装飾面G426aと反対側(矢印R方向側)の側面の第2装飾面G426bと、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとの正面側(矢印F方向側)の端部同士を繋ぐ第1端面G426cと、その第1端面G426cの反対側(矢印B方向側)に形成され、第2継手部材G6423の凹設部G6423cに挿入される連結部G6426dとを主に備える。
連結部G6426dは、側面視略L字に形成されると共に、第2継手部材G6423の凹設部G6423cに挿入される部分に軸部G6427を挿入可能な大きさに形成される摺動孔G6426d1を備える。なお、連結部G6426dが、凹設部G6423cに挿入される(凹設部G6423cの内側面に挟まれる)ことで、第2継手部材G6423が軸部G6427に対して摺動変位した場合に、その第2継手部材G6423の変位に伴って変位ユニットG6426を変位させことができる。
軸部G6427は、金属製の棒部材から形成されると共に、その断面の一部が切り欠かれ断面がD字状に形成される。また、軸部G6427は、第1継手部材G422の凹部G422a1に一端が連結可能に構成されると共に、第2継手部材G6423の第2貫通孔G6423b及び連結部G6426dの摺動孔G6426d1に挿入可能に形成される。
なお、摺動孔G6426d1は、軸部G6427の断面形状と同一のD字状に形成されると共に、軸部G6427の外形よりも若干大きく形成される。これにより、軸部G6427の軸方向に沿って変位ユニットG6426を摺動させることができると共に、軸部G6427が軸回りに回転される場合には、その回転に伴って変位ユニットG6426を回転させることができる。
一方、第2継手部材G6423の第2貫通孔G423bは、軸部G6427の外形よりも大きい円形状の貫通孔として形成される。これにより、軸部G6427の軸回りに第2継手部材G6423を回転させることができると共に、軸部G6427の軸方向に沿って第2継手部材を摺動させることができる。
次いで、図229を参照して、第13実施形態における第1装飾ユニットG6420の傾倒基準位置までの変位について説明する。
図229(a)に示すように、第13実施形態における変位ユニットG6426は、摺動部G425aが摺動溝G431aの外側端部G431a2まで変位する手前で、第1装飾面G426aが正面側(矢印F方向側)に向けられた姿勢とされる。
図229(b)に示すように、図229(a)に示す位置から摺動部G425aが摺動溝G431aの外側端部G431a2まで変位される場合には、第2継手部材G6423が軸部G6427の軸方向に押し出されることで、第2継手部材G423が軸部G6427の軸方向に沿って変位される。そして、変位ユニットG6426は、第2継手部材G6423の凹設部G6423cに収容されるので、第2継手部材G6423の変位に伴って軸部G6427の軸方向に沿って変位される。
即ち、第13実施形態における第1装飾ユニットG6420は、変位ユニットG6426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態(縮小状態)から変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)とされた後、第2装飾ユニットG480の正面視外方へ変位可能に構成されるので、第1装飾ユニットG420の正面視における大きさを拡大状態よりも更に大きく見せることができる。よって、正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
次いで、図230(a)を参照して、第14実施形態における上側装飾ユニットH7014aについて説明する。上記第8実施形態では、第1連通路H300Cが上側装飾ユニットH14aの上方側に形成される場合について説明したが、第14実施形態における上側装飾ユニットH7014aでは、第1連通路H7300Cが上側装飾ユニットH7014aの下方側に形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図230(a)は、第14実施形態における上側装飾ユニットH7014aの断面模式図であり、図134のX07a線における断面に対応する。なお、図230(a)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図230(a)に示すように、第14実施形態における上側装飾ユニットH7014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH7320とを主に備える。
化粧ユニットH7320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH7340及び一対の音伝達ユニットH350とを主に備える。
発光ユニットH7340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に配設される基板部材H342と、基板部材H342との背面側を覆う覆設部材H7343とを主に備える。
覆設部材H7343は、基板部材H342の背面側(矢印B方向側)を覆う部材であり、正面視における外形が基板部材H342よりも大きく形成され、背面側から挿通される螺子により取付部材H341に締結される。
また、覆設部材H7343は、正面視における中央部が背面側(矢印B方向側)に向かって膨出し、正面側(矢印F方向側)の中央部が開口する箱状に形成される。さらに、覆設部材H7343は、正面視における下方側(矢印D方向側)の側面から下方に向かって立設される区画壁H7343bを備え、上側装飾ユニットH7014aが組み立てられた状態において区画壁H7343bの先端部が下面板H333と当接される。なお、区画壁H7343bは、左右方向(矢印L-R方向)に延設されており、上側装飾ユニットH7014aが組み立てられた状態において区画壁H7343bの正面側と区画壁H7343bの背面側とが区画壁H7343bにより区画される。
なお、第14実施形態における取付部材H341は、第8実施形態における取付部材H341よりも上方側(矢印U方向側)に配設され、正面板H331の外縁部H331bの上方側の内面と取付部材H341の上側縁部H341bとが当接した状態で配設される。即ち、第14実施形態では、第8実施形態における第1連通路H300Cが非形成とされる。
一方、取付部材H341の下方側は、上側装飾ユニットH14aの下面板H333と、取付部材H341との間に上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間(第1連通路H7300C)を有した状態とされる。
また、上側装飾ユニットH14aの下面板H333と取付部材H341との間に形成される隙間は、正面側(矢印F方向側)が正面板H331の本体部H331aにより塞がれ、背面側(矢印B方向側)が覆設部材H7343の区画壁H7343bにより塞がれており、前後方向(矢印F-B方向)にも所定の隙間(第1連通路H7300C)を有した状態とされる。即ち、上側装飾ユニットH7014aの下方側には、左右方向(矢印L-R方向)に延設される第1連通路H7300Cが形成される。
第1連通路H7300Cは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される両端が、スピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に形成される第1空間H300A(装飾ユニットH330、発光ユニットH7340、音伝達ユニットH350で囲まれた空間)に連通される。これにより、一対のスピーカーカバーH27の正面側に形成されるそれぞれの第1空間H300Aが、第1連通路H7300Cにより連通される。
従って、それぞれのスピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)され、スピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側の第1空間H300Aに放音される音を、第1連通路H7300Cを介して隣の第1空間H300AのスリットH331a1又は放音用開口部H333bから上側装飾ユニットH7014aの外側に放音することができる。
即ち、一方側に配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音を他方側に配設されるスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に迂回させて上側装飾ユニットH14aから放音することができるので、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、他方側のスピーカーH312aから放音される音を上側装飾ユニットH14aの両側から放音させることができる。その結果、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、遊技者が違和感を感じることを抑制でき、遊技者が遊技を行わなくなることを抑制できる。
また、第14実施形態では、第1連通路H7300Cに放音用開口部H333bが形成されるので、第1連通路H7300C内を伝達される音を放音用開口部H333bから放音させやすくできる。即ち、放音用開口部H333bから放音される音を第1連通路H7300C内に伝達された音にできるので、第8実施形態のように、第1連通路H300Cと異なる位置に放音用開口部H333bが形成される場合に比べて、放音用開口部H333bから放音される音を大きくすることができる。その結果、遊技者にスピーカーH312aの音を聞かせやすくできる。
さらに、第14実施形態では、第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとが、下面板H333の区画壁H333cと覆設部材H7343の区画壁H7343bとにより、前後に所定の空間を隔てて配設される。即ち、上側装飾ユニットH7014aの下面板H333に沿って形成される第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとが前後方向に所定の隙間を有して形成される。
これにより、区画壁H333cが振動して伝わる音が第1連通路H7300C内に伝達されることを抑制できると共に、区画壁H7343bが振動して伝わる音が第2連通路H300D内に伝達されること抑制できる。その結果、第1連通路H7300C及び第2連通路H300D内を伝達して上側装飾ユニットH7014aの外側に放音される音が小さくなることを抑制できる。
なお、第14実施形態では、上側装飾ユニットH7014aの下面板H333に沿って形成される第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとが前後方向に所定の隙間を有して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとを隣り合う状態で配設しても良い。
次いで、図230(b)を参照して、第15実施形態における上側装飾ユニットH8014aについて説明する。上記第8実施形態では、第2連通路H300D内を伝達される音が検出用開口から形成される場合について説明したが、第15実施形態における上側装飾ユニットH8014aでは、第2連通路H300D内を伝達される音が、第2放音用開口部H8333dを介して放音される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図230(b)は、第15実施形態における上側装飾ユニットH8014aの断面模式図であり、図134のX07a線における断面に対応する。なお、N10(b)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図230(b)に示すように、第15実施形態における上側装飾ユニットH8014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH8320とを主に備える。
化粧ユニットH8320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH8330と、その装飾ユニットH8330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図130参照)とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH8330は、ベースユニットH310(図129参照)の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H8333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の縁部に沿って配設され上面板H332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H334と、正面板H331の中央部正面側に配設される装飾板H335とを主に備える。
下面板H8333は、上側装飾ユニットH14aの下面を構成する部分であり、正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かうに連れて上方側(矢印U方向側)に傾斜する状態で正面板H331に配設される。言い換えると、下面板H8333は遊技盤H13(ベースユニットH310)から正面側に向かって離れるほど下方側(矢印D方向側)に張り出す状態で配設される。これにより、正面板H331の正面視における外形(特に上下方向の大きさ)を大きくした場合であっても、遊技盤H13の遊技領域が小さくなることを抑制できる。よって、遊技盤H13の遊技領域を確保したまま、正面板H331の装飾性(意匠性)を向上(正面板H331の装飾可能な領域を大きく)できる。
また、下面板H8333は、正面側(矢印F方向側)の縁部に沿って複数位置に開口される放音用開口部H333bと、背面側(矢印B方向側)の縁部に沿って複数位置に開口される第2放音用開口部H8333dと、それら検出用開口部H333a及び第2放音用開口部H8333dの間の位置に上方側に向かって突設され、それら検出用開口部H333a及び放音用開口部H333bの間の位置に上方側に向かって立設される区画壁H333cとを備える。
第2放音用開口部H8333dは、スピーカーH312aの背面側(矢印F方向側)から放音され、第2連通路H300D内を伝達される音をガラスユニットH16の正面側(上側装飾ユニットH14aの下方側)に放音して、正面側からスピーカーH312aの音が遊技者に伝達されるようにするための開口であり、下面板H8333の第2連通路H300Dを形成する領域に形成される。
また、第2放音用開口部H8333dは、放音用開口部H333bよりも下面板H8333の左右方向(矢印L-R方向)の中央側に形成される。これにより、放音用開口部H333bから放音される音と、第2放音用開口部H8333dから放音される音とが混ざり合うことを抑制できる。その結果、第2放音用開口部H8333dから放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。
なお、第15実施形態においては、下面板H8333に検出用開口部H333aが形成されない場合について説明したが、下面板H333に検出用開口部H333aが形成されていても良い。この場合には、検出用開口部H333aの立設部H333a1に検出装置H313を当接した状態で配設して、検出用開口部H333aから第2連通路H300D内を伝達される音が漏れ出ないようにすることが好ましい。
また、第2放音用開口部H8333dを下面板H8333の中央部の1箇所に形成しても良い。この場合、左右のスピーカーH312aの背面側から放音され第2連通路H300D内を伝達される音を混ぜて第2放音用開口部H8333dから上側装飾ユニットH8014aの外側へ放音することができる。その結果、第2放音用開口部H8333dから放音される音を左右で均一の音量で遊技者に聞かせやすくでき、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図231~図233を参照して、第16実施形態における上側装飾ユニットH9014aについて説明する。上記第8実施形態では、第1連通路H300Cが閉じた通路として形成される場合について説明したが、第16実施形態における上側装飾ユニットH9014aでは、第1連通路H300Cが閉じた状態から開放される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図231を参照して、第16実施形態における上側装飾ユニットH9014aの全体構成について説明する。図231は、第16実施形態における上側装飾ユニットH9014aの分解背面斜視図である。
図231に示すように、第16実施形態における上側装飾ユニットH9014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH9320とを主に備える。
化粧ユニットH9320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH9330と、その装飾ユニットH9330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH9330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H9332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H9332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H9332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336と、上面板H9332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。
上面板H9332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H9332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。
上面板H9332は、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される網部材H9332eと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。
なお、第16実施形態における上面板H9332には、第8実施形態における上面板H332の正面側凸部H332a、背面側凸部H332b、及び、締結部H332cが非形成とされる。これにより、第16実施形態では、上面板H9332を正面板H331に対して回転させることが可能となる。
側面板H9332dは、上面板H9332が後述する軸部H9332fを軸として回転された際にその回転を案内すると共に上面板H9332の左右方向(矢印L-R方向)の側面を塞ぐ板状の部材であり、上面板H9332の左右両側の端部から軸部H9332fを軸とする回転軌跡に沿って下方側に向かって延設される。これにより、一対の側面板H9332dの対向間に空間H9332d2(図233(b)参照)が形成される。
また、一対の側面板H9332dの一方側の対向面には、駆動ユニットH9337の駆動力が伝達されるピン部H9332d1(図233参照)が他方側の側面板H9332dに向かって円柱形状に突設される。ピン部H9332d1に駆動ユニットH9337の連結部材H9337bが連結されることで、駆動ユニットH9337の駆動力により上面板H9332を軸部H9332fを軸として回転させることができる。
網部材H9332eは、上面板H9332を回転させた際に上側装飾ユニットH9014a(側面板H9332dの対向間の空間H9332d2)に不正な部材が挿入されることを抑制する部材であり、一対の側面板H9332dを繋ぐ状態で側面板H9332dの正面側縁部に沿って配設される。なお、網部材H9332eは、パンチングメタルや網状に編み込んだ金属材料から形成され、その金属材料の開口を介して網部材H9332eの音の通過が許容される。また、網部材H9332eは、側面板H9332dに締結固定されており、上面板H9332の変位に伴って変位可能とされる。
軸部H9332fは、後述する左面板H9334及び右面板H9336に形成される被軸支部H9334a,H9336aに軸支される。これにより、上面板H9332は、軸部H9332fを中心に回転可能な状態で左面板H9334及び右面板H9336に配設される。なお、上面板H9332の回転についての詳しい説明は後述する。
左面板H9334は、上述したように、正面板H331の背面側に連なる形状に形成されると共に、上面板H9332の右側の軸部H9332fを軸支する被軸支部H9334aを備える。また、右面板H9336も同様に、正面板H331の背面側に連なる形状に形成されると共に、上面板H9332の左側の軸部H9332fを軸支する被軸支部H9336aを備える。これにより、上面板H9332を回転可能な状態で上側装飾ユニットH9014aに配設できる。
なお、一対の被軸支部H9334a,H9336aは、背面側が開放される形状に形成されており、上面板H9332は、左面板H9334及び右面板H9336を正面板H331に配設した後で、軸部H9332fを被軸支部H9334a,H9336aに挿入することで配設される。
駆動ユニットH9337は、上面板H9332を回転させる駆動力を発生させるソレノイドH9337aと、そのソレノイドH9337aに連結される連結部材H9337bとを主に備え、ソレノイドH9337aの駆動力により連結部材H9337bを上下方向に変位可能に配設される。
なお、上面板H9332を駆動するソレノイドH9337a(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。
連結部材H9337bは、柱状体の背面側の一部を切り欠いたコ字状に形成され、その切り欠かれた内側に上面板H9332のピン部H9332d1が収容可能に構成される。なお、連結部材H9337bは、背面側が切り欠かれるので、上面板H9332を左面板H9334及び右面板H9336の対向間に背面側から挿入して配設する際に、ピン部H9332d1を連結部材H9337bの切り欠き部分に収容することができる。
次いで、図232及び図233を参照して、第16実施形態における上面板H9332の変位について説明する。図232(a)及び(b)は、上側装飾ユニットH9014aの正面図であり、図233(a)は、図232(a)のX32a線における上側装飾ユニットH9014aの断面模式図であり、図233(b)は、図232(b)のX32b線における上側装飾ユニットH9014aの断面模式図である。なお、図232(a)及び図233(a)では、上面板H9332が正面板H331に対して閉じた状態が図示され、図232(b)及び図233(b)では、上面板H9332が正面板H331に対して開放された状態が図示される。なお、図232及び図233では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図232(a)及び図233(a)に示すように、ソレノイドH9337aの軸が引き込まれた状態では、上面板H9332の上面が正面板H331の上面と略面一となる位置に配設される。即ち、上面板H9332が正面板H331に対して閉じた位置に配置される。
これに対し、図232(b)及び図233(b)に示すように、ソレノイドH9337aの軸が突出された状態では、連結部材H9337bの移動に伴って、上面板H9332のピン部H9332d1が連結部材H9337bの切り欠き内部を摺動しつつ上方に変位される。これにより、上面板H9332は、軸部H9332fを軸として回転され、網部材H9332eが配設される正面側(矢印F方向側)が上方に向けて変位される。
これにより、網部材H9332e(空間H9332d2)が上側装飾ユニットH9014aの上方側に突出した状態とされ、正面板H331と取付部材H341との間の隙間により形成される第1連通路H300Cが網部材H9332eの開口を介して開放(空間H9332d2を介して外部空間と連通される)される。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音され、第1連通路H300C内を伝達される音を網部材H9332eの開口(空間H9332d2)を介して上側装飾ユニットH9014aの外側に放音することができる。
即ち、第16実施形態では、第1連通路H300Cの上方側を上面板H9332により塞いで第1空間H300A(図135参照)同士を第1連通路H300Cで連通する態様と、第1連通路H300Cの上方側を開放して上側装飾ユニットH9014aの上方側からパチンコ機H10(図119参照)の外部空間に第1連通路H300Cに伝達される音を放音する態様とを形成できる。従って、第1連通路H300Cを開放した通路として、上側装飾ユニットH9014aの上方側から放音する態様とした場合には、音の放射角度を大きくすることができる。その結果、音による演出態様を複数形成できるので、音による演出効果を高めることができる。
なお、第16実施形態では、第1連通路H300Cの上方側を上面板H9332により塞いだ場合には、第1連通路H300Cの両端部に側面板H9332dが配設されるが、第1空間H300A(図135参照)から第1連通路H300Cに向かって放音される音は、第1連通路H300Cと側面板H933dとの間に形成される隙間を介して第1連通路H300Cに伝達される。
また、第1連通路H300Cの開放とは、空間H9332d2の上方への突出面積(開口面積)が、少なくとも組立時の部品同士の隙間により生じる開口面積(最小の隙間)よりも、3倍以上とされることが好ましく、3倍以上の開口面積とされることで第1連通路H300Cから空間H9332d2を介して音を好適に放音できるからである。
さらに、網部材H9332eは、第1連通路H300Cが閉鎖状態とされる際に第1連通路H300Cの正面側に沿って配設され、第1連通路H300Cが開放された際に、空間H9332d2の正面側に配置される。これにより、不正部材が第1連通路H300Cの内部に挿入されることを抑制しつつ、網部材H9332eの開口を介して第1連通路H300Cと外部空間とを連通させることができる。
また、第16実施形態では、上面板H9332の変位により第1連通路H300Cが開放される際に、第1連通路H300Cの開放幅(空間H9332d2の上方への突出幅)が変化するので、空間H9332d2から放音される音の態様を上面板H9332の変位に応じて変位させることができる。即ち、第1連通路H300Cの開放幅を変更して空間H9332d2から出る音の音域や音量を変更することができる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
さらに、第16実施形態では、図232(a)及び図233(a)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、上面板H9332を区画壁H343bに当接した状態とされる一方、図232(b)及び図233(b)に示すように第1連通路H300Cを開放した場合に、上面板H9332を区画壁H343bから離間した状態とされる。これにより、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に対して、上側装飾ユニットH9014aの剛性を低下させることができる。
この剛性の変化により上側装飾ユニットH9014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図129参照)から放音され、上側装飾ユニットH9014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。
即ち、スピーカーH312a(図129参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第16実施形態における上側装飾ユニットH9014aでは、上側装飾ユニットH9014a(区画壁H343b)に対する上面板H9332の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH9014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH9014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。上面板H9332を区画壁H343bに当接した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH9014aの剛性を高めることができるので、上側装飾ユニットH9014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音させやすくできる。
一方、上面板H9332を区画壁H343bから離間した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH9014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH9014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH9014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。
また、上面板H9332は、上側装飾ユニットH9014aの装飾面(外壁)の一部であるので、上面板H9332を変位させた際にその上面板H9332の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、上面板H9332を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H9332は、上面板H9332を区画壁H343bに当接した状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、正面視において上面板H9332は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で上面板H9332と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に上面板H9332が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H9332は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH9014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH9014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH9014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
なお、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えは、遊技者のボタン部H181(図119参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図119参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図128参照)で検出し、その検出結果に基づき上面板H9332を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(上面板H9332を変位させるソレノイドH9337a(図128参照))を出力するように構成される。
よって、ボタン部H181(図119参照)が操作された場合に上面板H9332が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図119参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。
なお、第16実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図119参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図119参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図124参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、上面板H9332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。
この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。
一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図119参照)に注目することを抑制して、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図135(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音どうしが打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。
また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。
さらに、第16実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図124参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図119参照)の操作がされる場合に、第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態から上面板H9332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図119参照)から放音させやすくしても良い。
この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、その打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。
また、第16実施形態では、上面板H9332を変位させることで、第1連通路H300Cを開放する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上面板H9332を変位させることで、第1連通路H300Cの通路幅を変更するものであっても良い。
例えば、第16実施形態では、上面板H9332に貫通孔を有する網部材H9332eが配設される場合について説明したが、網部材H9332eに変えて貫通孔を有していない板部材を上面板H9332(側面板H9332dの対向間)に配設するように構成してもよい。この場合には、上面板H9332を上方側に変位させた際に、上面板H9332が上側装飾ユニットH9014aの外側に変位する分、第1連通路H300Cの通路幅を変更(大きく)できる。
この場合、音が伝達される通路の幅が変更されるので、第1連通路H300Cの通路幅を変更する前と後とで、第1連通路H300C内を伝達される音の音域を変更することがでる。その結果、遊技者に聞こえる音を変更することができ、遊技者の興趣を向上できる。
また、第16実施形態における網部材H9332eに変えて貫通孔を有していない板部材を上面板H9332(側面板H9332dの対向間)に配設するように構成した場合には、上面板H9332が第1連通路H300Cの通路幅を狭める方向に変位された際に、上面板H9332が第1連通路H300Cの内部空間に配設され、上面板H9332が第1連通路H300Cを区画する(第1連通路H300Cの通路幅をなくす)ように構成しても良い。
これによれば、一方の配設空間H300Fに配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音が、第1連通路H300Cを介して他方の配設空間H300Fの第1空間H300A(図135(a)参照)に伝達される音の態様を上面板H9332の変位に応じて変化させることができる。その結果、スピーカーH312aの音による演出効果を高めることができる。
さらに、上記第16実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路として構成する場合に、上面板H9332を区画壁H343bに直接当接させる場合について説明したが、上面板H9332と区画壁H343bとの間に弾性体から構成される弾性体を配設しても良い。これによれば、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、上面板H9332を区画壁H343bに密着させることができる。よって、第1連通路H300Cを閉じた通路とした場合に上面板H9332と区画壁H343bとの間から音が漏れ出ることを抑制することができる。従って、第1連通路H300Cを閉じた通路とした場合と、第1連通路H300Cを開放した場合とで、上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
次いで、図234を参照して、第17実施形態における右側装飾ユニットH10014cについて説明する。上記第8実施形態では、スピーカーH312aの音による振動で屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすく(移動させやすく)する場合について説明したが、第17実施形態では、ファンH10480の風による風圧で屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすくする場合について説明する。
初めに、図234(a)を参照して、第17実施形態における右側装飾ユニットH10014cについて説明する。図234(a)は、第17実施形態における右側装飾ユニットH10014cの分解正面斜視図である。
図234(a)に示すように、第17実施形態における上側装飾ユニットH10014aは、右側装飾ユニットH14cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH400Rと、それら重板ユニットH400L,H400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図126参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H10410と、を主に備える。
支持板部H10410は、組立状態において本体枠H14dの右側(矢印R方向側)の正面側(矢印F方向側)に配設される固定板H411と、その固定板H411の上下方向に延設された領域の正面側に配設される基板部材H412と、固定板H411の上端から左右方向に延設された領域の正面側に配設されるファンH10480と、を主に備える。
ファンH10480は、内部に配設される羽を回転させて風を発生させる部材であり、上方向けて風を送れるように基板部材H412に配設される。また、ファンH10480は、外カバー部材H470の立設部H477及び第1外レンズ部材H450の屈曲部H452の下方に配置され(図234(b)参照)、屈曲部H452の段差部に形成される貫通孔H452aに主に風を送ることができるように配置される。
これにより、第17実施形態では、ファンH10480から送られる風を屈曲部H452の貫通孔H452aを通して屈曲部H452と立設部H477との対向間に送ることができる。
次いで、図234(b)を参照して、屈曲部H452と立設部H477との対向間に送られる風について説明する。図234(b)は、右側装飾ユニットH10014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図234(b)は、第8実施形態の図143(b)における断面と対応する。また、図234(b)では、ファンH10480から送られる風が矢印で模式的に図示される。
図234(b)に示すように、ファンH10480から送られる風は、主に、貫通孔H452aを介して屈曲部H452と立設部H477との対向間に送られる風と、貫通孔H452a内に送風されず上側装飾ユニットH14a側または右側装飾ユニットH14c側に送風される風とに分散される。
貫通孔H452a内に挿通される風は、屈曲部H452及び立設部H477の間と、本体板部H451及び本体板部H471の間とに形成される異物の通路を通過して、主に上端開口部H473aから右側装飾ユニットH10014cの外部に送風されるように構成される。この風により、屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすくして、異物を上端開口部H473aから排出しやすくできる。その結果、右側装飾ユニットH10014cの内部に異物が溜まることを抑制しやすくできる。
即ち、第17実施形態では、空気を流動させるファンH10480を備えて、そのファンH10480により通路空間H400Aの空気を外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間から離間する方向に流動させることができる。これにより、基端部H452cを流下する異物を開口部H473からパチンコ機H10の外部に排出しやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界から入った異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
また、貫通孔H452a内に挿通される風の一部は、屈曲部H452及び立設部H477の間を通過して、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間から正面枠H14の外部に送風される。この風により、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間に入り込もうとする異物を正面枠H14の外側に吹き飛ばすことができる。その結果、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間から異物が上側装飾ユニットH14aの内部に侵入することを抑制できる。
また、第17実施形態では、貫通孔H452a内に送風されず右側装飾ユニットH14c側に送風される風は、右側装飾ユニットH10014cの導光部材H440の周囲を通過して送風されるように構成される。
上記したように、導光部材H440は、基板部材H412のLEDH412aの正面側(矢印F方向側)に配置される。従って、導光部材H440の周囲を通過する風を基板部材H412に当てることができる。これにより、LEDH412aの発光により基板部材H412に蓄えられる熱を冷ますことができる。その結果、基板部材H412が破損することを抑制できる。
なお、第17実施形態では、ファンH10480の回転(送風)は、パチンコ機H10の電源投入時や、操作ハンドルH51のタッチセンサH51aが所定期間操作されていない場合に行われる。即ち、第17実施形態では、遊技者がパチンコ機H10を遊技していない状態の場合に、ファンH10480による風の送風が行われる。これにより、上端開口部H473aから飛び出す異物が遊技者側に飛び出る場合にその異物や遊技者に当たることを抑制できる。
また、ファンH10480の回転(送風)が遊技者がパチンコ機H10を遊技していない状態の場合だけでなく、常に(遊技中)に回転されるように形成されていても良い。これにより、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間から正面枠H14の外部に送風される風を遊技者に感じさせて、パチンコ機H10の上部(上側装飾ユニットH14aの上面)に遊技者が物を置くことを抑制させることができる。その結果、屈曲部H452及び立設部H477の間に侵入しようとする異物を減らして、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
次いで、図235(a)を参照して、第18実施形態における右側装飾ユニットH11014cについて説明する。上記第8実施形態では、屈曲部H452で受け止めた異物を右側装飾ユニットH14cの内部に形成される通路を介して右側装飾ユニットH14c(正面枠H14)の外側に排出する場合について説明したが、第18実施形態では、右側装飾ユニットH11014cの内部を通過させずに異物を正面枠H14の外側に排出する場合について説明する。
初めに、図235(a)を参照して、第18実施形態における右側装飾ユニットH11014cについて説明する。図235(a)は、第18実施形態における右側装飾ユニットH11014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図235(a)は、第8実施形態における図143(b)の断面と対応する。
図235(a)に示すように、第18実施形態における右側装飾ユニットH11014cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH11400Rと、それら重板ユニットH400L,H11400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図126参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。
重板ユニットH400L,H11400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH11014cは、重板ユニットH400L,H11400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。
右重板ユニットH11400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H11470と、を主に備える。
外カバー部材H11470は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H11471と、その本体板部H11471の上端および下端に形成される2箇所の締結部H472と、本体板部H11471に開口される複数の開口部H473と、第1外レンズ部材H450に先端が挿入される円筒部であって第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に固定する螺子が螺入される複数の第1締結部H474と、その第1締結部H474よりも短く形成される円筒部であって、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を外カバー部材H11470に固定する螺子が螺入される複数の第2締結部H475と、本体板部H471の左側側面から突設されると共に背面側から支持板部H410を固定する螺子が螺入される複数の背面側締結部H476と、を主に備える。
本体板部H11471は、側面視(矢印L方向視)において、正面側(矢印F方向側)の端部が湾曲した円弧形状に形成されると共に、背面側の端部が上下方向に直線状に延設され、全体が非透過の樹脂材料から形成される。また、本体板部H11471は、上端から左重板ユニットH400L側に向かって立設される立設部H11477を備えており、正面視において上下(矢印U-D方向)左右(矢印L-R方向)を反転した略L字状に形成される。
なお、本体板部H11471の上下方向(矢印U-D方向)における延設長さは、支持板部H410と対応する長さに形成されており、右重板ユニットH11400Rを支持板部H410に配設した場合に固定板H411の正面側(矢印F方向側)に重なる状態とされる。
立設部H11477は、正面視における正面枠H14の上部右側を構成する部分であり、正面枠H14の組立状態において上側装飾ユニットH14a側に向かって立設される先端部が上側装飾ユニットH14aの上面板H332の右端部と当接する大きさに設定される。
また、立設部H11477には、第1外レンズ部材H450に形成される貫通孔H452aに挿通される挿通部H477aが複数個形成される。この挿通部H477aをH452aに挿通した状態で、第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に配設することで、立設部H11477と対向する第1外レンズ部材H450の屈曲部H452が立設部H11477に対して相対変位することを抑制できる。
さらに、立設部H11477には、立設先端側(矢印L方向側)から下方側に向かって突出して形成される係合部H11477bが形成される。なお、第18実施形態における係合部H11477bは、第8実施形態における係合部H452bと同様に、上面板H332の被係合部H332gに係合する部分であり、先端側が被係合部H332gの第1片H332g1及び第2片H332g2の間に挿入されるように構成される。
なお、第18実施形態では、被係合部H332gと係合する部分を立設部H11477に形成したことにより、屈曲部H452の係合部H452bの形成が省略される。
係合部H11477bは、立設部H11477の立設先端部よりも本体板部H11471側に引いた(近い)位置に形成され、立設部H11477に連なる基端側から被係合部H332gに係合する先端側までを繋ぐ領域が、右側装飾ユニットH11014cの立設部H11477と上側装飾ユニットH14aの上面板H332との境界(連結部)の下方に配置される。
これにより、右側装飾ユニットH11014cの立設部H11477と上側装飾ユニットH14aの上面板H332の境界(連結部)の隙間から異物が正面枠H14の内部に侵入する場合に、その異物を係合部H11477bで受け止めることができる。その結果、上側装飾ユニットH14aの内部に異物が入って上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
なお、第18実施形態では、連結部分における立設部H11477と上面板H332と係合部H11477bとにより形成される通路空間H11400A(図235a参照)が正面枠H14の正面側まで開口される。これにより、第18実施形態では、右側装飾ユニットH11014cの立設部H11477と上側装飾ユニットH14aの上面板H332の境界(連結部)から正面枠H14に侵入する異物を、右側装飾ユニットH11014cの内部を通過させずに正面枠H14の外側に排出することができる。その結果、右側装飾ユニットH11014cに異物を通過させるための通路を形成しなくてよくなるので、右側装飾ユニットH11014cを小型化(薄型化)しやすくできる。
次いで、図235(b)を参照して、第19実施形態における右側装飾ユニットH12014cについて説明する。上記第8実施形態では、立設部H477と上面板H332との隙間から異物が正面枠H14の内部に侵入する場合について説明したが、第19実施形態では、立設部H477と上面板H332との隙間から異物が侵入することが規制される。
初めに、図235(b)を参照して、第19実施形態における右側装飾ユニットH12014cについて説明する。図235(b)は、第19実施形態における右側装飾ユニットH12014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図235(b)は、第8実施形態における図143(b)の断面と対応する。
図235(b)に示すように、第19実施形態における右側装飾ユニットH12014cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH12400Rと、それら重板ユニットH400L,H12400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図126参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。
重板ユニットH400L,H12400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH12014cは、重板ユニットH400L,H12400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。
右重板ユニットH12400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H12450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H12450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H12450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H470と、を主に備える。
第1外レンズ部材H12450は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H451と、その本体板部H451の上端部から内カバー部材H420側に向かって屈曲する屈曲部H12452と、外カバー部材H470に締結される螺子が挿通される貫通孔として構成される複数の第1挿通孔H453,第2挿通孔H454と、それら第1挿通孔H453,第2挿通孔で囲まれる領域において外カバー部材H470側(右側(矢印R方向側))に張り出し、外カバー部材H470越しに視認可能とされる膨出部H455と、本体板部H451の背面側に穿設されると共に背面側から支持板部H410に固定する螺子が螺入される背面側締結部H456と、正面側の縁部に沿って複数個形成される被係合部H457と、を主に備える。
また、第1外レンズ部材H12450は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設され導光部材H440から出射される光を透過して外カバー部材H470の開口部H473及び外カバー部材H470の正面側から出射する部分であり、全体が半透明の樹脂材料から形成される。
第19実施形態における屈曲部H12452は、屈曲先端側(先端部H12452d)が外カバー部材H470の立設部H477の下面と当接した状態で配設されると共に、先端が立設部H477を超える長さに設定される。
なお、第19実施形態では、上側装飾ユニットH14aの上面板H332に形成される被係合部H332gが上面板H332の左右方向(矢印L-R方向)の内側に距離を隔てた位置に形成され、その被係合部H332gの第1片H332g1を収容可能な収容部H12452eが屈曲部H12452に形成される。
第19実施形態における正面枠H14の組立状態では、第1片H332g1が収容部H12452eに収容されることで、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH12014cとを係合させることができる。これにより、上側装飾ユニットH14aに対して右側装飾ユニットH12014cの位置がずれることを抑制できる。よって、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の隙間が大きくなることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH12014cとの間に異物が侵入することを抑制でき、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
また、第19実施形態では、外カバー部材H470の下面と当接した状態で屈曲部H12452が配設されるので、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH12014cとを本体枠H14dに配設した際に、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の下部に屈曲部H12452の上面を配置することができる。
これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)に異物が侵入したとしても、屈曲部H12452の上面により境界(連結部)の間から上側装飾ユニットH14a又は右側装飾ユニットH12014cの内部に異物が侵入することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH12014cの視認性が悪くなることを抑制できる。
なお、第19実施形態では、外カバー部材H470の下面に屈曲部H12452が単に当接した状態で配設される場合について説明したが、屈曲部H12452が外カバー部材H470側に付勢される状態で配設されていても良い。この場合、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の下方に隙間ができることを抑制できる。よって、境界(連結部)に異物が侵入したとしてもその異物を屈曲部H12452により確実に受け止めて、上側装飾ユニットH14a又は右側装飾ユニットH12014cの内部に異物が侵入することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH12014cの視認性が悪くなることを抑制できる。
次いで、図236を参照して、第20実施形態における右側装飾ユニットH13014cについて説明する。上記第8実施形態では、膨出部H455が本体板部H451と一体に形成される場合について説明したが、第20実施形態では、膨出部H13455が本体板部H13451から取り外し可能に形成される。
初めに、図236(a)及び図236(b)を参照して、第20実施形態における右側装飾ユニットH13014cについて説明する。図236(a)及び図236(b)は、第20実施形態における右側装飾ユニットH13014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図236(a)及び図236(b)は、第8実施形態における図143(b)の断面と対応する。また、図236(a)では、膨出部H13455が本体板部H13451に取り付けられた状態図示され、図236(b)では、膨出部H13455が本体板部H13451から取り外された状態が図示される。
図236(a)及び図236(b)に示すように、第20実施形態における右側装飾ユニットH13014cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH13400Rと、それら重板ユニットH400L,H13400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図126参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。
重板ユニットH400L,H13400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH13014cは、重板ユニットH400L,H13400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。
右重板ユニットH13400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H13450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H13450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H13450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H470と、を主に備える。
第1外レンズ部材H13450は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H13451と、その本体板部H13451の上端部から内カバー部材H420側に向かって屈曲する屈曲部H452と、外カバー部材H470に締結される螺子が挿通される貫通孔として構成される複数の第1挿通孔H453,第2挿通孔H454と、第1挿通孔H453で囲まれる領域において外カバー部材H470側(右側(矢印R方向側))に張り出し、外カバー部材H470越しに視認可能とされる膨出部H455,H13455と、本体板部H451の背面側に穿設されると共に背面側から支持板部H410に固定する螺子が螺入される背面側締結部H456と、正面側の縁部に沿って複数個形成される被係合部H457と、を主に備える。
また、第1外レンズ部材H13450は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設され導光部材H440から出射される光を透過して外カバー部材H470の開口部H473及び外カバー部材H470の正面側から出射する部分であり、全体が半透明の樹脂材料から形成される。
第20実施形態における第1外レンズ部材H13450は、図236に示すように本体板部H13451の上端部に形成される膨出部H13455が着脱可能に形成されており、その膨出部H13455と対応する位置の本体板部H13451に開口H13451bが穿設される。
開口H13451bは、膨出部H13455の外径と対応する内径に形成されると共に、その内縁の一部から開口H13451bの内側に向けて張り出す係合片H13451b1が形成される。
膨出部H13455は、一方側(矢印R方向側)の端部が塞がった円筒形状に形成される。また、膨出部H13455は、他方側(矢印L方向側)の端部に繋がるL字状に凹設される第1溝部H13455aと、一方側の端面に十字状に凹設される第2溝部H13455bとを備える。
第1溝部H13455aは、開口H13451bの係合片H13451b1を受け入れる部分であり、係合片H13451b1よりも溝幅に形成される。なお、第1溝部H13455aへの係合片H13451b1の挿入は、第1溝部H13455aの他方側の端部と係合片H13451b1との位置を合わせつつ、膨出部H13455を本体板部H13451側に押し込むことで行われる。
この挿入された状態で、膨出部H13455を本体板部H13451に対して、膨出部H13455の軸回りに回転させることで、係合片H13451b1がL字状に形成される第1溝部H13455aの凹設先端側まで挿入される。これにより、膨出部H13455を本体板部H13451から離れる方向に引き抜いた場合、膨出部H13455が本体板部H13451から取り外されることを抑制できる。
なお、本体板部H13451に対する膨出部H13455の軸回りの回転は、膨出部H13455の一方側の端面に形成される第2溝部H13455bに専用の工具(第20実施形態では、マイナスドライバー)を挿入することで簡易に行えるようになっている。即ち、第2溝部H13455bは、膨出部H13455の取り外しのための工具を引っ掛ける部分(着脱する部分)として形成される。
以上のように構成される右側装飾ユニットH13014cによれば、膨出部H13455を本体板部H13451から取り外すことができるので、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH13014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の隙間から侵入した異物が外カバー部材H470の開口部H473まで落下した後、開口部H473から右側装飾ユニットH13014cの外側に排出されなかった(区画壁H478の上面に留まる)場合に、膨出部H13455を取り外して、異物を右側装飾ユニットH13014cの外側に排出することが可能となる。その結果、右側装飾ユニットH13014cの内部に異物が溜まり続けることを抑制できる。
次いで、図237から図239を参照して、第21実施形態における上下皿ユニットH14015について説明する。上記第8実施形態では、突出部H583が固定される場合について説明したが、第21実施形態では、突出部H14563bが張り出し変位される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図237を参照して、第21実施形態における上下皿ユニットH14015の全体構成について説明する。図237は、第21実施形態における上下皿ユニットH14015の分解正面斜視図である。
図237に示すように、第21実施形態における上下皿ユニットH14015は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510(図238参照)と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520(図238参照)及び操作ハンドルH51(図238参照)と、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H14530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H530の間に配設される操作ユニットH180(図238参照)とを主に備える。
下皿形成部材H14530は、ベース部材H510(図238参照)及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH14015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図144参照)を構成する下皿構成ユニットH550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH14560と、を主に備えて形成される。
球抜きユニットH14560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材H561と、その収容部材H561の内側に配設されるスライド板H14562と、そのスライド板H14562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材H561の外側に配置される球抜きレバーH52と、スライド板H14562及び球抜きレバーH52を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、スライド板H14562の少なくとも一部の下方に重なる位置に配設される第2スライド板H14563と、を主に備える。
収容部材H561は、第1化粧板H541の第2開口部H541bの内側に収容可能な大きさに形成され、第2開口部H541bの上方に配設される下皿構成ユニットH550の下方側に隣り合う状態で配設される。また、収容部材H561は、箱状に形成される内部に後述するスライド板H14562の変位を案内する案内機構を備えており、その案内機構によりスライド板H14562の変位方向が一方向に規定される。
スライド板H14562は、底面部H553の底面口H553aの開口よりも大きい板状に形成され、底面口H553aの下側縁部を塞ぐ閉塞位置と、その閉塞位置から変位して底面口H553aを開放する開放位置とに変位可能に形成される。スライド板H14562が閉塞位置に配置される場合には、下皿H50(図144参照)の貯留領域に球を貯留可能な状態とされ、スライド板H14562が開放位置に配置される場合には、下皿H50の貯留領域にある球を底面口H553aから払い出す状態とされる。なお、収容部材H561には、スライド板H14562を開放位置に配置した場合に、球を下方に挿通させるための排出口H561aが底面口H553aと対応する位置に形成される。
また、第21実施形態におけるスライド板H14562には、スライド板H14562の閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)から開放位置(排出口H561aを開放する位置)への変位方向と反対方向に収容部材H561から突出される押圧片H14562aが形成され、その押圧片H14562aの下方に第2スライド板H14563が配設される。
第2スライド板H14563は、第1化粧板H541の底面部に沿った板状に形成されると共に、収容部材H561の右側外方に配設される。また、第2スライド板H14563は、上面側から上方に膨出する膨出部H14563aと、下面側から下方に張り出される突出部H14563b(L33参照)と、第2スライド板H14563の下面に当接する位置に配設され第2スライド板H14563を第1化粧板H541に対して上方側に付勢するコイルバネH14564(図239参照)と、を主に備え、第1化粧板H541の底面側の上方に重なる位置に配置される。
膨出部H14563aは、スライド板H14562が閉塞位置から開放位置に変位される際に、スライド板H14562の押圧片H14562aが当接する部分であり、閉塞位置におけるスライド板H14562の押圧片H14562aと上下方向(矢印U-D方向)に重ならない位置に形成されると共に、閉塞位置におけるスライド板H14562の押圧片H14562aと少なくとも一部が左右方向(矢印L-R方向)に重なる位置に形成される。
これにより、スライド板H14562が閉塞位置から開放位置にスライド変位された際に、スライド板H14562の押圧片H14562aを第2スライド板H14563の膨出部H14563aに当接させることができる。なお、この当接により第2スライド板H14563が下方に変位されるが、その変位についての詳しい説明は後述する。
突出部H14563bは、第2スライド板H14563の後述する上下動の変位に伴って第1化粧板H541及び下側保護板H580の底面から下方に張り出される部分であり、第2スライド板H14563が上方に位置する場合(図239(a)に示す状態の場合)に第1化粧板H541及び下側保護板H580の底面から突出部H14563bの突出先端(下端)が張り出さない長さに設定される。
なお、第1化粧板H541及び下側保護板H580には、突出部H14563bが形成される位置に突出部H14563bと対応する形状の開口が形成される。突出部H14563bは、第1化粧板H541及び下側保護板H580の開口を介して突出部H14563bを張出変位される。
また、突出部H14563bは、第8実施形態における突出部H583と同様に正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲する湾曲壁H583aを複数個(4個)左右方向(矢印L-R方向)に連結させた形状に形成されており、湾曲形状による機能および作用は第8実施形態における突出部H583と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
次いで、図238及び図239を参照して、突出部H14563bの変位について説明する。図238(a)及び(b)は、上下皿ユニットH14015の側面図であり、図239(a)は、図238(a)のX33aにおける上下皿ユニットH14015の断面図であり、図239(b)は、図238(b)のX33b線における上下皿ユニットH14015の断面図である。
なお、図238(a)及び図239(a)では、突出部H14563bが上方に退避された状態(以下「退避状態」と称す)が図示され、図238(b)では、突出部H14563bが下方に張り出した状態(以下「張出状態」と称す)が図示される。
図238(a)及び図239(a)に示すように、スライド板H14562が閉塞位置に配置される場合には、スライド板H14562の押圧片H14562aが第2スライド板H14563の膨出部H14563aの右側に位置し、押圧片H14562aと膨出部H14563aとが上下方向(矢印U-D方向)に重ならない位置に配置される。
よって、第2スライド板H14563は、第2スライド板H14563と第1化粧板H541との間に配設されるコイルバネH14564により上方に付勢され、膨出部H14563aが形成される部分を除く第2スライド板H14563の上面が押圧片H14562aに当接する位置に配置される。これにより、第2スライド板H14563の下面に形成される突出部H14563bは、第1化粧板H541及び下側保護板H580に形成される開口の内側に配置される(即ち、退避状態とされる)。
一方、図239(b)及び図239(b)に示すように、スライド板H14562が開放位置に配置される場合には、スライド板H14562の押圧片H14562aが第2スライド板H14563の膨出部H14563aと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に配置される。
よって、第2スライド板H14563は、スライド板H14562の押圧片H14562aの下面と膨出部H14563aとの当接により下方に向かって押し出される。これにより、第2スライド板H14563の下面に形成される突出部H14563bは、第1化粧板H541及び下側保護板H580に形成される開口から下方に張り出される(即ち、張出状態とされる)。
即ち、第21実施形態では、正面枠H14(上下皿ユニットH14015)の下面側から張り出される突出部H14563bの張り出し量を変更可能に構成される。これにより、突出部H14563bの張り出しが不要の場合には、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させて、突出部H14563bの突出高さを低くできる。よって、突出部H14563bが遊技の邪魔になることやパチンコ機H10(上下皿ユニットH14015)の外観が悪化することを抑制できる。
特に、第21実施形態では、遊技者が球抜きレバーH52(図237参照)を操作して、スライド板H14562を開放位置に変位させ下皿H50(図144参照)に貯留される球を千両箱に排出する際に、突出部H14563bを上下皿ユニットH14015の底面から張り出させることができ、下皿H50に貯留される球が排出されない状態持(スライド板H14562が閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)に突出部H14563bを上下皿ユニットH14015の内側に退避させることができる。即ち、遊技者の球吹きレバーH52の操作により、突出部H14563bをスライド変位させることができ、遊技者の任意のタイミング(球抜きタイミング)で突出部H14563bの突出高さを変更できる。
従って、第21実施形態では、球が排出されていない状態持に突出部H14563bを退避させて突出部H14563bが邪魔になることを抑制できる。よって、例えば、千両箱に払い出される球が一杯になり千両箱を交換する場合に、交換前後の千両箱が突出部H14563bに引っ掛かることを抑制できる。その結果、下皿H50(図144参照)の周囲の作業性を向上できる。
なお、第21実施形態では、図238(a)に示すように、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させた場合に、突出部H14563bの先端が正面枠H14(上下皿ユニットH14015)から非突出とされる(即ち、正面枠H14(上下皿ユニットH14015)の内側に突出先端が配置される)。これにより、突出部H14563bの突出先端が遊技の邪魔になることや、突出部H14563bの突出先端が見えてパチンコ機H10の外観が悪化することを確実に抑制できる。
また、下皿H50(図144参照)から球を排出する際には、突出部H14563bが張り出された状態とされるので、上記第8実施形態における突出部H583同様に、千両箱に落下して跳ね返る球を当接させることができ、下皿H50から排出される球が千両箱の前方から飛び出ることを抑制できる。
なお、第21実施形態における突出部H14563bを上記1実施形態における突出部H583のように、正面枠H14(図123参照)を開放する際の持ち手として利用させる場合には、作業者に球抜きレバーH52(図237参照)を操作させて、スライド板H14562を開放位置に変位させることで、第8実施形態における突出部H583と同様に、突出部H14563bを持ち手として利用させることができる。
また、第21実施形態における突出部H14563bを上記第8実施形態における突出部H583のように、正面枠H14(図123参照)を仮置きする場合の床の支持部として利用する場合も同様に、作業者に球抜きレバーH52(図237参照)を操作させて、スライド板H14562を開放位置に変位させることで、第8実施形態における突出部H583と同様に、正面枠H14を仮置きする場合の床の支持部として利用することができる。
この場合、第21実施形態では、突出部H14563b(第2スライド板H14563)の上部にスライド板H14562の押圧片H14562aが配置される。従って、突出部H14563bを床面に当接させた状態で正面枠H14(図123参照)を仮置きした場合に、突出部H14563bが変形または破損することをスライド板H14562(押圧片H14562a)で抑制できる。
即ち、突出部H14563bは、他の部材の配置の邪魔にならないよう上下皿ユニットH14015に対して比較的小さく形成される。そのため、突出部H14563bに力が集中すると突出部H14563bが変形または破損する恐れがあった。
これに対し、第21実施形態では、突出部H14563bをスライド板H14562で支持できるので、突出部H14563bに力が集中しすぎることを抑制して、突出部H14563aが変形または破損することを抑制できる。即ち、スライド板H14562を突出部H14563bの支持部(補強)として利用できる。
なお、第21実施形態では、スライド板H14562が突出部H14563b(第2スライド板H14563)の上方に重なるだけであるが、スライド板H14562を突出部H14563bの前後に重なる大きさに形成(即ち、押圧片H14562aの前後幅を第2スライド板H14563の前後幅よりも大きく形成して、押圧片H14562aに第2スライド板H14563と前後に重なる領域を形成)しても良い。この場合には、突出部H14563bに前後方向における力が作用する場合であっても、突出部H14563bをスライド板H14562で支持することができる。その結果、突出部H14563aが変形または破損することを抑制できる。
また、第21実施形態では、球抜きレバーH52(図237参照)の操作に伴うスライド板H14562の変位により、第2スライド板H14563を上下にスライド変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、正面枠H14(図123参照)を外枠H11(図121参照)から開放(取り外し)た際にスライド変位するスライド板を設け、そのスライド板の変位により第2スライド板H14563を下方に変位させるように構成しても良い。
この場合、正面枠H14(図123参照)が外枠H11(図121参照)から取り外された場合に、突出部H14563bを張り出させることができるので、上記第8実施形態における突出部H583のように正面枠H14を床に仮置きする場合の支持部として突出部H14563bを利用することができる。
また、第21実施形態では、第8実施形態における突出部H583が非形成とされる場合について説明したが、突出部H583を備えるものであっても良い。この場合には、第2スライド板H14563の突出部H14563bが突出部H583の正面側に沿って(正面側に隣り合う位置に)突出可能に形成されることが好ましい。これによれば、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14(図123参照)を開放する場合に突出部H583を正面枠H14の開放方向に引っ張る場合に、その力で突出部H583が変形または破損することを突出部H14563bにより抑制できる。即ち、突出部H14563bを突出部H583の支持部(補強)として利用できる。
次いで、図240を参照して、第22実施形態における上下皿ユニットH35015について説明する。上記第21実施形態では、スライド板H14562(球抜きレバーH52)の変位に連動して第2スライド板H14563が変位される場合について説明したが、第22実施形態では、スライド板H14562(球抜きレバーH52)の変位に第2スライド板H14563が非連動とされる場合を形成可能に構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図240(a)から(d)は、第22実施形態における上下皿ユニットH15015の断面図であり、図238(a)のX33a線における断面と対応する。また、図240(a)から図240(d)では、第2スライド板H14563又は係合片H15543が変位された際の遷移状態が順に図示される。さらに、図240(a)及び(d)では、突出部H14563bが上下皿ユニットH15015の内側に退避した退避状態が図示され、図240(b)及び(c)では、突出部H14563bが上下皿ユニットH15015の下方から張り出した張出状態が図示される。
図240に示すように、第22実施形態における上下皿ユニットH15015は、上述した第21実施形態における上下皿ユニットH14015の第1化粧板H541の底面側に係合片H15543が配設される。
係合片H15543は、第1化粧板H541及び下側保護板H580の開口を介して張出変位された位置の(張出状態となる位置に変位された)第2スライド板H14563の上面と係合する部材であり、一端側(上方側)に鉤状に形成される係合部H15543aを備える。
また、係合片H15543は、第1化粧板H541に形成される軸受部H15541fに軸支され、第1化粧板H541に対して回転可能な状態で配設されると共に、係合部H15543aが形成される側と反対側の他端側が第1化粧板H541及び下側保護板H580に形成された開口(図示せず)を介して上下皿ユニットH15015の下方側に突出される。即ち、係合片H15543は、上下皿ユニットH15015の下方側から突出される部分により操作可能とされる。
さらに、係合片H15543は、第1化粧板H541の軸受部H15541fとの間に配設されるねじりバネ(図示せず)により、係合部H15543a側が第2スライド板H14563側に近づく方向に付勢される。
係合部H15543aは、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させた状態(退避状態)において、突出部H14563bの非形成部分における第2スライド板H14563の下面側端部に当接する位置に配置される。また、第2スライド板H14563の下面側端部が当接される係合部H15543aの当接面は、傾斜して形成される。これにより、第2スライド板H14563が退避状態から張出状態に変位される際には、第2スライド板H14563の下面側端部が係合部H15543aの当接面を外側に押し出すことで、係合片H15543が回転される。
以上のように構成される第22実施形態における上下皿ユニットH15015によれば、図240(a)及び図240(b)に示すように、遊技者が球抜きレバーH52(図237参照)を操作して第2スライド板H14563が張出位置にスライド変位されると、第2スライド板H14563の張出変位に伴って係合片H15543の係合部H15543aが第2スライド板H14563から離れる方向に回転された後、突出部H14563bの非形成部分における第2スライド板H14563が係合部H15543aを超えて下方側まで変位されることで、ねじりバネの付勢力により係合部H15543aが再び第2スライド板H14563に近づく方向に回転される。
この場合、突出部H14563bの非形成部分における第2スライド板H14563が係合部H15543aを超えて下方側に位置することで、係合部H15543aが第2スライド板H14563の上面に係合して、第2スライド板H14563の上方側への変位が規制される(以下の説明では「規制状態」と称す)。
この規制状態では、図240(c)に示すように、遊技者が球抜きレバーH52(図237参照)を操作してスライド板H14562を閉鎖位置(排出口H561a(図239参照)を塞ぐ位置)に変位させたとしても、係合部H1553aが第2スライド板H14563に引っ掛かることで、第2スライド板H14563の退避方向への変位が規制される。
一方、図240(d)に示すように、第22実施形態における上下皿ユニットH15015は、上下皿ユニットH15015の下方側から突出される係合片H15543を遊技者が操作することで、係合部H15543aと第2スライド板H14563との係合が解除される。これにより、第2スライド板H14563が退避方向に変位され、第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に突出部H14563bを退避させた状態(即ち、図240(a)に示す状態)とされる。
即ち、第22実施形態では、遊技者の球抜き操作(球抜きレバーH52(図237参照)の操作)により突出部H14563bを上下皿ユニットH15015の下方側から張り出させる(張出状態とする)ことができると共に、球抜き操作を終えた後(球抜きレバーH52を元の位置に戻した後)においても突出部H14563bを上下皿ユニットH15015の下方側から張り出した状態(張出状態)に維持することができる。
また、上下皿ユニットH15015の下方側から突出部H14563bを張り出した状態においては、遊技者の任意のタイミングで突出部H14563bを下側保護板H580の内側に退避させた状態にできる。
さらに、球抜きレバーH52(図237参照)を操作した状態(スライド板H14562を開放位置に変位させて遊技球を下皿H50(図144参照)から払出可能な状態)においては、図240(b)に示すように第2スライド板H14563の膨出部H14563aの上方にスライド板H14562の押圧片H14562aが位置される。従って、遊技者が係合片H15543を操作したとしても突出部H14563bが下側保護板H580の内側に退避されることを抑制できる。よって、下皿H50から遊技球を払い出し可能な場合に、突出部H14563bが不用意に退避方向に変位することを抑制できる。その結果、千両箱に落下して跳ね返る球を突出部H14563bに当接させることができ、下皿H50から排出される球が千両箱の前方から飛び出ることを抑制できる。
また、突出部H14563bに係合部H15543aを係合させて維持状態にし、球抜きレバーH52(図237参照)を初期位置に戻した(スライド板H14562を閉鎖位置(排出口H561a(図239参照)を塞ぐ位置)に変位させた)後、再度球抜きレバーH52を操作してスライド板H14562を開放位置(排出口H561aを開放する位置)に変位させる場合には、第2スライド板H14563の下方側への変位が必要なくなるので、スライド板H14562と第2スライド板H14563との接触抵抗を小さくすることができる。即ち、第2スライド板H14563を下方側に維持した状態とすることができるので、第2スライド板H14563を下方側に変位させるためにスライド板H14562を第2スライド板H14563に当接させる必要がなくなり、その分、スライド板H14562の操作抵抗を減らすことができる。
従って、下皿H50(図144参照)からの非球抜き時(スライド板H14562を閉鎖位置(排出口H561a(図239参照)を塞ぐ位置)に配置した状態)において、退避状態とされる位置への突出部H14563bの変位を必要としない(突出部H14563bが張出状態とされた状態で良い)遊技者の場合には、球抜きレバーH52(図237参照)の操作抵抗を小さくすることができ、球抜きレバーH52を操作させやすくできる。即ち、遊技者の好みにより、突出部H14563bを張出状態とするか否かを遊技者に選択させることができる。
さらに、第22実施形態においては、上記第8実施形態における突出部H583のように突出部H14563bを正面枠H14(図123参照)を仮置きする場合の床の支持部として利用する際には、球抜きレバーH52(図237参照)を初期位置に戻してスライド板H14562を排出口H561a(図239参照)を塞ぐ閉鎖位置に配置することができるので、正面枠H14を仮置きする場合に球が下皿H50の貯留領域に払い出されたとしても、下皿H50から球が払い出されることを抑制できる。これにより、床面に球が散らばることを抑制できる。
次いで、図241及び図242を参照して、第23実施形態における上下皿ユニットH16015及び上側装飾ユニットH16014aについて説明する。上記第21実施形態では、第2スライド板H14563を上下皿ユニットH14015の下方側から突出させる場合について説明したが、第23実施形態では、第2スライド板H16562を上側装飾ユニットH16014aから突出させる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図241(a)及び(b)は、第23実施形態における正面枠H16014の正面模式図であり、図242(a)は、図241(a)のX34a線における上側装飾ユニットH16014aの断面模式図であり、図242(b)は、図241(b)のX34b線における上側装飾ユニットH16014aの断面模式図である。なお、図241(a)及び図242(a)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aの内側に退避した退避状態が図示され、図241(b)及び図242(b)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aから張り出した張出状態が図示される。なお、図241及び図242では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図241及び図242に示すように、第23実施形態における正面枠H16014は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14d(図126参照)と、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH16014aと、その上側装飾ユニットH16014aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH16015と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH16015の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図126参照)と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170(図126参照)とを主に備えて構成され、内枠H12(図125参照)に回動可能に取り付けられている。
上下皿ユニットH16015は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510(図145参照)と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510の正面側に配設される下皿形成部材H16530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H16530の間に配設される操作ユニットH180(図145参照)と、を主に備える。
下皿形成部材H16530は、上下皿ユニットH16015の化粧面を構成する部材であり、正面視においてベース部材H510を覆う位置に配設される。また、下皿形成部材H16530は、下皿H50(図144参照)の貯留空間を形成する下皿構成ユニットH550(図150参照)と、その下皿構成ユニットH550に貯留された球を抜く球抜きユニットH16560(図150参照)とを備える。
球抜きユニットH16560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材H561(図150参照)と、その収容部材H561の内側に配設されるスライド板H562(図150参照)と、そのスライド板H562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材H561の外側に配置される球抜きレバーH16052と、スライド板H562及び球抜きレバーH16052を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、を主に備える。
球抜きレバーH16052は、下皿H50(図144参照)に貯留された球を下方へ排出する際に遊技者が操作するためのレバーであり、スライド板H562(図150参照)に連なって形成されると共に、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、スライド板H562が閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)から開放位置(排出口H561aを開放する位置)に変位される。また、球抜きレバーH16052には、上下皿ユニットH16015の化粧面よりも背面側の位置に連結部材H16501が連結される。
連結部材H16501は、金属製の棒部材を曲げて形成されており、上下皿ユニットH16015、右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH16014aの背面側を左右方向(矢印L-R方向)にスライド変位可能に構成され、球抜きレバーH16052の操作に伴って左右方向にスライド変位可能とされる。
また、連結部材H16501は、球抜きレバーH16052に連結される側と反対側の端部に、スライド板H16502が連結され、球抜きレバーH16052の操作により左右方向にスライド変位されることで、スライド板H16502を左右方向にスライド変位可能とされる。
次いで、上側装飾ユニットH16014aについて説明する。上側装飾ユニットH16014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH16320とを主に備える。
化粧ユニットH16320は、背面側(矢印B方向側)が開放される箱状に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH16340及び一対の音伝達ユニットH350(図131参照)とを主に備える。
発光ユニットH16340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に上下方向に変位可能な状態で配設され光を発光可能に構成される基板ユニットH16344と、その基板ユニットH16344及び取付部材H341との背面側を覆う覆設部材H343とを主に備える。
基板ユニットH16344は、光を出射するLED(発光ダイオード)H342aが正面側(矢印F方向側)に複数個配設される基板部材H342と、その基板部材H342の正面側を覆う正面カバーH16345と、基板部材H342の背面側を覆う背面カバーH16346と、その背面カバーH16346の背面側に連結される伝達部材H16347とを主に備える。
なお、正面カバーH16345は、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成され、背面側に配設される基板部材H342のLEDH342aから出射される光を正面側に向けて透過可能とされる。これにより、LEDH342aから出射される光を取付部材H341の開口部H341a1(図133参照)を介して装飾板H335に出射し、装飾板H335をLEDH342aの光で発光させることができる。
伝達部材H16347は、基板ユニットH16344に駆動力を伝達する部材であり、上下皿ユニットH16015の球抜きレバーH16052に連結される連結部材H16501のスライド板H16502に当接可能な位置に形成される。また、伝達部材H16347は、下方側の一部がスライド板H16502の傾斜面により支持されており、スライド板H16502が変位されることにより傾斜面に沿って上方側に変位可能とされる。この伝達部材H16347の変位により基板ユニットH16344が上下方向(矢印U-D方向)に変位可能とされる。
なお、第23実施形態では、伝達部材H16347が下方に位置する(退避状態とされる)場合(図241(a)に示す位置に配置される場合)に、基板ユニットH16344の上端面が装飾ユニットH330の上面と略一致する高さに設定されると共に、伝達部材H16347が上方に位置する(張出状態とされる)場合(図241(b)に示す位置に配置される場合)に基板ユニットH16344の上端面が装飾ユニットH330から上方側に張り出すように設定される。
以上のように構成される第23実施形態における正面枠H16014によれば、球抜きレバーH16052の操作に伴って、正面枠H16014の上方側から基板ユニットH16344を張り出させることができる。従って、遊技者や遊技直前の遊技者に排出口H561aが開放されていることを認識させることができる。その結果、遊技者が排出口H561aを開放したことを忘れて、下皿H50(図144参照)に遊技球を貯留しようとした場合(例えば、上皿H17の貯留が一杯になり、払い出される遊技球が下皿H50の貯留領域に迂回した場合)に下皿H50から遊技球が払い出されてしまうことを抑制できる。
また、正面枠H16014の上方側から張り出す基板ユニットH16344には、LEDH342aが配設されるので、正面枠H16014の外側から光を出射することができる。これにより、基板ユニットH16344が張り出していることを遊技者に認識させやすくできる(即ち、排出口H561aが開放されていることを遊技者に認識させやすくできる)。
さらに、パチンコ機H10の遊技状態が大当たりとなり遊技球が下皿H50(図144参照)から払い出され、遊技者が球抜きレバーH16052を操作した際に、光を出射するLEDH342を正面枠H16014から張り出させることができるので、大当たり時にパチンコ機H10の演出領域を増やすことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、第23実施形態では、正面枠H16014から基板ユニットH16344を張り出した場合の上方側への張出距離が、正面視における正面枠H16014よりも若干大きく形成される外枠H11(図121参照)よりも先端が外方側に張り出す距離に設定される。これにより、組み立てた状態のパチンコ機H10(図119参照)を床に仮置きする場合には、基板ユニットH16344と外枠H11の上面の一部との2点を床面に当接させた状態にできる。その結果、床面の影響を受けることなく仮置きすることができ、パチンコ機H10が倒れることを抑制できる。
なお、第23実施形態では、基板ユニットH16344が張出状態とされる(図241に示す状態とされる)場合に、伝達部材H16347の下方側にスライド板H16502が配置される。即ち、基板ユニットH16344の下方側がスライド板H16502により支持(補強)される。これにより、基板ユニットH16344を張出状態としてパチンコ機H10を床面に仮置きする場合に、基板ユニットH16344が変形または破損することを抑制できる。
さらに、外枠H11(図121参照)よりも基板ユニットH16344の先端が外方側に張り出すので、パチンコ機H10(図119参照)を背面側に傾倒させた状態で仮置きすることができる。これにより、基板ユニットH16344に作用する自重に比べて、外枠H11に作用する自重を大きくできる。その結果、装飾面となる上側装飾ユニットH16014aが破損することを抑制できる。また、仮置きしたパチンコ機H10が倒れる場合には、正面側よりも背面側に倒れやすくできるので、仮にパチンコ機H10が倒れた場合に装飾面となる正面側に倒れることを抑制して、装飾面が破損する(ヒビや傷が入る)ことを抑制できる。
また、正面枠H16014からの基板ユニットH16344の張り出し量が大きくされることで、パチンコ店においてパチンコ機H10の上方に配置されるデータ表示器(大当たり回数や遊技回数のデータ表示器)を遊技中や遊技直前の遊技者に視認させにくくできる。これにより、基板ユニットH16344が張り出していることを遊技者に認識させやすくできる(即ち、排出口H561aが開放されていることを遊技者に認識させやすくできる)。
なお、上記第23実施形態では、変位する基板ユニットH16344にのみ基板部材H342が配置される場合について説明したが、基板ユニットH16344の基板部材H344の他に固定された基板部材H342を別途配設して、基板ユニットH16344の変位に関わらず他に固定された基板部材H342により装飾板H345を常に発光させるものとし、基板ユニットH16344を張出状態とした際に正面視における発光領域を増やすものであっても良い。
また、上記第23実施形態では、変位する基板ユニットH16344に光を出射可能なLEDH342aを備えた基板部材H342を配置する場合について説明したが、基板ユニットH16344に基板部材H342を非搭載のものであっても良い。例えば、背面カバーH16346のみで構成される基板ユニットH16344であっても良い。
さらに、上記第23実施形態では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aから張り出されていない(図241(a)に示す状態)場合に、LEDH342aから出射される光を取付部材H341の開口部H341a1(図133参照)を介して装飾板H335に出射し、装飾板H335をLEDH342aの光で発光させることについて説明したが、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aから張り出されていない場合に、装飾板H335や取付部材H341に光を反射させて、上側装飾ユニットH16014aの下方側(下面板H333)から光を出射可能に構成しても良い。
次いで、図243(a)を参照して第24実施形態における上下皿ユニットH17015について説明する。上記第8実施形態では、操作ユニットH180の下面が被挿入部H555eに当接される場合について説明したが、第24実施形態における上下皿ユニットH17015では、操作ユニットH180の下面が凸状部H17515に当接される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図243(a)は、第24実施形態における上下皿ユニットH17015の断面図である。なお、図243(a)は、図144のX09a線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。
図243(a)に示すように、第24実施形態における上下皿ユニットH17015は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H17510と、そのベース部材H17510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H17510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H17530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H17530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。
ベース部材H17510は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。
また、ベース部材H17510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50(図144参照)の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H17515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第8実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
凸状部H17515は、後述する下皿形成部材H17530の一対の側壁H17555fに挿入され、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の位置決めを行う部分であり、一対の側壁H17555fにより形成される挿入空間と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。
また、凸状部H17515は、正面視において横長矩形に形成され、上面を形成する上面部H17515dと、下面を形成する下面側傾斜部H515bと、左右の側面を形成する側面側傾斜部H515cと、を主に備える。なお、凸状部H515は、下方側に作用する力により若干弾性変形可能な樹脂材料から形成される。
上面部H17515dは、前後方向に延設され、下面側傾斜部H515bは、正面側(矢印F方向側)に向かって上方に傾斜して形成される。また、一対の側面側傾斜部H515cは、正面側に向かって近づく方向に傾斜して形成される。これら上面部H17515dと下面側傾斜部H515bと側面側傾斜部H515cとにより、凸状部H17515は、突出先端側に向かって正面視における上下左右の厚みが薄く(先細り形状)に形成される。
また、上面部H17515dには、正面側(矢印F方向側)の上部に弾性変形可能な弾性部材H17515eが配置されており、その弾性部材H17515eに上皿形成部材H520及び下皿形成部材H17530の間に配設される操作ユニットH180の下面が当接した状態で配置される。
下面側傾斜部H515bには、左右方向(矢印L-R方向)における中央部に凸状部H515の突出先端から基端側に向かう溝状の凹部H515b1が凹設されると共に、その凹部H515b1の凹設底面の一部に被係合部H515b2が開口形成される。
被係合部H515b2は、後述する下皿形成部材H17530の係合部H555b1が係合される開口であり、凸状部H515の突出先端から基端側に向かって溝状に形成される凹部H515b1の基端側の端部に形成される。
下皿形成部材H17530は、ベース部材H17510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH17015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図144参照)を構成する下皿構成ユニットH17550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。
下皿構成ユニットH17550は、下皿H50(図144参照)の底面を形成する底板H17551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H17551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。
底板H17551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H17555と、を主に備える。
連結部H17555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H17555dと、その本体部H17555dの背面側(矢印B方向側)の左右両側の縁部に沿って背面側に向かって突出される一対の側壁H17555fと、本体部H17555dの背面側の下方側の縁部から背面側に向かって突出される突設部H555bと、を主に備え、全体が非透過性の樹脂材料から形成される。なお、連結部H17555は、下方側に作用される力により若干弾性変形可能に形成される。
一対の側壁H17555fは、その対向間の幅が凸状部H17515を挿入可能な大きさに形成され、その対向面にガイド壁H555cが複数個並設される。下皿形成部材H17530をベース部材H17510に配設した際には、一対の側壁H17555fの対向間に凸状部H17515が挿入可能とされる。
ガイド壁H555cは、ベース部材H17510の凸状部H17515が被挿入部H555eに挿入される際に、凸状部H515の左右方向(矢印L-R方向)における位置を調整する部材であり、被挿入部H555eの左右の両側壁に前後方向に所定の間隔で複数個並設される。
また、突設部H555bは、背面側(矢印B方向側)に向かって突設されており、その突設先端部の上面に凸状に形成される係合部H555b1を備える。また、突設部H555bは、ベース部材H17510の凸状部H17515が一対の側壁H17555fの対向間に挿入される際に凸状部H17515の凹部H515b1に案内される部分であり、凹部H515b1により形成される溝と対応する位置に形成される。
係合部H555b1は、ベース部材H17510の被係合部H515b2に係合する部分であり、突設部H555bの上面から上方に向かって突設されると共に、前後方向に切断した断面が略三角形状に形成される。この断面における傾斜により、ベース部材H17510の凸状部H17515が一対の側壁H17555fの対向間に挿入される際、又は、ベース部材H17510の凸状部H17515が一対の側壁H17555fの対向間から引き抜かれる際に、突設部H555bを撓ませやすくできる。その結果、ベース部材H17510に下皿形成部材H17530を取り付ける作業、及び、ベース部材H17510から下皿形成部材H17530を取り外す作業を簡易にできる。
以上のように構成される上下皿ユニットH17015によれば、下方側(下面側傾斜部H515b)に被係合部H515b2が形成される凸状部H17515の上方(上面部H17515d)に操作ユニットH180が載置され、凸状部H17515の下方から被係合部H515b2に係合部H555b1が係合されるので、操作ユニットH180が遊技者に操作された場合や操作ユニットH180が駆動された場合に、被係合部H515b2と係合部H555b1との係合が解除されることを抑制できる。
詳しく説明すると、操作ユニットH180が遊技者に操作された場合や操作ユニットH180が駆動された場合には、操作ユニットH180の下方側に向かう方向の力が入力されやすく、操作ユニットH180が載置される凸状部H17515が下方側に向かって変形しやすい。
第24実施形態では、操作ユニットH180により凸状部H17515の変位しやすい方向側から係合部H555b1が挿入されるので、操作ユニットH180により凸状部H17515が下方側に向かって変位した際に、被係合部H515b2の内側に係合部H555b1を挿入する嵌る方向に被係合部H515b2を変位させることができる。その結果、係合部H555b1と被係合部H515b2との係合が解除されることを抑制できる。
次いで、図243(b)を参照して第25実施形態における上下皿ユニットH18015について説明する。上記第8実施形態では、係合部H555b1が被係合部H515b2に下方側から係合する場合について説明したが、第25実施形態では、係合部H18555b1が被係合部H18515a2に上方側から係合する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図243(b)は、第25実施形態における上下皿ユニットH18015の断面図である。なお、図243(b)は、図144のX09a線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。
図243(b)に示すように、第25実施形態における上下皿ユニットH18015は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H18510と、そのベース部材H18510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H18510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H18530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H18530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。
ベース部材H18510は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。
また、ベース部材H18510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50(図144参照)の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H18515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第8実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
凸状部H18515は、後述する下皿形成部材H18530の一対の側壁H17555fの対向間に挿入され、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の位置決めを行う部分であり、被挿入部H18555eにより形成される挿入空間と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。
また、凸状部H18515は、正面視において横長矩形に形成され、上面を形成する上面側傾斜部H18515aと、下面を形成する下面側傾斜部H18515bと、左右の側面を形成する側面側傾斜部H515cと、を主に備える。なお、凸状部H18515は、下方側に作用する力により若干弾性変形可能な樹脂材料から形成される。
上面側傾斜部H18515aは、正面側(矢印F方向側)に向かって下方に傾斜して形成され、下面側傾斜部H18515bは、正面側に向かって上方に傾斜して形成される。また、一対の側面側傾斜部H515cは、正面側に向かって近づく方向に傾斜して形成される。これら上面側傾斜部H18515aと下面側傾斜部H18515bと側面側傾斜部H515cとにより、凸状部H18515は、突出先端側に向かって正面視における上下左右の厚みが薄く(先細り形状)に形成される。
また、上面側傾斜部H18515aには、左右方向(矢印L-R方向)における中央部に凸状部H18515の突出先端から基端側に向かう溝状の凹部H18515a1が凹設されると共に、その凹部H515b1の凹設底面の一部に被係合部H18515a2が開口形成される。
被係合部H18515a2は、後述する下皿形成部材H18530の係合部H18555b1が係合される開口であり、凸状部H18515の突出先端から基端側に向かって溝状に形成される凹部H515b1の基端側の端部に形成される。
凹部H18515a1は、後述する下皿形成部材H18530の係合部H18555b1が形成される突設部H18555bを被係合部H18515a2まで案内する案内溝であり、突設部H18555bの左右方向(矢印L-R方向)における厚み寸法よりも溝幅が大きく形成される。なお、凹部H18515a1に突設部H18555bを案内することで、被係合部H18515a2に対する係合部H18555b1の位置ずれを抑えることができ、係合部H18555b1の被係合部H18515a2への係合を簡易にさせることができる。
下皿形成部材H18530は、ベース部材H18510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH18015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図144参照)を構成する下皿構成ユニットH18550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。
下皿構成ユニットH18550は、下皿H50(図144参照)の底面を形成する底板H18551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H18551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。
底板H18551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H18555と、を主に備える。
連結部H18555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H18555dと、背面視において上方側が開放された門型に形成され本体部H18555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H18555eと、本体部H18555dの上方側の縁部から背面側に向かって突出される突設部H18555bと、を主に備え、全体が非透過性の樹脂材料から形成される。なお、連結部H18555は、下方側に作用される力により若干弾性変形可能に形成される。
被挿入部H18555eは、背面視において上方側が開放された門型に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有した形状に形成される。また、被挿入部H18555eは、ベース部材H18510に下皿構成ユニットH18550を配設した際に、ベース部材H18510の凸状部H18515が挿入される部分であり、凸状部H18515と対応する位置に配置される。
また、被挿入部H18555eは、対向する側面から被挿入部H18555eの内側に向かって立設される複数のガイド壁H555c、を備え、そのガイド壁H555cにより凸状部H18515の位置を左右位置を位置決めすることが可能に形成される。
突設部H18555bは、本体部H18555dの背面側端部から上方側に向かって突設されると共に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲される断面略L字状に形成され、背面側の突設先端部の下面に凸状に形成される係合部H18555b1を備える。また、突設部H18555bは、ベース部材H18510の凸状部H18515が被挿入部H18555eに挿入される際に凸状部H18515の凹部H18515a1に案内される部分であり、凹部H18515a1により形成される溝と対応する位置に形成される。
係合部H18555b1は、ベース部材H18510の被係合部H18515a2に係合する部分であり、突設部H18555bの下面から下方に向かって突設されると共に、前後方向に切断した断面が略三角形状に形成される。この断面における傾斜により、ベース部材H18510の凸状部H18515が被挿入部H18555eに挿入される際、又は、ベース部材H18510の凸状部H18515が被挿入部H18555eから引き抜かれる際に、突設部H18555bを撓ませやすくできる。その結果、ベース部材H18510に下皿形成部材H18530を取り付ける作業、及び、ベース部材H18510から下皿形成部材H18530を取り外す作業を簡易にできる。
以上のように構成される上下皿ユニットH18015によれば、上方側から被係合部H18515a2に挿入される係合部H18555b1が挿入可能に形成され、その係合部H18555b1が形成される突設部H18555bの上方側に操作ユニットH180が載置されるので、操作ユニットH180を連結部H18555により支持することができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。
また、被挿入部H18555e(連結部H18555)は、下皿形成部材H18530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された状態とされる。そのため、操作ユニットH180(ボタン部H181)を過剰に押圧する力が連結部H18555に作用する場合には、連結部H18555の非支持側(矢印F方向側)を操作ユニットH180の操作方向(下方)に変位させることで操作ユニットH180に作用する力を連結部H18555で逃がすことができる。
即ち、下皿形成部材H18530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された連結部H18555に操作ユニットH180が支持されるので、操作ユニットH180を過剰に押圧する力が連結部H18555に作用した場合に連結部H18555を弾性変形させることができる。この場合、操作ユニットH180と連結部H18555とが被締結とされるので、連結部H18555の弾性変形に伴って操作ユニットH180と連結部H18555との当接位置(当接状態)を変更することができる。即ち、操作ユニットH180を連結部H18555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180に作用する力が連結部H18555に作用する場合に、連結部H18555が破損したり操作ユニットH180が破損することを抑制できる。
従って、操作ユニットに操作に伴い作用される操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲内である場合には、操作ユニットH180を連結部H18555により支持させることができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。
一方、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合には、連結部H18555を弾性変形させて外力を逃がすことができる(操作力をベース部材H18510と連結部H18555とに分散させることができる。これにより、操作ユニットH180、下皿形成部材H18530、及び、ベース部材H18510の破損を抑制できる。
また、この場合、弾性変形される連結部H18555が、上下皿ユニットH15の正面側に配置される(即ち、装飾側となる)下皿形成部材H18530に形成されるので、連結部H18555を弾性変形させて外力を逃がした場合に、下皿形成部材H18530の装飾面が撓むことを抑制できる。即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合に、その操作力をベース部材H18510と連結部H18555とに分散させると、連結部H18555の弾性変形に伴って、操作ユニットH180が配設されるベース部材H18510も弾性変形されやすい。そのため、ベース部材H18510が装飾面とされると、操作ユニットH180の操作に伴って装飾面の外観が悪化する(装飾面が撓んで部品同士の間に隙間が形成される)恐れがあるところ、連結部H18555が形成される下皿形成部材H18530が装飾面とされることで、遊技機の外観が悪化することを抑制できる。
さらに、第25実施形態では、被挿入部H18555eを有する連結部H18555には、本体部H18555dの上面側に弾性部材H558が配設され、その弾性部材H558に操作ユニットH180の下面が当接した状態で配設される。詳しく説明すると、操作ユニットH180の下面が弾性部材H558を介して本体部H18555dの上面に当接した状態で配設される。
従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555を弾性変形させた場合に、操作ユニットH180と連結部H18555との間に介在する弾性部材H558を弾性変形させることで、操作ユニットH180の下面と、連結部H18555の上面とが擦れることを抑制できる。即ち、弾性部材H558を操作ユニットH180の下面および連結部H18555の上面に当接させた状態で、操作ユニットH180を連結部H18555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180の下面と連結部H18555の上面とが擦れて異音が発生したり、それらの当接面が破損(摩耗)したりすることを抑制できる。
次いで、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形される場合について説明する。
上記したように、連結部H18555の突設部H18555bは、凸状部H18515の上方側に配置されると共に、凸状部H18515の凹部H18515a1に沿って挿入される。この場合、突設部H18555bは、下面側が凹部H18515a1の内面との間に所定の隙間が設けられた状態で配設されるとされる。従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形される場合には、突設部H18555bの下面を凹部H18515a1の内面に当接させて、連結部H18555の弾性変形を抑制することができる。これにより、連結部H18555の破損を抑制できる。
また、第25実施形態では、突設部H18555bに形成される係合部H18555b1が下方側に向かって突出して形成され、その係合部H18555b1が係合される被係合部H18515a2が凸状部H18515の上方側に形成されるので、係合部H18555b1を上方側から被係合部H18515a2に係合させることができる。
これにより、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形される場合には、係合部H18555b1が被係合部H18515a2に挿入される方向に変位される。
即ち、第25実施形態では、被係合部H18515a2が係合部H18555b1よりも操作ユニットH180の操作方向側に形成されるので、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形されると、係合部H18555b1が被係合部H18515a2に対し係合する方向に変位する。これにより係合部H18555b1と被係合部H18515a2との係合状態を維持しやすくできる。その結果、操作ユニットH180を押圧操作することで、係合部H18555b1と被係合部H18515a2との係合を解除する不正を抑制できる。
さらに、第25実施形態では、連結部H18555の本体部H18555dが係合部H18555b1よりも下方側に配置される。これにより、連結部H18555に操作ユニットH180の押圧力が作用して連結部H18555が基部側(本体部H18555d側)を起点に下方側に撓む場合に、係合部H18555b1の下方側への変位と共に係合部H18555b1を背面側(矢印B方向側)に向かって変位させることができる。
これにより、操作ユニットH180の操作方向側の変位により連結部H18555が弾性変形される場合の係合部H18555b1の変位方向を被係合部H18515a2との隙間が大きくなる方向とできる。即ち、係合部H18555b1が、被係合部H18515a2の正面側(矢印F方向側)の内面に当接することで、係合部H18555b1が正面側に向かって変位することを抑制できるところ、連結部H18555の弾性変形により係合部H18555b1の正面側の内面から係合部H18555b1を離間させることができる。
そのため、連結部H18555が弾性変形される前(即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲内)の状態における係合部H18555b1と被係合部H18515a2との間隔を小さくして、下皿形成部材H18530とベース部材H18510との対向間隔を大きくする方向に変位される不正を抑制できる一方、連結部H18555が弾性変形される(即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲外とされる)際には、係合部H18555b1と被係合部H18515a2とが干渉して連結部H18555の凸状部H18515に対する相対変位が規制されることを抑制できる。
次いで、図244(a)を参照して、第26実施形態における上下皿ユニットH19015について説明する。上記第8実施形態では、操作ユニットH180と連結部H555とが非締結とされる場合について説明したが、第26実施形態では、操作ユニットH180と連結部H19555とが締結される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図244(a)は、第26実施形態における上下皿ユニットH19015の断面図である。なお、図244(a)は、図144のX09a線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。
図244(a)に示すように、第26実施形態における上下皿ユニットH19015は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510の正面側に配設される下皿形成部材H19530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H19530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。
下皿形成部材H19530は、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH19015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図144参照)を構成する下皿構成ユニットH19550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。
下皿構成ユニットH19550は、下皿H50(図144参照)の底面を形成する底板H19551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H19551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。
底板H19551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H19555と、を主に備える。
連結部H19555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H19555dと、背面視において下方側が開放された門型に形成され本体部H555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H555eとを主に備える。
本体部H19555dには、下方側から挿入される螺子を挿通可能な挿通孔H19555d1が上下方向(矢印U-D方向)に開口され、その挿通孔H19555d1を挿通した螺子が操作ユニットH180の下方に螺入される。これにより、連結部H19555と操作ユニットH180とが締結固定される。
従って、第26実施形態における上下皿ユニットH19015では、連結部H19555と操作ユニットH180とが締結されるので、操作ユニットH180と連結部H19555とを一体化することができる。そのため、操作ユニットH180を押し込んだ後に連結部H19555により上方に押し返される力が作用する場合に、操作ユニットH180のみが上方に変位して、操作ユニットH180と連結部H19555との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、操作ユニットH180の操作による変形を抑えやすくできる。
次いで、図244(b)を参照して、第27実施形態における上下皿ユニットH20015について説明する。上記第8実施形態では、連結部H555と凸状部H515とが係合される場合について説明したが、第27実施形態では、連結部H20555と凸状部H20515とが締結固定される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図244(b)は、第27実施形態における上下皿ユニットH20015の断面図である。なお、図244(b)は、図144のX09a線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。
図244(b)に示すように、第27実施形態における上下皿ユニットH20015は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H20510と、そのベース部材H20510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H20510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H20530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H20530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。
ベース部材H20510は、本体枠H14d(図126参照)の下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。
また、ベース部材H20510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50(図144参照)の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H20515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第8実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
凸状部H20515は、後述する下皿形成部材H20530の連結部H20555と前後方向(矢印F-B方向)に対向配置され、その連結部H20555に締結される部分であり、正面視における中央部に前後方向に開口して螺子を挿通可能な挿通孔H20515fを備える。
下皿形成部材H20530は、ベース部材H20510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH20015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図144参照)を構成する下皿構成ユニットH20550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。
下皿構成ユニットH20550は、下皿H50(図144参照)の底面を形成する底板H20551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H20551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。
底板H20551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H20555と、を主に備える。
連結部H20555は、前後方向(矢印F-B方向)に所定の厚みを有して形成され、背面側(矢印B方向側)に螺子を螺入可能な締結孔H20555gを備える。また、連結部H20555は、上面に操作ユニットH180が当接されると共に、背面側がベース部材H20510の凸状部H20515の突設先端面に当接可能な大きさに設定される。
締結孔H20555gは、凸状部H515に形成される挿通孔H20515fを介してベース部材H20510の背面側から挿通される螺子を螺入する部分であり、挿通孔H20515fと対応する位置に形成される。挿通孔H20515fを介して締結孔H20555gに螺子止めされることにより、連結部H20555と凸状部H20515とが締結固定される。
第27実施形態における上下皿ユニットH20015によれば、連結部H20555と凸状部H20515とが締結固定されるので、連結部H20555及び凸状部H2015の前後の両側が保持される。そのため、操作ユニットH180が下方側に押し込まれる場合に、操作ユニットH180を連結部H20555と凸状部H20515とで支持して操作ユニットH180を押し込んだ力で操作ユニットH180が下方側に変位することを抑制できる。
次いで、図245及び図246を参照して、第28実施形態における揺動装置H21730について説明する。上記第8実施形態では、駆動手段H780の錘部材H782の遠心力により駆動手段H780をベース手段H770に対して回転させる場合について説明したが、第28実施形態では、駆動手段H21780の当接手段H21786を上側カバー部材H21783及び下側カバー部材H21784に当接させた衝撃で駆動手段H21780をベース手段H770に対して回転させる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図245(a)は、第28実施形態における揺動装置H21730の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応し、図245(b)は、駆動モータH781及び当接手段H21786の分解正面斜視図であり、図246(a)から図246(d)は、揺動装置H21730の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応する。
なお、図246(a)から図246(d)では、当接手段H21786の遷移状態が順に図示され、図246(a)では、当接手段H21786が上側カバー部材H21783に当接した状態が図示され、図246(c)では、当接手段H21786が下側カバー部材H21784に当接した状態が図示される。また、図246(a)及び図246(c)では、当接手段H21786による衝撃が作用する方向が矢印で図示される。
図246に示すように、第28実施形態における揺動装置H21730は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H21780と、ベース手段H770を介して駆動手段H21780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H790と、を主に備える。
駆動手段H21780は、駆動軸H781aを背面側(矢印B方向側)に向かって突出させた状態で配設される駆動モータH781と、その駆動モータH781の駆動軸H781aに連結される当接手段H21786と、駆動モータH781及び当接手段H21786の上方側を覆設する上側カバー部材H21783と、駆動モータH781及び当接手段H21785の下方側を覆設する下側カバー部材H21784と、を主に備える。
当接手段H21786は、駆動モータH781の駆動軸H781aが挿通される挿通孔H21786a1を有する第1部材H21786aと、その第1部材H21786aの挿通孔H21786a1が形成される側と反対側の端部に第1部材H21786aに対して相対変位可能な状態で連結される第2部材H21786bと、それら第1部材H21786a及び第2部材H21786bを相対変位可能な状態で軸支する軸部材H21786cと、第1部材H21786aに対して第2部材H21786bを所定位置に復帰させる方向に付勢するバネ部材H21786dと、を主に備える。
第1部材H21786aは、駆動モータH781の駆動軸H781aに連結されており、駆動軸H781aの回転に伴って駆動軸H781aの回転軸回りに回転可能とされる。
第2部材H21786bは、第1部材H21786aの挿通孔H21786a1が形成される側と反対側の端部に軸部材H21786cにより第1部材H21786aに対して回転可能な状態で配設されると共に、第2部材H21786bに外力が作用していない状態ではバネ部材H21786dにより第1部材H21786aの挿通孔H21786a1の中心から径方向外側に直線状に配置される。
上側カバー部材H21783は、駆動モータH781及び当接手段H21786の上方側(矢印U方向側)を覆設するために下方側(矢印D方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H21783aと、そのカバー部H21783aの左右両側から上方側に向かって突設されると共に上方側の端部に背面側に向かって凹設される収容凹部H783b1が形成される突設部H783bと、カバー部H21783aの上面から上方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の上側軸支部H771b1に挿入される上側軸部H783cと、カバー部H21783aの下面から下方側に向かって突設され先端が第2部材H21786bの変位軌跡上に配設される上側突設部H21783a1と、を主に備え、光を非透過の樹脂材料から形成される。
下側カバー部材H21784は、駆動モータH781及び当接手段H21786の下方側(矢印D方向側)を覆設するために上方側(矢印U方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H21784aと、カバー部H21784aの下面から下方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の下側軸支部H772b1に挿入される下側軸部H784bと、下側カバー部材H784の背面側の縁部から下方側に向かって突設され正面側に弾性体H785が配設される被当接部H784cと、カバー部H21784aの上面から上方側に向かって突設され先端が第2部材H21786bの変位軌跡上に配設される下側突設部H21784a1とを主に備え、無色透明の樹脂材料から形成される。
次いで、図246を参照して、第28実施形態における揺動装置H21730の動作について説明する。
図246(a)から図246(d)に示すように、第28実施形態における揺動装置H21730では、駆動モータH781の駆動により当接手段H21786が回転されると、当接手段H21786の第2部材H21786bが、上側カバー部材H21783の上側突設部H21783a1及び下側カバー部材H21784の下側突設部H21784a1に当接しつつ変位される(図246(a)及び図246(c)参照)。
この場合、第2部材H21786bが上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に当接する衝撃により、駆動手段H21780の背面側が第2部材H21786bの当接方向に変位される。
詳しく説明すると、図246(a)に示すように、上側突設部H21783a1に第2部材H21786bが正面視において左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)に向かって当接する場合には、駆動手段H21780の背面側が右方側に変位される。これにより、駆動手段H21780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に上面視反時計回り方向(正面側を左方向)に回転され、駆動手段H21780が左向き状態とされる。
一方、図246(c)に示すように、上側突設部H21783a1に第2部材H21786bが正面視において右方側(矢印R方向側)から左方側(矢印L方向側)に向かって当接する場合には、駆動手段H21780の背面側が左方側に変位される。これにより、駆動手段H21780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に上面視時計回り方向(正面側を右方向)に回転され、駆動手段H21780が右向き状態とされる。
なお、第2部材H21786bは、上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に当接した後、それら上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1を乗り越える位置まで第1部材H21786aの変位に伴って変位されることで、図246(b)及び図246(d)に示すように、バネ部材H21786dの付勢力により第1部材H21786aの挿通孔H21786a1の中心から径方向外側に直線状に配置され、上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に当接可能な位置に再び配置される。
従って、第28実施形態における揺動装置H21730では、駆動モータH781の駆動を継続して、第1部材H21786aを一方向回転させることで、第2部材H21786bを上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に繰り返し当接させることができ、ベース手段H770に対する駆動手段H21780の位置を右向き状態と左向き状態とに繰り返し変更することができる。
次いで、図247及び図248を参照して、第29実施形態における揺動装置H22730について説明する。上記第8実施形態では、駆動軸H781aに対して錘部材H782の位置が変わらない場合について説明したが、第29実施形態では、駆動軸H781aに対して錘部材H22787bの位置が変更される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図247(a)は、第29実施形態における揺動装置H22730の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応し、図247(b)は、駆動モータH781及び変位手段H22787の分解正面斜視図であり、図248(a)から図248(c)は、揺動装置H22730の断面図であり、図184(a)のX22b線における断面に対応する。なお、図248(a)から図248(c)では、変位手段H22787の遷移状態が順に図示される。
図247に示すように、第29実施形態における揺動装置H22730は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H22780と、ベース手段H770を介して駆動手段H21780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H790と、を主に備える。
駆動手段H22780は、駆動軸H781aを背面側(矢印B方向側)に向かって突出させた状態で配設される駆動モータH781と、その駆動モータH781の駆動軸H781aに連結される変位手段H22787と、駆動モータH781及び変位手段H22787の上方側を覆設する上側カバー部材H783と、駆動モータH781及び当接手段H21785の下方側を覆設する下側カバー部材H784と、を主に備える。
変位手段H22787は、駆動モータH781の駆動軸H781aが挿通される挿通孔H22787a1を中心に有する円柱状の回転ベースH22787aと、その回転ベースH22787aの外側に配設される錘部材H22787bと、回転ベースH22787aの外周面側に連結される棒状の案内部材H22787dと、その案内部材H22787dが挿通されるコイルバネH22787cと、を主に備える。
案内部材H22787dは、一端側が回転ベースH22787aの外周面に連結されると共に、他端側の端部に拡径して形成される係合部H22787d1を備える。係合部H22787d1は、コイルバネH22787cが案内部材H22787dから抜け出ることを規制するための部材であり、コイルバネH22787cの外径よりも大きく形成される。
錘部材H22787bは、駆動手段H22780に回転するための遠心力を作用させる部材であり、鉛等の比較的重い金属材料から形成される。また、錘部材H22787bは、案内部材H22787dが挿通される挿通孔H22787b1を備え、案内部材H22787dに沿って摺動可能な状態で配設される。また、錘部材H22787bは、コイルバネH22787cにより、回転ベースH22787aに近づく方向に付勢されており、錘部材H22787bに遠心力が作用していない状態では、回転ベースH22787aの外周面に当接した状態で配設される。
次いで、図248を参照して、第29実施形態における揺動装置H22730の動作について説明する。
図248(a)から図248(c)に示すように、第29実施形態における揺動装置H21730では、駆動モータH781の駆動により回転ベースH22787aが回転されることで錘部材H22787bが回転される。
この場合、錘部材H22787bの回転に伴って、錘部材H22787bに遠心力が作用することで、コイルバネH22787cの付勢力に抗して回転軸から離れる方向に変位される。この錘部材H22787bの変位により錘部材H22787bを回転させた際に錘部材H22787bから駆動手段H22780に作用する遠心力を大きくすることができる。
また、第29実施形態では、錘部材H22787bの回転速度を遅くして、錘部材H22787bに作用する遠心力を小さくすることで、回転軸に対して錘部材H22787bが離れにくくすることで、錘部材H22787bを回転させた際に錘部材H22787bから駆動手段H22780に作用する遠心力を小さくすることができる。
これにより、例えば、変位手段H22787の回転速度を遅くして、駆動手段H22780に作用する錘部材H787bの遠心力を小さくして、駆動手段H22780のベース手段H770に対する変位速度を遅くしたり、反対に、変位手段H22787の回転速度を早くして、駆動手段H22780に作用する錘部材H787bの遠心力を大きくして、駆動手段H22780のベース手段H770に対する変位速度を早くするといった変更の調整幅を大きくすることができる。
次いで、図249を参照して、第30実施形態における発射位置送球ユニットH23170について説明する。上記第8実施形態では、発射手段H830による遊技球の発射経路における背面側(矢印B方向側)に凹部H821a1が形成される場合について説明したが、第30実施形態では、発射手段H830による遊技球の発射経路における正面側(矢印F方向側)にも第2凹部H23871が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図249(a)は、第30実施形態における発射位置送球ユニットH23170及び球発射ユニットH112aにおける断面図であり、図187のX24a線における断面図と対応し、図249(b)は、発射位置送球ユニットH23170及び球発射ユニットH112aにおける断面図であり、図187のX24b線における断面図と対応する。
図249(a)及び図249(b)に示すように、第30実施形態における発射位置送球ユニットH23170は、正面側(矢印F方向側)に配設され正面側開口H171を有する正面側ケースH860と、その正面側ケースのH860の背面側(矢印B方向側)に配設され背面側開口H172を有する背面側ケースH23870と、それら正面側ケースH860および背面側ケースH23870の間に配設される送球手段H880とを主に備える。
第30実施形態における背面側ケースH23870は、球発射ユニットH112aの背面部H821aと対面し、発射手段H830による発射経路の正面側(矢印F方向側)を形成する面が、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かうに従って背面側(矢印B方向側)に傾斜して形成されると共に、遊技球の発射方向に沿って正面側に溝状に凹設される第2凹部H23871を備える。
第2凹部H23871は、遊技球の半径よりも大きい半径で正面側に向かって背面側ケースH23870の背面側に凹設されると共に、発射手段H830による遊技球の発射方向(矢印L方向)と平行に形成される。また、球発射ユニットH112aの背面部H821aに形成される凹部H821a1と前後方向に一部が重なる位置に形成される。
以上のように形成される発射位置送球ユニットH23170及び球発射ユニットH112aによれば、発射手段H830により発射された遊技球が流路(発射レールH112a1、背面部H821a、背面側ケースH23870により囲まれる通路)の内面(背面部H821a又は背面側ケースH23870に当接する場合に、遊技球に作用する当接方向(前後方向)の反力を凹部H821a1又は第2凹部H23871により抑制可能とされる。内面(背面部H821a又は背面側ケースH23870)から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができる。
即ち、流路(発射レールH112a1、背面部H821a、背面側ケースH23870により囲まれる通路)の内面の両側(背面部H821a及び背面側ケースH23870)に形成されるので、遊技球が前後方向(矢印F-B方向)のどちらに暴れた場合においても遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
また、球発射ユニットH112aの凹部H821a1の内側に当接して正面側に跳ね返る遊技球の反力が依然として大きく発射位置送球ユニットH23170と当接する位置まで跳ね返る場合には、その遊技球を第2凹部H23871の内面に当接させて凹部H871と同様、遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。
即ち、第2凹部H23871の内面に当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、上方側または下方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、背面側(矢印B方向側)に跳ね返る力方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
また、第30実施形態では、球発射ユニットH112aの背面部H821aに形成される凹部H821a1と前後方向に一部が重ならない位置に第2凹部H23871が形成される。これにより、凹部H821a1と第2凹部H23871とが重なっていない領域を利用して背面側開口H172を形成することができる。
次いで、図250(a)を参照して、第31実施形態における球発射ユニットH24112aについて説明する。上記第8実施形態では、背面部H821aに凹部H821a1が凹設される場合について説明したが、第31実施形態における球発射ユニットH24112aでは、背面部H24821aに凸部H24821a2が凸設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図250(a)は、第31実施形態における発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH24112aにおける断面図であり、図187のX24a線における断面図と対応する。
図250(a)に示すように、第31実施形態における球発射ユニットH24112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H24820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850と、を主に備えて形成される。
案内手段H24820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H24821と、金属材料から形成され第1案内部材H24821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H24821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H24821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H24821aと、その背面部H24821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なり第2案内部材H822が配設される配設部H821cと、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され第2案内部材H822に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。
背面部H24821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの遊技球の転動方向に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって凸設される凸部H24821a2を備える。
凸部H24821a2は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、正面側(矢印F方向側)に向かって湾曲状に突出される。
なお、凸部H24821a2の正面側への突出先端部は、背面側開口H172から発射レールH112a1に遊技球を送球するための球送球部H882a上を転動する遊技球の中心部よりも若干高い位置に形成される。
これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球が凸部H24821a2に当接する場合に、下方側に向かって背面側に湾曲する領域に遊技球を当接させることができる。そのため、当接した遊技球に作用する反力を正面側に跳ね返る方向だけでなく下方側に向く方向にも作用させることができる。よって、背面部H24821aに当接した遊技球が正面側に向かって跳ね返ることを抑制できる。その結果、初期位置の発射手段H830と当接される位置に送球される遊技球が暴れることを抑制でき、発射手段H830により発射される(打ち出される)遊技球を安定させやすくできる。
また、凸部H24821a2の正面側への突出先端部は、発射手段H830により発射されて発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも若干高い位置に形成されるので、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れて、凸部H24821a2に当接する場合に、凸部H24821a2に当接する遊技球に作用する反力に下方に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凸部H24821a2に当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、下方側に向かう成分とに分散することができる。よって、正面側に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
また、第31実施形態における凸部H24821a2は、その突出先端部か発射位置送球ユニットH170の背面までの距離が遊技球の直径よりも小さくされる。これにより、発射手段H830に発射される遊技球が上下方向に暴れた場合に、その遊技球が凸部H24821a2の突出先端部よりも上方に変位することを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
次いで、図250(b)を参照して、第32実施形態における球発射ユニットH25112aについて説明する。上記第8実施形態では、凹部H821a1が円弧形状に凹設される場合について説明したが、第32実施形態における球発射ユニットH25112aでは、凹部H25821a1が角形状に凹設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
なお、図250(b)は、第32実施形態における発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH25112aにおける断面図であり、図187のX24a線における断面図と対応する。
図250(b)に示すように、第32実施形態における球発射ユニットH25112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H25820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850と、を主に備えて形成される。
案内手段H25820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H25821と、金属材料から形成され第1案内部材H25821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H25821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H25821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H25821aと、その背面部H25821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なり第2案内部材H822が配設される配設部H821cと、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され第2案内部材H822に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。
背面部H25821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの遊技球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H25821a1を備える。
凹部H25821a1は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H821a1の内側に沿って案内させることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の半径よりも大きい溝幅の溝状に形成される。
また、第32実施形態における凹部H25821a1は、溝幅に対する凹設深さが十分に深く形成されており、凹部H25821a1に遊技球を受け入れた際に、上端および下端の2点が遊技球に当接可能な形状に形成される。さらに、凹部H25821a1は、発射手段H830により発射され発射レールH112a1上を転動する遊技球が凹部H25821a1の内側に受け入れられる場合に、初めに凹部H25821a1の下端(段差部分)に遊技球が当接する位置に設定される。
これにより、発射手段H830により発射された遊技球が前後方向に暴れる場合に、凹部H25821a1の下端(段差部分)に遊技球を当接させることで、遊技球に作用する反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向だけでなく上方側に持ち上がる方向にも作用させることができる。即ち、凹部H25821a1の下端に当接した反力を正面側に跳ね返る成分と、上方側に向かう成分とに分散することができる。よって、正面側に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
なお、背面側へ向かう方向の力が大きく(前後方向に暴れる力が大きく)、凹部H25821a1の下端(段差部分)に遊技球を当接させた際の上方側に向かう力で遊技球が持ち上がる場合には、その遊技球を凹部H25821a1の上端(段差部分)側にも当接させることができる。即ち、遊技球の背面側の一部を凹部H25821a1の上端と下端との間に挟み込むことができる。これにより、遊技球が正面側へ跳ね返ることを抑制できる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
次いで、図251及び図252を参照して、第33実施形態における球発射ユニットH26112aについて説明する。上記第8実施形態では、発射手段H830により発射される遊技球が前後に暴れる場合に凹部H821a1に遊技球を受け入れる場合について説明したが、第33実施形態では、経路変更部材H26890により遊技球を凹部H821a1に受け入れる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図251は、第33実施形態における内枠H12の正面図であり、図252(a)は、経路変更部材H26890の背面図であり、図252(b)は、図252(a)の矢印Y35b方向視における経路変更部材H26890の側面図であり、図252(c)は、図252(b)のX35c線における経路変更部材H26890の断面図であり、図252(d)は、図252(a)のX35d線における経路変更部材H26890の断面図である。
図251及び図252に示すように、第33実施形態における球発射ユニットH26112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、案内手段H820の遊技球の発射経路上に回転可能に配設される経路変更部材H26890と、を主に備えて形成される。
経路変更部材H26890は、図252に示すように、円板状に形成され正面側(矢印F方向側)に配設される第1部H26891と、その第1部H26891の軸回りに等間隔の3箇所から径方向に延設される3箇所の区画壁H26892と、その区画壁H26892を挟んで第1部H26891と対向配置される扇形状の第2部H26893と、を主に備える。
第2部H26893は、円板状に形成される板の一部を切り欠いた凹欠部H26893aを有する扇形状に形成され、3箇所の区画壁H26892に区画される内の2箇所の区画領域の背面側(矢印B方向側)を覆って形成され、1箇所の区画領域の背面側を空けた状態で配設される。また、凹欠部H26893aが形成される領域において正面側(矢印F方向側)に配設される第1部H26891は他の部分における板厚よりも厚く形成される。
以上のように形成される球発射ユニットH26112aによれば、球発射ユニットH112aにより発射され、発射レールH112a1を転動する遊技球が第1部H2681と第2部H26893(凹欠部H26893a以外の部分)との間を通過する場合には、その遊技球を発射レールH112a1に沿って(即ち、遊技球を凹部H821a1に受け入れず)、遊技領域に送球することができる。即ち、凹部H821a1と当接不能となる方向へ案内することができるので、凹部H821a1を利用せずに遊技球を送球する態様を形成できる。従って、送球される遊技球が暴れて、遊技球の軌跡が不安定となる態様で遊技球を送球できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
一方で、球発射ユニットH112aにより発射され、発射レールH112a1を転動する遊技球が第1部H2681と第2部H26893の凹欠部H26893aとの間を通過する場合には、その遊技球を凹部H821a1に受け入れて遊技領域に送球することができる。即ち、凹部H821a1と当接可能となる方向へ案内する態様を形成することができる。従って、送球される遊技球の暴れを抑制して、遊技球の軌跡を安定させた態様で遊技球を送球できる。
よって、第33実施形態では、経路変更部材H26890により、凹部H821a1を利用せずに遊技球を送球する態様と、凹部H821a1を利用して遊技球を送球する態様とを形成できる。これにより、遊技盤H13に送球される遊技球がどちらによって案内された遊技球であるのかを遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図253(a)を参照して、第34実施形態における球発射ユニットH27112aについて説明する。上記第8実施形態では、球発射ユニットH112aが枠形成ユニットH12aの下側ベースユニットH12cに配設される場合について説明したが、第34実施形態では、球発射ユニットH27112aが遊技盤H27013に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図253(a)は、第34実施形態における内枠H27012の正面図である。なお、図253(a)では、球発射ユニットH27112aが配設される領域が部分的に拡大されて図示される。
図253(a)に示すように、第34実施形態における内枠H27012は、外枠H11(図125参照)と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12a(図125参照)と、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94(図120参照)とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図122参照)。
なお、内枠H27012の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H27013の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1(図125参照)と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H27013の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2(図125参照)が配設される。遊技盤H27013は、左端支持部H12a1にベース板H27060の左側端部が挿入されつつ内枠H27012の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H27060の正面と係合する(ベース板H27060の正面を支持する)ことで内枠H27012の内側に固定される。
また、第34実施形態における遊技盤H27013は、正面視略正方形状に形成されると共に、下方側の縁部の一部から下方側に向かって突出する突出部H27060aを有するベース板H27060に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レールH61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等(図124参照)を組み付けて構成される。
突出部H27060aは、球発射ユニットH27112aが配設される領域であり、その球発射ユニットH27112aから送球される球を受け入れる側の外レールH62の延長線上に形成される。
また、突出部H27060aが形成される領域の背面側においては、内枠H27012の下側ベースユニットH27012cに凹部H27012c2が形成され、その凹部H27012c2の内側に突出部H27060aが配設される。
球発射ユニットH27112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H27820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、を主に備えて形成される。
案内手段H27820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H27821と、金属材料から形成され第1案内部材H27821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H27821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H27821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H27821aと、その背面部H27821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図189参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H27821aの正面側に向かって立設される上方側ガイド部H27821dとを主に備える。
背面部H27821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H27821a1を2箇所に備える。なお、第34実施形態では、凹部H27821a1が転動面の影響を受けやすい2箇所に形成されるが、凹部H27821a1は1箇所であっても3箇所以上に形成されていても良い。また、第34実施形態では、複数形成される凹部H27821a1が正面視において同一直線状に形成されるが、それぞれの凹部H27821a1が転動面に対し異なる高さに形成されても良い。さらに、それぞれの凹部H27821a1が正面視において非平行に延設されるものであってよい。
また、背面部H27821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図191(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H27821aは、遊技盤H27013の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。
即ち、凹部H27821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H27821a1の端部が背面部H27821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H27821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H27821a1の端部で凹部H27821a1の内面に当接する遊技球が凹部H27821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H27013の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。
凹部H27821a1は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が暴れる)際に、遊技球を凹部H27821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球が暴れやすくなる部分に形成される。
即ち、凹部H27821a1は、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部の上方に亘って形成され、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部により形成される隙間(段差)等により球が弾む(暴れる)場合に、凹部に球を受け入れることで遊技球の送球を安定させることができる。
なお、発射レールH112a1は、発射当初の遊技球が暴れやすいため転動面が略V字状に凹設される一方、転動部H821bは、発射レールH112a1のように転動面を凹設した形状に形成すると、遊技球が転動する際に遊技球と転動面との当接面が増える(2点支持となる)ため、遊技球の転動面に凹設面が非形成(即ち、平面形状に形成される)とされる。そのため、発射レールH112a1と転動部H821bとがそれぞれ別の部材から形成される。
また、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と正面視において重なる位置では、凹部H27821a1が非形成とされ、上方側に上方側ガイド部H27821dが形成される。これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される遊技球は、上方側ガイド部H27821dと発射レールH112a1との対向間を案内される。
ここで、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される遊技球の発射方向は、遊技球と発射手段H830(発射部H831)との当接状態に起因するため、発射直後の遊技球は暴れやすく不安定となりやすい。第34実施形態では、発射直後における位置(背面側開口H172と正面視において重なる位置)の背面部H27821aに凹部H27821a1が非形成とされることで、前後の空間を狭めて発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制できる。
特に、第34実施形態では、遊技盤H27013に球発射ユニットH27112aを配設するためにベース板H27060の下方側に突出部H27060aが形成される。即ち、ベース板H27060は、第8実施形態におけるベース板H60に比べて上下方向に長く形成される。そのため、球発射ユニットH27112aをベース板H27060に配設した場合には、ベース板H27060が前後方向(矢印F-B方向)に撓みやすく、その場合に球発射ユニットH27112aの配置も前後にずれやすいという問題がある。
この場合、球発射ユニットH27112aの正面側には発射位置送球ユニットH170が配設されるため、ベース板H27060が正面側に撓む場合には、発射直後における前後方向(矢印F-B方向)の間隔が変更されにくいが、ベース板H27060が背面側に撓む場合には、ベース板H27060のみが背面側に変位して、発射位置送球ユニットH170と球発射ユニットH27112aとの前後の間隔が開くことで、発射直後における遊技球が前後に暴れる可能性が高くなる。
これに対し、第34実施形態では、上述したように発射直後(発射位置送球ユニットH170からの遊技球の送球位置)における背面部H27821aに凹部H27821a1が非形成とされることで、前後の空間を狭めて発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制できる。
また、発射位置送球ユニットH170からの遊技球の送球位置における背面部H27821aに凹部H27821a1が非形成とされる、即ち、発射位置送球ユニットH170の球送球部H882aにより背面側開口H172から送球され、背面側開口H172から一部が突出される球送球部H882a(図190参照)により発射位置送球ユニットH170への遊技球の逆流が規制される領域よりも遊技球の発射方向側に凹部H27821a1が形成されるので、背面側開口H172から突出した球送球部H882aにより前後の空間を狭めやすくできる。その結果、発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制しやすくできる。
また、上方側ガイド部H27821dは、発射レールH112a1との対向面側に段差部H27821d1が形成され、発射位置側における発射レールH112a1からの離間距離(上下幅)よりも、凹部H27821a1が形成される手前の発射レールH112a1からの離間距離が小さくされる。この段差部H27821d1の段差により、発射手段H830により発射された遊技球が上方に暴れた場合においても、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部の手前で遊技球を下方側に落ち着かせることができる。
即ち、遊技球の転動面となる発射レールH112a1と対向する位置に配設される上方側ガイド部H27821dに段差部H27821d1が形成されることで、発射手段H830により発射された遊技球が上方側に暴れた状態のまま送球されることを抑制できる。なお、段差部H27821d1により発射位置側の転動面との間隔を大きくすることにより、発射手段H830により発射される球が発射位置で詰まることを抑制できる。
さらに、段差部H27821d1により発射レールH112a1からの離間距離が小さくされた部分は、転動部H821b及び発射レールH112a1の連結部と対向する位置まで延設される。これにより、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部で遊技球が上方側に暴れて(遊技球が上方に弾んで)凹部H27821a1に受け入れられなくなることを抑制できる。その結果、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部で遊技球が暴れることを抑制しやすくできる。
また、第34実施形態では、凹部H27821a1が転動部H821bの終端側(発射位置から離れる側)の上方にも形成される。この2箇所目の凹部H27821a1は、転動部H821bの終端の前後に亘って形成される共に、発射方向における端部が正面視におけるベース部材H810の外縁部まで形成される。
これにより、転動部H821bを転動して転動部H821bの終端からレールH61,H62の対向間(外レールH62の上部)に向かって送球される遊技球が前後に暴れることを抑制できる。よって、遊技盤H27013(ベース板H27060)の正面とベース部材H810の正面との前後方向(矢印F-B方向)における配置がずれた場合や、遊技盤H27013(ベース板H27060)とベース部材H810との上下方向(矢印U-D方向)における配置がずれた場合に、遊技盤H27013(ベース板H27060)とベース部材H810との境界に形成される段差に遊技球が引っ掛かり(当接して)、遊技球がレールH61,H62の対向間から外れた位置に送球されることを抑制できる。
なお、第34実施形態では、2箇所目の凹部H27821a1が正面視におけるベース部材H810の外縁部まで形成される場合について説明したが、正面視におけるベース部材H810の外縁の内側に2箇所目の凹部H27821a1の発射方向側の端部が設定されるものであっても良い。さらに、2箇所目の凹部H27821a1がベース部材H810の外縁部で背面部H27821aの正面と連なるものでなく、2箇所の凹部H27821a1がベース部材H810の外縁部で背面部H27821aよりも背面側に凹設され、その2箇所目の凹部H27821a1が、遊技盤H27013に凹設した凹部や遊技盤H27013に配設された別のベース部材H810の凹部に連なる構成とされても良い。
また、第34実施形態では、遊技盤H27013に球発射ユニットH27112aが配設されるので、第8実施形態における球発射ユニットH112aのように遊技盤H13と別部材に配置されるものに比べて、遊技盤H27013に対する球発射ユニットH27112aの配置のずれを抑えることができる。従って、遊技盤H27013と球発射ユニットH27112aとの間に(球発射ユニットH27112aから発射される遊技球の送球路上に)段差が形成されることを抑制できる。その結果、球発射ユニットH27112aから遊技盤H27013への遊技球の送球を安定させられる。
次いで、図253(b)を参照して、第35実施形態における球発射ユニットH28112aについて説明する。上記27実施形態では、球発射ユニットH27112aの全部が遊技盤H27013に配設される場合について説明したが、第35実施形態では、球発射ユニットH28112aの遊技球の送球部分が遊技盤H28013に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図253(b)は、第35実施形態における内枠H28012の正面図である。なお、図253(b)では、球発射ユニットH28112aが配設される領域が部分的に拡大されて図示される。
図253(a)に示すように、第35実施形態における内枠H28012は、外枠H11(図125参照)と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12a(図125参照)と、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94(図120参照)とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図122参照)。
なお、内枠H28012の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H28013の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1(図125参照)と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H28013の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2(図125参照)が配設される。遊技盤H28013は、左端支持部H12a1にベース板H28060の左側端部が挿入されつつ内枠H28012の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H28060の正面と係合する(ベース板H27060の正面を支持する)ことで内枠H28012の内側に固定される。
また、第35実施形態における遊技盤H28013は、正面視略正方形状に形成されると共に、下方側の縁部の一部から下方側に向かって突出する突出部H28060aを有するベース板H28060に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レールH61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等(図124参照)を組み付けて構成される。
突出部H28060aは、球発射ユニットH28112aの案内手段H28820側が配設される領域であり、その球発射ユニットH28112aから送球される球を受け入れる側の外レールH62の延長線上に形成される。
また、突出部H28060aが形成される領域の背面側においては、内枠H28012の下側ベースユニットH28012cに凹部H28012c2が形成され、その凹部H28012c2の内側に突出部H28060aが配設される。
球発射ユニットH28112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H28810と、そのベース部材H28810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H28810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H27820と、ベース部材H28810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H28810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、を主に備えて形成される。
ベース部材H28810は、ベース板H28060の突出部H28060aの正面側に配設される第1ベース部材H28814と、その第1ベース部材H28814の下方側に隣り合う位置に配設され、下側ベースユニットH28012cの収容凹部H28012c1に配設される第2ベース部材H28815とを主に備える。
第1ベース部材H28814は、正面視において突出部H28060aと対応する大きさの板状に形成される。また、第1ベース部材H28814は、正面側に向かって膨出され案内手段H27820及び当接手段H840の第1弾性部材H841を配設する基部となる第1膨出部H811(図189参照)を備え、正面側に案内手段H27820及び当接手段H840の第1弾性部材H841が配設される。
第2ベース部材H28115は、正面視において収容凹部H28012c1と対応する大きさの板状に形成される。また、第2ベース部材H28815は、正面側に向かって膨出して形成され当接手段H840の第2弾性部材H842を配設する基部となる第2膨出部H812(図189参照)と、前後方向(矢印F-B方向)に穿設され駆動モータH850(図189参照)の軸部H852が挿通される貫通孔H813(図189参照)と、を主に備え、正面側に発射手段H830及び当接手段H840の第2弾性部材H842が配設され、背面側に駆動モータH850が配設される。
即ち、第35実施形態におけるベース部材H28810は、第34実施形態におけるベース部材H810に対して、遊技球を案内する案内手段H27820と、遊技球を発射する発射手段H830とが異なる部材(第1ベース部材H28814、第2ベース部材H28815)に配設される。
これにより、第34実施形態における遊技盤H27013のベース板H27060に比べて、第35実施形態における遊技盤H28013のベース板H28060では、上下方向(矢印U-D方向)における長さを短くできる。これにより、ベース板H28060が前後方向(矢印F-B方向)に撓むことを抑制して、球発射ユニットH27112aの配置が前後にずれることを抑制できる。その結果、発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制しやすくできる。
なお、案内手段H27820による遊技球の送球については、第34実施形態における案内手段H27820と同様であるため、その詳しい説明は省略する。
また、第35実施形態では、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と正面視において重なる位置に凹部H27821a1が非形成とされる場合について説明したが、凹部H27821a1が非形成とされる領域を切り欠いて、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と対向する位置に遊技盤H28013(ベース板H28060)の正面を配置しても良い。即ち、遊技球の発射当初において、遊技盤H28013の盤面に沿って遊技球を送球した後で、遊技盤H28013に配設した案内手段H27820に遊技球を送球するものであっても良い。
なお、凹部H27821a1が非形成とされる領域を切り欠いた場合には、V字状に凹設される発射レールH112a1の頂部H112a4(図191(a)参照)を遊技盤H28013側へ寄せて形成することで、凹部H27821a1が非形成とされる領域を送球される遊技球が遊技盤H28013と当接するように構成しても良い。この場合には、遊技盤H28013に遊技球が当接することで遊技球の暴れを抑制しやすくできる。
また、凹部H27821a1が非形成とされる領域を切り欠いた場合には、その切り欠いた領域と隣り合う位置における背面部H28821aの端部を遊技盤H28013に向かって傾斜して形成しても良い。これにより、遊技盤H28013から背面部H28821aの正面側に送球される場合に、背面部H28821aと遊技盤H28013との境界に形成される前後方向の段差に引っ掛かることを抑制できる。その結果、遊技盤H28013の遊技球の送球を安定させることができる。
なお、背面部H28821aと遊技盤H28013との境界に形成される前後方向の段差に引っ掛かることを抑制するために、背面部H28821a1の厚み分、遊技盤H13を凹設して、その遊技盤に凹設した凹みに背面部H28821a1を配設して、背面部H28821aと遊技盤H28013との境界に前後方向の段差が形成されることを抑制しても良い。
次いで、図254(a)を参照して、第36実施形態における球発射ユニットH29112aについて説明する。上記第8実施形態では、正面視において遊技球の発射方向(発射レールH112a1及び転動部H821b)と平行に凹部H821a1が形成される場合について説明したが、第36実施形態では、正面視において遊技球の発射方向と非平行に凹部H29821a1が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図254(a)は、第36実施形態における球発射ユニットH29112aの正面図である。図254(a)に示すように、第36実施形態における球発射ユニットH29112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H29820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、を主に備える。
案内手段H29820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H29821と、金属材料から形成され第1案内部材H29821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H29821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H29821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H29821aと、その背面部H29821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図189参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170(図190参照)から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。
背面部H29821aは、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H29821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに形成される。また、凹部H29821a1は、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される。
背面部H29821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H29821a1を1箇所に備える。
なお、第36実施形態では、凹部H29821a1が1箇所に形成されるが、凹部H29821a1は2箇所以上の複数個所に形成されていても良い。また、第36実施形態では、複数形成される凹部H29821a1が正面視において転動面に対し異なる高さに形成されても良い。
また、背面部H29821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図191(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H29821aは、遊技盤H13(図124参照)の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。
即ち、凹部H29821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H29821a1の端部が背面部H29821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H29821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H29821a1の端部で凹部H29821a1の内面に当接する遊技球が凹部H29821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。
凹部H29821a1は、遊技球の転動面となる発射レールH112a1及び転動部H821bの上方側に形成され、遊技球の発射方向と反対側の背面部H29821aの端部(遊技球の初期位置側の端部)から発射方向側の背面部H29821aの端部の手前まで延設される。
また、凹部H29821a1は、正面視において発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に向かうにつれて発射レールH112a1に対して発射初期位置から上昇傾斜される。一方、凹部H29821a1は、正面視において発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部から発射終端位置に向かうにつれて転動部H821bに対して下降傾斜される。
即ち、発射レールH112a1の上方では、発射レールH112a1(遊技球の転動面)に対して凹部H29821a1が上昇傾斜される一方、転動部H821bの上方では、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して凹部H29821a1が下降傾斜される。
なお、発射される遊技球の初期位置に対応する位置(遊技球の発射方向と反対側の端部)の凹部H29821a1の発射レールH112a1からの高さは、凹部H29821a1に遊技球が受け入れられる際に発射レールH112a1から離間した遊技球が凹部H29821a1の背面側への凹設底部よりも下面側に当接するように構成される。即ち、凹部H29821a1の背面側への凹設底部は、発射レールH112a1の転動面から遊技球の半径よりも高い位置に設定される。
これにより、凹部H29821a1の内面に当接する遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凹部H29821a1の内面に当接した反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る成分と、上方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。
即ち、第36実施形態では、遊技球の送球方向に対して凹部H29821a1が非平行に形成されるので、非平行な凹部H29821a1に遊技球を当接させることで遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
また、第36実施形態では、凹部H29821a1の内面に当接した遊技球に転動面から離れる上方側に反力を付与することができると共に、発射レールH112a1(遊技球の転動面)に対して凹部H29821a1が上昇傾斜されるので、発射レールH112a1上で遊技球が凹部H29821a1に受け入れられた場合に、その遊技球に凹部H29821a1の上昇傾斜に沿って上方に持ち上げることができる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部で遊技球を浮かせやすくすることができる。
ここで、上記したように発射レールH112a1は、発射当初の遊技球が暴れやすいため転動面が略V字状に凹設される一方、転動部H821bは、発射レールH112a1のように転動面を凹設した形状に形成すると、遊技球が転動する際に遊技球と転動面との当接面が増える(2点支持となる)ため、遊技球の転動面に凹設面が非形成(即ち、平面形状に形成される)とされる。そのため、発射レールH112a1と転動部H821bとがそれぞれ別の部材から形成される。よって、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に段差が形成されやすく、その段差により遊技球が暴れる恐れがある。
これに対し、第36実施形態では、発射レールH112a1(遊技球の転動面)に対する凹部H29821a1の上昇傾斜により、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部で遊技球を浮かせやすくすることができるので、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越える遊技球が段差に引っ掛かって暴れることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
なお、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1が、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して下降傾斜されるので、凹部H29821a1の上昇傾斜により転動面から離れた遊技球を凹部H29821a1の下降傾斜により転動面側に向かわせることができる。これにより、発射手段H830により発射される遊技球が凹部H29821a1の上昇傾斜により上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。
また、凹部H29821a1の発射方向側の終端は、転動部H821bの終端よりも手前に設定される。即ち、転動部H821bの終端から遊技盤H13に送球される遊技球は、転動部H821bの転動面に沿って送球される。これにより、転動部H821bの終端から送球される遊技球が凹部H29821a1の下降傾斜の影響を受けることを抑制して、遊技盤H13への遊技球の送球が不安定となることを抑制できる。
さらに、凹部H29821a1は、発射方向側の終端側に向かうに従って狭く(幅が小さく)形成される。これにより、凹部H29821a1に遊技球が当接して案内される際に、その遊技球を凹部H29821a1に当接した状態を維持しやすくできる。即ち、凹部H29821a1は、遊技球の発射(送球)方向に向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、凹部H29821a1の内側に受け入れた状態(凹部H821a1により支持した状態)に維持しやすくできる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとを遊技球が転動(通過)している間、その遊技球に対して凹部H29821a1の作用を継続させ、遊技球の暴れを抑えやすくできる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。なお、第36実施形態では、凹部H29821a1の終端でのみ幅が狭く形成されるが、凹部H821a1は、全体に亘って溝幅が発射方向に向かって狭く形成されるものであっても良い。
なお、正面視において転動部H821bと遊技盤H13のレールH61,H62の間の下方には、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として受け入れるファール球受口部H146(図255、図123参照)が配設される。即ち、球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技盤H13に到達するまでの送球経路上に分岐する経路が形成される。
第36実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1が、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して下降傾斜され、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた遊技球を転動面側に送球することができるので、遊技球が前後方向に暴れることにより転動速度が遅くなり過ぎた場合に、その遊技球をファール球受口部H146に受け入れることができる。その結果、転動速度が遅すぎる遊技球が遊技領域まで至らず、ファール球となることを抑制できる。その結果、遊技が一時的に停止することを抑制できる。
また、上記第36実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1が、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して下降傾斜される場合について説明したが、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)においては、凹部H29821a1を遊技球の発射方向に平行(遊技球の転動面と平行)に形成されていても良い(即ち、第8実施形態における、凹部H821a1を第36実施形態における凹部H29821a1と組み合わせても良い)。
この場合には、比較的暴れる要因の少ない、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)で、遊技球の発射方向と平行に形成される凹部H821a1により遊技球を発射(送球)方向に沿って案内することができる。これにより遊技球の軌跡を安定させることができる。
なお、上記の説明では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1を遊技球の発射方向に平行(遊技球の転動面と平行)に形成する場合について説明したが、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の手前側が遊技球の発射方向に平行(遊技球の転動面と平行)に形成されていても良い。
この場合には、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成される段差で遊技球が暴れる場合に、発射方向に対して傾斜して形成される凹部H29821a1により遊技球の暴れを抑制しやすくできると共に、発射方向に対して平行に形成される凹部H821a1により発射直後の遊技球の暴れを抑制しやすくできる。
また、第36実施形態では、発射方向側の終端側に向かうに従って凹部H29821a1の幅が狭く(幅が小さく)形成される場合について説明したが、発射方向の終端側に向かうに従って凹部H29821a1の幅が広く(幅が大きく)形成されても良い。
この場合には、比較的暴れが大きな遊技球に対して凹部を徐々に作用させることができる。即ち、遊技球と凹部H29821a1との重なり(当接可能な)面積を徐々に大きくすることができる。これにより、凹部H29821a1への遊技球の衝突により遊技球の暴れが増幅することを抑制できる。即ち、遊技球が当接方向と異なる方向に暴れる(例えば、上側に弾んだり)することを抑制できる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
次いで、図254(b)を参照して、第37実施形態における球発射ユニットH30112aについて説明する。上記第36実施形態では、凹部H29821a1が転動面に対して上昇傾斜および下降傾斜して形成される場合について説明したが、第37実施形態では、凹部H30821a1が転動面に対して下降傾斜して形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図254(b)は、第37実施形態における球発射ユニットH30112aの正面図である。図254(b)に示すように、第37実施形態における球発射ユニットH30112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H30820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、を主に備える。
案内手段H30820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H30821と、金属材料から形成され第1案内部材H30821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H30821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H30821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H30821aと、その背面部H30821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図189参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170(図190参照)から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。
背面部H30821aは、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H30821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに形成される。また、凹部H30821a1は、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される。
背面部H30821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H30821a1を2箇所に備える。
また、背面部H30821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図191(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H30821aは、遊技盤H13(図124参照)の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。
即ち、凹部H30821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H30821a1の端部が背面部H30821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H30821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H30821a1の端部で凹部H30821a1の内面に当接する遊技球が凹部H30821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。
凹部H30821a1は、遊技球の転動面となる発射レールH112a1及び転動部H821bの上方側に形成され、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に亘って形成される。また、凹部H30821a1は、正面視において発射レールH112a1側から転動部H821b側に(遊技球の発射方向に)向かって遊技球の転動面に対して下降傾斜して形成される。
なお、発射レールH112a1側の凹部H30821a1の端部(遊技球の発射方向と反対側の端部)における発射レールH112a1からの高さは、発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心よりも高い位置に形成されており、発射レールH112a1の転動面に対して上方側に所定の距離弾んだ遊技球が受け入れる位置に設定される。
また、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部における凹部H30821a1は、背面側への凹設底部の位置が転動部H821bを転動する遊技球の中心と略一致する位置に設定される。
これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越える遊技球が発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成された段差に引っ掛かって暴れた場合にその遊技球を凹部H30821a1に受け入れられると共に、その受け入れた遊技球を凹部H30821a1の背面側の凹設底部よりも高い位置の内面に当接させることができる。
よって、凹部H30821a1の内面に当接する遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凹部H30821a1の内面に当接した反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る成分と、下方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めつつ、転動面側に向かわせることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制しつつ、上下方向に暴れることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
即ち、第37実施形態では、遊技球の送球方向に対して凹部H30821a1が非平行に形成されるので、非平行な凹部H30821a1に遊技球を当接させることで遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
また、凹部H30821a1は、発射方向側の終端側に向かうに従って狭く(幅が小さく)形成される。これにより、凹部H30821a1に遊技球が当接して案内される際に、その遊技球を凹部H30821a1に当接した状態を維持しやすくできる。即ち、凹部H30821a1は、遊技球の発射(送球)方向に向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、凹部H29821a1の内側に受け入れた状態(凹部H821a1により支持した状態)に維持しやすくできる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとを遊技球が転動(通過)している間、その遊技球に対して凹部H29821a1の作用を継続させ、遊技球の暴れを抑えやすくできる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
さらに、正面視において転動部H821bと遊技盤H13のレールH61,H62の間の下方には、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として受け入れるファール球受口部H146が配設される。即ち、球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技盤H13に到達するまでの送球経路上に分岐する経路が形成される。
第37実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に凹部H30821a1が下降傾斜して形成され、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた遊技球を転動面側に送球することができるので、遊技球が前後方向に暴れることにより転動速度が遅くなり過ぎた場合に、その遊技球をファール球受口部H146に受け入れることができる。その結果、転動速度が遅すぎる遊技球が遊技領域まで至らず、ファール球となることを抑制できる。その結果、遊技が一時的に停止することを抑制できる。
次いで、図254(c)を参照して、第38実施形態における球発射ユニットH31112aについて説明する。上記第37実施形態では、凹部H30821a1が転動面に対して下降傾斜しつつ凹設される場合について説明したが、第38実施形態では、凸部H31821a2が転動面に対して直交する方向に突設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図254(c)は、第38実施形態における球発射ユニットH31112aの正面図である。図254(c)に示すように、第38実施形態における球発射ユニットH31112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H31820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、を主に備える。
案内手段H31820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H31821と、金属材料から形成され第1案内部材H31821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H31821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
第1案内部材H31821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H31821aと、その背面部H31821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図189参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170(図190参照)から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。
背面部H31821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、正面視において発射レールH112a1及び転動部H821bの遊技球の転動方向と直交する方向に延設されつつ正面側(矢印F方向側)に向かって凸設される凸部H31821a2を備える。
凸部H31821a2は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に形成される。また、凸部H31821a2は、正面側(矢印F方向側)に向かって湾曲状に突出されると共に、その湾曲形状が正面視において遊技球の発射方向と直交する方向に延設される。即ち、発射方向に沿って前後方向に平行な平面で切断した凸部H31821a2の断面は、半円形状に形成される。なお、凸部H31821a2の断面は、半円形状に限られるものではなく、三角形状や、矩形状に形成されるものであっても良い。
また、凸部H31821a2は、詳細には、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方を起点に発射方向側(即ち、遊技球の発射方向と反対側における転動部H821bの端部上方)に形成される。さらに、凸部H31821a2は、転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも若干高い位置に形成され、転動部H821bの上部に当接しつつ転動する遊技球が当接しない位置に形成される。
以上のように形成される凸部H31821a2によれば、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越える遊技球が発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成された段差に引っ掛かって上方側に弾む場合にその遊技球を凸部H31821a2に当接させることができる。
これにより、凸部H31821a2に当接する遊技球に作用する反力に発射方向と反対方向に向かう方向成分を付与することができる。よって、転動部H821bを転動する遊技球の転動速度を弱めて、凸部H31821a2に当接した遊技球(即ち、上方に弾んだ遊技球)を落ち着かせることができる。従って、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越えて送球される遊技球が上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
次いで、図255(a)及び(b)を参照して、第39実施形態における球発射ユニットH32112a及び発射位置送球ユニットH32170について説明する。上記第30実施形態では、背面部H821aに凹部H821a1が形成され、背面側ケースH23870に第2凹部H23821が形成される場合について説明したが、第39実施形態では、背面部H32821a及び背面側ケースH32870に凸部H32821a2及び第2凸部H32872が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図255(a)は、第39実施形態における球発射ユニットH32112a及び発射位置送球ユニットH32170の断面図であり、図187のX24b線における断面図と対応し、図255(b)は、図255(a)におけるMCMLXIXb方向視における球発射ユニットH32112aの正面図である。
図255(a)及び図255(b)に示すように、第39実施形態における球発射ユニットH32112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H32820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図189参照)と、を主に備える。
案内手段H32820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H32821と、金属材料から形成され第1案内部材H32821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H32821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。
背面部H32821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、正面側(矢印F方向側)に向かって凸設される凸部H32821a2を遊技球の発射方向に沿って複数個(第39実施形態では5個)備える。
凸部H32821a2は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、正面視において略矩形状に形成されると共に、正面側の端面が遊技球の発射方向に沿って正面側に向かって傾斜して形成される。
発射位置送球ユニットH32170は、正面側(矢印F方向側)に配設され正面側開口H171を有する正面側ケースH860と、その正面側ケースH860の背面側(矢印B方向側)に配設され背面側開口H172を有する背面側ケースH32870と、それら正面側ケースH860および背面側ケースH32870の間に配設される送球手段H880とを主に備える。
背面側ケースH32870は、球発射ユニットH32112aの背面部H32821aと対面し、発射手段H830による発射経路の正面側(矢印F方向側)を形成する面が、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に平行に形成されると共に、背面側に向かって突出する第2凸部H32872を遊技球の発射方向に沿って複数個(第39実施形態では4個)備える。
第2凸部H32872は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、背面側の端面が遊技球の発射方向に沿って背面側に向かって傾斜して形成される。また、第2凸部H32872は、背面側ケースH32870と対向する背面部H32821aに形成される複数の凸部H32821a2と前後方向に重ならない位置に形成され、遊技球の発射方向において凸部H32821a2の間に形成される。
なお、凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、遊技球の発射方向に沿って遊技球の半径分離れて形成されると共に、正面側または背面側の傾斜面が略20度傾斜して形成される。また、凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の半径分の高さに位置するように形成され、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が当接可能とされる。
以上のように構成される球発射ユニットH32112a及び発射位置送球ユニットH32170によれば、発射手段H830により発射され、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が前後に暴れる場合に、その遊技球を凸部H32821a2または第2凸部H32872に当接させることができる。上述したように凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、発射方向に沿って送球路の内側に向かって傾斜して形成される。そのため、凸部H32821a2または第2凸部H32872に当接する遊技球は、凸部H32821a2または第2凸部H32872の傾斜面に沿って転動面の前後方向における中央部に寄せられる。従って、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
また、第39実施形態では、発射方向側における凸部H32821a2の側面および第2凸部H32872の側面が発射方向と直交する方向(前後方向)に延設される。これにより、遊技球が発射方向と反対側に流下する場合にその遊技球を発射方向側における凸部H32821a2の側面または第2凸部H32872の側面に当接させて遊技球の流下速度を低下させることができる。
従って、遊技盤H13のレールH61,H62に送球された遊技球が遊技領域まで送球されず(戻り球防止部材H68を通過せず)外レールH62に沿って球発射ユニットH32112a側まで逆流(流下)する場合には、その遊技球の流下速度を低下させることができる。これにより、遊技球が発射初期位置まで流下して、その遊技球が発射位置送球ユニットH32170から発射レールH112a1上に送球された第2の遊技球(次に発射される遊技球)や発射手段H830に当接した際の衝撃を小さくできる。
その結果、衝突音を小さくして不具合が起きた際の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。また、第2の遊技球(次に発射される遊技球)に当接した際の衝撃を小さくすることで、第2の遊技球が発射初期位置からずれた位置に跳ねることを抑制でき、第2の遊技球の送球が不安定となることを抑制できる。
また、第39実施形態では、発射方向において転動部H821bを超えた位置に凸部H32821a2と第2凸部H32872とが配置される。これにより、逆流する遊技球が転動部H821bまで流下する前に遊技球の流下速度を低下させることができる。
ここで、正面視において転動部H821bと遊技盤H13のレールH61,H62の間の下方には、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として受け入れるファール球受口部H146が配設される。
従って、逆流(流下)する遊技球が転動部H821bまで流下する前に遊技球の流下速度を低下させることで、逆流した遊技球をファール球受口部H146に案内することができる。これにより、逆流する遊技球が発射初期位置(遊技球を発射する送球路)まで流下して、第2の遊技球(次に発射される球)と当接することを抑制できる。その結果、球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技領域まで至らなかった場合でも、第2の球の送球を安定させることができる。その結果、球の送球が不安定となり遊技が一時的に停止することを抑制できる。
なお、逆流した遊技球をファール球受口部H146に案内するために凸部H32821a2の発射方向側の側面をファール球受口部H146側に向く(ファール球受口部H146に対向する方向に向く)傾斜面として形成したり、凸部H32821a2の全体を遊技球の発射(送球)方向に対して傾斜する方向に延設しても良い。
次いで、図255(c)を参照して、第40実施形態における凸部H33821a2について説明する。上記第39実施形態では、凸部H32821a2が正面視略矩形に形成される場合について説明したが、第40実施形態では、凸部H33821a2が正面視略三角形状に形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図255(c)は、第40実施形態における球発射ユニットH33112aの正面図であり、図255(a)のMCMLXIXb方向視における正面図と対応する。なお、第40実施形態では、第39実施形態における球発射ユニットH32112aの凸部H32821a2の形状が異なるだけであるので、その他の詳しい説明は省略する。
第40実施形態における凸部H33821a2は、正面視において略三角形状に形成され、そのうちの第1辺H33821a3が転動面と平行に形成されると共に、第2辺H33821a4が第1辺H33821a3の発射方向側の端部から転動面(転動部H821b)に向かって発射方向と直交する方向に延設され、残りの第3辺H33821a5がそれら2辺の端部同士を連結する方向に延設され、発射方向に沿って下降傾斜する形状とされる。
また、第1辺H33821a3が、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面から離れる位置に形成されると共に、第2辺H33821a4の下端(転動部H821b側の端部)が発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面に近い位置に形成される。さらに、凸部H33821a2は、正面側の端面が遊技球の発射方向に沿って正面側に向かって傾斜して形成される。
以上のように形成される凸部H33821a2よれば、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が前後に暴れて凸部H33821a2に当接した場合に、その遊技球を正面側の傾斜面により転動面の前後方向における中央部に寄せられる。従って、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
また、第40実施形態における凸部H33821a2によれば、第1辺H33821a3が、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面から離れる位置に形成されると共に、第2辺H33821a4の下端(転動部H821b側の端部)が発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面に近い位置に形成されるので、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が上下に暴れて(上方に跳ねて)凸部H33821a2に当接した場合に、その遊技球を下方側に向けて送球することができる。よって、発射手段H830により発射される遊技球が上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
なお、遊技盤H13のレールH61,H62に送球された遊技球が遊技領域まで送球されず(戻り球防止部材H68を通過せず)外レールH62に沿って球発射ユニットH33112a側まで逆流(流下)する場合については、第39実施形態における凸部H33821a2と同様であるので、その詳しい説明については省略する。
また、第40実施形態においては、球発射ユニットH33112aの正面側に配設される発射位置送球ユニットH32170の第2凸部H32872が、凸部H33821a2を前後方向に反転した形状に形成され、凸部H33821a2と同様に、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向および上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
さらに、第40実施形態では、凸部H33821a2が正面視において略三角形状に形成される場合について説明したが、凸部H33821a2が正面視において四角形状に形成され、そのうちの一片が転動面に対して傾斜する方向に形成されても良い。この場合も同様に、凸部H33821a2に当接する遊技球を転動面の中央部に寄せることができる。
次いで、図255(d)を参照して、第41実施形態における凸部H34821a2について説明する。上記第39実施形態では、凸部H32821a2が発射レールH112a1及び転動部H821bから離間して形成される場合について説明したが、第41実施形態では、凸部H34821a2が発射レールH112a1及び転動部H821bに連続して形成される。
図255(d)は、第41実施形態における球発射ユニットH34112aの正面図であり、図255(a)のMCMLXIXb方向視における正面図と対応する。なお、第41実施形態では、第39実施形態における球発射ユニットH32112aの凸部H32821a2の形状が異なるだけであるので、その他の詳しい説明は省略する。
第41実施形態における凸部H34821a2は、正面視において発射レールH112a1及び転動部H821bと連なる(隣り合う)位置から発射方向と直交する方向に延設され、上方側が発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球よりも高い位置に設定される(即ち、送球経路の上下方向全域に亘って延設される)。また、凸部H34821a2は、断面が略三角形状に形成され、正面側の端面が遊技球の発射方向に沿って正面側に向かって傾斜して形成される。
以上のように形成される凸部H34821a2よれば、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が前後に暴れて凸部H33821a2に当接した場合に、その遊技球を正面側の傾斜面により転動面の前後方向における中央部に寄せられる。従って、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
また、第41実施形態における凸部H34821a2によれば、送球経路の上下方向全域に亘って延設されるので、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が上下に暴れる(上方に跳ねる)場合でも凸部H34821a2に当接させることができる。即ち、前後に暴れる遊技球が凸部H34821a2に当接せずに送球されることを抑制できる。よって、発射手段H830により発射される遊技球が上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
なお、遊技盤H13のレールH61,H62に送球された遊技球が遊技領域まで送球されず(戻り球防止部材H68を通過せず)外レールH62に沿って球発射ユニットH34112a側まで逆流(流下)する場合については、第39実施形態における凸部H33821a2と同様であるので、その詳しい説明については省略する。
また、第41実施形態においては、球発射ユニットH34112aの正面側に配設される発射位置送球ユニットH32170の第2凸部H32872が、凸部H33821a2を前後方向に反転した形状に形成され、凸部H34821a2と同様に、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向および上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
さらに、上記第41実施形態では、凸部H34821a2の断面が略三角形状に形成される場合について説明したが、凸部H34821a2の断面形状が半円形に形成されるものであっても良い。この場合も同様に、凸部H34821a2に当接する遊技球を転動面の中央部に寄せることができる。
次いで、図256を参照して、第42実施形態における上側装飾ユニットH35014aについて説明する。上記第23実施形態では、球抜きレバーH16052が操作された場合に上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344が張り出される場合について説明したが、第42実施形態では、シリンダ錠H20の開錠操作により上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344が張り出される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図256(a)及び(b)は、第42実施形態における正面枠H35014の正面模式図である。なお、図256(a)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH35014aの内側に退避した退避状態が図示され、図256(b)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH35014aから張り出した張出状態が図示される。なお、図256(a)及び(b)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図256に示すように、第42実施形態における正面枠H35014は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14d(図126参照)と、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH35014aと、その上側装飾ユニットH35014aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図126参照)と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170(図126参照)とを主に備えて構成され、内枠H12(図125参照)に回動可能に取り付けられている。
なお、正面枠H35014には、内枠H12(図123参照)に配設される際に内枠H12の係合片H12f(図123参照)が係合可能な開口(図示しない)が本体枠H14d(図126参照)に形成される。正面枠H35014と内枠H12とは、係合片H12fが係合されることで、内枠H12に対する正面枠H35014の開放が規制される。なお、係合片H12fの係合の解除は、シリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行い係合片H12fを持ち上げることで解除される。
第42実施形態における上側装飾ユニットH35014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310(図129参照)と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH16320とを主に備える。
化粧ユニットH16320は、背面側(矢印B方向側)が開放される箱状に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH16340(図242参照)及び一対の音伝達ユニットH350(図131参照)とを主に備える。
発光ユニットH16340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に上下方向に変位可能な状態で配設される基板ユニットH16344と、その基板ユニットH16344及び取付部材H341との背面側を覆う覆設部材H343とを主に備える。
基板ユニットH16344は、光を出射するLED(発光ダイオード)H342aが正面側(矢印F方向側)に複数個配設される基板部材H342と、その基板部材H342の正面側を覆う正面カバーH16345と、基板部材H342の背面側を覆う背面カバーH16346と、その背面カバーH16346の背面側に連結される伝達部材H16347とを主に備える。
なお、第42実施形態における伝達部材H16347には、金属性の連結部材H35347が連結され、その反対側の端部が係合片H12fの上方に当接した状態で配設される。従って、係合片H12fが上方に変位される(即ち、シリンダ錠H20が開錠される)ことに伴って伝達部材H16347を上方に変位可能とされる。
また、上側装飾ユニットH35014aの上面板H332には、伝達部材H16347が上方に変位した場合に、伝達部材H16347の下面と係合して、伝達部材H16347を支持可能な係合片H35331cが配設される。これにより、伝達部材H16347が上方に変位され、基板ユニットH16344が上方に張り出した状態で基板ユニットH16344をその張り出した位置に維持することができる。なお、係合片H35331cの動作態様については、上記第22実施形態における係合片H15543と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
以上のように構成される第42実施形態における正面枠H35014によれば、正面枠H35014を内枠H12から開放する際に基板ユニットH16344を上方から突出させることができるので、正面枠H35014(上側装飾ユニットH35014a)の上部に物が乗っていた場合に、正面枠H35014を内枠H12から開放する前に正面枠H35014(上側装飾ユニットH35014a)の上部に乗せられたものを移動させる(落とす)ことができる。
これにより、パチンコ店において正面枠H35014を内枠H12(図123参照)から開放する際に、正面枠H35014(上側装飾ユニットH35014a)の上部に物が乗せられていることを作業者に認識させることができる。従って、正面枠H35014を内枠H12から開放した際に、物が遊技領域内に落下することを抑制でき、遊技領域内に物が落下することでパチンコ機H10(図119参照)が破損する(特に飲料等の液体が流入して電気的な制御基板に不具合が起こる)ことを抑制できる。
また、内枠H12(図123参照)から正面枠H35014を開放する際に基板ユニットH16344を張り出させ、その張出状態を係合片H35331cにより維持することができるので、パチンコ店にて正面枠H35014を内枠H12から取り外して床面に仮置きする場合に、内枠H12から正面枠H35014を取り外した際に基板ユニットH16344を張り出した状態にさせやすくできる。これにより、内枠H12から正面枠H35014を取り外した後で、基板ユニットH16344を上側装飾ユニットH35014aから張り出す作業を不要とできる。その結果、内枠H12から正面枠H35014を取り外した際に正面枠H35014をすぐに仮置きさせることができ、正面枠H35014を内枠H12から取り外す作業を簡易にできる。
上記第42実施形態では、係合片H35331cを正面枠H35014の外方から操作可能に構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、係合片H35331cの操作部分を上側装飾ユニットH35014aの内部に配置して、遊技者の操作を不能としパチンコ店の作業者(店員)のみが操作可能としても良い。
この場合、正面枠H35014が内枠H12(図123参照)に対して不正に開放された場合に、基板ユニットH16344を上側装飾ユニットH35014aから張り出させることができるので、パチンコ店の作業者(店員)に不正に開放され不正がされた可能性があることを認識させやすくできる。その結果、遊技者の不正を抑制しやすくできる。
次いで、図257を参照して、第43実施形態における内枠H36012について説明する。上記第22実施形態では、球抜きレバーH16052が操作された場合に上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344が張り出される場合について説明したが、第43実施形態では、ケースレールH132の遊技球の送球が停止された場合にタンクH36130の内方から張出部材H36130aが張り出される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図257(a)及び(b)は、第43実施形態における内枠H12の背面模式図である。なお、図257(a)では、タンクH36130の内方に張出部材H36130aが退避した退避状態が図示され、図257(b)では、タンクH36130の内方から張出部材H36130aが張り出された状態が図示される。なお、図257(a)及び(b)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図257に示すように、第43実施形態における内枠H36012は、外枠H11(図121参照)と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12a(図120参照)の背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図122参照)。
また、内枠H36012の背面側には、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH36130と、そのタンクH36130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図128参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133(図125参照)とを備えている。
タンクH36130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。また、タンクH36130は、その内縁部に沿って形成される略枠状の張出部材H36130aがタンクH36130の内縁に沿って上下方向に変位可能に配設される。
また、張出部材H36130aには、駆動力が伝達される伝達部H36130a1が連結され、その伝達部H36130a1がタンクH36130の下面の一部に形成された開口(図示しない)を介してタンクH36130の下方側に突出される。
伝達部H36130a1は、後述する連結部材H36132bの一端に連結されるスライド板H36132cの傾斜面に下面が当接されスライド板H36132cに支持され、スライド板H36132cがスライド変位されることで、傾斜面によって上方側にスライド変位可能とされる。
ケースレールH132は、パチンコ機H10のメンテナンス時などに送球を停止する送球停止レバーH132aを備え、変位可能に構成される送球停止レバーH132aをケースレールH132の送球経路内に変位させることで、遊技球の送球を一時的に停止可能に構成される。
第43実施形態における送球停止レバーH132aには、反対側にスライド板H36132cが配設された連結部材H36132bが連結される。よって、送球停止レバーH132aが操作され、送球が停止された場合にスライド板H36132cをスライド変位させることができる。
この場合、上記したように、スライド板H36132cのスライド変位により張出部材H36130aの伝達部H36130a1が上方に変位可能とされる。よって、第43実施形態では、ケースレールH132の遊技球の送球を送球停止レバーH132aにより停止した場合に、張出部材H36130aをタンクH36130から張り出させることができる。
このタンクH36130からの張出部材H36130aの張出変位により、タンクH36130の貯留空間を大きくすることができる。従って、ケースレールH132を送球を停止した後で、遊技ホールの島設備からタンクH36130に遊技球が供給され続けた場合に、タンクH36130の遊技球が溢れることを抑制できる。
また、タンクH36130の張出部材H36130aにより高くすることができるので、遊技ホールの島設備からタンクH36130に遊技球が供給された際に、遊技球がタンクH36130の外方に飛び出ることを張出部材H36130aにより規制できる。
なお、遊技球がタンクH36130に貯留された状態からケースレールH132の送球を許容した場合には、その送球に伴ってタンクH36130に貯留された遊技球を送球させることができる。これにより、タンクH36130に遊技球が貯留された状態から張出部材H36130aをタンクH36130の内側に退避した場合に遊技球がタンクH36130から溢れることを抑制できる。
また、第43実施形態では、張出部材H36130aの上方側への張出し距離は、内枠H36012が配設される外枠H11(図121参照)の外形よりも先端が外側へ突出させる。これにより、外枠H11に対して内枠H36012を開放してメンテナンスのためケースレールH132の送球を送球停止レバーH132aにより停止した場合に、送球停止レバーH132aを戻し忘れて内枠H36012が閉鎖されることを抑制できる。
即ち、送球停止レバーH132aによりケースレールH132の送球を停止した状態では、外枠H11に対する内枠H12の閉鎖が張出部材H36130aにより規制される。その結果、遊技ができない(遊技球が送球されない)状態で、外枠H11に対して内枠H12が閉鎖され遊技可能な状態として放置される(遊技者が遊技を開始可能な状態とされる)ことを抑制できる。
次いで、図258を参照して、第44実施形態における上側装飾ユニットH37014aについて説明する。上記第16実施形態では、上面板H9332の正面側縁部に沿って配設した網部材H9332eの開口を介して第1連通路H300Cを開放する(網部材H9332eの開口を介して第1連通路H300Cと外部空間とを連通する)場合について説明したが、第17実施形態では、開口が非形成の板部材H37332hを上面板H9333に備える場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図258(a)は、第44実施形態における上側装飾ユニットH37014aの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応し、図258(b)は、上側装飾ユニットH37014aの断面模式図であり、図232(b)のX32b線における断面に対応する。なお、図258(a)では、第1連通路H300Cが上面板H37332により閉鎖された状態が図示され、N14(b)では、第1連通路H300Cが上面板H37332により開放された状態が図示される。また、図258では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図258に示すように、第44実施形態における上側装飾ユニットH37014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH37320とを主に備える。
化粧ユニットH37320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH37330と、その装飾ユニットH37330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図130参照)とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH37330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H37332、下面板H333、左面板H9334(図232参照)及び右面板H9336(図232参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H37332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図232参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図232参照)と、上面板H37332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。
上面板H37332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350(図130参照)を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H37332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336(図232参照)により連結される。
上面板H37332は、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される板部材H37332hと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。
なお、第44実施形態における上面板H37332には、第8実施形態における上面板H332の正面側凸部H332a、背面側凸部H332b、及び、締結部H332cが非形成とされる。これにより、第44実施形態では、上面板H37332を正面板H331に対して回転させることが可能となる。
板部材H37332hは、上面板H37332を回転させた際に上側装飾ユニットH37014a(側面板H9332dの対向間の空間H9332d2)に不正な部材が挿入されることを抑制する部材であり、第1連通路H300Cの背面側(矢印B方向側)の内壁(内面)に沿う位置に形成される。また、板部材H37332hは、一対の側面板H9332dの正面側端部どうしを繋いで形成される。
なお、第44実施形態では、上面板H37332の下面から板部材H37332hが突出され、上面板H37332と一体の樹脂材料で板部材H37332hが形成されるが、板部材H37332hを上面板H37332と別体の樹脂材料で形成しても良い。この場合には、上面板H37332に対する板部材H37332hの取付位置に若干の調整幅を持たせることが好ましい。これによれば、第1連通路H300Cの形成位置が製造誤差等によりずれたとしても上面板H37332の取付位置を調整することが可能となり、側面板H9332dの対向間の空間H9332d2に隙間ができることを抑制できる。
次いで、第44実施形態における上面板H37332の変位について説明する。なお、ソレノイドH9337aの駆動により上面板H37332が軸部H9332fを中心に回転する変位については、第16実施形態に上面板H9332と同一であるので、その変位についての詳しい説明は省略する。
図258(a)に示すように、第1連通路H300Cの上部に沿って上面板H37332が配設され、第1連通路H300Cを上面板H37332の下面が塞ぐ状態では、第1連通路H300Cの背面側の内面に沿って板部材H37332hが配設される。
この状態から図258(b)に示すように、上面板H37332が軸部H9332fを中心に上方側に回転された状態では、第1連通路H300Cの上方側と上面板H37332との間に空間が形成される。これにより、第1連通路H300Cを開放する(第1連通路H300Cと外部空間とを連通する)ことができる。
一方、上面板H37332の板部材H37332hは、区画壁H343bの上端と板部材H37332hの下端とが前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配置され、一対の側面板H9332dの対向間に形成される空間H9332d2と外部空間とが非連通とされる。これにより、上面板H37332を回転させた際に上側装飾ユニットH37014a(側面板H9332dの対向間の空間H9332d2)に不正な部材が挿入されることを抑制できる。
また、板部材H37332hは、第1連通路H300Cの背面側の側面と連なって位置する(一対の側面板H9332dの対向間に形成される空間H9332d2と外部空間とが板部材H37332hにより非連通とされる)ので、第1連通路H300Cに放音される音が空間H9332d2側に回り込むことを抑制できる。これにより、第8実施形態における上面板H9332に比べて第1連通路H300Cから外部空間に効率的に音を放音することができる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
なお、第44実施形態における上面板H37332の変位タイミングについては、第16実施形態と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
次いで、図259を参照して、第45実施形態における上側装飾ユニットH38014aについて説明する。上記第44実施形態では、上側装飾ユニットH37014aの上部に樹脂の板部材から形成される上面板H37332が配設される場合について説明したが、第45実施形態では、上側装飾ユニットH38014aの上部に発光手段を有する光照射ユニットH38336が配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図259(a)は、第45実施形態における上側装飾ユニットH38014aの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応し、図259(b)は、上側装飾ユニットH38014aの断面模式図であり、図232(b)のX32b線における断面に対応する。なお、図259(a)では、第1連通路H300Cが発光ユニットH37336により閉鎖された状態が図示され、N16(b)では、第1連通路H300Cが光照射ユニットH38336の変位により開放された状態が図示される。また、図259では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図259に示すように、第45実施形態における上側装飾ユニットH38014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH38320とを主に備える。
化粧ユニットH38320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH38330と、その装飾ユニットH38330の内側に配設される発光ユニットH38340及び一対の音伝達ユニットH350(図130参照)とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH38330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(光照射ユニットH38336、下面板H333、左面板H9334(図232参照)及び右面板H9336(図232参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される光照射ユニットH38336と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、光照射ユニットH38336及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図232参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、光照射ユニットH38336及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図232参照)と、光照射ユニットH38336を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。
光照射ユニットH38336、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、光照射ユニットH38336及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。
光照射ユニットH38336は、LED(発光ダイオード)H38336a1を有し光を発光可能に構成される基板部材H38336aと、その基板部材H38336aの発光側に配設される第1ケース部材H38336bと、基板部材H38336aを第1ケース部材H38336bとの間に挟む態様で配設される第2ケース部材H38336cとを主に備える。
第1ケース部材H38336bは、基板部材H38336aに配設した基板部材H38336aのLEDH38336a1から出射される光を透過可能な樹脂材料から形成される。これにより、基板部材H38336aから出射される光を第1ケース部材H38336b側から出射可能とされる。
なお、LEDH38336a1の光の照射方向は、基板部材H38336aの配設面と直交する方向に設定されており、第45実施形態においては、光照射ユニットH38356が第1連通路H300Cの上方を覆設する状態(図259(a)に示す状態)の場合に、下方側(矢印D方向側)に向けて設定されており、光照射ユニットH38356が第1連通路H300Cを開放する状態(図259(b)に示す状態)の場合に、下方側から若干前方側(矢印F方向側)に傾いた方向に向けて設定される。
第2ケース部材H38336cは、上側装飾ユニットH38014aの上方を覆う板部材であり、第1ケース部材H38336b及び基板部材H38336aよりも上面視における外形が大きく形成される。また、第2ケース部材H38336cは、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される板部材H37332hと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。
なお、第45実施形態における第2ケース部材H38336cには、第8実施形態における上面板H332の正面側凸部H332a、背面側凸部H332b、及び、締結部H332cが非形成とされる。これにより、第38施形態では、光照射ユニットH38336を正面板H331に対して回転させることが可能となる。
また、第2ケース部材H38336cには、下面から板部材H37332hが突出され、第2ケース部材H38336cと一体の樹脂材料で板部材H37332hが形成される。なお、第2ケース部材H38336cと板部材H37332hとを別体の樹脂材料から形成しても良い。
発光ユニットH38340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側を覆う覆設部材H38343とを主に備える。
覆設部材H38343は、正面視において取付部材H341と略同一の形状に形成され、背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子により取付部材H341に締結される。また、覆設部材H38343は、正面視における中央部が背面側(矢印B方向側)に向かって膨出し、正面側(矢印F方向側)の中央部が開口する箱状に形成される。
また、覆設部材H38343は、光を非透過であって光の反射率の高い白色の樹脂材料から形成されると共に、下方側(矢印D方向側)の内面が背面側(矢印B方向側)に向かって上方側(矢印U方向側)に傾斜して形成される。これにより、LEDH38336a1から照射される光を反射して正面板H331側に照射可能とされる。
さらに、覆設部材H38343は、正面視における上方側(矢印U方向側)の側面から上方に向かって立設される区画壁H343bと、光照射ユニットH38336の閉鎖時においてLEDH38336a1と対向する位置に開口される上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dとを備え、上側装飾ユニットH38014aを組み立てた際に(第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336で塞いだ(覆設した)状態では)区画壁H343bの先端部が光照射ユニットH38336の第2ケース部材H38336cに当接される。
上方側開口部H38343cは、主に第1連通路H300Cを覆設した状態における光照射ユニットH38336のLEDH38336a1と対向する位置に形成されており、これにより、LEDH38336a1から照射された光を覆設部材H38343の内部に照射可能とされる。
下方側開口部H38343dは、上方側開口部H38343cと同様に第1連通路H300Cを覆設した状態おける光照射ユニットH38336のLEDH38336a1と対向する位置に形成されており、これにより、LEDH38336a1から照射された光を下面板H333に照射可能とされる。
よって、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した状態において、LEDH38336a1から照射される光を上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dを通して下面板H333に照射することができる。なお、第45実施形態では、下面板H333が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した状態において、下面板H333の一部(上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dと対応する位置)から出射することができる。
なお、上方側開口部H38343cは、下方側開口部H38343dに比べて、正面側に長い長孔に形成される。これにより、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放(光照射ユニットH38336を起立させて第1連通路H300Cの上方側を開放)した場合に、LEDH38336a1から出射される光を覆設部材H38343の内部に照射できる。さらに、下方側開口部H38343dは、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、LEDH38336a1と非対向となる位置に形成される。
従って、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合には、上方側開口部H38343cから覆設部材H38343の内部に照射された光が覆設部材H38343の下方側の内面により反射され正面板H331側に照射される。
即ち、第45実施形態においては、光照射ユニットH38336を変位させることで、第1連通路H300Cの開放状態を切り替える(音の放音状態を変える)だけでなく、光による演出面を変更(光を正面板H331に照射するか、下面板H333に照射するかを変更)することができる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。
なお、第45実施形態では、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した場合に、LEDH38336a1の光を下面板H333に照射し、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、LEDH38336a2の光を正面板H331に照射する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、光の照射対象を反対にしたり、光の照射対象を変更しても良い。また、光を通過させる覆設部材H38343の上方側開口部H38343c又は下方側開口部H38343dの開口位置を変更しても良い。
例えば、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した場合に、LEDH38336a1の光を正面板H331に照射(反射)可能な位置に上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dを形成すると共に、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、LEDH38336a2の光を下面板H333に照射可能な位置に上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dを形成しても良い。
この場合には、通常の遊技状態(第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により閉鎖した状態)では、正面板H331の装飾を遊技者に視認させることができ、遊技者が無駄に大当たりの期待をすることを抑制できる。
また、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、上方側開口部H38343cから覆設部材H38343の内側に出射される光を覆設部材H38343の内面に照射せず下方側開口部H38343dを介して正面板H331の下面側から出射可能となる位置に下方側開口部H38343dを形成しても良い。
また、第45実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えが、遊技者のボタン部H181(図119参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図119参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図128参照)で検出し、その検出結果に基づき光照射ユニットH38336を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(光照射ユニットH38336を変位させるソレノイドH9337a(図128参照))を出力するように構成される。
よって、ボタン部H181(図119参照)が操作された場合に光照射ユニットH38336が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図119参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。
さらに、第45実施形態では、N16(a)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bに当接した状態とされる一方、図259(b)に示すように第1連通路H300Cを開放した場合に、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bから離間した状態とされる。これにより、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に対して、上側装飾ユニットH38014aの剛性を低下させることができる。
この剛性の変化により上側装飾ユニットH38014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図129参照)から放音され、上側装飾ユニットH38014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。
即ち、スピーカーH312a(図129参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH38014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第45実施形態における上側装飾ユニットH38014aでは、上側装飾ユニットH38014a(区画壁H343b)に対する光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH38014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH38014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH38014aの剛性を高めることができるので、上側装飾ユニットH38014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音させやすくできる。
一方、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bから離間した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH38014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH38014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH38014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。
また、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、上側装飾ユニットH38014aの装飾面(外壁)の一部であるので、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を変位させた際にその光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH38014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、正面視において光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH38014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH38014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH38014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH38014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、第45実施形態におけ光照射ユニットH38336は、光を出射可能に構成されるので、第1連通路H300Cを開放するために上側装飾ユニットH38014aの上部に突出された場合に遊技者に視認されやすくなる。そのため、上側装飾ユニットH38014aの剛性が変化されることを光照射ユニットH38336の変化を視認させることによって遊技者に認識させることができる。
なお、第45実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図119参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図119参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図128参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、光照射ユニットH38336を変位させて第1連通路H300Cを開放して音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。
この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。また、第45実施形態では、第1連通路H300Cを開放した空間の背面側から光照射ユニットH38336の光を遊技者側に照射することができるので、音による演出と光による演出とを遊技者に認識させることができ、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。
一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図119参照)に注目することを抑制できる。これにより、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば、隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図135(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音同士が打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。
また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。
さらに、第45実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図124参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図119参照)の操作がされる場合に、光照射ユニットH38336を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図119参照)から放音させやすくしても良い。
この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、遊技領域に打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。
次いで、図260を参照して、第46実施形態における上側装飾ユニットH39014aについて説明する。上記第44実施形態では、上面板H37332が軸部H9332fにより回転される場合について説明したが、第46実施形態では、上面板H39332が軸部H9332fの他に第2軸部H39332nにより回転される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図260(a)は、第46実施形態における上側装飾ユニットH39014aの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応し、図260(b)は、上側装飾ユニットH39014aの断面模式図であり、図232(b)のX32b線における断面に対応する。なお、図260(a)では、第1連通路H300Cが上面板H39332により閉鎖された状態が図示され、N17(b)では、第1連通路H300Cが上面板H39332により開放された状態が図示される。また、図260では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図260に示すように、第46実施形態における上側装飾ユニットH39014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH39320とを主に備える。
化粧ユニットH39320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH39330と、その装飾ユニットH39330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図130参照)とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH39330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H39332、下面板H333、左面板H9334(図232参照)及び右面板H9336(図232参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H39332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H39332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図232参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H39332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図232参照)と、上面板H39332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。
上面板H39332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H39332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。
上面板H39332は、板状に形成される第1部材H39332kと、その第1部材H39332kに回転可能に配設される板状の第2部材H39332mと、を主に備え、上面板H39332により第1連通路H300Cの上方を塞いだ状態において、第1部材H39332kの正面側に第2部材H39332mが配設され、それらの上面が略同一の高さ(平行)に配設される。
また、第1部材H39332kと第2部材H39332mとは、第1部材H39332aと第2部材H39332mとの間に配設したねじりバネ(図示しない)により常に第1部材H39332kの上面と第2部材H39332mの上面とが平行に位置する状態に付勢される。これにより、駆動ユニットH9337のソレノイドH9337aから駆動力が第2部材H39332mに伝達される際には、第1部材H39332kの上面と第2部材H39332mの上面とを平行にした状態で第1部材H39332kと第2部材H39332mとを回転させることができる。
また、第1部材H39332kにソレノイドH9337aによる駆動の方向(上方)と反対の方向(下方)に力が作用してねじりバネが弾性変形される場合には、第1部材H39332kに対して第2部材H39332mを回転させることができる。
第1部材H39332kは、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。
第2部材H39332mは、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H39332dと、それら一対の側面板H39332dの対向間に配設される板部材H37332hと、側面板H39332dの一方に配設され駆動ユニットH9337の駆動力が伝達されるピン部H9332d1と、第1部材H39332kと連結される第2軸部H39332nとを主に備える。
なお、第1部材H39332kと第2部材H39332mとの上面が平行に配置された状態においては、第1部材H39332kの側面板H9332dと第2部材H39332mの側面板H39332dとが前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配設される。
次いで、第45実施形態における上面板H39332の変位について説明する。第45実施形態における上面板H39332は、上面板H39332の上方側に外力が作用していない場合には、ソレノイドH9337aの駆動により第2部材H39332mが上方へ持ち上げられることにより第1部材H39332kと第2部材H39332mとがそれらの上面を平行にした状態で第1部材H39332kの軸部H9332fを中心に回転される。
一方、上面板H39332の上方側に外力が作用する場合(例えば、上面板H39332の上面に遊技者の私物(財布や携帯電話や飲料物)が乗せられた場合)には、ソレノイドH9337aの駆動により第2部材H39332mが上方へ持ち上げられることにより、第2部材H39332mの第2軸部H39332nを中心に回転され、第1部材H39332kの変位が規制される。
詳しく説明すると、ソレノイドH9337aの駆動力が作用し始めた状態では、第1部材H39332kと第2部材H39332mとがそれらの上面を平行にした状態で第1部材H39332kの軸部H9332fを中心に回転され、第1部材H39332kと第2部材H39332mとの上面が背面側から正面側に向かって上昇傾斜した状態とされる。この傾斜により、上面板H39332の上面に乗せられた遊技者の私物を背面側(第1部材H39332k側)にスライドさせることで、正面側の第2部材H39332mに遊技者の私物が乗っていない状態を形成できる。
第2部材H39332mの上方側に外力が作用せず、第1部材H39332kの上方側に外力が作用する状態とすることで、第2部材H39332mを第1部材H39332kに対して第2軸部H39332nを中心に上方側に向かって回転させることができる。これにより、第45実施形態では、上面板H39332の上方側に外力が作用する場合であっても、ソレノイドH9337aの駆動力により第1連通路H300Cを開放可能とされる。
即ち、第46実施形態では、上面板H39332を回転させて第1連通路H300Cを開放する際の回転軸(回転中心)の位置を変更可能に形成されるので、上面板H39332の上方側に水平となる面(第1部材H39332kの上面)を形成しやすくできる。これにより、上側装飾ユニットH39014aの上方に遊技者の私物を乗せておける領域を形成することができる。従って、上面板H39332の回転により上側装飾ユニットH39014aの上方側に乗せた遊技者の私物が落下したり、上面板H39332の回転が遊技者の私物により回転しなくなることを抑制できる。その結果、上面板H39332を回転して第1連通路H300Cを開放した際の音の変化による演出を安定させることができる。
また、上側装飾ユニットH39014aの上方に遊技者の私物を乗せておける領域を形成した場合(即ち、第2部材H39332mのみが変位された場合)には、第1部材H39332kを上側装飾ユニットH39014aの外面側に維持することができるので、第1部材H39332kと第2部材H39332mとの両者を変位させた場合に比べて、第1連通路H300Cから放音される音が第1部材H39332kの下方側に逃げることを抑制できる。これにより、第1連通路H300Cから放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。従って、上側装飾ユニットH39014aに遊技者の視線を注目させやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH39014aの上方に乗せられた遊技者の私物を退かことを遊技者に促すことができる(上側装飾ユニットH39014aの上方に私物が乗っていることを遊技者に認識させることができる)。
さらに、第46実施形態では、図260(a)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bに当接した状態とされる一方、図260(b)に示すように第1連通路H300Cを開放した場合に、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bから離間した状態とされる。これにより、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に対して、上側装飾ユニットH39014aの剛性を低下させることができる。
この剛性の変化により上側装飾ユニットH39014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図129参照)から放音され、上側装飾ユニットH39014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。
即ち、スピーカーH312a(図129参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第46実施形態における上側装飾ユニットH39014aでは、上側装飾ユニットH39014a(区画壁H343b)に対する上面板H39332(第2部材H39332m)の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH39014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH39014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH39014aの剛性を高めることができるので、上側装飾ユニットH39014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音させやすくできる。
一方、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bから離間した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH39014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH39014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH39014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。
また、上面板H39332(第2部材H39332m)は、上側装飾ユニットH39014aの装飾面(外壁)の一部であるので、上面板H39332(第2部材H39332m)を変位させた際にその上面板H39332(第2部材H39332m)の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H39332(第2部材H39332m)は、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、正面視において上面板H39332(第2部材H39332m)は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で上面板H39332(第2部材H39332m)と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に上面板H39332(第2部材H39332m)が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H39332(第2部材H39332m)は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH39014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH39014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH39014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、第46実施形態では、上面板H39332を回転させて第1連通路H300Cを開放する際の回転軸(回転中心)の位置を変更可能に形成され(第1部材H39332kを上側装飾ユニットH39014aの外面に配置した状態を形成可能とされ)るので、第1連通路H300Cを開放した状態とした場合に上側装飾ユニットH39014aと上面板H39332との当接面積を変更することができる。これにより、上側装飾ユニットH39014aの剛性の変化態様を複数形成することができる(即ち、中間の剛性となる状態を形成できる)。よって、上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
なお、第46実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えが、遊技者のボタン部H181(図119参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図119参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図128参照)で検出し、その検出結果に基づき上面板H39332を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(上面板H39332を変位させるソレノイドH9337a(図128参照))を出力するように構成される。
よって、ボタン部H181(図119参照)が操作された場合に上面板H39332が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図119参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。
なお、第46実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図119参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図119参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図128参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、上面板H39332を変位させて第1連通路H300Cを開放して音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。
この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。
一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図119参照)に注目することを抑制できる。これにより、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば、隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図135(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音同士が打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。
また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。
さらに、第46実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図124参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図119参照)の操作がされる場合に、上面板H39332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図119参照)から放音させやすくしても良い。
この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、遊技領域に打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。
なお、第46実施形態では、上面板H39332が2箇所の回転軸(軸部H9332fと第2軸部H39332n)を備える場合について説明したが、1箇所の回転軸を前後にスライド変位させて、上側装飾ユニットH39014aの上方に遊技者の私物を乗せておける領域を形成するように構成しても良い。また、上面板H39332が3箇所以上の回転軸を備えて形成されても良い。
次いで、図261を参照して第47実施形態における上側装飾ユニットH40014aについて説明する。上記第44実施形態では、上面板H37332により第1連通路H300Cの上方を閉鎖した場合に第1連通路H300Cを介して第1空間H300A(図135(a)参照)同士が連通される場合について説明したが、第47実施形態では、上面板H40332により第1連通路H300Cの上方を閉鎖した場合に第1連通路H300Cによる第1空間H300A同士の連通が規制される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図261(a)から図261(c)は、第47実施形態における上側装飾ユニットH40014aの断面模式図であり、図232(a)のX32a線における断面に対応する。なお、図261(a)から図261(c)では、上面板H40332の遷移状態が順に図示され、図261(a)では、第1連通路H300Cを閉鎖した状態が図示され、図261(b)では、第1連通路H300Cと第1空間H300A(図135(a)参照)とを連通した状態が図示され、図261(c)では、第1連通路H300Cを開放した状態が図示される。なお、図261では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図261に示すように、第48実施形態における上側装飾ユニットH40014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH40320とを主に備える。
化粧ユニットH40320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH40330と、その装飾ユニットH40330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図130参照)とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH40330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H40332、下面板H333、左面板H9334(図232参照)及び右面板H9336(図232参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H40332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H40332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図232参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H40332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図232参照)と、上面板H40332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337と、上面板H40332の下面側に連結され上面板H40332の変位に伴って変位可能な第2変位部材H40337と、を主に備える。
上面板H40332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H40332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。
上面板H40332は、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される閉鎖部H40332pと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fと、一端が上面板H40332の下面に連結されると共に他端が第2変位部材H40337の上面に連結されるリンク部材H40332qとを主に備える。
閉鎖部H40332pは、上面板H40332を第1連通路H300Cの上方側に配置した際に、第1連通路H300Cを閉鎖する部材であり、第1連通路H300Cの内部空間と略同一の形状に形成される。上面板H40332を第1連通路H300Cの上方側に配置した状態においては、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cの内部を塞ぐことで第1連通路H300Cによる第1空間H300A(図135(a)参照)同士の連通が解除される。
リンク部材H40332qは、第2変位部材H40337に連結されるリンク部材であり、上面板H40332に対して回転可能な状態で配置される。また、リンク部材H40332qの第2変位部材H40337との連結側は、第2変位部材H40337に対して回転可能な状態とされると共に、第2変位部材H40337に対してスライド変位可能に連結される。これにより、上面板H40332が回転変位された際には、リンク部材H40332qの一端および他端が上面板H40332及び第2変位部材H40337に対して回転され、上面板H40332及び第2変位部材H40337に対するリンク部材H40332qの姿勢を変化させることができると共に、第2変位部材H40337に対してリンク部材H40332qの他端をスライド変位させることで、第2変位部材H40337を上下方向にスライド変位させることができる。
次いで、第47実施形態における上面板H40332の変位について説明する。なお、ソレノイドH9337aの駆動により上面板H40332が軸部H9332fを中心に回転する変位については、第16実施形態の上面板H9332と同一であるので、その変位についての詳しい説明は省略する。
図261(b)に示すように、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る直前の位置まで上面板H40332を変位させた場合には、閉鎖部H40332pの下面が第1連通路H300Cの下面から離間されると共に、第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ位置に配置される。これにより、上方側が閉鎖部H40332pにより閉鎖された空間の第1連通路H300Cが形成され、第1空間H300A(図135(a)参照)同士が第1連通路H300Cにより連通される。
また、図261(c)に示すように、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る位置まで上面板H40332を変位させた場合には、第1連通路H300Cの上方側が開放され第1連通路H300Cと外部空間とが連通される。これにより、第1連通路H300Cに放音される音を第1連通路H300Cを介して外部空間に放音することができる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
即ち、第47実施形態では、上面板H40332により、第1連通路H300Cの空間を非形成な(第1連通路H300Cを閉鎖部H40332pにより閉鎖した)状態と、第1連通路H300Cを形成した(第1連通路H300Cの上方を閉鎖部H40332pにより塞いだ)状態と、第1連通路H300Cを開放した状態とを形成することができる。その結果、音による演出態様を複数形成することができ、音による演出効果を高めることができる。
さらに、図261(c)に示すように、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る位置まで上面板H40332が変位されるので、開放時には第1連通路H300Cの内部空間にアクセスしやすくできる。その結果、第1連通路H300Cのメンテナンス性(清掃性)を向上することができる。
なお、第47実施形態では、図261(c)に示すように閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る位置まで上面板H40332が変位された状態では、第2変位部材H40337が上面板H40332の変位に伴ってリンク部材H40332qにより上方側に変位され、駆動前の上面板H40332が配置された位置(図261(a)に示す位置)と重なる位置に第2変位部材H40337が変位される。これにより、上面板H40332を変位させたこと(第1連通路H300Cを開放したこと)により、上側装飾ユニットH40014aに隙間が形成されることを抑制できる。
即ち、第47実施形態では、上面板H40332を変位させることによる隙間を第2変位部材H40337により埋めることができる。従って、上面板H40332の変位後において形成される隙間から不正な部材が挿入されることを抑制できる。
なお、第1連通路H300Cの正面側の内面および背面側の内面は、第1連通路H300Cの空間を非形成な(第1連通路H300Cを閉鎖部H40332pにより閉鎖した)状態における閉鎖部H40332pの正面側の側面および背面側の側面と平行に形成されていても良く、第1連通路H300Cの空間を非形成な状態において、第1連通路H300Cの正面側の内面および背面側の内面が閉鎖部H40332pの正面側の側面および背面側の側面と当接する状態としても良い。これによれば、第1連通路H300Cの空間を非形成な状態において、第1連通路H300Cの内面と閉鎖部H40332pの正面側の側面または背面側の側面との間を音が通過することを抑制できる。
さらに、第47実施形態では、図261(a)に示すように第1連通路H300Cの空間を非形成な状態とする場合に、上面板H40332の閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内面に当接した状態とされ、図261(b)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とする場合に、上面板H40332の閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内面の一部に当接した状態とされ、図261(c)に示すように、第1連通路H300Cを開放した場合に、上面板H40332の閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cから離間した状態にすることができる。これにより、上面板H40332を上方側に変位させた際に、上側装飾ユニットH40014aの剛性を上面板H40332の変化に伴って低下させることができる。
この剛性の変化により上側装飾ユニットH40014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図129参照)から放音され、上側装飾ユニットH40014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。
即ち、スピーカーH312a(図129参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第47実施形態における上側装飾ユニットH40014aでは、上側装飾ユニットH40014a(区画壁H343b)に対する上面板H40332の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH40014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH40014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。
第1連通路H300Cの空間を非形成な状態とする場合には、上側装飾ユニットH40014aの剛性を高めることができることに加えて、第1連通路H300Cに伝達される音をなくすことができるので、上側装飾ユニットH40014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音させやすくできる。
第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とする場合には、第1連通路H300Cの空間を非形成な状態とする場合に比べて、上側装飾ユニットH40014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH40014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音される音の音量を小さくできる。
一方、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とする場合に比べて、上側装飾ユニットH40014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH40014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH40014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。
また、上面板H40332は、上側装飾ユニットH40014aの装飾面(外壁)の一部であるので、上面板H40332を変位させた際にその上面板H40332の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、上面板H40332を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H40332の閉鎖部H40332pは、第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、正面視において上面板H40332は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で上面板H40332と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に上面板H40332が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H40332は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH40014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH40014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH40014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、上記したように第47実施形態では、上面板H40332の閉鎖部H40332pと第1連通路H300Cの内面との当接面積を上面板H40332の変位に伴って変化させることができるので、上面板H40332の変位に伴って上側装飾ユニットH40014aの剛性を変化させることができる。よって、上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
なお、第47実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えが、遊技者のボタン部H181(図119参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図119参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図128参照)で検出し、その検出結果に基づき上面板H40332を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(上面板H40332を変位させるソレノイドH9337a(図128参照))を出力するように構成される。
よって、ボタン部H181(図119参照)が操作された場合に上面板H40332が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図119参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。
なお、第46実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図119参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図119参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図128参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、上面板H40332を変位させて第1連通路H300Cを開放して音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。
この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。
一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図119参照)に注目することを抑制できる。これにより、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば、隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図135(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音同士が打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。
また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。
さらに、第46実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図124参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図119参照)の操作がされる場合に、上面板H40332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図119参照)から放音させやすくしても良い。
この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図119参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、遊技領域に打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。
次いで、図262を参照して、第48実施形態における上側装飾ユニットH41014aについて説明する。上記第44実施形態では、空間H9332d2への不正部材の挿入を板部材H37332hにより規制する場合について説明したが、第48実施形態では、第1空間H300Aの第1連通路H300Cとの連通部分に設けた検出装置(検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362)により空間H9332d2への不正部材の挿入を規制する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図262(a)は、第48実施形態における上側装飾ユニットH41014aの断面模式図であり、図134におけるX07a線における断面に対応し、図262(b)は、図262(a)の矢印X36b方向視における上側装飾ユニットH41014aの上面模式図である。なお、図262(b)では、上面板H37332が透明視された状態で図示される。また、図262では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図262に示すように、第48実施形態における上側装飾ユニットH41014aは、本体枠H14d(図126参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH41320とを主に備える。
化粧ユニットH41320は、第8実施形態における装飾ユニットH330(図130参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH41330と、その装飾ユニットH41330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図130参照)とを主に備えて形成される。
装飾ユニットH41330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H37332、下面板H333、左面板H9334及び右面板H9336を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H37332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336と、上面板H37332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337(図258参照)と、と主に備える。
また、第48実施形態における上側装飾ユニットH41014aに形成される第1空間H300Aには、第1連通路H300Cとの連通部分の一方側に検出光出射装置H41361が配設され、第1連通路H300Cとの連通部分の他方側に検出光検出装置H41362が配設され、検出光出射装置H41361から出射された光を第1連通路H300Cを介して検出光検出装置H41362により検出可能に構成される。
なお、第48実施形態では、上側装飾ユニットH41014aに形成される第1連通路H300Cが左右方向(矢印L-R方向)に略直線状に延設され、その直線部分を通して検出光出射装置H41361の光を検出光検出装置H41362により検出可能とされ、それら検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362により第1連通路H300Cの内部空間の物の有無を検出可能とされる。
このように、第48実施形態では、検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362により第1連通路H300Cの内部空間を検出することで、上面板H37332が第1連通路H300Cの上方側を閉鎖する位置に配設される場合には、上面板H37332の板部材H37332hを第1連通路H300Cの内部に配置することで、上面板H37332が規定の位置に配置されている(無理やり開口されていない)ことを検出することができる。
一方、上面板H37332が第1連通路H300Cを開放する場合には、第1連通路H300Cから板部材H37332hが張り出すことで、検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362による上面板H37332の検出が不要とされる。よって、第1連通路H300Cの内部に挿入される不正な部材を検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362により検出することが可能とされる。
従って、第48実施形態では、第1連通とH300Cを開放した場合に、第1連通路H300Cを介して空間H9332d2(図258参照)の内部空間に不正な部材が挿入されることを抑制できると共に、第1連通路H300Cの両端を介して第1空間H300Aに不正な部材が挿入されることを抑制できる。その結果、遊技者に不正行為がされることを抑制できる。
なお、検出光出射装置H41361の光を検出する検出光検出装置H41362(各種スイッチH208(図128参照))は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(音声出力や液晶表示)を実行可能とされる。
次いで、図263を参照して第49実施形態における揺動装置H42730について説明する。上記第8実施形態では、変位部材H790を介して基板部材H773から出射される光を遊技者側に出射する場合について説明した、第49実施形態では、変位部材H40773により基板部材H773から出射される光を遮る場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図263(a)及び図263(c)は、第49実施形態における揺動装置H42730の正面模式図であり、図263(b)は、図263(a)のX37b線における揺動装置H42730の断面模式図であり、図263(d)は、図263(c)のX37d線における揺動装置H42730の断面模式図である。なお、図263(a)及び(b)では、変位部材H42790の変位前の状態が図示され、図263(c)および(d)では、変位部材H42790の変位後の状態が図示される。なお、図263では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図263に示すように、第49実施形態における揺動装置H42730は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H780と、ベース手段H770を介して駆動手段H780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H42790と、を主に備える。
なお、第49実施形態における変位部材H42790も第8実施形態における変位部材H790と同様にベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位可能に配設される(図1201-2参照)が、図263では、理解を容易とするために変位部材H42790が駆動手段H780に対して固定した状態で図示される。
変位部材H42790は、光を非透過の有色材料(白色)から形成されており、背面側に配設されるベース手段H770(基板部材H773)から出射される光を遮ることが可能とされる。また、変位部材H42790は、左右方向(矢印L-R方向)における寸法がベース手段H770よりも小さく形成されており、ベース手段H770の正面側に重なって配置される際(例えば、図263(a)及び(b)に示す位置に配置される際)に、ベース手段H770の一部を隠すことが可能とされる。
なお、変位部材H42790は、全体が光を非透過の有色材料から形成されるものに限られるものではなく、一部が光を透過可能な透明材料から形成されるもので形成され、光を非透過な領域と、光を透過可能な領域とを備えるものであっても良い。例えば、正面視において光を非透過な領域の周囲に光を透過可能な領域を形成して、非透過な領域の周囲から出射される光の出射角度を変更しても良い。これによれば、非透過な領域の周囲の光の態様を変更できるので、非透過な領域の装飾面に遊技者の視線を注目させることができる。
また、正面視において光を透過可能な領域の周囲に光を非透過な領域を形成して、非透過な領域の中央から出射される光の出射角度を変更しても良い。この場合には、非透過な領域の中央の光の態様を変更できるので、光を透過可能な領域から出射される光に遊技者の視線を注目させることができる。
さらに、変位部材H42790の左右方向における寸法をベース手段H770よりも大きく形成したり、複数の変位部材H42790を左右方向に並べて配置して、正面視におけるベース手段H770の全部を変位部材H42790で隠すようにしても良い。この場合には、変位部材H42790を変位させることで、基板部材H773から出射される光を視認可能な状態と、基板部材H773から出射される光を視認不可能な状態とを形成することができ、基板部材H773の光を視認不可な状態とすることで、基板部材H773の光を視認可能とする状態を形成した場合の遊技者の視線を基板部材H773の光に注目させやすくできる。
基板部材H773に配設される発光手段H773bは、正面視において上下左右に整列した状態で配設され、変位部材H42790がベース手段H770の正面側に重なって配設される際に、同列の発光手段H773bが変位部材H42790により隠された状態とされる。
なお、発光手段H773bは、正面視において千鳥状に配設されるものや、正面視において一部に集まって配置されるものであっても良い。例えば、正面視において左右方向両外側の発光手段H773bの数を、左右方向中央部の発光手段H773bの数よりも多くして、左右両外側の発光量を多くしても良い。また、正面視における変位部材H42790の形状を異形に形成して、同列の発光手段H773bの内の一部の発光手段H773bを隠しても良い。
また、第49実施形態では、図263(c)及びS40(d)に示すように、変位部材H42790が駆動手段H780の駆動力(慣性力)により上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1を中心に回転された際に、変位部材H42790がベース手段H770と正面視において重ならない位置まで回転可能に設定される。
即ち、第49実施形態では、変位部材H42790がベース手段H770(基板部材H773)の正面側に重なって配置される状態と、変位部材H42790がベース手段H770と重ならない位置に退避する状態とを形成することができる。
これにより、第49実施形態では、変位部材H42790の変位と基板部材H773の発光とを合わせて視認させる状態と、変位部材H42790を基板部材H773の正面側から退避させ、基板部材H773の発光のみを視認させる状態とを形成することができる。よって、演出の形態を複数形成することができ、遊技の興趣を向上できる。
なお、第49実施形態では、変位部材H42790は、ベース手段H770の上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1を中心に正面視において左右方向に回転可能に軸支されるが、左右方向に延設される軸を中心に上下方向に回転されるものであっても良い。
また、変位部材H42790の変位位置を検出装置により検出して、基板部材H773の発光態様を変更しても良い。即ち、変位部材H42790により隠れる領域に配置される発光手段H773bの光の照射をオフ、又は、照射量を少なくしても良い。この場合には、変位部材H42790の背面側に照射される光を少なくすることができるので、変位部材H42790の背面側で光が反射して他の領域にその光が入ることを抑制できる。これにより、発光手段H773bの列ごとに発光色を分けた場合に反射光が混ざることを抑制して、光による演出効果を向上できる。
さらに、変位部材H42790の変位位置を検出装置により検出する場合には、変位部材H42790を発光手段H773bにより注目させるために、正面視において変位部材H42790と隣り合う位置(正面視において近い位置)の発光手段H773bの発光量を多くする一方、正面視において変位部材H42790から離れる位置の発光手段の発光量をオフ、又は、少なくしても良い。これによれば、正面視において変位部材H42790の周囲の発光量が多くなるので、変位部材H42790に注目させやすくできる。
なお、変位部材H42790の変位位置を検出する検出装置(各スイッチH208(図128参照))は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(発光手段H773bの光の照射量を調整する)を実行可能とされる。
また、第49実施形態では、揺動装置H42730の正面側を覆設した状態で配設される傾倒装置H710(図165参照)に光を非透過の領域が形成され、その非透過の領域が正面視において基板部材H773の左右両外側に形成される。これにより、ベース手段H770(基板部材H773)と正面視において重ならない領域に変位部材H42790が変位された場合には、変位部材H42790を傾倒装置H710の非透過の領域により隠すことができる。
即ち、基板部材H773の全域を視認させる場合には、揺動装置H42730の正面側に配設した別部材により、変位部材H42790を遊技者から視認されにくくすることができる。これにより、発光手段H773bの発光に注目させることができ、発光手段H773bによる演出効果を向上できる。
さらに、第8実施形態における操作ユニットH180では、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に、傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端が弾性体H785を介して駆動手段H780に当接され、その当接により駆動手段H780をベース手段H770に対して中間配置状態の位置に変位させることができる。
また、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された場合には、変位部材H790が駆動手段H780と共に所定位置(駆動手段H780が中間位置状態とされる位置)に変位される。従って、遊技者のボタン部H181の押圧操作に連動して、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様を変更することができる。
なお、第49実施形態では、変位部材H42790が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、変位部材H42790を光を透過可能な透明の樹脂材料から形成すると共にその変位部材H42790に凹凸形成して、変位部材H42790を介して視認される光を、他の領域(変位部材H42790を介さず視認される領域)の光と異なる態様で遊技者に視認させるものであっても良い。
また、変位部材H42790は、光を非透過の白色ではなく、光を非透過の黒色の樹脂材料から形成され、正面側に装飾が施されるものであっても良い。即ち、発光手段の光を照射可能な位置の変位部材H42790の側面(背面)が黒色に形成されるものであっても良い。この場合には、変位部材H42790の背面側に発光手段H773bの光が照射されたとしても、その光を変位部材H42790により吸収しやすくできる。即ち、変位部材H42790が光を吸収しやすい色で構成されていても良い。これによれば、変位部材H42790の背面から反射される光が他の領域の光に干渉することを抑制できる。
さらに、変位部材H42790を、光の透過量を電気(印加電圧の変更)により変更可能な調光ガラス等で構成して、所定の演出の際に光の透過量を変更するように構成しても良い。例えば、ボタン部H181の押圧操作が必要な場合には、光の透過量を多くして遊技者にボタン部H181の操作が必要なことを認識させやすくする一方、ボタン部H181の操作が必要のない場合には、基板部材H773から出射される一部の光の透過量を変更して(又は遮って)視認される光の色合いを変更する演出を遊技者に視認させても良い。
なお、この場合には、変位不能に構成される複数の調光ガラスを並べて配置して、それぞれの調光ガラスの光の透過量を変更する(例えば、左右方向に複数枚配置される調光ガラスの光の透過量を左側から順に少なくして、左側の発光量を多くする)ことで、遊技者に視認される光の態様を変更してもよい。
また、上記第49実施形態における揺動装置H42730は、第8実施形態における揺動装置H730と同様に、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に傾倒装置H710の下端が当接されることで揺動装置H42730を変位可能に構成される。また第49実施形態では、傾倒装置H710の下端が当接されることで、変位部材H42790が第1拡散部材H774(基板部材H773)に近づく方向に変位するように構成される。
これによれば、第1拡散部材H774(基板部材H773)に変位部材H42790を近づけることができるので、正面側に配設される変位部材H42790で発光手段H773bから出射される光を遮りやすくできる。即ち、発光手段H773bの照射範囲を変位部材H42790により狭くしやすくできる。第49実施形態では、基板部材Hの照射範囲を区画しやすくできる。
次いで、図264及び図265を参照して第50実施形態における揺動装置H43730について説明する。上記第49実施形態では、光を非透過の変位部材H42790により基板部材H773の光を遮る場合について説明したが、第51実施形態における揺動装置H43730では、変位部材H42790の背面側に配置した第2変位部材H43795により、基板部材H773の光が遮られる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図264を参照して、第50実施形態における揺動装置H43730の全体構成について説明する。図264(a)は、第50実施形態における揺動装置H43730の正面模式図であり、図264(b)は、図264(a)のX38b線における揺動装置H43730の断面模式図である。なお、図264では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図264に示すように、第50実施形態における揺動装置H43730は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に配設されるベース手段H43770と、そのベース手段H43770の背面側(矢印B方向側)に配置され、ベース手段H43770に軸支される駆動手段H780と、ベース手段H43770を介して駆動手段H780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H42790と、ベース手段H770の内部空間(第1拡散部材H43774と基板部材H773との対向間)を変位可能な状態で駆動手段H780の正面側に配設される第2変位部材H43795と、を主に備える。
なお、第50実施形態における変位部材H42790も第8実施形態における変位部材H790と同様にベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位可能に配設されるが、図264及び図265では、理解を容易とするために変位部材H42790が駆動手段H780に対して固定した状態で図示される。また、以下の説明では、変位部材H42790が駆動手段H780に相対変位可能に配設される部分を「連結部分」と称して説明する。
第2変位部材H43795は、光を非透過の樹脂材料から形成されると共に、変位部材H42790の駆動手段H780との連結部分側(即ち、上側係合部H792a(図181参照)に配設される。即ち、変位部材H42790の背面側(矢印B方向側)に配設される。よって、第2変位部材H43795は、変位部材H42790の変位に伴って変位可能とされる。なお、第49実施形態における第2変位部材H42795は、上方側の一端側のみが変位部材H42790に接続(配設)され、ベース手段H770内部空間(第1拡散部材H43774及び基板部材H773の対向間)を変位可能とされる。
ベース手段H43770は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に締結固定される上側ベース部材H771と、その上側ベース部材H771の下方側(矢印D方向側)に配設される下側ベース部材H772と、上側ベース部材H771の正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773と、基板部材H773の正面側を覆う態様で上側ベース部材H771の正面側に配設される第1拡散部材H43774と、を主に備える。
第1拡散部材H43774には、正面側の一面に左右方向に3分割され、それぞれ異なる色が付与されたフィルムが配設(貼付)される。なお、図265及び図266では、第1拡散部材H43774に貼付された各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)がそれぞれ異なる位置に貼付され、それぞれ所定の模様を付して図示される。各フィルムに装飾される色としては、例えば、各色に危険、注意、正常等の意味を持たせるために「赤、黄、青」の信号機等の配色や、各色を混ぜて他の色を形成するために「赤、黄、緑」の光の3原色の配色がされる。
なお、第1拡散部材H43774に貼付される各フィルムは、第1拡散部材H43774の背面側に配設(貼付)されても良く、また、3分割に限らず2分割や4分割以上に分割されるものであっても良い。さらに、第1拡散部材H43774に貼付される各フィルムは、正面側の一面に上下方向に分割されていても良い。
また、第1拡散部材H43774は、基板部材H773の正面と所定の隙間(第2変位部材H43795を変位可能な隙間)を隔てた状態で配設されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の両側に第2変位部材H43795を挿通可能な開口部H43774fが形成される。
なお、開口部H43774fは、第1拡散部材H43774の上方側の縁部から下方側に沿って延設されており、これにより、上方側が連結される第2変位部材H43795を開口部H43774fを介して第1拡散部材H43774の内側から張出変位可能とされる。
また、変位部材H42790がベース手段H43770に対して回転されていない状態(即ち、図264に示す位置に配置される場合には)では、変位部材H42790の背面側に第2変位部材H43795が重なって配設されると共に、変位部材H42790に対して変位部材H42790における左右方向(矢印F-B方向)の寸法が若干小さくされる。
また、変位部材H4290がベース手段H43770に対して回転されていない状態(即ち、図264に示す位置に配置される場合)には、中央フィルムH3774cの正面側に変位部材H42790が配設されると共に、中央フィルムH43774cの背面側に第2変位部材H43795が配設される。
これにより、発光手段H773bから中央フィルムH43774cの背面側に照射される光を第2変位部材H43795で遮ることができる。その結果、遊技者に第1フィルムH43774dと第2フィルムH43774eとを介した発光手段H773bの光を視認させやすくできる。
即ち、第2変位部材H43795により発光手段H773bの光を遮らず、変位部材H42790により中央フィルムH43774cを介して出射される光を遮る場合には、変位部材H42790の背面に照射される光が変位部材H42790の背面で反射することにより、第1フィルムH43774d又は第2フィルムH43774eを介して出射される光と混ざり、第1フィルムH43774d及び第2フィルムH43774eを介した光が正しく遊技者に認識されない可能性がある。
また、変位部材H42790の変位を検出センサ等により検出して、変位部材H42790の変位に合わせて変位部材H42790の背面側に位置する発光手段H773bの発光を弱くする、又は、オフにすることも可能であるが、この場合には、変位部材H42790の変位を常に監視する必要があるため、制御が複雑になり変位部材H42790の変位に合わせて発光手段H773bの光を弱めることが困難とされる。
これに対し、第50実施形態では、異なる色を付した中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eの背面側で、発光手段H773bから出射される光を第2変位部材H43795により遮ることができるので、中央フィルムH43774cを介して光が出射されることを抑制して、中央フィルムH43774cを介した光が他の領域の光を混ざることを抑制できる。その結果、第1フィルムH43774dと第2フィルムH43774eとを介した発光手段H773bの光を正しく遊技者に視認させることができる。
即ち、第50実施形態では、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eの背面側で、発光手段H773bから出射される光を第2変位部材H43795により遮ることにより、発光手段H773bから同じ発光がされている(即ち、複数の発光手段H773bからの光の出射量が制御により変更されていない(全ての発光手段H773bが同様に発光している))場合でも、第1拡散部材H43774(各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e))を介して視認される光の態様を変更できる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。
また、第50実施形態では、第2変位部材H43795により光の出射を遮られた領域の中央フィルムH43774cを変位部材H42790により遊技者に視認させにくくできる(即ち、光が出射されていない領域の正面側に変位部材H42790が配置される)ので、遊技者が中央フィルムH43774cに注目することを抑制できる。その結果、遊技者に第1フィルムH43774dと第2フィルムH43774eとを介した発光手段H773bの光を視認させやすくできる。
なお、第50実施形態では、第2変位部材H43795が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、第2変位部材H43795は、発光手段H773bから出射される光の透過量を変えるものであれば良い。
即ち、第2変位部材H43795が半透明の樹脂材料から形成され、第2変位部材H43795に照射される基板部材H773の光の一部が第2変位部材H43795を透過して第1拡散部材H43774の各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)側に出射されるようにしても良い。この場合には、各フィルムの一部からの発光量を少なくすることができる。これにより、各フィルムを介して視認される光の色合いを複雑に変更できる。
また、第2変位部材H43795を、光の透過量を電気より変更可能な調光ガラス等で構成して、所定の演出の際に光の透過量を変更するように構成しても良い。例えば、ボタン部H181の押圧操作が必要な場合には、光の透過量を多くして遊技者にボタン部H181の操作が必要なことを認識させやすくする一方、ボタン部H181の操作が必要のない場合には、基板部材H773から出射される一部の光の透過量を変更して(又は遮って)各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)を介して視認される光の色合いを変更する演出を遊技者に視認させても良い。
なお、この場合には、変位不能に構成される複数の調光ガラスを並べて配置して、それぞれの調光ガラスの光の透過量を変更する(例えば、左右方向に複数枚配置される調光ガラスの光の透過量を左側から順に少なくして、左側の第1フィルムH43374dを介して照射される光の透過量を多くする)ことで、遊技者に視認される光の態様を変更してもよい。
次いで、図265を参照して、第50実施形態における揺動装置H43730の変位について説明する。図265(a)及び図265(c)は、第50実施形態における揺動装置H43730の正面模式図であり、図265(b)は、図265(a)のX39b線における揺動装置H43730の断面模式図であり、図265(d)は、図265(c)のX39d線における揺動装置H43730の断面模式図である。なお、図265では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図265(a)及び(b)に示すように、第2変位部材H43795は、駆動手段H780の駆動により変位部材H42790が変位されることで、変位部材H42790の変位方向に変位され、第2変位部材H43795が第1フィルムH43774dの背面側に配置される場合には、第1フィルムH43774d側の中央フィルムH43774cの略半分と第2変位部材H43795が重なる位置に配置される。
これにより、第2フィルムH43774eの中央フィルムH43774c側の略半分から中央フィルムH43774cを介した光を正面側に出射できると共に、第2フィルムH43774eを介した光を正面側に出射できる。
なお、中央フィルムH43774cの左右方向における幅は、第1フィルムH43774d及び第2フィルムH43774eの略2倍に設定されており、中央フィルムH43774cを介した光と、第1フィルムH43774d又は第2フィルムH43774eのどちらか一方を介した光とを遊技者に視認させる際に、中央フィルムH43774cを介した光の領域と、第1フィルムH43774d又は第2フィルムH43774eを介した光の領域とを略同一にすることができる。
一方、図265(c)及び(d)に示すように、第2変位部材H43795が第1拡散部材H43774の開口部H43774fから第1拡散部材H43774の外側へ張り出される場合には、第2変位部材H43795が中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eと重ならない状態とされ、正面視において変位部材H42790が第1拡散部材H43774と重ならない位置に配置される。
これにより、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eを介して正面側に出射されるそれぞれの光を遊技者に視認させることができる。
従って、第50実施形態では、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eの背面側に配設される第2変位部材H43795により、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eのうち2枚のフィルムを介して出射される光の形態や、全てのフィルムを介して出射される光の形態を形成することができる。これにより、例えば、2色または3色に発光される色を遊技者に視認されるまでに各フィルムの境界部分や各フィルムの全体で混ざり合わせることで、遊技者に複数の色を視認させることができる。その結果、基板部材H77の光による演出効果を向上できる。
なお、上記第50実施形態では、第1拡散部材H43774の正面側に3個のフィルムが配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、4個以上のフィルムから構成しても良いし、2個のフィルムにより基板部材H773から出射される光の色を変更しても良い。例えば、2個のフィルムにより基板部材H773から出射される光の色を変更する場合には、フィルムを介した色の光を遊技者にそのまま視認させて良い。
また、上記第50実施形態では、第2変位部材H43795が変位部材H43790の変位に連動される場合について説明したが、第2変位部材H43795を変位するための駆動手段を別途配設しても良い。
さらに、上記第50実施形態では、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eを隣り合う状態で配設したが、それらフィルムの間に発光色を区画するための区画部材(例えば黒色のシール等)を配設しても良い。この場合には、区画部材により中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eから出射される光を区画することができるので、それぞれのフィルムを介して視認される色を区画することができ、隣り合う色同士が混ざることを抑制できる。
なお、本実施形態のように、区画部材を備えず、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eを隣り合う状態で配設した場合には、それらの隣り合う領域を介して出射される光を混ぜることができる。これにより、複数の発光色を形成することができ、光による演出効果を向上できる。
また、第50実施形態における揺動装置H43730は、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に傾倒装置H710の下端が当接されることで、変位部材H43790が第1拡散部材H774(基板部材H773)から離れる方向に変位されるように構成される。
これによれば、変位部材H43790に配設される第2変位部材H43795を基板部材H773から離れる方向に変位させることができるので、第1拡散部材H774と基板部材H773との間を変位可能に配設される第2変位部材H43795を第1拡散部材H774に近づける(基板部材H773から離す)ことができる。即ち、第2変位部材H43795を第1拡散部材H774に貼付される各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)に近づけることができる。よって、第2変位部材H43795と各フィルムとの対向間の距離を狭めることができ、その対向間に光が入射することを抑制しやすくできる。その結果、各フィルムへの光の照射領域を区画しやすくできる。
次いで、図266を参照して、第51実施形態における揺動装置H44740について説明する。上記第8実施形態では、揺動装置H730のベース手段H770が下枠部材H720に固定される場合について説明したが、第51実施形態では、揺動装置H44740の変位部材H44790が下枠部材H720に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図266(a)は、第51実施形態における操作ユニットH44180の断面模式図であり、図266(b)は、図266(a)のX40b線における操作ユニットH44180の断面模式図である。なお、図266(a)では、操作ユニットH44180の左右方向(矢印L-R方向)略中央部で切断した断面が模式的に図示される。また、図266では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図266に示すように、第51実施形態における揺動装置H44740は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に配設される変位部材H44790と、その変位部材H44790の背面側に軸支されるベース手段H44770と、そのベース手段H44770の背面側に配設される駆動手段H780と、を主に備える。
変位部材H44790は、光を透過可能な無色透明な樹脂材料から形成されており、背面側(矢印B方向側)に配設されるベース手段H44770から出射される光を正面側に透過可能に構成される。また、変位部材H44790は、正面側に向かって半球状に湾曲して形成される透過部H791と、その透過部H791の背面側の縁部3箇所から背面側に向かって突出する係合部H44792と、を主に備える。
係合部H44792は、下枠部材H720の背面板H722(図165参照)に係合された後、螺子により背面板H722に締結される部分であり、背面側の先端が背面板H722を超える長さに設定されると共に、先端が背面板H722と係合可能な鉤形状に形成される。
ベース手段H44770は、上側軸支部H771b1を有する上側ベース部材H44771と、下側軸支部H772b1を有する下側ベース部材H44772と、上側ベース部材H44771の正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773と、基板部材H773の正面側を覆う態様で上側ベース部材H44771の正面側に配設される第1拡散部材H774と、を主に備え、上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1が変位部材H44790の係合部H44792に軸支されることで、変位部材H44790に対して回転可能に構成される。
なお、ベース手段H44770の上側ベース部材H44771及び下側ベース部材H44772には、背面側に駆動手段H780が配設される。よって、駆動手段H780の駆動力により変位部材H44790に対してベース手段H44770が回転される。
第51実施形態における揺動装置H44740によれば、光を透過する変位部材H44790(透過部H791)に対して、光を出射する基板部材H773を有するベース手段H44770が変位されるので、第8実施形態における変位部材H790のように変位部材H790を変位させる場合に比べて、基板部材H773から出射される光の照射角度を大きくしやすくできる。
即ち、第8実施形態では、変位部材H790を透過させることで基板部材H773から出射される光の出射方向を変更することができなかったのに対して、第51実施形態では、光源の出射方向を変更することができるので、光の出射角度を変更しやすくできる。その結果、基板部材H773の光の照射角度を広くして、基板部材H773の光による演出領域を大きくすることができる。
なお、第51実施形態では、揺動装置H44740を変位させる場合について説明したが、第51実施形態における変位部材H44790を第8実施形態における変位部材H790に置き換えて(即ち、変位可能な変位部材H790として)、揺動装置H44740と変位部材H790との両方を変位させても良い。なお、この場合、揺動装置H44740と変位部材H790とのそれぞれを独立して変位可能とする構成とすることが好ましい。光を出射する基板部材H773に対して変位部材H790の位置を変位させて、変位部材H790を介して視認される光の態様を変更しやすくできるからである。
次いで、図267を参照して、第52実施形態における操作ユニットH45180について説明する。上記第8実施形態では、揺動装置H730の基板部材H773から出射される光をボタン部H181を介して出射する場合について説明したが、第52実施形態では、ボタン部H181に配設される第2基板部材H45718の光をボタン部H181を介して出射する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図267(a)及び図267(b)は、第52実施形態における操作ユニットH45180の断面模式図である。なお、図267(a)及び図267(b)では、操作ユニットH45180の左右方向(矢印L-R方向)略中央部で切断した断面が模式的に図示される。また、図267(a)は、傾倒装置H45710が傾倒位置に配置された状態が図示され、図267(b)では、傾倒装置H45710が起立位置に配置された状態が図示される。なお、図267では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図267に示すように、第52実施形態における操作ユニットH45180は、上面にボタン部H181を有する傾倒装置H45710と、その傾倒装置H45710が上下方向(矢印U-D方向)に揺動可能な状態で内側に配設される下枠部材H720と、その下枠部材H720の内側に配設される揺動装置H730と、傾倒装置H45710のリング部材H713(図165参照)を上方側(矢印U方向側)から支持し下枠部材H720と向かい合わせで配置される上枠部材H740と、下枠部材H720の下方側(矢印D方向側)に配設されアーム部材H755(図165参照)を介して傾倒装置H710に駆動力を伝達する駆動手段H750(図165参照)と、下枠部材H720の下方側に配設され駆動手段H750を左右方向(矢印L-R方向)と後方(矢印F方向)との三方から覆う箱状に形成される保護カバー部材H760と、を主に備える。
傾倒装置H45710は、上面にボタン部H181と、そのボタン部H181の正面側の外縁から下方側に向かって延設される正面側透過部H711と、ボタン部H181の左右両外側の外縁から下方側に向かって延設される側面側反射部H712と、ボタン部H181の背面側の外縁に沿って配設される軸部材H716(図174参照)と、その軸部材H716の両端に配設されるリング部材H713(図166参照)と、軸部材H716に巻き付けされるねじりバネH717(図166参照)と、側面側反射部H712の下端の縁部に沿って配設されるブラケットH714(図166参照)と、側面側反射部H712の正面側の下端に配設され、下方側に突出する検出片H715(図166参照)と、ボタン部H181の背面側であって軸部材H716の正面側に配設される第2基板部材H45718と、を主に備え、ボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712により下方側が開口する箱状に形成される。
なお、傾倒装置H45710は、リング部材H713(図166参照)を回転軸として回転可能に形成されており、上述した傾倒位置(図267(a)に示す位置)と、その傾倒位置から正面側を上方側に回転させた起立位置(図267(b)に示す位置)との間で変位可能とされ、傾倒位置においてボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712の内側に揺動装置H730を配置可能とされる。
第2基板部材H45718は、光を出射可能な発光手段H45718aを備え、その発光手段H45718aから出射される光をボタン部H181の上面に出射可能に形成される。なお、第2基板部材H45718は、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で発光手段H45718aの光を出射可能に形成される。
また、ボタン部H181は、上述したように貝を模した形状に形成されており、図267に示すように、上面に貝の装飾に沿った凹凸が形成される。よって、第52実施形態では、上面に対して鋭角となる方向(即ち、揺動装置H730の基板部材H773の光の照射方向と異なる方向)からボタン部H181の装飾面(上面の凹凸)に光を照射することで、ボタン部H181の装飾を目立たせることができる。
即ち、第52実施形態では、ボタン部H181の上面に対して直交する方向に近い方向から(鈍角となる交差角度で)光を入射させる基板部材H773と、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で光を入射させる第2基板部材H45718とを備えることで、ボタン部H181の凹凸を介して視認される光の態様を変更することができる。その結果、光による演出効果を向上できる。
また、第52実施形態では、第2基板部材H45718が傾倒装置H45710に配設されるので、図267(b)に示すように傾倒装置H45710が傾倒位置に配設された場合には、ボタン部H181の変位に伴って第2基板部材H45718を変位させることができる。従って、傾倒装置H45710の配置によって、基板部材H773から出射される光をボタン部H181に入射しにくくできると共に、第2基板部材H45718から出射される光のボタン部H181へ入射量は略一定にすることができる。その結果、ボタン部H181の発光態様を複数形成することができ、光による演出効果を向上できる。
なお、第2基板部材H45718は、傾倒装置H45710でなく、例えば、下枠部材H720に配設され、傾倒位置または起立位置のどちらかにおける傾倒装置H45710のボタン部H181に光を照射可能に構成されても良い。
また、第52実施形態では、ボタン部H181が光を透過可能に構成される場合について説明したが、ボタン部H181に光を反射可能な反射部材を設けて、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合には、ボタン部H181の反射部材により傾倒装置H710を介して揺動装置H730を遊技者から視認不能としつつ、ボタン部H181に設けた反射部材により基板部材H773から出射される光を正面側透過部H711側から出射するように構成しても良い。なお、傾倒装置H710を起立位置に配置した場合には、正面側透過部H711を介して揺動装置H730を遊技者に視認可能とすることができる。
次いで、図268を参照して第53実施形態における操作ユニットH46180について説明する。上記第52実施形態では、傾倒装置H45710に第2基板部材H45718が配設される場合について説明したが、第53実施形態では、第2基板部材H46742が上枠部材H46740に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図268(a)及び図268(b)は、第53実施形態における操作ユニットH46180の断面模式図である。なお、図268(a)及び図268(b)では、操作ユニットH46180の左右方向(矢印L-R方向)略中央部で切断した断面が模式的に図示される。また、図268(a)は、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置された状態が図示され、図268(b)では、傾倒装置H46710が起立位置に配置された状態が図示される。さらに、図268では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。
図268に示すように、第53実施形態における操作ユニットH46180は、上面にボタン部H181を有する傾倒装置H46710と、その傾倒装置H46710が上下方向(矢印U-D方向)に揺動可能な状態で内側に配設される下枠部材H720と、その下枠部材H720の内側に配設される揺動装置H730と、傾倒装置H46710のリング部材H713を上方側(矢印U方向側)から支持し下枠部材H720と向かい合わせで配置される上枠部材H46740と、下枠部材H720の下方側(矢印D方向側)に配設されアーム部材H755(図166参照)を介して傾倒装置H46710に駆動力を伝達する駆動手段H750(図166参照)と、下枠部材H720の下方側に配設され駆動手段H750を左右方向(矢印L-R方向)と後方(矢印F方向)との三方から覆う箱状に形成される保護カバー部材H760と、を主に備える。
傾倒装置H46710は、上面にボタン部H181と、そのボタン部H181の正面側の外縁から下方側に向かって延設される正面側透過部H711と、ボタン部H181の左右両外側の外縁から下方側に向かって延設される側面側反射部H712と、ボタン部H181の背面側の外縁に沿って配設される軸部材H716(図174参照)と、その軸部材H716の両端に配設されるリング部材H713(図166参照)と、軸部材H716に巻き付けされるねじりバネH717(図166参照)と、側面側反射部H712の下端の縁部に沿って配設されるブラケットH714(図166参照)と、側面側反射部H712の正面側の下端に配設され、下方側に突出する検出片H715(図166参照)と、ボタン部H181の下面側にスライド変位可能に配設される変位部材H46182と、を主に備え、ボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712により下方側が開口する箱状に形成される。
なお、傾倒装置H46710は、リング部材H713(図166参照)を回転軸として回転可能に形成されており、上述した傾倒位置と、その傾倒位置から正面側を上方側に回転させた起立位置との間で変位可能とされ、傾倒位置においてボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712の内側に揺動装置H730を配置可能とされる。
変位部材H46182は、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成され、ボタン部H181の下面に沿う板状に形成され、ボタン部H181にスライド変位可能な状態で配設される。また、変位部材H46182には、一端が下枠部材H720の背面板H722に軸支されるリンク部材H46182aの他端が連結される。
このリンク部材H46182aにより傾倒装置H46710が傾倒位置から起立位置に変位される駆動力に伴って、変位部材H46182がボタン部H181に対して引っ張られる。即ち、ボタン部H181に対し変位部材H46182が追従して変位することをリンク部材H46182aにより規制して、ボタン部H181に対し変位部材H46182を変位させることができる。これにより、傾倒装置H46710が傾倒位置から起立位置に変位される際に、変位部材H46182がボタン部H181に対して変位される。なお、第53実施形態では、図268(b)に示すように、ボタン部H181に対して変位部材H46182が変位した際に、ボタン部H181の背面側(軸部材H716側)に形成した開口から変位部材H46182がボタン部H181の外側に張出変位される。
また、変位部材H46182は、ボタン部H181に対して張り出す側の端部からL字状に屈曲される屈曲部H46182bと、レーザー加工等により変位部材の内部に凹凸加工される反射部H46182cとを備える。
屈曲部H46182bは、ボタン部H181に対して変位部材H46182が内側に入り込み過ぎることを抑制する部分であり、ボタン部H181の背面側(軸部材H716側)に形成される開口の開口幅よりも厚く設定される。また、屈曲部H46182bの屈曲先端面は、凹凸の少ない平坦面に形成され、後述する第2基板部材H46742からの光を内部に導光可能に形成される。
上枠部材H46740は、上面視において傾倒装置H46710の側面側反射部H712の下端に屈曲形成される係合片H712b(図165参照)が引っかかる(上下方向に重なる)大きさの半円弧形状に形成される。これにより、傾倒装置H46710が傾倒位置から起立位置に変位した際に、傾倒装置H46710が起立位置を超えて上方側に張り出し変位することを抑制できる。
また、上枠部材H46740には、発光手段H46742aを有する第2基板部材H46742が内側に配設される。第2基板部材H46742は、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置される状態において、第2基板部材H46742から出射される光がボタン部H181に向けた状態で配設される。なお、第2基板部材H46742は、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で発光手段H46742aの光を出射可能に形成される。
また、ボタン部H181は、上述したように貝を模した形状に形成されており、図268に示すように、上面に貝の装飾に沿った凹凸が形成される。よって、第53実施形態では、上面に対して鋭角となる方向(即ち、揺動装置H730の基板部材H773の光の照射方向と異なる方向)からボタン部H181の装飾面(上面の凹凸)に光を照射することで、ボタン部H181の装飾を目立たせることができる。
即ち、第53実施形態では、ボタン部H181の上面に対して直交する方向に近い方向から(鈍角となる交差角度で)光を入射させる基板部材H773と、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で光を入射させる第2基板部材H46742とを備えることで、ボタン部H181の凹凸を介して視認される光の態様を変更することができる。その結果、光による演出効果を向上できる。
さらに、第53実施形態では、傾倒装置H46710を起立位置に配置した場合に、図268に示すように、変位部材H46182の屈曲部H46182bが第2基板部材H46742の正面側に配設される。これにより、第2基板部材H46742から出射される光を変位部材H46182の内部を透過させると共に、内部に形成した反射部により所定の模様を表示することができる。
この場合、変位部材H46182に表示される模様を、正面側透過部H711を介して遊技者に視認させることができる。従って、正面側透過部H711を介して揺動装置H730から出射される光を遊技者に視認させることができると共に、正面側透過部H711を介して変位部材H46182に表示される模様を遊技者に視認させることができる。その結果、光による演出効果を向上できる。
なお、所定の模様としては、傾倒装置H46710を遊技者に操作させるために表示する文字(例えば「押せ」)や、パチンコ機H10の遊技状態を表す表示(例えば「チャンス」や、キャラクター等の表示である。
さらに、傾倒装置H46710を起立位置に配置した場合には、揺動装置H730の基板部材H773から出射された光の一部を傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端側から入射させてボタン部H181の内部を透過させることができる。よって、ボタン部H181の上面に形成した装飾部(貝を模した凹凸)を発光させることができる。
即ち、第53実施形態では、傾倒装置H46710を起立位置に配置した状態において、基板部材H773の光と第2基板部材H46742との光とで傾倒装置H46710の異なる領域を発光させることができる。その結果、光による演出効果を向上できる。
なお、第53実施形態では、変位部材H46182の内部に形成される反射部H46182cは、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置された状態において第2基板部材H46742から出射される光に対して、反射しにくい(そのまま透過させやすい)形状に形成される。これにより、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置される場合には、変位部材H46182が発光しにくく(模様を形成しにくく)して、変位部材H46182が所定の変位をした場合にのみ、変位部材H46182で光の演出をすることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。以下に示す変形例(別実施形態)においても同様であり、一の変形例における構成の一部または全部を、他の変形例における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の変形例としても良い。以下に示す変形例の適用対象となる実施形態は任意であり、いずれの変形例(変形例の組み合わせ又は置き換え)をいずれの実施形態に適用しても良い。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bが傾倒と拡大とを合わせたような動作態様で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基礎板部材A430の移動と移動部材A440の移動とを利用して、左右方向にスライド移動する扉状の扉部材を移動させるようにしても良い。
この場合、基礎板部材A430の回転先端部から前方へ向けて突設される円柱状部を基礎板部材A430の正面側に配置される第1扉部材に形成される上下方向に延びる長孔形状の第1支持部に支持させ、移動部材A440の回転先端部から前方へ向けて突設される円柱状部を移動部材A440の正面側に配置される第2扉部材に形成される上下方向に延びる長孔形状の第2支持部に支持させることで、回転動作ユニットA400bの傾倒動作と連動させる形で第1扉部材および第2扉部材を左右方向にスライド移動させることができる。
第1扉部材は第2扉部材よりも第3図柄表示装置81の表示領域の外方側に配置され、第1扉部材および第2扉部材のスライド移動中において、基礎板部材A430の回転先端部は第1支持部を上下方向に案内され、移動部材A440の回転先端部は第2支持部を上下方向に案内される。
この場合における第1扉部材および第2扉部材の左右位置および移動速度は、基礎板部材A430及び移動部材A440の回転先端部の左右位置および移動速度に対応する。そのため、回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分に基づいて移動する第1扉部材に対して、回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分に加えて移動部材A440の長手方向の延びの分だけ移動量が大きくなることから、第1扉部材の移動速度よりも第2扉部材の移動速度を大きく構成することができる。
基礎板部材A430が演出待機状態から張出状態へ向かうにつれて回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分が徐々に小さくなることから、第1扉部材が左右外側に退避する位置からの第1扉部材の左右方向の移動速度も徐々に小さくなるように構成される(駆動モータMT1の駆動速度が一定の場合に第1扉部材の左右方向の移動速度が徐々に小さくなる)。
一方、移動部材A440の回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分も、基本的には張出状態へ向かうにつれて徐々に小さくなるが、移動部材A440は傾倒終端側に近づくほど長手方向に延びる量が大きくなる。そのため、第2扉部材が左右外側に退避する位置からの第2扉部材の左右方向の移動速度は、移動部材A440の延びが生じる傾倒終端側で大きくなる(駆動モータMT1の駆動速度が一定の場合に第2扉部材の左右方向の移動速度が駆動モータMT1寄りに大きくなる)。
そのため、特に回転動作ユニットA400bの傾倒終端側において、同時点における第1扉部材の移動速度と第2扉部材の移動速度とを大きく異ならせることができ、扉部材を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA500とが左右一対で構成されているので、各動作ユニットA400,A500でそれぞれ扉部材を動かすように構成し、第3図柄表示装置81の正面側で扉を閉める(左右の扉部材の移動方向先端側の縁部の間に正面視で隙間が無い状態とする)演出を実行可能な演出装置を構成しても良い。
また、第1動作ユニットA400で左右方向に移動させる扉部材により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分(又は全体)を隠すことができるように構成しても良い。この場合において、第2動作ユニットA500で左右方向に移動させる扉部材によっても第3図柄表示装置81の表示領域の大部分(又は全体)を隠すことができるように構成しても良い。
本実施形態では、第1動作ユニットA400の方が第2動作ユニットA500の手前側に配置されるので、例えば、第1動作ユニットA400により移動される扉部材により第3図柄表示装置81の表示領域の全体が隠されている状態で、第2動作ユニットA500の配置を遊技者に分からせない(隠す)ように構成することもできる。これにより、第1動作ユニットA400により移動される扉部材が第3図柄表示装置81の手前側から退避するように動いたとしても、第2動作ユニットA500により移動される扉部材によって第3図柄表示装置81が隠されていたことで、第3図柄表示装置81の表示を依然として見せない状態を構成することができる。これにより、遊技者の扉部材に対する注目力を向上させることができる。
上記第10実施形態では、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、機能長孔A444の形状により、移動部材A440の長手方向への変位が先に生じ、その後で、移動部材A440の長手方向と交差する方向への方向切替部材A450の変位が生じたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能長孔A444の形状を、第1平行部A444aを省略して、第1平行部A444aの長さ分だけ傾斜部A444bの形成位置を移動部材A440の回転先端側へ平行移動させ、同様に第2平行部A444cも傾斜部A444bの端部と連結されるように延ばすようにしても良い。このような形状によれば、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、移動部材A440の変位と方向切替部材A450の変位とが同時に生じる状態から開始され、その後で、移動部材A440の変位のみ生じる状態へ移行するような変位を生じさせることができる。
また、傾斜部A444bの回転軸棒AJ1側端部から、回転軸棒AJ1に近づくほど移動部材A440の短手方向中心側へ向けて傾斜する長孔により形成される逆傾斜部が形成されるようにしても良い。このような形状によれば、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、移動部材A440が長手方向に延びる方向の変位と方向切替部材A450が短手方向に広がる方向の変位とが同時に生じる状態から開始され、その後で、移動部材A440が長手方向に延びる方向の変位と方向切替部材A450が短手方向に近づく(中心側に寄る)方向の変位とが同時に生じる状態へ移行するような変位を生じさせることができる。
上記第10実施形態では、機能長孔A444の形状が、一対が対称形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対を非対称で構成しても良い。この場合、左側の方向切替部材A450が変位開始するタイミングや変位量と、右側の方向切替部材A450が変位開始するタイミングや変位量とが異なる演出役物を構成することができるので、周囲の状況に合った変位態様を構成することができる(障害物に当たらないような変位量や変位タイミングを考慮して、左右で異なる変位を生じさせることができる)。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bが回転動作する際に、移動部材A440が基礎板部材A430に対する直線方向に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作ユニットA400bが回転動作する際に、回転動作ユニットA400bに配設される別の回転部材が回転動作するように構成しても良い。この場合、回転動作ユニットA400bの外形の変化とは異なる視認態様の変化を生じさせることができる。
上記第10実施形態では、傾倒開始時において回転動作ユニットA400bの外形が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒開始時から回転動作ユニットA400bの外形が変化されるように案内長孔A414の形状を設計することで、傾倒開始時における回転動作ユニットA400bの動作抵抗を増加させることができるので、傾倒開始時の姿勢での回転動作ユニットA400bの姿勢維持を容易とすることができる。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bの傾倒方向動作および起き上がり方向動作の双方を駆動力により動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、途中位置からは駆動力の発生を解除して自重で傾倒を実行させるなど、駆動力によらない移動態様を実行可能としても良い。この場合、駆動力で動作させる場合と駆動力に因らずに動作させる場合とで、回転動作ユニットA400bの動作態様を異ならせ、動作のバリエーションを増やすことができる。更に、駆動の継続時間を短くすることができことから、駆動モータAMT1の耐用年数を延ばすことができる。
上記第10実施形態では、基礎板部材A430の正面側に移動部材A440が部分的に重なるように配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基礎板部材A430に回転先端方向へ延びる金属棒が配設されており、その金属棒の回転先端側に、金属棒の延びる方向にスライド変位可能に案内されるように移動部材A440が配設されるようにすることで、基礎板部材A430と移動部材A440とが正面視で重ならないようにしても良い。この場合、基礎板部材A430の正面側が移動部材A440に隠されないので、基礎板部材A430の正面側部分を演出に利用することができる。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bの外形の変化が回転動作ユニットA400bの姿勢に対応して生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外形の変化の有無を切り替えるための別の駆動装置を用意しても良い。この駆動装置により、案内長孔A414の形状を切り替えたり、機能長孔A444の形状を切り替えたりすることにより、回転動作ユニットA400bの姿勢に対応した回転動作ユニットA400bの外形の態様を複数種類用意することができる。
また別の駆動装置により、移動部材A440と方向切替部材A450とを駆動変位させるように構成することで、回転動作ユニットA400bの姿勢の変化が生じていない時に移動部材A440及び方向切替部材A450を同時に変位可能に構成しても良い。例えば、回転動作ユニットA400bが外形の変化を伴わずに傾倒終端に到達し、傾倒終端において別の駆動装置で移動部材A440と方向切替部材A450とを同時に駆動変位させることもできるように構成することで、回転動作ユニットA400bの演出効果の向上を図ることができる。
上記第10実施形態では、駆動モータAMT1の動作速度を一定とし、回転動作ユニットA400bの回転動作の角速度が漸減する態様で動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、角速度の減少量を考慮して、駆動モータAMT1の駆動速度を漸増させることで、回転動作ユニットA400bの回転動作の角速度が一定となる制御態様でも、回転動作ユニットA400bの回転動作を実行可能にしても良い。
上記第10実施形態では、回転板部材A662にかかる空気抵抗の変化により、回転板部材A662の動作抵抗が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転板部材A662にかけられる摩擦抵抗(例えば、移動方向と直交する方向から当接する板部材による接触抵抗)が変化するようにしても良いし、回転板部材A662にかけられる粘性抵抗(例えば、ダンパ部材等による抵抗)が変化するようにしても良い。
上記第10実施形態では、前側板部材A730と後側板部材A740に挟まれる発光基板A720からの光照射について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光基板の照射面側が前側板部材A730及び後側板部材A740の端面と対向配置されるように配置されても良い。
この場合において、前側板部材A730(又は後側板部材A740)には、発光基板A720からの光照射(板の延びる方向に沿う方向への照射)が行われる一方、後側板部材A740(又は前側板部材A730)へは、その後側板部材A740(又は前側板部材A730)の光入射端面に光照射部の配置面が対向配置される別の発光基板(発光基板A720に対して姿勢が90度異なる発光基板)からの光照射が行われるように構成しても良い。これにより、発光基板A720によっては対応が難しいと考えられる、前側板部材A730又は後側板部材A740の厚みが大きい場合にでも、適切な位置に光を入射させ易くすることができる。
上記第10実施形態では、前カバー部材A750の突設部A751aと発光基板A720とは間隔を空けて配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部A751aが発光基板A720に押圧力を付与し得る寸法関係で設計しても良い。この場合、発光基板A720にかけられる押圧力を突設部A751aの数だけ分割させることができるので、発光基板A720の配置を安定させることができる。
前カバー部材A750の突設部A751aは、光を拡散させることを一つの目的とし、それぞれ同形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、正面発光部A724よりも左側位置(照射方向の逆側位置、前側板部材A730の外方側)における突設部A751aの曲率よりも、正面発光部A724よりも右側位置(照射方向側の位置、前側板部材A730の内方側)における突設部A751aの曲率を大きくするように構成しても良い。この場合、前側板部材A730に近い側における突設部A751aの拡散角を小さくできるので、拡散した光が前側板部材A730を広く照らしてしまい、ライン状溝部A732によるライン状の光の視認性を低下させることを避けることができる。
上記第10実施形態では、発光基板A720には前側板部材A730及び後側板部材A740に光を照射する発光部A724,A725が配設されることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、発光基板A720から前カバー部材A750に光を照射する発光部が配設されても良い。この場合、発光部A724,A725が発光基板A720の端部付近に配設されていることから、発光部A724,A725から照射される光と干渉しない位置に前カバー部材A750に光を照射する発光部を設けることを容易とすることができ、光の干渉を避けることができる。
上記第10実施形態では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状に合わせて前側板部材A730のライン状溝部A732が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ライン状溝部A732を、薄肉樹脂板A743に形成されるイラストとは別の図形やイラストの形状で形成しても良い。この場合、ライン状溝部A732が発光される場合(ライン状溝部A732の形状が発光される場合)と、ライン状溝部A732が発光されない場合(薄肉樹脂板A743に形成されるイラストが見える場合)との見映えの違いを大きくすることができる。
なお、前側板部材A730のみではなく薄肉樹脂板A743にもライン状溝部A732を形成するようにしても良い(又は、発光基板A720の前後に前側板部材A730を配置しても良い)。この場合に、背面発光部A725にも指向性の高いLEDを採用すれば、薄肉樹脂板A743においてもライン状の光を視認させる光演出を実現することができる。
また、薄肉樹脂板A743のみではなく前側板部材A730にも特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストが形成されるようにしても良い(又は、発光基板A720の前後に後側板部材A740を配置しても良い)し、前側板部材A730と後側板部材A740の前後配置を逆にしても良い。
これらの各場合において、正面発光部A724や背面発光部A725の指向性は目的に合わせて選択すれば良い(指向性を高くすれば全反射をさせ易く、指向性を低くすればば全反射が生じにくいので板部材の側面の広い範囲を光らせやすい)。また、発光基板A720の前側に配置される部材と後側に配置される部材とで、形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状を同じにしても良いし、異ならせても良い。
上記第10実施形態では、前カバー部材A750から突設される部分により、前側板部材A730、発光基板A720及び後側板部材A740が位置決めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前側板部材A730から前後に突設される部分により、前カバー部材A750、発光基板A720及び後側板部材A740が位置決めされても良い。この場合、前側板部材A730から突設される部分の突設長さを短くすることができるので、組立中に前側板部材A730を落とす等して誤って突設部分を破損する可能性を低めることができる。
また、後側板部材A740から突設される部分により前側板部材A730、発光基板A720及び前カバー部材A750が位置決めされるようにしても良い。後側板部材A740はライン状溝部が形成される部材とは異なるので、突設される部分の位置がライン状溝部により制限されることが無い。そのため、突設される部分の配置自由度を向上させることができる。
また、発光基板A720、前側板部材A730及び後側板部材A740の位置決めのみを行い、前カバー部材A750との間では位置決めを行わないようにしても良い。この場合、発光基板A720、前側板部材A730及び後側板部材A740の位置は合わせたままで前カバー部材A750を取り外すことができる。これにより、装飾部分としての前カバー部材A750の取り替え(汚れた場合の取り替え、スペック変更に伴う取り替え等)を容易に行うことができる。
位置決めのために突設される部分の形成位置は、種々の態様が例示される。例えば、前カバー部材A750との位置決めを想定するのであれば前カバー部材A750の後方位置に形成される方が良い。一方で、前カバー部材A750との位置決めを想定しないのであれば、締結部A733がそうであるように、前カバー部材A750の後方位置とは異なる位置に形成しても良い。
上記第10実施形態では、視認態様変化シートA806により左右方向での視線の方向の傾斜角度の違いにより、下流側案内部材A803の後方流路を流下する球の視認性が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。左右方向での視線の方向の傾斜角度の違いで視認性を変化させる場合には、隣で遊技している遊技者に球の流下をのぞき見される可能性を低くできるという効果があるが、例えば、視認態様変化シートA806を、上下方向での視線の方向の傾斜角度の違いにより下流側案内部材A803の後方流路を流下する球の視認性が変化するように構成する場合には、遊技者の後ろ側で立っている他者にのぞき見される可能性を低くできるという効果がある。
上記第10実施形態では、前側部材A803zの板状本体A803aの正面側に視認態様変化シートA806が貼り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設板A803bの左右外側面に視認態様変化シートA806を貼り付けるようにしても良い。この場合、左側流路ATL1や右側流路ATL2に対して左右方向側からの方向視で視認する場合に、左側流路ATL1や右側流路ATL2を視認し易い方向視と、左側流路ATL1や右側流路ATL2を視認し難い方向視とをつくることができる。
上記第10実施形態では、視認態様変化シートA806により、第3図柄表示装置81の正面側に頭を配置した遊技者が横目で下流側案内部材A803側を見る場合における球の視認性の低下について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の表示面全体に視認態様変化シートA806と同様の機能を生じるシートを貼り付け、下流側案内部材A803の正面側に頭を配置した遊技者が横目で第3図柄表示装置81の表示を見難い(視認態様変化シートA806に遮光される)ように構成しても良い。この場合、下流側案内部材A803の後方を流下する球に注目している状況において第3図柄表示装置81の表示を視認させないことで遊技者の気を散らさないようにすることができ、更に、第3図柄表示装置81から照射される光が遊技者に到達しないような構成とすることができるので、遊技者は、眩しい光を目に受ける状況を回避することができ、目を休めることができる。
上記第10実施形態では、視認態様変化シートA806により、左側流路ATL1を視認し難い場合を構成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、視認し難い場合を構成するのは右側流路ATL2としても良いし、左側流路ATL1及び右側流路ATL2としても良く、その選択は任意である。右側流路ATL2は第2入賞口640へ球を案内する流路であるところ、左側流路ATL1の形状を変形して左側流路ATL1を流下した球が特定入賞口65aへ案内されるように構成することで、視認態様変化シートA806の設計次第で、第2入賞口640へ案内される球のみを視認し易くしたり、特定入賞口65aへ案内される球のみを視認し易くしたりするといった演出が可能となる。
例えば、視認態様変化シートA806を左側流路ATL1及び右側流路ATL2の正面側を覆うように配置する前提において、左側流路ATL1の正面側を覆う視認態様変化シートA806は正面視と左斜め方向からの方向視とでは透過性が高い一方で右斜め方向からの方向視では透過性が低くなるように設計され、右側流路ATL2の正面側を覆う視認態様変化シートA806は正面視と右斜め方向からの方向視とでは透過性が高い一方で左斜め方向からの方向視では透過性が低くなるように設計される場合、正面視では左側流路ATL1及び右側流路ATL2の透過性を高くし、左斜め方向からの方向視では左側流路ATL1の透過性は高くする一方で右側流路ATL2の透過性を低くし、右斜め方向からの方向視では左側流路ATL1の透過性は低くする一方で右側流路ATL2の透過性を高くすることができる。
また、この場合において、正面視では左側流路ATL1及び右側流路ATL2の透過性を低くするように構成しても良い。この場合、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の両方共を同時に視認可能な状況を排除することができるので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方を同時に見たい遊技者に対して下流側案内部材A803を上側から覗き込ませるという遊技をさせるように仕向けることができる。
視認態様変化シートA806の表面には、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状等の装飾を付すようにしても良い。
上記第10実施形態では、流下する球の視認性を視認態様変化シートA806により変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後一対の光透過性板の間に光を非透過のルーバー板部が配置され、そのルーバーが首振り動作したり、撓んだりすることで、遊技者の視線を遮る場合と、透過させる場合とを切り替えられるようにしても良い。
また、前後一対の非透過の板部材に開口が形成されており、例えば前側の板部材が後側の板部材に対して平行移動できるよう構成される場合に、各板部材に形成される開口の位置の正面視でのずれにより、前後の開口の内部を通る方向視については奥側を視認することができる一方で、前後いずれかの開口から外れる方向視については板部材に視線が遮られることで奥側を視認することができないように構成しても良い。
上記第10実施形態では、検出センサSE1に球が検出されることで賞球が払い出される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球の払い出しは無くても良い。賞球の払い出しが無い場合の用途として、例えば、検出センサSE1での球の検出に基づいて大当たり遊技の種類(ラウンド数等)を選択させるような遊技機への利用が想定される。このような遊技機では、大当たり遊技の種類を選択させるタイミング以外では検出センサSE1に対する注目力は極端に下がることが考えられるため、その前側に視認態様変化シートA806を配置して検出センサSE1を隠すことに意味がある。
また、賞球の払い出しが無い場合の別の用途として、例えば、検出センサSE1が特定入賞口65aの下流側に配置され、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入球した球の通過が検出された場合に大当たり終了後の遊技状態が所定の有利状態に移行するように制御される「V入賞口(特定領域)」として利用される遊技機への利用が想定される。このような遊技機では、大当たり遊技中以外では検出センサSE1に球が案内されることは無いので、大当たり遊技中以外では検出センサSE1に対する注目力は極端に下がることが考えられるため、その前側に視認態様変化シートA806を配置して検出センサSE1を隠すことに意味がある。
なお、大当たり中において、視認態様変化シートA806の正面位置に遊技者が頭を移動させれば、視認態様変化シートA806を透視して、その背面側の検出センサSE1を視認することが可能となるので、大当たり遊技中において検出センサSE1が見難いという不満を解消することができる。
また、例えば、賞球の払い出しがある場合に、球の検出に対応して第3図柄表示装置81において払い出し個数に対応した数字(「+1」や「+3」等)を表示するようにしても良い。この場合、遊技者は、下流側案内部材A803の後方を流下する球を視認できない場合であっても、第3図柄表示装置81の表示から賞球の払い出しが生じたことを理解することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第10実施形態では、補助導光板ユニットA810において、前側板部材A840がライン状溝部A842を備えることで光の輪郭を視認させるような光演出を可能とする一方で、後側板部材A850にはライン状溝部A842は形成されず、均一な面発光での光演出を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、前側板部材A840のみではなく後側板部材A850にもライン状溝部A842を形成するようにしても良い。この場合に、エッジ発光部A833,A837にも指向性の高いLEDを採用すれば、後側板部材A850においてもライン状の光を視認させる光演出を実現することができる。
また、後側板部材A850のみではなく前側板部材A840にも特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストが形成されるようにしても良いし、前側板部材A840と後側板部材A850の前後配置を逆にしても良い。
これらの各場合において、エッジ発光部A823,A827,A833,A837の指向性は目的に合わせて選択すれば良い(指向性を高くすれば全反射をさせ易く、指向性を低くすればば全反射が生じにくいので板部材の側面の広い範囲を光らせやすい)。また、前側板部材A840と後側板部材A850とで、形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状を同じにしても良いし、異ならせても良い。
上記第10実施形態では、正面発光部A724及び背面発光部A725は、複数のLEDの光軸がそれぞれ互いに平行とされるよう構成され、エッジ発光部A823,A827及びエッジ発光部A833,A837は、複数のLEDの光軸がそれぞれ互いに放射状となる関係で構成される(進行方向先端側ほど隣の光軸との間隔が広がる態様で設定される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これらの光軸の関係を、逆にしても良い。
上記第11実施形態では、案内長孔A2414の直線状部が傾斜する方向に延びる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線状部の延びる方向が水平方向に延びるよう構成しても良い。この場合、往路と復路とでの動作抵抗の違いを小さくすることができる。
上記第13実施形態では、導光変位部材A4920を駆動させるソレノイドA4940を個別に用意する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物640aの駆動装置を兼用しても良い。この場合、電動役物640aの動作タイミングと導光変位部材A4920の動作タイミングとを合わせ易くすることができる。
また、導光変位部材A4920の代わりに、主には第3図柄表示装置81の正面側に張り出す動作を行う可動役物(例えば、第1動作ユニットA400)をセンターフレームA86の内部領域を通してベース板A60の前側に張り出し可能に構成し、球の流路への視線を遮る位置まで移動可能に構成することで、可動役物を球の流路への視線を遮るために利用しても良い。この場合、可動役物に個別の駆動装置を、球の流路への視線を遮るための駆動装置に兼用すれば良いので、ソレノイドA4940を不要とすることができる。
上記第13実施形態において、覆設部材A4930の前側案内板部A4931に特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストを形成するようにすれば、そのイラストによりライン状溝部A4921aを見え難くすることができる。これにより、発光手段A4933aを点灯させていない場合における球案内ユニットA4900の見映えを良くすることができる。また、前側案内板部A4931に形成されるイラストに対応した形状でライン状溝部A4921aを形成することで、演出効果を向上させることができる。
上記第13実施形態において、導光変位部材A4920の被案内板部A4921に視認態様変化シートA806を貼り付けるようにしても良い。この場合、遊技者の視線が変化しなくても、導光変位部材A4920が変位することで遊技者の視線と視認態様変化シートA806との相対的な位置関係が変化するので、遊技者が視線を変化させていないにも関わらず、導光変位部材A4920の後方を流下する球の視認性を変化させる場合を生じさせることができる。
上記第13実施形態において、導光変位部材A4920の被案内板部A4921への光の入射、発光手段の個数や配置、点灯させる発光手段の選択、及び構造の設計に、第10実施形態で説明した補助導光板ユニットA700bや補助導光板ユニットA810の構造の全て又は全部を流用するようにしても良い。
上記第14実施形態では、延設案内部A5438に柱状突設部材A5448が押進されることで移動部材A5440に対して相対変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作ユニットA5400bの傾倒角度に基づいて歯合回転するギア及びラックと柱状突設部材A5448とが連動するように構成することで、回転動作ユニットA5400bの傾倒角度に対応して柱状突設部材A5448を変位させても良いし、柱状突設部材A5448を駆動させるための駆動装置を回転動作ユニットA5400bに配設させて駆動装置の駆動制御により柱状突設部材A5448を駆動変位させても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態では、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510に一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが連結(配設)され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520に一対の(二つの)係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが連結(配設)される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a或いは係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが省略されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態において、凹部W224a,W224bが平面部W320,W4320,We320,Wj320,Wm320,Ws320の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530b側における正面に凹設され、正面視おいて、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの連結片W531a,W531bが凹部W224a,W224bに重なる位置に配設されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態において、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500の背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510において正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520と対向する側の面に立設部W222が立設されても良い。立設部W222が背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510における先端側(左壁部W502とは反対側)に配設されることにより、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500を取り外す際、立設部W222により封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第16実施形態から第49実施形態において、立設部W540,Wc540,Wd540を用いて封印シールWSLを切断しても良く、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの傾斜部W532(突出先端部)を用いて封印シールWSLを切断しても良い。これにより、傾斜部W532に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを弾性変形させ易くさせる機能と封印シールWSLを切断する機能とを兼用させることができ、製造コストを低減できる。
上記第16実施形態から第49実施形態において、立設部W540,Wc540,Wd540が非成形とされ、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が前後反対とされた状態でボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200のカバー側被係合部W210及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300のベース側被係合部W310に受け入れ可能とされても良い。これにより、不正を行う者が誤って保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が前後反対とされた状態でボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200のカバー側被係合部W210及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300のベース側被係合部W310に係合させようと試み、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bと封印シールWSLとを当接させ、封印シールWSLを破損させる機会を付与できる。
上記第16実施形態から第49実施形態では、一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、二つ以上(複数)の係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設されても良い。係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが複数配設される場合、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aの少なくとも一つが第42実施形態おけるカバー部Wr214の突起Wr214bにより係合される構成としても良い。即ち、複数の係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aにおいて、弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、例えば、第16実施形態おける突起W221との係合を解除させるために突起W221に係合される係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aを弾性変形(変位)させることにより、第42実施形態おける突起Wr214bに係合される係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aを突起Wr214bとの係合が維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300から保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第16実施形態から第49実施形態では、一対(二つ)の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが一つ配設されても良く、三つ以上配設されても良い。係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが三つ以上配設される場合、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの少なくとも一つが第43実施形態おける平面部Ws320の突起Ws328により係合される構成としても良い。即ち、複数の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bにおいて、弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、例えば、第16実施形態おける突起W312cとの係合を解除させるために突起W312cに係合される係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを弾性変形(変位)させることにより、第43実施形態おける突起Ws328に係合される係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを突起Ws328との係合が維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300から保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第16実施形態から第49実施形態では、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500における背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側には一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側には一対(二つ)の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが配設され、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側と正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側とで異なる数の係合部が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側と正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側とで係合部が同数だけ配設されても良い。例えば、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが二つ配設され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側に係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが二つ配設されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態では、上下方向(矢印U-D方向)において一対の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの間に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、背面視において、一対の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの一方に重なる位置に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設されても良い。即ち、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが上下方向において、一方に偏って配設されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態において、切欠き部W226,We226,W325,We325により形成される傾斜面が直線状に形成されても良く、封印シールWSLの貼着面とは反対側へ向けて凹となる湾曲状に形成されても良い。
上記第19実施形態では、突起W4534が係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて四角錐状に突出して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、三角錐状等の多角錐状、円錐状、四角柱や三角柱状等の多角柱状、円柱状に形成されても良い。多角柱状や円柱状に形成される場合、封印シールWSLの破断面を引きちぎった形状とでき、破断(破損)された封印シールWSLが再利用された場合、破断(破損)の痕跡を作業者に認識させ易くできる。
上記第19実施形態から第21実施形態、第41実施形態および第46実施形態において、ボックスカバーW200,W4200,Wq200,Wv200及びボックスベースW300,W5300,W6300に保護カバーW4500,W5500,Wq500,Wv500を取り付ける際、突起W4534,W5534,Wq534,Wv534により、封印シールWSLが破損されても良い。
上記第20実施形態および第21実施形態において、一対の両端壁部W223,W321の一部が非形成とされても良い。例えば、一対の両端壁部W223,W321において、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における一部が非形成とされる場合、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300,W6300への保護カバーW5500の取り付けにおいて係合部W5530bの係合孔W533と突起W312cとが係合される前の状態、又は、またはボックスカバーW200及びボックスベースW5300,W6300からの保護カバーW5500の取り外しにおいて係合孔W533と突起W312cとの係合が解除された後の状態では、保護カバーW5500を前後方向(矢印F-B方向)へ変位可能とされる。これにより、突起W5534を封印シールWSLに当接させることができ、封印シールWSLを破損させることができる。
上記第20実施形態および第21実施形態において、保護カバーW5500から切断された係合部W5530bの突起W5534を利用して封印シールWSLを切断しても良い。これにより、切断工具(図示せず)の携行を不要とでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易とできる。
上記第21実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)に延びて形成されても良い。例えば、凹部W6326が突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの突起W312c側(矢印R方向側)の半分(不正に取り外すために変位させる範囲のうちの前半部分)まで伸びて形成されることで、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成することと、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が取り外されることを抑制することを両立させることができる。
即ち、連結片W531a,W531bを切断せずに係合部5530bを弾性変形させて突起W312cと係合孔W533との係合が解除された際には、突起W5534が凹部W6326に受け入れられるので、係合部5530bを突起W312cとは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させることで、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成できる。一方で、突起W5534が凹部W6326の突起W312cとは反対側の内壁に当接されることで、係合部5530bの突起W312cとは反対側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制され、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が取り外されることを抑制できる。
上記第21実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)において突起W312c側(矢印R方向側)へ延びて形成されても良い。例えば、凹部W6326が突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの突起W312cとは反対側(矢印L方向側)の半分(不正に取り外すために変位させる範囲のうちの後半部分)まで伸びて形成されても良い。
上記第21実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)となる位置に形成されても良い。突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの途中に形成されても良い。
上記第23実施形態において、連結片W8531bの封印シールWSLに対向する面または封印シールWSLに対向する側とは反対側の面が封印シールWSLに対し非平行に形成されても良い。
上記第23実施形態において、連結片W8531bにおける一対の側面の少なくとも一方が対向する側とは反対側へ向けて凸となる曲面に形成されても良い。これにより、連結片W8531bの一対の側面の少なくとも一方に形成される曲面に沿って切断工具を回転させ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第23実施形態において、連結片W8531bにおける一対の側面の少なくとも一方が対向する側へ向けて凹となる曲面に形成されても良い。
上記第23実施形態では、連結片W8531bの一対の側面が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、連結片W8531bの一対の側面の一方が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成され、一対の側面の他方が封印シールWSL(平面部W220)に対し直交して形成されても良い。
上記第24実施形態において、断面視では、連結片W9531bの第1部W9531b1及び第2部W9531b2が略楕円形に形成されても良い。これにより、曲面に沿って切断工具を回転させ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第24実施形態において、連結片W9531bの第1部W9531b1及び第2部W9531b2の境界に段部が形成される(第1部W9531b1と第2部W9531b2とが直接連結される)場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、第1部W9531b1と第2部W9531b2との間に、滑らかに連結する連結部が介設されても良い。即ち、介設部は、第1部W9531b1から第2部W9531b2へ向かうに従い、その介設部の断面形状が第1部W9531b1の断面形状から第2部W9531b2の断面形状に徐々に変化する形状の部位として形成される。これにより、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の連結部に応力集中が生じることを抑制でき、連結片WV9531bの強度を確保できる。また、介設部により切断工具を第2部W9531b2から第1部W9531b1へ向けて変位させ易くできる。
上記第24実施形態において、係合部W530aが不正に弾性変形された場合、第1部W9531b1により封印シールWSLを破損させても良い。
上記第25実施形態において、切断部Wa550が前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の略中央から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ偏った位置に配設され、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた場合、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向される位置に配設されても良い。これにより、係合部W530a,W530bが切断され、保護カバーWa500が封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向けて変位させた状態においても、封印シールWSLが切断させることを抑制できる。一方で、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーWa500を取り外し、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢で保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられることにより切断部Wa550を切欠き部W226,W325に対向される位置に配設でき、切断部Wa550を用いて封印シールWSLを切断できる。その結果、不正を行う者に切断部Wa550を利用させ難くできる。
上記第25実施形態では、切断部Wa550が鋸刃状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、直線状に形成されても良く、切断部Wa550の突出先端部が、0度から180度までのsin波を連結した形状から形成されても良い。なお、切断部Wa550が直線状に形成される場合、封印シールWSLに対し平行に形成されても良く、少なくとも一部が傾斜して形成されても良い。切断部Wa550が封印シールWSLに対し平行に形成されることにより、封印シールWSLを切断する際、封印シールWSLの破断面が引きちぎられた態様に形成できる。これにより、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。
上記第25実施形態では、切断部Wa550に形成される鋸刃状の全体が切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れられ、封印シールWSLが平面部W220側と平面部W320側とに分離される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、平面部W220側および平面部W320側における封印シールWSLが一部において連結されても良い(少なくとも一部が切断されれば良い)。言い換えると、切断部Wa550により封印シールWSLにミシン目(上下方向において、所定の間隔を隔てて切断部と連結部とが形成される形状)が形成されても良い。これにより、封印シールWSLを切断(平面部W220側と平面部W320側とに分離)させ易くできる。一方で、封印シールWSLに形成される連結部を切断(破断)させる際、その破断面を引きちぎった形状とでき、切断(破断)された封印シールWSLが再利用された場合、切断の痕跡を作業者に認識させ易くできる。また、保護カバーWa500を側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより封印シールWSLにミシン目を形成することを容易に行うことができる。
上記第26実施形態では、刃部Wb552が円錐状に形成される先端部を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではい。例えば、刃部Wb552の先端部が円柱状に形成され、刃部Wb552の先端部における断面形状が突出方向(矢印L-R方向)において一定とされても良い。言い換えると、刃部Wb552の先端部が鋭利に形成されなくても良い。これにより、刃部Wb552を用いて封印シールWSLを切断する際、封印シールWSLの破断面が引きちぎられた態様に形成できる。これにより、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。また、刃部Wb552の先端部が三角錐や四角錐等の多角錐状に形成されても良く、刃部Wb552の先端部が三角柱や四角柱等の多角柱状に形成されても良い。
上記第26実施形態から第29実施形態、第33実施形態および第49実施形態において、ボックスカバーW200,Wb200,We200の平面部W220,We220又はボックスベースW300,We300の平面部W320,We320における封印シールWSLが貼着される面(ガイド部Wb560,Wd560、下壁部W501又は連結片We531aを沿わせる面)に凹凸が形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200,Wb200,We200の平面部W220,We220又はボックスベースW300,We300の平面部W320,We320に沿ってガイド部Wb560,Wd560、下壁部W501又は連結片We531aを一対の両端壁部W223の一方から他方へ向けて変位させた場合、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの一端と他端との間において封印シールWSLに形成される破断面の位置を前後方向(矢印F-B方向)に変化させることができる。その結果、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。
上記第28実施形態において、立設部Wd540と係合孔W533との嵌合(係合)に加え、保護カバーWd500が係合部Wd530aを係合するための係合部を備えても良い。例えば、保護カバーWd500の背面壁部W510に係合部が形成され、係合部Wd530aの連結片W531aとは反対側(傾斜部W532側)の端部が背面壁部W510に形成される係合部に係合されても良い。これにより、保護カバーWd500の異なる2箇所において係合部Wd530aを係合でき、保護カバーWd500に対する係合部Wd530aの取り付けを強固にできる。また、係合部Wd530aの姿勢を維持し易くできる。その結果、係合部Wd530aを用いることによる封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。
上記第34実施形態では、弾性変形規制手段Wj230(第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250)が平面部Wj220に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、弾性変形規制手段Wj230が平面部Wj320の背面側(矢印B方向側)の面に形成され、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300が組み合わされることにより、規制状態において、弾性変形規制手段Wj230が係合部Wj530aの係合孔W533の内側となる位置に配設されても良い。ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300が組み合わされることにより、弾性変形規制手段Wj230と係合部Wj530aとが係合される。ボックスカバーWj200は、カバー部Wj214及び弾性変形規制手段Wj230を備えるため、ボックスカバーWj200の樹脂成形型が複雑化するのに対し、弾性変形規制手段Wj230がボックスベースWj300に形成されることにより、ボックスカバーWj200の樹脂成形型を簡略化できる。その結果、製造コストを低減できる。
上記第35実施形態において、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに非当接とされても良い(係合部W530b2が弾性変形されなくても良い)。これにより、一対の係合部W530bの一方と他方とが異なる方向にそれぞれ弾性変形されることを抑制できる。その結果、一対の係合部W530bの一方(他方)の弾性変形量を小さくでき、一対の係合部W530bの一方(他方)破損させ難くできる。
上記第35実施形態では、カバー部Wk312の係止部Wk312fがボックスベースWk300に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係止部Wk312fが側壁部W212の正面側(矢印F方向側)の面に形成され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300が組み合わされることにより、規制状態において、係止部Wk312fが係合部W530b2の先端部に当接される位置に配設されても良い。ボックスカバーW200及びボックスベースWk300が組み合わされることにより、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接される。ボックスベースWk300は、カバー部Wk312を備えるため、ボックスベースWk300の樹脂成形型が複雑化するのに対し、係止部Wk312fがボックスカバーW200に形成されることにより、ボックスベースWk300の樹脂成形型を簡略化できる。その結果、製造コストを低減できる。
上記第35実施形態において、保護カバーW500に係合部W530b1又は係合部W530b2が2箇所以上に形成され、ボックスベースWk300に突起W312c又は突起Wk312cが2箇所以上に形成されても良い。例えば、上下方向(矢印U-D方向)における保護カバーW500の両端側に係合部W530b2が一対形成され、それら一対の係合部W530b2の間に係合部W530b1が形成される場合、係合部W530b1のボックスカバーW200側(矢印B方向側)への弾性変形が係合部W530b1の両端において抑制され易くでき、係合部W530b1が不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500を不正に取り外し難くできる。また、例えば、上下方向(矢印U-D方向)における保護カバーW500の両端側に係合部W530b1が一対形成され、それら一対の係合部W530b1の間に係合部W530b2が形成される場合、背面視において、係合部W530b2を係合部W530aに重なる位置に配設できる。これにより、係合部W530aを不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500を不正に取り外し難くできる。
上記第36実施形態において、連結部Wl535に切欠きが形成されても良い。これにより、連結部Wl535を回転させ(捩じられ)易くできる。
上記第37実施形態では、規制突起Wm228が左右方向(矢印L-R方向)において延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、規制部Wm334の下方に配設されても良い。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。
上記第43実施形態では、一対の突起Ws328を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、一対の突起Ws328の一方(他方)のみが形成され、一対の突起Ws328の他方(一方)に対応する位置には、第16実施形態における突起W312cが形成されても良い。言い換えると、上下方向(矢印U-D方向)における一方(他方)には突起Ws328が形成され、他方(一方)には突起W312cが形成されても良い。これにより、保護カバーW500の一対の係合部W530bの一方と他方とで弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、一方(他方)の係合部W530bと突起Ws328(突起W312c)との係合を解除させるために一方(他方)の係合部W530bを弾性変形(変位)させることにより、他方(一方)の係合部W530bと突起W312c(突起Ws328)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第44実施形態において、突部Wt224bに形成される一対の切欠きWt224b1に突部Wt224bどうしを連結する連結部が形成されても良い。これにより、突部Wt224bの強度を確保できる。
上記第44実施形態では、突部Wt224bが断面視において、略矩形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、断面視において、平面部Wt220とは反対側へ向けて凸となる湾曲状に形成されても良い。これにより、突部Wt224bに封印シールWSLを貼着させ易くできる(突部Wt224bから封印シールWSLが剥がれ難くできる)。
上記第44実施形態では、左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法が係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも小さく形成されても良く、大きく形成されても良い。
左右方向(矢印L-R方向)における突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも小さく形成される場合、突部Wt224bに貼着された封印シールWSLが連結片W531bにより遮蔽され、不正を行う者から視認不能とできる。これにより、不正を行う者が切断工具により封印シールWSLを破損させ易くできる。
左右方向(矢印L-R方向)における突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも大きく形成される場合、切断工具の先端を連結片W531bの一対の側面に対向させることにより、連結片W531bを切断する操作を行うことなく切断工具を封印シールWSLに当接させることができ、封印シールWSLを破損させることができる。
上記第46実施形態において、凹部Wv229が一対の突起Wv534とは反対側(矢印D方向側)へ向けて延びて形成されても良い。これにより、保護カバーWv500から分離された係合部Wv530aをボックスカバーWv200から取り外す際、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として突起Wv534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転され、突起Wv534が封印シールWSLに当接した状態を維持しつつ係合部Wv530aを凹部Wv229の延びる方向(矢印D方向)へ向けて変位させることができる。その結果、封印シールWSLに形成される痕跡(破損)を大きくできる。
上記第48実施形態において、第1連結片Wx531b1及び第2連結片Wx531b2が異なる樹脂材料を用いて二色成形により成形されても良い。例えば、第1連結片Wx531b1が第2連結片Wx531b2よりも高い剛性を有する樹脂材料を用いて成形される場合、第1連結片Wx531b1の形状(第2連結片Wx531b2よりも正面壁部W520から背面壁部W510へ向かう方向における寸法が大きく形成される形状)に加え、剛性の高い樹脂材料を用いて成形されるため、第1連結片Wx531b1に対し第2連結片Wx531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を一層回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第48実施形態では、連結片Wx531bが断面視において、略L字状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、断面視において、略コ字状に形成され、開放される側が封印シールWSLに対向する姿勢で配設されても良い。これにより、切断中において、前後方向(矢印F-B方向)における連結片Wx531bの切断抵抗を変化させることができ、切断工具(図示せず)を回転させ易くできる。
上記各実施形態では、第1入賞口64に入球した球が可動の電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64に入球した球の流下経路に、球の流下のランダム性を上昇させるための釘が配設し、釘との衝突により確率で球が第2入賞口640側に案内されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作は、普通図柄の抽選により決定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の電源投入から一定パターンで動作するように制御されるものでも良い。この場合、電動役物640a又は羽部材945に対する注目力を向上させることができる。
また、電動役物640a又は羽部材945が一定動作する場合において、スルーゲート765や検出装置SE4,SE5を依然として配置するようにしても良い。例えば、球の通過が検出されることにより、第3図柄表示装置81や音響装置やLED等により、球が通過したことを遊技者に報知するように制御しても良い。この場合、球が電動役物640a又は羽部材945の近くを流下するタイミングであることを遊技者が把握し易くすることができる。
上記各実施形態では、普通図柄の抽選を保留可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、普通図柄の抽選が保留されず、普通図柄の変動中に普通入賞口66等で球の通過が検出されたとしても、普通図柄の抽選がされないように構成しても良い。
上記各実施形態では、球の流下経路の分岐位置にシーソー部材762又は振分け部983が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分岐位置に釘を配置しても良いし、分岐位置に樹脂材料から形成される突設部を配置しても良い。これらと球とが衝突することで、球の流下経路を分岐させることができる。この場合、球が交互に流下する場合だけでなく、片側に連続で流下する場合(タイミング)を生じさせることができる。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作時間を、0.5秒~3秒程度の短い時間で設定したが、必ずしもこれに限れるものではない。例えば、通常状態における普通図柄の抽選の内の約10%の確率で、3秒よりも長い時間(例えば、5秒間)において、電動役物640aが進入状態で維持され、又は、羽部材945が開放状態で維持されるような長開放作動パターンで動作されるよう設定しても良い。
長開放作動パターンで動作されている場合、第1入賞口64に入球した球を電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内し易くすることができる。そのため、長開放作動パターンで動作している時に発射した球(1分に100球が上限という発射間隔から考えて限られた球数の球)の内、第1入賞口64に入球した球が、第2入賞口640側へは案内されないという事態を回避することができる。
長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作している場合には、電動役物640a又は羽部材945にめがけて球を発射する方が、特別図柄2の抽選を獲得し易いので遊技者にとって有利である。そのため、長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作開始する前に、第3図柄表示装置81や、音響装置や、LED等の手段により、遊技者に電動役物640a又は羽部材945めがけて球を発射させるように、予め報知するように制御しても良い。
報知は、電動役物640a又は羽部材945の配置次第で変更されるものであるが、第50実施形態では、右打ちを示唆するよう報知する方が、球が電動役物640に到達し易いので望ましい。
一方、第51実施形態では、左打ち又は右打ちのどちらで球を発射しても羽部材945に到達し易さに差は無いが、それまでの発射状態を継続する意味で、左打ちを示唆するように報知する方が望ましい。なお、通常状態から右打ち遊技を行う遊技者向けに、発射を継続させるような内容で報知しても良い。
上記第50実施形態では、センサSEで通過が検出されることにより特別図柄1の抽選を獲得可能とされ、第2入賞口640を球が通過して下流側のスイッチに球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側のセンサSEで通過が検出される場合および第2入賞口640の下流側のスイッチで球が検出される場合に特別図柄1の抽選を獲得可能とし、右側のセンサSEで通過が検出される場合に特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
この場合、シーソー部材762により球が右側に流された場合に、電動役物640aの退避状態において球が第1送球経路KR1を通過した方が遊技者の利益が大きくなるという遊技性を構成することができる。
上記第50実施形態では、シーソー部材762の回転動作(左右傾倒動作)が0.5秒よりも短い時間で完了する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸部のクリアランスを小さくする等して、動作抵抗を増加させ、シーソー部材762の回転動作にかかる時間を1.0秒以上に設定しても良い。この場合、第1入賞口64に球が連球で入球したとしても、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことによる変動表示が終了してから、次の球がシーソー部材762により左側に流されるという遊技性を構成することができる。
上記第50実施形態では、案内部742が上側突出部741の内部に形成される流路の左右中央位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内部742が左右に並列されるよう構成しても良い。この場合、互いの突出先端面は、互いの対向する面に近づくほど、基部側に向かって傾斜して形成されるようにすることで、2つの案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)される球が、左右方向に位置ずれすることを効果的に抑制できる。
上記第50実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765と屈曲部材740との間が樹脂製の経路でつながれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、釘で球を案内する経路を構成しても良い。この場合、球の流下速度をばらつかせることができる。
上記第50実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が平行な直線形状溝として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が、非平行でも良い。また、湾曲経路で形成されても良い。湾曲の場合は、金属レールのように球の下側の案内面が湾曲する態様でも良いし、前後に蛇行する態様で湾曲するものでも良い。
上記第50実施形態では、移動板部材641が進入状態の時に左側案内部645が覆設板部711の正面側に配置され、その上面を球が転動可能となる場合を説明した。この場合において、覆設板部711の正面側に球の転動経路と交差する方向に延びる突条が突設されても良い。これにより、左側案内部645の上面を転動する球を突条に衝突させることによる球の減速を図ることができる。
上記第50実施形態では、右側案内部643により右側に流された球は漏れなく第2球送球部736に受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643が第2球送球部736の上側位置まで延長して形成されており、第2球送球部736の右隣に一般入賞口63が配設されるようにしても良い。
この場合、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が退避状態に変化すれば球は第2球送球部736に受け入れられるが、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が依然として進入状態で維持される場合には、球は第2球送球部736を右側に通過し、一般入賞口63に受け入れられる。
即ち、右側案内部643により球が右側に流された時点では、球が第2球送球部736に案内されるのか、一般入賞口63に案内されるのか判別できないので、球に対する注目力を向上させることができる。
上記第50実施形態では、大当たり種別に対応した電動役物640aの作動パターンが一つで制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別に対応して複数の作動パターンが予め設定されており、普通入賞口(スルーゲート)765での球通過検出時にいずれの作動パターンで制御されるかが確率で選択され、選択された作動パターンで電動役物640aの動作が実行されるようにしても良い。
上記第50実施形態では、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第1の作動パターンか第2の作動パターンで設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第4の作動パターンとなる場合を含むようにしても良い。この場合、高確率状態なのか、低確率状態なのかの判別をし難くすることができる。
上記第50実施形態では、第1入賞口64に入球した球がシーソー部材762を経由して下流側に流れる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、シーソー部材762及び左側流路の形成を省略するようにしても良い。即ち、第1入賞口64及び右側経路のみから流路が構成去れるようにしても良い。
この場合、連球で入球する場合を排除し難くなるが、例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設して、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第50実施形態では、第1入賞口64に入球した球は、右側案内部643に乗り、左側案内部645とは反対側に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643の傾斜が左側案内部645側に下降傾斜する形状とされ、第1入賞口64に入球した球が右側案内部643から左側案内部645側に流れ、第1球送球部734に案内されるように構成しても良い。
この場合、十分長く移動板部材641が進入状態で維持された場合に、第1送球経路KR1に配置されていた球を第1球送球部734に案内することができ、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
一方で、移動板部材641の進入状態が短い場合には第1球送球部734と屈曲部材740との間に球が落下することになるが、この位置に、球を受け入れることで遊技者に所定の利益を付与する受入口を配置しても良い。
その受入口に球が入球した場合における利益は、賞球の払い出しでも良いし、特別図柄1又は特別図柄2の抽選でも良いし、普通図柄の抽選でも良いし、転落抽選(高確率状態から低確率状態へ遊技状態を変化させる抽選)でも良いし、その他の利益でも良い。いずれにせよ、移動板部材641の上面を転動する球に対する注目力を向上することができる。
なお、右側案内部643の右端からより右側に上昇傾斜するように板を延長して、屈曲部材740の右側において落下した球を受け止め可能に構成しても良い。この場合において、屈曲部材740の右側から移動板部材641の上面を転動する球が第1送球経路KR1に到達するように構成される場合、球が第1送球経路KR1に配置されている状態で移動板部材641が退避状態となるように動作することで、球が第1送球経路KR1で落下してセンサSEに検出され、特別図柄1の抽選を獲得可能となる。
上記第50実施形態では、遊技領域の左側に普通入賞口(スルーゲート)66が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側に配置される普通入賞口(スルーゲート)66の配設を省略しても良い。この場合、左打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)765に限定され、右打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)67,765とされる。
即ち、左打ちで球を発射させることで、電動役物640aの動作を普通入賞口(スルーゲート)765での普通図柄の抽選による動作に限定することができるので、第1の作動パターン又は第2の作動パターンで電動役物640aが動作する場合に、右側案内部643に案内されずにセンサSEに検出される事態の発生を回避し易くすることができる。
一方で、右打ちで球を発射させた方が、普通図柄の抽選は獲得し易いので、遊技効率を上げやすい。即ち、遊技者は、遊技効率は低下するがセンサSEに球が検出される事態の発生を回避し易いように遊技を実行するか、遊技効率は上がるがセンサSEに球が検出される可能性が若干上がる遊技を実行するか、好みで選択することができる。
上記第50実施形態では、移動板部材641が屈曲部材740の外方まで張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側案内部645の形成が省略されても良い。この場合において、第2球送球部736を第2入賞口640として機能させても良い。
上記第50実施形態では、右側案内部643へ球が振分け部材760により形成される経路から案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60の正面側から右側案内部643に案内されるものでも良い。この場合、右側案内部643の左端部から同一傾斜で左側に板部が延設され、その板部の上面を転動する球が屈曲部材740の内部に進入できるように屈曲部材740の左側面に開口を形成すればよい。
上記第50実施形態では、移動板部材641の上面を転動し左右異なる方向に転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755の下端側において球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良いし、第2送球部736の後方に球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
即ち、第2傾斜溝757の形成を省略する等して、左側案内部645の上面を転動した球を検出する位置と、右側案内部643の上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第51実施形態では、羽部材945の上面を前後異なる位置で転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3分岐通路BK3の後方に球通過孔が形成され、その下流側に検出装置が配設され、その検出装置により球の通過が検出されることで、検出装置SE6と同様に、特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。
即ち、送球孔941k及び送球開口982kの形成を省略する等して、羽状本体945mの上面を転動した球を検出する位置と、板状部945eの上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第51実施形態では、板状部945eが羽部材945の回転先端側で羽状本体945mに連結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部945dが羽部材945の回転基端側に形成されても良いし、回転径方向の中間位置で形成されても良い。特に、延設部945dの回転基端側に形成される場合には、第4貫通孔941jや回転許容開口982mの形成幅を小さくすることができ、孔形成に伴い生じる背面ベース941や膨出部982の強度低下を最小限に抑えることができる。
なお、板状部945eに球が乗る場合、延設部945dを起点として板状部945eは撓み変形される可能性があるが、延設部945dが羽部材945の回転先端側に形成されている場合には、板状部945eが撓み変形から弾性回復する際に生じる弾性力が、球を第3分岐通路BK3側へ入れ込む方向で生じる。これにより、板状部945eの上面に到達した球を安定して第3分岐通路BK3側へ案内することができる。
上記第51実施形態では、一対の羽部材945の両方に延設部945d及び板状部945eが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の羽部材945にのみ延設部945d及び板状部945eが形成されても良い。
上記第51実施形態では、羽部材945の開放状態において、羽状本体945mの転動面と、板状部945eの転動面とが、同一の傾斜面で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの傾斜角度の方が、羽状本体945mの傾斜角度に比較して、浅い(水平との角度が小さい)ように形成しても良い。
この場合、羽状本体945mを転動する球の速度の方が、板状部945eを転動する球の速度よりも速くなり易くすることができる。そのため、前後に配置された球が正面視で重なった状態が維持される事態を回避し易くすることができる。
また、羽状本体945mに1個の球が乗っている場合に比較して、板状部945eに1個の球が乗っている場合の方が、球から羽部材945にかけられる動作抵抗が大きくなるようにすることができ、羽部材945の動作速度を低下させることができる。
また、羽部材945が前後方向のスライド移動で出没するよう構成される場合において、同様に、羽状本体945mの傾斜角度と板状部945eの傾斜角度とを異ならせても良い。この場合、板状部945e及び羽状本体945mに同時に球が乗った場合であっても、羽部材945の動作長さによっては、板状部945e又は羽状本体945mの一方で転動する球が転動板部941lに到達する一方で、板状部945e又は羽状本体945mの他方で転動する球が転動板部941lに到達する前に落下する状態を生じさせることができる。
上記第51実施形態では、羽部材945の開放状態における羽状本体945mの上面近傍から延設部945dが延設されることで羽状本体945mの上面と板状部945eの上面とが前後で重なって見える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの上面と、羽状本体945mの上面とを、上下でずらすように形成しても良い。この場合、板状部945eに球が乗っている状態で羽状本体945mに球が乗ったとしても、その上下位置にずれがあるので、前側の球で後側の球が完全に隠される事態を回避し易くすることができる。
上記第51実施形態では、板状部945eが左右対称位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状本体945mを左右対称形状としながら、左側の板状部945eよりも右側の板状部945eの方が上側に配置される(左右非対称で配置される)ように構成しても良い。この場合、正面から見易い羽状本体945mの見映えは左右対称を維持しながら、その背面側においてに配設される板状部945eの上面を転動する球の流下経路を左右非対称とすることができる。これにより、対称線上に球が到達した場合に左右方向の負荷がバランスして球詰まりが生じる事態を回避し易くすることができる。
上記第51実施形態では、磁性体988b,988cを利用して振分け部983の動作抵抗を設計し、球の流下間隔の最短側を規定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設しても良い。この場合、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第53実施形態では、上流側案内部4645の傾斜面4645aと右側案内部643の傾斜面643aとが、同一傾斜である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも大きくしても良い。この場合、傾斜面4645a上を転動する球の右側への加速を大きくすることができるので、第1送球経路KR1に球が配置されている状態で電動役物4640aが退避状態となったとしても、勢いで第2球送球部736側に流れるという状態を構成することができる。即ち、右方向の加速が大きくなることで、球が回収孔752に流下する事態を回避し易くすることができる。この意味で、第1入賞口64に入球した球に比較して、傾斜面4645aを転動して流下する球の方が、第2球送球部736に入球し易くすることができる。
また、例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも小さくしても良い。この場合、傾斜面643a上に球が滞在する時間を長くすることができるので、球が第1送球経路KR1に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に変化し、球が回収孔752に流下する事態が生じ易くなる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400の動作を複数態様で制御することで、入賞ユニットB400の内部を通る球が、ほぼ第2入賞口B640に案内される状態と、ほぼ第3入賞口B64bに案内される状態とを切り替え可能とされることを利用して、大当たり遊技後の遊技状態として、小当たり遊技が頻繁に生じる(ほぼ毎回の特別図柄の変動で生じる)よう設定され、小当たり遊技において開放された特定入賞口B65aに球を入賞させることで大当たり遊技に移行される前から多量の賞球の払い出しを受けることができる特殊確変状態と、小当たり遊技は頻繁には生じない確変状態とを構成可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たり遊技が頻繁に生じるような設定とはされず(必ずしも特定入賞口B65aは必要とはされず)、入賞ユニットB400を利用して、特別図柄1の抽選を受けるための入賞口(第3入賞口B64bに相当)側に球を案内し易い状態と、特別図柄2の抽選を受けるための入賞口(第2入賞口B640に相当)側に球を案内し易い状態とで切り替え可能とされても良い。
この場合、大当たり遊技終了後に移行される遊技状態において、遊技としては入賞ユニットB400へ向けて球を発射するという共通の遊技態様としながら、大当たりを獲得した場合に期待される大当たりの大当たり種別の振分けを変えられるパチンコ機を構成することができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400が、第2入賞口B640にも第3入賞口B64bにも球を案内し難い第1の作動パターンか、第3入賞口B64bに球を案内し易い第2の作動パターンか、第2入賞口B640に球を案内し易い第3の作動パターンか、で電動役物B640aが動作可能に構成させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの双方に球を案内し易い作動パターンで電動役物B640aが動作可能としても良い。
そのための実現手段としては、例えば、第3の作動パターンにおける基準の作動パターンBRP3の動作時間Bt3bを1.0秒として、残りの1.0秒はスライド部材B450が非励磁状態で維持されるようにすれば、待機時間Bt3aの間に先端部B451に拾われた球が第2入賞口B640に案内される場合と、第3入賞口B64bに案内される場合とを生じさせることができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、前進位置に配置されたスライド部材B450の先端部B451に球が乗っている状態でソレノイドBSOL41を駆動させた場合に、先端部B451に乗っている球が先端部B451の上面に押し込まれる形で球通過開口B414を通過可能に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450が後退位置に配置された状態では、先端部B451の上面と球通過開口B414の上縁との間の寸法が球の直径未満の長さに設計するようにしても良い。
即ち、先端部B451の上面は、前方へ向かう程に上昇傾斜する傾斜面として形成されているところ、スライド部材B450の変位方向は前後方向なので、先端部B451の上面と球通過開口B414の上縁との間の寸法は、スライド部材B450が前進位置に配置される場合よりも、スライド部材B450が後退位置に配置される場合の方が短くなる。
これを利用して、スライド部材B450が前進位置に配置される場合には球が球通過開口B414を通過可能とされる一方で、スライド部材B450が前進位置から後退位置に変位する際に先端部B451に乗っている球については、球通過開口B414の上縁部に球が引っかかる寸法関係で設計することで、スライド部材B450が前進位置から後退位置に変位する際に先端部B451に乗っている球が球通過開口B414を通過することを防止することができる。これにより、球通過開口B414への球の入球確率を下げることができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、左壁部B432及び右壁部B433が球の左右方向の通過を遮る程度の高さで形成されており、左案内板部B452又は右案内板部B453から中央流路B431側への球の導入は、左壁部B432又は右壁部B433の後側に配置される左開口部BLT又は右開口部BRTを通る態様に限定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左壁部B432及び右壁部B433の上下高さを低く設計して、球が左壁部B432及び右壁部B433の上側を通過可能にしても良い。
また、例えば、スライド部材B450の上面の上下位置が、スライド部材B450が前進位置に配置される場合と後退位置に配置される場合とで異なることを利用して、左壁部B432及び右壁部B433の高さを、スライド部材B450が前進位置に配置される場合(上面の上下位置が低い場合)には、左壁部B432及び右壁部B433の上側を球が通過することを遮るのに十分とする(例えば、スライド部材B450の上面の上下位置よりも左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置の方が上側となるように設計する)一方で、スライド部材B450が後退位置に配置される場合(上面の上下寸法が高い場合)には、左壁部B432及び右壁部B433の上側を球が通過することを許容できる(球が通過可能とする、例えば、スライド部材B450の上面の上下位置よりも左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置の方が下側となるように設計する)ようにしても良い。
この場合、スライド部材B450の上面を転動して中央流路B431側へ流下する球の流下経路のバリエーションとして、左壁部B432又は右壁部B433の後側に配置される左開口部BLT又は右開口部BRTを通る流下経路の他に、スライド部材B450が後退位置に配置された状態において左壁部B432又は右壁部B433の上側を通る流下経路を構成することができる。
また、スライド部材B450の上面の上下位置と、左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置との関係を、左右で異ならせるようにしても良い。例えば、左壁部B432の上側を球が通過することを許容する状態で右壁部B433の上側を球が通過することは制限するように構成したり、右壁部B433の上側を球が通過することを許容する状態で右壁部432の上側を球が通過することは制限するように構成したりしても良い。
この場合、スライド部材B450に案内される球の流下経路を、球が左側を流下するか、球が右側を流下するかで大きく異ならせることができる。
上記第54実施形態では、球を拾うための構造としてスライド部材B450の先端部B451と傾倒部材B470の板状部B471とを備え、先端部B451が正面視で板状部B471の左右外側かつ上側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450の二股の構造をやめて、先端部B451に対応する部分が板状部B471の真上に配置されるようにしても良い。
この場合、ベース板B60とガラスユニットB16との間の領域における先端部B451と板状部B471との間の位置に、球の通過を規制する固定の規制板を設けることで、先端部B451に拾われなかった球が板状部B471に拾われる入賞態様を避けることができる。
これにより、入賞ユニットB400の左右方向寸法を低減することができる。また、先端部B451を1つとすることで、入賞ユニットB400内の経路において球の合流が生じることを無くせるので、入賞ユニットB400の設計自由度を向上することができる(設計を簡素化することができる)。
上記第54実施形態では、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が水平方向に延びるように形成されており、中央流路B431の上側に配置される天井構成部B444の傾斜面部B444aが正面側へ向かうほど上昇傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が、後方へ向かう程に下降傾斜する面として構成しても良い。この場合、スライド部材B450の上面を流下する球の流下経路の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)が大きくなりすぎて、流下中の球がバタつくことを避けることができる。
例えば、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が、後方へ向かう程に上昇傾斜する面として構成しても良い。この場合、スライド部材B450の上面を流下する球の流下経路の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)を大きく確保することができるので、スライド部材B450が後方へ変位する際に、スライド部材B450の上面に乗っていた球が後方へ押し込まれてスライド部材B450の後方側位置における球の密度が高くなったとしても、それによってスライド部材B450の上側で球詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
例えば、中央流路B431の上側に配置される天井構成部B444が、正面側へ向かうほど下降傾斜するように構成しても良いし、水平方向に延びるように構成しても良い。この場合、中央流路B431の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)が大きくなりすぎて、流下中の球がバタつくことを避けることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450に拾われた球が通過する球通過開口B414や、傾倒部材B470に拾われた球が通過する中央開口部B413の左右幅が、球の直径よりも若干長い程度とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414や中央開口部B413の左右幅を球の直径の複数倍(例えば、2倍)よりも若干長い程度の寸法で設計し、合わせて、スライド部材B450の左案内板部B452及び右案内板部B453、中央流路B431及び傾倒部材B470の左右幅も同様の左右幅で設計しても良い。この場合、スライド部材B450や傾倒部材B470で一度に拾うことができる球の個数を増加させることができるので、入賞効率を上げることができる。
上記第54実施形態では、球通過開口B414の左右幅と、中央開口部B413の左右幅とを合わせている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414の左右幅を球の直径よりも若干長い程度で設計し、中央開口部B413の左右幅を球の直径の複数倍よりも若干長い程度の寸法で設計するようにしても良く、合わせて中央流路B431の左右幅および傾倒部材B470の左右幅を中央開口部B413の左右幅と同様の思想で設計しても良い。
この場合、中央流路B431から下流側の領域において球が左右に並んで流下できるようになるので、左右一対の球通過開口B414を同時に球が通過した場合であっても、中央流路B431で球が合流してしまい流下抵抗が増加するという事態を避け易くすることができる。
また、例えば、球通過開口B414の左右幅を球の直径の複数倍よりも若干長い程度の寸法で設計し、中央開口部B413の左右幅を球の直径よりも若干長い程度で設計するようにしても良く、合わせてスライド部材B450の先端部B451、左案内板部B452及び右案内板部B453の左右幅を球通過開口B414の左右幅と同様の思想で設計しても良い。
この場合、スライド部材B450と傾倒部材B470とが連動するという条件下において、入賞ユニットB400の内部経路の最上流側(入口側)における第1入球効率(スライド部材B450に球が拾われる効率)を向上しながら、その第1入球効率よりも入賞ユニットB400の内部経路の最下流側(出口側)における第2入球効率(傾倒部材B470に球が拾われる効率)を低減することができる。
これにより、遊技者に対して、入賞ユニットB400の入口に入る見かけ上の入球効率(第1入球効率)が高いように見せて、実際に傾倒部材B470に球が拾われる確率(第2入球効率)は低減されるよう構成することができる。これにより、遊技者の入賞ユニットB400への入球効率についての印象を良くすることができ、遊技者が遊技を継続するように仕向けることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450の左案内板部B452の傾斜角度と、右案内板部B453の傾斜角度とが同じとなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右案内板部B453の傾斜角度を左案内板部B452の傾斜角度よりも大きくしても良いし、左案内板部B452の傾斜角度を右案内板部B453の傾斜角度よりも大きくしても良い。
特に、後者の場合、左案内板部B452及び右案内板部B453の前後長さの違いによる球の流下時間の差を、球の流下速度で補わせることができるので、左右の先端部B451が同時に球を受けた場合に、それらの球が中央流路B431に到達するタイミングを合わせ易くすることができる。
また、前者の場合は逆に、左案内板部B452及び右案内板部B453の前後長さの違いによる球の流下時間の差を、球の流下速度が助長することになるので、左右の先端部B451が同時に球を受けた場合に、それらの球が中央流路B431に到達するタイミングを異ならせ易くすることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450が、遊技領域から球を受ける先端部B451のみでなく、その後方流路においても球を転動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端部B451のみで球と接触し、先端部B451の下流側へ流れた球は、左案内板部B452や右案内板部B453等を上から覆う固定板部(変位しない部分)の上面を転動するようにしても良い。この場合、スライド部材B450の変位により球が加速されたり減速されたりする範囲を狭くすることができる。
また、この場合、先端部B451の構成および動作態様を変更し、前方に傾倒する動作態様(傾倒部材B470で例示される動作態様)としても良い。即ち、非励磁状態において、傾倒部材B470で説明した開放位置とされ、励磁状態において、傾倒部材B470で説明した閉鎖位置とされるように構成しても良い。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、先端部B451に拾われた球が傾倒部材B470に到達するまでの経路において固定の底面部B431aを転動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、底面部B431aがスライド部材B450の動作と連動して動作するように構成しても良い。この場合、入賞ユニットB400の内部流路において球詰まりが生じていたとしても、内部流路の全体で動作が生じることから、球をほぐすことができ、球詰まりの解消を図ることができる。なお、底面部B431aの動作としては、スライド部材B450の逆方向に動作するものでも良いし、スライド部材B450と一体的に構成する等して同方向に動作するものでも良い。
上記第54実施形態では、固定の底面部B431aが球を直線的に転動させる傾斜面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、底面部B431aが湾曲形成されることで球の流下方向が湾曲するようにして球の流下速度の変化が顕著になるように構成しても良いし、流下中に球が落下する範囲を有するよう構成し球が跳ねることで流下態様がばらつくようにしても良いし、球が蛇行して流下するよう流路を繰り返し屈曲させることで球が通過するまでの時間を長くするようにしても良い。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、球通過開口B414が単なる開口部である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414に球通過を検出する検出センサが配設され、球通過開口B414への入球を検出可能に構成しても良い。この場合、球通過開口B414への入球を検出した場合に、第3図柄表示装置B81等で遊技者に対して報知することで、遊技者に対して球通過開口B414を球が通過したことに気付かせることができ、入賞ユニットB400の注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、先端部B451に拾われた球が必ず傾倒部材B470側まで案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内部流路に排出用開口が形成され、一部の球は排出用開口を通り排出されることで、先端部B451に拾われた球の一部しか傾倒部材B470まで案内されることは無いように構成しても良い。この場合において、スライド部材B450は排出用開口を開閉させる部材としても機能するように構成しても良い。
上記第54実施形態では、スライド部材B450の左案内板部B452及び右案内板部B453が、前後方向で同一傾斜の板状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、途中で傾斜が変わるようにしても良いし、上面が階段状に形成されるようにしても良い。この場合、スライド部材B450上における球の配置次第で、スライド部材B450が後方に変位した際に球が受ける負荷の大きさを変化させることができる(例えば、階段状に形成される場合に、段の近くに球が配置されており段の側面から負荷を受けるか、段から離れて球が配置されており段の上面と滑るようにして負荷を受けるかで異ならせることができる)。
例えば、上流側(前側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度に比較して、下流側(後側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度を小さく形成する場合、上流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷を、下流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷よりも大きくすることができる。これにより、スライド部材B450上の上流側および下流側に配置される複数の球の間隔を、スライド部材B450の変位により狭める(縮める、密にする)ことができる。
また、例えば、上流側(前側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度に比較して、下流側(後側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度を大きく形成する場合、上流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷を、下流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷よりも小さくすることができる。これにより、スライド部材B450上の上流側および下流側に配置される複数の球の間隔を、スライド部材B450の変位により広げる(拡大する、疎にする)ことができる。
また、例えば、流下経路に沿って左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜の大小が複数回変化するように構成しても良い。この場合、球の配置によって、スライド部材B450の変位により球同士の間隔が縮まる場合と、球同士の間隔が広がる場合との両方を生じさせることができる。
また、例えば、左案内板部B452における上面の傾斜角度と、右案内板部452における上面の傾斜角度とを異ならせるようにしても良い。即ち、左案内板部B452の上面は前後方向で水平面に対する傾斜が同一の板状に形成される一方で、右案内板部B453の上面は水平面に対する傾斜が途中で変化するように形成されても良い。この場合、スライド部材B450の変位により球が受ける負荷の態様を、球が左案内板部B452上に配置されているか、球が右案内板部452上に配置されているかで異ならせることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450と傾倒部材B470とが、伝達部材B480が間に介在することにより連動するものであり、スライド部材B450又は傾倒部材B470の一方で球噛み等の不具合が生じると、他方の動作にも影響を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、伝達部材B480の第2部材B485の部分であってスライド部材B450と対向配置される回動先端部の前側と、スライド部材B450の中央固定部B454とが対向する位置(間の位置)に前後方向で伸縮可能なコイルスプリングを介在させるように構成する。常には、第2部材B485側にスライド部材B450がコイルスプリングの付勢力で押し付けられており第2部材B485とスライド部材B450とが連動するように構成する一方で、スライド部材B450の前端と前意匠部材B420との間に球が挟み込まれた(球噛みした)場合には、スライド部材B450の前方への変位が妨害される分だけコイルスプリングが縮むことでカバーされるように構成することで、スライド部材B450が前進位置に配置されていなくても第2部材B485を前方に傾倒させることができる。
これにより、第1部材B481の動作が第2部材B485に妨害されることを回避することができるので、スライド部材B450側で生じた球噛みにより、傾倒部材B470の動作が途中で停止することを回避し易くすることができる。
このように、伝達部材B480を利用して駆動力の伝達経路を複数設けるような場合であっても、一の伝達経路にコイルスプリング等の部材(緩衝材などでも良い)を介在させることで、一の伝達経路で生じた不具合が、他の伝達経路にまで伝わることを避けることができる。
上記第54実施形態では、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態へ切替動作される場合に、下板部B482bに係止突設部B487が押し下げられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、係止突設部B487の形成を省略しても良い。電動役物B640aの励磁状態では、下板部B482bが第2部材B485の偏心突部B486と当接される一方で、上板部B482aと偏心突部B486との間に隙間が確保されている。
第2部材B485の自重による回転方向の負荷は、回転径方向外端部において第2部材B485に当接されるスライド部材B450と中段部材B430との間の静止摩擦を下回っており、第2部材B485が自重で前転方向に変位することは防止される。即ち、下板部B482bと偏心突部B486との当接が解除されても、第2部材B485の姿勢は維持される。
そのため、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態へ切替動作される場合に、上板部B482aに偏心突部B486が押し下げられるまでスライド部材B450が後退位置で維持され、傾倒部材B470のみが起き上がり動作する。即ち、ソレノイドBSOL41の駆動力は傾倒部材B470に集中して伝達される。この場合、スライド部材B450の動作開始タイミングと傾倒部材B470の動作開始タイミングとがずれることになる。
即ち、動作開始から途中位置までは傾倒部材B470のみが動作し、途中位置からは傾倒部材B470及びスライド部材B450が動作する。第1部材B481が下降する過程において、上板部B482aと偏心突部B486とが当接した後は、上板部B482aに偏心突部B486が押し下げられる態様で第2部材B485が回転軸部B485aを中心に前転方向に回転動作する。動作終了タイミングは、スライド部材B450と傾倒部材B470とでほぼ同時となる。
この場合、励磁状態から非励磁状態への切替動作において、スライド部材B450と前意匠部材B420との間に球が挟まり、スライド部材B450の変位が抑制され得る事態が生じたとしても、スライド部材B450の変位に先行して傾倒部材B470の起き上がり動作が開始されているので、傾倒部材B470の起き上がり動作まで抑制されることを防止することができる。
これにより、スライド部材B450の変位が抑制されることと連動して、傾倒部材B470の起き上がり動作が遅れ、予期せぬタイミングで球が傾倒部材B470に拾われる事態を回避し易くすることができる。
なお、第2部材B485の自重による回転方向の負荷は、回転径方向外端部において第2部材B485に当接されるスライド部材B450と中段部材B430との間の静止摩擦を下回っており、第2部材B485が自重で前転方向に変位することは防止される場合を例にしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2部材B485の重心が傾倒先端側に寄るように設計されることで、第2部材B485が自重で前転方向に変位し得るようにしても良い。
上記第54実施形態では、スライド部材B450と傾倒部材B470とが単一のソレノイドBSOL41の駆動力により連動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450を駆動する駆動装置と、傾倒部材B470を駆動する駆動装置とを別々に構成し、非連動で動作可能に構成しても良い。
この場合において、例えば、スライド部材B450が後退位置に配置されてから約3秒経過(入賞ユニットB400の内部に流入した球が通過しきるのに十分な時間が経過)してから傾倒部材B470が開放位置に変位されるようにし、その後でスライド部材B450が前進位置に配置される際には傾倒部材B470が閉鎖位置に配置されるような作動パターンを追加しても良い。この場合、傾倒部材B470に球が拾われることを防止し易くすることができる。
上記第54実施形態では、傾倒部材B470が閉鎖する際に球を挟んだ場合においても先端部B451で球を拾い難く構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、そもそも、傾倒部材B470に球が到達し得るタイミングにおいて傾倒部材B470の閉鎖動作が生じないようにソレノイドBSOL41を駆動させるように設定しても良い。この場合、傾倒部材B470の閉鎖をスムーズに実行することができる。
また、傾倒部材B470に球が到達し得るタイミングにおいては、傾倒部材B470は開放動作のみが生じるようにソレノイドBSOL41を駆動させるように設定しても良い。この場合、球の重みが傾倒部材B470を開放させる方向に作用することから、傾倒部材B470の開放を補助することができると共に、傾倒部材B470から第1部材B481及び第2部材B485を介してスライド部材B450に負荷を伝達させることにより、スライド部材B450の後退位置へ向けた動作をスムーズに行わせることができる。
上記第54実施形態では、待機時間Bt1a~Bt3a及び動作時間Bt1b~Bt3bから設定される作動パターンBRP1~BRP3が繰り返し実行されることにより、入賞ユニットB400を流下する球の流下経路が切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基準の作動パターンとしては動作時間のみが設定され、待機時間の代わりに第2図柄の変動表示にかかる時間が設定されるようにしても良い。
例えば、基準の作動パターンとして動作時間を3.9秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を0.1秒で設定する場合、その0.1秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第1の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
また、例えば、基準の作動パターンとして動作時間を0.2秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を1.8秒で設定する場合、その1.8秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第2の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
また、例えば、基準の作動パターンとして動作時間を2.0秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を2.0秒で設定する場合、その2.0秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第3の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に釘BKG1が配設され、釘BKG1の状態次第で、入賞ユニットB400の内部流路から下方へ流下した球の第3入賞口B64bへの入球確率が変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に、第58実施形態で説明した切替装置B5770が配設され、切替装置B5770の動作に対する球の入球タイミング次第で、第3入賞口B64bに入球されるか否かが決定されるものでも良い。この場合、釘BKG1の状態に左右されずに第3入賞口B64bへ入球させることができる。
また、例えば、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に、2個(又はN個)に1個の割合で第3入賞口B64b側に球を導入する振分装置(例えば、シーソー機構)を配設しても良い。この場合、釘BKG1の状態に左右されずに、振分装置により2個(又はN個)に1個は第3入賞口B64bに入球させることができるので、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
上記第54実施形態では、スルーゲートB66,B67の上側を流下する球が、釘BKG1によりスルーゲートB66,B67に導かれるように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、スルーゲートB66,B67への案内に、釘BKG1に代えて、又は釘BKG1と組み合わせて、樹脂材料による構造物を使用しても良い。この場合、樹脂材料による構造体が釘BKG1よりも状態の変化が生じにくいので、スルーゲートB66,B67への球の案内を安定させることができる。
また、例えば、釘BKG1の配設個数を減らしたり、配設位置を変えたりすることにより、スルーゲートB66,B67の上側を流下する球が全てスルーゲートB66,B67を通過するのではなく、一部の球はスルーゲートB66,B67から逸れて流下するように構成しても良い。
上記第54実施形態では、傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能であり、傾倒部材B470に拾われなかった球が第3入賞口B64bに入球することで特別図柄1の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、抽選を獲得可能な特別図柄の割り振りを逆転させる(傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄1の抽選を獲得可能であり、傾倒部材B470に拾われなかった球が第3入賞口B64bに入球することで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる)ようにしても良い。この場合、大当たり終了後の電動役物B640aの作動パターンを、大当たりA,aの場合に第2の作動パターンとして、大当たりB,C,b,cの場合に第3の作動パターンとすれば、第54実施形態で説明した遊技性と同様の遊技性を保つことができる。更に、第54実施形態で説明した場合と異なり、第3入賞口B64bに球が入球し易い状態において小当たり遊技が発生し易く、特定入賞口B65aに球が入球し易いよう構成されることから、第3入賞口B64bから零れた球が特定入賞口B65aに拾われる事態を生じさせ易くすることができる。
また、例えば、傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能な条件下で、第3入賞口B64bに入球することでも特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。この場合、特定入賞口B65aを入賞ユニットB400の左右外端よりも左右方向外側に張り出さない寸法および位置で配設するようにしても良い。
電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下したほとんどの球が入賞ユニットB400から排出され第3入賞口B64b側へ流下する。一方で、電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下したほとんどの球が傾倒部材B470に拾われることで、第3入賞口B64b側へは流れ出ない。そして、特定入賞口B65aは、入賞ユニットB400から排出され第3入賞口B64b側へ流下した球の内、第3入賞口B64bから零れた球を受け入れるよう配設されることで、新たな遊技性を構成することができる。
即ち、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動されるか、第3の作動パターンで駆動されるかに関わらず、特別図柄2の抽選を獲得可能とされる。そのため、小当たり遊技として特定入賞口B65aの開閉が頻繁に生じ得る。
ここで、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下した球のほとんどが第3入賞口B64b側へ流下するので、その内の何割かが第3入賞口B64bから零れて特定入賞口B65aに入球することで、遊技者は多量の賞球の払い出しを受けることができる。
一方、電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動される場合には、ほとんどの球が特定入賞口B65a側に向かわない(傾倒部材B470に拾われる)ので、特定入賞口B65aへの入球が生じ難く、遊技者は多量の賞球の払い出しを受けることはできない。
このように、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動されるか、第3の作動パターンで駆動されるかに関わらず、遊技者は特別図柄2の抽選を獲得可能とされることから特定入賞口B65aの開閉が頻繁に生じるが、電動役物B640aの作動パターンの違いによって特定入賞口B65aへ球が案内される確率が変化することで、特定入賞口B65aの開放時(小当たり遊技発生時)に特定入賞口B65aに入球させ多量の賞球が得られる場合と、そうでない場合とを生じさせるという遊技性を構成することができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400に流入した球により遊技者が得られる利益として、球が検出センサB435の開口B435aを通過した場合には特別図柄の抽選はされず、賞球の払い出しのみがされる一方で、球が第3入賞口B64bを通過した場合には特別図柄1の抽選がされ、賞球の払い出しもされるよう設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が検出センサB435の開口B435aを通過した場合に特別図柄1の抽選がされ、賞球の払い出しもされる一方で、球が第3入賞口B64bを通過した場合に特別図柄の抽選はされず、賞球の払い出しのみがされるよう設定しても良い。
この場合、第1の作動パターンでは、球が稀に開口B435aを通過することで、第1入賞口B64への入球数に加えて開口B435aを通過することで特別図柄1の抽選頻度が増加する。
第2の作動パターンでは、球は先端部B451に拾われ電動役物B640aの励磁状態において傾倒部材B470の正面側を通り第3入賞口B64bに入賞しやすくされるので、入賞ユニットB400に流入した球によって特別図柄の抽選頻度は増加されず、賞球の払い出しが多くなる。入賞ユニットB400は、開口B435aを球が通過可能に開放されている場合においても開口B435aの球の通過は10個に1個の割合とされることから、動作時間Bt2bの開口B435aの開放では球が開口B435a側に流入することはほとんどない。そのため、第2の作動パターンにおいて、特別図柄1の抽選頻度の上昇はほとんど起きない。
第3の作動パターンでは、待機時間Bt3aにおいて先端部B451に拾われた球は、動作時間Bt3bにおいて傾倒部材B470に拾われ易いので、特別図柄2の抽選頻度が増加する。また、動作時間Bt3bにおいては、先端部B451の正面側を球が通り開口B435aを通過し得るので、特別図柄1の抽選頻度も増加する。
また、検出センサB435aの開口B435aを、アウト口(賞球の払い出し無し、図柄抽選無しであり、遊技領域から球を排出する開口部)として、単に球の通過を計数するためのセンサとして利用しても良い。この場合、開口B435aにより、開口B435aを球が通過する頻度を計測することができる。
また、第2入賞口B640の機能と、第3入賞口B64bの機能とを逆で設定しても良い。この場合、特殊確変状態とする場合の作動パターンを第2の作動パターンとし、確変状態とする場合の作動パターンを第3の作動パターンに設定すれば良く、第3入賞口B64bに球が入球する抽選で小当たりを発生させ、第3入賞口B64bから逸れた球が特定入賞口B65aに入球し得るパチンコ機を構成することができる。
これにより、第3入賞口B64bの真上に配置される釘BKG1の状態として、球が第3入賞口B64bに入り易ければ、小当たりは生じ易いが第3入賞口B64bから逸れる球は少ないために特定入賞口B65aの入賞数が過多となることは抑制できる一方で、第3入賞口B64bの真上に配置される釘BKG1の状態として、球が第3入賞口B64bに入り難ければ、小当たりは生じ難いが第3入賞口B64bから逸れる球は多いために一旦特定入賞口B65aが開放されれば多量の球を特定入賞口B65aに入球させ得る。即ち、第3入賞口B64bへ入球し易いかどうか(有利不利)と、特定入賞口B65aへ入球し易いかどうか(不利有利)とがバランスするパチンコ機を構成することができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700において、貯留板部B715間に球が4個まで貯留可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715が間に球を1個だけ配置可能な形状で形成されるようにしても良い。この場合、貯留板部B715間で停留される球は移動床部材B740に乗っており、その球に衝突した球を検出センサB750の開口部B751に流入させることができる。この場合、球が検出センサB750の開口部B751を通り易い状態にあるか否かを、貯留板部B715間における球の有無を確認することで容易に把握することができるので、貯留板部B715間の球の個数を数える必要がある場合に比較して遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700において、貯留板部B715の左右両側において複数の検出センサB750が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサB750の配設個数は1個でも良い。また、1個配置する場合において、貯留板部B715の左右に配置されるいずれかを残し、何れかを除外するようにしても良いし、貯留板部B715の前後に位置ずれして検出センサB750が配置されるようにしても良い。
貯留板部B715の正面側に検出センサB750が配置される場合には開口部B751を通過する球を遊技者に見せ易くすることができる。一方、貯留板部B715の背面側に検出センサB750が配置される場合には開口部B751を通過する球が貯留板部B715に貯留される球に隠される作用を付加することができるので、開口部B751に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700において、ラウンド遊技における規定個数と貯留板部B715間に貯留可能な球の個数との関係が、10個対4個である場合を説明したが、個数の関係は任意に定められるものであり、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、10個対10個とする場合、上側可変入賞装置B700に対して、規定個数を超える個数の球の入賞(11個以上の入賞、オーバー入賞)があった場合に、開口部B751を球が通過するパチンコ機を構成することができる。この場合、規定個数の入球に留まる場合に比較してラウンド遊技において得られる賞球個数が増加する喜びと、大当たり遊技が終了した後に移行される遊技状態が有利な状態になることに対する喜びとを、遊技者に同時に与えることができる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730を駆動する駆動装置とは別で移動床部材B740を駆動する駆動装置を設けるようにしても良い。
この場合の動作パターンは、上記第54実施形態で説明したような動作パターンに加えて、多種多様な動作パターンを構成することができる。例えば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された場合に、移動床部材B740を後退位置に配置することもできる。この場合、移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が貯留板部B715の間の位置に貯留されないようにすることができるので、球が開口部B751に入球する可能性を低めることができる。
また、例えば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された場合に、移動床部材B740を単独で前後(繰り返し)動作させるようにしても良い。この場合において、移動床部材B740が後退位置に維持される期間が0.2秒よりも長い場合には貯留板部B715の間の位置から球を排出させることができ、一方、移動床部材B740が後退位置に維持される期間が0.2秒よりも短い場合には貯留板部B715の間の位置に球を留めることができる。
また、例えば、移動上蓋部材B730が前進位置に配置された場合に、移動床部材B740を前進位置に配置することもできる。この場合、ラウンド遊技中に移動上蓋部材B730が開閉を繰り返すような駆動態様であっても、貯留板部B715の間の位置に球が貯留される状態を維持することができる。更に、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されてから、移動床部材B740を前進位置から後退位置に変位させるまでに数秒のタイムラグが生じるようにすることで、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される直前に多数の球がまとまって入球したような場合に、それらの球が開口部B751側に到達し、開口部B751を通過し得るタイミングまで貯留板部B715の間の位置から球を排出しないようにすることができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700は、大当たり遊技において開閉される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側可変入賞装置B700が小当たり遊技において開閉されるよう構成し、検出センサB750を、開口部B751を球が通過することにより大当たり遊技を実行可能とするための検出センサとして構成しても良い。
ここで、小当たり遊技における上側可変入賞装置B700の開放時間の合計が1.8秒までとされる場合において、移動上蓋部材B730を後退位置に配置したら0.12秒経過する度に前進位置に配置させるという規則で移動上蓋部材B730を前後に繰り返し変位させる状態において、移動上蓋部材B730を後退位置に15回まで配置することができる(0.12×15=1.8)。
移動上蓋部材B730が前進位置に配置される場合において貯留板部B715の間の位置に配置される球が排出されないよう移動床部材B740が駆動される場合、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態で移動上蓋部材B730の正面側を流下した球を貯留板部B715の間の位置に貯留することができ、球を開口部B751に入球させ易い。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満とされる駆動態様に対応する。
一方、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される場合において貯留板部B715の間の位置に配置される球が排出され得るよう移動床部材B740が駆動される場合、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態で移動上蓋部材B730の正面側を流下した球が貯留板部B715の間の位置から次々に排出され、球を開口部B751に入球させ難い。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上とされる駆動態様に対応する。
小当たり遊技は、予め規定された駆動パターンで移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が開閉されることになる。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間に多数の球を上側可変入賞装置B700に入球させることが好ましいが、例えば、0.1秒と0.3秒との違いを見分けることは困難である。
そこで、小当たり遊技の駆動パターンとして、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間よりも、発射した球が到達するまでの期間だけ前倒ししたタイミングで、上側可変入賞装置B700へ向けて球を発射することを促す報知を実行するようにしても良い。この報知に従い球を発射すれば、貯留板部B715の間の位置に球を貯留させ開口部B751に球を入球させ易くすることができる。このように、球の発射の適切なタイミングを報知するようにすることで、報知外のタイミングで球を発射することによる球損の発生を回避し易くすることができる。
小当たり遊技の駆動パターンとして、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間が2回用意され、その間に移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上の状態が繰り返される期間が配置されるようにする場合、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される1回目の期間において球が開口部B751に入球しなかった場合に、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される2回目の期間の前に、上側可変入賞装置B700へ向けて球を発射することを促す報知を実行するようにしても良い。
この場合、例えば、球発射装置の詰まりなどで球を発射できていなかった場合においても、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上の状態が繰り返される期間が長めに(例えば、15秒で)設定される場合には、その間に球発射装置の詰まりを修復できる可能性を高めることができる。
なお、発射した球が到達するまでの期間だけ前倒ししたタイミングは、上側可変入賞装置B700の配置次第で変更され得る。上記第54実施形態のように遊技領域の上端部付近に配置される場合には1~2秒とされるが、遊技領域の右下端位置等に配置される場合にはもっと長く、その上流側における球経路(釘BKG1により形成される経路または樹脂部材により流路形成される経路)の長さによっては、5~10秒程度の長さまで幅が生じる。
また、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合を例示したが、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが独立で駆動するように構成される場合において、移動床部材B740が後退位置に配置される期間が0.2秒未満となる駆動態様で繰り返し動作される期間を狙って、上述の報知を行うようにしても良い。
この場合、移動床部材B740の動作態様と、移動上蓋部材B730の動作態様とは対応しないので、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される期間の長さを見て、移動床部材B740の動作と対応付けることは困難となる。従って、上述の報知に対する注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間に球が貯留されている間において、球を開口部B751に入球させ易い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作により、開口部B751に球を誘導する誘導状態と、誘導しない非誘導状態とで状態が変化される状態変化手段が配設され、その状態変化手段の動作は、一対の貯留板部B715から排出された球の運動エネルギーにより行われるよう構成しても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間から球が排出された後において開口部B751に入球させ易くできる遊技機を構成することができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715への球の進入を、球によって妨害する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の貯留板部B715の間の領域への球の入球の可否を切り替える開閉手段を配設しても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間の位置が球で満タンになる前においても、開閉手段により一対の貯留板部B715の間に球が進入できない状態を構成することができ、球が開口部B751を通過する事態を生じさせることができる。
この場合において、開閉手段の大きさとして種々の態様を例示することができるが、正面視における大きさが球の大きさよりも小さくすることで、開閉手段を目立たせないようにすることができ、球が開口部B751へ流入するタイミングを遊技者に予測され難くすることができる。
また、開閉手段の正面視における大きさを球の大きさよりも大きくすることで、開閉手段の状態を遊技者に把握させ易くすることができ、球が開口部B751へ流入するか否かを判別し易くすることができる。
上記第54実施形態では、第2特定入賞口B700aを通過した球は一対の貯留板部B715の間の領域に高確率で案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715と第2特定入賞口B700aとの間に球と接触可能な配置で釘BKG1が配設されるようにしても良い。
これにより、一対の貯留板部B715の間の領域が満タンになる前に、釘BKG1と衝突した球が検出センサB750の開口部B751を通過するイレギュラー入賞が誘発され易くなるようにすることができる。特に、第2特定入賞口B700aを複数の球が連なって通過した時など、球同士の接触により流下が乱れた場合にイレギュラー入賞が誘発され易くなる。
一方で、釘BKG1は、一対の貯留板部B715に貯留されている球とは非接触となるような位置に配置される。これにより、一対の貯留板部B715に貯留された球の排出をスムーズに行わせることができる。
なお、球と接触可能な配置で配設されるのは、必ずしも釘である必要はない。例えば、基礎板部材B710から前側に突設される突設部を構成し、この突設部と球とが衝突するようにしても良い。この場合、釘BKG1の場合に比較して、突設部の形状の設計自由度を向上させることができる。例えば、左右方向に長く開口部B751に近づく程に下降傾斜する突条状に形成することで、開口部B751に球が案内される可能性を高めることができる。
また、例えば、基礎板部材B710の正面側に可動部材を配設するようにし、その可動部材に衝突した球が、可動部材により勢いを付けられることで、球が開口部B751に案内され得るようにしても良い。可動部材の動作は、回転動作でも良いし、直線方向のスライド動作でも良いし、それらの組合せによる動作でも良い。
また、例えば、第2特定入賞口B700aが左右方向に往復変位したり、検出センサB750及び貯留板部B715が左右方向に往復変位したりすることで、タイミング次第で、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715側ではなく、検出センサB750の開口部B751側に流れる場合が生じるようにしても良い。
上記第54実施形態では、第2特定入賞口B700aの真下に球が貯留される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B700aの下流側に斜め下方に延びる球通路が形成され、その球通路の下流側端部に検出センサB750の開口部B751が形成され、球通路の途中位置において球貯留部が下方に延び、その球貯留部の下端に移動床部材B740が配設される構成において、球貯留部が満タンになると後追いの球が球貯留部の最上部の球の上を転動して球通路を下流側に流れ、その球が検出センサB750の開口部B751を通過するように構成しても良い。
また、第2特定入賞口B700aの開口方向は斜め方向に向いていても良く、その第2特定入賞口B700aを開閉する部材はスライド変位するものでなくても、回動変位するもの(例えば、一対の開閉部材で構成されるチューリップタイプの一の開閉部材を利用したもの)でも良い。
なお、第2特定入賞口B700aの下流側に斜め下方に延びる球通路の方向は何ら限定されるものではない。例えば、正面視で斜め下方(左右側へ向かうにつれて下方へ向かう斜め)でも良いし、左右方向視で斜め下方(前後側へ向かうにつれて下方へ向かう斜め)でも良い。
特に、後側へ向かうにつれて下方へ向かう斜めの場合、開口部B751を、球貯留部よりも手前側に配置することができる。これにより、球貯留部に貯留される球よりも、開口部B751を通過する球を目立たせることができるので、開口部B751における球の通過を遊技者が視認し易くすることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の上端部に球が配置されるために一対の貯留板部B715の間に配置する必要のある球の個数が一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間経過に合わせて移動床部材B740の上面の上下位置が上下方向に変化することや、移動床部材B740として貯留板部B715の下端の球を乗せる板部材が複数枚で上下方向に並設され上から順に開放されるように動作すること等により、一対の貯留板部B715の間に配置される複数の球の内、最下端に配置される球の上下位置を変化させることで、一対の貯留板部B715の上端部に球が配置されるために一対の貯留板部B715の間に配置する必要のある球の個数が変化するようにしても良い。
また、一対の貯留板部B715の左右間隔が変化するように貯留板部B715が変位可能に構成されても良い。この場合において、左右間隔が球の直径よりも若干長い間隔である場合には4個で満タンになるとしても、左右間隔が球の直径の2倍よりも若干長い間隔である場合には8個で満タンになるので、検出センサB750の開口部B751に球を通過させる難易度を変化させることができる。
また、4個で満タンになるように構成する場合であっても、一対の貯留板部B715の左右間隔が球の直径よりも若干長い間隔である場合に比較して、一対の貯留板部B715の左右間隔が球の直径の2倍よりも若干長い間隔である場合の方が、貯留板部B715の上下長さを半分にすることができるので、球を貯留するための高さ寸法を短くすることができる。これにより、貯留板部B715の設計自由度を向上させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に配置される球を常に視認できるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715の間の位置における球の視認性を低下可能に構成する(例えば、可動部材で目隠しするように構成したり、光の加減で見え難くするように構成したりする)ようにしても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間の位置で球が満タンになるタイミングを遊技者に予想され難くすることができる。
なお、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留される球の個数が4個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。0個でも良いし、1個でも良いし、3個でも良いし、5個以上でも良い。例えば8個(規定個数に近い数字)とすることで、第3の特別作動パターンにおいて検出センサB750の開口部B751に球が通過する可能性を大きく低下させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留され、移動床部材B740が後退位置に配置されることで流下される球は球抜き開口B782を通り遊技領域から排出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動床部材B740が後退位置に配置されることで流下される球が、複数孔を有するクルーンに排出されるようにしても良い。
このクルーンは、複数孔の内の1つを検出センサB750の開口部B751と同様の機能を有する特定孔とすることで、ラウンド遊技中に球が開口部B751を通過することが確認できないままに移動床部材B740が後退位置に配置され、一対の貯留板部B715の間の位置から球が流されたとしても、遊技者はクルーンの特定孔に球が入球することによる利益を獲得できる可能性があるので、一対の貯留板部B715の間の位置から流された球に対する注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留された球ではなく、その貯留された球の後追いの球が開口部B751を通過し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715の途中部分が開閉可能に構成されており、その開閉部分の下流側にも検出センサB750が配設されており、貯留板部B715の途中部分が開放されることで、一対の貯留板部B715の間に貯留された球の内のいずれかが流され、検出センサB750の開口部B751を通過し得るように構成しても良い。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730の駆動装置と移動床部材B740の駆動装置とが共にソレノイドB763であり、移動上蓋部材B730の動作と移動床部材B740の動作とが連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動床部材B740の駆動用にソレノイドB763とは別の駆動装置を設け、互いに独立して動作可能にしても良い。この場合、上記第54実施形態で説明した動作態様に加えて、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の双方が前進位置に配置される場合や、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の双方が後退位置に配置される場合を構成可能となる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730が左右両側に下降傾斜する板形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730を一方向に傾斜する平板形状で形成しても良い。この場合であっても、移動上蓋部材B730が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動床部材B740が前進位置へ変位するという動作の順番が好適に機能して、移動上蓋部材B730が後退位置に変位するのと同時に移動上蓋部材B730の正面側を流れた球が、移動床部材B740が前進位置に配置されるよりも前に移動床部材B740の正面側を通過するという事態を避けることができる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動床部材B740が前進位置へ変位する動作順序である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に変位しても良いし、動作順序が逆でも良い。
また、移動床部材B740が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動上蓋部材B730が前進位置へ変位する動作順序である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に変位しても良いし、動作順序が逆でも良い。
上記第54実施形態では、前進位置に配置される移動上蓋部材B730の上面を転動する球の背面側に配設される基礎板部材B710の前面が平滑面である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730の上面を転動する球の流下方向と交差する方向(例えば、上下方向)に長尺な突条形状で基礎板部材B710の前面から正面側へ突設される複数の減速突起が、球の流下方向に沿って並べられるようにしても良い。この代わりに、又はこれに加えて、移動上蓋部材B730の上面を階段状に形成して、球の流下速度を減速させるように構成しても良い。
これにより、移動上蓋部材B730の上面を転動流下する球の流下速度を低下させることができるので、移動上蓋部材B730の一度の開放(前進位置から後退位置に変位すること)で移動上蓋部材B730の正面側を通過する球の個数を多くすることができるので、移動上蓋部材B730が閉鎖状態(前進位置に配置された状態)とされた場合に一対の貯留板部B715の間から球が抜けていくという構成であっても、一対の貯留板部B715の間に球を溜めやすくすることができ、検出センサB750の開口部B751を球が通過する可能性を高めることができる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730の下流側に一対の貯留板部B715や移動床部材B740や検出センサB750が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730の構成を省略し、球が一対の貯留板部B715や移動床部材B740や検出センサB750の側へ常に流下可能な状態とされていても良い。
上記第54実施形態では、大当たり遊技において、1ラウンド目では移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能とされ、2ラウンド目以降のラウンド遊技では特定入賞口B65aが開放され特定入賞口B65aに入球可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。どのラウンド遊技でどちらの特定入賞口B65a,B700aに入球可能となるように制御するかは任意に設定可能とされる。
例えば、2ラウンド目以降のラウンド遊技においても移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御されても良い。この場合、特定入賞口B65aへの入球が小当たり遊技でのみ生じるように構成することができる(全ラウンド遊技において移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される場合に相当)ので、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数の設定が、大当たり遊技における賞球個数に影響を与えることを回避することができる。
そのため、例えば、第2特定入賞口B700aへの入球に対する賞球の払い出し個数よりも、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数を多く設定することで、大当たり遊技による賞球個数を抑える一方で、小当たり遊技による賞球個数が増大される遊技機を構成することができる。
また、例えば、第2特定入賞口B700aへの入球に対する賞球の払い出し個数よりも、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数を少なく設定することで、小当たり遊技による賞球個数を抑える(例えば、発射球と同等の賞球個数を維持する程度に抑える)一方で、大当たり遊技による賞球個数が増大される遊技機を構成することができる。
なお、複数のラウンド遊技において移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される場合、大当たり遊技後の遊技状態が開口部B751に遊技球が通過するか否かで変化するという事象については、第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される少なくとも1のラウンド遊技において遊技球が開口部B751を通過すれば、開口部B751に遊技球が通過したと認められる。
上記第54実施形態では、特別図柄1の抽選で小当たりと判定されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、特別図柄1でも特別図柄2でも小当たりと判定され得るようにしても良いし、特別図柄1で小当たりと判定され得る一方で特別図柄2では小当たりと判定され得ないように構成しても良い。
上記第54実施形態では、通常中の電動役物B640aの作動パターンが第1の作動パターンとされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、通常中の電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンとなるように構成しても良い。
この場合、通常中(特別図柄の低確率状態)から第2入賞口B640に球が入球し得ることになるが、特別図柄の低確率状態における特別図柄2の変動時間は、大当たりを除き長期間(本実施形態では10分)で設定されるので、特別図柄2の抽選で大当たりを獲得するようなことは稀であり、基本的には第1入賞口B64への入球による特別図柄1の抽選で大当たりを目指す遊技性を構築することができる。
この場合において、例えば、大当たりBの大当たり遊技を実行した後における遊技状態が次に大当たりを獲得するまでは高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が特別図柄の抽選が100回終了するまで継続するように設定すると、101回目の特別図柄の抽選以降において電動役物B640aを第3の作動パターンで動作させることになり、これは大当たりAの大当たり遊技を実行した後における遊技状態と同じである。即ち、大当たり遊技終了後に規定回数(上記第54実施形態では100回)の特別図柄の抽選を挟んで特殊確変状態に移行する場合を構成可能とすることができる。
なお、大当たりCの場合も、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が特別図柄の抽選が100回終了するまで継続するように構成され、101回目の特別図柄の抽選以降において電動役物B640aは第3の作動パターンで動作するように制御されるが、特別図柄の低確率状態なので、単に通常状態へ移行することになる。
上記第54実施形態では、大当たり種別の振分けが特別図柄1と特別図柄2とで異なる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄1と特別図柄2とで大当たり種別の振分けが同じとなるように設定しても良い。この場合、どちらの特別図柄で大当たりを獲得したとしても差が生じないので、特別図柄1の大当たりに係る抽選と特別図柄2の大当たりに係る抽選とを同一視することができる。この場合、例えば、特別図柄2の抽選が長時間変動で実行される場合(例えば、10分の変動)を除外し、特別図柄1の抽選で選択される変動時間と同様の変動時間とすることで、あたかも、特別図柄の保留球数が8個(特別図柄1の保留球数4個と特別図柄2の保留球数4個との合計)である遊技機を構成することができる。
また、例えば、特別図柄1の大当たりの内、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別と、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる大当たり種別との比率(上記第54実施形態において1:1)と、特別図柄2の大当たりの内、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別と、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる大当たり種別との比率(上記第54実施形態において1:1)とを異ならせるように構成しても良い。
この場合において、特別図柄2の大当たりの方が、特別図柄1の大当たりに比較して、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別の割合が大きいように構成することで、特別図柄2の大当たりが連続して発生し易い状態に移行可能な遊技機を構成することができる。
上記第54実施形態では、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の表示と同時に方向操作部表示B816を表示可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の後に、方向操作部表示B816を表示して音量光量を調整可能となる調整期間を設けるようにしても良い。この場合、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、調整期間の終了タイミングを意味すると同時に、大当たり遊技終了後の変動演出の開始タイミングを意味するので、遊技者は時間表示B811を視認しておけば、調整期間における音量光量の調整から変動演出の開始タイミング後の球発射までの行動を、適切なタイミングでスムーズに行うことができる。
エンディング演出の期間は大当たり種別により規定されるところ、エンディング演出の内部構成については大当たり種別が同じであっても変更可能となる。調整期間を設ける場合、調整期間が設けられていない場合に比較して、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出を実行する期間が狭められることになるが、いずれかの演出の継続時間を短くしたり、複数の演出を同時に行ったりすることで、遊技者に違和感を与えることなくエンディング演出を実行することができる。
調整期間を設けるか否かは、任意に設定することができるが、例えば、大当たり遊技中に実行される演出が、複数のバリエーションの内、特に光量が強くなり易い(光量最強)演出または特に音量が大きくなり易い(音量最大)とされた場合に、エンディング演出において調整期間を設けるようにしても良い。これにより、遊技者の遊技負担を低下させることができる。
調整期間を設けるかどうかとは無関係に、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の長さを変更することができる。例えば、大当たりが連荘している最中において、短期間に何度も見ても情報量が増加するわけではない社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の長さを短くしたり同時に表示したりすれば、その分だけエンディング表示演出を長くすることができる。エンディング表示演出は、実際に獲得できた賞球個数(現在実行中の大当たり遊技のみでも良いし、連荘中における累積でも良い)や、大当たり遊技終了後の遊技状態という、遊技者にとっての重要性が高い情報が表示されるので、表示期間を長くすることで、遊技者がその情報を見逃す可能性を低くすることができる。
例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる場合、連荘が途絶える可能性が高いので、その後遊技者が遊技を終えて離席する可能性が高い。そのため、エンディング演出においてカード忘れ防止表示演出の長さを長くすることで、遊技者がカードを持ち帰り忘れる可能性を低くすることができる。
例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が特殊確変状態へ移行する場合、遊技者の出玉への期待感が最も高まっているタイミングであるので、このタイミングにおいて社名表示演出を視認させることで、現在遊技しているパチンコ機および製造会社への印象が良くなるように図ることができる。また、大当たりが連荘すれば、ますます遊技者の期待感が高まっていくことから、連荘数が上がっていくほどに社名表示演出を長くするように設定することで、印象をよりよくさせることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において音量光量の調整が可能とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出において音量光量の調整が実行されたかを判定し、その判定結果が、エンディング演出終了後の変動演出の決定に影響を与えるよう構成しても良い。
例えば、変動演出として、通常の主図柄停止の報知に比較して、光量や音量が大きくなり易い特定演出(一発告知演出など)が用意されている場合に、直前のエンディング演出中に光量を下げる調整が実行されたにも関わらず、特定演出を実行すると、ただでさえ光で目が疲労していると考えられる遊技者に対して、更なる疲労を与える可能性があり、途中で遊技を中断する可能性がある。そこで、直前のエンディング演出中に光量を下げる調整が実行された場合には、特定演出は実行されないように制御することで、遊技者の疲労の回復を待ちながら遊技を継続させることができる。
また、大当たり遊技中において、大当たり遊技の終了後の遊技状態で流れる曲を変更する操作を遊技者が行った場合には、遊技者はその曲を聞きたいと感じているはずなので、現在実行中の大当たり遊技のエンディング演出において、方向操作部表示B816を表示する期間を確保するようにしても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出の終了タイミングで時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の終了タイミングにおいて普通図柄の変動表示が継続中であり、エンディング演出の終了タイミングと普通図柄の次変動の開始タイミングとの間に時間差がある場合には、その時間差の分、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングをエンディング演出の終了タイミングに対してずらす(遅らせる)ようにしても良い。これにより、エンディング演出の後で球を発射しているにも関わらず、大当たり遊技中から継続中の作動パターン(通常状態における作動パターン、第1の作動パターン)で電動役物B640aが動作している状態の入賞ユニットB400に球が入球するという事態を回避することができる。
即ち、エンディング演出の後で発射した球を、大当たり遊技終了後から移行した後の作動パターン(第2の作動パターン又は第3の作動パターン)で電動役物B640aが動作している状態の入賞ユニットB400に入球させることができる。
この場合においても、エンディング演出が終了したら、特別図柄の保留球があれば、エンディング演出の終了後に特別図柄の変動が開始される。一方で、時間表示B811の表示は継続して残したいので、例えば、主表示領域BDmにおいてはエンディング演出の表示を継続し、副表示領域BDsの小領域BDs3において特別図柄の変動を表示し、普通図柄の次変動が開始されるタイミングとなり次第、小領域BDs3の表示が主表示領域BDm3に拡大されながら移動するように構成しても良い。
画面上で特別図柄を移動させることになるので、低速変動中(リーチ等)になる前段階で移動させることが好ましい。そのため、上述のような表示態様(特別図柄の移動)は、エンディング演出の終了タイミングから普通図柄の次変動の開始タイミングまでの時間差の方が、特別図柄の低速変動中に移行するまでにかかる時間よりも短いという特定の条件が整った場合にのみ行うようにしても良い。
但し、変動演出の決定は、変動開始時にされるので、エンディング演出の終了よりも後になる。そのため、上述のような表示態様を行うことができるかどうかは、エンディング演出中には不明となるので、エンディング演出終了後に、上記特定の条件が整っていると音声ランプ制御装置B113に判定された場合に、終端位置B812を右方に移動させたり、「+2秒」等の数字を表示させたりすることで、球発射タイミングが後倒れしたことを報知するように構成しても良い。この場合、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達することで遊技者は球の発射を開始すると考えられるが、その直後に球発射タイミングが後倒れしたことの報知がされれば、それを見た遊技者は球の発射を停止させることができる。これにより、球損を最小限とさせることができる。
上記第54実施形態では、特定表示B810や枠ボタン表示B813等の表示が、第3図柄表示装置B81の表示画面の一部に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示画面の全体に表示される(全画面表示される)ように構成しても良いし、表示画面の異なる部分に表示されるようにしても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出において時間表示B811が初めから表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の途中から表示されても良いし、枠ボタンB22の操作により表示されるようにしても良い。また、枠ボタンB22の操作を行う度に、時間表示B811が表示されたり、時間表示B811の表示が消えたりするようにしても良い。
上記第54実施形態では、時間表示B811がバーとして表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示画面に任意の数字を表示し、その数字を目標値(例えば0(ゼロ))までカウントダウンさせていく表示としたり、目標値(例えば、600)までカウントアップさせていく表示としても良い。この場合、表示が目標値となるタイミング(時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングに相当)を遊技者が図り易くすることができる。
また、この表示は、第3図柄表示装置B81の表示画面において表示する場合に限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置B81とは別の第2の表示装置や、7セグメント表示器を用意して、それら第2の表示装置や、7セグメント表示器においてカウントダウン又はカウントアップさせる表示を実行しても良い。
なお、時間表示B811を、バーとカウントダウン(カウントアップ)との両方で表現するようにしても良い。例えば、時間表示B811をバーとして表示することに加えて、時間表示B811が終端位置B812に到達する数秒前(例えば3秒前)から、表示画面に数字(例えば3)を表示し、その数字をカウントダウンさせていく表示を実行しても良い。この場合、表示が0(ゼロ)となるタイミング(時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングに相当)を遊技者が図り易くすることができる。
上記第54実施形態では、枠ボタン表示B813が表示画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の操作が有効になる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813が表示されていなくても枠ボタンB22の操作が有効となる状態を構成可能としても良い。
上記第54実施形態では、枠ボタン表示B813が表示画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の操作が有効になる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22の内部に発光手段が配設され、枠ボタンB22が操作可能なタイミングで発光手段が発光するように制御しても良い。この場合、操作対象(枠ボタンB22)の位置を遊技者に把握させ易くすることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において、社名表示演出は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態が、遊技者にとって最も有利な状態となる場合に実行され、カード忘れ防止表示演出は、大当たり遊技における払い出し個数が8ラウンド分の個数以上(所定の個数以上)である場合に実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出が実行される条件と、カード忘れ防止表示演出が実行される条件とを入れ替えても良い。
また、社名表示演出またはカード忘れ防止表示演出の少なくとも一方は、大当たり種別によらず、大当たり遊技の度に常に実行されるように設定しても良いし、所定の大当たり回数目(例えば、連荘中において奇数回目の大当たりとか、3の倍数の大当たり等)で実行されるように設定しても良い。
なお、エンディング演出の内容は、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、「パチンコは遊技です。のめり込みに注意しましょう」という、遊技者を落ち着かせるための文字列を表示したり、不慣れな遊技者等に向けて店員呼び出しボタンの説明をする動画を表示したり、可動役物を待機位置に復帰させるためのボタン操作について説明する動作を表示したりしても良い。これらいずれの表示を実行している間においても、枠ボタン表示B813を表示して枠ボタンB22の操作を促したり、時間表示B811を表示して次演出への移行タイミングを報知したりすることができる。
上記第54実施形態では、遊技者にとって最も有利な状態は、特殊確変状態である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技終了後の状態が、確変状態か時短状態(通常状態)かで異なる場合(特殊確変状態には移行しない場合)には、遊技者にとって最も有利な状態は確変状態とされる。
また、大当たり遊技終了後の状態が時短状態のみであり、時短状態が継続する抽選回数に差がある場合には、時短状態が継続する抽選回数が最も多くなる状態が、遊技者にとって最も有利な状態とされる。
また、大当たり遊技終了後の状態が確変状態のみであり、一方の大当たり種別では次回大当たりまで確変状態が継続される一方で、他方の大当たり種別では所定の抽選回数後は特殊確変状態に移行される場合(通常状態の電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンとされる場合等)には、他方の大当たり種別の方が特殊確変状態において小当たり遊技中に得られる賞球分有利なので、遊技者にとって最も遊技な状態とされるのは他方の大当たり種別の大当たり終了後の状態とされる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において、エンディング表示演出が常に実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出が実行されない大当たり種別を構成しても良い。特に、賞球の払い出し個数が他の大当たり種別に比較して極端に少ない大当たり種別(例えば、突然確変大当たりや、突然通常大当たり等)の時には、エンディング表示演出を省略した方が賞球の払い出しが極端に少ないことを遊技者に意識させないようにすることができ、且つ、大当たり遊技終了後の図柄の変動を早期に開始させることができる。
また、特に、特殊確変状態と大当たり遊技との境目を目立たせずに遊技を行わせるための演出(例えば、小当たり遊技における賞球個数と大当たり遊技における賞球個数とを合算して表記する演出)を構成する際には、連荘中にはエンディング表示演出を省略し、連荘の終了時にエンディング表示演出を実行することで、遊技者に対して特殊確変状態と大当たり遊技とをまとめて一つの有利状態として見せることができる。
また、上述の内容はエンディング表示演出に限られるものではない。例えば、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出についても、連荘に突入する最初の大当たりのエンディング表示において表示させる一方で、連荘中は大当たり種別に関わらず表示させないようにしても良い。
上記第54実施形態では、賞球表示B801と識別表示B802とが同じタイミングで画面に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球表示B801が画面に表示されてから、表示が切り替わった後で識別表示B802が表示されるようにしても良い。この場合、大当たり遊技で獲得した利益と、大当たり遊技から移行された後で獲得できる利益とを、分けて遊技者に理解させることができるので、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出におけるエンディング表示演出と、社名表示演出と、カード忘れ防止表示演出との長さをそれぞれ同一(5秒)に設定したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各演出の長さは、大当たり種別ごとに任意に設定することができる。例えば、カード忘れ防止表示演出の実行期間を他の演出に比較して長くする(例えば、10秒等)ようにしても良いし、カード忘れ防止表示演出を繰り返し実行するように構成しても良い。
また、繰り返し実行する場合には、連続で繰り返しても良いし、他の演出を挟んで繰り返すようにしても良い。例えば、カード忘れ防止表示演出の終了後に、エンディング表示演出(2回目)を表示させるように構成しても良い。この時、1回目のエンディング表示演出では賞球表示B801は表示するが識別表示B802及び信頼度表示B803を表示せず、2回目のエンディング表示演出において識別表示B802及び信頼度表示B803を表示して賞球表示は表示しないようにしても良い。
これにより、大当たり遊技で遊技者が獲得できた利益(賞球個数)を報知するタイミングと、大当たり遊技の終了後における遊技の状態を報知するタイミングとを分けることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。また、エンディング演出の終盤に遊技者の興味関心の高い内容(上述の例では識別表示B802)を表示することで、エンディング演出に対する遊技者の注目力を高い状態で維持することができる。
また、エンディング演出の所定のタイミングにおいて遊技者の興味関心の高い内容(上述の例では識別表示B802を表示可能とする場合に、その表示への切り替えタイミングの前に枠ボタンB22の操作を実行させるように演出しても良い。即ち、枠ボタン表示B813を行うことで、第3図柄表示装置B81に対する遊技者の注目力を高めると共に、枠ボタンB22の操作により遊技に参加している感覚を遊技者に与えることができ、枠ボタンB22の操作直後に識別表示B802を表示することで遊技者が識別表示B802を見逃す事態を回避し易くすることができる。
なお、エンディング演出の長さは数秒間に限定されるものではなく、その長さは任意に(例えば、大当たり種別に応じて)設定可能である。即ち、数秒で終了するエンディング演出の他に、数分を要するエンディング演出が用意されても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出におけるエンディング表示演出と、社名表示演出と、カード忘れ防止表示演出との長さをそれぞれ同一(5秒)に設定し、実行される演出の組合せ次第でエンディング演出の実行期間が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の実行期間は固定にして、社名表示演出が短く設定される場合には、代わりにカード忘れ防止表示演出が長くなるように構成しても良い。
この場合、社名表示演出が短い期間で終了したことを把握できた遊技者は、その時点でカード忘れ防止表示演出が長くなることを知ることができるので、音量や光量の設定変更にかけられる時間が長くなることを把握することができ、遊技者の枠ボタンB22を操作する意欲を向上させることができる。
上記第54実施形態では、エンディング表示演出の後に社名表示演出が実行され、その社名表示演出の後に、カード忘れ防止表示演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の表示順は任意に設定可能であり、社名表示演出の前にカード忘れ防止表示演出が実行されるようにしても良い。
また、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出のいずれか2つの演出が同時に実行される(並列で実行される)ように構成しても良い。この場合、表示の重なりを避けるために、第3図柄表示装置B81における表示位置を分けるようにすると良い。これによれば、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出が順に実行される(直列で実行される)場合に比較して、演出を同時に実行させている分だけエンディング演出に要する時間を短くすることができる。
上記第54実施形態では、社名表示演出が実行されるとカード忘れ防止表示演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出と社名表示演出とが実行され、カード忘れ防止表示演出が省略される大当たり種別を用意しても良い。
上記第54実施形態では、エンディング表示演出の後で枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示され、設定を変更することができようになる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示され設定を変更することができる期間が経過した後で、エンディング表示演出が実行されるようにしても良い。
この場合において、枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示される期間は、エンディング演出に入ってから(最終ラウンドのラウンド遊技が終了してから)開始されるようにしても良いし、大当たり遊技における終盤のラウンド遊技の消化中から開始されるようにしても良い。いずれの場合でも、エンディング表示演出から変動演出への移行をスムーズにすることができる。
なお、方向操作部表示B816が表示され方向操作部B45を操作可能となるタイミングは、枠ボタンB22を操作した後に限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813が表示されず、枠ボタンB22の操作を介することなく、方向操作部表示B816が表示され方向操作部B45を操作可能とする場合があっても良い。
上記第54実施形態では、方向操作部表示B816が表示画面の中央に表示され、音量や光量の調整を行っている最中にも特定表示B810が表示画面の端側に移動した状態で視認可能とされており、カード忘れ防止表示演出が継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、離席しようとしている遊技者が音量や光量を改めて調整するはずがないという判断から、音量や光量の調整が実行されたらカード忘れ防止表示演出が消えるように構成しても良い。
上記第54実施形態では、枠ボタン表示B813の表示中に枠ボタンB22を操作したら調整画面に移行するように説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を押している間は調整画面に移行し、枠ボタンB22を離すと操作前の画面に戻るようにしても良い。これにより、音量や光量の設定変更のためには両手操作が最適であることを遊技者に分からせることができ、ハンドルB51から手を離させることができるので、エンディング演出中における球発射を抑制することができる。
なお、遊技者が枠ボタンB22を操作するまえから、「枠ボタンを押した状態で光量や音量の設定変更が可能です」と表示させても良い。これにより、両手操作が必要であることを遊技者に一度で把握させることができる。エンディング演出において両手操作をさせることで、発射しても遊技者にとって利益率の悪いタイミングにおける球の発射を抑制することができる。即ち、報知は、遊技球の発射を抑えた方が遊技者にとって利益が高くなる可能性があるタイミングにおいて、複数の操作手段を同時に操作させる態様で行うようにすれば良い。
また、例えば、枠ボタンB22を操作する度に、音量の設定変更が可能な状態(表示態様)と、光量の設定変更が可能な状態(表示態様)とを、切り替えられるようにしても良い。
また、例えば、エンディング演出中は、枠ボタンB22を押している間は調整画面に移行し、枠ボタンB22を離すと操作前の画面に戻るように制御される一方で、エンディング演出が終了して変動演出の表示画面に移行したら、枠ボタンB22を押していなくても音量や光量の調整を実行できるように制御しても良い。これにより、エンディング演出の終了後にまで両手操作が強いられることを防止することができるので、遊技者は、ハンドルB51を操作しながら音量や光量の設定変更をすることができる。
上記第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタン表示B813に従って枠ボタンB22を操作した場合に特定表示B810が画面の端側に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出の実行中に枠ボタン表示B813に従って遊技者が枠ボタンB22を操作した場合には、特定表示B810としての製造会社名(Aカンパニー)が第3図柄表示装置B81の画面の左上隅(端側)に移動され、それに続けて、特定表示B810にカード取り忘れ防止表示が表示されるようにしても良い。社名表示演出の実行中に、第3図柄表示装置B81の画面中央に方向操作部表示B816を表示させ、遊技者に対して音量や光量の設定変更が可能であることを報知するようにしても良い。
また、特定表示B810が表示画面の端側に表示された状態となっても、規定時間以内(例えば2秒以内)に音量や光量の設定変更が実行されなかった場合には、特定表示B810が画面中央(移動前の配置)に戻るように設定しても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出において音量や光量の設定の変更を行うことができるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出から移行する特殊確変中、確変中や時短中における特別図柄の変動演出のパターンにバリエーション(第1の態様、第2の態様)が設けられている場合に、そのいずれを選択するかの設定の変更を行うことができるようにしても良い。ここで、第1の態様と第2の態様との組合せとしては、任意に設定可能であるが、例えば、白黒表示態様とカラー表示態様との組合せや、漫画的な表示態様とアニメ的な表示態様との組合せや、枠ボタンB22の連打操作を要求する表示態様と枠ボタンB22の長押し操作を要求する表示態様との組合せ等が例示される。
また、例えば、大当たり演出中や、変動演出中に流れる曲(主題歌等)の設定を変更可能な場合は、エンディング演出において曲の設定の変更を行うことができるようにしても良い。エンディング演出ではなく、ファンファーレ演出中でも良いし、ラウンド遊技中でも良いし、ラウンド間インターバル中でも良いし、それらを跨いだ期間でも良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出中に、時間表示B811及び終端位置B812によってエンディング演出の終了タイミングを報知したり、枠ボタンB22の操作に伴って表示演出が変化したりすることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出の終了タイミング又は発生タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、図柄の変動中やリーチ中に行われても良いし、エンディング演出を除く大当たり遊技中の演出中に行われても良い。
例えば、図柄の変動中やリーチ中に行われる場合において、報知される演出の終了タイミングは、特別図柄の変動が停止されるタイミングでも良いし、演出としての疑似連続変動が開始されるタイミングでも良い。前者の場合、特別図柄の保留球数が1減ることで新たな特別図柄の抽選を獲得できるようになるので、遊技者に対して球の発射を促すタイミングとして適切である。後者の場合、特別図柄の変動自体は数分にわたる場合に、その途中のタイミングで短く区切ることで、遊技者の集中力を保つことができる。
リーチ終盤での枠ボタン表示B813に伴う枠ボタンB22の操作が行われると、大当たりであれば大当たり用の表示画面に移行し、はずれであれば、はずれ用の表示画面に移行するように構成することで、枠ボタン表示B813を見ている遊技者に対して特別図柄の変動の結果を分からせ易くすることができる。
例えば、エンディング演出を除く大当たり遊技中の演出中に行われるようにしても良い。ラウンド中における、枠ボタン表示B813及び枠ボタンB22の操作は、例えば、昇格演出(例えば、ファンファーレ演出では4ラウンド大当たりであると演出上報知したが実際は15ラウンド大当たりであることを報知する演出など、ファンファーレ演出での報知により遊技者が得られると予想される利益よりも高い利益を遊技者が得られる大当たりであることを報知する演出)に利用することができる。
特に、上記第54実施形態のように、ラウンド遊技において開口部B751を球が通過するか否かで大当たり遊技終了後の遊技状態が変化する場合において、そのラウンド遊技中に枠ボタン表示B813を表示するようにし、遊技者に対して枠ボタンB22の操作を促すことで、遊技者の注意を開口部B751から逸らし、開口部B751を球が通過したか否かの確認をし損なう事態を生じさせることができる。
パチンコ機B10が、表示画面の正面側に張り出す可動役物を備える場合に、ラウンド中の枠ボタン表示B813に従う枠ボタンB22の操作があり、昇格演出を実行する時に可動役物が表示画面の正面側に張り出すように制御されると、遊技者としては可動役物の動きで昇格演出に成功したことが分かり易い。ラウンド中の枠ボタン表示B813に従う枠ボタンB22の操作があったとしても、昇格演出を実行しない時(ファンファーレ演出での報知と実際の報知が同じである場合)には可動役物が表示画面の正面側に張り出さないように制御することで遊技者に対して昇格演出に失敗したことを分からせ易い。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、所定時間第1図柄の抽選が行われないと実行される遊技説明表示演出(デモ画面)中に実行するようにしても良い。この場合、報知により、遊技説明表示演出が一巡したことを遊技者に分からせることができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、所定時間内で所定の検出口に球を通過させる遊技に関する演出において、所定時間内において所定の検出口を依然として球が通過していない場合に実行するようにしても良い。この場合、報知により、遊技者に球が検出口を通過していないことに気付かせることができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、大当たり遊技におけるファンファーレ演出中や、ラウンド間インターバルにおいて実行するようにしても良い。この場合、演出の終了タイミングで特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが開放されることになるので、遊技者は、球を発射するのに適したタイミングを容易に把握することができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、大当たり遊技におけるラウンド遊技およびラウンド間インターバルを複数含む期間中に行われるようにしても良い。これにより、単一のラウンド遊技やラウンド間インターバルとして設定される時間よりも長時間の演出を構成することができ、その長時間の演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化を実行可能とすることにより、遊技者を飽きさせることなく遊技に集中させることができる。
上記第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出がエンディング演出において実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1図柄の保留球数が0になってから、所定時間が経過した時に実行されるようにしても良い。この場合、大当たりを獲得する前の遊技者に対しても、カード忘れ防止表示演出を視認させることができる。
また、例えば、長時間(例えば、60秒以上)の第1図柄の変動開始時に実行されるようにしても良い。この場合、空き時間で飲み物等の購入をしようと考えている遊技者に対して、長時間の第1図柄の変動が開始されることを報知できると共に、離席時にカード忘れを起こさないように注意喚起することができる。
上記第54実施形態では、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間は、エンディング演出の終了までや、エンディング演出終了後の初回の変動中等までとされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1図柄の変動中における第3図柄の高速変動表示中や、第3図柄の中速変動表示中に設定されても良い。この場合、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間が終了するタイミングから、高速変動表示中から中速変動表示中へ移行するタイミングや、中速変動表示中から低速変動表示中(リーチ表示中等)へ移行するタイミングを、遊技者は把握可能となる。
また、特別図柄の変動中に亘って(低速変動表示中も含めて)、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間を構成可能としても良い。この場合において、方向操作部表示B816を小領域BDs3に表示するようにしても良いし、小領域BDs3と主表示領域BDmとで表示を入替可能としても良い。
この場合において、特別図柄の変動表示中において、調整可能とされる期間が用意されていることを示唆する報知が実行され、その後でその期間の報知が実行され、枠ボタン表示B813等がされ、方向操作部表示B816を表示可能となり音量や光量の調整が可能とされるというように、報知を段階的に行うように構成しても良い。この場合、特別図柄の変動表示中であっても、遊技者の興味を段階的に移すことができるので、調整可能とされる期間が用意されていることに遊技者が気づかない事態が生じることを回避し易くすることができる。
これに加えて、音量光量の調整が次変動以降も有効となるように制御しても良いし、音量光量の調整を行った際に変動していた特別図柄が大当たりとなった場合に、音量光量の調整を維持した状態で大当たり遊技を行うことができるように制御しても良い。
また、例えば、初回の変動中までに限られず、複数回目の変動が終了するまでは光量や音量が調整可能とされる期間が継続するように構成しても良いし、第1図柄の変動が所定の態様(例えば、長時間の変動や、大当たりを獲得する変動など)となるまでは光量や音量が調整可能とされる期間が継続するように構成しても良い。
また、大当たりとなった変動演出の後半においてや、ファンファーレ演出において、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間が用意されても良い。この場合、大当たり中の音量設定を行うことができ、期間の終了のタイミングから大当たり遊技の開始タイミングを遊技者は把握することができる。
上記第54実施形態では、終端位置B812が固定されており、時間表示B811が時間経過と共に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811の移動速度は一定速度とされても良いし、時間表示B811の移動速度が途中で変化可能に構成されても良い。また、例えば、時間表示B811の右端部が逆方向(左側)に移動する場合があるように構成しても良い。
また、例えば、終端位置B812が動くことができるように構成しても良い。即ち、時間表示B811の移動中に、終端位置B812も移動することで、時間表示B811が終端位置B812に到達するまでの時間を予想し難くすることができる。
なお、終端位置B812の移動は、時間表示B811が到達するのを待って、時間表示B811が到達した直後に移動するように構成しても良いし、時間表示B811が終端位置B812に到達する前において移動するように構成しても良い。
また、時間表示B811の移動先としての終端位置B812の移動方向は、左右方向に限定されるものではない。例えば、上下方向に移動しても良いし、渦を巻くように移動しても良い。これにより、時間表示B811が終端位置B812に到達するまでの時間を予想され難くすることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで、方向操作部816が表示画面の中央に表示され、特定表示B810は表示画面に隅に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を操作する前から特定表示B810が表示画面の隅に配置されていても良い。また、例えば、枠ボタンB22を操作することで表示画面の中央付近まで可動役物が張り出し、その可動役物に隠されない位置に特定表示B810の表示位置が変化するようにしても良い。
また、例えば、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで、特定表示B810が消えるように設定しても良いし、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで始めて時間表示B811および終端位置B812が表示されるように構成しても良いし、これらの組合せでも良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出において音量を変更した場合、表示画面における横目盛り表示B818の表示態様が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これに加えて、又はこれに代えて、音量を変更した場合に所定のセリフが出力されるようにしても良い。
例えば、「カードの取り忘れにご注意下さい」というセリフが出力されるように構成する場合、遊技者が音量を変更する度に、遊技者に対してカード忘れに対する注意喚起を行うことができる。
また、セリフの内容、音量または音声(声色)が、変更後の音量に対応して変化するようにしても良い。特に、セリフの内容(例えば、「カードの取り忘れにご注意下さい」又は「カードを確実にお持ち帰り下さい」)や声色が変わる場合(例えば、異なるキャラクターの声色)には、遊技者が自分の好みの音量に設定することを容易にすることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出で注意コメント表示B815や第2注意コメント表示B819に表示されるコメントが、遊技者が設定変更できる対象と一致する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者が設定変更できる対象と一致しないコメントが表示されるようにしても良い。
この場合において、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合に、注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に「大当たり!?」や「大チャンス発生中」という期待表示(大当たりが獲得可能であるかもしれないと遊技者に期待させるコメント表示)を行うことで、遊技者はエンディング演出中に次の大当たりの獲得に期待することができるので、エンディング演出に対する遊技者の注目力を向上させることができると共に、遊技者の枠ボタンB22の操作意欲を高めることができる。
注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に期待表示がされ、既に大当たりの獲得が期待できる場合、球の無駄打ちを避けるため、大当たり遊技が開始されるまでは球の発射を控えることが通常である。そのため、エンディング演出の終了時点に合わせて時間表示B811を終端位置B812に到達させるようにしても、遊技者の注目力を高めることができない可能性が高い。
そこで、時間表示B811を、エンディング演出の終了時点で終端位置B812に到達させる態様ではなく、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成しても良い。この場合、時間表示B811及び終端位置B812に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
この場合において、時間表示B811及び終端位置B812は、エンディング演出において表示開始され大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングまで表示が継続されるようにしても良いし、エンディング演出においては表示されずにその後の変動演出への移行後に表示されるようにしても良い。
前者の場合、エンディング演出を見ている段階から既に大当たりを獲得できていることに遊技者は気付けるので、大当たり遊技の終了直後に球を発射する必要性はないことを遊技者は把握することができる。そのため、遊技者は球の打ち出しを抑えることができる。
後者の場合、エンディング演出から変動演出へ移行されたら大当たりとなる抽選の変動演出を待たずに時間表示B811及び終端位置B812が表示されても良いし、大当たりとなる抽選の変動演出が開始された後または変動演出の開始と同時に表示されるようにしても良い。いずれの場合であっても、遊技者は、変動演出が終了する前から大当たりとなることを把握することができるので、例えば、変動演出が長時間となる(例えば、1変動に10分を要する)場合であっても、遊技者は球の打ち出しを抑えることができるし、保留している始動入賞に大当たりがあることに気付かずに遊技機を離席するという事態を回避し易くすることができる。
なお、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合に、エンディング演出では期待表示を表示しないが、変動演出中に時間表示B811及び終端位置B812が表示され、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成しても良い。
なお、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合において、大当たりとなる始動入賞の個数に対応して表示態様を変えるようにしても良い。例えば、大当たりとなる始動入賞の個数が2個の場合に、「大当たり×2!?」との期待表示を注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に表示するようにしても良いし、「複数回大当たり!?」との期待表示として、複数の大当たりとなるが、大当たりとなる始動入賞が何個あるかは不明とするようにしても良い。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
この時、時間表示B811を、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成する場合には、エンディング演出の終了から最初に大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングとすることで、遊技者の気持ちを大当たり遊技へスムーズに移行させることができる。
また、遊技者が設定変更できる対象と一致しないコメントの表示位置を、小領域BDs3に設定し、枠ボタン表示B813の表示中に枠ボタンB22が操作されることで枠ボタン表示B813が消えたら、そのコメントを視認可能とするように構成しても良いし、コメントの表示を表示画面全体(全画面表示)に設定しても良い。この場合、遊技者の枠ボタンB22の操作意欲を高めることができる。
上記第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出から次の変動演出に移行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、カード忘れ防止表示演出と次の変動表示画面との間に、第3図柄表示装置B81の表示画面に一枚絵(静止画)を表示させるようにしても良い。この場合において、一枚絵の表示開始時点で、図柄変動が開始される場合には、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、一枚絵が表示開始される時点に合うように設定すると良い。
また、大当たり遊技終了後の変動表示画面に移行してから暫くしてから図柄変動が開始されるようにしても良い。この場合には、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、大当たり遊技終了後の変動表示画面に移行してからのタイミングに設定すると良い。
上記第54実施形態では、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達したタイミングを、遊技者が球を発射開始するのに適したタイミングとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811が、遊技者が球を発射することで所定の利益を得られる期間中に表示され、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達したタイミングを、遊技者が球の発射を終了するのに適したタイミングとして構成するようにしてもいい。この場合、時間表示B811が右方に移動している期間中において、遊技者に球を発射させることを促すことができ、且つ、適切なタイミングで球の発射を止めるように遊技者に促すことができる。
また、この場合において、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する前のタイミングにおいて規定の条件が満たされた場合には、第3図柄表示装置B81の表示画面に「準備完了」等の文字列を表示したり、表示画面の表示を切り替えたりして、規定の条件が満たされたことを遊技者に報知するようにしても良い。この場合において、規定の条件が満たされた後においても時間表示B811の表示を維持したままにしても良いし、規定の条件が満たされた場合には時間表示B811の表示を消すようにしても良い。
例えば、特別図柄1(特別図柄2、又は両方)の保留球数が4個(満タン)になることを条件として表示画面に文字列が表示されるように遊技機が制御されていれば、遊技者は文字列を確認することで、球をこれ以上発射しても特別図柄1(特別図柄2、又は両方)の抽選を獲得することができないことを把握することができる。これにより、時間表示B811の移動速度を急激に変化させる等の制御をすることなく、適切なタイミングで球の発射を止めるように遊技者に促すことができる。
上記第54実施形態では、枠ボタンB22を押す前は注意コメント表示B815が表示されており、枠ボタンB22を押した後で第2注意コメント表示B819が表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、枠ボタンB22を押した後も注意コメント表示B815のみが表示され、方向操作部816及び縦目盛り表示B817は表示されるが、横目盛り表示B818の表示はされないように制御しても良い。この場合、枠ボタンB22を押す前から表示されていた注意コメント815の内容と、枠ボタンB22を操作することで設定の変更が可能になる対象(光量)が一致するので、枠ボタンB22の操作に対する遊技者の満足感を高めることができる。
例えば、枠ボタンB22を押す前において注意コメント表示B815が消えており第2注意コメント表示B819のみが表示されている場合には、枠ボタンB22を押した後も第2注意コメント表示B819が表示され注意コメント表示B815の表示はされず、方向操作部816及び横目盛り表示B818は表示されるが、縦目盛り表示B817の表示はされないように制御しても良い。この場合、枠ボタンB22を押す前から表示されていた第2注意コメント819の内容と、枠ボタンB22を操作することで設定の変更が可能になる対象(音量)が一致するので、枠ボタンB22の操作に対する遊技者の満足感を高めることができる。
これにより、遊技者は、自分が設定を変更したい対象(音量または光量)の設定を変更できるか否かを予め確認した上で、枠ボタンB22を操作するか否かを選択することができるので、枠ボタンB22の操作負担を低減することができる。
また、枠ボタン表示B813と、枠ボタンB22を操作した場合における操作対象とが別箇所に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813の三角マークが音符になっている場合には、枠ボタンB22の操作により音量の調整が可能である一方で、枠ボタン表示B813の三角マークが電球マークになっている場合には、枠ボタンB22の操作により光量の調整が可能となるように制御しても良い。即ち、枠ボタン表示B813自体の表示態様を変化させることで、枠ボタンB22の操作により調整可能となる対象を報知するようにしても良い。
また、枠ボタンB22に対応する操作手段が複数あり、それぞれ形状が異なる場合には、枠ボタン表示B813として異なる形状に対応した表示を構成することができるので、枠ボタン表示B813によりどの操作手段を操作すればよいかを遊技者に報知することができる。この場合において、操作される操作手段に対応して、調整可能となる対象が変わるように構成しても良い。
上記第55実施形態では、スライド部材B2450が前突設部B2457と一体成形される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前突設部B2457とスライド部材B2450とが別体で成形され、スライド部材B2450が前後方向にスライド移動することに伴う負荷伝達により、前突設部B2457が上下方向に出没変位することで、球干渉突設部B2458a,B2458bが底面部B431aの上面から張り出す場合と、底面部B431aの上面から張り出さない場合とが切り替えられるように構成しても良い。
この場合、球干渉突設部B2458a,B2458bが前後方向に変位する場合に比較して、球干渉突設部B2458a,B2458bから球に対して与えられる負荷の、中央流路B2431における球の流下方向に沿う成分を小さくすることができるので、球干渉突設部B2458a,B2458bが前方へ変位した際に誤って球を加速させる事態が生じることを避け易くすることができる。
上記第57実施形態では、転動板部B4421と妨害棒部B4425とが一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動板部B4421に妨害棒部B4425を組み付け可能に構成することで、妨害棒部B4425を組み付けずに使用する場合と、妨害棒部B4425を転動板部B4421に組み付けて使用する場合とで、転動板部B4421を兼用することができ、転動板部B4421を共通部品化することによるコストダウンを図ることができる。
また、例えば、転動板部B4421と妨害棒部B4425とを別体で形成し、転動板部B4421の動作時に妨害棒部B4425が連動するよう構成しても良い。これにより、転動板部B4421と妨害棒部B4425との配置の自由度を向上することができる。なお、この場合において、転動板部B4421を駆動する駆動装置を、妨害棒部B4425を駆動する駆動装置と兼用するようにしても良いし、別の駆動装置を用意しても良い。
上記第57実施形態では、転動板部B4421の下流側端部が、案内部B4413の右端部よりも右側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動板部B4421の下流側端部が左方に延長され、案内部B4413の上面に被さるように形成されても良い。この場合、転動板部B4421の上面を転動して流下する球をスムーズに案内部B4413に乗せることができる。即ち、球の重みで転動板部B4421の高さ位置が下がり(沈み込み)、転動板部B4421の上面が案内部B4413の上面よりも低位置に配置され、転動板部B4421の下流側に到達した球が案内部B4413側に移る際の流下抵抗が大きくなる事態が生じることを防止することができる。転動板部B4421の上流側端部や、可変入賞装置B65の開閉部材の両端部においても同様のことがいえる。
上記第57実施形態では、電動役物B4420が前後方向にスライド変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動変位するように構成しても良い。回動変位の回転軸は、例えば、上記第57実施形態において転動板部B4421が出没する開口部(流路構成部B4410の背面側に形成される横長の開口部)において開口部に沿う方向に延びるように配設されても良い。
その回転軸から下方に垂れ下がるように横長矩形状の開閉板を形成する。開閉板が垂れ下がった状態が非案内状態に対応し、この状態において開閉板の下流側端部において妨害棒部B4425に対応するように球の通過を妨害可能な妨害部分が形成される。非案内状態から開閉板が起き上がる方向(後転方向)に90度回動されることで、開閉板が案内部B4413側に球を案内可能な状態とされ、この状態が案内状態に対応する。この状態において、妨害部分は流路構成部B4410の背面側に退避される。
このように構成することで、非案内状態において回転軸よりも板状部B4412側へ球が流れた場合であっても、開閉板が後転方向に変位する際の球の配置次第で、球を回転軸よりも上側に救い上げることができる。
また、回動変位の回転軸は、例えば、上記第57実施形態において転動板部B4421が出没する開口部の下端部において前後方向に延びるように配設されるようにしても良い。回転軸から、第57実施形態における案内状態と同様の方向に開閉板が延びる状態を案内状態として構成する。案内状態から、回転軸を中心に反時計回りに90度回転する状態(非案内状態に対応する)にまで開閉板が回動変位できるように、球入口B4411及び天井部B4414の上下配置が上方に引き上げられている。即ち、本構成によれば、案内状態から、開閉板が反時計回りに90度回動された状態が非案内状態として構成されることとなり、第57実施形態における転動板部B4421と、妨害棒部B4425とが、同じ部分により構成されることになる。
このように構成することで、開閉板が案内状態から非案内状態へ向けて回動される場合に、案内状態において開閉板の上面に乗っている球を、残らず案内部B4413側へ案内することができる。これにより、第57実施形態において電動役物B4420が案内状態から非案内状態へ向けてスライド変位される場合に、案内状態において転動板部B4421の上面に乗っている球がほとんど板状部B4412側に流下することに比較して、案内部B4413側へ球を容易に案内させることができる。
上記第58実施形態では、第2特定入賞口B700aと開口部B751との間に回転変位する球受回転部材B5771が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右に首振り可能に構成される回動部から形成され、球の流下経路を左右いずれかに振り分けるように動作可能としても良い。
また、例えば、スライド変位する開閉板を配設するようにしても良い。この場合において、開閉板を、一対の貯留板部B715の間の領域への流路または開口部B751の開閉に利用するようにしても良い。
また、開閉板が、一対の貯留板部B715の間の領域への流路または開口部B751上に配置されるように構成することで、球の流下経路を切り替えるように構成しても良い。即ち、一対の貯留板部B715の間の領域への流路が開放される一方で開口部B751が閉鎖される状態と、一対の貯留板部B715の間の領域への流路が閉鎖される一方で開口部B751が開放される状態と、を開閉板により切り替え可能に構成しても良い。
上記第58実施形態では、球受凹部B5772に球が1個ずつ受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1を超える所定数(例えば、2個ずつ)受け入れられるように構成しても良い。この場合、球受回転部材B5771が一定速度で回転動作する場合に、一対の貯留板部B715の間の位置に複数個(所定数)の球をまとめて入球させることができる。
上記第58実施形態では、球受回転部材B5771が時計回り方向に常に回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、常時回転動作することは同じとして、所定間隔で反時計回り方向に回転する動作タイミングを入れるようにしても良い。この場合、例えば、球受凹部B5772と流下規制部材B5778との間で球噛みが生じた場合であっても、回転方向が反転することにより球噛みの解消を図ることができる。
また、所定の大当たり種別の場合に、ラウンド遊技の初めの10秒間は球受回転部材B5771が停止され、10秒間が経過した後で球受回転部材B5771が回転動作されるようにしても良い。この場合、初めの10秒間において一対の貯留板部B715側(開口部B751側)に球が流下しないようにすることができるので、釘BKG1の状態として移動上蓋部材B730側に導かれる球よりも逸れる球の方が多いような状態の方が、初めの10秒間における第2特定入賞口B700aの入球個数を減らせることから、開口部B751を球が通過する可能性を高めることができる。
また、大当たり種別ごとに、球受回転部材B5771の回転方向や、回転速度(一定か可変かも含めて)や、回転方向の反転の有無等を設定するようにしても良い。この場合、球受回転部材B5771に対する注目力を向上させることができる。
上記第58実施形態では、第2特定入賞口B700aと球受回転部材B5771との間の距離が、第2特定入賞口B700aから球受凹部B5772に球が流れる際に球が横に零れない程度に狭い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B700aと球受回転部材B5771との間の距離が球の直径よりも長くされ、球受凹部B5772が球で満たされている場合に第2特定入賞口B700aを通過した球は横に零れて傾斜板部B5718bへ流れるように構成しても良い。
この場合、球受回転部材B5771の回転が停止されても第2特定入賞口B700aへの入球が滞ることが無いので、球受回転部材B5771を所定のタイミングで停止させる制御を行うことができる。
ラウンド遊技中において球受回転部材B5771を停止させる時には、次に球受回転部材B5771が動作開始されるまで球が一対の貯留板部B715の間の位置に流入しないようにすることができるので、一対の貯留板部B715の間の位置に球が導入されるタイミングや、開口部B751を球が通過するタイミングを遅らせることができる。
上記第59実施形態では、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングから、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングまでに経過する所定の時間長さは、球が発射されてからスルーゲートB66,B67(目標示唆表示B6822により指し示される位置)に到達するまでに経過する平均的な長さよりも若干長くなるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が発射されてからスルーゲートB66,B67に到達するまでに経過する平均的な長さを比較対象として、スルーゲートB66,B67への入球確率を加味して、より長い時間で上述の所定の時間長さを設計するようにしても良い。
上記第59実施形態では、第3図柄表示装置B81の表示画面に目標示唆表示B6822としてスルーゲートB66,B67を狙うことを促す表示を構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技や、時短状態、確変状態または特殊確変状態における遊技が右打ちで行われる遊技機では、目標示唆表示B6822の代わりに「右打ち」との表示を表示画面に表示させるようにしても良い。また、目標示唆表示B6822が拡大されるタイミングでは、「右打ち」の表示が全体として大型化されるように構成しても良い。または、エンディング演出中に亘り「右打ち」の表示が第3図柄表示装置B81の表示画面のどこかにされるよう構成しても良いし、エンディング演出の途中から「右打ち」の表示が第3図柄表示装置B81の表示画面のどこかにされるよう構成しても良い。
例えば、目標示唆表示B6822がファンファーレ演出で表示される場合、上側可変入賞装置B700の第2特定入賞口B700aや開口部B751を狙うことを示唆するように目標示唆表示B6822を設計しても良い。この場合において、開口部B751で球の通過が検出されるまで、目標示唆表示B6822が、1ラウンド目のラウンド遊技中において表示画面に維持されるように設定される場合、遊技者は目標示唆表示B6822が消えることで球が開口部B751を通過したことを把握することができるため、目標示唆表示B6822に対する注目力を向上させることができる。
また、目標示唆表示B6822のように表示画面においてスルーゲートB66,B67を狙うことを促す方法の他に、例えば、遊技盤B13のスルーゲートB66,B67付近を発光させる発光手段を配設させておき、目標示唆表示B6822がされるタイミングに倣って発光手段を発光させるようにしても良い。これにより、遊技者は、光を頼りにして球を狙う位置を把握することができる。
また、目標示唆表示B6822は、エンディング演出において表示される場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、エンディング演出から変動演出に移行する場合に、その変動演出においても、所定期間は継続して目標示唆表示B6822の表示を維持するように構成しても良い。また、目標示唆表示B6822の表示期間は、所定の時間幅で設定されても良いし、目標とされる入球口での球の入球が(所定個数、例えば第1図柄の保留球数として許容される個数、本実施形態では4個)検出されるまで継続されても良い。
上記第59実施形態では、遊技停止示唆表示B6831が球の発射の停止を促すために使用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技停止示唆表示B6831を、枠ボタンB22の操作の停止を促すために使用するようにしても良い。これにより、枠ボタンB22の操作として不適切なタイミングとは知らずに枠ボタンB22を操作するような遊技者に対して、不適切なタイミングで枠ボタンB22を操作していることを分からせることができるので、遊技負担を低減させることができる。
また、遊技停止示唆表示B6831を、「右打ち」の実行を停止させることを促し、「左打ち」については停止させないような表記(例えば、「左打ちに戻してください」というコメント)で構成しても良い。
また、遊技停止示唆表示B6831の代わりに、電飾部B29~B33や表示ランプB34等を強烈に発光させたり、異常色(例えば、濃赤色)で発光させたりしても良いし、スピーカーから大音量で「球の発射を止めてください」とか「左打ちに戻してください」等のコメントを出力したりしても良い。
上記第59実施形態では、遊技停止示唆表示B6831が、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67での球の通過が検出された場合に表示されると説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、所定の入球口への球の入球が予定されていない期間であるにも関わらず、所定の入球口での入球が検出された場合に表示するようにしても良い。
所定の入球口としては、スルーゲートB66,B67に限られるものではなく、様々な入球口(一般入賞口B63、第1入賞口B64、第2入賞口B640、スルーゲートB67、特定入賞口B65a、第2特定入賞口B700a、開口部B751等)が例示される。
例えば、球の入球が予定されていない期間としては、エンディング演出の実行中の他に、右打ち機(時短状態など所定の期間において右打ちで遊技を行う遊技機)において、所定の期間以外の期間が例示される。即ち、所定の期間以外の期間に、遊技領域の右側に配置される入球口での入球が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示されるように設定することで、不適切なタイミングで遊技者が右打ちすることを抑止することができる。
また、例えば、球の入球が予定されていない期間としては、大当たり遊技におけるファンファーレ演出中やラウンド間第1インターバル時間BInt1が例示される。即ち、ファンファーレ演出中やラウンド間第1インターバル時間BInt1に、入球口での入球が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示されるように設定することで、特定入賞口B65aや第2特定入賞口B700aへの流下経路が開放されていない(閉鎖されている)タイミングにおける球の発射を抑制でき、無駄球の発生を最小限に抑えることができる。
上記第59実施形態では、遊技停止示唆表示B6831により即時の球の発射の停止を促す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の始動口(例えば、第2入賞口B640)の入球に伴う抽選の保留球数に対応して表示を変えるようにしても良い。
即ち、例えば、球の発射により所定の始動口への入球が期待できるよう制御され、保留球数が満タン(4個)となるまで余裕がある場合には(例えば、保留球数が2個の場合には)、遊技停止示唆表示B6831としてその余裕分として遊技者が把握できるコメントを表示したり(例えば、「あと2個」)、遊技停止示唆表示B6831は表示せずに遊技準備示唆表示B6841を表示したりして、保留球数が満タンとなったら、上記第59実施形態で説明したような遊技停止示唆表示B6831や、「準備完了」等のコメントのように球の発射が不要であることを示唆するように構成しても良い。
上記第59実施形態では、球の発射が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示され、球の発射の停止を促す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技停止示唆表示B6831の代わりに、又は遊技停止示唆表示B6831に合わせて、遊技者に利益の有る情報が表示(報知)されるように構成しても良い。これにより、球を無駄打ちしたという残念感だけが遊技者に与えられる場合に比較して、遊技者の残念感を低減させることができる。そればかりか、場合によっては、エンディング演出において遊技者が好んで球を発射するように仕向けることができる。
この場合において、遊技者に利益の有る情報としては、例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が第1図柄の低確率状態なのか第1図柄の高確率状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか確変状態なのか特殊確変状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後に所定の抽選回数が経過した後に電動役物B640aの作動パターンが変化するのか変化しないのかという情報や、現在保留されている第1図柄の抽選の保留球の中に大当たりとなるものがあるのか無いのかという情報や、遊技機が第1図柄の大当たり確率の設定を変更できる(例えば、低確率状態の大当たり確率を、1/320で設定する(設定1)か、1/256で設定する(設定2)かを変更でき、高確率状態の大当たり確率を、1/32で設定する(設定1)か、1/26で設定する(設定2)かを変更できる)よう構成される場合に現在の大当たり確率の設定が示唆される情報などが例示される。
上記第60実施形態では、光量や音量の設定変更を実行してから規定の時間が経過すると、設定変更がキャンセル(初期化)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、設定変更がキャンセルされる条件としては種々の態様が例示される。例えば、遊技が開始される前に表示画面において実行される遊技説明表示(所謂デモ画面)への移行を設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、時刻を判定できるように制御しておいて規定の時刻になることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、当日または複数日での大当たり回数が規定の大当たり回数とることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
また、所定のタイミング(例えば、遊技開始前における遊技説明表示において枠ボタン表示B813が表示されているタイミングや、遊技中において枠ボタン表示B813が表示されていないタイミング等)において枠ボタンB22が操作されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、エンディング演出中に所定の入賞口またはスルーゲートB66,B67で球の通過が検出されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、所定の大当たり種別の大当たりを獲得することを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、上皿B17に貯留される球の量が許容量を超えた場合に報知される球抜き報知が実行されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
また、右打ち遊技すべきではないタイミングにおいてスルーゲートB67で球の通過が検出されるなど球が右側遊技領域B303を流下していると判定された場合に行われるよう設定される報知であって、遊技者に左打ちで遊技を行うことを促すための報知(例えば、「左打ちに戻してください」等の音声を出力する報知、第3図柄表示装置B81の表示画面に左向きの矢印と「左打ちに戻してください」というコメントを表示する報知)が実行されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
上記第60実施形態では、エンディング演出において音量も光量も設定変更可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音量のみを変更できる状態と、光量のみを変更できる状態と、音量も光量も変更できる状態と、を切り替え可能に構成しても良い。この切り替えは、枠ボタンB22の操作で切り替えても良いし、実行される演出に対応して音声ランプ制御装置B113により切り替えられるようにしても良い。
上記第60実施形態では、音量や光量の設定変更がキャンセルされる直前における音量や光量の設定が過去光量表示B7817や過去音量表示B7818により遊技者が把握可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、現在の状態と、直前の設定値との差を表す数値を、「+1」や「-2」等の表示や音声で報知しても良い。この場合、キャンセルされる前の設定に戻すために必要な操作を遊技者に把握させ易くすることができる。
上記第60実施形態では、音量や光量の設定がキャンセルされる前の状態における設定を示唆する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者が音量や光量の設定変更を実行している際に、設定変更前の設定が示唆されるように構成しても良い。この場合、遊技者が意図的に変更をかけたとしても、実際変更してみたら気に入らなかったというのであれば、元の設定に容易に戻すことができる。そのため、音量や光量の設定変更に対するハードルを下げることができる。
上記第61実施形態では、点在する枠ボタン表示B8813が合体したら実体化し、枠ボタンB22の操作が有効となる表示態様を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22の操作を促す表示としてではなく(操作に関わる表示であるか否かに関わらず)、エンディング演出の経過時間の目安となる演出として、半透明の枠ボタン表示B8813が所定のタイミングで実体化するように構成しても良い。
また、例えば、半透明な単一の枠ボタン表示B8813が移動または停止しており、所定のタイミングで半透明な状態と実体化される状態とで切り替えられるように表示しても良い。この場合、枠ボタン表示B8813が実体化されるタイミングを遊技者が予想し難くすることができるので、枠ボタン表示B8813に対する注目力を向上させることができる。
上記第61実施形態では、枠ボタン表示B8813が実体化するタイミングを枠ボタンB22の操作タイミングとして表示する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811が移動する横長形状の枠に枠ボタンB22の操作タイミングを示唆するマークやコメント(「PUSH」等)などを表示するようにしても良い。この場合、時間表示B811を、エンディング演出の終了タイミングを示唆する目的と、枠ボタンB22の操作タイミングを示唆する目的とで兼用することができる。
上記第61実施形態では、点在している枠ボタン表示B8813が、移動して合体した後で更に離れる方向に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B8813が合体して実体化した後、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を過ぎたら、枠ボタン表示B8813が消えるように制御しても良い。
上記第61実施形態では、枠ボタン表示B8813が半透明か実体化しているかが、枠ボタンB22の操作が有効となるか無効となるかに対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B8813が実体化している期間において、枠ボタンB22の操作が無効となる状態と、枠ボタンB22の操作が有効となる状態とを構成しても良い。
例えば、枠ボタンB22の操作の有効または無効の切替のタイミングは上記第61実施形態で説明した態様と同じに設定しながら、カード忘れ防止表示演出が開始された直後から枠ボタン表示B8813が表示画面の中央で実体化されて表示されるように構成しても良い。
上記第61実施形態では、各期間BT81,BT82,BT83が枠ボタンB22の操作が無効になる期間と有効になる期間との区切りとして設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各期間BT81,BT82,BT83はそれぞれ枠ボタンB22の操作が有効とされ、各期間BT81,BT82,BT83の違いは、枠ボタンB22の操作により移行する演出態様の違いとして設定されるようにしても良い。
即ち、第1期間BT81において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更が可能となるが光量の設定変更は可能とならない調整表示画面に移行し、第2期間BT82において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更も光量の設定変更も可能となる調整表示画面に移行し、第3期間BT83において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更が可能とならず光量の設定変更は可能となる調整表示画面に移行するようにしても良い。また、これとは別に、各期間BT81,BT82,BT83の違いを、枠ボタンB22の操作により移行する演出表示(表示が実行される動画)の違いとして設定されるようにしても良い。
上記第61実施形態では、各期間BT81,BT82,BT83が同じ長さに設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。各期間BT81,BT82,BT83の長さは任意に設定可能であり、その設定内容は種々の条件に対応させることができる。
例えば、大当たり種別ごとに各期間BT81,BT82,BT83の長さの設定を変えるようにしても良いし、確変状態が複数回続く連荘継続中においては今更設定を変更する可能性は少ないとして第2期間BT82を短くするように設定しても良い。
また、特に音量や光量が大きくなる大当たり種別(最大ラウンドの大当たりや、格別に演出が激しい(長い)大当たり)の場合には設定変更を実行し易いように第2期間BT82を長くするように設定しても良い。この場合において、第1期間BT81を短く設定しておくと、エンディング演出において音量や光量の設定変更を実行する期間を長く確保することができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記第61実施形態では、枠ボタン表示B8813の表示態様に従い枠ボタンB22を操作することで光量や音量の設定変更を実行可能となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を操作することで、遊技者に利益の有る情報が表示されるようにしても良い。
この場合において、遊技者に利益の有る情報としては、上述したのと同様に、例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が第1図柄の低確率状態なのか第1図柄の高確率状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか確変状態なのか特殊確変状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後に所定の抽選回数が経過した後に電動役物B640aの作動パターンが変化するのか変化しないのかという情報や、現在保留されている第1図柄の抽選の保留球の中に大当たりとなるものがあるのか無いのかという情報や、遊技機が第1図柄の大当たり確率の設定を変更できる(例えば、低確率状態の大当たり確率を、1/320で設定する(設定1)か、1/256で設定する(設定2)かを変更でき、高確率状態の大当たり確率を、1/32で設定する(設定1)か、1/26で設定する(設定2)かを変更できる)よう構成される場合に現在の大当たり確率の設定が示唆される情報などが例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図1565左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図1565右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400,C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400,C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400,C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400,C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が開放位置へ変位(回転)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、変位部材D180が開放位置に配置され、転動部材D170,D3170,D8170が第2位置に配置された状態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置されるように形成しても良い。この場合には、第6通路DRt6に球が流下(入球)されると、第6通路DRt6に球が流下(入球)され難くなる側へ変位部材D180が変位(回転)される。よって、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)し、その第1の球が第6通路DRt6の終端に達するまでの間に、第2の球が第6通路DRt6に流下(入球)されることを、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)される場合よりも困難として、遊技の興趣を高めることができる。
なお、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成する場合には、転動部材D170,D3170,D8170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190に伝達される構造を、上述した場合(第68実施形態から第75実施形態の場合)と逆向きとすれば良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が上述した場合と逆方向に回転されるように、伝達部D173,D3173と被伝達部D193,D3193の位置関係を設定すれば良い。
具体的には、被伝達部D193を転動部材D170から離間する方向(図1612(a)右側、矢印R方向)へ延設させると共に、その被伝達部D193の上方まで伝達部D173を延設し、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D173が被伝達部D193を下方(矢印D方向)へ押し下げる(即ち、第68実施形態の場合とは逆回り(図1612(a)において時計回り)に伝達部材D190を回転させる)構成とすれば良い。
また、被伝達部D3193を転動部材D170側(図1617(a)左側、矢印L方向)へ延設させると共に、その被伝達部D3193の下方まで伝達部D3173を延設し、転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D3173が被伝達部D3193を上方(矢印U方向)へ押し上げる(即ち、第70実施形態の場合とは逆回り(図1617(a)において時計回り)に伝達部材D3190を回転させる)構成とすれば良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により変位させる(転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により一対の変位部材D180へ伝達する)場合を説明したが、2の伝達部材を設け、一対の変位部材D180の一方を第1の伝達部材により、他方を第2の伝達部材により、それぞれ変位させる(転動部材D170,D3170又は第2転動部材D4220の変位を第1の伝達部材および第2の伝達部材により一対の変位部材D180の一方および他方へそれぞれ伝達する)構成としても良い。
この場合、例えば、転動部材D170の変位を第1の伝達部材により、第2転動部材D4220の変位を第2の伝達部材により、それぞれ伝達する構成としても良い。これにより、変位部材D180の変位態様を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第6通路DRt6において、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面と中間部材D140,D6140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされ、また、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされる場合を説明したが、これら両対向間隔のうちの少なくとも一方の対向間隔を上下方向に沿って変化させても良い。
例えば、上方(矢印U方向、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から離間する方向)へ向かうに従って、対向間隔が狭くされるようにしても良い。これにより、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から跳ね上がった球を速やかに下降させ、球の重量を作用させやすくできる。かかる技術思想は、第8通路DRt8における対向間隔においても同様である。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面から突部D131f,D141gをそれぞれ突設する場合を説明したが、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面に凹部をそれぞれ凹設する構成としても良い。凹部によっても球の通過(転動)を遅延させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の通過を遅延させる遅延手段の一例として、突部D131f,D141gを例示したが、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を通過(転動)する球が当接可能な位置に配設され、その当接により変位または変形される手段(例えば、風車、金属製の弾性ばね(板ばねやコイルばね)、樹脂製の弾性片、ゴムシートなど)が例示される。即ち、球との当接により発生するエネルギー(運動エネルギーや粘性抵抗)を利用して、球の通過を遅延させる手段が例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を平坦面とする場合を説明したが、その上面(転動面)に凹凸や段差を設けても良い。これにより、球に抵抗を付与して、その通過(転動)を遅延させられる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)しやすくされる場合を説明したが、これとは逆の構成としても良い。即ち、変位部材D180の初期位置を開放位置とし、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、変位部材D180を閉鎖位置へ配置することで、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)され難くなるようにしても良い。この場合には、第6通路DRt6への球の流入(入球)よりも第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流入(入球)の方が有利な遊技状態としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ伝達する伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を設ける場合を説明したが、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を省略しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220と変位部材D180(変位部材D180ユニット)とを直接連結し、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ直接伝達する構成としても良い。
例えば、転動部材D170,D3170,8170又は第2転動部材D4220に、伝達部材D190(本体部D194)の溝D194L,D194Rを設け、その溝D194L,D194Rに軸支部材D210の連結ピンD213を連結(挿通)させる。これにより、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190が省略される分、部品点数を削減して、製品コストを低減できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される一方、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されない場合を説明したが、これらを逆としても良い。
即ち、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されず、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される構成としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180が回転可能とされる場合を説明したが、一対の変位部材D180の少なくとも一方(又は両方)がスライド変位可能とされる構成でも良い。スライド変位される構成であっても、第6通路DRt6への球の入球のしやすさを変化させ、遊技の興趣を向上できる。なお、スライド変位の態様としては、直線に沿って変位される態様、曲線に沿って変位される態様、直線と曲線とを組み合わせた形状に沿って変位される態様が例示される。
この変位態様については、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190についても同様であり、これらのうちの少なくとも1つ(又は全部)がスライド変位可能とされる構成でも良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が自重により初期位置へ復帰可能に構成される場合を説明したが、初期位置へ復帰させる方向へ付勢力を付与する付勢手段を設けても良い。これらの初期位置への復帰を速やかに行わせることができれば、変位部材D180の閉鎖位置への速やかな配置を可能とでき、遊技の興趣を向上できる。なお、付勢手段としては、コイルばね、板ばね、ねじりばね、ゴム状弾性体などが例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位部材D180が一対配設される場合を説明したが、変位部材D180の配設数は、1個であっても良く、3個以上であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化される場合を説明したが、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されない形態であっても良い。例えば、一対の変位部材D180の一方と他方との変位(回転)方向が同方向とされる形態(対向間隔を一定としつつ、変位部材D180の先端側の開放部分の位置が左右(矢印L-D方向)に変位される形態)であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180の一方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動し、一対の変位部材D180の他方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる場合を説明したが、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動する構成としても良く、或いは、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる構成としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突部D131f,D141gが延設方向(上下方向)に沿って連続して形成される場合を説明したが、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って非連続に形成(断続的に形成)しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗を付与しやすくできる。この場合、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って千鳥状に配置しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗をより付与しやすくできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、説明を省略したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)され、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下した球が、本体部D172,D3172における転動方向と逆方向(矢印R方向)へ移動することを規制する規制手段を設けても良い。規制手段は、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれに設けても良い。また、規制手段としては、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれかから立設され、球に当接可能に形成される形状の部位が例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下される場合を説明したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140に形成される部位(受け部)の上面に落下され、その受け部から転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172へ球が流入(転動)される構成でも良い。落下の衝撃が収まった(小さくなった)状態で、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172が球を受け取れるので、球の重量が作用する初期段階での変位部材D180のばたつき(振動)を抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とが、上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される(即ち、前後方向(矢印F-B方向)に位置を違えて配設される)場合を説明した。この場合には、下側フレームD86b~D8086bの上下方向(矢印U-D方向)の寸法を抑制できる。但し、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とを、正面視(矢印B方向視)において並列に配設(並設)する(即ち、上下方向(矢印U-D方向)に位置を違えて配設する)構成でも良い。この場合、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とは、上面視(矢印D方向視)において、重なることが好ましい。その分、下側フレームD86b~D8086bの前後方向(矢印F-B方向)の寸法を抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170と第2転動部材D4220とが上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される場合を説明したが、転動部材D170と第2転動部材D4220とを上面視(矢印D方向視)において直列に配設(長手方向に沿って直線状に配設)しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、表示部D7197を本体部D194に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示部D7197を錘部D195に配設しても良い。即ち、表示部D7197を、錘部D195の外縁に配設し、その錘部D195の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設させても良い。
この場合には、表示部D9197の配置を上述した場合とは逆の配置とする(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態で表示部D7197を遊技者から視認不能とし、変位部材D180が開放位置に配置された状態で、表示部D7197の突出量を最大とする)ことができる。また、表示部D7197の重量を利用して、錘部D195に埋設する金属製の錘の量を減らす(又は省略する)ことができ、その分、部品点数を低減して、材料コストの低減を図ることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2突部D131faが複数(本実施形態では5本)の突部D131fのうちの一部(本実施形態では2本)のみに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2突部D131faの形成本数は任意であり、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数の突部D131fの全部に第2突部D131faを形成しても良い。また、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良く、正面視において中間部材D140の開口D6148と重ならない突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D8170が第1位置に配置された状態において、第2突部D131faの上面が本体部D172の上面(転動面)から突出する寸法は、上流側(軸D171から遠い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各第2突部D131faにおいて同一の寸法としても良い。或いは、下流側(軸D171に近い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、介設部材E140の転動部E141の長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E134aと流路調整ブロックE170との間に対応する位置には、転動部E141の上面が背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される傾斜面が形成されても良い。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を往復動する球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球する可能性を生じさせることができる。第5通路ERt5へ送球された球は、第7通路ERt7へ案内される可能性があるため、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、中央通路E160の架設通路E161には背面壁E161aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面壁E161aに加え、架設通路E161の前端側(矢印F方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される前面壁が形成されてもよい。これにより、架設通路E161に案内された球が、架設通路E161の前端側の縁を通過して第2斜面部E135へ流下(落下)されることを抑制できる。従って、架設通路E161に案内された球が上方孔E162を通過し易くできる、即ち、第4通路ERt4を流下して第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、正面板E111に張出し部E111bが突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出し部E111bが突設されなくても良い。これにより、介設部材E140の転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ送球される可能性を生じさせることができる。即ち、転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、駆動モータE191により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位(往復動)し、上記第62実施形態から第103実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位(回動)する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バイブレータにより振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位されても良い。これにより、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を左右方向(矢印L-R方向)へ変位(往復動)できるのに加え、前後方向(矢印F-B方向)へも変位(往復動)できる。その結果、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150上を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)させ易くできる。また、上記第62実施形態から第103実施形態では、背面板E137と突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151との間に球が挟持されることを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が前後方向(矢印F-B方向)に並設されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第1伝達部材E194の第1ラック部E194dと第2伝達部材E195の第2ラック部E195bとの間にピニオンギヤE196が一つ配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数のピニオンギヤが配設されてもよい。この場合、各ピニオンギヤの歯数を異ならせる、即ち、減速機として作用させることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度とを異ならせることができる。また、ピニオンギヤが偶数個配設されることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)との変位方向を同一にできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、挿通孔E133a,E9133a,E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に形成される溝部E133c,E9133c,E10133cが、同一形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非同一形状に形成されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150を左右方向(矢印L-R方向)に往復動させると共に、上面視において鉛直方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動する態様に変位させることができる。詳細には、被係合部E153(係合凹部E153a)を回動軸として振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の湾曲部E131側と中央通路E160側とで前後方向(矢印F-B方向)に異なる方向に変位させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面から突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面に凹設される凹部に形成されても良い。また、凹部は、その外縁が不連続とされても良く、突出される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151どうしの間に形成される空間が凹部とされても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突起部E151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に垂直な方向視において略六角形状に形成され、第87実施形態では、突起部E12151は、球状に形成され、第88実施形態では、突起部E13151は、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成され、第89実施形態では、突起部E14151は、振分通路E14150に垂直な方向視において円状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、略五角形状や略七角形状など略多角形状、もしくは、多角錐状に形成されても良い。また、円柱状に形成されても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されても良い。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度は同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度が各側面でそれぞれ異なっていても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を略直交とさせることで、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。また、例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を傾斜方向上昇側に形成される側面の傾斜角度よりも小さくすることで、球を傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)させ易くできる。その結果、球の移動(流下、落下)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に複数の突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一つの突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されれば良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面の一部に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面への突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔は一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔がそれぞれ異なっても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向(矢印F-B方向)中央側に配設される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔を大きくすることで、前後方向両端側に送球された場合と比較して、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する回数を減らすことができる。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側において、球は、傾斜方向に沿って流下し易くなる。即ち、球の流下方向が変更(変化)され難くできる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側に送球された球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。また、突起部E151,E13151,E14151,E15151の対向間距離(配設間隔)が、球の直径の略4分の1より大きくてもよく、球の直径の略4分の1より小さくても良い。対向間距離(配設間隔)を大きくすることで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面を移動(流下、転動)する球の流下速度を大きくした状態で球を突起部E151,E13151,E14151,E15151に当接させることができ、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が連続的に変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動を断続的に行うことで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が断続的に変位されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を流下する球に慣性力を付与でき、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する際の衝撃力を変更(変化)でき、球の移動(流下、転動)方向の変更(変化)を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が駆動モータE191により駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ソレノイドや弾性ばねにより駆動されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、駆動モータE191の軸に駆動力伝達部材E193が固着され、駆動モータE191の一方向への回動により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が往復動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動方向を切り換えることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を往復動させても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球が流下可能に振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151により球の流下が抑制されても良い。これにより、後行する球は、流下が抑制された先行する球に当接することができ、後行する球の流下方向を変更(変化)できる。即ち、流下が抑制された先行する球は、後行する球に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151と同様の効果を奏することができ、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を流下する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。また、球の流下方向を不規則に変更(変化)できる。なお、流下が抑制された先行する球に後行して流下する球が当接することで、先行する球が流下を再開できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して略45度傾斜して形成され、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面が45度よりも大きく傾斜しても良く、45度よりも小さく傾斜しても良い。また、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1よりも高く形成されても良く、球の半径の略2分の1よりも低く形成されてもよい。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を大きく、もしくは、突設高さを高くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。一方、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を小さく、もしくは、突設高さを低くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。また、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151を乗り越えて振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)し易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に規制片E153bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制片E153bが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150はその傾斜面に対し垂直な方向に変位できる。詳細に説明すると、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に流下(落下)する球の自重が作用することで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150は、第1伝達部材E194,E4194,E5194、第2伝達部材E195,E4195,E5195、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199に係合される係合部E194cを軸として回動できる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の傾斜角度を変更(変化)でき、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)を流下する球の移動(流下、転動)時間を延長(変化)できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150に切欠き部E150aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切欠き部E150aが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の上面に形成される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の数を増やすことができる。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150から中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球し易くできる、即ち、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが同一の態様に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで、配設される突起部E151の配設個数又は配設間隔が異なっていても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150がそれぞれ遊技盤E13の幅方向(図1628左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1628左右対称)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが非対称に変位しても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が形成されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150が弾性ばねE2190により変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150に加え、湾曲部E131及び壁板E132が弾性ばねE2190により変位されても良い。これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)を移動(流下、転動)する球の前後方向(矢印F-B方向)の変位速度を変化(変更)させることができ、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接しなくても良い。この場合、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径よりも小さくすることで、球が湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との間から流出することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、平面部E2133と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設されても良い。この場合、弾性ばねE2190は伸びた状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との当接状態が維持される、もしくは、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径より小さい状態に維持される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータやソレノイドにより変位されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、支持軸E20jにより平面部E2133と振分通路E2150,E3150とが係合され、弾性ばねE2190がコイルばねとして構成され、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位(回動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弾性ばねE2190がねじりばねとして構成されても良い。この場合、ねじりばねを支持軸E20jに係合しておけばよく、これにより、弾性ばねE2190を係合するための支持突起E2133a,E2150aの配設を抑制できる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E2150,E3150が前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として回動され、第86実施形態では、振分通路E11150が上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150が左右方向(矢印L-R方向)を回動軸として回動されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150を移動(流下、転動)する球を前後方向(矢印F-B方向)に移動させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向の変化を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、平面部E2133の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持部E2133bが支持突起E2133aよりも中央通路E160側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部E2133bが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持突起E2133aが支持部E2133bよりも中央通路E160側に形成されても良い。また、支持突起E2133aが長手方向両端側と、その支持突起E2133aよりも長手方向中央側に形成され、長手方向におけるそれら支持突起E2133aの間に支持部E2133bが形成されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に突起部E151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151が配設されなくても良い。即ち、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面が平坦に形成されても良い。これにより、振分通路E150から流下(落下)される球の変位を遊技者に予測し易くできる。また、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の一部には突起部E151が配設され、残りの他部には突起部E151が配設されなくても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2振分通路E4150が、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150の前後方向(矢印F-B方向)における長さが、振分通路E150の前後方向における長さよりも大きく形成されても良い。これにより、第2振分通路E4150に移動(流下、転動)された球を介設部材E140へ案内(送球)し易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150が第1位置に配置された状態において第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも上方孔E162(中央通路E160)側に位置しても良い。これにより、振分通路E150を流下(落下)した球を第2振分通路E4150,E16150へ送球させ易くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図1628参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150,E17150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第3振分通路E5150,E17150は、短手方向(矢印F-B方向)における全部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設されても良い。これにより、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前後方向(矢印F-B方向)において、第3振分通路E5150,E17150が、中央通路E160よりも介設部材E140側(矢印F方向側)に配設されても良い。これにより、第3振分通路E5150が第3位置に配設される場合と同様、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が架設通路E161(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、斜面部E7154が直線状に形成され、第83実施形態では、湾曲ガイド部E8133dが円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、斜面部E7154が円弧状に湾曲して形成され、湾曲ガイド部E8133dが直線状に形成されても良い。また、斜面部E7154又は湾曲ガイド部E8133dが直線と円弧を組み合わせた形状に形成されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームE9086bは、遊技盤E13の幅方向(図1628左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1628左右対称)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下側フレームE9086bが非対称に形成されても良い。例えば、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方に形成される溝部E9133cは、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成され、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の他方に形成される溝部E9133cは、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成されても良い。例えば、上面視においてベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方と他方とで溝部E9133cが同一に形成され、振分通路E150の変位の態様が同一であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、単一の曲線から形成されても良く、また、直線と曲線とが組み合わされた形状に形成されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁には、案内切欠き部E16154a,E17154aを除き、案内部E16154,E17154が立設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも外縁の一部に形成されれば良い。これにより、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁に案内部E16154,E17154が非形成の場合と比較して、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位部材F130の壁部F132の背面または転動面F131bの上面に突部が形成されても良い。これにより、転動面F131b(第3通路FRt3)を移動(流下、転動)する球が凹部F131cへ振り分けられる(案内される)ことを遅延させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086b(確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143a)が変位(回転)されても良い。例えば、変位部材F130に検出手段が配設され、変位部材F130の転動面F131bへ球が案内された、又は、変位部材F130が変位(回転)されたことを検出手段が検出することで、駆動装置を駆動させても良い。
なお、検出手段としては、カメラ、重量センサ、変位センサ、トルクセンサ等が挙げられる。また、例えば、ソレノイドがスライド部材F144のスライド本体部F144aを左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて押進することや、駆動モータが開閉部材F143を回転させることで遮断部F143aが変位(回転)される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、他方側に配設される確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが変位しても良く、一対の遮断部F143aが変位しても良い。例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される変位部材F130の変位(回転)により、右方側(矢印R方向側)に配設される確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが変位しても良く、一対の遮断部F143aが変位しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、伝達軸F183の偏心軸F183cが伝達部F183bの軸心(軸部F183a)に偏心して配設され、伝達部F183bの軸心を中心とした円状に変位されることで、演出手段F120の可動部材F122が動作(上下方向に往復動)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動手段F180がラックアンドピニオン機構(ラック部材およびピニオン部材)から構成されることで可動部材F122が動作されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが一対配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遮断部F143aが1個配設されても良い。例えば、一方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、遮断部F143aが一方側へ向けて変位され、他方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、遮断部F143aが他方側へ向けて変位されることで遮断部F143aの変位の態様を増やすことができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、上側フレーム通路FRt0,FRt50に流入(入球)した球は、上側通路F114,F5114、或いは、下側通路F112,F5112へ送球されても良い。これにより、下側通路F112,F5112へ球が振り分けられ易くなり、下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086b,F5086bが開放状態に動作されることを遊技者に一層期待させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、上側フレーム通路FRt0,FRt50は、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の幅方向における中心に対し線(面)対称に配設される、即ち、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013のの右方側に配設されても良く、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の幅方向における中心に対し線(面)対称にそれぞれ配設されても良い。従って、遊技領域から上側フレーム通路FRt0,FRt50に流入(入球)した球は、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の右方側に配設された上側フレーム通路FRt0,FRt50から遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の右方側に配設される第1通路FRt1,FRt51へ流入(入球)されても良く、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の左方側または右方側に配設された上側フレーム通路FRt0,FRt50の一方から遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の左方側または右方側に配設される第1通路FRt1,FRt51の一方へ流入(入球)されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合、かかる開閉部材F2143の変位(回転)を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合には、開閉部材F2143の変位(回転)に連動して変位(スライド又は回転)可能とされ、且つ、変位部材F130が球の重量により変位されることで、開閉部材F2143が変位(回転)された場合には、開閉部材F2143に連動せず、非変位とされる所定部材を流入口FOPf1よりも上流に設け、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合、所定部材が変位(スライド又は回転)され、かかる所定部材によって、流入口FOPf1へ球が流入し難くなるように構成しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF5086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により変位手段F5150の開閉部材F5158が変位(回転)されても良い。例えば、変位部材F5155に検出手段が配設され、変位部材F5155の本体部F5155dへ球が案内された、又は、変位部材F5155が変位(回転)されたことを検出手段が検出することで、駆動装置を駆動させても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dと維持手段F5160の磁性体F5164とが磁着されることで右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)の動作(回転、変位)が規制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aとスライド部材F5157のスライド本体部F5157aとの対向間にソレノイドが突出されることでスライド部材F5157の変位が規制されることや、スライド本体部F5157aに磁性体が配設され、その磁性体が第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに配設される電磁石に着磁されることで右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)の動作(回転、変位)が規制されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球CB51に作用する慣性力を利用して球CB51の移動(流下、転動)が再開される(保持部F5155eによる保持が解除される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下側フレームF5086bの開放状態における保持部F5155eの下方(上方)となる位置に磁性体が配設され、その磁性体と球CB51との間に作用する反発力により、球CB51の移動(流下、転動)が再開されても良い。また、下側フレームF5086bに駆動装置(例えば、ソレノイドや駆動モータ)が配設され、駆動装置の駆動により球CB51が変位されることで球CB51の移動(流下、転動)が再開されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位部材F5155のうちの左側変位部材F5155L及び右側変位部材F5155Rが同時に球を受け取り可能(第2通路FRt52から球が流入可能)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。
例えば、左側変位部材F5155Lと右側変位部材F5155Rとが連動するように構成し、且つ、左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方が球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された状態では、他方が球を受け取り不能な位置(球の重量が作用した場合に変位可能な範囲の終端)に配置されるようにしても良い。即ち、左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方が球を受け取ると、その球の重量により、上記変位可能な範囲の終端へ向けて一方が変位されると共に、球を受け取り可能な位置(初期位置)へ向けて他方が変位され、球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された他方が球を受け取ると、その球の重量により、上記変位可能な範囲の終端へ向けて他方が変位されると共に、球を受け取り可能な位置(初期位置)へ向けて一方が変位される。
この場合、球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された変位部材F5155(左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方)に対応する開閉部材F5158(左側開閉部材F5158L又は右側開閉部材F5158Rの一方)は、流入口FOPf51へ球を流入し難くさせる位置へ配置され、上記変位可能な範囲の終端に配置された変位部材F5155(左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの他方)に対応する開閉部材F5158(左側開閉部材F5158L又は右側開閉部材F5158Rの他方)は、流入口FOPf51へ球が流入し易くする位置へ配置される。但し、その逆の配置であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1と挿通孔F6162a2とが前後方向(矢印F-B方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左右方向(矢印L-R方向)に並設され、例えば、挿通孔F6162a1が挿通孔F6162a2よりも左右方向両端側に並設されても良い。これにより、球が挿通孔F6162a1へ流入される、或いは、挿通孔F6162a2へ流入されることを遊技者に視認させ易くできる。
この場合、下側通路F6112(第2通路FRt62)を正面側(背面側)へ向けて下降傾斜される。これにより、一方側の挿通孔F6162a1へ流入した球は一方側の挿通孔F6162a2へ流入した球と比較して正面側(背面側)へ向けての変位量が大きく、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過して他方側の上側通路F6114へ案内(送球)され、挿通孔F6162a2へ流入した球は、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過せずに一方側の上側通路F6114へ案内(送球)される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球が上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cと第2傾斜部F6114dとを往復動可能となる位置に当接部F6173bが配設されても良い。これにより、当接部F6173bと当接可能となる位置に球を複数回到達させることができ、球を流入口FOPf61へ流入させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作後状態において、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB61が当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで、球CB61が第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cが正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜される、背面部材F6150の背面板F6151に電磁石が配設される、又は、背面板F6151に正面側へ向けて風を送る送風装置が配設されることにより、球CB61が第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位通路部材F6174の通路部F6174a又は第2変位通路F7180の転動面F7181a1の上面に突部が形成されても良い。これにより、通路部F6174a又は転動面F7181a1から球が流出(流下、排出)されることを遅延させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bを動作前状態から動作後状態、或いは、動作後状態から動作前状態へ向けて動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bが動作され(振分手段F6170の変位部材F6173,F10173が変位され)ても良い。例えば、変位通路部材F6174又は第2変位通路F7180に検出手段が配設され、変位通路部材F6174の通路部F6174a又は第2変位通路F7180の転動面F7181a1へ球が案内された、又は、変位通路部材F6174又は第2変位通路F7180が変位(回転)したことを検出手段が検出することで、駆動装置が駆動されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、動作後状態における振分手段F6170の状態を維持する(変位を規制する)ための維持手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bに形成されても良い。これにより、変位通路部材F6174から球が流出(流下、排出)された場合、言い換えると、変位通路部材F6174に球の重量が作用されない状態においても、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bを動作後状態に維持でき、遊技の興趣を高めることができる。例えば、変位通路部材F6174の底面に磁性体が配設され、貫通孔F6143の内周面に電磁石が配設され、それら磁性体と電磁石とが着磁されることで振分手段F6170の変位が規制される。
なお、かかる維持手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bに形成される場合、少なくとも1球が流入口FOPf61へ流入されることを契機として維持手段による振分手段F6170の変位の規制を解除する解除手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086bに形成されても良い。これにより、流入口FOPf61への球の流入が確実化される。即ち、少なくとも1球が流入口FOPf61へ流入されるまでの間、遊技者に安心感が付与され、興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作後状態から動作前状態への動作における当接部F6173b,F10173bの変位方向には、第1傾斜部F6114cを当接部F6173b,F10173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、動作前状態から動作後状態への動作における当接部F6173b,F10173bの変位方向に、第1傾斜部F6114cを当接部F6173b,F10173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれても良い。これにより、球CB61と当接部F6173b,F10173bとの当接により当接部F6173b,F10173bが動作前状態における配設位置へ変位されることを抑制でき、球CB61を第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ確実に振り分けることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作前状態から動作後状態への動作において、変位部材F6173,F10173が第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変位部材F6173,F10173が前後方向(矢印F-B方向)を軸として回転されても良い。これにより、変位部材F6173,F10173を左右方向に変位させるための空間を不要とでき、設計の自由度を向上させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により変位部材F6173を変位させ、流入口FOPf61への球の流入のし易さを変化させる形態を説明したが、かかる形態を他の実施形態に適用しても良い。
例えば、所定位置(例えば、上側フレーム通路FRt0よりも上流(遊技盤F13上の遊技領域(球の流下加納な領域))、又は、上側フレーム通路FRt0よりも下流(下側フレームF86bの遊技領域(球の流下加納な領域))にセンサF11001を配設し、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により開閉部材F143を変位(開放または閉鎖)させ、流入口FOPf1への球の流入のし易さを変化(流入し易くする、又は、流入し難くする)させても良い。
また、例えば、所定位置(例えば、上側フレーム通路FRt0よりも上流(遊技盤F13上の遊技領域(球の流下加納な領域))、又は、上側フレーム通路FRt0よりも下流(下側フレームF86bの遊技領域(球の流下加納な領域))にセンサF11001を配設し、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により抑制部F4134(変位部材F4130)を変位(開放または閉鎖)させ、第2振り分け孔F161b(第1振り分け孔F161a、即ち、流入口FOPf1)への球の流入のし易さを変化(流入し易くする、又は、流入し難くする)させても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、センサF11001を挿通孔F6162a2に配設したが、その配設位置は任意に設定できる。例えば、挿通孔F6162a1に配設しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して、所定の部材を変位させ、かかる所定の部材の変位により、他の球が第1の流入口へ入球し易くされ、その結果、かかる他の球が第2の流入口へ入球し易くなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、球の重量を利用して、所定の部材を変位させ、かかる所定の部材の変位により、他の球が第1の流入口へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が第2の流入口へ入球し易くなるように構成しても良い。
例えば、第1入賞口64を第5通路FRt5の流出面F112bの鉛直方向下方に配置し、且つ、変位部材F130に球の重量が作用した場合、開閉部材F143(遮断部F143a)が流入口FOPf1を閉鎖させる(球を流入し難くさせる)方向へ変位される形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf1に流入した球よりも、流入口FOPf1に流入せず流出面F112bから流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位部材F130を変位させ、かかる変位部材F130の変位(開閉部材F143による流入口FOPf1の閉鎖)により、他の球が流入口FOPf1へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出面F112bを利用して、第1入賞口64へ入球し易くされる。
また、例えば、第1入賞口64を第4通路FRt54の流出面F5112bの鉛直方向下方に配置し、且つ、変位部材F5130に球の重量が作用した場合、開閉部材F5158が流入口FOPf51を閉鎖させる(球を流入し難くさせる)方向へ変位される形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf51に流入した球よりも、流入口FOPf51に流入せず流出面F5112bから流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位部材F5130を変位させ、かかる変位部材F5130の変位(開閉部材F5158による流入口FOPf51の閉鎖)により、他の球が流入口FOPf51へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出面F5112bを利用して、第1入賞口64へ入球し易くされる。
また、例えば、第1入賞口64を流出口FOPout62の鉛直方向下方に配置し、且つ、変位通路部材F6174に球の重量が作用した場合、変位部材F6173が球に作用(当接)不能な位置に方向へ変位される(変位通路部材F6174に球の重量が作用していない状態では、変位部材F6173が球に作用(当接)可能な位置に配置(上側通路F6114の上面から突出されている)形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf61に流入した球よりも、流入口FOPf61に流入せず流出口FOPout62から流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位通路部材F6174を変位させ、かかる変位通路部材F6174の変位(変位部材F6173に当接した他の球の進行方向が変更されることの回避)により、他の球が流入口FOPf61へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出口FOPout62から第1入賞口64へ入球し易くされる。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200の第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態に応じて入賞ユニットK200の見え方が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御することにより、入賞ユニットK200の見え方が変化するように構成しても良い。
この時、入賞ユニットK200の第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態に対応させるようにして、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御しても良いし、第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態とは無関係に発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御しても良い。
例えば、第1電動役物K240の電動役物K640aが開放状態の時に光を強化するようにしたり、第2電動役物K250の可動板K251が開放状態の時に光を強化するようにしたりしても良いし、逆に弱くするようにしても良い。
また、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を、球が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに入球した場合に変化させるように制御しても良い。この場合、入賞ユニットK200の見え方の違いから、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aへの入賞を把握させることができる。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200の板状本体K202の裏側に拡散形状が形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体K202の裏側面または表裏面が平滑に形成されても良い。この場合、板状本体K202の透過性を向上させることができるので、入賞ユニットK200内を流下する球や、第1電動役物K240の電動役物K640aや、第2電動役物K250の可動板K251等の視認性を向上させることができる。
上記各実施形態では、発光部K228からの光が電動役物K640a上を転動する球に遮られないものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光部K228を、電動役物K640a上を転動する球の経路の後方や、可動板K251上を転動する球の経路の後方に配置しても良い。この場合、発光部K228からの光が、電動役物K640a上を転動する球や、可動板K251上を転動する球に遮られ得る。
これにより、発光部K228を点灯制御させている場合に、光が明滅しているように視認させることができ、発光部K228からの光の見え方を変化させることができる。この時、電動役物K640a上を転動する球による光の明滅により、第2入賞口K640へ入球することを示唆することができる一方、可動板K251上を転動する球による光の明滅により、第2特定入賞口K650aに入球せずに球が可動板K251上を左方に通過し得ることを示唆することができる。
上記各実施形態では、電動役物K640aや、可動板K251が、有色で不透明である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640a又は可動板K251の少なくとも一方が、有色透明の樹脂材料から形成されても良い。この場合、化粧カバーK220と重ねて視認される場合の作用は維持しながら、電動役物K640a又は可動板K251を通過する光により入賞ユニットK200の視認態様を変化させ易くすることができる。また、電動役物K640a又は可動板K251の少なくとも一方が、無色透明の樹脂材料から形成されても良い。この場合であっても、電動役物K640a又は可動板K251を通過する光により入賞ユニットK200の視認態様を変化させ易くすることができる。
上記各実施形態では、可動板K251から反射した光が上縁部K207aを介して視認可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aから反射した光を電動役物K640aとは異なる位置で反射させて遊技者に視認させ、電動役物K640aの状態を把握可能とさせるための反射部を上縁部K207aとは別で設けても良い。
なお、反射部は入賞ユニットK200の内側に配置されても良いし、入賞ユニットK200の外方に配置されるようにしても良い。この場合、入賞ユニットK200とは異なる位置を視認して、電動役物K640aの状態を把握させることができる。また、上縁部K207aの機能を奏する部分についても、入賞ユニットK200の内側に限らず、入賞ユニットK200の外方に配置されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物K640aや可動板K251が前後方向でスライドし、遊技者側に見せる面が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右方向に沿う回転軸で前後方向に回転動作するように構成しても良い。この場合、閉状態で遊技者に見せる面(前面)と、開状態で遊技者に見せる面(閉状態での後面、開状態での上面)とが異なるので、表裏の面の態様を異ならせる(例えば、色を変える)ことで、開状態か閉状態かで、化粧カバーK220(小形意匠K221b等)の背景色を変化させることができる。
上記各実施形態では、電動役物K640a及び可動板K251が赤色で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、電動役物K640aと可動板K251とが異なる色で形成されても良いし、赤以外の青や黄色等あらゆる色を採用可能である。また、小形意匠K221bの色は白色に限定されるものでなく、金や黄色等あらゆる色を採用可能である。何れの色を採用した場合であっても、小形意匠K221bの背景色となる場合と、ならない場合とを構成でき、小形意匠K221bの見え方を変化させることができる。この時、色の選択として、相対的に判別しやすい関係で色を選択した方が、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、昇降装置K500の上下変位が回転部材K430の変位に対して増大されるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500の変位量が回転部材K430の変位量と一致しても良い。この場合、昇降装置K500の動作をより安定させることができる。
上記各実施形態では、切替装置K460により昇降装置K500の右側構成部の下降が制限されることで、昇降装置K500が右側を下方にする傾斜姿勢で片側落下状態を構成可能であることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500が右側を下方にする傾斜姿勢から、左側構成部を落下位置状態まで変位させることで、左側を下方にする第2の傾斜姿勢を構成可能にしても良い。この場合、演出待機状態から第2の傾斜姿勢に変化するように制御しても良い、片側落下状態を経由して第2の傾斜姿勢に変化するように制御しても良い。前者の方が、昇降装置K500による状態変化を顕著にすることができる一方で、後者の方が、状態変化後の昇降装置K500の姿勢を安定させ易くすることができる。
上記各実施形態では、回転装飾部材K578の回転速度を方向に因らず一定として、移動装置K560の左右方向のスライド速度を変化させるよう制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K578の回転速度または移動装置K560の左右方向のスライド速度の少なくとも一方を、方向に対応して変化させるように制御するようにできれば良い。
上記各実施形態では、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まっている場合の動作制御について説明したが、回転装飾部材K578の動作制御は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まらなかった場合にエラー信号を出して演出役物の動作を実行しないようにするのではなく、回転装飾部材K578の回転速度から新たに駆動モータKMT51の回転速度を算出して、その新たに算出された回転速度により移動装置K560を左右方向にスライド移動させるようにしても良い。これにより、回転装飾部材K578の回転後の停止位置と、移動装置K560の移動後の停止位置とを対応付けやすくすることができ、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まる場合と同様に、連動を適切に実行させることができる。
なお、速度の再計算をするのではなく、回転装飾部材K578を停止させるタイミングを、移動装置K560のスライド移動を停止させるタイミングとずらすことができるように制御しても良い。
上記各実施形態では、昇降装置K500の昇降動作と、状態変化装置K470の動作とが、共通の回転部材K430の動作に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500の昇降動作と、状態変化装置K470の動作とが、異なる駆動装置からの駆動力で動作されるように制御しても良い。
上記各実施形態では、第2可動装置K701において、アーム部材K735が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向にスライド移動する可動ラックを構成し、この可動ラックの昇降量が主装飾部材K760に伝達されるようにしても良い。この場合、可動ラックにより左右幅を抑えて構成することができる。
上記各実施形態では、第2可動装置K701において、円弧状部K732,K734が面で当接することでアーム部材K735の回転を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、アーム部材K735を途中位置で停止させる位置に配置可能な可動のストッパ部材を設けるようにしても良い。この場合、ストッパ部材の配置により、アーム部材K735を途中位置で停止させ易い場合と、途中停止させない場合とを構成することができる。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874の回転開始は、延設回転部材K874の長尺方向が左右方向に沿う姿勢から生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設回転部材K874の長尺方向が上方向を向く姿勢から生じさせるものでも良い。この場合、延設回転部材K874の長尺方向が下方向を向くまでの回転角度を大きくすることができる。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874の過回転を小さく抑えることで、板状部K811,K821,K831の戻り動作が生じないように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長孔K884の短手方向幅を十分に確保して円柱突部K876aとの間に隙間を確保したり、円柱突部K876aの回転軸側の肉部を削ることで長孔K884との隙間を確保したり、長孔K884の先端部に円柱突部K876aの移動軌跡に沿う円弧形状部を設けることで円柱突部K876aと長孔K884との干渉を避けるようにしても良い。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874が回転終端で面と当接して止まる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転終端で円柱突部K876aが凹部に収容させることで止まるように構成しても良い。
上記各実施形態では、ベース板K2060の外形傾斜部K2060eや、傾斜開口部K2060wや、光照射装置K2100の傾斜面K2121や、光照射装置K3100の傾斜面K3122等の傾斜角度として一例を記載したが、必ずしもこれに限られるものではなく、光を屈折させたり反射させたりして、光らせる対象に光が届くような形状から形成されていればよい。
上記各実施形態では、発光手段K2111,K3111が湾曲線に沿って並ぶ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右や上下等の所定の方向に延びる直線上に並ぶように構成しても良い。
上記各実施形態では、発光手段K2111,K3111からの光が正面側に進行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域内方へ向けて光が進行するように形成されても良い。この場合、正面視では隠される範囲(遊技領域外方の範囲)からの光によっても遊技領域を照らすことができるので、遊技領域をより明るくすることができる。
上記各実施形態では、光がベース板K2060の開口を通過する前における傾斜開口部K2060wにおいて光が反射または屈折し正面側に進行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K2060の開口を通過した後における傾斜開口部K2060wの縁部における反射または屈折によっても光を正面側へ進行させるようにしても良い。また、ベース板K2060の開口内に、光を反射または屈折可能な物体を配置して、その物体によりベース板K2060の開口内で光の進行方向を変化させて正面側に光を進行させるようにしても良い。この場合、ベース板K2060の開口縁部以外の箇所からも遊技者へ光を届けることができる。
上記各実施形態では、第1可動装置K401,K4401、第2可動装置K701,K4701及び後層側可動装置K800,K4800のそれぞれで、駆動力の伝達機構について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一の装置の伝達機構を、他の装置の伝達機構に流用することは可能である。この場合において、左右方向を上下方向に変えて採用することは当然可能であるし、左右一対のものを片方だけで利用したり、その逆を採用したりすることも可能である。
上記各実施形態では、第1視認対象物K4580xと第2視認対象物K4580yとが、異なる形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、同一形状の対象物として視認させても良い。
上記各実施形態では、回転装飾部材K4578の外形形状が四角形とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、六角形や、八角形でも良い。この場合において、中心を特定できる多角形とすることで、回転させた場合の視認態様を美しくすることができる。また、中心と特定できる形状であれば多角形でなくてもよく、外形が曲線で構成された形状でも良い。
また、視認される物は表示される対象に限られるものではない。例えば、移動装置K4560の内部に収容されるか、又は、移動装置K4560に外方(例えば、長尺装置K540を介する経路)から供給される物体が視認窓部K4578aを通して視認可能な位置(回転装飾部材K4578の後方位置)に適切なタイミングで移動可能に構成されても良い。
上記各実施形態では、視認窓部K4578aが回転装飾部材K4578に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K4578の内周の内側における表示装置K4580の表示領域に、第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yを視認可能な視認部が表示されるように構成しても良い。
上記各実施形態では、視認窓部K4578aが開口形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、視認窓部K4578aとして形成される範囲の板厚を、他の部分の板厚よりも薄くして、透過性を高くすることで背面側を視認可能とするように構成しても良い。
上記各実施形態では、視認窓部K4578aが回転移動される第1の演出制御例および第2の演出制御例で、一方向への回転角度が90度である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、90度より大きい角度(例えば、120度)でも良いし、90度より小さい角度でも良い。この場合に、流下する球の速度に対応して回転角度が変化するようにしても良い。
上記各実施形態では、第1視認対象物K4580xが回転装飾部材K4578の回転軸の右側に、第2視認対象物K4580yが回転装飾部材K4578の回転軸の左側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右逆でも良いし、回転軸の上と下とに配置されるものでも良い。どの場合であっても、回転装飾部材K4578の回転軸を基準として正反対となる異なる位置で異なる視認対象物K4580x,K4580yを視認させることができるので、遊技者の見間違いを避け易くすることができる。
上記各実施形態では、表示装置K4580の表示領域に右側を向いた矢印形状が表示される第3の演出制御例と、第1の演出用途例とを別で説明したが、これらを同時に実行しても良いし、別個独立で実行するようにしても良い。同時に実行する場合には、ラウンド遊技中においては、入球の検出のたびに回転装飾部材K4578が回転され、表示装置K4580の中央部付近に矢印形状を点灯表示し、ラウンド遊技の終了時になったら第1の演出用途例における制御を実行するようにしても良い。これにより、回転装飾部材K4578の内側における視認態様を複雑にすることができる。
上記各実施形態では、表示装置K4580を介して、第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yが表示される場合と、矢印形状が表示される場合とを説明したが、表示態様は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yの表示の代わりに矢印形状を表示するようにしても良いし、矢印形状の表示の代わりに第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yを表示するようにしても良い。これにより、視認態様のバリエーションを増やすことができる。
上記各実施形態では、表示装置K4580を介して、第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yが表示される場合と、矢印形状が表示される場合とを説明したが、視認態様は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装置K4560の内側が空洞に形成されており、その空洞の内側において、回転装飾部材K4578(又は回転装飾部材K4578の内周側を閉塞する透過性板が形成される場合にその透過性板)を通して視認可能な位置に、第1視認対象物K4580x、第2視認対象物K4580yと同様の形状の物体を配置可能に構成されていても良い。この場合、物体同士が衝突することによる視認態様の変化により、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、長尺装置K540が前後方向の回転軸を中心として姿勢を傾斜させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右方向の回転軸や、上下方向の回転軸を中心として姿勢を傾斜させられるように構成しても良い。この場合、移動装置K560,K4560の前面側の見え方(見える角度)を変化させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、例えば、上下方向の回転軸を中心として姿勢を傾斜させるように構成する場合において、透明フィルムK4891による平面KS49と長尺装置K540の長手方向とが平行となるような姿勢を構成可能としても良い。
上記各実施形態では、上側部材K530の湾曲受部K537を上側回転部材K476が下側から支えることで長尺装置K540を演出待機状態における配置で維持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側回転部材K476とは別で、上側部材K530を上側から挟むように支持する部材を構成しても良い。この部材に、上側回転部材K476側へ向かう付勢力を与えることで、上側部材K530の上向きの変位に対する抵抗力を生じさせることができる。これにより、搬送時における長尺装置K540の位置変化を防止することができる。
上記各実施形態では、上側回転部材K476の全体が樹脂材料により構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側部材K530と当接する回転先端部K476bには樹脂材料を構成し、上側部材K530と当接しない支持孔K476a付近は金属材料により構成するようにしても良い。これにより、金属材料により耐久性を向上させることができると共に、回転先端部K476bと当接する上側部材K530の摩耗を最小限に抑えることができる。
上記各実施形態では、回転装飾部材K4578が、中央側に開口が形成されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K4578が光透過性の樹脂材料から、内側の開口が閉塞するような形状で構成され、表示装置K4580の表示領域を前側から覆うように構成しても良い。この場合、回転装飾部材K4578の回転による光の反射による視認性の変化を、表示装置K4580の表示領域全体に及ぼすことができるので、演出性を向上させることができる。
上記各実施形態では、遊技球の入賞に対応して、表示装置K4580に矢印形状が表示される場合を説明したが、表示装置K4580の表示領域に表示される内容は、上述の態様に限られるものではない。例えば、表示装置K4580の表示領域に、球状体が流れる様子が表示されても良い。
この球状体は、表示装置K4580の表示領域の中央を真下に流下するように表示されても良いし、表示領域の中央に対して左右にずれた位置を流下するように表示されても良い。左右にずれた位置を流下するようにすれば、遊技者に対して、方向を示唆する視認態様を報知することができる。また、球状体の流下には、転動面上を球状体が転動する場合も含まれる。
この場合において、左右いずれか一方を流下する球状体の速度と、その直後に左右いずれか他方を流下する球状体の速度とが異なるように構成しても良い。例えば、右側を流下する球状体の速度よりも、その直後に左側を流下する球状体の方がゆっくりと流下するように表示させても良い。
表示装置K4580の表示領域に表示される球状体の流下方向は、真下方向でも良いし、左右成分を持つ方向でも良い。例えば、右側を流下する球状体は右下方向へ流下し、左側を流下する球状体は左下方向へ流下するように表示される場合、球状体が表示領域の右側を流下する場合と、表示領域の左側を流下する場合との、表示領域の視認態様の違いを大きくすることができる。
また、回転装飾部材K4578の回転駆動制御の設定として、表示装置K4580の表示領域に表示される球状体が流下する位置と、回転装飾部材K4578の回転方向とを対応させるように制御しても良い。
例えば、表示装置K4580の表示領域の左右中央よりも右側を球状体が流下する場合に回転装飾部材K4578が正面視時計回りに回転され、表示装置K4580の表示領域の左右中央よりも左側を球状体が流下する場合に回転装飾部材K4578が正面視反時計回りに回転されるようにしても良い。または、球状体の流下方向と回転装飾部材K4578の回転方向との関係が上述の逆に設定されるものでも良い。
この場合、表示装置K4580の表示領域を視認せずとも、回転装飾部材K4578の回転方向から、表示装置K4580の表示領域のどこを球状体が流下しているのかを予想することができる。従って、表示装置K4580の表示領域を無理に大きくする必要を無くすことができるので、表示装置K4580を低コストで実装できると共に、表示装置K4580の背面側に配置される第3図柄表示装置K81の視認面積を大きく確保することができる。
この場合において、球状体の流下速度と、回転装飾部材K4578の回転速度とを対応させるようにしても良い。例えば、球状体がゆっくり流下する場合には回転装飾部材K4578の回転速度がゆっくりとなり、球状体が高速で流下する場合には回転装飾部材K4578の回転速度も高速となるように構成しても良い。これにより、表示装置K4580の表示領域と、回転装飾部材K4578とで、一体感のある動作態様を遊技者に視認させることができる。
また、表示装置K4580の表示領域の表示態様を、回転装飾部材K4578の回転時と停止時とで異ならせるようにしても良い。例えば、上述のように、回転装飾部材K4578が回転される場合には、表示装置K4580の表示領域に流下する球状体を表示させる一方で、回転装飾部材K4578が停止される場合には、表示装置K4580の表示領域に流下する球状体とは異なる形状のロゴ、キャラクター又は装飾形状が静止画として表示されるように構成しても良い。または、静止画ではなく動画表示されるように構成しても良い。
この場合、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578によって、表示装置K4580の表示領域に球状体が流下される態様を伴う視認態様と、表示装置K4580の表示領域に球状体が流下される態様を伴わない視認態様とを創出することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578の演出効果を向上させることができる。
また、表示装置K4580の表示領域に表示される球状体の流れる位置、流下速度、流下方向を、遊技球が実際に通過した遊技領域の位置、実際の流下速度、実際の流下方向と対応させるようにしても良い。
例えば、右打ち遊技の期間において長尺装置K540が右第2傾斜姿勢となるように制御され、右打ちした遊技球が流下する経路上に配置される第1特定入賞口K65a、第2入賞口K640及び第2特定入賞口K650aを遊技球が通過したと検出されることに基づいて、表示装置K4580の表示領域に球状体が表示されるように制御しても良い。
この場合において、入賞口の実際の配置、及び入賞口に入球した遊技球の実際の流下方向に対応させて球状体を表示させることで、遊技者に対して、実際に遊技球が流下した位置を把握させ易くすることができる。
即ち、第1特定入賞口K65aで遊技球が検出された場合には、検出される度に、表示装置K4580の表示領域の右側範囲において、鉛直下方へ流下し、その後で右斜め下方へ流下する経路で、球状体が表示され、同時に、回転装飾部材K4578が時計回りに回転されるように駆動される。
また、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aで遊技球が検出された場合には、検出される度に、表示装置K4580の表示領域の左側範囲において、鉛直下方へ流下し、その後で左斜め下方へ流下する経路で、球状体が表示され、同時に、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転されるように駆動される。
これにより、遊技者は、入賞口K65a,K640,K650aを注視しなくても、表示装置K4580の表示態様や、回転装飾部材K4578の回転方向を視認することで、遊技球がどこを流下してどの入賞口K65a,K640,K650aを通過したのかを把握することができることから、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技球の流下速度は、入賞口K65a,K640,K650aの配置高さから、力学的エネルギーに基づき検討すると、配置高さの同等な入賞口K65a,K640を通過する際の遊技球の流下速度の絶対値は概ね同じと考えられる。配置高さの低い第2特定入賞口K650aを通過する際の遊技球の流下速度の絶対値は、位置エネルギーが運動エネルギーに変換される分、入賞口K65a,K640を通過する際の遊技球の流下速度の絶対値よりも大きいと考えられる。
従って、第1特定入賞口K65a又は第2入賞口K640を遊技球が通過したことが検出された場合における、表示装置K4580の表示領域で表示される球状体の流下速度の絶対値および回転装飾部材K4578の回転速度の絶対値に比較して、第2特定入賞口K650aを遊技球が通過したことが検出された場合における、表示装置K4580の表示領域で表示される球状体の流下速度の絶対値および回転装飾部材K4578の回転速度の絶対値が大きくなるように(高速になるように)制御される。
これにより、第2入賞口K640を遊技球が通過した場合と第2特定入賞口K650aを遊技球が通過した場合とで、表示装置K4580の表示領域における球状体の表示位置や回転装飾部材K4578の回転方向が同じであっても、球状体の流下速度や回転装飾部材K4578の回転速度を遊技者に把握させることで、遊技球が第2入賞口K640を通過したのか、第2特定入賞口K650aを通過したのかを遊技者に判別させることができる。
そのため、遊技者は、入賞口K65a,K640,K650aを注視しなくても、表示装置K4580の表示態様や、回転装飾部材K4578の回転方向および回転速度を視認することで、遊技球がどこを流下してどの入賞口K65a,K640,K650aを通過したのかを把握することができることから、遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記各実施形態では、第3の演出制御例として、第1特定入賞口K65aへの入球が検出される度に表示装置K4580に矢印形状が表示され、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作され、その表示態様および回転動作態様が一定ではなく、変化し得るように制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
即ち、第3の演出制御例では、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の速度および回転装飾部材K4578の回転速度に比較して、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の速度および回転装飾部材K4578の回転速度が、同じか、それ以上となるように制御される。
これにより、第1特定入賞口K65aに入球される球数が多くなるほど、表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が大きくなり易い状況を構成することができる。更に、第1特定入賞口K65aに入球される球数が多くなるほど、第3図柄表示装置K81に表示される「+15」等の賞球の払い出しを想起させる数字表示の表示数が多くなるため、回転装飾部材K4578の回転と数字表示の表示(数)とを一連で視認させることができる。
従って、遊技者は、第1特定入賞口K65aへの入球個数と、表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度とを対応付けて把握することができる。この場合、表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度から、払い出される賞球個数の多少を予想し易くすることができるので、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
なお、第3の演出制御例において、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度に対する、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度の変化量(速度上昇量)は、毎回同じでも良いし、異なるようにしても良い。
例えば、球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、先の遊技球の入球に基づく球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が第1段階だった場合に、その後の遊技球の入球に基づく球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が第2段階に変化するパターンのみならず、第3~5段階に変化するパターンをも実行可能に構成しても良い。
この場合に、例えば、表示される球状体が表示装置K4580の下方へ流れきる前に、次の球が入球した(短時間で2球連続入球した)場合に球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が一段階増加し、更に次の球に基づいて表示される球状体が表示装置K4580の下方へ流れきる前に更に次の球が入球した(短時間で3球連続入球した)場合に球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が二段階増加するように構成しても良い。この場合、球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度の変化態様から、高頻度の入球が生じたことを遊技者に把握させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65aへの入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口K65aに入球されず、第2電動役物K250の可動板K251の上面を左方へ流されることで第2特定入賞口K650aにも入球されなかった球が、左側の球案内部K210に入球した場合に、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
右側の球案内部K210がアウト口K71と同様の機能を備える一方で、左側の球案内部K210は一般入賞口K63と同様の機能を備えており、入球に基づき賞球の払い出しが行われる。即ち、左側の球案内部K210への入球と同様、一般入賞口K63に入球した場合にも、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65aに入球せずに下流に流れた球の存在に気付かせることができるので、開閉板K65bが閉鎖状態の時に球の発射をしていないか、球の発射強度は適切か、といった、操作ハンドルH51の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、第1特定入賞口K65aに発射球の全てが入球される状況下では、表示装置K4580の表示の切り替えは生じず、回転装飾部材K4578の回転動作も生じない一方で、第1特定入賞口K65aに発射球の一部が入球されない状況下においては、表示装置K4580の表示の切り替えを生じ、回転装飾部材K4578も回転動作される。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65aに適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65aへの入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側の球案内部K210への入球では表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作を生じさせず、一般入賞口K63への入球に基づいて、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65a側、即ち、回転装飾部材K4578の上側を右方へ案内されずに、回転装飾部材K4578の左側へ案内され流れた球の存在に気付かせることができるので、球の発射強度が弱くなっていないか、といった、操作ハンドルH51の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が右方に流下し続ける状況が維持される時には表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行されることはなく、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が一つでも左方に流下する場合に表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行され得る。
そのため、表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行された場合、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が左方に流下する程度に、発射強度が弱まっている証拠になるので、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作を視認した遊技者に対して、操作ハンドルH51の操作強度を見直させるよう促すことができる。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65aに適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578の回転動作が、遊技球の入球に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、表示装置K4580の表示または回転装飾部材K4578の回転動作の少なくとも一方が、遊技球の入球に因らず発生するようにしても良い。
この場合において、回転装飾部材K4578の回転速度が、操作ボタン部材H181の操作(押し込み、連打、長押し等)に基づいて増加可能に構成されても良い。例えば、回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、操作ボタンH181の操作によりどの段階まで増加するのか(増加上限)と、遊技者が得られる利益の期待値(大当たり遊技における払い出し賞球個数の多少(獲得した大当たりのラウンド数の多少)、特図抽選の大当たり期待度など)とを対応させることにより、操作ボタン部材H181の操作意欲を向上させることができる。
なお、上述した増加上限の設定を、第1特定入賞口K65aへの入球に基づいて表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作が生じる場合の、球状体の流下速度や回転装飾部材K4578の回転速度の増加上限に適用しても良い。これにより、表示装置K4580や回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
上記各実施形態では、球状体が表示装置K4580の中央部付近に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球状体が、回転装飾部材K4578の視認窓部K4578aを通して視認されるようにしても良い。この場合、例えば、回転装飾部材K4578の回転と共に球状体が回転移動するように構成しても良い。これにより、球状体の移動態様を大きな円弧で構成することができる。
また、例えば、球状体の移動態様は上下方向に流下した後で、斜め左右方向に流下する態様を維持しつつも、斜め左右方向に流下する球の通過経路に視認窓部K4578aが配置されるように回転装飾部材K4578が回転動作された後で停止されるようにしても良い。これにより、表示としての球状体と、回転装飾部材K4578とが一体動作しているように視認させることができる。
上記各実施形態では、電動役物K640aの開放状態において、背景色との違いから小形意匠K221bの視認性が向上される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aの閉鎖状態における小形意匠K221bの視認性が向上されるものでも良い。例えば、方向視KDR21で視認する遊技者が視認可能な光を照射するLEDとして、下流側発光部K212cがあるが、下流側発光部K212cから照射される光の色が赤色であるため、電動役物K640aの開放状態と同様に小形意匠K221bの背景色を赤色(光の色)とすることができ、これにより小形意匠K221bの視認性を向上させることができる。
なお、電動役物K640aの開放状態において、下流側発光部K212cからの光が電動役物K640aを透過して遊技者の目に届く場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aにより下流側発光部K212cからの光が遮蔽されるようにしても良い。
この場合、電動役物K640aの状態の切り替えのたびに、電動役物K640aによる背景色が視認される場合と、下流側発光部K212cからの光による背景色が視認される場合とが切り替えられるので、それらの背景色の違いによる視認態様の変化を利用した演出を実行することができる。これにより、電動役物K640aの状態の切り替えの態様に対応した視認態様の変化(バリエーション)を生じさせることができる。
なお、下流側発光部K212cからの光により小形意匠K221bの視認性が向上される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下流側発光部K212cからの光の色が白色とされる場合、小形意匠K221bの色と背景色(光の色)との差が小さくされることで、小形意匠K221bの識別性を低下させることができる。
なお、発光部K212の発光態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入賞ユニットK200における開閉の状態に関わらず常時点灯(消灯)されるようにされても良いし、入球検出で態様変更(色変化、光強さ変化)するような制御でも良いし、第3図柄表示装置K81の表示演出と連関して、態様変更(色変化、光強さ変化)するような制御でも良い。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200に入球した球による光の遮り方により、光の視認態様が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、流下経路に複数の検出センサを設けて、その検出センサを球が通過することに基づいて光の照射態様が変化されるように制御しても良い。この場合、球の流下経路以外の部分においても、光の視認態様を変化させることができる。
上記各実施形態では、可動板K251や電動役物K640aが有色の樹脂材料から形成されることで、有色樹脂に特有の粘り、丈夫さを利用できることから、厚みの設計自由度や、形状の自由度も向上させつつ、耐久性を向上させることで、球からの衝突による破損を抑制できる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、無色透明の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、可動板K251や電動役物K640aと球とが重なったとしても、球が見えなくなることが無いので、流下する球の視認性を向上させることができる。
上記各実施形態では、小形意匠K221bを球が左右方向に下降傾斜して流下する位置の前方に配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内開口K203のように、球が前後方向に下降傾斜して流下する位置の前方に配置するようにしても良い。この場合、鉛直方向の落下に比べて球の上下位置の変化がゆっくりとされることに加え、球の左右位置も変化されないことから、正面視で小形意匠K221bと球とが重なる期間をより長くすることができ、小形意匠K221bによる模様の見映えの変化を長く生じさせることができる。
上記各実施形態では、後層側可動装置K800の傾斜形成部K867が固定片として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設回転部材K874の回転方向に数度移動可能に構成され、延設回転部材K874の停止時の位相を変更可能に構成しても良い。この場合、延設回転部材K874の戻りが防止される状態(傾斜形成部K867が延設回転部材K874の回転軸よりも上側に配置されている状態)と、延設回転部材K874の戻りが防止されない状態(傾斜形成部K867が延設回転部材K874の回転軸よりも下側に配置されている状態)とを切り替えることができる。
上記各実施形態では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が左右から同じ距離張出可能に構成され、閉塞時には左右の板状部K4811,K4821,K4831の対向辺が左右中央位置付近に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右の板状部K4811,K4821,K4831の境界位置が、左右中央部から左右いずれかにずれる状態を構成可能にしても良い。
この場合、境界位置が左右中央部よりも左側にあれば、第2可動装置K4701は右側の板状部K4811,K4821,K4831により開閉される範囲の下側に配置され、境界位置が左右中央部よりも右側にあれば、第2可動装置K4701は左側の板状部K4811,K4821,K4831により開閉される範囲の下側に配置される。これにより、板状部K4811,K4821,K4831と第2可動装置K4701との設計自由度を向上させることができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831が背面からの光を透過可能に構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の背面側に電飾基板が配設され、その電飾基板に配設されるLEDの発光態様により、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様(色や模様)が変更可能に構成されても良い。この場合、開閉により第3図柄表示装置K81の目隠しを形成する作用を生じさせ易くすることができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831の背面側にリブが形成され、透過性を異ならせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の背面側が湾曲面で構成されることで、厚みが不均一とされても良い。この場合、背面側の形状(例えばレンズ形状)により光を屈折させる態様を部分ごとに異ならせることができ、演出効果を向上させることができる。
また、板状部K4811,K4821,K4831では、輪郭KOL481等に沿ってリブが形成される(内側部においてリブが形成される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の外形に沿ってリブが形成されるようにしても良い。この場合において、全外形に沿うリブが形成される場合ばかりではなく、平行な2辺にリブが形成されるようにしても良く、板状部K4811,K4821,K4831の剛性を高めることで、板状部K4811,K4821,K4831の移動抵抗を低減することができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831が光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の代わりに、矩形の枠に複数枚のルーバーを備える開閉可能部材を配設しても良い。この場合、ルーバーを非透過性の材料から形成するようにすれば、ルーバーの状態次第で、ルーバーの板面の模様を視認させる状態と、ルーバーの板間から背面側に配置される第3図柄表示装置K81の表示を視認させる状態とを切り替えることができる。
また、ルーバーを透過性の材料から形成するようにすれば、ルーバーの状態次第で、ルーバーの板面の模様を第3図柄表示装置K81からの光で照らす状態と、ルーバーの板間から背面側に配置される第3図柄表示装置K81の表示を視認させる状態とを切り替えることができる。
上記各実施形態では、左右スライドする板状部K4811,K4821,K4831が、複数枚の板状部材が一連で連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右スライドする板状部材は一枚でも良い。この場合、連動させる構成よりも故障する可能性を低くすることができる。
また、板状部K4811,K4821,K4831のスライド方向は、左右方向に限られるものではなく、上下方向でも良いし、斜め方向でも良いし、前後方向成分を有する方向でも良い。即ち、直線方向でも良いし、所定の軸を中心とする曲線方向でも良い。
上記各実施形態では、移動装置K4560が斜めにスライド移動している際に、板状部K4811,K4821,K4831の閉塞状態からの変位に基づいて長尺装置K540の右側端部が落下され、移動装置K4560の移動方向が変化する場合を説明したが、この場合に、移動装置K4560の移動速度は、移動方向の変化前後で同じでも良いし、変わるようにしても良い。例えば、移動方向の変化前の方が移動装置K4560の移動速度を遅くする場合、板状部K4811,K4821,K4831の変位を望ませながら移動装置K4560が左側端部まで移動しきるまでの期間を長くすることができるので、移動装置K4560への注目力を向上させることができる。
上記各実施形態では、左右一対の板状部K4811,K4821,K4831の移動方向は左右対称にしたが、必ずしもこれに限れるものではない。例えば、上下方向でも良い。この場合に、上下対称でも良いし、配置位置は左右のままで、共に上方(又は下方)に移動することで退避されるように構成しても良い。また、移動方向が前後方向の成分を有するようにしても良い。
上記各実施形態における移動装置K4560の大きさは何ら限定されるものではない。直径10mm程度の大きさから、センターフレームK86を超える程の大きさまで、任意に設定可能である。
また、表示装置K4580による表示は、何ら限定されるものではない。一面同色で表示されても良いし、遊技者側に光を反射するように視認される態様(ミラー状等)に形成されても良い。この場合、遊技者に対して表示装置K4580の表示領域を介して自分の表情を視認させることができ、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、移動装置K4560が単体でスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装置K4560が前後に複数ならべて配置され、複数の移動装置K4560が板状部K4811,K4821,K4831の正面側を順番にスライド移動するように構成しても良い。この場合、板状部K4811,K4821,K4831の変位に伴う複数の移動装置K4560の変位態様のバリエーションを増やすことができ、移動装置K4560の視認態様のバリエーションを増やすことができる。
上記各実施形態では、第3図柄表示装置K81が正面視でセンターフレームK86の内方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の少なくとも一部がセンターフレームK86の外方に位置するようにしても良い。この場合、流下する遊技球を、第3図柄表示装置K81からの光により照らして演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、一連で視認させる態様として、例えば、「SFME」といったように、特定の意味を有する記号を順番に視認させる態様を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、4文字である必要は無く、「SF」、「SME」、「FE」といった、任意の文字列に注目させて一連で視認させるようにしても良い。また、任意の文字列には、上側装飾部材K330に形成される「F」の記号も採用可能である。注目させたい部分を発光させ、それ以外の部分を発光させないようにすることで、任意の文字列に注目させ易くすることができ、遊技者に読み間違いをさせないようにすることができる。
また、記号の内で、方向性を有する2つ以上の記号(例えば、矢印)をつなげて視認させる態様でも良い。また、記号同士のつながりでなく、可動役物同士のつながりとして、互いに近づく方向または遠ざかる方向に移動される連動を視認させる態様でも良い。この場合において、片方が停止されていても構わない。
例えば、第2背面表示K81bは、長尺装置K540の傾斜に平行な表示として説明したが、これを、長尺装置K540が演出待機状態に位置する(水平姿勢)場合には、傾斜されずに右方向に向く矢印として表示され、長尺装置K540の動作に連動して、傾斜する方向の表示に切り替えられるようにしても良い。これにより、長尺装置K540の動作前から第2背面表示K81bを表示するように演出することができる。
また、例えば、一連で視認させる態様には、同種の対象がまとまって視認される視認態様や、関連する視認態様を別領域に分ける仕切りとなるように視認される視認態様が含まれ得る。例えば、長尺装置K540が第3図柄表示装置K81の正面側に配置され、長尺装置K540を挟む各領域における表示が互いに関連する表示である場合、それらは一連の視認態様で視認される。
なお、互いに関連する表示とは、例えば、一連の視認態様で視認される表示(例えば、記号のまとまり、大人同士、見方同士、等)の組や、相対する関係にある表示(例えば、男女、敵味方、勝ち負け、等)の組等が想定される。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831に模様が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺装置K540の正面側において模様が形成されるようにしても良い。この場合において、長尺装置K540の正面側に形成される模様と、板状部K4811,K4821,K4831に形成される模様とを一連の視認態様で視認可能に構成しても良い。
また、長尺装置K540の視認される範囲は、長尺装置K540そのものの配置や姿勢に加え、移動装置K4560により隠される範囲によっても変わり得る。移動装置K4560の配置に対応して、視認される一連の視認態様が切り替えられ得るように構成しても良い。
また、長尺装置K540の配置により、長尺装置K540の上側または下側のみに板状部K4811,K4821,K4831が視認される場合も、長尺装置K540の上側にも下側にも板状部K4811,K4821,K4831が視認される場合も生じ得るところ、少なくともその一方において、長尺装置K540の正面側に形成される模様と、板状部K4811,K4821,K4831に形成される模様とを一連の視認態様で視認可能に構成しても良い。
上記各実施形態では、演出表示KER471,KER472が、第2可動装置K4701の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2可動装置K4701の正面視における視認態様を動画表示するようにしても良い。この場合、第2可動装置K4701の故障により第2可動装置K4701が動かなくなっても、第3図柄表示装置K81の表示により第2可動装置K4701の動作態様を視認させることができる。また、第2可動装置K4701を動作させる場合と異なり、駆動音や、振動が生じないという利点がある。
上記各実施形態では、動作ユニットK4300に配置される動作ユニットと、入賞ユニットK200に形成される模様とを一連の視認態様で視認させ得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側装飾装置K350の正面側に、動作ユニットK4300に配置される動作ユニットに形成される模様と一連の視認態様で視認され得る模様が形成されるようにしても良いし、動作ユニットK4300に配置される動作ユニットに形成される模様や入賞ユニットK200に形成される模様と、第2入賞ユニットK5270に形成される模様とが、一連の視認態様で視認され得るよう構成しても良い。これにより、一連の視認態様で視認され得る領域を広げることができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,4821,4831が第3図柄表示装置K81の表示領域の上下に亘る長さで形成され、板状部K4811,4821,4831の動作と連動して長尺装置K540が動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右の板状部K4811,4821,4831が、特定の傾斜姿勢の長尺装置K540の上側または下側の領域を覆うことができるよう形成され(即ち、傾斜姿勢の長尺装置K540の下側に形成される三角形を、閉塞状態において全体で形成する形状から構成され)るようにしても良い。
この場合、長尺装置K540を挟んで左右の板状部K4811,4821,4831が配設されていない側において、第3図柄表示装置K81の表示領域において動画表示を行うことで、移動装置K4560のスライド移動と対応した動画表示を実行させることができる。
また、この場合において、左右の板状部K4811,4821,4831を挟んで長尺装置K540の反対側において、第3図柄表示装置K81の表示が視認可能となるように、左右の板状部K4811,4821,4831の長尺装置K540の長手方向と交差する方向における形成長さを短くするようにしても良い。これにより、左右の板状部K4811,4821,4831を挟んで長尺装置K540の反対側の領域においても、移動装置K4560のスライド移動と対応した動画表示を実行させることができる。
上記各実施形態において、球の検出位置に対応して回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K4578の回転動作を、時計回りの動作が、第1の演出用途例において説明した第1の演出制御例とし、反時計回りの動作が第1の演出用途例において説明した第2の演出制御例としても良い。これにより、遊技球の流下が頻度高く生じても、回転装飾部材K4578の回転を小刻みに生じさせることができる。なお、第1の演出制御例および第2の演出制御例における動作の反転位置において、視認窓部K4578aを通して第1視認対象物K4580が視認されるように表示制御される。
上記各実施形態において、導光部材K5150に入射された光を正面側に屈折させる光屈折部K5151について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K5060の背面に光屈折部を形成して、その屈折部を利用してベース板K5060に入射された光を正面側に屈折させるように構成しても良い。この場合、屈折された光の視認される位置を導光部材K5150よりも前側に位置させることができるので、遊技者にとって視認させ易くすることができる。
また、ベース板K5060自体に光屈折部が配設されるので、ベース板K5060の背面側に樋用前側部材K91が締結固定されることで導光部材K5150を配設できない範囲においても光屈折による演出効果を生じさせることができる。
なお、光屈折部の配置を、光を一連の視認態様で視認させることを目的とするばかりではなく、特定の位置に注目させるために設計しても良い。例えば、光屈折部K5151を介して視認される光が、第1入賞口K64や第1特定入賞口K65a等の入賞口やスルーゲートK67、入賞ユニットK200等の付近を光らせるように光屈折部K5151が配置されても良い。
上記各実施形態では、化粧カバーK5280にローマ字による記号を視認可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、数字による記号を視認可能に構成しても良い。この場合において、「80%」等、遊技性(例えば、スペック表示)に関連する数字とすると、遊技者が遊技をする前に、ガラスユニットH16越しに遊技性の報知を行うことができる。
その上で、化粧カバーK5280の背面を遊技球が流下することで影が生じ、数字による記号の見え方が変化する(例えば、上下中央部の左隅部が暗く視認され、見え方が「30%」に変化する)ように構成することで、遊技を開始して初めて把握できる数字による報知も行うことができる。
例えば、初めに見えた「80%」は、化粧カバーK5280側を流下させない左打ち遊技を行う際に入球可能な第1入賞口K64で抽選が開始される第1特別図柄の大当たりの確変割合を示し、右打ち遊技により化粧カバーK5280の背面側を球が流下する場合に見える「30%」は、右打ち遊技で入球可能な第2入賞口K640で抽選が開始される第2特別図柄の大当たりの内の最高ラウンド大当たりの割合を示すようにすれば、視認される数字の変化を有効に利用して、遊技者に意味のある報知を行うことができる。
なお、「%」は、第3輪郭部K5285や第3形成部K5286と同様に、球の流下経路と正面視で重ならない位置に形成することで、遊技球の流下の有無に因らず同様の視認態様で視認させることができる。
また、上述の「80%」の内、輪郭で囲まれる領域に、白色の小さな文字で「設定6の場合の値」と形成しておいて、遊技球が化粧カバーK5280の背面を遊技球が流下しない内は白色光を白色の文字に当てて認識し難いようにし、遊技球が化粧カバーK5280の背面を遊技球が流下する場合における球の影で白い文字を認識できるように構成しても良い。報知の内容は、「設定6と、それとは異なる設定とを選択できるが、設定6の時には80%で、他の設定の時のことまでは言及しない」というものである。この場合、はじめから報知している内容は「設定6の場合に80%」で共通であるが、球を右打ちで発射する前においては「設定6の場合」の部分を見え難くすることで、設定が判別された後か前かに関わらず、遊技機を魅力的に飾ることができる。
上記各実施形態では、流路構成部材K5271により屈曲経路が形成される前方に化粧カバーK5280が配置され、流下する球と重なる位置に模様が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、流下経路が形成されず、遊技球が自由落下可能な範囲の正面側に化粧カバーK5280を配設するようにしても良い。この場合、流下する球と化粧カバーK5280の模様とが重なる期間を短くすることができるので、模様の視認性を維持し易くすることができる。
また、流路構成部材K5271により形成される流路は、左右方向に傾斜する直線経路が複数組み合わされた屈曲経路として構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路に曲線部が含まれても良いし、流下経路が曲線のみで構成されても良い。
また、流下経路が前後方向に延びる(前後方向に向かう程に傾斜する)部分を有しても良い。この場合、流下する遊技球の正面視における変位をゆっくりとさせることができるので、遊技球と化粧カバーK5280の模様とが重なる期間を長くすることができる。
上記各実施形態では、非透過形成部K5282aが矩形状に形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、矢印形状で形成されても良いし、その他の任意の記号で形成されるようにしても良い。これにより、遊技者に対して、記号の意味するところを報知することができ、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
また、非透過形成部K5282aは光を透過させないものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形成部K5282よりも透過性が低いが、非透過ではなく、光を透過するものとしても良い。これにより、非透過形成部K5282aを利用した光演出を実行可能とすることができる。
上記各実施形態では、流路構成部材K5271の正面側で化粧カバーK5280が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧カバーK5280が第1輪郭部K5281の左下端部付近を軸に時計回りに回転動作可能に構成されることで、模様が球流路の前方に配置される状態と、模様が球流路の前方から退避される状態と、を構成可能にしても良い。これにより、流路構成部材K5271により流下される球の視認性を切り替えることができる。
この場合において、模様全体が回転動作されても良いし、模様の一部が回転動作されても良い。例えば、非変化領域K5282c,K5284cの下側における変化領域K5282b,K5284bのみが回転動作され、非変化領域K5282c,K5284c及び非変化領域K5282c,K5284cの上側における変化領域K5282b,K5284bは配置が維持されても良い。この場合、回転動作によらず、非変化領域K5282c,K5284cにおける模様の位置を不変とすることができ、非変化領域K5282c,K5284cによる報知を常時実行することができる。
上記各実施形態では、枝分かれ分岐の無い球流路の前に化粧カバーK5280が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2傾斜部K5274の下流側端部において流路が分岐するようにしても良い。この場合において、分岐流路の全ての前側に非透過形成部K5282aが配置されるようにしても良いし、一方の分岐流路の前側に非透過形成部K5282aが配置され、他方の分岐流路の前側には非透過形成部K5282aが配置されないようにしても良い。後者の場合、非透過形成部K5282aと球の影とが重なることを視認することで、球が、どちらの分岐流路を流下したかを遊技者に把握させ易くすることができる。
上記各実施形態では、第1輪郭部K5281を代表例として、背後を通る遊技球の視認性を維持するための種々の特定を行ったが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、同様の特定を、大形意匠K221aや小形意匠K221bに行うようにしても良い。この場合、入賞ユニットK200を球が流下する場合に、第1輪郭部K5281で説明したと同様の効果を生じさせることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記第8実施形態では、一対のスピーカー組立体H312がベース部材H311の左右両側に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、右側装飾ユニットH14cに一対のスピーカー組立体H312を別途配設して、それら一対のスピーカー組立体H312が配設される空間同士を連通する連通路を右側装飾ユニットH14cに形成しても良い。
上記第8実施形態では、スピーカー組立体H312が配設される配設空間H300Fが化粧ユニットH320に一対形成される場合について説明したが、配設空間H300Fが3個以上形成され、それら配設空間が連通路によって連通されるものであっても良い。
上記第8実施形態では、第1連通路H300C及び第2連通路H300Dが複数の部材を組み合わせて形成する(隙間を空けて配設する)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、中空形状の棒部材を一対の配設空間H300F(第1空間H300A又は第2空間H300B)に両端が配置されるように配設して、棒部材の内部空間を利用して音を伝達可能に構成しても良い。
また、正面側が開放されるお椀型状に形成される覆設部材H343の左右方向(矢印L-R方向)両側の一部を切り欠いて、覆設部材H343の内部空間を音が伝達するように構成しても良い。この場合、一対の配設空間H300F(第1空間H300A又は第2空間H300B)を連通する連通路(第1連通路H300C又は第2連通路H300D)が装飾ユニットH330の中央部に形成され、連通路の外側を化粧ユニットH320で取り囲むことができるので、連通路を通過する音が連通路の内壁を伝わり連通路の外側に放音されたとしても、その音が装飾ユニットH330の外側まで伝わることを抑制できる。その結果、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図129参照),放音用開口部H333b(図131参照),検出用開口部H333a(図132参照))以外から音が放音されることを抑制できる。
上記第8実施形態および第14実施形態から第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、一方のスピーカーH312aから放音(出力)された音を第1連通路H300C,H7300C及び第2連通路H300Dを通して、他方のスピーカーH312aが配設される配設空間H300F(第1空間H300A、第2空間H300B)に放音する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位部材が変位された際の駆動音や衝突音を第1連通路H300C,H7300C及び第2連通路H300Dを通して、他方のスピーカーH312aが配設される配設空間H300F(第1空間H300A、第2空間H300B)に伝達して駆動音や衝突音がパチンコ機H10の外部に漏れ出にくくしても良い。
上記第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、上側装飾ユニットH9014aの上方側(矢印U方向側)に形成される第1連通路H300Cが上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位させることで開放される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、上側装飾ユニットH9014aの下方側(矢印D方向側)に形成される第2連通路H300Dが下面板H333を変位させることで開放されるように構成しても良い。
さらに、第16実施形態では、上面板H9332を回転させる場合について説明したが、上面板H9332をスライド変位させて第1連通路H300Cを開放するように構成しても良く、また、上面板H9332が第1連通路H300Cを開放する位置に変位できるものであれば、例えば、上面板H9332を上側装飾ユニットH9014aの内側に向かって変位させて第1連通路H300Cを開放しても良い。
上記第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336が操作ユニットH180の操作に連動して変位される場合について説明したが、操作ユニットH180の操作ではなく、機能調整操作部H190の操作により上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位させても良い。この場合には、機能調整操作部H190の操作により遊技者が上面板H9332の状態を常に変更することができる。その結果、遊技者の好みに合った放音態様に調整することが可能となり、遊技者の興趣を向上できる。
また、上記第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336が操作ユニットH180の操作に連動して変位される場合について説明したが、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作(遊技領域への遊技球の打ち出し)や、遊技領域の所定のセンサ(スルーゲート)の通過に伴って、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位させても良い。
なお、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作や、遊技領域の所定のセンサの通過や、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(張出部材H36130aを張り出させる)を実行可能とされる。
上記第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位して第1連通路H300Cを開放する(第1連通路H300Cの通路幅を変更する)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下面板H333を変位して第2連通路H300Dを開放するものであっても良い。
第44実施形態および第45実施形態では、第1連通路H300Cを開放した場合に板部材H37332hが空間H9332d2の外部空間との連通を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連通路H300Cを開放した場合に、板部材H37332hの先端が第1連通路H300Cよりも上方に位置し、空間H9332d2が外部空間と連通されるものであっても良い。
また、この場合、第45実施形態のように光照射ユニットH38336に配設したLEDH38336a1の光を、空間H9332d2と外部空間とを連通する開口を介して遊技者が視認できるように、LEDH383336a1の光の向きを調整しても良い。これにより、LEDH383336a1の光を遊技者に直接視認させることができ、光により第1連通路H300Cの放音状態が変更されたことを遊技者に認識させやすくできる。
さらに、光照射ユニットH38336に配設したLEDH38336a1の光が、外部空間と連通された第1連通路H300Cを介して遊技者に視認されるようにLEDH38336aの光の向きを調整しても良い。この場合も同様に、光により第1連通路H300Cの放音状態が変更されたことを遊技者に認識させやすくできる。
上記第16実施形態、第44実施形態、第46実施形態、第47実施形態、及び、第48実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332が板部材から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第45実施形態のように、光を照射可能な基板部材H38336aを有する光照射ユニットH38336から形成されるものであっても良い。
上記第16実施形態、第44実施形態から第47実施形態では、パチンコ機H10の演出に注目させる際に第1連通路H300Cを開放する場合について説明したが、これに限られるものではなく、パチンコ機H10の演出に注目させる際に第1連通路H300Cを閉じた通路として、パチンコ機H10から放音される音を小さくして、遊技者にパチンコ機H10の音を集中して聞かせるように構成しても良い。
第47実施形態では、上面板H40332が変位され第1連通路H300Cを開放する場合に、上面板H40332が正面側に向かって上昇傾斜した状態に配置される場合について説明したが、上面板H40332が鉛直となる位置まで(約90度)回転させるものであっても良い。なお、この場合には、第45実施形態のように光を照射可能な基板部材H38336aを有する光照射ユニットH38336で構成されることが好ましい。これによれば、第1連通路H300Cを開放した際に光照射ユニットH38336から出射する光を上側装飾ユニットH40014aの内部を通さず遊技者に直接視認させることができ、光による演出態様を複数形成できるからである。
なお、上面板H40332の回転角度については、第47実施形態に限られず、第44実施形態から第47実施形態における上面板H37332、H39332又は光照射ユニットH38336においても同様である。即ち、第44実施形態から第47実施形態における上面板H37332、H39332又は光照射ユニットH38336を鉛直となる位置まで(約90度)回転可能に構成しても良い。
上記第47実施形態では、第1連通路H300Cの内部空間の全体に上面板H40332の閉鎖部H40332pが配置され、第1連通路H300Cによる第1空間H300A同士の連通が規制される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連通路H300Cの一部を遮るように第1連通路H300Cの内側面と同形状の板部材から形成される閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内側に配置して、第1空間H300A同士の連通を規制するものであっても良い。
この場合には、第1連通路H300Cの内部に配設される閉鎖部H40332pの配設スペースを小さくできる(即ち、閉鎖部H40332pの外形を小さくできる)ので、上面板H40332に光を発光可能な基板部材H38336aが配設される場合に、閉鎖部H40332pにより光が遮られることを抑制できる。その結果、光による演出効果が低下することを抑制できる。
また、上面板H40332に閉鎖部H40332pを配設するものではなく、上面板H40332とは関係ない位置に閉鎖部H40332pを配設するものであっても良い。例えば、遊技者やパチンコ店の作業者(店員)が操作可能な位置に閉鎖部H40332pを配設して、遊技者やパチンコ店の作業者(店員)の操作により第1連通路H300Cの内部に閉鎖部H40332pが変位されるものであっても良い。
例えば、パチンコ店の作業者(店員)のみが閉鎖部H40332pを操作可能として、パチンコ機H10のスピーカーH312aの破損時(故障時)にのみ閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内部に変位させて、スピーカーH312aの破損時に一方側のスピーカーH312aから他方側のスピーカーH312a側に音を伝達するように構成しても良い。
また、例えば、パチンコ機H10の演出により、第1連通路H300Cの内部に閉鎖部H40332pを変位させたり、第1連通路H300Cの外側に閉鎖部H40332pを変位させるようにしても良い。即ち、パチンコ機H10の演出に連動して第1連通路H40332bの連通状態を変更(制御)するものであっても良い。これによれば、パチンコ機H10の演出に合わせて音の態様を変化させることができるので遊技の興趣を向上できる。
また、上記第47実施形態では、第1連通路H300Cの内部空間が埋まる形状に閉鎖部H40332pが形成される場合について説明したが、第1連通路H300Cの一部の領域を開放する(連通可能な空間が空いた)形状に閉鎖部H40332pが形成されても良い。
第44実施形態、第46実施形態、及び、第48実施形態では、上面板H37332,H39332が板状に形成される場合について説明したが、第1連通路H300Cの上方側を閉鎖する上面板H37332,H39332の下面側から装飾部を張り出し形成しても良い。この場合には、第1連通路H300Cを開放した際に、装飾部を遊技者に視認させることができ、正面視における装飾の形成領域を増やすことができる。なお、装飾部は第1連通路H300Cの通路幅よりも小さく形成されることが好ましく、これによれば、第1連通路H300Cの上方側を上面板H37332,H39332で閉鎖した場合に第1連通路H300Cの内部に装飾部を収容することができる。その結果、装飾部を形成した分、上側装飾ユニットH37014a,H39014a,H41014aを上下方向に大きくする必要がなくなり、上側装飾ユニットH37014a,H39014a,H41014aを大型化させず、装飾領域を増やすことができる。
上記第47実施形態では、第2変位部材H40337が上下方向に変位される場合について説明したが、第2変位部材H40337は、前後方向にスライド変位されるものでも、回転変位されるものでもよい。例えば、第1連通路H300Cを閉鎖する上面板H40332に沿って第2変位部材H40337を前後方向にスライド変位させる場合には、上側装飾ユニットH40014aの内部空間における第2変位部材H40337の変位領域を最小にすることができる。これにより、第2変位部材H40337を配設するためのスペースを確保できる。
上記第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を例に説明したが、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336に加えて、或いは、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336)と同様の効果が得られる。
上記第16実施形態、第44実施形態から第48実施形態では、スピーカーH312aを例に説明したが、スピーカーH312aに加えて、或いは、スピーカーH312aに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、振動または動作が可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。振動または動作が可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(スピーカーH312a)と同様の効果が得られる。
上記第17実施形態では、遊技者がパチンコ機H10を遊技していない状態時にファンH10480の回転(送風)が行われる場合について説明したが、遊技者が風を発生させるか否か選択できるように構成しても良い。
なお、この場合、上端開口部H473aの開口をパチンコ機H10を遊技する遊技者側に向けて開口させる(即ち、右側装飾ユニットH10014cの内カバー部材H420側に開口を形成する)ことが好ましく、これにより、パチンコ機H10を遊技する遊技者にファンH10480の風を当てることができる。よって、遊技者が店舗の室温を高いと感じる場合には、ファンH10480を遊技者にオンさせてファンH10480の風が当たるようにすることで、快適に遊技できるようになる。
また、遊技者が風を発生させるか否か選択するものではなく、パチンコ機H10の演出に合わせてファンH10480を回転させるように構成してもよい。例えば、「大当たり」の期待が高い演出を行う場合に、ファンH10480を回転させることでファンH10480の風を感じる遊技者の「大当たり」への期待感を高めることができる。
なお、上記第17実施形態では、ファンH10480により風を送る場合について説明したが、風を送ることが可能であれば良く、例えば、スライド変位する機構により空気を押し出して風を送るものであっても良い。また、スピーカーH312aから音を放音(出力)した際のスピーカーH312aの振動により発生する風により、通路空間H400Aの空気を流動させて異物を開口部H473から排出するようにしても良い。
上記第18実施形態では、立設部H11477と上面板H332と係合部H11477bとにより形成される通路空間H11400A(図235(a)参照)が正面枠H14の正面側まで開口される場合について説明したが、通路空間H11400Aが、正面枠H14の背面側まで開口されるものであっても良い。
この場合には、立設部H11477と上面板H332との隙間から侵入する異物を正面枠H14の背面側に案内することができる。即ち、異物を遊技者から視認されない位置に排出することができる。その結果、遊技者の興趣が低下擦ることを抑制できる。
上記第8実施形態では、通路空間H400Aを異物が通過する案内面となる屈曲部H452が、光を透過可能な第1外レンズ部材H450から形成される場合について説明したが、第1外レンズ部材H450とは別部材から形成されていても良い。この場合には、異物により第1外レンズ部材H450が汚れることを抑制でき、第1外レンズ部材H450を介して照射される光の光量を安定させることができる。
なお、第8実施形態では、ベース部材H510を下皿形成部材H530よりも下方側に設定したが、下皿形成部材H530をベース部材H510の下方側に位置する状態で配設し、ベース部材H510の下面側に突出する突出部を形成し、下皿形成部材H530の下端とベース部材の突出部の突出先端とを床面に当接させて、正面枠H14を自立させる構成としても良い。この場合には、正面枠H14をベース部材H510に対して下方に配設できる分、遊技者が視認可能とされる面積を増加させることができる。その結果、遊技領域を増加させたり装飾面を増加させることができ、遊技者の興趣を向上させやすくできる。
上記第8実施形態では、正面枠H14の下面側を床面に当接させて正面枠H14を自立させる場合について説明したが、正面枠H14の上面側を床面に当接させて正面枠H14を自立させても良い。この場合には、上側装飾ユニットH14aの化粧ユニットH320(上面板H332)の上面に突出部H583を形成すると共に、化粧ユニットH320をベースユニットH310の上端よりも下方側に配置することが好ましい。これによれば、正面枠H14の上面側を床面に当接させた際に、ベースユニットH310の上端と化粧ユニットH320に形成した突出部H583の突出先端とを床面に当接させて、正面枠H14を自立させることができる。
上記第21実施形態では、球抜きレバーH52の操作に伴ってスライド板H14562を変位させることで、第2スライド板H14563(突出部H14563b)を張出状態とする場合について説明したが、第2スライド板H14563を備えず、突出部H583を備える構成としても良い。
この場合には、球抜きレバーH52の操作に伴ってスライド板H14562の押圧片H14562aを突出部H583の上方に(第1化粧板H541を挟んで突出部H583の反対側)に配置することで、突出部H583に力が作用する場合に突出部H583をスライド板H14562の押圧片H14562aで支持(補強)することができる。下皿H50から球を排出する際に球が突出部H583に当接した場合や、正面枠H14を外枠H11に対して開放する際に突出部H583を把持した場合や、正面枠H14を床面に仮置きする場合に、突出部H583が変形することや破損することを抑制できる。
上記第8実施形態、第21実施形態および第22実施形態では、突出部H583,H14563bが下皿H50から球を払い出す底面口H553aよりも右側に偏る位置に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、底面口H553aの左右両側に一対形成されるものであっても良い。
上記第8実施形態、第21実施形態および第22実施形態では、突出部H583,H14563bが湾曲して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、突出部H583,H14563bは、一端から他端に向かって直線状に形成されるものや、突出部H583,H14563bは、円柱状に突出形成されるものであっても良い。
上記第8実施形態、第21実施形態および第22実施形態では、球抜き時に球が飛び散ることを抑制するために突出部H583,H14563bを利用する場合について説明したが、球抜き時の球の当接面としての利用だけなく、演出部分として利用しても良い。例えば、突出部H583,H14563bに光を出射可能な発光手段を配設して、遊技者により球抜き操作等の所定の操作がされる際に突出部H583,H14563bから光を照射するものであっても良い。これによれば、光により遊技者に所定の操作が正しくされていることを認識させることができる。また、光による演出で球が排出されている高揚感を遊技者に与えることができる。
上記第21実施形態および第22実施形態では、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させた場合に、突出部H14563bの先端が正面枠H14(上下皿ユニットH14015)から非突出とされる場合について説明したが、突出部H14653bを退避させた場合に、突出部H14563bの先端が正面枠H14(上下皿ユニットH14015)から突出されても良い。
即ち、突出部H14563bを上下皿ユニットH14015から最大限張り出した第1の突出状態と、その第1の突出状態よりも上下皿ユニットH14015の突出距離が少ない第2の突出状態との間で、突出部H14563bを変位させるものであっても良い。この場合には、第1の突出状態または第2の突出状態における突出部H14563bの突出高さを、正面枠H14を自立させるのに適した高さ(重心位置を適切な位置に配置できる高さ)、排出口H561aから排出される球が千両箱から飛び出ることを抑制する高さ、又は、千両箱を出し入れしやすい高さ等、適宜適した状態の突出高さに設定できる。
上記第21実施形態および第22実施形態では、球抜きレバーH52の操作により変位するスライド板H14562が突出部H14563bを有する第2スライド板H14563に当接することで突出部H14563bが変位される場合について説明したが、遊技者の操作(例えば、操作ユニットH180の操作)をセンサで検出して、第2スライド板H14563を別途配設する駆動手段により変位させて突出部H14563bの突出高さを変更するように構成しても良い。この場合には、遊技者が操作する操作部材に第2スライド板H14563を変位する際の抵抗が作用しないので、遊技者に操作部材の操作をさせやすくできる。
なお、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(突出部H14563bを変位させる)を実行可能とされる。
上記第21実施形態および第22実施形態では、突出部H14563bが上下方向に変位して上下皿ユニットH14015の下面から突出される場合について説明したが、上下方向の変位に限定されるものではなく、回転されることで上下皿ユニットH14015の下面から突出されるものであっても良い。なお、この場合、突出部H14563bは、直線状に形成されることが好ましく、これによれば、非突出とされる場合に突出部H14563bを上下皿ユニットH14015の下面に沿って配設しやすくできる。
上記第21実施形態では、突出部H14563bを有する第2スライド板H14563が上下皿ユニットH14015に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、右側装飾ユニットH14cや上側装飾ユニットH14aに配設しても良い。
右側装飾ユニットH14c又は上側装飾ユニットH14aに配設する場合には、球抜きレバーH52に変わって正面枠H14に配設する機能調整操作部H190の操作等により第2スライド板H14563を変位させて突出部H14563bを正面視右側から突出させることで、正面枠H14を床に仮置きする場合に右側装飾ユニットH14cの右側側面を設置面として利用することができる。
上記第8実施形態では、リブH583bが湾曲壁H583aの湾曲面の前後に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、リブH583bを各湾曲壁H583aの連結部に形成しても良い。例えば、湾曲壁H583aの凹側の側面の各湾曲壁H583aの連結部にリブH583bを形成した場合には、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指が突出部H583に対して滑ることをリブH583bで抑制できる。その結果、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。
また、リブH583bは、湾曲壁H583aの正面側の片面のみに形成されていても良い。これによれば、外枠H11(図121参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指がリブH583bにより湾曲壁H583aに引っ掛かりにくくなることを抑制できる。その結果、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。
上記第8実施形態、第24実施形態、及び、第25実施形態では、操作ユニットH180が連結部H555,H18555又は凸状部H17515に載置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連結部H555,H18555又は凸状部H17515に機能調整操作部H190を載置しても良い。
上記第23実施形態、第42実施形態では、基板ユニットH16344が上下方向に変位して上側装飾ユニットH16014a,H35014aの下面から突出される場合について説明したが、上下方向にスライド変位されるものに限られるものではなく、回転されるものあっても良い。即ち、回転により上側装飾ユニットH16014a,H35014aの下面から突出されるものであっても良い。
上記第23実施形態、第42実施形態および第43実施形態では、基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aが遊技者や作業者の所定の操作により突出される場合について説明したが、遊技者の操作(例えば、操作ユニットH180の操作)をセンサで検出して、基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aを別途配設する駆動手段により変位させて基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aの突出高さを変更するように構成しても良い。この場合には、遊技者が操作する操作部材に基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aの操作抵抗が作用しないので、遊技者に操作部材の操作をさせやすくできる。
なお、遊技者の操作を検出するセンサ(各スイッチH208(図128参照))は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号や基づいてMPUH201が各種処理を実行可能とされる(例えば、基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aを変位させる)。
上記第22実施形態および第42実施形態では、係合片H15443,H35331cを遊技者または作業者(店員)が操作可能に形成される場合について説明したが、係合片H15443,H35331cを別途配設する駆動モータにより駆動させても良い。この場合には、突出部H14563b又は基板ユニットH16344を所定のタイミングで退避させることができる。なお、所定のタイミングとは、例えば、所定の時間経過のタイミングや、所定の遊技状態とされたタイミングや、所定の操作がされたタイミングである。
例えば、第22実施形態において、所定の時間経過のタイミングで突出部H14563bを退避させるように構成した場合には、球抜きレバーH52が操作された後、所定の時間経過で突出部H14563bを退避させることができるので、突出部H14563bが張り出された状態で放置される(非遊技状態とされる)ことを抑制できる。その結果、次に遊技する遊技者が遊技を開始する際に、球抜き孔が開放された状態となっていることを抑制でき、遊技球を貸し出し操作した際に下皿H50に送球された遊技球がそのまま千両箱に払い出されて遊技者の手間(千両箱内の遊技球を拾い集めること)が増えることを抑制できる。
なお、係合片H15443,H35331cを駆動する駆動モータ(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。
また、第22実施形態において、所定の遊技状態とされたタイミングで突出部H14563bを退避させるように構成する場合には、例えば、大当たりが終了し、通常の遊技状態に戻った状態とされた際に突出部H14563bを退避させるように構成する。この場合には、大当たりが終了して遊技球が下皿H50に払い出されなくなったタイミングで、突出部H14563bを退避させることができる。そのため、突出部H14563bを退避させる遊技者の操作を不要とできる。なお、この場合には、球抜きレバーH52を別途駆動モータにより駆動して、大当たりの開始に伴って球抜きレバーH52を変位させることで、大当たり時の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、パチンコ機H10の演出に集中させることができる。
なお、この場合の球抜きレバーH52を駆動する駆動モータ(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。
さらに、第22実施形態において、所定の操作がされた場合に突出部H14563bを退避させるように構成する場合には、例えば、状態復帰スイッチH120(図120参照)の操作がされた際に突出部H14563bを退避させるように構成する。この場合には、遊技中に突出部H14563bが戻らなくなった場合に、状態復帰スイッチH120の操作により突出部H14563bを退避位置に戻すことができる。
また、第43実施形態において、所定の操作がされたタイミングで基板ユニットH16344を退避させるように構成する場合には、例えば、正面枠H35014が内枠H12に対して閉じた位置に配置された場合(図121参照)に退避するように構成する。この場合には、正面枠H35014が内枠H12に配設された後、基板ユニットH16344を退避位置へ変位させる操作を必要としないので、正面枠H35014を内枠H12に組み付ける作業を簡易にできる。
上記第21実施形態および第22実施形態では、球抜きレバーH52の操作に連動して上下皿ユニットH14015,H15015の下面から突出部H14563bを張り出させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球排出レバーH54の操作に連動して上下皿ユニットH14015,H15015の下面から突出部H14563bを張り出させても良い。
この場合には、遊技をやめる際に上皿H17から下皿H50に球を払い出す球排出レバーH54の操作に伴って突出部H14563bを張り出させることができるので、遊技をやめる場合に突出部H14563bを張り出させて、下皿H50から千両箱に払い出される遊技球が飛び散ることを抑制できる。
また、上記第23実施形態では、基板ユニットH16344を球抜きレバーH16052の操作に連動して上側装飾ユニットH16014aから張り出す場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球排出レバーH54の操作に連動して上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344aを張り出させても良い。
この場合には、球排出レバーH54が押圧されたままの状態で放置された場合に、次に遊技しようとする遊技者に球排出レバーH54が押圧されたままの状態になっていることを認識させて、球排出レバーH54を所定の位置に戻させることができる。これにより、次に遊技する遊技者が球を貸し出し操作した際に、その遊技球が上皿H17に貯留されず上皿H17から下皿H50に払い出されることを抑制できる。その結果、遊技者の手間(下皿H50に払い出された遊技球を上皿H17に戻すこと)が増えることを抑制できる。
第21実施形態、第22実施形態、第23実施形態、第42実施形態では、突出部H14563b又は基板ユニットH16344を、球抜きレバーH52,H16052又はシリンダ錠H20の操作で張り出させる場合について説明したが、例えば、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作(遊技領域への遊技球の打ち出し)や、遊技領域の所定のセンサ(スルーゲート)の通過や、操作ユニットH180の操作に伴って、突出部H14563b又は基板ユニットH16344を張り出させても良い。この場合には、遊技状態により突出部H14563b又は基板ユニットH16344を張り出させることができるので、突出部H14563b又は基板ユニットH16344の張り出しを演出の一部として利用できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作や、遊技領域の所定のセンサの通過や、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号やに基づいてMPUH201が各種処理(突出部H14563b又は基板ユニットH16344を張り出させる)を実行可能とされる。
また、第21実施形態および第22実施形態では、遊技状態とされた場合に、突出部H14563bを張り出させることができるので、遊技球が下皿H50から払い出される場合に確実に突出部H14563bを張り出した状態にできる。その結果、千両箱に払い出された遊技球が飛び散ることを抑制できる。
上記第43実施形態では、張出部材H36130aを送球停止レバーH132aの操作で張り出させる場合について説明したが、例えば、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作(遊技領域への遊技球の打ち出し)や、遊技領域の所定のセンサ(スルーゲート)の通過や、操作ユニットH180の操作に伴って、張出部材H36130aを張り出させても良い。
なお、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作や、遊技領域の所定のセンサの通過や、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図128参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(張出部材H36130aを張り出させる)を実行可能とされる。
上記第21実施形態から第23実施形態、第42実施形態、第43実施形態では、第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130aを例に説明したが、第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130aに加えて、或いは、第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130aに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130a)と同様の効果が得られる。
上記第21実施形態から第23実施形態、第42実施形態、第43実施形態では、球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132aについて説明したが、球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132aに加えて、或いは、球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132aに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132a)と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態では、下枠部材H720に固定される発光手段H773b(基板部材H773)に対して、変位部材H790を相対変位させる場合について説明したが、下枠部材H720に変位部材H790を固定し、発光手段H773bを変位部材H790に対して相対変位させてもよい。この場合、発光手段H773bの光源の位置を変更することができるので、発光手段H773bの変位に伴って光源の移動を遊技者に注目(視認)させることができ、光源の移動に伴う光の態様の変化を遊技者に見せやすくできる。その結果、演出効果を高めることができる。
なお、下枠部材H720に発光手段H773b(基板部材H773)と変位部材H790とのどちらも固定せず、下枠部材H720に対して発光手段H773b(基板部材H773)と変位部材H790とをそれぞれ独立して変位させても良い。
上記第8実施形態、及び、第50実施形態から第53実施形態では、駆動手段H780がベース手段H770に対して回転変位される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ベース手段H770にレール部材を配設して、そのレール部材に沿って駆動手段H780を左右方向に直線変位させるようにしても良い。
上記第8実施形態、及び、第50実施形態から第53実施形態では、駆動手段H780を変位させた際の慣性力で駆動手段H780に対して変位部材H790を変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば、駆動手段H780にソレノイドを別途配設して、そのソレノイドの駆動により駆動手段H780に配設される変位部材H790を変位させるようにしても良い。
なお、この場合の駆動手段H780を駆動するソレノイド(その他装置H228(図128参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。
上記第8実施形態では、変位部材H790が駆動手段H780に対して前後方向に変位可能に配設される場合について説明したが、変位部材H790を駆動手段H780に対して左右方向に変位可能に配設しても良い。この場合には、駆動手段H780が回転する慣性力により変位部材H790を駆動手段H780の回転方向にスライド変位させることができる。従って、駆動手段H780の回転範囲を狭くしつつ、駆動手段H780の先端に配設される変位部材H790の変位量を大きくできる。その結果、駆動手段H780の配設スペースを小さくしつつ、変位部材H790の変位量を確保して変位部材H790の変位による演出効果を高めることができる。
上記第8実施形態、第49実施形態、及び、第50実施形態では、駆動手段H780(変位部材H790,H42790,H43790)がベース手段H770に対して回転される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動手段H780(変位部材H790,H42790,H43790)がベース手段H770に対してスライド変位されるように構成されても良い。また、この場合には、駆動手段H780(変位部材H790,H42790,H43790)がベース手段H770の基板部材H773の光の照射方向に対して直交する平面上を回転または直線変位されるように構成することが好ましい。変位部材H790,H42790,H43790の変位により光の態様を変更しやすくできるからである。
上記第8実施形態では、変位部材H790が基板部材H773と正面視において重なる範囲を変位可能に構成される場合について説明したが、変位部材H790(駆動手段H780)の変位領域を発光手段H773bと正面視において重ならない範囲を含む領域に設定しても良い。即ち、変位部材H790(駆動手段H780)の変位範囲を左右方向に大きくして、正面視において発光手段H773bと重ならない状態と、正面視において発光手段H773bと重なる状態とを形成可能に構成しても良い。この場合には、発光手段H773bの視認態様を増やすことができるので、変位部材H790の変位による演出効果を向上できる。
上記第8実施形態、第49実施形態、及び、第50実施形態では変位部材H790,H42790が上側ベース部材H771及び下側ベース部材H772に連結され、基板部材H773が上側ベース部材H771及び下側ベース部材H772に配設される場合について説明したが、変位部材H790,H42790を下枠部材H720に連結し、基板部材H773を下枠部材H720に配設するものであっても良い(即ち、変位部材H790,H42790及び基板部材H773が配設される対象が下枠部材H720とされても良い)。
上記第49実施形態、第50実施形態では、一個の揺動装置H42730,H43730が配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、揺動装置H42730,H43730が複数個整列して配設されるものであっても良い。これによれば、複数色を同時に表示することができるので、揺動装置H42730,H43730の光による演出を複数形成できるので、光による演出効果を向上できる。
また、この場合に、各揺動装置H42730,H43730に配設される変位部材H42790を、各揺動装置H42730,H43730の基板部材H773(第1拡散部材H43774)と異なる個数(例えば、1個)にしても良い。
これによれば、1個の変位部材H42790に対して、各基板部材H773から発光され第1拡散部材H43774の各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)で色分けされた各発光色を1個の変位部材H42790の周囲から遊技者に視認させることができる。そのため、変位部材H42790の変位と、基板部材H773の光とによる演出効果を向上できる。なお、変位部材H42790は、1個に限られるものではなく第1拡散部材H43774の数に対して少ないものであれば良い(即ち、1個の変位部材H42790に対して複数色の発光を視認させることが可能であれば良い)。
また、2個以上の変位部材H42790を配設した場合には、各変位部材H42790を基板部材H773の正面側で隣り合わせ(合体させ)、1個の変位部材H42790が基板部材H773の正面側に配置されているように遊技者に視認させても良い。
この場合には、各変位部材H42790の間に光を照射可能な位置の発光手段H773bの光の出射をオフにする、又は、各変位部材H42790の間に照射される光を第2変位部材H43795で遮ることで、各変位部材H42790の間から光が漏れ出ることを抑制できる。これにより、隣り合わせた(合体させた)状態の各変位部材H42790を1個の変位部材H42790として遊技者に視認させやすくできる。
上記第49実施形態、第50実施形態では、変位部材H42790,H43790が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、変位部材H42790,H43790の一部が光を透過可能な樹脂材料から形成されても良い。この場合には、光非透過の領域で背面側の第1拡散部材H774,H43774を視認させにくくできる一方、光を透過可能な領域で第1拡散部材H774,H43774を介して照射される光を遊技者に視認させることができる。
上記第50実施形態では、第2変位部材H43795が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成され、光を集光可能なレンズ部材や光を拡散可能な拡散部材を第2変位部材H43795の両端部に配置して、変位部材H790の縁部(両端部)を介して視認される光の見え方を変更しても良い。これにより、変位部材H790の周囲から出射される光を目立たせることができる。
上記第49実施形態、第50実施形態では、正面視において変位部材H42790の左右幅が第1拡散部材H774,H43774の左右幅よりも小さく形成される場合について説明したが、変位部材H42790の左右幅を第1拡散部材H774,H43774の左右幅よりも大きく形成しても良い。
上記第49実施形態、第50実施形態では、変位部材H42790及び第2変位部材H43795が回転変位される場合について説明したが、変位部材H42790及び第2変位部材H43795をスライド変位させるものであっても良い。これによれば、第1拡散部材H774,H43774(基板部材H773)に対する変位部材H42790及び第2変位部材H43795の姿勢を維持することができるので、変位部材H42790及び第2変位部材H43795に遮られて反射する光が他の発光領域に入射することで不具合が起きることを抑制できる。
なお、上記第49実施形態、第50実施形態では、変位部材H42790及び第2変位部材H43795が回転変位されるので、変位部材H42790及び第2変位部材H43795を変位させた際の左右方向における変位領域を小さくすることができる。これにより、揺動装置H42730,H43730を傾倒装置H710の内側に配設しやすくできる。
上記第50実施形態では、第2変位部材H43795を変位させて、発光手段H773bの光が第1拡散部材H43774に照射される領域を変更する場合について説明したが、第2変位部材を備えず第1拡散部材H43774を基板部材H773に対して変位させることで、第1拡散部材H43774の各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)に照射される発光手段H773bの光の領域を変位するものであっても良い。
即ち、第1拡散部材H43774を基板部材H773に対して変位させることで、第1拡散部材H43774の光が非透過とされる領域のフィルムを基板部材H773の正面側から退避させるものであっても良い。
上記第53実施形態では、変位部材H46182がボタン部H181から張り出される場合(傾倒装置H46710が傾倒位置に配置される場合)に、変位部材H46182の屈曲部H46182bに第2基板部材H46742から出射される光を入射可能に構成されるが、変位部材H41682をボタン部H181の内部に収容した場合に、変位部材H46182の屈曲部H46812bから第2基板部材H46742の光を変位部材H46182の内部に入射させるように第2基板部材H46742の配置を変更しても良い。
上記第49実施形態から第53実施形態では、揺動装置H42730,H43730,H44730,H45700,H46700が1箇所に配設される場合について説明したが、揺動装置H42730,H43730,H44730,H45700,H46700を複数個並べて配置して、複数の揺動装置H42730,H43730,H44730,H45700,H46700による演出を遊技者に視認させるものであっても良い。
上記第8実施形態、第28実施形態、第29実施形態では、錘部材H787b,H22787bを回転させた際の慣性力や、当接手段H21786を当接させた際の慣性力で駆動手段H780,H21780,H22780を変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、駆動モータH781の駆動軸に連結するクランクにより駆動手段H780,H21780,H22780を変位させても良い。この場合には、駆動モータH781の駆動に伴った変位を駆動手段H780,H21780,H22780にさせることができるので、慣性力により変位させる場合に比べて駆動手段H780,H21780,H22780の位置を制御しやすくできる。
また、上記第8実施形態、第28実施形態、第29実施形態では、駆動手段H780,H21780,H22780がベース手段H770に対して回転変位される場合について説明したが、スライドレールにより駆動手段H780,H21780,H22780がベース手段H770に対してスライド可能に連結されるものであっても良い。
上記第50実施形態では、操作ユニットH180のボタン部H181の操作により変位部材H43790を変位させる場合について説明したが、操作ユニットH180の操作に連動するものではなく、機能調整操作部H190の各ボタンH191~H195の操作により変位部材H43790を変位させるようにしても良い。即ち、機能調整操作部H190の各ボタンH191~H195の操作により、第2変位部材H43795を第1拡散部材H774に貼付される各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)に近づけるように構成しても良い。この場合には、機能調整操作部H190の操作により第2変位部材H43795と各フィルムとの対向間の距離を調整することができる。従って、第2変位部材H43795と各フィルムとの対向間への光の入射量を遊技者が制御することができ、遊技者の好みに合わせた発光を遊技者に視認させることができる。
上記第8実施形態、第49実施形態から第53実施形態では、図示および説明を省略したが、操作ユニットH180,H45180,H46180とガラスユニットH16の間に導光板を配設しても良い。なお、導光板は、所定の方向からの光のみを所定の方向に反射可能な反射部を有し、光を透過可能に構成される。また、導光版は、変位可能に構成されても良い。
上記第8実施形態、第49実施形態から第53実施形態では、変位部材H790,H42790,H43790を例に説明したが、変位部材H790,H42790,H43790に加えて、或いは、変位部材H790,H42790,H43790に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(変位部材H790,H42790,H43790)と同様の効果が得られる(第49実施形態、第50実施形態では、変位部材H42790の一部が光を透過可能に構成された場合)。
上記第8実施形態、第49実施形態から第53実施形態では、基板部材H773を例に説明したが、基板部材H773に加えて、或いは、基板部材H773に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光を発光可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光を発光可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(基板部材H773)と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態、第49実施形態から第53実施形態では、発光手段H773b、第2変位部材H43795を例に説明したが、発光手段H773b、第2変位部材H43795に加えて、或いは、発光手段H773b、第2変位部材H43795に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光の光量を変更可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光の光量を変更可能に構成される手段であれば上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。
上記第50実施形態では、各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)を例に説明したが、各フィルムに加えて、或いは、各フィルムに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、出射される光の色を変更可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。出射される光の色を変更可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。
上記第51実施形態から第53実施形態では、傾倒装置H710,H46710を例に説明したが、傾倒装置H710,H46710に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光を透過可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光を透過可能に構成される手段であれば上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。
上記第52実施形態および第53実施形態では、第2基板部材H45718を例に説明したが、第2基板部材H45718に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光を発光可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光を発光可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態、第49実施形態から第53実施形態では、傾倒装置H710,H46710を例に説明したが、傾倒装置H710,H46710に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位部材H790,H42790,H43790を変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位部材H790,H42790,H43790を変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態、第30実施形態、及び、第25実施形~第37実施形態では、凹部H821a1,H24821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び第2凹部H23871が凹設した溝状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、凹部H821a1を前後に貫通した開口で形成しても良い。なお、この場合には、凹部H821a1の溝幅が遊技球の直径よりも小さい形状に形成され、前後に暴れる遊技球が凹部H821a1の開口縁に当接されるように構成される。
また、上記第8実施形態、第30実施形態から第37実施形態では、凹部H821a1,H24821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1、第2凹部H23871、凸部H24821a2により、流路の内面に当接する遊技球が内面から受ける前後方向の反力を小さくする場合について説明したが、流路の内面に弾性部材を配設して流路の内面から受ける前後方向の反力を小さくしても良い。
上記第8実施形態、第30実施形態から第41実施形態では、回転体H112a2の他端側に配設される発射部H831が弾性変形可能な弾性材料から形成される場合について説明したが必ずしもこれに限られるものではなく、発射レールH112a1上の遊技球に当接した際の衝撃を吸収できるものであれば、例えば、金属製のコイルスプリングで構成され、遊技球と当接した際にスプリング部分で当接した際の衝撃を吸収するものであっても良い。
上記第8実施形態、第30実施形態、及び、第33実施形態では、案内手段H820の凹部H821a1の湾曲状に凹設される背面側の凹設底部が発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも上方側に配置される場合について説明したが、案内手段H820の凹部H821a1の湾曲状に凹設される背面側の凹設底部が発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも下方側に配置しても良い。
この場合には、発射手段H830により発射される遊技球が背面側に向かって暴れる場合に、その遊技球を凹部H821a1の凹設底部よりも上方側に当接させることができる。即ち、下方側に向かって背面側に湾曲する領域に遊技球を当接させることができる。従って、凹部H821a1の内面に当接する遊技球に下方に向かう方向の反力を付与することができ、遊技球が発射レールH112a1の転動面から上方に離れることを抑制できる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が上下方向に暴れることを抑制できる。
上記第8実施形態では、変位部材H882が第2位置(発射レールH112a1に遊技球を送球する位置)に配置される際に発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも球送球部H882a(図190参照)が若干下方に配置される場合について説明したが、変位部材H882が第2位置(発射レールH112a1に遊技球を送球する位置)に配置される際に発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも若干上方に位置されてもよい。
この場合には、正面側(矢印F方向側)に暴れる遊技球を球送球部H882aの下方側(矢印D方向側)の端部に当接させることができる。これにより、球送球部H882aに当接する遊技球に作用する反力に下方に向かう方向成分を付与することができる。即ち、球送球部H882aに当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、下方に向かう成分とに分散することができる。よって、背面側(矢印B方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
さらに、発射手段H830により発射される遊技球が正面側(矢印F方向側)に暴れる場合に遊技球が球送球部H882aの下方側の端部に当接するので、遊技球が背面側開口H172の上方側に乗って背面側開口H172内に逆流することを抑制できる。その結果、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1への球の送球を安定させることができる。
上記第8実施形態および第33実施形態~第37実施形態では、案内手段H820,H24820,H25820,H27820,H29820,H30820の背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821aが、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図191(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、案内手段H820,H27820,H29820,H30820の背面部H821a,H27821a,H29821a,H30821aが、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)と平行に形成され、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅く形成されても良い。即ち、凹部H821a1の凹設底部が遊技球の発射方向に沿って正面側に傾斜しても良い。
この場合には、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の傾斜により凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れた遊技球に対して発射方向と反対方向の抵抗を付与しやすくできる。そのため、遊技球の発射方向の速度を低下させやすくでき、遊技球を発射レールH112a1上(前後方向における転動面の中央部)に戻しやすくできる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球しやすくできる。
上記第8実施形態では、凹部H821a1の下方側(矢印D方向側)の縁部が背面側開口H172よりも下方側に配置され、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を凹部H821a1に当接させやすくする場合について説明したが、凹部H821a1の上方側(矢印U方向)の縁部を背面側開口H172よりも上方側に配置して、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球が勢いのある状態で送球される場合でも遊技球を確実に凹部H821a1に当接させるようにしても良い。
上記第8実施形態、第33実施形態から第36実施形態、及び、第30実施径形態では、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が背面部H821a,H27821a,H29821a,H30821aに形成される場合について説明したが、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1をベース板H60の端部(球発射ユニットH112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112aとの境界部分)に形成しても良い。
この場合には、内枠H12に対する遊技盤H13の配置が前後に位置ずれしたとしても、ベース板H60に形成される凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1によりベース板H60と球発射ユニットH112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112aとの境界部分に前後方向の段差が形成されることを抑制できる。その結果、球発射ユニットH112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112aから遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
なお、ベース板H60に凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を直接凹設するものではなく、ベース板H60に別途配設したベース部材に凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を形成するものであっても良い。
上記第30実施形態では、凹部H821a1と第2凹部H23871との一部が前後方向に重なって形成される場合について説明したが、凹部H821a1と第2凹部H23871とが遊技球の発射方向において互い違いに形成されていても良い。この場合には、凹部H821a1により前後方向に暴れる力を抑えることができない場合に、第2凹部H23871により継続して前後方向に暴れる力を抑えることができる。その結果、前後に暴れた状態で案内手段H820から遊技盤H13に遊技球が送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。
なお、上記第31実施形態では、凸部H24821a2が正面側(矢印F方向側)に向かって湾曲状に凸設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸部H24821a2に当接する遊技球に作用する反力に上下方向の力成分を付与できるものであれば、例えば、凸部H2481a2は、発射方向と直交する方向における断面が略三角形状に形成されていても良い。
上記第8実施形態、第33実施形態から第37実施形態では、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される場合について説明したが、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が遊技球の半径よりも小さい半径の湾曲形状に形成され、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の内側に遊技球が受け入れる場合に、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の下端部または上端部に遊技球を当接させるものであっても良い。
また、上記第8実施形態、第33実施形態から第37実施形態では、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに凹設される場合について説明したが、遊技球の全部を受け入れ可能な大きさに凹設されても良い。
上記第8実施形態、第31実施形態から第41実施形態では、遊技球の転動面となる発射レールH112a1がV字状に形成される場合について説明したが、発射レールH112a1の転動面に第8実施形態、第31実施形態から第41実施形態における凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1又は凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2を形成して、遊技球が転動面に形成された凹部または凸部によって所定の軌跡で送球されるように構成されても良い。
上記第8実施形態、第31実施形態から第41実施形態において、内枠H12に対する遊技盤H13の配置状態により、それぞれの球発射ユニットH112a,H24112a,H25112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112a,H31112a,H32112a,H33112a,H34112aを取り換え可能に構成しても良い。これによれば、各パチンコ機H10の遊技盤H13の配設態様に合わせて球発射ユニットH112a,H24112a,H25112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112a,H31112a,H32112a,H33112a,H34112aを配設するので、パチンコ機H10毎による遊技球の発射のばらつきを抑えることができる。
また、上記第8実施形態、第31実施形態から第41実施形態において、第1案内部材H821,H24821,H25821,H26821,H27821,H28821,H29821,H30821,H31821,H32821,H33821のベース部材H810に対する配置を調整可能に形成しても良い。例えば、第1案内部材H821,H24821,H25821,H26821,H27821,H28821,H29821,H30821,H31821,H32821,H33821の螺子による締結部を長孔に形成して、ベース部材H810に対する配設位置を調整可能に形成されるものであっても良い。これによれば、遊技盤H13への遊技球の送球状態に応じて、第1案内部材H821,H24821,H25821,H26821,H27821,H28821,H29821,H30821,H31821,H32821,H33821の配置を変更して、遊技盤H13への遊技球の発射強度を調整することができる。
上記第32実施形態では、凹部H25821a1の溝幅に対して凹部H25821a1の凹設深さが十分に深く形成されており、凹部H25821a1に遊技球を受け入れた際に、上端および下端の2点が遊技球に当接可能に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部H25821a1に遊技球を受け入れた際に、凹部H25821a1の下端と凹設底面との2点が当接するように、凹部H25821a1の溝幅および凹設深さを設定しても良い。
上記第8実施形態、及び、第24~第38実施形態では、発射手段H830により発射される遊技球の流路における球発射ユニットH112a,H23112a,H25112aの背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821aにのみ凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1は、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動した後の遊技盤H13に凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が形成されていても良い。なお、第31実施形態および第38実施形態から第41実施形態における凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2においても同様である。
例えば、遊技盤H13の遊技領域へ送球される遊技球を案内する内レールH61及び外レールH62の間の送球領域に凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を凹設して、遊技領域に流入する手前で前後方向における遊技球の暴れを抑制するようにしても良い。即ち、所定の領域に送球される手前の位置に凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を凹設して、所定の領域における遊技球の送球を安定させるようにしても良い。
上記第36実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を境界にして発射方向側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し下降傾斜して形成され、発射方向と反対側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し上昇傾斜して形成される場合について説明したが、発射方向側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し上昇傾斜して形成され、発射方向と反対側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し下降傾斜して形成されても良い。
上記第37実施形態では、凹部H30821a1が発射方向に対して下降傾斜して形成される場合について説明したが、上昇傾斜して形成されるものであっても良い。この場合には、凹部H30821a1に受け入れた遊技球を発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部から上方に離間させる方向に送球することができるので、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の段差で遊技球が上下方向に暴れることを抑制できる。
また、上記第36実施形態および第37実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方側に凹部H29821a1、H30821a1が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の連結部や送球経路の分岐点などに凹部H29821a1、H30821a1を形成して、凹部H29821a1、H30821a1に遊技球を受け入れることにより遊技球を所定の方向に流下しやすくしても良い。
上記第39実施形態から第41実施形態では、凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2がそれぞれ正面視略矩形状、正面視略三角形状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視略円形や半円形状に形成されても良い。
また、上記第39実施形態から第41実施形態では、背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871とが発射手段H830による遊技球の発射方向に異なる位置(互い違い)に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871と正面視において重なる位置に配置されて良い。この場合、それら背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871との対向間が遊技球の直径よりも若干大きい形状に形成される。
さらに、上記第39実施形態から第41実施形態では、背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871とが送球経路の内側に向かって突設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第8実施形態における凹部H821a1のように凹設して形成されていても良い。
上記第34実施形態および第35実施形態では、球発射ユニットH27112a,H28112aの案内手段H27820,H28820が遊技盤H27013,H28013に配設され、その案内手段H27820,H28820により発射手段H830により発射された球を案内する場合について説明したが、案内手段H27820は、発射手段H830から離れた位置に形成されても良い。
例えば、球発射ユニットH27112a,H28112aから発射され、転動部H8221bの端部から外レールH62まで遊技球が発射される領域の一部に球発射ユニットH27112a,H28112aに配設される案内手段H27820,H28820とは別の案内手段H27820,H28820を配設しても良い。この場合には、転動部H821bの端部から外レールH62まで飛んで送球される遊技球の姿勢(送球方向)を案内手段H27820により正すことができる。その結果、遊技球が外レールH62まで飛ばず、転動部H821bと外レールH62との間から落下して、ファール球受口部H146に回収されることを抑制できる。
上記第34実施形態から上記第38実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H31821a2が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に対して遊技球の送球方向にずれた位置に凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H31821a2を形成しても良い。
これによれば、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成される段差により遊技球が暴れた場合に、遊技球が発射方向に送球されつつ最大の暴れ量となる位置で遊技球を凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れる又は、凸部H31821a2に当接させることができる。
これにより、送球に影響のない(遊技領域までの安定して送球される)程度の暴れ量で送球される遊技球は、凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れず、又は、凸部H31821a2に当接させず送球させることができる一方、送球に影響がある(遊技領域までの送球が不安定となる)暴れ量の大きい状態で送球される遊技球は、凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れ、又は、凸部H31821a2に当接させて送球することで、遊技領域までの送球を安定させることができる。従って、遊技領域までの送球を安定して行える遊技球まで、凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れられ、又は、凸部H31821a2に当接されて、遊技球により遊技領域の到達位置が変わることを抑制できる。
上記第39実施形態では、凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、遊技球の発射方向に沿って遊技球の半径分離れて形成される場合について説明したが、凸部H32821a2と第2凸部H32872とが遊技球の発射方向に沿って遊技球の直径分離れて形成されても良い。また、凸部H32821a2と第2凸部H32872との発射方向において離れる距離が遊技球の発射方向に沿って短く又は長く設定されるものであっても良い。
例えば、凸部H32821a2と第2凸部H32872との発射方向において離れる距離が長く設定される場合には、発射当初における遊技球の暴れを抑制しやすくできると共に、転動部H821bを遊技球が送球される位置で遊技球が凸部H32821a2と第2凸部H32872に当接する回数を少なくして遊技球の送球速度が遅くなることを抑制できる。その結果、遊技盤H13(図124参照)への遊技球の送球を安定させることができる。
上記第39実施形態から第41実施形態では、凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2が突出して形成される場合について説明したが、凹設されるものであっても良い。例えば、第8実施形態、第34実施形態から第39実施形態における凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1であっても良い。
また、第36実施形態および第37実施形態における凹部H29821a1,H30821a1のように遊技球の発射(送球)方向に対して非平行に形成されるものであっても良い。
上記第8実施形態、第30実施形態から第39実施形態では、それぞれ別形状に形成される凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2を例に説明したが、それぞれ凹部または凸部を組み合わせて構成されるものであっても良い。例えば、遊技球の発射(送球)方向に対して平行に形成される凹部H821a1と、遊技球の発射(送球)方向に対して平行に形成される凹部H29821a1とを組み合わせて凹部を構成しても良い。
上記第8実施形態、第30実施形態から第39実施形態では、凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2を例に説明したが、凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2に加えて、或いは、変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2)と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態、第30実施形態から第39実施形態では、背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821aを例に説明したが、背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821aに加えて、或いは、変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、遊技球が通過可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。遊技球が通過可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821a)と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態、第30実施形態から第39実施形態では、発射手段H830を例に説明したが、発射手段H830に加えて、或いは、発射手段H830に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、遊技球を送球可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。遊技球を送球可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(発射手段H830)と同様の効果が得られる。
上記第8実施形態から第13実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480の回転軸となる軸GOが前後方向に向いた状態で配設される場合について説明したが、軸GOを左右方向や上下方向に向けた状態で第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を配置しても良い。
上記第8実施形態から第13実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480が正面視においてセンターフレームH86の内側に配置される場合について説明したが、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480をセンターフレームH86を介して視認可能となる位置や、正面視においてセンターフレームH86の外側に配置して、遊技領域の一部に第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480が配置されるものであっても良い。
上記第8実施形態から第13実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480が回転する演出を遊技者に視認させる場合について説明したが、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を円環形成ユニットG700に当接可能に構成して、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を円環形成ユニットG700に当接させて円環形成ユニットG700を変位させる演出を遊技者に視認させるものであっても良い。即ち、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を他の部材に当接させて、他の部材を変位させるように構成しても良い。
上記第8実施形態から第13実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420が軸GOを中心に右方向に回転する際に、第2装飾ユニットG480が軸GOを中心に左方向に回転する場合について説明したが、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480の軸GOを中心とする回転方向は左右のどちらであっても良い。
上記第8実施形態から第13実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420の変位ユニットG426,G5426が光を非透過の装飾がされる場合について説明したが、変位ユニットG426,G5426を光を透過可能な樹脂材料から形成して、入射する光を透過可能に構成して、背面側に配設される液晶等の表示を変位ユニットG426,G5426を介して視認可能に構成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<回転中に外形が変化する変位手段>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段を有する演出手段を備え、前記演出手段は、前記変位手段の傾倒中に、少なくとも前記回転軸から離れる方向に延びるような外形の変化を視認させることが可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段が勢いよく傾倒するように演出したとしても、傾倒時に変位手段の外形が変化することはないので、迫力に欠け、演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、演出手段が、変位手段の傾倒中に外形を変化可能に構成されることから、変位手段が勢いよく傾倒している最中に外形を変化させるという迫力ある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機A1において、前記変位手段の傾倒中に、傾倒中の前記変位手段の前記外形を維持させる第1状態から傾倒中の前記変位手段の前記外形を変化させる第2状態へ移行可能に構成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、変位手段の傾倒動作が進むほど、外形が維持される第1状態から外形が変化する第2状態へ移行されるので、傾倒し始めにおいて必要となる力を抑えることができ、傾倒動作をスムーズに開始し易くすることができる。
遊技機A2において、前記変位手段は、傾倒を開始する側の変位終端位置において前記第1状態となるように構成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、傾倒開始時に外形を変化させるための力を不要とできるので、傾倒開始時に必要となる力を傾倒に必要な力のみにできることから、必要とされる力を低減することができる。
遊技機A2又はA3おいて、前記第1状態から前記第2状態へ移行する方向で前記変位手段が傾倒する過程で、前記変位手段の傾倒角度に対する前記外形の変化の度合いが増大する区間を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第2状態における変位手段の傾倒中における外形の変化が、第1状態で配置されていた側から離れる程に(傾倒する程に)大きくなるので、変位手段の傾倒の度合いと、変位手段の外形の変化の度合いとを対応付けることができる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記所定の回転軸を中心に傾倒可能に支持される軸側手段と、その軸側手段に対して相対変位可能に構成される構成手段と、を備え、第1姿勢から傾倒することで第2姿勢となるよう構成され、前記第1姿勢よりも前記第2姿勢の方が、前記構成手段と前記所定の回転軸との距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、傾倒の方向に対応して、構成手段と所定の回転軸との距離の変化の方向が一方向に定められることで、傾倒の角度が大きくなるほど効果の度合いを大きくさせることができる。
即ち、変位手段が傾倒するほど、構成手段が所定の回転軸から離れていくことになるので、変位手段の重心位置を傾倒先端側に移動させることができ、傾倒の勢いを変位手段の自重により補助することができるので、勢いよい傾倒動作を実現できることから、演出効果を高めることができる。
更に、変位手段が傾倒の逆方向(起き上がり方向)に変位するほど、構成手段が所定の回転軸に近づいていくことになるので、変位手段の重心位置を回転軸側に移動させることができ、起き上がり動作に必要となる力を減少させることができる。
遊技機A5において、前記第1姿勢を終端姿勢とする所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いよりも、前記第2姿勢を終端姿勢とする前記所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いを大きくさせる度合い変化手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第2姿勢付近において、小さな傾倒角度であっても構成手段の所定の回転軸との距離を大きく変化させることができることから、所定の回転軸に対する変位手段の配置を大きくは変えずに、変位手段の外形を大きく変化させるという演出を行うことができる。
更に、第2姿勢から第1姿勢へ起き上がる変位(傾倒とは逆方向の変位)を変位手段に生じさせる場合に、変位の開始後において構成手段と所定の回転軸との距離を大きく変化させる(短くする)ことができるので、変位手段の重心を早期に所定の回転軸側に寄せることができ、起き上がる変位に必要となる力を低減することができる。
遊技機A5又はA6において、前記構成手段は、前記所定の回動軸を中心とする円の径方向に変位可能な第1構成手段と、前記径方向と直交する方向に変位可能な第2構成手段と、を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで、変位手段の外形を更に異ならせることができる。
遊技機A7において、前記変位手段の傾倒中において、前記第1構成手段の変位開始から遅れて、前記第2構成手段の変位が開始されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第1構成手段の変位と第2構成手段の変位とが同時に開始される場合に比較して、必要とされる力を低減させることができる。
遊技機A7又はA8において、前記第2構成手段は、前記軸側手段に配設されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A7又はA8の奏する効果に加え、所定の回転軸側が膨らんだ外観形状で、変位手段を視認させることができる。
遊技機A7又はA8において、前記第2構成手段は、前記構成手段に配設されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A7又はA8の奏する効果に加え、構成手段側の広い外観形状で、変位手段を視認させることができる。
<回転軸から離れた位置で駆動力伝達>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備え、前記所定の回転軸よりも前記変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して前記駆動手段の駆動力が前記変位手段に伝達されるよう構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1軸線の側における変位手段の構造が大型化し易く、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが困難となるという問題点があった。即ち、変位手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、駆動手段の駆動力が、変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して伝達されることから、第1軸線の側における変位手段の構造を簡素化することができ、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが容易となる。これにより、変位手段の配置を改善することができる。
遊技機B1において、前記変位手段の傾倒中において、前記駆動手段による駆動力の方向を所定方向に維持しながら、前記配置部の変位方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動力の方向を維持している状態で、配置部の変位方向を変化可能に構成されるので、駆動手段の動作が単調であっても、配置部の変位を複雑にすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づくほど、前記配置部に与えられる駆動力の方向が、前記所定の回転軸と前記配置部とを通る直線方向に近づくことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、傾倒中に配置部に与えられる駆動力の方向を変化させることにより、変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づく場合に、傾倒方向に生じる荷重が過大となることを避けることができる。
これにより、変位手段の傾倒が高速で生じる場合であっても、変位手段が傾倒側の変位終端位置に到達する際の衝撃を和らげ易くすることができるので、変位手段の耐久性を向上することができる。また、衝撃吸収用の緩衝材を不要とできる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力の方向は、前記変位手段に対して所定の直線方向の負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を安定させ易くすることができる。また、駆動力のうち、変位手段の傾倒方向へ向く成分と変位手段の傾倒方向に対して直交する方向へ向く成分との比は、変位手段の位置(姿勢)に対応して定まるので、変位手段の傾倒方向への負荷の大小を、変位手段の位置(姿勢)に対応させることができる。
遊技機B4において、前記所定の直線方向と、前記配置部に当接される前記変位手段の当接部の移動方向のうちの前記所定の回転軸を中心とする回転方向成分との間の角度が大きくなるほど、前記配置部と、前記所定の回転軸との間の距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、駆動力の方向と傾倒する変位手段の変位方向との間の角度が大きいという、傾倒方向の負荷を伝達し難い状況であっても、駆動力が伝達される配置部と所定の回転軸との間の距離を長くすることにより、変位手段の傾倒のための駆動力が不足することを回避し易くすることができる。
即ち、変位手段の傾倒範囲において、傾倒に必要となる駆動力が局所的に増減することを抑制することにより、必要となる駆動力の変化幅を小さく抑え、駆動手段の選定を容易とすることができる。
遊技機B4又はB5において、前記変位手段は、表示装置の前方位置と、表示装置の外方位置とで変位可能とされ、前記前方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度は、前記外方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度よりも大きいことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、前方位置における回転方向の勢いを低減させることができるので、回転動作の停止を狙いの位置でさせ易い。そのため、回転途中では高速で回転動作させる一方、前方位置では回転をスムーズに止めるという動作を、容易に行うことができる。
遊技機B6において、前記外方位置から前記前方位置へ向かう程、前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度が大きくなることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、回転動作を段階的に減速させることができる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記変位手段に接続させる電気配線は、前記所定の回転軸側から接続されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配置を傾倒先端側にずらしたことにより空いたスペースを、電気配線の配置スペースとして有効利用することができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記配置部は、第2の所定の直線方向で移動されることで前記所定の回転軸との距離が変化可能に構成され、前記配置部を通る前記第2の所定の直線方向は、前記所定の回転軸を通らないように構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、配置部を第2の所定の直線方向で移動させるための力を、変位手段を所定の回転軸を中心に回転動作させるためにも利用することができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を伝達可能な無端ベルトを備えることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位幅を大きく確保し易くすることができる。
<抵抗感を範囲ごとに変化させる>
変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備える遊技機において、変位中の前記変位手段が受ける力の態様を、前記変位手段の位置に対応して変化させる態様変化手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位中の変位手段が受ける力について何ら考慮されておらず、変位途中において駆動手段に与えられる負荷が急激に変化する等する可能性があり、改良の余地があるという問題点があった。即ち、変位手段の変位について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、態様変化手段により、変位中の変位手段が受ける力の態様を、変位手段の位置に対応して変化させることができることから、変位途中において変位手段に与えられる力を適切に調整することができ、駆動手段に与えられる負荷が急激に変化することを防止できる。これにより、変位手段の変位を改良することができる。
遊技機C1において、前記変位手段は、第1範囲と、その第1範囲と異なる第2範囲とを変位可能であって、前記態様変化手段により前記変位手段が受ける力は、前記第1範囲に配置される場合よりも、前記変位手段が前記第2範囲に配置される場合の方が大きくなることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、変位手段が受ける力の態様を範囲ごとに変化させることができる。
遊技機C2において、前記第1範囲または前記第2範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含む範囲とされることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、変位終端において変位手段が受ける力が変化することを防止することができる。
遊技機C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の前記変位終端を含むことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位手段の変位終端からの変位に要する駆動力を低減させることができる。
遊技機C4において、前記態様変化手段は、前記変位手段に対して相対変位可能な相対変位手段を備え、前記第2範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数が、前記第1範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数よりも多くされることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、相対変位する相対変位手段の個数を変化させることで演出効果を高めながら、態様変化手段から生じる力の増減を生じさせることができる。
遊技機C5において、前記相対変位手段は、第1の態様で相対変位する第1相対変位手段と、第2の態様で相対変位する第2相対変位手段と、を備え、前記変位手段が一方の変位終端から変位開始する場合に、前記第1相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、複数態様で相対変位する相対変位手段が同時に相対変位を開始するのではなく、相対変位のタイミングがずらされることにより、変位手段の変位を安定させることができる。
遊技機C6において、前記変位手段が他方の変位終端から変位開始する場合に、前記第2相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、変位手段が変位を開始する終端ごとに、先に相対変位する相対変位手段を異ならせることで、演出効果の向上を図ることができる。
遊技機C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、少なくとも一方の変位終端において、変位手段を減速させ易くすることができる。
遊技機C8において、前記変位手段が受ける前記力は、所定の抵抗力であることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、変位手段が受ける所定の抵抗力を変位終端で大きくし、変位途中で小さくするように構成することで、変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機C8又はC9において、前記第1範囲は、前記変位手段の両方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、両変位終端において変位手段を減速させ易くすることができるので、両変位方向において変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機C10において、前記変位手段は一対で構成され、その一対の前記変位手段から前記駆動手段側に伝達される荷重は、前記両方の変位終端において同じとされることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、両方の変位終端からの変位開始に要する駆動力を同じにすることができる。
<基板に位置合わせされる導光板に平行に光を照射>
板状部材から構成される第1手段と、その第1手段の所定面側に配設される第1発光手段と、その第1発光手段の光を受光可能な板状の第1受光手段と、を備え、前記第1受光手段は、前記所定面と対向配置される側面が前記第1手段の前記所定面と当接されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、発光手段が配設される板状部材と、その板状部材の発光手段に対向配置され、発光手段の光が入射されるよう構成される板状部を有する受光手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-198675号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、受光手段を位置合わせするための他の部材が必要であり、構造が複雑化するという問題点があった。即ち、受光手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、第1手段と第1受光手段との当接により第1受光手段の第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して改善することができる。
遊技機D1において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2受光手段についても第1手段との当接により第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段および第2受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して更に改善することができる。
遊技機D2において、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第1手段に、所定の押圧手段からの押圧により固定可能とされることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、押圧手段からの押圧により3部材を固定可能とされるので、複数部材を固定するための固定箇所を減らすことができ、製造工数を削減できる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1受光手段を支持可能に構成される支持手段を備え、その支持手段は、前記第1手段に嵌合可能な第1突設部と、前記第1受光手段に嵌合可能な第2突設部と、を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、支持手段によって第1手段および第1受光手段を支持することで、第1手段の板面と平行な方向における第1手段と第1受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
なお、第2受光手段が配設される場合において、第2突設部が第2受光手段にも嵌合可能に構成するようにしても良い。この場合、第1手段の板面と平行な方向における第1受光手段と第2受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
遊技機D3又はD4において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接され、前記第1手段は、前記第2突設部の外方に配置され、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第2突設部において所定の押圧手段により押圧され固定可能とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、手段からの押圧力が第1手段の端部にかけられるようにすることができる。これにより、押圧力が過大になった場合でも、第1手段の端部が破損することで留めることができ、発光手段が配設される中央部側が破損することを避け易くすることができる。
遊技機D5において、前記第1受光手段または前記第2受光手段は、第1手段と当接する当接部の形状が対応するように構成されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、所定の押圧手段からの押圧により第1受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分と、第2受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分とを対応させることができるので、第1手段にかけられる力の方向を面直方向にしやすく、表裏にかけられる力のバランスを良くすることができる。これにより、第1手段の面と傾斜する方向に力がかけられることによる第1手段の割れを防止することができる。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が、前記反対面と当接され、前記第1発光手段は、前記第2発光手段に対応する位置に配置され、前記第2発光手段の照射方向に対して平行な方向に光を照射するよう構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1発光手段から第1受光手段に光が照射される位置と、第2発光手段から第2受光手段に光が照射される位置とを、対応させることができる。これにより、異なる発光部により照らされる位置を合わせることができるので、第1受光手段および第2受光手段の平面と直交する方向視における発光演出を良好とすることができる。
遊技機D7において、前記第1発光手段は、複数の発光部を備え、それら複数の発光部からの光の光軸方向が互いに平行とされることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、第1発光手段の光により第1手段を広範囲で均一に光らせることができる。
遊技機D1からD8のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1発光手段を支持可能に構成される支持手段、を備え、前記第1受光手段は、前記第1手段が配設される側の反対側の被支持面が前記支持手段の支持面に支持されるよう構成され、前記被支持面または前記支持面は、複数の突起部を備え、その複数の突起部は、所定の発光手段からの光を受けて演出可能に構成されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD8のいずれかの奏する効果に加え、複数の突起部を、光を受けて演出する演出面と、押圧力を分割可能な構造面とで利用することができる。
遊技機D9において、前記所定の発光手段は、前記第1発光手段に対する前記第1受光手段の反対側に配置されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、所定の発光手段からの光と第1発光手段からの光とが干渉することを避けることができる。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、前記第1手段は、複数枚の板状部材を備えることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10のいずれかの奏する効果に加え、第1受光手段へ光を照射する第1発光手段の配設箇所を増やすことができるので、第1受光手段の大きさの設計自由度を向上させることができる。
遊技機D1からD11のいずれかにおいて、前記第1受光手段の受光側端部は、前記第1発光手段の照射方向側の前記第1手段の端部よりも前記発光手段側に配置されることを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D1からD11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段を遮蔽部材として利用することで、第1受光手段に受光される前の光が漏れることを防止することができる。
<光を通す方向を制限する制限手段>
前面側に遊技球が流下可能な領域を構成する流下手段と、その流下手段よりも正面側に設けられ、背面側に位置する前記領域を遊技球が流下する場合がある正面側手段と、を備え、前記正面側手段は、第1方向の方向視と、その第1方向の方向視よりも前記領域を流下する遊技球を視認し易い第2方向の方向視とで視認可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球の流下経路の正面側に装飾用の文字や図形等が描かれた透明板が配設される遊技機がある(例えば、特開2017-23543号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、装飾用の文字や図形越しに流下経路を流れる遊技球を視認することになるが、どちらか一方を見易くすると(例えば、装飾用の文字や図形を濃くすると)、他方の視認性が悪くなる(例えば、遊技球が見え難くなる)といった事態が生じ得ることになり、遊技中における遊技球の視認性について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、正面側手段は、見る方向によって、流下手段を流下する遊技球を視認し易い状態と、視認し難い状態とを構成できる。即ち、第1方向視においては正面側手段の正面側を視認させる一方で、第2方向視において正面側手段越しに遊技球を視認させるようにすることで、正面側手段を採用したまま、遊技中における遊技球の視認性を改善することができる。
遊技機E1において、前記正面側手段は、光透過性の樹脂材料から形成され、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、方向選択手段により、光が透過可能な方向を制限することにより、方向の違いによる視認性の程度の違いをより明確にすることができる。
遊技機E2において、前記流下手段よりも正面側に配置され、遊技球が流下する領域の前側面を構成する前側面構成手段を備え、前記方向選択手段は、前記正面側手段と前記前側面構成手段との間の領域に配置され所定の厚みを有するよう構成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、方向視の違いによる視認性の変化を、正面側手段と前側面構成手段との間という厚みの薄い領域に配置される方向選択手段により実現できるので、方向選択手段自体による光の減衰の影響を受け難くすることができ、第1方向の方向視と、第2方向の方向視との見え方の違いを顕著にすることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記方向選択手段により視認される方向で遊技球の視認性が変化する第1の流路と、視認される方向で遊技球の視認性が変化しない第2の流路とが隣り合って設けられることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、所定範囲を視認する遊技者の視線の方向の違いにより、第2の流路に注目させ易い状態と、第1の流路および第2の流路の両方に同程度に注目させ易い状態とを生じさせることができる。
遊技機E4において、前記第1の流路を流下する遊技球を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、方向選択手段により遊技球が第1の流路を流下したことを視認できない事態が生じても、検出手段により遊技球の流下が検出された場合に遊技者側に報知を行うように制御することが可能となるので、第1の流路を遊技球が流下したか否かを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機E4又はE5において、前記第1の流路に流入した遊技球は、前記第1の流路を介して遊技領域から排出されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E4又はE5の奏する効果に加え、遊技領域から排出される予定の第1の流路を流下する遊技球に比較して、流下した後も遊技領域を流下し得る第2の流路を流下する遊技球に対して、より注目させることができる。
遊技機E1からE6のいずれかにおいて、前記正面側手段は、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備え、その方向選択手段は、その表面側を覆うように光透過性の樹脂部材が配置され、その樹脂部材の表面に装飾図形が形成されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6のいずれかの奏する効果に加え、第1方向から領域側へ視線を送る遊技者に対して、樹脂部材の表面の装飾図形を視認させることができるので、正面側手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機E7において、前記方向選択手段は、積層配置される複数の板状部を有する板状手段から形成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、前後方向の隙間寸法が大きい場合に、その隙間を方向選択手段により埋め易くすることができる。
遊技機E1からE8のいずれかにおいて、光照射手段を備え、その光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE8のいずれかの奏する効果に加え、光照射手段の光を点灯させる場合と、消灯させる場合とで、正面側手段の視認性に変化を生じさせることができるので、領域を流下する遊技球の視認性の切り替えを、演出に対応させて実行させることができる。
遊技機E9において、前記光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化される範囲を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、光照射手段の照射態様を切り替えることにより、正面側手段の範囲ごとの視認性を変化させることができる。これにより、遊技球が流下する領域を視認性良く視認できる方向を、光照射手段により切り替えることができる。
遊技機E1からE10のいずれかにおいて、前記正面側手段は、変位可能に構成されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E1からE10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が目線を動かさなくても、正面側手段が変位することにより遊技者の目線と正面側手段との間の角度が変化する場合を生じさせることができ、領域の視認性を変化させることができる。
<基板ボックスW100~W3100,W700~W9100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備え、前記係合部材が取り外されて、前記配設部材が取り外される遊技機において、前記係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされることを特徴とする遊技機WA1-0。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WA1-0によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされる。これにより、その状況に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
遊技機WA1-0において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記連結部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機WA1-1。
遊技機WA1-1によれば、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、連結部に対応する位置に形成されるので、連結部が切断される際に、凹部(空間)を利用して(連結部を切断するための工具の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を破損させやすくできる。即ち、切断部が切断された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機WA1-1において、前記第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、前記ねじの頭部は、前記凹部に位置することを特徴とする遊技機WA1-2。
遊技機WA1-2によれば、遊技機WA1-1の奏する効果に加え、第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、ねじの頭部は、凹部に位置するので、連結部が切断される際に形成される配設部材の痕跡を、ねじの頭部に対応する位置に形成することができる。よって、配設部材によりねじの頭部が隠れている場合でも、配設部材の痕跡に基づいて、ねじの位置を把握できる。その結果、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
遊技機WA1-1又はWA1-2において、前記係合部材は、前記本体部と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記連結部と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機WA1-3。
遊技機WA1-3によれば、遊技機WA1-1又はWA1-2の奏する効果に加え、係合部材は、本体部と配設部材との間の対向間隔よりも連結部と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、連結部を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、連結部が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
遊技機WA1-1からWA1-3のいずれかにおいて、前記連結部は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されることを特徴とする遊技機WA1-4。
遊技機WA1-4によれば、遊技機WA1-1からWA1-3のいずれかの奏する効果に加え、連結片は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されるので、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を移動させることができる。よって、工具の先端を配設部材に当接させ、配設部材を破損させやすくできる。
例えば、一対の刃の間に連結片を挟み込んで(一対の刃を両側面に当接させて)、連結片を切断する工具を使用する場合には、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を回転させ、その回転に伴って、工具の先端を配設部材に当接させやすくできる。
遊技機WA1-1からWA1-4のいずれかにおいて、前記連結部は、第1部分と、その第1部分よりも両側面の間の距離が小さくされる第2部分とを備え、前記第1部分と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記第2部分と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機WA1-5。
遊技機WA1-5によれば、遊技機WA1-1からWA1-4のいずれかの奏する効果に加え、第2部分は、第1の部分よりも両側面間の距離が小さくされるので、第2部分の切断により、連結部の切断を容易とできる。
この場合、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、第2部分を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、第2部分が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
また、このように、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされる(即ち、第2部分を配設部材側へ延長できる)ことで、その分、第1部分と第2部分との横断面の面積の差を抑制できる。よって、係合部材を樹脂材料から形成する場合には、その成形性を確保できる。
<基板ボックスW4100~W6100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記係合部材の係合部は、前記配設部材へ向けて突設される突部を備えることを特徴とする遊技機WA2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WA2-1によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材は、配設部材へ向けて突設される突部を備えるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機WA2-1において、前記突部は、前記係合部の外縁側に位置されることを特徴とする遊技機WA2-2。
遊技機WA2-2によれば、遊技機WA2-1の奏する効果に加え、突部は、係合部の外縁側に位置されるので、第1部材に係合部材が係合された状態であっても、配設部材の痕跡を視認しやすくできる。即ち、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)の確認を行いやすくできる。
遊技機WA2-1又はWA2-2において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機WA2-3。
遊技機WA2-3によれば、遊技機WA2-1又はWA2-2の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作(弾性変形)により第1部材との係合が解除される際には、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
遊技機WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されていることを特徴とする遊技機WA2-4。
遊技機WA2-4によれば、遊技機WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されているので、配設部材の破損範囲を確保できる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
遊技機WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されていることを特徴とする遊技機WA2-5。
遊技機WA2-5によれば、遊技機WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されているので、配設部材の破損範囲の確保と、係合部材が第1部材から不正に取り外されることの抑制とを図ることができる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
一方で、係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位された後は、凹部に受け入れられた突部の先端を凹部の終端に係合させることができる。これにより、係合部材の所定方向への変位を規制することができるので、係合部材が第1部材から不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWa100~Wc100,Wi100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が分離された前記本体部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機WB1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WB1-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、係合部が分離された本体部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすいので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、前記連結部が切断された状態では、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接する位置まで前記本体部が前記第1部材および前記第2部材に対して変位可能とされることを特徴とする遊技機WB1-2。
遊技機WB1-2によれば、遊技機WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、本体部は、配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、連結部が切断された状態では、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接する位置まで本体部が第1部材および第2部材に対して変位可能とされるので、連結部を切断した後であって、第1部材および第2部材から本体部を取り外す前に、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる(配設部材の配設状態を変更する)ことができる。即ち、連結部を切断し、本体部を第1部材および第2部材から取り外す作業と、取り外した本体部(変更手段)を使用して配設部材の配設状態を変更する作業とを別々に行う必要がなく、これらの作業を一連の作業として効率的に行うことができるので、配設部材の配設状態の変更を容易に行うことができる。
また、変更手段が配設部材の所定領域に対応する位置に配設されるので、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け(取り外し)作業時、或いは、連結部材の切断により係合部が分離された本体部の廃棄処理時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機WB1-2において、前記本体部の前記変更手段は、前記配設部材の前記所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されていることを特徴とする遊技機WB1-3。
遊技機WB1-3によれば、遊技機WB1-2の奏する効果に加え、本体部の変更手段は、配設部材の所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されているので、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させた際に、配設部材の配設状態を変更しやすくできる。
遊技機WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機WB1-4。
遊技機WB1-4によれば、遊技機WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
本体部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、係合部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機WB1-4において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記本体部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機WB1-5。
遊技機WB1-5によれば、遊技機WB1-4の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機WB1-5において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機WB1-6。
遊技機WB1-6によれば、遊技機WB1-5の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
<基板ボックスWe100~Wg100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部から分離された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機WB2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WB2-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部から分離された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機WB2-2。
遊技機WB2-2によれば、遊技機WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、本体部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記配設部材へ向けて突設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機WB2-3。
遊技機WB2-3によれば、遊技機WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され配設部材へ向けて突設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、配設部材へ向けて突設され(即ち、配設部材に対向する位置に配設され)、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、係合手段は、係合部から配設部材へ向けて突設されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、係合手段により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機WB2-2又はWB2-3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記係合部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機WB2-4。
遊技機WB2-4によれば、遊技機WB2-2又はWB2-3の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機WB2-4において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機WB2-5。
遊技機WB2-5によれば、遊技機WB2-4の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
遊技機WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、前記変更手段は、切断された前記連結部により形成されることを特徴とする遊技機WB2-6。
遊技機WB2-6によれば、遊技機WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、変更手段は、切断された連結部により形成されるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、係合部材の係合部は、比較的小さく、連結部は係合部よりも更に小さいので、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できると共に、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を形成しやすい。よって、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすくできる。
また、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされる(即ち、切断された連結部が変更手段となる)ので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機WB2-6において、前記連結部は、前記係合部の一辺の一側の端部を前記本体部に連結する一側連結部と、前記係合部の前記一辺の前記一側と反対側の他側の端部を前記本体部に連結する他側連結部とを備えることを特徴とする遊技機WB2-7。
遊技機WB2-7によれば、連結部は、係合部の一辺の一側の端部を本体部に連結する一側連結部と、係合部の一辺の一側と反対側の他側の端部を本体部に連結する他側連結部とを備えるので、配設部材の所定領域における一側には一側連結部を使用して係合部を一側へ変位させると共に、配設部材の所定領域における他側には他側連結部を使用して係合部を他側へ変位させることで、所定領域の配設状態を変更できる。即ち、係合部を持ち替えて係合部の向きを反転させなくても、周囲の部材(第1部材または第2部材)との干渉を抑制しつつ、所定領域の一側の端部および他側の端部まで、その配設状態を変更(切断)できる。よって、配設部材の所定領域における配設状態を効率的に変更できる。
遊技機WB2-6又はWB2-7において、前記連結部は、前記本体部に連結される側と前記係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる部位を備えることを特徴とする遊技機WB2-8。
遊技機WB2-8によれば、遊技機WB2-6又はWB2-7の奏する効果に加え、連結部は、本体部に連結される側と係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる所定部位を備えるので、所定部位の切断により、連結部の切断を容易とできる。また、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を、切断された連結部(所定部位)に形成しやすくできる。
<基板ボックスWd100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部とその本体部から分離された前記係合部とが連結可能に形成され、前記本体部に連結された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機WB3-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WB3-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部とその本体部から分離された係合部とが連結可能に形成され、本体部に連結された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすい一方、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機WB3-1において、前記係合部は、前記第1部材に係合される部位が前記本体部に連結されることを特徴とする遊技機WB3-2。
遊技機WB3-2によれば、遊技機WB3-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材に係合される部位が本体部に連結されるので、本体部と連結するための部位を係合部に別途設ける必要がない。即ち、第1部材に係合される部位を、本体部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
遊技機WB3-1又はWB3-2において、前記係合部材は、前記第1部材と係合する姿勢を規定可能に前記本体部に形成される規定部を備え、前記本体部は、前記規定部が前記係合部に連結されることを特徴とする遊技機WB3-2。
遊技機WB3-3によれば、遊技機WB3-1又はWB3-2の奏する効果に加え、係合部材は、第1部材と係合する姿勢を規定可能に本体部に形成される規定部を備え、本体部は、規定部が係合部に連結されるので、係合部と連結するための部位を本体部に別途設ける必要がない。即ち、係合部材の姿勢を規定する部位(規定部)を、係合部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
<基板ボックスWj100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が前記第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、前記第1部材または前記第2部材は、前記所定方向へ変位された前記係合部材に対し、前記第1部材との係合が解除される方向への前記係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機WC1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WC1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、係合部材は、係合部が第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、第1部材または第2部材は、所定方向へ変位された係合部材に対し、第1部材との係合が解除される方向への係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC1-1において、前記第1部材または前記第2部材は、前記抑制手段による前記係合部の変位の抑制が可能な位置から前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機WC1-2。
遊技機WC1-2によれば、遊技機WC1-1の奏する効果に加え、第1部材または第2部材は、抑制手段による係合部の変位の抑制が可能な位置から係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えるので、係合部と第1部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC1-2において、前記規制手段は、前記所定方向へ変位された前記係合部材の前記係合部と係合可能に形成され、前記係合部と係合することで、前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされることを特徴とする遊技機WC1-3。
遊技機WC1-3によれば、遊技機WC1-2の奏する効果に加え、規制手段は、所定方向へ変位された係合部材の係合部と係合可能に形成され、係合部と係合することで、係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされるので、係合部材を所定方向へ変位させるだけで、係合部材の変位が規制手段により規制された状態を形成でき、係合部材の組み付け作業の作業性を向上できる。
遊技機WC1-3において、前記第1部材または前記第2部材は、前記規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機WC1-4。
遊技機WC1-4によれば、遊技機WC1-3の奏する効果に加え、1部材または第2部材は、規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えるので、係合部と規制手段との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWk100,Wl100,Wr100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方と前記係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されることを特徴とする遊技機WC2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WC2-1によれば、第1部材または第2部材の少なくとも一方と係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部および第2係合部と、を備え、前記第1係合部および前記第2係合部は、前記係合部材の変位に伴って、前記第1係合部材が前記第1部材に係合された後に、前記第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、前記第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機WC2-2。
遊技機WC2-2によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機WC2-2によれば、遊技機WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部および第2係合部は、係合部材の変位に伴って、第1係合部材が第1部材に係合された後に、第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
即ち、第1部材との係合が解除される方向への第1係合部の変位は、規制手段により規制でき、規制手段による第1係合部の変位の規制を解除する方向への係合部材の変位は、第1部材と第2係合部との係合により規制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC2-2において、前記第1係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向と、前記第2係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であることを特徴とする遊技機WC2-3。
遊技機WC2-3によれば、遊技機WC2-2の奏する効果に加え、第1係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向と、第2係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であるので、例えば、第1の方向へ係合部材を変位させて、第1係合部を係合させた後、第2の方向へ係合部材を変位させて、第2係合部を係合させる2段階の操作を行う必要がなく、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができる。よって、係合部材の取り付け操作を簡素化して、作業効率を高めることができる。
また、2段階の操作が必要となる構成では、第2の方向への操作を作業者が失念すると、第2係合部が係合されず、第1部材および第2位部材から係合部材が不正に取り外される虞があるところ、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができることで、必要な操作を作業者が失念することを抑制でき、第2係合部を確実に係合させることができる。
遊技機WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第2部材に係合される第2係合部と、を備え、前記第1係合部と前記第1部材との係合が解除される前記第1係合部の変位の方向と、前記第2係合部と前記第2部材との係合が解除される前記第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされることを特徴とする遊技機WC2-4。
遊技機WC2-4によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材および第2部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材および第2部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機WC2-4によれば、遊技機WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部と第1部材との係合が解除される第1係合部の変位の方向と、第2係合部と第2部材との係合が解除される第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされるので、第1係合部または第2係合部の一方を係合が解除される方向へ変位させると、その一方の変位に伴う係合部材の変位によって、第1係合部または第2係合部の他方を係合が維持される方へ変位させることができる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部は、前記係合部の第1部分および第2部分の2箇所が前記第1部材に係合され、前記第1部分または前記第2部分の一方と前記第1部材との係合が解除される方向へ前記係合部が変位されると、前記第1部分または前記第2部分の他方と前記第1部材との係合が維持される方向へ前記係合部が変位されることを特徴とする遊技機WC2-5。
遊技機WC2-5によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部分および第2部分と第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部(第1部分および第2部分)との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機WC2-5によれば、遊技機WC2-1の奏する効果に加え、第1部分または第2部分の一方と第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位されると、第1部分または第2部分の他方と第1部材との係合が維持される方向へ係合部が変位されるので、第1部材と係合部との係合を解除し難くできる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWo100~Wq100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機において、取付部材を備え、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記取付部材は、前記係合部に取り付け可能に形成され、前記第1部材と前記係合部との係合が解除される方向への前記係合部の変位が前記取付部材により抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機WD1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機WD1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、取付部材は、係合部に取り付け可能に形成され、第1部材と係合部との係合が解除される方向への係合部の変位が取付部材により抑制可能に形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
一方で、係合部に取付部材が取り付けられていても、本体部から係合部を分離(切断)することは可能であるので、正規の作業においては、係合部の分離(切断)により、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を容易に取り外すことができる。
遊技機WD1-1において、前記係合部は、前記第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、前記係合部の第1面側が前記第1部材へ近接され、前記取付部材は、前記係合部に取り付けられると、前記取付部材の一部が前記係合部の前記第1面と前記第1部材との間に配置されることを特徴とする遊技機WD1-2。
遊技機WD1-2によれば、遊技機WD1-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、係合部の第1面側が第1部材へ近接され、取付部材は、係合部に取り付けられると、取付部材の一部が係合部の第1面と第1部材との間に配置されるので、第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位可能な距離を、取付部材の一部が配置される分、短くすることができる。その結果、第1部材と係合部との係合を解除され難くできるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機WD1-2において、前記取付部材は、第1部材に係合された前記係合部に取り付け可能に形成されることを特徴とする遊技機WD1-3。
遊技機WD1-3によれば、遊技機WD1-2の奏する効果に加え、取付部材は、第1部材に係合された係合部に取り付け可能に形成されるので、第1部材に係合部を係合させる際に、係合部の変位が取付部材の一部によって阻害されない。よって、第1部材への係合部の係合(即ち、第1部材および第2部材への係合部材の装着)をスムーズに行うことができる。また、第1部材と係合部との係合代を大きくできるので、第1部材と係合部との係合が解除されることを抑制しやすくできる。
遊技機WD1-2又はWD1-3において、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材を備え、前記係合部の取り付けられた前記取付部材の一部は、前記第1面から突設される突部として形成され、前記突部は、前記第1部材に配設される前記配設部材に向けて突設されることを特徴とする遊技機WD1-4。
遊技機WD1-4によれば、遊技機WD1-2又はWD1-3の奏する効果に加え、第1部材および第2部材に配設される配設部材を備え、係合部の取り付けられた取付部材の一部は、第1面から突設される突部として形成され、突部は、第1部材に配設される配設部材に向けて突設されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機WD1-4において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機WD1-5。
遊技機WD1-5によれば、遊技機WD1-4の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
<無駄球を減らすための構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記検出手段を通過した遊技球を前記動作手段まで所定経路で案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機YA1。
パチンコ機等の遊技機において、検出領域で遊技球の通過を検出してから規定の時間経過後に開閉動作する可動役物を備える遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出領域を通過した遊技球の流下経路は複数通りの流下態様で流下するので、遊技球の流下態様次第で、検出領域を通過した遊技球が可動役物に拾われる場合と、可動役物から零れる場合とがランダムに生じることになることから、可動役物から零れる遊技球が多い場合には、遊技者は遊技機店が遊技者に不利になる調整を行っているのではないかと誤解し易く、平等な環境で遊技することができていないと不満に思う可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YA1によれば、検出手段を通過してからの遊技球の流下はランダムではなく、案内手段により遊技球が動作手段まで案内されるので、検出手段を通過した遊技球が動作手段に拾われるか、動作手段から零れるかの違いが、動作制御(入賞時に予め行われた抽選の当否に基づく制御)によるものであると遊技者に理解させることができる。即ち、案内手段の構成により規定される流下時間に基づいて、動作手段の動作制御のパターンが設定されているのであり、遊技機店の調整によるものではないと理解することができるので、平等な環境で遊技していると感じさせることができる。
なお、遊技領域は、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域を意味し、例えば、遊技盤の正面側の領域に限られるものではない。例えば、遊技球の通過を検出することで第1図柄の抽選がされる検出装置の上流側に形成される流路であって、遊技盤の内部や遊技盤の背面側に配設される流路も遊技領域に含まれる。
遊技機YA1において、前記案内手段は、前記遊技領域の背面側を通るように配設されることを特徴とする遊技機YA2。
遊技機YA2によれば、遊技機YA1の奏する効果に加え、案内手段で案内される遊技球を、遊技領域で流下する遊技球により隠すことができるので、案内手段から動作手段までの領域における注目力を向上することができる。
遊技機YA2において、前記案内手段に案内される遊技球は、所定範囲において遊技領域を構成する遊技盤の正面側に向けて流下することを特徴とする遊技機YA3。
遊技機YA3によれば、遊技機YA2の奏する効果に加え、案内手段に案内される遊技球が遊技盤の正面側に流下することから、遊技者に遊技球が近づいてくるように視認させることができる。そのため、通常の下方に流下するだけの遊技球との比較において、案内手段に案内される遊技球を目立たせることができる。
遊技機YA1からYA3のいずれかにおいて、前記案内手段は、遊技球が前記検出手段から前記動作手段まで流下するのに要する時間を管理可能に構成されることを特徴とする遊技機YA4。
遊技機YA4によれば、遊技機YA1からYA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を動作手段で拾うパターンの動作制御と、零すパターンの動作制御とを、容易に設定することができる。
遊技機YA1からYA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、閉鎖状態または開放状態において遊技球を転動させる態様で流下を案内するよう構成され、遊技球の流下方向の幅寸法が、遊技球の直径の2倍以下に設定される第1動作部を備え、その第1動作部に前記案内手段に案内された遊技球が誘導されることを特徴とする遊技機YA5。
遊技機YA5によれば、遊技機YA1からYA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動作部によって、遊技球が動作手段に案内される時間を短縮することができると共に、動作手段で遊技球を1球ずつ案内することができる。動作手段の幅を短くすることができる。
遊技機YA5において、前記動作手段は、第1動作部よりも長い第2動作部を備え、遊技球が前記第1動作部を転動するのに要する期間よりも、遊技球が前記第2動作部を転動するのに要する期間の方が長く構成されることを特徴とする遊技機YA6。
遊技機YA6によれば、遊技機YA5の奏する効果に加え、同様に動作手段に到達した遊技球の案内態様として、動作手段が同様の動作パターンで動作している場合に、遊技球が第1動作部に到達するか、第2動作部に到達するかによって、遊技球が下流側にどのように流下するかを変えることができる。
遊技機YA6において、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、異なる流下領域に案内されることを特徴とする遊技機YA7。
遊技機YA7によれば、遊技機YA6の奏する効果に加え、一の動作手段を利用して、球の案内方向を複数方向構成することができるので、動作手段による遊技球の案内時の見映えを複数通りで実現することができる。
遊技機YA7において、前記検出手段を通過した遊技球は、前記第1動作部に案内され得るよう構成され、前記検出手段を通過せずに流下した遊技球は、前記第2動作部に案内され得ることを特徴とする遊技機YA8。
遊技機YA8によれば、遊技機YA7の奏する効果に加え、検出手段を通過した遊技球が、その他の遊技球に弾かれて案内不良が生じる不具合を防止することができる。
遊技機YA6からYA8のいずれかにおいて、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、動作手段上での衝突が抑制されることを特徴とする遊技機YA9。
遊技機YA9によれば、遊技機YA6からYA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段上を転動する遊技球が衝突して、流下態様の不均一が生じることを回避し易くすることができる。
なお、第1動作部上に配置される遊技球と、第2動作部上に配置される遊技球との間に壁が配置されることで隔離されても良いし、壁は無いとしても衝突しないような流下態様に管理されても良い。
遊技機YA9において、前記第1動作部に案内される遊技球は、前記第2動作部に案内される遊技球の流下方向とは逆側へ流下することを特徴とする遊技機YA10。
遊技機YA10によれば、遊技機YA9の奏する効果に加え、第1動作部に案内される遊技球と、第2動作部に案内される遊技球とが、同方向に流下する場合と異なり、遊技球の流下速度に関わらず遊技球の衝突を回避することができる。
なお、遊技球の流下方向は、左右逆方向でも良いし、前後逆方向でも良い。また、所定軌跡(例えば、円形状軌跡)に沿う逆方向でも良い。
遊技機YA1からYA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定経路として複数経路を備えることを特徴とする遊技機YA11。
遊技機YA11によれば、遊技機YA1からYA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作パターンの種類は少なくしながら、遊技球の流下パターンを増やすことができる。
<8チャンスの経路にセンサが配置され不利側から有利側に球を引き抜く構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、遊技球の流下経路を構成する構成手段と、その構成手段の下流側に配設され遊技球が第1入球口に案内される第1経路と、前記構成手段の下流側に配設され遊技球が第2入球口に案内される第2経路と、を備える遊技機において、前記第1経路を流下する遊技球を前記第2経路側へ移動させる移動手段を備えることを特徴とする遊技機YB1。
パチンコ機等の遊技機において、入球口に遊技球が通る順番で、遊技球がどの経路に向かうかが周期的に変化する遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入球口への入球の有利不利は遊技球が入球する周期でのみ変化することになり、全般的に有利な状態や、全般的に不利な状態を形成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技者の有利度合いの変化幅が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機YB1によれば、移動手段によって、構成手段に構成される経路を流下した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかを無秩序に生じさせることができるので、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機YB1において、前記構成手段に構成される経路は、分岐経路であることを特徴とする遊技機YB2。
遊技機YB2によれば、遊技機YB1の奏する効果に加え、移動手段の作用により遊技球の流下態様に変化が生じるだけでなく、経路の分岐によっても遊技球の流下態様に変化を生じさせることができるので、構成手段に入球した遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機YB1又はYB2において、前記経路を流下する遊技球の通過を検出可能に構成される検出手段を備え、前記移動手段は、前記経路内における遊技球の流下に影響を与える態様で動作可能に構成される動作手段を備え、その動作手段は、第1状態の場合に遊技球が第1入球口へ向けて送球され、第2状態の場合に遊技球が第2入球口へ向けて送球されるよう構成され、前記検出手段で遊技球の通過が検出されることに基づいて動作制御可能に構成されることを特徴とする遊技機YB3。
遊技機YB3によれば、遊技機YB1又はYB2の奏する効果に加え、動作手段の動作パターン次第で、構成手段に入球した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかが切り替えられるので、遊技球が入球する入球口の周期性を低くし易くすることができる。これにより、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機YB3において、前記動作手段は、前記構成手段の外側を流下する遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機YB4。
遊技機YB4によれば、遊技機YB3の奏する効果に加え、構成手段に構成される流路を流下する遊技球を案内する手段と、構成手段に構成される流路外で流下する遊技球を案内する手段と、を動作手段で兼用することができる。
遊技機YB3又はYB4において、前記構成手段の前記経路外に配設される第2検出手段を備え、前記検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、前記第2検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、が異なることを特徴とする遊技機YB5。
遊技機YB5によれば、遊技機YB3又はYB4の奏する効果に加え、動作手段への案内態様を複数種類で構成することができる。
なお、案内態様の違いについては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の経路の違いであっても良いし、遊技球の流下速度の違いであっても良い。
遊技機YB3からYB5のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えにより、遊技球の流下方向を上下方向と左右方向とで変化させることを特徴とする遊技機YB6。
遊技機YB6によれば、遊技機YB3からYB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下方向の変化を遊技者が把握し易いようにすることができる。
遊技機YB3からYB6のいずれかにおいて、前記検出手段は、遊技球の通過に基づいて所定の図柄が所定期間変動するように制御され、前記所定期間は、遊技球が前記経路に入球してから前記検出手段を通過するまでに要する期間よりも短く設定されることを特徴とする遊技機YB7。
遊技機YB7によれば、遊技機YB3からYB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の経路の入口から検出手段までの間に配置される遊技球が1個以下の状態を維持することにより、検出手段を遊技球が通過する時点において図柄が変動中であるという事態を回避することができる。従って、検出手段を遊技球が通過した直後に所定の図柄の変動を開始させることができる。
従って、遊技球が検出手段を通過するタイミングと、遊技球が検出手段を通過したことに基づく動作手段の動作制御を開始するタイミングと、を合わせることができる。
遊技機YB7において、前記動作手段は、前記検出手段で検出された遊技球を案内しない第1制御態様と、前記検出手段で検出された遊技球を案内する第2制御態様とで、制御態様が切替可能とされることを特徴とする遊技機YB8。
遊技機YB8によれば、遊技機YB7の奏する効果に加え、動作手段の動作が実行されたとしても、制御態様の違いにより、動作手段に遊技球が案内される場合と、案内されない場合とを構成できるので、動作手段の動作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機YB8において、前記制御態様の切替は、前記検出手段での検出の度に実行可能に構成され、切替可能な前記制御態様の種類は、大当たり遊技の度に変化可能に構成されることを特徴とする遊技機YB9。
遊技機YB3からYB9のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球口に入球することで遊技者が得られる利益と、遊技球が前記第2入球口に入球することで遊技者が得られる利益とが異なることを特徴とする遊技機YB10。
遊技機YB10によれば、遊技機YB3からYB9のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<動作手段に複数位置で流下する構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、遊技球が流下可能な第1流下位置と、その第1流下位置とは異なる第2流下位置と、を備え、前記第1流下位置を流下する遊技球の流下態様と前記第2流下位置を流下する遊技球の流下態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機YC1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段に遊技球が検出されることに基づいて可動役物が開放し、その可動役物により遊技球が入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が可動役物に案内される態様は単調であり、可動役物の注目力を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YC1によれば、動作手段が遊技球を流下させる複数の流下位置を備えており、遊技球がどの流下位置を流下するかで流下態様が異なるように構成されるので、遊技球が可動役物に案内される態様にバリエーションを設けることができ、可動役物の注目力を向上させることができる。
遊技機YC1において、前記流下態様は、遊技球の流下速度、流下方向または流下間隔であることを特徴とする遊技機YC2。
遊技機YC2によれば、遊技機YC1の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の流れをばらつかせることができ、その遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機YC1又はYC2において、前記第1流下位置は、前記検出手段を通過した遊技球が流下可能な位置として設定されることを特徴とする遊技機YC3。
遊技機YC3によれば、遊技機YC1又はYC2の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達していることを確認することで、遊技球が検出手段を通過したことを把握できるので、検出手段を視認する必要をなくすことができる。
また、検出手段を通過した遊技球と、検出手段を通過しなかった遊技球とが、動作手段の別位置で流下するようにすることで、動作手段に同時に乗せることができる遊技球の個数を、全球が検出手段を通過するように狙う発射態様か、一部の遊技球は検出手段を逸らすことを狙う発射態様かで、変化させることができる。
遊技機YC3において、前記検出手段を通過した遊技球の流下経路は、分岐しない経路として構成されることを特徴とする遊技機YC4。
遊技機YC4によれば、遊技機YC3の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達したことを確認することで、その遊技球が検出手段を通過したことを把握することができる。
遊技機YC1からYC4のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下した遊技球の流下経路と、前記第2流下位置を流下した遊技球の流下経路とは、前記動作手段の下流側における所定の合流位置において合流することを特徴とする遊技機YC5。
遊技機YC5によれば、遊技機YC1からYC4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段により流下された遊技球により遊技球が得られる利益を、その流下位置によらず同じとすることができる。
遊技機YC5において、前記合流位置は、前記動作手段から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機YC6。
遊技機YC6によれば、遊技機YC5の奏する効果に加え、合流時に遊技球で生じる負荷が動作手段の動作に与える影響を小さくすることができる。これにより、動作手段の動作を円滑に実行することができる。
遊技機YC5において、前記合流位置は、前記動作手段に近接配置されることを特徴とする遊技機YC7。
遊技機YC7によれば、遊技機YC5の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の通過を検出する検出装置を、より上流側に配置することができるので、利益を早期に生じさせることができる。従って、動作手段に沿って遊技球が流下してから利益発生までの待ち時間を短縮することができる。
遊技機YC5からYC7のいずれかにおいて、前記合流位置で遊技球が下方に落下するよう構成されることを特徴とする遊技機YC8。
遊技機YC8によれば、遊技機YC5からYC7のいずれかの奏する効果に加え、合流した後の球が逆流したり、球詰まりが生じたりする事態の発生を回避することができる。
遊技機YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が同じように構成されることを特徴とする遊技機YC9。
遊技機YC9によれば、遊技機YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に到達した遊技球に注目する側を統一することができるので、遊技者が注目すべき箇所を容易に把握させることができる。
遊技機YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機YC10。
遊技機YC10によれば、遊技機YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下する方向を視認することで、遊技球が第1流下位置を流下したか、遊技球が第2流下位置を流下したかを、判断することができるので、動作手段に近接配置される遊技球が前後に重なり見難い構成においても、動作手段よりも下流側において遊技球の流下方向を把握することができる。
遊技機YC1からYC10のいずれかにおいて、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益を付与可能に構成される第1入球口と、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益よりも大きな第2の利益を付与可能に構成される第2入球口と、を備え、前記第1流下位置は、前記第1入球口に入球した遊技球の流下経路に配置され、前記動作手段は、前記第1流下位置を流下する遊技球を前記第2入球口側に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機YC11。
遊技機YC11によれば、遊技機YC1からYC10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段によって、第1入球口に入球した遊技球により利益が付与される前に、その遊技球を第2入球口側に引き抜くことができる。
これにより、例えば、左右対称盤面の遊技機(特別図柄の抽選のための入賞口や、特別遊技において開閉する入賞口が、左右中央位置に縦並びに配置され、それらの入賞口に左打ちでも右打ちでも入球させることができる盤面構成の遊技機)であっても、動作手段の動作によって、第1入球口への入球により利益が生じる頻度を落とすことができる。
そのため、第1入球口への入球頻度を落とすために、第1入球口へ遊技球が案内されない右打ち経路を構成する必要性を下げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
<分岐手段で分岐する第1流路と第2流路との有利不利を変化可能>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、所定の入球領域の下流側に第1流路および第2流路を構成する構成手段と、を備え、遊技球が前記第1流路を流下する場合に遊技者が得られる第1の利益と、遊技球が前記第2流路を流下する場合に遊技者が得られる第2の利益と、の大小関係を変化可能に構成される変化手段を備えることを特徴とする遊技機YD1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域を流下した遊技球が左側に流下した場合と、右側に流下した場合とで、遊技者が得られると期待される利益に違いがある遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が流下した場合に有利な方向が固定されているため、分岐位置における遊技球の流下方向さえ確認できればその後で得られる利益が予想できてしまい、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が到達する前に遊技者の集中力のピークが来てしまうので、分岐位置から確定領域までの経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として利用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YD1によれば、変化手段によって、第1の利益と第2の利益との大小関係が切替可能とされることから、遊技者の集中力のピークを、遊技球が第1流路または第2流路に入球する時点ではなく、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が入球する時点に持ってくることができるので、分岐領域から確定領域までの経路に対する注目力を高く維持することができる。これにより、遊技境域を演出領域として有効利用することができる。
なお、利益が確定する時点としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が検出口(検出領域、特定領域等)を通過する時点としても良いし、遊技球が検出口を通過したことで確定した利益が遊技者側に報知される時点(遊技者が利益を認識できる時)としても良い。
遊技機YD1において、前記第1の利益または前記第2の利益の内、大側の利益が遊技者に付与される場合に、遊技球を正面側に流下させる流下領域を備えることを特徴とする遊技機YD2。
遊技機YD2によれば、遊技機YD1の奏する効果に加え、遊技球が通常の流下態様(下方に流下する流下態様)と異なる際に大側の利益が遊技者に付与されることから、遊技球を視認させることで、大側の利益が付与されたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機YD1又はYD2において、前記第1流路および前記第2流路は合流可能に構成され、その合流位置への進入位置に上下方向の位置差があることを特徴とする遊技機YD3。
遊技機YD3によれば、遊技機YD1又はYD2の奏する効果に加え、第1流路および第2流路から、遊技球が合流位置に同時に進入した場合であっても、衝突時の負荷が上下方向(第1流路および第2流路と交差する方向)で生じるので、遊技球が逆流することを回避し易くすることができる。
遊技機YD3において、前記進入位置は、遊技球の通過頻度が高い側が下側配置されることを特徴とする遊技機YD4。
遊技機YD4によれば、遊技機YD3の奏する効果に加え、高頻度で所定の進入位置を通過する遊技球が、他の進入位置に誤って入球することを避け易くすることができる。
遊技機YD1からYD4のいずれかにおいて、前記第1流路および前記第2流路は、遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備え、前記第1流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、前記第2流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機YD5。
遊技機YD5によれば、遊技機YD1からYD4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作制御は同一としながら、第1流路を遊技球が流下する場合と、第2流路を遊技球が流下する場合とで、動作手段が遊技球に作用するか否かを異ならせることができる。
<3状態で切替>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段の動作態様に対応して、遊技球が第1入球口に入球し易い第1状態と、遊技球が第2入球口に入球し易い第2状態と、遊技球が第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、で状態を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機YE1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1始動口および第2始動口(第1の第2始動口)に入球し易い状態と、第2始動口(第2の第2始動口)のみに入球し易い状態と、で状態を切り替えることはできるが、第1始動口のみに入球し易い状態に切り替えることはできず、遊技球の入球態様の自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機YE1によれば、動作手段の動作態様に対応して、第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、第2入球口に入球し易い第2状態だけでなく、第1入球口に入球し易い第1状態にも状態を切り替えることができるので、遊技球の入球態様の自由度を向上させることができる。
遊技機YE1において、前記第3状態では、流下した遊技球が第1入球口に入球する場合と、第2入球口に入球する場合とが、交互に生じることを特徴とする遊技機YE2。
遊技機YE2によれば、遊技機YE1の奏する効果に加え、第3状態における第1入球口への入球個数と第2入球口への入球個数とを均一化することができる。
遊技機YE1又はYE2において、流下した遊技球が、前記第1入球口または前記第2入球口に入球可能に形成される所定流路を備えることを特徴とする遊技機YE3。
遊技機YE3によれば、遊技機YE1又はYE2の奏する効果に加え、所定流路を遊技球が流下している時点では、その遊技球は第1入球口に入球する可能性も、第2入球口に入球する可能性も残されているので、所定流路を流下している遊技球に対する注目力を向上することができる。
<サポートで特1特2の両方が貯まる>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、前記動作手段が配置される位置まで流下した遊技球の流下経路を、前記第1入球口側へ向かう第1経路と、前記第2入球口側へ向かう第2経路と、その他の経路と、に分岐可能に構成されることを特徴とする遊技機YF1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動片の開状態において第2始動口(第2の第2始動口)に入球し易い状態を形成することができるが、第1始動口へ入球し易い状態を形成することはできず、可動片による遊技球の案内態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YF1によれば、動作手段から下流側の流下経路として、第1経路と第2経路とが形成されることで、第1入球口へ遊技球を案内することも第2入球口へ遊技球を案内することもできるので、動作手段による遊技球の案内態様を改良することができる。
遊技機YF1において、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益よりも、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益が大きく設定され、前記第1入球口は前記動作手段の中央側の下方に配置され、前記第2入球口は前記動作手段の端側の下方に配置されることを特徴とする遊技機YF2。
遊技機YF2によれば、遊技機YF1の奏する効果に加え、動作手段の端側まで遊技球が流れきれば第2入球口に入球可能となるので、途中位置で落下する(タイミングよく動作手段が動作する)ことで第1入球口に入球する事態に比較して、第2入球口に遊技球が入球する事態を発生し易くすることができる。
遊技機YF1又はYF2において、動作手段の端部からの遊技球の零れを防止するための零れ防止手段を備えることを特徴とする遊技機YF3。
遊技機YF3によれば、遊技機YF1又はYF2の奏する効果に加え、零れ防止手段によって動作手段から遊技球が勢い余って零れる事態を回避することができるので、動作手段に遊技球が到達した場合の遊技者の安心感を高めることができる。
また、零れ防止手段で遊技球が高反発で跳ね返るようにすることで、動作手段の上面における遊技球の転動速度を高め、動作手段の上面を遊技球が短時間で通過し易くすることができる。
<振分け左右で構成違い>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する複数の検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、その動作手段に案内された遊技球が入球可能に構成される被案内入球口と、を備える遊技機において、前記複数の検出手段は、前記動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、その第1検出手段とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機YG1。
パチンコ機等の遊技機において、普図始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、普図始動口に案内される経路と、開閉部材側に案内される経路とが、別経路とされ、それぞれの経路を遊技球が交互に流下するため、普図始動口の真上に配置される釘に遊技球が衝突して普図始動口から逸れる事態が生じると、次に普図始動口に遊技球が案内されるまでに期間が開いてしまうことから、開閉部材が閉じている時に開閉部材側に遊技球が流下するという、期待感の薄い状態になり易い。この場合、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機YG1によれば、動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、動作手段の上流側とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えるので、遊技球が検出手段に検出される状況を頻繁に生じさせることができる。これにより、動作手段の動作頻度を向上させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機YG1において、前記第1検出手段と前記動作手段との間に所定の流路が形成されることを特徴とする遊技機YG2。
遊技機YG2によれば、遊技機YG1の奏する効果に加え、第1検出手段から動作手段への遊技球の流れを整流化することができる。
遊技機YG1又はYG2において、前記動作手段は、前記第2検出手段を通過する遊技球の流下経路側へ延びるように形成されることを特徴とする遊技機YG3。
遊技機YG3によれば、遊技機YG1又はYG2の奏する効果に加え、第2検出手段側の注目力が第1検出手段側の注目力との比較において低くなり過ぎることを回避することができる。
<遊技球を案内する手段が長い>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を案内する案内手段と、その案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出する第1検出手段と、前記案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出した場合に、前記第1検出手段に遊技球の通過が検出されることに基づいて遊技者に与え得る利益とは異なる利益を遊技者に与え得る第2検出手段と、を備え、前記案内手段は、前記入球領域から流下した遊技球を受けるための所定部と、その所定部よりも下流側に配置され前記所定部の変位に対応して変位する下流側部と、を備え、少なくとも前記下流側部の配置に応じて、遊技球を前記第1検出手段に案内し易い第1状態と、遊技球を前記第2検出手段に案内し易い第2状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機BA1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の検出領域(第2始動入賞口27)において遊技球の通過が検出された場合において、一定確率で開放されて奥側に配設される賞球口への遊技球の案内が可能となる可動役物(第2可変入賞装置31)が配設され、その可動役物の開放動作を頻繁に生じさせて賞球口への入球が頻繁に生じることにより多量の賞球の払い出しを遊技者が獲得できる遊技状態が、通常状態よりも有利な遊技状態として設定される遊技機がある(例えば、特開2017-169630号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、別の検出領域(可変始動入賞口28a)に可動部材(開閉部材28b)が配設されていることを理由に、所定の検出領域を開閉する可動部材が配設されておらず、常に遊技球を所定の検出領域に通過可能に構成されている。通常状態では遊技領域の左側に遊技球を流下させる遊技方法が推奨されているが、遊技初心者などは特に、誤って遊技領域の右側に遊技球を流下させるように発射してしまう場合がある。
所定の検出領域において遊技球の通過が検出された場合、可動役物の開放動作の抽選(小当たりの抽選)の他に、特別図柄の抽選(大当たりの抽選)も行われ、特別図柄の抽選による大当たりが発生すると、大当たり終了後の遊技状態としてペナルティが課され、通常状態よりも不利な遊技を強いられることとなる。遊技初心者からすれば、理由もわからずペナルティを課されたと疑念を抱きかねず、遊技機に対する興味関心が薄れ、新規の遊技者を獲得し損なる状況を生み出しかねない。即ち、遊技初心者に優しくなく、平等性に欠けるという問題点があった。
これに対し、遊技機BA1によれば、案内手段が第1状態で維持されることで、第1検出手段へ遊技球が案内され易い状態を構成することができ、この状態において第2検出手段(所定の検出領域)への遊技球の案内を抑制することができる。これにより、案内手段を利用することで、第2検出手段に遊技球を通過させることを防ぐことができ、遊技の平等性を高めることができる。
なお、案内手段は、所定部と下流側部とが一体的に形成されるよう構成されても良いし、所定部と下流側部とが別体で形成されるよう構成されても良い。
遊技機BA1において、前記下流側部は、前記第1状態において前記第2検出手段への遊技球の案内を防止可能とされ、前記第2状態において前記第1検出手段への遊技球の案内を防止可能とされるよう構成されることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、遊技機BA1の奏する効果に加え、下流側部により、案内手段を介して流下する遊技球が通過する検出手段を切り替えることができる。
遊技機BA1又はBA2において、前記案内手段は、前記所定部が受けた遊技球を前記下流側部へ向けて流下させる中間部を備えることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA1又はBA2の奏する効果に加え、中間部により、案内手段を介して流下する遊技球が第1検出手段に案内されるのか、第2検出手段に案内されるのかが、不明確な状態を引き延ばすことができる。
なお、中間部は、下流側部の変位に対応して変位可能に構成しても良いし、下流側部の変位に関わらず変位しないように構成しても良い。
遊技機BA3において、前記中間部は、前記第1状態でも前記第2状態でも遊技球の流下方向が変化しないよう構成され、下流側において前記第1検出手段または前記第2検出手段への案内が行われることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA3の奏する効果に加え、入球領域に入球した後の遊技球が中間部を案内されている時に案内手段が第1状態と第2状態とで切り替わったとしても、中間部における遊技球の流下方向に影響を与えないので、中間部を案内されている遊技球の流下態様の変化から案内手段の状態変化を把握されるという事態の発生を避けることができる。
遊技機BA1からBBA4のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記第1状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を制限する位置に配置され、前記第2状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機BA5。
遊技機BA5によれば、遊技機BA1からBBA4のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の状態の切り替えによって、案内手段への新たな遊技球の入球の可否を切り替えることができる。
また、所定部における遊技球の通過と、下流側部における遊技球の通過と、のそれぞれに注目させることができる。即ち、遊技者の視線を複数位置で集めることができ、案内手段の注目箇所を増加させることができる。
遊技機BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、同時に実行されることを特徴とする遊技機BA6。
遊技機BA6によれば、遊技機BA5の奏する効果に加え、異なる位置で同時に切替が実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えか、下流側部における切り替えか、いずれかを選択して視認させるという遊技性を付与することができる。
遊技機BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、タイミングがずれて実行されることを特徴とする遊技機BA7。
遊技機BA7によれば、遊技機BA5の奏する効果に加え、別タイミングで異なる位置における切り替えが実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えと、下流側部における切り替えと、が視線をずらすことで視認することができるという遊技性を付与することができる。加えて、遊技者の視線の動きを誘導することができる。
遊技機BA1からBBA7のいずれかにおいて、前記所定部は、前後方向にスライド変位することを特徴とする遊技機BA8。
遊技機BA8によれば、遊技機BA1からBBA7のいずれかの奏する効果に加え、正面視における所定部の動きが目立つことを避けることができる。所定部は、案内手段への入球の可否を切り替える部分であり、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所ではないので、目立つことを避けることで、相対的に下流側部の動作を目立たせることができる。
遊技機BA1からBBA8のいずれかにおいて、前記下流側部は、回転動作する態様で変位することを特徴とする遊技機BA9。
遊技機BA9によれば、遊技機BA1からBBA8のいずれかの奏する効果に加え、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所としての下流側部の動きを目立たせることができる。
遊技機BA1からBBA9のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部と前記下流側部との間の正面視における距離よりも、前記所定部から前記下流側部へ流下する遊技球の流下距離が長くなるように構成されることを特徴とする遊技機BA10。
遊技機BA10によれば、遊技機BA1からBBA9のいずれかの奏する効果に加え、所定部から流れた遊技球が下流側部に到達する前に、遊技者が所定部から下流側部に視線を移動させ易くすることができる。
遊技機BA1からBBA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部を介さない遊技球が前記下流側部へ到達することを防止するための防止手段を備えることを特徴とする遊技機BA11。
遊技機BA11によれば、遊技機BA1からBBA10のいずれかの奏する効果に加え、防止手段により、下流側部へ到達する遊技球の流下経路を制限することができるので、遊技球が意図しない経路で下流側部に到達し、誤った検出手段に入球する事態の発生を避けることができる。
遊技機BA1からBBA11のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記入球領域からの複数の遊技球を前記所定部が受ける第1期間よりも、その第1期間に前記所定部が受けた前記複数の遊技球が前記下流側部を通過する第2期間を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機BA12。
遊技機BA12によれば、遊技機BA1からBBA11のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により、所定部が遊技球を受けるタイミングのずれよりも、下流側部における遊技球の通過タイミングのずれを小さくすることができるので、下流側部での遊技球の流下方向の切替の精度を保ちながら、所定部において遊技球を受けるタイミングのずれの許容幅を拡大することができ、快適な遊技を提供し易くすることができる。
遊技機BA12において、前記所定部は、変位する際に、遊技球を加速させる方向の負荷を遊技球に負荷する形状から構成されることを特徴とする遊技機BA13。
遊技機BA13によれば、遊技機BA12の奏する効果に加え、所定部の変位が生じる際に遊技球を加速させる方向の負荷が生じることになるので、所定部が変位する前に所定部を通過した遊技球へ向けて、所定部が変位する際に所定部上に配置された遊技球を加速させることで、遊技球同士の間隔が縮まる状況を生じさせることができる。
<流下経路を引き延ばす>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、遊技球を流下させる第1可動部と、その第1可動部よりも下流側に配置され遊技球を流下させる第2可動部と、前記第1可動部および前記第2可動部の間に配置され遊技球を流下させる所定部と、を備えることを特徴とする遊技機BB1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入球可能な検出センサと、その検出センサに遊技球を案内する可動部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、検出センサへ向けた遊技球の流下経路が可動部材の長さに限定されるので、遊技球の流下が単調となり易いので遊技者を飽きさせ易い可能性があることから、遊技球の流下態様について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BB1によれば、検出手段の上流側に配置される流下手段が、所定部を挟む複数の可動部を備えることから、可動部の長さや形状にバリエーションを持たせ易くでき、遊技球の流下態様について改良することができる。
遊技機BB1において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において前記所定部と上下方向で重なる重なり部を備えることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、重なり部を介して所定部へ遊技球を流すことができるので、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
遊技機BB1又はBB2において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において、遊技球の流下する向きを前記所定部側へ向けさせるための傾斜部を備えることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1又はBB2の奏する効果に加え、傾斜部によって遊技球の流下向きを所定部側へ寄せることができるので、遊技球の流下が乱れた場合であっても、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
<下流側において遊技球を密集させる>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、前記入球領域に所定間隔で入球した複数の遊技球が、前記下流側領域を流下する間隔を、前記所定間隔よりも短くするための所定手段を備えることを特徴とする遊技機BBZ1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域から遊技球が流下した場合において、その遊技球から与えられる負荷により第1検出手段または前記第2検出手段への遊技球の案内が可能となる2種類の開放状態を構成可能な複数の可動役物が配設され、その可動役物は、それぞれ賞球口に所定個数の遊技球が入球した場合に機械的な負荷の伝達により開放状態から閉鎖するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2016-202338号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、通常時は第1検出手段にも第2検出手段にも遊技球を案内しない状態で維持されているので、遊技球を第1検出手段に案内する第1状態と、遊技球を第2検出手段に案内する第2状態と、合計で3つの状態に切り替えられるが、いずれの状態においても、入球領域に入球した後の遊技球の流下経路は一本道とされており、入球領域に入球するタイミング(間隔)と、その入球に伴う賞球の払い出しのタイミング(間隔)とがほぼ同じとされるので、遊技者に与えられる利益が発生するタイミングが遊技球の発射間隔(一定間隔)に制限されてしまい、遊技に緩急をつけることが難しく、遊技者の興趣を高めることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機BBZ1によれば、流下手段の所定手段により、遊技球が入球領域に入球する間隔よりも、遊技球が下流側領域を流下する間隔が短くなる場合を生じさせることができるので、遊技球の発射間隔よりも短い間隔で遊技球が下流側領域を流下する場合を生じさせることができる。これにより、遊技球が入球領域に入球したことで遊技者に与えられる利益の発生タイミングが一定間隔となることを避け易くすることができ、遊技に緩急をつけることで、遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機BBZ1において、前記所定手段は、前記入球領域側における遊技球の流下速度を、前記下流側領域側における遊技球の流下速度よりも大きくさせるように構成されることを特徴とする遊技機BBZ2。
遊技機BBZ2によれば、遊技機BBZ1の奏する効果に加え、所定手段により、下流側領域側を流下する遊技球が、入球領域側における遊技球に追いつかれるような状態を構成することができる。
遊技機BBZ1又はBBZ2において、前記流下手段は、一方向または他方向に変位可能に構成され、前記一方向における変位または前記他方向における変位によって、前記入球領域に入球した遊技球に対して前記下流側領域へ向けた所定の負荷を与え得るよう構成されることを特徴とする遊技機BBZ3。
遊技機BBZ3によれば、遊技機BBZ1又はBBZ2の奏する効果に加え、流下手段が往復変位可能に構成されており、遊技手段は、流下手段が一方向に変位する場合に流下手段を流下するか、流下手段が他方向に変位する場合に流下手段を流下するかによって、流下態様を変化させることができる。
遊技機BBZ3において、前記流下手段を流下する遊技球は、遊技球の流下方向に分岐が生じない非分岐位置と、遊技球の流下方向に分岐が生じ得る分岐位置と、のいずれかに配置されることを特徴とする遊技機BBZ4。
遊技機BBZ4によれば、遊技機BBZ3の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を流下している間中において、遊技球が分岐位置に配置されている場合に比較して、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
遊技機BBZ4において、前記分岐位置は、前記非分岐位置よりも視認性が高くなる側に配置されることを特徴とする遊技機BBZ5。
遊技機BBZ5によれば、遊技機BBZ4の奏する効果に加え、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
なお、視認性が高くなる側としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技者に近い側(前側)であっても良いし、遊技領域を流下する遊技球に隠され難い位置側であっても良いし、LED等の発光演出が生じた場合に眩しくならない側であっても良い。
遊技機BBZ4又はBBZ5において、前記分岐位置は、前記入球領域側の第1位置と、その第1位置よりも下流側の第2位置と、に配置され、前記第1位置と前記第2位置との間に前記非分岐位置が配置されることを特徴とする遊技機BBZ6。
遊技機BBZ6によれば、遊技機BBZ4又はBBZ5の奏する効果に加え、遊技球が流下手段上を流下する場合において、分岐位置に2回、間隔をあけて配置されることから、1個の遊技球が流下手段に案内される場合に遊技者の注目力を2回のタイミングで向上させることができる。これにより、遊技球への注目力を効率よく向上させることができる。
遊技機BBZ1からBBZ6のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記入球領域側の水平面に対する傾斜角度が、前記下流側領域側の水平面に対する傾斜角度よりも大きくされることを特徴とする遊技機BBZ7。
遊技機BBZ7によれば、遊技機BBZ1からBBZ6のいずれかの奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球が、入球領域側でより加速され、下流側領域側における遊技球との間隔と短くすることができる。
遊技機BBZ1からBBZ7のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記下流側領域よりも大きいことを特徴とする遊技機BBZ8。
遊技機BBZ8によれば、遊技機BBZ1からBBZ7のいずれかの奏する効果に加え、入球領域に同時に複数の遊技球が入球し易くすることができ、それらの遊技球が下流側領域で密集する(連なる)状態が生じ易くなるようにすることができる。
遊技機BBZ8において、前記入球領域は複数箇所に分割配置可能に構成されることを特徴とする遊技機BBZ9。
遊技機BBZ9によれば、遊技機BBZ8の奏する効果に加え、遊技球の流下手段への入球箇所が複数用意されているので、流下手段への遊技球の入球頻度を高めることができる。
遊技機BBZ9において、遊技球が入球する前記入球領域の違いに対応して、前記流下手段に流下される遊技球の流下経路が異なることを特徴とする遊技機BBZ10。
遊技機BBZ10によれば、遊技機BBZ9の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を通過するまでの期間や、流下手段上の遊技球の配置等が、遊技球がいずれの入球領域に入球するかに対応して変化し得ることから、流下手段に入球した遊技球が、いずれの入球領域から入球したかについての遊技者の興味関心を高めることができ、入球領域への注目力を向上することができる。
遊技機BBZ1からBBZ10のいずれかにおいて、前記流下手段を流下する遊技球が、前記下流側領域へ向けた流下経路から外れないようにするための流下経路制限手段を備えることを特徴とする遊技機BBZ11。
遊技機BBZ11によれば、遊技機BBZ1からBBZ10のいずれかの奏する効果に加え、流下経路制限手段により、入球領域に入球した遊技球が確実に下流側領域に到達するように構成することができる。
<入球領域から離れた位置で遊技球を受ける技術思想>
遊技球を入球領域へ案内可能とする第1状態と、前記入球領域への遊技球の入球を制限する第2状態とで状態を切り替え可能とされる切替手段と、その切替手段へ向けて遊技球が流下可能な流下領域と、を備え、前記流下領域は、前記切替手段の前記入球領域から離れた側に配置されることを特徴とする遊技機BC1。
パチンコ機等の遊技機において、賞球口へ遊技球を案内可能とする状態と賞球口への遊技球の入球を制限する状態とで切り替えられる可動役物への、遊技球の着地位置が、賞球口付近の下流側位置と、その下流側位置よりも上流側の上流側位置とで複数あり、下流側位置に着地するか上流側位置に着地するかに関わらず、遊技球が賞球口を通過可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2017-029531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、上流側位置に着地した遊技球が賞球口に近接するタイミングで下流側位置に別の遊技球が着地して、複数の遊技球がかたまって賞球口を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりする可能性があるという問題点があった。換言すれば、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BC1によれば、入球領域から離れた側において遊技球が切替手段に流下されるよう構成されているので(切替手段への遊技球の着地位置が制限されているので)、切替手段を流下する間に遊技球を整列させることができ、入球領域を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりすることを回避することができるので、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良を図ることができる。
遊技機BC1において、前記流下領域の外方における前記切替手段への流下を防止する防止手段を備えることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、防止手段によって、遊技球が流下領域の外方を通って切替手段へ到達することを防止することができる。
遊技機BC2において、前記切替手段は、遊技領域を構成する遊技盤前面よりも後側に少なくとも一部が配設されることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC2の奏する効果に加え、遊技球が切替手段に着地する位置を少なくとも遊技領域側(遊技盤前面)に登場させ、その他の少なくとも一部を遊技盤前面よりも後側に配設することで、切替手段上の遊技球の流下長さを遊技盤前面よりも後側に確保しながら、切替手段が遊技領域を侵食する長さを狭めることができる。これにより、他の構成を配置する領域を広く確保し、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
遊技機BC1からBC3のいずれかにおいて、前記切替手段は、遊技球が転動可能な第1部と、その第1部よりも下流側に配置される第2部とを備え、前記流下領域から前記切替手段に着地する遊技球は、前記第1部に着地し易く構成されることを特徴とする遊技機BC4。
遊技機BC4によれば、遊技機BC1からBC3のいずれかの奏する効果に加え、切替手段上を長距離で転動させることで遊技球の跳ねを抑え流下を落ち着かせることができると共に、入球領域までの流下長さを確保でき、遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機BC4において、前記切替手段は、前記第1部と前記第2部との間に、前記第1状態および前記第2状態において遊技球を橋渡し可能な案内経路を備えることを特徴とする遊技機BC5。
遊技機BC5によれば、遊技機BC4の奏する効果に加え、切替手段の第1部に着地した後の遊技球について、切替手段の状態に関係なく遊技球の転動を維持させる箇所としての案内経路が配設されることから、切替手段の状態切替と、遊技球の流下態様の変化とが一対一で対応する場合に比較して、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
遊技機BC5において、前記案内経路における遊技球の流下長さが複数種類構成されることを特徴とする遊技機BC6。
遊技機BC6によれば、遊技機BC5の奏する効果に加え、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
なお、案内経路における遊技球の流下長さが変化する要因としては、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への入球位置の違いで変化するよう構成されても良いし、切替手段への入球のタイミングと切替手段の状態が切り替えられるタイミングとの相対的な関係により変化するよう構成されても良い。
遊技機BC5又はBC6において、前記切替手段は、前記案内経路よりも上流側における所定範囲に亘って、遊技球を案内経路側に接近するように移動させる接近手段を備えることを特徴とする遊技機BC7。
遊技機BC7によれば、遊技機BC5又はBC6の奏する効果に加え、接近手段により、案内経路に遊技球が乗るタイミングよりも事前に案内経路側に遊技球を寄せることができるので、案内経路への橋渡し部分における遊技球の滞留を回避することができる。
遊技機BC7において、前記接近手段は、前記切替手段の第1部または前記案内経路における遊技球の流下方向と直交する方向に遊技球を移動させる傾斜面であることを特徴とする遊技機BC8。
遊技機BC8によれば、遊技機BC7の奏する効果に加え、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下方向と、傾斜面の傾斜方向とが直交することから、傾斜面により遊技球に与えられる負荷が、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下速度を加速も減速もさせず、影響を最小限に抑えることができる。
遊技機BC4からBC8のいずれかにおいて、前記第2部は、同時の複数個の遊技球の受入を制限するよう構成されることを特徴とする遊技機BC9。
遊技機BC9によれば、遊技機BC4からBC8のいずれかの奏する効果に加え、第2部に想定以上の遊技球が入球する事態を回避し易くすることができる。
遊技機BC1からBC9のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記流下領域側の端部側の所定区間に遊技球が着地してから、その遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に状態が切り替えられた場合に、その遊技球が前記案内経路側に入球することを制限する入球制限手段を備えることを特徴とする遊技機BC10。
遊技機BC10によれば、遊技機BC1からBC9のいずれかにおいて、切替手段が微小時間での状態切替を実行した場合に、遊技球が案内経路側に誤って入球することを回避し易くすることができる。
遊技機BC1からBC10のいずれかにおいて、前記切替手段は、下流側部において遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機BC11。
遊技機BC11によれば、遊技機BC1からBC10のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の下流側において遊技球の流下態様を落ち着かせる(整流させる)ことができる。
<複数個目の入球が、先の入球に影響されて検出手段を通過し易い>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通った遊技球が流下可能な第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域に遊技球が配置されていない状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第1の場合よりも、前記下流側領域に遊技球が配置されている状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第2の場合の方が、遊技球が前記第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により後の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段に遊技球が1個受け入れられた時点で特定入球口へ入球するものと考えられるので、遊技者が安心できてしまい、2個目以降の開閉手段への入球に注目させることが困難であるという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられる遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機BD1によれば、下流側領域に受け入れられた遊技球の内、複数個目に受け入れられた遊技球の方が、1個目に受け入れられた遊技球よりも、第2流下領域に受け入れられる可能性が高くなるよう構成されるので、下流側領域に流下した遊技球に対する注目力を持続させることができる。
遊技機BD1において、前記下流側領域に1球目で入球した遊技球よりも、2球目以降で入球した遊技球の方が、第2流下領域に入球し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を長い間維持することができる。
遊技機BD1又はBD2において、前記下流側領域に遊技球が複数個同時に配置されている場合に、前記第2流下領域を遊技球が流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD1又はBD2の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を、遊技球が下流側領域に配置されている間において維持することができる。また、遊技球の発射態様を遊技者に意識させることができる。
遊技機BD1からBD3のいずれかにおいて、前記下流側領域に複数の遊技球が停留することで、第2流下領域に遊技球が受け入れられ易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD4。
遊技機BD4によれば、遊技機BD1からBD3のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の配置態様に注目させることができる。
遊技機BD1からBD4のいずれかにおいて、流下領域からの遊技球の流下経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段を備え、前記下流側領域は、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられた直後において、前記第2流下領域側に遊技球が案内され難いように構成されることを特徴とする遊技機BD5。
遊技機BD5によれば、遊技機BD1からBD4のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられた後における下流側領域に対する遊技者の注目力の維持期間を長くすることができる。
遊技機BD5において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から、前記下流側領域に所定期間に入球した遊技球よりも、前記所定期間経過後に入球した遊技球の方が、第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機BD6。
遊技機BD6によれば、遊技機BD5の奏する効果に加え、下流側領域に対する注目力を開閉手段が第1状態に切り替えられた時点から長く持続させることができる。
遊技機BD6において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から前記所定期間が経過した後においては、前記流下領域を流下した遊技球が前記第2流下領域を流下するまでの期間の変化を抑制可能とされることを特徴とする遊技機BD7。
遊技機BD7によれば、遊技機BD6の奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられ所定期間が経過した後における遊技球の流下態様(流下期間)を一定とすることで、下流側領域における注目力を下げ、遊技者をリラックスさせることができる。
遊技機BD5からBD7のいずれかにおいて、前記流下領域に、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられてから数えて1個目で入球した遊技球を、前記第2流下領域側へ案内しないように構成される案内球選択手段を備えることを特徴とする遊技機BD8。
遊技機BD8によれば、遊技機BD5からBD7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に遊技球を受け入れさせるために、開閉手段の第1状態において複数個の遊技球を入球させる必要が生じるので、開閉手段および開閉手段を通過する遊技球の個数に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BD1からBD8のいずれかにおいて、前記第2流下領域に受け入れられる遊技球の個数と、前記第2流下領域に受け入れられない遊技球の個数とを同等とするよう構成されることを特徴とする遊技機BD9。
遊技機BD9によれば、遊技機BD1からBD8のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に全球入球する場合のように、過度に多くの遊技球が受け入れられる場合が生じることで、遊技者に過度な期待を持たせることを回避することができる。
遊技機BD1からBD9のいずれかにおいて、前記下流側領域が受入可能な遊技球の最大個数が設定され、その最大個数を超えた遊技球が前記第2流下領域に受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機BD10。
遊技機BD10によれば、遊技機BD1からBD9のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域および第2流下領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BD1からBD10のいずれかにおいて、通過した遊技球が前記第1流下領域側に流入し易い位置に、流下領域を配置可能とされることを特徴とする遊技機BD11。
遊技機BD11によれば、遊技機BD1からBD10のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域に配置された遊技球が第1流下領域側に流入し易い状態が構成され易い。
遊技機BD1からBD11のいずれかにおいて、前記下流側領域に配置された遊技球を前記下流側領域で留めるための滞留手段を備えることを特徴とする遊技機BD12。
遊技機BD12によれば、遊技機BD1からBD11のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを滞留手段により制限することができる。
遊技機BD1からBD12のいずれかにおいて、前記第2流下領域は、前記第1流下領域よりも上側に配置されることを特徴とする遊技機BD13。
遊技機BD13によれば、遊技機BD1からBD12のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを、配置の高低差で防止することができる。
<遊技球との当接、非当接の切り替え>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能な当接可能手段と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機BE1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材により開閉される入球口に入球した遊技球の流下経路において複数の可動部材が配設され、可動部材からの負荷を受けて遊技球の流下経路が変化し得る遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、可動部材は流下した遊技球と必ず当接し得るよう構成されているので、入球口に入球した遊技球の流下態様が変わり映えせず、遊技者を飽きさせる可能性が高く、遊技者の興趣を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BE1によれば、当接可能手段が、下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能とされるので、遊技球が当接可能手段に当接する場合と、当接可能手段に当接しない場合とで、遊技球の流下態様を大きく異ならせることができる。これにより、遊技球の流下態様のバリエーションを多くすることができ、遊技者の興趣を向上させる観点で改良することができる。
遊技機BE1において、前記当接可能手段に当接している遊技球を介して負荷を受けた遊技球が、前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BE1又はBE2において、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられた場合において、前記流下領域から前記下流側領域に流下した遊技球が前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機BE3。
遊技機BE3によれば、遊技機BE1又はBE2の奏する効果に加え、開閉手段が開放されるタイミングで当接可能手段に遊技球が当接している場合に、開閉手段が開放された後で開閉手段を通過した遊技球が第2流下領域を流下し易くなることから、当接可能手段に対する注目力を向上させることができる。
<遊技球の通過を止められる状態を経て第2遊技領域に遊技球が受け入れられる>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域の所定部における遊技球の通過が防止される状態から、前記第2流下領域に遊技球が流下可能な状態へ移行されることを特徴とする遊技機BEZ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、入球口と特定入球口との位置が、左右の違いがあるだけでほとんど変わらないので、遊技球が特定入球口に入球したかどうかを開閉手段越しには一目で把握させ難い。特定入球口へ遊技球が入球したことに起因して液晶装置に報知がされる場合には、液晶装置での表示の方が分かり易いので、遊技者の注目力が液晶装置に集中してしまうという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機BEZ1によれば、下流側領域の所定部において遊技球の通過が防止される状態を経て、第2流下領域に遊技球が流下するように構成されるので、第2流下領域への入球準備状態として下流側領域で停止している遊技球に遊技者の視線を集めることができ、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることができる。
遊技機BEZ1において、前記所定部は、前記第1流下領域に位置することを特徴とする遊技機BEZ2。
遊技機BEZ2によれば、遊技機BEZ1の奏する効果に加え、所定の利益の付与には影響しない領域としての第1流下領域への入球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、所定の遊技球によって、遊技球の通過が防止されることを特徴とする遊技機BEZ3。
遊技機BEZ3によれば、遊技機BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球が第2流下領域から逸れて流下した場合であっても、所定部を塞ぐかもしれないという期待感から、その遊技球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
遊技機BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、遊技球とは異なる所定部材によって、遊技球の通過が防止され、前記所定部材の正面視における大きさは、遊技球の大きさよりも小さく設定されることを特徴とする遊技機BEZ4。
遊技機BEZ4によれば、遊技機BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球の通過を防止する所定部材が、遊技球よりも目立たないようにすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BEZ1からBEZ4のいずれかにおいて、前記第1流下領域が遊技球で満たされた状態を経て、後追いで到達する遊技球が前記第2流下領域へ受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機BEZ5。
遊技機BEZ5によれば、遊技機BEZ1からBEZ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の目線を第1流下領域に留める状態から、第2流下領域へ移行させることができるので、当初から第2流下領域に注目される場合に比較して、第2流下領域が視認される期間を長くすることができる。
更に、第2流下領域への入球時には、第1流下領域が遊技球で満たされることから、第2流下領域へ入球した遊技球を見失ったとしても、一目で第2流下領域へ入球可能な状態であると把握することができる。
遊技機BEZ5において、前記第1流下領域に遊技球を留める滞留状態と、前記第1流下領域から遊技球を排出する排出状態と、で切替可能とされる状態切替手段を備え、前記開閉手段の状態の切り替えに対応して、前記状態切替手段の状態が切り替えられることを特徴とする遊技機BEZ6。
遊技機BEZ6によれば、遊技機BEZ5の奏する効果に加え、開閉手段と状態切替手段との状態の切り替えを関連付けることができるので、いずれか一方を視認することで、他方の状態を予測し易くすることができる。
遊技機BEZ5又はBEZ6において、前記第1流下領域に受け入れ可能な遊技球の上限個数が設定されていることを特徴とする遊技機BEZ7。
遊技機BEZ7によれば、遊技機BEZ5又はBEZ6の奏する効果に加え、第1流下領域に配置されている遊技球の個数を確認することで、あと何球の遊技球を流下領域に通過させれば第2流下領域に遊技球が受け入れられるかの予測を立て易くすることができる。
遊技機BEZ1からBEZ7のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出可能な排出可能状態と、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出不能な排出不能状態とで状態を切り替えるように変位することを特徴とする遊技機BEZ8。
遊技機BEZ8によれば、遊技機BEZ1からBEZ7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域への遊技球の受入の前提として遊技者の注目力の高い下流側領域へ遊技球が排出されるか否かが、変位手段の状態により変化するように構成されることから、下流側領域および変位手段に対する注目力を向上させることができる。
即ち、流下領域を通過した遊技球が下流側領域に確実に流下する場合には、遊技球が流下領域を通過する個数を把握すれば第2流下領域に遊技球が流下するタイミングを経験から予測することができるので、下流側領域にまでは視線をやらずに遊技をしても不利益は大きくない可能性があった。
これに対し、変位手段の状態次第で下流側領域への遊技球の流下の有無が切り替えられる状況下では、流下領域を通過する遊技球の個数と、下流側領域に流下する遊技球の個数にずれが生じることから、下流側領域にも視線を向ける必要がある。これにより、下流側領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機BEZ8において、前記変位手段は、受け入れた遊技球の流下速度を、流下領域を流下する遊技球の流下速度に比較して減速可能に構成されることを特徴とする遊技機BEZ9。
遊技機BEZ9によれば、遊技機BEZ8の奏する効果に加え、変位手段に受け入れられた遊技球の流下速度を落とすことができるので、変位手段に受け入れられた遊技球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
遊技機BEZ8又はBEZ9において、前記変位手段は、遊技球を所定数まで受け入れ可能な球受部を備え、前記変位手段の変位により前記球受部に受け入れられた遊技球が変位することを特徴とする遊技機BEZ10。
遊技機BEZ10によれば、遊技機BEZ8又はBEZ9の奏する効果に加え、変位手段の変位に伴い変位する遊技球の個数を、球受部に対して所定数までに制限することができるので、変位手段の変位速度を所定の範囲に設定することで、所定期間において変位手段から下流側領域に排出され得る遊技球の個数を所定の範囲に抑えることができる。
<エンディングにおいて終了時点を知らせる報知手段>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機BG1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了したら特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技の終了時点が分かり難く、特図変動遊技が可能な状態に切り替わった直後に特別図柄の抽選を開始させたいという遊技者にとって、不満の元となっていた。
例えば、一般的な遊技進行として、特別図柄1の抽選で大当たりとなった後で、大当たり遊技終了後に特別図柄1よりも有利な特別図柄2の抽選を獲得容易な状態に移行する振分けが存在する遊技機があるが、このような遊技機では、大当たり遊技終了直後は特別図柄2の抽選が未獲得な状態で始まるので、特別図柄1の抽選が保留されていると、大当たり遊技終了後に特別図柄1の抽選が実行されてしまい、万が一その抽選で大当たりを獲得すると、遊技者に不利益が生じる可能性があった。
この事態を回避するため、大当たり終了後の特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に、大当たり終了後になるべく間隔を空けずに特別図柄2の抽選を獲得することが好ましいので、特別図柄2の抽選を獲得できる状態になるや否や遊技球の発射を開始することが望まれる。
一方で、特別図柄2の抽選を獲得するために入球口は電動役物により開閉される場合が一般的であるが、その電動役物は大当たり遊技中には閉鎖状態で維持されており、大当たり遊技終了後に開放可能な状態となる。そのため、電動役物が開放される前に遊技球を発射しても、その多くは無駄球となり易い。
このような事情から、大当たり遊技中に電動役物側へ遊技球を発射しても電動役物が閉鎖状態を維持しており特別図柄2の抽選を獲得できないので遊技球の発射は避けたいが、それにも増して特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に特別図柄2の抽選を獲得するために大当たり遊技が終了するや否や開放された電動役物の下流側にある入球口に遊技球を打ち込みたいと遊技者は思うと考えられる。
これに対し、従来の遊技機では、いつ大当たり遊技が終了するのかが分かり難く、遊技球を発射させるタイミングを図りがたいという問題点があった。
これに対し、遊技機BG1によれば、所定の演出の終了時点を遊技者が把握可能に報知する報知手段を備えるようにしたので、その報知手段の報知を目安として遊技球を発射させるタイミングを図り易くすることができる。
遊技機BG1において、前記所定の演出は、第1演出またはその第1演出とは報知の内容が異なる第2演出の少なくとも一方が実行され、報知の組み合わせによって前記継続期間が変化可能とされ、前記報知手段は、前記所定の演出の前記継続期間の違いを遊技者に伝達可能に構成され、所定の演出の終了時点を示す終了手段と、現時点から前記終了時点までに経過する時間を示す時間報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、所定の演出の継続期間が複数種類用意されている場合においても、現在行われている所定の演出の継続期間と、その終了時点とを把握することができる。
遊技機BG2において、前記時間報知手段は、現時点から前記所定の演出の終了時点までに経過する時間と、所定の時間差を設けた疑似時間を示す疑似時間報知手段を備えることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、遊技機BG2の奏する効果に加え、疑似時間報知手段により、所定の演出の終了時点よりも前の好ましいタイミングを遊技者に報知することができる。これにより、例えば、遊技球が発射されてから所定の入球口に到達するまでに経過し得る時間を所定の演出の実行中に消化することができ、所定の演出の終了直後に所定の入球口に遊技球を流入させるという遊技を実現させ易くすることができる。
遊技機BG1からBG3のいずれかにおいて、前記所定の演出は、少なくとも所定の特典遊技の終了直前に実行可能とされるものであり、前記特典遊技の種別に対応して、実行の態様が変化されることを特徴とする遊技機BG4。
遊技機BG4によれば、遊技機BG1からBG3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の種別と、所定の演出とを対応付けることができる。
遊技機BG1からBG4のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記所定の演出期間の終了時の所定期間前の時点を報知することを特徴とする遊技機BG5。
遊技機BG5によれば、遊技機BG1からBG4のいずれかの奏する効果に加え、報知手段により所定演出期間の終了時を前もって把握させることができる。
なお、所定の演出期間のタイミングは、何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。例えば、所定の特定遊技中でも良いし、図柄変動中でも良いし、図柄変動待機中でも良い。
遊技機BG1からBG5のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時に、表示手段の表示領域に遊技者を冷静にさせるための所定の静止画または動画が表示されることを特徴とする遊技機BG6。
遊技機BG6によれば、遊技機BG1からBG5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の遊技に対するのめり込みを効果的に抑制することができる。
遊技機BG1からBG6のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時の後において、表示手段の表示が切り替えられることを特徴とする遊技機BG7。
遊技機BG7によれば、遊技機BG1からBG6のいずれかの奏する効果に加え、表示が切り替えられることにより所定の演出の終了時を過ぎたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機BG7において、前記所定の演出の終了時の後において、前記所定の演出から継続して特定の演出を実行可能とされることを特徴とする遊技機BG8。
遊技機BG8によれば、遊技機BG7の奏する効果に加え、所定の演出の終了時の後において新規で演出を実行する場合に比較して、所定の演出の実行中から特定の演出を実行することができるので、演出時間を長く確保することができる。
遊技機BG1からBG8のいずれかにおいて、前記所定の演出は、表示手段の表示領域の少なくとも一部において視認可能に実行されることを特徴とする遊技機BG9。
遊技機BG9によれば、遊技機BG1からBG8のいずれかの奏する効果に加え、表示手段の表示領域を視認すれば所定の演出を確認することができるので、表示手段の表示領域外(例えば、遊技領域の外方等)で所定の演出が実行される場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機BG8又はBG9において、表示手段の表示領域における表示の、所定のタイミングにおける態様が異なる場合を構成可能とされることを特徴とする遊技機BG10。
遊技機BG10によれば、遊技機BG8又はBG9の奏する効果に加え、所定のタイミングにおける態様に対する注目力を向上させることができる。
なお、所定のタイミングにおける異なる態様については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定のタイミングで動作開始する場合と、所定のタイミングで停止維持される場合とで異なる場合や、所定のタイミングで操作可能となる場合と、所定のタイミングで操作不能とされる場合とで異なる場合等が例示される。
遊技機BG8又はBG9において、前記所定の演出の終了時よりも前において、終了時であるように錯覚させる錯覚演出を実行させることを特徴とする遊技機BG11。
遊技機BG11によれば、遊技機BG8又はBG9の奏する効果に加え、錯覚演出ごとに遊技者の集中力を高めることができる。
遊技機BG8からBG11のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時から、所定の条件が満たされるまで表示手段の表示領域において遊技球の発射により所定の利益を獲得可能であることを示唆する示唆表示がされることを特徴とする遊技機BG12。
遊技機BG12によれば、遊技機BG8からBG11のいずれかの奏する効果に加え、表示領域を視認する遊技者に対して、示唆表示により遊技球の発射に適したタイミングを知らせることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、所定の条件の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定期間が経過することでも良いし、所定の入球口を所定個数の遊技球が通過したことや、その通過を検出したことでも良い。
遊技機BG12において、前記示唆表示は、所定の入球口またはその所定の入球口を開閉する電動役物の開閉の抽選を実行する開閉抽選入球口を狙うことを示唆する表示であることを特徴とする遊技機BG13。
遊技機BG13によれば、遊技機BG12の奏する効果に加え、示唆表示により、発射した遊技球の狙いが明確にされるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機BG12又はBG13において、前記所定の演出において、所定の発射可能タイミングまで継続される表示が構成され、前記所定の発射タイミングを過ぎても発射がされない場合または所定の検出口で遊技球が検出されない場合、そのいずれかがされるまで所定の報知が継続されることを特徴とする遊技機BG14。
遊技機BG14によれば、遊技機BG12又はBG13の奏する効果に加え、所定の報知が継続されていることを確認すれば、所定の発射タイミングを過ぎてから、遊技球の発射がされていないか、所定の検出口で遊技球が検出されていないかのいずれかであることを、遊技者に把握させることができる。
遊技機BG12からBG14のいずれかにおいて、前記所定の演出中に所定個数の入球または前記所定個数以上の入球を検出した場合に、所定の報知をすることを特徴とする遊技機BG15。
遊技機BG15によれば、遊技機BG12からBG14のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知により、所定の演出中に所定個数以上に入球が生じていることを遊技者に知らせることができるので、それをヒントに遊技者は遊技球の発射強度の調整等を行うことができ、遊技負担を軽減させることができる。
なお、所定の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の四字熟語が表示されるものでも良いし、遊技球の発射を躊躇させるための表示がされるものでも良いし、所定の発光手段を発光させるものでも良いし、所定の音声を出力するものでも良い。
遊技機BG1からBG15のいずれかにおいて、前記所定の演出は、遊技者により行われる音量の設定に関わらず所定の音量で実行されるか、又は、遊技者により行われる発光強度の設定に関わらず所定の発光強度や所定の発光色で実行されることを特徴とする遊技機BG16。
遊技機BG16によれば、遊技機BG1からBG15のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の設定により、音や光に遊技者が気づかない事態が発生することを防止することができる。
<エンディングにおいて音量光量の変更期間を設定する>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に、遊技に関わる所定の設定を変更可能な変更可能状態を構成可能な変更手段と、を備えることを特徴とする遊技機BH1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BH1によれば、所定の演出中に、変更可能状態を構成可能とされているので、所定の演出中における暇な時間を、所定の設定を変更させる時間に当てることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良することができる。
遊技機BH1において、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段を備え、前記変更可能状態において、前記報知手段による演出が継続されることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、所定の設定を変更させた後で、ハンドルを再び握ることが好ましいタイミングを遊技者に知らせることができる。これにより、適切なタイミングで遊技球を発射しないことによる不利益を遊技者が受けることを避け易くすることができる。
遊技機BH1又はBH2において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定が切り替え可能な状態を構成可能であることを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH1又はBH2の奏する効果に加え、変更可能な所定の設定が複数あることで、遊技者が暇となる時間が長い場合であっても、遊技者が手持無沙汰となることを避け易くすることができる。
遊技機BH3において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定または変更中の前記所定の設定が表示手段により表示されることを特徴とする遊技機BH4。
遊技機BH4によれば、遊技機BH3の奏する効果に加え、遊技に関わる所定の設定の内の、変更される対象を表示により明確とすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機BH1からBH4のいずれかにおいて、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域が変化することを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH1からBH4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が行った所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域を変化させることで、遊技者が興味を持つと考えられる表示を遊技者の視線の先に配置させることができる。これにより、遊技者に視線を動かす煩わしさを感じさせることなく、遊技に集中させることができる。
遊技機BH5において、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段の表示領域の一部が視認不能とされる状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機BH6。
遊技機BH6によれば、遊技機BH5の奏する効果に加え、所定の操作により表示手段の表示領域の一部が視認不能となることから、視認不能となる可能性がある表示を視認できる状態で維持したいと考える遊技者に対して、所定の操作を行うか否かを考えさせることができる。これにより、遊技者がむやみに所定の操作を行う事態を回避し易くすることができる。
遊技機BH1からBH6のいずれかにおいて、前記変更可能状態で前記所定の設定を変更した場合に、その変更が所定条件で戻される、又は前記変更が所定条件で無効化されるよう構成されることを特徴とする遊技機BH7。
遊技機BH7によれば、遊技機BH1からBH6のいずれかの奏する効果に加え、所定条件の成立により所定の設定が戻される、又は無効化されるので、違和感から、所定条件が成立したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定条件としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技が開始されることでも良いし、大当たり遊技が所定回数継続されることでも良いし、所定期間に所定個数以上の遊技球を所定の検出手段で検出することでも良いし、所定のタイミングで所定の操作手段を操作することでも良い。
遊技機BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行するために操作した所定の操作手段の操作により達成されることを特徴とする遊技機BH8。
遊技機BH8によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作をすることで所定の設定の変更を戻す、又は無効化することができるので、所定の設定の変更を戻す、又は無効化することを意図的に行うことを容易にすることができる。
遊技機BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行したタイミングによらず、所定のタイミングで達成されることを特徴とする遊技機BH9。
遊技機BH9によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、所定条件が所定のタイミングで達成されるので、所定条件がいつまでたっても達成されないという事態を回避することができる。
なお、所定のタイミングは、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、特図変動が所定回数実行された場合でも良いし、所定の内容の報知がされた場合でも良いし、正午など所定の時刻とされても良い。
遊技機BH7において、前記所定条件は、所定の状態が所定時間経過することにより達成されることを特徴とする遊技機BH10。
遊技機BH10によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻ること、又は無効化されることにより、所定の状態が所定時間経過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定の状態については何ら限定されるものではない。例えば、大当たり遊技が連荘した場合において獲得した大当たりの大当たり種別が同じ(又は所定のラウンド数以上や以下)で繰り返されることでも良いし、操作手段の操作がされないことでも良いし、特図変動が実行されないことでも良い。
遊技機BH1からBH10のいずれかにおいて、前記所定の設定に予め所定の目標量を設定可能とされ、前記変更可能状態において、前記所定の設定と前記目標量との差分を把握可能とする差分報知手段を備えることを特徴とする遊技機BH11。
遊技機BH11によれば、遊技機BH1からBH10のいずれかの奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻された、又は無効となった場合であっても、遊技を行う遊技者が同じであれば、差分報知手段により目標量との差分を把握しながら所定の設定を変更することで、所定の設定を戻される前、又は無効とされる前の状態に容易に戻すことができる。
これにより、遊技を行う遊技者が交代した場合に、所定の設定が前の遊技者の設定のままで維持されることで後の遊技者に与える遊技負担を考慮して所定の設定の変更が戻される、又は無効化されるよう遊技機が制御されている場合においても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができることから、遊技を行う遊技者が交代していないにも関わらず意図せず所定の設定が戻された、又は無効化されたとしても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができるので、遊技者に与える遊技負担を軽減することができる。
<同一の表示を状況によって表示態様変更>
遊技に関する所定の表示演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記所定の表示演出の実行中に前記所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されることを特徴とする遊技機BI1。
パチンコ機等の遊技機において、表示装置の正面側に配置される可動役物と、表示装置の表示とを組み合わせて一体的な形状を視認させることができる遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動役物の配置位置、大きさ及び形状に合わせて、表示の配置位置、大きさ及び形状を決める必要があるので、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機BI1によれば、所定の表示演出の実行中に、所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されるので、可動役物の形状の影響を受けることなく、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良することができる。
遊技機BI1において、前記所定の表示演出は、表示領域の中央側に表示される場合よりも、表示領域の端側に表示される場合の方が、識別性が低下するよう構成されることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、遊技機BI1の奏する効果に加え、表示領域のどの位置に表示されるかによって、所定の表示演出に対する注目力の調整を行うことができる。
なお、識別性を低下させる態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、半透明で表示するようにしても良いし、表示の大きさを小さくするようにしても良い。
遊技機BI1又はBI2において、前記変更は、所定の操作手段が操作されることにより実行されることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、遊技機BI1又はBI2の奏する効果に加え、所定の表示演出の表示態様の変更を実行するか否かを、遊技者に選択させることができる。これにより、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
<ボタン操作絡み>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に所定の操作手段が操作されることにより、前記所定の演出を第1の状態から第2の状態に切り替え可能に構成される演出切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機BIZ1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。
これに対し、遊技機BIZ1によれば、所定の演出中に、所定の操作手段を操作することで実行される演出を切り替え可能とされるので、所定の演出中における暇な時間を、所定の操作手段を操作する時間に当てることができる。操作手段を操作することにより演出が切替可能とされるので、遊技者の操作手段の操作意欲を効果的に高めることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。
遊技機BIZ1において、前記所定の操作手段を操作可能であることを報知可能な操作報知手段を備え、前記操作報知手段の報知に従い前記所定の操作手段を操作することで、前記所定の演出の態様が切り替えられることを特徴とする遊技機BIZ2。
遊技機BIZ2によれば、遊技機BIZ1の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が操作報知手段により補助されることから、不慣れな遊技者であっても迷うことなく所定の操作手段を操作することができる。
遊技機BIZ2において、前記操作報知手段からの報知は、前記所定の演出の継続期間の一部の時間において実行されることを特徴とする遊技機BIZ3。
遊技機BIZ3によれば、遊技機BIZ2の奏する効果に加え、操作報知手段からの報知が所定の演出の継続時間の一部の時間で実行されるので、その他の時間においては所定の演出を視認させる余裕を持たせることができる。
なお、操作報知手段からの報知のタイミングは何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の演出の途中から操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の途中まで操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良い。また、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行される場合において、その報知の実行中に亘って操作が有効となっても良いし、操作が無効となる時間を含むようにしても良い。
遊技機BIZ1からBIZ3のいずれかにおいて、前記所定の演出の後半の所定期間において、前記所定の操作手段の操作により演出が切り替えられないよう構成されることを特徴とする遊技機BIZ4。
遊技機BIZ4によれば、遊技機BIZ1からBIZ3のいずれかの奏する効果に加え、所定の演出の後半の所定期間における所定の操作手段の操作を無効とすることで、後半の所定期間における所定の演出に注目させることができる。
遊技機BIZ4において、前記所定の演出の後半の前記所定期間において、表示手段の表示領域における前記操作報知手段の表示を非表示とすることを特徴とする遊技機BIZ5。
遊技機BIZ5によれば、遊技機BIZ4の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が無効となる期間に入ったことを、表示手段の表示領域を視認することで把握することができる。
遊技機BIZ1からBIZ5のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作により切り替えられる演出が複数種類用意されている場合において、前記所定の操作手段の操作により実行される演出を予測させるための付属報知手段を備えることを特徴とする遊技機BIZ6。
遊技機BIZ6によれば、遊技機BIZ1からBIZ5のいずれかの奏する効果に加え、付属報知手段により所定の操作手段の操作により実行される演出が予測できるので、所定の操作手段を操作したにも関わらず予想外の演出に切り替えられたという残念感や徒労感を低減することができ、遊技者は好みの演出に切り替えられる時にのみ所定の操作手段を操作すれば良いので、繰り返し所定の操作手段を操作する煩わしさを解消することができる。
遊技機BIZ1からBIZ6のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作は、前記所定の演出の途中から可能となることを特徴とする遊技機BIZ7。
遊技機BIZ7によれば、遊技機BIZ1からBIZ6のいずれかの奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が可能となるまでの間は、所定の演出に注目させることができる。
遊技機BIZ6又はBIZ7において、前記付属報知手段は、特定の操作タイミングを示唆するための表示を備えており、前記特定の操作タイミングは、前記所定の演出の終了時点までに所定の調整期間を確保可能なタイミングとして設定されることを特徴とする遊技機BIZ8。
遊技機BIZ8によれば、遊技機BIZ6又はBIZ7の奏する効果に加え、調整期間の長さ次第で特定の操作タイミングが変化し得るので、特定の操作タイミングから、所定の操作手段を操作した後の演出の展開を予想させることができる。
遊技機BIZ1からBIZ8のいずれかにおいて、前記所定の操作手段を操作したことで切り替えられた演出の態様は、所定の条件で、切り替えられる前の態様に戻されることを特徴とする遊技機BIZ9。
遊技機BIZ9によれば、遊技機BIZ1からBIZ8のいずれかの奏する効果に加え、所定の条件で演出の態様が切り替えられる前の状態に戻されるので、再び所定の操作手段を操作させることができる。これにより、所定の操作手段の操作回数を多くすることができ、遊技者が遊技に参加している雰囲気を高めることができる。
遊技機BIZ2から遊技機BIZ9のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、同時に操作される前記所定の操作手段の個数が異なる複数種類の態様が設けられていることを特徴とする遊技機BIZ10。
遊技機BIZ10によれば、遊技機BIZ2からBIZ9のいずれかの奏する効果に加え、同時に操作される所定の操作手段の個数が1個の場合と、2個以上となる場合とが設けられることになるので、敢えて2個の所定の操作手段を操作させるようにすることで、遊技球を発射する必要のないタイミングでの暇を紛らわせて遊技に熱中させることができる。この場合、遊技者の手を球発射用のハンドルから離させることができるので、遊技球の誤発射を抑制でき、発射した遊技球が無駄になることによる不要な不利益の発生を回避することができる。
遊技機BIZ2からBIZ10のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となった場合に実行される報知を含むことを特徴とする遊技機BIZ11。
遊技機BIZ11によれば、遊技機BIZ2からBIZ10のいずれかの奏する効果に加え、操作報知手段からの報知を視認させることで、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となったことを遊技者に把握させることができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機CA10。
遊技機CA10によれば、遊技機CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機CA11。
遊技機CA11によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機CA12。
遊技機CA12によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機CA13によれば、遊技機CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機CA14。
遊技機CA14によれば、遊技機CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機CA15。
遊技機CA15によれば、遊技機CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機CA16。
遊技機CA16によれば、遊技機CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機CA17。
遊技機CA17によれば、遊技機CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機CA18。
遊技機CA18によれば、遊技機CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機CA19。
遊技機CA19によれば、遊技機CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機CA20。
遊技機CA20によれば、遊技機CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機CA21。
遊技機CA21によれば、遊技機CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機CA22。
遊技機CA22によれば、遊技機CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機CA23。
遊技機CA23によれば、遊技機CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA24。
遊技機CA24によれば、遊技機CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA25。
遊技機CA25によれば、遊技機CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA26。
遊技機CA26によれば、遊技機CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機DA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1からDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA4。
遊技機DA4によれば、遊技機DA1からDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA2又はDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA5。
遊技機DA5によれば、遊技機DA2又はDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機DA6。
遊技機DA6によれば、遊技機DA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5又はDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機DA7。
遊技機DA7によれば、遊技機DA5又はDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機DA8。
遊技機DA8によれば、遊技機DA5からDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA5からDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機DA9。
遊技機DA9によれば、遊技機DA5からDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機DA10。
遊技機DA10によれば、遊技機DA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機DA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機DA11。
遊技機DA11によれば、遊技機DA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機DA10又はDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機DA12。
遊技機DA12によれば、遊技機DA10又はDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA13。
遊技機DA13によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機DA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA16。
遊技機DA16によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DA5からDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機DA17。
遊技機DA17によれば、遊技機DA5からDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機DA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機DA18。
遊技機DA18によれば、遊技機DA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機DA5からDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機DA19。
遊技機DA19によれば、遊技機DA5からDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機DB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機DB3。
遊技機DB3によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1からDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1からDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材を複数備え、前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機DC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機DC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DC1又はDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1又はDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DC1からDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DC4。
遊技機DC4によれば、遊技機DC1からDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機DD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機DD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機DD2又はDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機DD4。
遊技機DD4によれば、遊技機DD2又はDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機EA2又はEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA2又はEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機EB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1からEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機EC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機EC1又はEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC1又はEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC4。
遊技機EC4によれば、遊技機EC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機EC5。
遊技機EC5によれば、遊技機EC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームF86b~F5086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位される第2手段と、を備え、前記第2手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FA1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、第2手段が被流入部の大きさを変更する方向へ変位されるので、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA1において、前記被流入部の大きさを変更する方向へ前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機FA2。
遊技機FA2によれば、遊技機FA1の奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くした状態を維持できる。よって、球の流入を期待できる期間または期待し難い期間を確保でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA2において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、前記維持手段は、前記第1手段が受け取った球の重量により前記第2手段が前記被流入部の大きさを大きくする方向へ変位された状態を維持し、前記解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機FA3。
遊技機FA3によれば、遊技機FA2の奏する効果に加え、少なくとも1の球が被流入部に流入されるまでの間、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態が維持されるので、被流入部への球の流入を確実化できる。よって、遊技者に安心感を付与できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA3において、前記維持手段により維持された状態では、球を受け取ることで変位された位置に前記第1手段が維持されることを特徴とする遊技機FA4。
遊技機FA4によれば、遊技機FA3の奏する効果に加え、維持手段による維持がされた状態(被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態)であることを、第1手段の変位位置からも遊技者に理解させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FA1から遊技機FA4のいずれかにおいて、前記第1手段から球が流下することを遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機FA5。
遊技機FA5によれば、遊技機FA1から遊技機FA4の奏する効果に加え、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機FA5において、前記遅延手段は、前記第1手段に形成される開口と、その開口の周囲に沿って球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第1転動部とを備え、前記第1転動部を転動し前記開口へ流入されることで、球が前記第1手段から流下されることを特徴とする遊技機FA6。
遊技機FA6によれば、遊技機FA5の奏する効果に加え、開口の周囲に沿って第1転動部を転動することで、球の速度を低下させられるので、その分、第1手段からの球の流下を遅延させられる。即ち、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機FA6において、前記第1転動部は、前記開口の周囲に沿って連続して形成され、前記遅延手段は、前記第1転動部における前記開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第2転動部を備えることを特徴とする遊技機FA7。
遊技機FA7によれば、遊技機FA6の奏する効果に加え、第1転動部が、開口の周囲に沿って連続して形成されるので、第1転動部において球を周回させることができる。また、第2転動部が、第1転動部における開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされるので、第1転動部における球の周回を形成しやすくできる。その結果、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機FA7において、前記第1転動部を球が転動する状態では、前記第1転動部の鉛直方向における高さが前記開口の周囲に沿って略同一に設定されることを特徴とする遊技機FA8。
遊技機FA8によれば、遊技機FA7の奏する効果に加え、高低差が形成されることを抑制して、第1転動部において球を周回させやすくできる。
遊技機FA5から遊技機FA8のいずれかにおいて、前記遅延手段は、球が転動可能とされ前記第1手段に形成される転動部と、その転動部に球を保持する保持手段と、を備え、前記保持手段に保持された球は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位されることで、前記保持手段を乗り越えて転動可能とされることを特徴とする遊技機FA9。
遊技機FA9によれば、遊技機FA5から遊技機FA8のいずれかの奏する効果に加え、球の転動を一時的に停止させることができる。よって、第1手段が球の重量により所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間を長くできる。その分、被流入部が大きくされている期間を長くできる。また、第1手段の姿勢変化を利用して保持手段の保持が解除される(球が転動を再開する)ので、解除する手段を設けることを不要とできる。
遊技機FA9において、前記遅延手段は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位された場合に、前記保持手段により保持された球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機FA10。
遊技機FA10によれば、遊技機FA9の奏する効果に加え、作用手段の作用により、保持手段による球の保持の解除を確実化できる(球が保持手段を乗り越えやすくすることができる)。
遊技機FA9又は遊技機FA10において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記転動部が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機FA11。
遊技機FA11によれば、遊技機FA9又は遊技機FA10の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球の衝突により、保持手段による保持が解除されることを抑制できる。
遊技機FA1から遊技機FA11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機FA12。
遊技機FA12によれば、遊技機FA1から遊技機FA11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機FA12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段および前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FA13。
遊技機FA13によれば、遊技機FA12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
<下側フレームF6086b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部と、その被流入部へ向けて球が移動可能に形成される経路と、を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位され前記経路を移動する球に作用可能に形成される第2手段と、を備えることを特徴とする遊技機FB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FB1によれば、所定の球が経路を移動する場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、経路を移動する所定の球に第2手段が作用可能とされる。よって、経路を移動する所定の球の被流入部への流入の可能性が第2手段の作用により変化させることができる。その結果、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB1において、前記第1手段球が受け取った球の重量により変位された位置から変位される前の位置へ向かう前記第2手段の変位方向には、前記経路を前記第2手段へ向けて移動する球の移動方向成分が含まれることを特徴とする遊技機FB2。
遊技機FB2によれば、遊技機FB1の奏する効果に加え、経路を第2手段へ向けて移動する球が第2手段へ当接した際に、その球の移動方向へ第2手段も変位(初期位置へ向けて後退)して、衝撃を吸収できる。よって、第2手段の破損を抑制できる。
遊技機FB2において、前記第1手段が受け取った球の重量により変位された前記第2変位手段は、前記経路を移動する球に対して、前記被流入部へ流入され易くなるように作用することを特徴とする遊技機FB3。
遊技機FB3によれば、遊技機FB2の奏する効果に加え、被流入部へ球を流入させ易くできるので、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB2又はFB3において、前記経路は、傾斜して形成される傾斜部を備え、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機FB4。
遊技機FB4によれば、遊技機FB2又はFB3の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球は徐々に速度を低下させるので、球の移動と、その球への第2手段の作用とを遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB4において、前記傾斜部は、傾斜して形成される第1傾斜部と、その第1傾斜部と反対方向へ傾斜して形成される第2傾斜部とを備え、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部を球が往復移動可能に形成され、前記第2手段は、前記第1傾斜部または前記第2傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FB5。
遊技機FB5によれば、遊技機FB4の奏する効果に加え、傾斜部(第1傾斜部および第2傾斜部)における球の往復移動により、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB4又は遊技機FB5において、前記第2手段が前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置は、前記傾斜部を上昇する球が到達可能な最大到達位置よりも下方となる位置であることを特徴とする遊技機FB6。
ここで、最大到達位置では、球の速度が低く(又は速度が0となり)、球の勢いが弱いため、傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に第2手段が変位され、第2手段に球が当接したとしても、被流入部へ流入されやすくなる方向へ球を案内できない虞がある。これに対し、遊技機FB6によれば、遊技機FB4又は遊技機FB5の奏する効果に加え、最大到達位置よりも下方となる位置において、傾斜部を上昇する球に第2手段が作用可能とされることで、球の速度が確保されている状態で、球を第2手段に当接させることができる。よって、球の勢いを利用して、被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内しやすくできる。
また、第1傾斜部および第2傾斜部を球が往復移動する構成においては、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させやすくできる。
遊技機FB6において、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置に変位された状態では、前記傾斜部を下降する球に作用可能に形成されることを特徴とする遊技機FB7。
遊技機FB7によれば、遊技機FB6の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球が通過した後に、第2手段が球に作用可能な位置に変位された場合であっても、傾斜部の頂部に達して下降する球に作用を与える可能性を形成できる。
遊技機FB4から遊技機FB7のいずれかにおいて、前記第2手段は、円弧状の湾曲に沿って球を案内可能に形成される案内部を備え、前記傾斜部を上昇する球は、前記案内部に沿って移動されることで、前記被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内されることを特徴とする遊技機FB8。
遊技機FB8によれば、遊技機FB4から遊技機FB7のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球を、湾曲に沿って徐々に案内(移動方向を転換)することができる。即ち、被流入部へ流入されやすくなる方向へ確実に案内できる。
遊技機FB8において、前記第2手段は、前記傾斜部から突出可能に形成され、前記第2手段が前記傾斜部から非突出とされた状態では、前記第2手段が前記傾斜部の一部とされることを特徴とする遊技機FB9。
ここで、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)を収納するためのスペースとして傾斜部の幅と同等のスペースを傾斜部の側方に確保する必要があり、大型化する。これに対し、遊技機FB9によれば、遊技機FB8の奏する効果に加え、第2手段(案内部)の収容に必要なスペースを傾斜部の側方に確保する必要がなく、また、傾斜部の厚み方向のデッドスペースを有効に活用できるので、その分、小型化できる。
また、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)に必要な変位量が大きい分、第2手段を変位させるのに要する時間が嵩む。これに対し、遊技機FB8によれば、遊技機FB7の奏する効果に加え、第2手段(案内部)に必要な変位量が抑制できる分、第2手段を変位させるのに要する時間を短縮できるので、傾斜部を上昇する球に作用する位置に第2手段を速やかに配置できる。
遊技機FB1から遊技機FB9のいずれかにおいて、前記経路を移動する球に作用可能な位置に前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機FB10。
遊技機FB10によれば、遊技機FB1から遊技機FB9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させやすくした状態を維持できる。よって、球の流入を期待しやすくでき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB10において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、その解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機FB11。
遊技機FB11によれば、遊技機FB10の奏する効果に加え、被流入部への球の流入を確実化できる。即ち、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位されれば、少なくとも1の球が流入されるまでの間、安心感を付与できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FB1から遊技機FB11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機FB12。
遊技機FB12によれば、遊技機FB1から遊技機FB11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機FB12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段が前記所定位置へ変位可能に形成され、前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FB13。
遊技機FB13によれば、遊技機FB12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、コストを抑制できる。
<下側フレームF86b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第1手段と、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態で前記受け取った球とは別の球の影響を前記第1手段が受けることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FC1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、被流入部への所定の球の流入のし易さを変化させることができる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制手段で抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC1において、前記第1手段へ向けて球が移動可能に形成される経路を備え、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段へ向けて移動し難くする第1規制手段を備えることを特徴とする遊技機FC2。
遊技機FC2によれば、遊技機FC1の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球が第1手段へ向けて移動し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC2において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第2手段を備え、前記経路は、前記第1手段および前記第2手段へ向けて球が移動可能に形成され、前記第1規制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段よりも前記第2手段へ移動し易くすることを特徴とする遊技機FC3。
遊技機FC3によれば、遊技機FC2の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球を第2手段へ向けて移動し易くできるので、被流入部への所定の球の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。即ち、第1手段に球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(例えば、経路を移動する球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制しつつ、経路を移動する球を第2手段に受け取らせ、その受け取った球の重量が第2手段に作用された状態を形成することで、第2手段によっても、被流入部への所定の球の流入のし易さが変化された状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC3において、前記第1手段または前記第2手段が受け取った球の重量により変位される第3手段を備え、前記第3手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FC4。
遊技機FC4によれば、遊技機FC2又はFC3の奏する効果に加え、第3手段の変位により球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段および第2手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FC1から遊技機FC4のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が作用された状態において、前記第1手段の少なくとも側面に前記別の球が当接し難くする第2規制手段を備えることを特徴とする遊技機FC5。
遊技機FC5によれば、遊技機FC1から遊技機FC3のいずれかの奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第2規制手段により、第1手段の少なくとも側面に球が当接し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段の側面に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1手段に重量を作用させていた球に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球が第1手段から脱落しても、その球に代わって、別の球が第1手段に重量を作用させることができる場合がある。また、第1手段の上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位)に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球に加え、別の球も第1手段に重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球が少なくとも第1手段の側面へ当接し難くできれば有効となる。
遊技機FC2において、前記第1手段の変位を前記第1規制手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機FC6。
遊技機FC6によれば、遊技機FC2の奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第1規制手段を変位させられる。よって、第1規制手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機FC6において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第1規制手段の重量により、前記第1手段および前記第1規制手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機FC7。
遊技機FC7によれば、遊技機FC6の奏する効果に加え、第1手段および第1規制手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
遊技機FC5において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記第1手段が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機FC8。
遊技機FC8によれば、遊技機FC5の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球が第1手段の側面に当接することを抑制できる。
<下側フレームF11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、前記被流入部へ球が移動可能に形成される経路と、前記被流入部への球の流入のし易さを変化させる変化手段と、を備え、第1位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球が、第2位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球よりも前記被流入部へ流入し易くされることを特徴とする遊技機FD1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FD1によれば、被流入部への球の流入のし易さを変化手段により変化させることができるので、経路を移動する球に対する変化手段の影響を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球が、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるので、球が経路へ流入する位置(第1位置または第2位置)を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1位置からの球が入り易くする構成としては、例えば、当接部F6154が例示される。
遊技機FD1において、前記第1位置から前記経路へ流入する球を検出可能に形成される検出手段を備え、少なくとも前記検出手段により球が検出されることを条件に、前記被流入部へ球が流入し易くなるように前記変化手段による変化が行われることを特徴とする遊技機FD2。
遊技機FD2によれば、遊技機FD1が奏する効果に加え、遊技者に期待感を持たせて、遊技の興趣を高めることができる。即ち、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球は、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるところ、更に、被流入部へ球が流入し易くなるように変化手段による変化が行われるので、被流入部への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、変化手段による変化(被流入部へ球が流入し易くなる動作)が行われる条件としては、検出手段により球が検出されることに加え、所定時間の経過、抽選の当選、或いは、これらの組み合わせを条件としても良い。また、変化手段による変化が行われる期間としては、所定時間で区切っても良く、動作の回数で区切っても良い。
遊技機FD2において、前記第1位置および前記第2位置が形成される形成手段を備え、前記形成手段は、前記第1位置と前記第2位置との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機FD3。
遊技機FD3によれば、遊技機FD2の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置または第2位置のどちらから経路へ球が流下するか、形成手段における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FD2又はFD3において、前記経路は、前記第1位置から流下した球が移動可能に形成される第1経路と、前記第2位置から流下した球が移動可能に形成される第2経路とを備え、前記第1経路と前記第2経路との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機FD4。
遊技機FD4によれば、遊技機FD2又は遊技機FD3の奏する効果に加え、第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置(第2位置)から流入した球が第1経路(第2経路)のみを移動可能に形成される場合と比較して、一定のスペース内に形成できる球の移動可能な経路の種類をより多く確保できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機FD4において、前記第1経路または前記第2経路から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の当接手段を備えることを特徴とする遊技機FD5。
遊技機FD5によれば、遊技機FD4の奏する効果に加え、第1経路または第2経路を移動する球が当接手段に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<複数の手段を異なる契機で動作させる構造>
第1位置と第2位置とを変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させ得る第1手段と、前記変位手段の変位を防止できる第1状態と前記変位手段の変位を防止できない第2状態とで状態変化可能な第2手段と、前記第1手段の動作に基づいて前記第2手段の状態を前記第1状態と前記第2状態とで変化可能に構成される変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機KA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段を所定位置から変位させる演出を行う演出役物において、変位手段を所定位置に保持する保持手段と、変位手段を所定位置に変位させるための駆動力を伝達する伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、保持手段と伝達手段とで、駆動装置が別であることから、例えば、伝達手段の駆動装置が故障している時に、保持手段の駆動装置が動かされ変位手段が所定位置から移動(落下)された場合に、変位手段を所定位置に復帰させることができなくなるので、変位手段の演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。即ち、上述した従来の遊技機では、変位手段の演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KA1によれば、変化手段により、第2手段の状態の変化が第1手段の動作に基づくので、第1手段が動作し得ない状態において、第2手段が第1状態から第2状態に変化されることを防止することができる。これにより、変位手段が所定位置に復帰できないにも関わらず第2手段が第1状態から第2状態に変化されてしまい変位手段が所定位置から変位させられる事態が生じることを防止することができるので、変位手段の演出効果の向上を図ることができる。
遊技機KA1において、前記第1位置は前記第2位置よりも上側に位置し、前記第2手段は、前記変位手段が所定位置よりも前記第1位置側に配置されている状態で前記所定位置よりも前記第2位置側に進入することで前記第1状態に変化されることを特徴とする遊技機KA2。
遊技機KA2によれば、遊技機KA1の奏する効果に加え、第2手段が第1状態にされる際に変位手段と第2手段との間に隙間を生じさせることで、摩擦力が生じることを回避でき、動作不良を防止することができる。
更に、変位手段と第2手段とは第1手段により連動することから、動作タイミングがずれることを避け易いことに加え、第2手段を別の駆動機構で動作させる場合には必要となる変位手段が所定位置よりも第1位置側に位置したことを検出する検出センサを不要とすることができる。
遊技機KA1又はKA2において、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に回転動作可能に構成され、前記第1状態において、前記変位手段からの荷重を前記回転軸へ向けさせる形状から構成されることを特徴とする遊技機KA3。
遊技機KA3によれば、遊技機KA1又はKA2の奏する効果に加え、変位手段からの荷重で第2手段の状態が変化される事態を回避し易くすることができる。
遊技機KA1からKA3のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記変位手段と前記第2手段との間に隙間を空ける第1連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機KA4。
遊技機KA4によれば、遊技機KA1からKA3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を第1状態から第2状態へ変化させる場合における変位手段と第2手段との間の動作抵抗を小さくすることができる。
遊技機KA1からKA4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記第2手段を前記変位手段に擦らせる第2連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機KA5。
遊技機KA5によれば、遊技機KA1からKA4のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の位置を基準にして変位手段の位置を特定することができるので、変位手段の変位開始位置を安定させることができる。
遊技機KA4又は遊技機KA5において、前記第1連動状態と前記第2連動状態とでは、前記第1手段の動作方向が反転されることを特徴とする遊技機KA6。
遊技機KA6によれば、遊技機KA4又は遊技機KA5の奏する効果に加え、第1手段の停止状態から、第1連動状態での連動が生じるのか、第2連動状態での連動が生じるのかを遊技者に分からせ難くすることができる。
遊技機KA1からKA6のいずれかにおいて、前記変位手段が前記第1位置に配置されている状態において前記第2手段が前記第1状態から前記第2状態へ変化された場合に、変位手段は、前記第1手段に支持されない状態での非支持変位を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機KA7。
遊技機KA7によれば、遊技機KA1からKA6のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に支持されていないことから第2手段との連動ではない動作態様で変位手段を動作させることができる。
遊技機KA7において、前記変位手段に前記非支持変位をさせる場合に、前記変位手段と前記第1手段との間を仕切るように配設される接触防止部を備えることを特徴とする遊技機KA8。
遊技機KA8によれば、遊技機KA7の奏する効果に加え、非支持変位において第1手段と変位手段とが誤って接触し、破損することを避けることができる。
遊技機KA1からKA8のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第1状態から前記第2状態に変化させる場合に、前記変化手段が重力方向に下降変位されることを特徴とする遊技機KA9。
遊技機KA9によれば、遊技機KA1からKA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段が第1状態から第2状態へ変化する際に、変化手段の変位に要する力を重力で補助させることができる。
遊技機KA1からKA9のいずれかにおいて、前記変位手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第1の比で変化させる第1変位量変化手段と、前記第2手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第2の比で変化させる第2変位量変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機KA10。
遊技機KA10によれば、遊技機KA1からKA9のいずれかにおいて、第1手段の変位に伴う変位手段の変位量と第2手段の変位量とを異ならせることができるので、連動の設計自由度を向上させることができる。
<付勢力での移動の停止位置が複数あるように構成>
移動可能な第1移動手段と、その第1移動手段の移動に連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2移動手段と、その第2移動手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けて付勢する付勢手段と、を備える遊技機において、前記第2移動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定位置に配置された場合の前記第1移動手段の移動を防止可能な防止手段を備えることを特徴とする遊技機KB1。
パチンコ機等の遊技機において、付勢力により液晶表示装置の前側に張り出す移動手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-240386号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の配置は、液晶表示装置の前側か、液晶表示装置の前側とは異なる位置かの2位置に限定されており、取り得る状態のバリエーションが少ないことから遊技者が飽きてしまう可能性があり、移動手段を利用した演出効果に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KB1によれば、防止手段が第1移動手段の移動を防止することにより、第2移動手段を第1位置と第2位置との間の所定位置で止めることができるので、第2移動手段の停止位置として、第1位置または第2位置の2種類だけでなく、所定位置も使うことができる。これにより、第2移動手段の取り得る状態のバリエーションを増やすことができ、第2移動手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機KB1において、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第1移動手段に伝達可能な伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持しながら所定範囲で動作可能に構成されることを特徴とする遊技機KB2。
遊技機KB2によれば、遊技機KB1の奏する効果に加え、所定範囲においては伝達手段の配置が定まっていなくても第2移動手段を所定位置に維持することができるので、駆動手段の制御を簡素化することができる。
遊技機KB2において、前記伝達手段は、駆動手段の駆動方向に因らず、前記所定範囲における動作が生じた場合に前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持させるように構成されることを特徴とする遊技機KB3。
遊技機KB3によれば、遊技機KB2の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力に沿う方向の動作か、付勢力に抗する方向の動作かによらず、第2移動手段を所定位置に維持し易くすることができる。これにより、第2移動手段を高速移動させた後に所定位置で急速停止させる動作態様を、動作方向に因らず、簡素な制御で実現可能とすることができる。
遊技機KB2又はKB3において、前記伝達手段は、前記第1移動手段側に配設される第1伝達手段と、前記駆動手段側に配設される第2伝達手段と、を備え、前記第2伝達手段は、前記第1伝達手段の凹設部に進入した状態において第1伝達手段の動作を停止させる動作停止手段を備え、前記遊技機は、前記動作停止手段の配置を検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機KB4。
遊技機KB4によれば、遊技機KB2又はKB3の奏する効果に加え、動作停止手段に複数の機能を兼用させることができ、動作停止手段の形状を簡素化させることができる。
遊技機KB4において、前記第2移動手段が所定位置に配置されるか否かで、前記検出手段の出力が切り替えられるよう構成されることを特徴とする遊技機KB5。
遊技機KB5によれば、遊技機KB4の奏する効果に加え、検出手段の出力から第2移動手段が所定位置に配置されているか否かを判定することができる。
遊技機KB1からKB5のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第1位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機KB6。
遊技機KB6によれば、遊技機KB1からKB5のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第1位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第1位置で停止させることができる。
遊技機KB1からKB6のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第2位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機KB7。
遊技機KB7によれば、遊技機KB1からKB6のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第2位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第2位置で停止させることができる。
遊技機KB1からKB7のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが平行となることを特徴とする遊技機KB8。
遊技機KB8によれば、遊技機KB1からKB7のいずれかの奏する効果に加え、所定位置に配置された第2移動手段への力の伝達効率を向上させることができる。
<スライド移動する部材のスライド開始時までの助走範囲を構成>
所定軸を中心に回転移動可能に支持される第1手段と、その第1手段の回転移動と連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2手段と、を備え、前記第2手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機KC1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動する第1手段と移動する第2手段とを備え、第1手段の周方向の力を第2手段に伝達させることで、第2手段を移動させる遊技機がある(例えば、特開2007-098027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第2手段としての扉部材に力を伝達させる第1手段としてのピニオンは、第2手段の配置に関係なく荷重を与えるものであり、扉部材および自身の慣性に打ち勝って回転するために必要な駆動力が大きいことから、駆動装置が励磁されてからピニオンの回転が開始されるまでの時間差が長くなり易いという問題点があった。即ち、第2手段の動作に改善の余地があるという問題点があった。
そのため、遊技機の演出に合わせたタイミングで駆動装置が励磁されても、ピニオン及び扉部材の動作タイミングが遅れることになるので、演出に合致しないタイミングでピニオン及び扉部材が動作することになり、演出効果が低下する可能性がある。即ち、上述した従来の遊技機では、第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KC1によれば、第2手段を第1位置から第2位置へ移動させる際に、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿うので、第1手段の回転の勢いを利用して第2手段の慣性に容易に打ち勝つことができ、第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の動作を改善することができ、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機KC1において、前記第1手段の移動方向が前記第2手段の移動方向に沿う場合に、前記第1手段の回転先端が前記所定軸よりも下側に位置するよう構成されることを特徴とする遊技機KC2。
遊技機KC2によれば、遊技機KC1の奏する効果に加え、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿う姿勢で第1手段を安定させ易くすることができる。
遊技機KC1又はKC2において、前記第1手段に所定方向で当接し得る当接手段を備え、前記第1手段が前記当接手段と当接し停止されることに基づいて、前記第2手段が前記第2位置に維持可能とされることを特徴とする遊技機KC3。
遊技機KC3によれば、遊技機KC1又はKC2の奏する効果に加え、第1手段が当接手段と当接し停止されることに基づいて、第2手段が第2位置に配置されることから、第2手段を係止する必要を無くすことができるので、第2手段を第2位置で停止させるために第2手段に大きな荷重がかけられるという事態を避けることができ、第2手段の破損を防止することができる。
遊技機KC3において、前記当接手段は、前記第1手段に回転方向から当接する面であって、前記第2手段の移動方向に対して傾斜する傾斜面として構成されることを特徴とする遊技機KC4。
遊技機KC4によれば、遊技機KC3の奏する効果に加え、傾斜面に第1手段が当接している状態で、第1手段に第2手段の移動方向の荷重が加えられた場合に、その荷重を、所定軸へ向かう方向と、第1手段の回転方向とに分散させることができる。これにより、所定軸が受ける荷重を低減することができる。
遊技機KC1からKC4のいずれかにおいて、前記第1手段が所定方向に回転動作され前記第2手段が前記第1位置から前記第2位置まで移動された後に継続される前記第1手段の回転動作により、前記第2手段が移動されないように構成されることを特徴とする遊技機KC5。
遊技機KC5によれば、遊技機KC1からKC4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転による第2手段の配置のずれを回避し易くすることができる。
遊技機KC1からKC5のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第2位置から前記第1位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機KC6。
遊技機KC6によれば、遊技機KC1からKC5のいずれかの奏する効果に加え、第1移動手段の移動方向に因らず第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機KC1からKC6のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量に比例して前記第2手段の移動方向で移動可能とされる第3手段を備えることを特徴とする遊技機KC7。
遊技機KC7によれば、遊技機KC1からKC6のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の移動を開始させる前に予め第1手段を回転させている状態において、第3手段を移動させることができるので、遊技機の演出効果を向上させることができる。
遊技機KC3からKC7のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量には、前記第3手段の移動が生じない程度の限界値が設定されており、前記第2手段が前記第2位置に到達してから前記第1手段が前記当接手段に当接するまでの回転量は、前記限界値以下となるように構成されることを特徴とする遊技機KC8。
遊技機KC8によれば、遊技機KC3からKC7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転により第3手段が位置ずれすることを回避することができる。
遊技機KC7又はKC8において、前記第2手段を移動させない範囲における前記第1手段の往復動作を可能に構成されることを特徴とする遊技機KC9。
遊技機KC9によれば、遊技機KC7又はKC8の奏する効果に加え、第2手段の移動が生じる場合に比較して、第3手段を抵抗少なく移動させることができる。
遊技機KC9において、前記第1手段への駆動力伝達が、第1手段の所定量の移動を待たずに停止されるよう制御されることを特徴とする遊技機KC10。
遊技機KC10によれば、遊技機KC9の奏する効果に加え、駆動力による勢いで移動した第1手段が、第2手段の慣性抵抗(静止摩擦)により停止されることになるので、第1手段の所定量の移動中において駆動力伝達を生じさせ続ける場合に比較して、第2手段の誤動作を回避し易くすることができる。
<球に対する光の見え方を演出に利用するように発光手段を配置する>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態を形成可能な形成手段と、所定の照射範囲に光を照射可能な光照射手段と、を備え、前記入球領域へ向かう第1流下態様または前記入球領域へ向かわない第2流下態様で遊技球を流下させ得るよう構成され、遊技球が前記第1流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様と、遊技球が前記第2流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様とを異ならせるよう構成されることを特徴とする遊技機KD1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内可能な状態と案内不能な状態とを切り替える可動体よりも上流側の下側領域に光照射手段を配置し、発光演出を行う遊技機がある(例えば、特開2016-120220号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、光照射手段の上側に形成される坂の上を遊技球が流下するものであり、光照射手段からの光が照射される領域には遊技球が入り込まないよう構成されているので、遊技球が流下した場合に光の見え方が変化することは無く光照射手段の付近では遊技球が明るく見えるのだが、可動体と光照射手段との間に若干の距離があるために可動体側に光が届きにくく、可動体付近が暗く視認されてしまい、通常の注目力で行う遊技では入球領域に遊技球が入っているのかどうかが判別し難い。
そのため、遊技者に可動体付近を覗き込む遊技を強いることになり、遊技者の遊技負担を大きくさせ、興趣の向上を図れなくなる可能性があった。即ち、上述した従来の遊技機では、遊技者の興趣の向上の観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KD1によれば、遊技球が入球領域へ向かう第1流下態様で流下しているか、遊技球が入球領域へ向かわない第2流下態様で流下しているかによって、光照射手段からの光の見え方を異ならせることができるので、光照射手段からの光を視認することにより、遊技球が入球領域へ向かっているか否かを遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機KD1において、前記光照射手段は、前記第1流下態様で流下する遊技球に光が遮蔽されない位置に配置されることを特徴とする遊技機KD2。
遊技機KD2によれば、遊技機KD1の奏する効果に加え、遊技球が入球領域に入球を継続している場合においても、光照射手段からの光による演出効果を維持することができる。
遊技機KD1又はKD2において、前記光照射手段は、前記形成手段を光で照らす位置に配置されることを特徴とする遊技機KD3。
遊技機KD3によれば、遊技機KD1又はKD2の奏する効果に加え、形成手段の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
遊技機KD3において、前記形成手段よりも正面側に配置され遊技球の流下経路を覆う覆設手段を備え、前記覆設手段の正面側に描かれる形状は、前記形成手段の形状に沿う形状とされることを特徴とする遊技機KD4。
遊技機KD4によれば、遊技機KD1からKD3のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の視認性が向上されることに伴って、覆設手段の視認性を向上させることができる。即ち、形成手段を介して視認される光により覆設手段の正面側に描かれる形状を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機KD4において、前記覆設手段に描かれる前記形状は、後方を視認し易い第1視認部と、その視認容易部よりも視認性が劣る第2視認部とから形成され、前記第1視認部は、少なくとも前記第1流下態様における遊技球の流下経路の前方に形成され、前記形成手段を介して進行する光は、前記第1視認部を通過することを特徴とする遊技機KD5。
遊技機KD5によれば、遊技機KD4の奏する効果に加え、第1流下態様で流下する遊技球に対する注目力を向上させることができると共に、第1視認部を明るくすることで後方の視認性を向上させることができる。
遊技機KD1からKD5のいずれかにおいて、形成手段を支持する支持手段を備え、その支持手段は、形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能に形成される反射部を備えることを特徴とする遊技機KD6。
遊技機KD6によれば、遊技機KD1からKD5のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の色味が反射部を介しても視認されるように構成することができる。
遊技機KD6において、前記反射部は、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能とされ、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせない状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射不可能とされることを特徴とする遊技機KD7。
遊技機KD7によれば、遊技機KD6の奏する効果に加え、反射部の視認態様と、形成手段の状態とが対応づけられる。これにより、形成手段の状態の変化が分かり難い場合であっても、反射部を視認することで形成手段の状態を把握することができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
遊技機KD6又はKD7において、前記反射部は、遊技球の流下経路よりも上側に形成されることを特徴とする遊技機KD8。
遊技機KD8によれば、遊技機KD6又はKD7の奏する効果に加え、流下経路を流下する遊技機により反射部が隠される事態を回避し易くすることができる。
遊技機KD3からKD8のいずれかにおいて、前記覆設手段は、前記形成手段を背景として視認可能な位置に前記形成手段よりも小さな形状部を備えることを特徴とする遊技機KD9。
遊技機KD9によれば、遊技機KD3からKD8のいずれかの奏する効果に加え、形成手段を背景とした形状部の視認態様と、形成手段を背景としない形状部の視認態様とを異ならせることで、固定の覆設手段の見え方を変化させることができる。
遊技機KD9において、前記形状部が、前記形成手段の上流側位置に配置されることを特徴とする遊技機KD10。
遊技機KD10によれば、遊技機KD9の奏する効果に加え、形状部により注目させる箇所を形成手段の上流側位置とすることで、形状部付近で遊技者に視認された遊技球が入球領域に入球するまでの時間を長く確保することができる。これにより、遊技者に入球領域への入球を確認させる時間的余裕を与えることができる。
<化粧板の背後の変位手段の見え方が配置によって異なる>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる第1位置と遊技球を前記入球領域へ向かわせない第2位置とに変位可能な変位手段と、光透過性材料から形成され、所定方向視で前記変位手段の少なくとも一部と重なるよう配置される透過手段と、を備え、前記透過手段には所定の装飾が施され、前記変位手段が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって、前記所定方向視における前記変位手段と前記透過手段との重なる領域が変化し得ることを特徴とする遊技機KE1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域の正面側に覆設される化粧部材が可動とされ、その化粧部材を動かすことで入球領域付近の見え方を変化させる遊技機がある(例えば、特開2015-107293号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、化粧部材を動作させるための駆動手段や伝達機構が別途必要となることから、入球領域付近の領域が駆動手段や伝達機構により圧迫され易く、入球領域付近の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機KE1によれば、透過手段を通して変位手段が視認される構造において、変位手段の配置が変化することで透過手段と変位手段とが重なる領域が変化することから、透過手段を動作させなくても透過手段の所定の装飾を異なる態様で視認させることができる。これにより、駆動手段や伝達機構が配設されるスペースを空けることができ、入球領域付近の設計自由度を向上させることができる。
遊技機KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の背景とされることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機KE2。
遊技機KE2によれば、遊技機KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機KE1又はKE2において、前記所定の装飾は、前記入球領域と関連する形状とされることを特徴とする遊技機KE3。
遊技機KE3によれば、遊技機KE1又はKE2の奏する効果に加え、所定の装飾への注目を、入球領域への注目へと誘導させ易くすることができる。
遊技機KE1からKE3のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記所定方向視とは異なる方向視であって、前記所定の装飾と前記変位手段とが重ならない方向視において視認可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機KE4。
遊技機KE4によれば、遊技機KE1からKE3のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾における視認態様の変化を煩わしく感じる遊技者に対して、遊技負担を低減させることができる。
遊技機KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の後方から退避されることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機KE5。
遊技機KE5によれば、遊技機KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機KE1からKE5のいずれかにおいて、前記入球領域を複数備え、前記所定の装飾が、各入球領域に対応して複数設けられることを特徴とする遊技機KE6。
遊技機KE6によれば、遊技機KE1からKE5のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾を視認することで、複数の入球領域のどこに遊技球が案内されるのかを把握し易くすることができる。
遊技機KE6において、複数の前記所定の装飾は、異なる大きさで形成されることを特徴とする遊技機KE7。
遊技機KE7によれば、遊技機KE6の奏する効果に加え、所定の装飾による遊技球の入球先の判別をしやすくすることができる。また、複数の入球領域の利益差に応じて、所定の装飾の大小関係が設定されることで、遊技者に直感的に得られる利益を把握させることができる。
遊技機KE6又はKE7において、複数の前記所定の装飾は、一方の内部に他方が配置される態様で設けられることを特徴とする遊技機KE8。
遊技機KE8によれば、遊技機KE6又はKE7の奏する効果に加え、複数の所定の装飾に注目させる場合に、遊技者が目線を変えることを不要することができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機KE1からKE8のいずれかにおいて、前記透過手段は、前記変位手段の位置を合わせる位置合わせ部を備えることを特徴とする遊技機KE9。
遊技機KE9によれば、遊技機KE1からKE8のいずれかの奏する効果に加え、位置合わせ部により、変位手段が第1状態とされた場合における変位手段と所定の装飾との位置ずれを抑制することができる。
遊技機KE9において、前記位置合わせ部は、前記所定の装飾とは異なる位置に配設されることを特徴とする遊技機KE10。
遊技機KE10によれば、遊技機KE9の奏する効果に加え、所定の装飾の視認性を確保することができる。
<複数の層を組み合わせて一連の装飾となる構造>
第1の層に第1手段が配置可能とされ、所定方向視において前記第1の層と重なる第2の層に第2手段が配置可能とされる遊技機において、前記第2手段と、前記第1手段とは、独立して変位可能であり、前記所定方向視において所定領域に配置される前記第1手段および前記第2手段が、一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機KF1。
パチンコ機等の遊技機において、はさみの刃を模した形状から形成される第1手段および第2手段を備え、第1手段および第2手段により一連の視認態様で視認される遊技機がある(例えば、特開2011-110255号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段および第2手段が互いに連動しているため、動作速度が遅くなり、第1手段および第2手段が液晶表示装置の外方に配置された状態から、第1手段および第2手段が液晶表示装置の前方に配置されて一連の視認態様で視認させる状態に変化するまでに時間が長くかかることになり、演出の自由度が低くなる可能性があるという問題点があった。即ち、第1手段および第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KF1によれば、第1手段が、第2手段に対して独立して変位可能に構成されているので、第1手段の動作速度が第2手段の重さにより制限されることを避けることができ、第1手段および第2手段の動作の迅速化を図ることができ、第1手段および第2手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機KF1において、前記第1手段が視認態様の異なる可動状態と非可動状態とを切替可能に構成され、非可動状態において前記一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機KF2。
遊技機KF2によれば、遊技機KF1の奏する効果に加え、第1手段で動的に演出する状態と、第1手段を非可動として一連の形状に注目させる状態とを切り替えることができる。
遊技機KF1又はKF2において、前記第1手段は、動作手段と被動作手段とを備え、動作手段の変位が、被動作手段の状態に対応して生じるよう構成されることを特徴とする遊技機KF3。
遊技機KF3によれば、遊技機KF1又はKF2のいずれかの奏する効果に加え、動作手段と被動作手段とが独立動作する場合のように互いに衝突することを防止することができる。
遊技機KF1からKF3のいずれかにおいて、前記第1手段が非可動状態とされる場合において前記第2手段が可動とされることを特徴とする遊技機KF4。
遊技機KF4によれば、遊技機KF1からKF3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段についても第1手段に独立して変位可能とされることから、動作演出のバリエーションを増加させることができる。
遊技機KF1からKF4のいずれかにおいて、前記第1手段と前記第2手段とが一連の視認態様で視認されない状態から、前記第1手段と前記第2手段とが移動することで互いに近づいた近接状態において一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機KF5。
遊技機KF5によれば、遊技機KF1からKF4のいずれかの奏する効果に加え、一連の視認態様で視認される範囲を狭めることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機KF1からKF5のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段は、前記所定領域で動作が停止され、前記所定領域以外の領域では動作が継続され得ることを特徴とする遊技機KF6。
遊技機KF6によれば、遊技機KF1からKF5のいずれかの奏する効果に加え、所定領域において一連の視認態様で視認される場合以外における第1手段または第2手段の視認態様を継続動作により変化させることができるので、一連の視認態様で視認される態様への注目力を向上させることができる。
遊技機KF1からKF6のいずれかにおいて、前記第1手段で囲われる領域に前記第2手段が配置され、前記第2手段の発光態様に対応して、前記第1手段の発光態様が変化されることを特徴とする遊技機KF7。
遊技機KF7によれば、遊技機KF1からKF6のいずれかの奏する効果に加え、発光態様を対応させることにより第1手段および第2手段による演出効果を向上させることができる。
遊技機KF1からKF7のいずれかにおいて、前記所定方向視において前記第1手段または前記第2手段と重なり得る位置に表示領域を有する表示装置を備え、前記表示領域からの光が、前記第1手段または前記第2手段に対応する領域で照らされることを特徴とする遊技機KF8。
遊技機KF8によれば、遊技機KF1からKF7のいずれかの奏する効果に加え、表示装置の表示領域からの光により第1手段または第2手段を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機KF8において、前記表示領域からの光の態様が、前記第1手段または前記第2手段の変位中と、前記第1手段または前記第2手段の非変位中とで変化可能とされることを特徴とする遊技機KF9。
遊技機KF9によれば、遊技機KF8の奏する効果に加え、第1手段または第2手段の見せ方を、変位中と非変位中とで異ならせることができるので、一連の視認態様で視認させる状態と、それ以外の状態とで、第1手段または第2手段の見せ方にバリエーションを設けることができる。
遊技機KF8又はKF9において、前記表示領域で、前記第1手段または前記第2手段の視認態様に対応した表示がされることを特徴とする遊技機KF10。
遊技機KF10によれば、遊技機KF8又はKF9の奏する効果に加え、第1手段または第2手段が透過性材料で構成されている場合に、表示領域における表示と第1手段または第2手段自体の装飾とが組み合わされた視認態様で視認させることができる。
また、第1手段または第2手段に動作不良が生じた場合であっても、表示領域における表示を第1手段または第2手段に代替させることができ、演出効果の低下を最小限に留めることができる。
遊技機KF8からKF10のいずれかにおいて、前記表示装置による表示と、前記第1手段または前記第2手段とが連動されることを特徴とする遊技機KF11。
遊技機KF11によれば、第1手段または第2手段が配置されていない層における表示装置の表示領域全体を利用して、第1手段または第2手段に連動される対象を遊技者に視認させることができる。これにより、遊技者に注目させる領域を広げられる。
遊技機KF8からKF11のいずれかにおいて、前記表示装置による表示を視認させる第1視認範囲と、前記第1視認範囲とは異なる態様で視認させる第2視認範囲と、を備え、前記第2視認範囲は、前記第1視認範囲よりも前側の層に形成されることを特徴とする遊技機KF12。
遊技機KF12によれば、遊技機KF8からKF11のいずれかの奏する効果に加え、第1視認範囲と、第2視認範囲とを、前後配置の関係する視認態様で視認させることができるので、立体感または積層感のある演出を実現できる。
遊技機KF12において、前記第1視認範囲と、前記第2視認範囲との隙間を狭める隙間防止手段を備えることを特徴とする遊技機KF13。
遊技機KF13によれば、遊技機KF12の奏する効果に加え、第1視認範囲における視認態様と、第2視認範囲における視認態様とを一連の視認態様で視認させ易くすることができる。
遊技機KF8からKF13のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段の変位に伴って変位される発光手段を備えることを特徴とする遊技機KF14。
遊技機KF14によれば、遊技機KF8からKF13のいずれかの奏する効果に加え、第1手段または第2手段の変位に対する、光演出の時間遅れを回避し易くすることができる。
遊技機KF8からKF14のいずれかにおいて、前記第1の層における視認態様は、電圧制御に基づく前記第2の層における状態に対応して変化し得ることを特徴とする遊技機KF15。
遊技機KF15によれば、遊技機KF8からKF14のいずれかの奏する効果に加え、第2の層における第2手段の状態に対応して第1手段の視認態様の変化を生じさせることができる。
遊技機KF15において、前記第2の層における状態に対応して、所定の光を遮断する遮断範囲と、所定の光を遮断しない非遮断範囲と、を構成可能とされることを特徴とする遊技機KF16。
遊技機KF16によれば、遊技機KF15の奏する効果に加え、第2の層における状態によって背面からの光の透過態様を変化させることにより、第2の層および第1の層とを重ねた視認態様を変化させることができる。
<ベース板の裏側に基板を配置>
正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置されることを特徴とする遊技機KG1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(例えば、特開2006-333887号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、限られた発光手段で遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材の広い範囲を明るく照らすために、発光基板を遊技盤からある程度離して配設する必要があるため、そのためのスペースを遊技盤の背面側に確保する必要がある一方で、発光基板と遊技盤との間に演出用の可動役物を配設してしまうと、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材に可動役物の影が映ることで暗くなってしまうため、この観点からは発光手段を遊技盤側に寄せて可動役物の配設スペースを作りたいという、相反する課題があった。即ち、光照射手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KG1によれば、光照射手段からの光は遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で遊技盤に進入し得る位置に配置されることから、遊技盤の厚さ幅の内側で光の照射範囲を拡げられ、光により照らす面積を増大させることができることから遊技盤を明るく視認させることができると共に、光照射手段を遊技盤の後方に離して配置する必要がないので、遊技盤の背面側に可動役物の配設スペースを十分確保することができる。即ち、光照射手段の配置を改善することができる。
遊技機KG1において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設されることを特徴とする遊技機KG2。
遊技機KG2によれば、遊技機KG1の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
遊技機KG1又はKG2において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置されることを特徴とする遊技機KG3。
遊技機KG3によれば、遊技機KG1又はKG2の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤の厚み寸法内に収めることができるので、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
遊技機KG1からKG3のいずれかにおいて、前記遊技盤は、背面側面に前記光照射手段からの光を正面側へ向けさせるための変化部を備えることを特徴とする遊技機KG4。
遊技機KG4によれば、遊技機KG1からKG3のいずれかの奏する効果に加え、変化部の配置により正面視における光の見え方を容易に設計することができる。
遊技機KG4において、前記遊技盤は、前記変化部にシボ加工が形成されることを特徴とする遊技機KG5。
遊技機KG5によれば、遊技機KG4の奏する効果に加え、変化部で光を拡散させることができ、変化部を明るく視認させるためのLED等の光照射部の個数を削減させることができる。
遊技機KG4又はKG5において、前記変化部は、前記光照射手段から所定の光軸で発射される光が到達し得る複数位置に形成されることを特徴とする遊技機KG6。
遊技機KG6によれば、遊技機KG4又はKG5の奏する効果に加え、所定の光軸で発射される光により変化部が明るく視認される範囲を広げることができる。
遊技機KG4からKG6のいずれかにおいて、前記変化部は、前記遊技盤の内側の開口部の縁部に周状に形成されることを特徴とする遊技機KG7。
遊技機KG7によれば、遊技機KG4からKG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤の内側の開口部の縁部を略円環状に照らすことができる。これにより、開口部内側に配置される表示装置への視線誘導をし易くすることができる。
遊技機KG7において、前記変化部は、前記開口部の縁部前端よりも縁部後端の方が開口が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機KG8。
遊技機KG8によれば、遊技機KG7の奏する効果に加え、開口部の縁部前端を基準として遊技盤にセンターフレームを配設することができ、変化部を介する光によりセンターフレームを明るく照らすことができる。
遊技機KG1からKG8のいずれかにおいて、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光の進行方向が正面側へ向けられるまでの間、その光は前記遊技盤の厚み寸法内を進行することを特徴とする遊技機KG9。
遊技機KG9によれば、遊技機KG1からKG8のいずれかの奏する効果に加え、正面側へ向けられる前の光が遊技領域内を進行する場合と異なり、遊技領域を流下する球に光が遮られることを回避することができる。
遊技機KG9において、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光は、前記遊技領域に配設される入球領域に入球した遊技球の通過経路を通過可能に構成されることを特徴とする遊技機KG10。
遊技機KG10によれば、遊技機KG9の奏する効果に加え、光照射手段から進入した光が遮蔽された場合と、遊技球が入球領域に入球したこととを対応付けることができるので、光照射手段から照射される光に対する注目力を向上させることができる。
<視認部の視認態様が変化し得る回転動作手段>
視認態様が変化し得る所定の視認部を有する動作手段を備え、前記所定の視認部が回転移動し得ることを特徴とする遊技機KKH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して連動される動作手段が、遊技機中央部に固定された表示装置の手前側で開閉される動作をするに過ぎず、この場合、表示装置への注目力は向上されるが、動作手段を目で追わせるように注目させることは難しい。即ち、動作手段の演出効果について改善の余地があった。
これに対し、遊技機KKH1によれば、所定の視認部が回転移動し得ることから、動作手段の回転動作が所定の一点を中心に継続される場合に、所定の視認部の視認態様の変化を確認するために、動作手段への注目力を向上させることができる。その場合に、回転中心からある程度の範囲を視界に収めておけば済むので、所定の視認部の視認態様の変化を確認しようとする遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機KKH1において、前記動作手段は、回転移動することに伴って前記所定の視認部を通した視認態様が変化されることを特徴とする遊技機KKH2。
遊技機KKH2によれば、遊技機KKH1の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に注目させるタイミングを動作手段の回転移動中に限定させることができるので、所定の視認部の視認態様の変化がいつ生じるか分からない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機KKH1又はKKH2において、前記所定の視認部の視認態様は、前記動作手段の回転軸を挟んで位置する第1位置および第2位置で少なくとも変わり得ることを特徴とする遊技機KKH3。
遊技機KKH3によれば、遊技機KKH1又はKKH2の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様が変化する箇所が1箇所である場合に比較して、所定の視認部の視認態様の変化の確認の難易度を上げることができるので、遊技者の動作手段に対する注目力をより向上させることができる。
遊技機KKH3において、前記第1位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合と、前記第2位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合とで、遊技者が得られる利益が変化し得ることを特徴とする遊技機KKH4。
遊技機KKH4によれば、遊技機KKH3の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に対する遊技者の興味関心を向上させることができ、動作手段に対する注目力を増大させることができる。
遊技機KKH1からKKH4のいずれかにおいて、前記所定の視認部の視認態様が、第1の視認態様で変化する場合と、第2の視認態様で変化する場合とがあることを特徴とする遊技機KKH5。
遊技機KKH5によれば、遊技機KKH1からKKH4のいずれかの奏する効果に加え、所定の視認態様が、どのように変化するかに対する遊技者の興味を向上させることができ、遊技者の動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<球流下と回転動作手段とを関連させる演出>
遊技機KKH1からKKH5のいずれかにおいて、遊技者に視認され得るよう構成され、遊技球の流下に対応して動かされ得る動作手段を備える遊技機KH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して動作手段の演出動作が実行されることに留まり、その動作態様から実際の遊技球の流下についての情報を得ることは難しかった。そのため、遊技者の目線が動作手段に注目している場合には遊技球の流下態様を把握することはできず、遊技球の流下の感じを見ながら遊技球の発射強度の調整をリアルタイムで行うことが困難であった。
この場合、液晶表示装置でのロングリーチを視認しながら遊技球の発射を継続することが困難であり、特別図柄の保留を満タンまで溜めた状態で遊技を行いたい遊技者の遊技負担を増加させる可能性が高く、興趣が低下する可能性がある。このように、上述した従来の遊技機では、動作手段に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KH1によれば、遊技機KKH1からKKH5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動きを遊技者が視認することにより、遊技球の流下について遊技者に把握させることができる。これにより、動作手段を改善することができる。
遊技機KH1において、遊技球の流下に基づく所定条件が成立した場合に前記動作手段が動かされることを特徴とする遊技機KH2。
遊技機KH2によれば、遊技機KH1の奏する効果に加え、遊技領域に遊技球が流下してさえいれば動作手段に動きが生じる場合に比較して、動作手段の動きから、遊技者が遊技球の流下態様を予測し易くすることができる。
遊技機KH1又はKH2において、前記動作手段が動き得る状態で支持され、一側端部を支点とする変位が可能に構成される支持手段と、その支持手段の変位を許容する許容状態と、前記支持手段の変位を規制する規制状態とを構成可能な規制手段と、を備えることを特徴とする遊技機KH3。
遊技機KH3によれば、遊技機KH1又はKH2の奏する効果に加え、支持手段の配置に対応して、動作手段の配置にバリエーションを持たせることができるので、流下態様の状態の把握を容易にすることができる。
遊技機KH2又はKH3において、遊技領域を流下する遊技球が所定部位を通過した場合に前記前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機KH4。
遊技機KH4によれば、遊技機KH2又はKH3の遊技機の奏する効果に加え、動作手段の動きを視認することで、遊技球が所定部位を通過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定部位としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の流下が検出されることで所定の賞球の払い出しが実行される賞球口であっても良いし、賞球の払い出しは生じないが何らかの抽選が実行される開口でも良いし、賞球の払い出しも何らかの抽選も実行されず単に遊技球の流下を検出する検出センサであっても良いし、遊技球からのエネルギーの伝達により動作される動作部材の被衝突部であっても良い。
遊技機KH4において、前記動作手段の上側の第1所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされない一方、前記第1所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が動かされ得ることを特徴とする遊技機KH5。
遊技機KH5によれば、遊技機KH4の奏する効果に加え、動作手段を視認することで、動作手段を基準にして、遊技球が左右どちら側を流下しているのかを遊技者に把握させることができる。これにより、例えば、右打ち遊技を実行しているつもりの遊技者に対して、遊技球が左側に流下していることに気付かせ易くすることができる。
遊技機KH4において、前記動作手段の上側の第2所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が右方側に動かされる一方、前記第2所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が左方側に動かされ得ることを特徴とする遊技機KH6。
遊技機KH6によれば、遊技機KH4の奏する効果に加え、動作手段の動きの方向と、遊技球の流下する方向とが対応しているので、動作手段を視認した遊技者に対して、遊技球の流下について直感的に理解させ易くすることができる。
遊技機KH6において、前記第2所定部位よりも上側に位置する第3所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされないことを特徴とする遊技機KH7。
遊技機KH7によれば、遊技機KH6の奏する効果に加え、動作手段との離間幅と、動作手段の動きの有無とが対応しているので、動作手段が動いていないことを視認した遊技者に対して、遊技球が動作手段と離れた位置を流下していることを把握させ易くすることができる。
遊技機KH4から遊技機KH7のいずれかにおいて、前記所定部位を遊技球が通過したことに基づいて前記動作手段が動いている状態において、前記所定部位を遊技球が通過した場合に、前記動作手段の動く速度が変化されることを特徴とする遊技機KH8。
遊技機KH8によれば、遊技機KH4からKH7のいずれかの奏する効果に加え、頻度や流下方向にランダム性を有する遊技球の流下を動作手段の動きに反映させることで、ランダム性の高い演出を動作手段で実行させることができる。更に、動作手段の動く速度の変化を視認した遊技者に対して、所定部位を再び遊技球が通過したことを把握させることができるので、遊技球の流下のパターン(流下態様のばらつきの程度)を遊技者が把握し易くすることができる。
遊技機KH3からKH8のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記規制手段が前記許容状態か前記規制状態かに関わらず、前記動作手段が動き得る状態で支持することを特徴とする遊技機KH9。
遊技機KH9によれば、遊技機KH3からKH8のいずれかの奏する効果に加え、支持手段が変位される状態か、支持手段の変位が規制される状態かのいずれかでのみ動作手段が動き得る場合に比較して、動作手段による見映えの向上の効果を生じさせることができる状態を増やすことができる。
遊技機KH3からKH9のいずれかにおいて、前記規制手段の前記許容状態から前記規制状態への変化は、前記支持手段の変位に連動して生じることを特徴とする遊技機KH10。
遊技機KH10によれば、遊技機KH3からKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の状態の変化が支持手段の変位に連動して生じることから、規制手段と支持手段とがそれぞれ独立の基準で動作し得る場合に比較して、誤動作(例えば、動作タイミングが合わずに、干渉し合う等)の発生を回避し易くすることができる。
遊技機KH3からKH9のいずれかにおいて、前記規制手段が前記許容状態とされる場合に、前記支持手段が前記規制手段の前記規制状態において配置される上下位置に、前記支持手段を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機KH11。
遊技機KH11によれば、遊技機KH3からKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の許容状態からの支持手段の変位と、規制手段の規制状態からの支持手段の変位とを、同じ上下位置から開始させることができるので、遊技者に注目させる高さ位置を統一することができ、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機KH3からKH11のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記支持手段の変位に基づいて変位することを特徴とする遊技機KH12。
遊技機KH12によれば、遊技機KH3からKH11のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下に対応する動きの他に、支持手段の変位に基づく変位による動きをも生じさせることができるので、動作手段の視認態様のバリエーションを増加させることができる。
遊技機KH3からKH12のいずれかにおいて、前記支持手段の前記一側端部を支点とする変位は、前記動作手段が、前記支持手段の中心位置よりも前記一側端部側に配置された状態で生じることを特徴とする遊技機KH13。
遊技機KH13によれば、遊技機KH3からKH12のいずれかの奏する効果に加え、支持手段の変位時における変位が小さい側に動作手段が配置されることから、支持手段が急に停止される等の衝撃が生じた場合に動作手段が受ける衝撃(荷重)を小さくすることができる。
<遊技球の流下範囲の正面側に装飾を形成するポイント>
遊技球が流下する所定の流下領域の正面側に配設され所定の厚みを有する光透過部を備え、前記光透過部は、第1の光の透過率で構成される第1透過率部と、その第1透過率部よりも高い透過率で光を透過する第2透過率部と、を備え、正面視で前記第1透過率部と重なる遊技球の一部は、前記第2透過率部と重なるように構成されることを特徴とする遊技機KI1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に模様が形成される遊技機がある(例えば、特開2011-83381号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、流下する遊技球により模様が隠されることで演出効果の妨げとなる可能性があるところ、単純に遊技領域の前側に模様を形成するだけでは、今度は逆に模様により遊技球が隠されてしまい遊技球を見失う事態を生じさせる可能性があることから、遊技球を見失わせることなく演出効果を向上させる観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KI1によれば、遊技球が第1透過率部と重なる場合に、第2透過率部とも重なるように構成されているので、第1透過率部に遊技球が完全に覆われる状況を避けることにより遊技者が遊技球を見失う事態が生じることを避け易くしながら、光透過部の背面側を遊技球が流下する場合と流下しない場合とで視認態様を変化させることにより演出効果を向上させることができる。
遊技機KI1において、前記第1透過率部は、所定の記号の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機KI2。
遊技機KI2によれば、遊技機KI1の奏する効果に加え、流下領域における遊技球の流下の有無に関わらず、所定の記号による何らかの意味合いを遊技者に認識させることができるので、演出性の向上を図ることができる。
遊技機KI2において、前記第1透過率部は、前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機KI3。
遊技機KI3によれば、遊技機KI2の奏する効果に加え、所定の記号の識別を容易とさせることができる。
遊技機KI1からKI3のいずれかにおいて、前記第1透過率部の、遊技球の流下方向の寸法または遊技球の流下方向に対して交差する方向の寸法の少なくとも一方は、遊技球の直径よりも短くされることを特徴とする遊技機KI4。
遊技機KI4によれば、遊技機KI1からKI3のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部の設計自由度を向上させることができ、構成される模様の種類を増加させることによる演出効果の向上を図ることができる。
遊技機KI4において、前記第1透過率部が前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成する場合に、前記輪郭の幅が遊技球の半径未満とされることを特徴とする遊技機KI5。
遊技機KI5によれば、遊技機KI4の奏する効果に加え、所定の記号の輪郭が複数近接して隣り合うような場合においても、遊技球が輪郭により完全に隠される事態を避けることができる。
即ち、複数の輪郭が隙間なく並べられる場合には、複数の輪郭の外側において遊技球を視認させることができる一方で、複数の輪郭の間に隙間が生じる場合には、その隙間を通して遊技球を視認させることができる。
遊技機KI1からKI5のいずれかにおいて、前記所定の流下領域における遊技球の流下方向は、水平方向成分を有することを特徴とする遊技機KI6。
遊技機KI6によれば、遊技機KI1からKI5のいずれかの奏する効果に加え、自由落下する遊技球に比較して、所定の流下領域における遊技球の流下速度を遅くすることができるので、光透過部を介して遊技球を視認させる期間を長くすることができる。これにより、第1透過率部および第2透過率部により構成される模様の見え方が変化する状態を長く保ち易くすることができる。
遊技機KI1からKI6のいずれかにおいて、前記所定の流下領域は、第1流下領域と、その第1流下領域とは異なる方向に遊技球を流下させる第2流下領域と、を備えることを特徴とする遊技機KI7。
遊技機KI7によれば、遊技機KI1からKI6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が第1流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向と、遊技球が第2流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向とが異なることから、光透過部に視認される模様に対する遊技球による影響の変位方向を複数種類生じさせることができるので(模様が動的に変化する状態における光透過部の視認態様を複数種類構成することができるので)、光透過部による演出効果の向上を図ることができる。
遊技機KI1からKI7のいずれかにおいて、前記第1透過率部により構成される輪郭の内側に、前記第1透過率部よりも低い透過率で構成される構成部を備えることを特徴とする遊技機KI8。
遊技機KI8によれば、遊技機KI1からKI7のいずれかの奏する効果に加え、構成部を配置することにより、第1透過率部を通して視認される光の視認性を相対的に向上させることができ、構成部の識別性を向上させることができる。
遊技機KI1からKI8のいずれかにおいて、前記光透過部の前方に向けて光を照射する光照射装置を備え、前記光透過部を透過した前記光照射装置から照射される光により視認される模様を変更可能に構成されることを特徴とする遊技機KI9。
遊技機KI9によれば、遊技機KI1からKI8のいずれかの奏する効果に加え、光透過部を透過した光照射装置から照射される光により視認される模様が変更可能に構成されることにより、光透過部による演出効果を向上させることができる。
遊技機KI9において、遊技球が前記光照射装置から照射される光により前記第2透過率部に影を映しながら流下する場合があることを特徴とする遊技機KI10。
遊技機KI10によれば、遊技機KI9の奏する効果に加え、光照射装置から光が照射されることにより第2透過率部に映される遊技球の影を濃くすることができ、遊技者が遊技球を見失う事態を避け易くすることができる。
遊技機KI1からKI10のいずれかにおいて、正面視で前記所定の流下領域と重ならない所定範囲に配設される補助部を備え、その補助部により形成される模様は、前記第1透過率部により形成される模様と一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機KI11。
遊技機KI11によれば、遊技機KI1からKI10のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部と一連の視認態様で視認さ得る補助部により演出効果を向上させることができると共に、遊技球の流下によらず補助部の視認性を高く維持することができる。
<変位手段に光を照射する照射手段を備えるポイント>
所定の領域を開閉可能な開閉部材と、その開閉部材の所定面側の領域を照らし得る光を照射可能な照射手段と、前記所定面側を変位可能な変位手段と、を備えることを特徴とする遊技機KJ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、閉じた状態における開閉部材に対して背面側の表示装置から光が照射されることで開閉部材の視認態様が変化し得るところ、開閉部材の正面側を変位する他の部材があるわけではなく、開閉部材の視認態様のバリエーションが少ないことから、開閉部材の視認態様に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機KJ1によれば、照射手段から光が照射される所定の開閉部材の所定面側において変位可能な変位手段を備えるので、変位手段が開閉部材と重なって視認される状態と、変位手段が開閉部材と重ならずに視認される状態とを構成できることから、開閉部材の視認態様のバリエーションを増加させることができ、開閉部材の視認態様を改善することができる。
遊技機KJ1において、前記変位手段は、所定の直線に沿う方向で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機KJ2。
遊技機KJ2によれば、遊技機KJ1の奏する効果に加え、変位手段の変位を予測し易くすることで、変位手段を視認する遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機KJ1又はKJ2において、前記変位手段と前記開閉部材とが連動され得ることを特徴とする遊技機KJ3。
遊技機KJ3によれば、遊技機KJ1又はKJ2の奏する効果に加え、開閉部材の変位と変位手段の変位とを、独立したものではなく、互いに関連し合うものとして遊技者に視認させることができることから、開閉部材の視認態様の改善を図ることができる。
遊技機KJ1からKJ3のいずれかにおいて、前記開閉部材が開閉移動されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機KJ4。
遊技機KJ4によれば、遊技機KJ1からKJ3のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材の開閉移動と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が開閉部材の開閉移動に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機KJ1からKJ4のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向が変化されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機KJ5。
遊技機KJ5によれば、遊技機KJ1からKJ4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位の方向の変化と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が変位手段の変位の方向の変化に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機KJ1からKJ5のいずれかにおいて、前記開閉部材を閉鎖状態から開放状態に変化させる方向の荷重に対する抵抗を生じさせる抵抗発生手段を備えることを特徴とする遊技機KJ6。
遊技機KJ6によれば、遊技機KJ1からKJ5のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材に予期せぬ荷重がかけられたとしても開閉部材を閉鎖状態で維持し易くすることができるので、開閉部材の視認態様が予期せず変化されることを回避し易くすることができる。
遊技機KJ1からKJ6のいずれかにおいて、前記変位手段が所定位置を所定方向に通過可能な第1状態と、前記変位手段が前記所定位置を前記所定方向に通過不能な第2状態と、を構成し得る切替手段を備えることを特徴とする遊技機KJ7。
遊技機KJ7によれば、遊技機KJ1からKJ6のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の状態を視認することで、変位手段の変位を予想させることができる。これにより、切替手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機KJ7において、前記切替手段の状態変化は、前記所定方向に通過する前記変位手段が到達する前に生じるよう構成されることを特徴とする遊技機KJ8。
遊技機KJ8によれば、遊技機KJ7の奏する効果に加え、変位手段が所定位置に到達する前から切替手段の状態変化を把握させることができるので、切替手段の注目力を長期間に亘り向上させることができる。
遊技機KJ1からKJ8のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向を、第1の方向から、その第1の方向に対して交差する第2の方向に変化させる方向変化手段を備えることを特徴とする遊技機KJ9。
遊技機KJ9によれば、遊技機KJ1からKJ8のいずれかの奏する効果に加え、方向変化手段により変位手段の変位の方向をずらし得るので、変位手段の変位の方向が一定とされる場合に比較して、変位手段の視認態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機KJ9において、前記方向変化手段は変位手段を挟むようにして両側に配設されることを特徴とする遊技機KJ10。
遊技機KJ10によれば、遊技機KJ9の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に両側から作用することにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化を複数態様で生じさせることができる。
遊技機KJ10において、前記両側に配置される前記方向変化手段は、変位手段に対して交互に作用することを特徴とする遊技機KJ11。
遊技機KJ11によれば、遊技機KJ10の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に作用するタイミングがずらされることにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化が高頻度で生じるようにすることができる。
<上側装飾ユニットH14aの第1連通路H300Cを一例とする発明の概念について>
音声を出力可能に構成される第1音声出力手段および第2音声出力手段と、前記第1音声出力手段が配設される第1配設空間および前記第2音声出力手段が配設される第2配設空間と、を備えた遊技機において、前記第1配設空間と前記第2配設空間とを連通可能に形成される連通空間を備えることを特徴とする遊技機XA1。
音声を出力可能な複数の音声出力手段を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、音声の出力の態様に関し、改善の余地があった。
即ち、遊技者からみて左右に所定の間隔を隔てて配設される第1音声出力手段と第2音声出力手段とを備えた遊技機において、第1音声出力手段または第2音声出力手段の一方が故障した場合、一方からのみ音声が出力され、他方から音声が出力されない態様となり、遊技者に違和感を与える虞がある。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、音声の出力の態様を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XA1によれば、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、第1配設空間と第2配設空間とを連通可能に形成される連通空間を備えるので、第1音声出力手段(第2音声出力手段)から出力される音声を、連通空間を介して、第2配設空間(第1配設空間)へ導くことができる。よって、例えば、第2音声出力手段の故障時において、第1配設空間に加え、第2配設空間からも音声を出力できる。その結果、遊技者の違和感を抑制できる。
遊技機XA1において、前記第1配設空間および前記第2配設空間は、前記遊技機の正面側に形成される一又は複数の第1開口部をそれぞれ備え、
前記連通空間は、前記第1音声出力手段および前記第2音声出力手段よりも前記第1開口部側となる位置において、前記第1配設空間と前記第2配設空間とを連通可能に形成されることを特徴とする遊技機XA2。
遊技機XA2によれば、遊技機XA1の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、連通空間は、第1音声出力手段および第2音声出力手段よりも第1配設空間および第2配設空間の開口部側となる位置において、第1配設空間と第2配設空間とを連通可能に形成されるので、第1配設空間または第2配設空間から連通空間を介して第2配設空間または第1配設空間へ導かれる音声として、遊技者が聞き取りやすい音声(周波数帯)を導きやすくできる。よって、例えば、第2音声出力手段の故障時において、遊技者の違和感を抑制できる。
遊技機XA2において、前記連通空間は、一又は複数の第2開口部を備えることを特徴とする遊技機XA3。
遊技機XA3によれば、遊技機XA2の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、連通空間は、一又は複数の第2開口部を備えるので、第2開口部からも音声を出力できる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
遊技機XA3において、液晶表示手段を備え、前記第2開口部は、前記遊技機の正面視において、前記第1音声出力手段と前記液晶表示手段との間となる位置、又は、前記第2音声出力手段と前記液晶表示手段との間となる位置の少なくとも一方に形成されることを特徴とする遊技機XA4。
遊技機XA4によれば、遊技機XA3の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、第2開口部は、遊技機の正面視において、第1音声出力手段と液晶表示手段との間となる位置、又は、第2音声出力手段と液晶表示手段との間となる位置の少なくとも一方に形成されるので、第2開口部から出力される音声と液晶表示装置の表示による演出とを遊技者に関連付けやすくできる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機XA1からXA4のいずれかにおいて、前記第1配設空間および前記第2配設空間のそれぞれを、前記第1音声出力手段および前記第2音声出力手段よりも前記第1開口部側となる正面側配設空間と前記第1音声出力手段および前記第2音声出力手段よりも前記第1開口部と反対側となる背面側配設空間とに区画する区画手段を備えることを特徴とする遊技機XA5。
遊技機XA5によれば、遊技機XA1からXA4のいずれかの奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、第1配設空間および第2配設空間のそれぞれを、第1音声出力手段および第2音声出力手段よりも第1開口部側となる正面側配設空間と第1音声出力手段および第2音声出力手段よりも第1開口部と反対側となる背面側配設空間とに区画する区画手段を備えるので、正面側配設空間における比較的高周波の音声と背面側配設空間における比較的低周波の音声とが重なり合い、前者の音声により後者の音声が打ち消されることを抑制できる。
遊技機XA1からXA5のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、前記連通空間の少なくとも一部を区画可能に構成されることを特徴とする遊技機XA6。
遊技機XA6によれば、遊技機XA1からXA5のいずれかの奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、変位可能に構成される変位手段を備え、変位手段は、連通空間の少なくとも一部を区画可能に構成されるので、変位手段の変位により連通空間の形態を変化させることができる。これにより、第1音声出力手段(第2音声出力手段)から出力される音声が、連通空間を介して、第2配設空間(第1配設空間)へ導かれる際の態様を変位手段の変位に応じて変化させることができる。即ち、第2配設空間(第1配設空間)から出力される音声の態様を変位手段の変位に応じて変化させることができる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
遊技機XA6において、前記連通空間は、一又は複数の第2開口部を備え、一又は複数の前記第2開口部の大きさが前記変位手段の変位により変化可能に構成されることを特徴とする遊技機XA7。
遊技機XA7によれば、遊技機XA6の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、連通空間は、一又は複数の第2開口部を備え、一又は複数の第2開口部の大きさが変位手段の変位により変化可能に構成されるので、変位手段の変位により第2開口部の大きさを変化させることができる。これにより、第2開口部から出力される音声の態様を変位手段の変位に応じて変化させることができる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
遊技機XA7において、前記変位手段が所定位置に変位された状態では、前記連通空間が開放されることを特徴とする遊技機XA8。
遊技機XA8によれば、遊技機XA7の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、変位手段が所定位置に変位された状態では、連通空間が開放されるので、第1配設空間または第2配設空間から連通空間に導かれた音声の出力方向を広くできる。即ち、指向性(音の放射角度)を小さくできる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
なお、連通空間の開放とは、第2開口部の大きさ(開口面積)が、最小の大きさ(最小の開口面積)の3倍以上とされることをいう。
遊技機XA6からXA8のいずれかにおいて、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段が操作された場合に前記変位手段が変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XA9。
遊技機XA9によれば、遊技機XA6からXA8のいずれかの奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、操作手段が操作された場合に変位手段が変位可能に構成されるので、出力される音声の態様が変化されるタイミングを操作手段の操作と関係付けることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<上下皿ユニットH15の突出部H583を一例とする発明の概念について>
正面視略矩形に形成される前扉手段を備えた遊技機において、前記前扉手段の長手方向一側の面から突出可能に形成される突出手段を備え、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側または背面側とされることを特徴とする遊技機XB1。
正面視略矩形に形成される前扉手段を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、前扉手段に関し、改善の余地があった。
即ち、工場での製造工程やホールでの設置・点検作業において、前扉手段の長手方向一側(上方または下方)の面を床面に載置して前扉手段を一時的に自立させる(仮置きする)ことがあるところ、前扉手段の長手方向一側の面の全面が平坦面とされる構成では、床面に凹凸があると、その凹凸の影響を受けて前扉手段の姿勢が安定せず、前扉手段が倒れる虞があった。
なお、前扉手段の正面(遊技者側の面)又は背面を床面に載置することは、正面側のガラスや装飾手段(部材)または背面側の電気的構成に破損や傷が生じる虞があるため、行うことができないだけでなく、載置するためのスペースが嵩む。そのため、工場での製造工程やホールでの設置・点検作業においては、載置するためのスペースを最小とするために、前扉手段の長手方向一側(上方または下方)の面を床面に載置される。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、前扉手段を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XB1によれば、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面から突出可能に形成される突出手段を備え、突出手段の突出位置は、前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側または背面側とされるので、前扉手段の長手方向一側の面における前扉手段の背面側または正面側の外縁と突出手段とを床面に当接させて、前扉手段を自立させることができる。これにより、前扉手段の長手方向一側の面の全面が平坦面とされる構成と比較して、床面の凹凸の影響を受け難くでき、前扉手段の自立時の姿勢を安定させることができる。よって、前扉手段を倒れ難くできる。
遊技機XB1において、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側とされることを特徴とする遊技機XB2。
遊技機XB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段は、その重心が正面側に偏って位置するところ、突出手段の突出位置は、前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前扉手段の正面側とされるので、前扉手段の自立時における重心の偏りを抑制できる。よって、前扉手段の自立時の姿勢を安定させ、前扉手段を倒れ難くできる。
遊技機XB2において、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における前記前扉手段の正面側の外縁との間に間隔を隔てた位置とされることを特徴とする遊技機XB3。
遊技機XB3によれば、遊技機XB2の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、突出手段の突出位置は、前扉手段の長手方向一側の面における前扉手段の正面側の外縁との間に間隔を隔てた位置とされるので、自立時の前扉手段を作業者が持ち上げる場合に、前扉手段の長手方向一側の面と床面との間に指を差し入れて、突出手段よりも前扉手段の正面側の部分に指をかけることができる。また、突出手段の突出位置が前扉手段の長手方向一側の面における前扉手段の正面側の外縁と接する位置(即ち、外縁と間隔を隔てない位置)とされる場合と比較して、突出手段の突出高さを低くすることができると共に突出手段の突出位置を遊技者から見え難い位置とできる。
遊技機XB1において、前記前扉手段の正面視において、前記前扉手段の幅寸法よりも前記突出手段の幅寸法が小さくされることを特徴とする遊技機XB2。
遊技機XB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の正面視において、前扉手段の幅寸法よりも突出手段の幅寸法が小さくされるので、突出手段が床面に当接される面積を抑制して、床面の凹凸の影響を受け難くできる。よって、前扉手段の自立時の姿勢を安定させ、前扉手段を倒れ難くできる。
遊技機XB1からXB4のいずれかにおいて、遊技球を貯留可能な貯留手段と、前記貯留手段へ遊技球を流入させる流入口手段と、前記貯留手段に貯留された遊技球を前記前扉手段の長手方向一側の面から流出させる流出口手段と、を備え、前記突出手段の少なくとも一部は、前記前扉手段の正面視において、前記流出口手段に対して前記流入口手段と反対側に位置されることを特徴とする遊技機XB5。
遊技機XB5によれば、遊技機XB1からXB4のいずれかの奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、突出手段の少なくとも一部は、前扉手段の正面視において、流出口手段に対して流入口手段と反対側に位置されるので、貯留手段の遊技球を流出口手段から流出させる際に、遊技球を突出手段に当接させることができる。これにより、遊技球が飛び散ることを抑制できる。
遊技機XB5において、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側とされ、前記突出手段は、前記前扉手段の長手方向一側の面の正面視において、前記前扉手段の背面側が凹となる湾曲形状の湾曲部を複数連結した形状に形成されることを特徴とする遊技機XB6。
遊技機XB6によれば、遊技機XB5の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、突出手段は、前扉手段の長手方向一側の面の正面視において、前扉手段の背面側が凹となる湾曲形状の湾曲部を複数連結した形状に形成されるので、突出手段(湾曲部の凹)に手指をかけやすくできる。また、流出口手段から流出され突出手段に当接された遊技球の跳ね返り方向を分散させることができる。これにより、流出口手段から千両箱へ流出された遊技球が千両箱の一か所(所定箇所)に集中することを抑制できる。
遊技機XB6において、前記前扉手段の長手方向一側の面と前記突出手段の側面とを連結するリブを備えることを特徴とする遊技機XB7。
遊技機XB7によれば、遊技機XB6の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面と突出手段の側面とを連結するリブを備えるので、突出手段の強度を確保して、突出手段の破損を抑制できる。
遊技機XB7において、前記リブは、前記湾曲部の凹となる側の側面であって、前記湾曲部同士が連結される部位に位置されることを特徴とする遊技機XB8。
遊技機XB8によれば、遊技機XB7の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、リブは、湾曲部の凹となる側の側面であって、湾曲部同士が連結される部位に位置されるので、突出手段(湾曲部の凹)にかけた手指が滑ることをリブにより抑制できる。
遊技機XB1からXB8のいずれかにおいて、前記前扉手段の長手方向一側の面からの前記突出手段の突出高さが変更可能に構成されることを特徴とする遊技機XB9。
遊技機XB9によれば、遊技機XB1からXB8のいずれかの奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面からの突出手段の突出高さが変更可能に構成されるので、突出手段の突出が不要の場合には、突出手段の突出高さを低くできる。よって、突出手段が遊技の邪魔になることや遊技機の外観が悪化することを抑制できる。
なお、突出手段の突出高さを変更する構成は、遊技者や作業者による操作により行われる構成であっても良く、駆動手段(モータ等のアクチュエータ)の駆動力により行われる構造であっても良い。遊技者等の操作により行われる構成は、遊技者等が突出手段を直接操作する構成するであっても良く、突出手段とは別の操作手段を遊技者等が操作した場合に、操作手段の操作(変位)が直接または間接的に突出手段に伝達され、突出手段の突出高さが変更される構成であっても良い。
また、突出手段の突出高さが変更されるタイミングは任意であり、所定の遊技状態が発生した場合に、制御により自動で(即ち、遊技者の操作とは無関係に)突出手段の突出高さが変更可能とされる構成であっても良い。
遊技機XB9において、前記前扉手段の長手方向一側の面から前記突出手段が非突出とされる状態を形成可能に構成されることを特徴とする遊技機XB10。
遊技機XB10によれば、遊技機XB9の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面から突出手段が非突出とされる状態を形成可能に構成されるので、突出手段が遊技の邪魔になることや遊技機の外観が悪化することをより確実に抑制できる。
遊技機XB9又はXB10において、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段が操作された場合に前記突出手段の突出高さが変更可能に構成されることを特徴とする遊技機XB11。
遊技機XB11によれば、遊技機XB9又はXB10の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、操作手段が操作された場合に突出手段の突出高さが変更可能に構成されるので、突出手段の達出高さを任意のタイミングで変更することができる。
例えば、流出口手段(球抜き孔)を開閉するための操作手段(球抜きレバー)が操作された場合に、その操作に連動して突出手段の突出高さが変更可能に構成される場合には、操作手段(球抜きレバー)が非操作とされ流出口手段(球抜き孔)が閉じた状態では、突出手段の突出高さが第1の高さとされ、操作手段(球抜きレバー)が操作され流出口手段(球抜き孔)が開いた状態では、突出手段の突出高さが第1の高さと異なる高さの第2の高さに変更される構成としても良い。これにより、前扉手段を自立させるのに適した高さ(重心位置を適切な位置に配置できる高さ)と、流出口手段から遊技球を流出させるのに適した高さ(遊技球を跳ね返しやすい高さ、千両箱を出し入れしやすい高さ)とを適宜設定できる。第1の高さと第2の高さはどちらが大きな寸法であっても良い。
なお、操作手段の操作を検出する検出手段(センサ)と、駆動力を発生する駆動手段(アクチュエータ)と、その駆動手段の駆動力を突出手段に伝達する伝達手段(歯車やリンク等)とを配設し、検出手段により操作手段の操作が検出された場合に、駆動手段を駆動させ、駆動力を伝達手段により突出手段に伝達させることで、突出手段の突出高さを変更するように構成しても良い。
<上下皿ユニットH15の連結部H555を一例とする発明の概念について>
遊技者により操作可能に構成される操作手段を備えた遊技機において、第1手段と、前記第1手段との間に間隔を隔てて位置する第2手段と、前記第2手段から突出され、前記第1手段および前記第2手段の対向間に位置する突出手段と、を備え、前記第1手段および前記第2手段の対向間には前記操作手段の少なくとも一部が位置し、前記操作手段は、前記第1手段に配設され、前記遊技者による前記操作手段の操作は、少なくとも第1方向へ向けた操作が可能とされ、前記突出手段は、前記操作手段の前記第1方向側の部位に当接可能に構成されることを特徴とする遊技機XC1。
遊技者により操作可能に構成される操作手段を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、操作手段を支持する構造に関し、改善の余地があった。
即ち、遊技者により操作される操作手段には、操作に伴う外力が作用されるため、操作手段またはその操作手段を支持する手段に破損が生じやすいという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、操作手段を支持する構造を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XC1によれば、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、第1手段と、第1手段との間に間隔を隔てて位置する第2手段と、第2手段から突出され、第1手段および第2手段の対向間に位置する突出手段と、を備え、第1手段および第2手段の対向間には操作手段の少なくとも一部が位置し、操作手段は、第1手段に配設され、遊技者による操作手段の操作は、少なくとも第1方向へ向けた操作が可能とされ、突出手段は、操作手段の第1方向側の部位に当接可能に構成されるので、操作手段の操作に伴い作用される第1方向への外力が所定の範囲内である場合には、操作手段を突出手段により支持させることができる。これにより、操作手段がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作手段の操作感を向上できる。一方、上記第1方向への外力が所定の範囲を超える場合は、突出手段を弾性変形させて、外力を逃がす(外力を第1手段と第2手段とに分散させる)ことができる。これにより、操作手段およびその操作手段を支持する手段(第1手段および第2手段、突出手段)の破損を抑制できる。
なお、突出手段は、操作手段の第1方向側の部位に当接可能に構成され、突出手段と操作手段とは非固定(相対変位可能)であるので、突出手段が拘束されず、突出手段が操作手段に対して摺動できる。よって、突出手段の弾性変形性を確保して、上記第1方向への外力を逃がしやすくできる。
遊技機XC1において、前記第2手段が前記遊技機の正面側に配設されることを特徴とする遊技機XC2。
遊技機XC2によれば、遊技機XC1の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、上記第1方向への外力が所定の範囲を超える場合、第2手段側では、主に突出手段が弾性変形されるのに対し、第1手段側では、突出手段の弾性変形に伴う操作手段の第1方向への変位に伴って、第1手段も弾性変形されやすい。このように、第2手段の弾性変形は、第1手段の弾性変形よりも抑制されるので、第2手段が遊技機の正面側に配設されることで、操作手段が操作される際に遊技機の外観が悪化する(例えば、第2手段が変位して、第2手段と他の手段(部材)との境界に隙間が形成される)ことを抑制できる。
遊技機XC1又はXC2において、前記第1手段から突出され、前記突出手段の前記第1方向側の部位との間に所定の間隔を隔てて位置する第2突出手段を備え、前記突出手段の前記第1方向側の部位が前記第2突出手段に当接可能に構成されることを特徴とする遊技機XC3。
遊技機XC3によれば、遊技機XC1又はXC2の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、第1手段から突出され、突出手段の第1方向側の部位との間に所定の間隔を隔てて位置する第2突出手段を備え、突出手段の第1方向側の部位が第2突出手段に当接可能に構成されるので、上記第1方向への外力が所定の範囲を超え、突出手段を弾性変形させる場合に、初期段階(突出手段の第1方向側の部位と第2突出手段との間に間隔が形成されている間)は、第2突出手段が突出手段の弾性変形を阻害せず、突出手段の弾性変形性を確保できる一方、より大きな外力が上記第1方向へ入力された場合には、突出手段の第1方向側の部位を第2突出手段に当接させ、突出手段の弾性変形を抑制することができる。これにより、操作手段およびその操作手段を支持する手段(第1手段および第2手段、突出手段)だけでなく、突出手段の破損を抑制できる。
なお、第2突出手段は、突出手段の第1方向側の部位に当接可能に構成され、突出手段と第2突出手段とは非固定(相対変位可能)であるので、突出手段が拘束されず、突出手段が第2突出手段に対して摺動できる。よって、突出手段および第2突出手段の弾性変形性を確保できる。これにより、突出手段が第2突出手段に当接した際に、突出手段と第2突出手段との間で作用する反力が急激に増加することを抑制でき、突出手段および第2突出手段の破損を抑制できる。
遊技機XC3において、前記突出手段は、位置決め手段を備え、前記第2突出手段は、前記位置決め手段によって所定位置に位置決めされる被位置決め手段を備えることを特徴とする遊技機XC4。
遊技機XC4によれば、遊技機XC3の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、突出手段は、位置決め手段を備え、第2突出手段は、位置決め手段によって所定位置に位置決めされる被位置決め手段を備えるので、第1手段および第2手段の一方を他方に組み付ける作業において、位置決め手段と被位置決め手段とによって第1手段と第2手段とを位置決めすることができる。これにより、例えば、ねじによる締結作業を容易として、組付け作業を効率化できる。
遊技機XC3又はXC4において、前記突出手段は、係合手段を備え、前記第2突出手段は、前記係合手段に係合可能に構成される被係合手段を備え、前記係合手段と前記被係合手段とが係合した状態において、前記突出手段と前記第2突出手段とが相対変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XC5。
遊技機XC5によれば、遊技機XC3又はXC4の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、突出手段は、係合手段を備え、第2突出手段は、係合手段に係合可能に構成される被係合手段を備えるので、第1手段および第2手段の一方を他方に組み付ける作業において、係合手段と被係合手段との係合によって、第1手段および第2手段を仮固定できる。これにより、例えば、ねじによる締結作業を容易として、組付け作業を効率化できる。
この場合、係合手段と被係合手段とが係合した状態において、突出手段と第2突出手段とが相対変位可能に構成されるので、突出手段および第2突出手段が拘束されず、それら突出手段および第2突出手段の弾性変形性を確保できる。よって、上記第1方向への外力を逃がしやすくできると共に、突出手段と第2突出手段との間で作用する反力の急激な増加を抑制して、突出手段および第2突出手段の破損を抑制できる。
遊技機XC5において、前記係合手段および前記被係合手段は、前記第1手段および前記第2手段の対向間隔が大きくなる方向に前記第1手段または前記第2手段が変位されることを規制可能となるように係合可能に構成されることを特徴とする遊技機XC6。
遊技機XC6によれば、遊技機XC5の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、係合手段および被係合手段は、第1手段および第2手段の対向間隔が大きくなる方向に第1手段または第2手段が変位されることを規制可能となるように係合可能に構成されるので、第1手段または第2手段がそれらの対向間隔を大きくする方向に変位される不正(例えば、第1手段または第2手段の上記方向への変位により隙間を形成し、その隙間から異物を挿入する不正)を抑制できる。
なお、突出手段が第2手段から突出され、操作手段が第1手段に配設される、即ち、突出手段と第1手段とが非固定とされ、操作手段と第2手段とが非固定とされるため、第1手段または第2手段がそれらの対向間隔を大きくする方向へ変位されやすい。よって、遊技機XC6の構成が特に有効となる。
遊技機XC5又はXC6において、前記突出手段は、位置決め手段を備え、前記第2突出手段は、前記位置決め手段によって所定位置に位置決めされる被位置決め手段を備え、前記係合手段および前記被係合手段は、前記位置決め部により前記被位置決め部が位置決めされた状態で係合可能に構成されることを特徴とする遊技機XC7。
遊技機XC7によれば、遊技機XC5又はXC6の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、係合手段および被係合手段は、位置決め部により被位置決め部が位置決めされた状態で係合可能に構成されるので、係合手段および被係合手段の係合を容易に行うことができる。
遊技機XC5からXC6のいずれかにおいて、前記被係合手段は、前記係合手段よりも前記第1方向側に位置することを特徴とする遊技機XC8。
遊技機XC8によれば、遊技機XC5からXC6のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、被係合手段は、係合手段よりも第1方向側に位置するので、操作手段の操作に伴い作用される第1方向への外力により突出手段が第1方向へ弾性変形された状態において、係合手段および被係合手段の係合を維持しやすくできる。よって、操作手段を第1方向へ変位させ、突出手段を弾性変形させることで、係合手段および被係合手段の係合を解除する不正を抑制できる。
なお、突出手段は、操作手段の第1方向側の部位に当接可能に構成されるものであり、操作手段に固定されていないため、操作手段を第1方向と反対方向へ変位させても、突出手段は変位(弾性変形)されない。よって、操作手段を第1方向と反対方向へ変位させても、係合手段および被係合手段の係合に影響はなく、かかる係合が維持される。
遊技機XC8において、前記突出手段の前記第2手段側の基端は、前記係合手段および前記被係合手段よりも前記第1方向側に位置することを特徴とする遊技機XC9。
遊技機XC9によれば、遊技機XC8の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、突出手段の第2手段側の基端は、係合手段および被係合手段よりも第1方向側に位置するので、上記第1方向への外力により突出手段が弾性変形される場合の係合手段の変位の方向を、被係合手段との間の間隔が大きくなる方向とできる。これにより、初期(突出手段が弾性変形される前)における係合手段と被係合手段との間の間隔を小さくして、第1手段または第2手段がそれらの対向間隔を大きくする方向に変位される不正(例えば、第1手段または第2手段の上記方向への変位により隙間を形成し、その隙間から異物を挿入する不正)を抑制できる一方、上記第1方向の外力により突出手段が弾性変形される場合に係合手段と被係合手段とが干渉(係合)して、突出手段の第2突出手段に対する相対変位(突出手段の弾性変形)が規制(阻害)されることを抑制できる。
<右側装飾ユニットH14cの屈曲部H452を一例とする発明の概念について>
第1手段と、前記第1手段に隣り合って配設される第2手段とを備えた遊技機において、前記第1手段の縁部と前記第2手段の縁部との境界における重力方向下方に位置し、前記第1手段に配設される配設手段を備えることを特徴とする遊技機XD1。
第1手段と、前記第1手段に隣り合わせて配設される第2手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、第1手段と前記第2手段とが隣り合って配設される構造に改善の余地があった。
即ち、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造では、第1手段および第2手段の寸法公差や組付け公差に起因して、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成される虞がある。また、第1手段または第2手段の一方または両方に作用された外力によっても隙間が形成される虞がある。隙間が形成されると、隙間から異物(例えば、不正行為を行うための針金等、ちりやほこり等、液体)が侵入して内部の機械的構成や電気的構成に悪影響を及ばす虞がある。特に、液体(例えば、遊技者が遊技中に飲用するもの)は、微小な隙間からであっても侵入しやすく、また、電気的機器に悪影響を及ぼしやすい。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XD1によれば、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界における重力方向下方に位置し、第1手段に配設される配設手段を備えるので、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、その隙間から侵入した異物を配設手段で受け止めることができる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機XD1において、前記配設手段は、前記第1手段の縁部と前記第2手段の縁部との境界の重力方向下方に位置する下方手段と、その下方部に連なり前記境界から離間する方向へ延設される延設手段とを備えることを特徴とする遊技機XD2。
遊技機XD2によれば、遊技機XD1の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、配設手段は、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界の重力方向下方に位置する下方手段と、その下方手段に連なり境界から離間する方向へ延設される延設手段とを備えるので、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、その隙間から侵入した異物を配設手段の下方手段により受け止めると共に、その受け止めた異物を機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼしにくい位置へ向けて延設手段により案内できる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機XD2において、前記配設手段の延設部と前記第1手段との間には、前記境界から離間する方向へ通過可能に形成される通路手段が形成されることを特徴とする遊技機XD3。
遊技機XD3によれば、遊技機XD2の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、配設手段の延設部と第1手段との間には、境界から離間する方向へ通過可能に形成される通路手段が形成されるので、延設手段により異物を案内する際に、その通過方向を通路手段により規定でき、異物を所望の位置まで到達させやすくできる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機XD3において、前記第1手段には、前記通路手段と外部とを連通可能に形成される連通手段が形成されることを特徴とする遊技機XD4。
遊技機XD4によれば、遊技機XD3の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、第1手段には、通路手段と外部とを連通可能に形成される連通手段が形成されるので、延設手段により案内された異物を連通手段から第1手段の外部へ排出できる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機XD1からXD4のいずれかにおいて、光を発光可能に形成される発光手段を備え、前記配設手段は、導光材料から構成され、前記発光手段から発光される光を受光可能に位置することを特徴とする遊技機XD5。
遊技機XD5によれば、遊技機XD1からXD4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、光を発光可能に形成される発光手段を備え、配設手段は、導光材料から構成され、発光手段から発光される光を受光可能に位置するので、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、発光手段から発光され配設手段を導光(透過)された光で隙間を照射することができる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、隙間から外部へ光が漏れることで、隙間が形成されたことをホールの店員に認識させやすくできる。
また、発光手段および配設手段の発光に伴う熱により、発光手段(下方手段)に受け止められた液体を蒸発させて、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界の隙間から外部へ排出できる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機XD4において、空気を流動させることが可能に形成される流動手段を備え、前記流動手段は、前記通路手段の空気を前記境界から離間させる方向へ流動させることが可能に形成されることを特徴とする遊技機XD6。
遊技機XD6によれば、遊技機XD4の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、空気を流動させることが可能に形成される流動手段を備え、前記流動手段は、前記通路手段の空気を前記境界から離間させる方向へ流動させることが可能に形成されるので、延設手段により案内された異物を連通手段から第1手段の外部へ排出しやすくできる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機XD4において、前記第1手段または前記延設手段から突出される突出手段と、前記突出手段が挿入可能に前記延設手段または前記第1手段に形成される被挿入手段とを備え、前記被挿入手段に前記突出手段が挿入された状態では、前記突出手段が前記連通手段の下方に位置することを特徴とする遊技機XD7。
遊技機XD7によれば、遊技機XD4の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、第1手段または延設手段から突出される突出手段と、突出手段が挿入可能に延設手段または第1手段に形成される被挿入手段とを備えるので、第1手段に配設手段を配設する(組み付ける)際に、突出手段の被挿入手段への挿入により、両者を位置決めできる。これにより、第1手段への配設手段の配設(組み付け)作業を容易とできる。
この場合、被挿入手段に突出手段が挿入された状態では、突出手段が連通手段の下方に位置するので、延設手段により案内される異物を突出手段により受け止めると共に、その受け止めた異物を連通手段へ向けて突出手段により案内できる。即ち、突出手段を、位置決めのための手段として利用できるだけでなく、異物を第1手段の外部へ排出させるための手段としても兼用できる。
遊技機XD7において、前記突出手段は、前記延設手段から突出され、前記被挿入手段は、前記第1手段に形成されることを特徴とする遊技機XD8。
遊技機XD8によれば、遊技機XD7の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、突出手段は、延設手段から突出され、被挿入手段は、第1手段に形成されるので、突出手段により受け止めた異物を第1手段の外部へ確実に排出できる。即ち、被挿入手段が延設手段に形成される場合、被挿入手段と突出手段との間に隙間が形成されていると、突出手段により受け止めた異物が被挿入手段と突出手段との間の隙間を通過して第1手段の内部に留まる虞がある。これに対し、被挿入手段が第1手段に形成されることで、突出手段で受け止めた異物が、被挿入手段と突出手段との間の隙間を通過したとしても、かかる異物を第1手段の外部へ排出することができる。
遊技機XD8において、前記連通手段の一部が前記被挿入手段とされることを特徴とする遊技機XD9。
遊技機XD9によれば、遊技機XD8の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、連通手段の一部が被挿入手段とされるので、連通手段を、異物を第1手段の外部へ排出させるための手段としてだけでなく、位置決めのための手段としても兼用できる。
<球発射ユニットH112aの凹部H821a1を一例とする発明の概念について>
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機において、前記流路手段の内面に当接された遊技球に作用される当接方向の反力を抑制可能に構成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機XE1。
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、遊技球の送球に関し、改善の余地があった。
即ち、送球手段により遊技球が送球される際、遊技球の初期位置(送球手段に対する相対位置)にはばらつきが生じるため、遊技球は、流路手段に沿って真っ直ぐに送球されず、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突(当接)することがある。このように、流路手段の内面に遊技球が衝突(当接)すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、その軌跡が安定しないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の送球を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XE1によれば、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段の内面に当接された遊技球に作用される当接方向の反力を抑制可能に構成される抑制手段を備えるので、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に遊技球が衝突(当接)した際に、内面から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
遊技機XE1において、前記抑制手段は、前記流路手段の内面の少なくとも一部に凹設される凹部として構成されることを特徴とする遊技機XE2。
遊技機XE2によれば、遊技機XE1の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、抑制手段は、流路手段の内面の少なくとも一部に凹設される凹部として構成されるので、凹部に遊技球が衝突(当接)した際に、内面から受ける反力の成分として、遊技球の当接方向の成分と、遊技球の当接方向に直交する方向(遊技球を転動面に押し付ける方向または転動面から持ち上げる方向)の成分とを形成できる。これにより、遊技球の当接方向に直交する方向の成分の分、遊技球の当接方向の成分を小さくできるので、内面から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
また、抑制手段を流路手段の内面の少なくとも一部から突設される突部として構成する場合と比較して、流路手段を備えるユニットの小型化を図ることができる。
遊技機XE2において、前記凹部は、前記流路手段の一方側の内面の少なくとも一部と、前記流路手段の他方側の内面の少なくとも一部とにそれぞれ凹設されることを特徴とする遊技機XE3。
遊技機XE3によれば、遊技機XE2の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、凹部は、流路手段の一方側の内面の少なくとも一部と、流路手段の他方側の内面の少なくとも一部とにそれぞれ凹設されるので、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)の内の一方側または他方側のどちらに遊技球が衝突(当接)した場合でも、内面から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
遊技機XE3において、前記流路手段の一方側の内面における凹部と、前記流路手段の他方側の内面における凹部とは、遊技球の送球方向に位置を異ならせていることを特徴とする遊技機XE4。
遊技機XE4によれば、遊技機XE3の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段の一方側の内面における凹部と、流路手段の他方側の内面における凹部とは、遊技球の送球方向に位置を異ならせているので、設計の自由度を高めることができる。例えば、他方側の凹部が位置を異ならせたことで空いたスペースに他の手段(例えば、流入手段)を配設することができる。
遊技機XE2からXE4において、前記流路手段へ向かう遊技球が通過可能に構成される通過口手段を備え、通過口手段を通過して前記流路手段に流入された遊技球が前記凹部に当接可能に構成されることを特徴とする遊技機XE5。
遊技機XE5によれば、遊技機XE2からXE4の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段へ向かう遊技球が通過可能に構成される通過口手段を備え、通過口手段を通過して流路手段に流入された遊技球が凹部に当接可能に構成されるので、凹部を利用して、流路手段上の遊技球の動きを早期に収束させることができる。これにより、遊技球の姿勢のばらつきを抑制して、送球手段により安定して送球できる。その結果、遊技球の暴れを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
遊技機XE5において、少なくとも前記凹部の下方側の縁部は、前記通過口手段よりも下方側に位置することを特徴とする遊技機XE6。
遊技機XE6によれば、遊技機XE5の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、少なくとも凹部の下方側の縁部は、通過口手段よりも下方側に位置するので、通過口手段を通過して流路手段に流入された遊技球を凹部に確実に当接させることができる。
遊技機XE5において、少なくとも前記凹部の上方側の縁部は、前記通過口手段よりも上方側に位置することを特徴とする遊技機XE7。
遊技機XE7によれば、遊技機XE5の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、少なくとも凹部の上方側の縁部は、通過口手段よりも上方側に位置するので、通過口手段を通過して流路手段に流入された遊技球に勢いがあり流路手段で暴れる場合でも、かかる遊技球を凹部に確実に当接させることができる。
遊技機XE2からXE7のいずれかにおいて、前記送球手段により送球される遊技球を前記凹部と当接不能となる方向へ案内可能に構成される案内手段を備えることを特徴とする遊技機XE8。
遊技機XE8によれば、遊技機XE2からXE7のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、送球手段により送球される遊技球を凹部と当接不能となる方向へ案内可能に構成される案内手段を備えるので、凹部を利用せずに遊技球を送球手段により送球する態様を形成できる。即ち、遊技球が暴れて、その軌跡が不安定となる態様で遊技球を送球できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
遊技機XE8において、前記案内手段は、前記送球手段により送球される遊技球を前記凹部と当接不能となる方向へ案内する態様と、前記送球手段により送球される遊技球を前記凹部と当接可能となる方向へ案内する態様とを構成可能とされることを特徴とする遊技機XE9。
遊技機XE9によれば、遊技機XE8の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、案内手段は、送球手段により送球される遊技球を凹部と当接不能となる方向へ案内する態様と、送球手段により送球される遊技球を凹部と当接可能となる方向へ案内する態様とを構成可能とされるので、凹部を利用せずに遊技球を送球手段により送球する態様と、凹部を利用して遊技球を送球手段により送球する態様とを形成できる。即ち、遊技球が暴れて、その軌跡が不安定となる遊技球の送球の態様と、遊技球の暴れを抑制して、その軌跡を安定させた遊技球の送球の態様とを形成できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
<操作ユニットH180の揺動装置H730を一例とする発明の概念について>
光を発光可能に構成される発光手段と、入射された光を透過可能に構成される透過手段とを備えた遊技機において、発光手段に対して透過手段が相対変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XF1。
光を発光可能に構成される発光手段と、入射された光を透過可能に構成される透過手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、視認される光の態様に関し、改善の余地があった。
即ち、発光手段の正面に透過手段を配設し、発光手段から発光された光を透過手段に入射させ、透過手段を透過する光を遊技者に視認させることで、演出効果を得るものがある。この場合、発光手段の発光の態様(例えば、発光強度や点滅の間隔など)を変化させ、視認される光の態様を変化させるものもあるが、演出効果が十分ではない。発光手段と透過手段とを一体化(ユニット化)して、それら発光手段および透過手段から構成されるユニットを変位させることで、ユニットの変位に伴う光の移動を視認させるものもあるが、発光手段と透過手段との関係は一定であるため、透過手段を介して視認される光の態様(発光手段から透過手段に入射され、透過手段を透過する光の態様)自体は一様であり、演出効果が十分ではない。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、視認される光の態様を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XF1によれば、視認される光の態様を改善できる。
即ち、発光手段に対して透過手段が相対変位可能に構成されるので、発光手段と透過手段との関係を変化させることができる。これにより、発光手段から透過手段への光の入射の態様、及び、透過手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)を変化させることができる。その結果、透過手段を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を高めることができる。
遊技機XF1において、ベース手段を備え、前記発光手段は、前記ベース手段に固定され、前記透過手段は、前記ベース手段に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機XF2。
遊技機XF2によれば、遊技機XF1の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、ベース手段を備え、発光手段は、ベース手段に固定され、透過手段は、ベース手段に変位可能に配設されるので、発光手段から透過手段への光の入射の態様、及び、透過手段を透過する光の態様を変化させ、透過手段を介して視認される光の態様を変化させる演出に加え、発光手段の状態(発光状態、非発光状態)に関わらず、透過手段を変位させ、その透過手段の変位を視認させる演出も行うことができる。
また、発光手段がベース手段に固定されるので、変位(振動)に伴う発光手段の破損(例えば、断線)を抑制できる。
遊技機XF1又はFX2において、前記透過手段は、光を拡散可能に構成されることを特徴とする遊技機XF3。
遊技機XF3によれば、遊技機XF1又はXF2の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段は、光を拡散可能に構成されるので、発光手段に対する透過手段の相対変位を利用して、透過手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化をより大きくすることができる。その結果、透過手段を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を高めることができる。
遊技機XF2又はXF3において、前記透過手段に配設され、駆動力を発生可能に構成される駆動手段を備えることを特徴とする遊技機XF4。
遊技機XF4によれば、遊技機XF2又はXF3の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段に配設され、駆動力を発生可能に構成される駆動手段を備えるので、駆動手段の駆動力を利用して、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を形成しやすくできると共に、駆動手段の駆動状態を切り替えることで、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を所望のタイミングで開始または停止させることができる。
また、駆動手段が透過手段に配設されることで、駆動手段の駆動力を透過手段に伝えやすくでき、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を形成しやすくできる。なお、駆動手段を発光手段に配設し、駆動手段の駆動力が間接的に透過手段に伝わるようにしても良い。この場合でも、駆動手段の駆動力を利用して、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を形成できる。
遊技機XF2からXF4のいずれかにおいて、変位可能かつ前記透過手段に当接可能に構成される当接手段を備え、前記透過手段に当接された前記当接手段の変位に伴って前記透過手段が変位可能とされることを特徴とする遊技機XF5。
遊技機XF5によれば、遊技機XF2からXF4のいずれかの奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段に当接された当接手段の変位に伴って前記透過手段が変位可能とされるので、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を当接手段の変位に連動させることができ、演出効果を高めることができる。また、駆動手段を備える場合には、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)の態様として、駆動手段の駆動力による変位の態様に加え、当接手段との連動による変位の態様を形成することができ、変位の態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機XF2からXF5のいずれかにおいて、変位可能かつ前記透過手段に当接可能に構成される当接手段を備え、前記当接手段の前記透過手段との当接により前記透過手段の変位が規制可能とされることを特徴とする遊技機XF6。
遊技機XF6によれば、遊技機XF2からXF5のいずれかの奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、当接手段の透過手段との当接により透過手段の変位が規制可能とされるので、当接手段を透過手段に当接させることで、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を所望のタイミングで停止させることができる。
遊技機XF5において、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段の操作によって、前記当接手段の変位に伴う前記透過手段の変位を構成可能とされることを特徴とする遊技機XF7。
遊技機XF7によれば、遊技機XF5の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、操作手段の操作によって、当接手段の変位に伴う前記透過手段の変位を構成可能とされるので、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を遊技者の所望の態様(例えば、変位のタイミングや変位速度など)で形成できる。即ち、視認される光の態様(透過手段の変位)と遊技者の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。
遊技機XF5において、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段の操作によって、前記当接手段の当接による前記透過手段の変位の規制が構成可能とされることを特徴とする遊技機XF7。
遊技機XF7によれば、遊技機XF5の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、操作手段の操作によって、当接手段の当接による透過手段の変位の規制が構成可能とされるので、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)の規制(停止)を遊技者の所望のタイミングで形成できる。即ち、透過手段の変位の規制(停止)と遊技者の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。
遊技機XF2からXF8のいずれかにおいて、前記透過手段は、ベース手段に変位可能に配設される第1手段と、前記第1手段に変位可能に配設される第2手段とを備え、少なくとも前記第2手段は、入射された光を透過可能に構成されることを特徴とする遊技機XF9。
遊技機XF9によれば、遊技機XF2からXF8のいずれかの奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段は、ベース手段に変位可能に配設される第1手段と、第2手段に変位可能に配設される第2手段とを備え、少なくとも第2手段は、入射された光を透過可能に構成されるので、第2手段の変位(発光手段に対する第2手段の相対変位)の態様が一様となることを抑制でき、第2手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化をより大きくすることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機XF9において、前記透過手段は、前記ベース手段に対する前記第1手段の変位と、前記第1手段に対する前記第2手段の変位とが異なる態様で変位可能となるように構成されることを特徴とする遊技機XF10。
遊技機XF10によれば、遊技機XF9の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段は、ベース手段に対する第1手段の変位と、第1手段に対する第2手段の変位とが異なる態様で変位可能となるように構成されるので、それら第1手段および第2手段の異なる変位態様を組み合わせて、第2手段を多様な態様で変位させることができる。その結果、第2手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化を多様として、演出効果を高めることができる。
遊技機XF10において、所定以上の外力が作用された状態では前記第1手段に対する前記第2手段の相対変位を許容可能に構成され、少なくともとも外力が作用されていない状態では前記第1手段に対する前記第2手段の相対位置を所定位置に規定可能に構成される規定手段を備えることを特徴とする遊技機XF11。
遊技機XF11によれば、遊技機XF10の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、所定以上の外力が作用された状態では第1手段に対する第2手段の相対変位を許容可能に構成される規定手段を備えるので、所定以下の外力では第1手段および第2手段を一体に変位させる一方、所定以上の外力では第1手段に対して第2手段を相対変位させることができ、第2手段を多様な態様で変位させることができる。
この場合、規定手段は、少なくともとも外力が作用されていない状態では第1手段に対する第2手段の相対位置を所定位置に規定可能に構成されるので、外力の作用が終了した際に、第1手段に対する第2手段の相対位置が所定位置と異なる位置である場合には、第2手段の相対位置を規定手段により所定位置に規定する(第2手段を所定位置に変位させる)ことができる。即ち、外力の作用が終了した後であっても、少なくとも第2手段を変位させることができる。これにより、第2手段を多様な態様で変位させることができ、第2手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化を多様とできる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機XF11において、前記規定手段は、弾性材料から弾性変形可能に構成されることを特徴とする遊技機XF12。
遊技機XF12によれば、遊技機XF11の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、規定手段は、弾性材料から弾性変形可能に構成されるので、外力の大きさに応じた(比例した)大きさの弾性変形を規定手段に生じさせ、この弾性変形を利用して、第1手段に対する第2手段の相対変位を外力の大きさに応じた(比例した)大きさで形成できる。例えば、重力や磁力を利用する場合と比較して、第1手段に対して第2手段が急激に相対変位することを抑制できる。
<第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480を一例とする発明の概念について>
第1手段および第2手段を備え、少なくとも前記第2手段が変位可能に構成された遊技機において、前記第2手段が変位されることで、前記第2手段の所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態と、前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態とを形成可能に構成されることを特徴とする遊技機XG1。
第1手段および第2手段を備え、少なくとも第2手段が変位可能に構成された遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、第1手段および第2手段に関し、改善の余地があった。
即ち、第2手段が変位されることで、正面視において、第2手段の所定領域が第1手段と共に視認可能とされる状態(以下「拡大状態」と称す)と、第2手段の所定領域が視認不能される状態(以下「縮小状態」と称す)とを形成して、第1手段および第2手段の全体としての視覚上の大きさを変化させる演出が行われる。
具体的には、第2手段を第1手段の背面側(正面視において重なる位置)にスライド変位させることで、正面視において、第2手段の所定領域を第1手段により遮蔽して、第2手段の所定領域を視認不能とする(縮小状態を形成する)。また、第2手段を第1手段の背面側から外方(正面視において重ならない位置)にスライド変位させることで、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認可能とする(拡大状態を形成する)。
しかしながら、このような従来の構成では、第2手段の所定領域の大きさが第1手段の正面視における大きさ(外形)に依存するため、第2手段の所定領域の大きさを十分に大きくすることができなかった。
即ち、第1手段の正面視における大きさ(外形)を大きくすると、その分、他の手段(部材)を配設するスペースが減少される。また、他の手段(部材)を相対的に変位させる際に、第1手段と干渉しやすくなり、他の部材を相対的に変位させる演出の自由度が阻害される。
一方、第1手段の正面視における大きさを小さくしたのでは、その分、遮蔽できる面積が小さくなるため、第2手段の所定領域が小さくなり、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくすることができない。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第1手段および第2手段を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XG1によれば、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段が変位されることで、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態と、第2手段の所定領域が正面側を向く状態とを形成可能に構成されるので、他の手段(部材)を配設するスペースを確保しつつ、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくできる。
具体的には、第1手段の正面視における大きさ(外形)を小さくできるので、その分、他の手段(部材)を配設するスペースを確保できる。また、他の手段(部材)を相対的に変位させる際に、第1手段(第2手段)と干渉し難くでき、他の部材を相対的に変位させる演出の自由度を向上できる。一方、第1手段の正面視における大きさを小さくしても、第1手段の正面視における大きさが第2手段の所定領域の大きさに依存しないので、第2手段の所定領域を大きくできる。よって、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくすることができる。
言い換えると、遊技機の役物が配設される空間は、前後方向(正面と背面とを結ぶ方向)のスペースに比較的余裕があるところ、遊技機XG1によれば、上述した前後方向のスペースに着目し、第1手段を前後方向に長くすることで、第1手段の正面視の大きさを小さくできると共に、第2手段の所定領域の大きさを大きくできる。これにより、他の手段(部材)を配設するスペースを確保しつつ、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくできる。また、縮小状態は小さく、拡大状態は大きくでき、縮小状態と拡大状態との間の正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
遊技機XG1において、前記第1手段の背面側に配設され、光を発光可能に構成される発光手段を備え、前記第1手段は、少なくとも一部が光透過性材料から構成され、前記所定領域は、少なくとも一部が光を反射可能に構成されることを特徴とする遊技機XG2。
遊技機XG2によれば、遊技機XG1の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段の背面側に配設され、光を発光可能に構成される発光手段を備え、第1手段は、少なくとも一部が光透過性材料から構成され、所定領域は、少なくとも一部が光を反射可能に構成されるので、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)とされた場合に、発光手段から発光され所定領域で反射した光を遊技者に視認させることができるだけでなく、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)とされた場合には、発光手段から発光され所定領域で反射した光を、第1手段にその背面側から入射させ、第1手段を透過した光(第1手段の正面側から出射される光)を遊技者に視認させることができる。これにより、光の視認態様を変化させ、演出効果を向上できる。
なお、第2手段を第1手段の背面側(正面視において重なる位置)にスライド変位させる上述した従来の構成では、縮小状態においては、発光手段から発光され所定領域で光を反射させても、その反射させた光が発光手段(発光手段の基板)に遮られてしまい、第1手段へ入射させることができない。これに対し、遊技機XG2によれば、所定領域で反射された光を、第1手段および発光手段の正面視外方側から回り込ませることができ、発光手段(発光手段の基板)に遮られることなく、第1手段の背面側へ入射させることができる。
遊技機XG1又はXG2において、前記第2手段は、前記第1手段の正面視外方側に複数が配設され、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態では、隣り合う前記第2手段の一方の一側に他方の他側が重なることを特徴とする遊技機XG3。
遊技機XG3によれば、遊技機XG1又はXG2の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)では、隣り合う第2手段の一方の一側に他方の他側が重なるので、縮小状態において第2手段の配設に要するスペースを抑制できる。言い換えると、第2手段の大きさを大きくできる。一方、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)では、隣り合う第2手段の間の隙間を小さくできる。
遊技機XG3において、前記第1手段は、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態において隣り合う前記第2手段の一方の一側と他方の他側とが重なる部分の少なくとも一部と正面視において重なるように構成されることを特徴とする遊技機XG4。
遊技機XG4によれば、遊技機XG3の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段は、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)において隣り合う第2手段の一方の一側と他方の他側とが重なる部分の少なくとも一部と正面視において重なるように構成されるので、縮小状態において第2手段どうしが重なる部分を遊技者から見えにくくできる。よって、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)から第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)に遷移した際の意外性を向上できる。
遊技機XG4において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態となる際に、前記第2手段の一側が他側よりも先に前記第1手段の正面視外方側に到着するように構成されることを特徴とする遊技機XG5。
遊技機XG5によれば、遊技機XG4の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)から第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)となる際に、第2手段の一側が他側よりも先に第1手段の正面視外方側に到着するように構成されるので、隣り合う第2手段の一方および他方の変位を同じ態様としつつ、これら隣り合う第2手段同士が干渉することを抑制できる。
遊技機XG4において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態となる際に、前記隣り合う前記第2手段の一方の変位が開始された後に他方の変位が開始されるように構成されることを特徴とする遊技機XG6。
遊技機XG6によれば、遊技機XG4の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)から第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)となる際に、隣り合う前記第2手段の一方の変位が開始された後に他方の変位が開始されるように構成されるので、第2手段を複雑な軌跡で変位させることを回避しつつ、隣り合う第2手段同士が干渉することを抑制できる。例えば、第2手段の一側が他側よりも先に第1手段の正面視外方側に到着するようにする必要がなく、第2手段の一側および他側が同時に第1手段の正面視外方側に到着するようにできる。
遊技機XG6において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態となる際に、前記隣り合う前記第2手段の一方の変位と他方の変位とが同時に開始されるように構成されることを特徴とする遊技機XG7。
遊技機XG7によれば、遊技機XG6の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)から第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)となる際に、隣り合う第2手段の一方の変位と他方の変位とが同時に開始されるように構成されるので、拡大状態から縮小状態となる際と、縮小状態から拡大状態となる際の第2手段の変位の態様を異ならせることができる。これにより、第2手段を変位させることによる演出効果を向上できる。
遊技機XG1からXG7において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態とされた後、前記第1手段の正面視外方へ変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XG8。
遊技機XG8によれば、遊技機XG1からXG7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)から第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)とされた後、第1手段の正面視外方へ変位可能に構成されるので、第2手段の正面視における大きさを拡大状態よりも更に大きく見せることができる。よって、正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
<花回転ユニットG400の第1装飾ユニットG420を一例とする発明の概念について>
第1手段と、前記第1手段の周りを周回可能に構成された第2手段とを備えた遊技機において、前記第2手段は、前記第1手段の周りを周回する際に、回転可能に構成されることを特徴とする遊技機XH1。
第1手段と、第1手段の周りを周回可能に構成された第2手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、第1手段および第2手段に関し、改善の余地があった。
即ち、第1手段の周りを第2手段が周回(公転)する演出では、両者の相対変位が単調であり、十分な演出効果を得ることができない。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第1手段および第2手段を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XH1によれば、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第1手段の周りを周回(公転)する際に、回転(自転)可能に構成されるので、両者の相対変位が単調となることを抑制でき、演出効果を高めることができる。
遊技機XH1において、前記第2手段は、前記回転の際の回転中心を挟んで位置する一側領域および他側領域を備え、前記一側領域と前記他側領域とが異なる態様に構成されることを特徴とする遊技機XH2。
遊技機XH2によれば、遊技機XH1の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、回転の際の回転中心を挟んで位置する一側領域および他側領域を備え、一側領域と他側領域とが異なる態様に構成されるので、第1手段の周りを第2手段が周回する際に、第2手段の異なる態様(一側領域、他側領域)を交互に現出させることができる。これにより、例えば、視認される外形や反射される光の態様の変化を大きくして、演出効果を高めることができる。
なお、異なる態様とは、例えば、視認される形状(外形)が異なるもの、外面の粗さや色が異なるもの(即ち、光の反射態様が異なるもの)、材質が異なるもの、これらを組み合わせたもの等が例示される。
遊技機XH1又はXH2において、前記第2手段は、前記第1手段の外方側に近接する方向および離間する方向へそれぞれ変位可能に構成され、前記第1手段の外方側へ近接する方向への前記第2手段の変位は、前記第2手段の前記回転における回転位置が所定の回転位置にある場合に行われるように構成されることを特徴とする遊技機XH3。
遊技機XH3によれば、遊技機XH1又はXH2の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段の外方側へ近接する方向への第2手段の変位は、第2手段の回転(自転)における回転位置が所定の回転位置にある場合に行われるので、常に同じ姿勢で第2手段を第1手段の外方側へ近接させることができ、第2手段が第1手段の外方側に干渉する(当接する)ことを抑制できる。これにより、第2手段の外形形状の設計の自由度を高められると共に、1手段の外方側へ第2手段をより近接させることができる。
遊技機XH1からXH3のいずれかにおいて、前記第2手段は、前記第1手段の外方側に近接する方向および離間する方向へそれぞれ変位可能に構成され、前記第2手段が前記第1手段の外方側に近接する方向に最も変位した際に、前記第2手段の前記周回における周回位置が所定の周回位置となるように構成されることを特徴とする遊技機XH4。
遊技機XH4によれば、遊技機XH1からXH3のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段が第1手段の外方側に近接する方向に最も変位した際に、第2手段の周回(公転)における周回位置が所定の周回位置となるように構成されるので、第2手段が第1手段の外方側に最も近づいた状態において、第2手段の周回位置を常に同じ周回位置とすることができる。これにより、第1手段の周りを第2手段が周回(公転)する構成において、常に同じ周回位置において第2手段を第1手段の外方側に最も近づいた状態とすることができると共に、常に同じ周回位置を起点(始点)として第2手段を第1手段の外方側から離間する方向へ変位させることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機XH1からXH4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の周回と同じ方向または反対方向へ回転可能に構成される回転手段を備えることを特徴とする遊技機XH5。
遊技機XH5によれば、遊技機XH1からXH4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段は、第2手段の周回と同じ方向または反対方向へ回転可能に構成される回転手段を備えるので、第2手段の周回(公転)と回転手段の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第2手段の周回(公転)と同じ方向に回転手段が回転(自転)される場合には、第2手段の周回(公転)と回転手段の回転(自転)とを一体的に視認させ、遊技者に第2手段の回転(自転)を着目させやすくできる一方、第2手段の周回(公転)と反対方向に回転手段が回転(自転)される場合には、回転手段の回転(自転)の分、第2手段の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させ(見かけの速度を速くして)、遊技者に第2手段の周回(公転)を着目させやすくできる。
遊技機XH5において、前記第2手段の周回の速度と、前記回転手段の回転の速度とが異なることを特徴とする遊技機XH6。
遊技機XH6によれば、遊技機XH5の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段の周回の速度と、前記回転手段の回転の速度とが異なるので、第2手段の周回(公転)と回転手段の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第2手段の周回(公転)と同じ方向に回転手段が回転(自転)される場合に、第2手段の周回の速度が回転手段の回転の速度よりも遅くすることで、第2手段が第2手段と逆方向に周回していると遊技者に錯覚させることができる。また、例えば、第2手段の周回(公転)と反対方向に回転手段が回転(自転)される場合に、第2手段の周回の速度が回転手段の回転の速度よりも速くすることで、第2手段の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させやすくし(見かけの速度をより速くして)、遊技者に第2手段の周回(公転)を着目させやすくできる。
<上側装飾ユニットH14aの第1連通路H300Cを一例とする発明の概念について>
動作可能に構成される動作手段と、その動作手段が配設される配設手段とを備えた遊技機において、変位可能に構成され前記配設手段との当接状態を変化可能に構成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機XI1。
動作可能に構成される動作手段と、その動作手段が配設される配設手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、動作に伴う出力に改善の余地があった。
即ち、動作手段の動作に伴い音を出力する場合、動作手段の動作態様(例えば、動作(振動)の振動数や波形)を変化させることで、出力される音の態様を変化させることができる。しかしながら、動作手段の動作態様を変化させるのみでは、出力される音の態様の変化が不十分であるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、動作に伴う出力を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XI1によれば、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位可能に構成され配設手段との当接状態を変化可能に構成される変位手段を備えるので、変位手段の配設手段との当接状態を変化させることで、配設手段の剛性を変化させることができる。これにより、動作手段の動作態様を一定とした場合でも、配設手段の剛性の変化に伴い、出力させる音の態様を変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機XI1において、前記動作手段は、所定間隔を隔てて前記配設手段に配設される第1動作手段および第2動作手段を備え、所定方向視において前記変位部材の一側に前記第1動作手段が位置されると共に前記変位部材の他側に前記第2動作手段が位置されることを特徴とする遊技機XI2。
遊技機XI2によれば、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、動作手段は、所定間隔を隔てて配設手段に配設される第1動作手段および第2動作手段を備え、所定方向視において変位部材の一側に第1動作手段が位置されると共に変位部材の他側に第2動作手段が位置されるので、所定方向視において第1動作手段と第2動作手段との間となる領域を含む領域において、変位手段の配設手段に対する当接状態を変化させることができる。即ち、出力される音の態様に変化を与えやすい領域において、変位手段の配設手段に対する当接状態(配設手段の剛性)を変化させることができる。これにより、配設手段の剛性を変化させた際に、出力させる音の態様を効率的に変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機XI1又はXI2において、前記変位手段は、前記配設手段の外側の壁部の一部を構成することを特徴とする遊技機XI3。
遊技機XI3によれば、遊技機XI1又はXI2の奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位手段は、配設手段の外側の壁部の一部を構成するので、出力される音の態様に変化を与えやすい領域において、変位手段の配設手段に対する当接状態(配設手段の剛性)を変化させることができる。これにより、配設手段の剛性を変化させた際に、出力させる音の態様を効率的に変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
なお、変位手段が構成する壁部(配設手段の外側の壁部の一部)は、遊技者から視認可能に構成されることが好ましい。変位手段の変位を遊技者に視認させることで、配設手段の剛性が変化されること(即ち、出力される音の態様が変化されること)を聴覚だけでなく視覚によっても認識させることができる。
遊技機XI2において、前記配設手段は、前記第1動作手段が配設される第1配設空間および前記第2動作手段が配設される第2配設空間と、前記第1配設空間および前記第2配設空間を連通可能に形成される連通空間とを備え、前記変位手段は、前記連通空間を区画する壁部の一部を構成することを特徴とする遊技機XI4。
遊技機XI4によれば、遊技機XI2の奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、第1配設空間と第2配設空間とを連通可能に形成される連通空間を備え、変位手段は、連通空間を区画する壁部の一部を構成するので、変位手段の配設手段との当接状態の変化により配設手段の剛性を変化させることで、出力させる音の態様を変化させることができるだけでなく、変位手段の変位に伴い連通空間の外部への開放量(閉塞も含む)を変化させることで、出力される音の態様を変化させることもできる。特にこれら剛性の変化と開放量の変化とを同時に行わせることができるので、出力される音の態様の変化をより大きくすることができる。
遊技機XI1からXI4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記配設手段に一辺側が回転可能に軸支された板状体として構成されることを特徴とする遊技機XI5。
遊技機XI5によれば、遊技機XI1からXI4のいずれかの奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位手段は、配設手段に一辺側が回転可能に軸支された板状体として構成されるので、変位手段を配設手段から離間する方向に変位(回転)させることで、変位手段が配設手段に対して当接されている領域を最小限とすることができる。即ち、軸支された部分以外を非当接とすることができる。これにより、配設手段の剛性の変化を大きくでき、出力させる音の態様をより変化させやすくできる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機XI1からXI5のいずれかにおいて、前記変位手段と前記配設手段との当接部分には、弾性材料から構成される弾性体が介設されることを特徴とする遊技機XI6。
遊技機XI6によれば、遊技機XI1からXI5のいずれかの奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位手段と配設手段との当接部分には、弾性材料から構成される弾性体が介設されるので、変位手段を配設手段に密着させ、両者の間の滑りを抑制できる。これにより、配設手段の剛性を変化させやすくでき、出力させる音の態様をより大きく変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機XI1からXI6のいずれかにおいて、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段が操作された場合に前記変位手段が変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XI7。
遊技機XI7によれば、遊技機XI1からXI6のいずれかの奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、操作手段が操作された場合に変位手段が変位可能に構成されるので、配設手段の剛性が変化されるタイミング(即ち、出力される音の態様が変化されるタイミング)を操作手段の操作と関係付けることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<球発射ユニットH29112aの凹部H29821a1を一例とする発明の概念について>
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機において、前記流路手段を通過する遊技球に作用可能に構成される凹部または凸部を備え、前記凹部または凸部は、前記送球手段による送球方向に対して非平行に構成される非平行部を備えることを特徴とする遊技機XJ1。
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、遊技球の送球に関し、改善の余地があった。
即ち、送球手段により遊技球が送球される際、遊技球の初期位置(送球手段に対する相対位置)にはばらつきが生じるため、遊技球は、流路手段に沿って真っ直ぐに送球されず、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突(当接)することがある。このように、流路手段の内面に遊技球が衝突(当接)すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、その軌跡が安定しないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の送球を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XJ1によれば、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段を通過する遊技球に作用可能に構成される凹部または凸部を備え、凹部または凸部は、送球手段による送球方向に対して非平行に構成される非平行部を備えるので、非平行部に遊技球を衝突(当接)させて、遊技球が暴れることを抑制できる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機XJ1において、前記凹部または凸部は、前記送球手段による送球方向に対して略平行に構成される平行部を備えることを特徴とする遊技機XJ2。
遊技機XJ2によれば、遊技機XJ1の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、凹部または凸部は、送球手段による送球方向に対して略平行に構成される平行部を備えるので、比較的暴れが小さい遊技球を送球方向に沿って案内することができる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機XJ1又はXJ2において、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機XJ3。
遊技機XJ3によれば、遊技機XJ1又はXJ2の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が大きくなるように構成されるので、比較的暴れが大きな遊技球に対して凹部または凸部を徐々に作用させることができる。即ち、凹部または凸部への遊技球の衝突(当接)により遊技球の暴れが増幅することを抑制できる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機XJ1からXJ3のいずれかにおいて、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機XJ4。
遊技機XJ4によれば、遊技機XJ1からXJ3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、遊技球が通過している間、かかる遊技球に対して凹部または凸部の作用を継続させ、遊技球の暴れを収束させやすくできる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機XJ1からXJ4のいずれかにおいて、前記凹部または凸部は、前記送球手段の送球方向に通過する遊技球と、前記送球手段の送球方向と反対方向に通過する遊技球とに対して、異なる作用を付与可能に構成されることを特徴とする遊技機XJ5。
遊技機XJ5によれば、遊技機XJ1からXJ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、凹部または凸部は、送球手段の送球方向に通過する遊技球と、送球手段の送球方向と反対方向に通過する遊技球とに対して、異なる作用を付与可能に構成されるので、送球手段の送球方向に通過する遊技球に対しては、その軌跡を安定化させる一方、送球手段の送球方向とは反対方向に通過する遊技球(例えば、発射強度が弱く、発射手段へ戻ってくる遊技球)に対しては、遊技球の通過方向を変更させる(例えば、遊技球を回収口へ案内し、発射装置まで戻らないようにする)ことができる。その結果、遊技球の送球を改善できる。
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF16、KG1からKG10、KKH1からKKH5、KH1からKH13、KI1からKI11及びKJ1からKJ11、XA1からXA9、XBからXB11、XC1からXC9、XD1からXD9、XE1からXE9、XF1からXF12、XG1からXG8、XH1からXH6XI1からXI7、XJ1からXJ5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF16、KG1からKG10、KKH1からKKH5、KH1からKH13、KI1からKI11及びKJ1からKJ11、XA1からXA9、XBからXB11、XC1からXC9、XD1からXD9、XE1からXE9、XF1からXF12、XG1からXG8、XH1からXH6XI1からXI7、XJ1からXJ5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB10、C1からC11、D1からD12、E1からE11、WA1-0からWA1-5、WA2-1からWA2-5、WB1-1からWB1-6、WB2-1からWB2-8、WB3-1からWB3-3、WC1-1からWC1-4、WC2-1からWC2-5及びWD1-1からWD1-5、遊技機YA1からYA11、YB1からYB10、YC1からYC11、YD1からYD5、YE1からYE3、YF1からYF3及びYG1からYG3、遊技機BA1からBA13、BB1からBB3、BBZ1からBBZ11、BC1からBC11、BD1からBD13、BE1からBE3、BEZ1からBEZ10、BG1からBG16、BH1からBH11、BI1からBI3及びBIZ1からBIZ11、遊技機CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5、遊技機FA1からFA13、FB1からFB12、FC1からFC8又はFD1からFD5、遊技機KA1からKA10、KB1からKB8、KC1からKC10、KD1からKD10、KE1からKE10、KF1からKF16、KG1からKG10、KKH1からKKH5、KH1からKH13、KI1からKI11及びKJ1からKJ11、XA1からXA9、XBからXB11、XC1からXC9、XD1からXD9、XE1からXE9、XF1からXF12、XG1からXG8、XH1からXH6XI1からXI7、XJ1からXJ5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図269から図326を参照し、第54実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図269は、第54実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図270は、パチンコ機H10の背面図であり、図271は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図272は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図273は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図274は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図275は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図276は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図277は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図274では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図269に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図269に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図269参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図269~図277に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図269参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図272参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図274及び図275参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図274参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図274参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図273参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。
なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放されたの内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図189参照)とを主に備えて形成される。
即ち、球発射ユニットH112aは、変位可能に構成される回転体H112a2を変位させて被案内物体である遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、駆動または動作可能に構成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転動作物体である回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われる伸縮装置として構成しても良い。
なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動主体としての駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、被回転物体である回転軸棒と一体的に回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図274に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図274に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図273に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図276及び図277に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図275参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成されるガラスユニットH16が配設される(図269参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図269及び図273に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図278参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図269に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、遊技球が通過可能に構成される被通過進入物体である検出センサにより検出される払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに独立して配置される独立配置物体である電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図278参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図269に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図270参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図274参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。
即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図274参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図276参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、回転移動物体である操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。
さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図276参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図274参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図274参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図276参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図277に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図276参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図274参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図274に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図274に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。
ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図269参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図274を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図269参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図274の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により被押進物体である他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、抑制物体としての壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
外レールH62の先端部(図274の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図274の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図278参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数(例えば、可変入賞装置H65(図274参照)が連続開放される最大回数)が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
大当たり中において、最大ラウンド数や現在のラウンド数は、数字の変更を視認させる状態で表示が可能な視認変更物体である表示層(ラウンド数が表示される表示層またはその表示層よりも後方の表示層)での表示と共に第3図柄表示装置M81においても表示される。大当たりが終了する際には、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置M81においてされる表示層よりも前側に位置する視認可能物体である表示層においてエンディング表示(静止画または動画)が実行される。
このエンディング表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、大当たりが終了したことを視覚的に把握することができ、戸惑うことなく大当たり後の遊技が開始されることを理解することができる。
また、ラウンド間において、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置M81においてされる表示層よりも前側に位置する表示層においてインターバル表示(静止画または動画)が実行される。このインターバル表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、ラウンドの切れ目であることを視覚的に把握することができる。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aを駆動する駆動主体としてのソレノイドの制御態様が変更され、電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。
また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。
また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。
なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。
また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。
なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図278参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。また、第3図柄表示装置H81は、後述する円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400に配設され、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴って第3図柄表示装置H81の表示を切り替える(表示を変更する)ものであっても良い。
また、第8実施形態では、第3図柄表示装置H81の周囲(上方)に退避位置における花弁動作装置G800が配置され、その花弁動作装置G800が張出位置に変位されると花弁動作装置G800が第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位される。よって、花弁動作装置G800が張出位置に変位される際には、第3図柄表示装置H81の演出を花弁動作装置G800と共に遊技者に視認させることができる。
なお、花弁動作装置G800は、花回転ユニットG400の正面側(矢印F方向側)に配設される第2装飾ユニットG480が光透過性の材料から形成される。従って、花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態においては、第2装飾ユニットG480の第2装飾ユニットG480を介して第3図柄表示装置H81の少なくとも一部が遊技者に視認される。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図278参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図278参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図278参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する被押進物体である電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図274参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞することが配置検出センサである不図示の入賞検出センサに検出されるまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。
また、上記第54実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。
例えば、上記第54実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図270に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図278参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図278参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
遊技機が配置されるホール(遊技機店舗)では、払出エラーの発生時において、パチンコ機H10の設定に影響を与えないように構成される非調整部である店員呼び出しボタンを遊技者が操作することで、ホールの店員が払出エラーに気付くことができるように構成されている。
なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図278を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図278は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの被押進物体である開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための駆動主体としての大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入賞した球が進入可能な被進入物体であって、球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、及び、駆動手段H750が含まれる。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図278では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図278参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図278参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
図279はパチンコ機H10の遊技盤M13の正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態では、パチンコ機H10は、少なくとも、正面枠H14(図273参照)と、ベース板M60(ベース板H60に相当、図273参照)と、内レールM61(内レールH61に相当、図273参照)と、外レールM62(外レールH62に相当、図273参照)と、一般入賞口M63(一般入賞口H63に相当、図275参照)と、第1入賞口M64(第1入賞口H64に相当、図274参照)と、第2入賞口M640(第2入賞口H640に相当、図275参照)と、電動役物M640a(電動役物H640aに相当、図274参照)と、第1可変入賞装置M65(可変入賞装置H65に相当、図274参照)と、第1特定入賞口M65a(特定入賞口H65aに相当、図274参照)と、スルーゲートM67(スルーゲートH67に相当、図274参照)と、戻り球防止部材M68(戻り球防止部材H68に相当、図274参照)と、返しゴムM69(返しゴムH69に相当、図274参照)と、アウト口M71(アウト口H71に相当、図274参照)と、を備える。
更に、本実施形態では、パチンコ機H10は、少なくとも、外縁部材M73(外縁部材H73に相当、図274参照)と、可変表示装置ユニットM80(可変表示装置ユニットH80に相当、図274参照)と、第3図柄表示装置M81(第3図柄表示装置H81に相当、図274参照)と、センターフレームM86(センターフレームH86に相当、図274参照)と、を備える。
図279に示すように、遊技盤M13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板M60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車MWFの他、レールM61,M62、一般入賞口M63、第1入賞口M64、第2入賞口M640、第1可変入賞装置M65、第2可変入賞装置M650、スルーゲートM67、可変表示装置ユニットM80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12(図274参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板M60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口M63、第1入賞口M64、第2入賞口M640、可変表示装置ユニットM80は、ルータ加工によってベース板M60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤M13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板M60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板M60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤M13の正面中央部分は、正面枠H14に配設されるガラスユニットH16(図276参照)を通じて内枠H12の正面側から視認することができる。以下に、主に図279を参照して、遊技盤M13の構成について説明する。
遊技盤M13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールM62が植立され、その外レールM62の内側位置には外レールM62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールM61が植立される。この内レールM61と外レールM62とにより遊技盤M13の正面外周が囲まれ、遊技盤M13とガラスユニットH16(図11参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤M13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤M13の正面であって2本のレールM61,M62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材M73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレールM61,M62は、球発射ユニットH112a(図274参照)から発射された球を遊技盤M13上部へ案内するために設けられたものである。内レールM61の先端部分(図279の左上部)には戻り球防止部材M68が取り付けられ、一旦、遊技盤M13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールM62の先端部(図279の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムM69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムM69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図279の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bの機能は上述したので、ここでは説明を省略する。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口M64及び第2入賞口M640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R時短有通常大当たり、4R時短有通常大当たり、15R時短無し通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本パチンコ機H10では、時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口M640に付随する電動役物M640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物M640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物M640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口M640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物M640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物M640aが開放状態の時は、開閉板がベース板M60の前面よりも前方に張り出すことで、開閉板の上面を遊技球が転動可能となり、その転動した遊技球が第2入賞口M640へ入球可能となり、電動役物M640aが閉鎖状態の時は、開閉板がベース板M60の前面よりも後方に退避され、遊技球を第2入賞口M640まで橋渡しすることができなくなることで遊技球が第2入賞口M640に入球し難くなるように構成される。
なお、電動役物M640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化が前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる例として、電動役物M640aの下方に第2入賞口M640が配置され、電動役物M640aが開放状態の時に開閉板が後方に退避され、電動役物M640aが閉鎖状態の時に開閉板が前方に張り出すように構成しても良い。即ち、電動役物M640aが開放状態の時は、開閉板がベース板M60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口M640側へ入球可能となり、電動役物M640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口M640との間を塞ぐことで球が第2入賞口M640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成されるようにしても良い。
また、電動役物M640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物M640aが開放状態の時は、開閉板の上面に拾われた遊技球が第2入賞口M640に案内され易く、電動役物M640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口M640との間を塞ぐことで球が第2入賞口M640に入球し難くなるように構成することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口M63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板M60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニットM80が配設されている。可変表示装置ユニットM80には、第1入賞口M64及び第2入賞口M640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置M81と、スルーゲートM67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板M60には、第3図柄表示装置M81を正面視で囲むようにして、センターフレームM86が配設されている。
第3図柄表示装置M81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図278参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置M81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置M81は、主制御装置H110(図278参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置M81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートM67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートM67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口M640に付随された電動役物M640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口M640の電動役物M640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物M640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物M640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲートM67は、可変表示装置ユニットM80の右側の領域において遊技盤M13に組み付けられ、遊技盤M13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートM67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートM67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置M81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置M81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置M81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲートM67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートM67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲートM67の組み付け位置は可変表示装置ユニットM80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットM80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示される場合等には、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニットM80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口M64が配設されている。この第1入賞口M64へ球が入賞すると遊技盤M13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図278参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、スルーゲートM67の正面視左下側には、球が入賞し得る第2入賞口M640が配設されている。この第2入賞口M640へ球が入賞すると遊技盤M13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図278参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。なお、第2入賞口M640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口M64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側(例えば、第1入賞口M64よりも正面視左下側)でも良い。
また、第1入賞口M64および第2入賞口M640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口M64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口M640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口M64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口M640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口M64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口M640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。この場合の賞球個数の大小関係は逆転しても良い。
第2入賞口M640には電動役物M640aが付随されている。この電動役物M640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物M640aが閉鎖状態(退避状態)となって、球が第2入賞口M640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートM67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物M640aが開放状態(張出状態)となり、球が第2入賞口M640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物M640aが開放状態(張出状態)となる回数が増える。更に、時短中は、電動役物M640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口M64に球が入賞した場合と第2入賞口M640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は同一(約1/319)である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R時短有通常大当たりとなる確率は、第2入賞口M640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口M64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口M64は、第2入賞口M640にあるような電動役物M640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口M640に付随する電動役物M640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口M640に入賞しづらいので、電動役物M640aのない第1入賞口M64へ向けて、可変表示装置ユニットM80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口M64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短中は、スルーゲートM67に球を通過させることで、第2入賞口M640に付随する電動役物M640aが開放状態となりやすく、第2入賞口M640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口M640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲートM67を通過させて電動役物M640aを開放状態にすると共に、第2入賞口M640への入賞によって15R時短有通常大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機H10とは異なり、遊技盤M13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口M64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口M640を狙うこともできる。この場合、遊技者から球の打ち方を変化させる煩わしさを取り去ることができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機H10では、「右打ち」では第1入賞口M64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲートM67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口M64の右方には第2可変入賞装置M650(図279参照)が配設されており、その下流側位置に第2特定入賞口M650aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口M64又は第2入賞口M640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置M81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口M650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2特定入賞口M650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口M650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口M650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
抽選された大当たりが時短有通常大当たりだった場合、大当たり遊技終了後の時短中に右打ち遊技を行うことで、第2入賞口M640へ遊技球を入賞させることができる。本実施形態では、付与される時短の回数は3回とされ、第2入賞口M640に遊技球が入賞すると、約1/2の確率で小当たりが発生し、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて小当たりに対応したLEDが点灯する。この小当たりにより、第2特定入賞口M650aよりも上流側に配置され、第1特定入賞口M65aを前後方向への変位により開放する退避位置と閉鎖する張出位置とが切り替えられることで開閉させる張出物体である開閉板M65bが所定時間開放され(後方側へ退避され)、その第1特定入賞口M65aの開放中に、球が第1特定入賞口M65a内へ入賞し、その特定入賞口M65aの下流側の特定領域M65cを通過することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。
この場合において、第1特定入賞口M65aへ向けて流下する遊技球の有無によって、開閉板M65bの可動範囲が変化する場合(遊技球が開閉板M65bの張出先端側(前側)に位置することで開閉板M65bの移動を阻害する場合等)が生じても良い。
特定領域M65cの上流側であって第1特定入賞口M65aの下流側の位置には、第1特定入賞口M65aに入球した遊技球を特定領域M65cに入球させる入球状態と、特定領域M65cに入球することを防止する防止状態とで切り替え可能に変位される下側変位物体である不図示の切替手段が配設される。
このように、本パチンコ機H10では、右打ち遊技において、第2入賞口M640へ遊技球が入球すると約1/2の確率で特別遊技状態へ遊技状態を遷移させることが可能になり、これは左打ち遊技における大当たり確率(約1/319)よりも著しく高い確率となるので、右打ち遊技状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特定入賞口M65a,M650aの個数は限定されるものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口M64の右方に限らず、例えば、第1入賞口M64の下方右側や、第1入賞口M64の下方左側や、可変表示装置ユニットM80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤M13には、アウト口M71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口M63,M64,M65a,M640,M650aにも入賞しなかった球は、アウト口M71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤M13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
なお、本実施形態におけるその他装置H228(図278参照)には、駆動ソレノイドM487や駆動モータM442,M501,M720,M820や、回転クルーンM950を駆動させる駆動モータ等が含まれる。
なお、本実施形態においても、その他装置H228(図278参照)には、上述の役物装置の駆動源だけではなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示せず)や、第2入賞口M640の電動役物M640aの駆動源等を含む構成としても良い。
また、本実施形態における各種スイッチH208(図278参照)には、検出センサM453,M483,M516,M713,M815,M942,M3489等が含まれる。なお、各種スイッチH208の接続先は、主制御装置H110に限られるものではなく、用途に応じて直接的に音声ランプ制御装置H113に接続されても良い。どちらに接続するかは、個別に任意に選択可能とされる。
次いで、遊技盤M13及び動作ユニットM300の構造について説明する。図280は、遊技盤M13及び動作ユニットM300の分解正面斜視図であり、図281は、遊技盤M13及び動作ユニットM300の分解背面斜視図である。なお、図280及び図281では、背面ケースM310の開口M311aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニットM80)の図示が省略され、開口M311aを通して奥側を視認可能に図示される。
動作ユニットM300は、正面視で第3図柄表示装置M81(図279参照)の表示領域の左右側領域および上側領域に配設される複合動作役物ユニットM400と、その複合動作役物ユニットM400の後方側に配置され正面視で第3図柄表示装置M81の表示領域の上側領域に配設されるスライド動作役物ユニットM700と、そのスライド動作役物ユニットM700と同様の前後位置において複合動作役物ユニットM400の後方側に配置され正面視で第3図柄表示装置M81の表示領域の下側領域に配設される昇降動作役物ユニットM800と、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800が収容され締結固定された前側の層において複合動作役物ユニットM400が収容され締結固定される背面ケースM310と、を備える。
背面ケースM310は、底壁部M311と、その底壁部M311の外縁から立設される外壁部M312とを備え、底壁部M311及び外壁部M312から正面側が開放された箱状に形成される。
背面ケースM310は、底壁部M311の中央に矩形状の開口M311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口M311aは、第3図柄表示装置M81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置M81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケースM310は、外壁部M312の正面側端部に遊技盤M13の背面に対して平行に配置される板状部として延設され、遊技盤M13に面で支持される支持板部M313を備える。
その支持板部M313が遊技盤M13に面で支持された状態で、遊技盤M13のベース板M60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤M13と動作ユニットM300とを一体的に固定することができるので、遊技盤M13及び動作ユニットM300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
ベース板M60は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材から形成されており、その板状部材が中央部において前後方向に貫通形成されており、その貫通形成された箇所には、光透過性の樹脂材料から形成され光を導光可能に構成される板状の導光板M260が配設されている。
ベース板M60及び導光板M260が光透過性の樹脂材料から形成されていることにより、正面側からベース板M60の背面側に配設された各種構造体(動作ユニットM300に配設される複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700、昇降動作役物ユニットM800及び第3図柄表示装置M81等)を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板M60の貫通部分の形状や導光板M260の配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ易くすることができ、各種演出に利用することができる。
なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。また、ベース板M60を木製の板部材(ベニヤ等)から形成するようにしても良い。
導光板M260は、板状部の端部側(上側および右側)において略等間隔に配置される複数のLEDから入射された光を複数の位置で正面側へ屈曲させ、正面視において特定の装飾模様やキャラクターが光で描画されているように視認させ得る一般的な導光板であって、背後に配置される各種構造体(複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800等)の動作中に発光させる制御や、各種構造体の停止中において発光させる制御が、実行可能とされる。
各種構造体(複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800等)が退避され、停止されている場合には、第3図柄表示装置M81の表示領域と視認可能物体である導光板M260とが正面視で重ねられることで、第3図柄表示装置M81の表示領域における表示と導光板M260により描画される形状とを合わせて視認させることができ、立体的な表示態様を実現可能となる。
本実施形態では、導光板M260に端部側から入射される光により描画される形状は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770に描画される形状に対応するものとして設計される。即ち、演出動作ユニットM500の手前側においてスライド動作役物ユニットM700に対応する特定表示(例えば、スライド動作役物ユニットM700に装飾されているキャラクターに関連する絵が拡大して描画される表示)を視認させることが可能に構成される。
なお、導光板M260に端部側から入射される光により描画される形状は、スライド動作役物ユニットM700に描画される形状に対応するものに限られるものではない。例えば、複合動作役物ユニットM400の形状に対応するものでも良いし、昇降動作役物ユニットM800の形状に対応するものでも良いし、第3図柄表示装置M81の表示領域に(一時的に)表示される形状に対応するものでも良い。
図282は、複合動作役物ユニットM400の分解正面斜視図であり、図283は、複合動作役物ユニットM400の分解背面斜視図である。複合動作役物ユニットM400は、背面ケースM310に直接締結固定されるか又は背面ケースM310に締結固定された物体に締結固定されることで間接的に固定されることにより背面ケースM310(図Z1参照)に対して位置が固定される部分(左側支持装飾部M410、背面側支持部M430、昇降駆動部M440、切替動作部M480)と、当該部分に変位可能に支持されており背面ケースM310に対して相対変位可能に構成される部分(演出動作ユニットM500)とにより構成される。
即ち、複合動作役物ユニットM400は、最前面の左側部において背面ケースM310(図282参照)に締結固定される左側支持装飾部M410と、その左側支持装飾部M410の背面側において間隔を空けて対向配置されておりスライド動作役物ユニットM700(図282参照)に締結固定されることで背面ケースM310に対する位置が固定される背面側支持部M430と、最前面の右側部において背面ケースM310に締結固定される昇降駆動部M440と、その昇降駆動部M440と背面ケースM310との間の位置において背面ケースM310の底壁部M311に締結固定されると共に昇降駆動部M440が締結固定される切替動作部M480と、その切替動作部M480に上下端部が支持され上下方向に延びている金属棒M401と、その金属棒M401により被案内部M550の変位が案内される演出動作ユニットM500と、を主に備える。
図282及び図283に図示されるように、複合動作役物ユニットM400は、演出動作ユニットM500の左右端部を前後両側で支持可能に構成されている。これにより、演出動作ユニットM500の前後方向への変位を抑制することができる。
即ち、第1に、演出動作ユニットM500は、左端部の前側突部M511が左側支持装飾部M410の板状ベースM411の案内長孔M412に変位可能に支持され、左端部の後側突部M531が背面側支持部M430の板状ベースM431において案内長孔M412の後方位置に貫通形成され案内長孔M412と平行に形成される案内長孔M432に変位可能に支持されることにより、前後両側から支持されている。
第2に、金属棒M401に案内される被案内部M550の前側には昇降駆動部M440が対向配置され、被案内部M550の後側には切替動作部M480が対向配置されている。被案内部M550と昇降駆動部M440及び切替動作部M480との間は、通常、僅かな隙間が空くように構成されており、変位の抵抗が生じることを防止している。一方で、意図せず演出動作ユニットM500の被案内部M550が前後方向に大きく変位した場合には、その変位を当接により防止可能に構成されている。
演出動作ユニットM500は、被案内部M550の背面側から検出片M554が突設されており、その検出片M554が切替動作部M480の上端側において検出可能に構成される。
図284は、演出動作ユニットM500の分解正面斜視図であり、図285は、演出動作ユニットM500の分解背面斜視図である。演出動作ユニットM500は、金属棒M401によって上下方向への変位を案内される部分(板状本体部M510、被案内部M550等)と、その部分に変位可能に支持される部分(可動装飾ユニットM600)とにより構成される。
即ち、演出動作ユニットM500は、樹脂材料から略長方形状の板状に形成され骨格を成す板状本体部M510と、その板状本体部M510の背面側に左側寄りで配置され板状本体部M510との間に空間を形成するように板状本体部M510に対して締結固定される左側蓋部M530と、板状本体部M510の背面側に右側寄りで配置され板状本体部M510との間に空間を形成するように板状本体部M510に対して締結固定される右側蓋部M540と、を主に備える。
更に、演出動作ユニットM500は、右側蓋部M540を回転移動可能に支持する被案内部M550と、右側蓋部M540に対して回転移動可能に支持される扇形状の扇形状構成部M560と、右側蓋部M540に配設される駆動モータM501と、その駆動モータM501の駆動力を伝達可能に構成される伝達部M580と、板状本体部M510に回転移動可能に支持され伝達部M580により駆動モータM501の駆動力が伝達可能とされる可動装飾ユニットM600と、を主に備える。
板状本体部M510は、大部分が有色(例えば、赤色)で透明の樹脂材料から形成されており、左側端部において前方へ向けて円柱状に突設される前側突部M511と、中央よりも左側の領域における複数位置において点在され無色透明の略星状に形成される透過部M512と、その透過部M512に対応する位置にLED等の発光手段を配置可能となるように内部において締結固定される電飾基板M513と、可動装飾ユニットM600の回転軸を形成する部分であって前方に延設される筒状部M514と、その筒状部M514を中心とする円弧に沿って形成されており可動装飾ユニットM600の変位を案内可能な領域を構成する領域構成部である円弧状貫通部M515と、その円弧状貫通孔M515の上端部側において検出溝が前側を向く姿勢で配設されており可動装飾ユニットM600を検出可能な検出センサM516と、筒状部M514に対して円弧状貫通部M515の反対側の領域において筒状部M514を中心とする円弧に沿って形成される複数の補助貫通部M517と、筒状部M514と円弧状貫通部M515との間の領域において前後方向に貫通形成される伝達用貫通孔M518と、を主に備える。
前側突部M511は、左側支持装飾部M410(図282参照)の案内長孔M412に挿通され、その案内長孔M412の延びる直線方向(水平方向、左右方向)に変位が案内される。前側突部M511は、左側支持装飾部M410を挟むように配置される一対の円環形状のカラー部材(図示せず)に挿通される。これにより、左側支持装飾部M410と板状本体部M510との間に円環形状のカラー部材が介在することになるので、変位を滑らかにすることができる。
電飾基板M513に配置されるLEDから照射される光のうち、透過部M512を通して遊技者に視認される光は、透過部M512以外(周囲)の位置を通って遊技者に視認される光に比較して、明るく視認される。即ち、電飾基板M513に配置されるLEDを発光させることにより、板状本体部M510の前面を全体的に明るくしながら、点在する透過部M512をより明るく視認させることができる。
円弧状貫部M515は、前面側における開口として形成されている。板状本体部M510は、円弧状貫通部M515を囲む位置から円弧状貫通部M515の外形よりも若干大きな形状で背面側へ向けて延設される枠状部M521を備える。即ち、円弧状貫通部M515と枠状部M521との間には段部が形成される。
検出センサM516は、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端位置に配置されている場合に検出溝に被検出部M616が位置するように配設される。
左側蓋部M530は、主に樹脂材料から形成される板状部であって、左端端部において後方へ向けて円柱状に突設される後側突部M531と、右側端部において湾曲面として形成される湾曲縁部M532と、を備える。
後側突部M531は、背面側支持部M430(図282参照)の案内長孔M432に挿通され、その案内長孔M432の延びる直線方向(水平方向、左右方向)に変位が案内される。後側突部M531は、背面側支持部M430を挟むように配置される一対の円環形状のカラー部材(図示せず)に挿通される。これにより、背面側支持部M430と左側蓋部M530との間に円環形状のカラー部材が介在することになるので、変位を滑らかにすることができる。
本実施形態では、後側突部M531と前側突部M511とが前後方向に延びる同一直線上に配置されており、案内長孔M412と案内長孔M432とが同一の直線に対して平行に延びていることから、演出動作ユニットM500の左端部は、前側突部M511及び後側突部M531を介して前後から両持ちで支持される。
湾曲縁部M532は、枠状部M521の後方に位置し、その枠状部M521と共通の湾曲面を構成するよう形成される。即ち、湾曲縁部M532の湾曲面は、筒状部M514の中心軸を中心とする円弧に合致する形状とされる。
右側蓋部M540は、主に樹脂材料から形成される板状部であって、右端側において背面側に突設され被案内部M550に支持される金属製の突設軸部M541と、その突設軸部M541に対して平行に突設され被案内部M550に挿通される金属製の補助突設部M542と、断面が突設軸部M541よりも大きな円形に類似する形状の柱形状で背面側へ突設される大径支持部M543と、その大径支持部M543に支持される扇形状構成部M560の抜け止めが可能となるように大径支持部M543の外形よりも直径の大きな円形板状に形成され大径支持部M543の突設先端側から金属製の締結ネジM502で締結固定される脱落防止部M544と、大径支持部M543の円形状の中心と同軸の円弧形状に沿う位置に突設される突設補助部M545と、その突設補助部M545の外周側において大径支持部M543を中心とする円弧に沿う形状で凹設形成(背面側の面が前方側へ変位されるよう形成)される段部M546と、伝達部M580の構成部材を回転可能に支持する複数の突設部M547と、を主に備える。
大径支持部M543は、その外形を構成する円形状が、筒状部M514を構成する円形状の中心との関係で同心円とされる。即ち、扇形状構成部M560の回転中心と、可動装飾ユニットM600の回転中心とが同一となるように構成される。
大径支持部M543は、脱落防止部M544を締結固定する締結ネジM502が内部に位置することから、樹脂材料のみから形成される場合に比較して強度が向上される。これにより、扇形状構成部M560を安定的に支持することができ、扇形状構成部M560の動作を長期間にわたって安定させることができる。このように扇形状構成部M560は、大径支持部M543という一点での支持でありながら、扇形状構成部M560の動作を長期間にわたって安定させることができる。
段部M546は、扇形状構成部M560の回転先端側部と対向配置される。扇形状構成部M560の段部M546に対する当接面積が小さくなるように(抑制されるように)、段部M546の形状や配置および扇形状構成部M560の形状や配置が設計されることで、扇形状構成部M560の変位時の抵抗を抑制することができ、扇形状構成部M560の動作不良を防止し易くすることができる。
被案内部M550は、上下方向一直線上に貫通形成されており金属棒M401(図282参照)が挿通可能とされる直線貫通部M551と、右側蓋部M540の突設軸部M541を回転可能に軸支する貫通孔M552と、その貫通孔M552を中心とする円弧形状で貫通形成され右側蓋部M540の補助突設部M542が挿通される円弧状孔M553と、背面側から後方へ向けて板状に突設され切替動作部M480(図282参照)により検出され得る検出片M554と、右側寄り下端位置から下方へ向けて延設される下方延設部M555と、上端部付近から前方へ向けて突設される被支持突部M556と、を主に備える。
演出動作ユニットM500は、被案内物体である被案内部M550を備えていれば何でも良く、樹脂材料から構成される部材に限定されるものではなく、金属材料から構成される部材であってもよい。
扇形状構成部M560は、主に光透過性の低い(不透明な)樹脂材料から形成されており、右側蓋部M540の大径支持部M543に回転可能に軸支される円筒部M561と、円筒部の外周側に扇形状で延設される板状本体部M562と、その板状本体部M562の周方向端部において直線に沿って前方へ突設される突条部M563と、板状本体部M562の回転先端側に肉厚の形状で形成される円弧状肉厚部M564と、その円弧状肉厚部M564の内周側において回転中心を中心とする円弧形状で貫通形成される円弧状孔M565と、その円弧状孔M565よりも外周側において円弧状肉厚部M564よりも肉厚に形成される外周側増厚部M566と、その外周側増厚部M566の前面側から回転中心を中心とする円弧形状に沿って突設される円弧突条M567と、外周側増厚部M566の周方向端部から径方向に延設される延設部M568と、を主に備える。
扇形状構成部M560が樹脂材料から形成されていることから、扇形状構成部M560の軽量化を図ることができるので、駆動モータM501の駆動力で可動装飾ユニットM600を押し上げる場合に扇形状構成部M560の自重による動作抵抗を小さくすることができ、駆動モータM501の負担を低減させることができる。また、扇形状構成部M560が樹脂材料から形成されていることから、設計自由度を向上させることができる。
円弧状孔M565は、右側蓋部M540の突設補助部M545が挿通されることで、扇形状構成部M560の回転移動を安定させる。突設補助部M545には先端側から雌ネジが形成されており、突設補助部M545の幅長さよりも直径の大きな頭部を有する雄ネジを螺入することや、円環状のカラーが嵌められた雄ネジを螺入することにより、突設補助部M545からの扇形状構成部M560の脱落を防止することができる。即ち、扇形状構成部M560の回転移動を安定させつつ、軸方向の変位(脱落)を規制することができる。
外周側増厚部M566は、対向配置される右側蓋部M540の段部M546の凹設深さに対応して、増厚形成されている。即ち、扇形状構成部M560と右側蓋部M540との間隔は、円弧状肉厚部M564の位置においても、外周側増厚部M566の位置においても、ほぼ同様となるように構成されている。これにより、扇形状構成部M560の回転先端側が意図せず右側蓋部M540に近接する方向で変位した場合に、円弧状肉厚部M564ばかりが右側蓋部M540と当接し負荷が与えられ外周側増厚部M566には負荷が与えられないという事態を避けることができ、外周側増厚部M566にも負荷を分担させることができる。
円弧突条M567は、外周側増厚部M566において右側蓋部M540の段部M546と優先して当接する部分となっており、少なくとも円弧突条M567が残存している(すり減っていない)状況において外周側増厚部M566は右側蓋部M540と離間するよう構成されている。また、この場合、設計寸法から円弧状肉厚部M564においても右側蓋部M540と離間する。
延設部M568は、略正方形の断面を構成する形状で延設される。即ち、前後方向幅と上下方向(周方向)幅とが同じ長さで構成される。これにより、延設部M568が特定の方向に撓む事態を避けることができ、全方位で十分な剛性を有するよう構成することができる。更に、特定の方向の幅が小さい(薄い)場合に比較して、荷重(繰り返し荷重や衝撃荷重)を受けた場合に破損する可能性を低くすることができる。
伝達部M580は、駆動モータM501の駆動軸に固定される被回転物体であるモータギアM581と、そのモータギアM581に歯合可能となるように一つ目の突設部M547に回転可能に支持されるピン付きギアM582と、そのピン付きギアM582に歯合可能となるように二つ目の突設部M547に回転可能に支持される増厚ギアM583と、その増厚ギアM583と歯合可能となるように背面側に突設される三つ目の突設部M547に回転可能に支持される円板付きギアM584と、を主に備える。
円板付きギアM584は、扇形状構成部M560の動作と関連して動作可能に構成されており、扇形状構成部M560の上方向への動作を抑制する抑制物体であれば何でも良く、樹脂材料から構成されるものに限らず、金属材料から構成されてもよい。
図286は、可動装飾ユニットM600の分解正面斜視図であり、図287は、可動装飾ユニットM600の分解背面斜視図である。可動装飾ユニットM600は、板状本体部M510の筒状部M514を中心として回転移動する動作が可能な部分(板状本体部M610、前側蓋部M620、右側装飾部M670等)と、その部分を基準として直線方向にスライドする動作が可能な部分(前側スライド移動体M640、左側装飾部M680等)とにより構成される。
即ち、可動装飾ユニットM600は、樹脂材料から略長方形状の板状に形成され骨格を成す板状本体部M610と、外周縁部において背面側に向けて突設されるリブ部によって板状本体部M610の外周縁部を封じるように板状本体部M610に締結固定され光透過性の樹脂材料から形成される前側蓋部M620と、その前側蓋部M620と板状本体部M610とにより間に収納される電飾基板M630と、前側蓋部M620の前側平面に沿ってスライド移動可能に構成され光透過性の樹脂材料から形成される前側スライド移動体M640と、を主に備える。
また、可動装飾ユニットM600は、回転動作物体である板状本体部M610の後側平面に沿ってスライド移動体M640と一体的にスライド移動可能に構成される樹脂製の後側スライド移動体M650と、その後側スライド移動体M650と板状本体部M610とを変位可能に連結する樹脂製のリンク部材M660と、光透過性の樹脂材料から形成され前側蓋部M620の右側寄り領域を前側から覆う形状から構成され前側蓋部M620に締結固定される右側装飾部M670と、光透過性の樹脂材料から形成され前側スライド移動体M640を前側から覆う形状から構成され前側スライド移動体M640に締結固定される左側装飾部M680と、を主に備える。
板状本体部M610は、右上端部付近において貫通形成される円形開口部M611と、その円形開口部M611の近傍において貫通形成される矩形状開口部M612と、左側端部付近において左右方向に延びる長孔状に貫通形成される複数の長孔状開口部M613と、上縁部における左右方向略中央位置から後方へ向けて延設される延設支持部M614と、右側端部から後方へ向けて突設される複数の補助突設部M615と、を主に備える。
また、板状本体部M610は、円形開口部M611及び延設支持部M614の間の位置において円形開口部M611を中心とする円に沿う板形状で後方へ向けて突設される被検出部M616と、円柱形状で後方へ向けて突設されリンク部材M660を回転移動可能に支持する突設支持部M617と、長孔状開口部M613の延びる方向と平行に延びる長尺形状で後方へ向けて突設され前側スライド移動体M640の右端における前後方向の位置に左端が合致するように配置される補助突設部M618と、その補助突設部M618の上方において背面側へ向けて延設され右端部に鉤状部が形成される鉤状支持部M619と、外周側を縁取る枠状部の外側において前面に沿って左方に延設される延設当接部M605と、を主に備える。
円形開口部M611は、内径が、板状本体部M510の筒状部M514(図284参照)の外径よりも長くなるように設計されている。即ち、円形開口部M611は、筒状部M514との間には若干の隙間が生じるように構成されていることから、可動装飾ユニットM600が板状本体部M510に対して適切に支持されている場合には何ら抵抗を与えるものではない一方で、可動装飾ユニットM600が板状本体部M510に対して位置ずれする場合であっても、その位置ずれの度合いを抑制可能に構成される。
延設支持部614は、樹脂材料からリング状に形成されるカラー部材M601を介して板状本体部M510の円弧状貫通部M515(図284参照)に挿通される部分であって、先端側において樹脂製(又は金属製)の当接部材M602が締結固定される。当接部材M602の形状が円弧状貫通部M515よりも大きく形成されていることから、当接部材M602は延設支持部M614の板状本体部M510からの脱落を防止する機能を有する。
補助突設部M615は、板状本体部M510の補助貫通部M517に挿通される部分であって、一方(下側)の補助突設部M615の先端側にフランジ付きのネジが固定されることで補助貫通部M517からの脱落が防止され、他方(上側)の補助突設部M615の先端には鉤形状部が形成されている。この鉤形状部に弾性バネM603(図285参照)の端部が引っかけられることにより、板状本体部M610は、正面視時計回り方向に付勢されることになる。
被検出部M616は、板状本体部M510の検出センサM516の検出溝に進入可能とされている。本実施形態では、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端位置に配置されている場合に検出センサM516の検出溝に進入するよう配置されているが、配置位置については任意に設定可能であり、また、配置個数も自由に設定可能である。
突設支持部M617は、板状本体部M610の上側寄りの領域において背面側へ向けて増厚形成される荷重付与部M604の下側の空間に配置されており、この空間においてリンク部材M660を回転移動可能に支持する。突設支持部M617の先端部にはツバ付きネジが螺入固定されており、リンク部材M660の後方への変位(板状本体部M610から離間する方向への変位)を抑制できる。
前側蓋部M620は、板状本体部M610の円形開口部M611に挿通されるように後方へ向けて円柱形状で延設される回転軸部M621と、右寄りの領域において前側に増厚形成される増厚部M622と、その増厚部M622とは異なる箇所(増厚されていない箇所)において板状本体部M610の長孔状開口部M613に対応する形状で貫通形成される複数の長孔状開口部M623と、その長孔状開口部M623と増厚部M622との間の位置において上下方向に亘って複数の星状の模様が形成される装飾部M624と、を主に備える。
回転軸部M621は、板状本体部M610及び電飾基板M630を通過した状態で、板状本体部M510の筒状部M514に挿通されることで板状本体部M510に対する回転移動の回転軸部を構成する。また、回転軸部M621は、その先端側において大径の円形板部M621aが締結ネジM502に締結固定されることで、板状本体部M510からの脱落が防止される。
増厚部M622は、左端部の形状が、短手方向に延びる当接端部M622aの間に長手方向(長孔状開口部M613が延設される方向と平行)に延びる修正部M622bが形成される(所謂「イナズマ状」に形成される)。これにより、対応して配置される前側スライド移動体M640の配置を良好に修正することができる。
長孔状開口部M623は、背面側へ延設される外周縁部M623aを有しており、この外周縁部M623aの延設端部が板状本体部M610の長孔状開口部M613の内周面に当接するよう構成されている。
これにより、長孔状開口部M623と板状本体部M610との間に生じ得る隙間が埋められるので、電飾基板M630からの光が長孔状開口部M623の内側に漏れることを避け易くすることができる。更に、外周縁部M623aの延設端部が長孔状開口部M613の内周面と当接することにより補強され、前側スライド移動体M640の動作を安定的に支持することができる。
装飾部M624は、前側に若干盛り上がって模様が形成されており、その形成範囲は、前側スライド移動体M640が移動された場合に露出し得る領域に渡るように構成されている。即ち、前側スライド移動体M640が増厚部M622から離れる離間位置に配置されている場合における増厚部MM622と前側スライド移動体M640との間の領域に少なくとも形成される。そのため、装飾部M624は前側スライド移動体M640が増厚部M622に近接配置されている場合には前側スライド移動体M640に覆われる。
電飾基板M630は、前側蓋部M620の領域全体を背面側からカバーする形状から形成されており前側蓋部M620に複数位置でネジ留めされる板状本体部M631と、その板状本体部M631の右側寄り位置において前側蓋部M620の回転軸部M621が挿通される円形開口部M633と、板状本体部M631の左側寄り位置において前側蓋部M620の外周縁部M623aが挿通される複数の長孔状開口部M634と、を主に備える。
板状本体部M631は、正面側にLED等の発光部M632が複数個分散配置されている。発光部M632は、無数の矩形状で図示されており、その位置は、広い面を構成している箇所に限らず、円形開口部M633と板状本体部M631の右上角部との間や、上側の長孔状開口部M634と板状本体部M631の上縁部との間や、下側の長孔状開口部M634と板状本体部M631の下縁部との間や、複数の長孔状開口部M634の間等にも漏れなく配置されている。
円形開口部M633は、前側蓋部M620の回転軸部M621と同心であって、板状本体部M610の円形開口部M611よりも直径の大きな円形状から形成される。内周側に板状本体部M510の筒状部M514(図285参照)が挿通され遮蔽部として機能することにより、発光部M632から出射される光が円形開口部M633の内周側の領域に漏れ出すことを防止することができる。
長孔状開口部M634は、前側蓋部M620の外周縁部M623aの外形よりも大きな形状で貫通形成されており、外周縁部M623aが挿通される。そのため、発光部M632から出射される光のうち、正面視で長孔状開口部M634の内周側へ向かう成分は外周縁部M623aにより反射または吸収(減衰)されることになるので、発光部M632から出射される光が長孔状開口部M634の内周側の領域に漏れ出すことを防止することができる。
なお、電飾基板M630は、第3図柄表示装置の表示領域と正面視で重なり得る位置に配置されるものに限られるものではなく、演出動作ユニットM500の変位とは独立して配置を設定可能に構成される独立配置物体として電飾基板M421のように常時第3図柄表示装置M81の表示領域の外方(表示領域と重ならない位置)に配置されても良く、背後からLED等の発光手段から光が照射されることで視認される明るさが変化され得るものでも良く、上下左右または前方からの光照射により視認される明るさが変化され得るものでも良い。
前側スライド移動体M640は、前側蓋部M620の前側において増厚部M622を除く領域を埋める形状から形成される板状本体部M641と、その板状本体部M641の右端側において背面側から厚みを減らすように凹設形成される凹設形成部M642と、左右一対で後方へ向けて突設され前側蓋部M620の長孔状開口部M623に挿通される複数の突設案内部M643と、を主に備える。
板状本体部M641は、前側蓋部M620の正面側における平面状部に背面側が面で支持されていることで、前側スライド移動体M640の前側蓋部M620に対する安定した移動を可能としている。
凹設形成部M642により前側スライド移動体M640の背面の位置が前側へ変化しており、これにより生じた前側蓋部M620との間の隙間領域に、装飾部M624が配置される。即ち、凹設形成部M642により、装飾部M624を盛り上げ形成した場合であっても装飾部M624と前側スライド移動体M640とが擦れることを避けることができる。
突設案内部M643は、前側蓋部M620の長孔状開口部M623及び板状本体部M610の長孔状開口部M613に挿通され、その端部において後側スライド移動体M650に締結固定される。即ち、前側スライド移動体M640の移動は、長孔状開口部M623及び長孔状開口部M613により、その延設される直線方向に案内される。
後側スライド移動体M650は、左右方向に延びる長尺本体部M651と、その長尺本体部M651の左側端部から上方へ延びる延設部M652と、長尺本体部M651の右側端部において上下方向に延びる長孔状に開口形成される伝達開口部M653と、長尺本体部M651の中間部において左右方向に延びる長孔状に開口形成される案内開口部M654と、延設部M652に一端が支持される弾性バネM655と、を主に備える。
長尺本体部M652は、前側蓋部M620の長孔状開口部M623及び板状本体部M610の長孔状開口部M613に挿通された前側スライド移動体M640の突設案内部M643が締結固定される。即ち、後側スライド移動体M650及び前側スライド移動体M640は、長孔状開口部M623が延設される直線方向に沿ってスライド移動可能に案内される。
伝達開口部M653には、リンク部材M660の端部が挿通され、その挿通端においてツバ付きネジが螺入固定されることで、リンク部材M660の後側スライド移動体M650からの脱落が防止される。
案内開口部M654は、板状本体部M610の補助突設部M618が挿通される。補助突設部M618が左右方向に延びた形状とされていることから、案内開口部M654の形状と合わせて、後側スライド移動体M650の変位を左右方向に案内する。補助突設部M618は、その端部においてツバ付きネジが螺入固定される場合、後側スライド移動体M650の板状本体部M610に対する後方への変位(離間する方向への変位)を抑制できるので採用しても良いが、本実施形態では、リンク部材M660側(端側)にネジを採用することで、補助突設部M618でのネジの採用を省略している。これにより、省略されるネジ頭部の分、可動装飾ユニットM600と板状本体部M510との間隔を狭めることができる。
弾性バネM655は、延設部M652に一方の端部が支持されており、他方の端部が板状本体部M610の鉤状支持部M619に支持されており、後側スライド移動体M650に対して右方向の付勢力を作用させる。
弾性バネM655は、後側スライド移動体M650が移動可能範囲の右側終端位置に配置されている状態において既に付勢力を生じさせる(自然長よりも延ばされている)状態となるように長さが設定されている。これにより、後側スライド移動体M650に対して常時右向きの付勢力が生じるようにすることができるので、後側スライド移動体M650を移動可能範囲の右側終端位置に安定させることができる。
リンク部材M660は、板状本体部M610の突設支持部M617に回転移動可能に支持される長尺板状に形成される板状本体部M661と、その板状本体部M661の一方の端部において後方へ円柱形状に突設され後側スライド移動体M650の伝達開口部M653に挿通される伝達突設部M662と、板状本体部M661の他方の端部において中央部が割れた二股形状に形成される伝達爪部M663と、を主に備える。
伝達突設部M662に対して伝達開口部M653が挿通される場合、後側スライド移動体M650の長尺本体部M651はリンク部材M660に後側から被せられる。伝達突設部M662は、その端部においてツバ付きネジが螺入固定される。これにより、後側スライド移動体M650のリンク部材M660に対する後方への変位(離間する方向への変位)を抑制できる。
伝達爪部M663は、伝達部M580のピン付きギアM582(図285参照)の回転を受けて荷重が伝達される。伝達爪部M663に荷重が伝達されることで被押進物体であるリンク部材M660が回転移動すると、一体形成されている伝達突設部M662の位置も変化することになり、連動して後側スライド移動体M650がスライド移動される。
右側装飾部M670は、前側蓋部M620の増厚部M622の前方に配置され、前側蓋部M620に後方側から挿通される締結ネジにより締結固定される。これにより、締結ネジを右側装飾部M670で隠すことができる。
左側装飾部M680は、前側スライド移動体M640の前方に配置され、板状本体部M641に後方側から挿通される締結ネジにより締結固定される。これにより、締結ネジを左側装飾部M680で隠すことができる。
図288(a)、図288(b)、図289(a)及び図289(b)は、演出動作ユニットM500の正面図である。演出動作ユニットM500に対して可動装飾ユニットM600が反時計回り方向に回転動作開始する動作が時系列で図示される。
図288(a)には、可動装飾ユニットM600が演出動作ユニットM500に対して動作範囲の正面視時計回り方向終端に位置する起き上がり側終端状態が図示され、図288(b)には、起き上がり側終端状態から可動装飾ユニットM600が正面視反時計回り方向に回転移動された後における中間状態が図示され、図289(a)には、可動装飾ユニットM600が演出動作ユニットM500に対して動作範囲の正面視反時計回り方向終端に位置する傾倒側終端状態が図示され、図289(b)には、傾倒側終端状態から前側スライド移動体M640が平行移動した伸長状態が図示される。
図288(a)、図288(b)、図289(a)及び図289(b)に図示されるように、演出動作ユニットM500に対する可動装飾ユニットM600の動作は、回転移動と平行移動とが一連の流れの中の異なるタイミングで実行されるよう構成される。
即ち、図288(a)、図288(b)及び図289(a)では、平行移動は停止される一方、下側変位物体である可動装飾ユニットM600が回転移動する様子が時系列で図示されており、図289(a)及び図289(b)では、回転移動は停止される一方、可動装飾ユニットM600が平行移動される様子が時系列で図示されている。
可動装飾ユニットM600は、図288(a)、図288(b)、図289(a)及び図289(b)に時系列で図示される状態を逆向きに移行することで、伸長状態から、傾倒側終端状態、中間状態を経て起き上がり側終端状態まで復帰することができる(復帰制御により復帰する動作が実行される)。
本実施形態では、復帰制御は、可動装飾ユニットM600の動作のみに使用されるものではなく、他の動作ユニット(演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800等)と兼用される。
復帰制御では、まず検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図287参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態ではない場合には、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に90[rpm]の速さ(ピン付きギアM582が30[rpm]で回転する速さ)で回転駆動され、その回転駆動が検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入していると判別されるまで(可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態となるまで)継続される。
可動装飾ユニットM600の回転移動は、ほとんどの場合、可動装飾ユニットM600の回転の中心軸線MJ1の位置が固定された状態で実行される。これにより、可動装飾ユニットM600が平行移動している最中に可動装飾ユニットM600が回転移動される場合のように、可動装飾ユニットM600の速度方向が複雑となる場合に比較して、可動装飾ユニットM600及び可動装飾ユニットM600と連動される扇形状構成部M560の動作を制御し易くすることができ、可動装飾ユニットM600及び扇形状構成部M560の動作不良を回避することができる。
<発光制御>
演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作に基づいて電飾基板M513(図284参照)及び電飾基板M630(図286参照)のLEDを点灯させたり消灯させたりする制御の一例について説明する。
電飾基板M513(図284参照)及び電飾基板M630(図286参照)のLEDの制御は、被案内部M550の検出片M554(図285参照)が切替動作部M480(図282参照)に検出されているかどうか(被案内部M550が移動可能範囲の上端位置に配置されているかどうか)で切り替えられる。ここでは、検出片M554が切替動作部M480に検出され被案内部M550が移動可能範囲の上端位置に配置されている場合を説明する。
可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図288(a)参照)では、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が配置される。この状態においては、電飾基板M513(図284参照)及び電飾基板M630(図286参照)のLEDは、中程度の発光強度の点灯が維持される通常発光で制御される。
可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図288(a)参照)では、可動装飾ユニットM600が複数の透過部M512と重なっており、この重なっている透過部M512を通る光については可動装飾ユニットM600に隠されて効果的に視認させることが難しいが、可動装飾ユニットM600に隠されていない透過部M512については光を視認させることができる。
可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態(図288(a)参照)から変化し、検出センサM516から被検出部M616(図287参照)が離れたことが検出されると、可動装飾ユニットM600に隠されていた透過部M512が露出されるので(図289(b)参照)、電飾基板M513(図284参照)及び電飾基板M630(図286参照)のLEDは、電飾基板M513(図284参照)のLEDの発光強度のみが強化される露出発光で制御される。
駆動主体としての駆動モータM501(図285参照)の動作速度および動作時間を音声ランプ制御装置H113(図278参照)において計測し、可動装飾ユニットM600が伸長状態(図289(b)参照)とされた場合に、電飾基板M513(図284参照)及び電飾基板M630(図286参照)のLEDは、露出発光からの変化として電飾基板M630(図286参照)のLEDが通常発光の時よりも強く発光される強発光で制御される。この場合、装飾部M624が露出される態様で左側装飾部M680がスライド移動しており、可動装飾ユニットM600の正面視での面積が大きくされていることからも、可動装飾ユニットM600を目立たせることができる。
<検出>
可動装飾ユニットM600の姿勢が検出センサM516により検出されることから、当接部材M602の位置について音声ランプ制御装置H113(図278参照)が把握することが可能とされる。可動装飾ユニットM600については、遊技者に注目させることが多く、連動して第3図柄表示装置M81における表示を切り替えることもあり、この連動が適切に実行されるか否かが遊技者の興趣の向上に大きく関わるためである。
一方、扇形状構成部M560は、上述のように回転動作可能に構成されているが、その姿勢を検出するようには構成されていない。遊技者に見えない部分であるので検出の重要性が低いためであり、検出センサを配設しないことで製品コストの削減を図ることができる。更に、扇形状構成部M560は、当接部材M602と連動することから、一方の検出で足り、必要不可欠な箇所にのみ検出センサを配置することで省コスト化を図ることができる。
図290(a)、図290(b)、図291(a)、図291(b)、図292(a)及び図292(b)は、伝達部M580の動作について時系列で図示される可動装飾ユニットM600の部分正面図である。
図290(a)、図290(b)、図291(a)、図291(b)、図292(a)及び図292(b)では、伝達部M580の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、伝達部M580、後側スライド移動体M650及びリンク部材M660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。
なお、外形線として図示される演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600は、図290(a)が図288(a)の状態(起き上がり側終端状態)に対応し、図291(b)が図288(b)の状態(中間状態)に対応し、図292(a)が図289(a)の状態(傾倒側終端状態)に対応し、図292(b)が図289(b)の状態(伸長状態)に対応する。
<自重動作>
図290(a)に図示されるように、可動装飾ユニットM600は、ピン付きギアM582の回転軸と平行に突設される柱状部M582aに、荷重付与部M604が下から支えられることにより板状本体部M510に対する姿勢が保たれる。荷重付与部M604は、起き上がり側終端状態におけるピン付きギアM582の柱状部M582aの回転開始方向(柱状部M582aの中心軸とピン付きギアM582の回転軸とを通る直線に対して直交する直線方向)に沿って延びる平面形状から形成されることから、柱状部M582aと荷重付与部M604とが連動する場合に滑らかに連動させることができる(柱状部M582aの荷重付与部M604による案内を滑らかにすることができる)。
柱状部M582aは、外周の一部が平面状とされ正面視における断面D字形状とされており、その平面状部が、起き上がり側終端状態(図290(a)参照)において可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604の下面と面で接触するようにされている。これにより、荷重付与部M604に対してピン付きギアM582が滑り回転することを避けることができる。
可動装飾ユニットM600は、大径支持部M543及び筒状部M514(図284参照)において共通の中心軸線MJ1を中心とした回転移動が鉛直下方へ向けた移動により開始されるものであり、水平方向に延びる荷重付与部M604の下面と直角に交差する直線であって起き上がり側終端状態(図290(a)参照)において柱状部M582aの中心を通る直線がピン付きギアM582の回転軸を通るよう構成される。
これにより、起き上がり側終端状態において、可動装飾ユニットM600から柱状部M582aに上下方向で付与される荷重がピン付きギアM582の回転軸へ向かうようになるので、可動装飾ユニットM600の自重による荷重によりピン付きギアM582が回転する事態を避け易くすることができる。
図290(a)に図示される状態から駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始させ、ピン付きギアM582及び柱状部M582aを正面視反時計回りに回転移動させることで荷重付与部M604を介する支持力が効かなくなると、可動装飾ユニットM600は、自らの自重により回転移動される(図290(b))。
駆動モータM501の動作制御としては、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態である場合における駆動モータM501の正方向への駆動が、荷重付与部M604を介する支持力が効かなくなる角度までに限定される場合(可動装飾ユニットM600の下方への移動は自重に因る移動)と、指定した角度(例えば、可動装飾ユニットM600の中間状態(図291(b)参照)の角度)まで継続される場合とを設定可能とされる。前者の場合、駆動モータM501の駆動継続時間を短くすることができることから駆動モータM501の寿命の長期化を図ることができ、後者の場合、可動装飾ユニットM600の停止位置の安定を図ることができる。
可動装飾ユニットM600は、当接部材M602が案内される円弧状貫通部M515の形成される範囲において回転動作可能に構成されているが、図291(b)に図示される中間状態において停止し易くされている。これは、可動装飾ユニットM600の回転動作開始後における駆動モータM501のみによるものではなく、回転動作開始後に駆動モータM501の通電を解除した場合であっても機能する工夫にもよるものであって、扇形状構成部M560と円板付きギアM584とが機能する。
図290(a)に図示されるように、駆動モータM501により回転駆動されるピン付きギアM582は、可動装飾ユニットM600から荷重を受けるだけでなく、増厚ギアM583を介して円板付きギアM584からも荷重を受ける。
円板付きギアM584は、背面側へ円弧状に突出され、回転動作中に扇形状構成部M560の突条部M563を押進可能となるように形成される円弧形成部M584aを備える。起き上がり側終端状態(図290(a)参照)において、円弧形成部M584aは、突条部M563と接触しておらず扇形状構成部M560から離間されていることにより、円板付きギアM584が空回りする態様とされ、回転抵抗が低い。これにより、起き上がり側終端状態からの可動装飾ユニットM600の回転移動をスムーズに開始させることができる。
駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始させることで可動装飾ユニットM600の下方向への回転動作が開始された直後に、駆動モータM501の通電が解除される場合、可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604が柱状部M582aを押し下げることでピン付きギアM582が正面視反時計回り方向に回転され、その回転に伴って正面視時計回り方向に回転される増厚ギアM583を介して円板付きギアM584が正面視反時計回り方向に回転される。
扇形状構成部M560は、段部M546(図285参照)から円弧突条M567が受ける摩擦力により、自重による回転動作が生じ難いようにされている。即ち、可動装飾ユニットM600が回転動作して当接部材M602が扇形状構成部M560の延設部M568から離れたとしても、静止摩擦により扇形状構成部M560の姿勢は維持される。そのため、扇形状構成部M560の下降方向の回転移動は、自重により開始されるものではなく、円弧形成部M584aに押進されることにより開始されることになる。
即ち、円板付きギアM584の正面視反時計回り方向への回転により扇形状構成部M560の突条部M563が円弧形成部M584aに当接された後で押進開始され(図291(a))、扇形状構成部M560が静止摩擦以上の荷重を受けた場合に扇形状構成部M560の動作が開始される。
円板付きギアM584が扇形状構成部M560を押進する際に受ける抵抗は、そのまま、増厚ギアM583を介してピン付きギアM582の回転動作の抵抗として作用する。ピン付きギアM582の回転動作の抵抗は柱状部M582aで下支えされる可動装飾ユニットM600の回転動作の抵抗と言い替えることができる。この抵抗は一定では無く、互いの接触の仕方や、接触が生じる位置によって異なる。
図290(a)に図示される状態から駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始させる場合、円板付きギアM584は正面視反時計回り方向に回転されることで円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563から遠ざかるため、可動装飾ユニットM600の回転移動が開始される時点(当接部材M602が延設部M568から離れ始める時点)においては、扇形状構成部M560は静止した状態で維持され、円板付きギアM584も空転される(図290(a)、図290(b))。
その後の円板付きギアM584の正面視反時計回り方向の回転中において円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563に当接し(図291(a))、押進することにより扇形状構成部M560が回転移動して、中間状態(図291(b)参照)に至る。即ち、下降方向への回転動作において、当接部材M602の移動と扇形状構成部M560との移動は同時に開始されるものではなく、当接部材M602の移動開始から遅れて扇形状構成部M560の移動が開始されるよう構成される。これにより、可動装飾ユニットM600(当接部材M602)の下降方向への移動開始が遅れることを回避し易くすることができる。
可動装飾ユニットM600の中間状態(図291(b)参照)では、扇形状構成部M560が抑制物体としての突設補助部M545により規定される動作終端に位置されていると共に、円弧形成部M584aが寸法の長い外周側で扇形状構成部M560の突条部M563と当接していることから、円板付きギアM584が受ける摩擦抵抗が大きくなっており、扇形状構成部M560の上昇方向への戻りが防止される(変位が抑制される)。
即ち、可動装飾ユニットM600の動作速度が高速になっている場合であっても、その動作に追従して回転移動される扇形状構成部M560の円弧状孔M565の上側内側面が突設補助部M545に衝突して扇形状構成部M560が跳ね返る(跳ね戻る)動作が防止される(変位が抑制される)。
更に、可動装飾ユニットM600がピン付きギアM582の柱状部M582aに下支えされるのみの構成であるから、柱状部M582aの変位速度によっては柱状部M582aと可動装飾ユニットM600が離間する(可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604が柱状部M582aに対して浮く)事態が生じ得るところ、扇形状構成部M560が跳ね返る(跳ね戻る)動作が防止される(変位が抑制される)ことにより、扇形状構成部M560の延設部M568の下面と当接する当接部材M602を具備する可動装飾ユニットM600が浮くような事態を避けることができ、柱状部M582aの変位速度に関わらず可動装飾ユニットM600を中間状態(図291(b)参照)で安定させ易くすることができる。
円板付きギアM584が受ける摩擦抵抗が大きくされることにより、駆動モータM501の駆動力の伝達経路において上流側に位置するピン付きギアM582の回転抵抗も大きくされる。これにより、円板付きギアM584及びピン付きギアM582を停止させ易くすることができることから、ピン付きギアM582の柱状部M582aに支えられている可動装飾ユニットM600を中間状態(図291(b)参照)で停止させ易くすることができる。なお、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態から中間状態まで回転移動する際におけるピン付きギアM582の回転角度は90度とされる。
<駆動>
可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図290(a)参照)から、可動装飾ユニットM600の回転動作開始後に駆動モータM501の駆動を正方向で継続させる場合について説明する。駆動モータM501の駆動を正方向で継続させる場合においても、ピン付きギアM582を可動装飾ユニットM600の中間状態に対応する状態(図291(b)参照)に至る直前まで回転させた直後に、通電を解除するよう制御することで、残りは惰性で、可動装飾ユニットM600の自重によりピン付きギアM582が回転され、中間状態(図291(b)参照)で停止させ易くすることができる。
このように駆動モータM501を制御することで、惰性で中間状態(図291(b)参照)に落ち着くことになるので、中間状態までピン付きギアM582を駆動モータM501の駆動力により回転させる駆動態様に比較して、可動装飾ユニットM600の回転し過ぎを避けられる。即ち、慣性で、可動装飾ユニットM600が中間状態を超えて回転動作することを避け易くすることができる。
中間状態(図291(b)参照)に到達した後もピン付きギアM582が継続回転するように駆動モータM501の正方向の駆動を継続すれば、円板付きギアM584が更に回転して円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563から離れることになり、駆動モータM501にかけられる回転抵抗を低減させることができる。これにより、駆動モータM501の駆動力をピン付きギアM582の回転に集中させた状態で(増厚ギアM583及び円板付きギアM584は空転させた状態で)、当接部材M602が扇形状構成部M560から離間する方向に変位する形で傾倒側終端状態(図292(a)参照)へ向けて可動装飾ユニットM600を回転移動させることができる。
中間状態から更に駆動モータM501が正方向で駆動されピン付きギアM582が回転されると、可動装飾ユニットM600は円弧状貫通部M515に移動を規制されることにより傾倒側終端状態で停止され、柱状部M582aは荷重付与部M604から離れてリンク部材M660の伝達爪部M663と接触可能となる(図292(a)参照)。
なお、柱状部M582aが荷重付与部M604から離れてからリンク部材M660の伝達爪部M663に接触する(図292(a)参照)までの間、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の外形は傾倒側終端状態で維持される。
即ち、可動装飾ユニットM600の傾倒側終端状態(図289(a)参照)におけるピン付きギアM582の状態は、図292(a)に図示される状態に限定されるものではなく、可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604との間の領域において柱状部M582aは配置され得る。
傾倒側終端状態(図292(a)参照)から更に駆動モータM501が正方向で駆動されピン付きギアM582が回転されると、柱状部M582aによりリンク部材M660の伝達爪部M663が押進され、突設支持部M617を中心にリンク部材M660が回転移動され、これに連動して後側スライド移動体M650がスライド移動される(図292(b)参照)。柱状部M582aがリンク部材M660の伝達爪部M663に当接する伝達爪部M663の部位は、当接開始時(図292(a)参照)及び方向転換時(図292(b)参照)において同じであり、この部位が、当接する部位として伝達爪部M663の最も先端側にあたる。そのため、当接開始時の部位において強度を確保できるように設計すれば良いので、当接開始時の部位よりも先端側において柱状部M582aが当接し得る場合に比較して、伝達爪部M663の設計難易度を低減させることができる。
これにより、後側スライド移動体M650に締結固定される前側スライド移動体M640(図287参照)及びその前側スライド移動体M640に締結固定される左側装飾部M680がスライド移動され、伸長状態を構成する(図289(b)参照)。
このように、左側装飾部M680がスライド移動される際において、ピン付きギアM582の柱状部M582aが可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604と離れているため、スライド移動を実行している際に可動装飾ユニットM600が回転移動することを防止することができる。
即ち、左側装飾部M680をスライド移動させる際に、駆動モータM501の駆動力が可動装飾ユニットM600の回転移動に使用される可能性を無くすことができ、駆動力をスライド移動に集中させることができる。
<往復>
これは、往復スライド動作させるように駆動する場合も同様である。即ち、可動装飾ユニットM600の傾倒側終端状態(図292(a)参照)と身長状態(図292(b)参照)とが交互に切り替えられるように駆動モータM501の駆動を正逆で交互に切り替える制御を行うことで、可動装飾ユニットM600の傾倒姿勢(角度)は維持したままで、左側装飾部M680を往復移動させることができる。
この往復移動において、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に駆動される移動(伸長状態(図292(b)参照)から傾倒側終端状態(図292(a)参照)へ変化する向きの移動)は、弾性バネM655(図287参照)の付勢力に補助されることにより必要な駆動力が低減される。
この弾性バネM655が配設されていることにより、駆動モータM501の駆動の切替の制御は、駆動モータM501の駆動方向を正回転と逆回転とで切り替える反転態様でも良いし、駆動モータM501へ通電させる状態と通電を解除させる状態とで切り替える入切態様でも良い。
即ち、伸長状態(図292(b)参照)において駆動モータM501の通電を解除した場合、弾性バネM655の付勢力により後側スライド移動体M650が傾倒側終端状態(図292(a)参照)へ向けて移動され、これに伴ってリンク部材M660が回転移動され、そのリンク部材M660に被案内物体である柱状部M582aが押進されることでピン付きギアM582が正面視時計回りに回転移動される。
そのため、逆方向に駆動される前段階(反転時において回転方向速度=0となる段階)において既にピン付きギアM582の回転を開始させることができるので、左側装飾部M680の動作方向の反転を迅速に行わせることができる。
また、ピン付きギアM582の正面視時計回り方向の回転と連動して、円板付きギアM584も正面視時計回り方向に回転されるところ、後側スライド移動体M650のスライド移動途中において、円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563と擦れる位置に到達する。
これにより、後側スライド移動体M650のスライド移動が弾性バネM655(図287参照)の付勢力により終端まで加速度的に移動しきるものに限定されるものではく、途中位置で制動させることができるので、この制動を利用することで後側スライド移動体M650の伸長状態近傍での往復スライド動作(伸縮動作)をさせる場合においても駆動モータM501への負荷が大きくなることを避けることができる。
即ち、伸縮動作では、伸長状態(図292(b)参照)において駆動モータM501の通電を解除し、その解除中において弾性バネM655(図287参照)の付勢力で後側スライド移動体M650、ピン付きギアM582及び円板付きギアM584が動作されることで円弧形成部M584aが突条部M563と擦れる位置に到達するのを待ち、その到達後に再び駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動させ伸長状態とすることを繰り返すように制御される。
後側スライド移動体M650は、そのスライド方向が、可動装飾ユニットM600の回転移動における移動方向に対して傾斜されている。これにより、後側スライド移動体M650のスライド移動による荷重(反力)を可動装飾ユニットM600の回転方向にかけられる成分と、可動装飾ユニットM600の回転方向と直角の方向にかけられる成分とに分けることができる。
駆動モータM501の駆動方向を交互に逆転させることで生じさせる往復動作は、傾倒側終端状態(図292(a)参照)及び伸長状態(図292(b)参照)間でのみ生じさせることができるわけではなく、傾倒側終端状態(図292(a)参照)から起き上がり側終端状態(図290(a)参照)までも可能であるし、伸長状態(図292(b)参照)から傾倒側終端状態(図292(a)参照)を経て起き上がり側終端状態(図290(a)参照)に戻すことも可能である。
<下から上>
図293(a)、図293(b)、図294(a)及び図294(b)は、伝達部M580の動作について時系列で図示される可動装飾ユニットM600の部分正面図である。図293(a)、図293(b)、図294(a)及び図294(b)では、可動装飾ユニットM600が上昇方向に回転移動される様子が時系列で図示される。
図293(a)、図293(b)、図294(a)及び図294(b)では、伝達部M580の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、伝達部M580、後側スライド移動体M650及びリンク部材M660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。
なお、外形線として図示される演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600は、図293(a)が図289(a)の状態(傾倒側終端状態)に対応し、図293(b)が図288(b)の状態(中間状態)に対応し、図294(b)が図288(a)の状態(起き上がり側終端状態)に対応する。
駆動モータM501を逆方向(正面視反時計回り方向)に駆動させる場合、傾倒側終端状態(図293(a)参照)では、円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563から離れているので、抵抗の少ない状態でピン付きギアM582の正面視時計回り方向の回転を生じさせ、柱状部M582aで荷重付与部M604を押し上げることで可動装飾ユニットM600を正面視反時計回りに回転移動させることができる。
この場合において、円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563に最接近する中間状態(図293(b)参照)から、更にピン付きギアM582が可動装飾ユニットM600を上昇させる方向(正面視時計回り方向)に回転されることに対応して、円弧形成部M584aが扇形状構成部M560から離間する方向(正面視時計回り方向)へ変位される。これにより、扇形状構成部M560と円板付きギアM584とを連動させることができ、扇形状構成部M560の回転移動が円板付きギアM584に妨害されることを回避することができる。
傾倒側終端状態(図293(a)参照)から、可動装飾ユニットM600の当接部材M602が扇形状構成部M560の延設部M568に接近する方向で変位され、当接された場合、更に可動装飾ユニットM600が同方向に回転移動されると、当接部材M602に延設部M568が押進されることになり、当接部材M602と共に扇形状構成部M560が変位される。なお、当接部材M602に当接されるまでの間、扇形状構成部M560は停止されるよう構成されているので、当接部材M602と扇形状構成部M560との当接位置を安定させることができ、動作の再現性を高くさせることができる。
扇形状構成部M560は、当接部材M602に押進されることで変位される被押進物体であれば何でも良く、外形は偏心した形状に関わらず対称形状でもよく、配置が固定される部材に配設される物体であってもよく、一の部材から構成されるものに限られるものではなく複数部材から構成されても良く、対象物から荷重が与えられない位置に退避可能に構成されても良く、幅長さが一定となる形状でも良く、箇所によって幅広、幅狭が生じるような形状でも良く、対象物から荷重が長期間継続して与えられるよう構成されても良く、対象物から荷重が衝突の一時点で与えられるよう構成されても良く、これらの組合せでも良い。
駆動モータM501が逆方向で駆動され、中間状態(図293(b)参照)から起き上がり側終端状態(図294(b)参照)へ向けて可動装飾ユニットM600が回転移動される場合、駆動モータM501の駆動力は、可動装飾ユニットM600の当接部材M602を介して扇形状構成部M560に伝達される。つまり、可動装飾ユニットM600と扇形状構成部M560とが共に(一体的に)回転動作される。
このように、扇形状構成部M560の動作態様は、下方向移動時(正面視反時計回り方向移動時)と、上方向移動時(正面視時計回り方向移動時)とで、当接部材M602との関係が異なる。即ち、下方向移動時においては、当接部材M602のみが先に下方向へ移動し扇形状構成部M560は少し遅れて下方向へ移動するといったように当接部材M602と扇形状構成部M560とが離れたが、上方向移動時においては、当接部材M602が扇形状構成部M560を押し上げる態様となることから、離れずに一体的な動作とされる。
特に上方向移動時において当接部材M602の移動に対する扇形状構成部M560の動作遅れを低減させられることにより、可動装飾ユニットM600の上方向移動(復帰制御による退避動作)を迅速に行うことができることから、俊敏な動作を遊技者に視認させることができる。
中間状態(図293(b)参照)において、円板付きギアM584の円弧形状部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563と当接することから、駆動モータM501の駆動力の強弱により動作態様を変化させることができる。即ち、円弧形状部M584aと突条部M563との間の摩擦力よりも弱い駆動力で駆動モータM501を駆動させる場合、中間状態(図293(b)参照)で停止され姿勢が維持され得る一方、突条部M563との間の摩擦力を超える駆動力で駆動モータM501を駆動させる場合、円板付きギアM584を更に回転させることができ、中間状態を超えて当接部材M602を介して扇形状構成部M560を押し上げることができる。
当接部材M602は、円弧状貫通部M515に案内される被案内物体として可動装飾ユニットM600の一部として構成される物体であれば何でも良く、外形は矩形状(非球体形状)でも、球体形状でもよい。
上述したように、当接部材M602と扇形状構成部M560の延設部M568とが当接可能に構成されているところ、可動装飾ユニットM600の動作中において延設部M568が視認可能に構成されている(図288、図289参照)。これにより、当接部材M602との当接により延設部M568が破損する不良が発生した場合に、正面視で不良に気付かせ易い。そのため、延設部M568が破損しているのにも関わらず遊技を継続する事態を防止し易くすることができる。
この作用は、扇形状構成部M560が光透過性の低い(不透明)な樹脂材料から形成されることからも補完されている。即ち、扇形状構成部M560が透明である場合、円弧状貫通部M515を通して延設部M568が露出しているとしても、背後の構造が透き通って視認されるだけであり、延設部M568の状態の変化に気づかせることが難しい。
これに対し、扇形状構成部M560が不透明で構成されることで、延設部M568の状態の変化に気づき易くすることができる。なお、延設部M568を黒色の樹脂材料から形成することで、背後の構造と同時に視認された場合であっても違和感なく視認させることができる。
なお、上述した説明は、中間状態(図293(b)参照)から起き上がり側終端状態(図294(b)参照)までの間、ピン付きギアM582の柱状部M582aが可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604に常時接触することを前提としているが、ピン付きギアM582の回転が高速でされ、可動装飾ユニットM600がピン付きギアM582の柱状部M582aから離間されるように回転動作しても良い。
この場合において、当接部材M602が扇形状構成部M560の延設部M568を押し上げる場合、円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560を下降側終端姿勢に押し下げる位相(図293(b)参照)まで到達する前に扇形状構成部M560を上向きに回転移動させることができるので、より上方まで回転移動させることができる。即ち、駆動モータM501の駆動態様により、当接部材M602及び扇形状構成部M560の動作態様を変化させることができる。
なお、この場合においても、円弧形成部M584aにより扇形状構成部M560の変位が抑制される。また、扇形状構成部M560と当接部材M602とが接触している状態において、ピン付きギアM582の柱状部M582aが可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604を下支えしているわけでは無いので、上向きの勢いが失われれば、当接部材M602は扇形状構成部M560から離間する方向に変位される。
図295は、左側支持装飾部M410の分解正面斜視図であり、図296は、左側支持装飾部M410の分解背面斜視図である。左側支持装飾部M410は、演出動作ユニットM500よりも前側(即ち、扇形状構成部M560と当接部材M602とが近接離反する動作が実行される領域よりも前側)において演出動作ユニットM500の動作を案内可能な箇所を有し、且つ、その案内可能となる部分以外の箇所において発光演出を実行可能とされる。
左側支持装飾部M410は、光透過性の材料(樹脂やガラス)から上下方向に長い板状に形成される板状ベースM411と、その板状ベースM411に長孔状に開口形成される案内長孔M412と、その案内長孔M412とは異なる領域(外側の領域)に配置される装飾受け部M413と、その装飾受け部M413の前側に配設される電飾基板M421と、を主に備える。
また、左側支持装飾部M410は、電飾基板M421を被覆するように無色の光透過性の樹脂材料から形成され装飾受け部M413に締結固定される被覆部M424と、その被覆部M424の一部を被覆可能な形状とされ被覆部M424よりも透過率の低い有色(本実施形態では赤色)の樹脂材料から形成される低透過率部M426と、被覆部M424及び低透過率部M426によりカバーされない位置において電飾基板M421の前側に配設される六角形状の枠状部M427と、無色の光透過性樹脂材料から枠状部M427の内側部の隙間を埋める有底カップ形状に形成されるカップ形状部M428と、を主に備える。
左側支持装飾部M410は、案内長孔M412において背面側に位置する演出動作ユニットM500の板状本体部M510を支持することから、板状ベースM411によって板状本体部M510の少なくとも一部を隠し得る。
一方で、延設部M568(図289(a)参照)を備える扇形状構成部M560は、左側支持装飾部M410と前後方向で重なり得る位置に無く、左側支持装飾部M410によっては隠されないようになっている。これにより、演出動作ユニットM500及び扇形状構成部M560の配置や変位に関わらず、左側支持装飾部M410によって扇形状構成部M560が視認し難くなることを避けることができ、扇形状構成部M560の破損等の不良に正面視で気づき易くすることができる。
板状ベースM411には、背面ケースM310(図280参照)に締結固定される被固定孔部M414aが形成され、装飾受け部M413の後面側には、背面側支持部M430(図283参照)に締結固定される雌ネジ部M414bが形成される。
案内長孔M412は、演出動作ユニットM500の前側突部M511(図282参照)が左側支持装飾部M410の背面側平面に沿って変位可能に挿通される。これにより、可動装飾ユニットM600(当接部材M602)を含む演出動作ユニットM500が、左側支持装飾部M410の背面側平面に沿って変位可能とされる。
案内長孔M412の縁部は板状ベースM411の背面部よりも後方へ向けて突条状に突設形成されている。これにより、左側支持装飾部M410と演出動作ユニットM500との接触面積を減らすことができ(面接触では無いようにすることができ)、演出動作ユニットM500の左側支持装飾部M410に対する動作抵抗を低減させることができる。
また、案内長孔M412の前後両側には、演出動作ユニットM500の前側突部M511(図284参照)が挿通される円形環状のカラー部材M402が配置される。後側に配置されるカラー部材M402は、板状ベースM411及び演出動作ユニットM500の板状本体部M510(図284参照)に挟まれ、前側に配置されるカラー部材M402は、前側突部M511の先端側に螺入されるツバ付きネジ(図示せず)により脱落が防止される。
このカラー部材M402が案内長孔M412と演出動作ユニットM500との間に介在し、案内長孔M412との当接により演出動作ユニットM500の前側突部M511の変位に伴って適宜回転することにより、変位抵抗を低減し、案内長孔M412が受ける摩擦力を低減することができる。
被覆部M424は、案内長孔M412の一部(左側部)と重なり、その他の部分(右側部)と重ならないように構成される。即ち、案内長孔M412は、一部が被覆部M424に隠されており、その他の部分が被覆部M424に隠されずに露出される。
上側の被覆部M424の前方には、可動装飾ユニットM600の延設当接部M605(図287参照)が重なり得る。即ち、演出動作ユニットM500の配置として、案内長孔M412の右側端部に板状本体部M510の前側突部M511が位置する状態では延設当接部M605は被覆部M424の前方から外れる(右側に離れる)一方で、前側突部M511の配置が左側へ移行するにつれて、延設当接部M605が被覆部M424の前方に重なるようになる。
この場合、延設当接部M605は、正面視で被覆部M424と重なる位置において被覆部M424に背面側から当接され得る。これにより、可動装飾ユニットM600の前後位置のずれを戻すことができる。また、この当接位置は、案内長孔M412のうち、被覆部M424に隠されて露出していない位置に対応する。
図297は、昇降駆動部M440の分解正面斜視図であり、図298は、昇降駆動部M440の分解背面斜視図である。昇降駆動部M440は、演出動作ユニットM500の被案内部M550に作用することで、演出動作ユニットM500に対して上下方向の変位を生じさせる。
昇降駆動部M440は、金属材料から上下方向に延設されボールネジのネジ軸を構成するように形成されるネジ軸部M441と、そのネジ軸部M441との間にギアが介在されておりネジ軸部M441を回転させる駆動力を発生させる駆動モータM442と、ネジ軸部M441が挿通される内部にネジ軸部M441に対応する固定ネジが形成されネジ軸部M441の回転方向および回転量に対応して上下方向に移動される昇降移動体M443と、を主に備える。
また、昇降駆動部M440は、ネジ軸部M441を支持するようにネジ軸部M441の前後に配設され樹脂材料から形成される支持部M450と、その支持部M450に変位可能に支持される変位部M460と、その変位部M460を挟んで支持部M450の前側に配設される前側蓋部M470と、を主に備える。
ネジ軸部M441は、ボールネジのリード(ネジ軸の一回転に伴いナット(本実施形態では昇降移動体M443に相当)が軸方向に進む距離)が5[mm]となるように形成される。本実施形態では、このリードの長さが、変位部M460に許容される上下方向スライド変位量に対応する。
昇降移動体M443は、略直方体状で樹脂材料から形成され、ネジ軸部M441が上下方向に挿通されており、上下方向に長尺の板形状で前方へ突設される前方突設部M444と、右方へ突設される右方突設部M445と、上下方向に長尺の板形状が二股で形成され後方へ突設される後方二股部M446と、その後方二股部M446の上側に配設され後方二股部M446よりも柔軟な樹脂材料から形成されるクッション部材M447と、を主に備える。
昇降移動体M443は、樹脂材料から形成されているため、軽量化を図ることができる。これにより、昇降移動体M443の動作方向が上下方向という自重の影響を受けやすい方向でありつつも、その影響を最小限に抑えることができる。即ち、上昇移動させる場合における移動抵抗を低減させることができるので、駆動源としての駆動モータM442にかかる負荷を低減することができるし、下降移動させる場合においても自重による加速を抑制することができるので、停止位置を安定させることができる。
後方二股部M446は、金属棒M401(図282参照)に対して左右側から対向配置される。即ち、昇降移動体M443は、金属棒M401に沿って昇降動作するように構成されており、その左右方向への過変位や、ネジ軸部M441を中心とする回転が、金属棒M401との当接により防止される(姿勢を維持させる)。
クッション部材M447は、上下方向視で被案内部M550(図288参照)と少なくとも一部が重なるように形成されている。そのため、昇降移動体M443が昇降移動(上昇移動)される場合に、クッション部材M447が被案内部M550と当接すれば(押し上げれば)、被案内部M550を昇降移動(上昇移動)させることが可能とされる。
支持部M450は、ネジ軸部M441を両端部でベアリングを介して支持可能に構成される板状本体部M451と、その板状本体部M451の上端部において後方側からネジ軸部M441を挟み込むように配置され板状本体部M451に締結固定される後方蓋部M456と、を主に備える。
板状本体部M451は、上下方向に延びる溝形状で後方側から凹設形成される凹設溝部M452と、その凹設溝部M452と検出溝が一致するように配設される検出センサM453と、前方側へ柱状に突設され変位部M460を変位可能に支持する複数の支持突設部M454と、弾性バネM448の一端を支持する鉤状部M455と、を主に備える。
凹設溝部M452は、昇降移動体M443の前方突設部M444が進入可能な左右幅で形成される。即ち、凹設溝部M452は昇降移動体M443の上下方向変位幅に対応する長さで凹設形成されており、被案内物体の所定部としての前方突設部M444を介して昇降移動体M443の上下方向変位を案内すると共に、昇降移動体M443がネジ軸部M441を中心に回転することを防止する(姿勢を維持させる)。
このように構成されていることから、検出センサM453の検出溝には、昇降移動体M443の前方突設部M444が進入可能とされる。即ち、前方突設部M444は、昇降移動体M443の変位方向の案内や回転の防止をする部分として用いられると共に、昇降移動体M443の位置を配置検出センサである検出センサM453に検出させる部分にも用いられる(兼用される)。
凹設溝部M452及び検出センサM453の検出溝による昇降移動体M443の移動可能方向が上下方向で一致されていることから、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入する前段階から前方突設部M444の移動方向を検出センサM453の検出溝を移動する際と同じ上下方向とすることができる。これにより、前方突設部M444が検出センサM453と接触する可能性を低くすることができ、接触による破損が生じる可能性を低くすることができる。
検出センサM453は、図298に図示されるように、検出溝が凹設溝部M452の開放側(後方側)に向けられる姿勢で、凹設溝部M452の左右側両側壁に断面コの字形状で切り欠き形成される切欠き部M452aの内部に左右端部が収容される形で配設される。この場合、検出センサM453の上面の少なくとも一部(左右端部)は、切欠き部M452aの上側部と対向配置され、切欠き部M452aの上側部に被覆されることになる。これにより、前方突設部M444と検出センサM453との衝突をより生じさせ難くすることができる。
後方蓋部M456は、変位部M460の回転連動部M466を回転可能に支持する支持軸部M457と、その支持軸部M457を中心とする円弧状に穿設される円弧状補助孔M458と、を主に備える。
変位部M460は、上下に長い金属棒部の両端に樹脂板部が固定される長尺本体部M461と、その長尺本体部M461の下端位置から後方に突設され板状本体部M451の貫通孔M451aを通って後方に張り出す受動突設部M462と、支持突設部M454が挿通可能な大きさの上下方向に長い長孔状で長尺本体部M461の樹脂板部に穿設される複数の案内長孔M463と、支持軸部M457に支持される回転連動部M466と、その回転連動部M466の前面から円弧状補助孔M458に挿通されるように突設される複数の円柱状挿通部M467と、下端側の円柱状挿通部M467が挿通されるように長尺本体部M461の上端部において前後方向に穿設される左右方向に長い長孔形状の連動孔M464と、を主に備える。
長尺本体部M461は、弾性バネM448の一端が支持される鉤状部M461aを備える。弾性バネM448の付勢力が常時上向きに掛けられることにより、通常、長尺本体部M461は変位可能範囲の上端位置に配置される。
受動突設部M462は、昇降移動体M443の右方突設部M445に押し下げられる部分である。即ち、昇降移動体M443が下降して右方突設部M445が受動突設部M462を押し下げると、変位部M460の長尺本体部M461は変位可能範囲の上端位置から下降変位する。
案内長孔M463に挿通される支持突設部M454の先端側には、リング形状のカラー部材M454aに挿通されるネジ部材(図示せず)が螺入される。このカラー部材M454aが案内長孔M463の幅よりも長い直径で形成されているので、カラー部材M454aにより長尺本体部M461の脱落を防止することができる。
連動孔M464に回転連動部M466が変位可能に連結されていることで、長尺本体部M461の上下動作に伴って回転連動部M466が回転動作される。回転連動部M466は、左上端部において左方へ向けて嘴形状で張出形成される部分を有しており、その嘴形状部の上側部M466aが支持軸部M457を中心とする円弧形状で形成され、嘴形状部の下側先端部において下方に垂下部M466bが突設される。
ここで、回転連動部M466に支持される被案内部M550(図284参照)の被支持突部M556は、上面が水平な面状に形成されており、下面が回転連動部M466の上側部M466aと面で当接可能な湾曲形状で形成される。
回転連動部M466に垂下部M466bが形成されていることにより、被案内部M550が上昇移動され回転連動部M466を下側から押し上げる場合に、被支持突部M556の上面と回転連動部M466の下面とが面で当接することを避け、摩擦抵抗を低減することができる。
一方で、回転連動部M466を押し上げた後においては、被案内部M550の被支持突部M556の下面に沿って回転連動部M466の上側部M466aが滑り込むように回転連動部M466を回転させることができる。これにより、被案内部M550が上昇移動されることに伴う、回転連動部M466の回転動作(制限状態への移行)をスムーズに実行させることができる。
上側の円弧状補助孔M458に挿通される円柱状挿通部M467の先端側には、リング形状のカラー部材M467aに挿通されるネジ部材(図示せず)が螺入される。このカラー部材M467aが円弧状補助孔M458の幅よりも長い直径で形成されているので、カラー部材M467aにより回転連動部M466の後方蓋部M456からの脱落を防止することができる。
前側蓋部M470は、変位部M460の長尺本体部M461を前側から覆い得る大きさで形成され板状本体部M451に前側から締結固定され、その下側寄りの位置においてLED等の発光手段が配設される電飾基板M471が締結固定される。
図299(a)、図299(b)及び図299(c)は、昇降駆動部M440の背面図である。図299(a)、図299(b)及び図299(c)では、昇降移動体M443及び変位部M460の一方向(解除状態へ向かう方向)の変位が時系列で図示されており、変位部M460の変位に付いての理解を容易とするために板状本体部M451の図示が一部省略され(破られて図示され)、特に省略された箇所においてカラー部材M454aのみが図示され、そのカラー部材M454aを支持する支持突設部M454の図示が省略される。
図299(a)及び図299(b)では、制限状態における変位部M460が図示され、図299(c)では、解除状態における変位部M460が図示される。即ち、変位部M460は、通常は弾性バネM448の付勢力で長尺本体部M461が変位可能範囲の上端位置に配置される制限状態とされる一方で、駆動モータM442が逆方向に駆動されることで下降変位される昇降移動体M443により弾性バネM448の付勢力を超える力で受動突設部M462が押し下げられることで長尺本体部M461が変位可能範囲の下端位置に配置される解除状態に変化される。
この長尺本体部M461の上下方向の変位に伴い、回転連動部M466が、制限状態における左方に張り出す姿勢(図299(a)及び図299(b)参照)から、解除状態における右側へ退避する姿勢(図299(c)参照)へ向けて回転移動される。
図299(a)で図示される状態では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入しておらず(検出センサM453で昇降移動体M443を検出不可能とされており)、図299(b)で図示される状態および図299(c)で図示される状態では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している(検出センサM453で昇降移動体M443を検出可能とされている)。
つまり、昇降移動体M443の右方突設部M445が受動突設部M462に当接する前段階において昇降移動体M443が受動突設部M462に近接配置されていることが検出可能となるように構成されているので、検出センサM453の検出を駆動モータM442の駆動停止制御に利用することで、受動突設部M462を変位させる直前の位置に昇降移動体M443を容易に待機させておくことができる。
受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図299(b)参照)に昇降移動体M443を待機させておく場合の制御態様は何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。一例として、本実施形態では、昇降移動体M443が変位しないように停止させておくようにされている。この場合、昇降移動体M443の誤動作により意図せず回転連動部M466が制限状態から解除状態に切り替えられるという不具合を回避することができる。
また、例えば、定期的(又は不定期)に、昇降移動体M443を前方突設部M444が検出センサM453の検出溝から退避する程度に上昇させ、その上昇した後の位置(図299(a)参照)から下降させることで昇降移動体M443を元の位置(図299(b)参照)に戻すという動作を繰り返すように制御しても良い。この場合、回転連動部M466の動作を生じさせることなく、昇降移動体M443の動作が可能であることを定期的(又は不定期)に把握させることができ、昇降移動体M443(又はその駆動源となる駆動モータM442)に動作不良が生じていないことを主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113に把握させることができる。
この動作により検出センサM453からの出力が切り替えられることになるが、本実施形態では、検出センサM453からの出力の切り替えを、他の特定の装置の出力の切り替えに利用しないようにしている。この場合、昇降移動体M443の動作が開始されていることを遊技者に予想させ難くすることができるので、昇降移動体M443の動作を起点とする演出動作ユニットM500(図282参照)の演出動作の開始タイミングを図り難くすることができ、演出動作に対する注目力を向上させることができる。
なお、検出センサM453からの出力の切り替えを他の特定の装置の出力の切り替えに利用しても良い。他の特定の装置の出力の切り替えとしては、例えば、発光手段(電飾基板M421(図295参照)に配置されるLED、電飾基板M513(図284参照)に配置されるLED、発光部M632(図286参照)等)の制御(点灯消灯の切り替え等)に利用しても良いし、第3図柄表示装置M81(図279参照)における表示の制御(エフェクトの発生消滅の切り替え等)に利用しても良いし、音声出力装置H226(図278参照)からの音声出力の制御(切り替えのタイミングで音声を出力する等)に利用しても良い。
この場合、遊技者に視認させるものではない昇降移動体M443の動作を検出する検出センサM453を、遊技者に知覚させて演出を行う装置としての、発光手段や、第3図柄表示装置M81や、音声出力装置H226等の制御に兼用することができる。
他の特定の装置の出力の切り替えが生じる頻度については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、検出センサM453からの出力の切り替えが生じたら毎回、他の特定の装置の出力の切り替えを実行するようにしても良い。この場合、昇降移動体M443の昇降移動を他の特定の装置を利用した演出に効率的に作用させることができる。
また、例えば、特定のタイミングに検出センサM453の出力の切り替えが生じたら(例えば、被案内部M550が他の位置から上昇端位置に配置が変化され、可動装飾ユニットM600が他の状態から起き上がり側終端状態に変化された後における初回の検出の切り替えが生じたら)他の特定の装置の出力の切り替えを実行するようにしても良い。この場合、初回の検出以降は、昇降移動体M443による検出センサM453の出力の切り替えが生じても、他の特定の装置の出力の切り替えは生じないようにできるので、昇降移動体M443がどう動作制御されていても他の特定の装置で実行される演出を邪魔することがない。これにより、昇降移動体M443の昇降移動の制御の自由度を向上させることができる。
なお、回転動作しながらの落下移動が可能な演出動作ユニットM500は、見映えの変更がされる視認変更物体であればよく、配置が固定されるように構成しても良いし、透過率が高くされることで背面側が透けて視認できるよう構成されても良いし、非透過とされることで背面側を視認できなく構成しても良い。
図299(c)に図示される状態から、受動突設部M462から離間するように昇降移動体M443を上昇させると、弾性バネM448の付勢力により長尺本体部M461が再び上昇変位される。長尺本体部M461が上昇変位されることに伴って回転連動部M466が解除状態における姿勢から制限状態における姿勢となるように回転移動される。
なお、ここでは昇降移動体M443による変位部M460の状態変化の説明を行ったが、本実施形態では、昇降移動体M443が受動突設部M462を押し下げること以外にも、回転連動部M466が回転方向の荷重を受けることで状態が変化され得る。
図300、図301及び図302は、複合動作役物ユニットM400の正面図である。図300、図301及び図302では、被案内部M550が上昇端位置から下降する動作の一例(第1の上下移動制御)が時系列で図示されており、理解を容易とするために、左側支持装飾部M410の図示が省略され、昇降駆動部M440については回転連動部M466のみが実線で図示され、クッション部材M447の外形が想像線で図示され、クッション部材M447及び回転連動部M466を除き図示が省略される。
複合動作役物ユニットM400は、通常、演出動作ユニットM500の被案内部M550が上昇端位置で回転連動部M466に下支えされているが(図300参照)、回転連動部M466が回転移動されると支えが解除され、上下方向に移動可能とされる。
第1の上下移動制御の実行は、検出センサM453に昇降移動体M443の前方突設部M444が検出されている状態(待機位置、図299(b)参照)において昇降移動体M443が下降方向に変位される方向(逆方向)にMPUH221により駆動モータM442が駆動制御されると同時に開始される。これにより、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされ(図299(c)参照)、被案内部M550が金属棒M401に沿った落下を開始する。
図301及び図302で図示されるように、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされると、被案内部M550が金属棒M401に沿って落下する。この落下に伴い第3図柄表示装置M81(図279参照)の正面側位置に張り出す張出物体である演出動作ユニットM500の左端側では前側突部M511が案内長孔M412に沿って案内されることで直線方向(水平方向、左右方向)にスライド移動される。
即ち、演出動作ユニットM500は、右端部では被案内部M550が上下方向にスライド移動され、左端部では前側突部M511が案内長孔M412に沿って右下方向にスライド移動される。
なお、図300、図301及び図302では、切替動作部M480の回転切替部M490が停止姿勢とされ、被案内部M550が落下終端位置までは落下せず、中間位置まで落下される動作が図示される。図300及び図302で図示されるように、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が下降移動されることにより、より上下方向中央側(第3図柄表示装置M81の前方側(図279参照))へ進出することになり、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600に対する遊技者の注目力を高めることができる。本実施形態では、これとは別に、被案内部M550が落下終端位置まで落下する動作が実行可能とされる。
図300及び図301では、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態(図288(a)参照)とされている様子が図示され、図302では、可動装飾ユニットM600が中間状態(図288(b)参照)とされている様子が図示される。
MPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることで第1の上下移動制御が開始されてから、85[msec]後に検出センサM483の検出結果として検出溝から被案内部M550の検出片M554(図285参照)が退避されている状態であるかが判断され、検出片M554が検出センサM483の検出溝から退避されている状態である場合には、第1の上下移動制御の開始から250[msec]後に駆動モータM501(図284参照)が正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始されることで、可動装飾ユニットM600が中間状態にされる。
第1の上下移動制御では駆動モータM501(図284参照)の回転速度は180[rpm](ピン付きギアM582が60[rpm]で回転する速度)に設定されているので、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態から中間状態となるまでに250[msec]経過する。従って、第1の上下移動制御の開始から500[msec]経過した状態が、図302で図示されている状態に対応する。
中間状態は可動装飾ユニットM600が回転移動可能な範囲の途中位置であり駆動制御のみで位置決めをすると位置ずれが生じ得るが、本実施形態では図290及び図292で上述したように円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563と擦れ制動されることにより位置ずれを生じさせることなく中間状態における停止位置(可動装飾ユニットM600の姿勢)を安定させることができる。これにより、図302に図示されるような、可動装飾ユニットM600の姿勢が水平とされる状態で容易に維持することができる。
図303は、切替動作部M480の分解正面斜視図であり、図304は、切替動作部M480の分解背面斜視図である。なお、図303及び図304では、内部形状を視認し易くするために、カップ状本体部M481が、実際の形状(図282参照)から一部破断された(図示を省略された)状態で図示される。切替動作部M480は、被案内部M550(図300参照)の移動可能範囲を切り替える部分として機能する。
図303及び図304に図示されるように、切替動作部M480は、前側が開放されるカップ形状で形成されるカップ状本体部M481と、そのカップ状本体部M481に締結固定される駆動ベースM485と、その駆動ベースM485及びカップ状本体部M481に締結固定される蓋部M486と、その蓋部M486及び駆動ベース部M485の間に配置される駆動ソレノイドM487と、その駆動ソレノイドM487のプランジャに連結されスライド動作可能に構成されるスライド体M488と、そのスライド体M488のスライド動作に基づいて回転移動下方に構成される回転切替部M490と、を主に備える。
カップ状本体部M481は、カップ形状部が樹脂材料から形成されており、金属棒M401(図282参照)を配置可能に上下端部において凹設形成される凹設支持部M482と、検出溝が前方に向けられる姿勢で配設される検出センサM483と、下端側において被案内部M550の下方延設部M555(図284参照)と対応する位置(移動方向視で重なる位置)に配設されカップ形状部よりも柔軟な樹脂材料から形成されるクッション部材M484と、を主に備える。
凹設支持部M482は、下側に形成される箇所においては手前側に蓋部(脱落防止板)が一体形成されることで配置された金属棒M401の脱落が防止され、上側に形成される箇所においては後方蓋部M456(図298参照)の上端位置から後方に張り出し形成される箇所により蓋をされることで金属棒M401の脱落が防止される。
即ち、金属棒M401の組立においては、先に下側の凹設支持部M482に先端を差し込むようにし、反対側の先端を上側の凹設支持部M482に入れてから昇降駆動部M440を切替動作部M480に締結固定することで、組立を容易に行うことができる。
検出センサM483は、検出溝に被案内部M550の検出片M554(図285参照)が進入可能とされる位置に配設されており、検出結果により、被案内部M550が移動可能範囲の上端位置に位置しているか否かを音声ランプ制御装置H113(図278参照)が把握可能に構成される。
検出センサM483は、被案内物体である被案内部M550の検出片M554を検出可能に構成されていれば何でも良く、移動範囲の終端において検出するものでも良く、対象物を移動範囲の途中において検出するものでも良い。また、被案内部M550が検出時に停止するものでもよく、被案内部M550が検出時に停止しないものでも良い。
駆動ベースM485は、浅い皿状に形成されており、その皿状の底面部において回転切替部M490の回転軸となる金属軸棒部M485aが前方へ延びる姿勢で支持されており、皿形状の内側に駆動ソレノイドM487、スライド体M488及び回転切替部M490が配置された上で、蓋部M486に蓋をされる構成となっている。回転切替部M490は蓋部M486の円弧開口部M486aを通って一部が前方に張り出される。
蓋部M486は、上下端部に締結ネジが挿通可能に開口形成される開口部M486bが形成されており、その開口部M486bに挿通された締結ネジにより駆動ベースM485と締結固定されるが、同様にしてカップ状本体部M481にも締結固定される。
即ち、開口部M486bは、挿通された締結ネジが駆動ベースM485の被締結部M485bに螺入される開口と、挿通された締結ネジがカップ状本体部M481の被締結部M481aに螺入される開口と、を備えており、蓋部M486の固定に必要な数の締結ネジを螺入することにより、駆動ベースM485も同時にカップ状本体部M481に固定されるよう設計されている。
この設計によれば、カップ状本体部M481、駆動ベースM485及び蓋部M486を前後方向に積層するという配置としつつも、カップ状本体部M481に駆動ベースM485を締結固定し、蓋部M486を駆動ベースM485のみに締結固定する(積層順に固定する)場合に比較して、駆動ベースM485又は蓋部M486がカップ状本体部M481に対して位置ずれする程度を低減することができる。
即ち、蓋部M486がカップ状本体部M481の被締結部M481aに締結固定されることから、複数部材を積層配置した場合において間に他の部材が挟まる蓋部M486とカップ状本体部M481との間における位置ずれを最小限に抑えることができる。
蓋部M486は、上述した円弧開口部M486a、開口部M486bの他、更に、駆動ソレノイドM487の本体部の位置ずれを当接により防止可能に形成される位置ずれ防止部M486cと、金属軸棒部M485aの先端部(駆動ベースM485に支持される側とは反対側の端部)を受け入れ可能に開口形成される受入部M486dと、を主に備える。
回転切替部M490は、非透過の樹脂材料から形成され金属軸棒部M485aに回転可能に支持されており、金属軸棒部M485aが挿通される円形開口部である支持孔M491と、その支持孔M491の軸線と平行に背面側へ突設される突設部M492と、その突設部M492の突設方向と平行な方向に延びる姿勢で固定される金属棒部M493と、開放部が上側に位置するコの字形状で前方へ向けて延設される延設支持部M494と、その延設支持部M494の開放部から一部がはみ出す態様で支持されるクッション部材M495と、を主に備える。
突設部M492は、スライド体M488の移動先端側から前方へ突設される突設爪部M488aよりも上側に位置するように形成されており、上下方向視で突設爪部M488aと重なる長さで形成される。
延設支持部M494は、コの字形状の下側板部からの長さが、左側板よりも右側板の方が長い(右側板が左側板よりも長く張り出す)形状で形成されている。これにより、クッション部材M495の露出が右側よりも左側の方が多くされる。
クッション部材M495は、延設支持部M494よりも柔軟な樹脂材料から形成されており、延設支持部M494と共に円弧開口部M486aを通って円弧開口部M486aよりも前側に位置するよう構成される。これにより、クッション部材M495は、演出動作ユニットM500の下方延設部M555と同程度の前後方向位置に位置することになる。
図305(a)及び図305(b)は、駆動ベースM485、駆動ソレノイドM487、スライド体M488及び回転切替部M490の正面図である。図305(a)では、駆動ソレノイドM487に通電されていない状態が図示され、図305(b)では、駆動ソレノイドM487に通電されている状態が図示される。
図305(a)及び図305(b)に図示されるように、駆動ソレノイドM487が通電されると、ボディの中央部で上下方向に延びるプランジャが上方へ引き込まれることで、スライド体M488が上方へスライド移動される(図305(b)参照)。
駆動ベースM485には上下方向に延びる長孔形状で穿設される一対の案内長孔M485cが形成されており、スライド体M488の後方から突設される補助突部M488bが案内長孔M485cに摺動されるよう支持されていることで、スライド体M488の変位方向が上下方向に案内される。
図305(a)に図示される回転切替部M490の停止姿勢とされる状態から、駆動ソレノイドM487が通電され、スライド体M488が上方へ変位されると、突設爪部M488aにより突設部M492が押進されることで、回転切替部M490は持ち上げられる態様で回転移動され、解除姿勢とされる。駆動ソレノイドM487の通電が維持されている限り、回転切替部M490は解除姿勢で維持される。
図305(b)に図示される回転切替部M490の解除姿勢とされる状態から、駆動ソレノイドM487の通電が解除されると、駆動ソレノイドM487に内蔵される戻りバネ(図示せず)の付勢力によりスライド体M488が下方へ変位される。スライド体M488が下方へ変位されると、突設爪部M488aにより金属棒部M493が押進されることで、回転切替部M490は押し下げられる態様で回転移動され、停止姿勢とされる。
駆動ソレノイドM487が通電されていない状態では、突設爪部M488aの左端平面(左右方向に直交する平面)が金属棒部M493の右端曲面と当接することで、回転切替部M490の戻り動作(右方へ戻るように回転する動作)を防止することができ、回転切替部M490を停止姿勢で安定的に維持させることができる。
即ち、スライド体M488の変位は案内長孔M485cにより上下方向のみが許容されており左右方向へは規制されているところ、そのスライド体M488に金属棒部M493が左右方向で当接されることで、被案内物体である回転切替部M490の回転が規制される。
図306、図307及び図308は、複合動作役物ユニットM400の正面図である。図306、図307及び図308では、被案内部M550が上昇端位置から下降する動作の一例(第2の上下移動制御(第1動作パターン))が時系列で図示されており、理解を容易とするために、左側支持装飾部M410の図示が省略され、昇降駆動部M440については回転連動部M466のみが実線で図示され、クッション部材M447の外形が想像線で図示され、クッション部材M447及び回転連動部M466を除き図示が省略される。
第2の上下移動制御における第1の上下移動制御(図300から図302参照)との違いとして、図306に図示されるように、駆動ソレノイドM487(図303参照)に通電され回転切替部M490が解除姿勢とされる。即ち、第2の上下移動制御では、回転連動部M466の回転移動よりも前に予め駆動ソレノイドM487に通電されるよう制御され、通電された状態が維持される(図306、図307及び図308参照)。
駆動ソレノイドM487(図303参照)に通電されると回転切替部M490は解除姿勢とされる。この解除姿勢において回転切替部M490のクッション部材M495は被案内部M550の下方延設部M555の移動軌跡から退避される。
これにより、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされ、被案内部M550が金属棒M401に沿って落下した場合であっても、切替動作部M480の回転切替部M490が停止姿勢とされていた場合(図301参照)と異なり、被案内部M550が中間位置で停止されず、落下終端位置(図308参照)まで落下される。
即ち、被案内部M550が回転切替部M490のクッション部材M495と当接されることはなく、クッション部材M495が配置され得る位置を通過して、クッション部材M484に停止される。
図309は、第2の上下移動制御(第1動作パターン)における検出センサM453、駆動モータM442、被案内部M550、検出センサM483、駆動モータM501、検出センサM516及び対応表示ME590の計時変化を示した図である。なお、図309において、検出センサM453,M483,M516について、ONは検出センサM453,M483,M516の検出溝に検出対象が進入している状態を意味する。
なお、図309では、駆動モータM501の動作開始から検出センサM516の検出結果の切り替えまで、実際には微少な時間ずれが生じるが、その時間ずれについての図示が省略され、駆動モータM501の動作開始と同時点で検出センサM516の検出結果が切り替えられるよう図示される。
また、図309では、被案内部M550の上昇端位置からの落下動作開始(又は上昇移動後の上昇端位置への到達)と検出センサM483の検出結果の切り替えとに、実際には微少な時間ずれが生じるが、その時間ずれについての図示が省略され、被案内部M550の上昇端位置からの落下動作開始(又は上昇移動後の上昇端位置への到達)と同時点で検出センサM483の検出結果が切り替えられるよう図示される。
また、駆動モータM442の回転速度は正方向および逆方向において一定速度で制御されるので、図309ではその向きのみが示される。一方で、駆動モータM501の回転速度には大小があるので、図309ではその向きのみではなく、駆動モータM501の回転速度の大小がタイミングチャートの上下方向の幅長さに対応して図示される。なお、駆動モータM442のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さと、駆動モータM501のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さとに対応関係は無い。以下では、第2の上下移動制御(第1動作パターン)について、図306、図307、図308に基づいて、図309を参照しながら説明する。
第2の上下移動制御における演出動作ユニットM500の動作開始は、昇降駆動部M440の検出センサM453(図299参照)の検出状態を把握して準備がされる。即ち、検出センサM453の検出状態は、第2の上下移動制御での動作開始前に音声ランプ制御装置H113(図278参照)において把握される。
即ち、第2の上下移動制御の実行は、検出センサM453に昇降移動体M443の前方突設部M444が検出されている状態(待機位置、図299(b)参照)において昇降移動体M443が下降方向に変位される方向(逆方向)にMPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることに基づいて開始される(図309におけるタイミングa参照)。駆動モータM442は、ネジ軸部M441を600[rpm]で回転させる回転速度で100[msec]駆動され停止されるが(ネジ軸部M441を1回転させ停止されるが)、この駆動により回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされる(図299(c)参照)変位を受動突設部M462(図299(c)参照)に生じさせる長さで昇降移動体M443が下降されるようネジ軸部M441(図299(c)参照)が形成されており、第2の上下移動制御の実行開始から100[msec]後に変位部M460が解除状態とされることに基づいて被案内部M550が金属棒M401に沿った落下を開始する。
なお、検出センサM453(図299参照)による検出状態は、演出動作ユニットM500の戻り動作(上昇動作)の開始時においても音声ランプ制御装置H113(図278参照)において把握されるものであるため、検出センサM453は重要性が高い。この検出センサM453についての制御を、主制御装置H110(図278参照)で行うようにしても良い。
図308に図示されるように、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合、被案内部M550の下縁部と、昇降移動体M443のクッション部材M447の上面部との間には、若干の隙間が生じる。即ち、昇降移動体M443が動作範囲の下端位置に配置されている場合(図299(c)参照)には十分な隙間が生じるようにされ、その下端位置から昇降移動体M443が上昇して変位部M460が制限状態に切り替えられた場合(図299(b)参照)であっても僅かな隙間が生じるようにされる。
昇降移動体M443が上昇して変位部M460が制限状態に切り替えられた場合(図299(b)参照)には、依然として昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453に検出されており、前方突設部M444を検出センサM453(図299参照)の検出溝から退避させるためには昇降移動体M443を更に上昇させる必要があるが、その上昇中に被案内部M550の下縁部に昇降移動体M443のクッション部材M447が押し当てられることになるため、検出センサM453での検出の切り替えに先立って被案内部M550が昇降移動体M443により押し上げ開始される。
そのため、検出センサM453(図299参照)での検出の切り替えによって、昇降移動体M443の上昇動作が開始されたことのみではなく、被案内部M550の落下終端位置からの上昇動作も開始されることを音声ランプ制御装置H113(図278参照)に把握させることができる。
第2の上下移動制御では、検出センサM453に昇降移動体M443の前方突設部M444が検出されている状態(図299(b)参照)から、昇降移動体M443が下降方向に変位されるように駆動モータM442が駆動制御されることで、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされ(図299(c)参照)、被案内部M550が金属棒M401に沿って落下を開始する(図307参照)。
この落下に伴い演出動作ユニットM500の左端側では前側突部M511が案内長孔M412に沿って案内されることで直線方向(水平方向、左右方向)にスライド移動され、演出動作ユニットM500の右端部では被案内部M550が上下方向にスライド移動されることは第1の上下移動制御(図300から図302参照)と同様である。
一方で、第2の上下移動制御では、検出センサM483の検出結果に関わらず、昇降移動体M443を下降方向に変位させる駆動モータM442(図299(b)参照)の駆動開始(逆方向への駆動開始)に基づいて可動装飾ユニットM600に予備的な回転移動を実行させるように制御されることが、第1の上下移動制御とは異なる。
即ち、図307に図示されるように、回転連動部M466は回転移動され被案内部M550の落下が開始はされているが前側突部M511はほとんど変位していない状態となるまでの予備期間において、可動装飾ユニットM600に水平な姿勢をとらせる程度の駆動量で駆動モータM501(図290(a)参照)を駆動させる制御(低速の第1動作の制御)が昇降移動体M443を下降方向に変位させる駆動モータM442(図299(b)参照)の駆動開始に基づいて(駆動開始から100[msec]遅れて)実行される(図309におけるタイミングb参照)。
本実施形態では、第1動作における駆動モータM501の回転速度は、約234[rpm]に設定される。これは、落下開始からの経過時間(被案内部M550が自由落下により図307まで移動する(実寸で約36[mm]移動する)のに要する期間(約85[msec]))で、可動装飾ユニットM600を水平とさせるために若干の角度(約5[度])だけ傾倒させるためにピン付きギアM582を若干の角度(約40[度]、図290(a)及び図290(b)参照)調度回転させられる回転速度として設定される。
即ち、駆動モータM501が第1動作で駆動されることにより回転動作される可動装飾ユニットM600は、自由落下する被案内部M550の移動に対応して動作され、被案内部M550が図307で図示される位置を通過するのと同時に図307に図示される姿勢(水平姿勢)にされる。
この低速な第1動作が予備的に実行されることで、被案内部M550の落下よりも先に可動装飾ユニットM600が下方へ移動する等、演出動作ユニットM500における可動装飾ユニットM600の位置(相対位置)が不安定になることを避け、可動装飾ユニットM600が水平状態を保ったまま下降変位するように遊技者に視認させる演出を実行可能となる。
第2の上下移動制御において、予備期間における検出センサM483の検出結果が把握される。即ち、MPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることで第2の上下移動制御が開始されてから、150[msec]後に検出センサM483の検出結果として検出溝から被案内部M550の検出片M554(図285参照)が退避されている状態であるかが判断され、検出片M554が検出センサM483の検出溝から退避されている状態である場合には、被案内部M550が問題なく落下開始されたと判断され、第2の上下移動制御の開始から185[msec]後(図309におけるタイミングc参照)から駆動モータM501(図290(a)参照)に同方向かつ速度を上げた駆動制御(高速の第2動作の制御)が実行され、可動装飾ユニットM600が中間状態を超えて傾倒側終端状態まで動作される。
本実施形態では、第2動作における駆動モータM501の回転速度は、約423[rpm]に設定される。これは、図307に図示される状態から被案内部M550が落下終端位置(図308参照)に到達するまでの経過時間(被案内部M550が自由落下により上昇端位置から落下終端位置まで移動する(実寸で約216[mm]移動する)のに要する期間(約215[msec]と被案内部M550が自由落下により図307まで移動する(実寸で約36[mm]移動する)のに要する期間(約85[msec])との差である約130[msec])で、被案内部M550の動作に対応して可動装飾ユニットM600を水平とさせるために必要な角度(約33[度])だけ傾倒させるためにピン付きギアM582を必要な角度(約110[度]、図290(b)及び図293(b)参照)調度回転させられる回転速度として設定される。
即ち、駆動モータM501が第1動作から第2動作での駆動に切り替えられることにより回転動作される可動装飾ユニットM600は、自由落下する被案内部M550の移動に対応して動作され、被案内部M550が落下終端位置に到達するのと同時に傾倒側終端状態(図308参照)にされる。
この第1動作よりも長期間で高速の第2動作が実行されることで、被案内部M550の落下速度の上昇に合わせた可動装飾ユニットM600の回転移動速度の上昇を図ることができ、可動装飾ユニットM600が水平状態を保ったまま下降変位するように遊技者に視認させる演出を実行可能となる。
第2動作において、上述したように駆動モータM501が約130[msec]駆動継続された後で停止される(図309におけるタイミングd参照)ことで可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態で維持されることになるが、駆動モータM501の停止が若干遅れた(勢いで過回転した)場合であっても、ピン付きギアM582は可動装飾ユニットM600から柱状部M582aを離間させる方向へ回転動作するに留まるので(図292(a)参照)、可動装飾ユニットM600を傾倒側終端状態で維持させることができる。
上述した通り、第2の上下移動制御における可動装飾ユニットM600の動作は、制御を実行開始後まず検出センサM483の検出結果によらず予備期間において第1動作を実行し、予備期間の終了時に検出センサM483の検出が切り替えられていたことが判断できたことを条件として、第2動作が継続的に実行される。
このように、第2の上下移動制御では、演出動作ユニットM500も可動装飾ユニットM600も、最初の動作は予め決められたタイミングで開始される。この場合に、可動装飾ユニットM600の動作は第1動作からの開始とされており、先に第2動作が実行されるものではない。
また、第2の上下移動制御は、昇降移動体M443が下降方向に変位されるように駆動モータM442(図299(b)参照)が駆動制御されることをきっかけに開始されることから、可動装飾ユニットM600の動作開始よりも先に演出動作ユニットM500の被案内部M550の下降動作が開始されるよう制御される。
<表示>
第2の上下移動制御が開始される場合、その開始と同時(図309におけるタイミングa参照)に第3図柄表示装置M81(図279参照)において演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の外形の形状に対応する対応表示ME590(オーラのように演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600から外側に放射されているように視認される表示)が表示される。
第2の上下移動制御によって、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が高速で下降方向に移動されることに加えて、対応表示ME590が表示されることで、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600に対する注目力を向上させることができる。
<発光>
落下が検出センサM483により検出されたことに基づいて、可動装飾ユニットM600の電飾基板M630の発光態様が変化される。即ち、第1動作の実行中は全体で均一な白色ベースの発光が継続されるところ、検出センサM483により被案内部M550の落下が確認された直後、電飾基板M630が消灯するよう制御される。
その後、被案内部M550が落下終端位置に到達するまでの期間において消灯が維持され、被案内部M550が落下終端位置に到達した直後において全体で均一な白色ベースの発光を再開するよう制御される。この時、再開した時の光量は、再開前と同じでも良いし、異なっていても良い。再開時の方が光量を大きくすると、動作演出の迫力を増すことができる。
図307から図308に図示される第2動作では、被案内部M550が落下移動する際に、何ら対策しなければ、可動装飾ユニットM600が慣性で板状本体部M510に追従するだけであり姿勢が傾斜しがちであるところを、落下中の被案内部M550の位置に合わせて可動装飾ユニットM600を水平な姿勢とできるように駆動モータM501(図290(a)参照)を駆動させるよう制御される。
第1動作の終了時点として図307に図示されるのが、駆動モータM501が図290(a)の状態から回転駆動された後において図291(b)までは至らない状態であることから、第2動作が開始され駆動モータM501が高速回転されると、駆動モータM501に連動されて高速回転される円板付きギアM584の円弧形成部M584aからの荷重により扇形状構成部M560が図291(b)の状態に変位される。
この場合、円弧形成部M584aによる負荷により扇形状構成部M560(図290(a)参照)が傾倒方向に回転移動され、これに伴い延設部M568が可動装飾ユニットM600の当接部材M602を押し下げるように作用することで、可動装飾ユニットM600が慣性により板状本体部M510に追従した傾斜姿勢(右下傾斜の姿勢)となることを回避し易くすることができる。
図302に図示される可動装飾ユニットM600の姿勢が水平であり、図308でも水平姿勢とされる。つまり、単に上下スライド動作のみを実行するエレベーター態様の移動役物と同様に、姿勢を水平に維持した状態での段階別の位置移動を実行することができる。
回転切替部M490は、姿勢が切り替えられることにより、被案内部M550の移動幅を切り替えて演出動作ユニットM500の動作態様を切り替えるように機能する。このうち、被案内部M550に対して移動方向(上下方向)から当接する場合と(図301及び図302参照)、被案内部M550に対して側方から当接可能となる場合とがある。
即ち、図308に図示されるように、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合、被案内部M550は回転切替部M490の移動軌跡内に配置される。即ち、回転切替部M490の駆動ソレノイドM487(図305(a)参照)の通電を解除して回転切替部M490が被案内部M550に接近するように移動可能とすると、回転切替部M490が延設支持部M494において被案内部M550と当接可能となる。
回転切替部M490が延設支持部M494において被案内部M550と当接している場合、被案内部M550を制動させる荷重がかけられることで被案内部M550の動作速度が若干低下し得るが、動作自体を妨げるものではなく、被案内部M550を上昇方向へ動作させることが可能である。
可動装飾ユニットM600は、配置によらず遊技者が視認可能とされる。これにより、可動装飾ユニットM600に対しては、動作により張り出した状態に関わらず、上方に退避している状態においても、常に注目力の向上を図ることができる。
図310及び図311は、複合動作役物ユニットM400の正面図である。図310及び図311では、理解を容易とするために、左側支持装飾部M410の図示が省略され、昇降駆動部M440については回転連動部M466のみが図示され、回転連動部M466を除き図示が省略される。
図312は、第2の上下移動制御(第2動作パターン)における検出センサM453、駆動モータM442、被案内部M550、検出センサM483、駆動モータM501、検出センサM516及び対応表示ME590の計時変化を示した図である。なお、図312において、検出センサM453,M483,M516について、ONは検出センサM453,M483,M516の検出溝に検出対象が進入している状態を意味する。
なお、図312では、駆動モータM501の動作開始から検出センサM516の検出結果の切り替えまで、実際には微少な時間ずれが生じるが、その時間ずれについての図示が省略され、駆動モータM501の動作開始と同時点で検出センサM516の検出結果が切り替えられるよう図示される。
また、駆動モータM442の回転速度は正方向および逆方向において一定速度で制御されるので、図312ではその向きのみが示される。一方で、駆動モータM501の回転速度には大小があるので、図312ではその向きのみではなく、駆動モータM501の回転速度の大小がタイミングチャートの上下方向の幅長さに対応して図示される。なお、駆動モータM442のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さと、駆動モータM501のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さとに対応関係は無い。以下では、第2の上下移動制御(第2動作パターン)について、図310、図311に基づいて、図312を参照しながら説明する。
図310では、第2の上下移動制御における動作制御が実行されたものの、何らかの理由(例えば、駆動の不良や、動作不良)によって回転連動部M466の動作が完全にはされず、被案内部M550が上昇端位置に残存した場合(第2の上下移動制御(第2動作パターン))が図示される。この場合、可動装飾ユニットM600については、第2の上下移動制御における第1動作は実行されている。
この場合においても、既に対応表示ME590が表示されていることから、このままでは遊技者に違和感を与えることになる。対応表示ME590を即座に別の表示に切り替えるように制御しても良いが、一瞬でも表示が実行されてしまうと、遊技者に与える違和感を薄らげることは難しい。
これに対して本実施形態では、MPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることで第2の上下移動制御が開始されてから、150[msec]後に検出センサM483の検出結果として検出溝から被案内部M550の検出片M554(図285参照)が退避されている状態であるかが判断され、検出片M554が検出センサM483の検出溝から退避されていない状態である場合には、第2の上下移動制御の開始から185[msec]後(図312におけるタイミングa参照)から、駆動モータM501を第1の上下移動制御の時と同じ180[rpm]の回転速度で往復回転させることで可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態と傾倒側終端状態(図311参照)とで往復動作させる制御が実行される。
即ち、初回は可動装飾ユニットM600を33度傾倒させるため、ピン付きギアM582を110度回転させるために駆動モータM501が正方向に約310[msec]回転駆動され、その後(図312におけるタイミングb参照)は、正逆交互に420[msec]回転駆動されることで、ピン付きギアM582が150度正逆回転され、可動装飾ユニットM600の往復動作が実行される。
これにより、対応表示ME590を、前方を回転移動する可動装飾ユニットM600そのものや可動装飾ユニットM600の残像により隠すことができるので、対応表示ME590のみが視認されることによる違和感を遊技者に与えることを避けることができ、更には、対応表示ME590を可動装飾ユニットM600の動作に対応した表示であるかのように遊技者に視認させることができる。これにより、演出効果を向上させることができる。
本実施形態では、演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800という少なくとも4種類の動作ユニットが備えられているが(図280参照)、中には動作領域が互いに重なる動作ユニットがあるため、全動作ユニットを自由に動作させると不具合が生じる可能性が有る。そのため、復帰制御では、可動装飾ユニットM600を動作させる場合において、他の動作ユニットの状況を把握するための制御が実行される。
以下では、第2の上下移動制御後の復帰制御について、図306、図307、図308、図310、図311に基づいて、図311及び図312を参照しながら説明する。
復帰制御では、被案内部M550の上昇移動と可動装飾ユニットM600の回転移動とが順次実行される。即ち、可動装飾ユニットM600の回転移動の制御が先に実行開始され、続いて被案内部M550の上昇移動の制御が実行開始される。
詳細には、復帰制御では、まず検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図287参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態ではない場合(図309におけるタイミングe、図312におけるタイミングc参照)には、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に90[rpm]の速さ(ピン付きギアM582が30[rpm]で回転する速さ)で回転駆動され、その回転駆動が検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入していると判別されるまで(可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態となるまで)継続される。
復帰制御では、検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態である場合には、駆動モータM501が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される。図309におけるタイミングf、図312におけるタイミングd参照)。
その駆動モータM501が停止された状態において検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図285参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別される。検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態ではない場合には、昇降移動体M443が上昇方向に変位される方向(正方向)にMPUH221により駆動モータM442が回転駆動され、その回転駆動は、検出センサM483の検出溝に、昇降移動体M443により上昇される被案内部M550の検出片M554が進入しているとMPUH221(図278参照)により判別されるまで(被案内部M550が上昇端位置に配置されるまで、図309におけるタイミングg参照)継続される。被案内部M550が上昇端位置に配置されると、被案内部M550は回転連動部M466に下支えされるため(図306参照)、昇降移動体M443によらずとも被案内部M550は上昇端位置で維持される。
次に、復帰制御では、検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図285参照)が進入している状態であるかが判別され、検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態である場合には、MPUH221により駆動モータM442が逆方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)に回転駆動される。
この駆動モータM442の逆方向への回転駆動は、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入しているとMPUH221(図278参照)により判別されるまで(昇降移動体M443が受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図299(b)参照)に配置されるまで(図309におけるタイミングh参照)継続される。
次に、復帰制御では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合)には、駆動モータM442が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。
本実施形態では、復帰制御により被案内部M550及び可動装飾ユニットM600が上方向に移動開始した後においても、対応表示ME590(図308参照)が維持される。対応表示ME590は、駆動モータM442の動作が停止された後において消され、第3図柄表示装置M81では別の表示が実行される。この場合、被案内部M550が上昇端位置に配置され、且つ可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされた状態(図306参照)と併せて、対応表示ME590を視認させることができる。
これにより、復帰制御が開始される前の被案内部M550及び可動装飾ユニットM600に実行される動作態様に関わらず、停止された可動装飾ユニットM600(図306参照)に対応する表示として対応表示ME590を視認させることができ、対応表示ME590の演出効果を向上させることができる。
上述のように、復帰制御では、被案内部M550の上昇移動と可動装飾ユニットM600の回転移動とが順次実行されるが、図310の状態では、被案内部M550は既に上昇端位置に配置されているので、可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態に戻す動作制御(第2の上下移動制御の第1動作を実行させるよう制御される駆動モータM501(図290(a)参照)を第1動作の逆方向に駆動させる制御)のみが実行されるようにしても良い。
なお、図310に図示されるように被案内部M550が下降移動を開始していなかった場合に、第1動作のみの実行で終了し、即座に復帰制御を実行させるようにしても良い。第1動作は低速かつ短時間の動作であるので、第2動作まで実行された場合に比較して、遊技者に動作前の状態(図306参照)との違いを把握させ難くすることができ、可動装飾ユニットM600が動作を開始したという印象を最小限に抑えることができる。
復帰制御では、被案内部M550の上昇移動と可動装飾ユニットM600の回転移動とが順次実行される(可動装飾ユニットM600の回転移動の制御が先に実行開始され、続いて被案内部M550の上昇移動の制御が実行開始される)が、図310の状態では、被案内部M550は既に上昇端位置に配置されているので、可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態に戻す動作制御のみが完全な態様で実行され、被案内部M550を上昇させる動作制御は簡略化される。
即ち、検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態である場合には、駆動モータM501が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)ことは、復帰制御についての上述の説明と同じ(完全な態様)であるが、駆動モータM442の動作制御が簡略化される。
詳細には、駆動モータM501が停止された状態(図312におけるタイミングd参照)において検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図285参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別された結果、駆動モータM442により昇降移動体M443が上昇されるのに要する最短期間として設定される予定期間(約100[msec])が経過する前に検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態である場合には、更に、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合、駆動モータM442の正方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)への回転駆動が、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入していない位置(図299(a)参照)まで上昇されたとMPUH221(図278参照)により判別される(図312におけるタイミングe参照)まで継続される。
この駆動モータ442が正方向に回転駆動されている状態において昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入していない位置まで上昇されたとMPUH221(図278参照)により判別された場合、駆動モータM442は停止され、続いて駆動モータM442が逆方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)に回転駆動される(図312におけるタイミングf参照)。
この駆動モータM442の逆方向への回転駆動は、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入しているとMPUH221(図278参照)により判別されるまで(昇降移動体M443が受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図299(b)参照)に配置されるまで)継続される。
そして、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合)には、駆動モータM442が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。
このように、図310及び図311に図示される状態からの復帰制御では、昇降移動体M443により被案内部M550を上昇端位置まで押し上げる場合に比較して、昇降移動体M443の動作距離が短くなるように制御されているため(簡略化されているため)、被案内部M550の配置に関わらず昇降移動体M443を同じ距離で上下に昇降移動(往復移動)させる場合に比較して、復帰制御に要する時間を短縮化することができる。
本実施形態では、復帰制御により可動装飾ユニットM600が上方向に移動開始した後においても、対応表示ME590(図308参照)が維持される。対応表示ME590は、駆動モータM442の動作が停止された(図309におけるタイミングh、図312におけるタイミングg参照)後において消され、第3図柄表示装置M81では別の表示が実行される。この場合、被案内部M550が上昇端位置に配置され、且つ可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされた状態(図306参照)と併せて、対応表示ME590を視認させることができる。
これにより、復帰制御が開始される前の被案内部M550及び可動装飾ユニットM600に実行される動作態様に関わらず、停止された可動装飾ユニットM600(図306参照)に対応する表示として対応表示ME590を視認させることができ、対応表示ME590の演出効果を向上させることができる。
本実施形態では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合(図309におけるタイミングh、図312におけるタイミングg参照))に、駆動モータM442が停止され、且つ、対応表示ME590も消えるよう制御される。
そのため、昇降移動体M443の動作距離が長いか短いかによって、対応表示ME590の維持期間が異なる場合を構成することができ、対応表示ME590を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
即ち、可動装飾ユニットM600に第2動作が実行された後、可動装飾ユニットM600が復帰制御により退避された後において対応表示ME590の維持期間を長く確保することができることから、遊技者が対応表示ME590を見逃す事態を避けることができる。
一方、可動装飾ユニットM600に第2動作が実行されなかった場合(往復移動する可動装飾ユニットM600そのものや可動装飾ユニットM600の残像により対応表示ME590を隠す動作が実行された場合、図312参照)対応表示ME590については可動装飾ユニットM600の往復動作により隠されてはいるものの、第2動作が実行された場合に比較して、露出される箇所が多く、対応表示ME590に対する遊技者の視認の程度も大きい。
そのため、可動装飾ユニットM600が復帰制御により退避された後において対応表示ME590の維持期間を短く設定することにより、遊技者が対応表示ME590を視認する期間が過度に長くなることを避け、遊技者が対応表示ME590に飽きることを避けることができる。
なお、対応表示ME590を維持する期間の設定はこれに限られるものではなく、種々の態様が設定可能とされる。例えば、対応表示ME590が維持される条件として、復帰制御により被案内部M550及び可動装飾ユニットM600が復帰されてから予め設定される特定の秒数だけ維持されるよう設定されても良いし、被案内部M550又は可動装飾ユニットM600が次に動作されるまで維持されるよう設定されても良い。
なお、第2の上下移動制御において第3図柄表示装置M81に表示される表示は対応表示ME590に限られるものではなく、例えば、対応表示ME590とは異なる第2対応表示ME592(図310参照)が対応表示ME590の代替または対応表示ME590と併せて表示されようにしても良い。この第2対応表示ME592の意味合いについては何ら限定されるものではないが、本実施形態では、表示される場合の方が、表示されない場合に比較して、大当たり期待度(即ち、抽選が大当たりである割合)が高いことを示唆する。
第2対応表示ME592は、対応表示ME590の内部領域の一部に表示され、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合(図308参照)には板状本体部M510に隠される一方で、被案内部M550が上昇端位置に配置されている場合(図310参照)には板状本体部M510には隠されないが、可動装飾ユニットM600には隠され得る(図311参照)位置に構成される。
即ち、可動装飾ユニットM600が往復回転動作される場合において、可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態の場合には第2対応表示ME592が隠れ、傾倒側終端状態における位置から退避すると第2対応表示ME592が露出されることから、可動装飾ユニットM600が往復回転動作をしている最中に遊技者は第2対応表示ME592を視認することができる。
第2対応表示ME592の表示開始タイミングは、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅らせる。詳しくは、第2の上下移動制御が開始されて所定時間(約250[msec])経過した時に表示される。これにより、被案内部M550が落下する場合において、落下終端位置に到達する前に第2対応表示ME592が実行されることを避けることができる。また、第2対応表示ME592の表示終了タイミングは、対応表示ME590の表示終了タイミングと同じとしている。
これにより、第2対応表示ME592が視認されるタイミングを、被案内部M550が落下したか否かで異ならせることができる。即ち、被案内部M550が落下した場合(図308参照)、復帰制御により被案内部M550が上昇され板状本体部M510が上方に退避されることで始めて第2対応表示ME592を視認可能となる。
一方で、被案内部M550が落下しなかった場合(図310及び図311参照)、復帰制御が開始される前に可動装飾ユニットM600が往復動作している最中において第2対応表示ME592が視認可能とされる。従って、第2対応表示ME592に注目させるタイミングを複数構成することができるので、第3図柄表示装置M81に対する注目力を向上させることができる。
上述したように、第2の上下移動制御において、第1動作の後の第2動作は、検出センサM483により被案内部M550が下降移動を開始したことが検出された場合に実行される。即ち、検出センサM483は、演出動作ユニットM500の動作状況を把握可能なセンサとしての機能を有する。
なお、被案内部M550の検出片M554が進入可能に構成される被進入物体である検出センサM483は、検出片M554を移動範囲の終端において検出するものに限られるものではなく、検出片M554を移動範囲の途中において検出するものでも良い。
このように、本実施形態では、第2の上下移動制御の途中であっても、検出センサM483の検出状況に基づき、第2の上下移動制御が中断され、可動装飾ユニットM600を戻す動作を含む復帰制御に切り替えられ得るよう構成される。
<発光制御>
電飾基板M630のLEDの発光パターンの一例として、光が横一文字で視認されるよう制御可能(点灯させるLEDを選択可能)に構成されている。即ち、電飾基板M630のLEDの発光態様として、被案内部M550が上昇端位置に配置された場合における可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図306参照)において光が横一文字で視認される第1横ライン発光態様と、可動装飾ユニットM600が第1動作され姿勢が傾斜した場合(図310参照)において光が横一文字で視認される第2横ライン発光態様とが、用意されている。
本実施形態では、第2の上下移動制御において可動装飾ユニットM600の第1動作が実行された後で、検出センサM483により被案内部M550が落下を開始していないと判断された場合、第2の上下移動制御の開始時において電飾基板M630が第1横ライン発光態様で制御されていた場合に電飾基板M630の発光態様を第2横ライン発光態様に変化可能に制御される。
これにより、可動装飾ユニットM600の動作に不具合が生じた場合であっても、可動装飾ユニットM600を通した光の視認態様は正常な状態と変わりなく視認されることから、可動装飾ユニットM600に不具合が生じたことを遊技者に気付かれないようにすることができる。
また、検出センサM483の検出の切り替わりが生じていないことから、電飾基板M630を消灯する制御が開始されないので、電飾基板M630の発光が維持される。そのため、可動装飾ユニットM600の状態の変化を目立たせ難くでき、遊技者に違和感を与え難くすることができる。
図313は、スライド動作役物ユニットM700の分解正面斜視図であり、図314は、スライド動作役物ユニットM700の分解背面斜視図である。スライド動作役物ユニットM700は、左右長尺に形成されており左端部から垂下する垂下部を有し背面ケースM310の底壁部M311(図280参照)に締結固定される本体部M710と、その本体部M710に締結固定される駆動モータM720と、その駆動モータM720の駆動力が伝達されることで直線方向にスライド変位可能に本体部M710に支持される第1スライド部M730と、を主に備える。
また、スライド動作役物ユニットM700は、第1スライド部M730が本体部M710との前後方向間に位置するように配置され本体部M710に締結固定される固定伝達部M740と、その固定伝達部M740の下方に配置され第1スライド部M730のスライド移動に連動されて第1スライド部M730の移動方向と平行な直線方向にスライド変位可能に本体部M710に支持される第2スライド部M750と、第1スライド部M730、固定伝達部M740及び第2スライド部M750を本体部M710との間に配置させるように本体部M710に締結固定される前カバー部M760と、その前カバー部M760に一部が重なるように前カバー部M760の前方に配置され第2スライド部M750に締結固定される移動装飾部M770と、を主に備える。
本体部M710は、左右両端まで亘って右下傾斜の長孔状に穿設される主案内開口M711と、その主案内開口M711の上側において主案内開口M711と平行であって主案内開口M711よりも短い長孔状に穿設される補助案内開口M712と、その補助案内開口M712の左端部側に検出溝が向けられる検出センサM713と、左端の垂下部に締結固定される中継基板M714と、その中継基板M714に接続され移動装飾部M770に電力を供給する帯状ケーブルM701を折り返し位置(左右長さの半分の位置)の長さまで本体部M710に固定するケーブル固定部M715と、垂下部において中継基板M714の前方の開放部に蓋をする蓋部M716と、帯状ケーブルM701を下面に沿って案内可能となるように前側に張り出す平面壁状部M717と、を主に備える。
駆動モータM720は、本体部M710の背後に締結固定されており、本体部M710を前方へ貫通される駆動軸に駆動ギアM721が固定されており、その駆動ギアM721に歯合されており互いに連動して回転可能に構成される伝達ギアM722が本体部M710に回転可能に支持される。
第1スライド部M730は、上面にギア歯(複数の凹部および凸部)が形成される板状部材であって、背面側へ円柱状に突設形成され補助案内開口M712に挿通される複数の案内突部M731と、左端部から上方へ板状に延設され検出センサM713の検出溝に進入可能とされる検出片M732と、左側寄りの位置から前方へ円柱形状で突設される支持突設部M733と、その支持突設部M733に回転可能に支持される移動伝達ギアM734と、を主に備える。
案内突部M731には、先端から雌ネジが形成されており、補助案内開口M712の上下幅よりも長い直径で形成されるリング状のカラー部材M731aを介して締結ネジが螺入される。これにより、第1スライド部M730の補助案内開口M712からの脱落が防止されると共に、スライド移動時に生じる抵抗をカラー部材M731aの滑り回転により低減させることができる。
支持突設部M733には、先端から雌ネジが形成されており、その先端にツバ付きのネジが螺入固定されることにより、移動伝達ギアM734が支持突設部M733から脱落することを防止する。
固定伝達部M740は、下面に形成されるギア歯(複数の凹部および凸部)が主案内開口M711の延びる方向と平行な方向に延びるように形成される板状部材であって、本体部M710に締結固定された状態において移動伝達ギアM734が歯合可能とされる。
第2スライド部M750は、移動伝達ギアM734に歯合されるギア歯(複数の凹部および凸部)が上面に形成される板状部材であって、背面側へ円柱状に突設形成され主案内開口M711に挿通される複数の案内突部M751と、移動装飾部M770が締結固定可能に開口形成される複数の締結孔M752と、を主に備える。
案内突部M751には、先端から雌ネジが形成されており、主案内開口M711の上下幅よりも長い直径で形成されるリング状のカラー部材M751aを介して締結ネジが螺入される。これにより、第2スライド部M750の主案内開口M711からの脱落が防止されると共に、スライド移動時に生じる抵抗をカラー部材M751aの滑り回転により低減させることができる。
締結孔M752の間には、締結孔M752の中心間を通る直線方向に沿う凹部を形成する上下一対のリブ部が形成される。このリブ部により、第2スライド部M750の剛性が向上される。
前カバー部M760は、主案内開口M711と平行な直線方向に延びる形状の突条として前方へ突設される突条部M761を備える。突条部M761は、移動装飾部M770が後方変位したり、移動装飾部M770が後倒れ方向に姿勢変化したりした場合に背面が当接可能とされており、その形成方向が移動方向と合致されていることから、当接が生じた場合であっても移動装飾部M770の移動抵抗の上昇を抑制することができる。
移動装飾部M770は、正面視において、人の頭部を模した意匠として設計される。この頭部に対応する胴体部等については、第3図柄表示装置M81(図279参照)での表示に補完される。移動装飾部M770は、第3図柄表示装置M81の表示領域の外方に位置することから、換言すれば、第3図柄表示装置M81のみで表示する場合には第3図柄表示装置M81の表示枠の内側で表示を完結させなければみっともない場合が多いところ、移動装飾部M770により表示を補完するように構成することで、実質的に、表示枠の大きさを拡大することができ、演出の自由度を向上させることができる。
移動装飾部M770は、背面側から円柱状に突設され中心部に雌ネジを有し第2スライド部M750の締結孔M752に締結固定される複数の締結突設部M771と、その締結突設部M771の間に形成される突条部M772と、下端部から後方に張り出す部分を有することで右面視L字形状で右方に延設される配線案内部M773と、帯状ケーブルM701を基板に接続する直前において留める配線留め部M774と、内部に配設され帯状ケーブルM701が接続される電飾基板M775と、を主に備える。
突条部M772は、第2スライド部M750の締結孔M752の中心間に形成される凹部に嵌め込まれる。これにより、互いに締結固定される第2スライド部M750及び移動装飾部M770の剛性の向上を図ることができる。
配線案内部M773は、帯状ケーブルM701を案内すると共に帯状ケーブルM701が下方へ垂れることを防止可能な形状とされている。即ち、本実施形態によれば、移動装飾部M770がスライド移動しても帯状ケーブルM701が下方に垂れることが防止される。
電飾基板M775は、正面側に光を照射するLED等の発光手段を有する基板であって、移動装飾部M770の明るさや色合いを変化可能に制御される。発光態様の制御は、停止時だけでなく、移動装飾部M770の移動中において移動態様に対応した制御が可能とされる。
図315(a)及び図315(b)は、スライド動作役物ユニットM700の正面図である。なお、図315(a)及び図315(b)では、内部構造の理解を容易とするために前カバー部M760の図示が省略され、移動装飾部M770については外形のみが想像線で図示される。
図315(a)及び図315(b)に図示されるように、スライド動作役物ユニットM700は、移動装飾部M770が移動可能範囲の左端位置(上端位置)に配置される第1の状態と、移動装飾部M770が移動可能範囲の右端位置(下端位置)に配置される第2の状態とを往復移動可能に構成される。
移動装飾部M770の第1の状態は、検出センサM713の検出溝に検出片M732が位置していることから、音声ランプ制御装置H113(図278参照)により把握される。移動装飾部M770の第1の状態から駆動モータM720(図313参照)が正方向(正面視時計回り)に駆動回転されることで、移動装飾部M770が第2の状態へ向けて移動される。
本実施形態では、移動装飾部M770の移動速度が、第1の状態から第2の状態へ向けて移動される場合には第1の速度(本実施形態では、駆動モータM720が150[rpm]で回転される際の速度)とされ、第2の状態から第1の状態へ向けて移動される場合には第2の速度(本実施形態では、駆動モータM720が100[rpm]で回転される際の速度)とされるように、駆動モータM720(図313参照)は動作制御される。これにより移動装飾部M770の移動態様を画一化することができるので、例えば、稀に移動装飾部M770が超高速で移動するような場合と異なり、遊技者が移動装飾部M770を見失う事態を避けることができる。
移動装飾部M770の第1の状態と第2の状態との間の変位は、主案内開口M711及び補助案内開口M712に沿う直線方向の変位であり、第2スライド部M750の上面に形成されるギア歯に歯合される移動伝達ギアM734を介して第1スライド部M730と連動される。
ここで移動伝達ギアM734は、第1スライド部M730の移動に伴い固定伝達部M740に対して歯合回転されるので、第1スライド部M730の移動速度に対して移動伝達ギアM734に歯合される第2スライド部M750の移動速度が増速される。これにより、第2スライド部M750に締結固定される移動装飾部M770の移動速度も増速可能とされる。
移動伝達ギアM734は、伝達ギアM722と同形状で形成されるギア部材である。また、第2スライド部M750の上面に形成されるギア歯は、固定伝達部M740の下面に形成されるギア歯および第1スライド部M730の上面に形成されるギア歯と同形状で形成されている。
これにより、第1スライド部M730の移動速度に対する第2スライド部M750(及び移動装飾部M770)の増速の程度は、2倍となる。即ち、第2スライド部M750(及び移動装飾部M770)の変位量は、第1スライド部M730の変位量の2倍となる。
これにより、第1スライド部M730の移動量を抑えながら、第2スライド部M750の移動量を大きく確保することができる。本実施形態によれば、移動装飾部M770の第1の状態では、第1スライド部M730の左右方向位置を固定伝達部M740と同程度としながら第2スライド部M750を固定伝達部M740よりも左側に引き込んだ位置とする一方で、移動装飾部M770の第2の状態では、第1スライド部M730及び第2スライド部M750の左右位置を固定伝達部M740よりも右側に同程度張り出した位置とすることができる。即ち、移動装飾部M770は、所定の直線方向に平行移動することで退避した第1の状態と張出した第2の状態とで変位する張出物体として構成される。
図316(a)、図316(b)及び図316(c)は、導光板M260の正面図である。図316(a)、図316(b)及び図316(c)では、光の導光態様が異なる場合が図示される。
図316(a)に図示されるように、導光板M260は、上面側に第1電飾基板M261が配置され、右面側に第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263が配置される。第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263は、対向配置される導光板M260の各面に対して平行に延びる板状基板であって、導光板M260に対向する位置にLED等の発光手段が等間隔に配置される。
第1電飾基板M261、第2電飾基板M262又は第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段から照射される光は導光板M260の端部から導光板M260へ導光され、導光板M260面上に楔形状で凹設される凹設部で屈折されることで、凹設部により形成される形状が光により描かれる態様で遊技者に視認される。
第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段の点灯、消灯は、それぞれ独立して実行可能に制御される。例えば、第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を全て消灯させている状態(図316(a)参照)から、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を同時に点灯させ、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段については消灯したままの状態(図316(b)参照)としたり、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段を点灯させ第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段については消灯したままの状態(図316(c)参照)としたりする制御が可能である。
第1電飾基板M261、第2電飾基板M262又は第3電飾基板M263を任意のタイミングで個別に点灯、消灯させる制御は当然可能である。また、第1電飾基板M261、第2電飾基板M262又は第3電飾基板M263のうち任意の基板を組み合わせて同時に点灯、消灯させる制御が可能とされる。
また、第1電飾基板M261(第2電飾基板M262、第3電飾基板M263)に配置されるLED等の発光手段は、全てを同時に点灯、消灯させる制御に限られず、一部のLEDのみを点灯させるといった制御も可能とされる。
この場合において、例えば、第1電飾基板M261に配置されるLED等の発光手段のうち、左側半分のみを点灯させる状態と、右側半分のみを点灯させる状態とを構成したり、それらを切り替えたりするように制御することが可能である。同様に、例えば、第1電飾基板M261に配置されるLED等の発光手段のうち、左端のLEDを点灯させた直後に、隣のLEDを点灯させ、またその直後に更に隣のLEDを点灯させ、といったふうに点灯させるLEDを動的に変化させるように制御することが可能である。
図316(b)に図示されるように、本実施形態では、導光板M260が複雑な形状であって、第1電飾基板M261が導光板M260の上面全体を覆ってはいない態様であるにも関わらず、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を点灯させることにより、導光板M260の全体で光により描かれる第1発光形状M271を視認させることができる。
第1発光形状M271は、動作ユニットM300(図280参照)で遊技者に視認されるいずれかの意匠と関係のある形状とされている。そのため、動作ユニットM300における動作と、第1発光形状M271を視認させる第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263の制御とを対応付けることにより、一体的な演出として遊技者に視認させることができる。
第1発光形状M271が遊技者に視認される場合(第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段が点灯制御される場合)、導光板M260の全域が発光しているように視認させ、導光板M260を透過して後方を視認することを困難とすることができる。
図316(c)に図示されるように、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段を点灯させることにより、導光板M260の上端側のみで光により描かれる第2発光形状M272を視認させることができる。
第2発光形状M272は、第1発光形状M271とは異なり、動作ユニットM300(図280参照)で遊技者に視認されるいずれかの意匠に関わらず、遊技者が意味内容を把握可能となる態様で形成される(本実施形態では、「大チャンス」の文字が形成される)。そのため、動作ユニットM300における動作の実行の有無に関わらず、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段を点灯させることで遊技者の注目力を第2発光形状M272に集めることができ、特定の意味内容の報知を実行することができる。
第2発光形状M272を構成する位置で導光板M260面上に楔形状で凹設される凹設部は、第1電飾基板M261から照射される光は屈折させず、第2電飾基板M262から照射される光は屈折させる形状で形成される。
これにより、第1発光形状M271と第2発光形状M272とを、独立して遊技者に視認させることができる。また、第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を全て点灯させれば、第1発光形状M271と第2発光形状M272とを同時に視認させることができる。
図317、図318及び図319は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図317、図318及び図319では、関連動作制御の一例(第1の関連動作制御)が時系列で図示される。第1の関連動作制御は、上述した第2の上下移動制御を含んで構成される。
図317では、被案内部M550が落下終端位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされ移動装飾部M770が第1の状態とされており、図318では、被案内部M550が中間位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされ移動装飾部M770が第1の状態とされており、図319では、被案内部M550が中間位置に位置し可動装飾ユニットM600が伸長状態とされ移動装飾部M770が第2の状態とされている。
第1の関連動作制御では、第3図柄表示装置M81において、移動装飾部M770の意匠を補完する意匠であって移動装飾部M770の意匠と一体的に把握可能な連動意匠M781が表示され、移動装飾部M770が移動することに基づいて共に移動する態様で動的に表示される。即ち、移動装飾部M770が左側終端(第1の状態)から右側終端(第2の状態)まで移動する一連の動作に合わせて、第3図柄表示装置M81の表示が更新(可変)される。
連動意匠M781は、移動装飾部M770に描かれる「人」に対応する胴体と、両腕と、その両腕に装着された「ボクシング用グローブ」と、を備えており、右腕は構え、左腕は正面側に延ばして突きを出している態様から構成される。
移動装飾部M770の移動が、第3図柄表示装置M81の表示面と平行な同一平面内でのスライド移動とされており、移動装飾部M770の移動前後で正面視における移動装飾部M770の形状が不変とされることから、第3図柄表示装置M81で表示される連動意匠M781においても同じ形状を表示しておき移動装飾部M770の移動に合わせて表示を変位させるように制御すれば移動装飾部M770と連動意匠M781とを一体的に視認させることが可能となるので、動作制御および表示の制御の難易度を低くすることができる。
図317に図示される状態は、被案内部M550が落下終端位置に位置し可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態とされた状態(図308参照)から、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態へ回転移動された状態に相当する。
図317において、可動装飾ユニットM600が第3図柄表示装置M81の表示と重なる位置にあるので、前後の位置関係の分、表示よりも、可動装飾ユニットM600に遊技者の注目を集め易くすることができる(目立たせることができる)。
図317及び図318に図示されるように、被案内部M550の上昇移動は、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態になった後で実行される。これは、可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態(図308参照)や伸長状態(図289(b)参照)の時に被案内部M550の上昇移動を行うと、その上昇移動に伴う板状本体部M510の姿勢変化の影響で可動装飾ユニットM600の回転先端側がより下側へ張り出し、他の役物(昇降動作役物ユニットM800、球案内ユニットM900等、図281参照)と衝突し得るためであり、その衝突を未然に防ぐためである。
図317及び図318に図示されるように、可動装飾ユニットM600の起き上がり方向への回転移動は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が停止している時に実行される。
図318及び図319に図示されるように、スライド動作ユニットM700の移動装飾部M770の移動は、被案内部M550が中間位置で停止された後で実行される。このように制御される理由の一つは、移動中における移動装飾部M770の縁を演出動作ユニットM500の板状本体部M510で覆うことで、その視認性を低下させることにある。
本実施形態では、移動装飾部M770の第1の状態と第2の状態との間の変位は、第1スライド部M730が駆動ギアM721に歯合される伝達ギアM722を介してスライド移動され、第2スライド部M750が上面に形成されるギア歯に歯合される移動伝達ギアM734を介して第1スライド部M730と連動されることにより生じるようになっており、介在されるギアがいくつもあるため、動作時におけるバックラッシを避けることが困難であり、駆動モータM720に実行される駆動制御と、移動装飾部M770の変位態様とにずれが生じ得る。更には、ギアを歯合回転させるために必要となる隙間が各歯合箇所に設けられるため、バックラッシの発生箇所もバラバラとなり得るため、連動意匠M781の動的表示を、駆動モータM720の駆動制御から想定される移動装飾部M770の変位に対応させたとしても、実際の移動装飾部M770の変位と連動意匠M781の動的表示との間でずれが生じ得る。
これに対し、スライド動作ユニットM700の移動装飾部M770と第3図柄表示装置M81との境界領域が遊技者に視認され易くなることを避け、移動装飾部M770と連動意匠M781とを分断して視認させることで、第1の関連動作制御において第3図柄表示装置M81において移動装飾部M770の配置に合わせて連動意匠M781を表示させる場合において、移動装飾部M770と連動意匠M781との間に多少の位置ずれが生じたとしても、遊技者に与える違和感を最小限に抑えることができる。
スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第1の状態(図318参照)から第2の状態(図319参照)に変化するまでの期間に、同時に可動装飾ユニットM600が回転移動される。
即ち、移動装飾部M770が第1の状態から移動開始すると同時に可動装飾ユニットM600が回転移動を開始し、移動装飾部M770及び可動装飾ユニットM600は共に等速で移動され、移動装飾部M770が第2の状態に到達すると同時に可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態に到達する。
この可動装飾ユニットM600の回転移動により遊技者の注目が可動装飾ユニットM600に誘導されることにより、板状本体部M510の内側に形成される円弧状貫通部M515を通して第3図柄表示装置M81の表示が視認され得るよう構成されている場合であっても、遊技者が移動装飾部M770と表示との間の領域を視認する可能性を低くすることができる。これにより、移動装飾部M770と表示との間に多少の位置ずれが生じたとしても、遊技者に与える違和感を最小限に抑えることができる。
図318に図示される状態から図319に図示される状態への可動装飾ユニットM600の回転移動により、板状本体部M510の下側において視認される第3図柄表示装置M81の表示領域の面積が小さくされる。これにより、第3図柄表示装置M81における動的表示を更に視認させにくい状態を構成可能となる。
このように、演出動作ユニットM500において、被案内部M550が落下終端位置に配置される場合か、中間位置に配置される場合かに関わらず、可動装飾ユニットM600が同様の最大動作幅で動作可能となるよう構成される。
ここで、可動装飾ユニットM600の回転移動は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770の移動と同時に実行されるので、移動装飾部M770の移動開始時には、板状本体部M510の下側において視認される第3図柄表示装置M81の表示領域の面積は十分大きくされているため、第3図柄表示装置M81に表示される連動意匠M781を遊技者に明確に視認させることができる。
スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770の移動が開始されると、可動装飾ユニットM600が回転移動を開始することで連動意匠M781が表示される面積が徐々に小さくされることになるが、移動装飾部M770が右下方向へ移動するのと共に同方向に一体的に移動を開始する連動意匠M781の移動開始時点においては連動意匠M781が表示される面積は小さくされていないので、移動開始時点における連動意匠M781を遊技者が視認し易く構成される。
そのため、遊技者に対して、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770と連動意匠M781とが一体的に移動しているという印象を持たせることができ、連動意匠M781が見え難くなった後においても、移動装飾部M770を視認させることにより連動意匠M781の存在を遊技者に想像させ続けることができる。
即ち、可動装飾ユニットM600に隠されているにも関わらず、その隠されている部分については、遊技者に記憶を基に補完させるように図ることにより、演出動作ユニットM500に連動意匠M781が分断されて表示範囲(表示の内容)の大きさが制限されることを回避することができる。
第1の関連動作制御では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態まで到達した後、第1の状態側に所定量(約2cm)戻された後で再び第2の状態まで到達する繰り返し往復動作が実行される。この繰り返し往復動作と同時に、第3図柄表示装置M81では、連動意匠M781が移動装飾部M770と移動タイミング、移動速度、移動量および移動方向を同じとして平行移動されるように制御される。
これにより、移動装飾部M770が第2の状態に到達した後においても、移動装飾部M770と連動意匠M781とが一体的な意匠であるとの印象を遊技者に想起させることができ、板状本体部M510及び可動装飾ユニットM600に隠されている箇所の裏側に表示されているだろう内容を遊技者が自ら補完し易くすることができる。
移動装飾部M770及び連動意匠M781の繰り返し往復移動と同時に、可動装飾ユニットM600の伸縮動作が実行される。これにより、移動装飾部M770及び連動意匠M781の意匠と、可動装飾ユニットM600との関連性を遊技者に想起させ、広範囲での演出動作を遊技者に視認させることができる。
上述したように、第1の関連動作制御では、演出動作ユニットM500の上昇動作開始前に可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態まで変位され(図317参照)、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態に到達した後で演出動作ユニットM500の被案内部M550が上昇され(図318参照)、その後で可動装飾ユニットM600が最大動作幅(傾倒側終端状態、伸長状態)となるまで演出動作ユニットM500に対して相対的に回転移動される(図319参照)。
このように、被案内部M550が移動される際には可動装飾ユニットM600の演出動作ユニットM500に対する移動(相対移動)が停止され、可動装飾ユニットM600が演出動作ユニットM500に対して移動(相対移動)する場合には被案内部M550が移動されずに停止されるように構成されており、互いの動作が独立している。
これにより、被案内部M550の移動中に可動装飾ユニットM600が回転移動される場合(第2の上下移動制御等)と異なり、被案内部M550と可動装飾ユニットM600とが、互いに、動作の影響を受けることを回避できる(反動や助走が生じないように構成できる)。
図319に図示される状態からの第1の関連動作制御における復帰制御は、スライド動作役物ユニットM700の動作に対応して複合動作役物ユニットM400の動作タイミングが設定されている。
まず、第1の関連動作制御における復帰制御では、駆動モータM501(図284参照)の駆動と駆動モータM720(図313参照)の駆動とが同時に開始される。即ち、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に駆動回転されることによる可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態へ向かう動作と、駆動モータM720が逆方向(正面視反時計回り)に駆動回転されることによるスライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図319参照)から第1の状態へ向かう動作とが同時に実行される。
詳細には、第1の関連動作制御における復帰制御では、開始時にまず検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図287参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態ではない場合には、駆動モータM501(図284参照)が逆方向(正面視反時計回り方向)に90[rpm]の速さ(ピン付きギアM582が30[rpm]で回転する速さ)で回転駆動され、その回転駆動が検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入していると判別されるまで(可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態となるまで)継続される。
また、第1の関連動作制御における復帰制御では、上述の制御と平行して、開始時にまず検出センサM713の検出溝に第1スライド部M730の検出片M732(図313参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM713の検出溝に検出片M732が進入している状態ではない場合には、駆動モータM720(図313参照)が逆方向(正面視反時計回り方向)に回転駆動され、その回転駆動が検出センサM713の検出溝に第1スライド部M730の検出片M732が進入していると判別されるまで(移動装飾部M770が第1の状態となるまで)継続される。
次いで、第1の関連動作制御における復帰制御では、検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図287参照)が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態である場合には、駆動モータM501(図284参照)が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。
また、第1の関連動作制御における復帰制御では、上述の制御と平行して、検出センサM713の検出溝に第1スライド部M730の検出片M732(図313参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM713の検出溝に検出片M732が進入している状態である場合には、駆動モータM720(図313参照)が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。
次いで、上述のように駆動モータM501(図284参照)及び駆動モータM720(図313参照)が停止された状態(検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入しており、検出センサM713の検出溝に検出片M732が進入している状態)において、検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図285参照)が進入している状態かがMPUH221(図278参照)により判別される。
検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態ではない場合には、昇降移動体M443が上昇方向に変位される方向(正方向)にMPUH221により駆動モータM442が回転駆動され、その回転駆動は、検出センサM483の検出溝に、昇降移動体M443により上昇される被案内部M550の検出片M554が進入しているとMPUH221(図278参照)により判別されるまで(被案内部M550が上昇端位置に配置されるまで)継続される。被案内部M550が上昇端位置に配置されると、被案内部M550は回転連動部M466に下支えされるため(図306参照)、昇降移動体M443によらずとも被案内部M550は上昇端位置で維持される。
復帰制御では、検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図285参照)が進入している状態であるかが判別され、検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態である場合には、MPUH221により駆動モータM442が逆方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)に回転駆動される。
この駆動モータM442の逆方向への回転駆動は、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入しているとMPUH221(図278参照)により判別されるまで(昇降移動体M443が受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図299(b)参照)に配置されるまで)継続される。
次いで、復帰制御では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図278参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合)には、駆動モータM442が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。
このように、第1の関連動作制御における復帰制御では、移動装飾部M770が第1の状態に到達したことが検出センサM713(図315参照)により検出され、且つ、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態へ向けて移動され、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態に到達したことが検出センサM516により検出された後で、被案内部M550が上昇端位置へ向けて移動される。
第3図柄表示装置M81に表示される連動意匠M781は、移動装飾部M770と一体的に移動され、移動装飾部M770が第1の状態で停止することに伴い異なる表示に切り替えられる。
このような制御とすることで、移動装飾部M770及び連動意匠M781を退避させる場合において、移動装飾部M770及び連動意匠M781よりも前側に配置される演出動作ユニットM500の可動装飾ユニットM600についても同時に動作させることで注目させることができ、遊技者の視線(注目力)が退避する移動装飾部M770及び連動意匠M781のみに集中することを避けることができる。これにより、移動装飾部M770及び連動意匠M781の動作にずれが生じた場合であっても、そのずれを遊技者が視認する可能性を低くすることができる。
図320は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図320では、手前側に導光板M260が配置され第1発光形状M271で発光されている様子が図示される。
導光板M260は、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の手前側において第1発光形状M271を視認させることが可能に構成される。第1発光形状M271は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770(図319参照)の意匠に対応する形状とされている。
即ち、第1発光形状M271では、移動装飾部M770の胴体等が表示された連動意匠M781の備えるグローブが拡大された状態で描かれ、中央に「K.O.」の文字が表記され、中央部へ向けた直線が無数に描かれる。導光板M260が第1発光形状M271により全体が密に埋められているため、第1発光形状M271を介して光が視認されている状態では、導光板M260の背後の状態が見え難くなる。
第1発光形状M271を介する光を照射するのは、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図316参照)である。第1の関連動作制御では、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263からの光照射が、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図319参照)とされてから時間を空けて実行される。
これにより、移動装飾部M770の第2の状態へ向けた移動中や、移動装飾部M770が第2の状態とされるのと同時に第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図316参照)からの光照射が実行される場合に比較して、スライド移動中や移動終了直後における移動装飾部M770及び連動意匠M781の視認性を向上させ、遊技者が見逃すことを回避し易くすることができる。
なお、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263からの光照射が、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図319参照)とされると同時に実行されるようにしても良い。この場合、移動装飾部M770が第2の状態となるや否や第1発光形状M271に注目させることができるので、移動装飾部M770から遊技者の視線を早期に外すことができ、移動装飾部M770の復帰制御を実行させるタイミングを早めることができる。
第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図316参照)からの光照射が実行された後は、第1発光形状M271で導光板M260が埋められることになり遊技者は移動装飾部M770(図319参照)や第3図柄表示装置M81を視認し難くなる。
第1の関連動作制御では、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図316参照)からの光照射が実行されている状態において移動装飾部M770が第2の状態から第1の状態へ向けてスライド移動され、このスライド移動と共に連動意匠M781が平行移動される。これにより、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界が多少ずれた場合であっても、そもそも視認が困難なので、遊技者に違和感を与えることを避けることができる。
<顔がスライド移動しなかった場合のエラー制御>
第1の関連動作制御では、第3図柄表示装置M81に表示される連動意匠M781(図319参照)の平行移動が、移動装飾部M770を駆動させる駆動モータM720(図313参照)の駆動開始と連動するように実行される。
駆動モータM720(図313参照)の駆動開始後において、検出センサM713(図313参照)により検出態様が切り替われば、音声ランプ制御装置H113(図278参照)は駆動モータM720が正常に駆動されていると判断し、連動意匠M781の平行移動を継続させる。
一方で、駆動モータM720(図313参照)の駆動開始後において、検出センサM713(図313参照)により検出態様が切り替わらなかった場合、音声ランプ制御装置H113(図278参照)は駆動モータM720に動作不良が生じていると判断し、連動意匠M781の移動態様を変更することで対処するよう構成されている。
即ち、移動方向(傾斜角度)をより下向き側へ変化させ、連動意匠M781の上側に空いた領域に移動装飾部M770の意匠と同様の表示(立体的な移動装飾部M770を正面視での平面的な意匠で変換した表示)をさせるように制御される。これにより、駆動モータM720に動作不良が生じた場合であっても遊技者に与える違和感を少なくすることができる。
移動装飾部M770と連動意匠M781との関連動作は、これに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770の移動方向と連動意匠M781の移動方向とを非平行とする場合を構成可能としても良いし、逆方向とする場合を構成可能としても良い。
また、基準となるタイミングからの移動装飾部M770の動作回数をカウントし、その動作回数に対応して連動意匠M781として表示される態様を切り替えるようにしても良い。例えば、胴体に数字が描かれ、それが「1」、「2」、「3」と順に増えていくように切り替えても良いし、連動意匠M781の衣服の装飾が徐々に豪華になっていく態様で切り替えても良い。
また、移動装飾部M770の動作は、第1の状態から第2の状態へ到達する動作に限定されるものではなく、第1の状態から第2の状態の手前まで行って、第1の状態に戻るような動作を構成することも可能である。この場合において、連動意匠M781が移動装飾部M770に常に追従するように構成しても良いし、連動意匠M781だけは移動範囲の端まで移動する(移動装飾部M770と分離される)ように表示されても良いし、これらを場合によって切り替えても良い。
図321、図322及び図323は、昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図321、図322及び図323では、昇降動作役物ユニットM800の昇降移動部材M860が、下端位置状態(図321参照)から中間位置状態(図322参照)を経て上端位置状態(図323参照)へ向けて変化される様子が時系列で図示される。なお、図321、図322及び図323では、理解を容易とするために前カバー部材M801(図280参照)の図示が省略される。
図321、図322及び図323に図示されるように、昇降動作役物ユニットM800は、背面ケースM310(図280参照)に締結固定されるL字形状のベース板M810と、そのベース板M810の左下端部において背面側に締結固定される駆動モータM820と、その駆動モータM820の駆動力が伝達されるように前カバー部材M801(図280参照)に固定される金属棒部M802に回転可能に支持される扇形状ギアM830と、その扇形状ギアM830の回転移動に伴って回転移動されるようにベース板M810に支持される回転アーム部材M840と、その回転アーム部材M840に一端が支持され他端が前カバー部材M801(図280参照)のバネ支持部M803に支持される弾性バネM850と、回転アーム部材M840の先端部が摺動可能に支持される昇降移動部材M860と、を主に備える。
ベース板M810は、左端部において上下方向に延びる姿勢で締結固定され昇降移動部材M860の移動を案内する金属棒部M811と、その下方において前方へ向けて円柱状に突設される支持突設部M812と、その支持突設部M812の右方において前方へ向けて延びる姿勢で固定される金属棒部M813と、右端部において上下方向に伸縮可能に配設される金属製の伸縮可能ガイドレールM814と、その伸縮可能ガイドレールM814側(右側)に検出溝を向けて配設され昇降移動部材M860の位置を検出可能に構成される検出センサM815と、を主に備える。
駆動モータM820は、駆動軸に固定される駆動ギアM821と、その駆動ギアM821に歯合されベース板M810の支持突設部M812に回転可能に支持される伝達ギアM822と、を主に備える。
駆動モータM820は、駆動力を回転移動に変換できるものであれば何でも良く、駆動モータM442、駆動ソレノイドM487又は駆動モータM720のように配置が固定されているものでも良く、駆動モータM501のように配置位置が変化し得るものでも良く、駆動モータM501のように駆動力を平行移動に変換できる伸縮装置でも良く、駆動力を回転移動にも平行移動にも変換できる伸縮回転装置でも良く、これらの組合せでも良い。
扇形状ギアM830は、円弧状に並んで形成されるギア歯が伝達ギアM822に歯合されると共に金属棒部M802に回転可能に支持されており、回転により変位する位置において金属棒部M831が回転軸と平行に後方へ突設される姿勢で配置される。
回転アーム部材M840は、金属棒部M813に回転可能に支持される本体部M841と、その本体部M841において金属棒部M813の中心を通る直線に沿う長孔状に穿設される連動長孔M842と、本体部M841の回転先端側において昇降移動部材M860が配置される後方側へ向けて延びる姿勢で固定される金属棒部M843と、金属棒部M813と金属棒部M843との間に配設され弾性バネM850の一端が支持されるバネ支持部M844と、を主に備える。
昇降移動部材M860は、移動先端側の装飾体が「チャンピオンベルト」の意匠を模した横長の形状から形成されており、金属棒部M811が挿通されることにより上下方向に移動可能に案内される案内部M861と、回転アーム部材M840の金属棒部M843が挿通可能となるように左右方向に延びる長孔状に穿設される伝達長孔M862と、検出センサM815の検出溝に配置可能となるように下端部から延設される検出片M863と、内部に配設され正面側に光を照射するLED等の発光手段を備える電飾基板M864と、を主に備える。
昇降移動部材M860の上端位置状態(図323参照)又は下端位置状態(図321参照)では、正面視において、金属棒部M802及び金属棒部M831を通る直線と、金属棒部M831及び金属棒部M813を通る直線とが直角に交差する。
これにより、昇降移動部材M860側から回転アーム部材M840に伝達される荷重が扇形状ギアM830の金属棒部M831から金属棒部M802(扇形状ギアM830の回転軸)に向けられることになり、扇形状ギアM830が回転することを防止でき、昇降移動部材M860が移動することを防止することができる。
一方、昇降移動部材M860の中間位置状態(図322参照)では、金属棒部M802及び金属棒部M831を通る直線と、金属棒部M831及び金属棒部M813を通る直線とが一直線上に配置され、その直線上に連動長孔M842が配置される。
昇降移動部材M860の中間位置状態(図322参照)では、下端位置状態(図321参照)や上端位置状態(図323参照)に比較して、扇形状ギアM830の小さな角度の回転を、同様に小さな角度の回転移動として回転アーム部材M840に伝達させ易い。そのため、昇降移動部材M860を小幅で上下往復移動させる場合には、中間位置状態(図322参照)を基準として実行することで、応答性良く上下往復移動を実行させることができる。
本実施形態では、扇形状ギアM830の金属棒部M831が回転軸としての金属棒部M802と回転アーム部材M840の回転軸としての金属棒部M813との間に位置する。これにより、回転アーム部材M840の回転先端の移動量に必要な扇形状ギアM830の回転角度を低減させることができる。
図323には、被案内部M550が落下終端位置に配置され可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態とされた場合(図308参照)における可動装飾ユニットM600の配置が最下端領域ME600として想像線で図示される。
図323に図示される通り、本実施形態では、可動装飾ユニットM600が正面視で視認される最下端領域ME600と、上端位置状態における昇降移動部材M860が正面視で視認される領域とが重複されるように構成される。
従って、可動装飾ユニットM600を到達させる位置に、昇降移動部材M860を到達させることが可能であるので、例えば、第3図柄表示装置M81において最下端領域ME600に注目させるための表示を可能とし、その表示をした後で、その最下端領域ME600に可動装飾ユニットM600が到達する動作制御か、又は昇降移動部材M860が到達する動作制御かを、選択的に実行可能に構成することで、遊技者の注目力を最下端領域ME600に集中させることができる。
更に、この場合において、可動装飾ユニットM600が到達するか、昇降移動部材M860が到達するかによって、対応する抽選が大当たりである確率が異なる場合、遊技者の注目力を最下端領域ME600に更に集中させることができる。
なお、関係する意匠を視認させる視認可能物体であって平行移動可能な昇降移動部材M860は、非透過とされることで背面側を視認できなくするものに限られず、透過率が高くされることで背面側が透けて視認できるものでもよい。
また、関係する意匠を視認させる視認可能物体であって回転移動可能な可動装飾ユニットM600は、非透過とされることで背面側を視認できなくするものに限られず、透過率が高くされることで背面側が透けて視認できるものでもよい。
<制御>
昇降動作役物ユニットM800の動作は、例えば、第1の関連動作制御において制御される。即ち、第1の関連動作制御では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図319参照)とされてから時間を空けて駆動モータM820が制御されることで昇降移動部材M860が下端位置状態から上端位置状態へ向けて上昇移動される。
これにより、移動装飾部M770の第2の状態へ向けた移動中や、移動装飾部M770が第2の状態とされるのと同時に駆動モータM820が制御される場合に比較して、スライド移動中や移動終了直後における移動装飾部M770及び連動意匠M781の視認性を向上させ、遊技者が見逃すことを回避し易くすることができる。
そして、移動装飾部M770及び連動意匠M781をしっかり視認させた後において、第3図柄表示装置M81の手前側において連動意匠M781を部分的に隠す位置に昇降移動部材M860を上昇させることで、遊技者の視線を連動意匠M781から昇降移動部材M860に誘導することができることから、移動装飾部M770及び連動意匠M781が退避する時にまで注目させることを避けることができる。
本実施形態では、昇降移動部材M860が「チャンピオンベルト」を模した意匠とされていることから、連動意匠M781におけるボクシング用グローブとの関連性を遊技者に想像させることができる。これにより、移動装飾部M770及び連動意匠M781に注目していた遊技者の視線を、昇降移動部材M860に自然に誘導することができる。
図324は、遊技盤M13及び動作ユニットM300の部分正面斜視図である。図324では、導光板M260及び風車MWFの図示が省略され、球案内ユニットM900の構造が視認可能とされる。球案内ユニットM900は、センターフレームM86(図279参照)の開口部を通った遊技球を前後に蛇行させながら流下させる第1流路M910と、その第1流路M910の下流側において右方へ向けて下降傾斜され遊技球の流下方向を分岐させる分岐部M920と、その分岐部M920から右方に向けて延設される第2流路M930と、分岐部M920から前方へ向けて延設開始された後で2回屈曲される第3流路M940と、を主に備える。
また、球案内ユニットM900は、第2流路M930又は第3流路M940を流下した遊技球を受け入れ可能な股構成部を有し固定の回転軸M951を中心に円周方向に係属回転可能に構成される6股の回転クルーンM950と、その回転クルーンM950の所定の股部に受け入れられた遊技球が流入可能とされ、流入した遊技球が第1入賞口M64の真上位置から前方へ排出される流入排出経路M960と、分岐部M920における遊技球の流下方向を変化可能に動作される動作部M970と、を主に備える。
回転クルーンM950及び動作部M970は、電源投入から一定のパターンでの動作が継続されるよう制御される。即ち、回転クルーンM950は、一定の速度(本実施形態では6秒間で1回転する速度)で上面視時計回りに継続的に回転動作され、動作部M970は、実線で図示される状態と想像線で図示される状態とで10秒毎に切り替えられる。
第2流路M930では、等間隔で突条M931が前後から突設されている。これにより、第2流路M930を流下する遊技球の流下速度が過大となることを避けることができるので、第2流路M930の終端から回転クルーンM950の後方に位置する股部へ向けた遊技球の落下を落ち着いた状況(遊技球の流下速度が小さい状況)で生じさせることができる。これにより、第2流路M930の終端で遊技球が逆流方向(左方向)に跳ね返ってしまい落下するまでの時間が長くなる不具合や、回転クルーンM950の股部から遊技球が跳ね飛ばされる不具合を回避し易くすることができる。
第3流路M940においても、上述の突条M931と同様に、等間隔で突条M941が突設されており、更に流入位置において遊技球を検出可能に構成される検出センサM942が配設される。
回転クルーンM950は、受け入れた遊技球を流入排出経路M960に流入させることができる2箇所の有利股部M952(図324において回転軸M951の前方および後方に位置)と、受け入れた遊技球を流入排出経路M960に流入させないよう底面が閉じられている4箇所の不利股部M953と、を備える。
不利股部M953に到達した遊技球は、回転クルーンM950の回転に基づいて不利股部M953が回転軸M951の正面に到達した時に前方に流されてステージ前側上面M901を転動するか、又は回転クルーンM950の回転に基づいて不利股部M953が回転軸M951の左前側に到達した時に左前方に流されてステージ中側上面M902を転動して段差を落ちてステージ前側上面M901を転動して、前方(ベース板M60の前方)へ流下される。
動作部M970は、一方の端部を軸として回転可能に構成される羽状動作部M971と、第3流路M940の途中位置において前後方向にスライド移動可能に構成される板状動作部M972と、を主に備える。
羽状動作部M971は、第2流路M930側へ遊技球が流下可能とし第3流路M940側への遊技球の流下を防止する第1状態(図324において実線で図示)と、第3流路M940側へ遊技球が流下可能とし第2流路M930側への遊技球の流下を防止する第2状態(図324において想像線で図示)とで切り替えられる。
板状動作部M972は、羽状動作部M971と同期して状態が切り替えられる。即ち、羽状動作部M971が第1状態(図324において実線で図示)の場合には、第3流路M940から退避して遊技球の流下を許容する第1状態(図324において実線で図示)とされ、羽状動作部M971が第2状態(図324において想像線で図示)の場合には、第3流路M940内に張り出して遊技球の流下をせき止める第2状態(図324において想像線で図示)とされる。
板状動作部M972の配置は、検出センサM942を基準として設定される。即ち、本実施形態では、板状動作部M972が第2状態(図324において想像線で図示)の場合において、板状動作部M972に複数個の遊技球が流下をせき止められる状況において、そのせき止められた4個目の遊技球が検出センサM942に検出される(継続的に検出される)ように、板状動作部M972に配置が設定される。
即ち、板状動作部M972が第2状態(図324において想像線で図示)で維持される10秒間において4個の遊技球が第3流路M940側に案内された場合、4個目の遊技球が検出センサM942に検出された状態が継続される。
<報知>
第3図柄表示装置M81における表示制御において本実施形態が有する制御の一例(発射状況表示)について説明する。発射状況表示では、羽状動作部M971及び板状動作部M972が第1状態とされているか第2状態とされているかが把握可能とされており、第2状態とされている場合において検出センサM942で遊技球の検出がされた場合に、その検出が極短期間(例えば、1秒未満)であれば遊技球の流下であると判断し、検出が長期間(例えば、1秒以上)であれば遊技球の滞留であると判断する。
検出センサM942において長期間の検出がされた場合、板状動作部M972の上流側に4個の遊技球が滞留しており、板状動作部M972が第1状態(図324において実線で図示)に切り替えられた場合、滞留していた4個の遊技球が一度に回転クルーンM950に案内され、それらの遊技球が第1入賞口M64に入球し得る。
ここで、遊技球の個数(4個)は、第1特別図柄の変動を保留させる個数(保留個数、第1図柄表示装置H37Aによる表示に対応)と関係して設定されている。即ち、本実施形態では、第1特別図柄の保留個数が4個であることを基に、検出センサM942までの滞留可能個数が4個となるように板状動作部M972の配置が設定されている。
4個の遊技球が一度に回転クルーンM950に案内される場合、この時点で第1特別図柄の保留個数が満タンになる可能性が有る。そのため、検出センサM942において長期間の検出がされた場合には、第3図柄表示装置M81において、球案内ユニットM900へ向けた遊技球の発射を停止するように促す表示がされるよう制御される。
一方、検出センサM942において長期間の検出がされていない場合(板状動作部M972の上流側に4個の遊技球が滞留していない場合)には、球案内ユニットM900へ向けた遊技球の発射を促す表示を実行可能に制御される。即ち、球案内ユニットM900における遊技球の流下状態の検出に基づいて、異なる報知を実行可能に制御される。
これらの報知が実行される第3図柄表示装置M81は、球案内ユニットM900を流下した遊技球が排出される流入排出経路M960よりも上側に配置されているので、遊技者が報知に気付き易くすることができる。
<演出制御>
図325は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図325に図示される状態は、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800が、それぞれ第3図柄表示装置M81と重なる位置には配置されず、退避している状態に相当する。図325では、関連動作制御の一例(第2の関連動作制御)について説明する。
図325では、複合動作役物ユニットM400の被案内部M550が上昇端位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされており、昇降動作役物ユニットM800の昇降移動部材M860が下端位置状態とされている。
第2の関連動作制御の開始時には、図325に図示されるように、第3図柄表示装置M81において、正面視で最下端領域ME600(図323参照)と重なる領域において到達領域表示M81aが表示される。到達領域表示M81aは、背景表示を透視可能な態様で背景表示の手前の層でされるものであって、可動装飾ユニットM600の意匠と昇降移動部材M860の意匠とが交互に出現するような動的な表示として構成される。
第2の関連動作制御の開始後は、演出待機動作として、到達領域表示M81aの表示態様に合わせて、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が動作するよう制御される。
即ち、第2の関連動作制御の演出待機動作では、到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行されることで繰り返し往復移動される。これにより、可動装飾ユニットM600及び到達領域表示M81aに対する注目力を向上させることができる。
一方、第2の関連動作制御の演出待機動作では、到達領域表示M81aにおいて昇降移動部材M860の意匠が表示されている期間において昇降移動部材M860が中間位置状態への上昇移動と下端位置状態への下降移動とを繰り返し実行されることで繰り返し往復移動される。
到達領域表示M81aの表示期間が終了されると、第2の関連動作制御は3通りに分岐する。即ち、可動装飾ユニットM600が到達領域表示M81aと重なる位置まで移動し停止して演出実行後に復帰制御が実行されることで退避される第1演出動作、昇降移動部材M860が到達領域表示M81aと重なる位置まで移動し停止して演出実行後に退避(下端位置状態まで下降変位)される第2演出動作、又は可動装飾ユニットM600も昇降移動部材M860も到達領域表示M81aと重なる位置まで移動せずに退避される第3演出動作のいずれかが実行される。
これにより、第2の関連動作制御において、到達領域表示M81aが表示される領域に対する注目力を、到達領域表示M81aの表示期間が終了されるまで維持し続けることができる。
なお、第2の関連動作制御では、可動装飾ユニットM600が退避された状態で昇降移動部材M860が上昇移動する場合を説明しているが、昇降移動部材M860の上昇移動は、これに限られるものではない。例えば、第1の関連動作制御において説明したように(図318、図319参照)、被案内部M550が中間位置に配置されている状態において昇降移動部材M860が上昇移動可能に構成される。
即ち、昇降移動部材M860と可動装飾ユニットM600とが前後に位置ずれされていることから、正面視で重なる配置となっても衝突することはなく、傾倒側終端状態や伸長状態の可動装飾ユニットM600の背後において昇降移動部材M860が上昇移動可能とされる。
換言すれば、最下端領域ME600において、昇降移動部材M860と可動装飾ユニットM600とを共に視認させることができる。この場合において、昇降移動部材M860の上流側に可動装飾ユニットM600が配置される関係は維持されることから、遊技者に視認させる意匠の上下関係まで変化することは防止することができる。
図326は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図326では、複合動作役物ユニットM400の被案内部M550が上昇端位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされており、昇降動作役物ユニットM800の昇降移動部材M860が下端位置状態とされている。
第2の関連動作制御において、到達領域表示M81aの表示期間中において、その到達領域表示M81a(図325参照)よりも前側の層で重なるように操作示唆表示M81bを実行可能とされる。操作示唆表示M81bは、「ボタンを押せ」との表示の下に、操作対象を分かり易くするためのボタン部H181(図269参照)を表すイラストが表示され、そのイラストの下に操作可能期間をカウントダウンするバーが表示される。
操作可能期間のカウントダウンは、バーの網掛け部M81cの右端が左端に徐々に(一定速度で)近づくアニメーションとして表示され、網掛け部M81cの右端が左端に到達するタイミングが、操作示唆表示M81bにおける操作可能期間の終期と一致するように制御される。
操作示唆表示M81bが表示されているにも関わらず、遊技者がボタン部H181(図269参照)を操作しなかった場合、網掛け部M81cの右端が左端に到達するタイミングで到達領域表示M81a(図325参照)の表示期間が終了し、そのタイミングで第2の関連動作制御における第1演出動作、第2演出動作または第3演出動作が実行される。
一方、操作示唆表示M81bが表示されている期間において遊技者がボタン部H181(図269参照)を操作した場合、その操作が検出されたタイミングで到達領域表示M81a(図325参照)の表示期間が終了し、そのタイミングで第2の関連動作制御における第1演出動作、第2演出動作または第3演出動作が実行される。
可動装飾ユニットM600の復帰制御は、第1の関連動作制御における復帰制御と同様であって、移動装飾部M770が第1の状態となっていることが検出センサM713(図315参照)により検出されている状態であれば、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態へ向けて移動され、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態に到達したことが検出センサM516(図319参照)により検出された後で、被案内部M550が上昇端位置へ向けて移動され、上昇端位置に到達したことが検出センサM483(図308参照)に検出されることで音声ランプ制御装置H113(図278参照)に把握される。
このように、操作示唆表示M81bが表示されている期間に遊技者がボタン部H181(図269参照)を操作したことに基づいて、第1演出動作が実行された場合に、可動装飾ユニットM600が復帰制御された場合において、検出センサM516(図319参照)及び検出センサM483(図308参照)の検出結果から可動装飾ユニットM600の復帰制御が終了したことを音声ランプ制御装置H113(図278参照)に把握させることができる。この復帰の検出までに、ボタン部H181の操作から少し時間が空けられる。
なお、遊技者は、操作示唆表示M81bが表示される期間以外でもボタン部H181を押し込み操作することは可能であるが、本実施形態では、操作示唆表示M81bが表示される期間以外の期間にボタン部H181が操作されたとしても、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作に影響が与えられないように制御される(演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600がボタン部H181の操作と独立して制御される)。これにより、遊技者がボタン部H181を手当たり次第に操作した場合であっても、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作に不具合が生じることを避けることができる。
なお、ボタン部H181は、遊技者が操作可能な操作物体であれば何でも良く、発光制御されても良く、発光制御されなくても良く、所定の直線方向で変位可能とされ押し込み又は引き抜き操作がされるスライド操作物体でも良く、所定の回転軸を中心とした回転移動が可能とされ回転移動させる操作がされる回転移動物体でも良く、パチンコ機に配設されていても良く、操作によりパチンコ機に作用を与えるものであればパチンコ機とは離れた位置に配設されても良く、これらの組合せでも良い。
<上書動作制御(検出結果で動作制御を上書)>
第2の関連動作制御では、第3図柄表示装置M81における到達領域表示M81a(図325参照)と重なる動作部材が有ることを前提として制御される。即ち、第1演出動作では可動装飾ユニットM600により到達領域表示M81aが隠され、第2演出動作では昇降移動部材M860により到達領域表示M81aが隠されることを前提として設計されている。
一方で、経年劣化等により動作不良が生じる等、様々な理由によって、制御通りに可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が動作されない場合があり、この場合には隠される前提の到達領域表示M81aが遊技者に視認されることになり、みっともない場合がある。
これに対し、本実施形態では、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860の一方に動作不良が疑われた場合に、代わりに可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860の他方を動作させることで到達領域表示M81aを隠すように実行される上書動作制御を備える。
第1の上書動作制御は、可動装飾ユニットM600側に動作不良が疑われた場合に昇降移動部材M860を動作させる制御である。即ち、第2の関連動作制御において第1演出動作が実行されたにも関わらず、検出センサM483(図308参照)の検出が2秒間切り替わらなかった場合に、被案内部M550が下降しない不具合が生じたと判断し、第1演出動作を第2演出動作に切り替えて実行するよう構成される。これにより、2秒のタイムラグは生じるものの、昇降移動部材M860によって到達領域表示M81aを隠すことができる。
第2の上書動作制御は、昇降移動部材M860側に動作不良が疑われた場合に可動装飾ユニットM600を動作させる制御である。即ち、第2の関連動作制御において第2演出動作が実行されたにも関わらず、検出センサM815(図321参照)の検出が2秒間切り替わらなかった場合に、昇降移動部材M860が上昇しない不具合が生じたと判断し、第2演出動作を第1演出動作に切り替えて実行するよう構成される。これにより、2秒のタイムラグは生じるものの、可動装飾ユニットM600によって到達領域表示M81aを隠すことができる。
本実施形態(及び各実施形態)において例示される各動作制御は、抽選にかかる変動ごとに割り当てられたタイミングで実行されるか、抽選の非実行時において、所定のタイミング(時間間隔、時刻等)で実行される。後者の場合において、例えば、演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が第3図柄表示装置M81の正面側に重なった状態で維持されてもよく、遊技者が着席して遊技を開始したことが検出されることにより第3図柄表示装置M81の正面側から退避されるように制御しても良い。この場合、演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860により隠されている箇所における表示の実行を省略することができるので、第3図柄表示装置M81の処理負担を下げることができる(低電力モード)。
本実施形態(及び各実施形態)において例示される各動作制御は、大当たり中において実行されるように構成されても良い。例えば、ラウンド遊技の切り替えのタイミングに合わせて動作制御が実行されることで、遊技者がラウンド遊技の切り替えのタイミングを把握し易くすることができる。この場合において、実際は「10ラウンド」の大当たり遊技であるにもかかわらず第3図柄表示装置M81においては「3ラウンド」の大当たり遊技であるように表示しておき、途中で「10ラウンド」の大当たり遊技であることを報知する場合(所謂、昇格演出)、「3ラウンド」の終了時に動作制御が実行されることで、大当たり遊技が終了してしまうと思い込んでいた遊技者に対して、意外性と、「まだ大当たりが続く」という歓喜を付与することができる。
本実施形態(及び各実施形態)において例示される各動作制御は、一の抽選に係る変動中(又は大当たり中)において、複数の動作制御が実行される場合があっても良いし、一の動作制御が複数回実行される場合があっても良い。また、各動作制御の説明は、理解を容易とするためにまとまりよい範囲で説明したものであるので、例えば、各動作制御として説明した動作の一部だけが実行される場合があっても良い。
本実施形態(及び各実施形態)において説明した主制御装置H110と音声ランプ制御装置H113の機能は、一例であって、これに限られるものではない。例えば、主制御装置H110の機能の少なくとも一部を音声ランプ制御装置H113が備えるようにしても良いし、音声ランプ制御装置H113の機能の少なくとも一部を主制御装置H110が備えるようにしても良い。
図327から図328を参照し、第55実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。図327は、第55実施形態における可動装飾ユニットM2600の分解背面斜視図であり、図328(a)及び図328(b)は、演出動作ユニットM2500及び可動装飾ユニットM2600の部分正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図327に図示されるように、可動装飾ユニットM2600は、上述した可動装飾ユニットM600に対して、延設支持部M614(図287参照)が左側の円筒部のみから形成される延設支持部M2614に変更され、その延設支持部M2614の直径方向に穿設される開口を通って一端側の腕部が延びており他端側は延設支持部M2614に巻きつけられるねじりバネM2614aと、延設支持部M2614に変位可能に支持される当接部材M2602と、を主に備える。
当接部材M2602は、樹脂材料から形成されており、内側開口M2602aが長孔形状(外形が長円形状)で形成される筒状部材であって、長手方向に穿設される受入孔部M2602bと、長孔形状の左端部側を含む円柱形状領域と右端部側を含む長孔形状領域とで分けるように上下から突設される一対の突条部M2602cとを備え、開口方向視における外周の4隅が円弧で形成される。
一対の突条部M2602c同士の間隔は、延設支持部M2614の直径未満とされ、且つねじりバネM2614aを構成する金属線材の太さ以上とされる。従って、ねじりバネM2614aの一端側の腕部は一対の突条部M2602c間を通過可能とされる一方で、延設支持部M2614は一対の突条部M2602c間を通過することができない。
当接部材M2602は、内側開口M2602aにおける突条部M2602cの左側の領域(円柱形状領域)に延設支持部M2614が挿通され、受入孔部M2602bにねじりバネM2614aの一端側の腕部が挿通される。
これにより、当接部材M2602は、延設支持部M2614を軸に回転移動可能な態様で延設支持部M2614に支持されることになり、回転移動が生じても、ねじりバネM2614aの弾性回復力により、長手方向がねじりバネM2614aの一端側の腕部の延びる方向に合う姿勢に復帰される。
また、当接部材M2602が延設支持部M2614の延設方向(前後方向)の変位が生じたとしても、ねじりバネM2614aの弾性回復力により復帰される。そのため、本実施形態では、延設支持部M2614の先端側には脱落防止用のツバ付きのネジは非配設とし、当接部材M2602の延設支持部M2614に対する変位を許容している。
これにより、当接部材M2602と、扇形状構成部M2560との当接位置がばらつき得るように構成することができるので、扇形状構成部M2560に荷重がかけられることで生じる疲労の蓄積の程度を低減することができる。
図328(a)及び図328(b)に図示されるように、扇形状構成部M2560は、上述した扇形状構成部M560(図284参照)に対して、延設部M568が短くされ延設部M2568に変更されたことのみが異なる。
図328(a)では、扇形状構成部M2560の延設部M2568の下側から当接部材M2602が上昇してきて当接した状態が図示されており、図328(b)では、延設部M2568の先端側と擦れる当接部材M2602に与えられる荷重による回転移動により当接部材M2602の姿勢が変化し、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜けようとする状態が図示される。
このように、延設部M2568に当接部材M2602が当接する前と、当接している最中とで、円弧状貫通部M515の幅方向における当接部材M2602の長さに対する円弧状貫通部M515の幅方向の長さが変化し得るよう構成されており、当接部材M2602は円弧状貫通部M515の幅方向に変位可能とされる。
なお、当接部材M2602は、円弧状貫通部M515に案内される被案内物体として可動装飾ユニットM2600の一部として構成される物体であれば何でも良く、図328(a)に図示される形状に限らず、外形は矩形状(非球体形状)でも、球体形状でもよい。
本実施形態では、可動装飾ユニットM2600の上昇速度が大きい場合において、図328(b)のような状態となる。即ち、可動装飾ユニットM2600の上昇速度が小さい場合には、ねじりバネM2614aの弾性力により姿勢維持される当接部材M2602を介する荷重により、可動装飾ユニットM2600に対する当接部材M2602の姿勢が維持されたままで扇形状構成部M2560が上昇方向に回転移動される。
一方で、可動装飾ユニットM2600の上昇速度が大きい場合には、当接部材M2602を介する荷重により扇形状構成部M2560が静止摩擦に打ち勝ち上昇方向に回転移動される前に(又は、回転移動の開始後に)、当接部材M2602の姿勢変化が生じ、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜け得る。これらは、上昇方向の移動に関わらず、下降方向の移動も同様である。
当接部材M2602が延設部M2568に近い側の先端側で延設部M2568と擦れながら回転する態様で姿勢変化することになるが、当接部材M2602の4隅が円弧形状とされているので、当接部材M2602と延設部M2568との擦れによる延設部M2568側の損耗を抑制することができる。
この場合、延設部M2568から当接部材M2602にかけられる荷重の方向は、延設支持部M2614の周囲を回転する方向とされる。そのため、延設支持部M2614に対して軸直方向の荷重が生じる場合に比較して、延設支持部M2614の耐久性を向上させ易くすることができる。更に、延設部M2568と当接部材M2602とが当接したとしても、当接部材M2602の姿勢変化が生じれば延設部M2568にかけられる荷重が低減されるので、延設部M2568の耐久性を向上させることができる。
当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜ける場合には、当接部材M2602が延設部M2568の先端側に対して面で当接する(図328(b)参照)。そのため、当接部材M2602及び延設部M2568とで相互に生じる荷重が一点に生じる場合(例えば、当接部材M2602の外形が真円形状とされる場合)に比較して、荷重を分散させることができるので、当接部材M2602及び延設部M2568の疲労の蓄積を回避し易く、破損を防止し易く、耐久性を向上させ易くすることができる。
当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜ける場合には、扇形状構成部M2560が停止される場合に限らず、当接部材M2602の動作速度によっては当接部材M2602が通り抜ける際に扇形状構成部M2560が動かされる(当接部材M2602が動作する扇形状構成部M2560を追い越す)挙動も生じ得る。
この場合、当接部材M2602が延設部M2568から離れた時には扇形状構成部M2560の姿勢が中途半端な位置で維持されることになるが、その後、円板付きギアM584の回転により円弧形成部M584aが突条部M563を介して扇形状構成部M560を押し下げる。
当接部材M2602の動作速度は、柱状部M582aに荷重付与部M604が持ち上げられることから多くの場合においてピン付きギアM582の回転速度に一対一で対応するが、ピン付きギアM582の回転態様によっては、非対応となる。
例えば、ピン付きギアM582が極端に高速で回転動作された場合(例えば、駆動モータM501の回転が600[msec]で生じた場合)、柱状部M582aと荷重付与部M604との衝突により可動装飾ユニットM2600が跳ね上げられ得る(柱状部M582aと荷重付与部M604とが離間する)し、柱状部M582aにより荷重付与部M604を途中位置まで持ち上げた後でピン付きギアM501の回転方向を反転させて極端に高速で回転させると、可動装飾ユニットM2600の姿勢変化を置き去りにして柱状部M582aが回転移動し得る(柱状部M582aと荷重付与部M604とが離間する)。
特に、柱状部M582aと荷重付与部M604との衝突により可動装飾ユニットM2600が跳ね上げられる場合、例えば、ピン付きギアM582の姿勢が可動装飾ユニットM2600の中間状態に対応している場合(図328(a)参照)において、可動装飾ユニットM2600の姿勢が中間状態の姿勢よりも起き上がり終端状態の姿勢(図328(b)参照)側に変化され得る。
この場合において、ピン付きギアM582と円板付きギアM584とはギアの歯合により位相関係が一対一で対応しているので、扇形状構成部M2560の上方への回転動作は、突条部M563が円板付きギアM584の円弧形成部M584aと当接することにより抑制される。そのため、当接部材M2602との当接により扇形状構成部M2560が上方へ回転動作することを抑制することができ、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜け、当接部材M2602が扇形状構成部M2560から離間する態様で上方へ移動する状況を構成し易くすることができる。
なお、扇形状構成部M2560について、静止摩擦で姿勢を維持する構成ではなく、追加の錘が付けられることで自重により動作範囲の下側終端(図328(a)参照)に付勢されるようにしても良い。この場合、円板付きギアM884の回転によらずとも扇形状構成部M2560の姿勢を下げることができる。この場合において、錘の位置は、延設部M2568に位置しても良いし、延設部M2568と中心軸線MJ1との間に位置しても良いし、中心軸線MJ1に対して延設部M2568の反対側に位置しても良い。
当接部材M2602が延設部M2568の先端側を上方に通り抜けた場合、再度当接部材M2602が下降する方向で移動すると延設部M2568と当接し得る。ここで、当接部材M2602がゆっくりと下降される場合、ねじりバネM2614aの弾性回復力により可動装飾ユニットM2600に対する当接部材M2602の姿勢が維持されることから、可動装飾ユニットM2600の姿勢を当接部M2602が、突設補助部M545にそれ以上の下降変位を規制された場合における扇形状構成部M2560の延設部M2568の上面に当接した状態(起き上がり側終端状態と中間状態との間の状態)で維持することができる。これにより、可動装飾ユニットM2600で姿勢を容易に停止させられる状態(下降動作からの姿勢維持が容易となる状態)を増やすことができることから、可動装飾ユニットM2600に注目させる位置を増やすことができ、可動装飾ユニットM2600による演出効果を向上させることができる。
一方、第2の上下移動制御における第2動作のように高速で可動装飾ユニットM2600を下降動作させる場合には、ねじりバネM2614aの弾性回復力に抗して当接部材M2602の姿勢が変化され、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を下方向へ通り抜け得る。
図329から図330を参照し、第56実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。上述した第54実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示が実際に表示できる領域全体におよぶ表示(通常表示)とされる場合を説明したが、第56実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示を通常表示から切り替え可能とされる。
図329は、第56実施形態における正面枠H3014の分解正面斜視図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。正面枠H3014では、上述した正面枠H14(図276参照)との比較において、上下皿ユニットH15における度数表示部H41の右隣位置に、遊技者が操作可能に構成される調整ボタンH3044が配設されていることが異なる。
調整ボタンH3044は、抽選に係る変動表示に合わせて操作タイミングを報知されるボタン部H181とは異なり、任意のタイミングで操作が可能とされる。そのため、抽選に係る変動表示とは独立したタイミングで、遊技者に注目させるための制御が実行可能とされる。
例えば、抽選に係る変動表示がされていない状況において調整ボタンH3044の内部に配置されるLEDを発光制御して調整ボタンH3044自体を明るく照らしたり、電飾部H29~H33におけるLEDを特定の発光態様(例えば、LEDを順に点灯させて光が調整ボタンH3044に徐々に近づく等の態様)で発光させたりすることで、操作有効状態であることを示唆し、調整ボタンH3044への操作を促すようにする制御が可能とされる。
調整ボタンH3044が操作有効状態である場合には上述のような発光をさせるように制御され、調整ボタンH3044が操作無効状態である場合には、上述の発光を止めるよう制御される。例えば、上述した第1の関連動作制御等、第3図柄表示装置M81の表示と複合動作役物ユニットM3400の動作とが関連する制御が実行される場合には、演出の都合上、調整を不可能とするように制御されるため、調整ボタンH3044が操作無効状態とされる。
図330は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM3400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図330では、遊技者により調整ボタンH3044(図329参照)が操作された後の状態が図示される。
図330に図示されるように、調整ボタンH3044が操作有効状態において操作されると、被案内部M550が中間位置まで下降し、可動装飾ユニットM600が中間状態まで回転移動するように制御されると共に、第3図柄表示装置M81における表示の大きさが、実際の表示領域よりも小さい調整領域M3081aに変化する。
調整ボタンH3044が操作有効状態において操作されると、第3図柄表示装置M81における表示が通常表示であった場合に、調整表示に切り替えられる。調整表示では、調整ボタンH3044の操作前における表示(通常表示)が調整領域M3081aの上下幅に収まる程度に上下方向および左右方向が等比となるように縮小された表示が調整領域M3081aの左右中央に配置され、調整領域M3081aの左端位置には、調整ボタンH3044の操作後であることが容易に把握できるように「調整中」の文字が表示される(明るく表示される)。
このように、調整表示によれば、表示自体が小さくされる一方で、表示位置が第3図柄表示装置M81の下方に寄せられる。これにより、第3図柄表示装置M81の下方に配置される第1入賞口M64(図279参照)に注目しながら、その視界の端で第3図柄表示装置M81の表示を視認するという遊技態様(第3図柄表示装置M81の全域はそもそも視認していない態様)においても、第3図柄表示装置M81における表示内容を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、調整ボタンH3044は、第3図柄表示装置における表示の調整が可能であれば何でも良く、他の機能が制限されるものではないので、例えば、ボタン部H181のように抽選に係る変動表示に合わせて操作タイミングを報知されるものでも良く、抽選に係る変動表示とは無関係に操作が報知されるものでも良く、抽選に係る変動表示が実行中において操作が出来なくなるものでも良く、抽選に係る変動表示が実行中であっても操作可能であっても良く、機能調整操作部H190のように遊技に関わる音声や光量の調整が可能であっても良く、操作しても遊技に関わる調整は実行されない非調整部でも良く、球貸しボタンH42のように操作により遊技球が払い出されるものでも良く、操作によって遊技球が払い出されるものではなくても良く、これらの組合せでも良い。
図330に図示される状態から、調整ボタンH3044(図329参照)が再び操作されると、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600は復帰制御により退避され、被案内部M550の検出片M554(図285参照)が検出センサM483に検出されることに基づいて第3図柄表示装置M81における表示が縮小された表示(調整表示)から元の表示(通常表示)に戻され、「調整中」の文字の表示が消される(暗く表示される)。即ち、調整ボタンH3044を繰り返し操作することで、表示態様を切り替えることができる。
即ち、調整ボタンH3044の操作前においては、被案内部M550が上昇端位置に配置されていることが検出センサM483により検出される。一方で、複合動作役物ユニットM3400では、調整ボタンH3044の操作後において中間位置に配置された被案内部M550の検出片M554(図285参照)を検出可能な検出センサM3489が配設される。
従って、何らの駆動制御(第1の上下移動制御、第2の上下移動制御、第1の関連動作制御等)も実行されていないのに、検出センサM3489により検出片M554(図285参照)が検出された場合には、音声ランプ制御装置H113(図278参照)は調整ボタンH3044が操作されたと判断し、第3図柄表示装置M81における表示を通常表示から調整表示に切り替えるように制御される。
または、何らかの駆動制御(第1の上下移動制御、第2の上下移動制御、第1の関連動作制御等)が実行されているか否かに関わらず、各駆動制御において被案内部M550が中間位置に配置される期間の最大長さを超える時間長さで検出センサM3489により検出片M554(図285参照)が検出された場合には、音声ランプ制御装置H113(図278参照)は調整ボタンH3044が操作されたと判断し、第3図柄表示装置M81における表示を通常表示から調整表示に切り替えるように制御される。
このように制御されるので、上述した各駆動制御(第1の上下移動制御、第2の上下移動制御、第1の関連動作制御等)の実行中に検出センサM3489に検出片M554(図285参照)が検出されたとしても、その検出(上述した各駆動制御において被案内部M550が中間位置に配置される期間の最大長さを超えない時間長さの検出)により即座に第3図柄表示装置M81における表示が通常表示から調整表示へ切り替えられることを回避でき、各駆動制御中の第3図柄表示装置M81における表示を、検出片M554(図285参照)が検出センサM483に検出されることに基づく通常表示で維持することができることから、一体感のある演出を実行することができる。
また、このように制御することで、上述した各駆動制御において被案内部M550の検出片M554を検出し得る位置に検出センサM3489を配置しても、検出センサM3489による検出が、各駆動制御の実行中における視認態様に影響を与えないようにすることができる。
なお、被案内部M550の検出片M554が進入可能に構成される被通過進入物体である検出センサM3489は、検出片M554を移動範囲の途中において検出するものに限られるものではなく、検出片M554を移動範囲の終端において検出するものでも良い。
調整ボタンH3044の操作に基づく変化は、第3図柄表示装置M81において生じるようにされるだけでも良いが、それ以外の報知がされても良い。例えば、通常表示である場合に調整ボタンH3044が押されることに基づいて、音声出力装置H226(図278参照)から「調整ボタンが押されました」等の報知が実行されても良い。この場合、遊技者は調整ボタンH3044を操作したことを確認できるので、操作できているか分からずに何度も押し込み操作するという事態を避けることができる。また、この報知が実行されている間に調整ボタンH3044を再操作する場合に、報知を停止する(キャンセルする)ように制御することで、調整ボタンH3044を誤操作により操作した場合に、報知だけが継続されるという事態を避けることができる。
また、例えば、調整ボタンH3044自体が裏側に配置されるLEDからの光で発光されるよう構成される前提において、通常表示である場合に調整ボタンH3044が押される(押し込まれる、又は長押しされる)ことに基づいて、発光のベースが白色から橙色に変更されるようにしても良い。この場合、調整ボタンH3044を視認すれば、遊技者は調整ボタンH3044を操作したことを確認できるので、操作できているか分からずに何度も押し込み操作するという事態を避けることができる。また、この報知が実行されている間に調整ボタンH3044を再操作すると、発光のベースが橙色から白色に戻るように制御することで、調整ボタンH3044を誤操作により操作したとしても、再操作すれば調整ボタンH3044の視認態様が橙色のまま維持される事態を避けることができる。この報知態様によれば、上述のように音声の報知で実行される場合に比較して、抽選に係る変動表示と連動して出力される音声と重なって聞こえ難くなる事態が生じることを回避することができる。
可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図286参照)の発光色は、第3図柄表示装置M81で通常表示を表示するよう制御されている場合にはベースが白色の発光態様とされる一方で、第3図柄表示装置M81で調整表示を表示するよう制御されている場合にはベースが橙色の発光態様とされる。これにより、第3図柄表示装置M81における表示の調整の有無について遊技者に把握させ易くすることができる。
あくまで、調整表示は通常表示に対応する表示態様を縮小したものとなる。そのため、第3図柄表示装置M81で調整表示を表示するよう制御されている場合に可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図286参照)の発光のベースが橙色の発光態様とされるとしても、第3図柄表示装置M81における表示色のベースは橙色とはならず、通常表示と同様の色味で表示される。これにより、第3図柄表示装置M81における表示を違和感なく視認させることができる。
可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図286参照)の発光色の切替は、事前の調整では変わらないよう制御される。通常表示においては、正面枠H3014(図329参照)の機能調整操作部H190を操作することにより電飾基板M630(図286参照)の明るさを遊技者が任意に変更可能とされるが、この調整はあくまで通常表示における調整であって、これを調整表示において流用できるとは限らないためである。
本実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示とされる場合、表示の大きさが縮小され迫力に欠ける可能性があるので、電飾基板M630(図286参照)の発光の明るさが最大で固定される。これにより、調整表示となって表示が縮小されることで第3図柄表示装置M81から受けとる光の量が少なくなったとしても、電飾基板M630(図286参照)からの光の量を増やすことにより、遊技者が視認する光の総量が低下することを回避することができる。
第3図柄表示装置M81における通常表示と調整表示との切替は、調整ボタンH3044の操作自体の検出ではなく、検出センサの検出結果を把握することにより実行される。ここで、調整ボタンH3044の操作実行から、検出片M554(図285参照)による検出の切替が生じるまでに当然タイムラグがある。
そのため、調整ボタンH3044を誤操作した場合であっても、すぐに再操作すれば、第3図柄表示装置M81における表示が変化することを避けることができるので、誤操作であっても表示が即座に切り替えられる場合に比較して、調整ボタンH3044の操作に対するストレスを低減することができる。
上述した第1の関連動作制御等、第3図柄表示装置M81の表示と複合動作役物ユニットM3400の動作とが関連する制御が実行開始される場合には、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられるよう制御される。
即ち、第1の関連動作制御等の制御が開始される前に予め検出センサM3489により検出片M554(図285参照)が検出される位置に被案内部M550が配置されているか否か(即ち、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示となっているか否か)が判断され、被案内部M550が配置されていると判断された場合、第1の関連動作制御等の制御が開始される前に、複合動作役物ユニットM3400に復帰制御が実行される。復帰制御の実行後、検出センサM483で検出片M554が検出されたことに基づいて、第3図柄表示装置M81の表示が調整表示から通常表示に切り替えられる。これにより、第1の関連動作制御等により動作される複合動作役物ユニットM3400と第3図柄表示装置M81における表示とを一体的に視認させることができる。
そのため、第3図柄表示装置M81において調整表示がされている時に第1の関連動作制御等の制御が開始される場合、その開始と同時期に可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図286参照)の発光色が、ベースが橙色の発光態様からベースが白色の発光態様に切り替えられる。
この第1の関連動作制御等の制御が終了した後は、通常表示が維持される。即ち、第1の関連動作制御等の制御が終了した後において調整表示での遊技を遊技者が望む場合には、改めて調整ボタンH3044(図329参照)を操作すればよい。
遊技者が常に調整表示での遊技を望む場合には、第1の関連動作制御等の制御が実行される度に調整ボタンH3044(図329参照)を操作する必要があり、手間に感じる可能性はあるが、通常表示への変更が時間経過で生じるものでは無いので、比較的負担は少ない。
例えば、調整表示から通常表示への変更が30秒毎にされる場合、遊技者は30秒毎に調整ボタンH3044(図329参照)を操作する必要があり、大変な手間である。一方、第1の関連動作制御等の制御は、第3図柄の変動表示と共に毎回実行されるものではなく、変動表示のうちの一部の変動表示において実行されるものである。そのため、遊技者が調整ボタンH3044を操作する機会が多くなることを避けることができ、調整表示での遊技を望む遊技者の遊技負担を低減することができる。
第3図柄表示装置M81における表示が調整表示となっている場合において、第1の関連動作制御等の制御が開始される場合に、複合動作役物ユニットM3400に強制的に復帰制御が実行される制御態様に代替して(又は追加して)、復帰制御させるか否かを遊技者に選択させる制御を構成可能としても良い。
即ち、第1の関連動作制御等の制御が開始される前段階において、第3図柄表示装置M81で「演出確認を望む場合はボタンを押せ」との表示の下に操作示唆表示M81b(図326参照)がされ、バーの網掛け部M81cにより報知される操作可能期間の内に遊技者がボタン部H181(図329参照)を操作したことが音声ランプ制御装置H113で把握された場合に、複合動作役物ユニットM3400に復帰制御が実行されるように構成しても良い。この場合、遊技者に対して、実行される演出を支配している感覚を付与することができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技者の選択のもと、報知に従いボタン部H181を操作した場合には表示は通常表示に戻され、通常表示のもとで第1の関連動作制御等の制御が実行される。一方で、遊技者がボタン部H181を操作しなければ第3図柄表示装置M81の表示は調整表示で維持されることから、第1の関連動作制御が終了した後に再度調整表示に戻すために調整ボタンH3044を操作するという煩わしさから遊技者を解放することができる。
なお、遊技者がボタン部H181を操作せず調整表示で維持された場合における調整領域M3081aにおける表示の内容は、種々の態様が例示される。例えば、第1の関連動作制御等の制御によって動作が実行されるべき複合動作役物ユニットM3400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800が縮小されたサイズで調整領域M3081aにおいて表示され、第1の関連動作制御等の制御による動作と同様の動作態様で動作するように動的に表示しても良い。即ち、第3図柄表示装置M81の表示を縮小させた状態で視認させるだけではなく、表示の前方や周囲に配置される構成も含めて縮小させた状態で視認できるように構成しても良い。この場合、表示は調整表示のサイズで維持しながら、第1の関連動作制御等の制御と同様の動作により構築される演出を調整領域M3081aにおける表示により視認させることができる。
遊技者が通常表示での遊技を望む場合、敢えて調整ボタンH3044(図329参照)を操作するモチベーションが無く、調整ボタンH3044の存在が無駄になる可能性が有る。これに対し、本実施形態では、調整表示とされている場合(検出センサM3489により検出片M554(図285参照)が検出されている場合)に限り導光板M260で第2発光形状M272(図316(c)参照)が発光され得るよう制御される。
この第2発光形状M272(図316(c)参照)の発光は、抽選に関して取得された乱数に応じて実行の有無が選択されるものであって、抽選に係る入賞の検出と同時に実行される。本実施形態では、抽選が大当たりである場合に発光される。
そのため、第3図柄表示装置M81に表示される変動を待つことなく大当たりとなったことが把握できることから、通常表示での遊技を望む遊技者に対しても、調整ボタンH3044を操作するモチベーションを与えることができる。
導光板M260の第2発光形状M272(図316(c)参照)による報知は、第2発光形状M272(図316(c)参照)の配置が固定されており、且つ、第3図柄表示装置M81の前側に配置される層状部における表示であるため、遊技者に気付かせ易くすることができる。
図331から図334を参照し、第57実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。上述した第54実施形態では、ピン付きギアM582の回転が360度未満の回転角度に限定される場合を説明したが、第57実施形態では、360度以上の回転角度での回転が可能とされる。
図331は、第57実施形態における可動装飾ユニットM3600の分解背面斜視図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。可動装飾ユニットM3600では、上述した可動装飾ユニットM600(図287参照)との比較において、リンク部材M660の形状が部分的に変更されたリンク部材M3660が構成されており、荷重付与部M604が前後方向に平行移動可能に支持される変位部材M3690に形成されることが異なる。
図331に図示されるように、変位部材M3690は、下縁部に荷重付与部M604が形成されており、板状本体部M3610に形成される案内対向面M3607に左右両側を案内される状態で前後方向への平行移動が可能に支持される。
板状本体部M3690は、荷重付与部M604の右下端部において形成されるテーパ面M3691と、上端側において後方に板バネ式の被検出部が張り出す検出センサM3693と、電飾基板M630との間に配置されるコイルスプリングM3695と、を備える。
テーパ面M3691は、下方へ向かう程に前方へ向かう傾斜として形成されており、下方から荷重を受けた場合に、板状本体部M3690を前方側へ逃がす(退避させる)ように構成される。板状本体部M3690の前方側への変位は、荷重付与部M604が板状本体部M3610の板部後側面よりも埋没する位置まで可能とされている。板状本体部M3690を前方へ変位させる荷重が取り去られるとコイルスプリングM3695の弾性力により板状本体部M3690が後方側へ変位され、荷重付与部M604が板状本体部M3610の板部後側面よりも後方へ張り出す。
検出センサM3693は、ピン付きギアM582の柱状部M582aの移動軌跡と重なる位置に配設される。具体的には、柱状部M582aからの荷重により板状本体部M3690が前方側へ退避された後もピン付きギアM582が同方向に回転された場合に柱状部M582aを検出センサM3693が検出可能に構成されているが、詳細は後述する。
図332(a)、図332(b)、図333(a)及び図333(b)は、可動装飾ユニットM3600の部分正面図である。図332(a)、図332(b)、図333(a)及び図333(b)では、伝達部M580の動作に基づいて可動装飾ユニットM3600が動作される様子が時系列で図示される。
図332(a)、図332(b)、図333(a)及び図333(b)では、伝達部M580の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、伝達部M580、後側スライド移動体M650及びリンク部材M3660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM3600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。
なお、外形線として図示される演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM3600は、図332(a)では、傾倒側終端状態が図示され、図332(b)では、伸長状態が図示され、図333(a)では、伸長状態から更に後側スライド移動体M650がスライド移動される超伸長状態が図示され、図333(b)では、傾倒側終端状態が図示される。
リンク部材M3660は、突設支持部M617に回転移動可能に支持される長尺板状に形成される板状本体部M661と、その板状本体部M661の一方の端部において後方へ円柱形状に突設され後側スライド移動体M650の伝達開口部M653に挿通される伝達突設部M662と、板状本体部M661の他方の端部において板状に形成されており正面視反時計回り方向にピン付きギアM582が回転される場合に柱状部M582aに押進される被押進面を有する被押進板部M3663と、その被押進板部M3663に対向配置される対向突部M3664と、を主に備える。
被押進板部M3663は、柱状部M582aに押進されることでリンク部材M3660の回転動作が生じる部分として構成されている。被押進板部M3663は、対向突部M3664よりも長く形成されており、柱状部M582aとの接触位置が動作中に変化する。即ち、押進開始時には被押進板部M3663の中腹辺り(途中部)に接触するが(図332(a)参照)、ピン付きギアM582が回転するにつれて接触位置が変化し、最終的には先端側に移る(図333(a)参照)。これにより、ピン付きギアM582から被押進板部M3663に付与される荷重の集中位置をずらすことで、部材の疲労の集中を避けることができる。
なお、被押進板部M3663は、伝達爪部M663(図287参照)よりも長くされることに起因して、正面視において荷重付与部M604と重なる長さになったが、被押進板部M3663の前側部が荷重付与部M604と干渉しないように凹設形成される。そのため、被押進板部M3663が荷重付与部M604に荷重を付与する事態は回避することができており、干渉しないような離間配置とされる。
正面視反時計回り方向のピン付きギアM582の回転が継続されると、柱状部M582aにより変位部材M3690のテーパ面M3691(図331参照)が押進され、変位部材M3690が前方側へ退避されるため、柱状部M582aが変位部材M3690の荷重付与部M604にせき止められなくなり、同方向へのピン付きギアM582の回転が継続可能とされる(図333(a)及び図333(b)参照)。即ち、ピン付きギアM582は正面視反時計回り方向に1回転以上の回転動作が可能とされる。
ピン付きギアM582の回転が正面視反時計回り方向で継続される場合、柱状部M582aは被押進板部M3663の先端を越えて通過することになるが、柱状部M582aからの押進力が失われることでリンク部材M3660の姿勢は弾性バネM655(図331参照)の付勢力により時間経過で即座に戻る(図333(b)参照)。
この場合、ピン付きギアM582が正面視時計回り方向に回転しそうになったとしても、被押進板部M3663の背面側に柱状部M582aが遮られることから、ピン付きギアM582の回転移動を防止することができる。
即ち、被押進板部M3663の背面側に柱状部M582aから荷重が与えられた場合、リンク部材M3660は正面視反時計回り方向へ傾倒動作され得るが、その傾倒動作は、リンク部材M3660と連動される後側スライド移動体M650に固定される左側装飾部M680の移動が右側装飾部M670(図331参照)により規制される(防止される)。従って、ピン付きギアM582の回転移動がリンク部材M3660により防止される。
そのため、ピン付きギアM582の回転速度が想定以上に高速となり、変位部材M3690の退避方向への変位が間に合わずに柱状部M582aが逆方向に跳ね返るような回転が発生した場合であっても、柱状部M582aの戻りをリンク部材M3660により制限することができ、ピン付きギアM582の正面視反時計回り方向への回転動作をスムーズに再開させることができる。
図334は、ピン付きギアM582及びリンク部材M3660の正面図である。図334では、ピン付きギアM582とリンク部材M3660との動作関係が、状態違いを想像線で描くことにより図示される。
即ち、図334では、ピン付きギアM582が正面反時計回りで回転動作される場合における柱状部M582aが被押進板部M3663に当接開始する状態(図332(a)参照)が実線で図示される。更にピン付きギアM582が回転動作され、ピン付きギアM582の回転軸と突設支持部M617の中心軸とを結ぶ直線状に柱状部M582aが位置された場合における柱状部M582aの外形M582F1及びリンク部材M3660の外形M3660F1が想像線で図示される。
更にピン付きギアM582が回転動作され、可動装飾ユニットM3600が伸長状態(図332(b)参照)とされた場合における柱状部M582aの外形M582F2及びリンク部材M3660の外形M3660F2が想像線で図示される。更にピン付きギアM582が回転動作され、可動装飾ユニットM3600が超伸長状態(図333(a)参照)とされた場合における柱状部M582aの外形M582F3及びリンク部材M3660の外形M3660F3が想像線で図示される。
なお、リンク部材M3660の部位についても、符号の対応は同様とする。例えば、外形M3660F3において、被押進板部M3663に対応する箇所は外形M3663F3と図示する。
図334に図示されるように、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで回転される場合におけるリンク部材M3660の押進では、ピン付きギアM582により押進されるリンク部材M3660の部位が徐々に変化される。即ち、押進が開始される時点における柱状部M582aと被押進板部M3663との当接位置よりも、外形M582F3と外形M3663F3との当接位置の方が、被押進板部M3663の先端側とされる。これにより、柱状部M582aから被押進板部M3663へ付与される荷重を複数位置で分散させることができ、局所的な疲労が蓄積される事態を避け易くすることができる。
外形M582F3の位置を柱状部M582aが超えてピン付きギアM582が正面視反時計回りに回転動作されると、リンク部材M3660は姿勢が復帰され(図333(b)参照)、柱状部M582aが板バネ式の被検出部を押し込むことにより検出センサM3693(図331参照)に検出される。
検出センサM3693は、被検出部が柱状部M582aに押し込まれることに基づいて検出されることに因り特定の遊技が開始される。開始される特定の遊技の態様は種々の態様が例示されるが、例えば、演出動作ユニットM500の電飾基板M513における発光の制御でも良いし、演出動作ユニットM500以外の演出役物(例えば、可動装飾ユニットM3600、スライド動作役物ユニットM700(図319参照)又は昇降動作役物ユニットM800(図323参照))の動作制御または発光制御でも良いし、所定の変動表示でも良いし、遊技者に所定の利益(一定数貯めることで演出の開放に利用可能な仮想のポイント等)を付与するものでも良い。
これにより、ピン付きギアM582の正面視反時計回り方向への回転を継続した場合に、可動装飾ユニットM3600の姿勢が傾倒側終端状態から変化しない構成であっても、柱状部M582aを検出センサM3693で検出させることで特定の遊技を開始させることにより、遊技者が遊技に飽きる事態を回避することができる。
なお、リンク部材M3660の姿勢の検出は行わないことから、リンク部材M3660の姿勢の検出を行う場合には考慮する必要が生じる検出に必要となる時間長さの停止を考慮することなく、リンク部材M3660を高速動作させる制御を実行する等しても遊技に支障は無い。
図335から図338を参照し、第58実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。上述した第54実施形態では、リンク部材M660が可動装飾ユニットM600と共に回転移動する場合を説明したが、第58実施形態では、可動装飾ユニットM4600の回転移動がリンク部材M660に相当する回転移動部材M4660に対して独立に実行可能に構成される。
図335は、第58実施形態における複合動作役物ユニットM4400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
複合動作ユニットM4400の可動装飾ユニットM4600では、上述した可動装飾ユニットM600(図287参照)との比較において、リンク部材M660に相当する回転移動部材M4660は回転軸が固定配置で構成されている。それに伴い、被案内部M550が自由落下する構成は除外されており(上昇端位置で固定とされており)、可動装飾ユニットM4600の傾倒動作と、回転移動部材M4660の回転動作とが、単一のピン付きギアM582(図284参照)の回転動作により実現される。
回転移動部材M4660を回転可能に支持する円柱状の回転軸部M4476が形成される支持板M4475が前側蓋部M470から左方へ延設されている。可動装飾ユニットM4600の周囲側のうち右下側を構成する壁部は、支持板M4475と干渉しないように必要箇所が切欠き形成されている。これにより、可動装飾ユニットM4600は、支持板M4475と干渉することなく傾倒動作が可能に構成される。
図336(a)及び図336(b)は、ピン付きギアM582の動作について時系列で図示される可動装飾ユニットM4600及び回転移動部材M4660の部分正面図である。
図336(a)及び図336(b)では、ピン付きギアM582の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、ピン付きギアM582及び回転移動部材M4660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM4600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。
なお、図336(a)及び図336(b)では、外形線として図示される可動装飾ユニットM4600は傾倒側終端状態とされている。また、図336(a)では、回転移動部材M4660の待機状態が図示され、図336(b)では、回転移動部材M4660の回動状態が図示される。
回転移動部材M4660は、上述の板状本体部M661(図331参照)と、その板状本体部M661の一方の端部において後方へ円柱形状で突設される被検出部M4662と、上述の被押進板部M3663(図331参照)と、上述の対向突部M3664(図331参照)と、板状本体部M661に一体形成され一直線に延設される延設構成部M4665と、を主に備える。
被検出部M4662は、伝達突設部M662(図331参照)に類似の形状から構成されているが、伝達対象としての後側スライド移動体M650(図331参照)は省略されているため、動力を伝達する部位としては機能しない。本実施形態では、被検出部M4662を支持板M4475に配設される検出センサ(図示せず)の検出溝に進入させることで、回転移動体M4660の姿勢を音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図278参照)に把握させるための部位として機能する。
即ち、支持板M4475に配設される検出センサ(図示せず)に被検出部M4662が検出されている状態において、回転移動部材M4660は、延設構成部M4665が下方に垂下する待機状態(図336(a)参照)であることが音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図278参照)に把握される。なお、支持板M4475に配設される検出センサ(図示せず)は、ピン付きギアM582の柱状部M582aの検出には利用されないため、柱状部M582aの形状や大きさに制限されることなく、被検出部M4662が進入可能な大きさの検出溝が形成されれば良いので、検出センサの設計自由度を向上させることができる。
延設構成部M4665は、可動装飾ユニットM4600よりも後方側に配置されており、可動装飾ユニットM4600が傾倒するほど隠される量が多くなるが、少なくとも一部(特に延設先端側)が常時視認可能とされる。従って、可動装飾ユニットM4600の姿勢に因らず、遊技者に視認される箇所を利用した演出を実行することが可能とされる。
回転移動部材M4660を押進する柱状部M582aと当接する荷重付与部M604は、変位部材M3690の下縁部として構成される(図331参照)。従って、上述したように、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで回転動作される場合には変位部材M3690が退避されることで、柱状部M582aが被押進板部M3663を越える位置までピン付きギアM582を回転動作させることが可能とされ(図333(b)参照)、ピン付きギアM582に一回転以上の回転動作を実行させることができる。
なお、円板付きギアM584のギア歯の数とピン付きギアM582のギア歯の数との関係から、ピン付きギアM582が1回転することに対応して円板付きギアM584が3回転するので、ピン付きギアM582に一方向で一回転以上の回転動作を実行する場合であっても、ピン付きギアM582と円板付きギアM584との角度関係は周期的に維持される。
図337及び図338は、複合動作役物ユニットM4400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図337及び図338では、可動装飾ユニットM4600が傾倒側終端状態とされている。
また、図337では、回転移動部材M4660の待機状態が図示され、図338では、回転移動部材M4660の回動状態が図示される。即ち、図337に図示される状態は図336(a)に図示される状態と同じであり、図338に図示される状態は図336(b)に図示される状態と同じである。
図337及び図338に図示されるように、傾倒側終端状態の可動装飾ユニットM4600の後方側で回転移動部材M4660が回転動作される場合、回転移動部材M4660は可動装飾ユニットM4600の下側へ垂れる姿勢から、可動装飾ユニットM4600を上側へ追い越す姿勢となる最大角度で回転動作されることから、回転基端側は可動装飾ユニットM4600に重なって隠されることが有るのに対し、回転先端側は可動装飾ユニットM4600とは重ならないため回転移動部材M4660の姿勢に関わらず視認させることができる。
延設構成部M4665は、前方側へ光を照射可能に構成されるLED等に例示される発光部M4666を複数備えている。発光部M4666が点灯または点滅制御されることにより、延設構成部M4665の形状を利用したライン状の発光演出を行うことができる。複数個の発光部M4666の発光態様を独立で制御することで、多くのバリエーションの発光演出を行うことができる。
発光部M4666は、延設構成部M4665の延設方向に並んでおり、延設構成部M4665の延設先端側から基端側に等間隔で26個配置されている。回転移動部材M4660の待機状態では、全ての発光部M4666が視認可能とされており(図337参照)、回転移動部材M4660の回動状態では、延設先端側における複数個(17個)の発光部M4666が視認可能とされ、残り(延設基端側)は可動装飾ユニットM4600に隠される。
このように、発光部M4666の視認態様は、延設構成部M4665が停止された状態においても、延設構成部M4665の姿勢が異なれば発光部M4666が並ぶ方向が異なることに加え、視認される発光部M4666の個数にも違いが生じるので、異なった態様で視認させることができる。
これに加えて、延設構成部M4665の往復動作の実行中に複数の発光部M4666の発光態様を制御することで、延設構成部M4665の移動軌跡において発光部M4666から照射される光の残像により文字や絵を視認させる演出が実行可能とされている。以下、詳しく説明する。
光の残像により文字や絵を視認させる演出を実行させるためには、まず視認させたい文字や絵の仮想外形線M4690Fを延設構成部M4665の動作軌跡上に配置し、延設構成部M4665が回転動作される場合において、仮想外形線M4690Fと重なる位置の発光部M4666を、その重なるタイミングで発光させ、重ならなくなったら消灯させるという制御を行う。
この制御のためには、発光部M4666の点灯および消灯のタイミングを決めるために、延設構成部M4665の回転速度と、待機状態からの延設構成部M4665の回転開始時点とを、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図278参照)に把握させることが前提となる。
延設構成部M4665の回転動作は、駆動モータM501(図336(a)参照)の回転駆動により実行されるので、駆動モータM501の回転駆動制御により速度を任意に設定可能とされるので、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図278参照)に延設構成部M4665の回転速度を把握させることができる。
詳細には、駆動モータM501(図336(a)参照)が例えば300[rpm]で回転する場合にピン付きギアM582は100[rpm]で回転するよう構成されており、ピン付きギアM582が例えば52[度]回転動作する場合に延設構成部M4665が78[度]回転動作されているので(図336(a)及び図336(b)参照)、ピン付きギアM582が100[rpm]で回転する場合に延設構成部M4665は150[rpm]で回転する。従って、延設構成部M4665は駆動モータM501の回転数(角速度)の半分の回転数(角速度)で回転動作される。
また、支持板M4475の検出センサ(図示せず)に被検出部M4662(図336(a)参照)が検出されることにより、回転移動部材M4660が待機状態から回転開始するタイミングが検出される。即ち、支持板M4475の検出センサ(図示せず)の検出結果から、待機状態からの延設構成部M4665の回転開始時点を、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図278参照)に把握させることが前提となる。
上述の通り、延設構成部M4665の回転速度と、待機状態からの延設構成部M4665の回転開始時点とを、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図278参照)に把握させることができているため、回転動作する回転移動部材M4660に配設される複数の発光部M4666を適切に発光制御する(適切なタイミングで点灯消灯させる)ことで、光の残像により文字や絵を視認させる演出が実行可能とされる。
光の残像により文字や絵を視認させる演出の一例について説明する。例えば、延設構成部M4665を約40度の回転角度MR1で往復動作させる範囲では、可動装飾ユニットM4600と重なる面積が狭いため、動作軌跡の大部分を光の残像により視認させる文字や絵を形成する領域として利用することができ、延設構成部M4665の延設方向に沿う縦長の残像形状M4691F(例えば「アツイ」との文字、図337参照)であっても視認させることができる。
また、例えば、延設構成部M4665を約78度の回転角度MR2で往復動作させる範囲では、回転基端側において可動装飾ユニットM4600と重なる部分においては光の残像を視認させることは難しいが、可動装飾ユニットM4600と重ならない回転先端側の大部分を光の残像により視認させる文字や絵を形成する領域として利用することができ、延設構成部M4665の回転方向に沿う湾曲帯状領域内に並ぶ残像形状M4692F(例えば「オメデトウ」との文字、図338参照)であっても視認させることができる。
本実施形態では、残像形状M4691F,M4692Fは、抽選に係る変動中に視認させるように延設構成部M4665の動作制御がされるところ、残像形状M4692Fが視認される変動の大当たり期待度(即ち、抽選が大当たりである割合)の方が、残像形状M4691Fが視認される変動の大当たり期待度よりも高くされている。
なお、残像形状M4691Fや残像形状M4692Fで視認させる形状は例示であり、これに限られるものではない。片仮名の羅列である場合を例示したが、文字の種類が限定されるものでは無く、漢字、平仮名、アルファベットでも良いし、文字では無く絵を視認させるようにしても良い。
また、残像形状M4691F,M4692Fがそれぞれ単独で視認される場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば、残像形状M4691F,M4692Fをそれぞれ同時に視認させるようにしても良いし、交互に視認させるようにしても良いし、残像形状M4691Fが視認される期間の後で残像形状M4692Fが視認される期間が設定されても良い。
延設構成部M4665の回転速度は、上述の通りピン付きギアM582(図336(a)参照)の回転速度に対応する。同様に、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態へ回転動作する場合の回転速度もピン付きギアM582の回転速度に対応する。そのため、ピン付きギアM582を回転動作させることで可動装飾ユニットM4600と延設構成部M4665とを同様の速度で連続的(段階的)に動作させることができる。
可動装飾ユニットM4600と延設構成部M4665とが同様の速度で連続的に動作される場合、可動装飾ユニットM4600と延設構成部M4665とが連動しているように遊技者に視認させることができ、可動装飾ユニットM4600及び延設構成部M4665に対する注目力を向上させることができる。
ここで、延設構成部M4665により視認される残像表示M4691F,M4692Fは、上述した通り、残像表示M4691Fが視認される場合よりも残像表示M4692Fが視認される場合の方が遊技者にとって有利となるところ、残像表示M4692Fを視認させるために必要となる延設構成部M4665の回転角度は残像表示M4691Fを視認させるために必要となる延設構成部M4665の回転角度よりも大きいため、延設構成部M4665の動作速度を予測させる可動装飾ユニットM4600の動作速度に高低が有る場合に、高速である方が、残像表示M4692Fが表示されるかもしれないという期待感を遊技者に持たせ易い。
本実施形態では、駆動モータM501(図336(a)参照)の駆動制御として、少なくとも、180[rpm]の第1回転制御(低速制御)と、423[rpm]の第2回転制御(高速制御)とが可能に構成される。駆動モータM501が第1回転制御で動作される場合に延設構成部M4665により残像表示M4691Fが視認され、駆動モータM501が第2回転制御で動作される場合に延設構成部M4665により残像表示M4692Fが視認されるように構成される。
多くの場合、駆動モータM501は第1回転制御で駆動制御される。そのため、可動装飾ユニットM4600の回転動作後に延設構成部M4665が動作される場合に視認されるのは残像表示M4691Fとされる。
一方、稀(例えば、50変動に1回程度の割合)に、第1回転制御での駆動制御が開始された駆動モータM501が、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態に至る前に第2回転制御に切り替えられる場合があり、この場合には可動装飾ユニットM4600の回転動作後に延設構成部M4665が動作される場合に視認されるのは残像表示M4692Fとされる。そのため、可動装飾ユニットM4600の動作に対する注目力を向上させることができる。
また、ごく稀(例えば、100変動に1回程度の割合)に、可動装飾ユニットM4600を起き上がり側終端状態から回転動作開始させる時点から駆動モータM501が第2回転制御で動作される。この場合には可動装飾ユニットM4600の回転動作後に延設構成部M4665が動作される場合に視認されるのは残像表示M4692Fとされる。そのため、可動装飾ユニットM4600の動作に対する注目力を向上させることができる。
このように、可動装飾ユニットM4600の動作速度は、初めから第1回転制御での速度が維持される場合、第1回転制御での速度から第2回転制御での速度に途中で切り替えられる場合、初めから第2回転制御での速度が維持される場合があるが、本実施形態では、可動装飾ユニットM4600を動作させる際にボタン部H181(図276参照)を操作することに基づく所定条件が成立した場合に、可動装飾ユニットM4600の速度が第1回転制御での速度から第2回転制御での速度に途中で切り替えられる場合における切り替えタイミングを早めることができるよう構成される。
即ち、ボタン部H181の操作を行うことで、より早いタイミングで可動装飾ユニットM4600を第2回転制御での速度で動作させることができ、より早いタイミングで残像表示M4692Fが視認され得るか否か(大当たり期待度が高いか否か)を知ることができるかもしれないという期待から、ボタン部H181に対する操作意欲を向上させることができる。
ボタン部H181の操作に基づく所定条件の成立としては、例えば、操作有無のみの判定から成立としても良いし、操作の判定があった場合に一定確率で成立するものとしても良いし、操作回数が規定値を越えた場合に成立するものとしても良いし、連打速度(一定期間における操作回数)が規定値を越えた場合に成立するものとしても良い。
また、ボタン部H181の操作に基づく所定条件の成立としては、例えば、操作量(押し込み量)が規定値以下の場合には第1回転制御が維持され、操作量(押し込み量)が規定値を超えると成立し第2回転制御に切り替えられるものとしても良いし、操作量が規定値以下の場合にはその操作量の大小に対応して、第2回転制御での速度よりも小さい範囲で駆動モータM501の動作速度が段階的に変化されるように構成し、操作量(押し込み量)が規定値を超えると成立し第2回転制御に切り替えられるものとしても良い。
ボタン部H181の操作タイミングについては、報知はせず、可動装飾ユニットM4600の動作を視認した遊技者が自発的に行うようにしても良いが、可動装飾ユニットM4600を動作させる際に第3図柄表示装置M81において操作示唆表示M81b(図326参照)を表示することで、ボタン部H181を操作すべきタイミングであることを遊技者が分かり易くなることからボタン部H181への操作意欲を向上させることができ、更に、操作示唆表示M81bがされることで可動装飾ユニットM4600の動作開始を遊技者に予測させることができ、可動装飾ユニットM4600の動作開始前から可動装飾ユニットM4600に対する注目力を向上させることができる。
また、上述の通り、延設構成部M4665の回転速度は、ピン付きギアM582(図336(a)参照)の回転速度に対応する。同様に、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態へ回転動作する場合の回転速度もピン付きギアM582の回転速度に対応するが、可動装飾ユニットM4600を回転させる場合と延設構成部M4665を回転させる場合とは独立している(柱状部M582aは荷重付与部M604又は回転移動部材M4660のいずれか一方と当接する(図336(a)及び図336(b)参照)ため、ピン付きギアM582の回転速度をタイミングよく変えることで可動装飾ユニットM4600の動作速度と延設構成部M4665の動作速度とを変えることもできる。
なお、可動装飾ユニットM4600を動作させる速度とは異なる速度で延設構成部M4665を動作させる場合(可動装飾ユニットM4600が傾倒側終端状態となった後で駆動モータM501(図336(a)参照)の回転速度を変化させる場合)、可動装飾ユニットM4600の動作から延設構成部M4665の動作内容を予測することを困難とさせることができるので、延設構成部M4665に対する注目力をより長く維持することができる。
この場合において、延設構成部M4665を動作させる速度は、可動装飾ユニットM4600を動作させる速度よりも遅い場合があっても良いし、可動装飾ユニットM4600を動作させる速度よりも速い場合があっても良い。バリエーションが多いほど、遊技者の延設構成部M4665に対する注目力を向上させることができる。
また、この場合において、延設構成部M4665の動作態様を複数構成しても良い。例えば、動作範囲の途中までの回転動作としても良いし(図337参照)、動作範囲の終端まで回転動作しても良いし(図338参照)、延設構成部M4665の回転はさせない角度で駆動モータM501を一旦停止させて、回転方向を反転させて可動装飾ユニットM4600を起き上がり側終端状態に戻しても良い。
また、その駆動モータM501を一旦停止させた後で、回転方向を反転させるのではなく、一拍おいてから、延設構成部M4665の回転動作を生じさせるようにしても良い。なお、延設構成部M4665の回転動作という場合には、回動状態へ向けて回転動作されて待機状態に復帰する一往復の動作に限らず、複数回の往復回転動作を含む。また、回動状態へ向けて回転動作されて待機状態に復帰する一往復の動作としては、ピン付きギアM582が往復動作することにより構成されるものも、ピン付きギアM582が正面視反時計回りに回転動作して柱状部M582aが被押進板部M3663を越えることにより生じるものも含む。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第54実施形態では、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合には、検出センサM453での検出の切り替えに先立って被案内部M550が昇降移動体M443により押し上げ開始される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被案内部M550と昇降移動体M443との上下間隔をより大きく確保するようにして、被案内部M550が押し上げられない状態(落下終端位置で維持された状態)での昇降移動体M443の昇降移動によって前方突設部M444が検出センサM453の検出溝から退避可能(検出結果を切り替え可能)としても良い。この場合、昇降移動体M443を昇降移動させるように制御させて、その昇降移動を検出センサM453で検出することにより、昇降移動体M443が動作不良を起こしていないことを定期的に確認させたり、検出センサM453の検出結果を他の特定の装置の出力の切り替えに利用したりする制御を、被案内部M550を落下終端位置で維持した状態でも実行することが可能となる。
従って、昇降移動体M443の昇降移動を、被案内部M550が落下終端位置にある場合においても落下終端位置に対して独立させることができるので、昇降移動体M443によって、動作不良の確認をしたり、他の特定の装置の出力の切り替えをしたりする制御を実行するタイミングの自由度を向上させることができる。換言すれば、被案内部M550が落下終端位置とは異なる位置にある時に限って上述の制御を実行するという煩わしさが解消され、制御を簡素に構築することができる。
上記第54実施形態では、昇降移動体M443が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降移動体M443を金属材料から構成するようにしても良い。この場合、より硬質であって、昇降移動体M443の破損の可能性を低減させることができ、更に、検出センサM453による前方突設部M444の検出の感度を向上させることができる。
上記第54実施形態では、上下方向に延びる凹設溝部M452の左右幅が略均一な溝として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設溝部M452の左右幅が上から下に向かうにつれて縮小されていくように変化され、検出センサM453に到達する上下位置で最小(検出センサM453の検出溝の幅長さと同等)とされるように構成しても良い。この場合、上側の位置において前方突設部M444の左右位置が変化していたとしても凹設溝部M452との衝突を回避し易くすることができる一方、検出センサM453に近づく下側の位置において前方突設部M444の左右位置が変化していた場合には前方突設部M444の位置を凹設溝部M452の内壁に当接させることで検出センサM453の検出溝の中心側へ寄せる(案内する)ことができるので、前方突設部M444と検出センサM453とが真正面から衝突し破損するという事態を避けることができる。また、昇降移動体M443の姿勢を維持させるための後方二股部M446等の構成を省略することができ、姿勢維持に伴い生じていた移動抵抗を低減させることができる。
上記第54実施形態では、検出センサM453の検出溝の上部が開放されており、その開放される箇所を前方突設部M444が通る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM453の検出溝の上部を覆う柔軟な膜部材が構成され、前方突設部M444が下降する際にはその膜部材を引き延ばしながら変位するように構成しても良い。この場合、前方突設部M444と検出センサM453の検出溝との間に柔軟な膜部材を介在させることができるので、前方突設部M444と検出センサM453の検出溝とが直接的に接触することを回避させることができるので、前方突設部M444及び検出センサM453が破損する可能性を低減させることができる。
上記第54実施形態では、左側蓋部M530及び右側蓋部M540が共に樹脂材料から構成されることで軽量化が図られており演出動作ユニットM500を上昇移動させる駆動モータM442の負担が低減される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側蓋部M530又は右側蓋部M540の少なくとも一方を金属材料から構成するようにしても良い。
この場合において、左側蓋部M530を金属材料から構成し右側蓋部M540を樹脂材料から構成する場合、左側蓋部M530を光が透過することを避けることができるので、左側蓋部M530が第3図柄表示装置M81の表示と重なるように配置される場合であっても第3図柄表示装置M81からの照射光が左側蓋部M530の手前側まで透けて遊技者に視認される事態を避けることができる。これにより、第3図柄表示装置M81からの照射光の色味が板状本体部M510や可動装飾ユニットM600に重なって視認されることを回避でき、板状本体部M510や可動装飾ユニットM600の演出効果を向上させることができる。
また、第1の関連動作制御において、移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ向けて移動を開始する時点における移動装飾部M770と連動意匠M781との境界部を隠す機能を向上させることができ、更に、移動装飾部M770が第2の状態に到達した場合には右側蓋部M540を部分的に光が透過することにより移動装飾部M770と連動意匠M781との境界部を隠す機能を弱めることができる。
上記第54実施形態では、板状本体部M510と被案内部M550とが互いに相対変位可能な別体で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体部M510と被案内部M550とが互いに相対変位不能(例えば、一体構造)に構成されても良い。この場合、板状本体部M510に姿勢変化を生じさせることなく被案内部M550の案内される方向(直線方向)への移動を構成することができる。
上記第54実施形態では、扇形状構成部M560が回転軸を構成する大径支持部M543に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側蓋部M530の湾曲縁部M532側端部の背面に扇形状構成部M560の回転軸を中心とする円弧形状のレール部が形成され、このレール部に扇形状構成部M560の延設部M568が移動(摺動)可能に支持されることで、円弧形状に沿って扇形状構成部M560が移動すると大径支持部M543を中心とする回転移動が生じるように構成しても良い。この場合、扇形状構成部M560の支持に利用される領域の面積を大きくすることができるので、扇形状構成部M560が高頻度で動作した場合であっても、扇形状構成部M560の支持に利用される箇所の損耗を抑えることができる。
上記第54実施形態では、扇形状構成部M560が回転軸を構成する大径支持部M543に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大径支持部M543の代わりに円形孔が穿設されており、その円形孔に脱落防止部M544の小径円形部(前方部)が挿通されることにより脱落防止部M544が支持される構造としても良い。この場合、脱落防止部M544を、扇形状構成部M560の脱落を防止する役割と、扇形状構成部M560を支持する役割とで兼用することができる。
この場合において、締結ネジM502が右側蓋部M540の前方まで貫通する長さとして、その締結ネジM502を右側蓋部M540の手前側に配設され円形孔よりも外形が大きい追加の抜け止め板に締結させることにより、脱落防止部M544の抜け止めを図るようにしても良い。これにより、脱落防止部M544の軸方向の位置ずれを防止することができる。また、脱落防止部M544の小径円形部(前方部)や締結ネジM502が右側蓋部M540だけでなく、板状本体部M510まで挿通される長さで構成されても良い。
なお、構成材料としては、基本的には締結ネジM502が金属材料から形成され、脱落防止部M544が樹脂材料から形成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、脱落防止部M544も金属材料から形成するようにしても良い。この場合、脱落防止部M544の強度や耐久性を向上させることができる。
また、締結ネジM502を樹脂材料から形成するようにしても良い。この場合、透過性の樹脂材料を採用することにより締結ネジM502を通して光を通過させることができることから、後方から照射される光(例えば、第3図柄表示装置M81の表示による光)を締結ネジM502の位置を通して前方へ通過させることができるので、締結ネジM502の前方の位置において電飾基板M630に円形開口部M633が形成されている構成であっても、締結ネジM502の前方の位置(可動装飾ユニットM600の中心軸線MJ1に対応する位置)を光らせる演出を採用することができる。
上記第54実施形態では、扇形状構成部M560は円板付きギアM584の円弧形成部M584aからの下方への荷重により下方へ押し下げられる態様で変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇形状構成部M560の突条部M563又は円板付きギアM584の円弧形成部M584aの一方が鉄などの磁性体材料から形成され、他方に磁石が配設されることにより、円弧形成部M584aと突条部M563との間で引き合う方向の磁力が生じるようにしても良い。この場合、円板付きギアM584の回転動作により扇形状構成部M560を上方へ変位させる場合を構成可能とされ、当接部材M602の上昇方向の変位に先立って扇形状構成部M560を上方へ退避させることもできることから、毎回当接部材M602に扇形状構成部M560を当接させて上方へ変位させる場合に比較して当接回数を減らすことができ、耐用年数を長くすることができる。
上記第54実施形態では、荷重付与部M604は、起き上がり側終端状態におけるピン付きギアM582の柱状部M582aの回転開始方向(柱状部M582aの中心軸とピン付きギアM582の回転軸とを通る直線に対して直交する直線方向)に沿って延びる平面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹凸形状から形成されても良い。この場合、柱状部M582aの回転動作時に荷重付与部M604から抵抗を与えることができ、柱状部M582aが滑り動作することを防止し易くすることができ、ピン付きギアM582を特定の位相で停止させ易くすることができる。また、ピン付きギアM582の回転動作時に荷重付与部M604の凹部および凸部に柱状部M582aが交互に当接することで可動装飾ユニットM600を振動変位させることができる。
上記第54実施形態では、当接部材M602の上面の一部に扇形状構成部M560の下面が当接するよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇形状構成部M560の延設部M568の延設長さを延長し、当接部材M602の上面の全体に扇形状構成部M560の下面が当接するよう構成しても良い。この場合、当接部材M602から扇形状構成部M560に与えられる荷重をより大きな面積で分散させることができ、延設部M568が受ける圧力を最小限とすることができるので、扇形状構成部M560の材料や形状の設計自由度を向上させることができると共に、扇形状構成部M560の耐久性を向上させることができる。
上記第54実施形態では、可動装飾ユニットM600の動作中において延設部M568が視認可能に構成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円弧状貫通部M515の上端縁と延設支持部M614の上縁とを連結するようにして不透明な膜状で伸縮可能な遮蔽膜部材が配設され、この遮蔽膜部材が円弧状貫通部M515の内側を覆い視線を遮蔽することにより、正面視で延設部M568を視認不能に構成しても良い。この場合、延設部M568という内部の構造を遊技者に視認させないようにすることで、可動装飾ユニットM600により構成される動作演出に注目させ易くすることができる。
上記第54実施形態では、扇形状構成部M560が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇形状構成部M560を金属材料から形成しても良い。この場合、扇形状構成部M560の強度を向上させることができ、荷重の蓄積により延設部M568が破損するという事態を避けることができる。
上記第54実施形態では、扇形状構成部M560が光透過性の低い(不透明な)樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、光透過性の高い(透明な)樹脂材料から形成しても良い。この場合、延設部M568が正面視で露出している場合であっても、目立たせないようにすることができ、背面側の意匠や表示を透かすことができる。これにより、演出効果を目的としない(換言すれば、装飾を意図しない)内部構造(背面側構造)としての延設部M568について目立たせないようにすることができる。
上記第54実施形態では、扇形状構成部M560の延設部M568が略正方形(交差する2方向の幅が同じ長さ)の断面を構成する形状で延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後方向(中心軸線MJ1と平行な方向)の幅よりも、その前後方向と交差する方向の幅(正面視で視認される方向の幅、即ち、中心軸線MJ1を中心とする円の接線方向の幅)が小さい形状で延設されるようにしても良い。この場合、延設部M568が露出して視認される場合であっても、正面視で視認される幅が狭くなっているので、延設部M568が後方の意匠や表示を隠す度合を小さくすることができる。これにより、後方の意匠や表示の視認性を向上させることができる。
上記第54実施形態では、可動装飾ユニットM600の左右長さを十分に確保しながら、被案内部M550の上昇移動時における可動装飾ユニットM600の動作タイミングを制限することで可動装飾ユニットM600が他の役物(昇降動作役物ユニットM800、球案内ユニットM900等)と衝突することを未然に防ぐ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態または伸長状態で維持されたままで被案内部M550を上昇移動させたとしても可動装飾ユニットM600の回転先端側が他の役物と衝突しない程度に可動装飾ユニットM600の左右長さを短く形成しても良い。この場合、被案内部M550(による演出動作ユニットM500)の配置に関わらず可動装飾ユニットM600を任意の状態とすることができる(動作終端まで動作可能とされる)ので、演出動作ユニットM500の動作と可動装飾ユニットM600の動作との組合せの設計自由度を向上させることができる。
上記第54実施形態では、可動装飾ユニットM600の正面視の形状の全体において光が透過して視認されるように意匠が描かれる(白地で図示される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸部M621の正面側の領域は黒色で塗りつぶされる意匠を描くようにしても良い。この場合、回転軸部M621が電飾基板M630を貫通する態様とされ、電飾基板M630から光が照射されないとしても、正面視の視認態様が違和感なく形成される。
上記第54実施形態では、円弧状貫通部M515の幅が一定で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、配置に応じて異ならせても良い。例えば、扇形状構成部M560に近い上側ほど狭く、離れる程に広くなるようにすれば、当接部材M602と扇形状構成部M560とが当接する位置における支持を強固としつつ、当接が生じない箇所では動作抵抗を下げることができる。これを逆とすれば、当接により当接部材M602の配置がずれた場合であっても、下降側において円弧状貫通部M515に配置を修正させることができる。
上記第54実施形態では、可動装飾ユニットM600の検出を一側終端位置でのみ行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作範囲の両端において検出可能にしても良いし、動作範囲の途中位置で検出できるようにしても良い。
上記第54実施形態では、第2の関連動作制御の演出待機動作として、到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行されることで繰り返し往復移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1の関連動作制御においてスライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770に対して制御される、第2の状態まで到達した後、第1の状態側に所定量(約2cm)戻された後で再び第2の状態まで到達する繰り返し往復動作と同期して(周期が同じか、又は動作の始期および終期が同じ)、上述したような可動装飾ユニットM600の繰り返し往復移動が実行されるように制御しても良い。この場合、移動装飾部M770の繰り返し往復動作と可動装飾ユニットM600の繰り返し往復移動とを一体的に視認させることができ、演出効果を向上させることができる。
上記第54実施形態では、可動装飾ユニットM600の第1動作を、第2の上下移動制御における動作として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被案内部M550は上昇端位置に配置が維持された状態で可動装飾ユニットM600に第1動作と復帰制御による動作とを順に実行しても良いし、これを連続で繰り返すように制御しても良い。この場合、可動装飾ユニットM600が高頻度で上下動作している様子を遊技者に視認させることができ、何らかの抽選についての前兆演出であると想像させることができる。また、第1動作と復帰制御による動作とを順に実行する(ことを繰り返す)制御の後で第2の上下移動制御や、第1の関連動作制御や、第2の関連動作制御が実行される場合を構成しても良い。
上記第54実施形態では、第2の上下移動制御において被案内部M550の落下が生じていないと判断した場合において、可動装飾ユニットM600の第2動作を実行せずに復帰制御を行う場合を説明したが、制御の切り替えは必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1の上下移動制御において被案内部M550の落下が生じていないと判断した場合においても制御の切り替えが生じるように構成しても良い。
即ち、第1の上下移動制御において被案内部M550の落下が生じていないと判断した場合においては、可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態から動作させることなく、起き上がり側終端状態のままで維持させるように構成しても良い。
また、例えば、検出センサM483の検出結果に因らず可動装飾ユニットM600を傾倒側終端まで変位させるように駆動モータM501が駆動制御されても良い。この場合において、事後的に、第3図柄表示装置M81における表示を可動装飾ユニットM600の配置(被案内部M550が上昇端位置に配置される場合における傾倒側終端状態における配置)と重なる領域を含み若干拡大された領域に集中させる態様(可動装飾ユニットM600と同時に視認して違和感のない態様)に切り替えても良い。
上記第54実施形態では、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作方向が上下方向となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が前後方向でも良いし、前後方向の成分を含む方向でも良い。この場合、遠近感による演出効果により、迫力のある動作演出を実行することができる。
上記第54実施形態では、演出動作ユニットM500の板状本体部M510に可動装飾ユニットM600が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体部M510とは離れた位置において別の駆動源で駆動される可動装飾ユニットM600が配設されており、板状本体部M510の動作と、可動装飾ユニットM600の動作とが関連して実行されるように構成しても良い。
上記第54実施形態では、可動装飾ユニットM600がガラスユニットの後方に配置される場合を説明したが、同構成を利用したユニットがガラスユニットの手前側に配設されており、遊技者が触れられるように構成しても良い。この場合において、可動装飾ユニットM600をボタン部H181のような操作部材として採用しても良い。
上記第54実施形態では、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作が単一の検出センサM483の検出結果を基に開始される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM483を上下方向に複数個並べて、複数の検出センサM483の検出結果から動作の開始を判断可能にしても良い。また、検出センサM483の個数を増やすのではなく、演出動作ユニットM500の検出片M554の配設個数を増やす(複数個縦に並べて配設する)ことで、検出センサM483による検出を複数回生じさせることが可能にしても良い。この場合、演出動作ユニットM500が下降を開始していることを複数回の検出から判断できるので、検出の安定性を向上させることができる。
上記第54実施形態では、第2の上下移動制御における可動装飾ユニットM600の動作は予定された時間設定で実行されるよう構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者からの操作によって変更されるようにしても良い。即ち、第2の上下移動制御中において、遊技者がボタン部H181に所定の操作を行うことにより、復帰制御の開始が早まるようにしても良い。この場合、可動装飾ユニットM600が退避して対応表示ME590や第2対応表示ME592を視認可能となるタイミングを早めることができるので、ボタン部H181の操作を意欲的に実行させることができる。
上記第54実施形態では、第2対応表示ME592の表示開始タイミングは、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅らせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、対応表示ME590が表示されるよりも前に第2対応表示ME592を表示させる場合を構成しても良い。この場合、遊技者は第2の上下移動制御が開始される可能性を事前に予想することができることから、第2の上下移動制御が開始されてからの注目力だけでなく、それ以前から、第3図柄表示装置M81の表示領域に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、第2対応表示ME592の表示態様は、一つに限定されるものではなく、複数態様あっても良い。例えば、第2対応表示ME592が白色で表示される場合と、赤色で表示される場合とが有り、後者の方が大当たり期待度を大きく設定しても良い。この場合、第2対応表示ME592を注意深く視認するようになり、注目力をより向上させることができる。
また、第2対応表示ME592の表示色として、表示が終了するまで同色であっても良いし、途中で変更されるようにしても良い。例えば、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも前においては白色で第2対応表示ME592が表示され、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅れて第2対応表示ME592が赤色に変化されるように構成しても良い。この場合、第2対応表示ME592が一度視認されたら注目力が低下されるものではなく、色が変化するかもしれないという期待から遊技者の注目力を維持し続けさせることができる。
一方で、例えば、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも前においては赤色で第2対応表示ME592が表示され、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅れて第2対応表示ME592が白色に変化されるように構成しても良い。この場合、第2の上下移動制御が開始された後の視認では第2対応表示ME592が赤色で表示されたことを見逃すように構成することができるので、第2の上下移動制御が開始される前から第3図柄表示装置M81の表示領域に対する注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、第2の上下移動制御における可動装飾ユニットM600の動作として、第1動作パターンで開始され、途中から第2動作パターンに切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2の上下移動制御の開始時点から第2動作パターンで制御が開始されるようにしても良い。この場合、対応表示ME590として第2動作パターンに更に適切な表示(例えば、可動装飾ユニットM600の往復動作と同期して変動する表示)を設定すれば、第3図柄表示装置M81を利用した演出の演出効果を更に高めることができる。
上記第54実施形態では、電飾基板M513,M630の発光態様として、可動装飾ユニットM600の配置に対応して通常発光、露出発光、強発光とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、配置の変更は生じていなくとも、上述の通常発光、露出発光、強発光での発光態様でそれぞれ切り替えられるように構成しても良いし、点灯と消灯とを繰り返す制御が可能に構成しても良いし、発光色の規則的な変化がループされるよう構成しても良いし、他の動作ユニットの動作に対応して発光態様が切り替えられるように構成しても良い。
例えば、発光色の規則的な変化がループされる場合、視認される光の変化から移動装飾部M770の動作タイミングを予想されることを避けることができるので、移動装飾部M770が動作開始するまでの間、移動装飾部M770の登場する位置に対する注目力を向上させることができる。
例えば、第1の関連動作制御において、移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ移動する場合において、移動装飾部M770の左右位置と合う透過部M512に対応する電飾基板M513のLEDを、移動装飾部M770の移動に合わせて順に発光させるように制御可能とすることで、移動装飾部M770の移動に伴って透過部M512を光らせる光が移動しているように遊技者に視認させることができる。
この後、移動装飾部M770が第2の状態に到達したら、電飾基板M513,M630の発光態様を通常発光、露出発光または強発光で維持させることで、透過部M512を通して視認される光の態様が変化され、遊技者は移動装飾部M770が第2の状態に到達したことを把握し易くなる。
上記第54実施形態では、第1の関連動作制御の説明として、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態に変化するまでの期間に、同時に可動装飾ユニットM600が回転移動され、この場合において被案内部M550が中間位置に維持されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータM442が微少の往復動作を繰り返すことにより板状本体部M510が微少長さの上下往復移動を繰り返す中でスライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が移動するように構成しても良い。なお、板状本体部M510の繰り返し移動のタイミングは、移動装飾部M770の移動タイミングに対して同期する必要はない。
この場合であっても、板状本体部M510の上下幅の内側に移動装飾部M770と連動意匠M781との境界(少なくとも移動装飾部M770の下端部)が隠されていれば、遊技者が演出に違和感を受けることを避けることができる。また、移動装飾部M770及び連動意匠M781よりも手前側で繰り返し動作する板状本体部M510及び可動装飾ユニットM600に注目させることができるので、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界に注目されることを避けることができる。
上記第54実施形態では、第1の関連動作制御の説明として、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態から第1の状態へ向けて移動され、移動装飾部M770が第1の状態に到達したことが検出センサM713により検出された後で、被案内部M550が上昇端位置へ向けて移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770の第1の状態と第2の状態との往復移動が一回生じる度に被案内部M550が上昇位置へ復帰されるのではなく、移動装飾部M770の往復移動が複数回生じる間、被案内部M550の位置が上昇位置へ復帰されないように構成しても良い。この場合、演出動作が画一的になることを避けることができるので、移動装飾部M770や、被案内部M550により動作される可動装飾ユニットM600等に対する注目力を向上させることができる。
この場合において、移動装飾部M770に設定される往復移動の回数としては、1を最小として1ずつ増加する数(自然数)で設定されても良いし、特定の自然数(例えば、「3」「10」)で設定されても良い。抽選に係る変動においては基本的に変動時間が長いほど大当たりの期待度が高いため、後者の設定の場合、3回目の往復移動を超えて4回目の往復移動が開始されると、この往復移動は10回まで継続されることから、遊技者に大当たりかもという期待感を与えることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第54実施形態では、スライド動作役物ユニットM700は、移動装飾部M770の動作の際に電飾基板M775の発光態様が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ移動される場合に比較して、第2の状態から第1の状態へ移動される場合の方が発光強度を暗くする(又は消灯する)ように構成しても良い。また、その逆でも良い。
上記第54実施形態では、連動意匠M781が、移動装飾部M770の平行移動に対応して共に平行移動するよう表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781の移動方向は移動装飾部M770の移動方向と平行なわけではなく、所定のラインに沿って移動装飾部M770に引っ張られる移動として構成されても良い。また、移動に対応する場合に限定されるものではなく、例えば、移動装飾部M770の発光色に対応した色味で連動意匠M781が表示され、移動装飾部M770の発光色の変化に対応して連動意匠M781の表示色も変化されるように構成されても良い。
上記第54実施形態では、連動意匠M781が、一定の形状を有する構成である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、「雲」や「雷」など不定形の構成とされても良い。この場合、移動装飾部M770の移動と連動意匠M781の変化とのずれを目立たなくすることができる。例えば、移動装飾部M770の移動に対応して、連動意匠M781としての「雲」から「雷」が落ちるといった表示をさせても良い。移動装飾部M770の移動速度が高速になるほど「雷」の落ちる頻度が上がったり、「雷」の落ちる範囲が広がったりすることで、対応していることを遊技者が分かり易くすることができる。
上記第54実施形態では、連動意匠M781が、移動装飾部M770の平行移動に対応して共に平行移動するよう表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781の移動タイミング(周期)と移動装飾部M770の移動タイミング(周期)とが異なるように制御されても良いし、移動装飾部M770の停止中において、連動意匠M781が移動するようにしても良い。この場合において、移動装飾部M770側から拡大されるような動的な表示として構成されても良いし、移動装飾部M770の移動中において表示と非表示とが切り替えられるように構成しても良い。これにより、移動装飾部M770又は連動意匠M781の一方だけに注目される事態を避けることができ、双方に注目される機会を生じさせることができる。
また、例えば、連動意匠M781が移動装飾部M770側から拡大されるような動的な表示として構成される場合において、その動的な表示の繰り返し周期は、移動装飾部M770の移動の周期と独立させるように制御すればよい。この場合、連動意匠M781と移動装飾部M770とを別体として視認させ易くすることができるので、連動意匠M781と移動装飾部M770との境界でずれが生じても違和感を持たれ難くすることができる。
また、移動装飾部M770の移動が生じても連動意匠M781の配置は維持されるように構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置M81における連動意匠M781の描画のためのデータを削減することができ、ロードのための時間を短くすることができる。この場合において、移動装飾部M770の移動方向が前後方向であれば、移動装飾部M770と連動意匠M781との正面視における位置ずれが生じることも無いので、より演出効果の向上を図ることができる。
また、連動意匠M781が、グローブでパンチするような動作態様で表示されることに対応して可動装飾ユニットM600が第1動作と復帰制御による動作とが繰り返される態様で動作するように制御しても良い。これにより、連動意匠M781と連動される動作役物の数を増やし、遊技者の注目力を広範囲に広げることができる。
上記第54実施形態では、移動装飾部M770と共に平行移動する連動意匠M781の表示態様が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781におけるグローブに追加の装飾がされ、この装飾が移動装飾部M770の移動に合わせて変化するように構成しても良い。この場合、連動意匠M781における変化を視認することで、遊技者は、移動装飾部M770の移動タイミングを把握することができる。
追加の装飾としては、種々の態様が例示される。例えば、グローブの傷が増えていくものでも良いし、パンチの打ち出し回数に対応する「1」「2」等の数字が増加される態様で追加されるものでも良い。または、グローブの傷などの特定のアイコンが徐々に減少されるものでも良い。
増加される態様について代表して以下で説明する(なお、減少される態様についても同様に設計できることは言うまでもない)。追加の装飾として、この数字が、特定の変動表示における任意のタイミングにおける移動装飾部M770の移動に対応して「1」から開始され、同変動表示内における移動装飾部M770の往復移動の度に1ずつ増加するように制御する場合、移動装飾部M770の連続した動作の開始時期を認識させ易くすることができるし、連続した動作の途中から移動装飾部M770に遊技者が注目し始めた場合であっても、数字を見れば途中であることを認識することができる。この場合、移動装飾部M770の移動回数を遊技者にわざわざ記憶させることを強いることなく、移動装飾部M770の往復移動の回数を連動意匠M781で視認される追加の装飾と対応付けることができ、追加の装飾の数字が多くなるほど抽選に係る変動表示が長いことを認識させることで、大当たり期待度(遊技者が得られる利益)が大きいことを遊技者に予想させ、遊技者の期待感を高めることができる。
この追加の装飾として数字が描かれる場合において、「1」から開始されるのではなく、「0」や、「2」以上の数字から開始されるものでも良い。この場合、連動意匠M781に初めから注目していた遊技者に対して、なぜ「1」から開始しないのかという違和感を抱かせることができる。そして、大当たり期待度の高い変動表示において、「0」や、「2」以上の数字から開始される場合が生じるように制御することで、追加の装飾を含めた連動意匠M781に対する注目力を向上させることができる。
この追加の装飾として数字が描かれる場合において、移動装飾部M770の往復移動の度に1ずつ増加する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770の往復移動に合わせて、追加の装飾の数字において、同じ数字が繰り返される態様や、2以上増加された数字に変化される態様が生じるように制御しても良い。この場合、連動意匠M781に注目していた遊技者に対して、なぜ「1」ずつ増加しないのかという違和感を抱かせることができる。そして、大当たり期待度の高い変動表示において、同じ数字が繰り返される態様や、2以上増加された数字に変化される態様が生じるように制御することで、追加の装飾を含めた連動意匠M781に対する注目力を向上させることができる。そして、この違和感は、追加の装飾をある程度の長さ見ていれば把握できるが、追加の装飾を一瞬見るだけでは把握できないため、遊技者の連動意匠M781に対する注目力を長期にわたり向上させることができる。また、この場合に連動意匠M781の色味も変化させるように制御することで、連動意匠M781に対する注目力を向上させることができる。
なお、ここでいう追加の装飾の態様は、少なくとも「初回」か「途中」かが認識可能であればよく、数字に限定されるものではない。例えば、「スタート」から開始され、「コンティニュー」に続く態様や、「開始」から開始され、「継続」に続く態様でも良い。
追加の装飾の変化の時期については、種々の態様が例示される。例えば、追加の装飾の変化は、移動装飾部M770の往復移動に合わせて生じるものであって、第2の関連動作制御の演出待機動作として到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行する動作が実行されても生じないように制御されても良い。この場合、追加の装飾の変化を視認した遊技者に対して可動装飾ユニットM600よりも移動装飾部M770に注目すべきタイミングであることを認識させ易くすることができる。
また、例えば、追加の装飾の変化は、第2の関連動作制御の演出待機動作として到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行する動作の繰り返し回数と同期して生じるように制御されても良い。この場合、追加の装飾の変化と可動装飾ユニットM600の動作とを一体的に視認させることができることから、連動意匠M781及び可動装飾ユニットM600の演出効果を向上させることができる。
また、例えば、追加の装飾の変化が、電飾基板M513,M630の発光態様として、通常発光、露出発光、強発光での発光態様でそれぞれ切り替えられるタイミングと同期して生じるように構成しても良い。この場合、追加の装飾の変化と電飾基板M513,M630の発光態様の変化とを一体的に視認させることができることから、連動意匠M781及び電飾基板M513,M630の演出効果を向上させることができる。
上記第54実施形態では、対応表示ME590、第2対応表示ME592、到達領域表示M81aが可動装飾ユニットM600の移動先の位置に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者の注目を集めるための表示であればよく、実際には第3図柄表示装置M81の表示領域の前方に配置されないものでも、表示することが可能である。例えば、第1可変入賞装置M65の形状が表示され、特定領域M65cをより目立つように明るく表示するような態様での表示でも良い。この場合、遊技者の注目を特定領域M65cに集めることができる。
上記第54実施形態では、連動意匠M781が視認可能な状態において移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ向けてスライド移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781の表示が別の表示に切り替えられた状態で移動装飾部M770が移動される場合を構成しても良い。この場合、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界がそもそも生じ無いので、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界を隠す必要は無く、移動装飾部M770の動作タイミングの自由度を向上させることができる。
上記第54実施形態では、移動装飾部M770の移動速度が固定され移動態様が画一化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータM720の駆動制御を複数パターンの速度で実行可能に構成することで、移動装飾部M770の移動速度が複数生じるように構成しても良い。この場合、移動装飾部M770の動作速度の違いを、現在行われている変動に係る抽選の大当たり期待度と対応させることにより、移動装飾部M770の動作に対する注目力を向上させることができることから、演出効果の向上を図ることができる。
上記第54実施形態では、移動装飾部M770が直線方向で移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が蛇行しながら移動される構成でも良い。この場合、連動意匠M781も同様に蛇行した移動態様とすることで移動装飾部M770との対応を維持させることができるし、蛇行の方向転換時において速度が変化する(減速する)ことが通常である分、移動装飾部M770に生じるバックラッシによる速度変化が目立ち難くすることができ、移動装飾部M770と連動意匠M781との動作ずれについても同様に目立ち難くすることができる。
上記第54実施形態では、移動装飾部M770は右側へ向かうにつれて下降傾斜する直線方向でスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が前後方向に移動するように構成しても良い。この場合、正面視では移動装飾部M770が移動したか否かを遊技者に気付かせ難く、視線の方向を変えることで(斜め方向から見ることで)変化に気づき易い態様とすることができるので、移動装飾部M770への注目力を向上させると共に、移動装飾部M770の移動を把握したい場合には視線の方向を変える等、遊技者に意欲的に取り組ませることができ、漫然と遊技することの解消を図ることができる。
上記第54実施形態では、第1の関連動作制御において、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が動作不良を起こしていると判断した場合に第3図柄表示装置M81における表示を別態様に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、それと代えて又はそれに加えて、導光板M260の第2発光形状M272を発光可能に構成しても良い。第2発光形状M272は、正面視で移動装飾部M770の動作軌跡と重なるため、発光により、移動装飾部M770の動作不良を目立たせ難くすることができる。
上記第54実施形態では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第1の関連動作制御として特定される一定のパターンで動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技待機状態(抽選に係る変動表示が停止されている状態等)において移動装飾部M770が第1の状態(又は第2の状態)にある場合に遊技者がボタン部H181を操作することに対応して移動装飾部M770が第2の状態(又は第1の状態)へ向けて移動するように構成しても良い。この場合、遊技者の操作によって移動装飾部M770の移動を生じさせることができることから、ボタン部H181に対する遊技者の操作意欲を高めることができる。
また、例えば、遊技者がボタン部H181の操作をすることで移動装飾部M770が移動されるよう制御される期間は、遊技待機状態に限るものではない。例えば、大当たり中において上述のように制御されても良い。この場合、大当たり中における遊技の楽しみ方として、遊技球を発射させることの他に、ボタン部H181を操作して移動装飾部M770を自由に移動させることを追加することができる。
この場合において、ボタン部H181を操作することで移動装飾部M770を第1の状態へ早期に移動させることができ、対応する連動意匠M781を第3図柄表示装置M81の表示領域から退避させ、代わりに後方で隠されていた演出動作をより長い時間視認可能となることから、ボタン部H181に対する操作意欲を向上させることができる。
上記第54実施形態では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第3図柄表示装置M81の上側に隣接する領域内においてスライド移動可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が正面視で第3図柄表示装置M81の表示領域の中央側(表示領域内)まで移動可能に構成しても良い。この場合、移動装飾部M770の全周を第3図柄表示装置M81での表示と接する位置とすることができるので、移動装飾部M770と第3図柄表示装置M81での表示との一体感を高めるように演出することができる。
上記第54実施形態では、昇降移動部材M860が、第1の関連動作制御の終盤において上昇移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1の関連動作制御に関わらず、所定の契機において昇降移動部材M860を上昇移動させる場合を用意しても良い。所定の契機としては、例えば、被案内部M550が上昇端位置に維持された状態において可動装飾ユニットM600の第1動作と復帰制御による動作とが数回繰り返されたことが検出された場合や、被案内部M550が上昇端位置から離れてから上昇端位置に戻るという上下動作が数回繰り返されたことが検出された場合に、昇降移動部材M860が上昇移動されるように構成しても良い。これにより、意外性のある演出動作を視認させることができる。
上記第54実施形態では、昇降移動部材M860が、第1の関連動作制御の終盤において上昇移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降移動部材M860が上昇移動する代わりに又は上昇移動に加えて、第3図柄表示装置M81において、昇降移動部材M860の意匠と同様の表示(立体的な昇降移動部材M860を正面視での平面的な意匠で変換した表示)をさせるように制御しても良い。この場合、昇降移動部材M860が動作不良を起こしても、それにより第1の関連動作制御の見映えが落ちることを避けることができる。また、この表示を、昇降移動部材M860に動作不良が生じたと主制御装置H110又は音声ランプ制御装置H113において判断した場合に実行するように構成しても良い。
上記第54実施形態では、第2の関連動作制御の演出待機動作として、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作に代えて、又は動作に加えて、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が発光するよう制御されても良い。この場合において、動作の順に発光させる対象を切り替えるようにすれば、発光によっても、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860の一方に注目させることができる。
上記第55実施形態では、延設部M2568の角部が略直角形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上隅は略直角形状とされ、下隅は面取り傾斜形状とされても良い。この場合、当接部材M2602が下から通り抜ける場合よりも、上から通り抜ける場合の方が通過を困難とできるので、延設部M2568の上側に当接部材M2602を維持させ易くすることができる。
上記第55実施形態では、当接部材M2602が正面視で細長い形状とされ姿勢変化可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視の外形が円形の形状から構成されても良い。即ち、当接部材M2602の内側開口M2602aが円形状で形成され、受入孔部M2602bは円の直径方向で穿設され突条部M2602cの形成は省略するよう構成すれば良い。
この場合において、ねじりバネM2614aの一端側において直線方向に伸縮するコイルスプリングが形成され、そのコイルスプリングの弾性力により、形状変形された当接部材M2602を可動装飾ユニットM2600の回転軸を通る直線方向(動作円の直径方向)に変位可能に構成することで、延設部M2568に下側から当接して当接部材M2602と延設部M2568とが共に動作する態様と、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜けようと動作する態様とを構成することができる。
この場合、ねじりバネM2614aが屈曲変形される場合に比較してバネの変形を緩やかにできることから、ねじりバネM2614aが折れる等の不良を防止し易く、耐久性の向上を図ることができる。更に、当接部材M2602の外形が円形で構成されることから、構造的に均一とすることができ、局所的に疲労が蓄積されて破損するという事態を避け易く、耐久性の向上を図ることができる。
なお、当接部材M2602の形状は、外形が円形の筒状に限らず、外形が略球状に構成されるようにしても良い。例えば、当接部材M2602の外形を球状で形成した上で、延設支持部M2614と対向する側に延設支持部M2614を受け入れ可能な凹部を形成し、その凹部に延設支持部M2614が受け入れられるようにして当接部材M2602を配置しても良い。この場合、当接部材M2602の強度をより向上させることができる。
また、当接部材M2602を構成する材料について、樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部材M2602を金属材料から構成しても良い。
当接部材M2602が樹脂材料から構成される場合には、材料的に軽量であるという利点や、安価であるという利点がある一方で、衝撃に弱く破損し易いという難点があり、それを解消するために肉厚になり易く、配置させるためのスペース確保が難しい場合があった。これに対し金属材料から形成する場合、強度的には十分であるので、無理に肉厚にする必要は無く、配置の自由度を向上させることができる。
上記第56実施形態では、可動装飾ユニットM600の視認態様が、検出センサM483及び検出センサM3489により被案内部M550が検出されることに基づいて変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM483又は検出センサM3489に検出されるはずとして設定される期間において検出センサM483又は検出センサM3489に検出されないことに基づいて、可動装飾ユニットM600の視認態様が変化されるように構成しても良い。検出されることに基づくか、検出されないことに基づくかは、検出センサM483又は検出センサM3489ごとに設定が可能とされる。
上記第56実施形態では、調整表示として、縦の縮尺と横の縮尺とが同じ比率で縮小される表示となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、縦だけ縮められた表示(表示が全体的に縦に潰された態様)となっていても良い。また、表示の大きさは変更されず、単に可動装飾ユニットM600により隠される部分が生じるだけでも良い。
また、調整表示について、表示位置は左右中央である必要は無く、右端または左端にあっても良いし、左右方向位置のいずれかにあっても良い。また、その位置を遊技者が設定可能とされていても良い。
上記第56実施形態では、調整表示において、電飾基板M630の発光態様を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整表示として、電飾基板M630の発光態様を切り替えることに代えて、又はそれに加えて、導光板M260の発光を切り替えるようにしても良い。調整表示において導光板M260の第2発光形状M272を発光させるようにすることで、通常表示との違いを導光板M260の視認態様で示すと共に、可動装飾ユニットM600が下降して空いたスペース(演出跡地)が露出されることを防止することができる。
上記第56実施形態では、第1の関連動作制御等の制御が開始される前において、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整表示における縮小された表示の領域内において、第1の関連動作制御において動作される可動部(可動装飾ユニットM600、移動装飾部M770、昇降移動部材M860等)の意匠が第3図柄表示装置M81に動的に表示されることで遊技者に第1の関連動作制御と同等の動作態様を視認させるようにしても良い。また、この場合において、実際の可動体の前後関係に基づいて表示層の前後関係を設定するようにしても良い。
上記第56実施形態では、第1の関連動作制御等の制御が開始される前において、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられ、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ボタン部H181の操作に基づいて可動装飾ユニットM600が動作されるようにしても良い。このボタン部H181の操作は、第3図柄表示装置M81における表示や、音声出力により示唆されるものではなくても良い。
この場合において、可動装飾ユニットM600の動作態様(動作速度、動作方向、動作量等)が、変動中の抽選が大当たりかどうかや、抽選の大当たり期待度の大小に基づいて変化するように構成される場合、ボタン部H181の操作意欲を高めると共に可動装飾ユニットM600に対する注目力を向上させることができる。
上記第56実施形態では、調整表示にされることに基づいて、可動装飾ユニットM600が下降されることで表示の視認範囲が狭められる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降移動部材M860の上昇により表示範囲を上寄りで狭めるようにしても良いし、可動装飾ユニットM600及び昇降移動部材M860を近接方向に動作させて表示範囲を上下中央位置寄りで狭めるようにしても良い。
昇降移動部材M860の上昇により表示範囲を変える場合、通常は球案内ユニットM900の背後に隠されており特定の演出動作(第1の関連動作制御等)が実行されないと視認することができない昇降移動部材M860を、遊技者が調整ボタンH3044を操作したタイミングで視認することが可能となる。これにより、昇降移動部材M860が視認される頻度を引き上げることができ、昇降移動部材M860の演出効果を向上させることができる。
この場合において、橙色にLEDの発光ベースが変更されるのを、昇降移動部材M860だけではなく、可動装飾ユニットM600と共通で行っても良い。即ち、昇降移動部材M860の電飾基板M864と、可動装飾ユニットM600の電飾基板M630とで行っても良い。
この場合において、発光ベースが別々に変更されても良い。例えば、電飾基板M864は白色ベースから橙色ベースに変更され、電飾基板M630は白色ベースから赤色ベースに変更されても良い。
または、発光ベースの発光色は変更されず、光量が明確に変化されるようにしても良い。例えば、通常は使用しないようなLEDの最大光量で発光させるように制御しても良い。
上記第56実施形態では、調整表示における表示色のベースは橙色(電飾基板M630の発光のベースに合わせた色味)とはならず、通常表示と同様の色味で表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整表示における表示色のベースについても橙色に変化させても良い。この場合、第3図柄表示装置M81における表示の大小だけではなく、表示の色味からも、通常表示ではなく調整表示となっていることを遊技者に把握させ易くすることができる。そのため、先に遊技を行っていた遊技者が調整表示に変更したままで席を立った場合に、その後で遊技を開始した遊技者が、第3図柄表示装置M81の表示が通常表示ではなく調整表示とされていることに気づかずに調整表示のまま遊技を継続する事態を回避し易くすることができる。
上記第56実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示とされる場合、電飾基板M630の発光の明るさが最大で固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能調整操作部H190を操作することによる電飾基板M630による発光の明るさ等についての設定が、調整表示とされる場合にも流用されるように制御しても良い。この場合、調整表示とされた場合に電飾基板M630の発光の明るさが突然変化した際に、その変化を、抽選に係る変動表示に対応した明るさの変化であると遊技者が勘違いする事態の発生を回避し易くすることができる。
上記第56実施形態では、検出センサM3489により検出片M554が検出される時間長さについてある条件が成立した場合に通常表示から調整表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM3489により検出片M554が検出されたら即座に通常表示から調整表示に切り替えられるように構成しても良い。この場合、通常表示と調整表示とを切り替える制御が容易となり、制御のためのデータ容量を縮小させることができる。
上記第56実施形態では、検出センサM3489により検出片M554が検出される時間長さについてある条件が成立した場合に通常表示から調整表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、事前に設定された数値との比較によるものであれば十分であり、事前に設定された検出回数とのずれ(回数超過または回数未達)や、事前に設定された検出頻度とのずれ(頻度超過または頻度未達)を条件として通常表示から調整表示に切り替えられるよう構成しても良い。
上記第56実施形態では、調整ボタンH3044が操作有効状態において操作されると、被案内部M550が中間位置まで下降し、可動装飾ユニットM600が中間状態まで回転移動するように制御されると共に、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整ボタンH3044が操作されると被案内部M550及び可動装飾ユニットM600が第1の関連動作制御で動作され、その途中で被案内部M550が中間位置とされ、可動装飾ユニットM600が中間状態とされる状態において停止されると共に第3図柄表示装置M81における表示が調整表示に切り替えられるように構成しても良い。
この場合、調整ボタンH3044が操作された場合における可動装飾ユニットM600の動作範囲を大きくすることで、可動装飾ユニットM600への遊技者の注目力を向上させることができる。なお、この場合においても、再び調整ボタンH3044が操作された場合における可動装飾ユニットM600の動作は、復帰制御で構成されることから、通常表示への切り替えを即座に実行させることが可能とされるので、調整表示から通常表示に切り替えるのに要する待ち時間を短縮させることができる。
上記第56実施形態では、調整表示への切り替えと共に可動装飾ユニットM600を動作させるための操作部として調整ボタンH3044のみを備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作することで昇降移動部材M860を上昇移動または下降移動させることができる第2調整ボタンを追加で備えるようにしても良い。即ち、昇降移動部材M860が下端位置状態の時に第2調整ボタンが操作されると昇降移動部材M860が上端位置状態へ向けて上昇移動され、昇降移動部材M860が上端位置状態の時に第2調整ボタンが操作されると昇降移動部材M860が下端位置状態へ向けて下降移動される。
第2調整ボタンの操作により昇降移動部材M860が上端位置状態とされている場合、調整ボタンH3044の操作により動作される演出動作ユニットM500の動作態様によっては(例えば、第1の関連動作制御による動作の場合)、演出動作ユニットM500が昇降移動部材M860と干渉し、移動を完了できないため、昇降移動部材M860が上端位置状態である場合には演出動作ユニットM500の動作の実行を開始しないように制御しても良い。これにより、演出動作ユニットM500と昇降移動部材M860とが衝突する事態を避け、破損防止を図ることができる。
また、昇降移動部材M860が上端位置状態であることを検出する検出センサを追加し、その検出センサの検出結果により昇降移動部材M860が上端位置状態であると判断された場合には、演出動作ユニットM500の動作が開始される前に、遊技者に対して第2調整ボタンを操作することを促す報知を実行するように構成しても良い。これに応じて遊技者が第2調整ボタンを操作した場合には、昇降移動部材M860が下降移動されることで、演出動作ユニットM500が移動を完了できる状態となる。これにより、演出動作ユニットM500と昇降移動部材M860とが衝突する事態を避け、破損防止を図ることができると共に、報知により遊技者の遊技に対する参加意欲を促進することができる。
なお、第2調整ボタンは、新規の構成として正面枠H3014に追加するようにしても良いが、既にある構成を兼用するようにすれば、新規の構成を追加する場合に比較して正面枠H3014の外観に与える影響を少なくでき、製造用の金型を流用することができるので、製造コストの低減を図ることができる。例えば、ボタン部H181や、機能調整操作部H190や、球抜きレバーH52や、球排出レバーH54等に、第2調整ボタンとしての機能を兼用させるように構成することが想定される。
この場合において、ボタン部H181が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、ボタン部H181が上下皿ユニットH15の左右中央位置において他の操作部材に比較して大きな構造物として配設されていることから、操作させ易く、遊技者が操作部を探す際のストレスを低減することができる。
機能調整操作部H190が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、特に、決定ボタンH191にその機能を持たせることで、決定ボタンH191の有効利用を図ることができる。決定ボタンH191は、音量や光量の設定をした後においては、操作されること自体が稀であり、構成として無駄となってしまう。これに対し、決定ボタンH191に第2調整ボタンとしての機能を持たせることで、音量や光量の設定をした後においても機能調整操作部H190を意味のある構成とすることができる。
球抜きレバーH52が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、遊技の調整を行う主なタイミングとなる遊技開始時には下皿H50には球が未だ貯留されていないはずなので、第2調整ボタンとして操作しても、下皿50に貯留されている遊技球を意図せず排出することになるという事態を避け易い。
更に、ファール球が下皿へ供給される関係上、気づかない間に下皿H50に球が数球残される(溜まる)ことがあるが、上皿H17やボタン部H181に視界が遮られることで下皿H50の内部は視認されにくくなっており、下皿H50の残球に遊技者が気づかないことがある。これに対し、球抜きレバーH52が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、遊技の調整を行う主なタイミングとなる遊技開始時に積極的に球抜きレバーH52を操作させることで、下皿H50の残球の存在を遊技者に気付かせ易くすることができる。
球排出レバーH54が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、遊技の調整を行う主なタイミングとなる遊技開始時において、球貸しボタンH42を操作する前には上皿H17には球が未だ貯留されていないはずなので、第2調整ボタンとして操作しても、上皿H17に貯留されている遊技球を意図せず排出することになるという事態を避け易いため、せっかく上皿H17に貯留されている球を無駄に排出するという事態を避けられる。
なお、昇降移動部材M860が上端位置状態とされている場合に調整ボタンH3044の操作により動作される演出動作ユニットM500が昇降移動部材M860と干渉することから、第2調整ボタンの操作を促す報知をする代わりに、又は報知をすることに加えて、昇降移動部材M860が上端位置状態とされている場合に調整ボタンH3044が操作された場合には昇降移動部材M860が演出動作ユニットM500と干渉しない位置に移動する制御(下端位置状態へ向けて移動する制御)がされ、その制御が完了した後で演出動作ユニットM500が動作されても良い。
これにより、演出動作ユニットM500と昇降移動部材M860とが衝突する事態を避け、破損防止を図ることができる。更に、調整ボタンH3044の操作に加え、別のボタンの操作も必要とされる場合に比較して、遊技者が煩わしく感じることを避け易く、遊技を快適とすることができる。
上記第56実施形態では、調整ボタンH3044の操作により演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が復帰制御により退避され、被案内部M550の検出片M554が検出センサM483に検出されることに基づいて第3図柄表示装置M81における表示が縮小された表示(調整表示)から元の表示(通常表示)に戻される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被案内部M550の検出片M554が検出センサM483に検出された場合に、調整表示のまま維持可能に構成しても良い。この場合において、更に、現在実行されている変動表示に対応する抽選の大当たり期待度が高い場合に調整表示で維持され易いように制御を構築することで、遊技者に対して調整ボタンH3044の操作を意欲的に実行させることができる。
上記第56実施形態では、第1の関連動作制御等、第3図柄表示装置M81の表示と複合動作役物ユニットM3400の動作とが関連する制御が実行開始される場合には、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられるよう制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、制御の実行に関わらず、調整ボタンH3044の操作がされない限り調整表示から通常表示に切り替えられることは無いように構成しても良い。この場合、調整ボタンH3044を一度操作すれば、調整表示で維持した状態で遊技を継続することができるので、調整ボタンH3044を繰り返し操作する必要がある場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
上記第57実施形態では、リンク部材M3660の復帰動作が弾性バネM655の付勢力による場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、リンク部材M3660の所定部に錘が配設され自重による回転で復帰しても良い。この場合、リンク部材M3660の復帰動作をバネ弾性に基づく弾性的な動作ではなく、重力加速度に基づく動作とすることができるので、仮に弾性バネM655が劣化したとしてもリンク部材M3660の動作不良が生じることを避けることができるし、更にはリンク部材M3660の復帰動作が後側スライド移動体M650に起因する状況を回避することができ、後側スライド移動体M650の配設を省略することができる。また、リンク部材M3660に駆動力を付与する別の駆動装置を配設して、その駆動装置の駆動によってリンク部材M3660の回転動作を任意のタイミングで実行可能に構成することにより、駆動力で復帰するようにしても良い。この場合、駆動装置の駆動力によりリンク部材M3660を任意の姿勢で停止させることも可能となる。
上記第57実施形態では、ピン付きギアM582の回転が駆動モータM501の駆動制御のみ対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータM501の駆動が解除されている場合においてピン付きギアM582の回転が発生する場合を構成可能としても良い。即ち、例えば、円弧形成部M584aに金属材料から形成される錘部を配設することで、可動装飾ユニットM3600が起き上がり側終端状態である場合からのピン付きギアM582の正面視反時計回り方向への回転角度が小さい場合(駆動力が弱い場合)に、錘部による回転動作によりピン付きギアM582が元の姿勢に戻るように構成しても良い。この場合、駆動モータM501の駆動力が意図せず弱くなった場合に、演出意図に合わない不十分な角度でピン付きギアM582が停止する事態が生じても、ピン付きギアM582を自動的に元の姿勢に戻すことができる。
なお、円弧形成部M584aに金属材料から形成される錘部を配設しない構成であれば、自動的にピン付きギアM582を回転させることはできないとしても、ピン付きギアM582及び円板付きギアM584の回転抵抗を低減させることができるので、ピン付きギアM582を回転動作させるのに必要となる駆動モータM501の駆動力を抑制させることができるので、駆動モータM501の駆動力が意図せず弱くなる事態が発生し難くすることができる。また、ピン付きギアM582に対して正面視時計回りに方向に付勢力を付与する付勢バネを採用することで、ピン付きギアM582に戻り動作をさせるように構成しても良い。
上記第57実施形態では、ピン付きギアM582が正面視反時計回りに回転動作中に柱状部M582aが被押進板部M3663を越えた場合に、リンク部材M3660が即座に傾倒する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性バネM655を省略することで、リンク部材M3660の回転動作は柱状部M582aから付与される荷重でのみ実行され柱状部M582aがリンク部材M3660から離間している状態ではリンク部材M3660の姿勢が維持されるように構成しても良い。
この場合、リンク部材M3660に付勢力がかけられていないので、押進時における動作抵抗を低減させることができ、ピン付きギアM582の回転動作に要する駆動モータM501の駆動力を小さく抑えることができるし、更に、柱状部M582aが被押進板部M3663を越えた後でピン付きギアM582の回転方向を反転させた場合でも被押進板部M3663に柱状部M582aが進行を遮られることが無いので、ピン付きギアM582の回転動作の設計自由度を向上させることができる。
なお、この場合であっても、ピン付きギアM582が正面視時計回り方向で回転動作する場合に柱状部M582aが対向突部M3664を押進することでリンク部材M3660の姿勢を変化させることから、リンク部材M3660の往復回転動作は問題なく実行可能である。
上記第57実施形態では、リンク部材M3660が二股の爪を有するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の爪(被押進板部M3663)のみが形成され、残りの爪(対向突部M3664)は省略しても良い。対向突部M3664があれば、ピン付きギアM582の柱状部M582aの動作速度に対応した速度でリンク部材M3660を動作させることができる(追従動作させることができる)が、リンク部材M3660の戻り動作は付勢力や自重に任せるとして対向突部M3664を省略しても良い。
この場合、ピン付きギアM582の動作の設計自由度を向上させることができる。即ち、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで継続回転される場合において、仮にリンク部材M3660の姿勢が中途半端な状態で柱状部M582aがリンク部材M3660に衝突しても(例えば、リンク部材M3660の姿勢が復帰しきる前に柱状部M582aがリンク部材M3660に衝突するほどにピン付きギアM582の回転速度が高速とされたとしても)、ピン付きギアM582の柱状部M582aが対向突部M3664と衝突する事態が生じることは無く、常に柱状部M582aを被押進板部M3663で受けることができるので、ピン付きギアM582を高速で回転制御させることができる。また、リンク部材M3660の初期姿勢の設定の自由度についても向上させることができ、柱状部M582aを待ち受ける際のリンク部材M3660の姿勢にバリエーションを増やす設計をすることができる。
上記第57実施形態では、リンク部材M3660が二股の爪を有するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、二股の爪とされている部分の先端部が連結され、柱状部M582aを内周側に配置させる異形孔形状を有する構成としても良い。この場合、柱状部M582aがリンク部材M3660から外れることを防止することができ、動作を安定させることができる。
上記第57実施形態では、検出センサM3663として接触式のセンサが採用されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、柱状部M582aが進入可能な検出溝を備える非接触式のセンサを採用しても良い。この場合、センサに柱状部M582aからの荷重が付与されることが無く、荷重による欠損の可能性を低くすることができるので、安定して柱状部M582aの移動を検出することができる。
また、検出センサM3663の配置についても、変位部材M3690に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、柱状部M582aの移動を検出可能な位置であれば、固定配置でも良い。この場合、変位部材M3690の移動により検出センサM3663の位置が設計位置(変位許容位置)から外れることを避けることができるので、柱状部M582aの検出を安定させることができる。
上記第58実施形態では、回転移動部材M4660が二股の爪を有するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の爪(被押進板部M3663)のみが形成され、残りの爪(対向突部M3664)は省略しても良い。対向突部M3664があれば、ピン付きギアM582の柱状部M582aの動作速度に対応した速度で回転移動部材M4660を動作させることができる(追従動作させることができる)が、回転移動部材M4660の戻り動作は付勢力や自重に任せるとして対向突部M3664を省略しても良い。
この場合、ピン付きギアM582の動作の設計自由度を向上させることができる。即ち、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで継続回転される場合において、仮に回転移動部材M4660の姿勢が中途半端な状態で柱状部M582aが回転移動部材M4660に衝突しても(例えば、回転移動部材M4660の姿勢が復帰しきる前に柱状部M582aが回転移動部材M4660に衝突するほどにピン付きギアM582の回転速度が高速とされたとしても)、ピン付きギアM582の柱状部M582aが対向突部M3664と衝突する事態が生じることは無く、常に柱状部M582aを被押進板部M3663で受けることができるので、ピン付きギアM582を高速で回転制御させることができる。また、回転移動部材M4660の初期姿勢の設定の自由度についても向上させることができ、柱状部M582aを待ち受ける際の回転移動部材M4660の姿勢にバリエーションを増やす設計をすることができる。
上記第58実施形態では、ピン付きギアM582は可動装飾ユニットM4600に遮蔽されることで視認されないようになっており、可動装飾ユニットM4600の動作速度から回転移動部材M4660の回転動作について遊技者に予測させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ピン付きギアM582aと重なる位置における可動装飾ユニットM4600の部品が光透過性材料から形成されており、ピン付きギアM582の柱状部M582aが正面視で視認可能に構成されても良い。
この場合、回転移動部材M4660を押進する柱状部M582aの動作速度を直接視認させることができるので、例えば可動装飾ユニットM4600から柱状部M582aが離間する場合(可動装飾ユニットM4600を置き去りにして柱状部M582aが下方へ回転移動する場合等)であっても、回転移動部材M4660の動作を柱状部M582aの動作態様から予測することが可能となるので、柱状部M582aに対する注目力を向上させることができる。
なお、柱状部M582aを視認させる領域は、柱状部M582aの移動軌跡の全体を含む領域として設定しても良いし、柱状部M582aの移動軌跡の一部のみを含む領域として設定しても良い。例えば、回転移動部材M4660に近い側(例えば、ピン付きギアM582の回転軸よりも下側)においてピン付きギアM582aが視認可能とされ、回転移動部材M4660から離れた側(例えば、ピン付きギアM582の回転軸よりも上側)においてピン付きギアM582aが視認不能とされるように構成しても良い。
この場合、回転移動部材M4660に当接する以前から当接するタイミングまで柱状部M582aを視認可能とすることで、柱状部M582aの動作速度を遊技者に把握させることができ、柱状部M582aに対する注目力を向上させることができる一方で、回転移動部材M4660に当接しない場合にまで柱状部M582aに注目が向かうことを避けることができる。これにより、遊技者の目線を分散させることができる。
上記第58実施形態では、可動装飾ユニットM4600の起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態へ向けた動作中においてボタン部H181を操作することでピン付きギアM582の動作速度が変化され得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態とされている状態でボタン部H181を操作すると、ピン付きギアM582が正面視反時計回り方向で回転動作される場合を構成可能としても良い。
この場合において、ボタン部H181の操作によるピン付きギアM582の動作態様は種々の態様が例示される。例えば、ピン付きギアM582は所定の角度を往復回転動作するものでも良いし、一方向に回転動作するものでも良い。また、例えば、ボタン部H181を一回操作する度に一定の角度回転動作される(複数回の操作で、一定の角度と操作回数との積となる角度で回転動作される)ものでも良いし、ボタン部H181を操作している期間においてピン付きギアM582の動作が継続されるものでも良いし、ボタン部H181の操作量を検出可能に構成し操作量が大きいほどピン付きギアM582の動作速度が高速となるように構成しても良い。
また、ボタン部H181の操作が解除された時においてピン付きギアM582が停止するものでも良いし、動作前の状態に復帰するように戻り動作するものでも良い。戻り動作するものである場合、ボタン部H181の操作を解除した状態でも可動装飾ユニットM4600の動作が継続されることから、ボタン部H181及び可動装飾ユニットM4600に注目を分散させることができる。また、戻り動作の有無が、ピン付きギアM582の柱状部M582aの変位量に基づいて決定されても良い。柱状部M582aの変位量が僅か(例えば、回転移動部材M4660に到達しない量)である場合には戻り動作させる一方、それ以上に変位している場合(回転移動部材M4660を越える程度に変位している場合)には、同方向に回転動作させる方が戻り動作に必要な回転角度を抑えられる。
上記第58実施形態では、ピン付きギアM582の回転動作に対応して可動装飾ユニットM4600が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動装飾ユニットM4600の回転先端側を下支え可能な出没式のストッパ装置を備え、没入状態では可動装飾ユニットM4600の回転動作を許容し、突出状態では可動装飾ユニットM4600を起き上がり側終端状態で固定する(回転動作を許容しない)ように構成しても良い。
この場合、可動装飾ユニットM4600は起き上がり側終端状態で維持したままで回転移動部材M4660を回転動作させることが可能となるので、動作態様として、可動装飾ユニットM4600の独立動作だけでなく、回転移動部材M4660の独立動作も構成させることができる。なお、このストッパ装置を上記第54実施形態~上記第57実施形態において採用しても良い。
上記第58実施形態では、回転移動部材M4660の待機状態において延設構成部M4665が視認可能とされ、発光演出を実行可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、待機状態において延設構成部M4665が視認不能に構成されても良い。これにより、延設構成部M4665へ注目させるタイミングを、延設構成部M4665が待機状態から動作した場合に限定させることができ、延設構成部M4665が待機状態にある場合には注目を他の箇所(例えば、第3図柄表示装置M81の表示等)に向けさせることができる。
上記第58実施形態では、延設構成部M4665において発光部M4666が等間隔で配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、不等間隔でも良い。特に、可動装飾ユニットM4600に隠されない回転先端側において残像を形成可能な領域は、回転動作軌跡としての円の径方向の幅が狭いため、回転先端側における発光部M4666の配置間隔を狭めることで、より精密な表示を可能とすることができる。
上記第58実施形態では、延設構成部M4665を構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設構成部M4665の構成を省略しても良い。この場合においても、残像形状M4691F,M4692Fについては、対応する透過表示を第3図柄表示装置M81で実行させることで同様の演出効果を生じさせることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<所定領域において一緒に動作させる構造>
表示装置と、その表示装置の表示領域の正面視外方から変位され前記表示装置の前方側に位置し得る第1手段が当接可能とされる第2手段と、を備え、所定領域における前記第1手段の上方側への変位に基づく前記第1手段との当接により前記第2手段が変位される遊技機であって、前記所定領域における前記第1手段の変位を案内可能な案内手段を備え、前記遊技機は、前記第1手段の変位に基づく前記第2手段の変位を抑制する第3手段を備え、前記第2手段の変位が前記第3手段に抑制された後において、前記第1手段は前記第2手段から離間する態様で変位可能とされることを特徴とする遊技機MA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能な第1手段および第1手段の上方側への変位に基づいて変位される第2手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段と第2手段とが常時接触されており、第1手段の変位を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MA1によれば、第1手段と、第2手段とが、所定領域において共に変位されるものであって、第2手段の変位を抑制する第3手段を備え、第2手段の変位が第3手段に抑制された後において、第1手段は第2手段から離間する態様で変位可能とされることから、第1手段の変位を好適とすることができる。
第1手段は、それ単体で動作可能に構成される可動装飾ユニットM600自体でも良いし、可動装飾ユニットM600の一部として構成される当接部材M602でも良いし、可動装飾ユニットM2600の当接部材M2602でも良い。また、樹脂材料から構成される部材であってもよく、金属材料から構成される部材であってもよい。第2手段は、扇形状構成部M560でも良い。案内手段は、円弧状貫通部M515でも良い。第3手段は、突設補助部M545でも良いし、円板付きギアM584でも良い。
遊技機MA1において、前記第1手段は、前記第2手段の変位が前記第3手段に抑制された後において下方へ変位される場合に前記第2手段から離間されることを特徴とする遊技機MA2。
遊技機MA2によれば、遊技機MA1の奏する効果に加え、第3手段によって第2手段の変位が抑制された後においても、その抑制が第1手段にまで影響を及ぼす事態を避け易くすることができる。
遊技機MA1又はMA2において、前記所定領域における前記第1手段の上方側への変位に基づいて前記第2手段が変位された場合において、前記第1手段が前記第2手段を越える態様で変位されることを特徴とする遊技機MA3。
遊技機MA3によれば、遊技機MA1又はMA2の奏する効果に加え、第1手段の変位が、第3手段により抑制された第2手段に制限を受けないで実行されるよう構成することができる。
遊技機MA1からMA3のいずれかにおいて、前記所定領域における前記第1手段の上方側への変位に基づいて前記第2手段が変位され、前記第1手段が前記第2手段から離間された場合において、前記第2手段は、変位される前の位置へ復帰する動作が可能に構成されることを特徴とする遊技機MA4。
遊技機MA4によれば、遊技機MA1からMA3のいずれかの奏する効果に加え、第1手段により変位される前の第2手段の位置を安定させることができる。
遊技機MA1からMA4のいずれかにおいて、前記第2手段は前後方向の変位はせず、前記第1手段は前後方向の変位が許容されることを特徴とする遊技機MA5。
遊技機MA5によれば、遊技機MA1からMA4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段と第2手段との当接位置を変化させることができ、当接位置における疲労の蓄積を低減させることができる。
遊技機MA1からMA5のいずれかにおいて、駆動手段を備え、前記第1手段は前記駆動手段の駆動力で上向きに移動されることを特徴とする遊技機MA6。
遊技機MA6によれば、遊技機MA1からMA5のいずれかの奏する効果に加え、自重による変位の他、駆動手段の駆動力による変位を構成することができる。駆動手段は駆動モータM501でも良い。
遊技機MA1からMA6のいずれかにおいて、検出手段を備え、前記第1手段の変位は前記検出手段により検出可能とされ、前記第2手段の変位は前記検出手段により検出されないことを特徴とする遊技機MA7。
遊技機MA7によれば、遊技機MA1からMA6のいずれかの奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。
遊技機MA1からMA7のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第2手段は、共通の回転軸を中心として回転移動可能に構成されることを特徴とする遊技機MA8。
遊技機MA8によれば、遊技機MA1からMA7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段の変位の方向を合わせることができる。
遊技機MA1からMA8のいずれかにおいて、前記第2手段は、所定の回転軸を中心とした回転移動が、前記所定の回転軸の移動中に実行可能に構成されることを特徴とする遊技機MA9。
遊技機MA9によれば、遊技機MA1からMA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の動作態様を複数種類構成可能となる。
遊技機MA1からMA9のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段に近接する方向で前記所定領域へ向けて変位され前記第2手段に当接可能に構成されており、前記第1手段が前記第2手段に近接する方向で前記所定領域へ向けて変位される場合において、前記第2手段は、前記第1手段が当接していない状態において停止されることを特徴とする遊技機MA10。
遊技機MA10によれば、遊技機MA1からMA9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段が第2手段に対して近接する方向で変位される場合に第2手段が停止されることから、当接位置を安定させることができる。
遊技機MA1からMA10のいずれかにおいて、前記所定領域の少なくとも一部において、前記第1手段の変位方向が所定方向からその逆方向に変化可能に構成されており、前記第2手段が前記第3手段により前記第1手段の前記逆方向への変位に対する抵抗を生じるように構成されることを特徴とする遊技機MA11。
遊技機MA11によれば、遊技機MA1からMA10のいずれかの奏する効果に加え、第1手段が逆方向よりも所定方向に変位し易いようにすることができるので、第1手段の所定方向への変位を安定的に生じさせることができる。
遊技機MA1からMA11のいずれかにおいて、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に往復動作可能に構成され、前記所定の回転軸は、少なくとも金属部材を含み、皿状部を端部に有する棒状部材であることを特徴とする遊技機MA12。
遊技機MA12によれば、遊技機MA1からMA11のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を所定の回転軸で支持するという支持強度が足らなくなりがちな構成にあっても、回転軸が少なくとも金属部材を含むことで強度を確保することができ、更に回転軸の形状により第2手段の軸線方向の位置ずれを防止し易くすることができる。
遊技機MA1からMA12のいずれかにおいて、前記案内手段には、前記第1手段を検出可能な検出手段が配設されることを特徴とする遊技機MA13。
遊技機MA13によれば、遊技機MA1からMA12のいずれかの奏する効果に加え、案内手段を、第1手段の変位を案内するものと、検出手段を配設するものとで兼用させることができる。
遊技機MA12又はMA13において、前記案内手段は、前記所定の回転軸を配置させる孔部を備えることを特徴とする遊技機MA14。
遊技機MA14によれば、遊技機MA12又はMA13の奏する効果に加え、第1手段の変位を案内する案内手段の孔部に第2手段の回転軸としての所定の回転軸が配置されることから、第1手段の変位を第2手段の変位に対応させ易くすることができる。
遊技機MA1からMA14のいずれかにおいて、前記第1手段の速度が大きい場合の方が、前記第1手段の速度が小さい場合に比較して、前記第1手段が前記第2手段を超えて通過され易いよう構成されることを特徴とする遊技機MA15。
遊技機MA15によれば、遊技機MA1からMA14のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の速度を異ならせることにより、第1手段の変位態様を異ならせることができるので、第1手段の変位のバリエーションの増加を図ることができる。
<移動手段の移動途中で動作する第2動作手段を有する構成>
駆動手段と、移動手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達させるための伝達手段と、前記移動手段を所定方向に移動させる場合に動作される第1動作手段と、前記移動手段の移動可能領域に少なくとも一部が位置するように構成されており前記移動手段に当接されることに基づく動作が可能に構成される第2動作手段と、を備え、前記第2動作手段は、前記第1動作手段の所定部から離間して配置されており、前記移動手段は、前記第2動作手段と当接する第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域とを移動可能に構成されることを特徴とする遊技機MB1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動モータにより回転される駆動ギアに連動して回転移動される移動手段である回転移動ギアの偏心した位置から円柱状に突設される突設部を介して駆動力が伝達される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアの動作により実現される動作は動作手段が往復される態様に限定されており、動作による演出が単調となっていた。一方で、単純に動作手段の動作態様を増加させるとしても、回転移動ギアの回転(抵抗)に影響を及ぼす可能性があり、それを解決するための困難性が生じることは想像に難くない。即ち、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアにより生じる動作が複数構成される場合に、回転移動ギアである移動手段の移動を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MB1によれば、移動手段により動作される第1動作手段と第2動作手段とが構成され、それらが離間して配置されていることから、移動手段に対する第1動作手段からの影響と、第2動作手段からの影響とが、同時に生じることを回避し易くすることができるので、移動手段の移動を好適とすることができる。
なお、駆動手段は、駆動モータM501でもよく、移動手段は、柱状部M582aでもよく、伝達手段は、モータギアM581でもよく、第1動作手段は、板状本体部M610でもよく、第2動作手段は、リンク部材M660でもよい。
遊技機MB1において、前記第1動作手段の所定動作が実行された後で前記第2動作手段が動作され得ることを特徴とする遊技機MB2。
遊技機MB2によれば、遊技機MB1の奏する効果に加え、第1動作手段の動作が実行されたことを把握させた場合に第2動作手段が動作することを事前に把握させることができるので、第2動作手段に注目させることができる。
遊技機MB2において、前記所定動作が実行された後で前記第2動作手段が動作されない場合を構成可能とされており、前記所定方向に移動している前記移動手段が前記第2動作手段に当接するよりも前の所定領域の少なくとも一部において前記移動手段が視認可能に構成されることを特徴とする遊技機MB3。
遊技機MB3によれば、遊技機MB2の奏する効果に加え、第2動作手段が動作するか否かを所定領域の移動手段を視認することで把握することができるので、遊技者の注目力を所定領域に集めることができ、移動手段の移動に注目させることができる。
遊技機MB3において、前記所定領域の少なくとも一部は、前記所定領域における前記第2動作手段に近い側に位置することを特徴とする遊技機MB4。
遊技機MB4によれば、遊技機MB3の奏する効果に加え、第2動作手段に当接し得ない位置でまで移動手段に注目させることを避け、不必要な注目力の分散を防止することができる。
遊技機MB1からMB4のいずれかにおいて、前記第2動作手段が前記所定方向に移動する前記移動手段と一側の面で当接可能に構成され、その当接後、前記移動手段が前記第2動作手段から前記所定方向に離れる場合と、前記移動手段が前記第2動作手段から前記所定方向の逆方向に離れる場合とを構成可能であることを特徴とする遊技機MB5。
遊技機MB5によれば、遊技機MB1からMB4のいずれかの奏する効果に加え、第22動作手段に当接された後の移動手段の移動のバリエーションを増やすことができ、第2動作手段および移動手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機MB1からMB5のいずれかにおいて、前記第2動作手段は、前記所定方向に移動する前記移動手段と一側の面で当接可能に構成され、その一側の面に当接し前記第1領域を通過した前記移動手段の前記所定方向の逆方向への移動を他側の面で遮ることが可能に構成されることを特徴とする遊技機MB6。
遊技機MB6によれば、遊技機MB1からMB5のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段により移動手段の逆方向への移動を遮ることができるので、移動手段の所定方向への移動を継続させ易くすることができる。
遊技機MB1からMB6のいずれかにおいて、前記第1動作手段が前記第2動作手段と一体的に変位する場合を構成可能であることを特徴とする遊技機MB7。
遊技機MB7によれば、遊技機MB1からMB6のいずれかの奏する効果に加え、第1動作手段と第2動作手段とが別々に動作される場合のみではなく、一体的に変位する場合を構成できることで、第1動作手段および第2動作手段を利用した動作演出のバリエーションを増やすことができる。
遊技機MB1からMB7のいずれかにおいて、前記第1動作手段の動作速度と第2動作手段の動作速度とが対応することを特徴とする遊技機MB8。
遊技機MB8によれば、遊技機MB1からMB7のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段の動作が開始される前から第2動作手段の動作速度を予測させることができる。
遊技機MB1からMB8のいずれかにおいて、前記第1動作手段の動作力と第2動作手段の動作力とが対応することを特徴とする遊技機MB9。
遊技機MB9によれば、遊技機MB1からMB8のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段の動作が開始される前から第2動作手段の動作力(動作量)を予測させることができる。
遊技機MB1からMB9のいずれかにおいて、前記第2動作手段を常時視認可能とさせることを特徴とする遊技機MB10。
遊技機MB10によれば、遊技機MB1からMB9のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段の動きを把握させ易くすることができ、第2動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<一方の動きに合わせて他方の動きが変化>
制御手段と、その制御手段の制御に基づいて動作可能に構成される第1可動部および第2可動部と、前記第2可動部の動作と対応した表示を実行可能に構成される表示手段と、を備え、移動手段の所定部の検出に基づいて前記第1可動部の動作開始を前記制御手段に判断させることが可能に構成され、前記第1可動部の動作開始に対応して前記第2可動部が第1の制御態様で動作可能に構成され、前記第2可動部は、所定領域側に進出している状態と、前記所定領域側から退避している状態と、を切り替え可能とされ、前記制御手段は、前記第1の制御態様における前記第2可動部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、前記第1の制御態様での動作実行期間中であっても前記第2可動部が第2の制御態様で動作するよう構成されることを特徴とする遊技機MC1。
パチンコ機等の遊技機において、第1可動部と、その第1可動部に対応する第2可動部とが、独立して動作可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1可動部の動作に対応して第2可動部が動作されることで適切な演出が実行されるものであるところ、第1可動部または第2可動部の一方に動作不良があるかに関わらず、他方の動作が実行されるものとなっており、第1可動部および第2可動部の動作を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MC1によれば、制御手段は、第1の制御態様における第2可動部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、第1の制御態様での動作の途中であっても第2可動部は第2の制御態様での動作を実行するよう構成されるので、第1可動部に動作不良があった場合であっても第2可動部の制御態様を変えることで、第1可動部および第2可動部の動作を好適とすることができる。
なお、第1可動部は、板状本体部M510(演出動作ユニットM500)でも良い。第2可動部は、可動装飾ユニットM600でも良い。移動手段の所定部は、前方突設部M444でも良い。
遊技機MC1において、前記表示手段による前記対応した表示は、前記第2可動部の前記第1の制御態様での動作に対応するよう構成されており、前記対応した表示は、前記第2可動部の前記第2の制御態様での動作実行期間中において継続して実行されることを特徴とする遊技機MC2。
遊技機MC2によれば、遊技機MC1の奏する効果に加え、所定の条件が成立した場合に遊技者が対応した表示を視認した場合であっても、敢えて表示を消さずに継続して実行し、第2可動部の動作を第2の制御態様で継続させることにより、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
遊技機MC1又はMC2において、前記対応した表示は、前記第2可動部の動作停止後において継続して実行可能に構成されることを特徴とする遊技機MC3。
遊技機MC3によれば、遊技機MC1又はMC2の奏する効果に加え、第2可動部の動作停止後において対応した表示が継続して実行可能とされていることから、第2可動部が第1の制御態様での動作を完了して停止したか、第2可動部が第2の制御態様での動作を実行した後で停止したかに関わらず、停止した第2可動部および対応した表示に基づく同様の視認態様を遊技者に視認させることができるので、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
遊技機MC1からMC3のいずれかにおいて、前記対応した表示の実行期間が複数構成可能とされることを特徴とする遊技機MC4。
遊技機MC4によれば、遊技機MC1からMC3のいずれかの奏する効果に加え、対応した表示の実行期間が複数構成可能とされるので、対応した表示を利用した演出効果を向上させることができる。
遊技機MC4において、前記表示手段による前記対応した表示は、前記第2可動部の前記第1の制御態様での動作に対応するよう構成されており、前記第2可動部の前記第2の制御態様での動作が実行された場合の方が、前記第2可動部の前記第2の制御態様での動作が実行されなかった場合に比較して、前記対応した表示の実行期間が短くされることを特徴とする遊技機MC5。
遊技機MC5によれば、遊技機MC4の奏する効果に加え、対応した表示を、対応する第1の制御態様での動作と視認される状態が継続して実行される場合には長く残す一方、第1の制御態様とは異なる第2の制御態様での動作と視認される状態では短くすることで、対応した表示を視認する遊技者が違和感を抱く可能性を低くすることができ、対応した表示の演出効果を向上させることができる。
遊技機MC1からMC5のいずれかにおいて、前記第2可動部は、発光可能に構成される発光手段を備え、前記発光手段の発光態様が前記第2可動部の移動に基づいて変化可能に構成されることを特徴とする遊技機MC6。
遊技機MC6によれば、遊技機MC1からMC5のいずれかの奏する効果に加え、移動中における第2可動部の演出効果を向上させることができる。
遊技機MC1からMC6のいずれかにおいて、前記所定の条件は、前記第1可動部の動作に関連することを特徴とする遊技機MC7。
遊技機MC7によれば、遊技機MC1からMC6のいずれかの奏する効果に加え、第1可動部と第2可動部との連動を適切に実行することができる。
遊技機MC1からMC7のいずれかにおいて、移動手段の所定部を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機MC8。
遊技機MC8によれば、遊技機MC1からMC7のいずれかの奏する効果に加え、検出手段による検出によって第1可動部の動作開始を制御手段が判断できるので、第2可動部の動作を適切なタイミングで開始させることができる。なお、検出手段は、検出センサM453でも良い。
遊技機MC8において、前記検出手段には、前記第2可動部の動作準備段階に検出可能な第1の検出手段と、前記第2可動部の所定の動作に伴って検出可能となる第2の検出手段とがあることを特徴とする遊技機MC9。
遊技機MC9によれば、遊技機MC8の奏する効果に加え、第2可動部の動作準備段階による検出と、第2可動部の動作開始後の検出とを別々の検出センサで行うことで、第2可動部の動作を正確に実行させることができる。
本願発明の第2の検出手段は、検出センサM516や検出センサM815のように対象物を移動範囲の終端において検出するものでも良く、対象物を移動範囲の途中において検出するものでも良く、対象物が検出時に停止するものでもよく、対象物が検出時に停止しないものでも良い。
遊技機MC9において、第1可動部の復帰動作は、前記第1の検出手段の検出に基づいて実行されることを特徴とする遊技機MC10。
遊技機MC10によれば、遊技機MC9の奏する効果に加え、第1可動部の復帰の開始タイミングを制御手段に把握させることができるので、第1可動部の復帰動作を適切に実行することができる。例えば、第1可動部の復帰動作の時間遅れや、復帰動作が必要以上に長く実行される事態を避けることができる。
遊技機MC1からMC10のいずれかにおいて、前記第2可動部は前記第1可動部とは独立した制御態様で動作するよう構成され、前記第2可動部の動作には、前記第1可動部の動作開始と合わせて動作開始される第1動作と、前記第1可動部の動作開始とずれて動作開始される第2動作とがあることを特徴とする遊技機MC11。
遊技機MC11によれば、遊技機MC1からMC10のいずれかの奏する効果に加え、第2可動部の動作にバリエーションを持たせることで、第1可動部と第2可動部とが同一の態様で連動する場合のように、遊技者が第1可動部の視認のみで足りると感じ第2可動部の動作にまで注目しないという事態を避けることができる。
遊技機MC11において、前記第2可動部の前記第2動作は、前記検出手段により前記第1可動部の動作開始が判断された後に実行されることを特徴とする遊技機MC12。
遊技機MC12によれば、遊技機MC11の奏する効果に加え、第2動作が第1可動部の動作開始前に実行されるという不具合を回避し易くすることができる。
遊技機MC1からMC12のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第1可動部、前記第2可動部は、終了動作のタイミングが前記操作手段の操作に基づいて可変となるよう構成されることを特徴とする遊技機MC13。
遊技機MC13によれば、遊技機MC1からMC12のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の操作の有無により第1可動部および第2可動部に実行される動作にバリエーションを持たせることができるので、遊技者の操作手段の操作に対する意欲を高めることができる。なお、操作手段は、遊技者が操作可能な操作物体であれば良く、ボタン部H181でもよい。
遊技機MC1からMC13のいずれかにおいて、前記第1可動部は、終端位置まで至る終端動作と、前記終端位置までは至らない中間動作と、が構成され得ることを特徴とする遊技機MC14。
遊技機MC14によれば、遊技機MC1からMC13のいずれかの奏する効果に加え、第1可動部の動作にバリエーションを持たせることができ、第1可動部に対する注目力を向上させることができる。
遊技機MC14において、前記第1可動部の動作を前記終端動作と前記中間動作とで変化させることが可能に構成される第2の移動手段を備え、前記第2の移動手段は、前記第1可動部の一部に動作方向で当接する場合と、前記動作方向と交差する方向で当接する場合とがあることを特徴とする遊技機MC15。
遊技機MC15によれば、遊技機MC14の奏する効果に加え、第2の移動手段の当接により第1可動部の動作を変えることができるので、停止位置の精度を向上させることができる。なお、第2の移動手段は回転切替部M490でも良い。
遊技機MC14又はMC15において、前記第1可動部が前記終端動作をする場合も、前記第1可動部が前記中間動作をする場合も、前記第2動作による動作量は同様となるように構成されることを特徴とする遊技機MC16。
遊技機MC16によれば、遊技機MC14又はMC15の奏する効果に加え、第1可動部の動作態様に対応して第2可動部の動作量を可変とする場合に比較して第2可動部の動作制御を容易とすることができ、第2可動部の動作を安定させることができる。
<可動部と表示とを一体で視認させる>
所定位置から開始される動作が可能な特定手段と、視認領域において前記特定手段の動作に対応した表示を視認させることが可能な所定手段と、前記特定手段と前記対応した表示との間で所定の態様を視認させることが可能な第1手段と、を備え、前記特定手段の所定動作が終了した場合に前記対応した表示を隠すことが可能な表示がされることを特徴とする遊技機MD1。
パチンコ機等の遊技機において、動作手段と一体的に視認される表示を実行可能な表示装置を備える遊技機がある(例えば、特開2011-177230号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、動作手段の動作の駆動伝達態様に起因する動作遅れを完全に排除することが困難なため、表示を動作手段の動作に対応させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MD1によれば、動作する特定手段と対応した表示との間に第1手段が所定の態様で視認されるため、特定手段と対応した表示とを分断して視認させることができ、対応した表示に対する特定手段の動作遅れが生じたとしても、目立たせなくすることができるので、表示を動作手段の動作に対応させることができる。
なお、特定手段は、移動装飾部M770でも良い。第1手段は、演出動作ユニットM500でも良いし、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600でも良い。特定手段の動作に対応した表示は、連動意匠M781でも良い。
また、特定手段に対応した表示は、特定手段の移動に対応して特定手段の移動方向と同方向に移動しても良いし、特定手段の移動方向とは異なる方向に移動しても良いし、特定手段が停止したら表示も停止するように構成しても良いし、特定手段が移動している時に表示のみが変化しても良いし、一定の表示が視認されるようにしても良いし、一定期間において増減し得る表示が視認されるようにしても良いし、この増減が特定手段の往復動作の回数に対応して生じても良いし、特定手段とは無関係に他の対象物との関係で生じても良いし、これらの組合せでも良い。
遊技機MD1において、前記特定手段を前記所定位置に位置させる場合に前記対応した表示を隠すことが可能に構成される第2手段を備える遊技機MD2。
遊技機MD2によれば、遊技機MD1の奏する効果に加え、特定手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、第2手段により遊技者の意識を逸らすことができる。第2手段は、可動装飾ユニットM600でも良いし、導光板M260でも良いし、昇降移動部材M860でも良い。
遊技機MD1又はMD2において、前記第1手段は、少なくとも前記特定手段の動作実行期間に前記特定手段の動作の態様とは異なる態様で視認手段を視認させることを特徴とする遊技機MD3。
遊技機MD3によれば、遊技機MD1又はMD2の奏する効果に加え、特定手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、視認手段により特定手段の動作の態様とは異なる態様が視認されることにより、特定手段の動作とその動作に対応した表示の変化とのずれから遊技者の意識を逸らすことができる。視認手段は、可動装飾ユニットM600でも良い。
遊技機MD3において、前記視認手段は、前記特定手段側から前記対応する表示側へ向けて移動する態様で視認されることを特徴とする遊技機MD4。
遊技機MD4によれば、遊技機MD3の奏する効果に加え、視認手段により視認される移動態様により、遊技者の視線を対応した表示側に誘導させることができるので、特定手段に動作遅れが生じた場合であっても、対応した表示の変化の滑らかさと同様に滑らかに動作しているものであると錯覚させることができる。
遊技機MD1からMD4のいずれかにおいて、前記特定手段の動作に基づいて、前記特定手段の動作に対応した表示が変化可能とされることを特徴とする遊技機MD5。
遊技機MD5によれば、遊技機MD1からMD4のいずれかの奏する効果に加え、特定手段と、特定手段の動作に対応した表示との関連を強めることができる。
遊技機MD1からMD5のいずれかにおいて、前記特定手段が所定の直線方向に変位可能とされ、その変位を案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機MD6。
遊技機MD6によれば、遊技機MD1からMD5のいずれかの奏する効果に加え、特定手段を対応した表示と一体的に移動させる場合にずれを生じさせにくいようにすることができる。
遊技機MD1からMD6のいずれかにおいて、前記特定手段は、所定方向視において視認される外形が動作により変化しないよう構成されることを特徴とする遊技機MD7。
遊技機MD7によれば、遊技機MD1からMD6のいずれかの奏する効果に加え、対応した表示を特定手段の動作に対応して平行移動させるだけで一体的な視認を維持できる。
遊技機MD1からMD7のいずれかにおいて、前記特定手段の動作態様を複数構成可能であって、前記特定手段に対応した表示は、前記特定手段の各動作態様に対応されることを特徴とする遊技機MD8。
遊技機MD8によれば、遊技機MD1からMD7のいずれかの奏する効果に加え、特定手段の動作態様に関わらず特定手段と、特定手段の動作に対応した表示との関連を強めることができる。
遊技機MD1からMD8のいずれかにおいて、前記特定手段の前記所定位置への復帰動作において、前記特定手段が視認され難く構成されることを特徴とする遊技機MD9。
遊技機MD9によれば、遊技機MD1からMD8のいずれかの奏する効果に加え、復帰動作時にまで対応した表示を特定手段に対応させて表示する必要性を低めることができ、表示の自由度を向上させることができる。
遊技機MD1からMD9のいずれかにおいて、前記特定手段を前記所定位置に位置させる場合に前記対応した表示を隠すことが可能に構成される第2手段を備え、前記特定手段の動作終了から前記第2手段が前記対応した表示を隠すまでに所定の時間遅れがあることを特徴とする遊技機MD10。
遊技機MD10によれば、遊技機MD1からMD9のいずれかの奏する効果に加え、特定表示により特定手段を隠す前に、動作終了時における特定手段と、特定手段の動作と対応した表示とを一体的に視認させる時間を確保することで、特定手段による演出効果の向上を図ることができる。
遊技機MD1からMD10のいずれかにおいて、前記第1手段は、視認領域において、前記特定手段と前記対応した表示との間に正面視で位置する所定領域上において視認され、前記所定領域が前記第1手段により後方側を視認できないように遮蔽されている状態において前記特定手段が動作可能とされることを特徴とする遊技機MD11。
遊技機MD11によれば、遊技機MD1からMD10のいずれかの奏する効果に加え、特定手段と対応した表示との間に位置する所定領域上が遮蔽されている状態で特定手段が動作されることから、動作中における特定手段と対応した表示とを分断された状態で視認させることができる。
遊技機MD1からMD11のいずれかにおいて、前記特定手段が動作範囲の終端に配置されている場合において、前記第2手段が視認可能とされることを特徴とする遊技機MD12。
遊技機MD12によれば、遊技機MD1からMD11のいずれかの奏する効果に加え、特定手段を動作範囲の終端に配置しつつ第2手段を視認させることにより、遊技者の視線が分散されることを避けることができ、第2手段への注目力を向上させることができる。
遊技機MD1からMD12のいずれかにおいて、前記特定手段の所定の動作が実行されることに基づいて、前記対応する表示が変化可能とされることを特徴とする遊技機MD13。
遊技機MD13によれば、遊技機MD1からMD12のいずれかの奏する効果に加え、対応する表示を視認することで、特定手段の動作内容を把握させることができる。
遊技機MD1からMD13のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特定手段が前記所定位置から動作したことを判断可能に構成される検出手段を備えることを特徴とする遊技機MD14。
遊技機MD14によれば、遊技機MD1からMD13のいずれかの奏する効果に加え、特定手段の動作に対応する表示を検出手段の検出結果を基に実行させることができる。
遊技機MD14において、所定期間における前記検出手段の検出結果に基づいて、前記所定手段が異なる表示態様で前記対応する表示を実行可能とされることを特徴とする遊技機MD15。
遊技機MD15によれば、遊技機MD14の奏する効果に加え、所定期間において対応する表示を常には見ていなくても、途中で視認することで、その時点における検出手段の検出結果について把握することができるので、常に見ていないと対応する表示から遊技者が情報を取得できない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
<検出に基づく判断により、視認態様を変化させる>
表示装置を備える遊技機であって、前記表示装置よりも遊技機正面側に位置する所定領域へ向けて移動可能に構成される移動手段の所定部を検出可能な複数の検出手段と、その検出手段による検出結果に基づく視認態様が複数構成される視認可能手段と、を備え、前記検出は、前記移動手段が前記所定領域から移動したことに基づく第1の検出と、その第1の検出とは異なる検出であって前記移動手段が前記所定領域側へ移動する場合に生じる第2の検出とがあり、前記視認可能手段の視認態様は、前記第1の検出の結果に基づく態様とは異なる態様で前記第2の検出の結果に基づく態様が実行可能に構成され、前記遊技機は、前記視認可能手段が前記第2の検出に基づく視認態様となっている場合に前記視認態様を解除させるために遊技者が操作可能であって操作に基づいて所定の報知が実行されるように構成される操作手段とは異なる第2の操作手段を備え、前記第2の操作手段の操作に基づく所定条件の成立により前記第1の検出が生じ得ることを特徴とする遊技機ME1。
パチンコ機等の遊技機において、装飾され遊技者に視認させる視認可能手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、上昇位置では視認可能手段が退避されており視認されず、下降位置でのみ視認されるものとなっており、その視認態様のバリエーションに乏しく、視認可能手段を好適に視認させる観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機ME1によれば、視認可能手段の視認態様は、第1の検出の結果に基づく態様とは異なる態様で第2の検出の結果に基づく態様が実行可能に構成されることから、視認態様のバリエーションを多くすることができ、視認可能手段を好適に視認させる観点で改善することができる。
視認可能手段は、電飾基板M630でも良い。移動手段は、演出動作ユニットM500でも良い。第1の検出は、検出センサM483でも良い。第2の検出は、検出センサM3489でも良い。操作手段は、調整ボタンH3044でも良い。
遊技機ME1において、前記視認可能手段の視認態様の変化は、前記操作手段の操作とは同期されないことを特徴とする遊技機ME2。
遊技機ME2によれば、遊技機ME1の奏する効果に加え、操作手段を誤って操作しても視認可能手段の視認態様が変化されることは無いので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機ME1又はME2において、前記視認可能手段による視認態様は、時間経過では変更されないように制御されることを特徴とする遊技機ME3。
遊技機ME3によれば、遊技機ME1又はME2の奏する効果に加え、視認可能手段による視認態様が意図せず変化されることを避けることができる。
遊技機ME1からME3のいずれかにおいて、遊技機の光量を設定可能な設定ボタンを備え、その設定ボタンによる設定変更が、前記第2の検出に基づく前記視認態様に影響を与えないように構成されることを特徴とする遊技機ME4。
遊技機ME4によれば、遊技機ME1からME3のいずれかの奏する効果に加え、光量の設定の影響で第2の検出に基づく視認態様が把握され難くなる事態を避けることができる。
遊技機ME1からME4のいずれかにおいて、前記視認可能手段の視認態様は、前記第2の検出が所定長さよりも長い場合に前記第2の検出の結果に基づく態様とされることを特徴とする遊技機ME5。
遊技機ME5によれば、遊技機ME1からME4のいずれかの奏する効果に加え、第2の検出が生じる度に視認可能手段の視認態様が変化される場合に比較して検出手段の配置の自由度を向上させることができる。
遊技機ME1からME5のいずれかにおいて、前記第2の操作手段を操作させる期間であることを報知可能な可変表示を実行可能な可変表示手段を備えることを特徴とする遊技機ME6。
遊技機ME6によれば、遊技機ME1からME5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が第2の操作手段を操作し損ねる事態を回避し易くすることができる。
遊技機ME1からME6のいずれかにおいて、前記視認可能手段は、演出ボタンとは異なる操作手段を操作させることを促す視認をさせることを特徴とする遊技機ME7。
遊技機ME7によれば、遊技機ME1からME6のいずれかの奏する効果に加え、視認可能手段を視認することで操作手段の操作が示唆されていることに気づくことができるので、視認可能手段の注目力を向上させることができる。
遊技機ME1からME7のいずれかにおいて、前記視認可能手段の視認態様の変化は、前記操作手段の操作とは同期されないことを特徴とする遊技機ME8。
遊技機ME8によれば、遊技機ME1からME7のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を誤って操作しても視認可能手段の視認態様が変化されることは無いので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機ME1からME8のいずれかにおいて、前記視認可能手段による視認態様は、時間経過では変更されないように制御されることを特徴とする遊技機ME9。
遊技機ME1からME9のいずれかにおいて、遊技機の光量を設定可能な設定ボタンを備え、その設定ボタンによる設定変更が、前記第2の検出に基づく前記視認態様に影響を与えないように構成されることを特徴とする遊技機ME10。
遊技機ME1からME10のいずれかにおいて、前記視認可能手段は、前記移動手段の配置によらず遊技者が視認可能に配設されることを特徴とする遊技機ME11。
遊技機ME1からME11のいずれかにおいて、前記移動手段は、前記遊技機に配設される第2の操作手段が操作されたことにより動作され、その動作中に所定条件が成立することに基づいて検出されることを特徴とする遊技機ME12。
遊技機ME12において、前記遊技機は、前記第2の操作手段を操作させる期間であることを報知可能な可変表示を実行可能な可変表示手段を備えることを特徴とする遊技機ME13。
遊技機ME13において、前記可変表示は、所定の限界幅において、最大から最小側へ向かって変化させる場合があることを特徴とする遊技機ME14。
遊技機ME12からME14のいずれかにおいて、前記第2の検出は、前記第2の操作手段の操作から時間遅れが生じてされることを特徴とする遊技機ME15。
遊技機ME1からME15のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第2の検出に基づく視認態様を解除させる所定手段を備えることを特徴とする遊技機ME16。
遊技機ME1からME16のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記可変表示手段において前記移動手段による所定の目標手段を表示可能に構成され、前記所定の目標手段として表示される状態に前記移動手段が到達できない場合において、状態を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機ME17。
目標手段は、到達領域表示M81aのように移動手段の移動先を予測させるように構成されても良く、移動手段の移動先以外であっても移動手段が登場する回数に関する数字から構成されても良く、その数字が移動手段の登場の度に増加(減少)されるように更新される登場更新手段でも良く、登場の有無に関わらず移動手段の検出に基づいて更新される検出更新手段でも良く、その数字は更新されるものではなく数字の回数だけ移動手段が登場することを予告するものでも良く、これらの組合せでも良い。
<当接位置を変えながら動作する構成>
駆動手段と、その駆動手段により回転動作される伝達手段と、その伝達手段の所定部に当接されることにより動作される動作手段と、を備え、前記動作手段は、前記伝達手段の所定部に当接される被当接部と、その被当接部の動作方向に動作される被動作部と、を備え、前記被動作部は、所定の直線方向に案内されることを特徴とする遊技機MF1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動モータにより回転される駆動ギアに連動して回転移動される回転移動ギアの偏心した位置から円柱状に突設される突設部を介して駆動力が伝達される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアの動作により実現される動作は動作手段が回転方向に往復される態様に限定されており、動作による演出が単調となっており、動作手段の動作を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MF1によれば、伝達手段が回転動作される一方で動作手段の被動作部は所定の直線方向に案内されることから、動作方向を複数構成することができ、動作が単調となることを避けることができることから、動作手段の動作を好適とすることができる。なお、駆動手段は、駆動モータM501でもよく、伝達手段の所定部は、柱状部M582aでもよく、動作手段は、リンク部材M660(リンク部材M3660又は回転移動部材M4660)及び後側スライド移動体M650でも良い。
遊技機MF1において、前記被当接部に対して前記所定部が当接する位置は、前記伝達手段の回転動作に基づいて変化されることを特徴とする遊技機MF2。
遊技機MF2によれば、遊技機MF1の奏する効果に加え、所定部と被当接部との当接位置をばらつかせることにより、局所的な負担が生じることを避けることができる。
遊技機MF1又はMF2において、前記被動作部に対して所定の直線方向に沿った付勢力を付与可能な付勢手段を備えることを特徴とする遊技機MF3。
遊技機MF3によれば、遊技機MF1又はMF2の奏する効果に加え、被動作部を駆動手段の駆動力に限らず、付勢手段の付勢力によっても動作させることができるので、被動作部の動作バリエーションを増加させることができる。
<一緒に動作させる所定領域がある構造>
所定の表示装置の表示領域の正面視外方から前記表示装置の前方側に変位され得る変位手段が当接可能とされる被当接手段を備え、所定領域における前記変位手段の上方側への変位に基づく前記変位手段との当接により前記被当接手段が変位される遊技機であって、前記変位手段の変位に基づく前記被当接手段の変位を抑制する抑制手段を備え、前記被当接手段の変位が前記抑制手段に抑制された後において、前記変位手段は前記被当接手段から離間する態様で変位可能とされることを特徴とする遊技機MG1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能な変位手段および変位手段の上方側への変位に基づいて変位される被当接手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段と被当接手段とが常時接触されており、変位手段の変位を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MG1によれば、変位手段と、被当接手段とが、所定領域において共に変位されるものであって、被当接手段の変位を抑制する抑制手段を備え、被当接手段の変位が抑制手段に抑制された後において、変位手段は被当接手段から離間する態様で変位可能とされることから、変位手段の変位を好適とすることができる。
変位手段は、それ単体で動作可能に構成される可動装飾ユニットM600自体でも良いし、可動装飾ユニットM600の一部として構成される当接部材M602でも良いし、可動装飾ユニットM2600の当接部材M2602でも良い。また、樹脂材料から構成される部材であってもよく、金属材料から構成される部材であってもよい。被当接手段は、扇形状構成部M560でも良い。抑制手段は、突設補助部M545でも良いし、円板付きギアM584でも良い。
遊技機MG1において、前記所定領域における前記変位手段の上方側への変位に基づいて前記被当接手段が変位された場合において、前記変位手段が前記被当接手段を越える態様で変位されることを特徴とする遊技機MG2。
遊技機MG2によれば、遊技機MG1の奏する効果に加え、変位手段の変位が、抑制手段により抑制された被当接手段に制限を受けないで実行されるよう構成することができる。
遊技機MG1又はMG2において、前記変位手段は、前記被当接手段の変位が前記抑制手段に抑制された後において下方へ変位される場合に前記被当接手段から離間されることを特徴とする遊技機MG3。
遊技機MG3によれば、遊技機MG1又はMG2の奏する効果に加え、抑制手段によって被当接手段の変位が抑制された後においても、その抑制が変位手段にまで影響を及ぼす事態を避け易くすることができる。
<移動手段の移動途中で第2動作手段を動作させる構成>
駆動装置と、その駆動装置の駆動力を移動手段へ伝達させるための伝達手段と、前記移動手段を所定方向に移動させる場合に動作される動作手段と、前記移動手段の移動可能領域に少なくとも一部が位置するように構成されており前記移動手段に当接されることに基づく動作が可能に構成される第2動作手段と、を備え、前記移動手段は、前記第2動作手段と当接する第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域とを移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機MH1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動される移動手段である回転移動ギアを介して駆動力が伝達される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、動作による演出が単調となっていた。即ち、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアにより生じる動作を複数構成させる場合に、回転移動ギアである移動手段の移動を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MH1によれば、移動手段により動作される動作手段と第2動作手段とが構成され、それらが異なる領域において当接されることから、移動手段に対する動作手段からの影響と、第2動作手段からの影響とが、同時に生じることを回避し易くすることができるので、移動手段の移動を好適とすることができる。
なお、駆動装置は、駆動モータM501でもよく、移動手段は、柱状部M582aでもよく、伝達手段は、モータギアM581でもよく、動作手段は、板状本体部M610でもよく、第2動作手段は、リンク部材M660でもよい。
遊技機MH1において、前記動作手段の所定動作の実行後に前記第2動作手段の動作が実行され得ることを特徴とする遊技機MH2。
遊技機MH2によれば、遊技機MH1の奏する効果に加え、動作手段の動作が生じた場合に第2動作手段が動作することを遊技者に事前に把握させることができるので、第2動作手段に注目させることができる。
遊技機MH2において、前記所定動作の実行後に前記第2動作手段の動作が実行されない場合を構成可能とされており、前記所定方向へ移動中の前記移動手段が前記第2動作手段に当接するよりも前の所定領域の少なくとも一部において前記移動手段が視認可能に構成されることを特徴とする遊技機MH3。
遊技機MH3によれば、遊技機MH2の奏する効果に加え、第2動作手段の動作の有無を所定領域において移動手段を視認することで把握することができるので、遊技者の注目力を所定領域に集めることができ、移動手段の移動に注目させることができる。
<一側の動きが変わると他側の動きも引きずられて変化>
制御手段と、その制御手段の制御に基づいて動作可能に構成される第1動作部および第2動作部と、を備え、変位手段の所定部の検出に基づいて前記第1動作部の動作開始を前記制御手段に判断させることが可能に構成され、前記第2動作部の動作と対応した表示を実行可能に構成される表示手段を備え、前記第1動作部の動作開始に対応して前記第2動作部が第1の制御で動作可能に構成され、前記制御手段は、前記第1の制御における前記第2動作部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、前記第1の制御での動作実行期間中であっても前記第2動作部が第2の制御で動作するよう構成されており、前記第2動作部は、所定領域側に進出している状態と、前記所定領域側から退避している状態と、を切り替え可能とされることを特徴とする遊技機MI1。
パチンコ機等の遊技機において、第1動作部と、その第1動作部に対応する第2動作部とが、独立して動作可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1動作部の動作に対応して第2動作部が動作されることで適切な演出が実行されるものであるところ、第1動作部または第2動作部の一方に動作不良があるかに関わらず、他方の動作が実行されるものとなっており、第1動作部および第2動作部の動作を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MI1によれば、制御手段は、前記第1の制御における前記第2動作部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、第1の制御での動作の途中であっても第2動作部は第2の制御での動作を実行するよう構成されるので、第1動作部に動作不良があった場合であっても第2動作部の制御を変えることで、第1動作部および第2動作部の動作を好適とすることができる。
なお、第1動作部は、板状本体部M510(演出動作ユニットM500)でも良い。第2動作部は、可動装飾ユニットM600でも良い。変位手段の所定部は、前方突設部M444でも良い。
遊技機MI1において、前記対応した表示は、前記第2動作部の動作停止後において継続して実行可能に構成されることを特徴とする遊技機MI2。
遊技機MI2によれば、遊技機MI1の奏する効果に加え、第2動作部の動作停止後において対応した表示が継続して実行可能とされていることから、第2動作部が第1の制御での動作を完了して停止したか、第2動作部が第2の制御での動作を実行した後で停止したかに関わらず、停止した第2動作部および対応した表示に基づく同様の視認態様を遊技者に視認させることができるので、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
遊技機MI1又はMI2において、前記表示手段による前記対応した表示は、前記第2動作部の前記第1の制御での動作に対応するよう構成されており、前記対応した表示は、前記第2動作部の前記第2の制御での動作実行期間中において継続して実行されることを特徴とする遊技機MI3。
遊技機MI3によれば、遊技機MI1又はMI2の奏する効果に加え、所定の条件が成立した場合に遊技者が対応した表示を視認した場合であっても、敢えて表示を消さずに継続して実行し、第2動作部の動作を第2の制御で継続させることにより、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
<可動部に関連した表示を実行する>
第1位置から動作可能な動作手段と、視認領域において前記動作手段の動作に対応した表示を視認させることが可能な手段と、前記動作手段と前記対応した表示との間で所定の態様を視認させることが可能な第1手段と、を備え、前記動作手段の所定動作が終了した場合に前記対応した表示を隠すことが可能な表示がされることを特徴とする遊技機MJ1。
パチンコ機等の遊技機において、動作手段に対応して視認される表示を実行可能な表示装置を備える遊技機がある(例えば、特開2011-177230号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、表示を動作手段の動作に対応させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MJ1によれば、動作する動作手段と対応した表示との間に第1手段が所定の態様で視認されるため、動作手段と対応した表示とを分断して視認させることができ、対応した表示に対する動作手段の動作遅れが生じたとしても、目立たせなくすることができるため、表示を動作手段の動作に対応させることができる。
なお、動作手段は、移動装飾部M770でも良い。第1手段は、演出動作ユニットM500でも良いし、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600でも良い。動作手段の動作に対応した表示は、連動意匠M781でも良い。
また、動作手段に対応した表示は、動作手段の移動に対応して動作手段の移動方向と同方向に移動しても良いし、動作手段の移動方向とは異なる方向に移動しても良いし、動作手段が停止したら表示も停止するように構成しても良いし、動作手段が移動している時に表示のみが変化しても良いし、一定の表示が視認されるようにしても良いし、一定期間において増減し得る表示が視認されるようにしても良いし、この増減が動作手段の往復動作の回数に対応して生じても良いし、動作手段とは無関係に他の対象物との関係で生じても良いし、これらの組合せでも良い。
遊技機MJ1において、前記第1手段は、少なくとも前記動作手段の動作実行期間に前記動作手段とは異なる態様で視認手段を視認させることを特徴とする遊技機MJ2。
遊技機MJ2によれば、遊技機MJ1の奏する効果に加え、動作手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、視認手段により動作手段の動作の態様とは異なる態様が視認されることにより、動作手段の動作とその動作に対応した表示の変化とのずれから遊技者の意識を逸らすことができる。視認手段は、可動装飾ユニットM600でも良い。
遊技機MJ1又はMJ2において、前記動作手段を前記第1位置に位置させる場合に前記対応した表示を隠すことが可能に構成される第2手段を備える遊技機MJ3。
遊技機MJ3によれば、遊技機MJ1又はMJ2の奏する効果に加え、動作手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、第2手段により遊技者の意識を逸らすことができる。第2手段は、可動装飾ユニットM600でも良いし、導光板M260でも良いし、昇降移動部材M860でも良い。
<動作中に当接箇所が変化する構成>
駆動手段と、その駆動手段により回転動作される回転動作手段と、その回転動作手段の所定部に当接されることにより変位される変位手段と、を備え、前記変位手段は、前記回転動作手段の所定部に当接される当接部と、その当接部の動作方向側に動作される動作部と、を備え、前記動作部は、所定の直線方向に案内されることを特徴とする遊技機MK1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動モータにより回転される駆動ギアに連動される回転ギアから突設される突設部を介して駆動力が伝達される変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転ギアの動作により実現される動作は変位手段の回転方向への動作に限定されており、動作による演出が単調となっており、変位手段の変位を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MK1によれば、回転動作手段が回転動作される一方で変位手段の動作部は所定の直線方向に案内されることから、動作方向を複数構成することができ、動作が単調となることを避けることができることから、変位手段の変位を好適とすることができる。なお、駆動手段は、駆動モータM501でもよく、回転動作手段の所定部は、柱状部M582aでもよく、変位手段は、リンク部材M660(リンク部材M3660又は回転移動部材M4660)及び後側スライド移動体M650でも良い。
遊技機MK1において、前記動作部に対して所定の直線方向に沿った付勢力を付与可能に構成されることを特徴とする遊技機MK2。
遊技機MK2によれば、遊技機MK1の奏する効果に加え、動作部を駆動手段の駆動力に限らず、付勢力によっても動作させることができるので、動作部の動作バリエーションを増加させることができる。
遊技機MK1又はMK2において、前記所定部に対して前記当接部が当接する位置は、前記回転動作手段の回転動作に基づいて変化されることを特徴とする遊技機MK3。
遊技機MK3によれば、遊技機MK1又はMK2の奏する効果に加え、所定部と当接部との当接位置をばらつかせることにより、局所的な負担が生じることを避けることができる。
遊技機MA1からMA15,MB1からMB10,MC1からMC16,MD1からMD15,ME1からME17、MF1からMF3、MG1からMG3、MH1からMH3、MI1からMI3、MJ1からMJ3、MK1からMK3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機MZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機MA1からMA15,MB1からMB10,MC1からMC16,MD1からMD15,ME1からME17、MF1からMF3、MG1からMG3、MH1からMH3、MI1からMI3、MJ1からMJ3、MK1からMK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機MZ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機MA1からMA15,MB1からMB10,MC1からMC16,MD1からMD15,ME1からME17、MF1からMF3、MG1からMG3、MH1からMH3、MI1からMI3、MJ1からMJ3、MK1からMK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機MZ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図339から図348を参照し、第59実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図339は、第59実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図340は、パチンコ機H10の背面図であり、図341は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図342は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図343は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図344は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図345は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図346は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図347は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図344では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図339に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図339に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図339参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図339~図347に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図339参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は枠状受部である外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図342参照)。
また、対象固定部である内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図344及び図345参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ枠状取付部である内枠H12の背面側(矢印B方向側)における仮置き位置に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図344参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図344参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図343参照)。なお、枠状受部である内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。
なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放された内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図189参照)とを主に備えて形成される。
即ち、球発射ユニットH112aは、変位可能に構成される回転体H112a2を変位させて被案内物体である遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、駆動または動作可能に構成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転動作物体である回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われる伸縮装置として構成しても良い。
なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動主体としての駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、被回転物体である回転軸棒と一体的に回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図344に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図344に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図343に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図346及び図347に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図345参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成される板状透過部であるガラスユニットH16が配設される(図339参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図339及び図343に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図348参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図339に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、遊技球が通過可能に構成される被通過進入物体である検出センサにより検出される払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに独立して配置される独立配置物体である電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図348参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図339に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図340参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図344参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。
即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図344参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図346参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、回転移動物体である操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。接触可能部である操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。
さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図346参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図344参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図344参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図346参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図347に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図346参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図344参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図344に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図344に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。
ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、光透過可能部である遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図339参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図344を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図339参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図344の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により被押進物体である他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、抑制物体としての壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
外レールH62の先端部(図344の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図344の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図348参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数(例えば、可変入賞装置H65(図344参照)が連続開放される最大回数)が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
大当たり中において、最大ラウンド数や現在のラウンド数は、数字の変更を視認させる状態で表示が可能な視認変更物体である表示層(ラウンド数が表示される表示層またはその表示層よりも後方の表示層)での表示と共に第3図柄表示装置M81においても表示される。大当たりが終了する際には、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置M81においてされる表示層よりも前側に位置する視認可能物体である表示層においてエンディング表示(静止画または動画)が実行される。
このエンディング表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、大当たりが終了したことを視覚的に把握することができ、戸惑うことなく大当たり後の遊技が開始されることを理解することができる。
また、ラウンド間において、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置M81においてされる表示層よりも前側に位置する表示層においてインターバル表示(静止画または動画)が実行される。このインターバル表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、ラウンドの切れ目であることを視覚的に把握することができる。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aを駆動する駆動主体としてのソレノイドの制御態様が変更され、電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。
また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。
また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。
なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。
また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。
なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図348参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図348参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図348参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図348参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する被押進物体である電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図344参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞することが配置検出センサである不図示の入賞検出センサに検出されるまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。
また、上記第59実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。
例えば、上記第59実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図340に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図348参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホール(以下、単にホールとも称する)の島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図348参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
遊技機が配置されるホール(遊技機店舗)では、払出エラーの発生時において、パチンコ機H10の設定に影響を与えないように構成される非調整部である店員呼び出しボタンを遊技者が操作することで、ホールの店員が払出エラーに気付くことができるように構成されている。
なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図348を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図348は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの被押進物体である開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための駆動主体としての大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入賞した球が進入可能な被進入物体であって、球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、駆動手段H750、及び、モータ装置P771が含まれる。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図348では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図348参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図348参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図349から図389を参照し、第60実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)P10に適用した場合の一実施形態について説明する。上記第59実施形態では、正面枠H10が配設されるパチンコ機H10について説明したが、第60実施形態では、正面枠P10が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図349は、第60実施形態におけるパチンコ機P10の正面図であり、図350は、パチンコ機P10の上面図であり、図351は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機P10の正面斜視図であり、図352は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P14を開放(展開)した状態において化粧ユニットP302を本体枠P14dから離間させた(取り外した)状態を示すパチンコ機P10の分解正面斜視部であり、図353は、正面枠P14の分解正面斜視図であり、図354は、正面枠H14の分解背面斜視図である。
また、以下の説明では、図349に示す状態のパチンコ機P10について、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図349に示す状態のパチンコ機P10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図349参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機P10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機P10を遊技する遊技者は、パチンコ機P10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機P10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機P10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図349~図354に示すように、パチンコ機P10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠P14とを主に備えている。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図122参照)。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠P14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図351参照)。
なお、内枠H12の施錠と正面枠P14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の操作力受部である鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。
なお、シリンダ錠H20の構成は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、シリンダ部分(円筒部分)自体が正面枠P14と内枠H12とを開放不可能とするように構成しても良いし、シリンダ部分の動作に対応して動作される可動爪部が配設される箱状の所定ユニットが内枠H12側に金属材料から構成されており、可動爪部が正面枠P14の被係合部に係合されることにより正面枠P14と内枠H12とを開放不可能とするように構成しても良い。また、シリンダ部分は、内枠H12側に固定されても良いし、正面枠P14側に固定されても良い。
所定ユニットからは、外枠H11との係合に利用される後方爪部が露出されている他、前後方向に貫通形成される開口部が形成されており、その開口部を通して視認可能となる視認可能領域を含む領域において操作連動部である可動爪部や後方爪部が動作される。
被係合部は、枠の形成の際に一体的に形成されても、別部材が固定されても良く、正面枠P14の回動先端側(右側)に上下方向に並ぶように配設されており、それに対応する位置における内枠H12の内部に可動爪部が配設される。
正面枠P14を内枠H12に対して閉鎖状態とする場合、正面枠P14を内枠H12に接近させるように移動させていく過程で、被係合部を介する荷重により可動爪部が上下方向側に動作され、その後で被係合部が可動爪部の前後方向位置よりも後方に過ぎると、付勢力により、可動爪部が閉鎖時係合部である被係合部の後方への戻りを規制する位置に戻る。即ち、被係合部に対して可動爪部が動作されることで、正面枠P14の内枠H12に対する開放方向への移動が規制され、正面枠P14が閉鎖状態となる。
なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠P14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。
また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放された内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
正面枠P14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠P14dと、その本体枠P14dに配設され、その本体枠P14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットP14aと、その上側装飾ユニットP14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットP14b及び右側装飾ユニットP14cと、本体枠P14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットP15と、本体枠P14dを介して上下皿ユニットP15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠P14の回動基端側には、図353及び図354に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が仮置き位置において内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠P14が回動可能に支持される。
また、正面枠P14には、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットP15とにより囲まれた領域の窓部P14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠P14(本体枠P14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成されるガラスユニットH16が配設される。なお、パチンコ機P10は、ガラスユニットH16(窓部P14e)を介してパチンコ機P10の正面側から遊技盤H13(図345参照)の正面が視認可能となっている。
正面枠P14(上側装飾ユニットP14a,左側装飾ユニットP14b,右側装飾ユニットP14c)において窓部P14eの周囲には、図349に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部P29~P33が複数設けられている。これら電飾部P29~P33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部P14eの上側(矢印U方向側)の電飾部P30には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットP14a,左側装飾ユニットP14b,右側装飾ユニットP14cの電飾部P29~P33が配設される領域以外の部分は、電飾部P29~P33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部P29~P33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部P29~P33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部P29~P33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠P14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部P29~P33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットP14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部P14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図128参照))を覆うスピーカーカバーP27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーP27を介してスピーカーの音をパチンコ機P10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
窓部P14eの下方(矢印B方向)には、図349に示すように、上皿P17と下皿P50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿P17と下皿P50とが上下に並設される上下皿ユニットP15が配設される。
上皿P17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿P17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿P17は、払出装置H133(図340参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図344参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿P17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿P17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿P50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿P17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿P50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿P50に案内される球案内開口P53が形成される。
下皿P50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿P50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーP52が設けられている。この球抜きレバーP52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿P50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーP52の操作は、通常、下皿P50の下方に下皿P50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーP52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿P17と下皿P50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿P50を廃止して上皿P17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
この場合において、球案内開口P53の正面側に一端側が連通される球通過経路の他端側がパチンコ機P10の下端面から下方へ開放されるように構成することで、上皿P17内にて球が余剰となった場合に、その余剰となった球がパチンコ機P10の下端面から下方へ排出されるように構成することができる。これにより、球を箱(一般に「千両箱」と称される)又は島設備に連通する回収口へ向けて効率的に排出させることができる。
また、下皿P50から球を排出する球抜きレバーP52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿P50に球が払い出されたことや下皿P50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーP52を駆動モータにより変位させることで、下皿P50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿P50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機P10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿P50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿P50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿P50から球を排出する店舗では、下皿P50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿P50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーP52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーP52の操作を不要とできる。
即ち、主制御装置H110のMPUH201(図348参照)により大当たりの演出がされることに伴って、下皿P50の球抜きレバーP52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿P50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーP52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機P10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿P17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットP180が設けられている。操作ユニットP180は、第3図柄表示装置H81(図344参照)の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットP180は、振動または動作可能に構成される。
この操作ユニットP180には、上面側にボタン部P181が配設される。ボタン部P181は、上下にスライド変位可能に構成されており、下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図344参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、ボタン部P181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能に構成されても良い。また、操作ユニットP180は、上皿P17以外に下皿P50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
また、操作ユニットP180は、上皿P17の手前側でなく、上側装飾ユニットP14a、左側装飾ユニットP14b、右側装飾ユニットP14cに配設しても良く、この場合、上皿P17の手前側に配設される操作ユニットP180とは別の操作ユニットを配設して、それぞれ別の演出で遊技者に操作させるようにしても良い。また、複数箇所に同様の構成からなる操作ユニットP180を配設するようにしても良い。
操作ユニットP180の右側には、上下皿ユニットP15の上面側に貸球操作部H40(図353参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機P10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿P17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿P17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットP14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226、図348参照)の音量、第3図柄表示装置H81(図344参照)の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットP14a、左側装飾ユニットP14b及び右側装飾ユニットP14cに配設される電飾部P29~P33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81(図344参照)の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機P10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81(図344参照)に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿P17に貯留された球を下皿P50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿P17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿P17から下皿P50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿P17に貯留された球を下皿P50に排出することができる。
下皿P50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13(図344参照)の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットP180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13(図344参照)の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。
さらに、操作ハンドルH51を、上述した球抜きレバーP52に置き換えても良い。即ち、下皿P50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13(図344参照)の正面への球の打ち出しを許容する役割と球抜きレバーP52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿P50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿P50からの球の排出を規制できるので、下皿P50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿P17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿P50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠P14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図353参照)。
ファール球通路部H145(図353参照)は、球発射ユニットH112a(図351参照)から発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿P50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図354に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図353参照)の内部通路を流下した後で、下皿P50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿P50でなく、上皿P17に接続され、ファール球が上皿P17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿P17から下皿P50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿P17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112a(図351参照)に送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿P17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿P17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿P17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿P17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の内部通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)へ流下(落下)可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1(図344参照)の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
パチンコ機P10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置されるところ、ホール内において島設備を構成する壁面PWa(図350参照)に形成される開口部を通して外枠H11が壁内部に収納された状態で、正面枠P14が壁面PWaから手前側に張り出した状態とされる。
ホール内の島設備には、通常、パチンコ機P10の上方に間隔を空けてデータカウンターPDcが設けられている(図350参照)。データカウンターPDcの形状や配置は何ら限定されるものではないが、一般的な例として、箱状に形成されるデータカウンターPDcの底面がパチンコ機P10の上面から上方に25[mm]離間して配置されており、データカウンターPDcの前後幅が50[mm]であるとして説明する。
データカウンターPDcは、パチンコ機P10の左右幅よりも若干短い左右幅の箱状態が壁面PWaに固定配置されており、パチンコ機P10と電気的に接続されており、パチンコ機P10から送信される抽選回数、大当たり回数、連荘数等を前面側に形成される表示画面に表示可能に構成される。
次いで、図355から図370を参照して、上側装飾ユニットP14aについて説明する。図355は、上側装飾ユニットP14aの分解正面斜視図であり、図356は、上側装飾ユニットP14aの分解背面斜視図である。
図355及び図356に図示されるように、上側装飾ユニットP14aは、本体枠P14d(図353参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットP301と、そのベースユニットP301の正面側に配設される化粧ユニットP302とを主に備える。
上側装飾ユニットP14aは、後述する内部機構により、簡単な操作手順で化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して脱着可能に構成される。以下では、まずベースユニットP301について説明し、次いで化粧ユニットP302について説明した後で、内部機構の詳細について説明する。
図357は、ベースユニットP301の分解正面斜視図であり、図358は、ベースユニットP301の分解背面斜視図である。ベースユニットP301は、正面視において左右方向(矢印L-R方向)に長く開放部が下方へ向く逆コの字形状のベース部材P310と、そのベース部材P310の正面側(矢印F方向側)に締結固定される切替構成部P320と、その切替構成部P320の下縁部の正面側(矢印F方向側)及び下側(矢印D方向側)に配設される音響構成部P330と、切替構成部P320の正面側(矢印F方向側)において切替構成部P320に締結固定される発光構成部P340と、を主に備える。
ベース部材P310は、有色(本実施形態では黒色)非透過の樹脂材料から形成され、後述する化粧ユニットP302の背面側(矢印B方向側)の空間を音響構成部P330と共同で覆う部材であり、正面視において化粧ユニットP302と略同一の形状に形成されており、左側端部に前扉取付金具H57が配設される。
ベース部材P310は、上縁部付近において左右方向に延びる凹部として背面側に形成される帯状凹部P311と、その帯状凹部P311よりも下側において前後方向に貫通形成される矩形状の操作部挿通孔P312と、その挿通孔P312よりも右側(及びそれと対応する左側の領域)において前後方向に貫通形成される矩形状の配線挿通孔P313と、上縁部から前方に突設形成される一組の板状部P314と、を主に備える。
帯状凹部P311は、金属製の本体枠P14d(図353参照)の上辺を構成する金属板部が嵌合される箇所であって、その金属板部に間隔を空けて前後方向に貫通形成される貫通孔を通る締結ネジにより対象固定部であるベース部材P310は本体枠P14dに締結固定される。
挿通孔P312は、切替構成部P320の被操作部材P322が挿通される貫通孔である。正面枠P14を開放した状態において(図351参照)、被操作部材P322の挿通孔P312に挿通されて突き出た箇所は、視認可能に露出される。
配線挿通孔P313は、音響構成部P330及び発光構成部P340に電力を供給するための電気配線が挿通される貫通孔である。
板状部P314は、隙間に切替構成部P320のベースカバーP321の上辺(複数段形成部P321hの最上段部)が嵌合可能な寸法で形成されている。これにより、上面視において、板状部P314の隙間領域を通して切替構成部P320の一部が露出されており、この露出部分が視認可能となっている。
切替構成部P320は、無色透明の樹脂材料から形成されておりベース部材P310に締結固定されるベースカバーP321と、そのベースカバーP321に変位可能に支持されており有色(本実施形態では黄色)で非透過性の樹脂材料から形成される被操作部材P322と、を主に備える。なお、切替構成部P320の詳細は、その変位のための機構と共に後述する。
音響構成部P330は、切替構成部P320の右側に位置しベース部材P310に締結固定される右側支持部材P331と、ベース部材P310の左右両端の前方に配設される一対のスピーカー組立体P332と、それら一対のスピーカー組立体P332の下側を覆うことができるように底部P333aが湾曲形成されており、その底部P333aが切替構成部P320の下側を上下方向で対向配置される位置で覆う覆設部材P333と、その覆設部材P333に上側から締結固定された状態でベース部材P310に前後方向で締結固定される上蓋部材P334と、を主に備える。
右側支持部材P331は、背面側板部の左右端部から前方へ板状に延設される延設壁部を有しており、背面側板部に貫通形成される配線挿通孔P331aと、背面側板部の上縁から上方へ向けて突設される係合突部P331bと、を備える。
配線挿通孔P331aは、右側のスピーカー組立体P332に接続される電気配線を挿通させる貫通孔であって、ベース部材P310の配線挿通孔P313に連通される位置に形成される。
係合突部P331bは、右側のスピーカー組立体P332の上側受部P332Raに上下方向で差し込まれることで、右側のスピーカー組立体P332の位置を固定するための部分である。これと同様の関係で、右側のスピーカー組立体P332には下側突部P332Rbが下方へ向けて突設形成されており、その下側突部P332Rbを上下方向で差し込み可能な凹部(図示せず)が右側支持部材P331の下端部に形成される。
これにより、右側のスピーカー組立体P332を右側支持部材P331に対して上側から下方へ変位させることにより、上下それぞれの位置で差し込みによる係合状態を構成させることができ、右側のスピーカー組立体P332を右側支持部材P331に保持させることができる。
スピーカー組立体P332は、電気信号を可聴音波に変換して聴こえるようにする音響機器であるスピーカー(コーン型スピーカー)P332aを左右一対で備えており、そのスピーカーP332aを後方側から組み付け可能に構成される一対の支持部材P332L,P332Rを備える。
スピーカーP332aは、遊技に関連して演出音(録音された音楽、効果音、音声など)を発するものであり、ベース部材P310の配線挿通孔P313等を通した配線が接続されることで、音声ランプ制御装置H113に接続されるように構成される(図348参照)。音声ランプ制御装置H113によりスピーカーP332aに電気振動が伝達されることで、スピーカーP332aの正面側(矢印F方向側)および背面側から遊技に関連した演出音を放音(出力)することができる。
なお、スピーカーP332aの前面部には、スピーカーP332aから発せられる音声の通過を許容する合成繊維素材からなる保護カバーが被覆されている。そして、この保護カバーが被覆されてなるスピーカーP332aは、前面部の保護カバーが後述するスピーカーカバーH27を介して外部の大気と直接接触することで、前面部側に放音(出力)された音を篭らせることなく、高音質にして再生出力できる。即ち、スピーカーP332aは、前面部から放音(出力)される音が遊技者にとって聞こえやすい周波数帯の音を放音可能に構成される。
また、スピーカーP332aは、振動(動作)して音を発生させる振動板(前面部側)が支持部材P332L,P332Rにより遊技者側(正面視において遊技盤H13の中央下方側)に向けた姿勢で配設される。これにより、スピーカーP332aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音を遊技者に聞こえやすくできる。
支持部材P332Rに支持される右側のスピーカーP332aは、上述の通り右側支持部材P331に対して上側から近づけることで組み付け可能とされる。一方で、支持部材P332Lに支持される左側のスピーカーP332aは、支持部材P332Lが切替構成部P320のベースカバーP321に締結固定される。
上蓋部材P334は、支持部材P332Rの上方の開口部を塞ぐことで支持部材P332Rが上方に抜けることを防止可能に構成されており、上面部にコメント表示部P334aが形成されている。コメント表示部P334aでは、組み付け作業者に対する注意を呼び掛けるための表示がされる。本実施形態では、「挟み込み注意」というコメントが記載されたシールが添付されており、これにより作業者が安全に作業できるように図っている。
なお、コメント表示部P334aの形成態様はこれに限るものではない。例えば、コメント表示部P334aをディスプレイの表示面で構成し、表示内容を制御により変更可能に構成しても良い。
発光構成部P340は、音響構成部P330の覆設部材P333に挿通されるベースカバーP321の締結部P321eに螺入される締結ネジにより共締めされるケース下部P341と、そのケース下部P341に締結固定される第1電飾基板P342と、その第1電飾基板P342をケース下部P341との間に挟むようにケース下部P341に上側から被せられる位置関係で締結固定されるケース上部P343と、そのケース上部P343の右上側に位置しており背面側が開放される箱状に形成され覆設部材P333に前後方向で締結固定される小型ケースP344と、その小型ケースP344に後方から差し込また状態で締結固定される第2電飾基板P345と、を主に備える。
光透過可能部であるケース下部P341、ケース上部P343及び小型ケースP344は、無色で光透過性の樹脂材料から形成されており、第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345からの光が透過可能とされる。
ケース下部P341及びケース上部P343は、上下から第1電飾基板P342を挟むことで第1電飾基板P342の前後左右の大部分を塞ぐように形成されており、後端部付近において上下外側に広がる傾斜面P341a,P343aが形成される。
また、ケース上部P343では、後端面に開口部P343bが形成され、その開口部P343bの上方において背面側へ向けて上蓋部P343cが延設される。第1電飾基板P342に接続される電気配線は開口部P343bに挿通されており、上蓋部P343cによって開口部P343bの後方において上側にはみ出す事態が回避される。
第1電飾基板P342に電気配線が接続された状態で、第1電飾基板P342を中継して第2電飾基板P345へと電力が供給される。
第1電飾基板P342は、LEDからなる複数の発光部P342aが上下両面に分散配置されており、前方側の縁部が右側部を先端として左側へ向かう程に後方側へずれる態様で湾曲形成されていると共に、所定間隔毎に張出突部P342bが形成され、その張出突部P342bには上面に発光部P342aが一つ配設され、下面には発光部P342aは配設されない。
発光部P342aは、第1電飾基板P342の上面では、第1電飾基板P342の後辺と平行な後ライン上と、張出突部P342bに形成される前ライン上と、その前ライン上と後ライン上との間において前縁部の湾曲よりも浅めの湾曲線状の中ライン上とに配置される。一方、第1電飾基板P342の下面では、発光部P342aが一直線上に形成される。
第2電飾基板P345は、LEDからなる複数の発光部P345aが上下両面に分散配置されており、前方側の縁部が左右均等に前方へ張り出しており、左右両端部から張出突部P345bが形成され、その張出突部P345bには上下両面に発光部P345aが一つ配設される。
発光部P345aは、左右一対の張出突部P345bと、その後方と、電飾基板P345の前縁部近傍における左右中央位置との5箇所に、第2電飾基板P345の上下両面において形成される。即ち、第2電飾基板P345では、上下両面の同じ位置(上下方向視で重なる位置)に発光部P345aが配設される。
図359は、切替構成部P320の分解正面斜視図であり、図360は、切替構成部P320の分解背面斜視図である。切替構成部P320は、ベース部材P310に締結固定されるベースカバーP321と、そのベースカバーP321に左右方向に変位可能に支持される被操作部材P322と、ベースカバーP321に回転動作可能に支持され被操作部材P322の変位に連動して回転動作される回転リンクP323と、その回転リンクP323に連結されておりベースカバーP321に上下方向に変位可能に支持される追従動作部材P324と、ベースカバーP321の左端部付近において前面側に配設される発光構成部P325と、を主に備える。
ベースカバーP321は、上縁部および左縁部から後方に突設される複数の被締結部P321aと、その上縁部側の被締結部P321aよりも下方において左右一直線のライン上に配置され後方に突設される複数の第1支持突部P321bと、そのラインよりも下側において後方に突設される回転支持部P321cと、その回転支持部P321cよりも左側において上下一直線のライン上に配置され後方に突設される複数の第2支持突部P321dと、を主に備える。
被締結部P321aは、ベース部材P310の帯状凹部P311(図358参照)に貫通される貫通孔を通して本体枠P14d(図353参照)の上辺を構成する金属板部と対向配置されており、対象固定部であるベースカバーP321は、その金属板部の貫通孔を通る締結ネジによりベース部材P310と共に本体枠P14dに共締めされる。
第1支持突部P321bは被操作部材P322の変位を案内し、回転支持部P321cは回転リンクP323の回転動作を支持し、第2支持突部P321dは追従動作部材P324の変位を案内する。
また、ベースカバーP321は、前面側の下縁部付近において左右に並ぶ複数の締結部P321eと、その締結部P321eの上方において同様に左右に並ぶ複数の締結部P321fと、左右上角部および左下角部において前後方向に貫通形成される複数の案内筒部P321gと、上辺から上側に張り出すように形成される段の左右内側において更に上側に張り出すように段が形成される複数段形成部P321hと、その複数段形成部P321fの斜め下側において前方から窪むように凹設形成される凹設形成部P321iと、を主に備える。
締結部P321eには、覆設部材P333の貫通孔がベースカバーP321との間に挿通された状態で発光構成部P340のケース下部P341が締結固定される。締結部P321fには、発光構成部P340のケース上部P343が締結固定される(図357参照)。案内筒部P321gは、所定の取付対象である化粧ユニットP302の係止棒部材P380を前後方向へ案内する経路を構成するが、詳細は後述する。
複数段形成部P321hは、左右の低い段部にベース部材P310の板状部P314(図357参照)が重ねられることで視認不能とされ、左右内側の高い段部のみを通して被操作部材P322が視認可能となるように構成される。段に高低差があることで、ベース部材P310の板状部P314に対する位置合わせが容易となっている。
凹設形成部P321iは、上縁から右下方向に抜ける貫通路を形成し、この貫通路を通して電気配線を通すことが可能に形成される。凹設形成部P321iの上端部にはケース上部P343の上蓋部P343cが嵌め合わされて塞がれることにより、電気配線が凹設形成部P321iの上方に抜けることが防止される。
被操作部材P322は、左右方向に長尺で断面コの字の棒状部材であって、右端部から後方に突設される操作部P322aと、上辺において本体色(本実施形態では、黄色)とは異なる色(本実施形態では、赤色)に形成(異なる色の樹脂で成形、又は、シール貼付)される目印部P322bと、ベースカバーP321の第1支持突部P321bが挿通される複数の案内長孔P322cと、一端がベースカバーP321に引っかけられるコイルスプリングP322SPの他端が引っかけられる鉤爪部P322dと、左端部および右端部の前面側に締結固定される複数の金属板部P322eと、その左端部の金属板部P322eの下方位置から前方へ円柱状に突設される連結円柱部P322fと、を主に備える。
操作部P322aは、樹脂材料から一体成形されており、ベース部材P310の視認可能領域である操作部挿通孔P312(図358参照)を通して露出され、後方に突き出す長さで構成される。即ち、正面枠P14が開放された状態において(図351参照)、操作部P322aが操作されることで操作力受部である被操作部材P322が左右方向に変位される。
目印部P322bは、被操作部材P322が変位区間の左端部にある場合(コイルスプリングP322SPの付勢力による第1位置にある場合)にはベースカバーP321の複数段形成部P321hを通して視認されず、被操作部材P322が変位区間の左端部から位置ずれすることでベースカバーP321の複数段形成部P321hを通して視認されるよう設計される。
これにより、複数段形成部P321hを通して目印部P322bが視認された場合(赤色が露出していることを視認された場合)、被操作部材P322が位置ずれしていることを容易に把握することができる。
案内長孔P322cは、第1支持突部P321bが挿通可能な幅を有しており、被操作部材P322の変位量に対応した左右方向の長さの長孔として形成され、第1支持突部P321bに螺入されるネジのネジ頭よりも短い方の幅が狭く形成される。これにより、ネジ頭により被操作部材P322のベースカバーP321からの脱落が防止される。
金属板部P322eは、被操作部材P322の左端部においては左側に一部はみ出す位置とされ、被操作部材P322の右端部においては開口部P322gに左側から一部はみ出す位置に配設される。開口部P322gは、ベースカバーP321の右端部に形成される案内筒部P321gと前後方向視で重なる。
回転リンクP323は、ベースカバーP321の回転支持部P321cが挿通される被支持円形孔P323aと、その支持円形孔P323aを中心とした回転動作の回転先端側に延びる第1腕部おいてU字の爪状に形成される受部P323bと、第1腕部とは異なる第2腕部において後方に円柱状に突設されており追従動作部材P324と連結される連結柱部P323cと、を主に備える。
受部P323bは、被操作部材P322の連結円柱部P322fを緩く挟む寸法関係で構成されている。これにより、被操作部材P322が変位することに対応(連動)して、回転リンクP323が回転動作される。
追従動作部材P324は、上下方向に長尺で断面コの字の棒状部材であって、ベースカバーP321の第2支持突部P321dが挿通される複数の案内長孔P324aと、回転リンクP323の連結柱部P323cが挿通される連結長孔P324bと、下端部の前面側に締結固定される金属板部P324cと、を主に備える。
案内長孔P324aは、第2支持突部P321dが挿通可能な幅を有しており、追従動作部材P324の変位量に対応した上下方向の長さの長孔として形成され、第2支持突部P321dに螺入されるネジのネジ頭よりも短い方の幅が狭く形成される。これにより、ネジ頭により追従動作部材P324のベースカバーP321からの脱落が防止される。
連結長孔P324bは、連結柱部P323cが挿通可能な幅を有しており、回転リンクP323の変位量に対応した左右方向の長さの長孔として形成される。連結柱部P323cが連結長孔P324bの内側を回転動作することにより、追従動作部材P324が上下方向に変位される。金属板部P324cは、追従動作部材P324の下端部において下側に一部はみ出す位置とされる。
発光構成部P325は、ベースカバーP321の左端部側の前側において締結固定される電飾基板P325aと、その電飾基盤P325aに覆設される無色透明の樹脂材料から形成されるカバー部材P325bと、を主に備える。
電飾基板P325aは、左側のスピーカー組立体P332の左縁部に沿う形状とされており、即ち正面視において湾曲した形状とされており、配置されるLEDから照射される光により、正面視において左側のスピーカー組立体P332よりも左側を明るく照らすことができる。
図361(a)及び図361(b)は、切替構成部P320の背面図である。図361(a)では、被操作部材P322が変位可能範囲の左端位置に位置する切替構成部P320の待機状態が図示され、図361(b)では、被操作部材P322が変位可能範囲の右端位置に位置する切替構成部P320の変位状態が図示される。
図361(a)に図示されるように、切替構成部P320の待機状態では、コイルスプリングP322SPの付勢力により付勢された終端位置側で被操作部材P322が停止されており、背面視(前後方向視)において案内筒部P321gの一部に金属板部P322e,P324cが重ねられる。
また、切替構成部P320の待機状態では、目印部P322bの形成範囲P322brが複数段形成部P321hのうちの低い範囲に収まる。この低い範囲はベース部材P310の板状部P314に覆われるため(図355参照)、切替構成部P320の待機状態では、目印部P322bが露出されておらず、視認し難く構成される。
図361(b)に図示されるように、切替構成部P320の変位状態では、コイルスプリングP322SPの付勢力に対抗して動作(操作)された位置で停止されており、背面視(前後方向視)において案内筒部P321gに重ならない位置に金属板部P322e,P324cが位置している。
また、切替構成部P320の変位状態では、目印部P322bの形成範囲P322brが複数段形成部P321hのうちの低い範囲からはみ出して、高い範囲に進入している。そのため、切替構成部P320の変位状態では、ベース部材P310の視認可能領域である板状部P314(図355参照)の間の領域から、目印部P322bが露出され、視認可能に構成される。
目印部P322bが露出されているか露出されていないかの違いは、目視により把握されるものだが、本実施形態では目印部P322bが被操作部材P322自体の色(黄色)よりも目立つ色または濃い色(赤色)とされているため、目視により容易に把握できるようになっている。
図355及び図356に戻って説明する。上側装飾ユニットP14aは、ベースユニットP301に対して、化粧ユニットP302が前後方向にスライド変位されることにより、脱着可能に構成される。
脱着させる際において、ベースユニットP301の複数の案内筒部P321gにより、化粧ユニットP302の変位方向が前後方向に案内されると共に、係止棒部材P380が切替構成部P320の金属板部P322e,P324cに対応する位置に導入される。
ベースカバーP321の前面側は大部分が閉塞されており、案内筒部P321gのみで前後方向に開口形成されており、案内筒部P321gを通して被操作部材P322の金属板部P322e,P324cのみが視認可能に露出される(前後方向視で案内筒部P321gの内部に金属板部P322e,P324cが見える)。そのため、化粧ユニットP302をベースユニットP301に取り付ける場合に係止棒部材P380を位置合わせする目安が分かりやすく、化粧ユニットP302の組み付け作業を容易とすることができる。
また、化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して近づける場合に、案内筒部P321gと重なる位置以外で化粧ユニットP302から被操作部材P322が荷重を受けることを避けることができる。
更に、化粧ユニットP302がベースユニットP301に組付けられた状態では、枠状閉鎖部である化粧ユニットP302が切替構成部P320の前方を閉塞するので、前方から被操作部材P322に対して荷重が与えられる可能性を低減することができ、被操作部材P322の状態を維持しやすくすることができる。
化粧ユニットP302がベースユニットP301に組付けられた状態では、後側が枠形状に構成される化粧ユニットP302の上辺側がベースユニットP301の前端面との隙間を無くすように当接される。これにより、化粧ユニットP302とベースユニットP301との隙間から異物が侵入されることを防止し易くすることができるし、隙間から光が漏れる可能性も減らすことができる。
図362は、化粧ユニットP302の分解正面斜視図であり、図363は、化粧ユニットP302の分解背面斜視図である。化粧ユニットP302は、骨格を形成するベース部材P350と、そのベース部材P350に前面側から組み付けられる上下反射部材P360と、上下反射部材P360を覆うようにベース部材P350の前方に配設される装飾構成部P370と、有色(本実施形態では白色)で非透過性の樹脂材料から形成されておりベース部材P350の背面側に配設されベース部材P350に回転不能に締結固定される複数の係止棒部材P380と、を主に備える。
ベース部材P350は、有色(本実施形態では黒色)で非透過性の樹脂材料から形成されており、ベースユニットP301(図355参照)に前後方向から近接された場合に外縁部を隙間なく閉塞可能な形状から形成される。
ベース部材P350は、上面部の後端辺から凹設形成される確認窓構成部P351と、その確認窓構成部P351の左隣に形成されるコメント表示部P352と、発光構成部P340(図356参照)のケース下部P341及びケース上部P343を挿通可能な大きさの矩形状(長方形状)の貫通孔として形成される第1開口部P353と、発光構成部P340(図356参照)の小型ケースP344を挿通可能な大きさの矩形状(長方形状)の貫通孔として形成される第2開口部P354と、上面部の前端側において前方側が上方へ向けて傾斜する前側傾斜部P355と、下縁部後側において締結固定される逆U字状の板状部材である底側覆設部材P356と、その底側覆設部材P356の左下側に締結固定されるスピーカー下カバーP357と、後方に向かうほど上向きに傾斜する摺動底平面P358と、を主に備える。
確認窓構成部P351は、板状部P314が内側に嵌合され、複数段形成部P321hの前面を隙間なく塞ぐ形状とされる(図356参照)。これにより、ベース部材P310との間で複数段形成部P321hの周りを枠状に囲う窓部が構成される。これにより、窓部の内側に対する注目力を向上させることができる。窓部の内側では切替構成部P320の被操作部材P322が視認されるようにされており、被操作部材P322の配置に対応して、目印部P322bが視認される場合と、視認されない場合とを構成可能とされている。
コメント表示部P352は、確認窓構成部P351の視認内容の意味についてのコメントが記載される。本実施形態では、「確認窓が黄色であればロック完了」と記載される。これにより、作業者は確認窓を一目見るだけで組み付けが正常に完了したか否かを把握することができるので、作業効率を向上させることができる。
前側傾斜部P355は、上下反射部材P360や装飾構成部P370のうち、ベース部材P350の上面部よりも上方にはみ出す箇所を受けるために上方に張り出し形成される部分である。
前側傾斜部P355の前方において上側反射部材P361による光の反射がされたり、主装飾部P371が視認されたりすることから、本実施形態では、ベース部材P350の上面部よりも上側の位置において光や装飾を用いた演出を実行することができる。
また、接触可能部である前側傾斜部P355は、上側に張り出した箇所を前後から指で挟むようにして把持可能に形成されており、組み付け作業時に把持させることにより誤って落下させることが防止される。更に、組み付け時の接合位置(化粧ユニットP302の後端部)から離れた位置を把持することから、作業者が指を挟むことが回避される。
底側覆設部材P356は、後端部から後方に突設形成される複数の係合突部P356aを備える。係合突部P356aは、ベースユニットP301に化粧ユニットP302を組み付ける際に、音響構成部P330の覆設部材P333の正面側において凹設形成される係合凹部P333bに嵌合される。これにより、ベースユニットP301と化粧ユニットP302との下縁部における接合位置において隙間が生じることを抑制することができる。
スピーカー下カバーP357は、後端部がベース部材P310の左端において下方に垂れる板部の右縁部前側と面で当接する形状とされており、ベースユニットP301と化粧ユニットP302との組立状態においてベースユニットP301と化粧ユニットP302との間に生じ得る隙間の一部(ベース部材P310の左端において下方に垂れる板部の右縁部に生じる隙間)を閉塞可能となっている。
これにより、ベースユニットP301と化粧ユニットP302との間の隙間からピアノ線等の不正具をパチンコ機P10の内部に進入させて実行され得る不正行為を未然に防止することができる。
摺動底平面P358は、化粧ユニットP302の組み付け作業において、覆設部材P333の摺動上面P333cに仮置きされた後、前後方向に摺動される傾斜平面である。摺動上面P333cは、前方へ向かうほど下がる傾斜面となっており、上面からは間隔を空けて前後方向に延びる複数のリブが形成される。
摺動底平面P358は摺動上面P333cの全面と当接されるのではなく、複数のリブの面積で当接されるので、摺動の摩擦力を低減することができるので、ベースユニットP301に対して化粧ユニットP302をスムーズにスライド移動させることができる。
摺動上面P333cが前方へ向かうほど下がる傾斜面となっていることから、組み付け作業が完了することに気付かずに作業者が作業を終了した場合でも、摺動上面P333cの傾斜に沿って化粧ユニットP302が前方へ摺動する(ずり動作する)ことになるので、作業者に組み付け作業が完了していないことに気付かせることができる。
また、摺動上面P333cが前方へ向かうほど下がる傾斜面となっていることから、化粧ユニットP302を取り外す際に切替構成部P320を変位状態(図364(b)参照)とした場合に化粧ユニットP302が自重により前方へ若干摺動される(ずり動作する)ことになるので、ベースユニットP301と化粧ユニットP302とが接合された状態から取り外す場合に比較して、取り外し作業の負担を低減させることができる。
上下反射部材P360は、ベース部材P350に前面側から組み付けられベース部材P350の上側部の下部に当接された状態で締結固定される上側反射部材P361と、その上側反射部材P361の下端部に前方から重ねられるようにベース部材P350に組み付けられベース部材P350の下側部の上部に当接された状態で締結固定される下側反射部材P365,P366から構成される。
上側反射部材P361の前側部下面には鏡面の傾斜面が形成され、下側反射部材P365の前側部上面には鏡面の傾斜面が形成される。上側反射部材P361は、ベース部材P350の第1開口部P353及び第2開口部P354よりも上側に配設され、下側反射部材P365,P366は、ベース部材P350の第1開口部P353及び第2開口部P354よりも下側に配設される。
即ち、ベース部材P350の第1開口部P353及び第2開口部P354を挿通される第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345(図357参照)の上面側から照射される光が上側反射部材P361の鏡面により反射され、第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345(図357参照)の下面側から照射される光が下側反射部材P365,P366の鏡面により反射される。
装飾構成部P370は、ベース部材P350に締結固定されるように構成されており、上下反射部材P360に対して右端揃いで配置されており正面側からロゴなどの意匠が視認可能に構成される主装飾部P371と、その主装飾部P371よりも左側においてベース部材P350の正面側を覆う左側覆設部P372と、その左側覆設部P372に重ねられており主装飾部P371に関係する模様が形成される模様構成部P373と、を主に備える。
主装飾部P371は、非透過性の樹脂材料から形成される外枠部P371aの内側において、光透過性の樹脂材料から形成される板状透過部である板状部P371bが配設されており、この板状部P371bを上側反射部材P361及び下側反射部材P365,P366に反射された光が透過することで、遊技者に光が視認される。
板状部P371bは背面側にシボ加工がされており、正面視において、後方から透過された光は視認される一方で、後方側に配置される発光構成部P340の外形等については視認困難とさせるように構成される。
左側覆設部P372は、非透過性の樹脂材料から形成される骨格の内側において、円弧形状に沿って窓部が形成されており、その窓部を閉塞するようにして光透過性の樹脂材料から形成される窓構成部P372aが配設される。
窓構成部P372aは、前後方向視で発光構成部P325(図357参照)と重なる位置に形成される。これにより、発光構成部P325の電飾基板P325aから照射された光は、窓構成部P372aを通して遊技者に視認される。
係止棒部材P380は、同様の形状の部材が、ベースユニットP301の案内筒部P321g(図357参照)に対応する位置に対応する本数(本実施形態では3本)で配置され、ベース部材P350の背面側に締結固定される。
係止棒部材P380は、円柱形状をベースとして先端側が先細りされた形状とされる部材であって、先端側に対向傾斜面P383が形成されるが、この対向傾斜面P383の向きは切替構成部P320の状態の切り替えと対応されていることから、配置部位によって異なる。
即ち、上側において左右に配置される案内筒部P321gに対応される係止棒部材P380は、後端部において右側面から面取り形成される態様で対向傾斜面P383が形成されている一方で、左下側に配置される案内筒部P321gに対応される係止棒部材P380は、後端部において上側面から面取り形成される態様で対向傾斜面P383が形成されている。
本実施形態では、各係止棒部材P380に共通の部材を用いており、対向傾斜面P383が上下左右の何れの側を向くかはベース部材P350に締結固定される際の係止棒部材P380の姿勢で調整される。この観点から、係止棒部材P380には、係止棒部材P380がベース部材P350に締結される基端側において係止棒部材P380の円柱形状の径方向外方へ姿勢合わせ突部が突設されており、ベース部材P350側には係止棒部材P380の姿勢を適切な姿勢とできる位置に姿勢合わせ突部が嵌合可能な凹設部が形成される。
姿勢合わせ突部が凹設部に嵌合されることで係止棒部材P380が適切な姿勢に調整される。更に、この調整された適切な姿勢において締結固定を行う際に、係止棒部材P380の姿勢がずれることを嵌合により防止することができる。
図364(a)から図364(c)は、図361(a)のX41a-X41a線における正面枠P14の部分断面図である。図361(a)では切替構成部P320のみが図示されているが、図364(a)及び図364(b)では切替構成部P320を含む枠状取付部である正面枠P14の各構成が図示される。なお、図364(a)から図364(c)の説明では、図361(a)及び図361(b)を適宜参照する。
図364(a)及び図364(c)では、切替構成部P320の待機状態(図361(a)参照)が図示され、図364(b)では、切替構成部P320の変位状態(図361(b)参照)が図示される。
図364(a)及び図364(b)では、化粧ユニットP302はベースユニットP301に対する組み付けが完了した組付完了位置に配置されており、図364(c)では、化粧ユニットP302はベースユニットP301に対して組み付けられる事前準備位置に配置されている。
図364(a)に図示される状態は、化粧ユニットP302がベースユニットP301に組み付けられた、遊技が安全に可能な状態(遊技可能状態)に相当する。図364(a)に図示されるように、遊技可能状態では、係止棒部材P380の第1嵌合凹部P381に切替構成部P320の金属板部P322eが嵌合されており、係止棒部材P380の前後方向への脱落が防止される。
この場合において、複数の係止棒部材P380において同様に嵌合されており、異なる位置で化粧ユニットP302を支持する力が分散されるので、化粧ユニットP302を支持する力を各係止棒部材P380で平均化することができるので、閉鎖時係合部である係止棒部材P380にかかる疲労を低減することができ、耐久力を高めることができる。
図364(b)に図示される状態は、化粧ユニットP302をベースユニットP301から取り外し可能とされる状態(取外し可能状態)に相当する。図364(b)では、図364(a)に図示される遊技可能状態から、切替構成部P320の操作部P322aが左右方向へスライド操作され、金属板部P322eが係止棒部材P380の第1嵌合凹部P380から退避された状態が図示される。
図364(b)に図示される状態であれば、係止棒部材P380の前後方向への移動が金属板部P322eに妨害されることがないため、化粧ユニットP302をベースユニットP301から前方へ引き抜くようにして取り外すことができる。
化粧ユニットP302の取り外しにおける操作部P322aの操作は、その操作部P322aの配設態様から、正面枠P14が内枠H12に対して開放された状態において実行し易くなるよう構成されているため、化粧ユニットP302の取り外し作業は、正面枠P14を開放させた状態において行い易くされる(図351及び図352参照)。
正面枠P14を開放させた状態であれば、化粧ユニットP302の取り外し作業を行う作業者は、正面枠P14の右端側(回動先端側)から対面して、左手で化粧ユニットP302を掴んだ状態で、右手で操作部P322aを操作することができるので、操作部P322aの操作により取外し可能状態にされた場合に化粧ユニットP302を誤って落下させるという事態を避け易くすることができる。
化粧ユニットP302を掴む位置としては、前側傾斜部P355が好適である。前側傾斜部P355は化粧ユニットP302の上面から張り出しているため掴み易く、更には後面側は遊技者からはほとんど視認されないので、掴む際に傷や汚れが付いたとしても、装飾性に影響を与えにくいためである。
図364(c)に図示される事前準備位置から、化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して前後方向に近づけ、押込むことで化粧ユニットP302のベースユニットP301に対する組み付けを完了させることができる。
係止棒部材P380の先端には、金属板部P322eと対向する側に傾斜面として形成される対向傾斜面P383が形成される。対向傾斜面P383は、先端部における形成端が金属板部P322eの端部よりも左右方向外側となるように構成される。
これにより、化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して前後方向に近づけた場合に係止棒部材P380から金属板部P322eに与えられる荷重の方向が前後方向のみではなく、左右方向成分を有した方向とされ、この左右方向成分の荷重により被操作部材P322を左右方向に動作させることができる。
対向傾斜面P383により力の方向が変化されることを利用して、係止棒部材P380の移動方向(前後方向)と、被操作部材P322の動作方向(左右方向)とが直角に交差される。これにより、係止棒部材P380の移動量を効率的に被操作部材P322の動作量に変換することができるので、取り付けのために必要となる係止棒部材P380の押し込み量を短くすることができ、組み付け作業時の負担を下げることができる。
被操作部材P322の動作後も引き続き化粧ユニットP302を前後方向に押し込んだ場合、第1嵌合凹部P381の前後方向位置が金属板部P322eに合致した場合にコイルスプリングP322SPの付勢力により被操作部材P322が復帰され切替構成部P320が待機状態とされる(図364(a)参照)ことで、化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して組み付けることができる。
また、係止棒部材P380から切替構成部P320への荷重の付与は、複数(本実施形態では、3本)の係止棒部材P380で同時に生じる(上側の2本の係止棒部材P380からは被操作部材P322の金属板部P322eに生じ、下側の係止棒部材P380からは追従動作部材P324の金属板部P324cに生じる)。
そのため、被操作部材P322及び追従動作部材P324を動作させる荷重として1本の係止棒部材P380に与えられる荷重が低減される(各箇所に分散される)ことから、被操作部材P322及び追従動作部材P324に局所的な大荷重が生じることを避けることができ、又、係止棒部材P380の破損をさけることができる。
被操作部材P322がコイルスプリングP322SPの付勢力により動作されることに連動して、操作連動部である追従動作部材P324も待機状態における位置側(下側)へ移動する。この追従動作部材P324の移動方向は、自重による移動方向と同じである。そのため、コイルスプリングP322SPの付勢力による動作が追従動作部材P324の自重により補助される。これにより、コイルスプリングP322SPの付勢力が経年劣化により低下した場合であっても、被操作部材P322及び追従動作部材P324の待機状態における位置側への変位を安定的に生じさせることができる。
係止棒部材P380を案内する案内筒部P321gは、内周面が前方へ向かうほど細くなるテーパになっているので、案内筒部P321gへの差し込みを容易としつつ、化粧ユニットP302に対して前後方向の荷重が与えられた場合に、係止棒部材P380を金属板部P322eに対する適切な位置に案内させることができる。
このように、本実施形態によれば、係止棒部材P380を案内筒部P321gに合わせて、化粧ユニットP302を前後方向へ押し込むだけで、係止棒部材P380が被操作部材P322の金属板部P322eに係合され、組み付け作業が完了することになるので、組み付け作業の工程数を減らすことができる。
なお、係止棒部材P380のスライド移動の方向は水平な方向として構成されるため、所定の取付対象である正面枠P14(図351参照)を開放している際に誤って操作部P322aを左右方向にスライド移動させた場合であっても、化粧ユニットP302が自重で脱落することはなく、意図せぬ落下によって化粧ユニットP302が破損することを回避することができる。
また、仮に係止棒部材P380の脱落が開始されたとしても、操作部P322aからすぐに手を離せば被操作部材P322がコイルスプリングP322SPの付勢力で待機状態(図364(a)参照)における位置側に復帰されるところ、係止棒部材P380において第1嵌合凹部P381よりも先端側において形成される第2嵌合凹部P382に金属板部P322eが係合されることにより、係止棒部材P380の脱落を防止することができるので、意図せぬ落下によって化粧ユニットP302が破損することを回避することができる。
化粧ユニットP302のベースユニットP301に対する組み付け作業を行う場合、上述の通り、係止棒部材P380に押進されて被操作部材P322及び追従動作部材P324が一方向に動作された後で、コイルスプリングP322SPの付勢力で逆方向に動作されるといった往復動作が生じる。
この往復動作後において、係止棒部材P380が十分に押込まれて化粧ユニットP302が組付完了位置に到達している場合には、切替構成部P320が待機状態とされており(図364(a)参照)、目印部P322bの形成範囲P322brが複数段形成部P321hの低い箇所に位置されることから、目印部P322bは板状部P314に遮蔽されることになり作業者に視認されない(図356参照)。
従って、板状部P314(図355参照)の間において視認される色が目印部P322bの赤ではなく被操作部材P322のベースカラーとしての黄色で視認されることにより、組み付け作業が完了したことを作業者に把握させることができる。
本実施形態では、化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して前後方向にスライド移動させることのみで組み付け作業を完了させることができるので、組み付け作業自体は、正面枠P14を内枠H12に対して開放させた状態でも、正面枠P14を内枠H12に対して閉鎖した状態でも、実行可能である。
ここで、目印となる板状部P314の間の領域は、化粧ユニットP302とベースユニットP301との間において視認可能とされるが(図352、図355参照)、正面枠P14が内枠H12に対して閉鎖された状態では、板状部P314の間の領域がデータカウンターPDcの下方に位置しているため(図350参照)、視線が通り難く、組み付け作業が完了したことの目安として機能させ難い。
一方で、正面枠P14を内枠H12に対して開放させた状態であると、目印となる板状部P314の間の領域がデータカウンターPDcの下方よりも前方側に移動可能となるため、視線が通り易くなり、化粧ユニットP302の組み付け作業が完了したことを確認し易くすることができる。
特に本実施形態では、目印となる板状部P314の間の領域が正面枠P14の回動先端側(右側)寄りに配設されていることから、正面枠P14を開放させた場合における前方への変位量を大きくすることができ、正面枠P14を僅かに開放させることで目印となる板状部P314の間の領域をデータカウンターPDcの下方よりも前方側に位置させることができる。
詳細には、ヒンジH19側(左端側)を回転の軸として正面枠P14が約7[度]開放側(前方側)へ回転移動されることにより、目印となる板状部P314の間の領域をデータカウンターPDcの下方よりも前方側に位置させることができるので、目印となる板状部P314の間の領域をデータカウンターPDcの下方よりも前方側に位置させ易くすることができ、化粧ユニットP302の組み付け作業の作業効率を上昇させることができる。
なお、目印となる板状部P314の間の領域を視認させ易くするのに必要となる正面枠P14の開放の程度は、データカウンターPDcの形状によって変わり得る。また、データカウンターPDcが上面視で略矩形状という前提から目印となる板状部P314の間の領域を正面枠P14の回動先端側(右側)寄りに配置させているが、データカウンターPDcの形状によっては、目印となる板状部P314の間の領域に好適な位置は変わり得る。
例えば、データカウンターPDcが、上面視で右側部が前方に張り出している形状(L字形状や台形形状)である場合、目印となる板状部P314の間の領域を正面枠P14の回動基端側に配置した方が視認し易いという場合もある。これらの事情も踏まえた上で、データカウンターPDcの形状としてより一般的な形状に合わせて、目印となる板状部P314の間の領域の位置が設計されている。
本実施形態では、右側装飾ユニットP14cの上端が板状部P314の形成される上側装飾ユニットP14aの上面よりも低い位置とされていることから(図351参照)、右上方向からの視線が通り易くされており、内枠H12に対して開放された状態における正面枠P14の回動先端側に対面して作業する作業者に板状部P314の間の領域を視認させ易くすることができる。
また、板状部P314が形成される上側装飾ユニットP14aの上面側は、一般的に、パチンコ機P10から光が照射されない箇所(演出領域外)である。そのため、照射される光の影響で板状部P314の間の領域の色の変化を識別し難くなる事態を避けることができ、板状部P314の間の領域の色(視認態様)の判別をさせ易くすることができる。
化粧ユニットP302のベースユニットP301に対する組み付け作業を行う場合、上述の通り、係止棒部材P380に押進されて操作部P322aが一体形成される被操作部材P322及び追従動作部材P324が一方向に動作された後で、コイルスプリングP322SPの付勢力で逆方向に動作されるといった往復動作が生じる。ここで、操作部P322aは、正面枠P14が内枠H12に対して閉鎖される状態では、正面枠P14に隠されるため、操作部P322aを組み付け作業が完了したことの目安として機能させることはできない。一方で、正面枠P14を内枠H12に対して開放させた状態であると、操作部P322aは正面枠P14(上側装飾ユニットP14aのベースユニットP301)よりも後方の領域において視認可能となるため(図352参照)、化粧ユニットP302の組み付け作業が完了したことを確認し易くすることができる。
このように、正面枠P14を開放させた状態であれば、操作部P322aを視認することによっても、組み付け作業の完了を把握できるので、正面枠P14が内枠H12に対し閉鎖されている状態よりも正面枠P14が開放された状態の方が、化粧ユニットP302の組み付け作業の作業効率を上昇させることができる。
即ち、正面枠P14を開放させた状態の方が、化粧ユニットP302の組み付け作業の完了を、目印となる板状部P314の間の領域の色の変化でも、操作部P322aの動作でも、確認できるので、組み付け作業の完了をより分かり易くすることができ、作業効率を上昇させることができる。
操作部P322aは、板状部P314の間の領域と同様に、正面枠P14の回動先端側(右側)寄りに配設されていることから、正面枠P14の開放時に視認し易くされている。操作部P322a及び目印となる板状部P314の間の領域の配置は、どちらも、正面枠P14の回動軸(前扉取付金具H57に相当)から離れている(正面枠P14の右端に近い)方が、視認に必要となる正面枠P14の開放度合いを小さくすることができる。
即ち、操作部P322aであれば、正面枠P14の回動先端側(右側)に配置されている方が正面枠P14と内枠H12との間の隙間が狭くても視認が可能となるし、目印となる板状部P314の間の領域であれば、正面枠P14の内枠H12に対する回転角度が同じ場合における前方への変位量がより大きくなるため、小さな回転角度でデータカウンターPDcの下方よりも前方側へ位置するようになる。
なお、本実施形態では、目印となる板状部P314の間の領域よりも操作部P322aの方がより正面枠P14の回動先端側(右側)寄りに配設されているが、これに限られるものではない。例えば、操作部P322aよりも目印となる板状部P314の間の領域の方がより正面枠P14の回動先端側(右側)寄りに配設されても良いし、操作部P322a及び目印となる板状部P314の間の領域の正面枠P14の回動軸からの距離が同等となるように設定されても良い。
また、板状部P314の間の領域または操作部P322aの配置としての正面枠P14の回動先端側(右側)寄りの位置としては、正面枠P14の左右中心の位置よりも右側であれば良く、更には、正面枠P14から張り出す部分よりも回動先端側(右側)寄りであるとなお良い。例えば、操作部P322aは正面枠P14の後方側に張り出しているが、後方側に張り出すことはガラスユニットH16も同様であり、このガラスユニットH16(の中心)よりも回動先端側(右側)寄りの位置に配設されることで、ガラスユニットH16によって操作部P322aへの視線が遮られる事態を避けることができる。
本実施形態では、操作部P322aの位置がガラスユニットH16の上方に位置しており(図352参照)、これでも操作部P322aへの視線がガラスユニットH16に遮られることは回避されているが、操作部P322aをガラスユニットH16の右端部よりも回動先端側(右側)に配置させることで、正面枠P14が開放された場合に操作部P322aをより視認させ易くすることができる(開放幅が小さい場合でも操作部P322aへの視線が通るようにできる)。
化粧ユニットP302の組み付け作業は、正面枠P14を開放させた状態であれば、作業者は、正面枠P14の右端側(回動先端側)から対面して、左手で化粧ユニットP302を掴むようにして把持して、化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して前方から近接させるように後方へスライド移動させることで、ベースユニットP301に対する化粧ユニットP302の組み付け作業を完了させることができる。
化粧ユニットP302を掴む位置としては、前側傾斜部P355が好適である。前側傾斜部P355は化粧ユニットP302の上面から張り出しているため掴み易く、更には後面側は遊技者からはほとんど視認されないので、掴む際に傷や汚れが付いたとしても、装飾性に影響を与えにくいためである。
更に、前側傾斜部P355は化粧ユニットP302とベースユニットP301とが接合する位置から離れているため、作業者が接合位置で指を挟むという事態を未然に避けることができる。
この観点において、本実施形態では、コメント表示部P334aに組み付け作業者に対する注意を呼び掛けるための表示として、「挟み込み注意」というコメントが記載されたシールが添付されていることから、作業者が作業方法を熟知していない場合であっても、接合位置から離れた箇所を掴むように仕向けることができ、自然と前側傾斜部P355を掴ませることが可能となる。これにより作業者が安全に作業できるように図っている。
コメント表示部P334aは、目印となる板状部P314の間の領域よりも更に右側に位置しており、正面枠P14を開放させた状態において、正面枠P14に回動先端側から対面して組み付け作業を行う作業者により近い位置に配設されているため、作業者がコメント表示部P334aを視認し易くすることができる。
更に、右側装飾ユニットP14cの上端が板状部P314の形成される上側装飾ユニットP14aの上面よりも低い位置とされていることから(図351参照)、右上方向からの視線が通り易くされており、右側装飾ユニットP14cが上側装飾ユニットP14aの上面よりも高い位置まで延びる場合と異なり、右側装飾ユニットP14cがコメント表示部P334aを隠すという事態を回避することができる。
図365(a)は、第1電飾基板P342の正面図であり、図365(b)は、図365(a)の矢印Y42b方向視における第1電飾基板P342の上面図であり、図365(c)は、図365(a)の矢印Y42c方向視における第1電飾基板P342の下面図である。
図365(a)から図365(c)に図示されるように、第1電飾基板P342は、上下面に発光部P342aが配設される。第1電飾基板P342の上面では、発光部P342aとして、第1電飾基板P342の後辺と平行な後ライン上に配置される後列発光部P342a1と、張出突部P342bにおける湾曲前ライン上に配置される前列発光部P342a2と、前ライン上と後ライン上との間において前縁部の湾曲の曲率半径よりも大きな曲率半径で湾曲される中ライン上に配置される中列発光部P342a3と、を備える。
一方、第1電飾基板P342の下面では、発光部P342aとして、右方へ向かうほど前方側へ向かう傾斜直線PL342上に配置される直線上発光部P342a4を備える。このように第1電飾基板P342は上下両面に発光部P342aが配設されるが、その配置態様が異なっている。
図366は、上側装飾ユニットP14aの部分正面図であり、図367は、図366のX43m-X43m線における上側装飾ユニットP14aの部分断面図であり、図368は、図366のX44m-X44m線における上側装飾ユニットP14aの部分断面図であり、図369は、図366のX45m-X45m線における上側装飾ユニットP14aの部分断面図である。
図367、図368及び図369では、上側反射部材P361の断面の配置は同一とされる。即ち、上側反射部材P361の反射面は、左右方向の回転軸で反射面を回転させたと仮定した場合に、第1電飾基板P342の面と平行になり得る形状で形成される。これは、図369に図示される第2下側反射部材P366も同様である。
図369では、第2電飾基板P345の左右中心位置を通る断面が図示され、図367及び図368では、第1電飾基板P342の直線上発光部P342a4のうちの異なる発光部の中心を通る断面が図示される。図368で図示される第1電飾基板P342の断面の配置は、図367で図示される第1電飾基板P342の断面の配置よりもから後方にずれている。
一方、図367に図示される第1電飾基板P342と下側反射部材P365との間の角度PA365は、図368に図示される第1電飾基板P342と下側反射部材P365との間の角度PA365と同様(約40度)であり、図367に図示される直線上発光部P342a4から照射光が下側反射部材P365に反射される位置までの距離PD365は、図368に図示される直線上発光部P342a4から照射光が下側反射部材P365に反射される位置までの距離PD365と同様である。
即ち、下側反射部材P365の反射面(鏡面)は、左右方向に垂直な平面における断面視において第1電飾基板P342に対する角度を角度PA365で一定とする形状が傾斜直線PL342(図365(c)参照)に平行な方向に延設されることにより形成される平面形状として構成される。
上述のように、上側反射部材P361及び第2下側反射部材P366と、下側反射部材P365とは、反射面(鏡面)の形成態様が異なるため、反射された後の光の正面視における視認態様も異なる。これについて図370を参照して説明する。
図370は、上側装飾ユニットP14aの正面図である。図370では、理解を容易とするために、主装飾部P371の板状部P371bの図示が省略され、上下反射部材P360を視認可能に図示される。
図370に図示されるように、第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345の発光部P342a,P345aから照射される光は、上下反射部材P360の反射位置PR342で反射され前方へ向けて進行される。
反射位置PR342は、上下反射部材P360の全域にわたっている。そのため、ベース部材P310の上面よりも上側に張り出した箇所(前側傾斜部P355(図363参照)の前方に相当)にも光を届かせることができる。このように、本実施形態によれば、実際には電飾基板が配置されない箇所(ベース部材P310の上面よりも上方、即ち、パチンコ機P10の外方)における反射位置PR342にあたかも発光部P342a,P345aが配置され、その発光部P342a,P345aから光が照射されているかのように遊技者に錯覚させる演出を実行することができる。
図370に図示されるように、正面視における反射位置PR342の位置は、上側反射部材P361及び第2下側反射部材P366においては、おおよそ発光部P342a,P345aを上面視で視認した際の視認態様に準じた配置で視認される一方、第2下側反射部材P366においては、発光部P342a4を下面視で視認した際の視認態様(図365(c)参照)と異なり、左右に水平に並ぶように視認される。
これは、第2下側反射部材P366の反射面(鏡面)が傾斜直線PL342に平行な方向に延設されているためであるが、本実施形態では、外枠部P371aの下縁の形状(水平方向に延びる形状)と反射位置PR342の並ぶ方向とを合わせるために第2下側反射部材P366の形状を設計している。
即ち、発光部P342a,P345aの配置が一定の配置とされる場合であっても、上下反射部材P360の形成態様を変化させることで、その正面側領域を囲う外枠部P371aの形状の変化に対応することができ、外枠部P371aの内側領域の隅々まで反射光を行き渡らせることができる。
外枠部P371aの内側にはパチンコ機P10の題材等を示す意匠が形成されるところ、外枠部P371aの内側領域の隅々まで反射光を行き渡らせることができることから、パチンコ店において遊技する機種を選んでいる遊技前の客の目を引くことができ、パチンコ機P10の商品価値を向上させることができる。
本実施形態の構成によれば、第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345を共用とした場合において、外枠部P371aの形状が変化された場合であっても、上下反射部材P360の形成態様を変化させることで外枠部P371aの形状の変化に対応することができ、外枠部P371aの内側領域の隅々にまで反射光を行き渡らせることができるため、電飾基板を変更する場合に比較して製品コストを低減させることができる。
ここで、電飾基板の設計には、基板の板形状の設計だけでなく、LED配置、コネクタ配置、プリント配線のパターニング、露光工程で用いるマスクの設計など多くの工程が必要であるため、再設計を要する場合、余計に時間がかかる。また、試作段階や量産段階に入った後で電飾基板を再設計する場合、上記した工程で製造したものが無駄となり、製品コストが増大する。
本実施形態によれば、基板の共用化を図ることができるので、電飾基板の設計が済んだ後における試作段階や量産段階において、外枠部P371aの設計変更が生じた場合であっても、上下反射部材P360の設計変更で対応することができ、設計済の電飾基板が無駄になることを避けることができる。これにより、製品コストを低減させることができる。
本実施形態によれば、第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345の両面から光が照射され、それらが前方に反射される。これにより、第1電飾基板P342及び第2電飾基板P345の面積に比較して多数のLEDを余裕もって配置させることができるため、小面積の基板であっても板状部P371bを十分に明るく照らすことができる。
また、上下反射部材P360における光の反射は鏡面反射なので、光の減衰を抑えやすい。また、上下反射部材P360は固定配置されているので、正面視における光の見映えを固定(安定)させ易い。言い換えれば、上下反射部材P360からの光の反射角度を一定に維持することができるので、各発光部P342a,P345aから照射されて視認される光の光量を均一とすることができる。
図367から図369に図示されるように、主装飾部P371の板状部P371bは、下側部P371b1において前面が斜め下方向を向くように傾斜姿勢とされる。そのため、上下反射部材P360で反射され下側部P371b1を前方に通過する光は、斜め下方向に屈折される。
これにより、遊技中における光の装飾効果を向上することができる。即ち、遊技中における遊技者の頭はガラスユニットH16(図349参照)の前方に位置されるが、その位置から遊技者が斜め上を向いた場合に、下側部P371b1を通過する光(斜め下方向へ向かう光)を視認させ易くすることができ、光による演出効果を向上させることができる。
図367から図369に図示されるように、主装飾部P371の板状部P371bは、上側部P371b2において前面が斜め上方向を向くように傾斜姿勢とされる。そのため、上下反射部材P360で反射され上側部P371b2を前方に通過する光は、斜め上方向に屈折される。
これにより、遊技開始前の逆に対する光演出効果を向上することができる。即ち、遊技開始する前に遊技店(ホール)において徘徊している客の頭は主装飾部P371と同程度の高さか主装飾部P371よりも上側に位置するが、その位置から遊技者が目線を下げた場合に、上側部P371b2を通過する光(斜め上方向へ向かう光)を視認させ易くすることができ、光による演出効果を向上させることができる。
ここで、本実施形態では、電源投入後において化粧ユニットP302をベースユニットP301に脱着させる際に利用される発光制御を備えている。即ち、電源投入後において化粧ユニットP302がベースユニットP301に組み付けられていないと音声ランプ制御装置H113(図348参照)に判断された場合、発光部P342a,P345aが白色光で発光されるように制御される。
これにより、化粧ユニットP302を組み付ける位置を分かり易くすることができ、組み付け作業を行う作業者が不慣れな場合であっても、組み付け作業をスムーズに行わせることができる。
この発光制御は、化粧ユニットP302の組み付けが完了したと判断されるまで継続されるので、同様の発光制御が継続される間は化粧ユニットP302の組み付けが完了していないことを作業者に知らせることができる。そのため、組み付け途中(化粧ユニットP302のベースユニットP301への差し込みが不十分である場合等)で組み付け作業が完了したとの勘違いから生じる組み付け不良を未然に防ぐことができる。
組み付け作業前において、発光部P342a,P345aからの光は上下に直進されるだけなので、化粧ユニットP302を前方から組み付ける際に前方に光が進行する場合に比較して、作業者が眩しく感じる程度を下げることができる。これにより、発光部P342a,P345aからの光により化粧ユニットP302の組み付け位置を把握させやすくしながら、作業負担は低減させることができる。
この組み付け作業中において、上下反射部材P360が移動することから、発光部P342a,P345aから照射され上下反射部材P360により反射される光の主装飾部P371への到達位置は異なる。
ここで、本実施形態では、第1電飾基板P342の直線上発光部P342a4から照射される光(下側反射部材P365で反射される光)は主装飾部P371を通して横一直線上に視認されるように構成されており、化粧ユニットP302の前後位置が違うとその直線の高さが変化する(化粧ユニットP302が後方側に位置している方が高さ方向で位置が下がる)ため、直線上発光部P342a4からの光照射が継続される場合において、その照射光の主装飾部P371への到達位置(高さ)を、化粧ユニットP302の組み付け完了の目安として利用することができる。
即ち、本実施形態では、主装飾部P371における所定の高さ位置の基準線PL371(図366参照)が設けられており、電源投入後に組み付け作業をする場合において、化粧ユニットP302が組み付けられていない場合には、第3図柄表示装置H81(図351参照)の表示領域において正面視における化粧ユニットP302と基準線PL371に対応する線が描画されると共に「光のラインの上下位置が下がって基準線に到達したら組み付け完了」と表示される。これにより、組み付け作業者は、組み付け作業の完了を容易に把握することができる。
化粧ユニットP302のベースユニットP301に対する組み付け作業において、左右位置の合わせは、上蓋部材P334に対してベース部材P350の右側部形状(矩形の切欠き形状)を合わせることで容易に実現される。
化粧ユニットP302のベースユニットP301に対する組み付け作業において、左右位置を合わせ、化粧ユニットP302をベースユニットP301の前方から近づけるように移動させ、第1開口部P353に発光構成部P340の前端側を挿通させるまでは化粧ユニットP302が落下しないように把持しておく必要がある。
一方で、第1開口部P353に発光構成部P340の前端側が挿通され更に化粧ユニットP302を後方に移動させると、摺動上面P333cに摺動底平面P358が仮置きされ、化粧ユニットP302が下支えされるため、作業者は化粧ユニットP302に対して後方への荷重を与えるだけで化粧ユニットP302の落下を防止できるようになり、作業負担が低減される。
この状態では化粧ユニットP302は事前準備位置とされており(図364(c)参照)、係止棒部材P380は案内筒部P321gに挿通されてはいないが、更に化粧ユニットP302を後方に押し込むことで、摺動上面P333cに摺動底平面P358が摺動される態様で化粧ユニットP302を斜め上に傾斜する方向で後ろ側へスライド移動させつつ、案内筒部P321gに係止棒部材P380を案内させることができ、化粧ユニットP302を組付完了位置(図364(a)参照)まで移動させることができる。これにより、化粧ユニットP302のベースユニットP301に対する組み付け作業を簡易なものとすることができる。
摺動上面P333c及び摺動底平面P358が傾斜していることから、組み付け作業中において第1開口部P351の上下位置は若干変化する。詳細には、後方へ向かうほど上方に変位する。
これに対し、本実施形態では、ケース上部P343の傾斜面P343aよりも前側に形成される第1電飾基板P342を上方から覆う部分の上面が、摺動上面P333cの傾斜と同様に傾斜し、摺動上面P333cに対して略平行な平面として形成される。
これにより、摺動上面P333cが傾斜する構成であっても、組み付け作業において化粧ユニットP302をベースユニットP301に接近させる態様でスライド移動させる際に第1開口部P353の上縁部がケース上部P343の上面と擦れる事態を避けることができる。
次いで、図371から図377を参照して、右側装飾ユニットP14cについて説明する。図371(a)は、右側装飾ユニットP14cの正面図であり、図371(b)は、図371(a)の矢印Y46b方向視における右側装飾ユニットP14cの側面図であり、図372(a)は、右側装飾ユニットP14cの正面斜視図であり、図372(b)は、右側装飾ユニットP14cの背面斜視図である。なお、図371(b)では、パチンコ機P10の内側から外側(矢印R方向側)を視認した状態における右側装飾ユニットP14cの側面が図示される。
図373は、右側装飾ユニットP14cの分解正面斜視図であり、図374は、右側装飾ユニットP14cの分解背面斜視図である。右側装飾ユニットP14cは、基板支持部材P420と、その基板支持部材P420の左側を覆う左側カバー部材P440と、基板支持部材P420の右側を覆う右側カバー部材P460と、が左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされて構成されており、それら基板支持部材P420、左側カバー部材P440及び右側カバー部材P460が締結固定されると共に、本体枠P14d(図353参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部(図示せず)と、を主に備える。
基板支持部材P420、左側カバー部材P440及び右側カバー部材P460は、支持板部(図示せず)の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される締結ネジにより支持板部に締結固定される。右側装飾ユニットP14cは、基板支持部材P420、左側カバー部材P440及び右側カバー部材P460が支持板部に締結固定された状態で本体枠P14d(図353参照)に背面側から正面側へ向けて挿通される締結ネジにより本体枠P14dに締結固定される。
基板支持部材P420は、上下に長い板形状に形成され骨格を形成する本体板部材P421と、その本体板部材P421の右側面に対向配置される複数(本実施形態では2枚)の電飾基板P430と、を主に備える。
本体板部材P421は、有色(本実施形態では白色)で非透過性の樹脂材料から形成されており、本体枠P14d(図353参照)の正面側に配設される支持板部(図示せず)に挿通される締結ネジが螺入される被締結部P422と、電飾基板P430の後端部を本体板部との間に挟み込むようにして受けるように突設形成される複数の突設形成部P423と、その突設形成部P423に受け入れられた電飾基板P430の前端部が係合可能となるように先端部が後方に張り出す鉤爪状に形成される複数の係合爪部P424と、電飾基板P430に配設されるLEDの位置に対応して穿設される複数の光通過部P425と、を主に備える。
また、本体板部材P421は、電飾基板P430が配設される右側面側において上下中間位置よりも下側が嵩上げ部P426の寸法分右方に張り出しており、格子状の突条のうち前後方向に沿う前後方向突条P427の突設量が、前方へ向かうほど小さくなるように構成される。
嵩上げ部P426が形成されることにより、本体板部材P421の右側面に対向配置される2枚の電飾基板P430の配置は、上側の電飾基板P430よりも下側の電飾基板P430の方が右側にずれる。
また、格子状の突条が電飾基板P430の左側面に当接することになるため、前後方向突条P427の形成態様に対応され、電飾基板P430の前端部は後端部よりも左右方向内側(左側)に位置することになり、電飾基板P430の両面から照射される光の進行方向は左右方向に対して傾斜下方向とされる。
即ち、本実施形態では、電飾基板P430の姿勢は前端部の方が後端部よりも左右方向内側(左側)に位置するように上下方向の回転軸で小角度回転された姿勢とされているため、左側面に配設される第1発光部P431からの光は左斜め後ろ方向に進行されることとなり、ガラスユニットH16や、そのガラスユニットH16を通して視認される遊技領域および表示領域を明るく照らすための光量を確保できる。
また、右側面に配設される第1発光部P431からの光は右斜め前方向に進行し、前端側に配設される第2発光部P432からの光は正面枠P14の前面に垂直な方向ではなく、その方向よりも左右方向内側(左側)に傾斜した方向であって、正面枠P14の手前側に座る遊技者側に寄る方向に進行する。これにより、正面枠P14の枠周辺部の正面視における明るさを増強させることができる。
電飾基板P430の本体板部材P421への装着は、電飾基板P430の後端部を突設形成部P423と本体板部との間に差し込むように近づけ、当接させた後、電飾基板P430を本体板部に向けて近接させる(倒す)ようにすると、係合爪部P424が電飾基板P430により押進されることにより前方へ撓むように弾性変形される。更に電飾基板P430を本体板部に近接させ当接させると、係合爪部P424が電飾基板P430の前端部に係合され、係合爪部P424の弾性復帰により電飾基板P430が脱落不能に支持される。
電飾基板P430の本体板部材P421からの取り外し時には、係合爪部P424を前方に撓ませるようにすれば電飾基板P430の前端部を本体板部材P421から離間させることができ、電飾基板P430を抜き取ることができる。
このように、本実施形態では、電飾基板P430が本体板部材P421に係合により固定されており、固定のためのネジを要しない。これにより、組み付け工数を削減することができると共に、製品コストを低減させることができる。
また、電飾基板P430の照射面が向く方向が、左右に分割される基板支持部材)420、左側カバー部材P440及び右側カバー部材P460を締結する締結ネジの締結方向(左右方向)により制限されることを避けることができる。
本実施形態では、電飾基板P430の姿勢は前端部の方が後端部よりも左右方向内側(左側)に位置するように上下方向の回転軸で小角度回転された姿勢とされているため、左側面に配設される第1発光部P431からの光は左斜め後ろ方向に進行し、右側面に配設される第1発光部P431からの光は右斜め前方向に進行する。また、第2発光部P432からの光は正面枠P14の前面に垂直な方向ではなく、その方向よりも左右方向内側(左側)に傾斜した方向であって、正面枠P14の手前側に座る遊技者側に寄る方向に進行する。
電飾基板P430には左右両面に複数のLEDが配設されるが、左側面に配設されるLEDからの光は光通過部P425を通して左側カバー部材P440に照射される。これにより、視認される光の形状を任意に操作することができる。
即ち、単にLEDからの光を照射するだけの場合、光軸において視認される光の強度が最高であり、光軸から離れるにつれて視認される光の強度が低くなるため、点発光での視認がされ、遊技者にLEDの位置が把握され易くなるので、光演出としては物足りないものとなる。
これに対し、本実施形態では、光通過部P425が略一定の大きさの円形孔で構成されているので、光軸から離れる方向へ進行した光を円形孔の内周面で反射させて、光通過部P425の内方で視認させる。これにより、光通過部P425の内方で視認される光の強度を高めることができると共に、光通過部P425の外方では光を通過させないことから、左側カバー部材P440側から光が視認される箇所(左右方向視で光通過部P425の内方と重なる箇所)と光が視認されない箇所との明暗の差を大きくすることができる。
なお、光通過部P425は、貫通孔として構成されても良いし、本体板部材P421の外周部から凹設形成される凹設部として構成されても良い。また、内周面の形状は円形に限られるものではない。例えば、矩形状や他の多角形状でも良いし、星形状でも良いし、稲妻形状でも良い。
電飾基板P430は、LED等から構成され左右側面と垂直な方向に光を照射する複数の第1発光部P431と、LED等から構成され左右側面と平行な方向に光を照射する複数の第2発光部P432と、本体板部材P421の係合爪部P424が挿通される複数の係合孔P438と、を主に備える。
第1発光部P431は、主に電飾基板P430の内部領域に配設されており、第2発光部P432は、主に電飾基板P430の周縁部付近に配設される。例えば、本体板部材P421の光通過部P425の位置に対応して配設されるLEDは第1発光部で構成される。また、電飾基板P430の前縁部付近には第2発光部P432が配設されており、前方や斜め上方向に光が照射されることで、右側装飾ユニットP14cの前端部を明るく照らすことが可能となっている。
左側カバー部材P440は、有色(本実施形態では白色)で光透過性の樹脂材料から形成される本体構成部P441と、その本体構成部P441の内側(右側)に配設されており本体構成部P441に締結固定される内側構成部P442と、本体構成部P441の外側(左側)に配設されており本体構成部P441に締結固定される外側構成部P443と、本体構成部P441の外側(左側)に配設されており右側カバー部材P460に締結固定される連結構成部P444と、を主に備える。
内側構成部P442は、有色(本実施形態では青色)で光透過性の樹脂材料から形成されており、外側構成部P443は、有色(本実施形態では橙色)で非透過性の樹脂材料から形成されており、連結構成部P444は、有色(本実施形態では橙色)で非透過性の樹脂材料から形成されている。
このように、左側カバー部材P440は複数の色味の樹脂材料の組合せにより構成されていることから、視認される際の色のコントラストを際立たせることができ、内側からの光照射がされない位置においても演出効果を向上させることができる。
右側カバー部材P460は、有色(本実施形態では白色)で光透過性の樹脂材料から形成される本体構成部P461と、その本体構成部P461の上部外側(右側)に配設されており上面部が基板支持部材P420の上方を覆設する態様で本体構成部P461に締結固定される上側構成部P462と、本体構成部P461の中部外側(右側)に配設されており本体構成部P461に締結固定される中側構成部P463と、その中側構成部P463の内側(左側)に配設されており中側構成部P463と共に本体構成部P461に共締めされる内側構成部P464と、本体構成部P461の外側(右側)に配設されており連結構成部P444と共に本体構成部P461に締結固定される連結構成部P465と、連結構成部P444,P465に左右から挟まれる態様で支持される正面装飾構成部P466と、を主に備える。
本体構成部P461は、上側構成部P462に左右方向で貫通形成される貫通孔P462aに嵌合可能に突設形成される嵌合突部P461aと、本体枠P14d(図353参照)の正面側に配設される支持板部(図示せず)に挿通される締結ネジが螺入される被締結部P461bと、を主に備える。嵌合突部P461aを通って視認される光は、上側構成部P462の内方側を通して視認される。
上側構成部P462は、有色(本実施形態では橙色)で非透過性の樹脂材料から形成されており、中側構成部P463は、有色(本実施形態では橙色)で非透過性の樹脂材料から形成されており中心部に左右方向に貫通形成される開口部P463aを備え、その開口部P463aを通して視認可能とされる内側構成部P464は有色(本実施形態では青色)で光透過性の樹脂材料から形成されており、連結構成部P465は、有色(本実施形態では橙色)で非透過性の樹脂材料から形成されており、正面装飾構成部P466は、有色(本実施形態では青色)で透過性の樹脂材料から形成される。
このように、右側カバー部材P460は複数の色味の樹脂材料の組合せにより構成されていることから、視認される際の色のコントラストを際立たせることができ、内側からの光照射がされない位置においても演出効果を向上させることができる。
図375(a)は、基板支持部材P420の左側面図であり、図375(b)は基板支持部材P420の右側面図である。図375(b)では、説明の便宜のため、右側カバー部材P460の本体構成部P461の外形の一部が想像線で図示される。
本体板部材P421は、右面視において露出される傾斜面に形成される鏡面状の反射面部P428と、右側面に傾斜形成される樹脂傾斜形状部P429と、を備える。樹脂傾斜形状部P429は、電飾基板P430の右面側に配設される第2発光部P432のうちの上向きに光を照射する上向き第2発光部P432aと、電飾基板P430の左面側に配設される第2発光部P432のうちの上側へ向かうほど後ろへ傾く傾斜方向に光を照射する傾斜第2発光部P432bと、の照射方向に配置されており、それら上向き第2発光部P432aと傾斜第2発光部P432bとから照射された光を反射させる。
図376は、図375(b)のX47m-X47m線における基板支持部材P420、左側カバー部材P440及び右側カバー部材P460の部分断面図である。図376では、第2発光部P432から電飾基板P430の側面に平行な方向に照射された光が電飾基板P430の側面と対向配置される本体構成部P461に入射される仕組みを説明する。
図376に図示されるように、上向き第2発光部P432aおよび傾斜第2発光部P432bから上方へ向けて照射された光PX432は本体板部材P421の樹脂傾斜形状部P429に到達し、進行方向が屈曲される。
これにより、第2発光部P432から照射された光PX432が本体構成部P461に入射される。このように、電飾基板P430の外方において屈曲させた光PX432を入射させるように構成することで、本体構成部P461のように外形に深めの凹凸(ジグザグ)形状が形成される場合において、電飾基板P430をその凹凸に大きくは重ならない位置に配置しながらも、光PX432の入射は本体構成部P461の突設先端側(ジグザグの先端側)まで到達させることができる。
反射面部P428は電飾基板P430の左面側に配設される第2発光部P432のうちの特定第2発光部P432cの照射方向に配置されており、その特定第2発光部P432cから照射された光を反射させる。
図377は、図375(b)のX48m-X48m線における基板支持部材P420、左側カバー部材P440及び右側カバー部材P460の部分断面図である。図377では、第2発光部P432から電飾基板P430の側面に平行な方向に照射された光が電飾基板P430の側面と対向配置される本体構成部P461の嵌合突部P461aに入射される仕組みを説明する。
図377に図示されるように、特定第2発光部P432cから上方へ向けて照射された光PX432は本体板部材P421の反射面部P428に到達し、反射されることで進行方向が屈曲される。
これにより、第2発光部P432から照射された光PX432が本体構成部P461に入射される。このように、電飾基板P430の外方において屈曲させた光PX432を入射させるように構成することで、本体構成部P461のように外形に深めの凹凸(ジグザグ)形状が形成される場合において、電飾基板P430をその凹凸に大きくは重ならない位置に配置しながらも、光PX432の入射は本体構成部P461の突設先端側(ジグザグの先端側)まで到達させることができる。
更に、本体構成部P461の突設形状よりも外側において上側構成部P462に囲まれた領域に配置される嵌合突部P461aにまでも光PX432を進行させることができる。この位置に反射面部P428(鏡面)で反射させることで、電飾基板P430の外形の外側においても光の減衰を抑えながら強い光を視認させることができる。
次いで、図378から図389を参照して、上下皿ユニットP15について説明する。初めに、図378から図380を参照して、上下皿ユニットP15の全体構成について説明する。図378は、上下皿ユニットP15の正面図であり、図379は、上下皿ユニットP15の分解正面斜視図であり、図380は、上下皿ユニットP15の分解背面斜視図である。
図378から図380に示すように、上下皿ユニットP15は、本体枠P14d(図353参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材P510と、そのベース部材P510の正面側に配設される上皿形成部材P520及び操作ハンドルH51と、ベース部材P510及び上皿形成部材P520の正面側に配設される下皿形成部材P530と、上皿形成部材P520及び下皿形成部材P530の間に配設される操作ユニットP180と、その操作ユニットP180の下側においてベース部材P510に締結固定されるスピーカー組立体P900と、を主に備える。
ベース部材P510は、上下皿ユニットP15を本体枠P14d(図353参照)の正面側(矢印F方向側)に配設するための部材であり、正面視において本体枠P14dよりも左右方向(矢印L-R方向)に大きく形成されると共に、下方側の縁部が本体枠H14dよりも下方側に位置して配設される。即ち、左右側縁部および下方側縁部が後方に延設されており、その延設部分が本体枠P14dの左右側および下側の側面に被せられるように構成される。
上皿形成部材P520は、遊技領域に打ち出される球を貯留する上皿P17を上下皿ユニットの上部に形成するための部材であり、ベース部材P510の上方側の縁部に沿ってベース部材P510の正面側(矢印F方向側)に配設される。
操作ユニットP180は、上皿形成部材P520及び下皿形成部材P530の間に配設されると共に、遊技者に操作されるボタン部P181を上皿形成部材P520の上面よりも上方側に突出させた状態で配設される。
下皿形成部材P530は、上下皿ユニットP15の化粧面を構成する部材であり、正面視においてベース部材P510及び上皿形成部材P520を覆う位置に配設される。また、下皿形成部材P530は、下皿P50の貯留空間を形成する下皿構成ユニットP550と、その下皿構成ユニットP550に貯留された球を抜く球抜きユニットP560とを備える。
本体枠P14dへのベース部材P510の配設は、ベース部材P510に上皿形成部材P520、下皿形成部材P530、操作ユニットP180、及び、操作ハンドルH51を配設し、上下皿ユニットP15を組み立てた状態で取り付けられるが、これに限られるものではない。例えば、本体枠P14dに対して順番に取り付けられる部分があっても良い。
また、ベース部材P510は、本体枠P14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔P511と、上皿P17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部P513及び送球用球流出部P516と、下皿P50の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部P514と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔P517と、を主に備え、有色(本実形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
上皿用球流入部P513は、ベース部材P510(上下皿ユニットP15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図353参照)の前扉側上皿通路部H141から送球される球を上皿P17に流入させるための開口であり、前扉側上皿通路部H141と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。これにより、パチンコ機P10が遊技状態とされる際に通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141から送球される球を上皿P17に流入させることができる。
下皿用球流入部P514は、ベース部材P510(上下皿ユニットP15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図353参照)の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿P50に流入させるための開口であり、前扉側下皿通路部H142と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。これにより、パチンコ機P10が遊技状態とされる際に通路形成ユニットH140の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿P50に流入させることができる。
送球用球流出部P516は、ベース部材P510(上下皿ユニットP15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図353参照)を介して、上皿P17に貯留される球を発射位置送球ユニットH170に送球するための開口であり、発射位置送球ユニットH170の正面側開口H171と連通する位置に形成される。
また、送球用球流出部P516の下方には、送球用球流出部P516と同様にベース部材P510の前後方向に開口する排出用球流出部P518が形成される。排出用球流出部P518は、球排出レバーH54の操作により開放される開口であり、通路形成ユニットH140のファール球受口部H146(図354参照)に連通される。これにより、遊技者が球排出レバーH54を操作した際に、上皿P17に貯留した球を排出用球流出部P518を介して下皿P50に球を送球することができる。
締結孔P511は、ベース部材P510の背面側(矢印B方向側)に配設される本体枠P14d(図353参照)とベース部材P510とを締結固定するための螺子を螺入するための孔であり、本体枠P14dに形成される螺子挿通用の貫通孔と対応する位置に形成される。
また、一部の締結孔P511は、本体枠P14dの下部背面側(矢印B方向側)に締結固定される通路形成ユニットH140の背面側から本体枠P14dを介して挿通される螺子を螺入可能に形成される。即ち、通路形成ユニットH140を上下皿ユニットP15に締結可能に構成される。これにより、上下皿ユニットP15に対する通路形成ユニットH140の位置ずれを抑え、上皿用球流入部P513に対する前扉側上皿通路部H141の連通状態と、下皿用球流入部P514に対する前扉側下皿通路部H142の連通状態とを安定させることができる。その結果、通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141から上皿P17への球の流入、及び、前扉側下皿通路部H142から下皿P50への球の流入を安定させることができる。
なお、ベース部材H510への通路形成ユニットH140の配設は、上下皿ユニットH15が組み立てられた状態で行われるものとして構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下皿ユニットH15の組立前に事前に実行されても良い。
また、ベース部材P510には、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に配設される上皿形成部材P520、下皿形成部材P530、操作ユニットP180、スピーカー組立体P900、及び、操作ハンドルH51を締結するための螺子を挿通するための貫通孔(図示せず)が、上皿形成部材P520、下皿形成部材P530、操作ユニットP180、スピーカー組立体P900、及び、操作ハンドルH51のそれぞれに形成されるねじ穴と対応する位置に形成される。これにより、ベース部材P510に上皿形成部材P520、下皿形成部材P530、操作ユニットP180、スピーカー組立体P900、及び、操作ハンドルH51を締結固定できる。
次いで、上皿形成部材P520について説明する。上皿形成部材P520は、ベース部材P510との対向間に上皿P17の貯留空間を形成する部材であり、ベース部材P510側(背面側(矢印B方向側))から正面側(矢印F方向側)に向かって接触可能部として上方に湾曲するお椀型に形成され(図379参照)、背面側がベース部材P510に当接した状態でベース部材P510に配設される。これにより、上皿形成部材P520とベース部材P510とで上方側が開口された空間(上皿P17の貯留領域)が形成される。
また、上皿形成部材P520は、正面側(矢印F方向側)の一部がベース部材P510の上皿用球流入部P513の正面側に重なる位置に形成されており、上皿用球流入部P513を介して通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141からベース部材P510の正面側に送球される球を上皿形成部材P520に当接させて(受け止めさせて)上皿P17の貯留空間に貯留できるように構成される。
なお、上皿形成部材P520は、上皿P17に貯留される遊技球を正面視において右側(矢印R方向側)に1球ずつ流下可能に構成されており、これにより、ベース部材P510(上下皿ユニットP15)の背面側(矢印B方向側)に配設される発射位置送球ユニットH170(図353参照)に1球ずつ球を送球することができる。
また、上皿形成部材P520は、正面視における右側(矢印R方向側)の上面に機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を備え、パチンコ機P10の正面側(矢印F方向側)から遊技者が機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を操作可能とされる。
なお、本実施形態では、図379及び図380においてベース部材P510から離間配置した状態が図示される機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54がユニットとして構成されており、上皿形成部材P520の1箇所にまとまって構成されるので、遊技者に各操作部を探す手間を省かせることができる。また、機能調整操作部H190及び貸球操作部H40がまとまって構成されるので、それら機能調整操作部H190及び貸球操作部H40に繋がる配線を一か所にまとめることができ、配線作業を簡易にできる。
次いで、図381から図383を参照して下皿形成部材P530について説明する。図381(a)は、下皿形成部材P530の正面図であり、図381(b)は、下皿形成部材P530の背面図であり、図382は、下皿形成部材P530の分解正面斜視図であり、図383は、下皿形成部材P530の分解背面斜視図である。
図381から図383に示すように、下皿形成部材P530は、ベース部材P510及び上皿形成部材P520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットP15の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットP540と、下皿P50を構成する下皿構成ユニットP550と、下皿P50に貯留される球を排出するための球抜きユニットP560と、を主に備えて形成される。
化粧ユニットP540は、ベース部材P510に締結固定される第1化粧部材P541と、第1化粧部材P541の正面側に配設され第1化粧部材P541と共に上下皿ユニットP15の化粧面を形成する第2化粧部材P542と、第1化粧部材P541を第2化粧部材P542との間に挟み込むようにして第1化粧部材P541の背面側に配設される第3化粧部材P543と、第2化粧部材P542の左側においてベース部材P541に締結固定される第4化粧部材P544と、その第4化粧部材P544よりも下側においてベース部材P541の背面側に配設されベース部材P541に締結固定される第5化粧部材P545と、を主に備える。
第1化粧部材P541は、正面側(矢印F方向側)が凸状に湾曲するように形成され、正面側の化粧面の一部に開口する第1開口部P541aの下縁部が上皿形成部材P520の正面側の外縁と当接する形状に形成されると共に、下端がベース部材P510の正面と当接する形状に形成される。また、第1化粧部材P541は、上下方向に開口形成される第2開口部P541bを備え、全体が有色(黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。
第1開口部P541aは、下皿P50の貯留領域に正面側(矢印F方向側)からのアクセスを可能にするための開口であり、遊技者の手が挿入可能な大きさに形成される。また、第1開口部P541aの背面側(矢印B方向側)には、下皿P50を構成するための下皿構成ユニットP550が配設される。
第2開口部P541bは、下皿P50の貯留領域に貯留される球を排出するための球抜きユニットP560を配設するための開口であり、下皿P50の貯留領域の下方側に形成される。また、第2開口部P541bは、球抜きユニットP560を内側に収容可能な大きさに形成される。なお、球抜きユニットP560の詳細な構成については後述する。
第2化粧部材P542は、第1化粧部材P541の上縁構成部と、第1開口部P541aが形成されていない右側部との正面側の化粧面を形成する部材であり、鉤爪状の第1係合部P542a及び第2係合部P542bが第1化粧部材P541の第1係合孔部P541c及び第2係合孔部P541dに係合された状態で第1化粧部材P541に締結固定される。
第1係合部P542aは、第1係合孔部P541cが開口部として形成されていることから、鉤爪部を第1係合孔部P541cの背面側で引っかけることで第2化粧部材P542の抜け止めを図ることができる。
これに対し、第2係合部P542bが係合される第2係合孔部P541dは非貫通の凹部として構成されており、第1化粧部材P541に対する第2化粧部材P542の位置決めを行うことができる。
また、第2化粧部材P542は、全体が有色(橙色)の非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、第1化粧部材P541とのコントラストを付け、正面視での意匠を鮮やかなものとすることができる。
第3化粧部材P543は、操作ユニットP180の右側における隙間領域を塞ぐ形状から形成され、全体が第2化粧部材P542と同様に有色(橙色)の非透過性の樹脂材料から形成される。前縁部が第1化粧部材P541の上側に被さるよう形成されており、上面視で第2化粧部材P542と隙間なくつながって視認される(一体的に視認させる)ことができる。
第4化粧部材P544は、全体が有色(白色)の非透過性の樹脂材料から形成され、第2化粧部材P542の第2係合部P542bに左端被係合部P544aが係合された状態で第1化粧部材P541に締結固定される。
第5化粧部材P545は、全体が有色(橙色)の非透過性の樹脂材料から形成され、第1化粧部材P541の第1開口部P541aの下側の領域に貫通形成される意匠開口P541eに背面側から嵌合される意匠模様部P545aを備えており、第1化粧部材P541に締結固定される。
また、第1化粧部材P541は、ベース部材P510のベース側保持孔P517に対応して開口形成される対応保持孔P541fを備える。対応保持孔P541fは、ベース側保持孔P517と同様に、シリンダ錠H20が内側に配設される貫通孔として形成される。これにより、パチンコ機P10では、シリンダ錠H20がベース側保持孔P517及び対応保持孔P541fを通って前方に露出されることとなり、枠状閉鎖部である正面枠P14が閉鎖された状態(図349参照)において、シリンダ錠H20に対して前方から施錠や解錠の操作が可能となる。
なお、本実施形態では、第1化粧部材P541~第5化粧部材P545を非透過性の材料から形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、いずれかの部材を透過性の材料から形成しても良いし、例えば、第1化粧部材P541~第5化粧部材P545を透過性の材料から形成することも可能である。この場合、上下皿ユニットP15の光の透過領域を増やすことができるので、光による演出態様を増やすことができる。その結果、遊技者に与える興趣を向上させやすくできる。
下皿構成ユニットP550は、下皿P50の底面を形成する底面部P553と、その底面部P553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁P554と、底面部P553の外側であって正面側側壁P554に連なって形成される連結部P555と、を主に備える。
底面部P553は、下皿P50に貯留される遊技球を支持する支持面であり、その一部に上下方向(矢印U-D方向)に開口する底面口P553aが形成される。また、底面部P553は、上面が底面口P553aに向かって下降傾斜する形状に形成されており、球抜きレバーP52の操作により底面口P553aが開放された際に、下皿P50に貯留された球を底面口P553aに向かって転動可能とされる。
正面側側壁P554は、下皿P50の正面側(矢印F方向側)の側面を形成する部分であり、第1化粧部材P541の背面に沿って形成されると共に、第1開口部P541aの開口縁に上端が沿う形状に形成される。また、正面側側壁P554は、底面部P553から上方に向かって少なくとも遊技球の2球分の直径よりも高く立設される。これにより、下皿P50の貯留領域に貯留される遊技球を積み重ねて保持することが可能とされる。
連結部P555は、一定の板厚で前後方向に延びる板状で下側構成ユニットP550の下縁に沿って右方に延設される。連結部P555の前面側において上方にフランジ形状で形成される部分に貫通形成される貫通孔P555aを通して下側構成ユニットP550が第1化粧部材P541に締結固定され、更に、背面側に形成される締結部P555bに本体枠P14dに挿通される締結ネジが螺入されることで、本体枠P14dに下側構成ユニットP550が締結固定される。
球抜きユニットP560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材P561と、その収容部材P561の内側に配設されるスライド板P562と、そのスライド板P562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材P561の外側に配置される球抜きレバーP52と、スライド板P562及び球抜きレバーP52を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、を主に備える。
収容部材P561は、第1化粧部材P541の第2開口部P541bの内側に収容可能な大きさに形成され、第2開口部P541bの上方に配設される下皿構成ユニットP550の下方側に隣り合う状態で配設される。また、収容部材P561は、箱状に形成される内部に後述するスライド板P562の変位を案内する案内機構を備えており、その案内機構によりスライド板P562の変位方向が一方向(本実施形態では左右方向)に規定される。
スライド板P562は、底面部P553の底面口P553aの開口よりも大きい板状に形成され、底面口P553aの下側縁部を塞ぐ閉塞位置と、その閉塞位置から変位して底面口P553aを開放する開放位置とに変位可能に形成される。スライド板P562が閉塞位置に配置される場合には、下皿P50の貯留領域に球を貯留可能な状態とされ、スライド板P562が開放位置に配置される場合には、下皿P50の貯留領域にある球を底面口P553aから払い出す状態とされる。なお、収容部材P561には、スライド板P562を開放位置に配置した場合に、球を下方に挿通させるための排出口が底面口P553aと対応する位置に形成される。
球抜きレバーP52は、下皿P50に貯留された球を下方へ排出する際に遊技者が操作するためのレバーであり、スライド板P562に連なって形成される。この球抜きレバーP52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、スライド板P562が閉鎖位置から開放位置に変位される。
次いで、図384から図389を参照して、操作ユニットP180について説明する。初めに、図384、図385、図386及び図36を参照して、操作ユニットP180の全体構成について説明する。
図384及び図385は、操作ユニットP180の分解正面斜視図であり、図386及び図387は、操作ユニットP180の分解背面斜視図である。なお、図384及び図386では、操作ユニットP180のうち操作構成部P710、案内構成部P720及び覆設カバーP740の分解図が図示され、図385及び図387では、操作ユニットのうち、案内構成部P720が組み立てられた状態で図示されると共に、操作構成部P710、下側構成部P750、下側収容部P760及び振動構成部P770の分解図が図示される。図384、図385、図386及び図387に示すように、操作ユニットP180は、上面にボタン部P181を有する操作構成部P710と、その操作構成部P710を直線方向(上下方向と交差する方向)に変位可能に案内する案内構成部P720と、案内構成部P720の上側におけるボタン部P181を除く領域に覆設される覆設カバーP740と、案内構成部P720の下側に配設され操作構成部P710に対してバネ弾性による反力を与える下側構成部P750と、その下側構成部P750を案内構成部P720との間に収容可能に中心部が凹設形成される下側収容部P760と、下側収容部P750の下側に配設される振動構成部P770と、を主に備える。
操作構成部P710は、ボタン部P181の操作面を構成する略六角形状の上面部P711と、その上面部P711の周囲から環状に下方に延設される環状延設部P712と、その環状延設部P712の延設先端から六角形を形成する各辺の半分程度の幅で延設される延設板部P713と、その延設板部P713の一部から更に延設される箇所に下側構成部P750との係合のために開口形成される係合開口部P714と、を主に備える。
操作構成部P710は、有色(本実施形態では黒色)で光透過性の樹脂材料から形成されているので、内部から光が照射されていない場合においては上面部P711の裏面側が視認し難くなっている。これにより、内部からの光照射が有る場合と、無い場合との視認態様の違いを大きくすることができる。
案内構成部P720は、上下に厚みを有し上下方向に複数の貫通孔が形成される案内ベース構成部P721と、その案内ベース構成部P721の形状に合わせて形成されており案内ベース構成部P721の下面に上面が当接される電飾基板P722と、案内ベース構成部P721の上面側に配置されており下方に延設される複数の棒状部P723aが案内ベース構成部P721及び電飾基板P722を貫通することにより位置合わせが可能に構成される内部意匠部材P723と、電飾基板P722の下側に配設されており挿通孔P724aに挿通される締結ネジが棒状部P723aの先端側に形成される雌ネジに螺入されることにより案内ベース構成部P721、電飾基板P722及び内部意匠部材P723と固定可能に構成される固定部材P724と、を主に備える。
案内ベース構成部P721は、有色(本実施形態では白色)で非透過性の樹脂材料から形成されており、貫通孔として、中央部において上面視で左右に長い矩形状の中央貫通孔P721aと、上面視で内部意匠部材P723の外形を一回り小さくしたライン形状に沿って形成される対応貫通孔P721bと、操作構成部P710の環状延設部P712の形状に対応して上側から凹設形成される凹設部の底面において延設板部P713が挿通可能な大きさで形成される変位案内貫通孔P721cと、その変位案内貫通孔P721cの外周側において貫通形成される上面視でライン形状の外周側貫通孔P721dと、その外周側貫通孔P721dの左右外側に並んでおり上面視で前後方向に長いライン形状の縦縞貫通孔P721eと、内部意匠部材P723の棒状部P723aが挿通可能となる位置に貫通形成される位置合わせ貫通孔P721fと、を主に備える。
中央貫通孔P721a、対応貫通孔P721b、外周側貫通孔P721d及び縦縞貫通孔P721eは、下面側へ向かうほど長手方向が短くなるテーパとなっており、下面側の開口部は電飾基板P722の対応する発光部P722aと対向配置される。そのため、対応する発光部P722aからの光は、テーパ形状を逆方向に進行する際に光軸に対して傾斜する方向の光が内面で反射されることにより、中央貫通孔P721a、対応貫通孔P721b、外周側貫通孔P721d及び縦縞貫通孔P721eの上面開口側のライン形状の領域を均一に照らす。
電飾基板P722は、上面に配設される複数のLEDにより構成される発光部P722aと、案内ベース構成部P721の変位案内貫通孔P721cと連通する位置において貫通形成される第1連通孔P722bと、案内ベース構成部P721の位置合わせ貫通孔P721fと連通する位置において貫通形成される第2連通孔P722cと、下面に配設され検出溝を下方へ向ける検出センサP722dと、を主に備える。
発光部P722aは、案内ベース構成部P721の中央貫通孔P721a、対応貫通孔P721b、外周側貫通孔P721d及び縦縞貫通孔P721eに対応する位置に点在されており、照射した光が案内ベース構成部P721の中央貫通孔P721a、対応貫通孔P721b、外周側貫通孔P721d及び縦縞貫通孔P721eを通して遊技者に視認させる。
第1連通孔P722bは、案内ベース構成部P721の変位案内貫通孔P721cと共に操作構成部P710の延設板部P713を変位可能に支持するものであって、操作構成部P710の変位を直線方向に緩く案内する。
第2連通孔P722cは、案内ベース構成部P721の位置合わせ貫通孔P721fと共に内部意匠部材P723の棒状部P723aを受け入れるものであって、これにより案内ベース構成部P721に対して電飾基板P722が適切に位置合わせされる。
内部意匠部材P723は、有色(本実施形態では黒色)で光透過性の樹脂材料から形成されており、操作構成部P710の内側形状よりも一回り小さな略六角形状に形成されており、裏面側にシボ加工が形成され、上面に意匠(本実施形態では「PUSH」の文字)が施される。
これにより、内部意匠部材P723に電飾基板P722の発光部P722aから光が照射された場合における光を面発光させることができるので、光を操作構成部P710の上面部P711において均一に透過させることができると共に、内部意匠部材P723に施される意匠を鮮やかに視認させることができる。
固定部材P724は、内部意匠部材P723の棒状部P723aに対応して締結ネジが挿通可能に構成される挿通孔P724aと、下面から垂直に突設される複数の金属棒部P724bと、下面から垂直に円柱状に突設され突設先端部に雌ネジが形成される複数の被締結突設部P724cと、電飾基板P722の検出センサP722dに対応する位置に貫通形成され検出センサP722dを露出させる露出開口部P724dと、を主に備える。
挿通孔P724aに挿通される締結ネジが内部意匠部材P723の棒状部P723aに締結固定されることで、案内構成部P720の各構成(案内ベース構成部P721、電飾基板P722、内部意匠部材P723及び固定部材P724)が一体的に固定される。
金属棒部P724bは、下側構成部P750の変位を案内することで、間接的に操作構成部P710の変位を案内可能に構成される。被締結突設部P724cは、下側構成部P750を貫通するように構成され、その先端部において下側収容部P760に挿通された締結ネジが螺入されることで、下側収容部P760に締結固定される。これにより、案内構成部P720が下側収容部P760に変位不能に固定される。
覆設カバーP740は、有色(本実施形態では黒色)で非透過性の樹脂材料から形成される範囲形成部材P741と、その範囲形成部材P741の上面側に覆設されるカバー部材P742と、を主に備える。
範囲形成部材P741は、変位案内貫通孔P721cよりも外周側を覆うように中央部が開口形成される上面部P741aと、その上面部P741aの前縁部から案内ベース構成部P721の前面側を覆う形状で下方に延設される前垂れ部P741bと、点在する複数の貫通孔P741cと、を主に備える。
貫通孔P741cは、案内ベース構成部P721の外周側貫通孔P721d及び縦縞貫通孔P721eに対応する位置(上下方向視で重なる位置)において貫通形成される。これにより覆設カバーP740に裏側から光が照射された場合において貫通孔P741cの内方側で光が視認されるように、光の視認可能範囲を仕切ることができる。
カバー部材P742は、有色(本実施形態では黒色)で光透過性の樹脂材料から形成されており、変位案内貫通孔P721cよりも外周側を覆うように中央部が開口形成される上面部P742aと、その上面部P742aの前縁部から範囲形成部材P741の前垂れ部P741bの前面側を覆う形状で下方に延設される前垂れ部P742bと、を主に備える。
上面部P742aは、裏面にシボ加工が形成される。これにより、貫通孔P741cを通過して照射された光を面発光させることができるので、上面部P742aを介して、貫通孔P741に対応した形状の光を遊技者に視認させることができる。
下側構成部P750は、操作構成部P710の上面部に対応する略六角形状の板状部材から形成される底板部材P751と、その底板部材P751の内側において案内構成部P720の金属棒部P724bに挿通される複数の摺動カラー部材P758と、金属棒部P724bと同心で底板部材P751の下面側に配設される複数のコイルスプリングP750SPと、を主に備える。
底板部材P751は、外側面における操作構成部P710の係合開口部P714に対応する位置から突設形成される複数の係合突部P752と、摺動カラー部材P758の外周面と摺動可能な内周寸法で貫通形成される複数の摺動部P753と、案内構成部P720の被締結突設部P724cが挿通可能に貫通形成される複数の挿通孔P754と、上面部の中心側において上方へ向けて突設形成される被検出部P755と、下面部の後側領域において傾斜形成される振動受面部P756と、を主に備える。
係合突部P752は、係合開口部P714に操作構成部P710の内方から係合される。係合時、即ち底板部材P751を操作構成部P710の開放側(下側)から近づけて嵌め合わせる時、係合凸部P752が延設先端側から当接することにより延設板部P713が外方側に弾性変形されることで底板部材P751が操作構成部P710の内方側に進入可能とされ、係合突部P752が係合開口部P714の内側に達すると延設板部P713が弾性復帰されることにより操作構成部P710に底板部材P751が嵌合され、合体されることで一体的に動作可能とされる。
摺動部P753は、内周側の貫通孔が摺動カラー部材P758の外周の直径よりも若干大きな直径で貫通形成されており、その貫通孔を内径側とする筒状部が底板部材P751の下面から突設形成される形状とされる。
この摺動部P753の筒状部がコイルスプリングP750SPの上端部内側に入り込む。これにより、コイルスプリングP750SPの伸縮変形を金属棒部P724bに沿った直線方向の変形とすることができ、コイルスプリングP750SPから弾性力を効率的に発生させることができる。
被検出部P755は、案内構成部P720の検出センサP722dの検出溝に進入可能な配置および形状から形成される。被検出部P755は、コイルスプリングP750SPの付勢力により底板部材P751が変位可能範囲の上端側に位置している場合には検出センサP722dの検出溝に進入し、付勢力に反して操作構成部P710が押し下げられた場合に検出センサP722dの検出溝から退避する。
振動受面部P756は、下側収容部P760に下方から閉塞されることなく露出される位置に配置されており、下側収容部P760の下面側に配設される振動構成部P770と直接的に当接可能に構成される。
下側収容部P760は、無色で光透過性の樹脂材料から形成され、上面側から円形に凹設形成されており内方側に金属棒部P724bが挿通される貫通孔が形成される凹設支持部P761と、案内構成部P720の被締結突設部P724cに螺入される締結ネジが挿通される挿通孔P762と、操作構成部P710の下部が露出される後側貫通孔P763と、案内構成部P720の左右側部が締結固定される一対の左右支持部P764と、下面側に一体形成されており振動構成部P770の上側受部を構成する一体形成部P766と、を主に備える。
凹設支持部P761には、コイルスプリングP750SPが下端を進入させる態様で支持される。挿通孔P762に挿通される締結ネジにより案内構成部P720と下側収容部P760とが締結固定される。この締結固定された状態において被締結突設部P724cの突設長さ分の空間が案内構成部P720と下側収容部P760との上下隙間として構成され、この空間が底板部材P751の変位可能領域として構成される。
左右支持部P764は、電飾基板P722の下側に配設され、案内ベース構成部P721との間に電飾基板P722を収容可能となるように外周側において延設部P765が上方に延設されており、この延設部P765の上端面が案内ベース構成部P721の下面と当接する。
一体形成部P766は、後側貫通孔P763の前方側に配設され、下側に開放される逆U字形状で形成され左右に並べられる一対の支持受部P766aを備えており、この一体形成部P766に対応する位置において振動構成部P770が下側収容部P760に締結固定される。
振動構成部P770は、駆動軸に錘部材P771aが固定されるモータ装置P771と、開放されている上方部からモータ装置P771を受け入れ可能とされておりモータ装置P771の本体部が内部に固定された状態で錘部材P771aに対しては接触しないようにカバー部が構成されるモータ支持部材P772と、そのモータ支持部材P772の上方部を閉塞可能に構成されモータ支持部材P772に締結固定される閉塞蓋部材P773と、開放されている上方部から支持部材P772を受け入れ可能とされており一体形成部P766に対応する位置で下側収容部P760に締結固定される振動支持部材P774と、を主に備える。
モータ支持部材P772は、左右方向に突設される円柱部P772aを軸として回転可能に支持される樹脂製でリング形状のカラー部材P772bを備える。カラー部材P772bの外形は、支持受部P766aのU字形状の内側に進入された場合に若干の隙間が空く程度の寸法とされる。
これにより、カラー部材P772bを支持受部P766aに下側から進入させることができる。この進入させた状態において、振動支持部材P774に形成されるU字形状の支持受部P774aがカラー部材P772bを内側に進入させる態様で接近し、この支持受部P774aによりカラー部材P772bの下方への脱落が防止される。
このように構成されることにより、振動支持部材P774が下側収容部P760に締結固定された状態において、モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773により構成されるユニットは、円柱部P772a及びカラー部材P772bを中心として回転動作可能な状態で下側収容部P760及び振動支持部材P774に支持される。
閉塞蓋部材P773は、上面側おいて前方へ向かうほど下降傾斜する傾斜面P773aを備える。傾斜面P773aは、組立状態において下側収容部P760の後側貫通孔P763に対応する位置に形成される。
図388(a)、図388(b)、図389(a)及び図389(b)は、図378のX49m-X49m線における上下皿ユニットP15の部分断面図である。図388(a)及び図388(b)では、操作構成部P710及び下側構成部P750が、コイルスプリングP750SPの付勢力により変位可能範囲の上端位置に配置された状態が図示され、図389(a)及び図389(b)では、操作構成部P710及び下側構成部P750が押し込み操作されることにより、コイルスプリングP750SPの付勢力に抗して押し下げられ、変位可能範囲の下端位置に配置された状態が図示される。
図388(a)及び図389(a)では、モータ装置P771(モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773のユニット)の後端側(回転先端側)が振動支持部材P774の底部上面に当接して支持される状態(下端状態)が図示され、図388(b)では、モータ装置P771が駆動され回転される錘部材P771aによる遠心力によりモータ装置P771(モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773のユニット)の後端側(回転先端側)が振動支持部材P774から離間する場合において離間幅が最大となる状態(上端状態)が図示される。
図389(b)に図示されるモータ装置P771(モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773のユニット)の後端側(回転先端側)の状態は、図388(b)に樹脂される上端状態とは異なる。
即ち、図388(b)では、下端状態からのモータ装置P771(モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773のユニット)の回転動作角度が最大角度PA770aとされる一方で、図389(b)では、下端状態からのモータ装置P771(モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773のユニット)の回転動作角度が中間角度PA770bとなっており、その中間角度PA770bは最大角度PA770aよりも小さい。
図388(a)及び図388(b)に図示されるように、操作構成部P710が上端位置とされている場合、振動構成部P770が駆動されたとしても、傾斜面P773aは下側構成部P750の振動受面部P756に直接的に当接はしない(隙間が生じる)。
同様に、図389(a)で図示されるように、操作構成部P710が下端位置とされている場合において振動構成部P770が下端状態であると傾斜面P773aは下側構成部P750の振動受面部P756に直接的に当接はしない(隙間が生じる)。
一方で、図389(b)に図示されるように、操作構成部P710が下端位置とされている場合において、振動構成部P770の駆動による回転動作により振動構成部P770の状態が下端状態から変化すると、傾斜面P773aは下側構成部P750の振動受面部P756に直接的に当接し得る。
即ち、振動構成部P770が上端状態までならずとも、図389(b)に図示されるように中間状態まで変化することにより、傾斜面P773aは下側構成部P750の振動受面部P756に直接的に当接することになる。
振動構成部P770が中間状態で下側構成部P750に当接した場合、上端状態に変化する側(上側)へ向けてモータ装置P771(モータ装置P771、モータ支持部材P772及び閉塞蓋部材P773のユニット)を動作させるための駆動力が高い振動数の力として下側構成部P750を介して操作構成部P710へ伝達されることになるので、モータ装置P771の駆動力に基づいて、操作構成部P710を上方向側に移動させることができる。
図379及び図380に戻って説明する。スピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)の後方において遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体P900が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機P10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
スピーカー組立体P900は、前後の部材が組み付けられることにより内部空間を構成する筐体P910と、その筐体P910の前面に円形の開口として構成される正面開口P911に振動膜が配置されるスピーカーユニットP920と、を主に備える。
筐体P910は、正面開口P911と、上面のうちの前側部を構成する左右に長い帯形状の帯形状部P912と、その帯形状部P912よりも後方において帯形状部P912よりも一段低い上面を構成する低段面部P913と、正面開口P911よりも直径の短い円形の開口部として構成されており、スピーカーユニットP920の背面側と空間が連通されることでスピーカーユニットP920の背圧を通すことができるバフレスポートP914と、を主に備える。
スピーカーユニットP920は、図388(a)に図示されるように、電気の入力により振動を生じさせるボイスコイルP921と、そのボイスコイルP921の振動により振動されるコーン形状の振動膜P922と、を主に備える。
スピーカー組立体P900は、操作ユニットP180よりも下側かつ後方側に配置されている。これにより、操作ユニットP180とスピーカー組立体P900とを近接配置させる態様であっても、操作ユニットP180をより目立たせることができ、操作ユニットP180への注目力を向上させることができる。
スピーカー組立体P900は帯形状部P912の前端部が第1化粧部材P541と直接的に接している。また、振動構成部P770が締結固定される下側収容部P760は覆設カバーP740と共に第1化粧部材P541と間接的に接している。
従って、スピーカー組立体P900で振動が発生した場合も、振動構成部P770で振動が発生した場合も、第1化粧部材P541を介した振動伝達が可能であって、第1化粧部材P541に近接配置されている覆設カバーP740を介して操作構成部P710を振動させることができる。
そのため、第1化粧部材P541が介在されることで、振動構成部P770で発生した振動をスピーカー組立体P900に伝達させることができる。これにより、スピーカー組立体P900から発生される音声が同じ場合であっても、振動構成部P770の振動が生じているか否かにより、音声の聞こえ方を変化させることができ、音声出力による演出の演出効果を向上させることができる。
また、第1化粧部材P541が介在されることで、スピーカー組立体P900で発生した振動を振動構成部P770に伝達させることができる。これにより、振動構成部P770の駆動態様が同じ場合であっても、スピーカー組立体P900の振動が生じているか否かにより、振動構成部P770の動作態様(振動態様)を変化させることができ、操作構成部P710を押し込み操作した遊技者に伝達される振動による演出の演出効果を向上させることができる。
操作構成部P710に伝達される振動の発生源を、遊技者は視認により把握することが困難とされる。一方、振動構成部P770で振動が生じている場合、遊技者が操作構成部P710を押し込み操作すると、操作構成部P710と一体的に構成される下側構成部P750に対して閉塞蓋部材P773が直接的に衝突するため、スピーカー組立体P900の振動態様(膜振動)とは異なる態様の力が操作構成部P710を介して遊技者に伝達される。
これにより、遊技者は、操作構成部P710を押し込み操作することで、第1化粧部材P541を介して伝達される振動がスピーカー組立体P900の振動によるものなのか、振動構成部P770の振動によるものなのかを把握することができる。
この場合において、抽選に係る変動の大当たり期待度が高い場合に振動構成部P770での振動が生じ易いように制御される場合、操作構成部P710の押し込み操作に対する操作意欲を向上させることができる。
次いで、図390から図392を参照し、第61実施形態における上側装飾ユニットP3014aについて説明する。上記第60実施形態では、上側装飾ユニットP14aを脱着する際に操作される操作部P322aが上側装飾ユニットP14aの背面側においてのみ露出されていることから正面枠P14の開放状態においてのみ操作可能とされる場合を説明したが、第61実施形態では、上側装飾ユニットP3014aから露出される回転伝達部材P3385が正面枠P14の開放状態のみではなく閉鎖状態においても操作可能となる位置に配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図390は、第61実施形態における上側装飾ユニットP3014aの正面図であり、図391は、上側装飾ユニットP3014aの分解背面斜視図である。図390及び図391に図示されるように、上側装飾ユニットP3014aは、第60実施形態で上述したベースユニットP301に、化粧ユニットP3302が取り付け可能に構成される。
化粧ユニットP3302は、係止棒部材P380と同様の先端側形状とされながらベース部材P3350の後側部に回転動作可能に支持される係止回転棒P3380と、その係止回転棒P3380の上側においてベース部材P3350に回転動作可能に支持されており、回転動作に基づいて係止回転棒P3380を連動して回転させる回転伝達部材P3385と、正面側に張り出し形成され遊技者が回転動作方向の操作を可能に構成される演出レバーP3390と、を主に備える。
回転伝達部材P3385は、ベース部材P3350の内部に回転可能に支持される前後方向に延びる回転軸で回転動作可能とされており、係止回転棒P3380と対向する側に係止回転棒P3380と歯合する伝達ギア歯が形成され、ギア比が3:1の関係で構成される。即ち、回転伝達部材P3385の回転角度の3倍の回転角度で係止回転棒P3380が回転動作される。
回転伝達部材P3385は、大部分がベース部材P3350の上面よりも下側に位置し、遮蔽されているが、一部がベース部材P3350の上面から露出しており、この露出した部分に回転方向の力を加えることで、回転伝達部材P3385を回転動作させることができる。
図392(a)及び図392(b)は、図361(a)のX41a-X41a線に対応する平面における上側装飾ユニットP3014aの断面図である。図392(a)では、係止回転棒P3380が図391に図示されるのと同様の姿勢とされており、図392(b)では、係止回転棒P3380が180度回転された状態が図示される。
図392(a)及び図392(b)に図示されるように、係止回転棒P3380は回転軸P3384によりベース部材P3350に対する前後方向への移動がフランジにより防止されており、係止回転棒P3380が回転軸P3384を中心として180度回転されることにより、被操作部材P322がスライド移動され、係止回転棒P3380と金属板部P322eとの係合が解除されることから、回転伝達部材P3385を回転軸中心で回転動作させることにより係止回転棒P3380と金属板部P322eとの係合を解除させることができる。
図391に図示されるように、係止回転棒P3380が切替構成部P320の金属板部P322e(図364参照)と係合する姿勢となっている場合、回転伝達部材P3385には目印となる切り欠き凹部P3386が形成されており、この切り欠き凹部P3386がベース部材P3350上面に切り欠き形成される目印部P3358と合致する。
したがって、組み付け作業を行う作業者は、回転伝達部材P3385の切り欠き凹部P3386が目印部P3358と合致していることを確認することで、係止回転棒P3380が切替構成部P320の金属板部P322e(図364参照)と係合する姿勢となっていることを把握することができる。
上側装飾ユニットP3014aでは、第60実施形態で被操作部材P322の操作部P322aが直線方向にスライド操作されることから、構成を簡易とするとともに操作内容も簡易となっており作業者が操作に悩むことを回避できたものと異なり、回転伝達部材P3385が回転動作される。
回転伝達部材P3385が回転動作されることから、姿勢違いによる状態の違いを把握し易くされており、作業者が、操作量が不十分な状態で作業を終える事態が生じることを避け易くすることができる。
上側装飾ユニットP3014aでは、第60実施形態で被操作部材P322の操作部P322aが露出しておらず、誤操作の防止を図ることができたものと異なり、操作部としての回転伝達部材P3385が露出している。
回転伝達部材P3385が前側から視認可能であって、前側から操作可能とされる。回転伝達部材P3385は操作により視認態様が変化されるよう構成されており、露出される回転伝達部材P3385を視認すれば切替構成部P320の状態を把握することができる。
なお、回転伝達部材P3385は、前側傾斜部P355の上端部よりも下側に位置されるので、遊技者目線では、前側傾斜部P355により隠されることで、回転伝達部材P3385は見えず、注目させることはない。
上側装飾ユニットP3014aでは、第60実施形態で被操作部材P322の操作部P322aが樹脂材料から形成されており、量産性に優れていたものと異なり、回転伝達部材P3385が金属材料から形成される。これにより、操作部が丈夫であり、遊技者が触れたり引っ張ったりし得る外部に配置しても、容易には破損させないようにすることができる。
上側装飾ユニットP3014aでは、第60実施形態で化粧ユニットP302の係止棒部材P380と係合する被操作部材P322に操作部P322aが一体成形されることから、構造を簡単とすることができ、動作不良を回避し易くできたものと異なり、操作部としての回転伝達部材P3385が、係止回転棒P380との係合部である被操作部材P322とは別体で構成される。このように別体で構成されることから、操作部としての回転伝達部材P3385が破損した場合であっても、係止回転棒P380との係合部である被操作部材P322ごと交換することを不要とし、操作部としての回転伝達部材P3385のみの交換で済むことから、修理にかかるコストを削減することができる。
上側装飾ユニットP3014aでは、第60実施形態で化粧ユニットP302に可動部や駆動装置が配設されておらず、軽量化がなされていたことにより持ち運びを容易とすることができたものと異なり、化粧ユニットP3302に演出レバーP3390が配設されており、この演出レバーP3390に操作構成部P710の機能を代替させることが可能に構成される。
この場合において、操作構成部P710を残せば、遊技者は好きな位置での操作を行うことができるので、遊技の自由度が向上する。また、操作構成部P710を上下皿ユニットP15から取り去り、演出ボタンとしては演出レバーP3390のみを構成するようにすれば、上下皿ユニットP15の上面側における使用可能スペースを大きく確保でき、上皿P17をより大きく構成することができる。
演出レバーP3390は、先端の球状部の上側に押し込み操作可能に構成される補助ボタンP3391を備える。補助ボタンP3391の操作は、演出レバーP3390の操作と同時に実行可能とされており、演出ボタンP3391の操作とは別の機能がある。
第61実施形態では、演出レバーP3390を回転動作させることでスピーカーユニットP920の振動が実行される場合を構成可能であって、この振動の実行中において、補助ボタンP3391の押し込みを行うことにより、スピーカーユニットP920の振動の実行を停止させるように構成される。これにより、遊技者はスピーカーユニットP920の振動の実行の有無を操作によって任意に切り替えることができるので、スピーカーユニットP920から出力される音声の有無の切替による音量の調整を自在に行うことができる。
ここで、操作構成部P710の操作に基づいて、スピーカーP332aの振動が実行される。即ち、下側に配置される操作構成部P710の操作に基づいて上側の上側装飾ユニットP3014aに配設されるスピーカーP332aの振動が実行され、上側に配置される演出レバーP390の操作に基づいて下側の上下皿ユニットP15に配設されるスピーカーユニットP920の振動が実行されるという対応となっている。
このように、操作を実行させる部分とスピーカーとを離れた位置関係とすることにより、スピーカーの振動の実行に基づいて操作を実行させる部分が微小振動されることを避けることができる。また、操作を実行させる部分と、その操作に対応したスピーカーとをパチンコ機P10の全体(上下)に分散させることにより、遊技者の注意をパチンコ機P10の全体に向かわせることができる。
演出レバーP3390は、化粧ユニットP3302の上寄りの位置に配設される。即ち、上下方向で、係止回転棒P3380の配置がされる側に寄せて配設される。これにより、演出レバーP3390の操作時の荷重が係止回転棒P3380を介して切替構成部P320に負担させやすくすることができ、他の箇所の負担を減らすことができる。
次いで、図393から図395を参照し、第62実施形態における上側装飾ユニットP4014aについて説明する。上記第60実施形態では、上側装飾ユニットP14aにおいて光が反射される反射位置PR342が固定される場合を説明したが、第62実施形態では、ベースユニットP301と化粧ユニットP4302とにより構成される上側装飾ユニットP4014aの反射位置PR342が棒状部材PB4360の上面に形成されており、変位可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図393は、第62実施形態における下側反射部材P4365の正面斜視図であり、図394は、図366のX44m-X44m線に対応する平面における上側装飾ユニットP4014aの断面図である。
図393では、下側反射部材P4365に下方から差し入れられる内部部材P4369の一つが下側反射部材P4365から分離して図示される。下側反射部材P4365では、各反射位置PR342に対応する複数位置において各反射位置PR342に対応する傾斜の上面を有する棒状部材PB4360が上下方向に移動可能に支持されており、棒状部材PB4360の上面が鏡面となっていることを除いて下側反射部材P4365は光透過性の樹脂材料から形成されている。
各棒状部材PB4360の下側には、それぞれ任意の上下長さで形成される内部部材P4369が配置される。この各内部部材P4369の長さに対応して、各棒状部材PB4360の上方への張り出し長さが変化され、反射位置PR342を自在に変化させることが可能となる。
図395は、上側装飾ユニットP4014aの正面図である。図395では、理解を容易とするために、主装飾部P4371の板状部P371bの図示が省略され、上下反射部材P4360を視認可能に図示される。
上側装飾ユニットP4014aでは、装飾構成部P4370の外枠部P4371aが、外枠部371aと異なり、枠下部において矩形の凹凸形状が構成されており、この凹凸形状により板状部P371bが視認される範囲が狭められるところ、反射位置PR342が第60実施形態で上述したままの位置であると、板状部P371bと重なってしまい光演出の演出効果が低くなる。
そのため、反射位置PR342の位置を変える。具体的には、最も第2下側反射部材P366に近い反射位置PR342に対応する棒状部材PB4360の下側に配置される内部部材P4369の長さを短くすることで反射位置PR342の位置を下げ、その左隣の反射位置PR342に対応する棒状部材PB4360の下側に配置される内部部材P4369の長さを長くすることで反射位置PR342の位置を上げる。
この二つの内部部材P4369と同様の関係で内部部材P4369を残りの反射位置PR342に対応する棒状部材PB4360の下側に配置することにより、反射位置PR342を外枠部P4371aの枠下部の凹凸形状に対応させることができ、外枠部P4371aの隅々を光らせることができるので、外枠部P4371aの形状が変化する場合であっても光演出の演出効果を高めることができる。
第62実施形態における上側装飾ユニットP4014aでは、第60実施形態でベースユニットP301に発光構成部P340が固定配置されており、化粧ユニットP302に上下反射部材P360が固定配置されていることから、発光構成部P340から照射される光の視認位置を安定させ易くされたものと異なり、上下反射部材P360の反射位置PR342を移動させる棒状部材PB4360が構成される。
これにより、共通の発光構成部P340からの光照射であっても、遊技者に視認される光の態様に動きを付けることができ、光による演出効果を向上させることができる。即ち、光照射部と光反射部との対応関係を切り替えることで、視認させる意匠の変化に対応させた光の照射を実行することができる。
次いで、図396を参照し、第63実施形態における上側装飾ユニットP5014aについて説明する。上記第60実施形態では、上側装飾ユニットP14aにおいて発光構成部P340が固定配置される場合を説明したが、第63実施形態では、発光構成部P5340が動作可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図396は、図366のX44m-X44m線に対応する平面における第63実施形態における上側装飾ユニットP5014aの断面図である。図396では、発光構成部P5340のケース上部P343が押されてケース下部P5341に支持される第1電飾基板P342が傾倒された状態が図示される。
ケース下部P5341は、傾斜面P341aの前端部において前側平面部P5341bが傾倒動作可能に支持されており、前側平面部P5341bの傾倒動作に追従して、第1電飾基板P342及びケース上部P343も同じ角度で傾倒する。
ケース下部P5341は、化粧ユニットP5302が取り外されている状態では、付勢バネ(図示せず)の弾性力により第1電飾基板P342が水平に配置される起き上がり状態とされており、化粧ユニットP5302が取り付けられることで化粧ユニットP5302の押進部P5303により押し下げられて、図396に図示される傾倒状態とされる。
これにより、化粧ユニットP5302を取り付ける際、すなわち、化粧ユニットP5302をベースユニットP5301に対して前後方向で近接させて、化粧ユニットP5302の第1開口部P353及び第2開口部P354に発光構成部P5340の前側端部を進入させる際には、ケース下部P5341を起き上がり状態として干渉を避けつつ、化粧ユニットP5302の取り付け後においてはケース下部P5341を傾倒状態とすることができるので、組み付け易さと、発光構成部P5340からの光照射方向の設計の自由度の向上とを両立させることができる。
上下反射部材P5360等の反射部分だけでなく、第1電飾基板P342等の光照射部分においても可動とすることにより、遊技者に視認させる光の態様に対応させる調整の幅を広げることができる。
なお、第63実施形態では、傾倒状態における第1電飾基板P342に対する下側反射部材P365の構成角度と同じ角度となるように上側反射部材P5361が構成され、化粧ユニットP5302の上面が水平面とされている。
これにより、第1電飾基板P342から照射される光が反射された後の向きを、前方かつ斜め下方向寄りに装飾構成部P5370の外枠部P5371aの内側における板状部P5371bを透過する向きとすることができるので、ガラスユニットH16の手前側に頭が配置される遊技者側に光を進行させることができ、光演出の演出効果を向上させることができる。
第63実施形態における上側装飾ユニットP5014aでは、第60実施形態でベースユニットP301に発光構成部P340が固定配置されていることから、その発光構成部P340から照射される位置において上下反射部材P360を適切に設計することにより光による演出効果を向上させるものと異なり、発光構成部P5340が可動とされる。
これにより、上下反射部材P5360側のみで光の進行方向を変化させる場合よりも、上下反射部材P5360の形状変更の度合いを低減させることができるので、設計変更を容易とすることができる。
第63実施形態における上側装飾ユニットP5014aでは、第60実施形態で上下反射部材P360が鏡面で構成されており、発光構成部P340からの光が全反射されることで光の減衰を抑制させることができるものと異なり、下側反射部材P365が光透過性の樹脂材料から構成されており、発光構成部P5340からの光が一部屈折され、一部は透過される。
この透過された光は、斜め下後方、即ち、ガラスユニットH16側に進行される。これにより、ガラスユニットH16を通して視認される遊技領域や、第3図柄表示装置H81の手前側の照度が不足する事態を回避し易くすることができ、明るくすることができるので、遊技領域や第3図柄表示装置H81の表示に対する視認性を高め、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
次いで、図397から図399を参照して、第64実施形態における上側装飾ユニットP6014aについて説明する。上記第60実施形態では、上側装飾ユニットP14aにおいて最前面に装飾構成部P370が配設される場合を説明したが、第64実施形態では、装飾構成部P370の板状部P371bの更に前方側に把時手段P6390が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図397は、第64実施形態における上側装飾ユニットP6014aの正面図であり、図398は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P6014を開放(展開)した状態を示すパチンコ機P6010の正面斜視図であり、図399は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P6014を開放(展開)した状態において化粧ユニットP6302を本体枠P14dから離間させた(取り外した)状態を示すパチンコ機P6010の分解正面斜視部である。
把持手段P6390は、内側が空洞になっており、その空洞に親指以外の指を差し込むようにして把持可能な形状で板状部P371bの正面側に張出形成される形状部であって、板状部P371bの前面に固定され正面側に円柱状に突設形成される円柱状部P6391と、その円柱状部P6391よりも下側の位置において板状部P371bの前面に固定される断面円形の延設部であって右面視でL字形状に形成されるL字形状延設部P6392と、そのL字形状部P6392に内嵌される態様で支持される円筒形状部P6393と、その円筒形状部P6393の上下方向内側において保持されており円筒形状部P6393よりも直径の長い円環形状に形成される円環形状部P6394と、を主に備える。
把持手段P6390は、組み付け作業において作業者が片手で把持することを想定して設計されている。即ち、正面枠P6014を内枠H12に対して開放した状態において、作業者が把持手段P6390を片手で把持して組み付け作業または取り外し作業を実行可能に構成されている。
L字形状延設部P6392の延設先端部は円柱状部P6391の前端部に当接される位置まで延設されており、L字形状延設部P6392と円柱状部P6391とで後方に開放するU字形状を構成する。
円柱状部P6391及びL字形状延設部P6392の後方基端部は、板状部P371bの前面に固定される。これにより、把持手段P6390を把持して加えられる作業者の力を化粧ユニットP6302に確実に伝えることができ、組み付け作業および取り外し作業を行う作業者の負担を低減させることができる。
円筒形状部P6393は、円柱状部P6391及びL字形状延設部P6392の後方基端部から離れた位置に配設され、断面の外形が円柱状部P6391及びL字形状延設部P6392の直径よりも大きな直径の円形とされる。そのため、円筒形状部P6393が把持手段P6390を把持した作業者の手に対する引っかかりとなり、作業者の手が滑ることを避けられる。
よって、把持手段P6390を把持して加えられる作業者の力を化粧ユニットP6302に確実に伝えることができ、組み付け作業および取り外し作業を行う作業者の負担を低減させることができると共に、作業者が誤って手を滑らして化粧ユニットP6302を脱落させる可能性を低くすることができる。
円環形状部P6394は、円筒形状部P6393の外周に沿って回転動作可能に構成される。この回転動作は、化粧ユニットP6302の組み付け作業または取り外し作業が把持手段P6390を片手で把持して行われる場合に、作業者が手のひらを怪我する可能性を低くするために可能とされる。この観点から、360度未満の角度で回転可能に構成される。本実施形態では、少なくとも約120度の回転角度で回転可能とされる。
回転動作の方向は、円環形状部P6394の手前側部が化粧ユニットP6302の右側に向けて回転可能に構成されており、これにより化粧ユニットP6302をベースユニットP301から離間させる場合において、把持手段P6390を把持している手を円環形状部P6394周りで容易に回すことができ、作業者が手首を化粧ユニットP6302の移動方向の逆側に移動させ易くなるので、作業者の手首が化粧ユニットP6302と平行移動する必要がある場合に比較して無理なく作業を行うことができる。
なお、円環形状部P6394の回転動作は、少なくとも約120度の回転角度が満足されていれば十分であり、その構成は何ら限定されるものではない。例えば、360度以上の回転が可能に構成されても良いし、約120度までの回転角度を可能とするように回転を規制する規制部が構成され約120度を超える回転は不可能に構成されても良い。
また、化粧ユニットP6302の取り外し作業および組み付け作業の両方において作業者が把持手段P6390を把持する場合、円環形状部P6394が正逆両方向に同様の角度で回転動作されることになるので、化粧ユニットP6302の組付完了位置における円環形状部P6394の位相は元通りとなり、円環形状部P6394の位相の違いによって正面視における意匠が変化する構成であっても化粧ユニットP6302が組付完了位置に配置された場合に正面視における意匠を安定させることができる。
次いで、図400から図411を参照し、第65実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)P7010に適用した場合の一実施形態について説明する。上記第60実施形態では、正面枠P14が配設されるパチンコ機P10について説明したが、第65実施形態におけるパチンコ機P7010では、正面枠P7014が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図400は、第65実施形態におけるパチンコ機P7010の正面図であり、図401は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P7014を開放(展開)した状態を示すパチンコ機P7010の正面斜視図であり、図402は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P7014を開放(展開)した状態において化粧ユニットP7302を本体枠P14dから離間させた(取り外した)状態を示すパチンコ機P7010の分解正面斜視部であり、図403は、パチンコ機P7010の上面図である。
本体枠P14dは、正面側には化粧ユニットP7302が配設される一方、背面側には内枠H12が対向配置される。内枠H12に面する背面の左端側には、後方へ延設され、その延設端部から左方へ延設される態様で左側が開放される断面形状が上下方向に延設される形状で形成される対向構成が備えられており、内枠H12の左端側の上下延設部と対向配置される。
図401に図示されるように、遊技盤H13の下方には球発射ユニットH112aが配設されており、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態で往復振動手段である球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技盤H13とガラスユニットH16との間に形成される遊技領域を流下可能に構成されている。
また、以下の説明では、図400に示す状態のパチンコ機P7010について、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図400に示す状態のパチンコ機P7010に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図400参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機P7010の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機P7010を遊技する遊技者は、パチンコ機P7010の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機P7010の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機P7010の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図342参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図344及び図345参照)が配設されており、遊技盤H13から離間した左前側端部において右側へ張り出す張出部が上下方向に延設される上下延設部を備えている。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ枠状取付部である内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
ここで、内枠H12側と正面枠P7014側とを電気的に接続する電気配線(ハーネス)の配設について説明する。ここで説明する電気配線は、既に説明した上述の実施形態でも共通の事項であって、一般的に知られた事項であるが、改めて説明する。
正面枠P7014の背面側には、上部の左右隅部に締結固定される樹脂製のカバー部材であって、背面側へ膨出するカバー部材PCV1,PCV2が取り付けられている。カバー部材PCV1,PCV2の正面側には、電飾部P30やスピーカー組立体P332に電気を導通する配線のコネクタや、電飾部P29,P31,P32,P33の内部基板と一方の端部が連結されるコネクタの他方の端部が連結される電子基板が配設され、その電子基板及びコネクタがカバー部材PCV1,PCV2により覆われる。
内枠H12の左側であって球発射ユニットH112aの左方には、ハーネスが連結される複数のコネクタCN1~CN3を備える基板P167が配設されている。
基板P167は、コネクタCN1,CN2,CN3を備える。なお、基板P167は、コネクタCN1,CN2が配設される箇所と、コネクタCN3が配設される箇所とが、別基板で構成される。これは、コネクタCN1,CN2が主制御装置H110との伝送に使用される一方で、コネクタCN3は音声ランプ制御装置H113(図348参照)との伝送に使用されるように、伝送の対象が違うので、基板を別とすることで誤作動を予め防止する意図による。
なお、操作ユニットP180やスピーカーユニットP920(図379参照)に電力を供給するハーネス(コネクタCN3に接続されるハーネス)は、本体枠P14dの背面側において左右に長い空間を構成する長尺カバー部材PCV3の内部空間を案内され、その長尺カバー部材PCV3の右端位置において本体枠P14dに前後方向に穿設される配線通し孔に挿通され、本体枠P14dの前方側において操作ユニットP180と接続される。
正面枠P7014の窓部P14e(図400参照)よりも下側では、本体枠P14dの背面側における正面枠P7014の回動基端側において、可動式の結束可動部材P280が締結固定される。結束可動部材P280は、ハーネスを結束した状態で遊技機上下方向に延びる回転軸を中心に回転移動可能に支持されるアーム状の可動部材であって、部材自体の剛性を利用して電気配線の下方への弛みを防止するよう構成される。
なお、本実施形態では、操作ハンドルH51(図400参照)に接続されるハーネス(コネクタCN1に接続されるハーネス)及び貸球操作部H40(図400参照)に接続されるハーネス(コネクタCN2に接続されるハーネス)は、それぞれ中継基板なしで結束可動部材P280まで案内され、それぞれ結束可動部材P280に結束される。
一方で、各電飾部P29~P33、操作ユニットP180又は枠ボタンH190(図400参照)にそれぞれ接続されるハーネスは、通路形成ユニットH140の正面側の空間に配設される中継基板に接続され(集合され)、その中継基板から一束の延長ハーネス(コネクタCN3に接続されるハーネス)が結束可動部材P280へ向かい、その延長ハーネスが結束可動部材P280に結束される。
ハーネスの導通が不通となることを契機として、エラー信号を出力すると共に警報を鳴らすように(エラー画面を表示するように)制御すること等で、不正を迅速に発見することができる。従って、不正行為を行う者が不正の利益を得ることを防止することができる。
詳述すると、コネクタCN1に接続されるハーネスは上述したように操作ハンドルH51(図400参照)に接続されるので、ハーネスが焼き切れた場合には、操作ハンドルH51を回転させても球を発射することができなくなる。そのため、不正行為がされた後、その不正行為が発覚するまでの期間を短くすることができる(不正行為の早期発覚を図ることができる)。
また、コネクタCN2に接続されるハーネスは、上述したように球貸操作部H40(図400参照)に接続されるので、ハーネスが焼き切れた場合には、球貸しボタンH42の操作および返却ボタンH43(図353参照)の操作が不能となる。
そもそも、コネクタCN2に接続されるハーネスの接続が断たれると、カードユニット(球貸しユニット)(図示せず)の断線エラー(CRエラー)が出力される遊技機店では、その断線エラー(CRエラー)を確認することにより、容易に不正行為の可能性を把握することができる。
図400に図示されるように、パチンコ機P7010の正面枠P7014では、パチンコ機P10の上側装飾ユニットP14aの代わりに、上側装飾ユニットP7014aが配設される。上側装飾ユニットP7014aは、本体枠P14dの正面側に締結固定されるベースユニットP7301と、そのベースユニットP7301の正面側に配設される化粧ユニットP7302とを主に備える。
ベースユニットP7301は、特に説明しない場合は、上述したベースユニットP301の主要な構成を具備し、化粧ユニットP7302も同様に、上述した化粧ユニットP302の主要な構成を具備する。上側装飾ユニットP7014aは、後述する内部機構により、簡単な操作手順で化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して脱着可能に構成される。
上側装飾ユニットP7014aは、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して脱着させる際、正面枠P7014を内枠H12に対して開放させた状態であると、目印となる板状部P314の間の領域がデータカウンターPDc(図403参照)の下方よりも前方側に移動可能となるため視線が通り易くなるし、正面枠P7014よりも後方の領域において操作部P322aを視認可能となるため、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態に比較して、化粧ユニットP7302の組み付け作業が完了したことを確認し易いことは上側装飾ユニットP14aと同様である。
一方で、上側装飾ユニットP14aにおける組み付け作業は、化粧ユニットP302をベースユニットP301の前方からスライド移動させることで行われる。この場合、作業者は、正面枠P14よりも後方側から板状部P314の間の領域や操作部P322aを視認しながら、正面枠P14の前方側において化粧ユニットP302をベースユニットP301に対して近接離間させるように化粧ユニットP302を把持している腕を動かすことになるが、作業者の腕が短い場合等、作業自体が困難となる可能性がある。
また、パチンコ機は遊技ホールに左右に近接されて設置されることが通常であるところ、正面枠P14を内枠H12に対して開放させた状態から更に正面枠P14の上側装飾ユニットP14aを正面枠P14の前方側へ離間させる際に、左隣に設置されているパチンコ機との接触を避ける必要があり、作業者に窮屈な作業を強いることになったり、そもそも作業自体が困難となったりする可能性が有る。
これに対し、化粧ユニットP7302は、正面枠P7014の前方における左側の領域への進入度合が減るような構成が採用されている。換言すれば、化粧ユニットP7302を正面枠P7014に対して右側から近接離間させることが可能となるように構成されている。
これにより、正面枠P7014を内枠H12に対して開放させることで、枠状取付部である正面枠P7014の前面がパチンコ機P7010の前方ではなく左斜め前を向く場合であっても、化粧ユニットP7302を同様にパチンコ機P7010の左斜め前から組み付けるのではなく、パチンコ機P7010の前方側から近接させて組み付けることが可能とされている。
正面枠P7014の前方における左側の領域への進入度合が減るような構成として、例えば、正面枠P14のように右側装飾ユニットP14cが本体枠P14dに締結固定される構成の代わりに、正面枠P7014では、右側装飾ユニットP14cの後半分と同様の外形で構成される分割右側装飾ユニットP7014cのみが本体枠P14dに締結固定され、右側装飾ユニットP14cの前半分と同様の形状で構成される分割前板部P7480が化粧ユニットP7302に形成される。
これにより、正面枠P14に比較して、正面枠P7014の前方側右端部における分割右側装飾ユニットP7014cの張出長さが抑えられており、経路が空くので、化粧ユニットP7302を正面枠P7014に対して右側から近づけ易くすることができる。
分割右側装飾ユニットP7014cにLED等が配設される電飾基板が配設される一方で、分割前板部P7480は自ら発光するのではなく、分割右側装飾ユニットP7014cのカバーとして機能する。即ち、分割前板部P7480には電飾基板は配設されず、分割右側装飾ユニットP7014cから照射された光を分割前板部P7480で透過させたり、屈折させたりした後で遊技者に視認させるように構成される。
分割前板部P7480は、正面枠P7014が開放される右側に立って作業を行う作業者に近い右側に配設されているので、作業者は所定の取付対象である化粧ユニットP7302を脱着させる作業を行う際に、分割前板部P7480を持ち手として利用しても良い。この場合、例えば化粧ユニットP7302の前側傾斜部P355の左右方向中央部を把持する場合に比較して手を伸ばす長さを短くすることができるので、腕の短い作業者であっても問題なく脱着作業を行うことが可能となる。
特に、分割前板部P7480の背面側を突起が少なく滑らかな平面(曲面)で構成することで、持ち手として好適に利用することができる。即ち、作業者が分割前板部P7480を握り込んだ場合であっても、手を痛めることなく楽に作業をすることができる。また、分割前板部P7480の背面側は、化粧ユニットP7302の合体状態において近接する分割右側装飾ユニットP7014cに対向配置されることで、遊技者からは見え難くされるため、形状設計によって意匠感を損なうことはないので、不利なく作業性の向上を図ることができる。
図404は、上側装飾ユニットP7014aの分解正面斜視図であり、図405は、上側装飾ユニットP7014aの分解背面斜視図である。図404及び図405に図示されるように、上側装飾ユニットP7014aは、本体枠P14d(図402参照)の正面側に締結固定されるベースユニットP7301と、そのベースユニットP7301の正面側に配設される化粧ユニットP7302とを主に備える。
上側装飾ユニットP7014aは、後述する内部機構により、簡単な操作手順で化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して脱着可能に構成される。以下では、まず化粧ユニットP7302について説明し、ベースユニットP7301について説明した後で、次いで、内部機構の詳細および操作手順について説明する。
化粧ユニットP7302は、3本のうち右端の係止棒部材P380の形成が省略される他は、上述した化粧ユニットP302の有する基本的な構成を具備しており、追加で、前側傾斜部P355よりも後方側において右側から矩形状に凹設形成される受入凹部P7391と、その受入凹部P7391と面一の上面を有しており後方に張出形成される張出形成部P7392と、その張出形成部P7392の下面から下方へ向けて円柱状に突設形成される第1円柱状突部P7393と、受入凹部P7301の前側部の下面から下方へ向けて円柱状に突設形成される第2円柱状突部P7397と、を主に備える。
また、ベース部材P350は、ベース部材P350の主要な構成を具備する樹脂材料から形成されるベース部材P7350に入れ替えられており、そのベース部材P7350は、ベース部材P350の構成の他に、天板から下方に突設されることで一体成形される突設形成部P7359を備える。
また、化粧ユニットP7302は、ベース部材P7350の上面構成板部の下側から突設形成される回転防止突部P7386を備える。回転防止突部P7386は化粧ユニットP7302の組み付け易さに関わる構成であるが、詳細は後述する。
第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とは、共に下方へ向けて突設されていることから互いに平行に形成されており、上面視で重ならない位置(同軸ではない位置)に配設される。
ベースユニットP7301は、化粧ユニットP7302において省略された右端の係止棒部材P380に対応するP321gの形成が省略される他は、上述したベースユニットP301の有する基本的な構成を具備しており、追加で、音響構成部P7330の右側部分において、上蓋部材P7334の前端側において延設される案内支持部P7335と、その案内支持部P7335よりも下側において長孔として形成される下側受部P7338と、を主に備える。
また、切替構成部P320の主要な構成を具備する切替構成部P7320が切替構成部P320に代替されている。切替構成部P7320では、ベースカバーP321の主要な構成を具備する樹脂材料から形成されるベースカバーP7321がベースカバーP321に代替されており、ベースカバーP7321には、後方側において左側から凹設形成される凹設形成部P7321jと、その凹設形成部P7321jの上下方向の途中位置において水平方向に張り出される水平張出部P7321kと、を主に備える。
案内支持部P7335は、内側において上下方向に開口される長孔P7336が形成されており、この長孔P7336は上下方向視で下側受部P7338と重ならない位置に形成される。
ここで、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に組み付ける場合において、第1円柱状突部P7393を長孔P7336で案内可能であって、第2円柱状突部P7397を下側受部P7338で案内可能に構成される。
即ち、長孔P7336の前側端部に第1円柱状突部P7393が上方から挿通され、下側受部P7338の前側端部に第2円柱状突部P7397が上方から挿通されると、化粧ユニットP7302がベースユニットP7301に対して前後方向に傾斜しない姿勢(対向する姿勢)でベースユニットP7301に保持され、その姿勢を保ちながら長孔P7336及び下側受部P7338に沿って案内されることで、化粧ユニットP7302がベースユニットP7301に組み付けられるように構成される。
この場合、化粧ユニットP7302は、右端部がベースユニットP7301に対して上方から近づけられるため、正面枠P7014が開放される右側に立って作業を行う作業者は化粧ユニットP7302の上下位置を変化させれば済むこととなり、ベースユニットP7301に対して前方から近づけられる場合のように正面枠P7014の前方に手を伸ばす必要が生じる場合に比較して楽に組み付け作業を行うことができる。
第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とが同軸ではないため、第1円柱状突部P7393を支持する案内支持部P7335が第2円柱状突部P7397と干渉することを避け易くすることができる。
即ち、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に上方から近づけるだけで、第1円柱状突部P7393を長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させることができるため、複数位置で化粧ユニットP7302を支持することができ、支持の安定を図ることができると共に、支持力を分散させることができる。
図405に図示されるように、後方から見下ろす方向視では、案内支持部P7335は容易に視認可能であるが、下側受部P7338が視認されない。そのため、下側受部P7338を視認した上で第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に差し込む場合は、作業者は目線を変える必要がある。
これに対し、本実施形態では、作業者は下側受部P7338を視認せずとも、第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に受け入れさせることができる。即ち、覆設部材P7333におけるスピーカーカバーP27の上方側を覆う上方覆設部P7333dの上面は、左右外側へ向かうほど下降傾斜し、且つ、前方へ向かうほど下降傾斜する山形状に形成されるため、第2円柱状突部P7397が上方覆設部P7333dの右半部に乗りさえすれば、上方覆設部P7333dの形状に沿って第2円柱状突部P7397が下側受部P7338に案内される。
そのため、下側受部P7393は視認できず、案内支持部P7335のみが視認可能な目線であっても、作業者は、第1円柱状突部P7393を長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させることを容易に行うことができる。
このように、本実施形態によれば、作業者は、正面枠P7014よりも後方側から板状部P314の間の領域や操作部P322aを視認可能な位置から頭の位置を動かすことなく、第1円柱状突部P7393を長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させることから開始される化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付けを容易に行うことができる。
そのため、前後方向スライドで組み付けを行う場合のように、化粧ユニットP302の位置合わせを正面枠P14の表側で行う一方で、組み付け完了の確認は正面枠P14の裏側で行うことから作業者が頭の位置を変えないといけない場合に比較して、作業負担を低減することができる。
化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付けの作業は、第1円柱状突部P7393を長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させることから開始され、組み付けの完了時には案内筒部P321gに係止棒部材P380が挿通されることになる。
一方で、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397を、長孔P7336及び下側受部P7338に位置させることなく、係止棒部材P380の高さを案内筒部P321gの高さに合わせて、前後方向にスライド移動させることによっても係止棒部材P380を案内筒部P321gに近づけることができるが、第1円柱状突部P7393が案内支持部P7335の前側端部と干渉することで、それ以上のスライド移動が規制されることで、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付けが不可能となるように構成される。
これにより、ベースユニットP7301に対する化粧ユニットP7302の組み付け作業の標準化を図ることができる。即ち、不慣れな作業者がベースユニットP7301に対して化粧ユニットP7302を前後方向でのスライド移動で脱着させるように作業を行ってしまい、隣接するパチンコ機に化粧ユニットP7302を衝突させることになる事態を未然に防ぐことができる。
突設形成部P7359は、後端部が、左側端部を基点として右側へ延設された平面形状で形成されており、上下方向の途中位置において右端から左方へ凹設される凹設部P7359aと、左側端部の前側端部よりも後方側に位置する前側形成部P7359bと、を主に備える。
このような形状により、突設形成部P7359は、切替構成部P7320の凹設形成部P7321jの後方側に前側形成部P7359bが入り込み、凹設部P7359aにより水平張出部P7321kが受け入れられることで、互いに係合するように構成される。
この係合は、ベースユニットP7301に対する化粧ユニットP7302の上下方向位置を一定とした状態で化粧ユニットP7302を水平方向に移動させる場合に好適に生じるよう構成される。一方で、上下方向の変化に対しては制限を生じさせるように構成されている。
例えば、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する固定状態に前後方向位置を先に合わせた後で化粧ユニットP7302を上下方向にスライド移動させることによる組み付けは、突設形成部P7359の下面が水平張出部P7321kの上面と衝突することで防止される。
第2円柱状突部P7397は、第1円柱状突部P7393よりも太い形状で設計される。これにより、第2円柱状突部P7397をより丈夫に構成することができる。組み付け作業を行う作業者の視界(例えば、図405の方向視)では、遮蔽物により下側受部P7338(図404参照)が見え難くなる場合があり、第2円柱状突部P7397が下側受部P7338の周辺と衝突することが多くなるが、第2円柱状突部P7397が太い形状で設計されていることにより、第2円柱状突部P7397が折れたり欠けたりする事態を避けることができる。
突設形成部P7359は、化粧ユニットP7302のベース部材P7350の後方側寄りに位置される。これにより、突設形成部P7359が正面側から視認される可能性を低くすることができる。
加えて、突設形成部P7359は、正面視で装飾構成部P370と重ならない位置(左側に離間した外方位置)に配設される。これにより、装飾構成部P370が透過性材料から形成される部分を有しており後ろ側が透視される態様であっても、突設形成部P7359が正面側から視認されることを回避することができるので、突設形成部P7359が化粧ユニットP7302の意匠性に影響を与えないようにすることができる。
更に、対向構成である突設形成部P7359は、切替構成部P7320の凹設形成部P7321jの後方側に入り込むことから、凹設形成部P7321jによって隠されることで、突設形成部P7359が正面側から視認されることを回避することができるので、突設形成部P7359が化粧ユニットP7302の意匠性に影響を与えないようにすることができる。
ベースカバーP7321は、上面部において左右方向に長い長孔として形成される案内長孔P7321lと、その案内長孔P7321lからの脱落が防止されるように基端側が支持されており上方に張り出し後方に屈曲される鉤形状部が左右方向に変位可能に案内される係止部材P7321mと、を備え、上蓋部P343cの形成長さが短くされることで凹設形成部321iとの間に構成される開口部を通して受け入れられる電気配線(ハーネス)が接続される端子部P7321nが配設される中継基板を備える。
端子部P7321nが配設される中継基板には、電飾部P29,P31,P32,P33等の内部基板に一端側が接続される電気配線(ハーネス)の他端側が、上述の配線挿通孔P313,P331a(図357参照)に挿通された後で凹設形成部P321iに形成される上縁から右下方向に抜ける貫通路を通して案内された上で、端子部P7321nとは異なる端子部(図示せず)に接続される。即ち、端子部P7321nが配設される中継基板は、電飾部P29,P31,P32,P33等の内部基板と同様に、音声ランプ制御装置H113に接続される(図348参照)。
化粧ユニットP7302は、受入凹部P7391の左端部から左奥方向へ凹設形成される収容空間に左右方向にスライド移動させることで差し込まれる挿入基板P7391aと、その挿入基板P7391aを前後位置から挟み込むように支持すると共に下側への移動を規制可能な断面L字の形状から形成される脱落防止部P7391bと、を備える。
挿入基板P7391aには一方の端部が電気的に接続される電気配線P7391cが配設されており、その電気配線P7391cの他方の端部はベースカバーP7321に配設される端子部P7321nに接続される。
端子部P7321nは上方側を向いているため、後方から見下ろす方向視で作業を行う作業者が電気配線P7391cを端子部P7321nに差し込む作業を行い易くすることができる。
電気配線P7391cの一方の端部の挿入基板P7391aにおける接続位置は前方側寄りの位置とされる。具体的には、化粧ユニットP7302の合体状態において、端子部P7321nよりも前方側の位置に設定される。
図406、図407及び図408は、パチンコ機P7010の上面図である。図406から図408では、正面枠P7014を開放(展開)した状態において、化粧ユニットP7302がベースユニットP7301に組み付けられる過程が時系列で図示される。
即ち、図406では、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P7014を開放(展開)した状態において化粧ユニットP7302がベースユニットP7301の案内支持部P7335の前方側端部に載置された開始状態が図示され、図407では、図406に図示された状態から化粧ユニットP7302の姿勢が維持された状態で化粧ユニットP7302がベースユニットP7301に接近した中間状態が図示され、図408では、図407に図示された状態から化粧ユニットP7302が回転移動されベースユニットP7301に対して固定された合体状態が図示される。
図406から図408では、作業者が、所定の取付対象である正面枠P7014を背面側から押さえながら、化粧ユニットP7302に対して後方側への荷重を与えた場合における変化が時系列で図示される。
化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付けの作業は、第1円柱状突部P7393を案内支持部P7335の長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させることから開始される。
作業者は、正面枠P7014が開放される右側に立って作業を行うことが基本とされるところ、案内支持部P7335及び下側受部P7338が正面枠P7014の作業者に近い側(右側)に配置されるので、化粧ユニットP7302を正面枠P7014の正面側に一定間隔以上に離した状態から組み付け作業を開始する場合と違って作業者が手を伸ばす必要が無く、作業者の作業負担を低減させることができる。
長孔P7336を構成する案内支持部P7335の右側部および下側受部P7338を構成する上方覆設部P7333dの右側部は、正面枠P7014の回転先端側に位置するので、正面枠P7014の開放による前方への変位量が大きい。詳細には、正面枠P7014の右端よりも前方に位置することから、背面側からの方向視(例えば、図405参照)であっても、案内支持部P7335の右側部および上方覆設部P7333dの右側部が視界に入り易くでき、作業効率を向上させることができる。
案内支持部P7335の右側部および上方覆設部P7333dの右側部は、正面枠P7014の開放の度合いが大きくなるほど、パチンコ機P7010の正面側における左右中央側に移動する。これにより、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付けの作業を開始する作業スペースを広く確保することができる。
特に、パチンコ機P7010の左右側には隣接するパチンコ機との隙間が少ないため、案内支持部P7335の右側部および上方覆設部P7333dの右側部の位置によっては、隣のパチンコ機との領域を分けるサイドボードとの間の狭いスペースでの窮屈な作業を強いられることになる可能性があるところ、案内支持部P7335の右側部および上方覆設部P7333dの右側部がパチンコ機P7010の正面側における左右中央側に移動する構成により、作業スペースを広く確保することができる。
この案内支持部P7335の右側部および上方覆設部P7333dの右側部の移動量および移動方向は、正面枠P7014の開放による移動量および移動方向と対応しており、正面枠P7014に対する案内支持部P7335の右側部および上方覆設部P7333dの相対的な位置は維持される。
即ち、正面枠P7014に対する第1円柱状突部P7393や第2円柱状突部P7397の相対的な配置位置は正面枠P7014の開放の度合いが違っても変わらないため、正面枠P7014の背面側からの視界において案内支持部P7335の右側部または上方覆設部P7333dの右側部の少なくとも一方が見えていない場合であっても、前回の作業での経験を基に第1円柱状突部P7393を長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させる作業を完遂することができる。これにより、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に組み付ける作業を容易とすることができる。
図407では、第1円柱状突部P7393を長孔P7336に位置させると同時に第2円柱状突部P7397を下側受部P7338に位置させた開始状態(図406参照)から、第2円柱状突部P7397が下側受部P7338の後方側終端に位置するまで化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して近づけるように移動させた中間状態が図示される。
下側受部P7338は、正面枠P7014の前後方向に対して傾斜する直線PL7330に沿って延びる長孔形状に形成される。即ち、直線PL7330に沿って化粧ユニットP7302が移動されることにより、化粧ユニットP7302は開始状態から中間状態へ変化される。
長孔P7336の前側領域P7336aは、直線PL7330に沿って形成される下側受部P7338と平行に延びる長孔形状で形成される。そのため、化粧ユニットP7302は、ベースユニットP7301に対する姿勢を一定に保った状態でベースユニットP7301に対して接近する方向に移動される。
図408では、第2円柱状突部P7397が下側受部P7338の後方側終端に位置された中間状態(図407参照)における仮置き位置から、第2円柱状突部P7397を中心とする円弧線PC7330に沿って、第2円柱状突部P7397を中心軸として化粧ユニットP7302が回転移動され、第1円柱状突部P7393が長孔P7336の後方側終端に位置された合体状態が図示される。
長孔P7336の後側領域P7336bは、下側受部P7338の後方側終端に位置した第2円柱状突部P7397を中心とする円弧線PC7330に沿う形状の長孔として前側領域P7336aの後側終端から延設される。そのため、化粧ユニットP7302は、下側受部P7338の後方側終端に位置した第2円柱状突部P7397を中心とする回転移動によってベースユニットP7301に対して接近する。
このように、化粧ユニットP7302は、第1円柱状突部P7393が長孔P7336の前側領域P7336aに位置するか後側領域P7336bに位置するかによって許容される移動態様が切り替えられるように長孔P7336の形状が設計されている。そのため、作業者は、化粧ユニットP7302の移動態様を意識的に変化させることをせずとも、開始状態として案内支持部P7335に載置された化粧ユニットP7302に対してベースユニットP7301に近づける方向の荷重を加えれば、図406から図408に時系列に沿って図示される状態の変化を生じさせることができる。これにより、作業者の作業負担を低減させることができる。
そして、図406から図408に時系列に沿って図示される状態の変化では、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する上下位置が一定とされていることから、突設形成部P7359が水平張出部P7321kと干渉することなく、上下延設部である凹設形成部P7321jに入り込むと同時に、水平張出部P7321kは突設形成部P7359の凹設部P7359aに入り込む。
仮に化粧ユニットP7302の左端(回転先端側)の上下位置が自重により目標位置よりも下がっている場合であっても、この凹凸嵌合(凹部への入り込み)により、化粧ユニットP7302の左端(回転先端側)の上下位置を目標位置まで上げることができる。上下方向が逆転している場合であっても、同じ作用を生じさせることができる。
図408に図示される化粧ユニットP7302の合体状態において、突設形成部P7359の前側形成部P7359bと、凹設形成部P7321jの後面とが前後方向で対向配置されることにより、化粧ユニットP7302に前方へ向けた過負荷(左端側から無理矢理こじ開けて前方に移動させる荷重。例えば、案内支持部P7335及び下側受部P7338の形成方向ではなく、あそびとして設けられる隙間部分を前方に移動させる方向の荷重)が与えられたとしても、化粧ユニットP7302の前方への移動を機械的に防止することができる。
また、同様の関係により、化粧ユニットP7302を前後方向への移動だけでベースユニットP7301に組み付けることが防止される。即ち、化粧ユニットP7302を合体状態での位置に前後方向への移動のみで到達させようとする場合に、突設形成部P7359と、ベースカバーP7321の凹設形成部P7321jを構成する箇所とが干渉することにより、このような組み付けを防止することができる。
化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に組み付ける場合における電気配線P7391cの接続について説明する。作業手順としては、化粧ユニットP7302を開始状態または中間状態とした後で、電気配線P7391cを端子部P7321nに接続し、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して回転移動させることで化粧ユニットP7302を合体状態とすることができる。
この場合において、電気配線P7391cの途中箇所を係止部材P7321mの鉤形状部に引っかけるようにすることで、電気配線P7391cはベースカバーP7321の上面に支えられるので、自重で下に垂れることを避けることができる。
更に、電気配線P7391cの弛み方が変化することに対して係止部材P7321mが左右方向への変位により対応することができるので、電気配線P7391cに無理な荷重をかけることなく、ベースカバーP7321の上面とベース部材P7350の天板下面との間の隙間に電気配線P7391cを収めることができる。
このように、電気配線P7391cが係止部材P7321mに支持されることで配置が規定されるので、例えば、誤って化粧ユニットP7302とベースユニットP7301との間に挟まり、断線することを防止することができる。
電気配線P7391cが端子部P7321nに接続されることで、挿入基板P7391aが、音声ランプ制御装置H113に電気的に接続される(図348参照)。化粧ユニットP7302に電気的接続を要する構成(例えば、演出レバーP3390、図390参照)が配設される場合には、その電気的接続を要する構成に、挿入基板P7391aに接続される他の電気配線(図示せず)が化粧ユニットP7302の内部経路を通って案内され接続されるよう構成される。
合体状態では、化粧ユニットP7302の係止棒部材P380が切替構成部P7320に十分に押込まれて化粧ユニットP7302が組付完了位置に到達している。化粧ユニットP7302の動作は回転移動であり、係止棒部材P380が切替構成部P7320に進入する方向は直線方向に平行移動する化粧ユニットP302(図364参照)とは厳密には異なるが、同様の構成により被操作部材P322及び追従動作部材P324との係合を生じさせることができる。
但し、回転半径の短い位置では、角度変化に対する係止棒部材P380の方向の変化が大きいため、右端の係止棒部材P380については形成を省略し、化粧ユニットP7302と切替構成部P7320との干渉を避けている。
より望ましくは、案内筒部P321gを真円形状ではなく左右方向に長い長孔形状とすることで、化粧ユニットP7302の回転移動に伴う係止棒部材P380の左右方向への位置ずれに対応させ易くすることができ、化粧ユニットP7302と切替構成部P7320との干渉を避けることができる。
化粧ユニットP7302を取り外す場合、組み付ける場合とは逆に、合体状態から中間状態を経て、開始状態としてから化粧ユニットP7302を上方に引き抜けばよい。この取り外す作業において、化粧ユニットP7302の水平方向への移動は長孔P7336及び下側受部P7338の前端部でせき止められるので、移動量を目視で確認しておく必要はなく、楽に作業を行うことができる。
加えて、化粧ユニットP7302は案内支持部P7335に下から支えられているため、作業者が化粧ユニットP7302から手を離したとしても、化粧ユニットP7302が落下する心配をすることなく、安全に作業を行うことができる。
第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397は、正面枠P7014のベースユニットP7301において他の箇所よりも前方に張り出す位置に構成される案内支持部P7335及び下側受部P7338に支持される。
案内支持部P7335及び下側受部P7338を構成する箇所が正面視右側端部に配設されていることにより、正面枠P7014を開放した場合に左隣のパチンコ機に正面枠P7014が衝突することを未然に防ぐことができる。
凹設形成部P7321j及び水平張出部P7321kは、化粧ユニットP7302の開始状態から中間状態に変化される場合においては突設形成部P7359から離間しており、化粧ユニットP7302の移動に干渉しない。そのため、化粧ユニットP7302を上下方向にスライド移動させることで、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397を案内支持部P7335及び下側受部P7338に差し込み、支持させることができる。
一方で、化粧ユニットP7302の合体状態では、凹設形成部P7321j及び水平張出部P7321kと、突設形成部P7359とが近接しており、凹設部P7359aに水平張出部P7321kが受け入れられていることで、化粧ユニットP7302の上下方向への移動に干渉する。
これらの構成により、化粧ユニットP7302が中間状態から合体状態へ変化する際の移動時の姿勢が制限される。詳細には、移動中に凹設部P7359aが水平張出部P7321kを受け入れる関係上、前後方向に傾倒することなく、姿勢を維持した状態で回転移動される。
化粧ユニットP7302を取り外す場合における電気配線P7391cの扱いについて説明する。化粧ユニットP7302を回転移動させる間は、図406、図407及び図408に図示される通りであって、電気配線P7391cに無理な荷重がかけられないようになっている。
化粧ユニットP7302の中間状態では、化粧ユニットP7302の右端後方部(分割前板部P7480の後方部)と、その右端後方部を受け入れ可能な開放空間を天板部と左右両壁部と底板部とで構成するように前方に開放形成される分割右側装飾ユニットP7014cの天板部とが上下方向で重なるため(図407参照)、化粧ユニットP7302の上方への移動が規制される。
そのため、化粧ユニットP7302を取り外す場合、化粧ユニットP7302は開始状態まで移動される。そのため、化粧ユニットP7302の回転される角度が予測可能となるので、電気配線P7391cに無理な荷重をかけないために必要となる電気配線P7391cの長さや、配置の設計(電気配線の移動軌跡の設計)を容易とすることができる。
一方で、電気配線P7391cが係止部材P7321mの鉤状部に引っかけられていることから、このまま化粧ユニットP7302を上方に引き抜くと、電気配線P7391cに無理な荷重がかかり断線する可能性がある。そのため、作業順序としては、電気配線P7391cを係止部材P7321mから外し、電気配線P7391cを端子部P7321nから引き抜いた後で、化粧ユニットP7302を上方に引き抜くようにされる。
この作業において、本実施形態では、化粧ユニットP7302は案内支持部P7335に下から支えられているため、作業者が化粧ユニットP7302から手を離したとしても、化粧ユニットP7302が落下することがない。そのため、電気配線P7391cに対する作業を、両手を使って行うことができるので、作業者の作業負担を下げることができる。
図409(a)は、図400のX50a-X50a線におけるパチンコ機P7010の部分断面図であり、図409(b)は、図400のX50a-X50a線に対応する線におけるパチンコ機P7010の部分断面図である。
図409(a)及び図409(b)では、軸支板部H12eの上面から僅かに上方に離間した位置を通る断面における断面視が図示されており、図409(a)では、図400に図示されるように正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態が図示され、図409(b)では、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠P7014を開放(展開)した状態(内枠H12に対して正面枠P7014を30度開放(展開)した状態)が図示される。
図409(a)及び図409(b)で図示される断面には、下方に延びる回転防止突部P7386(図405参照)が図示されており、軸支板部H12eからは、同断面まで届く長さで突設係合部P7012gが円柱形状で上方へ向けて突設形成されている。
突設係合部P7012gは、金属材料から形成される軸支板部H12eと一体成形されることによって、金属材料から形成されている。そのため、回転防止突部P7386との衝突が生じても破損することを回避し易くすることができる。
図409(a)及び図409(b)では、円弧線PC7330と同様に第2円柱状突部P7397を中心とする補助円弧線PC7330aが図示される。回転防止突部P7386は、化粧ユニットP7302と一体的に移動されるため、補助円弧線PC7330aに沿って回転移動される。
正面枠P7014が閉鎖されている場合と、正面枠P7014が展開されている場合とでは、ベースユニットP7301の配置が異なると共に第2円柱状突部P7397の配置が異なるため、補助円弧線PC7330aの配置も異なる。
図409(a)及び図409(b)に図示されるように、正面枠P7014が閉鎖されている場合に比較して、正面枠P7014が展開されている場合の方が、補助円弧線PC7330aと突設係合部P7012gとの間隔が狭まっている。
図409(b)に図示される状態から、正面枠P7014が更に前扉取付金具H57の円柱状部を中心に開放(展開)されると(正面枠P7014が約45度開放(展開)されると)、補助円弧線PC7330aが突設係合部P7012gと重なることとなり、この場合、回転防止突部P7386が突設係合部P7012gと干渉するため、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する移動が阻害される。
これにより、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付け作業や、取り外し作業が、正面枠P7014を極端に大きく開放(展開)した状態で行われることを防止することができる。
即ち、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する組み付け作業や、取り外し作業が、正面枠P7014を少し(例えば、40度未満の開放角度で)開放(展開)した状態で実行されるように図ることができるので、パチンコ機P7010の正面側のスペースを有効活用させることができると共に、ホールにおいて左隣に並べられている他のパチンコ機との衝突を未然に回避させることができる。
図410は、パチンコ機P7010の上面図である。図410では、外枠H11に対して内枠H12が閉鎖されると共に、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態とされ、化粧ユニットP7302の開始状態が図示される。
図410に図示されるように、化粧ユニットP7302は、外枠H11に対して内枠H12が閉鎖されると共に、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態においても、ベースユニットP7301に対する取り付けが可能とされる。
即ち、化粧ユニットP7302が開始状態(図406参照)においてデータカウンターPDcと上下方向視で重ならない配置となるように、案内支持部P7335、下側受部P7338、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397が設計される。
言い換えれば、案内支持部P7335、下側受部P7338、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397の配置がデータカウンターPDcよりも前側の位置とされ、化粧ユニットP7302の回転移動の先端側(左側)の配置は更に前側とされる。これにより、データカウンターPDcと干渉することなく、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して上側から近づけ、開始状態(図406参照)とすることができる。
化粧ユニットP7302が開始状態(図406参照)から中間状態(図407参照)に変化される場合、化粧ユニットP7302は直線PL7330に沿って平行移動されるところ、その方向は正面枠P7014の開閉方向の角度に対応して変化される。
即ち、外枠H11に対して内枠H12が閉鎖されていることは同じであっても、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態(図410参照)では、正面枠P7014が内枠H12に対して開放(展開)された状態(図406参照)に比較して、化粧ユニットP7302が平行移動される方向(直線PL7330の方向)が、化粧ユニットP7302を右斜め前から近づける方向に変化する。
この変化の程度は、正面枠P7014の開放(展開)の程度によって変化するものであって、本実施形態では、正面枠P7014の開放(展開)の角度と同角度で、直線PL7330の方向が変化する。
図411(a)及び図411(b)は、パチンコ機P7010の上面図である。図411(a)では、正面枠P7014が内枠H12に対して開放された状態における化粧ユニットP7302の中間状態が図示されており、図411(b)では、図411(a)に図示される状態から、化粧ユニットP7302の中間状態が維持されたまま正面枠P7014が内枠H12との間の角度を小さくする方向(接近する方向)に回転移動された状態が図示される。
図411(a)に図示されるように、化粧ユニットP7302の姿勢は、第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とが同軸上に構成されていないため、長孔P7336及び下側受部P7338の形状から規定されるベースユニットP7301に対する一定の姿勢に制限される。これにより、正面枠P7014において化粧ユニットP7302に許容される位置を予測し易く、化粧ユニットP7302の取り付け作業をスムーズに行うことができる。
例えば、化粧ユニットP7302を正面枠P7014の開放端側に配置される作業者と正面枠P7014の正面側に配置される作業者という2人の作業者で取付ける作業工程とする場合に、正面側に配置される作業者がどの程度正面枠P7014に近づいて良いかの予測を立て易くすることができ、化粧ユニットP7302がベースユニットP7301から離れる方向に勢いよく移動する事態が生じたとしても、作業者に化粧ユニットP7302が衝突するという事態を回避することができる。
第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とは上下方向に突設されており、互いに平行である。更に、内枠H12に対する正面枠P7014の移動も、左端側に位置し上下方向に延びる回転軸を中心とする回転移動である。
そのため、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して接近させるための荷重の方向と、正面枠P7014を内枠H12に対して接近させるための荷重の方向とは、共に前後方向成分を有する方向であるから、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して接近させる移動と、正面枠P7014を内枠H12に対して接近させる移動とを一の荷重で同時に実行させることも可能である。
一方で、本実施形態では案内支持部P7335の長孔P7336が前側領域P7336aと後側領域P7336bとで区分けされており(図406をご参照下さい)、荷重のかけ具合によっては、図411(a)及び図411(b)に図示されるように、化粧ユニットP7302の状態は維持したままで、正面枠P7014の内枠H12に対する開放角度を優先的に変化させることも可能である。
これは、例えば、化粧ユニットP7302の開始状態から中間状態への変化を、下側受部P7338の前方の対象領域PT7302aから前後方向の荷重PL7302をかけることで行うことで実現される。
この場合、化粧ユニットP7302にかけられる荷重PL7302は、化粧ユニットP7302の回転移動の中心である第2円柱状突部P7397に対して加えられるのみであり、その第2円柱状突部P7397を中心とした回転先端側にある第1円柱状突部P7393には加えられないため、化粧ユニットP7302の回転移動が抑えられる。
荷重PL7302をかける位置が対象領域PT7302aのままであって、荷重PL7302の方向が前後方向のままである場合、図411(b)に図示されるように、荷重PL7302は第2円柱状突部P7397よりも右側に位置しており、むしろ化粧ユニットP7302を上面視で反時計回り方向に回転移動させる向きとなっており、その向きの移動は長孔P7336及び下側受部P7338の形状から許容されていないので、化粧ユニットP7302の回転移動がより抑えられる。
図411(a)及び図411(b)に時系列で図示されるように、荷重PL7302により正面枠P7014が内枠H12に対して接近する方向に回転移動される場合、図411(b)に図示される状態を経て正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖しきる前に、戻りバネ(図示せず)による反発力が生じる。
作業者は、この反発力を感じたら、荷重PL7302をかける位置を化粧ユニットP7302の左右中央よりも左側の変化領域PT7302bまでずらすことで、次は正面枠P7014よりも化粧ユニットP7302の回転移動を優先的に生じさせることができる。
変化領域PT7302bが左右中央よりも左側に位置することにより、正面枠P7014の回転軸(左端)と変化領域PT7302bとの距離よりも、化粧ユニットP7302の回転軸(右端における第2円柱状突部P7397)と変化領域PT7302bとの距離の方が長いため、化粧ユニットP7302の回転移動を優先的に生じさせることができる。
図411(a)では、図411(a)に図示される状態において、第2円柱状突部P7397を中心とする円弧であって化粧ユニットP7302の左端を通る補助円弧線PC7330bが図示され、図411(b)では、補助円弧線PC7330bが比較対象として図示されると共に、図411(b)に図示される状態において、第2円柱状突部P7397を中心とする円弧であって化粧ユニットP7302の左端を通る補助円弧線PC7330cが図示される。
図411(b)に図示されるように、補助円弧線PC7330bよりも補助円弧線PC7330cの方がパチンコ機P7010の左右内側に寄っているため、補助円弧線PC7330bに沿って化粧ユニットP7302を移動させる作業よりも、補助円弧線PC7330cに沿って化粧ユニットP7302を移動させるように作業する方が、左側に隣接されるパチンコ機から化粧ユニットP7302を逃がし易くすることができ、取り付け作業時における他のパチンコ機との衝突を避け易くすることができる。
このように、正面枠P7014の開放を維持したままの(閉鎖させない)状態で、化粧ユニットP7302の左方への張出を最小限に抑えながら、化粧ユニットP7302の組み付けを行う作業を、難しい工程なく行うことができる。
次いで、図412から図416を参照し、第66実施形態におけるパチンコ機P8010について説明する。上記第60実施形態では、スピーカーユニットP920から出力される音声がスピーカーカバーH27を通過する態様は一定とされる場合を説明したが、第66実施形態では、スピーカーカバーH27を音声が通過する態様が変化されるよう構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図412は、第66実施形態におけるパチンコ機P8010の正面図である。図412に図示されるように、パチンコ機P8010は、正面枠P8014が上側装飾ユニットP8014aを備えており、その上側装飾ユニットP8014aには演出レバーP3390が配設される。
演出レバーP3390の操作に基づいて、上下皿ユニットP8015に配設されるスピーカーユニットP920が動作されるように制御される。演出レバーP3390の操作量に対応して、スピーカーユニットP920から出力される音の大きさ(振幅)が変化するよう制御される。
演出レバーP3390の配置は、操作ユニットP180の左右位置よりも左右方向外側に設定されており、左右方向中央に位置するスピーカーユニットP920から十分に離間している。これにより、操作ユニットP180の大きさに関わらず演出レバーP3390の配置スペースを確保することができると共に、往復振動手段であるスピーカーユニットP920で発生する振動が演出レバーP3390まで伝達されることを回避することができる。
演出レバーP3390は、左右方向に延びる回転軸を中心として前側先端の球状部を傾倒させるように回転移動させる操作が可能となっている。操作力が付与されていない場合、内蔵される戻りバネにより起き上げられた状態とされることから、遊技者は回転移動物体である演出レバーP3390の上側に指を引っ掛けて重力方向に下ろすことで楽に操作を行うことができる。
演出レバーP3390は、前側先端の球状部または球状部に連結される棒状部の少なくとも一方は、金属材料から形成または表面に金属の鍍金が形成される。これにより、演出レバーP3390の外観を煌びやかにすることができ、意匠性を向上させることができる。
図413(a)は、上下皿ユニットP8015の下皿形成部材P8530の正面図であり、図413(b)は、上下皿ユニットP8015の下皿形成部材P8530の背面図である。正面枠P7014は、上下皿ユニットP15の代わりとして上下皿ユニットP8015を備える。
上下皿ユニットP8015は、上述した上下皿ユニットP15と同様に、本体枠P14dの下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材P510と、そのベース部材P510の正面側に配設される上皿形成部材P520及び操作ハンドルH51と、操作ユニットP180と、その操作ユニットP180の下側においてベース部材P510に締結固定されるスピーカー組立体P900と、を主に備え(図379参照)、ベース部材P510及び上皿形成部材P520の正面側に下皿形成部材P8530が配設される。
上皿形成部材P520は、正面視における右側(矢印R方向側)の上面に機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を備え、パチンコ機P8010の正面側(矢印F方向側)から遊技者が機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、手動操作手段である球排出レバーH54を操作可能とされる。
下皿形成部材P8530は、上述した下皿形成部材P530の主要な構成を具備しており、下皿形成部材P530の構成に加えて、スピーカー組立体P900に連通される経路を構成する経路構成部P8570と、スピーカー組立体P900に対向配置される動作部P8583を有する動作ユニットP8580と、を主に備える。
経路構成部P8570は、スピーカーユニットP920の振動による流体の移動経路の一つを構成し、動作ユニットP8580は、経路構成部P8570の入口の面積を変化させる。
スピーカーユニットP920から出力される音量は、音声ランプ制御装置H113(図348参照)によりスピーカーユニットP920の振動態様が制御されることで変化される。本実施形態では、経路構成部P8570の入口の面積の変化により、スピーカーユニットP920(図379参照)の振動による流体の経路構成部P8570内での移動態様を変化可能となっている。
即ち、スピーカーユニットP920から出力される音量が小さくされた場合であっても、経路構成部P8570内を移動する流体の圧力は、音量が大の場合と同様に維持することが可能とされる。
図414は、上下皿ユニットP8015の下皿形成部材P8530の分解正面斜視図であり、図415は、上下皿ユニットP8015の下皿形成部材P8530の分解背面斜視図である。
下皿形成部材P8530において、スピーカー組立体P900に連通される経路を構成する経路構成部P8570は、第2化粧部材P542の後方から前方へ向けて張り出し形成されることで後方側が開放された溝形状が第2化粧部材P542に一体的に形成される前側溝部P8571と、第1化粧部材P541の左右中央付近において前後方向に穿設される上側連通開口P8576と、その上側連通開口P8576よりも下側において前後方向に穿設される下側連通開口P8577と、を主に備える。
また、下側形成部材P8530において、経路構成部P8570の入口の面積を変化可能な動作ユニットP8580は、第1化粧部材P541の背面側に固定される駆動モータP8581と、その駆動モータP8581の駆動軸に固定される駆動ギアに歯合されるラックを有し、その歯合を維持した状態で直線方向に往復変位可能となるように第1化粧部材P541に支持される往復変位部P8582と、その往復変位部P8582に一体形成される動作部P8583と、その動作部P8583の下端から前方に張り出す板状に形成される張出板部P8584と、を主に備える。
前側溝部P8571は、正面視でコの字形状に迂回する経路の前側部を構成する。上側連通開口P8576は、前側溝部P8571の上側端部に連通される(前側溝部P8571と前後方向視で重なる)。下側連通開口P8577は、前側溝部P8571の下側端部側において、前側溝部P8571の延設方向に沿って複数(本実施形態では3箇所)が間隔を空けて連通される(前側溝部P8571と前後方向視で重なる)。
図416は、図413(a)のX51m-X51m線における上下皿ユニットP8015の部分断面図である。X51m-X51m線は、図378のX49m-X49m線と同じ位置として図示される。
スピーカーユニットP920は、振動膜P922がボイスコイルP921と一体形成される一方、ボイスコイルP921の内方にはスピーカーユニットP920の本体に固定された磁石が配設されている。
ボイスコイルに電流が流れると、ボイスコイルの外方(外周側)に配設される磁石との関係で、電流に応じた力が加えられるところ、磁石はスピーカーユニットP920の本体に固定されているので、ボイスコイルP921及び一体形成された振動膜P922が、電流の流れる方向の切り替えに対応して前後方向に振動され、この振動により生じる空気の振るえを遊技者が音として知覚可能となっている。
振動膜P922の後方側には外周側に円環状のダンパ部材P923が形成されており、振動膜P922を振動前の位置に復帰させる力を生じさせる。
図416に図示されるように、経路構成部P8570により構成される空間(流路)は、スピーカーユニットP920と、操作ユニットP180との間を連通する。そのため、スピーカーユニットP920の振動による圧力(空気圧)が、経路構成部P8570を介して操作ユニットP180に到達可能となっており、その圧力(空気圧)によって操作ユニットP180に振動を生じさせる演出を実行することが可能とされる。
スピーカーユニットP920から出力される音量は、一般的に、遊技者が好みに合わせて多段階的に調整可能となっている。即ち、パチンコ機P8010には機能調整操作部H190が備えられており(図412参照)、この機能調整操作部H190を適切に操作することでスピーカーユニットP920に流れる電流の大小を変更することが可能となっている。これにより、遊技者は、音量の大小を好みの設定に調整した上で遊技を行うことができる。
一方で、遊技者は音量の調整をする際、他の項目(光量等)については変更されないという前提の基で操作を行うことが通常であるが、本実施形態では、スピーカーユニットP920の振動態様が操作ユニットP180を振動させる態様に関わるところ、スピーカーユニットP920から出力される音量の調整により、操作ユニットP180の振動の大小が調整される関係にある。
換言すれば、遊技者が音量を小さく調整したことにより、操作ユニットP180に生じる振動も小さくなってしまい、振動に関わる演出を十分に楽しめないという事態が生じ得る。
これに対し、本実施形態では、スピーカーユニットP920の振動膜P922と操作ユニットP180とを連通する経路構成部P8570を通る経路上に動作部P8583が位置可能に構成されており、操作ユニットP180に生じる振動を所定の範囲内で維持可能に構成される。
即ち、スピーカーユニットP920から出力される音量が大の場合には、操作ユニットP180を振動させるために利用される空気圧の割合を小とすることで、副次的に遊技者に聞かせるために利用される空気を多くして、音量を大側で維持することができ、逆に音量が小の場合には、操作ユニットP180を振動させるために利用される空気圧の割合を大とすることで、副次的に遊技者に聞かせるために利用される空気を少なくして、音量を更に小さくすることができるようにすることで、音量が遊技者によって調整されたとしても、操作ユニットP180に生じる振動の大きさを維持することができ、音量の大小に関わらず、遊技者が振動演出を楽しむことができるように構成可能とされる。
また、動作部P8583を敢えて動作させなかった場合、スピーカーユニットP920の振動の大小の変化により、案内される圧力(空気圧)の大小が変化され、操作ユニットP180の振動(に基づく音)が変化される。そのため、操作ユニットP180の振動音を聞いた遊技者に違和感を与える演出を実行することができる。
スピーカーユニットP920の振動による圧力(空気圧)の内、経路構成部P8570に入らずに、スピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)を前方に通過した分を遊技者が音として知覚することになるところ、動作部P8583が左右中央側に進入するほど経路構成部P8570に入る圧力(空気圧)を小さくすることができるので、スピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)を前方に通過する分を多くすることができるため、動作部P8583の左右中央側への進入度合が大きいほど、遊技者が知覚可能な音が大きくなる。
即ち、上述したように操作ユニットP180に生じる振動の大きさを維持するために、本実施形態では、スピーカーユニットP920による音量が大きい場合ほど動作部P8583を左右中央側に進入させて経路構成部P8570に入る圧力(空気圧)を小さくするように制御される。
詳細には、機能調整操作部H190により複数段階(本実施形態では6段階)に設定可能とされる音量に対応して、動作部P8583が動作制御される。即ち、音量1又は2(音量小)の場合には最も退避する位置(下側連通開口P8577のいずれとも重ならない位置)、音量3又は4(音量中)の場合には右側の位置(下側連通開口P8577のうち右端の開口と重なる位置)、音量5又は6(音量大)の場合には中の位置(下側連通開口P8577のうち右端と中央の開口と重なる位置)へ向けて動作制御される。
そのため、機能調整操作部H190の操作によって、音量が小さくなるように変化させる場合と、音量が大きくなるように変化させる場合とでは、動作部P8583の動作方向が異なる(反転する)。また、機能調整操作部H190の操作によって、音量が大きくなるように変化させる操作部を押した直後に音量が小さくなるように変化させる操作部を押した場合等、音量の変化を生じさせない場合には、動作部P8583の配置は維持されることとなる。
なお、最も進入する左側の位置(下側連通開口P8577のいずれとも重なる位置、図413(b)参照)には、動作部P8583の操作時とは異なるタイミングで移動されるが、詳細は後述する。
これにより、音量5又は6(音量大)の場合に、スピーカーユニットP920から出力される大部分の振動がスピーカーカバーH27を介して前方に通過されることから、音量が小さくなる度合を低減させることができる。
また、上述の通り、スピーカーユニットP920による音量が小さい場合ほど動作部P8583を左右外方側に退避させて経路構成部P8570に入る圧力(空気圧)を大きくするように制御される。
これにより、音量1又は2(音量小)の場合に、スピーカーカバーH27を介して前方に通過される残りの分の空気を余計に削減させることができる。そのため、スピーカーユニットP920からの音量をより小さくすることができる。
動作部P8583は、張出板部P8584が形成されていることによりL字形状断面を構成しており、剛性を高くすることができる。そのため、動作部P8583の前後方向荷重による撓みを抑制できるので、動作部P8583の撓みにスピーカーユニットP920から出力された空気の圧が利用されて、エネルギーが減り、遊技者に聞かせる音が減衰することを避け易くすることができる。
加えて、図416に図示されるように、張出板部P8584により、第1化粧部材P541の湾曲する後面との間の隙間が埋められることにより、動作部P8583がスピーカーユニットP920の前方に位置する場合において、経路構成部P8570への空気の進入を防ぎ易くすることができる。
なお、パチンコ機P8010に搭載される演出制御の種類によっては、操作ユニットP180を振動させる演出を予定していない場合がある。この場合、経路構成部P8570を連通させておく必要はないので、スピーカーユニットP920から出力される音の大きさに関わらず、動作部P8583が左右中央側に進入した状態が維持される(図413(b)参照)。
これにより、スピーカーユニットP920の振動により移動する空気が経路構成部P8570に進入する割合を低くする(または無くす)ことができ、スピーカーカバーH27を通り前方へ移動する割合を高くすることができるので、スピーカーユニットP920から出力される音声を遊技者に聞かせ易くすることができる。
本実施形態では、上述した機能調整操作部H190により行われる調整に独立して、演出レバーP3390の操作に対応してスピーカーユニットP920の動作と駆動モータP8581の駆動による動作部P8583の動作とを実行させる優先調整制御が備えられている。以下、この優先調整制御について説明する。
優先調整制御とは異なる遊技の状態では、スピーカーユニットP920及びスピーカーP332a(図358参照)からは同様の演出用音声が出力されるが、優先調整制御では、スピーカーP332aからは演出用音声が出力される一方で、スピーカーユニットP920からは、演出レバーP3390の操作に対応して、予め設定された音声が出力される。予め設定される音声は任意に設定可能であるが、本実施形態では、「バスドラムを叩いた音」が設定される。
優先調整制御は、パチンコ機P8010の調整を、音量主体ではなく、操作ユニットP180に生じる振動主体で行うことを望む遊技者に対応するための機能である。即ち、本実施形態では、上述のように、音量設定により音量が変化したとしても、その変化に対応するように動作部P8583が動作されることで、スピーカーユニットP920の動作に基づく操作ユニットP180の振動が過度に変化することが抑制されるものの、操作ユニットP180の振動が全く変わらないというものではなく、遊技者によっては遊技に支障が出るほどの違和感を持つ場合もある。
例えば、振動が小さくなることで、遊技に物足りなさを覚える場合がある。遊技者によっては、操作ユニットP180の振動を犠牲にしてまで音量の調整を行うことは好まない場合もある(例えば、大音量に対しては耳栓を利用して対策できると考える遊技者もいる)ため、このような遊技者に対して、優先調整制御を構成することにより、事前に操作ユニットP180の振動を実感させてから、遊技を開始させることができる。
優先調整制御について説明する。まず、演出レバーP3390を遊技者が操作すると、その操作角度に対応した操作量が内蔵される検出装置により検出される。その検出装置は、枠ボタンH22と同様に音声ランプ制御装置H113に電気的に接続されており、演出レバーP3390の操作量を音声ランプ制御装置H113が把握可能となっている。
演出レバーP3390の操作量は、角度の変化量として検出される。その角度の変化量の、演出レバーP3390の最大回転角度に対する比が音声ランプ制御装置H113において把握され、その比が0~1/6(第1範囲)、1/6~2/6(第2範囲)、2/6~3/6(第3範囲)、3/6~4/6(第4範囲)、4/6~5/6(第5範囲)、5/6~6/6(第6範囲)のいずれに含まれるかを判断して、この判断に基づいてスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aに異なる動作量の動作を実行可能に制御される。
即ち、演出レバーP3390の操作量が第1範囲に含まれていればスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aは音量1で動作され、演出レバーP3390の操作量が第2範囲に含まれていればスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aは音量2で動作され、演出レバーP3390の操作量が第3範囲に含まれていればスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aは音量3で動作され、演出レバーP3390の操作量が第4範囲に含まれていればスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aは音量4で動作され、演出レバーP3390の操作量が第5範囲に含まれていればスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aは音量5で動作され、演出レバーP3390の操作量が第6範囲に含まれていればスピーカーユニットP920及びスピーカーP332aは音量6で動作される。
演出レバーP3390が操作されると、スピーカーユニットP920の動作が実行される前に、動作ユニットP8580の駆動モータP8581の駆動が実行される。即ち、演出レバーP3390が操作されると、駆動モータP8581の駆動、スピーカーユニットP920の動作の順で実行される。
駆動モータP8581は、音量1~6のうち、いずれの音量でスピーカーユニットP920が動作されるかに基づいて対応する位置に動作部P8583を移動させる動作を実行させるように駆動されるところ、演出レバーP3390の操作は常に操作量が第1範囲側から第6範囲側へ向けて実行されることから、まず演出レバーP3390の操作量に因らず動作部P8583の配置に関わらず動作部P8583を左右外方側に退避させるのに十分な駆動量で駆動モータP8581が駆動され、その後で、演出レバーP3390の操作量に基づいて設定される音量に対応した位置へ動作部P8583を移動させるように駆動方向が反転されて駆動モータP8581が駆動される。
ここで、動作部P8583を左右外方側に退避させるのに十分な駆動量で駆動モータP8581を駆動させるために600[ms]必要となり(下側連通開口P8577の一つの開口の後方を通過するのに約200[ms])、その後で動作部P8583を左右中央側へ進入させて、中の位置(下側連通開口P8577のうち右端と中央の開口と重なる位置)とされる状態とするまで400[ms]必要となるため、演出レバーP3390の操作が実行されてから1000[ms]経過した後でスピーカーユニットP920の動作が開始されるように制御される。
上述したように、演出レバーP3390の操作量が大きい場合に動作部P8583が左右中央側に進入され、操作量が小さい場合に動作部P8583が左右外方側に退避するというように、操作量の大小によって被案内物体である動作部P8583の動作方向を切り替えることができるので、操作方向を切り替える場合と違って感覚的な操作で調整を行うことができる。
優先調整制御は、演出レバーP3390の操作を起点として実行されることから、演出レバーP3390の操作が解除されると制御は継続されなくなる。そのため、遊技者は、好みのタイミングで優先調整制御を実行させたり、停止させたりすることができる。
また、補助ボタンP3391(図391参照)を押し込んでいる間は、駆動モータP8581の動作のみが実行され、スピーカーユニットP920の動作が実行されないように制御される。
これにより、補助ボタンP3391を押し込みながら演出レバーP3390を操作することで、意図しないタイミング(即ち、演出レバーP3390の操作量の確定前、操作途中)でスピーカーユニットP920が動作することを避けることができる。
補助ボタンP3391は、演出レバーP3390を操作する遊技者が片手で操作可能となる位置に配置されているため、操作が容易となっている。遊技者は、演出レバーP3390の操作量に納得したら補助ボタンP3391の押し込みを解除することで、好みのタイミングでだけスピーカーユニットP920の動作を実行させることができる。
優先調整制御におけるスピーカーユニットP920の動作は、10[Hz]で継続可能となるように設定される。そのため、打音は100[ms]間隔で聞こえることが基本となるので、振動数が変化する場合に比較して音量(大小)の変化を識別し易くすることができる。一方で、補助ボタンP3391の押し込みによりスピーカーユニットP920の動作を一時的に停止させることができるため、演出レバーP3390及び補助ボタンP3391の操作態様によっては、10[Hz]未満での動作を実行させることが可能とされる。
優先調整制御では、演出レバーP3390の操作に基づくスピーカーユニットP920が動作と同時または動作後において、スピーカーユニットP920の動作に対応する音量が報知される。
この報知は、様々な態様で実行可能とされる。例えば、第3図柄表示装置H81(図352参照)で「音量は5です」等の音量に関わる表示がされても良いし、スピーカーP332a(図358参照)やスピーカーユニットP920から「音量は5です」等の音量に関わる音声が出力されても良いし、これらの組合せでも良い。
遊技者は、実行されたスピーカーユニットP920の動作により出力される音や、操作ユニットP180の振動感に納得できたら、手動操作手段である機能調整操作部H190(図412参照)を操作して対応する音量に設定して遊技を開始することで、操作ユニットP180が好みの振動感で振動される状態における遊技を行うことが可能となる。
なお、報知を第3図柄表示装置H81(図352参照)で実行する場合、他の演出表示よりも優先して表示する(手前側のレイヤーで表示する)ように設定すれば、遊技と並行して優先調整制御を実行した場合に、報知が他の演出表示に隠されて見えなくなることを避けることができるし、優先調整制御のために遊技を一時停止する必要が無いので、遊技者の遊技時におけるストレスの低減を図ることができる。
次いで、図417を参照し、第67実施形態における下皿形成部材P9530について説明する。上記第66実施形態では、スピーカーユニットP920の手前側で単一の動作部P8583が動作される場合を説明したが、第67実施形態では、スピーカーユニットP920の手前側で動作される物体が複数で構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図417(a)及び図417(b)は、第67実施形態における下皿形成部材P9530の背面図である。下皿形成部材P9530は、上述した下皿形成部材P8530の主要な構成を具備しており、下皿形成部材P8530の構成に加えて、上下動作ユニットP9590を備える。
図417(a)では、上下動作ユニットP9590が下側連通開口P8577から退避されている退避状態が図示され、図417(b)では、上下動作ユニットP9590が下側連通開口P8577の後方側に進入する進入状態が図示される。
上下動作ユニットP9590は、動作ユニットP8580と同様に経路構成部P8570の入口の面積を変化させるためのユニットであって、第1化粧部材P541の背面側に固定される駆動モータP9591と、その駆動モータP9591の駆動軸に固定され、180度未満の角度で往復回転移動可能に構成される往復変位部P9592と、その往復変位部P9592の配置に応じて上下方向に往復変位可能となるように第1化粧部材P541に支持される動作部P9593と、を主に備える。
動作部P9593は、左側端部が凹設形成されており、退避状態(図417(a)参照)か進入状態(図417(b)参照)かに因らず、最も左側の下側連通開口P8577と重ならないように構成される。即ち、退避状態では、動作部P9593は全て(3箇所)の下側連通開口P8577と重ならないように構成され、進入状態では、動作部P9593は最も左側(矢印L方向側)の下側連通開口P8577と重ならず、残りの下側連通開口P8577と重なるように構成される。
上述したように、動作部P8583は、その構造から、動作部P8583の動作完了までに最大で1000[ms]必要となることに因りスピーカーユニットP920(図416参照)の動作の開始は演出レバーP3390(図412参照)の操作から1000[ms]経過後に実行されるよう制御された。
一方で、1000[ms]必要となるのは、操作による演出レバーP3390(図412参照)の回転角度が大きくされ、スピーカーユニットP920から出力される音が音量6(音量最大)とされ、動作部P8583が左右中央側に進入するまで最大幅で移動する場合に限定されるものであり、動作部P8583の移動量が小さい場合は1000[ms]を必要としない。そのため、動作部P8583が左右中央側に進入するまで最大幅で移動する場合を対策できれば、演出レバーP3390(図412参照)の操作からスピーカーユニットP920の動作の開始までを短縮することができる(例えば、約800[ms]とすることができる)。
本実施形態では、演出レバーP3390の操作量が、スピーカーユニットP920から出力する音が音量1~4(音量小~中)となる場合には動作ユニットP8580のみを駆動制御する一方で、スピーカーユニットP920から出力する音が音量5又は6(音量大)となる場合には動作ユニットP8580に加えて上下動作ユニットP9590の駆動制御を実行するように構成される。
上下動作ユニットP9590の動作部P9593は、下降移動により下側連通開口P8577の右側および中央の開口と重なることは左右中央側に進入した動作部P8583と変わらないが、上端位置から下端位置まで200[ms]で移動することができるので、動作部P8583が目標位置に到達する(400[ms])よりも早く目標位置に到達することができる。
従って、動作ユニットP8580のみ配設されていた場合に比較して、演出レバーP3390(図412参照)の操作実行からスピーカーユニットP920の動作開始までの間隔を短縮化することができる。即ち、右側の位置(下側連通開口P8577のうち右端の開口と重なる位置)には動作部P8583が200[ms]で到達し、中の位置(下側連通開口P8577のうち右端と中央の開口と重なる位置)には動作部P9593が200[ms]で到達するため、演出レバーP3390の操作からスピーカーユニットP920の動作までの間隔を200[ms]短縮して、800[ms]経過後とすることができる。これにより、演出レバーP3390の操作に基づくスピーカーユニットP920の動作を高速化することができる。
動作部P9593は、退避状態(上側位置、図417(a)参照)においてスピーカーカバーH27の一部(上側の範囲)を塞いでいるが、進入状態(下側位置、図417(b)参照)となると下側連通開口P8577と重なる部分が多くなり、スピーカーカバーH27を塞ぐ面積が小さくなる。そのため、スピーカーユニットP920(図416参照)から出力される音声がスピーカーカバーH27を効率よく通過可能となる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
例えば、化粧ユニットP8302に配設されるとして説明した演出レバーP3390が配設される化粧ユニットP7302を備え、動作ユニットP8580を有する上下皿ユニットP8015を備え、優先調整制御を実行可能に構成されたパチンコ機を構成することは、当然に可能である。
上記第59実施形態から第64実施形態では、切替構成部P320の状態を視認可能な箇所として、板状部P314の間の領域に複数段形成部P321hが嵌合され、その複数段形成部P321hの透過部分を介して被操作部材P322を視認可能に構成されることで、被操作部材P322の視認は可能としながら外方からのアクセスは遮断することにより外方から不正に被操作部材P322を操作しようとする行為を防止可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数段形成部P321hの形成を省略して、板状部P314の間の領域が貫通形成されても良い。この場合、複数段形成部P321hが汚れたり、光が反射したりすることで、被操作部材P322の視認性が低下する事態を避けることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、切替構成部P320の状態を視認可能な箇所として、板状部P314の間の領域または操作部P322aが、それぞれ一箇所ずつ視認可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部P314の間の領域と類似の窓部が異なる位置にも配設されることで、複数位置で切替構成部P320の状態を視認可能としても良い。
また、操作部P322aが複数位置に設けられる(例えば、被操作部材P322の左側寄りの位置に追加の操作部が配設され、後方に露出される)ことにより複数位置で切替構成部P320の状態を視認可能としても良い。この場合において、複数位置とは、左右に離間した複数位置でも良いし、上下に離間した複数位置でも良いし、正面枠P14の後方において分散配置された複数位置でも良い。
また、この場合において、露出される位置は同様に複数として、操作部として利用されない箇所があっても良いし、全ての箇所を露出のみとして操作部としては利用しなくても良い。この場合、特定の一箇所を視認しないと切替構成部P320の状態を把握できない場合に比較して、切替構成部P320の状態を把握するために視認する位置を作業者の好みで選択することができるので、作業者の負担を低減させることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、切替構成部P320の内部において、上下方向に動作する箇所と左右方向に動作する箇所とがある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向に動作する箇所が無くても良い。この場合、自重の影響を最小限に抑えることができる。また、左右方向に動作する箇所が無くても良い。この場合、自重により動作をスムーズに行わせることができるので、例えば、動作部分の材料を金属材料とすることで部材の重みを増すことで、自重をより効率的に利用することができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、摺動上面P333cに摺動底平面P358が載置され、摺動された後で、係止棒部材P380又は係止回転棒P3380が案内筒部P321gに案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、摺動上面P333cに摺動底平面P358が載置される前に係止棒部材P380又は係止回転棒P3380が案内筒部P321gに案内開始されるように設計されても良い。この場合、係止棒部材P380又は係止回転棒P3380が複数で構成されていることで化粧ユニットP302の重さを支える位置を複数点とすることができ、一箇所にかかる重みを低減させることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、目印となる板状部P314の間の領域が正面枠P14,P6014の上面側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、目印となる領域が、正面枠P14,P6014の横側にあっても良い。この場合、正面枠P14,P6014の上面側の形状により目印となる領域の視認性が低下することは無いので、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の設計自由度を向上させることができる。即ち、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の右端部から上方に張出部を設けて右方からの視界を遮るような形状とすることができる。また、このような形状において、目印となる領域の位置が依然として正面枠P14,P6014の上側に設定されていても良い。この場合、目印となる領域への視界が通り難くなっていることで、ホールでの設置状態において遊技者がパチンコ機P10,P6010を斜め上から視認した場合に目印となる領域が視認される可能性を低くすることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、被操作部材P322が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被操作部材P322を金属材料から形成しても良い。この場合、切替構成部P320の待機状態では板状部P314の間の領域を通して切替構成部P322を視認不能とし、切替構成部P320の変位状態では板状部P314の間の領域を通して切替構成部P322を視認可能に構成することにより、樹脂材料から形成される板状部P314と金属材料から形成される被操作部材P322との態様の違いから、切替構成部P322の状態の判別を明確化させることができる(色の違いに頼ることなく状態判別が可能となる)。
上記第59実施形態から第64実施形態では、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302をベースユニットP301,P5301に近接移動させる場合に働くのは摩擦力だけであって、誤って化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の被操作部材P322を操作しても化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の配置は維持されることで脱落の危険がない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302をベースユニットP301,P5301から離間させる方向に付勢するバネ等の付勢手段を備えていても良い。
これにより、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を取り外す際に、作業者が、片方の手(例えば、右手)では操作部P322aを操作し、もう片方の手(例えば、左手)では化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持するといった正面枠P14,P6014を跨いでの操作を不要とすることができるので、取り外し作業を容易とすることができる。
これにより、経年使用によりコイルスプリングP322SPが劣化しており被操作部材P322が待機状態に復帰されない場合に、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302をベースユニットP301,P5301から離間した状態とすることができ、コイルスプリングP322SPの経年劣化に気付かせることができる。
付勢手段の付勢力により、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302がベースユニットP301,P5301から外れるまで付勢されるものではなく、付勢力により化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302がベースユニットP301,P5301から離間されたとしても、案内筒部P321gに依然として係止棒部材P380の先端部が進入されている状態が維持されても良い。この場合、付勢手段の付勢力で化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302がベースユニットP301,P5301から離間されてそのまま脱落するという事態を避けることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、被操作部材P322に一体形成される操作部P322aが操作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被操作部材P322の動作を可能とするためのキー部材が別体で用意されていて、そのキー部材を操作部P322aに形成される嵌合凹部に差し込むことで被操作部材P322を動作させることができるように構成されても良い。これにより、被操作部材P322の動作を専門スタッフ以外にはさせないように構成することができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、複数の係止棒部材P380又は係止回転棒P3380が切替構成部P320の各金属板部P322e,P324cに同時に荷重を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、別々のタイミングで荷重を与える態様でも良い。この場合、特定の係止棒部材P380又は係止回転棒P3380に荷重を集中させることができるので、その他の係止棒部材P380又は係止回転棒P3380の耐久性を向上させることができる。
また、係止棒部材P380又は係止回転棒P3380を形成する材料は、樹脂材料に限定されるものではなく、例えば、金属材料から形成されても良い。特に金属材料から形成すれば、剛性を高くすることができるので、形状の設計自由度も向上させる。即ち、円錐形状に限らず、板形状の先に爪部を形成するようにしても良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、切替構成部P320の内部が動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切替構成部P320は動作されず、係止棒部材P380又は係止回転棒P3380がスライド動作することで組み付けと解除とが可能とされても良いし、切替構成部P320及び係止棒部材P380又は係止回転棒P3380の両方が動作可能に構成しても良い。この場合、各部材に必要とされる動作量を小さくすることができる。
また、切替構成部P320の少なくとも一部が化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302側に構成されても良い。この場合において、係止棒部材P380又は係止回転棒P3380がベースユニットP301,P5301側に配設され、切替構成部P320が化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302側に構成され、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302をベースユニットP301,P5301に対して押進することで組み付け可能に構成しても良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、前側傾斜部P355の後方に傾斜面が形成されており、この傾斜面に指を押し当てることができるので、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易く構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前側傾斜部P355の後端部から下方へ向けて凹部が形成されており、この凹部に指をかけることで化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易く構成しても良いし、前側傾斜部P355の上端部から後方へ向けて張り出す張出部に指をかけることで化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易く構成しても良い。
前側傾斜部P355の後方においてベース部材P350の上面に左右方向に延びる溝部が形成されても良い。この溝部に指をかけることで化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易くすることができ、滑りを防止することができる。
前側傾斜部P355の上端部から前後方向または左右方向に張り出す上端張出部が形成されても良い。この上端張出部に指を引っ掛けることで、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易くすることができる。
前側傾斜部P355のように前側からの張出ではなく、ベース部材P350の上面から複数の棒が分散配置されて上方に延設されるように構成しても良い。この複数の棒を利用して化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易くすることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、前側傾斜部P355が上方に張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース部材P350の下面の前端側から左右に延びる帯形状部が下方に張り出しても良い。この場合、帯形状部の下に手を置き、指を掛けることで、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を把持し易くすることができる。
この帯形状部が形成されるベース部材P350の下面の前端側よりも後方には、帯形状部との対比として底面が上方に凹設された状態となる。この凹設部分は帯状に長く構成されても良いし、円形や矩形に構成されても良い。また、この凹設部分は有底凹部として構成されても良いし、開口形成されても良い。開口形成される場合には、指をより深くまで掛けることができるので、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302が滑って落下する可能性を低くすることができる。
凹設部分が開口形成される場合において、この開口を閉鎖可能な可動蓋部を構成しても良い。化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302では、内部において第1電飾基板P342や第2電飾基板P345から光が照射されるが、可動蓋部で開口を閉鎖することで、照射光が開口から漏れることを防止することができる。
一方で、開口を開放した状態で第1電飾基板P342や第2電飾基板P345からの光を漏らしたい場合には、凹設部分を化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の左端に設けることで、ガラスユニットH16の左右中心位置付近に光を漏らすことができる。この場合において、可動蓋部を手動で開閉可能に構成しても良いし、個別の駆動手段を備えており自動で開閉するように構成しても良い。
また、例えば、外枠部P371aの少なくとも一部が前方へ張り出すように構成されても良い。この場合、外枠部P371aの内側に指を掛けることによっても化粧ユニットP302を支持することができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、右側装飾ユニットP14cにおいて、反射面部P428で反射される光X432が嵌合突部P461aを任意のタイミング(照射されればいつでも)で透過可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、反射面部P428が化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の脱着に対応して上下方向にスライド変位可能に構成されており、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の組み付けが完了した状態においてのみ反射面部P428で反射される光X432が嵌合突部P461aを透過するようにしても良い。この場合、嵌合突部P461aの視認態様から、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の組み付けが完了したか否かを確認できるので、組み付け作業の作業負担を低減させることができる。この場合において、右側装飾ユニットP14cの上側部分(電飾基板P430よりも上側の部分)が化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302側に構成され、反射面部P428や反射面部P428をスライド変位させる構成が化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の脱着により共に脱着されるようにしても良い。この場合、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の設計自由度を向上させることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、回転伝達部材P3385が、正面視において前側傾斜部P355に隠される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転伝達部材P3385が、正面視で視認可能とされても良い。回転伝達部材P3385の形状が正面視で視認可能となる形状とされても良いし、前側傾斜部P355の形成が省略されても良い。切欠き凹部P3386が前側から視認可能に構成されても良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、回転伝達部材P3385が、上面側から露出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右側面や前側面から露出されても良い。この場合、左右側面や前側面から回転伝達部材P3385を回転させる操作をすることができるので、化粧ユニットP3302の組み付け作業および取り外し作業をしやすくすることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、回転伝達部材P3385が、化粧ユニットP3302の後端部付近に配設されており、不正に操作されることを防止し易い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP3302の前側位置に配設されてもいい。この場合、データカウンターPDcにより操作し難くされることはなく、正面枠P14の閉鎖状態においても回転伝達部材P3385を容易に操作可能となる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、補助ボタンP3391は、演出レバーP3390の上側に配設されており、傾倒操作(回転操作)に伴い、見易くなり、操作し易くなるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の下についていてもいい。この場合、操作する際に意図的に操作しなければ触れないので、意図せず補助ボタンP3391を操作することを避けられる。上記第59実施形態から第64実施形態では、近接される係止回転棒P3380が回転伝達部材P3385と連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転伝達部材P3385から離間する係止回転棒P3380が回転伝達部材P3385の回転動作と連動しても良いし、複数の係止回転棒P3380が連動しても良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302に上下反射部材P360が配設され、軽量化が図られながら、鮮やかな発光演出を視認させることができる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302に、球貯留部を構成し、操作により、遊技球が球案内経路を通して遊技領域へ移動されるように構成されても良い。遊技球は1個ずつ移動されるよう構成されており、また、遊技球の発射が実行されているタイミングでは遊技球の移動が実行されないように構成される。
この遊技球の遊技領域への移動は、払出装置H133(図340参照)の動作に基づくものではなく、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の内部からのものなので、払出装置H133やその上流側において送球不良が生じている場合であっても、遊技領域への遊技球の移動を生じさせることができる。
これにより、遊技球の発射を行いたい場合において上皿P17に貯留された球が無くなる事態(球切れ)を回避し易くすることができる。特に、制限時間内に特定領域に遊技球を通過させることにより遊技者に特定の利益が付与される遊技が提供される場合において、遊技者が不足の不利益を受けることを避け易くすることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、上側装飾ユニットP3014aの化粧ユニットP3302に可動部として演出レバーP3390が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302に貸出ボタンを配設しても良い。
貸出ボタンを上下皿ユニットP15の上面側ではなく化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302に配置することにより、上下皿ユニットP15の上面側における余白のスペースを大きく確保でき、上皿P17をより大きく構成することができる。
これにより、上皿P17が小さい場合に発生し得る、貸出ボタンの一度の操作で払い出される球数が上皿P17に収容しきらず、下皿50に払い出されるという事態を避け易くすることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、作業者が把持可能な把持手段P6390と、前側傾斜部P355とが構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前側傾斜部P355の形成を省略するようにしても良い。この場合、パチンコ機P10が誤ってデータカウンターPDcに衝突する事態を避け易くすることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、把持手段P6390が化粧ユニットP6302に固定配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円柱状部P6391及びL字形状延設部P6392の前後方向に延設される箇所が、前後方向に伸縮動作可能に構成しても良い。この場合、組み付け作業時には前後方向に伸長させることで把持を容易とする一方で、組み付け作業後には縮小させることで、正面枠P6014を開放させた際に左隣のパチンコ機に把持手段P6390が衝突する可能性を低くすることができる。
なお、円柱状部P6391及びL字形状延設部P6392の前後方向に延設される箇所の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、縮小方向または伸長方向の付勢力を生じる付勢バネが配設され、外力の付与が無ければ縮小状態または伸長状態で維持されるよう構成しても良いし、縮小状態にする方向または伸長状態にする方向(もしくは両方向)の駆動力を発生可能な駆動手段が配設され、その駆動力により、縮小状態または伸長状態での維持や、縮小状態と伸長状態との状態変化が可能となるように構成しても良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、円環形状部P6394が作業者からの荷重により回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円環形状部P6394を基準となる状態に復帰させる付勢バネを内蔵させ、作業者が手を離している場合には基準となる位相に復帰されるように構成しても良い。これにより、作業者が化粧ユニットP6302の組み付け作業または取り外し作業の一方のみ把持手段P6390を把持する場合であっても、正面視における意匠を安定させることができる。
なお、把持手段P6390の形状は、棒状でも良いし、板状でも良いし、半円状でも良いし、円環の一部の形状でも良い。内部が空洞な方が、作業者が掴み易いという利点がある。
上記第59実施形態から第64実施形態では、円環形状部P6394が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、L字形状延設部P6392に回転不能に固定配置されても良い。この場合、正面枠P14を開放させる際に把持手段P6390を取手として利用する際に、開放方向の力をかけやすくなり、作業者の作業負担を低減させることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、円環形状部P6394が凹凸の少ない円環形状とされ、位相の違いにより正面視での意匠が変化することを回避している場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外周側に凹凸形状が構成されても良い。この場合、把持手段P6390を把持する作業者の手のひらに凹凸形状を食い込ませることができるので、把持手段P6390が滑りにくくすることができる。
凹凸形状の態様は何ら限定されるものではないが、例えば、凹部に指を掛けられる程度の寸法の凹凸形状であることが好ましい。その意味で、上限を5として複数の凹部が形成されることが好ましい。また、凹凸形状(凹形状または凸形状)の大きさについても、全てが同じ大きさというわけではなく、指の太さに対応させて大小異なる大きさとすることが好ましい。
円環形状部P6394及び円筒形状部P6393を形成する材料は、何ら限定されるものではないが、交換性の高い樹脂材料をベースとしながら、全体を樹脂材料とするのではなく、少なくとも一部に金属材料が形成されていると、剛性を向上させられるという利点がある。
この場合において、金属材料で形成される部分を円環状に構成すると、把持手段の剛性を全体的に向上させることができる。円環形状部P6394を金属材料から形成しても良しい、円筒形状部P6393(の少なくとも一部)を金属材料から形成しても良い。また、金属材料から形成するとは、金属のみから形成されていることを指すものでは無く、一部でも金属材料が含まれていれば良い。その観点で、金属メッキが付されているだけでも良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、円筒形状部P6393がL字形状延設部P6392の上下方向延設部分に固定配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円筒形状部P6393が円柱状部P6391及びL字形状延設部P6392により構成されるU字状のラインに沿って移動可能に構成しても良い。即ち、正面枠P6014開放作業時にはU字の底部(L字形状延設部P6392の上下方向延設部分)に配置させ、遊技可能状態とする場合には、U字状の前後方向直線部に膨出部が配置されるようにしても良い。この場合において、より上側に位置する円柱状部P6391に円筒形状部P6393が配置されるようにすると、遊技者の視界に円筒形状部P6393を入れ難くすることができる。
なお、円筒形状部P6393が円柱状部P6391に配置される場合において、L字形状延設部P6392を残存させる設計でも良いし、取外し可能に設計されても良い。即ち、L字形状延設部P6392については、作業時にのみ取り付けられ、遊技可能状態においては取り外されるように構成しても良い。
上記第59実施形態から第64実施形態では、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302が前後方向にスライド移動されることでベースユニットP301,P5301に組み付けされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302が、左端部に配設される回転軸を中心に回転動作されるように構成しても良い。この場合、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302は回転軸を中心とする回転動作によりベースユニットP301,P5301から離間することが可能とされ、その離間した状態において、作業者は、右端側の隙間から化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302とベースユニットP301,P5301との内部領域を確認できる。
この回転動作は、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の上側部に配設され上下方向に中心軸を有する円柱状金属部が、ベースユニットP301,P5301の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ円柱状金属部が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部を有する軸支延設部に内嵌されることで、円柱状金属部を中心として実行される。
更に、この回転動作は、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の下側部に配設される軸孔形成金属板に穿設される軸孔部が、左側装飾ユニットP14bの上側部において本体枠P14dの前面側へ向けて延設形成される金属製の板部材から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンに外嵌され軸支されることにより、実行される。
化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の組み付けにおいては、支持ピンに化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を上から乗せて軸孔部を嵌めつつ、円柱状金属部を嵌合凹部に内嵌させることで、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302がベースユニットP301,P5301に対して回転動作可能に支持される。
なお、円柱状金属部は、前扉取付金具H58が軸支される回転軸線と同軸上に形成されても良いし、異なる軸上に形成されても良い。また、軸孔形成金属板の軸孔部が、前扉取付金具H58が軸支される回転軸線と同軸上に形成されても良いし、異なる軸上に形成されても良い。
この場合において、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の組み付け作業または化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を取り外す作業において、係止棒部材P380又は係止回転棒P3380がベースユニットP301,P5301から外れた場合であっても、左端側において化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302が支持されていることから、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302を誤って落下させる事態を避け易くすることができる。
化粧ユニットP3302においては、演出レバーP3390が回転軸が配置される左端側から離れた側(右端側)に配設されていることで、演出レバーP3390を、化粧ユニットP3302の組み付けの際にベースユニットP3301側に近接させる回転軸とは遠い位置に位置させることができるので、演出レバーP3390がベースユニットP3301に衝突することを避けることができる。
上記第59実施形態から第64実施形態では、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の上面から前側傾斜部P355が張り出し、把持手段P6390が化粧ユニットP6302の右端側から板状部P371bの前方へ張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP6302の左端側から板状部P371bの後方へ指を差し込み可能な大きさで凹設される凹設部が構成されても良い。
この場合、作業者は、凹設部に指を掛けて、化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302の組み付け作業および取り外し作業を行うことができる。張出部であると、ホールに設置されている状態において正面枠P14,P6014を開放した時に左隣のパチンコ機に衝突する可能性から配置が限定されるところ(右側部が推奨される)、凹設部であれば、そのように限定されることはないため、作業時に指を掛ける位置を任意の位置に設定することができる。
この凹設部の形状は何ら限定されるものではないが、例えば、上側面または下側面が後方へ向かうほど上昇する方向に傾斜されている方が、作業者が指を掛けて下支えしている状態から化粧ユニットP302,P3302,P4302,P5302,P6302が滑り落ちることを防止し易くすることができる。
この凹設部の配置は、何ら限定されるものではないが、例えば、装飾構成部P370の構成を、外枠部P371a及び板状部P371bが縮小され、外枠部P371aの外方において凹設部が配置されるようにしても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、突設形成部P7359が化粧ユニットP7302のベース部材P7350に一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設形成部P7359がベース部材P7350とは別体で構成され、ベース部材P7350に締結固定されるように構成されても良い。この場合、突設形成部P7359が破損した場合であっても、ベース部材P7350ごと交換することは必要なく、別体の突設形成部P7359のみを交換すれば良いので、交換を容易とすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、突設形成部P7359がベース部材P7350の後方側寄りに位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設形成部P7359がベース部材P7350の前方寄りに位置するように構成しても良い。この場合、突設形成部P7359はベース部材P7350の内部深くに位置しており、作業者が誤って触れることができないようにすることができるので、突悦形成部P7359を安全のために面取りする工程等を省くことができ、製造の工数を削減することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、突設形成部P7359及び凹設形成部P7321iが樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設形成部P7359及び凹設形成部P7321iの少なくとも一方を金属材料から形成しても良い。この場合、剛性の向上により突設形成部P7359及び凹設形成部P7321iが形状変形することを防止することができると共に、接触による破損を防止できることから、化粧ユニットP7302の作業工程を安定させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、突設形成部P7359が正面視で装飾構成部P370と重ならない位置(左側に離間した外方位置)に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視で装飾構成部P370と重なる位置に配設されても良い。この場合、装飾構成部P370が透過性材料から形成される部分を有しており後ろ側が透視される態様とされていれば、突設形成部P7359の状態を正面視で確認することができるので、化粧ユニットP7302の取り付け前において突設形成部P7359の破損の有無を正面視で容易に確認することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、第1円柱状突部P7393よりも第2円柱状突部P7397の方が太い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1円柱状突部P7393よりも第2円柱状突部P7397の方が細い構成としても良い。この場合、移動量が長くなる第1円柱状突部P7393が早期に破損することを防止することができる。また、第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とを同じ太さで形成しても良い。この場合、支持力を均等に分散させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、長孔P7336及び下側受部P7338が上面視で閉空間を構成するよう構成されており、化粧ユニットP7302の水平方向への移動が長孔P7336及び下側受部P7338の前端部でせき止められる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長孔P7336及び下側受部P7338の前端部が開放されており、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397の上下位置を変えずに前方側からスライド移動させることで第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397を長孔P7336及び下側受部P7338に進入させることができるよう構成しても良い。この場合、化粧ユニットP7302の上下位置を変化させるという工程を省けるので、化粧ユニットP7302の脱着作業の工数を削減することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、正面枠P7014が内枠H12に対して開放された状態において化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に接近させる態様の移動も、正面枠P7014が内枠H12に対して開放された状態において化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に接近させる態様の移動も、実行可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面枠P7014が内枠H12に対して開放された状態において化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に接近させる態様の移動、または、正面枠P7014が内枠H12に対して開放された状態において化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に接近させる態様の移動、のいずれか一方が構成されている場合に、他方は実行不可能に規制されるように構成しても良い。この場合、正面枠P7014や化粧ユニットP7302の動作が不安定となることを避けることができ、不慣れな作業者でも楽に作業を行うことができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態で化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して取り付け可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、データカウンターPDcの下方に長孔P7336又は下側受部P7338が配設される構成とし、正面枠P7014が内枠H12に対して閉鎖された状態では化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して取り付け不可能に構成しても良い。この場合、作業を標準化し易くすることができるので、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して取り付けた後で正面枠P7014の裏側から板状部P314の間の領域を視認することを忘れることによる取り付け不良の発生を防止し易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、スピーカーユニットP920が正面枠P8014に配設されることにより遊技者側に近い位置から音を出力できる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スピーカーユニットP920が内枠H12に配設されるように構成しても良い。この場合、パチンコ機P8010におけるスピーカーユニットP920の前方に正面枠P8014の全前後幅分が配設されることとなるため、経路構成部P8570や動作ユニットP8580の配設領域を大きく確保することができ、設計自由度を向上させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397が形状固定の突部として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1円柱状突部P7393又は第2円柱状突部P7397の少なくとも一方が出没動作可能に構成しても良い。この場合、化粧ユニットP7302をスライド移動させる場合に第1円柱状突部P7393又は第2円柱状突部P7397とベースユニットP7301とが干渉することがあっても、第1円柱状突部P7393又は第2円柱状突部P7397を没方向へ移動させることにより干渉を回避させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、長孔P7336及び下側受部P7338の形状により、化粧ユニットP7302がベースユニットP7301に対して取り付けられる場合に、直線方向に平行移動した後で、回転移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転移動した後で直線方向に平行移動されるように構成しても良い。この場合において、直線方向は正面枠P7014の前面に垂直な方向であってもよく、この場合、切替構成部P320を形状変形させる加工をすることなくそのまま流用することができる。
また、平行移動なしで、化粧ユニットP7302を回転移動させることのみでベースユニットP7301に対する取り付けが可能となるように長孔P7336及び下側受部P7338の形状を構成しても良い。これは、長孔P7336は後側領域P7336bのみで構成し、下側受部P7338を後端位置における真円形状の開口として構成し、分割右側装飾ユニットP7014cの上面前端の形状を化粧ユニットP7302と干渉しない位置まで凹設を深く構成することで可能である。この場合、化粧ユニットP7302の取り付け作業の工数を削減することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とが同軸上には無い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1円柱状突部P7393と第2円柱状突部P7397とが同軸上に位置するように構成されても良い。この場合、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397における支持力を同一直線上で生じさせることができるので、化粧ユニットP7302を安定して支持することができる。更に、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397の双方が回転移動の軸として機能することから、化粧ユニットP7302の取り付け時の姿勢の自由度を向上させることができる。
なお、長孔P7336(前側領域P7336aのみ)の配置が下側受部P7338と上下方向視で重なる位置となるため、化粧ユニットP7302を真下に移動させるだけでは第2円柱状突部P7397が前側領域P7336aと干渉することになるが、化粧ユニットP7302を水平方向に移動させることで第2円柱状突部P7397を長孔P7336と下側受部P7338との上下位置間に進入させた後で、化粧ユニットP7302を上下方向に移動させることで、第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397を、長孔P7336(前側領域P7336aのみ)及び下側受部P7338に支持させることが可能となる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、化粧ユニットP7302に第1円柱状突部P7393及び第2円柱状突部P7397が構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。凹凸嵌合が可能な組み合わせの構成があればよく、例えば、化粧ユニットP7302に凹部(又は開口)が形成され、ベースユニットP7302側に対応する突部が形成されても良い。
また、上下位置において、一方では化粧ユニットP7302に突部が形成されベースユニットP7301に凹部(又は開口)が形成され、他方では化粧ユニットP7302に凹部(又は開口、長孔形状または真円形状)が形成されベースユニットP7301に突部が形成されるように構成しても良い。特に下側位置における第2円柱状突部P7307の代わりに凹部(又は開口)を形成する場合、作業者が化粧ユニットP7302を支える下面から突出する形状部がある場合より化粧ユニットP7302を持ち易くなるため、作業負担を軽減させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、下側受部P7338が形成される上方覆設部P7333dが山形状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上方覆設部P7333dの上面が水平面を形成するように構成しても良い。この場合、第2円柱状突部P7397が突設される下面を、上方覆設部P7333dにより面で支持することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、化粧ユニットP7302の回転軸としての第2円柱状突部P7397の形成方向(上下方向)が、正面枠P7014の回転軸の方向と平行である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2円柱状突部P7397の形成方向(上下方向)が上下方向に対して傾斜する方向でも良い。この場合、化粧ユニットP7302をベースユニットP7301に対して回転移動させる際に連動して正面枠P7014も移動してしまうことを回避できる。そのため、正面枠P7014が動かないように支えておかなくても、正面枠P7014の配置を維持した状態で化粧ユニットP7302を移動させ易くすることができるので、化粧ユニットP7302の脱着作業を行う際に、意図せず正面枠P7014が開放方向に動作してしまい、隣のパチンコ機と衝突する等の不足の事態を防止することができるので、脱着作業を容易とすることができる。
また、例えば、第2円柱状突部P7397の形成方向(上下方向)が上下方向に対して直交する方向でも良い。この場合、化粧ユニットP7302を回転移動させる方向と正面枠P7014の回転移動方向とが直交するため、化粧ユニットP7302を脱着させる際の荷重によって正面枠P7014が追従して移動することを防止することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、化粧ユニットP7302は個別の駆動モータは備えておらず、作業者が移動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧ユニットP7302が個別の駆動モータにより駆動されるように構成にしてもよい。この場合に、化粧ユニットP7302を移動させる手段として、ステッピングモーターを備えてもよい。そして、ステッピングモーターにより化粧ユニットP7302の位置を移動させる演出を実行させても良い。この場合、化粧ユニットP7302の位置を移動させる契機として、例えば、正面枠P7014が開放されている状態において、所定の操作部(操作ユニットP180等)が操作された時にしても良い。
この場合、例えば取り外し作業の際に、化粧ユニットP7302を駆動により開始状態まで移動させておけると、作業者は開始状態まで化粧ユニットP7302を移動させる手間が省けるため、作業者の作業負担を低減させることができる。また、化粧ユニットP7302の駆動を演出動作に利用できるように構成しても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、回転防止突部P7386及び突設係合部P7012gの形成態様が、正面枠P7014の開閉を阻害しない位置関係で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転防止突部P7386の前面が、右端部よりも左端部の方が前方へ張り出す態様で形成される傾斜面となるように形成され、正面枠P7014の開放中において回転防止突部P7386の前面が突設係合部P7012gと接触し得るよう構成しても良い。この場合、正面枠P7014の最大開放角度を規定することで、正面枠P7014が過度に開放して隣接するパチンコ機と接触することを防止することができる。
また、回転防止突部P7386が同様の形状とされる場合、化粧ユニットP7302がベースユニットP7301に対して半開き(不完全に固定されている状態)となっていても、正面枠P7014を開放方向に移動させて回転防止突部P7386を突設係合部P7012gに押し付けるようにすることで、化粧ユニットP7302の左端側をベースユニットP7301に押し付ける荷重を生じさせることができ、半開きの状態を解消することができる。
これにより、正面枠P7014の開放端側(右端側)に立って作業をする際に、化粧ユニットP7302の回転軸(第2円柱状突部P7397)が化粧ユニットP7302の右端側に位置することも合わさって、化粧ユニットP7302の左端側(回転先端側)に力を伝えにくい状況があっても、正面枠P7014の開放端側を開放側に移動させることで生じる回転防止突部P7386を突設係合部P7012gに押し付ける荷重によって化粧ユニットP7302の左端側に大きな荷重を伝えやすくすることができる。
なお、化粧ユニットP7302の回転軸を正面枠P7014の左端側に配設するようにしても良い。この場合には、係止棒部材P380は、左側に形成される2本を省略し、右側に形成される側を利用する方が組み付け時の干渉を避け易い。この場合、化粧ユニットP7302の背面側の視認性が良くなるため、正面枠P7014の開放端側(右端側)に立って行う作業の作業負担を低減させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、突設形成部P7359の上下方向に突設される断面形状が途中で変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設形成部P7359の断面形状が途中で変化しないように構成しても良い。この場合、上下延設部である水平張出部P7321kの形成を省略可能であって、凹設形成部P7321iの上方においてベースユニットP7301の上端部から前方に張り出す板部を形成し、その板部がベース部材P7350の天面の上側に重なるように構成することによって、化粧ユニットP7302が上方へ移動することを防止することができる。
また、ベース部材P7350の天面の内、ベースユニットP7301の上端部から前方に張り出す板部と重なる部分の形成を省略し、突設形成部P7359は、ベースユニットP7301の上端部から前方に張り出す板部と上下方向で重なる位置に配置されるようにベース部材P7350の背面側から延設形成されても良い。この場合、ベース部材P7350の天面の後端よりも後方に突設形成部P7359が張り出すように構成されるため、化粧ユニットP7302のベースユニットP7301に対する上下位置がずれていた場合に早めに接触を生じさせることができ、位置のずれを作業者に早期に気付かせることができる。
また、この場合においてベースユニットP7301の上端部から前方に張り出す板部の上面と、その前方におけるベース部材P7350の天面の上面とを面一で合わせることもできるし、張り出す板部の前方において、ベース部材P7350の上面が他の部分よりも一段下がるように構成しても良い。この場合、化粧ユニットP7302を上方から視認する場合において、突設形成部P7359の形成位置の見当を付けやすくすることができる。
また、突設形成部P7359の上下長さは、凹設形成部P7321iの上下長さと同じ長さで構成しても良いし、異なる長さとしても良い。同じ長さで構成する場合には、接触時に荷重をバランスよく生じさせることができる。また、突設形成部P7359の方が凹設形成部P7321iよりも短く形成する場合には、突設形成部P7359による重量増加を最低限とすることができ、化粧ユニットP7302の取り付け作業を楽にすることができる。
また、突設形成部P7359を化粧ユニットP7302の上下方向幅のほぼ全域にわたるように構成しても良い。この場合、凹設形成部P7321iも同様に上下方向に長く形成することで、単位面積あたりの荷重を低減することができ、化粧ユニットP7302の前方への位置ずれをより強固に防止することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、分割右側装飾ユニットP7014cにLED等が配設される電飾基板が配設される一方で、分割前板部P7480は自ら発光するのではなく、分割右側装飾ユニットP7014cのカバーとして機能する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分割前板部P7480に別個の電飾基板が配設され、LED発光による発光演出を実行可能に構成しても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、化粧ユニットP7302が固定された状態において、分割右側装飾ユニットP7014cの前方に分割前板部P7480が固定配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分割前板部P7480が変位可能に構成しても良い。分割前板部P7480が上下方向に延びる回転軸を中心として回転移動することが可能に構成されている場合、前方が左右方向内側に入るように回転移動させることで、隣接するパチンコ機との接触を避け易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、分割前板部P7480が、持ち手として好適に利用可能とするために背面側に突起が少なく滑らかな平面(曲面)で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分割前板部P7480の背面側から延設体が延設形成されても良い。
延設体は、分割右側装飾ユニットP7014cの開放空間に進入するように後方へ延設される第1延設部と、その第1延設部の先端側から外方(右方)へ向けて延設される第2延設部を備えるようにして、上面視L字形状で構成されてもいい。
更に、延設体に対応する構成として分割右側装飾ユニットP7014cの右側壁部から分割右側装飾ユニットP7014cの開放空間(内部側)へ向けて内部延設部が延設される。
内部延設部は、化粧ユニットP7302が開始状態から中間状態へ向けて移動される際には延設体と干渉しない配置および長さで形成されており、化粧ユニットP7302が中間状態から合体状態へ向けて移動された場合に、その移動方向において延設体と対向配置される配置および長さで形成される。
これにより、分割前板部P7480と分割右側装飾ユニットP7014cとの間に隙間が生じる場合であっても、分割前板部P7480の背面側から連続的に形成される延設体と、分割右側装飾ユニットP7014cの内壁部から連続的に形成される内部延設部とが隙間を埋めるように対向配置されることによって、分割前板部P7480と分割右側装飾ユニットP7014cとの間から異物が挿入されることを抑制することができる。なお、化粧ユニットP7302が合体状態となった場合に内部延設部と延設体との間に若干の隙間が空くよう設計することで、内部延設部と延設体との間に荷重が生じることを抑制することができる。
なお、延設体は、分割前板部P7480に一体形成される樹脂部材であっても良いし、金属材料から形成される別部材が分割前板部P7480に締結固定されるものであっても良い。前者の場合、量産性を向上させることができる。後者の場合、十分な剛性や強度を確保することができ、分割前板部P7480と分割右側装飾ユニットP7014cとの間から挿入された異物により破損することを防止することができる。
また、延設体は、分割前板部P7480の上下幅において分散配置されても良いし、分割前板部P7480の上下幅の略全域に亘って形成されても良い。前者の場合、延設体が形成されていない箇所を持ち手として利用することができるので、作業者の作業負担の低減を図りながら、隙間からの異物の進入を防止する効果を生じさせることができる。後者の場合、分割前板部P7480と分割右側装飾ユニットP7014cとの間から異物が挿入されることを分割前板部P7480の上下幅の全域で抑制することが可能となる。
この場合、延設体は装飾構成部P370の下縁よりも下側の位置にも形成される。この場合、装飾構成部P370を通して視認され得る位置を避けた進入経路で異物をパチンコ機に進入させることで、発覚を遅らせるような不正行為の発生を防止し易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、端子部P7321nが上方から電気配線P7391cを受け入れるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、端子部P7321nが斜め上方から電気配線P7391cを受け入れるように構成されても良いし、前方から電気配線P7391cを受け入れるように構成されても良い。この場合、端子部P7321nよりも上方において電気配線P7391cを収容するために必要となる空間の高さを低くすることができ、端子部P7321nの位置をより正面枠P7014の上方側に寄せることができるので、正面枠P7014の上方側から電気配線P7391cの抜き差しを行う作業者の作業負担を下げることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、端子部P7321nが配設される基板に対して、配線の束としての電気配線P7391cが接続されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、端子部P7321nが複数用意され、各端子部P7321nが別々の基板に配設され、各端子部P7321nに対応する電気配線が接続されるようにしても良い。各基板は、主制御装置H110と電気的に接続される基板と、音声ランプ制御装置H113と電気的に接続される基板とで構成しても良い。また、各基板に対して接続される電気配線は、挿入基板P7391aを介する電気配線でも良いし、演出レバーP3390に一端が接続される電気配線の他端や、分割前板部P7480に電飾基板が配設される場合においてその電飾基板に一端が接続される電気配線の他端でも良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、電気配線P7391cにより化粧ユニットP7302と音声ランプ制御装置H113とを電気的に接続するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベースユニットP7301及び化粧ユニットP7302の対向面に雄雌の端子が配設され、合体状態にされることに基づいて電気的に接続されるように構成しても良い。この場合において、各端子は、位置が完全に固定されるものではなく、若干の変位が許容されるよう構成することで、ある程度の形状の誤差に対応することが可能に構成されても良い。これにより、端子の位置を回転軸側に寄せることが不要となり、端子位置の設計自由度を向上させることができる。例えば、端子を化粧ユニットP7302の回転先端側に配設しても、作業者の作業負担が増加することを避けることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、ベースユニットP7301に動作可能な係止部材P7321mが配設されるよう構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線の途中位置を支持しつつ動作可能な部材が化粧ユニットP7302に配設されても良い。この場合において、ベースユニットP7301と化粧ユニットP7302とが離れた場合にその間の位置に支持位置が留まるような動作を可能とすることで、電気配線が急激に伸ばされることを避けることができ、電気配線の断線を避けることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、化粧ユニットP7302の内部の経路を通って挿入基板P7391aに一端が接続された電気配線が案内され、その電気配線の他端が演出レバーP3390に接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線の他端は、分割前板部P7480に電飾基板が配設される場合においてその電飾基板に接続されるように構成しても良い。
この場合において、化粧ユニットP7302の開始状態または中間状態において、化粧ユニットP7302の前面の向く方向と、正面枠P7014の前面の向く方向とが異なるため、分割前板部P7480から化粧ユニットP7302の前面側へ向けて照射される光の方向と、電飾部P29や報知手段としての操作ユニットP180から正面枠P7014の前面側へ向けて照射される光の方向とを異ならせることができる。これにより、作業者の立ち位置によって照射される光が見え難くなることを避けることができる。なお、作業者が正面枠P7014の右側から正面枠P7014の背面側を視認する位置に立って作業する場合、操作ユニットP180からの報知は、窓部P14eの内側に配設されるガラスユニットH16を裏側から透視することで作業者が視認することができる。
また、発光により報知される構成が、別の位置に配設されても良い。例えば、正面枠P7014の裏側に光を照射する構成を設けても良いし、正面枠P7014の上方に光を照射する構成を設けても良い。この場合、作業者が光を視認し易くすることができる。また、化粧ユニットP7302の状態に関連する報知を作業者に視認させる箇所は一箇所でも良いし、複数箇所設けるようにしても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態に加えて、ベースユニットP7301の前面側から出没可能なスイッチ部材が構成され、そのスイッチ部材は化粧ユニットP7302と前後方向で対向配置され、化粧ユニットP7302の合体状態において押し込まれることで化粧ユニットP7302が合体状態となっていることを検出可能に構成しても良い。この検出に基づいて、分割前板部P7480又は電飾部P29や報知手段としての操作ユニットP180の報知態様が切り替えられるように構成しても良い。
例えば、合体状態となっていない場合において、強烈な赤色発光を出力可能とすることで、何らかの異常が生じていることを作業者が把握し易くすることができ、化粧ユニットP7302を合体状態とする作業が不完全のまま終了することを防止し易くすることができる。
化粧ユニットP7302が合体状態となっていない状態で、パチンコ機の電源が入れられた場合の制御としては、種々の態様が例示される。例えば、電源が入れられた時に一定期間エラー報知を実行し、一定期間が経過したらエラー報知を停止するようにしても良い。この場合、エラー報知が何らかの誤検出であった場合において、正常に遊技を開始させることができる。
また、電源が入れられた時のみでなく、一定間隔で化粧ユニットP7302の状態を検知し、エラー報知を実行するように制御しても良い。この場合、遊技中に化粧ユニットP7302の状態が合体状態からずれた場合でも対応が可能である。
化粧ユニットP7302が合体状態となっていない状態で、パチンコ機の電源が入れられた場合の制御としては、種々の態様が例示される。例えば、エラー報知に代えて又は加えて、球の発射を不可能として、遊技すること自体を防止するようにしても良い。この場合、化粧ユニットP7302の状態切替が不正行為によるものである場合に、不正の利益の発生を食い止めやすくすることができる。
また、球の発射自体は可能として、遊技継続可能に制御しても良い。この場合、化粧ユニットP7302の状態の検出が何らかの誤検出であって、合体状態とされても誤検出が解消されない場合に、遊技者の利益が不当に害されることを避けることができる。
優先調整制御が構成されている場合に、化粧ユニットP7302が合体状態となっていない状態で、演出レバーP3390が操作された場合に、スピーカーユニットP920が動作しないように制御しても良い。この場合、遊技者が演出レバーP3390を操作した場合に異常を発見し易くなり、異常の早期発見を図ることができる。
また、優先調整制御が構成されている場合に、化粧ユニットP7302が合体状態となっていない状態で、演出レバーP3390が操作された場合に、スピーカーユニットP920が動作可能に制御しても良い。この場合、化粧ユニットP7302の状態の検出が何らかの誤検出であって、合体状態とされても誤検出が解消されない場合に、遊技者の利益が不当に害されることを避けることができる。
なお、化粧ユニットP7302に電気的接続を要する構成が配設されていない場合は、挿入基板P7391aの配設を省略できる。この場合、電気配線P7391cを付け外しする工程が無い分、化粧ユニットP7302を脱着させる作業を容易とすることができる。なお、挿入基板P7391aの配設の省略に伴って端子部P7321nの配設も省略しても良いし、端子部P7321nについては配設するようにしても良い。こうすることで、化粧ユニットP7302として複数のバリエーションが設けられる場合において、挿入基板P7391aが配設されるパターンにも、挿入基板P7391aが配設されないパターンにも、ベースユニットP7301を兼用することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、内枠H12に主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面枠P7014の裏側に主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113が配設されるようにしても良い。この場合、主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113と第3図柄表示装置H81の表示面とが対向配置されるため、正面枠P7014を開放させて、主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113に配設されるスイッチを操作した結果が第3図柄表示装置H81に表示されるような場合に、作業が円滑となる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390がスピーカーユニットP920よりもパチンコ機P8010の左右方向外側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の配置は任意に設定可能であり、スピーカーユニットP920と同等か、スピーカーユニットP920よりもパチンコ機P8010の左右方向内側に配置されるようにしても良い。これにより、パチンコ機P8010の外観の設計自由度を向上させることができ、演出レバーP3390の配置位置による個性を持たせることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、機能調整操作部H190の操作に対応して動作部P8583が動作される場合が構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能調整操作部H190を押し込み続けている長さに対応して動作部P8583が動作されるようにしても良い。この場合、遊技者がより直感的な操作をすることが可能となる。
また、機能調整操作部H190の操作中ではなく機能調整操作部H190から手が離された操作終了後において動作部P8583が動作されるようにしても良い。この場合、音量調整途中であるにも関わらず、操作の度に動作部P8583が動作する煩わしさを解消することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390のスピーカーユニットP920に対する距離が操作ユニットP180よりも離れている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390のスピーカーユニットP920に対する距離が操作ユニットP180よりも近いように構成しても良いし、演出レバーP3390と操作ユニットP180とが、スピーカーユニットP920から同じ距離だけ離れているように構成しても良い。この場合、演出レバーP3390に対してもスピーカーユニットP920からの振動を伝達させ易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390がパチンコ機P8010の上側に配置され、操作ユニットP180及びスピーカーユニットP920がパチンコ機P8010の下側に配置されるというように、演出レバーP3390と操作ユニットP180及びスピーカーユニットP920とが離間している場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390がパチンコ機P8010の下側に配置される等して、演出レバーP3390と操作ユニットP180及びスピーカーユニットP920とが近接配置されても良い。この場合、遊技者はパチンコ機P8010の下側のみを操作すれば良いので、操作を容易とすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作を行った場合にスピーカーユニットP920の振動が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の操作を実行していなくてもスピーカーユニットP920の振動が実行され得るように構成しても良い。スピーカーP332aの振動と対応して振動するように構成しても良いし、スピーカーP332aの振動とは独立したタイミングで振動し、異なる用途(エラー報知等)に利用されても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390が補助ボタンP3391を備え、補助ボタンP3391の押し込み中には演出レバーP3390を操作してもスピーカーユニットP920の振動を生じさせない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、補助ボタンP3391を備えない、又は、補助ボタンP3391の押し込みによる機能(振動を停止させるか否か、又は、他の機能)を予め選択できるように構成しても良い。この場合、補助ボタンP3391が押し込まれた状態(遊技者が気づかずに触れている等)で固定されていることに遊技者が気づかず、そのまま演出レバーP3390の操作をしてもスピーカーユニットP920の振動が生じないために遊技者が故障ではないかと疑う事態を避けることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390が傾倒方向に回転移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の回転軸は左右方向に延びるものに限らず、前後方向に延びる回転軸でも良いし、演出レバーP3390の移動態様を直線方向のスライド移動としても良い。この場合、演出レバーP3390の操作量を目視で把握し易くすることができ、遊技者が操作を再現し易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390が、前側先端の球状部または球状部に連結される棒状部の少なくとも一方に金属材料が利用されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390が樹脂材料のみから形成されても良い。この場合、量産性を向上させることができるので、パチンコ機P8010に予め交換部材を付属させることが容易となり、万が一破損しても対応を容易とすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、優先調整制御におけるスピーカーユニットP920の動作は、一定の振動数(10[Hz])で継続可能となるように設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スピーカーユニットP920の動作の振動数が変化するようにしても良い。変化の態様は任意に設定可能であるが、例えば、演出レバーP3390の操作量が大きくなるにつれて(スピーカーユニットP920から出力される音量が大きくなるにつれて)、スピーカーユニットP920の動作の振動数が小さくなるように制御しても良い。この場合、小さい音であっても音の出力される回数を増やすことで聞こえ難いという事態を避けられるし、大きい音であっても音の出力される回数を減らすことでうるさすぎるという事態を避けられる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、動作部P8583が左右中央側に進入することで下側連通開口P8577の開口面積を小さくする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部P8583が退避している状態において下側連通開口P8577を塞ぐ動作をする開閉動作部を備え、動作部P8583が左右中央側に進入することで開閉動作部が退けられて、下側連通開口P8577の開口面積を大きくするようにしても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、スピーカーユニットP920からの出力が経路構成部P8570に進入する分と、スピーカーカバーH27を通過する分とに分けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路構成部P8570の下側連通開口P8577とスピーカーユニットP920の前側部とを繋ぐトンネル状部が形成され、スピーカーユニットP920からの出力が経路構成部P8570に進入する分のみとなるようにしてもいい。これにより、スピーカーユニットP920から出力される空気圧を利用した操作ユニットP180の振動の調整を行い易くすることができる。なお、この場合、スピーカーP332aから放出される音を遊技者に聞かせるようにすればよい。
上記第59実施形態から第67実施形態では、動作部P8583,9593の移動方向が一方向である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。途中で切り替えられる2方向の移動で構成されても良く、例えば、前後方向の移動と組み合わせられることにより、下側連通開口P8577とスピーカーユニットP920との間に進入するか退避されるかの別に加えて、スピーカーユニットP920からの離間幅が異なる場合を構成することができる。スピーカーユニットP920に近い場合には出力される空気圧をスピーカーユニットP920に近い位置で衝突させて音を拡散させ易くなり、スピーカーユニットP920からの離間幅が大きい場合には音の拡散を抑えて音を遠くまで飛ばし易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、動作部P8583,9593の背面側形状が前後方向と垂直な平面形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向中央部よりも上下方向外方部の方が前方側に位置する傾斜面として構成しても良い。傾斜面によってスピーカーユニットP920から出力された空気が後方に跳ね返されることを回避でき、空気を効率的に前方側へ流すことができ、音量の減衰の程度を小さくすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、駆動モータP8581が動作部P8583を駆動させることのみに利用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上皿P17よりも下側に配置されているという位置関係を利用して、別個の駆動力伝達経路切替手段を介在させ、その駆動力伝達経路切替手段の状態変化により、発射位置送球ユニットH170の切替手段を駆動させる駆動源としても兼用可能に構成しても良い。これにより、音量調整後においても、駆動モータP8581が無駄となることを避けることができ、駆動装置を余分に配設する場合に比較して配置スペースを削減することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作に対応してスピーカーユニットP920から出力される態様(音量等)は、音声ランプ制御装置H113(図348参照)により制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スピーカーユニットP920から出力される態様(音量等)が主制御装置H110により制御されるように構成しても良い。この場合、演出レバーP3390の操作からスピーカーユニットP920の動作が実行されるまでの時間遅れを短くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作が行われた場合に第3図柄表示装置H81で音量に関わる表示がされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音量に関わる表示に加えて(又は、音量に関わる表示がされるよりも前に)、第3図柄表示装置H81の正面側で動作する演出動作役物が動作制御されるようにしても良い。これにより、遊技者の注目力を第3図柄表示装置H81に集めることができ、音量に関わる表示を視認させ易くすることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作が行われた場合に第3図柄表示装置H81で音量に関わる表示がされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の操作実行後ではなく、遊技者が演出レバーP3390に触れた時点で表示が開始されるようにしても良い。即ち、現在の音量の把握したい場合、遊技者は演出レバーP3390に触れれば良い。
また、表示は演出レバーP3390の操作の実行後すぐに実行されるものに限らない。例えば、演出レバーP3390の操作量が一定時間維持されたことが検出された後で表示を実行するように制御しても良い。この場合、調整途中において音量が常に表示されることにより遊技者が煩わしく感じることを避けることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作時に限ってスピーカーユニットP920が動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の操作を止めた後においてもスピーカーユニットP920の動作が継続されるように制御し、別の操作部(例えば、補助ボタンP3391)を操作することでスピーカーユニットP920の動作が停止されるようにしても良い。この場合、音量の調整の途中であっても遊技者の手が空くので、音量の調整の途中に操作ユニットP180の操作を促す報知がされた場合でも問題なく操作ユニットP180の操作を行うことができるため、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作によるスピーカーユニットP920の動作制御が、任意のタイミングで実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の操作によるスピーカーユニットP920の動作制御が所定のモードにおいてのみ実行されるように構成しても良い。これにより、例えば、データカウンターPDcを操作しようとした他の遊技者が誤って演出レバーP3390を触れた場合にスピーカーユニットP920の動作が実行されることを、予めモードを変更しておくことにより防止することができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、補助ボタンP3391を操作した場合に、スピーカーユニットP920の動作はさせず、駆動モータP8581の駆動は実行可能とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータP8581の駆動も停止するようにしても良い。
上記第59実施形態から第67実施形態では、演出レバーP3390の操作に対応して、スピーカーユニットP920及びスピーカーP332aの動作態様が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出レバーP3390の操作によって動作態様が変化するのはスピーカーユニットP920のみであり、スピーカーP332aの動作態様は演出レバーP3390の操作により変化されないように構成しても良い。操作ユニットP180の振動態様の調整を行う目的からすればスピーカーユニットP920の動作態様が変化されれば目的は十分達成されるためである。この場合、優先調整制御の最中において、並行して実行される演出の音声まで変化して、演出を十分に楽しめないという事態を避けることができる。なお、優先調整制御で確認した後で、機能調整操作部H190を操作すれば、スピーカーP332a及びスピーカーユニットP3390の動作態様が共に変化される。
上記第59実施形態から第67実施形態では、動作部P8583の動作に必要とされる期間だけ演出レバーP3390の操作から時間遅れしてスピーカーユニットP920の動作が実行されるよう制御されることで動作部P8583の動作検出を必要とせず、駆動モータP8581の故障等により動作部P8583が動作しない場合には下側連通開口P8577が開放されないためスピーカーユニットP920が動作しても操作ユニットP180の振動がほとんど生じないことから遊技前の調整で遊技者に故障を気付かせることができ、遊技者は遊技開始前に遊技する台を変えることができるように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータP8581の駆動または動作部P8583の移動を検出し、その検出結果をスピーカーユニットP920の動作の実行有無に利用するように制御しても良い。この場合、駆動モータP8581の故障等により駆動モータP8581の駆動が実行されなかったり、動作部P8583が移動されなかったりすることを検出し、その検出結果に基づいてスピーカーユニットP920の動作を実行しないように制御させることができる。
上記第59実施形態から第67実施形態では、動作部P8583から張出板部P8584が前方に張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、張出板部P8584の構成を省略するようにしても良い。特に、被案内物体である動作部P9593と動作部P8583とが前後方向で重なる場合、動作部P9593及び動作部P8583の前後間隔が密となることによって撓みを抑制することができるため、張出板部P8584が無くても撓みの発生を抑制することができ、撓みに利用されて空気が減衰される程度を弱めることができ、遊技者に聞かせる音を大きくすることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<合体時に押進の動作がされる切替手段>
特定枠から離間する方向に移動可能な所定枠と、その所定枠に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記所定枠に配設可能な所定手段と、その所定手段に対応した動作が可能とされる動作手段と、を備え、前記構成手段は、前記所定手段または前記動作手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段を備え、前記構成手段は、前側部から張り出す張出部を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記特定枠と前記所定枠とが近接されている場合よりも前記特定枠から前記所定枠が離間されている場合の方が、前記視認可能部が視認し易いように構成されることを特徴とする遊技機PA1。
パチンコ機等の遊技機において、所定枠から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定枠に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定枠に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PA1によれば、特定枠から所定枠を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、特定枠から所定枠を離間させた状態のままで構成手段の所定枠に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
特定枠は、内枠H12でも良く、所定枠は、正面枠P14でも良く、その所定枠P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、所定手段は、被操作部材P322でも良く、動作手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PA1において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PA2。
遊技機PA2によれば、遊技機PA1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により所定枠を特定枠から容易に離間させることができる。
遊技機PA1又はPA2において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PA3。
遊技機PA3によれば、遊技機PA1又はPA2の奏する効果に加え、所定枠と特定枠との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
遊技機PA1からPA3のいずれかにおいて、前記所定手段は、前記構成手段を前記所定枠から離間させる場合に動作されることを特徴とする遊技機PA4。
遊技機PA4によれば、遊技機PA1からPA3のいずれかの奏する効果に加え、構成手段を所定枠から離間させる場合における動作対象としての所定手段が所定枠に配設されることが分かっているので、作業効率を向上させることができる。
遊技機PA1からPA4のいずれかにおいて、前記所定手段は、前記取付状態から前記解除状態へ状態変化される場合に動作可能とされ、その動作中において少なくとも一部が外方から視認可能とされることを特徴とする遊技機PA5。
遊技機PA5によれば、遊技機PA1からPA4のいずれかの奏する効果に加え、所定手段が外方から視認可能とされることから、その視認される箇所を目印として切替手段の状態を目視で把握することができる。
そのため、切替手段の状態の切り替えが完了していない場合に、切替不良となっていることを早期に発見することができ、切替不良による事故の発生を未然に防ぐことができる。また、切替手段の状態を確認するためにわざわざ遊技機を開放させることを必要としないので、切替手段の状態の切り替えが完了しているかの確認に要する時間を短縮することができる。
遊技機PA1からPA5のいずれかにおいて、所定の操作手段により前記所定手段を操作することで前記切替手段の状態を切替可能に構成されており、前記所定枠に前記構成手段を取り付けた状態で前記所定の操作手段を所定方向に操作することにより前記構成手段の前記所定枠に対する位置が固定されることを特徴とする遊技機PA6。
遊技機PA6によれば、遊技機PA1からPA5のいずれかの奏する効果に加え、所定枠に対する構成手段の取り付けの際に、所定の操作手段の所定方向への操作を必要とすることにより、所定枠に対して構成手段を仮置き(すなわち、固定される位置において非固定の状態で配置)することができるので、所定枠に対して構成手段を取り付けては再度取り外して行う必要がある態様のメンテナンス(例えば、LEDから照射された光が実際にはどのように視認されるのかを確認しながら、電飾基板の配置を調整したり、光を反射させる部位の角度を調整したりする貸態様のメンテナンス)をしやすくすることができる。
遊技機PA1からPA6のいずれかにおいて、前記切替手段は、所定の操作手段により操作される箇所を除いて、前記所定枠および前記構成手段により覆われることを特徴とする遊技機PA7。
遊技機PA7によれば、遊技機PA1からPA6のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に対する外部からの侵入を遮断することができるため、意図せず切替手段の状態が切り替えられる事態を未然に防ぐことができる。
遊技機PA1からPA7のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記変化手段に押進される被押進手段を備え、前記切替手段は、前記構成手段が前記所定枠から離れている状態において前記被押進手段が視認可能とされ、前記被押進手段を除く箇所における前記所定手段および前記動作手段は視認不能に覆われることを特徴とする遊技機PA8。
遊技機PA8によれば、遊技機PA1からPA7のいずれかの奏する効果に加え、被押進手段のみが視認可能とされることにより、変化手段を向かわせる対象を把握させやすくすることができるので、構成手段の所定枠への組み付け作業を容易とすることができる。
遊技機PA1からPA8のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記動作手段を支持する閉空間を構成する支持手段を備え、前記支持手段が前記所定枠に締結固定されることを特徴とする遊技機PA9。
遊技機PA9によれば、遊技機PA1からPA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段を支持する閉空間を構成する支持手段が所定枠に締結固定されることから、動作手段が構成手段側に外れる不具合を防止することができる。なお、支持手段は、ベース部材P310及びベースカバーP321でも良い。
遊技機PA1からPA9のいずれかにおいて、前記変化手段は、複数構成されることを特徴とする遊技機PA10。
遊技機PA10によれば、遊技機PA1からPA9のいずれかの奏する効果に加え、構成手段と切替手段との間で生じる力を複数位置で分散させることができるので、局所的に大きな力が生じる場合に比較して、変化手段の破損が生じる可能性を低くすることができる。
遊技機PA1からPA10のいずれかにおいて、前記動作手段は所定の平面と平行に動作されるように構成され、前記構成手段が前記所定枠に取り付けられる場合、前記構成手段は前記所定の平面と交差する方向に沿って前記所定枠に近づけられることを特徴とするPA11。
遊技機PA11によれば、遊技機PA1からPA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作方向が構成手段の移動方向と交差するため、同方向に移動される場合に比較して、構成手段の移動量を動作手段の移動量に効率的に変換させることができる。
遊技機PA1からPA11のいずれかにおいて、前記動作手段は、上下方向成分を含む方向に動作されることを特徴とする遊技機PA12。
遊技機PA12によれば、遊技機PA1からPA11のいずれかの奏する効果に加え、重力を利用した動作手段の動作を生じさせることができる。
遊技機PA1からPA12のいずれかにおいて、前記動作手段は、取付状態における位置へ向けて動作する場合に下降する方向へ動作することを特徴とする遊技機PA13。
遊技機PA13によれば、遊技機PA1からPA12のいずれかの奏する効果に加え、重力を利用した動作手段の動作により切替手段を取り付け状態にすることができるので、他の動力原に比較して、経年劣化の影響を受けにくくすることができる。
特定枠から離間する方向に移動可能な所定枠と、その所定枠に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記所定枠に配設可能な第1動作可能手段と、その第1動作可能手段の動作に基づく動作が可能とされる第2動作可能手段と、を備え、前記構成手段は、前記第1動作可能手段または前記第2動作可能手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段と、前側部から張り出す張出部と、を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記特定枠と前記所定枠とが近接されている場合よりも前記特定枠から前記所定枠が離間されている場合の方が、前記視認可能部が視認し易いように構成されることを特徴とする遊技機PB1。
パチンコ機等の遊技機において、所定枠から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定枠に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定枠に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PB1によれば、特定枠から所定枠を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、特定枠から所定枠を離間させた状態のままで構成手段の所定枠に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
特定枠は、内枠H12でも良く、所定枠は、正面枠P14でも良く、その所定枠P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、第1動作可能手段は、被操作部材P322でも良く、第2動作可能手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PB1において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PB2。
遊技機PB2によれば、遊技機PB1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により所定枠を特定枠から容易に離間させることができる。
遊技機PB1又はPB2において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PB3。
遊技機PB3によれば、遊技機PB1又はPB2の奏する効果に加え、所定枠と特定枠との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
特定枠から離間する方向に移動可能な所定枠と、その所定枠に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記所定枠に配設可能な所定手段と、その所定手段に対応した動作が可能とされる動作手段と、を備え、前記構成手段は、前記所定手段または前記動作手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段と、前側部から張り出す張出部と、を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記所定枠が前記特定枠から離間する方向に移動することに基づいて前記視認可能部が視認し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機PC1。
パチンコ機等の遊技機において、所定枠から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定枠に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定枠に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PC1によれば、特定枠から所定枠を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、特定枠から所定枠を離間させた状態のままで構成手段の所定枠に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
特定枠は、内枠H12でも良く、所定枠は、正面枠P14でも良く、その所定枠P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、所定手段は、被操作部材P322でも良く、動作手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PC1において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PC2。
遊技機PC2によれば、遊技機PC1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により所定枠を特定枠から容易に離間させることができる。
遊技機PC1又はPC2において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PC3。
遊技機PC3によれば、遊技機PC1又はPC2の奏する効果に加え、所定枠と特定枠との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
第1枠状体から離間する方向に移動可能な第2枠状体と、その第2枠状体に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記第2枠状体に配設可能な第1動作可能手段と、その第1動作可能手段の動作に基づく動作が可能とされる第2動作可能手段と、を備え、前記構成手段は、前記第1動作可能手段または前記第2動作可能手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段を備え、前記構成手段は、前側部から張り出す張出部を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記第1枠状体と前記第2枠状体とが近接されている場合よりも前記第1枠状体から前記第2枠状体が離間されている場合の方が、前記視認可能部が視認し易いように構成されることを特徴とする遊技機PD1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の枠状体から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定の枠状体に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定の枠状体に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PD1によれば、第1枠状体から第2枠状体を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、第1枠状体から第2枠状体を離間させた状態のままで構成手段の第2枠状体に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
第1枠状体は、内枠H12でも良く、第2枠状体は、正面枠P14でも良く、その第2枠状体P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、第1動作可能手段は、被操作部材P322でも良く、第2動作可能手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PD1において、前記第2枠状体は前記第1枠状体に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PD2。
遊技機PD2によれば、遊技機PD1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により第2枠状体を第1枠状体から容易に離間させることができる。
遊技機PD1又はPD2において、前記第2枠状体は前記第1枠状体に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PD3。
遊技機PD3によれば、遊技機PD1又はPD2の奏する効果に加え、第2枠状体と第1枠状体との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
特定枠から離間する方向に移動可能な所定枠と、その所定枠に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記所定枠に配設可能な第1動作可能手段と、その第1動作可能手段の動作に基づく動作が可能とされる第2動作可能手段と、を備え、前記構成手段は、前記第1動作可能手段または前記第2動作可能手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段を備え、前記構成手段は、前側部から張り出す張出部を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記所定枠が前記特定枠から離間する方向に移動することに基づいて前記視認可能部が視認し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機PE1。
パチンコ機等の遊技機において、所定枠から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定枠に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定枠に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PE1によれば、特定枠から所定枠を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、特定枠から所定枠を離間させた状態のままで構成手段の所定枠に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
特定枠は、内枠H12でも良く、所定枠は、正面枠P14でも良く、その所定枠P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、第1動作可能手段は、被操作部材P322でも良く、第2動作可能手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PE1において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PE2。
遊技機PE2によれば、遊技機PE1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により所定枠を特定枠から容易に離間させることができる。
遊技機PE1又はPE2において、前記所定枠は前記特定枠に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PE3。
遊技機PE3によれば、遊技機PE1又はPE2の奏する効果に加え、所定枠と特定枠との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
第1枠状体から離間する方向に移動可能な第2枠状体と、その第2枠状体に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記第2枠状体に配設可能な所定手段と、その所定手段に対応した動作が可能とされる動作手段と、を備え、前記構成手段は、前記所定手段または前記動作手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段を備え、前記構成手段は、前側部から張り出す張出部を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記第2枠状体が前記第1枠状体から離間する方向に移動することに基づいて前記視認可能部が視認し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機PF1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の枠状体から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定の枠状体に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定の枠状体に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PF1によれば、第1枠状体から第2枠状体を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、第1枠状体から第2枠状体を離間させた状態のままで構成手段の第2枠状体に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
第1枠状体は、内枠H12でも良く、第2枠状体は、正面枠P14でも良く、その第2枠状体P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、所定手段は、被操作部材P322でも良く、動作手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PF1において、前記第2枠状体は前記第1枠状体に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PF2。
遊技機PF2によれば、遊技機PF1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により第2枠状体を第1枠状体から容易に離間させることができる。
遊技機PF1又はPF2において、前記第2枠状体は前記第1枠状体に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PF3。
遊技機PF3によれば、遊技機PF1又はPF2の奏する効果に加え、第2枠状体と第1枠状体との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
第1枠状体から離間する方向に移動可能な第2枠状体と、その第2枠状体に脱着可能に構成される構成手段と、前記構成手段を脱着させる場合に取付状態から解除状態へ切替可能とされる切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記第2枠状体に配設可能な第1動作可能手段と、その第1動作可能手段の動作に基づく動作が可能とされる第2動作可能手段と、を備え、前記構成手段は、前記第1動作可能手段または前記第2動作可能手段の少なくとも一方を押進することに基づいて前記切替手段の状態を変化させることが可能な変化手段を備え、前記構成手段は、前側部から張り出す張出部を備え、前記遊技機は、前記切替手段の少なくとも一部を視認可能に構成される視認可能部を備え、前記第2枠状体が前記第1枠状体から離間する方向に移動することに基づいて前記視認可能部が視認し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機PG1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の枠状体から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定の枠状体に対して構成手段が適切に組み付けられているかの判定が検出により実行されることから、構成手段を所定の枠状体に組み付けた状態で電源の投入を行う必要があるため、仮に構成手段が適切に組み付けられていなかった場合には再び電源を切ることが必要とされることから、作業工数が多く、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PG1によれば、第1枠状体から第2枠状体を離間させた状態において視認可能部が視認し易く構成されており、その視認可能部を通して切替手段の状態を把握可能となっていることから、第1枠状体から第2枠状体を離間させた状態のままで構成手段の第2枠状体に対する組み付け作業が完了したかどうかの確認を行うことができるので、確認作業に電源の投入を必要とせず、組み付け作業の作業工数を少なくすることができる。更に、前側部から張り出す張出部を把持することで構成手段の着脱作業の負担も下げることができるので、構成手段に対する作業を好適とすることができる。
第1枠状体は、内枠H12でも良く、第2枠状体は、正面枠P14でも良く、その第2枠状体P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、第1動作可能手段は、被操作部材P322でも良く、第2動作可能手段は、追従動作部材P324でも良く、変化手段は、係止棒部材P380でも良く、張出部は、前側傾斜部P355でも良く、視認可能部は、複数段形成部P321hでも良いし、板状部P314の間の領域でも良い。
遊技機PG1において、前記第2枠状体は前記第1枠状体に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記張出部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PG2。
遊技機PG2によれば、遊技機PG1の奏する効果に加え、張出部を把持して行う作業により第2枠状体を第1枠状体から容易に離間させることができる。
遊技機PG1又はPG2において、前記第2枠状体は前記第1枠状体に対して所定の回転軸を中心に回転動作可能に支持されており、前記視認可能部は、前記所定の回転軸から離間した位置に配設されることを特徴とする遊技機PG3。
遊技機PG3によれば、遊技機PG1又はPG2の奏する効果に加え、第2枠状体と第1枠状体との離間幅を確保し易い位置としての回転軸から離間した位置に視認可能部が位置されることにより、視認可能部への視線を通り易くすることができる。
<取付時に扉を開けさせる>
特定枠と、その特定枠の左右方向一側において前記特定枠に対して回転動作可能に支持されており前記特定枠から離間する方向に移動可能な所定枠と、その所定枠に脱着可能に構成される構成手段と、を備え、前記構成手段は、前記所定枠が前記特定枠から離間した状態から前記構成手段が第1方向で移動された後に第2方向で移動されることに基づいて前記所定枠に対する第1位置に第1姿勢で固定されるよう構成され、前記所定枠が前記特定枠から離間していない状態から前記構成手段が第3方向で移動された後に第4方向で移動されることに基づいて前記所定枠に対する前記第1位置に固定されるよう構成され、前記所定枠は、前記左右方向一側において張出形成される形成部を備え、前記構成手段は、前記形成部を受け入れ可能に構成される受入部を備え、前記第1方向での移動は、前記第1姿勢と異なる所定姿勢で実行され、前記第1方向で移動させることで前記構成手段を載置位置に載置可能であり、前記載置位置に載置した後に前記構成手段を前記第2方向で移動可能に構成されることを特徴とする遊技機PPB1。
パチンコ機等の遊技機において、所定枠から脱着可能に構成される構成手段を備える遊技機がある(例えば、特開2019-24538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、所定枠に対して構成手段が一方向(前後方向)に移動されることで組み付けられているところ、脱着作業において、所定枠の裏側を操作して係合を解除しながら所定枠の表側へ構成手段を引き抜く場合の作業は煩雑であり、また作業者が構成手段を掴んだ方の手を所定枠から大きく離間させる必要があり作業自体が困難となっていたことから、構成手段に対する作業を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PPB1によれば、所定枠に対して構成手段を組み付ける際の構成手段の移動方向を第1方向から第2方向で変化させるように構成し、且つ、第1方向の移動は第2方向での移動に係る第1姿勢とは異なる所定姿勢とされることにより、同一方向に構成手段を移動させる場合に比較して構成手段に対する作業を好適とすることができる。
また、第1方向で移動させて載置位置に載置させないと第2方向での移動が制限される構成によって作業者の作業方法を指定しているところ、所定枠に対して構成手段を脱着させる途中において、構成手段を載置位置に載置させることができるので、構成手段から手を離すことが可能となり、作業負担を低減することができる。
なお、第1方向は、一定の方向でも良いし、途中で切り替えられる一連の方向でも良い。一連の方向の場合において、回転方向と直線方向とで切り替えられるものでも良く、その順序も任意に設定可能である。
なお、第1方向で移動させて載置位置に載置させないと第2方向での移動が制限されることで作業方法を制限する構成としては、例えば、第2方向で移動させる前に第1方向での移動で近接可能な所定部が接触していないと第2方向での移動が規制される構成でも良いし、第1方向での移動をさせずに第2方向での移動をさせる場合に形成部と受入部とが干渉する構成でも良い。
特定枠は、内枠H12でも良く、所定枠は、正面枠P14でも良く、その所定枠P14に固定されるベースユニットP301でも良い。また、構成手段は、化粧ユニットP302,P7302でも良い。また、切替手段は、切替構成部P320でも良く、受入部は、突設形成部P7359でも良く、形成部は、凹設形成部P7321jや水平張出部P7321kでも良い。
構成手段は、載置位置において載置された状態で支持され、回転移動されることで対象物に対して脱着可能な重量物全般を含む。この場合において、構成手段としては、遊技者が視認可能に限られるものではなく、遊技者からは通常は視認されない箇所に配設されるものでも良い。また、遊技者が視認可能ではあっても、触れることができないように透明の遮蔽部材で前面側が覆われていても良い。この場合、遊技者が構成手段に触れることに基づく不具合を未然に防ぐことができる。構成手段としては、例えば、正面枠P7014側に固定されるタイプの構造における遊技盤H13でも良いし、正面枠P7014に主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113が配設される場合における裏パックユニットH94の裏パックH92でも良い。
遊技機PPB1において、前記所定姿勢において、前記載置位置側における前記所定枠と前記構成手段との離間の程度よりも前記形成部と前記受入部との離間の程度の方が大きいことを特徴とする遊技機PPB2。
遊技機PPB2によれば、遊技機PPB1の奏する効果に加え、特定枠に対する所定枠の傾斜とは逆の傾斜となる所定姿勢で構成手段の取り付けが開始されることから、所定枠に正対する方向から取り付ける場合に比較して、所定枠の前側の領域を広く使って脱着作業を行うことができるので、作業負担を低減させることができる。
遊技機PPB1又はPPB2において、前記第2方向および前記第4方向は、同一中心の円弧に沿う方向であって、少なくとも一部が重なるように構成されることを特徴とする遊技機PPB3。
遊技機PPB3によれば、遊技機PPB1又はPPB2の奏する効果に加え、第2方向での移動と第4方向での移動とが類似の移動として構成されるので、所定枠が特定枠から離間されているか否かに関わらず、構成手段を脱着させる作業を行う作業者の作業負担を低減させることができる。
遊技機PPB1からPPB3のいずれかにおいて、前記構成手段は、前記第1位置から前記第2方向の反対方向に移動された後に前記第1方向の反対方向に移動されることに基づいて前記所定枠から取り外し可能に構成され、前記所定枠が前記特定枠から離間する場合において、前記所定枠が所定位置を通過すると前記構成手段の前記第2方向の反対方向への移動可能量が減少するよう構成されることを特徴とする遊技機PPB4。
遊技機PPB4によれば、遊技機PPB1からPPB3のいずれかの奏する効果に加え、所定枠が特定枠から極端に離間されると、構成手段を第1位置から十分に移動させることができず、所定枠から構成手段を取り外す作業が困難になる可能性があることから、作業者が所定枠の離間幅を調整するよう図ることができる。これにより、所定枠を特定枠から極端に離間させた場合等に隣設された遊技機と接触する事象の発生確率を下げることができる。
構成手段の第2方向の反対方向への移動可能量の減少を生じさせる態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、特定枠側の形状(ヒンジ形状)によるものでも良い。
遊技機PPB1からPPB4のいずれかにおいて、前記構成手段が前記第2方向に移動可能な状態において、前記所定枠が前記構成手段に当接されるまで前記所定枠が前記特定枠から離間する方向に移動可能に構成されることを特徴とする遊技機PPB5。
遊技機PPB5によれば、遊技機PPB1からPPB4のいずれかの奏する効果に加え、所定枠を一旦離間の終端まで移動させてから、所定枠を特定枠に対して近接させるという作業態様でも取り付け作業が可能となる。これにより、作業者の好みに合わせて複数通りの作業態様が可能となる。
遊技機PPB1からPPB5のいずれかにおいて、前記第1方向は、下方向成分を含む方向とされることを特徴とする遊技機PPB6。
遊技機PPB6によれば、遊技機PPB1からPPB5のいずれかの奏する効果に加え、第1方向への移動に自重を使うことができるので、構成手段を所定枠に取り付ける作業の作業負担を低減させることができる。
遊技機PPB1からPPB6のいずれかにおいて、前記構成手段は、前記所定姿勢において、前記第1方向の反対方向に移動可能とされることを特徴とする遊技機PPB7。
遊技機PPB7によれば、遊技機PPB1からPPB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の姿勢から、構成手段の移動の可否を把握することができる。
遊技機PPB1からPPB7のいずれかにおいて、前記構成手段は、前記所定姿勢とは異なる姿勢における前記第1方向の反対方向への移動が防止されることを特徴とする遊技機PPB8。
遊技機PPB8によれば、遊技機PPB1からPPB7のいずれかの奏する効果に加え、第2方向での移動中において構成手段が第1方向で位置ずれすることを防止することができる。
遊技機PPB1からPPB8のいずれかにおいて、前記受入部および前記形成部は、前記構成手段の前記第2方向の移動の移動抵抗を生じさせ難いように構成されることを特徴とする遊技機PPB9。
遊技機PPB9によれば、遊技機PPB1からPPB8のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の移動が正常な場合において構成手段の移動抵抗が生じることを避け、作業者の作業負担を低減させることができる。
遊技機PPB1からPPB9のいずれかにおいて、前記構成手段の前記受入部は、前記所定枠の前端部よりも後方側まで張り出すことを特徴とする遊技機PPB10。
遊技機PPB10によれば、遊技機PPB1からPPB9のいずれかの奏する効果に加え、重なりが大きくなり、強度が増す。
なお、受入部と形成部とを構成する位置は、何ら限定されるものではない。例えば、左端部において上下方向に亘って形成される場合、重なり部により所定枠と構成手段との間の隙間を可能な限り小さくすることができ、不正具等の進入を防止できる。
遊技機PPB1からPPB10のいずれかにおいて、前記受入部および前記形成部は、前記所定枠および前記構成手段の左端側において前記構成手段の上下方向に亘って形成されることを特徴とする遊技機PPB11。
遊技機PPB11によれば、遊技機PPB1からPPB10のいずれかの奏する効果に加え、受入部と形成部とを重ねる箇所が上下に亘っていることで、強度増加および不正具の進入の防止の作用を広範囲で生じさせることができる。
<動作手段の動作力を操作手段に良好に伝達させる>
遊技者が視認可能な視認手段と、所定の信号に基づいて往復動作可能な動作手段と、を備え、前記往復動作に基づく音を遊技者に聞かせることが可能に構成され、前記往復動作に基づく振動の発生を前記視認手段を介して遊技者が知覚可能に構成され、前記動作手段の前記往復動作中に接近可能な所定領域における所定位置に変位手段が変位可能に構成され、前記所定位置に前記変位手段が位置している場合と前記所定位置に前記変位手段が位置していない場合とで、遊技者に聞かせることが可能な音が変化するように構成されることを特徴とする遊技機PPC1。
パチンコ機等の遊技機において、往復動作に基づく音を遊技者に聞かせることが可能に構成される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2005-218744号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、音量調整により動作手段の動作が変化されると、動作手段の動作に基づく力も関連して変化されてしまい、好みの音量に音量調整を行うと同時に動作に基づく力を好みの大きさとすることが困難であり、動作手段の動作を好適とさせる観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PPC1によれば、変位手段の変位を利用することにより、音量調整による動作手段の動作に基づく力の変化と、遊技者に聞かせることが可能な音の変化とが共に好適となるように調整することができる。従って、動作手段の動作を好適とすることができる。
遊技機PPC1において、第1操作手段を備え、前記第1操作手段の操作に基づいて前記変位手段を前記所定位置へ向けて変位させる場合と、前記変位手段を前記所定位置へ向けて変位させない場合とを構成可能であることを特徴とする遊技機PPC2。
遊技機PPC2によれば、遊技機PPC1の奏する効果に加え、遊技者の操作に基づいて変位手段を変位させることができる。
遊技機PPC1又はPPC2において、前記動作手段から離間して配置される第2操作手段を備え、前記第2操作手段を操作することに伴い前記動作手段を動作させるよう構成され、前記第2操作手段の操作量に基づいて前記動作手段の動作に基づく力が変化されるよう構成されることを特徴とする遊技機PPC3。
遊技機PPC3によれば、遊技機PPC1又はPPC2の奏する効果に加え、異なる操作量で第2操作手段の操作を行うことで、様々な動作量で動作手段を動作させることができるので、変位手段の変位と動作手段の動作とを組み合わせて、動作手段の動作を好適な状態にさせることができる。
更に、第2操作手段が離間されていることから、第2操作手段が動作手段の動作に基づく力の影響を受けることを避けることができるので、動作手段の動作により第2操作手段の動作が生じ、更に第2操作手段の動作により動作手段が動作するというループが生じる事態を避けることができる。
遊技機PPC3において、前記変位手段の前記所定位置へ向けた所定方向での変位は、前記第2操作手段の操作に基づく所定条件の成立に基づいて所定態様で継続され得るよう構成されることを特徴とする遊技機PPC4。
遊技機PPC4によれば、遊技機PPC3の奏する効果に加え、第2操作手段の操作に基づいて変位手段の変位が継続されることから、遊技者の操作負担を低減させることができる。
遊技機PPC1からPPC4のいずれかにおいて、前記視認手段の外方に配置されており前記操作手段に振動を伝達させる第1振動手段を備え、前記第1振動手段は、前記動作手段とは異なる態様の振動を生じさせるよう構成され、前記視認手段は、操作される前の第1位置と、操作したと認識される第2位置とを変位可能とされ、前記第1位置から前記第2位置への変位により、前記視認手段に伝達される前記第1振動手段の振動に基づく力が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機PPC5。
遊技機PPC5によれば、遊技機PPC1からPPC4のいずれかの奏する効果に加え、第1振動手段によって、視認手段に対して動作手段の動作により伝達される力とは異なる振動を伝達させることができることに加え、この振動は視認手段の変位により変化されることから、視認手段を介して遊技者に伝達される態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機PPC5において、前記第1振動手段と前記動作手段との間に空間が構成されることを特徴とする遊技機PPC6。
遊技機PPC6によれば、遊技機PPC5の奏する効果に加え、動作手段の動作に基づく力の第1振動手段への伝達を回避し易くすることができるし、その逆として、第1振動手段の振動に基づく力の動作手段への伝達を回避し易くすることができる。
遊技機PPC1からPPC6のいずれかにおいて、前記動作手段の動作量に対応して前記変位手段が前記所定位置から退避される場合と、前記変位手段が前記所定位置側に戻り得る場合とを変化可能に構成されることを特徴とする遊技機PPC7。
遊技機PPC7によれば、遊技機PPC1からPPC6のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作量と変位手段の変位態様(所定位置から退避されるのか、所定位置側に戻るのか)とを対応させることができるので、変位手段を変位させるための操作の操作負担を低減させることができる。
遊技者が視認可能な視認手段と、所定の信号に基づいて往復動作可能な動作手段と、を備え、前記往復動作に基づく音を遊技者に聞かせることが可能に構成され、前記往復動作に基づく振動の発生を前記視認手段を介して遊技者が知覚可能に構成され、前記動作手段の前記往復動作中に接近可能な所定領域における所定位置に変位手段が変位可能に構成され、前記所定領域は、前記動作手段の動作方向へ延びる第1領域と、その第1領域に交差する第2領域とを備え、前記第2領域の方が前記第1領域よりも視認手段側に位置しており、前記変位手段が前記第2領域側から前記第1領域側へ向けて変位可能に構成されることを特徴とする遊技機PPCC1。
パチンコ機等の遊技機において、往復動作に基づく音を遊技者に聞かせることが可能に構成される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2005-218744号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、音量調整により動作手段の動作が変化されると、動作手段の動作に基づく力も関連して変化されてしまい、好みの音量に音量調整を行うと同時に動作に基づく力を好みの大きさとすることが困難であり、動作手段の動作を好適とさせる観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機PPCC1によれば、視認手段側に位置する第2領域における空間を変位手段によって変化可能に構成されることから、音量調整に加えて、視認手段側への力の伝達態様を変化させることができることから、動作手段の動作を好適とすることができる。
遊技機PA1からPA13,PB1からPB3,PC1からPC3,PD1からPD3,PE1からPE3,PF1からPF3,PG1からPG3,PPB1からPPB11,PPC1からPPC7,PPCC1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機PPZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機PA1からPA13,PB1からPB3,PC1からPC3,PD1からPD3,PE1からPE3,PF1からPF3,PG1からPG3,PPB1からPPB11,PPC1からPPC7,PPCC1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機PPZ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機PA1からPA13,PB1からPB3,PC1からPC3,PD1からPD3,PE1からPE3,PF1からPF3,PG1からPG3,PPB1からPPB11,PPC1からPPC7,PPCC1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機PPZ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
次いで、図418から図437を参照して、第68実施形態における遊技機(パチンコ機)について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図418から図427を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図418は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図419は、遊技盤13及び動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図420から図427は、動作ユニット200の正面図である。なお、図418から図427では、背面ケース300の背面に配設される第3図柄表示装置81の図示が省略される。
ここで、図420から図423では、ベース部材400が第1回転位置に回転された状態が、図424から図427では、ベース部材400が第2回転位置に回転された状態が、それぞれ図示される。
この場合、図420及び図424では、表示面Q523aを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置Q523が近接位置に配置された状態が、図421及び図425では、表示面Q523aを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置Q523が離間位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図422及び図426では、装飾面Q523bを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置Q523が近接位置に配置された状態が、図423及び図427では、装飾面Q523bを正面へ向けた姿勢で液晶表示装置Q523が離間位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図418及び図419に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、スライドユニットSLが回転可能に収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
スライドユニットSLは、背面ケース300の底壁部301に回転可能に支持されるベース部材400と、そのベース部材400の正面側に配設されるスライド機構500とを備える。スライド機構500は、互いに近接または離間する方向へスライド変位可能に形成される一対の液晶表示装置Q523を備える。なお、一対の液晶表示装置Q523は、それらの変位(回転軸Q523cを回転中心とする回転、及び、スライドレール510の伸縮に伴うスライド変位)の速度や変位のタイミング(変位の開始または変位の停止)が互いに同一となるように設定(制御)される。
なお、液晶表示装置Q523の液晶装置Q543や基板部材545は、電気的な導通が可能な導通可能体としての電気配線により音声ランプ制御装置113や電源装置115に接続される。この場合、液晶表示装置Q523は、回転やスライド変位が可能な変位可能体として構成されるが、電気配線による接続経路の途中には、スリップリングが介設される。よって、液晶表示装置Q523が360度以上回転されても、電気的信号の送受信や電力の供給が途切れることを回避できる。
なお、スリップリングは公知のもの(例えば、金属製の回転リングとその回転リングの外周に摺動可能に接続されるブラシとを備えたもの)が採用可能である。電気配線は、スリップリング(回転リング側)に電気的に接触する接触部としての金属ピンと、液晶表示装置Q523(液晶装置543側、基板部材Q545側)の導電部分に電気的に接触する接触部としての金属ピンと、それら一側および他側の両金属ピンの間を導通させる導通部としての銅線(ワイヤ)とから構成される。
ベース部材400は、第1回転位置とその第1回転位置から略90°位相を異ならせた第2回転位置との間で回転可能に形成される。なお、第1回転位置では、液晶表示装置Q523のスライド変位の方向が上下方向(鉛直方向)とされ(図420から図423参照)、第2回転位置では、液晶表示装置Q523のスライド変位の方向が左右方向(水平方向)とされる(図424から図427参照)。
液晶表示装置Q523は、図柄などの表示を行う液晶ディスプレイとして形成されると共に、回転可能に軸支され、その表示面Q523aを正面へ向けた姿勢(図420、図421、図424及び図425参照)と、表示面Q523aの背面側となる装飾面Q523bを正面へ向けた姿勢(図422、図423、図426及び図427参照)とを形成可能とされる。
一対の液晶表示装置Q523が互い近接する方向へスライド変位され、近接位置に配置されると、かかる一対の液晶表示装置Q523が第3図柄表示装置81の正面に配置されることで、第3図柄表示装置81が視認不能に遮蔽される一方(図420、図422、図424及び図426参照)、一対の液晶表示装置Q523が互い離間する方向へスライド変位され、離間位置に配置されると、かかる一対の液晶表示装置Q523が第3図柄表示装置81の正面から上下または左右に退避されることで、第3図柄表示装置81が視認可能とされる(図421、図423、図425及び図427参照)。
図428から図430を参照して、液晶表示装置Q523の全体構成について説明する。図428(a)は、液晶表示装置Q523の正面図であり、図428(b)は、液晶表示装置Q523の背面図である。図429は、液晶表示装置Q523の分解斜視正面図であり、図430は、液晶表示装置Q523の分解斜視背面図である。
図428から図430に示すように、液晶表示装置Q523は、正面視横長矩形に形成されており、正面側(遊技者側)に配設される正面ケースQ541と、その正面ケースQ541の背面側を覆う背面ケースQ542と、正面ケースQ541及び背面ケースQ542の対向間に配設される液晶装置Q543と、その液晶装置Q543の背面側に配設される基板部材Q545と、液晶装置Q543及び基板部材Q545の対向間に介設される介設部材Q544とを主に備えて形成される。
正面ケースQ541は、背面側が開口する箱状に形成されると共に、その底面に矩形状に板厚方向に貫通形成される正面開口Q541aが形成される。正面ケースQ541は、一面に開口する背面開口Q541b側から内側に液晶装置Q543を配設可能に形成される。これにより、正面開口Q541aを通じて液晶装置Q543を遊技者から視認可能にできる。
正面ケースQ541は、左右の側面の内側に凹設される凹部Q541cが上下に2箇所ずつ形成される。また、凹部Q541cの凹設先端部分には、正面ケースQ541の長手方向(図428(a)左右方向)に貫通する貫通孔Q541dが形成される。
さらに、正面ケースQ541の長手方向一端側(図428(a)左側)に形成される凹部Q541cには、その凹設先端部分の背面開口Q541b側から正面開口Q541a側に凹設される凹設部Q541c1が形成される。凹設部Q541c1は、後述する介設部材Q544の係合部Q544bを係合させる窪みである。
液晶装置Q543は、図柄などの表示を行う液晶ディスプレイQ543aを正面(正面開口Q541aを通して遊技者から視認可能とされる面)に備える。また、液晶装置Q543は、正面視横長矩形に形成され、その短手方向寸法が背面開口Q541bの内側の短手方向寸法と略同一に設定されると共に、長手方向寸法が正面ケースQ541の左右の凹部Q541cの対向間の幅寸法と略同一に設定される。
よって、液晶装置Q543は、正面ケースQ541の内側に配設されると、その上下左右の側面が、正面ケースQ541の内壁に当接した状態とされる。これにより、液晶装置Q543を正面ケースQ541に対して位置ずれし難くできる。
また、液晶装置Q543は、背面(液晶ディスプレイQ543aの反対面)が金属材料の板部材から形成される背面部Q543cで覆われる。背面部Q543cは、電気的なノイズを遮断する(液晶装置Q543が電気的ノイズの影響を受けることを低減する)ためのシールド部材であり、後述する基板部材545と導電部材Q1000(接続手段)により電気的に連結されている。これにより、液晶装置Q543(背面部Q543c)に帯電した静電気を導通可能体としての導電部材Q1000を介して基板部材Q545へ逃がすことができる。
液晶装置Q543は、その厚み寸法(図428(a)紙面奥行方向の寸法)が正面ケースQ541の内側部分の背面開口部Q541b側から正面開口部Q541a側の距離寸法よりも小さい寸法に設定される。よって、液晶装置Q543を正面ケースQ541の内側に収容することができる。また、正面ケースQ541には、短手方向一側(図428(a)下側)の内側面に立設する立設部Q541eが形成される。
立設部Q541eは、正面ケースQ541の長手方向略中央位置から部分的に突出して形成される。正面ケースQ541の背面開口Q541b側の内側面と立設部Q541eの側面との対向間の距離寸法は、液晶装置Q543の厚み寸法と略同一に設定される。よって、正面ケースQ541の内側に液晶装置Q543を配設した状態では、立設部Q541eの側面と液晶装置Q543とが当接した状態とされる。
即ち、立設部Q541eは、液晶装置Q543の下端部と係合した状態とされる。これにより、液晶装置Q543を正面ケースQ541の内側に配置した状態では、液晶装置Q543が正面ケースQ541に対して前後方向(液晶装置Q543が背面ケースQ542から抜け出る方向)に位置ずれすることを抑制しやすくできる。
液晶ディスプレイQ543aは、正面視における形状が、正面ケースQ541の開口Q541aと略同一の形状に形成され、その大きさが開口Q541aと略同一に設定される。これにより、正面ケースQ541の開口Q541aを通じて、遊技者に液晶ディスプレイQ543aの全域を視認させることができる。
液晶装置Q543は、長手方向の両端部に円形状に穿設される締結孔Q543bを備える。締結孔Q543bは、正面ケースQ541の貫通孔Q541dに挿通されたネジの先端が締結される孔であり、液晶表示装置Q523を組み立てた状態において締結孔Q543bの軸が貫通孔Q541dの軸と同一直線状に位置して形成される。これにより、正面ケースQ541の内側に液晶装置Q543を配設した状態で、貫通孔Q541dを介して締結孔Q543bにネジを締結することで、正面ケースQ541に液晶装置Q543を固定できる。
また、上述したように、貫通孔Q541dは、凹部Q541cの凹設先端部に形成されるので、液晶表示装置Q523を組み立てた状態においてネジの頭部を凹部Q541cの内側に収容することができる。また、正面ケースQ541の正面開口側Q541a側には、凹部Q541cの空間を覆う壁部が形成される。一方、凹部Q541cの背面開口側Q541a側には、凹部Q541cと対向する位置に背面ケースQ542が取着される。よって、正面ケースQ541と液晶装置Q543との締結部分を遊技者から視認し難くすることができる。
介設部材Q544は、正面視横長矩形の板状に形成され、板厚方向(液晶装置Q543側から基板部材Q545側)に開口する複数の開口Q544aと、長手方向の一端から長手方向に突出される係合部Q544bと、長手方向の他端に板厚方向に貫通形成される貫通孔Q544cとを主に備えて形成される。
開口Q544aは、横長矩形状に開口され、その内壁が板厚方向に沿って形成される。本実施形態では、介設部材Q544に4箇所形成される。また、開口Q544aは、長手方向の中間位置よりも長手方向一端側(図428(a)左側)に複数形成され、それぞれが長手方向に異なる位置に形成される。
さらに、4箇所の開口Q544aは、介設部材Q544の短手方向中央位置よりも短手方向一側(図428(a)下側)に形成される。介設部材Q544は、正面ケースQ541の正面視形状よりも一回り小さい外形に形成され、液晶装置Q543の背面に配設される。よって、4つの開口Q544aは、液晶表示装置Q523(正面ケースQ541)の短手方向中央位置よりも短手方向の一側(図428(a)下側)に位置される。
上述したように、液晶表示装置Q523は、一対が背面ケース300に対向して配設される(図420参照)。よって、開口Q544aは、液晶表示装置Q523の液晶ディスプレイ543aを遊技者側に向けた状態(図420及び図424に示す状態)において、その対向する側に偏って配置される。
係合部Q544bは、介設部材Q544の長手方向の一端側(図428(a)左側)の端面から長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端面が、介設部材Q544の短手両方向(図428(a)上下方向)に屈曲される。即ち、係合部Q544bは、正面視T字状に形成される。
係合部Q544bは、その先端が凹設部Q541c1を介して、凹部Q541cの内側に配設される。よって、介設部材Q544の長手方向の一端側(係合部Q544b側)を正面ケースQ541に対して短手方向の位置決めをすることができる。
貫通孔Q544cは、板厚方向に円形状に貫通して形成される。貫通孔Q544cは、その内径が、正面ケースQ541の他端側(図428(a)右側)の背面に円柱状に突出して形成される突起Q541fの外径と略同一または突起Q541fの外径よりも少し大きく設定される。また、貫通孔Q544cと突起Q541fとは、液晶表示装置Q523を組み立てた状態において同軸上に形成される。
よって、介設部材Q544を液晶装置Q543の背面に装着する際に、突起Q541fを貫通孔Q544cに挿入できる。その結果、介設部材Q544の長手方向の他端側(貫通孔554c側)を正面ケースQ541に対して位置決めすることができる。
介設部材Q544は、上述したように貫通孔Q544c及び係合部Q544bにより、正面ケースQ541に対して長手方向両側が位置決めされる。その結果、正面ケースQ541に対して介設部材Q544が動く(位置ずれする)ことを抑制できる。
基板部材Q545は、正面視横長矩形の板状に形成されると共に、背面ケースQ542の正面視形状よりも小さく形成される。基板部材Q545は、背面ケースQ542側の背面に背面ケースQ542に向けて光を照射するLEDを複数備えて形成される。これにより、後述する背面ケースQ542を発光させることができる。
また、基板部材Q545は、正面ケースQ541側に突出する複数の突起Q545a1(図433参照)が形成される第1領域Q545aを備える。なお、第1領域Q545aについての詳しい説明は後述する。
なお、基板部材Q545は、板厚方向に円形に開口する貫通孔が複数個形成されており、その貫通孔が介設部材Q544から円柱状に突出する複数の突起に嵌ることで、介設部材Q544に対して位置決めできる。
背面ケースQ542は、正面視形状が正面ケースQ541の正面視形状と略同一に形成されると共に、正面ケースQ541の外形と略同一の大きさに形成される。また、背面ケースQ542は、正面ケースQ541側が開口する箱状に形成される。よって、正面ケースQ541と背面ケースQ542とを組み合わることで、正面ケースQ541と背面ケースQ542との対向間(内側)に液晶装置Q543、介設部材Q544及び基板部材Q545を配設できる。
次いで、図431及び図432を参照して導電部材Q1000について説明する。図431は、液晶表示装置Q523の分解図である。図432(a)は、導電部材Q1000の斜視図であり、図432(b)は、導電部材Q1000の側面図であり、図432(c)は、図432(b)の矢印A01c方向視における導電部材Q1000の正面図であり、図432(d)は、図432(c)のA01d-A01d線における導電部材Q1000の断面図であり、図432(e)は、図432(b)のA01e-A01e線における導電部材Q1000の断面図である。なお、図431では、液晶装置Q543と介設部材Q544との間の部分で分解した状態が図示される。
図431及び図432に示すように、導電部材Q1000は、液晶表示装置Q523を組み立てた状態において、介設部材Q544の開口Q544aの内側に挿入され、正面部分(図432(a)上側部分、第1当接部Q1100の端面)が液晶装置Q543の背面部Q543cに当接(接触)されると共に、背面部分(図432(b)下側部分、第2当接部Q1200の端面)が基板部材Q545の第1領域Q545aに当接(接触)される。
導電部材Q1000は、液晶表示装置Q523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に組み付け前の状態において、断面円形の円柱状に構成され、一方向(図432(b)上下方向、第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向)に長くされる。即ち、導電部材Q1000は、直径寸法よりも高さ寸法(一方向における寸法、即ち、軸方向における長さ寸法)が大きくされる。
導電部材Q1000は、液晶表示装置Q523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に組み付け前の状態において、一方向(図432(b)上下方向)に沿って同一の直径に構成され、その直径は、介設部材554の開口Q544aよりも小さくされる。即ち、介設部材554の開口Q544aは、正面視略矩形に構成され、その開口Q544aの短手方向における距離寸法よりも導電部材Q1000の直径が小さくされる。よって、介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)と導電部材Q1000の外面(側面)とは所定の距離が隔てられ、非接触とされる。
なお、介設部材554の開口Q544aは、正面視略正方形に構成されても良く、正面視略円形に構成されても良い。この場合も、同様に、導電部材Q1000の直径は、介設部材554の開口Q544aよりも小さくされる。即ち、介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)と導電部材Q1000の外面(側面)とは所定の距離が隔てられ、非接触とされる。
導電部材Q1000は、液晶装置Q543(背面部543c)及び基板部材Q545(第1領域545a)に接触するための接触部としての第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と、それら第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の間に配設され両者を導通させる導通部としての中間部Q1300とを備え、それぞれ導電スポンジから構成される。本実施形態では、カーボンが含有されたポリウレタン樹脂を発泡させて成形された導電スポンジが採用される。但し、材質は任意であり、ポリウレタン樹脂に代えて、ポリエチレン樹脂、エチレンポロピレンゴムを採用し、これにカーボンを含有させて発泡させても良い。なお、第1当接部Q1100、第2当接部Q1200及び中間部Q1300の各部を全て同じ材質としても良く、一部または全部が他と異なる材質としても良い。
第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200は、円板状に構成される一方、中間部Q1300は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と略同径の円柱状に構成され、これらの端面どうしが連結される。即ち、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)よりも中間部Q1300の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)が大きくされる。
なお、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300とを略同一の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)としても良い。但し、この場合には、中間部Q1300の変形性(液晶装置Q543と基板部材Q545との相対変位に対する追従性)を確保し難くなる。
また、本実施形態では、第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とが略同一の形状に構成される。但し、両者を異なる形状としても良い。
第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の剛性(弾性率、硬度)は、中間部Q1300よりも剛性(弾性率、硬度)が大きくされる。これにより、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200は、中間部Q1300よりも変形し難い特性に構成される。言い換えると、中間部Q1300は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200よりも変形し易い特性に構成される。即ち、単位荷重に対する中間部Q1300の弾性変形量は、単位荷重に対する第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の弾性変形量よりも大きくなる。
なお、本実施形態では、第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とが同一の材料から構成され、略同一の特性とされる。但し、両者を異なる材料から構成しても良い。
本実施形態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300との端面どうしが接着剤により接着されることで両者が連結される。接着剤は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300との間の導電性を確保するために、端面の一部の領域のみに塗布される(接着剤が塗布されていない領域が端面に確保される)。
なお、導電部材Q1000(第1当接部Q1100、第2当接部Q1200及び中間部Q1300)を2色成形(中間部Q1300を成形した後、その中間部Q1300を設置した金型により第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を成形するもの)により構成しても良い。これにより、接着剤を省略できる。
次いで、図433を参照して、基板部材Q545の第1領域Q545aについて詳しく説明する。図433(a)は、基板部材Q545の正面図であり、図433(b)は、図433(a)のCLXIVb-CLXIVb線における基板部材Q545の断面図である。なお、図433では、第1領域Q545aが、破線で図示される。また、図433(a)では、配線Q545gが破線で図示される。
図433に示すように、基板部材Q545は、非導電性の樹脂材料から板状体に形成される板部材Q545cと、その板部材Q545cの一面側に配設される導電性の金属材料から形成されるグランド部Q545dと、そのグランド部Q545d及び板部材Q545cの一面側を覆う態様で配設されると共に、非導電性の樹脂材料から形成される被覆部材Q545eとを主に備えて形成される。
板部材Q545cは、基板部材Q545の骨格を形成する板材であり、基板部材Q545の正面視矩形状に形成される。
グランド部Q545dは、基板部材Q545に載置される制御部品に電気を導通させる導電体である。なお、本実施形態におけるグランド部Q545dは、第1領域Q545aの全域に形成される。また、基板部材Q545は、被覆部材Q545eと板部材Q545cとの間に配設される共に、各グランド部Q545dに連結される配線Q545gを備えて形成される。
配線Q545gは、金属材料から形成されると共に、基板部材Q545に配設されるコネクタQ545fに連結される。また、配線Q545gは、コネクタQ545fを介してパチンコ機10のアース(図示せず)に連結(導通)される。よって、グランド部Q545dに入力された電気は、配線Q545gを介してパチンコ機10のアースへ逃がすことができる。
被覆部材Q545eは、グランド部Q545d及び板部材Q545cの一面全域を覆う態様で配設される。これにより、グランド部Q545d及び配線Q545gを導通する電気が他の部材(基板部材Q545に配設されるチップ等)に放電することを抑制できる。
また、被覆部材Q545eは、基板部材Q545に配設される突起Q545a1の周囲には形成されず、突起Q545a1と所定の間隔を隔てた状態とされる。この場合、被覆部材Q545eよりも後述する突起Q545a1が突出される。これにより、導電部材Q1000とグランド部Q545dとの当接(連結)を確保できる(図433(b)参照)。
なお、上述した板部材Q545c、グランド部Q545d及び被覆部材Q545eは、図433(b)のみに図示して、他の図での図示が省略される。
第1領域Q545aは、液晶装置Q543側に突出する複数の突起Q545a1と、基板部材Q545の板厚方向(図433(b)左右方向)に円形状に貫通する複数の貫通孔Q545a2とを主に備えて形成される。
貫通孔Q545a2は、第1領域Q545aに基板部材Q545の長手方向および短手方向に複数個並んだ状態で形成される。本実施形態では、基板部材Q545の長手方向に5個、基板部材Q545の短手方向に4個並んだ状態で形成される。
なお、貫通孔Q545a2には、基板部材Q545の長手方向および短手方向に後述する突起Q545a1が1箇所おきに内嵌される。よって、本実施形態では、板厚方向に貫通した状態(突起Q545a1が内嵌されていない状態)の貫通孔Q545a2は、基板部材Q545長手方向に3箇所、短手方向に2箇所、形成される。
突起Q545a1は、基板部材Q545のグランド部Q545dにはんだ付けされたはんだにより形成されている。即ち、貫通孔Q545a2への突起Q545a1の配置は、基板部材Q545のグランド部Q545dにはんだ付けすることにより行われる。
従って、基板部材Q545に電子部品をはんだ付けする工程で突起Q545a1を形成することができる。よって、突起Q545a1を形成するための工程を別途設ける必要がなく、工程を兼用できるので、その分、工数を抑制して、製品コストを削減できる。また、グランド部Q545dにはんだ付けされたはんだにより突起Q545a1が形成されることで、その分、導電部材Q1000(第2当接部Q1200)とグランド部Q545dとの当接面積を確保でき、液晶装置Q543が帯電した際に、基板部材Q545のグランド部Q545dを介して電荷を取り除きやすくできる。
突起Q545a1は、貫通孔Q545a2の内径と略同一の外径の円柱状に形成される。また、突起Q545a1は、貫通孔Q545a2の内側に内嵌した状態で配設され、液晶装置Q543側の先端の外径が、径方向に膨出して形成されており、貫通孔Q545a2から突出した状態とされる。
これにより、突起Q545a1と基板部材Q545のグランド部Q545dとを連結(当接した状態と)することができるので、突起Q545a1に導通される電気を基板部材Q545のグランド部Q545d及び配線Q545gを介してパチンコ機10のアースに逃がす事ができる。
また、突起Q545a1は、径方向に膨出した先端部分が、グランド部Q545dの液晶装置Q543側に当接すると共に、グランド部Q545dに貫通する貫通孔Q545a2の内縁部に基端部分の外周面が当接するので、突起Q545a1とグランド部Q545dとの当接面積を確保することができる。その結果、液晶装置Q543に帯電する静電気を基板部材Q545に逃がしやすくできる。
また、導電部材Q1000(第2当接部Q1200)を突起Q545a1の形状に沿わせて変形させることができ、その分、液晶装置Q543の一面側(背面部Q543c)および基板部材Q545のグランド部Q545dに対して導電部材Q1000(第2当接部Q1200)が摺動することを抑制できる。
即ち、突起Q545a1は、先端が基板部材Q545から突出した状態とされるので、突起Q545a1を導電部材Q1000の側面に食い込んだ状態(一方が他方に嵌り込んで凹凸嵌合した状態)を形成できる。従って、導電部材Q1000が、基板部材Q545の正面(図433(b)の左側側面)と平行な方向(せん断方向)に位置ずれし難くすることができる。その結果、液晶装置Q543に帯電する静電気を基板部材Q545に逃がしやすくできる。
突起Q545a1は、複数個ならんで形成される貫通孔Q545a2に対して、1箇所置きに間隔を空けて配置される。即ち、突起Q545a1は、貫通孔Q545a2に対して千鳥状に配設される。
よって、複数の突起Q545a1を利用して、導電部材Q1000(第2当接部Q1200)が基板部材Q545に対して摺動することを抑制できると共に、液晶装置Q543が帯電した電荷を取り除きやすくでき、且つ、貫通孔Q545a2を利用して、突起と導電部材Q1000(第2当接部Q1200)との間に発生する熱を効率的に逃がすことができる。
即ち、導電部材Q1000は、静電気が流れることで、その電気により熱が蓄えられやすく、その熱により基板部材Q545が壊れる恐れがあるところ、その熱を貫通孔Q545a2を介して排出しやすくできるので、導電部材Q1000を冷却して基板部材Q545が壊れることを抑制できる。
次いで、図434及び図435を参照して、導電部材Q1000の配置状態について説明する。図434は、液晶表示装置Q523の背面図である。図435(a)は、図434のCLXVIa-CLXVIa線における液晶表示装置Q523の断面図であり、図435(b)は、図435(a)の範囲A4bにおける液晶表示装置Q523の拡大断面図である。なお、図435では、理解を容易とするために、導電部材Q1000の変形状態(変形形状)が模式的に図示される。以下の各図においても同様である。
なお、図434では、液晶表示装置Q523の背面ケースQ542及び基板部材Q545が取り外された状態が図示され、図435では、背面ケースQ542及び基板部材Q545が装着された状態が図示される。
図434及び図435に示すように、導電部材Q1000は、正面側(第1当接部Q1100(図435(a)上側の端面))が液晶装置Q543の背面部Q543cに当接した状態とされると共に、背面側(第2当接部Q1200側(図435(a)下側の端面))が基板部材Q545の第1領域Q545a(図433(a)参照)に当接した状態とされ、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向方向に圧縮された状態で配設される。
即ち、導電部材Q1000は、液晶表示装置Q523に配設されていない状態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を結ぶ方向の高さ(長さ)寸法L4(図432(b)参照)が、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間における距離寸法L5よりも大きな値に設定される(L5<L4)。よって、液晶装置Q543に基板部材Q545を組み付けた状態では、導電部材Q1000が液晶装置Q543と基板部材Q545との対向方向に弾性的に圧縮変形される。
従って、導電部材Q1000の液晶装置Q543と基板部材Q545との対向方向(図435(a)上下方向)への弾性回復力を利用して、導電部材Q1000を、液晶装置Q543と基板部材Q545とに導電部材Q1000を当接した状態にできると共に、その当接状態を維持しやすくできる。
ここで、部品の寸法公差や組み立て公差、及び、製品コストの低減の観点から、液晶装置Q543及び基板部材Q545に対する介設部材Q544のがたつき(相対的な変位)を完全になくすことは現実的でない。そのため、遊技中、液晶表示装置Q523の回転に伴う遠心力やスライド変位の始動・停止動作に伴う慣性力の影響を受けて、介設部材Q544が液晶装置Q543又は基板部材Q545に対して相対的に変位される。かかる介設部材Q544に導電部材Q1000が干渉していると、介設部材Q544が変位した際に、導電部材Q1000(第1当接部Q1100又は第2当接部Q1200)が液晶装置Q543又は基板部材Q545に対して摺動してしまい、ノイズ効果にムラが生じる。そのため、液晶装置Q543の誤動作、液晶表示の色ムラやドット欠け等の不具合が発生する。
これに対し、本実施形態では、液晶装置Q543と基板部材Q545との間に導電部材Q1000が挟持された状態(弾性的に圧縮変形された状態)において、介設部材Q544の開口Q544aの内縁(内面(側面))と導電部材Q1000(中間部Q1300)の外面(側面)との間に隙間を持たせることができるので、導電部材Q1000(中間部Q1300)が開口Q544aの内縁に拘束されることを抑制できる。これにより、導電部材Q1000の変形性(液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に対する追従性)を確保できる。
一方で、介設部材Q544の開口Q544aの内縁(内面(側面))と導電部材Q1000(中間部Q1300)の外面(側面)との間に隙間があると、その隙間の分、導電部材Q1000が液晶装置Q543(背面部Q543c)又は基板部材Q545(第1領域Q545a)に対して摺動する可能性が生じるところ、導電部材Q1000は、液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接する第1当接部1100及び第2当接部1200が中間部Q1300よりも大きな剛性とされる(変形し難く構成される)ので、導電部材Q1000が液晶装置Q543(背面部Q543c)又は基板部材Q545(第1領域Q545a)に対して摺動することを抑制できる。
さらに、図435(c)に示すように、突起Q545a1が基板部材Q545(被覆部材Q545e)から突出した状態で配設されることにより、貫通孔Q545a2の開口縁に導電部材Q1000(第2当接部Q1200)が当接することを抑制できる。即ち、突起Q545a1により導電部材Q1000を持ち上げて、基板部材Q545(貫通孔Q545a2)と導電部材Q1000との間に空間を持たせることができるので、貫通孔Q545a2が導電部材Q1000によって塞がれることを抑制できる。
これにより、基板部材Q545と導電部材Q1000(第2当接部Q1200)との間の空間へ貫通孔Q545a2から外気を流入させる、或いは、基板部材Q545と導電部材Q1000との間の空間の空気を貫通孔Q545a2から外部へ流出させることができる。即ち、空気の循環経路を確保(増加)して、導電部材Q1000及び基板部材Q545を冷却しやすくできる。その結果、基板部材Q545の破損を抑制できる。
次いで、図436を参照して、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間隔が変化した場合の説明をする。図436(a)から図436(c)は、液晶表示装置Q523の断面図である。
なお、図436(a)から図436(c)は、図435(b)の断面図と対応する。また、図436(b)を通常状態(基準位置)として、図436(a)及び図436(c)では、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間隔が変化(増加または減少)した状態がそれぞれ図示される。
ここで、上述したように、液晶表示装置Q523は、変位(回転軸Q523cを回転中心とする回転、及び、スライドレール510の伸縮に伴うスライド変位)可能に配設される(図420~図427参照)。その為、その変位の遠心力や慣性力により、液晶表示装置Q523の内部の各部品の位置関係が変化する恐れがある。この場合、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間の距離が変化すると、液晶装置Q543と基板部材Q545との間に介設される導電部材Q1000の当接状態が変化する虞があるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、図436に示すように、導電部材Q1000は、弾性変形可能に構成され、液晶装置Q543及び基板部材Q545の間に弾性的に圧縮変形された状態で配設されているので、導電部材Q1000と液晶装置Q543及び基板部材Q545との当接状態を維持しやすくできる。
詳しく説明すると、図436(a)に示すように、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間が近接して距離寸法L5(図435参照)よりも小さい距離寸法とされる場合には、導電部材Q1000(特に、中間部Q1300)が液晶装置Q543及び基板部材Q545の対向方向(図436(a)上下方向)に弾性的に圧縮されることで、導電部材Q1000と液晶装置Q543及び基板部材Q545との当接状態を維持できる。
一方、図436(c)に示すように、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間が離間して距離寸法L5よりも大きくされる(但し、導電部材Q1000の寸法L4(図432参照)よりも小さい距離寸法とされる)場合には、導電部材Q1000(特に、中間部Q1300)が液晶装置Q543及び基板部材Q545の対向方向(図436(a)上下方向)に弾性回復されることで、対向間の増加に追従でき、導電部材Q1000と液晶装置Q543及び基板部材Q545との当接状態を維持できる。
このように、導電部材Q1000は弾性変形可能に構成されるので、液晶装置Q543及び基板部材Q545の対向間の距離が変化(増加または減少)した場合には、その変化に追従でき、導電部材Q1000と液晶装置Q543及び基板部材Q545との当接状態を維持できる。
次いで、図437を参照して、液晶装置Q543と基板部材Q545とが水平方向(例えば、液晶表示装置Q523の長手方向)に変化した場合(即ち、相対的に平行移動した場合)を説明する。図437(a)から図437(c)は、液晶表示装置Q523の断面図である。
なお、図437(a)から図437(c)は、図435(a)の断面図と対応する。また、図437(b)を通常(基準位置)として、図437(a)では、液晶装置Q543が基板部材Q545に対して液晶表示装置Q523の長手方向一側(図437(a)右側)に変化した状態が、図437(c)では、液晶装置Q543が、基板部材Q545に対して液晶表示装置Q523の長手方向他側(図437(c)左側)に変化した状態が図示される。
また、図437(a)から図437(c)では、基板部材Q545の長手方向における第1領域Q545aの中央位置に仮想線KJ1が、導電部材Q1000の第1当接部Q1100における中央(軸心)位置に仮想線KJ2が、それぞれ2点鎖線で図示される。
ここで、従来より、電気機器(動作手段、液晶装置Q543)と、その電気機器の一面側に対向配置されると共にアース接続されたグランド部(グランド部Q545d)を有する基板(基板部材Q545)と、その基板のグランド部に電気機器を電気的に接続する接続手段とを備えた遊技機が知られている。具体的には、電気機器は、液晶パネル(液晶ディスプレイQ543a)の背面に金属板からなるシールド部材(背面部Q543c)が設けられた液晶表示装置として構成される。また、接続手段は、従来品では、弓形の板ばねとして構成され、基端が基板のグランド部に当接(電気的に接続)されると共に、弓形の凸面がシールド部材に当接(電気的に接続)される。接続手段は、基端が基板に固定される一方、弓形の凸面がシールド部材に押し付けられて、板ばねの弾性変形により当接が保たれた状態とされる。これにより、シールド部材に生じた静電気を、基板のグランド部を介してアースへ逃がすことができる。よって、例えば、遊技球の転動や液晶表示装置の変位に伴って発生した静電気によりシールド部材が帯電しても、基板のグランド部を介して電荷を取り除き、液晶表示の色ムラやドット欠け等の不具合の発生を抑制できる。
しかしながら、上述した従来の技術では、電気機器が変位されることで、或いは、他の演出部材の変位や遊技球の転動・衝突に伴う外力の入力による電気機器の振動により、シールド部材および基板が対向方向と直交する方向(水平方向)へ相対変位(平行移動)されると、接続手段の弓形の凸面がシールド部材に対して摺動され、接続手段またはその接続手段の当接対象が摩耗するという問題点があった。
これに対して、本実施形態によれば、導電部材Q1000は、液晶装置Q543の一面(背面部Q543c)側と基板部材Q545のグランド部Q545dとの対向間に挟持されると共に、液晶装置Q543または基板部材Q545が対向方向と直交する方向(水平方向、図437左右方向)へ相対変位(平行移動)された場合にその相対変位に伴ってせん断変形可能に構成されるので、導電部材Q1000の一側(第1当接部Q1100)及び他側(第2当接部Q1200)を、液晶装置Q543の背面部Q543c及び基板部材Q545のグランド部Q545d(突起Q545a1)のそれぞれに当接させた状態を維持できる。
即ち、導電部材Q1000(特に、本実施形態では、主に中間部Q1300)がせん断変形することで、その導電部材Q1000の一側(第1当接部Q1100)及び他側(第2当接部Q1200)が液晶装置Q543又は基板部材Q545に対して摺動する(位置ずれする)ことを抑制できる。その結果、導電部材Q1000又はその導電部材Q1000の当接対象(液晶装置Q543又は基板部材Q545)が摩耗することを抑制できる。
ここで、電気的に動作可能に構成される動作手段(液晶装置Q543)と、アース接続されたグランド部を有し動作手段と間隔を隔てて配設される基板(基板部材Q545)とを備え、動作手段の導電部分を基板のグランド部に接続手段により電気的に接続する遊技機が知られている。特開2019-188260号公報には、弾性体の周りに布状の導電体(導電性の金属材料から構成される繊維体を編み込んだ無端帯状の導電布)を無端状に巻き付けて接続手段とする構成が開示される。
上記従来の技術では、動作手段(液晶装置Q543)と基板(基板部材Q545)とが水平方向(両者が対向する方向と直交する方向)に相対変位(平行移動)する場合に、その相対変位の方向が、導電体の巻き付け方向に沿う方向であれば、接続手段がせん断変形する(弾性体が略菱形に変形する)ことで、相対変位に追従可能であるが、相対変位の方向が、導電体が巻き付けられている方向と直交する方向であると、接続手段がせん断変形し難くなる(導電体が弾性体の変形を阻害する)。そのため、相対変位に追従することが困難となり、摩耗が発生する。布状の導電体は、面外方向(折り目を付ける方向)には変形しやすい一方、面内方向の変形はし難いためである。
そこで、上記従来の技術では、導電体に「切り欠き」を設けることで、導電体が巻き付けられている方向と直交する方向においても、相対変位に追従する(接続手段がせん断変形する)ようにしている。
しかしながら、このように、導電体に切り欠きを設ける構成では、その切り欠きのみで接続手段の対称性を十分に担保することは困難であった。そのため、動作手段(液晶装置Q543)と基板(基板部材Q545)とが相対変位する場合に、その相対変位の方向によって接続手段の変形性に差が生じ、ノイズ効果にムラが生じるという問題点があった。
特に、動作手段(液晶装置Q543)と基板(基板部材Q545)との相対変位が、両者の対向面の間隔を増減させる方向と、両者の対向面の角度を変化させる方向とが組み合わさったものであると、その相対変位に接続手段が追従できず、動作手段または基板と接続手段との間の接触状態が安定しない。即ち、切り欠きが設けられている側が対向間で圧縮されて弾性回復する場合と、切り欠きが設けられていない側が圧縮されて弾性回復する場合とで、接続手段の動的な変形態様(相対変位に対する追従性)に差が生じる。そのため、相対変位おいて、動作手段または基板と接続手段との間に部分的な隙間が断続的に発生し、接触圧や面積が変化することで、ノイズ効果のムラが顕著となる。
また、接続手段は、動作手段(液晶装置Q543)と基板(基板部材Q545)との相対変位に伴い、繰り返し変形されるものであるため、導電体に切り欠きが設けられていると、切り欠き部分に応力集中が生じやすく、耐久性の低下を招くという問題点があった。更に、導電体に切り欠きを設ける作業を必要となるだけでなく、切り欠きが設けられることで導電体が不整の形状となるため、導電体を弾性体に巻き付ける際の作業性が悪くなり、その分、生産コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、導電部材Q1000を単純な形状(円柱状)で構成することができ、切り欠きを設ける必要がない。
よって、液晶装置Q543と基板部材Q545とがいずれの方向(液晶装置Q543と基板部材Q545との対向間隔を増減させる方向、液晶装置Q543と基板部材Q545とが対向する方向と直交する方向(水平方向)、液晶装置Q543と基板部材Q545との対向面の角度を変化させる方向(傾斜方向))に相対変位する場合であっても、その相対変位の方向により導電部材Q1000の変形性にアンバランスが生じることを抑制できる(導電部材Q1000の動的な変形態様が変形方向によって異なるものとなることを抑制できる)。
その結果、液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)と導電部材Q1000(第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200)との間の接触状態を安定させることができるので、それらの間の接触圧や接触面積が変化することを抑制できる。よって、遊技中(外乱による液晶表示装置Q523の振動に伴い、又は、液晶表示装置Q523の回転やスライド変位に伴い、液晶装置Q543と基板部材Q545とが相対変位する場合)にノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。また、切り欠きを設ける必要がなく、単純な形状とできるので、導電部材Q1000の耐久性の向上を図ることができる。本実施形態では、中間部Q1300が円柱状とされ、長さ方向に沿って(第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の間において)外形(直径)が略同一の大きさ(太さ)に構成されるので、中間部Q1300の一部に変形が集中することを抑制でき、その耐久性を高めることができる。
特に、本実施形態によれば、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200が中間部Q1300よりも変形し難く(剛性が大きく)構成され、且つ、第1当接部Q1100から第2当接部Q1200までの間において中間部Q1300の外形(本実施形態では直径)が同じ大きさに構成されるので、液晶装置Q543と基板部材Q545とが相対変位する場合に、その相対変位に対する中間部Q1300の追従性(変形性)と、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の形状安定性とを利用して、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200が液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接(密着)した状態を維持し易くできる。よって、遊技中にノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
即ち、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位(上記したように、向間隔を増減させる方向、水平方向または傾斜方向の内の一部または全部が組み合わされた相対変位)に対して、中間部Q1300が変形(追従)を担うことで、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の位置を保持し易く(水平方向に位置ずれ(摺動)し難く)でき、且つ、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の形状を保持し易く(液晶装置Q543と基板部材Q545との間に部分的な隙間が生じ難く)できる。よって、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200が液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接(密着)した状態を維持し易くできる。
例えば、本実施形態とは逆に、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200が中間部Q1300よりも変形し易く(剛性が小さく)構成されている場合には、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に対して、中間部Q1300が踏ん張ってしまい、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200が水平方向に位置ずれ(摺動)し易くなると共に、相対変位が傾斜方向の成分を含む場合に、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と液晶装置Q543及び基板部材Q545との間に部分的な隙間が生じ、接触圧や面積が変化し易くなる。よって、ノイズ効果のムラが生じ易くなる。
ここで、例えば、導電部材Q1000(第1当接部Q1100、第2当接部Q1200及び中間部Q1300)の横断面が正方形に構成される場合、2辺が対向する方向への相対変位と、対角方向(2辺が対向する方向と45度位相を異ならせた方向)への相対変位とでは、導電部材Q1000が異なる変形性を有する(導電部材Q1000の変形性が方向性を有する)こととなる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、導電部材Q1000(第1当接部Q1100、第2当接部Q1200及び中間部Q1300)をその長手方向に直交する仮想平面で切断した断面(横断面)の形状が略円形に構成されるので(図432参照)、導電部材Q1000(特に、中間部Q1300)が方向性を有する(相対変位の方向によって変形性が異なる)ことをより確実に抑制できる。よって、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位の方向によらず、導電部材Q1000(特に、中間部Q1300)の変形性を一定として、ノイズ効果にムラを生じ難くできる。
なお、導電部材Q1000(第1当接部Q1100、第2当接部Q1200及び中間部Q1300)の横断面の形状は、完全な円形である必要はなく、断面形状の一部に直線状の部分があっても良い。或いは、断面形状が多角形であっても良い。そのような場合でも、切り欠きを設ける必要がある従来品と比較して、導電部材Q1000が方向性を有することを十分に抑制できる。
ここで、導電部材Q1000の長手方向(第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を結ぶ方向、円柱形状の軸方向、図432(b)上下方向)において、中間部Q1300の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)が、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)と同等または小さくされる場合には、中間部Q1300の変形性(液晶装置Q543と基板部材Q545との相対変位に対する追従性)を確保し難くなる。また、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の形状安定性を確保し難くなる。
これに対し、本実施形態によれば、導電部材Q1000の長手方向(第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を結ぶ方向、円柱形状の軸方向、図432(b)上下方向)において、中間部Q1300の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)が、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)よりも大きくされる。
これにより、中間部Q1300の変形性(液晶装置Q543と基板部材Q545との相対変位に対する追従性)の確保と、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の形状安定性の確保との両立を図ることができる。その結果、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と液晶装置Q543及び基板部材Q545との当接状態を安定化でき、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
なお、中間部Q1300の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)は、中間部Q1300の外形寸法(本実施形態では直径、図432(b)左右方向寸法)よりも大きいことが好ましい。また、中間部Q1300の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)の2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。一方、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の長さ寸法(図432(b)上下方向寸法)は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の外形寸法(本実施形態では直径、図432(b)左右方向寸法)よりも小さいことが好ましい。
なお、図437(c)に示す、液晶装置Q543が基板部材Q545に対して左方向(図437(c)左方向)に変化した場合は、図437(a)に示す、液晶装置Q543が基板部材Q545に対して右方向(図437(c)右方向)に変化した場合と反対であるのみのため、その詳しい説明は省略する。
次いで、図438を参照して、第69実施形態における導電部材Q2000について説明する。第68実施形態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300とが略同一の外形形状(長さ寸法の異なる円柱状)に形成される場合を説明したが、第69実施形態における第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200は、中間部Q1300と異なる外形形状に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図438(a)は、第69実施形態における導電部材Q2000の側面図であり、図438(b)は、図438(a)の矢印A02b方向視における導電部材Q2000の正面図であり、図438(c)は、図438(b)のA02c-A02c線における導電部材Q2000の断面図であり、図438(d)は、図438(a)のA02d-A02d線における導電部材Q2000の断面図である。
図438に示すように、本実施形態における導電部材Q2000は、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200が円錐台形状に形成される。なお、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200は、上述した第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200に対し、形状のみが異なり、他の構成(例えば、材質や製造方法)は同一とされる。
第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200は、互いに逆向きの姿勢で中間部Q1300の両端に配設され、それぞれ小径側の端面が中間部Q1300の長手方向の端面に連結される。よって、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200は、大径側の端面が液晶装置Q543(背面部Q543c)又は基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接されるので、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200と液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)との間の接触面積を大きくすることができる。
これにより、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位(上記したように、向間隔を増減させる方向、水平方向または傾斜方向の内の一部または全部が組み合わされた相対変位)に対して、第1当接部Q2100及び第2当接部Q1200の位置を保持し易く(水平方向に位置ずれ(摺動)し難く)できると共に、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200の形状を保持し易く(液晶装置Q543と基板部材Q545との間に部分的な隙間が生じ難く)できる。即ち、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200が液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接(密着)した状態を維持し易くできる。その結果、遊技中にノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
本実施形態では、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200の小径側の外形の大きさ(直径)が、中間部Q1300の外形の大きさ(直径)と略同一とされる。なお、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200の小径側の外形の大きさ(直径)を中間部Q1300の外形の大きさ(直径)よりも大きくしても良く、小さくしても良い。
次いで、図439を参照して、第70実施形態における導電部材Q3000について説明する。第68実施形態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300とが略同一の外形形状(長さ寸法の異なる円柱状)に形成される場合を説明したが、第70実施形態における第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200は、中間部Q1300と異なる外形形状に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図439(a)は、第70実施形態における導電部材Q3000の側面図であり、図439(b)は、図439(a)の矢印A03b方向視における導電部材Q3000の正面図であり、図439(c)は、図439(b)のA03c-A03c線における導電部材Q3000の断面図であり、図439(d)は、図439(a)のA03d-A03d線における導電部材Q3000の断面図である。
図439に示すように、本実施形態における導電部材Q3000は、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200が円錐台形状に形成される。なお、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200は、上述した第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200に対し、形状のみが異なり、他の構成(例えば、材質や製造方法)は同一とされる。
第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200は、互いに逆向きの姿勢で中間部Q1300の両端に配設され、それぞれ大径側の端面が中間部Q1300の長手方向の端面に連結される。よって、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200は、小径側の端面が液晶装置Q543(背面部Q543c)又は基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接されるので、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200と液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)との間の接触圧を大きくすることができる。
これにより、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位(上記したように、向間隔を増減させる方向、水平方向または傾斜方向の内の一部または全部が組み合わされた相対変位)に対して、第1当接部Q2100及び第2当接部Q1200の位置を保持し易く(水平方向に位置ずれ(摺動)し難く)できると共に、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200の形状を保持し易く(液晶装置Q543と基板部材Q545との間に部分的な隙間が生じ難く)できる。即ち、第1当接部Q2100及び第2当接部Q2200が液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接(密着)した状態を維持し易くできる。その結果、遊技中にノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
本実施形態では、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200の大径側の外形の大きさ(直径)が、中間部Q1300の外形の大きさ(直径)と略同一とされる。なお、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200の小径側の外形の大きさ(直径)を中間部Q1300の外形の大きさ(直径)よりも大きくしても良く、小さくしても良い。
本実施形態では、第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200の外形の大きさ(直径)が、中間部Q1300と連結される側から先端側までの全範囲で連続的に小さくなるように構成されたが、少なくとも第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200の先端側が先細形状(先端側(中間部Q1300から離れる側)に向かうに従って外形の大きさが徐々に小さくなる形状)となっていれば足りる。
次いで、図440を参照して、第71実施形態における導電部材Q4000について説明する。第68実施形態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300とが接着剤を用いた接着により連結される場合を説明したが、第71実施形態における第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200は、中間部Q4300と非接着の状態で連結される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図440(a)は、第71実施形態における導電部材Q4000の側面図であり、図440(b)は、図440(a)の矢印A07b方向視における導電部材Q4000の正面図であり、図440(c)は、図440(b)のA07c-A07c線における導電部材Q4000の断面図であり、図440(d)は、図440(c)のA07d-A07d線における導電部材Q4000の断面図である。
図440に示すように、本実施形態における導電部材Q4000は、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の端面に断面略円形の凹部が凹設されると共に、中間部Q4300の端面から断面略円形の突部が突設され、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の凹部に中間部Q4300の突部が挿通される。即ち、突部の外面(側面)が凹部の内面(側面)に取り囲まれる。なお、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200は、上述した第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200に対し、形状のみが異なり、他の構成(例えば、材質や製造方法)は同一とされる。
本実施形態では、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の凹部の内形の大きさ(内径)と中間部Q4300の突部の外形の大きさ(直径、外径)とが略同一とされる。よって、導電部材Q4000が組み立てられた状態(第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200に中間部Q4300が連結された状態)では、中間部Q4300の第1当接部Q4100側の端部および中間部Q4300の第2当接部Q4200側の端部の外面(側面)に、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の内面(側面)が当接される。
これにより、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200と中間部Q4300とを接着剤を使用しない非接着の状態で連結する(組み立てる)ことができる。よって、接着剤を不要とできる分、接着剤の材料費および接着の塗布工程や乾燥工程に要する工数を削減して、製品コストを低減することができる。
なお、導電部材Q4000は、液晶装置Q543(背面部Q543c)と基板部材Q545(第1領域Q545a)との間に圧縮された状態で挟持されるので、非接着の状態であっても、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200と中間部Q4300との連結が解除されることを抑制できる。
本実施形態では、中間部Q4300の端面に突部が突設される場合を説明したが、中間部Q4300の全体が、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の凹部の内形の大きさ(内径)と略同一の外形の大きさ(直径、外径)の形状(例えば、円柱形状)であっても良い。即ち、中間部Q4300の第1当接部Q4100側の端部および中間部Q4300の第2当接部Q4200側の端部の外面(側面)に、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の内面(側面)が当接されていれば良い。中間部Q4300の突部の突設を省略できることで、その分、製造コストを削減できる。
なお、この場合には、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の凹部の内形の大きさ(内径)は、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の外形の大きさ(直径、外径)の50%以上の大きさであることが好ましく、75%以上の大きさであることがより好ましい。中間部Q4300の変形性を適正に維持できるからである。
中間部Q4300の第1当接部Q4100側の端部および中間部Q4300の第2当接部Q4200側の端部の外形の形状は、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の凹部の内形の形状と異なる形状であっても良い。即ち、中間部Q4300の第1当接部Q4100側の端部および中間部Q4300の第2当接部Q4200側の端部の外面(側面)に、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の内面(側面)が全周にわたって当接している必要はなく、周方向の一部が当接されていれば足り、周方向に断続的に当接されていても良い。例えば、凹部の内形または端部の外形の一方が断面円形とされ、凹部の内形または端部の外形の他方が断面多角形とされ、両者の内面(側面)と外面(側面)とが周方向の一部で当接されるものであっても良い。
次いで、図441を参照して、第72実施形態における導電部材Q5000について説明する。第68実施形態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300とが接着剤を用いた接着により連結される場合を説明したが、第72実施形態における第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200は、中間部Q4300と非接着の状態で連結される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図441(a)は、第72実施形態における導電部材Q5000の側面図であり、図441(b)は、図441(a)の矢印A08b方向視における導電部材Q5000の正面図であり、図441(c)は、図441(b)のA08c-A08c線における導電部材Q5000の断面図であり、図441(d)は、図441(c)のA08d-A08d線における導電部材Q5000の断面図である。
図441に示すように、本実施形態における導電部材Q5000は、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の端面に形成される断面略円形の凹部が貫通孔として構成される。よって、中間部Q4300の第1当接部Q3100側の端部および中間部Q4300の第2当接部Q3200側の端部が導電部材Q5000の先端側(正面側または背面側)から視認可能な状態で露出される。
これにより、導電部材Q5000の製造コストを低減できると共に、ノイズ効果にムラが生じることを抑制し易くできる。即ち、上記第71実施形態におけるように、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の凹部が有底の形状であると、中間部4300の突部の突設寸法が凹部の凹設寸法よりも大きい場合、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の端面と中間部Q4300の端面との間に隙間が形成される。そのため、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に導電部材Q4000が追従する場合に、第1当接部Q4100及び第2当接部Q4200の端面と中間部Q4300の端面とが当接と離間とを繰り返し、ノイズ効果にムラが生じる。よって、凹部の深さ寸法と突部の突設寸法との寸法精度(公差)の要求が厳しくなり、その分、製造コストが嵩む。
これに対し、本実施形態によれば、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の凹部が貫通孔とされることで、突部の突設寸法の寸法精度(公差)を緩やかとできるので、その分、製造コストを低減できる。また、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に導電部材Q5000が追従する場合に、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の端面と中間部Q4300の端面とを当接(密着)した状態に維持し易くできるので、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
ここで、実施形態では、中間部Q4300の突部の突設寸法は、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の凹部(貫通孔)の凹設寸法(貫通寸法、即ち、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の長さ寸法、図441(c)上下方向寸法)よりも小さくされる。よって、中間部Q4300の突部における端面は、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200の先端側(中間部Q4300と反対側)の端面まで到達されない。
そのため、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200のみが液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に当接され、中間部Q4300は液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)に非当接とされる。即ち、中間部Q4300は第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200を介して液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)と電気的に接続される。
これにより、例えば、液晶装置Q543(背面部Q543c)に対して、特性が異なる2部材(第1当接部Q5100及び中間部Q4300)が同時に当接することを抑制できるので、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に導電部材Q5000が追従する場合に、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。即ち、第1当接部Q5100及び中間部Q4300とは、変形のし難さ(剛性)が異なると共に、変形のし難さを異ならせるために、含有されるカーボン量が異なるため、電気的な導通特性も異なる。そのため、そのような特定が異なる2部材が液晶装置Q543(背面部Q543c)に同時に当接された状態で相対変位に追従すると、ノイズ効果にムラが生じる要因となる。
なお、第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200は、上述した第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200に対し、形状のみが異なり、他の構成(例えば、材質や製造方法)は同一とされる。
次いで、図442を参照して、第73実施形態における導電部材Q6000について説明する。第68実施形態では、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q1300とを導電部材Q1000が備える構成を説明したが、第73実施形態における導電部材Q6000は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と中間部Q6300とに加え、外面部Q6400を更に備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図442(a)は、第73実施形態における導電部材Q6000の側面図であり、図442(b)は、図442(a)の矢印A09b方向視における導電部材Q6000の正面図であり、図442(c)は、図442(b)のA09c-A09c線における導電部材Q6000の断面図であり、図442(d)は、図442(a)のA09d-A09d線における導電部材Q6000の断面図である。
図442に示すように、本実施形態における導電部材Q6000は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と、それら第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の間に配設され略円柱状に構成される中間部Q6300と、中間部Q6300の外面(側面)に配設される外面部Q6400とを備える。なお、中間部Q6300は、上述した中間部Q1300に対し、形状のみが異なり、他の構成(例えば、材質や製造方法)は同一とされる。
中間部Q6300の外形の大きさ(直径)は、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の外形の大きさ(直径)よりも小さくされる。これにより、中間部Q6300の変形性(液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に対する追従性)と、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200の形状安定性との両立を図ることができる。その結果、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200と液晶装置Q543(背面部Q543c)及び基板部材Q545(第1領域Q545a)との当接状態を安定化でき、ノイズ効果にムラが生じることを抑制し易くできる。
外面部Q6400は、弾性変形が可能な材料から弾性部材として構成され、中間部Q6300の外面(側面)を全周にわたって取り囲んで配設される。外面部Q6400が絶縁材料により絶縁体として構成される。本実施形態では、外面部Q6400は、カーボンを含有しないポリウレタン樹脂を発泡させて成形されたスポンジが採用される。但し、材質は任意であり、ポリウレタン樹脂に代えて、ポリエチレン樹脂、エチレンポロピレンゴムを採用し、カーボンを含有させずに発泡させても良い。また、ポリ塩化ビニルやフッ素樹脂、架橋ポリエチレン、天然ゴム・合成ゴムなどの非発泡体を採用しても良い。
なお、本実施形態では、外面部Q6400の外形の大きさ(直径)は、上述した中間部Q1300の外形の大きさ(直径)と同一に構成される。即ち、液晶表示装置Q523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に組み付けられた状態では、外面部Q6400の少なくとも一部が中間部Q6400の外面(側面)と介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)との間に位置すると共に、介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)と外面部Q6400の少なくとも一部の外面(側面)とは所定の距離が隔てられ、非接触とされる。
これにより、中間部Q6300の外面(側面)が介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)に直接接触することを外面部Q6400により防ぎ、中間部Q6300が摩耗することを抑制できる。よって、導電部材Q6000(中間部Q6300)の耐久性を向上できる。また、外面部Q6400が弾性変形可能に構成されるので、中間部Q6300を保護しつつ、中間部Q6300の変形性を確保できる。
また、外面部Q6400の外形の大きさ(直径)が介設部材554(開口Q544a)の内面(内形)の大きさよりも小さくされることで、介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)と外面部Q6400の外面(側面)との間に隙間を持たせることができる。よって、その隙間の分、導電部材Q6000(外面部Q6400)が介設部材554(開口Q544a)に拘束されて変形し難くなることを抑制できる。
なお、本実施形態では、外面部Q6400が中間部Q6300よりも変形し易く(剛性が低く)構成される。これにより、中間部Q6300の変形性の確保と中間部Q6300の摩耗の抑制との両立を達成し易くできる。但し、外面部Q6400を中間部Q6300よりも変形し易く(剛性が低く)構成しても良い。外面部Q6400が介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)との当接で摩耗することを抑制し易くできる。
外面部Q6400の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)は適宜調整することができる。この場合、外面部Q6400の外面(側面)は、長さ方向(図442(a)上下方向寸法)の少なくとも一部が介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)と対面可能とされていれば良く、長さ方向の全部が対面していても良い。
本実施形態では、外面部Q6400の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)が中間部Q6300の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)よりも短くされ、中間部Q6300の第1当接部Q1100側の端部および中間部Q6300の第2当接部Q1200側の端部において、中間部Q6300の外面(側面)の周りに外面部Q6400が配設されず、中間部Q6300の外面(側面)が露出されて構成される。これにより、外面部Q6400による中間部Q6400の保護(摩耗の抑制)を図りつつ、導電部材Q6000(中間部Q6300)の変形性を確保できる。
なお、外面部Q6400の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)が中間部Q6300の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)と略同一であっても良い。介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)が中間部Q6400に当接することを確実に抑制できる。
また、外面部Q6400の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)が中間部Q6300の長さ寸法(導電部材Q6000の長手方向の寸法、図442(a)上下方向寸法)よりも大きくされ、第1当接部Q1100又は第2当接部Q1200の少なくとも一方の外面(側面)の周りにも外面部Q6400が配設される構成であっても良い。第1当接部Q1100又は第2当接部Q1200の形状安定性を高めることができる。
また、中間部Q6300の第1当接部Q1100側の端部または中間部Q6300の第2当接部Q1200側の端部の一方のみにおいて、中間部Q6300の外面(側面)の周りに外面部Q6400が配設されず、中間部Q6300の外面(側面)が露出される構成であっても良い。
上述したように、外面部Q6400は、絶縁材料から絶縁体として構成される。これにより、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位に伴い、外面部Q6400の外面(側面)が介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)に対して摺動することや接触と離間とを繰り返した場合でも、静電気の発生を抑制できる。その結果、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
次いで、図443を参照して、第74実施形態における液晶表示装置Q7523について説明する。第68実施形態では、介設部材554(開口Q544a)の内面(側面)と導電部材Q1000の外面(側面)とが離間される構成を説明したが、第74実施形態における介設部材Q7544は、その開口Q7544aの内面(側面)が導電部材Q1000(第1当接部Q1100)の外面(側面)に当接される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図443は、第74実施形態における液晶表示装置Q7523の断面図であり、図435(a)に対応する。本実施形態における液晶表示装置Q7523は、介設部材Q7544の開口Q7544aが導電部材Q1000の第1当接部Q1100に対応する位置に配設される。また、介設部材Q7544の開口Q7544aは、上述した介設部材554の開口544aよりも小さな矩形状に形成され、その開口Q7544aの内形の大きさ(長手方向における距離寸法)が導電部材Q1000(第1当接部Q1100)の外形の大きさ(直径)が略同一又は若干小さく構成される。よって、介設部材Q7544(開口Q7544a)の内面(側面)と導電部材Q1000(第1当接部Q1100)の外面(側面)とが周方向の少なくとも一部で当接される。
なお、介設部材Q7544の開口Q7544aは、正面視略正方形に構成されても良く、正面視略円形に構成されても良い。この場合も、同様に、介設部材Q7544の開口Q7544aの内形の大きさ(2辺が対向する距離寸法または内径)は、導電部材Q1000(第1当接部Q1100)の外形の大きさ(直径)と略同一又は若干小さく構成される。即ち、介設部材Q7544(開口Q7544a)の内面(側面)と導電部材Q1000の外面(側面)とが周方向の少なくとも一部または周方向の全部で当接される。
これにより、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位が生じた場合に、液晶装置Q543(背面部Q543c)に対する第1当接部Q1100の位置を保持し易く(水平方向に位置ずれ(摺動)し難く)でき、且つ、中間部Q1300が介設部材Q7544(開口Q7544a)の内面(側面)に拘束されることを回避して、その中間部Q1300の変形性を確保できる。その結果、ノイズ効果のムラが生じ易くなる。
次いで、図444を参照して、第75実施形態における導電部材Q8000について説明する。第68実施形態では、導電部材Q1000の全体が導電スポンジで構成される場合を説明したが、第75実施形態における導電部材Q8000は、その一部(外殻部Q8500)が樹脂材料から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図444(a)は、第75実施形態における導電部材Q8000の側面図であり、図444(b)は、図444(a)の矢印A11c方向視における導電部材Q8000の正面図であり、図444(c)は、図444(b)のA11c-A11c線における導電部材Q8000の断面図である。図444(a)、図444(b)及び図444(c)は、図432(b)、図432(c)及び図432(d)にそれぞれ対応する。なお、図444(b)では、介設部材8544が図示される。
図444に示すように、本実施形態における導電部材Q8000は、樹脂材料から構成される外殻部Q8500を備える。外殻部Q8500は、第1当接部Q1100及び中間部Q1300の長さ方向(第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を結ぶ方向、図444(a)上下方向)の一部を外側(外面側)から全周にわたって取り囲んだ状態で配設される。
本実施形態では、第1当接部Q1100及び中間部q1300の外面(側面)と外殻部Q8500の内面(側面)とが少なくとも周方向の一部の領域において(又は全周にわたって)接着剤により接着される。但し、両者を非接着としても良い。この場合には、第1当接部Q1100及び中間部q1300の外面(側面)と外殻部Q8500の内面(側面)との一方に突部を、他方に凹部を、それぞれ形成し、それらが嵌合するようにすることが好ましい。
本実施形態における液晶表示装置(図示せず)は、介設部材Q8544の開口Q8544aが導電部材Q8000の第1当接部Q1100に対応する位置に配設される(図444(b)参照)。また、介設部材Q8544の開口Q8544aは、その開口Q8544aの内形の大きさ(短手方向における距離寸法、図444(b)上下方向寸法)が、導電部材Q8000(外殻部Q8500)の外形の大きさ(直径)と略同一又は若干小さく構成される。よって、介設部材Q8544(開口Q8544a)の内面(側面)と導電部材Q8000(外殻部Q8500)の外面(側面)とが周方向の少なくとも一部で当接される。
なお、介設部材Q8544の開口Q8544aは、正面視略正方形に構成されても良く、正面視略円形に構成されても良い。この場合も、同様に、介設部材Q8544の開口Q8544aの内形の大きさ(2辺が対向する距離寸法または内径)は、導電部材Q8000(外殻部Q8500)の外形の大きさ(直径)と略同一又は若干小さく構成される。即ち、介設部材Q8544(開口Q8544a)の内面(側面)と導電部材Q8000(外殻部Q8500)の外面(側面)とが周方向の少なくとも一部または周方向の全部で当接される。
これにより、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位が生じた場合に、液晶装置Q543(背面部Q543c)に対する第1当接部Q1100の位置を保持し易く(水平方向に位置ずれ(摺動)し難く)でき、且つ、中間部Q1300が介設部材Q8544(開口Q8544a)の内面(側面)に拘束されることを回避して、その中間部Q1300の変形性を確保できる。その結果、ノイズ効果のムラが生じ易くなる。
特に、本実施形態では、外殻部Q8500の外面(側面)には、その長さ方向(第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を結ぶ方向、図444(a)上下方向)に沿って延びる溝部Q8510が凹設され、その溝部Q8510に挿通可能(溝部Q8510の延びる方向(図444(a)上下方向)に沿って変位可能)に構成される挿通部Q8544dが、介設部材Q8544の開口Q8544aの内面(側面)から突設される。
これにより、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位が生じた場合に、液晶装置Q543(背面部Q543c)に対して導電部材Q8000(第1当接部Q1100)が相対変位(回転)することを抑制できる。その結果、ノイズ効果のムラが生じ易くなる。
なお、本実施形態では、溝部Q8510d(挿通部Q8544d)が対向する2箇所(位相を180度異ならせた位置)に形成(凹設およち突設)される。但し、形成位置は対向する位置に限定されない。また、形成個数は、1箇所でも良く、3箇所以上でも良い。
また、外殻部Q8500の外面(側面)に溝部Q8510を、介設部材Q8544の開口Q8544aの内面(側面)に挿通部Q8544dを、それぞれ形成したが、逆の配置とし、外殻部Q8500の外面(側面)に挿通部Q8544dを、介設部材Q8544の開口Q8544aの内面(側面)に溝部Q8510を、それぞれ形成しても良い。
ここで、上記第68実施形態では、導電部材Q1000が導電スポンジのみから構成され、比較的変形し易いため、作業者が手で把持し難い。そのため、液晶表示装置Q523を組み立てる際に、介設部材Q544の開口Q544aに導電部材Q1000を組み付け難く、作業性が悪い。
これに対し、本実施形態における導電部材Q8000によれば、外殻部Q8500が樹脂材料から構成されるので、かかる外殻部Q8500の剛性を確保して、変形し難くできる。即ち、作業者が手で把持し易くできる。よって、液晶表示装置Q523を組み立てる際に、介設部材Q544の開口Q544aに導電部材Q8000を組み付ける際に、外殻部Q8500を利用することができる。即ち、外殻部Q8500を作業者が手で把持できる。これにより、導電部材Q8000を組み付け易くして、その作業性を向上できる。
なお、本実施形態では、外殻部Q8500の内面(側面)が第1当接部Q1100及び中間部Q1300の外面に当接(連結)されたが、外殻部Q8500の内面(側面)と中間部Q1300の外面(側面)との間の少なくとも一部(周方向の一部または長さ方向の一部)又は全部(周方向および長さ方向の全部)に隙間が形成されていても良い。隙間の分、中間部Q1300が拘束されることを抑制し、導電部材Q8000(中間部Q1300)の変形性を確保できる。その結果、ノイズ効果のムラを抑制できる。
本実施形態では、第1当接部Q1100の正面側の端面(液晶装置Q543の背面部Q543c側の部分、図444(c)上側の部分)が、外殻部Q8500の正面側の端面(液晶装置Q543の背面部Q543c側の部分、図444(c)上側の部分)よりも突出する(正面側に位置する)構成とされたが、逆でも良く、外殻部Q8500の正面側の端面(液晶装置Q543の背面部Q543c側の部分、図444(c)上側の部分)が、第1当接部Q1100の正面側の端面(液晶装置Q543の背面部Q543c側の部分、図444(c)上側の部分)よりも突出する(正面側に位置する)構成としても良い。
本実施形態では、外殻部Q8500を樹脂材料から構成したが、導電スポンジ(導電部材Q1000)よりも剛性の大きい(変形し難い)であれば、別の材料を採用しても良い。例えば、ゴム状弾性体や金属材料が例示される。なお、外殻部Q8500は、絶縁性の材料から構成されることが好ましい。よって、金属材料から外殻部Q8500を構成する場合には、その金属材料の表面(外面)をゴム状弾性体や樹脂材料などの絶縁性の材料で被覆(コーティング)することが好ましい。
ここで、介設部材Q8544の開口Q8544aの内部(内面や背面)に、その開口Q8544aに外殻部Q8500を挿通(押し込み)して組み付ける際に外殻部Q8500の一部に当接して外殻部Q8500のそれ以上の挿通(押し込み)を規制する(外殻部Q8500の挿通位置(組み付け位置)を規定する)当接手段を設けて良い。当接手段としては、例えば、介設部材Q8544の開口Q8544aの内部(内面や背面)に設けられ、外殻部Q8500の正面側の端面(液晶装置Q543の背面部Q543c側の部分、図444(c)上側の部分)に当接する部分が例示される。
次いで、図445を参照して、第76実施形態における導電部材Q9000について説明する。第68実施形態では、導電部材Q1000の中間部Q1300が中実に構成される場合を説明したが、第76実施形態における導電部材Q8000の中間部Q9300は、凹部Q9310を備えて構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図445(a)は、第76実施形態における導電部材Q9000の斜視図であり、図445(b)は、導電部材Q9000の側面図であり、図445(c)は、図445(b)の矢印A12c方向視における導電部材Q9000の正面図であり、図445(d)は、図445(c)のA12d-A12d線における導電部材Q9000の断面図であり、図445(e)は、図445(b)のA12e-A12e線における導電部材Q9000の断面図である。なお、図444(b)では、介設部材8544が図示される。
ここで、上述したように、導電部材Q1000(中間部Q1300)は、導電スポンジから構成されるため、気泡による空隙(隙間)を有し、この空隙(隙間)の分、変形性が向上されている。しかしながら、変形性に更なる改善の余地が要請される。
これに対し、本実施形態における導電部材Q9000によれば、図445に示すように、中間部Q9300が空隙(隙間)として構成される凹部Q9310を備え、この凹部Q9310は、導電部材Q9000(中間部Q9300)の長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図445(d)上下方向)に沿って延びるように形成される。これにより、凹部Q9310の空隙(隙間)の分、導電部材Q9000(中間部Q9300)の変形性を向上できる。
本実施形態では、凹部Q9310は、中間部Q9300の一側(第1当接部Q1100側)の端部(端面)から他側(第2当接部Q1200側)の端部(端面)まで長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図445(d)上下方向)に沿って連続する空隙(隙間)として構成される。但し、凹部Q9310が長さ方向に沿って断続的に構成される(長さ方向の一部で空隙(隙間)が非形成とされる)ものであっても良い。
本実施形態では、凹部Q9310が長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図445(d)上下方向)に沿って直線状に延びる場合を説明したが、非直線状に延びるものであっても良い。非直線状としては、例えば、矩形波状に凹凸を組み合わせた形状に屈曲して延びる形態や、鋸刃状に屈曲して延びるものや、螺旋(回転しながら回転面と垂直方向のある方向(長さ方向)へ移動(上昇または下降)する曲線)状に延びるものが例示される。
なお、中間部Q9300を複数の部材(導電スポンジ)を合体(結合)させて構成するようにしても良い。即ち、中間部Q9300の素材としての複数の部材を金型により成形する際または金型により成形した後に、それら各素材の一部または全部の外面(側面)に溝を凹設し、溝が凹設された外面を合わせ面(当接面)として、複数の素材を合体(連結)して中間部Q9300を構成しても良い。合わせ面(当接面)の溝が空隙(隙間)として残り、これを凹部Q9310とすることができるので、金型では成形が困難な複雑な形状の凹部Q9310を構成できる。
本実施形態では、凹部Q9310の断面(横断面)が円形の空隙(隙間)として構成されたが、断面(横断面)形状は任意であり、断面矩形や断面楕円、これらが組み合わされた断面形状であっても良い。凹部Q9310は、長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図445(d)上下方向)に沿って一定の断面(横断面)形状である必要はなく、長さ方向に沿って変化しても良い。長さ方向の一部の断面(横断面)形状が他の部分と異なる断面(横断面)形状であっても良い。
本実施例では、凹部Q9310の配設個数が4箇所とされるが、3箇所以下でも良く、5箇所以上でも良い。また、配設位置は任意である。
本実施形態では、凹部Q9310の横断面(長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図445(d)上下方向)に直交する仮想面で切断した断面、即ち、図445(e)に示す断面)における断面積は、その合計の断面積が、中間部Q9300の凹部Q9310を除いた領域の断面積よりも小さくされる。これにより、空隙(隙間)が大きくなり過ぎることを抑制でき、その分、中間部Q9300の耐久性を確保できる。
例えば、凹部Q9310の断面積の合計が大きい(例えば、中間部Q9300の凹部Q9310を除いた領域の断面積の半分を超える)構成では、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位が過大となった場合に、中間部Q9300の変形態様が一部に屈曲した形状が発生する態様となり易い。そのため、その屈曲部分に応力集中が生じ、亀裂の発生により耐久性が低下する。
これに対し、凹部Q9310の断面積の合計が小さい(例えば、中間部Q9300の凹部Q9310を除いた領域の断面積の半分以下、より好ましくは、25%以下となる)構成であれば、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位が過大となった場合に、空隙(隙間)を埋めて、中実体として中間部Q9300が変形できる。これにより、中間部Q9300に屈曲した形状が発生することを抑制できる。その結果、応力集中の発生を抑制でき、耐久性を向上できる。
次いで、図446を参照して、第77実施形態における導電部材Q10000について説明する。第76実施形態では、中間部Q9300の内部に空隙(隙間)が構成される場合を説明したが、第77実施形態における導電部材Q10000は、複数の中間部Q10300の外面(側面)どうしの間に空隙(隙間)が構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図446(a)は、第77実施形態における導電部材Q10000の側面図であり、図446(b)は、図446(a)の矢印A13b方向視における導電部材Q10000の正面図であり、図446(c)は、図446(b)のA13c-A13c線における導電部材Q10000の断面図であり、図446(d)は、図446(a)のA13d-A13d線における導電部材Q10000の断面図である。
図446に示すように、本実施形態における導電部材Q10000は、複数(本実施形態では7本)の中間部Q10300を備える。なお、中間部Q10300は、上述した中間部Q1300に対し、形状のみが異なり、他の構成(例えば、材質や製造方法)は同一とされる。
中間部Q10300の外形の大きさ(直径)は、外面部Q6400の内形の大きさ(内径)よりも小さくされる。これにより、外面部Q6400の内面側(内部)には、複数の中間部Q10300が束ねられた状態で合体(結合)して保持される。
なお、本実施形態では、液晶装置Q543と基板部材Q545との間に組み付けられて圧縮される前の状態(即ち、無負荷状態)において、外面部Q6400の内形の大きさ(内径)が、中間部Q10300の外形の大きさ(直径)の略3倍に設定される。これにより、無負荷状態において、複数の中間部Q10300及び外面部Q6400は、径方向に変形されず、それぞれ断面(横断面)形状が略円形および略円環形状の状態のまま隣接する部材と当接(接触)される。但し、外面部Q6400の内面側(内部)において、複数の中間部Q10300が径方向に変形(圧縮)されていても良い。また、外面部Q6400の内面(側面)が径方向に変形(圧縮)されていても良い。
本実施形態における導電部材Q10000によれば、複数の中間部Q10300の外面(側面)どうしの間、及び、中間部Q10300と外面部Q6400との外面(側面)と内面(側面)との間に、それぞれ空隙(隙間)が形成される。これら空隙(隙間)は、導電部材Q10000(中間部Q10300)の長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図446(c)上下方向)に沿って延びるように形成される。これにより、空隙(隙間)の分、導電部材Q10000(中間部Q10300)の変形性を向上できる。
本実施形態では、中間部Q10300が円柱状(長さ方向(第1当接部Q1100と第2当接部Q1200とを結ぶ方向、図446(c)上下方向)に沿って直線状に延びる形状)に構成される場合を説明したが、非直線状に延びるものであっても良い。例えば、複数の中間部Q10300が撚り合わせられていても良い。
本実施形態では、中間部Q10300が断面(横断面)円形の円柱状に構成されたが、断面形状は任意であり、断面多角形や断面楕円、これらが組み合わされた断面形状であっても良い。但し、外面部Q6400は断面(横断面)円形(内面および外面がそれぞれ円形の断面円環状)に構成されることが好ましい。複数(本実施形態では7本)の中間部Q10300が合体して構成される集合体の断面(横断面)形状(外形)を略円形として、その集合体の変形性が方向性を有する(相対変位の方向によって変形性が異なる)ことを抑制できる。これにより、上述しように、ノイズ効果にムラを生じ難くできる。
本実施例では、中間部Q10300の配設個数が7個とされるが、6個以下でも良く、8個以上でも良い。また、配設位置は任意である。
本実施形態では、複数の中間部Q10300の外面(側面)どうしの間に空隙(隙間)を形成できるところ、中間部Q10300は断面(横断面)が略円形の円柱状に構成されるので、液晶装置Q543と基板部材Q545との間の相対変位が過大となった場合でも、各中間部Q10300の一部に屈曲した形状が発生することを抑制できる。即ち、屈曲部分に応力集中が生じて亀裂が発生することを抑制できる。その結果、耐久性を向上できる。
本実施形態では、各中間部Q10300が同じ構成を説明したが、異なる構成(例えば、外形(形状、直径)が異なる、材質が異なる、導電率が異なるなど)でも良い。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
例えば、第71実施形態における第1当接部Q4100及び中間部Q4300の連結構造を、第70実施形態における第1当接部Q3100及び中間部Q1300の連結構造と置き換えて(適用して)、新たな実施形態としても良い。
同様に、例えば、第71実施形態における第1当接部Q4100及び中間部Q4300の連結構造を、第77実施形態における第1当接部Q1100及び中間部Q10300の連結構造と置き換えて(適用して)、新たな実施形態(複数の中間部Q103000の内の一部または全部の中間部Q10300における端部(先端部分、図446(c)上側部分)が第1当接部Q4100の凹部に配設され、凹部に配設された1又は複数の中間部Q103000の端部の外面(側面)の内の一部または全部が、第1当接部Q4100の凹部の内面(側面)の一部または全部と当接する連結構造)としても良い。
上記各実施形態では、第1当接部Q1100~Q5100と第2当接部Q1200~Q5200とが同一の構成とされる場合を説明したが、異なる構成(形状、材質、特性が異なるもの)でも良い。
上記176実施形態において、液晶表示装置Q523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に導電部材Q6000を組み付けた状態において、外面部Q6400の外面(側面)と介設部材544の開口544aの内面(側面)とは、外面部Q6400の外面(側面)における長さ方向および周方向の一部または全部が開口544aの内面(側面)における一部または全部に当接していても良い(即ち、長さ方向および周方向の一部または全部において離間していても良い(両者の間に隙間を有していても良い)。なお、液晶装置Q543及び基板部材Q545との相対変位で想定され得る外力が導電部材Q6000に入力され、導電部材Q6000が変形された際に、少なくとも外面部Q6400の外面(側面)の一部が開口544aの内面(側面)に当接する(当接する面積が増加する)ことが好ましい。導電部材Q6000の変位(水平方向への摺動)を抑制するストッパとして介設部材544を機能させることができ、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できるからである。
上記各実施形態において、液晶表示装置Q523,Q7523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に導電部材Q1000~Q10000を組み付けた状態において、導電部材Q1000~Q10000(第1当接部Q1100~Q1500、第2当接部Q1200~Q5200、中間部Q1300~Q10300又は外面部Q6400の内の一部(1または複数))の外面(側面)の全周(周方向の全部)が、介設部材544~8544の開口544a~8544aの内面(側面)に当接していても良い。これにより、導電部材Q1000~Q10000を介設部材544~8544に組み付けた(開口544a~8544aに保持させた)状態で、その介設部材544~8544を液晶表示装置Q523,Q7523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に組み付けることができるので、液晶表示装置Q523の組み立て作業における作業性を向上できる。
上記各実施形態では、第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200の長さ寸法(第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200を結ぶ方向における寸法)が、中間部Q1300~Q10300の長さ寸法よりも小さくされたが、第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200の内の一方または両方の長さ寸法が、中間部Q1300~Q10300の長さ寸法よりも大きくされても良い。液晶装置Q543及び基板部材Q545との間の相対変位の変位量が比較的小さい場合(特に、液晶装置Q543及び基板部材Q545との間の間隔を増減させる方向(導電部材Q1000~Q10000の長さ方向)への相対変位が支配的(即ち、水平方向には相対変位し難い)で、且つ、その変位量が比較的小さい場合)に当該構成(後者の構成)が有効となる。
上記各実施形態では、中間部Q1300~Q10300の長さ寸法(第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200を結ぶ方向における寸法)が外形の大きさ(直径)よりも大きくされたが、中間部Q1300~Q10300の長さ寸法(第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200を結ぶ方向における寸法)が外形の大きさ(直径)よりも小さくても良い。即ち、中間部Q1300~Q10300が、長手方向に長い長尺の円柱状とされたが、厚み寸法が外形(直径)よりも小さい円板状に形成されても良い。液晶装置Q543及び基板部材Q545との間の相対変位の変位量が比較的小さい場合(特に、液晶装置Q543及び基板部材Q545との間の間隔を増減させる方向(導電部材Q1000~Q10000の長さ方向)への相対変位が支配的(即ち、水平方向には相対変位し難い)で、且つ、その変位量が比較的小さい場合)に当該構成(後者の構成)が有効となる。
上記各実施形態では、導電部材Q1000~Q10000が導電スポンジから構成される場合を説明したが、その一部を他の材質から構成しても良い。例えば、第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200の一方または両方を金属材料(例えば、鉄、銅、アルミニウムなど)から構成しても良い。第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200形状安定性を高めることができる。
上記各実施形態において、介設部材544~8544の開口544a~8544aの形状(導電部材Q1000~Q10000を組み付ける(挿通する)際の挿通方向視における正面視形状)は、任意である。例えば、矩形状(正方形、長方形、その他の多角形)、円形、楕円形、それらを組み合わせた形状(直線と曲線とが組わされた正面視形状)が例示される。
上記各実施形態において、第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200の外形の大きさは、長さ方向(第1当接部Q1100~Q1500及び第2当接部Q1200~Q5200を結ぶ方向)において一定である(長さ方向に垂直な仮想平面で切断した断面形状が長さ方向のどの位置で切断しても略同一である)必要はなく、長さ方向の一部の外形の大きさが他の部分の外形の大きさと異なるものであっても良い。例えば、第1の部位とその第1の部位よりも外形の大きさが大きい第2の部位とが長さ方向に並設(又は繰り返し配設)される構成でも良い。
また、外形の大きさは、長さ方向に沿って連続的とされる(この一例として、第70実施形態における第1当接部Q3100及び第2当接部Q3200が例示される)必要はなく、不連続(断続的)であっても良い。例えば、外形の大きさが長さ方向に沿って変化する部位と外形の大きさが長さ方向において一定ある部位とが長さ方向に並設(又は繰り返し配設)される構成でも良い。
上記各実施形態では、液晶装置Q543及び基板部材Q545との間に導電部材Q1000~Q10000を配設する(両者を電気的に接続する)場合を説明したが、例えば、2枚の基板部材Q545が向い合せで所定間隔を隔てて配設され、それら2枚の基板部材Q545の間に配設される(2枚の基板部材Q545no第1領域545aどうしを電気的に接続する)ものであっても良い。例えば、液晶表示装置523に2枚の基板部材Q545を対向配置する必要がある場合に、上記各実施形態の場合と同様に、液晶表示装置523の変位(回転やスライド変位)に伴い2枚の基板部材Q545が相対変位した場合でも、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
上記第73実施形態では、中間部Q6300の長さ方向(長手方向、第1当接部Q1100及び第2当接部Q1200を結ぶ方向)の端部(第1当接部Q1100が接続される端部側および第2当接部Q1200が接続される端部側)の一部において外面が露出される(外面部Q6400が配設されない)場合を説明したが、中間部Q6300の長さ方向の端部の外面が露出されない(外面部Q6400が配設される)構成であっても良い。当該構成(後者の構成)によれば、液晶装置Q543及び基板部材Q545との間の相対変位し易い(変位量が大きい)場合でも、外面部Q6400による中間部Q6300の保護効果を高める(介設部材Q544の開口Q544aの内面(側面)に中間部Q6300が直接当接して摩耗することを抑制する)ことができる。
なお、第71実施形態における第1当接部Q4100及び中間部Q4300の連結構造を、第73実施形態における第1当接部Q1100及び中間部Q6300の連結構造と置き換える場合には、中間部Q6300の長さ方向の端部(先端部分)に加え、外面部Q6400の長さ方向の端部(先端部分)も、第1当接部Q4100の凹部に配設される構成(凹部に配設された外面部Q6400の端部の外面(側面)の内の一部または全部が、第1当接部Q4100の凹部の内面(側面)の一部または全部と当接する構成)としても良い。第1当接部Q1100と中間部Q6300及び外面部Q6400との接着剤による接着を不要として、その分、製品コストを低減できる。
この場合、外面部Q6400の端面(端部の先端面)よりも中間部Q6300の端部(先端部)を突出させ、中間部Q6300の長さ方向の端部(先端部分)の外面(側面)の内の一部または全部も、第1当接部Q4100の凹部の内面(側面)の一部または全部と当接する構成としても良い。第1当接部Q4100の凹部の内形の大きさを、外面部Q6400の(端部(先端面)と中間部Q6300の端部(先端部)とで異なるものとする(側面どうしが当接する大きさとする)ことが好ましい。両者の当接による摩擦力を確保して、第1当接部Q1100から中間部Q6300及び外面部Q6400が脱落する(抜ける)ことを抑制できる。その結果、液晶表示装置Q523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に導電部材Q6000を組み付けやすくできる。
当該構成は、第77実施形態においても同様である。即ち、第1当接部Q4100の凹部に外面部Q6400の端部(先端部)及び複数の中間部Q10300の端部(先端部)を配設しても良い。外面部Q6400の端面(端部の先端面)よりも中間部Q10300の端部(先端部)を突出させても良い。外面部Q6400の外面(側面)が第1当接部Q4100の凹部の内面(側面)に当接されるので、複数の中間部Q10300が分離する(ばらける)ことを抑制し易くできる。よって、第1当接部Q1100から中間部Q10300が脱落する(抜ける)ことを抑制できる。その結果、液晶表示装置Q523(液晶装置Q543及び基板部材Q545との間)に導電部材Q6000を組み付けやすくできる。
上記第71及び第72実施形態では、第1当接部Q4100,Q5100と中間部Q4300との間に接着剤を塗布しない(非接着により両者を連結する)構成を説明したが、両者の間(当接する部分どうしの間)の少なくとも一部または全部に接着剤を塗布しても良い。
上記第73及び第77実施形態では、外面部Q6400の剛性が中間部Q6300,Q10300の剛性よりも高い(変形し難い)構成とされたが、外面部Q6400の剛性が中間部Q6300,Q10300の剛性よりも低い(変形し易い)構成としても良い。導電部材Q6000,Q10000(中間部Q6300,Q10300)の変形性を確保できる。また、この場合でも、外面部Q6400により中間部Q6300の保護効果を確保できる(介設部材Q544の開口Q544aの内面(側面)に中間部Q6300が直接当接して摩耗することを抑制する)ことができる。
上記各実施形態では、介設部材Q544~Q8544を正面ケースQ541(液晶装置543側)に配設する構成を説明したが、介設部材Q544~Q8544を背面ケースQ542(基板部材545側)に配設しても良い。
上記各実施形態で説明を省略したが、第2当接部Q1200~Q5200の端面(基板部材545(第1領域545a)に当接する側の部分)に、第1領域545aの突起545a1が挿通(嵌合)可能な凹部を形成(凹設)しても良い。突起545a1が凹部に挿通(嵌合)されることにより、基板部材Q545(第1領域Q545a)に対する導電部材Q1000~Q10000の位置ずれ(摺動)を抑制できる。
上記各実施形態では説明を省略したが、液晶装置Q543の背面部Q543cから1又は複数の突起(突部)を突出させ、その突起を第1当接部Q1100~Q1500の端面(液晶装置Q543(背面部Q543c)に当接する側の部分)に食い込ませても良い。また、それら1又は複数の突起(突部)が挿通(嵌合)可能な凹部を第1当接部Q1100~Q1500の端面に形成(凹設)しても良い。凹部に突起(突部)が挿通(嵌合)されることにより、液晶装置Q543(背面部543c))に対する導電部材Q1000~Q10000の位置ずれ(摺動)を抑制できる。
なお、液晶装置Q543の背面部Q543cから突出させる突起(突部)の外形を、第72実施形態における第1当接部Q5100の凹部の内形と略同一の大きさ(即ち、挿通(嵌合)が可能な大きさ)としても良い。突起(突部)が第1当接部Q5100の凹部に挿通(嵌合)されることで、液晶装置Q543(背面部543c)に対する導電部材Q5000の位置ずれ(摺動)を抑制できる。
上記第72実施形態では、液晶装置543(背面部543c)及び基板部材545(第1領域545a)に第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200がそれぞれ当接(接続)される一方、中間部Q4300は非当接(非接続)とされる場合を説明したが、液晶装置543(背面部543c)及び基板部材545(第1領域545a)に第1当接部Q5100及び第2当接部Q5200と中間部Q4300とが当接(接続)されても良い。
上記各実施形態では、動作ユニット200がスライドユニットSLを備え、スライドユニットSLに液晶表示装置Q523が変位可能に配設される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、変位可能体としての他の装置が配設されても良い。他の装置としては、例えば、前層側可動装置K400が例示される。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<導電部材Q1000:ノイズ効果にムラが生じることを抑制する>
電気的に動作可能に構成される動作手段と、アース接続されたグランド部を有し前記動作手段と間隔を隔てて配設される基板と、前記動作手段の導電部分を前記基板のグランド部に電気的に接続する接続手段と、を備え、
前記動作手段と前記基板との間の相対的な変位に伴い、前記動作手段の導電部分および前記基板のグランド部に一側および他側が接続された状態で前記接続手段が弾性的に変形可能に構成され、
前記接続手段は、前記一側に配設される第1接続手段と、前記他側に配設される第2接続手段と、前記第1接続手段および前記第2接続手段の間に配設される第3接続手段と、を備え、
前記第1接続手段および前記第2接続手段は、前記第3接続手段よりも変形し難く(剛性が高く)構成されることを特徴とする遊技機Q1。
電気的に動作可能に構成される動作手段と、アース接続されたグランド部を有し動作手段と間隔を隔てて配設される基板とを備え、動作手段の導電部分を基板のグランド部に接続手段により電気的に接続する遊技機が知られている。特開2019-188260号公報には、弾性体の周りに布状の導電体(導電性の金属材料から構成される繊維体を編み込んだ無端帯状の導電布)を無端状に巻き付けて接続手段とする構成が開示される。
上記従来の技術では、動作手段(液晶装置)と基板とが水平方向に相対変位する場合に、その相対変位の方向が、導電体の巻き付け方向に沿う方向であれば、接続手段がせん断変形する(弾性体が略菱形に変形する)ことで、相対変位に追従可能であるが、相対変位の方向が、導電体が巻き付けられている方向と直交する方向であると、接続手段がせん断変形し難くなる(導電体が弾性体の変形を阻害する)。そのため、相対変位に追従することが困難となり、摩耗が発生する。布状の導電体は、面外方向(折り目を付ける方向)には変形しやすい一方、面内方向の変形はし難いためである。
そこで、上記従来の技術では、導電体に「切り欠き」を設けることで、導電体が巻き付けられている方向と直交する方向においても、相対変位に追従する(接続手段がせん断変形する)ようにしている。
しかしながら、このように、導電体に切り欠きを設ける構成では、その切り欠きのみで接続手段の対称性を十分に担保することは困難であった。そのため、動作手段(液晶装置)と基板とが相対変位する場合に、その相対変位の方向によって接続手段の変形性に差が生じ、ノイズ効果にムラが生じるという問題点があった。
特に、動作手段(液晶装置)と基板との相対変位が、両者の対向面の間隔を増減させる方向と、両者の対向面の角度を変化させる方向とが組み合わさったものであると、その相対変位に接続手段が追従できず、動作手段または基板と接続手段との間の接触状態が安定しない。即ち、切り欠きが設けられている側が対向間で圧縮されて弾性回復する場合と、切り欠きが設けられていない側が圧縮されて弾性回復する場合とで、接続手段の動的な変形態様(相対変位に対する追従性)に差が生じる。そのため、相対変位おいて、動作手段または基板と接続手段との間に部分的な隙間が断続的に発生し、接触圧や面積が変化することで、ノイズ効果のムラが顕著となる。
また、接続手段は、動作手段(液晶装置)と基板との相対変位に伴い、繰り返し変形されるものであるため、導電体に切り欠きが設けられていると、切り欠き部分に応力集中が生じやすく、耐久性の低下を招くという問題点があった。更に、導電体に切り欠きを設ける作業を必要となるだけでなく、切り欠きが設けられることで導電体が不整の形状となるため、導電体を弾性体に巻き付ける際の作業性が悪くなり、その分、生産コストが嵩むという問題点があった。
遊技機Q1によれば、接続手段を単純な形状とできる。よって、動作手段(液晶装置)と基板とが相対変位する場合に、その相対変位の方向によって接続手段の変形性にアンバランスが生じることを抑制できる(接続手段の変形性が変形方向によって異なることを抑制できる)。その結果、動作手段または基板と接続手段との間の接触状態を安定させることができるので、接触圧や面積が変化することを抑制できる。よって、ノイズ効果のムラを抑制できる。また、切り欠きを設ける必要がなく、単純な形状とできるので、耐久性の向上を図ることができる。
特に、第1接続手段および第2接続手段が第3接続手段よりも変形し難く(剛性が大きく)構成されるので、動作手段と基板とが相対変位する場合に、その相対変位に対する第3接続手段の追従性(変形性)と第1接続手段および第2接続手段の形状安定性とを利用して、第1接続手段および第2接続手段が動作手段(導電部分)及び基板(グランド部)に当接(密着)した状態を維持し易くできる。
遊技機Q1において、前記第3接続手段は、前記第1接続手段から前記第2接続手段までの間において外形が略同一の大きさに構成されることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第3接続手段は、第1接続手段から第2接続手段までの間において外形が略同一の大きさに構成されるので、第3接続手段の変形性を安定させることができる。よって、ノイズ効果にムラを生じ難くできる。また、中間部の一部に変形が集中することを抑制でき、その耐久性を高めることができる。
遊技機Q1又はQ2において、前記第3接続手段は、前記外形が略円形に構成されることを特徴とする遊技機Q3。
なお、第3接続手段の外形とは、第3接続手段をその長手方向に直交する平面で切断した断面の形状を意味する。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、第3接続手段は、外形が略円形に形成されるので、第3接続手段の変形性が方向性を有することを抑制できる。即ち、動作手段と基板との間の相対変位の方向によらず、接続手段の変形性を一定として、ノイズ効果にムラを生じ難くできる。
遊技機Q1からQ3のいずれかにおいて、前記第1接続手段と前記第2接続手段とを結ぶ方向における長さ寸法は、前記第3接続手段の長さ寸法が前記第1接続手段および前記第2接続手段の長さ寸法よりも大きくされることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1からQ3のいずれかの奏する効果に加え、第1接続手段と第2接続手段とを結ぶ方向における長さ寸法は、第3接続手段の長さ寸法が第1接続手段および第2接続手段の長さ寸法よりも大きくされるので、第3接続手段の変形性(動作手段と基板との間の相対変位に対する追従性)と、第1接続手段および第2接続手段の形状安定性との両立を図ることができる。これにより、第1接続手段および第2接続手段と動作手段および基板との当接状態を安定化でき、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
遊技機Q1からQ4のいずれかにおいて、前記第3接続手段の前記外形は、前記第1接続手段および前記第2接続手段の最大の外形よりも小さくされることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q1からQ4のいずれかの奏する効果に加え、第3接続手段の外形は、第1接続手段および第2接続手段の最大の外形よりも小さくされるので、第3接続手段の変形性(動作手段と基板との間の相対変位に対する追従性)と、第1接続手段および第2接続手段の形状安定性との両立を図ることができる。これにより、第1接続手段および第2接続手段と動作手段および基板との当接状態を安定化でき、ノイズ効果にムラが生じることを抑制できる。
遊技機Q1からQ5のいずれかにおいて、前記第3接続手段の前記第1接続手段側の端部または前記第3接続手段の前記第2接続手段側の端部の少なくとも一方の外面に前記第1接続手段または前記第2接続手段の内面が当接されることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q1からQ5のいずれかの奏する効果に加え、第3接続手段の第1接続手段側の端部または第3接続手段の第2接続手段側の端部の少なくとも一方の外面に第1接続手段または第2接続手段の内面が当接されるので、第3接続手段と第1接続手段または第2接続手段との連結が解除されることを抑制できる。
遊技機Q6において、前記第3接続手段の前記第1接続手段側の端部または前記第3接続手段の前記第2接続手段側の端部の前記少なくとも一方の端面が露出されることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、第3接続手段の第1接続手段側の端部または第3接続手段の第2接続手段側の端部の少なくとも一方の端面が露出されるので、接続手段の製造を容易とできる。
遊技機Q1からQ7のいずれかにおいて、前記接続手段の一部の外側に配設される配設手段と、その配設手段が着脱可能に連結され、前記動作手段側または前記基板側に配設される連結手段と、弾性変形可能な材料から構成され前記第3接続手段の外面に配設される外面手段と、を備え、前記外面手段の一部が前記第3接続手段と前記配設手段との間に位置することを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q1からQ7のいずれかの奏する効果に加え、接続手段の一部の外側に配設される配設手段と、その配設手段が着脱可能に連結され、動作手段側または基板側に配設される連結手段と、を備えるので、接続手段が動作手段と基板との間に挟まれているだけの状態であっても、接続手段の移動を配設手段により規制することができる。即ち、接続手段を動作手段と基板との間の所定位置に保持しておくことができる。
この場合、弾性変形可能な材料から構成され第3接続手段の外面に配設される外面手段を備え、外面手段の一部が第3接続手段と配設手段との間に位置するので、第3接続手段の外面が配設手段の内面に直接接触することを外面手段により防ぐことができる。これにより、第3接続手段の摩耗を抑制して、その耐久性を向上できる。
また、外面手段は、弾性変形が可能な材料から弾性部材として構成されるので、第3接続手段を配設手段から保護しつつ、第3接続手段の変形性を確保できる。
遊技機Q8において、前記第3接続手段の前記第1接続手段側の端部または前記第3接続手段の前記第2接続手段側の端部の少なくとも一方において、前記第3接続手段の外面の周りに前記外面手段が配設されず、前記第3接続手段の外面が露出されていることを特徴とする遊技機Q9。
遊技機Q9によれば、遊技機Q8の奏する効果に加え、第3接続手段の第1接続手段側の端部または第3接続手段の第2接続手段側の端部の少なくとも一方において、第3接続手段の外面の周りに外面手段が配設されず、第3接続手段の外面が露出されているので、第3接続手段の保護を図りつつ、第3接続手段の変形性を確保できる。
遊技機Q8又はQ9において、前記外面手段が絶縁材料から構成されていることを特徴とする遊技機Q10。
遊技機Q10によれば、遊技機Q8又はQ9の奏する効果に加え、前記外面手段が絶縁材料から構成されているので、外面手段が配設手段に対して摺動した場合や接触と離間とを繰り返した場合でも、静電気の発生を抑制できる。
遊技機Q8からQ10のいずれかにおいて、前記外面手段の外形が前記配設手段の内形よりも小さくされていることを特徴とする遊技機Q11。
遊技機Q11によれば、遊技機Q8からQ10のいずれかの奏する効果に加え、外面手段の外形が配設手段の内形よりも小さくされているので、外面手段の外面と配設手段の内面との間に隙間を持たせることができる。よって、その隙間の分、接続手段が配設手段により拘束されて変形し難くなることを抑制できる。
遊技機Q1からQ11のいずれかにおいて、前記接続手段の一部の外側に配設される配設手段と、その配設手段が着脱可能に連結され、前記動作手段側または前記基板側に配設される連結手段と、を備え、前記配設手段が前記第1接続手段または前記第2接続手段の少なくとも一方の一部を保持可能に構成されることを特徴とする遊技機Q12。
遊技機Q12によれば、遊技機Q1からQ11のいずれかの奏する効果に加え、接続手段の一部の外側に配設される配設手段と、その配設手段が着脱可能に連結され、動作手段側または基板側に配設される連結手段と、を備え、配設手段が第1接続手段または第2接続手段の少なくとも一方の一部を保持可能に構成されるので、第1接続手段または第2接続手段の少なくとも一方を動作手段または基板に当接させた状態に維持しやすくできる。また、第3接続手段が配設部材に拘束されることを回避でき、第3接続手段の変形性を確保できる。
遊技機Q1からQ12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Q13。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機Q1からQ12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Q14。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機Q1からQ12ののいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Q15。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図447から図456を参照し、第78実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図447は、第78実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図448は、パチンコ機H10の背面図であり、図449は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図450は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図451は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図452は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図453は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図454は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図455は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図452では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図447に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図447に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図447参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図447~図455に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図447参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は枠状受部である外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図450参照)。
また、対象固定部である内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図452及び図453参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ枠状取付部である内枠H12の背面側(矢印B方向側)における仮置き位置に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図452参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図452参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図451参照)。なお、枠状受部である内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。
なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放された内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図189参照)とを主に備えて形成される。
即ち、球発射ユニットH112aは、変位可能に構成される回転体H112a2を変位させて被案内物体である遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、駆動または動作可能に構成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転動作物体である回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
回転体H112a2に対しては、発射レールH112a1に近接配置される場合(起き上がり状態)における回転体H112a2と当接可能な位置に配設される第1弾性部材(左上側部材)と、発射レールH112a1から離間配置される場合(傾倒状態)における回転体H112a2と当接可能な位置に配設される第2弾性部材(右下側部材)とが配設されており、これにより、回転体H112a2を回転させる際に発射位置および退避位置で停止させやすくできると共に、停止させた際の衝撃を吸収させ易くすることが可能とされる。なお、回転体H112a2は、発射レールH112a1に近接配置される場合(起き上がり状態)の位置で第1弾性部材(左上側部材)に当接された後、第1弾性部材を弾性変形させつつ発射位置まで回転されることで遊技球を発射することが可能とされる。
この時、各当接(回転体H112a2の遊技球との当接、第1弾性部材との当接、第2弾性部材との当接)に対応する音(打音)が生じるが、その素材の違いに対応して、音に強弱が生じる。即ち、遊技球との当接の際に生じる音が大きく生じるため、遊技者に遊技球の打音を判別し易く構成することができる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われる伸縮装置として構成しても良い。
なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動主体としての駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、被回転物体である回転軸棒と一体的に回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図452に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図452に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図451に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図454及び図455に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図453参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成される板状透過部であるガラスユニットH16が配設される(図447参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図447及び図451に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図456参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図447に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、遊技球が通過可能に構成される被通過進入物体である検出センサにより検出される払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに独立して配置される独立配置物体である電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図456参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図447に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図448参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図452参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。
即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図452参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図454参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、回転移動物体である操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。接触可能部である操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。
さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図454参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図452参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図452参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図454参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図455に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図454参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図452参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図452に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図452に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。
ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、光透過可能部である遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図447参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図452を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図447参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図452の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により被押進物体である他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、抑制物体としての壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
外レールH62の先端部(図452の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図452の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図456参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数(例えば、可変入賞装置H65(図452参照)が連続開放される最大回数)が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
大当たり中において、最大ラウンド数や現在のラウンド数は、数字の変更を視認させる状態で表示が可能な視認変更物体である表示層(ラウンド数が表示される表示層またはその表示層よりも後方の表示層)での表示と共に第3図柄表示装置H81においても表示される。大当たりが終了する際には、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置H81においてされる表示層よりも前側に位置する視認可能物体である表示層においてエンディング表示(静止画または動画)が実行される。
このエンディング表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、大当たりが終了したことを視覚的に把握することができ、戸惑うことなく大当たり後の遊技が開始されることを理解することができる。
また、ラウンド間において、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置H81においてされる表示層よりも前側に位置する表示層においてインターバル表示(静止画または動画)が実行される。このインターバル表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、ラウンドの切れ目であることを視覚的に把握することができる。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aを駆動する駆動主体としてのソレノイドの制御態様が変更され、電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
球の第1入賞口H64又は第2入賞口H640の通過回数は、それぞれ、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示される。本実施形態では、保留球数が第3図柄表示装置H81の一部に表示されるように構成される。なお、保留球数を、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、第1入賞口H64又は第2入賞口H640の球の通過に伴って点灯する4つのLEDを2セット(第1入賞口H64に対応するセット及び第2入賞口H640に対応するセット)用意し、第3図柄表示装置H81の下方に配設し、第1入賞口H64又は第2入賞口H640の通過に対応して点灯表示するものであっても良い。
また、第1入賞口H64又は第2入賞口H640の球の通過に対する最大保留球数は、それぞれ4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入賞口H64の球の通過に対する最大保留球数と、第2入賞口H640の球の通過に対する最大保留球数とは、同一となるように設定しても良いし、異なるように設定しても良い。
第1入賞口H64又は第2入賞口H640の球の通過に対する保留球数が0である場合において最後の変動演出が終了し、暫くすると、遊技説明等のために機種ごとに用意されている期間経過演出としてのデモンストレーション動画が表示される。このデモンストレーション動画は、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞の検出や、ハンドルH51に遊技者が触れたことの検出がされた場合に解除される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、実行条件演出としての第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。
また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。
また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。
なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。
また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。
なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図456参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図456参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
なお、図柄列の態様は、横スクロールするものに限られるものではなく、種々の方向で設定可能である。例えば、表示制御装置H114(図456参照)によって表示内容が制御されることにより、第3図柄表示装置H81に左、中及び右の3つの図柄列が表示され、各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっていても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図456参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図456参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する被押進物体である電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図452参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞することが配置検出センサである不図示の入賞検出センサに検出されるまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。
また、上記第78実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。
例えば、上記第78実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図448に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図456参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホール(以下、単にホールとも称する)の島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図456参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
遊技機が配置されるホール(遊技機店舗)では、払出エラーの発生時において、パチンコ機H10の設定に影響を与えないように構成される非調整部である店員呼び出しボタンを遊技者が操作することで、ホールの店員が払出エラーに気付くことができるように構成されている。
なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図456を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図456は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの被押進物体である開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための駆動主体としての大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入賞した球が進入可能な被進入物体であって、球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や、操作デバイスS300の動作部材S310や、機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための内部操作体である発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、駆動手段H750、モータ装置P771、及び、駆動モータS441が含まれる。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図456では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図456参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図456参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図457から図480を参照し、第79実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)S10に適用した場合の一実施形態について説明する。上記第78実施形態では、正面枠H14が配設されるパチンコ機H10について説明したが、第79実施形態では、正面枠S14が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
また、以下の説明では、図457に示す状態のパチンコ機S10について、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図457に示す状態のパチンコ機S10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図457参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機S10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機S10を遊技する遊技者は、パチンコ機S10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機S10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機S10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
パチンコ機S10は、パチンコ機H10で上述したのと同様に、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、を備え、更に、内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠S14を備えている。
図457及び図458は、第79実施形態におけるパチンコ機S10の正面図である。パチンコ機S10は、正面枠S14の正面側におけるガラスユニットH16よりも下側に配設される操作デバイスS300を備える。
操作デバイスS300は、動作部材S310を備えており、動作部材S310は、倒れた状態であって、操作デバイスS300の奥側を隠す遮蔽状態(図457)から、操作部を上昇させる方向に動作させた(起き上がった)状態であって、操作デバイスS300の奥側を露出させる露出状態(図458)に変化可能に構成される。
操作デバイスS300は、遮蔽状態においては動作部材S310の操作を遊技者にさせることができ、露出状態においては動作部材S310の操作に加えて、操作デバイスS300よりも奥側(後方側)に配設される第2動作部材S320の操作を遊技者にさせることができるよう構成される。
これにより、遊技者に対して、片手操作だけでなく、両手操作をさせることができるため、操作態様が一態様になることを避けることができることから、操作デバイスS300の操作に対する遊技者の集中力を増加させることができると共に、遊技に飽きさせることなく遊技を楽しませることができる。
操作デバイスS300は、上述の操作ユニットH180と同様の用途を含む用途で構成されている。即ち、上述の操作ユニットH180と同様に、音声ランプ制御装置H113は、動作部材S310からの入力を監視し、遊技者によって動作部材S310が操作されたことを検出した場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
図459は、上下皿ユニットS15の正面図であり、図460は、上下皿ユニットS15の分解正面斜視図であり、図461は、上下皿ユニットS15の分解背面斜視図である。
上下皿ユニットS15は、本体枠H14d(図454参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材S530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材S530の間に配設される操作デバイスS300と、を主に備える。
ベース部材H510は、上下皿ユニットS15を本体枠H14d(図454参照)の正面側(矢印F方向側)に配設するための部材であり、正面視において本体枠H14dよりも左右方向(矢印L-R方向)に大きく形成されると共に、下方側の縁部が本体枠H14dよりも下方側に位置して配設される。
上皿形成部材H520は、遊技領域に打ち出される球を貯留する上皿H17を上下皿ユニットS15の上部に形成するための部材であり、ベース部材H510の上方側の縁部に沿ってベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に配設される。
操作デバイスS300は、上皿形成部材H520及び下皿形成部材S530の間に配設されると共に、遊技者に操作される動作部材S310を上皿形成部材H520の上面よりも上方側に突出させた状態で配設される。
下皿形成部材S530は、上下皿ユニットS15の化粧面を構成する部材であり、正面視においてベース部材H510及び上皿形成部材H520を覆う位置に配設される。下皿形成部材S530は、左右方向に延びる板状の上面板部S531と、その上面板部S531の下側において凹設形成されており操作デバイスS300が配設される下側凹部S532と、を備える。
上面板部S531は、非透過性の樹脂材料から形成されており、左右方向における下側凹部S532側の部分が、操作デバイスS300の支持構造体S340の上側を覆う位置まで延びており、下側凹部S532の左右幅は正面視で支持構造体S340と重ならない範囲で設定される。これにより、支持構造体S340の上面側を上面板部S531で遮蔽することができると共に、下側凹部S532を通して支持構造体S340が視認されることを回避することができるので、遊技者が動作部材S310と支持構造体S340とを連続的に視認することを避けることができる。
また、下皿形成部材S530は、下皿H50の貯留空間を形成する下皿構成ユニットH550と、その下皿構成ユニットH550に貯留された球を抜く球抜きユニットH560とを備える。
本体枠H14dへのベース部材H510の配設は、ベース部材H510に上皿形成部材H520、下皿形成部材S530、操作デバイスS300、及び、操作ハンドルH51を配設し、上下皿ユニットS15を組み立てた状態で取り付けられる。
図462は、操作デバイスS300の分解正面斜視図であり、図463は、操作デバイスS300の分解背面斜視図である。
操作デバイスS300は、遊技者が操作可能な部材であって、回転動作可能に構成される回転移動物体である動作部材S310と、その動作部材S310の下側に配設され遊技者が操作可能に構成される第2動作部材S320と、動作部材S310に追従した動作が可能な追従動作部材S330と、動作部材S310及び追従動作部材S330を支持可能に構成される支持構造体S340と、その支持構造体S340に内蔵されるトーションスプリングSSP1,SSP2と、前後方向にスライド移動可能に支持構造体S340に内蔵されており、動作部材S310及び追従動作部材S330の動作と対応した動作が可能に構成されるスライド体S350と、第2動作部材S320の支持部材S321及び支持構造体S340が締結固定される固定ベース装置S400と、を備える。
動作部材S310は、回転中心として貫通形成される貫通孔S311と、その貫通孔S311の形成方向と平行な方向に円柱形状に延設される延設円柱部S312と、を備える。
第2動作部材S320は、支持部材S321と、その支持部材S321に配設される軸棒部S321aを中心に回転移動可能に支持部材S321に支持される可動体S322と、その可動体S322の回動先端側に配設されており遊技者が操作可能に構成される操作部S323と、その操作部S323の反対側において可動体S322に形成される奥側端部S328と、を備える。
追従動作部材S330は、回転中心として貫通形成される貫通孔S331と、その貫通孔S331の形成方向と平行な方向に円柱形状に延設される延設円柱部S332と、を備える。
支持構造体S340は、左右に略対称配置される構造体によって左右一組で構成されており、左右で細かな構成が異なる。まず、右側の支持構造体S340は、内側収容部S341と、仕切り板部S344と、外側蓋部S347と、を備えている。
内側収容部S341は、左右に配置される構造体において同様の構成を有しており、樹脂材料から形成される本体板部S341aと、その本体板部S341aに嵌合され動作部材S310及び追従動作部材S330に対面する側の面から円柱状棒部が突出形成される金属製の第1円柱状部材S341bと、その第1円柱状部材S341bを中心とする円弧形状で本体板部S341aに穿設される第1円弧状穿設部S341cと、本体板部S341aに嵌合され動作部材S310及び追従動作部材S330に対面する側の面から円柱状棒部が第1円柱状部材S341bと平行に延びるように突出形成される金属製の第2円柱状部材S341dと、その第2円柱状部材S341dを中心とする円弧形状で本体板部S341aに穿設される第2円弧状穿設部S341eと、を備える。
組立時には、第1円柱状部材S341bが動作部材S310の貫通孔S311に左右外側から挿通され、その挿通に伴って第1円弧状穿設部S341cに動作部材S310の延設円柱部S312が挿通される。即ち、組立状態(図457参照)において、動作部材S310は、第1円柱状部材S341bを介して左右両側において支持構造体S340に回転動作可能に支持される。
組立時には、第2円柱状部材S341dが追従動作部材S330の貫通孔S331に左右外側から挿通され、その挿通に伴って第2円弧状穿設部S341eに追従動作部材S330の延設円柱部S332が挿通される。即ち、組立状態(図457参照)において、追従動作部材S330は、第2円柱状部材S341dを介して左右両側において支持構造体S340に回転動作可能に支持される。
内側収容部S341からは、左右外側方向へ向けて一対の円柱状部S341fが突設形成される。内側収容部S341と仕切り板部S344との間にトーションスプリングSSP1,SSP2が配設される。
仕切り板部S344は、内側収容部S341に左右外側方向から収容され得る形状で樹脂材料から形成される本体板部S344aと、その本体板部S344aに左右方向視で第1円弧状穿設部S341cと重なる形状で穿設される第1中間穿設部S344cと、本体板部S344aに左右方向視で第2円弧状穿設部S341eと重なる形状で穿設される第2中間穿設部S344eと、本体板部S344aに円柱状部S341fを内嵌可能に穿設される一対の貫通孔S344fと、その貫通孔S344fよりも後方において穿設される後方側円弧孔S344gと、を備える。
組立状態(図457参照)において、仕切り板部S344は内側収容部S341の左右幅の略中央位置まで進入され、内側収容部S341に締結固定され、動作部材S310の延設円柱部S312は第1中間穿設部S344cを通過し、追従動作部材S330の延設円柱部S332は第2中間穿設部S344eを通過し、内側収容部S341の円柱状部S341fは貫通孔S344fを通過することで、それぞれ仕切り板部S344の左右反対側まで張り出して、スライド体S350に受け入れられる。
トーションスプリングSSP1は、内側収容部S341の左右外側(動作部材S310が位置する側の反対側)に張り出した第1円柱状部材S341bの周囲に巻かれたねじりバネであって、第1円柱状部材S341bの上側に配置される一端は内側収容部S341の内壁に係合固定され、第1円柱状部材S341bの下側に配置される他端は動作部材S310の延設円柱部S312の右面視反時計回り方向側に配置され、動作部材S310に対して右面視時計回り方向(動作部材S310を起立させる方向)の付勢力を生じる。
トーションスプリングSSP2は、内側収容部S341の左右外側(追従動作部材S330が位置する側の反対側)に張り出した第2円柱状部材S341dの周囲に巻かれたねじりバネであって、第2円柱状部材S341dの下側に配置される一端は内側収容部S341の内壁に係合固定され、第2円柱状部材S341dの上側に配置される他端は追従動作部材S330の延設円柱部S332の右面視反時計回り方向側に配置され、追従動作部材S330に対して右面視時計回り方向(追従動作部材S310を前方側へ回転動作させる方向)の付勢力を生じる。
仕切り板部S344と外側蓋部S347との間にスライド体S350が配設される。スライド体S350は、樹脂材料からブロック形状で構成される構造物であって、前後方向に延びる本体部S351と、その本体部S351の前端において上方に突設形成される上方突設部S352と、その上方突設部S352の後方において一段低い高さで突設形成される低段部S353と、本体部S351において前後方向に延びる長孔形状で左右方向に穿設される一対の案内長孔S354と、その案内長孔S354よりも後方側において上下方向に延びる長孔形状で左右方向に穿設される後方側長孔S355と、を備える。
スライド体S350の案内長孔S354には、内側収容部S341の円柱状部S341fが挿通され、その円柱状部S341fの先端に形成される雌ネジ部に外側蓋部S347に挿通される締結ネジが螺入されることで外側蓋部S347が内側収容部S341の左右方向外側端部に締結固定される。その締結固定された状態において、スライド体S350は、左右方向への移動を対向配置される仕切り板部S344及び外側蓋部S347に規制され、円柱状部S341fが挿通される案内長孔S354の形成方向である前後方向への移動のみが許容される。
次に、左側の支持構造体S340は、内側収容部S341と、外側蓋部S347と、を備える一方、仕切り板部S344、トーションスプリングSSP1,SSP2、スライド体S350の配設は省略される。
更に、左側の外側蓋部S347には、動作部材S310の操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器S360が配設される。動作部材S310が操作により回転動作されると、可変抵抗器S360の抵抗値が操作量に対応して変化され、この抵抗値の変化が音声ランプ制御装置H113に入力されることで、パチンコ機S10は、動作部材S310が操作されている態様を判断可能に構成されている。
可変抵抗器S360は、外側蓋部S347の内側側面に固定されるベース部材S361と、そのベース部材S361に配設される抵抗軸S362と、その抵抗軸S362が一端側に嵌合され抵抗軸S362と一体的に回転動作される伝達アーム体S363と、を備える。
抵抗軸S362は左右方向に延びており、その回転中心軸線が第1円柱状部材S341bの中心軸線と一致するよう配置されており、伝達アーム体S363の他端に形成される受入孔S364には動作部材S310の左側の延設円柱部S312が嵌合される。これにより、動作部材S310が回転動作されると、その動作量に応じて、伝達アーム体S363及び抵抗軸S362が回転動作され、可変抵抗器S360の抵抗値が変化される。
可変抵抗器S360の抵抗値は、動作部材S310の遮蔽状態において第1の基準値となるように設定されており、パチンコ機S10は、動作部材S310が遮蔽状態から押し込み操作された場合の第1の基準値からの抵抗値の変化から、動作部材S310の押し込み操作を判断可能に構成され(動作部材S310を押しボタンとして機能させることが可能に構成され)、更に、動作部材S310が遮蔽状態から露出状態側へ移動する操作がされた場合にも、第1の基準値からの抵抗値の変化によってその操作を判断可能に構成される。
図464は、固定ベース装置S400の分解正面斜視図であり、図465は、固定ベース装置S400の分解背面斜視図である。
固定ベース装置S400は、ベース部材H510(図460参照)の前面側に締結固定される固定ベースS401と、その固定ベースS401の骨格を形成するL字に折曲された金属板S402の右端側前面に締結固定される駆動伝達装置S440と、その駆動伝達装置S440よりも左側において金属板S402に締結固定される背面側構成部材S470と、を備える。
背面側構成部材S470は、動作部材S310及び追従動作部材S330の後方下側を覆うことが可能となるように内周側が湾曲面から形成されており、第2動作部材S320の可動体S322を配置可能に貫通形成される貫通形成部S471を備える。
図466は、駆動伝達装置S440の分解正面斜視図であり、図467は、駆動伝達装置S440の分解背面斜視図であり、図468は、駆動伝達装置S440の別方向からの分解正面斜視図である。
駆動伝達装置S440は、駆動軸に固定されたウォームギアS441aを回転駆動させる駆動モータS441と、その駆動モータS441が締結固定され伝達機構を収容する領域の左側部を構成する左側支持体S442と、その左側支持体S442の右側面に保持される金属製の第1支柱S443と、その第1支柱S443の上方において左側支持体S442の右側面に保持される金属製の第2支柱S444と、伝達機構を収容する領域の右側部を構成する右側支持体S451と、を備える。
右側支持体S451は、断面D字形状の受入孔S451aと、その受入孔S451aの外周側に突設形成される緩衝突部S451bと、受入孔S451aよりも上側において貫通形成される貫通孔S452と、を備える。
第1支柱S443は、円柱形状部材から構成されており、先端に断面D字形状に加工される被固定部S443aを備える。その被固定部S443aが右側支持体S451に形成される断面D字形状の受入孔S451aに受け入れられることにより第1支柱S443は回転不能な状態で左側支持体S442と右側支持体S451に支持される。
被固定部S443aの形成領域には第1支柱S443の軸線方向と直交する平面内において外周面に沿って溝S443bが形成される。その溝S443bは、右側支持体S451の受入孔S451aに第1支柱S443が挿通された場合において、右側支持体S451の内側に位置するように形成され、この溝S443bに、受入孔S451aの内周から突設形成される抜け止め突部が嵌まり込むことにより、溝S443bの左側への移動が右側支持体S451の抜け止め突部に規制されることになるので、第1支柱S443の軸方向の位置ずれを防止することができる。
また、駆動伝達装置S440は、駆動モータS441のウォームギアS441aと歯合し第1支柱S443を回転中心とする回転が可能に第1支柱S443に支持される第1クラッチギアS445と、その第1クラッチギアS445と同軸で回転可能となるように第1支柱S443に支持される第2クラッチギアS446と、その第2クラッチギアS446と歯合し第2支柱S444を回転中心とする回転が可能に第2支柱S444に支持される伝達ギアS447と、を備える。
また、駆動伝達装置S440は、右側支持体S451と第2クラッチギアS446との間に配設され第2クラッチギアS446を左側へ付勢する弾性力を生じるコイルスプリングSSP3と、右側支持体S451に形成される貫通孔S452を介して伝達ギアS447の中心軸に沿って回転を規制する断面形状(D字形状)で突設形成される支持柱部S447aに外嵌連結され、支持柱部S447aの先端に形成される雌ネジに螺入される締結ネジが挿通されることで伝達ギアS447に締結固定される動作アーム部材S455と、その動作アーム部材S455の端部から突設される被検出部S455bが検出溝を通ることで動作アーム部材S455の姿勢(位置)を検出可能に構成配置される第1検出センサSSC1と第2検出センサSSC2と、を備える。
第2クラッチギアS446がコイルスプリングSSP3の付勢力に抗して右側へ移動した場合、その移動は無制限に許容されるものではなく、右側支持体S451の緩衝突部S451bと当接する位置までで移動が制限される。
緩衝突部S451bは、第2クラッチギアS446の回転先端側において円形状に延びる突条として形成されていることから、第2クラッチギアS446からの荷重が一点に集中することを回避し、面で受止めることにより、緩衝突部S451bが受ける圧力を低減させることができる。これにより、緩衝突部S451bの破損を防止することができる。
図469(a)は、矢印L方向視における駆動モータS441及び第1クラッチギアS445の右側面図であり、図469(b)は、矢印R方向視における第2クラッチギアS446、伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の左側面図であり、図469(c)は、駆動モータS441、第1クラッチギアS445、第2クラッチギアS446、伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の正面図である。図469(c)では、伝達機構を収容する構造の境界として、左側支持体S442及び右側支持体S451の外側面が想像線で図示される。
第1クラッチギアS445は、回転中心を中心とする円環形状で右側面から突設される環状突設部S445aを備え、その環状突設部S445aの突設先端は、回転中心を中心とする放射線により区画される領域が、交互に凹凸形成される。
第2クラッチギアS446は、左側面に第1クラッチギアS445の環状突設部S445aと対応する形状で環状突設部S446aが突設形成されており、形成される凹凸が環状突設部S445aと逆転の関係とされることにより、環状突設部S445aの突設先端と環状突設部S446aの突設先端とが互いに滑らない態様で係合可能となるように構成される。
即ち、環状突設部S445aと環状突設部S446aとが係合されている限りにおいて、第1クラッチギアS445と第2クラッチギアS446とが一体的に回転動作されるので、駆動モータS441が回転駆動されると、ウォームギアS441aの回転量と対応する回転量で第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446が回転され、第2クラッチギアS446と歯合している伝達ギアS447が回転されることにより、伝達ギアS447に締結固定されている動作アーム部材S455が回転動作される。
ここで、第1クラッチギアS445を図469(a)において時計回り方向に回転させる方向であって、第2クラッチギアS446を図469(b)において反時計回り方向に回転させる方向であって、動作アーム部材S455を図469(b)において時計回り方向に回転させる方向(動作アーム部材S455の回転先端側が前側へ移動する方向)を、駆動モータS441の正方向の回転駆動として説明し、その逆方向を駆動モータS441の逆方向の回転駆動として説明する。
図470(a)及び図470(b)は、図469(c)の領域Z54aにおける第1クラッチギアS445、第2クラッチギアS446及び伝達ギアS447の拡大図である。図470(a)では、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の係合状態が図示され、図470(b)では、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の係合解除状態が図示される。
図470(a)及び図470(b)を参照し、力の伝達を遮断する仕組みについて説明する。第1クラッチギアS445、第2クラッチギアS446及び伝達ギアS447を備える伝達機構において、第1クラッチギアS445、第2クラッチギアS446及び伝達ギアS447の全てが動作している間は、力の伝達は良好になされる。
一方で、第1クラッチギアS445、第2クラッチギアS446及び伝達ギアS447のいずれかが動作しない場合、力は良好に伝達されず、伝達機構の途中位置に過荷重をかける原因となり、対策なしでは破損の原因となる。本実施形態では、対策として、力の伝達が不良となった場合であっても、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の係合が解除されることにより、伝達機構の途中位置に過荷重がかかる事態を事前に回避するようにしている。
例えば、駆動モータS441が一方向(又は往復方向)への駆動継続中において、伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の回転動作が停止されると、伝達ギアS447と歯合される第2クラッチギアS446の回転が停止されるところ、駆動モータS441の駆動による第1クラッチギアS445の回転による力は、環状突設部S445aの直径方向に延びる傾斜面を介して方向変換され、第2クラッチギアS446を軸方向に移動させることとなり、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の係合が解除される。
この係合の解除は、環状突設部S445aの突設先端における凸部と環状突設部S446aの突設先端における凸部とが対向配置されることにより生じるものであり、この係合が解除された状態から更に駆動モータS441の駆動力で第1クラッチギアS445が回転されると、再び環状突設部S445aの突設先端における凸部と環状突設部S446aの突設先端における凹部とが対向配置される係合状態にコイルスプリングSSP3の付勢力により戻される。この際、環状突設部S445aと環状突設部S446aとが衝突する音が生じる。
駆動モータS441の駆動が継続される限り、係合状態と係合解除状態とが交互に繰り返される。本実施形態では、環状突設部S445aの各凸部の直径方向に延びる両傾斜面も、環状突設部S446aの各凸部の直径方向に延びる両傾斜面も、直径方向視において山形状に形成されることから(図470(a)参照)、第1クラッチギアS445の回転方向を問わず、係合状態と係合解除状態とを構成可能とされる。
また、例えば、駆動モータS441の回転停止中には、第1クラッチギアS445も同様に回転が停止されるところ、伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の一方向(又は往復方向)の回転動作が実行されることによる第2クラッチギアS446の回転による力は、環状突設部S445aと当接される環状突設部S446aの直径方向に延びる傾斜面を介して方向変換され、第2クラッチギアS446を軸方向に移動させることとなり、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の係合が解除される。
この係合の解除は、環状突設部S445aの突設先端における凸部と環状突設部S446aの突設先端における凸部とが対向配置されることにより生じるものであり(図470(b)参照)、この係合が解除された状態から更に伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の回転動作が実行されると、再び環状突設部S445aの突設先端における凸部と環状突設部S446aの突設先端における凹部とが対向配置される係合状態(図470(a)参照)にコイルスプリングSSP3の付勢力により戻される。この際、環状突設部S445aと環状突設部S446aとが衝突する音が生じる。
環状突設部S445a及び環状突設部S446aは、円周上に亘って形成される30個のギア歯をそれぞれ有している。即ち、歯が一個ずれることで12度(360度/30個)の角度ずれが生じる。即ち、第1クラッチギアS445又は第2クラッチギアS446が12度回転動作されるごとに衝突音が生じることになる。この衝突音を遊技者に聞かせることにより、遊技者は第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の動作を予測することができる。
伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の回転動作は、遮蔽状態における動作部材S310を露出状態側へ移動させる操作を遊技者が行うことにより発生し得る。環状突設部S445aと環状突設部S446aとが衝突する音は、係合解除状態から係合状態に切り替えられる際に生じるものであり、この切り替えの回数は、動作部材S310の操作に対応したスライド体S350の移動に基づく動作アーム部材S455の回転角度に対応して変化されるため、衝突する音の聞こえ方(回数)は、動作部材S310の操作態様(操作量)に対応して変化される。
なお、環状突設部S445a,S446aにおけるギア歯は等間隔に形成されているため、動作部材S310の操作量の大小は、聞こえる音の回数の多少と対応し、音の間隔は等間隔となる。
伝達ギアS447及び動作アーム部材S455の回転動作が継続される限り、係合状態と係合解除状態とが交互に繰り返される。本実施形態では、環状突設部S445aの各凸部の直径方向に延びる両傾斜面も、環状突設部S446aの各凸部の直径方向に延びる両傾斜面も、直径方向視において山形状に形成されることから(図470(a)参照)、伝達ギアS447及び伝達ギアS447と歯合する第2クラッチギアS446の回転方向を問わず、係合状態と係合解除状態とを構成可能とされる。
図471(a)、図471(b)及び図471(c)は、動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S350及び動作アーム部材S455の模式図である。図471(a)、図471(b)及び図471(c)では、動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S350及び動作アーム部材S455の対応関係が模式的に図示されており、第1円柱部材S341b及び第2円柱部材S341dの中心軸が黒点で図示されており、図471(a)では、遮蔽状態(図457参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示され、図471(c)では、露出状態(図458参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示され、図471(b)では、動作部材S310の遮蔽状態から露出状態へ状態変化される途中の状態が図示される。
スライド体S350は、後方側長孔S355を介して、動作アーム部材S455の回転先端から回転軸線と平行な方向に突設形成される突設柱部S455aと連結されおり、動作アーム部材S455の回転動作と対応するスライド変位が可能に構成される(連動する)一方で、動作部材S310の延設円柱部S312や追従動作部材S330の延設円柱部S332とは当接可能に構成されるのみであって連結されているわけではないので、連動される場合と、非連動となる場合とを構成可能とされる。
例えば、図471(a)に図示される状態から、駆動モータS441の駆動力により動作アーム部材S455が回転動作され、スライド体S350が前方へスライド移動されると、動作部材S310の延設円柱部S312は、トーションスプリングSSP1の付勢力によりスライド体S350の上方突設部S352の後面に当接されている(押し付けられている)ところ、スライド体S350が前方へスライド移動されることに伴って追従して回転移動され、追従動作部材S330の延設円柱部S332は、スライド体S350の上方突設部S352に押進されるため、スライド体S350が前方へスライド移動されることに伴って回転移動される。
この場合において、動作部材S310の延設円柱部S312はトーションスプリングSSP1の付勢力でスライド体S350に追従しているに過ぎないので、トーションスプリングSSP1の付勢力とは逆方向(紙面反時計回り方向)に付勢力を超える荷重がかけられている状態では、スライド体S350が前方へスライド移動されても動作部材S310は図471(a)における状態で維持されることになる。トーションスプリングSSP1の付勢力とは逆方向(紙面反時計回り方向)に付勢力を超える荷重がかけられている状態としては、例えば、遊技者が遮蔽状態における動作部材S310の上面に手を置いている状態が想定される。
また、例えば、図471(c)に図示される状態から駆動モータS441の駆動力により動作アーム部材S455が回転動作され、スライド体S350が後方へスライド移動されると、動作部材S310の延設円柱部S312は、スライド体S350の上方突設部S352に押進されるため、スライド体S350が後方へスライド移動されることに伴って回転移動され、追従動作部材S330の延設円柱部S332は、トーションスプリングSSP2の付勢力によりスライド体S350の上方突設部S352の前面に当接されている(押し付けられている)ところ、スライド体S350が後方へスライド移動されることに伴って追従して回転移動される。
この場合において、追従動作部材S330の延設円柱部S332はトーションスプリングSSP2の付勢力でスライド体S350に追従しているに過ぎないので、トーションスプリングSSP2の付勢力とは逆方向(紙面反時計回り方向)に付勢力を超える荷重がかけられている状態では、スライド体S350が後方へスライド移動されても追従動作部材S330は図471(c)における状態で維持されることになる。トーションスプリングSSP2の付勢力とは逆方向(紙面反時計回り方向)に付勢力を超える荷重がかけられている状態としては、例えば、遊技者が追従動作部材S330の動作軌跡に手を置いている状態が想定される。
また、例えば、図471(b)又は図471(c)に図示される状態において、駆動モータS441が停止された状態で動作部材S310が紙面反時計回り方向(前傾する方向)に回転動作されたとしても、動作部材S310の動作方向にスライド体S350が位置しないため、スライド体S350の位置は維持される。
また、例えば、図471(a)に図示される状態から、動作部材S310が紙面時計回り方向(起き上がる方向)に回転動作された場合、延設円柱部S312の移動方向にスライド体S350の上方突設部S352が位置しているため、延設円柱部S312に押進されることでスライド体S350が前方へスライド移動されることになるため、動作部材S310、スライド体S350及び追従動作部材S330が連動される(図471(b)に図示される状態を経て図471(c)に図示される状態に至る)。
図472は、操作デバイスS300の側面図であり、図473は、図459のX53m-X53m線における操作デバイスS300の模式断面図である。図472及び図473では、操作デバイスS300の動作部材S310の遮蔽状態(図457参照)が図示されており、図473では、理解を容易とするために第2動作部材S320については矢印L方向視における側面図(外観図)が図示され、第2動作部材S320以外は断面形状が図示される。
図474は、操作デバイスS300の側面図であり、図475及び図476は、図459のX53m-X53m線に対応する線における操作デバイスS300の模式断面図である。図475及び図476では、理解を容易とするために第2動作部材S320については矢印L方向視における側面図(外観図)が図示され、第2動作部材S320以外は断面形状が図示される。
図474、図475及び図476では、操作デバイスS300の動作部材S310の露出状態(図458参照)が図示され、図474及び図475では、操作デバイスS300の第2動作部材S320の待機状態が図示され、図476では、待機状態から押し下げられた操作状態が図示される。
図475に図示されるように、動作部材S310の回転先端側に形成される被操作部S314に遊技者が指をかけて、動作部材S310を露出状態側へ移動させるように操作した場合に、被操作部S314とは異なる位置における回転先端側に形成される近接部S316が内部操作体である第2動作部材S320に接近するように構成されているが、接触まではしないようになっているため、動作部材S310の移動量に関わらず、動作部材S310が第2動作部材S320に荷重を与えることが無いように構成される。
<第2動作部材S320の動作部材S310に対する思想(位置関係)について>
動作部材S310と第2動作部材S320とは、2段階操作での操作が可能となっている。この2段階の操作は、両手で行うことも、片手で行うことも、可能である方が、遊技を好適とし易い。
両手操作を想定する場合において、動作部材S310の被操作部S314と第2動作部材S320とが過度に接近している場合、被操作部S314に指をかけたままでの第2動作部材S320の操作がし難くなるため、被操作部S314と第2動作部材S320とを離間させて、第2動作部材S320にもう一方の手を近づけるための空間を確保することが好ましい。
本実施形態では、動作部材S310の動作だけでなく、追従動作部材S330の動作によっても、第2動作部材S320の手前側における空間を空けるように構成しているため、空間を十分に確保することができる。
片手操作を想定する場合において、動作部材S310の操作をした流れで第2動作部材S320の操作ができた方が遊技者にとって良い(疲れない)ため、被操作部S314に触れた状態の手を第2動作部材S320に無理なく近づけられるように被操作部S314と第2動作部材S320との距離が短くなるように構成される。
即ち、動作部材S310の回転移動は、被操作部S314の反対側の端部を回転軸とするのではなく、左右方向視で被操作部S314と近接部S316との間の位置に形成される貫通孔S311(図463参照)を中心とする回転移動が可能とされ、第2動作部材S320に近接する側の近接部S316は第2動作部材S320の可動体S322の後方側の窪みS322aに進入される。
図475に図示されるように、露出状態における動作部材S310の被操作部S314の下方に第2動作部材S320の操作部S323が位置されているため、遊技者は、被操作部S314に指を掛けた状態から重力方向に手を移動させることで第2動作部材S320に近づけることができ、第2動作部材S320に荷重をかけることができ、第2動作部材S320を待機状態から操作状態へ向けて移動させる操作を楽に行うことができる。
また、図26に図示されているように、動作部材S310の被操作部S314から側面(内側周面)を伝って手を移動させた場合に手が当たる位置に待機状態における第2動作部材S320の操作部S323が配置されているため、第2動作部材S320を目視せずとも第2動作部材S320を容易に操作可能に構成される。
上述のような構成により、本実施形態では、動作部材S310の操作と、第2動作部材S320の操作と、を片手で行う場合も、両手で行う場合も、好適に遊技することができるように構成されている。そのため、遊技者は好みに合わせて片手操作、両手操作を選択できるようになっていることから、遊技を好適とすることができる。
第2動作部材S320の移動方向は、動作部材S310の貫通孔S311に形成される回転中心とは異なる軸棒部S321aを中心として回転方向であって、第2動作部材S320を待機状態から操作状態へ向けて操作させる方向は下降させる方向であって、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態へ向けて移動させる方向である上昇方向とは異なる。
これにより、動作部材S310を操作する遊技者が誤って第2動作部材S320まで操作するという事態を避けることができ、2段階で操作を遊技者に行わせ易くすることができる。
<第2動作部材S320の終端規制について>
第2動作部材S320は、起き上がり方向(後転方向)の付勢力を生じるトーションスプリングにより付勢されており、前転方向の移動(待機状態から操作状態へ向けた移動)が底側ベースS403に傾斜面として形成される下規制面部S404と当接されるまでの移動量で制限され、後転方向の移動(操作状態から待機状態へ向けた移動)が背面側構成部材S470の貫通形成部S471の後方側に傾斜面として形成される上規制面部S472と当接されるまでの移動量で制限される。
可動体S322は、操作状態(図476参照)において下規制面部S404と対向し、面で当接される下側対向面部S322bと、待機状態(図475参照)において上規制面部S472と対向し、面で当接される上側対向面部S322cと、を備える。
下規制面部S404及び上規制面部S472は、軸棒部S321aを中心とする回転移動の方向に沿う円に対して直角には交わらない。そのため、下規制面部S404又は上規制面部S472に第2動作部材S320が当接した場合に第2動作部材S320に付与される反力は、回転方向(周方向)のみではなく、回転軸に対して近接離間する方向(直径方向)にも生じる。これにより、軸棒部S321aと可動体S322との間の摺動摩擦が増加され、可動体S322の制動の向上を図ることができる。
下規制面部S404と、上規制面部S472との、位置や角度の設計の違いは、目的として生じさせる作用が異なることに因る。
下規制面部S404は、上規制面部S472と比較して、回転中心としての軸棒部S321aとの距離が短くされている。第2動作部材S320との干渉を避けるため、形成幅は短く、動作部材S320の下側対向面部S322bの前側の端に引っかかる態様となっている。即ち、下規制面部S404は小面積で形成される。
これにより、回転軸に対して近接離間する方向(直径方向)に生じる力を局所的に大きくさせることができる。即ち、当接面積を小さくすることで、単位面積あたりの圧力を大とすることができるので、軸棒部S321aに近接させる方向(押し付ける方向)の局所的な大荷重を生じさせることができ、回転軸との摺動摩擦を局所的に大きくさせることができる。
この場合、下規制面部S404が、遊技者により思い切り押し下げる方向の第2動作部材S320の操作が行われた際に荷重を受ける箇所であることに対し、大荷重への急激な制動を、軸棒部S321aとの摩擦により生じさせることができる。
上規制面部S472は、下規制面部S404と比較して、回転中心としての軸棒部S321aとの距離が長くされており、形成幅は幅広に形成されている。即ち、上規制面部S472は大面積で形成される。これにより、回転軸に対して近接離間する方向(直径方向)に生じる力を、広い範囲で分散した状態で生じさせることができる。
この場合、上規制面部S472が、トーションスプリングの付勢力により待機状態に戻る場合の第2動作部材S320を受け止める箇所であることに対し、第2動作部材S320がバウンド(跳ね戻り)する事態を好適に回避することができる。
図477(a)は、図475のX55a-X55a線における操作デバイスS300の断面図であり、図477(b)は、図476のX55b-X55b線における操作デバイスS300の断面図である。
固定ベース装置S400は、金属板S402の底板部の下側に締結固定される底側ベースS403と、その底側ベースS403の上面に上下方向に延びる回転軸線を中心に回転動作可能に支持される回転検出部材S410と、その回転検出部材S410の位置を検出可能に配置される第3検出センサSSC3と、を備える。
回転検出部材S410は、樹脂材料から形成されており、第2動作部材S320の奥側端部S328と対向配置される対向部S411と、その対向部S411と一体的に形成され第3検出センサSSC3の検出溝に進入可能な板状に形成される被検出部S412と、対向部S411と被検出部S412とを連結しており底側ベースS403から突設される円柱形状の支持突部S403aに遊嵌される環状の被支持部S413と、を備え、支持突部S403aに巻かれる捩りバネであって対向部S411を前方側に付勢するトーションスプリングSSP4によって一方向に付勢される。
図477(a)に図示されるように、第2動作部材S320が待機状態とされている場合、回転検出部材S410はトーションスプリングSSP4の付勢力により第2動作部材S320の奥側端部S328に対向する位置まで上面視(図477(a)紙面)反時計回り方向に回転動作されており、奥側端部S328と対向部S411とは離間される(非接触とされる)。
そのため、第2動作部材S320に微小の変位(意図せず台枠に衝突する等の振動等)が生じても、奥側端部S328と対向部S411との離間幅に収まる程度の変位であれば、回転検出部材S410の変位が回避される。
奥側端部S328は、軸棒部S321aよりも下側に配置されており、この上下関係は待機状態(図475参照)でも、操作状態(図476参照)でも変わらないが、待機状態から操作状態への変位は、奥側端部S328が上方(重力方向の反対方向)へ変位される方向となるように構成される。これにより、奥側端部S328が対向部S411と近接する方向への移動が、重力により加速されることを回避することができ、対向部S411が大荷重を受ける事態を回避し易くすることができる。
第2動作部材S320が待機状態から操作状態に変化されると、図477(b)に図示されるように、第2動作部材S320の奥側端部S328に回転検出部材S410の対向部S411が押進されることで、トーションスプリングSSP4の付勢力に対抗して回転検出部材S410が上面視(図477(b)紙面)時計回り方向に回転動作され、被検出部S412が第3検出センサSSC3の検出溝に進入される。
このように、第2動作部材S320が待機状態であるか操作状態であるかが、第3検出センサSSC3の検出状態と対応するように構成される。
図478(a)から図478(e)は、操作デバイスS300及び第3図柄表示装置H81を模式的に示す模式正面図であり、図478(f)は、演出実行タイミングST10及び事前タイミングST11~ST13の関係を示す模式図である。
図479(a)から図479(d)及び図480(a)から図480(e)は、操作デバイスS300及び第3図柄表示装置H81を模式的に示す模式正面図である。図478(a)から図478(e)、図479(a)から図479(d)及び図480(a)から図480(e)では、それぞれ、パチンコ機S10で実行される演出態様の一例が時系列で図示される。
即ち、パチンコ機S10では、図478、図479及び図480に図示されるように、第1入賞口H64又は第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として行われる抽選に基づいて実行される変動中において、操作デバイスS300の操作を促す表示演出を第3図柄表示装置H81によって実行可能に構成されている。
表示演出は種々のタイミングで実行可能とされるが、本実施形態では、変動期間の終盤(第3図柄の停止図柄が表示されるタイミングの前後)において抽選の当落に関わる報知がされる場合が例示される。なお、演出の実行されるタイミングはこれに限られるものではなく、種々の態様で設定可能である。例えば、変動期間における別のタイミングでも良いし(変動の先読み演出等)、変動期間以外のタイミング(大当たり遊技中(ラウンド昇格演出等)、でも良いし、その他のタイミングでも良い。
図478(a)では、第3図柄表示装置H81では、縦スクロールして可変表示される第3図柄が変動中の図柄列(左、中、右)が表示されており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図478(b)では、第3図柄表示装置H81では、「あけろ」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310を遮蔽状態から露出状態とするように促す指示表示と、がされており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図478(c)では、第3図柄表示装置H81では、「OK」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の露出状態が表示されており、操作デバイスS300は動作部材S310が露出状態とされる。
図478(d)では、第3図柄表示装置H81では、「引け」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の露出状態と、が表示され、操作デバイスS300の下側に円弧形状の枠内でタイマー表示がされており、操作デバイスS300は動作部材S310が露出状態とされる。
図478(e)では、第3図柄表示装置H81では、「スーパー大当たり」の文字表示がされ、操作デバイスS300は動作部材S310が露出状態とされる。なお、図示は省略するが、図478(e)に図示される表示態様となる前に、大当たりに対応した停止図柄が第3図柄表示装置H81に表示される。
図478(f)では、演出実行タイミングST10及び事前タイミングST11~ST13がタイミングチャート上に図示される。本実実施形態では、演出実行タイミングST10が変動終了の5秒前であり、第1事前タイミングST11が変動終了の10秒前であり、第2事前タイミングST12が変動終了の15秒前であり、第3事前タイミングST13が変動終了の20秒前であるように設定される。
なお、演出実行タイミングST10及び事前タイミングST11~ST13の時間的関係はこれに限られるものではなく、種々の態様で設定が可能とされる。例えば、事前タイミングST13を変動終了の50秒前に設定し、事前タイミングST12を変動終了の45秒前に設定し、事前タイミングST11を変動終了の10秒前に設定し、演出実行タイミングST10を変動終了の2秒前に設定しても良い。この場合、操作デバイスS300の駆動の発生タイミングの間隔を空けることができる。
図479(a)では、第3図柄表示装置H81では、縦スクロールして可変表示される第3図柄が変動中の図柄列(左、中、右)が表示されており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図479(b)では、第3図柄表示装置H81では、縦スクロールして可変表示される第3図柄が変動中の図柄列(左、中、右)が表示されており、操作デバイスS300は動作部材S310が露出状態とされる。
図479(c)では、第3図柄表示装置H81では、「引け」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の露出状態と、が表示され、操作デバイスS300の下側に円弧形状の枠内でタイマー表示がされており、操作デバイスS300は動作部材S310が露出状態とされる。
図479(d)では、第3図柄表示装置H81では、「スーパー大当たり」の文字表示がされ、操作デバイスS300は動作部材S310が露出状態とされる。なお、図示は省略するが、図479(d)に図示される表示態様となる前に、大当たりに対応した停止図柄が第3図柄表示装置H81に表示される。
図480(a)では、第3図柄表示装置H81では、縦スクロールして可変表示される第3図柄が変動中の図柄列(左、中、右)が表示されており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図480(b)では、第3図柄表示装置H81では、「あけろ」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310を遮蔽状態から露出状態とするように促す指示表示と、がされており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図480(c)では、第3図柄表示装置H81では、三点リーダーの表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の遮蔽状態が表示されており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図480(d)では、第3図柄表示装置H81では、「押せ」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の遮蔽状態と、が表示され、操作デバイスS300の下側に長方形状の枠内でタイマー表示がされており、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。
図480(e)では、第3図柄表示装置H81では、「チャレンジ大当たり」の文字表示がされ、操作デバイスS300は動作部材S310が遮蔽状態とされる。なお、図示は省略するが、図480(e)に図示される表示態様となる前に、大当たりに対応した停止図柄が第3図柄表示装置H81に表示される。
操作デバイスS300の駆動制御について説明する。パチンコ機S10では、操作デバイスS300の駆動制御として、特に説明をする場合を除いて、動作部材S310の状況によらず常に駆動モータS441に逆方向の回転駆動が実行されており、この回転駆動は、動作アーム部材S455に対して2秒間隔で10度ずつ回転させる第1継続態様で実行される。
なお、第1継続態様の制御としては、種々の態様が例示される。例えば、一定速度での回転動作が継続されるものでも良いし、0.5秒で10度回転させ、1.5秒は停止させるという駆動態様(PWM制御)が継続されるものでも良い。
動作アーム部材S455は略70度程度の回転動作が許容されるよう構成されているので、何ら報知がされていないタイミングで遊技者が操作を行うことで動作部材S310が露出状態とされたとしても、第1継続態様での駆動が実行されることによって、14秒程度放置しておくことで動作部材S310が遮蔽状態に復帰される。
動作部材S310が遮蔽状態に到達した後も駆動モータS441の駆動が継続されるが、動作部材S310が遮蔽状態に到達した後は動作アーム部材S455及び伝達ギアS447が回転されないため、第1クラッチギアS445を介して伝達される駆動力は、第2クラッチギアS446が軸方向に移動され(図470参照)、係合状態と係合解除状態とを繰り返す態様で消費される。
この際、コイルスプリングSSP3の付勢力によって第2クラッチギアS446が第1クラッチギアS445に押し付けられる際に衝突音が発生し、この衝突音は遊技者が聞くことができる程度の音量となるように設計される。
<開放レバー演出あり:第1制御態様SP01>
図478(a)から図478(e)を参照して、操作デバイスS300に関する第1制御態様SP01を説明する。本実施形態では、第1制御態様SP01は、抽選の結果が報知される時点の30秒前を起点とする一連の制御として設定される。
第1制御態様SP01では、操作デバイスS300の第2動作部材S320に対する押し込みの操作(レバーを引く方向の操作)を遊技者に促す強操作表示演出SD01(図478(d)参照)が実行されるが、その際は、動作部材S310を露出状態とさせ、第2動作部材S320の操作が可能となっていないと、第3図柄表示装置H81における操作デバイスS300に関する表示の内容と、実際の操作デバイスS300の態様とにずれが生じる。
そのため、パチンコ機S10では、第1制御態様SP01を実行するにあたって、強操作表示演出SD01(図478(d)参照)の表示演出を実行する演出実行タイミングST10(図478(f)参照)よりも前の第1事前タイミングST11(図478(f)参照)において、動作部材S310の状態を検出し、必要に応じて駆動モータS441を駆動制御するように構成される。
動作部材S310の状態は、被案内物体である動作アーム部材S455及びスライド体S350の配置により判断される。パチンコ機S10の音声ランプ制御装置H113は、第1検出センサSSC1及び第2検出センサSSC2の検出結果により動作アーム部材S455及びスライド体S350の配置を判断し、動作部材S310の状態を判断する。
即ち、第1検出センサSSC1に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されている場合(第1検出センサSSC1がオンとされ第2検出センサSSC2がオフとされている場合)、動作部材S310が遮蔽状態とされていると判断され(図471(a)参照)、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されている場合(第1検出センサSSC1がオフとされ第2検出センサSSC2がオンとされている場合)、動作部材S310が露出状態とされていると判断される(図471(c)参照)。
パチンコ機S10は、第1制御態様SP01において、第1事前タイミングST11(図478(f)参照)において動作部材S310が遮蔽状態であると判断すると(図478(a)参照)、開放させる報知(図478(b)参照)をする。その開放させる報知の終了のタイミングで開放されていなかったと判断したら、動作部材S310が露出状態に達したと判断されるまで、開放させる方向(正方向)で駆動モータS441の回転駆動を実行する。
そのため、開放させる報知(図478(b)参照)に対して遊技者が動作部材S310を露出状態へ向けて移動させる操作を行う場合にも、その操作を行わない場合にも、動作部材S310は露出状態へ向けて移動されることになる。
動作部材S310が露出状態に達したと判断される(第1検出センサSSC1がオフとされ第2検出センサSSC2がオンとされる)ことに基づいて、第3図柄表示装置H81では、「OK」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の露出状態とが、確率で表示される(図478(c)参照)。実行条件演出としての「OK」の文字表示と、操作デバイスS300の動作部材S310の露出状態とが、表示されない場合には、開放させる報知(図478(b)参照)が継続される。特に、本実施形態では、遊技者が動作部材S310を露出状態へ向けて移動させる操作を行わなかった場合に、「OK」の文字表示がされずに開放させる報知が継続され易くなるように構成される。
「OK」の文字表示は、通常は黒文字で表示されるが、これに限られるものではない。例えば、赤文字で表示される場合や、金文字で表示される場合があっても良い。この場合において、例えば、大当たりの期待度が、黒文字の場合に30%、赤文字の場合に50%、金文字の場合に80%と変化されるように構成することで、表示に対する遊技者の注目力を向上させることができる。また、「OK」も文字表示は、通常はゴシック体で表示されるが、これに限られるものではない。例えば、明朝体で表示される場合や、草書体で表示される場合があっても良い。この場合において、例えば、大当たりの期待度が、ゴシック体の場合に30%、明朝体の場合に50%、草書体の場合に80%と変化されるように構成することで、表示に対する遊技者の注目力を向上させることができる。そして、これらを組み合わせてもい良い。例えば、黒文字であっても草書体の場合は70%だったり、ゴシック体であっても金文字の場合は70%だったりという、組み合わせによって期待度が変化するように構成してもよい。この場合、金文字であって草書体での表示がされた場合(99%)に、遊技者の興趣を著しく高めることができる。
その後、演出実行タイミングST10(図478(f)参照)の到達に基づいて強操作表示演出SD01(図478(d)参照)が実行され、タイマー表示による制限時間内に第2動作部材S320に対する押し込みの操作(レバーを引く方向の操作)が行われたと検出されると、第3図柄表示装置H81において期間経過演出としての「スーパー大当たり」の文字表示がされる(図478(e)参照)。これにより、遊技者に対し、変動に係る抽選の結果が有利な大当たり(例えば、確変大当たり)であることを報知される。
この場合において、タイマー表示による制限時間内に第2動作部材S320に対する押し込みの操作(レバーを引く方向の操作)についての操作検出期間が設定されており、その操作検出期間以上の操作が維持された場合に、第2動作部材S320に対する押し込みの操作がされたと検出され、操作検出期間未満で操作が解除された場合には操作がされたと検出されないように制御されている。
操作検出期間は、本実施形態では、1秒間に設定されており、操作検出期間未満で操作が解除された場合には、「スーパー大当たり」の文字表示ではなく、その他の表示(例えば、後述する「チャレンジ大当たり」の表示)がされるように制御される。
なお、操作検出期間は、上述の長さに限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、0.1秒でも良いし、3秒を超える長さでも良い。または、10分を超える長時間に設定されても良い。この場合、タイマー表示による制限時間内の操作では操作検出期間以上の長さの操作を行うことは不可能となるので、遊技者の操作態様に関わらず、「スーパー大当たり」の文字表示ではなく、その他の表示(例えば、後述する「チャレンジ大当たり」の表示)をさせることができる。
操作検出期間の長さは固定でも良いし、場合によって変化され得るように構成されても良い。これにより、第2動作部材S320の操作に対する演出態様が場合によって変化されるよう構成することができる。即ち、操作検出期間が1秒間となっている場合には、第2動作部材S320を1秒間操作することで「スーパー大当たり」の文字表示をする一方で、操作検出期間が10分を超える長時間に設定されている場合には、第2動作部材S320を同様に1秒間操作することでは「スーパー大当たり」の文字表示がされないようにすることができる。これにより、第2動作部材S320の操作結果に対する遊技者の興味を高めることができ、操作意欲を向上させることができる。
なお、操作検出期間が変化する場合において、この変化の原因は種々の態様で設定可能である。例えば、時刻に対応して操作検出期間が変化するように構成しても良いし、第2動作部材S320の操作の検出の有無に対応して操作検出期間が変化するように構成しても良い。
構造的には、上述した通り、開放させる報知に対し遊技者が動作部材S310を上昇させるように操作した場合、動作部材S310の延設円柱部S312によりスライド体S350が前後移動され(図471参照)、動作アーム部材S455が回転動作されることに伴い伝達ギアS447と歯合される第2クラッチギアS446に動作力が伝達されるが、駆動モータS441の駆動が実行されておらず第1クラッチギアS445の回転は実行されないため、第2クラッチギアS446の動作力は、第2クラッチギアS446が軸方向に移動され(図470参照)、係合状態と係合解除状態とを繰り返す態様で消費される。
この際、コイルスプリングSSP3の付勢力によって第2クラッチギアS446が第1クラッチギアS445に押し付けられる際に衝突音が発生し、この衝突音は遊技者が聞くことができる程度の音量となるように設計される。
<第1制御態様SP01に含まれる、前段階での駆動制御の工夫>
パチンコ機S10は、第1制御態様SP01において、第1事前タイミングST11よりも前の第2事前タイミングST12において、必要に応じて駆動モータS441を駆動制御するために、第2事前タイミングST12よりも前の第3事前タイミングST13において、動作部材S310の状態を検出する(図478(f)参照)。
即ち、パチンコ機S10では、強操作表示演出SD01(図478(d)参照)の表示演出を実行する場合において、第1事前タイミングST11において遮蔽状態からの動作部材S310の操作を促す表示演出を実行する関係上、第1事前タイミングST11よりも前の第2事前タイミングST12において動作部材S310を遮蔽状態としておく方が好適であるため、第2事前タイミングST12よりも前の第3事前タイミングST13において動作部材S310の状態を判断し、必要に応じて第2事前タイミングST12において駆動モータS441を駆動制御する(図478(f)参照)。
この場合において、第3事前タイミングST13において、第1検出センサSSC1及び第2検出センサSSC2の検出結果により、動作部材S310が露出状態であると判断すると、第2事前タイミングST12において、動作部材S310が遮蔽状態に達したと判断されるまで駆動モータS441を逆方向に駆動回転させる準備駆動制御が行われる(図478(f)参照)。
一方で、第3事前タイミングST13において、第1検出センサSSC1及び第2検出センサSSC2の検出結果により、動作部材S310が遮蔽状態であると判断すると、第2事前タイミングST12において、駆動モータS441を逆方向に駆動回転させる必要はない(図478(f)参照)。
この第1制御態様SP01によれば、動作部材S310が露出状態である場合に第3事前タイミングST13(図478(f)参照)となると動作部材S310が遮蔽状態側へ駆動されることから、遊技者は、動作部材S310に触れて露出状態としておくことで、動作部材S310の駆動動作が開始されたら強操作表示演出SD01(図478(d)参照)の表示演出が実行される前兆であると予想できてしまう可能性があり、第3事前タイミングST13以降の表示演出の意外性が薄れてしまい、遊技者の注目を集め難くなる。
そこで、本実施形態では、第2制御態様SP02として、第1制御態様SP01に対して第2事前タイミングST12における挙動が異なる場合が用意されている(図478(f)参照)。本実施形態では、第2制御態様SP02は、抽選の結果が報知される時点の30秒前を起点とする一連の制御として設定される。
即ち、図479(a)から図479(d)に図示されるように、第2制御態様SP02では、第3事前タイミングST13(図478(f)参照)において、第1検出センサSSC1及び第2検出センサSSC2の検出結果により、動作部材S310が露出状態であると判断した場合に(図479(b)参照)、第2事前タイミングST12(図478(f)参照)において駆動モータS441の準備駆動制御は実行されず、第1継続態様の駆動のみが実行され、第1事前タイミングST11(図478(f)参照)において駆動モータS441の正方向の駆動を実行されることで、動作部材S310を露出状態とさせて演出実行タイミングST10(図478(f)参照)を迎えることとなり、強操作表示演出SD01(図479(c)参照)の表示演出が実行される。
これにより、遊技者が、報知によらず動作部材S310に触れて頻繁に露出状態にさせるような遊技スタイルをとる場合であっても、必ずしも準備駆動制御が実行されるものではないことから、強操作表示演出SD01(図479(c)参照)の表示演出が実行されるかどうかを把握し難くすることができ、意外性のある演出を実行することができる。
第3制御態様SP03は、第1事前タイミングST11(図478(f)参照)において開放させる報知が実行された場合において、その後で、操作デバイスS300の第2動作部材S320に対する押し込みの操作(レバーを引く方向の操作)を遊技者に促す強操作表示演出SD01(図478(d)参照)を実行しない(演出を終了させる)態様で構成される。
第3制御態様SP03は、大当たり抽選の結果が外れである場合の報知演出の一例である。本実施形態では、第3制御態様SP03は、抽選の結果が報知される時点の30秒前を起点とする一連の制御として設定される。
第2動作部材S320の操作が促されないことから、遊技者による動作部材S310を露出状態側へ移動させる操作の終了後において動作部材S310を遮蔽状態に復帰させる復帰駆動を実行すればよいが、操作後すぐに復帰駆動が開始されたのでは、強操作表示演出SD01が実行されないことが表示演出の進行に先だって遊技者に把握させてしまうこととなり演出として改善の余地がある。そこで、簡便な改善案としては、強操作表示演出SD01が実行されるタイミングが経過した後で動作部材S310を遮蔽状態に復帰させる方向(逆方向)に駆動モータS441を駆動するように復帰駆動を実行させても良い。
一方で、第1制御態様SP01において強操作表示演出SD01が実行されるタイミングで動作部材S310を遮蔽状態へ向けて動作させようとする場合、そのタイミング以前に駆動モータS441の駆動を開始しておくことが好ましいため、その駆動音や、動作部材S310を遊技者が把持して動かないようにしている場合には第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の衝突音が、演出実行タイミングST10(図478(f)参照)以前に発生することとなり、演出の進行に先だって遊技者が演出の内容を予測できてしまう可能性が有る。
これに対し、本実施形態では、第3制御態様SP03においても第1継続態様で駆動モータS441が駆動されることにより、駆動モータS441の駆動音や、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446の衝突音が生じたとしても、その音が、第1継続態様による音なのか、第3制御態様SP03独特の駆動態様による音なのかを判別させ難くすることができるため、演出実行タイミングST10(図478(f)参照)以前に音が発生していても、演出の進行に先だって遊技者が演出の内容を予測できてしまうという事態を避け易くすることができる。従って、復帰駆動を、演出実行タイミングST10(図478(f)参照)以前から実行する制御を採用し易くすることができる。
更に、動作部材S310を操作した遊技者が動作部材S310に触れたまま露出状態で保持している場合、第1継続態様または復帰駆動による駆動モータS441の駆動力は、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446が係合状態の場合に動作部材S310を介して遊技者に伝達され、この伝達される荷重は第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446が係合解除状態となった場合に解消される(緩められる)。
即ち、動作部材S310に触れている遊技者に対して、間欠的に荷重を与えることができるため、遊技者に対して動作部材S310を操作している実感を与えることができ、動作部材S310を操作する意欲を高めることができる。
<閉鎖ボタン演出あり:第4制御態様SP11>
図480(a)から図480(e)を参照して、操作デバイスS300に関する第4制御態様SP11を説明する。第4制御態様SP11は、第3図柄表示装置H81で実行された、動作部材S310を露出状態へ向けて移動させる操作を促す表示に従わず、動作部材S310の操作をしなかった場合において実行が可能となるように構成される制御態様であって、途中までは第1制御態様SP01と共通の態様で実行される。
即ち、演出の制御として、第4制御態様SP11が実行される場合には、第1制御態様SP01と並列で実行され、第1事前タイミングST11を境に、第4制御態様SP11が実行されるか、第1制御態様SP01が実行されるかが、決定される(分岐される)。本実施形態では、第4制御態様SP11は、抽選の結果が報知される時点の30秒前を起点とする一連の制御として設定される。
まず、第4制御態様SP11では、操作デバイスS300の動作部材S310に対する押し込みの操作(下方へ押し込む操作)を遊技者に促す弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)が実行されるが、その際は、動作部材S310を遮蔽状態とさせ、動作部材S310の操作が可能となっていないと、第3図柄表示装置H81における操作デバイスS300に関する表示の内容と、実際の操作デバイスS300の態様とにずれが生じる。
そのため、パチンコ機S10では、弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)の表示演出を実行する演出実行タイミングST10よりも前の第1事前タイミングST11(図478(f)参照)において、動作部材S310の状態を検出し、必要に応じて駆動モータS441を駆動制御するように構成される。
パチンコ機S10は、第4制御態様SP11において、第1事前タイミングST11(図478(f)参照)へ向けて、動作部材S310が遮蔽状態であると判断する場合には特別な駆動制御は実行されない(第1継続態様の駆動が実行される)が、動作部材S310が露出状態であると判断すると、閉鎖させる方向(逆方向)で、動作部材S310が遮蔽状態に達したと判断されるまで駆動モータS441の回転駆動を実行する。
パチンコ機S10は、第4制御態様SP11において、第1事前タイミングST11よりも前の第2事前タイミングST12において、必要に応じて駆動モータS441を駆動制御するために、第2事前タイミングST12よりも前の第3事前タイミングST13において、動作部材S310の状態を検出する(図478(f)参照)。
即ち、パチンコ機S10では、弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)の表示演出を実行する場合において、第1事前タイミングST11において動作部材S310の操作を促す表示演出(図480(b)参照)を実行する関係上、第2事前タイミングST12において動作部材S310を遮蔽状態としておく方が好適であるため、第3事前タイミングST13において動作部材S310の状態を判断し、必要に応じて第2事前タイミングST12において駆動モータS441を駆動制御する(図478(f)参照)。
この場合において、第3事前タイミングST13において、第1検出センサSSC1及び第2検出センサSSC2の検出結果により、動作部材S310が露出状態であると判断すると、第2事前タイミングST12において、動作部材S310が遮蔽状態に達したと判断されるまで駆動モータS441を逆方向に駆動回転させる準備駆動制御が行われる(図478(f)参照)。
一方で、第3事前タイミングST13において、第1検出センサSSC1及び第2検出センサSSC2の検出結果により、動作部材S310が遮蔽状態であると判断すると、第2事前タイミングST12において、駆動モータS441を逆方向に駆動回転させる必要はない(図478(f)参照)。
この第4制御態様SP11によれば、動作部材S310が露出状態である場合に第3事前タイミングST13(図478(f)参照)となると動作部材S310が遮蔽状態側へ駆動されるが、この駆動態様は第1制御態様SP01と共通とされる。
従って、遊技者によって、動作部材S310が頻繁に露出状態とされたとしても、動作部材S310の駆動動作が開始された場合において、強操作表示演出SD01(図479(c)参照)の表示演出が実行される前兆なのか弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)の表示演出が実行される前兆なのか判別できないようになっているため、第3事前タイミングST13(図478(f)参照)以降の表示演出の意外性が薄れてしまい、遊技者の注目を集め難くなるという問題点を良好に解消している。
第4制御態様SP11では、動作部材S310を露出状態へ向けて移動させる操作を促す表示が実行されたにも関わらず(図480(b)参照)、遊技者が動作部材S310の操作を実行しなかった場合には、動作部材S310の動作はされず(図480(c)参照)、第3図柄表示装置H81における表示においても、遮蔽状態である動作部材S310が表示され続ける。
その後、演出実行タイミングST10(図478(f)参照)の到達に基づいて弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)が実行され、タイマー表示による制限時間内に動作部材S310に対する押し込みの操作を行うと、第3図柄表示装置H81において「チャレンジ大当たり」の文字表示がされる(図480(e)参照)。
動作部材S310は、遮蔽状態において延設円柱部S312の後方側に隙間ができる形状で第1円弧状穿設部S341c及び第1中間穿設部S344cが形成されていることから(図471(a)参照)、遮蔽状態から前転方向に押し下げられる動作が許容される。この動作に対応して、可変抵抗器S360(図462参照)の抵抗軸S362及び伝達アーム体S363は回転動作され、可変抵抗器S360の抵抗値が変化される。
可変抵抗器S360の抵抗値の変化態様が、遮蔽状態からの動作部材S310の押下げ操作に対応する変化態様として音声ランプ制御装置H113に入力されると、音声ランプ制御装置H113は、動作部材S310が遮蔽状態から押下げ操作されたと判断する。
なお、可変抵抗器S360の抵抗値の変化態様として、遮蔽状態からの動作部材S310の押下げ操作に対応する変化態様と特に説明したのは、可変抵抗器S360の抵抗値の変化量だけから判断する場合と区別するためである。
即ち、動作部材S310の回転角度が同じであれば可変抵抗器S360の抵抗値の変化量が同じである場合、その抵抗値の変化からは、遮蔽状態からの動作部材S310の押下げ操作によるものなのか、露出状態から動作部材S310が荷重を与えられて前転方向へ動作されたことによるものなのかを、音声ランプ制御装置H113において判断することが困難となる。
従って、本実施形態では、可変抵抗器S360の抵抗値の変化量(正負を特定)と、変化前における可変抵抗器S360の抵抗値との両方が音声ランプ制御装置H113に入力されるように構成し、これにより、遮蔽状態からの動作部材S310の押下げ操作に対応する変化態様として判断可能に構成している。
この動作部材S310の遮蔽状態からの押下げ操作が、演出実行タイミングST10(図478(f)参照)の到達に基づいて弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)が実行された場合におけるタイマー表示による制限時間内に実行されていると音声ランプ制御装置H113により判断されると、第3図柄表示装置H81において「チャレンジ大当たり」の文字表示がされる(図480(e)参照)。
このように、第3図柄表示装置H81において「チャレンジ大当たり」の文字表示がされる(図480(e)参照)ことにより、遊技者に対し、変動に係る抽選の結果が、有利な大当たり(例えば、確変大当たり)なのか、その有利な大当たりに比較して劣る大当たり(例えば、通常大当たり)なのかが、分からない態様で報知される。
即ち、第3図柄表示装置H81で実行された、動作部材S310を露出状態へ向けて移動させる操作を促す表示に従わず、動作部材S310の操作をしなかったことの結果として、「チャレンジ大当たり」の文字表示がされるように構成することで、抽選の結果が有利なのか否かを知りたいと望む遊技者に対し、表示により示唆される操作態様に従って操作を行うことに対する意欲を高めることができ、動作部材S310を適切に操作させ易くすることができる。
これにより、動作部材S310が無視されて操作部材としての機能を果たさない事態や、動作部材S310の操作が、第3図柄表示装置H81により示唆される態様とは異なる態様で実行される事態を、回避し易くすることができる。
上述したように、本実施形態では、可変抵抗器S360の抵抗値の変化量(正負を特定)と、変化前における可変抵抗器S360の抵抗値との両方が音声ランプ制御装置H113に入力されるように構成し、これにより、遮蔽状態からの動作部材S310の押下げ操作に対応する変化態様として判断可能に構成している。
そのため、可変抵抗器S360の抵抗値の変化量だけを検出する場合と異なり、誤操作によって演出進行が阻害されるという事態を避け易くすることができる。例えば、露出状態からの動作部材S310の前転方向の動作を、遮蔽状態からの動作部材S310の押し込み操作による動作と区別することができる。
これにより、例えば、高信頼度の演出(図478(c)参照)が発生した状態から、操作の示唆が無いのにも関わらず動作部材S310が前転方向に操作されることで動作部材S310が遮蔽状態に変化された場合に、音声ランプ制御装置H113はその変化を判断することができ、強操作表示演出SD01(図478(d)参照)を表示する第1制御態様SP01から、弱操作表示演出SD02(図480(d)参照)を表示する第4制御態様SP11に、実行する表示演出を途中で変化させることができる。これにより、演出の不整合を避けることができる。
<第2検出センサSSC2の検出に基づく制御態様について>
操作デバイスS300は、上述したように、遊技者に対して、片手操作だけでなく、両手操作をさせることができるため、操作態様が一態様になることを避けることができることから、操作デバイスS300の操作に対する遊技者の集中力を増加させることができると共に、遊技に飽きさせることなく遊技を楽しませることができるよう構成されているが、これは、遊技者が操作デバイスS300を意欲的に操作することを前提としている。
一方で、操作デバイスS300の操作に対応するパチンコ機S10の反応によっては、遊技者は、操作デバイスS300の操作を意欲的に行わなくなる可能性がある。例えば、第1制御態様SP01で動作される場合、動作部材S310の操作を行わなくても、駆動モータS441の駆動力により露出状態まで動作部材S310が動作されることを遊技者が把握した場合、動作部材S310の操作は行わずに第2動作部材S320の操作だけを行うようにするかもしれないし、動作部材S310が露出状態とされ、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出される(第1検出センサSSC1がオフとされ第2検出センサSSC2がオンとされる)場合に同じような演出が発生するものであると、演出自体に遊技者が飽きてしまい、動作部材S310の操作をやめてしまう可能性が有る。
対策として、発生する演出に、大当たりの信頼度が高いもの(図478(c)参照)と、低いものとを用意し、動作部材S310の操作により動作部材S310が露出状態とされ、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されることに基づいて、高信頼度の演出が発生するか、低信頼度の演出が発生するかの何れかとなる制御とすることもできる。
この場合、発生する演出により大当たりの信頼度が分かるため操作意欲を向上させることができる一方で、高信頼度の演出が発生しなかった場合に、変動中の抽選の大当たりを諦めてしまい、続く第2動作部材S320の操作を止めてしまう可能性が有るし、高信頼度の演出が発生しなかった場合に当落報知までの期間が虚無となることを嫌う遊技者に対しては、むしろ発生する演出を知りたくないと思わせてしまい、結果として、動作部材S310の操作を敢えて行わないという遊技を行わせることとなり、本末転倒である。
これに対し、本実施形態では、動作部材S310の操作により動作部材S310が露出状態とされ、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されることに基づいて、高信頼度の演出が発生するか(図478(c)参照)、演出が発生しないかの何れかが確率で選択されるよう制御している。この確率の設定は任意の数値で可能である。
演出が発生しない場合、変動中の抽選の大当たりの信頼度については報知されないことになるため、遊技者に対して、動作部材S310を操作した場合に高信頼度の演出が発生しなかったとしても、大当たりを諦めさせることなく、当落報知までの期間を楽しませることができる。
そのため、高信頼度の演出が発生する確率を5[%]程度に設定することで、動作部材S310の操作に基づいて演出が発生しないことがほとんどであり、稀に高信頼度の演出が発生することになることから、虚無な期間を生じさせることがなく、遊技者に対して楽しんで動作部材S310の操作を行わせることができる。
上述の第79実施形態では、第1制御態様SP01、第2制御態様SP02、第3制御態様SP03、第4制御態様SP11、に係る表示演出として、変動期間の終盤(第3図柄の停止図柄が表示されるタイミングの前後)において実行される場合を例示したが、表示演出の実行タイミングは、これに限られるものではない。
例えば、表示演出の実行タイミングは、変動期間における別のタイミングでも良い。この場合、「スーパー大当たり」や「チャレンジ大当たり」の文字表示の代わりに、疑似連続変動の演出を報知する停止図柄(特殊図柄A、特殊図柄B)の表示が設定され、演出実行タイミングST10において動作部材S310又は第2動作部材S320が操作されることに基づいて、変動期間の途中で停止図柄(特殊図柄A、特殊図柄B)が表示されても良い。
これにより、動作部材S310又は第2動作部材S320の操作に基づいて必ず変動が停止される場合(当落報知がされる場合)に比較して、動作部材S310又は第2動作部材S320の操作の後も変動が停止されずに演出が続く場合があることにより、報知に対する注目力を向上させることができる。
また、例えば、表示演出の実行タイミングは、大当たり遊技中のタイミングでも良い。この場合において、例えば、「スーパー大当たり」や「チャレンジ大当たり」の文字表示の代わりに、「次回ラッシュ確定表示」や「次回時短確定表示」が設定され、演出実行タイミングST10において動作部材S310又は第2動作部材S320が操作されることに基づいて、大当たり終了後の遊技状態が報知されても良い。大当たり終了後の遊技状態が報知されることにより、表示や、動作部材S310又は第2動作部材S320の操作に遊技者の注目力を集めることができる。
また、大当たり遊技中のタイミングで報知される場合において、例えば、「スーパー大当たり」や「チャレンジ大当たり」の文字表示の代わりに、「MAX大当たり」の表示が設定され、演出実行タイミングST10において動作部材S310又は第2動作部材S320が操作されることに基づいて、大当たりに複数のラウンド振分が有る機種における当選した大当たりのラウンド数(利益量)を示す報知がされても良い。当選した大当たりのラウンド数(利益量)が報知されることにより、表示や、動作部材S310又は第2動作部材S320の操作に遊技者の注目力を集めることができる。
また、例えば、表示演出の実行タイミングは、遊技者が遊技を行っていないタイミングでも良い。この場合において、例えば、「スーパー大当たり」や「チャレンジ大当たり」の文字表示の代わりに、「座ってください」等の遊技開始を促す表示が設定され、演出実行タイミングST10において動作部材S310又は第2動作部材S320が操作されることに基づいて、遊技開始を促す報知がされても良い。遊技が開始されていない状態であっても、動作部材S310又は第2動作部材S320が操作されたタイミングであれば、遊技者がパチンコ機S10の目の前に存在するため、遊技開始を促す表示を遊技者に視認させ易いタイミングで実行することができる。
この場合において、表示演出は、不定期に開始されても良いし、時刻に対応して開始されても良いし、遊技者が動作部材S310に触れたこと、又は、動作部材S310を僅かでも動作させたことが検出された場合に開始されても良い。この場合において、表示演出の途中から開始させる場合があっても良い。例えば、動作部材S310を遊技者が触れたことが検出された場合に、駆動モータS441を正方向に回転駆動させ、動作部材S310を露出状態側へ移動させるようにしても良いし、第2検出センサSSC2での検出に基づいて「OK」の文字表示がされることで、遊技者の注目を第3図柄表示装置H81に向けさせることができ、遊技の開始に貢献することができる。
遊技が開始されていない状態では、演出実行タイミングST10よりも以前の動作部材S310の遊技者の操作を前提としていないので、操作が有効であることの報知は必要ないため、通常は第3図柄表示装置H81で表示される「OK」の文字表示を表示しないように構成しても良い。このためには、遊技が開始されていない状態(例えば、ハンドルH51が握られておらず、入賞検知もされておらず、抽選変動もされておらず、大当たり中でもない状態、等)では、「OK」の文字表示がされる確率がゼロに(または著しく低く)設定されるように構成すればよいため、遊技実行中における「OK」の文字表示がされる確率の制御を流用することで足りるので、パチンコ機S10の製造コスト(制御設計にかかるコストを含むコスト)の増加を防止することができる。
また、例えば、表示演出の実行タイミングは、パチンコ機S10の電源がオフされた状態から、電源がオンされた場合に、電源オンの直後から制御が開始されても良い。即ち、電源がオンされてから30秒弱で第1事前タイミングST11が到来した場合に、音声ランプ制御装置H113から動作許可の信号が出力され、即座に動作部材S310を遮蔽状態から露出状態側へ移動させるための駆動制御が駆動モータS441により実行可能とされるように制御されても良い。
これにより、動作部材S310の演出を即座に実行させることができる。開店前の電源オフの状態において長時間停止されたままであると動作部材S310の動作支持部等に埃が溜まるなどして動作不良(固着)が生じる可能性が有るところ、電源オンの直後に初期動作として動作部材S310が動作されることにより、遊技者が遊技する時点において動作部材S310の動作不良が生じる可能性を低くすることができる。
即ち、事前に動作を実行させることで埃は取れて固着を解消することができるし、仮に動作不良が解消しないのであれば、遊技者が遊技を開始する前に稼働を停止して、遊技をさせないように図ることができる。この場合は、動作部材S310の遊技者の操作を前提としていないので、操作が有効であることの報知は必要ないため、通常は第3図柄表示装置H81で表示される「OK」の文字表示を表示しないように構成しても良い。このためには、電源オンからの所定期間(例えば、1分間)は「OK」の文字表示がされる確率がゼロに(または著しく低く)設定されるように構成すればよいため、遊技実行中における「OK」の文字表示がされる確率の制御を流用することで足りるので、パチンコ機S10の製造コスト(制御設計にかかるコストを含むコスト)の増加を防止することができる。
なお、駆動モータS441の駆動は、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態側へ移動させるための一方向の駆動態様のみが実行されても良い。この場合、電源オンの後、動作部材S310は露出状態で維持されるため、ホール店員は遊技店の開店前に店内を巡回し、動作部材S310が露出状態であることを確認することで、動作不良が無いことを確認でき、動作部材S310を遮蔽状態に押下げておくことで、開店前準備を済ますことができる。
また、駆動モータS441の駆動は、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態へ移動させる一方向の駆動態様と、露出状態から遮蔽状態へ移動させる他方向の駆動態様とが交互に実行される往復態様で実行されても良いし、複数回往復する態様で駆動が実行されても良い。
駆動モータS441の駆動態様が複数設定されている場合において、各駆動態様は、表示演出の実行タイミングとして設定される何れのタイミングで生じた表示演出に係る駆動モータS441の駆動においても、流用することができる。
次いで、図481及び図482を参照し、第80実施形態におけるスライド体S2350について説明する。上記第79実施形態では、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態まで移動させた場合のスライド体S350の前後位置は毎回同じであり、そのスライド体S350と連動される動作アーム部材S455の被検出部S455bが第2検出センサSSC2の検出溝に位置され、検出される場合を説明したが、第80実施形態では、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態まで移動させた場合のスライド体S2350の位置が固定されるものではなく、動作アーム部材S455の被検出部S455bが第2検出センサSSC2に検出されない場合が発生し得るよう構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
また、本実施形態では、動作部材S310に対して、トーションスプリングSSP1とは逆の方向の付勢力(動作部材S310に対して右面視反時計回り方向(動作部材S310を倒す方向)の付勢力)が、トーションスプリング(図示せず)により付与される。
図481(a)、図481(b)、及び図481(c)は、第80実施形態における動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S2350及び駆動伝達装置S440の動作アーム部材S455の模式図である。
図481(a)、図481(b)、及び図481(c)では、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第1の移動態様(変位態様)で移動(変位)される場合における動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S2350及び動作アーム部材S455の対応関係が模式的に図示されており、図481(a)では、遮蔽状態(図457参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示され、図481(c)では、露出状態(図458参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示され、図481(b)では、動作部材S310の遮蔽状態から露出状態へ状態変化される途中の状態が図示される。
図481(a)、図481(b)、及び図481(c)に図示されるように、スライド体S2350は、第79実施形態で上述した円柱状部S341fに変位可能に支持される。スライド体S2350は、第79実施形態で上述したスライド体S350と同様の本体部S351と、上方突設部S352と、低段部S353と、後方側長孔S355と、を備える一方、一対の案内長孔S354が形状違い(上下幅が拡張された形状)の一対の案内長孔S2354に設計変更されている。
更に、スライド体S2350は、上方突設部S352と低段部S353との間であって動作部材S310の延設円柱部S312と対向する位置に凹設形成される後側凹設部S2356と、本体部S351の前端下側部において切り欠き形成される前側切欠部S2357と、後方側長孔S355の前側面から凹設形成される受入凹部S2358と、後側凹設部S2356に内蔵される抵抗発生体S2359と、を備える。
後側凹設部S2356は、低段部S353の前端側(上方突設部S352側)において下方に凹設形成される前端側凹部S2356aと、その前端側凹部S2356aの前側面と上方突設部S352の後側面(の下側部)を含む領域において前方へ凹設形成される進入凹部S2356bと、その進入凹部S2356bの前端から上下幅が特に上方に拡大されるように凹設形成される拡大凹部S2356cと、その拡大凹部S2356cの前側面から凹設形成される収容凹部S2356dと、を備える。
進入凹部S2356bの上側部の位置は、図481(b)に図示される状態において、動作部材S310の延設円柱部S312の上下中心を上側に超えない位置であれば良く、本実施形態では、延設円柱部S312の上下中心と一致する位置で設計される。
これにより、動作部材S310が遮蔽状態から露出状態へと変化される場合に、延設円柱部S312を介する荷重がスライド体S2350に対して前後方向で付与されることとなり、スライド体S2350は、スライド第S350の移動態様として上述した態様と同様に、前後方向にスライド移動する。
前側切欠部S2357は、スライド体S2350の本体部S351の前端面から後方へ向けて矩形断面で切り欠かれる矩形切欠部S2357aと、その矩形切欠部S2357aの底面と面一の底面を有しており上面は後方へ向かうほど下降する斜面で形成されることで後端部が鋭角に交差する鋭切欠部S2357bと、その鋭切欠部S2357bの上面と同様の斜面形状で矩形切欠部S2357aの前端下部の直下に形成される下側斜面部S2357cと、を備える。スライド体S2350は、仕切り板部S344の大部分の構成を流用する仕切り板部S2344に移動を案内されている。
仕切り板部S2344は、既に上述した本体板部S344a、第1中間穿設部S344c、第2中間穿設部S344e、一対の貫通孔S344f及び後方側円弧孔S344gを備え、更に、スライド体S2350と対向する左右側面からスライド体S2350側(左右方向側)へ向かって前側切欠き部S2357と対応する断面形状で突設形成される樹脂製の被衝突部S2345を備える。
即ち、被衝突部S2345は、突設方向の断面形状が矩形状で形成される本体部S2345aと、その本体部S2345aの底面と面一の底面を有しており上面は後方へ向かうほど下降する斜面で形成されることで後端部が鋭角に交差する鋭突設部S2345bと、を備える。
受入凹部S2358は、スライド体S2350が図481(b)に図示される前後位置に配置された状態において、突設柱部S455aの移動軌跡を含むように右面視で円弧状に延びる形状の長形凹部が、鋭突設部S2345bの上下幅長さ分だけ下げられた位置に形成される。
抵抗発生体S2359は、延設円柱部S312に対して反力を返すことが可能となる位置に配設されており、延設円柱部S312と対向配置される当接部材S2359aと、その当接部材S2359aに固定されており収容凹部S2356dに収容されるコイルスプリングS2359bと、を備える。
コイルスプリングS2359bは当接部材S2359aを後方に移動させる向きの付勢力を発生可能に構成されており、延設円柱部S312が離間配置されている場合において、この付勢力によって拡大凹部S2356cの内壁面に当接部材S2359aが押し付けられる(図481(a)参照)。
図481(b)及び図481(c)に図示されるように、スライド体S2350及び動作アーム部材S455の第1の移動態様(変位態様)では、被衝突部S2345が、矩形切欠部S2357aに進入し、前側切欠部S2357に収容される。
図482(a)、図482(b)、及び図482(c)は、動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S2350及び動作アーム部材S455の模式図である。
図482(a)、図482(b)、及び図482(c)では、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第2の移動態様(変位態様)で移動(変位)される場合における動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S2350及び動作アーム部材S455の対応関係が模式的に図示されており、図482(a)では、遮蔽状態(図457参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示され、図482(c)では、露出状態(図458参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示され、図482(b)では、動作部材S310の遮蔽状態から露出状態へ状態変化される途中の状態が図示される。
スライド体S2350及び動作アーム部材S455の第2の移動態様(変位態様)では、被衝突部S2345が矩形切欠き部S2357aに進入する第1の移動態様(変位態様)とは異なり、鋭突設部S2345bにスライド体S2350の下側斜面部S2357cが乗り上げる。
即ち、被衝突部S2345の鋭突設部S2345bの上面をスライド体S2350の下側斜面部S2357cが滑り上昇されることになるので、スライド体S2350の移動は前後方向の平行移動では無く、上下方向の成分を有する方向の移動となる。
詳細には、鋭突設部S2345bにスライド体S2350の下側斜面部S2357cが当接するまでは、第1の移動態様(変位態様)と同様にスライド体S2350の案内長孔S2354が円柱状部S341fに下支えされる状態でスライド体S2350が前後方向に平行移動され、鋭突設部S2345bにスライド体S2350の下側斜面部S2357cが当接して乗り上げた後は鋭突設部S2345bの上側斜面に沿って斜めに平行移動される。
これにより、図482(b)に図示される進入凹部S2356bの上端部の上下位置が、動作部材S310の延設円柱部S312の中心よりも上側に位置することになるため、延設円柱部S312を介してスライド体S2350に伝達される荷重が、前後方向のみではなく、上下方向(上方向)の成分を含む方向でスライド体S2350に伝達される。
この荷重の伝達によりスライド体S2350は前方にも上方にも移動され得るが、被衝突部S2345の本体部S2345aの後面がスライド体S2350に近接配置され、スライド体S2350の前方への移動を妨害するように作用する。
これにより、延設円柱部S312が前側へ回転移動した場合に、スライド体S2350は前方へ移動されず、スライド体S2350に許容される上下方向の変位中において延設円柱部S312が後側凹設部S2356に進入する。
即ち、延設円柱部S312が後側凹設部S2356に進入する前後長さの分だけ、スライド体S2350の前後移動量が小さくなるため、連動される動作アーム部材S455の回転角度も小さくなり、図482(c)に図示される動作部材S310の露出状態において、動作アーム部材S455の被検出部S455bが第2検出センサSSC2に検出されないよう構成される。
上述したように、被案内物体であるスライド体S2350及び動作アーム部材S455の第1の移動態様(変位態様)と第2の移動態様(変位態様)とが生じる原因は、案内長孔S2354の上下幅が拡大されていることから、スライド体S2350が前方へ移動する場合において、被衝突部S2345の鋭突設部S2345bが、スライド体S2350の矩形切欠部S2357aの下底面と下側斜面部S2357cとの境界(前端角部)に対して、上側に位置する場合も、下側に位置する場合も生じ得るよう構成されていることに基づいている。
被衝突部S2345の鋭突設部S2345bが、スライド体S2350の矩形切欠部S2357aの下底面と下側斜面部S2357cとの境界(前端角部)に対して、上側に位置するか、下側に位置するかには、スライド体S2350の位置や傾きが関わっているが、これには、動作部材S310を介した荷重の付与の経歴や、動作アーム部材S455からの駆動力の付与の経歴や、パチンコ機S10自体の態様(傾きや振動)等、さまざまな要因が絡むことから、スライド体S2350及び動作アーム部材S455の変位態様としては、動作部材S310の操作速度に因ることなく、何れか(第1の移動態様(変位態様)又は第2の移動態様(変位態様))が偶然的(ランダム)に生じる。
スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第1の移動態様(変位態様)で移動される場合には、動作部材S310が遮蔽状態から露出状態へ変化する過程において、延設円柱部S312により常にスライド体S2350が押進される一方で、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第2の移動態様(変位態様)で移動される場合には、スライド体S2350は途中から押進されなくなるため、対策なしでは、動作部材S310を操作する遊技者が動作部材S310を介して受ける反力の違いにより、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が何れの移動態様(変位態様)で移動(変位)しているのかを把握することが可能であり、そのように構成することで遊技者の動作部材S310に対する操作意欲を向上することができるという一面もある。
これに対し、本実施形態では、対策として、スライド体S2350を押進しなくなった後において、代わりに、抵抗発生体S2359の当接部材S2359aが延設円柱部S312により押進されるよう構成される。
これにより、コイルスプリングS2359bの付勢力が延設円柱部S312を介して動作部材S310に伝達されることから、コイルスプリングS2359bの付勢力を適切に設定することにより、動作部材S310を操作する遊技者が動作部材S310を介して受ける反力の違いを小さくすることができ、操作感が変わることを回避し易くすることができる。
また、当接部材S2359aの上下端部は、拡大凹部S2356cの上下面部と当接している。拡大凹部S2356cの上下面部は平滑面ではなく、鋸歯形状で形成されているため、当接部材S2359aの左右変位に伴って当接部材S2359aの上下端部が鋸歯形状と係合および係合解除するタイミングで音が生じる。この生じる音を適切に設定することにより、動作アーム部材S455の回転に基づいて第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446(図470(a)参照)が係合状態と係合解除状態とで切り替えられる際に生じる音との違いを小さくすることができることから、操作感が変わることを回避し易くすることができる。
なお、図482(c)に図示される状態から遊技者が動作部材S310に付与している荷重を解除すれば(手を離せば)、トーションスプリングの付勢力により動作部材S310が紙面反時計回り方向に回転され、延設円柱部S312は後側凹設部S2356から外に出るように変位される。
<第2検出センサSSC2の検出に基づく制御態様について>
上述の第79実施形態では、動作部材S310の操作を意欲的に行わせるために、動作部材S310の操作により動作部材S310が露出状態とされ、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されることに基づいて、高信頼度の演出が発生するか、演出が発生しないかが、確率で選択されるよう制御する場合を説明した。
これに対し、本実施形態では、動作部材S310の操作により動作部材S310が露出状態とされた場合において、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出される場合と、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されない場合とが生じ得るので、発生する演出として、大当たりの信頼度が高いものと、低いものとを用意しておけば、動作部材S310の操作により動作部材S310が露出状態とされた場合に、高信頼度の演出が発生するか、低信頼度の演出が発生するか、演出が発生しないかの何れかとなるよう構成することができる。
この場合、発生する演出により大当たりの信頼度が分かるため操作意欲を向上させることができるし、高信頼度の演出が発生しなかった場合であっても、スライド体S2350の移動態様(変位態様)の違いに因り第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されなかったことが原因かもしれないと予想させることができるので、遊技者が変動中の抽選の大当たりを諦めてしまい、続く第2動作部材S320の操作を止めてしまうことを回避し易くすることができる。
そのため、高信頼度の演出が発生しなかった場合であっても、大当たりを諦めさせることなく、当落報知までの期間が虚無となることは無いため、動作部材S310の操作を敢えて行わないという遊技を選択させることを回避することができ、楽しんで遊技を行わせることができる。
<操作中における追加の駆動態様>
遊技者が、動作部材S310を操作し、露出状態に維持させている場合(図482(c)参照)における駆動モータS441(図466参照)の制御の一態様について説明する。
この駆動態様では、駆動モータS441は、一定期間ごとに駆動方向が正逆で切り替えられるように制御される。即ち、駆動モータS441の駆動軸に固定されるウォームギアS441a、そのウォームギアS441aに歯合される第1クラッチギアS445、その第1クラッチギアS445と堂珍で回転される第2クラッチギアS446、その第2クラッチギアS446に歯合される伝達ギアS447及びその伝達ギアS447に固定される動作アーム部材S455(図466参照)を、繰り返し往復動作させる駆動態様である。
この駆動態様が継続される場合において、図482(c)に図示される状態、即ち、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されない状態から、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出される状態へと変化し得ることについて説明する。
上述したように、駆動モータS441の正方向の回転駆動により動作アーム部材S455が右面視反時計回り方向に回転移動され、駆動モータS441の逆方向の回転駆動により動作アーム部材S455が右面視時計回り方向に回転移動されるよう構成されている。図482(c)に図示される状態から、駆動モータS441が逆方向に回転駆動された場合、動作アーム部材S455に右面視時計回り方向の荷重が付与されるが、スライド体S2350の後方側長孔S355と連結される突設柱部S455aの移動が妨害されることから、動作アーム部材S455は回転されない。駆動モータS441からの駆動力は第1クラッチギアS445と第2クラッチギアS446とが係合解除状態とされることで逃がされることになり(図470(b)参照)、これと対応した音が生じる。
一方で、図482(c)に図示される状態から、駆動モータS441が正方向に回転駆動された場合、動作アーム部材S455に右面視反時計回り方向の荷重が付与される。受入凹部S2358が動作アーム部材S455の突設柱部S455aの移動軌跡を含む形状とされていることから、動作アーム部材S455が受入凹部S2358に進入する態様で終端位置まで回転移動可能となっている。動作アーム部材S455が終端位置まで回転移動されることで、第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出される。
従って、本実施形態によれば、動作部材S310を露出状態にさせる方向に操作した場合において、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第1の移動態様(変位態様)で移動されることで第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが即座に検出される場合と、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第2の移動態様(変位態様)で移動されることで第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されない場合と、のみならず、スライド体S2350及び動作アーム部材S455が第2の移動態様(変位態様)で移動されることで第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出されない状態の後で、駆動モータS441の駆動により動作アーム部材S455が移動されることで第2検出センサSSC2に動作アーム部材S455の被検出部S455bが検出される場合と、が発生し得る。
これにより、動作部材S310の操作直後に第2検出センサSSC2の検出結果に基づく演出が進行するか否かだけでなく、演出が進行しなかった場合であっても、遅れて(操作完了後に)演出が進行するかもしれないという期待感をもって遊技させることができる。これにより、遊技者の遊技に対する集中力を維持させることができる。
次いで、図483から図486を参照し、第81実施形態における操作デバイスS3300について説明する。上記第79実施形態では、スライド体S350と連動される動作アーム部材S455は被検出部S455bが一体成形されており、動作部材S310が露出状態まで移動された場合に第2検出センサSSC2の検出溝に位置され、検出される場合を説明したが、第81実施形態では、スライド体S350と連動される動作アーム部材S3455は被検出部S3455bが別体で相対移動可能に構成されており、被検出部S3455bの相対移動により、動作部材S310が露出状態まで移動された場合に第2検出センサSSC2の検出溝に被検出部S3455bが位置されないことによって第2検出センサSSC2に検出されない場合が発生し得るよう構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
また、本実施形態では、動作部材S310に対して、トーションスプリングSSP1とは逆の方向の付勢力(動作部材S310に対して右面視反時計回り方向(動作部材S310を倒す方向)の付勢力)が、トーションスプリング(図示せず)により付与される。
図483及び図484は、第81実施形態における操作デバイスS3300の右側面図であり、図485は、操作デバイスS3300の部分正面図である。図483及び図485では動作部材S310の遮蔽状態が図示され、図484では動作部材S310の露出状態が図示され、図483では、干渉部材S3380が後方に下降傾斜して安定される第1姿勢とされている状態が図示され、図484では、図483に図示される状態から回転伝達部材S3370が180度回転され、干渉部材S3380が回転先端側を第1姿勢よりも上側に位置させる第2姿勢とされている状態が図示される。
図483及び図484に図示されるように、操作デバイスS3300は、第79実施形態で上述した操作デバイスS300に対して更に、上下方向に延びる回転軸を中心に回転可能に構成される回転伝達部材S3370と、その回転伝達部材S3370の回転に連動して左右方向に延びる回転軸を中心とする回転移動により姿勢変化する干渉部材S3380とを備える。
これら回転伝達部材S3370及び干渉部材S3380を動作可能に支持するために、第79実施形態で上述した支持構造体S340は、支持構造体S3340に設計変更されている。即ち、右側の支持構造体S3340は、第79実施形態で上述した内側収容部S341と、仕切り板部S344と、を備える一方、外側蓋部S347が形状違いの外側蓋部S3347に設計変更されている。
外側蓋部S3347は、主に樹脂材料から形成されており、下端部において開口形成される矩形穴S3347aと、その矩形穴S3347aの上方位置において右方へ張り出し形成される張出支持部S3347bと、矩形穴S3347aよりも前側において下方へ延設される垂下延設部S3347cと、その垂下延設部S3347cに保持されており金属材料から円柱形状に形成される円柱部材S3347dと、を備える。
回転伝達部材S3370は、張出支持部S3347bに回転可能に支持される部材であって、円柱形状の金属材料から一部を削り取る加工により形成される部材であって、張出支持部S3347bに回転可能に支持される軸棒部S3371と、その軸棒部S3371と同心の円板形状から形成される円板状部S3372と、その円板上部S3372と同心であって軸方向視の断面形状が同一とされる伝達部S3373と、を備える。
回転伝達部材S3370は、軸棒部S3371が張出支持部S3347bに上下方向に穿設される貫通孔に下側から挿し通され、通過された上端側に脱落防止加工がされることにより、張出支持部S3347bからの脱落が防止される。
脱落防止加工としては種々の態様が例示されるが、例えば、直径方向からの荷重でつぶす態様で塑性変形させた場合に荷重の方向と交差する方向に張り出した部分を抜け止めとして利用するようにしても良いし、軸棒部S3371の直径方向に貫通孔を穿設し、その貫通孔に棒状部材を嵌合させ、その棒状部材を軸棒部S3371の外周よりも外側へ張り出させておくことにより抜け止めとして利用するようにしても良い。なお、本実施形態では、回転伝達部材S3370が金属材料であることを活用して、軸棒部S3371の先端部を張出支持部S3347bの貫通孔から脱落しない形状に塑性変形させる手段を採用している。
円板状部S3372は、上下位置が矩形穴S3347aと重なるよう配設されており、回転先端(外周面)がスライド体S350の右側面と当接する直径で形成される。当接位置を介して円板状部S3372がスライド体S350と連動(摺動)されるよう構成されていることから、スライド体S350の前後移動に基づいて回転伝達部材S3370が回転動作される。
円板状部S3372の外周部には輪状のゴム部材が巻き付けられている。これにより、スライド体S350との間で滑りが抑制され、スライド体S350から円板状部S3372への動力の伝達を効率よく行うことができる。
この場合において、スライド体S350の前後移動の際に、スライド体S350は円板状部S3372との当接が解除される位置まで移動可能とされているため(図484参照)、スライド体S350の移動量と円板状部S3372の回転移動量とは一対一で対応するものではなく、当接が解除された状態においては勢いが無くなるまで円板状部S3372の回転が継続され得る。そのため、スライド体S350の配置が同じであっても、回転伝達部材S3370の状態(位相)は同じであるとは限らないことになり、ランダム性を有する。
伝達部S3373の上面は、軸棒部S3371の中心軸線(回転軸線)と直交する平面に対して傾斜する平面でカットされた形状となっている。そのため、最も下側の位置に形成される下位置部S3373aと、最も上側の位置に形成される上位置部S3373bとが反対側(180度ずれた位置)に形成される(図485参照)。
干渉部材S3380は、円柱部材S3347dに回転移動可能に支持される部材であって、円柱部材S3347dが挿通される貫通孔が基端側に形成される棒状の本体部S3381と、その本体部S3381の途中位置から幅方向に延設されており延設先端において回転伝達部材S3370側に突設される突設部を有する被支持部S3382と、本体部S3381の回転先端側から動作アーム部材S3455の被検出部S3455b側(図483紙面奥側)へ向けて延設される干渉延設部S3383と、を備える。
図485に図示されるように、操作デバイスS3300において動作部材S310に正面視で隠されない位置に動作アーム部材S3455の被検出部S3455bが位置される。そのため、上下皿ユニットS15を透過性の樹脂材料から形成することにより、被検出部S3455bを遊技者が視認可能となるように構成することができる。そのため、被検出部S3455bの状態を知りたい場合に、遊技者は、被検出部S3455bに注目することで被検出部S3455bの状態(第1検出センサSSC1に検出されるか、第2検出センサSSC2に検出されるか、検出が生じないか)を把握することができるため、被検出部S3455bに遊技者の視線を集める状態を構成することができる。
図486(a)及び図486(b)は、動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S350、回転伝達部材S3370、干渉部材S3380及び動作アーム部材S3455の模式図である。
図486(a)及び図486(b)では、動作部材S310、追従動作部材S330、スライド体S350、回転伝達部材S3370、干渉部材S3380及び動作アーム部材S3455の対応関係が模式的に図示されており、図486(a)では、遮蔽状態(図457参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示されると共に干渉部材S3380が第1姿勢とされる状態が図示され、図486(b)では、露出状態(図458参照)における動作部材S310の延設円柱部S312が図示されると共に干渉部材S3380が第2姿勢とされる状態が図示される。なお、理解を容易とするために、回転伝達部材S3370の軸棒部S3371における円板上部S3372よりも上方側へ延びる部分の図示が省略されている。
動作アーム部材S3455は、突設柱部S455aが形成される変位体と、被検出部S3455bが形成される変位体とが別体で形成されており、これらが同心で相対的に回転移動可能(共通の回転軸線として第2支柱S444の中心軸を設定、図466参照)に構成されており、トーションスプリングSSP35により被検出部S3455bに対して右面視反時計回り方向の付勢力が付与されており、被検出部S3455bに何ら近接力が付与されていない場合には突設柱部S455aとの位置関係が、動作アーム部材S455の被検出部S455bとして上述したものと同様となるように維持されるよう被検出部S3455bの回転移動の終端位置(付勢力により付勢される方向の回転移動の終端位置)が設定される形状で構成される。
干渉部材S3380の被支持部S3382は、先端の突設部が回転伝達部材S3370の伝達部S3373の上面に下支えされるよう配設される。伝達部S3373の上面は水平面に対して傾斜する平面なので、被支持部S3382が支持される高さが回転伝達部材S3370の回転に連動して変化されるので、回転伝達部材S3370の回転に連動して干渉部材S3380の姿勢が変化される。
干渉部材S3380は、第1姿勢では、動作アーム部材S3455の被検出部S3455bの移動軌跡(移動可能領域)から干渉延設部S3383が退避されており(図486(a)参照)、第2姿勢では、動作アーム部材S3455の被検出部S3455bの移動軌跡(移動可能領域)に干渉延設部S3383が進入している。
干渉部材S3380が第1姿勢とされている場合には、動作アーム部材S3455は第79実施形態で上述した動作アーム部材S455と同様に形状が維持されたまま回転移動(回転変位)される。一方で、干渉部材S3380が第2姿勢とされている場合には、動作アーム部材S3455の被検出部S3455bの移動が干渉延設部S3383に阻害され、被検出部S3455bが動作アーム部材S3455の突設柱部S455aとの間の角度が小さくなる側に向かって突設柱部S455aに対して相対変位される。即ち、被検出部S3455bの変位態様が変化される。
このように、第81実施形態では、スライド体S350を介する荷重伝達によって回転伝達部材S3370の回転動作が生じることに基づいて、被案内物体であるスライド体S350及び動作アーム部材S3455の移動態様(変位態様)が変化される。
これにより、動作部材S310が露出状態とされた場合であっても、第2検出センサSSC2の検出溝に被検出部S3455bが位置する場合(スライド体S350が前方へ移動される際に干渉部材S3380が第1姿勢(図486(a)参照)側へ退避されることで被検出部S3455bの移動が干渉部材S3380に阻害されなかった場合)と、第2検出センサSSC2の検出溝に被検出部S3455bが位置しない場合(図486(b)参照)とが発生し得る。そのため、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態へ向けて移動させるという同一の操作が行われる場合において、異なる入力を発生させることが可能であって、演出態様のバリエーションを増やすことができる。
第81実施形態では、動作部材S310を遮蔽状態から露出状態へ向けて移動させる場合におけるスライド体S350の移動態様は、干渉部材S3380の状態に関わらず、同様とされるので、動作部材S310を介して遊技者が受ける反力は異なるものではない。
干渉部材S3380が被検出部S3455bの変位を阻害する際には、その分の抵抗力がスライド体S350を介して動作部材S310に伝達されることにはなるが、抵抗力を生じさせるトーションスプリングSSP35の付勢力が、動作部材S310に(倒れる方向の)付勢力を与えるトーションスプリングにより生じる付勢力に比較して著しく小さくなるように構成されていることから、干渉部材S3380の態様に関わらず同様の操作感で動作部材S310の操作をさせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、球発射ユニットH112aが、内枠H12に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球発射ユニットH112aが正面枠S14に配設されても良い。この場合、正面枠S14が開放された状態において遊技球の発射が生じることを防止することができる。
上記各実施形態では、操作デバイスS300がパチンコ機S10に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作デバイスS300を他のパチンコ機K10,H10,P10,P6010,P7010,P8010に配設しても良いし、逆に、他のパチンコ機K10,H10,P10,P6010,P7010,P8010の操作デバイスをパチンコ機S10の操作デバイスS300に代替しても良い。そもそも、代替が可能となるように、配置位置が同一となるように構成されている。
上記各実施形態では、操作デバイスS300の操作に対応して第3図柄表示装置H81の表示が変更される(更新される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示の変更に加えて(又は代えて)、電飾部H29~H33に内蔵されるLED等の発光手が発光制御されるようにしても良い。この場合、第3図柄表示装置H81の表示領域とは異なる領域を使って、操作に対応する演出を実行することができ、遊技者の視認領域を広げることができる。
上記各実施形態では、動作部材S310の形状を伝って変位した先の位置に第2動作部材S320が位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310の形状を伝って手を移動させても第2動作部材S320に触れない程度に動作部材S310から第2動作部材S320が離間して配置されても良い。この場合、遊技者が誤って動作部材S310と第2動作部材S320との間に指を挟む事態を避けることができる。
上記各実施形態では、第2動作部材S320の操作のために動作部材S310を露出状態とする必要がある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310が遮蔽状態からの下降動作により第2動作部材S320と当接可能に構成しても良い。この場合、動作部材S310を遮蔽状態で維持させながら、動作部材S310を押し込み方向に操作することで、動作部材S310を介して第2動作部材S320に荷重を与えることが可能であって、第2動作部材S320の操作を実行させることができる。この場合において、第2動作部材S320の動作範囲を適切に設定することにより、第2動作部材S320の動作に基づく第3検出センサSSC3による検出を実行させることができる。
上記各実施形態では、第2動作部材S320の動作に対応して回転検出部材S410が動作され、その回転検出部材S410が第3検出センサSSC3により検出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2動作部材S320に被検出部が形成され、その被検出部が検出溝に進入可能となる位置に別個の検出センサが配設されるようにしても良い。この場合、部材個数を削減させることができると共に、第2動作部材S320の微小な変位も検出し易くすることができるので、第2動作部材S320の振動による動作を利用した演出を実行し易くすることができる。
上記各実施形態では、動作部材S310の回転軸と、第2動作部材S320の回転軸とが、同軸ではない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310の回転軸と、第2動作部材S320の回転軸とが、同軸(同一直線上)となるように構成されても良い。この場合、操作方向を同一(同軸円状)とすることができるので、遊技者の操作難易度を下げることができ、操作負担を低減することができる。
上記各実施形態では、回転検出部材S410が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属材料から形成されるようにしても良いし、少なくとも対向部S411が金属材料から形成されても良い。この場合、第2動作部材S320からの荷重により破損が生じることを防止し易くすることができる。また、少なくとも被検出部S412を樹脂材料から形成することで、第3検出センサSSC3との衝突が生じたとしても、第3検出センサSSC3を破損させることを防止し易くすることができる。
上記各実施形態では、第1クラッチギアS445及び第2クラッチギアS446が、係合状態と係合解除状態とで切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係合状態を常に維持可能に構成しても良い。この場合、駆動力の伝達を安定させることができる。この場合において、第2クラッチギアS446を第1クラッチギアS445側に押し付ける方向の駆動力を生じる電磁ソレノイドを配設しても良い。この場合、電磁ソレノイドに印加する電流の調整によって、係合解除状態を構成する場合(電磁力弱)と、係合解除状態を構成しない場合(電磁力強)とを構成することができる。また、第2クラッチギアS446が伝達ギアS447との噛み合いが外れる位置まで第1クラッチギアS445から離間した場合であっても、再度第1クラッチギアS445に近接させる動作を生じさせ易くすることができる。
上記各実施形態では、第2クラッチギアS446が軸方向に変位することで第1クラッチギアS445と衝突する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2クラッチギアS446の右側から径方向外側へ向けてフランジ状の衝突部が形成され、その衝突部が、伝達ギアS447と衝突可能に構成されても良い。この場合、第2クラッチギアS446の衝突する箇所を複数位置とすることができるので、各衝突位置に生じる荷重を低減することができる。
更に、これに加えて、又は代えて、第2クラッチギアS446と左右方向で対向配置される突条状の突設部が左側支持体S442の内側面から右方に突設形成されており、第2クラッチギアS446がコイルスプリングSSP3の付勢力の方向に移動された場合に、左側支持体S442の突設部と衝突されるように構成しても良い。この場合、第2クラッチギアS446の衝突する箇所を複数位置とすることができるので、各衝突位置に生じる荷重を低減することができる。
この場合において、左側支持体S442の突設部は、左側支持体S442に一体形成されても良いし、別体の部材が配設されても良い。別体とする場合において、左側支持体S442自体や、伝達ギアS447の素材よりも硬い素材を選んでも良いし、柔らかい素材を選んでも良い。特に、柔らかい素材を選ぶようにすれば、衝突時において左側支持体S442に伝達される衝撃を緩和することができると同時に、これにより荷重が低減された状態で伝達ギアS447に当接させることができるので、衝突部位の破損を避けることができる。
また、第2クラッチギアS446からフランジ状に形成される衝突部が、位置のずれにより、伝達ギアS447に衝突しない場合には特に、生じる衝突音を小さく抑えることができるので、衝突音が常に大きい場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
上記各実施形態では、動作部材S310の動作に対応して第2検出センサSSC2において検出がされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1検出センサSSC1と第2検出センサSSC2との間に追加の検出センサが配設され、その追加の検出センサにより検出がされた場合に、特定の演出を実行させるようにしても良い。この場合に、第2検出センサSSC2での検出が生じた場合に実行される演出と異なる演出が実行されても良いし、同じ演出が実行されても良い。
上記各実施形態では、第1継続態様の駆動が動作部材S310の操作態様に関わらず継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310を露出状態として第2動作部材S320を操作すると第1継続態様が停止されるようにしても良い。この場合、第2動作部材S320の操作のために動作部材S310を露出状態から移動しないように押さえておくという煩雑な操作を回避できると共に、その操作を回避できたことにより、第2動作部材S320を操作するために掴んだ遊技者の手が動作部材S310に挟まれる事態を避けることができる。
また、第1継続態様の停止は、動作部材S310の動作と第2動作部材S320の動作順序を条件としても良いし、条件としなくても良い。例えば、動作部材S310の遮蔽状態において第2動作部材S320を操作可能に構成されている場合において、動作部材S310を遮蔽状態に維持しつつ第2動作部材S320を操作することにより、第1継続態様の駆動が停止されても良い。この場合、第1継続態様による音の発生を、動作部材S310の操作を要することなく止めることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
上記各実施形態では、パチンコ機S10が、演出実行タイミングST10よりも前のタイミングであって、操作期間外の事前タイミングST11,ST12,ST13における動作部材S310の状態を検出して制御に活用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作期間外での動作部材S310の状態の検出による判断はしないように制御しても良い(そもそも検出をしないように構成しても良い)。この場合、操作期間外で操作して状態を変えておくことで操作期間が開始された後の演出態様を好みの態様にするという遊技が可能となるので、遊技者が遊技環境を自由にカスタマイズすることができ、遊技の自由度を向上させることができる。
上記各実施形態では、動作部材S310の操作を行った場合に第3図柄表示装置H81で「OK」の文字表示が特定の確率で表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作タイミングに対応して表示が実行される確率が変わるようにしても良く、そのことを制限時間の表示と共に、報知しても良い。この場合、動作部材S310の操作に集中させることができる。
上記各実施形態では、動作部材S310の操作に基づいて第3図柄表示装置H81において「OK」の文字表示が確率でされ、その後の演出実行タイミングST10の到達に基づいて強操作表示演出SD01が実行され、タイマー表示による制限時間内に第2動作部材S320に対する押し込みの操作(レバーを引く方向の操作)が行われたと検出されると、第3図柄表示装置H81において「スーパー大当たり」の文字表示がされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各文字表示は、静止画として表示されても良いし、動画として表示されても良い。動画の場合、静止画に比較して識別し難くすることができるので、なんとかして識別しようとする遊技者の視線を集め易い。
動画としては、例えば、第3図柄表示装置H81の表示領域中または表示領域外を含む仮想の領域(表示領域の端から外へ移動する場合には表示領域からは消える)を文字表示が移動するように表示するように制御しても良いし、文字表示が移動するように表示された後で静止画同様に停止するように表示するように制御しても良い。
この場合において、一度停止した文字表示は、その停止の時間長さによらず再動作はしないように構成しても良い。この場合、文字表示の停止を識別し易くすることができる。また、停止の時間長さの長短によっては(例えば、0.5秒よりも短い期間の停止の場合には)、再動作が開始されて再度停止されるように構成しても良い。この場合、文字表示に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、動作部材S310の操作に基づいて第3図柄表示装置H81においてされる表示は「OK」の文字表示に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、次操作の存在を示唆する「NEXT」の文字表示でも良いし、遊技者に有利であることを示唆する「CHANCE」の文字表示でも良いし、パチンコ機S10に採用されたルールに基づいて特定の意味を遊技者に報知する「1」~「13」等の数字でも良いし、文字表示ではなく、物語の登場キャラクター等を示す絵柄や、その他のイラストや模様でも良い。
なお、第2動作部材S320に対する押し込みの操作(レバーを引く方向の操作)が行われたと検出されることに基づいて第3図柄表示装置H81において生じる表示は、「スーパー大当たり」の文字表示に限られるものではなく、種々の態様が例示される。
例えば、遊技機の特徴を含む文字表示でも良い。この場合において、動作部材S310が貝を模していることから、「貝全開ボーナス」の文字表示をしても良い。例えば、遊技により得られる利益(遊技価値)を報知するものでも良い。
また、例えば、遊技進行のベースを報知するものでも良い。この場合において、進行される遊技態様にかかる情報の報知が続いて表示されても良い。即ち、大当たり報知後に進行される遊技が「右打ち」を要求する場合(右打ち遊技状態となる場合)、「スーパー大当たり」の文字表示に続いて、「右打ち」の文字表示および右向き矢印が第3図柄表示装置H81において表示されることで、遊技者は「右打ち」で遊技を行えばいいことを容易に把握することができる(右打ちの遊技状態であることを把握することができる)。
なお、進行される遊技態様にかかる情報の報知は、文字表示に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、変動演出として、複数の登場キャラクターをベースに展開される物語のあらすじを説明する動画やテキストが表示されても良いし、抽選変動から大当たり獲得までの流れを説明する動画やテキストが表示されても良い。
上記各実施形態では、第1事前タイミングST11において遮蔽状態からの動作部材S310の操作を促す表示演出が実行されるものであって、第1事前タイミングST11から5秒経過することで演出実行タイミングST10が到来し、演出実行タイミングST10から5秒経過すると図柄が停止して、「スーパー大当たり」等の文字表示がされることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310の操作を促す表示演出に沿って動作部材S310の操作が実行されたことに基づいて「OK」の文字表示が実行されてから、演出実行タイミングST10が到来するまでの期間が可変となるように制御されても良い(同様に、図柄停止タイミングや、「スーパー大当たり」等の文字表示の実行タイミングも可変となるように制御されても良い)。この場合、操作デバイスS300の駆動タイミングや、操作デバイスS300の操作に基づく報知がされるタイミングを不定とすることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるので、操作デバイスS300への注目力を高い状態で維持させることができる。
上記各実施形態では、第1制御態様SP01として制御の一例を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310を開放させる報知が実行されずに、正方向への駆動モータS441の回転駆動が実行される場合を構成可能としても良い。この場合、短い期間(細切れの期間)を操作演出に有効に利用することができる。
また、動作部材S310の押し込みを示唆する報知が単独で実行される制御を構成しても良いし、動作部材S310の状態に関わらず第2動作部材S320の操作を示唆する報知を表示して、デバイスと表示とのチグハグさで演出を実行しても良い。
上記各実施形態では、第2制御態様SP02として、第1制御態様SP01の制御に存在する動作部材S310を開放させる報知が用意されない制御態様を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1制御態様SP01での制御を実行中において、動作部材S310の状態の検出に基づいて(即ち、露出状態であることの検出をもって)動作部材S310を開放させる報知がキャンセルされるように構成しても良い。この場合、第2制御態様SP02を用意する必要をなくすことができるので、データ容量を有効利用することができる。
上記各実施形態では、第3制御態様SP03として制御の一例を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作示唆の表示の直前に動作部材S310が露出状態とされた場合において、動作部材S310が遮蔽状態となった上で押し込みが検出されることを演出の進行に必要とするのではなく、露出状態とされたことは第2検出センサSSC2での検出により判断させた上で、可変抵抗器S360の抵抗値の変化から動作部材S310の遮蔽状態からの押し込み操作の角度と同様の角度の操作があったことに基づいて、演出を進行させるようにしても良い。この場合、露出状態から遮蔽状態へ到達させた上での押し込み操作を要する場合に比較して、操作が間延びすることを防止することができる。
上記各実施形態では、常時駆動の第1継続態様は、操作量に対応せず、一定駆動である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作された後の動作部材S310が初期位置まで戻る時間を一定とする制御を構成しても良い。この場合、遮蔽状態からの操作量が大きいほど、駆動モータS441の駆動速度が大となり、動作部材S310を動かないように押さえておく場合に第1クラッチギアS445と第2クラッチギアS446とが係合状態と係合解除状態とを繰り返すことにより生じる音の密度(頻度)が大となることから、遊技者に感じさせる音の質感を大きく(強く)することができる。
これにより、動作部材S310の操作量と、遊技者に聞かせる音との対応のバランス感を向上させることができ、違和感なく遊技をさせることができる。即ち、少操作だと演出が進まない原因になり、過操作だと、デバイスに対して過荷重がかかってしまい、故障の原因となるばかりでなく、なにより遊技者が疲れることになるが、これらの原因は適切な操作量を遊技者が把握できていないことが原因であることが多い所、音により適切な操作量を把握させることにより、これらの問題点の早期解決を図ることができる。
上記各実施形態では、常時駆動の第1継続態様が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、常時ではなく、動作部材S310に遊技者が触れたことを検出した場合に駆動制御されるように構成しても良い。これにより、回転動作物体である第1クラッチギアS445と第2クラッチギアS446とが係合状態と係合解除状態とを繰り返すことにより生じる音の発生を、動作部材S310に遊技者が触れている期間に限定することができるので、常に音が鳴って故障かと疑われる事態を避けることができる。
上記第80実施形態では、被衝突部S2345が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被衝突部S2345が可動に構成され、駆動装置により動作されても良い。この場合、スライド体S2350の変位態様を駆動により変化させることが可能とされ、即ち、強演出が生じるか否かに基づいて、スライド体S2350の変位態様を切り替えるよう制御することができる。また、被衝突部S2345の動作が、第2動作部材S320の操作に基づいて実行されても良い。即ち、第2動作部材S320の操作がされたことが検出されたことに基づいて、被衝突部S2345が下降移動されるように駆動され、スライド体S2350の変位態様が、動作アーム部材S455が第2検出センサSSC2に検出されない態様とされても良い。
上記第80実施形態では、被衝突部S2345が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被衝突部S2345が金属材料から形成されても良い。この場合、被衝突部S2345が衝突により破損する等、形状が変化することを避け易い。また、被衝突部S2345の突設先端側が大きくなるように構成しても良い。この場合、突設先端側と衝突したスライド体S2350を突設基端側へ寄せることができるので、スライド体S2350の変位を安定させることができる。
上記第80実施形態では、被衝突部S2345に当接して前方側へ変位したスライド体S2350は、同じ経路を戻るようにして後方側へ変位可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド体S2350を後方に吸引する機構および下方に送り出す機構を設け、空気圧や(電)磁力により、前方側への変位の経路とは異なる経路でスライド体S2350が後方へ復帰するように構成しても良い。この場合、好適にスライド体S2350の配置をリセットさせることができ、偶然性に任せる場合に比較して復帰がうまくいかないということを避けやすくすることができる。
上記第81実施形態では、円板状部S3372の滑りの抑制をゴム素材での摩擦により行ったが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形状で行っても良い。例えば、円板状部S3372の外周に沿って複数の凹凸形状が形成されることで、滑らかな形状に比較して滑りの発生を抑制できるようにしても良い。
上記第81実施形態では、円板状部S3372がスライド体S350と離間している場合にも回転可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド体S350との当接時にしか回転動作はしないが、一方向にしか回転しないようになっており、スライド体S350の位置と円板状部S3372の位置との関係がずれるように構成しても良い。この場合、回転伝達部材S3370が勢いよく回転することにより干渉部材S3380が高速動作する事態を避け易いので、他の箇所との衝突により干渉部材S3380が破損することを防止することができる。
上記第81実施形態では、上下皿ユニットS15が透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下皿ユニットS15を透過性の樹脂材料ではなく、非透過性の材料から形成することにより、動作アーム部材S3455の目視での視認を防止しても良い。この場合、目視で確認できなくすることで、演出に注目させられる。
上記各実施形態では、動作部材S310の操作を回転移動により行わせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310の操作はタッチ式での操作を可能としても良い。この場合において、動作部材S310が遮蔽状態となっていても、追従動作部材S330を押し下げることで第2動作部材S320への経路を確保でき、第2動作部材S320の操作をすることが可能とされる。
上記各実施形態では、動作部材S310の動作可能角度範囲内において、動作が規制されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作部材S310の露出方向への移動を規制する規制部材(ロック部材)を構成しても良い。この場合、操作を示唆する期間外に移動の規制を行うことで、意図しないタイミングで遮蔽状態から動作部材S310が動かされることを回避できるので、動作部材S310の動作パターンを最小限に抑えることができ、採用する制御パターンの数を少なくすることができる。
上記各実施形態では、被衝突部S2345と、回転伝達部材S3370及び干渉部材S3380とを、別々に説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被衝突部S2345と、回転伝達部材S3370及び干渉部材S3380とを、同時に採用しても良い。
上記各実施形態では、スライド体S350,S2350が形状固定の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド体S350,S2350が、付勢力で一体化されているものであって、荷重により分離可能に構成しても良い。この場合において、荷重を付与する動作部材が、駆動力によりスライド体S350,S2350に近接離反する方向で動作するものであって、近接し当接により荷重が付与された場合に、付勢力での一体化の態様を変化(一部分離など)させることで、スライド体S350,S2350の変位態様が変化され、動作アーム部材S455,S3455の動作態様が変化され、第2検出センサSSC2の検出が生じるか否かが変わるように構成しても良い。
上記各実施形態において、音声ランプ制御装置H113での判断で実行されると説明された制御は、主制御装置H110で実行されても良い。また、主制御装置H110での判断で実行されると説明された制御は、音声ランプ制御装置H113で実行されても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<第1操作手段を第2操作手段で隠したり露出させたりする構成>
第1操作手段と、その第1操作手段の所定部を所定方向視で露出させる第1状態と当該第1状態よりも前記所定部を視認され難くさせる第2状態とで切り替え可能な第2操作手段と、を備え、前記第2操作手段の所定の操作量に対応した変位量で変位手段が変位されるように構成され、前記変位手段が所定位置に位置したことを検出可能な検出手段と、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記変位手段に伝達させる伝達手段と、を備え、所定期間において前記第2操作手段を前記第2状態から前記第1状態へ切り替える態様で実行される所定操作に基づいて前記検出手段によって所定の検出がされた場合に第1の演出が実行可能に構成され、少なくとも前記第2操作手段が前記第1状態である場合において、前記第1操作手段に対して特定操作を行うことが可能に構成され、前記特定操作が所定期間継続して実行された場合に、前記第1の演出とは異なる第2の演出が実行されるように構成されていることを特徴とする遊技機SA1。
パチンコ機等の遊技機において、操作手段を隠す状態と露出させる状態とで開閉動作する可動蓋部材を備える遊技機がある(例えば、特開2012-48970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、操作手段を操作させる場合には可動蓋部材が操作手段を露出させる状態となるため、可動蓋部材が操作手段を隠す状態では、操作手段の操作が生じないことを遊技者が気づいてしまい、操作手段の操作を促す報知を効果的に行うことができず、操作手段を隠す状態と露出させる状態とを好適に構成する観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SA1によれば、第2状態から第1状態へ切り替える態様で実行される所定操作に基づいて検出手段によって所定の検出がされた場合に第1の演出が実行され、更に、第1操作手段に対する特定操作が所定期間継続して実行された場合に演出が第2の演出となるように構成されることから、第2操作手段が第1状態であるか第2状態であるかに関わらず、第1操作手段の操作に対する期待感を向上させることができる(第2操作手段が第2状態である場合であっても、第2操作手段を第2状態から第1状態へ切り替える態様の操作に基づく第1操作手段の操作が実行可能となっており、その操作が促されることに対する期待感を向上させることができる)。従って、操作手段を隠す状態と露出させる状態とを好適に構成することができる。
また、第1操作手段および第2操作手段を利用した一連の操作演出とすることで、単発の操作演出に比較して演出期間を長く用意することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機SA1において、少なくとも前記所定操作が実行されている場合において、前記伝達手段が遊技機の所定部と衝突することによる音を生じさせることが可能に構成されることを特徴とする遊技機SA2。
遊技機SA2によれば、遊技機SA1の奏する効果に加え、伝達手段と所定部との衝突に基づく音により、第2操作手段を操作している遊技者に対して操作している実感を生じさせることができ、更に、演出内容に関わらず(演出との関係における要否に関わらず)音を生じさせることにより、伝達手段により伝達される駆動手段の駆動力により第2操作手段を第2状態に切り替える制御が実行された場合に生じた音なのかどうかを遊技者に分かり難くさせることができるので、演出の展開を予想し難くすることができ、演出に集中させることができる。
遊技機SA1又はSA2において、前記所定操作が実行されている場合における前記変位手段の変位態様が第1の変位態様または第2の変位態様で変化可能となるように構成され、前記変位手段が前記第1の変位態様で変位される場合に前記所定の検出がされ、前記変位手段が前記第2の変位態様で変位される場合に前記所定の検出がされないことを特徴とする遊技機SA3。
遊技機SA3によれば、遊技機SA1又はSA2の奏する効果に加え、第2操作手段に対する操作意欲を向上させることができる。即ち、第2操作手段に対して所定操作を実行した場合に検出手段に所定の検出がされることが確定している場合、実行される演出の態様により遊技者は何らかの情報を得ることが可能となるが、例えば、第1の演出が実行されたらほぼ大当たりであるが、第1の演出が実行されなかった場合に当該変動がほぼ外れとなるよう構成されている場合、第2操作手段を操作することによる利益よりも不利益(外れが報知されるよりも前にほぼ外れであると知ること)の方が大きく、第2操作手段の操作を行わないようになる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SA3によれば、第2操作手段に対して所定操作を実行した場合に検出手段に所定の検出がされるかどうかは、変位手段の変位態様によって変化するため、所定の検出がされた場合に、第1の演出が実行されたらほぼ大当たりであるが、第1の演出が実行されなかった場合には当該変動がほぼ外れとなるよう構成されていたとしても、第1の演出が実行されないことが、所定の検出がされた結果なのか、変位手段の変位態様によるものなのか区別できないように構成することで、遊技者に対して大当たりの期待感を持ち続けさせることができる。そのため、遊技者が第2操作手段を操作することにより受ける不利益を低減することができ、第1の演出が実行されることを狙って第2操作手段を操作する意欲を向上させることができる。
遊技機SA1からSA3のいずれかにおいて、前記第1の演出は、所定の表示を第1表示状態よりも識別し難くする第2表示状態とする状態を含む態様で実行され、前記第2の演出は、所定の操作の示唆を含み、前記第1表示状態とされた前記所定の表示に重ねて実行されることを特徴とする遊技機SA4。
遊技機SA4によれば、遊技機SA1からSA3のいずれかの奏する効果に加え、第2の演出の方が、所定の表示についての識別の難易度が第1の演出よりも高いように構成されることにより、遊技者が第2の演出の実行を望み易いようにでき、第2操作手段の操作を抑制する効果を高めることができる。
遊技機SA1からSA4のいずれかにおいて、前記所定期間とは異なる演出期間において、前記第2操作手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる態様の動作を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機SA5。
遊技機SA5によれば、遊技機SA1からSA4のいずれかの奏する効果に加え、演出期間において所定の検出がされることを防止し、第2の演出を効率的に実行可能に構成できる。
遊技機SA1からSA5のいずれかにおいて、前記駆動手段は、前記変位手段を変位させる駆動力を定期的に発生可能に制御されることを特徴とする遊技機SA6。
遊技機SA6によれば、遊技機SA1からSA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が第2操作手段を第1状態にしたまま放置したとしても、第2操作手段を第2状態に戻す方向への駆動を駆動手段により定期的に生じさせることができ、演出に対する影響を最小限に抑えることができる。
遊技機SA1からSA6のいずれかにおいて、付勢手段を有し、前記伝達手段は、前記付勢手段の付勢力に基づく所定角度での回転動作ごとに衝突音が生じるよう構成されることを特徴とする遊技機SA7。
遊技機SA7によれば、遊技機SA1からSA6のいずれかの奏する効果に加え、音により遊技者に異常を認識させることができる。
遊技機SA1からSA7のいずれかにおいて、前記第2操作手段が前記第1状態とされ前記第1操作手段が操作された場合に、前記駆動手段の駆動が停止されることを特徴とする遊技機SA8。
遊技機SA8によれば、遊技機SA1からSA7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の駆動の停止によって変位手段の駆動力による変位を防止することで、第2操作手段が、第1操作手段を操作する遊技者の手に衝突することを避けることができる。
遊技機SA1からSA8のいずれかにおいて、第1操作手段の操作方向は所定の回転動作方向であって、第2操作手段の操作方向と異なることを特徴とする遊技機SA9。
遊技機SA9によれば、遊技機SA1からSA8のいずれかの奏する効果に加え、第1操作手段と第2操作手段とが連動することを避け易くすることができる。
遊技機SA1からSA9のいずれかにおいて、前記所定の検出は、前記第2操作手段が前記第1状態とされた場合に実行され、前記第2操作手段が前記第2状態と前記第1状態との間の途中状態とされた場合には実行されないことを特徴とする遊技機SA10。
遊技機SA10によれば、遊技機SA1からSA9のいずれかの奏する効果に加え、第2操作手段の操作量が十分でない場合にまで所定の検出がされることを避けることができ、開放操作を目的としない、例えば、第1操作手段の発光態様の確認のために隙間を空けるために視界を確保するための小さな操作でまで第1の演出が実行されることを回避することができるので、遊技者の遊技の自由度を高めることができる。
遊技機SA1からSA10のいずれかにおいて、前記第2操作手段の操作は、正方向操作と、逆方向操作とが可能とされることを特徴とする遊技機SA11。
遊技機SA11によれば、遊技機SA1からSA10のいずれかの奏する効果に加え、第2操作手段を操作手段として有効活用することができる。
遊技機SA1からSA11のいずれかにおいて、前記第2操作手段の前記第2状態においても、前記第1操作手段を操作させることが可能に構成されることを特徴とする遊技機SA12。
遊技機SA12によれば、遊技機SA1からSA11のいずれかの奏する効果に加え、操作態様のバリエーションを増やし、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
遊技機SA1からSA12のいずれかにおいて、前記第2操作手段が前記第2状態とされている場合において前記所定の検出が実行され得るように構成されることを特徴とする遊技機SA13。
遊技機SA13によれば、遊技機SA1からSA12のいずれかの奏する効果に加え、第2操作手段が第2状態で維持されているにも関わらず第1の演出が実行されるという演出態様を構成でき、遊技者に違和感を与える演出を実行することで、遊技者の注目力を高めることができる。
遊技機SA1からSA13のいずれかにおいて、前記第2操作手段は、所定の回転軸線を中心とした回転移動によって前記第1状態と前記第2状態とが切替可能とされ、前記第2操作手段の特定部は、前記第2操作手段が前記第2状態である場合よりも前記第2操作手段が前記第1状態である場合の方が前記第1操作手段に対して離間され、前記特定部から前記第2操作手段の前記所定の回転軸方向視における外形線に沿って変位した位置に前記第1操作手段が位置されることを特徴とする遊技機SA14。
遊技機SA14によれば、遊技機SA1からSA13のいずれかの奏する効果に加え、第2操作手段を第2状態から第1状態へ切り替える態様で実行される所定操作の際に第1操作手段に触れてしまい、意図せず第1操作手段を操作する事態を避けることができ、両手を使った操作を促進することができると共に、第2操作手段の外形線を伝うことで第1操作手段の位置に手を移動させることができるので、目視で確認することなく、第2操作手段を操作した後の第1操作手段の操作が容易に行うことができるため、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SA1からSA14のいずれかにおいて、前記第1操作手段の前記特定操作に対応して動作される対応動作手段を備え、前記対応動作手段に対して所定方向の付勢力を生じる付勢手段と、前記対応動作手段が所定位置に位置したことを検出可能な第2検出手段と、を備え、前記付勢手段による付勢力が前記第1操作手段に伝達可能に構成されることを特徴とする遊技機SA15。
遊技機SA15によれば、遊技機SA1からSA14のいずれかの奏する効果に加え、第1操作手段に触れてしまった程度の場合に第2検出手段による検出がされることを避けられるため、誤操作によって演出が進行される事態を防止することができる。
遊技機SA1からSA15のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記伝達手段を介して前記駆動手段の駆動力を前記変位手段に伝達させる伝達状態と、前記変位手段に駆動力を伝達させない非伝達状態とを構成可能であって、少なくとも前記所定操作が実行される場合において、前記伝達状態と前記非伝達状態とを交互に切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機SA16。
遊技機SA16によれば、遊技機SA1からSA15のいずれかの奏する効果に加え、伝達状態が維持される場合には、所定操作を行う遊技者に対して駆動手段の負荷が第2操作手段を介して常時与えられることになり操作感が重すぎて遊技者を疲労させてしまう一方、非伝達状態が維持される場合には、操作感が軽すぎて操作しているという実感を遊技者に与えることができない。これに対し、所定操作を行う遊技者に対して程よい操作抵抗を与えることができる。
切り替えの態様(リズム)については、種々の態様が例示されるが、第2操作手段の操作態様に因らず一定となるように構成しても良い。この場合、第2操作手段の操作量が大きくなるほど伝達状態の割合が非伝達状態に比較して大きくなる(抵抗が重くなる)よう構成される場合に比較して、操作感を軽くすることができ、力の弱い遊技者でも操作が容易となるようにできる。
遊技機SA1からSA16のいずれかにおいて、前記第2操作手段が前記第1状態とされ駆動手段の駆動が実行されている場合において、前記第1操作手段が操作された場合、前記駆動手段の駆動が停止されることを特徴とする遊技機SA17。
遊技機SA17によれば、遊技機SA1からSA16のいずれかの奏する効果に加え、第1操作手段の操作を行う場合において変位手段を介して第2操作手段に駆動力が伝達されていると、第2操作手段も操作を維持しながら第1操作手段の操作を行う必要が生じて操作が煩雑となり得るところ、駆動手段の駆動が停止されることにより、第1操作手段の操作に集中させることができる。
遊技機SA1からSA17のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記変位中の少なくとも一部の期間において視認可能に構成されることと特徴とする遊技機SA18。
遊技機SA18によれば、遊技機SA1からSA17のいずれかの奏する効果に加え、検出手段による検出に基づいて第1の演出が実行されるタイミングよりも前において、変位手段の変位を視認することで変位手段がこれから検出手段に検出されるか否かを把握することができるので、これから実行される演出をより早く知りたい遊技者に対して、変位手段の注目力を向上させることができる。
遊技機SA1からSA18のいずれかにおいて、報知手段により所定の報知がされる期間外で前記所定操作が実行される場合において第1制御状態から前記駆動手段の駆動態様が変化される第2制御状態へと前記駆動手段の制御状態が切り替えられ、該状態の切り替えに伴って前記駆動手段の駆動態様が変化され、該変化に基づく所定の判断を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機SA19。
遊技機SA19によれば、遊技機SA1からSA18のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知がされる期間外での操作によっても制御状態が切り替えられる構成とすることで、所定の報知がされる期間外においても第2操作手段の操作を行う意義を高めることができるので、第2操作手段に対する操作意欲を高めるタイミングを増やすことができる。
遊技機SA1からSA19のいずれかにおいて、前記検出手段による検出に基づいて、前記第2操作手段の操作についての判断がされ、その判断により、前記第2操作手段を前記第1状態側で操作させる第1の報知、又は、前記第2操作手段を前記第2状態側で操作させる第2の報知を実行可能とされることを特徴とする遊技機SA20。
遊技機SA20によれば、遊技機SA1からSA19のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が第2操作手段を第1状態にしてしまった場合において、第2状態を経ての操作しかできないものとすると操作が間延びして操作意欲の減退につながることに対し、検出手段による検出に基づいて第2操作手段の操作についての判断がされることで、操作に必要となる態様を変化させることができ、これにより操作の間延びを防ぎ、報知外での第2操作手段の操作自体に意味があると遊技者に思わせることができるので、第2操作手段に対する操作意欲を向上させることができる。
遊技機SA1からSA20のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記変位手段の変位中に前記変位手段に当接可能に構成される当接手段が前記変位手段を変位させる領域を構成する構成手段に固定されており、前記変位手段の進行方向に対して、前記変位手段が前記当接手段の一側に当接するか、前記当接手段の他側に当接するかで、前記変位手段の変位態様が変化されることを特徴とする遊技機SA21。
遊技機SA21によれば、遊技機SA1からSA20のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様を異ならせる当接手段が、構成手段に固定配置されることから、構成手段が可動で構成される場合に比較して、構成手段の破損を避けることができ、耐久性を向上させることができるので、変位手段の変位態様を異ならせるという作用を長期にわたって生じさせ続けることができ、変位手段が所定位置に位置した結果として第1の演出を実行させる変位態様と、第1の演出を実行させない変位態様とを容易に実行させることができるので、第2操作手段の操作意欲を好適に維持させることができる。
遊技機SA1からSA21のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記変位手段の変位中に前記変位手段に当接可能に構成される可動手段が前記変位手段を変位させる領域を構成する構成手段に支持されており、前記変位手段と前記可動手段とが当接する場合における前記可動手段の動作態様に基づいて前記変位手段の変位態様を異ならせることができ、前記可動手段は、前記変位手段と当接する場合の動作と、前記変位手段と非当接である場合の動作とを構成可能とされることを特徴とする遊技機SA22。
遊技機SA22によれば、遊技機SA1からSA21のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が可動手段に当接する場合の勢いが異なると、変位手段と非当接とされた場合において可動手段が惰性で動作する量も異なるため、第2操作手段の操作に対応して変位する変位手段の変位量が同じであっても、可動手段の状態までが同じとはならないので、可動手段の状態を予想させることを困難とさせることができ、変位手段が所定位置に位置した結果として第1の演出を実行させる変位態様と、第1の演出を実行させない変位態様とを生じさせることができるので、第2操作手段の操作意欲を好適に維持させることができる。
遊技機SA1からSA22のいずれかにおいて、前記第2操作手段の操作量に対応して、前記駆動手段の駆動態様が変化されることを特徴とする遊技機SA23。
遊技機SA23によれば、遊技機SA1からSA22のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の駆動による音を聞くことで、第2操作手段の操作を同じ操作量で行えているかの確認を行うことができるので、第2操作手段を目視せずとも、操作不足(操作量少)や、過操作(操作量過多)が生じていることを遊技者に気付かせることができ、適切な操作量で操作を行いたいと望む遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SA1からSA23のいずれかにおいて、前記変位手段の前記検出手段による検出が前記所定操作の実行開始から遅れて生じることを特徴とする遊技機SA24。
遊技機SA24によれば、遊技機SA1からSA23のいずれかの奏する効果に加え、第2の操作手段の所定操作から遅れて第1の演出が実行される場合があることから、所定操作を行った場合に第1の演出が実行されなかったとしても、遊技者の注目力を高い状態で維持することができる。
遊技機SA1からSA24のいずれかにおいて、前記所定の検出がされる状態から、前記第2操作手段を前記所定操作における操作方向とは逆方向に所定量操作した場合においても前記所定の検出が可能となるように構成されることを特徴とする遊技機SA25。
ここで、第2操作手段の状態を第1状態で維持しておく必要がある場合、第2操作手段のせいで遊技者の操作に不便が生じる場合がある。例えば、第1状態とする場合に第2操作手段が上方に張り出す構成の場合において、遊技者が腕を移動させる経路と第2操作手段が干渉すると、貸出ボタンの操作時に第2操作手段を避けた経路で腕を伸ばす必要が生じるため、不便に感じ、第2操作手段の操作自体を止める結果をもたらす可能性があり、改善の余地がある。
これに対し、遊技機SA25によれば、遊技機SA1からSA24のいずれかの奏する効果に加え、第2操作手段を第2状態側へ移動させても所定の検出が可能とされることから、第1の演出の進行中であっても第2操作手段を第2状態側へ移動させることができるので、遊技者は、演出を楽しみながら、第2操作手段の位置を自由に調整することができ、不便さが解消される。これにより、第2操作手段の操作を好適とすることができ、遊技者の操作を促進させることができる。
遊技機SA1からSA25のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機SZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機SA1からSA25のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機SZ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機SA1からSA25のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機SZ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図487から図496を参照し、第82実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図487は、第82実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図488は、パチンコ機H10の背面図であり、図489は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図490は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図491は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図492は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図493は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図494は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図495は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図492では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図487に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図487に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図487参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図487~図495に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図487参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は枠状受部である外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図490参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図492及び図493参照)が脱着可能に配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ枠状取付部である内枠H12の背面側(矢印B方向側)における仮置き位置に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図492参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図492参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として開閉可能な部位である正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図491参照)。なお、枠状受部である内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。
なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放された内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図189参照)とを主に備えて形成される。
即ち、球発射ユニットH112aは、回転可能な部位である回転体H112a2を回転させて被案内物体である遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、動作可能な部位である。
また、回転体H112a2は、回転することで遊技球に駆動力を付与可能な部位であり、回転軸から偏心した位置に配設されるゴム部材H112a4を備える。ゴム部材H112a4は、発射レールH112a1上に送球された球に当接可能な部位であり、その当接(衝突)により変位可能な部位である球を発射可能に構成される。なお、ゴム部材H112a4は、弾性変形可能な弾性材料から形成される。これにより、ゴム部材H112aが球に衝突した際の衝撃音を小さくできる。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転体である回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2のゴム部材H112a4を衝突させることで行われる。なお、回転体H112a2は、その回転速度を変更して、ゴム部材H112a4から球が受ける駆動力を変更することで、発射された球の到達位置を変更可能とされる。
回転体H112a2に対しては、発射レールH112a1に近接配置される場合(起き上がり状態)における回転体H112a2と当接可能な位置に配設される第1弾性部材(左上側部材)と、発射レールH112a1から離間配置される場合(傾倒状態)における回転体H112a2と当接可能な位置に配設される第2弾性部材(右下側部材)とが配設されており、これにより、回転体H112a2を回転させる際に発射位置および退避位置で停止させやすくできると共に、停止させた際の衝撃を吸収させ易くすることが可能とされる。なお、回転体H112a2は、発射レールH112a1に近接配置される場合(起き上がり状態)の位置で第1弾性部材(左上側部材)に当接された後、第1弾性部材を弾性変形させつつ発射位置まで回転されることで遊技球を発射することが可能とされる。
この時、各当接(回転体H112a2の遊技球との当接、第1弾性部材との当接、第2弾性部材との当接)に対応する音(打音)が生じるが、その素材の違いに対応して、音に強弱が生じる。即ち、遊技球との当接の際に生じる音が大きく生じるため、遊技者に遊技球の打音を判別し易く構成することができる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われる伸縮装置として構成しても良い。
なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動主体としての駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、被回転物体である回転軸棒と一体的に回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図492に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図492に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図491に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図494及び図495に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図493参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成される板状透過部であるガラスユニットH16が配設される(図H01参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。即ち、窓部H14eは、遊技盤H13の正面を視認可能とさせる部位であり、正面枠H14は、窓部H14eを介して遊技盤H13を視認可能とさせる部位を有する部位である。
ガラスユニットH16は、図487及び図491に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図496参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図487に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、遊技球が通過可能に構成される被通過進入物体である検出センサにより検出される払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに独立して配置される独立配置物体である電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図496参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図487に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図488参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図492参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。
即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図492参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図494参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、回転移動物体である操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。接触可能部である操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。
さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図494参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図492参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図492参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図494参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図495に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図494参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図492参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図492に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図492に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球を案内可能な部位である多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。
ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、光透過可能部である遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図487参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図492を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図487参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図492の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により被押進物体である他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、抑制物体としての壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
外レールH62の先端部(図492の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図492の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図496参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数(例えば、可変入賞装置H65(図492参照)が連続開放される最大回数)が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
大当たり中において、最大ラウンド数や現在のラウンド数は、数字の変更を視認させる状態で表示が可能な視認変更物体である表示層(ラウンド数が表示される表示層またはその表示層よりも後方の表示層)での表示と共に第3図柄表示装置H81においても表示される。大当たりが終了する際には、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置H81においてされる表示層よりも前側に位置する視認可能物体である表示層においてエンディング表示(静止画または動画)が実行される。
このエンディング表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、大当たりが終了したことを視覚的に把握することができ、戸惑うことなく大当たり後の遊技が開始されることを理解することができる。
また、ラウンド間において、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置H81においてされる表示層よりも前側に位置する表示層においてインターバル表示(静止画または動画)が実行される。このインターバル表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、ラウンドの切れ目であることを視覚的に把握することができる。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aを駆動する駆動主体としてのソレノイドの制御態様が変更され、電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
球の第1入賞口H64又は第2入賞口H640の通過回数は、それぞれ、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示される。本実施形態では、保留球数が第3図柄表示装置H81の一部に表示されるように構成される。なお、保留球数を、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、第1入賞口H64又は第2入賞口H640の球の通過に伴って点灯する4つのLEDを2セット(第1入賞口H64に対応するセット及び第2入賞口H640に対応するセット)用意し、第3図柄表示装置H81の下方に配設し、第1入賞口H64又は第2入賞口H640の通過に対応して点灯表示するものであっても良い。
また、第1入賞口H64又は第2入賞口H640の球の通過に対する最大保留球数は、それぞれ4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入賞口H64の球の通過に対する最大保留球数と、第2入賞口H640の球の通過に対する最大保留球数とは、同一となるように設定しても良いし、異なるように設定しても良い。
第1入賞口H64又は第2入賞口H640の球の通過に対する保留球数が0である場合において最後の変動演出が終了し、暫くすると、遊技説明等のために機種ごとに用意されている期間経過演出としてのデモンストレーション動画が表示される。このデモンストレーション動画は、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞の検出や、ハンドルH51に遊技者が触れたことの検出がされた場合に解除される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、実行条件演出としての第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。
また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。
また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。
なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。
また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。
なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図496参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図496参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
なお、図柄列の態様は、横スクロールするものに限られるものではなく、種々の方向で設定可能である。例えば、表示制御装置H114(図496参照)によって表示内容が制御されることにより、第3図柄表示装置H81に左、中及び右の3つの図柄列が表示され、各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっていても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図496参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図496参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する被押進物体である電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図492参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞することが配置検出センサである不図示の入賞検出センサに検出されるまで)開放される。即ち、スライド板H65bは、特定入賞口H65aを閉鎖する位置において、流下する遊技球に当接可能な部位として構成される。従って、可変入賞装置H65では、スライド板H65bを閉鎖位置に配置することで、特定入賞口H65aに向かって流下する遊技球をスライド板H65bに当接させて遊技球が特定入賞口H65aに入賞することを規制できる。一方、スライド板H65bを開放位置に配置することで、特定入賞口H65aに向かって流下する遊技球がスライド板H65bに当接することを抑制して遊技球を特定入賞口H65aに入賞させることができる。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の中心と同軸で位置する円錐形状体として円盤部材の後方に張り出し形成された部位である円錐形状部と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の衝突可能な部位である球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。
また、上記第82実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する力を付与する手段としての遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。
例えば、上記第82実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図488に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図496参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホール(以下、単にホールとも称する)の島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図496参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
遊技機が配置されるホール(遊技機店舗)では、払出エラーの発生時において、パチンコ機H10の設定に影響を与えないように構成される非調整部である店員呼び出しボタンを遊技者が操作することで、ホールの店員が払出エラーに気付くことができるように構成されている。
なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図496を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図496は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの被押進物体である開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための駆動主体としての大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入賞した球が進入可能な被進入物体であって、球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や、操作デバイスS300の動作部材S310や、機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための内部操作体である発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、駆動手段H750、モータ装置P771、及び、駆動モータS441が含まれる。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図496では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図496参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図496参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図497から図507を参照し、第83実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)A10に適用した場合の一実施形態について説明する。上記第78実施形態では、正面枠H14が配設されるパチンコ機H10について説明したが、第83実施形態では、正面枠P14が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
また、以下の説明では、図497に示す状態のパチンコ機A10について、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図497に示す状態のパチンコ機A10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図497参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機A10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機A10を遊技する遊技者は、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機A10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機A10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図497は、第83実施形態におけるパチンコ機A10の正面図である。パチンコ機A10は、パチンコ機H10で上述したのと同様に、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、を備える。一方、パチンコ機A10は、パチンコ機H10で上述したのとは異なり、内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠P14と、遊技盤A13とを備えている。
なお、上述したように、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤A13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤A13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される(図493参照)。遊技盤A13は、左端支持部H12a1にベース板A60の左側端部が挿入されつつ枠状取付部である内枠H12の背面側(矢印B方向側)における仮置き位置に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板A60の正面と係合する(ベース板A60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
図498は、遊技盤A13の正面図である。内枠H12には、第82実施形態で上述したように、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤A13が配設される。この遊技盤A13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
図498に示すように、遊技盤A13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板A60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車AWFの他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置A65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置A65は、光を透過可能に構成される。
ベース板A60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板A60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板A60に形成された貫通穴に配設され、光透過可能部である遊技盤A13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板A60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板A60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板A60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤A13の正面中央部分は、正面枠P14の窓部P14e(図497参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図498を参照して、遊技盤A13の構成について説明する。
遊技盤A13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤A13の正面外周が囲まれ、遊技盤A13とガラスユニットH16(図497参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤A13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤A13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、上皿H17に貯留され、球発射ユニットH112aへ案内された後で、球発射ユニットH112a(図492参照)から発射された球を遊技盤A13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。
内レールH61の先端部分(図498の左上部)には戻り球防止部材A68が取り付けられる。外レールH62の先端部(図498の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
戻り球防止部材A68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材A68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤A13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材A68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材A68を超える位置(遊技盤A13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材A68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤A13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材A68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材A68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材A68は、後述する風車AWFのように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤A13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤A13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
なお、上皿H17で貯留される球としては、遊技者が供給する余り球や、払出装置H133の駆動により供給される球が想定される。例えば、遊技者が球貸しボタンH42を操作することで、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得ることができるように構成されており、球貸しボタンH42の一回の操作に対応して100~200個(125個等)の球が順に短時間で上皿H17に供給されることが一般的である。
球の発射間隔が0.6秒よりも短くされない場合、100~200個の球が空になるまでに60秒~120秒が経過することになり、払出装置H133の駆動は、少なくとも60秒~120秒の間隔を空けて実行されることになるため、払出装置H133が常時駆動される場合に比較して、払出装置H133の駆動モータの発熱を抑えることができる。
なお、センターフレームA86は、遊技領域を流下する球がベース板A60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板A60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームA86は光を透過可能に構成される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームA86が配設されている。
なお、センターフレームA86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板A60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームA86は光を透過可能に構成される。
また、センターフレームA86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側へ排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームA86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。
また、センターフレームA86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームA86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板A60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板A60よりも正面側から流入した球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板A60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。この場合において、ワープ通路が全範囲においてベース板A60よりも正面側に位置するようにワープ通路を構成しても良いし、ワープ通路が全範囲においてベース板A60よりも背面側に位置するようにワープ通路を構成しても良いし、ワープ通路が全範囲においてベース板A60の厚みの範囲内に位置するようにワープ通路を構成しても良い。また、ワープ通路が、ベース板A60よりも正面側の領域、ベース板A60よりも背面側の領域、又は、ベース板A60の厚みの範囲内における領域の、少なくとも2つの領域を通るように構成しても良い。例えば、ベース板A60よりも背面側を通る通路をベース板A60よりも背面側に配設される構造体(円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400等)よりも背面側を通過するように構成して、当該構造体の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。
なお、センターフレームA86には、ベース板A60の正面側に沿って遊技領域側に延設され遊技領域の背面側を区画する延設部A86aに、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一又は複数の立設部A86bを形成して、立設部A86bにより少なくとも一部が区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームA86に、遊技球が通過可能に構成される流下経路(立設部A86bにより少なくとも一部が区画される領域)を形成しても良い。
また、センターフレームA86で遊技球の流下経路を形成した場合には、各立設部A86bの対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(各立設部A86bの延設方向)以外の方向の力成分を付与して、各立設部A86bの対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、各立設部A86bに形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。
これにより、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。
なお、立設部A86bをセンターフレームA86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球を通過可能に構成される立設部A86bを有する部材をベース板A60に別途配設しても良い。この場合、立設部A86bによる遊技球の流下方向が、センターフレームA86の形状により限定される事態を避けることができる。
また、遊技盤A13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車AWF等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板A60の中央開口部に配設されるセンターフレームA86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設される延設部A86aを備え、その延設部A86aから正面側(矢印F方向側)に向かって突出する立設部A86bを複数備える。遊技盤A13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームA86の立設部A86b、風車AWF等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームA86の一部が延設される方向が右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に設定されているが、上方側(矢印U方向)や下方側(矢印D方向)に延設されていても良く、その延設部A86aに立設部A86bだけでなく、スルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームA86は、延設部A86aや立設部A86bを備えない構成としても良い。
風車AWFは、前後方向(矢印F-B方向)に延びる軸線を中心に回転可能に形成される。また、風車AWFは、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板A60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板A60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車AWFの回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤A13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能(振分可能)に形成される。
また、本実施形態における風車AWFは、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車AWFの回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤A13は、ベース板A60に必ずしも風車AWFを備えている必要はなく風車AWFを備えない構成としても良い。また、センターフレームA86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車AWFを配設して、風車AWFにより球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車AWFは、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能(振分可能)であれば形状、色、材質は限定されるものではない。例えば、風車AWFは、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車AWFに変えて、上述した戻り球防止部材A68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。
図499は、遊技盤A13及び動作ユニットD200の正面斜視図であり、図500は、遊技盤A13及び動作ユニットD200の分解正面斜視図である。なお、図499では、風車AWF及び球の流下経路を形成するためにベース板A60に植設される釘の図示が省略される。
図500に図示されるように、遊技盤A13は、ベース板A60に対して、センターフレームA86よりも右方において穿設される右方穿設部A60aを前方から塞ぐようにして第1球流下構造体A300が組み付けられ、センターフレームA86よりも下方において穿設される下方穿設部A60bを前方から塞ぐようにして第2球流下構造体A600が組み付けられる。
第1球流下構造体A300には、スルーゲートH67が配設されており、第2球流下構造体A600には、第2入賞口H640及び可変入賞装置A65における特定入賞口H65aが配設されている。なお、スルーゲートH67の配設位置は第1球流下構造体A300に限られるものではない。例えば、第2球流下構造体A600にスルーゲートH67を配設するようにしても良い。この場合、スルーゲートH67における球の検出と関連して開閉される第2入賞口H640とスルーゲートH67とを同ユニット(第2球流下構造体A600)に収めることができる。
図501(a)は、第1球流下構造体A300の正面斜視図であり、図501(b)は、第1球流下構造体A300の背面斜視図である。図501(b)には、組立状態において右方穿設部A60aを構成する前側縁部が当接する位置に対応する形状線AS60aが想像線で図示される。
図501(a)及び図501(b)に図示されるように、第1球流下構造体A300は、上流側にスルーゲートH67が配設されており、スルーゲートH67を通過した遊技球またはスルーゲートH67を逸れた遊技球が内部を流下する。
図502は、第1球流下構造体A300の分解正面斜視図であり、図503は、第1球流下構造体A300の分解背面斜視図である。図502及び図503に図示されるように、第1球流下構造体A300は、遊技盤A13のベース板A60に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の背面側部を構成する背面側部材A310と、その背面側部材A310に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の正面側部を構成する正面側部材A350と、背面側部材A310と正面側部材A350との間に保持されるスルーゲートH67と、を備える。
背面側部材A310は、遊技球が流下する領域の背面側部を構成する板状部A311と、その板状部A311の左端部から正面側へ延設される第1延設部A321と、板状部A311から正面側へ延設される平面板状部であって第1延設部A321の下端に連なるように設けられており右方へ向かうほど下降傾斜している第2延設部A322と、板状部A311の左端部から正面側へ延設される部分を有する板状部であって上端側が第2延設部A322に連なるように設けられる第3延設部A323と、板状部A311から正面側へ延設される平面板状部であって第3延設部A323の下端に連なるように設けられており右方へ向かうほど下降傾斜している第4延設部A324と、第2延設部A322と第4延設部A324との上下間位置において板状部A311から正面側へ延設される平面板状部であって板状部A311の右端から左方へ向かうほど下降傾斜している第5延設部A325と、板状部A311の右端部から正面側へ延設される部分を有する板状部であって上端側が第5延設部A325に連なるように設けられる第6延設部A326と、板状部A311から正面側へ延設される平面板状部であって第6延設部A326の下端に連なるように設けられており左方へ向かうほど下降傾斜している第7延設部A327と、板状部A311から正面側へ延設される平面板状部であって第7延設部A327の左端部に連なるように設けられており上下方向に延びる第8延設部A328と、その第8延設部A328と対向配置される位置において板状部A311から正面側へ延設される屈曲板状部であって上端側が第4延設部A324に連なるように設けられる第9延設部A329と、を備える。
板状部A311は、ベース板A60に螺入される締結ネジが前方から挿通可能な大きさで四隅に穿設される複数の第1ネジ挿通孔A312と、その第1ネジ挿通孔A312に合わせて設けられる突設部であってベース板A60の位置合わせ孔に受け入れられる突設部A313と、下側の第1ネジ挿通孔A312よりも上方位置において穿設されており正面側部材A350に螺入される締結ネジが後方から挿通される複数の第2ネジ挿通孔A314と、スルーゲートH67が前後方向で挿通可能な矩形枠状に形成される枠状挿通孔A315と、その枠状挿通孔A315の左右外側において穿設されており正面側部材A350に螺入される締結ネジが後方から挿通される複数の第3ネジ挿通孔A316と、枠状挿通孔A315の上縁から後方へ延設される棒状部であって延設先端下側にスルーゲートH67の抜け止め防止用の爪が形成される抜け止め防止延設部A317と、を備える。
板状部A311は、前面がベース板A60の前面と平行となるように構成されており、正面枠P14(図497参照)が閉じられている状態において前面がガラスユニットH16の後面に対して平行となるように構成されている。
第1延設部A321は、上下方向に延びる形状が、鉛直方向に延びるものではなく、左方に張り出す湾曲形状から形成される。鉛直方向に延びる場合、流下する際の速度方向の左右方向成分が小さく過度に抑えられ、第2延設部A322に着地した後の球の流下が滞る可能性が考えられるところ、第1延設部A321は程よくカーブしていることから、第1延設部A321に当たって流下する遊技球が流下する際の速度方向の左右方向成分を良好に反転させることができ(左向きから右向きに反転させることができ)、第2延設部A322に沿って右方へ流下される際の流下を滑らかにさせることができる。
第2延設部A322を流下した球の経路の折曲位置A301においては第1球流下構造体A300の右端には壁部が構成されておらず、球の流下経路の右端部は外縁部材H73(図498参照)により構成される一方で、第4延設部A324を流下した球の経路の折曲位置A302においては外縁部材H73ではなく第6延設部A326が球の流下経路の右端部を形成する。
これにより、折曲位置A301における領域の左右幅を確保することができると共に、第1球流下構造体A300を流下する球の左右方向への移動幅が下方へ向かうほど小さくなるように構成して下端からの排出時における球の左右方向速度が大きい場合に比較して、排出後の球の左右方向への位置ずれを抑制することができ、第2球流下構造体A600への入球を良好とすることができる。
折曲位置A301は、スルーゲートH67を左に逸れて第2延設部A322を流下した球に加えて、スルーゲートH67を通過した後の球や、スルーゲートH67を右に逸れて流下した球も通過する位置であり、これらの球が同時に到達する可能性があるところ、上述したように折曲位置A301における領域の左右幅を確保していることにより、合流した球の流下が滞る事態を回避することができる。
正面側部材A350は、遊技球が流下する領域の正面側部を構成する板状部A351と、その板状部A351の上端位置から左右一対で後方に延設されスルーゲートH67の前側部を受け入れ可能な幅を空けて形成される受入形成部A352と、板状部A351から後方に延設される湾曲板状部であって上端部が受入形成部A352の左側部下側に連なるように構成されスルーゲートH67を通過する遊技球を右方に案内可能な形状で形成される案内湾曲板部A353と、背面側部材A310に形成される平面板状の延設部である第2延設部A322、第4延設部A324、第5延設部A325及び第7延設部A327と対応する位置(上面に上下方向で対向する位置)において同様の傾斜角度で延びる突条であって、上面側が後方に下降傾斜する傾斜面を形成する複数の上面傾斜突条部A354と、板状部A351の下側左右隅部から後方に突設される柱状部であって先端側に雌ネジが形成される複数の被締結部A355と、板状部A351から後方に延設される平面板状部であって右側の被締結部A355に連なるように形成され左方へ向かうほど下降傾斜している流路外延設部A356と、を備える。
板状部A351は、後面がベース板A60の前面と平行となるように構成されており、正面枠P14(図497参照)が閉じられている状態において後面がガラスユニットH16の後面に対して平行となるように構成されている。
板状部A311と板状部A351との間に形成される流下経路は、ベース板A60の前面と略平行な平面に沿って(多少の前後方向への変位は許容して)形成される。これにより、第1球流下構造体A300を流下中の球同士が正面視で重なる事態を防止できるので、一見で第1球流下構造体A300を流下している球の個数を把握することができる。
受入形成部A352は、後方からスルーゲートH67を受け入れる領域の左右両側において内側に雌ネジが形成される複数の被締結部A352aを備える。背面側部材A310と正面側部材A350との組立においては、スルーゲートH67の前側半部を受入形成部A352に受け入れさせた状態で後側半部が枠状挿通孔A315に入るように背面側部材A310と正面側部材A350とを接近させてから、第3ネジ挿通孔A316に挿通させた締結ネジを被締結部A352aに螺入させることで、背面側部材A310に正面側部材A350が締結固定されるように構成されている。
上面傾斜突条部A354は、遊技球を上下方向に流下させる経路が折曲する箇所に形成されており、当該経路の形成幅に亘って形成されていることから上下方向に流下させる経路における遊技球の左右位置に関わらず遊技球が当接するよう構成され、到達した遊技球を上面の傾斜形状によって後方側に寄せた状態で左右方向へ流下させる。
上面傾斜突条部A354の傾斜面に転動された遊技球は第2延設部A322、第4延設部A324、第5延設部A325又は第7延設部A327に滑らかに着地後、当該着地した上面を転動する。第2延設部A322、第4延設部A324、第5延設部A325又は第7延設部A327への着地は、上面傾斜突条部A354の形成幅の内側に正面視で球が位置する状態においても生じ得るように上面傾斜突条部A354の形成態様が設計されていることから、早期に球を第2延設部A322、第4延設部A324、第5延設部A325又は第7延設部A327に着地させることができ、左右方向への流下が遅延することを回避している。
上面傾斜突条部A354は、背面側部材A310には形成されておらず、正面側部材A350にのみ形成されている。そのため、上面傾斜突条部A354による作用は、後方側に球を寄せる作用のみが生じており、前方側への作用は生じない。従って、流下する球は、特に下方へ流下する球が左右方向に方向転換する位置において後方へのみ寄せられるため、球は第1球流下構造体A300の内部経路の後方側に寄る位置(板状部A311の前面に当接する位置)を主に流下する。
ここで、球が当接した状態での流下が継続されると、球からの汚れの付着が継続されることで汚れが目に付くようになり、美観を損なうことになり、遊技者の興趣を損なう可能性がある。これに対し、本実施形態では、球の当接位置を上面傾斜突条部A354の上面や、背面側部材A310の板状部A311という後方側の位置に寄せて、正面側部材A350と球との当接を抑制して正面側部材A350への球からの汚れの付着を抑制することで、遊技者に視認され易い正面側部材A350における美観の低下を防止することができる。
背面側部材A310は、前後方向が長辺となる長方形状の前側の角部が丸くされた断面形状で延びる複数の突条部であって十分な剛性を維持する形状の突条部が板状部A311に一体で形成されている。即ち、背面側部材A310は、球を流下させる方向に対して交差する方向に延びる複数の交差突条部A331と、球を流下させる方向に延びる複数の流下突条部A332と、球をUターン(速度を反転)させる位置において形成される複数の反転突条部A333と、を備える。
交差突条部A331は、球を転動させる左右壁部や流下面部に対して垂直方向に延びている。これにより、正面視における球の流下方向の変化を抑制しながら、球の前後方向の変位を生じさせ、球の流下速度を減速させる。
流下突条部A332は、上下方向に沿って流下する球の経路が左右方向側に折曲される位置に形成されており、球の前後方向の変位に加えて、左右方向側への流下方向の変化を同時に促進させるように構成されている。即ち、流下突条部A332に当接した球は、前方に変位されることに加えて、流下突条部A332の傾斜に沿って流下されるため、その後の左右方向側への流下を補助できる。
流下突条部A332の形成位置は、上面傾斜突条部A354の形成位置と対応している。即ち、上面傾斜突条部A354に到達する前に流下突条部A332により事前に正面側に寄せられることにより、球の上面傾斜突条部A354との当接位置を正面側寄りにして、上面傾斜突条部A354に対する球の転動距離を長くすることができ、球が上下に跳ねる事態を回避することができる。
換言すれば、球の上面傾斜突条部A354との当接位置が後側寄りである場合に傾斜面における球の転動が不十分であると、球が上下方向に跳ねてしまい球の流下が滞る可能性があるところ、上面傾斜突条部A354の傾斜面で十分に球を転動させることができる構成であれば、上面傾斜突条部A354に到達した球が上下に跳ねる事態を回避することができる。
反転突条部A333は、左右方向に沿って流下する球の経路が左右方向で反転される位置に形成されており、球の前後方向の変位に加えて、左右方向側への変位も生じさせるように構成されている。即ち、反転突条部A333に当接した球は、前方に変位されることに加えて、反転突条部A333の傾斜に沿って流下される。
反転突条部A333の形成位置は、上面傾斜突条部A354の形成位置と対応している。即ち、上面傾斜突条部A354に到達する前に反転突条部A333により事前に正面側に寄せられることにより、球の上面傾斜突条部A354との当接位置を正面側寄りにして、上面傾斜突条部A354に対する球の転動距離を長くすることができ、球が上下に跳ねる事態を回避することができる。
換言すれば、球の上面傾斜突条部A354との当接位置が後側寄りである場合に傾斜面における球の転動が不十分であると、球が上下方向に跳ねてしまい球の流下が滞る可能性があるところ、上面傾斜突条部A354の傾斜面で十分に球を転動させることができる構成であれば、上面傾斜突条部A354に到達した球が上下に跳ねる事態を回避することができる。
反転突条部A333は、流下突条部A332とは違い、上面傾斜突条部A354の傾斜ではなく第4延設部A324または第5延設部A325に沿って延びている。これにより、反転突条部A333と当接した球の流下抵抗が必要以上に大きくなり、反転突条部A333において球の流下遅延が生じることを回避することができる。
上述したように、背面側部材A310には、上面傾斜突条部A354に沿う傾斜で形成される流下突条部A332と、上面傾斜突条部A354の傾斜には沿わない反転突条部A333とが形成されており、それぞれ配置位置に特徴がある。
即ち、流下突条部A332は、球が上方から下方へ流下した位置(高低差の大きな流下が生じる位置)に形成されているため到達した時点における球の流下速度の成分は左右方向成分に比較して下方向成分が大きくされる。そのため、流下突条部A332においても上面傾斜突条部A354と同方向の傾斜を持たせることで、球の流下速度の左右方向成分を徐々に増加させることができる。
一方、反転突条部A333は球が左右方向から流下した位置(高低差の小さな流下が生じる位置)に形成されているため到達した時点における球の流下速度の成分は下方向成分に比較して左右方向成分が大きくされる上、反転突条部A333で敢えて上面傾斜突条部A354の傾斜方向に速度を付与せずとも、第3延設部A323又は第6延設部A326に衝突することにより上面傾斜突条部A354の傾斜に合う左右方向の速度成分が付与される。
従って、第3延設部A323又は第6延設部A326に衝突するまでは余計な流下抵抗を生じさせないように第4延設部A324または第5延設部A325に沿って延びるよう構成されていても、第3延設部A323又は第6延設部A326に衝突することにより速度成分が左右方向で反転されて、上面傾斜突条部A354の傾斜に沿う流下を滑らかに生じさせることができる。
反転突条部A333は、上面傾斜突条部A354の上方に近接配置されているところ、上面傾斜突条部A354が背面側部材A310には形成されておらず正面側部材A350にのみ形成されていることに対応して、正面側部材A350には形成されておらず背面側部材A310にのみ形成される。
即ち、第1球流下構造体A300を流下する球は、流下方向が左右反転する位置において反転突条部A333により正面側へ寄せられることになるので、流下方向が左右反転する位置において球を目立たせ易く、球の流下経路の左右幅を遊技者に把握させ易くすることができる。
正面側部材A350は、前後方向が長辺となる長方形状の後側の角部が丸くされた断面形状で延びる複数の突条部であって十分な剛性を維持する形状の突条部が板状部A351に一体で形成されている。正面側部材A350は、即ち、球を流下させる方向に対して交差する方向に延びる複数の交差突条部A371と、球を流下させる方向に延びる複数の流下突条部A372と、を備える。
交差突条部A371は、球を転動させる左右壁部や流下面部に対して垂直方向に延びている。これにより、正面視における球の流下方向の変化を抑制しながら、球の前後方向の変位を生じさせ、球の流下速度を減速させる。
案内湾曲板部A353の右上側に形成される交差突条部A371は、上下方向が想定される球の流下経路に対して交差する左右方向に延びているが、他の交差突条部A371と異なり、左側部に面取り形成された面取り部A371aを備える。
面取り部A371aは、スルーゲートH67を通過して案内湾曲板部A353を転動して流下した球を、滑らかに後方側に寄せるための形状部である。即ち、案内湾曲板部A353の右上側に形成される交差突条部A371は、上方から流下する球を前後方向に変位させる作用に加えて、案内湾曲板部A353を転動して流下した球を滑らかに後方側に寄せる作用を生じさせる配置および形状とされる。
案内湾曲板部A353を転動した球は、交差突条部A371の延びる方向に移動される過程において後方側に寄せられることにより、上下方向に沿って流下する球の前後位置と合う前後位置に位置される。
案内湾曲板部A353を転動する球が正面側寄りの位置を流下した場合には面取り部A371aに当接することになるが、面取り部A371aの形状によって、球が左右方向で跳ね返る(跳ね戻る)事態が生じることを避けることができる。
案内湾曲板部A353を転動した球が面取り部A371aに当接した場合に面取り部A371aに沿って転動され前後方向への球の変位が生じると、交差突条部A371と板状部A311との間で球が複数回跳ね返り得る。この場合において、球の左右方向の速度成分を減速させることができ、球が左方に跳ね戻る事態をより回避し易くすることができる。
流下突条部A372は、上下方向に沿って流下する球の経路が左右方向側に折曲される位置に形成されており、球の前後方向の変位に加えて、左右方向側への流下方向の変化を同時に促進させるように構成されている。即ち、流下突条部A372に当接した球は、後方に変位されることに加えて、流下突条部A372の傾斜に沿って流下されるため、その後の左右方向側への流下を補助できる。
流下突条部A372の形成位置は、上面傾斜突条部A354の形成位置と対応している。即ち、上面傾斜突条部A354に到達する前に流下突条部A372により事前に後面側に寄せられて、流下突条部A332により事前に正面側に寄せられることにより、球が前後方向に蛇行するように変位されて、球の上下方向の速度成分を十分に減速させることができる。
背面側部材A310において、ベース板A60との締結に用いる締結ネジが挿通される第1ネジ挿通孔A312は形状線AS60aの外側に位置しており、正面側部材A350との締結に用いる締結ネジが挿通される第2ネジ挿通孔A314及び第3ネジ挿通孔A316は形状線AS60aの内側に位置している。
これにより、ベース板A60に背面側部材A310が締結固定された状態において、右方穿設部A60a(図500参照)の内側にドライバーなどの工具を通して締結ネジを外すことにより、正面側部材A350を背面側部材A310に対して脱着することが可能となっている。
正面側部材A350を背面側部材A310から分離させた状態であれば第1球流下構造体A300の前方側が開放されるので、背面側部材A310の板状部A311や、流路を構成する各延設部A321~A329等に前側から触ることができるし、球が流路に位置する場合においてその球に触ることができる。従って、汚れが付着していた場合に汚れを拭き取ることができるし、球が滞留した場合に球の滞留を解消することができる。
図504は、第1球流下構造体A300の正面図である。図504では、球の流下経路の概要の説明のために、便宜上、正面側部材A350の板状部A351の図示が省略され、正面側部材A350の案内湾曲板部A353、上面傾斜突条部A354、流路外延設部A356、交差突条部A371及び流下突条部A372が想像線で図示される。
図504に図示されるように、案内湾曲板部A353の右端部は、第2延設部A322の右端部と重なる位置まで形成されており、スルーゲートH67を通過して案内湾曲板部A353を転動した球が第2延設部A322へ向けて流下することが防止(回避)されている。
これにより、第2延設部A322を球が転動している最中に後続の球がスルーゲートH67を通過した場合において、その後続の球が第2延設部A322へ向けて流下して第2延設部A322上で球の衝突が起きて、流下が阻害される事態を避けることができ、球の流下を円滑化することができる。
図504に図示されるように、折曲位置A301は、スルーゲートH67を左に逸れて第2延設部A322を流下する第1流下経路AR303を流下した球、スルーゲートH67を通過した球が流下する第2流下経路AR304を流下した球、スルーゲートH67を右に逸れた球が流下する第3流下経路AR305を流下した球、という3経路からの球が合流する位置であり、これらの球が同時に到達する可能性があるところ、上述したように折曲位置A301における領域の左右幅を確保していることにより、合流した球の流下が滞る事態を回避することができる。
第1球流下構造体A300に遊技球が流入した場合、その全ての球がスルーゲートH67を通過するわけではなく、第2流下経路AR304を流下した球のみがスルーゲートH67に検出される。従って、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となる頻度は共通とされるものではなく、第1球流下構造体A300に流入した球が第2流下経路AR304を通る頻度に対応して増減される。即ち、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態を実現させるスルーゲートH67を通過する頻度に対応して増減される。
図505は、図504のB01m-B01m線における第1球流下構造体A300の断面図である。図505では、第1流下経路AR303を流下する際の球の位置が球の大きさに合わせた円形で図示される。
図505に図示されるように、第1流下経路AR303を流下する球は、流下突条部A332に当接する第1当接位置AP391から流下突条部A332との当接により前方へ変位され、上面傾斜突条部A354と当接する第2当接位置AP392へ到達する。
第2当接位置AP392に着地し、上面傾斜突条部A354の傾斜面に転動された遊技球は第2延設部A322の上面に載置される載置位置AP393に滑らかに着地後、当該着地した上面を右方へ転動する。
図505に図示される載置位置AP393の円形状が上面傾斜突条部A354と重なっていないことから明らかであるように、第2延設部A322への着地は、上面傾斜突条部A354の形成幅の内側に正面視で球が位置する状態においても生じ得るように上面傾斜突条部A354の形成態様が設計されている。これにより、早期に球を第2延設部A322に着地させることができ、左右方向への流下が遅延することを回避している。
なお、本実施形態では、第1当接位置AP391と載置位置AP393との間に配設されている流下突条部A332が障害物となり、第1当接位置AP391に位置する球が鉛直落下して載置位置AP393に到達することを回避した構成となっている。換言すれば、流下突条部A332が形成されていることにより、第1当接位置AP391に位置する球は第2当接位置AP392を経由して載置位置AP393に到達するよう流下する。
図506は、図504のB02m-B02m線における第1球流下構造体A300の断面図である。第5延設部A325においても、第2延設部A322について上述したと同様に、近接配置される流下突条部A332により前方へ変位された球が上面傾斜突条部A354の傾斜面に着地され、その後で上面傾斜突条部A354の傾斜面に転動された遊技球が第5延設部A325の上面を左方へ転動する。
第2延設部A322の場合と同様、第5延設部A325への着地は、上面傾斜突条部A354の形成幅の内側に正面視で球が位置する状態においても生じ得るように上面傾斜突条部A354の形成態様が設計されている。これにより、早期に球を第5延設部A325に着地させることができ、左右方向への流下が遅延することを回避している。
図507は、第1球流下構造体A300の正面図である。図507では、球の流下経路の概要の説明のために、便宜上、正面側部材A350の板状部A351の図示が省略され、正面側部材A350の案内湾曲板部A353、上面傾斜突条部A354、流路外延設部A356、交差突条部A371及び流下突条部A372が想像線で図示される。
図507では、流下する際の球の位置が球の大きさに合わせた円形で図示される。図507に図示されるように、第1流下経路AR303を流下した球は、第2延設部A322の右端から零れ落ちる第1流下位置AP394を経由して流下され、第3流下経路AR305を流下する球は、左右位置にはばらつきがあるが、例えば、外縁部材H73に当接する第2流下位置AP395を経由して流下される。
第1流下位置AP394を経由した球は流下突条部A372に当接され、その後で流下突条部A332及び上面傾斜突条部A354に順番に当接し、想像線で図示するように各傾斜に沿って流下され、第5延設部A325に着地した後は第5延設部A325の上面の傾斜に沿って流下される。
第2流下位置AP395を経由した球は交差突条部A331に当接され、その後で流下突条部A372、流下突条部A332及び上面傾斜突条部A354に順番に当接し、想像線で図示するように各傾斜に沿って流下され、第5延設部A325に着地した後は第5延設部A325の上面の傾斜に沿って流下される。
図507に図示されるように、折曲位置A301における領域の左右幅は、球の直径の2倍よりも長い寸法で設定されている。即ち、2球の遊技球が左右に並んだ状態で流下したとしても、折曲位置A301での球詰まりが生じることを避けることができる。
加えて、流下突条部A372の配置位置が3経路の合流が開始される位置よりも下方(第2延設部A322の右端よりも下方)に設定されていることから、3経路から流下した球が流下突条部A372、流下突条部A332、上面傾斜突条部A354の順で当接し、各当接において左方へ向けて案内されることで、球を円滑に流下させることができ、球詰まりが生じることを避けることができる。
次いで、図508を参照して、動作ユニットD200の概略構成について説明する。図508は、動作ユニットD200の分解斜視正面図である。
図508に示すように、動作ユニットD200は、箱状に形成される背面ケースD300を備え、その背面ケースD300の内部空間に、上変位ユニットD600、下変位ユニットD500、導光ユニットD400、揺動ユニットD100とが収容される。
背面ケースD300は、正面視略矩形の底壁部D301と、その底壁部D301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部D302とを備え、それら各壁部D301,D302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部D301には、その中央に正面視矩形の開口D301aが開口形成され、その開口D301aを通じて、底壁部D301の背面に配設される第3図柄表示装置H81(図498参照)が視認可能とされる。
上変位ユニットD600は、背面ケースD300の底壁部D301のうちの開口301aの上側部分に配設されるベース手段D610と、そのベース手段D610に対して相対変位可能に配設される上変位手段D650とを少なくとも備え、上変位手段D650を背面ケースD300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置H81)の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位させる演出を実行可能に構成される。
下変位ユニットD500は、背面ケースD300の底壁部D301のうちの開口D301aの下側部分に配設されるベース手段D510(図示しない)と、そのベース手段D510(図示しない)に対して相対変位可能に配設される下変位手段D550とを少なくとも備え、下変位手段D550を背面ケースの開口301a(即ち、第3図柄表示装置H81)の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位させる演出を実行可能に構成される。
導光ユニットD400は、正面視(矢印B方向視)において背面ケースD300の左側(矢印L方向側)に配設される左側ベース手段D410と、正面視において背面ケースD300の右側(矢印R方向側)に配設される右側ベース手段D430と、それら左側ベース手段D410及び右側ベース手段D430との間に介在される導光板D450とを主に備え、導光板D450に照射される光を正面側に向かって反射することで、光による演出が可能に構成される。
揺動ユニットD100は、変位可能な上側揺動手段D120と、変位可能な下側揺動手段D130とを備え、導光ユニットD400の正面側に配設され、その導光ユニットD400の導光板D450の正面側(矢印F方向側)に重なる位置で上側揺動手段D120と、下側揺動手段D130とを変位可能とされる。
次いで、図509から図514を参照して、揺動ユニットD100について説明する。
初めに、図509から図512を参照して、揺動ユニットD100の全体構成について説明する。図509は、揺動ユニットD100の正面図であり、図510は、揺動ユニットD100の背面図であり、図511及び図512は、揺動ユニットD100の分解正面斜視図である。なお、図511は、ベース手段D110に対して上側揺動手段D120、上側動力付与手段D140、及び、上側カバー手段D160を分解した正面斜視図であり、図512は、ベース手段D110に対して下側揺動手段D130、下側動力付与手段D150、及び、下側カバー手段D170を分解した正面斜視図である。
なお、図509では、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14e(図497参照)の範囲(即ち、パチンコ機H10の正面側からの揺動ユニットD100の視認可能範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。なお、窓部H14eは、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とで構成される正面枠H14が有する。
また、図509では、上側装飾ユニットH14aが配設される上方側(矢印U方向側)における窓部H14eの境界が上側視認可能範囲H14e1として図示され、左側装飾ユニットH14bが配設される左側(矢印L方向側)における窓部H14eの境界が左側視認可能範囲H14e2として図示され、右側装飾ユニットH14cが配設される右側(矢印R方向側)における窓部H14eの境界が右側視認可能範囲H14e3として図示され、上下皿ユニットH15が配設される下方側(矢印D方向側)における窓部H14eの境界が右側視認可能範囲H14e4として図示される。
図509から図512に示すように、揺動ユニットD100は、正面視(矢印B方向視)において門型に形成されるベース手段D110と、そのベース手段D110の正面側(矢印F方向側)に配設される上側揺動手段D120と、その上側揺動手段D120よりも下方側(矢印D方向側)に配設される下側揺動手段D130と、それら上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130に駆動力を付与する上側動力付与手段D140及び下側動力付与手段D150と、ベース手段D110の正面側に配設される上側カバー手段D160及び下側カバー手段D170とを主に備える。
なお、揺動ユニットD100は、窓部H14eを介して視認された際に、少なくとも後述する上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の全域が視認可能とされる位置に配設される。また、第83実施形態では、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130が窓部H14eを介した視認領域内で変位可能に構成されており、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の変位を遊技者に視認させることが可能とされる。そのため、第83実施形態では、ベース手段D110と、そのベース手段D110に配設される各部材(上側揺動手段D120、下側揺動手段D130、上側動力付与手段D140、下側動力付与手段D150、上側カバー手段D160、下側カバー手段D170)との少なくとも一部が窓部H14eを介した視認領域内に配設され、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から視認可能とされる。
ベース手段D110は、正面視(矢印F方向視)において門型に形成されるベース本体D111と、そのベース本体D111の正面側(矢印F方向側)に立設される立設部D112とを主に備え、ベース本体D111と立設部D112とにより正面側が部分的に開口する略箱状に形成される。また、ベース手段D110は、ベース本体D111と立設部D112とが透明な樹脂材料から形成され、揺動ユニットD100の背面側に配設される役物の光を透過可能に構成される。
ベース本体D111は、後述する上側動力付与手段D140及び下側動力付与手段D150を配設するためのベースであり、それら上側動力付与手段D140及び下側動力付与手段D150を配設するための螺子(図示しない)の締結孔が所定の箇所に形成される。
また、ベース本体D111には、後述する上側動力付与手段D140の駆動力をベース本体D111の正面側(矢印F方向側)及び背面側(矢印B方向側)に伝達する為の複数の挿通孔D111a~D111cと、後述する下側動力付与手段D150の駆動力をベース本体D111の正面側および背面側に伝達するための複数の挿通孔D111d~D111fとが前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
立設部D112は、主に、ベース本体D111と後述する上側カバー手段D160及び下側カバー手段D170との間に空間を形成して、その空間に上側動力付与手段D140及び下側動力付与手段D150の一部、又は、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の一部を配設するための壁部であり、ベース本体D111の正面側(矢印F方向側)に所定の寸法で立設される。
上側動力付与手段D140は、電力が付与されることで軸部D141bが回転する駆動モータD141と、その駆動モータD141の軸部D141bに配設される駆動ギヤD142と、その駆動ギヤD142に歯合する歯を有する第1正面カムD143と、第1正面カムD143の背面側(矢印B方向側)に螺子(図示しない)により締結固定される第1背面カムD144と、その第1背面カムD144に相対変位可能な状態で一端側が連結される連結手段D145と、その連結手段D145の他端側が相対変位可能な状態で連結される第2背面カムD146と、その第2背面カムD146の正面側(矢印F方向側)に螺子(図示しない)により締結固定される第2正面カムD147とを主に備える。
駆動モータD141は、電力が付与される本体部D141aと、その本体部D141aから正面側(矢印F方向側)に突出され本体部D141aに対して回転可能に構成される軸部D141bとを主に備え、本体部D141aがベース本体D111の背面側(矢印B方向側)に螺子(図示しない)により締結固定されると共に、軸部D141bがベース本体D111の挿通孔D111aを介してベース本体D111の正面側に突出される。
駆動ギヤD142は、正面視(矢印B方向視)において略円形に形成されると共に、その周囲に歯を有するギヤである。駆動ギヤD142は、略円形に形成された中心部にベース本体D111の正面側(矢印F方向側)に突出された駆動モータD141の軸部D141bが挿入されることでベース本体D111の正面側に配設される。
また、駆動ギヤD142は、駆動モータD141の軸部D141bに対して相対回転しないように駆動モータD141の軸部D141bが勘合されており、駆動モータD141の駆動に伴って回転可能とされる。なお、第83実施形態では、駆動ギヤD142の中心部に駆動モータD141の軸部D141bが勘合されるが、駆動モータD141の軸部D141bに駆動ギヤD142を螺子により締結固定して、駆動モータの軸部D141bに対して駆動ギヤD142が相対回転しないように構成しても良い。
第1正面カムD143は、駆動ギヤD142の歯に歯合する歯を有するギヤ部D143aと、そのギヤ部D143aの正面側(矢印F方向側)に形成されるカム部D143bとを備え、回転する回転体として構成される。なお、第1正面カムD143は、ギヤ部D143aとカム部D143bとが一体の樹脂材料から形成される。また、ギヤ部D143aは、ベース本体D111の挿通孔D111bの内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成され挿通孔D111bの内側に軸支される被軸支部D143a1を背面側(矢印B方向側)に備える。これにより、第1正面カムD143は、被軸支部D143a1(ベース本体D111の挿通孔D111b)を軸に回転可能とされる。
ギヤ部D143aは、駆動ギヤD142の回転駆動力を第1正面カムD143に伝達するためのギヤであり、駆動ギヤD142と同じギヤ比に構成され、駆動ギヤD142(即ち、駆動モータD141の軸部D141b)が1回転されることで第1正面カムD143が1回転するように構成される。
カム部D143bは、円板状に形成され背面側(矢印B方向側)がギヤ部D143aの正面側(矢印F方向側)に連なる円板部D143b1と、その円板部D143b1の正面側から円柱状に突設される突設部D143b2と、円板部D143b1の外周面の一部から径方向外側に突設される板状の被検出部D143b3とを備え、それら円板部D143b1、突設部D143b2、及び、被検出部D143b3がギヤ部D143aの回転に伴いギヤ部D143aの回転軸を中心に回転可能に構成される。
円板部D143b1は、ギヤ部D143aよりも外径が大きい円板状に形成され、駆動ギヤD142及び第1正面カムD143をベース本体D111(ベース手段D110)に配設した状態において、円板部D143b1の一部が駆動ギヤD142の少なくとも一部の正面側(矢印F方向側)に重なる状態とされる。これにより、駆動ギヤD142及びギヤ部D143aが歯幅方向(矢印F-B方向)に相対的に位置ずれすることを抑制して、駆動ギヤD142とギヤ部D143aとの歯合が外れることを抑制できる。
突設部D143b2は、第1正面カムD143に作用する駆動モータD141からの駆動力を後述する上側揺動手段D120に伝達する伝達部であり、後述する上側揺動手段D120に当接することで、上側揺動手段D120を変位させることが可能に構成される。突設部D143b2は、ギヤ部D143aの回転軸に対して径方向に異なる位置に形成され、ギヤ部D143aの回転に伴いベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対位置を変化可能に構成される。
被検出部D143b3は、ベース本体D111(ベース手段D110)に配設される検出手段D111gに検出される検出部であり、ギヤ部D143aの回転に伴い被検出部D143b3がベース本体D111(ベース手段D110)の所定位置に配設される場合に、検出手段D111gから出射される光を遮ることが可能に構成される。即ち、ギヤ部D143aが1回転する毎に、被検出部D143b3を検出手段D111gに検出させることが可能に構成される。
第1背面カムD144は、ベース本体D111の挿通孔D111bの内径よりも大きい外径の円板状に形成される円板部D144aと、その円板部D144aの背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出される突設部D144bとを備える。また、第1背面カムD144は、ベース本体D111(ベース手段D110)の正面側(矢印F方向側)から挿通孔D111bの内側に挿入されベース本体D111の背面側に突出された第1正面カムD143の被軸支部D143a1に円板部D144aが螺子(図示しない)により締結固定される。これにより、第1背面カムD144は、ベース本体D111(ベース手段D110)の背面側に配設されると共に、第1正面カムD143の回転に伴って回転可能とされる。
突設部D144bは、第1背面カムD144に作用する駆動モータD141の駆動力を後述する連結手段D145に伝達する伝達部である。突設部D144bは、第1背面カムD144の回転軸に対して径方向に異なる位置に形成され、第1背面カムD144の回転に伴いベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対位置を変化可能に構成される。
連結手段D145は、正面視(矢印B方向視)において一方(左右方向)に長い棒状に形成され、その長手方向の両端に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される円形状の貫通孔D145a,D145bを備える。連結手段D145の貫通孔D145a,D145bは、第1背面カムD144の突設部D144b及び後述する第2背面カムD146の突設部D146bに相対回転可能な状態で連結される部分であり、円柱状に形成される突設部D144b,D146bの外径よりも若干大きい内径に形成される。
連結手段D145は、第1背面カムD144の突設部D144b及び後述する第2背面カムD146の突設部D146bに相対回転可能な状態で連結されることで、第1背面カムD144に作用する駆動モータD141の駆動力を第1背面カムD144から第2背面カムD146に伝達可能とされる。
第2背面カムD146は、ベース本体D111の挿通孔D111cの内径よりも大きい外径の円板状に形成される円板部D146aと、その円板部D146aの背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出される突設部D146bとを備える。また、第2背面カムD146は、ベース本体D111(ベース手段D110)の背面側において、後述する第2正面カムD147の被軸支部D147cに円板部D146aが螺子(図示しない)により締結固定され、第2正面カムD147と共に回転変位可能に構成される。
突設部D146bは、連結手段D145により第1背面カムD144から第2背面カムD146に駆動モータD141の駆動力が伝達される際に、その駆動力が伝達される被伝達部である。突設部D146bは、第1背面カムD144の突設部D144bと同様に、第2背面カムD146の回転軸に対して径方向に異なる位置に形成される。また、突設部D144bと突設部D146bとは、それぞれが形成される第1背面カムD144及び第2背面カムD146の回転軸に対して同一距離、同一方向に離れた位置に形成され、連結手段D145により連結される。これにより、第1背面カムD144と第2背面カムD146とは、駆動モータD141の駆動力が作用した際に同一の回転速度・回転量で回転可能とされる。
第2正面カムD147は、円板状に形成される円板部D147aと、その円板部D147aの正面側(矢印F方向側)から円柱状に突設される突設部D147bと、円板部D147aと同軸上の背面側(矢印B方向側)に形成される円柱状の被軸支部D147cとを備え、回転する回転体として構成される。
被軸支部D147cは、ベース本体D111の挿通孔D111cの内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成され挿通孔D111cの内側に軸支される。また、挿通孔D111cからベース本体D111の背面側(矢印B方向側)に突出される被軸支部D147cの先端に第2背面カムD146の円板部D146aが螺子(図示しない)により締結固定される。これにより、第2正面カムD147は、第2背面カムD146と共に回転変位可能とされる。
円板部D147aは、ベース本体D111の挿通孔D111cの内径よりも外径が大きい円板状に形成される。これにより、第2正面カムD147の円板部D147aと、第2背面カムD146の円板部D146aとの間にベース本体D111を挟んだ状態とすることができ、第2正面カムD147及び第2背面カムD146のベース本体D111からの脱落、及び、第2正面カムD147及び第2背面カムD146のベース本体D111に対する前後方向(矢印F-B方向)の位置ずれを抑制できる。
突設部D147bは、第2正面カムD147に作用する駆動モータD141の駆動力を後述する上側揺動手段D120に伝達する伝達部であり、上側揺動手段D120に当接することで、上側揺動手段D120を変位させることが可能に構成される。突設部D147bは、第1正面カムD143の突設部D143b2と同様に、円板部D147aの回転軸に対して径方向に異なる位置に形成され、円板部D147aの回転に伴いベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対位置を変位可能に構成される。
また、第2正面カムD147の突設部D147bと第1正面カムD143の突設部D143b2とは、それぞれが形成される第2正面カムD147及び第1正面カムD143の回転軸に対して同一距離、同一方向に離れた位置に形成される。また、第1正面カムD143と第2正面カムD147とは、同一の回転速度・回転量で回転可能とされる第1背面カムD144と第2背面カムD146とにそれぞれ締結固定されるので、それら第1背面カムD144と第2背面カムD146同様に、同一の回転速度・回転量で変位可能とされる。
下側動力付与手段D150は、電力が付与されることで軸部D151bが回転する駆動モータD151と、その駆動モータD151の軸部D151bに配設される駆動ギヤD152と、その駆動ギヤD152に歯合する歯を有する第1正面カムD153と、第1正面カムD153の背面側(矢印B方向側)に螺子(図示しない)により締結固定される第1背面カムD154と、その第1背面カムD154に相対変位可能な状態で一端側が連結される連結手段D155と、その連結手段D155の他端側が相対変位可能な状態で連結される第2背面カムD156と、その第2背面カムD156の正面側(矢印F方向側)に螺子(図示しない)により締結固定される第2正面カムD157とを主に備える。
駆動モータD151は、電力が付与される本体部D151aと、その本体部D151aから正面側(矢印F方向側)に突出され本体部D151aに対して回転可能に構成される軸部D151bとを主に備え、本体部D151aがベース本体D111の背面側(矢印B方向側)に螺子(図示しない)により締結固定されると共に、軸部D151bがベース本体D111の挿通孔D111dを介してベース本体D111の正面側に突出される。
駆動ギヤD152は、正面視(矢印B方向視)において略円形に形成されると共に、その周囲に歯を有するギヤである。駆動ギヤD152は、略円形に形成された中心部にベース本体D111の正面側(矢印F方向側)に突出された駆動モータD151の軸部D151bが挿入されることでベース本体D111の正面側に配設される。
また、駆動ギヤD152は、駆動モータD151の軸部D151bに対して相対回転しないように駆動モータD151の軸部D151bが勘合されており、駆動モータD151の駆動に伴って回転可能とされる。なお、第83実施形態では、駆動ギヤD152の中心部に駆動モータD151の軸部D151bが勘合されるが、駆動モータD151の軸部D151bに駆動ギヤD152を螺子により締結固定して、駆動モータの軸部D151bに対して駆動ギヤD152が相対回転しないように構成しても良い。
第1正面カムD153は、駆動ギヤD152の歯に歯合する歯を有するギヤ部D153aと、そのギヤ部D153aの正面側(矢印F方向側)に形成されるカム部D153bとを備え、回転する回転体として構成される。なお、第1正面カムD153は、ギヤ部D153aとカム部D153bとが一体の樹脂材料から形成される。また、ギヤ部D153aは、ベース本体D111の挿通孔D111eの内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成され挿通孔D111eの内側に軸支される被軸支部D153a1を背面側(矢印B方向側)に備える。これにより、第1正面カムD153は、被軸支部D153a1(ベース本体D111の挿通孔D111e)を軸に回転可能とされる。
ギヤ部D153aは、駆動ギヤD152の回転駆動力を第1正面カムD153に伝達するためのギヤであり、駆動ギヤD152と同じギヤ比に構成され、駆動ギヤD152(即ち、駆動モータD151の軸部D151b)が1回転されることで第1正面カムD153が1回転するように構成される。
カム部D153bは、円板状に形成され背面側(矢印B方向側)がギヤ部D153aの正面側(矢印F方向側)に連なる円板部D153b1と、その円板部D153b1の正面側から円柱状に突設される突設部D153b2とを備え、それら円板部D153b1、及び、突設部D153b2がギヤ部D153aの回転に伴いギヤ部D153aの回転軸を中心に回転可能に構成される。
円板部D153b1は、ギヤ部D153aよりも外径が大きい円板状に形成され、駆動ギヤD152及び第1正面カムD153をベース本体D111(ベース手段D110)に配設した状態において、円板部D153b1の一部が駆動ギヤD152の少なくとも一部の正面側(矢印F方向側)に重なる状態とされる。これにより、駆動ギヤD152及びギヤ部D153aが歯幅方向(矢印F-B方向)に相対的に位置ずれすることを抑制して、駆動ギヤD152とギヤ部D153aとの歯合が外れることを抑制できる。
突設部D153b2は、第1正面カムD153に作用する駆動モータD151からの駆動力を後述する下側揺動手段D130に伝達する伝達部であり、後述する下側揺動手段D130に当接することで、下側揺動手段D130を変位させることが可能に構成される。
突設部D153b2は、ギヤ部D153aの回転軸に対して径方向に異なる位置に形成され、ギヤ部D153aの回転に伴いベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対位置を変化可能に構成される。
第1背面カムD154は、ベース本体D111の挿通孔D111eの内径よりも大きい外径の円板状に形成される円板部D154aと、その円板部D154aの背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出される突設部D154bとを備える。また、第1背面カムD154は、ベース本体D111(ベース手段D110)の正面側(矢印F方向側)から挿通孔D111eの内側に挿入されベース本体D111の背面側に突出された第1正面カムD153の被軸支部D153a1に円板部D154aが螺子(図示しない)により締結固定される。これにより、第1背面カムD154は、ベース本体D111(ベース手段D110)の背面側に配設されると共に、第1正面カムD153の回転に伴って回転可能とされる。
突設部D154bは、第1背面カムD154に作用する駆動モータD151の駆動力を後述する連結手段D155に伝達する伝達部である。突設部D154bは、第1背面カムD154の回転軸に対して径方向に異なる位置に形成され、第1背面カムD154の回転に伴いベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対位置を変化可能に構成される。
連結手段D155は、正面視(矢印B方向視)において一方(上下方向)に長い棒状に形成され、その長手方向の両端に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される円形状の貫通孔D155a,D155bを備える。連結手段D155の貫通孔D155a,D155bは、第1背面カムD154の突設部D154b及び後述する第2背面カムD156の突設部D156bに相対回転可能な状態で連結される部分であり、円柱状に形成される突設部D154b,D156bの外径よりも若干大きい内径に形成される。
連結手段D155は、第1背面カムD154の突設部D154b及び後述する第2背面カムD156の突設部D156bに相対回転可能な状態で連結されることで、第1背面カムD154に作用する駆動モータD151の駆動力を第1背面カムD154から第2背面カムD156に伝達可能とされる。
第2背面カムD156は、ベース本体D111の挿通孔D111fの内径よりも大きい外径の円板状に形成される円板部D156aと、その円板部D156aの背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出される突設部D156bとを備える。また、第2背面カムD156は、ベース本体D111(ベース手段D110)の背面側において、後述する第2正面カムD157の被軸支部D157cに円板部D156aが螺子(図示しない)により締結固定され、第2正面カムD157と共に回転変位可能に構成される。
突設部D156bは、連結手段D155により第1背面カムD154から第2背面カムD156に駆動モータD151の駆動力が伝達される際に、その駆動力が伝達される被伝達部である。突設部D156bは、第1背面カムD154の突設部D154bと同様に、第2背面カムD156の回転軸に対して径方向に異なる位置に形成される。また、突設部D154bと突設部D156bとは、それぞれが形成される第1背面カムD154及び第2背面カムD156の回転軸に対して同一距離、同一方向に離れた位置に形成され、連結手段D155により連結される。これにより、第1背面カムD154と第2背面カムD156とは、駆動モータD151の駆動力が作用した際に同一の回転速度・回転量で回転可能とされる。
第2正面カムD157は、円板状に形成される円板部D157aと、その円板部D157aの正面側(矢印F方向側)から円柱状に突設される突設部D157bと、円板部D157aと同軸上の背面側(矢印B方向側)に形成される円柱状の被軸支部D157cと、円板部D157aの外周面の一部から径方向外側に突設される板状の被検出部D157dとを備え、回転する回転体として構成される。
被軸支部D157cは、ベース本体D111の挿通孔D111fの内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成され挿通孔D111fの内側に軸支される。また、挿通孔D111fからベース本体D111の背面側(矢印B方向側)に突出される被軸支部D157cの先端に第2背面カムD156の円板部D156aが螺子(図示しない)により締結固定される。これにより、第2正面カムD157は、第2背面カムD156と共に回転変位可能とされる。
円板部D157aは、ベース本体D111の挿通孔D111fの内径よりも外径が大きい円板状に形成される。これにより、第2正面カムD157の円板部D157aと、第2背面カムD156の円板部D156aとの間にベース本体D111を挟んだ状態とすることができ、第2正面カムD157及び第2背面カムD156のベース本体D111からの脱落、及び、第2正面カムD157及び第2背面カムD156のベース本体D111に対する前後方向(矢印F-B方向)の位置ずれを抑制できる。
突設部D157bは、第2正面カムD157に作用する駆動モータD151の駆動力を後述する下側揺動手段D130に伝達する伝達部であり、上側揺動手段D120に当接することで、上側揺動手段D120を変位させることが可能に構成される。突設部D157bは、第1正面カムD153の突設部D153b2と同様に、円板部D157aの回転軸に対して径方向に異なる位置に形成され、円板部D157aの回転に伴いベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対位置を変位可能に構成される。
また、第2正面カムD157の突設部D157bと第1正面カムD153の突設部D153b2とは、それぞれが形成される第2正面カムD157及び第1正面カムD153の回転軸に対して同一距離、同一方向に離れた位置に形成される。また、第1正面カムD153と第2正面カムD157とは、同一の回転速度・回転量で回転可能とされる第1背面カムD154と第2背面カムD156とにそれぞれ締結固定されるので、それら第1背面カムD154と第2背面カムD156同様に、同一の回転速度・回転量で変位可能とされる。
被検出部D157dは、ベース本体D111(ベース手段D110)に配設される検出手段D111hに検出される検出部であり、駆動モータD151の駆動により被検出部D157dがベース本体D111(ベース手段D110)の所定位置に配設される場合に、検出手段D111hから出射される光を遮ることが可能に構成される。即ち、ギヤ部D153aが1回転する毎に、被検出部D157dを検出手段D111hに検出させることが可能に構成される。
上側揺動手段D120は、正面視(矢印B方向視)において左右方向に長い略半円形状に形成される。また、上側揺動手段D120は、円弧状に形成される上面側(矢印U方向側)の一部がセンターフレームA86(図498参照)の内縁に沿う位置に配設される変位手段D121と、その変位手段D121の長手方向一端側(矢印L方向側)における外縁から突設される第1被軸支部D122と、変位手段D121の長手方向中央部の上方側(矢印U方向側)の外縁から突設される第2被軸支部D123と、変位手段D121の長手方向他端側(矢印R方向側)における外縁から突設される第3被軸支部D124とを主に備え、突設部D143b2,D147bから受ける駆動力の大きさに応じて、変位される態様を変更可能に構成される。
変位手段D121は、パチンコ機H10の第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置で変位する演出部材であり、その変位手段D121の変位により正面視(矢印B方向視)における第3図柄表示装置H81の視認可能な領域を変更可能とされる。
また、変位手段D121は、光を反射可能な反射材料から形成される反射部D121aと、光を透過可能な光透過部D121bとを少なくとも一部に備えると共に、光を出射可能な発光手段(図示しない)を変位手段D121の内部に備える。なお、第83実施形態では、反射部D121aは、正面視(矢印B方向視)おいてセンターフレームA86(図498参照)の内縁に沿う円弧状に形成され、光透過部D121bは、正面視において円弧状に形成される反射部D121aの内側に形成される。
変位手段D121は、反射部D121aにより、変位手段D121の外側から変位手段D121に向かって照射される光を遊技者側(即ち、正面側(矢印F方向側))に反射することで遊技者に変位手段D121を注目させやすくできる。また、変位手段D121を変位させた際には、反射部D121aに反射される光の反射態様を変更することができるので、遊技者に変位手段D121の変位を注目させやすくできる。
また、変位手段D121は、正面視(矢印B方向視)において円弧状に形成される反射部D121aの内側に光透過部D121bを備えるので、第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置に変位手段D121を配設した場合に、光透過部D121bを介して背面側(矢印B方向側)の第3図柄表示装置H81の表示を視認可能とされる。その結果、第3図柄表示装置H81の視認可能領域が狭くなることを抑制しつつ、演出可能な領域を増加させることができる。
なお、第83実施形態では、変位手段D121が反射部D121aと、光透過部D121bとの両方を備えるが、どちらか一方のみで構成されるものであっても良い。例えば、変位手段D121は、光を反射可能な反射部D121aのみで構成されるものであっても良い。この場合には、変位手段D121の内部に光照射手段(図示しない)を配設する必要がなくなるため、変位手段D121の構造を簡易にできる。
第1被軸支部D122は、第1正面カムD143の突設部D143b2から駆動モータD141の駆動力が伝達される被伝達部であり、正面視(矢印B方向視)において第1正面カムD143の少なくとも一部と重なる位置に配設され、第1正面カムD143の突設部D143b2が相対変位可能な状態で挿入される貫通孔D122aを備える。
第1被軸支部D122は、貫通孔D122aに挿入される突設部D143b2が第1正面カムD143の回転によりベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位されることで、駆動モータD141の駆動力が第1被軸支部D122に伝達されベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位可能とされる。
第2被軸支部D123は、第2正面カムD147の突設部D147bから駆動モータD141の駆動力が伝達される被伝達部であり、正面視(矢印B方向視)において第2正面カムD147の少なくとも一部と重なる位置に配設され、第2正面カムD147の突設部D147b画相対変位可能な状態で挿入される貫通孔D123aを備える。
第2被軸支部D123は、貫通孔D123aに挿入される突設部D147bが第2正面カムD147の回転によりベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位されることで、駆動モータD141の駆動力が第2被軸支部D123に伝達されベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位可能とされる。
ここで、第1被軸支部D122の貫通孔D122aと第2被軸支部D123の貫通孔D123aとが正面視(矢印B方向視)において離間する距離は、第1正面カムD143の突設部D143b2と第2正面カムD147の突設部D147bとが正面視において離間する距離と同一に設定される。上述したように第1正面カムD143と第2正面カムD147とは同一の回転速度・回転量で回転されるので、駆動モータD141の駆動力が第1被軸支部D122及び第2被軸支部D123に伝達されると、上側揺動手段D120は、第1正面カムD143の突設部D143b2と第2正面カムD147の突設部D147bとのベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対変位と同様に、ベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位される。
第3被軸支部D124は、変位手段D121の他端側(矢印R方向側)を支持するための被支持部であり、後述する上側カバー手段D160に一端が係止される上側バネD181の他端が係止可能な鉤状に形成される被係止部D124aを備える。これにより、第1正面カムD143及び第2正面カムD147に連結される第1被軸支部D122及び第2被軸支部D123に比べて、ベース本体D111に対する変位の自由度の高い第3被軸支部D124を付勢して、変位手段D121の他端側(矢印R方向側)が振動等で勝手に(上側動力付与手段D140の駆動力が付与されていない状態で)揺れ動くことを抑制できる。
下側揺動手段D130は、正面視(矢印B方向視)において左右方向に長い略半円弧形状に全体が形成される。下側揺動手段D130は、円弧状に形成される下面側の一部がセンターフレームA86(図498参照)の内縁に沿う位置に配設される変位手段D131と、その変位手段D131の長手方向一端側(矢印L方向側)における外縁から突設される第1被軸支部D132と、変位手段D131の長手方向他端側(矢印R方向側)における外縁から突設される第2被軸支部D133とを主に備え、突設部D153b2,D157bから受ける駆動力の大きさに応じて、変位される態様を変更可能に構成される。
変位手段D131は、パチンコ機H10の第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置で変位する演出部材であり、その変位手段D131の変位により正面視(矢印B方向視)における第3図柄表示装置H81の視認可能な領域を変更可能とされる。
また、変位手段D131は、光を反射可能な反射材料から形成される反射部D131aと、光を透過可能な光透過部D131bとを少なくとも一部に備えると共に、光を出射可能な発光手段(図示しない)を変位手段D131の内部に備える。なお、第83実施形態では、反射部D131aは、正面視(矢印B方向視)おいて変位手段D131の長手方向両端側の一部に形成され、光透過部D131bは、正面視において長手方向両端に形成される反射部D131aの内側に形成される。
変位手段D131は、反射部D131aにより、変位手段D131の外側から変位手段D131に向かって照射される光を遊技者側(即ち、正面側(矢印F方向側))に反射することで遊技者に変位手段D131を注目させやすくできる。また、変位手段D131を変位させた際には、反射部D131aに反射される光の反射態様を変更することができるので、遊技者に変位手段D131の変位を注目させやすくできる。
また、変位手段D131は、正面視(矢印B方向視)において長手方向両端に形成される反射部D131aの内側に光透過部D131bを備えるので、第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置に変位手段D131を配設した場合に、光透過部D131bを介して背面側(矢印B方向側)の第3図柄表示装置H81の表示を視認可能とされる。その結果、第3図柄表示装置H81の視認可能領域が狭くなることを抑制しつつ、演出可能な領域を増加させることができる。
なお、第83実施形態では、変位手段D131が反射部D131aと、光透過部D131bとの両方を備えるが、どちらか一方のみで構成されるものであっても良い。例えば、変位手段D131は、光を反射可能な反射部D131aのみで構成されるものであっても良い。この場合には、変位手段D131の内部に光照射手段(図示しない)を配設する必要がなくなるため、変位手段D131の構造を簡易にできる。
第1被軸支部D132は、第1正面カムD153の突設部D153b2及び第2正面カムD157の突設部D157bから駆動モータD151の駆動力が伝達される被伝達部であり、正面視(矢印B方向視)において第1正面カムD153及び第2正面カムD157の少なくとも一部と重なる位置に配設され、第1正面カムD153の突設部D153b2及び第2正面カムD157の突設部D157bが相対変位可能な状態で挿入される貫通孔D132a,D132bを備える。
第1被軸支部D132は、貫通孔D132aに挿入される突設部D153b2及び貫通孔D132bに挿入される突設部D157bが第1正面カムD153及び第2正面カムD157の回転によりベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位されることで、駆動モータD151の駆動力が第1被軸支部D132に伝達されベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位可能とされる。
ここで、第1被軸支部D132の貫通孔D132aと第1被軸支部D132の貫通孔D132bとが正面視(矢印B方向視)において離間する距離は、第1正面カムD153の突設部D153b2と第2正面カムD157の突設部D157bとが正面視において離間する距離と同一に設定される。上述したように第1正面カムD153と第2正面カムD157とは同一の回転速度・回転量で回転されるので、駆動モータD151の駆動力が第1被軸支部D132に伝達されると、下側揺動手段D130は、第1正面カムD153の突設部D153b2と第2正面カムD157の突設部D157bとのベース本体D111(ベース手段D110)に対する相対変位と同様に、ベース本体D111(ベース手段D110)に対して相対変位される。
第2被軸支部D133は、変位手段D131の他端側(矢印R方向側)を支持するための被支持部であり、後述する下側カバー手段D170に一端が係止される下側バネD182の他端が係止可能な鉤状に形成される被係止部D133aを備える。これにより、第1正面カムD153及び第2正面カムD157に連結される第1被軸支部D132に比べて、ベース本体D111に対する変位の自由度の高い第2被軸支部D133を付勢して、変位手段D131の他端側(矢印R方向側)が振動等で勝手に(下側動力付与手段D150の駆動力が付与されていない状態で)揺れ動くことを抑制できる。
上側カバー手段D160は、上側揺動手段D120の変位手段D121の上方側(矢印U方向側)の周囲を取り囲み、上側揺動手段D120の駆動機構(上側動力付与手段D140及び上側バネD181)を遊技者から視認させ難くするための部材であり、正面側(矢印F方向側)に凹凸状の装飾が形成される。
また、上側カバー手段D160は、上側揺動手段D120の第1被軸支部D122側(矢印L方向側)に配設される第1カバーD161と、上側揺動手段D120の第3被軸支部D124側(矢印R方向側)に配設される第2カバーD162とを備える。
第1カバーD161は、主に駆動ギヤD142及び第1正面カムD143の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設される。これにより、遊技中にセンターフレームA86(図498参照)に配設される装飾部材等が脱落した際に、その脱落した部品が上側揺動手段D120に駆動力を付与する部分(駆動ギヤD142及び第1正面カムD143)に衝突(干渉)することを抑制でき、上側揺動手段D120の駆動が停止してしまうことを抑制できる。
第2カバーD162は、上側揺動手段D120の第3被軸支部D124の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設され、ベース本体D111との間の空間に第3被軸支部D124を保持することが可能に構成される。これにより、第1正面カムD143及び第2正面カムD147に連結される第1被軸支部D122及び第2被軸支部D123に比べて、ベース本体D111に対する変位の自由度の高い第3被軸支部D124が前後方向に過大に揺れ動くことを抑制できる。
また、第2カバーD162は、第3被軸支部D124の被係止部D124aよりも上方側(矢印U方向側)に上側バネD181の一端側を係止可能な鉤状の被係止部D162aを備える。これにより、駆動モータD141の駆動力が伝達される第1被軸支部D122及び第2被軸支部D123にから離れる位置に形成される第3被軸支部D124を上方側に付勢できるので、上側揺動手段D120を上方側に持ち上げる方向に変位させる際に駆動モータD141にかかる抵抗が大きくなることを抑制できる。
下側カバー手段D170は、下側揺動手段D130の変位手段D131の長手方向(矢印L-R方向)の両側をベース本体D111(ベース手段D110)との間で取り囲み、下側揺動手段D130の駆動機構(下側動力付与手段D150及び下側バネD182)を遊技者から視認させ難くするための部材であり、正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部に凹凸状の装飾が形成される。
また、下側カバー手段D170は、下側揺動手段D130の第1被軸支部D132側(矢印L方向側)に配設される第1カバーD171と、下側揺動手段D130の第2被軸支部D133側(矢印R方向側)に配設される第2カバーD172とを備える。
第1カバーD171は、主に駆動ギヤD152及び第1正面カムD153の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設される。これにより、遊技中にセンターフレームA86(図498参照)に配設される装飾部材等が脱落した際に、その脱落した部品が下側揺動手段D130に駆動力を付与する部材(駆動ギヤD152及び第1正面カムD153)に衝突(干渉)することを抑制でき、下側揺動手段D130の駆動が停止してしまうことを抑制できる。
第2カバーD172は、下側揺動手段D130の第2被軸支部D133の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設され、ベース本体D111との間の空間に第2被軸支部D133を保持することが可能に構成される。これにより、第1正面カムD153に連結される第1被軸支部D132に比べて、ベース本体D111に対する変位の自由度の高い第2被軸支部D133が前後方向に過大に揺れ動くことを抑制できる。
また、第2カバーD172は、第2被軸支部D133の被係止部D133aよりも上方側(矢印U方向側)に下側バネD182の一端側を係止可能な鉤状の被係止部D162aを備える。これにより、駆動モータD151の駆動力が伝達される第1被軸支部D132及び第2被軸支部D133にから離れる位置に形成される第3被軸支部D134を上方側に付勢できるので、下側揺動手段D130を上方側に持ち上げる方向に変位させる際に駆動モータD151にかかる抵抗が大きくなることを抑制できる。
次いで、図513及び図514を参照して、揺動ユニットD100の変位の態様について説明する。なお、上側揺動手段D120と下側揺動手段D130とを変位させる構造については、略同一の構造であるため、以下の説明では、上側揺動手段D120の変位について説明し、下側揺動手段D130の変位についての説明は省略する。
図513(a)、図513(b)、図514(a)、及び、図514(b)は、揺動ユニットD100を正面視した模式図である。なお、図513(a)、図513(b)、図514(a)、及び、図514(b)では、揺動ユニットD100における上側揺動手段D120の遷移状態が順に図示される。
また、以下の説明では、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の突設部D143b2,D147bが第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転軸に対して正面視上側(矢印U方向側)に配設された状態における第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転位置を第1位置(図513(a)に示す位置)として説明し、突設部D143b2,D147bが第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転軸に対して正面視右側(矢印R方向側)に配設された状態における第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転位置を第2位置(図513(b)に示す位置)として説明し、突設部D143b2,D147bが第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転軸に対して正面視下側(矢印D方向側)に配設された状態における第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転位置を第3位置(図514(a)に示す位置)として説明し、突設部D143b2,D147bが第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転軸に対して正面視左側(矢印L方向側)に配設された状態における第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転位置を第4位置(図514(b)に示す位置)として説明する。
図513(a)に示すように、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置に配設した状態(即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の突設部D143b2,D147bがベース本体D111(ベース手段D110)に対して上側(矢印U方向側)に配置された状態)では、それら第1正面カムD143及び第2正面カムD147の突設部D143b2,D147bに軸支される上側揺動手段D120(第1被軸支部D122及び第2被軸支部D123)もベース本体D111(ベース手段D110)に対して上側に配置される。
この場合、上側揺動手段D120の変位手段D121は、センターフレームA86(図498参照)の内縁に対して上方側(矢印U方向側)の外縁全体が略同等の隙間を有した状態とされると共に、背面側(矢印B方向側)に配設される第3図柄表示装置H81との正面視における重なり量が少なくされる。そのため、上側揺動手段D120に上側動力付与手段D140の駆動力を付与していない状態では、通常、第1正面カムD143及び第2正面カムD147が第1位置に配設される。なお、第1正面カムD143の回転位置を検出する検出手段D111g(図511参照)は、第1位置における第1正面カムD143の被検出部D143b3(図511参照)を検出可能に構成される。
図513(a)に示す状態から上側動力付与手段D140に駆動力が付与されると、図513(b)に示すように、駆動ギヤD142の回転により第1正面カムD143が第1位置から第4位置まで順に回転して再度第1位置まで回転されることで1回転される。第1正面カムD143が回転されることで、その第1正面カムD143の回転の駆動力が第1背面カムD144、連結手段D145、及び、第2背面カムD146を介して第2正面カムD147に伝達され、第1正面カムD143と第2正面カムD147とが一緒に回転される。
よって、図513(a)、図513(b)、図514(a)、及び、図514(b)に示すように、駆動ギヤD142の回転が継続されることで、上側揺動手段D120は、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の突設部D143b2,D147bの移動態様と同様に、正面視(矢印B方向視)においてベース本体D111(ベース手段D110)に対して回転の軌跡でスライド変位される。この場合、上述したように、第1正面カムD143と第2正面カムD147とは、同一の回転速度・回転量で回転可能とされるので、ベース本体D111(ベース手段D110)に対する第1正面カムD143及び第2正面カムD147の突設部D143b2,D147bの移動により、上側揺動手段D120をその姿勢を維持した状態で変位させることができる。
しかしながら、上側揺動手段D120の姿勢を維持した状態で、上側揺動手段D120を正面視において単に回転の軌跡でスライド変位させるだけでは、上側揺動手段D120の変位の態様が一様(一定の軌跡に沿った動作を繰り返す)となるため、演出が単調になり、演出効果を十分に向上できないという問題点があった。
例えば、駆動手段からの駆動力を受けて、一定の軌跡に沿って変位手段が変位(往復動作、循環動作)される構造では、一定の軌跡に沿ってのみ変位するので、変位手段と他の部材(例えば、センターフレームA86)と衝突や干渉を考慮する必要がないので、簡素化できる。また、駆動手段の駆動力の増減することで、変位手段の変位の速度を変えた演出が可能ができる。一方で、変位手段が一定の軌跡に沿った動作を繰り返すのみであるので、演出が単調になるという問題点がある。
なお、駆動手段からの駆動力を受けて、一定の軌跡に沿って変位手段が変位(往復動作、循環動作)される構造において、例えば、往復動作の終端まで変位手段を変位させず、途中で変位手段を反転させて始端に復帰させる態様としつつ、反転させる位置を都度変更することで、演出の単調さを抑制できる。しかしながら、この場合においても、変位手段は、一定の軌跡に沿った動作を繰り返す為、演出の単調さを十分に抑制できない。
これに対して、第83実施形態では、変位する上側揺動手段D120に駆動力を伝達する伝達経路(第1被軸支部D122及び第2被軸支部D123の貫通孔D122a,D123a)が、左右方向(矢印L-R方向)に長く形成される変位手段D121の左右方向中央部よりも一方側(矢印L方向側)に形成され、変位手段D121の他方側(矢印R方向側)が上側バネD181により支えられる構造とされる。そのため、上側揺動手段D120の変位速度(駆動モータD141の軸部D141bの回転速度)に応じて、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側を変位させやすくできる。
即ち、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印R方向側)は、上側バネD181により付勢支持されるだけであるため、変位手段D121(上側揺動手段D120)の一方側(矢印L方向側)に作用する駆動力によって変位手段D121(上側揺動手段D120)を変位させた際に、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側に作用する遠心力を大きくさせやすくできる。
これにより、上側揺動手段D120を素早く変位させた際(即ち、駆動モータD141の軸部D141bを速い速度(以下、「回転速度A」と称す)で回転させた際)には、正面視において左右方向(矢印L-R方向)に長く形成される変位手段D121(上側揺動手段D120)の撓みや、相対変位可能な状態で連結するために突設部D143b2,D147bと貫通孔D122a,D123aとの間に設けられる隙間の分、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印L方向側)を過剰に変位させることができる。
この場合、図513(a)、図513(b)、図514(a)、及び、図514(b)に示すように駆動ギヤD142の回転を継続させることで、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印L方向側)に作用する遠心力の方向が変えられるので、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印L方向側)をその遠心力により過剰に変位させた後には、上側バネD181の付勢力により、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印L方向側)を更に変位させることができる。即ち、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印L方向側)をぐらつかせやすくできる。
このように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度Aで回転させて、上側揺動手段D120を素早く変位させた際には、上側揺動手段D120に正面視において回転の軌跡でスライド変位させるだけでなく、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印L方向側)にぐらつく変位をさせることができる。その結果、上側揺動手段D120の変位による演出効果を向上しやすくできる。
一方、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度Aよりも遅い速度(以下、「回転速度B」と称す)で回転させて、上側揺動手段D120を遅く変位させた際(即ち、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側(矢印R方向側)に作用する遠心力が上側バネD181の付勢力よりも小さくされる際)には、変位手段D121(上側揺動手段D120)の他方側は、上側揺動手段D120を軸支する突設部D143b2,D147bに準じた位置で安定して変位させることができる。
従って、第83実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更して、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の突設部D143b2,D147bの変位速度を変更することで、それら突設部D143b2,D147bから変位手段D121(上側揺動手段D120)に作用する駆動力の大きさを変更でき、それら突設部D143b2,D147bから受ける駆動力に大きさに応じて変位手段D121(上側揺動手段D120)の変位の態様を変更できる。
また、第83実施形態では、上側バネD181により変位手段D121に作用する付勢力の大きさを、変位手段D121の変位の態様に応じて変化させることができるので、変位手段D121の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。
従って、第83実施形態では、突設部D143b2,D147bから変位手段D121(上側揺動手段D120)に作用する駆動力の大きさを変更した際の上側揺動手段D120の変位の態様を複雑化することで、上側揺動手段D120の演出が単調になることを抑制できる。これにより、パチンコ機H10(図497参照)の演出に合わせて、変位手段D121(上側揺動手段D120)の変位の態様を変更する(例えば、大当たり後には、軸部D141bの回転速度を速くして変位手段D121(上側揺動手段D120)の変位の態様を複雑にして、遊技者に与える興趣を大当たりと共に向上させる)ことで、上側揺動手段D120の変位による演出効果を向上できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、その駆動速度が速くなることで上側揺動手段D120の可動音が遊技者に聞こえる恐れがある。そのため、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させる場合(即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転速度を速くした場合)には、パチンコ機H10に配設したスピーカー(図示しない)から放音される遊技音を大きくして、上側揺動手段D120の可動音が遊技者に聞こえることを抑制しても良い。
なお、上記の説明では、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第4位置まで順に変位させる(即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を正面視において時計回りに回転させる)場合について説明したが、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を正面視において反時計回りに回転させるものであっても良く、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させるものであっても良い。
これによれば、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の変位の態様を適宜変更することができるので、上側揺動手段D120の変位の態様が一様になることを抑制できる。その結果、上側揺動手段D120の変位による演出効果を向上できる。
なお、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を正面視において時計回り又は反時計回りに回転させ続ける構成の場合には、上側揺動手段D120の変位の態様の変化をさせ難くなるものの、正転および反転の制御を有する駆動モータを使用する必要がないため、揺動ユニットD100の製造コストを低減できる。また、所定の回転量で軸部D141bを停止させる等の複雑な制御も必要なくなるので、駆動モータD141の制御に必要なコストも低減できる。
一方で、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を所定の回転量回転させて、停止した後、再度所定の回転量回転させて停止させるといった動作を、第1正面カムD143及び第2正面カムD147にさせる場合には、所定の回転量で軸部D141bを停止させる制御が必要となるため駆動モータD141の制御に必要なコストが増加するものの、上側揺動手段D120が駆動力を受ける態様を異ならせることができ、上側揺動手段D120の変位の態様の変化を大きくできる。
また、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転方向を反転させる際に、突設部D143b2,D147bから上側揺動手段D120に作用する慣性力を大きくできる。そのため、上側揺動手段D120の変位の態様を大きく変化させることができる。よって、上側揺動手段D120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D120の変位による演出効果を向上できる。
また、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の変位途中に変更可能とされる。よって、上側揺動手段D120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bの回転を一度停止させてから回転速度を切り替えて(設定しなおして)再度回転が開始されるものであっては、回転速度を切り替える度にその回転を停止する必要があるため、上側揺動手段D120の変位が断続的になり、上側揺動手段D120の変位による演出効果が低下する恐れがある。
これに対し、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の変位途中に変更可能とされるので、回転速度を変更する際に上側揺動手段D120の変位を継続させることができる。その結果、上側揺動手段D120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度は、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第4位置まで順に(時計回りで)変位させる場合に、1回転目を回転速度Bで回転させた後の2回転点目以降を回転速度Aで回転させたり、第1正面カムD143及び第2正面カムD147が1回転される毎に回転速度を変更しても良い。
また、例えば、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1位置から第2位置までの変位を回転速度Bで回転させた後、第2位置から第1位置までの変位を回転速度Aで回転させて(往路と復路とで回転速度を変更して)も良い。この場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、上側揺動手段D120の変位の態様を変化させることができる。その結果、上側揺動手段D120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D120の変位による演出効果を向上できる。
即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で同じ速度で繰り返し往復変位させる(往路と復路とで同じ回転速度に設定される)場合には、駆動モータD141の軸部D141bの回転の速度を制御する必要が無いので、駆動モータD141の制御に必要な制御コストを低減できるものの、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置に変位させたことによる上側揺動手段D120の変位の態様と、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第2位置から第1位置に変位させたことによる上側揺動手段D120の変位の態様が略同一となるため、変位手段の変位の態様の変化を大きくし難いという問題点がある。
これに対し、第1位置から第2位置までの変位の回転速度と、第2位置から第1位置までの変位の回転速度とを変更(往路と復路とで回転速度を変更)することで、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置に変位させたことによる上側揺動手段D120の変位の態様と、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第2位置から第1位置に変位させたことによる上側揺動手段D120の変位の態様とを異ならせることができる。その結果、上側揺動手段D120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D120の変位による演出効果を向上できる。
なお、第1位置から第2位置までの変位の回転速度と、第2位置から第1位置までの変位の回転速度とを変更(往路と復路とで回転速度を変更)する場合には、回転速度が速い側と回転速度が遅い側との関係をその変位途中や1往復動作後に反対の関係にしても良い。
さらに、例えば、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD147が1往復動作される毎に回転速度を変更しても良い。
なお、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間が同一に設定される。これにより、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の制御を簡素とできる。
即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の往路と復路とが異なる変位区間に設定される場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の往路と復路とで回転量が異なることで、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の位相がずれることで、上側揺動手段D120の変位の態様を変化させやすくできるものの、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転量を検出するための検出手段を複数個配設してその回転位置を検出する、若しくは、駆動モータD141により第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転量を制御する必要がある。そのため、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の制御が複雑になる。
また、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の往路と復路とが往復動作の度に異なる変位区間に設定される場合には、上記した第1正面カムD143及び第2正面カムD147の往路と復路とが異なる変位区間に設定される場合における第1正面カムD143及び第2正面カムD147の位相のずれを所定回数の往復動作で戻すことができるものの、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を往復動作の度に異なる変位区間に設定する必要があるため、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の制御が複雑になる。
これに対し、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間を同一に設定することで、ベース本体D111に配設した検出手段D111g(図511参照)により、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の位置検出を可能にできる。従って、1個の検出手段D111gにより、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の制御をすることができるので、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の制御を簡素にできる。
次いで、図515から図525を参照し、第84実施形態における第1球流下構造体A1300について説明する。上記第83実施形態では、第1球流下構造体A300に流入した遊技球は全て第1球流下構造体A300の下端から排出される場合を説明したが、第84実施形態では、第1球流下構造体A1300に流入した遊技球が複数の経路に振り分けられるよう構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図515は、第84実施形態における遊技盤A1013及び動作ユニットD200の分解正面斜視図である。なお、図515では、風車AWF及び球の流下経路を形成するためにベース板A60に植設される釘の図示が省略される。
図515に図示されるように、遊技盤A1013は、ベース板A60に対して、センターフレームA86よりも右方において穿設される右方穿設部A60aを前方から塞ぐようにして第1球流下構造体A1300が組み付けられ、その第1流下構造体A1300から遊技領域の外方(後方)に排出された球を流下させる排出経路の後側部を構成する樋構成部材A1510が後方側から組み付けられ、センターフレームA86よりも下方において穿設される下方穿設部A60bを前方から塞ぐようにして第2球流下構造体A600が組み付けられる。
第1球流下構造体A1300には、スルーゲートH67が配設されており、第2球流下構造体A600には、第2入賞口H640及び可変入賞装置A65における特定入賞口H65aが配設されている。
図516(a)は、第1球流下構造体A1300の正面斜視図であり、図516(b)は、第1球流下構造体A1300の背面斜視図である。図516(b)には、組立状態において右方穿設部A60aを構成する前側縁部が当接する位置に対応する形状線AS60aが想像線で図示される。
図516(a)及び図516(b)に図示されるように、第1球流下構造体A1300は、上流側にスルーゲートH67が配設されており、スルーゲートH67を通過した遊技球またはスルーゲートH67を逸れた遊技球が内部を流下する。
図517は、第1球流下構造体A1300の分解正面斜視図であり、図518は、第1球流下構造体A1300の分解背面斜視図である。図517及び図518に図示されるように、第1球流下構造体A1300は、遊技盤A1013のベース板A60に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の背面側部を構成する背面側部材A1310と、その背面側部材A1310に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の正面側部を構成する正面側部材A1350と、背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に保持されるスルーゲートH67と、背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に保持されており一般入賞口H63を構成する入賞検出センサASC11と、背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に変位可能に収容されており遊技球の流下経路を振り分ける振分部材A1380と、その振分部材A1380を変位させることが可能に構成されており背面側部材A1310の背面側に配設される変位伝達装置A1400と、その変位伝達装置A1400を背面側部材A1310との間に収容する背面蓋部材A1480と、を備える。
背面側部材A1310において、ベース板A60との締結に用いる締結ネジが挿通される第1ネジ挿通孔A312は形状線AS60aの外側に位置しており、正面側部材A1350との締結に用いる締結ネジが挿通される第2ネジ挿通孔A314及び第3ネジ挿通孔A316は形状線AS60aの内側に位置している。
これにより、ベース板A60に背面側部材A1310が締結固定された状態において、右方穿設部A60a(図500参照)の内側にドライバーなどの工具を通して締結ネジを外すことにより、正面側部材A1350を背面側部材A1310に対して脱着することが可能となっている。
正面側部材A1350を背面側部材A1310から分離させた状態であれば第1球流下構造体A1300の前方側が開放されるので、背面側部材A1310の板状部A311や、その板状部A311の手前側に形成される各延設部A321等に前側から触ることができるし、振分部材A1380に前側から触ることができるし、球が流路に位置する場合においてその球に触ることができる。従って、汚れが付着していた場合に汚れを拭き取ることができるし、振分部材A1380が動作不良を起こした場合に直すことができるし、球が滞留した場合に球の滞留を解消することができる。
背面側部材A1310は、第8延設部A328と対向配置され、第8延設部A328と共に第1球流下構造体A1300から下方へ球を排出する経路を構成する第9延設部A1329を備える。
背面側部材A1310は、前後方向が長辺となる長方形状の前側の角部が丸くされた断面形状で延びる複数の突条部であって十分な剛性を維持する形状の突条部が板状部A311に一体で形成されている。即ち、背面側部材A1310は、複数の交差突条部A331と、複数の流下突条部A332と、第2延設部A322の先端側から鉛直方向に延びる鉛直突条部A1333と、を備える。
鉛直突条部A1333は、第2延設部A322の上面が右下がりに傾斜しているのに対して、直角に交差するのではなく、正面視で鋭角に交差するように鉛直方向に延びる。これにより、第1流下経路AR303を流下して鉛直突条部A1333に当接した遊技球が受ける荷重(抵抗)は、第2延設部A322の上面と平行な方向の成分と、第2延設部A322に押し付けられる方向の成分とが生じるため、遊技球を効果的に減速させることができる。
背面側部材A1310は、振分部材A1380が退避される退避凹部A1341と、板状部A311の正面側に延設される板状部であって入賞検出センサASC11に流入する球が流下する経路を構成する経路構成部A1342と、その経路構成部A1342における経路と連通するように入賞検出センサASC11が収容される収容部A1343と、経路構成部A1342の下端から後方へ球を排出可能な排出孔A1344と、を備える。
背面側部材A1310は、回転部材A1410の筒状部A1411を回転可能に支持する支持柱部A1346と、回転部材A1410が収容される回転部材収容部A1347と、ソレノイドA1420が収容されるソレノイド収容部A1348と、を備える。
正面側部材A1350は、板状部A351と、その板状部A351の背面側において内側に左右に延びる凹部A1362が形成される横長突部A1361と、入賞検出センサASC11の前側部および左側部を保持可能な形状で背面視矩形状で背面側に延設されるセンサ保持部A1365と、を備える。
正面側部材A1350は、球を流下させる方向に対して交差する方向に延びる複数の交差突条部A371と、球を流下させる方向に延びる複数の流下突条部A372と、正面視で正方形状の左側の角部が丸くされた断面形状で前後方向に延びる突部であって十分な剛性を維持する形状の対向突部A1375と、を備える。
対向突部A1375は、板状部A351側において形成される大径形状部A1375aと、その大径形状部A1375aの後方に延びる小径形状部A1375bと、を備えており、張出位置における振分部材A1380の延設部A1382と対向配置される。
即ち、対向突部A1375は、張出位置における振分部材A1380との間で、球を流下させる経路の経路幅を構成する。一方で、振分部材A1380が退避位置に位置する場合には、振分部材A1380が退避凹部A1341に埋没されることから、振分部材A1380との間で経路幅を構成しない。
振分部材A1380に衝突して流下した球は対向突部A1375と振分部材A1380との間を流下される。この場合において、振分部材A1380と対向突部との間を流下する遊技球が双方に同時に当接することが無いように、球を案内可能な部位である対向突部A1375の配置が設計されており、球が背面側部材A1310の板状部A311側を流下する場合には、球は大径形状部A1375aとは接触せず流下し、球が正面側部材A1350の板状部A351側を流下する場合には、球が大径形状部A1375aと接触して後方側に寄せられる。
この場合、流下する球の前後位置に関わらず、振分部材A1380と衝突して折曲位置A301側へ流下する球の前後位置を、背面側部材A1310の板状部A311側に寄せることができる。この前後位置は、入賞検出センサASC11側へ振り分けられた球と同様の前後位置(それぞれ、板状部A311と略平行な同一の平面における位置)とされる。
これにより、振分部材A1380により振り分けられた直後における球の前後位置を略同一とすることができるので、振り分けられた方向によって遠近感により球の視認される大きさが変化することを避けることで球の流下が整って見えるように構成でき(球の流下が煩雑に視認されることを避けることができ)、併せて、球が入賞検出センサASC11側へ振り分けられたことを遊技者が気にする事態を避け易くすることができる。
振分部材A1380は、上下方向の板厚をもって形成される基端部A1381と、その基端部A1381から右方へ向けて延設される延設部A1382と、その延設部A1382の先端形状と類似した正面視形状で基端部A1381の前後両側から下方へ向けて張出形成された部位である一対の形成部A1383と、延設部A1382よりも正面側かつ基端部A1381側において板状に延びる正面側板状部A1384と、延設部A1382よりも後方側に延びる後方延設部A1385と、を備える。
振分部材A1380は、光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、一見して振分部材A1380の位置を把握し難くすることができ、球の流下に対する注目力を向上させることができる。また、後方から前方へ向けてLED等の発光手段により光を照射することで、振分部材A1380を通して光を視認させ、振分部材A1380の動作に対応して光の視認態様を異ならせる演出作用を生じさせることができる。なお、振分部材A1380を非透過性の材料から形成しても良い。この場合、振分部材A1380の状況を把握し易くすることができ、割れや欠けに気付き易くすることができる。
変位伝達装置A1400は、回転動作可能に背面側部材A1310に支持される回転部材A1410と、背面側部材A1310に固定配置され左右方向に伸縮動作されるソレノイドA1420と、下端部がソレノイドA1420のプランジャーに嵌合されると共に上端部が回転部材A1410と係合される伝達可能化部材A1430と、を備える。
回転部材A1410は、背面側部材A1310に支持される筒状部A1411と、その筒状部A1411の半径方向に沿って延びる延設腕部A1412と、その延設腕部A1412の途中位置から筒状部A1411の中心軸に対して平行に突設される係合部A1413と、を備える。
筒状部A1411の中心軸は、板状部A311の前面に対して直交する方向に延びるよう構成される。即ち、前後方向に延びる中心軸を中心に、回転部材A1410は回転動作可能に構成される。
回転部材A1410は、背面側部材A1310の支持柱部A1346に対して固定されるネジA1460のネジ頭により背面側部材A1310からの脱落が防止される。即ち、ネジA1460が背面側部材A1310に固定されている状態において、回転部材A1410が抜け落ちる事態を避けることができる。
伝達可能化部材A1430は、ソレノイドのプランジャーに嵌合される被嵌合部A1431と、回転部材A1410の係合部A1413を受け入れる長孔が形成される受入部A1437と、被嵌合部A1431と受入部A1437とを繋ぐ中間部A1438と、を備え、それらが十分な剛性を有するように樹脂材料により一体的に成形される。
被嵌合部A1431は、前後方向に突出される複数の案内突部A1431aを有しており、対向配置される背面側部材A1310及び背面蓋部材A1480との係合で姿勢が維持される。案内突部A1431aが複数構成されていることから、案内突部A1431aの何れか一箇所が破損した場合であっても、他の案内突部A1431aにより案内させることができる。
背面蓋部材A1480は、複数の締結孔A1481に挿通される締結ネジが背面側部材A1310の第4ネジ挿通孔A1318に螺入されることで背面側部材A1310に締結固定されるよう構成されており、背面側部材A1310の排出孔A1344から後方へ流下された球を受け入れて流下させる経路を構成する流下溝形成部A1482と、その流下溝形成部A1482の下流側端部において球が通過可能な大きさで貫通しており樋構成部材A1510(図515参照)が形成する排出経路と連通される排出孔A1483と、前面側において伝達可能化部材A1430の案内突部A1431aを左右方向に案内するために左右方向に延びる突条状に形成される一対の突条部A1484と、を備える。
図519は、第1球流下構造体A1300の正面図である。図519では、球の流下経路の概要の説明のために、便宜上、正面側部材A1350の板状部A351の図示が省略され、正面側部材A1350の案内湾曲板部A353、上面傾斜突条部A354、流路外延設部A356、及び交差突条部A371が想像線で図示される。なお、正面側部材A1350には正面側部材A350で上述した流下突条部A372は形成されていない。
第1球流下構造体A1300は、遊技盤A1013のベース板A60に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の背面側部を構成する背面側部材A1310と、その背面側部材A1310に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の正面側部を構成する正面側部材A1350と、背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に保持されるスルーゲートH67と、背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に保持されており一般入賞口H63を構成する入賞検出センサASC11と、背面側部材A1310と正面側部材A1350との間において張出位置と退避位置とで変位可能に収容されており遊技球の流下経路を振り分ける振分部材A1380と、を備える。
振分部材A1380は、上下方向の板厚をもって形成される基端部A1381と、その基端部A1381から右方へ向けて延設される延設部A1382と、基端部A1381の前後両端部から下方へ向けて張出形成される一対の形成部A1383と、延設部A1382よりも正面側かつ基端部A1381側において板状に延びる正面側板状部A1384と、延設部A1382よりも後方側に延びる後方延設部A1385と、を備える。
図519に図示されるように、案内湾曲板部A353の右端部は、振分部材A1380の右端部と重なる位置まで形成されており、スルーゲートH67を通過して案内湾曲板部A353を転動した球が振分部材A1380へ向けて流下することが防止(回避)されている。
これにより、振分部材A1380上を球が転動している最中に後続の球がスルーゲートH67を通過した場合において、その後続の球が振分部材A1380へ向けて流下して振分部材A1380上で球の衝突が起きて、流下が阻害される事態を避けることができ、球の流下を円滑化することができる。
更に、スルーゲートH67を通過した後の球が振分部材A1380へ向けて流下して振分部材A1380に衝突する事態(左下方向の速度を有して流下(落下)する球が振分部材A1380に右上側から衝突する事態)を回避することができるので、振分部材A1380の設計自由度を向上させることができる。
即ち、左下方向への荷重が右上側から生じることを想定すれば、当該方向への厚みを増すことで球の荷重による破損の防止を図り振分部材A1380を頑丈に構成する必要が生じ得るところ、この場合、材料が多く必要となりコスト増となるし、振分部材A1380の重量が上がることから動作速度が遅くなる可能性も生じる。
これに対して、本実施形態では左下方向の速度を有して流下(落下)する球が振分部材A1380に右上側から衝突する事態が回避されており、振分部材A1380と接触する球は、概ねスルーゲートH67の左側を流下して右方へ流れる球であり、その流下速度の方向は振分部材A1380の延設方向(左右方向)に沿う(鋭角に交差する)ことから、振分部材A1380を厚く構成することは不要とされる。これにより、材料コストを抑制し、振分部材A1380の動作速度が遅くなる事態も避けることができる。
図519に図示されるように、第1流下経路AR303に流入した球は、振分部材A1380が張出位置に配置され折曲位置A301側(右側)へ流下する場合と、振分部材A1380が退避位置に配置され入賞検出センサASC11に流入する場合とで振り分けられる一方、振分部材A1380に衝突しない第2流下経路AR304又は第3流下経路AR305を流下した球は、入賞検出センサASC11側へ流入する場合はなく、折曲位置A301側へ流下される。
ここで、折曲位置A301側へ流下した球は、その下流側において第2入賞口H640や、可変入賞装置H65の特定入賞口H65aに入賞する可能性が有る領域を流下する。第2入賞口H640や、可変入賞装置H65の特定入賞口H65aは、入賞検出センサASC11が構成する一般入賞口H63に比較して、賞球以外の利益を得られるかどうか(例えば図柄の抽選)や、得られる賞球の多少という観点で、遊技者にとって有利な入賞口である。従って、折曲位置A301側へ球が流下することを視認する遊技者の興趣の向上を図ることができる。
折曲位置A301側へ流下した球は、第7延設部A327を転動して振分部材A1380の下方側を右から左へ向けて流下する。これにより、振分部材A1380の動作に注目する遊技者の視界に、折曲位置A301側を流下した球を進入させることができ、遊技者が球を見失う事態を避けることができる。
折曲位置A301側には、交差突条部A331及び交差突条部A371が配設されており、流下する球が交差突条部A331及び交差突条部A371と当接することで前後方向に蛇行され、減速される。即ち、遊技者にとって有利な入賞口側へ流下する球の流下速度を減速させることで、遊技者が球を見失う事態を避けることができると共に、有利な入賞口に入球することを期待して球の流下に注目する時間を長引かせることができる。
折曲位置A301側における上面傾斜突条部A354の上方において、正面視において交差突条部A331及び流下突条部A332の間に正面側部材A1350からの突条部である交差突条部A371等が位置されていない。
即ち、球と当接する突条部として、背面側部材A1310に形成される交差突条部A331及び流下突条部A332が連続的に形成されている。これにより、球が合流する位置であると共に、遊技者にとって有利な入賞口(第2入賞口H640や、可変入賞装置H65の特定入賞口H65a、図498参照)へ向けて第1球流下構造体A1300から排出される直前の位置としての折曲位置A301において、交差突条部A331と流下突条部A332とが連続的に形成される上下幅に亘って球が正面側に変位された状態での流下を維持し易くすることができ(球が後方に変位し難く構成することができ)るので、遊技者が球を見失う事態を避けることができると共に、有利な入賞口に入球し得る球を目立たせることができる。
入賞検出センサASC11は、遊技盤面における釘の状態や、流下する球の状況によって、右打ちされた球がスルーゲートH67を通過し難い状況となっている場合を考慮して、スルーゲートH67の左側に逸れて流下した球による賞球の払出を図ることで遊技者の不満を部分的に解消するために設けられている、換言すれば、おまけの賞球払出を行うものである。
しかし、例えば右打ちされた球がほとんどスルーゲートH67の左側に逸れて流下するような状況となっている場合、右打ちされた球が入賞検出センサASC11に多量に入球してしまうと、おまけとしてではなく、主としての賞球払出の手段となり、設計時の想定から外れることになり、想定しない利益を遊技者が得る可能性もある。
これに対し、本実施形態では、入賞検出センサASC11の上流側に振分部材A1380が配設されており、入賞検出センサASC11に多量に入球することを防止している。
振分部材A1380が張出位置に位置する場合において第1流下経路AR303を流下した球は折曲位置A301側へ流下され、振分部材A1380が退避位置に位置する場合において第1流下経路AR303を流下した球は入賞検出センサASC11側へ流下されるところ、各流下経路は板状部A311と略平行な平面に沿うように構成される。
図519に図示されるように、折曲位置A301は、スルーゲートH67を左に逸れて第2延設部A322を流下する第1流下経路AR303を流下した球、スルーゲートH67を通過した球が流下する第2流下経路AR304を流下した球、スルーゲートH67を右に逸れた球が流下する第3流下経路AR305を流下した球、という3経路からの球が合流する位置であり、これらの球が同時に到達する可能性があるところ、振分部材A1380の配置によって一部の球は入賞検出センサASC11へ入球する(振分部材A1380が退避位置に位置する場合に相当)。
そのため、振分部材A1380による振分が生じない場合(上記第83実施形態の場合)に比較して、折曲位置A301へ同時に到達する球の個数が少なくされることから、折曲位置A301における領域の左右幅が短く設定される。これにより、第1球流下構造体A1300を配置するベース板A60の右方穿設部A60aの開口寸法を変えることなく、入賞検出センサASC11及び入賞検出センサASC11を通過する球の流下経路の配置スペースを確保することができる。
図520(a)及び図520(b)は、振分部材A1380及び変位伝達装置A1400の正面図である。図520(a)では、振分部材A1380が張出位置に位置される状態が図示され、図520(b)では、振分部材A1380が退避位置に位置される状態が図示される。
第1球流下構造体A1300は、振分部材A1380を変位させることが可能に構成されており背面側部材A1310の背面側に配設される変位伝達装置A1400と、その変位伝達装置A1400を背面側部材A1310との間に収容する背面蓋部材A1480と、を備える。
変位伝達装置A1400は、回転動作可能に背面側部材A1310に支持される回転部材A1410と、背面側部材A1310に固定配置され左右方向に伸縮動作されるソレノイドA1420と、下端部がソレノイドA1420のプランジャーに嵌合されると共に上端部が回転部材A1410と係合される伝達可能化部材A1430と、を備える。
回転部材A1410は、背面側部材A1310に支持される筒状部A1411と、その筒状部A1411の半径方向に沿って延びる延設腕部A1412と、その延設腕部A1412の途中位置から延設方向と交差する方向に突設される係合突部A1412aと、延設腕部A1412の途中位置から筒状部A1411の中心軸に対して平行に突設される係合部A1413と、を備える。
回転部材A1410は、光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、回転部材A1410の視認性を低下させることができ、振分部材A1380の位置を把握し難くすることができるので、球の流下に対する注目力を向上させることができる。なお、回転部材A1410を非透過性の材料から形成しても良い。この場合、回転部材A1410の状況を把握し易くすることができ、割れや欠けに気付き易くすることができる。
また、板状部A311の後方が視認可能な状況において、後方に配置される動作部材を光透過性の樹脂材料から形成することで、板状部A311の後方に注目されることを避け、板状部A311の手前側を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
伝達可能化部材A1430は、ソレノイドのプランジャーに嵌合される被嵌合部A1431と、回転部材A1410の係合部A1413を受け入れる長孔が形成される受入部A1437と、被嵌合部A1431と受入部A1437とを繋ぐ中間部A1438と、を備え、それらが十分な剛性を有するように樹脂材料により一体的に成形される。
伝達可能化部材A1430は、光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、伝達可能化部材A1430の視認性を低下させることができ、振分部材A1380の位置を把握し難くすることができるので、球の流下に対する注目力を向上させることができる。なお、伝達可能化部材A1430を非透過性の材料から形成しても良い。この場合、伝達可能化部材A1430の状況を把握し易くすることができ、割れや欠けに気付き易くすることができ、メンテナンスのタイミングを逃さないように図ることができる。
また、板状部A311の後方が視認可能な状況において、後方に配置される動作部材を光透過性の樹脂材料から形成することで、板状部A311の後方に注目されることを避け、板状部A311の手前側を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
振分部材A1380が張出位置に位置される状態ではソレノイドA1420が非励磁とされ、プランジャーを付勢するコイルスプリングの付勢力により振分部材A1380の位置が維持されており、ソレノイドA1420が力を付与する手段として励磁されることで振分部材A1380が退避位置に位置され、入賞検出センサASC11側へ遊技球が送球される状態を構成可能となる。
即ち、中間部A1438により振分部材A1380が張出位置に位置された(または動作中である)場合において、第1流下経路AR303を流下する後続の球は折曲位置A301側へ流下される態様と、中間部A1438により振分部材A1380が退避位置に位置された(または動作中である)場合において、第1流下経路AR303を流下する後続の球は入賞検出センサASC11側へ流下される態様とを構成可能とされる。
図520(a)及び図520(b)に図示されるように、ソレノイドA1420の励磁の切り替えに対応して、伝達可能化部材A1430が左右方向にスライド移動され、回転部材A1410が回転動作されることに基づいて振分部材A1380が左右方向にスライド移動される。
振分部材A1380は、正面側部材A1350の凹部A1362に正面側板状部A1384が配置され、左右方向にスライド移動可能に案内される。そのため、回転部材A1410が回転動作されることに基づいて振分部材A1380が左右方向にスライド移動される場合において、正面側板状部A1384の姿勢変化は抑制され、同じ姿勢で維持されるため、正面視における正面側板状部A1384の外形が維持される。
これにより、手前側に位置しており視認性の良い正面側板状部A1384の外形を視認しただけでは、振分部材A1380が退避位置にあるのか、張出位置にあるのかを遊技者が把握することが困難に構成されているため、振分部材A1380に対する注目力を向上させることができる。
振分部材A1380は、正面側部材A1350の凹部A1362に正面側板状部A1384が配置され、左右方向にスライド移動可能に案内される。そのため、振分部材A1380の動作抵抗は、左右方向(前後方向と交差する方向)よりも前後方向の方が大きくされる。
そのため、遊技者がガラスユニットH16を叩いた衝撃で前後方向の力が振分部材A1380に付与された場合であっても、振分部材A1380の位置が張出位置と退避位置とで変化されることを回避し易くすることができる。これにより、遊技中に遊技者がガラスユニットH16を叩く事態が発生することを抑制し、ガラスユニットH16が誤って割られる事態を回避することができる。
図521(a)、図521(b)及び図521(c)は、ベース板A60及び第1球流下構造体A1300の部分背面図である。図521(a)では、ベース板A60に第1球流下構造体A1300が配設された状態が図示され、図521(b)では、ベース板A60に第1球流下構造体A1300が配設された状態から背面蓋部材A1480が取り外された状態が図示され、図521(c)では、ベース板A60に第1球流下構造体A1300が配設された状態から背面蓋部材A1480及び伝達可能化部材A1430が取り外された状態が図示される。
図521(a)及び図521(b)に図示されるように、背面蓋部材A1480は、ベース板A60に背面側部材A1310及び正面側部材A1350が固定されている状態で、背面側部材A1310及び正面側部材A1350からの取り外し(分離)が可能に構成される。
背面側部材A1310と背面蓋部材A1480との間に変位伝達装置A1400が配設されており、開閉可能な部位である背面蓋部材A1480が取り外されることで、変位伝達装置A1400の回転部材A1410、ソレノイドA1420及び伝達可能化部材A1430が視認可能に露出される。
本実施形態では、背面蓋部材A1480が光透過性の樹脂材料から形成されているため、背面蓋部材A1480が取り外される前においても、変位伝達装置A1400を背面側から視認することが可能となっている。背面側部材A1310の正面側に振分部材A1380が配置されているが、背面蓋部材A1480越し、又は、背面側部材A1480を取り外した状態において、背面側から振分部材A1380を視認することが可能となっている。
背面蓋部材A1480は、背面側部材A1310に締結固定されているため、締結ネジを緩めることにより背面蓋部材A1480を背面側部材A1310から容易に取り外す(分離させる)ことが可能である。
背面蓋部材A1480を背面側部材A1310に締結固定した状態であれば、内部に配設される変位伝達装置A1400が露出しておらず、他の可動部材と接触することを避けられるし、埃等の異物が変位伝達装置A1400に付着して動作不良を起こすことを避けられる。
伝達可能化部材A1430が経年劣化で破損した場合等にメンテナンスを行う際には、背面蓋部材A1480を背面側部材A1310から取り外すことで、伝達可能化部材A1430を付け替えることが容易となる。即ち、伝達可能化部材A1430を付け替えるメンテナンスにおいて、背面側部材A1310及び正面側部材A1350をベース板A60から取り外す必要はない。
従って、ベース板A60の正面側に位置する背面側部材A1310及び正面側部材A1350の配置を維持したままでメンテナンスを行うことができるので、遊技領域の状態を維持させ易くすることができる。
伝達可能化部材A1430とソレノイドA1420との組み付けは、被嵌合部A1431にソレノイドA1420のプランジャーの先端部が前後方向で嵌合されているに過ぎないので、図521(b)及び図521(c)に図示されるように、伝達可能化部材A1430は、背面蓋部材A1480が背面側部材A1310及び正面側部材A1350から取り外されている(分離されている)状態において後方に抜き取ることで、容易に着脱可能に構成される。一方、背面蓋部材A1480が背面側部材A1310及び正面側部材A1350から取り外されている(分離されている)状態において、振分部材A1380は回転部材A1410がネジA1460により脱落を防止されていることに伴って、脱落が防止される。
伝達可能化部材A1430の配置に対応して、ソレノイドA1420の駆動力による変位を振分部材A1380に伝達させ得る伝達状態(図521(b)参照)と、その伝達状態から伝達可能化部材A1430が取り外されソレノイドA1420の駆動力による変位を振分部材A1380に伝達させない非伝達状態(図521(c)参照)と、で変化可能とされる。
メンテナンスを行う場合、故障したソレノイドA1420又は破損した伝達可能化部材A1430を取り外した後(図521(c)参照)、新しいソレノイドA1420又は伝達可能化部材A1430を正確に取り付ければ、再び伝達状態を構成させることができ(図521(b)参照)、ソレノイドA1420の駆動の実行に対応する変位を振分部材A1380に生じさせることができる。
一方、故障したソレノイドA1420又は破損した伝達可能化部材A1430を取り外した後(図521(c)参照)、新しいソレノイドA1420又は伝達可能化部材A1430を取り付けることなく背面蓋部材A1480を背面側部材A1310に固定することもできる。この場合、ソレノイドA1420の駆動力による動作は生じず、振分部材A1380が張出位置のまま維持されるように構成することができる。この状態において、右打ちされた遊技球によってしか振分部材A1380が動作されないことを除いて、ソレノイドA1420によって振分部材A1380が動作される場合と同様の弾球遊技を行うことが可能である。
即ち、伝達可能化部材A1430が破損した場合に、新しい伝達可能化部材A1430が準備できなかったとしても、伝達可能化部材A1430を取り外した状態での遊技が可能に構成されているので、長期にわたって遊技が不可能な期間が継続される事態を回避し易くすることができる。
なお、伝達可能化部材A1430が取り外されている場合における振分部材A1380の配置は、張出位置とすることも退避位置とすることも可能であるが、本実施形態では張出位置としている。これにより、入賞検出センサASC11への球の入球が振分部材A1380によって防止されているので、右打ちされた球のほとんどがスルーゲートH67を左側に逸れて第1流下経路AR303を流下する状況が生じたとしても、入賞検出センサASC11へ多量の入球が生じて想定外の利益を生じさせるという事態とはならないので、遊技の公平性を保つことができる。
図522(a)、図522(b)及び図522(c)は、図521(c)のB04a-B04a線における遊技盤A1013の断面図である。図522(a)、図522(b)及び図522(c)では、樋構成部材A1510、背面蓋部材A1480及び伝達可能化部材A1430が取り外された状態が図示されており、図522(a)では、振分部材A1380が張出位置に位置する状態が、図522(b)では、振分部材A1380が退避位置に位置する状態が、図522(c)では、振分部材A1380が退避位置から後方に変位された状態が図示される。
回転部材A1410が背面側部材A1310に支持される状態においてネジA1460により脱落を防止されているところ(図521(c)参照)、ネジA1460を取り外すことで、回転部材A1410を背面側部材A1310から取り外すことが可能となっている。
回転部材A1410の先端部が振分部材A1380の後方延設部A1385に形成される受入凹部A1385aに回転部材A1410の延設腕部A1412が受け入れられていることから、回転部材A1410が背面側部材A1310に支持されている状態においては、振分部材A1380の前後方向位置が適切な範囲に維持される。
一方、回転部材A1410を取り外すために前後方向に移動させると、回転部材A1410の移動に追従して振分部材A1380も移動される。即ち、振分部材A1380を退避位置に位置させるように回転部材A1410を回転動作させた状態(図522(b)参照)から、回転部材A1410を後方に移動させることで、回転部材A1410を背面側部材A1310から離間させることができる(図522(c)参照)。
この場合において、背面側部材A1310には、回転部材収容部A1347の壁面から内方側へ向けて突設される抜け止め用の防止突部A1347aが形成されており、この防止突部A1347aにより振分部材A1380の後方への移動が規制される。これにより、振分部材A1380が後方へ脱落することを防止することができ、振分部材A1380を背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に配設させたまま維持することができるため、振分部材A1380を紛失する事態や、不用意に別部材に交換される事態を避けることができる。
図523(a)は、振分部材A1380及び回転部材A1410の拡大正面図であり、図523(b)は、図522(a)のB05b-B05b線における振分部材A1380及び回転部材A1410の部分断面図であり、図524(a)は、振分部材A1380及び回転部材A1410の拡大正面図であり、図524(b)は、図522(b)のB06b-B06b線における振分部材A1380及び回転部材A1410の部分断面図である。
図523(a)及び図523(b)では、振分部材A1380が張出位置に位置する状態が図示され、図524(a)及び図524(b)では、振分部材A1380が退避位置に位置する状態が図示される。
振分部材A1380は、正面側部材A1350の凹部A1362に正面側板状部A1384が隙間を空けて受け入れられており(支持されており)、基端部A1381側に形成される受入凹部A1385aに延設腕部A1312が隙間を空けて受け入れられている(支持されている)。
即ち、延設腕部A1312による支持は前後両側からではなく、後方のみの片持ちの支持であるが、前側においては凹部A1362により支持されているので、緩い支持でありながらも、複数位置で支持されていることにより、振分部材A1380の動作を安定させることができる。
ソレノイドA1420の駆動態様は、本実施形態では、電源が投入されてから一定動作で駆動される。即ち、0.2秒間の励磁と、1.8秒間の非励磁とが交互に切り替えられる態様で駆動される。
そのため、振分部材A1380が退避位置に維持される時間が0.2秒間と短いため、一回の励磁に対応して最大で1球の遊技球が入賞検出センサASC11側へ流入し得る構成とされる。即ち、入賞検出センサASC11に間隔を空けずに連続で2球の遊技球が入球することが防止される。これにより、入賞検出センサASC11への過度な入賞が抑えられる。
また、球の発射間隔が0.6秒に設定されていることから、0.2秒間の励磁により振分部材A1380が退避位置に位置する状態で入賞検出センサASC11側に球が流入した場合、球を連続で発射させていたとしても、発射間隔と励磁間隔との対応により、次に入賞検出センサASC11側に球が流入し得るのは6.0秒後(間の9球は入賞検出センサASC11に入球し得ない)となる。
これは振分部材A1380が退避位置に位置する状態で球が第1流下経路AR303を流下した場合とされる。実際は、球が第1流下経路AR303を流下する状況ばかりではなく、第1流下経路AR303、第2流下経路AR304又は第3流下経路AR305にランダムに振り分けられるので、入賞検出センサASC11に球が流入する間隔は、更に長くなる。このように、入賞検出センサASC11への流入が稀に生じるように構成される。
第1球流下構造体A1300における球の流下は、第1流下経路AR303、第2流下経路AR304又は第3流下経路AR305のいずれの経路を流下するかで、時間が異なる。
第1流下経路AR303を流下する時間は、第2流下経路AR304又は第3流下経路AR305を流下する時間に比較して、概略発射間隔(約0.6秒)程度長くされており、第1流下経路AR303を流下した球の後続(直後)の球が第2流下経路AR304又は第3流下経路AR305を流下する場合、振分部材A1380の右方の位置に同時に到達し、球同士が衝突され得る。
振分部材A1380側から勢いよく球が流下すると、球同士の衝突により左方への跳ね戻りが生じ得て、振分部材A1380上に球が位置する時間が通常より長くされ、振分部材A1380が退避位置に変位するまで居座る事象が生じ得る。この場合、入賞検出センサASC11への入球が設計時の予測よりも多く生じる可能性があり、遊技の公平性を欠く可能性がある。
入賞検出センサASC11への入球は、遊技者にとっては有利に作用するものではないため、入賞検出センサASC11への入球が設計時の予測よりも多く生じることは、遊技者の興趣の向上を阻害する可能性があるため、改善の余地がある。
図523(a)では、入賞検出センサASC11側へ流入する際の球の入球位置AP1397が球の大きさに合わせた円形で図示される。振分部材A1380の上傾斜姿勢への姿勢変化は、図523(a)に図示されるように、入賞検出センサASC11側へ流入する球が経由する入球位置AP1397に位置する球との当接により生じる。
図523(a)に図示されるように、入賞検出センサASC11側へ流入する球が入球位置AP1397に位置する場合において振分部材A1380が退避位置から張出位置へ変位されると、形成部A1383が球と当接することにより押し上げられ、振分部材A1380の姿勢は、延設部A1382の延設端部(右側端部)が上方側に位置する上傾斜姿勢とされる。
形成部A1383は、延設部A1382を超えるほどには長くは形成されていない。これにより、球が延設部A1382の下面側に入り込む領域を広く確保でき、過度に球の流下を抑制することがないようにすることができる。また、球との接触が形成部A1383とのみで生じるものではなく、延設部A1382と当接するタイミングや、形成部A1383と延設部A1382との2点で当接するタイミングが生じ得ることで、荷重が一点に集中することを避けて振分部材A1380の破損を防止するとともに、球の流下を効果的に減速させることができる。この場合において、振分部材A1380の重心位置が形成部A1383の形成される基端部A1381側寄りに設定されることから、上傾斜姿勢を維持し易く構成することができる。
球と延設部A1382及び形成部A1383との接触は、入球位置AP1397に流入する球に対して振分部材A1380が退避位置から張出位置へ動作される場合を想定すると、延設部A1382と球とが当接するタイミングから、延設部A1382及び形成部A1383が球と同時に当接するタイミングへ移り、そこから形成部A1383と球とが当接するタイミングに移る。このように、球からの力が振分部材A1380に付与される位置が順番に移っていくことから、振分部材A1380に付与される力が溜まることなく、流されるように構成することができる。
この場合、姿勢変化前(図523(a)において実線で図示)に比較して、張出位置における振分部材A1380の上面を流下する球の流下速度を減速させることができる。これにより、例えば、振分部材A1380の上面を転動した球が第3流下経路AR305を流下する球と左右方向で衝突したような場合に、振分部材A1380の上面を転動して流下した球が、左方に跳ね戻る事態を回避し易くすることができ、第3流下経路AR305を流下する球につられて下方へ流下させ易くすることができる。即ち、後続の球が振分部材A1380の上面に留まる時間が長くなることを避けることができる。
これにより、入賞検出センサASC11側へ球が流入した直後に振分部材A1380が張出位置に位置し、次に退避位置に位置した場合において、後続の球が振分部材A1380の下流側から跳ね戻されて連続で入賞検出センサASC11側に流入する事態を未然に防ぐことができる。
振分部材A1380が上傾斜姿勢にされると、姿勢変化前に比較して、延設部A1382の延設先端の左右位置は左側へ変位するので、対向突部A1375との間の経路幅が広げられる方向に変位される。これにより、折曲位置A301側へ流下させる経路の経路幅が広くなり、遊技球を折曲位置A301側へ流下させ易くすることができる。
また、振分部材A1380は、張出位置において、延設部A1382の延設先端(右端側)が下がる方向の下傾斜姿勢に姿勢変化が許容される。この場合、姿勢変化前(図523(a)において実線で図示)に比較して、張出位置における振分部材A1380の上面を流下する球の流下速度を加速させることができ、折曲位置A301側へ速やかに流下させることができる。
また、振分部材A1380は、張出位置における姿勢変化に加えて、張出位置における左右方向の変位が生じ得る。張出位置において、ソレノイドA1420のコイルスプリングの付勢力により配置が維持されるところ、振分部材A1380に当接した球の重さのかかり方によっては球の重さに付勢力が負けて、振分部材A1380が退避位置側へ変位される。この場合、振分部材A1380と対向突部A1375との間隔が広げられることになるので、球の流下経路の経路幅が広げられることになり、球を折曲位置A301側へ流入させ易くすることができる。
上述したような振分部材A1380の変位や姿勢変化は、振分部材A1380が凹部A1362や延設腕部A1412に対して十分な隙間をもって支持されていることによる。凹部A1362と正面側板状部A1384との間には上下方向に合計1.0[mm]程度の隙間が形成されており、振分部材A1380は上下方向に変位可能に支持されている。
更に、振分部材A1380及び回転部材A1410が樹脂材料から形成されていることにより、回転部材A1410と振分部材A1380の後方延設部A1385とが干渉するような場合でも、回転部材A1410及び振分部材A1380の弾性変形により、振分部材A1380の変位や姿勢変化が阻害されることを避けることができる。
回転部材A1410は、延設部A1382よりも後方側に位置しており、少なくとも延設部A1382よりも後方側に位置する箇所において球との当接を生じない。これにより、球との衝突によって回転部材A1410が割れたり欠けたりする事態を避けることができる。
回転部材A1410の延設腕部A1412における支持先端部が正面視円形に膨出されている。その支持先端部は振分部材A1380の受入凹部A1385aに位置しているところ、振分部材A1380の上下変位や姿勢変化により受入凹部A1385aの内面と支持先端部における膨出部位との係合により、振分部材A1380の上下動作や姿勢変化の動作抵抗を増加させることができる。
振分部材A1380が上方に変位された場合には、案内湾曲板部A353の下面との上下幅が狭まることから、球の流下経路における経路幅が狭められ、球の流下抵抗が増大される。例えば、振分部材A1380の上面で球が跳ねた場合には、案内湾曲板部A353と衝突し、流下速度が減速される。これは、振分部材A1380が上傾斜姿勢とされる場合でも同様である。
振分部材A1380が下方に変位された場合には、案内湾曲板部A353の下面との上下幅が広がることから、球の流下経路における経路幅が広げられ、球の流下抵抗が減少される。例えば、振分部材A1380の上面で球が跳ねたとしても、案内湾曲板部A353と衝突することを抑制し、流下速度の減速を抑制できる。これは、振分部材A1380が下傾斜姿勢とされる場合でも同様である。振分部材A1380が下傾斜姿勢とされた場合、自重により姿勢は維持される。
振分部材A1380は、下傾斜姿勢とされた場合であっても、上傾斜姿勢とされた場合であっても、ソレノイドA1420が励磁され退避位置へ変位される場合に、凹部A1362に案内されて、元の姿勢に戻される(図E4(a)参照)。
図525は、図523(b)のB07m-B07m線における振分部材A1380及び回転部材A1410の部分断面図である。
振分部材A1380の後方延設部A1385の延設先端と背面蓋部材A1480との間には、回転部材収容部A1347における前後方向の隙間A1347bが形成され、振分部材A1380の正面側板状部A1384の前側端部と正面側部材A1350の凹部A1362との間にも同様の幅の前後方向の隙間が形成される。
そのため、振分部材A1380は、前後方向への変位が可能に構成される。振分部材A1380の前後方向への変位は、振分部材A1380の停止中にも生じるが、特に、退避位置および張出位置の間の動作中において、振分部材A1380に球から付与される荷重や、回転部材A1410を介して付与される荷重の前後方向の偏りにより生じ易い。この場合において、振分部材A1380と回転部材A1410が一体で前後方向に変位される。前後両側で接触される場合に比較して前後位置は不定となるが、摩擦による抵抗を低減することができ、動作の応答性を良くすることができる。
また、球からの荷重により前後いずれかの側に変位され背面蓋部材A1480又は凹部A1362の何れか一方に接触した場合であっても、他方側に隙間が確保されていることから、球からの荷重が解除されれば振分部材A1380は他方側へ変位され(戻され)、摩擦抵抗が過度に大きくなることを回避することができる。
このように、振分部材A1380は、左右方向および上下方向への変位だけではなく、前後方向の変位も許容されるよう構成されており、3次元的な変位を生じさせることができる。これにより、振分部材A1380に当接した球の流下方向が平面的な方向(板状部A311の前面と平行な平面上の方向)ではなく前後方向の成分を有する方向であったとしても、当接時に振分部材A1380が平面的な移動に加えて前後方向の成分も有する方向に変位することで、遊技球に対して与える抵抗を抑制させることができる。
振分部材A1380は、ソレノイドA1420の励磁と非励磁とが切り替えられることにより、退避位置と張出位置とで変位するように動作される。
ソレノイドA1420の駆動態様は、本実施形態では、電源が投入されてから一定動作で駆動される。即ち、0.2秒間の励磁と、1.8秒間の非励磁とが交互に切り替えられる態様で駆動される。
振分部材A1380は高頻度で動作されているので、同じ態様で第1流下経路AR303を流下する球が振分部材A1380に衝突する場合であっても、振分部材A1380の態様によって、球の衝突に基づく振分部材A1380の動作態様が異なる。
例えば、振分部材A1380が張出位置で停止している状態である場合、衝突可能な部位である延設部A1382の上面に球が衝突することにより、振分部材A1380は延設部A1382の延設先端が傾倒する下傾斜姿勢とされる。
一方、振分部材A1380が退避位置から張出位置へ変位する途中の状態である場合、延設部A1382の延設先端が球に衝突することになり、球からの重みにより振分部材A1380が張出位置へ到達するタイミングが遅れた動作とされ、振分部材A1380は延設部A1382の延設先端が傾倒する下傾斜姿勢とされる。
どちらの場合も、振分部材A1380が張出位置から退避位置へ変位されることにより、基端部A1381が退避凹部A1341に受け入れられることで元の姿勢に戻る。即ち、下傾斜姿勢から、延設先端が起き上がる方向に姿勢変化される。
このように、振分部材A1380は、対向突部A1375に対して近接離間する往復動作により姿勢を復帰させることができるので、振分部材A1380の繰り返し動作を安定的に生じさせることができる。
なお、振分部材A1380が張出位置に位置する場合において、第1流下経路AR303を流下する遊技球は、振分部材A1380に衝突する場合も、衝突しない場合も生じ得る。振分部材A1380に到達するまでに十分に減速された球は振分部材A1380に衝突し得るが、例えば第1球流下構造体A1300への流入時の流下速度が高い場合等において十分に減速されないと、振分部材A1380の上面に対して離間して右方へ流下(飛翔)するため、振分部材A1380と衝突せずに流下し得る。
次いで、図526から図528を参照し、第85実施形態における第1球流下構造体A2300について説明する。上記第83実施形態では、第1球流下構造体A300に流入した遊技球は全て第1球流下構造体A300の下端から排出される場合を説明したが、第85実施形態では、第1球流下構造体A2300に流入した遊技球が複数の経路に振り分けられるよう構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図526は、第85実施形態における第1球流下構造体A2300の正面図である。図526では、球の流下経路の概要の説明のために、便宜上、正面側部材A2350の板状部A351及び支持装置A2520の図示が省略され、正面側部材A2350の案内湾曲板部A353、上面傾斜突条部A354、流路外延設部A356、及び交差突条部A371が想像線で図示される。
第1球流下構造体A2300は、上述の第1球流下構造体A300,A1300と同様に、遊技盤A1013のベース板A60に対して、センターフレームA86よりも右方において穿設される右方穿設部A60aを前方から塞ぐようにして組み付けられる。
第1球流下構造体A2300は、ベース板A60に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の背面側部を構成する背面側部材A2310と、その背面側部材A2310に締結固定される光透過性樹脂から形成される部材であって遊技球が流下する領域の正面側部を構成する正面側部材A2350と、背面側部材A2310と正面側部材A2350との間に保持されるスルーゲートH67と、背面側部材A2310に対して回転動作可能に収容されており遊技球の流下経路を振り分ける振分部材A2380と、を備える。
本実施形態では、振分部材A2380が左右へ延びる回転軸A2380aを中心に回転するよう構成されており、正面側部材A2350は振分部材A2380が回転した場合に干渉しないように、板状部A351において振分部材A2380の動作との干渉を避けるための開口部A2357が形成される。次いで、振分部材A2380の詳細構成について説明する。
図527及び図528は、図526のB09m-B09m線における第1球流下構造体A2300の断面図である。図527では、振分部材A2380が案内湾曲板部A353から離れる方向に回転動作(傾倒動作)した第1状態が図示され、図528では、振分部材A2380が案内湾曲板部A353に接近する方向に回転動作(傾倒動作)した第2状態が図示される。
振分部材A2380は開口部A2357の前方に張り出して位置されており、振分部材A2380と干渉する範囲においてガラスユニットH16に貫通孔A16cが形成される。この貫通孔A16cを介した不正の防止のために、ガラスユニットH16の前側に貫通孔の無い積層ガラスユニットA2016が配設される。積層ガラスユニットA2016は、ガラスユニットH16の正面側において窓部P14e(図497参照)を塞ぐように正面枠P14に配設される。
振分部材A2380は、第1状態においては案内湾曲板部A353との間を右方(折曲位置A301側)に流下する遊技球の流下経路の経路幅を構成し、第2状態においては案内湾曲板部A353との間に到達した球が下方に流下する(落ちる)ことから、右方(折曲位置A301側)に流下する遊技球の流下経路の経路幅を構成しない。
図527及び図528に図示されるように、振分部材A2380は、軸方向(図527紙面垂直方向)の幅寸法が遊技球の直径と略同等とされており回転軸A2380aを中心に回転可能に支持される部材であって、その回転軸A2380aと直交する方向に延びる本体部材A2381と、その本体部材A2381から円周方向に沿って両側に延設され略円板形状を形成する円板形成部A2382と、その円板形成部A2382の形成する円板形状の略1/4周部分において略扇状に凹設される凹設部A2383と、本体部材A2381の延設先端側から円板形成部A2382の円の周面に沿って(円の接線方向と平行に)張り出し形成される球当接部A2384と、を主に備え、図527に示す第1状態において遊技球が凹設部A2383に収容されることにより、遊技球の重さにより第2状態(図528参照)まで後転動作する態様(重心バランス)で構成される。
振分部材A2380は、重心AG1が図527に図示する第1状態において回転軸A2380aの正面側下部に位置する。これにより、第1状態では、振分部材A2380が前倒れしかけるところ、後述する支持装置A2520に下支えされることにより、図527に示す待機状態で姿勢が安定する。
凹設部A2383は、図527に示す第1状態において上下方向(鉛直方向)に沿って延びる上下側面A2383aと、前後方向(水平方向)に沿って延びる前後側面A2383bと、を備える。凹設部A2383は、球を調度1球受け入れ可能な寸法で構成される。
これにより、遊技球が凹設部A2383に収容され、振分部材A2380が後転動作し始めた後において、新たに別の遊技球が流入する事態を回避することができる。
球当接部A2384は、回転軸A2380a側の反対側において、張出方向と交差する断面形状が同一の円弧形状となるように凹設される延設凹部A2384aを備え、その延設凹部A2384aが左方(図528紙面奥方向)へ向かうにつれて、下降傾斜する態様で形成される。このように傾斜面の方向を設定することにより、振分部材A2380が第2状態(図528参照)とされ延設凹部A2384a上を右方へ向けて流下する遊技球の流下抵抗を増大させることができる。
延設凹部A2384aの曲率半径は、遊技球の半径と同等とされる。これにより、振分部材A2380が第2状態とされ延設凹部A2384aに遊技球が配置される場合に遊技球を多点で支持することができ、延設凹部A2384aが遊技球をガイドする効果を向上させることができると共に、遊技球との擦れを面で生じさせることで流下抵抗を増大させることができる。
図528に示すように、遊技球の重みで振分部材A2380が後転動作した後の振分部材A2380の第2状態では、球当接部A2384の張出端部が背面側部材A2310の側面に当接することにより後転方向の回転が止められる。図528に示すように、振分部材A2380の第2状態では、球の流下経路が球当接部A2384に塞がれており、他の遊技球の流入を防止することができる。
球当接部A2384は、第2状態において、第2延設部A322の右側端部(図526参照)よりも低い位置に配置されるので、第2延設部A322を転動した遊技球を球当接部A2384の上面にスムーズに乗せることができる。
球当接部A2384は、上述した通り、第2状態において左方(図528紙面奥方向)へ向かうほど下降傾斜する態様で構成されるので、球当接部A2384の上面に乗った遊技球に対して左向きの力(摩擦力)を付与することができる。
図528に示す状態から、遊技球が凹設部A2383から離間して流下すると、振分部材A2380の重心AG1を安定させる方向として振分部材A2380が前転動作し、第1状態(図527参照)に戻る。
振分部材A2380の支持態様は、回転軸A2380aが、背面側部材A2310の経路構成部A1342において上下に延びるように形成される長孔A2510に挿通されることで支持されると共に、下方に配設される支持装置A2520に円板形成部A2382が支持される。
支持装置A2520は、正面側部材A2350の板状部A351から貫通孔A16c側へ張り出すように延設される延設板部A2358に配設されており、円板形成部A2382に下方から当接する当接部材A2521と、その当接部材A2521に対して上向きの付勢力を与えるコイルスプリングA2522と、を備える。コイルスプリングA2522の付勢力により、回転軸A2380aは長孔A2510の上端に当接された状態で維持され、回転動作可能に支持される(図527参照)。
回転軸A2380aは、軸方向に若干の変位が可能となるクリアランスで長孔A2510に支持されている。球当接部A2384の延設凹部A2384aに球が乗った場合において、球の重みは、延設凹部A2384aの上面に対して、その傾斜によって、下方および右方かけられる。そのため、球の重みによって、振分部材A2380は下方および右方に変位される。
即ち、第2状態において延設凹部A2384aに乗った球の重みが、支持装置A2520のコイルスプリングA2522の付勢力を上回ることで、振分部材A2380が下方へ変位する(沈む)と共に、球の荷重により振分部材A2380が右方へ変位される。
これにより、案内湾曲板部A353との経路幅が変わり、球が右方へ通過される。即ち、本実施形態では、第2状態における延設凹部A2384aの右端側と案内湾曲板部A353との上下幅が球の直径程度の長さに設計されており、振分部材A2380が下方に変位される前の状態(図528参照)では延設凹部A2384aの上面を転動する球に対して流下抵抗を生じさせ、減速させる。
ここから振分部材A2380が下方に変位されることにより、案内湾曲板部A353と擦れることもなくなるため、球を停止させることなく、右方への流下を継続させることが可能となる。
振分部材A2380の下方への変位は、延設凹部A2384aに乗った球からの重みによるものなので、凹設部A2383から球が離間した後においても生じ続ける。更に、延設凹部A2384aの上面を連続で球が転動する場合において、振分部材A2380がコイルスプリングA2522の付勢力により上方へ変位される前であれば、延設凹部A2384aの上面を転動する球は案内湾曲板部A353と擦れることなく右方へ通過することになるので、球の減速を抑制させることができる。
振分部材A2380の軸方向の変位(クリアランス内での位置ずれ)は、延設凹部A2384aを転動する球の重みによって生じるものであるが、その程度についてはランダム性を有する。例えば、球の重みによってクリアランス内の右側端位置に位置され、その状態で振分部材A2380の回転動作が実行される場合もあれば、クリアランス内の右端でバウンドして左側端位置に位置され、その状態で振分部材A2380の回転動作が実行される場合もある。
本実施形態では、振分部材A2380が、軸方向においてクリアランス内で何れの位置にあっても(クリアランス内での軸方向の変位中においても)、延設凹部A2384aの上面を介して球を右方に流下させることができるし、第1状態と第2状態との間を回転動作可能に構成される。
次いで、図529から図531を参照して、第86実施形態における揺動ユニットD2100について説明する。上記第83実施形態では、上側揺動手段D120が突設部D143b2,D147bの2箇所で支持される場合について説明したが、第86実施形態では、上側揺動手段D2120が突設部D147bの1箇所で支持される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図529を参照して、第86実施形態における揺動ユニットD2100の全体構成について説明する。図529(a)は、第86実施形態における揺動ユニットD2100を正面視した模式図であり、図529(b)は、図529(a)のE01b-E01b線における揺動ユニットD2100の模式断面図であり、図529(c)は、図529(a)のE01c-E01c線における揺動ユニットD2100の模式断面図である。なお、第86実施形態においては、第83実施形態における揺動ユニットD100と同様に上側揺動手段D2120の下方側に下側揺動手段D130(図510参照)が配設されても良いが、以下の説明では、下側揺動手段D130が配設されないものとして説明する。
また、図529(a)では、上側装飾ユニットH14aが配設される上方側(矢印U方向側)における窓部H14eの境界が上側視認可能範囲H14e1として図示され、左側装飾ユニットH14bが配設される左側(矢印L方向側)における窓部H14eの境界が左側視認可能範囲H14e2として図示され、右側装飾ユニットH14cが配設される右側(矢印R方向側)における窓部H14eの境界が右側視認可能範囲H14e3として図示される。
図529に示すように、第86実施形態における揺動ユニットD2100は、正面視(矢印B方向視)において門型に形成されるベース手段D2110と、そのベース手段D2110の正面側(矢印F方向側)に配設される上側揺動手段D2120と、その上側揺動手段D2120に駆動力を付与する上側動力付与手段D2140とを主に備える。
なお、揺動ユニットD2100は、窓部H14eを介して視認された際に、少なくとも後述する上側揺動手段D2120の全域が視認可能とされる位置に配設される。また、第86実施形態では、上側揺動手段D2120が窓部H14eを介した視認領域内で変位可能に構成されており、上側揺動手段D2120の変位を遊技者に視認させることが可能とされる。そのため、第86実施形態では、ベース手段D2110と、そのベース手段D2110に配設される各部材(上側揺動手段D2120、上側動力付与手段D2140)との少なくとも一部が窓部H14eを介した視認領域内に配設され、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から視認可能とされる。
ベース手段D2110は、正面視(矢印B方向視)において門型に形成されるベース本体D2111と、そのベース本体D2111の正面側(矢印F方向側)の2箇所から鉤状に突設される第1の規制部D2113と、その2箇所の第1の規制部よりも下方側においてベース本体D2111の正面側の2箇所から鉤状に突設される第2の規制部D2114と、その第2の規制部D2114のそれぞれの下方側に配設される付勢手段D2183とを主に備える。
なお、第86実施形態においては、ベース手段D2110は、ベース本体D2111と、第1の規制部D2113と、第2の規制部D2114とが一体の透明な樹脂材料から形成されるが、ベース本体D2111と、第1の規制部D2113と、第2の規制部D2114とを、異なる部材から形成しても良い。例えば、第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114は、後述するように上側揺動手段D2120の衝突箇所となるので、その剛性を高めるために、金属材料から形成しても良い。
また、2箇所に形成される第1の規制部D2113のそれぞれの材料を異なる部材で形成しても良い。例えば、後述する第2正面カムD2147の回転方向によって、上側揺動手段D2120が当接しやすい側(ベース手段D2110に対する上側揺動手段D2120の変位量が大きい側)を金属材料から形成して、その剛性を確保しつつ、上側揺動手段D2120の当接しにくい側(ベース手段D2110に対する上側揺動手段D2120の変位量が小さい側)を樹脂材料から形成して、製造コストの削減を図るものであっても良い。
ベース本体D2111は、後述する上側動力付与手段D2140を配設するためのベースであり、その上側動力付与手段D2140を配設するための螺子(図示しない)の締結孔が所定の箇所に形成される。
また、ベース本体D2111には、後述する上側動力付与手段D2140の駆動力を背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に伝達するための挿通孔D111a(図511参照)が前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
第1の規制部D2113は、ベース本体D2111の正面側(矢印F方向側)から立設される立設部D2113aと、その立設部D2113aの先端から下方側(矢印D方向側)に向かって突出する突出部D2113bとを備える。
また、第1の規制部D2113は、後述する上側揺動手段D2120が上側位置で暴れてセンターフレームA86(図498参照)に衝突することを抑制する(即ち、上側揺動手段D2120を案内する)ための変位規制部材であり、後述する第2正面カムD2147が第1位置(即ち、突設部D147bを回転軸の上側に配置した位置)に停止される際に、後述する上側揺動手段D2120の変位手段D121の上方側の一部を、第1の規制部D2113の突出部D2113bとベース本体D2111との対向間に収容可能な位置(即ち、正面視(矢印B方向視)において第1の規制部D2113の突出部D2113bが上側揺動手段D2120の変位手段D121と重なる位置)に形成されると共に、立設部D2111aが上側揺動手段D2120の変位手段D121の上方側の外縁に沿う位置に形成される。これにより、第86実施形態における上側揺動手段D2120は、第2正面カムD2147が第1位置に配置される度に第1の規制部D2113に沿う所定の姿勢とされる。
第2の規制部D2114は、ベース本体D2111の正面側(矢印F方向側)から立設される立設部D2114aと、その立設部D2114aの先端から下方側(矢印D方向側)に向かって突出する突出部D2114bとを備える。
また、第2の規制部D2114は、後述する第2正面カムD2147の突設部D147bに軸支される上側揺動手段D2120が第2正面カムD147の回転により左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した場合に、上側揺動手段D2120がセンターフレームA86(図498参照)に衝突することを抑制する(即ち、上側揺動手段D2120を案内する)ための変位規制部材であり、後述する第2正面カムD2147が第1位置(即ち、突設部D147bを回転軸の上側に配置した位置)に停止される場合における上側揺動手段D2120の配設位置に対して、離れた位置(即ち、正面視(矢印B方向視)において第2の規制部D2114の突出部D2114bが上側揺動手段D2120の変位手段D121と重ならない位置)に形成される。
即ち、第1の規制部D2113は、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位速度に関わらず、上側揺動手段D2120を案内可能な位置に形成され、第2の規制部D2114は、上側揺動手段D2120が左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した場合に、上側揺動手段D2120を案内可能な位置に形成される。
付勢手段D2183は、弾性体D2183aと、その弾性体D2183aとベース本体D2111との間に配設され、ベース本体D2111に対して反力を作用させる弾性バネD2183bとを備え、第2正面カムD147の回転により上側揺動手段D2120が左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した場合に、上側揺動手段D2120が弾性体D2183aに衝突する位置に配設される。
また、付勢手段D2183は、第2正面カムD147の回転により上側揺動手段D2120が左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した場合に、上側揺動手段D2120に上側揺動手段D2120に反力を付与するための部材であり、上側揺動手段D2120が弾性体D2183aに衝突した際に、弾性バネD2183bを弾性変形させて弾性バネD2183bの反力を上側揺動手段D2120に作用させることが可能に構成される。
弾性体D2183aは、ゴム又はウレタンの弾性材料から板状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した上側揺動手段D2120を上面側に当接可能に構成される。弾性体D2183aは、弾性材料から形成されことで、弾性体D2183aに上側揺動手段D2120が衝突した際に、その衝突により上側揺動手段D2120に傷が形成されること抑制できる。
弾性バネD2183bは、金属材料から形成されるコイルスプリングであり、一端側が弾性体D2183aの下面に連結されると共に、他端側がベース手段D2110に支持される。また、弾性バネD2183bは、弾性体D2183aよりも弾性変形しやく設定される。これにより、上側揺動手段D2120が弾性体D2183aに衝突した際には、弾性体D2183aよりも先行して弾性バネD2183bを弾性変形させて、弾性バネD2183bの反力を上側揺動手段D2120に作用させることが可能とされる。
上側動力付与手段D2140は、電力が付与されることで、軸部D141bが回転する駆動モータD141と、その駆動モータD141の軸部D141bに配設される第2正面カムD2147とを主に備える。
第2正面カムD2147は、円板状に形成される円板部D147aと、その円板部D147aの正面側(矢印F方向側)から円柱状に突設される突設部D147bとを備え、回転する回転体として構成される。また、第2正面カムD2147は、円板部D147aの中心部にベース本体D2111の正面側に突出された駆動モータD141の軸部D141bが挿入されることでベース本体D2111(ベース手段D2110)の正面側に配設される。
なお、第86実施形態における突設部D147bは、第2正面カムD2147の円板部D147aが駆動モータD141により回転されることで、円板部D147aの回転に伴いベース本体D2111(ベース手段D2110)に対する相対位置を変位可能に構成される。
上側揺動手段D2120は、正面視(矢印B方向視)において左右方向(矢印L-R方向)に長い略半円形状に形成される。また、上側揺動手段D2120は、円弧状に形成される上面側(矢印U方向側)の一部がセンターフレームA86(図498参照)の内縁に沿う位置に配設される変位手段D121と、その変位手段D121の長手方向中央部の上方側(矢印U方向側)の外縁から突設される第2被軸支部D123とを備え、突設部D147bから受ける駆動力の大きさに応じて、変位される態様を変更可能に構成される。
第2被軸支部D123は、貫通孔D123aに挿入される突設部D147bが第2正面カムD147の回転によりベース本体D2111(ベース手段D2110)に対して相対変位されることで、駆動モータD141の駆動力が第2被軸支部D123に伝達されベース本体D2111(ベース手段D2110)に対して相対変位可能とされる。
次いで、図530及び図531を参照して、揺動ユニットD2100の変位態様について説明する。図530及び図531は、揺動ユニットD2100を正面視した模式図である。なお、図530及び図531では、第2正面カムD2147を第1位置に配置した状態における上側揺動手段D2120が実線で図示され、第2正面カムD2147を第2位置に配置した状態における上側揺動手段D2120が2点鎖線で図示される。また、図530では、駆動モータD141の軸部D141b(即ち、第2正面カムD2147)を回転速度Bで回転させた場合における上側揺動手段D2120が図示され、図531では、駆動モータD141の軸部D141b(即ち、第2正面カムD2147)を回転速度Aで回転させた場合における上側揺動手段D2120が図示される。
図530及び図531に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転させた場合には、その軸部D141bが勘合される第2正面カムD2147が第1位置から第4位置まで順に回転して再度第1位置まで回転されることで1回転される。これにより、第2正面カムD2147の回転軸に対して偏心する位置に形成される突設部D147bが正面視(矢印B方向視)においてベース本体D2111(ベース手段D2110)に対して相対変位される。この相対変位により、突設部D147bに連結される上側揺動手段D2120が、突設部D147bと共にベース本体D2111(ベース手段D2110)に対して相対変位可能に構成される。
ここで、図530に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させた場合には、正面視(矢印B方向視)において上側揺動手段D2120の姿勢を維持した状態で、上側揺動手段D2120をスライド変位させることが可能とされる。この場合、上側揺動手段D2120は、正面視における突設部D147bと同様の回転の軌跡でスライド変位される。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bから上側揺動手段D2120に作用する慣性力を小さくできる。これにより、突設部D147bに対して所定の位置に上側揺動手段D2120を吊り下げた状態で、上側揺動手段D2120をベース本体D2111(ベース手段D2110)に対して相対変位させることができる。
一方、図531(a)及び図531(b)に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、正面視(矢印B方向視)において突設部D147bと同様の回転の軌跡で上側揺動手段D2120が変位されると共に、突設部D147bを軸に上側揺動手段D2120が回転される。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bから上側揺動手段D2120に作用する慣性力を大きくできる。この慣性力により、突設部D147bを軸に上側揺動手段D2120を回転させることができる。その結果、上側揺動手段D2120は、突設部D147bの回転に伴う回転の軌跡で上側揺動手段D2120をスライド変位しつつ、突設部D147bを軸に左右方向(矢印L-R方向)にぐらつきつつ、ベース本体D2111(ベース手段D2110)に対して相対変位することが可能となる。
このように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度Aで回転させて、上側揺動手段D2120を素早く変位させた際には、上側揺動手段D2120に正面視(矢印B方向視)において回転の軌跡でスライド変位させるだけでなく、上側揺動手段D2120を左右方向(矢印L-R方向側)にぐらつかせる変位をさせることができる。その結果、上側揺動手段D120による演出効果を向上しやすくできる。
従って、第86実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更して、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位速度を変更することで、その突設部D147bから変位手段D121(上側揺動手段D2120)に作用する駆動力の大きさを変更でき、その突設部D147bから受ける駆動力に大きさに応じて変位手段D121(上側揺動手段D120)の変位の態様を変更できる。
また、第86実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bが回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転される際に、上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させることにより、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で上側揺動手段D2120の変位の態様を変更できるので、上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。
従って、第86実施形態では、突設部D147bから変位手段D121(上側揺動手段D2120)に作用する駆動力の大きさを変更した際の上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化することで、上側揺動手段D2120の演出が単調になることを抑制できる。これにより、パチンコ機H10(図497参照)の演出に合わせて、変位手段D121(上側揺動手段D2120)の変位の態様を変更する(例えば、大当たり後には、軸部D141bの回転速度を速くして変位手段D121(上側揺動手段D2120)の変位の態様を複雑にして、遊技者に与える興趣を大当たりと共に向上させる)ことで、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
また、第86実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させる場合(即ち、第2正面カムD2147の突設部D147bから変位手段D121(上側揺動手段D2120)が受ける駆動力が小さい場合)には、変位手段D121(上側揺動手段D2120)が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位されず、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させる場合(即ち、第2正面カムD2147の突設部D147bから変位手段D121(上側揺動手段D2120)が受ける駆動力が大きい場合)には、変位手段D121(上側揺動手段D2120)が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位可能に構成される。
ここで、例えば、第83実施形態における揺動ユニットD100のように、上側揺動手段D120に上側バネD181が連結され、上側揺動手段D120に常に上側バネD181の反力が作用するものでは、上側揺動手段D120に上側バネD181の反力を確実に作用させることができるが、上側揺動手段D120に常に上側バネD181の反力が作用する状態となる為、上側揺動手段D120の変位の態様の変化をさせにくいという問題がある。
これに対し、第86実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させて突設部D147bを変位させる場合には、変位手段D121(上側揺動手段D2120)が弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を受けずに変位され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させて突設部D147bを変位させる場合には、変位手段D121(上側揺動手段D2120)が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位されることで、変位手段D121(上側揺動手段D2120)に弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を作用させることが可能に構成される。
即ち、第2正面カムD2147の回転速度を変化させることで、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)からの反力を受けずに上側揺動手段D2120が変位される態様と、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)からの反力を受けて上側揺動手段D2120が変位される態様とを形成できる。よって、上側揺動手段D2120の変位の態様をより複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調となることを抑制でき、変位手段D121(上側揺動手段D2120)の変位による演出効果を向上できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、その駆動速度が速くなることで上側揺動手段D2120の可動音が遊技者に聞こえる恐れがある。そのため、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させる場合(即ち、第2正面カムD2147の回転速度を速くした場合)には、パチンコ機H10に配設したスピーカー(図示しない)から放音される遊技音を大きくして、上側揺動手段D2120の可動音が遊技者に聞こえることを抑制しても良い。
また、第86実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転し続けた際に、上側揺動手段D2120が過剰に変位する場合には、上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させて、上側揺動手段D2120に弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を作用させることで上側揺動手段D2120の変位の態様に変化を付与することができる。
この場合、弾性体D2183a(付勢手段D2183)の上側揺動手段D2120との当接面は、弾性バネD2183bが弾性変形されることで、突設部D147bに対する上側揺動手段D2120の回転方向に対して、傾斜する方向に回転される。これにより、上側揺動手段D2120が弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接した後に、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力により当接前の回転方向と反対方向に上側揺動手段D2120が変位することを抑制できる。従って、上側揺動手段D2120が弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接した際に、上側揺動手段D2120をスムーズに変位させることができ、上側揺動手段D2120の変位が一時的に停止して、上側揺動手段D2120を変位させることによる演出効果が一時的に低下することを抑制できる。
また、第2の規制部D2114は、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接され、変位の態様が変化された上側揺動手段D2120が当接可能な位置(即ち、第2正面カムD2147の回転速度が速く回転される場合の上側揺動手段D2120の変位位置)に形成される。よって、第2の規制部D2114には、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力により変位の態様が変化された状態の上側揺動手段D2120を当接させることができる。これにより、上側揺動手段D2120が弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力により、設定外の方向に変位することを抑制できる。
なお、弾性体D2183a(付勢手段D2183)は、上側揺動手段D2120が回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転される場合に、正面視(矢印B方向視)において上側揺動手段D2120の姿勢を維持した状態で突設部D147b1の回転に伴う回転の軌跡でスライド変位される上側揺動手段D2120が非当接とされる位置に形成される。即ち、第86実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更する(即ち、第2正面カムD2147の回転速度を変更する)ことで、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の弾性回復力が上側揺動手段D2120に作用する場合と、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の弾性回復力が上側揺動手段D2120に作用しない場合とを切り替えることが可能とされる。その結果、第86実施形態では、上側揺動手段D2120の変位の態様のバリエーションを付与することができ、上側揺動手段D2120の演出効果を向上できる。
また、上記したように、第1の規制部D2113は、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位速度に関わらず、上側揺動手段D2120を案内可能な位置に形成され、第2の規制部D2114は、上側揺動手段D2120が左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した場合に、上側揺動手段D2120を案内可能な位置に形成される。
即ち、第2正面カムD2147を第1位置の前後の区間を移動させる場合における上側揺動手段D2120の変位領域では、上側揺動手段D2120が第1の規制部D2113により案内可能に構成され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度Aで回転させると共に第2正面カムD2147を第2位置から第4位置の間で移動させる場合における上側揺動手段D2120の変位領域では、上側揺動手段D2120が第2の規制部D2114により案内可能に構成される。
そのため、第86実施形態では、上側揺動手段D2120が第1の規制部D2113に案内された後、上側揺動手段D2120が第2の規制部D2114に案内されるまでの間の領域において、上側揺動手段D2120の案内(規制)を解除して、上側揺動手段D2120の変位の自由度を向上できる。よって、上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D2120が第1の規制部D2113に案内された後、上側揺動手段D2120が第2の規制部D2114に案内されるまでの間の領域において、上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調となることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
なお、上記の説明では、第2正面カムD2147を第1位置から第4位置まで順に変位させる(即ち、第2正面カムD2147を正面視において時計回りに回転させる)場合について説明したが、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を正面視において反時計回りに回転させるものであっても良く、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第2正面カムD2147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させるものであっても良い。
これによれば、第2正面カムD2147の変位の態様を適宜変更することができるので、上側揺動手段D2120の変位の態様が一様になることを抑制できる。その結果、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
また、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第2正面カムD2147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第2正面カムD2147の回転方向を反転させる際に、突設部D147bから上側揺動手段D2120に作用する慣性力を大きくできる。そのため、上側揺動手段D2120の変位の態様を大きく変化させることができる。よって、上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
また、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第2正面カムD2147の変位途中に変更可能とされる。よって、上側揺動手段D2120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bの回転を一度停止させてから回転速度を切り替えて(設定しなおして)再度回転が開始されるものであっては、回転速度を切り替える度にその回転を停止する必要があるため、上側揺動手段D2120の変位が断続的になり、上側揺動手段D2120の変位による演出効果が低下する恐れがある。
これに対し、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第2正面カムD2147の変位途中に変更可能とされるので、回転速度を変更する際に上側揺動手段D2120の変位を継続させることができる。その結果、上側揺動手段D2120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度は、第2正面カムD2147を第1位置から第4位置まで順に(時計回りで)変位させる場合に、1回転目を回転速度Bで回転させた後の2回転点目以降を回転速度Aで回転させたり、第2正面カムD2147が1回転される毎に回転速度を変更しても良い。
また、例えば、第2正面カムD2147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1位置から第2位置までの変位を回転速度Bで回転させた後、第2位置から第1位置までの変位を回転速度Aで回転させる(往路と復路とで回転速度を変更する)ことで、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させたことによる上側揺動手段D2120の変位の態様と、第2正面カムD2147を第2位置から第1位置に変位させたことによる上側揺動手段D2120の変位の態様とを異ならせることができる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
さらに、例えば、第2正面カムD2147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD2147が1往復動作される毎に回転速度を変更しても良い。
なお、第2正面カムD2147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第2正面カムD2147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間が同一に設定される。これにより、第2正面カムD2147の制御を簡素とできる。
即ち、第2正面カムD2147の往路と復路とが異なる変位区間に設定される場合には、第2正面カムD2147の回転量を検出するための検出手段を複数個配設してその回転位置を検出する、若しくは、駆動モータD141により第2正面カムD2147の回転量を制御する必要がある。そのため、第2正面カムD2147の制御が複雑になる。
これに対し、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第2正面カムD2147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間を同一に設定することで、ベース本体D111に配設した検出手段D111g(図511参照)により、第2正面カムD2147の位置検出を可能にできる。従って、1個の検出手段D111gにより、第2正面カムD2147の制御をすることができるので、第2正面カムD2147の制御を簡素にできる。
また、第2の規制部D2114に上側揺動手段D2120が案内されていることを検出可能な検出装置(図示しない)、又は、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接された後の上側揺動手段D2120を検出可能な検出装置(図示しない)をベース本体D2111に別途配設しても良い。この場合には、検出装置の検出があった(即ち、第2の規制部D2114に上側揺動手段D2120が案内された)際に、第2正面カムD2147の回転速度を遅くするように駆動モータD141の軸部D141bを回転速度を変更(制御)することで、上側揺動手段D2120や突設部D147bに作用する負荷が過大になり、それら上側揺動手段D2120や突設部D147bが破損すること、及び、上側揺動手段D2120の変位量が大きくなることで、上側揺動手段D2120が他の部材(例えば、センターフレームA86)に当接して、上側揺動手段D2120の周囲に配設される他の部材が破損することを抑制できる。
なお、第2の規制部D2114に上側揺動手段D2120が案内されていることを検出可能な検出装置(図示しない)、又は、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接された後の上側揺動手段D2120を検出可能な検出装置(図示しない)は、製造コストが嵩むため、配設しなくても良い。この場合には、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)のばね定数を小さくして、上側揺動手段D2120が弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突した後に、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力が上側揺動手段D2120に過大に作用することを抑制することが好ましい。上側揺動手段D2120の変位量が大きくなることで、上側揺動手段D2120が他の部材(例えば、センターフレームA86)に当接して、上側揺動手段D2120の周囲に配設される他の部材が破損することを抑制できるからである。
また、第2の規制部D2114に上側揺動手段D2120が案内されていることを検出可能な検出装置(図示しない)、又は、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接された後の上側揺動手段D2120を検出可能な検出装置(図示しない)をベース本体D2111に別途配設する場合には、その検出装置の検出がされた際に、所定の演出態様を第3図柄表示装置H81やスピーカー(図示しない)で報知するように構成しても良い。
これによれば、大当たりの期待度が高い抽選がされている場合や、大当たりした場合に上側揺動手段D2120を過大に変位させて、その変位を検出手段に検出させることで、複雑化された上側揺動手段D2120の変位の態様と共に、第3図柄表示装置H81やスピーカー(図示しない)による演出を遊技者に認識させることができる。その結果、第3図柄表示装置H81やスピーカー(図示しない)による演出を利用して、遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、第2の規制部D2114に上側揺動手段D2120が案内されていることを検出可能な検出装置(図示しない)、又は、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接された後の上側揺動手段D2120を検出可能な検出装置(図示しない)の検出がされた際に、所定の演出態様を第3図柄表示装置H81やスピーカー(図示しない)で報知しなくても良い。この場合には、検出装置と第3図柄表示装置H81やスピーカーとを関係づけた演出ができなくなるため、遊技の興趣を十分に向上できなくなるが、検出装置と第3図柄表示装置H81やスピーカーとの演出とを対応させなくて良いので、それらの制御を簡易にできる。
次いで、図532から図535を参照して、第87実施形態における揺動ユニットD3100について説明する。上記第83実施形態では、上側揺動手段D120が1つの構成体として形成される場合について説明したが、第87実施形態では、上側揺動手段D3120が2分割されて形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図532を参照して、第87実施形態における揺動ユニットD3100の全体構成について説明する。図532(a)は、第87実施形態における揺動ユニットD3100を正面視した模式図であり、図532(b)は、図532(a)のE02b-E02b線における揺動ユニットD3100の模式断面図であり、図532(c)は、図532(a)のE02c-E02c線における揺動ユニットD3100の断面模式図である。なお、第87実施形態においては、第83実施形態における揺動ユニットD100と同様に上側揺動手段D3120の下方側に下側揺動手段D130(図510参照)が配設されても良いが、以下の説明では、下側揺動手段D130が配設されないものとして説明する。
また、図532(a)では、上側装飾ユニットH14aが配設される上方側(矢印U方向側)における窓部H14eの境界が上側視認可能範囲H14e1として図示され、左側装飾ユニットH14bが配設される左側(矢印L方向側)における窓部H14eの境界が左側視認可能範囲H14e2として図示され、右側装飾ユニットH14cが配設される右側(矢印R方向側)における窓部H14eの境界が右側視認可能範囲H14e3として図示される。
図532に示すように、第87実施形態における揺動ユニットD3100は、正面視において門型に形成されるベース手段D3110と、そのベース手段D3110の正面側(矢印F方向側)に配設される上側揺動手段D3120と、その上側揺動手段D3120に駆動力を付与する上側動力付与手段D3140とを主に備える。
なお、揺動ユニットD3100は、窓部H14eを介して視認された際に、少なくとも後述する上側揺動手段D3120の全域が視認可能とされる位置に配設される。また、第87実施形態では、上側揺動手段D3120が窓部H14eを介した視認領域内で変位可能に構成されており、上側揺動手段D3120の変位を遊技者に視認させることが可能とされる。そのため、第87実施形態では、ベース手段D3110と、そのベース手段D3110に配設される各部材(上側揺動手段D3120、上側動力付与手段D3140)との少なくとも一部が窓部H14eを介した視認領域内に配設され、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から視認可能とされる。
ベース手段D3110は、正面視において門型に形成されるベース本体D3111と、そのベース本体D3111の正面側に突設されるレール手段D3115と、そのレール手段D3115の正面側に覆設されるカバー部材D3116と、後述する上側揺動手段D3120の他方側(矢印L方向側)に配設される付勢手段D2183と、を主に備える。
なお、第87実施形態においては、ベース手段D3110は、ベース本体D3111と、レール手段D3115とが一体の樹脂材料から形成されるが、ベース本体D3111と、レール手段D3115とを、異なる部材から形成しても良い。例えば、レール手段D3115は、後述するように上側揺動手段D3120の摺動箇所となるので、剛性を高めるために、金属材料から形成しても良い。
ベース本体D3111は、後述する上側動力付与手段D3140を配設するためのベースであり、その上側動力付与手段D3140を配設するための螺子(図示しない)の締結孔が所定の箇所に形成される。
また、ベース本体D3111には、後述する上側動力付与手段D3140の駆動力を背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に伝達するための挿通孔D111a,D111b(図511参照)が前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
レール手段D3115は、ベース本体D3111の上方に形成される上側レールD3115aと、その上側レールD3115aと所定の間隔を隔てて並設される下側レールD3115bとを備え、それら上側レールD3115aと下側レールD3115bとの対向間で、後述する上側揺動手段D3120の第2変位手段D3125を案内可能に構成される。
カバー部材D3116は、上側レールD3115aと下側レールD3115bとの対向間に配設した上側揺動手段D3120の第2変位手段D3125が正面側に向かって脱落することを抑制する部材であり、上側レールD3115aと下側レールD3115bとの対向間に第2変位手段D3125を配設した状態で、上側レールD3115aの正面側端部に配設可能に構成される。なお、カバー部材D3116及び下側レールD3115bは、それらカバー部材D3116及び下側レールD3115bの対向間に第2変位手段D3125が変位可能な空間を形成可能な大きさに形成される。これにより、第2変位手段D3125は、レール手段D3115に支持された状態で上側レールD3115aと下側レールD3115bとの対向間を変位可能とされる。
上側動力付与手段D3140は、電力が付与されることで、軸部D141bが回転する駆動モータD141と、その駆動モータD141の軸部D141bに配設される駆動ギヤD142と、その駆動ギヤD142に歯合する歯を有する第1正面カムD143とを主に備える。なお、第87実施形態における第1正面カムD143は、背面側のギヤ部D143aに形成される被軸支部D143a1がベース本体D3111の挿通孔D111b(図511参照)に軸支され、駆動ギヤD142により駆動モータD141の駆動力が伝達されることで、被軸支部D143a1の軸を中心に回転可能に構成される。
上側揺動手段D3120は、正面視(矢印B方向視)においてベース本体D3111の第1正面カムD143が配設される側(矢印L方向側)に配設される変位手段D3121と、その変位手段に相対変位可能に連結される第2変位手段D3125と、変位手段D3121の外縁から突設される第1被軸支部D122と、第2変位手段D3124の上方側(矢印U方向側)の外縁から突設される第1被案内手段D3126と、第2変位手段D3125の変位手段D3121が連結される側(矢印L方向側)と反対側(矢印R方向側)における外縁から突設される第2被案内手段D3127とを主に備え、突設部D143b2から受ける駆動力の大きさに応じて、変位される態様を変更可能に構成される。
なお、第87実施形態における上側揺動手段D3120では、変位手段D3121及び第2変位手段D3125の全体が正面視(矢印B方向視)において左右方向に長い略半円形状に形成され、円弧状に形成される上面側(矢印U方向側)の一部がセンターフレームA86(図498参照)の内縁に沿う位置に配設される。また、変位手段D3121及び第2変位手段D3125は、パチンコ機H10の第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置に配設され、その重なった状態で変位されることで、正面視(矢印B方向視)における第3図柄表示装置H81の視認可能な領域を変更可能とされる。
また、第87実施形態における変位手段D3121及び第2変位手段D3125は、第83実施形態と同様に、光を反射可能な反射材料から形成される反射部D121aと、光を透過可能な光透過部D121bとを少なくとも一部に備えると共に、光を出射可能な発光手段(図示しない)を変位手段D3121及び第2変位手段D3125のそれぞれの内部に備えて構成されるが、第83実施形態と同様に、反射部D121a、又は、光透過部D121bのどちらか一方のみで構成されるものであっても良い。
更に、変位手段D3121には、第2変位手段D3125を連結するための連結手段D3121cが形成され、第2変位手段D3125には、変位手段D3121の連結手段D3121cが連結される被連結手段D3125aが形成される。
連結手段D3121cは、変位手段D3121の背面側の外縁から第2変位手段D3125側に向かって突出される突出部D3121c1と、その突出部D3121c1から正面側に突設される軸部D3121c2と、その軸部D3121c2の周囲において変位手段D3121の正面側を凹設した凹設部D3121c3とを備える。
被連結手段D3125aは、第2変位手段D3125の正面側の外縁から変位手段D3121側に向かって突出される突出部D3125bと、その突出部D3125bに形成される貫通孔に内嵌される被保持手段D3125cと、その被保持手段D3125cの周囲において第2変位手段D3125の背面側を凹設した凹設部D3125dとを備える。
変位手段D3121と第2変位手段D3125とは、変位手段D3121の軸部D3121c2が、第2変位手段D3125の被保持手段D3125cに挿通されることで、互いが相対変位可能な状態で連結される。なお、被保持手段D3125cは、軸部D3121c2が相対回転可能な状態で挿入される円環状の内リングD3125c1と、その内リングD3125c1の外側に所定の距離を離して配設される外リングD3125c2と、それら内リングD3125c1と外リングD3125c2との間に配設される弾性変形可能な弾性部材D3125c3とから構成され、弾性部材D3125c3を弾性変形させることで、外リングD3125c2に対する内リングD3125c1の相対位置を軸部D3121c2と共に変位可能に構成される。
変位手段D3121の凹設部D3121c3及び第2変位手段D3125の凹設部D3125dは、変位手段D3121の突出部D3121c1及び第2変位手段D3125の突出部D3125bの突出先端側が、正面視における変位手段D3121の外縁および第2変位手段D3125の外縁に当接することを抑制する空間を形成する凹部であり、左右方向(矢印L-R方向)に所定の大きさで形成される。
第1被案内手段D3126は、第2変位手段D3125の外縁から突設される板状の突出部D3126aと、その突出部D3126aから背面側に向かってと突設される軸部D3126bと、その軸部D3126bに回転可能な状態で軸支される転動部材D3126cとを備え、転動部材D3126cがレール手段D3115の上側レールD3115aと下側レールD3115bとの対向間に案内(転動)可能な状態で収容される。これにより、第2変位手段D3125は、変位手段D3121から駆動力が連結手段D3121c及び被連結手段D3125aを介して伝達されると、ベース本体D3111(ベース手段D3110)に対して左右方向(矢印L-R方向)に変位可能とされる。
第2被案内手段D3127は、第2変位手段D3125が変位手段D3121から離れる方向(矢印R方向)に過剰に変位した際に、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接させて、第2変位手段D3125の変位を抑えるための当接部分であり、変位手段D3121に連結される側(矢印L方向側)と反対側(矢印R方向側)に形成される。
次いで、図533及び図534を参照して、揺動ユニットD3100の変位態様について説明する。図533(a)及び図533(b)、図534(a)及び図534(b)、図535(a)及び図535(b)は、上側揺動手段D3120及び上側動力付与手段D3140の正面視における模式図である。なお、図533及び図534では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させた場合の上側揺動手段D3120の遷移状態が図533(a)、図533(b)、図534(a)、図534(b)の順に図示され、図535では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させた場合の上側揺動手段D3120の遷移状態が図535(a)、図535(b)の順に図示される。
また、図533~図534では、第1正面カムD143が第1位置に維持される状態における上側揺動手段D3120の第2変位手段D3125の変位手段D3121側の端部に沿ってその基準線がDK1の符号を付して2点鎖線で図示される。
なお、以下の説明では、第1正面カムD143が正面視において反時計回りに回転される場合(即ち、第1正面カムD143が第1位置、第4位置、第3位置、第2位置の順で回転される場合)について説明する。
図533~図535に示すように、駆動モータD141の軸部D141b(図532(a)参照)を回転させた場合には、その軸部D141bが勘合される駆動ギヤD142(図532(a)参照)が回転されることで、第1正面カムD143が回転される。これにより、第1正面カムD143の回転軸に対して偏心する位置に形成される突設部D143b2が正面視においてベース本体D3111(図532(a)参照)に対して相対変位される。この相対変位により、突設部D143b2に連結される変位手段D3121が、突設部D143b2と共にベース本体D3111に対して相対変位可能に構成される。また、変位手段D3121に作用する駆動力が、連結手段D3121c及び被連結手段D3125aを介して第2変位手段D3125に伝達され、第2変位手段D3125が変位手段D3121と共に変位するように構成される。
ここで、図533及び図534に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させた場合には、ベース本体D3111(図532(a)参照)に対する突設部D143b2の変位に伴って、変位手段D3121が正面視において左右方向(矢印L-R方向)及び上下方向(矢印U-D方向)に変位される。この場合、変位手段D3121の連結手段D3121cが第2変位手段D3125の被連結手段D3125aに連結されるので、変位手段D3121は、突設部D143b2を軸に突設部D143b2に対して回転しつつ、正面視において左右方向(矢印L-R方向)及び上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位される。
また、第2変位手段D3125は、変位手段D3121の変位に伴って被連結手段D3125aが左右方向に変位されることで、第1被案内手段D3126の転動部材D3126cがレール手段D3115(図532(c)参照)の下側レールD3115b(図532(c)参照)上を転動して、基準位置DK1に対して左右方向(矢印L-R方向)に変位される。
なお、図533及び図534に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させた場合には、第2変位手段D3125被保持手段D3125cに対する変位手段D3121の軸部D3121c2の相対位置を維持できる(即ち、連結手段D3121cの軸部D3121c2から作用される駆動力で、被保持手段D3125cの弾性部材D3125c3が弾性変形しない状態とされる)ので、正面視における変位手段D3121の外縁と第2変位手段D3125の外縁との間に所定の隙間を空けることができる。これにより、第2変位手段D3125に変位手段D3121が当接して、第2変位手段D3125が変位手段D3121の変位方向に変位されることを抑制できる。
即ち、第87実施形態においては、第1正面カムD143の回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)の回転により、変位手段D3121と第2変位手段D3125との2部材に異なる変位をさせることができる。これにより、上側揺動手段D3120による演出効果を向上できる。
一方、図535(a)及び図34(b)に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、連結手段D3121cの軸部D3121c2から作用される駆動力により、被保持手段D3125cの弾性部材D3125c3が弾性変形される。これにより、第2変位手段D3125被保持手段D3125cに対する変位手段D3121の軸部D3121c2の相対位置が変更され、正面視における変位手段D3121の外縁が第2変位手段D3125の外縁に当接可能とされる(即ち、変位手段D3121が第2変位手段D3125に近づく方向に変位される)。
第87実施形態においては、上記した変位手段D3121と第2変位手段D3125との当接により、図535(b)に示すように、第2変位手段D3125を変位手段D3121の変位方向に変位させることが可能とされる。これにより、第1被案内手段D3126の転動部材D3126cがレール手段D3115(図532(c)参照)の下側レールD3115b(図532(c)参照)上を転動する左右方向(矢印L-R方向)の変位だけでなく、変位手段D3121が当接することによる上下方向(矢印U-D方向)の変位を第2変位手段D3125に付与することができる。
即ち、第87実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更することにより、変位手段D3121と第2変位手段D3125との相対位置を近接または離間させることが可能に構成され、変位手段D3121が第2変位手段D3125に近接させる場合に、変位手段D3121を第2変位手段D3125に当接させることで、変位手段D3121と第2変位手段D3125とが互いに作用し合った状態で変位させることができる。よって、変位手段D3121と第2変位手段D3125との変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
また、第87実施形態では、変位手段D3121が当接することにより、第2変位手段D3125が上下方向(矢印U-D方向)に過剰に変位される場合には、第2変位手段D3125を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させることができる。この衝突により、第87実施形態では、第2変位手段D3125に弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を作用させて、第2変位手段D3125の変位の態様を複雑化することができる。
なお、弾性体D2183a(付勢手段D2183)の第2変位手段D2125との当接面は、弾性バネD2183bが弾性変形されることで、突設部D147bに対する上側揺動手段D2120の回転方向に対して、傾斜する方向に回転される。これにより、第2変位手段D3125が弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接した後に、その反力により当接前の変位方向と反対方向に第2変位手段D2125が変位することを抑制できる。従って、第2変位手段D3125が弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接した際に、第2変位手段D3125をスムーズに変位させることができ、第2変位手段D3125の変位が一時的に停止して、第2変位手段D3125を変位させることによる演出効果が一時的に低下することを抑制できる。
従って、第87実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更して、第1正面カムD143の突設部D143b2の変位速度を変更することで、その突設部D143b2から変位手段D3121及び第2変位手段D3125に作用する駆動力の大きさを変更でき、その突設部D143b2から受ける駆動力に大きさに応じて変位手段D3121及び第2変位手段D3125の変位の態様を変更できる。
また、第87実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bが回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転される際に、第2変位手段D3125を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させることにより、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で上側揺動手段D3120の変位の態様を変更できるので、上側揺動手段D3120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。
従って、第87実施形態では、突設部D143b2から変位手段D3121(上側揺動手段D3120)に作用する駆動力の大きさを変更した際の上側揺動手段D3120の変位の態様を複雑化することで、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制できる。これにより、パチンコ機H10(図497参照)の演出に合わせて、変位手段D3121及び第2変位手段D3125(上側揺動手段D3120)の変位の態様を変更する(例えば、大当たり後には、軸部D141bの回転速度を速くして変位手段D3121及び第2変位手段D3125(上側揺動手段D3120)の変位の態様を複雑にして、遊技者に与える興趣を大当たりと共に向上させる)ことで、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
また、第87実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させる場合(即ち、第1正面カムD143の突設部D143b2から変位手段D3121及び第2変位手段D3125が受ける駆動力が小さい場合)には、第2変位手段D3125が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位されず、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させる場合(即ち、第1正面カムD2143の突設部D143b2から変位手段D3121及び第2変位手段D3125が受ける駆動力が大きい場合)には、第2変位手段D3125が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位可能に構成される。
そのため、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させて突設部D143b2を変位させる場合には、第2変位手段D3125が弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を受けずに変位され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させて突設部D143b2を変位させる場合には、第2変位手段D3125が弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を受けて変位される。これにより、第2変位手段D3125の変位の態様を複雑化することができる。その結果、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、その駆動速度が速くなることで上側揺動手段D3120の可動音が遊技者に聞こえる恐れがある。そのため、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させる場合(即ち、第1正面カムD143の回転速度を速くした場合)には、パチンコ機H10に配設したスピーカー(図示しない)から放音される遊技音を大きくして、上側揺動手段D3120の可動音が遊技者に聞こえることを抑制しても良い。
なお、上記の説明では、第1正面カムD143を第1位置、第4位置、第3位置、第2位置の順に変位させる(即ち、第1正面カムD143を正面視において半時計回りに回転させる)場合について説明したが、第1正面カムD143を正面視において時計回りに回転させるものであっても良く、第1正面カムD143を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第1正面カムD143が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させるものであっても良い。
これによれば、第1正面カムD143の変位の態様を適宜変更することができるので、上側揺動手段D3120の変位の態様が一様になることを抑制できる。その結果、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
また、第1正面カムD143を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第1正面カムD143及び第2正面カムD147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD147の回転方向を反転させる際に、突設部D143b2から上側揺動手段D3120に作用する慣性力を大きくできる。そのため、上側揺動手段D3120の変位の態様を大きく変化させることができる。よって、上側揺動手段D3120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
また、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第1正面カムD143の変位途中に変更可能とされる。よって、上側揺動手段D3120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bの回転を一度停止させてから回転速度を切り替えて(設定しなおして)再度回転が開始されるものであっては、回転速度を切り替える度にその回転を停止する必要があるため、上側揺動手段D3120の変位が断続的になり、上側揺動手段D3120の変位による演出効果が低下する恐れがある。
これに対し、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第1正面カムD2143の変位途中に変更可能とされるので、回転速度を変更する際に上側揺動手段D3120の変位を継続させることができる。その結果、上側揺動手段D3120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度は、第1正面カムD143を第1位置から第4位置まで順に(時計回りで)変位させる場合に、1回転目を回転速度Bで回転させた後の2回転点目以降を回転速度Aで回転させたり、第1正面カムD143が1回転される毎に回転速度を変更しても良い。
また、例えば、第1正面カムD143を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1位置から第2位置までの変位を回転速度Bで回転させた後、第2位置から第1位置までの変位を回転速度Aで回転させる(往路と復路とで回転速度を変更する)ことで、第1正面カムD143を第1位置から第2位置に変位させたことによる上側揺動手段D3120の変位の態様と、第1正面カムD143を第2位置から第1位置に変位させたことによる上側揺動手段D3120の変位の態様とを異ならせることができる。その結果、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
さらに、例えば、第1正面カムD143を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143が1往復動作される毎に回転速度を変更しても良い。
なお、第1正面カムD143を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第1正面カムD143を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間が同一に設定される。これにより、第1正面カムD143の制御を簡素とできる。
即ち、第1正面カムD143の往路と復路とが異なる変位区間に設定される場合には、第1正面カムD143の回転量を検出するための検出手段を複数個配設してその回転位置を検出する、若しくは、駆動モータD141により第1正面カムD143の回転量を制御する必要がある。そのため、第1正面カムD143の制御が複雑になる。
これに対し、第1正面カムD143を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第1正面カムD143を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間を同一に設定することで、ベース本体D3111に配設した検出手段D111g(図511参照)により、第1正面カムD143の位置検出を可能にできる。従って、1個の検出手段D111gにより、第1正面カムD143の制御をすることができるので、第1正面カムD143の制御を簡素にできる。
次いで、図536から図538を参照して、第88実施形態における揺動ユニットD4100について説明する。上記第83実施形態では、上側揺動手段D120に駆動力を伝達する第1正面カムD143、第2正面カムD147に上側揺動手段D120が支持(接続)される場合について説明したが、第88実施形態では、上側揺動手段D4120に駆動力を伝達する第2正面カムD147に対して上側揺動手段D4120が非接続とされる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図536及び図537を参照して、第88実施形態における揺動ユニットD4100の全体構成について説明する。図536(a)は、第88実施形態における揺動ユニットD4100を正面視した模式図であり、図536(b)は、図536(a)のE03b-E03b線における揺動ユニットD4100の模式断面図であり、図536(c)は、図536(a)のE03c-E03c線における揺動ユニットD4100の模式断面図である。図537(a)は、図536(a)のE04a-E04a線における揺動ユニットD4100の断面模式図であり、図537(b)及び図537(c)は、図537(a)のE04b-E04b線における揺動ユニットD4100の断面模式図である。
なお、第88実施形態においては、第83実施形態における揺動ユニットD100と同様に上側揺動手段D4120の下方側に下側揺動手段D130(図510参照)が配設されても良いが、以下の説明では、下側揺動手段D130が配設されないものとして説明する。また、図537(b)では、上側揺動手段D4120が変位される前の状態における揺動ユニットD4100の断面が図示され、図537(c)では、上側揺動手段D4120が変位される途中の状態における揺動ユニットD4100の断面が図示される。
また、図536(a)では、上側装飾ユニットH14aが配設される上方側(矢印U方向側)における窓部H14eの境界が上側視認可能範囲H14e1として図示され、左側装飾ユニットH14bが配設される左側(矢印L方向側)における窓部H14eの境界が左側視認可能範囲H14e2として図示され、右側装飾ユニットH14cが配設される右側(矢印R方向側)における窓部H14eの境界が右側視認可能範囲H14e3として図示される。
図536及び図537に示すように、第88実施形態における揺動ユニットD4100は、正面視(矢印B方向視)において門型に形成されるベース手段D4110と、そのベース手段D4110の正面側(矢印F方向側)に配設される上側揺動手段D4120と、その上側揺動手段D4120に駆動力を付与する上側動力付与手段D2140とを主に備える。
なお、揺動ユニットD4100は、窓部H14eを介して視認された際に、少なくとも後述する上側揺動手段D4120の全域が視認可能とされる位置に配設される。また、第88実施形態では、上側揺動手段D4120が窓部H14eを介した視認領域内で変位可能に構成されており、上側揺動手段D4120の変位を遊技者に視認させることが可能とされる。そのため、第88実施形態では、ベース手段D4110と、そのベース手段D4110に配設される各部材(上側揺動手段D4120、上側動力付与手段D2140)との少なくとも一部が窓部H14eを介した視認領域内に配設され、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から視認可能とされる。
ベース手段D4110は、正面視(矢印B方向視)において門型に形成されるベース本体D3111と、そのベース本体D3111の正面側(矢印F方向側)に突設される上側案内部D4117及び下側案内部D4118と、それら上側案内部D4117及び下側案内部D4118のそれぞれの正面側に配設されるカバー部材D4116と、下側案内部D4118の左右方向(矢印L-R方向)外側端部に配設される付勢手段D2183と、を主に備える。
なお、第88実施形態においては、ベース手段D4110は、ベース本体D4111と、上側案内部D4117及び下側案内部D4118とが一体の樹脂材料から形成されるが、ベース本体D4111と、上側案内部D4117と、下側案内部D4118とを、それぞれ異なる部材から形成しても良い。例えば、上側案内部D4117及び下側案内部D4118は、後述するように上側揺動手段D4120の摺動箇所となるので、剛性を高めるために、金属材料から形成しても良い。
ベース本体D4111は、上側動力付与手段D2140を配設するためのベースであり、その上側動力付与手段D2140を配設するための螺子(図示しない)の締結孔が所定の箇所に形成される。
また、ベース本体D4111には、上側動力付与手段D2140の駆動力を背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に伝達するための挿通孔D111a(図511参照)が前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
カバー部材D4116は、上側案内部D4117の正面側(矢印F方向側)に配設される上側カバーD4116aと、2箇所の下側案内部D4118のそれぞれの正面側に配設される2枚の下側カバーD4116bとを備え、それら上側カバーD4116a及び下側カバーD4116bを後述する上側揺動手段D4120の正面側に重なる位置に配設することで、上側揺動手段D4120をベース手段D4110に配設することが可能に構成される。
上側案内部D4117は、上側カバーD4116aとベース本体D4111との間に上側揺動手段D4120の上方側を保持するための空間を形成する側壁であり、上側揺動手段D4120の配設位置よりも上方に形成されると共に、上側揺動手段D4120の上端部(被案内手段D4128)よりも正面側(矢印F方向側)に突出される。上側揺動手段D4120の上端側は、上側案内部D4117の下方側(矢印D方向側)に上側揺動手段D4120が配置された状態で、上側案内部D4117の正面側に上側カバーD4116aが配設されることで、上側カバーD4116aとベース本体D4111との間に収容される。
2箇所の下側案内部D4118は、下側カバーD4116bとベース本体D4111との間に上側揺動手段D4120の下方側を保持するための空間を形成する側壁であり、上側揺動手段D4120の配設位置よりも下方に形成されると共に、上側揺動手段D4120の下端部よりも正面側(矢印F方向側)に突出される。上側揺動手段D4120の下端側は、下側案内部D4118の上方側(矢印U方向側)に上側揺動手段D4120が配置された状態で、下側案内部D4118の正面側に下側カバーD4116bが配設されることで、下側カバーD4116bとベース本体D4111との間に収容される。
上側揺動手段D4120は、上端側が上側カバーD4116aとベース本体D4111との間に収容され、下端側が下側カバーD4116bとベース本体D4111との間に収容されることで、下側案内部D4118の上面に沿って左右方向(矢印L-R方向)に摺動可能とされる。
即ち、パチンコ機H10は、前後方向に向かい合うベース本体D4111及び上側カバーD4116a又は下側カバ-D4116bを備え、それらベース本体D4111及び上側カバーD4116a又は下側カバ-D4116bの対向間を上側揺動手段D4120が変位可能に構成され、ベース本体D4111及び上側カバーD4116a又は下側カバ-D4116bにより上側揺動手段D4120の前後方向(矢印F-B方向)の変位が規制される。
これにより、遊技者が視認する方向の前後方向(矢印F-B方向)に上側揺動手段D4120が揺れ動くことを抑制できると共に、上側揺動手段D4120が変位可能な領域を確保しやすくできる。その結果、上側揺動手段D4120の変位の態様を遊技者に視認させやすい上下方向(矢印U-D方向)及び左右方向(矢印L-R方向)に上側揺動手段D4120を大きく変位させることができる。即ち、パチンコ機H10(図497参照)の前後方向よりも、前後方向に直交する方向に広い演出領域を変位手段の変位のための領域として有効に活用できる。その結果、上側揺動手段D4120を変位させたことによる演出効果を向上しやすくできる。
なお、上側揺動手段D4120の上端側を収容する上側カバーD4116a及びベース本体D4111と、上側揺動手段D4120の下端側を収容する下側カバーD4116b及びベース本体D4111とは、光透過性の樹脂材料から形成される。
従って、上側揺動手段D4120の正面側に配設される上側カバーD4116a及び下側カバーD4116bが光透過性の透明な材料から形成されるので、それら上側カバーD4116a及び下側カバーD4116bの背面側に配設される上側揺動手段D4120の視認可能領域を最大限確保することができる。その結果、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
また、上側揺動手段D4120の背面側に配設されるベース本体D4111(ベース手段D4110)が光透過性の透明な材料から形成されるので、ベース本体D4111の背面側を透過して視認することが可能とされる。よって、ベース本体D4111(即ち、上側揺動手段D4120の変位機構部)によって、揺動ユニットD4100の背面側の演出領域が小さくなることを抑制できる。
また、図537(b)、図537(c)に示すように、下側案内部D4118は、左左右方向(矢印L-R方向)外側に向かうに従って上方側(矢印U方向側)に傾斜する傾斜面D4118aと、少なくとも2箇所から上方側に向かって部分的に突出される凸部D4118bとを上面側に備える。傾斜面D4118aは、下側案内部D4118に載置される上側揺動手段D4120を、その自重により上側揺動手段D4120を所定の位置に案内するための傾斜である。
ここで、上述したように上側揺動手段D4120は、その上側揺動手段D4120に駆動力を伝達する第2正面カムD147に対して上側揺動手段D4120が非接続とされる。そのため、上側揺動手段D4120が、パチンコ機H10に入力される振動等により揺れ動きやすくなるという問題がある。
これに対し、第88実施形態では、第2正面カムD147から駆動力が伝達される前において傾斜面D4118aにより上側揺動手段D4120を所定の位置(図537(b)に示す位置)に維持できる。その結果、上側揺動手段D4120に駆動力を伝達する第2正面カムD147に対して上側揺動手段D4120が非接続とされる第88実施形態において、上側揺動手段D4120が揺れ動きやすくなることを抑制できる。
凸部D4118bは、上側揺動手段D4120に上側方向への駆動力を作用させる突起であり、図537(c)に示すように、上側揺動手段D4120を左右方向(矢印L-R方向にスライド変位させた際に、上側揺動手段D4120の下端が乗り越える位置に形成される。これにより、上側揺動手段D4120に左右方向の変位だけでなく上下方向の変位をさせることができ、上側揺動手段D4120を変位させた際の演出効果を向上できる。
上側揺動手段D4120は、正面視(矢印B方向視)において左右方向(矢印L-R方向)に長い略半円形状に形成され、円弧状に形成される上面側(矢印U方向側)の一部がセンターフレームA86(図498参照)の内縁に沿う位置に配設される変位手段D4121と、その変位手段D4121の長手方向中央部の上方側(矢印U方向側)の外縁の2箇所から左右方向(矢印L-R方向)に所定の間隔を空けて突設される被案内手段D4128と、変位手段D4121の下方側(矢印D方向側)の端部における左右方向両側に配設される転動手段D4129とを備え、突設部D147bから受ける駆動力の大きさに応じて、変位される態様を変更可能に構成される。
変位手段D4121は、パチンコ機H10の第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置に配設され、その第3図柄表示装置H81の正面側に重なった状態で変位されることで、正面視(矢印B方向視)における第3図柄表示装置H81の視認可能な領域を変更可能とされる。
また、第87実施形態における変位手段D4121は、第83実施形態と同様に、光を反射可能な反射材料から形成される反射部D121a(図509参照)と、光を透過可能な光透過部D121b(図509参照)とを少なくとも一部に備えると共に、光を出射可能な発光手段(図示しない)を変位手段D4121のそれぞれの内部に備えて構成されるが、第83実施形態と同様に、反射部D121a、又は、光透過部D121bのどちらか一方のみで構成されるものであっても良い。
被案内手段D4128は、正面視(矢印B方向視)においてベース本体D4111に配設される第2正面カムD2147の回転軸よりも左側(矢印L方向側)に形成される左側案内部D4128aと、正面視においてベース本体D4111に配設される第2正面カムD2147の回転軸よりも右側(矢印R方向側)に形成される右側案内部D4128bとを備える。
左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bは、それぞれの対向面に第2正面カムD2147の突設部D147bが当接されることで、第2正面カムD2147の回転の駆動力が伝達される部分であり、それらの対向間に突設部D147bが配設される。また、左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bは、第2正面カムD2147の突設部D147bの回転軌跡と重なる位置に形成される。
なお、左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bの左右方向(矢印L-R方向)における対向間の距離は、突設部D147bの直径よりも大きい距離に形成され、第88実施形態では、突設部D147bの直径の略3倍の距離に設定される。これにより、突設部D147bを左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bから離間させることが可能とされる。
転動手段D4129は、変位手段D4121に嵌合される軸部D4129aと、その軸部D4129aに相対回転可能な状態で配設される転動部材D4129bとを備える。転動手段D4129は、ベース本体D4111の下側案内部D4118の上面側に沿って上側揺動手段D4120が摺動する際に、転動部材D4129bを回転させることで、下側案内部D4118と上側揺動手段D4120との間に係る抵抗を少なくして、上側揺動手段D4120を左右方向(矢印L-R方向)に摺動させやすくできる。
図538を参照して、揺動ユニットD4100の変位態様について説明する。図538(a)及び図538(b)は、揺動ユニットD4100の正面視における模式図である。なお、図538(a)では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させて、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させた状態が図示され、図538(b)では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させて、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させた状態が図示される。
図538(a)に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の回転軸に対して偏心する位置に形成される突設部D147bが正面視(矢印B方向視)においてベース本体D4111に対して相対変位される。この相対変位により、第2正面カムD2147の突設部D147bが上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bに近づいて当接される。この当接により、上側揺動手段D4120が突設部D147bと共に右側(矢印R方向側)に変位される。
この場合には、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させて、上側揺動手段D4120を遅い速度で変位させているので、上側揺動手段D4120に作用する慣性力を小さくできる。そのため、第2正面カムD2147が第2位置に変位された後に、上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bが突設部D147bから離れて、更に右側(矢印R方向側)に変位することを抑制できる。
即ち、第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させた場合に、突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120を左右方向(矢印L-R方向)に変位可能に構成される。
一方、図538(b)に示すように、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、回転速度Bで回転させた場合と同様に、第2正面カムD2147の回転軸に対して変位する位置に形成される突設部D147bが正面視(矢印B方向視)においてベース本体D411に対して相対変位される。この相対変位により、第2正面カムD2147の突設部D147bが、上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bに近づいて当接される。この当接により、上側揺動手段D4120が突設部D147bと共に右側(矢印R方向側)に変位される。
この場合、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させて、上側揺動手段D4120を速い速度で変位させているので、上側揺動手段D4120に作用する慣性力を大きくできる。そのため、第2正面カムD2147が第2位置に変位された後に、上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bを突設部D147bから離間させて、上側揺動手段D4120を更に右側(矢印R方向側)に変位させることができる。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bを第1位置から第2位置に変位させる途中で上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bに当接させて、第2正面カムD2147を第2位置に変位させるまで、右側案内部D4128bに突設部D147bを当接させた状態で上側揺動手段D4120をスライド変位させる。そして、第2正面カムD2147が第2位置に到達した後には、突設部D147bから上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bを離間させて上側揺動手段D4120をスライド変位可能とされる。
なお、突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120を左右方向(矢印L-R方向)に変位させている際には、上側揺動手段D4120は下側案内部D4118の傾斜面D4118aを転動部材D4129bが転動して案内される。これにより、突設部D147bを上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bに当接させて上側揺動手段D4120を変位させる場合において、上側揺動手段D4120の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて上側揺動手段D4120の変位を開始させることができる。
即ち、上側揺動手段D4120は、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けた後、第2正面カムD2147の突設部D147bから離隔され第2正面カムD2147の突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるところ、駆動力を受けて上側揺動手段D4120が変位を開始する際の進行方向には、非拘束とされた状態での上側揺動手段D4120の変位の変化をより大きくするのに適した方向と、非拘束とされた状態での上側揺動手段D4120の変位の変化を阻害する方向とが存在する。そのため、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けている上側揺動手段D2120の変位を案内していないと、非拘束とされた状態での上側揺動手段D4120の変位の変化を阻害する方向に変位する可能性がある。
これに対し、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けている上側揺動手段D4120の変位を案内可能に構成されることで、非拘束とされた状態での上側揺動手段D4120の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて上側揺動手段D4120の変位を開始させることができる。
ここで、上記第86実施形態における揺動ユニットD2100では、上側揺動手段D2120が第2正面カムD2147の突設部D147bに軸支されるので、上側揺動手段D2120の変位が基本的に突設部D147bの回転の軌跡に伴う変位の態様とされる。そのため、上側揺動手段D2120の変位を複雑にし難いという問題があった。
これに対し、第88実施形態では、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けて上側揺動手段D4120が突設部D147bと共に変位された後、上側揺動手段D4120が突設部D147bから隔離され、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるので、その非拘束とされる状態において、上側揺動手段D4120を突設部D147bの変位とは無関係に変位させることができる。よって、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
また、図536(a)に示すように、第2正面カムD2147が第1位置に配設される際には、第2正面カムD2147の突設部D2147bが、左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bに対して離間する位置に配設される。これにより、駆動モータD141に駆動力を付与した際に、第2正面カムD2147の初期回転における回転速度を向上できる。その結果、上側揺動手段D4120の変位初期における動作速度を速くでき、上側揺動手段D4120を変位させることによる演出効果を向上できる。
即ち、第2正面カムD2147が第1位置に配設される際に、第2正面カムD2147の突設部D2147bが左側案内部D4128a又は右側案内部D4128bの対向面に当接した状態では、上側揺動手段D4120を変位させることに必要な抵抗が第2正面カムD2147の初期回転時に作用する。そのため、第2正面カムD2147の初期回転における回転速度が低下し、上側揺動手段D4120の変位初期における動作速度が遅くなり、上側揺動手段D4120を変位させることによる演出効果が低下する恐れがある。
これに対し、第88実施形態では、第2正面カムD2147が第1位置に配設される際には、第2正面カムD2147の突設部D147bが、左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bに対して離間する位置に配設され、第2正面カムD2147の初期回転では、突設部D147bを空転させる(左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bに当接させずに変位させる)ことができるので、その空転区間を利用して、ベース本体D4111に対する突設部D147bの相対変位速度を向上できる。これにより、突設部D147bを左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bに当接させた際の上側揺動手段D4120の変位速度を速くできる。その結果、上側揺動手段D4120を変位させることによる演出効果を向上できる。
なお、この場合、ベース本体D4111に対して相対変位される途中の突設部D147bが左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bの対向面に衝突することになるため、その衝突した際の衝撃音が遊技者に聞こえ、遊技者の興趣が低下するおそれがある。また、突設部D147bがその衝撃によって破損する恐れがある。
そのため、第88実施形態では、突設部D147bの周囲、又は、左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bの対向面側に弾性材料から形成される弾性部材を配設して、突設部D147bが左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bの対向面に当接する衝撃を緩和しても良い。
なお、上記第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合に、第2正面カムD2147を第2位置に変位させるまで、右側案内部D4128bに突設部D147bを当接させた状態で上側揺動手段D4120をスライド変位させる場合について説明したが、第2正面カムD147が第2位置に変位されている途中で、突設部D147bから上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bを離間させて、即ち、上側揺動手段D1420を突設部D147bの変位よりも先行して、上側揺動手段D1420をスライド変位させても良い。例えば、突設部D147bが上側揺動手段D4120の右側案内部D4128bに当接した衝撃で、突設部D147bよりも先行してスライド変位するように構成しても良い。
また、第88実施形態では、上側揺動手段D4120の上面に形成される複数の凸部D4118bのうち、正面視(矢印B方向視)において左右方向(矢印L-R方向)中央側に形成される凸部D4118bが、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させて第2正面カムD2147を第2位置または第4位置に変位させた場合における上側揺動手段D4120の転動部材D4129bの左右方向外側に隣り合う位置に形成される。
これにより、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い速度)で回転させて第2正面カムD2147を第2位置または第4位置に変位させた場合に、上側揺動手段D4120がその慣性力で左右方向(矢印L-R方向)外側に変位することを抑制できる。さらに、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させて第2正面カムD2147を第2位置または第4位置に変位させた場合には、上側揺動手段D4120(転動部材D4129b)に凸部D4118bを乗り越えさせて変位させることができる。従って、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度Bで回転させる場合と、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度Aで回転させる場合とで、上側揺動手段D4120の変位の態様を変更できる。その結果、上側揺動手段D4120による演出効果を向上しやすくできる。
従って、第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更して、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位速度を変更することで、その突設部D147bから変位手段D4121(上側揺動手段D4120)に作用する駆動力の大きさを変更でき、その突設部D147bから受ける駆動力に大きさに応じて変位手段D4121(上側揺動手段D4120)の変位の態様を変更できる。
また、第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bが回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転される際に、上側揺動手段D4120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させることにより、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で上側揺動手段D4120の変位の態様を変更できるので、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。
従って、第88実施形態では、突設部D147bから変位手段D4121(上側揺動手段D4120)に作用する駆動力の大きさを変更した際の上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化することで、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制できる。これにより、パチンコ機H10(図497参照)の演出に合わせて、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)の変位の態様を変更する(例えば、大当たり後には、軸部D141bの回転速度を速くして変位手段D4121(上側揺動手段D4120)の変位の態様を複雑にして、遊技者に与える興趣を大当たりと共に向上させる)ことで、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
また、第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させる場合(即ち、第2正面カムD2147の突設部D147bから変位手段D4121(上側揺動手段D4120)が受ける駆動力が小さい場合)には、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位されず、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させる場合(即ち、第2正面カムD2147の突設部D147bから変位手段D4121(上側揺動手段D4120)が受ける駆動力が大きい場合)には、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)が弾性体D2183a(付勢手段D2183)と当接する位置まで変位可能に構成される。
そのため、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させて突設部D147bを変位させる場合には、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)が弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を受けずに変位され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させて突設部D147bを変位させる場合には、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)が弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を受けて変位される。これにより、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)の変位の態様を複雑化することができる。その結果、変位手段D4121(上側揺動手段D4120)の変位による演出効果を向上できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させた場合には、その駆動速度が速くなることで上側揺動手段D4120の可動音が遊技者に聞こえる恐れがある。そのため、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転させる場合(即ち、第2正面カムD2147の回転速度を速くした場合)には、パチンコ機H10に配設したスピーカー(図示しない)から放音される遊技音を大きくして、上側揺動手段D4120の可動音が遊技者に聞こえることを抑制しても良い。
また、第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転した際に、上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位する場合には、上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させることができる。これにより、第2正面カムD2147の突設部D147bに非案内側の左側案内部D4128a又は右側案内部D4128bが当接する場合に突設部D147bに作用する衝撃を緩和することができる。その結果、突設部D147bが破損することを抑制できる。
なお、上記の説明では、第2正面カムD2147を第1位置から第4位置まで順に変位させる(即ち、第2正面カムD2147を正面視において時計回りに回転させる)場合について説明したが、第1正面カムD143及び第2正面カムD147を正面視において反時計回りに回転させるものであっても良く、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第2正面カムD2147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させるものであっても良い。
これによれば、第2正面カムD2147の変位の態様を適宜変更することができるので、上側揺動手段D4120の変位の態様が一様になることを抑制できる。その結果、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
また、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第2正面カムD2147が1回転しない所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第2正面カムD2147の回転方向を反転させる際に、突設部D147bから上側揺動手段D4120に作用する慣性力を大きくできる。そのため、上側揺動手段D4120の変位の態様を大きく変化させることができる。よって、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
また、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第2正面カムD2147の変位途中に変更可能とされる。よって、上側揺動手段D4120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
即ち、駆動モータD141の軸部D141bの回転を一度停止させてから回転速度を切り替えて(設定しなおして)再度回転が開始されるものであっては、回転速度を切り替える度にその回転を停止する必要があるため、上側揺動手段D4120の変位が断続的になり、上側揺動手段D2120の変位による演出効果が低下する恐れがある。
これに対し、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度は、第2正面カムD2147の変位途中に変更可能とされるので、回転速度を変更する際に上側揺動手段D4120の変位を継続させることができる。その結果、上側揺動手段D4120の変位による演出効果が低下することを抑制できる。
なお、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度は、第2正面カムD2147を第1位置から第4位置まで順に(時計回りで)変位させる場合に、1回転目を回転速度Bで回転させた後の2回転点目以降を回転速度Aで回転させたり、第2正面カムD2147が1回転される毎に回転速度を変更しても良い。
また、例えば、第2正面カムD2147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1位置から第2位置までの変位を回転速度Bで回転させた後、第2位置から第1位置までの変位を回転速度Aで回転させる(往路と復路とで回転速度を変更する)ことで、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させたことによる上側揺動手段D4120の変位の態様と、第2正面カムD2147を第2位置から第1位置に変位させたことによる上側揺動手段D4120の変位の態様とを異ならせることができる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
さらに、例えば、第2正面カムD2147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第1正面カムD143及び第2正面カムD2147が1往復動作される毎に回転速度を変更しても良い。
なお、第2正面カムD2147を第1位置と第2位置との間(所定の変位区間)で繰り返し往復変位させる場合には、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第2正面カムD2147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間が同一に設定される。これにより、第2正面カムD2147の制御を簡素とできる。
即ち、第2正面カムD2147の往路と復路とが異なる変位区間に設定される場合には、第2正面カムD2147の回転量を検出するための検出手段を複数個配設してその回転位置を検出する、若しくは、駆動モータD141により第2正面カムD2147の回転量を制御する必要がある。そのため、第2正面カムD2147の制御が複雑になる。
これに対し、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置に変位させる往路と、第2正面カムD2147を第2位置から第1位置に変位させる復路とで、その変位区間を同一に設定することで、ベース手段D111に配設した検出手段D111g(図511参照)により、第2正面カムD2147の位置検出を可能にできる。従って、1個の検出手段D111gにより、第2正面カムD2147の制御をすることができるので、第2正面カムD2147の制御を簡素にできる。
次いで、図539を参照して、第88実施形態における揺動ユニットD4100の変形例について説明する。図539(a)及び図539(b)は、変形例における揺動ユニットD4100の模式断面図である。なお、図539(a)及び図539(b)に示す揺動ユニットD4100の断面は、図537(a)のE04b-E04b線における揺動ユニットD4100の断面と対応する。
まず、図539(a)を参照して、図539(a)に示す変形例について説明する。なお、図539(a)では、第88実施形態における揺動ユニットD4100の下側案内部D4118の構成が異なるのみであり、それ以外の構成は第88実施形態における揺動ユニットD4100と同一であるので、その詳しい説明は省略する。
図539(a)に示すように、本変形例では、下側案内部D4118は、左左右方向(矢印L-R方向)外側に向かうに従って上方側(矢印U方向側)に傾斜する傾斜面D4118aと、その傾斜面D4118aに凹設される凹部D4118cと、その凹部D4118cの内側に収容される直動係合部D4118dと、その直動係合部D4118dを付勢する付勢バネD4118fとを備える。
凹部D4118cは、後述する直動係合部D4118dを上下方向に摺動可能な状態で保持する空間であり、直動係合部D4118dとの間に所定の隙間(直動係合部D4118dを摺動可能な隙間)を有する大きさに形成される。
直動係合部D4118dは、下側案内部D4118の上面を案内されて変位される上側揺動手段D4120の一方向の変位を規制するための部材であり、下側案内部D4118の上面よりも上方に張り出す張出位置と、その張り出した位置から下方に退避して下側案内部D4118の上面よりも下方に退避した退避位置との間で変位可能に構成される。
また、直動係合部D4118dは、第2正面カムD2147の突設部D147bの駆動力を受けて上側揺動手段D4120が付勢手段D2183側(左右方向(矢印L-R方向)外側)に向けて変位される場合に、下側案内部D4118の上面を転動する転動部材D4129bが張出位置の直動係合部D4118dの上面側に乗りやすい形状、即ち、下側案内部D4118の上面側に向かって傾斜された形状に上面側が形成される。また、付勢手段D2183側(左右方向(矢印L-R方向)外側)に位置する上側揺動手段D4120が自重や慣性力等の力を受けて左右方向中央側に向けて変位される場合に、下側案内部D4118の上面を転動する転動部材D4129bが張出位置の直動係合部D4118dの側面に係合しやすい形状、即ち、下側案内部D4118の上面に対して略直交する方向に向かって延設される形状に側面側が形成される。
これら直動係合部D4118dの上面側の形状と側面側の形状とにより、上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)外側に向かって変位する場合には、その上側揺動手段D4120の変位を直動係合部D4118dが許容しやすく、上側揺動手段D4120が左右方向中央側に向かって変位する場合には、その上側揺動手段D4120の変位を直動係合部D4118dが規制しやすくされる。
付勢バネD4118fは、金属材料から形成されるコイルバネであり、凹部D4118cの内側に配設される。また、付勢バネD4118fは、直動係合部D4118dの下方側に配設され、下側案内部D4118に対して直動係合部D4118dを上方側(張出位置側)に付勢した状態で配設される。
以上のように形成される図539(a)に示す変形例では、上記第88実施形態と同様に、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)に変位可能に構成され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120が左右方向に変位された後、上側揺動手段D4120が突設部D147bから隔離され、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能に構成される。
本変形例では、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされ、回転係合部D4118eを退避位置に変位させつつ直動係合部D4118dの上面を転動して上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)外側に変位されたあと、上側揺動手段D4120が自重や慣性力等の力を受けて、付勢バネD4118fの反力により張出位置に変位した直動係合部D4118dを乗り越えて左右方向中央側に向けて変位することを抑制できる。なお、直動係合部D4118dに規制される上側揺動手段D4120は、第2正面カムD2147の突設部D147bにより上側揺動手段D4120を左右方向中央側に向けて変位させることで、上側揺動手段D4120に直動係合部D4118dを乗り越えさせることができる。
そのため、本変形例では、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた後においても、第2正面カムD2147の回転に伴う変位を上側揺動手段D4120にさせることができる。従って、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた場合に、上側揺動手段D4120が暴れることを抑制できる。
また、上側揺動手段D4120が直動係合部D4118dの上面を転動しつつ下側案内部D4118の上面を左右方向(矢印L-R方向)外側に変位する変位の態様と、上側揺動手段D4120が直動係合部D4118dを乗り越えて下側案内部D4118の上面を左右方向中央側に変位する変位の態様とを異なる態様にできる。そのため、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
次いで、図539(b)を参照して、図539(b)に示す変形例について説明する。なお、図539(b)では、第88実施形態における揺動ユニットD4100の下側案内部D4118の構成が異なるのみであり、それ以外の構成は第88実施形態における揺動ユニットD4100と同一であるので、その詳しい説明は省略する。
図539(b)に示すように、本変形例では、下側案内部D4118は、左左右方向(矢印L-R方向)外側に向かうに従って上方側(矢印U方向側)に傾斜する傾斜面D4118aと、その傾斜面D4118aに凹設される凹部D4118cと、その凹部D4118cの内側に収容される回転係合部D4118eと、その回転係合部D4118eを付勢する付勢バネD4118fとを備える。
凹部D4118cは、後述する回転係合部D4118eを回転可能な状態で保持する空間であり、回転係合部D4118eとの間に所定の隙間(回転係合部D4118eを回転させることが可能な隙間)を有する大きさに形成される。
回転係合部D4118eは、下側案内部D4118の上面を案内されて変位される上側揺動手段D4120の一方向の変位を規制するための部材であり、下側案内部D4118の上面よりも上方に張り出す張出位置と、その張り出した位置から下方に回転して退避し下側案内部D4118の上面よりも下方に退避した退避位置との間で回転可能に構成される。
また、回転係合部D4118eは、第2正面カムD2147の突設部D147bの駆動力を受けて上側揺動手段D4120が付勢手段D2183側(左右方向(矢印L-R方向)外側)に向けて変位される場合に、下側案内部D4118の上面を転動する転動部材D4129bが張出位置の回転係合部D4118eの上面側に乗りやすい形状、即ち、下側案内部D4118の上面側に向かって傾斜された形状に上面側が形成される。また、付勢手段D2183側(左右方向(矢印L-R方向)外側)に位置する上側揺動手段D4120が自重や慣性力等の力を受けて左右方向中央側に向けて変位される場合に、下側案内部D4118の上面を転動する転動部材D4129bが張出位置の回転係合部D4118eの側面に係合しやすい形状、即ち、下側案内部D4118の上面に対して略直交する方向に向かって延設される形状に側面側が形成される。
これら回転係合部D4118eの上面側の形状と側面側の形状とにより、上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)外側に向かって変位する場合には、その上側揺動手段D4120の変位を回転係合部D4118eが許容しやすく、上側揺動手段D4120が左右方向中央側に向かって変位する場合には、その上側揺動手段D4120の変位を回転係合部D4118eが規制しやすくされる。
付勢バネD4118fは、金属材料から形成されるコイルバネであり、凹部D4118cの内側に配設される。また、付勢バネD4118fは、回転係合部D4118eの側方に配設され、下側案内部D4118に対して回転係合部D4118eを上方側(張出位置側)に付勢した状態で配設される。
以上のように形成される図539(a)に示す変形例では、上記第88実施形態と同様に、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)に変位可能に構成され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120が左右方向に変位された後、上側揺動手段D4120が突設部D147bから隔離され、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能に構成される。
本変形例では、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされ、回転係合部D4118eを退避位置に変位させつつ回転係合部D4118eの上面を転動して上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)外側に変位されたあと、上側揺動手段D4120が自重や慣性力等の力を受けて、付勢バネD4118fの反力により張出位置に変位した回転係合部D4118eを乗り越えて左右方向中央側に向けて変位することを抑制できる。なお、回転係合部D4118eに規制される上側揺動手段D4120は、第2正面カムD2147の突設部D147bにより上側揺動手段D4120を左右方向中央側に向けて変位させることで、上側揺動手段D4120に回転係合部D4118eを乗り越えさせることができる。
そのため、本変形例では、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた後においても、第2正面カムD2147の回転に伴う変位を上側揺動手段D4120にさせることができる。従って、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた場合に、上側揺動手段D4120が暴れることを抑制できる。
また、上側揺動手段D4120が回転係合部D4118eの上面を転動しつつ下側案内部D4118の上面を左右方向(矢印L-R方向)外側に変位する変位の態様と、上側揺動手段D4120が回転係合部D4118eを乗り越えて下側案内部D4118の上面を左右方向中央側に変位する変位の態様とを異なる態様にできる。そのため、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
なお、図539(a)及び図539(b)に示す変形例では、付勢バネD4118fの付勢力により直動係合部D4118d及び回転係合部D4118eを張出位置側に付勢する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直動係合部D4118d及び回転係合部D4118eに錘を配設して、その錘の自重により直動係合部D4118d及び回転係合部D4118eを張出位置側に付勢しても良い。この場合、付勢バネD4118fの配設空間を不要とできるので、その分、下側案内部D4118の構造を簡易化できる。
また、図539(a)及び図539(b)に示す変形例では、直動係合部D4118d及び回転係合部D4118eが柱状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出位置において上側揺動手段D4120の変位を規制可能であれば、その形状は板状であっても、円形状であっても、扇状であっても良い。
さらに、図539(a)及び図539(b)に示す変形例では、左右方向(矢印L-R方向)中央側に向かって上側揺動手段D4120に作用する自重や慣性力等の力で、上側揺動手段D4120が左右方向中央側に向かって変位された際に、直動係合部D4118d又は回転係合部D4118eにより一時的に上側揺動手段D4120が左右方向中央側に向かって変位されることを停止するものの、上側揺動手段D4120に作用する自重や慣性力等の力で上側揺動手段D4120が直動係合部D4118d又は回転係合部D4118eを乗り越えるものであっても良い。
この場合には、上側揺動手段D4120に作用する自重や慣性力等の力で上側揺動手段D4120が直動係合部D4118d又は回転係合部D4118eを乗り越えさせるための付勢バネD4118fの付勢力等の設定が難しくなり、製造コストが高まる恐れがあるが、第2正面カムD2147の突設部D147bの駆動力を上側揺動手段D4120に伝達しなくても上側揺動手段D4120を突設部D147bとの当接領域に変位させることが可能となるため、第2正面カムD2147が所定の区間を往復変位する際に、その変位区間を小さくできる。その結果、往復変位の間隔を早めることができ、上側揺動手段D2120の演出効果を向上できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、折曲位置A301へ向けた球の流下経路が板状部A311の前面に対して平行な平面に沿った経路として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部A311の前面側に後方へ向けた凹部が形成され、その凹部の下面に沿って流下する態様でも良い。
例えば、第2流下経路AR304や第3流下経路AR305を、後方にU字に曲がる流路として構成することで、球が鉛直下方に落下する場合に比較して折曲位置A301に到達する球の上下方向速度を抑え、上下方向のバウンドが生じることを避ける。
上記各実施形態では、対向突部A1375が正面側部材A1350に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面側部材A1310から突設形成されても良い。この場合において、大径形状部A1375aが小径形状部A1375bの正面側に位置するように形成することで、正面視における視認態様を変えずに、配設位置だけ変更することができる。
対向突部A1375の形状は、直径が途中で変化するものでなく、同一断面の柱状部として構成しても良い。この場合、疲労が局所的に溜まることを避け、破損を防止し易くすることができる。なお、対向突部A1375を複数形成することも可能である。
上記各実施形態では、対向突部A1375が固定配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、対向突部A1375が動作可能に支持されても良い。この場合、衝突した球の流下態様のバリエーションを対向突部A1375の動作態様の違いによって増やすことができる。
例えば、対向突部A1375がバネにより左側に付勢されている場合において、流下する球が対向突部A1375に当接することで対向突部A1375が右方へ変位され、振分部材A1380との間の経路幅が広げられるように構成しても良い。この場合、振分部材A1380の下流側における球の流下抵抗を下げることができ、球詰まりを防止することができる。
また、対向突部A1375が左側終端位置に位置した場合において、振分部材A1380との間の経路幅が球の直径と同等か、球の直径よりも短くなるように構成しても良い。この場合、振分部材A1380と対向突部A1375との間を流下する球が振分部材A1380と対向突部A1375とに同時に当接する状態を構成することができるので、球の流下抵抗を増大させることができる。
対向突部A1375が正面側部材A1350及び背面側部材A1310の双方とも別体で構成されても良い。この場合において、対向突部A1375を金属材料から形成し、正面側部材A1350及び背面側部材A1310に嵌合状態で固定することで、安定的に固定できるとともに対向突部A1375の耐久性を向上させることができる。
上記各実施形態では、経路構成部A1342における流路が、板状部A311の前面側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路構成部A1342における流路が、板状部A311よりも後方を通るように構成しても良い。この場合、経路構成部A1342における流路を流下する球よりも、折曲位置A301へ流下する球の方が正面側を流下するようになるので、折曲位置A301へ流下する球を視認させ易くすることができる。
振分部材A1380が背面側部材A1310の後方に折曲位置A301への流下経路において交差突条部A331及び交差突条部A371が複数形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、交差突条部A331及び交差突条部A371の形成を省略しても良い。この場合、折曲位置A301へ球が到達するまでの時間を短縮化でき、スムーズな遊技を提供することができる。なお、折曲位置A301への流下経路において交差突条部A331及び交差突条部A371の代わりに、対向突部A1375を互い違いに複数配設するようにしても良い。
折曲位置A301においては、上面傾斜突条部A354が球を後方へ寄せる手段として機能する。上面傾斜突条部A354の形成を省略すれば、交差突条部A331や流下突条部A332により生じた正面側への変位による前後位置で、遊技球を下流側へ流下させることができる。
上記各実施形態では、正面側部材A1350が光透過性の樹脂材料から形成され全域に亘って後方が視認可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面側部材A1350に他の箇所に比較して透過性が高い領域を構成する窓部や開口部が形成されても良い。これにより、振分部材A1380等の遊技者に視認させる部分は視認性を高め、ソレノイドA1420等は隠すことができる。
上記各実施形態では、正面側部材A1350が背面側部材A1310に対して締結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右片側に回転軸を構成するヒンジが設けられ、そのヒンジの回転軸を中心として開閉されるように構成しても良い。この場合、正面側部材A1350を背面側部材A1310から取り外すことなく、開放させた状態でメンテナンスを行うことができる。また、同様に、背面側部材A1310に対する背面蓋部材A1480の開閉の回転軸を構成するヒンジが配設されても良い。更に、背面蓋部材A1480を背面側部材A1310ではなくベース板A60に対して脱着可能に構成しても良い。
この場合において、正面側部材A1350が背面側部材A1310に対して半開きの状態となる可能性があるが、半開きの状態では遊技が不可能となるようにエラー報知をするように好悪性しても良いし、半開きの状態でも遊技が可能となるように構成しても良い。半開きの場合には、板状部A311と板状部A351との間隔が左右位置によって異なるので、球の流下抵抗を左右位置によって変化させることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380が退避位置に位置され、経路構成部A1342により形成される流路側に流入した球は必ず入賞検出センサASC11を通過する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路構成部A1342において入賞検出センサASC11に入球するか、アウト口から排出されるかの振分けを付けても良い。または、振分を付けずに、入賞検出センサASC11の代わりにアウト口を構成しても良い。
この場合、経路構成部A1342により形成される流路側への流入が遊技者に与える利益をより抑制させることができ、振分部材A1380付近を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。例えば、遊技者は、経路構成部A1342により形成される流路側への流入が多い場合には、遊技を止めるという選択をできる。
また、この場合において、経路構成部A1342により形成される流路側へ流入した球を振分部材A1380側(左側)へ動作させるための動作部材を駆動させる第2駆動手段が配設されても良い。例えば、入賞検出センサASC11の上流側における経路構成部A1342の右側壁部の左面部が左方に動作可能とされ、その動作により球が振分部材A1380側(左方)に移動されるよう構成しても良い。
この場合、第2駆動手段により、入球位置AP1397から遊技球が振分部材A1380側へ向けて変位される場合と、入球位置AP1397から遊技球が振分部材A1380側へ向けて変位されない場合とを構成することができるので、入球位置AP1397に遊技球が到達した場合において振分部材A1380に生じる事象のバリエーションを増加させることができ、振分部材A1380付近を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380が姿勢変化可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分部材A1380の姿勢が常に維持されるように精密に案内するように構成しても良い。この場合、振分部材A1380の上面を転動する球の転動方向の傾斜を毎回同じとすることができ、球を整列して流し易くすることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380が案内湾曲板部A353の下側に配設されており、振分部材A1380に衝突する遊技球は第1流下経路AR303から流下した遊技球に限られる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内湾曲板部A353が左方へ変位されるか、又は案内湾曲板部A353の形成が省略され、第2流下経路AR304又は第3流下経路AR305を流下した球が振分部材A1380に衝突し得るように構成しても良い。この場合、振分部材A1380に衝突して流下する球の流下態様のバリエーションを増やすことができる(例えば、振分部材A1380の上面に沿って転動流下する態様や、上下方向に落下して振分部材A1380に衝突した球が跳ね返る態様等を生じさせることができる)ので、振分部材A1380及び振分部材A1380に衝突して流下する球に対する注目力を向上させることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380において、形成部A1383が延設部A1382の先端形状と類似した正面視形状で基端部A1381の下方へ向けて張出形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視での形状が矩形状とされても良いし、延設部A1382側に角部を向けた三角形状とされても良いし、半円形状とされても良い。半円形状である場合において、その半円の円の中心が基端部A1381の中央位置と一致されても良いし、基端部A1381の端部(左端部)に位置しても良い。この場合において、基端部A1381の下方に半円形状のみが形成されても良いし、基端部A1381の上下に亘って円形状が構成されても良い。
形成部A1383の、延設部A1382に対して離間した部位において球と当接できるところ、その離間した部位が湾曲面を構成するようにしても良い。例えば、湾曲面としては、回転部材A1410の回転軸方向視で円形であってもいい。この場合、形成部A1383と衝突した球が点接触して球がバウンドしたり、バウンドせずに擦れによる力が付与されたりすることにより振分部材A1380が動作される。球と形成部A1383との当接態様の違いにより、振分部材A1380の動作態様が変化され、バウンドされる場合よりも、擦れによる力の付与の方が、振分部材A1380の動作量を大きく構成することができることから、振分部材A1380の動作のバリエーションを増加させることができる。
また、例えば、湾曲面としては下面視で円形であっても良い。この場合、形成部A1383と球とが当接した場合に、振分部材A1380が球から付与される力が前後方向に逃されることで、振分部材A1380の上下方向への移動が過度に生じることを抑制できる。
また、形成部A1383は、前後方向の肉厚がどの位置も同じとされ延設部A1382の延設される方向に沿って延びるように構成されても良いし、部位によって肉厚が異なるように構成しても良い。例えば、基端部A1381の左端部の前後方向肉厚よりも、延設部A1382に近い側の方が前後方向に薄くなるように構成しても良い。この場合、各形成部A1383の前後面のうち基端部A1381の前後方向中心側の面は、延設部A1382の延設方向に対して傾斜する面として構成される。その傾斜に沿って延設される態様で、前後方向の肉厚がどの位置も同じとされる形状で形成部A1383が形成されても良い。この場合、退避凹部A1341の下面と当接して摩擦抵抗を生じる形成部A1383の延設される方向が延設部A1382の延設方向と傾斜されていることから、形成部A1383が延設部A1382の延設方向と平行に延設されている場合に比較して、延設部A1382の動作時の抵抗が増大されるように構成することができる。このように、形成部A1383の、延設部A1382側の部位を、延設部A1382の延設方向と平行ではなく、その延設方向と交差する方向に長く構成しても良い。
上記各実施形態では、振分部材A1380において、形成部A1383が基端部A1381の前後両側から下方へ向けて張出形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形成部A1383が、延設部A1382から張出形成されても良いし、基端部A1381から張出形成される部分と延設部A1382から張出形成される部分とで構成されても良い。
上記各実施形態では、振分部材A1380の前後両側において形成部A1383が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形成部A1383が、正面側または背面側のいずれか一方に形成されても良い。この場合、前後両側に形成する場合に比較して、材料コストを低減することができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380の下方から形成部A1383が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形成部A1383が、上方または上下両側から張り出すように構成しても良い。この場合、この場合、上側の形成部A1383に球が衝突することで、振分部材A1380が下傾斜姿勢にされるため、上面を流下する球からの荷重を延設部A1382が専ら受ける場合に比較して、延設部A1382の破損を防止し易くすることができる。
上記各実施形態では、第2延設部A322の上面が平面で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2延設部A322の後方側から上面傾斜突条部A354と前後逆転した傾斜面を有する可動部材が出没可能に構成されており、球が入球位置AP1397に流入していない場合は可動部材が板状部A311の後方に没しており、球に作用しないが、振分部材A1380が退避位置とされ、球が入球位置AP1397に流入すると可動部材が前方に進出するように変位されることで板状部A311から前方に張り出して球に作用するよう構成しても良い。
この場合において、板状部A311と平行な平面であって球の中心を通る平面上における球の外形と球の中心とを結ぶ長さ(半径)が転動半径となる場合(第2延設部A322の上面に転動する場合)に比較して、板状部A311と平行な平面であって球の中心を通らない一対の平面上における球の外形(前後に対向配置される、上面傾斜突条部A354と、その上面傾斜突条部A354と前後逆転した傾斜面との、上面に支持される位置を通る平面上の外形)と球の中心とを結ぶ長さが転動半径とされる転動を構成することで、球が第2延設部A322と当接しない(離間した)状態で転動される。この場合、転動半径が短くされることで、流下速度を減速させることができる。
上記各実施形態では、張出位置に位置した振分部材A1380の上面に球が当接することにより、振分部材A1380が下傾斜姿勢とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が振分部材A1380の上面に当接した場合に球がバウンドし、そのバウンドに伴って振分部材A1380が上傾斜姿勢とされても良いし、球との当接により下傾斜姿勢とされる場合も上傾斜姿勢とされる場合も生じ得るように構成しても良い。
この場合、球の当接により振分部材A1380が上傾斜姿勢とされる場合には、後続の球が折曲位置A301へ流下する場合の流下抵抗を増大させることができる。これにより、連続して球が折曲位置A301へ流下される場合において、転動面を構成する振分部材A1380が下傾斜姿勢とされる場合と、上傾斜姿勢とされる場合とをランダムに構成することができるので、球の流下態様にばらつきを生じさせることができ、球の流下のバリエーションを増大させることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380が下傾斜姿勢とされた場合において、球が通過して振分部材A1380から離間した後も下傾斜姿勢が維持され得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分部材A1380が上傾斜姿勢とされた場合において、延設腕部A1412の係合突部A1412aが後方延設部A1385の下面と当接し、後方延設部A1385と延設腕部A1412との間の摩擦力により、上傾斜姿勢が維持されるように構成しても良い。この場合、振分部材A1380の姿勢変化は、振分部材A1380に当接した球が振分部材A1380から離間した後も維持させることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380の正面側板状部A1384が、延設部A1382よりも小さい場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視または上面視で延設部A1382を覆う程に大きく形成されても良い。この場合、延設部A1382の姿勢変化を正面視で把握し難くすることができる。この場合において、例えば、正面側板状部A1384が円形で形成されても良い。この場合、振分部材A1380が姿勢変化しても正面側板状部A1384の外形は変わらないので、振分部材A1380の姿勢変化を目立たないように構成することができる。
この場合において、延設部A1382の上面を流下する球に対して、正面側板状部A1384が前後方向で当接する状況を構成することができるため、球との当接を複数位置で生じさせることにより摩擦抵抗を増大させ、球の流下速度を減速させることができる。また、正面側板状部A1384により球を部分的に隠すことができ、球の流下方向を予測され難くすることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380が退避位置から張出位置へ変位される途中で球と衝突する場合、変位速度が遅くなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球に衝突された振分部材A1380が退避位置側へ戻る場合があるように構成しても良い。特に、折曲位置A301において球詰まりが生じている場合には、振分部材A1380が退避位置へ戻されることにより、球が入球検出センサASC11を通過して排出されることで、更なる球詰まりが生じることを避けることができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380が背面側部材A1310の後方に脱落しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分部材A1380を背面側部材A1310の後方に抜き取ることが可能に構成しても良い。この場合、振分部材A1380において遊技球と衝突する延設部A1382等が割れたり欠けたりした場合において、背面側部材A1310に正面側部材A1350を固定したままで、振分部材A1380の交換を行うことができる。
上記各実施形態では、振分部材A1380の動作が、変位伝達装置A1400のソレノイドA1420の駆動力(励磁、非励磁の切り替え)により生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ソレノイドに限らずモータの駆動力により動作が生じる構成でも良いし、磁力によって動作が生じる構成でも良いし、流下する球の勢い(荷重)によって動作が生じる構成でも良いし、コンプレッサーにより圧縮された空気の圧力により動作が生じる構成でも良く、力を付与する手段であれば何でも良く、各手段の組合せでも良い。
球の勢い(荷重)によって動作が生じる構成の一例を、振分部材A2380で説明したが、これは球の勢い(荷重)によって動作が生じる構成が振分部材A2380に限るものではない。振分部材A1380を採用しながら、ソレノイドA1420の駆動力を利用せずに動作させること(ソレノイドA1420の配設を省略すること)は当然可能である。
例えば、ソレノイドA1420の配設が省略され、ソレノイドA1420に基づく荷重(付勢力や駆動力)が無い場合において、振分部材A1380の張出位置から退避位置へ向けた変位は、振分部材A1380の延設部A1382に対して球が当接する場合に生じる荷重により生じ得る。延設部A1382の上面が斜めに傾斜しており、球からの荷重が左向きに作用し得ることがその理由の一つである。
更に、中間部A1438から前方に延設する延設部を構成し、その延設部が板状部A351に形成される左右方向に長い長孔を貫通した状態で遊技が可能に構成する。振分部材A1380が退避位置に位置する場合に、経路構成部A1342により構成される経路に流入する球が入球位置AP1397に位置した状態において、その入球位置AP1397に位置する球の右下面に、中間部A1438から前方に延設する延設部が当接されるよう構成することで、球の荷重により延設部を右方向に変位させることができ、延設部と一体形成されている中間部A1438が右方向に変位されることで振分部材A1380の退避位置から張出位置への変位を生じさせることができる。
このように、振分部材A1380の動作は、その動作方向に関わらず、当接による球からの荷重により生じさせることが可能である。上述では、張出位置から退避位置への動作については、振分部材A1380に直接的に球が当接した場合を説明し、退避位置から張出位置への動作については、中間部A1438から前方に延設する延設部に当接した球が振分部材A1380に間接的に荷重を付与する場合を説明したが、これに限られるものではない。
例えば、振分部材A1380の張出位置から退避位置への動作が、中間部A1438から前方に延設する延設部に当接した球が振分部材A1380に間接的に荷重を付与することで生じても良い。この場合、例えば、振分部材A1380が張出位置に位置される場合において中間部A1438から前方に延設する延設部が板状部A351の前方に張り出す位置を、経路構成部A1342により構成される経路の内方ではなく、折曲位置A301側へ流れる経路(外縁部材H73により右側が区画される経路)の内方となるように設定する。これにより、振分部材A1380が張出位置に位置する状態において折曲位置A301側へ流下する遊技球が中間部A1438から前方に延設する延設部に左下面を当接させることで、左向き(退避位置側へ向く方向)の荷重を延設部に付与することができる。この荷重により、振分部材A1380の張出位置から退避位置への動作を生じさせることができる。
この中間部A1438から前方に延設する延設部を振分部材A1380が有する構成であれば、振分部材A1380の張出位置から退避位置への動作も、退避位置から張出位置への動作も、延設部に当接した球が振分部材A1380に間接的に荷重を付与することにより生じさせることができる。
即ち、経路構成部A1342の右側壁部に左右に貫通する切欠きが形成され、その切欠きを通って、中間部A1438から前方に延設する延設部が経路構成部A1342の右側壁部の左側にも右側にも位置できるように構成することで、延設部は、経路構成部A1342により形成される経路(入賞検出センサASC11に流入する経路)に流入する球とも、経路構成部A1342の右側壁部の右側を折曲位置A301側へ流下する球とも、当接可能とされる。
振分部材A1380が退避位置に位置する状態では、経路構成部A1342により形成される経路に流入する球から延設部が荷重を受け、その荷重による張出位置への動作が構成可能とされる。また、振分部材A1380が張出位置に位置する状態では、折曲位置A301側へ流下する球から延設部が荷重を受け、その荷重による退避位置への動作が構成可能とされる。
なお、中間部A1438から前方に延設する延設部の形状は、円柱状のピン形状でも良いし、正面視で湾曲した湾曲形状でも良いし、肉厚一定の平面板状でも良いし、肉厚が徐々に変化される板形状でも良いし、延設部A1382の形状に倣った形状でも良いし、遊技球が衝突可能な部位を構成していれば特に限定されるものではない。
なお、延設部に対する球からの荷重が付与される度に振分部材A1380が退避位置と張出位置とで変位されるようにしても良いし、球からの荷重が複数回付与されることで変位が生じるようにしても良い。例えば、突条部A1484において上下方向に僅かに張り出す突設部を構成し、その突設部を案内突部A1431aが乗り越えることで変位が生じるように構成し、延設部に対して球からの荷重が付与される回数が1回だと案内突部A1431aを乗り越えないが、複数回だと案内突部A1431aを乗り越えるように構成することで、球からの荷重が複数回付与されることで振分部材A1380の変位が生じるよう構成することができる。
この場合において、延設部に対する球からの荷重が1回だと、突条部A1484から僅かに張り出す突設部と案内突部A1431aとが当接する位置までの変位に留まり、延設部に対する球からの荷重が複数回付与されることで突設部を案内突部A1431aが乗り越えて、退避位置または張出位置に到達する。即ち、振分部材A1380の停止位置として、張出位置と退避位置との間の途中位置(突設部と案内突部A1431aとが当接する位置)を構成する。
また、例えば、振分部材A1380の退避位置から張出位置への動作が、振分部材A1380に直接的に球が当接することで生じても良い。この場合、例えば、第2延設部A322に左右方向に長い溝部を上下方向で穿設し、その溝部を貫通する張出部を振分部材A1380の基端部A1381又は延設部A1382の上面から張出形成し、その張出部が第2延設部A322の上面を流下する球と当接可能な位置まで張り出すようにしても良い。これにより、振分部材A1380が退避位置に位置する状態において第2延設部A322の上面を流下する球が張出部に当接し、球が流下する右方向の荷重が与えられることで、振分部材A1380が退避位置から張出位置への動作を生じさせることができる。
この張出部を振分部材A1380が有する構成であれば、振分部材A1380の張出位置から退避位置への動作も、退避位置から張出位置への動作も、振分部材A1380に直接的に当接した球からの荷重により生じるように構成することができる。この張出部を形成部A1383として形成しても良く、この場合、基端部A1381の真上位置において下方へ落下する球が形成部A1381と当接可能となり、形成部A1383に球から力が付与される場合における動作を生じさせることができる。
なお、振分部材A1380に間接的に荷重を付与する延設部が、折曲位置A301よりも上流側または入賞検出センサASC11よりも上流側、に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分部材A1380に間接的に荷重を付与する延設部が、入賞検出センサASC11よりも下流側に位置していたり、折曲位置A301よりも下流側に配設される第2入賞口A640や特定入賞口H65a(図498参照)に流入した球が流下する経路の内方に位置していたりしても良い。この場合、動作される振分部材A1380と、振分部材A1380の動作力を生じさせる球との距離を離すことができるので、意外性のある動作を生じさせることができる。
中間部A1438は、前方に延設される延設部だけでなく、全体が板状部A311よりも正面側に位置されても良い。この場合、球から当接可能な位置を延設部に限らないことから、中間部A1438の特定の箇所に繰り返し荷重が付与される場合に比較して、中間部A1438の耐久性を向上させることができる。
中間部A1438(少なくとも手前側へ延設された延設部)が金属材料から形成されても良い。この場合、光透過性の振分部材A1380とのコントラストで、視認態様を変化させることができる。中間部A1438の延設部の視認性を良くすることで、折曲位置A301へ向けて流下する球が延設部に衝突して流下態様が突然変化する場合に、その原因を遊技者が把握困難となることを避けることができる。これにより、流下態様が不正に変化されているという疑念を遊技者が抱く可能性を減らすことができる。
中間部A1438における手前側へ延設された延設部は少なくとも上面が正面視で湾曲形状(上向き突の円弧形状に形成)に形成されてもいい。これにより、球が延設部に当たると左右いずれかに負荷が逃げて、球が鉛直方向に跳ねる可能性を減らすことができる。
これにより、中間部A1438の左右方向動作を生じさせ易くすることができる。中間部A1438により振分部材A1380が張出位置に位置された(または動作中である)場合において、第1流下経路AR303を流下する後続の球は折曲位置A301側へ流下される態様と、中間部A1438により振分部材A1380が退避位置に位置された(または動作中である)場合において、第1流下経路AR303を流下する後続の球は入賞検出センサASC11側へ流下される態様との、切り替えを生じさせ易くすることができる。
上記各実施形態では、変位伝達装置A1400が背面側部材A1310に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位伝達装置A1400の伝達可能化部材A1430が背面蓋部材A1480に配設されても良い。この場合、背面蓋部材A1480を取り外すと同時に伝達可能化部材A1430をソレノイドA1420や回転部材A1410から取り外すことができ、背面蓋部材A1480を取付けると同時に伝達可能化部材A1430をソレノイドA1420や回転部材A1410に組み付けることができるので、メンテナンス性を向上させることができる。
上記各実施形態では、背面蓋部材A1480を背面側部材A1310から分離させて伝達可能化部材A1430を取り外す場合において、振分部材A1380の動作は停止されており振分部材A1380の位置は維持されるため、対向突部A1375と振分部材A1380との間の経路幅が維持され、背面蓋部材A1480を取付ければ遊技領域において遊技が可能な状態を構成可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分部材A1380の動作中に背面蓋部材A1480を分離させることができるよう構成される場合において、伝達可能化部材A1430とは別で振分部材A1380に対して力を付与する手段を設けておくことで、伝達可能化部材A1430を取り外している最中においても振分部材A1380の動作が継続されるようにしても良い。この場合、伝達可能化部材A1430を再度取り付ける前の期間においても、振分部材A1380の動作を継続させた状態での遊技を可能とすることができる。
なお、伝達可能化部材A1430による力の伝達を代替する手段としては、予備としての別の駆動手段(駆動モータ等)でも良いし、圧縮した空気を供給可能なコンプレッサーでも良いし、所謂ぜんまい等の形状変化を基にして動作力を生じさせる装置でも良いし、振り子のように荷重のバランスによって往復運動をさせる装置でも良いし、力を付与する手段であれば何でも良い。
上記各実施形態では、伝達可能化部材A1430が背面側部材A1310と背面蓋部材A1480との間に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達可能化部材A1430が背面側部材A1310と正面側部材A1350との間に配設されても良い。この場合、背面蓋部材A1480を背面側部材A1310及び正面側部材A1350から外した場合において、振分部材A1380が取り外されないのと同様に、伝達可能化部材A1430が取り外されることを防止することができる。これにより、伝達可能化部材A1430が取り外された状態(付け忘れた状態)でメンテナンスが終了するという事態を未然に避けることができる。
上記各実施形態では、回転部材A1410に対して、振分部材A1380と伝達可能化部材A1430とが別体で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材A1410と、振分部材A1380と伝達可能化部材A1430とが一体的に構成され、各部位の相対変位は連結部分において撓みが生じることにより破損が防止されるように構成しても良い。この場合、回転部材A1410が正方向に回転動作する場合において振分部材A1380及び伝達可能化部材A1430が一の方向に変位され、回転部材A1410が逆方向に回転動作する場合において振分部材A1380及び伝達可能化部材A1430が他の方向に変位される。これによれば、複数部材で構成される場合に比較して、組立工数を低減することができる。この場合において、樹脂材料から一体形成されても良いし、樹脂材料または金属材料の複数部材が一体的に固定され一体的に動作されるものでも良い。
上記各実施形態では、ソレノイドA1420が電源投入から一定動作で駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球の流下に基づいて動作しても良い。この場合において球が流下していない時は駆動が停止されていても良いし、一定動作がされている途中に球の流下に基づく動作が差し込まれても良い。
例えば、スルーゲートH67を球が流下した場合にソレノイドA1420が励磁されるように構成しても良いし、振分部材A1380の姿勢変化(例えば、下傾斜姿勢への変化)を検出して、その検出によりソレノイドA1420を短時間かつ高頻度で励磁させても良い。励磁の時間が短時間とされることにより、球が経路構成部A1342側に流入する事象の発生を抑制し、折曲位置A301側へ球が流下し易い状況を構成し易くすることができる。
上記各実施形態では、折曲位置A301において、連続的に形成される交差突条部A331及び流下突条部A332が、それぞれ別の凸部として形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、交差突条部A331及び流下突条部A332の間の領域が面で連結されても良い。即ち、平面が前方に張り出される態様となっていてもいい。この場合、交差突条部A331及び流下突条部A332の前面に球が転動する面を構成することができ、正面側へ変位させる作用をより確実に生じさせることができる。
上記各実施形態では、振分部材A2380が左右方向に延びる回転軸を中心に回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後方向に延びる回転軸を中心に回転されても良い。この場合において、一回転以上の回転動作が可能に構成しても良い。これにより、球が到達した場合に振分部材A2380が第1状態とされるか第2状態とされるかのランダム性を向上させることができる。
振分部材A2380の回転軸A2380aが左右方向に延びる場合を説明したが、回転軸A2380aが前後方向に延びる態様でも良いし、上下方向に延びる態様でも良い。この場合において、回転動作する部材は、球を振り分け可能な部材であれば態様は限定されるものではなく、振分部材A2380の向きを90度変化させた態様でも良いし、振分部材A1380の基端部A1381側に回転軸が設けられるようにしても良い。この場合において、振分部材A1380の姿勢は、球との当接が可能であれば限定されるものではなく、形成部A1383が上下方向に張り出す姿勢でも良いし、形成部A1383が前後方向に張り出す姿勢でも良い、その中間の姿勢(斜め)でも良い。
上記各実施形態では、振分部材A1380又は振分部材A2380のいずれか一方を配設したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分部材A1380による振分の下流側において振分部材A2380を配設しても良い。この場合において、振分部材A2380の動作が中間部材を介して振分部材A1380に伝達され、振分部材A2380の動作中において振分部材A1380が上傾斜姿勢とされ、その姿勢を維持するように構成しても良い。この場合、振分部材A1380から球が離間した後においても、振分部材A1380を上傾斜姿勢で維持させる場合を構成することができる。
上記各実施形態では、上面傾斜突条部A354が正面側部材A1350に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上面傾斜突条部A354が背面側部材A1310に形成されるようにしても良い。その他、正面側部材A1350の背面から突設される形状部の後端側を背面側部材A1310と連結させて、正面側部材A1350とは別体で形成しても良い。この場合、正面側部材A1350の背面を平坦面とすることができるので、正面視における球流下経路の視認性を向上させることができる。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、正面視(矢印B方向視)において直交する平面上を上側揺動手段D120が変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、正面視における方向と平行な平面上を上側揺動手段D120が変位するように揺動ユニットD100,D2100,D3100,D4100を配設しても良い。また、上記第86実施形態~第88実施形態では、第83実施形態における上側揺動手段D120を変形させた場合として説明したが、第83実施形態における下側揺動手段D130を上記第86実施形態~第88実施形態における揺動ユニットD2100,D3100,D4100のように変形させるものであっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120(変位手段D121,D3121,D4121及び第2変位手段D3125)の正面視における外形が略半円形状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その外形が矩形状や円形状に形成されるものであっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147により変位される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ボールねじ、ラック機構、スライドレール、ソレノイド等により所定の方向に直線的にスライド変位可能に構成される動作手段を上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120に連結または衝突させて、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させても良い。即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147は、動作可能な部位であれば、どのような構造であっても良い。
この場合には、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147のように、駆動モータD141の軸部D141bを一方向に回転し続けることにより上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させること困難になるが、動作手段を一方向(例えば上下方向)に変位させることに必要な動作機構に限定できるので、動作手段を他方向(例えば左右方向)に変位させるための機構を不要にできるので、可動機構が他方向側に大型化することを抑制できる。そのため、他方向における他部材の配設スペースを確保しやすくできる。
なお、所定の方向に直線的にスライド変位可能に構成される変位部材を上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120に連結または衝突させて、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させる場合には、所定の方向に直線的にスライド変位可能に構成される変位部材の変位方向と同様に上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を直線的に変位させるだけでなく、第86実施形態における第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114、又は、第88実施形態における上側案内部D4117及び下側案内部D4118のように、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120をその変位に合わせて案内しても良い。
この場合には、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を案内する案内部材を配設する分、その製造コストを低減することが難しくなるが、所定の方向に直線的にスライド変位可能に構成される変位部材の変位方向とは異なる方向に上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させることで、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
なお、上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、回転する第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147に形成される突設部D143b2,D147bにより上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120に駆動力を作用させる場合について説明したが、上記した所定の方向に直線的にスライド変位可能に構成される変位部材のように、突設部D143b2,D147bは、変位手段に当接可能な部位であればどのような構成であっても良い。また、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147は、動作可能な部位であれば、どのような構造であっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147は、正面視略円形状に形成される場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、リンク機構のように棒状に形成され一端が回転可能に軸支されると共に、他端が上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120に連結されるものであっても良い。即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147は、回転可能な部位であれば、どのような構造であっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、窓部H14eを介した視認領域内に上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が収まる位置に揺動ユニットD100,D2100,D3100,D4100を配設することで、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位を視認させやすくする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第1正面カムD143及び第2正面カムD147,D2147が第1位置に配設される状態において、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の上方側の少なくとも一部が上側視認可能範囲H14e1の外側に位置し、その状態から第1正面カムD143及び第2正面カムD147,D2147が第2位置(又は、第3位置、第4位置)まで回転されることで、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の全体が窓部H14eの内側に配置されるように、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を配設する、又は、窓部H14eの範囲を設定しても良い。
この場合には、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位途中に、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の少なくとも一部が遊技者から視認不能になるため、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の全体の変位を遊技者に視認させられなくなり、一時的に上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の演出効果が低下する恐れがあるが、変位途中の上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の少なくとも一部を遊技者から視認不能にすることで、その視認不能な領域が視認可能とされた際の遊技者の興趣を高めやすくできる。
なお、上記した第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態のように、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が常に視認可能とされるものでは、常に上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が視認されるため、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位した際の興趣が低下する恐れがあるが、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位を目で追わせやすくできるので、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が視認(注目)されなくなることを抑制できる。
また、例えば、第1正面カムD143及び第2正面カムD147,D2147が所定位置(例えば、第1位置)に配設され停止される状態においては、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が上側視認可能範囲H14e1(窓部H14e)の外側に位置させ、その状態から第1正面カムD143及び第2正面カムD147,D2147が停止位置とは異なる所定位置(例えば、第2位置、第3位置、第4位置)まで回転させることで、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の全体が窓部H14eの内側に配置されるように、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を配設する、又は、窓部H14eの範囲を設定しても良い。
この場合には、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の停止状態において上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の装飾を遊技者に視認させて遊技者の興味を持たせることができなくなるが、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を停止状態から変位させて遊技者に視認させた際に初めて上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の装飾を遊技者に視認させることができるので、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させた際の興趣を高めやすくできる。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、窓部H14eを介した視認領域内にベース手段D110,D2110,D3110,D4110と、そのベース手段D110,D2110,D3110,D4110に配設される各部材(上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120、上側動力付与手段D140,D2140,D3140,D4140)との少なくとも一部が窓部H14eを介した視認領域内に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、窓部H14eの上側視認可能範囲H14e1及び左側視認可能範囲H14e2の境界線の一部を窓部H14eの内側に変形して(即ち、上側装飾ユニットH14a及び左側装飾ユニットH14bの正面視(矢印B方向視)における外形を変形して)、少なくとも上側動力付与手段D140,D2140,D3140,D4140が窓部H14eの外側に配置されるようにしても良い。
これによれば、窓部H14eの上側視認可能範囲H14e1及び左側視認可能範囲H14e2の境界線の一部を窓部H14eの内側に変形する分、その視認可能な範囲が狭まり上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を遊技者に視認させ難くなる恐れがあるものの、上側動力付与手段D140,D2140,D3140,D4140を遊技者が視認することを抑制できるので、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が変位される態様を予測され難くして、遊技の興趣を高めることができる。
上記例示したように、窓部H14eは、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が所定の変位領域で視認可能となるように、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120等、所定の領域を視認可能とさせる部位であれば、どのような構成であっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、ベース手段D1111が樹脂材料から形成される場合について説明したが、必ずしも樹脂材料に限られるものではなく、例えば、木材から切り出して構成されるものであっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が、光を透過可能な光透過部D121bを有する樹脂材料から形成される場合について説明したが、光透過部D121bを有さない場合においては、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を金属材料から形成しても良い。
また、変位手段D121は、正面視(矢印B方向視)において円弧状に形成される反射部D121aの内側に光透過部D121bを備えるので、第3図柄表示装置H81(図498参照)の正面側(矢印F方向側)に少なくとも一部が重なる位置に変位手段D121を配設した場合に、光透過部D121bを介して背面側(矢印B方向側)の第3図柄表示装置H81の表示を視認可能とされる。その結果、第3図柄表示装置H81の視認可能領域が狭くなることを抑制しつつ、演出可能な領域を増加させることができる。
なお、第83実施形態では、変位手段D121が反射部D121aと、光透過部D121bとの両方を備えるが、どちらか一方のみで構成されるものであっても良い。例えば、変位手段D121は、光を反射可能な反射部D121aのみで構成されるものであっても良い。この場合には、変位手段D121の内部に光照射手段(図示しない)を配設する必要がなくなるため、変位手段D121の構造を簡易にできる。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、窓部H14eを正面枠14が有する場合について説明したが必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10の背面側に配設される裏パックユニットH94(図490参照)に窓部H14eが形成され、裏パックユニットH94の正面側に配設される払出制御装置H111(図490参照)を窓部H14eを介してパチンコ機H10の背面側から視認可能にしても良い。即ち、正面枠H14は、所定の空間を介して所定の領域を視認可能とさせる部位を有する部位であればどのような構成であってもよい。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態に記載したように、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120は、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147に軸支されて変位されるものであっても良いし、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120は、ボールねじ、ラック機構、スライドレール、リンク機構、ソレノイド等によりスライド変位可能に支持されるものであっても良い。即ち、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120は、変位可能な部位であれば、どのような構成であっても良い。
上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)をパチンコ機H10(図497参照)の演出態様によって変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技者の好みにより遊技者が駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)を選択できるように構成しても良い。例えば、パチンコ機H10の正面枠H14に配設される機能調整操作部H190(図497参照)の各種ボタン(決定ボタンH191、及び、上下左右ボタンH192~H195)を操作することで、遊技者が自身の好みに合う駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)で変位されるように変更(速く、又は、遅くするように調整)できるように構成しても良い。
即ち、上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)がパチンコ機H10の制御によって変更されるもであって為、遊技者の意図とは関係なく上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位の態様が変化される。そのため、遊技者の興趣を好適に向上することができないという問題点があった。
また、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120は、第3図柄表示装置H81の正面側に少なくとも重なる位置に配設されるので、上記第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態のように、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)をパチンコ機H10(図497参照)の演出態様によって変更するものであると、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させた際に正面視における第3図柄表示装置H81との重なり量が大きくなる。この場合において、第3図柄表示装置H81の視認可能領域が狭まることを嫌う遊技者が一定数存在する。一方で、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120等の変位量が少ない(演出幅が小さい)ことを不服に感じる遊技者も一定数存在する。
そのため、上記したように、機能調整操作部H190(図497参照)の各種ボタン(決定ボタンH191、及び、上下左右ボタンH192~H195)を操作することで、遊技者が自身の好みに合う駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)に選択(速く、又は、遅くするように調整)できることで、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120を変位させた際に、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
また、機能調整操作部H190は、各種ボタン(決定ボタンH191、及び、上下左右ボタンH192~H195)が押しボタンとして構成され、押しボタンの操作回数によって、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)を変更可能に構成されるので、押しボタンを複数回操作することが必要となるが、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度の細かな設定を遊技者の所望する通りに設定できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、機能調整操作部H190(図497参照)の各種ボタン(決定ボタンH191、及び、上下左右ボタンH192~H195)を操作することで、遊技者が自身の好みに合う駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更した際には、所定のタイミングで、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度が切り替わるように制御される。
即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147が回転している途中や演出の途中で、その回転速度が切り替わってしまうと、演出によって第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度が変わったのか、機能調整操作部H190(図497参照)を操作したことによって、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度が変わったのか遊技者に認識させ難くなり、遊技者に与える興趣が低下する恐れがある。
これに対し、所定のタイミング、即ち、大当たりの抽選結果が遊技者に示されたタイミングで、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度が機能調整操作部H190(図497参照)の操作で変更された回転速度に切り替わるように制御されることで、抽選結果を演出で示している途中で回転速度が切り替わった場合には、その切り替わった要因が演出であることを遊技者に認識させることができる。その結果、遊技者に与える興趣が低下することを抑制できる。
なお、機能調整操作部H190(図497参照)を操作することによって設定される駆動モータD141の軸部D141bの回転速度の下限は、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転が停止する状態(即ち、軸部D141bが回転しない状態)とされても良い。
また、上記第83実施形態では、上側揺動手段D120が上側バネD181に吊り下げ支持され、上記第86実施形態~第88実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bが回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転される場合に上側揺動手段D2120,D3120,D4120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接可能に構成され、第83実施形態、及び、第86実施形態~第88実施形態における上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120は、上側バネD181及び弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力により、その変位の態様を複雑にすることができる。
そのため、上記したように、機能調整操作部H190(図497参照)を操作することで、遊技者が自身の好みに合う駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)に変更した場合に、その変更によって上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位の態様を変えることができる。
即ち、機能調整操作部H190(図497参照)を操作することで、遊技者が駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)を変更した場合に、単に、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位速度・変位量を変えるだけでなく、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位の態様を変えることができる。よって、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120に遊技者の予想外の変位をさせることができる。その結果、機能調整操作部H190を操作することで、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、機能調整操作部H190(図497参照)を操作することで、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が変位可能となるタイミングを遊技者が選択できるようにしても良い。例えば、大当たりしたタイミングや、大当たりの可能性が高い抽選状態を演出しているタイミングや、大当たりの抽選の確率が変更されたタイミング等、遊技者の好みに合ったタイミングで上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が変位可能となるように遊技者が設定を変更できるように構成しても良い。これにより、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位させた際の遊技者の興趣を高めることができる。
なお、機能調整操作部H190は、各種ボタン(決定ボタンH191、及び、上下左右ボタンH192~H195)が押しボタンとして構成され、押しボタンの操作回数によって、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)を変更可能に構成されるが、機能調整操作部H190を、押し込み量を計測可能な押しボタンに変更して、押しボタンの押し込み量に応じて、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)を変更しても良い。また、つまみ等の回転式やレバー等の直動式のボリュームスイッチに変えても良い。
この場合には、ボタンやスイッチの変位量によって駆動モータD141の軸部D141bの回転速度(即ち、第1正面カムD143又は第2正面カムD147,D2147の回転速度)を変えられるようになるため、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度の細かな設定はし難くなるものの、直感的に機能調整操作部H190を操作することが可能になるので、その操作を簡易に行えるようにできる。
また、機能調整操作部H190は、ON・OFFを切り替える切替ボタンとして構成されていても良い。この場合、機能調整操作部H190を操作する興味を遊技者に持たせ難くなる恐れがあるが、OFF時には、駆動モータD141の軸部D141bの回転がOFFされ、ON時には、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度がランダムに変更されるように構成することで、ON時における上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120の変位の態様の変化を予測困難としやすくできる。その結果、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
上記第86実施形態~第88実施形態では、上側揺動手段D2120,D3120,D4120が過剰に変位された際に、上側揺動手段D2120,D3120,D4120を弾性変形可能な付勢手段D2183に当接させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、付勢手段D2183に換えて、バネ、油圧、又は、空圧により力を吸収可能なダンパーを配設するものであっても良い。
上記第83実施形態では、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130に駆動力を付与する第1正面カムD143及び第2正面カムD147が同一の回転速度・回転量で回転される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1正面カムD143と第2正面カムD147とを別々の駆動モータにより駆動して、第1正面カムD143と第2正面カムD147との回転速度・回転量を異なるものとしても良い。なお、この場合には、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の貫通孔D122a,D123a,D132a,D132bを溝状に形成して、その貫通孔D122a,D123a,D132a,D132bの内側を突設部D123b2,D147b,D133b2,D157bが摺動可能に構成される。
上記第83実施形態では、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の左右方向(矢印L-R方向)における他端側(矢印R方向側)が上側バネD181及び下側バネD182により付勢される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上側バネD181及び下側バネD182に変えて、弾性変形可能な弾性部材により上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の左右方向における他端側を付勢力しても良い。
また、上記第83実施形態では、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130の左右方向(矢印L-R方向)における他端側(矢印R方向側)が上側バネD181及び下側バネD182によりベース本体D111に吊り下げ支持される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第86実施形態~第88実施形態における揺動ユニットD2100,D3100,D4100のように、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130から離れる位置に配設される弾性部材により、上側揺動手段D120及び下側揺動手段D130に付勢力を作用させるものであっても良い。
上記第83実施形態では、上側揺動手段D120に連結した上側バネD181により、上側揺動手段D120に上側バネD181の反力を作用させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記第86実施形態~第88実施形態のように、上側揺動手段D2120,D3120,D4120から離間する位置に付勢手段D2183を配設して、上側揺動手段D120が付勢手段D2183に当接した場合にのみ、上側揺動手段D120に弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力を作用させるように構成しても良い。
上記第83実施形態および第86実施形態~第88実施形態では、揺動ユニットD100,D2100,D3100,D4100が上側バネD181、又は、付勢手段D2183を備える場合について説明したが、上側バネD181、又は、付勢手段D2183を備えていないものであっても良い。この場合、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120が過剰に変位された際に上側バネD181、又は、付勢手段D2183の反力を受けない分、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120や突設部D143b2,D147bに加わる力が大きくなり、上側揺動手段D120,D2120,D3120,D4120や突設部D143b2,D147bが破損しやすくなるが、上側バネD181、又は、付勢手段D2183を配設しない分、揺動ユニットD100,D2100,D3100,D4100の製造コストを低減できる。
上記第86実施形態~第88実施形態では、付勢手段D2183の弾性バネD2183bが付勢手段D2183の弾性体D2183aよりも弾性変形しやすく形成され、弾性体D2183aに衝突する上側揺動手段D2120,D3120,D4120に弾性バネD2183bの反力を作用させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弾性バネD2183bが弾性変形される反力と、弾性体D2183aが弾性変形される反力とを上側揺動手段D2120,D3120,D4120に作用させるものであっても良い。
上記第86実施形態~第88実施形態では、付勢手段D2183の弾性バネD2183bが付勢手段D2183の弾性体D2183aよりも弾性変形しやすく形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、付勢手段D2183の弾性体D2183aが付勢手段D2183の弾性バネD2183bよりも弾性変形しやすく形成されても良い。
この場合には、弾性体D2183aの弾性材料が限定されるので、弾性体D2183aの製造コストが増加する恐れがあるものの、弾性体D2183aから上側揺動手段D2120,D3120,D4120に直接反力を作用させることができるので、上側揺動手段D2120,D3120,D4120に反力を作用させやすくできる。
なお、第86実施形態のように、付勢手段D2183の弾性バネD2183bが付勢手段D2183の弾性体D2183aよりも弾性変形しやすく形成される場合には、反力を作用させる弾性バネD2183bと上側揺動手段D2120,D3120,D4120との間に弾性体D2183aが介在するため、弾性バネD2183bから上側揺動手段D2120,D3120,D4120に反力が作用する間に、その反力が弾性体D2183aに吸収されて、弾性バネD2183bから上側揺動手段D2120,D3120,D4120に反力が小さくなる恐れがあるが、弾性バネD2183bがコイルスプリング等の金属材料から形成されるので、その金属材料の旋回回数などで上側揺動手段D2120に作用させる反力を調整しやすくできる。
上記第86実施形態~第88実施形態では、付勢手段D2183が、弾性体D2183aと弾性バネD2183bとの2部材から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、付勢手段D2183は、コイルスプリング、板バネ、皿バネ、渦巻きバネなどの金属材料から形成される金属バネの1部材で構成されるものであっても良い。この場合には、上側揺動手段D2120,D3120,D4120が当接される部分が金属材料となるため、上側揺動手段D2120,D3120,D4120を付勢手段D2183に当接させた際に上側揺動手段D2120,D3120,D4120に傷がつく恐れがあるものの、付勢手段D2183を1部材で構成できる分、付勢手段D2183の製造コスト及び上側揺動手段D2120,D3120,D4120の組立コストを低減できる。
また、例えば、付勢手段D2183は、ゴムやウレタンなどの弾性材料から形成される弾性体の1部材で構成されるものであっても良い。この場合には、所定の反力を得るためにゴムやウレタンの材料が限定され、付勢手段D2183の製造コストが増加する恐れがあるものの、上側揺動手段D2120,D3120,D4120が当接される部分を弾性変形可能にできるため、上側揺動手段D2120,D3120,D4120を付勢手段D2183に当接させた際に上側揺動手段D2120,D3120,D4120に傷がつくことを抑制できる。また、付勢手段D2183を1部材で構成できる分、上側揺動手段D2120,D3120,D4120の組立コストを低減できる。
なお、付勢手段D2183をゴムやウレタンなどの弾性材料から形成される弾性体の1部材で構成する場合には、その形状は、角型状に形成されても、所定の厚みを有する板状に形成されても、円柱状に形成されても良い。また、角柱状、円柱状、板状に形成される内部を中空状にしたり、角柱状、円柱状、板状に形成される外面の一部を凹設して、付勢手段D2183から上側揺動手段D2120,D3120,D4120に作用する反力を調整しても良い。
上記例示したように、上側バネD181及び付勢手段D2183は、当接する変位手段に反力を付与可能となるように、変位手段が当接される部位であれば、どのような構成であっても良い。
上記第86実施形態では、第2正面カムD2147の突設部D147bの外径と略同一または若干大きい内径に形成した上側揺動手段D2120の貫通孔D123aに、第2正面カムD2147の突設部D147bを挿入して上側揺動手段D2120を軸支する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上記第87実施形態において説明した弾性変形可能な弾性部材D3125c3を有する被保持手段D3125cを、貫通孔D123aの内側に配設する、又は、突設部D147bの周囲に配設して、第2正面カムD2147の突設部D147bと上側揺動手段D2120の貫通孔D123aとの間に弾性部材D3125c3が介在するように構成しても良い。
この場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの外径と略同一または若干大きい内径に形成した上側揺動手段D2120の貫通孔D123aに、第2正面カムD2147の突設部D147bを挿入して上側揺動手段D2120を軸支するものに比べて、弾性部材D3125c3を配設する分、その製造コストが嵩むことになるが、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転した際に、突設部D147bから上側揺動手段D2120に作用する駆動力を弾性部材D3125c3の弾性変形により吸収できる。よって、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い速度)で回転した際に、上側揺動手段D2120に作用する慣性力を抑えることができる。その結果、上側揺動手段D2120が過剰に変位することを抑制できる。
また、弾性部材D3125c3の弾性変形により、突設部D147bに対する上側揺動手段D2120の相対位置を変更することができるので、上側揺動手段D2120の変位の態様を変更できる。また、この場合には、弾性部材D3125c3の反力を上側揺動手段D2120に作用させることができるので、弾性部材D3125c3の反力によって上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調となることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
なお、第2正面カムD2147の突設部D147bと上側揺動手段D2120の貫通孔D123aとの間に弾性部材D3125c3を配設せず、第2正面カムD2147の突設部D147bと上側揺動手段D2120の貫通孔D123aとの間に所定の空間を設けるように構成して、突設部D147bに対する上側揺動手段D2120の相対位置を変更するようにしても良い。
この場合には、上側揺動手段D2120が突設部D147bから隔離され、上側揺動手段D2120が突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能とされるので、その非拘束とされる状態において、上側揺動手段D2120を突設部D147bの変位とは無関係に変位させることができる。よって、上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調となることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
即ち、上記第83実施形態、及び、第2実施形態のように、上側揺動手段D120,D2120に形成される貫通孔D122a,D123aと突設部D143b2,D147bとの間の隙間がほとんどない形成されない場合には、貫通孔D122a,D123aに突設部D143b2,D147bが衝突されないため、耐久性を向上できる。また、上記したように、第2正面カムD2147の突設部D147bと上側揺動手段D2120の貫通孔D123aとの間に弾性部材D3125c3を備える必要がない分、部品点数を削減できる。
しかしながら、上側揺動手段D120,D2120の変位が突設部D143b2,D147bの変位に沿った動作態様とされる(即ち、突設部D143b2,D147bに対する上側揺動手段D120,D2120の相対位置がほとんど変わらない)ため、上側揺動手段D120,D2120の変位の態様が単調になりやすい。また、上側揺動手段D120,D2120の変位の態様が単調である為に、上側揺動手段D120、D2120の変位を案内するような第1の規制部D2113,第2の規制部D2114が不要となる。
これに対し、上記したように、上側揺動手段D2120が突設部D147bから隔離され、上側揺動手段D2120が突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能とすることで、突設部D147bに対する上側揺動手段D2120の相対位置を変更することができる。そのため、上側揺動手段D2120の変位の態様を複雑化しやすくできる。その結果、上側揺動手段D2120の演出が単調となることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
なお、第2正面カムD2147の突設部D147bと上側揺動手段D2120の貫通孔D123aとの間に所定の空間を設けるように構成して、上側揺動手段D2120を突設部D147bに対して非拘束とした状態で変位可能とした場合には、上側揺動手段D2120の変位量が大きくなることで、上側揺動手段D2120が所定の領域外まで変位する恐れがある。この場合、上側揺動手段D2120や突設部D147bに作用する負荷が過大になり、それら上側揺動手段D2120や突設部D147bが破損する恐れがある。また、上側揺動手段D2120の変位量が大きくなることで、上側揺動手段D2120が突設部D147bや他の部材(例えば、センターフレームA86)に当接して、上側揺動手段D2120、突設部D147b、他の部材が破損する恐れがある。
これに対し、第86実施形態では、第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114により、所定の領域外に変位しようとする上側揺動手段D2120を案内可能に構成される。従って、第2正面カムD2147の突設部D147bと上側揺動手段D2120の貫通孔D123aとの間に所定の空間を設けるように構成して、上側揺動手段D2120を突設部D147bに対して非拘束とした状態で変位可能とした場合であっても、第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114により所定の領域外に変位しようとする上側揺動手段D2120の変位を案内して、上側揺動手段D2120が突設部D147bや他の部材(例えば、センターフレームA86)に当接して、上側揺動手段D2120、突設部D147b、他の部材が破損することを抑制できる。
また、第86実施形態では、第1の規制部D2113が、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位速度に関わらず、上側揺動手段D2120を案内可能な位置に形成されるので、突設部D147bを上側揺動手段D2120に当接させて上側揺動手段D2120を変位させる場合において、第1の規制部D2113により上側揺動手段D2120の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて上側揺動手段D2120の変位を開始させることができる。
即ち、上側揺動手段D2120は、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けた後、第2正面カムD2147の突設部D147bから離隔され第2正面カムD2147の突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるところ、駆動力を受けて上側揺動手段D2120が変位を開始する際の進行方向には、非拘束とされた状態での上側揺動手段D2120の変位の変化をより大きくするのに適した方向と、非拘束とされた状態での上側揺動手段D2120の変位の変化を阻害する方向とが存在する。そのため、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けている上側揺動手段D2120の変位を案内していないと、非拘束とされた状態での上側揺動手段D2120の変位の変化を阻害する方向に変位する可能性がある。
これに対し、第2正面カムD2147の突設部D147bから駆動力を受けている上側揺動手段D2120の変位を案内可能に構成されることで、非拘束とされた状態での上側揺動手段D2120の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて上側揺動手段D2120の変位を開始させることができる。
上記第86実施形態では、過剰に変位される上側揺動手段D2120を第2の規制部D2114よりも先に弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接させる場合について説明したが、過剰に変位される上側揺動手段D2120を第2の規制部D2114に当接させて上側揺動手段D2120の変位を規制した後、その上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接させるべく、上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接させる方向に案内するように第2の規制部D2114が構成されても良い。
この場合には、弾性体D2183a(付勢手段D2183)には、第2の規制部D2114に当接した後、第2の規制部D2114によって弾性体D2183a(付勢手段D2183)に向かって案内される上側揺動手段D2120を当接させることができる。そのため、上側揺動手段D2120に弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力が作用する態様を確実に形成できる。また、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に対する上側揺動手段D2120の当接位置を略同一箇所にできる。その結果、弾性体D2183a(付勢手段D2183)を無駄に大型化する必要が無くなり、付勢手段D2183の製造コストを低減できる。
なお、第86実施形態においては、駆動モータD141の軸部D141bが回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転される(即ち、第2正面カムD2147が比較的早い回転速度で回転される)場合に、上側揺動手段D2120が弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接するように構成される。そのため、上側揺動手段D2120が第2正面カムD2147の突設部D147bや上側揺動手段D2120の周囲に配設される他の部材(例えば、センターフレームA86と衝突すると破損する恐れがある。
これに対し、上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接させる方向に案内するように第2の規制部D2114が構成されることで、上側揺動手段D2120が第2正面カムD2147の突設部D147bや上側揺動手段D2120の周囲に配設される他の部材(例えば、センターフレームA86と衝突することを抑制できる。その結果、上側揺動手段D2120や突設部D147b又は他の部材が破損することを抑制できる。
さらに、第2の規制部D2114により上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に案内して、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に当接させた後には、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力により、上側揺動手段D2120を更に変位させることができる。その結果、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
しかしながら、この場合には、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で上側揺動手段D2120が変位されることで、上側揺動手段D2120が暴れる恐れがある。そのため、第2の規制部D2114により上側揺動手段D2120を弾性体D2183a(付勢手段D2183)に案内して、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に上側揺動手段D2120を当接させる場合には、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力が作用する方向に過剰に変位することを抑制するための第3の規制部材(図示しない)をベース本体D2111の正面側(矢印F方向側)に配設することで、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で変位された上側揺動手段D2120の変位方向を変更しても良い。
上記第86実施形態では、上側揺動手段D2120が第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114に当接して案内される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは、例えば、第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114をベース本体D2111に形成せず、上側揺動手段D2120が自由に変位するようにしても良い。
この場合には、上側揺動手段D2120が第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114に案内されなくなる分、上側揺動手段D2120の変位可能範囲が大きくなる分、上側揺動手段D2120が突設部D147bや他の部材(例えば、センターフレームA86)に衝突して、それら上側揺動手段D2120、突設部D147b、他の部材が破損しやすくなる恐れがあるが、上側揺動手段D2120の変位可能範囲を大きくして、上側揺動手段D2120の変位の態様の変化をより大きくできる。また第1の規制部D2113及び第2の規制部D2114をベース本体D2111に形成しない分、そのベース本体D2111(ベース手段D2110)の製造コストを低減できる。
上記第87実施形態では、駆動モータD141の軸部D141bの回転速度を変更することにより、変位手段D3121を第2変位手段D3125に当接させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位手段D3121と第2変位手段D3125とが軸支され、変位手段D3121と第2変位手段D3125とが常に当接されていても良い。
この場合には、変位手段D3121と第2変位手段D3125との相対位置(距離)が変わらないため、それらの変位の変化が小さくなるものの、変位手段D3121が第2変位手段D3125に離間した位置から衝突することが無くなるため、その衝突による変位手段D3121又は第2変位手段D3125の破損を抑制できる。
上記第87実施形態では、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位速度に関わらず上側揺動手段D2120を第1の規制部D2113が案内可能とされ、上側揺動手段D2120が左右方向(矢印L-R方向)に過剰に変位した場合に上側揺動手段D2120を第2の規制部D2114が案内可能とされる場合について説明したが、例えば、第1の規制部D2113と第2の規制部D2114が上側揺動手段D2120を常に案内可能に形成されていても良い。
この場合には、上側揺動手段D2120が過剰に変位することを第1の規制部D2113と第2の規制部D2114とで常に規制するので、上側揺動手段D2120の変位可能範囲が狭まる恐れがあるが、上側揺動手段D2120が突設部D147bや他の部材(例え、センターフレームA86)に衝突して、それら上側揺動手段D2120、突設部D147b、他の部材の破損を抑制できる。
なお、第1の規制部D2113と第2の規制部D2114が上側揺動手段D2120を常に案内可能にした場合に、上側揺動手段D2120が突設部D147bから離間する構造とすることで、上側揺動手段D2120が一定の軌跡に沿った動作を繰り返すのみであるものの、上側揺動手段D2120の変位の態様を変化させることが可能となり、上側揺動手段D2120の演出が単調となることを抑制して、上側揺動手段D2120の変位による演出効果を向上できる。
上記第87実施形態では、変位手段D3121と第2変位手段D3125との連結部に被保持手段D3125cが配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被保持手段D3125cを配設せず、被保持手段D3125cを配設していた貫通孔に変位手段D3121の軸部D3121c2が隙間を空けた状態で配設されるものであっても良い。
この場合には、変位手段D3121と第2変位手段D3125とが非拘束とされるため、第2変位手段D3125の貫通孔の内面に変位手段D3121の軸部D3121c2が当接した際の衝撃が大きくなり変位手段D3121の軸部D3121c2が破損しやすくなる恐れがあるが、変位手段D3121と第2変位手段D3125とが互いに拘束されず自由に変位できるので、それぞれの変位の態様の変化を大きくできる。
上記第87実施形態では、被保持手段D3125cが、内リングD3125c1と外リングD3125c2と弾性部材D3125c3とから構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被保持手段D3125cは、弾性部材D3125c3のみで構成されるものであっても、内リングD3125c1又は外リングD3125c2の一方と弾性部材D3125c3とで構成されるものであっても良い。
上記第87実施形態では、弾性部材D3125c3が円環形状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性部材D3125c3は、内リングD3125c1と外リングD3125c2との間の一部を部分的に繋ぐように構成されていても良い。また、弾性部材D3125c3の厚みや幅が部分的に小さく又は大きく形成されるものであっても良い。
この場合には、弾性部材D3125c3(被保持手段D3125c)への軸部D3121c2の当接位置によって、弾性部材D3125c3から作用する反力を変更できる。その結果、変位手段D3121と第2変位手段D3125との変位の態様を複雑化して変位軌跡の予想を困難にすることができる。その結果、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
上記第88実施形態では、左側案内部D4128a及び右側案内部D4128bの対向間に第2正面カムD2147の突設部D147bを配置することで、突設部D147bの変位によって上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)の両側に変位される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側揺動手段D4120に右側案内部D4128bのみを形成して、突設部D147bの変位により上側揺動手段D4120が右側(矢印R方向側)にのみ変位されるように構成すると共に、下側案内部D4118の全域に傾斜面D4118aを形成して、突設部D147bの変位により右側に変位された上側揺動手段D4120が傾斜面D4118aの傾斜によって突設部D147bと当接可能な位置に戻るように構成しても良い。
この場合には、上側揺動手段D4120が右側(矢印R方向側)に変位する態様と、左側(矢印L方向側)に変位する態様とを異ならせることができるので、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
また、上側揺動手段D4120に右側案内部D4128bのみを形成して、突設部D147bの変位により上側揺動手段D4120が右側(矢印R方向側)にのみ変位されるように構成した場合においても、第88実施形態と同様に、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度B(回転速度Aよりも遅い回転速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120が左右方向(矢印L-R方向)に変位可能に構成され、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させた場合には、第2正面カムD2147の突設部D147bの変位に伴って上側揺動手段D4120が左右方向に変位された後、上側揺動手段D4120が突設部D147bから隔離され、上側揺動手段D4120が突設部D147bに対して非拘束とされた状態で変位可能に構成される。
なお、上側揺動手段D4120に右側案内部D4128bのみを形成して、突設部D147bの変位により上側揺動手段D4120が右側(矢印R方向側)にのみ変位されるように構成した場合には、駆動モータD141の軸部D141bを回転速度A(回転速度Bよりも速い回転速度)で回転させて、突設部D147bと上側揺動手段D4120とが離れる状態とされた後において、第2正面カムD2147の変位を継続させて、突設部D147bと上側揺動手段D4120とが離れる状態とされた後、上側揺動手段D4120が傾斜面D4118aの傾斜によって突設部D147bと当接可能となる位置に戻される間に、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第2正面カムD2147が1回転しない所定の変位区間)を少なくとも1回往復可能に構成されることが好ましい。
これによれば、突設部D147bと上側揺動手段D4120とが離れる状態において、第2正面カムD2147を第1位置から第2位置の間や第2位置から第4位置の間など(即ち、第2正面カムD2147が1回転しない所定の変位区間)を少なくとも1回往復させることで、上側揺動手段D4120が傾斜面D4118aの傾斜によって突設部D147bと当接可能となる位置に戻された際に、突設部D147bから上側揺動手段D4120が駆動力を受ける(突設部D147bが右側案内部D4128bに当接する)タイミングを予測し難くして、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化できる。その結果、上側揺動手段D3120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D3120の変位による演出効果を向上できる。
なお、突設部D147bと上側揺動手段D4120とが離れる状態において、第2正面カムD2147を同じ方向に回転させ続けて、上側揺動手段D4120が傾斜面D4118aの傾斜によって突設部D147bと当接可能となる位置に戻された際に、突設部D147bから上側揺動手段D4120が駆動力を受ける状態とした場合には、上側揺動手段D4120に駆動力を作用可能な領域外を突設部D147bが通過するため、その領域を通過時に上側揺動手段D4120が突設部D147bと当接可能となる位置に戻されると、すぐに上側揺動手段D4120を変位させることができなくなる恐れがある一方、第2正面カムD2147を同じ方向に回転させ続ける制御なので、第2正面カムD2147の制御を簡易にできる。
上記第88実施形態では、上側揺動手段D4120は、上端側が上側カバーD4116aとベース本体D4111との間に収容され、下端側が下側カバーD4116bとベース本体D4111との間に収容される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上端側が上側カバーD4116aとベース本体D4111との一方、及び、下側カバーD4116bとベース本体D4111との一方をなくしても良い。
この場合においても、上側揺動手段D4120は、第2正面カムD2147の突設部D147bに軸支されているので、その軸支部分の負荷は大きくなるが、ベース手段D4110から脱落することはない。よって、上端側が上側カバーD4116aとベース本体D4111との一方、及び、下側カバーD4116bとベース本体D4111との一方をなくせる分、製造コストを低減できる。
上記第88実施形態における変形例では、上側揺動手段D4120が直動係合部D4118d,回転係合部D4118eの上面を転動しつつ下側案内部D4118の上面を左右方向(矢印L-R方向)外側に変位する変位の態様と、上側揺動手段D4120が直動係合部D4118d,回転係合部D4118eを乗り越えて下側案内部D4118の上面を左右方向中央側に変位する変位の態様とを異なる態様にする場合について説明したが、必ずしもこれに限れられるものではない、例えば、上側揺動手段D4120が下側案内部D4118の上面を左右方向(矢印L-R方向)外側に変位する変位の態様と、上側揺動手段D4120が下側案内部D4118の上面を左右方向中央側に変位する変位の態様とを同じ変位の態様(直動係合部D4118d,回転係合部D4118eを備えない構造)にしても良い。
この場合には、上側揺動手段D4120が下側案内部D4118の上面を左右方向に転動する際に、その変位の態様の変化が少なくなるため、上側揺動手段D4120の変位が単調になる恐れがあるものの、直動係合部D4118dや回転係合部D4118eを乗り越えなくて済むので、上側揺動手段D4120に作用する負荷を低減できる。その結果、上側揺動手段D4120が破損することを抑制できる。
上記第88実施形態では、上側揺動手段D4120の正面側に配設される上側カバーD4116aと下側カバーD4116bとが光透過性材料から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上側カバーD4116aと下側カバーD4116bとを光非透過性材料から形成しても良い。
この場合、光非透過性材料から形成されるので、上側揺動手段D4120の視認可能領域が小さくなり、その分、上側揺動手段D4120の変位に伴う迫力が小さくなるが、上側カバーD4116aと下側カバーD4116bにより、上側揺動手段D4120の一部または全部を隠すと共に、上側揺動手段D4120の変位に伴って上側揺動手段D4120の一部または全部を露出させることができるので、上側揺動手段D4120の変位にともなう演出に変化を与えられる。その結果、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
上記第88実施形態では、下側案内部D4118の上面側の一部が左右方向外側に向かって上方側に傾斜する傾斜面D4118aとして形成される場合について説明したが、下側案内部D4118の上面側の全域を左右方向外側に向かって上方側に傾斜する傾斜面D4118aとして形成しても良い。
この場合には、凸部D4118bを超えて左右方向(矢印L-R方向)外側に変位された上側揺動手段D4120を、傾斜面D4118aにより左右方向中央側に向けて変位させる形態と、突設部D147bにより上側揺動手段D4120に駆動力を付与して左右方向中央側に向けて変位させる形態とを形成でき、上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化することができる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
上記第88実施形態では、凸部D4118bよりも左右方向(矢印L-R方向)外側における下側案内部D4118の上面側が水平方向に延設される(傾斜されない)場合について説明したが、凸部D4118bよりも左右方向外側における下側案内部D4118の上面側が左右方向外側に向かって下方側(矢印D方向)に傾斜されても良い。
この場合には、突設部D147bと上側揺動手段D4120とが離れて、凸部D4118bよりも左右方向(矢印L-R方向)外側に変位された上側揺動手段D4120を、下側案内部の上面の下降傾斜により、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に向けて案内することができる。よって、突設部D147bと上側揺動手段D4120とが離れて上側揺動手段D4120の変位の自由度が高まる位置において、上側揺動手段D4120を案内することができるので、上側揺動手段D4120が左右方向の外側端部まで変位された際に、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突しなくなることを抑制できる。従って、上側揺動手段D4120を確実に弾性体D2183a(付勢手段D2183)に衝突させることができ、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で上側揺動手段D4120の変位の態様を確実に変化させることができる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
上記第88実施形態では、下側案内部D4118の上方に重なる位置に弾性体D2183a(付勢手段D2183)が配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下側案内部D4118から左右方向(矢印L-R方向)に離れた位置に弾性体D2183a(付勢手段D2183)を配設して、下側案内部D4118と弾性体D2183a(付勢手段D2183)との間に隙間を形成しても良い。
この場合には、下側案内部D4118の上面を左右方向(矢印L-R方向)の外側端部まで案内された上側揺動手段D4120の少なくとも一部を下側案内部D4118と弾性体D2183a(付勢手段D2183)との間に形成される隙間に落下させることができる。これにより、弾性体D2183a(付勢手段D2183)に対する上側揺動手段D4120の衝突位置を、下側案内部D4118の上面を案内される上側揺動手段D4120の速度によって変更することができる。従って、弾性バネD2183b(付勢手段D2183)の反力で上側揺動手段D4120の変位の態様を変化した際の上側揺動手段D4120の変位の態様を複雑化できる。その結果、上側揺動手段D4120の演出が単調になることを抑制して、上側揺動手段D4120の変位による演出効果を向上できる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<経路幅を構成する延設部を有する動作手段を備えるポイント>
所定部から所定方向に延設される延設部と、前記所定部の両側において前記所定方向と交差する第1方向側へ向かって形成される第1形成部と、が形成されており、遊技球を遊技領域における一側または他側へ振り分ける態様で流下させる動作手段を有する第1手段を備え、前記延設部は、所定の構成部に対向配置される第1の状態において遊技球が前記一側へ流下される経路の所定の経路幅を前記所定の構成部との間で構成し、第2の状態において前記所定の経路幅を構成しないよう構成され、前記動作手段は、前記第1の状態において前記延設部が前記所定の構成部に接近した状態から、遊技球との当接により前記延設部が前記所定の構成部に対して離間する方向に動作可能に構成され、当該動作により前記所定の構成部との間の経路幅が変化可能に構成され、振り分けられた遊技球と前記第1形成部とが当接した場合における前記第1方向に沿った方向への変位を伴う所定動作が可能とされ、当該所定動作によって前記延設部の前記所定の構成部に対する相対的な位置が変化可能に構成され、当該変化中に前記経路を流下する遊技球の流下抵抗を増大可能に構成されることを特徴とする遊技機AA1。
パチンコ機等の遊技機において、流路に位置可能な個数を超える遊技球が滞留した場合において、超過分の遊技球を排出する排出流路を備える遊技機がある(例えば、特開2016-87301号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、超過分の遊技球が排出流路へ入球したことに基づいて滞留している遊技球が流路から排出開始されるところ、超過分の球が複数入球した場合等、流路への遊技球の入球態様によっては超過分の遊技球を排出する排出流路へ排出される遊技球の個数が想定以上に多くなる場合があるという問題点があった。
例えば、排出流路を流下する遊技球が検出され当該検出に基づいて追加の賞球の払出が実行される場合や、排出流路を流下する遊技球が1球の場合に正常な遊技が可能となる(パンクしない)場合には、排出流路へ排出される遊技球の個数が想定以上に多くなると、設計意図と異なる利益を遊技者に与える可能性があるため、遊技球の流下を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AA1によれば、振分箇所に動作手段が配設され、その動作手段が遊技球を一側へ流下させる第1の状態では遊技球の一側への流下が促進される一方、遊技球が他側へ振り分けられた場合には遊技球と第1形成部との当接による所定動作が実行されることで、後続の遊技球が一側へ流下されるようにされ、当該所定動作中において後続の遊技球が一側へ向けて流下される場合には流下抵抗が増大されることにより、後続の遊技球が先行する遊技球に衝突して跳ね戻る事態を避けることができ、偶発的な他側への遊技球の連続した流下を回避することができる。これにより、遊技球の流下を好適とすることができる。
遊技機AA1において、前記第1方向に沿った前記所定動作に基づく変位は、前記第1形成部と遊技球とが離間した後において継続され得ることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、他側へ振り分けられた遊技球と後続の遊技球とが間隔を空けて流下した場合であっても、遊技球の流下抵抗を増加させる作用を維持させることができる。
遊技機AA1又はAA2において、前記動作手段は、動作力を付与する付与手段からの動作力による動作と、前記付与手段からの動作力によらない動作とが可能に構成されることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA1又はAA2の奏する効果に加え、動作手段の動作として、付与手段による動作と、付与手段によらない動作(例えば、遊技球との当接による動作)とを生じさせることができるので、動作手段を、単なる振分のための手段としてではなく、遊技球の流下態様(例えば速度)を変化させる手段として利用することができ、動作手段付近を流下する遊技球に対する遊技者の興味を引き付けることができる。
遊技機AA1からAA3のいずれかにおいて、前記一側へ流下される遊技球が前記動作手段に特定態様で当接した場合において、前記動作手段は遊技球が有利領域の位置する前記一側へ案内され易い有利態様で動作されることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA1からAA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が動作手段に特定態様で当接した場合か否かによって、有利態様で動作されるか否かが変わるため、動作手段への遊技球の当接態様に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機AA1からAA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記延設部が前記所定の構成部に接近する動作において傾倒する傾倒方向に姿勢変化され、前記延設部が前記所定の構成部に対して離間する動作において前記傾倒方向の反対方向に姿勢変化されることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA1からAA4のいずれかの奏する効果に加え、所定の構成部に対して近接離間する往復動作により姿勢を復帰させることができるので、繰り返しの動作を安定的に生じさせることができる。
遊技機AA1からAA5のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記所定部を支持し、回転動作可能に構成される回転動作部と、前記延設部よりも前方に位置する前方位置部とを備え、前記回転動作部の回転動作に基づいて前記延設部が動作されるよう構成され、当該動作の前後において前記前方位置部の正面視における外形が維持されることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA1からAA5のいずれかの奏する効果に加え、延設部の動作前後において前方位置部の正面視における外形が維持されることから、一見して延設部が動作前の位置にあるのか動作後の位置にあるのかを把握し難くすることができる。これにより、延設部に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AA6において、前記前方位置部は、前記延設部よりも前記所定方向に張り出すように延設形成される第2形成部を備えることを特徴とする遊技機AA7。
遊技機AA7によれば、遊技機AA6の奏する効果に加え、第2形成部により延設部が隠されることにより、更に延設部の状態を把握し難くすることができ、延設部に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AA1からAA7のいずれかにおいて、前記延設部は、前記所定方向と交差する第2方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AA8。
遊技機AA8によれば、遊技機AA1からAA7のいずれかの奏する効果に加え、延設部を3次元的に動作させることができるので、特定の方向にしか動作しない場合に比較して、当接した遊技球に対して与える抵抗を抑制することができる。
遊技機AA8において、前記第1手段は、前記所定部を支持し、回転動作可能に構成される回転動作部を備え、前記延設部が前記第2方向へ変位することに基づいて、前記回転動作部が前記第2方向へ変位されることを特徴とする遊技機AA9。
遊技機AA9によれば、遊技機AA8の奏する効果に加え、延設部と回転動作部が共に第2方向に変位されることにより、部材間での動作方向の違いに基づく抵抗が生じることを避けることができ、動作を良好とすることができる。
遊技機AA8又はAA9において、前記動作手段は遊技球が有利領域の位置する前記一側へ案内され易い有利態様で動作可能とされ、前記有利態様の動作中において、前記動作手段の前記第2方向への変位が許容されることを特徴とする遊技機AA10。
遊技機AA10によれば、遊技機AA8又はAA9の奏する効果に加え、有利態様の動作中において動作手段の第2方向への変位が許容されることから、有利態様の動作中において動作手段が特定の方向にしか動作しない場合に比較して、有利態様の動作中において動作手段に当接した遊技球に対して与える抵抗を抑制することができる。
遊技機AA1からAA10のいずれかにおいて、前記第1形成部は、前記所定部の前方側に形成されることを特徴とする遊技機AA11。
遊技機AA11によれば、遊技機AA1からAA10のいずれかの奏する効果に加え、第1形成部が前後両側に形成される場合に比較して、材料コストを低減することができる。
遊技機AA1からAA11のいずれかにおいて、前記所定の構成部は、突設部であって、複数設けられており、前記各突設部は、前記延設部と接している遊技球に当接しない位置に設けられることを特徴とする遊技機AA12。
遊技機AA12によれば、遊技機AA1からAA11のいずれかの奏する効果に加え、延設部と所定の構成部との間に遊技球が挟まって流下が阻害される事態を未然に防ぎ、遊技球の流下を好適とすることができる。
遊技機AA1からAA12のいずれかにおいて、前記動作手段は、付与手段が動作している場合における動作と、前記付与手段が動作していない場合における動作とが可能に構成され、所定の入賞口への入球が検出されたことに基づいて付与手段が動作されるよう構成され、当該動作に基づいて所定位置に案内された遊技球が動作手段側へ向けて変位可能とされ、前記所定位置に案内された遊技球を前記動作手段側へ向けて変位させる動作力を生じる第2付与手段を備えることを特徴とする遊技機AA13。
遊技機AA13によれば、遊技機AA1からAA12のいずれかの奏する効果に加え、第2付与手段により、所定位置から遊技球が動作手段側へ向けて変位される場合と、所定位置から遊技球が動作手段側へ向けて変位されない場合とを構成することができるので、所定位置に遊技球が到達した場合において動作手段に生じる事象のバリエーションを増加させることができ、動作手段付近を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
<揺動ユニットD100を一例とする発明の概念について>
偏心した位置に形成される作用部を有し、回転可能に構成される回転手段と、回転された前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けて変位される変位手段と、弾性変形可能に構成され、前記弾性変形の反力を前記変位手段に付与可能に構成される弾性手段と、前記変位手段を視認可能とさせる窓部を有する視認可能手段と、を備え、前記回転手段の前記作用部から受ける駆動力の大きさに応じて前記変位手段が異なる態様で変位可能とされることを特徴とする遊技機AD1。
回転手段を回転させ、その回転手段の駆動力により変位手段を変位させて演出を行うものがある。回転手段の回転を利用するので、変位手段の演出動作を比較的高速で繰り返し行うことができる。しかしながら、上述した従来の技術では、変位手段が一定の軌跡に沿った動作を繰り返すのみであるので、演出が単調になるという問題点があった。
遊技機AD1によれば、回転手段の作用部から受ける駆動力の大きさに応じて変位手段が異なる態様で変位可能とされるので、回転手段の回転態様(強さ、速さ)を変化させることで、変位手段の変位の態様を変化させることができる。この場合、変位手段の変位の態様が変化されれば、その変化に応じて、弾性手段から変位手段に付与される反力の大きさも変化されるので、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD1において、前記回転手段の前記作用部から駆動力を前記変位手段が受ける前は、前記変位手段と前記弾性手段とが非当接とされ、前記回転手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力が所定値以下であると、前記変位手段が前記弾性手段と当接する位置まで変位されず、前記回転手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力が所定値を超えると、前記変位手段が前記弾性手段と当接する位置まで変位可能とされることを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、回転手段の回転態様(強さ、速さ)を変化させることで、弾性手段からの反力を受けずに変位手段が変位される態様と、弾性手段の反力を受けて変位手段が変位される態様とを形成できる。よって、変位手段の変位の態様の変化をより大きくすることができる。よって、変位手段の変位の態様をより複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD2において、前記変位手段は、前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けると、前記回転手段の前記作用部から離隔され前記回転手段の前記作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD2の奏する効果に加え、変位手段は、回転手段の作用部から駆動力を受けると、回転手段の作用部から離隔され回転手段の作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるので、変位手段を多様な方向へ変位可能とできる。即ち、回転手段の作用部が回転する方向とは無関係に変位手段を変位させることができる。よって、変位手段の変位の態様をより複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD1において、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、前記案内手段は、前記変位手段が前記弾性手段に当接する方向へ前記変位手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AD4。
遊技機AD4によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、案内手段は、変位手段が弾性手段に当接する方向へ変位手段の変位を案内可能に構成されるので、弾性手段の反力を受けて変位手段が変位される態様を確実に形成できる。
また、変位手段が弾性手段と当接する位置まで変位されるのは、回転手段の作用部から変位手段が受ける駆動力が所定値を超える場合であり、変位手段の変位が比較的高速とされるため、変位手段が回転手段の作用部や他の手段と衝突すると破損する虞があるところ、この場合に、変位手段が弾性手段に当接する方向へ変位手段の変位を案内できることで、変位手段等の破損を抑制できる。
遊技機AD1において、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、前記変位手段が変位可能とされる範囲において、前記範囲の一部の領域では、前記変位手段の変位が前記案内手段により案内され、前記範囲の前記一部の領域とは異なる他の領域では、前記変位手段の変位が前記案内手段により案内されないことを特徴とする遊技機AD5。
遊技機AD5によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、変位手段が変位可能とされる範囲において、範囲の一部の領域では、変位手段の変位が案内手段により案内され、範囲の一部の領域とは異なる他の領域では、変位手段の変位が案内手段により案内されないので、他の領域において変位手段の変位の態様の自由度を高めることができる。即ち、他の領域においては、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとしやすくできる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD4又はAD5において、前記変位手段は、前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けた後、前記回転手段の前記作用部から離隔され前記回転手段の前記作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成され、前記案内手段は、前記回転手段の前記作用部から離隔され前記回転手段の前記作用部に対して非拘束とされた前記変位手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AD6。
遊技機AD6によれば、遊技機AD4又はAD5の奏する効果に加え、案内手段は、回転手段の作用部から離隔され回転手段の作用部に対して非拘束とされた変位手段の変位を案内可能に構成されるので、変位手段の変位の変化(変化の自由度)が大きくなる構造において、変位手段や回転手段(作用部)が破損することを抑制できる。
遊技機AD1において、前記回転手段は、正方向への回転と前記正方向の逆となる逆方向への回転とを交互に繰り返すことが可能に構成されることを特徴とする遊技機AD7。
遊技機AD7によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、回転手段は、正方向への回転と正方向の逆となる逆方向への回転とを交互に繰り返すことが可能に構成されるので、回転手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の方向を反転させることができ、変位手段の変位の態様をより大きく変化させることができる。よって、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD1において、前記回転手段は、正方向と前記正方向の逆となる逆回転とに異なる回転速度で回転可能に構成されることを特徴とする遊技機AD8。
遊技機AD8によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、回転手段は、正方向と正方向の逆となる逆回転とに異なる回転速度で回転可能に構成されるので、回転手段が正方向に回転する際の変位手段の変位の態様と、回転手段が逆方向に回転する際の変位手段の変位の態様とを異ならせることができる。
遊技機AD7又はAD8において、前記回転手段の前記正方向への回転と前記逆方向への回転とは略同一の回転量に設定され、前記回転量は1回転よりも小さい回転量に設定されることを特徴とする遊技機AD9。
遊技機AD9は、遊技機AD7又はAD8の奏する効果に加え、回転手段の正方向への回転と逆方向への回転とは略同一の回転量に設定されるので、回転手段の回転の制御を簡素とできる。この場合、回転量が1回転よりも小さい回転量に設定されるので、回転手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の変化が過大となることを抑制できる。よって、回転手段の作用部や変位手段の破損を抑制できる。
遊技機AD1において、前記弾性手段に当接した後に所定位置に変位された前記変位手段を検出可能に構成される検出手段を備えることを特徴とする遊技機AD10。
遊技機AD10によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、弾性手段に当接した後に所定位置に変位された変位手段を検出可能に構成される検出手段を備えるので、変位手段の変位が過大となったことを検出手段により検出することができる。即ち、弾性手段と変位手段との当接は、回転手段の作用部から変位手段が比較的大きな駆動力を受けて変位手段の変位の速度が大きい場合に発生し、この場合、弾性手段から比較的大きな反力を受けるため、変位手段が大きく跳ね返されると共にその変位方向が不定となりやすい。よって、変位手段が所定位置へ変位されたことを検出できれば、回転手段の回転を減速させることや停止させることができ、回転手段の作用部や変位手段の破損を抑制できる。
遊技機AD10において、前記変位手段の前記所定位置への変位が前記検出手段により検出されたことを報知可能に構成される報知手段を備えることを特徴とする遊技機AD11。
遊技機AD11によれば、遊技機AD10の奏する効果に加え、変位手段の所定位置への変位が検出手段により検出されたことを報知可能に構成される報知手段を備えるので、変位手段の変位の態様に応じて遊技者に報知を行うことができる。例えば、変位手段が所定位置まで変位されるためには、比較的大きな駆動力を受け、且つ、弾性手段の反力で所定の方向に跳ね返されることが必要であるため、検出手段により検出されて報知される頻度が比較的少ない場合には、報知を利用して、遊技者に期待感を持たせることができる。
遊技機AD1において、複数の前記変位手段が配設され、前記複数の前記変位手段の内の一の前記変位手段は、前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けて変位されると、前記複数の変位手段の内の他の前記変位手段に対して当接および離隔することが可能に構成されることを特徴とする遊技機AD12。
遊技機AD12によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、複数の変位手段の内の一の変位手段は、回転手段の作用部から駆動力を受けて変位されると、複数の変位手段の内の他の前記変位手段に対して当接および離隔することが可能に構成されるので、一の変位手段と他の変位手段とを互いに作用させ合うことができる。よって、それら一および他の変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD1において、前記回転手段の前記作用部は、弾性変形可能に構成され前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、前記変位手段は、前記当接部から駆動力を受けて変位されることを特徴とする遊技機AD13。
遊技機AD13によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、回転手段の作用部は、弾性変形可能に構成され前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、変位手段は、当接部から駆動力を受けて変位されるので、当接部の弾性変形を利用して、変位手段の変位の態様を変化させることができる。即ち、回転手段の回転態様(強さ、速さ)を変化させることで、弾性手段から変位手段に付与される反力の大きさも変化させ、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AD1において、遊技者が操作可能に構成される操作手段を備え、その操作手段が操作されると前記回転手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力の大きさが変更可能に構成されることを特徴とする遊技機AD14。
遊技機AD14によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、遊技者が操作可能に構成される操作手段を備え、その操作手段が操作されると回転手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の大きさが変更可能に構成されるので、操作手段が操作される態様(タイミングや操作量など)を利用して、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。また、操作手段を操作する遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機AD14において、前記操作手段は、操作量を増減可能に構成され、前記操作手段の操作量の増減に応じて、前記回転手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力の大きさが増減可能に構成されることを特徴とする遊技機AD15。
遊技機AD15によれば、遊技機AD14の奏する効果に加え、操作手段は、操作量を増減可能に構成され、操作手段の操作量の増減に応じて、回転手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の大きさが増減可能に構成されるので、変位手段の変位の大きさや変位手段の変位の変化の強さを遊技者が直感的に増減することができる。よって、操作手段を操作する遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機AD1において、前記遊技機の前後方向に向かい合う奥側手段および手前側手段を備え、前記変位手段は、前記奥側手段および前記手前側手段の対向間を変位可能に構成され、前記奥側手段および前記手前側手段は、前記遊技機の前後方向への前記変位手段の変位を規制可能に構成されることを特徴とする遊技機AD16。
遊技機AD16によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、遊技機の前後方向に向かい合う奥側手段および手前側手段を備え、変位手段は、奥側手段および手前側手段の対向間を変位可能に構成され、奥側手段および手前側手段は、遊技機の前後方向への変位手段の変位を規制可能に構成されるので、変位手段の変位が可能な領域を確保できる。即ち、遊技機の前後方向よりも前後方向に直交する方向に広い遊技領域を変位手段の変位のための領域として有効に活用できる。
遊技機AD16において、前記手前側手段は、光透過性材料から構成されることを特徴とする遊技機AD17。
遊技機AD17によれば、遊技機AD16の奏する効果に加え、手前側手段は、光透過性材料から構成されるので、手前側手段の背面側に位置する変位手段を遊技者に視認させることができる。よって、遊技機の前後方向への変位手段の変位を規制可能として変位手段の変位を安定化させつつ、変位手段の視認可能な領域が減ることを抑制して、変位手段の変位による演出効果を確保できる。
遊技機AD1において、前記回転手段は、第1位置から第2位置までの正方向への回転と、前記第2位置から前記第1位置までの逆方向への回転とを行うことが可能に構成され、前記変位手段は、前記正方向へ回転された前記回転手段の作用部から駆動力を受けて変位されて、前記回転手段の前記作用部から離隔可能に構成され、前記回転手段の前記作用部から前記変位手段が離隔された状態において、前記第1位置から前記第2位置までの正方向への回転と、前記第2位置から前記第1位置までの逆方向への回転とを少なくとも1回ずつ前記回転手段が行うことが可能に構成される遊技機AD18。
遊技機AD18によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、回転手段は、第1位置から第2位置までの正方向への回転と、第2位置から第1位置までの逆方向への回転とを行うことが可能に構成され、変位手段は、正方向へ回転された回転手段の作用部から駆動力を受けて変位されて、回転手段の作用部から離隔可能に構成されるので、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
例えば、回転手段の回転が比較的遅い場合には、回転手段の作用部と変位手段とが一体的に第1位置と第2位置との間で変位される形態を形成し、回転手段の回転が比較的速い場合には、回転手段の作用部から変位手段とが一体的に第1位置と第2位置まで変位される過程において回転手段の作用部から変位手段が離隔し、回転手段が先行して第1位置へ復帰すると共に変位手段が遅れて第1位置へ向けて変位される形態とを形成できる。
この場合、回転手段の作用部から変位手段が離隔された状態において、第1位置から第2位置までの正方向への回転と、第2位置から第1位置までの逆方向への回転とを少なくとも1回ずつ回転手段が行うことが可能に構成されるので、回転手段の作用部から変位手段が駆動力を受けるタイミングを予測し難くできる。その結果、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。
遊技機AD4からAD6のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けた後、前記回転手段の前記作用部から離隔され前記回転手段の前記作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成され、前記案内手段は、前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けている前記変位手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AD19。
遊技機AD19によれば、遊技機AD4からAD6のいずれかの奏する効果に加え、案内手段は、回転手段の作用部から駆動力を受けている変位手段の変位を案内可能に構成されるので、変位手段の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて変位手段の変位を開始させることができる。即ち、変位手段は、回転手段の作用部から駆動力を受けた後、回転手段の作用部から離隔され回転手段の作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるところ、駆動力を受けて変位手段が変位を開始する際の進行方向には、非拘束とされた状態での変位手段の変位の変化をより大きくするのに適した方向と、非拘束とされた状態での変位手段の変位の変化を阻害する方向とが存在する。よって、回転手段の作用部から駆動力を受けている変位手段の変位を案内可能に構成されることで、非拘束とされた状態での変位手段の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて変位手段の変位を開始させることができる。
遊技機AD4からAD6及びAD19のいずれかにおいて、前記案内手段の内の前記弾性手段に近い側の部分は、前記弾性手段へ向けて下降傾斜して構成されることを特徴とする遊技機AD20。
遊技機AD20によれば、遊技機AD4からAD6及びAD19のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の内の弾性手段に近い側の部分は、弾性手段へ向けて下降傾斜して構成されるので、変位手段の変位の変化が大きい場合でも、変位手段の自重を利用して、変位手段が案内手段により案内される状態を構成し易くできる。その結果、変位手段が弾性手段に当接される態様(弾性手段の反力を受けて変位手段が変位される態様)を確実に形成できる。
遊技機AD4からAD6及びAD19及びAD20のいずれかにおいて、前記案内手段の内の前記弾性手段に近い側の部分は、前記弾性手段から離隔されていることを特徴とする遊技機AD21。
遊技機AD21によれば、遊技機AD4からAD6及びAD19及びAD20のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の内の弾性手段に近い側の部分は、弾性手段から離隔されているので、案内手段の内の弾性手段に近い側の部分と弾性手段との間に形成される空隙(隙間、空間)を、変位手段を変位させるためのスペースとして利用できる。よって、その分、変位手段の変位の変化を大きくできる。特に、かかるスペースは、弾性手段に向けて変位される変位手段が弾性手段に当接される直前に形成されるので、変位手段が弾性手段へ当接するか否かに影響を与えることができる。その結果、変位手段の変位による演出効果を高めることができる。
遊技機AD1において、前記案内手段の所定領域に変位が案内された後の前記変位手段が前記案内手段の前記所定領域に戻ることを抑制することが可能に構成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機AD22。
遊技機AD22によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、案内手段の所定領域に変位が案内された後の変位手段が案内手段の所定領域に戻ることを抑制することが可能に構成される抑制手段を備えるので、演出が単調となることを抑制できる。例えば、案内手段の所定領域を往路および復路として往復変位する場合、変位手段が往復変位を繰り返すのみとなり、演出が単調になる。これに対し、抑制手段を備えることで、案内手段の所定領域を往路として変位した変位手段が、案内手段の所定領域を復路とすることを抑制でき、例えば、変位手段を停止させる、変位手段の変位の方向を案内手段の所定領域とは異なる方向へ変化させる、抑制手段による影響を受けつつも変位手段が案内手段の所定領域を復路とするなどの態様を形成でき、その分、変位手段の変位の変化を大きくすることができる。
遊技機AD1において、前記変位手段は、その変位手段の少なくとも一部が前記視認可能手段の前記窓部から視認不能となる位置まで変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AD23。
遊技機AD23によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、変位手段は、その変位手段の少なくとも一部が視認可能手段の窓部から視認不能となる位置まで変位可能に構成されるので、変位手段の変位による演出が単調となることを抑制できる。特に、変位手段の全部が窓部から視認可能な状態と、変位手段の全部が窓部から視認不能となる状態とを構成できる場合には、窓部への出現や窓部の外への消失により変位部材の動向(存在位置や変位の方向など)を把握し難くして、演出効果を高めることができる。
<揺動ユニットD100を一例とする発明の概念について>
動作可能に構成される動作手段と、その動作手段から駆動力を受けて変位される変位手段と、弾性変形可能に構成され、前記弾性変形の反力を前記変位手段に付与可能に構成される弾性手段と、前記変位手段を視認可能とさせる窓部を有する視認可能手段と、を備え、前記動作手段から受ける駆動力の大きさに応じて前記変位手段が異なる態様で変位可能とされることを特徴とする遊技機AE1。
動作手段を動作させ、その動作手段の駆動力により変位手段を変位させて演出を行うものがある。しかしながら、上述した従来の技術では、変位手段が一定の軌跡に沿った動作を繰り返すのみであるので、演出が単調になるという問題点があった。
遊技機AE1によれば、動作手段から受ける駆動力の大きさに応じて変位手段が異なる態様で変位可能とされるので、動作手段の動作態様(強さ、速さ)を変化させることで、変位手段の変位の態様を変化させることができる。この場合、変位手段の変位の態様が変化されれば、その変化に応じて、弾性手段から変位手段に付与される反力の大きさも変化されるので、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE1において、前記動作手段は、偏心した位置に形成される作用部を備え、回転可能に構成され、前記動作手段は、回転された前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けて変位されることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、動作手段は、偏心した位置に形成される作用部を備え、回転可能に構成され、変位手段は、回転された前記回転手段の前記作用部から駆動力を受けて変位されるので、回転手段の回転を利用するので、変位手段の演出動作を比較的高速で繰り返し行うことができる。
遊技機AE1又はAE2において、前記動作手段の前記作用部から駆動力を前記変位手段が受ける前は、前記変位手段と前記弾性手段とが非当接とされ、前記動作手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力が所定値以下であると、前記変位手段が前記弾性手段と当接する位置まで変位されず、前記動作手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力が所定値を超えると、前記変位手段が前記弾性手段と当接する位置まで変位可能とされることを特徴とする遊技機AE3。
遊技機AE3によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、動作手段の動作態様(強さ、速さ)を変化させることで、弾性手段からの反力を受けずに変位手段が変位される態様と、弾性手段の反力を受けて変位手段が変位される態様とを形成できる。よって、変位手段の変位の態様の変化をより大きくすることができる。よって、変位手段の変位の態様をより複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE3において、前記変位手段は、前記動作手段の前記作用部から駆動力を受けると、前記動作手段の前記作用部から離隔され前記動作手段の前記作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AE4。
遊技機AE4によれば、遊技機AE3の奏する効果に加え、変位手段は、動作手段の作用部から駆動力を受けると、動作手段の作用部から離隔され動作手段の作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるので、変位手段を多様な方向へ変位可能とできる。即ち、動作手段の作用部が動作する方向とは無関係に変位手段を変位させることができる。よって、変位手段の変位の態様をより複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、前記案内手段は、前記変位手段が前記弾性手段に当接する方向へ前記変位手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AE5。
遊技機AE5によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、案内手段は、変位手段が弾性手段に当接する方向へ変位手段の変位を案内可能に構成されるので、弾性手段の反力を受けて変位手段が変位される態様を確実に形成できる。
また、変位手段が弾性手段と当接する位置まで変位されるのは、動作手段の作用部から変位手段が受ける駆動力が所定値を超える場合であり、変位手段の変位が比較的高速とされるため、変位手段が動作手段の作用部や他の手段と衝突すると破損する虞があるところ、この場合に、変位手段が弾性手段に当接する方向へ変位手段の変位を案内できることで、変位手段等の破損を抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、前記変位手段が変位可能とされる範囲において、前記範囲の一部の領域では、前記変位手段の変位が前記案内手段により案内され、前記範囲の前記一部の領域とは異なる他の領域では、前記変位手段の変位が前記案内手段により案内されないことを特徴とする遊技機AE6。
遊技機AE6によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、変位手段が変位可能とされる範囲において、範囲の一部の領域では、変位手段の変位が案内手段により案内され、範囲の一部の領域とは異なる他の領域では、変位手段の変位が案内手段により案内されないので、他の領域において変位手段の変位の態様の自由度を高めることができる。即ち、他の領域においては、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとしやすくできる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE5又はAE6において、前記変位手段は、前記動作手段の前記作用部から駆動力を受けた後、前記動作手段の前記作用部から離隔され前記動作手段の前記作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成され、前記案内手段は、前記動作手段の前記作用部から離隔され前記動作手段の前記作用部に対して非拘束とされた前記変位手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AE7。
遊技機AE7によれば、遊技機AE5又はAE6の奏する効果に加え、案内手段は、動作手段の作用部から離隔され動作手段の作用部に対して非拘束とされた変位手段の変位を案内可能に構成されるので、変位手段の変位の変化(変化の自由度)が大きくなる構造において、変位手段や動作手段(作用部)が破損することを抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記動作手段は、正方向への動作と前記正方向の逆となる逆方向への動作とを交互に繰り返すことが可能に構成されることを特徴とする遊技機AE8。
遊技機AE8によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、動作手段は、正方向への動作と正方向の逆となる逆方向への動作とを交互に繰り返すことが可能に構成されるので、動作手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の方向を反転させることができ、変位手段の変位の態様をより大きく変化させることができる。よって、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記動作手段は、正方向と前記正方向の逆となる逆動作とに異なる動作速度で動作可能に構成されることを特徴とする遊技機AE9。
遊技機AE9によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、動作手段は、正方向と正方向の逆となる逆動作とに異なる動作速度で動作可能に構成されるので、動作手段が正方向に動作する際の変位手段の変位の態様と、動作手段が逆方向に動作する際の変位手段の変位の態様とを異ならせることができる。
遊技機AE8又はAE9において、前記動作手段の前記正方向への動作と前記逆方向への動作とは略同一の動作量に設定され、前記動作量は1動作よりも小さい動作量に設定されることを特徴とする遊技機AE10。
遊技機AE10は、遊技機AE8又はAE9の奏する効果に加え、動作手段の正方向への動作と逆方向への動作とは略同一の動作量に設定されるので、動作手段の動作の制御を簡素とできる。この場合、動作量が1動作よりも小さい動作量に設定されるので、動作手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の変化が過大となることを抑制できる。よって、動作手段の作用部や変位手段の破損を抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記弾性手段に当接した後に所定位置に変位された前記変位手段を検出可能に構成される検出手段を備えることを特徴とする遊技機AE11。
遊技機AE11によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、弾性手段に当接した後に所定位置に変位された変位手段を検出可能に構成される検出手段を備えるので、変位手段の変位が過大となったことを検出手段により検出することができる。即ち、弾性手段と変位手段との当接は、動作手段の作用部から変位手段が比較的大きな駆動力を受けて変位手段の変位の速度が大きい場合に発生し、この場合、弾性手段から比較的大きな反力を受けるため、変位手段が大きく跳ね返されると共にその変位方向が不定となりやすい。よって、変位手段が所定位置へ変位されたことを検出できれば、動作手段の動作を減速させることや停止させることができ、動作手段の作用部や変位手段の破損を抑制できる。
遊技機AE11において、前記変位手段の前記所定位置への変位が前記検出手段により検出されたことを報知可能に構成される報知手段を備えることを特徴とする遊技機AE12。
遊技機AE12によれば、遊技機AE11の奏する効果に加え、変位手段の所定位置への変位が検出手段により検出されたことを報知可能に構成される報知手段を備えるので、変位手段の変位の態様に応じて遊技者に報知を行うことができる。例えば、変位手段が所定位置まで変位されるためには、比較的大きな駆動力を受け、且つ、弾性手段の反力で所定の方向に跳ね返されることが必要であるため、検出手段により検出されて報知される頻度が比較的少ない場合には、報知を利用して、遊技者に期待感を持たせることができる。
遊技機AE1又はAE2において、複数の前記変位手段が配設され、前記複数の前記変位手段の内の一の前記変位手段は、前記動作手段の前記作用部から駆動力を受けて変位されると、前記複数の変位手段の内の他の前記変位手段に対して当接および離隔することが可能に構成されることを特徴とする遊技機AE13。
遊技機AE13によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、複数の変位手段の内の一の変位手段は、動作手段の作用部から駆動力を受けて変位されると、複数の変位手段の内の他の前記変位手段に対して当接および離隔することが可能に構成されるので、一の変位手段と他の変位手段とを互いに作用させ合うことができる。よって、それら一および他の変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記動作手段の前記作用部は、弾性変形可能に構成され前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、前記変位手段は、前記当接部から駆動力を受けて変位されることを特徴とする遊技機AE14。
遊技機AE14によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、動作手段の作用部は、弾性変形可能に構成され前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、変位手段は、当接部から駆動力を受けて変位されるので、当接部の弾性変形を利用して、変位手段の変位の態様を変化させることができる。即ち、動作手段の動作態様(強さ、速さ)を変化させることで、弾性手段から変位手段に付与される反力の大きさも変化させ、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
遊技機AE1又はAE2において、遊技者が操作可能に構成される操作手段を備え、その操作手段が操作されると前記動作手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力の大きさが変更可能に構成されることを特徴とする遊技機AE15。
遊技機AE15によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、遊技者が操作可能に構成される操作手段を備え、その操作手段が操作されると動作手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の大きさが変更可能に構成されるので、操作手段が操作される態様(タイミングや操作量など)を利用して、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。また、操作手段を操作する遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機AE15において、前記操作手段は、操作量を増減可能に構成され、前記操作手段の操作量の増減に応じて、前記動作手段の前記作用部から前記変位手段が受ける駆動力の大きさが増減可能に構成されることを特徴とする遊技機AE16。
遊技機AE16によれば、遊技機AE15の奏する効果に加え、操作手段は、操作量を増減可能に構成され、操作手段の操作量の増減に応じて、動作手段の作用部から変位手段が受ける駆動力の大きさが増減可能に構成されるので、変位手段の変位の大きさや変位手段の変位の変化の強さを遊技者が直感的に増減することができる。よって、操作手段を操作する遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機AE1又はAE2において、前記遊技機の前後方向に向かい合う奥側手段および手前側手段を備え、前記変位手段は、前記奥側手段および前記手前側手段の対向間を変位可能に構成され、前記奥側手段および前記手前側手段は、前記遊技機の前後方向への前記変位手段の変位を規制可能に構成されることを特徴とする遊技機AE17。
遊技機AE17によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、遊技機の前後方向に向かい合う奥側手段および手前側手段を備え、変位手段は、奥側手段および手前側手段の対向間を変位可能に構成され、奥側手段および手前側手段は、遊技機の前後方向への変位手段の変位を規制可能に構成されるので、変位手段の変位が可能な領域を確保できる。即ち、遊技機の前後方向よりも前後方向に直交する方向に広い遊技領域を変位手段の変位のための領域として有効に活用できる。
遊技機AE17において、前記手前側手段は、光透過性材料から構成されることを特徴とする遊技機AE18。
遊技機AE18によれば、遊技機AE17の奏する効果に加え、手前側手段は、光透過性材料から構成されるので、手前側手段の背面側に位置する変位手段を遊技者に視認させることができる。よって、遊技機の前後方向への変位手段の変位を規制可能として変位手段の変位を安定化させつつ、変位手段の視認可能な領域が減ることを抑制して、変位手段の変位による演出効果を確保できる。
遊技機AE1又はAE2において、前記動作手段は、第1位置から第2位置までの正方向への動作と、前記第2位置から前記第1位置までの逆方向への動作とを行うことが可能に構成され、前記変位手段は、前記正方向へ動作された前記動作手段の作用部から駆動力を受けて変位されて、前記動作手段の前記作用部から離隔可能に構成され、前記動作手段の前記作用部から前記変位手段が離隔された状態において、前記第1位置から前記第2位置までの正方向への動作と、前記第2位置から前記第1位置までの逆方向への動作とを少なくとも1回ずつ前記動作手段が行うことが可能に構成される遊技機AE19。
遊技機AE19によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、動作手段は、第1位置から第2位置までの正方向への動作と、第2位置から第1位置までの逆方向への動作とを行うことが可能に構成され、変位手段は、正方向へ動作された動作手段の作用部から駆動力を受けて変位されて、動作手段の作用部から離隔可能に構成されるので、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。その結果、演出が単調となることを抑制できる。
例えば、動作手段の動作が比較的遅い場合には、動作手段の作用部と変位手段とが一体的に第1位置と第2位置との間で変位される形態を形成し、動作手段の動作が比較的速い場合には、動作手段の作用部から変位手段とが一体的に第1位置と第2位置まで変位される過程において動作手段の作用部から変位手段が離隔し、動作手段が先行して第1位置へ復帰すると共に変位手段が遅れて第1位置へ向けて変位される形態とを形成できる。
この場合、動作手段の作用部から変位手段が離隔された状態において、第1位置から第2位置までの正方向への動作と、第2位置から第1位置までの逆方向への動作とを少なくとも1回ずつ動作手段が行うことが可能に構成されるので、動作手段の作用部から変位手段が駆動力を受けるタイミングを予測し難くできる。その結果、変位手段の変位の態様を複雑化して予想困難なものとすることができる。
遊技機AE5からAE7のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記動作手段の前記作用部から駆動力を受けた後、前記動作手段の前記作用部から離隔され前記動作手段の前記作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成され、前記案内手段は、前記動作手段の前記作用部から駆動力を受けている前記変位手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AE20。
遊技機AE20によれば、遊技機AE5からAE7のいずれかの奏する効果に加え、案内手段は、動作手段の作用部から駆動力を受けている変位手段の変位を案内可能に構成されるので、変位手段の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて変位手段の変位を開始させることができる。即ち、変位手段は、動作手段の作用部から駆動力を受けた後、動作手段の作用部から離隔され動作手段の作用部に対して非拘束とされた状態で変位可能に構成されるところ、駆動力を受けて変位手段が変位を開始する際の進行方向には、非拘束とされた状態での変位手段の変位の変化をより大きくするのに適した方向と、非拘束とされた状態での変位手段の変位の変化を阻害する方向とが存在する。よって、動作手段の作用部から駆動力を受けている変位手段の変位を案内可能に構成されることで、非拘束とされた状態での変位手段の変位の変化をより大きくするのに好適な方向に向けて変位手段の変位を開始させることができる。
遊技機AE5からAE7及びAE20のいずれかにおいて、前記案内手段の内の前記弾性手段に近い側の部分は、前記弾性手段へ向けて下降傾斜して構成されることを特徴とする遊技機AE21。
遊技機AE21によれば、遊技機AE5からAE7及びAE20のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の内の弾性手段に近い側の部分は、弾性手段へ向けて下降傾斜して構成されるので、変位手段の変位の変化が大きい場合でも、変位手段の自重を利用して、変位手段が案内手段により案内される状態を構成し易くできる。その結果、変位手段が弾性手段に当接される態様(弾性手段の反力を受けて変位手段が変位される態様)を確実に形成できる。
遊技機AE5からAE7及びAE20及びAE21のいずれかにおいて、前記案内手段の内の前記弾性手段に近い側の部分は、前記弾性手段から離隔されていることを特徴とする遊技機AE22。
遊技機AE22によれば、遊技機AE5からAE7及びAE20及びAE21のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の内の弾性手段に近い側の部分は、弾性手段から離隔されているので、案内手段の内の弾性手段に近い側の部分と弾性手段との間に形成される空隙(隙間、空間)を、変位手段を変位させるためのスペースとして利用できる。よって、その分、変位手段の変位の変化を大きくできる。特に、かかるスペースは、弾性手段に向けて変位される変位手段が弾性手段に当接される直前に形成されるので、変位手段が弾性手段へ当接するか否かに影響を与えることができる。その結果、変位手段の変位による演出効果を高めることができる。
遊技機AE1又はAE2において、前記案内手段の所定領域に変位が案内された後の前記変位手段が前記案内手段の前記所定領域に戻ることを抑制することが可能に構成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機AE23。
遊技機AE23によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、案内手段の所定領域に変位が案内された後の変位手段が案内手段の所定領域に戻ることを抑制することが可能に構成される抑制手段を備えるので、演出が単調となることを抑制できる。例えば、案内手段の所定領域を往路および復路として往復変位する場合、変位手段が往復変位を繰り返すのみとなり、演出が単調になる。これに対し、抑制手段を備えることで、案内手段の所定領域を往路として変位した変位手段が、案内手段の所定領域を復路とすることを抑制でき、例えば、変位手段を停止させる、変位手段の変位の方向を案内手段の所定領域とは異なる方向へ変化させる、抑制手段による影響を受けつつも変位手段が案内手段の所定領域を復路とするなどの態様を形成でき、その分、変位手段の変位の変化を大きくすることができる。
遊技機AE1又はAE2において、前記変位手段は、その変位手段の少なくとも一部が前記視認可能手段の前記窓部から視認不能となる位置まで変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AE24。
遊技機AE24によれば、遊技機AE1又はAE2の奏する効果に加え、変位手段は、その変位手段の少なくとも一部が視認可能手段の窓部から視認不能となる位置まで変位可能に構成されるので、変位手段の変位による演出が単調となることを抑制できる。特に、変位手段の全部が窓部から視認可能な状態と、変位手段の全部が窓部から視認不能となる状態とを構成できる場合には、窓部への出現や窓部の外への消失により変位部材の動向(存在位置や変位の方向など)を把握し難くして、演出効果を高めることができる。
遊技機AA1からAA13,AD1からAD23,AE1~AE24のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機AZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機AA1からAA13,AD1からAD23,AE1~AE24のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機AZ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機AA1からAA13,AD1からAD23,AE1~AE24のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機AZ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図540から図554を参照し、第89実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)A10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図540は、第89実施形態におけるパチンコ機A10の正面図であり、図541は、遊技盤A13の正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
なお、以下の説明では、図540に示す状態のパチンコ機A10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図540に示す状態のパチンコ機A10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図540参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機A10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
遊技盤A13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤A13の正面外周が囲まれ、遊技盤A13とガラスユニットH16(図540参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤A13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤A13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、球が案内される通路を形成する2本のレール部材H61,H62は、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、上皿H17に貯留され、球発射ユニットH112aへ案内された後で、球発射ユニットH112a(図492参照)から発射された球を遊技盤A13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。
内レールH61の先端部分(図541の左上部)には戻り球防止部材A68が取り付けられる。外レールH62の先端部(図541の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
戻り球防止部材A68は、内レールH61の先端部分においてベース板A60に締結固定される支持部材と、その支持部材に回転動作可能に支持されており内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる開閉動作される部材とを備える。支持部材は、開閉動作される部材の一部を覆う部位である。また、戻り球防止部材A68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤A13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材A68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材A68を超える位置(遊技盤A13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材A68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤A13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材A68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材A68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
また、戻り球防止部材A68は、後述する風車AWFのように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤A13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤A13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
尚、本パチンコ機A10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機A10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R時短有通常大当たり、4R時短有通常大当たり、15R時短無し通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本パチンコ機A10では、時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物A640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物A640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物A640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
パチンコ機A10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物A640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物A640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物A640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物A640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の右側の領域において第1球流下構造体A300に配設される態様で遊技盤A13に組み付けられ、遊技盤A13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置H81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置H81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示される場合等には、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
スルーゲートH67の正面視左下側には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤A13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図488参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
なお、第2入賞口H640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口H64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側(例えば、第1入賞口H64よりも正面視左下側)でも良い。
第2入賞口H640には電動役物A640aが付随されている。この電動役物A640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物A640aが閉鎖状態(退避状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物A640aが開放状態(張出状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物A640aが開放状態(張出状態)となる回数が増える。更に、時短中は、電動役物A640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口H64に球が入賞した場合と第2入賞口H640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は同一(約1/319)である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R時短有通常大当たりとなる確率は、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口H64は、第2入賞口H640にあるような電動役物A640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物A640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物A640aのない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する電動役物A640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置H80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物A640aを開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R時短有通常大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、第1入賞口H64又は第2入賞口H640へ球が入賞した場合に大当たりとなる確率は、上述の確率に限られるものではなく、種々の態様が例示される。上述の確率は、大当たりを獲得することが難しい一方で、期待される払出球の個数が多くなる機種(一発逆転が可能な機種)として設定される。これに対し、例えば、比較的大当たりを獲得し易い確率(約1/99)が設定される代わりに期待される払出球の個数が少なくされる場合もあるし、中間の確率(約1/199)とされ、大当たりの獲得のし易さと期待される払出球の個数とのバランスが良くされる場合もある。
なお、本実施形態におけるパチンコ機A10とは異なり、遊技盤A13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口H64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口H640を狙うこともできる。この場合、遊技者から球の打ち方を変化させる煩わしさを取り去ることができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機A10では、「右打ち」では第1入賞口H64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲートH67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機A10は、パチンコ機A10の遊技状態(時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
なお、電動役物A640aが遊技領域の右側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物A640aを遊技領域の左側に配設するようにしても良い。
電動役物A640aが遊技領域の右側に配設される場合には、第2入賞口H640に入球されなかった球をアウト口H71にスムーズに案内するために、球の流下方向が左下方向へ向けて傾斜する方向となるように構成されることが多いが、電動役物A640aが遊技領域の左側に配設される場合には、形状を左右対称に変更させることで対応が可能となる。
また、第1入賞口H64よりも上流側に電動役物A640aを配設すれば、第2入賞口H640に入球されなかった球がアウト口H71に案内される場合ばかりではなく、第1入賞口H64に案内される場合も構成可能となるように遊技領域を構成することができるので、電動役物A640aを通過した後の球の注目力が極端に低下される事態を避けることができる。
電動役物A640aの配設位置と、スルーゲートH67の配設位置とは、複数の態様が例示される。例えば、電動役物A640aの上流側にスルーゲートH67を配設することで、スルーゲートH67に検出されることで普通図柄の抽選を実行させた球が、その抽選により開閉動作されている電動役物A640aに到達可能に構成できるので、普通図柄の抽選と、その抽選により開放された第2入賞口H640への入球とが、同じ球で実行され得ることになり、遊技者に好適に受け入れられやすい。
逆に、例えば、スルーゲートH67の上流側に電動役物A640aを配設する場合には、1球目の球が電動役物A640aに到達する時点では普通図柄の抽選が実行されていないので、電動役物A640aは閉鎖状態とされており、球は第2入賞口H640には入球されずに素通りし、スルーゲートH67へ向かって流下する。即ち、普通図柄の抽選を新たに開始させるために球を継続して発射させる場合における1球目の球が第2入賞口H640に入球されないため、賞球の払い出しが期待されないという点で遊技者にとって不利となる。
この不利は、普通図柄の抽選を途切れさせないように電動役物A640aへ向けた発射をすることで最小限に抑えることができるため、遊技者に対して、「単発打ち」(操作ハンドルH51の発射停止スイッチH51bの操作を利用して一発ずつ間隔(数秒)を空けて球を発射する特殊な打ち方)ではなく「打ちっぱなし」(操作ハンドルH51を回転動作させた状態で維持することで一定の間隔(100発/分未満の間隔、0.6秒等)で発射させる打ち方)にすることを違和感なく推奨することができる。
即ち、例えば、第3図柄表示装置H81で「右打ち」と表示して、「右打ち」する期間であることを報知する場合において、併せて「とにかく打ち続けろ」等の表示を併記することで、遊技者の不利を最小限に抑えつつ、「単発打ち」を好む遊技者に対しても、「打ちっぱなし」で遊技する方が有利かもしれないと思わせることで、球の発射方法の選択の幅を広げさせることができる。これにより、遊技者に刺激を与え、遊技者の集中力を高く維持することができる。
また、スルーゲートH67と電動役物A640aとを、左右同じ側に配設しても良いし、左右逆側に配設するようにしても良い。左右逆側に配設する場合には、スルーゲートH67を通過させるために発射させる球の発射態様(例えば、「左打ち」又は「右打ち」)と、電動役物A640aにおいて第2入賞口H640に入球させるために発射させる球の発射態様(例えば、「右打ち」又は「左打ち」)とが異なることから、時短中において操作ハンドルH51の回転動作を頻繁に生じさせることができ、遊技者の意識を操作ハンドルH51に向けさせることができ、遊技に集中させることができる。
第1入賞口H64の右方には可変入賞装置A65が配設されており、その下流側位置に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機A10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
抽選された大当たりが時短有通常大当たりだった場合、大当たり遊技終了後の時短中に右打ち遊技を行うことで、第2入賞口H640へ遊技球を入賞させることができる。本実施形態では、時短状態における第2入賞口H640への入賞に基づいて数回(例えば、1~10回。時短状態の終了時における保留球数を含む。)の抽選を少ない球損で実行させることができる。第2入賞口H640に遊技球が入賞すると、約1/2の確率で小当たりが発生し、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて小当たりに対応したLEDが点灯する。この小当たりにより、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。
なお、特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する契機を、特定入賞口H65aの下流側に位置する特定領域または非特定領域のうちの特定領域を通過することにするように構成しても良い。本実施形態では、特定領域を通過するか否かに対応する振り分けを内部制御により行っており、特定入賞口H65aの下流側に特定領域および非特定領域を構成することが不要とされている。即ち、抽選された大当たりに基づいて、特定入賞口H65aが特定領域を兼ねるタイミングが生じる場合が設定可能とされており、そのタイミングにおいて球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。
このように、本パチンコ機A10では、右打ち遊技において、第2入賞口H640へ遊技球が入球すると約1/2の確率で特別遊技状態へ遊技状態を遷移させることが可能になり、これは左打ち遊技における大当たり確率(約1/319)よりも著しく高い確率となるので、右打ち遊技状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特定入賞口H65aの個数は限定されるものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の右方に限らず、例えば、第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側や、可変表示装置ユニットH80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤A13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。
なお、本実施形態におけるその他装置H228(図496参照)には、駆動ソレノイドや駆動モータや、第2入賞口H640の電動役物A640aを駆動させる駆動ソレノイドA642等が含まれる。なお、本実施形態においても、その他装置H228には、上述の役物装置の駆動源だけではなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示せず)や、第2入賞口H640の電動役物A640aの駆動源等(駆動ソレノイドA642等)を含む構成としても良い。また、本実施形態における各種スイッチH208(図496参照)には、検出センサ(入賞検出センサASC64及び入賞検出センサASC65)等が含まれる。
図542は、遊技盤A13及び動作ユニットD200の分解正面斜視図である。なお、図542では、風車AWF及び球の流下経路を形成するためにベース板A60に植設される釘の図示が省略される。
図542に図示されるように、遊技盤A13は、ベース板A60に対して、センターフレームA86よりも右方において穿設される右方穿設部A60aを前方から塞ぐようにして第1球流下構造体A300が組み付けられ、センターフレームA86よりも下方において穿設される下方穿設部A60bを前方から塞ぐようにして第2球流下構造体A600が組み付けられる。
図543は、第2球流下構造体A600の正面斜視図であり、図544は、第2球流下構造体A600の背面斜視図である。図545は、第2球流下構造体A600の分解正面斜視図であり、図546は、第2球流下構造体A600の分解背面斜視図であり、図547は、第2球流下構造体A600の正面図である。
図547では、説明の便宜上、カバー部材A630の板状本体A631の図示が省略され、カバー部材A630に締結固定される第1電飾基板A660が実線で図示され、カバー部材A630の構成であって流路側壁を構成する延設形成部A632及び流路に対して凹凸形成される部位の形状が想像線で図示される。換言すれば、想像線により、球の通過経路の形状および凹凸が形成される部位が図示されている。
図545及び図546に図示されるように、第2球流下構造体A600は、ベース板A60の前面に締結固定されるベース部材A610と、そのベース部材A610の正面側に配置されベース部材A610と共に球の流下経路を構成するカバー部材A630と、ベース部材A610の背面側から進退動作する開閉板A641を有する電動役物A640aと、その電動役物A640aよりも右側に位置しておりベース板A60の背面側から進退動作する開閉板A651を有する可変入賞装置A65と、ベース部材A610とカバー部材A630との前後間の位置においてカバー部材A630に締結固定される第1電飾基板A660と、ベース部材A610の後面側に配設される第2電飾基板A670と、その第2電飾基板A670をベース部材A610との前後間の位置に挟む位置に配設されベース部材A610に締結固定されるカバー部材A680と、ベース部材A610とカバー部材A630との間に保持されており第2入賞口H640を構成する入賞検出センサASC64と、ベース部材A610とカバー部材A630との間に保持されており特定入賞口H65aを構成する入賞検出センサASC65と、を備える。
ベース部材A610は、光透過性の樹脂材料から形成されており、背面側に突条状に形成される突条枠部A611aの内側において光拡散形状が形成される板状本体A611と、その板状本体A611に穿設される案内開口A612と、その案内開口A612の正面側において開閉板A651上を転動(流下)する球を減速させるよう板状本体A611に凹設される複数の減速凹部A613と、案内開口A612よりも左下側において板状本体A611に穿設される案内開口A614と、その案内開口A614の下側において案内開口A614の長手方向に対して平行に延びる突条として形成される突設部A615と、案内開口A614の正面側において開閉板A641上を転動(流下)する球を減速させるよう正面側に突設される複数の減速突部A616と、開閉板A651上を左方に案内された球を減速させるよう正面側に突設される複数の減速突部A617と、案内開口A614の上縁に沿って正面側に突設される傾斜突部A618と、球を背面側へ案内可能に形成される複数の球案内部A621と、を備える。
電動役物A640aは、案内開口A614を通り前方に配置される張出状態(開放状態)において球を第2入賞口H640へ向けて案内可能な開閉板A641と、その開閉板A641を変位させるための駆動力を発生可能な駆動ソレノイドA642と、その駆動ソレノイドA642のプランジャー先端部A642aに嵌め合い固定される先端固定部材A643と、その先端固定部材A643の直線動作に対応して動作され開閉板A641を動作させる中間リンク部材A644と、を備える。
なお、電動役物A640aの開放状態(張出状態)に対応する開閉板A641の状態を開閉板A641の開放状態(張出状態)とも称し、電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)に対応する開閉板A641の状態を開閉板A641の閉鎖状態(退避状態)とも称する。
ベース部材A610とカバー部材A630との間に構成される流下経路において、電動役物A640aが開放状態(張出状態)である場合には、開閉板A641近傍まで到達した球の流下経路が開閉板A641の上面を第2入賞口H640側へ向けて左方側へ流下する経路とされ、電動役物A640aが閉鎖状態(退避状態)である場合には、開閉板A641近傍まで到達した球が開閉板A641の上面に当接せずに正面側を落下して開閉板A641よりも下方側を流下する流下経路を流下される。このように、電動役物A640aが開放状態(張出状態)であるか閉鎖状態(退避状態)であるかに対応して、球が流下される流下経路が異なるように構成される。
ベース部材A610は、板状本体A611の後方側の領域であって、突条枠部A611aの内方側において第2電飾基板A670と前後方向で対向配置される領域に、シボ加工が形成されている。突条枠部A611aの内方側における領域は正面視において開閉板A641と重ならない。従って、第2電飾基板A670に配設されるLEDから正面側へ向けて発光される光が開閉板A641に遮蔽される事態は生じない。
一方で、第2電飾基板A670の発光時には、シボ加工により光を拡散させることで板状本体A611の透過性を落とすことができる。これにより、電動役物A640aの状態に関わらず開閉板A641の視認性が変わらない場合に比較して、電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)においては板状本体A611における突条枠部A611aの内方側を介した開閉板A641の視認性(遊技者側から見て斜め下方向視における視認性)を低下させることで、閉鎖状態となっていることを遊技者に把握させ易くすることができる。
第2電飾基板A670からの光は、前方側へ向けて発光されることから、板状本体A611における第2電飾基板A670の前方側の範囲に照射され、その範囲に配設される減速突部A616,A617,A636,A637を通過して遊技者に視認される。
減速突部A616,A617,A636,A637の前後側端部が湾曲面を構成することから、通過する光を屈折または分散させることにより、光が広範囲に到達するように構成される。点光源から発光する光であっても、あたかも面から発光しているかのように視認させることができる。
シボ加工により拡散された光は、第2電飾基板A670の真正面位置のみならず、ずれた位置にも透過される。即ち、シボ加工により拡散された光は、正面視において第2電飾基板A670の下端よりも下側に位置する傾斜突部A618に向けて進行し、傾斜突部A618を明るく照らすように構成される。
また、電動役物A640aの開放状態(張出状態)においては、カバー部材A630、開閉板A641及び開閉板A641の上面を転動する球に向けて、シボ加工により拡散された光を照射することができるので、面での発光として視認させることができ、光による演出効果を向上させることができる。
なお、第2電飾基板A670を配設する代わりに、配設を省略して、より後方に配設される発光部からの光がシボ加工に照射される物としても良い。例えば、第3図柄表示装置H81の表示領域の下縁および右縁がより右下側に広げられ、突条枠部A611aの内方側と表示領域とが前後で対向配置される場合、第3図柄表示装置H81の表示領域からの光が突条枠部A611aの内方側を通過することにより、減速突部A616,A617,A636,A637や傾斜突部A618や開閉板A641を光で照らすことができる。また、第2電飾基板A670からの光に変わって、動作ユニットD200に配設されるLEDからの光が照射されても良い。
また、第2電飾基板A670からの光の発光態様は、種々の態様で制御可能に構成される。例えば、複数のLEDが一様に発光される態様でも良いし、左右に複数のLEDが並べられており右端から発光され左隣のLEDが順番に発光される態様でも良いし、その逆でも良いし、環状にLEDが並べられており特定のLEDから時計回りに順番に発光される態様でも良いし、その逆でも良い。また、発光色も、赤、青、緑など複数の色で切り替えられるように構成可能である。
この場合において、発光態様や発光色を、第2入賞口H640で球が検出されたことにより実行される抽選の結果(例えば、大当たり、リーチあり外れ、リーチなし外れ、ショートリーチ、ロングリーチ、それらの組合せ)と対応されることにより、遊技者は、第2電飾基板A670の光を視認することで第2入賞口H640での球の検出による抽選の結果を予想することができので、第2電飾基板A670の光に対する注目力を向上させることができる。
減速突部A616は、案内開口A614の長手方向と直角に交差する方向に長手方向が設定される正面視で長尺棒状の形状から形成されており、減速突部A617は、球の流下経路に対して直角に交差する方向に長手方向が設定される正面視で長尺棒状の形状から形成されている。
減速突部A616が当接するのは、案内開口A614の長手方向と同方向に延びる幅長さを有する開閉板A641上を転動(流下)する球なので、減速突部A616についても、減速突部A617と同様に、球の流下経路に対して直角に交差する方向に長手方向が設定されているといえる。
傾斜突部A618は、略扇状の断面形状で形成されており、上下の厚み及び前方への張出長さが、左右位置がずれても一定とされる形状維持範囲A618aと、上下の厚み及び前方への張出長さが、案内開口A614の右端側の位置(形状維持範囲A618aと接続される位置)において最大に設定され、左方へ向かう程に徐々に短くなる形状とされる形状変化範囲A618bと、を備える。
即ち、傾斜突部A618の形状維持範囲A618aの前端部は、板状本体A611の前側面に対して平行な平面内の直線方向に沿って延びる一方で、傾斜突部A618の形状変化範囲A618bの前端部は、板状本体A611の前側面に対して平行な平面内の直線方向に沿って延びるものではなく、板状本体A611の前側面に対して傾斜する平面内(左側ほど後方側に位置する平面内、換言すれば、板状本体A611の前側面に対して平行な平面を上下方向に延びる軸中心に回転させたことで板状本体A611の前側面に対して傾斜する平面内)の直線方向に延びる形状とされる。
この傾斜に合わせて形状変化範囲A618bの上端部も案内開口A614の長手方向に沿う直線に対して傾斜する(左側へ向かうほど案内開口A614との間隔が短くなる態様で傾斜する)。そのため、傾斜突部A618に球が当接する位置は左右位置が違っても同一というものではなく、形状維持範囲A618aに当接する球の部位よりも、形状変化範囲A618bに当接する球の部位の方が、開閉板A641に近い側の部位(下端部寄りの部位)とされる。
そのため、傾斜突部A618により球が前方に寄せられる程度は、形状維持範囲A618aよりも、形状変化範囲A618b(の下流側)に向かう程に小さくされることになる。即ち、開閉板A641上を前後に蛇行しながら蛇行する球に対する傾斜突部A618の影響度合いは、形状維持範囲A618aに近い側、即ち形状変化範囲A618bの右端側において最大となり、下流側へ向かう程に小さくされるため、球の蛇行の度合いを下流側へ向かうほどに激しくする流下態様を構成することができる。
なお、本実施形態では上述したように傾斜突部A618の形状を設定したが、傾斜突部A618の形状は上述した対応に限られるものではなく、種々の態様から選択することが可能である。正面視で長手方向が直線方向で想定される棒状部として形成されるばかりではなく、湾曲線(波形状)に沿って形成される突条形状としても良い。
例えば、傾斜突部A618を左右反転させた形状としても良い。この場合、開閉板A641の上面を転動する場合の球の蛇行の度合いを下流側へ向かう程に抑制させる流下態様を構成することができるので、第2入賞口H640へ球を滑らかに案内させることができる。
また、例えば、傾斜突部A618が案内開口A614の長手方向に沿って延びる態様ではなく、案内開口A614の長手方向と交差する方向に延びる態様で形成されても良い。この場合において、傾斜突部A618の右側部では球の中心よりも下側に当接する一方で、下流側における傾斜突部A618の左側部では球の中心よりも上側に当接する態様で延設されても良い(即ち、減速突部A616の中間部近傍と交差する態様)。この場合、下流側における球との当接により、球に対して下向きの力を与えることができ、開閉板A641に対する球のバウンドを抑制させることができる。
これに対して傾斜突部A618を左右反転させた形状としても良い。即ち、傾斜突部A618の右側部では開閉板A641の上面に当接する球の中心よりも上側に当接する一方で、下流側における傾斜突部A618の左側部では球の中心よりも下側に当接する態様としても良い。
この場合、傾斜突部A618の右端側の部位と開閉板A641との上下間隔を長く確保することができるので、傾斜突部A618により前方へ寄せられた球が開閉板A641に当接し難く構成し易い。更に、傾斜突部A618の下面に対する法線が右下を向くことから、傾斜突部A618の下面から球が受ける力は開閉板A641の上面に押し付けられる方向となる。これにより、開閉板A641上を転動する球を効率的に減速させることができると共に、開閉板A641上における球のバウンドを効率的に抑制することができる。
カバー部材A630は、光透過性の樹脂材料から形成されており、ベース部材A610の板状本体A611と共に球の流下経路の前後側面を形成する板状本体A631と、その板状本体A631から背面側へ延設され球の流下経路を形成する延設形成部A632と、ベース部材A610の減速凹部A613の前方位置に対応して板状本体A631から背面側に突設形成される複数の減速突部A633と、ベース部材A610に形成される案内開口A614と突設部A615との間の位置において板状本体A631から背面側に突設形成され、突設部A615の長手方向に対して平行に延びる突条として形成される突条部A635と、ベース部材A610の減速突部A616に対応して板状本体A631から背面側に突設形成される減速突部A636と、ベース部材A610の減速突部A617に対応して板状本体A631から背面側に突設形成される複数の減速突部A637と、を備える。
板状本体A631は、電動役物A640aの開閉板A641の前端部が進入可能となるように開閉板A641の前方側において(非貫通)凹設形成される受入凹部A631aを備える。
なお、受入凹部A631aは、本実施形態では、板状本体A631の正面側に貼り付けられる装飾シートで塞がれることで非貫通とされる態様で構成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、受入凹部A631aが貫通形成されても良い。受入凹部A631aが貫通形成される場合、正面側から受入凹部A631aを通した後方側の視認性が良くなるため、開閉板A641が損傷していることを気付かせ易くすることができる。これにより、メンテナンス時期が到来していることや、予期せぬ不具合(隙間からピアノ線等を進入させて開閉板A641の干渉突部A641bに無理な荷重をかけて無理に開放状態(張出状態)とさせる不正行為の発生等)が生じていることに、気づかせ易くすることができる。
延設形成部A632は、後方側に開放形成されておりベース部材A610と共同で球の流下経路を構成するものであって、球を後方に排出する排出経路を構成する排出路形成部A632aと、その排出路形成部A632aに形成される傾斜形成部A632bと、ベース部材A610の板状本体A611の正面側において球の流下経路を構成する主経路形成部A632cと、その主経路形成部A632cの内側において入賞検出センサASC65を保持可能な大きさで凹設される保持部A632tと、入賞検出センサASC64を保持可能な大きさで凹設される保持部A632uと、を備える。
傾斜形成部A632bは、排出路形成部A632aの内側において、板状本体A631から背面側に突設形成されベース部材A610の上縁部を通して球を後方へ案内する傾斜面が後面に形成される。傾斜形成部A632bにより、排出路形成部A632aに球が進入した場合に、跳ね戻ることを回避して、図示しない球排出路を通して遊技機外部に排出させ易くすることができる。
なお、傾斜形成部A632bの形状は、排出路形成部A632a以外の箇所にも流用されている。本実施形態では、少なくとも球案内部A621の前方側においてカバー部材A630の背面側から同様の形状(傾斜面形状)が形成されており、上下方向に流下する球の流下方向を後方側へ向けるように作用して球案内部A621へ球を円滑に流下させることができる。
減速突部A636は、減速突部A616と互い違いになるように配置される。本実施形態では、配置の関係上、1本の突条として形成されている。なお、減速突部A636を複数形成するようにしても良い。特に、開閉板A641の左右幅が長くされる場合などは、減速突部A636が複数形成され得る。
減速突部A637は、減速突部A617と互い違いになるように配置される。流下経路が一直線ではなく90度方向を変えていることから、その流下経路における上流側位置と正面視で直角に交差し上下方向に沿う(傾斜する)縦長棒状の突部と、流下経路における下流側位置と正面視で直角に交差し左右方向に沿う(傾斜する)横長棒状の突部(正面視で傾斜突部A618に対して平行な方向に延びる突部)とを備える。
電動役物A640aは、開閉板A641、駆動ソレノイドA642、先端固定部材A643及び中間リンク部材A644を前方側から受け入れ可能となるように前方側が開放形成されておりベース部材A610の背面側に締結固定される受入箱部材A645と、開閉板A641と干渉しない範囲(開閉板A641の下側の範囲)において受入箱部材A645の開放形成部分(開閉板収容部A645aよりも下側の部分)を閉塞するように受入箱部材A645に締結固定される前カバー部材A646と、を備える。受入箱部材A645と前カバー部材A646に、前後から挟まれることで駆動ソレノイドA642の位置が固定される。
受入箱部材A645は、開閉板A641が収容される開閉板収容部A645aが、開閉板A641の形状に対応する断面形状で前後方向に凹設されていることで、開閉板A641を前後方向で受入可能に構成され、開閉板A641の変位中における姿勢変化を抑制可能に構成される。
受入箱部材A645の開閉板収容部A645aは、その断面形状から、開閉板A641を前傾方向に姿勢変化させる方向の荷重を受けた場合に、その姿勢変化を抑制する(復帰させる)。即ち、本実施形態では、開閉板A641の姿勢変化を抑制するための形状部がベース部材A610側において形成されている。
このように構成することで、開閉板A641の姿勢変化を抑制するという作用は生じさせつつ、カバー部材A630に凹凸形状が形成される領域を狭めることができるので、カバー部材A630を介して球の流下経路を視認する場合における流下経路の視認性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、開閉板A641の姿勢変化を抑制するための構成として開閉板収容部A645aを設計したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A641の閉鎖状態(退避状態)においては後傾姿勢とさせ、開放状態(張出状態)に変化する際に前傾させるように開閉板収容部A645aを構成しても良い。
この場合、閉鎖状態(退避状態)では、開閉板A641の動作先端部(対向部A641c)が傾斜突部A618側に寄せられることで、傾斜突部A618よりも下方側へ流下する球との衝突を避け易くすることができる。
更に、開閉板A641を閉鎖状態(退避状態)から開放状態(張出状態)へ変化させる動作における傾倒動作によって開閉板A641と傾斜突部A618との間隔が広げられるため、間隔が維持された状態で動作される場合に比較して、擦れの発生を抑制し、動作抵抗が増大する事態を未然に避けることができる。
仮に開閉板収容部A645aで開閉板A641の傾倒を支持しきれない状況が生まれたとしても、開閉板A641の干渉突部A641bが受入凹部A631aに受け入れられることで開閉板A641の過度な傾倒が抑制されるため、開閉板A641の動作の再現性を高めることができる。
前カバー部材A646は、中間リンク部材A644の回転軸部A644bを回転可能に支持する受入箱部材A645の支持凹部に蓋(栓)をする脱落防止突部A646aを備える。
図548(a)は、電動役物A640aの正面図であり、図548(b)は、図548(a)の矢印B13b方向視における電動役物A640aの斜視図である。矢印B13b方向は、電動役物A640aの開閉板A641の転動面(上面)に対して垂直な方向(駆動ソレノイドA642の駆動方向AD64aに対して垂直な方向)として図示される。
図548(a)及び図548(b)では、電動役物A640aの開閉板A641、駆動ソレノイドA642、先端固定部材A643及び中間リンク部材A644が図示され、受入箱部材A645及び前カバー部材A646の図示は省略される。なお、図548(a)及び図548(b)の説明では、図545、図546及び図547を適宜参照する。
電動役物A640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板A641の開閉動作により生じる。本実施形態では、駆動ソレノイドA642により、ベース部材A610の板状本体A611の後側面と平行な方向(斜め左下方向)である駆動方向AD64aに直動変位される先端固定部材A643の変位量に対応して中間リンク部材A644が回転軸部A644bを中心に回転動作され、その中間リンク部材A644の回転動作に対応して開閉板A641が前後方向と平行な方向である変位方向AD64bに直動変位される。
即ち、駆動ソレノイドA642の変位と開閉板A641の変位とは中間リンク部材A644を介して対応しており、駆動ソレノイドA642の変位の方向である駆動方向AD64aと、開閉板A641の変位方向AD64bとは、図548(b)の紙面(矢印B13b方向視)において直角に交差する。
図549(a)及び図549(b)は、図548(a)の矢印B13b方向視における開閉板A641、中間リンク部材A644、駆動ソレノイドA642及び先端固定部材A643の分解図である。図549(a)及び図549(b)では、組立状態(図548(b)参照)において上下に重ねて配置される開閉板A641、中間リンク部材A644、駆動ソレノイドA642及び先端固定部材A643について、説明の便宜上、重ならない位置まで前後方向にずらした状態で図示される。
図549(a)では、電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)における開閉板A641、中間リンク部材A644、駆動ソレノイドA642及び先端固定部材A643が図示され、図549(b)では、電動役物A640aの開放状態(張出状態)における開閉板A641、中間リンク部材A644、駆動ソレノイドA642及び先端固定部材A643が図示される。
開閉板A641は、有色(本実施形態では黄色)不透明の樹脂材料から形成され、左方へ向けて下降傾斜する姿勢で配設される転動面形成部A641aと、その転動面形成部A641aの下流側端の前側端部において垂直方向上側へ向けて突設形成される干渉突部A641bと、その干渉突部A641bよりも右側においてカバー部材A630の板状本体A631に前後方向で対向配置され転動面形成部A641aの前側部として板状本体A631の後面に対して非平行な方向に延びるように形成される対向部A641cと、その対向部A641cと干渉突部A641bとの間において凹設方向の湾曲部として形成される凹設湾曲部A641dと、転動面形成部A641aの上面から上方に略矩形状に突出形成される突出形成部A641eと、その突出形成部A641eの内側において下方側から左右に長い略矩形状で凹設形成される案内凹部A641fと、転動面形成部A641aの上面に対して直角な方向に突設される一対の突設部A641gと、を備える。
開閉板A641は、動作方向(前後方向)と交差する方向(図549紙面左右方向)に沿って、幅広部(対向部A641cが形成される部分)、幅狭部(凹設湾曲部A641dが形成される部分)、幅広部(干渉突部A641bが形成される部分)が順に構成される。これにより、開閉板A641上を球が転動している場合に開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)に切り替えられた場合において、球が開閉板A641上から脱落する位置を凹設湾曲部A641d近傍に集めることができる。
これにより、突設部A615の下方側における球案内部A621として、左側の球案内部A621に球が案内され易くすることができるため、右側の球案内部A621については形成を省略しても問題なく遊技を行うことができる。
本実施形態では、開閉板A641の上面を形成する転動面形成部A641aが平面形状を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。凹設湾曲部A641d近傍に球を集める目的からすると、凹設湾曲部A641dを基準として、その左右側が所謂谷折りとなるように屈曲形成されても良い。この場合において、凹設湾曲部A641dよりも左側(干渉突部A641bが形成される側)の上面の傾斜については、左下へ延びる傾斜であることは維持する(右下へ延びる傾斜とまではしない)場合には、球の減速が過大となって入賞検出センサASC64への案内が阻害されることを防止できる。
本実施形態では、右側の球案内部A621を敢えて形成することで、仮に左側の球案内部A621で球詰まりが生じた場合であっても、右側の球案内部A621から球を排出可能となっているので、開閉板A641の下方側に球が滞留して、積み上がった球が開閉板A641の動作に影響を与える(動作不良を生じさせる)事態を避けることができる。
突出形成部A641eは、開閉板A641の左右幅の中心位置に対して左右対称の略矩形状に形成される。突出形成部A641e及び一対の突設部A641gは、開閉板収容部A645aの内側面と対向配置される部分であって、開閉板A641に前傾方向や左右方向の姿勢変化が生じた場合であっても、開閉板収容部A645aとの当接により姿勢変化が抑制されるように作用する。
案内凹部A641fは、中間リンク部材A644の先端側突設部A644cの直径よりも若干長い前後幅で形成される横長の溝状凹部である。この溝状凹部は、機能的には先端側突設部A644cが移動する左右幅において形成されれば十分であるが、先端側突設部A644cが移動し得る左右幅よりも左側に延長して形成されている。これにより、突出形成部A641eの肉厚を均一とし樹脂成形の歩留まりを向上させると共に、開閉板A641の軽量化を図ることができる。
中間リンク部材A644は、図549(a)及び図549(b)紙面(矢印B13b方向視)において略雫形状の本体部A644aと、その本体部A644aの表裏面から同一直線上において円柱形状で突設される一対の回転軸部A644bと、その回転軸部A644bを中心とする本体部A644aの回転先端側において表側に円柱形状で突設される先端側突設部A644cと、その先端側突設部A644cと回転軸部A644bとを結ぶ直線から離れた位置において本体部A644aの裏側に円柱形状で突設される離間突設部A644dと、を備える。
回転軸部A644bは、受入箱部材A645及び前カバー部材A646に回転可能に支持され、先端側突設部A644cは、開閉板A641の案内凹部A641fに受け入れられ、離間突設部A644dは、先端固定部材A643の受入凹部A643bに受け入れられる。先端固定部材A643が駆動方向AD64aに動作されることにより、中間リンク部材A644が回転変位され、開閉板A641が前後方向に変位される。
駆動ソレノイドA642は、プランジャー先端部A642aがコイルスプリングA642bにより付勢されており、プランジャー先端部A642aに先端固定部材A643が嵌合固定されている。
先端固定部材A643は、右端部においてプランジャー先端部A642aを前方側から受け入れ可能に縦長の溝形状で開放形成される溝状受入部A643aと、左端部において中間リンク部材A644の離間突設部A644dを前方側から受け入れ可能な大きさで前方側および上方側が開放形成される受入凹部A643bと、を備える。
電動役物A640aの組立は、受入箱部材A645に、先端固定部材A643を固定した状態における駆動ソレノイドA642を配設した後で、先端側突設部A644cを受け入れた状態の開閉板A641を中間リンク部材A644と共に受入箱部材A645に配置して(この際に、離間突設部A644dが先端固定部材A643に受け入れられるように位置を調整して)、前カバー部材A646を受入箱部材A645に締結固定することで回転軸部A644bを回転可能に支持する。
電動役物A640aの開閉動作について説明する。電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)では(図549(a)参照)、駆動ソレノイドA642が非励磁とされ、コイルスプリングA642bの付勢力により先端固定部材A643が変位可能範囲の左端側における付勢位置AX01に付勢される。この状態において、中間リンク部材A644の先端側突設部A644cが回転軸部A644bよりも後方側の後方位置AY01に位置され、開閉板A641が変位可能範囲の後端側に位置される。
これに対し、電動役物A640aの開放状態(張出状態)では(図549(b)参照)、駆動ソレノイドA642が励磁され、コイルスプリングA642bの付勢力を上回る駆動力により先端固定部材A643が変位可能範囲の右端側における駆動位置AX02に変位される。この状態において、中間リンク部材A644の先端側突設部A644cが回転軸部A644bを中心として回転変位されることで回転軸部A644bよりも前方側の前方位置AY02に位置され、開閉板A641が変位可能範囲の前端側に位置される。
駆動ソレノイドA642の励磁が解除される(非励磁にされる)と、コイルスプリングA642bの付勢力により先端固定部材A643が再び付勢位置AX01に向けて変位され、閉鎖状態(退避状態)に戻る。このように、電動役物A640aの開閉動作は、駆動ソレノイドA642の励磁と非励磁とを切り替えることで実行可能とされる。
図545、図546及び図547に戻って説明する。電動役物A640aの開放状態(張出状態)では、開閉板A641がベース板A60の前面よりも前方側に張り出すことで、開閉板A641の上面を遊技球が転動可能となり、その転動した遊技球が第2入賞口H640へ入球可能となり、電動役物A640aが閉鎖状態の時は、開閉板A641がベース板A60の前面よりも後方側に退避され、遊技球を第2入賞口H640まで橋渡しすることができなくなることで遊技球が第2入賞口H640に入球し難くなるように構成される。
なお、電動役物A640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化が前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる例として、電動役物A640aの下方に第2入賞口H640が配置され、電動役物A640aが開放状態の時に開閉板が後方に退避され、電動役物A640aが閉鎖状態の時に開閉板が前方に張り出すように構成しても良い(可変入賞装置A65のような構成としても良い)。即ち、電動役物A640aが開放状態の時は、開閉板がベース板A60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口H640側へ入球可能となり、電動役物A640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口H640との間を塞ぐことで球が第2入賞口H640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成されるようにしても良い。
また、電動役物A640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物A640aが開放状態の時は、開閉板の上面に拾われた遊技球が第2入賞口H640に案内され易く、電動役物A640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口H640との間を塞ぐことで球が第2入賞口H640に入球し難くなるように構成することができる。
可変入賞装置A65は、案内開口A612を通り前後方向に進退動作可能な可動板A651と、その可動板A651を駆動させる駆動ソレノイドA652と、開閉板A651及びソレノイドA652を前方側から受け入れ可能となるように前方側が開放形成されておりベース部材A610の背面側に締結固定される受入箱部材A655と、開閉板A651と干渉しない範囲(開閉板A651の下側の範囲)において受入箱部材A655の開放形成部を閉塞するように受入箱部材A655に締結固定される前カバー部材A656と、を備える。
開閉板A651は、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、駆動ソレノイドA652が非励磁の状態において前方側に張り出す可変入賞装置A65の張出状態(閉鎖状態)では、特定入賞口H65aへの入球が防止され、駆動ソレノイドA652が励磁された状態において後方に退避する退避状態(開放状態)では、特定入賞口H65aへの入球が許容される。
開閉板A651上を転動する球の流下経路の手前側には、カバー部材A630の減速突部A633が位置する。減速凹部A613とは違い、減速突部A633の上下幅は球の直径よりも小さくされる。これにより、開閉板A651上を球が転動する場合に、球が減速突部A633により隠されて(見え難くされて)、遊技者が球の位置を把握できなくなる事態を避けることができる。
第1電飾基板A660は、延設形成部A632で縁取られる領域よりも下側の箇所において光を照射可能なLED等の複数の発光部A661を有しており、カバー部材A630に締結固定される。
図550は、図547のB11m-B11m線における第2球流下構造体A600の部分断面図であり、図551は、図547のB12m-B12m線における第2球流下構造体A600の部分断面図であり、図552は、図547のB12m-B12m線における第2球流下構造体A600の部分断面図であり、図553(a)及び図553(b)は、図547のB14a-B14a線における第2球流下構造体A600の部分断面図である。
図550及び図551では、閉鎖状態(退避状態)とされた電動役物A640aが図示され、開放状態(張出状態)における開閉板A641の外形が想像線で図示される。図552では、開放状態(張出状態)とされた電動役物A640aが図示される。図553(a)では、電動役物A640aが閉鎖状態(退避状態)とされており、図553(b)では、電動役物A640aが開放状態(張出状態)とされている。
図547のB14a-B14a線は、延設形成部A632により形成される流路幅の中央位置を通る平面を示すものであり、以下では、傾斜突部A618に当接する直前において、この平面上を球の中心が通ると仮定して説明を行う。
図550に図示されるように、開閉板A641の対向部A641cは、閉鎖状態(退避状態)において、先端部(右側端部)がベース部材A610の板状本体A611の前側面が位置する第1前後位置AY11よりも前方に張り出している。これにより、対向部A641cの前端部を左右方向に対して傾斜させながら、変位量が増大されることを回避している。
通常、電動役物の開閉板の前端部は第1前後位置AY11よりも後方に退避される。開閉板の前端部がカバー部材A630の後側面に対して平行な場合には、第1前後位置AY11よりも後方側に退避される閉鎖状態(退避状態)における開閉板の前端部の位置と、開放状態(張出状態)において張り出す開閉板の前端部が位置する第2前後位置AY12とは、左右位置が異なっても同一であって、開閉板は前後方向距離AR01のストロークで変位される。
ただし、開閉板の前端部が平行な場合、張り出し動作時にカバー部材A630との間で球を挟み込む事象が発生した場合において、その球が、開閉板が退避動作するまで停留し、球が滞留する事態が生じ得る。
この場合、開閉板に局所的に過大な負荷(例えば球の中心位置の若干下側に開閉板の先端が食い込むように球を挟んでいる場合、開閉板の先端部に下向きの負荷)がかかり破損する可能性がある。また、球が滞留した状態で開閉板の開放時間が徒過し、開閉板が開放状態(張出状態)に制御される期間において球が第2入賞口H640に適切に案内されない事態が生じ得るため、遊技者にとって不利益を生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、開閉板A641の対向部A641cが板状本体A631の後側面に対して非平行である延設方向AD64cに延びる形状(互いの延長線が交差する形状)で形成していることで、挟まった球に対して対向部A641cから加えられる荷重が、前後方向の成分のみではなく、前後方向に対して傾斜した方向(延設方向AD64cと直角に交差する方向)の成分も有するため、開閉板A641と板状本体A631との間に球が挟まった場合であっても、球をスムーズに下流側に流すことができ、球の停留を早期に解除することができる。
この作用を促進させる目的から、図550紙面上に図示されるように、開閉板A641の対向部A641cの前方側(正面視で重なる範囲)の板状本体A631の後側面における減速突部A636等の凹凸部の形成が省略される。即ち、開閉板A641の対向部A641cの前方側(正面視で重なる範囲、図550紙面上の範囲)においては、板状本体A631の後側面を平滑な面として形成し、球の流下抵抗を低減させるように構成される。
これは、図551紙面上に図示されるように、傾斜突部A618の前方側(正面視で重なる範囲)の板状本体A631の後側面においても、同様であり、減速突部A636等の凹凸部の形成が省略される。即ち、開閉板A641の対向部A641cの前方側(正面視で重なる範囲、図550紙面上の範囲)においては、板状本体A631の後側面を平滑な面として形成し、球の流下抵抗を低減させるように構成される。
特に、傾斜突部A618に対して上側(開閉板A641が配設される側とは反対側)にずれた位置において減速突部A636が形成されていることから(図547参照、図551において想像線で図示)、傾斜突部A618に当接して傾斜突部A618を球の中心が下方に通り過ぎる態様で左方に流された球については球の流下抵抗を低減させる一方で、傾斜突部A618に当接した後で開放状態(張出状態)における開閉板A641の上面を転動することで傾斜突部A618の上側に球の中心が位置する態様で流下する球については減速突部A636により球を減速させることでイレギュラー入賞の発生の抑制を図ることができる。
この球の減速は、傾斜突部A618と重なる位置において減速突部A616が形成されていることによっても実現される。減速突部A616は、傾斜突部A618の形状維持範囲A618aにおける前方への突設長さと同程度(若干超える長さ)の突設長さで形成されているため、傾斜突部A618と当接した後で開放状態(張出状態)における開閉板A641の上面を転動する球に当接し得る。
また、入賞検出センサASC64に近づく程(即ち、下流側へ向かう程)傾斜突部A618の突設長さが短くされる一方で、複数の減速突部A616は、上流側か下流側かに因らず同様の突設長さで突設されているので、減速突部A616の球との干渉の度合いは、下流側ほど強くなる。
即ち、開閉板A641の上面を転動する球の前後位置は傾斜突部A618と当接する範囲において傾斜突部A618により前方側に寄せられるところ、上流側(図551右側)の減速突部A616と当接する場合には、減速突部A616と傾斜突部A618とが重なっている関係で減速突部A616の突設先端における前後幅AW01と球とが当接する事象が生じるに過ぎない一方で、下流側(図551左側)の減速突部A616と当接する場合には傾斜突部A618との重なりが生じていない関係で減速突部A616の前後幅AW02(突設長さ全体)が球との当接が生じる範囲となる。
このように、開閉板A641の転動面(上面)を傾斜突部A618、減速突部A616及び減速突部A636に当接しながら流下する球を減速させる作用は、上流側ではほどほどとし、下流側ほど強くなるように構成されており、球の速度を徐々に落とすことが可能となっており、イレギュラー入賞の発生の抑制を図ることができる。
更に、上流側において球同士の衝突が生じて高速で弾き飛ばされた球と減速突部A616とが衝突する場合であっても、上流側における減速度合を小さく設定することで、高速な球を急激に減速させることによる破損が生じることを避け易くすることができる。これにより、イレギュラー入賞の発生の抑制を、長期にわたり実現させることができる。
ここで、開閉板A641の前端部を傾斜させる場合に生じる課題について例示する。開閉板A641の対向部A641cを板状本体A631に対して非平行とする場合、閉鎖状態(退避状態)において開閉板A641の対向部A641cの前端部(右端部)を第1前後位置AY11よりも後ろに位置させるようにすると(図550において想像線で図示)、開閉板の前端部を板状本体A631に対して平行とする場合と同様に、板状本体A611の手前側を流下する球と開閉板A641との衝突を避けられる。
一方で、開放状態(張出状態)においては前端部における凹設湾曲部A641d(板状本体A631との間隔が最も長い側)を十分に張り出させることで、開閉板A641と板状本体A631との前後隙間からの球の零れが生じないようにする必要から、開閉板の前端部が板状本体A631に対して平行とされる場合のストローク(前後方向距離AR01)よりも、開閉板A641の動作に必要なストローク(前後方向距離AR02)が長く必要となる。
即ち、閉鎖状態(退避状態)においてベース部材A610の板状本体A611の前面よりも後方側に退避させる前端部の位置は、傾斜による張出側(対向部A641cの右端側)で設定し、開放状態(張出状態)において張り出した前端部の位置は傾斜による奥側(凹設湾曲部A641d)で設定する必要があるので、前端部が平行な場合に比較して、開閉板A641の開閉動作に必要となる変位量が、傾斜部分の前後長さの分だけ増加される。
開閉板A641の動作ストロークが長くなると、駆動装置からリンク機構を介して動作させる構造を流用することができず、構造の変更が要求されるため、設計変更にコストがかかる。
例えば、駆動ソレノイドA642の可動幅は同じものを流用し、中間リンク部材A644の形状を変える場合、開閉板A641と連結される側の腕長さ(回転軸部A644bと先端側突設部A644cとの間の距離、図549(a)参照)が長くされるので、駆動ソレノイドA642側が受ける負荷が大きくなる。即ち、開閉板A641側から中間リンク部材A644を介して駆動ソレノイドA642に伝達される負荷が大となり、駆動ソレノイドA642に過大な負荷が生じ得るし、同様に、開閉板A641を駆動させるために必要な駆動力も増加される。
加えて、イレギュラー入賞を避ける観点から、閉鎖状態(退避状態)と開放状態(張出状態)とを切り替える速度(開閉速度)が従来通りに高速であることが必要とされるので、開閉板A641の動作ストロークが長くなることで更なる高速化が求められ、駆動ソレノイドA642にかけられる負荷が増大され、場合によってはソレノイドの大型化(高性能化)が求められる事態となり、コスト増を避けられなくなるという問題が生じる。
これに対し、本実施形態では、図550に図示されるように、閉鎖状態(退避状態)において開閉板A641の対向部A641cを板状本体A611の前側面よりも(第1前後位置AY11よりも)前方に若干張り出させることで、開閉板A641の変位量の増加分を相殺させることができる。
即ち、動作ストロークの増加分を相殺させるために十分な距離を測定し、その距離(前後方向距離AR02と前後方向距離AR01との差である距離)だけ、閉鎖状態(退避状態)において開閉板A641の先端部のうち前端側(対向部A641cの右端側)を第1前後位置AY11よりも前側に張り出した位置とすることで、開閉板A641の動作ストロークが長くなることを回避できる。動作ストロークが長くなることを回避できれば、ソレノイドの大型化(高性能化)をする必要は無く、従来通りの駆動機構を利用でき、製造コストを低減することができる。
一方で、閉鎖状態(退避状態)において開閉板A641の先端部のうち、第1前後位置AY11よりも前方に位置する範囲と、第1前後位置AY11よりも後方に位置する範囲とが形成され得ることになり、第1前後位置AY11よりも前方に位置する範囲と正面視で重なる位置を球が上下方向に流れる場合、球が閉鎖状態(退避状態)における開閉板A641の先端部に衝突し、破損を早める可能性がある。即ち、開閉板A641が張り出して、上面視で露出している場合、そのままでは当然に球が衝突し得るため破損が早まる。
これに対し、図551に図示されるように、開閉板A641の上方において張出形成される傾斜突部A618が、開閉板A641が板状本体A611の前側面(第1前後位置AY11)よりも前方に張り出した部分と矢印B13b方向視で重なるように形成される。これにより、傾斜突部A618が庇のように作用するので、開閉板A641の真上から落下する球は傾斜突部A618に弾かれて、開閉板A641との衝突が抑制される。
即ち、球の開閉板A641への衝突を避けるための傾斜突部A618を設けた。目的から、傾斜突部A618の形状は開閉板A641の先端部の張出部分の形状に対応した形状(矢印B13b方向視で重なる形状)とされる。これにより、傾斜突部A618が球の下方への流下を阻害することもなく(傾斜突部A618を形成していなくても開閉板A641が当接する箇所(矢印B13b方向視で開閉板A641と重なる範囲)であるため)、傾斜突部A618により開閉板A641を好適に球の衝突から防御することができる。
また、減速突部A617及び減速突部A637により蛇行される球が衝突する位置(形状変化範囲A618bの形状維持範囲A618a側の位置)においては、球との衝突が頻繁に生じ得ることから張出長さが大きくされており、一方で、形状変化範囲A618bの形状維持範囲A618a側とは反対側(左に逸れた位置)においては、開閉板A641の閉鎖状態(退避状態)においては、減速突部A637に衝突して大きく左方へ弾かれた球が生じた場合に衝突し得る程度であり、発生が稀なので、張り出し長さが抑えられている。即ち、傾斜突部A618の形状は、球が衝突するか否か、その程度(頻度)を考慮して位置や形状が設計されているともいえる。
このように、本実施形態では、庇として作用する傾斜突部A618を設けることで開閉動作される部材である開閉板A641の動作ストロークが長くなることを回避でき、駆動ソレノイドA642の大型化が必要となる事態を避けることができる。
傾斜突部A618は、上述のように開閉板A641に対する球の衝突を防止するという目的以外にも、遊技において有効活用される。例えば、傾斜突部A618は第2電飾基板A670からの光の通り道となっており、傾斜突部A618を介して光を視認させる演出を実行可能とされる。
上述したように、第2電飾基板A670からの光は、板状本体A611のシボ加工により拡散され、傾斜突部A618に向けて進行し、傾斜突部A618が明るく照らされる。これにより、庇として作用する傾斜突部A618に球が高頻度で衝突することで汚れが付着したり擦り傷が増えたりした場合であっても、遊技者に「右打ち」をさせて第2球流下構造体A600が注目されるタイミングにおいて傾斜突部A618が眩しく照らされるよう発光を制御することで細部(汚れや擦り傷など)を視認し難くすることで、傾斜突部A618の見映えが悪くなることを避けることができる。
また、開閉板A641の開放状態(張出状態)において、開閉板A641の上面を転動する球は傾斜突部A618の正面側に重なる位置を流下するため、傾斜突部A618を透過した光が正面視で視認(透過)される範囲(領域)は、球が開閉板A641の上面に到達していない状況においては一定である一方で、球が開閉板A641の上面に到達している状況においては球の変位に伴って変化される。即ち、球により光が遮蔽される範囲(領域)が球の変位に伴って変化される。
換言すれば、開閉板A641の上面を球が転動しているのか否かを、傾斜突部A618を透過した光が正面視で視認(透過)される範囲(領域)が変化しているか否かにより把握することができる。従って、球を凝視して球の位置を逐一確認する手間をかけずとも、傾斜突部A618を透過した光の視認態様の変化が生じたことを視認できれば、球が開閉板A641と当接する位置に到達し流下していることを把握することができるので、ガラスユニットH16に顔を接近させて球を凝視せずとも、遊技者は楽な姿勢で遊技を楽しむことができる。
「右打ち」遊技中における遊技者の心配事の主なものとして、球の発射不良が生じていないか、発射力調整が適切となっているか等が挙げられるが、傾斜突部A618近辺を視認して光が正面視で視認(透過)される範囲(領域)が変化したことが確認できれば、球の発射は良好に実施されており、発射力も適切であることが把握できるので、この両方について心配無く遊技を継続することができる。
一方で、傾斜突部A618近辺を視認して光が正面視で視認(透過)される範囲(領域)が変化しないことを把握できれば、球の発射不良が生じているか、発射力調整が不適切となっているか、少なくともいずれかの不良が生じていることを遊技者に予想させることができ、問題の解決を図るように促すことができる。そのため、遊技者は、遊技態様が不良のまま「右打ち」の時間を徒過することを避け易くなり、遊技者が予想外の不利益を受ける可能性を低くすることができる。
図553(a)及び図553(b)に図示されるように、傾斜突部A618と開閉板A641との間には開閉板A641の動作を阻害しない程度の隙間が開閉板A641の幅方向(開閉板A641の動作方向と交差する方向)に沿って形成されており、その隙間は、開閉板A641の開放状態(張出状態)でも閉鎖状態(退避状態)でも球の直径よりも小さくされる。これにより、球が開閉板A641と傾斜突部A618との間に挟まって動作不良を生じる事態を回避することができる。
図553(a)に図示されるように、上流側において前後側から形成される減速突部A617及び減速突部A637が形成されており、球は衝突しながら流下されることから、電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)において開閉板A641の前方側に到達するまでにおいて球は蛇行しながら流下する。
開閉板A641の前端部がベース部材A610の板状本体A611の前側面よりも前方に張り出す一方で、その上方側が開閉動作される部材の一部を覆う部位としての傾斜突部A618により覆われていることから、流下する球は傾斜突部A618に衝突し、開閉板A641への衝突が防止される。
傾斜突部A618は開閉板A641の上方側に配設されており、下方側には配設されていない。このように配設しても、下方から球が衝突する可能性は低く、又、仮に球が跳ね戻って下方側から開閉板A641に衝突した場合であっても重力により球の勢いが落とされているため開閉板A641に与える力が抑えられるため、開閉板A641の破損防止として十分に作用させることができる。
傾斜突部A618が開閉板A641の下方側には配設されていないことにより、球の蛇行する流下経路AFL61をコンパクトに形成することができること、及び減速突部A637の配置位置によって開閉板A641よりも上流側における球の流下経路を変化可能であることについて以下で説明する。
図554は、図553(a)の範囲B15mにおける第2球流下構造体A600の部分断面図である。図554では、流下する球の位置の一例が想像線で図示されており、仮定として配設される傾斜突部A618fの外形が想像線で図示される。
仮に、開閉板A641の下方側に、傾斜突部A618fを上下反転した形状の傾斜突部A618fが形成される場合、流下経路AFL61での流下とすると、球が流下する領域の幅が狭まることで球詰まりが懸念され、流下経路AFL61fとする必要が生じ、突設部A615や突条部A635の上下位置が下方側に下げられることになり、同様の蛇行感で球を流下させるために、開閉板A641の下方における延設形成部A632の主経路形成部A632cの下縁を下げる必要が生じる。即ち、開閉板A641の下流側に必要となるスペースを拡大する必要が生じる。
これに対し、傾斜突部A618が開閉板A641の下方側には形成されていないことで、開閉板A641の下方側において球が流下可能な領域を十分に確保することができ、球をベース部材A610側に寄せる上下位置を上側に寄せることができ、同様の蛇行感(前後変位の頻度)で球を流下させる場合であっても、開閉板A641の下方側に必要となる上下幅を短くすることができるので、電動役物A640aをより下方側に配置させることができる。これにより、電動役物A640aの配置の設計自由度を向上させることができる。
突設部A615や突条部A635は、開閉板A641の下方側の領域の左右幅に亘って形成される。これにより、球が開閉板A641の下方における主経路形成部A632cの下縁(底面)に着地する左右位置に関わらず、跳ね戻り球に対して突設部A615又は突条部A635のいずれかを当接させることができ、跳ね戻り球の到達位置(高さ)を抑制することができる。これにより、跳ね戻り球と開閉板A641との衝突が生じる可能性を低くすることができる。
突設部A615は当接した球を前方側へ変位させる態様で流下させ、突条部A635は当接した球を後方側へ変位させる態様で流下させる。開閉板A641の下流側において球が突設部A615又は突条部A635の少なくとも一方と当接するよう構成することにより、球が鉛直方向に自由落下して減速が不十分な状態で延設形成部A632に衝突する事態を避けることができる。これにより、延設形成部A632が球との衝突で割れる事態を回避することができる。
また、減速突部A637の配置を調整することで、球の流下経路を良好としても良い。例えば、減速突部A637の上下位置を上流側の減速突部A617側に寄せる(上側に移動させる)ことで、傾斜突部A618と減速突部A617との間の間隔を広げることができ、傾斜突部A618に当接して跳ね返った球が減速突部A617に衝突する事態を少なくでき、更に、傾斜突部A618に当接した後の球が傾斜突部A618の前方を流下する際の球の前後位置が後方寄りになることを避け易くすることができる。これにより、流下する球を閉鎖状態(退避状態)の開閉板A641の対向部A641cから離すことができ、開閉板A641と球との衝突を避けることができる。
例えば、減速突部A637の形成を省略しても良い。この場合、減速突部A637に当接した球が傾斜突部A618に向けて跳ね返る事態を回避できる。即ち、開閉板A641の手前側を流下する球をカバー部材A630に擦れる態様で流下させることにより、流下する球を開閉板A641の対向部A641cに接近させないようにすることができ、球が開閉板A641の対向部A641cと当接する事態を避けることができる。
また、カバー部材A630において突条部A635を板状本体A631とは別の部材から構成し、板状本体A631に嵌合により固定させるように構成し、その配置(球の当接位置)を調整できるように構成しても良い。
この場合、パチンコ機A10の設置態様が変化した場合における球の流下態様の調整を行い易くすることができる。これは、パチンコ機A10は、遊技ホールにおいて配置が入れ替えられることが通常であるところ、その入れ替えにより設置角度(寝かせの度合い)が変化する場合があることへの対策である。
即ち、設計時の設置角度では突条部A635に当接して跳ね返った球が開閉板A641に衝突しないとしても、遊技ホールにおいて設置角度が変化されると、突条部A635に当接して跳ね返った球が開閉板A641に衝突するという事態が生じ得るため、突条部A635の位置(上下位置)を遊技ホール側で調整できるように構成することで、開閉板A641への球の衝突を抑制できるように構成することを目的とする。
遊技ホールにおいては、突条部A635の配置を調整可能な範囲で自由に調整でき、跳ね返った球が開閉板A641に当たらない程度に突条部A635の位置を開閉板A641から離間する側(下方側)に変位させたり、突設部A615との間における経路幅が狭まりすぎないように開閉板A641に近接させる側(上方側)に変位させたりと、調整することができる。
即ち、遊技ホールでは、突条部A635で跳ね返った球が開閉板A641に衝突する頻度と、突条部A635と突設部A615との間の球の通り易さとのバランスを考慮した調整が可能とされる。
また、調整可能に構成する対象は、突条部A635のみに限られない。例えば、突設部A615についても同様に、板状本体A611とは別の部材から構成し、板状本体A611に形成される凹部に嵌合により固定させるように構成し、その配置(球の当接位置)を調整できるように構成しても良い。
突設部A615の態様は長手方向が設定される突条形状に限るものではなく、正面視円形となる態様(例えば、鋲、画鋲形状、リベット状部材)の複数の部材をそれぞれ嵌合により固定しても良い。嵌合の態様は、単純な凹凸嵌合でも良いし、凹凸形成部に互いに螺旋形状が形成され直動や回転動作によって嵌合される態様でも良い。互いに螺旋形状が形成される場合には、回転により板状本体A611に突設部A615を挿入させることになるが、その回転の度合いにより板状本体A611からの突設部A615の張出長さを変化させることができる。この場合において、板状本体A611からの張出長さは、0(張り出さない)から調整可能となっており、パチンコ機A10の寝かせ度合に対する対応が容易となる。
これにより、突設部A615の正面側を流下する球の流下態様を調整することができる。この場合において、突設部A615の先端の形状は、上述のような山形の断面形状でも良いし、先端側に板状本体A611の前側面と平行な平坦面が形成される形状でも良い。平坦面が形成される場合において、その平坦面の外縁が突設部A615の軸心から外側に張り出す態様でも良い。この場合、球との衝突位置を上下左右に広げることができる。
また、芯側において詰まった態様でも良いし、部分的に中空とされる態様でも良い。中空とされる場合には、板状本体A611側の凹部の形状が若干小さく(狭く)形成された場合であっても、中空部分が押しつぶされることで対応が可能となるので、板状本体A611や突設部A615の形状寸法の精度が低くても、嵌合により破損する事態を避け易い。
なお、上述した突設部A615の態様(正面視円形となる態様)は、突設部A615に限らず、他の部位に採用しても良い。例えば、減速突部A617に採用しても良い。この場合、傾斜突部A618の態様の変化(先端の破損や、脱落による形状の変化等)が生じたとしても、それに対応して減速突部A617の張出長さを変化させることにより、減速突部A617側から傾斜突部A618を経て開閉板A641近傍に到達する球の流下態様を、開閉板A641への衝突が生じ難い態様に調整することができる。
また、上述した突設部A615の態様(正面視円形となる態様)を、突設部A615及び減速突部A617の両方に採用しても良いし、いずれか一方に採用するようにしても良い。いずれか一方の調整ができれば、開閉板A641への球の衝突を幾分かは抑制できるし、両方の調整が可能に構成される場合に比較してメンテナンスに要する時間を短縮できることから、メンテナンスを容易とすることができる。
特に、突設部A615について言えば、突条部A635の調整により球の流下態様を十分調整可能であり、傾斜突部A618から離間する位置でもあることから、突設部A615は上述した態様(正面視円形となる態様)とはせず、減速突部A617のみに上述した態様(正面視円形となる態様)を採用しても良い。
図553に戻って説明する。図553(b)に図示されるように、電動役物A640aの開放状態(張出状態)では、球は、傾斜突部A618に当接し、開閉板A641の転動面形成部A641aの転動面(上面)に当接した後、その転動面上を転動面形成部A641aの正面視における傾斜に沿う方向(図553(b)の紙面手前側へ向かう方向)へ流下する。
図547のB14a-B14a線が傾斜突部A618の形状維持範囲A618aではなく形状変化範囲A618b内に位置することから、球は板状本体A611の前側面に対して傾斜する範囲における傾斜突部A618の前端部と当接する。そのため、傾斜突部A618に当接した球が傾斜突部A618から受ける反力は、形状変化範囲A618bにおいて傾斜突部A618に直角に交差する方向(傾斜する範囲と直角に交差する方向、即ち、図550に図示される延設方向AD64cに対して直角に交差する方向)へ向くことになるので、前方側へ向く成分だけではなく、左方側(図553(b)の紙面手前側)へ向く成分を有する。即ち、傾斜突部A618に当接した球に対して、初速として左方側へ向く成分の速度を付加することができる。
これにより、傾斜突部A618に当接した後において前後方向に蛇行する球は、前後方向の速度成分のみではなく、左方側へ向く速度成分も有する。このように、開閉板A641と板状本体A631との間に球が挟まる前から予め左方側へ向く速度成分を有していることにより、開閉板A641と板状本体A631との間に球が挟まる場合であっても、当接により球に付与される速度成分が互いに反していないため、球をスムーズに下流側に流すことができ、球の停留が発生することを抑制することができる。
また、これにより、傾斜突部A618に当接した後において、球が開閉板A641上で跳ねたり停留したりする事態を避け易くすることができ、球の開閉板A641の転動面形成部A641aの転動面上における流下を滑らかにすることができる。
また、これにより、開閉板A641の変位方向と交差する方向(厚み方向)に球から与えられる負荷を抑制することができ、開閉板A641の破損防止を図ることができる。即ち、電動役物A640aの開閉板A641の開放状態(張出状態)において、開閉板A641の上面に球が衝突した場合には球が跳ね得るところ、流下する球の速度のベクトルを予め開閉板A641の上面に対して垂直な方向(開閉板A641の動作方向に対して垂直な方向)以外の方向(開閉板A641の転動面に対して傾斜する方向)に向けさせることにより、球の跳ねを抑制することができる。
遊技領域における前後方向幅は、ベース板A60(図542参照)とガラスユニットH16(図540参照)との間隔(約19mm)に限定され、開閉板A641の転動面に対して設定可能な傾斜角度(鋭角の程度)に限界があるところ、左右方向への傾斜を含めることで、前後方向幅よりも長い傾斜面を構成することができ、より小さな傾斜角度を設定することで、流下する球の速度ベクトルと、開閉板A641の転動面との間の角度を、より小さく設定することができる。
これにより、球から開閉板A641に与えられる負荷の開閉板A641の板厚方向の方向成分をより小さくすることができるので、開閉板A641が板厚方向に折れる態様の破損を防止し易くすることができる。
傾斜突部A618の形状変化範囲A618bの前端部が傾斜形成されることにより、傾斜突部A618に衝突した球に対して、前後方向だけではなく、左右方向成分を有する荷重を付与することができるので、傾斜突部A618に対して上下方向で流下する球や開閉板A641の延設方向(左右幅方向)に対して鋭角の方向で流下する球に限らず、開閉板A641の延設方向に対して直角の方向で流下(図553(a)紙面上における流下、即ち、図547のB14a-B14a線上における流下)する球であっても、球の速度を転動下流側へ向けた速度に直すことができる。
これにより、傾斜突部A618の上流側の流下経路の設計自由度を向上させることができる。即ち、傾斜突部A618の上流側の流下経路を鉛直方向に沿う経路ではなく、右方に逸れるS字の経路として構成したとしても、球が右方へ逸れて落下する事態が生じる可能性を、傾斜突部A618との衝突により球に与えられる左右方向左向きの荷重によって低くすることができる。即ち、傾斜突部A618との衝突により球に左右方向の速度が付与されることで、傾斜突部A618に向かって流下する球の方向を鉛直方向に沿う方向とすることを不要とし、球の流下経路の設計自由度を向上させることができる。
傾斜突部A618は開閉板A641の代わりに球との衝突を受ける部分であるが、球からの勢いが大きい場合には破損が早まる。これに対し、本実施形態では、球を上下方向に一直線に落下させるのではなく、流下経路を蛇行(湾曲、屈曲)させていることにより球の流下速度を落とすことができ、衝突による傾斜突部A618の破損を防止することができる。
このように、傾斜突部A618に当接する前において予め球の流下速度を低下させることにより、傾斜突部A618を過度に分厚くすることを不要にできるので、球の流下経路が限定されることを避けることができる。
球の流下経路の蛇行は、減速突部A617や減速突部A637等による前後方向の蛇行のみならず、主経路形成部A632cの形成態様により、左右方向にも蛇行されている。傾斜突部A618へ向けてB14a-B14a線に沿って流下する球が、開閉板A641へ向けて鉛直方向に落とされるのではなく、開閉板A641の上面に対して垂直に交差する方向(図547のB14a-B14a線に沿う方向)で流下されるように構成されており、若干左右方向右側に戻されてから開閉板A641に到達し得る流下経路(略S字の経路)として設定されていることで、球の跳ねを抑えられ、円滑な流下を実現し、遊技球の第2入賞口H640へ詰まりなく入賞させることができる。
即ち、球の流下経路を、球が左右方向に流下するよう設計することで、球が縦に積まれて傾斜突部A618及び開閉板A641が受ける荷重(球の重力方向の荷重)が過大となるタイミングを減らすことができ、傾斜突部A618や開閉板A641が破損する事態を回避することができる。
また、単に球を左右方向に勢いよく流下させるだけでは、球同士の衝突により左右方向に跳ね飛ばされた場合にイレギュラー入賞を抑制し難い(開閉板A641が退避しているにもかかわらず跳ね飛ばされて飛翔した球が第2入賞口H640に入賞するイレギュラー入賞を想定、干渉突部A641bの形成が省略される場合には球がイレギュラー入賞し得る)。これに対し、左方側へ流下する経路を主としながら、傾斜突部A618の上流側において左右方向右側に戻される流下経路(S字の経路)で経路を構成することで、球を左右方向に揺動させることで、球の左方側向きの勢いが過大となることを抑制してイレギュラー入賞の元となる球の飛翔を避け易くすることができる。
なお、球の左右方向の速度が過大となることを抑制する目的としては、途中位置で複数回真下に流下させる階段状の流下経路を構成しても良いが、左右方向右側に戻される流下経路(S字の経路)とすることで、落下後着地時の球の勢いを左右方向に逃がすことができ、球の縦跳ねを抑制することができる。これにより、落下後着地時に球が暴れて、開閉板A641の上面と、当該上面と対向配置され流下経路の天井面を構成する部分における延設形成部A632の主経路形成部A632cとの間で球が複数回衝突して球の流下抵抗が増大する事態を避けることができ、球の流下を滑らかにさせることができる。
このような設計の関係上、傾斜突部A618に2球が同時に到達するような場合には、先行する球(下側の球)に対して後続の球(上側の球)の方が左側に位置することになり、先行する球に対して後続の球から付与される荷重の向きは入賞検出センサASC64から離間する向きとされる。
そのため、開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)とされている場合には先行する球は後続の球からの荷重により右下方向へ跳ね飛ばされ得るし、後続の球も先行する球に続いて流下する。また、開閉板A641が開放状態(張出状態)とされている場合には、先行する球が開閉板A641上に当接しながら後続の球からの荷重で右方に退けられたり、開閉板A641に当接する前において傾斜突部A618の前上面を滑って右方に退けられることで、開閉板A641の右下に配置される球案内部A621に入球されたりする。
そのため、本実施形態においては、2球の球が傾斜突部A618に同時に到達するような発射態様を避けることが好ましい。またこれにより、2球の球が略同時に(間髪入れずに連続で)第2入賞口H640に入球する事態を防止することができる。これにより、例えば、電動役物A640aが開放状態(張出状態)で維持される間における規定個数目(例えば10個目)に2球の球が略同時に入球することで生じる過入賞(オーバー入賞またはオーバーフロー)の発生を避け易くすることができる。
このように、球の流下は、傾斜突部A618よりも上流側では減速突部A617や減速突部A637等と当接して流下する図553(a)に図示されるS字経路であり、傾斜突部A618と当接した後は、傾斜突部A618の形状変化範囲A618bの前端部の傾斜によって、図553(a)に図示されるS字経路とも開閉板A641上面とも平行ではない方向(それらの間の角度とされる平面に沿う方向)に流下する。この流下は、入賞検出センサASC64側へ向く方向であり、球の流下を円滑とすることができる。
図552に図示されるように、傾斜突部A618に当接した後において球が開放状態(張出状態)の開閉板A641の転動面を下流側端部まで案内された場合、減速突部A616及び減速突部A636により蛇行されることにより転動経路AFL63で流下し、その球は入賞検出センサASC64を通過する。
開閉板A641の干渉突部A641bは、開放状態(張出状態)においてカバー部材A630の受入凹部A631aに受け入れられる。干渉突部A641bは転動面形成部A641aにより形成される転動面よりも上方へ向けて突設形成されているため、受入凹部A631aに収まり切る(後端面が板状本体A631の後側面よりも前方側に位置される)方が、球の通過経路の幅(前後幅)を確保し易いという点では有利である。
これに対し、本実施形態では、開閉板A641の開放状態(張出状態)において、干渉突部A641bは、カバー部材A630の受入凹部A631aに収まり切らず、板状本体A631の後側面よりも後方側にはみ出すように形成される。そのため、球が案内される通路である転動経路AFL63を流下する球は、干渉突部A641bの作用で後方側に寄せられることで、入賞検出センサASC64の中心側に案内され、滑らかに流下される。
一方、傾斜突部A618に当接した後において球が開放状態(張出状態)の開閉板A641の転動面を下流側端部まで案内される前において開閉板A641が開放状態(張出状態)から閉鎖状態(退避状態)に切り替えられた場合において、球の中心が干渉突部A641bの上先端部に対して入賞検出センサASC64側に位置する場合、開閉板A641が開放状態(張出状態)から閉鎖状態(退避状態)に切り替えられる過程において干渉突部A641bにより球が入賞検出センサASC64側に押し込まれる。干渉突部A641bは入賞検出センサASC64の中心側に張り出していることから(図551参照)、入賞検出センサASC64側に案内された球が逆流することを防止することができる。
一方、球の中心が干渉突部A641bの上先端部に対して入賞検出センサASC64の反対側に位置する場合、球は入賞検出センサASC64の手前側(図551の紙面右側)において落下し、入賞検出センサASC64を通過せず、下方へ流下(落下)する。
特に、干渉突部A641bの真後ろに球の中心が位置している(球が干渉突部A641bと十分に近接している)場合には、後方へ変位する干渉突部A641bに当接した球が押し上げられる場合がある。この場合、閉鎖動作期間中において延設形成部A632と干渉突部A641bとの間に球が挟まることで開閉板A641の動作が阻害され、球が挟み込まれた状態が維持されると、次の開放動作により開閉板A641の上面を球が流れることで遊技を継続できる可能性はあるものの、次の開放動作が生じるまでは球が挟まれた状態が維持されることとなり、次の開放動作が一定期間生じない場合(例えば、時短における最後の開閉動作で球が挟まれた場合)には、球排出エラーが実行され、遊技者を驚かす事態となる。
このような事態を起こさないために、開放動作を、球を入賞検出センサASC64まで案内可能な長さの長開放と、その長開放よりも短い短開放との組合せで実行し、長開放の後に短開放が必ず生じるように設定する(長開放で開放動作が終了される場合が無いように設定する)ことで、一回の開放動作の中で球挟みを解除できるように構成しても良いが、制御が複雑となるし、駆動ソレノイドA642の劣化を早める可能性も考えられる。
これに対し、本実施形態では、干渉突部A641bの上方において延設形成部A632の空間形成部A632eが上に突の形状で湾曲形成されていることから(図547参照)、空間形成部A632eにより球が進入可能な空間が形成されているので、延設形成部A632と干渉突部A641bとの間に球が挟まることで開閉板A641の動作が阻害されたり、球詰まりが生じたりする事態を回避することができる(空間形成部A632eに球を逃がすことで開閉板A641の動作を良好にさせることができる)。
上述のように、傾斜突部A618に当接した後において球が開放状態(張出状態)の開閉板A641の転動面を下流側端部まで案内される前において開閉板A641が開放状態(張出状態)から閉鎖状態(退避状態)に切り替えられた場合において、入賞検出センサASC64に到達せずに(図551の紙面右側の位置を)落下し、入賞検出センサASC64を通過せず、下方へ流下(落下)する球は、干渉突部A641bの右側面に沿って凹設湾曲部A641dの前方側を流下する。ここで、凹設湾曲部A641dがカバー部材A630との間隔が広くなる側に凹設形成されているため、球が開閉板A641とカバー部材A630との間をスムーズに流下(落下)されることとなり、球詰まり等の不具合が生じる可能性を減らすことができる。
入賞検出センサASC64の開口方向は、重力方向に沿う上下方向としても良いし、開閉板A641の転動面形成部A641aの幅方向(開閉板A641の上面を転動する球の正面視における流下方向、本実施形態では駆動方向AD64a(図548(a)参照)と同じ方向)に平行な方向としても良い。前者の場合、球の自重を効率的に使えることで入賞検出センサASC64において球詰まりが生じることを回避し易く、後者の場合、開閉板A641上を転動する球の勢いを活用することで入賞検出センサASC64へ滑らかに球を入球させることができる。
これに対し、本実施形態では、入賞検出センサASC64の開口方向が、開閉板A641の上面が延びる方向(開閉板A641の転動面形成部A641aの幅方向(開閉板A641の上面を転動する球の正面視における流下方向))に対して平行な方向よりも、斜め上向きとなる方向(交差する方向、正面視において反時計回り側にずれた方向)とする姿勢で配設される。換言すれば、開閉板A641の上面と入賞検出センサASC64の開閉板A641側の面とのなす角度が90度(上述の方向どうしが平行な場合)よりも若干大きくなるように入賞検出センサASC64の姿勢が設定される。
これにより、仮に開閉板A641上で球が跳ねたとしても、その球の跳ねが収まるまで待つことなく入賞検出センサASC64への入球を生じさせることができる。また、開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)へ向けて動作する場合の干渉突部A641bからの作用をうけて球が入賞検出センサASC64側に押し込まれた場合に球が入賞検出センサASC64の開口部側の壁と干渉突部A641bとの間に挟まって開閉板A641の動きが悪くなる事態を未然に防ぐ効果も期待できる。
開閉板A641上における球の流下方向よりも、入賞検出センサASC64を通過した後の球の流下方向の方が上下方向寄り(水平方向に対する角度が大きい)となっている。そのため、入賞検出センサASC64を通過した後の球の方が素早く流れるため、連球で入賞検出センサASC64に到達した球同士の間隔が詰まることを避けることができ、球同士が球付きして入球阻害される事態を避けることができる。
干渉突部A641bに当接した球が押し上げられても、流路上側に空間形成部A632eが形成されていることで、干渉突部A641bと主経路形成部A632cとの間における球詰まりが抑制される。これにより、干渉突部A641bにより球が押し上げられた際に、その球を空間形成部A632eに進入させた後で速やかに下方へ落下させる態様で流下させることができる。
干渉突部A641bは、傾斜突部A618の形成が省略される箇所に位置しているため、傾斜突部A618が形成される場合であっても、閉鎖状態(退避状態)において十分に奥側(後方側)まで移動できる。即ち、傾斜突部A618の形成態様に関わらず、傾斜突部A618に対して干渉突部A641bが衝突することは無いので、傾斜突部A618が形成される状況下において従来通りの動作距離で開閉板A641を動作させる場合であっても、干渉突部A641bが傾斜突部A618に衝突する事態を避けることができる。
球は開閉板A641上の転動経路AFL63を約1秒で入賞検出センサASC64に到達、通過可能な構成である。本実施形態では、開閉板A641の開放時間が1秒間とされる開閉動作が可能に設定されており、この開閉動作によれば、開閉板A641が開放状態(張出状態)で維持される場合において入賞検出センサASC64に案内される球の個数を1球に限定することができる。
開閉板A641を動作させるための抽選を実行させるためのスルーゲートH67(図541参照)に球が通過する場合と、通過しない場合とは、球の発射強度によらずランダムに生じるものとしても良いが、本実施形態では、球の発射強度を特定の発射強度に合わせてもスルーゲートH67を通過するか否かが確定されるわけではない場合と、特定の球の発射強度であれば必ずスルーゲートH67を通過する場合と、が設定可能に構成される。
前者は、例えば、センターフレームA86の延設部A86aの下縁とスルーゲートH67との上下間に釘が配設され、その釘が調整可能とされる場合が挙げられる。この場合、特定の発射強度で球を発射しても、釘の状態次第で、スルーゲートH67に球が向かうか、スルーゲートH67を球が逸れるかは、変わる。後者は、例えば、センターフレームA86の延設部A86aの下縁とスルーゲートH67との上下間に釘が配設されない場合が挙げられ、特定の球の発射強度であれば必ずスルーゲートH67を通過させる状況を構成させることができる。
前者の場合、スルーゲートH67に球を通過させるために発射強度を常に一定に保つ必要がないため、遊技者が発射強度の維持に感じる疲労感を低減させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
一方後者の場合、発射強度を一定に保ちさえすれば、スルーゲートH67に安定的に球を通過させることができ、開閉板A641の開放動作を実行させることができるので、右打ち中の球減りを最小限に抑えることができ、遊技における利益効率を高めることができるので、遊技者の満足感を高めることができる。
本実施形態では、球を最大強度で発射した場合において、返しゴムH69で勢いを抑えられた球が立設部A86bの間を流下した後(図498参照)、右寄りの流下経路でスルーゲートH67を通過して第2流下経路AR304で流下する(図504参照)。一方で、球の発射強度が最大強度よりも弱い中間強度とされると、左寄りの流下経路でスルーゲートH67を通過せず第1流下経路AR303で流下する(図504参照)。
上述したように開閉板A641の前方において対向されるカバー部材A630の板状本体A631の後側面は平滑に形成されており、視認性が良いので、遊技者は開閉板A641の動作状態を容易に把握できる。そのため、開閉板A641はスルーゲートH67を球が通過することにより生じる抽選に基づいて開放動作が実行されるので、開閉板A641が開放動作されていることを把握することで、スルーゲートH67に球を通過させるための発射強度で発射ができているかを確認することができる。
従って、球の発射強度が適切かを確認するために複数箇所を視認しなければいけない場合に比較して、遊技のストレスを低減させることができる。
スルーゲートH67で球の通過が検出された際に生じる抽選の変動期間は、種々の態様で設定可能だが、一例として、スルーゲートH67を通過した球が開閉板A641に到達するまでに経過する期間(約4秒間)で設定される。
これにより、スルーゲートH67で球の通過が検出された際に生じる抽選の変動期間の終了に伴い開閉板A641が開放動作された直後に、当該変動を実行させるようにスルーゲートH67を通過した球を開閉板A641に到達させることができるので、開閉板A641上の球が入賞検出センサASC64に到達するまでに転動する期間と、開閉板A641が開放状態(張出状態)で維持される期間との差が僅か(差が無い)である場合であっても、球を入賞検出センサASC64に案内させることが可能となる。
なお、球間隔を上流側で広げられれば(連球の可能性を排除できれば)、開閉板A641の開放時間は1.6秒(開閉板A641上を球が転動しきるのに要する時間(約1秒)に球の発射間隔(例えば0.6秒)を追加した長さ)まで長くしても良い。これにより、開閉板A641が開放状態(張出状態)へ向けて動作を開始するタイミングと、球が開閉板A641に到達するタイミングとが多少ずれても(約0.6秒以内)、入賞検出センサASC64に球を案内させることができ、且つ、一度の開放動作で複数球が入賞検出センサASC64に入球することを回避することができる。
なお、一度の開放動作で複数球が入賞検出センサASC64に入球することを許容する場合は、開閉板A641の開放時間が1.0秒や1.6秒に限定される必要はなく、更に長い期間を設定しても良い。この場合、入賞検出センサASC64への球の案内をより高頻度で生じさせることができ、時短遊技を速やかに進行させることができる。
なお、上述の場合においては、入賞検出センサASC64に設定される規定個数(開閉板A641が開放状態(張出状態)で維持される場合における入賞個数の上限、例えば10個)が2個以上である前提で説明したが、入賞検出センサASC64の規定個数を1個に設定する場合は、球が入賞検出センサASC64を通過したことが検出されたことに基づいて開閉板A641を閉鎖状態(退避状態)へ変位させることができるので、開閉板A641の開放時間の設定の自由度を高くすることができる。例えば、開閉板A641の開放時間を5.0秒に設定したとしても、一度の開放動作で複数球が入賞検出センサASC64に入球することを回避することができる。
この場合において、入賞検出センサASC64の配置位置を開閉板A641側に寄せる(近接させる)ことで、開閉板A641を通過した後の球の入賞検出センサASC64に検出されるまでの期間を短くすることができるので、一度の開放動作で複数球が入賞検出センサASC64に入球することをより回避し易くできる。
または、2箇所の減速突部A617の間に配置される減速突部A637の位置において別の球通過検出センサを配設し、その球通過検出センサによる検出から特定の期間経過後に開閉板A641を閉鎖状態(退避状態)に変位させるように制御しても良い。
即ち、球通過検出センサから入賞検出センサASC64までは樹脂製の減速突部A616,A636が配設されるのみであり、開閉板A641上を転動する球の流下態様(減速の態様)は大きくは変化されない(台の傾斜(寝かせ)による若干の変化に留まる)と予測することができ、球通過検出センサを通過した球が入賞検出センサASC64を通過するタイミングを予測することが可能となる。その予測タイミングで開閉板A641を閉鎖状態(退避状態)に変位させるように制御すれば、入賞検出センサASC64で球が検出される直前から開閉板A641の閉鎖動作を実行させることができるので、一度の開放動作で複数球が入賞検出センサASC64に入球することをより回避し易くできる。
次いで、図555を参照して、動作ユニットD200の概略構成について説明する。図555は、動作ユニットD200の分解斜視正面図である。
図555に示すように、動作ユニットD200は、箱状に形成される背面ケースD300を備え、その背面ケースD300の内部空間に、上変位ユニットE100、下変位ユニットE500、導光ユニットD400、揺動ユニットD100とが収容される。
背面ケースD300は、正面視略矩形の底壁部D301と、その底壁部D301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部D302と、を備え、それら各壁部D301,D302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部D301には、その中央に正面視矩形の開口D301aが開口形成され、その開口D301aを通じて、底壁部D301の背面に配設される第3図柄表示装置H81(図541参照)が視認可能とされる。
上変位ユニットE100は、背面ケースD300の底壁部D301のうちの開口D301aの上側部分に配設されるベース手段E200と、そのベース手段E200に対して相対変位可能に配設される上変位手段E300と、を少なくとも備え、上変位手段E300を背面ケースD300の開口D301a(即ち、第3図柄表示装置H81(図541参照))の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位させる演出を実行可能に構成される。
下変位ユニットE500は、背面ケースD300の底壁部D301のうちの開口D301aの下側部分に配設されるベース手段E510と、そのベース手段E510に対して相対変位可能に配設される回転手段E550と、を少なくとも備え、回転手段E550を背面ケースの開口D301a(即ち、第3図柄表示装置H81(図541参照))の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位させる演出を実行可能に構成される。
導光ユニットD400は、正面視(矢印B方向視)において背面ケースD300の左側(矢印L方向側)に配設される左側ベース手段D410と、正面視において背面ケースD300の右側(矢印R方向側)に配設される右側ベース手段D430と、それら左側ベース手段D410及び右側ベース手段D430との間に介在される導光板D450と、を主に備え、導光板D450に照射される光を正面側(矢印F方向側)に向かって反射することで、光による演出が可能に構成される。
揺動ユニットD100は、変位可能な上側揺動手段D120と、変位可能な下側揺動手段D130と、を備え、導光ユニットD400の正面側(矢印F方向側)に配設され、その導光ユニットD400の導光板D450の正面側に重なる位置で上側揺動手段D120と、下側揺動手段D130とを変位可能とされる。
次いで、図556から図577を参照して、上変位ユニットE100について説明する。
まず、図556から図559を参照して、上変位ユニットE100の全体構成について説明する。図556は、上変位ユニットE100の正面図であり、図557は、上変位ユニットE100の背面図であり、図558は、上変位ユニットE100の分解正面斜視図であり、図559は、上変位ユニットE100の分解背面斜視図である。
なお、図556では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
図556から図559に示すように、上変位ユニットE100は、背面ケースD300の底壁部D301(図555参照)に配設されるベース手段E200と、そのベース手段E200の正面側(矢印F方向側)に配設され、ベース手段E200に対して相対変位可能とされる上変位手段E300と、ベース手段E200の正面側に配設され、上変位手段E300の変位を規制する変位規制手段E400と、を主に備え、ベース手段E200から上変位手段E300に駆動モータEM1の駆動力が伝達されることにより、上変位手段E300(変位手段E320)を窓部P14eの範囲内で変位可能とされる。
次いで、図560から図563を参照して、ベース手段E200の全体構成について詳しく説明する。図560は、ベース手段E200の分解斜視正面図であり、図561は、ベース手段E200の分解斜視背面図であり、図562は、ベース手段E200の正面図であり、図563は、ベース手段E200の背面図である。なお、図562では、第3ベースE260が透明視して図示され、図563では、第2ベースE220が透明視して図示され、スプリングESP1の外形のみが破線で図示される。
図560から図563に示すように、ベース手段E200は、左右方向(矢印L-R方向)に長い矩形の板状に形成される第1ベースE210と、上下方向(矢印U-D方向)に長い矩形の板状に形成され、上端(矢印U方向側の端部)が第1ベースE210の一端(矢印R方向側の端部)に連結される第2ベースE220と、その第2ベースE220の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E230と、その駆動手段E230の一部と正面側に重なる位置で第2ベースE220の正面側に回転変位可能な状態で配設される第1リンクE240と、第1リンクE240に接続された状態で第2ベースE220の正面側に配設される第1伝達手段E250と、第2ベースE220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250を収容した状態で第2ベースE220の正面側に配設される第3ベースE260と、第2ベースE220の背面側(矢印B方向側)に配設される第2リンクE270と、第2リンクE270に接続された状態で第2ベースE220の背面側に配設される第2伝達手段E280と、第2ベースE220を介して第2伝達手段E280に接続された状態で第2ベースE220の正面側に配設される係合部材E290と、を主に備え、第3ベースE260の正面側に配設される駆動モータEM1の駆動力により、第1伝達手段E250を上昇位置(図562に示す位置)と下降位置(図565(a)に示す位置)との間で変位可能に構成される。
なお、以下の説明では、第1伝達手段E250に接続される第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)が配設される位置を第1伝達手段E250の配設位置と同様に「上昇位置」及び「下降位置」と称して説明する。即ち、第1伝達手段E250が上昇位置に配置される場合には、第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)も同様に上昇位置に配置され、第1伝達手段E250が下降位置に配置される場合には、第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)も同様に下降位置に配置される。
第1ベースE210は、後述する上変位手段E300の一部が接続されるベースであり、後述する上変位手段E300の第1従動体E341に形成される基端側被軸支部E341a(図570(b)参照)を軸支する軸支部E211と、第1従動体E341に形成されるピン部E341c(図570(b)参照)を案内するための案内溝E212と、を備える。
また、第1ベースE210は、正面視(矢印B方向視)における外形が、図556から図559に示す上昇位置に配置される上変位手段E300の背面側(矢印B方向側)に重なる大きさに形成される。これにより、後述する上変位手段E300(図556から図559参照)が、背面側に向かって揺れ動くことを第1ベースE210により抑制できる。
なお、第1ベースE210は、背面ケースD300の底壁部D301(図555参照)に形成される開口D301aと重ならない大きさに形成され、底壁部D301の開口D301aの上方側(矢印U方向側)に配設される。これにより、後述する上変位手段E300が第1ベースE210の正面側(矢印F方向側)に配置された状態において、開口D301aの内側に配設される第3図柄表示装置H81(図541参照)を遊技者に視認させることができる。従って、上変位手段E300が第1ベースE210の正面側(矢印F方向側)に配置された状態においては、第3図柄表示装置H81を注目させて、上変位手段E300が注視されることを抑制できる。
第2ベースE220は、駆動手段E230、第1リンクE240、第2リンクE270、第2伝達手段E280、及び、係合部材E290が変位可能な状態で配設される本体部材E221と、その本体部材E221に配設され後述する第1伝達手段E250を案内する金属製の案内棒E222と、その案内棒E222に案内された第1伝達手段E250が上昇側の端部(上昇位置)に配設されたことを検出する第1検出手段E223と、第1伝達手段E250が案内棒E222に案内されて下降側の端部まで変位された際に第1伝達手段E250に当接して第1伝達手段E250の変位を規制する弾性体E224と、後述する駆動手段E230の回転体E234が所定位置に回転されたことを検出する第2検出手段E225と、を主に備える。
なお、第2ベースE220は、背面ケースD300の底壁部D301(図555参照)に形成される開口D301aと重ならない大きさに形成され、底壁部D301の開口D301aの右方側(矢印R方向側)に配設される。これにより、上変位手段E300が第1ベースE210の正面側(矢印F方向側)に配置された状態において、開口D301aの内側に配設される第3図柄表示装置H81(図541参照)を遊技者に視認させることができる。
本体部材E221は、その本体部材E221の正面側(矢印F方向側)に配設される従動ギヤE232,E233、回転体E234、第1リンクE240、及び、係合部材E290を軸支するために本体部材E221の正面側から円柱状に突設される各軸支部E221a~E221eと、回転体E234を軸支する軸支部E221cを中心に直径の異なる2種類の円環状に形成され、本体部材E221の正面側から立設される案内壁E221f,E221gと、本体部材E221に配設される案内棒E222を係止するために本体部材E221の上端と下端とに形成される係止部E221h,E221iと、本体部材E221の背面側(矢印B方向側)に配設される第2リンクE270を軸支するために本体部材E221の背面側から突設される軸支部E221jと、第2伝達手段E280を案内するために本体部材E221の背面側の4か所から突設されるピン部E221kと、本体部材E221の前後方向(矢印F-B方向)に開口される複数の開口部E221p~E221sと、を主に備える。
軸支部E221a,E221bは、後述する駆動手段E230の従動ギヤE232,E233を軸支する軸であり、従動ギヤE232,E233の回転軸に貫通形成される被軸支部E232a,E233aの内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支部E221a,E221bには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、従動ギヤE232,E233が軸支部E221a,E221bから脱落することが抑制される。
軸支部E221cは、後述する駆動手段E230の回転体E234を軸支する軸であり、回転体E234の回転軸に貫通形成される被軸支部E234aの内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支部E221cには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、回転体E234が軸支部E221cから脱落することが抑制される。
軸支部E221dは、後述する第1リンクE240を軸支する軸であり、第1リンクE240の一端側の回転軸に貫通形成される被軸支部E241の内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支部E221dには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、第1リンクE240が軸支部E221dから脱落することが抑制される。
軸支部E221eは、後述する係合部材E290を軸支する軸であり、係合部材E290の回転軸に貫通形成される被軸支部E291の内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支部E221eには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、係合部材E290が軸支部E221eから脱落することが抑制される。
案内壁E221g,E221fは、後述する駆動手段E230の回転体E234が撓むことを防止する目的で形成される壁部であり、後述する回転体E234の背面側(矢印B方向側)に円環状に形成される第1壁部E234b及び第2壁部E234cに内嵌可能な直径の円環状に形成される。
また、案内壁E221g,E221fの対向間には、第2検出手段E225が配設される。これにより、案内壁E221g,E221fの対向間を変位する回転体E234の第1壁部E234bを第2検出手段E225により検出することが可能とされる。なお、第1壁部E234bには、その一部を切り欠いた非検出部E234b1(図563参照)が形成される。これにより、所定の回転位置(非検出部E234b1が第2検出手段E225の間に配置される位置)において、第2検出手段E225による第1壁部E234bの検出がされなくなることで、回転体E234の回転位置を検出することが可能とされる。
係止部E221h,E221iは、案内棒E222を位置決めして係止するものであり、案内棒E222の下端と上端とに対応する位置に形成される。また、係止部E221h,E221iは、後方(矢印B方向)と、上下方向(矢印U-D方向)及び左右方向(矢印L-R方向)とに案内棒E222が移動することを規制可能に構成される。なお、案内棒E222の正面側(矢印F方向側)への移動の規制は、第2ベースE220の正面側に配設される第3ベースE260により規制される。これにより、案内棒E222は、第2ベースE220と第3ベースE260との対向間に移動が規制された状態で配設される。
軸支部E221jは、後述する第2リンクE270を軸支する軸であり、第2リンクE270の回転軸に貫通形成される被軸支部E271の内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支部E221jには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、第2リンクE270が軸支部E221jから脱落することが抑制される。
ピン部E221kは、後述する第2伝達手段E280の変位方向を規定する突起であり、第2伝達手段E280の下側伝達部材E281及び上側伝達部材E283のそれぞれに2箇所ずつ形成される摺動溝E281a,E283aに挿入可能な直径の円柱状に形成される。これにより、第2伝達手段E280に駆動力が伝達されて変位する際には、摺動溝E281a,E283aの内面にピン部E221kが当接することで、第2伝達手段E280の変位方向が規定される。
開口部E221pは、後述する第2リンクE270の一端側に形成されるピン部E272を、本体部材E221の正面側(矢印F方向側)に配設される回転体E234に本体部材E221を介して接続するための開口であり、軸支部E221jを中心とする湾曲形状に開口される。これにより、第2リンクE270が軸支部E221jを中心に回転した際に、第2リンクE270のピン部E272が干渉することを抑制できる。
開口部E221qは、後述する第2リンクE270の他端側に突設されるピン部E273を本体部材E221の正面側(矢印F方向側)から係止して、第2リンクE270の他端側が背面側(矢印B方向側)に向かって撓まないようにするための開口であり、軸支部E221jを中心とする湾曲形状に開口される。これにより、第2リンクE270が軸支部E221jを中心に回転した際に、第2リンクE270のピン部E273が干渉することを抑制できる。
開口部E221rは、後述する第1伝達手段E250の摺動溝E251aの内側に挿入された第1リンクE240のピン部E242の突設先端部に螺子を締結するための開口であり、第1リンクE240のピン部E242の変位軌跡の一部と前後方向(矢印F-B方向)に重なる位置に形成される。
開口部E221sは、後述する第2伝達手段E280の上側伝達部材E283に形成されるピン部E283bを、本体部材E221を介して本体部材E221の正面側(矢印F方向側)に配設される係合部材E290に接続するための開口であり、上側伝達部材E283の変位方向(矢印U-D方向)に沿う溝状に開口される。これにより、上側伝達部材E283が変位した際に、上側伝達部材E283のピン部E283bが干渉することを抑制できる。
案内棒E222は、後述する第1伝達手段E250を案内するためのガイド棒であり、金属製の材料から円柱状に形成される。また、案内棒E222は、上述したように本体部材E221の係止部E221h,E221iに上端と下端とが係止された状態で、第2ベースE220に第3ベースE260が組み付けられることで、軸を上下方向(矢印U-D方向)に向けた状態で第2ベースE220と第3ベースE260との対向間に配設される。
第1検出手段E223は、後述する第1伝達手段E250が上昇位置に配置されている場合に第1伝達手段E250の検出片E251eを検出するセンサであり、正面視において上昇位置に配置された第1伝達手段E250の検出片E251eと重なる位置に配設される。
弾性体E224は、後述する第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に変位した際に第1伝達手段E250の変位を規制する部分であり、正面視において第1伝達手段E250の背面側突設部E251dと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。また、弾性体E224は、ゴム状の弾性材料から形成される。これにより、第1伝達手段E250の背面側突設部E251dが弾性体E224に当接した際の衝撃を吸収できる。その結果、第1伝達手段E250を上昇位置から下降位置に素早く変位させることができると共に、第1伝達手段E250が下降位置に変位して背面側突設部E251dが弾性体E224に当接した際の衝突音を小さくできる。
第2検出手段E225は、上述したように回転体E234を検出するセンサであり、本体部材E221の案内壁E221g,E221fの対向間に配設される。なお、上述したように第2検出手段E225は、第1壁部E234bの非検出部E234b1によって、回転体E234が非検出とされる場合に回転体E234の回転位置を検知することが可能に構成される。
ここで、第89実施形態では、回転体E234が第2検出手段E225に非検出とされる回転位置において、回転体E234の回転によって変位される第1伝達手段E250が上昇位置に配置される。上記したように、第1伝達手段E250が上昇位置に配置される場合には、第1伝達手段E250の検出片E251eを第1検出手段E223により検出できる。従って、回転体E234の回転位置を第2検出手段E225により検知して、第1伝達手段E250の変位位置を第1検出手段E223により検知できるので、回転体E234から第1伝達手段E250に駆動力が伝達される経路における部品の破損を第1検出手段E223と第2検出手段E225とで検知することができる。
駆動手段E230は、第3ベースE260の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動モータEM1の駆動力により回転するギヤ列であり、第3ベースE260を介して第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に突出される駆動モータEM1の軸に軸支される駆動ギヤE231と、その駆動ギヤE231に歯合する従動ギヤE232と、その従動ギヤE232に歯合する従動ギヤE233と、従動ギヤE233に歯合するギヤ歯を有する回転体E234とから構成され、駆動モータEM1の駆動力により回転体E234を回転可能とされる。
回転体E234は、正面視において円形状に形成される中心部に第2ベースE220の軸支部E221cが挿入される被軸支部E234aを備え、駆動モータEM1の駆動力が伝達されて軸支部E221cを軸に回転することにより駆動モータEM1の駆動力を第1リンクE240及び第2リンクE270に伝達可能に構成される。また、回転体E234は、背面側(矢印B方向側)から回転軸を中心に略円環状に立設される第1壁部E234bと、その第1壁部E234bよりも直径の大きい略円環状に形成される第2壁部E234cと、その第2壁部E234cよりも直径の大きい略円環状に形成される第3壁部E234dと、回転軸とは径方向に異なる位置において正面側(矢印F方向側)に突設される当接部E234fと、を主に備える。
第1壁部E234bは、第2ベースE220に形成される案内壁E221fの直径よりも大きい直径の円環状に形成され、回転体E234が第2ベースE220に配設された際に案内壁E221fを内嵌する状態で配設される。これにより、回転体E234が径方向に撓む際には、第1壁部E234bの内面を案内壁E221fの外面に当接させて回転体E234が撓むことを抑制できる。
第2壁部E234cは、第2ベースE220に形成される案内壁E221gの直径よりも大きい直径の円環状に形成され、回転体E234が第2ベースE220に配設された際に案内壁E221gを内嵌する状態で配設される。これにより、回転体E234が径方向に撓む際には、第2壁部E234cの内面を案内壁E221gの外面に当接させて回転体E234が撓むことを抑制できる。
第3壁部E234dは、第2壁部E234cとの対向間に第2リンクE270のピン部E272を案内する案内溝E234eを形成するための壁部であり、第2壁部E234cの外面と所定の間隔を隔てた略円環状に形成される。
また、第2壁部E234cには、円環状に形成される一部の外周面に沿って径方向外側に拡径される拡径部E234c1が形成され、第3壁部E234dの一部は、第2壁部E234cの拡径部E234c1の形成位置に伴って径方向外側に拡径される。これにより、第2壁部E234cと第3壁部E234dとの対向間で形成される案内溝E234eには、拡径部E234c1以外の領域における第2壁部E234cと第3壁部E234dとの対向間で形成される第1案内部E234e1と、拡径部E234c1の領域における第2壁部E234cと第3壁部E234dとの対向間で形成され第1案内部E234e1よりも径方向外側に位置する第2案内部E234e2とが構成される。
案内溝E234eは、第1案内部E234e1と第2案内部E234e2との回転体E234の回転軸からの距離の違いにより、案内溝E234eに案内される第2リンクE270のピン部E272を変位させることができる。即ち、第89実施形態では、回転体E234を介して駆動モータEM1の駆動力を第2リンクE270に伝達して、第2リンクE270を変位させることができる。
当接部E234fは、第1リンクE240に当接することで、第1リンクE240に駆動力を伝達する伝達部であり、上下方向(矢印U-D方向)において、第1リンクE240と重なる位置まで回転体E234の正面側(矢印F方向側)に突設される。
また、当接部E234fは、回転体E234の回転軸とは異なる位置に形成され、回転体E234の回転に伴って第1リンクE240に対して相対変位可能とされる。この相対変位により、回転体E234を回転させた際に第1リンクE240に回転体E234の当接部E234fを当接させることが可能とされ、その当接により回転体E234を介して駆動モータEM1の駆動力を第1リンクE240に伝達可能して、第1リンクE240を変位させることができる。
第1リンクE240は、正面視において一方側が長い矩形状に形成され、回転体E234の当接部E234fよりも上方側(矢印U方向側)に配設される。また、第1リンクE240は、左右方向(矢印L-R方向)において長手方向一端側の端部と長手方向他端側の端部との間に、回転体E234の当接部E234fが位置する状態で配設される。これにより、回転体E234を回転させた際に、第1リンクE240の下方側の側面に回転体E234の当接部E234fを当接させて、回転体E234を介して駆動モータEM1の駆動力を第1リンクE240に伝達して、第1リンクE240の他端側を上方側に向けて持ち上げることができる。
また、第1リンクE240は、長手方向の一端側において前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される被軸支部E241と、長手方向の他端側において背面側に向かって突設されるピン部E242と、を備え、第2ベースE220の軸支部E221dが被軸支部E241に挿入され軸支されることにより、軸支部E221dを軸にピン部E242を変位可能とされる。
ピン部E242は、第1伝達手段E250の摺動溝E251aの内側に案内される突起であり、摺動溝E251aの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成され、摺動溝E251aの内側を摺動可能に構成される。これにより、第1リンクE240が第2ベースE220の軸支部E221dを軸に回転される際には、ピン部E242を介して第1伝達手段E250に駆動モータEM1の駆動力を伝達できる。
第1伝達手段E250は、上下方向(矢印U-D方向)に延設される矩形状の摺動体E251と、その摺動体E251の上端から左右方向(矢印L-R方向)において第1ベースE210側(矢印L方向)に突設される伝達部E252と、を備え、正面視における全体形状が略L字状に形成される。
摺動体E251は、第2ベースE220と第3ベースE260との対向間において、第2ベースE220の案内棒E222に沿って摺動される部分であり、正面視において第2ベースE220及び第3ベースE260よりも小さく形成される。
また、摺動体E251は、左右方向(矢印L-R方向)に長い溝状に開口される摺動溝E251aと、正面側(矢印F方向側)の一部から正面側に向かって突設される正面側突設部E251bと、背面側(矢印B方向側)において上下方向(矢印U-D方向)に開口する開口部E251cと、背面側の一部から背面側に向かって突設される背面側突設部E251dと、正面視において上端側の右側側面から突設される検出片E251eと、背面側突設部E251dよりも上方側で背面側の一部から背面側に向かって突設される被係合部E251fと、を備える。
摺動溝E251aは、第1リンクE240のピン部E242が挿入される溝であり、第1リンクE240が第2ベースE220の軸支部E221dを軸に回転した際に、その回転の軌跡で上下方向(矢印U-D方向)と左右方向(矢印L-R方向)とに変位するピン部E242の左右方向における変位を吸収可能な長さの溝状に形成される。これにより、ピン部E242を介して第1伝達手段E250に駆動モータEM1の駆動力が伝達された際に、第1伝達手段E250を左右方向に変化させず上下方向にのみ変位させることができる。なお、第1伝達手段E250は、駆動モータEM1の駆動力により第1リンクE240の他端側が持ち上げられることで、第1リンクE240の他端側と共に上方側に持ち上げられるように構成される。
正面側突設部E251bは、正面視における外形が第1伝達手段E250の変位方向(上下方向(矢印U-D方向))に沿う方向に長い矩形状に形成される。また、正面側突設部E251bは、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に変位する際に、後述する変位規制手段E400の当接部E442c(図567及び図568参照)に下端側の側面を当接させることで、第1伝達手段E250の下方側への変位を規制する部分であり、変位規制手段E400の当接部E442cが後述する第1位置(図568(a)参照)に配設される場合における当接部E442cと上下方向に重なる位置に形成される。
なお、後述する変位規制手段E400の当接部E442cは、図568(a)に示す第1位置と図568(b)に示す第2位置との間で変位可能に構成されており、変位規制手段E400が第2位置に配設される場合には、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に変位する際に、変位規制手段E400の当接部E442cに当接しない大きさに正面側突設部E251bが形成される。従って、第89実施形態では、当接部E442cの配置を第1位置と第2位置とに切り替えることで、第1伝達手段E250を上昇位置から下降位置に向かって変位させた場合の第1伝達手段E250の変位距離を変更できる。
開口部E251cは、第2ベースE220の本体部材E221に配設される案内棒E222が挿通される空間であり、案内棒E222の直径よりも大きい開口幅に設定される。第1伝達手段E250は、開口部E251cに案内棒E222が挿通された状態で第2ベースE220に配設されることにより、第1伝達手段E250を案内棒E222の軸方向(上下方向(矢印U-D方向))に沿って変位させることができる。なお、第1伝達手段E250は、開口部E251cに案内棒E222が挿通された状態で、案内棒E222が第2ベースE220の本体部材E221に配設されることにより、案内棒E222と共に第2ベースE220の本体部材E221(即ち、第2ベースE220)に配設される。
背面側突設部E251dは、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に変位する際に上述したように正面側突設部E251bと変位規制手段E400の当接部E442cとの当接が解除されて(若しくは当接せず)、第1伝達手段E250を下降位置に変位させた場合に、第2ベースE220の本体部材E221に配設される弾性体E224に当接させることで、第1伝達手段E250の下降位置よりも下方側への変位を規制する部分であり、弾性体E224と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。
即ち、第1伝達手段E250が上昇位置に配置される場合において、正面側突設部E251bと変位規制手段E400の当接部E442cとの上下方向(矢印U-D方向)における離間距離よりも、背面側突設部E251dと弾性体E224との上下方向における離間距離が大きく形成される。従って、第89実施形態では、正面側突設部E251bに変位規制手段E400の当接部E442cを当接させるか否かで、第1伝達手段E250を上昇位置から下降位置に向かって変位させた際の第1伝達手段E250の変位距離を変更できる。
検出片E251eは、上述したように、第1伝達手段E250が上昇位置に配設される場合に第1検出手段E223に検出されるセンサであり、第1検出手段E223のセンサ光の投光部と受光部との間を上下方向(矢印U-D方向)に変位可能な板状に形成される。
被係合部E251fは、第1伝達手段E250が上昇位置に配置される場合に、後述する係合部材E290の係合部E293に下面側の側面を当接させることで、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向かって変位することを規制する部分であり、係合部材E290が後述する係合位置(図562及び図563に示す位置)に配置される場合おける係合部材E290の係合部E293と正面視において上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。
なお、後述する係合部材E290は、図562及び図563に示す係合位置と、図564(a)及び図564(b)に示す非係合位置との間で変位可能に構成されており、係合部材E290が非係合位置に配置される場合には、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向かって変位可能とされる。
なお、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向かって変位される際には、回転体E234と第1リンクE240とが離間する状態とされ駆動モータEM1の駆動の伝達が解除される。従って、第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向かって変位される際には、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び後述する上変位手段E300がその自重で変位(即ち、落下)するように構成される。即ち、第89実施形態では、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び後述する上変位手段E300を上方側(矢印U方向側)に向かって運ぶ際に、駆動モータEM1の駆動力が作用するように構成される。
また、第1伝達手段E250には、第2ベースE220の上端側に接続されたスプリングESP1が接続され、そのスプリングESP1により第2ベースE220の上方側に向かう付勢力が作用される。これにより、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び後述する上変位手段E300を上方側(矢印U方向側)に向かって運ぶ際に、駆動モータEM1の駆動力を補助することができる。なお、スプリングESP1の付勢力は、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び後述する上変位手段E300の自重で第1伝達手段E250が下方へ向けて変位する際の力よりも弱く設定される。これにより、第1伝達手段E250を上昇位置から下降位置に向けて変位する際に、その第1伝達手段E250の変位がスプリングESP1の付勢力により途中で停止することを抑制できる。
伝達部E252は、第1伝達手段E250に伝達される駆動モータEM1の駆動力を後述する上変位手段E300に伝達するために上変位手段E300に連結される部分であり、第2ベースE220と第3ベースE260との対向間から窓部P14eの内側に向かって張り出す板状に形成される。なお、伝達部E252は、上変位手段E300の背面側(矢印B方向側)に重なる位置に配置されており、上変位手段E300の背面側(即ち、駆動力伝達手段E310に形成されるピン部E313)に連結される。これにより、遊技者に駆動力の伝達機構がパチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から視認されることを抑制でき、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、伝達部E252は、左右方向(矢印L-R方向)に長い溝状に形成される摺動溝E252aを備え、その摺動溝E252aに上変位手段E300の駆動力伝達手段E310に形成されるピン部E313が摺動溝E252aの内面を摺動可能な状態で挿入され、第1伝達手段E250と上変位手段E300とが接続される。これにより、第1伝達手段E250を上昇位置と下降位置との間で変位させることに伴って、伝達部E252を介して駆動モータEM1の駆動力を上変位手段E300に伝達できる。
第3ベースE260は、正面視において第2ベースE220と略同一の外形に形成され、第2ベースE220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250の一部を収容した状態で第2ベースE220の正面側(矢印F方向側)に配設される。また、正面視において窓部P14e側(矢印L方向側)の第2ベースE220と第3ベースE260との端部には、第2ベースE220と第3ベースE260との間に前後方向(矢印F-B方向)に所定の空間が形成されており、その所定の空間を介して第1伝達手段E250の伝達部E252が窓部P14eの内側の領域に突出されると共に、摺動体E251の上下方向(矢印U-D方向)の変位に伴って伝達部E252を窓部P14eの内側の領域で上下方向に変位可能とされる。
また、第3ベースE260は、正面側(矢印F方向側)の側面から正面側に向かって円柱状に突設される2箇所の軸部E261,E262と、前後方向(矢印F-B方向)に円形状に開口される挿通孔E263と、前後方向に矩形状に開口される開口E264と、軸部E261,E262の下方側に配設される弾性体E266と、を主に備える。
軸部E261は、後述する上変位手段E300の姿勢規定手段E330に形成されるベース側被軸支部E331を軸支する軸であり、姿勢規定手段E330の一端側の回転軸に貫通形成されるベース側被軸支部E331の内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸部E261には、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴にカラー(図示しない)を介した螺子を締結することで、上変位手段E300の姿勢規定手段E330が軸部E261から脱落することが抑制される。
軸部E262は、後述する上変位手段E300の駆動力伝達手段E310に形成される基端側被軸支部E311を軸支する軸であり、駆動力伝達手段E310の一端側の回転軸に貫通形成される基端側被軸支部E311の内径よりも若干小さい外径の円柱状に形成される。また、軸部E262には、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴にカラー(図示しない)を介した螺子を締結することで、上変位手段E300の駆動力伝達手段E310が軸部E262から脱落することが抑制される。
挿通孔E263は、第3ベースE260の正面に配設される駆動モータEM1の軸を第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に突出させるための開口であり、駆動モータEM1の軸の直径よりも大きい直径の内径の開口に設定される。なお、駆動モータEM1の軸が接続される駆動ギヤE231は、駆動モータEM1が第3ベースE260に配設されることにより、第3ベースE260側に配設される。
開口E264は、第3ベースE260の正面側(矢印F方向側)に配設される変位規制手段E400の当接部E442cを第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に突出させて、当接部E442cを第3ベースE260の背面側に配設される第1伝達手段E250の正面側突設部E251bに当接可能にするための開口であり、正面視における当接部E442cよりも大きい開口に形成される。
なお、後述するように変位規制手段E400の当接部E442cは、第1位置(図568(a)参照)と第2位置(図568(b)参照))との間で変位可能に構成される。そのため、開口E264は、変位規制手段E400の当接部E442cを第1位置と第2位置との間で変位させた際に、その当接部E442cが開口E264の内縁に当接しない大きさに形成される。即ち、開口E264は、正面視において、変位規制手段E400の当接部E442cの変位軌跡よりも大きい開口に形成される。
弾性体E266は、後述する上変位手段E300が上昇位置から下降位置に変位(落下)した際に、上変位手段E300の駆動力伝達手段E310の回転を規制する部分であり、正面視において駆動力伝達手段E310の回転軌跡上に配設される。また、弾性体E266は、ゴム状の弾性材料から形成される。これにより、駆動力伝達手段E310が弾性体E266に当接した際の衝撃を吸収できる。その結果、上変位手段E300を上昇位置から下降位置に素早く変位(落下)させることができると共に、上変位手段E300が下降位置に変位して駆動力伝達手段E310が弾性体E266に当接した際の衝突音を小さくできる。
なお、上述したように、第89実施形態では、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300を上昇位置から下降位置に変位(落下)させた場合に、第1伝達手段E250の背面側突設部E251dを第2ベースE244に配設される弾性体E224に当接させられるように構成される。従って、第89実施形態では、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300を上昇位置から下降位置に変位(落下)させた場合に、弾性体E224と弾性体E266との2箇所に当接させることができる。そのため、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300を落下させた際の衝撃を分散して、その衝撃を和らげることができる。
第2リンクE270は、正面視において一方が長い矩形状に形成される。また、第2リンクE270は、長手方向における略中央部に円形状に前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される被軸支部E271と、長手方向の一方側の端部において正面側(矢印F方向側)に向かって突設されるピン部E272と、長手方向の他端側の端部において正面側に向かって突設されるピン部E273と、を備える。
被軸支部E271は、第2ベースE220の軸支部E221jに軸支される部分であり、軸支部E221jの外径よりも大きい内径の円環状に形成される。なお、第2リンクE270は、被軸支部E271が第2ベースE220の軸支部E221jに軸支されることで、第2ベースE220の背面側(矢印B方向側)において軸支部E221jを軸に回転可能とされる。
ピン部E272は、第2ベースE220の本体部材E221に形成される開口部E221pを介して、回転体E234の背面側(矢印B方向側)において第2壁部E234cと第3壁部E234dとの対向間により形成される案内溝E234eに挿入される部分であり、案内溝E234eの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。
なお、上記したように、案内溝E234eは、回転体E234の回転軸からの径方向における距離が異なる第1案内部E234e1と、第2案内部E234e2と、を備えており、この回転軸からの距離の違いにより、案内溝E234eに案内される第2リンクE270のピン部E272を変位させることが可能に構成される。第2リンクE270は、案内溝E234eによりピン部E272が変位されることによって、軸支される軸支部E221jを軸に回転変位される。
ピン部E273は、後述する第2伝達手段E280の下側伝達部材E281に接続される部分であり、下側伝達部材E281の連結溝E281bに挿通可能な円柱状に形成される。第2リンクE270は、ピン部E273が第2伝達手段E280の下側伝達部材E281に接続されることで、第2リンクE270に伝達される駆動モータEM1の駆動力を第2伝達手段E280に伝達して、第2伝達手段E280を変位させることができる。
第2伝達手段E280は、第2ベースE220の下方側の端部において背面側(矢印B方向側)に配設される下側伝達部材E281と、第2ベースE220の上方側の端部において背面側に配設される上側伝達部材E283と、それら下側伝達部材E281及び上側伝達部材E283を上下方向(矢印U-D方向)に連結する連結部材E282と、を主に備える。
下側伝達部材E281は、上述したように第2リンクE270から駆動モータEM1の駆動力が伝達される部材であり、第2リンクE270のピン部E273が連結される連結溝E281bと、第2リンクE270から伝達される駆動力により変位される際に下側伝達部材E281を規定の方向(上下方向(矢印U-D方向))に案内するための摺動溝E281aと、を備える。
また、下側伝達部材E281は、連結部材E282を介して上側伝達部材E283に連結される。これにより、第2伝達手段E280を介して下側伝達部材E281に駆動モータEM1の駆動力が伝達されると、下側伝達部材E281と共に連結部材E282及び上側伝達部材E283を上下方向(矢印U-D方向)に変位させることができる。
上側伝達部材E283は、上述したように第2リンクE270から下側伝達部材E281に伝達される駆動力により変位される際に上側伝達部材E283を規定の方向(上下方向(矢印U-D方向))に案内するための摺動溝E283aと、正面側(矢印F方向側)から突設され第2ベースE220の本体部材E221に形成される開口部E221sを介して本体部材E221の正面側に突出可能なピン部E283bと、を備える。
ピン部E283bは、後述する係合部材E290の被連結部E292に挿入される部位であり、被連結部E292の溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。ピン部E283bにより、上側伝達部材E283と係合部材E290とが接続されることで、第2伝達手段E280に伝達される駆動モータEM1の駆動力を係合部材E290に伝達して、係合部材E290を変位させることができる。
係合部材E290は、前後方向(矢印F-B方向)に円形状に貫通形成され第2ベースE220の本体部材E221に形成される軸支部E221eが挿入される被軸支部E291と、前後方向に円形状に貫通形成され上側伝達部材E283のピン部E283bが挿入される被連結部E292と、第1伝達手段E250側(矢印L方向側)に向かって突設される係合部E293と、を主に備える。
なお、係合部材E290は、第2ベースE220の本体部材E221に形成される軸支部E221eを軸に回転可能な状態で配設され、被連結部E292に連結されるピン部E283bを介して第2伝達手段E280に伝達される駆動モータEM1の駆動力が伝達されることで、軸支部E221eを軸に回転される。この回転により、係合部材E290を係合位置(図562及び図563に示す位置)と非係合位置(図563(a)及び図563(b)に示す位置)との間で変位させることが可能とされる。
係合部E293は、係合部材E290が係合位置に配置される場合において、上昇位置に配置される第1伝達手段E250の被係合部E251fの下面に当接される部位であり、被係合部E251fの下方側に重なる位置まで突設される。一方、係合部材E290が非係合位置に配置される場合においては、上昇位置に配置される第1伝達手段E250の被係合部E251fの下方側に重ならない位置に退避可能な大きさに設定される。
これにより、第89実施形態では、係合部材E290を係合位置に配置した状態から、係合部材E290を非係合位置に変位させることで、第1伝達手段E250を上昇位置から下方位置に向けて変位可能に構成される。
なお、係合部材E290は、第2リンクE270のピン部E272が回転体E234の背面側(矢印B方向側)に形成される案内溝E234eの第1案内部E234e1(回転体E234の回転軸からの距離が短い側)に配置される場合に非係合位置に配置され、ピン部E272が案内溝E234eの第2案内部E234e2(回転体E234の回転軸からの距離が遠い側)に配置される場合に係合位置に配置される。
次いで、図562から図566を参照して、ベース手段E200の変位態様について説明する。図564(a)、図565(a)、及び、図566(a)は、ベース手段E200の正面図であり、図564(b)、図565(b)、及び、図566(b)は、ベース手段E200の背面図である。
図564(a)、図565(a)、及び、図566(a)では、図562と同様に、第3ベースE260が透明視して図示され、図564(b)、図565(b)、及び、図566(b)では、図563と同様に、第2ベースE220が透明視して図示される。
また、図562から図566では、図562、図564(a)、図565(a)、図566(a)の順に、正面視におけるベース手段E200の第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向けて遷移した状態が図示され、図563、図564(b)、図565(b)、図566(b)の順に、背面視におけるベース手段E200の第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向けて遷移した状態が図示される。
なお、図562及び図563では、回転体E234が軸支部E221cを軸に正面視左回りに回転される状態において回転体E234の案内溝E234eを摺動する第2リンクE270のピン部E272が第1案内部E234e1から第2案内部E234e2に遷移した状態が図示され、図564(a)及び図564(b)では、第2リンクE270のピン部E272が第2案内部E234e2から第1案内部E234e1に遷移した状態が図示され、図565(a)及び図565(b)、図566(a)及び図566(b)では、第2リンクE270のピン部E272が第2案内部E234e2では、第2リンクE270のピン部E272が第1案内部E234e1に案内されている途中の状態が図示される。以下の説明では、図562及び図563に示す、回転体E234の回転位置を第1回転位置と称し、図564(a)及び図564(b)に示す回転体E234の回転位置を第2回転位置と称して説明する。
図562及び563に示すように、回転体E234が正面視において右回りに回転され、第1回転位置に配置される場合には、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の側面に下方側(矢印D方向側)から当接することにより、第2ベースE220の本体部材E221に形成される軸支部E221dを軸に第1リンクE240が回転され、駆動モータEM1の駆動力により第1リンクE240のピン部E242が上方側に持ち上げられる。これにより、第1リンクE240に接続される第1伝達手段E250が上昇位置に配置される。
回転体E234が第1回転位置に配置される場合には、第2リンクE270のピン部E272が第2案内部E234e2に案内されるので、上述したように係合部材E290が係合位置に配置される。従って、回転体E234が第1回転位置に配置される場合には、係合部材E290の係合部E293と第1伝達手段E250の被係合部E251fとが係合して、第1伝達手段E250の上昇位置から下降位置への変位が規制される。即ち、第1伝達手段E250が上昇位置に維持される。
次いで、図564(a)及び図564(b)を参照して、図562及び図563に示す第1回転位から第2回転位置に回転体E234を回転した場合について説明する。
上記したように、回転体E234が第2回転位置まで回転された場合には、その回転体E234によって案内される第2リンクE270のピン部E272が第2案内部E234e2から第1案内部E234e1に受け入れられる。これにより、第2ベースE220の本体部材E221に形成される軸支部E221jを軸として第2リンクE270が回転される。この第2リンクE270の回転により、第2リンクE270の他端側に形成されるピン部E273が下方側(矢印D方向側)に押し下げられ、ピン部E273が接続される第2伝達手段E280が下方側に変位される。
そして、第2伝達手段E280が下方側(矢印D方向側)に変位することにより、第2伝達手段E280の上側伝達部材E283に形成されるピン部E283bが下方側に押し下げされ、ピン部E283bが接続される係合部材E290の被連結部E292が下方側に変位される。これにより、第2ベースE220の本体部材E221に形成される軸支部E221eを軸として係合部材E290が係合位置から非係合位置に回転される。
この場合、第1伝達手段E250を上昇位置まで持ち上げた回転体E234の当接部E234fは、回転体E234が第1回転位置から第2回転位置まで回転されたことで、第1リンクE240の下面から離れて、回転体E234の回転軸(軸支部E221c)の下方側に配置される。
従って、回転体E234が第1回転位置から第2回転位置まで回転されて、係合部材E290が非係合位置に配置されると、図565(a)及び図565(b)に示すように、第1伝達手段E250を上昇位置に支える部材が無いため、第1伝達手段E250及び第1リンクE240及び後述する上変位手段E300がその自重により下降位置に向かって落下される。
なお、上昇位置から下降位置に向かって落下した第1伝達手段E250は、図565(a)、図565(b)、図566(a)、図566(b)に示すように、回転体E234を継続して回転させることで、当接部E234fを第1リンクE240の下面に再び当接させて、駆動モータEM1の駆動力を第1伝達手段E250に伝達可能な状態にできる。これにより、第2ベースE220の本体部材E221に形成される軸支部E221dを軸に第1リンクE240を回転させて、第1伝達手段E250を上昇位置に向かって持ち上げることができる。そして、回転体E234を第1回転位置まで回転させることで、図562及び563に示す、第1伝達手段E250が上昇位置に規制された状態を形成できる。
即ち、第89実施形態では、回転体E234の一方向の回転により、第1伝達手段E250の上昇位置から下降位置への変位と、第1伝達手段E250の下降位置から上昇位置への変位とをさせることができる。そのため、第1伝達手段E250を上昇位置から下降位置に変位させるための回転体E234の回転方向と、第1伝達手段E250を下降位置から上昇位置に変位させるための回転体E234の回転方向とを切り替える必要が無くなるので、回転体E234を回転させる駆動モータEM1の制御を簡易にできる。
次いで、図567から図569を参照して、変位規制手段E400について説明する。初めに、図567及び図568を参照して、変位規制手段E400の全体構成について説明する。
なお、図567(a)は、変位規制手段E400の分解斜視正面図であり、図567(b)は、変位規制手段E400の分解斜視背面図であり、図568(a)及び図568(b)は、変位規制手段E400の背面図である。
なお、図568(a)では、変位規制手段E400の回転部材E442に形成される当接部E442cを第1位置に配置した状態が図示され、図568(b)では、変位規制手段E400の回転部材E442に形成される当接部E442cを第2位置に配置した状態が図示される。
図567及び図568に示すように、変位規制手段E400は、正面側(矢印F方向側)に配設される保持部材E410と、その保持部材E410に配設される駆動手段E420と、保持部材E410に軸支され駆動手段E420の駆動力により従動する従動手段E430と、保持部材E410に軸支され従動手段E430の回転に伴って変位する変位手段E440と、を主に備える。
保持部材E410は、後述する駆動手段E420、従動手段E430、及び、変位手段E440が背面側(矢印B方向側)に配設されると共に、上述したベース手段E200の第3ベースE260(図561参照)の正面側(矢印F方向側)に固定される部材であり、駆動手段E420、従動手段E430、及び、変位手段E440を正面側から覆設可能な大きさに形成される。
また、保持部材E410には、正面視における外縁に複数の挿通孔E411と、背面側(矢印B方向側)から円柱状に突設される軸支部E412と、背面側において円形状に凹設される凹部E413と、が形成される。
複数の挿通孔E411は、ベース手段E200の第3ベースE260(図561参照)に固定するための螺子(図示しない)の先端を挿通させるための孔であり、螺子の先端よりも大きい開口に設定されると共に、後述する駆動手段E420、従動手段E430、及び、変位手段E440と正面視において重ならない位置に形成される。
軸支部E412は、後述する従動手段E430の被軸支部E431に挿入され、従動手段E430を軸支する軸であり、従動手段E430の被軸支部E431の直径よりも若干小さい直径の円柱状に形成される。また、軸支部E412には、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、従動手段E430が軸支部E412から脱落することが抑制される。
凹部E413は、後述する変位手段E440の軸部材E441の正面側(矢印F方向側)が挿入される孔であり、軸部材E441の直径よりも大きい内径に設定される。なお、保持部材E410がベース手段E200の第3ベースE260(図561参照)の正面側に固定された状態において、凹部E413と対向する位置の第3ベースE260には、背面側(矢印B方向側)に向かって円形状に凹設される凹部E265(図560参照)が形成される。これにより、後述する変位手段E440の軸部材E441の正面側と背面側とを凹部E413と凹部E265とで保持することが可能に構成される。
駆動手段E420は、本体部E421aに電力が付与されることにより軸部E421bを本体部E421aの内側に引き込み可能に構成されるソレノイドE421と、そのソレノイドE421の軸部E421bの先端に配設される駆動部材E422と、を備える。
ソレノイドE421は、軸部E421bを上下方向(矢印U-D方向)に変位可能な状態で配設され、本体部E421aに電力を付与することで、軸部E421bの周囲に配設したバネ(図示しない)の付勢力により本体部E421aの下方側に張り出した軸部E421bを上方側に変位させて本体部E421aの内側に引き込み可能に構成される。
駆動部材E422は、本体部E421aから張り出す軸部E421bの先端に配設され、軸部E421bの変位に伴って上下方向(矢印U-D方向)に変位可能に構成される。また、駆動部材E422は、後述する従動手段E430のピン部E432を接続可能な連結溝E422aを備え、その連結溝E422aを介して、ソレノイドE421の駆動力を従動手段E430に伝達可能に構成される。
従動手段E430は、正面視略L字状に形成され、その略L字状に屈曲される部分に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する被軸支部E431と、略L字状に形成される短手側において背面に向かって突出されるピン部E432と、略L字状に形成される長手側において背面側(矢印B方向側)に向かって突出されるピン部E433と、を主に備える。
被軸支部E431は、保持部材E410の軸支部E412に軸支される部位であり、軸支部E412の外径よりも大きい内径の円形状に形成される。なお、従動手段E430は、被軸支部E431が保持部材E410の軸支部E412に軸支されることで、保持部材E410の背面側(矢印B方向側)において軸支部E412を軸に回転可能とされる。
ピン部E432は、従動手段E430を駆動部材E422に接続するための部位であり、駆動部材E422に形成される連結溝E422aの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成され連結溝E422aの内側に配設される。これにより、駆動部材E422の変位に伴ってピン部E432を変位させて、保持部材E410の軸支部E412を軸に従動手段E430を回転させることができる。
ピン部E433は、従動手段E430を後述する変位手段E440に接続するための部位であり、後述する変位手段E440の回転部材E442に形成される案内溝E442bの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成され案内溝E442bの内側に配設される。これにより、駆動部材E422を介して従動手段E430に作用するソレノイドE421の駆動力を変位手段E440に伝達することが可能とされる。
変位手段E440は、円柱状に形成される金属製の軸部材E441と、その軸部材E441が挿通される回転部材E442と、を備え、軸部材E441の軸が前後方向(矢印F-B方向)に向けて配設されると共に、その軸部材E441の両端が保持部材E410の凹部E413、及び、ベース手段E200の第3ベースE260に形成される凹部E265(図560参照)に保持され、回転部材E442が軸部材E441を軸に回転可能な状態で軸支される。
回転部材E442は、正面視(矢印B方向視)において上下方向(矢印U-D方向)に長い棒状に形成され、上端側の端部に前後方向(矢印F-B方向)に貫通された貫通孔E442aに軸部材E441が挿通されることで、その軸部材E441を軸に下端側を回転させることが可能に構成される。また、回転部材E442は、正面視における長手方向に沿って溝状に貫通される案内溝E442bと、下端側の背面において背面側(矢印B方向側)に向かって膨出する当接部E442cと、を備える。
案内溝E442bは、従動手段E430のピン部E433が挿入される溝であり、保持部材E410の軸支部E412を軸に従動手段E430が回転した際に、その回転の軌跡で上下方向(矢印U-D方向)と左右方向(矢印L-R方向)とに変位するピン部E433の上下方向における変位を吸収可能な長さの溝状に形成される。これにより、ピン部E433を介して変位手段E440にソレノイドE421の駆動力が伝達された際に、軸部材E441に軸支される回転部材E442の下端側(矢印B方向側(当接部E442c側))を左右方向に変位させることができる。
当接部E442cは、上述したベース手段E200の第1伝達手段E250の正面側突設部E251bが当接可能に構成される部位であり、ベース手段E200の第3ベースE260に貫通形成される開口E264に対応する位置に形成されると共に、その開口E264を挿通して第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に配設される第1伝達手段E250の正面側突設部E251bと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置まで背面側に向かって突設される。
なお、上記したように、当接部E442cが形成される回転部材E442の下端側は、回転部材E442の回転により左右方向(矢印L-R方向)に回転可能に形成される。この回転により、第89実施形態では、当接部E442cが第1伝達手段E250の正面側突設部E251bと正面視において上下方向(矢印U-D方向)に重なる第1位置(図568(a)に示す位置)と、当接部E442cが第1伝達手段E250の正面側突設部E251bと正面視において上下方向に重ならない第2位置(図568(b)に示す位置)とに回転部材E442を変位させることができる。言い換えると、第89実施形態では、回転部材E442を回転させることで、当接部E442cが第1伝達手段E250の正面側突設部E251bに当接可能な第1位置と、当接部E442cが第1伝達手段E250の正面側突設部E251bに当接不能な第2位置とに回転部材E442を変位させることができる。
次いで、図569(a)及び図569(b)を参照して、回転部材E442が第1位置および第2位置のそれぞれに配設される場合に、ベース手段E200の回転体E234を第1回転位置から第2回転位置に変位させた際の第1伝達手段E250の変位態様について説明する。
図569(a)及び図569(b)は、ベース手段E200の正面図である。なお、図569(a)及び図569(b)では、図562におけるベース手段E200の正面図と同様に、第3ベースE260が透明視して図示される。また、図569(a)では、第1位置に配置される回転部材E442の当接部E442cの外形が破線で図示され、図569(b)では、第2位置に配置される回転部材E442の当接部E442cの外形が破線で図示される。
図569(a)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されて係合部材E290が非係合位置に変位されることにより第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)されると、第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が第1位置に配設される回転部材E442の当接部E442cに当接され下降位置までの変位(落下)が規制される。これにより、第1伝達手段E250が上昇位置と下降位置との間の途中位置(なお、以下の説明では、図569(a)に示す途中位置に停止した第1伝達手段E250の位置を「中間位置」と称す)で停止するように構成される。
一方、図569(b)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されて係合部材E290が非係合位置に変位されることにより第1伝達手段E250が上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)されると、第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が回転部材E442の当接部E442cに当接せず第1伝達手段E250が下降位置まで変位される。
即ち、第89実施形態では、回転部材E442を第1位置と第2位置との間で変位させること、即ち、変位(落下)する第1伝達手段E250に当接させる位置と当接させない位置との間で回転部材E442を変位させることで、第1伝達手段E250の変位(落下)態様を変更することが可能に構成される。
ここで、第89実施形態では、第1位置と第2位置との間で変位する回転部材E442に上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)する第1伝達手段E250を当接させることで、第1伝達手段E250の変位(落下)態様を変更する場合について説明したが、第1伝達手段E250に変位する変位部材を設け、その変位部材を第1伝達手段E250の落下中に第2ベースE220に当接させることでも第1伝達手段E250の変位(落下)態様を変更できる。
しかしながらこの場合には、第1伝達手段E250に変位部材を設ける分、第1伝達手段E250の自重が重くなる。そのため、第1伝達手段E250を変位(落下)途中で停止した場合の衝撃が大きくなる。従って、第1伝達手段E250の変位を規制する部分を大型化する必要があると共に、第1伝達手段E250の変位を規制した場合の衝撃音が大きくなる恐れがある。
これに対し、第89実施形態では、上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)する第1伝達手段E250に、第3ベースE260に配設した回転部材E442を当接させることで、第1伝達手段E250の変位(落下)態様を変更することができるので、回転部材E442を大型化する必要が無くなると共に、第1伝達手段E250の変位(落下)を規制した場合の衝撃音が大きくなることを抑制できる。
次いで、図570から図572を参照して、上変位手段E300について説明する。図570(a)は、上変位手段E300の正面図であり、図570(b)は、上変位手段E300の背面図であり、図571は、上変位手段E300の分解斜視正面図であり、図572は、上変位手段E300の分解斜視背面図である。
図570から図572に示すように、上変位手段E300は、棒状に形成される駆動力伝達手段E310と、その駆動力伝達手段E310が接続される変位手段E320と、その変位手段E320の背面側(矢印B方向側)において正面視右側(矢印R方向側に接続される姿勢規定手段E330と、変位手段E320の背面側において正面視左側(矢印L方向側)に接続される従動装飾手段E340と、を主に備える。
駆動力伝達手段E310は、上述したベース手段E200の第1伝達手段E250に伝達される駆動力を後述する変位手段E320に伝達するための部材であり、長手方向の一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される基端側被軸支部E311と、長手方向の他端側に前後方向に貫通形成される伝達側被軸支部E312と、長手方向の略中間位置における背面から背面側(矢印B方向側)に向かって円柱状に突出されるピン部E313と、を備える。
基端側被軸支部E311は、ベース手段E200の第3ベースE260に形成される軸部E261に軸支される部位であり、軸部E261の外径よりも大きい内径の円形状に開口される。なお、駆動力伝達手段E310は、基端側被軸支部E311が、第3ベースE260の軸部E261に軸支されることで、第3ベースE260の正面側(矢印F方向側)において軸部E261を軸に回転可能とされる。
伝達側被軸支部E312は、後述する変位手段E320のベース体E321に形成される軸支部E321aが挿入される部位であり、軸支部E321aの外径よりも大きい内径の円形状に開口される。これにより、後述するピン部E313により第1伝達手段E250を介して駆動力伝達手段E310に駆動モータEM1の駆動力が伝達され、駆動力伝達手段E310が軸部E261を軸に回転される際に、駆動力伝達手段E310を介して変位手段E320に駆動モータEM1の駆動力を伝達できる。
なお、伝達側被軸支部E312は、駆動力伝達手段E310が第3ベースE260の軸部E261を軸に回転されることで、軸部E261を中心とする円弧の軌跡で変位され、内側に挿入されるベース体E321の軸支部E321aを軸部E261を中心とする円弧の軌跡で変位させることができる。
ピン部E313は、ベース手段E200の第1伝達手段E250に形成される摺動溝E252a(図560参照)に挿入される部位であり、摺動溝E252aの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、ピン部E313には、背面側(矢印B方向側)の突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴に螺子を締結することで、ピン部E313が摺動溝E252aから抜け出ることを抑制できる。
なお、駆動力伝達手段E310は、ピン部E313に第1伝達手段E250の摺動溝E252aが接続されることにより、第1伝達手段E250から駆動モータEM1の駆動力が伝達され第1伝達手段E250の上下方向(矢印U-D方向)の変位に伴って第3ベースE260の軸部E261を軸に回転変位される。
変位手段E320は、その変位手段E320を変位させる駆動力が伝達されるベース体E321と、そのベース体E321の正面側(矢印F方向側)にベース体E321の正面との間に所定の空間を形成した状態で配設される第1装飾体E322と、その第1装飾体E322に対して相対変位可能に配設され、ベース体E321及び第1装飾体E322の間の空間に配設される第2装飾体E323と、その第2装飾体E323と共に変位可能な状態で第1装飾体E322の正面側に配設される第3装飾体E324と、を主に備える。
ベース体E321は、正面視において略菱形状の板から形成される。また、ベース体E321は、背面側(矢印B方向側)の3箇所から円柱状に突出する軸支部E321a~E321cと、背面側の1箇所から略角柱状に突出する変位規制部E321dと、上下方向(矢印U-D方向)に沿って長い溝状に開口される摺動溝E321eと、を備える。
また、ベース体E321の正面側(矢印F方向側)には、LEDからなる発光手段E321h1を複数個備える基板E321hが配設される。これにより、ベース体E321の正面側に配設される第1装飾体E322、第2装飾体E323、第3装飾体E324を介して、正面側に光を照射することが可能に構成される。
軸支部E321aは、上述した駆動力伝達手段E310に形成される伝達側被軸支部E312に挿入される部位であり、伝達側被軸支部E312の直径よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、軸支部E321aには、突設先端部にカラー(図示しない)を挿通した螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴により、伝達側被軸支部E312を挿通した状態の軸支部E321aの突設先端部にカラーを固定することで軸支部E321aが伝達側被軸支部E312から抜け出ることを抑制できる。
軸支部E321bは、後述する姿勢規定手段E330に形成される変位側被軸支部E332が挿入される部位であり、変位側被軸支部E332の直径よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、軸支部E321bには、突設先端部にカラー(図示しない)を挿入した螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴により、変位側被軸支部E332を挿通した状態の軸支部E321bの突設先端部にカラーを固定することで、軸支部E321bが変位側被軸支部E332から抜け出ることを抑制できる。
軸支部E321cは、後述する従動装飾手段E340の第2従動体E342及び第3従動体E343に同軸上に形成される被軸支部E342b及び被軸支部E343aに挿入される部位であり、被軸支部E342b及び被軸支部E343aの直径よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、軸支部E321cには、突設先端部にカラー(図示しない)を挿入した螺子を締結可能なネジ穴が形成される。このネジ穴により、被軸支部E342b及び被軸支部E343aを挿通した状態の軸支部E321cの突設先端部にカラーを固定することで、軸支部E321bが被軸支部E342b及び被軸支部E343aから抜け出ることを抑制できる。
変位規制部E321dは、後述する従動装飾手段E340の第3従動体E343に当接して第3従動体E343の姿勢を規定する部位であり、前後方向(矢印F-B方向)において、軸支部E321cに軸支される第3従動体E343に当接可能な位置まで背面側(矢印B方向側)に向かって突設される。
摺動溝E321eは、後述する第2装飾体E323に形成されるピン部E323aが挿通される開口であり、その溝幅がピン部E323aの直径よりも小さく設定される。また、摺動溝E321eに挿通されるピン部E323aは、突設先端部をベース体E321の背面側(矢印B方向側)に配設される姿勢規定手段E330の案内溝E333に挿入可能な長さに形成される。これにより、ベース体E321に対する姿勢規定手段E330の姿勢変化に伴って、第2装飾体E323をベース体E321に対して相対変位可能とされる。
第1装飾体E322は、ベース体E321の正面側(矢印F方向側)に装飾を形成するための部材であり、正面視におけるベース体E321の外形よりも若干大きく形成される板状に形成され、ベース体E321の背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子によりベース体E321の正面側に固定される。また、第1装飾体E322は、上下方向(矢印U-D方向)に沿って長い溝状に開口される摺動溝E322aと、を備える。
摺動溝E322aは、後述する第3装飾体E324に形成されるピン部E324aが挿通される開口であり、その溝幅がピン部E324aの直径よりも小さく設定される。これにより、第1装飾体E322を介して第1装飾体E322の背面側(矢印B方向側)に配設される第2装飾体E323に第3装飾体E324を固定すると共に、ベース体E321に対する第2装飾体E323の相対変位に伴って第3装飾体E324をベース体E321(ベース体E321に固定される第1装飾体E322)に対して相対変位させることができる。
第2装飾体E323は、ベース体E321及び第1装飾体E322の間に形成される空間に配設可能な板状に形成され、背面側(矢印B方向側)に円柱状に突出されるピン部E323aを備える。
ピン部E323aは、ベース体E321に形成される摺動溝E321eと、ベース体E321の背面側(矢印B方向側)に配設される姿勢規定手段E330に形成される案内溝E333とに挿通され、それら摺動溝E321e及び案内溝E333に案内される部位であり、摺動溝E321e及び案内溝E333の溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。第2装飾体E323は、後述する姿勢規定手段E330のベース体E321に対する姿勢変化に伴って、ピン部E323aが摺動溝E321e及び案内溝E333に案内されることで、ベース体E321及び第1装飾体E322の対向間の内側の空間と外側の空間との間で変位可能に構成される。
第3装飾体E324は、正面視において第1装飾体E322よりも小さい正面視形状の板状に形成され、背面側(矢印B方向側)の2箇所から背面側に向かって円柱状に突出されるピン部E324aを備える。
ピン部E324aは、第1装飾体E322に形成される摺動溝E322aに挿通され、摺動溝E322aに案内される部位であり、摺動溝E322aの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、ピン部E324aは、第2装飾体E323の背面側(矢印B方向側)から挿通した螺子を締結可能な締結孔が形成され、摺動溝E322aに挿通した状態で第2装飾体E323に締結固定される。これにより、第1装飾体E322を間に介した状態で第2装飾体E323と第3装飾体E324とを締結固定できると共に、第2装飾体E323のベース体E321に対する相対変位に伴って第3装飾体E324をベース体E321(即ち、ベース体E321に固定される第1装飾体E322b)に対して相対変位させることができる。
なお、第1装飾体E322、第2装飾体E323、第3装飾体E324は、光を透過可能な材料から形成される透過部と、光と透過しない材料から形成される非透過部とを組み合わせて構成される。これにより、ベース体E321に配設される基板E321hの発光手段E321h1から照射される光をそれら第1装飾体E322、第2装飾体E323、第3装飾体E324の透過部を透過させて遊技者側に出射することができる。
また、第1装飾体E322、第2装飾体E323、第3装飾体E324の非透過部は、光を反射可能に構成されており、上変位ユニットE100の外部から変位手段E320に向けて照射される光の少なくとも一部を遊技者側に向けて反射可能に構成される。
姿勢規定手段E330は、ベース手段E200に対する変位手段E320の姿勢を規定するための部材であり、長手方向の一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成されるベース側被軸支部E331と、長手方向の他端側に前後方向に貫通形成される変位側被軸支部E332と、前後方向に貫通形成され、正面視において略L字状の開口に形成される案内溝E333と、背面側(矢印B方向側)から略角柱状に突出される変位規制部E334と、を主に備える。
ベース側被軸支部E331は、ベース手段E200の第3ベースE260に形成される軸部E262に軸支される部位であり、軸部E262の外径よりも大きい内径の円形状に開口される。なお、姿勢規定手段E330は、ベース側被軸支部E331が、第3ベースE260の軸部E262に軸支されることで、第3ベースE260の正面側(矢印F方向側)において軸部E262を軸に回転可能とされる。
変位側被軸支部E332は、変位手段E320のベース体E321に形成される軸支部E321bが軸支される部位であり、軸支部E321bの外径よりも大きい内径の円形状で凹設される。なお、変位側被軸支部E332は、姿勢規定手段E330が第3ベースE260の軸部E262を軸に回転されることで、軸部E262を中心とする円弧の軌跡で変位される。これにより、変位側被軸支部E332に挿入されるベース体E321の軸支部E321bが軸部E262を中心とする円弧の軌跡で変位される。
ここで、上記したように、変位手段E320のベース体E321は、駆動力伝達手段E310の伝達側被軸支部E312がベース体E321の軸支部E321aに接続され、軸支部E321aが第3ベースE260の軸部E261を中心とする円弧の軌跡で変位されるので、軸支部E321aと軸支部E321bとの相対位置により変位手段E320の正面視における姿勢が規定される。
案内溝E333は、変位手段E320の第2装飾体E323のピン部E323aの突設先端が挿入される溝であり、ピン部E323aの直径よりも小さい溝幅で形成される。なお、第2装飾体E323のピン部E323aは、姿勢規定手段E330の案内溝E333に挿入されることにより、変位手段E320のベース体E321に対して姿勢規定手段E330が変位した際に案内溝E333の内壁によって駆動力が伝達され、ベース体E321に形成される摺動溝E321eの長手方向に沿って変位される。
変位規制部E334は、変位手段E320が上昇位置から下降位置に変位された際に、変位手段E320が更に下降へ変位することを規制するための部位であり、変位手段E320が下降位置に配置される際の駆動力伝達手段E310の上面側に当接可能な位置に形成される。即ち、変位手段E320が下降位置まで変位された際には、姿勢規定手段E330が駆動力伝達手段E310の上方に載置された状態とされる(図573(b)参照)。これにより、姿勢規定手段E330の回転を規制して変位手段E320が下降位置から下方に変位することを抑制できる。
従動装飾手段E340は、上述した駆動力伝達手段E310により変位手段E320がベース手段E200に対して相対変位される際に、その相対変位により変位される部材であり、ベース手段E200の第1ベースE210に一端が連結される第1従動体E341と、一端が第1従動体E341の他端に連結されると共に他端が変位手段E320に連結される第2従動体E342と、第2従動体E342の背面側(矢印B方向側)に接続され第2従動体E342に対して相対変位可能とされる第3従動体E343と、を主に備える。
第1従動体E341は、正面視において一方向に長い棒状に形成され、長手方向における一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される基端側被軸支部E341aと、長手方向における他端側に前後方向に貫通して形成される連結側被軸支部E341bと、長手方向における略中間位置から背面側(矢印B方向側)に向かって円柱状に突設されるピン部E341cと、を主に備える。
基端側被軸支部E341aは、ベース手段E200の第1ベースE210に形成される軸支部E211に軸支される部位であり、軸支部E211の外径よりも大きい内径の円形状に開口される。なお、第1従動体E341は、基端側被軸支部E341aが、第1ベースE210の軸支部E211に軸支されることで、第1ベースE210の正面側(矢印F方向側)において軸支部E211を軸に回転可能とされる。
連結側被軸支部E341bは、後述する第2従動体E342に形成される軸支部E342aに軸支される部位であり、軸支部E342aの外径よりも大きい内径の円形状に開口される。
ピン部E341cは、ベース手段E200の第1ベースE210に形成される案内溝E212に挿入される部位であり、案内溝E212の溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、ピン部E341cには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成され、カラー(図示しない)を介した螺子がネジ穴に締結される。
第1従動体E341は、ピン部E341cが案内溝E212に挿通され第1ベースE210に配設されることで、第1ベースE210に対する回転範囲が規定されると共に、第1ベースE210に対して正面側(矢印F方向側)に向かって撓むことが抑制される。
第2従動体E342は、正面視において一方側に長い棒状に形成され、長手方向における一端側における背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出される軸支部E342aと、長手方向の他端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される被軸支部E342bと、長手方向における一端側と他端側の間の位置において背面側に円柱状に突出されるピン部E342cと、を備える。
軸支部E342aは、第1従動体E341に形成される連結側被軸支部E341bに挿通される部位であり、連結側被軸支部E341bの内径よりも小さい直径の円柱状に形成される。第2従動体E342は、軸支部E342aが第1従動体E341の連結側被軸支部E341bに挿入されることで、第1従動体E341に対して相対変位可能な状態で第1従動体E341に接続される。
被軸支部E342bは、変位手段E320のベース体E321に形成される軸支部E321cが挿入される部位であり、軸支部E321cの外径よりも大きい内径の円形状に開口される。第2従動体E342は、ベース体E321の軸支部E321cが被軸支部E342bに挿入されることで、ベース体E321に対して相対変位可能な状態でベース体E321に接続される。
ピン部E342cは、後述する第3従動体E343に形成される摺動溝E343bに挿入される部位であり、摺動溝E343bの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。また、ピン部E342cには、突設先端部に螺子を締結可能なネジ穴が形成され、カラー(図示しない)を介した螺子がネジ穴に締結される。
第3従動体E343は、第2従動体E342の背面側(矢印B方向側)に重なる位置と、重ならない位置との間で変位する部材であり、正面視において第2従動体E342の外形よりも小さい外形に形成される。また、第3従動体E343は、一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される被軸支部E343aと、その被軸支部E343aよりも他端側に溝状に開口される摺動溝E343bと、を備える。
被軸支部E343aは、変位手段E320のベース体E321に形成される軸支部E321aが挿入される部位であり、軸支部E321aの外径よりも大きい内径の円形状に開口される。第3従動体E343は、ベース体E321の軸支部E321cが被軸支部E343aに挿入されることで、ベース体E321に対して相対変位可能な状態でベース体E321に接続される。
摺動溝E343bは、第2従動体E342に形成されるピン部E342cが挿入される部位であり、ピン部E342cの外径よりも大きい溝幅に形成されると共に、被軸支部E343aの中心を軸に湾曲した円弧形状に延設される。これにより、第3従動体E343は、軸支部E321aを軸に第2従動体E342に対して相対回転可能とされる。
なお、第3従動体E343は、その自重により第2従動体E342に対して軸支部E321aを軸に下方側に向けて回転して、その外縁が変位手段E320のベース体E321に形成される変位規制部E321dに当接されることにより、第2従動体E342に対する相対位置が決定される。
次いで、図573及び図574を参照して、上変位手段E300の変位態様について説明する。図573(a)及び図573(b)は、上変位手段E300の背面図であり、図574(a)及び図574(b)は、上変位ユニットE100の正面図である。
なお、図573(a)及び図574(a)では、第1伝達手段E250が中間位置に配置される場合における上変位手段E300及び上変位ユニットE100が図示され、図573(b)及び図574(b)では、第1伝達手段E250が下降位置に配置される場合における上変位手段E300及び上変位ユニットE100が図示される。また、以下の説明では、第1伝達手段E250における配置と同様に、図556に示す上変位手段E300及び変位手段E320の配置を上昇位置と称し、図573(a)及び図574(a)に示す上変位手段E300及び変位手段E320の配置を中間位置と称し、図573(b)及び図574(b)に示す上変位手段E300及び変位手段E320の配置を下降位置と称して説明する。
図573及び図574に示すように、第1伝達手段E250が上昇位置から下方に向かって変位され中間位置や下降位置に配置される場合には、第1伝達手段E250の伝達部E252に形成される摺動溝E252a(図569(a)参照)に挿入される駆動力伝達手段E310のピン部E313が摺動溝E252aと共に上下方向(矢印U-D方向)に変位することにより、駆動力伝達手段E310の回転位置が決定される。この駆動力伝達手段E310の回転に伴い駆動力伝達手段E310の伝達側被軸支部E312に挿入される軸支部E321aが変位され、その軸支部E321aを備える変位手段E320が対応する位置に変位される。
なお、変位手段E320には、上述した駆動力伝達手段E310だけでなく、姿勢規定手段E330が接続される。そのため、駆動力伝達手段E310の回転に伴って変位手段E320が変位された際に、姿勢規定手段E330により変位手段E320の姿勢が規定される。
また、変位手段E320の第2装飾体E323及び第3装飾体E324は、上述したように第2装飾体E323のピン部E323aが、ベース体E321に形成される摺動溝E321eと、姿勢規定手段E330に形成される案内溝E333とに案内され、姿勢規定手段E330のベース体E321に対する姿勢変化に伴って、ベース体E321及び第1装飾体E322に対して相対変位される。
これにより、図556及び図574に示すように、上昇位置、中間位置、下降位置の各位置において、変位手段E320の正面視形状を変化させることができる。この変位手段E320の正面視形状の変化により、第89実施形態では、変位する変位手段E320に着目させることができる。また、この場合には、変位手段E320の正面視形状の変化により、ベース体E321に配設される発光手段E321h1から照射される光の出射態様を変更できるので、第1装飾体E322、第2装飾体E323、及び、第3装飾体E324を介して視認できる発光手段E321h1の光の発光態様を変えることができる。その結果、変位する変位手段E320に着目させやすくできる。
また、従動装飾手段E340は、駆動力伝達手段E310の回転による変位手段E320の変位に伴い、変位手段E320と第1ベースE210とを連結する第1従動体E341及び第2従動体E342が相対変位される。
このように、上変位手段E300は、第1伝達手段E250が変位されることにより、変位手段E320が駆動力伝達手段E310の回転の軌跡で変位しつつ、その変位手段E320の変位に伴い変位手段E320に接続される姿勢規定手段E330及び従動装飾手段E340の変位手段E320に対する姿勢が変化されることで、正面視における視認可能な範囲を拡大しつつ変位手段E320を下降位置に変位することができる。
また、第89実施形態では、変位手段E320が駆動力伝達手段E310の回転の軌跡で変位するため、第1伝達手段E250の上下方向(矢印U-D方向)の変位に伴って変位手段E320を上下方向に変位させるだけでなく、変位手段E320を左右方向(矢印L-R方向)にも変位させることができる。その結果、窓部P14e内での変位手段E320の変位量を大きくすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
次いで、図575から図577を参照して、上変位ユニットE100の変位態様について説明する。図575(a)及び図575(b)は、正面視における上変位ユニットE100の模式図であり、図576(a)及び図576(b)は、正面視における上変位ユニットE100の模式図であり、図577(a)及び図577(b)は、正面視における上変位ユニットE100の模式図である。
なお、図575から図577では、変位手段E320を外形のみ破線で図示すると共に、第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、係合部材E290、及び、回転部材E442の当接部E442cの外形が破線で図示される。
また、図575及び図576では、図575(a)に示す回転体E234を第1回転位置に配置した状態から図575(b)、図576(a)又は図576(b)の順に回転体E234を正面視左回りに回転させた状態が図示され、図577では、図577(a)に示す回転体E234を第1回転位置に配置した状態から回転体E234を正面視右回りに回転させた状態が図577(b)に図示される。なお、図576(a)では、変位手段E440の当接部E442cが第1位置に配置された状態が図示され、図576(b)では、変位手段E440の当接部E442cが第2位置に配置された状態が図示される。
図575に示すように、回転体E234を正面視左回りに回転させた場合には、図575(a)に示す第1回転位置から図575(b)に示す第2回転位置まで回転体E234を回転させる直前まで係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される上変位手段E300(変位手段E320)も同様に上昇位置に規制される。
また、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることで、第1リンクE240の変位も規制されるため、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置に回転させた際に、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240の下面から離間させることができる。
次に、図575(b)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されると、回転体E234の回転に伴い係合部材E290が非係合位置に変位される。これにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動が許容される。この場合、上述したように、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の下面から離間され、駆動モータEM1の駆動力が非伝達とされるので、第1伝達手段E250に接続される上変位手段E300の自重により第1伝達手段E250を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。この第1伝達手段E250の落下に伴い第1伝達手段E250に接続される第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)も同様に上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。即ち、第89実施形態では、第1伝達手段E250、第1リンクE240、上変位手段E300を上昇位置から下降位置に向けて落下させることが可能に構成される。
次に、図576を参照して、回転体E234を第2回転位置まで回転させて、駆動モータEM1の駆動力が第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300に非伝達とした後、それら第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)させた場合について説明する。
図576(a)に示すように、回転部材E442の当接部E442cが第1位置に配置される場合には、上昇位置から変位(落下)する第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が当接部E442cに当接することで、第1伝達手段E250の落下が規制され、第1伝達手段E250が中間位置に配置される。よって、第1伝達手段E250と共に落下する第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)も中間位置に配置される。
一方、図576(b)に示すように、回転部材E442の当接部E442cが第2位置に配置される場合には、上昇位置から変位(落下)する第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が当接部E442cに非当接とされる。これにより、第1伝達手段E250を下降位置まで落下させることが可能となり、第1伝達手段が下降位置に配置される。よって、第1伝達手段E250と共に落下する第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)も下降位置に配置される。
なお、回転部材E442は、第1伝達手段E250の変位方向(上下方向(矢印U-D方向))に対して直交する方向(左右方向(矢印L-R方向)に当接部E442cを変位可能に構成されるので、第1伝達手段E250を下降位置まで変位(落下)させる場合には、第1伝達手段E250の変位(落下)を回転部材E442の当接部E442cで規制(停止)することなく上昇位置から下降位置まで変位させるだけでなく、図576(a)に示すように中間位置で停止させてから、回転部材E442の当接部E442cを第1位置から第2位置に変位させて、再度、第1伝達手段E250を変位(落下)させて下降位置まで変位(落下)させても良い。
また、第89実施形態では、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を持ち上げるための当接部E234fを有する回転体E234が円板状に形成されるため、当接部E234fを第1リンクE240から離間させて、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)させた場合に、回転体E234の正面側の領域を第1リンクE240に変位させることができる。
これにより、当接部E234fを第1リンクE240から離間した状態において、第1リンクが前後に揺れ動くことを回転体E234により抑制できる。その結果、第1リンクE240と当接部E234fとの当接が困難になったり、第1リンクE240と第1伝達手段E250との接続が解除されたりする不具合を抑制できる。
以上、上記したように第89実施形態における上変位ユニットE100では、回転体E234を回転させることで、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を上昇位置に持ち上げると共に、それら第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を上昇位置に持ち上げた後、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240から離間させることで、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を自重で変位(落下)させることができる。
従って、第89実施形態における上変位ユニットE100では、窓部P14eを介して視認される変位手段E320が上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)される態様(速度)と、変位手段E320が下降位置側から上昇位置に向かって変位される(持ち上げられる)態様とを、異なる態様にすることができる。その結果、変位手段E320の変位による演出効果を向上できる。
また、変位手段E320が上昇位置から下降位置に向かって変位する態様を自重による落下を利用する態様にできるので、変位手段E320の動作を素早くして、その変位手段E320の動作に特徴を持たせることができる。
しかしながら、変位手段E320が上昇位置へ向かう態様と、変位手段E320が下降位置に向かう態様とを異なる態様にした(即ち、変位手段E320が上昇位置と下降位置との往復動作を繰り返す)だけでは、その変位手段E320を繰り返し視認した遊技者にとっては、自重による落下と駆動モータEM1による上昇とを繰り返すのみであり、演出が単調になるという問題点がある。
これに対し、第89実施形態における上変位ユニットE100では、回転部材E442の当接部E442cにより第1伝達手段E250の変位(落下)を規制または許容することで、第1伝達手段E250に接続される第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)の変位(落下)の距離を変更することができる。
即ち、回転部材E442の当接部E442cの影響を受ける(当接する)態様(第1状態と)、回転部材E442の当接部E442cの影響を受けず(当接せず)に変位(落下)される態様(第2状態)とを構成でき、第1伝達手段E250,第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)の変位態様を切り替えることができる。よって、第1伝達手段E250,第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)の変位(落下)の態様を複数とできる。これにより、窓部P14eを介して視認される変位手段E320の上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)する態様を変更する(即ち、複数の変位態様を持たす)ことができるので、その分、変位手段E320の演出に変化を与えられる。その結果、変位手段E320の演出が単調になることを抑制できる。
また、第89実施形態における上変位ユニットE100では、変位手段E320に配設される発光手段E321h1の発光態様が、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)する態様と、下降位置から上昇位置に向かって変位する(持ち上げられる)態様とが異なって形成される。詳しく説明すると、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)する場合には、発光手段E321h1から光が照射される一方、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が下降位置から上昇位置に向かって変位する(持ち上げられる)場合には、発光手段E321h1から光が非照射とされる。
これにより、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が落下する態様を遊技者に注目させることができると共に、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が持ち上げられる態様が遊技者に注目されることを抑制できる。これにより、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300の上昇位置からの変位(落下)態様の変化に注視させやすくできる。
なお、発光手段E321h1から光を照射する場合には、変位手段E320から出射される光の色を変更することで大当たりの期待度を変更して、変位手段E320に注目させやすくしても良い。また、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が上昇位置から中間位置まで変位(落下)する態様と、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を上昇位置から下降位置まで変位(落下)とで、変位手段E320から出射される光の色を変更しても良い。
次いで、図577を参照して、回転体E234を第1回転位置から正面視において右回りに回転させた場合について説明する。図577に示すように、回転体E234を第1回転位置から正面視において右回りに回転させた場合には、第1回転位置から回転し始めた直後に係合部材E290を係合位置から非係合位置に変位させることができる。これにより、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240から離間し始める前に第1伝達手段E250を上昇位置から下降位置に向けて変位させることができる。そのため、回転体E234を第1回転位置から正面視において右回りに回転させた場合には、第1リンクE240の下面を回転体E234の当接部E234fに当接させた状態で変位させることができる。その結果、回転体E234の当接部E234fの変位に伴って、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び上変位手段E300を上昇位置から下降位置に向けて変位させることができる。
従って、第89実施形態における上変位ユニットE100では、回転体E234の回転方向を変更することで、上変位手段E300(変位手段E320)の変位(落下)態様を変更することができる。その結果、上変位手段E300の変位による演出効果を向上できる。
なお、第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E300が上昇位置から中間位置または下降位置に変位(落下)した後、即ち、図576(a)または図576(b)に示す位置に回転体E234が回転された後は、回転体E234を正面視において左回りに回転させて第1回転位置まで回転させることで、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240の下面に当接させて第1伝達手段E250を上昇位置に向けて持ち上げて(変位させて)、第1伝達手段E250及び上変位手段E300を上昇位置に配置することができる。
この場合、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の下面から離れた状態から当接部E234fを変位させて、第1リンクE240の下面に勢いをつけた状態で当接部E234fを当接させることができるので、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300に駆動モータEM1の駆動力を付与しやすくできる。
また、正面視において、回転体E234の当接部E234fの変位方向に対する第1リンクE240の下面の延設方向は、第1リンクE240が上昇位置に持ち上げられるほど平行とされる。これにより、第1リンクE240の下面に当接部E234fを当接させた変位初期では、当接部E234fを変位する勢いで第1リンクE240を変位しやすくして、変位終端では、第1リンクE240から作用する第1伝達手段E250及び上変位手段E300の荷重により当接部E234fの変位が停止してしまうことを抑制できる。
次いで、図578から図581を参照して、下変位ユニットE500について説明する。図578は、下変位ユニットE500の正面図であり、図579は、下変位ユニットE500の分解正面斜視図であり、図580は、下変位ユニットE500の分解背面斜視図であり、図581は、下変位ユニットE500の正面図である。なお、図578では、回転手段E550が退避位置に配置された状態が図示され、図581では、回転手段E550が張出位置に配置された状態が図示される。
図578から図581に示すように、下変位ユニットE500は、背面ケースD300の底壁部D301(図555参照)に配設されるベース手段E510と、そのベース手段E510の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E520と、その駆動手段E520の一部に接続される変位手段E530と、その変位手段E530の背面およびベース手段E510の正面に接続される従動手段E540と、変位手段E530の正面側に配設される回転手段E550と、を主に備える。
ベース手段E510は、正面視略L字状に形成され、背面ケースD300の底壁部D301(図555参照)の正面に固定される第1ベースE511と、その第1ベースE511の正面側(矢印F方向側)に第1ベースE511との間に所定の間隔を隔てた状態で配設される第2ベースE512及び第3ベースE513と、を備える。
第1ベースE511は、後述する駆動手段E520、変位手段E530、及び、従動手段E540が変位可能な状態で配設されるベースであり、それら駆動手段E520、変位手段E530、及び、従動手段E540を軸支するために正面側(矢印F方向側)に向かって円柱状に突設される軸部E511a~E511eと、溝状に開口される案内溝E511fとを備える。
第2ベースE512は、駆動手段E520に駆動力を付与する駆動モータEM2が配設される板部材であり、駆動モータEM2の軸部を挿通させるための貫通孔E512aを備える。
第3ベースE513は、第1ベースE511の正面から突設され変位手段E530を支持する軸部E511dの突設先端部を挿入するための凹部E513aを背面側(矢印B方向側)に備える。これにより、軸部E511dに変位手段E530が支持された状態で第3ベースE513を第1ベースE511に配設することで、軸部E511dが第1ベースE511側の基端から変位手段E530の重さで折れ曲がることを抑制できる。
駆動手段E520は、第2ベースE512に配設される駆動モータEM2の駆動力を伝達するためのギヤ列であり、駆動モータEM2の軸に固定される駆動ギヤE521と、その駆動ギヤE521に歯合する従動ギヤE522と、その従動ギヤE522に歯合する従動ギヤE523と、その従動ギヤE523に歯合する歯を有し従動ギヤE523の回転に伴って変位手段E530に駆動力を伝達可能な回転体E524と、を備える。
なお、従動ギヤE522は、第1ベースE511の軸部E511aに軸支され、従動ギヤE523は、第1ベースE511の軸部E511bに軸支され、回転体E524は、第1ベースE511の軸部E511cに軸支され、それぞれの軸部E511a~E511cを軸に回転可能とされる。
また、回転体E524は、回転軸(軸部E511cが挿入される部分)とは径方向に異なる位置に正面側(矢印F方向側)に円柱状に突設されるピン部E524aを備え、そのピン部E524aが変位手段E530の背面側(矢印B方向側)に接続される。これにより、回転体E524は、軸部E511cを軸に回転した際にピン部E524aを変位させることにより、変位手段E530に駆動モータEM2の駆動力を伝達して、変位手段E530を変位させることができる。
変位手段E530は、円形状に前後方向(矢印F-B方向)に開口される被軸支部E531と、背面側(矢印B方向側)に溝状に凹設される案内溝E532と、後述する回転手段E550を回転可能な状態で軸支する軸部E533と、背面側の2箇所から円柱状に突出され後述する第2リンク体E542が接続される軸部E534,E535と、を主に備える。
変位手段E530は、被軸支部E531が第1ベースE511の軸部E511dに軸支されると共に、案内溝E532に回転体E524のピン部E524aが挿入される。これにより、変位手段E530は、駆動モータEM2の駆動力により回転体E524が変位されることで、ピン部E524aから駆動力が伝達されて軸部E511dを軸に回転される。
この変位手段E530の変位により、第89実施形態における下変位ユニットE500では、変位手段E530に配設される回転手段E550を図581に示す張出位置と、図578に示す退避位置との間で変位させることができる。
なお、変位手段E530に配設される回転手段E550は、変位手段E530に配設される駆動モータ(図示しない)により、軸部E533を軸に回転可能に構成される。よって、下変位ユニットE500は、回転手段E550を張出位置に配置した状態で回転手段E550を回転させることで、回転手段E550に遊技者の視線を注目させることができる。
また、回転手段E550には、複数のLEDを有する基板が配設されており、LEDから出射される光を回転手段E550の透過領域を介して正面側に出射可能とされる。下変位ユニットE500では、回転手段E550から光を出射しつつ回転手段E550を回転させることで、回転手段E550に着目されることが可能とされる。
従動手段E540は、一端が第1ベースE511の正面側(矢印F方向側)に接続される第1リンク体E541と、その第1リンク体E541の他端に一端が接続され他端が変位手段E530の背面側(矢印B方向側)に接続される第2リンク体E542とを備える。
第1リンク体E541は、一端側に円形状に開口され第1ベースE511の軸部E511eが挿入される被軸支部E541aと、他端側の正面に円柱状に突設される連結軸E541bと、一端と他端との略中間位置から背面側(矢印B方向側)に向かって円柱状に突設され第1ベースE511の案内溝E511fに挿入される被案内部E541cと、を備える。
第2リンク体E542は、一端側に円形状に開口され第1リンク体E541の連結軸E541bが挿入される被軸支部E542aと、他端側に円形状に開口され変位手段E530の軸部E534が挿入される被軸支部E542bと、その被軸支部E542bを中心とする湾曲した溝状に開口され、変位手段E530の軸部E535が挿入される案内溝E542cと、を備える。
よって、下変位ユニットE500は、従動手段E540により第1ベースE511に軸支される被軸支部E531と異なる位置で変位手段E530を第1ベースE511に接続できるので、変位手段E530が張出位置に配置される際に第1ベースE511に対して変位手段E530が前後方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを従動手段E540により抑制できる。従って、張出位置において回転手段E550を回転させた際に、変位手段E530と共に回転手段E550が前後方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。その結果、回転手段E550の回転を遊技者に視認させやすくできる。
次いで、図582を参照し、第90実施形態における第2球流下構造体A2600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618が左右方向に長い突部として形成される場合を説明したが、第90実施形態では、球の流下経路に沿って上流側突部A2618が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図582は、図547の範囲B16mに対応する範囲における第90実施形態における第2球流下構造体A2600の部分正面図である。
第2球流下構造体A2600は、球の流下経路に対応して湾曲(屈曲)しながら延びる形状で前方側に突出形成される突条としての上流側突部A2618を備えており、代わりに傾斜突部A618の形成が省略される。
上流側突部A2618は、減速突部A616と同程度の長さで前方へ向けて突設されており、予め球を開閉板A641から離れる側(前方側)に寄せることができる。
即ち、落下する球に衝突して(せき止めて)方向を変えるのではなく、流下する球を開閉板A641と衝突しない側(前方側)に位置させながら案内可能に構成される。これにより、球との衝突を抑制できるので、衝突により上流側突部A2618が破損することを回避し易くすることができ、耐久性を向上させることができる。
開閉板A641の対向部A641cの全体を覆う(上面視で漏れなく重なる)形状ではないが、球が開閉板A641と衝突することを避けるために必要十分な位置において突設形成されている。そのため、開閉板A641を覆っていない位置(例えば、上流側突部A2618と減速突部A616との左右間位置)において上面視または斜め下方向視で、閉鎖状態(退避状態)において開閉板A641の前端部(第1前後位置AY11(図551参照)よりも前方側に張り出す部位)が露出されるため、開閉板A641の視認性を向上させることができる。
次いで、図583を参照し、第91実施形態における第2球流下構造体A3600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618が形状固定の突部として形成される場合を説明したが、第91実施形態では、当接張出部A3618が弾性変形により球を跳ね飛ばす態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図583(a)及び図583(b)は、図547のB14a-B14a線に対応する線における第91実施形態における第2球流下構造体A3600の部分断面図である。図583(a)では、電動役物A640aが閉鎖状態(退避状態)とされ、図583(b)では、電動役物A640aが開放状態(張出状態)とされる。
第2球流下構造体A3600は、当接した球からの荷重により弾性変形可能に構成され弾性変形(弾性回復)に基づく荷重により球を変位させる当接張出部A3618を備えており、代わりに傾斜突部A618の形成が省略される。
当接張出部A3618は、金属材料の薄板から形成されており、ベース部材A610と受入箱部材A645との間に挟み込まれる態様で支持される板状基部A3618aと、その板状基部A3618aの下端部から折曲され断面形状が逆U字のハーフパイプ形状とされる湾曲当接部A3618bとを備え、略「h」形状の断面で形成される。
当接張出部A3618は、弾性変形されていない状態(図583(b)参照)において傾斜突部A618と同様の張出態様で前方へ向けて張り出している。金属材料から形成される別部材として構成することで、耐久性を向上させることができる。
また、当接張出部A3618は、ベース部材A610に対して着脱可能に構成されていることから、破損した場合には当接張出部A3618のみを交換すれば足りるので、敢えて金属材料ではなく、光透過性(又は非透過性の)樹脂材料から構成するようにしても良い。この場合、材料コストを抑えることができる。
また、当接張出部A3618の材料を、弾性係数が極端に高い材料(例えば、ゴム状の材料)を選定しても良い。この場合、球の前方への反発度合を高くすることができるので、当接張出部A3618に必要とされる張出代を短くすることができ、開閉板A641の先端よりも後方側までの張出で足りるようにできる。
当接張出部A3618は、閉鎖状態(退避状態)の開閉板A641の手前側を球が落下する場合において、その球との当接により球から受ける荷重により湾曲当接部A3618bが弾性変形された場合に、開閉板A641に球が当接しない状態(図583(a)参照)の間に湾曲当接部A3618bが弾性回復し、その弾性回復により球が開閉板A641から離れる側(前方側)に変位される。これにより、球が開閉板A641と衝突する事態を回避することができる。
即ち、湾曲当接部A3618bの弾性回復時の弾性力により球を前方側に変位させる(跳ねさせる)ことで、開閉板A641と球との当接を回避するものである。図583(a)に図示されるように、湾曲当接部A3618bの前方への張出先端部が、開閉板A641の張出先端部よりも後方側に位置する場合を許容している。これにより、傾斜突部A618のように形状が固定される場合に比較して、球の流下経路の経路幅(前後幅)を状況に応じて拡大させることができる分、球の流下抵抗が増大され難くすることができる。
湾曲当接部A3618bに当接した後で開閉板A641から離れる側(前方側)に変位された球は板状本体A631の後側面に衝突するため、何ら対策なしでは、板状本体A631で跳ね返った球が開閉板A641に衝突する可能性がある。これに対し、本実施形態では、開閉板A641の前方位置において板状本体A631に球のバウンドに影響を与える補助シートA3638が貼り付けられている。
補助シートA3638は、球のバウンドを抑制し、且つ、滑りを良くする材質のものが選定される。これにより、板状本体A631に衝突した球の跳ね返り量を低減することで、球が開閉板A641と衝突する事態を回避し易くすることができると共に、開閉板A641の先端側と補助シートA3638との間に球が挟まった場合であっても、球の滑り抵抗を低減することにより、対向部A641cの傾斜に沿って球を下流側に流すことができ、球が開閉板A641と補助シートA3638との間に挟まって停留する事態を避けることができる。
次いで、図584を参照し、第92実施形態における第2球流下構造体A4600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618の右端側の上下厚さが左右に亘って一定とされる場合を説明したが、第92実施形態では、傾斜突部A618の右端側において上下方向の厚みが拡大される領域を有する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図584は、図547の範囲B16mに対応する範囲における第92実施形態における第2球流下構造体A4600の部分正面図である。第2球流下構造体A4600は、上述した傾斜突部A618と同様に形状維持範囲A618a及び形状変化範囲A618bを有する傾斜突部A4618を備える。
傾斜突部A4618は、形状維持範囲A618aと、形状変化範囲A618bとを備え、傾斜突部A4618が延びる方向であって開閉板A641の上面に対して平行な方向に対して垂直な方向に向けて形状維持範囲A618aの右端部上面から上方へ向けて突設される案内突部A4618cを備える。
即ち、傾斜突部A4618は、正面視略L字形状で形成される。これにより、球の傾斜突部A4618に対する到達位置が、球同士の衝突等によりイレギュラーな力が作用して右方側(形状維持範囲A618a側)寄りとなる位置を流下する場合において、その球に対向する側(右側)から案内突部A4618cが当接し、球に対して、開閉板A641により球が案内される側向き(左側向き)の荷重を付与することで、球に対して左側向きの速度を生じさせることができ、開閉板A641が開放状態(張出状態)とされる場合において、開閉板A641が球を案内する側(左方側)への球の流下(移動)を円滑とすることができる。
これにより、球が傾斜突部A4618に当接した後で右側に逸れて開閉板A641の右方に脱落することで入賞検出センサASC64に案内されない状況が生じることを防止し、開閉板A641が開放状態(張出状態)とされる場合における球の入賞検出センサASC64への案内を良好とさせることができる。
即ち、開閉板A641の上面の傾斜に頼らずとも、案内突部A4618cとの当接により球に対して左側向きの速度を与えることができるので、開閉板A641に当接して初めて開閉板A641の上面の傾斜により左側向きの速度が与えられる場合に比較して、開閉板A641の上面における球の流下を滑らかとすることができ、開閉板A641上で球が滞留したり停留したりする事態を避け易い。
また、閉鎖状態(退避状態)の開閉板A641と板状本体A631との間に球が位置する場合に開閉板A641が開放状態(張出状態)へ向けて変位され、球が開閉板A641と板状本体A631との間に挟まれる場合においても、挟まれる場合における球の位置が案内突部A4618cによって左側寄りの位置とされることにより、開閉板A641と板状本体A631との間隔が長い側で球が挟まれるようにすることができる。これにより、球を挟んだ際に開閉板A641が受ける力(電動役物A640aの内部構成が受ける負荷)を低減させることができ、開閉板A641(電動役物A640a)の耐久性を向上させることができる。
なお、上述したように案内突部A4618cは入賞検出センサASC64側への球の流下速度を加速させるように機能するが、場合によってはこれが過度に作用して、球の勢いがつきすぎて、入賞検出センサASC64への誤入球が頻発する状況が生じる可能性がある。この対策として、開閉板A641の開放状態(張出状態)における姿勢を変化可能に構成しても良い。
例えば、閉鎖状態(退避状態)における姿勢に比較して、開放状態(張出状態)における姿勢を、起き上がり方向に角度を付けた姿勢(動作先端側が傾斜突部A4618側に接近する側に変位された姿勢であって、カバー部材A630からは離間される側に変位された姿勢)とすることが可能に構成しても良い。
この場合、開放状態(張出状態)の開閉板A641の上面に乗った球は、開閉板A641の傾斜により後方側へ寄せられることになるので、球はベース部材A610の前側面に擦れながら開閉板A641上を転動され、減速突部A616による減速の程度が大きくされる。これにより、球の流下速度が過大とあることを防止することができる。
次いで、図585から図587を参照し、第93実施形態における第2球流下構造体A5600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618が単体で傾斜面を構成される場合を説明したが、第93実施形態では、傾斜突部A5618と開閉板A5641が共同で傾斜面を構成する場合がある態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図585は、図547の範囲B16mに対応する範囲における第93実施形態における第2球流下構造体A5600の部分正面図である。
第2球流下構造体A5600は、上述した傾斜突部A618と同様に形状維持範囲A618aを有すると共に形状変化範囲A618bの一部を有する傾斜突部A5618を備え、電動役物A640aが、上述した開閉板A641の代わりに、開閉板A641の構成に加えて転動面形成部A641aの上面から転動面形成部A641aの上面に対して垂直な方向に突設される対応突部A5641mを有する開閉板A5641を備える。
図586及び図587は、図585のB17m-B17m線における第2球流下構造体A5600の部分断面図である。図586では、電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)が図示され、図587では、電動役物A640aの開放状態(張出状態)が図示される。
図587に図示されるように、傾斜突部A5618は、形状変化範囲A618bにおいて前方から凹設形成される凹設部A5618cを備えており、図586に図示されるように、対応突部A5641mが凹設部A5618cに受け入れられるように構成されている。
対応突部A5641mが凹設部A5618cに受け入れられた状態において、傾斜突部A618で上述した形状変化範囲A618bの前側部の傾斜と同様の形状となるように対応突部A5641mの前側部の形状が設計される。
即ち、電動役物A640aの閉鎖状態(退避状態)では、形状変化範囲A618bと対応突部A5641mの前側部とが同様の傾斜を構成する。
対応突部A5641mは、傾斜突部A5618に当接する直前における球の中心位置(図553紙面上の位置)よりも左側において形成されている。これにより、傾斜突部A5618に対する当接開始時においては、球は傾斜突部A5618と当接し、対応突部A5641mとは当接しない。これにより、対応突部A5641mが球との衝突により破損する事態を回避することができる。
電動役物A640aの開放状態(張出状態)では、開閉板A5641の上面において球を蛇行させる経路において、対応突部A5641mの後側部と当接した球の流下位置が後ろ側に寄せられる一方で、凹設部A5618cが形成されていることにより球の流下経路の前後幅が確保される。
これにより、右側の減速突部A616との当接の時点から、減速突部A616の前後幅AW02(突設長さ全体)を球との当接が生じる範囲とすることができる。これにより、傾斜突部A618として上述したように傾斜突部A618が形状変化しない(傾斜突部A5618のように開閉板A5641の動作に基づいて球と当接可能な箇所(前面側)の形状が変化するようなことはない)場合に比較して、減速突部A616による球の減速の作用を増大させることができる。
なお、説明の便宜上、対応突部A5641mの大きさを凹設部A5618cに調度おさまる形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設部A5618cが対応突部A5641mに比較して十分に大きな形状で構成されても良い。即ち、凹設部A5618cと対応突部A5641mとの間に十分な隙間が形成されるようにしても良い。この場合、開閉板A5641が開放状態(張出状態)から閉鎖状態(退避状態)へ変化される際に対応突部A5641mと凹設部A5618cとの間で摩擦が生じて開閉板A5641の動作が減速されることを回避することができる。
また、開閉板A5641が閉鎖状態(退避状態)から開放状態(張出状態)へ変化される場合の動作速度についても、同じことが言える。即ち、対応突部A5641mが凹設部A5618cの形成されるベース部材A610から離間する側へ動作する場合の動作速度を高速化させることができ、開閉板A5641の開放動作をスムーズにさせることができる。
次いで、図588を参照し、第94実施形態における第2球流下構造体A6600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618が片面側のみに構成される場合を説明したが、第94実施形態では、傾斜突部A618及び下側傾斜突部A6618が上下両面側に配設される態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図588は、図547の範囲B16mに対応する範囲における第94実施形態における第2球流下構造体A6600の部分正面図である。
第2球流下構造体A6600は、傾斜突部A618を備えると共に、その傾斜突部A618の形状を上下反転させた下側傾斜突部A6618が開閉板A641を挟んで傾斜突部A618の反対側に形成される。
下側傾斜突部A6618は、傾斜突部A618の下面が案内開口A614の上縁下面と面一となる形状であることに対応し、上面が案内開口A614の下縁上面と面一となる形状とされる。
下側傾斜突部A6618が形成されていることで、開閉板A641の下方に流れた球が跳ね戻った場合であっても、閉鎖状態(退避状態)における開閉板A641の前端部は下側傾斜突部A6618により下側から覆われているため、球が下方側から衝突することを防止することができる。即ち、跳ね戻った球が開閉板A641の高さまで到達し得る場合であっても、球が開閉板A641に衝突する事態の発生を回避することができる。
従って、跳ね戻った球が開閉板A641に到達しないように余裕をもって流下領域の大きさ(前後幅や上下幅)を設計する場合に比較して、開閉板A641の下側における流下領域の上下幅を抑制することができるため、結果として、開閉板A641(電動役物A640a)の配置を下方に寄せることができ、配置の自由度を向上させることができる。
開閉板A641の対向部A641cが、上側は傾斜突部A618によって、下側は下側傾斜突部A6618によって、球との衝突を回避するように構成されているため、球が何れの方向から開閉板A641側に近づく場合であっても、閉鎖状態(退避状態)における開閉板A641の対向部A641cと球との衝突を避けることができる。
なお、開閉板A641の右方には突部が形成されていないが、傾斜突部A618と下側傾斜突部A6618との間隔が十分に短いことから、球が間に入り込むことを防ぐことができ、右方から開閉板A641に近づく球と開閉板A641との衝突も避けることができる。
次いで、図589及び図590を参照し、第95実施形態における第2球流下構造体A7600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618が開閉板A641よりも上方に配設される場合を説明したが、第95実施形態では、予備当接部A7638が開閉板A7641と同等の上下位置に配設される態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図589は、図547のB12m-B12m線に対応する線における第95実施形態における第2球流下構造体A7600の部分断面図であり、図590(a)及び図590(b)は、図589のB18a-B18a線における第2球流下構造体A7600の部分断面図である。図589のB18a-B18a線が示す断面は、図547のB14a-B14a線が示す断面に対応する。即ち、開閉板A641,A7641における同一の左右位置での断面とされる。図590(a)では、電動役物A640aが閉鎖状態(退避状態)とされ、図590(b)では、電動役物A640aが開放状態(張出状態)とされる。
第2球流下構造体A7600は、傾斜突部A618の形成が省略されており、上述したカバー部材A630の代わりに、カバー部材A630の有する構成に加えて、開閉板A7641に当接する前に予め球を当接させる予備当接部A7638が形成されるカバー部材A7630を備える。
予備当接部A7638は、カバー部材A7630の板状本体A631の後側面から後方へ向けてベース部材A610の近傍まで複数の板形状で延設されている。その予備当接部A7638との干渉を避ける位置において、開閉板A7641は、予備当接部A7638を受け入れ可能な大きさの切欠き部A7641nを備える。開閉板A7641は、切欠き部A7641nを備える以外は、上述した開閉板A641と同様の構成を備える。
予備当接部A7638の配設位置は、上面が、開閉板A7641の転動面形成部A641aの上面と面一となる位置に設定される。これにより、転動面が転動面形成部A641aの上面と予備当接部A7638の上面とによって形成される場合において、上面の高さがずれている場合に比較して、球を滑らかに転動させることができる。
予備当接部A7638の延設位置は、いずれかの予備当接部A7638の板厚(左右幅)の内側に、予備当接部A7638及び開閉板A7641により形成される転動面に当接開始される当接位置(図553に想像線で図示される球の下端部の位置)が含まれる態様で形成されている。これにより、予備当接部A7638及び開閉板A7641により形成される転動面に到達し流下される球の予備当接部A7638及び開閉板A7641との当接開始時においては、球はまず予備当接部A7638と当接し、その前に開閉板A7641の対向部A641cと当接することが防止される。これにより、傾斜突部A618の形成を省略しても、開閉板A7641の対向部A641cに球が衝突して破損する事態を回避することができる。
傾斜突部A618の形成が省略されることにより、開閉板A7641よりも上流側における流下経路の設計自由度を向上させることができる。即ち、ベース部材A610に球が当接している状態において予備当接部A7638及び開閉板A7641により形成される転動面に球が到達する場合を構成することができる。
予備当接部A7638の形状の設計は種々の態様で実現可能とされるが、本実施形態では予備当接部A7638は、剛性を維持するのに十分な左右方向の厚み寸法(開閉板A7641の厚み程度の寸法)を有し、上下方向の幅寸法が開閉板A7641の厚みの4倍程度の長さで設計される。これにより、十分な強度を付与することができ、球の衝突による破損を防止することができる。
一方で、開閉板A7641は厚みを増すことはしておらず、むしろ切欠き部A7641nにより、開閉板A641に比較して軽量化されている。そのため、駆動ソレノイドA642を流用した場合であっても、開閉動作速度を向上させることができる。
予備当接部A7638はカバー部材A7630に対して片持ちで支持される態様とされるところ、延設先端側が開閉板A7641の切欠き部A7641nと接している。そのため、球との衝突時に予備当接部A7638の延設先端側が左右に変位して予備当接部A7638が撓み変形する事態を回避し易くすることができる。
なお、説明の便宜上、予備当接部A7638の左右方向の厚み寸法を切欠き部A7641nに調度おさまる形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切欠き部A7641nが予備当接部A7638に比較して十分に大きな形状で構成されても良い。即ち、切欠き部A7641nと予備当接部A7638との間に十分な隙間が形成されるようにしても良い。
この場合、開閉板A7641が開放状態(張出状態)から閉鎖状態(退避状態)へ変化される際に切欠き部A7641nと予備当接部A7638との間で摩擦が生じて開閉板A7641の動作が減速されることを回避することができる。
また、開閉板A7641が閉鎖状態(退避状態)から開放状態(張出状態)へ変化される場合の動作速度についても、同じことが言える。即ち、開閉板A7641の切欠き部A7641nと予備当接部A7638(の形成されるカバー部材A7630)とが接近する側へ開閉板A7641が動作する場合の動作速度を高速化させることができ、開閉板A7641の開放動作をスムーズにさせることができる。
なお、予備当接部A7638の剛性についての設計は、上述のように十分な剛性を維持する(略非変形とする)場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、予備当接部A7638が、少なくとも一部において柔軟性(クッション性)の高い材料から形成されても良い。
即ち、少なくとも上面側において柔軟性(クッション性)の高い材料から形成されるようにしておけば、予備当接部A7638に当接開始された球の勢いが予備当接部A7638を構成する材料の変形により低減されるので、その後で球から開閉板A7641に当接により伝達される荷重を低減させることができる。
次いで、図591を参照し、第96実施形態における第2球流下構造体A8600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618がベース部材A610から僅かに張り出す場合を説明したが、第96実施形態では、傾斜延設部A8618がカバー部材A630付近まで張り出す態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図591は、図547のB12m-B12m線に対応する線における第96実施形態における第2球流下構造体A8600の部分断面図である。
第2球流下構造体A8600は、傾斜突部A618の代わりに、右側の減速突部A616の右方側において、正面視における傾斜突部A618の外形形状で、カバー部材A630近傍まで前方へ向けて延設される傾斜延設部A8618を備える。
傾斜延設部A8618は、換言すれば、ベース部材A610とカバー部材A630との間における球の通過領域の幅方向(前後方向)に亘って形成されるものであり、傾斜延設部A8618とカバー部材A630との隙間(前後隙間)における球の通過を防止する。
傾斜延設部A8618は、前後に延びる板状部であって、その上面が、開閉板A641の上面と平行となる傾斜面として形成される。傾斜延設部A8618に球が到達した場合、傾斜延設部A8618の傾斜に沿って左方へ流れた球が傾斜延設部A8618から脱落する場合に、開閉板A641が開放状態となっていれば、その脱落した球は開閉板A641の上面を転動する。
この場合における球の開閉板A641上における転動開始位置は、傾斜延設部A8618から脱落した位置(左側の位置)とされるため、開閉板641の対向部A641cとして最も前方に張り出している右端部に球が衝突することが傾斜延設部A8618により防止される。これにより、開閉板A641の破損を防止することができる。
傾斜延設部A8618の上面の水平線に対する傾斜角度が、開閉板A641の上面の水平線に対する傾斜角度と同様に設定されており、開閉板A641に球が到達する前において、開閉板A641上を転動される場合の加速度と同様の加速度を球に付与することができる。これにより、球の流下を滑らかにすることができる。
傾斜延設部A8618は、板状本体A611と同様に光透過性の樹脂材料により形成されているため、傾斜延設部A8618と重なっている状態でも開閉板A641を視認することが可能となっているが、遊技が繰り返されるに従って、球の衝突による擦れ跡が傾斜延設部A8618の上面に増えることで、視認性が低下する。また、擦れ跡が過度に増加した場合には、傾斜延設部A8618に疲労が蓄積し、破損する可能性があり、更に遊技を繰り返すと開閉板A641を破損させる可能性が有る。
本実施形態では、傾斜延設部A8618の擦れ跡の形成度合が過度に増えた場合に開閉板A641の視認性を敢えて低下させることで、開閉板A641の動作状態の把握をし難くし、遊技者が遊技の継続を断念するように仕向けることができるように構成している。これにより、遊技中において傾斜延設部A8618が破損する事態の発生を回避し易くしている。
また、傾斜延設部A8618のように正面視で視認可能な位置で擦れ跡の形成度合を確認できるようにすることで、ホール店員はメンテナンス時期を容易に把握することができる。そのため、傾斜延設部A8618が破損する前の取り替えを促進させることができる。
次いで、図592から図594を参照し、第97実施形態における第2球流下構造体A9600について説明する。上記第89実施形態では、傾斜突部A618と開閉板A641とが非当接とされる場合を説明したが、第97実施形態では、当接張出部A3618と開閉板A9641とが当接される態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図592(a)及び図592(b)は、図547のB14a-B14a線に対応する線における第97実施形態における第2球流下構造体A9600の部分断面図であり、図593は、図547の範囲B16mに対応する範囲における第2球流下構造体A9600の部分正面図であり、図594は、図593のB19m-B19m線における第2球流下構造体A9600の部分断面図である。
図592(a)では、開閉板A9641の閉鎖状態(退避状態)が図示され、図592(b)、図593及び図594では、開閉板A9641の開放状態(張出状態)が図示される。
第2球流下構造体A9600は、上述した当接張出部A3618がベース部材A9610に備えられており、開閉板A9641を備える。開閉板A9641は、左右幅の略中間位置において、干渉突部A641bと同様に上方に突設される上流側干渉突部A9641bと、その上流側干渉突部A9641bの下流側に形成されており通過した球を順傾斜底面部A9632gへ向けて流下させる空隙部A9641dと、当接張出部A3618の湾曲当接部A3618bの内側に嵌合され得る被嵌合突部A9641pと、を備える。被嵌合突部A9641pは、樹脂材料から一体成形されている。
ベース部材A9610は、当接張出部A3618の端部において上流側干渉突部A9641bと対向配置される位置に形成される対向凹部A9622と、調整可能部材A9635を調整可能に支持する調整支持部A9625と、を備える。
対向凹部A9622は、正面視において上流側干渉突部A9641bを内側に位置させる大きさで形成される。これにより、上流側干渉突部A9641bの移動幅がベース部材A9610の板状本体A611の前側面よりも前方の範囲に制限されることを避けることができる(上流側干渉突部A9641bを対向凹部A9622に進入させることで板状本体A611の前側面との当接が回避される)。
対向凹部A9622は、球の直径よりも小さな左右幅で形成される。これにより、球が対向凹部A9622に嵌り込み、開閉板A9641の後退動作(閉鎖方向への動作)が球との当接により阻害される事態が生じることを避けることができる。
ベース部材A9610の前方にはカバー部材A9630が対向配置される。カバー部材A9630は、ベース部材A9610の調整支持部A9625に支持される調整可能部材A9635と、その調整可能部材A9635の前側位置において板状本体A631に形成される開口部A9631bと、その開口部A9631bを閉塞可能な態様で脱着可能に構成される透明蓋部材A9638と、を備える。
カバー部材A9630に形成される減速突部A636は、上流側干渉突部A9641bと正面視で重ならない位置まで、下端部の位置が挙げられる。即ち、長手方向の寸法が若干短い態様で構成される。この場合における下端部の位置は、開閉板A9641の上面を転動する球の中心の高さよりも高くされており、開閉板A9641の上面に当接している限りにおいて球の前端部位が減速突部A636と当接することが回避される。一方で、球が開閉板A9641の上面において跳ねるような場合には、球の前端部位が減速突部A636と当接される。
即ち、減速突部A636は、開閉板A9641に当接しながら転動する球には作用せず(減速させず)、開閉板A9641の上面において跳ねる球には作用する(減速させる)ように機能する。
パチンコ機A10の設置状態における傾斜(寝かせ)の程度が一定ではないことや、遊技領域に発射された球がある程度ランダムな経路を通り開閉板A9641に到達するという事情もあり、開閉板A9641に到達する場合における球の位置や速度にはバラつきがあり、開閉板A9641に到達した後の流下態様も変化し得る。
開閉板A9641に到達した球が空隙部A9641dの上方を飛び越えて入賞検出センサASC64に入賞する事態が頻繁に生じる事態を避けることが好ましい場合において、全ての球の流下速度を抑制してしまうと、球の流下の勢い自体が低減され見映えが悪くなるし、遊技自体が緩慢になり遊技者に飽きられ易くなる可能性が有る。
本実施形態では、開閉板A9641に当接しながら転動する球には作用せず(減速させず)、開閉板A9641の上面に対して浮き上がっている球には作用する(減速させる)ように減速突部A636を機能させることで、空隙部A9641dの上方を飛び越える可能性が高い球についてのみ球の速度を抑制するようになっており、開閉板A9641の上面を転動する球の勢いまでも低減させる場合に比較して、球の勢いを高く維持させることができるので、球に注目する遊技者の興趣の向上を好適に図ることができ、次々に到達する球に注目させることで遊技者を遊技に集中させることができる。
調整可能部材A9635は、光透過性の樹脂材料から形成されており、後端部が調整支持部A9625に支持され前後方向に延びる支持腕部A9635aと、その支持腕部A9635aの前端部に固定され後端側の形状が突条部A635と同様の形状となるように構成される被支持突部A9635bと、を備え、略L字形状(図594参照)の部材として構成される。調整可能部材A9635が透過性の部材として構成されることにより、開閉板A9641の下流側を流下する球が調整可能部材A9635と重なる場合にも、球の視認性が低下することを避けることができる。
支持腕部A9635aは、通常は調整支持部A9625に支持されることで変位不能に固定される。一方、調整支持部A9625による支持腕部A9635aの保持力を超える力を調整可能部材A9635に付加することで、長孔状に形成される調整支持部A9625の長手方向(正面視で被支持突部A9635bの延びる方向に対して直角に交差する方向)に沿って支持腕部A9635aの位置を変化させることができ、これにより被支持突部A9635bの上下位置を変化させることができる。これにより、開閉板A9641と被支持突部A9635bとの間隔(上下間隔)を変化させることができ、被支持突部A9635bに当接した球の開閉板A9641との衝突し易さ(衝突頻度)を変化させることができる。
メンテナンス等において、調整可能部材A9635の配置を調整する際には、透明蓋部材A9638を取り外すことにより、カバー部材A9630をベース部材A9610に取り付けた状態において開口部A9631bを通して調整可能部材A9635に力を加えることができる。これにより、メンテナンス作業の効率を向上させることができる。
被支持突部A9635bが調整可能部材A9635の一部としてベース部材A9610に支持されているため、被支持突部A9645bが透明蓋部材A9638の後方に位置する位置関係において、透明蓋部材A9638を取り外して調整可能部材A9635の位置を調整したり、破損している場合には代用品と取り替えたりすることが容易にできる。
即ち、上述の第89実施形態のようにカバー部材A630に突条部A635が形成される場合には、突条部A635が破損したらカバー部材A630自体を取り替える必要があったところ、本実施形態によれば、調整可能部材A9635のメンテナンスを行えば十分であり、カバー部材A9630や透明蓋部材A9638については、調整可能部材A9635が破損した場合であっても繰り返し流用することが可能となる。これにより、メンテナンスに要する工数を低減することができ、部材の取り替えも含めたランニングコストを低減することができる。
透明蓋部材A9638は、後方側が視認可能となるように光透過性を有するよう構成されていればよく、素材は種々の態様が例示される。即ち、素材は樹脂材料でも良いし、ガラス材料でも良いし、その他の材料でも良い。
表面成形の態様についても種々の態様が例示される。例えば、前後面が平滑面とされた態様でも良いし、前後いずれかの面に凹凸が形成され光が照射された場合に図形が浮かび上がる態様(所謂イルミネーションプレート)に構成されていても良いし、小さな(球の直径よりも小さな)貫通孔が形成された態様でも良いし、これらの組合せでも良い。
透明蓋部材A9638がカバー部材A9630に取り付けられた状態において、被支持突部A9635bの前端部は、透明蓋部材A9638に対して非当接とされる(若干の間隔が空けられる)。これにより、調整可能部材A9635の配置の調整を実行した後で開口部A9631bを閉塞する態様で透明蓋部材A9638をカバー部材A9630に取り付けた場合において、透明蓋部材A9638との当接により調整可能部材A9635の調整がずれる事態を避けることができる。
なお、被嵌合突部A9641pを棒状金属部材から構成し、開閉板A9641に嵌合により固定しても良い。この場合、被嵌合突部A9641pが割れたり欠けたりすることを防止でき、耐久性を向上させることができる。
開閉板A9641が閉鎖状態(退避状態)とされると、被嵌合突部A9641pが湾曲当接部A3618bの内側に嵌合されることで、開閉板A9641の停止位置が安定される。これにより、動作停止直後に勢いを逃がすことができずにバタつく変位態様を抑制することができ、開閉板A9641の開閉動作の間隔を短く設定しても動作不良を生じさせないようにすることができる。
球が湾曲当接部A3618bに当接することによりU字部分が前後方向で押しつぶされると(図583(a)参照)、湾曲当接部A3618bの内側に嵌合されている被嵌合突部A9641pが、開閉板A9641のがたつきの範囲内で押し下げられることで、嵌合が外れる。即ち、当接張出部A3618から離間する側に開閉板A9641が傾倒変位(回転動作)して、嵌合が外れる。
当接張出部A3618と開閉板A9641との間(上下間)には開閉板A9641の動作を阻害しない程度の隙間が開閉板A9641の幅方向(開閉板A9641の動作方向と交差する方向)に沿って形成されており、その隙間は、開閉板A9641の開放状態(張出状態)でも閉鎖状態(退避状態)でも球の直径よりも小さくされるところ、当接張出部A3618から離間する側に開閉板A9641が傾倒変位(回転動作)した場合における隙間も、同様に球の直径よりも小さくされる。これにより、球が開閉板A9641と当接張出部A3618との間に挟まって動作不良を生じる事態を回避することができる。
本実施形態では、駆動ソレノイドA642が励磁されても、被嵌合突部A9641pが当接張出部A3618に嵌合されている間は閉鎖状態(退避状態)で維持される。球が当接張出部A3618に当接し、被嵌合突部A9641pの嵌合が外れることで、開放状態(張出状態)へ向けての動作が開始される。これにより、球の到達と開閉板A9641の動作とを連続的に生じさせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
この場合、球の到達タイミングと開閉板A9641の動作タイミングとが対応する。即ち、開閉板A9641の前方位置(板状本体A631との間の位置)に球が存在しない状態で開閉板A9641の動作が開始され(図592(a)参照)、動作後において球が開閉板A9641の上面に位置されるので(図592(b)参照)、球が開閉板A9641と板状本体A631との間に挟まる事態を避けることができる。
これは、球が当接張出部A3618と当接する際に、球の中心よりも下側において当接張出部A3618が球に当接することから、球に与えられる荷重が、当接位置における球の外形に対する接線と垂直な方向、即ち、前方成分だけでなく上方成分も有する方向とされることによっても促進される。即ち、重力方向とは逆方向の成分を有することで、球の流下を遅らせる方向の荷重が球に対して与えられることから、開閉板A9641が開放動作される前に球が急速に落下して開閉板A9641と板状本体A631との間に挟まる事態の発生を避けることができる。
ベース部材A9610とカバー部材A9630との間に構成される流下経路において、駆動ソレノイドA642が非励磁とされ、開閉板A9641が閉鎖状態(退避状態)とされている場合に当接張出部A3618に到達し当接した球は、開閉板A9641の上面を転動されることなく、開閉板A9641の対向部A641cの動作方向で対向部A641cに対向する位置(対向部A641cの前方側)を流下し、延設形成部A9632の主経路形成部A632cとして形成される逆傾斜底面部A9632rの上面を転動する。
逆傾斜底面部A9632rは、右方側へ向けて下がる傾斜面として形成されており、到達した球が右側の球案内部A621として構成される不利側流入口A9621aを通過して遊技領域から排出される。
本実施形態では、球案内部A621は、流入した球に基づいて遊技者が得られる利益に図柄の抽選が含まれない不利側流入口A9621aと、その不利側流入口A9621aよりも遊技者が得られる利益が大きく設定される流入口であって、流入した球に基づいて遊技者が得られる利益に図柄の抽選が含まれる有利側流入口A9621bと、を備える。
なお、不利側流入口A9621aと有利側流入口A9621bとの構成は、種々の態様が例示される。例えば、不利側流入口A9621aに流入した球を検出可能な検出センサや、有利側流入口A9621bに流入した球を検出可能な検出センサが、それぞれ配設されるように構成しても良いし、検出センサを配設しない流入口を設けても良い。
また、不利側流入口A9621aと有利側流入口A9621bとの優劣は、抽選の獲得以外で設定されるようにしても良い。例えば、不利側流入口A9621aも有利側流入口A9621bも、流入した球に基づいて遊技者が得られる利益に図柄の抽選が含まれない(又は、含まれる)ことは共通とされる一方で、不利側流入口A9621aに球が流入した場合に遊技者に払い出される払出球よりも、有利側流入口A9621bに球が流入した場合に遊技者に払い出される払出球の方が多くなるように設定しても良い。
ベース部材A9610とカバー部材A9630との間に構成される流下経路において、駆動ソレノイドA642が励磁されており、球が当接張出部A3618に球が当接した場合において、開閉板A9641が開放状態(張出状態)へ向けて動作された場合には、その球は開閉板A9641の上面を転動して、上流側干渉突部A9641bの下流側に形成される空隙部A9641dを流下して、延設形成部A9632の主経路形成部A632cとして形成される順傾斜底面部A9632gの上面を転動する。このように、電動役物A640aが開放状態(張出状態)であるか閉鎖状態(退避状態)であるかに対応して、球が流下される流下経路が異なるように構成される。
空隙部A9641dは、上流側干渉突部A9641bと干渉突部A641bとの間において、球の直径よりも大きな左右幅の矩形状で後方側へ向けて凹設形成されており、開閉板A9641の開放状態(張出状態)においてカバー部材A630の板状本体A631との間の間隔が球の直径よりも大きな寸法で構成される。
順傾斜底面部A9632gは、左方側へ向けて下がる傾斜面として形成されており、到達した球が左側の球案内部A621として構成される有利側流入口A9621bを通過して遊技領域から排出される。
これにより、駆動ソレノイドA642が非励磁とされる場合に当接張出部A3618に到達して当接した場合の球により遊技者が得られる利益よりも、駆動ソレノイドA642が励磁されている場合に当接張出部A3618に到達して当接した場合の球により遊技者が得られる利益の方が大きくなるように構成される。
空隙部A9641dを流下した球は、開閉板A9641よりも下流側に配置される突設部A615や被支持突部A9635bに当接しながら流下し、有利側流入口A9621bに案内される。
なお、本実施形態では、有利側流入口A9621bに全ての球が案内されるのではなく、一部の球は突設部A615の左端から逸れて第2球流下構造体A9600から排出され、アウト口H71(図541参照)を通り遊技領域から排出されるよう構成されるが、空隙部A9641dを流下した全ての球が有利側流入口A9621bに案内されるように構成しても良い。この場合、開閉板A9641の空隙部A9641dの注目力をより向上させることができる。
突設部A615や被支持突部A9635bに衝突した際、球は跳ね返りにより流下方向が切り替えられることになるが、上向きに跳ね返る場合において開閉板A9641の下面(裏面)に衝突し得る。これは、より上方位置にある被支持突部A9635bに衝突した球において、より生じ易い。
これに対し、開閉板A9641の空隙部A9641dの動作方向側端部(前側端部)および幅方向側端部(左右側端部)において下面側が面取り形成されていることから、衝突した球が開閉板A9641の上方側に戻されることなく、再度下方へ戻され、有利側流入口A9621bへ向けて流下されることとなる。これにより、突設部A615や被支持突部A9635bが形成されている状況下においても、球の有利側流入口A9621bへの案内を良好に生じさせることができる。
なお、順傾斜底面部A9632gの上方位置において突設部A615や被支持突部A9635bが形成される一方、逆傾斜底面部A9632rの上方位置においては突設部A615や被支持突部A9635bの形成が省略されるように構成することも可能である。
この場合、駆動ソレノイドA642が非励磁とされる場合に当接張出部A3618に到達して当接した場合の球が、突設部A615や被支持突部A9635bに当接して跳ね返ること自体を避けることができ、跳ね返った球が開閉板A9641の対向部A641cに衝突することによる開閉板A9641の破損を避けることができる。
また、突設部A615や突条部A635に当接して跳ね返った球が後続の球と衝突し、その衝突により球同士が弾け飛ぶことにより、球が有利側流入口A9621b側に案内されるイレギュラー入賞を避けることができる。
更に、駆動ソレノイドA642が非励磁とされる場合に当接張出部A3618に到達して当接した場合の球が、突設部A615や被支持突部A9635bと当接する態様で左下傾斜に沿って転動することで、逆傾斜底面部A9632rの左端を過ぎて順傾斜底面部A9632gに到達する事態を避けることができる。これにより、駆動ソレノイドA642が非励磁とされ、開閉板A9641が閉鎖状態(退避状態)で維持される場合において、球が有利側流入口A9621bに案内されるイレギュラー入賞を避けることができる。
開閉板A9641は、後端側において棒状に形成される支持棒状部A9641jと、その支持棒状部A9641jに回転動作可能に支持される回転動作部A9641rの回転先端側に配設される質量部A9641qと、を備える。
質量部A9641qは、開閉板A9641の閉鎖状態(退避状態)において動作範囲の下端に位置し(図592(a)参照)、開閉板A9641が開放状態(張出状態)へ動作されると回転動作部A9641rが回転動作されることに伴い上方側へ変位される(図592(b)参照)。
開閉板A9641の開放状態(張出状態)において、質量部A9641qは自重により動作範囲の下端へ向けて付勢される。即ち、開閉板A9641の質量部A9641qの自重が、開閉板A9641を閉鎖状態(退避状態)側へ動作させる方向に作用する。
質量部A9641qは、開閉板A9641の退避位置よりも後方側(奥側)に位置されており、流下する球が衝突しない配置とされている。そのため、球との衝突により質量部A9641gの破損が生じることを回避することができ、質量部A9641qによる付勢を長期にわたり生じさせることができる。
本実施形態では、駆動ソレノイドA642の制御が、励磁と非励磁との切り替えではなく、強励磁状態と弱励磁状態とで切り替えられる。強励磁状態では、開閉板A9641が閉鎖状態(退避状態)から開放状態(張出状態)へ向けて動作され、開放状態(張出状態)で維持される。一方、弱励磁状態では、コイルスプリングA642bの付勢力と質量部A9641qの自重による荷重との合力よりも励磁による電磁力の方が若干低い程度となるように制御される。そのため、弱励磁状態とされた場合に、開閉板A9641は開放状態(張出状態)から即座に動作するのではなく、閉鎖状態(退避状態)へ向けてゆっくりと動作する。
この場合において、支持棒状部A9641jに支持される質量部A9641qの変位の方向(向き)は、閉鎖状態(退避状態)への動作開始時の方が、閉鎖状態(退避状態)到達時よりも、鉛直方向寄りとされるので、閉鎖状態(退避状態)に近づく程、質量部A9641qの自重の影響が小さくなり、開閉板A9641の(前後方向)動作の動作速度が遅くなる。
開閉板A9641は、干渉突部A641bと同様の形状で、左右幅の略中間位置において上方に突設される上流側干渉突部A9641bを備える。開閉板A9641が閉鎖状態(退避状態)へ向けてゆっくりと動作する場合において、上流側干渉突部A9641bの後方側に球が位置すると、球からの荷重が開閉板A9641を動作させる力に対抗して、開閉板A9641の動作を阻害し、開閉板A9641が開放状態(張出状態)まで開けられる。
そのため、開閉板A9641が弱励磁状態に切り替えられた場合であっても、球を絶え間なく開閉板A9641の上面に到達させることにより、開閉板A9641が開放状態(張出状態)とされる期間を引き延ばすことができる。即ち、開閉板A9641へ向けて短い間隔で球を発射することで、開閉板A9641に多くの球を案内させる可能性が高まることから、球を一発ずつ発射する単発打ちよりも、球を打ちっぱなしにする遊技を遊技者に実行させるように仕向けることができる。これにより、遊技者が球を変則的に発射する遊技を抑制することができる。
上流側干渉突部A9641bは、開閉板A9641に当接して転動する球に対向される位置に形成される傾斜面部(動作方向に対して傾斜する面)である上流側受部A9641b1と、開閉板A9641を転動した球(下流側の球)に対向される位置に形成される平面部(動作方向に沿う面部)である逆流防止部A9641b2と、を備える。
上流側受部A9641b1は、開閉板A9641の動作方向に対して傾斜する面であるため、球からの荷重を受けた場合に、その荷重により開閉板A9641が動作され易いように構成される。動作され易い方向は傾斜の向きに対応しており、この傾斜の向きは任意に設定可能である。本実施形態では、開閉板A9641が開放状態(張出状態)側へ向けて動作され易いようにする傾斜が形成される。
一方で、逆流防止部A9641b2は、上流側受部A9641b1よりも下流側に形成され開閉板A9641の動作方向に沿う方向に延設される部分(本実施形態では平面部)なので、球からの荷重は開閉板A9641の動作方向と直交する方向に生じるため、球からの荷重を受けたとしても、その荷重による開閉板A9641の動作(例えば、開放状態(張出状態)側へ向けた動作)が生じ難い。
これにより、空隙部A9641d側に流下した球が逆流して上流側干渉突部A9641b側に接近して衝突する事象が生じたとしても、逆流防止部A9641b2に対して球から与えられる荷重により開閉板A9641が押し開けられる事態を避け易くすることができる。なお、逆流防止部A9641b2は平面部に限られるものではなく、例えば、湾曲面でも良いし、棒状部の一部でも良いし、階段状(段付き棒状)に形成される部分でも良い。
開放状態(張出状態)の開閉板A9641の上面を転動する球が、上流側干渉突部A9641bの後面側を通過する場合において、通常の速度で流下する球は空隙部A9641dを通り有利側流入口A9621bに案内される態様で流下する一方で、通常の速度を超える速度(例えば、最大速度)で流下する球は空隙部A9641dの上側を左方に通過し(飛び越え)、上流側干渉突部A9641bからの距離が空隙部A9641dの下方領域よりも長い(離れた)位置に配設される第2入賞口H640を通過する。
即ち、開閉板A9641に到達した球の流下経路が、球の流下する速度に対応して複数態様生じ得るため、開閉板A9641が開放状態(張出状態)であれば到達した球の流下経路が一様とされる場合に比較して、開閉板A9641に到達した球に対する注目力を向上させることができる。
透明蓋部材A9638は、左側の縁部が入賞検出センサASC64の近傍に位置し、左下側の角部が有利側流入口A9621bよりも下方に位置することで、有利側流入口A9621bの正面側を塞ぐ構成とされる。これにより、有利側流入口A9621bに球詰まりが生じて、球が積み重なって開閉板A9641に当接し、動作に影響を与える事態が生じても、透明蓋部材A9638を取り外すことで球の滞留を解除して、開閉板A9641の動作不良を容易に解消することができる。
なお、右側の不利側流入口A9621aにおいては、その真上位置に開閉板A9641が位置しないことから、球の滞留により開閉板A9641に影響を与える可能性が低いことを考慮して、正面視における透明蓋部材A9638の外方に位置させた。これにより、透明蓋部材A9638の小形化を図ることができる。
また、透明蓋部材A9638は、開閉板A9641の正面側を塞ぐ大きさで形成される。これにより、開閉板A9641の前側端部と透明蓋部材A9638との間で球が挟まれた場合であっても、透明蓋部材A9638を取り外すことで球の挟まりを解消できる。
次いで、図595から図598を参照して、第98実施形態における上変位ユニットE2100について説明する。上記第89実施形態では、変位手段E320の姿勢が規定された状態で、変位手段E320が上昇位置から中間位置または下降位置に変位(落下)される場合について説明したが、第98実施形態では、変位手段E2320が上昇位置から中間位置または下降位置に変位(落下)した際にその姿勢を変更可能に構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図595を参照して、第98実施形態における上変位手段E2300の全体構成について説明する。図595は、第98実施形態における上変位手段E2300の分解斜視図である。
図595に示すように、第98実施形態における上変位手段E2300は、棒状に形成される駆動力伝達手段E310と、その駆動力伝達手段E310が接続される変位手段E2320と、その変位手段E2320の背面側(矢印B方向側)において正面視右側(矢印R方向側に接続される姿勢規定手段E2330と、変位手段E2320の背面側において正面視左側(矢印L方向側)に接続される従動装飾手段E340と、を主に備える。
変位手段E2320は、駆動力伝達手段E310が接続され、駆動力伝達手段E310を介して駆動力を第1伝達手段E250との間で伝達可能なベース体E2321と、そのベース体E2321の正面側(矢印F方向側)にベース体E2321の正面との間に所定の空間を形成した状態で配設される第1装飾体E322と、その第1装飾体E322に対して相対変位可能に配設され、ベース体E2321及び第1装飾体E322の間の空間に配設される第2装飾体E323と、その第2装飾体E323と共に変位可能な状態で第1装飾体E322の正面側に配設される第3装飾体E324と、を主に備える。
ベース体E2321は、正面視において略菱形状の板から形成される。また、ベース体E2321は、背面側(矢印B方向側)の2箇所から円柱状に突出する軸支部E321a,E321cと、背面側の1箇所から略角柱状に突出する変位規制部E321dと、上下方向(矢印U-D方向)に沿って長い溝状に開口される摺動溝E321eと、背面側に溝状に凹設される揺動用摺動溝E2321fと、を備える。
揺動用摺動溝E2321fは、後述する姿勢規定手段E2330に形成される揺動用ピン支持部E2335が挿入される溝であり、姿勢規定手段E2330の外形よりも大きい溝幅で形成される。また、揺動用摺動溝E2321fは、軸支部E321aの中心を軸とする湾曲状に形成される。
姿勢規定手段E2330は、ベース手段E200(図562参照)に対する変位手段E2320の姿勢を規定するための部材であり、長手方向の一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成されるベース側被軸支部E331と、長手方向の他端側に正面側(矢印F方向側)に向かって円柱状に突設される揺動用ピン支持部E2335と、前後方向に貫通形成され、正面視において略L字状の開口に形成される案内溝E333と、背面側(矢印B方向側)から略角柱状に突出される変位規制部E334と、を備える。
揺動用ピン支持部E2335は、変位手段E2320のベース体E2321に形成される揺動用摺動溝E2321fに挿入されて、ベース体E2321に接続される部位であり、揺動用摺動溝E2321fの溝幅よりも小さい直径の円柱状に形成される。これにより、第98実施形態における上変位ユニットE2100では、揺動用ピン支持部E2335に揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動させることで、駆動力伝達手段E310の位置を変更しなくても、変位手段E2320のベース体E2321の姿勢をベース手段E200に対して変更可能とされる。
なお、揺動用摺動溝E2321fは、駆動力伝達手段E310の変位が停止された状態において、変位手段E2320の自重により揺動用摺動溝E2321fの一方側に揺動用ピン支持部E2335が維持されるように形成される。これにより、パチンコ機A10の外側から加わる外力により、変位手段E2320のベース体E2321がベース手段E200に対してその姿勢を変更してしまうことを抑制できる。
次いで、図596から図598を参照して、第98実施形態における上変位ユニットE2100の変位について説明する。図596(a)及び図596(b)は、上変位ユニットE2100を正面視した模式図であり、図597(a)及び図597(b)は、上変位ユニットE2100を正面視した模式図であり、図598(a)及び図598(b)は、上変位ユニットE2100を正面視した模式図である。
なお、図596から図598では、変位手段E2320についての外形および揺動用摺動溝E2321fが破線で図示されると共に、第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、係合部材E290、及び、回転部材E442の当接部E442cの外形が破線で図示される。また、図596から図598では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
また、図596(a)では、回転体E234を第1回転位置に配置した状態が図示され、図596(b)では、回転体E234を第1回転位置から正面視左回りに第2回転位置まで回転した状態が図示され、図597(a)及び図597(b)では、回転体E234を正面視左回りで第2回転位置まで回転させた後、第1伝達手段E250が中間位置まで落下した後の状態が順に図示され、図598(a)及び図598(b)では、回転体E234を正面視左回りで第2回転位置まで回転させた後、第1伝達手段E250が下降位置まで落下した後の状態が順に図示される。
図596に示すように、回転体E234を正面視左回りに回転させた場合には、図596(a)に示す第1回転位置から図596(b)に示す第2回転位置まで回転体E234を回転させる直前まで係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される第1リンクE240及び上変位手段E300も同様に上昇位置に規制される。
また、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることで、第1リンクE240の変位も規制されるため、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置に回転させた際に、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240の下面から離間させることができる。
次に、図596(b)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されると、回転体E234の回転に伴い係合部材E290が非係合位置に変位される。これにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動が許容される。この場合、上述したように、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の下面から離間され、駆動モータEM1の駆動力が非伝達とされるので、第1伝達手段E250に接続される上変位手段E2300の自重により第1伝達手段E250を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。この第1伝達手段E250の落下に伴い第1伝達手段E250に接続される第1リンクE240及び上変位手段E2300(変位手段E2320)も同様に上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。
次に、図597を参照して、回転体E234を第2回転位置まで回転させて、駆動モータEM1の駆動力が第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E2300に非伝達とした後、それら第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E2300を上昇位置から中間位置に変位(落下)させた場合について説明する。
図597(a)に示すように、回転部材E442の当接部E442cが第1位置に配置される場合には、上昇位置から変位(落下)する第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が当接部E442cに当接することで、第1伝達手段E250の落下が規制され、第1伝達手段E250が中間位置に配置される。よって、第1伝達手段E250と共に落下する第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)も中間位置に配置される。
この場合、図597(b)に示すように、上変位手段E300(変位手段E320)が中間位置まで変位(落下)した衝撃により、変位手段E320に作用する慣性力で揺動用ピン支持部E2335に変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動させることができる。これにより、中間位置に変位(落下)した変位手段E2320の姿勢をベース手段E200に対して変更することができる。
なお、図597(b)に示すように中間位置までの変位(落下)の慣性力によりベース手段E200に対する姿勢が変更された変位手段E2320は、その自重により、図597(a)に示す姿勢(即ち、中間位置に配置された姿勢)に戻され、その姿勢を維持することができる。
次に、図598を参照して、回転体E234を第2回転位置まで回転させて、駆動モータEM1の駆動力が第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E2300に非伝達とした後、それら第1リンクE240、第1伝達手段E250及び上変位手段E2300を上昇位置から下降位置に変位(落下)させた場合について説明する。
図598(a)に示すように、回転部材E442の当接部E442cが第2位置に配置される場合には、上昇位置から変位(落下)する第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が当接部E442cに非当接とされる。これにより、第1伝達手段E250を下降位置まで落下させることが可能となり、第1伝達手段E250が下降位置に配置される。よって、第1伝達手段E250と共に落下する第1リンクE240及び上変位手段E2300(変位手段E2320)も下降位置に変位(落下)される。
この場合、図598(b)に示すように、上変位手段E2300(変位手段E2320)を下降位置まで変位(落下)させた衝撃により、変位手段E2320に作用する慣性力で揺動用ピン支持部E2335に変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動させることができる。これにより、下降位置に変位(落下)した変位手段E2320の姿勢をベース手段E200に対して変更することができる。
なお、図598(b)に示すように中間位置までの変位(落下)の慣性力によりベース手段E200に対する姿勢が変更された変位手段E2320は、その自重により、図598(a)に示す姿勢(即ち、中間位置に配置された姿勢)に戻され、その姿勢を維持することができる。
従って、第98実施形態では、上記した第89実施形態のように、回転部材E442の当接部E442cにより第1伝達手段E250の変位(落下)を規制または許容することで、窓部P14eを介して視認される変位手段E2320の変位(落下)位置を変えるだけでなく、変位(落下)時における変位手段E2320の姿勢を変更できるので、変位手段E2320の変位による演出効果を向上できる。
即ち、上記第89実施形態における上変位ユニットE100では、回転部材E442の当接部E442cにより第1伝達手段E250の変位(落下)を規制または許容することで、第1伝達手段E250に接続される第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)の変位(落下)の距離が変更されるだけであるので、窓部P14eを介して視認される変位手段E320の変位の態様を十分に変更できないという問題点があった。
これに対し、第98実施形態における上変位ユニットE2100では、回転部材E442の当接部E442cにより第1伝達手段E250の変位(落下)を規制または許容することで、第1伝達手段E250に接続される第1リンクE240及び上変位手段E300(変位手段E320)の変位(落下)の距離を変更するだけでなく、変位(落下)時における変位手段E2320の姿勢を変更できるので、窓部P14eを介して視認される変位手段E2320の変位の態様を変更しやすくできる。その結果、変位手段E2320の変位による演出効果を向上できる。
また、第98実施形態における上変位ユニットE2100では、当接部E442cにより第1伝達手段E250の変位(落下)を規制して、変位(落下)時における変位手段E2320の姿勢を変更した際に、窓部P14eを介して視認される領域の中央側に向けて変位手段E2320を変位させることができる。そのため、変位手段E2320の変位に着目させやすくでき、限られたスペース(窓部P14eから視認可能な領域)を有効に活用できる。
さらに、第98実施形態においては、変位(落下)時における変位手段E2320の姿勢を変更した際に、変位手段E2320に配設される発光手段E321h1の光の発光色および発光箇所が変更される。これにより、変位手段E2320の変位(落下)時に変位手段E2320の姿勢が変更されたことを遊技者に認識させやすくできる。その結果、変位手段E2320の変位による演出効果を向上できる。
次いで、図599から図601を参照して、第99実施形態における上変位ユニットE2100の変位態様について説明する。上記第98実施形態では、上変位手段E2300(変位手段E2320)が変位(落下)した際の慣性力を利用して変位(落下)後の変位手段E3220の姿勢を変化させる場合について説明したが、第99実施形態では、上変位手段E2300の変位手段E2320を他の役物(第99実施形態では、下変位ユニットE500)に衝突させて変位手段E2320の姿勢を変化させる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図599(a)及び図599(b)は、第99実施形態における上変位ユニットE2100及び下変位ユニットE500を正面視した模式図であり、図600(a)及び図600(b)は、上変位ユニットE2100及び下変位ユニットE500を正面視した模式図であり、図601(a)及び図601(b)は、上変位ユニットE2100及び下変位ユニットE500を正面視した模式図である。
なお、図599から図601では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。また、図599から図601では、変位手段E2320についての外形および揺動用摺動溝E2321fを破線で図示すると共に、第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、係合部材E290、及び、回転部材E442の当接部E442cの外形が破線で図示される。
さらに、図599(a)では、回転体E234を第1回転位置に配置した状態が図示され、図599(b)では、回転体E234を第1回転位置から正面視左回りに第2回転位置まで回転した状態が図示され、図600(a)及び図600(b)では、回転体E234を正面視左回りで第2回転位置まで回転させた後、第1伝達手段E250が中間位置まで落下する状態が順に図示され、図601(a)及び図601(b)では、第1伝達手段E250が中間位置から下降位置まで落下する状態が順に図示される。
図599から図601に示すように、下変位ユニットE500は、張出位置に配設されることで、回転手段E550が窓部P14eの下方側から変位して窓部P14eの内側に配置される。なお、張出位置において下変位ユニットE500の回転手段E550は、上変位ユニットE2100の変位手段E2320と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に配設されると共に、正面視における変位手段E2320の変位軌跡と重なる位置に配設される。これにより、第99実施形態では、下変位ユニットE500の回転手段E550が張出位置に配置される状態において、上変位ユニットの変位手段E2320が上昇位置から下方に向かって変位(落下)させた場合に、回転手段E550に変位手段E2320を当接させることができる。以下では、回転手段E550に変位手段E2320を当接について詳しく説明する。
まず、図599に示すように、回転体E234を正面視左回りに回転させた場合には、図599(a)に示す第1回転位置から図599(b)に示す第2回転位置まで回転体E234を回転させる直前まで係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される上変位手段E2300も同様に上昇位置に規制される。
そして、図599(b)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されると、回転体E234の回転に伴い係合部材E290が非係合位置に変位される。これにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動が許容される。この場合、上述したように、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の下面から離間しているので、第1伝達手段E250に接続される上変位手段E2300の自重により第1伝達手段E250を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。この第1伝達手段E250の落下に伴い上変位手段E2300の変位手段E2320も同様に上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。
次に、図600を参照して、第1伝達手段E250を上昇位置から中間位置に変位(落下)させた場合について説明する。なお、第99実施形態における上変位ユニットE2100では、ベース体E2321の正面側(矢印F方向側)に配設される基板E321h(図571参照)の発光手段E321h1の光が正面側だけでなく、下方側にも向けて出射可能に構成される。図600では、変位手段E2320に配設される発光手段E321h1が鎖線で図示されると共に、発光手段E321h1から下方に向けて出射される光の方向が2点鎖線の矢印で図示される。
図600(a)に示すように、第1伝達手段E250を上昇位置から中間位置に変位(落下)させた場合には、上昇位置から変位(落下)する第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面が当接部E442cに当接する直前(即ち、第1伝達手段E250が中間位置まで変位(落下)する直前)に、上変位ユニットE2100の変位手段E2320を、張出位置に配設される下変位ユニットE500の回転手段E550の上方側に当接させることができる。
この当接により、図600(b)に示すように、変位手段E2320が回転手段E550の外縁に沿って転動しつつ中間位置に向かって変位(落下)することで、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E2320の姿勢が変化される。この変位手段E2320の姿勢変化により、第1伝達手段E250の中間位置への変位(落下)を継続させて、第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面を当接部E442cに当接させることができる。その結果、第1伝達手段E250の変位が中間位置で停止され、図600(b)に示すように、変位手段E2320の姿勢が変化された状態で変位手段E2320の変位(落下)が規制される。
また、第99実施形態における上変位ユニットE2100では、変位手段E2320を回転手段E550の上方側に当接させて、変位(落下)時における変位手段E2320の姿勢を変更した際に、窓部P14eを介して視認される領域の中央側に向けて変位手段E2320を変位させることができる。よって、変位手段E2320が回転手段E550の影響を受けずに落下するたする態様では、変位手段E2320が下降位置まで落下する態様となりがちであるのに対し、途中で回転手段E550に当接される態様では、窓部P14eから視認可能な領域における幅方向中央側へ変位手段E2320が変位可能とされるので、変位手段E2320の変位に着目させやすくできる。その結果、限られたスペース(窓部P14eから視認可能な領域)を有効に活用できる。
なお、第99実施形態における上変位ユニットE2100では、図600(a)及び図600(b)に示すように、変位手段E2320の姿勢が変化されることで、発光手段E321h1から下方に向けて出射される光の向きが下変位ユニットE500の回転手段E550に向けられる。これにより、第99実施形態では、下変位ユニットE500の回転手段E550の外面を上変位ユニットE100の発光手段E321h1の光により明るくしやすくできる。その結果、回転手段E550と変位手段E2320とを合わせた変位を遊技者に視認させやすくでき、回転手段E550に変位手段E2320を当接させることによる演出効果を向上できる。
次に、図601を参照して、図600(b)に示す中間位置に第1伝達手段E250が配置された状態から、第1伝達手段E250の正面側突設部E251bの下面と回転部材E442の当接部E442cとの当接を解除して、第1伝達手段E250を下降位置まで変位(落下)させる場合について説明する。
図601に示すように、第99実施形態では、回転部材E442の当接部E442cを第2位置に変位させて、回転部材E442を第1伝達手段E250の中間位置から下降位置への変位を許容した後、回転手段E550を正面視右回りに回転させることで、回転手段E550の上方側に当接する変位手段E2320を変位させて、変位手段E530の姿勢を変更させた状態で変位手段E530を下降位置まで落下させることができる。
即ち、第99実施形態では、図601(a)に示すように、張出位置の回転手段E550に変位手段E2320を当接させて変位手段E2320の姿勢を変更するため、第1伝達手段E250が中間位置に配置される場合に、変位手段E2320の一部が回転手段E550に載置された状態とされる。
そのため、回転部材E442の当接部E442cを第2位置に変位させて、回転部材E442を第1伝達手段E250の中間位置から下降位置への変位を許容したとしても、変位手段E2320を下降位置に向けて変位(落下)させることが困難とされる。
これに対し、第99実施形態では、回転手段E550を回転させることで、その回転手段E550に載置された変位手段E2320を回転手段E550の回転に合わせて左右方向(矢印L-R方向)に変位させることができる。これにより、回転手段E550の上方側に変位手段E2320が載置された状態を解除して、変位手段E2320を下降位置に向けて変位(落下)させることができる。その結果、変位手段E2320に接続される第1伝達手段E250を下降位置まで変位させることができる。
従って、第99実施形態では、回転手段E550の回転に合わせて変位手段E2320を変位させることができるので、回転手段E550と変位手段E2320とを一体的に変位させることができる。そのため、窓部P14eを介して視認可能とされる領域において、変位手段E2320と回転手段E550とを合わせた変位を遊技者に視認させることができ、それらの変位による演出効果を向上できる。
次いで、図602から図606を参照して、第100実施形態における上変位ユニットE2100の変位について説明する。上記第99実施形態では、張出位置における下変位ユニットE500の回転手段E550に、上変位ユニットE2100の変位手段E2320が必ず当接する場合について説明したが、第100実施形態では、張出位置における下変位ユニットE3500の回転体E3550に、上変位ユニットE2100の変位手段E2320を当接させる態様と、当接させない態様とを形成する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図602及び図603を参照して、第100実施形態における下変位ユニットE4500について説明する。図602(a)は、第100実施形態における下変位ユニットE4500を正面視した模式図であり、図602(b)は、回転手段E4550を正面視した模式図であり、図602(c)は、回転手段E4550を上面視した模式図であり、図603(a)及び図603(c)は、図602(a)のE05a-E05a線における下変位ユニットE4500の断面模式図であり、図603(b)及び図603(d)は、回転手段E4550を上面視した模式図である。
なお、図603(a)及び図603(c)では、変位手段E2320の変位を許容する許容回転位置に回転手段E4550が配設された状態が図示され、図603(b)及び図603(d)では、変位手段E2320の変位を規制する規制回転位置に回転手段E4550が配設された状態が図示される。
図602及び図603に示すように、第100実施形態における下変位ユニットE4500は、ベース手段E510と、駆動手段E520と、変位手段E530と、従動手段E540と、変位手段E530の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E4560と、その駆動手段E4560の上方側に接続される回転手段E4550と、を主に備える。
駆動手段E4560は、一方向(第100実施形態では、左右方向(矢印L-R方向))に軸を変位可能なソレノイドE4561と、そのソレノイドE4561の軸の先端に配設される連結手段E4562と、それらソレノイドE4561及び連結手段E4562が収容されると共に、変位手段E530の正面側(矢印F方向側)に締結されるケース体E4563と、を主に備える。
連結手段E4562は、ソレノイドE4561の駆動力を後述する回転手段E4550に伝達するために回転手段E4550と接続される部材であり、上下方向(矢印U-D方向)に貫通され前後方向(矢印F-B方向)に溝状に開口される摺動溝E4562aを備える。
ケース体E4563は、ソレノイドE4561及び連結手段E4562を収容可能な箱状に形成され、上面に下方側(矢印D方向)に向けて円形状に凹設される被軸支部E4563aを備える。また、ケース体E4563の上面には、後述する回転手段E4550の摺動ピンE4553を連結手段E4562に接続するための開口(図示しない)が形成される。下変位ユニットE4500では、ケース体E4563の上面に形成される開口(図示しない)を介して、ケース体E4563の内外に配設される連結手段E4562と回転手段E4550とを接続できる。
回転手段E4550は、上面視略円形の円盤状に形成される本体部E4551と、その本体部E4551の中心に配設される回転軸E4552と、回転軸E4552とは径方向に異なる位置に配設される摺動ピンE4553と、を主に備え、回転軸E4552がケース体E4563の被軸支部E4563aに回転可能な状態で軸支されると共に、摺動ピンE4553が連結手段E4562の摺動溝E4562aの内側に配設される。
よって、回転手段E4550は、ソレノイドE4561に電力が付与されてソレノイドE4561の軸が連結手段E4562と共に左右方向(矢印L-R方向)に変位されることで連結手段E4562に接続される摺動ピンE4553が変位され、回転軸E4552を軸に回転される。
また、回転手段E4550の本体部E4551は、外周側の一部を径方向内側に向かって切り欠いて形成された切り欠き部E4551aを備えており、ソレノイドE4561の駆動力により回転手段E4550を回転させることで、切り欠き部E4551aの位置を変更可能とされる。
なお、回転手段E4550は、図603(a)に示すようにソレノイドE4561の軸が張り出され許容回転位置に配置される場合に、切り欠き部E4551aの内側の空間が回転手段E4550の回転軸E4552と左右方向(矢印L-R方向)に隣り合う位置に配置され、図603(b)に示すようにソレノイドE4561の軸が引き込まれ規制回転位置に配設される場合に、切り欠き部E4551aの内側の空間が回転手段E4550の回転軸E4552よりも背面側(矢印B方向側)に退避される。
次いで、図604から図606を参照して、第100実施形態における上変位ユニットE2100の変位態様について説明する。なお、第100実施形態おける上変位ユニットE2100では、第3ベースE260から変位規制手段E400が取り外され、上変位手段E2300(変位手段E2320)及び第1伝達手段E250は、変位手段E2320が回転手段E4550に載置されることにより中間位置に維持されるように構成される。
図604(a)及び図604(b)は、第100実施形態における上変位ユニットE2100及び下変位ユニットE4500を正面視した模式図であり、図605(a)は、回転手段E4550及び変位手段E2320を上面視した模式図であり、図605(b)は、上変位ユニットE2100及び下変位ユニットE4500を正面視した模式図であり、図606(a)は、回転手段E4550及び変位手段E2320を上面視した模式図であり、図606(b)は、上変位ユニットE2100及び下変位ユニットE4500を正面視した模式図である。
なお、図604(a)、図604(b)、図605(b)及び図606(b)では、変位手段E2320についての外形および揺動用摺動溝E2321fを破線で図示すると共に、第3ベースE260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、係合部材E290の外形が破線で図示される。
また、図604(a)、図604(b)、図605(b)及び図606(b)では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
図604から図606に示すように、下変位ユニットE4500は、上記第99実施形態における下変位ユニットE500と同様に、張出位置に配設されることで、回転手段E4550が窓部P14eの外側から窓部P14eの内側に配置される。なお、張出位置において下変位ユニットE4500の回転手段E4550は、上変位ユニットE2100の変位手段E2320と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に配設されると共に、正面視における変位手段E2320の変位軌跡と重なる位置に配設される。これにより、第100実施形態では、下変位ユニットE4500の回転手段E4550が張出位置に配置される状態において、上変位ユニットの変位手段E2320が上昇位置から下方に向かって変位(落下)させた場合に、回転手段E4550に変位手段E2320を当接させることができる。以下では、張出位置に回転手段E4550が配置される場合における変位手段E2320の変位態様について詳しく説明する。
まず、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置まで回転させる場合には、上記第89実施形態、第98実施形態、第99実施形態における上変位ユニットE100,E2100と同様に、係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される上変位手段E2300も同様に上昇位置に規制される。
そして、図604(a)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されると、回転体E234の回転に伴い係合部材E290が非係合位置に変位される。これにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動が許容される。この場合、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の下面から離間しているので、第1伝達手段E250に接続される上変位手段E2300の自重により第1伝達手段E250を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。この第1伝達手段E250の落下に伴い上変位手段E2300の変位手段E2320も同様に上昇位置から下方に向けて変位(落下)させて、図604(b)に示すように、正面視において下変位ユニットE4500の回転手段E4550の上方に隣り合う位置まで落下させることができる。
次に、図605及び図606を参照して、正面視において下変位ユニットE4500の回転手段E4550の上方に隣り合う位置(図604(b)に示す位置)まで変位(落下)させた際に、回転手段E4550が規制回転位置または許容回転位置に配設される場合について説明する。
図605に示すように、回転手段E4550が張出位置、且つ、規制回転位置に配置される場合には、回転手段E4550の切り欠き部E4551aにより形成される空間が回転軸E4552よりも背面側(矢印B方向側)に退避され、回転手段E4550の上面が変位手段E2320の変位軌跡上に配置される。
これにより、上昇位置から下降する変位手段E2320が回転手段E4550の上面に当接される。この当接により、図605(b)に示すように、変位手段E2320が回転手段E4550の上面に沿って転動することで、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E2320の姿勢を変化させることができる。また、第100実施形態では、姿勢変化した変位手段E2320を回転手段E4550の上面に載置することで、第1伝達手段E250及び上変位手段E2300(変位手段E2320)を中間位置に維持することができる。
また、第100実施形態における上変位ユニットE2100では、変位手段E2320を回転手段E4550の上方側に当接させて、変位(落下)時における変位手段E2320の姿勢を変更した際に、窓部P14eを介して視認される領域の中央側に向けて変位手段E2320を変位させることができる。よって、変位手段E2320が回転手段E4550の影響を受けずに落下するたする態様では、変位手段E2320が下降位置まで落下する態様となりがちであるのに対し、途中で回転手段E4550に当接される態様では、窓部P14eから視認可能な領域における幅方向中央側へ変位手段E2320が変位可能とされるので、変位手段E2320の変位に着目させやすくできる。その結果、限られたスペース(窓部P14eから視認可能な領域)を有効に活用できる。
一方、図606に示すように、回転手段E4550が張出位置、且つ、許容回転位置に配置される場合には、回転手段E4550の切り欠き部E4551aにより形成される空間が回転軸E4552と左右方向(矢印L-R方向)に隣り合う位置に配設され、切り欠き部E4551aにより形成される空間が変位手段E2320の回転軌跡上に配置される。
これにより、上昇位置から下降する変位手段E2320が回転手段E4550の切り欠き部E4551aにより形成される空間を通過して下降位置まで落下させることができる。
従って、第100実施形態では、回転手段E4550が張出位置に配置される状態において、回転手段E4550を回転させることで、上昇位置から変位する変位手段E2320が回転手段E4550に当接されるか否かを変更することができる。
このように、第100実施形態では、窓部P14eを介して視認可能な領域に配置される張出位置の回転手段E4550に、上昇位置から変位(落下)する変位手段E2320が当接可能に構成されるので、変位手段E2320が回転手段E4550に当接されるか否かの動向に着目させることができる。
また、第100実施形態では、張出位置に配設した回転手段E4550を回転させて、切り欠き部E4551aを前後方向(矢印F-B方向)に変位させることで、回転手段E4550に変位手段E2320が当接する態様と、回転手段E4550に変位手段E2320が当接しない態様とに切り替えることができるので、正面側(矢印F方向側)から窓部P14eを介して回転手段E4550を視認する遊技者に対し、回転手段E4550の状態(回転位置)を把握させにくくできる。即ち、変位手段E2320が回転手段E4550に当接可能な状態であるか否かを把握させにくくできる。
なお、第100実施形態では、回転手段E4550は円板状に形成され回転軸を上下方向(矢印U-D方向)に向けて配置されるので、回転手段E4550に変位手段E2320が当接する態様と、回転手段E4550に変位手段E2320が当接しない態様とに切り替えた際に、正面視における回転手段E4550の外形の変化量を少なくできる。その結果、正面側(矢印F方向側)から窓部P14eを介して回転手段E4550を視認する遊技者に対し、回転手段E4550の状態(回転位置)を把握させにくくできる。
さらに、第100実施形態では、直動可能な軸を有するソレノイドE4561と、変位(落下)する変位手段E2320が当接される回転手段E4550とが、ソレノイドE4561の軸に接続された連結手段E4562の摺動溝E4562aに回転手段E4550に形成された摺動ピンE4553が挿通され、その挿通方向が鉛直方向(矢印U-D方向)とされるので、変位手段E2320が変位(落下)して回転手段E4550に当接した場合に、その当接した衝撃や変位手段E2320の荷重が連結手段E4562に作用することを抑制できる。その結果、連結手段E4562及びソレノイドE4561が破損や故障することを抑制できる。
なお、変位手段E2320が回転手段E4550に当接された際に、回転手段E4550の回転軸E4552が破損しないように、被軸支部E4563aの底部に弾性体を配設しても良い。この場合には、変位手段E2320が回転手段E4550に当接した際に、被軸支部E4563aに配設した弾性体を弾性変形させることで、変位手段E2320が回転手段E4550に当接した衝撃を吸収できる。その結果、回転手段E4550の回転軸E4552が破損することを抑制できる。
次いで、図607から図610を参照して、第101実施形態における上変位ユニットE5100について説明する。上記第98実施形態では、変位手段E2320の姿勢を変更するために、第1伝達手段E250を回転部材E442の当接部E442cに当接させる場合について説明したが、第101実施形態では、変位手段E5320を変位付与手段E5226の被当接部E5226aに当接させて、変位手段E5320の姿勢を変更する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
初めに、図607を参照して、第101実施形態における上変位ユニットE5100の全体構成について説明する。図607(a)は、第101実施形態における上変位ユニットE5100を正面視した模式図であり、図607(b)は、図607(a)のE06b-E06b線における上変位ユニットE5100の断面模式図である。なお、図607(a)では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
図607に示すように、第101実施形態における上変位ユニットE5100は、ベース手段E5200と、そのベース手段E5200の正面側(矢印F方向側)に配設され、ベース手段E5200に対して相対変位可能とされる上変位手段E5300と、を主に備え、ベース手段E5200から上変位手段E5300に駆動モータEM1の駆動力が伝達されることにより、上変位手段E5300を窓部P14eの範囲内と範囲外とで変位可能とされる。
第101実施形態における上変位手段E5300は、駆動力伝達手段E310と、その駆動力伝達手段E310が接続される変位手段E5320と、その変位手段E5320の背面側(矢印B方向側)において正面視右側(矢印R方向側に接続される姿勢規定手段E2330と、を主に備える。
変位手段E5320は、駆動力伝達手段E310が接続され、駆動力伝達手段E310を介して駆動力を第1伝達手段E250との間で伝達可能なベース体E5231と、そのベース体E5321の正面側(矢印F方向側)にベース体E5321の正面との間に所定の空間を形成した状態で配設される第1装飾体E322と、その第1装飾体E322に対して相対変位可能に配設され、ベース体E5321及び第1装飾体E322の間の空間に配設される第2装飾体E323と、その第2装飾体E323と共に変位可能な状態で第1装飾体E322の正面側に配設される第3装飾体E324と、を主に備える。
ベース体E5321は、正面視において左右方向(矢印L-R方向)に長い矩形状に形成され、正面視において右側(矢印R方向側)の一部が窓部P14eの外側の領域に配設されると共にベース手段E200(第3ベースE260)の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設される。また、ベース体E5321は、ベース手段E200の第3ベースE260の正面側に重なる領域において背面側(矢印B方向側)に円柱状に突出される当接ピン部E5321gを備えると共に、上記第98実施形態におけるベース体E2321と同様に、背面側(矢印B方向側)の2箇所から円柱状に突出する軸支部E321a,E321cと、背面側の1箇所から略角柱状に突出する変位規制部E321dと、上下方向(矢印U-D方向)に沿って長い溝状に開口される摺動溝E321eと、背面側に溝状に凹設される揺動用摺動溝E2321fと、を備える。
当接ピン部E5321gは、後述するベース手段E5200の第2ベースE5220に配設される変位付与手段E5226の被当接部E5226aに当接して、変位手段E5320の変位方向を変更する部分であり、正面視において窓部P14eの外側の領域に形成されると共に、第3ベースE5260よりも正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、当接ピン部E5321gは、背面側(矢印B方向側)の先端部に周方向沿って凹設される溝部E5321g1を備える。溝部E5321g1は、当接ピン部E5321gが被当接部E5226aに当接した際に、被当接部E5226aに形成される凸部E5226a1が挿入される部分であり、凸部E5226a1に対応する凹設形状に形成される。
ベース手段E5200は、第1ベースE210と、上下方向(矢印U-D方向)に長い矩形の板状に形成され、上端(矢印U方向側の端部)が第1ベースE210の一端(矢印R方向側の端部)に連結される第2ベースE5220と、その第2ベースE5220の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E230と、第1リンクE240と、第1伝達手段E250と、第2ベースE5220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250を収容した状態で第2ベースE5220の正面側に配設される第3ベースE5260と、第2ベースE5220の背面側(矢印B方向側)に配設される第2リンクE270と、第2伝達手段E280と、係合部材E290と、を主に備え、第3ベースE5260の正面側に配設される駆動モータEM1の駆動力により、第1伝達手段E250を上昇位置と下降位置との間で変位可能に構成される。
第2ベースE5220は、駆動手段E230、第1リンクE240、第2リンクE270、第2伝達手段E280、及び、係合部材E290が変位可能な状態で配設される本体部材E5221と、その本体部材E5221に配設され後述する第1伝達手段E250を案内する金属製の案内棒E222と、その案内棒E222に案内された第1伝達手段E250が上昇側の端部(上昇位置)に配設されたことを検出する第1検出手段E223と、第1伝達手段E250が案内棒E222に案内されて下降側の端部まで変位された際に第1伝達手段E250に当接して第1伝達手段E250の変位を規制する弾性体E224と、後述する駆動手段E230の回転体が所定位置に回転されたことを演出する第2検出手段E225と、第2ベースE5220に開口された貫通孔を介して第2ベースE5220の背面側(矢印B方向側)と正面側(矢印F方向側)とに亘って配設される変位付与手段E5226と、を備える。
変位付与手段E5226は、第3ベースE5260正面側(矢印F方向側)に重なる位置で変位(落下)する変位手段E5320の当接ピン部E5321gと当接することで、変位手段E5320の変位(落下)態様を変化させる部材であり、正面において、当接ピン部E5321gと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に配設される。
また、変位付与手段E5226は、当接ピン部E5321gに当接する被当接部E5226aと、その被当接部E5226aに接続され、被当接部E5226aを変位させることが可能に構成されるソレノイドE5226bと、を備える。
ソレノイドE5226bは、被当接部E5226aに接続される軸を前後方向(矢印F-B方向)に変位させることが可能な状態で配置され、第2ベースE5220の本体部材E5221の背面側(矢印B方向側)に配設される。また、ソレノイドE5226bは、その前後方向に変位可能な軸が本体部材E5221の貫通孔を介して本体部材E5221の正面側(矢印F方向側)に配設され、その本体部材E5221の正面側に配設されるソレノイドE5226bの軸が第3ベースE5260よりも正面側に突出可能に構成される。これにより、ソレノイドE5226bの軸を変位させることで、ソレノイドE5226bの軸に接続される被当接部E5226aを第3ベースE5260の正面側に突出させることが可能とされる。
被当接部E5226aは、正面視円形状の円板状に形成されると共に、その中心がソレノイドE5226bの軸に対して回転可能な状態でソレノイドE5226bの軸に連結される。また、被当接部E5226aには、円板状に形成される外周面において、前後方向(矢印F-B方向)の一部の領域から径方向外側に向かって突出すると共に周方向に一周連続する凸部E5226a1が形成される。
凸部E5226a1は、被当接部E5226aに当接する当接ピン部E5321gを案内する突起であり、当接ピン部E5321gに形成される溝部E5321g1の内側に挿入可能な大きさに形成される。また、凸部E5226a1は、被当接部E5226aの外周面を周方向に一周する間に前後方向(矢印F-B方向)に波状に湾曲して形成される。これにより、被当接部E5226aに当接して被当接部E5226aの外周面に沿って変位する当接ピン部E5321gを凸部E5226a1に沿って前後方向に変位させることができる。
第3ベースE5260は、正面視において第2ベースE5220と略同一の外形に形成され、第2ベースE5220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250の一部を収容した状態で第2ベースE5220の正面側(矢印F方向側)に配設される。また、正面視において窓部P14e側(矢印L方向側)の第2ベースE5220と第3ベースE5260との端部には、第2ベースE5220と第3ベースE5260との間に前後方向(矢印F-B方向)に所定の空間が形成されており、その所定の空間を介して第1伝達手段E250の伝達部E252が窓部P14eの内側の領域に突出されると共に、摺動体E251の上下方向(矢印U-D方向)の変位に伴って伝達部E252を窓部P14eの内側の領域で上下方向に変位可能とされる。
また、第3ベースE5260は、正面側(矢印F方向側)の側面から正面側に向かって円柱状に突設される2箇所の軸部E261,E262と、前後方向(矢印F-B方向)に円形状に開口される挿通孔E263と、前後方向に円形状に開口される貫通孔E5265と、正面側の側面に配設され変位手段E5263を検出可能な検出手段E5267と主に備える。
貫通孔E5265は、第2ベースE5220に配設される変位付与手段E5226の被当接部E5226aを第3ベースE5260の正面側(矢印F方向側)と背面側(矢印B方向側)との間で変位させるための開口であり、正面視において被当接部E5226aの外形よりも大きい内径に形成される。
検出手段E5267は、変位手段E5320が所定位置に変位したことを検出可能な検出装置であり、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E5320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E5320の姿勢が所定の姿勢に変位された場合に変位手段E5320を検出可能に構成される。
次いで、図608から図610を参照して、第101実施形態における上変位ユニットE5100の変位態様について説明する。なお、第101実施形態における上変位ユニットE5100では、変位手段E5320が上昇位置から下降位置に向かって変位される際に、中間位置でその姿勢を変化するか否かを変更できる。
図608(a)及び図608(b)は、第101実施形態における上変位ユニットE5100を正面視した模式図であり、図609(a)は、上変位ユニットE5100を正面視した模式図であり、図609(b)は、上変位ユニットE5100を側面視した模式図であり、図610(a)は、上変位ユニットE5100を正面視した模式図であり、図610(b)は、上変位ユニットE5100を側面視した模式図である。
なお、図608(a)、図608(b)、図609(a)及び図610(a)では、変位手段E5320についての外形および揺動用摺動溝E2321f、当接ピン部E5321gを破線で図示すると共に、第3ベースE5260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、係合部材E290の外形が破線で図示され、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
また、図609(a)及び図610(b)では、被当接部E5226aを第3ベースE5260の正面側(矢印F方向側)に張り出した状態が図示され、図610(a)及び図610(b)では、被当接部E5226aを第3ベースE5260の背面側(矢印B方向側)に退避した状態が図示される。
初めに、第101実施形態の上変位ユニットE5100において、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置まで回転させる場合には、上記第89実施形態、第98実施形態~第100実施形態における上変位ユニットE100,E2100と同様に、係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される上変位手段E5300も同様に上昇位置に規制される。
そして、図608(a)に示すように、回転体E234が第2回転位置まで回転されると、回転体E234の回転に伴い係合部材E290が非係合位置に変位される。これにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動が許容される。この場合、回転体E234の当接部E234fが第1リンクE240の下面から離間しているので、第1伝達手段E250に接続される上変位手段E5300の自重により第1伝達手段E250を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させることができる。この第1伝達手段E250の落下に伴い上変位手段E5300の変位手段E5320も同様に上昇位置から下方に向けて変位(落下)させて、図608(b)に示すように、正面視において、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5265aと上下方向(矢印U-D方向)に隣り合う位置まで変位(落下)させることができる。
次に、図609及び図610を参照して、正面視において変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5265aと上下方向(矢印U-D方向)に隣り合う位置(図608(b)に示す位置)よりも下方側における変位手段E5320の変位ついて説明する。
図609に示すように、変位付与手段E5226の被当接部E5226aが第3ベースE5260よりも正面側(矢印F方向側)に張り出す位置に配置される場合には、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5226aの外周面に当接される。これにより、図609(a)に示すように、変位手段E5320の当接ピン部E5321gを被当接部E5226aの外周面に当接させつつ変位させることができる。従って、変位手段E5320の当接ピン部E5321g側の変位が規制されるため、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E5320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E5320の姿勢が変化される。その結果、変位手段E5320の演出効果を高めることができる。
即ち、上記第89実施形態における上変位ユニットE100のように、窓部P14eを介して視認可能とされる領域において、上昇位置から変位(落下)する変位手段E320を中間位置で停止させるものである場合には、中間位置から再度落下を開始するまでのタイミングの自由度を向上できるものの、窓部P14eを介して視認される変位手段E320の変位の態様を十分に変更できないため、変位手段E320の演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、第101実施形態における上変位ユニットE5100では、窓部P14eを介して視認可能とされる領域において、上昇位置から変位(落下)する変位手段E5320を中間位置で姿勢を変化させることができる。その結果、変位手段E5320の変位(落下)態様を複雑化して、変位手段E5320の演出効果を高めることができる。
なお、第3ベースE5260に配設される検出手段E5267は、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5226aの外周面に当接され、その姿勢が変化された変位手段E5320を検出可能な位置に配置される。これにより、変位手段E5320の姿勢が変化されているか否かを検出して、ソレノイドの動作不良を検出できる。
また、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E5320の姿勢が変化される場合には、上述したように当接ピン部E5321gの溝部E5321g1に被当接部E5226aの凸部E5226a1が挿入され、当接ピン部E5321gが凸部E5226a1に沿って前後方向(矢印F-B方向)に変位される。そのため、正面視における変位手段E5320の姿勢変化に伴い変位手段E5320を前後方向に変位させることができる。これにより、窓部P14eを介して視認可能とされる範囲において、変位手段E5320の変位による演出効果を高めることができる。
即ち、窓部P14eを介して視認可能とされる範囲において、変位手段E5320がその視認可能とされる平面に沿って左右方向(矢印L-R方向)又は上下方向(矢印U-D方向)にしか変位されないものであると、変位手段E5320が前後方向(矢印F-B方向)に変位しない分、変位手段E5320を変位させるために必要な前後方向のスペースを省スペース化できるものの、左右方向および上下方向に沿う方向の平面上に変位手段E5320の変位方向が限定されるため、変位手段E5320の変位(落下)による演出効果を十分に高めることができないという問題がある。
これに対し、第101実施形態における上変位ユニットE5100では、上昇位置から下方(矢印D方向)に向けて変位する変位手段E5320が窓部P14eを介して視認可能とされる中間位置において前後方向(矢印F-B方向)に変位可能に構成されるので、窓部P14eを介して視認可能とされる領域における前後方向の空間を活用できる。よって、窓部P14eを介して視認可能とされる範囲において、変位手段E5320の変位による演出効果を高めることができる。
また、変位手段E5320が前後方向(矢印F-B方向)に変位される場合には、当接ピン部E5321gが被当接部E5226aの外周面に沿って変位するため、変位手段E5320を左右方向(矢印L-R方向)に変位させることができる。即ち、第101実施形態では、窓部P14eを介して視認可能な領域において、変位手段E5320を前後方向と左右方向とに変位させることができる。これにより、変位手段E5320が被当接部E5226aに当接された際に、変位手段E5320がどの方向に変位するかの動向について着目させやすくできる。その結果、変位手段E5320の変位による演出の効果を高めることができる。
なお、被当接部E5265aは、ソレノイドE5266bの軸に対して回転可能な状態で配設されるので、被当接部E5226aが当接する度に被当接部E5226aの回転位置を変更できる。よって、被当接部E5226aの凸部E5226a1が当接ピン部E5321gの溝部E5321g1に挿入される前後位置を、当接ピン部E5321gが被当接部E5226aに当接する度に変更できる。これにより、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5226aに当接した際の変位手段E5320の変位態様を複雑化できる。その結果、窓部P14eを介して変位手段E5320の変位(落下)を視認する遊技者が飽きることを抑制できる。
一方、図610に示すように、変位付与手段E5226の被当接部E5226aが第3ベースE5260よりも背面側(矢印B方向側)に退避する位置に配置される場合には、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5226aに当接せず、被当接部E5226aの正面側(矢印F方向側)を通過する。
従って、第101実施形態では、変位付与手段E5226の被当接部E5226aが第3ベースE5260よりも背面側(矢印B方向側)に退避する位置に配置される場合に、上昇位置から変位する変位手段E5320が中間位置でその姿勢を変化することなく下降位置まで変位させることができる。
即ち、第101実施形態では、変位付与手段E5226の被当接部E5226aの配置により、変位手段E5320を上昇位置から変位させた際に、下降位置まで姿勢変化することなく変位(落下)させるか、中間位置で姿勢を変化させてから下降位置まで変位(落下)させるかを切り替えることができる。その結果、変位手段E5320の上昇位置からの変位態様が一義的になることを抑制できる。その結果、変位手段E5320の変位に遊技者が飽きることを抑制できる。
また、第101実施形態では、変位手段E5320が当接して、その姿勢を変化させる被当接部E5226aが、窓部P14eを介して視認可能な領域外となる位置の第2ベースE5220に配設される。従って、第101実施形態では、窓部P14eを介して視認可能な領域外で、被当接部E5226aに変位手段E5320が当接する態様と、被当接部E5226aに変位手段E5320が当接しない態様とを切り替えることができ、被当接部E5226aに変位手段E5320を当接させた際の変位手段E5320の姿勢変化に着目させやすくできる。
なお、第101実施形態における上変位ユニットE5100では、当接ピン部E5321gが当接する被当接部E5226aを前後方向に変位させたが、上変位手段E5300に配設される当接ピン部E5321gを前後方向に変位させて、第2ベースE5220又は第3ベースE5260に固定される被当接部E5226aに当接ピン部E5321gが当接する態様と当接しない態様とに切り替えるものであっても良い。
次いで、図611から図613を参照して、第102実施形態における上変位ユニットE6100について説明する。上記第101実施形態では、変位手段E5320を当接させる変位付与手段E5226の被当接部E5226aを、第3ベースE5260に対して前後方向(矢印F-B方向)に変位させる場合について説明したが、第102実施形態では、変位手段E5320を当接させる変位付与手段E6226の被当接部E6226aを、第3ベースE6260に対して回転させる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
初めに、図611を参照して、第102実施形態における上変位ユニットE6100の全体構成について説明する。図611(a)は、第102実施形態における上変位ユニットE6100を正面視した模式図であり、図611(b)は、図611(a)のE07b-E07b線における上変位ユニットE6100の断面模式図である。なお、図611(a)では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
図611に示すように、第102実施形態における上変位ユニットE6100は、ベース手段E6200と、そのベース手段E6200の正面側(矢印F方向側)に配設され、ベース手段E6200に対して相対変位可能とされる上変位手段E5300と、を主に備え、ベース手段E6200から上変位手段E5300に駆動モータEM1の駆動力が伝達されることにより、上変位手段E5300を窓部P14eの範囲内と範囲外とで変位可能とされる。
第102実施形態におけるベース手段E6200は、第1ベースE210と、上下方向(矢印U-D方向)に長い矩形の板状に形成され、上端(矢印U方向側の端部)が第1ベースE210の一端(矢印R方向側の端部)に連結される第2ベースE6220と、その第2ベースE6220の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E230と、第1リンクE240と、第1伝達手段E250と、第2ベースE6220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250を収容した状態で第2ベースE6220の正面側に配設される第3ベースE6260と、第2ベースE6220の背面側(矢印B方向側)に配設される第2リンクE270と、第2伝達手段E280と、係合部材E290と、を主に備え、第3ベースE6260の正面側に配設される駆動モータEM1の駆動力により、第1伝達手段E250を上昇位置と下降位置との間で変位可能に構成される。
第2ベースE6220は、駆動手段E230、第1リンクE240、第2リンクE270、第2伝達手段E280、及び、係合部材E290が変位可能な状態で配設される本体部材E6221と、その本体部材E6221に配設される金属製の案内棒E222と、第1伝達手段E250が上昇側の端部(上昇位置)に配設されたことを検出する第1検出手段E223と、第1伝達手段E250に当接して第1伝達手段E250の変位を規制する弾性体E224と、駆動手段E230の回転体E234が所定位置に回転されたことを検出する第2検出手段E225と、第2ベースE6220に開口された貫通孔を介して第2ベースE6220の背面側(矢印B方向側)と正面側(矢印F方向側)とに亘って配設される変位付与手段E6226と、を備える。
変位付与手段E6226は、第3ベースE6260正面側(矢印F方向側)に重なる位置で変位(落下)する変位手段E5320の当接ピン部E5321gと当接することで、変位手段E5320の変位(落下)態様を変化させる部材であり、正面において、当接ピン部E5321gと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に配設される。
また、変位付与手段E6226は、板状に形成され、当接ピン部E5321gに当接する被当接部E6226aと、その被当接部E6226aを嵌合され、第2ベースE6220に回転可能な状態で軸支される軸支部E6226cと、その軸支部E6226cを回転させるための駆動力を発生させる駆動モータEM2と、その駆動モータEM2の軸および軸支部E6226cに配設され、駆動モータEM2の駆動力を軸支部E6226cに伝達するギヤ列E6226dと、を主に備える。
第102実施形態における被当接部E6226aは、一方向に長い矩形の板状に形成され、長手方向の一側に軸支部E6226cが勘合される。また、被当接部E6226aに嵌合される軸支部E6226cは、円柱状に形成され、軸を前後方向(矢印F-B方向)に向けた姿勢で配設される。これにより、被当接部E6226aは、軸支部E6226cが回転されることにより、第3ベースE6260の正面に沿って変位される。
また、軸支部E6226cは、正面視における変位手段E5320の当接ピン部E5321gの変位軌跡と異なる位置に配設され、左右方向(矢印L-R方向)において当接ピン部E5321gの右側(矢印R方向側)にずれた位置に配設される。これにより、軸支部E6226cの回転に伴って被当接部E6226aを回転させた際に、正面視における変位手段E5320の当接ピン部E5321gの変位軌跡と異なる位置と、重なる位置とに被当接部E6226aを変位させることができる。
第3ベースE6260は、正面視において第2ベースE6220と略同一の外形に形成され、第2ベースE6220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250の一部を収容した状態で第2ベースE6220の正面側(矢印F方向側)に配設される。また、正面視において窓部P14e側(矢印L方向側)の第2ベースE6220と第3ベースE6260との端部には、第2ベースE6220と第3ベースE6260との間に前後方向(矢印F-B方向)に所定の空間が形成されており、その所定の空間を介して第1伝達手段E250の伝達部E252が窓部P14eの内側の領域に突出されると共に、摺動体E251の上下方向(矢印U-D方向)の変位に伴って伝達部E252を窓部P14eの内側の領域で上下方向に変位可能とされる。
また、第3ベースE6260は、正面側(矢印F方向側)の側面から正面側に向かって円柱状に突設される2箇所の軸部E261,E262と、前後方向(矢印F-B方向)に円形状に開口される挿通孔E263と、前後方向に円形状に開口される貫通孔E6265と、正面側の側面に配設され変位手段E5230を検出可能な検出手段E5267と主に備える。
貫通孔E6265は、第2ベースE6220に配設される変位付与手段E6226の被当接部E6226aに嵌合され第2ベースE6220に軸支される軸支部E6226cの先端を第3ベースE5260の正面側(矢印F方向側)に張り出させるための開口であり、正面視において軸支部E6226cの直径よりも大きい内径に形成される。
検出手段E6267は、変位手段E5320が所定位置に変位したことを検出可能な検出装置であり、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E5320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E5320の姿勢が所定の姿勢に変位された場合に変位手段E5320を検出可能に構成される。
次いで、図612及び図613を参照して、第102実施形態における上変位ユニットE6100の変位態様について説明する。なお、第102実施形態における上変位ユニットE6100では、変位手段E5320が上昇位置から下降位置に向かって変位される際に、中間位置でその姿勢を変化するか否かを変更できる。
図612(a)及び図612(b)は、第102実施形態における上変位ユニットE6100を正面視した模式図であり、図613(a)及び図613(b)は、上変位ユニットE6100を正面視した模式図である。
なお、図612及び図613では、変位手段E5320についての外形および揺動用摺動溝E2321f、当接ピン部E5321gを破線で図示すると共に、第3ベースE6260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、係合部材E290の外形が破線で図示され、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
また、図613では、正面視における被当接部E6226aの長手方向が左右方向(矢印L-R方向)に近づく方向(左右方向に対して長手方向が鋭角に交わる向き)に配置された状態が図示され、図613では、正面視における被当接部E6226aの長手方向が上下方向(矢印U-D方向)に近づく方向(上下方向に対して長手方向が鋭角に交わる向き)に配置された状態が図示される。
初めに、第102実施形態の上変位ユニットE6100において、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置まで回転させる場合には、上記第89実施形態、第98実施形態~第101実施形態における上変位ユニットE100,E2100,E4100,E5100と同様に、係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される上変位手段E5300も同様に上昇位置に規制される。
そして、図612(a)及び図613(a)に示すように、回転体E234を第2回転位置まで回転して、回転体E234の回転に伴い係合部材E290を非係合位置に変位させることにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動を許容して、変位手段E5320を中間位置に向けて変位(落下)させることができる。
次に、図612(b)及び図613(b)を参照して、被当接部E6226aの回転位置の違いによる、変位手段E5320の中間位置よりも下方側における変位態様(姿勢変化)について説明する。
図612(b)に示すように、被当接部E6226aの長手方向が左右方向(矢印L-R方向)に近づく方向(左右方向に対して長手方向が鋭角に交わる向き)に配置される場合には、正面視における変位手段E5320の当接ピン部E5321gの変位軌跡上に被当接部E6226aが配置されるため、当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接される。これにより、図612(b)に示すように、変位手段E5320の当接ピン部E5321gを被当接部E6226aの当接面に沿って変位させることができる。従って、変位手段E5320の当接ピン部E5321g側の変位が規制されるため、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E5320の姿勢が変化される。その結果、変位手段E5320の演出効果を高めることができる。
即ち、上記第89実施形態における上変位ユニットE100のように、窓部P14eを介して視認可能とされる領域において、上昇位置から変位(落下)する変位手段E320を中間位置で停止させるものである場合には、中間位置から再度落下を開始するまでのタイミングの自由度を向上できるものの、窓部P14eを介して視認される変位手段E320の変位の態様を十分に変更できないため、変位手段E320の演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、第102実施形態における上変位ユニットE6100では、窓部P14eを介して視認可能とされる領域において、上昇位置から変位(落下)する変位手段E5320を中間位置で姿勢を変化させることができる。その結果、変位手段E5320の変位(落下)態様を複雑化して、変位手段E5320の演出効果を高めることができる。
また、第102実施形態では、変位手段E5320の当接ピン部E5321gを被当接部E6226aの当接面に当接させて変位手段E5320の姿勢を変化させた後、当接ピン部E5321gを被当接部E6226aの当接面に沿って変位させることができる。即ち、変位手段E5320を被当接部E6226aの当接面の下降傾斜に沿って変位(落下)させることができるので、下降傾斜に応じた複雑な変位態様で変位手段E5320を変位させることができ、変位手段E5320の変位による演出の効果を高めることができる。また、変位手段E5320を変位させるアクチュエータ等の駆動源を不要として、部品コストを低減できる。
図612(b)に示すように、被当接部E6226aの長手方向が左右方向(矢印L-R方向)に近づく方向(左右方向に対して長手方向が鋭角に交わる向き)に配置される場合には、正面視における変位手段E5320の当接ピン部E5321gの変位軌跡上に被当接部E6226aが配置されるため、当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接される。これにより、図612(b)に示すように、変位手段E5320の当接ピン部E5321gを被当接部E6226aの当接面に沿って変位させることができる。従って、変位手段E5320の当接ピン部E5321g側の変位が規制されるため、姿勢規定手段E2330の揺動用ピン支持部E2335が変位手段E320の揺動用摺動溝E2321fの内側を摺動して、変位手段E5320の姿勢が変化される。その結果、変位手段E5320の演出効果を高めることができる。
なお、第102実施形態における検出手段E6267は、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aの外面(上面)に当接され、その変位手段E5320の姿勢が過剰に変化された場合に、変位手段E5320を検出可能な位置に配置される。これにより、第102実施形態では、変位手段E5320が検出手段E6267に検出された場合に、被当接部E6226aの長手方向が左右方向(矢印L-R方向)に対して交わる角度を鈍角にすることで、変位手段E5320の姿勢が過剰に変化されることを抑制できる。その結果、変位手段E5320の姿勢が過剰に変化することで、変位手段E5320及びベース手段E6200や他の構造体が破損することを抑制できる。
即ち、変位手段E5320は、その自重を利用して上昇位置から変位させるものであるため、変位手段E5320が被当接部E6226aに当接した後のばらつきが大きくなる。この当接後の変位手段E5320の変位態様のばらつきは、被当接部E6226aへの当接が繰り返されることによる部品の経年劣化等により、更に大きくなる。変位手段E5320の変位が過大となった場合には、変位手段E5320が他の構造体と衝突して、変位手段E5320及びベース手段E6200や他の構造体が破損する恐れがある。
これに対し、第102実施形態では、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接した後、変位手段E5320の姿勢が過剰に変化する場合に、その変位手段E5320を検出手段E6267で検出可能に構成されると共に、変位手段E5320の姿勢が所定の範囲内で変化する場合に、その変位手段E5320が検出手段E6267に非検出とされるので、被当接部E6226aに当接した変位手段E5320に異常が生じたことを検出できると共に、その検出結果に応じて、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接する態様を変更できる。その結果、変位手段E5320の変位が過大となることを抑制して、変位手段E5320及びベース手段E6200や他の構造体が破損することを抑制できる。
一方、図613(b)に示すように、被当接部E6226aの長手方向が上下方向(矢印U-D方向)に近づく方向(上下方向に対して長手方向が鋭角に交わる向き)に配置される場合には、正面視における変位手段E5320の当接ピン部E5321gの変位軌跡の外側に被当接部E6226aが配置される為、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接せず変位(落下)する。
従って、第102実施形態では、変位付与手段E6226の被当接部E6226aの長手方向が上下方向(矢印U-D方向)に近づく方向(上下方向に対して長手方向が鋭角に交わる向き)に配置される場合に、上昇位置から変位する変位手段E5320が中間位置でその姿勢を変化することなく下降位置まで変位させることができる。
即ち、第102実施形態では、変位付与手段E6226の被当接部E6226aの配置により、変位手段E5230を上昇位置から変位させた際に、下降位置まで姿勢変化することなく変位(落下)させるか、中間位置で姿勢を変化させてから下降位置まで変位(落下)させるかを切り替えることができる。その結果、変位手段E5230の上昇位置からの変位態様が一義的になることを抑制できる。その結果、変位手段E5320の変位に遊技者が飽きることを抑制できる。
次いで、図614から図617を参照して、第103実施形態における上変位ユニットE7100について説明する。上記第89実施形態では、変位手段E320が上昇位置から下降する際の変位軌跡と、変位手段E320が下降または中間位置から持ち上げられる際の変位軌跡とが同じ軌跡で変位する場合について説明したが、第103実施形態では、変位手段E7320が上昇位置から下降する際の変位軌跡と、変位手段E7320が下降または中間位置から持ち上げられる際の変位軌跡とが異なる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
初めに、図614を参照して、第103実施形態における上変位ユニットE7100の全体構成について説明する。図614(a)は、第103実施形態における上変位ユニットE7100を正面視した模式図であり、図614(b)は、図614(a)のE08b-E08b線における上変位ユニットE7100の断面模式図である。図615(a)は、上変位ユニットE7100を背面視した模式図であり、図615(b)及び図615(c)は、図615(a)のE09b-E09b線における上変位ユニットE7100の断面模式図である。なお、図614(a)では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
図614に示すように、第103実施形態における上変位ユニットE7100は、ベース手段E7200と、そのベース手段E7200の正面側(矢印F方向側)に配設され、ベース手段E7200に対して相対変位可能とされる上変位手段E7300と、ベース手段E7200の正面側に配設され、上変位手段E7300の変位を規制する変位規制手段E400と、を主に備え、ベース手段E7200から上変位手段E7300に駆動モータEM1の駆動力が伝達されることにより、窓部P14eを介して視認可能とされる領域で上変位手段E7300の変位手段E7320を変位(落下)可能に構成される。
ベース手段E7200は、第1ベースE210と、上下方向(矢印U-D方向)に長い矩形の板状に形成され、上端(矢印U方向側の端部)が第1ベースE210の一端(矢印R方向側の端部)に連結される第2ベースE7220と、その第2ベースE7220の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E230と、第1リンクE240と、第1伝達手段E250と、第2ベースE7220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250を収容した状態で第2ベースE7220の正面側に配設される第3ベースE7260と、第2ベースE7220の背面側(矢印B方向側)に配設される第2リンクE270と、第2伝達手段E7280と、係合部材E290と、を主に備え、第3ベースE7260の正面側に配設される駆動モータEM1の駆動力により、第1伝達手段E250を上昇位置と下降位置との間で変位可能に構成される。
第2ベースE7220は、駆動手段E230、第1リンクE240、第2リンクE270、第2伝達手段E7280、係合部材E290、及び、経路変更部材E7295が変位可能な状態で配設される本体部材E7221と、その本体部材E7221に配設される案内棒E222と、その案内棒E222に案内された第1伝達手段E250が上昇側の端部(上昇位置)に配設されたことを検出する第1検出手段E223と、第1伝達手段E250に当接して第1伝達手段E250の変位を規制する弾性体E224と、回転体E234が所定位置に回転されたことを検出する第2検出手段E225と、を備える。
本体部材E7221は、軸支部E221a~E221eと、軸支部E221cを中心に直径の異なる2種類の円環状に形成され、本体部材E221の正面側(矢印F方向側)から立設される案内壁E221f,E221gと、本体部材E221の上端と下端とに形成される係止部E221h,E221iと、本体部材E221の背面側(矢印B方向側)から突設される軸支部E221jと、本体部材E221の背面側の6か所から突設されるピン部E221k,E7221kと、本体部材E221の前後方向(矢印F-B方向)に開口される複数の開口部E221p~E221sと、を主に備える。
ピン部E7221kは、後述する第2伝達手段E7280の変位方向を規定する突起であり、第2伝達手段E7280の下側伝達部材E281、上側伝達部材E283、中間伝達部材E7284のそれぞれに2箇所ずつ形成される摺動溝E281a,E283a,E284aに挿入可能な直径の円柱状に形成される。これにより、第2伝達手段E280に駆動力が伝達されて変位する際には、摺動溝E281a,E283a,E7284aの内面にピン部E221k,E7221kが当接することで、第2伝達手段E7280の変位方向が規定される。
第3ベースE7260は、正面視において第2ベースE7220と略同一の外形に形成され、第2ベースE7220との対向間に駆動手段E230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E250の一部を収容した状態で第2ベースE7220の正面側(矢印F方向側)に配設される。また、正面視において窓部P14e側(矢印L方向側)の第2ベースE7220と第3ベースE7260との端部には、第2ベースE7220と第3ベースE7260との間に前後方向(矢印F-B方向)に所定の空間が形成されており、その所定の空間を介して第1伝達手段E250の伝達部E252が窓部P14e側に突出されると共に上下方向(矢印U-D方向)に変位可能とされる。
また、第3ベースE7260は、正面側(矢印F方向側)の側面から正面側に向かって円柱状に突設される2箇所の軸部E261,E262と、前後方向(矢印F-B方向)に円形状に開口される挿通孔E263と、前後方向に矩形状に開口される開口E264と、正面側に立設されると共に湾曲しつつ上下方向(矢印U-D方向)に延設される2箇所の湾曲壁E7268a,E7268bと、その2箇所の湾曲壁E7268a,E7268bと左右方向に所定の間隔を隔てる位置に立設される対向壁E7268cと、湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cとの対向間の上端部において前後方向(矢印F-B方向)に開口される開口部E7268dと、正面視において後述する上変位手段E7300の駆動力伝達手段E7310と隣り合う位置に配設される姿勢維持手段E7269と、を主に備える。
湾曲壁E7268a,E7268b及び対向壁E7268cは、後述する変位手段E7320を中間位置または下降位置から上昇位置まで変位させる際に、変位手段E7320の軸支部E7321aを案内するための壁部であり、変位手段E7320から突出される軸支部E7321aに当接可能な高さで正面側(矢印F方向側)に向けて立設される。
姿勢維持手段E7269は、第1伝達手段E250が上昇位置に変位された際に、後述する駆動力伝達手段E7310の第2部材E7310bに当接して、変位手段E7320の姿勢を維持する為の部位であり、上昇位置に配置される駆動力伝達手段E7310の第2部材E7310bが当接可能な位置に配置される。
上変位手段E7300は、棒状に形成される駆動力伝達手段E7310と、その駆動力伝達手段E7310が接続される変位手段E7320と、その変位手段E7320の背面側(矢印B方向側)において正面視右側(矢印R方向側)に接続される姿勢規定手段E7330と、を主に備える。
駆動力伝達手段E7310は、第1伝達手段E250を下降位置から上昇位置に持ち上げる際に、第1伝達手段E250に伝達される駆動モータEM1の駆動力を変位手段E7320に伝達するための部材であり、第3ベースE7260に接続される第1部材E7310aと、変位手段E7320に接続される第2部材E7310bとの2部材から形成される。
第1部材E7310aは、長手方向の一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される基端側被軸支部E311と、長手方向の略中間位置における背面から背面側(矢印B方向側)に向かって円柱状に突出されるピン部E313と、を備える。
第2部材E7310bは、長手方向の一端側に前後方向に貫通形成されピン部E313が挿通される貫通孔E7310b1と、長手方向の他端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される伝達側被軸支部E312と、他端側に形成される貫通孔を軸に径方向外側に突出される被当接部E7310b2と、を主に備え、第1部材E7310aのピン部E313が貫通孔E7310b1に回転可能な状態で挿通されることで、第1部材E7310aの背面側(矢印B方向側)に接続される。
被当接部E7310b2は、上述した姿勢維持手段E7269に当接する部分である。駆動力伝達手段E7310は、第1伝達手段E250が下降位置または中間位置から上昇位置に変位された際に、被当接部E7310b2を姿勢維持手段E7268の外面に当接させることで、第1部材E7310aに対して第2部材E7310bをピン部E313を軸に回転させて、その姿勢を維持することが可能に構成される。
変位手段E7320は、その変位手段E7320を変位させる駆動力が伝達されるベース体E7321と、そのベース体E7321の正面側(矢印F方向側)にベース体E7321の正面との間に所定の空間を形成した状態で配設される第1装飾体E322と、その第1装飾体E322に対して相対変位可能に配設され、ベース体E7321及び第1装飾体E322の間の空間に配設される第2装飾体E323と、その第2装飾体E323と共に変位可能な状態で第1装飾体E322の正面側に配設される第3装飾体E324と、を主に備える。
ベース体E7321は、正面視において略菱形状の板から形成される。また、ベース体E7321は、背面側(矢印B方向側)の2箇所から円柱状に突出する軸支部E7321a,E321bと、背面側の1箇所から略角柱状に突出する変位規制部E321dと、上下方向(矢印U-D方向)に沿って長い溝状に開口される摺動溝E321eと、を備える。
軸支部E7321aは、駆動力伝達手段E310に形成される伝達側被軸支部E312に挿入される部位であり、伝達側被軸支部E312の直径よりも小さい直径の円柱状に形成される。なお、第103実施形態における軸支部E7321aは、背面側(矢印B方向側)に突出される距離が第89実施形態における軸支部E321aよりも大きく設定され、その突出先端が、第3ベースE7260に形成される湾曲壁E7266a,E7266b及び対向壁E7268cに当接可能とされる。これにより、第103実施形態では、変位手段E7320を下降位置または中間位置から上昇位置に変位させる際に、変位手段E7320の軸支部E7321aを湾曲壁E7266a,E7266b及び対向壁E7268cにより案内して、変位手段E7320を第2ベースE7220及び第3ベースE7260の正面側(矢印F方向側)に重なる領域(即ち、正面視における窓部P14eの外側の領域)を通過させることができる。
姿勢規定手段E7330は、ベース手段E7200に対する変位手段E7320の姿勢を規定するための部材であり、第3ベースE7260に接続される第1部材E7330aと、変位手段E7320に接続される第2部材E7330bとの2部材から形成される。
第1部材E7330aは、長手方向の一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成されるベース側被軸支部E331と、長手方向の略中間位置における背面から背面側(矢印B方向側)に向かって円柱状に突出されるピン部E7330a1と、を備える。
第2部材E7330bは、長手方向の一端側に前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成されピン部E7330a1が挿通される貫通孔E7330b1と、長手方向の他端側に前後方向に貫通形成される変位側被軸支部E332と、前後方向に貫通形成され、正面視において略L字状の開口に形成される案内溝E333と、背面側(矢印B方向側)から略角柱状に突出される変位規制部E334と、を主に備え、第1部材E7330aのピン部E7330a1が貫通孔E7330b1に回転可能な状態で挿通されることで、第1部材E7330aの背面側に接続される。
第2伝達手段E7280は、第2ベースE7220の下方側の端部において背面側(矢印B方向側)に配設される下側伝達部材E281と、第2ベースE7220の上方側の端部において背面側に配設される上側伝達部材E283と、それら下側伝達部材E281及び上側伝達部材E283を上下方向(矢印U-D方向)に連結する連結部材E282と、連結部材E282の上下方向略中間位置に連結され左右方向に延設される第2連結部材E7285と、その第2連結部材E7285に連結される中間伝達部材E7284と、を主に備え、第2伝達手段E7280を介して下側伝達部材E281に駆動モータEM1の駆動力が伝達された際に、下側伝達部材E281と共に上側伝達部材E283及び中間伝達部材E7284を上下方向(矢印U-D方向)に変位させることが可能に構成される。
中間伝達部材E7284は、第2リンク部材E7270から下側伝達部材E281に伝達される駆動力により変位される際に規定の方向(上下方向(矢印U-D方向))に案内するための摺動溝E7284aと、正面側(矢印F方向側)から突設され第2ベースE7220の正面側に突設される突設部E7284bと、を備える。
突設部E7284bは、第2ベースE7220及び第3ベースE7260に挟まれて軸支される経路変更部材E7295に接続される部位であり、溝状に開口される接続溝E7284b1が形成される。第2伝達手段E7280は、突設部E7284bが接続溝E7284b1を介して経路変更部材E7295に接続されることで、上下方向(矢印U-D方向)に変位した際に、経路変更部材E7295を変位させることが可能とされる。
経路変更部材E7295は、第3ベースE7260に形成される開口部E7268dを介して第3ベースE7260の正面側(矢印F方向側)に一部を突出させることで、上昇位置から下方に向かって変位(落下)する変位手段E7320の軸支部E7321aが湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cとの対向間を通過することを規制する部材であり、開口部E7268dを挿通可能な規制部E7295aと、その規制部E7295aを変位させるために第2ベースE7220及び第3ベースE7260に軸支される被軸支部E7295bと、中間伝達部材E7284の接続溝E7284b1の内側に接続される接続ピンE7295cと、を備える。
図615(b)に示すように、中間伝達部材E7284(第2伝達手段E7280)が上方に配置される場合には、第3ベースE7260の開口部E7268dを介して規制部E7295aが背面側(矢印B方向側)に変位され、第3ベースE7260の正面側(矢印F方向側)から規制部E7295aが退避する状態とされる。一方、図615(c)に示すように、中間伝達部材E7284(第2伝達手段E7280)が下方に配置される場合には、第3ベースE7260の開口部E7268dを介して規制部E7295aが正面側に変位され、第3ベースE7260の正面側に規制部E7295aが張り出す状態とされる。
これにより、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置まで回転させて、変位手段E7320を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させた際に、変位手段E7320の軸支部E7321aが湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cとの対向間を通過することを規制することができる。
次いで、図616から図618を参照して、第103実施形態における上変位ユニットE7100の変位態様について説明する。なお、第103実施形態における上変位ユニットE7100では、上昇位置から下降位置に向かって変位する場合の変位手段E7320の変位軌跡と、下降位置から上昇位置に向かって変位する場合の変位手段E7320の変位軌跡とを異ならせることができる。
図616(a)及び図616(b)は、上変位ユニットE7100を正面視した模式図であり、図617(a)及び図617(b)は、上変位ユニットE7100を正面視した模式図であり、図618(a)及び図618(b)は、上変位ユニットE7100を正面視した模式図である。
なお、図616から図618では、変位手段E7320の外形を破線で図示すると共に、第3ベースE7260の背面側(矢印B方向側)に重なる回転体E234、第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、係合部材E290の外形が破線で図示され、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。
また、図616(a)及び図616(b)では、変位手段E7320を上昇位置から中間位置に変位させた場合の遷移状態が順に図示され、図617(a)及び図617(b)では、変位手段E7320を中間位置から上昇位置に変位させた場合の遷移状態が順に図示され、図618(a)及び図618(b)では、変位手段E7320を上昇位置から下降位置に変位させた場合の遷移状態が順に図示される。
初めに、第103実施形態の上変位ユニットE7100において、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置まで回転させる場合には、上記第89実施形態~第102実施形態と同様に、係合部材E290が係合位置に配置されるため、第1伝達手段E250の被係合部E251fに係合部材E290が係合して第1伝達手段E250が上昇位置に規制される。そして、第1伝達手段E250が上昇位置に規制されることに伴い、第1伝達手段E250が接続される上変位手段E7300も同様に上昇位置に規制される。
次に、図616(a)に示すように、回転体E234を第2回転位置まで回転して、回転体E234の回転に伴い係合部材E290を非係合位置に変位することにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動を許容して、変位手段E7320を中間位置まで変位(落下)させた場合には、その姿勢を維持した状態で変位手段E7320を自重で変位(落下)させ、窓部P14eを介して視認可能な領域を変位手段E7320に変位させることができる。
図616(b)に示すように、変位手段E7320は、中間位置でその変位が停止されると、変位手段E7320の自重および中間位置まで変位(落下)した慣性力により、駆動力伝達手段E7310及び姿勢規定手段E7330の第2部材E7310b、E7330bが第1部材E7310a、E7330aに対して回転される。これにより、第1部材E7310a、E7330aの下方側に第2部材E7310b,E7330bが垂下した状態とされ、変位手段E7320の軸支部E7321aが第1湾曲壁E7268aの下方に重なる位置に配置される。
次に、図617(a)及び図617(b)に示すように、図616(b)に示す中間位置から上昇位置に第1伝達手段E250を変位させた場合には、第1伝達手段E250の変位により、駆動力伝達手段E7310の第2部材E7310bが第1部材E7310aに垂下された状態で上方に持ち上げられる。これにより、第2部材E7310bに接続される変位手段E7320の軸支部E7321aが第1湾曲壁E7268aの下面側に当接され、その当接により、第2ベースE7220及び第3ベースE7260側(窓部P14eの外側)に変位手段E7320が案内されつつ上昇される。
なお、第1部材E7310aに垂下された状態の第2部材E7310bは、第1伝達手段E250が上昇位置に到達する手前で被当接部E7310b2の側面に姿勢維持手段E7269が当接される。また、第1伝達手段E250が上昇位置に到達する手前で、第1湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cの対向間を変位する変位手段E7320の軸支部E7321aが、第1湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cの対向間の上方側から対向間の外側に突出される。よって、第1伝達手段E250が上昇位置に到達する手前で、第1部材E7310aに対して第2部材E7310bを回転させることができる。これにより、第1伝達手段E250が上昇位置に配置される場合には、変位手段E7320を所定の姿勢に戻して、変位手段E7320を第1ベースE210の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配置できる。
一方、図618(a)に示すように、回転体E234を第2回転位置まで回転して、回転体E234の回転に伴い係合部材E290を非係合位置に変位させることにより、上昇位置に配置された第1伝達手段E250の下方(矢印D方向)への移動を許容して、変位手段E7320を下降位置まで変位(落下)させた場合には、その姿勢を維持した状態で変位手段E7320を自重で変位(落下)させ、窓部P14eを介して視認可能な領域を変位手段E7320に変位させることができる。
図618(b)に示すように、変位手段E7320は、下降位置でその変位が停止されると、変位手段E7320の自重および下降位置まで変位(落下)した慣性力により、駆動力伝達手段E7310及び姿勢規定手段E7330の第2部材E7310b、E7330bが第1部材E7310a、E7330aに対して回転される。これにより、第1部材E7310a、E7330aの下方側に第2部材E7310b,E7330bが垂下した状態とされ、変位手段E7320の軸支部E7321aが第2湾曲壁E7268bの下方に重なる位置に配置される。
図618(b)に示す下降位置から上昇位置に第1伝達手段E250を変位させる場合には、中間位置から上昇位置に第1伝達手段E250を変位させる場合と同様に、駆動力伝達手段E7310の第2部材E7310bが第1部材E7310aに垂下された状態で上方に持ち上げられる。これにより、第2部材E7310bに接続される変位手段E7320の軸支部E7321aが第2湾曲壁E7268bの下面側に当接され、その当接により、第2ベースE7220及び第3ベースE7260側(窓部P14eの外側)に変位手段E7320が案内されつつ上昇される。
なお、第1部材E7310aに垂下された状態の第2部材E7310bは、第1伝達手段E250が上昇位置に到達する手前で被当接部E7310b2の側面に姿勢維持手段E7269が当接される。また、第1伝達手段E250が上昇位置に到達する手前で、第1湾曲壁E7268a、第2湾曲壁E7268b及び対向壁E7268cの対向間を変位する変位手段E7320の軸支部E7321aが、第1湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cの対向間の上方側から対向間の外側に突出される。よって、第1伝達手段E250が上昇位置に到達する手前で、第1部材E7310aに対して第2部材E7310bを回転させることができる。これにより、第1伝達手段E250が上昇位置に配置される場合には、変位手段E7320を所定の姿勢に戻して、変位手段E7320を第1ベースE210の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配置できる。
即ち、第103実施形態では、変位手段E7320が上昇位置から下方に向けて変位(落下)する経路と、下降位置または中間位置から上方に向けて変位する(持ち上げる)経路とが異なるように構成されるので、変位手段E7320が自重により落下する経路は、遊技者から視認しやすい位置にできる一方、変位手段E7320を持ち上げる経路は、窓部P14eを介して視認可能な領域の端に寄せて、変位手段E7320を目立たせなくする(変位手段E7320の持ち上げを気づかれ難くすると共に、窓部P14eを介して視認可能な領域内での他の演出を遊技者に視認させる)ことができる。
ここで、上記第89実施形態における上変位ユニットE100にように、変位手段E320が常に窓部P14eを介して視認可能な所定の領域を変位されるものでは、変位手段E320の位置を遊技者に認識させやすくできるものの、常に変位手段E320が所定の領域を変位するので、上昇位置に向けて変位する変位手段E320が注目されたり、上昇位置に向けて変位手段E320を変位させる際に他の構造体(例えば、下変位ユニットE500)を視認可能な領域に配設することができなくなるという問題がある。
これに対し、第103実施形態では、上昇位置に向けて変位される変位手段E7320を案内可能に構成される第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとを備え、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bの少なくとも一部が円弧上に湾曲して構成されるので、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bの湾曲を利用して変位手段E7320を所定の領域(窓部P14eを介して視認可能とされる領域外)にスムーズに案内することができる。また、所定の領域(窓部P14eを介して視認可能とされる領域外)に変位手段E7320を案内することで、変位手段E7320が他の構造体(例えば、下変位ユニットE500)との干渉することを避けつつ変位手段E7320を上昇させることができる。よって、他の構造体を配設するための領域を確保しやすくできる。
更に、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bの湾曲を利用して、変位手段E7320を窓部P14eを介して視認可能とされる領域外に案内できる(変位手段E7320が上昇されるに従いパチンコ機A10の左右方向中央側か左右方向外側へ変位手段E7320を案内できる)ので、窓部P14eを介して視認可能な領域の外縁側または窓部P14eを介して視認可能な領域の外側へ変位手段E7320を案内することができる。よって、上昇位置に向けて変位する変位手段E7320を目立たせなくできる。
また、対向壁E7268cには、上昇側の端部に窓部P14e側(パチンコ機A10の左右方向中央側)に向かって円弧上に湾曲する湾曲部E7268c1が形成される。これにより、案内初期側(上昇動作の開始側)において窓部P14eを介して視認可能な領域外に案内した変位手段E7320を、変位手段E7320の案内終端側(上昇動作の終了側)で、窓部P14eを介して視認可能な領域の中央側へ変位手段E7320を案内しやすくできる。よって、上昇位置から変位(落下)する変位手段E7320に着目させやすくできる。
即ち、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間を変位手段E7320の軸支部E7321aが案内される領域では、窓部P14eを介して視認可能な領域の外縁側または窓部P14eを介して視認可能な領域の外側へ変位手段E7320を案内することができる一方、第1湾曲壁E7268aと対向壁E7268cとの対向間を上方側に超えて変位手段E7320の軸支部E7321aが案内される領域では、窓部P14eを介して視認可能な領域の中央側へ変位手段E7320を案内することができる。よって、上昇位置から変位(落下)する変位手段E7320の演出に着目させやすくできる。
なお、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間を変位手段E7320の軸支部E7321aが案内される領域では、窓部P14eを介して視認可能な領域の外側へ変位手段E7320を案内して、変位手段E7320を上昇位置に向けて変位させる(持ち上げる)ことで、変位手段E7320が視認不能な状態で上昇されるので、その上昇時に変位手段E7320を隠すために張り出す変位ユニット等を別途備える必要がなくなり、その上昇時に変位手段E7320を隠すための構造を簡素化することができる。
また、対向壁E7268cの湾曲部E7268c1は、少なくとも一部が第1湾曲壁E7268aの上方側に連なる(隣り合う)位置に配設されるので、変位手段E7320を案内するための構造(第1湾曲壁E7268a、第2湾曲壁E7268b、対向壁E7268c)が大型化することを抑制して他の構造体を配設するスペースを確保しつつ、変位手段E7320を案内初期側(上昇動作の開始側)では目立たせなくさせ、案内終端側(上昇動作の終了側)で着目させやすくできる。
また、第103実施形態では、正面視において第1湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cの対向間の上方側に経路変更部材E7295の規制部E7295aが配設される。そのため、変位手段E7320を上昇位置に配置した後、変位手段E7320に変位(落下)動作をさせた際に、変位手段E7320の軸支部E7321aが第1湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cの対向間に侵入して、窓部P14eを介して視認可能とされる領域外を変位手段E7320が変位(落下)することを抑制できる。
従って、第103実施形態では、窓部P14eを介して視認可能とされる領域外を通過させて上昇位置まで変位手段E7320を上昇させた後に、その上昇位置から変位(落下)する変位手段E7320がその上昇時の経路を反対方向に変位(落下)することを抑制できる。よって、変位手段E7320を上昇させる経路から落下の経路へ変位手段E7320を確実に移行させることがでる。その結果、変位手段E7320の動作の信頼性を向上できる。
次いで、図619及び図621を参照して、第104実施形態における上変位ユニットE8100について説明する。上記第98実施形態では、上変位手段E2300の変位手段E2320が上昇位置から下方に向けて変位(落下)される場合について説明したが、第104実施形態では、上昇位置または第2上昇位置から下方に向けて変位(落下)される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図619を参照して、第104実施形態における上変位ユニットE8100の全体構成について説明する。図619(a)及び図619(b)は、第104実施形態における上変位ユニットE8100を正面視した模式図であり、図620(a)及び図620(b)は、変位規制手段E8400の背面図である。
なお、図619(a)及び図619(b)では、上側装飾ユニットP14aと左側装飾ユニットP14bと右側装飾ユニットP14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部P14e(図540参照)の範囲(即ち、パチンコ機A10の正面側(矢印F方向側)から正面枠P14(図540参照)を介して視認可能な範囲)が2点鎖線で模式的に図示される。また、図620(a)では、変位規制手段E8400の回転部材E8442に形成される当接部E442cを第1位置に配置した状態が図示され、図620(b)では、変位規制手段E400の回転部材E8442に形成される当接部E442cを第2位置に配置した状態が図示される。
図619に示すように、第104実施形態における上変位ユニットE8100は、背面ケースD300の底壁部D301(図555参照)に配設されるベース手段E8200と、そのベース手段E8200の正面側(矢印F方向側)に配設され、ベース手段E8200に対して相対変位可能とされる上変位手段E2300と、ベース手段E8200の正面側に配設され、上変位手段E2300の変位を規制する変位規制手段E8400と、を主に備え、ベース手段E8200から上変位手段E2300に駆動モータEM1の駆動力が伝達されることにより、上変位手段E2300を窓部P14eの範囲内で変位可能とされる。
ベース手段E8200は、第1ベースE210と、第2ベースE220と、その第2ベースE220の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動手段E8230と、その駆動手段E8230の一部と正面側に重なる位置で第2ベースE220の正面側に回転変位可能な状態で配設される第1リンクE240と、第1リンクE240に接続された状態で第2ベースE220の正面側に配設される第1伝達手段E8250と、第2ベースE220との対向間に駆動手段E8230、第1リンクE240、及び、第1伝達手段E8250を収容した状態で第2ベースE220の正面側に配設される第3ベースE260と、第2ベースE220の背面側(矢印B方向側)に配設される第2リンクE270と、第2リンクE270に接続された状態で第2ベースE220の背面側に配設される第2伝達手段E280と、第2ベースE220を介して第2伝達手段E280に接続された状態で第2ベースE220の正面側に配設される係合部材E290と、を主に備え、第3ベースE260の正面側に配設される駆動モータEM1の駆動力により、第1伝達手段E250を上昇位置(図619(a)に示す位置)又は第2上昇位置(図619(b)に示す位置)と、中間位置または下降位置との間で変位可能に構成される。
駆動手段E8230は、第3ベースE260の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動モータEM1の駆動力により回転するギヤ列であり、駆動ギヤE231と、従動ギヤE232,E233と、従動ギヤE233に歯合するギヤ歯を有する回転体E8234とから構成され、駆動モータEM1の駆動力により回転体E234を回転可能とされる。
回転体E8234は、正面視において円形状に形成される中心部に第2ベースE220の軸支部E221cが挿入される被軸支部E234aを備え、駆動モータEM1の駆動力が伝達されて軸支部E221cを軸に回転することにより駆動モータEM1の駆動力を第1リンクE240及び第2リンクE270に伝達可能に構成される。また、回転体E8234は、当接部E8234fの回転軸からの径方向における離間距離を変更可能に構成される。なお、当接部E8234fの回転軸からの径方向における離間距離を変更する構成については後述する。
第1伝達手段E8250は、上下方向(矢印U-D方向)に延設される矩形状の摺動体E8251と、その摺動体E8251の上端から左右方向(矢印L-R方向)において第1ベースE210側(矢印L方向)に突設される伝達部E252と、を備え、正面視における全体形状が略L字状に形成される。
摺動体E8251は、第2ベースE220と第3ベースE260との対向間において、第2ベースE220の案内棒E222に沿って摺動される部分であり、正面視において第2ベースE220及び第3ベースE260よりも小さく形成される。
また、摺動体E8251は、左右方向(矢印L-R方向)に長い溝状に開口される摺動溝E251aと、正面側(矢印F方向側)の一部から正面側に向かって突設される正面側突設部E251bと、背面側(矢印B方向側)において上下方向(矢印U-D方向)に開口する開口部E251cと、背面側の一部から背面側に向かって突設される背面側突設部E251dと、正面視において上端側の右側側面から突設される検出片E251eと、背面側突設部E251dよりも上方側で背面側の一部から背面側に向かって突設される被係合部E251fと、その被係合部E251fの上方に第2被係合部E8251gと、を備える。
第2被係合部E8251gは、第1伝達手段E250が上昇位置よりも低い第2上昇位置に配置される場合に、係合部材E290の係合部E293に下面側の側面が当接されることで、第1伝達手段E250を第2上昇位置に規制する部位であり、係合部材E290が係合位置に配設される場合おける係合部材E290の係合部E293と正面視において上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。
変位規制手段E8400は、図620に示すように、正面側(矢印F方向側)に配設される保持部材E8410と、その保持部材E8410に軸支される変位手段E8440と、保持部材E8410に軸支されると共に両端のそれぞれが保持部材E8410及び変位手段E8440に係止されるねじりコイルバネE8450とを主に備える。
保持部材E8410は、後述する変位手段E8440が背面側(矢印B方向側)に配設されると共に、ベース手段E8200の第3ベースE260の正面側(矢印F方向側)に固定される部材であり、変位手段E8440を正面側から覆設可能な大きさに形成される。
また、保持部材E8410には、正面視(矢印B方向視)における外縁に複数の挿通孔E411と、背面側(矢印B方向側)において円形状に凹設される凹部E413と、背面側から円柱状に突設されるバネ支持部E8414とが形成され、凹部E413に変位手段E8440が軸支され、バネ支持部E8414にねじりコイルバネE8450のコイル中心が軸支される。
変位手段E8440は、円柱状に形成される金属製の軸部材E441と、その軸部材E441が挿通される回転部材E8442と、を備え、軸部材E441の軸が前後方向(矢印F-B方向)に向けて配設されると共に、その軸部材E441の両端が保持部材E8410の凹部E413、及び、ベース手段E200の第3ベースE260に形成される凹部E265(図560参照)に保持され、回転部材E8442が軸部材E441を軸に回転可能な状態で軸支される。
回転部材E8442は、正面視(矢印B方向視)において上下方向(矢印U-D方向)に長い棒状に形成され、上端側の端部に前後方向(矢印F-B方向)に貫通された貫通孔E442aに軸部材E441が挿通されることで、その軸部材E441を軸に下端側を回転させることが可能に構成される。また、回転部材E8442は、下端側の背面において背面側(矢印B方向側)に向かって膨出する当接部E442cと、を備える。
なお、回転部材E8442は、ねじりコイルバネE8450の付勢力により当接部E442cが第1位置に配置されると共に、その第1位置において当接部E442cが回転軸(軸部材E441)に対して左側(矢印L方向側)にずれた位置に配置されるように構成される。
これにより、第1位置に配置された回転部材E8442の当接部E442cの上面に、上昇位置から下降位置に向かう第1伝達手段E250の正面側突設部E251bが当接した場合に、その当接による衝撃で、回転部材E8442の当接部E442cを第2位置に向かって変位させることが可能となる。即ち、第104実施形態では、第1伝達手段E250が変位(落下)する力を利用して回転部材E8442を回転させることができる。
また、この場合、回転部材E8442は、コイルバネE8450により付勢されているので、第1伝達手段E250の正面側突設部E251bが当接部E442cに当接した衝撃をコイルバネE8450により緩和できる。その結果、第1伝達手段E250及び回転部材E8442の破損を抑制できる。
次いで、第104実施形態における上変位ユニットE8100の変位について説明する。第104実施形態では、図619(a)に示すように、回転体E8234の当接部E8234fが、図619(b)に示す状態の当接部E8234fに比べて径方向外側に配置される場合に、当接部E8234fが当接することで持ち上げられる第1リンクE240を上方側に変位させることができるので、第1伝達手段E250を上昇位置まで持ち上げて係合部材E290と被係合部E251fとを係合させることにより上昇位置に維持することができる。
一方、図619(b)に示すように、回転体E8234の当接部E8234fが、図619(a)に示す状態の当接部E8234fに比べて径方向内側に配置される場合には、当接部E8234fが当接することで持ち上げられる第1リンクE240を上方側に変位させることができなくなるため、第1伝達手段E250を上昇位置よりも低い第2上昇位置までしか上昇させることができなくなる。この場合、係合部材E290が第2被係合部E8251gに係合することより、第1伝達手段E250が第2上昇位置に維持される。
従って、第104実施形態では、回転体E8234に対する当接部E8234fの配置を変更することで、第1伝達手段E8250の変位(落下)開始位置を変更することができ、第1伝達手段E8250に接続される上変位手段E2300の変位(落下)開始位置を変更できる。
これにより、第104実施形態では、変位手段E2320を中間位置または下降位置に変位させる場合に、変位手段E2320の変位(落下)開始位置を変更することで、変位手段E2320を変位(落下)させて中間位置または下降位置に変位させた際に変位手段E2320に作用する慣性力を変更できる。これにより、変位手段E2320を中間位置または下降位置に変位させた際の変位手段E2320の変位態様が一様になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。
即ち、上記第98実施形態における上変位ユニットE2100のように、回転体E234の回転速度に関わらず回転体E234を第1回転位置まで回転させた際に、変位手段E2320の変位(落下)開始位置が上昇位置の一か所に限定される場合には、変位手段E2320を中間位置または下降位置に変位させて中間位置または下降位置で変位手段E2320の姿勢を変化させる際に、変位手段E2320に作用する慣性力が変わらず、変位手段E2320が中間位置または下降位置で同様に姿勢を変化することになる。そのため、上記第98実施形態では、変位手段E2320を変位(落下)開始位置まで持ち上げる構造を簡易にできるものの、窓部P14eを介して視認される変位手段E2320の変位(落下)のバリエーションを付与することができないという問題があった。
これに対し、第104実施形態における上変位ユニットE8100では、変位手段E2320の変位(落下)開始位置を変更することで、変位手段E2320が変位(落下)する距離を変更できるので、変位手段E2320を中間位置または下降位置に変位させた際の変位手段E2320に作用する慣性力を変更できる。従って、変位手段E2320を中間位置または下降位置に変位させた際の変位手段E2320の姿勢の変化にバリエーションを付与することができる。その結果、窓部P14eを介して視認される変位手段E2320の変位(落下)による演出効果を向上できる。
また、変位手段E2320の変位(落下)開始位置を変更できるので、中間位置または下降位置から上方に変位される変位手段E2320がどの位置まで変位される(持ち上げられる)かに着目させることができる。その結果、変位手段E2320の変位による演出の効果を高めることができる。
さらに、第104実施形態では、上述したように、回転部材E8442の当接部E442cに第1伝達手段E250の正面側突設部E251bを当接させた衝撃で、回転部材E8442を回転させることが可能に構成されると共に、変位手段E2320の変位(落下)開始位置を変更可能に構成される。よって、変位手段E2320の変位(落下)開始位置を変更することで、変位手段E2320を中間位置まで変位(落下)させた際に第1伝達手段E250から回転部材E8442に作用する力(衝撃)を変更することができる。
これにより、第104実施形態では、第1伝達手段E250を上昇位置から変位(落下)させた場合に、回転部材E8442の当接部E442cに作用する力(衝撃)を大きくして、当接部E442cを第2位置まで変位させることができると共に、第1伝達手段E250を第2上昇位置から変位(落下)させた場合に、回転部材E8442の当接部E442cに作用する力(衝撃)を小さくして、当接部E442cを第1位置と第2位置との間で停止させることができる。
即ち、第104実施形態では、回転部材E8442を変位させるために回転部材E8442に駆動力を付与するためのソレノイドを別途配設しなくても、第1伝達手段E250の変位(落下)開始位置を変更することで、第1伝達手段E250の落下位置を変更することができる。
従って、第104実施形態では、上記した第89実施形態のように、回転部材E8442に駆動力を付与するためのソレノイドE421を備える必要が無くなるので、その分、その制御を簡易にできると共に、製造コストを低減できる。
次いで、図621を参照して、回転体E8234の当接部E8234fの配置を変更する構造について詳しく説明する。図621(a)及び図621(c)は、回転体E8234を正面視した模式図であり、図621(b)は、図621(a)のE10b-E10b線における回転体E8234の断面模式図であり、図621(d)は、図621(c)のE10d-E10d線における回転体E8234の断面模式図である。
図621に示すように、第104実施形態における回転体E8234は、回転体E8234の径方向外側から内側に向かう溝状に凹設される摺動溝E8234iと、その摺動溝E8234iの内側に配置され、摺動溝E8234iを摺動可能な状態で配設される摺動体E8234gと、その摺動体E8234gに配設される当接部E8234fと、摺動溝E8234iの内側に突出部E8234h1を突出させて摺動体E8234gに係合可能に構成される係合部材E8234hと、を主に備えて形成される。なお、回転体E8234は、付勢ばねにより摺動体E8234gが径方向内側に付勢されて配設され、回転体E8234を回転した際の遠心力により摺動体E8234gを付勢ばねの付勢力に反して径方向外側に摺動させて、係合部材E8234hに係合させることにより、摺動体E8234gに配設される当接部E8234fを径方向外側の位置に維持できるように構成される。
即ち、第104実施形態における回転体E8234では、回転体E8234の回転速度を変更することで、摺動体E8234gに作用する遠心力を変更して当接部E8234fを径方向位置を変更できるように構成される。従って、第104実施形態では、当接部E8234fの径方向位置を変更するための駆動手段を駆動モータEM1以外に備える必要がないので、上変位ユニットE8100の制御を簡易にできる。
なお、係合部材E8234hに係合されて径方向外側に維持される摺動体E8234gは、所定の回転位置で、係合部材E8234hの当接部E8234h2を第3ベースE260の背面に当接させることで、突出部E8234h1を摺動溝E8234iから退避させることで、係合部材E8234hと摺動体E8234gとの係合を解除して、当接部E8234fを径方向内側の位置に戻すことが可能に構成される。
即ち、第104実施形態では、回転体E8234を1回転させる毎に、回転体E234の回転速度を変更することで、当接部E8234fの径方向位置を変更することができる。そのため、当接部E8234fの径方向位置を変更するために、回転体E8234の回転を停止する必要がないので、変位手段E2320の変位を連続させつつ、変位手段E2320の変位態様を変更することができる。その結果、変位手段E2320を変位させることにより演出効果を向上しやすくできる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、開閉板A641の左端部において凹設湾曲部A641dの左縁を構成するように前側へ延設される先端部から干渉突部A641bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設湾曲部A641dの左縁を構成する延設部および干渉突部A641bの形成を省略しても良い(即ち、開閉板A641の前端部が対向部A641cの傾斜角度で開閉板A641の左端まで形成されるようにしても良い)。この場合、開閉板A641の左端を通過する間際の球がある場合に開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)へ状態変化した場合において、球が干渉突部A641bに当接されることはなく、入賞検出センサASC64に滑り込ませることができる。これにより、入賞検出センサASC64への入賞可能性を高めることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、干渉突部A641bにより荷重を与えられ、開閉板A641から脱落して落下した球は、落下後に、球案内部A621に案内され、遊技機外部に排出される。球案内部A621がアウト口H71と同様の機能を有するように構成されても良いし、球案内部A621が一般入賞口H63と同様の機能を有するように構成されても良い。他に、球案内部A621が第1入賞口H64と同様の機能を有しても良いし、第2入賞口H640と同様の機能を有しても良いし、特定入賞口H65aと同様の機能を有しても良い。球案内部A621が一般入賞口H63と同様の機能を有するように構成される場合には、球が球案内部A621を通過することに基づいて一定個数の球が上皿P17に払い出されるため、球が開閉板A641から脱落した場合であっても、遊技者は球が増える期待感を持って球を見守ることができる。
各球案内部A621の機能が別々に設定されても良い。この場合において、左端の球案内部A621の機能に対応するように入賞検出センサASC64の制御が構成される。入賞検出センサASC64がアウト口H71と同様の機能を有するように構成し、開閉板A641の下方側に位置する球案内部A621が第2入賞口H640と同様の機能を有するように構成する場合には、開閉板A641の開閉の対応が逆転される。即ち、前方に張り出す状態が閉鎖状態となり、後方に退避する状態が開放状態となる。この場合には、駆動ソレノイドA642の励磁により先端固定部材A643が変位される向きについても反転させた方が好ましい。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、ベース部材A610とカバー部材A630とが同様に光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース部材A610とカバー部材A630とが、異なる素材から構成されても良い。
この場合において、選定する素材としては何ら限定されるものではないが、通常は、樹脂材料や、金属材料や、ガラス材料からそれぞれ選定される。この場合において、異なる素材としては、樹脂同士、金属同士、ガラス同士を除外する意図ではなく、異なる組成の樹脂同士、異なる金属同士(鉄と銅等)、異なる組成のガラス同士である場合も含む。
特に、カバー部材A630の方がベース部材A610よりも光透過性の良好な素材とすることで、カバー部材A630とベース部材A610との間を流下する球の視認性を向上させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、傾斜突部A618と突条部A635とが同様に光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜突部A618と突条部A635とが、異なる素材から構成されても良い。
この場合において、選定する素材としては何ら限定されるものではないが、通常は、樹脂材料や、金属材料や、ガラス材料からそれぞれ選定される。この場合において、異なる素材としては、樹脂同士、金属同士、ガラス同士を除外する意図ではなく、異なる組成の樹脂同士、異なる金属同士(鉄と銅等)、異なる組成のガラス同士である場合も含む。
この場合において、例えば、傾斜突部A618を光透過性の樹脂材料とし、突条部A635を金属材料の別部材が嵌合固定される態様とすることで、傾斜突部A618により開閉板A641が視認し難くなる事態を回避することができると共に、突条部A635の耐久性を向上して開閉板A641の下流側における球の流下を安定させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、ベース部材A610の板状本体A611に、開閉板A641が出退変位可能な案内開口A614が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース部材A610において、開閉板A641の上流側を構成する第1部材と、開閉板A641の下流側を構成する第2部材とを、別々に構成しても良いし、その場合において、第1部材と第2部材とを同一の素材から構成しても良いし、異なる素材から構成しても良い。
この場合において、選定する素材としては何ら限定されるものではないが、通常は、樹脂材料や、金属材料や、ガラス材料からそれぞれ選定される。この場合において、異なる素材としては、樹脂同士、金属同士、ガラス同士を除外する意図ではなく、異なる組成の樹脂同士、異なる金属同士(鉄と銅等)、異なる組成のガラス同士である場合も含む。
この場合において、第2部材と開閉板A641とが一体的に第1部材に対して着脱可能に構成されても良い。この場合、開閉板A641が破損する程に使用年数が経過している場合において突設部A615が同様に破損しているような場合において、第2部材と開閉板A641とを一体的に取り替えることで修理を済ませることができるので、メンテナンスの工数を削減することができる。カバー部材A630に(開閉可能な)窓部が形成される場合には、この取り替えが窓部を通して可能となるので、更にメンテナンスの工数を削減できる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、傾斜突部A618が開閉板A641の左右幅方向の一部と上面視で重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜突部A618が開閉板A641の左右幅全体と重なる位置に配設されても良い。この場合、開閉板A641の真上側から球が落下して開閉板A641に到達する態様で開閉板A641の上方側の流下経路を形成する場合であっても、開閉板A641が球との衝突により破損する事態を避け易くすることができる。また、開閉板A641が前後スライド動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A641の動作方向は左右スライドでも良いし、スライド移動ではなく回転動作とされても良い。この場合において、傾斜突部A618の配設位置や構成は、開閉板A641の動作態様に対応して調整される。
例えば、開閉板A641の変位態様が回転動作であって、その動作方向が、前後方向に沿う回転軸を中心とした円弧に沿う方向である場合、傾斜突部A618は、開閉板A641の動作軌跡となる回転軸を中心とした円形状の外方において開閉板A641から球を離間させる側に跳ね返す形状とすればよい。即ち、回転軸から離れた側においては球を跳ね返す傾斜形状とされ、回転軸に対向する側においては開閉板A641の動作軌跡に沿う形状で構成することで、開閉板A641により近い位置において傾斜突部A618を配設することができる。
また、例えば、開閉板A641の変位態様が回転動作であって、その動作方向が、左右方向に沿う回転軸を中心とした円弧に沿う方向である場合(起立状態で閉鎖状態、傾倒状態で開放状態となる場合)、球が開閉板A641へ向けて流下する左右位置における閉鎖状態における開閉板A641の前側への張出代程度の張出長さで傾斜突部A618を板状本体A611から張出形成することで、傾斜突部A618により開閉板A641への球の衝突を回避させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、後方に動作する干渉突部A641bに押し上げられた球が開閉板A641から脱落して落下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、押し上げられた球が開閉板A641上に残って、次の開放動作で再び案内されるように構成しても良い。この場合、開閉板A641による球の案内効率を向上させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、傾斜突部A618の傾斜によって球に対して入賞検出センサASC64側への初速が付与される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜突部A618の前面側の傾斜が左右反転され、球に対して入賞検出センサASC64とは反対側への初速が付与されるようにしても良い。この場合、入賞検出センサASC64へ向けた球の左右方向の勢いが過大となることを抑制して、入賞検出センサASC64へのイレギュラー入賞を防止し易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、傾斜突部A618に当接した球が開閉板A641上を転動する過程で、球が傾斜突部A618と当接しなくなるように傾斜突部A618の張出長さが徐々に減少する態様で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜突部A618の張出長さが下流側においても十分長く維持され、開閉板A641上を転動する球が傾斜突部A618に当接し続けるように構成しても良い。この場合、開閉板A641上を転動する球の前後位置を前方側に寄せ続けることができるので、球の視認性を向上させ続けることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、開閉板A641の上面と傾斜突部A618との間の隙間が球の直径よりも小さな寸法で構成され、球が間に挟まらないようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A641の上面と傾斜突部A618との間の隙間が大きくされ、球が開閉板A641の上面および傾斜突部A618の下面と当接する場合が生じ得るように構成しても良い。この場合、開閉板A641の上面に対する球の縦跳ねを早期に抑え、球の開閉板A641の上面における転動を良好とすることができ、開閉板A641の厚み方向へのせん断力を抑制することで開閉板A641の折れ損を抑制し、開閉板A641の耐久性を向上することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、開放状態(張出状態)において干渉突部A641bがカバー部材A630の受入凹部A631aに収まり切らない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、干渉突部A641bが受入凹部A631aに収まりきるように構成しても良い。この場合、開放状態(張出状態)において干渉突部A641bの後方側を案内される球が干渉突部A641bに当接せずにカバー部材A630の背面に沿って滑らかに流下させることができるので、球の流下速度を向上させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、凹設湾曲部A641d(の最深部)が開閉板A641の左端側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設湾曲部A641d(の最深部)が開閉板A641の左右中央側に配置されても良い。この場合、開閉板A641上を球が転動している際に開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)とされた場合における球の脱落位置(落下位置)を、開閉板A641の左側端部(干渉突部A641b近傍)よりも右側寄りに変位させることができる。そのため、入賞検出センサASC64に案内される球の流れる位置と、入賞検出センサASC64に案内されずに脱落する球の流れる位置とを、左右距離をより離すことができるので、球の流下位置の判別が容易となる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、凹設湾曲部A641dが傾斜突部A618の形成範囲から外れた位置(左側にずれた位置)に形成されており、閉鎖状態(退避状態)において上面視でベース部材610の板状本体A611よりも後方側に退避される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設湾曲部A641dが傾斜突部A618の形成範囲から外れた位置に形成されており、閉鎖状態(退避状態)においてもベース部材610の板状本体A611よりも後方側に退避されない(若干前方に張り出している)ように構成しても良い。この場合、開放状態(張出状態)における凹設湾曲部A641dとカバー部材A630との前後隙間を縮めることができるので、その前後隙間から球が脱落する事態を回避し易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、傾斜突部A618が遊技盤A13のベース板A60に対して脱着可能なベース部材A610に配設され、開閉板A641については、ベース部材A610に締結固定される受入箱部材A645と、その受入箱部材A645に締結固定される前カバー部材A646との間に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース部材A610に、開閉板A641が直接的に支持される態様でも良い。例えば、前カバー部材A646が、別部材としてではなく、ベース部材A610の背面側に一体的に樹脂形成される態様となっていても良い。この場合、傾斜突部A618が形成されるベース部材A610をベース板A60に対して脱着させることで、ベース板A60に対して開閉板A641も一体的に脱着させることができる。
この場合において、前カバー部材A646と受入箱部材A645との間に中間リンク部材A644の回転軸部A644bを支持する態様ではなく、回転軸部A644bが前カバー部材A646のみに支持される態様としても良い。
即ち、前カバー部材A646(ベース部材A610)側に開閉板A641、中間リンク部材A644が配設(支持)されるものとし、駆動ソレノイドA642、先端固定部材A643が受入箱部材A645側に配設(支持)されるものとすることで、駆動ソレノイドA642を交換する目的で受入箱部材A645をベース部材A610から取り外した場合であっても開閉板A641がベース部材A610側に留まるようにすることができるので、駆動ソレノイドA642を交換するために分解したような場合において開閉板A641が紛失する事態を避けることができる。
なお、回転軸部A644bが前カバー部材A646のみに支持される態様としては種々の態様が例示される。例えば、前カバー部材A646から一対の回転軸部A644bの配設位置に対応した位置において一対のC字状の爪状部が形成され、その爪状部の開放側から回転軸部A644bを嵌め込むことで、一対の爪状部に中間リンク部材A644が回転動作可能に支持されるように構成しても良い。また、中間リンク部材A644の内部に小型のスプリングが内包され回転軸部A644bが伸縮可能に構成される場合には、爪状部はC字状のように開放側を形成する形状に限らず、一対の環状部として構成しても良い。一対の回転軸部A644bをコイルスプリングの弾性力に抗して縮ませた状態で一対の環状部の間に配置させ、その状態で回転軸部A644bを伸ばさせることで、一対の環状部に回転軸部A644bを挿通させることができ、中間リンク部材A644を回転可能に支持させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、開閉動作制御として、開閉板A641の開放時間を制御することで、開閉板A641が開放状態(張出状態)で維持される場合において入賞検出センサASC64に案内される球の個数を1球に限定する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、開閉板A641が開放状態(張出状態)に変化されてから入賞検出センサASC64を規定個数(1個または2~10個)の球が通過したことを検出した場合に開閉板A641を閉鎖状態(退避状態)へ変位させるように動作制御することで、案内される球の個数を限定するようにしても良い。
特に、開閉板A641上における球の流下の角度(流下方向)よりも、入賞検出センサASC64を通過した後の球の流下の角度(流下方向)の方が、水平面に対する角度が大きい(上下方向寄りの方向とされる)ことで、入賞検出センサASC64近傍における球間隔を広げることができるので、規定個数を超える球を案内する事態を好適に防ぐことができる。
スルーゲートH67を通過した球が開閉板A641に到達するまでに経過する期間がある程度の長さ(約4秒間)である場合を説明したが、球の流下態様によって経過する期間は変化し易い。その変化の度合いは、到達するまでに経過する期間が長いほど大きくなり易い(球の到達タイミングと開閉板A641の開放タイミングとがずれ易い)。これに対し、スルーゲートH67と開閉板A641との間隔を短く設定しても良い。例えば、傾斜突部A618の近傍(真上)にスルーゲートH67を配設することで、スルーゲートH67の通過から開閉板A641に球が到達するまでの期間を短く(約0.1秒程度に)することができる。
この場合、スルーゲートH67で球の通過が検出された際に生じる抽選の変動期間を0.1秒程度に設定しておけば、球が開閉板A641近傍に到達したタイミングに合わせて開閉板A641を開放動作させることができるので、球を安定的に入賞検出センサASC64に案内させることができる。
この場合、普通図柄の保留個数を1個以上に設定すると、保留個数が残っていない場合には、球が開閉板A641近傍に到達したタイミングに合わせて開閉板A641が開放動作される一方で、保留個数が残っている場合には、スルーゲートH67を通過しても即座に抽選変動が開始されないことから、球が開閉板A641近傍に到達したタイミングで開閉板A641が開放動作されるわけではないように構成できるため、開閉板A641付近を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
一方で、普通図柄の保留個数を0個に設定することで、抽選の変動の開始タイミングと、球がスルーゲートH67を通過するタイミングとがずれる事態を排除できるので、遊技の快適性を上げることができる。
開閉動作制御では、球の検出に対応して開閉動作を実行する場合を説明したが、開閉に至らない、中間動作も実行可能に構成しても良い。例えば、開放状態(張出状態)から閉鎖状態(退避状態)に到達した直後に、開放状態(張出状態)側へ向けた動作であって開放状態(張出状態)までは至らない励磁長さの中間動作制御を実行可能にしてもよい。即ち、中間動作制御では、開放状態(張出状態)までは至らない位置まで張り出した後で退避する動作が瞬間的に生じる。
この中間動作制御は、毎回の開閉動作に付随するようにしても良いし、一部の開閉動作に付随するようにしても良い。
一部の開閉動作に付随する場合、開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)とされた直後に傾斜突部A618から若干はみ出すことから、開閉板A641付近を視認する遊技者は、中間動作が実行されたことを視認により把握し易い。
中間動作が実行されることを、遊技者が得られる利益と関連付けても良いし、何ら関連無く付随させて実行させても良い。
これにより、球を一定の強度かつ一定の間隔で発射させている場合であっても、開閉板A641の動作が一定とはならないようにできるので、遊技が緩慢となることを避け、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
また、開放状態(張出状態)における開閉板A641に球が乗る場合、その球の重さにより先端側が下降変位されることになるが、閉鎖状態(退避状態)に戻される(中間リンク部材A644の離間突設部A644dが開閉板A641の案内凹部A641fの後側面を後方へ押進する)だけでは前傾の姿勢が戻らないため、次に開放状態(張出状態)とされる動作において姿勢変化をさせながら張出動作をすることになり、動作抵抗が高くなる。
これに対し、中間動作により、中間リンク部材A644の離間突設部A644dが開閉板A641の案内凹部A641fの前側面を前方へ押進する過程で押し上げ、開閉板A641の前傾姿勢を戻して水平姿勢側に起こすことができる。従って、次に開放状態(張出状態)へ向けた動作が実行される場合の動作抵抗を低減させることができる。
また、開閉板A641の閉鎖動作を、制御によるものではなく、通過する球により規制部材が変位されることによる動作として構成しても良い。即ち、開放状態(張出状態)において干渉突部A641bの戻りを防止する位置に規制部材が位置されており、規制部材が変位されるまでは開放状態(張出状態)が維持されるように構成しておき、開閉板A641上を転動する球が規制部材に当接可能とされ、その当接する球が干渉突部A641bの後面側を入賞検出センサASC64側へ通過する際に規制部材が球に当接されることで変位され、その規制部材による干渉突部A641bの戻りの防止が解除されるようにしても良い。この場合、開放状態(張出状態)になるタイミングと球が到達するタイミングとのずれがあっても、開放状態(張出状態)の開閉板A641により、少なくとも1球の球を入賞検出センサASC64に入球させた上で開閉板A641の閉鎖動作を実行させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、開閉板A641の上面が上流側から下流側に亘って同一平面で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A641の上面が所定位置で屈曲されるようにしても良く、一例として、凹設湾曲部A641dが形成される部位の水平面に対する傾斜角度が、対向部A641cの水平面に対する傾斜角度よりも大きく設定されることで、凹設湾曲部A641dよりも下流側が対向部A641cに対して折れ曲がる(屈曲される)ように構成しても良い。
この場合、開閉板A641上における球の流下の角度(流下方向)と、入賞検出センサASC64を通過した後の球の流下の角度(流下方向)との間において、中間の角度(流下方向)を凹設湾曲部A641dよりも下流側の屈曲された範囲の上面で構成することができるので、局所的な球の流下方向の変化を小さくし、段階的に生じさせることができるので、球を滑らかに流下させ易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第89実施形態)では、駆動ソレノイドA642の駆動力により開閉板A641が動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球の勢いを利用した動作が可能に構成されても良い。例えば、駆動ソレノイドA642からケースやコイルが取り外れ、プランジャーについては流用するように構成し、排出路形成部A632aに案内され流下された球の流下通路をプランジャーに位置に対応させて構成し、その流下通路に対してプランジャーが進退可能となるように保持されても良い。
プランジャーの後端部には流下通路を流下する球からの荷重を受ける傾斜面が形成されている。その傾斜面は球が到達する前においては流下通路内に位置しており、球の通過を妨げる。傾斜面が球から荷重を受けると、傾斜面がプランジャーごと変位され、球が通過可能な位置まで退避されることにより、球は流下通路を流下可能となる。
この場合において、到達した球から傾斜面が荷重を受けることによりプランジャー先端部A642aがコイルスプリングA642bを縮める方向(右方向)に変位されるように構成することで、球からの荷重により開閉板A641を開放状態(張出状態)側へ変位させることができる。
この場合において、開閉板A641の動作速度は、傾斜面の設計次第で調整が可能とされる。開閉板A641の開放状態から閉鎖状態への変位は、上述の規制部材で防止されても良いし、傾斜面の角度の調整により球が傾斜面と当接する期間を引き延ばすことで防止されるようにしても良い。
前者の場合には、上述のように、球が開閉板A641上を転動することで規制部材による防止が解除され開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)に変位される。後者の場合は、球が傾斜面に当接して停留する間は開閉板A641が開放状態(張出状態)で維持されることになるので開閉板A641の開放維持期間が一様になり動作の予測がされ易くなることで遊技者が「単発打ち」を行うモチベーションが高くなる可能性があるが、排出路形成部A632aに後続球が流入して傾斜面に与える荷重が増大する(複数球の重さがかけられる)場合には、傾斜面が変位される期間が短くされ、開放維持期間が短くなる。これにより、開閉板A641の開放維持期間が完全に一様である場合に比較して、「単発打ち」を行うモチベーションを低減させ、遊技者に対して「打ちっぱなし」の遊技を促進させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第90実施形態)では、上流側突部A2618が1本の突条から形成される場合を説明したが、並んで形成される2本の突条から形成され、その間の溝に球の後端部が受け入れられ案内される構成でも良い。この場合、上流側突部A2618により、球を前方側に寄せる作用に加えて、球の流下を溝間位置で案内することができ、球の流下を安定させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第90実施形態)では、上流側突部A2618が開閉板A641の近傍まで形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A641の上面と上流側突部A2618の下端との間隔が正面視で球の直径を超える長さで空くように構成しても良い。この場合、上流側突部A2618によって予め球を前方側に寄せていることから、途中で上流側突部A2618の形成が省略されたとしても球が開閉板A641と衝突することを回避する作用は維持しつつ、開閉板A641の上面を球が転動される場合において球が上流側突部A2618に当接することを避けることができる。これにより、開閉板A641に球が到達した時点では球は前後に跳ねることができるので、前後方向の空間が狭い場合に比較して上下方向へ球跳ねする度合(高さ)を抑制することができるので、球の開閉板A641上での縦方向の跳ねがおさまるまでの期間を短縮することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第91実施形態)では、当接張出部A3618を着脱可能であることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接張出部A3618を前方へ押し出す押進力が作用され、張出代を検出可能となっており、球との衝突で削れて張出代が短くなった場合に、それを相殺する態様で押進力により当接張出部A3618の張出代が補完されるように構成しても良い。
ここで、押進力による当接張出部A3618の変位量を検出可能となっており、変位量が規定値を超えると(張出先端の削れが過度となると)、外部に報知可能に構成されても良い。これにより、当接張出部A3618の交換や、確認のためのメンテナンスを行わせることができ、開閉板A641が球と衝突して破損する事態を未然に防ぐことができる。
報知後において遊技可能に構成しても、遊技不可能に構成しても良い。遊技可能とした場合、開閉板A641が破損するおそれがあるが、当接張出部A3618のメンテナンスの際に同時に確認させることができ、開閉板A641が破損した状態が長期間放置される事態は回避できる。
押進力は、種々の態様が例示される。例えば、バネ部材による付勢力でも良いし、磁力を用いた構成でも良いし、モーターやソレノイド等による駆動力でも良い。また、動作の方向は前後方向に限るものではなく、左右方向でも良いし、上下方向でも良いし、斜め方向でも良いし、複数の方向の組合せでも良い。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第91実施形態)では、球のバウンドを抑制する補助シートA3638が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球のバウンドを抑制する塗料(例えば錆止めの塗料等)を塗布しても良いし、板状本体A631の背側面を傾斜面(法線が下方向側を向く傾斜面)で構成しバウンドした球が下方に跳ねるように構成しても良い。また、これらの位置(範囲)は、開閉板A641の前方側の位置に限らず、開閉板A641の下方側における球の流下領域を構成する各面(底面等)に設定しても良い。これにより、球のバウンドを抑制し、跳ねた球が開閉板A641に衝突する事態を避け易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第92実施形態)では、傾斜突部A4618が案内突部A4618cを有する態様で樹脂材料から一体成形される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端において直角方向に張り出す同形状の釘部材を着脱可能に構成しても良い。即ち、釘が横向きで嵌合され得る凹部がベース部材A610に形成されても良い。これにより、スペアの釘部材を流用することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第92実施形態)では、案内突部A4618cが傾斜突部A4618の上側に張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下方に張り出すL字形状とされても良い。この場合、傾斜突部A4618に当接した後で右側へ流下した球がバウンドして跳ね戻った場合であっても、案内突部A4618cにより球が開閉板A641と衝突する事態を避けることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第93実施形態)では、傾斜突部A5618の凹設部A5618cに対して、閉鎖状態(退避状態)においては開閉板A5641の対応突部A5641mが進入する一方で、開放状態(張出状態)においては開閉板A5641の対応突部A5641mが進入せずに空間が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、対応突部A5641mとは別の突部であって同様の形状の第2対応突部が対応突部A5641mよりも後方側において開閉板A5641の上方に突設形成されており、閉鎖状態(退避状態)においては開閉板A5641の対応突部A5641mが凹設部A5618cに進入する一方で、開放状態(張出状態)においては開閉板A5641の第2対応突部が凹設部A5618cに進入するように凹設部A5618cが後方側にも開放されても良い。この場合、開放状態(張出状態)においては、凹設部A5618cが第2対応突部により埋められることから、流下する球の蛇行の程度を小さくすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第94実施形態)では、傾斜突部A618と下側傾斜突部A6618とが分離配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜突部A618と下側傾斜突部A6618との右端側同士を繋ぐ突条が、同様の突設長さで形成されることにより、正面視コ字状に屈曲される突条として構成しても良い。この場合、傾斜突部A618及び下側傾斜突部A6618をより丈夫にすることができ、耐久性を向上させることができると共に、開閉板A641の三方向において球の接近を防止できるので、開閉板A641が球に衝突して破損する事態を防止し易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第95実施形態)では、予備当接部A7638がカバー部材A7630に形成されたが、これに限られるものではなく、ベース部材A610から形成されても良い。例えば、前方に延設され、その延設先端から上方に延設されるL字形状で構成すれば、開閉板A7641の開閉動作を阻害することなく、上方への延設先端側が切欠き部A7641nに受け入れられる態様を構成することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第95実施形態)では、予備当接部A7638は、上面が、開閉板A7641の上面と平行とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、後端側寄りで球が着地する位置において開閉板A7641よりも上側に位置し、前方側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として形成しても良い。この場合において、前方側の位置が開閉板A7641の上面よりも下側に位置しても良い。この場合、予備当接部A7638の上面が多少削れても、開閉板A7641よりも上方に張り出す状態を長く維持させることができ、球が予備当接部A7638の前に開閉板A7641に衝突する事態を避けることができる。また、予備当接部A7638に乗った後の球を開閉板A7641から離れる側(前方側)に寄せながら流すことができるので、球が開閉板A7641に当たり難くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第95実施形態)では、開閉板A7641が樹脂材料のみにより形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A7641において切欠き部A7641nが形成されることで幅が細くされる箇所において補強用の金属棒が前後方向に差し入れられて内包可能に構成しても良い。これにより、対向部A641c後方側における開閉板A7641の強度を向上させることができる。なお、補強用の金属棒は、切欠き部A7641nの有無に関わらず差し入れることが可能であり、これにより開閉板A7641の強度を向上させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第95実施形態)では、開閉板A7641が一定の板厚で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切欠き部A7641nが形成される対向部A641c側において、板厚を増厚しても良い。これにより、切欠き部A7641nが形成されることによる強度低下を緩和することができる。なお、板厚の増厚は、切欠き部A7641nの有無に関わらず可能であり、これにより、対向部A641cと球との衝突が生じたとしても(例えば、傾斜突部A618が破損した場合や、予備当接部A7638が破損した場合等)、対向部A641cが増厚により強度が増していることから、対向部A641cが破損する事態を避け易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第95実施形態)では、開閉板A7641が一体成形され前後方向に直線動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A7641は、切欠き部A7641nが形成される前側部と、その前側部を支持する後側部とで構成され、前側部が後側部に対して左右幅の略中央位置において前後方向に延びる回転軸を中心に回転動作可能に構成されても良い。
この場合、例えば、閉鎖状態(退避状態)においては対向部A641c側が下側となり、開放状態(張出状態)においては対向部A641c側が上側となるように、前後のスライド移動に伴って回転動作が生じるように構成することができる。
一例として、予備当接部A7638が、開閉板A7641の前側部の回転軸を中心とする円弧形状断面で後方に延設される場合、開閉板A7641の切欠き部A7641nが予備当接部A7638を受け入れる態様とされ、予備当接部A7638により前側部の回転動作が案内される。
その湾曲板形状の予備当接部A7638の板厚方向側の外側面から、開閉板A7641の下面を支持する突部が形成されることで開閉板A7641の前後位置における前側部の姿勢が設定される。
この場合において、開放状態(張出状態)では予備当接部A7638の上面に対して開閉板A7641の上面が平行な姿勢にできる位置に予備当接部A7638の板厚方向側の外側面から下支えのための第1突部が形成され、閉鎖状態(退避状態)では開放状態(張出状態)から正面視時計回りに30度回転された姿勢にできる位置(第1突部よりも下側の位置)に予備当接部A7638の板厚方向側の外側面から下支えのための第2突部が形成され、第1突部と第2突部との間が滑らかに突条で繋がれる。即ち、予備当接部A7638の板厚方向側の外側面には、第1突部と第2突部とを繋ぐように、上下位置が前方へ向かうにつれて上方へ変位する態様で斜め又は曲線方向に延びる突条が形成される。
これにより、開閉板A7641が前後方向へスライド動作されることに伴い、予備当接部A7638の板厚方向側の外側面の突条に沿って開閉板A7641の前側部が回転動作される。即ち、開閉板A7641の重心位置は前後方向に延びる回転軸よりも対向部A641c側(干渉突部A641bの反対側)に位置している。
この場合、開閉板A7641の閉鎖動作時において、退避しきる前から、開閉板A7641の左端部が入賞検出センサASC64の開口を狭めるように上方へ向けて回転動作されるため、イレギュラー入賞を抑制し易くすることができる。
なお、開閉板A7641の前後位置を開放状態(張出状態)の位置で維持したまま、予備当接部A7638が前後に移動されることで、開閉板A7641の回転動作が生じるように構成しても良い。
この場合において、前後に移動される予備当接部A7638は、コイルスプリング等の付勢力により開閉板A7641の前方側に離間する位置へ付勢されており、専用の駆動ソレノイドが励磁されることで付勢力に抗して後方へ動作されることで予備当接部A7638が開閉板A7641と当接する位置へ変位され、励磁状態を切り替える(強弱を切り替える)ことで開閉板A7641との当接を維持したまま前後動作されるように構成されても良い。
専用の駆動ソレノイドについて、パチンコ機の電源がオンの状態において励磁状態で維持され、パチンコ機の電源がオフとなると非励磁とされるよう構成しても良い。この場合、パチンコ機の電源がオフされた場合に、予備当接部A7638が付勢力により変位され、開閉板A7641と予備当接部A7638とが非当接となることに伴って、開閉板A7641に自重に因る回転動作(開放状態から正面視時計回りに30度回転された姿勢となる動作)を生じさせることができる。これにより、パチンコ機の電源がオフとなった場合において、開閉板A7641上を転動する球が入賞検出センサASC64に入球することを防止することができ、遊技が誤って継続されることを防ぐことができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第96実施形態)では、傾斜延設部A8618の上面の傾斜角度が開閉板A641の上面の傾斜角度と同じ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜延設部A8618の上面の傾斜角度は、開閉板A641の上面の傾斜角度よりも水平寄り(傾斜角度小)でも良い。この場合、傾斜延設部A8618上に乗ってから球が脱落するまでの期間を延ばすことができ、球が到達した時に開閉板A641が閉鎖状態(退避状態)であった場合に、開閉板A641が開放状態(張出状態)に変化されるのを期待させる期間を引き延ばすことができるので、開閉板A641近傍に対する注目力を向上させることができる。
また、傾斜延設部A8618の上面の傾斜角度は、開閉板A641の上面の傾斜角度よりも鉛直寄り(傾斜角度大)でも良い。この場合、傾斜延設部A8618上に乗ってから球が脱落するまでの期間を短くすることができるので、傾斜延設部A8618上に球が滞在している間に後追いの球が到達し、球付きが生じる可能性を低くすることができる。これにより、球付きに基づく球詰まりや、弾き飛ばされた球がイレギュラー入賞する事態を避けることができ、球の流下を適切に生じさせることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第96実施形態)では、傾斜延設部A8618に擦れ跡が増加される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間経過等によって擦れ跡が修復される材料により形成されても良い。また、内部に修復用の材料(液体状で保存可能であって条件によって硬化する材料(液状のり、光硬化樹脂または熱硬化樹脂等))が内包されており、擦れが過度になった場合に内部から修復用の材料が漏れ出して擦れ跡を修復するように構成しても良い。この場合、メンテナンス間隔を長引かせることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、開閉板A9641から被嵌合突部A9641pが突設形成され、当接張出部A3618の湾曲当接部A3618bの内側に嵌合される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、湾曲当接部A3618bが上下逆のU字形状で形成され、その下端部が進入可能とされる凹部が開閉板A9641の上面に形成されても良い。この場合、開閉板A9641の上方に球と衝突する干渉部を形成しなくて済むので、開閉板A9641から球に与える影響を減らすことができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、中間リンク部材A644の回転動作に伴って開閉板A9641が前後動作するように互いに連動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板A9641が中間リンク部材A644に固定され、回転変位される中間リンク部材A644に開閉板A9641が一体的に回転変位されることで、開閉動作が生じるようにしても良い。この場合、開閉板A9641の開閉動作は、左端側を回転の中心として右端側が前後方向に回転移動される態様とされるため、対向部A641cのカバー部材A9630に対する傾斜角度が一定ではなく、徐々に大きくなる態様で球を挟み込むことができるので、球が挟み込まれた場合であっても、挟み込み当初は挟み込む荷重が小さく、球が停留する前に球を滑らせることができるので、下流側への球の案内を生じさせ易くすることができる。なお、この場合において、閉鎖状態における開閉板A9641の対向部A641cとカバー部材A9630に対する態様は、傾斜しても良いし、略平行となっても良い。略平行とされる場合、略平行を過ぎて逆傾斜(右側ほど広くなる傾斜態様)とされる場合に比較して、挟み込まれた球が逆流される側(右方側)に案内される事態を避け易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、調整可能部材A9635の態様を調整することで球の跳ね返りの調整をする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、代わりに又は併せて、開閉板A9641の下流側に位置する順傾斜底面部A9632gや逆傾斜底面部A9632rの一部を前後に出退可能にし、退避状態において球を素通りさせるように構成することで、球の跳ね返りを減らすことで開閉板A9641と球との衝突を抑制できると共に、順傾斜底面部A9632gや逆傾斜底面部A9632rが全球を跳ね返らせる場合に比較して順傾斜底面部A9632gや逆傾斜底面部A9632rの破損を減らすこともできる。
また例えば、代わりに又は併せて、開閉板A9641の下側に下側傾斜突部A6618を配設するようにしても良い。この場合、開閉板A9641の前側を下方へ素通りしてから跳ね返った球が開閉板A9641に衝突する前に、下側傾斜突部A6618に衝突させて跳ね戻すことができるので、球と開閉板A9641との衝突を回避することができる。
即ち、調整可能部材A9635での調整に因らずとも(極端に言えば、調整可能部材A9635を省略しても)、下方へ通過した後の跳ね返り球が開閉板A9641と衝突する事態や、順傾斜底面部A9632gや逆傾斜底面部A9632rが球との衝突により破損する事態を避け易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、調整可能部材A9635が光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整可能部材A9635が金属材料から形成され、非透過性とされても良い。調整可能部材A9635が金属材料から形成されることで、樹脂特有の脆弱さを解消でき、調整可能部材A9635の耐久性を向上させることができる。これにより、調整可能部材A9635が調整による繰り返し負荷を受ける箇所であったとしても、早期に破損する事態を避け易くすることができる。
なお、球の視認性に関しては、調整可能部材A9635の配置が開閉板A9641の下流側に位置することや、第2電飾基板A670からの光の視認態様の変化により開閉板A9641上を球が転動しているか否かについて認識可能に構成されていることから、球の視認性が低下しても遊技継続を妨げる程の問題にはならない。
更に、電飾基板A670等からの光が金属製の調整可能部材A9635で反射されることにより、光演出の演出効果を向上させることができる。調整可能部材A9635に球が当接する場合には、球により電飾基板A670等からの光が被支持突部A9635bへ到達することが妨げられ、若干暗く視認される。そのため、遊技者は光の視認態様に注目することで、調整可能部材A9635と当接する位置を球が流下していることを把握することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、L字状の部材から構成される調整可能部材A9635が、被支持突部A9635bがカバー部材A9630側に近接配置され当接した球をカバー部材A9630から離間する方向に流下させる一方で、支持腕部A9635aはベース部材A9610に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整可能部材A9635は、支持腕部A9635aの形成が省略され、被支持突部A9635bの前側面から前方へ向けて嵌合突部が突設され、その嵌合突部を受け入れ固定可能な嵌合凹部がカバー部材A9630の後側面に複数形成され、嵌合突部が受け入れられる嵌合凹部を入れ替えることにより被支持突部A9635bの位置を調整するように構成しても良い。
この場合、支持腕部A9635aを利用する場合に生じた球との衝突により調整可能部材A9635が破損する事態を避けることができ被支持突部A9635bの耐用年数を長期化することができると共に、支持腕部A9635aが球の流下を阻害することを回避することができるので球の流下態様の設計自由度を向上させることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、調整可能部材A9635がL字状の部材から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、T字状(支持腕部A9635aの先端に被支持突部A9635bの中央部が位置する構成)の部材から構成しても良いし、コ字状(支持腕部A9635aが一対で構成され被支持突部A9635bの両端部にそれぞれ位置する構成)の部材から構成しても良い。
また、被支持突部A9635bは、正面視で長手方向を有する形状で特定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視で特定の長手方向を有さない形状(正方形、正三角形、円形など)で構成しても良い。この場合、上下方向への調整だけでなく、左右方向の位置調整によっても、衝突した球の跳ね返りに影響を与えやすくなる。
この場合において、調整可能部材A9635の調整の態様を、スライド移動に対して、支持腕部A9635aの後端部を基点とした首振り(傾倒回動、起き上がり回動、左右首振り)で構成可能とすることで、支持腕部A9635aを支持する部分(調整支持部A9625)の形状が複雑化することを避けることができる。
更にこの場合において、支持腕部A9635aの前端部が平面形状とされていることに対して、首振りの基点を中心とした球体の一部に沿った湾曲面形状としても良い。これにより、調整可能部材A9635の調整を行った際に支持腕部A9635aの前端部がカバー部材A9630の後端部と接触することを避けることができ、任意の首振り角度で調整することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、調整可能部材A9635が支持腕部A9635aの後端部を支点として片持ち支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、支持腕部A9635aの前端部がカバー部材A9630と当接可能に構成しても良い。例えば、調整可能部材A9635が下寄りの位置に配置されている場合には支持腕部A9635aの前端部とカバー部材A9630との間に隙間が空く寸法で構成する一方で、調整可能部材A9635が上寄りの位置に配置される場合においてカバー部材A9630との間に補助シートA3638を介在させることで、支持腕部A9635aの前端部とカバー部材A9630との間の隙間が埋まるように構成することで、支持腕部A9635aの前端部が補助シートA3638を介してカバー部材A9630から力(支持力)を受けるよう構成することができる。これにより、調整可能部材A9635の支持態様を、前後端部で支持力を生じさせる態様(両持ち)とすることができ、調整可能部材A9635の調整が球との衝突でずれる事態を避け易くすることができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、単一の調整可能部材A9635が、開閉板A9641の下側(下流側)において配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の調整可能部材A9635が開閉板A9641の下側(下流側)に配設されるようにしても良い。この場合、各調整可能部材A9635の位置を個別に調整することにより、開閉板A9641の下流側位置における球の跳ね返りの態様を細かく調整することができる。
上記各実施形態(第89実施形態~第97実施形態、特に第97実施形態)では、開口部A9631bを通して調整可能部材A9635を着脱可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口部A9631bを通して開閉板A9641を抜き差し可能に構成しても良い。この場合において、板状本体A631が、カバー部材A9630との間で流路を構成する上流側部と、開閉板A9641を支持する下流側部とに分けられ、その下流側部が開閉板A9641と共に開口部A9631bを通して抜き差し可能に構成されても良い。これにより、開閉板A9641が破損した場合における交換作業の工数を低減させることができる。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、弾性体E224がゴムから形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1伝達手段E250が下降位置に変位して背面側突設部E251dが衝突する衝撃を吸収できるものであれば何でも良く、例えば、スプリングやウレタン等の弾性材料から形成しても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の落下時と持ち上げ時とで、それら変位手段E320,E2320,E5320,E7320に配設される発光手段E321h1の発光態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位手段E320,E2320,E5320,E7320にスピーカーや液晶装置を配設して、の落下時と持ち上げ時とで音声や表示を変更して、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の演出態様を変更するものであっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320が第3図柄表示装置H81(図541参照)の正面側に重なる位置で変位する場合について説明したが、正面視において第3図柄表示装置H81と重ならない領域で変位手段E320,E2320,E5320,E7320が変位するように構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置H81に表示される表示内容に合わせた変位を変位手段E320,E2320,E5320,E7320にさせることで、第3図柄表示装置H81と変位手段E320,E2320,E5320,E7320とによる演出領域を大きくできる。その結果、遊技者の興趣を高めやすくできる。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、第2ベースE220と第1伝達手段E250との間に介在されるスプリングESP1の付勢力が、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300が自重で上昇位置から下降位置に向かう力よりも小さく形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300が上昇位置から下降位置に向かう途中でスプリングESP1の付勢力の方が大きくなるように構成しても良い。この場合には、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300が上昇位置から下降位置に向かう途中でスプリングの付勢力により引き上げ、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300の自重と釣り合う位置で、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300をぐらつかせることができる。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320を複数の部材(ベース体E321,E2321、第1装飾体E322、第2装飾体E323、及び、第3装飾体E324)から形成して、変位手段E320,E2320,E5320,E7320が上昇位置から下降位置に向かって変位する際に、それらの部材を相対変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1の部材から形成するものであっても良い。
また、上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320を複数の部材(ベース体E321,E2321、第1装飾体E322、第2装飾体E323、及び、第3装飾体E324)が、落下に伴って相対変位される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、複数の部材(ベース体E321,E2321、第1装飾体E322、第2装飾体E323、及び、第3装飾体E324)を相対変位させるための駆動手段(モータ又はソレノイド)を別途配設して、その駆動手段の駆動力により複数の部材(ベース体E321,E2321、第1装飾体E322、第2装飾体E323、及び、第3装飾体E324)を相対変位させても良い。
この場合には、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の変位に関係なく、複数の部材(ベース体E321,E2321、第1装飾体E322、第2装飾体E323、及び、第3装飾体E324)を相対変位させて、正面視における変位手段E320,E2320,E5320,E7320の態様を変更できるので、変位手段E320,E2320,E5320,E7320を変位させる際の、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の態様(外形)にも着目させやすくできる。その結果、遊技者の興趣を高めやすくできる。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の落下時と持ち上げ時とで、それら変位手段E320,E2320,E5320,E7320に配設される発光手段E321h1の発光態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位手段E320,E2320,E5320,E7320にスピーカーや液晶装置を配設して、の落下時と持ち上げ時とで音声や表示を変更して、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の演出態様を変更するものであっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第100実施形態では、上変位手段E300,E2300に従動手段E540を配設する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、従動手段E540を配設しないものであっても良い。また、例えば、従動手段E540に変わってゴム状の弾性体やスプリングを配設し、それら弾性体やスプリングにより変位手段E320,E2320の一端側を吊り下げ支持するものであっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、回転体E234,E8234が正面視円形状に形成される場合について説明したが、回転体E234,E8234は、第1リンクE240のように一方に長い矩形状に形成されても良い。
また、上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240に当接させることで、第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、上変位手段E300を上昇位置に持ち上げる場合について説明したが、第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、上変位手段E300を上昇位置に持ち上げる機構は何でも良く、例えば、空気圧を第1リンクE240に作用させて第1リンクE240、第1伝達手段E250、及び、上変位手段E300を上昇位置に持ち上げるものであっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、回転体E234,E8234を正面視左回りに回転し続けて、変位手段E320,E2320,E5320,E7320を上昇位置に持ち上げつつ、その上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回転体E234、E8234を第1回転位置と第2回転位置との間で正面視左回り、又は、正面視右回りに往復変位させて変位手段E320を変位させるものであっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320が駆動力伝達手段E310,E7310に接続され、駆動力伝達手段E310から駆動モータEM1の駆動力が伝達される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下動する第1伝達手段E250に変位手段E320,E2320,E5320,E7320を直接接続して、上下方向(矢印U-D方向)に変位手段E320,E2320,E5320,E7320を変位させるものであっても良い。なお、この場合には、第1伝達手段E250に歯面を形成して、ギヤの回転により第1伝達手段E250を上下方向に変位させても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320が駆動力伝達手段E310,E7310に接続されて、略円弧状の軌跡で上昇位置から下降位置に落下される場合について説明したが、変位手段E320,E2320,E5320,E7320は、上記した第1伝達手段E250に直接に接続される構造のように、変位可能な部位であればどのような構成であっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接させることにより駆動モータEM1の駆動力を上変位手段E300,E2300,E5300,E7300、第1伝達手段E250に伝達する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部E234f,E8234fを第1伝達手段E250に当接させて駆動モータEM1の駆動力を上変位手段E300,E2300,E5300,E7300に伝達するものであっても良いし、当接部E234f,E8234fを上変位手段E300,E2300,E5300,E7300に当接させて駆動モータEM1の駆動力を上変位手段E300,E2300,E5300,E7300に伝達するものであっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300、第1伝達手段E250、及び、第1リンクE240が、それぞれ直動又は回転される場合について説明したが、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300、第1伝達手段E250、及び、第1リンクE240は、駆動モータEM1の駆動力を受けて、又は、自重により、変位可能な部位であればどのような構成であっても良い。
上記第89実施形態、第98実施形態、第99実施形態、第103実施形態、及び、第104実施形態では、変位規制手段E400の回転部材E442,E8442を回転させて、回転部材E442,E8442の当接部E442cを第1位置および第2位置の間で変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部E442cを駆動手段E420の駆動力により第1位置および第2位置の間でスライド変位するように構成しても良い。また、当接部E442cの変位方向は、左右方向(矢印L-R方向)に限られるものではなく、例えば、前後方向(矢印F-B方向)であっても良い。即ち、当接部E442cは、上昇位置から変位(落下)する第1伝達手段E250の少なくとも一部に当接可能な部位であればどのような構成であっても良い。
上記第89実施形態では、変位規制手段E400の回転部材E442を一か所に配設する、即ち、第1伝達手段E250の変位を中間位置のみで規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回転部材E442を第1伝達手段E250の変位軌跡上に複数個配設して、中間位置以外で第1伝達手段E250の変位を規制するように構成しても良い。この場合、複数の回転部材E442のそれぞれの制御が必要となる為、その制御が複雑になるという問題があるものの、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び上変位手段E300の変位態様を複数形成することができるので、変位手段E320の上昇位置からの落下による演出効果を向上できる。
なお、この場合には、複数の回転部材E442の変位方向や大きさを変更して、第1伝達手段E250がそれぞれの回転部材E442に当接した際の影響が異なる様に構成することで、第1伝達手段E250、第1リンクE240及び上変位手段E300の変位態様にバリエーションを付与して、変位手段E320の上昇位置からの落下による演出効果を向上できる。
上記第89実施形態では、窓部P14eによる視認可能範囲が変位手段E320の変位(落下)範囲に設定され、変位手段E320に接続される姿勢規定手段E330および駆動力伝達手段E310の一部が窓部P14eの外側に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変位手段E320に接続される姿勢規定手段E330および駆動力伝達手段E310の全部が視認可能となるように窓部P14eの視認可能範囲を設定、又は、上変位手段E300を構成しても良い。また、窓部P14eの視認可能な範囲内に上変位ユニットE100の全体が収まる様に窓部P14eの視認可能範囲を設定、又は、上変位ユニットE100を構成しても良い。
また、窓部P14eの視認可能範囲を変更した場合には、変位手段E320が上昇位置から下降位置に向かって変位(落下)される際に、窓部P14eによる視認可能範囲の左右方向(矢印L-R方向)外側から中央側に向けて変位手段E320が変位するように構成しても良い。この場合には、変位手段E320を上昇位置から下降位置に変位(落下)した場合に、変位手段E320を遊技者に注目させやすくできる。即ち、上昇位置では、窓部P14eによる視認可能範囲の外側に変位手段E320を配置して遊技者に注目させにくくすると共に、下降位置に向かって変位(落下)した場合に変位手段E320を注目させやすくできる。従って、窓部P14eによる視認可能範囲のスペースを有効に活用できる。
なお、上記例示したように、窓部P14eは、変位手段E320,E2320,E5320,E7320が上昇位置から下方に向けて変位(落下)する態様が視認可能となるように、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の変位(落下)を視認させる部位であれば、どのような構成であっても良い。また、窓部P14eを構成する正面枠P14(図540参照)は、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の変位(落下)を視認させる部位を有する部位であれば、どのような構成であっても良い。
上記第89実施形態では、正面視において、回転体E234の当接部E234fの変位方向に対する第1リンクE240の下面の延設方向が、第1リンクE240が上昇位置に持ち上げられるほど平行とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1リンクE240が上昇位置に持ち上げられるほど直交する方向に設定されていても良い。この場合には、第1リンクE240の下面に当接部E234fを当接させた変位初期における当接部E234fと第1リンクE240との当接による衝撃を小さくできると共に、変位終端において当接部E234fから第1リンクE240に作用する駆動力を大きくでき、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300の上昇時の変位速度を速くできる。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、変位手段E320,E2320,E5320,E7320の変位態様がパチンコ機A10の演出によって切り替えられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、パチンコ機A10に配設される機能調整操作部H190(図540参照)等を遊技者が操作することで、遊技者の好みや遊技者の事情に適した変位態様で変位手段E320,E2320,E5320,E7320が変位するように構成(即ち、遊技者の操作により変位手段E320,E2320,E5320,E7320の変位態様が変更されるように構成)しても良い。
上記第98実施形態~第102実施形態、及び、第104実施形態では、変位手段E2320,E5320に形成した揺動用摺動溝E2321fと、姿勢規定手段E2330に形成した揺動用ピン支持部E2335とを接続することで、上昇位置から下降させて中間位置または下降位置に変位(落下)した変位手段E2320,E5320の姿勢を変化させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、変位手段E2320,E5320と姿勢規定手段E2330とを弾性体(例えば、コイルスプリング、板バネ、ゴム、ウレタン等)により接続して、その弾性体が弾性変形する分、変位手段が姿勢規定手段E2330から離れることで、上昇位置から下降させて中間位置または下降位置に変位(落下)した変位手段E2320,E5320の姿勢を変化させるものであっても良い。この場合には、弾性体を配設する分の製造コストが増加するものの、弾性体の弾性回復力により慣性力が作用していない変位手段E2320の姿勢を所定の姿勢に維持することができる。その結果、パチンコ機A10の外側に加わる衝撃で変位手段E2320,E5320の姿勢が変位されて、その変位された姿勢で維持されることを抑制できる。
また、変位手段E2320,E5320と姿勢規定手段E2330とを弾性体により接続するだけでなく、変位手段E2320,E5320と駆動力伝達手段E310とを弾性体により接続しても良い。即ち、駆動モータEM1の駆動力を変位手段E2320,E5320に伝達する駆動力伝達手段E310との間に弾性体を配設しても良い。
この場合には、弾性体を配設する分の製造コストが増加するものの、上昇位置から下降させて中間位置または下降位置に変位(落下)した変位手段E2320,E5320の姿勢が変化する態様の自由度を向上できる。その結果、窓部P14eを介して視認可能な範囲で変位(落下)する変位手段E2320,E5320の演出効果を向上できる。また、駆動力が伝達される部分に弾性体が配設されることで、駆動力が伝達される際に係る余計な力を弾性体により吸収できる。そのため、変位手段E2320,E5320と駆動力伝達手段E310との接続部が破損することを抑制できる。
上記第99実施形態では、変位手段E2320が下変位ユニットE500の回転手段E550に当接して変位手段E2320の姿勢が変更される場合に、変位手段E2320から出射される光の向きを回転手段E550に向ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位手段E2320の姿勢が変更される場合に、変位手段E2320から出射される光をオフすると共に回転手段E550から出射される光を変位手段E2320に照射して、変位手段E2320に着目させるものであっても良い。
上記第99実施形態では、回転手段E550に変位手段E2320を当接させた後、変位手段E530に配設した駆動モータ(図示しない)の駆動力を回転手段E550に付与して回転手段E550を回転させることで、回転手段E550と変位手段E2320とを一体的に変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。
例えば、回転手段E550を外力により回転可能に構成して、回転手段E550に変位手段E2320が当接した際に、変位手段E530に配設した駆動モータ(図示しない)の駆動力を回転手段E550に付与しなくても変位手段E2320の自重により回転手段E550が回転するように構成しても良い。
この場合には、窓部P14eを介して視認可能な領域において、上昇位置から自重により変位(落下)する変位手段E2320が回転手段E550に当接することに伴い変位手段E2320と回転手段E550とを一体的に変位させることができるので、変位手段E2320が中間位置で留まることなく、変位手段E2320と回転手段E550との一体的な変位を開始できる。その結果、変位手段E2320と回転手段E550との一体動作による演出効果を向上できる。
また、例えば、回転手段E550を回転させなくても、回転手段E550に当接した変位手段E2320がその回転手段E550の外縁に沿って摺動して下降位置まで変位(落下)する、又は、回転手段E550に当接した変位手段E2320が上方側に跳ね返ることでその姿勢を変更して下降位置まで変位(落下)するように構成しても良い。この場合には、変位手段E2320を下降位置まで落下させるために、回転手段E550の回転構造を不要とできるので、その下変位ユニットE500の構造を簡易化できる。
上記第99実施形態では、回転手段E550に変位手段E2320を当接させた後、回転手段E550と変位手段E2320とを一体的に変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回転手段E550の外周面に凹凸を形成して、回転手段E550に当接した変位手段E2320を回転手段E550と一緒に変位させると共に、回転手段E550に当接した変位手段E2320を回転手段E550の外周面に形成した凹凸により径方向外側に向けて摺動するように構成しても良い。即ち、回転手段E550の外周面形状により、下降位置に向けて変位する変位手段E2320を回転手段E550の径方向外側に向けて変位させても良い。この場合には、変位手段E2320と回転手段E550とを一体的に変位させつつ、変位手段E2320を回転手段E550に対して相対変位させることができるので、変位手段E2320の変位態様にバリエーションを付加することができる。その結果、窓部P14eを介して視認可能な領域において、変位手段E2320の変位(落下)による演出効果を向上できる。
上記第99実施形態では、第2位置に配置した当接部E442cに第1伝達手段E250を当接させて、変位手段E2320を中間位置に保持する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接部E442cを備えないもの、即ち、変位規制手段E400を備えないものであっても良い。この場合には、変位手段E2320を張出位置に配置された回転手段E550に当接させた際に、変位手段E2320が回転手段E550の外周面に載置されることで、変位手段E2320が中間位置に保持されるように構成しても良い。
上記第99実施形態、及び、第100実施形態では、下変位ユニットE500または下変位ユニットE4500のどちらか一方を上変位ユニットE2100の下方に配設する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでなく、上変位ユニットE2100の下方に下変位ユニットE500と下変位ユニットE4500との両方を配設して、それぞれの回転手段E550,E4550が張出位置において左右方向(矢印L-R方向)に並設されるように構成しても良い。
また、この場合には、上昇位置から下方に向けて変位(落下)する変位手段E2320が回転手段E550,E4550のどちらか一方に当接するように構成しても良いし、回転手段E550,E4550の両方に当接するように構成しても良い。これよれば、回転手段E550,E4550のどちらに当接するかにより、変位手段E2320の変位(落下)態様を変更することができるので、変位手段E2320の変位(落下)にバリエーションを付与することができる。その結果、窓部P14eを介して視認可能な領域における変位手段E2320の変位(落下)による演出効果を向上できる。
上記第99実施形態および第100実施形態では、回転可能に構成される回転手段E550,E4550に上昇位置から下方に向けて変位される変位手段E2320が当接される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでなく、例えば、回転手段E550,E4550をスライド変位するように構成しても良い。また、この場合における回転手段E550,E4550のスライド変位方向は、左右方向(矢印L-R方向)に限られるものではなく、例えば、前後方向(矢印F-B方向)であっても良い。即ち、回転手段E550,E4550は、上昇位置から変位(落下)する変位手段E2320の少なくとも一部に当接可能な部位であればどのような構成であっても良い。
また、上記第99実施形態および第100実施形態では、張出位置に配置された回転手段E550,E4550に変位手段E2320が当接した際に変位手段E2320の姿勢が変更される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでなく、上記第89実施形態おける変位手段E320のように、姿勢を変更せず、その当接位置(中間位置)で変位手段E2320が停止するように構成しても良い。
上記第100実施形態では、回転手段E4550が上下方向(矢印U-D方向)に沿って配設される回転軸E4552を軸に回転されることで、変位手段E2320の下降位置までの変位(落下)を許容するか否かを切り替える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転手段E4550の回転軸E4552を左右方向(矢印L-R方向)に沿って配設するものであっても良い。
また、例えば、変位手段E2320の変位軌跡と重なる位置と重ならない位置とで一方向(例えば、前後方向(矢印F-B方向))に回転手段E4550がスライド変位されることで、変位手段E2320の下降位置までの変位(落下)を許容するか否かを切り替えるものであっても良い。この場合、回転手段E4550を前後方向にスライド変位可能に構成し、回転手段E4550が背面側(矢印B方向側)に配置される際に、変位手段E2320に回転手段E4550が当接しない態様とすることで、回転手段E4550の正面側(矢印F方向側)に重なる領域を変位手段E2320に変位(落下)させることができる。そのため、窓部P14eを介して回転手段E4550を視認する遊技者に対し、回転手段E4550の状態(スライド位置)を把握させにくくできる。即ち、変位手段E2320が回転手段E4550に当接可能な状態であるか否かを把握させにくくできる。
なお、回転手段E4550を前後方向(矢印F-B方向)にスライド変位可能に構成し、回転手段E4550が背面側(矢印B方向側)に配置される際に、変位手段E2320に回転手段E4550が当接しない態様とした場合には、駆動手段E4560を介して回転手段E4550が配設される変位手段E530よりも背面側に回転手段E4550をスライド変位可能として、回転手段E4550の位置を変位手段E530の位置と対比することで、回転手段E4550の状態を遊技者に把握させやすくしても良い。また、変位手段E530の背面側に回転手段E4550が隠れる(視認不能となる)場合には、変位手段E530を光透過性材料から形成して、変位手段E530の背面側に配置される回転手段E4550を窓部P14eを介して視認可能として、回転手段E4550の状態を遊技者に把握させやすくしても良い。
上記第100実施形態では、駆動手段E4560を介して回転手段E4550が配設される変位手段E530の上方側に回転手段E4550が配設され、回転手段E4550の略全域が視認可能とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、変位手段E530に形成した開口内を回転手段E4550が回転変位するように構成して、回転手段E4550の一部が変位手段E530の背面側(矢印B方向側)に隠れる(視認不能となる)ように構成しても良い。なお、この場合には、駆動手段も変位手段E530の背面側に配設して、正面側(矢印F方向側)から回転手段E4550の駆動機構が視認されにくくすることが好ましい。
上記第101実施形態では、上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)する変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5226aに当接した後、当接ピン部E5321gが被当接部E5226aの外周面に当接しつつ変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E5226aに当接した衝撃で、当接ピン部E5321g側が上方側に向けて跳ね返る様に変位手段E5320を構成しても良い。
この場合には、当接ピン部E5321gの溝部E5321g1の内側の一部に被当接部E5226aの凸部E5226a1を当接させることで、上方側(矢印U方向側)に向けて跳ね返る当接ピン部E5321gが前後方向(矢印F-B方向)に変位するように構成することで、変位手段E5320の当接ピン部E5321g側を中間位置で上方側に向けて変位させつつ、変位手段E5320を前後方向に変位させることができる。その結果、変位手段E5320の変位態様を複雑にでき、変位手段E5320の変位による演出効果を高めることができる。
上記第101実施形態および第102実施形態では、姿勢が変化された変位手段E5320を検出可能な位置に検出手段E5267,E6267を配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、上昇位置から変位(落下)する変位手段E5320の姿勢が変化されない場合に、その変位手段E5320を検出可能な位置に検出手段E5267,E6267を配設するものであっても良い。
即ち、検出手段E5267,E6267は、上昇位置から変位(落下)する変位手段E5320のうち、被当接部E5226a,E6226aに当接した変位手段E5320を検出可能な位置に配設されるか、被当接部E5226a,E6226aに当接しない変位手段E5320を検出可能な位置に配設されるかのどちらか一方であれば良い。また、検出手段E5267,E6267を配設せず、部品点数を削減して、製造コストを低減するものであっても良い。
上記第101実施形態および第102実施形態では、窓部P14eを介して視認可能な領域の外側に被当接部E5226a,E6226aを配設する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、窓部P14eを介して視認可能な領域の内側に被当接部E5226a,E6226aの少なくとも一部が突出する(視認可能となる)位置に被当接部E5226a,E6226aを配設しても良い。この場合には、被当接部E5226a,E6226aを遊技者が視認可能となるので、被当接部E5226a,E6226aの変位に着目させることができる。
また、第102実施形態において、窓部P14eを介して視認可能な領域の内側に被当接部E6226aを配設する場合には、変位手段E5320を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させ始めた後に、被当接部E6226aを変位するように構成しても良い。この場合には、変位手段E5320が中間位置に到達するまでに、変位手段E5320が被当接部E6226aに当接するか否かを遊技者が判断できなくなる為、変位手段E5320を変位(落下)させることによる演出の効果を向上できる。
なお、変位手段E5320を上昇位置から下方に向けて変位(落下)させ始めた後に、被当接部E6226aを変位するように構成する場合には、変位途中の被当接部E6226aに変位手段E5320が当接するように構成しても良い。この場合には、被当接部E6226aに当接するタイミングのばらつきにより、変位手段E5320の姿勢変化の態様にばらつきを付与することができる。その結果、変位手段E5320を変位(落下)させることによる演出の効果を向上できる。
上記第101実施形態および第102実施形態では、被当接部E5226a,E6226aに変位手段E5320の当接ピン部E5321gが当接される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被当接部E5226a,E6226aに変位手段E5320の下面が当接するように構成しても良い。即ち、被当接部E5226a,E6226aは、上昇位置から変位(落下)する変位手段E2320の少なくとも一部に当接可能な部位であればどのような構成であっても良い。
上記第102実施形態では、上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)する変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接した後、当接ピン部E5321gが被当接部E6226aの当接面に当接しつつ変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接した衝撃で、当接ピン部E5321g側が上方側に向けて跳ね返る様に変位手段E5320を構成しても良い。
また、上記第102実施形態では、上昇位置から下降位置に向けて変位(落下)する変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接した後、窓部P14eを介して視認可能とされる範囲において、変位手段E5320がその視認可能とされる平面に沿って左右方向(矢印L-R方向)又は上下方向(矢印U-D方向)に変位される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接ピン部E5321gが当接される被当接部E6226aの当接面に凹凸を形成して、その凹凸により当接ピン部E5321gを前後方向(矢印F-B方向)に案内して、変位手段E5320が左右方向または上下方向だけでなく前後方向にも変位するように構成しても良い。
上記第102実施形態では、上昇位置から変位(落下)する変位手段E5320が中間位置においてその姿勢が過剰に変化されると検出手段E6267に検出されるように構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものはない。例えば、上記第101実施形態における検出手段E5267のように、姿勢が変化される変位手段E5320を全て検出可能な位置に変位手段E5320を配設しても良い。
また、上記第102実施形態では、昇位置から変位(落下)する変位手段E5320が中間位置においてその姿勢が過剰に変化されると検出手段E6267に検出されたことをパチンコ機A10が検知可能に構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、検出手段E6267に所定時間の検出があった場合にパチンコ機A10が検知可能に構成したり、所定時間(変位回数)の間に、所定の回数の検出がされた場合に、パチンコ機A10が検知可能に構成して、それらの検知があった場合に、被当接部E6226aを変位させて、変位手段E5320の姿勢が過剰に変化されることを抑制するように構成しても良い。これによれば、検出精度を向上できるので、誤検出による影響を抑制できる。
上記第102実施形態では、被当接部E6226aに当接した変位手段E5320に異常が生じたことを検出した場合に、変位手段E5320の当接ピン部E5321gが被当接部E6226aに当接する態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、パチンコ機A10の第3図柄表示装置H81(図541参照)やスピーカー(図示しない)よりエラー(異常)を報知するようにしても良い。また、例えば、変位手段E5320が被当接部E6226aに当接しない位置に被当接部E6226aを変位させても良い。
上記第103実施形態では、正面視において第1湾曲壁E7268a及び対向壁E7268cの対向間の上方側に規制部E7295aが突出するように、経路変更部材E7295を配設する場合について説明したが、経路変更部材E7295を配設せず、上昇位置に配置される変位手段E7320が上昇の経路を反対方向に変位(落下)することを許容しても良い。この場合には、変位手段E7320の変位(落下)の態様にバリエーションを付与することができるので、変位手段E7320の変位(落下)による演出効果を向上できる。
上記第103実施形態では、経路変更部材E7295が、第2伝達手段E7280の変位に連動する(即ち、回転体E234の回転に連動する)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路変更部材E7295を変位させる駆動源(例えば、ソレノイド)を別途備えて、経路変更部材E7295を変位させるタイミングの自由度を向上するものであっても良い。
また、例えば、自重により経路変更部材E7295の規制部E7295aが第3ベースE7260の正面側(矢印F方向側)に突出するように構成すると共に、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間を上方側に向かう軸支部E7321aが当接することにより規制部E7295aが第3ベースE7260の背面側(矢印B方向側)に退避するように構成して、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間に上方側から軸支部E7321aが侵入しようとする場合にその侵入を規制するように経路変更部材E7295を構成しても良い。この場合には、経路変更部材E7295を変位させるための駆動源を備える必要がない上に、経路変更部材E7295を所定のタイミングで変位させるための制御も必要なくなるので、経路変更部材E7295の構造を簡易化できる。
上記第103実施形態では、第1湾曲壁E7268a、第2湾曲壁E7268b、対向壁E7268cが、上昇位置に向かって変位される変位手段E7320を窓部P14eを介して視認可能とされる領域外に案内するように構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1湾曲壁E7268a、第2湾曲壁E7268b、対向壁E7268cにより、上昇位置に向かって変位される変位手段を窓部P14eを介して視認可能とされる領域内で所定の変位をするように構成しても良い。
例えば、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間で形成される案内通路を波状に形成して、上昇位置に向かって変位される変位手段E7320が左右方向(矢印L-R方向)に揺れ動くようにしても良い。
また、例えば、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間で形成される案内通路を直線状に形成して、変位手段E7320が最短距離を通って上昇位置に向かって案内されるように構成しても良い。この場合、上昇位置に向かって案内される変位手段E7320による演出をできなくなる上に、変位手段E7320を窓部P14eを介した視認領域外に案内することも困難になるが、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間で形成される案内通路の構造を簡素化できる。
上記第103実施形態では、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間を変位手段E7320の軸支部E7321aが案内される領域で、窓部P14eを介して視認可能な領域の外側へ変位手段E7320を案内して、変位手段E7320の上昇時に変位手段E7320を隠す(視認不能とする)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、上記第89実施形態における変位手段E320のように略同一の軌跡で下降および上昇する変位手段E320である場合には、その変位手段E320の正面側(矢印F方向側)に張り出し変位可能な変位ユニットを別途備え、その変位ユニットにより変位手段E320の上昇時にのみ変位手段E320を遊技者から視認不能としても良い。
また、例えば、上記第89実施形態における変位手段E320のように略同一の軌跡で下降および上昇する変位手段E320である場合には、その変位手段E320(上変位ユニットE100)の正面側(矢印F方向側)に配設される導光ユニットD400の導光板D450に光を照射する(導光板D450を表示させる)ことにより、上昇する変位手段E320を遊技者から視認しにくくしても良い。
上記第104実施形態では、回転体E8234の回転速度により、変位手段E2320が持ち上げられる位置を上昇位置または第2上昇位置の2箇所のどちらかに変更する場合について説明したが必ずしも2箇所に限られるものではなく、変位手段E2320が持ち上げられる位置を3箇所以上に変更できるように構成しても良く、又、変位手段E2320が持ち上げられる位置を連続的に形成しても良い。
また、上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fが第1リンクE240の下面に当接した状態で回転体E234,E8234が第1回転位置まで回転されることで、上昇位置または第1上昇位置に持ち上げられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接させた衝撃により第1リンクE240が回転(変位)可能となるように、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300及び第1伝達手段E250の重量を軽く形成して、回転体E234,E8234が第1回転位置まで回転するよりも先行して、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300及び第1伝達手段E250が上昇位置側に持ち上がる方向に変位するように(即ち、当接部E234f,E8234fに対して先行して第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300が変位可能となるように)構成しても良い。
この場合、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300及び第1伝達手段E250を上昇位置よりも上方側に変位可能に構成して、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接させる速度(即ち、当接部E234fを第1リンクの下面に衝突させる衝撃力)を変更することで、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300及び第1伝達手段E250の変位(落下)開始位置を変更できるように構成することで、上記第104実施形態における回転体E8234のような、当接部E8234fの配置を変更する構造を不要にできる。その結果、回転体E234,E8234の構造(即ち、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300、第1伝達手段E250、第1リンクE240の持ち上げ構造)を簡易できる。
また、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300、第1伝達手段E250、第1リンクE240の変位可能な範囲を大きくできる。即ち、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fと第1リンクE240とが常に当接(接続)されている場合には、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300の変位可能な範囲が、当接部E234f,E8234fの変位に伴う変位範囲に限定される。これに対し、当接部E234f,E8234fに対して先行して第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300を変位可能に構成した場合には、当接部E234f,E8234fに対して第1リンクE240を離すことができるので、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300の変位可能な範囲が、当接部E234f,E8234fの変位に伴う変位範囲に限定されない。そのため、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300の変位可能な範囲を大きくできる。
また、上記第103実施形態においては、変位(落下)開始位置が変更されることに伴い、上変位手段E7300の駆動力伝達手段E7310の被当接部E7310b2を姿勢維持手段E7268に当接させて上変位手段E7300が所定の姿勢に戻されるところ、上変位手段E7300及び第1伝達手段E250の変位(落下)開始位置を変更可能に構成されることで、変位(落下)開始における変位手段E7320の左右方向(矢印L-R方向)位置を変更できる。これにより、第103実施形態では、変位(落下)開始位置を変更することで、その変位軌跡(落下経路)を異ならせる。
そのため、上記第103実施形態における変位(落下)開始位置を変更する場合には、窓部P14eを介して視認される領域において、変位手段E7320を変位(落下)させた際の演出を向上できる。即ち、変位手段E7320の変位(落下)開始位置が変わっても、変位軌跡(落下経路)が変わらないものでは、同じ経路において上昇と下降が繰り返されるのみであるので、演出が単調となるところ、変位手段E7320の変位(落下)開始位置の変更に伴いその変位軌跡(落下経路)を異ならせることで、異なる経路で変位手段E7320を下降させることができるので、変位手段E7320の演出を向上できる。
被当接部E7310b2は、上述した姿勢維持手段E7269に当接する部分である。駆動力伝達手段E7310は、第1伝達手段E250が下降位置または中間位置から上昇位置に変位された際に、被当接部E7310b2を姿勢維持手段E7268の外面に当接させることで、第1部材E7310aに対して第2部材E7310bをピン部E313を軸に回転させて、その姿勢を維持することが可能に構成される。
また、上記第103実施形態において、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240の下面に当接させる速度(即ち、当接部E234fを第1リンクの下面に衝突させる衝撃力)を変更することで、変位手段E7320の変位(落下)開始位置を変更する場合には、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240の下面に当接させる速度が遅くされる際に、第2部材E7310bに接続される変位手段E7320の軸支部E7321aが第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間から抜け出ることを抑制して、第1湾曲壁E7268a及び第2湾曲壁E7268bと対向壁E7268cとの対向間に沿って軸支部E7321aを落下させて、変位手段E7320を変位(落下)させることができる。これにより、回転体E234の回転速度が所定よりも遅くされる場合に、窓部P14eを介して変位手段E7320が視認可能となる位置に張り出すことを抑制できる。
従って、上昇位置から変位手段が自重により変位(落下)される場合には、当接部E234fから駆動力を付与されて変位手段E7320が上昇される経路とは異なる経路を変位手段E7320が落下されるので、遊技者から視て広い範囲に亘って変位手段E7320を変位(落下、上昇)させることができる。よって、窓部から視認可能な領域を有効に活用して演出を行うことができる。
一方で、上昇位置よりも低い位置から変位手段E7320が変位(落下)される場合には、当接部E234fから駆動力を付与されて変位手段E7320が上昇される経路を変位手段E7320が落下されるので、当接部E234fから駆動力を付与可能な位置に変位手段E7320を速やかに復帰させることができる。よって、次の演出を行う(変位手段E7320を上昇位置まで上昇させる)までの待機時間を減らすことができる。
よって、上記第103実施形態においては、回転体E234の当接部E234fを第1リンクE240の下面に当接させる速度(即ち、当接部E234fを第1リンクの下面に衝突させる衝撃力)を変更して、変位手段E7320の変位(落下)開始位置を変更する場合に、窓部P14eを介して視認可能な領域内で変位手段E7320が変位(落下)する経路を変更すると共に、窓部P14eを介して視認可能な範囲外で変位手段E7320が変位(落下)する経路を回転体E234の回転速度に応じて形成できる。その結果、窓部P14eを介して視認可能な範囲内で変位手段E7320の変位(落下)経路が変更される場合にのみ、変位手段E7320を遊技者に注目させやすくできる。その結果、変位手段E7320の演出効果を向上できる。
また、上昇位置から変位手段E7320が自重により変位(落下)される経路と、上昇位置よりも低い位置から変位手段E7320が自重により変位(落下)される経路とが異なる経路とされるので、変位手段E7320の上昇位置(落下を開始する位置、即ち、上昇位置)が異なることを遊技者に把握させやすくできる。即ち、変位手段E7320の上昇位置を見逃した場合でも、変位手段E7320の落下の経路を確認することで、変位手段E7320の上昇位置(上昇位置まで到達したのか否か)を遊技者に把握させることができる。
また、上昇位置が高い位置となる(即ち、当接部E234fから付与される駆動力が大きい)変位手段E7320ほど、変位手段E7320が上昇される経路から遊技機幅方向に遠い位置となる経路を落下されるので、変位手段E7320の落下の経路と上昇位置との関係を遊技者に把握させやすくできる。例えば、上昇位置(付与される駆動力)が高い(大きい)ほど付与される遊技価値が高いことを示唆する演出を行う場合には、上昇位置だけでなく、落下の経路も遊技者に着目させることができる。
なお、上記したように回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接させる速度(即ち、当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に衝突させる衝撃力)を変更することで、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300及び第1伝達手段E250の変位(落下)開始位置を変更できるように構成する場合には、当接部E234f,E8234fに作用する力が大きくなる為、当接部E234f,E8234fが破損する、又、当接部E234f,E8234fを当接させた際の衝撃音が大きくなるという問題がある。
そのため、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接させる速度(即ち、当接部E234f,E8234fを第1リンクの下面に衝突させる衝撃力)を変更することで、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300及び第1伝達手段E250の変位(落下)開始位置を変更できるように構成する場合には、当接部E234f,E8234fの周囲(特に、第1リンクE240との当接部)にゴムやスプリング等から構成され弾性変形可能な弾性体を配設することが好ましい。これによれば、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240に当接させた際の衝撃を吸収できる。その結果、当接部E234f,E8234f及び第1リンクE240が破損すること、及び、当接部E234f,E8234fを当接させた際の衝撃音が大きくなることを抑制できる。
特に、回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接させて第1リンクE240を持ち上げる場合には、当接部E234fが第1リンクE240の下面から離れた状態から当接部E234f,E8234fを変位させて、当接部E234f,E8234fを第1リンクE240の下面に当接するので、その当接時の衝撃が大きくなり当接部E234f及び第1リンクE240が破損する恐れがある。これに対し、当接部E234f,E8234fの周囲(特に、第1リンクE240との当接部)にゴムやスプリング等から構成され弾性変形可能な弾性体を配設することで、当接部E234f,E8234fに勢いを与えた状態で第1リンクにE240の下面に当接させたとしても、当接部E234f,E8234f及び第1リンクE240が破損することを抑制できる。
また、上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、上昇位置または第1上昇位置に持ち上げられた変位手段E320,E2320,E5320,E7320が、それら上昇位置または第1上昇位置に保持される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上昇位置または第1上昇位置に持ち上げた変位手段E320,E2320,E5320,E7320を保持せずに落下させる(即ち、係合部材E290を備えない)ものであっても良い。この場合、回転体E234を第1回転位置から第2回転位置まで回転させる際に、第1リンクE240の下面から離れる回転速度で回転させることで、上昇位置または第1上昇位置に持ち上げられた変位手段E320,E2320,E5320,E7320を自重により落下する変位態様で変位させることができる。
記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、第1リンクE240、第1伝達手段E250、変位手段E320,E2320,E5320,E7320に回転する回転体E234,E8234により駆動モータEM1の駆動力が伝達される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ソレノイドの駆動により直線動作するスライド体によりソレノイドの駆動力が第1リンクE240、第1伝達手段E250、変位手段E320,E2320,E5320,E7320に伝達されるように構成しても良い。即ち、回転体E234,E8234は、変位手段E320,E2320,E5320,E7320に駆動力を付与可能な部位であればどのような構成であっても良い。
上記第89実施形態、及び、第98実施形態~第104実施形態では、第1リンクE240の下面から回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fが離間可能に構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1リンクE240に回転体E234,E8234の当接部E234f,E8234fが接続されるものであっても良い。この場合には、第1リンクE240と当接部E234f,E8234fとの接続部の間に弾性体を配設して、その弾性体の弾性変形により第1リンクE240が回転体E234,E8234に対して相対変位可能に構成することで、第1リンクE240、第1伝達手段E250、上変位手段E300,E2300,E5300,E7300の上昇位置を変更できる。
上記第103実施形態では、変位手段E7320を上昇位置に持ち上げる場合に、変位手段E7320の軸支部E7321aを湾曲壁E7266a,E7266b及び対向壁E7268cにより案内する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上昇位置に持ち上げる際に変位手段E7320を案内できるものなら何でも良い。
例えば、第3ベースE7260に配設した磁石の磁力により、変位手段E7320を案内するものであっても良い。この場合、磁石を駆動手段により変位可能とすることで、変位手段E7320を上昇位置に持ち上げる場合の変位手段E7320の軌跡を変更できる。
また、変位手段E7320に接続される駆動力伝達手段E7310の第2部材E7310bを、第3ベース7260の湾曲壁E7266a,E7266b及び対向壁E7268cにより案内して、変位手段E7320を所定の位置に案内しつつ上昇位置に持ち上げるものであっても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<動作手段の片側だけを覆う手段を設けるポイント>
遊技球が流下する所定の遊技領域と、その所定の遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入球領域と、その入球領域の上流側における所定通路を前記所定の遊技領域へ向けて発射された遊技球が通過される場合の第1状態と前記所定通路を前記所定の遊技領域からの遊技球が通過されない場合の第2状態とで変化可能な変化手段と、を備える遊技機において、前記所定通路の少なくとも一部を構成する第1配設手段側に配設される所定手段と、前記所定通路を挟んで前記第1配設手段と対向配置される第2配設手段と、を備え、前記変化手段は、前記所定手段に対向配置される対向部と、その対向部よりも前記入球領域側の位置に形成される形成部と、を備えることを特徴とする遊技機AB1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉動作される変位手段によって遊技球の流下態様を変化させる遊技機がある(例えば、特開2016-87301号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、経年劣化によって変位手段が十分に退避されない状態で止まることがあり、その状態で球が案内された場合に、変位手段の先端に球が過大な荷重を与え、先端部の破損を生じるという問題点があった。先端部が破損すると、変位手段の開閉動作により予定されていた球の流下態様を実現できなくなる可能性がある。即ち、遊技球の流下態様を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AB1によれば、所定手段の当接手段が、その当接手段に当接した遊技球が対向部に当接しない場合には、対向部が遊技球から荷重を受けることを避けることができ、破損を抑制することができる。従って、遊技球の流下態様を好適とすることができる。
遊技機AB1において、前記対向部は、前記第2配設手段に対向配置される所定部を備え、前記所定部は、少なくとも前記第1状態において、前記第2配設手段の延設方向に対して傾斜する方向に延設されることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、変化手段が第2配設手段に対して平行に形成される場合に比較して、変化手段の先端部と球とが衝突し易い箇所(張出し度合が大きい箇所)を限定することができる。
遊技機AB2において、前記所定手段は、前記所定の遊技領域からの遊技球が当接可能な当接手段を備え、その当接手段に当接した遊技球を前記所定部に当接させないよう構成され、前記当接手段が前記対向部に対応する態様で形成されることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB2の奏する効果に加え、所定手段の当接手段が、変化手段の対向部に対応する態様で形成され、当接した遊技球を変位手段の所定部に当接させないように構成されていることから、変位手段と球との衝突を防止するために必要となる変位手段の動作ストロークの増大を避けることができるため、変位手段に当接して流下する球の流下態様を好適とすることができる。
遊技機AB3において、前記当接手段に当接した遊技球に対して、前記所定通路の開口側への負荷が付与され得るように構成されることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB3の奏する効果に加え、当接手段に当接した遊技球の流下を滑らかにすることができる。
遊技機AB1からAB4のいずれかにおいて、前記形成部は、前記第1状態において、遊技球に対して、前記第2状態への変化で移動する方向側への荷重を付与し、前記入球領域側に案内する場合を構成可能な形状から形成されることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1からAB4のいずれかの奏する効果に加え、第1状態において形成部と当接する球の流下態様に対する注目力を向上させることができ、変化手段に当接して移動する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AB1からAB5のいずれかにおいて、前記対向部と前記形成部とが一体形成されることを特徴とする遊技機AB6。
遊技機AB6によれば、遊技機AB1からAB5のいずれかの奏する効果に加え、変化手段を簡易に形成でき、対向部および形成部の形状の維持を容易とすることができる。
遊技機AB1からAB6のいずれかにおいて、前記所定手段が、(第2状態における)対向部を覆う形状から形成されることを特徴とする遊技機AB7。
遊技機AB7によれば、遊技機AB1からAB6のいずれかの奏する効果に加え、所定手段を遊技球との衝突を避けるために必要十分とすることで、所定手段が遊技球の流下に与える影響を小さくすることができる。
遊技機AB1からAB7のいずれかにおいて、遊技球が変化手段に到達し、変化手段が動作された場合に、遊技球が所定通路を流下するように案内されるよう構成されることを特徴とする遊技機AB8。
遊技機AB8によれば、遊技機AB1からAB7のいずれかの奏する効果に加え、変化手段の動作期間を遊技球が所定通路を流下するのに調度良い期間とすることで、複数球の遊技球が一度に通過することを抑制することができる。
遊技機AB1からAB8のいずれかにおいて、前記形成部は、前記所定通路を遊技球が通過した後で前記変化手段が前記第2状態に変化された場合に、前記所定通路を遊技球が通過不能に塞ぐように構成されることを特徴とする遊技機AB9。
遊技機AB9によれば、遊技機AB1からAB8のいずれかの奏する効果に加え、形成部により遊技球の逆流を防止することができるので、遊技球の流下を好適とすることができる。
遊技機AB1からAB9のいずれかにおいて、前記形成部は、前記第1状態において、遊技球に対して、前記第2状態への変化で移動する方向側への荷重を与えるよう構成され、前記所定通路に遊技球が位置する場合において前記変化手段が前記第2状態へ変化された場合に、当該遊技球を前記入球領域側とは反対側へ案内する場合を構成可能な形状から形成されることを特徴とする遊技機AB10。
遊技機AB10によれば、遊技機AB1からAB9のいずれかの奏する効果に加え、所定通路に位置する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AB1からAB10のいずれかにおいて、前記第2配設手段は、前記変化手段に対向する領域が、滑らかに形成されることを特徴とする遊技機AB11。
遊技機AB11によれば、遊技機AB1からAB10のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に対向する第2配設手段の領域に当接する遊技球の滑りを良くすることができる。
遊技機AB1からAB11のいずれかにおいて、前記第2配設手段は、前記変化手段に対向する領域が、反発を抑制する態様とされることを特徴とする遊技機AB12。
遊技機AB12によれば、遊技機AB1からAB11のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に対向する第2配設手段の領域に当接する遊技球が反発することを抑制し、遊技球が変化手段側に跳ね戻って衝突する事態を避け易くすることができる。
<上変位ユニットE100,E2100,E5100,E6100,E7100,E8100を一例とする発明の概念について>>
所定位置から自重により落下可能に構成される変位手段と、前記所定位置から自重により落下される前記変位手段の一部に当接可能に構成される当接手段と、前記変位手段の一部に駆動力を付与して前記変位手段を前記所定位置まで上昇させる駆動手段と、前記変位手段を遊技機前方から視認可能に構成される窓部を有する視認可能手段と、を備え、自重により落下される前記変位手段の一部が前記当接手段に当接される第1状態と、自重により落下される前記変位手段が前記当接手段に当接されず、前記第1状態において前記変位手段の一部が前記当接手段に当接される位置よりも下方へ前記変位手段が前記窓部から視認可能な領域を自重により落下される第2状態と、を構成可能とされることを特徴とする遊技機FF1。
所定位置から変位手段を自重により落下させて演出を行う遊技機が知られている(特開2013-180142号公報)。落下した変位手段は、駆動手段により所定位置まで上昇される。この遊技機によれば、自重による落下を利用することで、変位手段の動作を特徴的なもの(所定位置からストンと落ちる態様)とすることができる。しかしながら、上述した従来の技術では、繰り返し視認した遊技者にとっては、自重による落下と上昇とを繰り返すのみであり、演出が単調となるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、変位手段の落下の態様を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機FF1によれば、当接手段の影響を受けずに落下される態様(第2状態)と、途中で当接手段に当接される態様(第1状態)とを構成でき、変位手段の落下の態様を切り替えることができる。よって、落下の態様を複数とでき、その分、演出に変化を与えられる。従って、単調な演出となることを抑制できる。
遊技機FF1において、前記変位手段が自重により落下される経路と、前記駆動手段から付与された駆動力により前記変位手段が前記所定位置へ向けて上昇される経路とが異なることを特徴とする遊技機FF2。
遊技機FF2によれば、遊技機FF1記載の遊技機の奏する効果に加え、自重により落下する経路と上昇する経路とを異ならせることができる。よって、同じ経路で落下および上昇を繰り返す場合と比較して、変位手段の変位(落下および上昇)に変化を持たせることができる。従って、単調な演出となることを抑制できる。
遊技機FF2において、前記落下される経路では、前記上昇される経路を上昇される前記変位手段と比較して、前記窓部から視認可能な領域における遊技機幅方向中央に近い側を前記変位手段が落下可能とされることを特徴とする遊技機FF3。
遊技機FF3によれば、遊技機FF2の奏する効果に加え、落下される経路では、上昇される経路を上昇される前記変位手段と比較して、窓部から視認可能な領域における遊技機幅方向中央に近い側を変位手段が落下可能とされるので、変位手段を落下させる際には、その変位手段を遊技者から視認し易くできる一方、変位手段を上昇させる際には、窓部から視認可能な領域の脇にその変位手段を寄せて目立たなくする(上昇を遊技者に気づき難くすると共に、窓部から視認可能な領域における他の構成による演出(例えば、液晶表示装置による演出)の邪魔をさせない)ことができる。よって、限られたスペース(窓部から視認可能な領域)を有効に活用して、変位手段と他の構成との協働による演出を、効果的に行うことができる。
遊技機FF2又は3において、自重により落下され前記当接手段に一部が当接された前記変位手段が、前記窓部から視認可能な領域における遊技機幅方向中央側へ向けて変位可能に構成されることを特徴とする遊技機FF4。
遊技機FF4によれば、遊技機FF2又は3記載の遊技機の奏する効果に加え、当接手段の影響を受けずに落下される態様(第2状態)では、落下のみの態様となりがちであるのに対し、途中で当接手段に当接される態様(第1状態)では、窓部から視認可能な領域における遊技機幅方向中央側へ変位手段が変位可能とされるので、かかる変位手段を着目させやすくできる。限られたスペース(窓部から視認可能な領域)を有効に活用できる。
遊技機FF2からFF4のいずれかにおいて、前記変位手段は、発光可能に構成される発光手段を備えることを特徴とする遊技機FF5。
遊技機FF5によれば、遊技機FF2からFF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段は、発光可能に構成される発光手段を備えるので、発光手段の発光を利用して演出を行うことができる。よって、単調な演出となることを抑制できる。
遊技機FF5において、前記変位手段は、前記落下される経路における発光態様と前記上昇される経路における発光態様とが異なる態様とされることを特徴とする遊技機FF6。
遊技機FF6によれば、遊技機FF5の奏する効果に加え、変位手段は、落下される経路における発光態様と上昇される経路における発光態様とが異なる態様とされるので、例えば、変位手段を落下させる際に発光手段を発光させることで、変位手段を遊技者から視認し易くできる一方、変位手段を上昇させる際に発光手段を非発光(消灯)とすることで、その変位手段を目立たなくする(上昇を遊技者に気づき難くする)ことができる。よって、演出効果を高めることができる。
遊技機FF1からFF6のいずれかにおいて、前記当接手段を弾性支持する弾性支持手段を備え、前記当接手段は、前記変位手段が当接された際に前記弾性支持手段を変形させる方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機FF7。
遊技機FF7によれば、遊技機FF1からFF6のいずれかの奏する効果に加え、当接手段を弾性支持する弾性支持手段を備え、当接手段は、変位手段が当接された際に弾性支持手段を変形させる方向に変位可能に構成されるので、自重により落下される変位手段が当接手段に当接(衝突)された際の衝撃を緩衝させることができる。その結果、変位手段および当接手段の破損を抑制できる。
遊技機FF7において、前記当接手段は、一端側の被軸支部が回転可能に軸支されると共に、自重により落下される前記変位手段が他端側の被当接部の上面に当接可能に構成され、前記当接手段が静止された状態では、前記被当接部の上面が前記被軸支部よりも重力方向下方に位置されると共に、前記被当接部の上面と前記被軸支部とが重力方向と直交する方向に離隔されていることを特徴とする遊技機FF8。
遊技機FF8によれば、遊技機FF7の奏する効果に加え、当接手段は、一端側の被軸支部が回転可能に軸支されると共に、自重により落下される変位手段が他端側の被当接部の上面に当接可能に構成され、当接手段が静止された状態では、被当接部の上面が被軸支部よりも重力方向下方に位置されると共に、被当接部の上面と被軸支部とが重力方向と直交する方向に離隔されているので、自重により落下される変位手段が被当接部に当接(衝突)されると、軸支部を回転中心として当接手段を回転させることができる。これにより、衝撃を緩衝させて、変位手段および当接手段の破損を抑制できる。
この場合、例えば、重力方向にスライド変位可能とされた当接手段を弾性支持手段により弾性支持する構造であっても、自重により落下される変位手段が当接手段に当接(衝突)された際の衝撃を緩衝させることができる。しかし、当接後は、変位手段が当接手段に載置(保持)された状態となる。そのため、変位手段を当接手段から落下させるために、変位手段を押圧することや、当接手段を傾斜させることが必要となり、その駆動力を付与するための駆動源(アクチュエータ)が別途必要となる。
これに対し、当該遊技機によれば、変位手段が当接された際の当接手段の回転に伴い、被当接部の上面が下降傾斜されることで、或いは、弾性支持手段の弾性回復力で当接手段が反対方向へ回転される際の慣性力で、被当接部の上面から変位手段を落下させることができる。これにより、変位手段を当接手段から落下させるための駆動源(アクチュエータ)を不要とできる。
遊技機FF1からFF8のいずれかにおいて、自重により落下される前記変位手段の一部に当接可能に構成され前記窓部から視認可能な領域に配設される配設手段を備え、前記配設手段は、当接された前記変位手段の重さで回転可能に構成されることを特徴とする遊技機FF9。
遊技機FF9によれば、遊技機FF1からFF8のいずれかにおいて、自重により落下される変位手段の一部に当接可能に構成され窓部から視認可能な領域に配設される配設手段を備え、配設手段は、当接された変位手段の重さで回転可能に構成されるので、配設手段が回転されると共に、その回転に伴って変位手段が落下され、両者を一体的に変位(回転および落下)させることができる。よって、演出効果を高めることができる。
遊技機FF1からFF9のいずれかにおいて、前記所定位置へ向けて上昇される前記変位手段を案内可能に構成される案内手段を備え、前記案内手段は、少なくとも一部が円弧状に湾曲して構成されることを特徴とする遊技機FF10。
遊技機FF10によれば、遊技機FF1からFF9のいずれかの奏する効果に加え、所定位置へ向けて上昇される変位手段を案内可能に構成される案内手段を備え、案内手段は、少なくとも一部が円弧状に湾曲して構成されるので、円弧状の湾曲を利用して変位手段をスムーズに案内することができる。また、円弧状の湾曲に沿って変位手段が案内されることで、他の構造体との干渉を避けつつ変位手段を上昇させることができる。よって、他の構造体を配設するための領域を確保し易くできる。
遊技機AA1からAA13,AB1~AB12,AD1からAD23,AE1~AE24,FF1~FF10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機AZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機AA1からAA13,AB1~AB12,AD1からAD23,AE1~AE24,FF1~FF10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機AZ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機AA1からAA13,AB1~AB12,AD1からAD23,AE1~AE24,FF1~FF10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機AZ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、変位手段を備える遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2016-87301号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、遊技球の流下態様を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の流下を好適とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が流下する所定の遊技領域と、その所定の遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入球領域と、その入球領域の上流側における所定通路を前記所定の遊技領域へ向けて発射された遊技球が通過される場合の第1状態と前記所定通路を前記所定の遊技領域からの遊技球が通過されない場合の第2状態とで変化可能な変化手段と、を備える遊技機であって、前記所定通路の少なくとも一部を構成する第1配設手段側に配設される所定手段と、前記所定通路を挟んで前記第1配設手段と対向配置される第2配設手段と、を備え、前記変化手段は、前記所定手段に対向配置される対向部と、その対向部よりも前記入球領域側の位置に形成される形成部と、を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記対向部は、前記第2配設手段に対向配置される所定部を備え、前記所定部は、少なくとも前記第1状態において、前記第2配設手段の延設方向に対して傾斜する方向に延設される。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記所定手段は、前記所定の遊技領域からの遊技球が当接可能な当接手段を備え、その当接手段に当接した遊技球を前記所定部に当接させないよう構成され、前記当接手段が前記対向部に対応する態様で形成される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球の流下を好適とすることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、変化手段と遊技球との衝突を好適とすることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、変位手段に当接して流下する遊技球の流下態様を好適とすることができる。
<符号>
10 パチンコ機(遊技機)
16 ガラスユニット(前側面構成手段)
81 第3図柄表示装置(表示装置)
K10 パチンコ機(遊技機)
K13 遊技盤
K60 ベース板(遊技盤)
K60a 第1形成凹部(凹設部の一部)
K60b 第2形成凹部(凹設部の一部)
K60c 第3形成凹部(凹設部の一部)
K60d 第4形成凹部(凹設部の一部)
K63 一般入賞口(入球領域の一部)
K65a 第1特定入賞口(入球領域の一部)
K81 第3図柄表示装置(表示装置、照射手段)
K201 ベース部材(支持手段)
K207a 上縁部(反射部)
K212 発光部(光照射手段)
K220 化粧カバー(覆設手段、透過手段)
K221a 大形意匠(所定の装飾の一部)
K221b 小形意匠(所定の装飾の一部)
K224 傾斜形成部(位置合わせ部)
K251 可動板(形成手段の一部、変位手段の一部)
K400 前層側可動装置(第1手段の一部)
K405 電飾基板(光照射装置)
K430 回転部材(第1手段、方向変化手段)
K444 突設部(接触防止部)
K470 状態変化装置(変化手段)
K476 上側回転部材(第2手段、規制手段)
K500 昇降装置(変位手段、動作手段)
K540 長尺装置(支持手段)
K640a 電動役物(形成手段の一部、変位手段の一部)
K640 第2入賞口(入球領域の一部)
K701 第2可動手段(被動作手段)
K716 検出センサ(検出手段)
K730 伝達装置(伝達手段)
K731 駆動側二層ギア(第2伝達手段)
K732 円弧状部(防止手段、動作停止手段)
K733 伝達側二層ギア(第1伝達手段)
K735 アーム部材(第1移動手段)
K760 主装飾部材(第2移動手段)
K800 後層側可動装置(第2手段)
K820 中側開閉部材(第3手段)
K830 前側開閉部材(第2手段)
K867 傾斜形成部(当接手段、抵抗発生手段)
K874 延設回転部材(第1手段)
K900 表示ランプ(第1手段の一部)
K2060 ベース板(遊技盤)
K2060e 外形傾斜部(変化部)
K2060w 傾斜開口部(変化部)
K2100 光照射装置(光照射手段)
K3100 光照射装置(光照射手段)
K4560 移動装置(変位手段)
K4578 回転装飾部材(動作手段)
K4578a 視認窓部(視認部の一部)
K4701 第2可動装置(切替手段)
K4811 板状部(開閉部材の一部)
K4821 板状部(開閉部材の一部)
K4831 板状部(開閉部材の一部)
K4891 透明フィルム(隙間防止手段の一部)
K5086e 右側検出センサ(第2所定部位)
K5086k 検出センサ(第1所定部位)
K5272 第1傾斜部(第1流下領域の一部)
K5273 鉛直構成部(第2流下領域の一部)
K5280 化粧カバー(光透過部)
K5281 第1輪郭部(第1透過率部)
K5282 第1形成部(第2透過率部)
K5282a 非透過形成部(構成部)
K5282c 非変化領域(補助部)
KOL481 輪郭(遮断範囲と非遮断範囲との区画部の一部)
KOL482a 内側輪郭(遮断範囲と非遮断範囲との区画部の一部)
KOL482b 外側輪郭(遮断範囲と非遮断範囲との区画部の一部)
KOL483 輪郭(遮断範囲と非遮断範囲との区画部の一部)
KOL484 輪郭(遮断範囲と非遮断範囲との区画部の一部)
KMT71 駆動モータ(駆動手段)
KSP74 コイルスプリング(付勢手段)
H10 パチンコ機(遊技機)
H14,H16014,H35014 正面枠(前扉手段)
H14a,7014a,8014a,9014a,37014a,38014a,39014a,40014a,41014a 上側装飾ユニット(第2手段、配設手段)
H14c,10014c,11014c,12014c,13014c 右側装飾ユニット(第1手段)
H81 第3図柄表示装置(液晶表示手段)
H20 シリンダ錠(操作手段)
H50 下皿(貯留手段)
H52 球抜きレバー(操作手段)
H53 球案内開口(流入口手段)
H112a1 発射レール(流路手段の一部)
H36130a 張出部材(突出手段)
H132a 送球停止レバー(操作手段)
H172 背面側開口(通過口手段)
H180,H44180,H45180,H46180 操作ユニット(操作手段)
H300A 第1空間(正面側配設空間)
H300B 第2空間(背面側配設空間)
H300C,H7300C 第1連通路(連通空間)
H300F 配設空間(第1配設空間,第2配設空間)
H300D 第2連通路(連通空間)
H312 スピーカー組立体(動作手段、第1音出力手段、第2音出力手段)
H312a スピーカー(動作手段、第1音出力手段、第2音出力手段、流動手段)
H331a1 スリット(第1開口部)
H9332,H37332,H39332,H40332 上面板(変位手段)
H333a 検出用開口部(第2開口部)
H333b 放音用開口部(第2開口部)
H9332d2 開口(第2開口部)
H38336 光照射ユニット(変位手段)
H16344 基板ユニット(突出手段)
H350 音伝達ユニット(区画手段)
H400A,11400A 通路空間(通路手段)
H452 屈曲部(配設手段)
H452d 先端部(下方手段)
H452c 基端部(延設手段)
H455 膨出部(突出手段)
H455a1 開口(被挿入手段)
H473 開口部(被挿入手段、連通手段)
H478 区画壁(突出手段)
H10480 ファン(流動手段)
H510,H17510,H18510 ベース部材(第1手段)
H515,H17515 凸状部(突出手段、第2突出手段)
H18515a1 凹部(被位置決め手段)
H18515a2 被係合部(被係合手段)
H515b1 凹部(被位置決め手段)
H515b2 被係合部(被係合手段)
H530,H17530,H18530 下皿形成部材(第2手段)
H555,H18555 連結部材(突出手段)
H555b,H18555b 突出部(位置決め手段)
H555b1,H18555b1 係合部(係合手段)
H17555 連結部(第2突出手段)
H561a 排出口(流出口手段)
H14563 第2スライド板(突出手段)
H583 突出部(突出手段)
H583a 湾曲壁(湾曲部)
H583b リブ
H710,H45710,H46710 傾倒装置(当接手段)
H720 下枠部材(ベース手段)
H770,H44770 ベース手段
H773 基板部材(発光手段)
H780,21780,22780 駆動手段
H780,21780,22780 駆動手段(第1手段)
H790,H42790,H4379 変位手段(第2手段)
H790,H42790,H43790 変位部材(透過手段)
H793 第1コイルバネ(規定手段)
H794 第2コイルバネ(規定手段)
H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821a 背面部(流路手段の一部)
H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1 凹部(抑制手段、非平行部、平行部)
H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2 凸部(抑制手段、非平行部、平行部)
H830 発射手段(送球手段)
H870,H23870,H32870 背面側ケース(流路手段の一部)
H23871 第2凹部(抑制手段、凹部、非平行部、平行部)
H32872 第2凸部(抑制手段、凸部、非平行部、平行部)
H26893 経路変更部材(案内手段)
G420,G5420,G6420 第1装飾ユニット(第2手段)
G426,G5426,G6426 変位ユニット(所定領域)
G426a 第1装飾面(一側領域)
G426b 第2装飾面(他側領域)
G440 基板部材(発光手段)
G480 第2装飾ユニット(第1手段)
H10 パチンコ機(遊技機)
H113 音声ランプ制御装置(制御手段)
H3044 調整ボタン(操作手段)
H181 ボタン部(操作手段、第2の操作手段)
M444 前方突設部(移動手段の一部、変位手段の一部)
M483 検出センサ(第1の検出センサ、第1の検出)
M490 回転切替部(第2の移動手段)
M501 駆動モータ(駆動手段、駆動装置)
M510 板状本体部(案内手段、第1可動部、第1動作部、第1の手段の一部、移動手段の一部)
M515 円弧状貫通部(案内部)
M516 検出センサ(検出手段、第2の検出手段)
M545 突設補助部(第3手段、抑制手段)
M560 扇形状構成部(第2手段、被当接手段)
M581 モータギア(伝達手段)
M582a 柱状部(伝達手段の一部、移動手段、回転動作手段の一部)
M584 円板付きギア(第3手段、抑制手段)
M600 可動装飾ユニット(第2可動部、第2動作部、第1の手段の一部、移動手段の一部、変位手段)
M602 当接部材(第1手段、変位手段)
M610 板状本体部(動作手段、第1動作手段)
M630 電飾基板(視認可能手段)
M660 リンク部材(動作手段、第2動作手段、変位手段)
M770 移動装飾部(特定手段、動作手段)
M781 連動意匠(対応した表示)
M815 検出センサ(第2の検出手段)
M860 昇降移動部材(第2可動部、第2の手段)
M3489 検出センサ(第2の検出)
M3660 リンク部材(動作手段、第2動作手段、変位手段)
M4660 回転移動部材(動作手段、第2動作手段、変位手段)
H10,P10,P6010 パチンコ機(遊技機)
H12 内枠(特定枠、第1枠状体)
H19 ヒンジ(所定の回転軸)
H190 機能調整操作部(第1操作手段)
P14,P6014 正面枠(所定枠の一部、第2枠状体の一部)
P180 操作ユニット(視認手段)
P301,P5301 ベースユニット(所定枠の一部、第2枠状体の一部)
P302,P3302 化粧ユニット(構成手段)
P312 操作部挿通孔(視認可能部の一部)
P314 板状部(視認可能部の一部)
P320 切替構成部(切替手段)
P321h 複数段形成部(視認可能部)
P322 被操作部材(所定手段、第1動作可能手段)
P324 追従動作部材(動作手段、第2動作可能手段)
P355 前側傾斜部(張出部)
P380 係止棒部材(変化手段)
P770 振動構成部(第1振動手段)
P920 スピーカーユニット(動作手段)
P3380 係止回転棒(変化手段)
P3390 演出レバー(第2操作手段)
P4302,P5302 化粧ユニット(構成手段)
P6302 化粧ユニット(構成手段)
P6390 把時手段(張出部)
P7010,P8010 パチンコ機(遊技機)
P7302 化粧ユニット(構成手段)
P7321j 凹設形成部(形成部の一部)
P7321k 水平張出部(形成部の一部)
P7359 突設形成部(受入部)
P8583 動作部(変位手段の一部)
P9593 動作部(変位手段の一部)
Q10 パチンコ機(遊技機)
Q541 正面ケース(連結手段)
Q542 背面ケース(連結手段)
Q543 液晶装置(動作手段)
Q543c 背面部(導電部分)
544 介設部材(配設手段)
Q545 基板(基板部材)
Q545d グランド部
Q1000,Q2000,Q3000,Q4000,Q5000,Q6000 導電部材(接続手段)
Q1100,Q2100,Q3100,Q4100,Q5100 第1当接部(第1接続手段)
Q1200,Q2200,Q3200,Q4200,Q5200 第2当接部(第2接続手段)
Q1300,Q4300,Q6300 中間部(第3接続手段)
Q6400 外面部(外面手段)
H10,S10 パチンコ機(遊技機)
S310 動作部材(第2操作手段)
S320 第2動作部材(第1操作手段)
S350,S2350 スライド体(変位手段の一部)
S441 駆動モータ(駆動手段)
S445 第1クラッチギア(伝達手段の一部)
S446 第2クラッチギア(伝達手段の一部)
S455,S3455 動作アーム部材(変位手段の一部)
SSC2 第2検出センサ(検出手段)
SSP3 コイルスプリング(付勢手段)
H10,A10 パチンコ機(遊技機)
A1300 第1球流下構造体(第1手段)
A1380 振分部材(動作手段)
A1381 基端部(所定部)
A1382 延設部
A1383 形成部(第1形成部)
A1375 対向突部(所定の構成部)
A1420 ソレノイド(付与手段)
H10 パチンコ機(遊技機)
H14 正面枠(視認可能手段)
H14e 窓部
D120,D2120,D3120,D4120 上側揺動手段(変位手段)
D130 下側揺動手段(変位手段)
D143b2 突設部(作用部)
D147b 突設部(作用部)
D153b2 突設部(作用部)
D157b 突設部(作用部)
D143 第1正面カム(回転手段、動作手段)
D147,D2147 第2正面カム(回転手段、動作手段)
D153 第1正面カム(回転手段、動作手段)
D157 第2正面カム(回転手段、動作手段)
D181 上側バネ(弾性手段)
D182 下側バネ(弾性手段)
D2183 付勢手段(弾性手段)
H10,A10 パチンコ機(遊技機)
AR305 第3流下経路(所定の遊技領域)
A610,A9610 ベース部材(第1配設手段)
A618,A4618,A5618 傾斜突部(所定手段)
A618b 形状変化範囲(当接手段)
A621 球案内部(入球領域)
A630,A7630,A9630 カバー部材(第2配設手段)
A641,A5641,A7641 開閉板(変化手段の一部)
A641a 転動面形成部(対向部)
A641b 干渉突部(形成部の一部)
A641c 対向部(所定部)
ASC64 入賞検出センサ(入球領域、所定通路の開口)
A2618 上流側突部(所定手段)
A3618 当接張出部(所定手段)
A3618b 湾曲当接部(当接手段)
A6618 下側傾斜突部(所定手段)
A8618 傾斜延設部(所定手段)
A9621b 有利側流入口(入球領域、所定通路の開口)
A10 パチンコ機(遊技機)
E240 第1リンク(変位手段の一部)
E250 第1伝達手段(変位手段の一部)
E300,E2300,E5300,E7300 上変位手段(変位手段の一部)
E320,E2320,E5320,E7320 変位手段(変位手段の一部)
E234,E8234 回転体(駆動手段の一部)
E230,E8230 駆動手段
E442,E8442 回転部材(当接手段)
E550,E4550 回転手段(当接手段)
E5226a,E6226a 被当接部(当接手段)
P14 正面枠(視認可能手段)
P14e 窓部
H10,A10 パチンコ機(遊技機)
AR305 第3流下経路(所定の遊技領域)
A610,A9610 ベース部材(第1配設手段)
A618,A4618,A5618 傾斜突部(所定手段)
A618b 形状変化範囲(当接手段)
A621 球案内部(入球領域)
A630,A7630,A9630 カバー部材(第2配設手段)
A641,A5641,A7641 開閉板(変化手段の一部)
A641a 転動面形成部(対向部)
A641b 干渉突部(形成部の一部)
A641c 対向部(所定部)
ASC64 入賞検出センサ(入球領域、所定通路の開口)
A2618 上流側突部(所定手段)
A3618 当接張出部(所定手段)
A3618b 湾曲当接部(当接手段)
A6618 下側傾斜突部(所定手段)
A8618 傾斜延設部(所定手段)
A9621b 有利側流入口(入球領域、所定通路の開口)

Claims (3)

  1. 遊技球が流下する所定の遊技領域と、その所定の遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入球領域と、その入球領域の上流側における所定通路を前記所定の遊技領域へ向けて発射された遊技球が通過される場合の第1状態と前記所定通路を前記所定の遊技領域からの遊技球が通過されない場合の第2状態とで変化可能な変化手段と、を備える遊技機において、
    前記所定通路の少なくとも一部を構成する第1配設手段側に配設される所定手段と、前記所定通路を挟んで前記第1配設手段と対向配置される第2配設手段と、を備え、
    前記変化手段は、前記所定手段に対向配置される対向部と、その対向部よりも前記入球領域側の位置に形成される形成部と、を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記対向部は、前記第2配設手段に対向配置される所定部を備え、
    前記所定部は、少なくとも前記第1状態において、前記第2配設手段の延設方向に対して傾斜する方向に延設されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記所定手段は、前記所定の遊技領域からの遊技球が当接可能な当接手段を備え、その当接手段に当接した遊技球を前記所定部に当接させないよう構成され、前記当接手段が前記対向部に対応する態様で形成されることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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