JP2024071262A - 圧延装置及び圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い圧延荷重域において高精度でロールバイトの応力分布を測定する。【解決手段】圧延装置10は圧延機1と演算装置30を備える。圧延機1の応力測定ロール2は、ホルダー14の内面と圧力センサー11との間に挟み込まれるように凹部12cに配置され、先端15aがホルダー14の内面に点接触状に接触し、基端15bが圧力センサー11に接触している受圧部材15を備える。演算装置30の演算部33は、圧延機1での被圧延材100の圧延時における圧力センサー11の測定値と、記憶部31に記憶された伝達関数とに基づいてロールバイトの圧延応力分布を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、圧延装置及び圧延方法に関する。
非特許文献1,2には、ロールバイト内の応力を測定するためのピンを圧延ロールに埋め込み、それによってロールバイト(ロールと被圧延材の接触域)の圧延応力分布の測定と、測定した圧延応力分布からの摩擦係数分布の導出を試みることが記載されている。
非特許文献3には、圧延ロールの内部にひずみゲージを取り付けて、垂直応力とせん断応力を測定することで、ロールバイトの圧延応力分布の測定と、測定した応力した応力分布からの摩擦係数分布の導出を試みることが記載されている。
松浦佑次,本村貢 "冷間圧延におけるロール接触弧の圧延圧力分布",軽金属,一般社団法人 軽金属学会,昭和46年4月,第21巻,第4号,p199-213 松浦佑次,本村貢 "接触弧における圧延圧力分布",塑性と加工,一般社団法人 日本塑性加工学会,昭和43年3月,第9巻,第86号,p168-172 T.Luks et.al."Contact stress distribution and roll surface temperature in the roll gap analyzed with different sensors",La Metallurgia Italiana-n.1/2014
非特許文献1,2の試験方法では、ロールバイトにピンが出ていることで摩擦係数が変化してしまうため、材料とロールの界面の正確な計測が困難である。また、これらの試験方法では、ピンの長さによって応力分布が変化する。そのため、非特許文献1,2の測定方法は、測定精度に問題がある。
非特許文献3の試験方法では、せん断ひずみゲージを取り付けるために、圧延ロールに特殊な構造を採用する必要があり、高荷重の圧延に圧延ロールが耐えられない。そのため、この測定方法では、応力分布の測定は低荷重の圧延に限定される。
本発明は、広い圧延荷重域において高精度でロールバイトの応力分布を測定できる圧延装置及び圧延方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、一対のワークロールのうちの少なくとも一方が応力測定ロールである圧延機と、前記圧力測定ロールからの入力に基づいて演算を実行する演算装置とを備え、前記応力測定ロールは、胴部に凹部が形成され、前記凹部は前記胴部の表面に開口しているロール本体と、前記凹部に収容された圧力センサーと、前記開口を閉じるように前記胴部に対して取り付けられ、外面が前記胴部の前記表面と同じ円筒面を構成しているホルダーと、前記ホルダーの内面と前記圧力センサーとの間に挟み込まれるように前記凹部に配置され、先端が前記ホルダーの前記内面に点接触状に接触し、基端が前記圧力センサーに接触している受圧部材とを備え、前記応力測定ロールの回転に伴って、前記応力測定ロールの軸線周りに前記受圧部材の前記先端の向きが回転し、前記演算装置は、前記圧力センサーから測定値が入力される入力部と、ロールバイトを含む領域で前記ロール本体に対してある角度で作用する応力を入力とし、前記軸線周りにある回転角度にある前記圧力センサーに作用する応力を出力とする伝達関数を記憶している記憶部と、前記圧延機での被圧延材の圧延時における前記圧力センサーの前記測定値と、前記伝達関数とに基づいてロールバイトの圧延応力分布を算出する演算部とを備える、圧延装置を提供する。
応力測定ロールに作用する応力は、ピンではなく、外周面が胴部の表面と同じ円筒面を構成するホルダーを介して圧力センサーに伝えられるので、材料と応力測定ロールの正確な応力状態を測定できる。また、ホルダーと圧力センサーとの間に介在する受圧部材は点接触状にホルダーに接触しているので、圧力センサーによる応力測定の空間分解能が高い。そのため、被圧延材の圧延時における圧力センサーの測定値と、伝達関数とに基づいてロールバイトの圧延応力分布を高精度で算出できる。
応力測定ロールに作用する応力がホルダーを介して胴部に収容された圧力センサーに伝えられるので、ひずみゲージを取り付けるための強度に劣る特殊な構造を応力測定ロールに採用する必要がない。この点で、広い圧延荷重域においてロールバイトの圧延応力分布の測定が可能である。
以上のとおり、この圧延装置によれば、広い圧延荷重域において高精度でロールバイトの圧延応力分布を測定できる。
加えて、上述のように、応力測定ロールに作用する応力は、ピンではなく、外面が胴部の表面と同じ円筒面を構成するホルダーを介して圧力センサーに伝えられるので、潤滑圧延時の圧延応力分布の測定が可能である。
前記記憶部は圧延理論式を記憶し、前記演算部は、前記圧延応力分布と前記圧延理論式を用いて前記ロールバイトの計算応力分布を算出してもよい。
前記受圧部材は略錐形であってもよい。
本発明の第2の態様は、一対のワークロールのうちの少なくとも一方が応力測定ロールである圧延機を準備し、前記応力測定ロールは、胴部に凹部が形成され、前記凹部は前記胴部の表面に開口しているロール本体と、前記凹部に収容された圧力センサーと、前記開口を閉じるように前記胴部に対して取り付けられ、外面が前記胴部の前記表面と同じ円筒面を構成しているホルダーと、前記ホルダーの内面と前記圧力センサーとの間に挟み込まれるように前記凹部に配置され、先端が前記ホルダーの内面に点接触状に接触し、基端が前記圧力センサーに接触している受圧部材とを備え、前記応力測定ロールの回転に伴って、前記応力測定ロールの軸線周りに前記受圧部材の前記先端の向きが回転し、前記圧延機でキスロール圧延を実行し、前記キスロール圧延時の圧力センサーの測定値を用いて、ロールバイトを含む領域で前記ロール本体に対してある角度で作用する応力を入力とし、前記軸線周りにある回転角度にある前記圧力センサーに作用する応力を出力とする伝達関数を算出し、前記圧延機で被圧延材の圧延を実行し、前記被圧延材の圧延時の圧力センサーの測定値と前記伝達関数とに基づいてロールバイトの圧延応力分布を算出する、圧延方法を提供する。
本発明に係る圧延装置及び圧延方法によれば、広い圧延荷重域において高精度でロールバイトの応力分布を測定できる。
本発明の実施形態に係る圧延装置の模式図。 応力測定ロールの平面図。 応力測定ロールの軸線方向の断面図。 応力測定ロールの軸線直交方向の断面図。 圧力センサーユニットの斜視図。 伝達関数の一例を示すグラフ。 図6AのP1点における応力分布を示す模式断面図。 図6AのP2点における応力分布を示す模式断面図。 図6AのP3点における応力分布を示す模式断面図。 ロールバイト及びその付近の応力分布を示す模式断面図。 ヘルツ接触条件での応力分布を説明するための模式図。 ヘルツ接触条件での応力分布を説明するための模式図。 応力測定ロールの回転角度に対する測定応力と伝達関数の一例を示すグラフ。 応力測定ロールの回転角度に対するロールバイトの応力と圧延理論式を用いて、入出側で個別の摩擦係数を設定した際の計算応力分布の一例を示すグラフ。 接触長さに対するロールバイトの応力と圧延理論式を用いて、入出側で個別の摩擦係数を設定した際の計算応力分布の一例を示すグラフ。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る圧延装置10は、圧延機1と演算装置30を備える。
(圧延機)
本実施形態の圧延機1は4段圧延機であるが、本発明の適用は圧延機のロール本数によって制限されない。圧延機1は、上ワークロールとして機能するロールサーフェス型の応力測定ロール2、下ワークロール3、上バックアップロール4、及び下バックアップロール5を備え、これらはハウジング6に回転可能に支持されている。下ワークロールのみが応力測定ロール2であってもよい。上ワークロールと下ワークロールの両方が応力測定ロールであってもよい。
図示していないが、圧縮機1は、応力測定ロール2と下ワークロール3を回転駆動するための原動機を含む駆動機構と、上側の2本のロール、つまり応力測定ロール2と上バックアップロール4を昇降させて応力測定ロール2と下ワークロール3との間の隙間(圧下量)を調整するためのロール昇降機構とを備える。
図2から図4を参照すると、応力測定ロール2には応力測定のための圧力センサー11が内蔵されている。圧力センサー11は、本実施形態では圧電式(ピエゾ式)であるが、これに限定されない。圧電式の圧力センサーは、ひずみゲージ式のセンサーと比較して、圧力検出のために要求される変形量が少ない、言い換えれば弾性係数が高い点で好ましい。
応力測定ロール2は、ロール本体12と、前述の圧力センサー11を含む他の要素ないし部材とを備える。ロール本体12は、表面が円筒面である胴部12aと、胴部12aの両端から延びる一対の軸部12bとを備える。胴部12aには、凹部12cが設けられている。凹部12cは胴部12aの表面に開口している。本実施形態における凹部12cは平面視で長方形状であるが、凹部12cの形状は特に限定されない。
ロール本体12の胴部12aに形成された凹部12cには、圧力センサー11、ベース13、ホルダー14、及び受圧部材15が収容されている。ベース13は概ね扁平な直方体状であり凹部12cの底部側を埋めるように配置されている。ホルダー14はベース13上に載置されている。ベース13とホルダー14はボルト16により互い固定されている。後に詳述するように、ベース13とホルダー14の間に圧力センサー11と受圧部材15が収容されている。ホルダー14はボルト17により胴部12aに固定されている。ホルダー14aの外面14aは、ロール本体12の胴部12aの表面と同じ円筒面を構成している。
図3及び図4を参照すると、ホルダー14には内面14b側が開口し外面14a側が閉じている有底孔14cが形成されている。有底孔14cの孔壁とベース13の上面13aによって収容室18が確定されており、この収容室18に圧力センサー11と受圧部材15が収容されている。圧力センサー11はナット19によってベース13に対して固定されている。
受圧部材15は、ホルダー14の内面14bと圧力センサー15との間に挟み込まれるように収容室18内に収容されている。本実施形態の受圧部材15は概ね円錐形状であり、尖った先端15aがホルダー14、より具体的には有底孔14cの孔壁の頂部に点接触状に接触し、大径の基端15bが圧力センサー11に接触している。ホルダー14に設けられた貫通孔14dが胴部12aに形成された貫通孔12dに空間的に連通している。これらの貫通孔14d,12dを介して、圧力センサー11が出力する測定信号を取り出すためのケーブル20(図5にのみ示す)が、応力測定ロール2の外へ配索されている。
応力測定ロール2が軸線AX周りに回転するのに伴って、受圧部材15の先端15aの向きが軸線AX周りに回転する。
(演算装置)
図1を参照すると、本実施形態の演算装置30は、記憶部31、入力部32、演算部33、出力部34、及び表示部35を備える。演算装置30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)のような記憶装置を含むハードウェアと、それに実装されたソフトウェアにより構築できる。
記憶部31は、後に詳述するように、ロールバイトを含む領域で応力測定ロール2のロール本体12に対してある角度で作用する応力を入力とし、応力測定ロール2の回転の軸線AX周りにある回転角度にある受圧部材15を介して圧力センサー11に作用する応力を出力とする伝達関数(圧力センター11の測定信号からロールバイトの応力分布を算出するために使用される)を記憶している。また、記憶部31は、同様に後に詳述するように、ロールバイトの応力分布からロールバイトの計算応力分布を算出するために使用される圧延理論式を記憶している。
入力部32には、フィルター36及びA/D変換器37を介して、圧力センサー11の測定信号が入力される。
演算部33は、ロールバイトの圧延応力分布と摩擦係数分布の算出を実行する。
出力部34は、演算部33で算出されたロールバイトの圧延応力分布と摩擦係数分布を例えば図示しない外部の情報機器に出力する。
表示部35は、演算部33で算出されたロールバイトの圧延応力分布と摩擦係数分布を視覚的に表示するディスプレイを含む。
(圧延装置の動作の概要)
以下、本実施形態の圧延装置10の動作の概要を説明する。
図1を参照すると、圧延機1による被圧延材100の圧延時には、前述のように応力測定ロール2の軸線AX周りの回転に伴って、軸線AX周りに先端15aの向きが回転する受圧部材15を介して圧力センサー11が応力を検出する。ここで圧力センサー11は応力測定ロール2(ロール本体12)の胴部12aの表面に露出していないので、圧力センサー11が検出する応力は、胴部12aの表面の応力ではなく、それよりもホルダー14の厚み分だけ胴部12aの内部に入った部分の応力である。
圧延時に応力測定ロール2(ロール本体12)に作用する応力は、ピンではなく、外面14aがロール本体12の胴部12aの表面と同じ円筒面を構成するホルダー14を介して圧力センサー11に伝えられるので、材料と応力測定ロール2の界面の正確な応力状態を測定できる。また、ホルダー14と圧力センサー11との間に介在する受圧部材15は点接触状にホルダーに14に接触しているので、圧力センサー11による応力測定の空間分解能が高い。
加えて、応力測定ロール2に作用する応力がホルダー14を介してロール本体12の胴部12aに収容された圧力センサー11に伝えられるので、ひずみゲージを取り付けるための強度に劣る特殊な構造を応力測定ロールに採用する必要がない。この点で、広い圧延荷重域においてロールバイトにおける応力の測定(さらに言えば、後述するように圧延応力分布と摩擦係数分布の測定)が可能である。
上述のように応力測定ロール12に作用する応力は、ピンではなく、外面14aが胴部12aの表面と同じ円筒面を構成するホルダー14を介して圧力センサー11に伝えられるので、潤滑圧延時の圧延応力分布の測定が可能である。
圧延中の圧力センサー11の測定信号は演算装置30、より具体的には入力部32に入力される。演算部33は、入力部32に時々刻々と入力される圧力センサー11の測定値と、記憶部31に記憶された伝達関数に基づいて、ロールバイトの圧延応力分布を算出する。また、演算部33は、算出された圧延応力分布と記憶部31に記憶された圧延理論式を用いてロールバイトの摩擦係数分布を算出する。演算部33で算出された圧延応力分布と摩擦係数分布は記憶部31に記憶され、必要に応じて、出力部34による出力や、表示部35による表示の対象とされる。
以上のように、本実施形態の圧延装置10によれば、広い圧延荷重域において高精度でロールバイトの圧延応力分布と摩擦係数分布を測定できる。
(圧延装置)
以下、圧延装置10により実行される圧延方法(伝達関数の算出を含む)をより具体的に説明する。
この圧延方法は、以下の(1)~(5)のステップを含む。以下、これらのステップを順に説明する。
(1)キスロール圧延の実行
(2)伝達関数の算出
(3)被圧延材の圧延の実行
(4)応力分布の算出
(5)摩擦係数分布の算出
(キスロール圧延の実行)
最初に、キスロール圧延、すなわち被圧延材100がなく、応力測定ロール2と下ワークロール3との間に隙間がない条件で圧延機1を動作させる。このキスロール圧延中、圧力センサー11からは測定値(測定信号)が時々刻々と出力される。本実施形態では、圧力センサー11の出力する測定値は、演算装置30に入力され記憶部31に記憶される。
(伝達関数の算出)
本実施形態では、演算部33は記憶部31に記憶されたキスロール圧延中の圧力センサー11の測定値から伝達関数を算出する。
前述のように、圧力センサー11が検出する応力は、応力測定ロール2の胴部12aの表面の応力ではなく、それよりもホルダー14の厚み分だけ胴部12aの内部に入った部分の応力である。つまり、応力測定ロール2で計測された測定応力は、実際に応力測定ロール2と被圧延材100が接触している領域(ロールバイト)の応力分布を表していない。具体的には、図6Aから図6Dを参照すれば明らかなように(図6A~Dでは応力が高い程散点の密度が高い。この点は後述する図7も同様)、上述した応力測定ロール2の構造上、圧力センサー11は、ロールバイトの応力だけでなくその周辺の応力も測定している。つまり、圧力センサー11は受圧部材15の先端15aがロールバイトにあるときに、実際に胴部12aに作用する応力だけを検出することはできない。そこで、ロールバイトを含む領域で応力測定ロール2(ロール本体12)に対してある角度で作用する応力を入力とし、軸線AX周りにある回転角度にある圧力センサー11に作用する応力を出力とする伝達関数を算出する。この伝達関数により、圧力センサー11が検出する応力をロールバイトの圧延応力に換算できる。以下、伝達関数の導出の一例を説明する。
図7を参照すると、圧力センサー11の測定値(以下、「センサー測定応力」という場合がある)と、実際にロールバイトで応力測定ロール2に作用する応力の関係は以下の式(1)で表すことができる。
Figure 2024071262000002
θ:受圧部材15の先端の回転角度
ω:ロールバイトの範囲(角度)
φ(θ):センサー測定応力(回転角度θのときの圧力センサー11が測定する圧力、つまり圧力センサーの測定値)
f(θ,ω):伝達関数(角度ωの方向から単位応力が作用したときに、受圧部材15の回転角度θでの圧力センサー11に伝達される応力。
p(ω):ロールバイトの圧延応力分布(角度ωの方向からロールバイトに作用する正味の応力)
回転角度θと角度ωは、受圧部材15の先端15aが位置し得る図7において最も上方の位置と応力測定ロール12を結んだ線Lorgを基準に、同図において時計回りを正、反時計回りを負としている。
式(1)には含まれる未知数は2つ(伝達関数f(θ,ω)とロールバイトの圧延応力分布p(ω))である。伝達関数f(θ,ω)の導出にあたって、ロールバイトの圧延応力分布p(ω)は上述したキスロール圧延が理想的な状態であるものとする。具体的には、キスロール圧延の際のセンサー測定応力φ(θ)、つまりキスロール圧延の際の圧力センサー11の測定値と、以下の式(2)に示す2円筒接触に関するヘルツ接触応力分布(図8,9を併せて参照)とを用いて、伝達関数f(θ,ω)を求める。
Figure 2024071262000003
p(y): 2円筒の接触域の法線方向のヘルツ接触応力分布
pmax:ヘルツ最大接触応力
y:2円筒の接触域の接線方向の位置
c:ヘルツ接触幅の1/2
式(2)のヘルツ最大接触応力pmaxは、以下の式(3)で表される。
Figure 2024071262000004
pmax:ヘルツ最大接触応力
π:円周率
pn:法線力(2円筒を互いに押し付ける力)
b:2円筒の幅
R1:上側円筒の半径
R:下側円筒の半径
E1:上側円筒のヤング率
E:下側円筒のヤング率
ν1:上側円筒のポアソン比
ν:上側円筒のポアソン比
式(2)の記号c(ヘルツ接触幅の1/2は、以下の式(4)で表される。
Figure 2024071262000005
このようにヘルツ接触応力分布に基づいて求められたキスロール圧延時のロールバイトの圧延応力分布p(ω)と、実測値であるキスロール圧延時のセンサー測定応力φ(θ)とを式(1)適用することで、伝達関数f(θ,ω)が得られる。図10は、以上によって導出された伝達関数f(θ,ω)の一例を示す。
演算部33は導出した伝達関数f(θ,ω)を、記憶部31に記憶する。
伝達関数を数値解析により導出し、記憶部31に記憶させてもよい。
(被圧延材の圧延の実行)
次に、圧縮機10で被圧延材100の圧延を実行する。本実施形態では、以下の表1に示す圧延条件で圧延を実行した。この圧延中、圧力センサー11から測定値(測定信号)が時々刻々と出力される。図10は回転角度θに対する測定値を示す。本実施形態では、圧力センサー11の出力する測定値は、演算装置30に入力され記憶部31に記憶される。
本実施形態では、以下の表1に示す圧延条件を採用した。なお、前述のキスロール圧延も、ロール、潤滑、及び速度について表1の圧延条件と同様の条件を採用している。
Figure 2024071262000006
(推定応力分布の算出)
本実施形態では、演算部33は記憶部31に記憶された被圧延材の圧延中の圧力センサー11の測定値、つまりセンサー測定応力φ(θ)と、記憶部31に記憶された伝達関数を使用してロールバイトの圧延応力分布を算出する。図11及び図12は圧下率6%の場合の算出された圧延応力分布を示す。具体的には、図11の実線は回転角度θに対する推定応力を示し、図12の実線は圧延方向の位置(接触長さ)に対する推定応力を示す。
(計算応力分布の算出)
本実施形態では、演算部33が記憶部31に記憶されている圧延応力分布と記憶部31に予め記憶された圧延理論式を用いてロールバイトの計算応力分布を算出する。以下の式(5),(6)は圧延理論式の一例を示す。ただし、計算応力分布の算出に使用する圧延理論式は式(5),(6)に限定されない。
Figure 2024071262000007
図11及び図12は圧延理論式を用いて、入出側で個別の摩擦抵抗を設定した際の計算応力分布を示す。具体的には、図11の破線は入側摩擦抵抗μ、出側摩擦抵抗μ×1.8に設定した際の圧延理論式から導出された回転角度θに対する計算応力分布を示し、図12の破線は圧延方向の位置(接触長さ)に対する計算応力分布を示す。
1 圧延機
2 応力測定ロール
3 下ワークロール
4 上バックアップロール
5 下バックアップロール
6 ハウジング
10 圧延装置
11 圧力センサー
12 ロール本体
12a 胴部
12b 軸部
12c 凹部
12d 貫通孔
13 ベース
13a 上面
14 ホルダー
14a 外面
14b 内面
14c 有底孔
14d 貫通孔
15 受圧部材
15a 先端
15b 基端
16,17 ボルト(ホルダーと胴部)
18 収容室
19 ナット
20 ケーブル
30 演算装置
31 記憶部
32 入力部
33 演算部
34 出力部
35 表示部
36 フィルター
37 A/D変換器
100 被圧延材

Claims (4)

  1. 一対のワークロールのうちの少なくとも一方が応力測定ロールである圧延機と、
    前記圧力測定ロールからの入力に基づいて演算を実行する演算装置と
    を備え、
    前記応力測定ロールは、
    胴部に凹部が形成され、前記凹部は前記胴部の表面に開口しているロール本体と、
    前記凹部に収容された圧力センサーと、
    前記開口を閉じるように前記胴部に対して取り付けられ、外面が前記胴部の前記表面と同じ円筒面を構成しているホルダーと、
    前記ホルダーの内面と前記圧力センサーとの間に挟み込まれるように前記凹部に配置され、先端が前記ホルダーの前記内面に点接触状に接触し、基端が前記圧力センサーに接触している受圧部材と
    を備え、
    前記応力測定ロールの回転に伴って、前記応力測定ロールの軸線周りに前記受圧部材の前記先端の向きが回転し、
    前記演算装置は、
    前記圧力センサーから測定値が入力される入力部と、
    ロールバイトを含む領域で前記ロール本体に対してある角度で作用する応力を入力とし、前記軸線周りにある回転角度にある前記圧力センサーに作用する応力を出力とする伝達関数を記憶している記憶部と、
    前記圧延機での被圧延材の圧延時における前記圧力センサーの前記測定値と、前記伝達関数とに基づいてロールバイトの圧延応力分布を算出する演算部と
    を備える、圧延装置。
  2. 前記記憶部は圧延理論式を記憶し、
    前記演算部は、前記圧延応力分布と前記圧延理論式を用いて前記ロールバイトの摩擦係数分布を算出する請求項1に記載の圧延装置。
  3. 前記受圧部材は略錐形である、請求項1又は2に記載の圧延装置。
  4. 一対のワークロールのうちの少なくとも一方が応力測定ロールである圧延機を準備し、前記応力測定ロールは、胴部に凹部が形成され、前記凹部は前記胴部の表面に開口しているロール本体と、前記凹部に収容された圧力センサーと、前記開口を閉じるように前記胴部に対して取り付けられ、外面が前記胴部の前記表面と同じ円筒面を構成しているホルダーと、前記ホルダーの内面と前記圧力センサーとの間に挟み込まれるように前記凹部に配置され、先端が前記ホルダーの内面に点接触状に接触し、基端が前記圧力センサーに接触している受圧部材とを備え、前記応力測定ロールの回転に伴って、前記応力測定ロールの軸線周りに前記受圧部材の前記先端の向きが回転し、
    前記圧延機でキスロール圧延を実行し、
    前記キスロール圧延時の圧力センサーの測定値を用いて、ロールバイトを含む領域で前記ロール本体に対してある角度で作用する応力を入力とし、前記軸線周りにある回転角度にある前記圧力センサーに作用する応力を出力とする伝達関数を算出し、
    前記圧延機で被圧延材の圧延を実行し、
    前記被圧延材の圧延時の圧力センサーの測定値と前記伝達関数とに基づいてロールバイトの圧延応力分布を算出する、圧延方法。
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