JP2024071166A - 塗装システム - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、塗装システムに関する。
従来、車体には、塗装ブースにおいて、塗料が噴霧されることにより、塗装が施される(例えば、特許文献1)。一般に、塗装工程では、複数の塗膜が層状に形成される。そして、形成される塗膜の種類および塗膜の数は、車種によって様々である。
塗装工程が行われる製造ラインでは、形成される塗膜の種類や数は予め決められている。このため、塗装の構成が異なる複数の車種を塗装することが容易ではない場合がある。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の第一形態によれば、塗装を行う塗装システムが提供される。この塗装システムは、車体に第1塗膜層を形成するための第1塗装ブースと、前記車体に前記第1塗膜層とは異なる第2塗膜層を形成するための第2塗装ブースと、前記車体を支持して搬送方向に搬送する第1搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとを通過する第1搬送ラインと、前記車体を支持して前記搬送方向に搬送する第2搬送ラインであって、前記第1塗装ブースを通過せずに、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の接続点にて前記第1搬送ラインと接続する第2搬送ラインと、を備える。この形態によれば、第1搬送ラインを用いて、車体に第1塗膜層と第2塗膜層とを形成できるとともに、第2搬送ラインを用いて、車体に第1塗膜層を形成せずに第2塗膜層を形成できる。よって、異なる車種の塗装を容易に行うことができる。
(2)上記形態の塗装システムであって、前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの上流側にあり、前記塗装システムは、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースの前記上流側に電着塗装を行う電着ブースをさらに備え、前記第2搬送ラインは、前記電着ブースと前記第1塗装ブースとの間にある前記第1搬送ライン上の分岐点から分岐してもよい。この形態によれば、車種に拘わらず、第1搬送ラインを用いて車体を搬送することにより、同じ電着ブースを使用して電着塗装を行うことができる。
(3)上記形態の塗装システムであって、さらに、前記車体に予め付与された識別子を取得する取得部と、前記識別子と、複数の塗膜で構成された塗膜構成とが予め対応付けられた塗装情報を記憶する記憶部と、前記分岐点に配置され、前記車体の搬送先を前記第1搬送ラインと前記第2搬送ラインとの何れかに切り替える切替機構と、を備え、前記切替機構は、前記取得部により取得された前記識別子と前記塗装情報とを用いて前記搬送先を切り替えてもよい。この形態によれば、車種に応じて、切替機構によって自動で車体の搬送先を切り替えることができる。
(4)上記形態の塗装システムであって、前記車体は、複数の塗膜で構成された塗膜構成が互いに異なる複数の車種を有し、前記第1塗膜層は、少なくとも第1塗膜を含み、前記第2塗膜層は、少なくとも第2塗膜を含み、前記複数の車種は、前記塗膜構成が、前記第1塗膜を含まず、少なくとも単層の前記第2塗膜を含む第1車種と、前記塗膜構成が、少なくとも、単層の前記第1塗膜と単層の前記第2塗膜とを含む第2車種と、を含み、前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの前記上流側にあり、単層の前記第1塗膜を形成可能に構成されており、前記第2塗装ブースは、単層の前記第2塗膜を形成可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第2車種の車体を第1搬送ラインに搬送させて、車体に第1塗膜と第2塗膜とを順に形成することができる。
(5)上記形態の塗装システムであって、前記第2塗膜層は、さらに第3塗膜と、第4塗膜とを含み、前記第1車種は、前記塗膜構成に、さらに、単層の前記第3塗膜と単層の前記第4塗膜とを含み、前記第2車種は、前記塗膜構成に、さらに、単層の前記第3塗膜と単層の前記第4塗膜とを含み、前記複数の車種は、さらに、前記塗膜構成が、少なくとも、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第2塗膜と、単層の前記第3塗膜と、単層の前記第4塗膜とを含むとともに、前記第1塗膜と、前記第4塗膜とのうち、少なくともいずれか一方が複数層である第3車種を含み、前記第1塗装ブースは、通過する前記車体に対して、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第4塗膜とのいずれか一方を形成可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第1塗装ブースを使用して、第4塗膜が複数層形成される第3車種を塗装することができ、第2塗装ブースの生産能力を適正化して、塗装工程を効率的に行うことができる。
(6)上記形態の塗装システムであって、前記第1塗膜層は、第1塗膜を含み、前記第2塗膜層は、少なくとも第2塗膜と第3塗膜とを含み、前記第2塗膜と前記第3塗膜とは有色であるとともに、前記第2塗膜と前記第3塗膜とは互いに色が異なり、前記第2塗装ブースでは、前記車体の外板部に前記第2塗膜を形成する第1形成工程と、前記車体の内板部に前記第3塗膜を形成する第2形成工程と、前記外板部に前記第3塗膜を形成する第3形成工程と、がこの順に行われてもよい。この形態によれば、第1形成工程にて、車体の内板部に第2塗膜の塗料が付着した場合であっても、第2形成工程にて形成される第3塗膜により、第2塗膜は隠蔽されるため、車両の美観の低下を抑制することができる。
(7)上記形態の塗装システムであって、前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの前記上流側にあり、前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第3搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の第1点から分岐して、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースより前記上流側にある第2点にて合流する第3搬送ラインをさらに有してもよい。この形態によれば、第3搬送ラインを用いることにより、第1塗膜が複数層形成される車体を効率良く塗装することができる。
(8)上記形態の塗装システムであって、前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第4搬送ラインであって、前記第1搬送ライン上の前記第2塗装ブースより下流側にある第3点から分岐して、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースより前記上流側にある第4点にて合流する第4搬送ラインをさらに有していてもよい。この形態によれば、第4搬送ラインを用いて、車体を第1塗装ブースに搬送し、第1塗装ブースにて第4塗膜を塗装することにより、第4塗膜が複数層形成される車体を効率良く塗装することができる。
(9)上記形態の塗装システムであって、前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第5搬送ラインであって、前記第1搬送ライン上の前記第2塗装ブースより前記下流側にある第5点から分岐して、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の第6点にて合流する第5搬送ラインを有していてもよい。この形態によれば、第5搬送ラインを用いることにより、互いに色が異なる複数の第2ベース塗膜の各々が、車体に配される車体を効率良く塗装することができる。
(10)本開示の第二形態によれば、塗装を行う塗装システムが提供される。この塗装システムは、複数の塗膜で構成された塗膜構成が互いに異なる複数の車種の車体を塗装し、前記複数の車種のそれぞれの前記塗膜構成について、共通の塗膜以外の塗膜を形成するための第1塗装ブースと、前記共通の塗膜を形成するための第2塗装ブースと、前記車体を支持して搬送方向に搬送する第1搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとを通過する第1搬送ラインと、前記車体を支持して前記搬送方向に搬送する第2搬送ラインであって、前記第1塗装ブースを通過せずに、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の接続点にて前記第1搬送ラインと接続する第2搬送ラインと、を備える。この形態によれば、車種に拘わらず、車体について第2塗装ブースを通過させることにより、複数の車種で共通の塗膜を形成できる。そして、複数の車種に共通の塗膜以外の塗膜については、第1塗装ブースを用いて塗装することにより、異なる車種の塗装を容易に行うことができる。
(11)上記形態の塗装システムであって、前記複数の車種は、前記塗膜構成が、第1塗膜を含まず、第2塗膜と第3塗膜とを含む第1車種と、前記塗膜構成が、前記第1塗膜と、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とを含む第2車種と、を含み、前記第1塗装ブースは、前記共通の塗膜以外の塗膜としての前記第1塗膜を塗装可能に構成され、前記第2塗装ブースは、前記共通の塗膜としての前記第2塗膜と前記第3塗膜とを塗装可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第1車種の車体については、第2搬送ラインを用いて、第1塗膜を形成せずに、第2塗膜と第3塗膜とを形成することができる。そして、第2車種の車体については、車体に第1塗膜と、第2塗膜と、第3塗膜とを順に形成することができる。
(12)上記形態の塗装システムであって、前記第1車種は、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とをそれぞれ単層含むとともに、単層の第4塗膜を含み、前記第2車種は、前記第1塗膜と、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とをそれぞれ単層含むとともに、単層の前記第4塗膜を含み、前記複数の車種は、さらに、前記塗膜構成が、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第2塗膜と、単層の前記第3塗膜と、単層の前記第4塗膜とを少なくとも含むとともに、前記第1塗膜と、前記第4塗膜とのうち、少なくともいずれか一方が複数層である第3車種を含み、前記第1塗装ブースは、通過する前記車体に対して、前記第1塗膜と、前記第4塗膜との何れか一方を形成可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第1塗装ブースを使用して、第4塗膜が複数層形成される第3車種を塗装することができ、第2塗装ブーの生産能力を適正化して、塗装システムが行う塗装工程を効率的に行うことができる。
本開示は、塗装システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、塗装方法などの形態で実現することができる。
(2)上記形態の塗装システムであって、前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの上流側にあり、前記塗装システムは、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースの前記上流側に電着塗装を行う電着ブースをさらに備え、前記第2搬送ラインは、前記電着ブースと前記第1塗装ブースとの間にある前記第1搬送ライン上の分岐点から分岐してもよい。この形態によれば、車種に拘わらず、第1搬送ラインを用いて車体を搬送することにより、同じ電着ブースを使用して電着塗装を行うことができる。
(3)上記形態の塗装システムであって、さらに、前記車体に予め付与された識別子を取得する取得部と、前記識別子と、複数の塗膜で構成された塗膜構成とが予め対応付けられた塗装情報を記憶する記憶部と、前記分岐点に配置され、前記車体の搬送先を前記第1搬送ラインと前記第2搬送ラインとの何れかに切り替える切替機構と、を備え、前記切替機構は、前記取得部により取得された前記識別子と前記塗装情報とを用いて前記搬送先を切り替えてもよい。この形態によれば、車種に応じて、切替機構によって自動で車体の搬送先を切り替えることができる。
(4)上記形態の塗装システムであって、前記車体は、複数の塗膜で構成された塗膜構成が互いに異なる複数の車種を有し、前記第1塗膜層は、少なくとも第1塗膜を含み、前記第2塗膜層は、少なくとも第2塗膜を含み、前記複数の車種は、前記塗膜構成が、前記第1塗膜を含まず、少なくとも単層の前記第2塗膜を含む第1車種と、前記塗膜構成が、少なくとも、単層の前記第1塗膜と単層の前記第2塗膜とを含む第2車種と、を含み、前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの前記上流側にあり、単層の前記第1塗膜を形成可能に構成されており、前記第2塗装ブースは、単層の前記第2塗膜を形成可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第2車種の車体を第1搬送ラインに搬送させて、車体に第1塗膜と第2塗膜とを順に形成することができる。
(5)上記形態の塗装システムであって、前記第2塗膜層は、さらに第3塗膜と、第4塗膜とを含み、前記第1車種は、前記塗膜構成に、さらに、単層の前記第3塗膜と単層の前記第4塗膜とを含み、前記第2車種は、前記塗膜構成に、さらに、単層の前記第3塗膜と単層の前記第4塗膜とを含み、前記複数の車種は、さらに、前記塗膜構成が、少なくとも、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第2塗膜と、単層の前記第3塗膜と、単層の前記第4塗膜とを含むとともに、前記第1塗膜と、前記第4塗膜とのうち、少なくともいずれか一方が複数層である第3車種を含み、前記第1塗装ブースは、通過する前記車体に対して、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第4塗膜とのいずれか一方を形成可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第1塗装ブースを使用して、第4塗膜が複数層形成される第3車種を塗装することができ、第2塗装ブースの生産能力を適正化して、塗装工程を効率的に行うことができる。
(6)上記形態の塗装システムであって、前記第1塗膜層は、第1塗膜を含み、前記第2塗膜層は、少なくとも第2塗膜と第3塗膜とを含み、前記第2塗膜と前記第3塗膜とは有色であるとともに、前記第2塗膜と前記第3塗膜とは互いに色が異なり、前記第2塗装ブースでは、前記車体の外板部に前記第2塗膜を形成する第1形成工程と、前記車体の内板部に前記第3塗膜を形成する第2形成工程と、前記外板部に前記第3塗膜を形成する第3形成工程と、がこの順に行われてもよい。この形態によれば、第1形成工程にて、車体の内板部に第2塗膜の塗料が付着した場合であっても、第2形成工程にて形成される第3塗膜により、第2塗膜は隠蔽されるため、車両の美観の低下を抑制することができる。
(7)上記形態の塗装システムであって、前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの前記上流側にあり、前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第3搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の第1点から分岐して、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースより前記上流側にある第2点にて合流する第3搬送ラインをさらに有してもよい。この形態によれば、第3搬送ラインを用いることにより、第1塗膜が複数層形成される車体を効率良く塗装することができる。
(8)上記形態の塗装システムであって、前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第4搬送ラインであって、前記第1搬送ライン上の前記第2塗装ブースより下流側にある第3点から分岐して、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースより前記上流側にある第4点にて合流する第4搬送ラインをさらに有していてもよい。この形態によれば、第4搬送ラインを用いて、車体を第1塗装ブースに搬送し、第1塗装ブースにて第4塗膜を塗装することにより、第4塗膜が複数層形成される車体を効率良く塗装することができる。
(9)上記形態の塗装システムであって、前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第5搬送ラインであって、前記第1搬送ライン上の前記第2塗装ブースより前記下流側にある第5点から分岐して、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の第6点にて合流する第5搬送ラインを有していてもよい。この形態によれば、第5搬送ラインを用いることにより、互いに色が異なる複数の第2ベース塗膜の各々が、車体に配される車体を効率良く塗装することができる。
(10)本開示の第二形態によれば、塗装を行う塗装システムが提供される。この塗装システムは、複数の塗膜で構成された塗膜構成が互いに異なる複数の車種の車体を塗装し、前記複数の車種のそれぞれの前記塗膜構成について、共通の塗膜以外の塗膜を形成するための第1塗装ブースと、前記共通の塗膜を形成するための第2塗装ブースと、前記車体を支持して搬送方向に搬送する第1搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとを通過する第1搬送ラインと、前記車体を支持して前記搬送方向に搬送する第2搬送ラインであって、前記第1塗装ブースを通過せずに、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の接続点にて前記第1搬送ラインと接続する第2搬送ラインと、を備える。この形態によれば、車種に拘わらず、車体について第2塗装ブースを通過させることにより、複数の車種で共通の塗膜を形成できる。そして、複数の車種に共通の塗膜以外の塗膜については、第1塗装ブースを用いて塗装することにより、異なる車種の塗装を容易に行うことができる。
(11)上記形態の塗装システムであって、前記複数の車種は、前記塗膜構成が、第1塗膜を含まず、第2塗膜と第3塗膜とを含む第1車種と、前記塗膜構成が、前記第1塗膜と、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とを含む第2車種と、を含み、前記第1塗装ブースは、前記共通の塗膜以外の塗膜としての前記第1塗膜を塗装可能に構成され、前記第2塗装ブースは、前記共通の塗膜としての前記第2塗膜と前記第3塗膜とを塗装可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第1車種の車体については、第2搬送ラインを用いて、第1塗膜を形成せずに、第2塗膜と第3塗膜とを形成することができる。そして、第2車種の車体については、車体に第1塗膜と、第2塗膜と、第3塗膜とを順に形成することができる。
(12)上記形態の塗装システムであって、前記第1車種は、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とをそれぞれ単層含むとともに、単層の第4塗膜を含み、前記第2車種は、前記第1塗膜と、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とをそれぞれ単層含むとともに、単層の前記第4塗膜を含み、前記複数の車種は、さらに、前記塗膜構成が、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第2塗膜と、単層の前記第3塗膜と、単層の前記第4塗膜とを少なくとも含むとともに、前記第1塗膜と、前記第4塗膜とのうち、少なくともいずれか一方が複数層である第3車種を含み、前記第1塗装ブースは、通過する前記車体に対して、前記第1塗膜と、前記第4塗膜との何れか一方を形成可能に構成されていてもよい。この形態によれば、第1塗装ブースを使用して、第4塗膜が複数層形成される第3車種を塗装することができ、第2塗装ブーの生産能力を適正化して、塗装システムが行う塗装工程を効率的に行うことができる。
本開示は、塗装システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、塗装方法などの形態で実現することができる。
A.実施形態:
A1.塗装システム構成:
図1は、車体CBに塗装を行う塗装システム1の構成を示す模式図である。図2は、第1塗装ブースB1を説明する図である。図3は、車種と塗膜構成との対応関係を示す表である。図4は、後述する塗装情報24を説明する図である。図1に示すように、塗装システム1は、電着塗装エリアAeと、第1塗装エリアA1と、第2塗装エリアA2と、複数の搬送ラインCとを備える。複数の搬送ラインCは、第1搬送ラインC1と、第2搬送ラインC2と、第3搬送ラインC3と、第4搬送ラインC4と、第5搬送ラインC5と、第6搬送ラインC6とを含む。搬送ラインCは、車体CBを支持して搬送する。電着塗装エリアAeと、第1塗装エリアA1と、第2塗装エリアA2とは、この順に配置されている。第1搬送ラインC1は、電着塗装エリアAeと、第1塗装エリアA1と、第2塗装エリアA2とを順に通過する。第1搬送ラインC1は、電着塗装エリアAeから第2塗装エリアA2に向かう搬送方向に車体CBを搬送する。
A1.塗装システム構成:
図1は、車体CBに塗装を行う塗装システム1の構成を示す模式図である。図2は、第1塗装ブースB1を説明する図である。図3は、車種と塗膜構成との対応関係を示す表である。図4は、後述する塗装情報24を説明する図である。図1に示すように、塗装システム1は、電着塗装エリアAeと、第1塗装エリアA1と、第2塗装エリアA2と、複数の搬送ラインCとを備える。複数の搬送ラインCは、第1搬送ラインC1と、第2搬送ラインC2と、第3搬送ラインC3と、第4搬送ラインC4と、第5搬送ラインC5と、第6搬送ラインC6とを含む。搬送ラインCは、車体CBを支持して搬送する。電着塗装エリアAeと、第1塗装エリアA1と、第2塗装エリアA2とは、この順に配置されている。第1搬送ラインC1は、電着塗装エリアAeと、第1塗装エリアA1と、第2塗装エリアA2とを順に通過する。第1搬送ラインC1は、電着塗装エリアAeから第2塗装エリアA2に向かう搬送方向に車体CBを搬送する。
電着塗装エリアAeは、車体CBに電着塗膜を形成するためのエリアである。電着塗装エリアAeは、電着ブースBeと、乾燥炉Feとを備える。電着ブースBeには、図示しない電着塗装液を収容する電着液槽が配置されている。
第1塗装エリアA1は、車体CBに第1塗膜としての中塗り塗膜を形成するためのエリアである。第1塗装エリアA1には、第1塗装ブースB1と乾燥炉F1とが、搬送方向の上流から下流に向かって、この順に配置されている。
第2塗装エリアA2は、車体CBに第2塗膜としての第1ベース塗膜と、第3塗膜としての第2ベース塗膜と、第4塗膜としてのクリア塗膜とを順に形成するためのエリアである。第2塗装エリアA2には、第2塗装ブースB2と、PH炉F2と、乾燥炉F3とが配置されている。第2塗装ブースB2は、上流側第2塗装ブースB2aと、下流側第2塗装ブースB2bとを含む。第2塗装エリアA2には、上流側第2塗装ブースB2aと、PH炉F2と、下流側第2塗装ブースB2bと、乾燥炉F3とが搬送方向の上流から下流に向かって、この順に配置されている。
第2搬送ラインC2は、中塗り塗膜を形成しない第1車種を塗装するために用いられる。第2搬送ラインC2は、第1塗装ブースB1の上流側の第1搬送ラインC1上の分岐点Paから分岐して、第1塗装ブースB1を通過せずに、第1塗装ブースB1と第2塗装ブースB2との間の第1搬送ラインC1上の接続点Pbにて第1搬送ラインC1と接続する。
第3搬送ラインC3は、中塗り塗膜を複数層形成する第3車種の塗装のために用いられる。第3搬送ラインC3は、車体CBを搬送方向の逆方向に搬送する。第3搬送ラインC3は、第1塗装ブースB1と第2塗装ブースB2との間の第1搬送ラインC1上の第1点PO1から分岐して、第1搬送ラインC1上の第1塗装ブースB1より上流側にある第2点PO2にて第1搬送ラインC1に合流する。
第4搬送ラインC4は、クリア塗膜を複数層形成する第3車種を塗装するために用いられる。第4搬送ラインC4は、車体CBを搬送方向の逆方向に搬送する。第4搬送ラインC4は、第1搬送ラインC1上の第2塗装ブースB2より下流側にある第3点PO3から分岐して、第1搬送ラインC1上の第1塗装ブースB1より上流側にある第4点PO4にて第1搬送ラインC1に合流する。
第5搬送ラインC5は、車体CBに2色の車体色が配色された、いわゆる2トーンの車種を塗装するためなどに用いられる。ここで、車体色とは、車両の外観の色である。第5搬送ラインC5は、車体CBを搬送方向の逆方向に搬送する。第5搬送ラインC5は、第1搬送ラインC1上の第2塗装ブースB2より下流側にある第5点PO5から分岐して、第1塗装ブースB1と第2塗装ブースB2との間の第1搬送ラインC1上の第6点PO6にて第1搬送ラインC1と合流する。
第6搬送ラインC6は、クリア塗膜を複数層形成する第3車種を塗装するために用いられる。第6搬送ラインC6は、車体CBを搬送方向に搬送する。第6搬送ラインC6は、第1塗装ブースB1と第2塗装ブースB2との間の第1搬送ラインC1上の第7点PO7から分岐して、第2塗装ブースB2を通過せずに、第1搬送ラインC1上の第1塗装ブースB1より下流側にある第8点PO8にて第1搬送ラインC1に合流する。
図2に示すように、第1塗装ブースB1は、区画壁32により外部と区切られている。第1搬送ラインC1は、第1塗装ブースB1の下面に配置されたコンベアにより実現される。コンベアによって搬送される支持部材36に車体CBが固定されることにより、車体CBは第1搬送ラインC1により搬送される。支持部材36には、車体CBに予め付与された識別子としての車体番号が記憶されているICタグ38が取り付けられている。第1搬送ラインC1の近傍には取得部12が配置されている。本実施形態では、取得部12は、ICタグ38と通信することにより、通過するICタグ38に記憶されている車体番号を取得する。
第1塗装ブースB1には、塗装ロボット34が配置されている。塗装ロボット34は、第1搬送ラインC1によって搬送される車体CBに向かって塗料を噴射する。これにより、車体CBに塗料が吹き付けられる。なお、車体CBへの塗料の噴射は、塗装ロボット34に限られず、作業者により行われてもよい。
塗装システム1では、複数の車種の車体CBに対して塗装が行われる。本実施形態では、車種毎に、電着塗膜上における、複数の塗膜により構成される塗膜構成が予め定められている。
図3に示すように、第1車種の塗膜構成は、中塗り塗膜がなく、第1ベース塗膜と、第2ベース塗膜と、クリア塗膜とをそれぞれ単層有する。第2車種の塗膜構成は、中塗り塗膜と、第1ベース塗膜と、第2ベース塗膜と、クリア塗膜とをそれぞれ単層有する。第3車種の塗膜構成は、中塗り塗膜と、第1ベース塗膜と、第2ベース塗膜と、クリア塗膜とをそれぞれ少なくとも単層有するとともに、中塗り塗膜とクリア塗膜とのいずれか一方を2層有する。中塗り塗膜が2層形成される塗膜構成を「W中塗り」とも呼ぶ。また、クリア塗膜が2層形成される塗膜構成を「Wクリア」とも呼ぶ。
単層の中塗り塗膜を第1塗膜層とも呼ぶ。単層の第1ベース塗膜と、単層の第2ベース塗膜と、単層のクリア塗膜とから構成される塗膜層を第2塗膜層とも呼ぶ。
図3の黒丸で示すように、第1車種の塗膜構成と、第2車種の塗膜構成と、第3車種の塗膜構成とに共通する塗膜は、積層された、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜、およびクリア塗膜である。
中塗り塗膜は、主に、車体CBに耐チッピング性能を付与するための塗膜である。第1ベース塗膜と第2ベース塗膜とは、主に、車体CBに車体色を付与するための塗膜である。なお、本実施形態において、第1ベース塗膜は、車体CBに中塗り塗膜が形成されない場合であっても、十分な耐チッピング性能を車体CBに付与できる機能も有している。クリア塗膜は、主に、光沢や平滑性を付与するための塗膜である。
第1ベース塗膜と第2ベース塗膜とは、有色である。そして、第1ベース塗膜と、第2ベース塗膜とは、互いに色が異なる。第2ベース塗膜は車体CBに車体色を付与する。第1ベース塗膜は、下地を隠蔽し、第2ベース塗膜の発色を向上させる。本実施形態において、第2ベース塗膜の色数は、4つ以上ある。また、本実施形態において、第1ベース塗膜の色数は、3つである。そして、第1ベース塗膜の色は、第2ベース塗膜の色に応じて選択される。なお、第1ベース塗膜の色数および第2ベース塗膜の色数は、上記に限られない。
図2に示す塗装ロボット34は、各塗膜に対応する塗料を噴霧する。
図1に示すように、塗装システム1は、上記構成に加え、複数の切替機構10と、管理装置20とを備える。複数の切替機構10のそれぞれは、分岐点Pa、接続点Pb、および第1点PO1から第8点PO8までの各点に配置されている。
管理装置20は、図示しないプロセッサおよび通信部と、記憶部22とを備えるコンピュータとして構成されている。記憶部22には、塗装情報24が記憶されている。管理装置20は、切替機構10および取得部12(図2)と通信可能に構成されている。
図4に示すように、塗装情報24は、車体番号と、車種の情報と、第1ベース塗膜の色の情報と、第2ベース塗膜の色の情報とが互いに対応付けられた情報である。なお、塗装情報24には、この他に、2トーンであるか否か、第3車種の場合には、2層形成されるのが中塗り塗膜と、クリア塗膜との何れであるかなどの情報が含まれる。
図1に示す切替機構10は、管理装置20と通信可能に構成されている。分岐点Paに配置されている切替機構10は、取得部12が取得した車体番号と、塗装情報24とを用いて、車体CBの搬送先を第1搬送ラインC1と第2搬送ラインC2との何れかに切り替える。具体的には、管理装置20は、塗装情報24を参照して、分岐点Paの上流側の取得部12が取得した車体番号は、第1車種であるか否かを判断する。そして、第1車種であると判断した場合には、管理装置20は、対象の車体CBの搬送先を第2搬送ラインC2に切り替えさせる制御信号を切替機構10に送信する。これにより、切替機構10は、車体CBの搬送先を第2搬送ラインC2に切り替える。一方、第1車種でないと判断した場合には、管理装置20は、対象の車体CBの搬送先を第1搬送ラインC1に切り替えさせる制御信号を切替機構10に送信する。これにより、切替機構10は、車体CBの搬送先を第1搬送ラインC1に切り替える。なお、同じ車種が連続して搬送されて、搬送先が同じ場合には、切替機構10による搬送先の切り替え動作は省略される。接続点Pb、および第1点PO1から第8点PO8までの各点に配置されている切替機構10についても、分岐点Paに配置されている切替機構10と同様の構成のため、説明を省略する。
A2.塗装工程:
図5は、第2車種の塗装工程を示すフローチャートである。図5に示すように、工程P10にて、鋼板が加工されて作製された車体CBに電着塗装が行われる。具体的には、車体CBの洗浄などの前処理が行われた後、電着ブースBeにて電着塗料が収容された電着液槽に車体CBが浸漬されて、車体CBに電着塗料が付着される。工程P12にて、電着塗料が付着された車体CBは乾燥炉Feで加熱され、焼き付けが行われる。これにより、電着塗料が硬化され、車体CBに電着塗膜が形成される。その後、車体CBの天井や床裏などに副資材の装着などが行われる。工程P10から工程P12は、電着塗装エリアAeで行われる。
図5は、第2車種の塗装工程を示すフローチャートである。図5に示すように、工程P10にて、鋼板が加工されて作製された車体CBに電着塗装が行われる。具体的には、車体CBの洗浄などの前処理が行われた後、電着ブースBeにて電着塗料が収容された電着液槽に車体CBが浸漬されて、車体CBに電着塗料が付着される。工程P12にて、電着塗料が付着された車体CBは乾燥炉Feで加熱され、焼き付けが行われる。これにより、電着塗料が硬化され、車体CBに電着塗膜が形成される。その後、車体CBの天井や床裏などに副資材の装着などが行われる。工程P10から工程P12は、電着塗装エリアAeで行われる。
次の工程では、車体CBの外板部と内板部とのそれぞれに中塗り塗装が行われる。ここで、車体CBの外板部とは、車体CBのドアやボンネットなどの開閉部を閉じた状態で外部に露出する部分である。車体CBの内板部とは、車体CBの開閉部を閉じた状態では外部に露出せず、開閉部を開けた状態で外部に露出する部分である。具体的に、車体CBの内板部には、センターピラーなどのピラーなどがある。
工程P14にて、車体CBの内板部に中塗り塗装が行われる。工程P16にて、車体CBの外板部に中塗り塗装が行われる。中塗り塗装に用いられる塗料として、合成樹脂と、硬化剤と、希釈剤としての有機溶剤または水とを含む溶剤系塗料または水性塗料を用いることができる。工程P14と工程P16とは、図1に示す第1塗装ブースB1で行われる。工程P18にて、中塗り塗料が付着された車体CBは乾燥炉F1にて加熱され、焼き付けが行われる。これにより、中塗り塗料が硬化され、電着塗膜の上に中塗り塗膜が形成される。工程P14から工程P18は、第1塗装エリアA1で行われる。
第1形成工程P20にて、車体CBの外板部に第1ベース塗装が行われる。第2形成工程P22にて、車体CBの内板部に第2ベース塗装が行われる。第3形成工程P24にて、車体CBの外板部に第2ベース塗装が行われる。第1ベース塗装および第2ベース塗装に用いられる塗料として、顔料と、合成樹脂と、硬化剤と、希釈剤としての有機溶剤または水とを含む溶剤系塗料または水性塗料を用いることができる。本実施形態では、第1ベース塗装および第2ベース塗装には、水性塗料が用いられる。第1形成工程P20から第3形成工程P24は、上流側第2塗装ブースB2aにて行われる。本実施形態では、第1形成工程P20、第2形成工程P22、および第3形成工程P24のそれぞれに対応する塗装ロボット34が、第1搬送ラインC1に沿って並べてられている。そして、車体CBが第1搬送ラインC1を搬送されるに伴い、各工程が行われる。
車体CBの外板部に第1ベース塗装を行った後に、車体CBの内板部に第2ベース塗装を行うことにより、車体CBの内板部の美観の低下を抑制することができる。仮に、内板部に第2ベース塗装を行った後に、外板部に第1ベース塗装を行う場合、内板部の第2ベース塗装の上に、第1ベース塗装が付着する場合がある。開閉部を閉じた状態であっても、隙間から塗料が内板部に入り込むからである。この点、本実施形態によれば、第1形成工程P20で第1ベース塗装が内板部に付着した場合であっても、第2形成工程P22で、第1ベース塗装の上に第2ベース塗料が重ねられる。よって、第2ベース塗料により、第1ベース塗料は隠蔽されるため、美観の低下が抑制される。なお、第1ベース塗装の色と、第2ベース塗装の色とを同等にすることにより、内板部に塗装された第2ベース塗料の上に第1ベース塗料が付着した場合における美観の低下を抑制することも考えられる。しかしこの場合には、色数の多い第2ベース塗料と合わせて第1ベース塗料を用意する必要が生じるため、製造コストが上昇する可能性がある。また、第1ベース塗料に含まれる成分と第2ベース塗料に含まれる成分とは異なるため、第1ベース塗料の色を、第2ベース塗料の色と同等にすることが困難な場合もある。
図5の工程P26にて、PH炉F2にて、加熱される。この工程をプレヒートとも呼ぶ。加熱により、第1形成工程P20から第3形成工程P24にて塗装された塗料の希釈剤、具体的には水が蒸発する。これにより、塗装された塗料の粘度を上げて、塗装の仕上がりを良くすることができる。
工程P28にて、車体CBの外板部にクリア塗装が行われる。クリア塗装に用いられる塗料として、合成樹脂と、硬化剤と、希釈剤としての有機溶剤または水とを含む溶剤系塗料または水性塗料を用いることができる。工程P28は、図1に示す下流側第2塗装ブースB2bで行われる。
図5の工程P30にて、第1ベース塗料、第2ベース塗料、およびクリア塗料が付着された車体CBは乾燥炉F3にて加熱され、焼き付けが行われる。これにより、第1ベース塗料、第2ベース塗料、およびクリア塗料が硬化され、中塗り塗膜の上に、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜、およびクリア塗膜の3層の塗膜が形成される。工程P30の終了後、本塗装工程は終了する。その後、車体CBは、次の工程が行われるエリアへ搬送される。第1形成工程P20から工程P30までは、第2塗装エリアA2にて行われる。
本実施形態に係る塗装システム1は、第2車種だけでなく、塗膜構成が第2車種とは異なる第1車種および第3車種についての塗装を行うことができる工夫が施されている。具体的には、塗装システム1には、第1搬送ラインC1から分岐する、第2搬送ラインC2、第3搬送ラインC3、および第4搬送ラインC4が設けられている。
上記のように、第1車種の塗膜構成は、第2車種の塗膜構成に対して、中塗り塗膜を削減している。従って、仮に、第2搬送ラインC2を備えていない塗装システム1にて第1車種を塗装する場合には、第1塗装エリアA1を通過しなければならず、不要な中塗り塗装せざるを得ない。この点、本実施形態によれば、第1車種の車体CBについては、第2搬送ラインC2を用いることにより、第1塗装エリアA1を通過せずに、第2塗装エリアA2に搬送することができる。よって、車体CB当たりの生産開始から生産終了までに要する時間である生産のリードタイムを適正化することができる。また、本実施形態によれば、第1車種に係る加工原価や加工時間などの製造コストを適正化することができる。
第3車種の塗膜構成は、第2車種の塗膜構成に対して、中塗り塗膜またはクリア塗膜が2層形成される。中塗り塗膜が2層形成される第3車種については、第3搬送ラインC3が使用されることにより、効率的な塗装を実現することができる。クリア塗膜が2層形成される第3車種については、第4搬送ラインC4が使用されることにより、効率的な塗装を実現することができる。
第3車種では、主に車両の美観をさらに向上させるために、中塗り塗膜またはクリア塗膜が2層形成される。本実施形態では、2層形成される塗膜の塗装については、第1塗装エリアA1で行うことにより、第1塗装エリアA1と第2塗装エリアA2とのそれぞれの生産能力の最適化を実現している。
具体的に説明すると、本実施形態とは異なる塗装システム1の構成として、クリア塗膜が2層形成される第3車種を塗装するために、第4搬送ラインC4を第2塗装エリアA2のクリア塗膜が形成される下流側第2塗装ブースB2bの上流側に合流させる構成も考えられる。しかし、この構成の場合には、クリア塗膜が2層形成される第3車種のために、下流側第2塗装ブースB2bの生産能力に合わせて、上流側第2塗装ブースB2aに余剰の生産能力を付与させる必要が生じる。この点、本実施形態では、第1車種から第3車種に共通する塗膜である第1ベース塗膜からクリア塗膜については、第2塗装エリアA2で行い、第1車種から第3車種に共通しない塗膜については、第1塗装エリアA1で行う。これにより、第2塗装エリアA2の第1搬送ラインC1に分岐点や合流点を設ける必要がないため、塗装システム1をコンパクトにしつつ、第2塗装エリアA2にて効率的に塗装を行うことができる。
図6は、第1車種から第3車種についての塗装システム1における搬送経路をまとめた表である。図6に示すように、第1車種の車体CBは、第1搬送ラインC1および第2搬送ラインC2により搬送される。第1搬送ラインC1と塗装工程の各工程とは関連付いているため、第1車種の車体CBは、図5に示す工程P14から工程P18までの工程がスキップされる。これにより、第1車種の車体CBには、図3に示す、中塗り塗膜が無い塗膜構成の塗膜が形成される。
図6の第3車種の「W中塗り」に示すように、第3車種の「W中塗り」の車体CBは、第1搬送ラインC1および第3搬送ラインC3により搬送される。これにより、図5に示す工程P14から工程P18までの工程が、工程P18の後に繰り返し行われる。これにより、第3車種の「W中塗り」の車体CBには、図3に示すように、中塗り塗膜を2層有する塗膜構成の塗膜が形成される。なお、1層目の中塗り塗装の塗料と、2層目の中塗り塗装の塗料とは、同じでも異なっていてもよい。
図6の第3車種の「Wクリア」に示すように、第3車種の「Wクリア」の車体CBは、第1搬送ラインC1、第4搬送ラインC4、および第6搬送ラインC6により搬送される。これにより、図5に示す工程P30の後に、第1塗装エリアA1においてクリア塗膜が形成される。具体的には、第1塗装ブースB1にて工程P28と同様にクリア塗装が行われた後、乾燥炉F1にて工程P30と同様に焼き付けが行われる。
なお、本実施形態では、第3車種の「Wクリア」の車体CBが2回目に第1塗装ブースB1を通過する場合、第1塗装エリアA1の第1塗装ブースB1で行われる塗装の塗料が中塗り塗料からクリア塗料に切り替えられて車体CBに吹き付けられる。つまり、第1塗装ブースB1では、中塗り塗装とクリア塗装とのいずれも行うことが可能であり、通過する車体CBに対しては、中塗り塗膜と、クリア塗膜とのいずれか一方が形成可能に構成されている。これにより、中塗り塗装用の塗装ロボット34と、クリア塗装用の塗装ロボット34とをそれぞれ備える構成と比較して、第1塗装ブースB1をコンパクトにすることができる。
第1塗装ブースB1を再び通過することにより、第3車種の「Wクリア」の車体CBには、図3に示すように、2層のクリア塗膜が形成される。なお、1層目のクリア塗装の塗料と、2層目のクリア塗装の塗装とは、同じでも異なっていてもよい。第3車種の「Wクリア」の車体CBは、2回目の第1塗装エリアA1の通過した後、第6搬送ラインC6を用いて搬送され、第2塗装エリアA2を通過せずに、塗装工程の次の工程に搬送される。
2トーンの車体CBの塗装には、第5搬送ラインC5が用いられる。図6では、第2車種の車体CBに2トーンの塗装が行われる場合の搬送経路が示されている。2トーンの車体CBは、図5に示す工程P30の後に、繰り返し、第1形成工程P20から工程P30までの工程が行われる。1回目に塗装される車体CBの部分と2回目に塗装される車体CBの部分とを異ならせることにより、2トーンの塗装が実現される。なお、2回目の第2塗装エリアA2における塗装では、塗装される車体CBの部分によっては、第2形成工程P22が省略されてもよい。2トーンの塗装は、第2車種だけでなく、第5搬送ラインC5を使用することにより、第1車種および第3車種に適用することも可能である。また、第5搬送ラインC5は、2トーンの車体CBの塗装だけでなく、例えば、第2塗装エリアA2における塗装に不具合があった場合にも使用される。具体的には、工程P30の後に行われる、塗装についての検査において、不具合が検出された場合には、対象の車体CBは、第5搬送ラインC5を用いて第6点PO6まで搬送され、再度、第2塗装エリアA2にて第1形成工程P20から工程P30までの工程が行われる。
以上説明した実施形態によれば、塗装システム1は、第1搬送ラインC1と、第2搬送ラインC2とを備える。第1搬送ラインC1は、第1塗装ブースB1と第2塗装ブースB2とを通過する。第2搬送ラインC2は、第1塗装ブースB1を通過せずに、第1搬送ラインC1上の接続点Pbにて第1搬送ラインC1と接続する。これにより、第1搬送ラインC1を用いて、中塗り塗膜から第2ベース塗膜を形成できるとともに、第2搬送ラインC2を用いて中塗り塗膜を形成せずに第1ベース塗膜および第2ベース塗膜を形成できる。よって、異なる車種の塗装を容易に行うことができる。
また、第2搬送ラインC2は、電着ブースBeと第1塗装ブースB1との間にある分岐点Paから分岐して、接続点Pbにて第1搬送ラインC1に合流する。これにより、車体CBは、分岐点Paまでは、第1搬送ラインC1を用いて搬送されるため、車種に拘わらず、同じ電着ブースBeを使用することができる。
また、塗装システム1は、取得部12と、塗装情報24を記憶する記憶部22と、切替機構10とを備える。切替機構10は、取得部12により取得された識別子と塗装情報24とを用いて車体CBの搬送先を切り替える。よって、車種に応じて切替機構10により自動で車体CBの搬送先を切り替えることができる。
また、第1塗装ブースB1は、第2塗装ブースB2の上流側にあり、単層の中塗り塗膜を形成可能である。第2塗装ブースB2は、単層の第1ベース塗膜を形成可能である。これにより、車体CBを第1搬送ラインC1に搬送させて、車体CBに中塗り塗膜と第1ベース塗膜とを順に形成することができる。また、第1塗装ブースB1は、通過する車体CBに対して単層の中塗り塗膜と、単層のクリア塗膜とのいずれか一方を形成可能に構成されている。これにより、第1塗装ブースB1を使用して、クリア塗膜が2層形成される第3車種を塗装することができ、第2塗装ブースB2の生産能力を適正化して、塗装工程を効率的に行うことができる。
また、第2塗装ブースB2では、車体CBの外板部に第1ベース塗膜を形成する第1形成工程P20と、車体CBの内板部に第2ベース塗膜を形成する第2形成工程P22と、車体CBの外板部に第2ベース塗膜を形成する第3形成工程P24と、がこの順に行われる。これにより、第1形成工程P20において、車体CBの内板部に第1ベース塗膜が付着した場合であっても、次の第2形成工程P22で、車体CBの内板部には、第2ベース塗膜が塗装される。よって、第2ベース塗膜により、第1ベース塗膜は隠蔽されるため、車両の美観の低下を抑制することができる。
また、塗装システム1は、第1搬送ラインC1上の第1点PO1から分岐して、第1搬送ラインC1上の第2点PO2にて合流する第3搬送ラインC3を備える。よって、第3搬送ラインC3を用いることにより、中塗り塗膜が2層形成される第3車種を効率良く塗装することができる。また、塗装システム1は、第1搬送ラインC1上の第3点PO3から分岐して、第1搬送ラインC1上の第4点PO4にて合流する第4搬送ラインC4を備える。よって、第4搬送ラインC4を用いることにより、クリア塗膜が2層形成される第3車種を効率良く塗装することができる。また、塗装システム1は、第1搬送ラインC1上の第5点PO5から分岐して、第1搬送ラインC1上の第6点PO6にて合流する第5搬送ラインC5を備える。よって、第5搬送ラインC5を用いることにより、車体CBに2色の車体色が配色された2トーンの車体CBを効率良く塗装することができる。
また、塗装システム1は、第1塗装ブースB1と、第2塗装ブースB2と、第1搬送ラインC1と、第2搬送ラインC2とを備える。第1塗装ブースB1は、第1車種から第3車種までの複数の車種に共通の塗膜以外の塗膜である中塗り塗膜および2層目のクリア塗膜を形成する。第2塗装ブースB2は、複数の車種に共通の塗膜である、第1ベース塗膜から1層目のクリア塗膜までの塗膜を形成する。そして、第1搬送ラインC1は、第1塗装ブースB1と第2塗装ブースB2とを通過する。第2搬送ラインC2は、第1塗装ブースB1を通過せずに、第1搬送ラインC1上の接続点Pbにて第1搬送ラインC1に接続する。これにより、車種に拘わらず、すべての車体CBについて第2塗装ブースB2を通過させることにより、複数の車種で共通の塗膜を形成できる。そして、複数の車種に共通の塗膜以外の塗膜については、第1塗装ブースB1を用いて塗装することにより、異なる車種の塗装を容易に行うことができる。
また、第1塗装ブースB1は、複数の車種について、共通の塗膜以外の塗膜としての中塗り塗膜を塗装可能に構成されている。第2塗装ブースB2は、共通の塗膜としての第1ベース塗膜と第2ベース塗膜とを塗装可能に構成されている。よって、第1車種の車体CBについては、第2搬送ラインC2を用いて、中塗り塗膜を形成せずに、第1ベース塗膜と第2ベース塗膜とを形成することができる。そして、第2車種の車体CBについては、車体CBに中塗り塗膜と第1ベース塗膜と、第2ベース塗膜とを順に形成することができる。また、第1塗装ブースB1は、通過する車体CBに対して単層の中塗り塗膜と、単層のクリア塗膜とのいずれか一方を形成可能に構成されている。これにより、第1塗装ブースB1を使用して、クリア塗膜が2層形成される第3車種を塗装することができ、第2塗装ブースB2の生産能力を適正化して、塗装システム1が行う塗装工程を効率的に行うことができる。
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態では、第2搬送ラインC2は、分岐点Paにて第1搬送ラインC1から分岐している。他の実施形態として、(a)第2搬送ラインC2の上流端は、第1搬送ラインC1から分岐せず、第2搬送ラインC2の下流端が接続点Pbにて第1搬送ラインC1に合流してもよく、(b)第2搬送ラインC2の上流端が接続点Pbにて第1搬送ラインC1から分岐して、第2搬送ラインC2の下流端は、第1搬送ラインC1に合流しなくてもよい。少なくとも、第2搬送ラインC2は、第1塗装ブースB1を通過しないことで、複数の車種の車体CBを容易に塗装することができる。また、上記実施形態では、分岐点Paは、電着ブースBeと第1塗装ブースB1との間にあるが、電着ブースBeの上流側にあってもよい。
(B1)上記実施形態では、第2搬送ラインC2は、分岐点Paにて第1搬送ラインC1から分岐している。他の実施形態として、(a)第2搬送ラインC2の上流端は、第1搬送ラインC1から分岐せず、第2搬送ラインC2の下流端が接続点Pbにて第1搬送ラインC1に合流してもよく、(b)第2搬送ラインC2の上流端が接続点Pbにて第1搬送ラインC1から分岐して、第2搬送ラインC2の下流端は、第1搬送ラインC1に合流しなくてもよい。少なくとも、第2搬送ラインC2は、第1塗装ブースB1を通過しないことで、複数の車種の車体CBを容易に塗装することができる。また、上記実施形態では、分岐点Paは、電着ブースBeと第1塗装ブースB1との間にあるが、電着ブースBeの上流側にあってもよい。
(B2)上記実施形態では、第1塗装エリアA1は、第2塗装エリアA2の上流側に配置されている。他の実施形態として、第1塗装エリアA1が第2塗装エリアA2の下流側に配置されてもよい。複数の車種の塗膜構成において、共通の塗膜と、共通の塗膜以外の塗膜との塗装の順番により、第1塗装エリアA1と第2塗装エリアA2との配置順を決定するとよい。つまり、共通の塗膜と電着塗膜との間に、共通の塗膜以外の塗膜を有する車種が無い場合には、第2塗装エリアA2を第1塗装エリアA1の上流側に配置するとよい。
(B3)上記実施形態では、第1搬送ラインC1には、分岐点Pa、第4点PO4、および第2点PO2が、上流から下流に向かってこの順に配置されているが、各点の配置順は、この順に限られない。また、複数の点が同じ位置に設けられていてもよい。具体的には、分岐点Paと第4点PO4とが同じ位置に設けられ、1つの切替機構10にて実現されてもよい。また、複数の搬送ラインCの一部が共通のコンベアにより実現されてもよい。具体的には、第3搬送ラインC3と第4搬送ラインC4との上流側の一部が共通のコンベアにより実現されてもよい。
(B4)上記実施形態では、第1塗装ブースB1では、塗装ロボット34に供給される塗料が切り替えられることにより、通過する車体CBに対して、中塗り塗膜とクリア塗膜とのいずれかを形成可能に構成されている。他の実施形態として、第1塗装ブースB1に
中塗り塗装用の塗装ロボット34と、クリア塗装用の塗装ロボット34とを第1搬送ラインC1に沿って並べて、択一的に塗装させることにより、通過する車体CBに対して、中塗り塗膜とクリア塗膜とのいずれかを形成可能に構成してもよい。
中塗り塗装用の塗装ロボット34と、クリア塗装用の塗装ロボット34とを第1搬送ラインC1に沿って並べて、択一的に塗装させることにより、通過する車体CBに対して、中塗り塗膜とクリア塗膜とのいずれかを形成可能に構成してもよい。
(B5)上記実施形態では、第1車種、第2車種、および第3車種の車体CBが塗装される。塗装システム1にて塗装される車種およびその塗膜構成は上記に限られない。塗装システム1により、例えば、クリア塗膜が3層以上形成される車種を塗装することも可能である。
(B6)上記実施形態では、塗装システム1は、第1塗装エリアA1の前に電着塗装エリアAeを備えている。他の実施形態として、塗装システム1は、電着塗装エリアAeを備えていなくてもよい。車体CBが、金属製ではなく樹脂製の場合には、電着塗膜を省くことができるからである。この場合、車体CBは、塗装の前工程から第1塗装エリアA1に搬送される。そして、車体CBの上に、第1ベース塗膜または中塗り塗膜が形成される。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…塗装システム、10…切替機構、12…取得部、20…管理装置、22…記憶部、24…塗装情報、32…区画壁、36…支持部材、38…ICタグ、A1…第1塗装エリア、A2…第2塗装エリア、Ae…電着塗装エリア、B1…第1塗装ブース、B2…第2塗装ブース、B2a…上流側第2塗装ブース、B2b…下流側第2塗装ブース、Be…電着ブース、C…搬送ライン、C1…第1搬送ライン、C2…第2搬送ライン、C3…第3搬送ライン、C4…第4搬送ライン、C5…第5搬送ライン、C6…第6搬送ライン、CB…車体、F1,F3…乾燥炉、F2…PH炉、P10,P12,P14,P16,P18,P26,P28,P30…工程、P20…第1形成工程、P22…第2形成工程、P24…第3形成工程、PO1…第1点、PO2…第2点、PO3…第3点、PO4…第4点、PO5…第5点、PO6…第6点、Pa…分岐点、Pb…接続点
Claims (12)
- 塗装を行う塗装システムであって、
車体に第1塗膜層を形成するための第1塗装ブースと、
前記車体に前記第1塗膜層とは異なる第2塗膜層を形成するための第2塗装ブースと、
前記車体を支持して搬送方向に搬送する第1搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとを通過する第1搬送ラインと、
前記車体を支持して前記搬送方向に搬送する第2搬送ラインであって、前記第1塗装ブースを通過せずに、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の接続点にて前記第1搬送ラインと接続する第2搬送ラインと、を備える、塗装システム。 - 請求項1に記載の塗装システムであって、
前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの上流側にあり、
前記塗装システムは、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースの前記上流側に電着塗装を行う電着ブースをさらに備え、
前記第2搬送ラインは、前記電着ブースと前記第1塗装ブースとの間にある前記第1搬送ライン上の分岐点から分岐する、塗装システム。 - 請求項2に記載の塗装システムであって、さらに、
前記車体に予め付与された識別子を取得する取得部と、
前記識別子と、複数の塗膜で構成された塗膜構成とが予め対応付けられた塗装情報を記憶する記憶部と、
前記分岐点に配置され、前記車体の搬送先を前記第1搬送ラインと前記第2搬送ラインとの何れかに切り替える切替機構と、を備え、
前記切替機構は、
前記取得部により取得された前記識別子と前記塗装情報とを用いて前記搬送先を切り替える、塗装システム。 - 請求項1に記載の塗装システムであって、
前記車体は、複数の塗膜で構成された塗膜構成が互いに異なる複数の車種を有し、
前記第1塗膜層は、少なくとも第1塗膜を含み、
前記第2塗膜層は、少なくとも第2塗膜を含み、
前記複数の車種は、
前記塗膜構成が、前記第1塗膜を含まず、少なくとも単層の前記第2塗膜を含む第1車種と、
前記塗膜構成が、少なくとも、単層の前記第1塗膜と単層の前記第2塗膜とを含む第2車種と、を含み、
前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの上流側にあり、単層の前記第1塗膜を形成可能に構成されており、
前記第2塗装ブースは、単層の前記第2塗膜を形成可能に構成されている、塗装システム。 - 請求項4に記載の塗装システムであって、
前記第2塗膜層は、さらに第3塗膜と、第4塗膜とを含み、
前記第1車種は、前記塗膜構成に、さらに、単層の前記第3塗膜と単層の前記第4塗膜とを含み、
前記第2車種は、前記塗膜構成に、さらに、単層の前記第3塗膜と単層の前記第4塗膜とを含み、
前記複数の車種は、さらに、
前記塗膜構成が、少なくとも、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第2塗膜と、単層の前記第3塗膜と、単層の前記第4塗膜とを含むとともに、前記第1塗膜と、前記第4塗膜とのうち、少なくともいずれか一方が複数層である第3車種を含み、
前記第1塗装ブースは、
通過する前記車体に対して、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第4塗膜とのいずれか一方を形成可能に構成されている、塗装システム。 - 請求項1に記載の塗装システムであって、
前記第1塗膜層は、第1塗膜を含み、
前記第2塗膜層は、少なくとも第2塗膜と第3塗膜とを含み、
前記第2塗膜と前記第3塗膜とは有色であるとともに、前記第2塗膜と前記第3塗膜とは互いに色が異なり、
前記第2塗装ブースでは、
前記車体の外板部に前記第2塗膜を形成する第1形成工程と、
前記車体の内板部に前記第3塗膜を形成する第2形成工程と、
前記外板部に前記第3塗膜を形成する第3形成工程と、がこの順に行われる、塗装システム。 - 請求項1に記載の塗装システムであって、
前記第1塗装ブースは、前記第2塗装ブースの上流側にあり、
前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第3搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の第1点から分岐して、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースより前記上流側にある第2点にて合流する第3搬送ラインをさらに有する、塗装システム。 - 請求項7に記載の塗装システムであって、
前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第4搬送ラインであって、前記第1搬送ライン上の前記第2塗装ブースより下流側にある第3点から分岐して、前記第1搬送ライン上の前記第1塗装ブースより前記上流側にある第4点にて合流する第4搬送ラインをさらに有する、塗装システム。 - 請求項8に記載の塗装システムであって、
前記車体を支持して前記搬送方向の逆方向に搬送する第5搬送ラインであって、前記第1搬送ライン上の前記第2塗装ブースより前記下流側にある第5点から分岐して、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の第6点にて合流する第5搬送ラインを有する、塗装システム。 - 塗装を行う塗装システムであって、
前記塗装システムは、複数の塗膜で構成された塗膜構成が互いに異なる複数の車種の車体を塗装し、
前記複数の車種のそれぞれの前記塗膜構成について、共通の塗膜以外の塗膜を形成するための第1塗装ブースと、
前記共通の塗膜を形成するための第2塗装ブースと、
前記車体を支持して搬送方向に搬送する第1搬送ラインであって、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとを通過する第1搬送ラインと、
前記車体を支持して前記搬送方向に搬送する第2搬送ラインであって、前記第1塗装ブースを通過せずに、前記第1塗装ブースと前記第2塗装ブースとの間の前記第1搬送ライン上の接続点にて前記第1搬送ラインと接続する第2搬送ラインと、を備える、塗装システム。 - 請求項10に記載の塗装システムであって、
前記複数の車種は、
前記塗膜構成が、第1塗膜を含まず、第2塗膜と第3塗膜とを含む第1車種と、
前記塗膜構成が、前記第1塗膜と、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とを含む第2車種と、を含み、
前記第1塗装ブースは、前記共通の塗膜以外の塗膜としての前記第1塗膜を塗装可能に構成され、
前記第2塗装ブースは、前記共通の塗膜としての前記第2塗膜と前記第3塗膜とを塗装可能に構成されている、塗装システム。 - 請求項11に記載の塗装システムであって、
前記第1車種は、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とをそれぞれ単層含むとともに、単層の第4塗膜を含み、
前記第2車種は、前記第1塗膜と、前記第2塗膜と、前記第3塗膜とをそれぞれ単層含むとともに、単層の前記第4塗膜を含み、
前記複数の車種は、さらに、
前記塗膜構成が、単層の前記第1塗膜と、単層の前記第2塗膜と、単層の前記第3塗膜と、単層の前記第4塗膜とを少なくとも含むとともに、前記第1塗膜と、前記第4塗膜とのうち、少なくともいずれか一方が複数層である第3車種を含み、
前記第1塗装ブースは、通過する前記車体に対して、前記第1塗膜と、前記第4塗膜との何れか一方を形成可能に構成されている、塗装システム。
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JP2022181975A Pending JP2024071166A (ja) | 2022-11-14 | 2022-11-14 | 塗装システム |
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2022
- 2022-11-14 JP JP2022181975A patent/JP2024071166A/ja active Pending
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