以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技価値としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、所定数のメダルを投入(ベット)する際に用いられるスイッチである。なお、ベットスイッチ116には、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)するマックスベットスイッチ、規定数の範囲内で1枚分のメダルを追加的に投入する1ベットスイッチが含まれる。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126や、モータによって演出役物を駆動する演出役物装置127が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段という)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてオフの位置からオンの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。ここでは、ベットを実行するこれらの手段を投入手段という場合がある。また、有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、有効ラインAは、左リール110aの上段、中リール110bの中段、右リール110cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、B3、Cを想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。また、このような、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る1遊技を、後述する疑似遊技(擬似遊技)と区別するため、基本遊技という場合もある。ここで、基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が疑似遊技と組合せて行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。したがって、疑似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数の計数に影響しない。ただし、ホールコンピュータ(図示せず)が管理する遊技数については、仕様により、疑似遊技を遊技数として計数してもよいし、計数しないとしてもよい。
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部414b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転制御するリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。また、本実施形態においては、リール演出として、基本遊技におけるスタートスイッチ118の操作に応じ、基本遊技を中断して、基本遊技の進行を遅延させ、その間に、リール110a、110b、110cを回転制御し、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じてリール110a、110b、110cを仮停止制御する、基本遊技に似せた疑似遊技を行う場合がある。なお、疑似遊技は、再度のスタートスイッチ118の操作、または、仮停止制御から所定時間が経過したことを条件に終了し、基本遊技におけるリール110a、110b、110cの回転制御が再開する。また、疑似遊技の一例として、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御することもできる。かかる疑似遊技では、基本遊技と類似の回転制御および停止態様あるいは異なる回転制御および停止態様で演出を実行することができるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、仮停止は、一見停止しているように見えるが、リール110a、110b、110cのステッピングモータ152の位相信号を500msec以内で変化させ続けることで、完全停止していない状態を示し、仮停止制御は、リール110a、110b、110cを仮停止させる制御を示す。ただし、特に区別する場合を除き、一方向に回転することなく、その位置を維持しているという意味で停止も仮停止も単に停止として扱い、また、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止させる意味で、停止制御も仮停止制御も単に停止制御として扱う。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定回数分計数すると計数値をリセットする(数列を変更して初期値を定める)ことで、所定の数値範囲内で計数値をループさせる。主制御基板200では、所定の時点において乱数発生器200dから計数値を抽出することで乱数値を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数値(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数値(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126、演出役物装置127の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。
具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に画像を表示させる画像表示制御を行う。また、演出制御手段334は、スピーカ128を通じて音声出力制御を行ったり、演出役物装置127を駆動制御したり、演出用ランプ126を点灯制御したりする。
図5は、副制御基板202における、液晶表示部124、スピーカ128、演出役物装置127、演出用ランプ126、演出スイッチ122の制御態様を説明するためのブロック図である。演出制御手段334は、主制御基板200から送信されたコマンドを解読し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出の一連の流れを示す内容)を決定する。また、演出制御手段334は、決定された演出パターンに基づいて画像IC340a、音声IC342a、演出制御IC344等の各デバイスにコマンドを送信して演出を実行させる。
このような演出は、電源が投入されている間、割込処理として常時実行される。例えば、演出制御手段334は、演出パターンに基づいた画像データ(演出パターンが示す演出のうち、液晶表示部124に表示する画像に相当するデータ)を決定する。そして、演出制御手段334は、画像IC340aに、画像データを特定可能な画像コマンドを送信する。画像IC340aは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROM340bから画像RAM(VRAM)340cに読み出し、画像データを、順次、液晶表示部124に出力する。なお、画像RAM340cは、複数の異なるレイヤを有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像IC340aは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、その重畳した画像データを液晶表示部124に出力する。各レイヤには優先順位が設けられており、優先順位が高いレイヤの画像と優先順位が低いレイヤの画像とが重なる場合、優先順位が高いレイヤの画像が、優先順位が低いレイヤの画像より遊技者側に重畳され、遊技者に視認されることとなる。
また、演出制御手段334は、画像IC340aに対する制御に引き続き、演出パターンに基づいた音声データ(演出パターンが示す演出のうち、スピーカ128に出力する音声を含む音に相当するデータ)を決定する。そして、演出制御手段334は、音声IC342aに対して、音声データを特定可能な音声コマンドを送信する。音声IC342aは、音声コマンドによって特定される音声データを、音声ROM342bから音声IC342aに読み出し、音声データに基づく音を、順次、スピーカ128に出力する。なお、音声IC342aは、複数の異なるレイヤ(トラックやチャンネルという場合がある)を有し、各レイヤに異なる音声データを保持させることができる。そして、音声IC342aは、複数のレイヤに保持された音声データを重畳し、その重畳した音声データに基づく音をスピーカ128に出力する。ここでは、演出制御手段334、音声IC342a、および、スピーカ128を含む、外部への音の出力を制御する手段を音制御手段という場合がある。
また、演出制御手段334は、画像IC340aおよび音声IC342aに対する制御に引き続き、演出パターンに基づいた照明パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出用ランプ126の一連の点灯態様を示す内容)および駆動パターン(演出パターンが示す演出のうち、演出役物装置127の一連の駆動態様を示す内容)を決定する。そして、演出制御手段334は、その照明パターンおよび駆動パターンを示すコマンドを演出制御IC344に送信する。演出制御IC344は、かかるコマンドに従い、発光に関する情報(発光情報)や、モータの駆動に関する情報(駆動情報)を生成し、生成した発光情報や駆動情報を、演出用ランプ126や演出役物装置127にシリアル通信を通じて送信する。ここでシリアル通信が用いられるのは、ハーネスの数の抑制や取り回しを簡易化するためである。こうして、複数の演出用ランプ126それぞれが独立して点灯制御されるとともに、複数の演出役物装置127それぞれが独立して駆動制御される。
また、演出制御IC344は、発光情報や駆動情報を、シリアル通信を通じて送信するとともに、シリアル通信を通じて演出スイッチ122等の入力情報(操作有無、操作タイミング、操作回数、操作時間長等)を取得する。演出制御手段334は、かかる入力情報に応じて、液晶表示部124に所定の画像を表示する等、さまざまな演出を決定する。
ここでは、サブCPU202a、サブRAM202c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、音声IC342a、音声ROM342b、演出制御IC344等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1つの集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。
なお、演出制御手段334が実行する演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、遊技者に有利となる操作態様を報知する演出である。例えば、当選種別抽選において、正解役と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、演出制御手段334は、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知したりする。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。なお、正解役は、その当選役が入賞したことによるメダルの払い出しのみならず、その当選役が入賞することで得られる全ての遊技利益を含めて不正解役より有利な当選役をいう。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される、所謂、ART遊技状態を用いることもある。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出実行手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。特に、本実施形態においては、主報知手段(指示モニタ)として、メイン払出表示部132に、操作態様(打順)を特定可能な数値(指示番号)を表示し、他報知手段として、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128を通じて操作順を報知する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図6は、当選役を説明するための説明図であり、図7は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRBB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図6に示すように、ボーナス役として、当選役「RBB」が設けられている。また、リプレイ役として、当選役「リプレイ1」~「リプレイ3」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役48」が設けられている。図6では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、以下では、当選役「小役2」~「小役5」を当選役「9枚役」、当選役「小役1」、「小役6」~「小役24」、「小役26」~「小役48」を当選役「1枚役」、当選役「小役2」~「小役5」を当選役「ベル」と略す場合がある。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂、蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「リプレイ1」~「リプレイ3」、当選役「小役1」~「小役5」、「小役10」、「小役11」、「小役16」~「小役24」、「小役26」~「小役32」、「小役34」~「小役39」、「小役48」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「RBB」、当選役「小役6」~「小役9」、「小役12」~「小役15」、「小役25」、「小役33」、「小役40」~「小役47」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂、取りこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図7に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、不当選(ハズレ)の有無が異なったりする。図7では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RBB内部中遊技状態(RBB内部中)、RBB作動中遊技状態(RBB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「◎」や「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「◎」は有利区間に移行させる抽選を行うことが可能な有利区間抽選可当選種別であることを示し、「○」は有利区間に移行させる抽選を行うことが不可な有利区間抽選不可当選種別であることを示している。
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
ここで、当選役「RBB」について補足する。所定の第1種特別役物(RB)は、規定数毎の入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数毎の入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。
図7の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図6に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。
図7における各当選領域には、それぞれ複数の当選役が重複して含まれる当選種別が対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番、および、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミング(リール110の操作位置)が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、選択当選種別である当選領域15の当選種別「打順ベルA1」に当選し、正解操作態様(打順3)での操作が行われた場合、払出枚数が9枚の正解役である当選役「小役2」(当選役「ベル」)に対応する図柄組み合わせが、所謂、枚数優先制御により有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順1、2、4~6での操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが、所謂、個数優先制御により有効ラインA上に1/1もしくは1/2の確率で表示されるように停止制御がなされる。
なお、当選領域15~18の選択当選種別(当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」)の当選確率(置数)、当選領域19~22の選択当選種別(当選種別「打順ベルB1」~「打順ベルB4」)の当選確率、当選領域23~30の選択当選種別(当選種別「打順ベルC1」~「打順ベルC8」)の当選確率は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される操作態様でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、取りこぼしが発生することがある(PB≠1)。なお、以下では、当選領域15~30の16個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある。
また、当選領域33の当選種別「リプレイ1」に当選し、打順3~打順6での操作が行われた場合、当選役「リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、無効ラインB1上に図柄「赤7」、図柄「白7」、図柄「BAR」のいずれかの図柄を直線状に表示することが可能となる。一方、当選領域34の当選種別「リプレイ2」に当選し、打順4~打順6での操作が行われた場合、当選役「リプレイ3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、中リール110b、右リール110cに関しては、無効ラインB1上に図柄「赤7」、図柄「白7」、図柄「BAR」のいずれかの図柄を直線状に表示することが可能となるが、左リール110aに関しては無効ラインB1上に図柄「赤7」、図柄「白7」、図柄「BAR」を表示することができない。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれるリプレイ役のうちのいずれかのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図8を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移させる。なお、各遊技状態において当選可能な当選種別は、図7において「◎」や「○」で表される。
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が所定の確率(例えば約1/30)で決定されている。遊技状態制御手段312は、当選役「RBB」の当選に応じて遊技状態を遷移させる。例えば、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中遊技状態に移行させる(1)。
RBB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域1に「1枚ALL」が、当選領域2に当選種別「小役ALL」が設定されている。当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役1」、「小役6」~「小役24」、「小役26」~「小役48」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、当選種別「小役ALL」に当選すると、当選役「小役1」~「小役48」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御される。ここでは、かかる小役の構成によりRBB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くしている。
RBB作動中遊技状態の終了条件が成立すると、すなわち、獲得枚数が所定枚数(例えば22枚)を超えると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(2)。
一方、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB内部中遊技状態に移行させる(3)。
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、RBB内部中遊技状態では当選種別「ハズレ」に当選することはない。換言すれば、当選役「RBB」の当選遊技で当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、その後は、当選役「RBB」より小役やリプレイ役の方が優先して有効ラインA上に停止制御されるので、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができない。したがって、一旦、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、その後、遊技状態が遷移することなく、RBB内部中遊技状態が維持されることとなる。ここでは、かかるRBB内部中遊技状態を維持しつつ、そのRBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現する。
ここでは、RBB内部中遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ、その結果、例えば、RBB内部中遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中遊技状態では、複数種類の正解役が重複して当選するため、正解役を入賞させることができる機会が少ないので、他の遊技状態におけるAT演出状態よりも正解役を入賞させることができる機会が減り、遊技者が所有するメダルを増やしにくくしている。したがって、RBB内部中遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動中遊技状態がRBB内部中遊技状態に劣るという仕様(アクセルRBB)を実現することができる。
(演出状態の遷移)
図9は、演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態について詳述する。
ここで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間等を含む、遊技者にとって有利な遊技区間を有利区間として定義する。なお、有利区間は、主制御基板200で補助演出の作動に係る抽選等を行った結果、補助演出が作動した場合には、主制御基板200において指示の内容が識別できるよう、例えば、主報知手段に表示したときに限り、指示の内容を示す情報を、副制御基板202等の周辺基板に送信してもよい遊技区間である。また、有利区間と異なり、補助演出(指示機能)を実行することができない遊技区間を非有利区間とする。したがって、複数の演出状態は、遊技区間である有利区間および非有利区間のいずれかに属することとなる。本実施形態では、ほぼ全ての演出状態が有利区間に属し、一部の演出状態(ここでは非有利演出状態)で非有利区間を実現している。
なお、有利区間において、補助演出がないと正解役を取りこぼしてしまう当選態様のうち、正解役の配当が最大(ここでは、9枚)となる選択当選種別において、正解役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を行う場合、例えば、区間表示器160を点灯させることによって、その旨を報知しなければならない。
また、非有利区間においては、当選種別の当選確率を設定値毎に異ならせることは可能であるが、同一の当選種別において補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行を決定する確率は設定値毎に異ならせてはならない。一方、有利区間においては、当選種別の当選確率、および、同一の当選種別における補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行(または追加)を決定する確率のいずれも設定値毎に異ならせることは可能である。
したがって、演出状態制御手段314は、演出状態の移行の管理に加え、非有利区間と有利区間との移行も管理することとなる。また、有利区間は、このような管理に拘わらず、以下の終了条件が成立することで強制的に終了する。例えば、スロットマシン100では、有利区間において計数される値が所定値に達したこと(例えば、滞在遊技数が4000遊技に達したり、MYが2400枚を超えたこと)に基づいて有利区間が強制的に終了する。なお、MYは有利区間が開始されてからの差枚数を示す。したがって有利区間が開始されてからメダルを1000枚投入(消費)している場合、有利区間中においてメダルを3400枚獲得することが可能となる。なお、スロットマシンの遊技性を維持しつつ、実物のメダルの介在なしに遊技を進行することができるメダルレス遊技機では、滞在遊技数の制限を設けなくてよいので、有利区間においてMYが2400枚を超えたことに基づいて有利区間が強制的に終了することとなる。いずれの場合においても、演出状態制御手段314は、有利区間から非有利区間に移行することで、有利区間で更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)を全てリセットする。
(非有利区間、有利区間)
非有利区間においては、補助演出が実行されないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。ここでは、非有利区間の演出状態として非有利演出状態が設けられている。
有利区間においては、選択当選種別の当選時において補助演出実行手段に補助演出を実行させることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、有利区間に移行することで、非有利区間と比べ、遊技を有利に進行することができる。ここでは、有利区間の演出状態として、それぞれ遊技性が異なる、通常演出状態、前兆演出状態、AT演出状態、振分演出状態、特別前兆演出状態、特別演出状態が設けられている。以下、各演出状態について個々に説明する。
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間に属し、複数の演出状態のうち、遊技の開始時に滞在している可能性が高い演出状態である。演出状態制御手段314は、通常演出状態においてAT抽選を行う。AT抽選は、AT演出状態への移行を決定する抽選であり、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率でAT抽選を行う。演出状態制御手段314は、AT抽選に当選すると、演出状態を、AT演出状態の前段に相当する前兆演出状態に移行させ(1)、AT演出状態への移行が決定したことの期待度を高める前兆演出を演出制御手段334に実行させる。また、演出状態制御手段314は、AT抽選に非当選であっても、通常演出状態を維持したまま、演出制御手段334に前兆演出を実行させる場合があり、遊技者に、AT演出状態への移行が決定しているのではないかと期待させることができる。また、演出状態制御手段314は、通常演出状態において所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めた、所謂、チャンスゾーン(CZ)を複数遊技に亘って実行する。かかるチャンスゾーンにおいてAT抽選に当選した場合も、演出状態制御手段314は、演出状態を前兆演出状態に移行させる(1)。
(前兆演出状態)
前兆演出状態は、有利区間に属し、所定遊技数(ここでは、例えば、32遊技以下の所定の遊技数)の間、前兆演出を実行する演出状態である。なお、前兆演出状態において実行される前兆演出(本前兆演出)と、通常演出状態において実行される前兆演出(ガセ前兆演出)とは、表示態様や継続遊技数を類似させている。したがって、遊技者は、前兆演出を視聴するのみでは、いずれの演出状態に滞在しているのか見分けがつかないようになっている。ただし、前兆演出状態において実行される前兆演出は、最終的に、AT演出状態への移行が決定された旨の結果が報知される点で、通常演出状態において実行される前兆演出と異なる。したがって、遊技者は、前兆演出において、AT演出状態への移行が決定された旨の結果が報知される前兆演出状態であることを望むこととなる。そして、演出状態制御手段314は、前兆演出状態が終了すると、演出状態を必ずAT演出状態に移行させる(2)。すなわち、前兆演出が前兆演出状態で実行されている場合、必ず、AT演出状態へ移行することとなる。この点で、前兆演出状態は、通常演出状態より遊技者に有利である。また、前兆演出状態への移行が決定することは、その後のAT演出状態への移行が決定したことと同義である。
(AT演出状態)
AT演出状態は、有利区間に属し、補助演出が実行される演出状態である。演出状態制御手段314は、AT演出状態が開始されると、まず、継続期間決定演出状態に移行し、AT演出状態の継続期間(ここでは継続遊技数)を決定する。演出状態制御手段314は、所定の終了条件が成立するまで、例えば、AT演出状態に滞在した遊技数が、決定された継続遊技数(例えば、50遊技)に到達するまで、補助演出を継続する。また、演出状態制御手段314は、AT演出状態において、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率で継続遊技数の上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選に当選すると、演出状態制御手段314は、終了条件である継続遊技数に当選した遊技数を加算する。こうしてAT演出状態の終了条件が変化する。そして、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を通常演出状態に移行させる(3)。
このように、本実施形態において、遊技者は、通常演出状態に滞在しつつ、AT演出状態へ移行することを期待し、前兆演出が開始されると、その前兆演出が本前兆、すなわち、前兆演出状態での前兆演出であることを願うこととなる。ここでは、前兆演出においてAT演出状態への移行が報知されなかった場合、通常演出状態が継続され、前兆演出においてAT演出状態への移行が報知されると、前兆演出状態終了後にAT演出状態が実行される。
なお、AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行させるが(3)、演出状態を非有利演出状態に移行させ(4)、有利区間をリセットする場合がある。有利区間がリセットされると、上述したように、有利区間において更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)がクリアされる。ただし、遊技者は、移行時の演出態様によっては、演出状態が通常演出状態に移行したか非有利演出状態に移行したか分からないようになっている。
(非有利演出状態)
非有利演出状態は、非有利区間に属し、初期状態の演出状態である。演出状態制御手段314は、非有利演出状態において、例えば、毎遊技、約1/2の確率で有利区間への移行を決定し、有利区間への移行が決定されると、演出状態を、必ず、振分演出状態に移行させる(5)。したがって、非有利演出状態での滞在遊技数は短期(数遊技)となることが多い。
(振分演出状態)
振分演出状態は、有利区間に属し、非有利区間から有利区間に移行する際に必ず経由し、例えば1遊技のみ滞在する演出状態である。振分演出状態では、演出状態が通常演出状態または前兆演出状態のいずれかに振分けられる。具体的に、演出状態制御手段314は、例えば、1/10の確率で前兆演出状態への移行を決定して演出状態を前兆演出状態へ移行させるか(6)、9/10の確率で通常演出状態への移行を決定して演出状態を通常演出状態に移行させる(7)。ただし、かかる振分けの比率は、前兆演出状態:通常演出状態=1:9に限らず、任意に決定することができる。
仮に、振分演出状態で前兆演出状態が決定された場合、所定遊技数継続される前兆演出状態を経由して(前兆演出を経て)、演出状態が必ずAT演出状態に移行されることとなる。また、振分演出状態で前兆演出状態が決定されなかった場合、演出状態は通常演出状態となる。しかし、通常演出状態では、その通常演出状態への経路によってAT抽選の当選確率を異ならせている。例えば、上述したように、演出状態が、AT演出状態から、直接、通常演出状態に移行した場合(3)、演出状態制御手段314は、AT演出状態から移行した(非有利演出状態から移行していない)通常演出状態において、低確率(例えば、1/4000)でAT抽選を行う。
一方、非有利区間から有利区間に移行したことに伴い、演出状態が、非有利演出状態および振分演出状態から通常演出状態に移行した場合(7)、演出状態制御手段314は、非有利区間から移行した通常演出状態において、高確率(例えば、1/8)でAT抽選を行う。したがって、非有利演出状態から移行した(非有利区間を経由した)通常演出状態では、いずれAT抽選に当選することとなる。なお、ここでは、AT抽選の当選確率として低確率(例えば、1/4000)と高確率(例えば、1/8)の2パターンを挙げて説明したが、当選確率に3以上のパターンを設け、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、比較的高い当選確率でAT抽選を行うとしてもよい。また、かかる当選確率は1/8や1/4000等に限らず、非有利演出状態から移行した通常演出状態の方が、非有利演出状態から移行していない通常演出状態よりAT演出状態への移行が決定し易ければ足り、例えば、非有利演出状態から移行した通常演出状態におけるAT抽選の当選確率が、非有利演出状態から移行していない通常演出状態におけるAT抽選の当選確率より高く設定されれば、その当選確率を任意に設定することができる。
ただし、演出状態制御手段314は、非有利演出状態から移行した通常演出状態において、AT抽選に当選したとしても、直ちに前兆演出状態に移行させず、振分演出状態が終了してから、例えば、96遊技のブロック期間、通常演出状態に滞在させ、AT演出状態への移行を禁止する。具体的に、演出状態制御手段314は、非有利演出状態から移行した通常演出状態においてAT抽選に当選すると本前兆許可フラグをONする。本前兆許可フラグは前兆演出状態への移行可否を示すフラグであり、ONとなることで前兆演出状態への移行が許可される。本前兆許可フラグが一旦ONされると、前兆演出状態に移行するまでON状態が維持されるため、その後にAT抽選に当選しても、本前兆許可フラグはON状態のままである。なお、演出状態制御手段314は、振分演出状態から通常演出状態への移行時に、96遊技以内の遊技数を抽選により決定し、ブロック期間とする。ただし、ブロック期間としては96遊技が選択されることが多くなるように設定されている。
演出状態制御手段314は、振分演出状態が終了してからの遊技数をカウントし、ブロック期間の間、本前兆許可フラグがONされたか否かに拘わらず、演出状態を前兆演出状態に移行させない。そして、演出状態制御手段314は、ブロック期間が経過し(ブロック期間に相当する所定遊技数に到達し)、かつ、本前兆許可フラグがONであれば、演出状態を前兆演出状態に移行させ(8)、本前兆許可フラグをリセットする。したがって、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、AT抽選に早期に当選したとしても、少なくともブロック期間に相当する96遊技を消化しなければ、前兆演出状態には移行しない。
このように、非有利演出状態(非有利区間)を経由すると、遊技者は、以下の特典を得られる。すなわち、1/10の確率で、即座に前兆演出状態に移行し、前兆演出状態を経て、AT演出状態に移行し、あるいは、9/10の確率で、通常演出状態に移行し、ブロック期間経過後に前兆演出が実行され、前兆演出状態を経て、AT演出状態に移行する。そうすると、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、0~96遊技経過後に前兆演出が始まり、前兆演出終了後、すなわち、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、32~128遊技経過後にはほぼAT演出状態へ移行することとなる。このように所定の遊技数の間、高確率でAT抽選に当選することを「天国」や「天国モード」という場合がある。したがって、遊技者は、非有利演出状態(非有利区間)への移行、すなわち、有利区間のリセットを望むこととなる。
ここでは、非有利演出状態を経由した場合、すなわち、非有利区間から有利区間に移行した場合に、高確率でAT演出状態に移行し易い通常演出状態を採用しつつ、ブロック期間を設けることで、その開始契機を、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから128遊技経過後に偏らせている。換言すれば、AT演出状態が終了して通常演出状態に降格したとしても、128遊技経過するまでは、AT演出状態を再度実行する(引き戻す)可能性が高いことになる。したがって、遊技者は、AT演出状態の終了後にAT演出状態の引き戻しを期待して、遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
また、演出状態制御手段314は、非有利演出状態から移行した通常演出状態においても、AT演出状態から移行した通常演出状態同様、所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めたチャンスゾーンを複数遊技に亘って実行する。かかるチャンスゾーンにおいてAT抽選に当選した場合、上記のブロック期間であるか否かに拘わらず、演出状態制御手段314は、演出状態を前兆演出状態に移行させる。なお、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、本来、ブロック期間経過後に前兆演出状態に移行できるはずである。そうすると、自力でAT演出状態への移行を決定したことで、代わりに、本来、獲得できたはずのAT演出状態が消失することとなり、遊技者の遊技意欲が減退するおそれがある。そこで、非有利演出状態から移行した通常演出状態におけるチャンスゾーンでAT抽選に自力で当選すると、演出状態制御手段314は、その後のAT演出状態の終了後に、再度、演出状態を非有利演出状態に移行させる(4)。こうして、遊技者は、非有利演出状態を経由したことの遊技利益を漏れなく受けることが可能となる。また、遊技者は、ブロック期間として選ばれやすい96遊技より前に、チャンスゾーンが開始されることで、チャンスゾーンにおけるAT抽選の当選、すなわち、AT演出状態が少なくとも2回実行されることを期待することができる。
本実施形態では、上述したように、AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に直接移行させる場合(3)と、演出状態を非有利演出状態に移行させる場合(4)とがある。ここで、演出状態を非有利演出状態に移行させる条件として、AT抽選において、所定の遊技利益を有するAT演出状態への移行に当選したことが挙げられる。例えば、AT演出状態には、継続遊技数や、差枚数の上乗せ確率が異なる複数種類のAT演出状態がある。そのうちの特定のAT演出状態に当選すると、演出状態制御手段314は、AT演出状態の終了後、必ず、演出状態を非有利演出状態に移行させる(4)。また、特定のAT演出状態に当選しなくとも、演出状態制御手段314は、AT演出状態の終了後、所定の確率で、演出状態を非有利演出状態に移行させるとしてもよい(4)。
ここでは、有利区間を一旦リセットしている。したがって、遊技者は、有利区間に許容される滞在遊技数、例えば、4000遊技の開始時から比較的少ない遊技数で、遊技利益の高いAT演出状態に移行することができ、また、有利区間に許容される滞在遊技数を有効に利用して遊技利益を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、AT演出状態終了後、通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態制御手段314は、演出状態を前兆演出状態に移行させる(1)。ただし、AT演出状態に移行することなく、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、2000遊技)に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態制御手段314は、最終的に非有利演出状態へ移行させることを決定し、演出状態を前兆演出状態に移行させることなく、前兆演出(ガセ前兆演出)を行ってAT演出状態へ直接移行していない旨を報知した後に、まず、特別前兆演出状態に移行させる(9)。なお、ここでは、非有利演出状態(非有利区間)への移行を決定する所定の移行条件として、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、2000遊技)に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選することを挙げて説明したが、かかる場合に限らず、所定の移行条件として、有利区間での滞在遊技数が所定遊技数に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選することとしてもよい。また、所定の移行条件として、上記に代えて、または、加えて、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、3000遊技)に到達すること(所謂、天井機能)や、チャンスゾーン(CZ)においてAT抽選に当選しなかったことに基づく再度のAT抽選に当選することとしてもよい。
(特別前兆演出状態)
特別前兆演出状態は、有利区間に属し、予め定められた所定遊技数(例えば、10遊技)滞在する演出状態であり、特別演出状態抽選を行うとともに、特別演出状態への移行期待度を示す前兆演出を実行する。ここで、特別演出状態抽選は、継続遊技数の上乗せ抽選であり、遊技数が1回以上上乗せされることにより、特別演出状態への移行が決定する。演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率で特別演出状態抽選を行う。ここで、特別演出状態抽選は、設定値に応じて遊技利益が安定して段階的に異なるように設計される。例えば、任意に抽出した2つの設定値において、設定値が高い方が、設定値が低い方より、特別演出状態抽選により遊技数が上乗せされる確率が高く設計される。したがって、例えば、上乗せされる遊技数は、設定1で30遊技、設定6で60遊技となり、設定値が高い方が比較的遊技利益を得やすい遊技性を構成することができる。演出状態制御手段314は、特別演出状態抽選に当選すると、その上乗せされた遊技数の累計(継続遊技数)を特別演出状態の終了条件として設定し、演出状態を特別演出状態に移行させる(10)。また、演出状態制御手段314は、特別演出状態抽選に当選していなければ、演出状態を非有利演出状態に直接移行させる(11)。なお、ここでは、特別演出状態において、継続遊技数を特別演出状態抽選により上乗せする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、予め定められた継続遊技数を上乗せしてもよいし、当選種別「リーチ目」や当選種別「チェリー」等の、所謂、レア役が当選した場合の抽選により継続遊技数を上乗せしてもよい。また、ここでは、特別演出状態において、継続遊技数を上乗せする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、獲得枚数(払出枚数)やメダルの投入枚数(ベット枚数)と払出枚数との差である差枚数を上乗せするとしてもよい。
(特別演出状態)
特別演出状態は、有利区間に属し、所定の終了条件が成立するまで、補助演出が実行される。かかる終了条件は、例えば、特別演出状態に滞在した遊技数が継続遊技数に到達したことといったように、特別演出状態が開始されるまでに決定された遊技利益の付与が、特別演出状態中に完了することである。例えば、特別前兆演出状態の終了時(特別演出状態の開始時)には、特別前兆演出状態において特別演出状態抽選により継続遊技数が決定されている。そして、特別演出状態において、終了枚数が遊技者に付与されると(特別演出状態に滞在した遊技数が継続遊技数に到達すると)、終了条件が満たされたとして、特別演出状態は終了する。ここでは、特別演出状態において終了枚数が変更されることはない。そして、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を非有利演出状態に移行させる(12)。
遊技者は、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、600遊技)を超えた後にAT抽選に当選した場合、特別前兆演出状態を経由して必ず非有利演出状態に移行し(11)、(12)、その結果、AT演出状態に移行することができる。ここでは、演出状態制御手段314が、演出状態を非有利演出状態に移行させ、有利区間を一旦リセットすることで、遊技者は、有利区間に許容される滞在遊技数、例えば、4000遊技の開始時から、遊技利益の高いAT演出状態に移行することができ、また、有利区間に許容される滞在遊技数を有効に利用して遊技利益を得ることが可能となる。
なお、特別演出状態、非有利演出状態、振分演出状態を経由した通常演出状態では、AT演出状態から直接移行した通常演出状態より、AT抽選の当選確率が高いので、その旨を遊技者が把握できるように、AT演出状態へ移行する可能性が高いことを、液晶表示部124に所定の表示を行って示唆する。
ただし、通常演出状態において滞在遊技数が所定遊技数(例えば、600遊技)を超えた後、AT抽選に当選した場合と、所定遊技数より前にAT抽選に当選した場合とで、有利区間がリセットされているものの、AT演出状態を1回実行できるという観点では、遊技利益はあまり変わらない。また、後者では、前兆演出状態の終了後、すなわち32遊技以内にAT演出状態が開始されるが、前者では、さらにブロック期間の経過を待ってAT演出状態が開始されることが多い。そうすると、AT演出状態に移行するまで、通常遊技状態においてメダルを消費してしまう点で、前者の方が遊技利益が小さいとも言える。そこで、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後にAT抽選に当選した場合には、特別前兆演出状態に移行し、特別演出状態抽選を実行させるとともに、それに当選すると、特別演出状態によって追加的に遊技利益を与える。こうして、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後にAT抽選に当選した場合の方が、滞在遊技数が所定遊技数に至っていない間にAT抽選に当選した場合より遊技利益が大きくなり、遊技者は納得感を得られる。したがって、遊技者は、通常演出状態での滞在遊技数が多くなると、遊技利益が大きくなることを期待でき、遊技を継続することとなる。こうして、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
ここで実行される特別演出状態では、上述したように、設定値が高い方が安定的に遊技利益を得やすいようになっている。また、特別演出状態が開始されるまでに決定された遊技利益のみが特別演出状態で付与され、特別演出状態中において遊技利益は追加(上乗せ)されない。したがって、特別演出状態では、設定値に応じて期待獲得枚数の変動幅を抑えることができる。そうすると、AT演出状態の期待獲得枚数の設計値を上げることが可能となる。
また、特別演出状態は、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後に移行するので、AT演出状態に比べ、その回数が変動しにくく、安定した頻度で実行されることになる。そうすると、仮に、AT演出状態における期待獲得枚数の変動幅が大きくなったとしても、かかる特別演出状態で、その変動を吸収し、設定値に応じて期待獲得枚数の変動幅をさらに抑えつつ、AT演出状態の期待獲得枚数の設計値を上げることが可能となる。
また、AT演出状態の終了後に通常演出状態に直接移行し(3)、AT演出状態に移行することなく、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、3000遊技)に到達すると(所謂、天井機能)、演出状態制御手段314は、有利区間をリセットして、演出状態を非有利演出状態に移行させる(13)。そうすると、上記のように、非有利演出状態および振分演出状態の終了後、例えば、0~96遊技経過後に前兆演出が始まり、前兆演出終了後、すなわち、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、32~128遊技経過後にはほぼAT演出状態へ移行することができる。したがって、通常演出状態においてAT演出状態に移行することなく遊技を継続すると、所定遊技数(例えば、999遊技)以内には、AT演出状態に移行することとなる。かかる天井機能により、遊技者は、運悪くメダルの消費が多くなったとしても救済措置を受けることができる安心感を得ることができる。また、通常演出状態をある程度消化すると、遊技を継続した場合の期待獲得枚数が高まり、天井(例えば999遊技)まで遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
なお、このような天井機能における所定遊技数(例えば、96~3000遊技)は、以下のタイミングで決定される。例えば、AT演出状態から、直接、通常演出状態に移行する場合(3)、演出状態制御手段314は、AT演出状態から通常演出状態への移行時に、通常演出状態における天井機能の所定遊技数(例えば、96~3000遊技)を決定する。また、非有利演出状態および振分演出状態を経由して通常演出状態に移行する場合(7)、演出状態制御手段314は、振分演出状態から通常演出状態への移行時に、通常演出状態における天井機能の所定遊技数(例えば、96~3000遊技)を決定する。ただし、AT演出状態から通常演出状態へ移行する場合と異なり、非有利演出状態および振分演出状態を経由して通常演出状態へ移行する場合では、高確率でAT抽選に当選するので、ブロック期間の経過を待って前兆演出状態に移行することが多く、天井機能が実行されることはほとんどない。
また、上述した実施形態では、通常演出状態におけるAT抽選の当選確率として、非有利演出状態から通常演出状態に移行した場合、高確率(例えば、1/8)となり、AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合、低確率(例えば、1/4000)となる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合、通常演出状態開始時のAT抽選の当選確率は低確率だが、昇格抽選により高確率に移行する場合があるとしてもよく、さらに、降格抽選により低確率に移行する場合があるとしてもよい。また、AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合に、抽選に当選する等、所定の条件を満たすことで、通常演出状態開始時からAT抽選の当選確率が高確率となることもある。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のCPU初期化処理)
図10は、主制御基板200におけるCPU初期化処理を説明するフローチャートである。電源基板より電源が供給されると、メインCPU200aにシステムリセットが発生し、メインCPU200aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100-1)
メインCPU200aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM200bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100-3)
メインCPU200aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100-5)
メインCPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板200には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
(ステップS100-7)
メインCPU200aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト処理時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト処理時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-9)
メインCPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-11)
メインCPU200aは、チェックサム確認処理を実行する。ここでは、メインCPU200aは、チェックサムを算出し、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致しない(異常である)か、ならびに、バックアップが異常であるかを判定する。そして、メインCPU200aは、バックアップおよびチェックサムのいずれか一方または双方が異常であると判定した場合、バックアップ異常フラグをオンにし、バックアップおよびチェックサムの双方が異常でないと判定した場合、バックアップ異常フラグをオフにする。
(ステップS100-13)
メインCPU200aは、バックアップ異常フラグがオンであるかを判定する。その結果、バックアップ異常フラグがオンであると判定した場合にはステップS110に処理を移し、バックアップ異常フラグがオンでないと判定した場合にはステップS120に処理を移す。
(ステップS110)
メインCPU200aは、コールドスタート処理を実行する。なお、このコールドスタート処理については後述する。
(ステップS120)
メインCPU200aは、設定値を切り替える設定値切り替え処理を実行する。なお、この設定値切り替え処理については後述する。
(ステップS130)
メインCPU200aは、電源断直前の状態に戻す状態復帰処理を実行する。なお、この状態復帰処理については後述する。
図11は、主制御基板200におけるコールドスタート処理(S110)を説明するフローチャートである。
(ステップS110-1)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける使用領域をクリアするとともに、使用領域の異常を検出する使用領域RAMチェック処理を実行する。
(ステップS110-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける別領域(使用外領域)をクリアするとともに、別領域の異常を検出する別領域RAMチェック処理を実行する。なお、別領域RAMチェック処理において別領域に異常が検出された場合、メインCPU200aは、RAMリードライトエラーフラグをオンにする。
(ステップS110-5)
メインCPU200aは、メインRAM200cの異常を示すエラーコード「EA」をセットする。
(ステップS110-7)
メインCPU200aは、上記ステップS110-1において異常が検出されたかを判定する。その結果、上記ステップS110-1において異常が検出されたと判定した場合にはステップS112に処理を移し、上記ステップS110-1において異常が検出されていないと判定された場合にはステップS110-9に処理を移す。
(ステップS110-9)
メインCPU200aは、上記ステップS110-3において異常が検出されたときにオンになるRAMリードライトエラーフラグを取得する。
(ステップS110-11)
メインCPU200aは、RAMリードライトエラーフラグがオンであるかを判定する。その結果、RAMリードライトエラーフラグがオンであると判定した場合にはステップS112に処理を移し、RAMリードライトエラーフラグがオンでないと判定された場合にはステップS120に処理を移す。
(ステップS120)
メインCPU200aは、設定値を切り替える設定値切り替え処理を実行する。なお、この設定値切り替え処理については後述する。
(ステップS110-13)
メインCPU200aは、バックアップエラーであることを示すエラーコード「E7」をセットする。
(ステップS112)
メインCPU200aは、エラーにより遊技の進行を停止させるためのエラー停止処理を実行する。なお、このエラー停止処理については後述する。
図12は、主制御基板200におけるエラー停止処理(S112)を説明するフローチャートである。
(ステップS112-1)
メインCPU200aは、スタックポインタのアドレスとして、初期スタックポインタ値をセットする。
(ステップS112-3)
メインCPU200aは、エラー表示および警告音設定を行うエラー設定処理を実行する。
(ステップS112-5)
メインCPU200aは、外部信号1~3に対応するビットの出力イメージをオフにする外部信号1~3出力ビットオフをセットする。
(ステップS112-7)
メインCPU200aは、上記ステップS112-5でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS112-9)
メインCPU200aは、永久ループに移行する。これにより、遊技の進行が停止することになる。
図13は、主制御基板200における設定値切り替え処理(S120)を説明するフローチャートである。
(ステップS120-1)
メインCPU200aは、入力ポート1の信号を取得し、取得した入力ポート1の信号に基づいて、設定値切り替え条件が成立していないかを判定する。その結果、設定値切り替え条件が成立していないと判定した場合には当該設定値切り替え処理を終了し、設定値切り替え条件が成立していると判定した場合にはステップS120-3に処理を移す。ここで、入力ポート1の信号には、前面上扉104および前面下扉106が開放されているか否かを示す信号、および、設定キーがオンにされているか否かを示す信号が含まれる。そして、ここでは、前面上扉104および前面下扉106が開放されていることを示す信号、ならびに、設定キーがオンにされていることを示す信号を取得した場合に、設定値切り替え条件が成立していると判定している。
(ステップS120-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおいて設定変更時にクリアすべき使用領域をクリアするRAMクリア処理を実行する。
(ステップS120-5)
メインCPU200aは、設定値切り替え時データテーブルのテーブルデータをメインRAM200cに転送するテーブル内容セット処理を実行する。
(ステップS120-7)
メインCPU200aは、設定値の変更を開始することを示す設定変更開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS120-9)
メインCPU200aは、入力ポートの信号の立ち下がりエッジ(オンエッジ)を検出するエッジチェック処理を実行する。
(ステップS120-11)
メインCPU200aは、現在の設定値を示す設定値データを取得する。
(ステップS120-13)
メインCPU200aは、上記ステップS120-9において設定変更スイッチのオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-17に処理を移し、設定変更スイッチのオンエッジを検出したと判定した場合にはステップS120-15に処理を移す。
(ステップS120-15)
メインCPU200aは、設定値データを1インクリメントする。
(ステップS120-17)
メインCPU200aは、設定値データが、設定値として設定可能な範囲(1~6)内であるかを判定する。その結果、設定値データが範囲内であると判定した場合にはステップS120-21に処理を移し、設定値データが範囲内でないと判定した場合にはステップS120-19に処理を移す。
(ステップS120-19)
メインCPU200aは、設定値データを0にセットする。
(ステップS120-21)
メインCPU200aは、上記ステップS120-15または上記ステップS120-19でインクリメントまたはセットされた値に設定値データを更新する。
(ステップS120-23)
メインCPU200aは、設定値をメインクレジット表示部130に表示する表示データ変換処理を実行する。
(ステップS120-25)
メインCPU200aは、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-31に処理を移し、設定変更スイッチのオンエッジを検出していると判定した場合にはステップS120-27に処理を移す。
(ステップS120-27)
メインCPU200aは、設定変更スイッチがオンであるかを判定する。その結果、設定変更スイッチがオンであると判定した場合にはステップS120-27に処理を移し、設定変更スイッチがオンでないと判定した場合にはステップS120-29に処理を移す。
(ステップS120-29)
メインCPU200aは、設定変更スイッチ間隔タイマをセットする。
(ステップS120-31)
メインCPU200aは、設定変更スイッチ間隔タイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS120-33)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-9に処理を移し、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していると判定した場合にはステップS120-35に処理を移す。
(ステップS120-35)
メインCPU200aは、設定キーがオフであるかを判定する。その結果、設定キーがオフであると判定した場合にはステップS120-35に処理を移し、設定キーがオフでないと判定した場合にはステップS120-37に処理を移す。
(ステップS120-37)
メインCPU200aは、設定キーがオンであるかを判定する。その結果、設定キーがオンであると判定した場合にはステップS120-37に処理を移し、設定キーがオンでないと判定した場合にはステップS122に処理を移す。
(ステップS122)
メインCPU200aは、初期化スタートを開始する初期化スタート処理を実行する。なお、この初期化スタート処理については後述する。
図14は、主制御基板200における初期化スタート処理(S122)を説明するフローチャートである。
(ステップS122-1)
メインCPU200aは、設定値の変更が終了したことを示す設定変更終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS122-3)
メインCPU200aは、設定値の変更が終了したときの状態を示す設定変更状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS122-5)
メインCPU200aは、初期化スタート時ウェイトタイマをセットする。
(ステップS122-7)
メインCPU200aは、初期化スタート時ウェイトタイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS122-9)
メインCPU200aは、メインRAM200cのうちの別領域をクリアする設定変更時RAMクリア処理を実行する。
(ステップS122-11)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおいて設定変更時にクリアすべき使用領域をクリアするRAMクリア処理を実行する。
(ステップS122-13)
メインCPU200aは、現在の遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS200)
メインCPU200aは、遊技を開始するための遊技開始処理を実行する。なお、この遊技開始処理については後述する。
図15は、主制御基板200における状態復帰処理(S130)を説明するフローチャートである。
(ステップS130-1)
メインCPU200aは、スタックポインタを復帰させる。
(ステップS130-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cのうちの未使用領域をクリアする未使用領域クリア処理を実行する。
(ステップS130-5)
メインCPU200aは、スタックポインタ保存バッファをクリアする。
(ステップS130-7)
メインCPU200aは、電源断復帰後フラグを設定(オン)する。
(ステップS130-9)
メインCPU200aは、入力ポートのイメージを更新するポート入力処理を実行する。
(ステップS130-11)
メインCPU200aは、上記ステップS130-9で更新された入力ポートのイメージに基づいて、操作対象ビットの情報を抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。
(ステップS130-13)
メインCPU200aは、上記ステップS130-11で抽出した操作対象ビットを、前回状態の操作対象ビットとしてセットする。
(ステップS130-15)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cのモータフェーズを取得する。ここで、リール110a、110b、110cの状態として、モータフェーズが設定されている。モータフェーズは、リール110a、110b、110cの動作状態、すなわち、加速中、定常回転中、停止中、待機中を示す。具体的に、モータフェーズに割り当てられた1バイト(記憶単位)の変数が、そのステッピングモータ152の動作状態に応じて、加速中=3、定常回転中=2、停止中=1、待機中=0といった値に変化する。
(ステップS130-17)
メインCPU200aは、上記ステップS130-15で取得したモータフェーズに基づいて、リール110a、110b、110cのいずれもが定常回転中および加速中でないかを判定する。その結果、リール110a、110b、110cのいずれもが定常回転中および加速中でないと判定した場合にはステップS130-21に処理を移し、リール110a、110b、110cのいずれかが定常回転中または加速中であると判定した場合にはステップS130-19に処理を移す。
(ステップS130-19)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cのエラー検出時の設定を行う回転エラー処理を実行する。
(ステップS130-21)
メインCPU200aは、退避していたレジスタ群を復帰させる。
(ステップS130-23)
メインCPU200aは、割込みを許可し、当該状態復帰処理を終了する。これにより、メインCPU200aは、電源断直前の状態に復帰する。
図16は、主制御基板200における遊技開始処理(S200)を説明するフローチャートである。
(ステップS200-1)
メインCPU200aは、再遊技であるか否かを示す再遊技状態識別信号を出力するための再遊技状態識別信号出力設定処理を実行する。
(ステップS200-3)
メインCPU200aは、メダルの投入枚数(ベット枚数)を表示する投入枚数表示器に対応するビットをオフ(消灯)するための投入枚数表示器出力ビットオフをセットする。
(ステップS200-5)
メインCPU200aは、上記ステップS200-3でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS200-7)
メインCPU200aは、遊技開始ウェイトタイマをセットする。
(ステップS200-9)
メインCPU200aは、遊技開始ウェイトタイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS200-11)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける使用領域のうち、1遊技毎にクリアすべき領域をクリアする1遊技RAMクリア処理を実行する。
(ステップS200-13)
メインCPU200aは、ボーナス信号を設定するボーナス信号設定処理を実行する。
(ステップS200-15)
メインCPU200aは、入力ポートイメージのエッジ情報をクリアするエッジクリア処理を実行する。
(ステップS210)
メインCPU200aは、メダルの投入を受け付ける遊技メダル投入処理を実行する。なお、この遊技メダル投入処理については後述する。
図17は、主制御基板200における遊技メダル投入処理(S210)を説明するフローチャートである。
(ステップS210-1)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS210-3)
メインCPU200aは、入力ポートの信号の立ち下がりエッジ(オンエッジ)を検出するエッジチェック処理を実行する。
(ステップS210-5)
メインCPU200aは、前面上扉104または前面下扉106が開放されているときに1が立つドア開放エラー検出フラグを取得する。
(ステップS210-7)
メインCPU200aは、上記ステップS210-5で取得したドア開放エラー検出フラグに基づき、前面上扉104および前面下扉106が閉鎖されているかを判定する。その結果、前面上扉104および前面下扉106が閉鎖されていると判定した場合にはステップS210-17に処理を移し、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が閉鎖されていないと判定した場合にはステップS210-9に処理を移す。
(ステップS210-9)
メインCPU200aは、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が開放されていることを示すエラーコード「E8」をセットする。
(ステップS210-11)
メインCPU200aは、エラー表示、警告音の要求、ならびに、エラー復帰待ちを行うエラーウェイト処理を実行する。
(ステップS210-13)
メインCPU200aは、設定値を確認する設定値確認処理を実行する。
(ステップS210-15)
メインCPU200aは、入力ポートイメージのエッジ情報をクリアするエッジクリア処理を実行する。
(ステップS210-17)
メインCPU200aは、貯留(クレジット)されているメダルを払い戻すためのクレジットスイッチ(不図示)が押下されている場合に、貯留されているメダルを払い戻すクレジットボタンチェック処理を実行する。
(ステップS210-19)
メインCPU200aは、メダルをベットする遊技メダル投入ボタン関連処理を実行する。ここでは、ベットスイッチ116が押下された場合に、貯留(クレジット)されているメダルを規定数までベットするとともに、ベットした枚数分だけ貯留枚数を減算する。また、メダル投入口114aを通じてメダルが投入された場合、規定数までメダルをベットし、規定数よりも多くメダルが投入された場合、その分だけ貯留枚数に加算する。
(ステップS210-21)
メインCPU200aは、投入枚数が規定数であるかを確認する遊技メダル取得処理を実行する。
(ステップS210-23)
メインCPU200aは、上記ステップS210-21の確認結果に基づき、投入枚数が規定数でないかを判定する。その結果、投入枚数が規定数でないと判定した場合にはステップS210-1に処理を移し、投入枚数が規定数であると判定した場合にはステップS210-25に処理を移す。
(ステップS210-25)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118の操作が有効になったか否かを示すスタート表示器(不図示)をオン(点灯)するためのスタート表示器出力ビットをセットする。
(ステップS210-27)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジ(押下)を検出していなかを判定する。その結果、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジを検出していないと判定した場合にはステップS210-1に処理を移し、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジを検出していると判定した場合にはステップS210-29に処理を移す。
(ステップS210-29)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132の表示をクリアするためにメイン払出表示部バッファをクリアする。
(ステップS210-31)
メインCPU200aは、再遊技状態識別信号をクリアする再遊技状態識別信号クリア処理を実行する。
(ステップS210-33)
メインCPU200aは、スタート表示器をオフ(消灯)するためのブロッカー閉塞前処理を実行する。
(ステップS210-35)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118が押下されたことを示すレバー押下コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS220)
メインCPU200aは、当選種別抽選を行う内部抽選処理を実行する。なお、この内部抽選処理については後述する。
図18は、主制御基板200における内部抽選処理(S220)を説明するフローチャートである。
(ステップS220-1)
メインCPU200aは、設定値データを取得する。
(ステップS220-3)
メインCPU200aは、設定値異常エラーを示すエラーコード「EC」をセットする。
(ステップS220-5)
メインCPU200aは、上記ステップS220-1で取得した設定値データが異常であるかを判定する。その結果、設定値データが異常であると判定した場合にはステップS112に処理を移し、設定値データが異常でないと判定した場合にはステップS220-7に処理を移す。
(ステップS220-7)
メインCPU200aは、乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数を取得する。
(ステップS220-9)
メインCPU200aは、遊技状態に係るオフセット値を取得する状態オフセット取得処理を実行する。
(ステップS220-11)
メインCPU200aは、内部抽選エリア定義テーブル(当選種別抽選テーブル)のアドレスをセットする。
(ステップS220-13)
メインCPU200aは、上記ステップS220-11でセットしたアドレスに対して、上記ステップS220-9で取得したオフセット値を加算したアドレスに示される値を当選領域の初期値としてセットする。ここでは、現在の遊技状態の当選種別抽選テーブルにおける最初の当選領域が初期値としてセットされることになる。
(ステップS220-15)
メインCPU200aは、その当選領域の当選範囲を示す数値である抽選データを取得するとともに、当選領域を1ずらす抽選データ取得処理を実行する。
(ステップS220-17)
メインCPU200aは、当選種別抽選を行わないかを判定する。その結果、当選種別抽選を行わないと判定した場合にはステップS220-21に処理を移し、当選種別抽選を行うと判定した場合にはステップS220-19に処理を移す。
(ステップS220-19)
メインCPU200aは、乱数値から抽選データを減算する。
(ステップS220-21)
メインCPU200aは、上記ステップS220-19の減算結果が負であるか、すなわち、当選種別抽選によって、その当選領域に当選しているかを判定する。その結果、当選種別抽選に当選していると判定した場合にはステップS230に処理を移し、当選種別抽選に当選していないと判定した場合にはステップS220-23に処理を移す。
(ステップS220-23)
メインCPU200aは、当選種別抽選が終了でないかを判定する。その結果、当選種別抽選が終了でないと判定した場合にはステップS220-15に処理を移し、当選種別抽選が終了であると判定した場合にはステップS220-25に処理を移す。
(ステップS220-25)
メインCPU200aは、トリガー役種別をクリアする。
(ステップS230)
メインCPU200aは、当選領域および遊技状態に基づいて、図柄コードを設定する図柄コード設定処理を実行する。なお、この図柄コード設定処理については後述する。
図19は、主制御基板200における図柄コード設定処理(S230)を説明するフローチャートである。
(ステップS230-1)
メインCPU200aは、上記ステップS220で当選した当選領域を取得し、取得した当選領域にボーナス役が含まれる場合には遊技状態を内部中遊技状態に設定する遊技状態設定処理を実行する。
(ステップS230-3)
メインCPU200aは、上記ステップS230-1で取得した当選領域を停止制御番号として設定する。
(ステップS230-5)
メインCPU200aは、上記ステップS230-1で取得した当選領域に基づいて、当選役グループを決定(設定)する。なお、決定された当選役グループによって、メインCPU200aは、疑似遊技実行フラグをオンにすることがある。なお、疑似遊技実行フラグは、オンのときには疑似遊技を実行することを示し、オフのときには疑似遊技を実行しないことを示す。
(ステップS230-7)
メインCPU200aは、上記ステップS230-3で設定した停止制御番号に基づいて、表示可能な図柄、および、引き込み対象の図柄を示す図柄コードを設定する図柄コード初期設定処理を実行する。
(ステップS230-9)
メインCPU200aは、表示図柄ビットを設定する表示図柄ビット初期値設定処理を実行する。
(ステップS231)
メインCPU200aは、実行フラグの設定、演出状態に関する各種処理、補助演出に関する処理等を行う実行フラグ設定処理を実行する。なお、この実行フラグ設定処理については後述する。
(ステップS230-13)
メインCPU200aは、有利区間に関するコマンドである演出コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-15)
メインCPU200aは、当選種別を示す当選情報コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-17)
メインCPU200aは、1遊技間タイマを確認する。
(ステップS230-19)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cが回転前であることを示す回胴回転前コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-21)
メインCPU200aは、ステッピングモータ152の励磁解放を待つ励磁解放待ち処理を実行する。
(ステップS236)
メインCPU200aは、疑似遊技を実行する回胴演出処理を実行する。具体的に、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御し、全てのリール110a、110b、110cが仮停止したら、もしくは、仮停止終了後にランダム遅延処理を通じて回転開始したら、疑似遊技実行フラグをオフする。
(ステップS230-23)
メインCPU200aは、1遊技間タイマが0でないかを判定する。その結果、1遊技間タイマが0でないと判定した場合にはステップS230-23に処理を移し、1遊技間タイマが0であると判定した場合にはステップS230-25に処理を移す。
(ステップS230-25)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転を開始させるための回胴開始処理を実行する。ここでは、リール110a、110b、110cのモータフェーズを加速中に設定して各リールの回転を開始させたり、1遊技間タイマを4.1秒に相当する値にセットしたりする。
(ステップS230-27)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転が開始したことを示す回胴開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS240)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転中の処理である回胴回転中処理を実行する。なお、この回胴回転中処理については後述する。
図20は、主制御基板200における実行フラグ設定処理(S231)を説明するフローチャートである。
(ステップS231-1)
メインCPU200aは、次回ATフラグに基づいて演出状態を更新する(移行させる)AT状態更新処理を実行する。なお、次回ATフラグは、次遊技において設定する演出状態を示すものであり、下記の処理で設定されることになる。
(ステップS232~ステップS238)
メインCPU200aは、演出状態、遊技区間毎のモジュールを実行する状態別モジュール実行処理を実行し、当該実行フラグ設定処理を終了する。なお、状態別モジュール実行処理では、移行されている演出状態、遊技区間に対応するモジュール(処理)がメインROM200bから読み出されて実行される。以下では、本実施形態の特徴に関係するモジュールについて詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係のモジュールについては説明を省略する。
図21は、状態別モジュール実行処理で実行される非有利演出状態処理(S232)を説明するフローチャートである。非有利演出状態処理は、演出状態が非有利演出状態であるときに実行される。
(ステップS232-1)
メインCPU200aは、当選種別抽選により決定された当選種別に基づき有利区間への移行抽選を行う。
(ステップS232-3)
メインCPU200aは、上記ステップS232-1において有利区間に当選したかを判定する。その結果、有利区間に当選したと判定した場合にはステップS232-5に処理を移し、有利区間に当選していないと判定した場合には当該非有利演出状態処理を終了する。
(ステップS232-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを振分演出状態に対応する値に設定するとともに、有利区間であることを示す有利区間フラグをオンにし、当該非有利演出状態処理を終了する。
図22は、状態別モジュール実行処理で実行される振分演出状態処理(S233)を説明するフローチャートである。振分演出状態処理は、演出状態が振分演出状態であるときに実行される。
(ステップS233-1)
メインCPU200aは、例えば、1/10の確率で前兆演出状態に、9/10の確率で通常演出状態に振り分ける抽選を行う。
(ステップS233-3)
メインCPU200aは、上記ステップS233-1において通常演出状態に当選したかを判定する。その結果、通常演出状態に当選したと判定した場合にはステップS233-5に処理を移し、通常演出状態に当選していない(前兆演出状態に当選した)と判定した場合にはステップS233-13に処理を移す。
(ステップS233-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを通常演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS233-7)
メインCPU200aは、通常演出状態において天井機能を実行する遊技数を、上限3000遊技で決定し、決定された遊技数を天井遊技数カウンタに設定する。天井遊技数カウンタは、天井機能の実行までの遊技数をカウントするカウンタである。
(ステップS233-9)
メインCPU200aは、非有利演出状態から移行した通常演出状態においてAT演出状態への移行を禁止するブロック期間の遊技数を上限96遊技で決定し、決定された遊技数をブロック遊技数カウンタに設定する。ブロック遊技数カウンタは、AT演出状態の実行(設定)を禁止する遊技数をカウントするカウンタである。
(ステップS233-11)
メインCPU200aは、通常演出状態のAT抽選の当選確率として高確率(例えば、1/8)を設定し、当該振分演出状態処理を終了する。
(ステップS233-13)
ステップS233-3において、通常演出状態に当選していない(前兆演出状態に当選した)と判定された場合、メインCPU200aは、次回ATフラグを前兆演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS233-15)
メインCPU200aは、前兆演出状態を継続する遊技数を、上限32遊技で決定し、決定された遊技数を前兆遊技数カウンタに設定し、当該振分演出状態処理を終了する。前兆遊技数カウンタは、前兆演出状態の終了までの遊技数をカウントするカウンタである。
図23は、状態別モジュール実行処理で実行される通常演出状態処理(S234)を説明するフローチャートである。通常演出状態処理は、演出状態が通常演出状態であるときに実行される。
(ステップS234-1)
メインCPU200aは、AT抽選の当選確率(低確率または高確率)および当選種別抽選により決定された当選種別に基づきAT抽選を行う。
(ステップS234-3)
メインCPU200aは、AT抽選に当選したか、または、本前兆許可フラグがONであるか判定する。その結果、AT抽選に当選したか、または、本前兆許可フラグがONであると判定した場合にはステップS234-5に処理を移し、AT抽選に当選していない、かつ、本前兆許可フラグがOFFであると判定した場合にはステップS234-21に処理を移す。
(ステップS234-5)
メインCPU200aは、ブロック遊技数カウンタが0であるか否か判定する。その結果、ブロック遊技数カウンタが0であると判定した場合にはステップS234-9に処理を移し、ブロック遊技数カウンタが0ではない(まだブロック期間中である)と判定した場合にはステップS234-7に処理を移す。
(ステップS234-7)
メインCPU200aは、その時点の本前兆許可フラグがONであるかOFFであるかに拘わらず、本前兆許可フラグをONにする。
(ステップS234-9)
ステップS234-5において、ブロック遊技数カウンタが0であると判定されると、メインCPU200aは、本前兆許可フラグをOFFにする。
(ステップS234-11)
メインCPU200aは、天井遊技数カウンタが271を超えているか否か判定する。その結果、天井遊技数カウンタが271を超えている、すなわち、通常演出状態での滞在遊技数が2000遊技より少ないと判定した場合にはステップS234-13に処理を移し、天井遊技数カウンタが271以下である、すなわち、通常演出状態での滞在遊技数が2000遊技以上であると判定した場合にはステップS234-19に処理を移す。
(ステップS234-13)
メインCPU200aは、次回ATフラグを前兆演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS234-15)
メインCPU200aは、前兆演出状態を継続する遊技数を、上限32遊技で決定し、決定された遊技数を前兆遊技数カウンタに設定する。
(ステップS234-17)
メインCPU200aは、通常演出状態のAT抽選の当選確率が低確率であるか高確率であるかに拘わらず、次回の通常演出状態のため、AT抽選の当選確率を低確率(例えば、1/4000)に設定する。
(ステップS234-19)
ステップS234-11において、天井遊技数カウンタが271以下である、すなわち、通常演出状態での滞在遊技数が2000遊技以上であると判定されると、メインCPU200aは、次回ATフラグを特別前兆演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS234-21)
メインCPU200aは、ブロック遊技数カウンタが0より大きいか否かを判定する。その結果、ブロック遊技数カウンタが0より大きいと判定した場合にはステップS234-23に処理を移し、ブロック遊技数カウンタ0より大きくない(0である)と判定した場合にはステップS234-25に処理を移す。
(ステップS234-23)
メインCPU200aは、ブロック遊技数カウンタを1だけデクリメントする。
(ステップS234-25)
メインCPU200aは、天井遊技数カウンタが0であるかを判定する。その結果、天井遊技数カウンタが0であると判定した場合にはステップS234-27に処理を移し、天井遊技数カウンタが0ではないと判定した場合にはステップS234-29に処理を移す。
(ステップS234-27)
メインCPU200aは、天井機能を実行するため、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該通常演出状態処理を終了する。
(ステップS234-29)
メインCPU200aは、天井遊技数カウンタを1だけデクリメントし、当該通常演出状態処理を終了する。
なお、ここでは、詳細な説明を省略するが、通常演出状態では、所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めたチャンスゾーン(CZ)を複数遊技に亘って実行する。また、AT抽選の当選確率は、通常演出状態の開始時は低確率だが、昇格抽選により高確率に移行する場合がある。
図24は、状態別モジュール実行処理で実行される前兆演出状態処理(S235)を説明するフローチャートである。前兆演出状態処理は、演出状態が前兆演出状態であるときに実行される。
(ステップS235-1)
メインCPU200aは、前兆遊技数カウンタが0であるかを判定する。その結果、前兆遊技数カウンタが0であると判定した場合にはステップS235-3に処理を移し、前兆遊技数カウンタが0ではないと判定した場合にはステップS235-5に処理を移す。
(ステップS235-3)
メインCPU200aは、次回ATフラグをAT演出状態に対応する値に設定し、当該前兆演出状態処理を終了する。
(ステップS235-5)
メインCPU200aは、前兆遊技数カウンタを1だけデクリメントし、当該前兆演出状態処理を終了する。
図25は、状態別モジュール実行処理で実行されるAT演出状態処理(S236)を説明するフローチャートである。AT演出状態処理は、演出状態がAT演出状態であるときに実行される。
(ステップS236-1)
メインCPU200aは、AT演出状態における終了条件である継続遊技数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると当選した遊技数を継続遊技数に加算する。
(ステップS236-3)
メインCPU200aは、AT演出状態が終了条件を満たしたか否か判定する。その結果、終了条件を満たしたと判定した場合にはステップS236-5に処理を移し、終了条件を満たしていないと判定した場合には当該AT演出状態処理を終了する。
(ステップS236-5)
メインCPU200aは、通常演出状態への移行が決定しているか否か判定する。その結果、通常演出状態への移行が決定している場合にはステップS236-7に処理を移し、通常演出状態への移行が決定していない、すなわち、非有利演出状態への移行が決定している場合にはステップS236-11に移行する。
(ステップS236-7)
メインCPU200aは、次回ATフラグを通常演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS236-9)
メインCPU200aは、通常演出状態において天井機能を実行する遊技数を、上限3000遊技で決定し、決定された遊技数を天井遊技数カウンタに設定し、当該AT演出状態処理を終了する。
(ステップS236-11)
ステップS236-5において通常演出状態への移行が決定していないと判定されると、メインCPU200aは、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該AT演出状態処理を終了する。
図26は、状態別モジュール実行処理で実行される特別前兆演出状態処理(S237)を説明するフローチャートである。特別前兆演出状態処理は、演出状態が特別前兆演出状態であるときに実行される。
(ステップS237-1)
メインCPU200aは、特別演出状態において受け得る遊技利益である継続遊技数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると当選した遊技数を継続遊技数に加算する。
(ステップS237-3)
メインCPU200aは、特別前兆演出状態が終了条件(ここでは、所定遊技数の消化)を満たしたか否か判定する。その結果、終了条件を満たしたと判定した場合にはステップS237-5に処理を移し、終了条件を満たしていないと判定した場合には当該特別前兆演出状態処理を終了する。
(ステップS237-5)
メインCPU200aは、ステップS237-1において上乗せ抽選に当選したか否か判定する。その結果、上乗せ抽選に当選したと判定した場合にはステップS237-7に処理を移し、上乗せ抽選に当選していないと判定した場合にはステップS237-9に処理を移す。
(ステップS237-7)
メインCPU200aは、次回ATフラグを特別演出状態に対応する値に設定し、当該特別前兆演出状態処理を終了する。
(ステップS237-9)
ステップS237-5において上乗せ抽選に当選していないと判定されると、メインCPU200aは、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該特別前兆演出状態処理を終了する。
図27は、状態別モジュール実行処理で実行される特別演出状態処理(S238)を説明するフローチャートである。特別演出状態処理は、演出状態が特別演出状態であるときに実行される。
(ステップS238-1)
メインCPU200aは、特別演出状態が終了条件を満たしたか否か判定する。その結果、終了条件を満たしたと判定した場合にはステップS238-3に処理を移し、終了条件を満たしていないと判定した場合には当該特別演出状態処理を終了する。なお、特別演出状態の終了条件は、ステップS237-1で上乗せされた継続遊技数に到達したことである。
(ステップS238-3)
メインCPU200aは、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該特別演出状態処理を終了する。
図28は、主制御基板200における回胴回転中処理(S240)を説明するフローチャートである。
(ステップS240-1)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器(不図示)に対応するビットをオフ(消灯)するために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットする。ここで、停止表示器出力ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cの発光色に対応付けられており、青色=1、赤色=0で表される。
(ステップS240-3)
メインCPU200aは、上記ステップS240-1でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS240-5)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS240-7)
メインCPU200aは、インデックスフラグを参照し、回転しているリール110a、110b、110cのインデックスを取得する。なお、インデックスフラグは、リール110a、110b、110cが定常回転速度に到達した後にしか立たないので、換言すれば、インデックスフラグが立っているということは、リール110a、110b、110cが定常回転速度に到達していることも示すこととなる。
(ステップS240-9)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110c全てのインデックスフラグを検出済みでないかを判定する。その結果、全てのインデックスフラグを検出済みでないと判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、全てのインデックスフラグを検出済みであると判定した場合にはステップS240-11に処理を移す。
(ステップS240-11)
メインCPU200aは、停止または停止開始しているリール110a、110b、110cを示す停止回胴ビットを取得する。ここで、停止回胴ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのリール110a、110b、110cのいずれかに対応付けられており、定常状態=1、加速状態、減速状態または停止状態=0で表される。
(ステップS240-13)
メインCPU200aは、上記ステップS240-11で取得した停止回胴ビットを回胴回転中フラグとして保存する。
(ステップS240-15)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器(不図示)に対応するビットをオン(消灯)するために停止表示器出力ビットオン(出力イメージ)をセットする。
(ステップS240-17)
メインCPU200aは、入力ポート0のイメージを取得し、取得したイメージから、操作対象ビットを抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。ここで、操作対象ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、操作されている=1、操作されていない=0で表される。
(ステップS240-19)
メインCPU200aは、上記ステップS240-13で取得した回胴回転中フラグと、上記ステップS240-17で抽出した操作対象ビットとの論理積を演算する。ここで、リール110が回転中であり、かつ、そのリールに対応するストップスイッチ120が操作されていれば、すなわち、操作したストップスイッチ120が有効に回転しているリール110に対応していれば、論理積は1となる。
(ステップS240-21)
メインCPU200aは、上記ステップS240-19で演算した論理積が0である、すなわち、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていないかを判定する。その結果、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていないと判定した場合にはステップS240-3に処理を移し、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていると判定した場合にはステップS240-23に処理を移す。
(ステップS240-23)
メインCPU200aは、停止表示器出力ビットが含まれる出力イメージを取得し、取得した出力イメージと、上記ステップS240-19で演算した論理積との論理積を演算する。ここでは、操作されたストップスイッチ120が、赤色点灯中である場合に論理積のビットが0となり、青色点灯中である場合に論理積のビットが1となる。
(ステップS240-25)
メインCPU200aは、上記ステップS240-23で演算した論理積が0であるか、すなわち、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中であるかを判定する。その結果、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中であると判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中でないと判定した場合にはステップS240-27に処理を移す。
(ステップS240-27)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120が有効でないかを判定する。その結果、操作されたストップスイッチ120が有効でないと判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が有効であると判定した場合にはステップS240-29に処理を移す。なお、ここでは、操作されたストップスイッチ120が1つであるか否かを判定している。そして、操作されたストップスイッチ120が1つであると判定した場合にはステップS240-29に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が1つでない、すなわち、2つ以上であると判定した場合にはステップS240-1に処理を移す。
(ステップS240-29)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止させるための各種パラメータを取得する停止制御回胴設定処理を実行する。
(ステップS240-31)
メインCPU200aは、割込みを禁止する。
(ステップS240-33)
メインCPU200aは、有効ラインA上に位置する図柄の図柄番号を押下基準位置として導出する押下基準位置取得処理を実行する。
(ステップS240-35)
メインCPU200aは、リール110の滑りコマ数を決定する滑りコマ数取得処理を実行する。
(ステップS250)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止させる回胴停止処理を実行する。なお、この回胴停止処理については後述する。
図29は、主制御基板200における回胴停止処理(S250)を説明するフローチャートである。
(ステップS250-1)
メインCPU200aは、上記ステップS240-35で導出した押下基準位置を取得する。
(ステップS250-3)
メインCPU200aは、上記ステップS250-1で取得した押下基準位置に対して、上記ステップS240-37で決定した滑りコマ数を補正することにより、停止要求番号を算定する。
(ステップS250-5)
メインCPU200aは、停止要求フラグを設定する(1にする)。停止要求フラグは、並行して動作するプログラムに対し、対象となるリール110の停止処理を要求するためのフラグであり、停止要求フラグを1とすることで、停止要求番号に対応する図柄を有効ラインA上に停止することが可能となる。かかる停止要求フラグおよび上記の停止要求番号は、並行して動作するプログラムにより読み出され、リール110の停止処理が行われる。なお、停止処理が完了すると、そのプログラムによって、停止要求フラグは0(OFF)にリセットされる。
(ステップS250-7)
メインCPU200aは、割込みを許可する。
(ステップS250-9)
メインCPU200aは、リール110の停止順序を示す停止情報コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS250-11)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120の表示器(不図示)に対応するビットをオフ(消灯)するために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットする。
(ステップS250-13)
メインCPU200aは、上記ステップS250-11でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS250-15)
メインCPU200aは、表示図柄ビットを設定する表示図柄ビット設定処理を実行する。
(ステップS250-17)
メインCPU200aは、次のリール110を停止させるための次回胴設定前処理を実行する。
(ステップS250-19)
メインCPU200aは、全てのリール110の停止処理が終了済みでないかを判定する。その結果、全てのリール110の停止処理が終了済みでないと判定した場合にはステップS240に処理を移し、全てのリール110の停止処理が終了済みであると判定した場合にはステップS250-21に処理を移す。
(ステップS250-21)
メインCPU200aは、いずれかのリール110について停止要求フラグがオンである、すなわち、全てのリール110が停止済みでないかを判定する。その結果、全てのリール110が停止済みでないと判定した場合にはステップS250-21に処理を移し、全てのリール110が停止済みであると判定した場合にはステップS250-23に処理を移す。
(ステップS250-23)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS250-25)
メインCPU200aは、操作対象ビットの情報を抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。
(ステップS250-27)
メインCPU200aは、上記ステップS250-25で取得した操作対象ビットに基づいて、ストップスイッチ120が押下されているかを判定する。その結果、ストップスイッチ120が押下されていると判定した場合にはステップS250-23に処理を移し、ストップスイッチ120が押下されていないと判定した場合にはステップS260に処理を移す。
(ステップS260)
メインCPU200aは、入賞した当選役を判定する表示判定処理を実行する。なお、この表示判定処理については後述する。
図30は、主制御基板200における表示判定処理(S260)を説明するフローチャートである。
(ステップS260-1)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132のバッファをクリアする。
(ステップS260-3)
メインCPU200aは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせと、有効ラインA上に表示許可された図柄組み合わせとが一致するか否かによって、表示判定異常が発生しているかを判定する表示判定異常検出処理を実行する。
(ステップS260-5)
メインCPU200aは、表示判定異常(エラー)であることを示すエラーコード「EE」をセットする。
(ステップS260-7)
メインCPU200aは、上記ステップS260-3の判定結果に基づき、表示判定異常であるかを判定する。その結果、表示判定異常であると判定した場合にはステップS112に処理を移し、表示判定異常でないと判定した場合にはステップS260-9に処理を移す。
(ステップS260-9)
メインCPU200aは、有効ラインA上に停止(表示)された図柄組み合わせに基づいて、入賞した当選役を決定する表示図柄識別生成処理を実行する。
(ステップS260-11)
メインCPU200aは、払出枚数の初期値として0をセットする。
(ステップS260-13)
メインCPU200aは、小役が入賞したかを判定する。その結果、小役が入賞したと判定した場合にはステップS260-15に処理を移し、小役が入賞していないと判定した場合にはステップS260-35に処理を移す。
(ステップS260-15)
メインCPU200aは、小役が入賞したことを示す入賞フラグをオンにする。
(ステップS260-17)
メインCPU200aは、入賞した小役に応じた払出枚数を設定する払出枚数設定処理を実行する。
(ステップS260-19)
メインCPU200aは、有利区間でないかを判定する。その結果、有利区間でないと判定した場合にはステップS270に処理を移し、有利区間であると判定した場合にはステップS260-21に処理を移す。
(ステップS260-21)
メインCPU200aは、有利区間中のMYをカウントする有利区間MYカウンタの値を取得する。
(ステップS260-23)
メインCPU200aは、上記ステップS260-23で取得した有利区間MYカウンタの値に払出枚数を加算する。
(ステップS260-25)
メインCPU200aは、当該遊技の投入枚数を取得する。
(ステップS260-27)
メインCPU200aは、上記ステップS260-23で加算した値から投入枚数を減算する。
(ステップS260-29)
メインCPU200aは、上記ステップS260-27の減算結果が負でないかを判定する。その結果、減算結果が負でないと判定した場合にはステップS260-33に処理を移し、減算結果が負であると判定した場合にはステップS260-31に処理を移す。
(ステップS260-31)
メインCPU200aは、有利区間MYカウンタの値をクリアする(0にする)。
(ステップS260-33)
メインCPU200aは、上記ステップS260-27で減算した値、または、上記ステップS260-31でクリアした値に、有利区間MYカウンタの値を更新する。
(ステップS260-35)
メインCPU200aは、リプレイ役が入賞していなかを判定する。その結果、リプレイ役が入賞していないと判定した場合にはステップS270に処理を移し、リプレイ役が入賞していると判定した場合にはステップS260-37に処理を移す。
(ステップS260-37)
メインCPU200aは、払出枚数に投入枚数をセットする。
(ステップS260-39)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグをオンにする。
(ステップS260-41)
メインCPU200aは、自動投入枚数をセットする。
(ステップS270)
メインCPU200aは、メダルを払い出す払出処理を実行する。なお、この払出処理については後述する。
図31は、主制御基板200における払出処理(S270)を説明するフローチャートである。
(ステップS270-1)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグを取得する。
(ステップS270-3)
メインCPU200aは、メダルの払い出しが開始されたことを示す払出開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS270-5)
メインCPU200aは、上記ステップS270-1で取得した再遊技作動中フラグに基づいて、リプレイ役が入賞したかを判定する。その結果、リプレイ役が入賞したと判定した場合にはステップS270-41に処理を移し、リプレイ役が入賞していないと判定した場合にはステップS270-7に処理を移す。
(ステップS270-7)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132に0を表示するためのメイン表示器表示処理を実行する。
(ステップS270-9)
メインCPU200aは、払い出しがない(払出枚数が0枚)を判定する。その結果、払い出しがないと判定した場合にはステップS270-35に処理を移し、払い出しがあると判定した場合にはステップS270-11に処理を移す。
(ステップS270-11)
メインCPU200aは、貯留枚数が50枚以上であるかを判定する。その結果、貯留枚数が50枚以上であると判定した場合にはステップS270-13に処理を移し、貯留枚数が50枚以上でないと判定した場合にはステップS270-15に処理を移す。
(ステップS270-13)
メインCPU200aは、メダル払出装置142からメダルを1枚払い出させるメダル払出装置制御処理を実行し、ステップS270-23に処理を移す。
(ステップS270-15)
メインCPU200aは、払出開始間隔タイマをセットする。
(ステップS270-17)
メインCPU200aは、払出開始タイマが0でない、すなわち、初回払出時であるかを判定する。その結果、初回払出時であると判定した場合にはステップS270-21に処理を移し、初回払出時でないと判定した場合にはステップS270-19に処理を移す。
(ステップS270-19)
メインCPU200aは、払出開始間隔タイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS270-21)
メインCPU200aは、貯留枚数を1インクリメントする。
(ステップS270-23)
メインCPU200aは、1枚のメダルが払い出されたことを示す払出実行コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS270-25)
メインCPU200aは、既に払い出された払出枚数をメイン払出表示部132に表示するためのメイン表示器表示前処理を実行する。
(ステップS270-27)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態でないかを判定する。その結果、ボーナス遊技状態でないと判定した場合にはステップS270-31に処理を移し、ボーナス遊技状態であると判定した場合にはステップS270-29に処理を移す。
(ステップS270-29)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態において払い出されたメダルの枚数であるボーナス作動中獲得枚数を1インクリメントする。
(ステップS270-31)
メインCPU200aは、払出枚数のメダルの払い出しが終了していないかを判定する。その結果、払い出しが終了していないと判定した場合にはステップS270-11に処理を移し、払い出しが終了していると判定した場合にはステップS270-33に処理を移す。
(ステップS270-33)
メインCPU200aは、メダルの払い出しを終了するための払出終了処理を実行する。
(ステップS270-35)
メインCPU200aは、オーバーエラーが検出されていないかを判定する。その結果、オーバーエラーが検出されていないと判定した場合にはステップS270-41に処理を移し、オーバーエラーが検出されていると判定した場合にはステップS270-37に処理を移す。
(ステップS270-37)
メインCPU200aは、オーバーエラーを示すエラーコード「E5」をセットする。
(ステップS270-39)
メインCPU200aは、エラー表示、警告音の要求、ならびに、エラー復帰待ちを行うエラーウェイト処理を実行する。
(ステップS270-41)
メインCPU200aは、メダルの払い出しが終了したことを示す払出終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280)
メインCPU200aは、遊技状態の移行、有利区間を管理する処理等を行う遊技移行処理を実行する。なお、この遊技移行処理については後述する。
図32は、主制御基板200における遊技移行処理(S280)を説明するフローチャートである。
(ステップS280-1)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグを取得し、取得した再遊技作動中フラグに基づいて、次遊技が再遊技であることを示すリプレイ表示器(不図示)に対応するビットをオンまたはオフするために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットし、セットした出力イメージの出力ビットを更新するリプレイ表示器制御処理を実行する。
(ステップS280-3)
メインCPU200aは、ボーナス役が入賞した場合に、ボーナス遊技状態を制御するための各種パラメータを設定する役物作動図柄表示処理を実行する。
(ステップS281)
メインCPU200aは、演出状態、区間状態毎のモジュールを実行する状態別モジュール実行処理を実行する。なお、状態別モジュール実行処理では、移行されている演出状態に対応するモジュール(処理)がメインROM200bから読み出されて実行される。
(ステップS280-5)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態において、ボーナス作動中獲得枚数が所定枚数に到達した場合に、遊技状態を非内部遊技状態に移行させるボーナス作動終了処理を実行する。
(ステップS280-7)
メインCPU200aは、有利区間を管理する有利区間更新処理を実行する。
(ステップS280-9)
メインCPU200aは、次遊技がAT演出状態でないかを判定する。その結果、次遊技がAT演出状態でないと判定した場合にはステップS280-15に処理を移し、次遊技がAT演出状態であると判定した場合にはステップS280-11に処理を移す。
(ステップS280-11)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態でないかを判定する。その結果、ボーナス遊技状態でないと判定した場合にはステップS280-15に処理を移し、ボーナス遊技状態であると判定した場合にはステップS280-13に処理を移す。
(ステップS280-13)
メインCPU200aは、区間表示器160を点灯させるための有利ランプフラグをオンにセットする。
(ステップS280-15)
メインCPU200aは、有利区間に関するコマンドである演出コマンドを送信バッファにセットする演出コマンド設定処理を実行する。
(ステップS280-17)
メインCPU200aは、1遊技が終了したことを示す遊技終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-19)
メインCPU200aは、外部信号を出力するための端子板信号出力処理を実行する。
(ステップS280-21)
メインCPU200aは、上記ステップS280-7において有利区間を終了させるときに設定される演出用ウェイトタイマが0でないかを判定する。その結果、演出用ウェイトタイマが0でないと判定した場合にはステップS280-21に処理を移し、演出用ウェイトタイマが0であると判定した場合にはステップS280-23に処理を移す。
(ステップS280-23)
メインCPU200aは、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-25)
メインCPU200aは、次遊技の開始を示す遊技開始コマンドを送信バッファにセットし、ステップS200に処理を移す。
ステップS200からステップS280までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS280までを繰り返すこととなる。
次に、主制御基板200における電源断時退避処理およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板200の電源断時退避処理)
図33は、主制御基板200における電源断時退避処理を説明するフローチャートである。メインCPU200aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
メインCPU200aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
メインCPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
(ステップS300-7)
メインCPU200aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300-9)
メインCPU200aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300-11)
メインCPU200aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-13)
メインCPU200aは、別領域についての電源断時の退避処理を実行する。
(ステップS300-15)
メインCPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
メインCPU200aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300-19)
メインCPU200aは、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300-21)
メインCPU200aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS1000)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-19~ステップS300-21をループしている間にスロットマシン100の稼働が停止する。
(主制御基板200のタイマ割込み処理)
図34は、主制御基板200におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板200には、所定の周期(同時回し参考例では1.49ミリ秒、以下「1.49ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
メインCPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
メインCPU200aは、割込みフラグをクリアする。
(ステップS400-5)
メインCPU200aは、各種の入力ポートイメージを読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-7)
メインCPU200aは、セットされた出力イメージを出力ポートに出力し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132、投入枚数表示器、スタート表示器、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器、リプレイ表示器、区間表示器160を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-9)
メインCPU200aは、タイマ割込み処理用フェーズを更新する。なお、タイマ割込み処理用フェーズは、0~3のいずれかであり、ここでは、タイマ割込み処理用フェーズが0、1、2の場合には1加算され、タイマ割込み処理用フェーズが3の場合には0に変更される。
(ステップS400-11)
メインCPU200aは、送信バッファに格納されたコマンドを副制御基板202に送信するためのサブコマンド送信処理を行う。
(ステップS400-13)
メインCPU200aは、ステッピングモータ152を制御するステッピングモータ制御処理を実行する。
(ステップS400-15)
メインCPU200aは、メダル払出装置142へ出力する出力イメージを出力する出力ポートイメージ出力処理を実行する。
(ステップS400-17)
メインCPU200aは、各種乱数値を更新する乱数更新処理を実行する。
(ステップS400-19)
メインCPU200aは、エラーに対応する外部信号(外部信号4、5)を外部に出力するためにエラーを検出する不正監視処理を実行する。
(ステップS400-21)
メインCPU200aは、上記ステップS400-9で更新したタイマ割込み処理用フェーズに対応するモジュール(サブルーチン)を実行する。ここで、タイマ割込み処理用フェーズは0~3のいずれかに設定されており、タイマ割込み処理用フェーズ0~3それぞれに対応するモジュールが1つずつ設けられているため(合計4つ)、1つのモジュールは、タイマ割込み処理の4回に1回(5.96ms毎に)実行されることになる。例えば、各種タイマを減算する時間監視処理を実行するモジュールが1つのタイマ割込み処理用フェーズに対応付けられている。
(ステップS400-23)
メインCPU200aは、試験信号を外部に出力する試験信号出力処理を実行する。
(ステップS400-25)
メインCPU200aは、各種の入力ポートイメージを読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-27)
メインCPU200aは、レジスタを復帰する。
(ステップS400-29)
メインCPU200aは、割込みを許可し、当該タイマ割込み処理を終了する。
<AT演出状態の開始>
図9を用いて説明したように、演出状態制御手段314は、AT演出状態が開始されると、まず、継続期間決定演出状態(選択式上乗せ特化ゾーン)に移行し、AT演出状態の継続期間(ここでは継続遊技数)を決定する。具体的に、演出状態制御手段314は、AT演出状態の開始時に、継続遊技数の決定パターンが異なる複数種類の継続期間決定演出状態から遊技者に1の継続期間決定演出状態を選択させ、選択された継続期間決定演出状態の規定に基づいて継続遊技数を決定する。そして、演出状態制御手段314は、継続期間決定演出状態終了後、AT演出状態に滞在した遊技数が、決定された継続遊技数に到達するまで、補助演出を継続する。
ここでは、複数種類の継続期間決定演出状態のうち、複数の選択肢に含まれる正解の選択肢を遊技者に当てさせる、所謂、択当てを促し、遊技者が正解の選択肢を当てると継続遊技数を上乗せする継続期間決定演出状態(所定の演出状態)を挙げて説明する。かかる継続期間決定演出状態は、少なくとも複数遊技(ここでは4遊技)継続される。継続期間決定演出状態中に、選択当選種別が決定され、正解操作態様での操作が行われることで所定の当選役が入賞すると、演出状態制御手段314は、継続遊技数を上乗せするとともに、継続期間決定演出状態自体の遊技数も延長(追加)する。すなわち、遊技者は、継続期間決定演出状態を延長しつつ、継続遊技数のさらなる上乗せを期待することができる。
例えば、継続期間決定演出状態において、当選種別抽選により、図7における当選領域15~30の当選種別「打順ベル」が決定されると、演出制御手段334は、液晶表示部124を通じ、遊技者に打順3~6の4つの打順(4つの選択肢)のいずれかを選択的に操作するように促す。遊技者は、打順3~6のいずれかを選択的に操作し、その操作が正解操作態様であれば、正解役である払出枚数が9枚の当選役「ベル」を入賞させることができる。そうすると、遊技者は、1/4の確率で当選役「ベル」を入賞させて9枚の払い出し(所定の特典)を受けるとともに、継続遊技数の上乗せ(所定の特典)、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長(所定の特典)を獲得することができる。
図35は、択当て遊技を説明するための説明図である。例えば、継続期間決定演出状態において、当選種別抽選により、当選種別「打順ベルA1」、「打順ベルB1」、「打順ベルC1」、「打順ベルC5」が決定されたとする。当選種別「打順ベルA1」、「打順ベルB1」、「打順ベルC1」、「打順ベルC5」の正解操作態様は打順3である。したがって、遊技者が、選択肢である打順3~6のうち、打順3での操作を行うと、払出枚数が9枚の当選役「小役2」(当選役「ベル」)を入賞させることができる。
例えば、当選種別抽選により当選種別「打順ベルA1」が決定されると、演出制御手段334は、図35(a)のように、その遊技が4択の択当て遊技であることを示す画像、すなわち、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかの第1停止を促す画像「×??」を液晶表示部124に表示する。仮に、遊技者が、ストップスイッチ120bを第1停止したとする。その操作は、正解操作態様である打順3に従っているので、演出制御手段334は、図35(b)のように、第1停止が正解であること、および、残り2択の択当てを要することを示す画像、すなわち、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120cのいずれかの第2停止を促す画像「?・?」を液晶表示部124に表示する。ここで、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120cの順に(打順3で)操作すると(正解操作態様での操作を行うと)、当選役「小役2」が入賞し、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得できる。一方、遊技者が、ストップスイッチ120c、ストップスイッチ120aの順に(打順4で)操作すると、当選役「小役10」が入賞し、継続期間決定演出状態の遊技数は延長されない。
また、継続期間決定演出状態において、当選種別「打順ベル」が決定された場合に、必ずしも4択の択当て遊技とせず、2択の択当て遊技や1択の択当て遊技を行ってもよい。例えば、当選種別抽選により当選種別「打順ベルB1」が決定されると、演出制御手段334は、図35(c)のように、その遊技が、2択の択当て遊技であること、および、第1停止を示す画像、すなわち、ストップスイッチ120bの第1停止を促す画像「?1?」を液晶表示部124に表示する。遊技者が、かかる画像に従い、ストップスイッチ120bを第1停止したとする。その操作は、正解操作態様である打順3に従っているので、演出制御手段334は、当選種別「打順ベルA1」に当選したとき同様、図35(b)のように、第1停止が正解であること、および、残り2択の択当てを要することを示す画像、すなわち、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120cのいずれかの第2停止を促す画像「?・?」を液晶表示部124に表示する。ここで、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120cの順に(打順3で)操作すると(正解操作態様での操作を行うと)、当選役「小役2」が入賞し、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得できる。一方、ストップスイッチ120c、ストップスイッチ120aの順に(打順4で)操作すると、当選役「小役10」が入賞し、継続期間決定演出状態の遊技数は延長されない。
また、当選種別抽選により当選種別「打順ベルC1」が決定されると、演出制御手段334は、図35(d)のように、その遊技が、1択の択当て遊技であること、および、正解操作態様を示す画像「213」を液晶表示部124に表示する。遊技者が、かかる画像に従い、ストップスイッチ120bを第1停止したとする。その操作は、正解操作態様である打順3に従っているので、演出制御手段334は、図35(e)のように、第1停止が正解であること、および、第2停止を示す画像、すなわち、ストップスイッチ120aの操作を促す画像「2・3」を液晶表示部124に表示する。ここで、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120cの順に(打順3で)操作すると(正解操作態様での操作を行うと)、当選役「小役2」が入賞し、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得できる。
ここでは、当選種別「打順ベル」が決定された場合に、4択、2択、1択のいずれかの択当て遊技が行われる。そして、遊技者は、択当て遊技において当選役「ベル」を入賞させることで、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得することができる。なお、4択、2択、1択の択当てを示す演出は、全ての打順1~6よりも正解操作態様での操作を特定し易いように打順数を制限している点で補助演出に相当する。また、2択の補助演出は、4択の補助演出より択数が少ない分、正解操作態様での操作を特定し易いので、メダルの期待獲得枚数が高くなる。また、1択の補助演出は、2択の補助演出より択数が少なく、正解操作態様自体を報知しているので、メダルの期待獲得枚数が高くなる。ここで、所定の択数の補助演出を第1補助演出とした場合に、第1補助演出より正解操作態様での操作を特定し易い、すなわち、択数が少ない補助演出を第2補助演出という場合がある。
ここで、演出状態制御手段314は、4択、2択、1択のいずれの択当て遊技を実行するかを、当選種別に応じて決定するとしてもよい。例えば、当選種別抽選により当選領域15~18の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」が決定されると、演出状態制御手段314は、4択の択当て遊技を実行する。当選種別抽選により当選領域19~22の当選種別「打順ベルB1」~「打順ベルB4」が決定されると、演出状態制御手段314は、2択の択当て遊技を実行する。当選種別抽選により当選領域23~30の当選種別「打順ベルC1」~「打順ベルC8」が決定されると、演出状態制御手段314は、1択の択当て遊技を実行するとしてもよい。また、演出状態制御手段314は、4択、2択、1択のいずれの択当て遊技を実行するかを、その当選領域に拘わらず、抽選により決定することもできる。例えば、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により当選種別「打順ベル」が決定されると、その当選種別「打順ベル」の種類に拘わらず、4択:2択:1択の選択比率が5:4:1となるように、抽選により択数を決定する。
また、継続期間決定演出状態において、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長が付与されるのは、上記の当選種別「打順ベル」当選における当選役「ベル」の入賞時のみならず、他の当選種別の当選または他の当選役の入賞によって行われるとしてもよい。例えば、演出状態制御手段314は、継続期間決定演出状態において、当選領域8~14における、所謂、レア役(当選種別「スイカ」、当選種別「弱チェリー」、当選種別「強チェリー1」、当選種別「強チェリー2」、当選種別「強ベル」、当選種別「チャンス目A」、当選種別「チャンス目B」)や、当選種別「共通ベル1」、「共通ベル2」に当選した場合も、対応する当選役の入賞有無に拘わらず、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を付与する。
また、演出状態制御手段314は、継続期間決定演出状態において、当選領域33における当選種別「リプレイ1」に当選した場合も、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を付与する。ただし、ここでは、演出制御手段334が、遊技者に所定の図柄の停止を促し、その図柄が直線的に表示されたことに基づいて、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長が行われたように見せる遊技性としている。例えば、継続期間決定演出状態において、当選種別抽選により当選種別「リプレイ1」が決定された場合、演出制御手段334は、図35(f)のように、打順6(逆押し)で図柄「BAR」の停止を促す画像(「逆押し」および「BARを狙え」)を液晶表示部124に表示する。遊技者が、かかる画像に従い、図柄「BAR」が無効ラインB1上に表示されるように打順6での操作を行うと、当選役「リプレイ2」が入賞し、図柄「BAR」を無効ラインB1上に直線的に表示させることができる。演出状態制御手段314は、このような、当選種別「リプレイ1」の当選に伴い、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を行う。なお、必ずしも無効ラインB1上に図柄「BAR」を表示させる必要はなく、演出状態制御手段314は、当選役「リプレイ2」が入賞しさえすれば、その図柄が図柄「赤7」や図柄「白7」であっても、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を行う。
なお、ここでは、演出制御手段334が、遊技者に打順6(逆押し)で図柄「BAR」の停止を促す画像を液晶表示部124に表示し、遊技者が打順6での操作を行うことで、図柄「BAR」が直線的に表示される例を挙げて説明したが、必ずしも図柄「BAR」が直線的に表示されるとは限らない。例えば、当選種別抽選により、当選領域34の当選種別「リプレイ2」が決定された場合においても、演出制御手段334は、図35(f)のように、遊技者に打順6(逆押し)で図柄「BAR」の停止を促す画像を液晶表示部124に表示する。しかし、遊技者が、かかる画像に従い、図柄「BAR」が無効ラインB1上に表示されるように打順6での操作を行うと、当選役「リプレイ3」が入賞し、図柄「BAR」を無効ラインB1上に直線的に表示させることはできない。したがって、かかる遊技において、演出状態制御手段314は、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を行わない。
なお、継続遊技数の上乗せが実行される場合に、上乗せされる継続遊技数の範囲は、当選種別毎に独立して設定されるとしてもよい。例えば、演出状態制御手段314は、当選役「ベル」の入賞に応じ、上乗せする継続遊技数を、5~50遊技の範囲で抽選により決定する。また、演出状態制御手段314は、所謂、レア役の当選に応じ、上乗せする継続遊技数を、10~100遊技の範囲で抽選により決定する。また、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」の当選に応じ、上乗せする継続遊技数を、20~100遊技の範囲で抽選により決定する。
また、演出状態制御手段314は、継続遊技数の上乗せに加え、所定の遊技利益を付与してもよい。例えば、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」の当選に応じ、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長に加え、遊技者に択当てを促す当該継続期間決定演出状態自体を再度実行する権利を付与してもよい。
続いて、継続期間決定演出状態の遊技数の延長について詳述する。上記のように、継続期間決定演出状態は、少なくとも複数遊技(ここでは4遊技)継続される。ここでは、以下のように、所謂、ST(スペシャルタイム)方式を用い、遊技結果に応じて遊技数を延長する。
図36は、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を説明するための説明図である。図36においては、1遊技が「□」で表されている。保障遊技数である4遊技の継続期間決定演出状態において、継続期間決定演出状態の遊技数の延長がなされなかった場合、演出状態制御手段314は、図36(a)のように、4遊技後に継続期間決定演出状態を終了し、AT演出状態の継続遊技数として最低保障の継続遊技数(例えば30遊技)を設定して、AT演出状態の遊技数の計数を開始する。
一方、かかる4遊技の間に、例えば、3遊技目に当選種別「打順ベル」に当選し、かつ、当選役「ベル」が入賞すると、演出状態制御手段314は、図36(b)のように、保障遊技数がリセットされる。すなわち、遊技者は、次の遊技から、改めて、保障遊技数(4遊技)分の継続期間決定演出状態を実行することが可能となる。このように、保障遊技数である4遊技の間に、継続期間決定演出状態の遊技数の延長が行われると、継続期間決定演出状態が保障遊技数分だけ繰り返し延長され、遊技者は、その延長された間、繰り返し、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長の獲得機会を得ることができる。このような所定の契機で保障遊技数分の遊技が追加される遊技方式をST方式という場合がある。
このようなST方式において、例えば、1遊技における継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得できる確率が平均して1/3であった場合、4遊技中に継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得できる確率は約80%となる。したがって、遊技者は、約80%の確率で継続期間決定演出状態の遊技数を延長できることとなる。
また、保障遊技数は4遊技に固定されず、遊技の進行に応じて、保障遊技数が4遊技から増加する場合がある遊技性としてもよい。例えば、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」の当選に応じ、上乗せする継続遊技数として20~100遊技を抽選により決定し、継続期間決定演出状態の遊技数を延長し、かつ、継続期間決定演出状態を再度実行する権利を付与する。これに加え、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」に当選する度に、保障遊技数を、11遊技を上限に1遊技ずつ加算するとしてもよい。したがって、継続期間決定演出状態がリセットされた次遊技からの保障遊技数は、当選種別「リプレイ1」の当選に応じて、4遊技→5遊技→6遊技→7遊技→8遊技→9遊技→10遊技→11遊技→12遊技→13遊技→14遊技→15遊技と増加する。これに伴い、継続期間決定演出状態における上記の各保障遊技数中に、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を獲得できる確率は、約80%→約87%→約91%→約94%→約96%→約97%→約98%→約99%→約99%→約99%→約99%→約99%と増加する。例えば、図36(c)の例では、保障遊技数が4遊技である継続期間決定演出状態中に、当選種別「リプレイ1」に当選したことで、演出状態制御手段314は、継続期間決定演出状態をリセットし、次遊技から、保障遊技数が5遊技である継続期間決定演出状態を開始する。
なお、ここでは、当選種別「リプレイ1」の当選に応じ、保障遊技数を1遊技ずつ加算する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、他の当選種別の当選や任意の当選役の入賞に応じて保障遊技数を加算してもよい。また、ここでは、保障遊技数を1遊技ずつ固定的に加算する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、所定の契機に応じて、抽選により加算する遊技数(例えば0~2)を決定してもよいし、保障遊技数を減算(例えば-1)するとしてもよい。
上述した継続期間決定演出状態は、AT演出状態の一部としてAT演出状態の開始時に行われる。したがって、継続期間決定演出状態の間も、遊技者は、AT演出状態による遊技利益の獲得に期待する。しかし、ここで説明した継続期間決定演出状態においては、上記のように、当選種別「打順ベル」の当選を択当て遊技に利用している。したがって、継続期間決定演出状態が実行されている間、当選種別「打順ベル」に当選したとしても、必ずしも正解操作態様を報知する補助演出が実行されるとは限らない。したがって、正解操作態様を報知することで必ず正解役を入賞させることが可能な場合と比べて、遊技者の遊技利益を損なうおそれがある。さらに、ST方式により継続期間決定演出状態が延長されると、遊技利益が高くない状態が継続することとなり、遊技者の遊技利益を損なう可能性が高くなる。そこで、ここでは、択当て遊技の遊技性を変化させて、遊技者の遊技利益を確保する。
図37、図38は、択当て遊技の変化態様を説明するための説明図である。ここでは、択当て遊技の遊技性が、継続期間決定演出状態の保障遊技数の増加に応じて変化する例を挙げて説明する。図37のように、継続期間決定演出状態の保障遊技数が4遊技であれば、演出状態制御手段314は、例えば、当選領域15~18の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」が決定されると4択の択当て遊技を実行し、当選領域19~22の当選種別「打順ベルB1」~「打順ベルB4」が決定されると2択の択当て遊技を実行し、当選領域23~30の当選種別「打順ベルC1」~「打順ベルC8」が決定されると1択の択当て遊技を実行する。そして、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」の当選に応じて、継続期間決定演出状態をリセットするとともに、保障遊技数を1ずつ増加させる。演出状態制御手段314は、保障遊技数が4~14遊技の間は、当選種別と択数との対応関係を変化させない。したがって、4択:2択:1択の選択比率は維持される。そして、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」が繰り返し当選したことに応じて、保障遊技数が14遊技から15遊技に増加すると、図37のように、当選領域15~30の当選種別「打順ベル」のいずれが決定されたとしても、必ず1択の択当て遊技を実行する。したがって、保障遊技数が15遊技となると、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、遊技者は、必ず当選役「ベル」を入賞させることができ、継続期間決定演出状態のさらなる延長を期待することが可能となる。
また、択当て遊技の変化態様は、上記に限らず、択数を段階的に変化させてもよい。図38に示すように、継続期間決定演出状態の保障遊技数が4遊技であれば(4~7遊技の間)、演出状態制御手段314は、例えば、当選領域15~18の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」が決定されると4択の択当て遊技を実行し、当選領域19~22の当選種別「打順ベルB1」~「打順ベルB4」が決定されると2択の択当て遊技を実行し、当選領域23~30の当選種別「打順ベルC1」~「打順ベルC8」が決定されると1択の択当て遊技を実行する。そして、演出状態制御手段314は、当選種別「リプレイ1」の当選に応じて、継続期間決定演出状態をリセットするとともに、保障遊技数を1ずつ増加させる。保障遊技数が8遊技となると(8~14遊技の間)、演出制御手段334は、図38のように、当選領域15~18の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」が決定された場合に4択ではなく2択の択当て遊技を実行する。保障遊技数が12遊技となると(12~15遊技の間)、演出状態制御手段314は、図38のように、当選領域19~22の当選種別「打順ベルB1」~「打順ベルB4」が決定された場合に2択ではなく1択の択当て遊技を実行する。保障遊技数が15遊技となると、演出状態制御手段314は、図38のように、当選領域15~18の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルA4」が決定された場合に、2択ではなく1択の択当て遊技を実行する。このように、保障遊技数の増加に応じて、段階的に択数を減数することで、保障遊技数の増加に加えて、当選役「ベル」の入賞率を高めることが可能となり、遊技者は、継続期間決定演出状態のさらなる延長を期待することが可能となる。
上述したように、保障遊技数が増加されたり、継続期間決定演出状態が延長された場合に、択数を減数して正解操作態様での操作を行い易くすることで、遊技者は、当選役「ベル」の入賞率を高めることができる。例えば、1択の択当て遊技は、継続期間決定演出状態終了後の通常のAT演出状態と同様、正解操作態様を報知する補助演出に相当するので、遊技者は、AT演出状態と同等の遊技利益を得ることができる。したがって、継続期間決定演出状態が延長された場合であっても、延長後は当選役「ベル」の入賞率が高まるので、遊技者の遊技利益を確保することが可能となる。
このようにスロットマシン100では、正解操作態様での操作が所定の当選役の入賞条件として設定された選択当選種別を含む複数種類の当選種別のいずれかを決定する当選種別抽選手段304と、スタートスイッチ118の操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリール110a、110b、110cを回転制御し、回転しているリール110a、110b、110cに対応するストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じ、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応するリール110a、110b、110cをそれぞれ停止制御するリール制御手段306と、遊技者に有利となる操作態様を報知する補助演出を実行する補助演出実行手段と、補助演出を行うことが可能なAT演出状態を含む複数種類の演出状態のいずれかへ移行させる演出状態制御手段314と、を備える。演出状態制御手段314は、所定の演出状態(例えば、継続期間決定演出状態)において、選択当選種別(例えば、当選種別「打順ベル」)が決定され正解操作態様での操作がなされると所定の特典(例えば、継続遊技数の上乗せ)を与え、所定の演出状態を延長することがあり、補助演出実行手段は、所定の演出状態において、選択当選種別が決定されると補助演出を行い、補助演出として、第1補助演出(例えば、2択の補助演出)、および、第1補助演出より正解操作態様での操作を特定し易い(例えば、択数が少ない)第2補助演出(例えば、1択の補助演出)を実行する場合があり、所定の演出状態を延長する前と後とで、第1補助演出に対する第2補助演出の実行比率を異ならせる。
なお、所定の演出状態は、継続期間決定演出状態に限らず、択当てを促し、遊技者が正解の選択肢を当てると遊技利益を付与する様々な演出状態を適用でき、例えば、上記の例では、非有利演出状態、通常演出状態、前兆演出状態、振分演出状態、特別前兆演出状態、特別演出状態等に適用することができる。また、所定の特典は、継続遊技数の上乗せに限らず、択当て遊技に正解することで遊技者に付与可能な様々な遊技利益を適用することができる。また、所定の演出状態を延長する前と後とで、第1補助演出に対する第2補助演出の実行比率を高める場合に限らず、第1補助演出に対する第2補助演出の実行比率を低くしてもよい。この場合、実行比率が低くなることで、遊技者はメダルの期待獲得枚数が少なくなるが、継続期間決定演出状態を早期に終了することが可能となるので、結果的に期待獲得枚数が少ない期間は長くならず、早期にAT演出状態の恩恵を受けることができ、遊技者の遊技利益を確保することが可能となる。
<継続期間決定演出状態の表示態様>
上述したように、継続期間決定演出状態においては、AT演出状態の継続遊技数を決定する様々な演出が実行される。ここでは、図35(f)を用いて説明した、遊技者に所定の押し順で所定の図柄の停止を促す演出の、特に表示態様について詳述する。
図39は、継続期間決定演出状態の演出の一例を説明するための説明図である。ここで、図39(a)は、図35(f)の液晶表示部124部分の拡大図を示し、図39(b)は、液晶表示部124に表示された画像を構成する複数のレイヤそれぞれの画像データを示している。なお、図39(b)では、説明の便宜上、継続期間決定演出状態の演出を構成する主として4つのレイヤ400、402、404、406を示しており、かかるレイヤ400、402、404、406が合成されることで図39(a)の合成画像が生成される。
演出状態制御手段314は、継続期間決定演出状態において、当選領域33における当選種別「リプレイ1」または当選領域34の当選種別「リプレイ2」に当選した場合、遊技者に所定の押し順で所定の図柄の停止を促す演出を実行する。ここで、演出制御手段334は、図39(a)のように、背景画像412、操作順画像414、停止図柄画像416を液晶表示部124に表示する。
背景画像412は、背景として最背面に位置する画像であり、現在の遊技状態や演出状態を示唆する。背景画像412は、例えば、図39(b)におけるレイヤ400に配置される。操作順画像414は、ストップスイッチ120a、120b、120cを操作すべき順を示す。操作順画像414は、例えば、図39(b)においてレイヤ400より優先順位の高いレイヤ402に配置される。停止図柄画像416は、ストップスイッチ120a、120b、120cを操作すべきタイミング、すなわち、各リール110a、110b、110cにおける、無効ラインB1上に表示させるべき図柄を示す。停止図柄画像416は、図39(b)においてレイヤ402より優先順位の高いレイヤ404に配置される。なお、図39(b)においてレイヤ404より優先順位の高いレイヤ406には、後述する割込画像が配置される。ここでは、主として、操作順画像414、停止図柄画像416、および、割込画像の関係を説明する。なお、操作順画像414は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作順を示す点において操作順報知であり、停止図柄画像416は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミングを示す点において操作タイミング報知であり、操作順画像414および停止図柄画像416は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を示す点において操作態様報知である。また、操作順画像414および停止図柄画像416を表示する副制御基板202、演出制御手段334、および、液晶表示部124は、操作態様報知、操作順報知、操作タイミング報知を行う点で報知手段に含まれる。
具体的に、演出制御手段334は、レイヤ402に、操作順画像414として、打順6、すなわち、ストップスイッチ120c、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120aの順に操作を促す画像を配置する。かかる画像は、左方向の矢印の右上方に「逆押し」の文字が一体的に形成されたものである。遊技者は、液晶表示部124を通じて、左方向の矢印を視認することで、ストップスイッチ120を右から順に操作すればよいことを容易に把握することができる。また、遊技者は、液晶表示部124を通じて、「逆押し」の文字を視認することで、通常演出状態におけるストップスイッチ120の操作(打順1)を「順押し」とした場合に、その逆となる「逆押し」を行えばよいことを容易に把握することができる。さらに、演出制御手段334は、液晶表示部124の下部において、周期的に、当該操作順画像414を右から左に順次スクロールさせる。したがって、操作順画像414は、順次、液晶表示部124の右下部から出現して左側に移動し、液晶表示部124の左下部に到達して削除される。遊技者は、液晶表示部124を通じて、操作順画像414自体が右から左にスクロールしているのを視認することで、ストップスイッチ120を右から順に操作すればよいことを容易に把握することができる。
また、演出制御手段334は、レイヤ404に、停止図柄画像416として、図柄「BAR」の停止を促す画像を配置する。かかる画像は、図柄「BAR」を摸した画像の下方に、動作を示す「を狙え」の文字が一体的に形成されたものである。遊技者は、液晶表示部124を通じて、図柄「BAR」を視認することで、当該遊技における対象が図柄「BAR」であることを容易に把握することができる。また、遊技者は、液晶表示部124を通じて、「を狙え」の文字を視認することで、当該演出が図柄「BAR」の停止を促していることを容易に把握することができる。
なお、ここでは、図39(a)を参照して理解できるように、操作順画像414の一部に、停止図柄画像416を重畳させている。これは、操作順画像414によって示される操作順で操作されるストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミングを示す図柄が、停止図柄画像416が示す図柄であることを認識し易くするためである。遊技者は、操作順画像414と停止図柄画像416との位置関係から、操作順と停止図柄との関係性を容易に把握することができる。なお、操作順画像414が配置されたレイヤ402より、停止図柄画像416が配置されたレイヤ404の方が、優先順位が高いので、当該レイヤ402、404を合成することで、操作順画像414に、停止図柄画像416が重畳され、操作順画像414の視認が一時的に阻害される。ここでは、複数の操作順画像414をスクロールさせているので、演出制御手段334は、停止図柄画像416と重畳する位置以外で操作順画像414の全体像を表示することができる。遊技者は、液晶表示部124を通じて、停止すべき図柄を示す停止図柄画像416の背面から操作順画像414が出現するのを視認することで、操作順と停止図柄との関係性をより容易に把握することができる。
ここで、遊技者が、操作順画像414に従って、ストップスイッチ120cを第1停止するように試み、かつ、停止図柄画像416に従って、リール110cにおける図柄「BAR」が無効ラインB1上に表示されるタイミングでストップスイッチ120cを操作したとする。
ストップスイッチ120cの停止操作の開始に応じ、演出制御手段334は、図39(b)のレイヤ404より優先順位の高いレイヤ406に、一時的に割込画像を配置する。割込画像は、例えば、白色の画像で画面を覆うホワイトアウトや、黒色の画像で画面を覆うブラックアウトであり、遊技者が、その表示により、下位に位置するレイヤ400、402、404の情報を視認することができなくなる画像である。ただし、レイヤ400、402、404の情報は視認できなくなるが、割込画像が出現している間、割込画像自体に何らかの情報が示されてもよい。例えば、割込画像として、複数の図形、文字、記号を重ねたり、キャラクタにズームインしたり、キャラクタの動作をクローズアップしたりして、下位のレイヤ400、402、404の情報を認識させないようにすることができる。
図40は、継続期間決定演出状態の演出の一例を説明するための説明図である。図40では、スタートスイッチ118を操作した図35(f)の状態からの、ストップスイッチ120の操作に応じた画像の変化態様を示している。ここでは、仮に、遊技者のスタートスイッチ118の操作に応じて、当選領域33における当選種別「リプレイ1」が当選したとする。
操作順画像414および停止図柄画像416に従って、遊技者が、右リール110cの図柄「BAR」が無効ラインB1上に表示されるようにストップスイッチ120cを第1停止すると、演出制御手段334は、ストップスイッチ120cが操作されたことを示す操作実行報知を行う。かかる操作実行報知は、遊技者が、ストップスイッチ120cの操作が受け付けられたことを把握できれば足りる。具体的に、演出制御手段334は、ストップスイッチ120cの停止操作開始から所定時間(例えば、0.1秒間)だけ、レイヤ406に割込画像418を配置する。こうして、図40(a)のように、液晶表示部124には、割込画像418のみが表示され、背景画像412、操作順画像414、停止図柄画像416は視認できなくなる。なお、割込画像418は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかが操作されたことを示す点で操作実行報知であり、また、操作順報知または操作タイミング報知の一方または双方の視認性の低下を示す点で視認性低下報知でもある。続いて、図40(b)のように、リール制御手段306は、遊技者のストップスイッチ120cの操作に応じて、右リール110cの図柄「BAR」を無効ラインB1上に表示する。演出制御手段334は、停止操作開始から所定時間が経過したことに応じて、レイヤ406から割込画像418を削除する。この間、レイヤ400、402、404の画像は維持されている。したがって、図40(b)のように、液晶表示部124には、背景画像412、操作順画像414、停止図柄画像416が再度表示される。
次に、操作順画像414および停止図柄画像416に従って、遊技者が、中リール110bの図柄「BAR」が無効ラインB1上に表示されるようにストップスイッチ120bを第2停止すると、演出制御手段334は、その停止操作開始から所定時間だけ、レイヤ406に割込画像418を配置する。こうして、図40(c)のように、液晶表示部124には、割込画像418のみが表示され、背景画像412、操作順画像414、停止図柄画像416は視認できなくなる。続いて、図40(d)のように、リール制御手段306は、遊技者のストップスイッチ120bの操作に応じて、中リール110bの図柄「BAR」を無効ラインB1上に表示する。演出制御手段334は、停止操作開始から所定時間が経過したことに応じて、レイヤ406から割込画像418を削除する。この間、レイヤ400、402、404の画像は維持されている。したがって、図40(d)のように、液晶表示部124には、背景画像412、操作順画像414、停止図柄画像416が再度表示される。
次に、操作順画像414および停止図柄画像416に従って、遊技者が、左リール110aの図柄「BAR」が無効ラインB1上に表示されるようにストップスイッチ120aを第3停止すると、演出制御手段334は、その停止操作開始から所定時間だけ、レイヤ406に割込画像418を配置する。こうして、図40(e)のように、液晶表示部124には、割込画像418のみが表示され、背景画像412、操作順画像414、停止図柄画像416は視認できなくなる。続いて、図40(f)のように、リール制御手段306は、遊技者のストップスイッチ120aの操作に応じて、左リール110aの図柄「BAR」を無効ラインB1上に表示する。こうして、無効ラインB1上には、図柄「BAR」が直線状に表示される。演出状態制御手段314は、このような、当選種別「リプレイ1」の当選に伴い、当選役「リプレイ2」の入賞以後に、継続遊技数の上乗せ、および、継続期間決定演出状態の遊技数の延長を行う。
また、演出制御手段334は、停止操作開始から所定時間が経過したことに応じて、図40(f)のように、レイヤ406から割込画像418を削除する。ただし、第1停止および第2停止と異なり、演出制御手段334は、第3停止時に、レイヤ400、402の画像、すなわち、背景画像412、操作順画像414は維持するが、レイヤ400の画像、すなわち、停止図柄画像416は削除する(操作タイミング報知を終了する)。したがって、図40(f)のように、液晶表示部124には、割込画像418が削除された後、背景画像412、操作順画像414は再度表示されるものの、停止図柄画像416は非表示となっている。そして、演出制御手段334は、操作順画像414の透過率を徐々に高め、最終的に操作順画像414も削除する。したがって、遊技者は、第3停止時の割込画像418の削除後は、停止図柄画像416を視認することはなく、操作順画像414を短時間視認することができるものの、最終的には、いずれも視認できなくなる。
図41は、継続期間決定演出状態の演出の一例を説明するためのタイムチャートである。ここでは、図40で説明した演出の流れを画像単位の時系列で説明する。ここでも、仮に、遊技者のスタートスイッチ118の操作に応じて、当選領域33における当選種別「リプレイ1」が当選したとする。また、背景画像412は、継続期間決定演出状態の間、維持されるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
図41(a)に示すように、遊技者がスタートスイッチ118を操作すると、演出制御手段334は、液晶表示部124に、操作順画像414、停止図柄画像416を表示する。このとき、操作順画像414は透過率0%で右から左にスクロールされ、停止図柄画像416がその前面に表示されている。遊技者がストップスイッチ120を操作すると、演出制御手段334は、その度に、割込画像418を所定時間だけ表示する。このように割込画像418が表示されている間も操作順画像414、停止図柄画像416は表示が維持されているが、割込画像418が配置されたレイヤの方が、優先順位が高いので、遊技者は、操作順画像414、停止図柄画像416を視認できない。そして、第3停止が操作開始されると、演出制御手段334は、停止図柄画像416を削除して非表示にするとともに、操作順画像414のスクロールを止め、停止状態とする。したがって、割込画像418の削除後は、液晶表示部124に、停止図柄画像416は表示されず、操作順画像414は停止した状態で表示されている。遊技者が第3停止を操作終了すると、演出制御手段334は、操作順画像414の透過率を0%から100%に漸増し、最終的に削除する。
なお、図41(a)では、演出制御手段334が、停止図柄画像416を、第3停止の操作開始時に削除する例を挙げて説明したが、停止図柄画像416は割込画像418が削除されるまでに削除されれば足り、例えば、図41(b)のように、割込画像418の削除時に合わせて停止図柄画像416を削除するとしてもよい。
また、図41(a)では、演出制御手段334が、操作順画像414のスクロールを、第3停止の操作開始時に停止する例を挙げて説明したが、操作順画像414の透過率が100%となるまでに停止すれば足り、例えば、図41(c)のように、第3停止の操作終了時における操作順画像414の透過率の漸増開始時と同時に、操作順画像414のスクロールを停止するとしてもよい。
また、図41(a)では、演出制御手段334が、操作順画像414の透過率の漸増を、第3停止の操作終了時に開始する例を挙げて説明したが、割込画像418が削除されたタイミングで操作順画像414の透過率が0%より大きければ足り、例えば、図41(d)のように、停止図柄画像416の削除時に操作順画像414の透過率の漸増を開始するとしてもよいし、図41(e)のように、第3停止の操作開始時に操作順画像414の透過率の漸増を開始するとしてもよい。このとき、第3停止操作終了時に操作順画像414の透過率を強制的に100%に増やし、第3停止操作終了後には操作順画像414を非表示にしてもよい。
また、図41(a)では、演出制御手段334が、操作順画像414の透過率を漸増する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、割込画像418が削除された後に操作順画像414を視認できれば足り、例えば、図41(f)のように、第3停止の操作終了時に操作順画像414の透過率を100%にする、すなわち、操作順画像414を削除するとしてもよい。
また、図41(a)では、演出制御手段334が、操作順画像414のスクロールを、第3停止の操作開始時に停止する例を挙げて説明したが、操作順画像414は割込画像418が削除されるまでに停止すれば足り、例えば、図41(g)のように、割込画像418の削除時に合わせて操作順画像414を停止するとしてもよい。
また、図41(a)では、演出制御手段334が、操作順画像414のスクロールを一旦停止する例を挙げて説明したが、割込画像418が削除された後に操作順画像414を視認できれば足り、図41(h)のように、操作順画像414が透過率100%となるまで停止することなくスクロールし続けるとしてもよい。
上述したように、継続期間決定演出状態において、当選種別「リプレイ1」に当選した場合、演出制御手段334は、所定の押し順で、所定の図柄の停止を促す演出を行い、遊技者は、当選役「リプレイ2」を入賞させて、図柄「BAR」を無効ラインB1上に直線的に表示することができる。一方、当選種別「リプレイ2」に当選した場合、演出制御手段334は、所定の押し順で、所定の図柄の停止を促す演出を行うが、遊技者は、当選役「リプレイ3」しか入賞させることができず、図柄「BAR」を無効ラインB1上に直線的に表示させることができない。
このように、当選種別「リプレイ2」に当選した場合に、第3停止後に、液晶表示部124に停止図柄画像416を表示し続けると、遊技者は、リール110の表示結果と、演出との違いに違和感を覚えるおそれがある。そこで、演出制御手段334は、第3停止に応じて停止図柄画像416を削除する。ただし、停止図柄画像416を唐突に削除すると、停止図柄画像416が表示された状態から不意に非表示となるので、遊技者が違和感を覚えるおそれがある。そこで、演出制御手段334は、遊技者のストップスイッチ120の操作に応じて割込画像418を表示する。そして、演出制御手段334は、割込画像418を表示している間に停止図柄画像416を削除することで、割込画像418を表示するまでの画像と割込画像418を表示した後の画像との連続性を断ち、停止図柄画像416の削除を認識しにくくする。こうして、遊技者が違和感を覚えるのを防止することができる。
なお、当選種別「リプレイ2」に当選した場合には、割込画像418の表示後に停止図柄画像416を削除するが、当選種別「リプレイ1」に当選した場合には、割込画像418の表示後に停止図柄画像416を削除しないとすると、第3停止開始後に停止図柄画像416が維持されるか否かを視認することで、遊技者は、リール110の停止状態を見ることなく遊技結果を把握できてしまう。したがって、当選種別「リプレイ2」および当選種別「リプレイ1」のいずれに当選した場合においても、演出制御手段334は、割込画像418の表示後に停止図柄画像416を削除することとしている。
また、操作順画像414については、遊技者が、操作順画像414が示している操作順で操作した場合、遊技結果、すなわち、当選役「リプレイ2」が入賞したか、当選役「リプレイ3」が入賞したかに拘わらず、操作順画像414と遊技者の実際の操作順とが矛盾しない。したがって、第3停止後に、操作順画像414の表示が維持されていたとしても、遊技者は違和感を覚えることはない。したがって、演出制御手段334は割込画像418の削除に応じて、停止図柄画像416を削除する一方で、操作順画像414の表示を維持する。かかる構成により、操作順画像414について、割込画像418を表示するまでの画像と表示後の画像との連続性を維持できるので、遊技者に違和感を抱かせるのを防止する。
また、ここでは、液晶表示部124に、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているとき、遊技者によるストップスイッチ120の操作開始や操作終了に応じて、演出制御手段334が、液晶表示部124に割込画像418の表示を開始する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、演出制御手段334は、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているときであり、遊技者によるストップスイッチ120の操作が行われた以後であれば、いずれのタイミングで液晶表示部124に割込画像418の表示を開始してもよく、例えば、ストップスイッチ120の操作開始や操作終了から所定の時間後に液晶表示部124に割込画像418の表示を開始してもよい。
また、ここでは、液晶表示部124に、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているとき、演出制御手段334が、割込画像418の表示を開始し、割込画像418が表示されているときに、操作順画像414および停止図柄画像416のうち停止図柄画像416のみを削除する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、演出制御手段334は、液晶表示部124に、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているとき、割込画像418の表示を開始し、割込画像418が表示されているときに、操作順画像414または停止図柄画像416の少なくとも一方を削除するとしてもよい。したがって、演出制御手段334は、液晶表示部124に、割込画像418が表示されているときに、操作順画像414のみを削除するとしてもよいし、操作順画像414および停止図柄画像416の双方を削除するとしてもよい。また、割込画像418が「表示されているとき」には、表示されている間、および、表示開始される直前も含む。こうして、割込画像418が削除されると、液晶表示部124では、操作順画像414または停止図柄画像416の少なくとも一方が削除された状態となる。
また、ここでは、液晶表示部124に、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているとき、演出制御手段334が、当選種別抽選の結果に拘わらず、割込画像418の表示を開始し、割込画像418が表示されているときに、操作順画像414または停止図柄画像416の少なくとも一方を削除する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、当選種別抽選の結果等、特定条件が成立しているか否かによって、その報知態様を異ならせてもよい。例えば、特定条件が、図柄「赤7」を直線状に表示可能な当選種別の決定とすると、当選領域33の当選種別「リプレイ1」の決定は、特定条件が成立したこととなり、当選領域34の当選種別「リプレイ2」等の図柄「赤7」を直線状に表示できない当選種別の決定は、特定条件が成立していないこととなる。そして、演出制御手段334は、特定条件が成立している場合には、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているとき、割込画像418の表示を開始し、割込画像418が表示されているときに、操作順画像414または停止図柄画像416の少なくとも一方を削除し、特定条件が成立していない場合には、操作順画像414および停止図柄画像416が表示されているとき、割込画像418の表示を開始することなく、ストップスイッチ120の操作に応じて、操作順画像414および停止図柄画像416を削除するとしてもよい。したがって、例えば、図柄「赤7」を直線状に表示可能な当選種別が決定されている場合、操作順画像414および停止図柄画像416は、割込画像418の表示を経由して削除されるが、図柄「赤7」を直線状に表示可能な当選種別が決定されていない場合、操作順画像414および停止図柄画像416は、割込画像418が表示されることなく削除されることとなる。
なお、ここでは、視認性低下報知として、演出制御手段334が、操作順画像414および停止図柄画像416より遊技者側において割込画像418を表示することで、操作順画像414および停止図柄画像416を非表示にする例を挙げて説明したが、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、少なくとも操作順画像414および停止図柄画像416が一時的に視認不能または視認低下すれば足り、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作順画像414および停止図柄画像416自体を一時的に削除し、所定時間の経過後、操作順画像414および停止図柄画像416、または、操作順画像414を表示するとしてもよい。
また、演出制御手段334は、遊技者が操作順画像414に従うことなく、例えば、打順1での操作を行った場合、その操作開始時に操作順画像414を削除するとしてもよい。
このようにスロットマシン100では、複数のリール110a、110b、110cと、スタートスイッチ118と、複数のストップスイッチ120a、120b、120cと、抽選を行う抽選手段(例えば、当選種別抽選手段304)と、抽選手段による抽選の結果が所定の結果(例えば、当選領域33の当選種別「リプレイ1」、当選領域34の当選種別「リプレイ2」等の選択当選種別の決定)となった場合に、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を示す操作態様報知(例えば、操作順画像414および停止図柄画像416)と、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作されたことを示す操作実行報知(例えば、割込画像418)と、を行う報知手段(例えば、副制御基板202、演出制御手段334、液晶表示部124)と、を備え、操作態様報知は、操作順を示す操作順報知(例えば、操作順画像414)と、操作タイミングを示す操作タイミング報知(停止図柄画像416)と、があり、操作実行報知は、操作順報知または操作タイミング報知の少なくとも一方の視認性の低下を示す視認性低下報知(割込画像418)であり、報知手段は、操作順報知および操作タイミング報知が行われているときに、視認性低下報知を開始し、視認性低下報知が行われているときに、操作順報知または操作タイミング報知の少なくとも一方を終了(例えば、画像を削除)する。
また、他の観点において、スロットマシン100では、複数のリール110a、110b、110cと、スタートスイッチ118と、複数のストップスイッチ120a、120b、120cと、抽選を行う抽選手段(例えば、当選種別抽選手段304)と、抽選手段による抽選の結果が所定の結果(例えば、当選種別「リプレイ1」、当選領域34の当選種別「リプレイ2」等の選択当選種別の決定)となった場合に、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を示す操作態様報知(例えば、操作順画像414および停止図柄画像416)と、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作されたことを示す操作実行報知(例えば、割込画像418)と、を行う報知手段(例えば、副制御基板202、演出制御手段334、液晶表示部124)と、を備え、操作態様報知は、操作順を示す操作順報知(例えば、操作順画像414)と、操作タイミングを示す操作タイミング報知(停止図柄画像416)と、があり、操作実行報知は、操作順報知および操作タイミング報知の視認性の低下を示す視認性低下報知(割込画像418)であり、報知手段は、特定条件が成立している場合(例えば、当選領域33の当選種別「リプレイ1」等の図柄「赤7」を直線状に表示可能な当選種別が決定された場合)には、操作順報知および操作タイミング報知が行われているときに、視認性低下報知を開始し、視認性低下報知が行われているときに、操作順報知または操作タイミング報知の少なくとも一方を終了し、特定条件が成立していない場合(例えば、当選領域34の当選種別「リプレイ2」等の図柄「赤7」を直線状に表示できない当選種別が決定された場合)には、操作順報知および操作タイミング報知が行われているときに、視認性低下報知を開始することなく、操作順報知および操作タイミング報知を終了する。
<音出力態様>
演出制御手段334は、上記のような、所定の押し順で、所定の図柄の停止を促す演出を行う場合、液晶表示部124を通じて画像を表示するとともに、スピーカ128を通じて音(音声)を出力する。また、演出制御手段334は、遊技の進行に応じて、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120等の操作手段の操作に基づく操作音を、スピーカ128を通じて出力する。具体的に、演出制御手段334は、メダル投入部114へのメダル投入時や、ベットスイッチ116の操作時に(ベットスイッチ116のONにより)、賭け数(投入枚数)の設定を示す設定音(投入を示す投入音)を出力し、スタートスイッチ118の操作時に(スタートスイッチ118のONにより)、リール110の回転待機を示す待機音(ウェイト音)を出力し、また、リール110の回転開始を示す開始音を出力し、各ストップスイッチ120の操作時に(ストップスイッチ120それぞれのONにより)、ストップスイッチ120それぞれに対応するリール110の回転停止を示す停止音を出力し、全ストップスイッチ120の操作完了に応じたメダル払出装置142からのメダル払出時に(全ストップスイッチ120のOFFにより)、リール110の停止結果を示す結果音(払出音)を出力する。ここで、スイッチの「ON」は、スイッチが有効に操作されている(入っている)状態をいい、スイッチの「OFF」は、スイッチの操作が終了した(入っていない)状態をいう。演出制御手段334は、第1に設定音、第2に待機音、第3に開始音、第4に停止音、第5に結果音、の順番に音を出力するようになっている。このような遊技の基本動作に関する設定音、待機音、開始音、停止音、結果音は、遊技進行に伴うシステム系の音として演出音やBGM音と区別して管理されている。なお、演出制御手段334は、メダルの払い出しがなかった場合、すなわち、小役が入賞しなかった場合、ボーナス役、リプレイ役の入賞および非当選に応じて、結果音と異なるシステム音(例えば、入賞音)を出力することができる。
しかし、このような設定音、待機音、開始音、停止音、結果音を、システム系の1のレイヤで単純に管理すると、所定の音の出力が終了する前に他の音の出力が開始され、所定の音が遮られるおそれがある。また、複数の音を単純にシステム系の複数のレイヤに振り分けると、不要に音が重なって聞き取り難くなるおそれがある。そこで、本実施形態では音の出力態様を適切に管理し、遊技者の遊技意欲を向上させる。
ここで、音声データに基づく音の出力について詳述する。上述したように、演出制御手段334が抽選により音声データを決定すると、演出制御手段334は、決定された音声データを音声IC342aに送信することで、その音声データに基づく音をスピーカ128から出力させる。
かかる音声IC342aでは、アクセスコード(SAC:Simple Access Code)それぞれに割り当てられた記憶領域に、FM音色データやADPCM音データ等の複数の音声データを記憶することができる。また、音声IC342aは、サブCPU202aからアクセスコードを示すコマンドを受信し、そのコマンドに従い、アクセスコードによって特定される音声データをレイヤに割り当て、スピーカ128を通じて適切な音量で出力することができる。さらに、音声IC342aは、このようなアクセスコードが複数指定された場合、複数のアクセスコードに対応する音声データをそれぞれ異なるレイヤに割り当てることができる。
図42は、音声IC342aに設けられたレイヤについて説明する説明図である。音声IC342aでは、各アクセスコードに対応する音声データを読み出し、音声IC342a自体に設けられたレイヤに割り当てる。このとき音声IC342aには複数のレイヤが設けられ、音声データはそのうちの1のレイヤに割り当てられることとなる。レイヤは、例えば、システム、BGM、演出(SE(Sound Effect))、演出(VO(Voice))、複合、押し順ナビ(VO)、押し順ナビ(SE)、エラー等の複数のレイヤ種別に分けられ、さらに、レイヤ種別毎に1または複数のレイヤが対応付けられている。ここで、システムは、遊技の進行に伴う確認音をいう。BGMは、背景で比較的長時間維持される背景音楽である。演出(SE)および演出(VO)は、主として演出に連動して発せられる音声である。押し順ナビ(VO)および押し順ナビ(SE)は、補助演出に伴う効果音を示す。エラーは、エラーが生じて遊技が停止されている間にエラー画像とともに出力される音声である。
ここでは、説明の便宜上、図42に示すように、システム、BGM、演出(SE)、演出(VO)の4つのレイヤ種別に関する6つのレイヤを挙げて説明する。例えば、レイヤ1、2にはシステム音声、レイヤ3、4にはBGM音声、レイヤ5には演出(SE)、レイヤ6には演出(VO)が割り当てられている。
遊技の進行に基づく各契機において、図42のように、各レイヤに様々な音声データが割り当てられる。例えば、投入手段によるメダルの投入、すなわち、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、メダル投入部114を通じたメダルの投入、リプレイ役の入賞に基づくメダルの自動投入が行われると、演出制御手段334は、音声IC342aのレイヤ1に設定音を割り当てる。また、遊技者によってスタートスイッチ118が操作されると、演出制御手段334は、音声IC342aのレイヤ2に待機音を割り当てる。また、スタートスイッチ118の操作に応じてリール110が回転開始すると、演出制御手段334は、音声IC342aのレイヤ2に開始音を割り当てる。また、遊技者によってストップスイッチ120が第1停止されると、演出制御手段334は、その停止操作の開始時に、音声IC342aのレイヤ1に停止音を割り当てる。また、遊技者によってストップスイッチ120が第2停止されると、演出制御手段334は、その停止操作の開始時に、音声IC342aのレイヤ1に停止音を割り当てる。また、遊技者によってストップスイッチ120が第3停止されると、演出制御手段334は、その停止操作の開始時に、音声IC342aのレイヤ1に停止音を割り当てる。また、遊技者によってストップスイッチ120の第3停止が解除され、かつ、判定手段308がメダルの払い出しを伴う当選役が入賞したと判定すると、演出制御手段334は、その停止操作の終了時に、音声IC342aのレイヤ2に結果音を割り当てる。なお、遊技の進行に基づく各契機において、必ずしもレイヤ1またはレイヤ2に音声データが割り当てられるとは限らない。例えば、通常演出状態において、遊技者によってスタートスイッチ118が操作されると、演出制御手段334は、音声IC342aのレイヤ2に待機音を割り当てるが、AT演出状態においては、音声IC342aのレイヤ2に待機音を割り当てない。また、演出制御手段334は、待機音を割り当てない代わりに、待機音は割り当てるがその音量を0としてもよい。
また、このような遊技の進行に基づく各契機において、演出制御手段334は、システムのレイヤ1、2に加え、音声IC342aのレイヤ3に背景BGMを割り当てたり、レイヤ4に演出BGMを割り当てたり、レイヤ5に演出SEを割り当てたり、レイヤ6に演出VOを割り当てる場合がある。例えば、上述した、複数の選択肢に含まれる正解の選択肢を遊技者に当てさせる継続期間決定演出状態において、遊技者によるストップスイッチ120の操作(第1停止、第2停止)に応じ、2つのリール110に関して無効ラインB1上に図柄「BAR」が直線的に表示されると、演出制御手段334は、第2停止の開始時に、音声IC342aのレイヤ1に停止音を割り当てるとともに、レイヤ5やレイヤ6に、停止音と異なる演出音(例えば、テンパイ音)を割り当て、ストップスイッチ120の操作に対する演出効果を高める。
ここで、音声IC342aにおける複数のレイヤは、以下のような特性を有している。まず、異なるレイヤに割り当てられた音声は全て並行して出力される。音の出力に関しては、上記のように複数のレイヤの音声データを並行して同時に出力することができるので、レイヤ間に優先順位はない。したがって、レイヤ3に背景BGMが割り当てられているときに、レイヤ2に設定音を割り当てたとしても、いずれの音声も並行して出力されることとなる。遊技者は、複数のレイヤそれぞれに割り当てられた音声データに基づく音を、同時に聴くことができる。
一方、同一のレイヤには1の音声データしか割り当てることができない。したがって、例えば、レイヤ3において既に背景BGMが割り当てられているときに、新たに他の背景BGMを割り当てようとすると、背景BGMが上書きされ、上書きされる前の背景BGMは停止されることとなる。
図43は、遊技の進行に応じた音の切り替えを説明するためのタイミングチャートである。例えば、投入手段によるメダルの投入が行われると、レイヤ1には設定音が割り当てられる。続いて、遊技者によってスタートスイッチ118が操作されると、レイヤ2には待機音が割り当てられる。続いて、スタートスイッチ118の操作に応じてリール110が回転開始すると、レイヤ2に開始音が割り当てられる。続いて、ストップスイッチ120が第1停止されると、レイヤ1に停止音が割り当てられる。続いて、ストップスイッチ120が第2停止されると、レイヤ1に停止音が割り当てられる。続いて、ストップスイッチ120が第3停止されると、レイヤ1に停止音が割り当てられる。続いて、メダルの払い出しを伴う当選役が入賞すると、レイヤ2に結果音が割り当てられる。
ここでは、設定音が割り当てられるレイヤ1と、待機音および開始音が割り当てられるレイヤ2とが異なる。したがって、設定音の出力が終了する前に、仮に、待機音や開始音の出力が開始されたとしても、設定音が待機音や開始音に上書きされることはない。したがって、設定音と、待機音とは同時に出力することができ、遊技者は、メダルの投入と、スタートスイッチ118の操作とをいずれも行ったことを、聴覚を通じて把握できる。また、設定音と、開始音に関しても同時に出力することができ、遊技者は、メダルの投入を行い、リール110が回転開始したことを、聴覚を通じて把握できる。
また、待機音と開始音とはいずれもレイヤ2に割り当てられている(レイヤが等しい)。したがって、レイヤ2において既に待機音が割り当てられているときに、リール110が回転開始されると、開始音が上書きされ(待機音が開始音に変換され)、上書きされる前の待機音は停止されることとなる。したがって、待機音と開始音とをタイミングを異にして排他的に出力することができる。こうすることで、遊技の開始という意味で性質の似ている待機音と開始音とが重なって、煩わしく聞こえるのを効果的に防止することが可能となる。
また、開始音はレイヤ2に割り当てられ、停止音は、レイヤ2と異なるレイヤ1に割り当てられる。したがって、例えば、演出として開始音をリール回転開始から遅らせる等の演出(所謂、遅れ)が行われ、開始音の出力が終了する前に、停止音の出力が開始されたとしても、開始音が停止音に上書きされることはない。したがって、開始音と停止音とは同時に出力することができ、遊技者は、リール110が回転開始したことと、ストップスイッチ120の操作を行ったことを、聴覚を通じて把握できる。
また、停止音はレイヤ1に割り当てられている。したがって、レイヤ1において既に停止音が割り当てられているときに、他のストップスイッチ120が操作されると、そのストップスイッチ120の操作に基づく停止音が上書きされ、上書きされる前の停止音は停止されることとなる(先の停止音が後の停止音に変換される)。したがって、停止音同士を、タイミングを異にして排他的に出力することができる。こうすることで、ストップスイッチ120の操作という意味で性質が等しい停止音同士が重なって、煩わしく聞こえるのを効果的に防止することが可能となる。
また、停止音はレイヤ1に割り当てられ、結果音は、レイヤ1と異なるレイヤ2に割り当てられる。したがって、停止音の出力が終了する前に、結果音の出力が開始されたとしても、停止音が結果音に上書きされることはない。したがって、停止音と結果音とは同時に出力することができ、遊技者は、ストップスイッチ120の操作を行い、メダルの払い出しがあったことを、聴覚を通じて把握できる。
また、設定音と停止音とはいずれもレイヤ1に割り当てられている(レイヤが等しい)。しかし、メダル投入から第1停止までは、ウェイト時間等を含み、その時間が経過するまでに、設定音の出力は終了するように設定されている。したがって、設定音と、停止音とが重複して出力されることはなく、遊技者は、メダルの投入と、ストップスイッチ120の操作とをいずれも行ったことを、聴覚を通じて把握できる。このように、出力契機のタイミングが離隔している音声データを同一のレイヤに割り当てることで、レイヤ数の増加を防止することが可能となる。
また、開始音と結果音とはいずれもレイヤ2に割り当てられている(レイヤが等しい)。しかし、リール回転開始から第3停止終了までは、ウェイト時間や遊技者のストップスイッチ120の操作等を含み、その時間が経過するまでに、開始音の出力は終了するように設定されている。したがって、開始音と結果音とが重複して出力されることはなく、遊技者は、リール110の回転が開始され、ストップスイッチ120の操作を全て終えたことを、聴覚を通じて把握できる。このように、出力契機のタイミングが離隔している音声データを同一のレイヤに割り当てることで、レイヤ数の増加を防止することが可能となる。
このようにスロットマシン100では、複数のリール110a、110b、110cと、ベットスイッチ116と、スタートスイッチ118と、複数のストップスイッチ120a、120b、120cと、音の出力を制御する音制御手段(例えば、演出制御手段334、音声IC342a、スピーカ128)と、を備え、音制御手段が出力する音には、ベットスイッチ116のONにより賭け数の設定を示す設定音と、スタートスイッチ118のONにより複数のリール110の回転待機を示す待機音と、スタートスイッチ118のONにより複数のリール110の回転開始を示す開始音と、ストップスイッチ120a、120b、120cそれぞれのONによりリール110の回転停止を示す停止音と、全てのストップスイッチ120のOFFにより複数のリール110の停止結果を示す結果音と、があり、音制御手段は、所定の遊技(1遊技)において、第1に設定音、第2に待機音、第3に開始音、第4に停止音、第5に結果音、の順番に音の出力を開始するようになっており、設定音の出力を終了する前に待機音の出力を開始するとなると、設定音と待機音とを重複して出力することができる。
また、スロットマシン100において、音制御手段は、設定音の出力が終了する前に開始音の出力を開始するとなると、設定音と開始音とを重複して出力するとしてもよい。また、音制御手段は、待機音の出力が終了する前に開始音の出力を開始するとなると、待機音を開始音に変換して出力するとしてもよい。ここで、音制御手段は、待機音と開始音とが重複して出力できないようにしている。また、音制御手段は、開始音の出力が終了する前に停止音の出力を開始するとなると、開始音と停止音とを重複して出力してもよい。また、音制御手段は、停止音のうち先の停止音(例えば、第2停止に対する第1停止、第3停止に対する第2停止)の出力が終了する前に後の停止音(例えば、第1停止に対する第2停止、第2停止に対する第3停止)の出力が開始するとなると、先の停止音を後の停止音に変換して出力するとしてもよい。ここで、音制御手段は、停止音同士が重複して出力できないようにしている。また、音制御手段は、後の停止音(例えば、第2停止、第3停止)の出力が終了する前に結果音の出力が開始するとなると、後の停止音と結果音とを重複して出力してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本実施の形態では、図柄の識別不良や誤認の防止または軽減を図ることができる印刷手法を採用してもよい。以下、本実施の形態の手法について図44~図50を用いて説明する。図44は、本発明の本実施形態の遊技機における筐体の内部の構成を示す正面図であり、図45は、本発明の本実施形態の遊技機におけるリールを示す斜視図である。なお、説明の便宜上、本実施の形態の説明が、上述した実施形態、例えば、図3に示した図柄配列等と異なる場合がある。
まず本実施の形態のリール110を含むリールユニットについて説明する。リールユニットは、図44および図45に示すように、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを回転駆動するステッピングモータMと、各ステッピングモータMの駆動軸に支持された第1リールR1~第3リールR3と、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに対して設けられて各リールを内側から前方に向けて照明するリールバックライトBLと、リールバックライトBLからの光を反射して前方に案内するリフレクタRLと、を有する。なお、本実施の形態の第1リールR1、第2リールR2、第3リールR3は、それぞれ、上述した、左リール110a、中リール110b、右リール110cに対応している。リールバックライトBLは、図44に示すように、LED(発光ダイオード)からなる複数の光源LEDと、その複数の光源LEDが設置されたバックライト基板516とを有しており、バックライト基板516には、リフレクタRLの各開口から3列かつ2行となるように計6個のLED515(515-11~515-23)がそれぞれ配置されている(図50参照)。
図45に示すように、第1リールR1は、リールフレームFR1と、複数の図柄が長手方向(周方向)Yに沿って一列状に並んで配置された薄い帯状のリールテープT1と、を有する。第2リールR2は、リールフレームFR2と、複数の図柄が長手方向(周方向)Yに沿って一列状に並んで配置された薄い帯状のリールテープT2と、を有する。第3リールR3は、リールフレームFR3と、複数の図柄が長手方向(周方向)Yに沿って一列状に並んで配置された薄い帯状のリールテープT3と、を有する。
リールフレームFR1~リールフレームFR3は、それぞれ、第1リム部521及び第2リム部522と、これら第1及び第2リム部521,522の間を接続する複数の接続部523と、を有し、透光性が高い(本実施の形態では透明な)合成樹脂によって一体的に形成されている。
第1リム部521及び第2リム部522は、ステッピングモータMの回転軸と同心の円環状に形成され、左右方向(軸方向)、即ちリールテープT1~リールテープT3の長手方向Yと直交する短手方向(幅方向)Xに離間して配置されている。接続部523は、第1リム部521及び第2リム部522の円周上の異なる位置に複数設けられて、第1リム部521及び第2リム部522の間を架け渡すように短手方向Xに沿って延在し、第1リム部521と第2リム部522とを接続している。
図45、図46、及び図47に示すように、リールテープT1の短手方向Xの両端部の裏面には、第1リム部521の端部支持面521a及び第2リム部522の端部支持面522aに対してリールテープT1を接着するための両面テープ等の接着部材565,565が貼付けされる接着領域が形成されている。この接着領域は、リールテープT1を表面側から視た場合、リールテープT1の短手方向Xにおける右端T1cから内方へ距離bの範囲である右側の接着領域と、リールテープT1の短手方向Xにおける左端(X2方向側の端縁)T1dから内方へ距離bの範囲である左側の接着領域を含む。例えば、距離bは、4mmから6mmの範囲の距離に設定されており、端部支持面521a,522aよりも1mm程度(例えば0.5mm~1.5mm)左右方向(短手方向X)に大きく形成されていることが望ましい。
リールフレームFR1に巻き回された(巻きつけられた)リールテープT1は、接着部材565によって、内面(裏面)に形成された右側の接着領域と端部支持面521aとが接着され、内面に形成された左側の接着領域と端部支持面522aとが接着されて、リールフレームFR1に保持される。
また、上述したようにリールテープT1は、長手方向Yの長さが、端部支持面521a,522aの周方向の長さ(円周長さ)よりも長くなるように形成されており、長手方向Yにおける一方側の一端部(始端部)T11に対して他方側の他端部(終端部)T12がリールの径方向の外側から重なるようにリールフレームFR1に巻き回されて(巻きつけられて)いる。リールテープT1は、リールフレームFR1に巻き回されている状態で、透明部563と、長手方向Yにおける最も他方側に配置された図柄(19番図柄)である図柄P7と、がリールの径方向に重なっている。言い換えると、リールテープT1がリールフレームFR1に巻き回されている状態で、透明部563は、長手方向Yの他端部T12によって外面(表面、外周面)が覆われている。
図46は、リールテープT1をそれぞれ表面側(リールフレームFR1(図45参照)に巻き回された状態での外周面側)から見た図である。図46に示すように、リールテープT1~リールテープT3に配置されている複数の図柄は、例えば、機種固有にデザインされた数字、文字列、フルーツ、キャラクタ等や、これらの組合せから構成されており、これら複数の図柄には、例えば、図柄P1(図柄「赤7」)、図柄P2(図柄「青7」)、図柄P3(図柄「BAR」)、図柄P4(図柄「チェリー」)、図柄P5(図柄「スイカ」)、図柄P6(図柄「ベル」)、図柄P7(図柄「リプレイ」)、図柄P8A(図柄「ブランクA」)、図柄P8B(図柄「ブランクB」)等が含まれる。なお、実際の図柄P4(図柄「チェリー」)は図48に示す形状であるが、図46等における図柄P4(図柄「チェリー」)は、説明の便宜上、簡易的に示したものである。
特定図柄としての図柄P4(図柄「チェリー」)、図柄P5(図柄「スイカ」)は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングで停止ボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は図柄表示窓108内に表示可能な図柄で、遊技者に有利な抽選の契機となるチャンス役(所謂レア役)の図柄組合せや、遊技者に有利な特典が付与される契機となる図柄組合せを構成するための図柄となっている。
上記の図柄P1、図柄P2、図柄P3、図柄P4、図柄P5、図柄P6、図柄P7のそれぞれは、詳しくは後述するように塗料が印刷されることで、図柄の外形の縁(輪郭)を形成する縁部P1a、縁部P2a、縁部P3a、縁部P4a、縁部P5a、縁部P6a、縁部P7aと、その縁部P1a、縁部P2a、縁部P3a、縁部P4a、縁部P5a、縁部P6a、縁部P7aの内部で着色された着色部P1b、着色部P2b、着色部P3b、着色部P4b、着色部P5b、着色部P6b、着色部P7bとを有している。なお、図柄P4(図柄「チェリー」)の着色部P4bの詳細については後述する。
なお、上記図柄P1、図柄P2、図柄P3は、径方向から視て、縁部P1a、縁部P2a、縁部P3aが、第1リム部521、第2リム部522、接着部材565,565と、一部が短手方向Xに重なるように、かつ着色部P1b、着色部P2b、着色部P3bが、第1リム部521及び第2リム部522のいずれとも重ならないように配置されている。これにより、着色部P1b、着色部P2b、着色部P3bを透過するリールバックライトBLからの光が第1リム部521及び第2リム部522によって遮られることなく、図柄P1、図柄P2、図柄P3を短手方向Xに大きく見せることができる。
一方、上記の図柄P8A、図柄P8Bのそれぞれは、図柄の外形の縁を形成する縁部P8Aa、縁部P8Baと、その縁部P8Aa、縁部P8Baの内部で模様を形成する模様部P8Ab、模様部P8Bbとを有している。なお、図柄P8A及び図柄P8Bは、縁部P8Aa及び縁部P8Baと模様部P8Ab及び模様部P8Bbとが線により描かれており、その他の部分は詳しくは後述する背景部Hを形成する背景形成層561が図柄の内部に印刷されて、つまり図柄P8A及び図柄P8Bの背景部Hと同色となっている。
上記リールテープT1は、リールフレームFR1に巻き回された状態(つまり透明部563に他端部T12が重なった状態)で長手方向Yを仮想的に均等に20分割した20個の仮想領域のそれぞれに、上記図柄P1~図柄P8Bの何れか1つが配置されている。図46に示すリールテープT1の左側の数字は図柄番号を示しており、一端部T11に最も近い側が0番図柄であり、そこからY2方向に順に2番図柄、3番図柄、・・・19番図柄として、上記図柄P1~図柄P8Bの何れか1つが図46に示す配列で配置されている。なお、リールテープT2及びリールテープT3においては、図46に示すリールテープT1の配列とは異なる配列で、同様に0番図柄~19番図柄として各仮想領域に対して上記図柄P1~図柄P8Bの何れか1つが配置されている。
図47は、図46のA-A矢視断面図である。リールテープT1~リールテープT3は、それぞれ図柄の配置(図柄の種類、特定の図柄の個数、図柄が並ぶ順番等)及びそれらを識別するための識別表示570が異なるが、他の構成は同様であるため、以下、リールテープT1を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3におけるリールテープT1と同様の構成についての説明は省略する。
図46及び図47に示すように、リールテープT1は、透明な合成樹脂製の基材560の裏面に対し、色や透明度が異なる複数種類の塗料等によりシルク印刷される印刷層が積層されて構成されており、例えば、基材560の裏面に近い側から順番に、複数の図柄を形成する図柄形成層(図柄部)567、表面側から視た際の図柄の周囲に延在する領域である背景部Hを形成する背景形成層561、リールバックライトBLからの光を拡散するための拡散層564が重ねられて、それぞれの層がスクリーン印刷等によって形成されている。
また、背景形成層561は、基材560の裏面に近い側に印刷される第1背景形成層(背景部)561Aと、基材560に対してその第1背景形成層561Aを挟んで反対側に印刷される第2背景形成層561Bと、を含んでいる。また、リールテープT1の長手方向Yにおける一方側(Y1方向側、図46に示す下方側)の一端部T11には、図柄形成層567、背景形成層561、及び拡散層564のいずれも形成されない透明部563が形成されている。透明部563(一端部T11)は、リールテープT1がリールフレームFR1に巻つけられた状態で他端部T12に重なって隠れるように配置され、換言すると、背景部Hが少なくとも一周して繋がるように形成されている。
図柄形成層567は、詳しくは後述するように、複数種類の色の塗料或いは透明な塗料等が重ねられて形成されており、リールテープT1の表面から見て各図柄の形状(デザイン)が形成されている。図柄形成層567は、例えば、基材560の裏面に近い側から順番に、例えば印刷物の4原色として大まかに明度の低い色から明度の高い色に順となるように、黒色系の塗料(K:キープレート)の層(後述の縁部)、青色系の塗料(C:シアン)の層(青色部)、赤色系の塗料(M:マゼンダ)の層(赤色部)、黄色系の塗料(Y:イエロー)の層(黄色部)、透明の塗料の層、の順で、単色又は複数色が層状に印刷され、特に本実施形態においては、青色系の塗料と赤色系の塗料との間に青色系の塗料の一種である水色系の塗料(シアンの含有量の割合が多い塗料)と、赤色系の塗料と黄色系の塗料との間に赤色系の塗料の一種であるピンク色系の塗料(マゼンダの含有量の割合が多い塗料)と、を含む少なくとも6色の塗料が層状に順に印刷される。なお、後述するように、これら図柄形成層567よりも後には白色系の塗料の層(白色部)である背景形成層561が印刷される。
なお、本実施形態においては、図柄形成層567においては、図柄のデザインをより良くするために中間色として水色系の塗料の層とピンク色の塗料の層とを有するものを説明するが、これらが無く、印刷物の4原色だけの層で形成されているものでもよく、さらには、他の中間色の層を追加したものでも構わない。本実施形態の以下の説明においては、水色の塗料の層は、青色の塗料の一種として青色部としても扱い、ピンク色の塗料の層は、赤色の塗料の一種として赤色部としても扱う。
また、詳しくは後述する各部の色は、その色の塗料の割合が最も多い色であることを指し、その色であることを常識的に認識できる色であることを指すものである。具体的に、例えば青色部の色とは、上記印刷物の4原色のうちの青色系の塗料の割合が最も多い色であることを指すもので、常識的に青色と認識できる色を言う。例えばシアンとは、やや緑みの明るい青、水色に近い青緑色等であり、常識的に青色で、寒色である。
このように各色の塗料が層状に印刷されることで形成される図柄形成層567は、図柄の縁部(P1a,P2a,P3a,P4a,P5a,P6a,P7a,P8Aa,P8Ba)を形成する縁形成層567aと、上記縁部の内部領域の少なくとも一部で着色された部分を形成する着色形成層567bと、図柄によっては上記縁部の内部領域の少なくとも一部で着色されつつ透光し易い部分を形成する透光形成層567cと、が重ねられて形成されている。
縁部(P1a,P2a,P3a,P4a,P5a,P6a,P7a,P8Aa,P8Ba)は、図柄の外形(輪郭)を形成している。縁形成層567aは、上記黒色系の塗料で黒色に形成され、リールバックライトBLからの光(可視光)が透過しにくい低い明度となるように形成されている。なお、縁形成層567aは、少なくとも図柄の縁部を形成していればよく、縁部を形成する塗料と同一の塗料等によって縁部の内部領域の一部が形成されていてもよい。また、縁形成層567aは、各図柄間で同一の塗料等によって形成されているものに限らず、各図柄間で異なる塗料によって形成されていてもよい。また、本実施形態の縁部は黒色系の塗料で黒色に形成されるものを説明するが、暗灰色、濃紺色等であっても構わない。
着色形成層567bは、例えば、大部分が縁形成層567a(黒色)よりも彩度や明度が高く光が透過し易く着色された、上記青色系、水色系、赤色系、ピンク色系、黄色系等の塗料によって形成されている。なお、図47において着色形成層567bは、単色で図柄P1(図柄「赤7」)における赤色である部分を示しているため、一層であるものを示しているが、これに限らず、詳しくは後述するように、着色形成層567bを形成する塗料は、各図柄で異なる複数色の塗料によるものであってもよく、つまり複数色の着色形成層が重ねられて形成されていてもよい。この着色形成層567bの詳細については後述する。
透光形成層567cは、例えば、着色形成層567bよりもさらに彩度や明度が高く光が透過し易く着色された塗料によって形成されている。なお、透光形成層567cを形成する塗料は、各図柄で異なる複数色の塗料によるものであって、着色形成層567bよりも彩度や明度が高い色の塗料や、それに透明な塗料を混ぜた塗料等により、着色形成層と透光形成層とが重ねられたものや、複数の透光形成層が重ねられて形成されたものでもよい。
背景形成層561の第1背景形成層561Aは、縁形成層567aや着色形成層567bよりも彩度や明度が高いリールバックライトBLからの光が透過しやすい塗料、例えば白色系の塗料によって白色に形成されている。第1背景形成層561Aは、長手方向Yにおける第1背景形成層561Aの端部561Aa(透明部563の他端(Y2方向側の端縁))からリールテープT1の他端(Y2方向側の端縁)T1bまでの領域のうち、各図柄の縁形成層567aと重なり、かつ着色形成層567b及び透光形成層567cと重ならないように各図柄の周囲に形成され、つまり透明部563と各図柄を除く略全面に形成されている。
また、背景形成層561の第2背景形成層561Bは、基材560に対して第1背景形成層561Aを挟んで反対側に印刷される、所謂裏打ち層(裏打ち部)として形成されており、上記第1背景形成層561Aと同じ塗料で白色に形成されている。第2背景形成層561Bは、長手方向Yにおける第2背景形成層561Bの端部561Ba(透明部563の他端(Y2方向側の端縁)であって第1背景形成層561Aの端部561Aaと同位置)からリールテープT1の他端(Y2方向側の端縁)T1bまでの領域のうち、各図柄の縁形成層567a及び着色形成層567bと重なり、かつ透光形成層567cと重ならないように各図柄の透光部の周囲に形成され、つまり透光部を除く略全面に形成されている。このように第2背景形成層561Bが第1背景形成層561Aの裏に裏打ちされていることで、第1背景形成層561Aがシルク印刷される際に万が一気泡ができて、その気泡が潰れることによってピンホール等の隙間が形成されてしまったとしても、第2背景形成層561Bにより塞がれて、リールバックライトBLの光が漏れ出ることの防止を図ることができている。また、第1背景形成層561Aが各図柄の縁形成層567aと重なる範囲まで形成され、第2背景形成層561Bが縁形成層567a及び着色形成層567bと重なるように形成されることで、各図柄の縁形成層567aの上に第1背景形成層561Aの端部が形成されるが、その端部を第2背景形成層561Bが覆うことで、第1背景形成層561Aと第2背景形成層561Bとの印刷領域を反対にする場合に比して、裏面における凹凸を少なくすることができている。
拡散層564は、所謂チヂミと呼ばれるもので、本実施形態では、例えば図柄P1(図柄「赤7」)、図柄P2(図柄「青7」)における図柄形成層567が形成されている部分の領域を裏側から覆うように、つまり各図柄の縁部よりも外側の領域まで形成されている。拡散層564は、例えば、紫外線硬化型の透明な塗料を厚く塗布し、紫外線を照射して塗料を硬化収縮させることにより、裏面側に細かい凹凸を形成したものである。これにより、拡散層564が形成された領域をリールバックライトBLからの光が透過する際、光を不規則的に屈折及び反射させて拡散させることが可能となり、図柄の透光部や着色部を透光するLED515(図44参照)の光が拡散され、例えば直進性の高いLED515の光が集光したままの所謂点光が生じて見栄えが悪くなることの抑制を図っている。
なお、本実施形態においては、拡散層564が各図柄の縁部よりも外側まで図柄全体を裏側から覆うように形成されているものを説明しているが、これに限らず、各図柄の透光部を少なくとも覆うように配置されていれば、透光部を透光する光を拡散することができ、リールバックライトBLのLED515の光が点光となることの防止を図ることができる。
続いて、チェリー図柄である図柄P4の着色部P4bにおける各部の配色と、てかり部におけるトラッピング処理について図48及び図49を用いて説明する。図48は本実施形態に係るチェリー図柄の各部の色を説明する図、図49はリールテープの断面を示す図で、(a)は図48のB-B矢視断面図、(b)は図48のC-C矢視断面図である。
図48に示すように、チェリー図柄である図柄P4においては、黒色で形成された縁部P4aの内部に、複数の着色部P4bとして、茶色により枝を表す枝部CHeda、緑色により葉を表す葉部CHha、赤色により3つの実をそれぞれ表す3つの実部CHmi、が形成されており、縁部P4aにより、これら枝部CHeda、葉部CHha、実部CHmiのそれぞれの外縁を形成していると共にこれらを区画している。また、葉部CHhaの内部には、黒色により葉脈を表す葉脈部CHhamyaが形成されており、実部CHmiの内部には、赤黒色により影を表す影部CHkageが形成されている。そして、枝部CHedaには所謂てかりを表すてかり部CHteka1が、葉部CHhaには同じくてかりを表すてかり部CHteka2が、2つの実部CHmiのそれぞれには同じくてかりを表すてかり部CHteka3A、てかり部CHteka3Bが、形成されている。
上記枝部CHedaは、てかり部CHteka1を除いた領域が茶色として視認可能となるように、着色形成層567bとして基材560に対してピンク色の塗料の層(赤色部の一種)が印刷され、その後、その裏側に黄色の塗料の層(黄色部)が重ねられるように印刷され、さらに、てかり部CHteka1の領域には、例えば背景部Hと共に形成される白色の塗料の層(白色部)が黄色の塗料の層よりも後に重ねられるように印刷される。換言すると、てかり部CHteka1は、枝部CHedaに隣接しつつ白色の塗料の層を露出させて白色として視認可能となるために形成されている。このように枝部CHedaを印刷する際には、ピンク色の塗料の層と黄色の塗料の層とがそれぞれ別々に印刷されるが、出荷台数に応じて例えば何千枚~何万枚も印刷するため、これらの印刷の位置に誤差が生じる虞があり、例えばピンク色の塗料がてかり部CHteka1の内部に侵出してしまうと、デザイン性を損なうだけでなく、正しく印刷されたチェリー図柄に対して異なる図柄と誤認されてしまう虞がある。
そこで、本実施形態においては、てかり部CHteka1の外縁に相当する縁Fuch1の領域に、ピンク色よりも、色が薄く、明度が高く、白色に近い色である黄色の塗料の層の少なくとも一部が侵出するように、黄色の層を印刷する領域(黄色領域)を設定し、つまり黄色の層の領域がピンク色の層を印刷する領域よりも縁Fuch1の領域に相当する分だけ大きくなるようにトラッピング処理を設定する。換言すると、てかり部CHteka1における白色となる白色領域と、枝部CHedaにおける茶色となる茶色領域との間に挟まれるように黄色領域が形成されている。これにより、てかり部CHteka1にピンク色よりも目立たない黄色を侵出させることができ、ピンク色の塗料の層と黄色の塗料の層との印刷がズレたとしても、てかり部CHteka1にピンク色が侵出してしまうことを防ぐことができて、図柄の識別不良や誤認の防止または軽減を図ることができる。
同様に、上記葉部CHhaは、てかり部CHteka2を除いた領域(緑色領域)が緑色として視認可能となるように、図49(a)に示すように、着色形成層567bとして基材560に対して水色の塗料の層(青色部)567bCが印刷され、その後、その裏側に黄色の塗料の層(黄色部)567bYが重ねられるように印刷され、さらに、てかり部CHteka2の領域には、例えば背景部Hと共に形成される白色の塗料の層(白色部)561が黄色の塗料の層よりも後に重ねられるように印刷される。換言すると、てかり部CHteka2は、葉部CHhaに隣接しつつ白色の塗料の層を露出させて白色として視認可能となるために形成されている。そして、本実施形態においては、てかり部CHteka2の外縁に相当する縁Fuch2の領域に、水色よりも、色が薄く、明度が高く、白色に近い色である黄色の塗料の層567bYの少なくとも一部が侵出するように、黄色の塗料の層(黄色部)567bYを印刷する領域を設定し、つまり黄色の塗料の層567bYの領域が水色の塗料の層567bCを印刷する領域よりも縁Fuch2の領域に相当する分だけ大きくなるようにトラッピング処理を設定する。換言すると、てかり部CHteka2における白色となる白色領域と、葉部CHhaにおける緑色となる緑色領域との間に挟まれるように黄色領域が形成されている。これにより、てかり部CHteka2に水色よりも目立たない黄色を侵出させることができ、水色の塗料の層と黄色の塗料の層との印刷がズレたとしても、てかり部CHteka2に水色が侵出してしまうことを防ぐことができて、図柄の識別不良や誤認の防止または軽減を図ることができる。
なお、図49(a)に示すように、黄色の塗料の層567bYが水色の塗料の層567bCよりも侵出するように設定した縁Fuch2の幅d、つまり黄色領域の幅dは、本実施形態では、設計上で例えば1mmに設定されている。この縁Fuch2の幅dは、縁部P4a(図48参照)におけるもっとも細い幅(例えば2mm)よりも狭い幅に設定されて、目立たないように構成されている。
さらに同様に、上記実部CHmiは、てかり部CHteka3A及びてかり部CHteka3Bを除いた領域が赤色として視認可能となるように、かつ影部CHkageの領域(黒赤色領域)は黒赤色として視認可能となるように、図49(b)に示すように、着色形成層567bとして基材560に対して黒色の塗料の層(黒色部)567bKが、非印刷領域が30%で印刷領域が70%となるドットで印刷され、その後、その裏側に赤色の塗料の層(赤色部)567bMが重ねられるように印刷され、さらに、てかり部CHteka3A及びてかり部CHteka3Bの領域には、例えば背景部Hと共に形成される白色の塗料の層(白色部)561が赤色の塗料の層567bMよりも後に重ねられるように印刷される。換言すると、てかり部CHteka3A及びてかり部CHteka3Bは、影部CHkageに隣接しつつ白色の塗料の層を露出させて白色として視認可能となるために形成されている。そして、本実施形態においては、てかり部CHteka3A及びてかり部CHteka3Bの外縁に相当する縁Fuch3A及び縁Fuch3Bの領域に、黒色よりも、色が薄く、明度が高く、白色に近い色である赤色の塗料の層567bMの少なくとも一部が侵出するように、赤色の塗料の層567bMを印刷する領域(赤色領域)を設定し、つまり赤色の塗料の層の領域が黒色(70%)の塗料の層を印刷する領域よりも縁Fuch3A及び縁Fuch3Bの領域に相当する分だけ大きくなるようにトラッピング処理を設定する。換言すると、てかり部CHteka3Aにおける白色となる白色領域と、影部CHkageにおける黒赤色となる黒赤色領域との間に挟まれるように赤色領域が形成されている。この実部CHmiは、そもそも赤色により形成されているが、特にてかり部CHteka3Aと影部CHkageとが近接しているような部分(てかり部CHteka3Aと影部CHkageとの境界部分)で黒(70%)がてかり部CHteka3Aに侵出してしまうことを防ぐことができて、図柄の識別不良や誤認の防止または軽減を図ることができる。
なお、図49(b)に示すように、赤色の塗料の層567bMが黒色の塗料の層567bKよりも侵出するように設定した縁Fuch3Aの幅d、つまり赤色領域の幅dも、本実施形態では、設計上で例えば1mmに設定されている。同様に、この縁Fuch3Aの幅dは、縁部P4a(図48参照)におけるもっとも細い幅(例えば2mm)よりも狭い幅に設定されて、目立たないように構成されている。
なお、上記のチェリー図柄である図柄P4においては、黄色とピンク色との組合せ(茶色)では黄色が、黄色と水色との組合せ(緑色)では黄色が、赤色と黒色との組合せ(黒赤色)では赤色が、それぞれてかり部に侵出するように設定したものを説明したが、これに限らない。例えば黄色(黄色部)と青色(青色部)との組合せ(緑色や濃緑色として視認可能)では黄色(黄色部)を、例えば野菜や果実を表す図柄等に用いられる場合として、黄色(黄色部)と赤色(赤色部)との組合せ(橙色(橙色領域)として視認可能)では黄色(黄色部)を、例えばリプレイ図柄やプラム図柄等に用いられる場合として、水色と濃青色との組合せ(淡い青色として視認可能)では水色を、てかり部に侵出させるようにトラッピング処理することが考えられる。
また、上記のチェリー図柄である図柄P4においては、各てかり部の縁として黄色領域や赤色領域がその外周の領域と白色領域との間に挟まれるように形成されたものを説明したが、デザイン等によっては、黄色領域や赤色領域がてかり部の縁だけになるとは限らず、つまり、黄色領域の少なくとも一部が緑色領域または茶色領域と白色領域との間に挟まれたもの、赤色領域の少なくとも一部が黒赤領域と白色領域との間に挟まれたもの、等であっても構わない。
また黄色領域の少なくとも一部が緑色領域、茶色領域、または橙色領域と白色領域とに接していればよく、例えば、黄色領域の上下方向や左右方向(一部の方向)にのみ緑色領域、茶色領域、または橙色領域が存在する態様や、黄色領域の上下方向や左右方向(一部の方向)にのみ白色領域が存在する態様、等であっても構わない。同様に赤色領域の少なくとも一部が黒赤領域と白色領域とに接していればよく、例えば、赤色領域の上下方向や左右方向(一部の方向)にのみ黒赤領域が存在する態様や、赤色領域の上下方向や左右方向(一部の方向)にのみ白色領域が存在する態様、等であっても構わない。
また、上記てかり部CHteka1~CHteka3Bは、着色形成層567bとして白色の塗料により印刷されるものを説明したが、第1背景形成層561A或いは第2背景形成層561Bにより白色に印刷されるものでも構わない。
続いて、上記てかり部とリールバックライトBLのLED515との位置関係について図44及び図50を用いて説明する。図50は例えば一般的な遊技者の視線でチェリー図柄を見たときのチェリー図柄とバックライトのLEDとの位置関係を説明する図である。なお、図50に示す状態は、遊技者の身長(座高)や、リール停止位置の誤差等によっては僅かにずれることもあるが、ある一定の確率でこのような状態になることがあるという例示である。また、各LED515の符号のハイフンで示す「-11」~「-23」は位置を区別するためのものであり、区別する必要がない場合は単にLED515という。
図44に示すように、リールバックライトBLのバックライト基板516には、リフレクタRLの各開口から3列かつ2行の計6個のLED515が露出するように配置されており、例えば第1リールR1(第2リールR2及び第3リールR3も同様)が停止した状態で、リフレクタRLの開口に対してリールテープT1(リールテープT2及びリールテープT3も同様)における1つの図柄、つまりこれら6個のLED515が1つの図柄をそれらLED515の光軸を中心軸として照明するように配置されている。
図50に示すように、第1リールR1(リールテープT1)が停止した状態で、チェリー図柄である図柄P4の裏側には、6個のLED515-11、LED515-12、LED515-13、LED515-21、LED515-22、LED515-23が位置することがある。この状態においてLED515-12は、上述したてかり部CHteka2の一部と重なっているため、てかり部CHteka2や縁Fuch2はLED515-12の中心軸を通る光によって照明される。このため、上述したてかり部CHteka2における縁Fuch2の部分に黄色の塗料が侵出しているが、LED515-12の中心軸を通る光によって明るく照射され、葉部CHhaの緑色より縁Fuch2の黄色が明るくなって、てかり部CHteka2における白色に明度が近づいて目立たなくすることができるので、図柄の識別不良や誤認の防止または軽減を図ることができる。
また、第1リールR1(リールテープT1)が回転中の状態では、図柄P4に対して同じ列にあるLED515-11及びLED515-21が図50に仮想的に示す仮想線LED-L1を通過するように相対移動し、同様に同じ列にあるLED515-12及びLED515-22が仮想線LED-L2を通過するように相対移動し、さらに同様に同じ列にあるLED515-13及びLED515-23が仮想線LED-L3を通過するように相対移動する。このうち、仮想線LED-L1はてかり部CHteka3Bと重なっており、仮想線LED-L2はてかり部CHteka2と重なっている。換言すると、てかり部CHteka3Bは、LED515-11及びLED515-21(複数のLEDのうちの少なくとも1つ)と短手方向X(幅方向)に重なる位置に配置されており、てかり部CHteka2は、LED515-12及びLED515-22(複数のLEDのうちの少なくとも1つ)と短手方向X(幅方向)に重なる位置に配置されている。従って、第1リールR1(リールテープT1)が回転中の状態では、てかり部CHteka3BはLED515-11及びLED515-21の中心軸を通る光によって照明され、てかり部CHteka2はLED515-12及びLED515-22の中心軸を通る光によって照明される。
このため、第1リールR1(リールテープT1)が回転中の状態では、てかり部CHteka3Bにおける影部CHkageに近接する部分では縁Fuch3Bの部分に赤色の塗料が侵出しているが、LED515-11及びLED515-21の中心軸を通る光によって明るく照射され、影部CHkageの黒色よりも縁Fuch3Bの赤色が明るくなって、てかり部CHteka3Bの白色に明度が近づいて目立たなくすることができる。また同様に、第1リールR1(リールテープT1)が回転中の状態では、てかり部CHteka2における縁Fuch2の部分に黄色の塗料が侵出しているが、LED515-12及びLED515-22の光によって明るくされ、葉部CHhaの緑色より縁Fuch2の黄色が明るくなって、てかり部CHteka2の白色に明度が近づいて目立たなくすることができる。
なお、図50を用いた説明においては、第1リールR1(リールテープT1)が回転中の状態として説明したが、第1リールR1(リールテープT1)の停止した位置や、遊技者の視線によっては、例えばLED515-11がてかり部CHteka1或いはてかり部CHteka3Bと重なる場合も考えられ、このような場合でも、縁Fuch1或いは縁Fuch3Bを目立たなくさせる効果は同様である。
このようにスロットマシン100では、上述した実施形態に加え、特定図柄(例えば、図柄P4)を含む複数の図柄が配置されたリールテープ(例えば、リールテープT1~T3)を有する複数のリール(例えば、左リール110a~右リール110c、第1リールR1~第3リールR3)と、発光源を有し、リールを内側から照明するリールバックライト(例えば、リールバックライトBL)と、を備え、リールテープは、青色の塗料が印刷される青色部、または赤色の塗料が印刷される赤色部と、黄色の塗料が印刷される黄色部と、白色の塗料が印刷される白色部と、を有し、特定図柄は、青色部と黄色部とが重なることで緑色を視認可能とする緑色領域、または赤色部と黄色部とが重なることで橙色を視認可能とする橙色領域と、黄色部を視認可能とする黄色領域と、白色部を視認可能とする白色領域と、を有し、黄色領域は、緑色領域または橙色領域と接しており、黄色領域は、白色領域と接しており、黄色領域は、緑色領域または橙色領域と白色領域とに挟まれている。
また、他の観点において、スロットマシン100では、上述した実施形態に加え、特定図柄(例えば、図柄P4)を含む複数の図柄が配置されたリールテープ(例えば、リールテープT1~T3)を有する複数のリール(例えば、左リール110a~右リール110c、第1リールR1~第3リールR3)と、発光源を有し、リールを内側から照明するリールバックライト(例えば、リールバックライトBL)と、を備え、リールテープは、黒色の塗料が印刷される黒色部と、赤色の塗料が印刷される赤色部と、白色の塗料が印刷される白色部と、を有し、特定図柄は、黒色部と赤色部とが重なることで黒赤色を視認可能とする黒赤色領域と、赤色部を視認可能とする赤色領域と、白色部を視認可能とする白色領域と、を有し、赤色領域は、黒赤色領域と接しており、赤色領域は、白色領域と接しており、赤色領域は、黒赤色領域と白色領域とに挟まれている。
また、例えば、上述した実施形態では、AT演出状態の継続期間として、継続遊技数を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、メダルの投入枚数(ベット枚数)と払出枚数との差である差枚数、補助演出の回数であるナビ回数、当選役「ベル」が入賞した回数であるベル回数を採用することもできる。
また、上述した実施形態においては、リール110の数が3つ(左リール110a、中リール110b、右リール110c)の例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、リール110の数が4つ(第1リール、第2リール、第3リール、第4リール)や5つ以上の場合にも適用できる。
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上記した実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(所謂、メダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
また、上述した実施形態では、スロットマシン100に適用する例を挙げて説明したが、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な大入賞口と、大入賞口を開閉する開閉部材と、所定条件が成立すると、開閉部材を開閉制御し、大入賞口が開放される複数回のラウンド遊技を含んで構成される大役遊技を実行する大入賞口制御手段と、を備える遊技機、所謂、パチンコ機に適用することもできる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。