JP2024067479A - 超音波診断装置、算出方法及び算出プログラム - Google Patents

超音波診断装置、算出方法及び算出プログラム Download PDF

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【課題】複数の超音波プローブを適切な位置に配置するのを支援すること。【解決手段】超音波診断装置は、第1超音波プローブと、第2超音波プローブと、境界特定部と、位置算出部とを具備する。第1超音波プローブ及び第2超音波プローブは、被検体を超音波により走査する。境界特定部は、第1超音波プローブが被検体を走査することで生成された第1画像データに基づいて、第1画像データにおける対象物の領域のうち、第1画像データの端部に位置する第1境界を特定する。位置算出部は、第1画像データにおける第1境界と、第1画像データが生成された時の第1超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、第2超音波プローブの走査範囲が第1境界を含み、かつ第1超音波プローブの走査範囲及び第2超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、第2超音波プローブの撮像位置を算出する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波診断装置、算出方法及び算出プログラムに関する。
一般に、超音波診断装置は、複数の振動素子が配列された超音波プローブにより、被検体の内部に対して複数の方向に超音波を送信及び受信し、受信した信号に基づいて生成した画像をモニタ上に表示する。操作者は、超音波プローブを被検体の体表に接触させるだけで、被検体の内部の2次元画像又は3次元画像をモニタ上でリアルタイムに観察できる。このため、超音波診断装置は、各種の形態診断や機能診断に広く用いられている。
例えば、超音波診断装置は、胎児の発育を評価する目的に用いられる。胎児の発育を示す各種の特徴量(例:児頭大横径(BPD)、躯幹周囲長(AC)、大腿骨長(FL))を正確に計測するため、超音波診断装置は、3次元走査が可能な超音波プローブにより胎児全体を一度に走査する必要がある。
しかしながら、超音波プローブの走査範囲には限度があるため、胎児が発育するにつれ、1つの超音波プローブにより胎児全体を一度に走査することは困難となる。そこで、複数の超音波プローブにより胎児全体を一度に走査する手法がある。このとき、各超音波プローブの走査範囲が重複する走査範囲では、各超音波プローブからの音響パワーが重畳されるため、胎児への超音波の影響が問題となる。したがって、複数の超音波プローブが胎児全体を一度に走査し、かつ胎児への超音波の影響を可能な限り低減するように、当該複数の超音波プローブを配置することが望まれる。
特開2008-307087号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、複数の超音波プローブを適切な位置に配置するのを支援することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る超音波診断装置は、第1超音波プローブと、第2超音波プローブと、境界特定部と、位置算出部とを具備する。第1超音波プローブ及び第2超音波プローブは、被検体を超音波により走査する。境界特定部は、前記第1超音波プローブが前記被検体を走査することで生成された第1画像データに基づいて、前記第1画像データにおける対象物の領域のうち、前記第1画像データの端部に位置する第1境界を特定する。位置算出部は、前記第1画像データにおける前記第1境界と、前記第1画像データが生成された時の前記第1超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、前記第2超音波プローブの走査範囲が前記第1境界を含み、かつ前記第1超音波プローブの走査範囲及び前記第2超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、前記第2超音波プローブの撮像位置を算出する。
本実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図。 本実施形態に係る超音波診断装置の動作例を示すフロー図。 第2超音波プローブの撮像位置の算出方法の例を示す図。 第2超音波プローブの撮像位置の表示例を示す図。 対象物の特徴量の算出方法の例を示す図。 第1超音波プローブに対する第2超音波プローブの移動の第1例を示す図。 第1超音波プローブに対する第2超音波プローブの移動の第1例を示す図。 第1超音波プローブに対する第2超音波プローブの移動の第2例を示す図。 第1超音波プローブに対する第2超音波プローブの移動の第2例を示す図。 超音波プローブの走査範囲の領域ごとに設定されるゲインの例を示す図。 変形例に係る超音波診断装置の動作例を示す図。 第2超音波プローブの撮像位置の算出方法の別の例を示す図。
以下、図面を参照しながら実施形態に係る超音波診断装置、算出方法及び算出プログラムについて説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作を行うものとして、重複する説明を適宜、省略する。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。超音波診断装置1は、被検体Sを超音波により走査して各種の診断を行う装置である。超音波診断装置1は、本体装置100と、2つの超音波プローブ(第1超音波プローブ200a、第2超音波プローブ200b)とを備える。以下では説明の便宜上、「超音波プローブ200」との表現は、第1超音波プローブ200a又は第2超音波プローブ200bを指すものとする。また、「2つの超音波プローブ200」との表現は、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bを指すものとする。
本体装置100は、超音波診断装置1の全体の動作を制御する装置である。本体装置100は、ケーブル等を介して超音波プローブ200に接続され、ネットワークNWを介して外部装置500に接続される。本体装置100は、超音波送信回路110、超音波受信回路120、内部記憶回路130、入力IF140、ディスプレイ150、通信IF160及び処理回路170を有する。
超音波送信回路110は、超音波プローブ200に超音波を送信させるための駆動信号(パルス電圧)を供給する回路である。例えば、超音波送信回路110は、トリガ発生回路、遅延回路及びパルサ回路を有する。トリガ発生回路は、送信超音波を形成するためのレートパルスを、所定のレート周波数で繰り返し発生する。遅延回路は、超音波プローブ200に配列された複数の振動素子に供給される駆動信号の遅延時間を、振動素子ごとに設定する。パルサ回路は、レートパルスが発生するタイミングに同期して、遅延回路により設定された遅延時間で、これら複数の振動素子に駆動信号をそれぞれ供給する。
このとき、超音波送信回路110は、振動素子ごとに遅延時間を変化させることで、超音波送信方向を任意に調節してもよい。これにより、超音波プローブ200は、任意の走査面方向に超音波を送信する。さらに、超音波送信回路110は、走査線の本数(すなわち、走査線密度)や駆動信号の電圧を調節する等により、超音波の音響パワーを超音波送信方向ごとに任意に調節してもよい。これにより、超音波プローブ200は、超音波送信方向ごとに任意の音響パワーで超音波を送信する。
超音波プローブ200は、本体装置100による制御の下で、被検体S(例:患者、妊婦)を超音波により走査する。第1超音波プローブ200aは、ヘッド部201a及び把持部202aを有し、把持部202aは、位置検出部203aを有する。同様に、第2超音波プローブ200bは、ヘッド部201b及び把持部202bを有し、把持部202bは、位置検出部203bを有する。以下、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bは、互いに同様なハードウェア構成を有すると想定する。
ヘッド部201a及び201bは、被検体Sの表面に接触される部分であり、複数の振動素子等を有する。把持部202a及び202bはそれぞれ、ヘッド部201a及び201bのそれぞれに連結され、かつ操作者により把持される部分である。位置検出部203a及び203bはそれぞれ、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bのそれぞれの撮像位置を検出し、検出した撮像位置の情報を、内部記憶回路130や処理回路170に伝送する。例えば、位置検出部203a及び203bは、磁気センサなどの位置センサである。
なお、位置検出部203a及び203bはそれぞれ、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bのそれぞれの走査面方向及び走査角度を検出し、検出した走査面方向及び走査角度の情報を、内部記憶回路130や処理回路170に伝送してもよい。また、超音波プローブ200の撮像位置の情報は、超音波診断装置1に設置されたカメラ(不図示)等により取得されてもよい。
本実施形態では、超音波プローブ200は、複数の振動素子が1次元配列された1次元アレイプローブでもよいし、複数の振動素子が2次元配列された2次元アレイプローブでもよい。さらに、2つの超音波プローブ200には、超音波走査に係る各種のパラメータ(例:走査線数、走査面方向、走査角度)について、同一の条件が設定されてもよいし、異なる条件がそれぞれ設定されてもよい。
超音波走査において、超音波プローブ200は、超音波送信回路110から供給された駆動信号に応じて、被検体Sに超音波を送信する。送信超音波が、被検体Sの内部にある移動体の表面で反射した場合、反射超音波は、ドプラ効果により、この移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して周波数偏移を受ける。次に、超音波プローブ200は、被検体Sからの反射超音波を受信して電気信号(「反射波信号」とも称す)に変換し、この電気信号を超音波受信回路120に伝送する。
超音波受信回路120は、超音波プローブ200から伝送された反射波信号に対して各種の処理を行うことで、反射波データを生成する回路である。例えば、超音波受信回路120は、増幅回路、A/D(Analog/Digital)変換回路、復調回路及びビーム生成回路を有する。増幅回路は、反射波信号を所定又は可変のゲインで増幅する。A/D変換回路は、ゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。復調回路は、このデジタル信号を復調する。ビーム生成回路は、復調された複数のデジタル信号に対し、所定の受信指向性を決定するのに必要な遅延時間をそれぞれ与えるとともに、遅延時間が与えられた複数のデジタル信号を整相加算する。これにより、超音波受信回路120は、所定の受信指向性に応じた方向からの信号成分が強調された反射波データを生成する。超音波受信回路120は、この反射波データを内部記憶回路130や処理回路170に伝送する。
内部記憶回路130は、各種のデータやプログラムを記憶する回路である。例えば、内部記憶回路130は、プロセッサにより読取可能な記憶媒体(例:磁気的記憶媒体、電磁的記憶媒体、光学的記憶媒体、半導体メモリ)を有する。あるいは、内部記憶回路130は、この記憶媒体との間で各種のデータを読み書きする駆動装置でもよい。内部記憶回路130は、記憶部の一例である。
入力IF140は、操作者からの各種の入力を受け付けるインタフェースである。具体的には、入力IF140は、操作者からの各種の入力を電気信号に変換し、この電気信号を処理回路170に伝送する。例えば、入力IF140は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、スライダースイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、操作パネル及びタッチパネルである。入力IF140は、入力部の一例である。
ディスプレイ150は、各種のデータを表示する装置である。例えば、ディスプレイ150は、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びLEDディスプレイである。特に、ディスプレイ150は、入力IF140の機能を兼ねたタッチパネル式のディスプレイでもよい。ディスプレイ150は、表示部の一例である。
通信IF160は、外部装置500との間で各種のデータを通信するインタフェースである。通信IF160は、通信部の一例である。特に、外部装置500は、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)を搭載したサーバでもよい。
なお、内部記憶回路130、入力IF140、ディスプレイ150及び通信IF160は、超音波診断装置1に含まれなくともよい。すなわち、これらの各構成は、超音波診断装置1とは別体として構成されてもよい。
処理回路170は、超音波診断装置1の全体の動作を制御する回路である。本実施形態において、処理回路170は、少なくとも1つのプロセッサを有する。「プロセッサ」という文言は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例:単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサがCPUである場合、CPUは内部記憶回路130に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、各種の機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、各種の機能がASICの回路内に、論理回路として直接組み込まれる。プロセッサは、単一の回路として構成されてもよいし、複数の独立した回路を組み合わせて構成されてもよい。処理回路170は、例えばBモード処理機能171、ドプラ処理機能172、ボリュームデータ生成機能173、ボリュームデータ合成機能174、画像データ生成機能175、表示制御機能176、システム制御機能177、境界特定機能178A、位置算出機能178B及び特徴量算出機能178Cを実現する。
Bモード処理機能171は、超音波受信回路120から伝送された反射波データに基づいて、Bモードデータ(超音波データ)を生成する。具体的には、Bモード処理機能171は、反射波データに対して包絡線検波及び対数変換を行うことで、Bモードデータを生成する。Bモード処理機能171は、超音波の各走査線上で取得されたそれぞれの反射波データに対して同様な処理を行うことで、各反射波データに対応するBモードデータをそれぞれ生成する。生成された各Bモードデータは、内部記憶回路130に順次記憶されることで、3次元Bモードデータが生成される。Bモード処理機能171は、Bモード処理部の一例である。
本実施形態では、Bモード処理機能171は、第1超音波プローブ200aが被検体Sを超音波により3次元走査することで取得された各反射波データに基づいて、第1の3次元Bモードデータを生成する。同様に、Bモード処理機能171は、第2超音波プローブ200bが被検体Sを超音波により3次元走査することで取得された各反射波データに基づいて、第2の3次元Bモードデータを生成する。例えば、操作者は、1次元アレイプローブを被検体Sに接触した状態で揺動するか、2次元アレイプローブを被検体Sに接触することで、3次元Bモードデータを取得してもよい。
ドプラ処理機能172は、超音波受信回路120から伝送された反射波データに基づいて、ドプラデータを生成する。具体的には、ドプラ処理機能172は、反射波データを周波数解析することで、ドプラ効果による移動体の運動情報を示すドプラデータを生成する。ドプラ処理機能172は、ドプラ処理部の一例である。
ボリュームデータ生成機能173は、Bモード処理機能171により生成された3次元Bモードデータに基づいて、3次元のボリュームデータを生成する。具体的には、ボリュームデータ生成機能173は、3次元Bモードデータを構成する各ボクセルを補間処理することで、等方的な複数のボクセルで構成されるボリュームデータを生成する。ボリュームデータ生成機能173は、ボリュームデータ生成部の一例である。
本実施形態では、ボリュームデータ生成機能173は、Bモード処理機能171により生成された第1の3次元Bモードデータ及び第2の3次元Bモードデータのそれぞれに基づいて、第1ボリュームデータ及び第2ボリュームデータをそれぞれ生成する。
ボリュームデータ合成機能174は、ボリュームデータ生成機能173により生成された複数のボリュームデータに基づいて、3次元の合成ボリュームデータを生成する。具体的には、ボリュームデータ合成機能174は、複数のボリュームデータのそれぞれが生成された時の超音波プローブ200のそれぞれの撮像位置に基づいて、当該複数のボリュームデータを合成することで、合成ボリュームデータを生成する。ボリュームデータ合成機能174は、ボリュームデータ合成部の一例である。
本実施形態では、ボリュームデータ合成機能174は、ボリュームデータ生成機能173により生成された第1ボリュームデータ及び第2ボリュームデータを、第1超音波プローブ200aの撮像位置と、第2超音波プローブ200bの撮像位置とに基づいて合成することで、合成ボリュームデータを生成する。
画像データ生成機能175は、ボリュームデータ生成機能173により生成されたボリュームデータや、ボリュームデータ合成機能174により生成された合成ボリュームデータに基づいて、各種の画像データを生成する。例えば、画像データ生成機能175は、ボリュームデータの各ボクセル値に基づいて、ボクセルごとに透明度及び色調を設定する。次に、画像データ生成機能175は、ボクセルごとに設定された透明度及び色調の情報に基づいてボリュームデータをレンダリング処理することで、3次元の画像データを生成する。画像データ生成機能175は、画像データ生成部の一例である。
本実施形態では、画像データ生成機能175は、ボリュームデータ合成機能174により生成された合成ボリュームデータに基づいて、被検体Sに含まれる対象物(例:臓器、組織、胎児)の任意断面における2次元画像データを生成する。具体的には、画像データ生成機能175は、合成ボリュームデータにおいて、この任意断面に対応する複数のボクセルを選択してレンダリング処理することで、この2次元画像データを生成してもよい。
表示制御機能176は、画像データ生成機能175により生成された画像データに基づいて表示データを生成し、この表示データをディスプレイ150に表示する。例えば、表示制御機能176は、画像データに対し、入力IF140を介して入力された被検体Sの付帯情報を付加することで、表示データを生成する。次に、表示制御機能176は、この表示データに対してD/A変換及び表示フォーマット変換等の処理を行い、処理された表示データをディスプレイ150に表示する。表示制御機能176は、表示制御部の一例である。
システム制御機能177は、超音波診断装置1が行う各種の動作を制御する。例えば、システム制御機能177は、超音波走査に係る各種のパラメータに基づいて、超音波送信回路110及び超音波受信回路120を制御する。システム制御機能177は、システム制御部の一例である。
本実施形態では、システム制御機能177は、第1超音波プローブ200aの走査範囲及び第2超音波プローブ200bの走査範囲が重複する重複走査範囲における音響パワーが閾値以下になるように、第1超音波プローブ200aの音響パワー及び第2超音波プローブ200bの音響パワーを制御する。また、システム制御機能177は、この重複走査範囲に対応する画像データの画質レベル(例:信号対雑音比(S/N比))が閾値以上になるように、第1超音波プローブ200aの走査範囲を分割した領域ごとのゲインと、第2超音波プローブ200bの走査範囲を分割した領域ごとのゲインとを制御する。
境界特定機能178Aは、第1超音波プローブ200aが被検体Sを超音波により走査することで生成された画像データ(第1画像データ)に基づいて、この画像データにおける対象物の領域のうち、当該画像データの端部に位置する境界(第1境界)を特定する。すなわち、境界特定機能178Aは、画像データにおける対象物の境界位置を特定する。境界特定機能178Aは、境界特定部の一例である。
位置算出機能178Bは、第1画像データにおける第1境界と、第1画像データが生成された時の第1超音波プローブ200aの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、第2超音波プローブ200bの走査範囲が第1境界を含み、かつ第1超音波プローブ200aの走査範囲及び第2超音波プローブ200bの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出する。位置算出機能178Bは、位置算出部の一例である。
なお、位置算出機能178Bは、第2超音波プローブ200bの走査面方向及び走査角度をさらに算出してもよい。このとき、表示制御機能176は、位置算出機能178Bにより算出された第2超音波プローブ200bの撮像位置、走査面方向及び走査角度のうち少なくとも1つを、ディスプレイ150に表示してもよい。あるいは、これらの情報は、超音波診断装置1に設置されたスピーカ(不図示)により、音声として出力されてもよい。
さらに、位置算出機能178Bは、被検体Sの体表面の形状を推定して、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出してもよい。具体的には、位置算出機能178Bは、被検体Sの体表面に設置された磁気センサ(不図示)や、超音波診断装置1に設置された深度カメラ(不図示)を用いて、被検体Sの体表面の形状を推定してもよい。
また、位置算出機能178Bは、第2超音波プローブ200bの撮像位置を、超音波診断装置1に設置されたプロジェクタ(不図示)を介して、被検体Sの体表面に投影してもよい。このとき、位置算出機能178Bは、操作者からの指示に応じて、所望の超音波プローブ200の撮像位置を、被検体Sの体表面に投影してもよい。
特徴量算出機能178Cは、画像データ生成機能175により生成された2次元画像データに基づいて、被検体Sに含まれる対象物の特徴量を算出する。特徴量算出機能178Cは、特徴量算出部の一例である。
図2は、本実施形態に係る超音波診断装置1の動作例を示すフロー図である。本動作例は、操作者が入力IF140を介して被検体情報や画像データの取得条件を入力した後、3次元の合成画像データの収集開始コマンドを入力することで開始されてもよい。一方、本動作例は、操作者が入力IF140を介して中断コマンド又は終了コマンドを入力することで、任意のタイミングで中断又は終了されてもよい。
(ステップS101)まず、超音波診断装置1は、被検体Sに第1超音波プローブ200aを配置する。具体的には、超音波診断装置1の操作者は、被検体Sの表面に第1超音波プローブ200aを接触させて配置する。このとき、第1超音波プローブ200aの位置検出部203aは、第1超音波プローブ200aの撮像位置を検出する。なお、位置検出部203aは、第1超音波プローブ200aの走査面方向及び走査角度をさらに検出してもよい。
(ステップS102)次に、超音波診断装置1は、ステップS101で被検体Sに配置された第1超音波プローブ200aが被検体Sを超音波走査することで取得された反射波データに基づいて、画像データ(第1画像データ)を生成する。具体的には、処理回路170は、Bモード処理機能171、ボリュームデータ生成機能173及び画像データ生成機能175を順次実行することで、この反射波データに基づく画像データを生成する。
(ステップS103)続いて、超音波診断装置1は、ステップS102で生成された画像データに基づいて、被検体Sに含まれる対象物の境界を特定する。具体的には、処理回路170は、境界特定機能178Aを実行することで、この画像データにおける対象物の領域のうち、当該画像データの端部に位置する境界(第1境界)を特定する。例えば、処理回路170は、この画像データの端部に配列された複数のピクセル又はボクセルの画素値(輝度値)に基づいて、この境界を特定する。具体的には、処理回路170は、互いに隣接する2つのピクセル又はボクセルそれぞれの画素値の差分を算出し、この差分が閾値以上であれば、当該2つのピクセル又はボクセルの間に境界があると特定してもよい。なお、対象物の境界の検出には、既知のエッジ検出技術が適用されてもよい。
(ステップS104)続いて、超音波診断装置1は、ステップS101乃至S103で取得された各種のデータに基づいて、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出する。具体的には、処理回路170は、位置算出機能178Bを実行することで、ステップS101で検出された第1超音波プローブ200aの撮像位置、走査面方向及び走査角度と、ステップS102で生成された画像データと、ステップS103で特定された対象物の境界とに基づいて、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出する。
図3は、第2超音波プローブ200bの撮像位置の算出方法の例を示す図である。説明の便宜上、図3に示される各構成等は、同一の2次元平面上に存在すると想定し、各構成等の奥行きは考慮しない。
操作者は、第1超音波プローブ200aのヘッド部201aを、被検体Sの体表面に接触させた状態で超音波走査を行う。このとき、ヘッド部201a上にある被検体Sの体表面との1つの接点を、第1超音波プローブ200aの撮像位置Paと想定する。第1超音波プローブ200aは、この撮像位置Pa周りに所定の走査角度θaで超音波を送信及び受信することで、撮像位置Paを起点とする走査範囲210aに対応する画像データが生成される。すなわち、第1超音波プローブ200aの走査範囲210aは、この画像データの描画範囲に対応する。なお、走査範囲210aの方向(すなわち、走査面方向)は、被検体Sの体表面に対して垂直である。
走査範囲210aは、楕円形を成す対象物300の領域の一部を含む。実際には、対象物300の領域は、画像データ上では、周辺領域の画素値とは一定程度異なる画素値を有する複数の画素として観察される。本例では、走査範囲210aの右側端部において、対象物300の領域が見切れている。すなわち、走査範囲210aよりも右側の空間領域にも、対象物300の領域が存在することが示唆される。
そこで、処理回路170は、画像データ上で、撮像位置Paから最も近い、走査範囲210aの端部と対象物300の領域との境界点220を特定する。例えば、境界点220は、画像データ上では、この画像データの端部に位置し、かつ画素値が急激に変化する点として観察される。すなわち、境界点220は、対象物300の輪郭上に位置する。
続いて、処理回路170は、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bの左側端部に境界点220が位置するように、被検体Sの体表面上における第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbを算出する。これにより、処理回路170は、第1超音波プローブ200aの走査範囲210aと、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bとを合成した合成走査範囲(210a+210b)が最大となるように、撮像位置Pbを算出する。別の観点によれば、処理回路170は、走査範囲210a及び210bが重複する重複走査範囲250が最小となるように、撮像位置Pbを算出する。なお、第2超音波プローブ200bの走査面方向及び走査角度θbはそれぞれ、第1超音波プローブ200aの走査面方向及び走査角度θaとそれぞれ同一であると想定する。
上記のように、処理回路170は、境界点220に基づいて第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbを算出することで、操作者は、2つの超音波プローブ200を用いて対象物300の全体の領域を一度に超音波走査できる。さらに、本手法によれば、2つの超音波プローブ200の走査範囲が重複する重複走査範囲250が可能な限り小さくなるので、重複走査範囲250における対象物300への超音波の影響を可能な限り低減できる。
(ステップS105)図2の説明に戻る。超音波診断装置1は、ステップS104で算出された第2超音波プローブ200bの撮像位置を表示する。具体的には、処理回路170は、表示制御機能176を実行することで、ディスプレイ150に第2超音波プローブ200bの撮像位置を表示する。
図4は、第2超音波プローブ200bの撮像位置の表示例を示す図である。本例では、ディスプレイ150の表示領域155上に、第1超音波プローブ200aの撮像位置を示すアイコン410と、第2超音波プローブ200bの撮像位置を示すアイコン420とが表示される。アイコン410及び420の間には、第1超音波プローブ200aの撮像位置に対する、第2超音波プローブ200bの撮像位置の移動方向を示す矢印型のアイコン430が表示される。さらに、2つの超音波プローブ200の撮像位置の3次元空間上での位置関係を示すアイコン440が表示される。アイコン440は、この3次元空間を定義する3つの座標軸(X軸、Y軸、Z軸)それぞれの向きを示す。
上記のように、処理回路170は、2つの超音波プローブ200の撮像位置をディスプレイ150に表示することで、操作者は、被検体Sのどの位置に第2超音波プローブ200bを配置すべきかを容易に理解できる。すなわち、処理回路170は、操作者が2つの超音波プローブ200をそれぞれ、適切な位置に配置するのを支援できる。
(ステップS106)図2の説明に戻る。超音波診断装置1は、ステップS105で表示された第2超音波プローブ200bの撮像位置に合わせて、被検体Sに第2超音波プローブ200bを配置する。具体的には、超音波診断装置1の操作者は、被検体Sの表面に第2超音波プローブ200bを接触させて配置する。このとき、第2超音波プローブ200bの位置検出部203bは、第2超音波プローブ200bの撮像位置を検出する。なお、位置検出部203bは、第2超音波プローブ200bの走査面方向及び走査角度をさらに検出してもよい。すなわち、ステップS106は、ステップS101と同様である。
(ステップS107)続いて、超音波診断装置1は、ステップS101で被検体Sに配置された第1超音波プローブ200aが被検体Sを超音波走査することで取得された反射波データに基づいて、第1ボリュームデータを生成する。同様に、超音波診断装置1は、ステップS106で被検体Sに配置された第2超音波プローブ200bが被検体Sを超音波走査することで取得された反射波データに基づいて、第2ボリュームデータを生成する。具体的には、処理回路170は、Bモード処理機能171及びボリュームデータ生成機能173を順次実行することで、第1ボリュームデータ及び第2ボリュームデータをそれぞれ生成する。
(ステップS108)続いて、超音波診断装置1は、ステップS107で生成された第1ボリュームデータ及び第2ボリュームデータを合成する。具体的には、処理回路170は、ボリュームデータ合成機能174を実行することで、第1超音波プローブ200aの撮像位置と、第2超音波プローブ200bの撮像位置とに基づいて、第1ボリュームデータ及び第2ボリュームデータを合成する。これにより、処理回路170は、合成ボリュームデータを生成する。
(ステップS109)続いて、超音波診断装置1は、ステップS108で生成された合成ボリュームデータに基づいて、合成画像データを生成する。具体的には、処理回路170は、画像データ生成機能175を実行することで、この合成画像データを生成する。
なお、ステップS109において、処理回路170は、ステップS108で生成された合成ボリュームデータに基づいて、被検体Sに含まれる対象物の任意断面における2次元画像データを生成してもよい。続いて、処理回路170は、特徴量算出機能178Cを実行することで、この2次元画像データに基づいて、対象物の特徴量を算出してもよい。
図5は、対象物300の特徴量の算出方法の例を示す図である。本例では、対象物300は、被検体Sの胎児であると想定する。また、走査範囲210a及び210bを合成した合成走査範囲(210a+210b)に、胎児全体の領域が含まれると想定する。
第一に、処理回路170は、この胎児の児頭大横径(BPD)を計測するために、頭部の横断面に対応する2次元画像データを生成する。第二に、処理回路170は、この胎児の躯幹周囲長(AC)を計測するために、胴体の横断面に対応する2次元画像データを生成する。第三に、処理回路170は、この胎児の大腿骨長(FL)を計測するために、脚部の横断面に対応する2次元画像データを生成する。続いて、処理回路170は、生成された各2次元画像データを画像解析することで、胎児の発育を示す各種の特徴量(BPD、AC、FL)を算出する。なお、処理回路170は、算出した特徴量をディスプレイ150に表示してもよい。
さらに、処理回路170は、算出した各種の特徴量を所定の計算式に適用することで、推定胎児体重(EFW)を算出してもよい。例えば、推定胎児体重は、「1.07×BPD+0.30×AC×FL」により算出される。もちろん、処理回路170は、算出した推定胎児体重をディスプレイ150に表示してもよい。
上記のように、処理回路170は、胎児全体の領域を含む合成ボリュームデータに基づいて、胎児の特徴量を算出するために最適な断面の2次元画像データを生成し、この2次元画像データに基づいて胎児の特徴量を算出する。これにより、処理回路170は、例えば胎児の体重の推定精度を向上できる。
(ステップS110)図2の説明に戻る。超音波診断装置1は、ステップS109で生成された合成画像データを表示する。具体的には、処理回路170は、表示制御機能176を実行することで、ディスプレイ150に合成画像データを表示する。ステップS110の後、処理はステップS103に戻る。ステップS103乃至S110に係る各処理が繰り返し実行されることで、処理回路170は、例えば、形状や位置が動的に変化した後の対象物の領域に基づいて、第2超音波プローブ200bの撮像位置や合成画像データ等を表示できる。すなわち、処理回路170は、対象物のリアルタイムな変化に応じて、各種のデータを表示できる。
図6A及び図6Bは、第1超音波プローブ200aに対する第2超音波プローブ200bの移動の第1例を示す図である。図6Aでは、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bが、互いに接近して被検体Sの体表面上に配置されている。ここで、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bは、境界点220を含むため、操作者は、2つの超音波プローブ200を用いて対象物300の全体を一度に走査できる。しかしながら、重複走査範囲250が増大するため、対象物300への超音波の影響の観点から、現在の第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbは好適ではない。
そこで、処理回路170は、現在の2つの超音波プローブ200の撮像位置、走査線方向及び走査角度と、境界点220とに基づいて、第2超音波プローブ200bの新たな撮像位置Pbを算出する。続いて、処理回路170は、第1超音波プローブ200aの撮像位置Paから、第2超音波プローブ200bの新たな撮像位置Pbまでの移動方向510を算出する。実際には、移動方向510は、図4と同様な態様でディスプレイ150に表示される。操作者は、図6Bに示すように、ディスプレイ150に表示された移動方向510に従って、第2超音波プローブ200bを第1超音波プローブ200aから離間するように、被検体Sの体表面上で移動する。これにより、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bが、互いに接近して配置された場合でも、処理回路170は、適切な位置に第2超音波プローブ200bを誘導できる。
図7A及び図7Bは、第1超音波プローブ200aに対する第2超音波プローブ200bの移動の第2例を示す図である。図7Aでは、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bが、互いに離間して被検体Sの体表面上に配置されている。ここで、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bは、境界点220を含まないため、操作者は、2つの超音波プローブ200を用いて対象物300の全体を一度に走査し得ない。すなわち、現在の第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbは好適ではない。
そこで、処理回路170は、現在の2つの超音波プローブ200の撮像位置、走査線方向及び走査角度と、境界点220とに基づいて、第2超音波プローブ200bの新たな撮像位置Pbを算出する。続いて、処理回路170は、第1超音波プローブ200aの撮像位置Paから、第2超音波プローブ200bの新たな撮像位置Pbまでの移動方向520を算出する。実際には、移動方向520は、図4と同様な態様でディスプレイ150に表示される。操作者は、図7Bに示すように、ディスプレイ150に表示された移動方向520に従って、第2超音波プローブ200bを第1超音波プローブ200aに接近するように、被検体Sの体表面上で移動する。これにより、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bが、互いに離間して配置された場合でも、処理回路170は、適切な位置に第2超音波プローブ200bを誘導できる。
なお、処理回路170は、ある時点での画像データにおける対象物300上の所定位置(例:胎児の鼻部、腕部、脚部)にランドマークを設定し、この画像データと、別の時点での画像データとの間で当該ランドマークの移動方向及び移動距離を算出してもよい。さらに、処理回路170は、算出したランドマークの移動方向及び移動距離に基づいて、第2超音波プローブ200bの移動方向及び移動距離を算出して、ディスプレイ150に表示してもよい。
図8は、超音波プローブ200の走査範囲の領域ごとに設定されるゲインの例を示す図である。前述の通り、本実施形態に開示される手法では、対象物300が受ける超音波の影響を可能な限り低減することが要請される。このため、第一に、処理回路170はシステム制御機能177を実行することで、重複走査範囲250における音響パワーが閾値以下になるように、2つの超音波プローブ200のそれぞれの音響パワーを制御してもよい。第二に、処理回路170はシステム制御機能177を実行することで、2つの超音波プローブ200のそれぞれの走査範囲を分割した領域ごとに、ゲインを制御してもよい。
本例では、第1超音波プローブ200aの走査範囲210aが、超音波の深さ方向及び方位方向に沿って格子状に分割される。分割されたそれぞれの領域211aには、異なるゲインがそれぞれ設定され得る。同様に、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bが、超音波の深さ方向及び方位方向に沿って格子状に分割される。分割されたそれぞれの領域211bには、異なるゲインがそれぞれ設定され得る。
例えば、処理回路170は、重複走査範囲250について取得される画像データの画質レベルが閾値以上になるように、重複走査範囲250に含まれる領域211a及び211bのそれぞれに異なるゲインを設定する。すなわち、処理回路170は、操作者が重複走査範囲250に対応する対象物300の領域を、ディスプレイ150上で明瞭に視認し得るように、ゲインを設定すればよい。
また、処理回路170は、超音波の深さ方向及び方位方向のいずれか一方に沿って分割された走査範囲の領域ごとに、異なるゲインをそれぞれ設定してもよい。あるいは、処理回路170は、超音波プローブ200の撮像位置からの距離に応じて、当該撮像位置を起点とする超音波の各走査線上で、異なるゲインをそれぞれ設定してもよい。
他にも、処理回路170は、2つの超音波プローブ200により取得された2つの画像データのそれぞれにおいて、重複走査範囲250の信号対雑音比を算出してもよい。続いて、処理回路170は、当該2つの画像データのうち、算出された信号対雑音比がより高い方の画像データを選択して、ディスプレイ150に表示してもよい。これにより、操作者は、ディスプレイ150上で重複走査範囲250を明瞭に視認できる。
さらに、処理回路170は、重複走査範囲250に対して、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bを交互に使用して超音波走査を行ってもよい。また、処理回路170は、走査範囲210a及び210bを合成した合成走査範囲(210a+210b)のうち、重複走査範囲250を除く走査範囲に対して、第1超音波プローブ200a及び第2超音波プローブ200bを同時に使用して超音波走査を行ってもよい。
以上、本実施形態に係る超音波診断装置1について説明した。本実施形態によれば、超音波診断装置1は、2つの超音波プローブ200を用いて対象物300の全体を画像化する。これにより、超音波診断装置1は、操作者に対象物300の全体の構造等を提示するので、操作者による医学的な診断の精度を向上できる。また、超音波診断装置1は、対象物300の特徴量を算出するのに最適な断面を設定するので、対象物300の特徴量を正確に計測できる。
また、超音波診断装置1は、複数の超音波プローブを、被検体S上の適切な位置に配置するように操作者を誘導する。これにより、超音波診断装置1は、操作者が複数の超音波プローブを、対象物300の全体を一度に走査し、かつ対象物300への超音波の影響を可能な限り低減する位置に配置するのを支援できる。
なお、本実施形態では、2つの超音波プローブ200は、対象物300の全体を一度に走査し得ると想定した。しかしながら、対象物300が比較的大きい場合、対象物300の全体を走査するのに、3つの超音波プローブが必要となる場合がある。そこで、超音波診断装置1は、2つの超音波プローブ200に加えて、もう1つの超音波プローブ(第3超音波プローブ)が必要か否かを判定してもよい。
上記の判定は、例えば、図2のステップS109で生成された合成画像データに基づいてなされる。具体的には、処理回路170は、この合成画像データを画像解析する等して、当該合成画像データに対象物300の全体の領域が含まれるか否かを判定すればよい。ここで、合成画像データに対象物300の全体の領域が含まれないと判定された場合、処理回路170は、この合成画像データにおける対象物300の領域のうち、当該合成画像データの端部に位置する境界(第2境界)を特定する。この境界は、前述した第1超音波プローブ200aに基づく画像データの端部に位置する境界(第1境界)とは異なる。
次に、処理回路170は、上記の合成画像データの端部に位置する第2境界と、この合成画像データが生成された時の第2超音波プローブ200bの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、第3超音波プローブの走査範囲が第2境界を含み、かつ第2超音波プローブ200bの走査範囲及び第3超音波プローブの走査範囲を合成した合成走査範囲が最大となるように、第3超音波プローブの撮像位置を算出すればよい。すなわち、処理回路170は、図2のステップS103及びS104と同様な処理を行うことで、第3超音波プローブの撮像位置等を算出できる。
(変形例)
図9は、変形例に係る超音波診断装置1の動作例を示す図である。図9に示す動作例は、図2に示す動作例と同様である。ただし、図2のステップS103では、画像データの端部に位置する対象物の境界が特定されるのに対し、図9のステップS103Aでは、画像データにおいて、対象物が不明瞭に描画される領域(不明瞭領域)の境界が特定される。図2の動作例と同様な処理を行う各ステップについては、説明を省略する。
(ステップS103A)ここで、超音波診断装置1は、ステップS102で生成された画像データに基づいて、この画像データにおける対象物の領域であって、かつ画質レベルが閾値以下である領域(不明瞭領域)を特定する。また、超音波診断装置1は、この不明瞭領域のうち、対象物の端部に位置する境界を特定する。具体的には、処理回路170は境界特定機能178Aを実行することで、前述の不明瞭領域及び境界を特定する。
(ステップS104A)続いて、超音波診断装置1は、ステップS103Aで特定された、上記の画像データにおける対象物の境界と、この画像データが生成された時の第1超音波プローブ200aの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bが、この境界を含み、かつ第1超音波プローブ200aの走査範囲210a及び第2超音波プローブ200bの走査範囲210bを合成した合成走査範囲が最大となるように、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出する。具体的には、処理回路170は、位置算出機能178Bを実行することで、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出する。
図10は、第2超音波プローブ200bの撮像位置の算出方法の別の例を示す図である。本例では、第1超音波プローブ200aの走査範囲210aは、正円形を成す対象物300の全体の領域と、超音波を強く反射する強反射体400(例:骨、空気)の領域とを含む。強反射体400の後方には、超音波が殆ど又は完全に伝播しないため、強反射体400の後方にある対象物300の領域には、画像データ上で明瞭に描画されない不明瞭領域310が存在する。なお、不明瞭領域310は、超音波の反射波データが取得されない領域(すなわち、データの欠損領域)とも換言される。
そこで、処理回路170は、不明瞭領域310が第2超音波プローブ200bの走査範囲210bに含まれるように、第2超音波プローブ200bの撮像位置を算出する。このとき、対象物300が受ける超音波の影響を可能な限り低減する観点から、重複走査範囲250を可能な限り小さくすることが望ましい。具体的には、処理回路170は、不明瞭領域310のうち、第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbから最も遠い境界点230を特定する。次に、処理回路170は、第2超音波プローブ200bの走査範囲210bの左側端部に境界点230が位置するように、被検体Sの体表面における第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbを算出する。
なお、処理回路170は、強反射体400の位置等を考慮して、第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbを算出してもよい。例えば、走査範囲210bの左側端部に強反射体400が存在する場合には、処理回路170は、第2超音波プローブ200bの走査面方向や走査角度θbを調節してもよい。これにより、処理回路170は、走査範囲210bの左側端部に強反射体400が位置しないように、撮像位置Pbを算出してもよい。
以上、変形例に係る超音波診断装置1について説明した。本変形例によれば、超音波診断装置1は、対象物300に生じる不明瞭領域310を補完するように、第2超音波プローブ200bの撮像位置Pbを算出する。これにより、操作者は、2つの超音波プローブ200を用いて対象物300の全体を超音波により走査できる。すなわち、超音波診断装置1は、操作者が複数の超音波プローブを適切な位置に配置するのを支援できる。また、超音波診断装置1は、対象物300が受ける超音波の影響を可能な限り低減できる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、複数の超音波プローブを適切な位置に配置するのを支援することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
100 本体装置
110 超音波送信回路
120 超音波受信回路
130 内部記憶回路
140 入力IF
150 ディスプレイ
155 表示領域
160 通信IF
170 処理回路
171 Bモード処理機能
172 ドプラ処理機能
173 ボリュームデータ生成機能
174 ボリュームデータ合成機能
175 画像データ生成機能
176 表示制御機能
177 システム制御機能
178A 境界特定機能
178B 位置算出機能
178C 特徴量算出機能
200 超音波プローブ
200a 第1超音波プローブ
200b 第2超音波プローブ
201a,201b ヘッド部
202a,202b 把持部
203a,203b 位置検出部
210a,210b 走査範囲
211a,211b 領域
220,230 境界点
250 重複走査範囲
300 対象物
310 不明瞭領域
400 強反射体
410,420,430,440 アイコン
500 外部装置
510,520 移動方向

Claims (11)

  1. 被検体を超音波により走査する第1超音波プローブ及び第2超音波プローブと、
    前記第1超音波プローブが前記被検体を走査することで生成された第1画像データに基づいて、前記第1画像データにおける対象物の領域のうち、前記第1画像データの端部に位置する第1境界を特定する境界特定部と、
    前記第1画像データにおける前記第1境界と、前記第1画像データが生成された時の前記第1超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、前記第2超音波プローブの走査範囲が前記第1境界を含み、かつ前記第1超音波プローブの走査範囲及び前記第2超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、前記第2超音波プローブの撮像位置を算出する位置算出部と、
    を具備する超音波診断装置。
  2. 前記第2超音波プローブの撮像位置を表示部に表示する表示制御部、
    をさらに具備する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記位置算出部は、前記第2超音波プローブの走査面方向及び走査角度をさらに算出し、
    前記表示制御部は、前記第2超音波プローブの走査面方向及び走査角度を前記表示部にさらに表示する、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1超音波プローブが前記被検体を3次元走査することで取得された反射波データに基づいて第1ボリュームデータを生成し、前記第2超音波プローブが前記被検体を3次元走査することで取得された反射波データに基づいて第2ボリュームデータを生成するボリュームデータ生成部と、
    前記第1ボリュームデータ及び前記第2ボリュームデータを、前記第1超音波プローブの撮像位置と、前記第2超音波プローブの撮像位置とに基づいて合成することで、合成ボリュームデータを生成するボリュームデータ合成部と、
    をさらに具備する請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記合成ボリュームデータに基づいて、前記対象物の断面における2次元画像データを生成する画像データ生成部と、
    前記2次元画像データに基づいて、前記対象物の特徴量を算出する特徴量算出部と、
    をさらに具備する請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記被検体を超音波により走査する第3超音波プローブと、
    前記合成ボリュームデータに基づいて合成画像データを生成する画像データ生成部と、
    をさらに具備し、
    前記境界特定部は、前記合成画像データに前記対象物の全体が含まれない場合、前記合成画像データに基づいて、前記合成画像データにおける前記対象物の領域のうち、前記第1境界とは異なり、かつ前記合成画像データの端部に位置する第2境界を特定し、
    前記位置算出部は、前記合成画像データにおける前記第2境界と、前記合成画像データが生成された時の前記第2超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、前記第3超音波プローブの走査範囲が前記第2境界を含み、かつ前記第2超音波プローブの走査範囲及び前記第3超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、前記第3超音波プローブの撮像位置を算出する、
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 前記第1超音波プローブの走査範囲及び前記第2超音波プローブの走査範囲が重複する重複走査範囲における音響パワーが閾値以下になるように、前記第1超音波プローブの音響パワー及び前記第2超音波プローブの音響パワーを制御するシステム制御部、
    をさらに具備する請求項1に記載の超音波診断装置。
  8. 前記システム制御部は、前記重複走査範囲に対応する画像データの画質レベルが閾値以上になるように、前記第1超音波プローブの走査範囲を分割した領域ごとのゲインと、前記第2超音波プローブの走査範囲を分割した領域ごとのゲインとを制御する、
    請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 被検体を超音波により走査する第1超音波プローブ及び第2超音波プローブと、
    前記第1超音波プローブが前記被検体を走査することで生成された第1画像データに基づいて、前記第1画像データにおける対象物の領域であって、かつ画質レベルが閾値以下である領域のうち、前記対象物の端部に位置する境界を特定する境界特定部と、
    前記第1画像データにおける前記境界と、前記第1画像データが生成された時の前記第1超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、前記第2超音波プローブの走査範囲が前記境界を含み、かつ前記第1超音波プローブの走査範囲及び前記第2超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、前記第2超音波プローブの撮像位置を算出する位置算出部と、
    を具備する超音波診断装置。
  10. 境界特定部は、第1超音波プローブが被検体を走査することで生成された第1画像データに基づいて、前記第1画像データにおける対象物の領域のうち、前記第1画像データの端部に位置する第1境界を特定し、
    位置算出部は、前記第1画像データにおける前記第1境界と、前記第1画像データが生成された時の前記第1超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、第2超音波プローブの走査範囲が前記第1境界を含み、かつ前記第1超音波プローブの走査範囲及び前記第2超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、前記第2超音波プローブの撮像位置を算出する、
    算出方法。
  11. コンピュータに、
    第1超音波プローブが被検体を走査することで生成された第1画像データに基づいて、前記第1画像データにおける対象物の領域のうち、前記第1画像データの端部に位置する第1境界を特定する境界特定機能と、
    前記第1画像データにおける前記第1境界と、前記第1画像データが生成された時の前記第1超音波プローブの撮像位置、走査面方向及び走査角度とに基づいて、第2超音波プローブの走査範囲が前記第1境界を含み、かつ前記第1超音波プローブの走査範囲及び前記第2超音波プローブの走査範囲を合成した走査範囲が最大となるように、前記第2超音波プローブの撮像位置を算出する位置算出機能と、
    を実現させる算出プログラム。
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