JP2024065679A - 情報解析方法、情報解析装置、及び情報解析システム - Google Patents

情報解析方法、情報解析装置、及び情報解析システム Download PDF

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Abstract

【課題】プロセスの稼働状態を収集することなく、生産性を低下させているプロセスを特定すること。【解決手段】ワークを実行する複数のプロセスにより構成される生産ラインの生産性を解析する情報解析方法であって、前記ワークが前記プロセスに投入される日時を含むワーク情報を前記生産ラインから取得する情報取得ステップと、前記ワーク情報に基づいて、前記プロセスにおけるワークの滞在時間と前記ワークを次のプロセスに投入してから次のワークが投入されるまでの空時間を含む評価指標を算出する情報整理ステップと、前記評価指標に基づいて、前記ワークが投入される時間間隔であるワーク間隔に遅れが発生している最終のプロセスに対して、少なくとも一つの前記遅れの要因である上流のプロセスを特定するプロセス特定ステップと、を有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、情報解析方法、情報解析装置、及び情報解析システムに関する。
多数の生産設備から構成される生産ラインの生産性を低下させる要因を分析する方法として、生産設備の稼働状態を定義したデータを収集して、各プロセスが設計タクト(設計生産時間)内で実行されているかを評価する技術が知られている。特許文献1には、生産設備における各プロセスの稼働状態に基づいて、生産性を低下させているプロセスを特定する技術が開示されている。
しかしながら、従来の技術では、生産性を低下させているプロセスを特定するために、プロセスの稼働状態を収集する必要があった。稼働状態の情報は、プロセスごとに定義されたプロセス内の各工程における実行時間又は停止時間などを含む詳細な情報であることから、稼働状態の情報を収集するために多大な工数が必要であった。
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、プロセスの稼働状態を収集することなく、生産性を低下させているプロセスを特定することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、ワークを実行する複数のプロセスにより構成される生産ラインの生産性を解析する情報解析方法であって、前記ワークが前記プロセスに投入される日時を含むワーク情報を前記生産ラインから取得する情報取得ステップと、前記ワーク情報に基づいて、前記プロセスにおけるワークの滞在時間と前記ワークを次のプロセスに投入してから次のワークが投入されるまでの空時間を含む評価指標を算出する情報整理ステップと、前記評価指標に基づいて、前記ワークが投入される時間間隔であるワーク間隔に遅れが発生している最終のプロセスに対して、少なくとも一つの前記遅れの要因である上流のプロセスを特定するプロセス特定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、プロセスの稼働状態を収集することなく、生産ラインの生産性を解析して、生産性を低下させているプロセスを特定することができる。
本発明の実施形態に係る情報解析システムの概略図の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る情報解析装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る情報解析システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る生産ラインの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るペトリネットによるプロセスのフロー表記を説明する図である。 本発明の実施形態に係る評価指標を説明する図である。 本発明の実施形態に係る遅れ要因のプロセス特定に関するフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る評価指標の分布を説明する図である。 本発明の実施形態に係る遅れ発生プロセスの特定を説明する図である。 本発明の実施形態に係る遅れの要因となるプロセスとワークを特定するフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る基本条件におけるプロセスの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る基本条件における遅れの要因となるプロセスとワークの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るOR分岐条件におけるプロセスの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るOR分岐条件における遅れの要因となるプロセスとワークの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る一斉歩進の条件におけるプロセスの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る一斉歩進の条件における遅れの要因となるプロセスとワークの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る遅れ時間の割り当てのフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る2つのプロセスに遅れ時間を割り当てる一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る分岐部と並列部で分割したツリー構造を説明する図である。 本発明の実施形態に係る並列部における2つのプロセスに遅れ時間を割り当てる一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る分析結果表示のフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る生産性分析画面の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る定常ロスのプロセス分析画面(プロセス比較)の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る定常ロスのプロセス分析画面(日次推移)の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る非定常ロスのプロセス分析画面(パレート図)の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る非定常ロスのプロセス分析画面(ガントチャート)の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報解析方法、情報解析装置、及び情報解析システムの実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報解析システムの概略図の一例を示す図である。情報解析システム30は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク34に接続する、生産ライン31、情報解析装置32、及び端末装置33を含む。
生産ライン31は、ワークを実行する複数のプロセスにより構成される。各プロセスは、プロセスの接続形態等により決定されるフローに従って、上流のプロセスから投入されたワークを実行した後、実行が完了したワークを下流のプロセスに投入する。トナーボトルの生産ラインを例にすると、生産ライン31では、まず、最上流のプロセスであるワーク投入口にボトルが投入され、次に下流の第1設備のプロセスにてボトルの検査が実行された後、更に下流のプロセスである第1搬送装置にボトルが搬送される。第1搬送装置は、ボトルを第2設備又は第3設備に搬送し、第2設備又は第3設備でボトルにトナーが充填される。第2搬送装置は、トナーが充填されたボトルをワーク搬送口に搬送する。このように、上流から下流のプロセスにワークが順番に投入されることで、各プロセスにおいて搬送・加工・組み立て・検査などが実行されて、トナーボトルが生産される。また、生産ライン31では、実行されるワークの内容などによってタクト(実行完了時間)が他のプロセスよりも長くなるなどの理由で、第2設備と第3設備のように、分岐したプロセスにおいてワークが並列して実行される場合もある。
情報解析装置32は、生産ライン31から収集した各プロセスの接続形態を定義するフロー情報と各プロセスで実行されるワークに関するワーク情報を用いて算出された評価指標に基づいて、生産ライン31の生産性を低下させている要因を特定する。即ち、情報解析装置32は、生産ライン31の最終プロセス排出間隔に遅れを発生させている要因であるプロセス、及びそのプロセスが実行していたワークを特定する。評価指標は、上流のプロセスからワークが投入されてから下流のプロセスにワークを投入するまでの滞在時間と、ワークを下流のプロセスに投入してから次のワークが上流のプロセスから投入されるまでの空時間に関する情報を含む。フロー情報は、例えば、後述するペトリネットを用いて表現することが可能である。このように、情報解析装置32は、フロー情報とワーク情報に基づいて、最終プロセスの排出間隔が正常範囲から外れたワークに対して、プロセスを上流に遡って解析することにより、遅れを発生させているプロセスを特定することが可能である。更に、情報解析装置32は、生産ライン31における全体又はプロセスごとに解析して得られた生産性など解析結果を確認するための画面情報を作成して、作成した画面情報を端末装置33に送信する。
端末装置33は、情報解析装置32から受信した画面情報に基づいて、生産ライン31における全体又はプロセスごとに解析して得られた生産性などの解析結果を表示する。生産ライン31の管理者は、端末装置33の画面を確認することにより、情報解析装置32が解析した生産ライン31に対する解析結果を確認することができる。
なお、図1に示す情報解析システム30のシステム構成は一例である。例えば、端末装置33の台数は1台に限らず任意の台数であってもよい。更に、通信ネットワーク34には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。また、プロセスの完了時間又は評価指標などおける「遅れ」は「ロス」とよんでもよい。
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係る情報解析装置32及び端末装置33を構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、情報処理装置はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
これらのうち、CPU501は、情報処理装置全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク34を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
<機能について>
図3は、本発明の実施形態に係る情報解析システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。情報解析装置32は、情報取得部40、画面生成部44、情報整理部45、分布特定部46、プロセス特定部47、要因推定部48、通信部49、及び監視部50を有する。これら各部は、情報解析装置32を構成する情報処理装置にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。フロー情報記憶部41、ワーク情報記憶部42、及び解析情報記憶部43は、例えば、情報解析装置32が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。また、フロー情報記憶部41、ワーク情報記憶部42、及び解析情報記憶部43を総称して記憶部51とよんでもよい。
情報取得部40は、生産ライン31から各プロセスの接続形態を定義するフロー情報と各プロセスで実行されるワークに関するワーク情報を取得する。フロー情報とワーク情報の詳細については後述する。
フロー情報記憶部41は、情報取得部40が生産ライン31から取得したフロー情報を記憶する。
ワーク情報記憶部42は、情報取得部40が生産ライン31から取得したワーク情報を記憶する。
解析情報記憶部43は、情報整理部45が算出した評価指標、及び分布特定部46が算出した評価指標の値が定常範囲にあるか、非定常範囲にあるかを区別するための閾値を記憶する。また、解析情報記憶部43は、情報整理部45が抽出した、最終プロセスにおける評価指標のワーク間隔(最終プロセス排出間隔)の値が非定常範囲にあるワークに関する情報(ワーク識別子など)を記憶する。また、解析情報記憶部43は、プロセス特定部47が遅れの要因となり得るプロセスを特定するためにノードに追加したプロセスとワークに関する情報(プロセス識別子、ワーク識別子など)、及びワークの滞在時間と空時間が定常範囲であるか非定常範囲であるかの情報を記憶する。
画面生成部44は、生産ライン31の生産性や各プロセスの分析結果を生産ライン31の管理者が操作する端末装置33のディスプレイ506に表示するための画面情報を生成する。生成される画面情報の詳細については、後述する。
情報整理部45は、フロー情報とワーク情報を用いて、評価指標である滞在時間、空時間、及びワーク間隔を算出する。算出方法の詳細については、後述する。また、情報整理部45は、最終プロセスにおける評価指標のワーク間隔(最終プロセス排出間隔)の値が非定常範囲にあるワークを抽出する。
分布特定部46は、情報整理部45が算出した評価指標の分布を算出する。また、分布特定部46は、ある評価指標の値が算出した分布における定常範囲にあるか、非定常範囲にあるかを区別するための閾値(境界点)を算出する。
プロセス特定部47は、遅れの要因となり得るプロセスとワークを特定して、特定したプロセスに最終プロセスにおけるワークの遅れ時間を割り当てる。遅れの要因となり得るプロセスとワークの特定、及び遅れ時間の割り当ての方法に関する詳細については、後述する。また、プロセス特定部47は、各プロセスに割り当てた最終プロセスの遅れ時間に基づいて、最終プロセスの排出間隔に遅れ(ロス)を発生させている要因であるプロセスを特定する。この特定の方法に関する詳細については、後述する。
要因推定部48は、生産ライン31の生産性(生産稼働率)などの分析結果に基づいて、詳細に分析するプロセスを決定する。また、要因推定部48は、分析対象のプロセスに対する遅れ(ロス)が発生する要因を推定する。推定方法の詳細は後述する。
通信部49は、情報解析装置32が有する通信機能であり、通信ネットワーク34を介して生産ライン31及び端末装置33と情報の送受信を行う。例えば、通信部49は、生産ライン31の生産性など分析する分析画面の画面情報を端末装置33に送信する。
監視部50は、生産ライン31の生産性や各プロセスの分析結果をリアルタイムで監視して、生産性の低下、及び各プロセスの遅れ(ロス)の発生を検知又は予測する。また、監視部50は、生産性低下又は遅れ(ロス)の発生を検知又は予測した際に、生産性低下又は遅れ(ロス)の発生を生産ライン31の管理者に通知するために、管理者のメールアドレスに生産性低下や遅れ(ロス)の発生などを通知する電子メールを送信する。
端末装置33は、通信部60、表示制御部61、および操作受付部62を有する。これら各部は、端末装置33を構成する情報処理装置にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
通信部60は、端末装置33が有する通信機能であり、通信ネットワーク34を介して情報解析装置32と情報の送受信を行う。例えば、通信部60は、生産ライン31の生産性など分析した分析結果画面の画面情報などを情報解析装置32から受信する。
表示制御部61は、受信した画面情報を用いて、生産ライン31の生産性などを分析した分析結果画面などを端末装置33に表示する。
操作受付部62は、端末装置33のキーボードやポインティングデバイスを介して、生産ライン31の管理者などによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
<生産ラインにおけるプロセスのフロー>
図4は、本発明の実施形態に係る生産ライン31の一例を示す図である。図4に示すように、生産ライン31において、各プロセスは、直列又は並列に接続されることにより、ワークが実行される流れを示すプロセスのフローが決定される。各プロセスでは、決定したフローに基づいて、プロセス1からプロセス2など直列に接続されたプロセスでは、上流のプロセスから投入されたワークは実行が完了した後、下流のプロセスに投入される。また、プロセス3の下流では、プロセスが分岐して並列に接続されたOR分岐となっており、プロセス3で完了したワークは、プロセス4-1又はプロセス4-2のどちらかのプロセスに投入される。更に、プロセス7とプロセス8においては、プロセス7のワークの実行とプロセス8のワークの実行が共に完了した時点で、次のプロセスである、プロセス8とプロセス9へ歩進する。このようにワークが歩進されるプロセスのフローを一斉歩進とよぶ。
<ペトリネットによるプロセスのフロー表記>
図5は、本発明の実施形態に係るペトリネットによるプロセスのフロー表記を説明する図である。情報解析システム30では、離散分散システムを数学的に表現するペトリネットを用いて、生産ライン31におけるプロセスのフローに関する情報をフロー情報として記憶する。ペトリネットでは、P(プレース)と呼ばれる状態を表現するノードとT(トランジション)と呼ばれる事象を表現するノードに対して、PとTの関係性を表現するFとWが定義される。Fは、プロセスの接続形態(OR分岐、AND分岐など)を表現する。Wは、重みを表現し、次のプロセスに進むために処理するワークの数を示す。また、初期状態を示す変数は、フロー情報を表現するために必要ないため、本発明において定義しない。
図5の(a)は、OR分岐の場合におけるフロー情報の表記の一例を示しており、例えば、図4におけるプロセス3、プロセス4-1、プロセス4-2、プロセス5のフローにおけるOR分岐に対応する。ペトリネットでは、OR分岐のプロセスを図5(a)に示す式で定義されるP、T、F、Wにより表記する。
図5の(b)は、AND分岐の場合におけるフロー情報の表記の一例を示しており、例えば、図4におけるプロセス3、プロセス4-1、プロセス4-2、プロセス5のフローがAND分岐である場合に対応する。AND分岐の場合、プロセス3で完了したワークは、プロセス4-1とプロセス4-2のそれぞれにおいて実行されるワークに分割されて、両方のプロセスに投入されて実行される。ペトリネットでは、AND分岐のプロセスを図5(b)に示す式で定義されるP、T、F、Wにより表記する。
図5の(c)は、一斉歩進の場合におけるフロー情報の表記の一例を示しており、例えば、図4におけるプロセス5、プロセス6、プロセス7、プロセス8のフローに対応し、プロセス7、プロセス8が一斉歩進のプロセスである。ペトリネットでは、これらのプロセスを図5(c)に示す式で定義されるP、T、F、W、Gにより表記する。ここで、Gは一斉歩進のプロセスであることを表記している。
<ワーク情報と評価指標>
情報解析システム30において、情報解析装置32は、生産ライン31からワーク情報として、例えば、各プロセスにワークが投入、または排出されたタイミングのデータ(片方又は両方のタイミングのデータ)を収集する。更に、情報解析装置32は、収集したワーク情報を用いて、プロセスを分析するための評価指標である滞在時間、空時間、及びワーク間隔を算出する。図6は、本発明の実施形態に係る評価指標を説明する図である。図6において、ワークAとワークBが、プロセス1、プロセス2、及びプロセス3の順で、各プロセスにおいて実行される。滞在時間は、各プロセスにおいて、ワークが投入されてから下流のプロセスにワークを投入するまでの時間である。空時間は、ワークを下流のプロセスに投入してから次のワークが投入されるまでの時間である。ワークBの空時間はワークAが次のプロセスへ投入されてからのワークBが投入されるまでの時間となる。ワーク間隔は、前のワークの滞在時間と空時間を合計した時間である。滞在時間は、プロセス自体での遅れを示す指標となり、空時間とワーク間隔は、ワークの渋滞による影響を評価する指標となる。ただし、最終プロセスにおいては、滞在時間と空時間は測定されず、ワークの投入時間に基づいて、ワークが投入されてから次のワークが投入されるまでの時間間隔として測定される。また、最終プロセス(ここではプロセス3)におけるワーク間隔は、最終プロセス排出間隔とよんでもよい。
<遅れ要因のプロセス特定>
図7は、本発明の実施形態に係る遅れ要因のプロセス特定に関するフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートでは、情報解析装置32が、生産ライン31から収集したフロー情報とワーク情報を用いて算出した評価指標に基づいて、最終プロセス排出間隔に遅れ(ロス)を発生させているプロセスを特定する。以下、図7の各ステップの処理について説明する。
ステップS70:情報解析装置32の情報取得部40は、生産ライン31から各プロセスの接続形態を定義するフロー情報を取得する。フロー情報は、例えば、図5で説明したようにペトリネットを用いて表記されている。情報解析装置32のフロー情報記憶部41は、取得したフロー情報を記憶する。
ステップS71:情報解析装置32の情報取得部40は、生産ライン31から各プロセスで実行されるワークに関するワーク情報を取得する。情報取得部40は、例えば、ワークを特定する識別子である「ワーク識別子」、各プロセスに投入、または排出された時間である「日時」(或いは、「投入日時」又は「排出日時」)、プロセスを特定する「プロセス識別子」を取得する。ここで、識別子は、例えば、ワークID、ワーク名、プロセスID、及びプロセス名などのように、ID(Identification)でもよく、名称あるいは名前であってもよい。例えば、生産ライン31がトナーボトルの生産ラインである場合、情報取得部40は、「ワーク識別子」に対応するボトルに刻印されているQRコード(登録商標)の値、各プロセスへのワークが投入された「日時」、及びプロセスを特定する「プロセス識別子」を収集する。更に、情報取得部40は、解析の必要に応じて、生産品種又は加工条件に関する情報などのデータを収集する。情報解析装置32のワーク情報記憶部42は、取得したワーク情報を記憶する。
ステップS72:情報解析装置32の情報整理部45は、情報取得部40が取得したフロー情報とワーク情報を用いて、評価指標である滞在時間、空時間、及びワーク間隔を算出する。例えば、情報整理部45は、まず、フロー情報からプロセス1からプロセス2にワークAが投入されること、ワーク情報からワークAがプロセス1に投入された第1日時とプロセス1からプロセス2に投入された第2日時を得る。情報整理部45は、これらの情報を用いて、図6に示す関係からも分かるように、第1日時から第2日時まで時間であるプロセス1におけるワークAの滞在時間を算出する。また、情報整理部45は、ワーク情報であるプロセス1にワークBが投入された第3日時を用いて、第2日時から第3日時まで時間であるプロセス1におけるワークBの空時間を算出する。また、情報整理部45は、第1日時から第3日時までの時間であるプロセス1のワークBのワーク間隔を算出する。情報解析装置32の解析情報記憶部43は、算出した評価指標を記憶する。
ステップS73:情報解析装置32の分布特定部46は、ステップS72で算出された評価指標の分布を算出する。図8は、あるプロセスの評価指標(滞在時間)の分布であり、図の縦軸は滞在時間の発生頻度、横軸は滞在時間の値(時間)である。分布特定部46は、算出した分布において、評価指標(滞在時間)の値が通常の状態である定常範囲にあるか、何等かの要因により遅れが生じている状態である非定常範囲にあるかを区別するための閾値を決定する。分布特定部46は、評価指標(滞在時間)の平均値と標準偏差(σ)を算出して、例えば平均値に3σ(標準偏差の3倍)を加算した値を閾値に決定してもよい。分布特定部46は、全てのプロセスに対して、評価指標(滞在時間、空時間、及びワーク間隔)の分布を算出して、閾値を決定する。情報解析装置32の解析情報記憶部43は、決定した閾値を記憶する。図7に戻って説明する。
ステップS74:情報解析装置32の情報整理部45は、ステップS72で取得したワーク情報に欠損値があるか否かを判定し、欠損値が有る場合は、処理をステップS75に遷移させ、欠損値が無い場合は、処理をステップS76に遷移させる。
ステップS75:情報解析装置32の情報整理部45は、ワーク情報の欠損値を補完する。例えば、情報整理部45は、ワーク識別子が欠損している場合、ワークが投入された日時と、同一又は近傍のワークやプロセスに関するワーク情報に基づいて、欠損したワークを特定することにより、欠損値であるワーク識別子を補完する。
ステップS76:情報解析装置32の情報整理部45は、最終プロセスにおける評価指標のワーク間隔(最終プロセス排出間隔)の値が非定常範囲にあるワークを抽出する。評価指標の値が非定常範囲にある値を外れ値とよんでよい。情報整理部45は、例えば、最終プロセスのワーク間隔の値が閾値より大きい場合、又は、閾値よりも予め定めた所定の値以上大きい場合におけるワーク識別子を抽出する。情報解析装置32の解析情報記憶部43は、抽出したワークに関する情報(例えば、ワーク識別子)を記憶する。
ステップS77:情報解析装置32のプロセス特定部47は、ステップS76で抽出したワークに対して、フロー情報に基づいて、プロセスを下流から上流へ遡ることにより、遅れの要因となり得るプロセスとワークを特定する。図9は、本発明の実施形態に係る遅れ発生プロセスの特定を説明する図である。図9において、プロセス特定部47は、最終プロセスにおけるワークAのワーク間隔の値が非定常範囲であった場合の遅れ時間(非定常ロス時間とよんでもよい)を300秒と算出している。また、プロセス特定部47は、図9に示すように、最終プロセスにおけるワークAから、プロセスを下流から上流へ遡ることにより、遅れの要因となり得るプロセスとワークを全て特定している。ここで、特定されたのは、プロセス2のワークAとプロセス4-2のワークBである。プロセス特定部47は、特定した上流のプロセスに最終プロセスにおけるワークAの遅れ時間(300秒)を割り当てる。ここで、プロセス2のワークAに20秒とプロセス4-2のワークBに280秒の遅れ時間が割り当てられている。遅れ時間を割り当てるための用いた図9に示すプロセスの関係をツリー構造(木構造)による表現、またはツリー構造(木構造)のデータとよんでもよい。遅れ時間の算出方法、及び上流プロセスへの遅れ時間の割り当ての方法の詳細は、ステップS78で説明する。
<遅れ要因プロセス特定(詳細)>
ステップS77における遅れの要因となり得るプロセスとワークを特定する方法について説明する。図10は、本発明の実施形態に係る遅れの要因となるプロセスとワークを特定するフローチャートの一例を示す図である。以下、図10の各ステップの処理について説明する。
ステップS200:情報解析装置32のプロセス特定部47は、最終プロセスのワーク間隔の値が非定常範囲にあるワーク(ワークAとする)を根ノードに設定する。根ノードは、先頭のノードを意味する。以降のステップで、根ノードに子ノードを追加していく。ここで、子ノードを持たないノードを葉ノードとよぶ。根ノードのみの状態では、根ノードは葉ノードである。
ステップS201:情報解析装置32のプロセス特定部47は、フロー情報に基づいて、葉ノードの上流プロセスの存在の有無を確認する。プロセス特定部47は、上流プロセスが有る場合は、処理をステップS202に遷移させ、無い場合は、本フローチャートの処理を終了させる。
ステップS202:情報解析装置32のプロセス特定部47は、ステップS202で確認した上流プロセスにおけるフロー条件を判断する。フロー条件とは、図4で示した各プロセスの接続条件であるOR分岐などの条件、又はプロセスの実行に関する一斉歩進などの条件である。これらの条件に当てはまらない、例えば、図4のプロセス11~プロセス14は基本条件である。プロセス特定部47は、確認したフロー条件が基本条件である場合、処理をステップS203に遷移させ、OR分岐の場合、処理をステップS204に遷移させ、一斉歩進などのその他の条件の場合は、処理をステップS205に遷移させる。
ステップS203:情報解析装置32のプロセス特定部47は、フロー条件が基本条件であるプロセスに対して、ノードの追加を実行する。ここで、基本条件である図4に示したプロセス11~プロセス14が生産ライン31の全てのプロセスとして、これらのプロセスを子ノードとして追加する場合について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る基本条件におけるプロセスの一例を示す図である。図11において、プロセス14が最終プロセスであり、ワークAのワーク間隔が非定常範囲にある。ここで、ワークAのワーク間隔は、ワークAの前のワークがプロセス14に投入された時点からワークAがプロセス14に投入されるまでの時間である。また、プロセス12におけるワークAの滞在時間が非定常範囲であることから、プロセス12において、ワークAに対して遅れが発生しており、その影響により、プロセス13において、ワークAの空時間が非定常範囲となっている。図12は、本発明の実施形態に係る基本条件における遅れの要因となるプロセスとワークの一例を示す図である。図12に示すように、プロセス特定部47は、最終プロセスであるプロセス14からプロセスを遡り、最上流プロセスのプロセス11までのプロセス11~14を子ノードとして追加する。情報解析装置32の解析情報記憶部43は、ノードに追加したプロセスとワークに関する情報(プロセス識別子、ワーク識別子)、及びワークの滞在時間と空時間が定常範囲であるか非定常範囲であるかの情報を記憶する。ここで、記憶する情報をツリー構造(木構造)、又はツリー構造(木構造)のデータとよんでもよい。図10に戻って説明する。
ステップS204:情報解析装置32のプロセス特定部47は、フロー条件がOR分岐であるプロセスに対して、ノードの追加を実行する。ここで、OR分岐を含む図4に示したプロセス3、プロセス4-1、プロセス4-2、及びプロセス5が生産ライン31の全てのプロセスとして、これらのプロセスを子ノードとして追加する場合について説明する。図13は、本発明の実施形態に係るOR分岐条件におけるプロセスの一例を示す図である。図13において、プロセス5が最終プロセスであり、ワークAのワーク間隔が非定常範囲にある。情報解析装置32のプロセス特定部47は、最終プロセスであるプロセス5の上流プロセスであるプロセス4-1のワークAとプロセス4-2のワークBを子ノードとして追加する。OR分岐の場合、その下流のプロセスが遅れる原因として、上流の分岐プロセスの全てが遅れの要因である可能性があるため、分岐する全てのプロセスと対応するワークを子ノードとして追加する。図14は、本発明の実施形態に係るOR分岐条件における遅れの要因となるプロセスとワークの一例を示す図である。図14に示すように、プロセス特定部47は、最終プロセスであるプロセス5のワークAに対するOR分岐条件の上流プロセスであるプロセス4-1のワークBとプロセス4-2のワークAを子ノードとして追加する。更に、プロセス特定部47は、プロセス4-1と4-2の上流プロセスであり、OR分岐の分岐点であるプロセス3を子ノードとして追加する。情報解析装置32の解析情報記憶部43は、ノードに追加したプロセスとワークに関する情報(プロセス識別子、ワーク識別子)、及びワークの滞在時間と空時間が定常範囲であるか非定常範囲であるかの情報を記憶する。ここで、記憶する情報をツリー構造(木構造)、又はツリー構造(木構造)のデータとよんでもよい。図10に戻って説明する。
ステップS205:情報解析装置32のプロセス特定部47は、フロー条件が、基本条件やOR分岐条件でない、その他のプロセスに対して、ノードの追加を実行する。ここで、図4に示した一斉歩進の条件であるプロセス7とプロセス8を含むプロセス6~9が生産ライン31の全てのプロセスとして、これらのプロセスを子ノードとして追加する場合について説明する。図15は、本発明の実施形態に係る一斉歩進の条件におけるプロセスの一例を示す図である。図15において、プロセス7とプロセス8が一斉歩進であり、実行されたワークが、一斉に(同時に)次のプロセスに投入される。ここで、プロセス8の空時間は全て0となるが、プロセス8の空時間は評価指標として使用しない。また、プロセス9が最終プロセスであり、ワークAのワーク間隔が非定常範囲にある。プロセス9の上流のプロセスが一斉歩進であるため、上流のプロセス8のワークAの滞在時間中に、一斉歩進の先頭プロセスであるプロセス7にワークの投入があるかを確認する。投入がある場合、一斉歩進のプロセス8がプロセス7からのワークの投入待ちをしていた可能性があるため、プロセス7に投入されたワークBを子ノードとして追加する。更に、一斉歩進の場合、投入待ちの時間の影響を除くための滞在時間の補正を行う。図15では、投入待ちをしていたプロセス8のワークAの滞在時間に対して、ワークAがプロセス8に投入された時点でなく、ワークBがプロセス7に投入された時点を滞在時間の開始時点とするように滞在時間を補正する。このようにして、情報解析装置32のプロセス特定部47は、最終プロセスであるプロセス9の上流プロセスであるプロセス6~8を子ノードとして追加する。図16は、本発明の実施形態に係る一斉歩進の条件における遅れの要因となるプロセスとワークの一例を示す図である。図16に示すように、プロセス特定部47は、最終プロセスであるプロセス9のワークAに対する上流プロセスであるプロセス8、プロセス7、及びプロセス6を子ノードとして追加する。ここで、図15で示したように、プロセス8のワークAの滞在時間は、非定常範囲から定常範囲に補正されている。また、図15に示したように、一斉歩進の場合、プロセス7のワークBへの投入が、ワークAの滞在時間に影響していることから、プロセス特定部47は、プロセス9の子ノードとして、更に、ワークBに対するプロセス7とプロセス6を子ノードとして追加する。情報解析装置32の解析情報記憶部43は、ノードに追加したプロセスとワークに関する情報(プロセス識別子、ワーク識別子)、及びワークの滞在時間と空時間が定常範囲であるか非定常範囲であるかの情報を記憶する。ここで、記憶する情報をツリー構造(木構造)、又はツリー構造(木構造)のデータとよんでもよい。図10に戻って説明する。
プロセス特定部47は、ステップS203~S205において、子ノードを追加した後、処理をステップS201に遷移させる。以上の処理により、遅れの要因となり得るプロセスとワークが特定される。図7に戻って説明する。
<遅れ時間の割り当て>
ステップS78:情報解析装置32のプロセス特定部47は、ステップS77で特定されたプロセスとワークに対して、最終プロセスの遅れ時間を割り当てる。図17は、本発明の実施形態に係る遅れ時間の割り当てのフローチャートの一例を示す図である。以下、図17の各ステップの処理について説明する。
ステップS220:情報解析装置32のプロセス特定部47は、最終プロセスのワーク間隔の遅れ時間を算出して、算出した遅れ時間を残り時間として設定する。遅れ時間の算出方法は、例えば、最終プロセスのワーク間隔における閾値、ワーク間隔の統計値(平均値、中央値など)又はワーク間隔の定常範囲の統計値(例えば、平均値、中央値など)等を用いて算出する。例えば、遅れ時間は、ワークAのワーク間隔から閾値を減算した値、又は、ワークAのワーク間隔からワーク間隔の統計値を減算した値、又は、ワークAのワーク間隔からワーク間隔の定常範囲の統計値を減算した値として算出する。或いは、遅れ時間は、ワークAのワーク間隔から予め定めたワーク間隔の設計値を減算した値として算出してもよい。
ステップS221:情報解析装置32のプロセス特定部47は、各プロセスの評価指標(滞在時間、空時間、ワーク時間)の遅れ時間を算出する。算出方法は、ステップS220で算出した最終プロセスの遅れ時間と同様に、各プロセスの評価指標(滞在時間、空時間、ワーク時間)における統計値や閾値を用いて遅れ時間を算出する。
ステップS222:情報解析装置32のプロセス特定部47は、解析対象を図7のステップS77で遅れの要因となり得るプロセスとワークとして特定することで得た木構造の根ノードに設定する。
ステップS223:情報解析装置32のプロセス特定部47は、解析対象のノードにおける子ノードの数を確認し、子ノードの数が0であれば処理をステップS224に、1であればステップS225に、2以上であればステップS226に遷移させる。
ステップS224:情報解析装置32のプロセス特定部47は、子ノードは存在しないため、解析対象のノードに残り時間を全て割り当てる。
ステップS225:情報解析装置32のプロセス特定部47は、子ノードに残り時間を割り当てる。残り時間を割り当てる方法について、図11で示した基本条件のプロセスを用いて説明する。図11において、解析対象のノードであるプロセス14の子ノードは、プロセス13のみであるため、子ノードの数は1である。ここで、根ノードである最終プロセスのワーク間隔の遅れ時間は10秒とする。即ち、残り時間は10秒に設定されている。また、最終プロセスにおいては、滞在時間と空時間は測定されないため、遅れ時間は子ノードに割り当てる。
更に、図11に示した基本条件のプロセスにおいて、複数のプロセスに遅れ時間を割り当てる場合の方法を説明する。図18は、本発明の実施形態に係る2つのプロセスに遅れ時間を割り当てる一例を示す図である。図18において、根ノードである最終プロセスのワーク間隔の遅れ時間は20秒であることから、残り時間は20秒に設定される。最終プロセスにおいては、滞在時間と空時間は測定されないため、遅れ時間は子ノードに割り当てる。まず、子ノードであるプロセス13における評価指標を見ると、滞在時間が5秒遅れ、空時間が18秒遅れとなっている。ここで、空時間はワークの渋滞を評価する指標であり、空時間が定常時よりも18秒遅れとなっているため、上流でロスが18秒発生していることが推察できる。更に、最終プロセスのワーク間隔の遅れ時間は20秒であることから、プロセス13では、2秒の遅れがあったと推察できる。一方、プロセス13における滞在時間が5秒遅れとなっていることから、プロセス13自体で5秒の遅れがあったとも推察できる。ここで、滞在時間が遅れる要因は、対象のプロセス起因の要因だけではなく、下流のプロセスにワークが存在することにより、ワークの投入ができずに渋滞することが要因であることもある。また、直列に接続されたプロセスにおいて、上流から下流のプロセスに遅れが伝搬する場合、遅れがプロセスの設備間のバッファに吸収される場合があるが、このような遅れは最終プロセス排出間隔への影響がないため評価せず、プロセスに割り当てないようにする。従って、プロセス13における遅れは、プロセス13からプロセス14の設備間のバッファに吸収されることがあることを考慮して、プロセス13には、2秒と5秒の遅れの内、短い遅れ時間を採用し、残り時間の20秒から2秒の遅れ時間を割り当てる。これにより、残り時間は18秒となり、この残り時間18秒を更に上流のプロセスに割り当てる。プロセス13の上流のプロセス12においては、空時間が18秒遅れで、滞在時間は定常範囲であることから、プロセス12では遅れは発生しておらず、上流のプロセスで遅れが発生したと判断する。従って、プロセス特定部47は、最も上流のプロセスであるプロセス11に、残り時間の18秒を全て割り当てる。図17に戻って説明する。
ステップS226:情報解析装置32のプロセス特定部47は、子ノードにOR分岐が有るか否かを確認し、有る場合は処理をステップS227に遷移させ、無い場合は処理をステップS230に遷移させる。
ステップS227:情報解析装置32のプロセス特定部47は、OR分岐のプロセスに対して、分岐前のプロセスと並列部のプロセスを分割する。図19は、本発明の実施形態に係る分岐部と並列部で分割したツリー構造を説明する図である。図4に示したように、生産ライン31のプロセスは、プロセス3において、プロセス4-1とプロセス4-2に分岐している。従って、図14に示したOR分岐条件のツリー構造は、図19に示すように、分岐部140と並列部141のツリー構図に分割される。図17に戻って説明する。
ステップS228:情報解析装置32のプロセス特定部47は、まず、ステップS227で分割した分岐部のプロセスに残り時間を割り当てる。
ステップS229:情報解析装置32のプロセス特定部47は、次に、ステップS227で分割した並列部のプロセスに残り時間を割り当てる。
ステップS228とステップS229における残り時間割り当て方法について、図13と図19を用いて説明する。根ノードである図13に示す最終プロセスであるプロセス5のワーク間隔の遅れ時間は10秒とする。即ち、残り時間は10秒に設定されている。また、最終プロセスにおいては、滞在時間と空時間は測定されないため、遅れ時間は子ノードに割り当てる。まず、プロセス特定部47は、図19の分岐部140のプロセスの評価指標(滞在時間、空時間)に遅れがあるか否かを確認する。分岐部140の評価指標は全て定常範囲であるため、遅れはないことから、プロセス特定部47は、分岐部140に残り時間として0を割り当てる。即ち、残り時間を割り当てない。プロセス特定部47は、次に、プロセス特定部47は、図19の並列部141のプロセスの評価指標(滞在時間、空時間)に遅れがあるか否かを確認する。並列部141においては、プロセス4-1の滞在時間のみが非定常範囲であることから、残り時間10秒を全てプロセス4-1に割り当てる。プロセス特定部47は、評価指標が定常範囲であるプロセス4-2には、残り時間として0秒を割り当てる。即ち、残り時間を割り当てない。
更に、図13に示したOR分岐条件を含むプロセスにおいて、複数のプロセスに遅れ時間を割り当てる場合の方法を説明する。図20は、本発明の実施形態に係る並列部における2つのプロセスに遅れ時間を割り当てる一例を示す図である。図20では、プロセス4-1の滞在時間が18秒遅れ、プロセス4-2の滞在時間が2秒遅れとなっている。従って、図19の場合と同様に、プロセス特定部47は、プロセス3には残り時間を割り当てず、並列部のプロセスであるプロセス4-1とプロセス4-2に残り時間である10秒を全て割り当てる。プロセス特定部47は、並列部におけるプロセス4-1とプロセス4-2の滞在時間に対する遅れ時間の比率(18:2=9:1)に応じて、プロセス4-1に9秒、プロセス4-2に1秒の遅れ時間を割り当てる。このように、並列するプロセスは同じ階層のプロセスとして扱うため、比率に応じて遅れ時間を割り当てる。図17に戻って説明する。
ステップS230:情報解析装置32のプロセス特定部47は、子ノードのプロセスにおいて、評価指標の補正条件の有無を確認し、補正条件が有る場合は、処理をステップS231に遷移させ、補正条件が無い場合は、処理をステップS232に遷移させる。ここで、評価指標の補正条件とは、例えば、図15に示した一斉歩進の条件である。
ステップS231:情報解析装置32のプロセス特定部47は、例えば、図15と図16で説明した様に、一斉歩進の条件において、プロセス8のワークAに対する評価指標である滞在時間をプロセス7へのワークBの投入時間で補正する。
ステップS232:情報解析装置32のプロセス特定部47は、ステップS225で説明した手順と同様の手順により、子ノードに残り時間を割り当てる。
ステップS233:情報解析装置32のプロセス特定部47は、ステップS221で算出した各プロセスの遅れ時間に、ステップS220で設定した残り時間を全て割り当てたならば本フローチャートの処理を終了し、そうでないならば、処理をステップS234に遷移させる。
ステップS234:情報解析装置32のプロセス特定部47は、ステップS221で算出した各プロセスの遅れ時間に残り時間が割り当てられていないプロセスのノードを解析対象に設定して、処理をステップS223に遷移させる。以上の処理により、最終プロセスの遅れ時間が上流の各プロセスに割り当てられる。図7に戻って説明する。
ステップS79:情報解析装置32の要因推定部48は、ステップS78で最終プロセスの遅れ時間が割り当てられた各プロセスのワークの情報と時間に基づいて、最終プロセスの完了時間に遅れ(ロス)を発生させている要因を推定する。例えば、生産ライン31にて異常情報を収集していた場合、ロスが発生したプロセスのワークで異常発報により設備が停止していれば、そのときに異常内容をロスの要因と推定する。要因推定部48により特定される要因は、複数であってもよい。
以上の処理により、情報解析システム30は、生産ライン31から収集した各プロセスの接続形態を定義するフロー情報と各プロセスで実行されるワークに関するワーク情報を用いて算出された評価指標に基づいて、生産ライン31の生産性を低下させているプロセスを特定することが可能である。即ち、情報解析装置32は、生産ライン31の最終プロセスの完了時間に遅れを発生させている要因であるプロセス、及びそのプロセスが実行していたワークを特定する。ここで、フロー情報は、各プロセスの接続形態を定義する情報であり、例えば、ペトリネットを用いて表記することが可能である。ワーク情報は、上流のプロセスから下流のプロセスにワークが投入された日時を特定するために必要なプロセス識別子、ワーク識別子、及びワークの投入日時などを含む情報である。即ち、情報解析システム30は、生産ライン31からプロセスの詳細な稼働情報を収集することなく、生産性を低下させている要因であるプロセスを特定することが可能である。
このように、遅れ要因のプロセスやワークを特定することにより、生産ライン31における不良品の排出を防止することも可能である。また、どこのプロセスにいつ・どのワークを処理している時を起因に遅れ(ロス)が発生したのかまで特定することが可能であるため、更に設備や搬送装置個々のエラー情報や、稼働状態に関する情報を用いることで、設備に応じた要因の予測を実施することも可能である。ただし、設備に応じた要因予測を行うためには、設備に合わせたカスタマイズも必要である。
<分析結果表示>
情報解析システム30は、前述の処理により得られた各プロセスにおける評価指標や遅れ時間を用いて、生産ライン31の生産性や各プロセスの分析結果を生産ライン31の管理者が操作する端末装置33のディスプレイ506に表示することが可能である。図21は、本発明の実施形態に係る分析結果表示のフローチャートの一例を示す図である。図21では、BPMN(Business Process Model and Notation:業務プロセスモデリング表記法)に基づく表記が使用されている。以下、図21の各ステップの処理について説明する。
ステップS250:情報解析装置32の画面生成部44は、生産ライン31の生産性を分析するための画面情報を生成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、生産性を分析するための画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。図22は、本発明の実施形態に係る生産性分析画面の一例を示す図である。図22の生産性分析画面170は、実線の折れ線グラフにより示される性能稼働率171、点線の折れ線グラフにより示されるロス影響率172、棒グラフにより示される定常ロス影響率173、及び非定常ロス影響率174の時間推移が表示されている。
性能稼働率171は、例えば、設計タクトタイム×投入ワーク数/稼働時間×100(%)として算出される。設計タクトタイムは生産ラインに設計時に定義される1つのワークの生産間隔(最終プロセス排出間隔)、投入ワーク数は生産ラインに投入したワークの数、稼働時間は生産ラインが稼働していた時間である。また、性能稼働率171は生産ライン31の生産性を示す指標である。
ロス影響率172は、例えば、100―性能稼働率(%)として算出される。即ち、性能稼働率171とロス影響率172の和は100%となる。
定常ロス影響率173は、最終プロセス排出間隔の定常範囲において遅れがあった場合の指標となる。例えば、(定常範囲の最終プロセス排出間隔の平均値/設計タクトタイム―1)×100(%)として算出される。図22において、定常ロス影響率173の値の多くが負の値となっている理由は、定常範囲の最終プロセス排出間隔の平均が、設計値よりも短くなる場合が多いからである。
非定常ロス影響率174は、最終プロセス排出間隔の非定常範囲で遅れ(ロス)であった場合の評価指標となる。例えば、非定常遅れ時間/稼働時間×100(%)として算出される。
図22において、範囲175と範囲176では、性能稼働率171がともに低下しているが、範囲175では定常ロス影響率173が高く、範囲176では非定常ロス影響率174が高くなっている。従って、性能稼働率171の低下の要因は、範囲175では定常ロスであり、範囲176では非定常ロスであると考えられるため、範囲175では定常ロスが大きいプロセスを、範囲176では非定常ロスが大きいプロセスを詳細に分析する必要があると言える。図21に戻って説明する。
ステップS251:情報解析装置32の画面生成部44は、図22の生産性分析画面170において、定常ロス又は非定常ロスが大きいプロセスを分析する分析範囲(日時の期間)や単位(月や日などの単位)を決定する。例えば、画面生成部44は、現在、生産性分析画面170に表示されている日時の期間と単位を分析範囲に設定する。或いは、画面生成部44は、管理者の指定に基づいて、分析範囲を決定してもよい。
ステップS252:情報解析装置32の画面生成部44は、定常ロス又は非定常ロスが大きいプロセスを分析する分析範囲(日時の期間)を確定するか、又は変更するかを確認する画面の画面情報を作成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、確認画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。端末装置33の操作受付部62は、管理者による分析範囲を確定するか、又は変更するかを指定する操作を受け付ける。端末装置33の通信部60は、管理者による操作内容を情報解析装置32の通信部49に送信する。情報解析装置32の画面生成部44は、情報解析装置32の通信部49が受信した管理者による操作の内容が、分析範囲を確定する内容であれば、処理をステップS254に遷移させ、分析範囲を変更する内容であれば、処理をステップS253に遷移させる。
ステップS253:情報解析装置32の画面生成部44は、管理者の操作により変更された分析範囲による図22の生産性分析画面170を表示するための画面情報を生成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、生産性を分析するための画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。情報解析装置32の画面生成部44は、処理をステップS251に遷移させる。
ステップS254:情報解析装置32の要因推定部48は、定常ロスのプロセスを分析するか、非定常ロスのプロセスを分析するかを決定する。要因推定部48は、図22の生産性分析画面170における性能稼働率171、定常ロス影響率173、及び、非定常ロス影響率174に基づいて、分析するプロセスを決定してもよい。例えば、要因推定部48は、性能稼働率171が低下している範囲において、分析するプロセスを定常ロス影響率173が通常よりも大きいならば定常ロスのプロセスとし、非定常ロス影響率174が通常よりも大きいならば非定常ロスのプロセスに決定してもよい。或いは、要因推定部48は、管理者の指定に基づいて、定常ロスのプロセスを分析するか、非定常ロスのプロセスを分析するかを決定してもよい。要因推定部48は、定常ロスのプロセスを分析すると決定した場合、処理をステップS255に遷移させ、非定常ロスのプロセスを分析すると決定した場合、処理をステップS259に遷移させる。
ステップS255:情報解析装置32の画面生成部44は、定常ロスのプロセスを分析する分析画面の画面情報を生成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、定常ロスのプロセスを分析する分析画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。図23は、本発明の実施形態に係る定常ロスのプロセス分析画面(プロセス比較)の一例を示す図である。図23の分析画面177には、定常ロスのプロセス(定常範囲である遅れが発生しているプロセス)に対する評価指標である滞在時間と空時間が表示されている。ここで、他のプロセスと比較して、特にプロセス15の滞在時間が大きく、空時間が小さいことから、プロセス15を詳細に分析する必要があることが分かる。だだし、滞在時間はワークを次のプロセスへ受け渡した後の原点位置にもどる時間や次のワークを受け取りに行くときの時間などが含まれていないことを考慮して、判断する。図22に戻って説明する。
ステップS256:情報解析装置32の要因推定部48は、詳細に分析する分析対象のプロセスを決定する。例えば、要因推定部48は、図23の分析画面177において、他のプロセスと比べて、滞在時間が大きく、空時間が小さいプロセス15を分析対象のプロセスに決定する。或いは、要因推定部48は、管理者の指定に基づいて、分析対象のプロセスを決定してもよい。
ステップS257:情報解析装置32の画面生成部44は、ステップS255で決定された分析対象のプロセスを分析する分析画面の画面情報を作成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、分析対象のプロセスを分析する分析画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。図24は、本発明の実施形態に係る定常ロスのプロセス分析画面(日次推移)の一例を示す図である。図24の分析画面178には、分析対象のプロセスに対する評価指標である滞在時間と空時間の日次推移が表示されている。滞在時間と空時間は、各日時における滞在時間と空時間の中央値を表示しているが、中央値でなく、平均値などの別の統計値を表示してもよい。分析画面178において、分析対象のプロセスの滞在時間が日時の経過とともに増加していることから、分析対象のプロセスに何らかの問題が発生していると推測できる。図21に戻って説明する。
ステップS258:情報解析装置32の要因推定部48は、分析対象のプロセスに対するロス(遅れ)が発生する要因を推定する。例えば、要因推定部48は、分析対象のプロセスにおける滞在時間の増加が開始した日時付近に発生した生産ライン31やプロセスに関するアップデートやメンテナンス等のイベント等を要因として推定してもよい。以上により、定常ロスのプロセス分析の処理を終了する。以降のステップでは、非定常ロスのプロセス分析の処理について説明する。
ステップS259:情報解析装置32の画面生成部44は、非定常ロスのプロセスを分析する分析画面の画面情報を生成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、非定常ロスのプロセスを分析する分析画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。図25は、本発明の実施形態に係る非定常ロスのプロセス分析画面(パレート図)の一例を示す図である。図25の分析画面179には、非定常ロスのプロセス(非定常範囲である遅れが発生しているプロセス)に対して、ロス影響率が大きいプロセスを左から順に棒グラフで表示されている。各棒グラフには、ロス(遅れ)の要因ごとに占める割合が表示されている。要因の種類としては、要因が不明、ワーク投入に関するロス(遅れ)、エラーによるロス(遅れ)がある。また、実線の折れ線グラフは、ロス影響率の累積比率を示している。分析画面179において、プロセス1のロス影響率が最も高く(約3.3%)、プロセス1のロス(遅れ)を改善することにより、性能稼働率を最大で約3.3%改善できることが見込まれる。図21に戻って説明する。
ステップS260:情報解析装置32の要因推定部48は、詳細に分析する分析対象のプロセスを決定する。例えば、画面生成部44は、図25の分析画面179において、ロス影響率が高い順に複数のプロセスを分析対象のプロセスに決定する。或いは、要因推定部48は、管理者の指定に基づいて、分析対象のプロセスを決定してもよい。
ステップS261:情報解析装置32の画面生成部44は、ステップS260で決定された分析対象のプロセスを分析する分析画面の画面情報を作成する。情報解析装置32の通信部49は、生成された画面情報を端末装置33の通信部60に送信する。端末装置33の表示制御部61は、通信部60が受信した画面情報に基づいて、分析対象のプロセスを分析する分析画面を端末装置33のディスプレイ506に表示する。図26は、本発明の実施形態に係る非定常ロスのプロセス分析画面(ガントチャート)の一例を示す図である。図26の分析画面180には、ステップS260で決定された分析対象のプロセスに対して、非定常ロス(遅れ)が発生した時刻に相当する箇所が色で塗られて表示されている。管理者は、非定常ロス(遅れ)が発生した時刻を確認し、別途、日報などから取得したエラーの発生に関する情報、又は監視カメラの画像などを用いて、非定常ロス(遅れ)が発生した要因を推定することができる。図21に戻って説明する。
ステップS262:情報解析装置32の要因推定部48は、ステップS261で取得した非定常ロス(遅れ)が発生した時刻に基づいて、非定常ロス(遅れ)が発生した要因を推定する。例えば、要因推定部48は、非定常ロス(遅れ)が発生した時刻付近に発生したエラーなどを要因として推定してもよい。以上により、非定常ロスのプロセス分析の処理を終了する。
以上の処理により、情報解析システム30は、各プロセスにおける評価指標や遅れ時間を用いて、生産ライン31の生産性や各プロセスの分析結果を生産ライン31の管理者が操作する端末装置33のディスプレイ506に表示することが可能である。
更に、情報解析装置32の監視部50は、図21のフローチャートにおいて分析した分析結果をリアルタイムで監視して、生産性(性能稼働率)の低下、及び各プロセスのロス(遅れ)の発生を検知又は予測する。監視する分析結果は、性能稼働率、ロス影響率、評価指標、及び性能稼働率、ロス影響率、評価指標の時間変化を含む。例えば、監視部50は、生産性(性能稼働率)が予め定めた閾値以下となることに基づいて、生産性(性能稼働率)の低下を検知又は予測する。或いは、監視部50は、生産性(性能稼働率)が予め定めた閾値よりも大きい変化量で低下することに基づいて、生産性(性能稼働率)の低下を検知又は予測する。或いは、監視部50は、各プロセスにおける評価指標(滞在時間、ワーク間隔)が予め定めた閾値以上となることに基づいて、生産性(性能稼働率)の低下を検知又は予測する。或いは、監視部50は、各プロセスにおける評価指標(滞在時間、ワーク間隔)が予め定めた閾値よりも大きい変化量で増加することに基づいて、生産性(性能稼働率)の低下を検知又は予測する。
また、監視部50は、生産性低下又はロスの発生を検知又は予測した際に、生産性低下又はロスの発生を生産ライン31の管理者に通知するために、管理者のメールアドレスに生産性低下やロスの発生などを通知する電子メールを送信する。ここで、管理者に通知する内容は、生産性の低下の要因となるプロセス、生産性の低下の要因、低下の要因となるプロセスに関係する装置を撮影した動画又は動画の保存先を示す情報が含まれていてもよい。以上の処理により、生産ライン31の生産性の低下に対する早期の改善が可能となり、長期的な生産性の低下を防ぐことができる。
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、図3の機能ブロックの構成図の一例は、情報解析システム30、情報解析装置32、及び端末装置33を構成する情報処理装置による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。情報処理装置における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報解析システム30及び情報解析装置32は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
30 情報解析システム
31 生産ライン
32 情報解析装置
33 端末装置
34 通信ネットワーク
40 情報取得部
41 フロー情報記憶部
42 ワーク情報記憶部
43 解析情報記憶部
44 画面生成部
45 情報整理部
46 分布特定部
47 プロセス特定部
48 要因推定部
49、60 通信部
50 監視部
51 記憶部
61 表示制御部
62 操作受付部
特許第4782497号

Claims (12)

  1. ワークを実行する複数のプロセスにより構成される生産ラインの生産性を解析する情報解析方法であって、
    前記ワークが前記プロセスに投入される日時を含むワーク情報を前記生産ラインから取得する情報取得ステップと、
    前記ワーク情報に基づいて、前記プロセスにおけるワークの滞在時間と前記ワークを次のプロセスに投入してから次のワークが投入されるまでの空時間を含む評価指標を算出する情報整理ステップと、
    前記評価指標に基づいて、前記ワークが投入される時間間隔であるワーク間隔に遅れが発生している最終のプロセスに対して、少なくとも一つの前記遅れの要因である上流のプロセスを特定するプロセス特定ステップと、
    を有する情報解析方法。
  2. 前記評価指標に基づいて前記生産ラインの生産性を分析した結果を用いて、前記遅れの要因を推定する要因推定ステップと、
    を更に有する請求項1に記載の情報解析方法。
  3. 前記情報取得ステップは、前記プロセスの接続形態を定義するフロー情報を前記生産ラインから取得し、
    前記プロセス特定ステップは、前記フロー情報に基づいて、前記最終のプロセスから上流のプロセスに遡ることにより、前記遅れの要因である前記プロセスを特定する請求項1に記載の情報解析方法。
  4. 前記フロー情報は、ペトリネットを用いて表記される請求項3に記載の情報解析方法。
  5. 前記プロセス特定ステップは、前記遅れの要因である前記プロセスの関係を木構造で表現する請求項1に記載の情報解析方法。
  6. 前記評価指標の分布を算出し、前記評価指標の値が前記分布の定常範囲にあるか非定常範囲にあるかを区別するための閾値を算出する分布特定ステップと、
    を更に有し、
    前記プロセス特定ステップは、前記評価指標と前記閾値に基づいて、前記遅れが定常範囲か非定常範囲であるかを決定する請求項1に記載の情報解析方法。
  7. 前記評価指標の時間変化に基づいて、前記生産ラインの生産性の低下を検知または予測する監視ステップと、
    を更に有する請求項1に記載の情報解析方法。
  8. 前記評価指標に基づいて算出された前記生産ラインの性能稼働率の時間推移、及び前記プロセスごとの前記評価指標の時間推移を表示するための画面情報を生成する画面生成ステップと、
    を更に有する請求項1に記載の情報解析方法。
  9. 前記監視ステップは、前記生産ラインの生産性の低下を検知または予測した際に、前記生産ラインの生産性の低下を前記生産ラインの管理者に通知する請求項7に記載の情報解析方法。
  10. 前記監視ステップは、前記生産性の低下を検知又は予測した時刻、前記生産性の低下の要因となるプロセス、前記生産性の低下の要因、前記低下の要因となるプロセスに関係する装置を撮影した動画、及び前記動画の保存先を示す情報の少なくとも一つを前記管理者に通知する請求項9に記載の情報解析方法。
  11. ワークを実行する複数のプロセスにより構成される生産ラインと通信可能な情報解析装置であって、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報解析方法を備えることを特徴とする情報解析装置。
  12. ワークを実行する複数のプロセスにより構成される生産ラインと通信可能な情報解析システムであって、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報解析方法を備えることを特徴とする情報解析システム。
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