JP2024064177A - スパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、コンクリートリングの補強を行うことなく、コンクリートリングのクラック発生や破損を防止する。【解決手段】浮体グリッパー機構34及びクレーン33を備えた2基のジャッキアップ型作業構台30、30を設置する第1ステップと、最下段側から複数段のコンクリートリング15を組み立てたコンクリートリングユニット11を海上に浮かべ、浮体グリッパー機構34によって保持させる第2ステップと、コンクリートリングユニット11の上側に、クレーン33を用いて、順にコンクリートリング15を積み上げるとともに、PC鋼材19で緊結して一体化を図る手順によりコンクリート製浮体部4Aを完成させる第3ステップと、クレーン33を用いて、鋼製浮体部4Bをコンクリート製浮体部4Aの上部側に連結して浮体4を完成させる第4ステップとからなる。【選択図】図6

Description

本発明は、コンクリートリングを高さ方法に複数段積み上げ、各コンクリートリングをPC鋼材により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部と、複数の鋼製リングを溶接によって連結するとともに、前記コンクリート製浮体部の上側に連設された鋼製浮体部とからなるスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法に関する。
従来より、主として水力、火力及び原子力発電等の発電方式が採用されてきたが、近年は環境や自然エネルギーの有効活用の点から自然風を利用して発電を行う風力発電が注目されている。この風力発電設備には、陸上設置式と、水上(主として海上)設置式とがあるが、沿岸域から後背に山岳地形をかかえる我が国の場合は、沿岸域に安定した風が見込める平野が少ない状況にある。一方、日本は四方を海で囲まれており、海上には発電に適した風が容易に得られるとともに、設置の制約が少ないなどの利点を有する。そのため近年は、各種形式の洋上風力発電設備及び浮体構造が多く提案されている。
前記浮体構造としては、浮体を水面に浮かばせるポンツーン型浮体、浮体を水面下に沈めた状態で浮かばせるセミサブ型、釣り浮きのように起立状態で浮かばせるスパー型とに大別される。
本出願人は、前記スパー型浮体に関して、下記特許文献1において、浮体と、係留索と、タワーと、タワーの頂部に設備されるナセル及び複数の風車ブレードとからなる洋上風力発電設備であって、前記浮体は、コンクリート製のプレキャスト筒状体を高さ方向に複数段積み上げ、各プレキャスト筒状体をPC鋼材により緊結し一体化を図った下側コンクリート製浮体構造部(以下、コンクリート製浮体部という。)と、この下側コンクリート浮体構造部の上側に連設された上側鋼製浮体構造部(以下、鋼製浮体部という。)とからなるスパー型の浮体構造とした洋上風力発電設備(以下、ハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電設備という。)を提案した。
そして、2016年に長崎県五島市崎山沖で、全長172m、総重量3400トン、発電規模が2メガワットのハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電設備の実用化を開始した。
ところで、前記ハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電設備の浮体の建造方法としては、図18に示されるように、造船所において、前記鋼製浮体部を所定重量毎に分割した各鋼製リングの製作を行った後、これら各鋼製リングを溶接によって連結し鋼製浮体部を完成させる。そして、この鋼製浮体部を台船に積み込み、現地製作ヤードまで台船輸送したならば、1300tクラスの大型起重機船を使って岸壁に水切り(陸揚げ)を行うようにし、一方コンクリート製浮体部は、コンクリートメーカーの工場において、1リングをトラック輸送の便宜から周方向に複数に分割した状態で製作し、これら分割リングを現地製作ヤードにトラックで現地製作ヤードまで運び、ここで周方向に結合したならば、さらに各リングをPC鋼材を用いて長手方向に連結してコンクリート製浮体部を完成させるようにし、最後に、前記鋼製浮体部とコンクリート浮体部とを1300tクラスの大型起重機船を使って結合し、浮体を完成させるようにしていた。
本出願人は、更にその後に、前記スパー型の浮体を効率的に建造するための方法として、下記特許文献2に示される方法を提案した。
具体的には、図19に示されるように、現地製作ヤードに、鋼製リング連結ヤードAと、コンクリートリング製作ヤードBと、コンクリートリング連結ヤードCとを画成して設け、
前記鋼製リング連結ヤードAに第1橋形クレーン50を一定方向に走行自在に設けるとともに、第1橋形クレーン走行方向に適宜の間隔で回転機能付架台52、52…を設置し、かつ第1橋形クレーン走行方向に移動可能な移動式テント56を設け、前記コンクリートリング製作ヤードBに移動式テント57を設けるとともに、コンクリートリングの製造設備一式を設備し、前記コンクリートリング連結ヤードCに第2橋形クレーン55を一定方向に走行自在に設けるとともに、第2橋形クレーン走行方向に移動可能な移動式テント58を設け、
鋼製リング51、51…を、前記第1橋形クレーンを用い順に前記回転機能付架台52、52…上に設置するとともに、必要に応じて移動式テント56で周囲を覆った状態とし、鋼製リング51、51…を軸芯回りに回転させながら周方向に溶接を行って連結し、鋼製浮体部53Bを完成させる第1工程と、
前記鋼製浮体部53Bを前記コンクリートリング連結ヤードCに移動し所定位置に設置したならば、前記コンクリートリング製作ヤードBで製作されたコンクリートリング54を順にコンクリートリング連結ヤードCに運び、必要に応じて移動式テント58で周囲を覆った状態とし、前記第2橋形クレーン55を用いコンクリートリング54を前記鋼製浮体部53Bに連設するとともに、PC鋼材により緊結し一体化を図ることにより前記浮体53を完成させる第2工程とからなる浮体式洋上風力発電設備の浮体建造方法を提案した。
特許第5274329号公報 特開2018-173011号公報 特許第6108445号公報 特開2022-33554号公報
前述したスパー型浮体の建造方法の場合は、いずれもコンクリート製浮体部を横置きの状態で、コンクリートリングを順に連結して浮体を建造するものであるが、コンクリートの自重によりコンクリートリングにクラックが入り易いという問題があるとともに、組立作業や運搬作業、浮体の建て起こしの際にコンクリートリングに過大な荷重が作用してクラック(亀裂)が入ることがあるなどの問題があった。この問題に対処するために、上記特許文献3では、それぞれのプレキャスト筒状体(コンクリートリング)の外周面に、緊張力が導入されたアウターケーブルを周方向に沿って巻回することでコンクリートリングを補強することが提案されている。また、前記特許文献4では、図20に示されるように、円筒形プレキャストコンクリート部材60(コンクリートリング)の内側において、内接する正多角形状線に沿って緊張ケーブル61、61…を張設することにより補強することが提案されている。
しかしながら、前記特許文献3に係るアウターケーブルによる補強の場合は、各コンクリートリング毎にアウターケーブルを設置する手間と時間と費用とが多大であるという問題があった。また、浮体の建て起こし後は前記アウターケーブルは水中に位置するとともに、かなりの重量物であるため撤去することは実質的に困難であり、残置した場合は波の抵抗体となって浮体の揺動を助長してしまうという問題があった。
また、前記特許文献4に係るコンクリートリング内部に正多角形状線に沿って緊張ケーブルを張設する方法の場合は、緊張ケーブルの設置に多大な手間と時間と費用とを要するという問題があるとともに、浮体の建て起こしが完了した後に、浮体内部に種々の装置を設置する空間を確保する必要性から、前記緊張ケーブルをすべて撤去する必要があり、この撤去作業にも多大な手間と時間と費用とが掛かるという問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、スパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、コンクリートリングの補強を行うことなく、コンクリートリングのクラック発生や破損を防止するとともに、浮体の建て起こし工程を無くして組立て作業の効率化を図り得る浮体建造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、コンクリートリングを複数段積み上げ、各コンクリートリングをPC鋼材により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部と、複数の鋼製リングを溶接によって連結し、前記コンクリート製浮体部の上側に連設された鋼製浮体部とからなるスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、
クレーンを備えた1又は2基のジャッキアップ型作業構台を浮体建造を行う洋上場所に設置するとともに、前記ジャッキアップ型作業構台に建造中の浮体を保持するための浮体グリッパー機構を設ける第1ステップと、
最下段側から複数段のコンクリートリングを組み立てたコンクリートリングユニットを海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構によって保持させる第2ステップと、
前記コンクリートリングユニットの上側に、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、順にコンクリートリングを積み上げるとともに、PC鋼材で緊結して一体化を図る手順によりコンクリート製浮体部を完成させる第3ステップと、
前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、鋼製浮体部を前記コンクリート製浮体部の上部側に連結して浮体を完成させる第4ステップとからなることを特徴とするスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、従来は浮体の組立て作業は、地上で横向き状態で行っていたが、本発明では着想を変えて、海上に浮かべた状態で組立てを行うようにしている。その結果、海上に浮かべた状態で組み立てを行うため、コンクリートリングの補強を行う必要性はなく、コンクリートリングに対して余計な荷重が作用しないためクラック発生や破損を防止することが可能になる。また、すべての浮体部材を組立て終えた状態では浮体は縦向きで浮かんだ状態となるため、浮体の建て起こし工程が無くなるため、組立て作業の効率化を図ることが可能になる。
具体的には、クレーンを備えた1又は2基のジャッキアップ型作業構台を浮体建造を行う洋上場所に設置するとともに、前記ジャッキアップ型作業構台に建造中の浮体を保持するための浮体グリッパー機構を設ける(第1ステップ)。前記ジャッキアップ型作業構台とは、クレーンを備えたメインデッキに対して上下方向に移動可能な脚柱を複数本、多くは3本程度備えることによって海面より上側にメインデッキを支持できるようにした作業構台であり、近年洋上風力発電設備の建設に多く用いられているものである。
次いで、最下段側から複数段のコンクリートリングを組み立てたコンクリートリングユニットを海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構によって保持させるようにする(第2ステップ)。コンクリートリングユニットは、海上に浮かばせるために複数段分だけ組み立てたコンクリートリング部分であり、これを最初に海に浮かべたならば、これをジャッキアップ型作業構台の浮体グリッパ機構によって保持することにより移動しないよう保持する。なお、コンクリートリングユニットの段数は浮力によって海に浮かぶのに必要な段数とする。
次に、前記コンクリートリングユニットの上側に、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、順にコンクリートリングを積み上げるとともに、PC鋼材で緊結して一体化を図る手順を繰り返すことによりコンクリート製浮体部を完成させる(第3ステップ)。すなわち、前記コンクリートリングユニットを海上に浮かばせた状態のままで、残りのコンクリートを組み立ててコンクリート製浮体部を完成させる。
最後に、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、鋼製浮体部を前記コンクリート製浮体部の上部側に連結して浮体を完成させる(第4ステップ)。前記鋼製浮体部は予め地上で製作しておき、これを運搬台船で建造場所まで運搬し、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて一括で施工する。
その後は、完成させた浮体に対して、タワー、ナセル、風車(ブレード)の順で取付けて洋上風力発電設備を完成させるようにする。
請求項2に係る本発明として、コンクリートリングを複数段積み上げ、各コンクリートリングをPC鋼材により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部からなるスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、
クレーンを備えた1又は2基のジャッキアップ型作業構台を浮体建造を行う洋上場所に設置するとともに、前記ジャッキアップ型作業構台に建造中の浮体を保持するための浮体グリッパー機構を設ける第1ステップと、
最下段側から複数段のコンクリートリングを組み立てたコンクリートリングユニットを海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構によって保持させる第2ステップと、
前記コンクリートリングユニットの上側に、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、順にコンクリートリングを積み上げるとともに、PC鋼材で緊結して一体化を図る手順により浮体を完成させる第3ステップとからなることを特徴とするスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法が提供される。
請求項2記載の発明は、浮体の全部がコンクリートによって構成されたコンクリート製浮体の場合の浮体建造方法を示したものである。基本的には請求項1の第1ステップから第3ステップまでの手順によって建造することが可能である。
請求項3に係る本発明として、各ステップの任意の時期に、浮体内にバラストを投入又は排出して吃水調整を行う請求項1、2いずれかに記載のスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法が提供される。
上記請求項3記載の発明は、各ステップの任意の時期に、浮体内にバラストを投入又は排出することにより吃水調整することにより常時、未完成の浮体の安定を図るようにするものである。
請求項4に係る本発明として、前記浮体グリッパ機構は、前記ジャッキアップ型作業構台が1基の場合は、単独で浮体を保持できる浮体グリッパ構造とし、前記ジャッキアップ型作業構台が2基の場合は、それぞれのジャッキアップ型作業構台に分割型浮体グリッパが設けられ、これら一対の分割型浮体グリッパで正規の浮体グリッパ機構を構成する請求項1、2いずれかに記載のスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法が提供される。
上記請求項4記載の発明は、ジャッキアップ型作業構台に設備される浮体グリッパ機構に関して、浮体の建造を1基のジャッキアップ型作業構台で行う場合と、2基のジャッキアップ型作業構台で行う場合の態様を示したものである。具体的には、ジャッキアップ型作業構台が1基の場合は、単独で浮体を保持できる浮体グリッパ構造とし、ジャッキアップ型作業構台が2基の場合は、それぞれのジャッキアップ型作業構台に分割型浮体グリッパが設けられ、これら一対の分割型浮体グリッパで正規の浮体グリッパ機構を構成するようにする。
請求項5に係る本発明として、前記浮体建造を行う洋上場所として、浮体を浮かばせ得る水深以上の静穏域を選定する請求項1、2いずれかに記載のスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法が提供される。
上記請求項5記載の発明は、浮体建造場所として選定される条件として、浮体を浮かばせ得る水深以上の静穏域を選ぶようにするものである。
以上詳説のとおり本発明によれば、スパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、コンクリートリングの補強を行うことなく、コンクリートリングのクラック発生や破損を防止するとともに、浮体の建て起こし工程を無くして組立て作業の効率化を図ることが可能になる。
スパー型浮体式洋上風力発電設備1の全体図である。 浮体4の縦断面図である。 プレキャスト筒状体15を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図(B-B線矢視図)、(C)は底面図(C-C線矢視図)である。 プレキャスト筒状体15同士の緊結要領図(A)(B)である。 コンクリート製浮体部4Aと鋼製浮体部4Bとの境界部を示す拡大縦断面図である。 2基のジャッキアップ型作業構台を用いる場合(第1形態例)の浮体建造手順図(その1)である。 その浮体建造手順図(その2)である。 その浮体建造手順図(その3)である。 その浮体建造手順図(その4)である。 その浮体建造手順図(その5)である。 その浮体建造手順図(その6)である。 1基のジャッキアップ型作業構台を用いる場合(第2形態例)の浮体建造手順図(その1)である。 その浮体建造手順図(その2)である。 その浮体建造手順図(その3)である。 その浮体建造手順図(その4)である。 その浮体建造手順図(その5)である。 その浮体建造手順図(その6)である。 従来の浮体建造方法を示すフロー図である。 従来の浮体建造方法(特許文献2)を示す全体概略図である。 コンクリートリング60の補強方法(特許文献4)を示す横断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔ハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電設備1〕
先ず最初に、本発明が適用されるスパー型浮体式洋上風力発電設備1について、図1~図5に基づいて詳述する。
前記スパー型洋上風力発電設備1は、詳細には図1に示されるように、スパー型の筒状形状の浮体4と、係留索5と、タワー6と、タワー6の頂部に設備されるナセル8及び複数のブレード9,9…からなる風車7とから構成されるものである。
前記浮体4は、図2に示されるように、コンクリート製のプレキャスト筒状体15、15…を高さ方向に複数段積み上げ、各プレキャスト筒状体15、15…をPC鋼材19により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部4Aと、このコンクリート浮体部4Aの上側に連設された鋼製浮体部4Bとからなる。
前記浮体4の中空部内には、水、砂利、細骨材又は粗骨材、金属粒などのバラスト材が投入又は排出可能とされ、浮力(吃水)が調整可能とされる。バラスト材の投入/排出は、本出願人が先に、特開2012-201217号公報において提案した流体輸送方法を採用することによって可能である。
前記コンクリート浮体部4Aは、コンクリート製のプレキャスト筒状体15、15…で構成されている。前記プレキャスト筒状体15は、図3に示されるように、軸方向に同一断面とされる円形筒状のプレキャスト部材であり、それぞれが同一の型枠を用いて製作されるか、遠心成形により製造された中空プレキャスト部材が用いられる。
壁面内には鉄筋20の他、周方向に適宜の間隔でPC鋼材19を挿通するためのシース21、21…が埋設されている。このシース21、21…の下端部にはPC鋼材19同士を連結するためのカップラーを挿入可能とするためにシース拡径部21aが形成されているとともに、上部には定着用アンカープレートを嵌設するための箱抜き部22が形成されている。また、上面には吊り金具23が複数設けられている。
プレキャスト筒状体15同士の緊結は、図4(A)に示されるように、下段側のプレキャスト筒状体15から上方に延長されたPC鋼材19、19…をシース21、21…に挿通させながらプレキャスト筒状体12,12を積み重ねたならば、アンカープレート24を箱抜き部22に嵌設し、ナット部材25によりPC鋼材19に張力を導入し一体化を図る。また、グラウト注入孔27からグラウト材をシース21内に注入する。なお、前記アンカープレート24に形成された孔24aはグラウト注入確認孔であり、該確認孔からグラウト材が吐出されたことをもってグラウト材の充填を終了する。
次に、図4(B)に示されるように、PC鋼材19の突出部に対してカップラー26を螺合し、上段側のPC鋼材19、19…を連結したならば、上段となるプレキャスト筒状体15のシース21、21…に前記PC鋼材19、19…を挿通させながら積み重ね、前記要領によりPC鋼材19の定着を図る手順を順次繰り返すことにより高さ方向に積み上げられる。この際、下段側のプレキャスト筒状体15と上段側のプレキャスト筒状体15との接合面には止水性確保及び合わせ面の接合のためにエポキシ樹脂系などの接着剤28やシール材が塗布される。
前記鋼製浮体部4Bは、相対的には下段側に位置する鋼製筒状体17と、相対的に上段側に位置する鋼製筒状体18とで構成されている。下段側の鋼製筒状体17は、下側部分はプレキャスト筒状体15と同一の外径寸法とされ、プレキャスト筒状体15に対して、ボルト又は溶接等(図示例はボルト締結)によって連結される。鋼製筒状体17の上部は漸次直径を窄めた截頭円錐台形状を成している。
上段側の鋼製筒状体18は、前記下段側の鋼製筒状体17の上部外径に連続する外径寸法とされる筒状体とされ、下段側の鋼製筒状体17に対してボルト又は溶接等(図示例はボルト締結)によって連結される。これら鋼製筒状体17,18は、所定重量毎に分割した各鋼製リング10、10…によって構成され、各鋼製リング10、10…は周方向に溶接されることにより一体化されている。
一方、前記タワー6は、鋼材、コンクリート又はPRC(プレストレスト鉄筋コンクリート)から構成されるものが使用されるが、好ましいのは総重量が小さくなるように鋼材によって製作されたものを用いるのが望ましい。タワー6の外径と前記上段側鋼製筒状体18の外径とはほぼ一致しており、外形状は段差等が無く上下方向に連続している。図示例では、上段側鋼製筒状体18の上部に梯子13が設けられ、タワー6と上段側鋼製筒状体18とのほぼ境界部に周方向に歩廊足場14が設けられている。
前記係留索5の浮体4への係留点Pは、図1に示されるように、海面下であってかつ浮体4の重心Gよりも高い位置に設定してある。従って、船舶が係留索5に接触するのを防止できるようになる。また、浮体4の倒れ過ぎを抑えるように係留点Pに浮体4の重心Gを中心とする抵抗モーメントを発生させるため、タワー6の傾動姿勢状態を適性に保持し得るようになる。
一方、前記ナセル8は、風車7の回転を電気に変換する発電機やブレード9の角度を自動的に変えることができる制御器などが搭載された装置である。
〔スパー型浮体4の建造方法〕
次に、前記浮体4の建造方法について、図7~図17に基づいて詳述する。
本発明の対象となる浮体式洋上風力発電設備1の浮体4は、コンクリート製のプレキャスト筒状体15、15…(以下、コンクリートリングという。)を高さ方向に複数段積み上げ、各コンクリートリング15、15…をPC鋼材19により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部4Aと、このコンクリート製浮体部4Aの上側に連設された鋼製浮体部4Bとからなるスパー型の浮体である。
前記コンクリート製浮体部4Aと前記鋼製浮体部4Bとからなる浮体構造とすることにより、重心を低くすることができるため、浮体の安定性が増すとともに、浮体の長さ寸法を低減することが可能となる。海上に突出している部分が鋼製のため、船舶の衝突に対して有利になるなどの効果がもたらされるようになる。
前記浮体4の建造方法は、従来の場合は陸上に設けた製作ヤードで浮体を横向き状態として組立てを行うものであったが、本発明に係る浮体建造方法は、最初にコンクリートリング15、15…を浮かばせるために最小限の段数分だけ組み立てておき、最初にこれを海上に縦向きで浮かばせた状態とし、この状態から残りのコンクリートリング15、15…を順に組立てて、コンクリート製浮体部4Aを完成させたならば、その上に鋼製浮体部4Bを連結して浮体4を完成させるものである。
以下に、図面を参照しながら、具体的にその浮体建造方法について詳述する。
〔2基のジャッキアップ型作業構台30を用いる第1形態例〕
<第1ステップ>
図6に示されるように、浮体4を浮かばせ得る水深以上の静穏域であることを条件に選定された、浮体4の建造を行う洋上場所において、浮体グリッパー機構34及びクレーン33を備えた2基のジャッキアップ型作業構台30、30を設置する。
前記ジャッキアップ型作業構台30は、同図に示されるように、メインデッキ31と、このメインデッキ31を上下方向に貫通して設けられるとともに、ジャッキ装置(図示せず)により昇降自在に支持された少なくとも3本以上の脚柱32、32…と、前記メインデッキ31の一側部に設けられた大型のクレーン33とから構成されている。このジャッキアップ型作業構台30は、着床式のモノパイル式洋上風力発電設備などの洋上風力発電設備の建設に際して使用されるものであり、自航機能を有するものもあるが、大半は自航機能は有さず、タグボートなどの曳航船によって洋上風力発電設備の建設場所まで運搬される。
前記メインデッキ31は、鋼板により製造された浮体構造体であり、平面視で図示例のような略三角形状や略五角形状とされていることが多い。すなわち、外面が天端、側壁及び底板によって囲まれ、内部が多数の隔壁によって補強された多数のセルを有する浮体構造体となっており、曳航時の抵抗を最小限にするために船頭が鋭角状になるように平面視形状は略三角形状又は五角形状となっている。また、図示例では示されていないが、緊急搬送用のヘリポートや事務所などの付帯設備が設けられたり、前記大型クレーン33とは別に小作業用に小さな移動クレーンが搭載される場合もある。
前記脚柱32は、前記メインデッキ31を海面よりも上側で支持するために設けられる脚部材であり、波の抵抗を最小限化とするために部材をトラス状に組みあげた構造となっていることが多い。これらの脚柱32、32…は、前記メインデッキ31に対して昇降機構(図示せず)によって上下方向に移動可能に支持されている。脚柱32の昇降機構は、ラックアンドピニオン式、油圧式、空気圧式などのジャッキ装置によって上下方向に移動可能とされる。脚柱32の長さは、概ね100m程度の水深の海上で、前記メインデッキ31を海面よりも上側に支持し得る長さとなっている。
前記大型のクレーン33は、コンクリート製浮体部4A及び鋼製浮体部4Bの組立の他、その後に組み立てられるタワー6、ナセル8、風車7(ブレード9)の組立てのために用いられる。これらの中でも、前記鋼製浮体部4Bは一括施工となるためかなりの重量物となる。また、浮体4の上側に連設されるタワー6やナセル8などもかなりの重量物となる。これらの重量物の施工には、左右一対のジャッキアプ作業構台30、30に夫々据え付けられた計2基のクレーン33、33を協働的に用いることによって組立てを行うようにする。
前記2基のジャッキアップ型作業構台30、30には、浮体4を海上に浮かばせた状態で移動しないように位置保持を行うための分割型浮体グリッパ34A(34B)が夫々設けられている。これらの分割型浮体グリッパ34A(34B)は隣接配置されることで正規の浮体グリッパ機構34を構成するようになるものであり、浮体4を浮体グリッパ機構34内に挿入するために、開口側のグリッパアームが可動できるようになっており、浮体4が挿入された状態で可動アームを閉じることによって浮体4が移動しないように保持できるようになっている。また、浮体グリッパ34によって保持された浮体4は横方向には移動不能に保持されるが上下方向には移動可能となっている。
前記ジャッキアップ型作業構台30を岸壁ヤードから建設現場まで移動させる場合は、海面に浮かばせた状態ですべての脚柱32、32…を上方向に移動させた状態とし、曳航船によって建設場所まで運搬したならば、すべての脚柱32、32…を下降させて脚柱32の先端部を海底に着底させ、さらに脚柱32、32…を下降させることによりメインデッキ32を海面よりも上方に上昇させるようにする。そして、所定の高さ位置まで上昇させたならばロックを掛けて固定を図るようにする。
前記2基のジャッキアップ型作業構台30、30は、図6に示されるように、大型のクレーン33、33同士が所定の距離をおいて対面するように隣接配置で洋上に設置される。この時、ジャッキアップ型作業構台30、30に設けた前記分割型浮体グリッパ34A(34B)が隣接配置されることにより正規の浮体グリッパ機構34が構成されるが、この浮体グリッパ34に対する浮体4の挿入の便宜のために、2基のジャッキアップ型作業構台30、30は、平面視で、向かい合う側面同士が外方に向かって拡開するように角度を持たせて設置することが望ましい。
<第2ステップ>
第2ステップでは、海上に浮かばせるために必要な、最下段側から複数段分のコンクリートリング15、15…を組み立てたコンクリートリングユニット11を運搬台船35によって前記浮体建造を行う洋上場所まで運搬したならば、このコンクリートリングユニット11を海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構34によって保持させるようにする。
具体的には、図7に示されるように、岸壁ヤードにて、最下段のコンクリートリング15から上側に複数段分だけ積み上げて連結したコンクリートリングユニット11を組立て、これを運搬台船35に載せ、曳航船36によって浮体建造を行う洋上場所まで運搬する。前記コンクリートリング15の組立て段数は、海上に浮かぶ浮力を有するように計算によって決定される。前記運搬台船35としては、図示例では、半潜水型スパッド台船を用いている。この半潜水型スパッド台船35は、バラスト水の調整によって半潜水状態まで吃水を調整可能とした台船であり、バラスト調整しながら台船上に積み荷をロールオン(積込み)した後、沖合でバラスト水の調整により半潜水状態とすることによって積み荷をフロートオフ(浮上・進水)できるようにしたものである。従って、前記コンクリートリングユニット11を建設場所まで運搬したならば、半潜水状態としてコンクリートリングユニット11を海上に浮上・進水させることがクレーン無しで可能になる。
フロートオフさせたコンクリートリングユニット11については、図8に示されるように、ジャッキアップ型作業構台30、30に設備された浮体グリッパ機構34に保持させるようにする。具体的には、コンクリートリングユニット11に連結したワイヤー37aを1台の曳航船36Aで牽引する一方、コンクリートリングユニット11に連結したワイヤー37bをもう1台の曳航船36Bで制動力を掛けながら位置をガイドし、慎重にコンクリートリングユニット11を浮体グリッパ機構34内に挿入させた後、グリッパアームを閉じてコンクリートリングユニット11を保持させるようにする。
<第3ステップ>
次に、第3ステップでは、前記コンクリートリングユニット11の上側に、前記ジャッキアップ型作業構台30、30のクレーン33、33を用いて、順にコンクリートリング15、15…を積み上げるとともに、PC鋼材19で緊結して一体化を図る手順を繰り返すことによりコンクリート製浮体部4Aを完成させる。
具体的には、図9に示されるように、積台船38に残りのコンクリートリング15、15…を積み込んで建設場所まで曳航する。そして、組立て作業を行い易いように、積台船38を2基のジャッキアップ型作業構台30、30の間に位置決めしたならば、2台のクレーン33、33を用いて、コンクリートリングユニット11の上側にコンクリートリング15、15…を積み上げてPC鋼材19により締結する手順を繰り返すことにより、コンクリート製浮体部4Aを完成させる。
前記コンクリートリング15、15…の組立てについては、図示例のように、コンクリートリング15を1段ずつ行ってもよいし、予め複数段、例えば2段毎に組立てを行っておき、組み立てた複数段のコンクリートリング15、15毎に積み上げを行うことによって現場での作業を省力化することが可能になる。
<第4ステップ>
第4ステップでは、鋼製浮体部4Bを運搬台船38によって前記浮体建造を行う洋上場所まで運搬したならば、前記ジャッキアップ型作業構台30、30のクレーン33、33を用いて前記鋼製浮体部4Bを吊持し、前記コンクリート製浮体部4Aの上部側に連結して浮体4を完成させる。
具体的には、図10に示されるように、積台船38に鋼製浮体部4Bを積み込んで建設場所まで曳航する。そして、組立て作業を行い易いように、積台船38を2基のジャッキアップ型作業構台30、30の間に位置決めする。次に、図11に示されるように、2台のクレーン33、33を用いて、前記鋼製浮体部4Bを吊り上げ、コンクリート浮体部4Bの上側に連結する。
<タワー、ナセル及び風車の組立て>
以上の工程により、浮体4を完成させたならば、図示しないが、続けて積台船38によってタワー6、ナセル8及び風車7(ブレード9、9…)を建設場所まで運搬し、2台のクレーン33、33を用いて、タワー6、ナセル8、風車7(ブレード9、9…)の順で取り付けることにより洋上風力発電設備1を完成させる。
<その他>
前記第1ステップから第4ステップの任意の時期に、バラストを投入・排出することにより吃水調整を行うことが望ましい。適時、未完成状態の浮体4の吃水を調整することにより浮体の安定を図ることができるようになる。
〔1基のジャッキアップ型作業構台30を用いる第2形態例〕
次に、図12~図17に基づいて、1基のジャッキアップ型作業構台30を用いて、浮体を建造する手順について詳述する。比較的に小規模の洋上風力発電設美1の場合で、浮体4の組立て、タワー6、ナセル8及び風車7(ブレード9、9…)を1台の大型のクレーン33で行い得るような場合は、ジャッキアップ型作業構台30を無駄に2基配置する必要はなく、1基のみの配置とする。浮体4の基本的な建造手順は、前述した〔2基のジャッキアップ型作業構台30を用いる第1形態例〕と同様であるため、説明の重複を避け要点のみを説明する。
<第1ステップ>
図12に示されるように、浮体4を浮かばせ得る水深以上の静穏域であることを条件に選定された、浮体4の建造を行う洋上場所において、浮体グリッパー機構及びクレーンを備えた1基のジャッキアップ型作業構台30を設置する。このジャッキアップ型作業構台30には、前記浮体グリッパ機構34として、単独で浮体4を保持できる浮体グリッパ構造が設けられている。浮体4を浮体グリッパ機構34内に挿入するために、開口側のグリッパアームが可動できるようになっており、浮体4が挿入された状態で可動アームを閉じることによって浮体4が移動しないように保持できるようになっている。
<第2ステップ>
第2ステップでは、海上に浮かばせるために必要な、最下段側から複数段分のコンクリートリング15、15…を組み立てたコンクリートリングユニット11を運搬台船35によって前記浮体建造を行う洋上場所まで運搬したならば、このコンクリートリングユニット11を海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構34によって保持させるようにする。
具体的には、図13に示されるように、岸壁ヤードにて、最下段のコンクリートリング15から上側に複数段分だけ積み上げて連結したコンクリートリングユニット11を組立て、これを運搬台船35に載せ、曳航船36によって浮体建造を行う洋上場所まで運搬する。そして、フロートオフさせたコンクリートリングユニット11を、図14に示されるように、ジャッキアップ型作業構台30に設備された浮体グリッパ機構34に保持させるようにする。
具体的には、ジャッキアップ型作業構台30に一対のウインチ39、39を設け、これから繰り出したロープ37a、37aをコンクリートリングユニット11に掛止させて引き寄せる一方、コンクリートリングユニット11に連結したワイヤー37bをもう1台の曳航船36Bで制動力を掛けながら位置をガイドし、慎重にコンクリートリングユニット11を浮体グリッパ機構34内に挿入させた後、グリッパアームを閉じてコンクリートリングユニット11を保持させるようにする。
<第3ステップ>
次に、第3ステップでは、前記コンクリートリングユニット11の上側に、前記ジャッキアップ型作業構台30のクレーン33を用いて、順にコンクリートリング15、15…を積み上げるとともに、PC鋼材19で緊結して一体化を図る手順によりコンクリート製浮体部4Aを完成させる。
具体的には、図15に示されるように、積台船38に残りのコンクリートリング15、15…を積み込んで建設場所まで曳航し、積台船38をジャッキアップ型作業構台30に近接させた状態としたならば、クレーン33を用いて、コンクリートリングユニット11の上側にコンクリートリング15、15…を積み上げてPC鋼材19により締結する手順を繰り返すことにより、コンクリート製浮体部4Aを完成させる。
<第4ステップ>
第4ステップでは、鋼製浮体部4Bを運搬台船38によって前記浮体建造を行う洋上場所まで運搬したならば、前記ジャッキアップ型作業構台30のクレーン33を用いて前記鋼製浮体部4Bを吊持し、前記コンクリート製浮体部4Aの上部側に連結して浮体4を完成させる。
具体的には、図16に示されるように、積台船38に鋼製浮体部4Bを積み込んで建設場所まで曳航したならば、図17に示されるように、クレーン33を用いて、前記鋼製浮体部4Bを吊り上げ、コンクリート浮体部4Bの上側に連結する。
<タワー、ナセル及び風車の組立て>
以上の工程により、浮体4を完成させたならば、続けて積台船38によってタワー6、ナセル8及び風車7(ブレード9、9…)を建設場所まで運搬し、クレーン33を用いて、タワー6、ナセル8、風車7(ブレード9、9…)の順で取り付けることにより洋上風力発電設備1を完成させる。
〔他の形態例〕
(1)上記第1形態例では、浮体グリッパ機構として分割型浮体グリッパ34A(34B)を設けたが、片方のジャッキアップ型作業構台のみに正規の浮体グリッパ機構34を設けるようにしてもよい。
(2)上記第1、2形態例は、浮体がコンクリート製浮体部と、このコンクリート製浮体部の上側に連設された鋼製浮体部とからなるハイブリッドスパー型浮体を対象としたものであるが、浮体がコンクリートリングを複数段積み上げ、各コンクリートリングをPC鋼材により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部のみからなるスパー型浮体の場合も同様の手順で建造することが可能である。具体的には、前述したハイブリッドスパー型浮体のステップ1からステップ3までの手順により、コンクリートリングのクラック発生や破損を防止するとともに、浮体の建て起こし工程を無くして組立て作業の効率化を図りながら浮体を建造することが可能になる。
1…スパー型洋上風力発電設備、4…浮体、4A…コンクリート製浮体部、4B…鋼製浮体部、5…係留索、6…タワー、7…風車、8…ナセル、9…ブレード、15.16…プレキャスト筒状体、19…PC鋼材、30…ジャッキアップ型作業構台、31…メインデッキ、32…脚柱、33…大型クレーン、34…浮体グリッパ機構、34A・34B…分割型浮体グリッパ、35…運搬台船(半潜水型スパッド船)、36…曳航船

Claims (5)

  1. コンクリートリングを複数段積み上げ、各コンクリートリングをPC鋼材により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部と、複数の鋼製リングを溶接によって連結し、前記コンクリート製浮体部の上側に連設された鋼製浮体部とからなるスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、
    クレーンを備えた1又は2基のジャッキアップ型作業構台を浮体建造を行う洋上場所に設置するとともに、前記ジャッキアップ型作業構台に建造中の浮体を保持するための浮体グリッパー機構を設ける第1ステップと、
    最下段側から複数段のコンクリートリングを組み立てたコンクリートリングユニットを海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構によって保持させる第2ステップと、
    前記コンクリートリングユニットの上側に、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、順にコンクリートリングを積み上げるとともに、PC鋼材で緊結して一体化を図る手順によりコンクリート製浮体部を完成させる第3ステップと、
    前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、鋼製浮体部を前記コンクリート製浮体部の上部側に連結して浮体を完成させる第4ステップとからなることを特徴とするスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法。
  2. コンクリートリングを複数段積み上げ、各コンクリートリングをPC鋼材により緊結し一体化を図ったコンクリート製浮体部からなるスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法であって、
    クレーンを備えた1又は2基のジャッキアップ型作業構台を浮体建造を行う洋上場所に設置するとともに、前記ジャッキアップ型作業構台に建造中の浮体を保持するための浮体グリッパー機構を設ける第1ステップと、
    最下段側から複数段のコンクリートリングを組み立てたコンクリートリングユニットを海上に浮かべ、前記浮体グリッパー機構によって保持させる第2ステップと、
    前記コンクリートリングユニットの上側に、前記ジャッキアップ型作業構台のクレーンを用いて、順にコンクリートリングを積み上げるとともに、PC鋼材で緊結して一体化を図る手順により浮体を完成させる第3ステップとからなることを特徴とするスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法。
  3. 各ステップの任意の時期に、浮体内にバラストを投入又は排出して吃水調整を行う請求項1、2いずれかに記載のスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法。
  4. 前記浮体グリッパ機構は、前記ジャッキアップ型作業構台が1基の場合は、単独で浮体を保持できる浮体グリッパ構造とし、前記ジャッキアップ型作業構台が2基の場合は、それぞれのジャッキアップ型作業構台に分割型浮体グリッパが設けられ、これら一対の分割型浮体グリッパで正規の浮体グリッパ機構を構成する請求項1、2いずれかに記載のスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法。
  5. 前記浮体建造を行う洋上場所として、浮体を浮かばせ得る水深以上の静穏域を選定する請求項1、2いずれかに記載のスパー型浮体を備えた洋上風力発電設備の浮体建造方法。
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