JP2024059285A - 液体吐出方法、ヘッドユニットおよび塗布装置 - Google Patents

液体吐出方法、ヘッドユニットおよび塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の吐出条件を狙いの条件に設定する場合の効率低下を低減する。【解決手段】液室内の液体を吐出するノズル孔と、前記液室内に設けられる弁体と、前記弁体を前記ノズル孔を閉鎖する位置と開放する位置とに移動させる駆動体と、を有する液体吐出ヘッドと、前記駆動体に、前記ノズル孔を開放する位置に前記弁体を移動させる開放電圧および前記ノズル孔を閉鎖する位置に前記弁体を移動させる閉鎖電圧を印加する駆動制御部と、を備えるヘッドユニットの液体吐出方法であって、前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報に基づき前記開放電圧の電圧値を補正する開放電圧補正ステップと、前記情報に基づき前記開放電圧の印加時間を補正する開放時間補正ステップと、を有し、前記開放電圧補正ステップは前記吐出量の変化が少ない状況下で実施し、前記開放時間補正ステップは前記吐出速度の変化が少ない状況下で実施する。【選択図】図8

Description

本発明は、液体吐出方法、ヘッドユニットおよび塗布装置に関するものである。
特許文献1には、複数のノズル及び各ノズルに対応して設けられた駆動素子を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置の前記駆動素子に供給する駆動信号の設定方法であって、各駆動素子に所定の基準駆動電圧を印加し、各駆動素子に対応するノズルから液滴を吐出させる第1の工程と、各ノズルの液滴吐出量を測定する第2の工程と、各ノズル毎に複数種類の駆動信号の中のいずれかを割り当てる第3の工程と、同一種類の駆動信号が割り当てられたノズルの液滴吐出量が所定の適正量に近づくように、前記駆動信号の電圧値を決定する第4の工程と、各ノズルと当該ノズルに割り当てられた駆動信号の種類との対応関係を示す駆動信号選択データを設定する第5の工程と、前記第4の工程で決定された電圧値を有する各種類の駆動信号の波形データを設定する第6の工程と、を有する駆動信号の設定方法が記載されている。
特開2008-178989号公報
本発明は、液体の吐出条件を狙いの条件に設定する場合の効率低下を低減することを課題とする。
本発明は、液体を収容する液室と、前記液室内の液体を吐出するノズル孔と、前記液室内に設けられる弁体と、前記弁体を前記ノズル孔を閉鎖する位置および前記ノズル孔を開放する位置に移動させる駆動体と、を有する液体吐出ヘッドと、前記駆動体に、前記ノズル孔を開放する位置に前記弁体を移動させる開放電圧および前記ノズル孔を閉鎖する位置に前記弁体を移動させる閉鎖電圧を印加する駆動制御部と、を備えるヘッドユニットの液体吐出方法であって、前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報に基づき前記開放電圧の電圧値を補正する開放電圧補正ステップと、前記情報に基づき前記開放電圧の印加時間を補正する開放時間補正ステップと、を有し、前記開放電圧補正ステップは、前記吐出量の変化が少ない状況下で実施し、前記開放時間補正ステップは、前記吐出速度の変化が少ない状況下で実施することを特徴とする。
本発明によれば、液体の吐出条件を効率よく狙いの条件に設定することができる。
実施形態に係るヘッドユニットの一例を示す断面図。 加圧機構および移動機構の一例を示す説明図。 ヘッドユニット、加圧機構および移動機構の制御系の一例を示すブロック図。 駆動電圧生成部の一例を示す説明図。 ヘッドの動作説明図。 駆動電圧とニードルの動作との関係を示す説明図。 吐出速度および吐出量の補正効率の説明図。 補正方法の一例を示す説明図。 補正方法の別の例を示す説明図。 補正方法の更なる別の例を示す説明図。 駆動情報管理テーブルの一例を示す概念図。 補正処理の一例を示すフローチャート。 実施形態に係るヘッドユニットの別の構成例を示す断面図。 応用例を示す説明図。 駆動情報管理テーブルの一例を示す概念図。 塗布装置の一例を示す概略構成図。 塗布装置の別の例におけるキャリッジ部分の斜視図。 塗布装置の別の例を示す全体斜視図。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[ヘッドユニットの構成]
図1を用いて実施形態に係るヘッドユニットの一例であるインクジェットヘッドユニットの構成について説明する。図1は、実施形態に係るヘッドユニットの一例を示す断面図である。
インクジェットヘッドユニットHU(以下、ヘッドユニットと称する)は、液体吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッド100(以下、ヘッドと称する)と、ヘッド100の駆動を制御する駆動制御部500から構成される。ヘッド100は、中空状に形成された筐体110と、筐体110の一端部に設けられたノズル板101を備える。ノズル板101は、液体の一例であるインク10を吐出するノズル孔102が形成された板状の部材である。
筐体110は、ノズル孔102の近傍の側面に、インク10を注入する注入口113と、インク10を排出する排出口115を備える。注入口113から注入されたインク10は、筐体110内の液室114へ送られる。液室114に送り込まれたインク10のうち、ノズル孔102から吐出されなかったインク10は、排出口115からヘッド100の外部へ排出される。液室114は、概略としてノズル板101と、筐体110内に設けた封止部材135との間に形成される空間によって形成される。
液室114内には、弁体の一例であるニードル131が設けられる。ニードル131は、ノズル板101が設けられている側の先端部に、ノズル孔102と対向するように弁部材130が接合されている。弁部材130は、例えばゴム等の弾性体からなり、弁部材130を設けることでノズル孔102に対する密着性が上がり、より確実にノズル孔102を閉鎖することができる。なお、ニードル131の構成は上記に限るものではなく、弁部材130を備えずに、ニードル131の先端部によって直接ノズル孔102を閉鎖する構成としてもよい。
封止部材135は、例えばOリングからなり、筐体110の内面とニードル131の外周面との間の隙間を封止するように、ニードル131に嵌め込まれている。これにより封止部材135は、液室114のインク10が駆動体の一例である圧電素子132側へ流入することを防止する。
圧電素子132は、封止部材135を境に液室114の隣(図1では上方)に形成された空間内に設けられる。圧電素子132は、駆動制御部500からの駆動信号(駆動波形)に応じて、ノズル孔102を閉鎖する位置と、ノズル孔102を開放する位置との間でニードル131を移動させる。ノズル孔102を閉鎖する位置では、弁部材130がノズル板101に当接した状態を成し、ノズル孔102を開放する位置では、弁部材130がノズル板101から離間した状態を成す。なお、弁部材130を設けない構成の場合は、ノズル孔102を閉鎖する位置では、ニードル131がノズル板101に当接した状態を成し、ノズル孔102を開放する位置では、ニードル131がノズル板101から離間した状態を成す。なお、圧電素子132は、ピエゾ素子(Piezoelectric element)であり、ジルコニアセラミックス等を用いて形成されている。その形状等は吐出されるインク滴の量などに応じて適宜設定される。
駆動制御部500は、圧電素子132に対して電気的に接続されており、圧電素子132の駆動を制御する。
[加圧機構および移動機構の構成]
次に、図2~図4を用いてヘッド100にインク10を加圧供給する加圧機構、およびヘッド100を移動させる移動機構について説明する。図2は、加圧機構および移動機構の一例を示す説明図、図3はヘッドユニット、加圧機構および移動機構の制御系の一例を示すブロック図、図4は駆動電圧生成部の一例を示す説明図である。
図2において、ヘッド100で用いるインク10は、密閉されたタンク202に収容されている。タンク202とヘッド100の注入口113は、チューブ201によって接続されている。
一方、タンク202は、エアレギュレータ204を含むパイプ203を介してコンプレッサ205と接続されている。エアレギュレータ204は、コンプレッサ205で作成した圧縮空気の圧力を、必要とするエア圧力に調節し、コンプレッサ205からの加圧空気をタンク202へ供給する。これにより、ヘッド100の注入口113には加圧されたインク10が供給され、弁部材130の開閉に応じてノズル孔102からインク10が吐出される。ここで、チューブ201、タンク202、パイプ203、エアレギュレータ204およびコンプレッサ205は、液室114に対して加圧したインク10を供給するための加圧機構200として機能する。
また、図2において、ヘッド100の筐体110の一部(図2では上部)は、ヘッド保持部材301に取り付けられている。ヘッド保持部材301は、駆動装置302を備え、駆動装置302を駆動させることでヘッド保持部材301がレール部材303に沿って矢印A方向および矢印B方向へ移動可能に設けられている。これにより、ヘッド保持部材301に取り付けられたヘッド100も、レール部材303に沿って矢印A方向および矢印B方向へ移動する。
ここで、ヘッド保持部材301、駆動装置302およびレール部材303は、ヘッド100を対象物に対して移動させるためのヘッド移動機構300として機能する。なお、ヘッド移動機構300において、駆動装置302およびレール部材303の部位には、例えば、ボールネジを用いた送りネジ機構、ラック&ピニオンによる送り機構、動力伝達ベルトとプーリを用いた送り機構等、周知の機構を用いることができる。また、ヘッド移動機構300は、上記の構成に限るものではない。例えば、ヘッド保持部材301を多関節ロボットのロボットアームに装着し、対象物に対してヘッド100を自由に移動できる構成としてもよい。
ヘッド100の排出口115には、排出口115から排出されるインク10を外部へ送り出すチューブ401が接続されており、チューブ401には、チューブ401内のインク10の流れを規制する排液弁402が設けられる。排液弁402は、例えば、ヘッド100にインク10を充填する際、始めのうちはチューブ201内および液室114内に空気が存在することがあるため、インク10の充填開始から所定時間は開いた状態とする。チューブ201内および液室114内の空気を抜くための所定時間が経過したならば、排液弁402は閉じられ、その後、インク10の吐出動作が開始される。これによりインク吐出動作中は、加圧機構200によって付与される圧力が外部へ逃げにくくなり、加圧機構200の負担を低減できる。
なお、インク10の経路は、排出口115から排出されたインク10を再び注入口113へ戻し、液室114に対してインク10を循環供給するように構成してもよい。このようなインク循環しながら吐出動作を行う、いわゆるフロースルー方式のヘッド構成の場合は、上記所定時間の経過後に必ずしも排液弁402を閉じる必要はなく、また、排液弁402を備えない構成としてもよい。
また、本実施形態においては、1つのヘッド100に対して1つのタンク202が接続された構成を示したが、1つのヘッド100に対して複数のタンクを接続し、1つのヘッド100で複数種のインクを用いる構成としてもよい。その場合は、例えば、異なる色のインクを収容した各インクタンクおよび洗浄液を収容した洗浄液タンクをチューブ201に接続するとともに、チューブ201には、排液弁402と同様の構成を有した弁が設けられる。当該弁は、使用するインクを変更する度に、液室114に洗浄液を送り込み、洗浄液によってチューブ201,401および液室114内が洗浄された後、使用するインクを液室114へ送り込むように各インクタンクおよび洗浄液タンクを切り替える。
図3に示すように、ヘッドユニットHU、加圧機構200、ヘッド移動機構300および排液弁402は、制御部600に電気的に接続されている。制御部600は、例えば、後述する塗布装置の全体動作を制御するものであってもよく、図3に示した構成要素以外にも、必要に応じて構成要素が追加されてもよい。
制御部600は、例えば、画像データに基づいたインク吐出周期信号を、ヘッドユニットHUの駆動制御部500に対して送信する。制御部600は、ヘッド100の状態情報等を駆動制御部500を介して受信する。また、制御部600は、加圧機構200に対して加圧のオン、オフを切り替えるための切替信号を送信する。また、制御部600は、ヘッド移動機構300に対してヘッド100を移動させるための移動信号を送信する。さらに、制御部600は、排液弁402に対してインク10の排出を規制するための排液弁開閉信号を送信する。
ヘッドユニットHUは、ヘッド100、駆動制御部500、および記憶部505から構成される。駆動制御部500は、入力部501、駆動電圧生成部502、増幅部503および出力部504を備える。これらの機能は電気回路で実現される他、これらの機能の一部をソフトウェア(CPU:Central Processing Unit)によって実現することもできる。また複数の回路または複数のソフトウェアによってこれらの機能が実現されてもよい。
入力部501は、制御部600から画像データに基づいたインク吐出周期信号等を受信する。
駆動電圧生成部502は、入力部501が受信したインク吐出周期信号等の情報に応じて、ヘッド100の圧電素子132を駆動させるための駆動電圧を生成する。具体的には駆動電圧生成部502は、図4に示すように開放電圧補正部502aと開放時間補正部502bを有し、これらを用いて駆動電圧を生成する。開放電圧補正部502aは開放電圧補正手段の一例であり、開放時間補正部502bは開放時間補正手段の一例である。
増幅部503は、駆動電圧生成部502により生成された駆動電圧を増幅し、増幅後の信号を出力部504に出力する。
出力部504は、増幅部503により増幅された信号に基づき、ヘッド100(圧電素子132)に対して駆動電圧を印加する。
記憶部505は、記憶手段の一例であり、ニードル131の開放電圧の情報、インク10の吐出速度および吐出量の情報等を格納する。駆動制御部500は、記憶部505に、各種データを記憶したり、記憶部505から各種データを読み出す。なお、記憶部505は、駆動制御部500内に設ける構成としてもよいし、破線で示されるように制御部600に接続する構成としてもよい。
制御部600には、コンピュータ601が接続される。コンピュータ601は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置よりユーザが入力した指示を受け付け、指示に応じた信号を制御部600へ送信する。また、コンピュータ601は、制御部600から各種信号を受信し、受信信号に応じた情報をディスプレイ、タッチパネル等の出力装置に表示する。
以上のように駆動制御部500は、制御部600から受信するインク吐出周期信号に基づき、駆動電圧(駆動波形)を生成し、生成した駆動電圧を用いてヘッド100を駆動する。ヘッド100は、駆動制御部500からの駆動電圧に応じてノズル孔102を開閉し、インクを吐出する。
加圧機構200は、制御部600から受信する切替信号に基づき、コンプレッサ205(またはエアレギュレータ204)のオンオフ切替を行い、ヘッド100の液室114に供給されるインク10に対して加圧状態と非加圧状態とを切り替える。
ヘッド移動機構300は、制御部600から受信する移動信号に基づき、駆動装置302を所定の方向へ所定の距離だけ駆動し、ヘッド保持部材301を介してヘッド100を所望の位置へ移動させる。
排液弁402は、制御部600から受信する排液弁開閉信号に基づき開閉し、インク10の排出を規制する。
[ヘッドの動作について]
次に、ヘッドの動作について図5を用いて説明する。
駆動制御部500から圧電素子132に対して駆動電圧が印加された場合、圧電素子132に閉鎖電圧が印加された状態では図5(a)に示すように、弁部材130はノズル板101に当接した位置にあり、弁部材130はノズル孔102を閉鎖する。このため、液室114内のインク10はノズル孔102から吐出されない。
圧電素子132に開放電圧が印加された状態では図5(b)に示すように、圧電素子132は収縮し、圧電素子132はニードル131を図において上方へ動かす。このニードル131の移動により、ニードル131に接合された弁部材130はノズル板101から離間する位置に移動し、弁部材130の先端部とノズル孔102との間に隙間Gが形成される。液室114内のインク10は、加圧機構200によって所定の圧力で加圧供給されているため、隙間Gの形成と共に液室114内のインク10はノズル孔102からインク滴10´となって吐出される。
このようにして、弁部材130は、駆動制御部500から圧電素子132に対して駆動電圧(閉鎖電圧、開放電圧)が印加された場合、ノズル板101に当接する位置と離間する位置との間(図5(b)矢印C方向)で移動し、弁部材130は、ノズル孔102を開閉する。
図6は、駆動電圧とニードルの動作との関係を示す説明図である。図6(a)は駆動電圧とニードルの開放量の関係を示す説明図、図6(b)は駆動電圧とニードルの開放時間の関係を示す説明図である。
駆動信号は、例えば、閉鎖電圧Vcおよび開放電圧Voによって規定された矩形波である。ここで、閉鎖電圧とは、ノズル孔102を閉鎖する位置にニードル131を移動させる際に圧電素子132に印加される駆動電圧とする。また、開放電圧とは、ノズル孔102を開放する位置にニードル131を移動させる際に圧電素子132に印加される駆動電圧とする。
図6(a)に示すように、圧電素子132に開放電圧Voが印加されると圧電素子132は収縮し、その収縮に伴いニードル131は距離Lだけ移動する。すなわちニードル131は、開放電圧Voの印加に基づき弁部材130をノズル板101から離間させる方向に移動する。弁部材130がノズル板101から離間し、弁部材130とノズル孔102との間に図5(b)に示したように隙間Gが形成されると、液室114内のインク10はノズル孔102から吐出可能な状態となる。
ニードル131の移動量(距離L)は、閉鎖電圧Vcと開放電圧Voの電位差|Vo-Vc|の値を変更することにより調整可能である。従って、開放電圧Voを実線で示された値から点線で示された値に変更し、電位差|Vo-Vc|の値を小さくした場合は、ニードル131が移動する距離Lも小さくなり、開放量は減少する。逆に、開放電圧Voを実線で示された値から一点鎖線で示された値に変更し、電位差|Vo-Vc|の値を大きくした場合は、ニードル131が移動する距離Lも大きくなり、開放量は増大する。
また、図6(b)に示すように、圧電素子132に開放電圧Voが印加されると圧電素子132は収縮し、ニードル131は開放電圧Voが印加される印加時間Toの期間だけノズル孔102を開放する。すなわちニードル131は、開放電圧Voの印加時間に基づき弁部材130をノズル板101から離間させた状態を維持する。
ニードル131を開放させておく時間は、開放電圧Voの印加時間Toの値を変更することにより調整可能である。従って、印加時間Toを実線で示された値から点線で示された値に変更し、印加時間Toの値を小さくした場合は、ニードル131の開放時間は短くなる。逆に、印加時間Toを実線で示された値から一点鎖線で示された値に変更し、印加時間Toの値を大きくした場合は、ニードル131の開放時間は長くなる。
以上のように開放電圧Voの値を変更してニードル131の開放量を補正し、開放電圧Voの印加時間Toの値を変更してニードル131の開放時間を補正する。これにより、ノズル孔102から吐出されるインク滴10´の吐出速度(Vj)および吐出量(Mj)を補正することが可能になる。
なお、閉鎖電圧Vcと開放電圧Voは、両者によって所定の電位差が形成されればよく、極性を反転させた駆動信号であってもよい。また、閉鎖電圧Vcまたは開放電圧Voの一方をゼロボルト(0V)としてもよい。
図7は、吐出速度および吐出量の補正効率の説明図である。図7(a)は吐出速度(Vj)の補正効率を示す説明図、図7(b)は吐出量(Mj)の補正効率を示す説明図である。
開放電圧Voを変更してニードル131の開放量を補正するとともに、開放電圧Voの印加時間Toを変更してニードル131の開放時間を補正することで、ノズル孔102からのインク滴の吐出速度(Vj)および吐出量(Mj)は補正することができる。
ところで、補正時における吐出量に対する吐出速度の変化量は、開放量を変更する場合(図7(a))と、開放時間を変更する場合(図7(b))とで異なる。すなわち、Vjを変更したい場合は、ニードル131の開放時間を変更するよりも、図7(a)のようにニードル131の開放量を変更する方がVjをダイナミックに変えることができ、補正効率の点で優れる。一方で、Mjを変更したい場合は、ニードル131の開放量を変更するよりも、図7(b)のようにニードル131の開放時間を変更する方がMjをダイナミックに変えることができ、補正効率の点で優れる。
開放量と開放時間は、共にVj,Mjの両パラメータに関与しているため、VjまたはMjのうちの一方のみを変えることはできないが、上記の補正効率を踏まえて補正を行うことで、Vj,Mjを狙いの条件に効率よく設定することが可能になる。
[Vj,Mjの補正方法について]
図8は、実施形態におけるVj,Mjの補正方法の一例を示す説明図である。
上述のように、補正時における吐出量に対する吐出速度の変化量は、開放量を変更する場合と、開放時間を変更する場合とで異なる。そこで、開放量を変えた場合と開放時間を変えた場合のそれぞれで吐出速度および吐出量の変化を予め求めておき、両者の変化量情報に基づき、開放量および開放時間の変更を行い、吐出速度と吐出量を狙いの条件に補正する。
図8は、吐出速度(Vj)と吐出量(Mj)を補正前の値(Mj2,Vj2)から狙いの条件(Mj1,Vj1)に補正する場合の例を示している。この例では、補正前の値(Mj2,Vj2)に対して、まず開放電圧Voと閉鎖電圧Vcとの電位差を小さくしてニードル131の開放量を減少させ、吐出速度をVjmまで下げる。ここで、吐出速度Vjmは、Vj2とVjmを結ぶ直線上に存在する値であるとともに、吐出量Mj1とMjmを結ぶ直線上に存在する値でもある。開放量は、Vj,Mjの両パラメータに関与するため、開放量の減少に伴い吐出量もMj2からMjmに変化(減少)するが、その変化量は吐出速度の変化量に比べて小さい。つまり、ここでは、吐出量(Mj)の変化が少ない状況下で開放電圧Voの電圧値の補正が実施され、ニードル131の開放量が補正される。このときの開放電圧Voの補正は、図4に示した開放電圧補正部502aによって行われる。これにより、補正前の値(Mj2,Vj2)は、補正中の値(Mjm,Vjm)に変更される。
次に、補正中の値(Mjm,Vjm)に対して、開放電圧Voの印加時間Toを短くしてニードル131の開放時間を減少させ、吐出量をMj1まで下げる。ここで、吐出量Mj1は、予め求めておいた、開放時間を変えた場合の吐出速度および吐出量の変化を表す直線上に存在する値でもある。そのため、開放時間の減少に伴い吐出速度もVjmからVj1に変化(減少)し、補正中の値(Mjm,Vjm)は狙いの条件(Mj1,Vj1)に補正される。このときの吐出速度の変化量は吐出量の変化量に比べて小さい。つまり、ここでは、吐出速度(Vj)の変化が少ない状況下で開放電圧Voの印加時間Toの補正が実施され、ニードル131の開放時間が補正される。このときの開放時間の補正は、図4に示した開放時間補正部502bによって行われる。
なお、補正前の値(Mj2,Vj2)は、インク滴のMj,Vjを測定して求める。測定方法としては、測定用の治具を用いて吐出させたインク滴からMj,Vjを実測する方法、テストパターンを印刷させてテストパターンからMj,Vjを求める方法等が挙げられる。後者の場合、Mjはテストパターン上のインク滴のドット径から予測し、Vjはインク滴が吐出されたタイミングをテストパターンから予測して簡易的に測定することが可能である。
図9は、実施形態におけるVj,Mjの補正方法の別の例を示す説明図である。本例は、図8の補正方法に対して、開放量を変更する工程と、開放時間を変更する工程の順序が異なる。
本例では、補正前の値(Mj2,Vj2)に対して、まず開放電圧Voの印加時間Toを短くしてニードル131の開放時間を減少させ、吐出量をMjnまで下げる。ここで、吐出量Mjnは、Mj2とMjnを結ぶ直線上に存在する値であるとともに、吐出速度Vj1とVjnを結ぶ直線上に存在する値でもある。開放時間は、Vj,Mjの両パラメータに関与するため、開放時間の減少に伴い吐出速度もVj2からVjnに変化(減少)するが、その変化量は吐出量の変化量に比べて小さい。これにより、補正前の値(Mj2,Vj2)は、補正中の値(Mjn,Vjn)に変更される。
次に、補正中の値(Mjn,Vjn)に対して、開放電圧Voと閉鎖電圧Vcとの電位差を小さくしてニードル131の開放量を減少させ、吐出速度をVj1まで下げる。ここで、吐出速度Vj1は、予め求めておいた、開放量を変えた場合の吐出速度および吐出量の変化を表す直線上に存在する値でもある。そのため、開放量の減少に伴い吐出量もMjnからMj1に変化(減少)し、補正中の値(Mjn,Vjn)は狙いの条件(Mj1,Vj1)に補正される。
以上のように、開放時間を変更する工程の後に開放量を変更する工程を実施した場合も、吐出速度と吐出量を狙いの条件に効率よく補正することができる。
図10は、実施形態におけるVj,Mjの補正方法の更なる別の例を示す説明図である。
図8および図9に示された例では、開放量を変更する工程と、開放時間を変更する工程を1回ずつ実施して、補正前の値(Mj2,Vj2)を狙いの条件(Mj1,Vj1)に補正したが、各工程の実施回数は1回に限る必要はない。例えば図10に示されるように、補正前の値と狙いの条件に基づき開放量(吐出速度Vj)および開放時間(吐出量Mj)の補正ならびに測定を繰り返し実施し、狙いの条件に補正するように構成してもよい。
[駆動情報管理テーブル]
図11は、駆動情報管理テーブルの一例を示す概念図である。駆動情報管理テーブルは、例えば上述の記憶部505に構築される。
駆動情報管理テーブルは、ヘッド100のノズル孔102から吐出させるインク滴10´が狙いとする条件を管理しており、駆動情報管理テーブルには、例えば、吐出量、吐出速度、開放電圧の電圧値、開放電圧の印加時間の対応関係が割り当てられる。
吐出量および吐出速度に関する情報は、使用する装置の仕様に基づいて決定される値であり、図8~図10に示した狙いの条件(Mj1,Vj1)となる値である。開放電圧の電圧値および印加時間は、狙いの吐出量および吐出速度を実現するための値であり、測定から得た情報等に基づき求めた値である。
駆動情報管理テーブルは、インクの材料、粘度等の仕様毎に、インクA,B,Cのように複数設けられてもよい。また、駆動情報管理テーブルは、インク仕様だけでなく、インクが塗布される対象物の材質や形状等の情報に紐づけて設けてもよい。
図12は、Vj,Mjの補正処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する補正処理は、例えば、ヘッドユニットHUの出荷時にヘッドユニット固有の吐出ばらつきを補正する目的で実施される。あるいは、ヘッドユニットHUが搭載される装置もしくはシステムに吐出速度および吐出量を測定する測定装置が備えられている場合は、当該装置もしくはシステムにおいて吐出動作の開始前に実施される。
Vj,Mjの補正処理は、まずインク滴の吐出速度(Vj)および吐出量(Mj)の測定が行われる(ステップS1)。Vj,Mjの測定は、測定用の治具を用いて吐出させたインク滴から実測する方法、テストパターンを印刷させてテストパターンからVj,Mjを求める方法等によって行われる。
ステップS1で測定されたVj,Mjの情報は、例えば、図3に示されたコンピュータ601に入力され、コンピュータ601は、受け付けた情報を制御部600に送信する。制御部600は、コンピュータ601から受信した情報に基づき、Vj,Mjの情報等を駆動制御部500に送信する。駆動制御部500は、制御部600から受信した情報と、記憶部505に格納された駆動情報管理テーブルの情報等に基づき、VjおよびMjが狙いの値であるかを判定する(ステップS2)。
ステップS2において「Yes」(Vj,Mjは狙いの値である)と判定された場合は、本処理を終了し、吐出動作の開始が可能となる。一方、「No」(Vj,Mjは狙いの値でない)と判定された場合は、駆動電圧生成部502はニードル131の開放電圧Voの電圧値を変更してニードル131の開放量を変更し、吐出速度Vjを主とした補正を実施する(ステップS3)。
次に、駆動電圧生成部502はニードル131の開放電圧Voの印加時間Toを変更してニードル131の開放時間を変更し、吐出量Mjを主とした補正を実施する(ステップS4)。ステップS4が完了したならば、処理はステップS1へ戻り、VjおよびMjが狙いの値になるまで処理が繰り返される。なお、ステップS3とステップS4の順序は入れ替えてもよい。
上述のように、本実施形態は、液体10を収容する液室114と、液室114内の液体10を吐出するノズル孔102と、液室114内に設けられるニードル131と、ニードル131をノズル孔102を閉鎖する位置およびノズル孔102を開放する位置に移動させる圧電素子132と、を有するヘッド100と、圧電素子132に、ノズル孔102を開放する位置にニードル131を移動させる開放電圧Voおよびノズル孔102を閉鎖する位置にニードル131を移動させる閉鎖電圧Vcを印加する駆動制御部500と、を備えるヘッドユニットHUの液体吐出方法であって、開放電圧Voならびにノズル孔102からの液体10の吐出速度Vjおよび吐出量Mjの情報に基づき開放電圧Voの電圧値を補正する開放電圧補正ステップと、当該情報に基づき開放電圧Voの印加時間Toを補正する開放時間補正ステップと、を有し、開放電圧補正ステップは、吐出量Mjの変化が少ない状況下で実施し、開放時間補正ステップは、吐出速度Vjの変化が少ない状況下で実施する。
また、上述のように、開放電圧補正ステップを実施後に、開放時間補正ステップを実施する。
さらに、開放電圧Voの情報と、ノズル孔102からの液体10の吐出速度Vjおよび吐出量Mjの情報とを格納した記憶部505を有し、開放電圧補正ステップおよび開放時間補正ステップは、記憶部505に格納された情報に基づき実施される。
これにより、液体の吐出条件(吐出速度Vj、吐出量Mj)を効率よく狙いの条件に設定することができる。
[ヘッドユニットの別の構成例]
図13を参照してヘッドユニットの別の構成例について説明する。図13は、実施形態に係るヘッドユニットの別の構成例を示す断面図であり、図13(a)はノズル孔を閉じた状態を示す断面図、図13(b)はノズル孔を開いた状態を示す断面図である。
本構成例は、ニードル131と圧電素子132との間に逆バネ機構134を備える点が図5に示したヘッドユニットの構成と異なる。従って、ここでは逆バネ機構134の構成および動作を中心に説明し、図5のヘッドユニットと同等の構成および機能を有する部材には同一符号を付し、説明は省略する。なお、本構成例では、圧電素子132として、開放電圧Voを印加するとノズル板101側へ伸長する伸縮特性を有する圧電素子を用いることとする。
逆バネ機構134は、適宜に変形可能なゴムや軟質樹脂等または薄い金属板等を成形加工することによって形成された弾性部材である。逆バネ機構134は、変形部134a、固定部134b、ガイド部134cおよび屈曲辺134dを備える。
変形部134aは、ニードル131の基端側の面(図13(a)ではニードル131の上側端面)に当接するようにして形成された断面略台形状を有する。固定部134bは、変形部134aと筐体110の内壁面に固定される。ガイド部134cは、固定部134bと圧電素子132とを連結する。屈曲辺134dは、台形状の変形部134aの長辺(台形の下底に相当)と固定部134bとを連結する。
上記のような構造を備えた逆バネ機構134は、圧電素子132に所定の開放電圧Voが印加されて圧電素子132が伸長すると、圧電素子132の伸長により、ガイド部134cがノズル孔102側(図13(b)の矢印a方向)に押される。この押される力に伴い、変形部134aをノズル孔102から遠ざかる方向(図13(b)の矢印b方向)に引き込む。すなわち、逆バネ機構134は、圧電素子132の伸びる力を、ニードル131を引き込む力に変換した上で、ニードル131へ伝達する。
本構成例に係るヘッド100は、圧電素子132へ電圧印加することにより、圧電素子132が伸び、それに伴い弁部材130がノズル孔102を開放し、ノズル孔102から液滴(インク滴)10´を吐出する。
本構成例のヘッドユニットHUにおいても、上述の補正処理により吐出速度Vjと吐出量Mjを狙いの条件に効率よく補正することができる。また、逆バネ機構134を備えたヘッド100は、逆バネ機構を備えないヘッドに比べて圧電素子132の少ない変位で大きな変位を得ることができる。
[応用例]
次に、図14を参照して応用例について説明する。図14は、応用例を示す説明図である。
図14に示すように、ヘッドモジュール700は、筐体710に複数(図14の例では8個)のヘッド100を備える。筐体710は、筐体710内にインク10を供給する供給口711と、供給口711と注入口713とをつなぐ供給路712と、液室714を挟んで注入口713の反対側に設けられた排出口715を有する。また、筐体710は、筐体710内のインク10を回収する回収口717と、回収口717と排出口715とをつなぐ回収路716を有する。
複数のヘッド100の基本的な構成は、図1および図5で説明したものと同様であり、図14では対応する要素について700番台の符号を用いている。また。複数のヘッド100は、図13に示した逆バネ機構を備えるヘッドによって構成してもよい。
本応用例では、8個のヘッド100が、それぞれのノズル孔702が一方向(図14では左右方向)に略等間隔で配列されるように設けられている。ヘッド100のそれぞれは、図中下部のノズル孔702からインク10を下方に吐出するように上下方向に延在して設けられている。
8個のヘッド100の配列方向の一方側(図14では左側)から他方側(図14では右側)にインク10が流れるように、各ヘッド100の液室714は、貫通して設けられている。
以上の構成において、各ヘッド100に対して上述の補正処理を実施することにより、ヘッド毎(ノズル孔毎)に吐出速度Vjと吐出量Mjを狙いの条件に効率よく補正することができる。
図15は、図14に示したヘッドモジュール700のように複数のノズル孔702を有する構成に対して用いられる駆動情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
駆動情報管理テーブルは、図11で説明した駆動情報管理テーブルと同様、例えば、記憶部505に構築される。駆動情報管理テーブルは、8チャネル(8個)のノズル孔702から吐出させるインク滴が狙いとする条件を管理しており、例えば、吐出量、吐出速度、開放電圧の電圧値、開放電圧の印加時間の対応関係がノズル毎に割り当てられる。吐出量、吐出速度、開放電圧の電圧値および印加時間等の各情報については、図11と同じなので説明は省略する。
駆動情報管理テーブルは、インクの材料、粘度等の仕様毎に、インクA,B,Cのように複数設けられてもよい。また、駆動情報管理テーブルは、インク仕様だけでなく、インクが塗布される対象物の材質や形状等の情報に紐づけて設けてもよい。
[塗布装置]
以下、上述のヘッドユニットを用いた塗布装置について説明する。
<塗装ロボットへの適用例>
図16は、実施形態に係る塗布装置の一例を示す概略構成図である。ここに例示した塗布装置は、自動車の車体を塗装する塗装ロボットである。
図16において塗装ロボット1000は、自動車の車体側面などの対象物Uに対向して設置している。塗装ロボット1000は、ベース1001、ベース1001と連結した第1アーム1002、第1アーム1002と連結した第2アーム1003、および第2アーム1003と連結したエンドエフェクタ1004を備える。また、塗装ロボット1000は、ベース1001と第1アーム1002を連結する第1ジョイント1005、第1アーム1002と第2アーム1003を連結する第2ジョイント1006、および第2アーム1003とエンドエフェクタ1004を連結する第3ジョイント1007を備える。
塗装ロボット1000は、例えば多関節ロボットであり、X,Y,Zの各方向を図のように表した場合、ベース1001はZ軸と平行な軸を回転軸とし、矢印a方向に旋回可能である。また、ベース1001は、第1ジョイント1005を介して第1アーム1002の一端部を支持し、第1アーム1002を、水平軸(XーY平面と平行な軸)を回転軸とし、矢印b方向に回動可能なように支持している。第1アーム1002の他端部は、第2ジョイント1006を介して第2アーム1003の一端部を支持し、第2アーム1003を、水平軸(XーY平面と平行な軸)を回転軸とし、矢印c方向に回動可能なように支持している。第2アーム1003は、矢印c方向の回転軸と直交する軸も備え、この直交する軸を回転軸とし、第2ジョイント1006に対して矢印d方向の回転も可能である。
第2アーム1003の他端部は、第3ジョイント1007を介してエンドエフェクタ1004を支持し、エンドエフェクタ1004を、水平軸(XーY平面と平行な軸)を回転軸とし、矢印e方向に回動可能なように支持している。エンドエフェクタ1004は、矢印e方向の回転軸と直交する軸も備え、この直交する軸を回転軸とし、第3ジョイント1007に対して矢印f方向の回転も可能である。
上記構成の塗装ロボット1000は、対象物Uに対してエンドエフェクタ1004を自由に動かし、エンドエフェクタ1004に取り付けられたヘッド100を、対象物Uの塗装を施す位置に正確に配置することができる。塗装位置に配置したヘッド100は、対象物Uに向けて液体の一例であるインクを吐出し、対象物Uを塗装する。
なお、本実施形態では、塗装ロボット1000を、対象物Uを挟んで両側に1台ずつ配置したシステム構成を例示したが、これに限るものではない。塗装ロボット1000の台数は、対象物Uの塗装面積、作業効率等を踏まえて適宜決めてよく、塗装ロボット1000は1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
また、対象物Uは、自動車に限るものではなく、航空機の機体、船舶の船体、鉄道車両の車体等、自動車以外の乗り物に適用することも可能である。また、塗装ロボット1000は、定置型のロボットに限るものではない。例えば、塗装ロボット1000は、遠隔操作や自律走行によって移動が可能なロボットであってもよく、移動型ロボットの場合、対象物Uは乗り物に限らず、建物の外壁塗装や、道路の路面標示(横断歩道、停止線、速度表示等)の塗装等への適用も可能になる。
<印刷装置への適用例>
図17および図18を用いて塗布装置の一例をもう1つ説明する。図17および図18に例示した塗布装置は印刷装置である。図17は、塗布装置の別の例におけるキャリッジ部分の斜視図、図18は、図17のキャリッジを搭載した印刷装置の一例を示す全体斜視図である。なお、図17は、図18に示した印刷装置800に搭載したキャリッジ801を対象物U側から見たものである。
キャリッジ801は、ヘッド保持体80を備える。また、キャリッジ801は、後述する第1のZ方向駆動部807からの動力によりZ軸レール804に沿ってZ方向(正側および負側)へ移動可能である。
ヘッド保持体80は、後述する第2のZ方向駆動部808からの動力によりキャリッジ801に対してZ方向(正側および負側)へ移動可能である。また、ヘッド保持体80はヘッドモジュール700を取り付けるためのヘッド固定板80aを備える。
本適用例では、図14で説明したヘッドモジュール700を、ヘッド固定板80aに6個取り付けた構成を例示しており、6個のヘッドモジュール700を積層状に並べて設けている。
ヘッドモジュール700は、それぞれ複数のノズル孔702を備えている。なお、ヘッドモジュール700で用いるインクの色の種類や数は、ヘッドモジュール700毎に異なる色としてもよいし、すべて同じ色としてもよい。例えば、印刷装置800が、単色を用いる装置である場合は、各ヘッドモジュール700で用いるインクは同色でよい。また、ヘッドモジュールの数は6つに限るものではない。6つより多くてもよく、また、6つより少なくてもよい。
ヘッドモジュール700は、図示のようにノズル列(8個のノズル孔702がなす列)が水平面(X-Z面)と交差し、かつ複数のノズル孔702の配列方向をX軸に対して傾けた状態でヘッド固定板80aに固定する。この状態でノズル孔702は、重力方向と交差する方向(Z方向正側)にインク滴を吐出する。
図18に示された印刷装置800は、対象物Uに対向させて設置される。印刷装置800は、X軸レール802と、このX軸レール802と交差するY軸レール803と、X軸レール802およびY軸レール803と交差するZ軸レール804を備える。
Y軸レール803は、X軸レール802がY方向(正側および負側)に移動可能なように、X軸レール802を保持する。また、X軸レール802は、Z軸レール804がX方向(正側および負側)に移動可能なように、Z軸レール804を保持する。そして、Z軸レール804は、キャリッジ801がZ方向(正側および負側)に移動可能なように、キャリッジ801を保持する。
印刷装置800は、キャリッジ801をZ軸レール804に沿ってZ方向へ動かす第1のZ方向駆動部807と、Z軸レール804をX軸レール802に沿ってX方向へ動かすX方向駆動部805とを備える。また、印刷装置800は、X軸レール802をY軸レール803に沿ってY方向へ動かすY方向駆動部806を備える。さらに、印刷装置800は、キャリッジ801に対してヘッド保持体80をZ方向へ動かす第2のZ方向駆動部808を備える。
印刷装置800は、キャリッジ801をX方向、Y方向およびZ方向に動かしながら、ヘッド保持体80に設けたヘッドモジュール700(図14参照)からインク滴を吐出し、対象物Uに印刷を行う。なお、キャリッジ801およびヘッド保持体80のZ方向の移動は、必ずしもZ方向に平行であることを意味するものではなく、少なくともZ方向の成分を含んでいれば斜めの移動であってもよい。
また、対象物Uの表面形状は、平面で図示されているが、車やトラックの車体、航空機の機体などのように鉛直に近い面、曲率半径の大きい面、もしくは多少の凹凸を有する面であってもよい。
なお、本発明において、液体は、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどが挙げられる。
これらは例えば、インクジェット用インク、塗装用塗料、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、塗布装置は、対象物Uに対してヘッドを動かす構成のものに限らない。ヘッドと対象物とは相対的に移動が可能であればよく、対象物をヘッドに対して動かす構成のものであってもよい。
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、液体を収容する液室(例えば液室114)と、前記液室内の液体を吐出するノズル孔(例えばノズル孔102)と、前記液室内に設けられる弁体(例えばニードル131)と、前記弁体を前記ノズル孔を閉鎖する位置および前記ノズル孔を開放する位置に移動させる駆動体(例えば圧電素子132)と、を有する液体吐出ヘッド(例えばヘッド100)と、前記駆動体に、前記ノズル孔を開放する位置に前記弁体を移動させる開放電圧(例えば開放電圧Vo)および前記ノズル孔を閉鎖する位置に前記弁体を移動させる閉鎖電圧(例えば閉鎖電圧Vc)を印加する駆動制御部(例えば駆動制御部500)と、を備えるヘッドユニット(例えばヘッドユニットHU)の液体吐出方法であって、前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報に基づき前記開放電圧の電圧値を補正する開放電圧補正ステップ(例えば図12のステップS3)と、前記情報に基づき前記開放電圧の印加時間を補正する開放時間補正ステップ(例えば図12のステップS4)と、を有し、前記開放電圧補正ステップは、前記吐出量の変化が少ない状況下で実施し、前記開放時間補正ステップは、前記吐出速度の変化が少ない状況下で実施することを特徴とするものである。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記開放電圧補正ステップ(例えば図12のステップS3)を実施後に、前記開放時間補正ステップ(例えば図12のステップS4)を実施することを特徴とするものである。
[第3態様]
第3態様は、第1態様または第2態様において、前記開放電圧(例えば開放電圧Vo)ならびに前記ノズル孔(例えばノズル孔102)からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報を格納した記憶手段(例えば記憶部505)を有し、前記開放電圧補正ステップ(例えば図12のステップS3)および前記開放時間補正ステップ(例えば図12のステップS4)は、前記記憶手段に格納された情報に基づき実施されることを特徴とするものである。
[第4態様]
第4態様は、液体を収容する液室(例えば液室114)と、前記液室内の液体を吐出するノズル孔(例えばノズル孔102)と、前記液室内に設けられる弁体(例えばニードル131)と、前記弁体を前記ノズル孔を閉鎖する位置および前記ノズル孔を開放する位置に移動させる駆動体(例えば圧電素子132)と、を有する液体吐出ヘッド(例えばヘッド100)と、前記駆動体に、前記ノズル孔を開放する位置に前記弁体を移動させる開放電圧(例えば開放電圧Vo)および前記ノズル孔を閉鎖する位置に前記弁体を移動させる閉鎖電圧(例えば閉鎖電圧Vc)を印加する駆動制御部(例えば駆動制御部500)と、を備えるヘッドユニット(例えばヘッドユニットHU)であって、前記駆動制御部は、前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報に基づき前記開放電圧の電圧値を補正する開放電圧補正手段(例えば開放電圧補正部502a)と、前記情報に基づき前記開放電圧の印加時間を補正する開放時間補正手段(例えば開放時間補正部502b)と、を備えることを特徴とするものである。
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記開放電圧補正手段(例えば開放電圧補正部502a)によって前記開放電圧の電圧値を補正した後に、前記開放時間補正手段(例えば開放時間補正部502b)によって前記開放電圧の印加時間を補正することを特徴とするものである。
[第6態様]
第6態様は、第4態様において、前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報を格納する記憶手段(例えば記憶部505)を備えることを特徴とするものである。
[第7態様]
第7態様は、第6態様において、前記記憶手段(例えば記憶部505)に格納された情報に基づき、前記開放電圧補正手段(例えば開放電圧補正部502a)は前記開放電圧の電圧値を補正し、前記開放時間補正手段(例えば開放時間補正部502b)は前記開放電圧の印加時間を補正することを特徴とするものである。
[第8態様]
第8態様は、第4乃至第7態様のいずれかにおいて、前記ノズル孔(例えばノズル孔102)を複数有することを特徴とするものである。
[第9態様]
第9態様は、第4乃至第8態様のいずれかのヘッドユニット(例えばヘッドユニットHU)を備え、対象物(例えば対象物U)に対して前記液体(例えばインク10)を塗布することを特徴とする塗布装置である。
10 インク
100 ヘッド
101 ノズル板
102 ノズル孔
113 注入口
114 液室
115 排出口
130 弁部材
131 ニードル(弁体の一例)
132 圧電素子(駆動体の一例)
134 逆バネ機構
500 駆動制御部
502 駆動電圧生成部
502a 開放電圧補正部(開放電圧補正手段の一例)
502b 開放時間補正部(開放時間補正手段の一例)
200 加圧機構
300 ヘッド移動機構
600 制御部
HU ヘッドユニット
U 対象物

Claims (9)

  1. 液体を収容する液室と、前記液室内の液体を吐出するノズル孔と、前記液室内に設けられる弁体と、前記弁体を前記ノズル孔を閉鎖する位置および前記ノズル孔を開放する位置に移動させる駆動体と、を有する液体吐出ヘッドと、
    前記駆動体に、前記ノズル孔を開放する位置に前記弁体を移動させる開放電圧および前記ノズル孔を閉鎖する位置に前記弁体を移動させる閉鎖電圧を印加する駆動制御部と、
    を備えるヘッドユニットの液体吐出方法であって、
    前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報に基づき前記開放電圧の電圧値を補正する開放電圧補正ステップと、
    前記情報に基づき前記開放電圧の印加時間を補正する開放時間補正ステップと、
    を有し、
    前記開放電圧補正ステップは、前記吐出量の変化が少ない状況下で実施し、
    前記開放時間補正ステップは、前記吐出速度の変化が少ない状況下で実施する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  2. 前記開放電圧補正ステップを実施後に、前記開放時間補正ステップを実施することを特徴とする請求項1記載の液体吐出方法。
  3. 前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報を格納した記憶手段を有し、前記開放電圧補正ステップおよび前記開放時間補正ステップは、前記記憶手段に格納された情報に基づき実施されることを特徴とする請求項1記載の液体吐出方法。
  4. 液体を収容する液室と、前記液室内の液体を吐出するノズル孔と、前記液室内に設けられる弁体と、前記弁体を前記ノズル孔を閉鎖する位置および前記ノズル孔を開放する位置に移動させる駆動体と、を有する液体吐出ヘッドと、
    前記駆動体に、前記ノズル孔を開放する位置に前記弁体を移動させる開放電圧および前記ノズル孔を閉鎖する位置に前記弁体を移動させる閉鎖電圧を印加する駆動制御部と、
    を備えるヘッドユニットであって、
    前記駆動制御部は、
    前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報に基づき前記開放電圧の電圧値を補正する開放電圧補正手段と、
    前記情報に基づき前記開放電圧の印加時間を補正する開放時間補正手段と、
    を備えることを特徴とするヘッドユニット。
  5. 前記開放電圧補正手段によって前記開放電圧の電圧値を補正した後に、前記開放時間補正手段によって前記開放電圧の印加時間を補正することを特徴とする請求項4記載のヘッドユニット。
  6. 前記開放電圧ならびに前記ノズル孔からの前記液体の吐出速度および吐出量の情報を格納する記憶手段を備えることを特徴とする請求項4記載のヘッドユニット。
  7. 前記記憶手段に格納された情報に基づき、前記開放電圧補正手段は前記開放電圧の電圧値を補正し、前記開放時間補正手段は前記開放電圧の印加時間を補正することを特徴とする請求項6記載のヘッドユニット。
  8. 前記ノズル孔を複数有することを特徴とする請求項4記載のヘッドユニット。
  9. 請求項4乃至8のいずれか一項に記載のヘッドユニットを備え、対象物に対して前記液体を塗布することを特徴とする塗布装置。
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