JP2024057404A - 異音診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両で発生した異音が当該車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであるか否かを精度よく判断可能にする。【解決手段】本開示の異音診断システムは、車両から発せられる音のデータと、車両で発生した異音に関する問診情報とを取得する端末と、端末からの音のデータおよび問診情報に基づいて車両で発生した異音を診断する情報処理装置とを含む異音診断システムであり、端末は、情報処理装置によって車両で発生した異音が当該車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであると診断されたときに、異音低減制御の制御信号の変化態様と、制御信号の出力に同期して取得される音のデータの変化態様とを表示部に表示させることができる。【選択図】図1

Description

本開示は、車両で発生する異音を診断する異音診断システムに関する。
従来、エンジン、第1回転電機および第2回転電機が接続される歯車列を有する変速機構を含むハイブリッド車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車両の制御装置は、歯車列の異音発生条件を満たすか否かを判定し、当該異音発生条件を継続して満たす期間である滞留時間が所定値を超えたときに歯車列へ押当トルクを与えるように第1回転電機を制御する。また、当該制御装置は、異音発生条件を満たさないとき、および滞留時間が所定値以内のときに歯車列に押当トルクが与えられないようにする。これにより、ハイブリッド車両において、ユーザにとって違和感のある歯車列における異音の発生を抑制しつつ、エンジン始動時におけるショックの発生を招くおそれのあるクランク角度の移動を抑制することができる。
特開2016-222090号公報
ここで、上述の歯打ち音といったような本来車両で実行される異音低減制御(押当トルクの付与)により低減されるべき異音が発生した場合、当該車両では多様な音が発生することから、実際に認識された異音が異音低減制御により本来低減されるべきものであるか否かを聴覚や異音の発生タイミングにおける車両状態等に基づいて判断するのは容易ではない。
そこで、本開示は、車両で発生した異音が当該車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであるか否かを精度よく判断可能にすることを主目的とする。
本開示の異音診断システムは、車両から発せられる音のデータと、前記車両で発生した異音に関する問診情報とを取得する端末と、前記端末からの前記音のデータおよび前記問診情報に基づいて前記車両で発生した前記異音を診断する情報処理装置とを含む異音診断システムであって、前記端末は、前記情報処理装置によって前記車両で発生した前記異音が前記車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであると診断されたときに、前記異音低減制御の制御信号の変化態様と、前記制御信号の出力に同期して取得される音のデータの変化態様とを表示部に表示させることができるものである。
本開示の異音診断システムでは、情報処理装置によって車両で発生した異音が当該車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであると診断されたときに、端末が、異音低減制御の制御信号の変化態様と、当該制御信号の出力に同期して取得される音のデータの変化態様とを表示部に表示させる。これにより、異音診断システムのユーザは、表示部に表示される制御信号の変化に対する音のデータの変化から、車両で発生した異音が異音低減制御により低減されるべきものであるか否かを精度よく判断することが可能になる。
また、前記車両は、電動機を含むものであってもよく、前記異音低減制御は、前記電動機に前記異音の発生を抑制するためのトルクを出力させるものであってもよい。
更に、前記車両は、エンジンと、複数の歯車を有すると共に前記エンジンおよび前記電動機に連結される動力伝達機構を含むものであってもよく、前記異音は、前記動力伝達機構で発生する歯打ち音であってもよく、前記異音低減制御は、前記電動機に前記歯車同士のガタを詰めるための押し当てトルクを間欠的に出力させるものであってもよい。
かかる態様では、表示部で電動機から押し当てトルクが出力されないときの音のデータの変化を確認することで、車両で発生した異音が当該車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであるか否かを精度よく判断することが可能になる。
また、前記端末は、前記表示部、前記音のデータを取得する音取得部、および前記問診情報を取得する問診情報取得部を含むと共に、前記情報処理装置と通信により情報をやり取りする携帯端末であってもよい。
これにより、音のデータを容易に取得可能にすると共に携帯端末の負荷を減らし、より精度のよい診断結果を診断装置から得ることができる。
更に、前記情報処理装置は、与えられた情報に基づいて前記異音の原因を診断するように機械学習により構築された診断部を含むものであってもよい。
本開示の異音診断システムを示す概略構成図である。 本開示の異音診断システムを構成する情報処理装置により実行される一連の処理を示すフローチャートである。 本開示の異音診断システムを構成する端末の表示部に表示される異音の診断結果を例示する説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の異音診断システム1を示す概略構成図である。同図に示す異音診断システム1は、動力発生源としてエンジンのみを搭載した車両や、電気自動車(BEV,FCEV)、図1に示すようなハイブリッド車両(HEV,PHEV)である車両Vで発生した異音の原因を診断するためのものである。車両Vは、エンジン(内燃機関)EGと、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分配用のプラネタリギヤPG、カウンタドライブギヤGa、カウンタドリブンギヤGbおよびファイナルドライブギヤ(ドライブピニオンギヤ)Gcを含む動力伝達機構TMとを含む。
車両VのプラネタリギヤPGは、サンギヤPsと、リングギヤPrと、複数のピニオンギヤPpを回転自在に支持するプラネタリキャリヤPcとを含む差動回転機構である。図1に示すように、サンギヤPsは、モータジェネレータMG1のロータに連結され、プラネタリキャリヤPcは、ダンパ機構DDを介してエンジンEGのクランクシャフトに連結される。また、リングギヤPrは、動力伝達機構TMのカウンタドライブギヤGa(出力部材)と同軸かつ一体に回転する。更に、動力伝達機構TMのファイナルドライブギヤGcは、デファレンシャルギヤDFのデフリングギヤDrに噛合し、当該デファレンシャルギヤDFおよびドライブシャフトDSを介して左右の車輪(駆動輪)に連結される。
かかる車両Vでは、エンジンEGが実質的にトルクを出力しないようにアイドル運転(自立運転)されるときに、エンジンEGの回転変動により動力伝達機構TMにおける入力側のギヤ歯が出力側のギヤ歯に当たって歯打ち音が発生するおそれがある。このため、車両Vでは、エンジンEGがアイドル運転されるときに、異音低減制御として、モータジェネレータMG1に動力伝達機構TMの互いに噛合するギヤ同士のガタを詰めるための押し当てトルクを間欠的に出力させる押し当て制御が実行される。
図1に示すように、異音診断システム1は、携帯端末10と、当該携帯端末10と通信により情報をやり取り可能な情報処理装置としてのサーバ20とを含む。携帯端末10は、異音が発生した車両V等のユーザ(所有者)への応対や、車道あるいはテストベンチ上で車両V等を走行(作動)させて異音を再現する再現テストの実行に際して、車両販売店や整備工場等の作業者(異音診断システム1のユーザ)により利用されるものである。本実施形態において、携帯端末10は、SoC、ROM、RAM、補助記憶装置(フラッシュメモリ)M、タッチパネル式の表示部11、有線または無線通信を介してサーバ20や車両V等の図示しない電子制御装置(ECU)と各種情報をやり取り可能な通信モジュール12、図示しないマイクロフォン等を含むスマートフォンである。また、携帯端末10には、異音診断支援アプリケーション(プログラム)がインストールされる。そして、携帯端末10は、図1に示すように、それぞれ異音診断支援アプリケーション(ソフトウェア)と、携帯端末10のSoCといったハードウェアとの協働により構築される、問診情報取得部13、音取得部14、車両状態取得部15、演算処理部16、抽出部17および表示制御部18を含む。
問診情報取得部13は、表示部11を介して、車両V等のユーザ等から提供される異音発生時における車両V等の状態を示す情報(以下、「問診情報」という。)を取得する。問診情報は、車両型式、車両識別番号(車台番号)等を含む車両識別情報、ご用命事項、発生日時、発生頻度、異音の発生箇所、音の種類(擬音語)、車速等の車両V等の走行に際して変化する物理量、車両V等の運転状態、エンジン搭載車両における暖機影響、車両V等の運転中に運転者により選択される選択項目、車両V等の走行環境情報等を含み、上記作業者または車両V等のユーザ等により入力される。音取得部14は、作業者により再現テストが実行される際に音(音圧)の時間軸データを取得する。車両状態取得部15は、再現テストが実行される際に音取得部14による音の時間軸データの取得に同期して車両V等の状態を示す情報(以下、「車両状態データ」という。)を取得する。車両状態データは、問診情報の項目に対応した複数の物理量(車速、エンジン回転数等)を含む。演算処理部16は、音取得部14により取得された音の時間軸データの解析処理を実行する。抽出部17は、作業者の選択等に応じた演算処理部16による解析結果の絞り込み等を実行する。表示制御部18は、表示部11を制御する。
異音診断装置としてのサーバ20は、CPU、ROM、RAM、入出力装置、通信モジュール等を含むコンピュータ(情報処理装置)であり、例えば上記車両V等を製造する自動車製造者により設置・管理される。サーバ20には、CPU等のハードウェアと、予めインストールされた異音診断アプリケーションとの協働により、車両V等で発生した異音を診断する異音診断部21が構築されている 異音診断部21は、携帯端末10により取得された問診情報や音の時間軸データ等に基づいて車両V等で発生した異音の原因や異音の発生源となった部品を診断するように教師あり学習(機械学習)により構築されたニューラルネットワーク(畳み込みニューラルネットワーク)を含む。また、サーバ20では、車両V等での新たな異音の発生が判明した場合、当該新たな異音について取得された音の時間軸データや上記問診情報の各項目の内容等を教師データとする異音診断部21の再学習が実行される。
更に、サーバ20は、車両型式ごとに、当該車両で発生することが判明している複数の異音についての情報を格納した異音データベースを記憶する記憶装置22を含む。異音データベースは、複数の異音の各々に、音の時間軸データ、異音の発生原因、発生源となる部品、ユーザ等から提供された問診情報の内容、異音を解消するための対策といった情報を紐付けして格納するものである。また、サーバ20は、車両Vを含む多数の車両から取得される情報や、自動車製造者(開発者等)、車両販売店、整備工場等から送信される新たに判明した異音に関する情報(レポート)等に基づいて異音データベースを更新する。なお、異音診断部21を構築するための技術としては、例えば、次の(1)-(5)の論文に記載されたもの、またはそれらの組み合わせを利用することができる。
(1)Unsupervised Filterbank Learning Using Convolutional Restricted Boltzmann Machine for Environmental Sound Classification
(2)LEARNING FROM BETWEEN-CLASS EXAMPLES FOR DEEP SOUND RECOGNITION
(3)Novel Phase Encoded Mel Filterbank Energies for Environmental Sound Classification
(4)Knowledge Transfer from Weakly Labeled Audio using Convolutional Neural Network for Sound Events and Scenes
(5)Novel TEO-based Gammatone Features for Environmental Sound Classification
続いて、図2および図3を参照しながら、異音診断システム1による車両Vで発生した異音の診断手順について説明する。
車両販売店や整備工場等の作業者は、車両Vのユーザ等からの異音の解消を依頼されると、当該ユーザ等から問診情報を聞き取った上で、異音の診断に必要な情報を取得すべく再現テストを実行する。再現テストの実行に際し、作業者は、携帯端末10を車両Vの電子制御装置に接続し、携帯端末10または当該携帯端末10に接続された外部マイクロフォンを車両Vの適所に載置または固定する。また、作業者は、異音診断支援アプリケーションを起動させると共に、車両Vのスタートスイッチをオンする。これに伴い、携帯端末10は、車両Vの車両識別番号あるいは車台番号といった情報を当該電子制御装置から取得する。更に、作業者は、表示部11に表示される録音開始ボタンをタップすると共に、車道や試験台上で車両Vを走行(作動)させ、当該車両Vのユーザ等からの問診情報に基づいて異音が発生した走行状態を再現する。
車両Vが走行(作動)する間、携帯端末10の音取得部14は、車両Vから発せられる音の時間軸データを所定時間(微小時間)おきに取得して補助記憶装置Mに記憶させ、車両状態取得部15は、音取得部14による音の時間軸データの取得に同期して車両Vの電子制御装置から所定時間(微小時間)おきに、車両Vのユーザ等からの問診情報に応じて作業者により指定された車両状態データを取得して補助記憶装置Mに記憶させる。作業者が表示部11に表示される録音停止ボタンをタップすると、音の時間軸データおよび車両状態データの取得が完了する。
再現テストの終了後、演算処理部16は、音の時間軸データにSTFT(Short-Time Fourier Transform)を施して、時間と周波数と音圧との関係を示すスペクトログラム(音響スペクトログラム)を取得し、表示制御部18は、当該スペクトログラムを表示部11に表示させる。本実施形態において、スペクトログラムは、横軸を時間軸とし、縦軸を周波数軸とし、音圧レベルを色分けすることにより周波数ごとに時間と音圧レベルとの関係を示すカラーマップである。また、作業者は、表示部11で、スペクトログラムのうちの異音診断部21(サーバ20)により診断(解析)されるべき範囲(以下、「診断範囲」という。)を選択(指定)する。更に、作業者は、表示部11に表示される入力画面に問診情報を入力する。そして、作業者が表示部11に表示される情報送信ボタンをタップすると、携帯端末10の通信モジュール12から異音の診断に必要な情報がサーバ20へと送信される。本実施形態において、携帯端末10からサーバ20へと送信される情報は、音取得部14により取得された音の時間軸データと、車両状態取得部15により取得された車両状態データと、問診情報と、作業者により選択された診断範囲を規定する情報とを含む。
図2は、携帯端末10からの情報の受信に応じて、サーバ20の異音診断部21により実行される一連の処理を示すフローチャートである。
図2に示すように、サーバ20の異音診断部21は、携帯端末10からの音の時間軸データ、車両状態データ、問診情報および診断範囲を規定する情報を取得し(ステップS100)、これらの情報に基づいて上記ニューラルネットワークにより車両Vで発生した異音の原因を診断する(ステップS110)。ステップS110にて得られる診断結果には、異音名や異音の発生源となった部品等が含まれる。更に、異音診断部21は、ステップS110にて得られた異音名等に基づいて、車両Vで発生した異音が当該車両Vで実行される異音低減制御により低減されるべきものであるか否かを判定する(ステップS120)。
車両Vで発生した異音が異音低減制御により低減されるべきものであると判定した場合(ステップS120:YES)、異音診断部21は、当該異音に対応した異音低減制御に関する情報と、当該異音が発生したときのサンプル異音データ(時間軸データ)とを記憶装置22から取得する(ステップS130)。例えば、ステップS110にて得られた異音名が、上記押し当て制御により低減される“エンジンEGのアイドル運転時における歯打ち音”である場合、ステップS130において、異音診断部21は、異音低減制御が押し当て制御である旨、およびエンジンEGのアイドル運転時に歯打ち音が発生したときのサンプル異音データを記憶装置22から取得する。また、車両Vで発生した異音が異音低減制御により低減されるべきものではないと判定された場合(ステップS120:NO)、ステップS130の処理はスキップされる。
ステップS120またはS130の処理の後、異音診断部21は、ステップS110における診断結果等に基づいて最終的な診断結果を作成する(ステップS140)。異音診断部21による最終的な診断結果には、異音名、異音の発生源となった部品、異音の原因、および記憶装置22から読み出された当該異音を解消するための対策等が含まれる。また、ステップS130の処理が実行された場合、異音診断部21による最終的な診断結果には、異音低減情報に関する情報(例えば、上記押し当て制御の実行による検証の推奨、およびその手順)とサンプル異音データとが含まれる。更に、異音診断部21は、ステップS160にて作成した結果を携帯端末10に送信し、図2における一連の処理を終了させる。
サーバ20からの診断結果が携帯端末10により受信されると、表示部11に当該診断結果が表示される。これにより、作業者は、サーバ20からの診断結果を車両Vのユーザ等に的確に説明して速やかに異音対策を進めていくことができる。また、例えば、サーバ20の異音診断部21により車両Vで発生した異音がアイドル運転時における歯打ち音であると診断された場合、作業者は、サーバ20からのサンプル異音データと、先の再現テストで取得された音の時間軸データとを携帯端末10に再生させて両者を比較したり、サンプル異音データと、実際に車両Vから発せられる音とを比較したりして、サーバ20による診断結果を検証することができる。更に、サーバ20の異音診断部21により車両Vで発生した異音が異音低減制御により低減されるべきものであると診断された場合、作業者は、サーバ20からの診断結果に含まれる異音低減制御の情報に従ってサーバ20による診断結果を検証することができる。
サーバ20による診断結果の検証に際し、作業者は、別途用意されている診断作業ツールがインストールされたパーソナルコンピュータ等の端末(携帯端末10とは異なる端末)を車両Vの電子制御装置にケーブル(ドングル)を介して接続する。診断作業ツールは、車両Vの電子制御装置による異音低減装置の実行を無効にした状態で、押し当て制御といった異音低減制御の制御信号を外部から車両Vに出力可能なものである。また、作業者は、当該端末に近距離無線通信あるいはケーブルを介して携帯端末10を接続すると共に、携帯端末10に接続された外部マイクロフォンを車両Vのエンジンコンパートメント等に固定する。そして、作業者は、車両Vのスタートスイッチをオンし、診断作業ツールをおよび携帯端末10を用いた再現テストを実行する。
サーバ20により車両VでエンジンEGのアイドル運転時に歯打ち音が発生していると診断されている場合、再現テストは、エンジンEGがアイドル運転された状態で診断作業ツールから制御信号を出力してモータジェネレータMG1に上記押し当てトルクを出力させるものとなる。また、再現テストが実行される間、診断作業ツールから携帯端末10の通信モジュール12に制御信号の出力状態(押し当てトルクの出力状態)を示す信号が送信され、携帯端末10の音取得部14は、診断作業ツールからの制御信号の出力に同期して外部マイクロフォンからの音の時間軸データを取得する。そして、表示制御部18は、図5に示すように、異音低減制御の制御信号の信号波形(変化態様)と、音取得部14により取得された音の時間軸データの音圧波形(変化態様)とを表示部11に時間軸を一致させた状態で表示させる。
これにより、作業者(異音診断システム1のユーザ)は、表示部11に表示される異音低減制御の制御信号の変化に対する音圧(音の時間軸データ)の変化から、車両Vで発生した異音(例えば、アイドル運転時の歯打ち音)が当該異音低減制御(例えば、押し当て制御)により低減されるべき歯打ち音であるか否かを精度よく判断することが可能になる。すなわち、サーバ20により車両VでエンジンEGのアイドル運転時に歯打ち音が発生していると診断された場合、異音低減制御としての押し当て制御は、図3に示すように、モータジェネレータMG1にギヤ同士のガタを詰めるための押し当てトルクを間欠的に出力させるものであることから、表示部11でモータジェネレータMG1から押し当てトルクが出力されないときの音圧の変化を確認することで、車両Vで発生した異音が当該車両Vで実行される押し当て制御により低減されるべき歯打ち音であるか否かを精度よく判断することが可能になる。図3に示す例では、モータジェネレータMG1から押し当てトルクが出力されないときの音圧(振幅)が大きくなっているので、押し当てトルクの付与にも拘わらず、エンジンEGのアイドル運転時に何らかの異常により歯打ち音が発生していると判断されることになる。
また、異音診断システム1は、表示部11、問診情報を取得する問診情報取得部13、および音の時間軸データを取得する音取得部14を含むと共に、サーバ20と通信により情報をやり取りする携帯端末10を含む。これにより、音の時間軸データを容易に取得可能にすると共に携帯端末10の負荷を減らし、より精度のよい診断結果をサーバ20から得ることができる。ただし、携帯端末10にインストールされる異音診断支援アプリケーションは、タブレット端末や、ラップトップ型またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等にインストールされてもよく、当該タブレット端末等が携帯端末10の代わりに使用されてもよい。また、異音診断システム1は、パーソナルコンピュータ等の単一の情報処理装置により構成されてもよい。
更に、図2のステップS120にて判定の対象となる異音は、押し当て制御により低減されるべきエンジンEGのアイドル運転時における歯打ち音に限られるものではなく、所定の異音低減制御により低減され得るものであれば、例えばエンジンの可変バルブタイミング機構で発生する異音等であってもよい。また、異音低減制御は、モータジェネレータMG1等からトルクを出力させるものには限られず、例えば電子制御式のスロットルバルブの開度を調整するもの等であってもよい。従って、異音低減制御の制御信号の信号波形(変化態様)と音の時間軸データの音圧波形との比較によるサーバ20の診断結果の検証は、エンジン、モータジェネレータMG1およびMG2並びに動力伝達機構TMを含む車両Vのみならず、エンジン、モータジェネレータおよび変速機を含む1モータ式のハイブリッド車両や、動力発生源としてエンジンのみを搭載した車両、電気自動車においても実施され得る。
また、サーバ20からの診断結果に応じて再現テストを実施する際には、上記診断作業ツールを用いる代わりに、携帯端末10からサーバ20に異音低減制御の制御信号の送信を要求して、当該サーバ20から車載通信機に送信される制御信号により異音低減制御の制御対象を作動させてもよい。更に、上記診断作業ツールが携帯端末10にインストールされてもよく、この場合、当該携帯端末10から制御信号を出力して異音低減制御の制御対象を作動させてもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、車両で発生する異音の診断に極めて有用である。
1 異音診断システム、10 携帯端末、11 表示部、12 通信モジュール、13 問診情報取得部、14 音取得部、15 車両状態取得部、16 演算処理部、17 抽出部、18 表示制御部、20 サーバ(情報処理装置)、21 異音診断部、22 記憶装置、Ga カウンタドライブギヤ、Gb カウンタドリブンギヤ、Gc ファイナルドライブギヤ、MG1,MG2 モータジェネレータ、PG プラネタリギヤ、TM 動力伝達機構、V 車両。

Claims (5)

  1. 車両から発せられる音のデータと、前記車両で発生した異音に関する問診情報とを取得する端末と、前記端末からの前記音のデータおよび前記問診情報に基づいて前記車両で発生した前記異音を診断する情報処理装置とを含む異音診断システムであって、
    前記端末は、前記情報処理装置によって前記車両で発生した前記異音が前記車両で実行される異音低減制御により低減されるべきものであると診断されたときに、前記異音低減制御の制御信号の変化態様と、前記制御信号の出力に同期して取得される音のデータの変化態様とを表示部に表示させることができる異音診断システム。
  2. 請求項1に記載の異音診断システムにおいて、
    前記車両は、電動機を含み、前記異音低減制御は、前記電動機に前記異音の発生を抑制するためのトルクを出力させる異音診断システム。
  3. 請求項2に記載の異音診断システムにおいて、
    前記車両は、エンジンと、複数の歯車を有すると共に前記エンジンおよび前記電動機に連結される動力伝達機構を含み、
    前記異音は、前記動力伝達機構で発生する歯打ち音であり、
    前記異音低減制御は、前記電動機に前記歯車同士のガタを詰めるための押し当てトルクを間欠的に出力させる異音診断システム。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の異音診断システムにおいて、
    前記端末は、前記表示部、前記音のデータを取得する音取得部、および前記問診情報を取得する問診情報取得部を含むと共に、前記情報処理装置と通信により情報をやり取りする携帯端末である異音診断システム。
  5. 請求項1から3の何れか一項に記載の異音診断システムにおいて、
    前記情報処理装置は、与えられた情報に基づいて前記異音の原因を診断するように機械学習により構築された診断部を含む異音診断システム。
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