JP2024057380A - ワーク保持装置、及び、変位センサ - Google Patents

ワーク保持装置、及び、変位センサ Download PDF

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Abstract

【課題】 環境に依らず変位を測定できる、ワーク保持装置及び変位センサの提供。【解決手段】ワークを載置する回転テーブルと、上記回転テーブルと一体に回転軸を中心に回転する回転駆動軸と、上記回転駆動軸に配置された磁性体と、上記磁性体に対向し、上記磁性体との距離に応じて自己インダクタンスが変化する変位センサと、を有する、ワーク保持装置。【選択図】 図2

Description

本発明は、ワーク保持装置、及び、変位センサに関する。
ワークを吸着保持して回転させるワーク保持装置を有し、位置決め機構によって、ワークとの相対的な位置が調整された工具によって加工(研削加工等)を行う工作機械が知られている。
このような工作機械において、加工応力の変化等によって、ワーク保持装置の回転軸が変位することで、加工精度が低下したり、工具の寿命が短くなったりすることがあり、加工応力をダイナミックに計測すべき要望がある。
このような加工応力を検知するセンサとして、例えば、特許文献1に記載のセンサがある。
特開2017-72602号公報
ワーク保持装置の回転軸のように複雑な構造を有する物体に、圧電素子やひずみゲージを設置して加工応力を計測する場合、加えられた力の方向により感度が異なること(感度の方向依存性)等を考慮した設計が必要となる。すなわち、センサ等の配置方法、及び、固定方法(接着条件)等の最適化が必要となる。
また、圧電素子やひずみゲージを応力検出箇所に設置や接着して使用すると、繰り返し応力等の疲労で性能が変化する。また、加工環境によっては、クーラント等の侵入や結露等でセンサ性能が変化したり、接着がはがれたりする懸念もある。
圧電素子や歪ゲージでは、温度変化により出力がドリフトする。静電容量センサも設置条件やセンサ構造により熱膨張係数(Coefficient of thermal expansion:CTE)計測への影響があり、出力の差動をとるなどの対策がとられている。また、静電容量センサでは、極板等の容量変化部への異物の侵入などによる耐環境性にも配慮が必要である。
本発明の実施形態に係る加工装置、ワーク保持装置、及び変位センサは、加工中の熱の影響や耐環境性に配慮し、加工応力の変化に起因する回転軸の変位を正確又は高精度に測定できる。そのため、実施形態に係る加工装置、ワーク保持装置、及び変位センサは、回転軸の変位の測定値から加工応力を評価することができる。
そこで、本発明に係る実施形態は、環境に依らず変位を測定できる、ワーク保持装置及び変位センサを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
[1] ワークを載置する回転テーブルと、上記回転テーブルと一体に回転軸を中心に回転する回転駆動軸と、上記回転駆動軸に配置された磁性体と、上記磁性体に対向し、上記磁性体との距離に応じて自己インダクタンスが変化する変位センサと、を有する、ワーク保持装置。
[2] 上記磁性体は、第1磁性体と、第2磁性体とを有し、上記変位センサは、第1変位センサと、第2変位センサとを有し、上記第1変位センサは、第1方向への第1変位又は第2方向への第2変位を検出し、上記第2変位センサは、上記第1方向及び上記第2方向に交差する第3方向の第3変位を検出する、[1]に記載のワーク保持装置。
[3] 上記回転駆動軸は、上記回転テーブルに接続される第1フランジと、上記第1フランジから上記第3方向に延出する軸部とを有し、上記第1磁性体は、上記第1フランジの外周部に配置される、[2]に記載のワーク保持装置。
[4] 上記第1変位センサは、上記第1方向又は上記第2方向において、上記第1磁性体に対向する、[3]に記載のワーク保持装置。
[5] 上記回転駆動軸は、上記軸部に設けられた第2フランジを有し、上記第2磁性体は、上記第2フランジに配置される、[4]に記載のワーク保持装置。
[6] 上記第2変位センサは、上記第3方向において、上記第2磁性体に対向する、[5]に記載のワーク保持装置。
[7] 上記回転駆動軸を回転可能に保持するベースを備え、上記第1変位センサ及び上記第2変位センサは、上記ベースに配置されている、[6]に記載のワーク保持装置。
[8] 上記変位センサは、筒状部材内に収納された、コイルと、仕切り板と、磁石と、付勢部材とを有し、上記仕切り板は、上記筒状部材の軸方向に摺動自在に配置され、上記コイルは、一方端が上記筒状部材の上記磁性体側の端部に固定され、他方端が上記仕切り板に固定され、上記仕切り板の摺動に応じて伸縮自在に配置され、上記磁石は、上記仕切り板に固定され、上記付勢部材は、上記コイルと反対側から上記仕切り板に付勢する、[1]乃至[7]のいずれかに記載のワーク保持装置。
[9] ワークを載置する回転テーブルと、上記回転テーブルと一体に回転軸を中心に回転する回転駆動軸と、上記回転駆動軸に配置された磁性体と、を有するワーク保持装置に設置される変位センサであって、筒状部材内に収納された、コイルと、仕切り板と、磁石と、付勢部材とを有し、上記仕切り板は、上記筒状部材の軸方向に摺動自在に配置され、上記コイルは、一方端が上記筒状部材の上記磁性体側の端部に固定され、他方端が上記仕切り板に固定され、上記仕切り板の摺動に応じて伸縮自在に配置され、上記磁石は、上記仕切り板に固定され、上記付勢部材は、上記コイルと反対側から上記仕切り板に付勢され、上記磁性体に対向して配置され、上記磁性体との距離に応じて自己インダクタンスが変化する変位センサ。
本発明によれば、環境に依らず変位を測定できる、ワーク保持装置及び変位センサが提供できる。
図1は、加工装置のワーク保持装置を拡大して示す概要図である。 図2は、加工装置のワーク保持装置の断面図である。 図3(A)は、XY変位センサを模式的に示す断面図であり、図3(B)は、-Z方向から観た場合のXY変位センサの斜視図である。 図4(A)は、回転駆動軸が基準状態である場合のXY変位センサの応答を示す模式図であり、図4(B)は、回転駆動軸の回転軸が基準位置から+X方向に所定量変位した場合の変位センサの応答を示す模式図であり、図4(C)は、回転駆動軸の回転軸が基準位置から-X方向に所定量変位した場合のXY変位センサの応答を示す模式図である。 図5は、交流電流が印加された抵抗(R)-コイル(L)直列回路の説明図である。 図6(A)は、基準状態におけるXY変位センサの状態と、コイルの電圧波形を示す説明図であり、図6(B)は、永久磁石がXY基準位置よりも+X方向にある場合の、XY変位センサの状態と、コイルの電圧波形を示す説明図であり、図6(C)は、永久磁石がXY基準位置よりも-X方向にある場合の、XY変位センサの状態と、コイルの電圧波形を示す説明図である。 図7(A)は、基準電圧波形であり、図7(B)は、回転軸が+X方向に変位した場合のコイル200Cの電圧波形を表す図であり、 図8は、+Z方向から検出器を観た場合の永久磁石に対向する複数のXY変位センサSc1の配置を示す平面図である。 図9は、永久磁石とZ変位センサとの位置関係を示す模式図である。 図10は、フランジ(回転駆動軸)の変位による、Z変位センサの状態の変化の説明図である。 図11(A)は、Z変位センサのコイルにかかる電圧波形を表す図であり、図11(B)は、Z変位センサのコイルにかかる電圧波形を表す図であり、図11(C)は、2つの電圧波形の差分である電圧波形を表す図であり、図11(D)は、温度変化によるドリフト後の電圧波形と電圧波形との差分による出力波形である電圧波形を表す図である。 図12は、+Z方向から観た永久磁石及びZ変位センサのコイルの配置の一例を示す模式図である。 図13(A)は、θ軸周りのトルク検知のための検出器Dc3の構成例を示す模式図であり、図13(B)は、θ軸周りのトルク検知のための検出器Dc3の構成例を示す模式図である。 図14は、曲げ応力の評価方法の説明図である。 図15は、本実施形態の加工装置の機能ブロック図である。 図16は、加工装置によるフィードバック制御方法の手順を示すフローチャートである。 図17(A)は、XY変位センサの模式的に示す断面図であり、図17(B)は、-方向から観た場合のXY変位センサの斜視図である。 図18(A)は、フランジを模式的に示す断面模図であり、図18(B)は、変形例2に係る永久磁石の変形例の平面図及び正面図である。 図19は、変形例3に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施例に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化した一例であって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、及び、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なることがある。
以下、実施例について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施例)
[加工装置]
図1は、加工装置1のワーク保持装置10を拡大して示す概要図である。
図1には、互いに交差するX軸、Y軸、及びZ軸から成る座標軸を示している。例えば、図1において、X軸及びY軸は、互いに直交し、Z軸は、X軸及びY軸に直交している。なお、以下の説明において、X軸に従う方向をX軸方向又はX方向と称し、Y軸に従う方向をY軸方向又はY方向と称し、Z軸方向に従う方向をZ軸方向又はZ方向と称する。
図1に示すように、Z方向に従う互いに反対向きの2つの方向の1つの方向(+(プラス)方向)を「Z(+)方向又は+Z方向」、+Z方向と反対方向(-(マイナス)方向)を「Z(-)方向又は‐Z方向」ということがあり、上記は、X軸、及び、Y軸についても同様である。
以下、X軸方向の長さ及びY軸方向の長さを「幅」と称する場合もある。なお、「幅」という用語は、X軸方向及びY軸方向以外の方向の長さを示していてもよい。また、Z軸方向の長さを「高さ」又は「厚さ」と称する場合もある。なお、「高さ」又は「厚さ」という用語は、Z軸方向以外の方向の長さを示していてもよい。
加工装置1(図1に参照符号追加要)は、ワーク保持装置100、工具800、及び位置決め機構900などを含む。
ワーク保持装置100は、位置決め機構900に載置される。
ワーク保持装置100は、チャックテーブル104と、ベース105と、を有する。ワーク保持装置100は、X軸に平行、且つチャックテーブル104の中心を通る軸11と、チャックテーブル104等の回転軸に相当するθ軸(ヨー軸)13と、を有する。
チャックテーブル104は、ワークWを吸着保持する。チャックテーブル104は、ワークWを配置する面に形成された開口に通じる通路内を真空雰囲気に減圧することにより生じる吸引力でワークWを吸着して保持する。なお、チャックテーブル104におけるワークWの吸着保持方法としては本実施例の方法に限定されない。例えば、チャックテーブル104は、多孔体であってもよい。また、例えば、磁石を備えるチャックテーブル104が磁性体であるワークWを磁気的に保持してもよい。
チャックテーブル104は、θ軸13を中心に回転し得る。チャックテーブル104に吸着されたワークWは、チャックテーブル104の回転に応じてθ軸13を中心に回転する。
ベース105は、チャックテーブル104の-Z方向に配置されている。ベース105は、位置決め機構900上に載置されている。
工具800は、加工軸813を中心に回転する。加工軸813は、Z方向に平行であってもよいし、Z方向に平行でなくてもよい。工具800は、Z軸方向、及びY軸方向に移動する。なお、工具800は、移動しない構成であってもよい。工具800は、回転し、加工点14においてワークWと接触してこのワークW、例えば、このワークWのエッジを加工(例えば、研削)する。
位置決め機構900は、加工軸813を中心に回転するスピンドルに保持された工具800とワークWとが加工点14で接触するように、ワークWと工具800との相対位置を調整する。位置決め機構900は、ワーク保持装置100を介してワークWをX軸方向に移動させる。なお、位置決め機構900は、ワーク保持装置100を介してワークWをY軸、X軸、及び、Z軸方向にそれぞれ独立に移動させてもよい。
図2は、加工装置1のワーク保持装置100の断面図である。
ワーク保持装置100は、例えば、略円柱状に形成されている。なお、ワーク保持装置100は、略円柱状以外の形状に形成されていてもよい。ワーク保持装置100は、上部と、上部よりも-Z方向に位置する下部とを有する。ワーク保持装置100は、上部の中心部から下部が-Z方向に延出している。
ワーク保持装置100の上部は、例えば、円柱状に形成されている。なお、ワーク保持装置100の上部は、円柱状以外の形状に形成されていてもよい。
ワーク保持装置の下部は、例えば、円柱状に形成されている。なお、ワーク保持装置100の下部は、円柱状以外の形状に形成されていてもよい。
例えば、ワーク保持装置100の下部の径は、ワーク保持装置100の上部の径よりも小さい。
ワーク保持装置100は、チャックテーブル(回転テーブル)104と、ベース105と、チャックテーブル104と一体に回転する回転駆動軸106と、を有する。
チャックテーブル104の表面(+Z方向の面)には、通路109に連通する吸着孔108が形成されている。チャックテーブル104は、吸着孔108に通じる通路109内を真空雰囲気に減圧することによってチャックテーブル104にワークWを吸着保持する。図2に示した例では、通路109は、回転駆動軸106、θ軸モータ107、及びベース105に亘って形成されている。
ベース105は、位置決め機構900上に設けられている。
ベース105は、基準軸を有する。基準軸は、例えば、Z軸に平行である。なお、基準軸は、Z軸に平行でなくてもよい。なお、基準軸は、ベース105以外の部材に設定されてもよいし、部材に設定された軸ではなく所定の位置に設定された軸であってもよい。
ベース105は、例えば、基準軸を中心とする略円柱状に形成されている。なお、ベース105は、略円柱状以外の形状に形成されていてもよい。ベース105は、上部と、上部よりも-Z方向に位置する下部とを有する。ベース105は、上部の中心部から下部が‐Z方向に延出している。
ベース105の上部は、例えば、基準軸を中心とする円筒状に形成される。なお、ベース105の上部は、円筒状以外に形状に形成されていてもよい。
ベース105の下部は、例えば、基準軸を中心とする円筒状に形成されている。なお、ベース105の下部は、円筒形状以外の形状に形成されていてもよい。例えば、ベース105の下部の径は、ベース105の上部の径よりも小さい。
ベース105は、回転駆動軸106を回転可能に保持する。ベース105は、回転駆動軸106が嵌合する穴部を有している。ベース105の穴部の形状は、回転駆動軸106の形状に対応している。
ベース105の穴部は、基準軸を中心とする略円柱状である。ベース105の穴部は、ベース105の上部の内側に形成された孔の中心部からベース105の下部の内側に形成された穴が-Z方向に延出している。
ベース105の上部の内側に形成された孔は、例えば、基準軸を中心とする円盤状若しくは円柱状である。なお、ベース105の上部の内側に形成された孔は、例えば、円盤又は円柱状以外の形状であってもよい。
ベース105の下部の内側に形成された穴は、例えば、基準軸を中心とする円柱状である。なお、ベース105の下部の内側に形成された穴は、例えば、円柱状以外の形状であってもよい。ベース105の下部の内側に形成された孔の径は、ベース105の上部の内側に形成された穴の径よりも小さい。
ベース105は、上部の内周部と下部の内周部との間に段差部を有している。図2に示した例では、ベース105は、上部の内周部と下部の内周部との間に少なくとも2つの段差部を有している。以下、2つの段差部の内、+Z方向の段差部を上側段差部と称し、上側段差部よりも‐Z方向に設けられた段差部を下側段差部と称する。
ベース105は、上側段差部に中空の円盤状のフランジ125が配置されている。言い換えると、ベース105は、上側段差部にフランジ125が嵌合されている。フランジ125の内周部は、上側段差部よりも内側に突出している。なお、フランジ125は、ベース105と一体に形成されていてもよい。
回転駆動軸106は、チャックテーブル104の表面(+Z方向の面)と反対側の裏面(-Z方向の面)に接続されている。また、回転駆動軸106は、ベース105の穴部に嵌合されて、保持されている。
回転駆動軸106は、フランジ112(第1フランジ)と、フランジ112よりも-Z方向に位置する軸部とを有する。
回転駆動軸106は、フランジ112の中心部から軸部が-Z方向に延出している。
フランジ112は、例えば、θ軸13を中心とする円盤状又は円柱状に形成されている。なお、フランジ112は、円盤状又は円柱状以外の形状に形成されていてもよい。フランジ112は、チャックテーブル104の裏面に接続される。
回転駆動軸106の軸部は、θ軸13を中心とする円柱状に形成されている。なお、回転駆動軸106の軸部は、円柱形状以外の形状に形成されていてもよい。回転駆動軸106の軸部の径は、フランジ112の径よりも小さい。
回転駆動軸106の軸部は、リング状のフランジ(第2フランジ)113が設けられている。回転駆動軸106の軸部は、フランジ113の中心部の孔に嵌合される。
回転駆動軸106をベース105の穴に嵌合した場合、フランジ113は、ベース105の内側の上側段差部及び下側段差部の間に配置される。回転駆動軸106をベース105の穴に嵌合した場合、フランジ113は、フランジ125の内周部と下側段差部との間に配置される。なお、フランジ113の径は、フランジ112の径よりも小さい。
回転駆動軸106は、-Z方向に設けられたθ軸モータ107によってθ軸13を中心に回転する。回転駆動軸106をベース105の穴に嵌合した場合、回転駆動軸106は、基準軸をθ軸13として回転する。このとき、回転駆動軸106は、例えば、全周囲でベース105から等しい間隔、若しくは略等しい間隔離れている。なお、回転駆動軸106は、基準軸に対して傾いたθ軸13、又は基準軸からずれたθ軸13を中心に回転し得る。
典型的には、回転駆動軸106は、ワークW等に負荷がかからない状態で空転した場合、回転駆動軸106のθ軸13の位置が基準軸に従う位置(以下、基準位置と称する場合もある)に対してずれていない状態又は、θ軸13が基準軸と一致した状態で、回転し得る。以下、回転駆動軸106のθ軸13の位置が基準位置に対してずれていない状態、又は回転駆動軸106のθ軸13が基準軸と一致した状態を基準状態と称する場合もある。
回転駆動軸106の中心部には、通路109の一部である通路が形成される。例えば、回転駆動軸106の中心部において、通路109の一部である通路がθ軸13に沿って形成される。
θ軸モータ107は、回転駆動軸106の-Z方向に接続されている。θ軸モータ107は、θ軸13を中心に回転する。例えば、θ軸モータ107は、基準軸をθ軸13として回転する。なお、θ軸モータ107は、基準軸に対して傾いた、又は基準軸からずれた位置に配置されるθ軸13を中心に回転し得る。
θ軸モータ107の中心部(回転軸部)には、通路109の一部である通路が形成される。例えば、θ軸モータ107の中心部において、通路109の一部である通路がθ軸13に沿って形成される。
θ軸モータ107の回転により回転駆動軸106が回転することで、チャックテーブル104及びチャックテーブル104に吸着されたワークWも回転する。
チャックテーブル104、回転駆動軸106、及びθ軸モータ107とベース105との間には、空隙がある。チャックテーブル104、及び回転駆動軸106とベース105との間の空隙は、θ軸モータ107の外周部の+Z方向の上端部に沿って設けられたシールと、チャックテーブル104の外周部の-Z方向の裏面側又はベース105の外周部の+Z方向の上端部に設けられたシール110とによって封止されている。チャックテーブル104、及び回転駆動軸106とベース105との間の空隙は、伝熱、振動特性の最適化のために、流体、例えば、粘弾性流体等が充填されていてもよい。なお、チャックテーブル104、及び回転駆動軸106とベース105との間の空隙は、θ軸モータ107の外周部の+Z方向の上端部に沿って設けられたシールとシール110とによって完全密閉されていなくてもよい。
[検出器]
ワーク保持装置100は、検出器Dcを有している。検出器Dcは、磁性体Mgと、センサScとを有している。
検出器Dcは、磁性体の変位(磁場の変化)よる誘導起電力発生回路の出力(自己誘導起電力等)の変化を検出する。言い換えると、検出器Dcは、磁性体との距離の変化による誘導起電力発生回路の出力の変化を検出する。磁性体Mgは、例えば、永久磁石、又は電磁石等である。センサScは、例えば、誘導起電力発生回路を含む。
図2に示した例では、検出器Dcは、検出器Dc1、Dc2、及びDc3を含む。永久磁石Mgは、永久磁石Mg1、Mg2、及びMg3を含む。センサScは、Sc1、Sc2、及びSc3を含む。
検出器Dc1は、XY軸方向の変位を検出する検出器(以下、XY変位検出器と称する場合もある)である。検出器Dc2は、Z軸方向の変位を検出する検出器(以下、Z変位検出器と称する場合もある)である。検出器Dc3は、トルクを検知する検出器(以下、トルク検出器と称する場合もある)である。
XY変位検出器Dc1は、ワーク保持装置100の上部の+Z方向に配置される。ワーク保持装置100では、θ軸モータ107からの発熱が大きいため、θ軸モータ107から離れるほど、熱の影響が小さい。また、回転駆動軸106は、θ軸モータ107側を固定端とする片持ち梁と考えた場合、θ軸モータ107側から-Z方向に離れるほどX方向及びY方向への変位が大きくなる。ワーク保持装置100の上部の+Z方向にXY変位検出器Dc1を配置することにより、XY変位検出器Dc1への熱の影響を抑制し、且つX方向及びY方向の変位の検出精度を向上することができる。なお、XY変位検出器Dc1は、ワーク保持装置100において図2に示した例以外の位置に配置されていてもよい。
XY変位検出器Dc1は、磁性体Mg11(Mg1)と、センサ(以下、XY変位センサ又は第1変位センサと称する場合もある)Sc11(Sc1)及びSc12(Sc1)とを有する。磁性体Mg11は、例えば、永久磁石Mg11である。
永久磁石Mg11は、回転駆動軸106のフランジ112の外周部に配置される。永久磁石Mg11は、リング状(ドーナツ状)である。永久磁石Mg11は、X方向において、内側がS極であり、外側がN極である。なお、永久磁石Mg11は、リング状(ドーナツ状)でなくてもよい。例えば、永久磁石Mg11は、半円弧状であってもよい。また、例えば、永久磁石Mg11は、外周部に沿って所定の間隔で配置された複数の永久磁石Mgで構成されていてもよい。
XY変位センサSc11及びSc12は、それぞれ、X方向において、永久磁石Mg11に対向している。XY変位センサSc11及びSc12は、それぞれ、X方向において、フランジ112に配置された永久磁石Mg11に対向するベース105の内周部に配置される。
XY変位センサSc11及びSc12は、X方向において、基準軸に対して対称に配置される。XY変位センサSc11は、フランジ112に配置された永久磁石Mg11に対向する-X方向のベース105の内周部に配置される。XY変位センサSc12は、フランジ112に配置された永久磁石Mg11に対向する+X方向のベース105の内周部に配置される。
XY変位センサSc1は、電磁誘導を利用して検出するため、例えば、ベース105及びフランジ112の間の空隙に伝熱及び振動特性を最適化するために流体等を充填した場合であっても、安定して検出することができる。
Z変位検出器Dc2は、ワーク保持装置100の上部から下部に亘って配置される。ワーク保持装置100の上部から下部に亘ってのZ変位検出器Dc2を配置することにより、Z変位検出器Dc2への熱の影響を抑制し、Z方向の変位を検出しやすくし、且つXY変位検出器Dc1の検出に影響を抑制することができる。なお、Z変位検出器Dc2は、ワーク保持装置100において図2に示した例以外の位置に配置されていてもよい。
Z変位検出器Dc2は、磁性体Mg21(Mg2)、Mg22(Mg2)と、センサ(以下、Z変位センサ又は第2変位センサと称する場合もある)Sc21(Sc2)、Sc22(Sc2)、Sc23(Sc2)、及びSc4(Sc2)とを有する。例えば、磁石Mg21及びMg22は、それぞれ、永久磁石Mg21及びMg22である。
永久磁石Mg21及びMg22は、それぞれ、回転駆動軸106のフランジ113の外周部に配置される。永久磁石Mg21は、永久磁石Mg22の+Z方向に配置される。言い換えると、永久磁石Mg22は、永久磁石Mg21の-Z方向に配置される。
永久磁石Mg21及びMg22は、リング状(ドーナツ状)である。永久磁石Mg21は、+Z方向がS極であり、-Z方向がN極である。永久磁石Mg22は、+Z方向がN極であり、-Z方向がS極である。永久磁石Mg21及びMg22は、Z方向において、互いに極性が逆になるように配置されている。なお、永久磁石Mg21及びMg22は、リング状(ドーナツ状)でなくてもよい。例えば、永久磁石Mg21及びMg22は、それぞれ、半円弧状であってもよい。また、例えば、永久磁石Mg21及びMg22は、それぞれ、外周部に沿って所定の間隔で配置された複数の永久磁石Mg2で構成されていてもよい。
Z変位センサSc21及びSc23は、それぞれ、Z方向において、永久磁石Mg21に対向している。Z変位センサSc21及びSc23は、それぞれ、Z方向において、フランジ113に配置された永久磁石Mg21に対向するフランジ125の内周部に配置される。
Z変位センサSc21及びSc23は、X方向において、基準軸に対して対称に配置される。Z変位センサSc21は、フランジ113に配置された永久磁石Mg21に対向する‐X方向のフランジ125の内周部に配置される。Z変位センサSc23は、フランジ113に配置された永久磁石Mg21に対向する+X方向のフランジ125の内周部に配置される。
Z変位センサSc22及びSc24は、それぞれ、Z方向において、永久磁石Mg22に対向している。Z変位センサSc22及びSc24は、それぞれ、Z方向において、フランジ113に配置された永久磁石Mg22に対向するベース105の下側段差部の内周部に配置される。
Z変位センサSc22及びSc24は、X方向において、基準軸に対して対称に配置される。変位センサSc22は、フランジ113に配置された永久磁石Mg22に対向する‐X方向のベース105の下側段差部の内周部に配置される。Z変位センサSc24は、フランジ113に配置された永久磁石Mg22に対向する+X方向のベース105の下側段差部の内周部に配置される。
Z変位センサSc21及びSc22は、Z方向において、永久磁石Mg21及びMg22を間に挟んで、対向している。なお、Z変位センサSc21及びSc22は、Z方向において、永久磁石Mg21及びMg22を間に挟んで、対向していなくともよい。
Z変位センサSc23及びSc24は、Z方向において、永久磁石Mg21及びMg22を間に挟んで、対向している。なお、Z変位センサSc23及びSc24は、Z方向において、永久磁石Mg21及びMg22を間に挟んで、対向していなくともよい。
Z変位センサSc2は、電磁誘導を利用して検出するため、例えば、ベース105及びフランジ113の間の空隙に伝熱及び振動特性を最適化するために流体等が充填した場合であっても、安定して検出することができる。
トルク検出器Dc3は、ワーク保持装置100の下部の-Z方向に配置される。トルク検出器Dc3は、ワーク保持装置100において回転駆動軸106のX方向及びY方向への変位が小さい位置に配置される。例えば、トルク検出器Dc3は、ワーク保持装置100の下部(回転駆動軸106の-Z方向の根本部分)又はθ軸モータ107の近傍に配置される。ワーク保持装置100の下部の-Z方向にトルク検出器Dc3を配置することにより、トルク検出器Dc3による回転駆動軸106のトルクの検出の精度を向上することができる。なお、トルク検出器Dc3は、ワーク保持装置100において図2に示した例以外の位置に配置されていてもよい。
トルク検出器Dc3は、磁性体Mg31(Mg3)と、センサ(以下、トルクセンサ又はθセンサと称する場合もある)Sc31(Sc3)、及びSc32(Sc3)とを有する。磁石Mg31は、例えば、永久磁石Mg31である。
永久磁石Mg31は、回転駆動軸106の-Z方向の軸部の外周部に配置される。永久磁石Mg31は、リング状(ドーナツ状)である。なお、永久磁石Mg31は、リング状(ドーナツ状)でなくてもよい。例えば、永久磁石Mg31は、外周部に沿って所定の間隔で配置された複数の永久磁石Mgで構成されていてもよい。
θセンサSc31及びSc32は、それぞれ、X方向において、永久磁石Mg31に対向している。θセンサSc31及びSc32は、それぞれ、X方向において、回転駆動軸106の軸部に配置された永久磁石Mg31に対向するベース105の内周部に配置される。
θセンサSc31及びSc32は、X方向において、基準軸に対して対称に配置される。θセンサSc31は、回転駆動軸106の軸部に配置された永久磁石Mg31に対向する-X方向のベース105の内周部に配置される。θセンサSc32は、回転駆動軸106の軸部に配置された永久磁石Mg31に対向する+X方向のベース105の内周部に配置される。
θセンサSc31は、電磁誘導を利用して検出するため、例えば、ベース105及び回転駆動軸106の軸部との間の空隙に伝熱及び振動特性を最適化するために流体等を充填した場合であっても、安定して検出することができる。
(XY変位センサ)
X方向及びY方向の変位検出について説明する。
図3は、XY変位センサSc12の構成例を示す模式図である。図3(A)は、XY変位センサSc12を模式的に示す断面図であり、図3(B)は、-Z方向から観た場合のXY変位センサSc12の斜視図である。なお、図3では、XY変位センサSc12を用いて説明するが、他のセンサSc、例えば、XY変位センサSc1及びZ変位センサSc2も同等の構成である。
XY変位センサSc12は、筒状部材201、ストッパ203、蓋204、コイル200C、仕切り板205C、永久磁石PMg12、及びバネ209Cを有する。
筒状部材201は、コイル200C、仕切り板205C、永久磁石PMg12、及びバネ(付勢部材)209Cを内部に収容する。
筒状部材201の-X方向の端部の開口には、ストッパ203が固定(又は嵌合)される。ストッパ203は、中心部に孔202が形成されている。筒状部材201の+X方向の端部の開口(ストッパ203が固定された端部と反対側の端部の開口)には、蓋204が固定される。
コイル200C、仕切り板205C、永久磁石PMg12、及びバネ209Cは、筒状部材201内で同軸に配置される。なお、コイル200C、仕切り板205C、永久磁石PMg12、及びバネ209Cは、筒状部材201内で同軸に配置されていなくともよい。
コイル200Cは、その一方端(Fr)がストッパ203に固定され、一方端(Fr)と反対側の他方端(Bk)が仕切り板205Cに固定される。コイル200Cは、筒状部材201内で伸縮自在に設けられる。仕切り板205Cは、筒状部材201内でX方向に摺動可能に設けられる。
仕切り板205Cが‐X方向に摺動、移動、若しくは変位する場合、コイル200Cの中間部(Mid)が収縮し、コイルの両端間(Fr-Bk間)の長さである「len」は減少する。仕切り板205Cが+X方向に摺動、移動、又は変位する場合、コイル200Cの中間部(Mid)が伸長し、長さlenは増大する。
なお、筒状部材201には、側面にスリット208が設けられ、このスリットからは、コイル200Cの一方端(Fr)側の配線210、及び、他方端(Bk)側の配線211が引き出される。更に、円柱状である仕切り板205Cの外周には、突起207が設けられ、これがスリット208に嵌め合わされて周り止めとして機能する。なお、仕切り板205Cは、円柱形状以外の形状に形成されていてもよい。
永久磁石PMg12は、仕切り板205Cの中心部に嵌め込まれて固定される。永久磁石PMg12の-X方向の極性は、S極であり、永久磁石PMg12の+方向の極性は、N極である。永久磁石PMg12は、内周部の極性がS極であり、外周部の極性がN極である永久磁石Mg11との間で引力を生ずる。永久磁石PMg12は、仕切り板205Cに固定されるため、永久磁石PMg12に与えられる永久磁石Mg11からの引力の大きさが変化すると、仕切り板205Cにかかる力も変化する。
上述のとおり、ストッパ203の中心には孔202が設けられており、ストッパ203はリング状である。永久磁石PMg12は、フランジ112に配置された永久磁石Mg11からの磁力を受けて仕切り板205Cを前後に変位させる力を生じる。そのため、ストッパ203が孔202を有していると、永久磁石PMg12は、永久磁石Mg11からの磁力の影響を受けやすく、変位センサとしての感度が向上する。なお、磁力の調整が必要な場合は、ストッパ203は、円板状(孔があいていない形態)であってもよい。
バネ209Cは、筒状部材201内において、仕切り板205Cを挟んでコイル200Cが配置された空間と反対側の空間に配置される。バネ209Cは、仕切り板205Cと、蓋204とに固定される。これらは、仕切り板205Cをその復元力によって摺動させる摺動機構として機能する。
一形態として、仕切り板205Cが基準状態から-X方向に変位すれば、摺動機構は、復元力によりこれを+X方向に戻そうとして引張応力を発生する。逆に、仕切り板205Cが基準状態から+X方向に変位すれば、摺動機構は、これを復元力によりこれを-X方向に戻そうとして圧縮応力を発生する。
また、コイル200Cは、交流電流が印加される電気的な素子である一方、弾性体としての性質も有しており、その長さlenに応じた復元力を生じ、仕切り板205Cに対し、これを変位させ得る力を与える。
仕切り板205Cには、上述のとおり、(A)コイル200Cの復元力、(B)永久磁石Mg11から永久磁石PMg12が受ける引力、(C)バネ209Cの復元力(又は付勢力)等が働いている。
XY変位センサSc12の特徴点の1つとして、回転駆動軸106が基準位置で回転するとき(基準状態のとき)、仕切り板205Cにおいて、上記(A)~(C)を含む力のつり合いが実現する点が挙げられる。
典型的には、回転駆動軸106の回転中心がθ軸であるとき、仕切り板205Cにおいて、上記(A)~(C)を含む力の平衡状態(力学的平衡状態)が実現する。
基準状態における力の釣合いは、コイル200Cのばね定数(材質、太さ、巻数、及び、直径)、コイル200Cの伸長・圧縮の具合、永久磁石Mg11・永久磁石PMg12の磁力、ストッパ203の形状(孔の有無)・材質・厚み、バネ209Cのばね定数等を調整することで容易に実現できる。基準状態における永久磁石Mg11とXY変位センサSc12の位置等に応じて上記各要素を適宜調整すればよい。
XY変位センサSc12の各部の材質は特に制限されず、ワーク保持装置100の他の部分(例えば、ベース105、及び、回転駆動軸106)と同様としてもよい。ベース105、及び、回転駆動軸106等の材質が同じだと、伝熱、及び/又は、振動特性等を揃えることができ、より高感度の測定ができる。
また、θ軸モータ107から発生する磁気による影響をより抑制できる観点では、筒状部材201は磁気シールド性の材質(例えば、強磁性体、パーマロイ等)であってもよい。また、熱による影響をより抑制できる観点では、低熱膨張性の材質を用いてもよい。
前述した例に示すように、磁性体Mg同士の間隔や磁性体Mg等の材質を適切にすることで、熱による磁束への影響及び自己インダクタンスへの影響を無視できるほど小さくし、検出器Dcによる変位検出への影響を抑制することができる。
次に、上記の構成を有するXY変位センサSc12によって、X方向及びY方向の変位を検出する機序について説明する。
図4は、回転駆動軸106の変位、すなわち、永久磁石Mg11の変位と、XY変位センサSc12の応答との関係の説明するための模式図である。
図4(A)は、回転駆動軸106の回転軸が基準位置にある場合、すなわち回転駆動軸106が基準状態である場合のXY変位センサSc12の応答を示す模式図である。
回転駆動軸106が基準状態である場合、永久磁石Mg11は、X方向(又はY方向)の位置(XY基準位置と称する場合もある)220にある。このとき、XY変位センサSc12の仕切り板205Cでは力学的平衡状態が実現されている。すなわち、(A)~(C)を含む力が釣合い、回転駆動軸106が回転しても、仕切り板205Cは摺動しない(その場で留まる)。このときのコイル200C長さを、初期値としてlen=1.2とする(説明上の値である)。
コイル200Cには、交流電流が印加される。回転駆動軸106が基準位置で回転しても、コイル200Cと永久磁石Mg11との距離は不変であり、コイル200Cを貫く磁束に変化はない。そのため、コイル200Cには、交流電源の周波数、及び、回路の各定数等に応じた所定の電圧が生ずる。
図4(B)は、回転駆動軸106の回転軸が基準位置から+X方向に所定量変位した場合の変位センサSc12の応答を示す模式図である。
永久磁石Mg11は、回転駆動軸106の回転軸(θ軸13)の変位によって、XY基準位置220から、+X方向へと変位する。
永久磁石Mg11がXY基準位置220からXY変位センサSc12に接近したことにより、永久磁石PMg12が永久磁石Mg11から受ける引力が増大し、永久磁石PMg12には、-X方向へ変位する力が生ずる。すると、仕切り板205Cの力学的平衡状態が崩れ、仕切り板205Cは永久磁石Mg11に接近する-X方向に変位する。
この変位により、コイル200Cが圧縮され、バネ209Cが伸長されるため、それぞれの復元力が変化する。そのため、一定程度、仕切り板205Cが変位すると、再び力の釣合いが実現し、仕切り板205Cの摺動は、ある位置で停止する。
この際のコイル200Cの長さをlen=1.0とする。すなわち、圧縮量は、Δlen=0.2となる。
なお、圧縮されたコイル200Cの長さは永久磁石Mg11の変位量、すなわち、回転駆動軸106の変位量に応じて定まる。この「1.0」の数値は説明のためのもので、圧縮されたコイル200Cの長さは、回転駆動軸106の変位量に応じて任意の値を取り得る。
回転駆動軸106がこの位置で回転するとき、永久磁石Mg11と、永久磁石PMg12との距離は変化しない。すなわち、コイル200Cを貫く磁束は経時的に変化しない。
更に、永久磁石Mg11が接近した分、永久磁石PMg12も接近するため、両者の磁束を合成すると、結果として、コイル200Cを貫く磁束は、回転駆動軸106が基準状態である場合と比較して、その絶対量も略同一となる。すなわち、回転駆動軸106の変位によってコイル200Cを貫く磁束の変化が抑制される。これにより、誘導起電力がより小さく抑えられるため、XY変位センサSc1の精度が向上する(後段で詳述する)。
図4(C)は、回転駆動軸106の回転軸(θ軸13)が基準位置から-X方向に所定量変位した場合のXY変位センサSc12の応答を示す模式図である。
永久磁石Mg11は、回転駆動軸106の回転軸の変位によって、XY基準位置220から、-X方向へと変位する。
永久磁石Mg11がXY位置220から-X方向に離隔したことにより、永久磁石Mg11はXY変位センサSc12から離れるため、永久磁石PMg12が受ける引力が減少し、永久磁石PMg12に生じていた、-X方向へ変位する力が減少する。すると、仕切り板205Cの力学的平衡状態が崩れ、バネ209Cによる復元力、及び、コイル200Cによる復元力によって、仕切り板205Cは、+X方向へと変位する。
この変位により、コイル200Cが伸長され、バネ209Cは圧縮されるため、それぞれの復元力が変化する。そのため、一定程度、仕切り板205Cが変位すると、再び力の釣合いが実現し、仕切り板205Cの摺動は、ある位置で停止する。
この際のコイル200Cの長さをlen=1.5とする。すなわち、図4(A)の場合と比較した伸長量は、Δlen=0.5となる。
なお、伸長されたコイル200Cの長さは永久磁石Mg11の変位量、すなわち、回転駆動軸106の変位量に応じて定まる。この「1.5」の数値は説明のためのもので、伸長されたコイル200Cの長さは、回転駆動軸106の変位量に応じて任意の値を取り得る。
回転駆動軸106がこの位置で回転するとき、永久磁石Mg11と、永久磁石PMg12との距離は変化しない。すなわち、コイル200Cを貫く磁束は経時的に変化しない。
更に、永久磁石Mg11が離隔した分、永久磁石PMg12も離隔するため、両者の磁束を合成すると、結果として、コイル200Cを貫く磁束は、基準状態と比較して、その絶対量も略同一となる。
また、XY変位センサSc12の検知法は、電磁誘導を利用したものであるため、透磁率が水、油、又は空気等であまり変化しないため、周囲の環境が変化しても安定して検知することができる。つまり、XY変位センサSc12の検知法は、耐環境性を有する。
上述のとおり、XY変位センサSc12では、回転駆動軸106が変位すると、コイル200Cの長さが変化する。コイル200Cには交流電流が印加されており、このときに起こるコイル200Cの電圧波形の変化について説明する。
まず、交流電流が印加された一般的なコイルの電圧波形について説明する。
図5は、交流電流が印加された抵抗(R)-コイル(L)直列回路の説明図である。回路250は、抵抗252とコイル253とが直列に配置され、交流電源251によって交流電流254が印加された回路である。この回路250は、変位センサ116Cの等価回路である。
交流電流の角周波数をωとすると、交流電源251は図中に記載された式(1)で表される。式(1)において、Aは定数、tは時間を表す。
抵抗252の抵抗値をR、コイル253の自己インダクタンスをLとすると、交流電流254は、式(2)で表される。このとき、φは式(3)で表される。
結局、コイル253にかかる電圧Vは、式(4)で表され、A、R、及び、ωは回路に固有の定数、又は、固定できる定数であることから、電圧Vは、Lの関数となる。
コイル253の自己インダクタンスLは、透磁率、コイルの巻き数、断面積、及び、長さ等により決まるが、同一のコイルを基準とすると、長さの関数といえる。
上記のとおりであるから、交流電流が印加されたコイル200Cの長さが変化すると、コイル200Cの自己インダクタンスLが変化し、その変化は、電圧変化、典型的には、時間-電圧波形(以下単に、電圧波形ともいう。)の振幅の変化として検知できる。
すでに説明したとおり、コイル200Cに永久磁石Mg11が接近し、又は、離隔した場合、永久磁石PMg12がそれに応じて接近し、又は、離隔するため、結果として、コイル200Cを貫く磁束は、回転駆動軸106の位置によらず略同一となる。
このため、XY変位センサSc12では、コイル内の磁束の変化により生ずる誘導起電力が小さく抑制されおり、コイル200Cの電圧波形の変化は、略自己インダクタンスの変化に帰結できる。すなわち、コイル200Cの電圧波形の変化は、回転駆動軸106の変位を表す。
図6は、回転駆動軸106の変位に伴うコイルの電圧波形の変化の説明図である。
図6(A)は、基準状態におけるXY変位センサSc12の状態と、コイル200Cの電圧波形を示す説明図である。
永久磁石Mg11がXY基準位置220にあるとき、コイル200Cの長さはすでに説明したとおりlen=1.2(説明のための数値)となる。
この際、コイル200Cにかかる電圧波形は、左図のとおりである。なお、図中、横軸は時間、縦軸は、電圧を表している。
電圧波形240は、角周波数ωに応じた位相の波形となっており、その振幅は1.0となっている。
次に、図6(B)は、回転駆動軸106の回転軸(θ軸13)が基準位置から、+X方向に変位した場合、すなわち、永久磁石Mg11がXY基準位置220よりも+X方向にある場合のXY変位センサSc12の状態と、コイル200Cの電圧波形を示す説明図である。
このとき、コイル200Cは圧縮され、長さlen=1.0となり、Δlen=-0.2となる(本図では、便宜的に、圧縮を表す符号「-」を含めてΔlenを表記する)。
この際、コイル200Cにかかる電圧波形は左図のとおりである。電圧波形241は、基準電圧波形(基準状態での電圧波形)、すなわち、電圧波形240と比較すると、同位相ながら、振幅が1.2倍となる。ここで、コイル200Cの自己インダクタンスLは、以下の式、
Figure 2024057380000002
で表される。上記式において、μはコイルの芯の透磁率、Nはコイルの巻き数、Sはコイルの断面積、及び、lenはコイルの長さを表す。また、コイル200Cにかかる電圧は、図7の式(4)すなわちV=ωLIで表されるため、基準状態における電圧をVとし、変位後の電圧をV′とすると、これらの関係は、以下の式、
Figure 2024057380000003
で表される。上記式において、L′、Lは、それぞれの場合におけるコイル200Cの自己インダクタンスを表す。すでに説明したとおり、コイル200Cの自己インダクタンスの計算式において、コイル200Cの長さ以外の変数は、コイル200Cに固有の定数とみなせるため、自己インダクタンスL′、及び、Lの関係は、以下の式、
Figure 2024057380000004
で表される。なお、このときΔlenは、圧縮の場合は「-」符号、伸長の場合は「+」符号とする。そうすると、図6(B)における、電圧波形241と、電圧波形240との関係(V′/V)は、以下の式で表される自己インダクタンスの関係から説明できる。
Figure 2024057380000005
すなわち、永久磁石Mg11の変位は、電圧波形(特に振幅)と基準電圧波形との差により検知できる。
図6(C)は、回転駆動軸106が基準位置から、-X方向に変位した場合、すなわち、永久磁石Mg11がXY基準位置220よりも-X方向にある場合の、XY変位センサSc12の状態と、コイル200Cの電圧波形を示す説明図である。
すでに説明したとおり、このとき、コイル200Cは伸長され、長さlen=1.5となり、Δlen=+0.3となる(本図では、便宜的に伸長を表す符号「+」を含めてΔlenを表記する)。
この際、コイル200Cにかかる電圧波形は左図のとおりである。電圧波形242は、基準電圧波形である電圧波形240と比較すると、同位相ながら、振幅が0.8倍となる。
このとき、電圧波形242(V″)と、電圧波形240(V)との関係(V″/V)は、以下の式で表される自己インダクタンスの関係から説明できる。
Figure 2024057380000006
このように、基準電圧波形(V)と、変位後のコイル200Cの電圧(V′、V″)波形を比較することにより、回転駆動軸106の変位の有無、及び/又は、方向を検知できる。
更に、自己インダクタンスと、電圧との関係を利用して、変位量を計算することもできる。
図7は変位量の計算方法を示す説明図である。
図7(A)は、基準電圧波形である。
このとき、電圧Vは、図中の式(5)により表され、電圧Vは、自己インダクタンスLに比例し(式(6))、Lは、式(7)により表される。コイル200Cの長さlenは、コイル200Cの長さの初期値(基準状態におけるコイル200Cの長さ)であり、予め測定し、記憶することができる定数である。
図7(B)は、回転軸が+X方向に変位した場合のコイル200Cの電圧波形を表す図である。
このとき、自己インダクタンスL′とLとの関係は、式(8)で表され、かつ、L′は、式(9)により計算される。なお、この際のΔlenは、伸縮量の絶対値を表す。
すると、伸縮量Δlenと、コイル200Cの長さの初期値との関係は、式(10)で表され、これにより、仕切り板205Cの変位量(及びその方向)を定量できる。
仕切り板205Cの変位量と、回転駆動軸106の変位量との関係についての相関(例えば、検量線)を予め得ておけば、V′の測定値から仕切り板205Cの変位量を計算し、この変位量から、回転駆動軸106の変位量を計算できる。
図7(C)は、回転軸が-X方向に変位した場合のコイル200Cの電圧波形を表す図である。
このとき、自己インダクタンスL″とLとの関係は、式(11)で表され、かつ、L″は、式(12)により計算される。なお、この際のΔlenは、伸縮量の絶対値を表す。
すると、伸縮量Δlenと、コイル200Cの長さの初期値との関係は、式(13)で表され、これにより、仕切り板205Cの変位量(及びその方向)を定量できる。
以上、XY変位センサSc12について説明したが、以上は、XY変位センサSc11についても同様であり、更に複数設置されるXY変位センサSc1についても同様である。ワーク保持装置100が有するXY変位センサSc1は、いずれも同一の構造であり、実質的に同一であることが好ましい。「同一の構造」には、コイルの材質、断面積、巻き数、及び、初期長さ等のコイルの特性も含まれる。なお、ワーク保持装置100が有するXY変位センサSc1は、異なる構造であってもよい。
図8は、+Z方向からXY変位検出器Dc1を観た場合の永久磁石Mg11に対向する複数のXY変位センサSc1の配置を示す平面断面図である。
XY変位検出器Dc1は、永久磁石Mg11と、センサSc11、Sc12、Sc13、及びSc14とを有する。なお、永久磁石Mg11及びセンサSc11と、永久磁石Mg11及びセンサSc12と、永久磁石Mg11及びセンサSc13と、永久磁石Mg11及びセンサSc14との組み合わせをそれぞれXY変位検出器Dc1と称してもよい。
永久磁石Mg11は、+Z方向から観た場合に、リング状(ドーナツ状)である。回転駆動軸106が基準位置で回転する場合、永久磁石Mgがリング状である方がXY変位センサSc1により得られる電圧波形が簡易なものとなるため、変位の量、及び変位の方向等(以下、「変位量等」と称する場合もある)の計算処理が容易となる点で好ましい。
永久磁石Mg11の外周部の極性は、全周囲に亘って同一極性である。言い換えると、永久磁石Mg11の内周部の極性は、全周囲に亘って同一極性である。なお、永久磁石Mg11の外周部の極性は、全周囲に亘って同一極性でなくともよい。例えば、永久磁石Mg11の外周部は、所定の間隔を置いて配置された同一極性の複数の永久磁石で構成されていてもよい。言い換えると、永久磁石Mg11の内周部の極性は、全周囲に亘って同一極性でなくてもよい。永久磁石Mg11の内周部は、所定の間隔を置いて配置された同一極性の複数の永久磁石で構成されていてもよい。
永久磁石Mg11の外周部の極性は、全周囲に亘ってN極であり、永久磁石Mg11の内周部の極性は、全周囲に亘ってS極である。なお、XY変位センサSc1との間で力学的平衡状態を実現できれば、永久磁石Mg11の極性は、図8に示した例と逆であってもよい。つまり、永久磁石Mg11の外周部の極性は、全周囲に亘ってS極であり、永久磁石Mg11の内周部の極性は、全周囲に亘ってN極であってもよい。
XY変位センサSc11、Sc12、Sc13、及びSc14は、永久磁石Mg11を囲うように配置されている。図8に示した例では、XY変位センサSc11、Sc13、Sc12、及びSc14は、記載の順番で、基準軸を中心として時計周りに角度90度毎に配置されている。XY変位センサSc11及びSc12は、X方向において基準軸に対して対称に配置されている。XY変位センサSc13及びSc14は、Y方向において基準軸に対して対称に配置されている。
回転駆動軸106が基準状態である場合、XY変位センサSc11、Sc12、Sc13、及びSc14と、永久磁石Mg11とのそれぞれの距離は、同じである。なお、回転駆動軸106が基準状態である場合、XY変位センサSc11、Sc12、Sc13、及びSc14と、永久磁石Mg11とのそれぞれの距離は、異なっていてもよい。
各XY変位センサSc11、Sc13、Sc12、及びSc14がそれぞれ有する永久磁石PMg11、PMg13、PMg12、及びPMg14の磁極は、永久磁石Mg11の外周部の磁極に対して引力が働くように配置される。すなわち、永久磁石Mg11の外周部の磁極がN極であるため、永久磁石PMg11、PMg13、PMg12、及びPMg14の内周部の磁極は、それぞれ、S極となるよう配置される。
これにより、いずれのXY変位センサSc11、Sc13、Sc12、及びSc14の仕切り板に対しても、永久磁石Mg11から引力が働く。
なお、コイル200A、200B、200C、及び、200Dの巻き数、直径、及び、材質等のコイルの特性はいずれも同一が好ましい。
また、コイル200A、200B、200C、及び、200Dの直径DX(-)、DY(+)、DX(+)、及び、DY(-)は、永久磁石Mg11のZ軸方向の幅(高さ)と比較したとき、より大きいことが好ましい。このように構成することで、永久磁石Mg11が熱により膨張、又は、収縮した場合でも、各コイルを貫く磁束がより変化しにくい。
磁束密度=磁束/面積で定義されるところ、例えば、温度変化により永久磁石Mgが膨張すると、面積が増大する分、磁束密度が減少することがある。このような場合でも、コイルの直径をより大きくしておくと、コイルを貫く磁束自体の変化は抑制できる。磁束の変化により誘導起電力が生じて変位センサの精度が低下することを抑制できる。
本実施形態では、永久磁石Mg11の外周に沿ってXY変位センサSc1が4つ配置されており、X軸、Y軸のそれぞれでは、XY変位センサSc1が永久磁石Mg11を挟んで対向している。そのため、対向するXY変位センサSc1の信号を合成することで、増幅し、より感度を向上できる。
なお、本実施形態のワーク保持装置100が有するXY変位センサSc1の数は4個に限定されず、1個以上が好ましく、2個以上がより好ましく、3個以上が更に好ましい。
XY変位センサSc1が3個以上であると、回転駆動軸106のXY平面内の変位方向をより正確に検知しやすい。このときのXY変位センサSc1の位置は特に限定されないが、永久磁石Mg11の外周に沿ってN個のXY変位センサSc1を配置する場合、N個のXY変位センサSc1は、基準軸を中心とする円周方向で角度360/N度毎に配置されることが好ましい。
(Z変位センサ)
次に、Z方向の変位検出について説明する。
図9は、永久磁石Mg21及びMg22とZ変位センサSc21及びSc22との位置関係を示す模式図である。
永久磁石Mg21及びMg22は、フランジ113の外周部に配置される。永久磁石Mg21は、永久磁石Mg21の+Z方向の極性が、S極であり、永久磁石Mg21の-Z方向の極性が、N極であるように配置される。永久磁石Mg22は、永久磁石Mg22の+Z方向の極性が、S極であり、永久磁石Mg22の-Z方向の極性が、N極であるように配置される。
図9では、回転駆動軸106が基準状態である場合、フランジ113(すなわち回転駆動軸106)は、Z方向の位置(以下、Z基準位置と称する場合もある)320にある。
Z変位センサSc21及びSc22は、それぞれ、すでに説明したXY変位センサSc12と実質的に同一の変位センサである。
Z変位センサSc21及びSc22は、それぞれ、筒状部材301及び311と、ストッパ303及び313と、コイル300A及び310Aと、永久磁石PMg21及びPMg22と、バネ(付勢部材)309A及び319Aとを有する。
筒状部材301及び311は、それぞれ、交流電流が印加されたコイル300A及び310Aと、永久磁石PMg21及びPMg22と、バネ309A及び319Aとを内部に収容する。
筒状部材301の-Z方向の端部の開口には、ストッパ303が固定(又は嵌合)される。ストッパ303は、中心部に孔が形成されている。筒状部材301の+Z方向の端部の開口(ストッパ303が固定された端部と反対側の端部の開口)には、蓋304が固定される。
筒状部材311の+Z方向の端部の開口には、ストッパ313が固定(又は嵌合)される。ストッパ313は、中心部に孔が形成されている。筒状部材311の-Z方向の端部の開口(ストッパ313が固定された端部と反対側の端部の開口)には、蓋314が固定される。
ストッパ303及び313と、コイル300A及び310Aと、永久磁石PMg21及びPMg22と、バネ309A及び319Aとは、それぞれ、筒状部材301及び311内で同軸上に配置される。なお、ストッパ303及び313と、コイル300A及び310Aと、永久磁石PMg21及びPMg22と、バネ309A及び319Aとは、それぞれ、筒状部材301及び311内で同軸上に配置されていなくてもよい。
コイル300A及び310Aの一方端は、それぞれ、ストッパ303及び313に固定され、一方端と反対側の他方端は、それぞれ、仕切り板305A及び315Aに固定される。コイル300A及び310Aは、それぞれ、筒状部材301及び311内で伸縮自在に設けられている。仕切り板305A及び315Aは、それぞれ、筒状部材301及び311内でZ方向に摺動可能に設けられる。
なお、筒状部材301及び311には、側面にスリットが設けられ、このスリットからは、コイル300A及び310Aの一方端側の配線、及び、他方端側の配線が引き出される。更に、円柱状である仕切り板305A及び315Aの外周には、突起が設けられ、これがスリットに嵌め合わされて周り止めとして機能する。なお、仕切り板305A及び315Aは、円柱形状以外の形状に形成されていてもよい。
永久磁石PMg21及びPMg22は、それぞれ、仕切り板305A及び315Aの中心部に嵌め込まれて固定される。
永久磁石PMg21は、-Z方向の極性がN極であり、+Z方向の極性がS極である永久磁石Mg21との間で引力を生じる。永久磁石PMg21は、仕切り板305Aに固定されるため、永久磁石PMg21に与えられる永久磁石Mg21からの引力の大きさが変化すると、仕切り板305Aにかかる力も変化する。
永久磁石PMg22は、+Z方向の極性がN極であり、-Z方向の極性がS極である永久磁石Mg22との間で引力を生じる。永久磁石PMg22は、仕切り板315Aに固定されるため、永久磁石PMg22に与えられる永久磁石Mg22からの引力の大きさが変化すると、仕切り板315Aにかかる力も変化する。
バネ309A及び319Aは、それぞれ、筒状部材301及び311内において、仕切り板305A及び315A内を挟んでコイル300A及び310Aが配置された空間と反対側の空間に配置される。バネ309A及び319Aは、それぞれ、仕切り板305A及び315Aと、蓋304及び314とに固定される。これらは、仕切り板305A及び315Aをその復元力によって摺動させる摺動機構として機能する。なお、重力による影響を考慮して、Z変位センサSc21及びSc22のバネ309A及び319Aの強度は、XY変位センサSc12のバネ209Cの強度よりも高くしてもよい。
フランジ113(すなわち、回転駆動軸106)がZ基準位置320にあるとき、仕切り板305A(315A)にそれぞれかかる以下の(A)~(C)を含む力の釣合いが実現する。
(A)コイル300A(310A)の復元力、
(B)永久磁石Mg21(Mg22)から、永久磁石PMg21(Pmg22)が受ける引力、
(C)摺動機構であるバネ309A(319A)の復元力
そのため、回転駆動軸106が回転しても、仕切り板305A(315A)は静止する。
なお、XY変位センサSc12と異なり、Z変位センサSc21及びSc22では、仕切り板305A、及び、仕切り板315Aにそれぞれ生ずる重力によって、コイル300Aは圧縮され、コイル310Aは伸長される。そのため、Z変位センサSc21、及び、Z変位センサSc22に同一のセンサを用いると、第2のフランジがZ基準位置320にあるときのコイル300A、及び、コイル310Aの長さに差が生ずる。
上記差は、Z基準位置320における各コイルの自己インダクタンスの初期値の差として現れる。
すでに説明したとおり、回転駆動軸106の変位は、この初期値と、測定値との差として計算される。したがって、上記のようにZ方向に永久磁石Mg21、及びMg22を挟んで対向する上下のZ変位センサSc21及びSc22の自己インダクタンスの初期値に差があったとしても、結局はキャンセルされ、測定値には実質的な差は生じない。
しかしながら、変位量等の計算をより容易にできる観点では、Z基準位置320において、コイル300Aの長さと、コイル310Aの長さとが同一となるように調整されることが好ましい。
この調整は、典型的には、バネ309A、及び、バネ319Aのばね定数を調整したり、仕切り板305A、315Aの重さを調整したりすることによって容易に実施できる。
コイル300A、及び、310Aのばね定数によっても調整は行えるが、それにより自己インダクタンスに変化が生ずる可能性があるため、上述のように、バネ309A、及び、バネ319A(摺動機構)の復元力の強さを調整することが好ましい。
図10は、フランジ113(回転駆動軸106)の変位による、Z変位センサSc21及びSc22の状態の変化の説明図である。
具体的には、フランジ113(回転駆動軸106)が、Z基準位置320と比較して、+Z方向に変位した場合を表す。
Z変位センサSc21では、永久磁石Mg21からの引力が増加して、仕切り板305Aにおける力の釣合いが崩れ、仕切り板305Aは-Z方向に変位する。その後、バネ309Aの復元力、コイル300Aの復元力が増大し、仕切り板305Aが-Z方向に一定程度変位した状態で、再び平衡状態が実現される。
これによって、コイル300Aは圧縮された状態となり、その長さlen_upは、基準状態と比較して、Δlen_up(-)だけ減少する。
一方、Z変位センサSc22では、永久磁石Mg21からの引力は減少する。これにより仕切り板315Aにおける力の釣合いが崩れ、コイル310Aの復元力、及び、バネ319Aの復元力により、仕切り板315Aは、-Z方向に変位し、結果として、コイル310Aは伸長する。コイル310Aの長さlen_dnは、基準状態と比較して、Δlen_dn(+)だけ増加する。
このように各コイルの長さが変化すると、それに応じてコイル300A(310Aの自己インダクタンスが変化し、それぞれのコイルの電圧波形も変化する。
図10(B)は、コイル300Aの電圧波形(電圧-時間波形)、図10(C)は、コイル310Aの電圧波形を表す図(模式図)である。
図10(B)では、基準状態における電圧波形340と比較して、電圧波形341は、同位相であるものの、振幅がより大きい。これは、コイル300Aが圧縮されたことによって自己インダクタンスが増加したことに起因する。
一方、図10(C)では、基準状態における電圧波形340と比較して、電圧波形342は、同位相であるものの、振幅がより小さい。これは、コイル310Aが伸長され自己インダクタンスが減少したことに起因する。
図10(B)と、図10(C)の各電流波形は逆位相である。各コイルにおける電圧波形の位相は、印加する交流電流の極性、及び/又は、コイルの巻き方向等を適宜調整することによって容易に調整できる。
以下では、永久磁石Mg21、及びMg22を挟んで対向する変位センサSc21、及びSc22におけるコイル300A、及び310Aの電圧波形の位相を逆転させることの効果について説明する。
図11は、フランジ113(回転駆動軸106)が、Z(+)方向に変位する場合のZ変位センサSc21、及び、Z変位センサSc22のコイル300A、及び、310Aにかかる電圧波形の説明図である。
このうち、図11(A)は、Z変位センサSc21のコイル300Aにかかる電圧波形を表す図である。横軸は時間、縦軸は電圧を表している。
図11(A)において、電圧波形350は、フランジ113(回転駆動軸106)がZ基準位置320にある場合の電圧波形を表す。これに対し、電圧波形351は、フランジ113(回転駆動軸106)がZ基準位置320から+Z方向に変位した場合の電圧波形を表す。フランジ113が+Z方向へ変位すると、コイル300Aが圧縮され、自己インダクタンスLが増加するため、電圧波形の振幅が増大する。
次に、電圧波形352は、温度が変化する場合の電圧波形を表す。電圧波形は、Z変位センサSc21の温度上昇により変化することがある。本実施例におけるコイル300Aは空芯コイルであり、温度変化に伴う透磁率μの変化は小さいものの、温度変化によりコイル300Aの熱膨張(収縮)によって各定数が変化した結果、自己インダクタンスLが変化する場合がある。また、温度変化によって抵抗値等も変化する。このような種々の要因により、温度変化に起因して、電圧波形351が、電圧波形352のようにシフトすることがある。
自己インダクタンスの式には、S(面積)とl(コイル長)が含まれているので、原則として、温度が変化し部材形状が変化(膨張/収縮)すれば、自己インダクタンスは変化することがある。しかし、その度合いは、S/lの効果であり、一般的な条件下では、無視できることが多い。
本発明のワーク保持装置は、加工力による変位をインダクタンスの変化でとらえることを計測原理としている。そのため、上記のように、波形自体がシフトするのは、回路の抵抗成分が温度により変化することをとおして電圧の変動がある場合ということができる。
次に、図11(B)は、Z変位センサSc22のコイル310Aにかかる電圧波形を表す図である。こちらも横軸は時間、縦軸は電圧を表す。
図11(B)において、電圧波形360は、フランジ113(回転駆動軸106)がZ基準位置320にある場合の電圧波形を表す。これに対し、電圧波形361は、フランジ113(回転駆動軸106)がZ基準位置320から+Z方向に変位する場合の電圧波形を表す。フランジ113が+Z方向へ変位すると、コイル310Aが伸長され、自己インダクタンスLが減少するために、電圧波形の振幅が増大する。
電圧波形362は、温度が上昇した場合の電圧波形を表す。Z変位センサSc22がZ変位センサSc21と同一のセンサである場合、その温度変化への感度は同様であり、結果として電圧波形361と比較すると、電圧波形362は全体が縦軸+方向にシフトする。
図11(C)は電圧波形351と電圧波形361との差分である電圧波形371を表す図である。電圧波形351と電圧波形361とが逆位相であることにより、その差分である電圧波形371は、電圧波形351、及び、電圧波形361の単独の波形と比較して、振幅が増大する。
すなわち、電圧波形を逆位相とすることにより、変位を検出するための信号をより大きくできる。言い換えれば、ダイナミックレンジをより広くすることができ、感度が向上する。
図11(D)は、温度変化によるドリフト後の電圧波形352と電圧波形362との差分による出力波形である電圧波形372を表す図である。電圧波形352と電圧波形362とが逆位相とされているため、その差分をとると、温度上昇によるドリフト分がキャンセルされ、結果として得られた電圧波形372は、図11(C)の電圧波形371と同一となる。
このように、永久磁石Mg21及びMg22を挟んで対向する2つのZ変位センサSc21及びSc22のコイルにかかる電圧波形を逆位相とすることで、Z変位センサSc21及びSc22の感度をより向上し、かつ、温度によるドリフトの影響をより小さくできる。この効果は、XY変位センサSc1においても同様である。
以上、Z変位センサSc21、及びSc22の構成について説明したが、上記の構成は、ワーク保持装置100が有する他のZ変位センサSc2についても同様である。
また、2つの永久磁石Mg2を挟んで対向する2つのZ変位センサSc2が必要であるように記載したが、1つの永久磁石Mg2に対向する少なくとも1つのZ変位センサSc2が配置されていればよい。
図12は、+Z方向から観た永久磁石Mg21及びZ変位センサSc2のコイル300A~300Dの配置の一例を示す模式図である。
図12には、Z変位センサSc21、Sc25、Sc23、及びSc27を示している。
Z変位センサSc21は、コイル300Aを有し、Z変位センサSc23は、コイル300Cを有し、Z変位センサSc25は、コイル300Bを有し、Z変位センサSc27は、コイル300Dを有する。図12には、説明の便宜上、Z変位センサSc21、Sc25、Sc23、及びSc27について、コイル300A、300B、300C、及び300Dのみを示しているが、実際には、それぞれ、図9に示したZ変位センサSc2の構成を有する。
コイル300A、300B、300C、及び、300Dの巻き数、直径、及び、材質等のコイルの特性はいずれも同一であることが好ましい。
また、コイル300A、300B、300C、及び、300Dの直径DZ(+)は、永久磁石Mg21のZ方向の幅と比較したとき、より大きいことが好ましい。
このように構成することで、永久磁石Mg21が熱により膨張、又は、収縮した場合でも、各コイルを貫く磁束がより変化しにくい。磁束が変化しにくいことは、温度変化によって誘導起電力が生ずるのをより抑制できることを意味し、結果として、Z変位センサSc2の精度がより向上する。
以上は、永久磁石Mg21の外周、+Z方向側のZセンサであるが、永久磁石Mg22の外周、-Z方向側にも同様に実質的に同一のZ変位センサSc2が配置されている。各Z変位センサSc2は、永久磁石Mg21、Mg22を挟んで対向して配置されている。
Z変位センサSc2がこのように配置されることで、各Z変位センサSc2の出力値の差から、チャックテーブル104(θ軸13)のチルト方向、チルト角を計算することもできる。
(θセンサ)
図13(A)は、回転駆動軸106のθ軸13周りのトルク検知のためのトルク検出器Dc3の構成例を模式的示す平面図である。また、図13(B)は、その部分拡大図である。
トルク検出器Dc3は、永久磁石Mg31と、θセンサSc31及びSc32とを有する。
永久磁石Mg31の外周部は、異なる磁極(S極及びN極)が円周方向に交互に配置されるように構成されている。つまり、永久磁石Mg31の内周部も、異なる磁極(S極及びN極)が円周方向に交互に配置されるように構成されている。
θセンサSc31及びSc32は、XY平面において、互いに基準軸を挟んで対向している。なお、θセンサSc31及びSc32は、XY平面において、互いに基準軸を挟んで対向していなくてもよい。
θセンサSc31は、コイル400Aと、電圧変化検出装置401Aとを有する。θセンサSc32は、コイル400Cと、電圧変化検出装置401Cとを有する。
電圧変化検出装置401Aは、コイル400Aの電圧変化を検出する。電圧変化検出装置401Cは、コイル400Cの電圧変化を検出する。
回転駆動軸106が制止している場合、コイル400Cを貫く磁束をΦとすると、ΔΦ/Δtがゼロ(0)となるため、電圧変化検出装置401Cにおいて検出される電圧は0である。
一方、空回転のように、回転駆動軸106に負荷がかからず、θ軸13を中心に(基準状態で)回転するときには、コイル400C付近の永久磁石Mg31の磁性は規則的に変化し、コイル400Cを貫く磁束も規則的に変化する(周波数f0)。このとき、電圧変化検出装置401Cは、コイル400Cを貫く磁束の変化による誘導起電力を検出する。この誘導起電力は、周波数f0に応じて規則的に変化する。
研削加工等により、ワークに対してθ軸周りに負荷が加わると、回転速度が変化することがある。このとき、誘導起電力(-N×ΔΦ/Δt)、及び、誘導起電力の周期(周波数f1)は、空回転のときと比較すると、回転速度の変化に応じて、変化する。なお、Nはコイルの巻き数である。
θ軸周りに負荷が加わると、θ軸モータ107の出力値(電流値、及び、負荷率等、すなわち消費電力)も変化する。上記誘導起電力の周波数f1と、θ軸モータの出力値から、トルク、及び、周方向の力を計算することができる。
θセンサSc3におけるコイル400A、400Cの巻き数Nは等しいことが好ましい。また、コイルの巻き方向を反対にすると、信号が逆位相となり、差分を取ることで、XYセンサ、Zセンサと同様に温度補償できる。
また、コイルの直径D(+)、及び、D(-)は、磁極の間隔WDより大きいことが好ましい。このようにすることで、温度変化により永久磁石Mg31が膨張/収縮した場合でも、より正確に測定できる。
なお、本実施例では、回転駆動軸106の回転速度を上記θセンサSc3により検知することとしているが、上記θセンサSc3に代えて、又は、上記θセンサSc3とともに、一般的なロータリーエンコーダを用いて、回転速度を計算する形態であってもよい。
回転駆動軸106のトルクをθ軸モータ107の出力値(電流値及び負荷率等(消費電力))とロータリーエンコーダ(図示せず)により検知した回転速度とによりトルク等を検出する場合、トルク検出器Dc3は、回転駆動軸106に設けられていなくともよい。
以上、XYセンサSc1、ZセンサSc2、及び、θセンサSc3による変位量等の評価方法について説明したが、上記のセンサの測定結果から他の値を計算することもできる。
図14は、曲げ応力の評価方法の説明図である。
回転駆動軸106と一体とされたチャックテーブル104上に厚みhのワークが載置され回転する場合に、回転駆動軸106が角度「λ」だけ傾いたとする。
このとき、ワークWの先端にかかる力F、ワークWのチャックテーブル104からの延長をEvsとすると、曲げ応力は、(曲げモーメント)/(断面係数)で評価できる。
すなわち、図16において、ワークWの半径をRD、チャックテーブル104の半径をrdとすると、b1で表される線分の長さは、式(14)で、b2で表される線分の長さは、式(15)で計算できる。ワークWの厚みをhとすると、断面係数は、式(16)、断面2次モーメントは式(17)で表され、曲げモーメントは、式(18)により計算できる。
図15は、本実施形態の加工装置1の機能ブロック図である。
加工装置1は、ワーク保持装置100と、加工部611とを有する。
加工部611は、工具800及び位置決め機構900を含む。
ワーク保持装置100は、制御装置601と、センサ部610とを有する。
制御装置601は、制御部602、記憶部603、入出力部604、通信部605、測定部606、計算部607、及び、調整部608を含む。
制御部602は、ハードウェアとしてプロセッサを含んで構成され、ワーク保持装置100の各部、後述するセンサ部610、加工部611を制御する。
制御部602のプロセッサは制御用の集積回路であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロコントローラ等である。プロセッサは、図示しない作業用RAM(Random Access Memory)を有するようにしてよい。
記憶部603は、ハードウェアとして一般的な情報記憶媒体を含んで構成され、ワーク保持装置100、センサ部610、及び、加工部611の制御のために必要な各種パラメータ等を記憶する機能を有する。詳細は後述するが、記憶部603は、各変位センサの基準電圧波形を記憶し、これを計算部607に提供したり、電圧波形の振幅の変化と、回転駆動軸106の基準位置からの変位との関係を表す検量線を記憶し、これを計算部607に提供したりする機能を担う。
記憶媒体は、典型的には不揮発性メモリであり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、及び、ハードディスク等である。
入出力部604は、入出力デバイス(タッチパネルディスプレイ等)等の外部機器640を接続するためのインタフェースである。制御装置601は、入出力部604を介して外部機器640からの要求信号を受信したり、外部機器640に対して情報を送信したりする。なお、制御装置601は、入出力部604を有していなくてもよい。制御装置601が入出力部604を有しない場合、ネットワーク641からの要求信号を、通信部605を介して受信したり、通信部605を介して、ネットワーク641に接続されたクライアント又はホストコンピュータに情報を送信したりする形態であってもよい。
測定部606は、ハードウェアとしてアナログ-デジタル変換回路等を含んで構成され、記憶部603に記憶されたプログラムを制御部602のプロセッサが実行して実現される機能である。
測定部606は、センサ部610を制御し、コイルからの入力信号AL1を変換して処理し、得られた電圧波形AL2を計算部607に提供する。
計算部607は、記憶部603に記憶されたプログラムを制御部602のプロセッサが実行することにより実現される機能である。計算部607は、記憶部603から提供される基準電圧波形AL3と、測定部606から提供される電圧波形AL2とを比較し、回転駆動軸106の変位を検出する。回転駆動軸106が変位している場合、記憶部603から提供される検量線AL4を基に変位量、及び/又は、変位の方向(変位量等)を計算する。なお、計算される値には、回転駆動軸106の傾き角度(チルト角)、及び、その量が含まれてもよい。
基準電圧波形と測定された電圧波形との比較の方法は特に制限されないが、所定の方法で計算した評価値と、閾値と比較する方法が挙げられる。評価値としては、例えば、基準電圧波形の振幅と、測定された電圧波形の振幅との差、及び、比等が挙げられる。
なお、計算部607は、計算を行う前に、測定された電圧波形を合成したり、差分を取ったりして、新たな波形を取得してもよい。この場合、基準電圧波形として、合成される波形に即したものが予め準備され、記憶部603に記憶される。
例えば、所定の磁性体(例えば、永久磁石Mg1及びMg2)を挟んで互いに対向する1対のセンサ(例えば、XY変位センサSc1及びZセンサSc2)の出力の差分を取って比較を行う場合、基準電圧波形も同様にして取得された差分データが準備される。
計算部607における、XY方向、及びZ方向の変位量の計算方法はすでに説明したとおりである。チルト角度の計算方法は特に制限されないが、例えば、Z変位センサSc21、Sc23とこれらのZ変位センサSc21及びSc23のそれぞれと90度離間して配置されるZ変位センサSc25及びSc27との計4つのZ変位センサSc21、Sc25、Sc23、及びSc27のそれぞれの変位量を比較する方法が挙げられる。
調整部608は、記憶部603に記憶されたプログラムを制御部602のプロセッサが実行することにより実現される機能である。調整部608は、計算部607により計算された変位方向、及び、変位量(AL5)をもとに、工具800、及び、位置決め機構900を含む加工部611をフィードバック制御する。
具体的には、変位を打ち消すように位置決め機構900、及び/又は、工具800の回転軸を移動させたりする。
なお、検出器Dc又はセンサScが、制御装置601の少なくとも一部の機能と、センサ部610とを有し、ワーク保持装置100と別体として設けられていてもよい。
次に、ワーク保持装置による変位量等の計算方法、及び、加工装置によるフィードバック制御方法の手順について説明する。
図16は、加工装置によるフィードバック制御方法の手順を示すフローチャートである。
まず、測定部606がセンサ部610のXY変位センサSc1、及び、Z変位センサSc2を制御して、各コイルからの電気信号を変換して処理し、電圧波形を得る(ステップ1)。
次に、計算部607は、得られた電圧波形について、予め記憶部603に記憶された基準電圧波形と比較する(ステップS2)。得られた電圧波形と基準電圧波形とに差がある(異なる)場合(ステップS2:YES)、変位センサのコイルの電圧の差分を計算する(ステップS3)。このとき計算されるコイルの電圧の差分は、典型的には、電圧波形の振幅の差分であることが好ましい。
電圧の差分の計算対象となるコイルの組は、永久磁石Mg1及びMg2の周囲に所定の角度をあけて配置されたXY変位センサ及びZ変位センサのコイル、及び、永久磁石Mg1及びMg2を挟んで対向して配置された変位センサSc1及びSc2のコイル等である。
例えば、永久磁石Mg1の周囲に90度間隔でXY平面に沿って配置された4つのXY変位センサSc1の場合、永久磁石Mg1を挟んで対向して配置された2つのXY変位センサSc1のコイルの電圧の差分を計算する。なお、この際、差分計算の対象となる一対のコイルの電圧波形の位相は、逆位相であることが好ましい。すでに説明したとおり、温度変化による信号のドリフトの影響をより小さくできるためである。
また、永久磁石Mg2を挟んで+Z方向、及び、-Z方向に対向して配置されたZ変位センサSc2のコイルの電圧の差分を計算する場合も、差分計算の対象となる一対のコイルの電圧波形の位相は、逆位相であることが好ましい。
なお、本フローは、ステップS3を有しているが、ワーク保持装置による変位量等の計算方法は、ステップS3を有していなくてもよい。変位量等の計算方法がステップS3を有していると、温度変化によるドリフトの影響をより小さくでき、変位量等の計算の精度がより向上したり、信号を増幅したりすることができ、ダイナミックレンジがより拡大し、感度がより向上する。
次に、計算部607が電圧波形(又は差分)から変位量等を計算する(ステップS4)。例えば、XY変位センサSc1のコイルの電圧波形から、X、Y方向の変位量、及び、方向を計算する。また、Z変位センサSc2のコイルの電圧波形から、Z方向の変位量、及び、方向を計算する。また、フランジ113の+Z方向(及び-Z方向)に配置された複数のZ変位センサSc2のコイルの電圧波形の比較から、回転軸のチルト角、及び、その量を計算する。
なお、上記の計算に使用する検量線(変位量-電圧の変化の関数)は、予め測定されたものが記憶部603に記憶される。
以上のステップS1~S4が、ワーク保持装置100による変位量等の計算方法の手順である。次に、上記ワーク保持装置を含む加工装置1によるフィードバック制御の方法について説明する。
ステップS1~S4はすでに説明したとおりであり、次に、計算部607による計算結果をもとに、調整部608によって加工部611がフィードバック制御される(ステップS5)。一形態としては、回転駆動軸106の変位を抑制するように(打ち消すように)、位置決め機構900により工具800とワークとの相対位置が調整される。
フィードバック制御(ステップS5)の後は、再度変位センサから電圧波形が取得され(ステップS1)、基準電圧波形との比較(ステップS2)が行われる。その結果として、基準電圧波形と比較して差がなくなるまで、ステップS3~ステップS5、及び、ステップS1~ステップS2が繰り返される。
以上説明した通り、本発明によれば、より簡易な構造で、加工応力等の変化に起因した回転軸の変位を測定できる、ワーク保持装置が提供されるとともに、測定結果を加工物にフィードバック制御可能な加工装置も提供される。
以下で、本実施形態の変形例に係る加工装置1について説明する。変形例において、前述した実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
(変形例1)
図17は、変形例に係るXY変位センサSc15の構成例を示す模式図である。図17(A)は、XY変位センサSc15の模式的に示す断面図であり、図17(B)は、-方向から観た場合のXY変位センサSc15の斜視図である。なお、XY変位センサSc15は、XY変位センサSc1、及びZ変位センサSc2のいずれとしても使用可能であるが、XY変位センサSc12と同様の配置で使用される場合を例に説明する。
XY変位センサSc15は、筒状部材201、ストッパ203、蓋204、コイル500、仕切り板505、永久磁石PMg15、及び永久磁石CMg15を有する。
筒状部材201は、コイル500、仕切り板505、永久磁石PMg15、及び永久磁石CMg15を内部に収容する。
コイル500、仕切り板505、永久磁石PMg15、及び永久磁石CMg15は、筒状部材201内で同軸に配置される。なお、コイル500、仕切り板505、永久磁石PMg15、及び永久磁石CMg15は、筒状部材201内で同軸に配置されていなくともよい。
コイル500は、その一方端(Fr)がストッパ203に固定され、他方端(Bk)が仕切り板505に固定される。コイル500は、筒状部材201内で伸縮自在に設けられる。仕切り板505は、筒状部材201内をX軸方向に摺動自在に設けられる。
なお、筒状部材201には、側面にスリット208が設けられ、このスリットからは、コイル500の一方端(Fr)側の配線510、及び、他方端(Bk)側の配線511が引き出される。更に、円柱状の仕切り板505の外周には、突起207が設けられ、これがスリット208に嵌め合わされて周り止めとして機能する。なお、仕切り板505は、円柱形状以外の形状に形成されていてもよい。
永久磁石PMg15は、仕切り板505の-X方向の側面に固定される。永久磁石PMg15は、コイル500の中心部に配置されている。永久磁石PMg15の-X方向の極性は、S極であり、永久磁石PMg15の+X方向の極性は、N極である。永久磁石PMg15は、内周部の極性がS極であり、外周部の極性がN極である永久磁石Mg11との間で引力を生ずる。永久磁石PMg15は、仕切り板505に固定されるため、永久磁石PMg15に与えられる永久磁石Mg11からの引力の大きさが変化すると、仕切り板505の力の釣合いの状態が変化する。
XY変位センサSc15では、永久磁石PMg15は、仕切り板505の一方側(-X方向)の面に張り出すように固定され、貫通しない。このように構成することで、永久磁石CMg15との間に生ずる復元力(本変形例では斥力)の調整がより容易になる。具体的には、仕切り板505の材質、及び、厚み等を調整することで、斥力(反発力)を調整できる。
永久磁石CMg15は、一方端が蓋204に固定される。永久磁石CMg15は、永久磁石PMg15に対して斥力(反発力)を与える。永久磁石CMg15は、この復元力により仕切り板505を摺動させる、摺動機構として機能する。
回転駆動軸106が基準位置にあるとき、仕切り板505に生じる力は平衡状態にある。すなわち、以下の(A)~(C)を含む力の釣合いが実現している。
(A)コイル500の復元力
(B)図示しない永久磁石Mg11により、永久磁石PMg15に生ずる引力
(C)永久磁石CMg15により、永久磁石PMg15に生ずる斥力
これに対し、回転駆動軸が+X方向に変位し、永久磁石Mg11が永久磁石PMg15に接近すると、永久磁石PMg15に生ずる引力が増大し、仕切り板505には、-X方向に力が加わり、平衡状態が崩れる。すると、仕切り板505は-X方向に変位し、コイル500の圧縮によって生ずる復元力が増大して新たに平衡状態となる点で停止する。
この際、コイル500は圧縮され自己インダクタンスが増加する。自己インダクタンスの増加は、電圧波形の変化として検出できるため、回転駆動軸106の変位を検出できる。
ここで、回転駆動軸106が再度、基準位置に戻ると、永久磁石Mg11が永久磁石PMg15から離隔するため、引力が低下する。すると、相対的にコイル500の復元力が大きくなるために、仕切り板505は、+X方向に変位する。しかし、一定以上変位すると、永久磁石CMg15からの斥力が大きくなるため、力の釣合いが取れる当初の状態に戻る。
次に、回転駆動軸106が-X方向に変位すると、永久磁石Mg11と、永久磁石PMg15とは更に離隔し、引力が減少する。すると、力学的平衡状態が崩れ、コイル500の復元力(反発力)によって、仕切り板505は+X方向に変位する。
変形例1では、コイル500の反発力が十分大きいほど、仕切り板505の+X方向への変位が大きくなる。仕切り板505の変位が大きくなることは、自己インダクタンスの増加幅が大きくなること、ダイナミックレンジが広くなることを意味し、変位センサとしてより優れた感度が得られることを意味する。
すなわち、本変形例においては、回転駆動軸106が基準位置にあるとき、コイル500が圧縮され、反発力を生じていることが好ましい。
なお、本変形例では、永久磁石PMg15は、永久磁石Mg11との間で引力を生ずるように、磁極の向きが調整されているが、上記に限定されない。永久磁石PMg15の磁極は、上記と反対、すなわち、永久磁石Mg11との間で斥力を生じさせる形態であってもよい。
また、永久磁石PMg15と永久磁石CMg15との極性の方向の関係についても同様である。本変形例では斥力が生ずる形態を示しているが、引力が生ずる形態であってもよい。
いずれの場合であっても、回転駆動軸106が基準位置にあるとき、
(A)コイルの復元力
(B)フランジの永久磁石からセンサの磁石が受ける引力、又は、斥力
(C)摺動機構の復元力
を含む力が仕切り板505で釣り合えばよい。言い換えれば、回転駆動軸106が基準位置で回転するとき、仕切り板505が摺動しなければよい。
上記の調整は、基準状態におけるコイル500の圧縮度合い、コイル500の復元力(バネとしての弾性力)、永久磁石PMg15、永久磁石(付勢部材)509Cの磁力又は付勢力の強さ、互いの距離、及び、仕切り板505の厚み等を変更すれば、簡単に実施できる。
また、コイル500の復元力について、本変形例においては、基準状態で反発力を生ずることが好ましいことを述べたが、上記に限定されない。
例えば、永久磁石Mg11と永久磁石PMg15とが斥力を生じさせ、永久磁石PMg15と永久磁石CMg15とが引力、又は、斥力を生じさせる場合においては、コイル500の復元力は、基準状態で、圧縮応力(仕切り板505を-X方向に引っ張る力)を生じさせる状態が好ましい。この場合、基準状態でコイル500は伸長された状態が好ましい。
上述のとおり、永久磁石Mg11と永久磁石PMg15との磁極の相互の向き、永久磁石Mg11と永久磁石PMg15との磁極の相互の向き、及び、基準状態におけるコイルの復元力の働く方向については、基準状態で、仕切り板505が受ける力が平衡状態にあれば、任意に調整できる。
すなわち、基準状態において、仕切り板505が動かずに維持され、そして、回転軸が変位したとき、その変位に応じて仕切り板505が変位すれば(変位の方向は問わない)、変位センサとしての機能は発揮される。
なお、本変形例においても、永久磁石PMg15によって、コイル500内に生ずる磁束は、永久磁石Mg11が変位した場合でもその変化が抑制される為、コイルの電圧波形の変化は、ほぼ自己インダクタンスの変化に帰結できる。
(変形例2)
図18は、変形例2に係るフランジ113に設けられた永久磁石Mg23の構成例を示す断面図である。図18(A)は、フランジ113を模式的に示す断面模図であり、図18(B)は、変形例2に係る永久磁石Mg23の変形例の平面図(上図)、及び、正面図(下図)である。
永久磁石Mg23は、フランジ113の外周部に配置される。永久磁石Mg23は、リング状(ドーナツ状)である。永久磁石Mg23は、外周部の極性がS極であり、内周部の極性がN極である。なお、永久磁石Mg23は、リング状(ドーナツ状)以外の形状で形成されていてもよい。
(変形例3)
図19は、変形例3に係る加工装置1の構成例を示す斜視図である。
変形例3に係る加工装置1は、工具との接触位置である加工点14を通るピッチ軸12を中心に回転させ、θ軸13を中心に回転させることができる。
変形例3に係るワーク保持装置100は、ワークWを5軸制御(X軸、Y軸、Z軸、θ軸13、及び、ピッチ軸12)する。ワーク保持装置100は、ピッチ軸12を有する。ワーク保持装置100の構成は、前述した実施形態及び変形例と同等である。
なお、ワーク保持装置100は、上記5軸に限定されず、この5軸のうちの一部の軸に沿って移動(回転)可能な形態とされてもよいし、この5軸以外の軸に沿って移動(回転)可能な形態とされてもよい。
前述の実施形態及び変形例では、磁性体Mgはいずれも永久磁石であるが、本発明のワーク保持装置100の磁性体Mgは上記に限定されず、電磁石であってもよい。しかし、磁性体Mgは回転体である回転駆動軸106に設置されるため、電流を供給しなくてよい観点では、磁性体Mgは永久磁石であることが好ましい。
12 ピッチ軸、13 θ軸、14 加工点、100 ワーク保持装置、104 チャックテーブル、105 ベース、106 回転駆動軸、107 θ軸モータ(軸モータ)、108 吸着孔、109 通路、112、113 フランジ、200A~200D コイル、201 筒状部材、202 孔、203 ストッパ、204 蓋、205C 仕切り板、207 突起、208 スリット、209C バネ、210、211 配線、240~242 電圧波形、250 回路、251 交流電源、252 抵抗、253 コイル、254 交流電流、300A~300D コイル、301 筒状部材、303 ストッパ、304 蓋、305A 仕切り板、309A バネ、310A コイル、311 筒状部材、313 ストッパ、314 蓋、315A 仕切り板、316A 319A バネ、340~342、350~352、360~362、371~372 電圧波形、400A、400C コイル、401A、401C 電圧変化検出装置、500 コイル、505 仕切り板、510、511 配線、601 制御装置、602 制御部、603 記憶部、604 入出力部、605 通信部、606 測定部、607 計算部、608 調整部、610 センサ部、611 加工部、640 外部機器、641 ネットワーク、800 工具、900 位置決め機構、W ワーク、Mg11、Mg21、Mg22、Mg31、PMg11、PMg12、PMg13、PMg14、PMg15、PMg21、PMg22、509C 永久磁石、Sc11、Sc12、Sc15、Sc21、Sc22、Sc23、Sc24、Sc25、Sc27、Sc31、Sc32 センサ

Claims (9)

  1. ワークを載置する回転テーブルと、
    前記回転テーブルと一体に回転軸を中心に回転する回転駆動軸と、
    前記回転駆動軸に配置された磁性体と、
    前記磁性体に対向し、前記磁性体との距離に応じて自己インダクタンスが変化する変位センサと、を有する、ワーク保持装置。
  2. 前記磁性体は、第1磁性体と、第2磁性体とを有し、
    前記変位センサは、第1変位センサと、第2変位センサとを有し、
    前記第1変位センサは、第1方向への第1変位又は第2方向への第2変位を検出し、
    前記第2変位センサは、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向の第3変位を検出する、請求項1に記載のワーク保持装置。
  3. 前記回転駆動軸は、前記回転テーブルに接続される第1フランジと、前記第1フランジから前記第3方向に延出する軸部とを有し、
    前記第1磁性体は、前記第1フランジの外周部に配置される、請求項2に記載のワーク保持装置。
  4. 前記第1変位センサは、前記第1方向又は前記第2方向において、前記第1磁性体に対向する、請求項3に記載のワーク保持装置。
  5. 前記回転駆動軸は、前記軸部に設けられた第2フランジを有し、
    前記第2磁性体は、前記第2フランジに配置される、請求項4に記載のワーク保持装置。
  6. 前記第2変位センサは、前記第3方向において、前記第2磁性体に対向する、請求項5に記載のワーク保持装置。
  7. 前記回転駆動軸を回転可能に保持するベースを備え、
    前記第1変位センサ及び前記第2変位センサは、前記ベースに配置されている、請求項6に記載のワーク保持装置。
  8. 前記変位センサは、筒状部材内に収納された、コイルと、仕切り板と、磁石と、付勢部材とを有し、
    前記仕切り板は、前記筒状部材の軸方向に摺動自在に配置され
    前記コイルは、一方端が前記筒状部材の前記磁性体側の端部に固定され、他方端が前記仕切り板に固定され、前記仕切り板の摺動に応じて伸縮自在に配置され、
    前記磁石は、前記仕切り板に固定され、
    前記付勢部材は、前記コイルと反対側から前記仕切り板に付勢する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のワーク保持装置。
  9. ワークを載置する回転テーブルと、
    前記回転テーブルと一体に回転軸を中心に回転する回転駆動軸と、
    前記回転駆動軸に配置された磁性体と、を有するワーク保持装置に設置される変位センサであって、
    筒状部材内に収納された、コイルと、仕切り板と、磁石と、付勢部材とを有し、
    前記仕切り板は、前記筒状部材の軸方向に摺動自在に配置され
    前記コイルは、一方端が前記筒状部材の前記磁性体側の端部に固定され、他方端が前記仕切り板に固定され、前記仕切り板の摺動に応じて伸縮自在に配置され、
    前記磁石は、前記仕切り板に固定され、
    前記付勢部材は、前記コイルと反対側から前記仕切り板に付勢され、
    前記磁性体に対向して配置され、前記磁性体との距離に応じて自己インダクタンスが変化する変位センサ。
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