JP2024055307A - 光照射装置、光測距装置および車両 - Google Patents

光照射装置、光測距装置および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズユニットを用いない光照射装置において、測距対象エリア内で照射エリアを絞ったビームステアリングを実行可能にする。【解決手段】光測距装置1に設けられ、測距対象エリア5に光を照射する光照射装置2であって、光源20と、光源20から測距対象エリア5に向かう光を複数の屈曲方向に屈曲させる配光素子30とを備える、光照射装置2が提供される。【選択図】図5

Description

本発明は、光照射装置、光測距装置および車両に関する。
光測距装置は、測距対象物に向けて光を照射し、測距対象物で反射した光を検出することにより、測距対象物までの距離や方向などを測定する装置である。近年、LiDAR(Light Detection and Ranging)などの光を用いたリモートセンシング技術を利用した光測距装置が用いられている。
例えば、特許文献1には、スマートフォンに搭載されるガイド付き光センサを用いて、前方に存在する物体との距離や方向を測定する衝突防止システムが開示されている。また、特許文献2には、光の飛行時間(TOF:Time Of Flight)により距離を測定する複数のTOFセンサが放射状に配置された全方位測距装置が開示されている。
特開2021-047143号 特開2021-099278号
LiDARなどの測距センサを備えた光測距装置は、一般に、光源から出射されるレーザ光を測距対象物に向けて照射する光照射装置(エミッター)と、測距対象物で反射した反射光を検出する光検出装置(レシーバー)とを備える。かかる光測距装置では、光照射装置による光の照射エリア(測距対象エリア)および光の照射距離(測距可能距離)の双方の拡大が求められている。
しかしながら、光照射装置の光源のパワーを一定とした場合、光の照射エリアと照射距離はトレードオフの関係にある。このため、照射エリアを拡大しつつ、照射距離を延長することはできず、逆に、照射距離を延長しつつ、照射エリアを拡大することもできない。そこで、照射エリアおよび照射距離の双方を拡大させるという課題の解決方法として、光照射装置から照射される光の照射エリアを大幅に絞り、測距対象エリア内において部分的に照射される照射エリアを順次切り替えることで、測距対象エリア全体を走査(ビームステアリング)する方法が考えられる。
この点、従来のLiDAR用の光照射装置としては、照射光を拡散させるためのレンズユニットを使用して、広範囲の照射エリアと短距離の照射距離を実現する仕様のものが多い。レンズユニットは、複数の光学レンズを組み合わせた光学装置であり、光の照射方向や照射エリアの範囲を変更することが可能である。当該レンズユニットを使用した光照射装置は、ビームステアリング性能は高いが、レンズユニットを用いない光照射装置と比べて、サイズおよびコストが増大するという問題があった。一方、レンズユニットを用いない光照射装置は、その原理上、ビームステアリングを行うことができないという問題があった。つまり、光源からの光が測距対象エリアのほぼ全域に照射されるため、測距対象エリア内で照射エリアを絞ることができず、ビームステアリングを実現できなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、レンズユニットを用いない光照射装置において、測距対象エリア内で照射エリアを絞ったビームステアリングを実行可能にすることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
光測距装置に設けられ、測距対象エリアに光を照射する光照射装置であって、
光源と、
前記光源から前記測距対象エリアに向かう光を複数の屈曲方向に屈曲させる配光素子と、
を備える、光照射装置が提供される。
前記光源と前記測距対象エリアとの間に配置される拡散板をさらに備え、
前記拡散板は、前記配光素子と対向して配置されるようにしてもよい。
前記光源は、一次元的又は二次元的に配列された複数の発光素子を有し、
前記配光素子は、前記複数の発光素子から出射された複数の光を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させ、
前記光照射装置は、前記複数の発光素子の発光を制御する制御部をさらに備えるようにしてもよい。
前記複数の発光素子は、前記測距対象エリアを一次元的又は二次元的に分割した複数の照射エリアにそれぞれ対応しており、
前記複数の発光素子から出射された前記複数の光はそれぞれ、前記配光素子および前記拡散板を通じて、前記複数の照射エリアに向けて照射され、
前記制御部は、前記複数の発光素子のうち発光する発光素子を切り替えるようにしてもよい。
前記配光素子は、前記複数の照射エリアにそれぞれ対応する複数の屈曲部を有し、
前記複数の屈曲部はそれぞれ、前記複数の発光素子から出射された前記複数の光を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させ、前記複数の照射エリアに向けて導くようにしてもよい。
前記配光素子は、前記光源と前記拡散板との間に配置され、
前記複数の屈曲部はそれぞれ、前記複数の発光素子から出射された前記複数の光を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させて、前記拡散板に向けて出射し、
前記拡散板は、前記複数の屈曲部から入射された複数の屈曲光をそれぞれ拡散させて、相互に異なる方向に進む複数の拡散光を、前記複数の照射エリアに向けてそれぞれ照射するようにしてもよい。
前記配光素子と前記拡散板は、相互に接触して配置されている、又は、接合部材を介して接合されて配置されているようにしてもよい。
前記配光素子は、プリズム構造を有する屈曲素子を含むようにしてもよい。
前記屈曲素子の両側の表面に前記プリズム構造が形成されているようにしてもよい。
前記屈曲素子の一側の表面に第1のプリズム構造が形成され、前記屈曲素子の他側の表面に第2のプリズム構造が形成されており、
前記第1のプリズム構造と前記第2のプリズム構造は、平面視において相互に交差する方向に延在しているようにしてもよい。
前記配光素子は、ミラーを含むようにしてもよい。
前記拡散板は、マイクロレンズアレイを有するようにしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
前記光照射装置と、
前記光照射装置から照射され、測距対象物で反射した光を検出する光検出装置と、
を備える、光測距装置が提供される。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
前記光測距装置を備える、車両が提供される。
本発明によれば、レンズユニットを用いない光照射装置において、測距対象エリア内で照射エリアを絞ったビームステアリングを実行可能にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る光測距装置の全体構成を示す模式図である。 従来のレンズユニットを用いた光照射装置を示す模式図である。 従来の拡散板を用いた光照射装置を示す模式図である。 従来のレンズユニットを用いた光照射装置において、ビームステアリングにより、測距対象エリア内で照射エリアを絞った状態を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る光照射装置を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置によるビームステアリング動作を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置が備える配光素子を示す平面図である。 同実施形態に係るプリズム構造を有する屈曲素子を示す部分拡大斜視図である。 図7に示す屈曲素子のX-X断面図およびY-Y断面図である。 同実施形態に係る光照射装置の構成例1を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置の構成例2を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置の構成例3を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置の構成例4を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置の構成例5を示す模式図である。 同実施形態に係る光照射装置の構成例6を示す模式図である。 本発明の実施例に係る光照射装置において、6つの発光素子の全てを同時に発光(点灯)させたときの照射光の相対強度分布を示すグラフである。 同実施例に係る光照射装置において、6つの発光素子の全てを同時に発光(点灯)させたときの照射光の相対強度分布を示す写真である。 同実施例に係る光照射装置において、6つの発光素子のうち左上部の1つの発光素子を発光させたときの照射光の相対強度分布を示す写真である。 同実施例に係る光照射装置において、6つの発光素子のうち中央上部の1つの発光素子を発光させたときの照射光の相対強度分布を示す写真である。 同実施例に係る光照射装置において、6つの発光素子のうち右上部の1つの発光素子を発光させたときの照射光の相対強度分布を示す写真である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料、数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[1.光測距装置の全体構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光測距装置1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光測距装置1の全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光測距装置1は、測距対象エリア5に向けて光を照射し、測距対象物6で反射した光を検出することにより、測距対象物6までの距離や方向、測距対象物6の大きさ、形状などを測定する装置である。光測距装置1は、例えば、LiDARなどのリモートセンシング技術を利用した測距センサを備える。光測距装置1による測距方式は、例えば、光測距装置1が照射光を出射してから反射光を受光するまでの往復時間である光の飛行時間(FOT)を測定することで、測距対象物6までの距離を計算するFOT方式であることが好ましいが、それ以外にも、三角測距方式などの各種の測距方式を用いてもよい。
本実施形態に係る光測距装置1は、リモートセンシングを利用する各種の技術分野に適用可能である。例えば、光測距装置1は、自動車分野における自動運転技術、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)もしくは交通取締り用のレーダ装置、建設分野における測量、航空機/人工衛星を用いた測量、掃除機ロボット、AR(拡張現実)/MR(複合現実)/VR(仮想現実)などの技術を利用した各種の端末装置(スマートフォン、スマートグラス、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、タブレットPCなど)における3Dマッピング計測、地質学/地震学/大気物理学/海洋学などにおける各種の測定、または、軍事用途などに適用可能である。
本実施形態に係る光測距装置1は、例えば、自動車、バス、トラック、自動二輪車などの車両に搭載されて、自動運転技術またはADASなどに好適に適用することができる。この場合、光測距装置1は、車両の周囲、特に車両の前方の空間に存在する測距対象物6までの距離や方位を測定したり、3Dマッピングを作成したりできる。しかし、かかる例に限定されず、光測距装置1は、上記各種の技術分野における各種の製品に搭載可能である。
図1に示すように、本実施形態に係る光測距装置1は、光照射装置2(エミッター)と、光検出装置3(レシーバー)と、コントローラ4とを備える。かかる光測距装置1は、LiDARなどの測距センサとして機能する。
光照射装置2は、測距対象エリア5に対して光を照射するための装置(エミッター)である。光照射装置2は、光源から出射された光を、測距対象エリア5に向けて照射する。光照射装置2から照射される光は、例えば、近赤外線、可視光線または紫外線などの波長帯域を有するレーザ光を使用できるが、人の目に見えない近赤外線の波長帯域(例えば850nm~1550nm)を有するレーザ光であることが好ましい。光照射装置2が備える光源は、近赤外線のレーザ光を出射する半導体レーザなどのレーザ光源であることが好ましい。
光照射装置2は、例えば、レーザ光を出射する発光素子を有する光源と、レーザ光を拡散させる光学素子(後述する拡散板40など)と、カバーガラスと、筐体など(いずれも図示せず。)を備える。光照射装置2は、光源からパルス状のレーザ光を出射し、光学素子により当該レーザ光を拡散させ、当該拡散された光(照射光)を測距対象エリア5に向けて照射する。かかる光照射装置2の構成の詳細は後述する。
光検出装置3は、光照射装置2から照射されて測距対象物6で反射した光(反射光)を検出するための装置(レシーバー)である。光検出装置3は、例えば、カバーガラスと、光学フィルタと、受光素子を備える受光部など(いずれも図示せず。)を備える。光学フィルタは、測距対象物6で反射した反射光以外の光(例えば、太陽光又は照明光など)をノイズとしてカットし、光照射装置2から出射されたレーザ光の波長に対応する光のみを透過させる。これにより、受光素子による反射光の検出感度を向上することができる。受光素子は、入射された反射光を受光して電圧を発生させる光電変換素子で構成される。受光素子は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge Coupled Device)センサなどのイメージセンサで構成される。受光部は、例えば、受光面上に二次元的に配列された複数の受光素子により、測距対象物6からの反射光を受光し、受光面の各画素位置での受光強度を電気信号に変換して、コントローラ4に出力する。
コントローラ4は、光測距装置1が備える光照射装置2、光検出装置3、およびその他の各種装置の動作を制御する制御部の一例である。コントローラ4は、例えば、プロセッサと、メモリと、入力装置と、出力装置と、通信装置など(いずれも図示せず。)を備える。
プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはその他のマイクロプロセッサで構成される。プロセッサは、メモリまたは他の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行する。これにより、光測距装置1における各種の処理が実行され、当該プログラムにより定められた各種の機能を実現可能になる。
メモリは、プログラムおよびその他の各種データを記憶する記憶媒体である。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などを有する。ROMは、プロセッサが使用するプログラム、およびプログラムを動作させるためのデータ等を記憶する不揮発性メモリである。RAMは、プロセッサにより実行される処理に用いられる変数、演算パラメータ、演算結果等のデータを一時記憶する揮発性メモリである。ROMに記憶されたプログラムは、RAMに読み出され、CPUなどのプロセッサにより実行される。
コントローラ4は、光照射装置2および光検出装置3を制御して、光測距装置1による測距動作を実行する。例えば、コントローラ4は、光照射装置2によるレーザ光の照射と、光検出装置3による反射光の検出を繰り返して、測距対象エリア5を3次元的に走査しながら、3次元マッピングを作成する。この際、コントローラ4は、光照射装置2によるレーザ光の出射タイミングと、光検出装置3による反射光の検出タイミングとの時間差(つまり、光の飛行時間:FOT)に基づいて、光測距装置1から測距対象物6までの距離や方向を演算する。
このように、光測距装置1は、測距対象エリア5をレーザ光で走査して、測距対象エリア5内に存在する測距対象物6までの距離や方向を示す3次元マッピングを作成する。このためには、光測距装置1は、できるだけ広い角度範囲(即ち、視野角(FOV))に渡ってレーサ光を照射することが求められる。光照射装置2の光源から出射されるレーサ光の広がりが狭いので、そのままでは測距センサとしての視野角が狭くなる。このため、拡散板などを用いてレーサ光を拡散させ、当該拡散光を広い視野角で測距対象エリア5に向けて照射して、照射エリアを拡大することが好ましい。
レーザ光を拡散させるため拡散板は、マイクロレンズアレイを備えており、マイクロレンズの形状を変えることで、所望の拡散角(即ち、視野角)を得ることができる。ところが、上述したように、TOFセンサなどの測距センサでは、レーザ光の照射エリアの広さ(測距対象エリア5の水平方向および垂直方向の範囲)と、レーザ光の照射距離(測距可能な距離)は、互いにトレードオフの関係にある。そこで、両者のバランスを取って、照射エリアの広さを決定することが好ましい。
そこで、本実施形態に係る光測距装置1は、拡散板を用いてレーザ光を拡散させる光照射装置2において、レーサ光の照射エリア全体(測距対象エリア5)および照射距離の双方を拡大することを目的としている。このために、本実施形態では、測距対象エリア5を複数の照射エリア7に分割し(後述の図5参照。)、測距対象エリア5のうち、レーザ光を部分的に照射する照射エリア7を順次切り替えることにより、測距対象エリア5を走査するビームステアリングを実行可能であることを特徴としている(後述の図6参照。)。
[2.背景技術の詳細]
次に、本実施形態に係る光照射装置2の詳細説明に先立ち、図2~図5を参照して、本実施形態に係る光照射装置2(エミッター)の背景技術として、従来の光照射装置2’および光照射装置2'の構成と課題について詳細に説明する。図2は、従来のレンズユニット14を用いた光照射装置2’を示す模式図である。図3は、従来の拡散板16を用いた光照射装置2'を示す模式図である。
図2に示すように、光照射装置2’は、レーザ光を出射する複数の発光素子11を有する光源10と、光源10から出射されたレーザ光を拡散するレンズユニット14とを備える。レンズユニット14は、複数の光学レンズなどを組み合わせて構成された光学装置である。レンズユニット14は、光源10から入射されたレーザ光を、所望の拡散角で拡散して、照射エリア7を拡大または縮小することができる。また、レンズユニット14は、光源10から入射されたレーザ光を、所望の屈曲角で屈曲させて、測距対象エリア5内で照射エリア7をシフトさせることができる。
また、図3に示すように、光照射装置2'は、レーザ光を出射する複数の発光素子11を有する光源10と、光源10からのレーザ光を拡散する拡散板16とを備える。拡散板16の表面にはマイクロレンズアレイが形成されている。拡散板16は、光源10から入射されたレーザ光を、マイクロレンズの形状に応じた所定の拡散角で拡散することができる。なお、拡散板16の設計時に、マイクロレンズの形状を変更することで、拡散板16によるレーザ光の拡散角を調整することは可能であるが、拡散板16の製造後には、拡散角を変更することはできない。
これら従来の光照射装置2’、2'では、レンズユニット14または拡散板16により拡散されたレーザ光が、測距対象エリア5に向けて照射される。測距対象エリア5のうち、当該拡散されたレーザ光(照射光)が実際に照射されるエリアが、照射エリア7である。図2、図3の例では、照射エリア7は、横長の略長方形状のエリアとなっている。
ここで、図2、図3に示した従来の光照射装置2’、2'の課題について説明する。図2に示すレンズユニット14を備えた光照射装置2’は、レンズユニット14内における光学レンズの配置や向き等を変更することで、測距対象エリア5内における照射エリア7の大きさを拡大または縮小したり、測距対象エリア5内で照射エリア7をシフトさせたりすることができる。したがって、光照射装置2’は、測距対象エリア5内で照射エリア7を一部のエリアに絞り、当該一部の照射エリア7を順次切り替えることで、照射光で測距対象エリア5を走査するビームステアリングを実行可能である。しかし、図2に示すレンズユニット14を備えた光照射装置2’は、レンズユニット14内に光学レンズの可動機構や駆動機構を設けたり、複数枚の光学レンズを有するレンズユニット14を設けたりする必要があるため、図3に示す拡散板16を備えた光照射装置2'と比べて、装置サイズおよびコストが増大するという問題があった。近年では光照射装置の小型化が要求されているが、レンズユニット14を備えた光照射装置2’の小型化には限界があった。
また、図2に示すレンズユニット14を備えた光照射装置2’では、光源10の一部が破損した場合に未照射部分が生じるという問題もあった。具体的には、図4に示すように、光源10の各発光素子11が垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)で構成され、光源10がVCSELアレイで構成される場合を考える。なお、図4は、レンズユニット14を備えた光照射装置2’において、ビームステアリングにより、測距対象エリア5内で照射エリア7eを絞った状態を模式的に示している。この図4の例では、VCSELで構成される発光素子11は、発光面上で縦横(3行3列)に配列される9つのメサ12を備えている。ここで、9つのメサ12のうち中央の1つのメサ12が破損して発光しなくなった場合、図4に示すように、当該破損したメサ12を含む発光素子11から照射された照射エリア7eでは、その中央部分が欠けるようにして未照射部分が生じてしまう。このように、レンズユニット14を備えた光照射装置2’を用いて照射エリア7のビームステアリングを行った場合、光源10の一部の発光素子11の故障に対処できず、照射エリア7e中に未照射部分(即ち、測距不能エリア)が発生するという問題もあった。
一方、図3に示す拡散板16を備えた光照射装置2'では、光源10と拡散板16との位置関係が固定され、かつ、拡散板16による拡散角も一定である。このため、拡散板16により拡散されたレーサ光を測距対象エリア5に照射するときに、測距対象エリア5内で照射エリア7の範囲を絞ったり、シフトさせたりすることができない。したがって、拡散板16を備えた光照射装置2'では、その原理上、ビームステアリングを実行できないので、ビームステアリングを利用して照射エリア7の範囲および照射距離の双方を拡大できないという問題があった。
以上のように、従来では、上記図2に示すレンズユニット14を用いた光照射装置2’のように装置サイズおよびコストが増大するという問題や、光源10の一部が破損した場合に未照射部分が生じるという問題が存在した。このため、かかるレンズユニット14を用いた光照射装置2’の問題を解決するために、当該問題が生じない拡散板を用いた光照射装置を利用しつつ、かつ、当該拡散板を用いた光照射装置において、ビームステアリングを実行可能にすることが希求されていた。
そこで、本実施形態では、拡散板を使用した光照射装置2において、測距対象エリア5を複数の照射エリア7a~7f(図5参照。)に分割し、当該分割された各照射エリア7a~7fに対して部分的に拡散光を照射して、測距対象エリア5を走査するビームステアリングを実行可能な構成を採用している。このビームステアリングでは、当該分割された各照射エリア7a~7fに対して順次、部分的に光を照射することによって、測距対象エリア5全体を走査する。かかるビームステアリングにより、測距対象エリア5の範囲(分割された複数の照射エリア7a~7fの合計範囲)と、光の照射距離の双方を拡大することができる。以下に、本実施形態に係る光照射装置2においてビームステアリングを実行可能にするための構成について詳述する。
[3.光照射装置の構成]
次に、図5~図7を参照して、本実施形態に係る光照射装置2(エミッター)の構成について説明する。図5は、本実施形態に係る光照射装置2を示す模式図である。図6は、本実施形態に係る光照射装置2によるビームステアリング動作を示す模式図である。図7は、本実施形態に係る光照射装置2が備える配光素子30(屈曲素子31)を示す平面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る光照射装置2は、光源20と、配光素子30と、拡散板40と、制御部50とを備える。
拡散板40は、光源20と測距対象エリア5との間に配置される。配光素子30は、光源20と測距対象エリア5との間に配置され、かつ、拡散板40に対して対向して配置される。なお、図5の例では、配光素子30は、光源20と拡散板40との間に配置されているが、かかる例に限定されず、配光素子30は、拡散板40と測距対象エリア5との間に配置されてもよい。
光源20は、測距対象エリア5に向けて照射するための光を発生および出射する装置である。光源20が出射する光は、上述したとおり、例えば、近赤外線、可視光線または紫外線などの波長帯域を有するレーザ光を使用できるが、人の目に見えない近赤外線の波長帯域(例えば850nm~1550nm)を有するレーザ光であることが好ましい。
光源20は、例えば、複数のレーザ光51a~51f(以下、「レーザ光51」と総称する場合もある。)を出射する複数の発光素子21a~21f(以下、「発光素子21」と総称する場合もある。)を備える面光源である。具体的には、図5に示すように、光源20の各発光素子21は、面発光型の半導体レーザ、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)で構成される。光源20は、例えば、複数のVCSELからなるVCSELアレイで構成される。複数の発光素子21は、光源20の発光面22上に一次元的又は二次元的に配列される。図5の例では、VCSELで構成される6つの発光素子21a~21fが、光源20の発光面22上に、二次元的に縦横(例えば2行3列)に配列されている。ただし、複数の発光素子21の二次元的な配列方向は、縦横の2方向に限定されず、斜め方向に交差する2方向であってもよい。また、複数の発光素子21は、任意の1方向に沿って一次元的(例えば、1行6列、もしくは、6行1列など)に配列されてもよい。さらに、発光素子21の設置数は、図示の6つの例に限定されず、2つ以上の任意の数であってもよい。
これら複数の発光素子21a~21fは、相互に平行な複数のレーザ光51a~51fを、配光素子30に向けて出射する。図5の例では、6つの発光素子21a~21fがそれぞれ、配光素子30に向けて6つのレーザ光51a~51fを出射している。複数のレーザ光51a~51fの光軸は相互に平行である。これら発光素子21から出射されるレーザ光51は、例えば、拡散光であってもよいし、コリメートされた平行光であってもよいが、レーザ光51の照射距離を延ばして、図6に示すビームステアリングを、より遠くの測距対象エリア5に対して実現可能にするためには、できるだけ平行光に近い拡散光であることが好ましい。また、本実施形態では、光源20としてレーザ光51を出射するLD(Laser Dioode)を備えたレーザ光源を用いるが、かかる例に限定されない。光源は、例えば、LED(Laser Emitting Dioode)、ランプなどの他の発光素子を備えた光源であってもよい。
なお、以下の説明では、発光素子21から出射されるレーザ光51の光軸方向を「Z方向」と称し、「Z方向」に対して垂直な平面内における水平方向を「X方向」と称し、当該平面内における垂直方向を「Y方向」と称する。Z方向は、光源20の発光面22に対して垂直な方向である。XY平面は、発光面22に対して平行な面である。X方向は、光源20の発光面22内における水平方向であり、Y方向は、光源20の発光面22内における垂直方向である。
各発光素子21a~21fは、相互に独立して点灯(発光)と消灯(非発光)することができる。これにより、複数の発光素子21a~21fのうち一部の発光素子21のみを点灯させ、他の発光素子21を消灯させることができる。この発光素子21の点灯および消灯動作は、制御部50により制御される。
制御部50は、光照射装置2の各部の動作を制御する。制御部50は、例えば、光照射装置2内に設けられた専用のプロセッサなどで構成されてもよいし、あるいは、上記光照射装置2のコントローラ4(図1参照。)などで構成されてもよい。制御部50は、光源20の複数の発光素子21の発光を制御する機能を有する。制御部50は、複数の発光素子21のうち発光する発光素子を切り替えることにより、光照射装置2によるビームステアリング動作を制御する。例えば、図6に示すビームステアリングを実行する際には、制御部50は、複数の発光素子21のうちで点灯(発光)する発光素子21を、予め設定された順序に従って順次切り替える。
図5および図6に示すように、光源20が備える複数の発光素子21a~21fは、測距対象エリア5を一次元的又は二次元的に分割した複数の照射エリア7a~7f(以下、「照射エリア7」と総称する場合もある。)にそれぞれ対応している。
図5の例では、測距対象エリア5内の照射エリア7は、6つの照射エリア7a~7fに分割されている。6つの照射エリア7a~7fは、測距対象エリア5内において、二次元的に縦横(例えば2行3列)に分割されている。ただし、上記発光素子21の配列と同様に、分割された複数の照射エリア7a~7fの二次元的な配列方向は、縦横の2方向に限定されず、斜め方向に交差する2方向であってもよい。また、複数の照射エリア7a~7fは、任意の1方向に沿って一次元的(例えば、1行6列、もしくは、6行1列など)に配列されてもよい。
次に、配光素子30について説明する。配光素子30は、光源20から測距対象エリア5に向かう光を、相互に異なる屈曲角αで複数の屈曲方向に屈曲させるための光学素子である。配光素子30は、光源20からの光を複数の屈曲方向に屈曲させることにより、測距対象エリア5に向かう光を拡げるように配光する。配光素子30は、光を屈曲させる機能を有する光学素子で構成される。例えば、配光素子30は、表面に微小なプリズム構造37、38を備えた屈曲素子31(図7~図11参照。)、複数のミラー32(図12参照。)、複数のプリズム33(図15参照。)、または、これら光学素子の組合せ(図13、図14参照。)などで構成される。図5では、配光素子30が、プリズム構造37、38を備えた1つの屈曲素子31である例を示している。配光素子30を構成する光学素子(屈曲素子31、ミラー32、プリズム33など)の具体的構成については後述する。
配光素子30は、拡散板40に対向して配置される。図5の例では、配光素子30は、光源20と拡散板40との間に介在し、拡散板40の両表面のうち光源20側の表面に対向して配置されている。ただし、配光素子30は、拡散板40よりも測距対象エリア5側に配置されて、拡散板40の両表面のうち測距対象エリア5側の表面に対向して配置されてもよい。
図5の例では、説明の便宜上、配光素子30と拡散板40は相互に離隔して配置されるように図示されているが、配光素子30と拡散板40は、相互に接触して配置されることが好ましい。あるいは、配光素子30と拡散板40は、不図示の接合部材(例えば、接着材、両面テープなど)を介して接合されて、相互に近接して配置されることが好ましい。これにより、配光素子30と拡散板40とを接近させて、配光素子30と拡散板40を合わせたサイズを小さくすることができるので、光照射装置2を小型化することができる。また、同様に、光照射装置2を小型化する観点から、配光素子30と光源20を相互に接触して配置する、または、近接して配置することが好ましい。
配光素子30は、光源20の複数の発光素子21から出射された複数のレーザ光51を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させる機能を有する。詳細には、配光素子30は、複数の発光素子21から出射された複数のレーザ光51a~51fを、相互に異なる屈曲角αa~αf(以下、「屈曲角α」と総称する場合がある。)で、相互に異なる屈曲方向に屈曲させる。屈曲角αは、屈曲角αと屈曲角αとを合成した角度である。屈曲角αはX方向の屈曲角であり、屈曲角αはY方向の屈曲角である。また、屈曲方向は、配光素子30により屈曲された光52の進行方向である。
例えば、図5に示すように、配光素子30は、光源20の中央上部に配置された発光素子21bから出射されたレーサ光51bを、Y方向の上方向に所定の屈曲角αbで屈曲させ、X方向には屈曲させない。また、配光素子30は、光源20の中央下部に配置された発光素子21eから出射されたレーサ光51eを、Y方向の下方向に所定の屈曲角αeで屈曲させ、X方向には屈曲させない。ここで、例えば、「αb=+12.5°、αe=-12.5°」、「αb=αe=0°」である。
配光素子30により屈曲されたレーサ光51bは、屈曲光52bとなる。屈曲光52bは、レーサ光51bの進行方向(Z方向)に対して上方向に屈曲した屈曲方向に進行する光である。屈曲光52bの光軸とレーサ光51bの光軸との間の角度差は、屈曲角αbである。一方、配光素子30により屈曲されたレーサ光51eは、屈曲光52eとなる。屈曲光52eは、レーサ光51eの進行方向(Z方向)に対して下方向に屈曲した屈曲方向に進行する光である。屈曲光52eの光軸とレーサ光51eの光軸との間の角度差は、屈曲角αeである。
このように複数の発光素子21a~21fからのレーザ光51a~51fを、相互に異なる屈曲方向に屈曲させるために、図7に示すように、配光素子30は、複数の屈曲部35a~35f(以下、「屈曲部35」と総称する場合がある。)を有する。
図5および図7に示すように、例えば、配光素子30が、プリズム構造を有する屈曲素子31(例えば、表面にプリズム構造が形成された導光板)で構成される。この場合、複数の屈曲部35はそれぞれ、平板状の屈曲素子31をX及びY方向に複数の領域に分割したときの各領域に相当する。図5および図7の例では、屈曲素子31は、6つの屈曲部35a~35fから構成され、各屈曲部35a~35fは、矩形平板状の屈曲素子31を6つの領域に分割したときの各領域に相当する。6つの屈曲部35a~35fは、屈曲素子31の表面上において二次元的に縦横(例えば2行3列)に区分されている。
かかる配光素子30(屈曲素子31)の複数の屈曲部35a~35fは、上記光源20の複数の発光素子21a~21fにそれぞれ対応している。さらに、当該複数の屈曲部35a~35fは、上記分割された複数の照射エリア7a~7fにもそれぞれ対応している。
そして、複数の屈曲部35a~35fは、入射光を相互に異なる屈曲角αa~αfで屈曲させる機能を有している。したがって、複数の屈曲部35a~35fはそれぞれ、光源20の複数の発光素子21a~21fから入射されたレーザ光51a~51fを、相互に異なる屈曲方向に屈曲させ、相互に異なる複数の照射エリア7a~7fに向けて導くことができる。
例えば、図5に示すように、発光素子21bから出射されたレーザ光51bは、配光素子30の屈曲部35bを透過するときに、上記屈曲角αbでY方向の上方向に屈曲して、屈曲光52bとなる。屈曲光52bは、予め設定された第1の屈曲方向に進むレーザ光51である。その後、屈曲光52bは、拡散板40を透過するときに拡散されて拡散光53bとなり、照射エリア7bに部分的に照射される。一方、発光素子21eから出射されたレーザ光51eは、配光素子30の屈曲部35eを透過するときに、上記屈曲角αeでY方向の下方向に屈曲して、屈曲光52eとなる。屈曲光52eは、上記第1の屈曲方向とは異なる第2の屈曲方向に進むレーザ光である。その後、屈曲光52eは、拡散板40を透過するときに拡散されて拡散光53eとなり、照射エリア7eに部分的に照射される。
なお、上記発光素子21の配列と同様に、分割された複数の屈曲部35の二次元的な配列方向は、上記の縦横の2方向に限定されず、斜め方向に交差する2方向であってもよい。また、複数の屈曲部35a~35fは、任意の1方向に沿って一次元的(例えば、1行6列、もしくは、6行1列など)に配列されてもよい。
また、図5および図7に示す例では、相異なる屈曲機能を有する複数の屈曲部35は、1つの屈曲素子31として一体的に構成されている。これにより、配光素子30を、1つの屈曲素子31で構成できるので、配光素子30の部品点数を低減できるとともに、配光素子30のサイズを小さくでき、かつ、配光素子30の取扱いが容易になるという利点がある。しかし、かかる例に限定されず、例えば、複数の屈曲部35を、それぞれ別の屈曲素子を用いて分離して構成してもよい。
次に、拡散板40について説明する。拡散板40は、配光素子30から入射されるレーザ光(屈曲光52)を拡散する機能を有する。即ち、拡散板40は、配光素子30から入射される複数の屈曲光52をそれぞれ、予め設定された拡散角βで拡散して、複数の拡散光53を出射する。
拡散板40は、例えば平板形状もしくは湾曲板形状を有する。図5に示す拡散板40は、例えば矩形平板状を有する。拡散板40の形状や厚さは、拡散板40が実装される光照射装置2の形状、構成等に応じて、任意の形状および厚さであってよい。拡散板40の表面積は、配光素子30の面積よりも大きいことが好ましい。これにより、配光素子30で複数の屈曲方向に屈曲されて拡散した複数の屈曲光52の全てを、拡散板40に入射させることができる。
拡散板40は、フィルム状または板状の基材41と、当該基材41の表面に形成されたマイクロレンズアレイ42とを有する。
基材41は、光を透過することが可能な透明な材料で形成される。例えば、基材41は、近赤外線の波長帯域において光透過率が70%以上の材質にて形成されてもよい。基材41は、例えば、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、環状オレフィン・コポリマー(Cyclo Olefin Copolymer:COC)、環状オレフィンポリマー(Cyclo Olefin Polymer:COP)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose:TAC)等といった公知の樹脂、またはその他の有機材料で形成されてもよい。あるいは、基材41は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、白板ガラス等といった公知のガラス材料、または、その他の無機材料で形成されてもよい。
マイクロレンズアレイ42は、基材41の少なくとも一方の表面(主面)に設けられる。マイクロレンズアレイ42は、基材41の表面上に配列された複数のマイクロレンズの集合体である。マイクロレンズは、例えば数十μmオーダーの微細な光学レンズである。マイクロレンズは、光拡散機能を有する凸構造(凸レンズ)または凹構造(凹レンズ)からなり、例えば、数十μm程度の開口幅(レンズ径)と、数十μm程度の曲率半径を有する。マイクロレンズの表面形状は、球面形状であってもよいし、非球面形状であってもよい。また、複数のマイクロレンズの表面形状は、均一な形状であってもよいし、相互に異なるランダムな形状であってもよい。また、マイクロレンズは、基材41の表面上に規則的に配列されてもよいし、ランダムに配置されてもよい。かかるマイクロレンズの表面形状や配置を変更することにより、拡散板40により光を拡散するときの拡散角βを調整することができる。
本実施形態に係る拡散板40では、例えば、基材41の表面全体にわたって、ほぼ均一な表面形状および配置で複数のマイクロレンズが形成されている。これにより、配光素子30からの屈曲光52が、拡散板40の表面のうちのどの位置に入射されたとしても、拡散板40は、ほぼ同一の拡散角βで屈曲光52を拡散させて、拡散光53を出射する。しかし、かかる例に限定されず、拡散板40の表面を複数の領域に分割し、当該領域ごとに拡散角βが変化するように、拡散板40のマイクロレンズアレイ42の表面形状等を当該領域ごとに変更してもよい。これにより、拡散板40の領域ごとに拡散角βを異ならせることが可能になり、拡散板40から出射される複数の拡散光53a~53fの拡散角βa~βfを個別に調整可能になる。よって、配光素子30と拡散板40を用いたビームステアリングの自由度をより向上できる。
[4.ビームステアリング動作]
以上では、本実施形態に係る光照射装置2の光源20、配光素子30、拡散板40および制御部50の構成について説明した。次に、図5および図6を参照して、本実施形態に係る光照射装置2によるビームステアリング動作について説明する。
上記の本実施形態に係る光照射装置2によれば、光源20の複数の発光素子21a~21fから出射された複数のレーザ光51a~51fはそれぞれ、配光素子30および拡散板40を通じて、測距対象エリア5内の複数の照射エリア7a~7fに向けて部分的に照射される。
このとき、配光素子30の複数の屈曲部35a~35fはそれぞれ、複数の発光素子21a~21fから入射された複数のレーザ光51a~51fを、相互に異なる屈曲方向に屈曲させ、屈曲光52a~52fを拡散板40に向けて出射する。配光素子30による配光機能により、配光素子30により屈曲された複数の屈曲光52a~52fは、全体として、複数のレーザ光51a~51fの全体を拡散させた光となる。拡散板40は、配光素子30の複数の屈曲部35a~35fから入射された複数の屈曲光52a~52fをそれぞれ拡散させる。そして、拡散板40は、相互に異なる方向に進む複数の拡散光53a~53fを、測距対象エリア5内の複数の照射エリア7a~7fに向けてそれぞれ照射する。ここで、照射エリア7a~7fは、測距対象エリア5を分割したエリアであり、個々の照射エリア7a~7fの面積は、測距対象エリア5全体の面積と比べて小さい。かかる複数の照射エリア7a~7fを組み合わせることで、測距対象エリア5の全体もしくは大半部分をカバーできる。
例えば、図5に示す例において、測距対象エリア5の範囲が、水平方向(X方向)の視野角θ(図6参照。)が90°、垂直方向(Y方向)の視野角φ(図6参照。)が50°で表される範囲(θ×φ=90°×50°)である場合を考える。そして、拡散板40による水平方向(X方向)の拡散角βが30°、垂直方向(Y方向)の拡散角βが25°であるとする(30°×25°)。
この場合、配光素子30のX方向の左側の2つの屈曲部35a、35dによるX方向の屈曲角αa、αd(図9参照。)を-30°に設定し、X方向の右側の2つの屈曲部35c、35fによるX方向の屈曲角αc、αf(図9参照。)を+30°に設定し、X方向の中央の2つの屈曲部35b、35eによるX方向の屈曲角αb、αeを±0°に設定すればよい。また、配光素子30のY方向の上側の3つの屈曲部35a~35cによるY方向の屈曲角αa、αb、αcを+25°に設定し、Y方向の下側の3つの屈曲部35d~35fによるY方向の屈曲角αd、αe、αfを-25°に設定すればよい。これにより、配光素子30全体では、光源20の6つの発光素子21からのレーザ光51の光軸を(30°×25°)の屈曲範囲で屈曲させることができる。よって、かかる配光素子30による屈曲範囲(30°×25°)と、拡散板40による拡散範囲(30°×25°)とを組み合わせることにより、上記測距対象エリア5の範囲(θ×φ=90°×50°)をカバーすることができる。
このような測距対象エリア5の視野角θ、Φと、配光素子30および拡散板40の各パラメータとの関係を数式で表すと、次の式(1)~(6)のとおりである。なお、以下の数式中の( )内の数値は、図5および図9、図10に示す構成例の場合の各パラメータの具体的数値である。
<X方向>
θ=β×n ・・・(1)
αXk=(θ/n)×mXk ・・・(2)
(θ=90°、β=30°、n=3、mXk=-1、0、+1)
0°<γ ・・・(3)
θ :測距対象エリア5のX方向の照射範囲を表す視野角
β:拡散板40によるX方向の拡散角
:X方向に配列された発光素子21の数
αXk:配光素子30の各屈曲部35によるX方向の屈曲角
Xk:X方向の中心に配置された発光素子21を基準としてX方向の±k番目に配置された発光素子21を表す序数(例えば、-1番目に配置された発光素子21aのmXaは「-1」であり、0番目に配置された発光素子21bのmXbは「0」であり、+1番目に配置された発光素子21cのmXcは「+1」である。)
γ :光源20から出射される光全体のX方向の拡散角
<Y方向>
φ=β×n ・・・(4)
αYk=(φ/n)×mYk ・・・(5)
(φ=50°、β=25°、n=2、mYk=-1、+1)
0°<γ ・・・(6)
φ :測距対象エリア5のY方向の照射範囲を表す視野角
β:拡散板40によるY方向の拡散角
:Y方向に配列された発光素子21の数
αYk:配光素子30の各屈曲部35によるY方向の屈曲角
Yk:Y方向の中心に配置された発光素子21を基準としてY方向の±k番目に配置された発光素子21を表す序数(例えば、+1番目に配置された発光素子21aのmYaは「+1」であり、-1番目に配置された発光素子21dのmYdは「-1」である。)
γ :光源20から出射される光全体のY方向の拡散角
そして、制御部50は、図6に示すように、上記光源20の複数の発光素子21a~21fのうち点灯(発光)する発光素子を切り替えることにより、測距対象エリア5に対するビームステアリング動作を実行する。
図6に示すように、まず、光源20の発光面22に向かって左上部に配置された発光素子21aを点灯させ、他の発光素子21b~21fを消灯させる。これにより、発光素子21aから出射されたレーザ光51aのみが、上記配光素子30および拡散板40を介して、測距対象エリア5内の右上部の照射エリア7aに導かれて、当該照射エリア7aのみに拡散光53aが照射される。このとき、他の照射エリア7b~7eには、拡散光53b~53fは照射されない。
次いで、上記発光素子21aを消灯し、光源20の発光面22の中央上部に配置された発光素子21bのみを点灯させると、測距対象エリア5内の中央上部の照射エリア7bのみに拡散光53bが照射される。その後、上記発光素子21bを消灯し、光源20の発光面22に向かって右上部に配置された発光素子21cのみを点灯させると、測距対象エリア5内の左上部の照射エリア7cのみに拡散光53cが照射される。同様にして、発光素子21d、21e、21fについても、上記同様な点灯と消灯の切り替え動作を繰り返すことで、測距対象エリア5内の照射エリア7d、7e、7fに順次、拡散光53d、53e、53fが照射される。
このようにして、本実施形態に係る光照射装置2では、光源20の複数の発光素子21a~21fの点灯と消灯を順次切り替える。これにより、測距対象エリア5内において拡散光53a~53fが部分的に照射される照射エリア7a~7fが順次切り替えられる。つまり、測距対象エリア5のうち、照射エリア7a、7b、7c、7d、7e、7fの順で、1つのエリアずつ拡散光53が部分的に照射される。このようにして、広範囲の測距対象エリア5を、狭い範囲の各照射エリア7a~7fで走査するビームステアリング動作を実行することができる。
本実施形態に係る光照射装置2では、かかるビームステアリング動作により、拡散板40を用いた構造であるにもかかわらず、各発光素子21a~21fから出射される各レーザ光51a~51fを、測距対象エリア5のうち一部の照射エリア7a~7fに対して、部分的かつ集中的に照射できる。したがって、本実施形態によれば、狭い照射エリア7a~7fのいずれかに集中して照射できるので、上述した従来の拡散板16を用いた光照射装置2'(図3参照。)と比べて、光照射装置2から測距対象エリア5までの照射距離を増大させることができる。さらに、光源20に設けられる発光素子21の設置数と、測距対象エリア5における照射エリア7の数を、XおよびY方向に増加させたり、屈曲角αや拡散角βを大きくしたりすることによって、光を照射可能な測距対象エリア5の範囲を拡大することができる。よって、従来と比べて、拡散板40を用いた光照射装置2において、光の照射範囲と照射距離の双方を拡大することができ、測距可能空間を拡大することが可能になる。
また、本実施形態に係る光照射装置2では、拡散板40を用いて光を拡散させるシンプルな拡散構造である。したがって、上述した従来のレンズユニット14を用いた光照射装置2’(図2参照。)と比べて、光照射装置2のサイズとコストを大幅に低減することができる。また、各発光素子21が備える複数のメサの一部が破損または故障したとしても(図4参照。)、その周囲の破損していないメサから出射された光を拡散板40で拡散させることにより、破損したメサに対応する照射領域をカバーすることができる。したがって、従来のレンズユニット14を用いた光照射装置2’のように照射エリア7e内に未照射部分(図4参照。)が生じることがないので、発光素子21の破損や故障に伴う測距不能エリアの発生を防止できる。したがって、本実施形態に係る光照射装置2を用いて照射エリア7のビームステアリングを行う場合に、光源10の一部の発光素子11の破損や故障に対処可能であり、測距対象エリア5内の未照射部分(即ち、測距不能エリア)の発生を防止できる。
なお、図6に示すビームステアリング動作では、点灯する発光素子21と照射エリア7を1つずつ順次切り替えたが、かかる例に限定されず、上記複数の発光素子21のうち2つ以上の発光素子21を同時に点灯させて、複数の照射エリア7に対して同時に複数の拡散光53を照射しつつ、点灯する複数の発光素子21と複数の照射エリア7を順次切り替えてもよい。例えば、光源20の発光面22において左右両サイドに配置された発光素子21から、中央に配置された発光素子21に向けて、1つまたは2つ以上の発光素子21の点灯と消灯を切り替えてもよい。これによっても、測距対象エリア5内で照射エリア7を絞ったビームステアリングを実行可能である。
[5.配光素子の構成]
次に、図7~図9を参照して、本実施形態に係る光照射装置2に設けられる配光素子30が、プリズム構造37、38を有する屈曲素子31である例について、詳細に説明する。図8は、本実施形態に係るプリズム構造37、38を有する屈曲素子31を示す部分拡大斜視図である。図9は、図7に示す屈曲素子31のX-X断面図およびY-Y断面図である。
図7~図9に示すように、本実施形態に係る配光素子30は、入射光を屈曲させるためのプリズム構造37、38を有する屈曲素子31(例えば、プリズムシート)で構成することができる。屈曲素子31は、例えば、平板形状、湾曲板形状、もしくはブロック形状など任意の形状であってよいが、図7に示す屈曲素子31は、例えば矩形平板状を有する。屈曲素子31の形状や厚さは、屈曲素子31が実装される光照射装置2の形状、構成等に応じて、任意の形状および厚さであってよい。屈曲素子31の表面積は、光源20の発光面22の面積よりも大きいことが好ましい。これにより、図5に示すように。光源20の複数の発光素子21から出射されたレーザ光51の全てを、屈曲素子31に入射させることができる。なお、屈曲素子31によるレーザ光51の屈曲機能を発揮可能であれば、屈曲素子31の大きさや形状は、図示の例に限定されず、任意の大きさ、形状を採用可能である。
図8~図9に示すように、屈曲素子31は、フィルム状または板状の基材36と、当該基材36の表面に形成されたプリズム構造37、38とを有する。
基材36は、光を透過することが可能な透明な材料で形成される。例えば、基材36は、近赤外線の波長帯域において光透過率が70%以上の材質にて形成されてもよい。上記拡散板40の基材41と同様に、屈曲素子31の基材36は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状オレフィン・コポリマー、環状オレフィンポリマー、トリアセチルセルロース等といった公知の樹脂、またはその他の有機材料で形成されてもよい。あるいは、基材36は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、白板ガラス等といった公知のガラス材料、または、その他の無機材料で形成されてもよい。
プリズム構造37、38は、微細な多数のプリズム形状が繰り返し形成された凹凸構造である。個々のプリズム形状の断面形状は、例えば、所定の傾斜角を有する傾斜面と、垂直面とを組み合わせた直角三角形状を有する。屈曲素子31の表面に複数のプリズム形状を所定のピッチで配列することにより、鋸刃状の断面形状を有するプリズム構造37、38が構成される。
本実施形態では、屈曲素子31の基材36の両表面(表面と裏面)にそれぞれ、プリズム構造37、38が形成されている。例えば、屈曲素子31の一側の表面に第1のプリズム構造37が形成され、屈曲素子31の他側の表面に第2のプリズム構造38が形成されている。第1のプリズム構造37と第2のプリズム構造38は、XY平面への平面視において相互に交差する方向に延在している。
具体的には、図8および図9に示すように、屈曲素子31の表面に形成された第1のプリズム構造37は、Y方向に延在する複数のプリズム形状から構成される。この第1のプリズム構造37の複数のプリズム形状は、比較的小さいピッチで配列されており、当該各プリズム形状は、比較的急な傾斜面を有する。一方、屈曲素子31の裏面に形成された第2のプリズム構造38は、X方向に延在する複数のプリズム形状から構成される。この第2のプリズム構造38の複数のプリズム形状は、比較的大きいピッチで配列されており、当該各プリズム形状は、比較的緩い傾斜面を有する。よって、第1のプリズム構造37による光の屈曲角αと、第2のプリズム構造38による光の屈曲角αとは相違し、αである。
このように、第1のプリズム構造37はY方向に延在し、第2のプリズム構造38はX方向に延在している。即ち、第1のプリズム構造37と第2のプリズム構造38は、XY平面への平面視において相互に直交する方向に延在している。かかる構成により、図9に示すように、第1のプリズム構造37は、光源20から屈曲素子31に入射されたレーザ光51を、X方向に屈曲させる。一方、第2のプリズム構造38は、光源20から屈曲素子31に入射されたレーザ光51を、Y方向に屈曲させる。したがって、1つの屈曲素子31を用いて、レーザ光51をXおよびY方向の2方向に複合的に屈曲させることができる。
ここで、図7に示したように、屈曲素子31は、相異なる屈曲機能を有する複数の屈曲部35a~35fを有する。屈曲素子31の屈曲部35a~35fにはそれぞれ、光源20の複数の発光素子21a~21fからレーザ光51a~51fが入射される。屈曲部35a~35fは、相互に異なる屈曲角αで、相互に異なる屈曲方向にレーザ光51a~51fを屈曲させる。
例えば、屈曲部35aは、X方向の負方向の屈曲角αa、かつ、Y方向の正方向の屈曲角αaで、レーザ光51aを屈曲させる(αa=-30°、αa=+12.5°)。屈曲部35bは、Y方向の正方向の屈曲角αbで、レーザ光51bを屈曲させ、かつ、X方向に屈曲させない(αb=0°、αb=+12.5°)。屈曲部35cは、X方向の正方向の屈曲角αc、かつ、Y方向の正方向の屈曲角αcで、レーザ光51cを屈曲させる(αc=+30°、αc=+12.5°)。屈曲部35dは、X方向の負方向の屈曲角αd、かつ、Y方向の負方向の屈曲角αdで、レーザ光51dを屈曲させる(αd=-30°、αd=-12.5°)。屈曲部35eは、Y方向の負方向の屈曲角αeで、レーザ光51eを屈曲させ、かつ、X方向に屈曲させない(αe=0°、αe=-12.5°)。屈曲部35fは、X方向の正方向の屈曲角αf、かつ、Y方向の負方向の屈曲角αfで、レーザ光51fを屈曲させる(αf=+30°、αf=-12.5°)。
このように、本実施形態に係る屈曲素子31は、6つの屈曲部35a~35fに区分されている。そして屈曲部35a~35fごとに、相互に異なる屈曲機能を発揮させるために、屈曲素子31の表面および裏面には、図9に示すように、屈曲部35a~35fごとに相異なる態様でプリズム構造37、38が形成されている。
具体的には、図9に示すように、屈曲素子31の表面において、一側の屈曲部35aの表面には、レーザ光51aをX方向の負方向に屈曲角αaで屈曲させるようなプリズム構造37Aが形成されている。一方、他側の屈曲部35cの表面には、レーザ光51cをX方向の正方向に屈曲角αcで屈曲させるようなプリズム構造37Bが形成されている。これらプリズム構造37Aとプリズム構造37Bはともに、屈曲素子31の表面に形成される第1のプリズム構造37を構成するが、プリズム構造37Aとプリズム構造37Bとの間では、プリズム形状の傾斜方向が相互に逆方向である。また、中央の屈曲部35bの表面には、プリズム構造37A、37Bが形成されておらず、平坦面となっている。このため、レーザ光51bは、屈曲部35bでX方向に屈曲せずに、そのまま透過する。
また、屈曲素子31の裏面において、一側の屈曲部35aの裏面には、レーザ光51aをY方向の正方向に屈曲角αaで屈曲させるようなプリズム構造38Aが形成されている。一方、他側の屈曲部35dの裏面には、レーザ光51dをY方向の負方向に屈曲角αdで屈曲させるようなプリズム構造38Bが形成されている。これらプリズム構造38Aとプリズム構造38Bはともに、屈曲素子31の裏面に形成される第2のプリズム構造38を構成するが、プリズム構造38Aとプリズム構造38Bとの間では、プリズム形状の傾斜方向が相互に逆方向である。
以上のように、本実施形態に係る屈曲素子31では、屈曲素子31の表面に、第1のプリズム構造37として、相異なる形状のプリズム構造37A、37Bが部分的に形成されている。さらに、屈曲素子31の裏面に、第2のプリズム構造38として、相異なる形状のプリズム構造38A、38Bが部分的に形成されている。そして、Y方向に延びるプリズム構造37A、37Bと、X方向に延びるプリズム構造38A、38Bとは、相互に直交する方向に延在している。これにより、1つの屈曲素子31において、屈曲機能が異なる6つの屈曲部35a~35fを実現することができる。
[6.光照射装置の構成例]
次に、図10~図15を参照して、本実施形態に係る光照射装置2の構成例について説明する。図10~図15はそれぞれ、本実施形態に係る光照射装置2の構成例1~6を示す模式図である。なお、以下の構成例1~6では、上述した式(1)~(6)の条件を満たすように、配光素子30と拡散板40の各パラメータが設計されている。
(1)構成例1
図10に示すように、本実施形態の構成例1に係る光照射装置2は、複数の発光素子21a~21fを有する光源20と、配光素子30としての屈曲素子31と、拡散板40とを備える。構成例1に係る光照射装置2では、光源20から測距対象エリア5までの光の照射経路において、光源20、屈曲素子31、拡散板40の順で配置されている。
図10に示す構成例1に係る配光素子30(屈曲素子31)は、上記図5~図9に示した配光素子30(屈曲素子31)に対応しており、上述したプリズム構造37、38を有する。屈曲素子31は、例えば6つの屈曲部35a~35f(図7参照。)を有しており、各屈曲部35a~35fにより、相異なる屈曲角αa(αa、αa)~αf(αf、αf)で、相異なる屈曲方向にレーザ光51a~51fを屈曲させる。
屈曲素子31により屈曲された屈曲光52a~52fはそれぞれ、拡散板40により所定の拡散角βで拡散されて、拡散光53a~53fとなる。当該拡散光53a~53fはそれぞれ、測距対象エリア5の照射エリア7a~7fに照射される。
以上のように、構成例1に係る光照射装置2では、配光素子30としての屈曲素子31により、光源20からの複数のレーザ光51をそれぞれ屈曲させて、各照射エリア7に導くことができる。これにより、複数の発光素子21の点灯と消灯を切り替えることで、各照射エリア7に対して部分的に光を照射することができ、上記ビームステアリング動作を好適に実行可能である。
また、構成例1によれば、配光素子30が、1つの薄い屈曲素子31で構成されている。したがって、配光素子30を小型化することができるので、光照射装置2も小型化することができる。さらに、屈曲素子31と拡散板40を接触または近接させて配置することにより、光照射装置2をさらに小型化することができる。
(2)構成例2
図11に示すように、本実施形態の構成例2に係る光照射装置2は、光源20と、配光素子30としての2つの屈曲素子31A、31Bと、拡散板40とを備える。構成例2に係る光照射装置2では、光源20から測距対象エリア5までの光の照射経路において、光源20、屈曲素子31A、屈曲素子31B、拡散板40の順で配置されている。
図11に示す構成例2に係る配光素子30は、上記図10に示した構成例1に係る1つの屈曲素子31の代わりに、2つの屈曲素子31A、31B(第1、第2の屈曲素子)を備えている。屈曲素子31A、31Bはそれぞれ、その表面と裏面に、上記図8~図9で示した例と同様なプリズム構造37、38を有する。これにより、各屈曲素子31A、31Bは、光源20からのレーザ光51をXおよびY方向に屈曲させる機能を有する。
構成例2において、光源20からのレーザ光51は、まず、屈曲素子31Aに入射され、所定の一次屈曲角αXA、αYAで一次屈曲される。次いで、屈曲素子31Aで一次屈曲された屈曲光は、屈曲素子31Bに入射され、所定の二次屈曲角αXB、αYBで二次屈曲される。屈曲素子31Bから出射された屈曲光52は、拡散板40に入射されて拡散された後に、測距対象エリア5の照射エリア7に照射される。
このように、構成例2に係る2つの屈曲素子31A、31Bは、上記構成例1に係る1つの屈曲素子31によるレーザ光51の屈曲機能を分担している。つまり、構成例2に係る屈曲素子31AによるX方向の屈曲角αXAと、屈曲素子31BによるX方向の屈曲角αXBとの合計角度が、構成例1に係る屈曲素子31によるX方向の屈曲角αとなる(α=αXA+αXB)。同様に、屈曲素子31AによるY方向の屈曲角αYAと、屈曲素子31BによるY方向の屈曲角αYBとの合計角度が、構成例1に係る屈曲素子31によるY方向の屈曲角αとなる(α=αYA+αYB)。
かかる構成例2のように、配光素子30として、複数の屈曲素子31A、31Bを用いることにより、配光素子30に求められる屈曲角αが大きい場合にも、好適に対応可能となる。よって、配光素子30として大きな屈曲角α、αが得られるので、光照射装置2の視野角θ、φをより拡大でき、より広範囲の測距対象エリア5に光を照射することが可能になる。
(3)構成例3
図12に示すように、本実施形態の構成例3に係る光照射装置2は、光源20と、配光素子30としての複数のミラー32と、拡散板40とを備える。構成例3に係る光照射装置2では、光源20から測距対象エリア5までの光の照射経路において、光源20、ミラー32、拡散板40の順で配置されている。
図12に示す構成例3に係る配光素子30は、上記図10に示した構成例1に係る屈曲素子31の代わりに、複数のミラー32を備えている。ミラー32は、光を反射する鏡面を有する光学素子である。ミラー32は、光源20からのレーザ光51の光軸方向(Z方向)に対して、所定の角度で傾斜配置されている。ミラー32は、光源20からのレーザ光51を反射させることで、レーザ光51を所定の屈曲角α、αで屈曲させ、所定の屈曲方向に進む屈曲光52を出射する。
ミラー32のX方向の傾斜角を調整することにより、レーザ光51をX方向に屈曲させるときの屈曲角αを変更することができる。同様に、ミラー32のY方向の傾斜角を調整することにより、レーザ光51をY方向に屈曲させるときの屈曲角αを変更することができる。また、光源20の複数の発光素子21a~21fに対応して、X、Y方向の傾斜角が相互に異なる複数のミラー32が設置される。これにより、配置と向きが異なる複数のミラー32により、発光素子21a~21fからのレーザ光51a~51fを、相互に異なる屈曲角αa~αf、αa~αfで所望の屈曲方向(XおよびY方向)に屈曲させることができる。この観点から、構成例3に係る複数のミラー32は、配光素子30が備える複数の屈曲部に相当する。
かかる構成例3のように、配光素子30として、複数のミラー32を用いることにより、上記構成例1の屈曲素子31と同様に、光源20からの複数のレーザ光51を屈曲させることができる。また、構成例1の屈曲素子31では、レーザ光51を屈曲させたときにゴーストが発生しやすいが、構成例3のミラー32では、ゴーストが発生しないという利点もある。
(4)構成例4
図13に示すように、本実施形態の構成例4に係る光照射装置2は、光源20と、配光素子30としての複数のミラー32および屈曲素子31と、拡散板40とを備える。構成例4に係る光照射装置2では、光源20から測距対象エリア5までの光の照射経路において、光源20、ミラー32、屈曲素子31、拡散板40の順で配置されている。
図13に示す構成例4に係る配光素子30は、上記複数のミラー32と屈曲素子31を備えている。つまり、図13に示す構成例4に係る配光素子30は、図12に示した構成例3に係るミラー32と、図10に示した構成例1に係るプリズム構造37、38を有する屈曲素子31とを組み合わせた例である。
構成例4において、光源20からのレーザ光51は、まず、ミラー32に入射され、所定の一次屈曲角αX1、αY1で一次屈曲される。次いで、ミラー32で一次屈曲された屈曲光は、屈曲素子31に入射され、所定の二次屈曲角αX2、αY2で二次屈曲される。屈曲素子31から出射された屈曲光52は、拡散板40に入射されて拡散された後に、測距対象エリア5の照射エリア7に照射される。
このように、構成例4に係るミラー32と屈曲素子31は、上記構成例1に係る1つの屈曲素子31によるレーザ光51の屈曲機能を分担している。つまり、構成例4に係るミラー32によるX方向の屈曲角αX1と、屈曲素子31によるX方向の屈曲角αX2との合計角度が、構成例1に係る屈曲素子31によるX方向の屈曲角αとなる(α=αX1+αX2)。同様に、ミラー32によるY方向の屈曲角αY1と、屈曲素子31によるY方向の屈曲角αY2との合計角度が、構成例1に係る屈曲素子31によるY方向の屈曲角αとなる(α=αY1+αY2)。
かかる構成例4のように、配光素子30として、ミラー32と屈曲素子31を組み合わせて用いることにより、配光素子30に求められる屈曲角αが大きい場合にも、好適に対応可能となる。よって、配光素子30として大きな屈曲角α、αが得られるので、光照射装置2の視野角θ、φをより拡大でき、より広範囲の測距対象エリア5に光を照射することが可能になる。
(5)構成例5
図14に示すように、本実施形態の構成例5に係る光照射装置2は、光源20と、配光素子30としての屈曲素子31および複数のミラー32と、拡散板40とを備える。構成例5に係る光照射装置2では、光源20から測距対象エリア5までの光の照射経路において、光源20、屈曲素子31、ミラー32、拡散板40の順で配置されている。
図14に示す構成例5に係る配光素子30は、上記屈曲素子31と複数のミラー32を備えている。つまり、図14に示す構成例5に係る配光素子30は、図10に示した構成例1に係るプリズム構造37、38を有する屈曲素子31と、図12に示した構成例3に係るミラー32とを組み合わせた例である。
構成例5において、光源20からのレーザ光51は、まず、屈曲素子31に入射され、所定の一次屈曲角αX1、αY1で一次屈曲される。次いで、屈曲素子31で一次屈曲された屈曲光は、ミラー32に入射され、所定の二次屈曲角αX2、αY2で二次屈曲される。ミラー32から出射された屈曲光52は、拡散板40に入射されて拡散された後に、測距対象エリア5の照射エリア7に照射される。
このように、構成例5に係る屈曲素子31とミラー32は、上記構成例1に係る1つの屈曲素子31によるレーザ光51の屈曲機能を分担している。つまり、構成例5に係る屈曲素子31によるX方向の屈曲角αX1と、ミラー32によるX方向の屈曲角αX2との合計角度が、構成例1に係る屈曲素子31によるX方向の屈曲角αとなる(α=αX1+αX2)。同様に、屈曲素子31によるY方向の屈曲角αY1と、ミラー32によるY方向の屈曲角αY2との合計角度が、構成例1に係る屈曲素子31によるY方向の屈曲角αとなる(α=αY1+αY2)。
かかる構成例5のように、配光素子30として、屈曲素子31とミラー32を組み合わせて用いることにより、配光素子30に求められる屈曲角αが大きい場合にも、好適に対応可能となる。よって、配光素子30として大きな屈曲角α、αが得られるので、光照射装置2の視野角θ、φをより拡大でき、より広範囲の測距対象エリア5に光を照射することが可能になる。
(6)構成例6
図15に示すように、本実施形態の構成例6に係る光照射装置2は、光源20と、配光素子30としての複数のプリズム33と、拡散板40とを備える。構成例6に係る光照射装置2では、光源20から測距対象エリア5までの光の照射経路において、光源20、プリズム33、拡散板40の順で配置されている。
図15に示す構成例6に係る配光素子30は、上記図10に示した構成例1に係る屈曲素子31の代わりに、複数のプリズム33を備えている。プリズム33は、光を屈折させる機能を有する光学素子である。プリズム33は、レーザ光51の光軸方向(Z方向)に対して所定の角度で傾斜した傾斜面を有する。このプリズム33の傾斜面で、レーザ光51が屈折する。このように、プリズム33は、光源20からのレーザ光51を屈折させることで、レーザ光51を所定の屈曲角α、αで屈曲させて、所定の屈曲方向に進む屈曲光52を出射する。
プリズム33の傾斜面のX方向の傾斜角を調整することにより、レーザ光51をX方向に屈曲させるときの屈曲角αを変更することができる。同様に、プリズム33の傾斜面のY方向の傾斜角を調整することにより、レーザ光51をY方向に屈曲させるときの屈曲角αを変更することができる。また、光源20の複数の発光素子21a~21fに対応して、傾斜面のX、Y方向の傾斜角が相互に異なる複数のプリズム33が設置される。これにより、配置と向きが異なる複数のプリズム33により、発光素子21a~21fからのレーザ光51a~51fを、相互に異なる屈曲角αa~αf、αa~αfで所望の屈曲方向(XおよびY方向)に屈曲させることができる。この観点から、構成例6に係る複数のプリズム33は、配光素子30が備える複数の屈曲部に相当する。
かかる構成例6のように、配光素子30として、複数のプリズム33を用いることにより、上記構成例1の屈曲素子31と同様に、光源20からの複数のレーザ光51を屈曲させることができる。なお、図15に示すようなプリズム33と、上記屈曲素子31またはミラー32とを組み合わせて、配光素子30を構成してもよい。
以上、図10~図15を参照して、本実施形態の光照射装置2の構成例1~6について説明した。図10~図15の構成例1~6では、光源20と拡散板40との間に配光素子30(屈曲素子31、ミラー32、プリズム33など)を配置した。これにより、配光素子30によりレーザ光51を屈曲させた後に、その屈曲光52を拡散板40により拡散して、拡散光53を測距対象エリア5に照射できるので、拡散光53の均質性を向上できる。しかし、配光素子30と拡散板40の位置関係は、図10~図15の例に限定されない。例えば、拡散板40と測距対象エリア5との間に配光素子30(屈曲素子31、ミラー32、プリズム33など)を配置してもよい。これにより、拡散板40によりレーザ光51を拡散させた後に、当該拡散光を配光素子30により屈曲させるため、各照射エリア7に照射される光の均質性がやや低下する可能性はあるが、各照射エリア7に対するビームステアリング動作を、問題なく実行することは可能である。
[7.まとめ]
以上、本実施形態に係る拡散板40を備えた光照射装置2について説明した。本実施形態によれば、拡散板40を用いて照射光を拡散させる光照射装置2において、測距対象エリア5を複数の照射エリア7a~7fに分割するとともに、配光素子30を拡散板40に対向して配置し、当該配光素子30により、光源20から測距対象エリア5に向かう光(例えば、複数のレーザ光51a~51f)を、相異なる複数の屈曲方向に屈曲させるように構成する。これにより、測距対象エリア5内で絞られた一部の照射エリア7a~7fに対して、屈曲させた光を部分的に照射することができる。
さらに、光源20は、一次元的又は二次元的に配列された複数の発光素子21a~21fを有するようにし、光照射装置2は、複数の発光素子21a~21fの発光を制御する制御部50を備えるようにしてもよい。また、配光素子30は、複数の発光素子21a~21fから出射された複数の光51a~51fを、相互に異なる屈曲方向に屈曲させるように構成してもよい。さらに、拡散板40は、配光素子30により屈曲された光52a~52fをそれぞれ拡散させて、拡散光53a~53fを、測距対象エリア5の各照射エリア7a~7fにそれぞれ照射するようにしてもよい。
かかる構成により、制御部50により、発光する発光素子21a~21fを所定の順番で切り替えることで、測距対象エリア5のうち、拡散光53a~53fの一部が部分的に照射される照射エリア7a~7fを順次切り替えることができる。これにより、当該照射エリア7a~7fの切り替えを利用して測距対象エリア5を走査するビームステアリング動作(図6参照。)を実行可能になる。
この点、従来の拡散板16を用いた光照射装置2'(図3参照。)では、その原理上、ビームステアリング動作を実行できないという問題があった。また、従来のレンズユニット14を用いた光照射装置2’(図2参照。)では、ビームステアリング動作を実行可能であるが、装置サイズおよびコストが増大するという問題があった。
これに対し、本実施形態によれば、拡散板40を用いて光源20からの光を拡散させる光照射装置2において、光源20と測距対象エリア5との間に配光素子30を追加することにより、上記ビームステアリング動作を好適に実行することができる。よって、光照射装置2により拡散光53を照射可能な照射エリア7a~7f全体(測距対象エリア5)の範囲、および、拡散光53の照射距離の双方を拡大することができる。
また、本実施形態によれば、装置構成が複雑なレンズユニット14を用いずに、シンプルな装置構成の拡散板40を用いて光51を拡散させる構成である。このため、従来の光照射装置2’のように装置サイズおよびコストが増大するという問題を解消でき、光照射装置2のサイズおよびコストを抑制でき、光照射装置2の小型化に寄与する。
加えて、拡散板40により照射光を拡散させて、均質な拡散光53a~53fを各照射エリア7a~7fに照射することが可能である。したがって、面光源である光源20に設けられた複数の発光素子21のうちの一部が破損もしくは故障したとしても、破損個所に対応する照射エリア7eに光が照射されずに未照射エリアが発生するという問題(図4参照。)を解消でき、測距対象エリア5全体を安定的に測定することができる。
次に、本発明の実施例に係る光照射装置について説明する。なお、以下の実施例は、あくまでも本発明に係る光照射装置の効果や実施可能性を示すための一例にすぎず、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、上記図5~図10に示した構成の光照射装置2を製造し、当該光照射装置2を用いて測距対象エリア5に拡散光を照射したときの相対強度分布を測定するシミュレーションを行った。光源20としては、発光面22上に、VCSELからなる6つの発光素子21a~21fが2行3列で配列された面光源を用いた。配光素子30としては、上記図7~図9に示したような両面にプリズム構造37、38が形成された矩形平板状の屈曲素子31を用いた。拡散板40としては、一方の表面にマイクロレンズアレイ42が形成された矩形平板状の拡散板40を用いた。屈曲素子31と拡散板40の材質は、屈折率がおよそ1.5である光学材料とした。光照射装置2により照射される拡散光53のX方向の視野角θが約90°となり、Y方向の視野角φが約50°となるように、屈曲素子31による屈曲角α、αと、拡散板40による拡散角β、βを設定した。
図16は、本実施例に係る光照射装置2において、6つの発光素子21a~21fの全てを同時に発光(点灯)させたときの照射光の相対強度分布を示すグラフである。図17は、当該照射光の相対強度分布を示す写真である。
図16および図17に示すように、X方向の視野角θが約90°(-45°~+45°)の範囲内、および、Y方向の視野角φが約50°(-25°~+25°)の範囲内で、略矩形状の照射エリア7全体に拡散光が照射されている。このとき、照射エリア7全域における照射光の相対強度分布は概ね均質であり、強度変化も緩やかであることが分かる。よって、本実施例に係る光照射装置2により、未照射領域を発生させることなく、照射エリア7に概ね均質に拡散光を照射して、測距対象エリア5内の照射エリア7全域を好適に測定可能であることが確認された。
図18~図20は、本実施例に係る光照射装置2において、6つの発光素子21a~21fのうち上側の3つの発光素子21a~21cを順次発光(点灯)させたときの照射光の相対強度分布を示す写真である。
図18に示すように、発光面22に向かって左上部に配置された1つの発光素子21aのみを発光させたときには、測距対象エリア5の右上部の略矩形状の照射エリア7aのみに対して、拡散光53aが照射された。次いで、図19に示すように、発光面22に向かって中央上部に配置された1つの発光素子21bのみを発光させたときには、測距対象エリア5の中央上部の略矩形状の照射エリア7bのみに対して、拡散光53bが照射された。その後、図20に示すように、発光面22に向かって右上部に配置された1つの発光素子21cのみを発光させたときには、測距対象エリア5の左上部の略矩形状の照射エリア7cのみに対して、拡散光53cが照射された。
このように、発光素子21a~21cの点灯と消灯を順次切り替えることで、測距対象エリア5内で拡散光53が照射される照射エリア7a~cを順次切り替えて、測距対象エリア5を走査できることが分かる。よって、本実施例に係る光照射装置2により、測距対象エリア5内の各照射エリア7に対して部分的に拡散光53を照射するビームステアリング動作を好適に実行可能であることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、光源20が垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)で構成される例について説明したが、本発明は、かかる例に限定されない。光源は、例えば、外部共振器型垂直面発光レーザ(VECSEL:Vertical External Cavity Surface Emitting Laser)、端面発光レーザ(EEL:Edge Emitting Laser)、または、他の面発光レーザ(SEL:Surface Emitting Laser)など、各種の面発光型の半導体レーザで構成されてもよい。
また、上記実施形態では、光源20は、複数の発光素子21a~21fを備える面光源である例について説明したが、本発明は、かかる例に限定されない。光源は、発光面の面積を有する光源であれば、単一の光源であってもよく、また、面光源に替えて点光源であってもよい。上記の面積を有する光源は、発光面から複数の平行光または拡散光を出射する一般的な面光源の他にも、拡散光を出射する点光源も含む。光源が点光源であっても、点光源を配光素子から離隔して配置することで、点光源から出射される拡散光は、配光素子に対する入射位置では、所定の面積を有する光となる。このため、点光源からの拡散光を、配光素子により相互に異なる方向に屈曲させることで、測距対象エリアを分割した各照射エリアに対して部分的に光を照射することができる。
1 光測距装置
2 光照射装置
3 光検出装置
4 コントローラ
5 測距対象エリア
6 測距対象物
7、7a~7f 照射エリア
20 光源
21、21a~21f 発光素子
30 配光素子
31 屈曲素子
32 ミラー
33 プリズム
35、35a~35f 屈曲部
36 基材
37、37A、37B 第1のプリズム構造
38、38A、38B 第2のプリズム構造
40 拡散板
41 基材
42 マイクロレンズアレイ
51、51a~51f レーザ光
52、52a~52f 屈曲光
53、53a~53f 拡散光
図1に示すように、本実施形態に係る光測距装置1は、測距対象エリア5に向けて光を照射し、測距対象物6で反射した光を検出することにより、測距対象物6までの距離や方向、測距対象物6の大きさ、形状などを測定する装置である。光測距装置1は、例えば、LiDARなどのリモートセンシング技術を利用した測距センサを備える。光測距装置1による測距方式は、例えば、光測距装置1が照射光を出射してから反射光を受光するまでの往復時間である光の飛行時間(TOF)を測定することで、測距対象物6までの距離を計算するTOF方式であることが好ましいが、それ以外にも、三角測距方式などの各種の測距方式を用いてもよい。
コントローラ4は、光照射装置2および光検出装置3を制御して、光測距装置1による測距動作を実行する。例えば、コントローラ4は、光照射装置2によるレーザ光の照射と、光検出装置3による反射光の検出を繰り返して、測距対象エリア5を3次元的に走査しながら、3次元マッピングを作成する。この際、コントローラ4は、光照射装置2によるレーザ光の出射タイミングと、光検出装置3による反射光の検出タイミングとの時間差(つまり、光の飛行時間:TOF)に基づいて、光測距装置1から測距対象物6までの距離や方向を演算する。
このように、光測距装置1は、測距対象エリア5をレーザ光で走査して、測距対象エリア5内に存在する測距対象物6までの距離や方向を示す3次元マッピングを作成する。このためには、光測距装置1は、できるだけ広い角度範囲(即ち、視野角(FOV))に渡ってレーザ光を照射することが求められる。光照射装置2の光源から出射されるレーザ光の広がりが狭いので、そのままでは測距センサとしての視野角が狭くなる。このため、拡散板などを用いてレーザ光を拡散させ、当該拡散光を広い視野角で測距対象エリア5に向けて照射して、照射エリアを拡大することが好ましい。
そこで、本実施形態に係る光測距装置1は、拡散板を用いてレーザ光を拡散させる光照射装置2において、レーザ光の照射エリア全体(測距対象エリア5)および照射距離の双方を拡大することを目的としている。このために、本実施形態では、測距対象エリア5を複数の照射エリア7に分割し(後述の図5参照。)、測距対象エリア5のうち、レーザ光を部分的に照射する照射エリア7を順次切り替えることにより、測距対象エリア5を走査するビームステアリングを実行可能であることを特徴としている(後述の図6参照。)。
一方、図3に示す拡散板16を備えた光照射装置2'では、光源10と拡散板16との位置関係が固定され、かつ、拡散板16による拡散角も一定である。このため、拡散板16により拡散されたレーザ光を測距対象エリア5に照射するときに、測距対象エリア5内で照射エリア7の範囲を絞ったり、シフトさせたりすることができない。したがって、拡散板16を備えた光照射装置2'では、その原理上、ビームステアリングを実行できないので、ビームステアリングを利用して照射エリア7の範囲および照射距離の双方を拡大できないという問題があった。
これら複数の発光素子21a~21fは、相互に平行な複数のレーザ光51a~51fを、配光素子30に向けて出射する。図5の例では、6つの発光素子21a~21fがそれぞれ、配光素子30に向けて6つのレーザ光51a~51fを出射している。複数のレーザ光51a~51fの光軸は相互に平行である。これら発光素子21から出射されるレーザ光51は、例えば、拡散光であってもよいし、コリメートされた平行光であってもよいが、レーザ光51の照射距離を延ばして、図6に示すビームステアリングを、より遠くの測距対象エリア5に対して実現可能にするためには、できるだけ平行光に近い拡散光であることが好ましい。また、本実施形態では、光源20としてレーザ光51を出射するLD(Laser Dioode)を備えたレーザ光源を用いるが、かかる例に限定されない。光源は、例えば、LED(Light Emitting Dioode)、ランプなどの他の発光素子を備えた光源であってもよい。
例えば、図5に示すように、配光素子30は、光源20の中央上部に配置された発光素子21bから出射されたレーザ光51bを、Y方向の上方向に所定の屈曲角αbで屈曲させ、X方向には屈曲させない。また、配光素子30は、光源20の中央下部に配置された発光素子21eから出射されたレーザ光51eを、Y方向の下方向に所定の屈曲角αeで屈曲させ、X方向には屈曲させない。ここで、例えば、「αb=+12.5°、αe=-12.5°」、「αb=αe=0°」である。
配光素子30により屈曲されたレーザ光51bは、屈曲光52bとなる。屈曲光52bは、レーザ光51bの進行方向(Z方向)に対して上方向に屈曲した屈曲方向に進行する光である。屈曲光52bの光軸とレーザ光51bの光軸との間の角度差は、屈曲角αbである。一方、配光素子30により屈曲されたレーザ光51eは、屈曲光52eとなる。屈曲光52eは、レーザ光51eの進行方向(Z方向)に対して下方向に屈曲した屈曲方向に進行する光である。屈曲光52eの光軸とレーザ光51eの光軸との間の角度差は、屈曲角αeである。
このような測距対象エリア5の視野角θ、φと、配光素子30および拡散板40の各パラメータとの関係を数式で表すと、次の式(1)~(6)のとおりである。なお、以下の数式中の( )内の数値は、図5および図9、図10に示す構成例の場合の各パラメータの具体的数値である。

Claims (14)

  1. 光測距装置に設けられ、測距対象エリアに光を照射する光照射装置であって、
    光源と、
    前記光源から前記測距対象エリアに向かう光を複数の屈曲方向に屈曲させる配光素子と、
    を備える、光照射装置。
  2. 前記光源と前記測距対象エリアとの間に配置される拡散板をさらに備え、
    前記拡散板は、前記配光素子と対向して配置される、請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記光源は、一次元的又は二次元的に配列された複数の発光素子を有し、
    前記配光素子は、前記複数の発光素子から出射された複数の光を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させ、
    前記光照射装置は、前記複数の発光素子の発光を制御する制御部をさらに備える、請求項2に記載の光照射装置。
  4. 前記複数の発光素子は、前記測距対象エリアを一次元的又は二次元的に分割した複数の照射エリアにそれぞれ対応しており、
    前記複数の発光素子から出射された前記複数の光はそれぞれ、前記配光素子および前記拡散板を通じて、前記複数の照射エリアに向けて照射され、
    前記制御部は、前記複数の発光素子のうち発光する発光素子を切り替える、請求項3に記載の光照射装置。
  5. 前記配光素子は、前記複数の照射エリアにそれぞれ対応する複数の屈曲部を有し、
    前記複数の屈曲部はそれぞれ、前記複数の発光素子から出射された前記複数の光を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させ、前記複数の照射エリアに向けて導く、請求項4に記載の光照射装置。
  6. 前記配光素子は、前記光源と前記拡散板との間に配置され、
    前記複数の屈曲部はそれぞれ、前記複数の発光素子から出射された前記複数の光を、相互に異なる屈曲方向に屈曲させて、前記拡散板に向けて出射し、
    前記拡散板は、前記複数の屈曲部から入射された複数の屈曲光をそれぞれ拡散させて、相互に異なる方向に進む複数の拡散光を、前記複数の照射エリアに向けてそれぞれ照射する、請求項5に記載の光照射装置。
  7. 前記配光素子と前記拡散板は、相互に接触して配置されている、又は、接合部材を介して接合されて配置されている、請求項2に記載の光照射装置。
  8. 前記配光素子は、プリズム構造を有する屈曲素子を含む、請求項1に記載の光照射装置。
  9. 前記屈曲素子の両側の表面に前記プリズム構造が形成されている、請求項8に記載の光照射装置。
  10. 前記屈曲素子の一側の表面に第1のプリズム構造が形成され、前記屈曲素子の他側の表面に第2のプリズム構造が形成されており、
    前記第1のプリズム構造と前記第2のプリズム構造は、平面視において相互に交差する方向に延在している、請求項9に記載の光照射装置。
  11. 前記配光素子は、ミラーを含む、請求項1に記載の光照射装置。
  12. 前記拡散板は、マイクロレンズアレイを有する、請求項2に記載の光照射装置。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の光照射装置と、
    前記光照射装置から照射され、測距対象物で反射した光を検出する光検出装置と、
    を備える、光測距装置。
  14. 請求項13に記載の光測距装置を備える、車両。
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