JP2024050326A - 壁積算支援装置およびコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 積算の作業の効率化、および積算のチェック作業の効率化を図る。【解決手段】 力モニタが出力した建物の設計図に対して、前記の建物の壁における建具を含む部位を操作者による操作によって領域指定する建具指定手段と、 前記の設計図が前記の出力モニタに出力された状態で指定された線分を実際の寸法に換算する画面縮尺比を用いて、前記の建具指定手段が指定した領域から当該建具の縦横寸法を算出する建具寸法算出手段と、 その建具寸法算出手段が算出した建具の縦横寸法を前記の出力モニタへ出力する寸法出力手段と、を備えた壁積算支援装置とする。【選択図】 図9

Description

本発明は、建物を建築する建築業、建設業において壁の設計や見積もりの段階で実施される積算を簡易に実行するための積算支援の技術に関する。
建築物、建造物は、基礎や壁や柱や屋根等の幾つかの建築要素から構成されており、建築要素それぞれは各種の部材を用いて構成されている。したがって、その見積もりや原価計算の際には、各種の部材を含めた部材の単価、数量を積算していく必要がある。
積算していくという作業は、手作業とすると非常に多くの時間および労力を要する。加えて、この作業に誤りが無いかをチェックする作業も必要である。
よって、この積算作業を軽減する必要性(意義)は非常に高い。
ある建築物の壁を設計し、積算し、積算結果をチェックするという手順について、図1に基づいて更に詳しく説明する。
設計段階では、その壁について、物理的な外寸法、必要とされる強度、採光量、出入り口などの機能といった物理的な条件を前提とし、建築資材として入手可能な壁の種類、窓や扉といった建具の種類や数といった材料的な条件などを考慮して設計がなされる。
設計者は、物理的な条件や材料的な条件を考慮し、デザインセンスなどの個性を発揮しつつ、設計図を描き上げる。さて、描き上げた設計図に基づいて実際の建築をすることとなった場合に、どれほどの費用が掛かるのか、ということを確認する必要がある。この場合に費用を見積もる作業を「積算」という。多くの場合、積算結果と予算との調整、および設計図を見た施工主からのデザイン面での要望などがフィードバックされ、再設計がなされる。
さて、前述の積算は、積算者が設計図から手作業にて建具の寸法を測り、設計図の縮尺から実寸法を割り出す。その上で具体的な建具の品番などを参照し、建具の種類毎に数を乗じ、価格を算出する。
壁については、壁の縦横寸法から建具の総面積を減算し、壁の総面積を算出し、壁の実際の種類に応じた単位面積当たりの価格を乗じて価格を算出する。こうした作業は、表計算アプリケーションへの入力作業を通じて実施している。
特許文献1では、「CADシステム側において、積算データを作成するのに先立って、顧客(施工業者等)との対話によるヒアリング処理を実行しておき、顧客が必要とする積算仕様の情報を取得する。そして、その情報に基づいた積算仕様を顧客が必要とするものだけに絞り込んでおき、効率的な積算データを作成する建築見積作成処理システム」が開示されている。
前記の建築見積作成処理システムは、階層化された選択画面を顧客に呈示し、積算データを作成する項目ごとに多様な建物仕様の中から必要な仕様を簡単に選択できるようになっている。そして、選択された仕様に基づき、CAD設計データからの拾い出すことができる。
特許文献1に開示されたCAD設計データを利用して積算を行う場合には、正確な積算を行うことは可能である。しかし、CAD設計データには、見積や原価計算等のための積算に必要のないデータも混在している。そのため、積算に必要なデータを抽出する手間がかかってしまう、という問題があった。
特許文献2には、前述したような、積算に必要なデータを抽出する手間の軽減を可能とすることで、作業時間の短縮、および作業ミスの発生の抑制を実現することができる建築積算システムおよびプログラムが開示されている。
特許文献2に開示された技術によれば、ユーザ(施工業者等)の操作は描画操作が中心であるため、作業の手間が軽減されるとともに、作業時間の短縮が図られる。また、この描画操作は、画面表示された設計図上で、建築要素を示す線に沿わせて描画線を引いたり、この描画線により囲まれる描画区画を形成したりする、といった簡単な操作であるため、作業ミスの発生も抑制される。
特開2007-65806号公報 特許第6293104号公報
壁の積算の作業は、工程が多いために管理者がチェックをする必要がある。そのチェック作業は、入力漏れまたは入力ダブり、実寸法の計測ミス、建具の種類の判断ミス、などがないか、設計図と計算表とを見比べるという作業となる。積算者が積算の途中経過を記録として残していることはほぼないため、積算者が未熟な場合、管理者が積算者と同等の作業を行わなければならないこともある。
チェックを含めた壁の積算作業が終了すると、前述したように施工主が予算やデザイン面から再設計を依頼することとなる。再設計が終了したら、再び積算作業が実施される。これが、必要に応じて繰り返される。
すなわち、積算者やその管理者によるチェックという非常にて間の掛かる作業が、設計終了までに複数回繰り返されるのである。非常に労力(その労力に応じた人件費という費用)が掛かり、設計終了までの時間も掛かっていた。
根本的な問題として、積算者および/または管理者がCADソフトに不慣れな場合、積算作業および/またはチェック作業が設計図という紙の上での作業となっていた。CADソフトに不慣れな人であっても、作業工程を電子化することに対する支援が必要となっている。
本発明が解決しようとする課題は、壁の積算作業の効率化、および壁の積算のチェック作業の効率化を図ることができる技術を提供することにある。
前述した課題を解決するため、積算用データ算出装置に係る第一の発明、および第一に係る積算用データ算出装置を制御するコンピュータプログラムに係る第二の発明を提供する。
(第一の発明)
第一の発明は、 建物の設計図を出力する出力モニタと、
その出力モニタが出力した建物の設計図に対して、前記の建物の壁における建具を含む部位を操作者による操作によって領域指定する建具指定手段と、
前記の設計図が前記の出力モニタに出力された状態で指定された線分を実際の寸法に換算する画面縮尺比を用いて、前記の建具指定手段が指定した領域から当該建具の縦横寸法を算出する建具寸法算出手段と、
その建具寸法算出手段が算出した建具の縦横寸法を前記の出力モニタへ出力する寸法出力手段と、
を備えた壁積算支援装置に係る(図9参照)。
(用語説明)
情報端末の出力モニタが出力する建物の「設計図」は、PDFファイルのほか、設計図を作成した際に用いたCADソフトが保存したCADデータの場合もある。
「建物」とは、壁および/または屋根を含む建築物、建造物である。
「建具指定手段」とは、CADソフトなどに備わっている線分を描いていくツール、曲線を描くツール、自由曲線を描くツールなどを用いて指定した箇所を、指定していない箇所と視覚的に区別できるようにする手段である。
「寸法出力手段」は、建具指定手段にて指定する建具が複数存在する場合には、一覧表にて出力することが望ましい。
(作用)
建物の設計図を情報端末の出力モニタが出力する。積算の作業をする操作者(図4においては積算者)は、建具指定手段を介して、建物の壁における建具を含む部位を領域指定する。建具指定手段によって指定した領域から、当該建具の縦横寸法を建具寸法算出手段が画面縮尺比を用いて算出する。建具寸法算出手段が算出した建具の縦横寸法は、出力モニタへ寸法出力手段が出力する。
画面上の建具がどこに配置しているか、を指定するだけで建具の縦横寸法が算出されるので、積算者の手間は軽減される。
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、前記の画面縮尺比を予め記憶している画面縮尺比記憶手段を備えることもできる(図3参照)。
(用語説明)
「画面縮尺比記憶手段」とは、積算用データ算出装置が情報処理装置である場合のランダムアクセスメモリのほか、積算用データ算出装置が情報処理装置である場合の二次記憶装置(ハードディスク等)が含まれる。
画面縮尺比記憶手段は、画面縮尺比を記憶するために、外部機器から受信する場合のほか、後述する縮尺比算出手段を自ら備えることで画面縮尺比を算出し、それを記憶することとしてもよい。
(作用)
画面縮尺比記憶手段には、画面縮尺比を予め記憶しているので、寸法出力手段による出力は円滑に実施できる。
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、 前記の画面縮尺比を算出するため縮尺比算出手段を備え、
その縮尺比算出手段は、出力モニタが出力した設計図における基準となる2点を指定する基準点指定手段と、
その基準点指定手段が指定した基準線分の実寸法を入力する実寸法入力手段と、
前記の実寸法および前記の出力モニタが出力している基準線分の出力長さ寸法を用いて前記の画面縮尺比を演算する縮尺比演算手段と、を備える(図5参照)。
(用語説明)
「基準点指定手段」が指定する「2点」は、水平方向寸法または垂直方向寸法が一般的である。しかし、たとえば角度が判明した上での2点でもよい。
(作用)
出力モニタが出力した設計図における基準となる2点を、操作者が基準点指定手段を用いて指定する。 その基準点指定手段が指定した基準線分の実寸法を、操作者が実寸法入力手段を用いて入力する。
前記の実寸法および前記の出力モニタが出力している基準線分の出力長さ寸法を用いて、縮尺比演算手段が画面縮尺比を演算する。
演算された画面縮尺比は、寸法出力手段に用いられる。
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、前記の寸法出力手段が出力する建具の縦横寸法は、前記の建具指定手段にて領域指定された設計図と一画面に出力することとするのである。
寸法出力手段が出力する建具の縦横寸法が建具指定手段にて領域指定された設計図と一画面に出力されるので、作業者は作業がしやすく、たとえば誤りに気付きやすい。
(第二の発明)
第二の発明は、第一の発明に係る壁積算支援装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、建物の設計図を出力する設計図出力手順と、
その設計図出力手順にて出力された設計図に対して前記の建物の壁における建具を含む部位を操作者による操作によって領域指定する建具指定手順と、
前記の設計図が出力された状態で指定された線分を実際の寸法に換算する画面縮尺比を用いて、前記の建具指定手順にて指定された領域から当該建具の縦横寸法を算出する建具寸法算出手順と、
その建具寸法算出手順にて算出した建具の縦横寸法を出力する寸法出力手順と、
を壁積算支援装置に実行させることとしたコンピュータプログラムである(図9参照)。
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のように形成することもできる。
すなわち、出力モニタが出力した設計図における基準となる2点を指定する基準点指定手順と、
その基準点指定手順にて指定された基準線分の実寸法を入力する実寸法入力手順と、
前記の実寸法および前記の出力モニタが出力している基準線分の出力長さ寸法を用いて前記の画面縮尺比を演算する縮尺比演算手順と
をも、前記の壁積算支援装置に実行させることとするのである。
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のように形成することもできる。
すなわち、前記の寸法出力手順にて出力する建具の縦横寸法は、前記の前記の建具指定手順にて領域指定された設計図と一画面に出力することとするのである。
第二の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、DVD-R、フラッシュメモリなどである。
第二の発明に係るコンピュータプログラムを格納したコンピュータ(または情報端末)から、通信回線を通じて別のコンピュータ(サーバを含む)や通信端末へ伝送することも可能である。
第二の発明は、コンピュータプログラムであるから、クライアントとなる情報端末がインターネットを介してアクセスし、サーバ上でそのプログラムを実行することとしてもよい。たとえば、クライアント端末(情報端末)からデータ入力をし、サーバにて本コンピュータプログラムを実行してそのデータを受信し、サーバで演算した出力結果をクライアント端末へ送信することとしても良い。
第一の発明によれば、壁の積算作業の効率化、および壁の積算のチェック作業の効率化を可能とした壁積算支援装置を提供することができる。なお、第一の発明に係る壁積算支援装置を用いて、最終的な積算を実行する壁積算装置も、本発明に含まれる。
第二の発明によれば、壁の積算作業の効率化、および壁の積算のチェック作業の効率化を可能とした積算用データ算出用のコンピュータプログラムを提供することができる。なお、第二の発明に係る壁積算支援プログラムを用いて、最終的な積算を実行する壁積算プログラムも、本発明に含まれる。
現状の設計、積算、確認(チェック)の手順の概要を示す概念図である。 (a)及び(b)は建物における壁を示す斜視図であり、図3以降で用いる壁は(a)のβから見た壁である。 設計図面に対する尺度補正の必要性を示す概念図である。 設計図面に対する尺度補正を実行する手順を示す概念図である。 設計図面に対する尺度補正の実行前後を示す概念図である。 画面尺度を算出する機能をデータ処理の検知から説明する概念図である。 積算支援の準備機能を示す概念図である。 積算支援において必要な建具(シャッター)の寸法を操作者が指定する手順(始点の指定)を示す概念図である。 積算支援において必要な建具の寸法を操作者が指定する手順(終点の指定)を示す概念図である。 積算支援において必要な建具(窓)の寸法を操作者指定する手順(始点の指定)を示す概念図である。 積算支援において必要な建具の寸法の指定が全て終了して積算が実行された例を示す概念図である。 壁の積算および建具の積算による全体の積算の概要を示す概念図である。 操作者が積算した結果を管理者がチェックする画面と、画面上に出力された状態からミスを発見した例を示す概念図である。 操作者が積算した結果を管理者がチェックする画面と、画面上に出力された状態からミスを発見した例を示す概念図である。 設計、尺度補正、積算、チェックの機能を別の作業者が実行する場合を示す概念図である。 設計、尺度補正、積算の機能を一人の作業者が担い、チェックを別の作業者が担う場合を示す概念図である。 現状の設計、積算、確認(チェック)の手順の概要を示す概念図である。 (a)及び(b)は設計をした屋根のサンプル図面である。 屋根における積算を準備する際の作業項目を示す図である。 画面尺度を算出する機能をデータ処理の見地から説明する概念図である。 画面尺度を補正するために、処理を実行するコンピュータへ屋根の図面が取り込まれた様子を示す概念図である。 画面尺度を補正するために、水平方向2点を指定した様子を示す概念図である。 画面尺度を補正するために、指定した2点の寸法を入力する画面を示す概念図である。 尺度補正が実行される前後を示す概念図である。 積算支援において必要な屋根の面積について、操作者が指定する手順(始点の指定)を示す概念図である。 積算支援において必要な屋根の面積について、操作者が指定する手順(終点の指定)と、終点を指定したら屋根面積が算出される旨を示す概念図である。 積算支援に必要なタイトフレーム数を把握するために、操作者がスパン数をカウントして入力する準備をしている様子を示す概念図である。 積算支援に必要なタイトフレーム数を把握するために、操作者がスパン数をカウントして入力したら、タイトフレームの延べ寸法、Bタイトの数などを自動算出される旨を示す概念図である。 積支援算に必要なタイトフレーム数を把握するために、操作者がタイトフレーム数をカウントして入力したら、タイトフレームの延べ寸法、Bタイトの数などを自動算出される旨を示す概念図である。 積算者が積算支援のための操作をした結果を管理者がチェックをし、積算者のミスを発見した様子を示す概念図である。
(壁積算支援)
以下、本発明の実施形態に係る壁積算支援アプリケーションソフトウェア(以下、単に「壁積算支援装置アプリケーション」または「壁積算支援装置アプリ」と略記する)について、図面(図2から図16)を参照して説明する。本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明を解釈するための例示としての形態である。
(図2)
図2は、建物における壁を示す斜視図である。図3以降で用いる壁は、図2(a)のβから見た壁である。図2(a)におけるα、γ、δや、図2(b)におけるα、β、γ、δは、比較参考のために示したのみである。
(図3)
図3は、設計図面の尺度補正機能を説明するための概念図である。
情報端末には、壁積算支援アプリケーションがインストールされている。すなわち、以下で示す情報端末は、壁積算支援装置となる。情報端末の出力画面には、ハードコピーとしての設計図面をスキャナでスキャンし、PDF化した図面が出力されている。スキャナを介してPDF化された設計図面のほか、設計図を作成した際に用いたCADソフトが保存したCADデータの場合もある。
出力された設計図面の中で示されている寸法は、様々な工程を経る中で設計者が意図した縮尺と、その描かれている各種の寸法とが不一致となってしまうこと(「尺度違い」と言う)が多い。その尺度違いを補正するために実行するのが、「尺度補正」である。
図3に示した設計図面には、ある壁が示されている。その壁の下端中央付近に一つのシャッターa、そのシャッターaの上方には三つの窓a1,a2,a3、その窓a1,a2,a3には、二つの窓b1,b2が描かれている。
窓a,bは、水平方向の部材2本、垂直方向の部材2本で構成されている。シャッターaは、水平方向の部材1本、垂直方向の部材2本で構成されている(なお、図4,5においては。これら建具の構成は省略して描いている)。
本来の設計図面には、壁の縦寸法、横寸法、各建具の寸法、建具間の寸法など各種の寸法が描かれているが、この図3ではほとんどの寸法を省略して図示している。そして唯一、窓a1と窓a2との間隔が4600ミリメートルであるとして図示している。
前述した「4600ミリメートル」とは、設計者が決定した寸法であるが、その「4600ミリメートル」が示す線分の長さは、設計者が決定した縮尺から算出した長さと一致しないこととなるのが、「尺度違い」である。尺度違いを補正するために積算者が操作するのが、次の図4にて示す手順である。
(図4)
図4は、画面出力された設計図における2点(基準点P1,P2)を指定することで線分のサンプルとし、その線分の長さに対して設計者が決定した寸法を、積算者が数値入力するまでを示している。
この図4では図示のしやすさから、窓a1と窓a2との間隔たる2点を線分のサンプルとした。しかし、尺度補正の目的から勘案すれば、サンプルとなる線分は、長いほど補正の正確さが増す。
(図5)
図5は、設計図面に対する尺度補正の実行前後を概念的に示している。入力された2点(基準点P1,P2)による線分の長さ(基準長さ)が入力された値(4600ミリメートル)とした場合、その基準長さとなる線分の入力値と、画面出力している出力値とから尺度を算出できる(図6における「演算手段1」)。その尺度を使って、画面出力していた設計図面上の全ての線分を出力し直す(図6における「演算手段2」)。出力し直された設計図面が、「尺度補正後の設計図面」である。
(図6)
図6は、図3~図5に示した尺度補正を、入力データ(入力されたデータ)、演算手段、出力データ(出力画面に出力されたデータ)として、情報処理の手順を概念化したものである。
入力データ1としては、設計図面の出力画面であり、その設計図面は図3~図6ではPDF化された図面として説明した。
入力データ2としては、基準となる2点を指定したことによる基準点指定データに加え、その基準点指定データによって特定された2点間の寸法として入力された寸法データである。
演算手段1とは、画面尺度(画面縮尺比)を演算する手段である。
演算手段2とは、演算された結果としての画面尺度(画面縮尺比)を用いて、入力データ1として格納されていた設計図面の全ての線分長さを再算出する手段である。ランダムアクセスメモリまたは他の記憶装置に格納した画面縮尺比を用いる。
出力データとは、補正された画面尺度を用いて、設計図における全ての線分を描き直すことで出力された尺度補正後の設計面となる。
なお、図3~図6では「水平方向の寸法」を用いての尺度補正を例示したが、垂直方向の寸法を用いて尺度補正を実施することも、当然可能である。
(図7)
図7には、積算の準備機能を示している。情報端末の出力画面には、尺度補正後の設計図面である対象図面と、積算表とが一画面に出力される。対象図面と積算表とが一画面で出力されることで、積算者の作業がしやすくなる上、後述する管理者(図13参照)も確認作業がしやすくなる。
積算表に対しては、後に指定する範囲指定を実施した際に建具が視覚的に区別できるように、建具の種類に応じて異なるハッチングを積算者が決定する。なお、シャッターa、窓a、窓bにて異なるハッチングを決定したとして図示しているが、実際のアプリケーションソフトウェアにおいては、色を異ならせることとしている。
積算表の項目は、開口種類、建具種別、寸法、構成、金額、を例示しているが、実際のアプリケーションソフトウェアにおいては、これに限られるモノではない。
画面表示の都合で、全ての項目を表示しない、といった場合もある(図13等)。「金額」までを表示するには、改訂等が頻繁に行われる価格表が必要であるため、情報端末にその価格表やその価格表に基づく「金額」までは、敢えて実行しないアプリケーションソフトウェア(をインストールした情報端末)としてもよい。
(図8)
図8は、その対象図面を示す画面出力において、始点と終点を決定した場合に四角形が指定範囲となる範囲指定用カーソルにて、対象図面におけるシャッターaの左上端を積算者が始点として指定した状態を示している。
なお、指定範囲を指定する手法としては、マウスをクリックする毎に線分を描いていくツール、曲線を描くツール、自由曲線を描くツールなど、様々用意してある。しかし、それらツールの種類については、CADソフトと同様であり、詳細な説明は省略する。
(図9)
図9は、始点と終点を決定した場合に四角形が指定範囲となる範囲指定用カーソルにて、対象図面におけるシャッターaの右下端を積算者が終点として指定した状態を示している。図8で指定した始点とこの図9で指定した終点とによって四角形で囲われる範囲は、予め決定してあったハッチングして表示されることとなる。
ハッチングがなされた四角形は、縦横2本ずつの線分で外形が決定されている。したがって、縦横それぞれの寸法は、尺度補正された尺度によって実寸法が演算できる。その演算結果は、積算表における「寸法」に出力されることとなる。
シャッターの場合、その「構成」は、水平部材が1本、垂直部材が2本である旨が表示される。窓の場合、その「構成」は、水平部材も垂直部材も2本である旨が表示される。
本実施形態に示したアプリケーションを利用する前の積算者は、紙に印刷された設計図面において、建具の寸法をスケールにて縦方向および横方向を実測し、当該設計図面に採用されている尺度を用いて前記の実測値と掛け算し、建具の寸法を出していた。掛け算部分を表計算ソフトに実行させることはあったものの、スケールでの実測は面倒な作業であった。
本実施形態によれば、実測が情報端末におけるマウス操作で行える上、予め尺度補正もなされているので、設計図面上に残っている誤差は予めクリアされている。また、四角形ツールによる指定範囲であれば、縦方向および横方向の実測も不要である。
(図10)
図10は、その対象図面を示す画面出力において、シャッターaの指定が終わり、窓a1の指定を終了した直後の状態を示している。
窓aは、対象図面において窓a1,a2,a3の3つが示されている。こうした場合に備えて、図示は省略するが、CADソフトなどにおいて採用されている「繰り返し機能」が用意されている。その繰り返し機能を用いることで、窓a2,a3において、指定作業を繰り返す必要はなくなる。
(図11)
図11は、その対象図面を示す画面出力において、シャッターbの指定が終了した直後の状態を示している。
積算表には、「金額」の項目があり、そこには、シャッターaが指定された寸法であった場合にいくらとなるか、が、その数とともに出力されている。
本実施形態においては、シャッター、窓の種類から金額までを自動算出するようには構成していない。しかし、シャッターや窓の種類に応じた金額テーブルを、情報端末が予め格納していたり、建具メーカが準備しているデータベースへのアクセスによって情報端末が収集できたりする場合には、シャッター、窓の種類、そして寸法を指定することで自動算出できるようにすることも、当然可能である。また、壁に設けられている出入口の扉については積算は省略しているが、この寸法等も同様に算出できる。
(図12)
図12は、前述してきた設計図面に示された「建具を組み込んだ壁」の全体を積算する手法を概念的に示している。
図12の下半分に示した「建具を組み込んだ壁」における「建具」の積算は、図11までで、その完了までの手順を説明できている。
図12の上半分は、壁の縦横寸法にて算出できる「建具を組み込んでいない壁」から、図12の下半分に示した建具の占有する面積を減じることで、「建具を組み込んだ壁」の積算を実行していることを示している。
(図13)
図13は、操作者が積算した結果を管理者がチェックする画面と、画面上に出力された状態からミスを発見した例を示している。
本実施形態に係る屋根積算支援アプリでは、積算者が実施した作業の履歴を保存しているとともに、必要に応じて作業履歴を出力画面上に読み出すことができる。
管理者に係る情報端末には、図12までに説明した積算作業を積算者に係る情報端末にて実行した最終結果が出力されている。すなわち、積算者が建具を指定した対象画面、その建具を指定したことによって作成された積算表が一画面に出力表示されている。
管理者は,積算者が建具の指定をした際の履歴を読み出し操作をしたことで得た出力画面をチェックすることで、窓a2が指定から漏れていることに気付く。積算者が積算作業を終えた図面においては、全ての建具に何らかのハッチングが施されているはずである。しかし、窓a2にはハッチングが施されていないため、指定漏れを視覚的に把握できるのである。
本実施形態に係るアプリケーションソフトが提供される前は、積算者が積算の作業に用いた図面に、スケールによる実測をしたか否か、といった記録が残っていることは無い。そのため、管理者が積算者による作業漏れを発見するのは容易ではなかった。
この図13に示した指定漏れは、図面とともに一画面表示されている積算表における窓aの数をチェックすることで、管理者は積算者によるミスを確信できることとなる。
(図14)
図14もまた、操作者が積算した結果を管理者がチェックする画面と、画面上に出力された状態からミスを発見した例を示している。ここでは、図8および図9を用いて説明した建具の範囲指定の段階でミスした場合を図示している。
管理者は、積算者が作業を終了した図面を観察し、ハッチングされた窓a1,a2,a3の下部分に、窓aにおける下水平部材が見えていることに違和感を覚える。そして、積算表における窓aの蘭にて、寸法をチェックする。すると、図面上では縦長に見える窓aであるのに、縦寸法と横寸法が同じ寸法となっていることから、積算者の誤りを確信することとなる。
本実施形態に係るアプリケーションソフトが提供される前に、積算者が図14に示したようなミスをしていたとしても、管理者が気付くのは容易ではなかった。積算者が積算の作業に用いた図面に、スケールによる実測をしたか否か、といった記録が残っていることは無いからである。
なお、図示は省略するが、実際の建具面積よりも広い範囲を指定するというミスを積算者がしていたとしても、作業としてのハッチングが半透明であるため、管理者は気付くことができる(図示の都合で「半透明のハッチング」が図面上にハッチングの差として表しにくいため、その実例は図示を省略している)。
(図15)
図15は、設計、尺度補正、積算、チェックの四段階について、別々の作業者が実施する場合について概念的に示している。
設計は、設計者が自らに係る情報端末(a)を用いて、壁や屋根を含む建物を設計し、設計図(ver.1)を作成する。尺度補正の作業者は、自らに係る情報端末(b)において、設計図(ver.1)に対する尺度補正を実行する。
積算者(1)は、補正された画面尺度比を用いて補正された壁の設計図から、自らに係る情報端末(c)を用いて壁の積算を実行する。積算者(2)は、補正された画面尺度比を用いて補正された屋根の設計図から、自らに係る情報端末(c)を用いて屋根の積算を実行する。
管理者は、情報端末(c)にて実行された壁の積算結果、および情報端末(d)にて実行された屋根の積算結果を情報端末(e)にて受信し、それぞれの積算の経緯をチェックしてミスがないかを確認し、ミスを発見したら積算結果を修正する。そして、壁および屋根による建物全体の積算結果を、設計者に係る情報端末(a)へ送信する。
設計者は、積算結果を受け、予算との関係を考慮するなどの見直し方針を考え、設計図(ver.2)を作成する。以後、尺度補正、積算、チェックの工程は同じ(繰り返し)である。
図15に示した実施形態であれば、壁の積算と屋根の積算とを二人による作業とすることで、最も時間の掛かる(ことの多い)工程を分散処理させることができる。そのため、チェックまでを終えた建物全体の積算結果を出すまでの時間を短縮できる。
図3から図11に示したように、尺度補正の作業は積算者が一人で実行するということとしてもよいし、尺度補正の作業を管理者が実行する、ということでもよい。
(図16)
図16は、尺度補正を実行するアプリケーションソフト、および積算を実行するアプリケーションソフトを設計者が自らの情報端末にインストールし、設計から積算までを実行してしまう場合を示している。
設計者が、自らの作業を自己チェックしてもミスを発見できない可能性は小さくない。そのため、管理者が、壁の積算結果、屋根の積算結果を自らに係る情報端末(e)にてチェックし、建物全体のチェック結果として設計者の情報端末(a)へフィードバックするようにしている。
積算という作業が容易ではなかったが故に、設計者自らが積算を実行することは、あまりなかった。しかし、本発明を活用することで、自ら積算を実行することがさほど重荷とならなくなるため、自ら積算を実行し、予算額との兼ね合いによる再設計をすることは容易となる。
前述してきた実施形態によれば、尺度補正および建具の範囲指定による積算の作業の効率化、および積算作業の経過記録の一覧表示化による積算結果のチェック作業の効率化を図ることができた。
(屋根積算支援)
以下、本発明の実施形態に係る屋根積算支援アプリケーションソフトウェア(以下、単に「屋根積算支援装置アプリケーション」または「屋根積算支援装置アプリ」と略記する)について、図面(図17から図30)を参照して説明する。
(屋根積算支援の必要性)
図16までを用いて、壁積算支援の必要性とその解決手段について説明してきた。しかし、壁積算の作業に支援が必要であったことと同様に、屋根積算においても支援が必要である。以下、その必要性について、図17から図19を用いて説明する。
ある建築物の屋根を設計し、積算し、積算結果をチェックするという手順について、図17に基づいて更に詳しく説明する。
設計段階では、その屋根について、物理的な外寸法、必要とされる強度、採光量、傾斜角などの機能といった物理的な条件を前提とし、建築資材として入手可能な屋根の種類、屋根を支える構造材の種類や数といった材料的な条件などを考慮して設計がなされる。
設計者は、物理的な条件や材料的な条件を考慮し、デザインセンスなどの個性を発揮しつつ、設計図を描き上げる。さて、描き上げた設計図に基づいて実際の建築をすることとなった場合に、どれほどの費用が掛かるのか、ということを確認する必要がある。この場合に費用を見積もる作業を「積算」という。多くの場合、積算結果と予算との調整、および設計図を見た施工主からのデザイン面での要望などがフィードバックされ、再設計がなされる。
さて、前述の積算は、積算者が設計図から手作業にて屋根の寸法を測り、設計図の縮尺から実寸法を割り出す。その上で具体的な構造材(タイトフレームなど)の品番などを参照し、構造材の種類毎に数を乗じたり、構造材における単位長さ当たりの価格を乗じたりして、価格を算出する。
屋根については、一般には図18(a)に示すように、受梁(架台)との間に位置させるタイトフレームで供試体を支えている。そして、図18(b)に示すような片流れ屋根を積算するためには、図19に示すような作業が必要だった。すなわち、図面から屋根の寸法を実測して面積を算出する(1)。また、受梁の数をカウントし、その受梁に固定されるタイトフレームの延べ寸法を算出する(2)。また、Bタイトの数を図面からカウントする(3)。軒先寸法、妻包み寸法、棟包み寸法なども、図面から実測する。そうした実測値から、材料の単位面積当たりの価格や寸法単位当たりの価格などを乗じ、価格を算出していた。
なお、図17~19では言及していないが、屋根については、屋根の縦横寸法から建具の総面積を減算し、壁の総面積を算出し、壁の実際の種類に応じた単位面積当たりの価格を乗じて価格を算出する。こうした作業は、表計算アプリケーションへの入力作業を通じて実施している。
屋根の積算の作業もまた、工程が多いために管理者がチェックをする必要がある。そのチェック作業は、入力漏れまたは入力ダブり、実寸法の計測ミス、建具の種類の判断ミス、などがないか、設計図と計算表とを見比べるという作業となる。積算者が積算の途中経過を記録として残していることはほぼないため、積算者が未熟な場合、管理者が積算者と同等の作業を行わなければならないこともある。
チェックを含めた積算作業が終了すると、前述したように施工主が予算やデザイン面から再設計を依頼することとなる。再設計が終了したら、再び積算作業が実施される。これが、必要に応じて繰り返される。
すなわち、積算者やその管理者によるチェックという非常にて間の掛かる作業が、設計終了までに複数回繰り返されるのである。非常に労力(その労力に応じた人件費という費用)が掛かり、設計終了までの時間も掛かっていた。
壁積算の支援の必要性においても触れたが、屋根積算においても根本的な問題がある。すなわち、積算者および/または管理者がCADソフトに不慣れな場合、積算作業および/またはチェック作業が設計図という紙の上での作業となっていた。CADソフトに不慣れな人であっても、作業工程を電子化することに対する支援が必要となっている。
屋根積算においても、設計後または設計中の屋根に関する積算作業の支援や効率化、積算準備におけるチェック作業の効率化を図ることができる技術を提供することにある。そこで、図20~図30を用いて、屋根の積算支援技術について説明する。
(図20)
図20は、図21~図24に示す尺度補正を、入力データ(入力されたデータ)、演算手段、出力データ(出力画面に出力されたデータ)として、情報処理の手順を概念化したものである。情報端末には、屋根積算支援アプリケーションがインストールされている。すなわち、以下で示す情報端末は、屋根積算支援装置となる。
入力データ1としては、屋根の設計図面の出力画面である。その設計図面は、図21~図24ではPDF化された図面とする。
入力データ2としては、基準となる二点を指定したことによる基準点指定データに加え、その基準点指定データによって特定された二点間の寸法として入力された寸法データである。
演算手段1とは、画面尺度(画面縮尺比)を演算する手段である。
演算手段2とは、演算された結果としての画面尺度(画面縮尺比)を用いて、入力データ1として格納されていた設計図面の全ての線分長さを再算出する手段である。ランダムアクセスメモリまたは他の記憶装置に格納した画面縮尺比を用いる。
出力データとは、補正された画面尺度を用いて、設計図における全ての線分を描き直すことで出力された尺度補正後の設計面となる。
なお、図21~図24では「水平方向の寸法」を用いての尺度補正を例示したが、垂直方向の寸法を用いて尺度補正を実施することも、当然可能である。
(図21)
図21~図24は、尺度補正機能を説明するための概念図であり、図21は、情報端末に読み込んだ設計図における屋根(片流れ屋根、図18参照)を出力している様子を示す。情報端末の出力画面には、ハードコピーとしての設計図面をスキャナでスキャンし、PDF化した図面が出力されている。スキャナを介してPDF化された設計図面のほか、設計図を作成した際に用いたCADソフトが保存したCADデータの場合もある。
出力された設計図面の中で示されている寸法は、様々な工程を経る中で設計者が意図した縮尺と、その描かれている各種の寸法とが不一致となってしまうこと(「尺度違い」と言う)が多い。その尺度違いを補正するために実行するのが、「尺度補正」である。尺度補正の必要性は、壁積算支援の場合と同様である。
(図22)
図22は、画面出力された設計図における水平方向の二点(基準点P1,P2)を指定することで線分のサンプルとしている様子を示している。尺度補正の目的から勘案すれば、サンプルとなる線分は、長いほど補正の正確さが増す。
(図23)
図23は、設計図面に対する尺度補正の実行前後を概念的に示している。入力された二点(基準点P1,P2)による線分の寸法(基準寸法)が設計図において「18200」と表示されているので、積算者は、18200ミリメートルを入力する。
(図24)
図24は、尺度補正が実行された様子を概念的に示している。基準となった線分の寸法として入力された値(18200ミリメートル)と、画面出力している出力値とから尺度を算出できる(図20における「演算手段1」)。その尺度を使って、画面出力していた設計図面上の全ての線分を出力し直す(図20における「演算手段2」)。出力し直された設計図面が、「尺度補正後の設計図面」である。
図24に示した「尺度補正後の設計図面」は、基準となった線分を画面出力において「水平」とし、同時に軒側を画面の下側となるようにしている。これは、積算者がその後の作業をする際に、感覚的な誤りを抑制するためである。
(図25)
図25は、屋根の図面を示す画面出力において、始点と終点を決定した場合に四角形が指定範囲となる範囲指定用カーソルにて、対象図面における屋根の左下端を積算者が始点として指定した状態を示している。
なお、指定範囲を指定する手法としては、マウスをクリックする毎に線分を描いていくツール、曲線を描くツール、自由曲線を描くツールなど、様々用意してある。しかし、それらツールの種類については、CADソフトと同様であり、詳細な説明は省略する。
同一画面の下側には、積算支援表が出力されている。積算支援表とは、積算をする際に必要となる項目、およびその項目に応じた数字を示す表である。
(図26)
図26は、始点と終点を決定した場合に四角形が指定範囲となる範囲指定用カーソルにて、対象図面における屋根の右上端を積算者が終点として指定した状態を示している。
図25で指定した始点とこの図26で指定した終点とによって四角形で囲われる範囲は、予め決定してあったハッチング(または色)して表示されることとなる。
ハッチングがなされた四角形は、縦横2本ずつの線分で外形が決定されている。したがって、縦横それぞれの寸法は、尺度補正された尺度によって実寸法が演算できる。その演算結果は、積算表における「屋根面積」に「P平方メートル」として出力されることとなる。
本実施形態に示したアプリケーションを利用する前の積算者は、紙に印刷された設計図面において、屋根の寸法をスケールにて縦方向および横方向を実測し、当該設計図面に採用されている尺度を用いて前記の実測値と掛け算し、屋根の面積を出していた。掛け算部分を表計算ソフトに実行させることはあったものの、スケールでの実測は面倒な作業であった。
本実施形態によれば、実測が情報端末におけるマウス操作で行える上、予め尺度補正もなされているので、設計図面上に残っている誤差は予めクリアされている。また、四角形ツールによる指定範囲であれば、縦方向および横方向の実測も不要である。
(図27)
図27は、屋根の図面を示す画面出力において、隣接する受梁の間、すなわちスパンの数を積算者がカウントしている様子を示している。
スパンの数に1を加えた数が受梁の数となる。また、屋根の縦方向寸法は屋根面積を指定した際に算出できているので、タイトフレームの延べ寸法を算出することができる。
なお、スパン数の入力は、設計図において予め異ならせたハッチングの種類などから、全受梁を設計図の屋根の中から情報端末が自動抽出してその受梁の数をカウントすることとしてもよい。
Bタイトは、受梁間のスパンにおいて、1メートル以下の間隔にて設置することとなっている。一方、屋根の水平方向寸法は既に取得できており、タイトフレームの数もスパン数が入力されれば取得できる。そのため、この屋根におけるBタイトの総数は、スパン数が入力されれば自動算出することができる。
(図28)
図28は、積算者がスパン数を入力した場合に、積算支援表に、タイトフレーム延べ寸法、Bタイトの数、軒先寸法、妻包み寸法、棟包み寸法を、情報端末が自動算出する様子を示している。
「軒先寸法」は、軒先(水下)側と正対した時の横方向(手前・水下側)の長さである。タイトフレーム1本と同じ長さとして算出できる。なお、屋根の種類が凹凸形状の場合は、その稜線の累計となる。
「妻包み寸法」は、軒先(水下)側と正対した時の縦方向の長さの2倍として算出できる。なお、屋根の種類が凹凸形状の場合は、その稜線の累計となる。
「棟包み寸法」は、軒先(水下)側と正対した時の横方向(奥側・水上側)の長さとして算出できる。なお、屋根の種類が凹凸形状の場合は、その稜線の累計となる。
屋根面積、タイトフレーム延べ寸法、Bタイトの数、軒先寸法、妻包み寸法、棟包み寸法のそれぞれが算出できれば、積算の手順としては、後は、それぞれの部材の単価を乗じればよい。したがって、本実施形態にて説明した屋根積算支援装置、屋根積算支援ソフトウェアは、必要項目の数量を算出するまでの作業を支援して簡易化しており、それによって積算者が行うべき作業を極めて簡潔にすることができる。
(図29)
図29は、図27にて積算者がスパン数をカウントしていたところ、タイトフレームの数をカウントし、それを入力する実施形態を示したものである。
スパン数に1を加えたのがタイトフレームの数であるので、いずれを入力しても、積算支援表に、タイトフレーム延べ寸法、Bタイトの数、軒先寸法、妻包み寸法、棟包み寸法を、情報端末が自動算出することができる。
(図30)
図30は、積算者が積算のための操作をした結果を管理者がチェックをし、積算者のミスを発見した様子を示す概念図である。
図26では、屋根の左下および右上の指定が適切に実施されているが、図30では、右下の指定が適切に行われなかった状態を示している。
本実施形態に係る屋根積算支援アプリでは、積算者が実施した作業の履歴を保存しているとともに、必要に応じて作業履歴を出力画面上に読み出すことができる。
図30に示しているのは、積算者が屋根の面積を算出するために屋根の左下および右上の指定をした際の履歴を、管理者が読み出し操作をしたことで得た出力画面である。
管理者は、積算者が実施した作業履歴を目視することで、屋根の左下の指定をミスしていることに気付くことができる。
なお、図示は省略するが、実際の屋根面積よりも広い範囲を指定するというミスを積算者がしていたとしても、作業としてのハッチングが半透明であるため、管理者は気付くことができる(「半透明のハッチング」が図示しにくいため、その実例の図示を省略している)。
ところで、図15を用いて説明した尺度補正機能、積算機能、チェック機能の分散や、図16を用いて説明した尺度補正と積算機能の統合については、屋根積算のみを実施する場合においても効果を奏する。
図17~図30に基づいて記述してきた実施形態によれば、壁の積算における尺度補正および建具の範囲指定による積算の作業の効率化、および積算作業の経過記録の一覧表示化による積算結果のチェック作業の効率化を図ることができた。
なお、前述してきた壁積算支援アプリと屋根積算支援アプリは、統合して壁および屋根の積算支援が選択的に可能である統合支援アプリとして提供することは、当然可能である。
前述してきた実施形態においては「積算支援アプリ」としており、「積算アプリ」としなかったのは、積算の結果としての「価格」の出力には、使用した部材における価格表が必要となるためである。たとえば、価格表は改訂が頻繁であったり、特別な事情を考慮して所定部材のみの価格が上下したりする。一方で、従来における積算作業の面倒さは、価格表を使用する前の段階までであった。よって、価格表の有無にかかわらず積算作業の効率化が可能となる、という趣旨で「支援アプリ」と説明したのである。よって、最終的な積算が実行できるように価格表までをインストールしている(あるいは価格データベースを閲覧にゆく)か否かは、本発明の本旨ではない。
本発明は、建築業、建設業、建築や建設において設計や積算に用いられるアプリケーションソフトウェアの開発業、アプリケーションソフトウェアのレンタル業、建築や建設に伴うコンサルティング業、などにおいて利用可能性を有する。


Claims (7)

  1. 建物の設計図を出力する出力モニタと、
    その出力モニタが出力した建物の設計図に対して、前記の建物の壁における建具を含む部位を操作者による操作によって領域指定する建具指定手段と、
    前記の設計図が前記の出力モニタに出力された状態で指定された線分を実際の寸法に換算する画面縮尺比を用いて、前記の建具指定手段が指定した領域から当該建具の縦横寸法を算出する建具寸法算出手段と、
    その建具寸法算出手段が算出した建具の縦横寸法を前記の出力モニタへ出力する寸法出力手段と、
    を備えた壁積算支援装置。
  2. 前記の画面縮尺比を予め記憶している画面縮尺比記憶手段を備えた請求項1に記載の積算用データ算出装置。
  3. 前記の画面縮尺比を算出するため縮尺比算出手段を備え、
    その縮尺比算出手段は、出力モニタが出力した設計図における基準となる2点を指定する基準点指定手段と、
    その基準点指定手段が指定した基準線分の実寸法を入力する実寸法入力手段と、
    前記の実寸法および前記の出力モニタが出力している基準線分の出力長さ寸法を用いて前記の画面縮尺比を演算する縮尺比演算手段と、を備えることとした
    請求項1に記載の壁積算支援装置。
  4. 前記の寸法出力手段が出力する建具の縦横寸法は、前記の建具指定手段にて領域指定された設計図と一画面に出力することとした
    請求項1に記載の壁積算支援装置。
  5. 建物の設計図を出力する設計図出力手順と、
    その設計図出力手順にて出力された設計図に対して前記の建物の壁における建具を含む部位を操作者による操作によって領域指定する建具指定手順と、
    前記の設計図が出力された状態で指定された線分を実際の寸法に換算する画面縮尺比を用いて、前記の建具指定手順にて指定された領域から当該建具の縦横寸法を算出する建具寸法算出手順と、
    その建具寸法算出手順にて算出した建具の縦横寸法を出力する寸法出力手順と、
    を壁積算支援装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
  6. 出力モニタが出力した設計図における基準となる2点を指定する基準点指定手順と、
    その基準点指定手順にて指定された基準線分の実寸法を入力する実寸法入力手順と、
    前記の実寸法および前記の出力モニタが出力している基準線分の出力長さ寸法を用いて前記の画面縮尺比を演算する縮尺比演算手順と
    をも、前記の積算用データ算出装置に実行させることとした
    請求項5に記載のコンピュータプログラム。
  7. 前記の寸法出力手順にて出力する建具の縦横寸法は、前記の前記の建具指定手順にて領域指定された設計図と一画面に出力することとした
    請求項5に記載のコンピュータプログラム。
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