JP2024049948A - 免震装置 - Google Patents

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修一 徳永
Shuichi Tokunaga
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Abstract

【課題】免震装置を設置した状態で外周側積層部を容易に取り付け可能な免震装置を提供する。【解決手段】免震装置は、中央側積層体を有する中央側積層部と、前記中央側積層部の鉛直方向の両端面に固定された一対の外端板と、外周側積層体を有すると共に前記一対の外端板のそれぞれの内面に接触するように着脱可能に設けられた複数の外周側積層部と、前記中央側積層部に対する前記外周側積層部の相対的な移動を規制する止具と、を備え、前記複数の外周側積層部は、前記中央側積層部を取り囲むように環状に配置され、前記止具は、前記外周側積層部と別体である。【選択図】図1

Description

本開示は、免震装置に関する。
特許文献1には、中央側積層部と、中央側積層部の鉛直方向の端面に固定された一対の外端板と、一対の外端板のそれぞれの内面に接触するように設けられた複数の外周側積層部と、を備える、免震装置が開示されている。外周側積層部は、着脱可能に構成されている。これにより、免震装置の設置後も積層体を有する外周側積層部を着脱することによって免震性能の調整をすることができる。
ところで、特許文献1には、中央側積層部に対する外周側積層部の相対的な移動を規制する止具の具体的な記載がない。特許文献1に記載された内容から、止具は、外周側積層部の鉛直方向の端面に固定されると共にボルトで外端板に固定されていると推察される。この場合、外周側積層部に構造体からの荷重が加わった状態で、止具のボルトを通す貫通孔と外端板の雌ねじとを位置合わせする必要があり、外周側積層部の取り付けが容易でない。
特開平2-49834号公報
本開示の目的は、免震装置を設置した状態で外周側積層部を容易に取り付け可能な免震装置を提供することにある。
本開示の免震装置は、中央側積層体を有する中央側積層部と、前記中央側積層部の鉛直方向の両端面に固定された一対の外端板と、外周側積層体を有すると共に前記一対の外端板のそれぞれの内面に接触するように着脱可能に設けられた複数の外周側積層部と、前記中央側積層部に対する前記外周側積層部の相対的な移動を規制する止具と、を備え、前記複数の外周側積層部は、前記中央側積層部を取り囲むように環状に配置され、前記止具は、前記外周側積層部と別体である。
実施形態1に係る免震装置の縦断面図 同実施形態に係る免震装置の横断面図 実施形態2に係る免震装置の縦断面図 同実施形態に係る免震装置の横断面図 実施形態3に係る免震装置の縦断面図 同実施形態に係る免震装置の横断面図 他の実施形態に係る免震装置の止具を示す拡大縦断面図 他の実施形態に係る免震装置の横断面図 他の実施形態に係る免震装置の横断面図 同実施形態における分割片の平面図 他の実施形態に係る免震装置の止具及び内端板を示す拡大縦断面図
[実施形態1]
まずは、実施形態1に係る免震装置1について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、各図(図3~図11も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面間での寸法比も、必ずしも一致していない。図1は、実施形態1に係る免震装置1の縦断面図であり、図2は、同実施形態に係る免震装置1の横断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る免震装置1は、中央側積層部2と、中央側積層部2の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の外端板3,3と、一対の外端板3,3のそれぞれの内面31に接触するように着脱可能に設けられた複数の外周側積層部4と、中央側積層部2に対する外周側積層部4の相対的な移動を規制する止具5と、を備えている。
中央側積層部2は、中央側積層体21を備えている。中央側積層体21は、金属板(例えば、鋼板)とゴムとを交互に積層して形成されている。本実施形態において、中央側積層体21は、円柱状に形成されているが、これに限られない。例えば、中央側積層体21は、角柱状に形成されていてもよい。中央側積層体21の積層方向は、鉛直方向D1と実質的に一致する。
本実施形態において、中央側積層部2は、中央側積層体21の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の中央側内端板22,22を備えている。中央側内端板22は、中央側積層体21と外端板3との間に設けられ、外端板3にボルト(不図示)で固定されている。中央側積層体21は、中央側内端板22に加硫接着で固定されている。中央側内端板22を設けることによって、中央側積層体21が損傷した際、外端板3から中央側積層部2を取り外すことができ、外端板3の交換が不要となる。これにより、中央側積層部2の交換コストを抑制できる。なお、中央側積層部2は、例えば、中央側内端板22を備えない、又は、鉛直方向D1の一方のみに中央側内端板22を備える、という構成であってもよい。
中央側内端板22は、金属板(例えば、鋼板や鉄板)によって形成されている。中央側内端板22の鉛直方向D1の厚みは、例えば、25mm~50mmである。中央側内端板22は、平面視において中央側積層体21と実質的に同じ形状であることが好ましい。本実施形態において、中央側内端板22は、円板状に形成されているが、これに限られない。一対の中央側内端板22,22は、それぞれ実質的に同じ形状であるが、それぞれ異なる形状であってもよい。
外端板3は、金属板(例えば、鋼板や鉄板)によって形成されている。本実施形態において、外端板3は、円板状に形成されているが、これに限られない。一対の外端板3,3は、それぞれ実質的に同一形状であるが、それぞれ異なる形状であってもよい。外端板3の外径は、中央側内端板22の外径よりも大きい。
外端板3は、建物躯体などの第1構造体100又は建物基礎などの第2構造体200にボルト(不図示)で固定されている。外端板3と第1構造体100又は第2構造体200との間にベースプレートを介在させる場合もある。
一対の外端板3,3のうち、鉛直方向D1の一方側(上側)に設けられた外端板3を上側外端板3aとし、鉛直方向D1の他方側(下側)に設けられた外端板3を下側外端板3bとする。上側外端板3aは、第1構造体100に固定され、下側外端板3bは、第2構造体200に固定されている。
外周側積層部4は、一対の外端板3,3の間で着脱可能である。これにより、外周側積層部4(後述する外周側積層体41)が損傷した場合に、免震装置1を設置した状態で外周側積層部4を交換することができる。その結果、免震装置1を構造体100,200から取り外すことが不要となり、外周側積層部4の交換コストを抑制することができる。また、経年劣化などにより免震装置1の免震性能などが変化した場合や製造時に免震装置1の免震性能などが基準値から外れていた場合に、外周側積層部4を追加又は交換することによって免震装置1の免震性能などを容易に調整することができる。さらに、中央側積層部2と外周側積層部4とを別体とすることによって、それらを一体で形成した場合よりも各積層体21,41の加硫接着ムラを抑制でき、免震装置1の製造不良(免震装置1の免震性能などが基準値から外れることや免震装置1の一部が破損することなど)を抑制できる。
複数の外周側積層部4は、中央側積層部2を取り囲むように環状に配置されている。これにより、中央側積層体21が外周側積層部4によって覆われ、中央側積層体21の外表面の損傷を抑制できる。本実施形態において、複数の外周側積層部4は、円環状に配置されているが、これに限られない。例えば、複数の外周側積層部4は、角環状に配置されていてもよい。
外周側積層部4は、外周側積層体41を備えている。外周側積層体41は、平面視において、湾曲状、直線状、L字状又はコの字状(略U字状)に形成されている。本実施形態において、外周側積層体41は、平面視において円弧状に形成されているが、これに限られない。
本実施形態において、外周側積層体41は、金属板(例えば、鋼板)とゴムとを交互に積層して形成されているが、これに限られない。例えば、外周側積層体41は、耐候性に優れたゴムのみによって形成されていてもよい。その場合、外周側積層体41をカバーゴムとして用いることができる。外周側積層体41の積層方向は、鉛直方向D1と実質的に一致し、中央側積層体21と実質的に同じである。
外周側積層体41は、中央側積層体21と実質的に同じ積層条件(材質、積層枚数など)で積層されていることが好ましい。これにより、中央側積層体21と外周側積層体41とが異なる積層条件で積層された場合よりも、経年劣化による免震装置1の免震性能などの変化を管理しやすくなる。なお、外周側積層体41は、中央側積層体21と異なる積層条件で積層されていてもよい。
外周側積層体41は、中央側積層体21又は隣接する外周側積層体41と隙間なく設けられていることが好ましい。これにより、外端板3が他の外端板3に対し水平方向にずれた際に、積層体21,41の受圧面積が減少することを抑制でき、積層体21,41の座屈を抑制できる。
外周側積層部4は、外周側積層体41の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の外周側内端板42(内端板42ともいう)を備えていることが好ましい。外周側積層体41は、外周側内端板42に加硫接着で固定されている。
外周側内端板42は、金属板(例えば、鉄板や鋼板)によって形成されている。外周側内端板42は、平面視において外周側積層体41と実質的に同じ形状であることが好ましい。本実施形態において、外周側内端板42は、平面視において円弧状に形成されているが、これに限られない。一対の外周側内端板42,42は、それぞれ実質的に同じ形状であるが、それぞれ異なる形状であってもよい。
外周側内端板42(外周側積層体41)の円弧角度θ1は、例えば、45度以上で且つ180度以下である。円弧角度θ1は、45度、60度、90度、120度又は180度の何れかであることが好ましい。これにより、複数の外周側積層体41の形状をそれぞれ実質的に同一にすることができる。
外周側内端板42の鉛直方向D1の厚みは、中央側内端板22の鉛直方向D1の厚みと実質的に同じであることが好ましい。これにより、外周側内端板42が中央側積層体21と接触することや中央側内端板22が外周側積層体41と接触することを抑制でき、積層体21,41の損傷を抑制できる。外周側内端板42の鉛直方向D1の厚みは、例えば、25mm~50mmである。
外周側内端板42の径方向D2に沿った幅は、例えば、25mm~60mmである。径方向D2は、水平方向で且つ中心線Lcから離れる方向である。中心線Lcは、中央側積層部2の中心線である。外周側内端板42の周方向D3の端面421は、外周側積層体41の周方向D3の端面411と実質的に面一であることが好ましい。周方向D3は、水平方向で且つ中心線Lc周りの方向である。
本実施形態に係る免震装置1は、外周側積層部4の外周側(径方向D2の外側)に他の外周側積層部4が設けられている。径方向D2の内側に位置する外周側積層部4を第1外周側積層部4aとし、第1外周側積層部4aの径方向D2の外側に位置する外周側積層部4を第2外周側積層部4bとする。第2外周側積層部4bは、第1外周側積層部4aを取り囲むように環状(本実施形態においては、円環状)に配置されている。なお、免震装置1は、第2外周側積層部4bを備えない、という構成であってもよく、第2外周側積層部4bの径方向D2の外側に第3外周側積層部などを備える、という構成であってもよい。
第2外周側積層部4bの円弧角度θ12は、第1外周側積層部4aの円弧角度θ11と同じである。第2外周側積層部4bは、第1外周側積層部4aと同心円状に配置されている。第2外周側積層部4bの周方向D3の端面は、第1外周側積層部4aの周方向D3の端面と実質的に面一である。なお、第2外周側積層部4bは上記に限られない。例えば、第2外周側積層部4bの円弧角度θ12は、第1外周側積層部4aの円弧角度θ11と異なっていてもよく、第2外周側積層部4bの周方向D3の端面は、第1外周側積層部4aの周方向D3の端面と周方向D3にずれていてもよい。
止具5は、外周側内端板42と別体である。これにより、外周側積層部4に第1構造体100からの荷重が加わった状態で、外周側積層部4を所定の位置(例えば、外端板に設けた雌ねじなど)に合わせるなどの細かい位置合わせ作業が不要となる。その結果、免震装置1を設置した状態で外周側積層部4を容易に取り付けることができる。
止具5は、外周側積層部4の外周側(径方向D2の外側)に設けられている。止具5は、外周側内端板42の外周面と接触し、外周側積層体41と非接触である。これにより、中央側積層部2に対する外周側積層部4の相対的な移動を規制すると共に止具5によって外周側積層体41が損傷することを抑制できる。止具5は、鉛直方向D1の両側にそれぞれ設けられていることが好ましい。
複数の止具5は、中央側積層部2を取り囲むように環状に配置されている。止具5の形状は、外周側内端板42の外周面に沿った形状であることが好ましい。本実施形態において、止具5は、平面視において円弧状に形成され、断面四角形状(長方形状)に形成されているが、これに限られない。隣接する止具5,5同士の隙間は、小さいことが好ましい。隣接する止具5,5は、互いに当接していることが好ましい。
止具5の円弧角度θ2は、例えば、90度以上で且つ180度以下である。円弧角度θ2は、90度、120度又は180度の何れかであることが好ましい。これにより、各止具5の形状を実質的に同一にすることができる。円弧角度θ2は、円弧角度θ1よりも大きいことが好ましい。
止具5の径方向D2に沿った幅は、例えば、20mm~50mmである。止具5の径方向D2に沿った幅は、外周側内端板42の径方向D2に沿った幅よりも小さい。止具5の鉛直方向D1の厚みは、外周側内端板42の鉛直方向D1の厚みよりも大きい。
止具5の周方向D3の端面51は、外周側内端板42の周方向D3の端面421と周方向D3において実質的に一致する位置に配置されているが、周方向D3にずれた位置に配置されていてもよい。鉛直方向D1の一方に固定された止具5の端面51は、鉛直方向D1の他方に固定された止具5の端面と実質的に同じ位置に配置されていてもよく、異なる位置に配置されていてもよい。
外端板3は、止具5を嵌め込み可能な内面溝32を備えている。内面溝32は、外端板3の内面31に設けられている。内面溝32は、平面視において環状に形成されている。本実施形態において、内面溝32は、円環状に形成され、連続的に延びているが、これに限られない。例えば、内面溝32は、角環状に形成されていてもよく、断続的に延びていてもよい。
内面溝32の鉛直方向D1の溝深さは、外端板3の鉛直方向D1の厚みよりも小さい。内面溝32の鉛直方向D1の溝深さは、例えば、外端板3の鉛直方向D1の厚みの10%~50%である。内面溝32の径方向D2に沿った溝幅は、止具5の径方向D2に沿った幅よりも(若干)大きく、外周側内端板42の径方向D2に沿った幅よりも小さい。内面溝32の径方向D2に沿った溝幅は、外周側内端板42の径方向D2に沿った幅の50%以下であることが好ましい。これにより、内面溝32を同心円状に複数設けた場合に外周側内端板42が内面溝32に嵌まることを抑制できる。
上側外端板3aに設けられた内面溝32を上側内面溝32aとし、下側外端板3bに設けられた内面溝32を下側内面溝32bとする。上側内面溝32aは、下側内面溝32bと実質的に同じ形状であることが好ましい。
上側外端板3aは、止具5を上側内面溝32aに固定可能な不図示の固定手段(例えば、ボルトやバヨネット構造など)を備えている。これにより、止具5が上側内面溝32aから外れることを抑制できる。本実施形態において、内面溝32の底面には、鉛直方向D1に沿って延びる雌ねじ33が設けられ、止具5には、鉛直方向D1に沿って延びる貫通孔52が設けられている。不図示のボルトを貫通孔52に挿通して、ボルトと雌ねじ33とを螺合することによって、止具5を上側内面溝32aに固定できる。下側外端板3bは、上側外端板3aと同様の固定手段を備えていることが好ましい。
止具5を内面溝32に嵌め込むことによって、固定手段が破損した場合でも外周側積層部4の径方向D2の移動を規制できる。
[実施形態2]
次に、図3及び図4を参照して、本開示の免震装置1の実施形態2について説明する。実施形態2に係る免震装置1は、以下に説明する構成の他は、実施形態1に係る免震装置1と同様に構成できるため、共通点を省略して主に相違点について説明する。図3は、実施形態2に係る免震装置1の縦断面図であり、図4は、同実施形態に係る免震装置1の横断面図である。
図3及び図4に示すように、外周側内端板42は、外周側内端板42に止具5を固定可能な固定手段(例えば、ボルトなど)を備えている。本実施形態において、外周側内端板42の外周面には、径方向D2に沿って延びる雌ねじ423が設けられ、止具5には、径方向D2に沿って延びる貫通孔53が設けられている。不図示のボルトを貫通孔53に挿通して、ボルトと雌ねじ423とを螺合することによって、止具5を外周側内端板42に固定できる。
止具5は、固定手段によって2つ以上の外周側内端板42に固定されている。止具5は、隣接する外周側内端板42を連結している。これにより、複数の外周側積層部4は、止具5によって環状に連結され、中央側積層部2に対する外周側積層部4の相対的な移動が規制される。止具5の円弧角度θ2は、例えば、20度以上で且つ180度以下である。止具5の周方向D3の端面51は、外周側内端板42の端面421に対し周方向D3にずれた位置に配置されている。
鉛直方向D1の一方に固定された止具5の端面51は、鉛直方向D1の他方に固定された止具5の端面に対し周方向D3にずれた位置に配置されていることが好ましい。これにより、水平方向の揺れに対する中央側積層部2の連結強度を高めることができる。
本実施形態において、止具5は、外端板3に固定されていない。これにより、実施形態1における内面溝32(図1参照)などによって、外周側積層部4の幅が制限されず、外周側積層部4の幅を自由に選択することができる。その結果、免震装置1の免震性能などの調整が容易になる。
[実施形態3]
次に、図5及び図6を参照して、本開示の免震装置1の実施形態3について説明する。実施形態3に係る免震装置1は、以下に説明する構成の他は、実施形態1に係る免震装置1と同様に構成できるため、共通点を省略して主に相違点について説明する。図5は、実施形態3に係る免震装置1の縦断面図であり、図6は、同実施形態に係る免震装置1の横断面図である。
図5及び図6に示すように、止具5は、環状に形成されている。本実施形態において、止具5は、円環状に形成されているが、これに限られない。例えば、止具5は、角環状に形成されていてもよい。
止具5は、止具5の周方向に分割された複数の分割片54と、複数の分割片54をそれぞれ連結する連結手段55と、を備えている。本実施形態において、止具5の鉛直方向D1の中心線は、中心線Lcと一致する。
分割片54の円弧角度θ3は、例えば、90度以上で且つ180度以下である。円弧角度θ3は、90度、120度又は180度の何れかであることが好ましい。これにより、各分割片54の形状を実質的に同一にすることができる。各分割片54の円弧角度θ3は、それぞれ異なっていてもよい。
本実施形態において、連結手段55は、ボルト551とナット552とで構成されている。分割片54は、分割片54の周方向の端面から径方向D2に沿って突出する突出部541を備えている。突出部541は、分割片54の周方向の両端面に設けられている。突出部541には、分割片54の周方向に延びる貫通孔542が設けられている。これにより、貫通孔542と隣接する他の分割片54の貫通孔542とにボルト551を挿通してボルト551とナット552とを螺合することによって、各分割片54を連結できる。ボルト551及びナット552のうち一方は、溶接などで突出部541に固定されていてもよい。なお、連結手段55は、上記に限られない。
外周側内端板42は、分割片54(止具5)を嵌め込み可能な外周面溝424を備えている。外周面溝424は、外周側内端板42の外周面に設けられている。外周面溝424は、周方向D3に沿って延び、他の外周側内端板42に設けられている外周面溝424と連なることによって環状(本実施形態においては、円環状)をなす。
外周面溝424は、外周側内端板42の内面425から離れた位置に設けられている。本実施形態において、外周面溝424は、外周側内端板42の外面426に設けられているが、これに限られない。例えば、外周面溝424は、外周側内端板42の鉛直方向D1の中央(内面425と外面426との間)に設けられていてもよい。
分割片54の内径は、外周面溝424の溝底の外径よりも小さいことが好ましい。これにより、各分割片54を連結した際、外周側内端板42を止具5によって締め付け、中央側積層部2に対する外周側積層部4の相対的な移動をさらに規制できる。
本実施形態において、止具5は、外端板3に固定されていない。これにより、実施形態1における内面溝32(図1参照)などによって、外周側積層部4の径方向D2の幅が制限されず、外周側積層部4の幅を自由に選択することができる。その結果、免震装置1の免震性能などの調整が容易になる。
[1]
以上、上記実施形態に係る免震装置1は、中央側積層体21を有する中央側積層部2と、中央側積層部2の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の外端板3と、外周側積層体41を有すると共に一対の外端板3のそれぞれの内面31に接触するように着脱可能に設けられた複数の外周側積層部4と、中央側積層部2に対する外周側積層部4の相対的な移動を規制する止具5と、を備え、複数の外周側積層部4は、中央側積層部2を取り囲むように環状に配置され、止具5は、外周側積層部4と別体である、という構成である。
斯かる構成によれば、外周側積層部4に第1構造体100からの荷重が加わった状態で、外周側積層部4を所定の位置に合わせるなどの細かい位置合わせ作業が不要となる。これにより、免震装置1を設置した状態で外周側積層部4を容易に取り付けることができる。
[2]
また、上記実施形態[1]に係る免震装置1において、外周側積層部4は、外周側積層体41の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の内端板42を備え、止具5は、内端板42の外周面と接触し、外周側積層体41と非接触である、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、内端板42を設けて止具5と接触させることにより、中央側積層部2に対する外周側積層部4の相対的な移動を規制することができる。止具5と外周側積層体41とを非接触とすることにより、止具5によって外周側積層体41が損傷することを抑制できる。
[3]
また、上記実施形態[1]又は[2]に係る免震装置1において、一対の外端板3のうち、上側に設けられた外端板3を上側外端板3aとし、下側に設けられた外端板3を下側外端板3bとしたとき、上側外端板3aは、上側外端板3aの内面31aに止具5を嵌め込み可能な上側内面溝32aと、止具5を上側内面溝32aに固定可能な固定手段と、を備え、下側外端板3bは、下側外端板3bの内面31bに止具5を嵌め込み可能な下側内面溝32bを備える、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、上側内面溝32aと下側内面溝32bとに止具5を嵌め込むことによって、止具5を容易に取り付けることができる。また、止具5を上側内面溝32aに固定することにより、止具5が自重などによって上側内面溝32aから外れることを抑制できる。これにより、止具5が外れることによって生じる止具5と外周側積層体41との接触を抑制でき、止具5によって外周側積層体41が損傷することを抑制できる。
[4]
また、上記実施形態[1]又は[2]に係る免震装置1において、外周側積層部4は、外周側積層体41の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の内端板42を備え、内端板42は、内端板42の外周面に止具5を固定可能な固定手段を備え、複数の外周側積層部4は、止具5によって環状に連結されている、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、固定手段で止具5を内端板42に容易に固定することができる。また、止具5を外周側内端板42に固定することにより、止具5が外周側内端板42から外れることを抑制できる。これにより、止具5が外れることによって生じる止具5と外周側積層体41との接触を抑制でき、止具5によって外周側積層体41が損傷することを抑制できる。
[5]
また、上記実施形態[1]、[2]又は[4]に係る免震装置1において、止具5は、環状に形成され、止具5は、止具5の周方向に分割された複数の分割片54と、複数の分割片54をそれぞれ連結する連結手段55と、を備え、外周側積層部4は、外周側積層体41の鉛直方向D1の両端面に固定された一対の内端板42を備え、内端板42は、内端板42の外周面に分割片54を嵌め込み可能な外周面溝424を備える、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、複数の分割片54を外周面溝424に嵌め込んで連結手段55でそれぞれ連結することによって、止具5を容易に取り付けることができる。また、止具5(分割片54)を外周面溝424に嵌め込むことによって、取り付け後に止具5が外周側内端板42から外れることを抑制できる。これにより、止具5が外れることによって生じる止具5と外周側積層体41との接触を抑制でき、止具5によって外周側積層体41が損傷することを抑制できる。
[6]
また、上記実施形態[1]~[5]の何れか1つに係る免震装置1は、外周側積層部4(第1外周側積層部4a)の外周側に他の外周側積層部4(第2外周側積層部4b)が設けられている、という構成であってもよい。
斯かる構成によれば、第2外周側積層部4bを設けることによって、第1外周側積層部4aのみの場合よりも免震装置1の免震性能などの調整が容易になる。
なお、免震装置1は、上記実施形態1~3の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、免震装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態1~3に係る構成や下記する各種の変形例に係る構成などを任意に一つ又は複数選択して、上記実施形態に係る構成に採用してもよいことは勿論である。
(A)実施形態1~3において、中央側内端板22は、外端板3と別体であるが、これに限られない。例えば、中央側内端板22は、外端板3と一体に形成されていてもよい。
(B)実施形態1において、止具5は、断面四角形状であるが、これに限られない。例えば、図7に示すように、止具5は、断面略T字状であってもよい。図7は、変形例における止具5を示す拡大縦断面図である。斯かる形状においては、内面溝32の溝幅を小さくすることができる。
(C)実施形態2において、複数の止具5は、内端板42を取り囲むように連続的に配置されているが、これに限られない。例えば、図8に示すように、複数の止具5は、内端板42の周りに断続的に配置されていてもよい。図8は、変形例に係る免震装置1の横断面図である。
(D)実施形態3において、ボルト551は、ナット552と螺合されているが、これに限られない。例えば、図9に示すように、ボルト551は、実施形態2のような外周側内端板42の外周面に設けられた雌ねじ423と螺合されてもよい。これにより、連結手段55が固定手段としても機能し、止具5を外周側内端板42に固定することができる。図9は、変形例に係る免震装置1の横断面図である。斯かる変形例において、分割片54は、突出部541(図6参照)を備えておらず、貫通孔542は、径方向D2に沿って延びている。
図10は、変形例における分割片54の平面図である。図10に示すように、分割片54は、分割片54の周方向の両端部に段下げ部543が設けられていることが好ましい。分割片54の一方の段下げ部543aは、分割片54の内側から外側に向かって段下げされており、分割片54の他方の段下げ部543bは、分割片54の外側から内側に向かって段下げされている。貫通孔542は、段下げ部543に設けられている。これにより、分割片54の一方の段下げ部543aと他の分割片54の他方の段下げ部543bとを重ねて連結できる。
(E)実施形態3において、外周側内端板42は、図11に示すように、他の外周側内端板42の外周面溝424に嵌め込み可能な突起427を備えていてもよい。図11は、変形例に係る免震装置1の止具5及び内端板22,42を示す縦断面図である。斯かる構成においては、中央側内端板22の外周面に突起427を嵌め込み可能な外周面溝221を備えている。
1…免震装置、2…中央側積層部、21…中央側積層体、22…中央側内端板、221…外周面溝、3…外端板、3a…上側外端板、3b…下側外端板、32…内面溝、32a…上側内面溝、32b…下側内面溝、33…雌ねじ、4…外周側積層部、4a…第1外周側積層部、4b…第2外周側積層部、41…外周側積層体、42…外周側内端板、423…雌ねじ、424…外周面溝、427…突起、5…止具、54…分割片、541…突出部、542…貫通孔、543…段下げ部、55…連結手段、551…ボルト、552…ナット、100…第1構造体、200…第2構造体

Claims (6)

  1. 中央側積層体を有する中央側積層部と、
    前記中央側積層部の鉛直方向の両端面に固定された一対の外端板と、
    外周側積層体を有すると共に前記一対の外端板のそれぞれの内面に接触するように着脱可能に設けられた複数の外周側積層部と、
    前記中央側積層部に対する前記外周側積層部の相対的な移動を規制する止具と、を備え、
    前記複数の外周側積層部は、前記中央側積層部を取り囲むように環状に配置され、
    前記止具は、前記外周側積層部と別体である、免震装置。
  2. 前記外周側積層部は、前記外周側積層体の鉛直方向の両端面に固定された一対の内端板を備え、
    前記止具は、前記内端板の外周面と接触し、前記外周側積層体と非接触である、請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記一対の外端板のうち、上側に設けられた外端板を上側外端板とし、下側に設けられた外端板を下側外端板としたとき、
    前記上側外端板は、前記上側外端板の内面に前記止具を嵌め込み可能な上側内面溝と、前記止具を前記上側内面溝に固定可能な固定手段と、を備え、
    前記下側外端板は、前記下側外端板の内面に前記止具を嵌め込み可能な下側内面溝を備える、請求項1に記載の免震装置。
  4. 前記外周側積層部は、前記外周側積層体の鉛直方向の両端面に固定された一対の内端板を備え、
    前記内端板は、前記内端板の外周面に前記止具を固定可能な固定手段を備え、
    前記複数の外周側積層部は、前記止具によって環状に連結されている、請求項1に記載の免震装置。
  5. 前記止具は、環状に形成され、
    前記止具は、前記止具の周方向に分割された複数の分割片と、前記複数の分割片をそれぞれ連結する連結手段と、を備え、
    前記外周側積層部は、前記外周側積層体の鉛直方向の両端面に固定された一対の内端板を備え、
    前記内端板は、前記内端板の外周面に前記分割片を嵌め込み可能な外周面溝を備える、請求項1に記載の免震装置。
  6. 前記外周側積層部の外周側に他の外周側積層部が設けられている、請求項1~5の何れか1項に記載の免震装置。
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