JP2024049232A - 固液分離装置および活性汚泥処理方法 - Google Patents

固液分離装置および活性汚泥処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】省スペースでありつつ処理効率に優れ、余剰汚泥の低減に寄与する固液分離装置を提供する。【解決手段】固液分離装置20は、無機質系汚泥を含む固液混合水から無機質系汚泥と水とを分離させ、所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバー27を有し、無機質系汚泥を支持する支持部26と、支持部26の平面視において、バー27の延伸方向へとバー27と直交して配置される複数の回転軸29と、回転軸29の軸方向に、バー27と交互に配置されるように回転軸29に固定される複数の回転体28とを備え、回転体28の外周形状は、回転軸29の軸方向に見た場合、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状である。x2/a2+y2/(a2+c2)=1・・・(1)a2+c2=b2・・・(2)0<a<b・・・(3)a+b<S≦2b・・・(4)【選択図】図2

Description

本発明は、固液分離装置およびこの固液分離装置を用いる活性汚泥処理方法に関し、特に無機質系汚泥を多く含む排水の合流式排水処理設備における固液分離装置および活性汚泥処理方法に関する。
活性汚泥処理方法は極めて優れた排水処理方法であるため、広く排水処理に用いられ、原水の種類に応じていろいろな処理方式が提案されている。
従来の活性汚泥処理法においては、食物連鎖を利用して土壌細菌から大型の原生動物に至るまで種々の微生物が利用されている。しかし、活性汚泥処理には次の問題がある。(1)曝気槽を大きくして長時間曝気して消化させる方法(ラグーン方式・オキシデーションデッチ)では膨大な容量の曝気槽が必要になること、(2)流入原水中の水素イオン濃度(以下、pHという)を中性にするための薬品が必要になること、(3)活性汚泥を殺菌するような有害物質が流入すると、活性汚泥が損傷を受け、原水の浄化機能を失ったり糸状細菌性バルキングを引き起こしたりしやすくなること、(4)流入処理原水の汚濁物質成分の変動が大きい場合、高速エアレーション活性汚泥処理の場合等にバルキングが発生しやすくなることである。
上記問題を解決するために、本出願人は微生物反応槽および排水処理方法(特許文献1)を開発し、多くの分野で排水処理の実績を上げている。
また、余剰汚泥の削減法の1つとして、余剰汚泥にオゾン処理を施した後、曝気槽へ返送する方法が開示されている(非特許文献1)。その他、高温菌で処理したり、機械的に破砕したり、化学的に処理したりした後に、曝気槽に返送する方法が知られている。
しかしながら、排水処理の多様化が進み、環境負荷に対する規制が厳しくなるにつれて、上記各方法による排水処理においても余剰汚泥を少なくすることが困難になる場合がある。
上記問題を解決するために、図8に示すように、本出願人は原水曝気調整槽14’および微生物反応槽1’を備え、この微生物反応槽1’で発生する汚泥を原水曝気調整槽14’へ循環する循環システムにより排水を処理する活性汚泥処理方法において、処理前の原水が供給される原水曝気調整槽14’に、微生物反応槽1’より発生する汚泥1を供給する工程1と、汚泥1が混合された原水を原水曝気調整槽14’にて、酸化還元電位が正の値になるように曝気調整した後、この調整された処理原水1を微生物反応槽1’に供給する工程2と、微生物反応槽1’からの放出水を放流水とする工程3とを有することを特徴とする活性汚泥処理方法について開示している(特許文献2)。
しかしながら、この活性汚泥処理方法においても、以下のような懸念がある。
(1)下水道の排水処理方式には、汚水管と雨水管とを別々に布設にして、汚水管から排出される家庭用などの汚水は排水処理をして放流し、雨水管からの雨水はそのまま川や海に流す分流式下水道方式と、家庭用などの汚水と雨水を1つの管路で排水処理設備に送る合流式下水道方式とがある。合流式下水道方式は、分流式下水道方式に比べて、管路が1本で済むので建設費が安くなる。このため、合流式下水道方式は特に発展途上国に多く採用されている。この合流式下水道方式の場合、上記汚泥循環システムを採用しても、微生物反応槽で分解できない無機質系汚泥が多くなると、汚泥の処理が困難になる場合が多くなる。また、汚泥が多くなると処理に伴う悪臭の発生により活性汚泥処理装置を住民が密集する都市部に設置することが困難になる。
(2)無機質系汚泥を多く含む合流式下水道方式による排水処理設備の設置スペースの確保が困難になる。
(3)合流式下水道方式による排水処理の場合、無機質系汚泥を多く含むため、微生物反応槽から排出される汚泥の発生が多く、また、悪臭の発生により、その処理にコストがかかる。
(4)都市部に排水処理装置を設置する場合、省スペースとなることが多く、小型排水処理装置の運転操作に対して多くの経験や技術が要求される。
安井英斉、化学工学 第66巻第6号、329-331頁、2002年
特許第4142138号 国際公開WO2013/132611
本発明は上記課題に対処するためになされたもので、活性汚泥処理法を用いる排水処理方法に付随して使用でき、無機質系汚泥を多く含む排水(例えば、合流式下水道方式における排水)の排水処理であっても、省スペースでありつつ処理効率に優れ、余剰汚泥の低減に寄与する固液分離装置およびこの固液分離装置を用いる活性汚泥処理方法の提供を目的にする。
本発明の固液分離装置は、無機質系汚泥を含む固液混合水から上記無機質系汚泥と水とを分離させる固液分離装置であって、所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバーを有し、上記無機質系汚泥を支持する支持部と、上記支持部の平面視において、上記バーの延伸方向へと上記バーと直交して配置される複数の回転軸と、上記回転軸の軸方向に、上記バーと交互に配置されるように上記回転軸に固定される複数の回転体とを備え、上記回転体の外周形状は、上記回転軸の軸方向に見た場合、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状であることを特徴とする。
/a+y/(a+c)=1・・・(1)
+c=b・・・(2)
0<a<b・・・(3)
a+b<S≦2b・・・(4)
x:楕円短軸方向の軸
y:上記楕円短軸方向と直交する楕円長軸方向の軸
a:楕円短軸の長さの1/2
b:楕円長軸の長さの1/2
c:上記回転体の中心と焦点との距離
S:隣接する上記回転軸の中心同士の距離
上記バーの延伸方向に隣接する上記回転体同士の位相差が90°であり、かつ、上記回転軸の軸方向に隣接する上記回転体同士の位相差が90°であることを特徴とする。
上記複数の回転体において上記バーの延伸方向に隣接する上記回転体の外周面の間隔Gが、下記式(5)を満たすことを特徴とする。
0.01(b-a)<G<0.5(b-a)・・・(5)
上記回転体における下記式(6)で定義される扁平率fが30%以上90%以下であることを特徴とする。
f=((b-a)/b)×100・・・(6)
上記回転軸の軸方向に隣接し対向する上記回転体の側面同士の面間距離Dsと、上記バーの厚みTbとが、下記式(7)を満たすことを特徴とする。
Tb<Ds≦4Tb・・・(7)
本発明の活性汚泥処理方法は、原水曝気調整槽および微生物反応槽を備え、上記微生物反応槽で発生する汚泥含有処理水を上記原水曝気調整槽へ循環する循環システムにより排水を処理する活性汚泥処理方法であって、上記微生物反応槽より発生する汚泥含有処理水を、上記微生物反応槽と上記原水曝気調整槽との間に設けられた固液分離装置により、無機質系汚泥と処理原水2とに分離する工程1と、分離された上記処理原水2を上記原水曝気調整槽に供給する工程2と、上記処理原水2が混合された原水を上記原水曝気調整槽にて、酸化還元電位が正の値になるように曝気調整した後、この調整された処理原水1を上記微生物反応槽に供給する工程3と、上記微生物反応槽からの放出水を放流水とする工程4とを有し、上記微生物反応槽は、外槽と、この外槽の内部に配置されて上下に開口部を有する円筒状内槽と、この円筒状内槽上部に設けられて被処理水の槽内循環率を制御する循環率制御装置と、上記円筒状内槽の上部外周に設けられて汚泥を沈降させるための制御円筒と、上記円筒状内槽の外側および内側に設けられた被処理水質測定装置と、上記外槽および内槽内を循環する被処理水の循環経路に設けられた原水供給口および上記外槽の上部に設けられた処理水放出口とを具備してなり、上記円筒状内槽は、中心部に連通孔を有する隔壁で円筒上部と円筒下部とに分割され、上記円筒上部は、該円筒上部内の上記連通孔周囲および上記隔壁周縁部に複数の空気吹込口が設けられ、上記外槽内に配置される複数の支持柱により上記隔壁が支えられて外槽内部に配置された好気微生物処理槽であり、上記円筒下部は底面に開口部を有する嫌気微生物処理槽であり、上記好気微生物処理槽内および上記嫌気微生物処理槽内をそれぞれ撹拌する撹拌装置が設けられ、上記被処理水質測定装置により測定される被処理水の水素イオン濃度、酸化還元電位および溶存酸素量から選ばれた少なくとも1つの測定値を検出する手段と、上記検出された測定値に応じて上記円筒状内槽上部に配置された上記循環率制御装置内に設けられた、被処理水の水位レベルが液面調節バルブの全開時に最も低くなるよう調節する液面調節バルブの開閉、被処理水の水位レベルが液面調節板の最下位時に最も低くなるよう調節する液面調節制御板の上下動、および上記空気吹込口から吹込まれる空気量から選ばれる少なくとも1つの量を制御することにより、上記被処理水の槽内循環率を3~20に制御する手段とを備え、上記原水供給口より供給される原水が活性汚泥と共に上記円筒状内槽の内部と、上記円筒状内槽の外周面と、上記外槽下部に沈降した活性汚泥内とを経て槽内を循環することで嫌気微生物処理および好気微生物処理が連続してなされ、上記固液分離装置が、上述の固液分離装置であることを特徴とする。
本発明の固液分離装置は、所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバーを有し、無機質系汚泥を支持する支持部と、支持部の平面視において、バーの延伸方向へとバーと直交して配置される複数の回転軸と、回転軸の軸方向に、バーと交互に配置されるように回転軸に固定される複数の回転体とを備え、回転体の外周形状は、回転軸の軸方向に見た場合、xy直交座標において、上記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状であるので、支持部上で固液混合水の固液分離を行いつつ、複数の回転体の回転により無機質系汚泥を搬送できる。このような連続的な固液分離処理が行えるので、少ないスペースでも固液分離の効率に優れ、排水処理の効率化に繋がる。
バーの延伸方向に隣接する回転体同士の位相差が90°であり、かつ、回転軸の軸方向に隣接する回転体同士の位相差が90°であるので、汚泥が剪断されやすく、固液分離の効率により優れる。
複数の回転体においてバーの延伸方向に隣接する回転体の外周面の間隔Gが、上記式(5)を満たすので、回転体の寸法に関わらず、固液分離の効率に優れる。
回転体における上記式(6)で定義される扁平率fが30%以上90%以下であるので、無機質系汚泥が搬送されやすく、大量の無機質系汚泥でも固液分離できる。
回転軸の軸方向に隣接し対向する回転体の側面同士の面間距離Dsと、バーの厚みTbとが、上記式(7)を満たすので、回転体やバーの寸法に関わらず固液分離の効率に優れる。
本発明の活性汚泥処理方法は、上述の固液分離装置を用いて固液混合水から無機質系汚泥と水とを分離することにより、以下の効果が得られる。
(1)固液分離装置を用いて分離された無機質系汚泥は、微生物反応槽で循環させているので、脱水ケーキに悪臭が殆ど発生しない。このため、排水処理設備を都市部に設置できる。
(2)微生物反応槽で汚泥含有処理水を循環させているので、脱水ケーキは、含まれる有機質汚泥の含有濃度が低く埋め立て処理ができる。また、無機質系汚泥を効率的に除いて、微生物反応槽から排出される余剰汚泥量を大幅にさげることができる。
(3)合流式下水道方式における排水処理において、固液分離装置が省スペースでありつつ処理効率に優れるので、排水処理設備の設置面積を縮小できるとともに、余剰汚泥を低減できる。
本発明の活性汚泥処理方法のブロック図である。 本発明の固液分離装置の一実施形態の概略図である。 固液分離装置の内部を上から見た平面図である。 隣接する回転体を回転軸の軸方向に見た図である。 支持部および回転体をバーの方向に見た図である。 微生物反応槽の断面図である。 微生物反応槽における被処理水および活性汚泥の循環経路を示す図である。 既存の活性汚泥処理方法のブロック図である。
本発明の固液分離装置を用いた活性汚泥処理方法のブロック図を図1に示す。下水道などからの排水は微生物反応槽1を経て循環される。微生物反応槽1で発生する汚泥を含んだ固液混合水である汚泥含有処理水が固液分離装置15で無機質系汚泥と処理原水2とに分離され、この処理原水2が原水曝気調整槽14を経て再び微生物反応槽1へ循環する。この循環過程で有機質汚泥が消化される。なお、固液分離装置15は、原水曝気調整槽14へ流入する流入原水(排水)の流路に設けられ、排水が原水曝気調整槽14へ流入する前に無機質系汚泥と水とを分離してもよい。
本発明の固液分離装置の一実施形態について図2に基づいて説明する。図2は、固液分離装置の概略図である。本発明の固液分離装置20は、無機質系汚泥を含む固液混合水から無機質系汚泥と水とを分離する。固液分離装置20は、下水道や微生物反応槽から流入する固液混合水を導入する導入口21と、固液混合水から無機質系汚泥を濾別するろ過部22と、無機質系汚泥が除かれた水を次工程へ送る排水口23とを備えている。
導入口21は、筐体24の上部に設けられており、固液混合水は重力に従って流れ落ちながらろ過部22の上に供給される。なお、導入口21は、固液混合水がろ過部22の上に供給されれば、筐体24の側部に設けられてもよい。
ろ過部22は、所定の大きさ以上の無機質系汚泥は通れない隙間を有している。ろ過部22は、装置上部の導入口21と、装置下部の排水口23との間、装置略中段に設けられている。図1において、固液混合水がろ過部22の上に供給されると、ろ過部22でのろ過と、紙面右方向への無機質系汚泥の搬送が同時に行われる。ろ過された水は、ろ過部22の下方の集水部に集められ、排水口23から排出される。また、無機質系汚泥は、所定の値よりも低い含水率まで固液分離され、排出口25から排出される。
固液分離装置20は、無機質系固体を押圧して脱水するための押圧手段をろ過部22の上方に有していてもよい。これにより、固液混合水からより多くの水を分離できる。押圧手段としては、例えば、ベルト状のろ布や、板状部材などを用いることができる。
ろ過部について図3に基づいて説明する。図3は、固液分離装置の内部を上から見た平面図である。ろ過部22は、無機質系汚泥を支持する支持部26と、支持部26を構成する複数のバー27の間のスリットSlに配置される複数の回転体28と、複数の回転体28を回転させる複数の回転軸29とを備えている。支持部26において、複数のバー27は所定の間隔を開けて平行に配置されている。複数の回転軸29は、支持部26の平面視において、バー27の延伸方向へとバー27と直交して配置されている。複数の回転体28は、回転軸29の軸方向に、バー27と交互に配置されるように回転軸29に固定されている。ろ過部22において、バー27の延伸方向に隣接する回転体28同士の隙間や、回転体28とバー27との隙間から下方へ水が流れ落ちることで、固液混合水から無機質系汚泥と水とが分離される。図3において、回転体28は、回転軸29の軸方向に9個ずつ設けられている。回転体28は、例えば、1本の回転軸29に5~50個固定できる。
回転体について再度図2に基づいて説明する。図2において、回転体28の外周形状は楕円形状となっている。回転体28の長軸方向の長さは、例えば、6~60cmとできる。また、回転体28の短軸方向の長さは、例えば、5~50cmとできる。回転体28の厚みは、例えば、0.5mm~5cmとできる。回転体28は、バー27の延伸方向に6個設けられている。回転体28は、例えば、バー27の延伸方向に3~30個設けることができる。
回転体について図4に基づいて説明する。図4は、隣接する回転体を回転軸の軸方向に沿って見た図1の拡大図である。回転体28Aを回転軸29の軸方向に見た場合、回転体28Aは、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす。
/a+y/(a+c)=1・・・(1)
+c=b・・・(2)
0<a<b・・・(3)
a+b<S≦2b・・・(4)
x:楕円短軸方向の軸
y:楕円短軸方向と直交する楕円長軸方向の軸
a:楕円短軸の長さの1/2
b:楕円長軸の長さの1/2
c:回転体の中心と焦点との距離
S:隣接する回転軸の中心同士の距離
これにより、無機質系汚泥がろ過部22から集水部へと通り抜けることを抑制しつつ、連続的な固液分離処理が行える。その結果、少ないスペースでもより多くの無機質系汚泥と水とを分離できる。なお、回転体28の外周形状は、上記式(1)~(4)を満たす楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状であってもよい。この場合、無機質系汚泥と有機質汚泥とが分離されやすくなり、濾別される汚泥中の有機質汚泥の含有率が低くなりやすいと考えられる。
本発明の固液分離装置は、バー27の延伸方向に隣接する回転体28A、28B同士の位相差(長軸同士のなす角度)αが90°であることが好ましい。これにより、回転体28A、28Bの外周面の間隔Gを一定にできるため、無機質系汚泥のろ過部22から集水部への通り抜けをより抑制できる。
本発明の固液分離装置は、回転体28A、28B同士の位相差αが90°であり、かつ、回転軸29の軸方向に隣接する回転体28B、28C同士の位相差(紙面手前側回転体と奥側回転体の長軸同士のなす角度)βが90°であることがより好ましい。これにより、隣接する回転軸29A、29Bに固定されるとともに、隣接するスリットに配置されて同位相で回転する回転体28A、28Cとの間で汚泥が剪断されやすく、脱水性に優れる。また、剪断により無機質系汚泥と有機質汚泥とが分離されやすくなり、有機質汚泥が水とともに集水部に移行しやすくなる。有機質汚泥は活性汚泥として作用するため、循環式の排水処理設備において活性汚泥の活性を高い状態に保つことができる。
なお、隣接するスリットに配置される回転体同士の間で汚泥が剪断されれば、回転体同士の位相差は上記に限られない。具体的には、バーの延伸方向に隣接する回転体同士の位相差αが90°であり、かつ、回転軸の軸方向に隣接する回転体同士の位相差βが0°よりも大きく90°以下であればよい。
本発明の固液分離装置は、回転体28A、28Bの外周面の間隔Gが、下記式(5)を満たすことが好ましい。
0.01(b-a)<G<0.5(b-a)・・・(5)
これにより、隣接する回転体同士が過度に離れることがないため、ろ過部からの無機質系汚泥の通り抜けを抑制できる。特に、バーの延伸方向に隣接する回転体同士の位相差αが90°であり、かつ、回転軸の軸方向に隣接する回転体同士の位相差βが0°よりも大きく90°以下である場合、隣接する回転軸に固定されるとともに、隣接するスリットに配置されて同位相で回転する回転体同士が、回転軸の軸方向に見て一部重なるため、汚泥がより剪断されやすく、脱水性や、無機質系汚泥と、有機質汚泥および水との分離性にさらに優れる。間隔Gは、例えば、1mm~5cmとできる。
本発明の固液分離装置は、回転体28における下記式(6)で定義される扁平率fが30%以上90%以下であることが好ましい。
f=((b-a)/b)×100・・・(6)
これにより、扁平率fが低い場合よりも無機質系汚泥が搬送されやすいので、回転体の回転速度を変えることなく、より多くの無機質系汚泥を処理できる。扁平率fは、搬送性の観点からは、50%以上90%以下であることがより好ましく、70%以上90%以下であることがさらに好ましい。また、機械的強度の観点からは、30%以上70%以下であることがより好ましく、30%以上50%以下であることがさらに好ましい。
ろ過部について図5に基づいて説明する。図5(a)は支持部および回転体をバーの方向に沿って見た図であり、図5(b)は図5(a)の拡大図でる。図5(a)において、回転体28Aは長軸が紙面上下方向を向き、回転体28Bは長軸が紙面垂直方向を向いている状態を示している。上述の通り、回転体28と、支持部26のバー27とは回転軸29の軸方向に交互に配置されている。バー27は、回転軸29の上方に限らず、回転軸29と略同じ高さの位置に設けてもよいし、回転軸29よりも下方に設けてもよい。
図5(b)に示すように、回転体28とバー27との間は所定の間隔で離間している。対向する回転体28A、28Bの側面同士の面間距離Dsと、バー27の厚みTbは、下記式(7)を満たすことが好ましい。
Tb<Ds≦4Tb・・・(7)
これにより、回転体28とバー27との隙間が、各部材の寸法に応じた適切な間隔となり過度に離れることがないため、ろ過部からの無機質系汚泥の通り抜けを抑制できる。面間距離Dsは、無機質系汚泥の通り抜け抑制の観点からは、Tb<Ds≦3Tbであることがより好ましく、Tb<Ds≦2Tbであることがさらに好ましい。また、面間距離Dsは、2Tb≦Ds≦4Tbである場合、回転体28とバー27との間で汚泥が剪断されやすく、無機質系汚泥と、有機質汚泥および水とが分離されやすい。
バー27の回転軸方向(水平方向)の長さである厚みTbは、例えば、0.5mm~5cmとできる。無機質系汚泥のように比較的重い固体と水とを分離する場合、厚みTbは、回転体28の厚みよりも大きいことが好ましい。また、バー27の鉛直方向の長さである幅Wbは、例えば、0.8mm~8cmとできる。幅Wbは、回転体28の楕円短軸の長さ2aよりも小さいことが好ましく、0.1a~aであることがより好ましい。
以下、再度図1に基づいて本発明の固液分離装置を用いる活性汚泥処理方法について、循環に伴う各工程を順に説明する。
工程1:
工程1は、微生物反応槽1より発生する汚泥含有処理水を、微生物反応槽1と原水曝気調整槽14との間に設けられた固液分離装置15により、無機質系汚泥と処理原水2とに分離する工程である。
固液分離装置15は、主に無機質系汚泥を濾別して排出するために設けられたものであり、ろ過部に設けられた回転体の回転により固液混合水である汚泥含有処理水から無機質系汚泥と水とを連続的に分離できる。ここで、従来、無機質系汚泥を排出する設備として、沈殿槽が広く用いられている。本発明の活性汚泥処理方法では、無機質系汚泥と処理原水2とは微生物反応槽1を循環後に固液分離装置15に供給されるので、固液分離装置15に凝集剤等を添加する必要がない。また、排出される無機質系汚泥は殆ど悪臭がなくなる。
工程2:
工程2は、原水曝気調整槽14に、微生物反応槽1により発生する処理原水2を供給する工程である。
原水曝気調整槽14は、既存排水処理設備を改修する場合は、既存の原水槽に空気吹き込み設備を追加することで得られる。
処理される排水中の大きな固形分は濾過スクリーン等で除去し、処理される原水として原水曝気調整槽14に蓄えられる。この原水曝気調整槽14に微生物反応槽1で発生する処理原水2を供給して、原水と攪拌混合して、原水中の難分解性物質や活性汚泥を破壊する有害物質など、活性汚泥の処理異常を与えやすい汚濁物質を処理原水2中の有機質汚泥に接触吸着させる。この処理原水2中の有機質汚泥は微生物反応槽1で処理されているので、処理されるべき排水に適した活性汚泥菌になっている。このため、処理原水2を原水に供給することにより、活性汚泥の活性を高い状態に保つので、微生物反応槽内での活性汚泥処理中の異常現象の発生が減り、処理を安定化することができる。
なお、排水中の大きな固形分は、固液分離装置15を原水曝気調整槽14への排水の流入路に設けることで除去してもよい。大量の固形分が流入する場合、濾過スクリーン等で除去する方法は、装置の大型化に伴う設置スペースの確保や、堆積物の頻繁な清掃などのメンテナンスコストが問題となると考えられる。そのため、合流式排水処理設備における固液分離装置15は、微生物反応槽1と原水曝気調整槽14との間に設けるとともに、原水曝気調整槽14への流入路にも設けることがより好ましい。これにより、排水処理設備への無機質系汚泥の流入を抑制でき、微生物反応槽から排出される汚泥の発生量低減に繋がる。
原水曝気調整槽14に供給される処理原水2は、原水曝気調整槽14内の汚泥濃度がMLSSとして、500~8000mg/Lとなる範囲で原水曝気調整槽14に供給される。好ましくは1000~5000mg/Lとなる範囲で供給される。MLSSが500mg/L未満であると、活性汚泥に悪影響を与える汚濁物質を吸着できないために、活性汚泥処理が不安定となる。また、MLSSが8000mg/Lをこえると、処理原水1に含まれる生物化学的酸素要求量(以下、BODという)が減ってしまう。
工程3:
工程3は、処理原水2が混合された原水を原水曝気調整槽14にて、原水のORPが正の値になるように曝気調整した後、該処理原水1を微生物反応槽1に供給する工程である。正の値になるように曝気調整することで、悪臭の原因となる硫化水素、アンモニア、メルカプタンなどが酸化されて臭気が殆ど出ない活性汚泥処理ができる。
原水曝気調整槽14での曝気処理は、原水の滞留時間が3時間以上、好ましくは5時間以上の曝気処理でなされる。処理原水2共存下にて曝気処理されて、汚泥を含む原水は微生物反応槽に供給される。
工程4:
工程4は微生物反応槽1からの放出水を放流水とする工程である。処理原水1は原水曝気調整槽14での曝気処理を経ることで、微生物の持っているpH緩衝作用により、自然にpHの調整が行なわれるので、既存の加圧浮上濃縮分離槽が不要となり敷地が有効に使用でき、設置面積を小さくできる。
本発明において、微生物反応槽1における嫌気微生物処理とはDOが0.05mg/L未満の状態での処理をいい、好気微生物処理とはDOが0.05mg/L以上、好ましくは0.1mg/L以上、より好ましくは0.2mg/L以上の状態での処理をいう。さらに嫌気微生物処理においてはORPが-80mV未満、好気微生物処理においてはORPが-80mV以上、好ましくは正の状態で処理する操作をいう。
微生物反応槽1は、処理原水1に含まれる有機質汚泥を嫌気・好気消化して、汚泥が吸着した汚濁物質の殆どを分解して炭酸ガスや水や窒素ガスやメタンガスなどの気体にする。また、有機質汚泥が微生物の増殖に使用されて、殆どが菌体に変化した消化汚泥となるため、著しく有機質の汚泥量が減少する。
微生物反応槽を図6に示す。図6は微生物反応槽の断面図である。
微生物反応槽1は、外槽2と、この外槽2の内部に配置されている円筒状内槽3と、この円筒状内槽3の上部に設けられた循環率制御装置4と、円筒状内槽3の外周側に設けられた制御円筒5と、被処理水質測定装置6と、外槽2および内槽3内を循環する被処理水の循環経路に設けられた原水供給口10および外槽2の上部に設けられた処理水放出口11と、汚泥抜き出し口13とから構成されている。微生物反応槽1の水槽容積は限定されることなく、小規模のものから、大規模のものまで適応できるが、その効果が著しく発揮されるのは、微生物反応槽1が20m3以上、好ましくは30~6000m3の内容積を有する微生物反応槽に適用した場合である。処理槽の容積が6000m3を超えるようになると循環流を作るのが困難になる。また、20m3に満たない小規模の場合は、微生物反応槽1内で汚泥を上下に循環させる優位性が少なくなる。
外槽2は、底面となる基盤2aに円筒形側面2bおよび上面部2cからなる真円筒状の外観を有している。円筒の中心には撹拌翼等を取り付けるための回転軸7が設けられている。この回転軸7は、基盤2aの円中心に設けられた架台2dおよび上面部2cの円中心に設けられた軸受2eにより回転自在に固定されている。また、回転軸7は駆動装置2fにより回転される。上面部2cは回転軸7を回転自在に固定すると共に、円筒状内槽3を支持具等で保持している。
また、外槽2の底部には原水供給口10が設けられている。原水供給口10は、円筒状内槽3の下部開口部3fの下方に配置された、円環状原水供給部10aに設けられた複数の吐出口10bまたはスリットで構成される。原水供給口10をこのように配置することにより、嫌気汚泥の撹拌が十分になされる。なお、この原水供給口10は被処理水の循環経路であれば、円筒状内槽3の下部以外にも設けることができる。
また、外槽2の上部には浄化された処理水放出口11が設けられ、外槽内面には、沈降した汚泥の沈降固定化を防止するための沈降固定化防止装置12が設けられている。
沈降固定化防止装置としては、(1)汚泥が沈降する外槽下部の内壁に設けられるスクレーパー、(2)外槽下部の内壁に沿って汚泥の撹拌流を発生させる撹拌流発生装置が挙げられる。撹拌流発生装置としては、内壁の傾斜面を移動しながら流体を吹き付ける移動式流体吹きつけノズル、内壁の傾斜面に所定の間隔で固定された流体吹きつけノズル、内壁の傾斜面または下面に移動しながら外槽下部に沈降した汚泥を吸引して嫌気微生物処理槽内に吐出するポンプ、または内壁の傾斜面または下面に所定の間隔で固定され、外槽下部に沈降した汚泥を吸引して嫌気微生物処理槽内に吐出するポンプ等を挙げることができる。
図6に示すように、上記沈降固定化防止装置12が設けられた外槽内に円筒状内槽3が配置される。
横断面が略真円状の円筒状内槽3は、隔壁3aで円筒上部3cと円筒下部3dとに分割されている。隔壁3aの中心部には円筒上部3cと円筒下部3dとを連通する連通孔3bが設けられている。
この隔壁3aの存在により、微生物反応槽の容積が大きくなった場合でも、円筒上部3cと円筒下部3dとが十分に分離されており、それぞれの槽内で活性汚泥処理を行なうことができる。円筒上部3c内にて好気微生物処理反応を、円筒下部3d内にて嫌気微生物処理反応を、それぞれ十分に行なわせることができる。隔壁3aの面積が大きくなった場合、支持部材3g等で補強する。
連通孔3bは、嫌気微生物処理された活性汚泥が円筒下部3dから好気微生物処理槽である円筒上部3cに移動できる大きさの直径を有する。この連通孔3bの径は微生物反応槽の容積、処理される原水の性質、量などによって調整される。
円筒上部3cは、上面および底面が開口した円錐台形状の頂部を有する。すなわち、円筒部の先端が高さ方向に所定の角度で縮径する形状である。円錐台形の中心を通る高さ方向断面の傾斜角は40度から60度、好ましくは45度である。傾斜角をこの範囲にすることにより、好気槽上部から排出する被処理水に含まれる汚泥が円錐台形外面を流れ落ちることで凝集しやすくなり汚泥の急速強制沈降が可能となる。また、汚泥が凝集することにより、汚泥と浄化された処理水との分離が容易になる。なお、円筒上部は、円錐台形状の頂部を有していなくてもよい。
円筒上部3cは、内部に空気吹込口8および8aが設けられた好気微生物処理槽である。空気吹込口8は、回転軸7の周囲であって、連通孔3b周囲に設けられ、隔壁3a上に図示を省略した支持柱等により固定することができる。この空気吹込口8の空気噴出口は好ましくは下向きに配置されていることが、好気槽内の被処理水および汚泥の撹拌に寄与できるため好ましい。
空気吹込口8aは、円筒上部3c内の隔壁周縁部に平面視円環状に空気吹込部8bを配置して、この空気吹込部8bに複数個設けられた空気孔8cか、あるいは空気吹込部8bの上面または側面に形成されたスリットとすることができる。
空気吹込口8および8aより吹込まれる空気量と、後述する循環率制御装置の制御量とにより、循環ポンプを用いることなく、被処理水の循環量を3~20の範囲内に変動させることができる。それにより適切な硝化条件による好気微生物処理および適切な脱窒条件による嫌気微生物処理が容易に設定できる。さらに、上記傾斜角を有する好気微生物処理槽外周面での強制沈降原理により汚泥の固液分離が極めて効率よくなされるので、好気・嫌気微生物処理反応を縦型の同一槽内で効率よく行なうことができる。
なお、好気槽内には、図示を省略したアルカリ供給口または酸の供給口を設けることができる。
円筒下部3dは、円筒上部の容積より1/10~1倍の容積を有する嫌気微生物処理槽である。この容積範囲内であると、例えば高濃度窒素含有汚濁物質を含有する原水の好気微生物処理反応および嫌気微生物処理反応を効率よく行なうことができる。なお、嫌気微生物処理槽内には、図示を省略した脱窒菌栄養物供給口を設けることができる。
また、原水中に水素供与体が少なく、硝酸塩の窒素をメタノールや酢酸等の水素供与体を供給して脱窒する場合には、嫌気微生物処理槽の容積を好気性微生物処理槽よりも大きくすることが好ましい。
円筒下部3dの形状は、円筒上部3cの開口部3eよりも面積が大きい開口部3fを有する逆円錐台形を円筒下部に有する形状である。すなわち、円筒部の先端が下部方向に所定の角度で縮径する形状である。開口部3fの面積を大きくすることにより嫌気微生物処理槽内での汚泥の撹拌を容易にできる。
円筒下部3dの形状を上記逆円錐台形とする場合には、外槽2の下部内面2gは上記所定の角度と同じ角度とすることが汚泥の沈降固定化を防止できるため好ましい。
円筒状内槽3は、円筒上部3cである好気微生物処理槽内および円筒下部3dである嫌気微生物処理槽内において、被処理水と活性汚泥との処理反応を十分に行なうための撹拌装置が設けられている。
撹拌装置としては、円筒状内槽3の中心に取り付けられた回転軸7に固定された撹拌翼7a、7bであることが好ましい。撹拌翼7aは円筒上部3c内に設けられ、好気微生物処理反応を十分に行なわせることができるタービン翼が好ましい。タービン翼以外にも、空気の吹き込み量により、曝気性能が著しく低下しない回転数が比較的少なくて、空気と水を混合できる形状のであれば、使用できる。
撹拌翼7bは円筒下部3d内に設けられ、嫌気微生物処理反応を十分に行なわせることができるプロペラ翼である。
円筒状内槽3内に設けられた隔壁3aは、外槽2の底面となる基盤2aに固定されて立設する複数の支持柱9により支えられる。
円筒状内槽3はこの支持柱9による支えと、外槽2の上部に橋渡しされた支持具とにより、外槽内に保持されている。複数の支持柱9を設けることにより、この支持柱9が汚泥を撹拌するときの緩衝柱としての機能を果たし、撹拌がより効率的になる。
円筒状内槽3の上部に被処理水の反応槽内循環率を制御する循環率制御装置4が設けられている。循環率制御装置4による被処理水の反応槽内循環率の制御は、具体的には液面調節バルブの開閉、あるいは液面調節板の上下動等によりなされる。液面調節バルブは、内側円筒と外側円筒が相互に回転自在に接触し、内外円筒の側面に設けられたスリット状窓の開閉により液面を調節でき、バルブ全開時に、被処理水の水位レベルが最も低くなる。液面調節板は、上記内側円筒にスリット状窓を設けることなく、スリット状窓が設けられた外側円筒内を上下動することで面を調節でき、液面調節板の最下位時、すなわち上記内側円筒を最も下げたときに、被処理水の水位レベルが最も低くなる。図6において、水位レベルをAで示す。
反応槽内循環率の制御は、空気吹込口8および/または8aより吹込まれる空気量によっても制御することができる。吹込まれる空気量を多くすると循環率が増加する。液面調節バルブの開閉等および空気量調節を組み合わせることもできる。
嫌気微生物処理槽ならびに好気性微生物処理槽の大型化に伴って、汚泥の循環流量を維持することが曝気空気だけでは足らなくなったり、また、過剰な空気の吹込みによる弊害が発生したりすることがある。このような場合に備えて、図6の8aに示してある空気吹込口が必要になる。この曝気効率のよくない空気吹込口8aにより、空気吹き込み量とORPの調整が、格段に調整しやすくなる長所がある。空気吹込口8aは、例えば、隔壁3aの上面である好気部分に撹拌翼7aを中心として、外部の送風機等と連通している平面視円環状の空気吹込部8bを設置し、この空気吹込部8bに穴またはスリットが設けられている。これは、単純に空気量を増やすだけでなく、撹拌翼7aのバッフル効果も発揮され、効率的な攪拌がなされる相乗効果を発揮する。
液面調節バルブの開閉等および/または空気吹込量を調節することにより、被処理水の循環率をポンプを用いることなく変動させることができる。被処理水は、後述するように、好気微生物処理槽3cからこの槽の外側に配置された制御円筒5を経て嫌気微生物処理槽3dへ、さらに嫌気微生物処理槽3dから好気微生物処理槽3cへと循環することにより、脱窒、脱リン等が行なわれる。したがって、被処理水の循環率を検出値に応じて所定の制御プログラムに基づき制御することにより、最適な脱窒、脱リン等を行なうことができる。
円筒状内槽3の上部外周に制御円筒5が配置されている。制御円筒5は上面および下面が開口している筒であり、制御円筒5の下面5aは円筒状内槽3の傾斜面に対して接近して配置されている。この接近して配置されている傾斜面部分において汚泥沈殿部が形成され、汚泥濃縮がなされると共に処理水が分離される。また、下面5aを接近して配置することにより汚泥の急速強制沈降が可能になる。円筒状内槽3の傾斜面に対して下面5aの距離の大小は調節できることが好ましい。また、制御円筒5の形状は、上面および下面の開口面が同一面積の直円筒状、または上面の開口面積が下面の開口面積よりも大きい逆円錐台形状とすることができる。
微生物反応槽内には、被処理水質測定装置6が、円筒状内槽3の内外に設けられている。この被処理水質測定装置6は、被処理水のpH、ORP、DOを測定する装置である。
微生物反応槽内での被処理水の槽内循環率は3~20、好ましくは5~20である。被処理水の槽内循環率が3未満であると、好気微生物処理反応がより起こりやすくなり、また、20をこえると好気微生物処理反応と嫌気微生物処理反応とのバランスが崩れ、原水の脱窒、脱リンを行なうことができなくなる。すなわち、被処理水の槽内循環率をこの範囲とすることにより、被処理水質測定装置により測定される被処理水のORPを、嫌気微生物処理反応槽において-10mV以下、好ましくは-50mV以下、好気微生物処理反応槽において+10mV以上、好ましくは+100mV以上に維持することができる。その結果、好気微生物処理反応および嫌気微生物処理反応が十分に行なわれ、脱窒、脱リンが連続的になされる。なお、このような条件下において好気微生物処理反応槽でのpHは4.5~8.5、好ましくは5.5~7.5の範囲となる。
微生物反応槽1を用いる排水処理方法(活性汚泥処理方法)は、従来の排水処理方法に比較して、以下の優れた特徴を有する。
従来の排水処理方法は、原水と返送汚泥とが一定の割合で混合されて曝気槽内に流入し、その時接触した返送汚泥と次の工程である沈殿槽内で汚泥と被処理水とが分離されるまで、原水が押し出され流れる方法である。
微生物反応槽1を用いる排水処理方法は、上下に循環する活性汚泥の循環流を形成させ、その循環流の中に原水を添加する方法である。活性汚泥の循環流を作るのに、循環ポンプを使用することなく、微生物処理に使用する曝気空気による上昇流を利用して、汚泥の循環流を形成させるので省エネルギーな排水処理方法である。さらに、好気微生物処理槽の曝気を効率よく実施できる処理方法である。
原水の添加位置は、循環流の経路内であればどこでもよいが、好ましくは好気微生物処理槽である。更に好ましくは、嫌気微生物処理槽が適している。本発明の活性汚泥処理方法(排水処理方法)における循環流を用いた処理の場合は、少なくともBODが800mg/L、全窒素量が(以下、T-Nという)40mg/L以上の原水であっても、処理水のBODは通常極めて低く20mg/L以下、一般的には放流水の水質として、BODが10mg/L以下での運転ができる。
なお、好気微生物処理槽である円筒状内槽の外周面に形成された、循環流経路内の汚泥沈殿部に原水を添加すると、汚泥と原水との接触が不十分になり、汚濁物質の吸着が不十分になる場合がある。その場合、処理水に一部未処理の原水中の汚濁物質が混入して、処理水の悪化をもたらす場合がある。しかしながら、水質規制値がゆるい場合において、例えばBODが300mg/L以下とか、600mg/L以下とかの下水道放流などの一次処理設備としての用途では、循環流経路内の汚泥沈殿部に原水を添加できる場合がある。
以下、微生物反応槽1内における被処理水および活性汚泥の循環について図7により説明する。図7は微生物反応槽1における被処理水および活性汚泥の循環経路を示す図である。図7において、斜線部分は活性汚泥の濃度が高い部分であり、矢印は被処理水および活性汚泥の循環方向を表す。
微生物反応槽1には活性汚泥が固形分換算で5,000~12,000mg/L入れられており、処理原水1は、まず円筒下部3d内にて嫌気状態で活性汚泥に接触し、脱窒反応が行なわれる。原水供給口10より供給される処理原水1および循環している活性汚泥は、撹拌翼の回転または散気管よりの空気噴出により、円筒下部3d内を循環して嫌気微生物処理反応がなされる。
次いで空気が吹込まれている円筒上部3cに連通孔3bを通過して原水および活性汚泥が移動し、好気状態で円筒上部3c内の活性汚泥に接触しながら、撹拌翼の回転または空気吹込口よりの空気噴出により、円筒上部3c内を循環して好気微生物処理反応である硝化反応が進行する。硝化反応が進行するにつれ被処理水のpH等が低下する。被処理液のpH、ORP、DOが被処理水質測定装置6で測定され、これらの値に基づき原水または被処理水の循環量が定められる。具体的には、ORPを、硝化反応がなされる好気反応処理槽において+10mV以上、脱窒反応がなされる嫌気反応処理槽において-10mV以下に維持できるように空気吹き込み量などを調整して被処理水を循環する。循環量は、循環ポンプなどを使用することなく、空気量および/または循環率制御装置を制御することにより容易に行なうことができる。このため本発明の活性汚泥処理方法は省エネルギー型の排水処理方法である。また、微生物反応槽を含む設備は、微生物反応の各ユニットをそれぞれ調整できるので、これらの制御を予めプログラム化し、無人で自動運転することが容易であり、省力化プラントとしての特徴を有している。
循環率制御装置4により循環率が制御されて、円筒上部3cの上部から排出する被処理水および活性汚泥の一部は、45度の傾斜角度を有する円錐台形外周面を流れ落ちる。この流出した被処理水および活性汚泥は、円錐台形外周面の傾斜面に対して接近して配置されている制御円筒5と上記傾斜面で形成される汚泥濃縮部5bを通過することにより、活性汚泥の急速強制沈降が可能となる。また浄化された処理水と活性汚泥との分離が容易となり、分離された処理水が処理水放出口11より放流される。
急速強制沈降した活性汚泥は外槽内面と内槽外周面との間に活性汚泥が濃縮されて堆積する。この堆積した活性汚泥は、被処理水と混合しながら嫌気微生物処理反応部へ移動して微生物反応槽内を循環する。
本発明の活性汚泥処理方法は、活性汚泥が濃縮されつつ嫌気・好気槽内を3~20の循環率で循環することにより、原水の負荷変動を容易に吸収できる。また、循環率をこの範囲に維持するので、活性汚泥が馴養されて排水処理に最適な活性汚泥となる。なお、このような条件下において好気処理槽でのpHは4.5~8.5、好ましくは5.5~7.5の範囲となる。
本発明の活性汚泥処理方法は、省スペースでありつつ処理効率に優れた固液分離装置を用いることで、処理に伴う悪臭の発生が殆どなく、省スペースで排水処理できる。本発明の固液分離装置において、回転体により汚泥が剪断される構成の場合、脱水性や、無機質系汚泥と、有機質汚泥および水との分離性に特に優れるので、濾別される無機質系汚泥側への有機質汚泥の含有濃度を低くでき、排水を効率的に処理できる。その結果、槽内循環率が、例えば3~10であっても排水を処理できる。
本発明の固液分離装置は、省スペースでありつつ処理効率に優れ、余剰汚泥の低減に寄与するので、無機質系汚泥を多く含む排水の合流式排水処理設備での排水処理に好適に利用できる。
1 微生物反応槽
2 外槽
3 円筒状内槽
4 循環率制御装置
5 制御円筒
6 被処理水質測定装置
7 回転軸
8 空気吹込口
9 支持柱
10 原水供給口
11 処理水放出口
12 沈降固定化防止装置
13 汚泥抜き出し口
14 原水曝気調整槽
15、20 固液分離装置
21 導入口
22 ろ過部
23 排水口
24 筐体
25 排出口
26 支持部
27 バー
28、28A、28B、28C 回転体
29、29A、29B 回転軸

Claims (6)

  1. 無機質系汚泥を含む固液混合水から前記無機質系汚泥と水とを分離させる固液分離装置であって、
    所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバーを有し、前記無機質系汚泥を支持する支持部と、
    前記支持部の平面視において、前記バーの延伸方向へと前記バーと直交して配置される複数の回転軸と、
    前記回転軸の軸方向に、前記バーと交互に配置されるように前記回転軸に固定される複数の回転体とを備え、
    前記回転体の外周形状は、前記回転軸の軸方向に見た場合、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状であることを特徴とする固液分離装置。
    /a+y/(a+c)=1・・・(1)
    +c=b・・・(2)
    0<a<b・・・(3)
    a+b<S≦2b・・・(4)
    x:楕円短軸方向の軸
    y:前記楕円短軸方向と直交する楕円長軸方向の軸
    a:楕円短軸の長さの1/2
    b:楕円長軸の長さの1/2
    c:前記回転体の中心と焦点との距離
    S:隣接する前記回転軸の中心同士の距離
  2. 前記バーの延伸方向に隣接する前記回転体同士の位相差が90°であり、かつ、前記回転軸の軸方向に隣接する前記回転体同士の位相差が90°であることを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
  3. 前記複数の回転体において前記バーの延伸方向に隣接する前記回転体の外周面の間隔Gが、下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項2記載の固液分離装置。
    0.01(b-a)<G<0.5(b-a)・・・(5)
  4. 前記回転体における下記式(6)で定義される扁平率fが30%以上90%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の固液分離装置。
    f=((b-a)/b)×100・・・(6)
  5. 前記回転軸の軸方向に隣接し対向する前記回転体の側面同士の面間距離Dsと、前記バーの厚みTbとが、下記式(7)を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2記載の固液分離装置。
    Tb<Ds≦4Tb・・・(7)
  6. 原水曝気調整槽および微生物反応槽を備え、前記微生物反応槽で発生する汚泥含有処理水を前記原水曝気調整槽へ循環する循環システムにより排水を処理する活性汚泥処理方法であって、
    前記微生物反応槽より発生する汚泥含有処理水を、前記微生物反応槽と前記原水曝気調整槽との間に設けられた固液分離装置により、無機質系汚泥と処理原水2とに分離する工程1と、
    分離された前記処理原水2を前記原水曝気調整槽に供給する工程2と、
    前記処理原水2が混合された原水を前記原水曝気調整槽にて、酸化還元電位が正の値になるように曝気調整した後、この調整された処理原水1を前記微生物反応槽に供給する工程3と、
    前記微生物反応槽からの放出水を放流水とする工程4とを有し、
    前記微生物反応槽は、外槽と、この外槽の内部に配置されて上下に開口部を有する円筒状内槽と、この円筒状内槽上部に設けられて被処理水の槽内循環率を制御する循環率制御装置と、前記円筒状内槽の上部外周に設けられて汚泥を沈降させるための制御円筒と、前記円筒状内槽の外側および内側に設けられた被処理水質測定装置と、前記外槽および内槽内を循環する被処理水の循環経路に設けられた原水供給口および前記外槽の上部に設けられた処理水放出口とを具備してなり、
    前記円筒状内槽は、中心部に連通孔を有する隔壁で円筒上部と円筒下部とに分割され、前記円筒上部は、該円筒上部内の前記連通孔周囲および前記隔壁周縁部に複数の空気吹込口が設けられ、前記外槽内に配置される複数の支持柱により前記隔壁が支えられて外槽内部に配置された好気微生物処理槽であり、前記円筒下部は底面に開口部を有する嫌気微生物処理槽であり、
    前記好気微生物処理槽内および前記嫌気微生物処理槽内をそれぞれ撹拌する撹拌装置が設けられ、
    前記被処理水質測定装置により測定される被処理水の水素イオン濃度、酸化還元電位および溶存酸素量から選ばれた少なくとも1つの測定値を検出する手段と、
    前記検出された測定値に応じて前記円筒状内槽上部に配置された前記循環率制御装置内に設けられた、被処理水の水位レベルが液面調節バルブの全開時に最も低くなるよう調節する液面調節バルブの開閉、被処理水の水位レベルが液面調節板の最下位時に最も低くなるよう調節する液面調節制御板の上下動、および前記空気吹込口から吹込まれる空気量から選ばれる少なくとも1つの量を制御することにより、前記被処理水の槽内循環率を3~20に制御する手段とを備え、
    前記原水供給口より供給される原水が活性汚泥と共に前記円筒状内槽の内部と、前記円筒状内槽の外周面と、前記外槽下部に沈降した活性汚泥内とを経て槽内を循環することで嫌気微生物処理および好気微生物処理が連続してなされ、
    前記固液分離装置が、請求項1または請求項2記載の固液分離装置であることを特徴とする活性汚泥処理方法。
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