JP2024048733A - 光通信システム及びその調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い信頼性を維持しつつ、コストを抑制する。【解決手段】光通信システムにおいて、第1の光送受信器(1a又は1b)の調整時に、第1の光送受信器(1a又は1b)は、第1の光信号を複数の第1の光出力パワーで順次送信し、第2の光送受信器(1b又は1a)は、第1の光信号を順次受信し、第2の光送受信器(1b又は1a)は、順次受信した第1の光信号の複数の第1の受信感度を測定して複数の第1の光出力パワーと複数の第1の受信感度との間の第1の関係を取得し、第1の関係に基づいて誤り率が予め決められた値以下になる第1の光出力パワーの第1の範囲を算出し、算出された第1の範囲を示す第1の調整結果信号を第1の光送受信器に送信し、第1の光送受信器(1a又は1b)は、その運用期間における第1の光信号の第1の光出力パワーを第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定する。【選択図】図2
Description
本開示は、光通信システム及びその調整方法に関する。
従来、光通信システム毎に通信品質を担保する方法として、伝送距離に応じて最適な分散補償量を選択するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、光通信システム毎に通信品質を担保する他の方法として、伝送距離に応じて分岐比の異なる光カプラで伝送路損失量を調整するものがある(例えば、特許文献2参照)。これらの光通信システムでは、想定される最も厳しい条件である最悪条件に基づく一律の仕様に従って光通信システムの光送受信器の選定及び光学設計が行われている。
しかしながら、実際の光通信システムは、最悪条件ほど厳しくない条件で使用されることが多く、最悪条件に基づく一律の仕様に従って選定及び光学設計された光送受信器は、結果的に過剰仕様となる。特に、要求仕様が厳しい長距離伝送仕様の光通信システムの場合は、高い信頼性を確保するために、送信側の光送受信器では外部変調器付きLD(Laser Diode)の適用が必要となり、受信側の光送受信器ではAPD(Avalanche Photo Diode)の適用が必要となり、光通信システムの高コスト化が問題となる。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、高い信頼性を維持しつつ、コストの抑制を可能にする光通信システム及びその調整方法を提供することを目的とする。
本開示の光通信システムは、第1の光信号を送信し第2の光信号を受信する機能を持つ第1の光送受信器と前記第2の光信号を送信し前記第1の光信号を受信する機能を持つ第2の光送受信器とを有し、前記第1の光送受信器と前記第2の光送受信器とが光ファイバ伝送路を通して通信するシステムであって、前記第1の光送受信器の調整時に、前記第1の光送受信器は、前記第1の光信号を複数の第1の光出力パワーで順次送信し、前記第2の光送受信器は、前記第1の光信号を順次受信し、前記第2の光送受信器は、順次受信した前記第1の光信号の複数の第1の受信感度を測定して前記複数の第1の光出力パワーと前記複数の第1の受信感度との間の第1の関係を取得し、前記第1の関係に基づいて誤り率が予め決められた値以下になる前記第1の光出力パワーの第1の範囲を算出し、算出された前記第1の範囲を示す第1の調整結果信号を前記第1の光送受信器に送信し、前記第1の光送受信器は、前記第1の光送受信器の運用期間における前記第1の光信号の前記第1の光出力パワーを前記第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定することを特徴とする。
本開示の光通信システムの調整方法は、第1の光信号を送信し第2の光信号を受信する機能を持つ第1の光送受信器と前記第2の光信号を送信し前記第1の光信号を受信する機能を持つ第2の光送受信器とを有し、前記第1の光送受信器と前記第2の光送受信器とが光ファイバ伝送路を通して通信する光通信システム、の調整方法であって、前記第1の光送受信器の調整時に、前記第1の光送受信器は、前記第1の光信号を複数の第1の光出力パワーで順次送信し、前記第2の光送受信器は、前記第1の光信号を順次受信し、前記第2の光送受信器は、順次受信した前記第1の光信号の複数の第1の受信感度を測定して前記複数の第1の光出力パワーと前記複数の第1の受信感度との間の第1の関係を取得し、前記第1の関係に基づいて誤り率が予め決められた値以下になる前記第1の光出力パワーの第1の範囲を算出し、算出された前記第1の範囲を示す第1の調整結果信号を前記第1の光送受信器に送信し、前記第1の光送受信器は、前記第1の光送受信器の運用期間における前記第1の光信号の前記第1の光出力パワーを前記第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定することを特徴とする。
本開示によれば、光通信システムの高い信頼性を維持しつつ、コストを抑制することができる。
以下に、実施の形態に係る光通信システム及びその調整方法を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、実施の形態を適宜組み合わせること及び各実施の形態を適宜変更することが可能である。
《1》実施の形態1
《1-1》構成
図1は、実施の形態1に係る光通信システムの構成を概略的に示すブロック図である。実施の形態1に係る光通信システムは、第1の光信号を送信し第2の光信号を受信する機能を持つ第1の光送受信器(1a又は1b)と、第2の光信号を送信し第1の光信号を受信する機能を持つ第2の光送受信器(1b又は1a)とを有している。以下の説明では、第1の光送受信器を光送受信器1aと表記し、第2の光送受信器を光送受信器1bと表記するが、第1の光送受信器と第2の光送受信器とがそれぞれ光送受信器1bと光送受信器1aであってもよい。光送受信器1aと光送受信器1bとは、光信号の伝送路である光ファイバ伝送路5を通して通信する。また、以下では、光送受信器1aと光送受信器1bとが同じ構成を有する例を説明するが、光送受信器1aと光送受信器1bとは同じ構成である必要はない。また、光ファイバ伝送路5は、例えば、一芯双方向の光ファイバである。
《1-1》構成
図1は、実施の形態1に係る光通信システムの構成を概略的に示すブロック図である。実施の形態1に係る光通信システムは、第1の光信号を送信し第2の光信号を受信する機能を持つ第1の光送受信器(1a又は1b)と、第2の光信号を送信し第1の光信号を受信する機能を持つ第2の光送受信器(1b又は1a)とを有している。以下の説明では、第1の光送受信器を光送受信器1aと表記し、第2の光送受信器を光送受信器1bと表記するが、第1の光送受信器と第2の光送受信器とがそれぞれ光送受信器1bと光送受信器1aであってもよい。光送受信器1aと光送受信器1bとは、光信号の伝送路である光ファイバ伝送路5を通して通信する。また、以下では、光送受信器1aと光送受信器1bとが同じ構成を有する例を説明するが、光送受信器1aと光送受信器1bとは同じ構成である必要はない。また、光ファイバ伝送路5は、例えば、一芯双方向の光ファイバである。
光送受信器1aは、送信する第1の光信号の光出力パワー(「第1の光出力パワー」ともいう。)を調整する機能と、受信する第2の光信号の受信感度を測定(すなわち、モニタ)する機能と、受信感度の測定によって得られた受信感度データ(すなわち、受信感度測定結果)を対向局である光送受信器1bに送信する機能と、予め決められた調整アルゴリズムで第1の光信号の光出力パワーを調整する機能とを有している。また、光送受信器1bは、送信する第2の光信号の光出力パワー(「第2の光出力パワー」ともいう。)を調整する機能と、受信する第1の光信号の受信感度を測定(すなわち、モニタ)する機能と、受信感度の測定によって得られた受信感度データ(すなわち、受信感度測定結果)を対向局である光送受信器1aに送信する機能と、予め決められた調整アルゴリズムで第2の光信号の光出力パワーを調整する機能とを有している。
情報信号処理部3aは、上位ネットワーク部(上位NW部)4aを通して上位装置(例えば、ユーザ端末)から提供されたデータを送信用データに変換して光送受信器1aに送る処理と、光送受信器1aによって受信された光信号に基づく受信データを変換して上位NW部4aに送る処理とを行う。情報信号処理部3bは、上位ネットワーク部(上位NW部)4bを通して上位装置から提供されたデータを送信用データに変換して光送受信器1bに送る処理と、光送受信器1bによって受信された光信号に基づく受信データを変換して上位NW部4bを通して上位装置(例えば、ユーザ端末)に送る処理とを行う。
光送受信器1aの調整時(例えば、光送受信器1aの設置時、交換時、点検時)に、光送受信器1aは、第1の光信号を複数の第1の光出力パワーで順次送信し又は、光送受信器1aの対向局である光送受信器1bは、送信された第1の光信号を順次受信する。
光送受信器1bは、順次受信した第1の光信号の複数の第1の受信感度を測定して複数の第1の光出力パワーと複数の第1の受信感度との間の第1の関係を取得し、第1の関係に基づいて誤り率としてのビットエラーレート(BER)が予め決められた値以下になる第1の光出力パワーの第1の範囲を算出し、算出された第1の範囲を示す第1の調整結果信号を、光送受信器1bの対向局である光送受信器1aに送信する。
光送受信器1aは、光送受信器1aの運用期間(すなわち、実使用期間)における第1の光信号の光出力パワーを、受信した第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定する。
光送受信器1bの調整時(例えば、光送受信器1bの設置時、交換時、又は点検時)に、光送受信器1bは、光送受信器1bの運用期間における第2の光信号の第2の光出力パワーとして、第1の光出力パワーと同じ値を設定する。この場合には、光送受信器1bの調整処理が簡素化される。
光送受信器1bの調整時に、光送受信器1bは、光送受信器1aの調整と同様の調整を行ってもよい。この場合の調整処理は、以下の通りである。
光送受信器1bは、第2の光信号を複数の第2の光出力パワーで順次送信し、光送受信器1aは、第2の光信号を順次受信する。
光送受信器1aは、順次受信した第2の光信号の複数の第2の受信感度を測定して複数の第2の光出力パワーと複数の第2の受信感度との第2の関係を取得し、第2の関係に基づいて誤り率としてのBERが予め決められた値以下になる第2の光出力パワーの第2の範囲を算出し、算出された第2の範囲を示す第2の調整結果信号を、光送受信器1aの対向局である光送受信器1bに送信する。
光送受信器1bは、光送受信器1bの運用期間(すなわち、実使用期間)における第2の光信号の光出力パワーを、受信した第2の調整結果信号に基づいて計算された値に設定する。
図2は、実施の形態1に係る光通信システムの光送受信器1a、1bの構成を概略的に示すブロック図である。光送受信器1a、1bの光送信器101a、101bは、電気信号を光信号に変換して出力する発光素子であるレーザダイオード(LD)12a、12bと、LD12a、12bに駆動電流を流して光出力パワーを調整する駆動回路であるレーザドライバダイオード(LDD)11a、11bと、LDD11a、11bの出力電流を調整する信号処理回路である信号処理部10a、10bと、をそれぞれ具備している。信号処理部10a、10bは、対向局で測定された受信感度測定結果に応じてLDD11a、11bをそれぞれ制御する。
光送受信器1a、1bの光受信器102a、102bは、光信号を入力して電気信号に変換する受光素子であるフォトダイオード(PD)14a、14bと、PD14a、14bの出力電気信号を再生する回路である受信信号処理部15a、15bと、受信信号処理部15a、15bから出力された信号から受信感度を計算する回路である設定値演算部16a、16bと、をそれぞれ具備している。設定値演算部16a、16bは、演算結果を自局の信号処理部10a、10bにそれぞれ送り、対向局に折り返す調整結果信号を生成する。前述の通り、信号処理部10a、10bは、LDD11a、11bの駆動電流を制御する機能と、自局の受信感度測定結果を対向局へフィードバックする情報信号を生成する機能とを具備している。
図3は、標準仕様の光通信システムにおけるの光送受信器の最低出力(すなわち、最小光送信器パワー)と対向局である光送受信器の最低感度(すなわち、最小光受信器感度)との差であるパワーバジェットの使用可能範囲(すなわち、汎用システムのパワーバジェット範囲であり、標準仕様の光送受信器がカバーするカバー範囲)と、長距離伝送仕様の光通信システムにおけるパワーバジェットの使用可能範囲(すなわち、長距離伝送仕様のシステムのパワーバジェット範囲であり、長距離伝送仕様の光送受信器がカバーするカバー範囲)と、光ファイバ伝送路による実損失とを示す図である。ここで、長距離伝送とは、一般に、伝送距離20km以上の伝送である。また、図3に示される光ファイバ伝送路による実損失は、従来の長距離伝送路区間での実際の伝送路損失を区間毎に度数分布にプロットした統計データである。
図3に長距離伝送仕様の光送受信器として示されるように、従来は、長距離伝送路区間には、伝送路損失の想定最悪値をカバーできるような長距離伝送仕様の光送受信器を実装して回線設計を行っていた。しかし、実際には、図3に標準仕様の光送受信器として示されるカバー範囲で十分に必要な範囲(図3に示すA領域)をカバーできるケースがある。従来の光送受信器は、現地(すなわち、光送受信器の設置場所)で光送受信レベルダイヤを調整する構成では無く、また、通常は、事前に伝送路区間の伝送路損失を測定することは無いため、過剰仕様の光送受信器(例えば、長距離伝送仕様の光送受信器であって図3に示すA+B領域をカバーする)を設置する状況が頻繁に発生する。一方、標準仕様の光送受信器では、カバーできない伝送路(図3に示すB領域)も存在し、その伝送路をカバーするためには、長距離伝送仕様の光送受信器を設置する必要がある。
本開示の目的である低コスト化の実現のために、実施の形態1に係る光通信システムでは、調整機能付き光送受信器を開発し実装する費用と、従来の長距離伝送仕様の光送受信器を図3に記載の標準仕様の光送受信器(カバー率A/(A+B))に置き換えると仮定した場合に必要な費用とを比較し、比較の結果に基づいて採用する光送受信器の仕様を決定することが可能である。また、図3の統計データを、後述の図4の調整方法におけるステップS2に記載の調整初期値又は調整範囲の決定に利用することが可能である。
《1-2》動作
図4は、実施の形態1に係る光通信システムの光送受信器1a、1bの設置時に実行される調整方法を示すフローチャートである。光送受信器1a、1bは、設置後の受信感度の測定結果である受信感度測定結果を、同じ光ファイバ伝送路5を通して送信側の光送受信器にフィードバックし、送信側の光送受信器は受信感度測定結果に基づいて送信する光信号の光出力パワーを調整する処理を繰り返して、光通信システムで要求される通信品質を実現する。以下に、実施の形態1による光送受信器1a、1bの設置時の初期調整動作について、図2、図3、及び図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態1に係る光通信システムの光送受信器1a、1bの設置時に実行される調整方法を示すフローチャートである。光送受信器1a、1bは、設置後の受信感度の測定結果である受信感度測定結果を、同じ光ファイバ伝送路5を通して送信側の光送受信器にフィードバックし、送信側の光送受信器は受信感度測定結果に基づいて送信する光信号の光出力パワーを調整する処理を繰り返して、光通信システムで要求される通信品質を実現する。以下に、実施の形態1による光送受信器1a、1bの設置時の初期調整動作について、図2、図3、及び図4を用いて説明する。
図4に示されるように、まず、光送受信器1a、1bのうちの調整対象の光送受信器(すなわち、送信側の光送受信器)と、これの対向局である光送受信器(すなわち、受信側の光送受信器)とを決定する(ステップS1)。ここでは、光送受信器1aを送信側の光送受信器とし、光送受信器1bを受信側の光送受信器とした場合について説明する。
次に、信号処理部10aがLDD11aを制御してLD12aを調整する。このとき、光送受信器1aの光出力パワーを、図3の光通信システムに必要なパワーバジェット範囲の最小値付近の値に設定する(ステップS2)。この調整は、現地設置時に行われてもよいが、工場からの出荷時又は出荷前に行われてもよい。
光送受信器1a、1bを光ファイバ伝送路5で接続した後、まず送信側の光送受信器1aの光送信器101aから、予め決められた信号パターンで変調した光信号を対向局である受信側の光送受信器1bの光受信器102bに送信し(ステップS3)、光受信器102bで受信感度を測定する(ステップS4)。
ステップS4において、受信感度を確認できない場合(判断がNOの場合)、受信側の光送受信器1bは、対向局である送信側の光送受信器1aに対して、全く導通しないという情報をフィードバックする。この場合、対向局である送信側の光送受信器1aも受信側の光送受信器1bからの信号を受信できてない可能性があるので、例えば、受信側の光送受信器1bからのフィードバック信号が受信できない場合は、予め決められたタイミングで全く導通しないと判断し、対向局である送信側の光送受信器1aと同じ方法で、導通するまで受信側の光送信器101bの光出力パワーを増加させて、フィードバック信号が対向局である光送受信器1aの光受信器102aで受信できるまで調整する。
全く導通しないという情報を受取った対向局である送信側の光送信器101aは、信号処理部10aが予め決められた量でLDD11aを制御してLD12aを駆動することで光出力パワーを増加させて光ファイバ伝送路5に送信する。対向局である受信側の光送受信器1bの光受信器102bで受信した信号は、PD14bで光電気変換後、受信信号処理部15bで受信電気信号を再生後、設定値演算部16bで受信感度を計算し、演算結果は、自局の信号処理部10bで対向局に折り返す調整結果信号を生成する。この操作を、受信感度が測定できるまで繰り返す(ステップS3~S6)。この操作の繰り返し回数上限を決めておき、上限に到達時にも全く導通しない場合は(ステップS5においてNO)、長距離伝送仕様のデバイスを実装した特別仕様版と交換する(ステップS7)。
ステップS4において受信感度を確認できた場合(判断がYESの場合)、導通時の受信側の光送受信器1bの受信感度を光受信器102bで測定し、測定された受信感度に応じて、予め決められた量の光出力パワーの増減を送信側の光送受信器1aの光送信器101aで行った後、対向局である受信側の光受信器102bで受信感度を測定する。この処理を繰り返して複数の受信感度を測定できた場合、送信側の光出力パワーと受信感度(又はその変動量)との関係から、光送受信器1aの信号処理部10aでエラーフリー(一般的には、ビットエラーレート(BER)≦10-12)となる光出力パワーをBERカーブプロットによる推定カーブ外挿法などによって導出し(ステップS8)、光送信器101aで必要なマージン(例えば、EOL(End of Life)マージン、他)を加えて光出力パワーを設定する(ステップS9)。
次のステップS10において、ステップS8で導出された光出力パワーが光送信器101aの信号処理部10aで予め決められた光送受信器の定格(すなわち、調整最大値)を超えた場合は、現状の光送受信器を、長距離伝送仕様の光送受信器と交換する(ステップS7)。
ステップS10において、ステップS8で導出された光出力パワーが光送信器101aの信号処理部10aで予め決められた光送受信器の定格(すなわち、調整最大値)以内である場合は、上記の片方向の光送受信器1aの調整を完了し、その後、逆方向の調整を実施する。実施の形態1に係る光通信システムは、一芯双方向の光ファイバ伝送路5を用いた光通信システムであるため、両方向の伝送路損失は、同等と考えられる。したがって、装置出荷時に各光送受信器の受信感度等の出荷検査諸特性結果を各光送受信器内に記録しておけば、最初の片方向の光送受信器の調整が完了した時点で、光ファイバ伝送路5の必要なパワーバジェット(送信光出力パワーと対向受信感度の差)が、互いに対向局である光送受信器間で算出できるので、この算出したパワーバジェットと同じになるような対向局の送信光の光出力パワー(=(出荷検査時に記録された)対向局の受信感度+(片方向の調整結果から算出された)パワーバジェット)に設定するだけで調整完了することができる(ステップS11)。なお、逆方向の光送受信器の調整を、ステップS2~S10の手順で調整してもよい。両方向の調整の完了をもって調整方法を終了する。
《1-3》ハードウェア構成
図5は、実施の形態1に係る光送受信器1a(又は1b)のハードウェア構成の例を示す図である。光送受信器1aは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ301と、揮発性の記憶装置であるメモリ302と、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などの不揮発性の記憶装置303と、送受信回路304とを有している。メモリ302は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの半導体メモリである。
図5は、実施の形態1に係る光送受信器1a(又は1b)のハードウェア構成の例を示す図である。光送受信器1aは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ301と、揮発性の記憶装置であるメモリ302と、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などの不揮発性の記憶装置303と、送受信回路304とを有している。メモリ302は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの半導体メモリである。
光送受信器1aの各機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアである半導体集積回路であってもよく、又はメモリ302に格納される調整プログラムを実行するプロセッサ301であってもよい。プロセッサ301は、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、及びDSP(Digital Signal Processor)のいずれであってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらのうちのいずれかを組み合わせたものである。
処理回路がプロセッサ301である場合、光送受信器1aによって実行される調整プログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。調整プログラムは、ネットワークを経由して又は記録媒体から光送受信器1aにインストールされる。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ302に格納される。プロセッサ301は、メモリ302に記憶された人検知プログラムを読み出して実行することにより、図1に示される各部の機能を実現することができる。
なお、光送受信器1aは、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
図6は、実施の形態1に係る光送受信器1a、情報信号処理部3a、及び上位NW部4a(又は、光送受信器1b、情報信号処理部3b、及び上位NW部4b)のハードウェア構成の例を示す図である。図6では、光送受信器1a、情報信号処理部3a、及び上位NW部4aが、プロセッサ301と、メモリ302と、記憶装置303と、送受信回路304とで構成された例を示す。光送受信器1a、情報信号処理部3a、及び上位NW部4aの各機能は、例えば、処理回路により実現され、処理回路は、専用のハードウェアである半導体集積回路であってもよく、又はメモリ302に格納される調整プログラムを実行するプロセッサ301であってもよい。
《1-4》効果
以上説明したように、光ファイバ伝送路5の条件に応じて光送受信器1a、1bの光出力パワーを調整するように構成したので、伝送路損失が不明なことにより、本来標準仕様の光送受信器で伝送が可能な条件の光ファイバ伝送路5に、長距離伝送仕様のデバイスを実装した過剰仕様の光送受信器を適用することが無くなる。このように、標準仕様の光送受信器を仕様することによって、信頼性を低下させずに、光通信システムの低コスト化という効果が得られる。
以上説明したように、光ファイバ伝送路5の条件に応じて光送受信器1a、1bの光出力パワーを調整するように構成したので、伝送路損失が不明なことにより、本来標準仕様の光送受信器で伝送が可能な条件の光ファイバ伝送路5に、長距離伝送仕様のデバイスを実装した過剰仕様の光送受信器を適用することが無くなる。このように、標準仕様の光送受信器を仕様することによって、信頼性を低下させずに、光通信システムの低コスト化という効果が得られる。
《2》実施の形態2
《2-1》構成
実施の形態1では、光送受信器1a、1bの光出力パワーを調整する光通信システムを説明したが、実施の形態2では、光出力パワーの調整に加えて分散補償機能を備えた光通信システムを説明する。
《2-1》構成
実施の形態1では、光送受信器1a、1bの光出力パワーを調整する光通信システムを説明したが、実施の形態2では、光出力パワーの調整に加えて分散補償機能を備えた光通信システムを説明する。
図7は、実施の形態2に係る光通信システムの光送受信器2a、2bの構成を概略的に示すブロック図である。図7において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、図2に示される符号と同じ符号が付されている。実施の形態2に係る光通信システムは、光送受信器2a、2bの光送信器201a、201bがプリチャープ生成部17a、17bをそれぞれ有している点、光送受信器2a、2bの光受信器202a、202bがポストチャープ生成部18a、18bをそれぞれ有している点、及び光送受信器2a、2bの光受信器202a、202bの受信信号処理部25a、25bの処理動作の点が、実施の形態1に係る光通信システムと異なる。
光送受信器2a、2bは、送信する光信号の光出力パワーを調整する機能と受信する光信号の受信感度を測定する機能とに加えて、光ファイバ伝送路5で発生する分散に起因する波形歪を逆補償するために、送信側の分散補償調整回路であるプリチャープ生成部17a、17bと、受信側の分散補償調整回路であるポストチャープ生成部18a、18bとを有している。ただし、光送受信器2a、2bは、プリチャープ生成部17a、17bを有し、ポストチャープ生成部18a、18bを持たない構成とすることも可能である。また、光送受信器2a、2bは、ポストチャープ生成部18a、18bを有し、プリチャープ生成部17a、17bを持たない構成とすることも可能である。
また、光受信器202a、202b内の受信信号処理部25a、25bは、光ファイバ伝送路5で発生する分散等により受信側で波形歪が発生した場合に、受信感度を決める受信閾値又はクロック位相又はこれらの両方の調整を行う調整回路を有している。実施の形態1と同様に、光送信信号の光出力パワー調整のみで所望の受信感度が得られない場合は、所望の受信感度が得られるように、これらのパラメータも予め決められた方法で調整する。
実施の形態2の分散補償について補足説明する。実際の光ファイバ伝送路5は、光波長により伝送速度が変化する、一般的に分散と呼ばれる現象を発生させる。分散により、送信される信号波形に歪が発生し、この波形歪が受信感度の劣化の原因となる。この波形歪を補正するために、意図的に信号波形に逆の歪(すなわち、チャーピング)を与えて信号波形歪補正を行う技術がある。送信側の光送受信器で実施する場合は、プリチャープ、受信側の光送受信器で実施する場合は、ポストチャープと呼ばれる。図7では、光送信器201a、201bには、プリチャープ生成部17a、17bが備えられ、光受信器202a、202bには、ポストチャープ生成部18a、18bが備えられている。装置構成としては、プリチャープ生成部とポストチャープ生成部の両方を実装してもよいし、いずれか一方のみを実装してもよい。
実施の形態2に係る光送受信器及び光通信システムのハードウェア構成は、図5及び図6に示されるものと同様である。
《2-2》動作
図8は、実施の形態2に係る光通信システムの光送受信器2a、2bの設置時に実行される調整方法を示すフローチャートである。図8において、図4に示される処理と同一又は対応する処理には、図4に示される符号(ステップ番号)と同じ符号が付されている
。光送受信器2a、2bは、設置後の受信感度の測定結果である受信感度測定結果を、同じ光ファイバ伝送路5を通して送信側の光送受信器にフィードバックし、送信側の光送受信器は受信感度測定結果に基づいて送信する光信号の光出力パワーを調整する処理を繰り返して、光通信システムで要求される通信品質を実現する。以下に、実施の形態2による光送受信器2a、2bの設置時の初期調整動作について、図7及び図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態2に係る光通信システムの光送受信器2a、2bの設置時に実行される調整方法を示すフローチャートである。図8において、図4に示される処理と同一又は対応する処理には、図4に示される符号(ステップ番号)と同じ符号が付されている
。光送受信器2a、2bは、設置後の受信感度の測定結果である受信感度測定結果を、同じ光ファイバ伝送路5を通して送信側の光送受信器にフィードバックし、送信側の光送受信器は受信感度測定結果に基づいて送信する光信号の光出力パワーを調整する処理を繰り返して、光通信システムで要求される通信品質を実現する。以下に、実施の形態2による光送受信器2a、2bの設置時の初期調整動作について、図7及び図8を用いて説明する。
まず、実施の形態1の調整方法と同様にステップS1~S4の処理を行う。
調整の結果、以下の場合に送信側のプリチャープ生成部17a、受信側のポストチャープ生成部18b、にて分散補償量の調整を行い、対向局側の光受信器202bで受信感度を測定する。
ステップS4において、受信感度を確認できない場合(判断がNOの場合)、受信側の光送受信器2bは、対向局である送信側の光送受信器2aに対して、全く導通しないという情報をフィードバックする。この場合、対向局である送信側の光送受信器2aも受信側の光送受信器1bからの信号を受信できてない可能性があるので、例えば、受信側の光送受信器2bからのフィードバック信号が受信できない場合は、予め決められたタイミングで全く導通しないと判断し、対向局である送信側の光送受信器2aと同じ方法で、導通するまで受信側の光送信器201bの光出力パワーを増加させて、フィードバック信号が対向局である光送受信器2aの光受信器202aで受信できるまで調整する。
全く導通しないという情報を受取った対向局である送信側の光送信器201aは、信号処理部10aが予め決められた量でLDD11aを制御してLD12aを駆動することで光出力パワーを増加させて光ファイバ伝送路5に送信する。対向局である受信側の光送受信器1bの光受信器102bで受信した信号は、PD14bで光電気変換後、受信信号処理部15bで受信電気信号を再生後、設定値演算部16bで受信感度を計算し、演算結果は、自局の信号処理部10bで対向局に折り返す調整結果信号を生成する。この操作を、受信感度が測定できるまで繰り返す(ステップS3~S6)。この操作の繰り返し回数上限を決めておき、上限に到達時にも全く導通しない場合は(ステップS5においてNO)、送信側のプリチャープ生成部17a、又は、受信側のポストチャープ生成部18b、又は、これらの両方を調整して受信感度が所定値になるまで繰り返す(ステップS22、ステップS23、ステップS24の順に繰り返す)。この操作の繰り返し回数上限を決めておき、上限に到達時にも全く導通しない場合は、光送受信器を、長距離伝送仕様のデバイスを実装した特別仕様版と交換する(ステップS7)。
ステップS4において受信感度を確認できた場合(判断がYESの場合)、送信側のプリチャープ生成部17a、又は、受信側のポストチャープ生成部18b、又は、これらの両方を調整して受信感度が最良となるポイントまでチャーピングを調整する(ステップS21)。その後、受信感度により予め決められた量の光出力パワーの増減を送信側の光送受信器2aの光送信器201aで行った後、対向局である受信側の光送受信器2bの光受信器202bで受信感度を測定する。この処理の繰り返しによって、複数の受信感度が測定できた場合、送信側の光出力パワーと受信感度(又はその変動量)との関係から、光送受信器2aの信号処理部10aでエラーフリー(一般的には、BER≦10-12)となる光出力パワーをBERカーブプロットによる推定カーブ外挿法などにより導出し(ステップS8a)、光送信器201aで必要なマージン(例えば、EOLマージン、他)を加えて光出力パワーを設定する(ステップS9)。
次のステップS10において、ステップS8aで導出された光出力パワーが光送信器101aの信号処理部10aで予め決められた光送受信器の定格(すなわち、調整最大値)を超えた場合は、現状の光送受信器を、長距離伝送仕様の光送受信器と交換する(ステップS7)。
ステップS10において、ステップS8aで導出された光出力パワーが光送信器101aの信号処理部10aで予め決められた光送受信器の定格(すなわち、調整最大値)以内である場合は、上記の片方向の光送受信器1aの調整を完了し、その後、逆方向の調整を実施する。実施の形態2に係る光通信システムは、一芯双方向の光ファイバ伝送路5を用いた光通信システムであるため、両方向の伝送路損失は、同等と考えられ、また、光ファイバ伝送路による分散特性も、片方向の送信波長の分散補償量から逆方向の送信波長の分散補償量をある程度見積もることが可能である。したがって、装置出荷時に各光送受信器の受信感度等の出荷検査諸特性結果を各光送受信器内に記録しておけば、最初の片方向の調整完了した時点で、光ファイバ伝送路の必要なパワーバジェット(送信光出力パワーと対向受信感度の差)及び分散補償量が対向局である光送受信器間で算出できるので、この算出したパワーバジェット及び分散補償量と同じになるように双方の光送受信器を設定することでほぼ調整を完了できる(ステップS11a)。
《2-3》効果
以上説明したように、光ファイバ伝送路5の条件に応じて光送受信器2a、2bの光出力パワー及び分散補償を調整するように構成したので、伝送路損失及び伝送路で発生する残留分散が不明なことにより、本来標準仕様の光送受信器で伝送が可能な条件の光ファイバ伝送路5に、長距離伝送仕様のデバイスを実装した過剰仕様の光送受信器を適用することが無くなる。このように、標準仕様の光送受信器を仕様することによって、信頼性を低下させずに、光通信システムの低コスト化という効果が得られる。
以上説明したように、光ファイバ伝送路5の条件に応じて光送受信器2a、2bの光出力パワー及び分散補償を調整するように構成したので、伝送路損失及び伝送路で発生する残留分散が不明なことにより、本来標準仕様の光送受信器で伝送が可能な条件の光ファイバ伝送路5に、長距離伝送仕様のデバイスを実装した過剰仕様の光送受信器を適用することが無くなる。このように、標準仕様の光送受信器を仕様することによって、信頼性を低下させずに、光通信システムの低コスト化という効果が得られる。
また、光ファイバ伝送路毎に受信感度を測定して調整するので、伝送路パラメータと光送受信器の組合せで変化する分散の影響を個別に最適化することが可能となり、信頼性の高い光通信システムを構築することができるという効果がある。
《3》実施の形態3
《3-1》構成
実施の形態3に係る光通信システムの構成は、実施の形態1又は2で示した構成と同じである。実施の形態1及び2では、光送受信現地設置時の運用前初期調整に関するものであるが、実施の形態3に係る光通信システムは、運用開始後(運用中)のメンテナンスに関するものである。
《3-1》構成
実施の形態3に係る光通信システムの構成は、実施の形態1又は2で示した構成と同じである。実施の形態1及び2では、光送受信現地設置時の運用前初期調整に関するものであるが、実施の形態3に係る光通信システムは、運用開始後(運用中)のメンテナンスに関するものである。
実施の形態1(又は2)に係る光通信システムの光送受信器1a、1b(又は2a、2b)は、対向局間で受信感度を測定しながら送信光出力パワーを調整する機能を有しているため、初期調整時のみで無く、運用中に通信品質を測定し再調整することも可能である。実施の形態3は、この機能をメンテナンスに活用する形態である。
実施の形態3に係る光通信システムの運用期間において、調整対象の光送受信器1bは、対向局である光送受信器1aから送信される第1の光信号の光出力パワーを定期又は不定期に測定し、第1の光信号の光出力パワーが予め決められた第1の調整閾値以下である場合に、調整対象の光送受信器1bの光出力パワーの調整が実行される。
また、光送受信器1bの調整の代わりに又は光送受信器1bの調整に加えて、実施の形態3に係る光通信システムの運用期間において、調整対象の光送受信器1aは、対向局である光送受信器1bから送信される第2の光信号の光出力パワーを定期又は不定期に測定し、第2の光信号の光出力パワーが予め決められた第2の調整閾値以下である場合に、調整対象の光送受信器1aの光出力パワーの調整が実行されてもよい。また、第1の調整閾値と第2の調整閾値とは、同じ値であるが、異なる値を設定することも可能である。
《3-2》動作
次に、実施の形態3によるメンテナンス動作について、図2及び図9を用いて説明する。図9は、実施の形態3に係る光通信システムの光送受信器の定期又は不定期に実行される調整を示す図である。図9において、横軸は時間を表し、縦軸は光送信器101a、101bから送信される光信号の光出力パワーを表す。
次に、実施の形態3によるメンテナンス動作について、図2及び図9を用いて説明する。図9は、実施の形態3に係る光通信システムの光送受信器の定期又は不定期に実行される調整を示す図である。図9において、横軸は時間を表し、縦軸は光送信器101a、101bから送信される光信号の光出力パワーを表す。
実施の形態1で初期調整が完了した光出力パワー最適値αを測定点M0として運用開始した後に、光通信システムで、例えば、予め決められた測定期間間隔毎に、光送受信器1a、1bで光出力パワーを測定する。測定点「M*」(*=1,2,…)で光出力パワーが調整閾値βまで低下した場合、該当する光送受信器1a、1bを調整して光出力パワーを光出力パワー最適値αまで回復させる(図9のM3&A)。これを光送受信器1a、1bが調整可能な限り繰り返し、調整限界になった場合は、測定点M*のみを継続し、光出力パワーが故障判定レベルγまで低下した場合、該当する光送受信器1a、1bを故障と判定する。この場合には、必要に応じて光送受信器1a又は1bを正常品と交換する。
上記は、光出力パワーが故障判定レベルγまで低下した場合を説明したが、測定点M*の変動傾向を光通信システムで監視して、故障判定レベルγに到達する前に予防保全的に、光送受信器1a又は1bを正常品と交換する運用にしてもよい。
《3-3》効果
以上説明したように、実施の形態1又は2に記載の光送受信器1a、1b(又は、2a、2b)は、光ファイバ伝送路5毎に対向局間で受信感度を測定しながら送信される光信号の光出力パワーを調整する機能を有しているので、光出力パワーの最終調整値により要求通信品質に対するマージン量も定量的に管理することが可能である。このため、寿命推定又は光出力パワー劣化時に再光出力パワー調整又は交換用の光送受信器の準備等の予防保全が可能となり、信頼性の高い光通信システムを構築できるという効果がある。
以上説明したように、実施の形態1又は2に記載の光送受信器1a、1b(又は、2a、2b)は、光ファイバ伝送路5毎に対向局間で受信感度を測定しながら送信される光信号の光出力パワーを調整する機能を有しているので、光出力パワーの最終調整値により要求通信品質に対するマージン量も定量的に管理することが可能である。このため、寿命推定又は光出力パワー劣化時に再光出力パワー調整又は交換用の光送受信器の準備等の予防保全が可能となり、信頼性の高い光通信システムを構築できるという効果がある。
1a、1b、2a、2b 光送受信器、 3a、3b 情報信号処理部、 4a、4b 上位ネットワーク部、 5 光ファイバ伝送路、 10a、10b 信号処理部、 11a、11b レーザダイオードドライバ(LDD)、 12a、12b レーザダイオード(LD)、 13a、13b 波長多重分離器、 14a、14b フォトダイオード(PD)、 15a、15b、25a、25b 受信信号処理部、 16a、16b 設定値演算部、 17a、17b プリチャープ生成部、 18a、18b ポストチャープ生成部、 101a、101b、201a、201b 光送信器、 102a、102b、202a、202b 光受信器。
Claims (10)
- 第1の光信号を送信し第2の光信号を受信する機能を持つ第1の光送受信器と前記第2の光信号を送信し前記第1の光信号を受信する機能を持つ第2の光送受信器とを有し、前記第1の光送受信器と前記第2の光送受信器とが光ファイバ伝送路を通して通信する光通信システムであって、
前記第1の光送受信器の調整時に、前記第1の光送受信器は、前記第1の光信号を複数の第1の光出力パワーで順次送信し、前記第2の光送受信器は、前記第1の光信号を順次受信し、
前記第2の光送受信器は、順次受信した前記第1の光信号の複数の第1の受信感度を測定して前記複数の第1の光出力パワーと前記複数の第1の受信感度との間の第1の関係を取得し、前記第1の関係に基づいて誤り率が予め決められた値以下になる前記第1の光出力パワーの第1の範囲を算出し、算出された前記第1の範囲を示す第1の調整結果信号を前記第1の光送受信器に送信し、
前記第1の光送受信器は、前記第1の光送受信器の運用期間における前記第1の光信号の前記第1の光出力パワーを前記第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定する
ことを特徴とする光通信システム。 - 前記第2の光送受信器の調整時に、前記第2の光送受信器は、前記第2の光送受信器の運用期間における前記第2の光信号の第2の光出力パワーとして、前記第1の光出力パワーと同じ値を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。 - 前記第2の光送受信器の調整時に、前記第2の光送受信器は、前記第2の光信号を複数の第2の光出力パワーで順次送信し、前記第1の光送受信器は、前記第2の光信号を順次受信し、
前記第1の光送受信器は、順次受信した前記第2の光信号の複数の第2の受信感度を測定して前記複数の第2の光出力パワーと前記複数の第2の受信感度との第2の関係を取得し、前記第2の関係に基づいて誤り率が予め決められた値以下になる前記第2の光出力パワーの第2の範囲を算出し、算出された前記第2の範囲を示す第2の調整結果信号を前記第2の光送受信器に送信し、
前記第2の光送受信器は、前記第2の光送受信器の運用期間における前記第2の光信号の光出力パワーを前記第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。 - 前記第1の光送受信器は、前記光ファイバ伝送路で発生する分散に起因する前記第1の光信号の波形歪を逆補償する第1のプリチャープ発生部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。 - 前記第2の光送受信器は、前記光ファイバ伝送路で発生する分散に起因する前記第1の光信号の波形歪を逆補償する第2のポストチャープ発生部を有する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光通信システム。 - 前記第2の光送受信器は、前記光ファイバ伝送路で発生する分散に起因する前記第2の光信号の波形歪を逆補償する第2のプリチャープ発生部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の光通信システム。 - 前記第1の光送受信器は、前記光ファイバ伝送路で発生する分散に起因する前記第2の光信号の波形歪を逆補償する第1のポストチャープ発生部を有する
ことを特徴とする請求項3又は6に記載の光通信システム。 - 前記第1の光送受信器の運用期間において、前記第2の光送受信器は、前記第1の光送受信器から送信される前記第1の光信号の前記第1の光出力パワーを定期又は不定期に測定し、前記第1の光信号の前記第1の光出力パワーが予め決められた第1の調整閾値以下である場合に、前記第1の光送受信器の前記調整が実行される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光通信システム。 - 前記第2の光送受信器の運用期間において、前記第1の光送受信器は、前記第2の光送受信器から送信される前記第2の光信号の前記第2の光出力パワーを定期又は不定期に測定し、前記第2の光信号の前記第2の光出力パワーが予め決められた第2の調整閾値以下である場合に、前記第2の光送受信器の前記調整が実行される
ことを特徴とする請求項3に記載の光通信システム。 - 第1の光信号を送信し第2の光信号を受信する機能を持つ第1の光送受信器と前記第2の光信号を送信し前記第1の光信号を受信する機能を持つ第2の光送受信器とを有し、前記第1の光送受信器と前記第2の光送受信器とが光ファイバ伝送路を通して通信する光通信システム、の調整方法であって、
前記第1の光送受信器の調整時に、前記第1の光送受信器は、前記第1の光信号を複数の第1の光出力パワーで順次送信し、前記第2の光送受信器は、前記第1の光信号を順次受信し、
前記第2の光送受信器は、順次受信した前記第1の光信号の複数の第1の受信感度を測定して前記複数の第1の光出力パワーと前記複数の第1の受信感度との間の第1の関係を取得し、前記第1の関係に基づいて誤り率が予め決められた値以下になる前記第1の光出力パワーの第1の範囲を算出し、算出された前記第1の範囲を示す第1の調整結果信号を前記第1の光送受信器に送信し、
前記第1の光送受信器は、前記第1の光送受信器の運用期間における前記第1の光信号の前記第1の光出力パワーを前記第1の調整結果信号に基づいて計算された値に設定する
ことを特徴とする光通信システムの調整方法。
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JP2022154808A JP2024048733A (ja) | 2022-09-28 | 2022-09-28 | 光通信システム及びその調整方法 |
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