JP2024048615A - コントローラ及び光干渉測距センサ - Google Patents

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Abstract

Figure 2024048615000001
【課題】主干渉計で生成される信号を適切なタイミングでサンプリングする。
【解決手段】コントローラ110は、光源140と、主干渉信号を生成する主干渉計150と、副干渉信号を生成する副干渉計160と、可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、副干渉信号と可変遅延量とに基づいて、主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部171と、主干渉信号と補正信号とに基づいて計測対象物Tまでの距離を計測する処理部118と、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計150で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する可変遅延量設定部195と、を備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、コントローラ及び光干渉測距センサに関する。
近年、非接触で計測対象物までの距離を計測する光測距センサが普及している。例えば、光測距センサとして、波長掃引光源から投光される光から、参照光と測定光とに基づく干渉光を生成し、当該干渉光に基づいて計測対象物までの距離を計測する光干渉測距センサが知られている。
従来、この種の光周波数領域反射測定装置として、掃引光源と、掃引光源の出力光の一部に所定の遅延時間差を与えて干渉させ補助干渉信号として出力する補助干渉計と、掃引光源の出力光の一部を被測定光ファイバに入力すると共に被測定光ファイバからの反射光と掃引光源の出力光の一部を干渉させ測定干渉信号として出力する測定干渉計と、補助干渉信号を用いて測定干渉信号に対して掃引光源の波長掃引の非線形を補正する線形化部と、線形化部の出力信号をフーリエ変換して周波数領域の信号を出力するフーリエ変換部と、を有する光周波数領域反射測定装置において、線形化部は各々異なる遅延時間を持つ複数の線形化部を有し、フーリエ変換部は複数の線形化部の出力信号に対してそれぞれ異なる重みをつけて加算しフーリエ変換された結果を出力する重み付き加算・フーリエ変換部を有するものが知られている(特許文献1参照)。この光周波数領域反射測定装置では、被測定光ファイバの広い範囲にわたり波長掃引の非線形を補正する。
特開2017-181115号公報
一方、コントローラと、当該コントローラとセンサヘッドとを接続する光ファイバを含む光ファイバケーブルとを備える光干渉測距センサにおいて、光ファイバの長さを変更する場合、光ファイバ介して主干渉計からセンサヘッドに伝搬し、センサヘッドから主干渉計に伝搬する光の光路長も長くなるので、主干渉計が生成する信号と、サンプリング周期を補正するために副干渉計が生成する信号との間に、タイミングのずれが発生することがあった。
また、センサヘッドから計測対象物までの距離が光ファイバの長さと比較して長い場合、センサヘッドから計測対象物に照射し、計測対象物に反射されてセンサヘッドに戻る光のラウンドトリップ時間が長くなるので、この場合も、主干渉計が生成する信号と、サンプリング周期を補正するために副干渉計が生成する信号との間に、タイミングのずれが発生することがあった。その結果、主干渉計の信号を正確にサンプリングすることができず、計測対象物までの距離に誤差が生じることがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、主干渉計で生成される信号を適切なタイミングでサンプリングすることのできるコントローラ及び光干渉測距センサを提供することを目的の1つとする。
本開示の一態様に係るコントローラは、計測対象物に光を照射するセンサヘッドに、光ファイバケーブルを介して接続されるコントローラであって、波長を変化させながら光を投光する光源と、光ファイバケーブルに含まれる光ファイバを介してセンサヘッドに接続される主干渉計であって、光源から投光された光が供給され、センサヘッドにより計測対象物に照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する主干渉計と、光源から投光された光が供給され、異なる光路を辿る2つの光に基づく副干渉信号を生成する副干渉計と、可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、副干渉信号と可変遅延量とに基づいて、主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部と、主干渉信号と補正信号とに基づいて、計測対象物までの距離を計測する処理部と、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する可変遅延量設定部と、を備える。
この態様によれば、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量が設定される。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を設定することが可能となる。ここで、補正信号に基づいてサンプリングされた反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークに基づくことにより、計測対象物がない状態でも可変遅延量を設定することが可能となる。また、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークに基づくことにより、センサヘッドから計測対象物までの距離が光ファイバの長さと比較して長いときに、当該距離を光が往復するラウンドトリップ時間によって発生し得るタイミングのずれも低減する可変遅延量を設定することが可能となる。従って、主干渉計で生成される信号を、副干渉信号と可変遅延量とに基づく補正信号によって適切なタイミングでサンプリングすることができ、計測対象物までの距離を高精度に計測することができる。
上記態様において、可変遅延量設定部は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定してもよい。
この態様によれば、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量が設定される。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を、容易に設定することができる。
上記態様において、可変遅延量設定部は、複数の主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値と、複数の反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定してもよい。
この態様によれば、複数の主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値と、複数の反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量が設定される。これにより、複数のピーク強度のうちの最大値に基づいて可変遅延量が設定されるので、1つの主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度、又は、1つの反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度に基づいて可変遅延量を設定する場合と比較して、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれをさらに低減する可変遅延量を設定することができる。
上記態様において、可変遅延量設定部は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定してもよい。
この態様によれば、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量が設定される。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を、容易に設定することができる。
上記態様において、可変遅延量設定部は、複数の主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅の最小値と、複数の反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅の最小値とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定してもよい。
この態様によれば、複数の主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク半値幅の最小値と、複数の反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク半値幅の最小値とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量が設定される。これにより、複数のピーク所定値幅のうちの最小値に基づいて可変遅延量が設定されるので、1つの主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅、又は、1つの反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に基づいて可変遅延量を設定する場合と比較して、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれをさらに低減する可変遅延量を設定することができる。
上記態様において、可変遅延量設定部は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数とのうち、少なくとも一方が所定数未満となるように、可変遅延量を設定してもよい。
この態様によれば、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数とのうち、少なくとも一方が所定数未満となるように、可変遅延量が設定される。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を、簡易に設定することができる。
上記態様において、反射信号は、光源から投光されて主干渉計に供給される光の一部が当該主干渉計において形成される反射面を有する部材によって反射されることにより生成されてもよい。
この態様によれば、反射信号は、光源から投光されて主干渉計に供給される光の一部が当該主干渉計において形成される反射面を有する部材によって反射されることにより生成される。これにより、計測対象物が存在せずに主干渉信号を得られない場合でも、主干渉計の反射面から反射信号を得ることが可能となるので、計測対象物を用意(準備)することなく、可変遅延量を設定することができる。
上記態様において、可変遅延量生成部は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させて補正信号生成部に出力する可変遅延線を含んでいてもよい。
この態様によれば、可変遅延量生成部は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させて補正信号生成部に出力する可変遅延線を含む。これにより、電気的に遅延を発生させた副干渉計信号を出力することで、補正信号生成部は、電気信号である補正信号を容易に生成することができる。
上記態様において、補正信号生成部は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させた信号に基づいて、補正信号であるパルス信号を生成してもよい。
この態様によれば、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させた信号に基づいて、補正信号であるパルス信号が生成される。これにより、主干渉信号のサンプリングのタイミングを容易に合わせる(同期をとる)ことができる。
上記態様において、主干渉信号を電気信号に変換させた主干渉計信号を、補正信号に基づいてサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換部をさらに備えていてもよい。
この態様によれば、主干渉信号を電気信号に変換させた主干渉計信号を、補正信号に基づいてサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換部をさらに備える。これにより、主干渉計信号をサンプリング周期が補正されたデジタル信号に変換する構成を容易に実現することができる。
本開示の一態様に係る光干渉測距センサは、コントローラと、該コントローラに接続される光ファイバケーブルとを含む光干渉測距センサであって、コントローラは、波長を変化させながら光を投光する光源と、光ファイバケーブルに含まれる光ファイバを介してセンサヘッドに接続される主干渉計であって、光源から投光された光が供給され、センサヘッドにより計測対象物に照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する主干渉計と、光源から投光された光が供給され、異なる光路を辿る2つの光に基づく副干渉信号を生成する副干渉計と、可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、副干渉信号と可変遅延量とに基づいて、主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部と、主干渉信号と補正信号とに基づいて、計測対象物までの距離を計測する処理部と、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する可変遅延量設定部と、を備える。
この態様によれば、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量が設定される。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を設定することが可能となる。ここで、補正信号に基づいてサンプリングされた反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークに基づくことにより、計測対象物がない状態でも可変遅延量を設定することが可能となる。また、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークに基づくことにより、センサヘッドから計測対象物までの距離が光ファイバの長さと比較して長いときに、当該距離を光が往復するラウンドトリップ時間によって発生し得るタイミングのずれも低減する可変遅延量を設定することが可能となる。従って、主干渉計で生成される信号を、副干渉信号と可変遅延量とに基づく補正信号によって適切なタイミングでサンプリングすることができ、計測対象物までの距離を高精度に計測することができる。
本発明によれば、主干渉計で生成される信号を適切なタイミングでサンプリングすることができる。
本開示に係る変位センサ10の概要を示す外観模式図である。 本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される手順を示すフローチャートである。 本開示に係る変位センサ10が用いられるセンサシステム1の概要を示す機能ブロック図である。 本開示に係る変位センサ10が用いられるセンサシステム1によって計測対象物Tが計測される手順を示すフローチャートである。 本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される原理を説明するための図である。 本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される別の原理を説明するための図である。 センサヘッド20の概略構成を示す斜視図である。 センサヘッド20の内部構造を示す模式図である。 コントローラ30における信号処理について説明するためのブロック図である。 コントローラ30における処理部59によって実行される、計測対象物Tまでの距離を算出する方法を示すフローチャートである。 波形信号(電圧vs時間)がスペクトル(電圧vs周波数)に周波数変換される様子を示す図である。 スペクトル(電圧vs周波数)がスペクトル(電圧vs距離)に距離変換される様子を示す図である。 スペクトル(電圧vs距離)に基づいてピークを検出し、それに対応する距離値が算出される様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光干渉測距センサ100の構成概要を示す模式図である。 主干渉計150において反射波を生成する構成の一具体例を示す模式図である。 主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク及び反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと可変遅延量との関係を説明するための図である。 主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク半値幅及び反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク半値幅とFFTの条件との関係を説明するための図である。 一実施形態におけるコントローラ110が行う処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。 一実施形態におけるコントローラ110が行う処理手順の他の例を説明するためのフローチャートである。 一実施形態におけるコントローラ110が行う処理手順のさらに他の例を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る他の光干渉測距センサ101の構成概要を示す模式図である。 測定光と参照光とを用いて干渉光を発生させる干渉計のバリエーションを示す図である。
以下、本発明の好適な各実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する各実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
[変位センサの概要]
先ず、本開示に係る変位センサの概要について説明する。
図1は、本開示に係る変位センサ10の概要を示す外観模式図である。図1に示されるように、変位センサ10は、センサヘッド20とコントローラ30とを備え、計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)を計測する。
センサヘッド20とコントローラ30とは、光ファイバ40で接続されており、センサヘッド20には対物レンズ21が取り付けられている。また、コントローラ30は、表示部31と、設定部32と、外部インタフェース(I/F)部33と、光ファイバ接続部34と、外部記憶部35とを含み、さらに、内部には、計測処理部36を有する。
センサヘッド20は、コントローラ30から出力される光を計測対象物Tに照射し、当該計測対象物Tからの反射光を受光する。センサヘッド20は、コントローラ30から出力されて光ファイバ40を介して受光した光を反射させ、上述した計測対象物Tからの反射光と干渉させるための参照面を、内部に有している。
なお、センサヘッド20には対物レンズ21が取り付けられているが、当該対物レンズ21は着脱可能な構成となっている。対物レンズ21は、センサヘッド20と計測対象物Tとの距離に応じて、適切な焦点距離を有する対物レンズに交換可能であって、又は可変焦点の対物レンズを適用してもよい。
さらに、センサヘッド20を設置する際には、ガイド光(可視光)を計測対象物Tに照射して、当該変位センサ10の計測領域内に計測対象物Tが適切に位置するようにセンサヘッド20及び/又は計測対象物Tを設置してもよい。
光ファイバ40は、コントローラ30に配置される光ファイバ接続部34に接続されて延伸し、当該コントローラ30とセンサヘッド20とを接続する。これにより、光ファイバ40は、コントローラ30から投光される光をセンサヘッド20に導き、さらに、センサヘッド20からの戻り光をコントローラ30へ導くように構成されている。なお、光ファイバ40は、センサヘッド20及びコントローラ30に着脱可能であって、長さ、太さ及び特性等において種々の光ファイバを適用することができる。
表示部31は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等で構成される。表示部31には、変位センサ10の設定値、センサヘッド20からの戻り光の受光量、及び変位センサ10によって計測された計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)等の計測結果が表示される。
設定部32は、例えば、機械式ボタンやタッチパネル等をユーザが操作することによって、計測対象物Tを計測するために必要な設定が行われる。これらの必要な設定の全部又は一部は、予め設定されていてもよいし、外部I/F部33に接続された外部接続機器(図示せず)から設定されてもよい。また、外部接続機器は、ネットワークを介して有線又は無線で接続されていてもよい。
ここで、外部I/F部33は、例えば、Ethernet(登録商標)、RS232C、及びアナログ出力等で構成される。外部I/F部33には、他の接続機器に接続されて当該外部接続機器から必要な設定が行われたり、変位センサ10によって計測された計測結果等を外部接続機器に出力したりしてもよい。
また、コントローラ30が外部記憶部35に記憶されたデータを取り込むことにより、計測対象物Tを計測するために必要な設定が行われてもよい。外部記憶部35は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の補助記憶装置であって、計測対象物Tを計測するために必要な設定等が予め記憶されている。
コントローラ30における計測処理部36は、例えば、連続的に波長を変化させながら光を投光する波長掃引光源、センサヘッド20からの戻り光を受光して電気信号に変換する受光素子、及び電気信号を処理する信号処理回路等を含む。計測処理部36では、センサヘッド20からの戻り光に基づいて、最終的には、計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)が算出されるように制御部及び記憶部等を用いて様々な処理がなされている。これらの処理についての詳細は後述する。
図2は、本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される手順を示すフローチャートである。図2に示されるように、当該手順は、ステップS11~S14を含む。
ステップS11では、センサヘッド20を設置する。例えば、センサヘッド20から計測対象物Tにガイド光を照射して、それを参考にして、センサヘッド20を適切な位置に設置する。
具体的には、コントローラ30における表示部31に、センサヘッド20からの戻り光の受光量を表示し、ユーザは、当該受光量を確認しながら、センサヘッド20の向き及び計測対象物Tとの距離(高さ位置)等を調整してもよい。基本的には、センサヘッド20からの光を計測対象物Tに対して垂直に(より垂直に近い角度で)照射できれば、当該計測対象物Tからの反射光の光量が大きく、センサヘッド20からの戻り光の受光量も大きくなる。
また、センサヘッド20と計測対象物Tとの距離に応じて、適切な焦点距離を有する対物レンズ21に交換してもよい。
さらに、計測対象物Tを計測するに際して適切な設定ができない場合(例えば、計測に必要な受光量を得られない、又は対物レンズ21の焦点距離が不適切である等)には、エラー又は設定未完了等を、表示部31に表示したり、外部接続機器に出力したりして、ユーザに通知するようにしてもよい。
ステップS12では、計測対象物Tを計測するに際して種々の計測条件を設定する。例えば、センサヘッド20が有する固有の校正データ(線形性を補正する関数等)を、ユーザがコントローラ30における設定部32を操作することによって設定する。
また、各種パラメータを設定してもよい。例えば、サンプリング時間、計測範囲、及び計測結果を正常とするか異常とするかの閾値等が設定される。さらに、計測対象物Tの反射率及び材質等の計測対象物Tの特性に応じて測定周期が設定され、及び計測対象物Tの材質に応じた測定モード等が設定されるようにしてもよい。
なお、これらの計測条件及び各種パラメータの設定は、コントローラ30における設定部32を操作することによって設定されるが、外部接続機器から設定されてもよいし、外部記憶部35からデータを取り込むことによって設定されてもよい。
ステップS13では、ステップS11で設置されたセンサヘッド20で、ステップS12で設定された計測条件及び各種パラメータに従って、計測対象物Tを計測する。
具体的には、コントローラ30の計測処理部36において、波長掃引光源から光が投光され、センサヘッド20からの戻り光を受光素子で受光し、信号処理回路によって周波数解析、距離変換及びピーク検出等がなされて、計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)が算出される。具体的な計測処理についての詳細は、後述する。
ステップS14では、ステップS13で計測された計測結果を出力する。例えば、ステップS13で計測された計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)等を、コントローラ30における表示部31に表示したり、外部接続機器に出力したりする。
また、ステップS13で計測された計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)が、ステップS12で設定された閾値に基づいて、正常の範囲内であるか異常かについても計測結果として表示又は出力されてもよい。さらに、ステップS12で設定された計測条件、各種パラメータ及び測定モード等も共に表示又は出力されてもよい。
[変位センサを含むシステムの概要]
図3は、本開示に係る変位センサ10が用いられるセンサシステム1の概要を示す機能ブロック図である。図3に示されるように、センサシステム1は、変位センサ10と、制御機器11と、制御信号入力用センサ12と、外部接続機器13とを備える。なお、変位センサ10は、制御機器11及び外部接続機器13とは、例えば、通信ケーブル又は外部接続コード(例えば、外部入力線、外部出力線及び電源線等を含む)で接続され、制御機器11と制御信号入力用センサ12とは信号線で接続される。
変位センサ10は、図1及び図2を用いて説明したように、計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)を計測する。そして、変位センサ10は、その計測結果等を制御機器11及び外部接続機器13に出力してもよい。
制御機器11は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)であって、変位センサ10が計測対象物Tを計測するに際して、当該変位センサ10に対して各種の指示を与える。
例えば、制御機器11は、制御機器11に接続された制御信号入力用センサ12からの入力信号に基づいて、測定タイミング信号を変位センサ10に出力してもよいし、ゼロリセット命令信号(現在の計測値を0に設定するための信号)等を変位センサ10に出力してもよい。
制御信号入力用センサ12は、変位センサ10が計測対象物Tを計測するタイミングを指示するオン/オフ信号を、制御機器11に出力する。例えば、制御信号入力用センサ12は、計測対象物Tが移動する生産ラインの近傍に設置され、計測対象物Tが所定の位置に移動してきたことを検知して、制御機器11にオン/オフ信号を出力すればよい。
外部接続機器13は、例えば、PC(Personal Computer)であって、ユーザが操作することによって、変位センサ10に対して様々な設定を行うことができる。
具体例としては、測定モード、動作モード、測定周期、及び計測対象物Tの材質等が設定される。
測定モードの設定として、制御機器11内部で周期的に計測開始する「内部同期計測モード」、又は制御機器11外部からの入力信号に応じて計測開始する「外部同期計測モード」等が選択される。
動作モードの設定として、実際に計測対象物Tを計測する「運転モード」、又は計測対象物Tを計測するための計測条件を設定する「調整モード」等が選択される。
測定周期は、計測対象物Tを測定する周期であり、計測対象物Tの反射率に応じて設定すればよいが、仮に、計測対象物Tの反射率が低い場合であっても、測定周期を長くして適切に測定周期を設定すれば、計測対象物Tを適切に測定することができる。
計測対象物Tについて、反射光の成分として拡散反射が比較的多い場合に適した「粗面モード」、反射光の成分として鏡面反射が比較的多い場合に適した「鏡面モード」、又はこれらの中間的な「標準モード」等が選択される。
このように、計測対象物Tの反射率及び材質に応じて、適切な設定を行うことによって、より高精度に計測対象物Tを計測することができる。
図4は、本開示に係る変位センサ10が用いられるセンサシステム1によって計測対象物Tが計測される手順を示すフローチャートである。図4に示されるように、当該手順は、上述した外部同期計測モードの場合の手順であって、ステップS21~S24を含む。
ステップS21では、センサシステム1は、計測される対象である計測対象物Tを検知する。具体的には、制御信号入力用センサ12は、生産ライン上において、計測対象物Tが所定の位置に移動してきたことを検知する。
ステップS22では、センサシステム1は、ステップS21で検知された計測対象物Tを変位センサ10によって計測するように計測指示する。具体的には、制御信号入力用センサ12は、制御機器11にオン/オフ信号を出力することにより、ステップS21で検知された計測対象物Tを測定するタイミングを指示し、制御機器11は、当該オン/オフ信号に基づいて、変位センサ10に測定タイミング信号を出力して、計測対象物Tを計測するように計測指示する。
ステップS23では、変位センサ10によって計測対象物Tが計測される。具体的には、変位センサ10は、ステップS22で受け取った計測指示に基づいて、計測対象物Tを計測する。
ステップS24では、センサシステム1は、ステップS23で計測された計測結果を出力する。具体的には、変位センサ10は、計測処理の結果を、表示部31に表示したり、外部I/F部33を経由して制御機器11又は外部接続機器13等に出力したりする。
なお、ここでは、図4を用いて、制御信号入力用センサ12によって計測対象物Tが検知されることにより計測対象物Tを計測する外部同期計測モードの場合についての手順を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、内部同期計測モードの場合は、ステップS21及びS22に代わって、予め設定された周期に基づいて測定タイミング信号が生成されることにより、計測対象物Tを計測するように変位センサ10に指示する。
次に、本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される原理を説明する。
図5Aは、本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される原理を説明するための図である。図5Aに示されるように、変位センサ10は、センサヘッド20及びコントローラ30を備える。センサヘッド20は、対物レンズ21と、複数のコリメートレンズ22a~22cとを含み、コントローラ30は、波長掃引光源51と、光増幅器52と、複数のアイソレータ53及び53a~53bと、複数の光カプラ54及び54a~54eと、減衰器55と、複数の受光素子(例えば、フォトディテクタ(PD))56a~56cと、複数の増幅回路57a~57cと、複数のアナログデジタル(AD)変換部(例えば、アナログデジタルコンバータ)58a~58cと、処理部(例えば、プロセッサ)59と、バランスディテクタ60と、補正信号生成部61とを含む。
波長掃引光源51は、波長を掃引したレーザ光を投光する。波長掃引光源51としては、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を電流で変調する方式を適用すれば、共振器長が短いためにモードホップを起こしにくく、波長を変化させることが容易であり、低コストで実現することができる。
光増幅器52は、波長掃引光源51から投光される光を増幅する。光増幅器52は、例えば、EDFA(erbium-doped fiber amplifier)を適用し、例えば、1550nm専用の光増幅器であってもよい。
アイソレータ53は、入射した光を一方向に透過させる光学素子であって、戻り光によって発生するノイズの影響を防ぐために、波長掃引光源51の直後に配置されてもよい。
このように、波長掃引光源51から投光された光は、光増幅器52によって増幅され、アイソレータ53を介して、光カプラ54によって主干渉計と副干渉計とに分岐される。例えば、光カプラ54では、主干渉計と副干渉計とに分岐する光の割合は、主干渉計側に90%以上分岐させるようにしてもよい。
主干渉計に分岐された光は、さらに、1段目の光カプラ54aによって、センサヘッド20の方向と2段目の光カプラ54bの方向とに分岐される。
1段目の光カプラ54aによってセンサヘッド20の方向に分岐された光は、センサヘッド20において、光ファイバの先端からコリメートレンズ22a及び対物レンズ21を通過して計測対象物Tに照射される。そして、当該光ファイバの先端(端面)が参照面となり、当該参照面で反射した光と、計測対象物Tで反射した光とが干渉し、干渉光が生成されて、1段目の光カプラ54aに戻り、その後、受光素子56aで受光されて電気信号に変換される。
1段目の光カプラ54aによって2段目の光カプラ54bの方向に分岐された光は、アイソレータ53aを介して2段目の光カプラ54bに向かい、当該2段目の光カプラ54bによって、さらにセンサヘッド20の方向と3段目の光カプラ54cの方向とに分岐される。光カプラ54bからセンサヘッド20の方向に分岐された光は、1段目と同様に、センサヘッド20において、光ファイバの先端からコリメートレンズ22b及び対物レンズ21を通過して計測対象物Tに照射される。そして、当該光ファイバの先端(端面)が参照面となり、当該参照面で反射した光と、計測対象物Tで反射した光とが干渉し、干渉光が生成されて、2段目の光カプラ54bに戻り、当該光カプラ54bによってアイソレータ53a及び受光素子56bそれぞれの方向へ分岐される。光カプラ54bから受光素子56bの方向へ分岐された光は、受光素子56bで受光されて電気信号に変換される。一方、アイソレータ53aは、前段の光カプラ54aから後段の光カプラ54bへ光を透過し、後段の光カプラ54bから前段の光カプラ54aへの光を遮断するため、光カプラ54bからアイソレータ53aの方向へ分岐された光は、遮断される。
2段目の光カプラ54bによって3段目の光カプラ54cの方向に分岐された光は、アイソレータ53bを介して3段目の光カプラ54cに向かい、当該3段目の光カプラ54cによって、さらにセンサヘッド20の方向と減衰器55の方向とに分岐される。光カプラ54cからセンサヘッド20の方向に分岐された光は、1段目及び2段目と同様に、センサヘッド20において、光ファイバの先端からコリメートレンズ22c及び対物レンズ21を通過して計測対象物Tに照射される。そして、当該光ファイバの先端(端面)が参照面となり、当該参照面で反射した光と、計測対象物Tで反射した光とが干渉し、干渉光が生成されて、3段目の光カプラ54cに戻り、当該光カプラ54cによってアイソレータ53b及び受光素子56cそれぞれの方向へ分岐される。光カプラ54cから受光素子56cの方向へ分岐された光は、受光素子56cで受光されて電気信号に変換される。一方、アイソレータ53bは、前段の光カプラ54bから後段の光カプラ54cへ光を透過し、後段の光カプラ54cから前段の光カプラ54bへの光を遮断するため、光カプラ54cからアイソレータ53bの方向へ分岐された光は、遮断される。
なお、3段目の光カプラ54cによってセンサヘッド20でない方向に分岐された光は、計測対象物Tの計測に用いられないため、反射して戻ってこないように、例えば、ターミネータ等の減衰器55によって減衰されるとよい。
このように、主干渉計では、3段の光路(3チャネル)を有し、それぞれセンサヘッド20の光ファイバの先端(端面)から計測対象物Tまでの距離の2倍(往復)を光路長差とした干渉計であり、それぞれ光路長差に応じた3つの干渉光を生成している。
受光素子56a~56cは、上述したように主干渉計からの干渉光を受光し、当該受光した受光量に応じた電気信号を生成する。
増幅回路57a~57cは、それぞれ受光素子56a~56cから出力される電気信号を増幅する。
AD変換部58a~58cは、それぞれ増幅回路57a~57cによって増幅された電気信号を受信して、当該電気信号に関してアナログ信号からデジタル信号に変換する(AD変換)。ここで、AD変換部58a~58cは、副干渉計における補正信号生成部61からの補正信号に基づいて、AD変換する。
副干渉計では、波長掃引光源51の掃引時における波長の非線形性を補正するために、副干渉計にて干渉信号を取得し、Kクロックと呼ばれる補正信号を生成する。
具体的には、光カプラ54によって副干渉計に分岐された光は、光カプラ54dによって、さらに分岐される。ここで、分岐された各光の光路は、例えば、光カプラ54dと光カプラ54eとの間において異なる長さの光ファイバを用いて光路長差を有するように構成されて、当該光路長差に応じた干渉光が光カプラ54eから出力される。そして、バランスディテクタ60は、光カプラ54eからの干渉光を受光し、その逆位相の信号との差分を取ることによってノイズを除去しつつ、光信号を増幅して電気信号に変換する。
なお、光カプラ54d及び光カプラ54eは、いずれも50:50の割合で光を分岐すればよい。
補正信号生成部61は、バランスディテクタ60からの電気信号に基づいて、波長掃引光源51の掃引時における波長の非線形性を把握し、当該非線形に応じたKクロックを生成し、AD変換部58a~58cに出力する。
波長掃引光源51の掃引時における波長の非線形性から、主干渉計においてそれぞれAD変換部58a~58cに入力されるアナログ信号の波の間隔は等間隔ではない。AD変換部58a~58cでは、波の間隔が等間隔になるように、上述したKクロックに基づいてサンプリング時間を補正してAD変換(サンプリング)される。
なお、Kクロックは、上述したように、主干渉計のアナログ信号をサンプリングするために用いられる補正信号であるため、主干渉計のアナログ信号よりも高周波に生成される必要がある。具体的には、副干渉計における光カプラ54dと光カプラ54eとの間で設けられた光路長差を、主干渉計における光ファイバの先端(端面)と計測対象物Tとの間で設けられた光路長差よりも長くしてもよいし、補正信号生成部61で周波数を逓倍(例えば、8倍等)して高周波化してもよい。
処理部59は、それぞれAD変換部58a~58cによって非線形性が補正されつつAD変換されたデジタル信号を取得し、当該デジタル信号に基づいて、計測対象物Tの変位(計測対象物Tまでの距離)を算出する。具体的には、処理部59では、高速フーリエ変換(FFT:fast Fourier transform)を用いてデジタル信号を周波数変換し、それらを解析することによって距離が算出される。処理部59における詳細な処理については後述する。
なお、処理部59では、高速処理が要求されることから、FPGA(field-programmable gate array)等の集積回路で実現される場合が多い。
また、ここでは、主干渉計において3段の光路を設けて、センサヘッド20によってそれぞれの光路から計測対象物Tに対して測定光が照射され、それぞれから得られる干渉光(戻り光)に基づいて、計測対象物Tまでの距離等が計測される(マルチチャネル)。主干渉計におけるチャネルは、3段に限定されるものではなく、1段又は2段であってもよいし、4段以上であってもよい。
図5Bは、本開示に係る変位センサ10によって計測対象物Tが計測される別の原理を説明するための図である。図5Bに示されるように、変位センサ10は、センサヘッド20及びコントローラ30を備える。センサヘッド20は、対物レンズ21と、複数のコリメートレンズ22a~22cとを含み、コントローラ30は、波長掃引光源51と、光増幅器52と、複数のアイソレータ53及び53a~53bと、複数の光カプラ54及び54a~54jと、減衰器55と、複数の受光素子(例えば、フォトディテクタ(PD))56a~56cと、複数の増幅回路57a~57cと、複数のアナログデジタル(AD)変換部(例えば、アナログデジタルコンバータ)58a~58cと、処理部(例えば、プロセッサ)59と、バランスディテクタ60と、補正信号生成部61とを含む。図5Bに示された変位センサ10は、主に、光カプラ54f~54jを備えている点で、図5Aに示された変位センサ10の構成とは異なり、当該異なる構成による原理について、図5Aと比較しながら詳しく説明する。
波長掃引光源51から投光された光は、光増幅器52によって増幅され、アイソレータ53を介して、光カプラ54によって主干渉計側と副干渉計側とに分岐されるが、主干渉計側に分岐された光は、さらに、光カプラ54fによって測定光と参照光とに分岐される。
測定光は、図5Aで説明したように、1段目の光カプラ54aによってコリメートレンズ22a及び対物レンズ21を通過して計測対象物Tに照射され、当該計測対象物Tで反射する。ここで、図5Aでは、光ファイバの先端(端面)を参照面として、当該参照面で反射した光と計測対象物Tで反射した光とが干渉し、干渉光が生成されていたが、図5Bでは、光が反射する参照面を設けていない。すなわち、図5Bでは、図5Aのように参照面で反射する光が発生しないため、計測対象物Tで反射された測定光が1段目の光カプラ54aに戻ることなる。
同様に、1段目の光カプラ54aから2段目の光カプラ54bの方向に分岐された光は、当該2段目の光カプラ54bによってコリメートレンズ22b及び対物レンズ21を通過して計測対象物Tに照射され、当該計測対象物Tで反射して2段目の光カプラ54bに戻る。2段目の光カプラ54bから3段目の光カプラ54cの方向に分岐された光は、当該3段目の光カプラ54cによってコリメートレンズ22c及び対物レンズ21を通過して計測対象物Tに照射され、当該計測対象物Tで反射して3段目の光カプラ54cに戻る。
一方、光カプラ54fによって分岐された参照光は、さらに、光カプラ54gによって光カプラ54h、54i及び54jに分岐される。
光カプラ54hでは、光カプラ54aから出力される計測対象物Tで反射された測定光と、光カプラ54gから出力される参照光とが干渉し、干渉光が生成されて、受光素子56aで受光されて電気信号に変換される。換言すれば、光カプラ54fによって測定光と参照光とに分岐され、当該測定光の光路(光カプラ54fから、光カプラ54a、コリメートレンズ22a、対物レンズ21を介して計測対象物Tで反射し、光カプラ54hまで到達する光路)と、当該参照光の光路(光カプラ54fから、光カプラ54gを介して光カプラ54hまで到達する光路)との光路長差に応じた干渉光が生成されて、当該干渉光が受光素子56aで受光されて電気信号に変換される。
同様に、光カプラ54iでは、測定光の光路(光カプラ54fから、光カプラ54a、54b、コリメートレンズ22b、対物レンズ21を介して計測対象物Tで反射し、光カプラ54iまで到達する光路)と、参照光の光路(光カプラ54fから、光カプラ54gを介して光カプラ54iまで到達する光路)との光路長差に応じた干渉光が生成されて、当該干渉光が受光素子56bで受光されて電気信号に変換される。
光カプラ54jでは、測定光の光路(光カプラ54fから、光カプラ54a、54b、54c、コリメートレンズ22c、対物レンズ21を介して計測対象物Tで反射し、光カプラ54jまで到達する光路)と、参照光の光路(光カプラ54fから、光カプラ54gを介して光カプラ54jまで到達する光路)との光路長差に応じた干渉光が生成されて、当該干渉光が受光素子56cで受光されて電気信号に変換される。なお、受光素子56a~56cは、例えば、バランスフォトディテクタであってもよい。
このように、主干渉計では、3段の光路(3チャネル)を有し、それぞれ計測対象物Tで反射されて光カプラ54h、54i及び54jに入力される測定光と、光カプラ54f及び54gを介してそれぞれ光カプラ54h、54i及び54jに入力される参照光との光路長差に応じた3つの干渉光を生成している。
なお、測定光と参照光との光路長差は、3チャネルにおいてそれぞれ異なるように、例えば、光カプラ54gと、各光カプラ54h、54i及び54jとの光路長を異なるように設定してもよい。
そして、それぞれから得られる干渉光に基づいて、計測対象物Tまでの距離等が計測される(マルチチャネル)。
[センサヘッドの構造]
ここで、変位センサ10に用いられるセンサヘッドの構造について説明する。
図6Aは、センサヘッド20の概略構成を示す斜視図であり、図6Bは、センサヘッドの内部構造を示す模式図である。
図6Aに示されるように、センサヘッド20は、レンズホルダ23に対物レンズ21及びコリメートレンズが格納されている。例えば、レンズホルダ23のサイズは、対物レンズ21を囲う一辺の長さが20mm程度であり、光軸方向への長さが40mm程度である。
図6Bに示されるように、レンズホルダ23には、1つの対物レンズ21及び3つのコリメートレンズ22a~22cが格納されている。光ファイバからの光は、光ファイバアレイ24を介して3つのコリメートレンズ22a~22cに導かれるように構成されており、さらに、3つのコリメートレンズ22a~22cを通過した光は、対物レンズ21を介して計測対象物Tに照射される。
このように、これらの光ファイバ、コリメートレンズ22a~22c及び光ファイバアレイ24は、対物レンズ21とともに、レンズホルダ23によって保持されて、センサヘッド20を構成している。
また、センサヘッド20を構成するレンズホルダ23は、高強度で、また高精度に加工できる金属(例えば、A2017)で作製されていてもよい。
図7は、コントローラ30における信号処理について説明するためのブロック図である。図7に示されるように、コントローラ30は、複数の受光素子71a~71eと、複数の増幅回路72a~72cと、複数のAD変換部74a~74cと、処理部75と、差動増幅回路76と、補正信号生成部77とを備える。
コントローラ30では、図5Aで示されたように、波長掃引光源51から投光された光を光カプラ54によって主干渉計と副干渉計とに分岐し、それぞれより得られる主干渉信号及び副干渉信号を処理することによって、計測対象物Tまでの距離値を算出している。
複数の受光素子71a~71cは、図5Aに示された受光素子56a~56cに相当し、主干渉計からの主干渉信号をそれぞれ受光して、電流信号としてそれぞれ増幅回路72a~72cに出力する。
複数の増幅回路72a~72cは、電流信号を電圧信号に変換(I-V変換)して増幅する。
複数のAD変換部74a~74cは、図5Aに示されたAD変換部58a~58cに相当し、後述する補正信号生成部77からのKクロックに基づいて、電圧信号をデジタル信号に変換する(AD変換)。
処理部75は、図5Aに示された処理部59に相当し、AD変換部74a~74cからのデジタル信号をFFTを用いて周波数に変換し、それらを解析して、計測対象物Tまでの距離値を算出する。
複数の受光素子71d~71e及び差動増幅回路76は、図5Aに示されたバランスディテクタ60に相当し、副干渉計における干渉光をそれぞれ受光して、一方は位相の反転した干渉信号を出力し、2つの信号の差分を取ることによってノイズを除去しつつ、干渉信号を増幅して電圧信号に変換する。
補正信号生成部77は、図5Aに示された補正信号生成部61に相当し、電圧信号をコンパレータで2値化し、Kクロックを生成し、AD変換部74a~74cに出力する。Kクロックは、主干渉計のアナログ信号よりも高周波に生成される必要があるため、補正信号生成部77で周波数を逓倍(例えば、8倍等)して高周波化してもよい。
図8は、コントローラ30における処理部59によって実行される、計測対象物Tまでの距離を算出する方法を示すフローチャートである。図8に示されるように、当該方法は、ステップS31~S34を含む。
ステップS31では、処理部59は、下記FFTを用いて、波形信号(電圧vs時間)をスペクトル(電圧vs周波数)に周波数変換する。図9Aは、波形信号(電圧vs時間)がスペクトル(電圧vs周波数)に周波数変換される様子を示す図である。
Figure 2024048615000002
ステップS32では、処理部59は、スペクトル(電圧vs周波数)をスペクトル(電圧vs距離)に距離変換する。図9Bは、スペクトル(電圧vs周波数)がスペクトル(電圧vs距離)に距離変換される様子を示す図である。
ステップS33では、処理部59は、スペクトル(電圧vs距離)に基づいてピークに対応する距離値を算出する。図9Cは、スペクトル(電圧vs距離)に基づいてピークを検出し、それに対応する距離値が算出される様子を示す図である。図9Cに示されるように、ここでは、3チャネルにおいて、それぞれスペクトル(電圧vs距離)に基づいてピークが検出され、それぞれピークに対応する距離値が算出される。
ステップS34では、処理部59は、ステップS33で算出された距離値を平均化する。具体的には、処理部59は、ステップS33で3チャネルにおいてそれぞれスペクトル(電圧vs距離)に基づいてピークが検出され、それに対応する距離値が算出されているため、それらを平均化して、当該平均化した算出結果を計測対象物Tまでの距離として出力する。
なお、ステップS34では、処理部59は、ステップS33で算出された距離値を平均化する際に、SNRが閾値以上である距離値平均化することが好ましい。例えば、3チャンネルのうち、いずれかのチャンネルにおいて、そのスペクトル(電圧vs距離)に基づいてピークが検出されたものの、SNRが閾値未満の場合には、当該スペクトルに基づいて算出される距離値は、信頼性が低いと判断し、採用しない。
次に、本開示に関して、より特徴的な構成、機能及び性質を中心に、具体的な実施形態として詳細に説明する。なお、以下に示される光干渉測距センサは、図1~図9を用いて説明した変位センサ10に相当し、当該光干渉測距センサに含まれる基本的な構成、機能及び性質の全部又は一部は、図1~図9を用いて説明した変位センサ10に含まれる構成、機能及び性質と共通している。
<一実施形態>
[光干渉測距センサの構成]
図10は、本発明の一実施形態に係る光干渉測距センサ100の構成概要を示す模式図である。図10に示されるように、光干渉測距センサ100は、コントローラ110と、コントローラ110とセンサヘッド121とを接続する光ファイバケーブル130と、を含んで構成されている。光干渉測距センサ100は、さらに、センサヘッド121を含んで構成されていてもよい。
コントローラ110は、波長掃引光源140と、光分岐部111と、主干渉計150と副干渉計160と、第1フォトダイオード(PD)112と、増幅回路114,と、第2フォトダイオード(PD)116と、可変遅延線191と、補正信号生成部171と、AD変換部181と、処理部118と、可変遅延量設定部195と、を備える。
光ファイバケーブル130は、1つ又は複数の光ファイバから構成される光ファイバ群である。光ファイバケーブル130は、コントローラ110及びセンサヘッド121のそれぞれに、着脱自在、つまり、取り付け及び取り外しが可能に構成されている。光ファイバケーブル130は、例えば、光ファイバ131を含んで構成される。光ファイバ131は、長さに比例する光路長を有しており、光ファイバ131の長さは、計測対象物Tまでの距離に基づいて設定されている。
波長掃引光源140は、波長を連続的に変化させながら光を投光する。すなわち、波長掃引光源140から投光される光は、継続して波長が変化している。そして、波長掃引光源140から投光された光は、例えば光カプラ等で構成される光分岐部111を介して、主干渉計150と副干渉計160とに供給される。波長掃引光源140では、入力する電流の大きさを変化させることで波長を連続的に制御する。入力電流波形には主に三角波やのこぎり波が用いられる。
主干渉計150は、光ファイバケーブル130の光ファイバ131に接続されており、波長掃引光源140から投光された光を、光ファイバ131を介してセンサヘッド121に供給し、さらに、センサヘッド121からの戻り光を第1フォトダイオード112に導く。
具体的には、主干渉計150からセンサヘッド121に導かれた光は、測定光として、例えば、センサヘッド121に配置されたコリメートレンズや対物レンズを介して、計測対象物Tに照射される。そして、当該計測対象物Tでの反射光がセンサヘッド121に戻る。
また、主干渉計150からセンサヘッド121に導かれた光の一部は、参照光として、例えば、光ファイバ131の先端等に設けられた参照面で反射される。そして、上述した測定光と当該参照光とが干渉することにより、測定光及び参照光の光路長差に応じた干渉光(「主干渉信号」ともいう)が生成される。
このように、主干渉計150は、波長掃引光源140から投光された光が供給され、センサヘッド121により計測対象物Tに照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する。なお、波長掃引光源から投光された光が供給され、主干渉信号を生成するということから、主干渉計150にセンサヘッド121を含めて主干渉計と言うこともできる。
第1フォトダイオード112は、主干渉計150によって生成された主干渉信号を受光して電気信号に変換する。第1フォトダイオード112によって変換された電気信号は、例えば電流信号である。
増幅回路114は、第1フォトダイオード112から入力された電気信号を、所定の利得(「ゲイン」ともいう)で増幅する。第1フォトダイオード112から電流信号が入力される場合、増幅回路114は、当該電流信号を電圧信号に変換(「I-V変換」ともいう)して増幅する。増幅された電気信号は、AD変換部181に出力される。
副干渉計160は、波長掃引光源140から投光された光が光分岐部111によって分岐されて供給され、異なる光路長の光路を辿る2つの光に基づいて副干渉信号を生成する。具体的には、第1光カプラ161によって異なる光路長の光路を辿る2つの光に分岐され、その後、第2光カプラ162によって合成して干渉させることで、その光路長差に基づく副干渉信号が生成される。当該副干渉信号は、光ファイバ163を伝搬して第2フォトダイオード116に導かれる。一方、第2光カプラ162の残りのポートは、コアレスファイバ終端を備えた光ファイバに接続され、又は減衰器に接続される。
第2フォトダイオード116は、副干渉計160の光ファイバ163を伝搬した副干渉信号を受光して電気信号(以下、「副干渉計信号」ともいう)に変換する。第2フォトダイオード116によって変換された電気信号は、例えば電流信号である。
なお、第2フォトダイオード116から出力される電気信号は、それぞれ、図示を省略した増幅回路によって、所定のゲインで増幅してもよい。この場合、増幅回路は、増幅した電気信号を、可変遅延線191に出力する。
可変遅延線191は、可変遅延量を生成するように構成されている。本実施形態の可変遅延線191は、本発明における「可変遅延量生成部」の一例に相当する。
より詳細には、可変遅延線191は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させて補正信号生成部171に出力するように構成されている。可変遅延線191の可変遅延量は、後述する可変遅延量設定部から入力される制御信号に従って生成される。
可変遅延線191は、電気信号の伝搬を遅らせる電子部品であり、当該遅れが変更可能であるもの、例えばプログラマブルディレイラインを含んで構成される。なお、可変遅延線191の電子部品は、プログラマブルディレイラインに限定されるものではなく、可変遅延量に応じた変更可能な遅延(遅れ)を電気信号に発生させるものであれば、他の電子部品であってもよい。また、可変遅延線191は、その構造、種類、数等は問わない。
このように、可変遅延線191は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させて補正信号生成部171に出力する。これにより、電気的に遅延を発生させた副干渉計信号を出力することで、補正信号生成部171は、電気信号である補正信号を容易に生成することができる。
補正信号生成部171は、副干渉信号と可変遅延量とに基づいて、補正信号(「Kクロック信号」、又は単に「Kクロック」ともいう)を生成するように構成されている。補正信号は、主干渉計150が生成する主干渉信号のサンプリング周期を補正する信号である。副干渉信号は、掃引時における波長の非線形性から、主干渉信号と同様に非線形であるため、補正信号生成部171は、当該副干渉信号に基づいて掃引時における波長の非線形性を把握することで、主干渉信号のアナログ信号を適切にサンプリングしてAD変換するための補正信号、つまり、Kクロック信号を生成することができる。
なお、補正信号生成部171において適切な補正信号を生成するためには、第1フォトダイオード112で受光する主干渉信号の非線形性を、補正信号生成部171で適切に把握される必要がある。このためには、主干渉信号と副干渉信号との特性(非線形性)を整合させておく、言い換えれば、主干渉信号と副干渉信号とを時間的に合わせておくことが好ましい。
より詳細には、補正信号生成部171は、遅延副干渉計信号に基づいて、補正信号を生成するように構成されている。すなわち、補正信号は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に遅延を発生させた信号に基づいて、生成される。当該遅延は、上述した可変遅延量に応じた時間である。
また、補正信号生成部171は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に上述した可変遅延量に応じた遅延を発生させた信号に基づいて、補正信号であるパルス信号を生成してもよい。これにより、主干渉信号のサンプリングのタイミングを容易に合わせる(同期をとる)ことができる。
AD変換部181は、主干渉信号を電気信号に変換させた主干渉計信号を、補正信号に基づいてサンプリングしてデジタル信号に変換するように構成されている。AD変換部181に入力される主干渉信号は、アナログ信号の波の間隔が等間隔ではない。AD変換部181は、当該主干渉信号における波の間隔が等間隔になるように、上述した補正信号、つまり、Kクロック信号に基づいたサンプリング周期(サンプリング間隔)で、主干渉信号のアナログ信号をサンプリングしてAD変換する。
このように、AD変換部181が主干渉信号を電気信号に変換させた主干渉計信号を、補正信号に基づいてサンプリングしてデジタル信号に変換することにより、主干渉計信号をサンプリング周期が補正されたデジタル信号に変換する構成を容易に実現することができる。
処理部118は、主干渉計150によって生成された主干渉信号と、副干渉計160によって生成された副干渉信号とに基づいて、計測対象物Tまでの距離を算出するように構成されている。
より詳細には、処理部118は、第1フォトダイオード112で受光され、増幅回路114で増幅された主干渉信号と、第2フォトダイオード116で受光された副干渉信号及び可変遅延線191で生成された可変遅延量とに基づいて生成された補正信号とに基づいて、計測対象物Tまでの距離を算出するように構成されている。
具体的には、AD変換部181において、主干渉信号に基づく非線形なアナログ信号が、副干渉信号と可変遅延量とに基づく補正信号によって補正されたサンプリング周期でデジタル信号に変換されるので、処理部118は、当該デジタル信号を、FFT等を用いて周波数に変換し、それらを解析して計測対象物Tまでの距離値を算出する。
可変遅延量設定部195は、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定するように構成されている。
より詳細には、AD変換部181によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて当該デジタル信号を周波数に変換した信号が可変遅延量設定部195に入力される。可変遅延量設定部195は、この信号に基づいて、可変遅延量を設定するように構成されている。可変遅延量設定部195に入力される信号は、例えば、主干渉信号のデジタル信号をFFTで周波数に変換した信号、及び、反射信号のデジタル信号をFFTで周波数に変換した信号である。あるいは、可変遅延量設定部195に入力される信号は、主干渉信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号、及び、反射信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号でもよい。また、可変遅延量設定部195が設定する可変遅延量は、上述した可変遅延線191が生成する可変遅延量である。
ここで、主干渉計150が生成する反射信号について説明する。
図11は、主干渉計150において反射波を生成する構成の一具体例を示す模式図である。図11に示すように、主干渉計150には、光を反射する反射面126aが形成されている。具体的には、センサヘッド121は、計測対象物Tに光を照射する対物レンズ126と、光ファイバ131の先端と対物レンズ126との間に配置されるコリメートレンズ127と、を有する。反射面126aは、センサヘッド121内の対物レンズ126の裏面(センサヘッド121における光ファイバ131側の面)に形成されている。
なお、センサヘッド121には、光ファイバ131の先端と対物レンズ126との間のコリメートレンズ127を有していなくてもよいし、対物レンズ126を配置せずにコリメートレンズ127のみを配置してもよい。この場合、反射面は、コリメートレンズ127に形成されてもよい。
光ファイバ131を介してセンサヘッド121に入力された光の一部は、上述したように、測定光として計測対象物Tに照射され、計測対象物で反射される。そして、センサヘッド121に入力された光の他の一部は参照光として光ファイバ131の先端に設けられた参照面131aで反射される。当該測定光及び参照光に基づいて主干渉信号(干渉光)が生成され、センサヘッド121から計測対象物Tまでの距離が、FFTで周波数変換した信号におけるピークとして検出される。
また、光ファイバ131を介してセンサヘッド121に入力された光の他の一部は、対物レンズ126に形成された反射面126aで反射される。そして、当該反射面126aで反射された反射光及び上述した参照光に基づいて反射信号(干渉光)が生成され、センサヘッド121内における対物レンズ126の位置、具体的には反射面126aの位置が、FFTで周波数変換した信号におけるピークとして検出される。
このように、反射信号は、波長掃引光源140から投光されて主干渉計150に供給される光の一部が主干渉計150において形成される反射面126aを有する部材によって反射されることにより生成される。これにより、計測対象物Tが存在せずに主干渉信号を得られない場合でも、主干渉計の反射面から反射信号を得ることが可能となるので、計測対象物を用意(準備)することなく、可変遅延量を設定することができる。
なお、対物レンズ126に形成される反射面126aは、対物レンズ126の表面に形成されてもよい。また、反射面126aは、対物レンズ126に部分反射コーティングを施すことで形成されてもよいし、例えば、反射率が微小な(5%以下程度の)フレネル反射を利用することで形成されてもよい。
また、反射面は、センサヘッド121内部の部品に形成されていてもよい。当該部品は、センサヘッド121を構成する部品の一部を利用してもよいし、反射信号を生成するためのものとして、筐体内部に別途配置された部品であってもよい。
[主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク及び反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと可変遅延量との関係]
図12は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク及び反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと可変遅延量との関係を説明するための図である。図13は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク半値幅及び反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク半値幅とFFTの条件との関係を説明するための図である。なお、以下において、明示する場合を除き、反射信号のデジタル信号を用いて説明し、主干渉信号のデジタル信号を用いる場合の説明を省略する。
従来の光干渉測距センサでは、コントローラとセンサヘッドとを接続する光ファイバケーブルの光ファイバの長さを変更する場合、光ファイバ介して主干渉計からセンサヘッドに伝搬し、センサヘッドから主干渉計に伝搬する光の光路長も長くなるので、主干渉計が生成する主干渉信号及び反射信号と、サンプリング周期を補正するために副干渉計が生成する補正信号との間に、タイミングのずれが発生し得る。
また、従来の光干渉測距センサにおいて、センサヘッドから計測対象物までの距離が光ファイバの長さと比較して長い場合、センサヘッドから計測対象物に照射し、計測対象物に反射されてセンサヘッドに戻る光のラウンドトリップ時間が長くなるので、この場合も、主干渉計が生成する主干渉信号及び反射信号と、サンプリング周期を補正するために副干渉計が生成する補正信号との間に、タイミングのずれが発生し得る。
ここで、FFTを用いてデジタル信号を周波数に変換した信号(以下、「周波数信号」ともいう)において、上述したタイミングのずれのない理想的な周波数信号は、図12に示すように、所定のピーク、例えば、所定値PIのピーク強度(ピーク信号強度)と所定値PHWのピーク半値幅とを有している。
上述したように、本実施形態の光干渉測距センサ100は、主干渉計150によって生成された反射信号及び主干渉信号は、それぞれ、AD変換部181によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて当該デジタル信号を周波数に変換した信号になり、この周波数信号が、それぞれ、可変遅延量設定部195に入力される。
また、上述したように、本実施形態の光干渉測距センサ100は、AD変換部181において、反射信号又は主干渉信号に基づくアナログ信号を、副干渉信号と可変遅延量とに基づく補正信号によってサンプリング周期を補正してデジタル信号に変換している。よって、適切な可変遅延量を設定することで、タイミングのずれを低減(解消)することができ、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号の周波数信号は、図12に示す理想的な周波数信号における所定のピークと同様のピークを有することになる。
より詳細には、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号の周波数変換信号におけるピーク強度が高い、例えば、ピーク強度が所定値PI以上である、又は同程度である場合、設定されている可変遅延量は適切であると判断し得る。すなわち、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号の周波数変換信号におけるピーク強度は、適切な可変遅延量の指標となる。
また、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号の周波数変換信号におけるピーク半値幅が小さい(狭い)、例えば、ピーク半値幅が所定値PHW未満である、又は同程度である場合、設定されている可変遅延量は適切であると判断し得る。すなわち、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号の周波数変換信号におけるピーク半値幅は、適切な可変遅延量の指標となる。なお、適切な可変遅延量の指標として、ピーク半値幅を一般化し、ピークの値に対して所定値の幅(以下、「ピーク所定値幅」ともいう)を用いてもよい。この場合、所定値は、ピーク値の半分の値である他、例えば、1/e、1/e等の値であってもよい。ピーク半値幅を用いるときについても、同様に、ピーク所定値幅が小さい(狭い)、例えば、ピーク所定値幅が所定値未満である、又は同程度である場合、設定されている可変遅延量は適切であると判断し得る。
上述したように、本実施形態の光干渉測距センサ100は、可変遅延量設定部195が、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定している。
このように、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づくことにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を設定することが可能となる。ここで、補正信号に基づいてサンプリングされた反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークに基づくことにより、計測対象物Tがない状態でも可変遅延量を設定することが可能となる。また、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークに基づくことにより、センサヘッド121から計測対象物Tまでの距離が光ファイバ131の長さと比較して長いときに、当該距離を光が往復するラウンドトリップ時間によって発生し得るタイミングのずれも低減する可変遅延量を設定することが可能となる。従って、主干渉計で生成される信号を、副干渉信号と可変遅延量とに基づく補正信号によって適切なタイミングでサンプリングすることができ、計測対象物Tまでの距離を高精度に計測することができる。
また、可変遅延量設定部195は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を、容易に設定することができる。
さらに、可変遅延量設定部195は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を、容易に設定することができる。
また、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号では、当該信号におけるピーク所定値幅は、その範囲に含まれるサンプリング数(「計測点数」又は「データ点数」ともいう)が、FFTの条件、例えばゼロ埋めの有無、窓関数の有無、窓関数の種類に依存する。言い換えれば、FFTの条件を決めれば、理想的には、計測点数ごとのパワースペクトルに変換した信号におけるピーク所定値幅の範囲に含まれる計測点数が所定の数(以下、「所定数」ともいう)になる。なお、ゼロ埋めは、計測データにゼロを追加して周波数分解能を向上させる一般的な手法である。例えば、計測点数が2倍のデータ点数になるように、計測点数と同数のゼロを追加してゼロ埋めすると、周波数分解能が2倍になる。本出願では、ゼロ埋めによって実測の計測点数に対して何倍にするかを決める係数として「Npad」(Npadは正の整数)を用いる。具体的には、Npad=2である場合、5000点の計測点数に対して5000点のゼロデータを追加して10000点となる。また、Npad=3である場合、5000点の計測点数に対して10000点のゼロデータを追加して15000点となる。よって、実測の計測点数Nに対してゼロ埋めしたときの計測点数は、N×Npadになる。
例えば、図13に一点鎖線で示すように、窓関数なし、つまり、矩形窓でゼロ埋め無しの条件のFFTで、ノイズのない理想的な状態の正弦波を計測点数ごとのパワースペクトルに変換した場合、当該信号におけるピーク所定値、例えばピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数は、1点となる。また、図13に実線で示すように、一般的な窓関数、例えばハミング窓でゼロ埋め無しの条件のFFTで、上述の正弦波を計測点数ごとのパワースペクトルに変換した場合、当該信号におけるピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数は、窓関数自体の特定により2点となる。なお、FFTにおいて、例えばハン窓、ガウス窓等のハミング窓以外の窓関数を用いる場合も、一部の例外を除き、窓関数自体の特定により2点となる。さらに、図13に破線で示すように、ハミング窓でゼロ埋め有り(Npad=2)の条件のFFTで、上述の正弦波を計測点数ごとのパワースペクトルに変換した場合、当該信号におけるピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数は、窓関数自体の特定により2点、ゼロ埋めによりデータ点数が倍になるので、4点となる。なお、図13のグラフにおいて、縦軸の強度値は正規化して描画している。
このように、理想的な反射信号及び主干渉信号のデジタル信号において、一部の例外を除いたハミング窓等の窓関数を想定したFFTを用いて計測点数ごとのパワースペクトルに変換する場合、当該信号のピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数は2点となり、さらにゼロ埋めを行うFFTを用いて計測点数ごとのパワースペクトルに変換する場合、当該信号のピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数は、2×Npadと表すことができる。
実際には、データ取得の際にジッターやノイズ等の影響により、計測点数ごとのパワースペクトルに変換した信号におけるピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数は、左右の1点程度広がる可能性がある。これを考慮し、計測点数ごとのパワースペクトルに変換した信号におけるピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が2×Npad+2未満である場合、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号は、理想的、すなわち、タイミングのずれが小さいと見なすことができる。また、このことをピーク所定幅にまで拡張し、計測点数ごとのパワースペクトルに変換した信号におけるピーク所定値幅の範囲に含まれる計測点数が所定数未満である場合、反射信号及び主干渉信号のデジタル信号は、タイミングのずれが小さい理想的な状態であると見なすことができる。
本実施形態では、図12及び図13において、ピーク半値幅が半値全幅である例を示したが、これに限定されるものではない。ピーク半値幅は、半値半幅であってもよい。同様に、ピーク所定値幅は、所定値全幅であってもよいし、所定値半幅であってもよい。
[可変遅延量の設定手順]
図14は、一実施形態におけるコントローラ110が行う処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。図15は、一実施形態におけるコントローラ110が行う処理手順の他の例を説明するためのフローチャートである。図16は、一実施形態におけるコントローラ110が行う処理手順のさらに他の例を説明するためのフローチャートである。
以下の説明では、最大数max(maxは2以上の整数)とmax個の遅延量Dn(n=1、2、…、max)とに値が格納されており、メモリ等の記憶手段にあらかじめ記憶されているものとする。
(具体例1:可変遅延量設定処理S210の処理手順)
可変遅延量設定処理S210では、複数のピーク強度における最大値に基づいて、可変遅延量が設定される。
図14に示すように、最初に、可変遅延量設定部195は、添字nに“1”を設定する(S211)。添字nは、max個の遅延量のうちの1つを指し示す添字である。各遅延量Dnには、異なる遅延時間を表す値が格納されており、各値は、例えば昇順又は降順に、並べられている。
次に、可変遅延量設定部195は、あらかじめ記憶されたmax個の遅延量のうち、添字nに対応する遅延量Dnを読み出し、読み出した遅延量Dnを可変遅延量に設定する(S212)。具体的には、可変遅延量設定部195は、ステップS212で読みだした遅延量Dnに基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を可変遅延線191に出力する。これにより、可変遅延線191が生成する可変遅延量が設定される。
次に、波長掃引光源140は光を投光し、主干渉計150で生成された反射信号がAD変換部181によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて変換された周波数信号を得る(S213)。ステップS213における反射信号は、デジタル信号に変換される際に、ステップS212で設定された可変遅延量に基づく補正信号でサンプリング周期が補正されている。また、説明を省略する主干渉信号の場合についても、同様に、ステップS212で設定された可変遅延量に基づく補正信号でサンプリング周期が補正される。
次に、可変遅延量設定部195は、ステップS213で得られた周波数信号を解析してピーク強度を検出し、検出したピーク強度の値を添字nに対応する強度Inに格納する(S214)。値が格納された強度Inは、メモリ等の記憶手段に記憶される。これにより、遅延量Dnを設定したときのピーク強度の値が取得される。
次に、可変遅延量設定部195は、添字nが最大数maxに等しいか否かを判定する(S215)。
ステップS215の判定の結果、添字nが最大数maxに等しくない場合、可変遅延量設定部195は、添字nに“1”を加算し(ステップS216)、ステップS212に戻る。そして、添字nが最大数maxに等しくなるまで、ステップS212からステップS215までが繰り返される。
一方、ステップS215の判定の結果、添字nが最大数maxに等しい場合、max個全ての遅延量について、反射信号のデジタル信号がFFTを用いて周波数信号に変換され、当該周波数信号のピーク強度を検出し終えたことになる。この場合、S214で検出し、格納されたmax個の強度Inのうちの最大値を示すものが、タイミングのずれが最も小さい反射信号のデジタル信号について、FFTを用いて変換した周波数信号のピーク強度であると考えられる。よって、可変遅延量設定部195は、記憶されたmax個の強度Inの中から最大値を示す強度Inを検索する(S217)。
そして、可変遅延量設定部195は、ステップS217で検索した強度Inの添字nに対応する遅延量Dnを読み出し、読み出した遅延量Dnを可変遅延量に設定する(S218)。具体的には、ステップS212と同様に、可変遅延量設定部195は、ステップS217で読み出した遅延量Dnに基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を可変遅延線191に出力する。これにより、可変遅延線191が生成する可変遅延量に、反射信号のデジタル信号が変換された周波数信号において、ピーク強度が最大値となる遅延量が設定される。
このように、可変遅延量設定部195は、複数の主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値と、複数の反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する。これにより、複数のピーク強度のうちの最大値に基づいて可変遅延量が設定されるので、1つの主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度、又は、1つの反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度に基づいて可変遅延量を設定する場合と比較して、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれをさらに低減する可変遅延量を設定することができる。
(具体例2:可変遅延量設定処理S230の処理手順)
可変遅延量設定処理S230では、複数のピーク所定値幅における最小値に基づいて、可変遅延量が設定される。なお、図15に示す例では、ピーク所定値幅として、ピーク半値幅を用いる場合について説明する。
なお、可変遅延量設定処理S230のステップS231からステップS233までの各ステップは、上述した可変遅延量設定処理S210のステップS211からステップS213までの各ステップと同一又は略同一であるため、それぞれの説明を省略する。
図15に示すように、ステップS233の後、可変遅延量設定部195は、ステップS233で得られた周波数信号を解析してピークを検出する(S234)。検出されるピークは、周波数信号において、ピーク強度が最大値を示すピークである。
次に、可変遅延量設定部195は、ステップS234で検出したピークに対するピーク半値幅を算出し、算出したピーク半値幅の値を添字nに対応する半値幅FWHMnに格納する(S235)。算出されるピーク半値幅は、例えば半値全幅(FWHM)である。値が格納された半値幅FWHMnは、メモリ等の記憶手段に記憶される。これにより、遅延量Dnを設定したときのピーク半値幅の値が取得される。
次に、可変遅延量設定部195は、添字nが最大数maxに等しいか否かを判定する(S236)。
ステップS236の判定の結果、添字nが最大数maxに等しくない場合、可変遅延量設定部195は、添字nに“1”を加算し(ステップS237)、ステップS232に戻る。そして、添字nが最大数maxに等しくなるまで、ステップS232からステップS236までが繰り返される。
一方、ステップS236の判定の結果、添字nが最大数maxに等しい場合、max個全ての遅延量について、反射信号のデジタル信号がFFTを用いて周波数信号に変換され、当該周波数信号のピークを検出してピーク半値幅が算出し終えたことになる。この場合、ステップS235で算出し、格納されたmax個の半値幅FWHMnのうちの最小値を示すものが、タイミングのずれが最も小さい反射信号のデジタル信号について、FFTを用いて変換した周波数信号のピーク半値幅であると考えられる。よって、可変遅延量設定部195は、記憶されたmax個の半値幅FWHMnの中から最小値を示す半値幅FWHMnを検索する(S238)。
そして、可変遅延量設定部195は、ステップS238で検索した半値幅FWHMnの添字nに対応する遅延量Dnを読み出し、読み出した遅延量Dnを可変遅延量に設定する(S239)。具体的には、ステップS232と同様に、可変遅延量設定部195は、ステップS238で読み出した遅延量Dnに基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を可変遅延線191に出力する。これにより、可変遅延線191が生成する可変遅延量に、反射信号のデジタル信号が変換された周波数信号において、ピーク半値幅が最小値となる遅延量が設定される。
このように、可変遅延量設定部195は、複数の主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅の最小値と、複数の反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅の最小値とのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する。これにより、複数のピーク所定値幅のうちの最小値に基づいて可変遅延量が設定されるので、1つの主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅、又は、1つの反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に基づいて可変遅延量を設定する場合と比較して、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれをさらに低減する可変遅延量を設定することができる。
(具体例3:可変遅延量設定処理S250の処理手順)
可変遅延量設定処理S250では、周波数信号のピーク所定値幅に含まれる計測点数が所定数未満となるように、可変遅延量が設定される。なお、図16に示す例では、ピーク所定値幅としてピーク半値幅を用い、所定数として2×Npad+2を用いる場合について、説明する。
なお、可変遅延量設定処理S250のステップS251からステップS252までの各ステップは、上述した可変遅延量設定処理S230のステップS231からステップS232までの各ステップと同一又は略同一であるため、それぞれの説明を省略する。
図16に示すように、ステップS252の後、波長掃引光源140は光を投光し、主干渉計150で生成された反射信号がAD変換部181によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換された信号を得る(S253)。ステップS253における反射信号は、デジタル信号に変換される際に、ステップS252で設定された可変遅延量に基づく補正信号でサンプリング周期が補正されている。また、説明を省略する主干渉信号の場合についても、同様に、ステップS252で設定された可変遅延量に基づく補正信号でサンプリング周期が補正される。
次に、可変遅延量設定部195は、ステップS252で得られた、計測点数ごとのパワースペクトルに変換した信号を解析してピークを検出する(S254)。検出されるピークは、当該信号において、ピーク強度が最大値を示すピークである。
次に、可変遅延量設定部195は、ステップS254で検出したピークに対するピーク半値幅を算出し、算出したピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数を添字nに対応する半値幅FWHMnに格納する(S255)。算出されるピーク半値幅は、例えば半値全幅(FWHM)である。計測点数が格納された半値幅FWHMnは、メモリ等の記憶手段に記憶される。これにより、遅延量Dnを設定したときのピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が取得される。
次に、可変遅延量設定部195は、ステップS255で半値幅FWHMnに格納した、算出したピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が、2×Npad+2未満(半値幅FWHMn<2×Npad+2)であるか否かを判定する(S256)。
ステップS256の判定の結果、半値幅FWHMnに格納されたピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が2×Npad+2未満でない、つまり、半値幅FWHMnの計測点数が2×Npad+2以上(半値幅FWHMn≧2×Npad+2)である場合、可変遅延量設定部195は、添字nが最大数maxに等しいか否かを判定する(S257)。
ステップS257の判定の結果、添字nが最大数maxに等しくない場合、可変遅延量設定部195は、添字nに“1”を加算し(ステップS258)、ステップS252に戻る。そして、半値幅FWHMnに格納されたピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が2×Npad+2未満になるまで、あるいは、添字nが最大数maxに等しくなるまで、ステップS252からステップS257又はステップS258までが繰り返される。
一方、ステップS257の判定の結果、添字nが最大数maxに等しい場合、max個全ての遅延量について、半値幅FWHMnに格納されたピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が2×Npad+2未満となるものがないことになる。この場合、可変遅延量設定処理S250を終了する。そして、例えば、ファイバが長すぎるか、あるいは、計測対象物Tが遠くに置かれている等のハードウェアに何らかの原因があると考えられるので、コントローラ110は、エラーを表示又は出力する。
また一方、ステップS256の判定の結果、半値幅FWHMnに格納されたピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数が2×Npad+2未満である場合、直近のステップS255で格納された半値幅FWHMnの計測点数が、タイミングのずれが所定値未満である反射信号のデジタル信号について、FFTを用いて計測点数ごとのパワースペクトルに変換した信号のピーク半値幅の範囲に含まれる計測点数であると考えられる。よって、可変遅延量設定部195は、直近のステップS255で算出し、格納された半値幅FWHMnの添字nに対応する遅延量Dnを読み出し、読み出した遅延量Dnを可変遅延量に設定する(S259)。具体的には、ステップS252と同様に、可変遅延量設定部195は、ステップS259で読み出した遅延量Dnに基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を可変遅延線191に出力する。これにより、可変遅延線191が生成する可変遅延量に、反射信号のデジタル信号が変換された周波数信号において、ピーク半値幅が所定値未満となる遅延量が設定される。
このように、可変遅延量設定部195は、主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数と、反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数とのうち、少なくとも一方が所定数未満となるように、可変遅延量を設定する。これにより、主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延量を、簡易に設定することができる。
なお、本実施形態で説明したシーケンス及びフローチャートは、処理に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えてもよい。
また、本実施形態で説明した処理は、例えば、コントローラの電源オン時の初期設定で実行されてもよいし、計測対象物Tの距離を計測するごとに、毎回実行してもよい。
さらに、可変遅延量は、本実施形態で説明した手順で設定される場合に限定されるものではない。可変遅延量の設定手順は、上述したものの他に、以下のものが考えられる。例えば、反射信号のデジタル信号を、FFTを用いて距離変換された信号において、センサヘッド121に形成された反射面の位置に応じたピークが検出される。そして、光ファイバ131の長さが変化すると、反射信号のデジタル信号におけるピークの位置も変化するので、このピークの位置と光ファイバ131の長さとをあらかじめ紐付けしておき、反射信号のデジタル信号におけるピークの位置によって、光ファイバ131の長さを判定し、判定された光ファイバ131の長さに基づく可変遅延量を設定してもよい。また、光ファイバ131の長さによって、ユーザが規定の複数の可変遅延量の中からいずれか一つを選択し、選択された可変遅延量を設定してもよい。また、光ファイバ131の長さ及びセンサヘッド121から計測対象物Tまでの距離と可変遅延量とをあらかじめ紐付けしておき、ユーザが光ファイバ131の長さと計測対象物Tまでのおおよその距離とを入力し、当該入力された光ファイバ131の長さ及び計測対象物Tまでのおおよその距離に基づいて可変遅延量を設定してもい。また、コントローラ110に光ファイバ131の長さに固有の専用ROM(Read Only Memory)を挿入し、当該専用ROMから読み出した値を可変遅延量に設定してもよい。さらに、反射信号のデジタル信号に周波数信号をディスプレイ等の表示手段で表示し、ユーザが、それぞれの可変遅延量が異なるいくつかの周波数信号におけるピークを見て、可変遅延量を選択若しくは入力し、設定してもよい。
本実施形態では、光干渉測距センサ100が、コントローラ110と、1つのセンサヘッドをコントローラ110に接続する1つの光ファイバを含む光ファイバケーブルとを備える例を示したが、これに限定されるものではない。光干渉測距センサは、コントローラと、2つ以上のセンサヘッドに接続する、センサヘッドと同数の光ファイバを含む光ファイバケーブルとを備えていてもよい。以下、説明の簡略化のため、光干渉測距センサが、コントローラと、2つのセンサヘッドのそれぞれに接続する2つの光ファイバを含む光ファイバケーブルとを備える場合の構成について説明する。
[2つのセンサヘッドに接続する場合の光干渉測距センサの構成]
図17は、2つのセンサヘッドに接続する場合の光干渉測距センサの構成概要を示す模式図である。なお、図17では、図10に示す光干渉測距センサ100と同一又は類似の構成について同一又は類似の符号を付し、その説明を適宜省略する。また、図10に示す光干渉測距センサ100と同様の構成による同様の作用効果については、逐次言及しない。
図17に示すように、光干渉測距センサ101は、コントローラ110と、コントローラ110とセンサヘッド121及びセンサヘッド122とを接続する光ファイバケーブル130とを備える。図17に示す光ファイバケーブル130は、図10に示す光ファイバケーブル130と比較して、光ファイバ132をさらに含む点で相違する。また、図17に示すコントローラ110は、図10に示すコントローラ110と比較して、主干渉計150が第1主干渉計151及び第2主干渉計152を含み、第1フォトダイオード113、増幅回路115、可変遅延線192、補正信号生成部172、及びAD変換部182をさらに備える点で相違する。
光ファイバケーブル130は、光ファイバ131と光ファイバ132とを含んで構成される。光ファイバケーブル130は、コントローラ110並びにセンサヘッド121及びセンサヘッド122のそれぞれに、着脱自在、つまり、取り付け及び取り外しが可能に構成されている。光ファイバ131は長さL1を有し、光ファイバ132は長さL2を有する。光ファイバ131の長さL1は、計測対象物T1までの距離に基づいて設定されており、光ファイバ132の長さL2は、計測対象物T2までの距離に基づいて設定されている。計測対象物T2は、計測対象物T1とは異なる距離、図17に示す例では遠い距離、に存在する対象物を想定している。そのため、光ファイバ132の長さL2は、光ファイバ131の長さL1よりも長くなっている(長さL2>長さL1)。
主干渉計150は、2つの光路(2チャネル)を有しており、第1主干渉計151と第2主干渉計とを含んで構成される。
第1主干渉計151は、光ファイバケーブル130の光ファイバ131に接続されており、波長掃引光源140から投光された光を、光ファイバ131を介してセンサヘッド121に供給し、さらに、センサヘッド121からの戻り光を第1フォトダイオード112に導く。
具体的には、第1主干渉計151からセンサヘッド121に導かれた光は、測定光として、例えば、センサヘッド121に配置されたコリメートレンズや対物レンズを介して、計測対象物Tに照射される。そして、当該計測対象物Tでの反射光がセンサヘッド121に戻る。
また、第1主干渉計151からセンサヘッド121に導かれた光の一部は、参照光として、例えば、光ファイバ131の先端等に設けられた参照面で反射される。そして、上述した測定光と当該参照光とが干渉することにより、測定光及び参照光の光路長差に応じた干渉光(「主干渉信号」ともいう)が生成される。
このように、第1主干渉計151は、波長掃引光源140から投光された光が供給され、センサヘッド121により計測対象物Tに照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る第1参照光とに基づく主干渉信号を生成する。なお、波長掃引光源から投光された光が供給され、主干渉信号を生成するということから、第1主干渉計151にセンサヘッド121を含めて第1主干渉計と言うこともできる。第1主干渉計は、図10に示す主干渉計150と同様に、反射面による反射光と参照光とに基づく反射信号も生成する。
第2主干渉計152は、光ファイバケーブル130の光ファイバ132に接続されており、波長掃引光源140から投光された光を、光ファイバ132を介してセンサヘッド122に供給し、さらに、センサヘッド122からの戻り光を第1フォトダイオード113に導く。
具体的には、第2主干渉計152からセンサヘッド122に導かれた光は、測定光として、例えば、センサヘッド122に配置されたコリメートレンズや対物レンズを介して、計測対象物Tに照射される。そして、当該計測対象物Tでの反射光がセンサヘッド122に戻る。
また、第2主干渉計152からセンサヘッド122に導かれた光の一部は、参照光として、例えば、光ファイバ132の先端等に設けられた参照面で反射される。そして、上述した測定光と当該第2参照光とが干渉することにより、測定光及び参照光の光路長差に応じた干渉光(「主干渉信号」ともいう)が生成される。
このように、第2主干渉計152は、波長掃引光源140から投光された光が供給され、第2センサヘッド122により計測対象物Tに照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する。なお、波長掃引光源から投光された光が供給され、主干渉信号を生成するということから、第2主干渉計152にセンサヘッド122を含めて第2主干渉計と言うこともできる。第2主干渉計は、図10に示す主干渉計150と同様に、反射面による反射光と参照光とに基づく反射信号も生成する。
第1フォトダイオード112は、第1主干渉計151によって生成された主干渉信号を受光して電気信号に変換する。第1フォトダイオード113は、第2主干渉計152によって生成された主干渉信号を受光して電気信号に変換する。
増幅回路115は、第1フォトダイオード113から入力された電気信号を、所定の利得で増幅する。第1フォトダイオード113から電流信号が入力される場合、増幅回路115は、当該電流信号を電圧信号に変換して増幅する。増幅された電気信号は、AD変換部182に出力される。
第2フォトダイオード116は、副干渉計160の光ファイバ163を伝搬した副干渉信号を受光して電気信号である副干渉計信号に変換する。第2フォトダイオード116は、変換した電気信号を可変遅延線191と可変遅延線192とに出力する。なお、第2フォトダイオード116から出力される電気信号を、可変遅延線191と可変遅延線192とに分岐する場合、反射を防ぐように、第2フォトダイオード116と可変遅延線191及び可変遅延線192との間でインピーダンスマッチング(インピーダンス整合)がされてもよい、
可変遅延線192は、可変遅延量を生成するように構成されている。本実施形態の可変遅延線192は、本発明における「可変遅延量生成部」の一例に相当する。
より詳細には、可変遅延線192は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延量に応じた遅延を発生させて補正信号生成部171に出力するように構成されている。可変遅延線192の可変遅延量は、可変遅延量設定部195から入力される制御信号に従って生成される。よって、可変遅延線192が生成する可変遅延量は、可変遅延線191が生成する可変遅延量と同じである場合もあれば、異なる場合もある。
可変遅延線192は、電気信号の伝搬を遅らせる電子部品であり、当該遅れが変更可能であるもの、例えばプログラマブルディレイラインを含んで構成される。なお、可変遅延線191の電子部品は、プログラマブルディレイラインに限定されるものではなく、可変遅延量に応じた変更可能な遅延(遅れ)を電気信号に発生させるものであれば、他の電子部品であってもよい。また、可変遅延線192は、その構造、種類、数等は問わない。
補正信号生成部172は、副干渉信号と可変遅延線192の可変遅延量とに基づいて、補正信号(「Kクロック信号」、又は単に「Kクロック」ともいう)を生成するように構成されている。補正信号は、第2主干渉計152が生成する主干渉信号のサンプリング周期を補正する信号である。副干渉信号は、掃引時における波長の非線形性から、第2主干渉計152の主干渉信号と同様に非線形であるため、補正信号生成部172は、当該副干渉信号に基づいて掃引時における波長の非線形性を把握することで、第2主干渉計152の主干渉信号のアナログ信号を適切にサンプリングしてAD変換するための補正信号、つまり、Kクロック信号を生成することができる。
なお、補正信号生成部172において適切な補正信号を生成するためには、第1フォトダイオード113で受光する第2主干渉計152の主干渉信号の非線形性を、補正信号生成部172で適切に把握される必要がある。このためには、第2主干渉計152の主干渉信号と副干渉信号との特性(非線形性)を整合させておくことが好ましい。
より詳細には、補正信号生成部172は、遅延副干渉計信号に基づいて、補正信号を生成するように構成されている。すなわち、補正信号は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に遅延を発生させた信号に基づいて、生成される。当該遅延は、上述した可変遅延線192の可変遅延量に応じた時間である。
また、補正信号生成部172は、副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に可変遅延線192の可変遅延量に応じた遅延を発生させた信号に基づいて、補正信号であるパルス信号を生成してもよい。
AD変換部182は、第2主干渉計152の主干渉信号を電気信号に変換させた主干渉計信号を、補正信号生成部172の補正信号に基づいてサンプリングしてデジタル信号に変換するように構成されている。AD変換部182に入力される第2主干渉計152の主干渉信号は、アナログ信号の波の間隔が等間隔ではない。AD変換部182は、当該主干渉信号における波の間隔が等間隔になるように、補正信号生成部172の補正信号、つまり、Kクロック信号に基づいて補正したサンプリング周期(サンプリング間隔)で、主干渉信号のアナログ信号をサンプリングしてAD変換する。
可変遅延量設定部195は、補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定するように構成されている。
可変遅延量設定部195には、AD変換部181によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて当該デジタル信号を周波数に変換された信号と、AD変換部182によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて当該デジタル信号を周波数に変換された信号とが入力される。可変遅延量設定部195は、AD変換部181によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて当該デジタル信号を周波数に変換された信号に基づいて、可変遅延線191の可変遅延量を設定するように構成されている。また、可変遅延量設定部195は、AD変換部182によってデジタル信号に変換され、処理部118によってFFTを用いて当該デジタル信号を周波数に変換された信号に基づいて、可変遅延線192の可変遅延量を設定するように構成されている。
可変遅延量設定部195に入力される信号は、第1主干渉計151の主干渉信号のデジタル信号をFFTで周波数に変換した信号、及び、第1主干渉計151の反射信号のデジタル信号をFFTで周波数に変換した信号、並びに、第2主干渉計152の主干渉信号のデジタル信号をFFTで周波数に変換した信号、及び、第2主干渉計152の反射信号のデジタル信号をFFTで周波数に変換した信号、である。あるいは、可変遅延量設定部195に入力される信号は、第1主干渉計151の主干渉信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号、及び、第1主干渉計151の反射信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号、並びに、第2主干渉計152の主干渉信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号、及び、第2主干渉計152の反射信号のデジタル信号をFFTで計測点数(データ点数)ごとのパワースペクトルに変換した信号でもよい。また、可変遅延量設定部195が設定する可変遅延量は、可変遅延線191が生成する可変遅延量と、可変遅延線192が生成する可変遅延量との2つの可変遅延量である。
可変遅延線191の可変遅延量と可変遅延線192の可変遅延量とは、それぞれ、上述の図14から図16に示す可変遅延量設定処理のうちの1つを実行することで設定してもよい。また、可変遅延線191の可変遅延量と可変遅延線192の可変遅延量との設定は、並列(パラレル)に行ってもよいし、所定の順序で直列(シリアル)に行ってもよい。
このように、主干渉計150が2つの光路(2チャネル)を有し、2つの光ファイバ131及び光ファイバ132を含む光ファイバケーブル130でセンサヘッド121及びセンサヘッド121に接続する場合でも、第1主干渉計151の主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延線191の可変遅延量、及び、第2主干渉計152の主干渉信号及び反射信号と副干渉信号との間に発生し得るタイミングのずれを低減する可変遅延線192の可変遅延量を、それぞれ、設定することができる。
[干渉計の変形例]
上述した実施形態では、光干渉測距センサ100,101は、主干渉計150において光ファイバの先端を参照面とすることで参照光を発生させるフィゾー干渉計を用いていたが、干渉計は、これに限定されるものではない。
図18は、測定光と参照光とを用いて干渉光を発生させる干渉計のバリエーションを示す図である。図18(a)では、主干渉計150を経由する光路において、光ファイバの先端(端面)を参照面とする参照光と、センサヘッドから照射され計測対象物Tで反射される測定光との光路長差に基づいて干渉光が生成される。上述した実施形態に係る光干渉測距センサ100,101の主干渉計150の構成であり(フィゾー型干渉計)、当該参照面は、光ファイバと空気との屈折率の違いによって光が反射するように構成されていてもよい(フレネル反射)。また、光ファイバの先端に反射膜をコーティングしてもよいし、光ファイバの先端に無反射コーティングを施して、別途、レンズ面等の反射面を配置してもよい。
図18(b)では、主干渉計150を経由する光路において、計測対象物Tに測定光を導く測定光路Lmと、参照光を導く参照光路Lrとを形成し、参照光路Lrの先には参照面が配置されている(マイケルソン型干渉計)。参照面は、光ファイバの先端に反射膜をコーティングしてもよいし、光ファイバの先端に無反射コーティングを施して、別途、ミラー等を配置してもよい。当該構成では、測定光路Lmの光路長と参照光路Lrの光路長とで光路長差を設けることによって干渉光が生成される。
図18(c)では、主干渉計150を経由する光路において、計測対象物Tに測定光を導く測定光路Lmと、参照光を導く参照光路Lrとを形成し、参照光路Lrには、バランスディテクタが配置されている(マッハツェンダ型干渉計)。当該構成では、測定光路Lmと参照光路Lrの光路長とで光路長差を設けることによって、干渉光が生成される。
このように、主干渉計は、実施形態で説明したフィゾー型干渉計に限定されるものではなく、例えば、マイケルソン型干渉計やマッハツェンダ型干渉計であってもよいし、測定光と参照光との光路長差を設定することによって干渉光を発生させることができれば、どのような干渉計を適用してもよいし、これらの組み合わせ等やその他の構成を適用してもよい。また、図示しない副干渉計についても、同様に、フィゾー型干渉計、マイケルソン型干渉計、及びマッハツェンダ型干渉計のいずれであってもよいし、測定光と参照光との光路長差を設定することによって干渉光を発生させることができれば、どのような干渉計を適用してもよいし、これらの組み合わせ等やその他の構成を適用してもよい。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。すなわち、実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
[付記1]
計測対象物(T)に光を照射するセンサヘッド(121)に、光ファイバケーブル(130)を介して接続されるコントローラ(110)であって、
波長を変化させながら光を投光する光源(140)と、
光ファイバケーブル(130)に含まれる光ファイバ(131)を介してセンサヘッド(121)に接続される主干渉計(150)であって、光源(140)から投光された光が供給され、センサヘッド(121)により計測対象物(T)に照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する主干渉計(150)と、
光源(140)から投光された光が供給され、異なる光路を辿る2つの光に基づく副干渉信号を生成する副干渉計(160)と、
可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、
副干渉信号と可変遅延量とに基づいて、主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部(171)と、
主干渉信号と補正信号とに基づいて、計測対象物(T)までの距離を計測する処理部(118)と、
補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計(150)で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する可変遅延量設定部(195)と、を備える、
コントローラ(110)。
[付記11]
コントローラ(110)と、該コントローラ(110)に接続される光ファイバケーブル(130)とを含む光干渉測距センサ(100)であって、
コントローラ(110)は、
波長を変化させながら光を投光する光源(140)と、
光ファイバケーブル(130)に含まれる光ファイバ(131)を介してセンサヘッド(121)に接続される主干渉計(150)であって、光源(140)から投光された光が供給され、センサヘッド(121)により計測対象物(T)に照射して反射される測定光と、測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する主干渉計(150)と、
光源(140)から投光された光が供給され、異なる光路を辿る2つの光に基づく副干渉信号を生成する副干渉計(160)と、
可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、
副干渉信号と可変遅延量とに基づいて、主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部(171)と、
主干渉信号と補正信号とに基づいて、計測対象物(T)までの距離を計測する処理部(118)と、
補正信号に基づいてサンプリングされた主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、主干渉計(150)で生成される反射信号のデジタル信号であって、補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、可変遅延量を設定する可変遅延量設定部(195)と、を備える、
光干渉測距センサ(100)。
1…センサシステム、10…変位センサ、11…制御機器、12…制御信号入力用センサ、13…外部接続機器、20…センサヘッド、21…対物レンズ、22a…コリメートレンズ、22b…コリメートレンズ、22c…コリメートレンズ、23…レンズホルダ、24…光ファイバアレイ、30…コントローラ、31…表示部、32…設定部、33…外部I/F部、34…光ファイバ接続部、35…外部記憶部、36…計測処理部、40…光ファイバ、51…波長掃引光源、52…光増幅器、53,53a,53b…アイソレータ、54,54a,54b,54c,53d,54e,54f,54g,54h,54i,54j…光カプラ、55…減衰器、56a,56b,56c…受光素子、57a,57b,57c…増幅回路、58a,58b,58c…AD変換部、59…処理部、60…バランスディテクタ、61…補正信号生成部、71a,71b,71c,71d,71e…受光素子、72a72b,72c…増幅回路,74a,74b,74c…AD変換部、75…処理部、76…差動増幅回路、77…補正信号生成部、100,101…光干渉測距センサ、110…コントローラ、111…光分岐部、112,113…第1フォトダイオード、114,115…増幅回路、116…第2フォトダイオード、118…処理部、121,122…センサヘッド、130…光ファイバケーブル、131,132…光ファイバ、140…波長掃引光源、150…主干渉計、151…第1主干渉計、152…第2主干渉計、160…副干渉計、161…第1光カプラ、162…第2光カプラ、163…光ファイバ、171,172…補正信号生成部、181,182…AD変換部、191,192…可変遅延線、195…可変遅延量設定部、Lm…測定光路、Lr…参照光路、T,T1,T2…計測対象物。

Claims (11)

  1. 計測対象物に光を照射するセンサヘッドに、光ファイバケーブルを介して接続されるコントローラであって、
    波長を変化させながら光を投光する光源と、
    前記光ファイバケーブルに含まれる光ファイバを介して前記センサヘッドに接続される主干渉計であって、前記光源から投光された光が供給され、前記センサヘッドにより前記計測対象物に照射して反射される測定光と、前記測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する主干渉計と、
    前記光源から投光された光が供給され、異なる光路を辿る2つの光に基づく副干渉信号を生成する副干渉計と、
    可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、
    前記副干渉信号と前記可変遅延量とに基づいて、前記主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部と、
    前記主干渉信号と前記補正信号とに基づいて、前記計測対象物までの距離を計測する処理部と、
    前記補正信号に基づいてサンプリングされた前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、前記主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、前記補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、前記可変遅延量を設定する可変遅延量設定部と、を備える、
    コントローラ。
  2. 前記可変遅延量設定部は、前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度と、前記反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度とのうち、少なくとも一方に基づいて、前記可変遅延量を設定する、
    請求項1に記載のコントローラ。
  3. 前記可変遅延量設定部は、複数の前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値と、複数の前記反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク強度の最大値とのうち、少なくとも一方に基づいて、前記可変遅延量を設定する、
    請求項2に記載のコントローラ。
  4. 前記可変遅延量設定部は、前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅と、前記反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅とのうち、少なくとも一方に基づいて、前記可変遅延量を設定する、
    請求項1に記載のコントローラ。
  5. 前記可変遅延量設定部は、複数の前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅の最小値と、複数の前記反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅の最小値とのうち、少なくとも一方に基づいて、前記可変遅延量を設定する、
    請求項4に記載のコントローラ。
  6. 前記可変遅延量設定部は、前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数と、前記反射信号のデジタル信号に基づく信号におけるピーク所定値幅に含まれる計測点数とのうち、少なくとも一方が所定数未満となるように、前記可変遅延量を設定する、
    請求項1に記載のコントローラ。
  7. 前記反射信号は、前記光源から投光されて前記主干渉計に供給される光の一部が当該主干渉計において形成される反射面を有する部材によって反射されることにより生成される、
    請求項1に記載のコントローラ。
  8. 前記可変遅延量生成部は、前記副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に前記可変遅延量に応じた遅延を発生させて前記補正信号生成部に出力する可変遅延線を含む、
    請求項1に記載のコントローラ。
  9. 前記補正信号生成部は、前記副干渉信号を電気信号に変換させた副干渉計信号において、時間軸方向に前記可変遅延量に応じた遅延を発生させた信号に基づいて、前記補正信号であるパルス信号を生成する、
    請求項1に記載のコントローラ。
  10. 前記主干渉信号を電気信号に変換させた主干渉計信号を、前記補正信号に基づいてサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換部をさらに備える、
    請求項1に記載のコントローラ。
  11. コントローラと、該コントローラに接続される光ファイバケーブルとを含む光干渉測距センサであって、
    前記コントローラは、
    波長を変化させながら光を投光する光源と、
    前記光ファイバケーブルに含まれる光ファイバを介してセンサヘッドに接続される主干渉計であって、前記光源から投光された光が供給され、前記センサヘッドにより計測対象物に照射して反射される測定光と、前記測定光とは少なくとも一部異なる光路を辿る参照光とに基づく主干渉信号を生成する主干渉計と、
    前記光源から投光された光が供給され、異なる光路を辿る2つの光に基づく副干渉信号を生成する副干渉計と、
    可変遅延量を生成する可変遅延量生成部と、
    前記副干渉信号と前記可変遅延量とに基づいて、前記主干渉信号のサンプリング周期を補正する補正信号を生成する補正信号生成部と、
    前記主干渉信号と前記補正信号とに基づいて、前記計測対象物までの距離を計測する処理部と、
    前記補正信号に基づいてサンプリングされた前記主干渉信号のデジタル信号に基づく信号におけるピークと、前記主干渉計で生成される反射信号のデジタル信号であって、前記補正信号に基づいてサンプリングされたデジタル信号に基づく信号におけるピークとのうち、少なくとも一方に基づいて、前記可変遅延量を設定する可変遅延量設定部と、を備える、
    光干渉測距センサ。
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