JP2024048056A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリープからの復帰時間を短縮しつつ、スリープ機能による消費電力の削減効果を高める。【解決手段】画像形成装置1は、主電源からの電力を、ノーマルモード時には装置制御部5およびエンジン制御部21に供給し、スリープモード時には装置制御部5に供給するがエンジン制御部21には供給しない電力管理部27と、電気二重層コンデンサーからなる補助電源9と、電力管理部27からの電力を補助電源9に供給するか否かを切り替える給電切替回路10と、補助電源9の電力を消費するRTC8とを備え、装置制御部5は、給電切替回路10を制御し、ノーマルモード時には電力管理部27からの電力を補助電源9に供給し、スリープモード時には電力管理部27からの電力の補助電源9への供給を停止し、エンジン制御部21は、スリープモードからノーマルモードへの移行時に補助電源9の出力電圧に基づいてプリントエンジンの調整処理を選定する。【選択図】図2
Description
本発明は、消費電力を削減するスリープ機能を有する画像形成装置に関する。
複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)、プリンター等の画像形成装置は、パーソナルコンピューター、サーバー等の外部機器と通信を行う通信部、操作スイッチおよびディスプレイを備えたユーザーインターフェース、用紙等の記録媒体に画像を印刷するプリントエンジン、並びに、これら通信部、ユーザーインターフェースおよびプリントエンジンを制御する制御部を備えている。電子写真方式の画像形成装置の場合、プリントエンジンには、像担持体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、並びに記録媒体の供給、搬送および排出を行う記録媒体搬送装置等が含まれる。
制御部は、CPU(中央演算処理装置)およびメモリー等を有している。画像形成装置の中には、このような制御部を複数備えたものがある。具体的には、画像形成装置の中には、通信部の制御、ユーザーインターフェースの制御および画像形成装置の全体的な制御を行う制御部である装置制御部と、プリントエンジンの制御を行う制御部であるエンジン制御部とを備えたものがある。
また、多くの画像形成装置は、消費電力を削減するスリープ機能を有している。スリープ機能は、省電力機能、省エネ機能または節電機能などと呼ばれることもある。画像形成装置は、外部機器からのプリントジョブ等の入力や、ユーザーによる操作入力等をきっかけに印刷処理等を実行するが、これらの入力のない状態が所定時間を超えて継続した場合には、ノーマルモードからスリープモードに移行する。エンジン制御部と装置制御部とを備えた画像形成装置においては、スリープモードに移行したとき、エンジン制御部およびプリントエンジンに対する電力の供給が停止される。しかしながら、スリープモード時であっても、外部機器からのプリントジョブの入力やユーザーによる操作入力を受け取るために、装置制御部、通信部およびユーザーインターフェースのうちの一部または全部に対しては、電力の供給が継続される。
また、画像形成装置の中には、スリープモードからノーマルモードに移行するときに、プリントエンジンの調整処理(キャリブレーション)を行う機能を有するものがある。電子写真方式の画像形成装置の場合、プリントエンジンの調整処理には、例えば、像担持体の帯電電位の調整、転写バイアスの調整、定着装置における定着ベルトの加熱目標温度の調整、像担持体のリフレッシュ等がある。
装置制御部とエンジン制御部とを備えた画像形成装置において、調整処理は、プリントエンジンを直接的に制御するエンジン制御部により行われる。また、調整処理は、例えば、スリープモードの継続時間が所定時間を超えた場合に行われる。エンジン制御部は、例えば、スリープモードの継続時間が所定時間を超えたか否かを判断し、スリープモードの継続時間が所定時間を超えた場合に調整処理を実行する。ところが、スリープモード中はエンジン制御部に対する電力の供給が停止されているので、エンジン制御部はスリープモードの継続時間を自ら計時することは困難である。そこで、従来の画像形成装置においては、スリープモード中でも電力の供給が継続されている装置制御部が、スリープモードの継続時間を計時し、計時したスリープモードの継続時間を示す情報を、スリープモードからノーマルモードに移行するときにエンジン制御部に送信するようにしている。
しかしながら、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、スリープモードの継続時間を示す情報を装置制御部からエンジン制御部に送信するためには、まず、装置制御部とエンジン制御部との間において通信を確立し、次に、スリープモードの継続時間を示す情報を装置制御部からエンジン制御部に送信するという手順を踏まなければならない。それゆえ、従来の画像形成装置においては、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、エンジン制御部がスリープモードの継続時間を示す情報を取得するのに時間がかかる。その結果、スリープモード中に外部機器から画像形成装置にプリントジョブが入力されてから、そのプリントジョブに基づく印刷処理が実行されるまでの時間や、スリープモード中にユーザーが原稿をコピーする操作入力を画像形成装置に対して行ってから、その操作入力に基づく印刷処理が実行されるまでの時間など(以下、これらを「スリープからの復帰時間」という。)が長くなるという問題がある。
現在、この問題に対する解決方法が提供され、または既に実施されている。第1の解決方法は、スリープモード中に、例えば数十分程度の所定の周期で、エンジン制御部に電力を短時間供給してエンジン制御部を短時間動作させ、その間に、その時点におけるスリープモードの継続時間を示す情報を、装置制御部からエンジン制御部へ送信し、それをエンジン制御部が有する不揮発性のメモリーに記憶させる方法である。エンジン制御部は、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、自己が有するメモリーに記憶されているスリープモードの継続時間を示す情報を用いて、調整処理を実行するか否かを判断する。この方法によれば、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、装置制御部とエンジン制御部との間の通信の確立が不要となるので、スリープからの復帰時間を短縮することができる。
第2の解決方法は、画像形成装置に、装置制御部およびエンジン制御部の他に、CPUを備えた第3の制御部を追加し、その第3の制御部が、スリープモード中に電力の供給を受けて動作し、スリープモードの継続時間を計時し、計時したスリープモードの継続時間が所定時間を超えたか否かを判断し、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、スリープモードの継続時間が所定時間を超えたか否かの判断結果に応じて電圧レベルが変化する信号をエンジン制御部に出力する方法である。エンジン制御部は、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、第3の制御部から受け取った上記信号の電圧レベルに基づいて、調整処理を実行するか否かを判断する。第3の制御部から出力される上記信号は、ハイレベルまたはローレベルの電圧を有する単純な信号であるため、第3の制御部からエンジン制御部へ上記信号を伝達するにあたり、通信の確立などといった時間のかかる処理は不要である。それゆえ、スリープからの復帰時間を短縮することができる。下記の特許文献1の第3の実施形態、および特許文献2には、上記第2の解決方法を採用した画像形成装置が記載されている。
しかしながら、上記第1の解決方法においては、スリープモード中に、エンジン制御部に電力を供給し、装置制御部とエンジン制御部との間で通信を行う。また、上記第2の解決方法においては、スリープモード中に、上記第3の制御部に対して電力を供給し、スリープモードの継続時間が所定時間を超えたか否かを判断するといった複雑な演算処理を第3の制御部が実行する。それゆえ、第1の解決方法においても、第2の解決方法においても、スリープモード中の消費電力が増加し、スリープ機能による消費電力の削減効果が低下するという問題がある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、スリープからの復帰時間を短縮しつつ、スリープ機能による消費電力の削減効果を高めることができる画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、画像形成装置であって、外部機器との通信、ユーザーインターフェース、または当該画像形成装置においてプリントエンジンではない部分を制御する第1の制御部と、前記プリントエンジンを制御する第2の制御部と、ノーマルモード時には、主電源からの電力を前記第1の制御部および前記第2の制御部に供給し、スリープモード時には、前記主電源からの電力を前記第1の制御部に供給しかつ前記主電源からの電力の前記第2の制御部への供給を停止または制限する電力管理部と、電気二重層コンデンサーからなる補助電源と、前記主電源からの電力を前記補助電源に供給するか否かを切り替える給電切替回路と、前記補助電源の電力を消費する負荷とを備え、前記第1の制御部は、前記給電切替回路を制御することにより、前記ノーマルモード時には前記主電源からの電力を前記補助電源に供給し、前記スリープモード時には前記主電源からの電力の前記補助電源への供給を停止し、前記第2の制御部は、前記スリープモードから前記ノーマルモードへの移行時に、前記補助電源の出力電圧に基づいて前記プリントエンジンの調整処理の要否を判断することを特徴とする。
また、上記本発明の画像形成装置において、前記第2の制御部は、前記スリープモード中における前記補助電源の出力電圧の減少量に基づいて前記プリントエンジンの調整処理の要否を判断することが好ましい。また、前記補助電源の出力電圧と基準電圧との差を増幅する増幅回路を備え、前記第2の制御部は前記増幅回路の出力に基づいて前記プリントエンジンの調整処理の要否を判断するようにしてもよい。また、前記第2の制御部は、前記スリープモードから前記ノーマルモードへの移行時に、前記補助電源の出力電圧に基づいて、前記プリントエンジンの複数の調整処理の中から、前記スリープモードから前記ノーマルモードへの移行時に実行する調整処理を選定することとしてもよい。また、前記負荷はリアルタイムクロックであることが好ましい。
本発明によれば、スリープからの復帰時間を短縮しつつ、スリープ機能による消費電力の削減効果を高めることができる。
(画像形成装置)
図1は本発明の実施形態の画像形成装置1を示している。本実施形態の画像形成装置1は電子写真方式を採用した複合機であり、プリンター、コピー機およびファクシミリ等としての機能を有している。画像形成装置1は、通信部2、操作部3、原稿読取部4、および装置制御部5を備えている。通信部2は、パーソナルコンピューター、サーバー等の外部機器とコンピューターネットワークを介して通信を行う。例えば、通信部2は、外部機器からプリントジョブを受信する。また、通信部2は、他の複合機またはファクシミリ等の外部機器と電話回線を介してファクシミリ通信を行う。操作部3は、ユーザーインターフェースを構成する部分であり、操作スイッチおよびディスプレイ(表示部)等を有している。操作部3はユーザーによる操作入力を受け取る。また、操作部3は、操作に必要な情報や画像形成装置1の状態を示す情報等をディスプレイに表示して、ユーザーに提供する。原稿読取部4は、原稿上の画像を光学的に読み取り、原稿上の画像の画像データを生成する。装置制御部5は、通信部2、操作部3および原稿読取部4の制御、並びに画像形成装置1の全体的な制御を行う。
図1は本発明の実施形態の画像形成装置1を示している。本実施形態の画像形成装置1は電子写真方式を採用した複合機であり、プリンター、コピー機およびファクシミリ等としての機能を有している。画像形成装置1は、通信部2、操作部3、原稿読取部4、および装置制御部5を備えている。通信部2は、パーソナルコンピューター、サーバー等の外部機器とコンピューターネットワークを介して通信を行う。例えば、通信部2は、外部機器からプリントジョブを受信する。また、通信部2は、他の複合機またはファクシミリ等の外部機器と電話回線を介してファクシミリ通信を行う。操作部3は、ユーザーインターフェースを構成する部分であり、操作スイッチおよびディスプレイ(表示部)等を有している。操作部3はユーザーによる操作入力を受け取る。また、操作部3は、操作に必要な情報や画像形成装置1の状態を示す情報等をディスプレイに表示して、ユーザーに提供する。原稿読取部4は、原稿上の画像を光学的に読み取り、原稿上の画像の画像データを生成する。装置制御部5は、通信部2、操作部3および原稿読取部4の制御、並びに画像形成装置1の全体的な制御を行う。
装置制御部5は、CPU6、メモリー7、RTC(リアルタイムクロック)8、補助電源9および給電切替回路10を有している。CPU6は、メモリー7に記憶されたプログラムおよびデータ(または情報)を読み取って、通信部2、操作部3、原稿読取部4、および画像形成装置1全体の制御を行う。また、CPU6は、これらの制御を行うに当たり生成したデータまたは情報、通信部2により受信された画像データ、および原稿読取部4により生成された画像データ等をメモリー7に記憶する。メモリー7は、読取および書換が可能な不揮発性の記憶装置を有している。RTC8は、時計として機能する装置であり、時刻情報を生成する。CPU6はRTC8を用いて計時を行う。補助電源9および給電切替回路10については後述する。なお、装置制御部5のCPU6は「第1の制御部」の具体例である。
また、画像形成装置1は、用紙等の記録媒体に画像を印刷するプリントエンジンとして、画像形成部12、定着部18、および記録媒体搬送部19を備えている。画像形成部12は、像担持体としての感光体ドラム13、感光体ドラム13を帯電させる帯電部14、感光体ドラム13に静電潜像を形成する露光部15、感光体ドラム13に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像部16、および感光体ドラム13に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写部17等を有している。定着部18は、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させる。記録媒体搬送部19は、例えば給紙トレイ等の記録媒体収容部に収容された記録媒体を画像形成部12に供給し、記録媒体を画像形成部12から定着部18へ搬送し、定着部18によりトナー像が定着された記録媒体を例えば排紙トレイ等の記録媒体排出部に排出する。
また、画像形成装置1は、これらプリントエンジンを制御するエンジン制御部21を備えている。エンジン制御部21は、CPU22、メモリー23、および差動増幅回路24を有している。CPU22は、メモリー23に記憶されたプログラムおよびデータ(または情報)を読み取って、プリントエンジンを制御する。また、CPU22は、プリントエンジンの制御を行うに当たり生成したデータまたは情報をメモリーに記憶する。メモリー23は、読取および書換が可能な不揮発性の記憶装置を有している。差動増幅回路24については後述する。なお、エンジン制御部21のCPU22は「第2の制御部」の具体例である。
また、画像形成装置1は、画像形成装置1が置かれた環境、例えば気温および湿度等を検知する環境検知部20を備えている。環境検知部20は温度計および湿度計等を有している。
また、画像形成装置1は、AC電源(商用電源)を主電源として用いて動作する。画像形成装置1は、メイン電源スイッチ26、および電力管理部27を備えている。電力管理部27は、これまで述べてきた画像形成装置1の各構成要素に対する電力の供給を管理する部分である。電力管理部27は、詳しい図示を省略しているが、AC電源から供給される電力を用いて、画像形成装置1の上記各構成要素へ供給する電力を生成する電源回路、生成した電力を画像形成装置1の上記各構成要素に分配する回路、およびこの電力の分配を制御する電源管理用CPU等を有している。例えば、電力管理部27の電源回路は、AC電源から供給される交流の電圧を整流および降圧し、装置制御部5およびエンジン制御部21を動作させるための直流の低電圧(例えば3.3V)を生成する。
また、画像形成装置1内において、装置制御部5、エンジン制御部21および電力管理部27は、内部通信バス28を介して、相互にそれぞれ通信可能に接続されている。
また、画像形成装置1は、消費電力を削減するスリープ機能を有している。画像形成装置1の動作モードには、ノーマルモードとスリープモードがある。ノーマルモードにおいて、電力管理部27は、通信部2、操作部3、原稿読取部4および装置制御部5が属するセクションAと、プリントエンジン(画像形成部12、定着部18、記録媒体搬送部19)、環境検知部20およびエンジン制御部21が属するセクションBとの双方に電力を供給する。スリープモードにおいては、電力管理部27は、セクションAに電力を供給するが、セクションBへの電力の供給を停止する。セクションBへの電力の供給が停止されることにより、スリープモードにおける電力の消費量は、ノーマルモードにおける電力の消費量よりも少なくなる。
例えば、メイン電源スイッチ26がオンにされることによって画像形成装置1が起動し、所定の起動処理が実行された後、画像形成装置1の動作モードはノーマルモードとなる。また、ノーマルモード時において、画像形成装置1が使用されない状態、例えば、外部機器からのプリントジョブの受信、およびユーザーによる操作入力等のいずれもがない状態が所定時間を超えて継続した場合には、画像形成装置1の動作モードはノーマルモードからスリープモードに移行する。また、スリープモード時において、画像形成装置1を使用するための入力、例えば、外部機器からのプリントジョブの受信、およびユーザーによる操作入力等のいずれかがあった場合には、画像形成装置1の動作モードはスリープモードからノーマルモードに移行する。
また、画像形成装置1は、スリープモードからノーマルモードに移行するときに、プリントエンジンの調整処理を行う機能を有している。プリントエンジンの調整処理とは、プリントエンジンを構成する構成要素のキャリブレーションであり、主に、プリントエンジンの停止状態が継続したことや、プリントエンジンの停止中に画像形成装置の置かれている環境が変化したことによって生じ得るプリントエンジンの画像形成能力や記録媒体搬送能力等の低下を抑制する目的で行われるものである。
画像形成装置1におけるプリントエンジンの調整処理には、帯電電位調整処理、転写調整処理、定着調整処理およびドラムリフレッシュがある。帯電電位調整処理は、感光体ドラム13の帯電電位を調整する処理である。転写調整処理は、画像形成装置1が置かれている現在の環境(気温、湿度等)を環境検知部20により検知し、その検知結果に基づいて、転写バイアスの調整等を行う処理である。定着調整処理は、画像形成装置1が置かれている現在の環境を環境検知部20により検知し、その検知結果に基づいて、定着部18における定着ベルトの加熱目標温度の調整等を行う処理である。ドラムリフレッシュは、ローラー等を用いて感光体ドラム13の表面を研磨し、感光体ドラム13の表面の付着物等を除去する処理である。
(補助電源の出力電圧に基づく調整処理の選定)
画像形成装置1は、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、補助電源9の出力電圧に基づいて、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行するプリントエンジンの調整処理を、プリントエンジンの複数の調整処理の中から選定する機能を有している。図2は、画像形成装置1において、このプリントエンジンの調整処理の選定に関する主な構成を示している。図2に示すように、装置制御部5が有するCPU6、メモリー7、RTC8、補助電源9、および給電切替回路10は、装置制御部用の基板31上に設けられている。なお、基板31には、電力管理部27からの電力をCPU6およびメモリー7にそれぞれ供給する回路、およびCPU6を内部通信バス28に接続する回路等が設けられているが、これらについては図示を省略している。
画像形成装置1は、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、補助電源9の出力電圧に基づいて、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行するプリントエンジンの調整処理を、プリントエンジンの複数の調整処理の中から選定する機能を有している。図2は、画像形成装置1において、このプリントエンジンの調整処理の選定に関する主な構成を示している。図2に示すように、装置制御部5が有するCPU6、メモリー7、RTC8、補助電源9、および給電切替回路10は、装置制御部用の基板31上に設けられている。なお、基板31には、電力管理部27からの電力をCPU6およびメモリー7にそれぞれ供給する回路、およびCPU6を内部通信バス28に接続する回路等が設けられているが、これらについては図示を省略している。
補助電源9は電気二重層コンデンサーにより形成されている。また、補助電源9にはRTC8が接続されている。補助電源9の基本的な役割は、画像形成装置1の電源が完全にオフである間(例えば、メイン電源スイッチ26がオフである間など)に、RTC8に電力を供給し、RTC8を動作させることである。さらに、本実施形態における補助電源9には、スリープモード時にRTC8に電力を供給し、RTC8を動作させる役割が与えられている。
給電切替回路10は、AC電源からの電力、すなわち、電力管理部27がAC電源の電力を用いて生成し、装置制御部5に供給した電力(例えば3.3Vの直流電圧)を補助電源9およびRTC8に供給するか否かを切り替える回路である。給電切替回路10には、例えばトランジスタからなる給電切替スイッチ11が設けられている。装置制御部5のCPU6は、給電切替スイッチ11のオン、オフを制御することにより、電力管理部27から装置制御部5に供給された電力を補助電源9およびRTC8に供給するか否かの切替を制御することができる。
ノーマルモード時には、装置制御部5のCPU6が給電切替スイッチ11をオンにする。これにより、電力管理部27からの電力が補助電源9およびRTC8に供給される。その結果、電力管理部27からの電力により補助電源9が充電され、また、電力管理部27からの電力によりRTC8が動作する。補助電源9は、電力管理部27からの電力によって迅速に充電され、短時間のうちに満充電状態となる。
一方、スリープモード時には、装置制御部5のCPU6が給電切替スイッチ11をオフにする。これにより、電力管理部27から補助電源9への電力の供給、および電力管理部27からRTC8への電力の供給が止まる。電力管理部27からRTC8への電力の供給が止まった後、RTC8は補助電源9の電力を用いて動作を継続する。また、画像形成装置1の電源が完全にオフになったときにも、電力管理部27から補助電源9への電力の供給、および電力管理部27からRTC8への電力の供給が止まる。RTC8は、画像形成装置1の電源が完全にオフになったとき、スリープモード時と同様に、補助電源9の電力を用いて動作を継続する。スリープモード中、または画像形成装置1の電源が完全にオフになっている間においては、補助電源9に蓄えられた電力がRTC8により消費される。
また、図2に示すように、エンジン制御部21が有するCPU22、メモリー23、および差動増幅回路24は、エンジン制御部用の基板32上に設けられている。なお、基板32には、電力管理部27からの電力をCPU22およびメモリー23にそれぞれ供給する回路、およびCPU22を内部通信バス28に接続する回路等が設けられているが、これらについては図示を省略している。
差動増幅回路24は、補助電源9の出力電圧と基準電圧との差を増幅する回路であり、演算増幅器(オペアンプ)25を有している。演算増幅器25の一方の入力端子には、補助電源9が信号線29を介して接続されている。これにより、演算増幅器25の一方の入力端子には、補助電源9の出力電圧が入力される。また、演算増幅器25の他方の入力端子には、電力管理部27が接続されている。これにより、演算増幅器25の他方の入力端子には、電力管理部27からエンジン制御部21へ電力を供給するためにエンジン制御部21に入力された電源電圧が基準電圧として入力される。この電源電圧は一定の直流電圧(例えば3.3Vの直流電圧)であるため、基準電圧は一定の直流電圧となる。また、演算増幅器25の出力端子にはエンジン制御部21のCPU22が接続されている。演算増幅器25は、補助電源9の出力電圧と基準電圧との差を増幅した信号を、差分信号として、エンジン制御部21のCPU22に出力する。
差分信号は、スリープモード中における補助電源9の出力電圧の減少量を示す信号である。すなわち、スリープモード時には、上述したように、電力管理部27から補助電源9への電力の供給、および電力管理部27からRTC8への電力の供給が止まる。電力管理部27からRTC8への電力の供給が止まった後、RTC8は補助電源9の電力を用いて動作する。スリープモード中、補助電源9の電力はRTC8により消費される。つまり、スリープモード中においてRTC8は補助電源9の電力を消費する負荷となる。スリープモード中において、補助電源9の電力がRTC8により消費されることにより、補助電源9の出力電圧は減少する。もっとも、ノーマルモード時に電力管理部27から補助電源9に供給される電力と比較して、スリープモード時にRTC8が消費する補助電源9の電力は大幅に小さい。したがって、ノーマルモード時においては、電力管理部27からの電力によって補助電源9が充電されることにより、補助電源9の出力電圧は迅速に満充電状態時の電圧に達するが、スリープモード時におけるRTC8の電力消費による補助電源9の出力電圧の減少量は微少であり、その減少速度は遅い。このように、スリープモード中の補助電源9の出力電圧の減少量は微少であるため検出し難いのであるが、本実施形態においては、差動増幅回路24が、補助電源9の出力電圧と基準電圧との差を増幅し、補助電源9の出力電圧と基準電圧との差を示す差分信号を出力する。差分信号は、補助電源9の出力電圧の減少量に比例して電圧が大きく増加する信号であり、スリープモード中における補助電源9の出力電圧の減少量を明確に示す信号である。
また、差分信号は、スリープモードの継続時間に比例して電圧が変化する信号である。すなわち、補助電源9は電気二重層コンデンサーにより形成されている。電気二重層コンデンサーは、放電による電圧の変化が直線的であるという性質を有している。したがって、スリープモード中においてRTC8が補助電源9の電力を消費することによる補助電源9の出力電圧の減少は直線的であり、スリープモード中における補助電源9の出力電圧の減少量は、スリープモードの継続時間に比例する。差分信号は、補助電源9の出力電圧の減少量に比例して電圧が増加する信号であるので、差分信号は、スリープモードの継続時間に比例して電圧が増加する信号であるといえる。エンジン制御部21のCPU22は、差分信号の電圧に基づいて、スリープモードの継続時間を認識することができる。
上述したように、スリープモード中、電力管理部27はセクションBへの電力の供給を停止している。したがって、スリープモード中、エンジン制御部21のCPU22、メモリー23および差動増幅回路24は停止している。スリープモードからノーマルモードに移行したとき、電力管理部27はセクションBへの電力の供給を開始する。これにより、エンジン制御部21のCPU22、メモリー23および差動増幅回路24が動作を開始する。動作を開始した差動増幅回路24の演算増幅器25はCPU22に差分信号を出力する。そして、動作を開始したCPU22は、演算増幅器25から出力された差分信号の電圧に基づいて、プリントエンジンの複数の調整処理の中から、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理を選定する。
画像形成装置1におけるプリントエンジンの調整処理には、上述したように、帯電電位調整処理、転写調整処理、定着調整処理、およびドラムリフレッシュがある。これら4種類の調整処理の要否は、プリントエンジンが停止を継続した時間によって異なる。スリープモードの継続時間は、プリントエンジンが停止を継続した時間に相当する。また、差分信号の電圧に基づいてスリープモードの継続時間を認識することができる。したがって、差分信号の電圧に基づいて、スリープモードからノーマルモードへの移行時における上記4種類の調整処理の要否をそれぞれ判断することができる。すなわち、差分信号の電圧に基づいて、上記4種類の調整処理の中から、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理を選定することができる。
図3は、スリープモードの継続時間と、差分信号の電圧と、実行する調整処理との対応関係の一例を示している。例えば、エンジン制御部21のメモリー23には、図3中の差分信号の電圧と、実行する調整処理との対応関係を記述した調整処理選定テーブル35が予め記憶されている(図2参照)。エンジン制御部21のCPU22は、調整処理選定テーブル35を用いて、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理を選定する。
図3に示した例では、スリープモードの継続時間tが30分よりも長く、かつ1時間以下のとき、差分信号の電圧vdが0.5Vよりも大きく、かつ1V以下となる。この場合、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理として、帯電電位調整処理が選定される(図3中の表の第2行を参照)。また、スリープモードの継続時間tが1時間よりも長く、かつ1時間30分以下のとき、差分信号の電圧vdが1Vよりも大きく、かつ1.5V以下となる。この場合、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理として、帯電電位調整処理および定着調整処理が選定される(図3中の表の第3行を参照)。また、スリープモードの継続時間tが1時間30分よりも長く、かつ2時間以下のとき、差分信号の電圧vdが1.5Vよりも大きく、かつ2V以下となる。この場合、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理として、帯電電位調整処理、定着調整処理および転写調整処理が選定される(図3中の表の第4行を参照)。また、スリープモードの継続時間tが2時間よりも長いとき、差分信号の電圧vdが2.0Vよりも大きくなる。この場合、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理として、帯電電位調整処理、定着調整処理、転写調整処理およびドラムリフレッシュが選定される(図3中の表の第5行を参照)。スリープモードからノーマルモードへの移行時には、選定された調整処理が、エンジン制御部21により実行される。
一方、スリープモードの継続時間tが30分以下のとき、差分信号の電圧vdが0.5V以下となる。この場合、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、いずれの調整処理も選定されない(図3中の表の第1行を参照)。この場合には、スリープモードからノーマルモードへの移行時に、いずれの調整処理も実行されない。スリープモードの継続時間が30分以下のときには、プリントエンジンの画像形成能力等の低下が生じていないか、低下の程度が小さいと考えられ、それゆえ、いずれの調整処理も不要であるので、いずれの調整処理も実行しない。
(スリープモード移行時の動作の流れ)
図4は、ノーマルモードからスリープモードへ移行するときの画像形成装置1の動作の流れを示している。図4において、ノーマルモード中は、装置制御部5が属するセクションAと、エンジン制御部21が属するセクションBとの双方に電力管理部27から電力が供給され、装置制御部5のCPU6およびエンジン制御部21のCPU22がそれぞれ動作している。また、ノーマルモード中は、給電切替回路10の給電切替スイッチ11はオンになっている。これにより、補助電源9は、電力管理部27からの電力の供給によって満充電状態となっており、RTC8は電力管理部27からの電力により動作している。
図4は、ノーマルモードからスリープモードへ移行するときの画像形成装置1の動作の流れを示している。図4において、ノーマルモード中は、装置制御部5が属するセクションAと、エンジン制御部21が属するセクションBとの双方に電力管理部27から電力が供給され、装置制御部5のCPU6およびエンジン制御部21のCPU22がそれぞれ動作している。また、ノーマルモード中は、給電切替回路10の給電切替スイッチ11はオンになっている。これにより、補助電源9は、電力管理部27からの電力の供給によって満充電状態となっており、RTC8は電力管理部27からの電力により動作している。
ノーマルモード中、装置制御部5のCPU6は、画像形成装置1が使用されない状態が所定時間を超えて継続したか否かを判断する(ステップS1)。
画像形成装置1が使用されない状態が所定時間を超えて継続した場合(ステップS1:YES)、装置制御部5のCPU6は、画像形成装置1の動作モードをノーマルモードからスリープモードへ移行する指令(スリープモード移行指令)を、内部通信バス28を介してエンジン制御部21および電力管理部27に送信する(ステップS2)。
エンジン制御部21のCPU22は、装置制御部5のCPU6から送信されたスリープモード移行指令を受信し、そのスリープモード移行指令に応じてエンジン制御部21の動作を停止し、自らの動作も停止する(ステップS3)。
また、電力管理部27は、装置制御部5のCPU6から送信されたスリープモード移行指令を受信し、そのスリープモード移行指令に応じて、セクションBに対する電力の供給を停止する(ステップS4)。
続いて、装置制御部5のCPU6は、給電切替回路10の給電切替スイッチ11をオフにする(ステップS5)。これにより、電力管理部27からの電力の補助電源9およびRTC8への供給が止まる。その後、RTC8は補助電源9の電力を用いて動作を継続する。
(ノーマルモード移行時の動作の流れ)
図5は、スリープモードからノーマルモードへ移行するときの画像形成装置1の動作の流れを示している。図5において、スリープモード中は、電力管理部27からの電力がセクションAに供給され、装置制御部5のCPU6が動作しているが、電力管理部27からの電力のセクションBへの供給は止まっており、それゆえ、エンジン制御部21のCPU22は停止している。
図5は、スリープモードからノーマルモードへ移行するときの画像形成装置1の動作の流れを示している。図5において、スリープモード中は、電力管理部27からの電力がセクションAに供給され、装置制御部5のCPU6が動作しているが、電力管理部27からの電力のセクションBへの供給は止まっており、それゆえ、エンジン制御部21のCPU22は停止している。
スリープモード中、装置制御部5のCPU6は、画像形成装置1を使用するための入力があったか否かを判断する(ステップS11)。
画像形成装置1を使用するための入力があった場合には(ステップS11:YES)、装置制御部5のCPU6は、スリープモードを解除すべく、画像形成装置1の動作モードをスリープモードからノーマルモードへ移行する指令(ノーマルモード移行指令)を、内部通信バス28を介して電力管理部27に送信する(ステップS12)。
電力管理部27は、装置制御部5のCPU6から送信されたノーマルモード移行指令を受信し、そのノーマルモード移行指令に応じて、セクションBに対する電力の供給を開始(再開)する(ステップS13)。
電力管理部27からの電力がセクションBに供給されると、電力管理部27からの電力がセクションBに属するエンジン制御部21に供給され、エンジン制御部21のCPU22、メモリー23および差動増幅回路24が動作を開始する(ステップS14)。
続いて、エンジン制御部21のCPU22は、差動増幅回路24から出力された差分信号の電圧を検出する(ステップS15)。続いて、エンジン制御部21のCPU22は、検出した差分信号の電圧、およびメモリー23に記憶されている調整処理選定テーブル35に基づいて、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行する調整処理を選定する(ステップS16)。続いて、エンジン制御部21のCPU22は、選定した調整処理を実行する(ステップS17)。一方、ステップS16でいずれの調整処理も選定されなかった場合には、ステップS17はスキップされる。
その後、装置制御部5のCPU6は、給電切替回路10の給電切替スイッチ11をオンにする(ステップS18)。これにより、電力管理部27からの電力が補助電源9およびRTC8へ供給されるようになる。その結果、電力管理部27からの電力により補助電源9が充電され、また、電力管理部27からの電力を用いてRTC8が動作するようになる。
以上説明した通り、本発明の実施形態の画像形成装置1においては、補助電源9の負荷(具体的にはRTC8)がスリープモード中に補助電源9の電力を消費することによる補助電源9の出力電圧の減少量を示す信号が、スリープモードからノーマルモードへの移行時にエンジン制御部21に入力され、この信号に基づいて、エンジン制御部21が、スリープモードからノーマルモードへの移行時に実行するプリントエンジンの調整処理を選定する。また、補助電源9は電気二重層コンデンサーにより形成されており、これにより、スリープモード中の補助電源9の出力電圧の減少量はスリープモードの継続時間に比例する。このように、画像形成装置1においては、原理的には、エンジン制御部21が、補助電源9の出力電圧に基づいて、スリープモードの継続時間を認識し、その認識結果に基づいてプリントエンジンの調整処理の選定を行う。エンジン制御部21が補助電源9の出力電圧に基づいてプリントエンジンの調整処理を選定する処理に要する時間は、例えば、仮に、装置制御部5とエンジン制御部21との間において通信を確立し、装置制御部5からエンジン制御部21へ内部通信バス28を介してスリープモードの継続時間を示す情報を送信し、エンジン制御部21がその情報に基づいてプリントエンジンの調整処理を選定する処理に要する時間と比較して短い。したがって、本実施形態の画像形成装置1によれば、スリープモードからノーマルモードへの移行時にエンジン制御部21によるプリントエンジンの調整処理の選定を迅速に行うことができ、よって、スリープからの復帰時間を短縮することができる。
また、本実施形態の画像形成装置1においては、エンジン制御部21が、補助電源9の出力電圧に基づいて、スリープモードの継続時間を認識し、その認識結果に基づいてプリントエンジンの調整処理の選定を行うので、スリープモードからノーマルモードへの移行時にエンジン制御部21によるプリントエンジンの調整処理の選定を迅速に行うに当たり、スリープモード中に一時的にエンジン制御部に電力を供給して、装置制御部とエンジン制御部との間において通信を行うといった従来の処理は不要である。また、装置制御部およびエンジン制御部のほかに、CPUを備えた第3の制御部を画像形成装置に追加し、スリープモード中にその第3の制御部に電力を供給して、その第3の制御部によりスリープモードの継続時間を計時するといった従来の方法も採用する必要がない。また、スリープモード中にRTC8により消費される電力は、スリープモード中の装置制御部とエンジン制御部との間における一時的な通信に消費される電力、およびスリープモード中に第3の制御部の稼働のために消費される電力のいずれよりも大幅に小さい。したがって、本実施形態の画像形成装置1によれば、上述したようにスリープからの復帰時間の短縮化を図りながらも、スリープモード中の電力の消費を抑制する程度を大きくすることができ、スリープ機能による消費電力の削減効果を高めることができる。また、本実施形態の画像形成装置1によれば、装置制御部5およびエンジン制御部21のほかに、CPUを備えた第3の制御部を画像形成装置1に追加する必要がないので、画像形成装置1の製造コストの上昇を抑制することができる。
また、本実施形態の画像形成装置1は、補助電源9の出力電圧と基準電圧との差を増幅する差動増幅回路24を有し、エンジン制御部21は、この差動増幅回路24から出力された差分信号に基づいてプリントエンジンの調整処理を選定する。差分信号は、補助電源9の出力電圧の変化に比例して電圧が大きく変化する信号であるので、エンジン制御部21は差分信号に基づいてスリープモードの継続時間を高精度に認識することができる。したがって、プリントエンジンの調整処理の選定の精度を高めることができ、プリントエンジンの調整処理の選定を正確に行うことができる。
また、本実施形態の画像形成装置1によれば、補助電源9の出力電圧のレベルに基づいてプリントエンジンの調整処理を選定するので、プリントエンジンの調整処理の選定を容易に行うことができる。
また、本実施形態の画像形成装置1においては、RTC8に、スリープモード中に補助電源9の電力を消費して補助電源9の出力電圧を減少させる負荷としての機能を持たせている。一般に、スリープ機能を有する画像形成装置において、スリープ中にRTCの動作を継続させるために、スリープ中に何らかの形でRTCに電力を供給し続ける構成は、ほぼ必須の構成である。本実施形態の画像形成装置1は、スリープモード中に補助電源9からRTC8に電力を供給する構成によって、上記必須の構成を構築しつつ、さらにその構成を利用して、エンジン制御部21がプリントエンジンの調整処理の選定を行うための基準量(すなわち、スリープモード中における補助電源9の出力電圧を減少量)を生成し、それをエンジン制御部21に与えている。このように、本実施形態の画像形成装置1は、スリープ中に何らかの形でRTCに電力を供給し続けるといった画像形成装置のほぼ必須の構成を利用して、エンジン制御部21によるプリントエンジンの調整処理の選定を実現しているので、エンジン制御部21によるプリントエンジンの調整処理の選定を実現するために画像形成装置1に追加する新たな部品を少なくすることができる。したがって、画像形成装置1の製造コストの上昇を抑えることができる。
なお、スリープモード中に補助電源9の電力を消費して補助電源9の出力電圧を減少させる負荷として、RTC8以外の部品を用いてもよい。その部品は、一般的な画像形成装置に通常設けられる部品であることが好ましく、また、消費電力が小さい部品であることが好ましい。一方、スリープモード中に補助電源9の電力を消費して補助電源9の出力電圧を減少させる負荷として、安価な部品を画像形成装置1に追加してもよい。
また、上記実施形態では、給電切替回路10、補助電源9およびRTC8を装置制御部用の基板31上に配置する場合を例にあげたが、これらの配置場所は、基板31上に限定されない。また、差動増幅回路24の配置場所はエンジン制御部用の基板32上に限定されない。
また、プリントエンジンの調整処理は実施形態で述べたものに限らない。また、本発明は複合機以外の画像形成装置にも適用することができる。また、本発明は電子写真方式の画像形成装置に限らず、インクジェット方式等、他の印刷方式の画像形成装置にも適用することができる。例えば、本発明をインクジェット方式の画像形成装置に適用した場合には、スリープモードからノーマルモードへの移行時にインクジェット方式に適合した調整処理を選定するようにする。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像形成装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 画像形成装置
2 通信部
3 操作部(ユーザーインターフェース)
5 装置制御部
6 CPU(第1の制御部)
8 RTC(負荷)
9 補助電源
10 給電切替回路
12 画像形成部(プリントエンジン)
18 定着部(プリントエンジン)
19 記録媒体搬送部(プリントエンジン)
21 エンジン制御部
22 CPU(第2の制御部)
24 差動増幅回路(増幅回路)
27 電力管理部
2 通信部
3 操作部(ユーザーインターフェース)
5 装置制御部
6 CPU(第1の制御部)
8 RTC(負荷)
9 補助電源
10 給電切替回路
12 画像形成部(プリントエンジン)
18 定着部(プリントエンジン)
19 記録媒体搬送部(プリントエンジン)
21 エンジン制御部
22 CPU(第2の制御部)
24 差動増幅回路(増幅回路)
27 電力管理部
Claims (5)
- 画像形成装置であって、
外部機器との通信、ユーザーインターフェース、または当該画像形成装置においてプリントエンジンではない部分を制御する第1の制御部と、
前記プリントエンジンを制御する第2の制御部と、
ノーマルモード時には、主電源からの電力を前記第1の制御部および前記第2の制御部に供給し、スリープモード時には、前記主電源からの電力を前記第1の制御部に供給しかつ前記主電源からの電力の前記第2の制御部への供給を停止または制限する電力管理部と、
電気二重層コンデンサーからなる補助電源と、
前記主電源からの電力を前記補助電源に供給するか否かを切り替える給電切替回路と、
前記補助電源の電力を消費する負荷とを備え、
前記第1の制御部は、前記給電切替回路を制御することにより、前記ノーマルモード時には前記主電源からの電力を前記補助電源に供給し、前記スリープモード時には前記主電源からの電力の前記補助電源への供給を停止し、
前記第2の制御部は、前記スリープモードから前記ノーマルモードへの移行時に、前記補助電源の出力電圧に基づいて前記プリントエンジンの調整処理の要否を判断することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2の制御部は、前記スリープモード中における前記補助電源の出力電圧の減少量に基づいて前記プリントエンジンの調整処理の要否を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記補助電源の出力電圧と基準電圧との差を増幅する増幅回路を備え、
前記第2の制御部は前記増幅回路の出力に基づいて前記プリントエンジンの調整処理の要否を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第2の制御部は、前記スリープモードから前記ノーマルモードへの移行時に、前記補助電源の出力電圧に基づいて、前記プリントエンジンの複数の調整処理の中から、前記スリープモードから前記ノーマルモードへの移行時に実行する調整処理を選定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記負荷はリアルタイムクロックであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022153893A JP2024048056A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022153893A JP2024048056A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 画像形成装置 |
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Family Applications (1)
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JP2022153893A Pending JP2024048056A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 画像形成装置 |
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-
2022
- 2022-09-27 JP JP2022153893A patent/JP2024048056A/ja active Pending
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