JP2024048012A - 流体機械 - Google Patents

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滉平 岩田
大輔 正木
達志 森
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Abstract

【課題】回転軸の軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を原因として、シール部材によるシール性能が低下することを抑制できる流体機械を提供すること。【解決手段】ルーツポンプにおいて、ロータハウジング14と回転軸16との間には、第2シール部材28と径方向に隣接する緩衝部材34が設けられている。緩衝部材34は、回転軸16が貫通する環状である。緩衝部材34の第1端面34aには、緩衝部材34を第2シール部材28よりも弾性変形させるように、回転軸16の周方向へ延在する第1溝361が開口している。また、緩衝部材34の第2端面には、緩衝部材34を第2シール部材28よりも弾性変形させるように、回転軸16の周方向へ延在する第2溝362が開口している。【選択図】図4

Description

本発明は、流体機械に関する。
特許文献1には、流体機械の一例として、電動ルーツ型圧縮機が開示されている。電動ルーツ型圧縮機は、ハウジングと、電動モータと、タイミングギヤと、回転軸としての駆動軸と、回転軸としての従動軸と、ラジアル軸受と、軸シール部材と、ロータと、を有する。
駆動軸は、電動モータにより回転される。従動軸は、タイミングギヤを介して駆動軸により回転される。駆動軸及び従動軸の各々は、ハウジングに挿入されている。駆動軸及び従動軸の各々は、ラジアル軸受を介して回転可能に支持されている。ロータは、駆動軸及び従動軸の各々に取り付けられるとともに、駆動軸及び従動軸と一体的に回転する。ロータは、ハウジングに画定されたロータ室としての作動室に収容されている。タイミングギヤは、ハウジングに画定されたギヤ室に収容されている。
駆動軸及び従動軸の各々は、軸シール部材を貫通している。軸シール部材は、弾性材料製である。軸シール部材は、作動室からの作動流体の漏洩を抑制する。電動ルーツ型圧縮機では、電動モータにより駆動軸が回転すると、タイミングギヤを介して従動軸が駆動軸とは反対方向へ回転する。これにより、作動室における一対のロータが互いに反対方向へ回転する。ロータの回転により作動室へ作動流体が吸入されるとともに、作動室内の作動流体は作動室の外へ吐出される。
特開2010-144576号公報
電動ルーツ型圧縮機では、作動室での吸入圧と吐出圧の差圧の発生や、電動モータの振動に伴う駆動軸や従動軸の共振などを原因として、駆動軸及び従動軸に軸ブレが発生する。駆動軸及び従動軸に軸ブレが発生すると、軸シール部材は弾性変形する。この弾性変形に伴って、軸シール部材によるシール性能が低下する虞がある。そこで、軸ブレしても軸シール部材によってシールするために、駆動軸及び従動軸に対して軸シール部材を強く押し付けることが考えられるが、この場合には、軸シール部材の摩耗が進みやすくなって好ましくない。
上記問題点を解決するための流体機械は、ハウジングと、前記ハウジングに挿入され、軸受を介して回転可能に支持された回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、前記ハウジングには、前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を有するロータ室が画定され、前記ロータ室は、前記回転軸が貫通するシール部材によってシールされ、前記シール部材は、弾性材料からなり、環状のベース部と、前記ベース部から前記回転軸の径方向の内側に向けて延在する環状のリップ部と、を有し、前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室内で圧縮され、前記吐出孔から前記ロータ室外に吐出される流体機械であって、前記ハウジングと前記回転軸との間には、前記シール部材と前記径方向に隣接し、前記回転軸が貫通する環状の緩衝部材が設けられ、前記回転軸の軸方向における前記緩衝部材の少なくとも一方の端面には、前記緩衝部材を前記シール部材よりも前記径方向に弾性変形させるように、前記回転軸の周方向へ延在する溝が開口していることを要旨とする。
これによれば、溝が開口することによって、緩衝部材は径方向に弾性変形できる。そして、回転軸が軸ブレしたとき、シール部材よりも緩衝部材を大きく径方向に弾性変形させることができる。回転軸から加わる力は、緩衝部材の弾性変形によって緩衝部材に吸収される。よって、シール部材を大きく弾性変形させることなく回転軸とハウジングとの間をシールした形状を維持できる。
このため、軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を加味して、回転軸に対するシール部材の押付力を大きくしなくてもよくなる。その結果、押付力を大きくすることを原因として、シール部材の摩耗が進行し易くなることを抑制できる。以上から、回転軸の軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を原因として、シール部材によるシール性能が低下することを抑制できる。
流体機械について、前記溝は、前記回転軸の周方向に延在する円弧状溝部と、当該円弧状溝部に連続し、かつ前記径方向の外側に向けて前記円弧状溝部から延在する突状溝部と、が前記周方向に交互に連続する波形状であってもよい。
これによれば、波形状の溝とすることにより、緩衝部材は、回転軸の周方向及び径方向へより弾性変形し易くなる。このため、緩衝部材は、回転軸から加わる力を吸収し易い。
流体機械について、前記溝は、前記緩衝部材の一方の端面に開口する第1溝と、他方の端面に開口する第2溝と、を有し、前記第1溝及び前記第2溝の各々は前記波形状であり、前記第1溝と前記第2溝は、前記径方向に離れているとともに、前記周方向に離れていてもよい。
これによれば、例えば、緩衝部材の軸方向の一方の端面のみに溝が開口する場合と比べると、緩衝部材を弾性変形させやすい。
流体機械について、前記緩衝部材は、前記径方向の内周側に位置する内周側環状部と、前記径方向の外周側に位置する外周側環状部と、前記径方向において前記内周側環状部と前記外周側環状部との間に位置し、かつ前記径方向において前記第1溝と前記第2溝との間に挟まれる弾性変形部と、を有し、前記径方向への前記弾性変形部の厚さは、前記径方向への前記内周側環状部の厚さより小さくてもよい。
これによれば、内周側環状部は、弾性変形部よりも剛性が高くなる。このため、内周側環状部を圧入代として用いることができるとともに、弾性変形部は弾性変形し易くなる。
流体機械について、前記緩衝部材は、前記シール部材よりも前記径方向の内周側に配置され、前記緩衝部材は、前記回転軸と一体的に回転していてもよい。
これによれば、回転軸が軸ブレしたとき、シール部材よりも緩衝部材を径方向に弾性変形させることができる。そして、緩衝部材が弾性変形して、回転軸から加わる力を吸収する。このため、回転軸からの力が、シール部材に直接加わることを抑制できるため、シール部材の弾性変形をより抑制しやすい。
本発明によれば、回転軸の軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を原因として、シール部材によるシール性能が低下することを抑制できる。
実施形態のルーツポンプを示す断面図である。 ロータ及びロータ室を示す断面図である。 回転軸、緩衝部材及び第2シール部材を示す部分断面図である。 回転軸、緩衝部材及び第2シール部材を示す拡大断面図である。 回転軸、緩衝部材及び第2シール部材を示す部分断面図である。 緩衝部材の作用を示す部分断面図である。 第2の実施形態の緩衝部及び第2シール部材を示す部分断面図である。 回転軸、緩衝部及び第2シール部材を示す部分断面図である。 回転軸、緩衝部及び第2シール部材を示す拡大断面図である。 第1溝及び第2溝の別例を示す拡大断面図である。
(第1の実施形態)
以下、流体機械をルーツポンプに具体化した第1の実施形態を図1~図6にしたがって説明する。
<ルーツポンプの全体>
燃料電池車には、酸素及び水素を供給して発電させる燃料電池システムが搭載されている。ルーツポンプは、燃料電池システムにおける水素ポンプとして燃料電池車に搭載されている。ルーツポンプは、燃料電池から排出された、流体としての水素ガスを吸入するとともに、吸入した流体としての水素ガスを吐出する。したがって、ルーツポンプは、燃料電池から排出された水素ガスを燃料電池に再び供給する。
図1に示すように、流体機械としてのルーツポンプ10は、筒状のハウジング11を有する。ハウジング11は、モータハウジング12と、ギアハウジング13と、ロータハウジング14と、カバー部材15と、を有する。モータハウジング12、ギアハウジング13、ロータハウジング14、及びカバー部材15の各々は、金属製である。
モータハウジング12は、ギアハウジング13と連結されている。ロータハウジング14は、ギアハウジング13と連結されている。カバー部材15は、ロータハウジング14と連結されている。
モータハウジング12は、板状の底壁12aと、底壁12aの外周部から筒状に延びる周壁12bと、を有する。ギアハウジング13は、板状の底壁13aと、底壁13aの外周部から筒状に延びる周壁13bと、を有する。ギアハウジング13の底壁13aには、一対の第1凹部13cが画定されている。この第1凹部13cは、後述する第1シール部材17aを収容するための凹部である。一対の第1凹部13cの各々は、ギアハウジング13の内底面から円形状に凹む。なお、一対の第1凹部13cのうち、後述する駆動軸16aが挿通される第1凹部13cは、小径部分と、小径部分よりも大径な大径部分と、を有する。
ロータハウジング14は、板状の底壁14aと、底壁14aの外周部から筒状に延びる周壁14bと、を有する。ロータハウジング14の底壁14aには、一対の第2凹部14cが画定されている。この第2凹部14cは、後述する第2シール部材28を収容するための凹部である。一対の第2凹部14cの各々は、底壁14aの端面から円形状に凹む。一対の第2凹部14cの各々は、一対の第1凹部13cの各々と同軸上に位置している。また、一対の第2凹部14cの各々は、底壁14aの端面での開口側に大径部141を有するとともに、開口側より奥側に小径部142を有する。ロータハウジング14は、大径部141と小径部142との境に段差面143を有する。段差面143は、環状である。カバー部材15は、板状である。
ギアハウジング13の底壁13aとモータハウジング12の周壁12bとが突き合わされている。ロータハウジング14の底壁14aとギアハウジング13の周壁13bとが突き合わされている。カバー部材15は、ロータハウジング14の周壁14bに突き合わされている。
ハウジング11には、ギア室24が画定されている。ギア室24は、ギアハウジング13の底壁13a、ギアハウジング13の周壁13b、及びロータハウジング14の底壁14aによって画定されている。
ルーツポンプ10は、ハウジング11に画定されたロータ室25を有する。ロータ室25は、ロータハウジング14の底壁14a、ロータハウジング14の周壁14b、及びカバー部材15によって画定されている。したがって、ハウジング11には、ロータ室25が画定されている。
ルーツポンプ10は、回転軸16としての駆動軸16a及び従動軸16bを有する。駆動軸16a及び従動軸16bの各々は、ハウジング11に挿入されている。駆動軸16a及び従動軸16bは、金属製である。駆動軸16aと従動軸16bは平行である。回転軸16の軸心Lの延びる方向を軸方向とする。駆動軸16aは、ギアハウジング13の底壁13a及びロータハウジング14の底壁14aを貫通している。従動軸16bは、ロータハウジング14の底壁14aを貫通している。
一対の第1軸受31は、ギアハウジング13の底壁13aに配置されている。一対の第1軸受31の一方は、一方の第1凹部13cにおける大径部分に取り付けられているとともに、一対の第1軸受31の他方は、他方の第1凹部13cに取り付けられている。一対の第2軸受32は、ロータハウジング14の底壁14aに配置されている。一対の第2軸受32の一方は、一方の第2凹部14cにおける大径部141に取り付けられているとともに、一対の第2軸受32の他方は、他方の第2凹部14cにおける大径部141に取り付けられている。第3軸受33は、モータハウジング12の底壁12aに配置されている。駆動軸16aは、一方の第1軸受31、一方の第2軸受32及び第3軸受33を介してハウジング11に回転可能に支持されている。従動軸16bは、他方の第1軸受31、及び他方の第2軸受32を介してハウジング11に回転可能に支持されている。
第1シール部材17aは、ギアハウジング13の底壁13aに設けられている。第1シール部材17aは、一方の第1凹部13cにおける小径部分に圧入されている。第1シール部材17aには、駆動軸16aが貫通している。第1シール部材17aは、駆動軸16aとギアハウジング13の底壁13aとの間をシールする。第1シール部材17aは、ギア室24とモータ室12cとの間をシールする。
シール部材としての一対の第2シール部材28は、ロータハウジング14の底壁14aに設けられている。一対の第2シール部材28の各々は、第2凹部14cにおける小径部142に配置されている。第2シール部材28は、回転軸16の軸方向において、第2軸受32とロータ室25との間に配置されている。第2シール部材28は、回転軸16に装着された緩衝部材34の外周側に配置されている。第2シール部材28には、回転軸16が貫通している。緩衝部材34については、後に詳述する。第2シール部材28は、回転軸16と、ハウジング11における底壁14aとの間をシールする。第2シール部材28は、ギア室24とロータ室25との間をシールする。したがって、ロータ室25は、第2シール部材28によってシールされている。
第1シール部材17a及び第2シール部材28の各々は、弾性材料製である。第1シール部材17a及び第2シール部材28の各々は、弾性変形可能である。
図5に示すように、第2シール部材28は、環状のベース部28aと、環状のリップ部28bと、を有する。ベース部28aは、小径部142を画定した、ロータハウジング14の内周面に密接している。リップ部28bは、ベース部28aの内周面から、回転軸16の径方向の内側に向けて延在する。リップ部28bは、後述する緩衝部材34の外周面に密接している。
図1に示すように、ルーツポンプ10は、駆動軸16aを回転させる電動モータ50を有する。電動モータ50は、ハウジング11に画定されたモータ室12cに収容されている。モータ室12cは、モータハウジング12の底壁12a、モータハウジング12の周壁12b、及びギアハウジング13の底壁13aによって画定されている。電動モータ50は、駆動軸16aを回転させる。
ルーツポンプ10は、動力伝達機構Gを有する。動力伝達機構Gは、駆動ギア18と従動ギア19と、を有する。駆動ギア18は、駆動軸16aに固定されている。従動ギア19は、従動軸16bに固定されている。駆動ギア18及び従動ギア19は、ギア室24に収容されている。したがって、動力伝達機構Gは、ハウジング11に収容されている。従動ギア19は、駆動ギア18と噛み合って回転する。従動軸16bは、動力伝達機構Gによって駆動軸16aと逆方向に回転する。
図2に示すように、ロータ室25は、ロータ室25内に水素ガスを吸入する吸入孔45、及びロータ室25内の水素ガスを吐出する吐出孔46を有する。吸入孔45及び吐出孔46は、ロータハウジング14の周壁14bに形成されている。吸入孔45と吐出孔46は、ロータ室25を挟んで対向する。吸入孔45及び吐出孔46は、ロータ室25と外部とを連通する。
ルーツポンプ10は、ロータ22を有する。ロータ22は、駆動ロータ20と、従動ロータ21と、を有する。駆動ロータ20は、駆動ギア18によって回転されるロータである。従動ロータ21は、従動ギア19によって回転されるロータである。一対のロータ22は、ロータ室25に収容されている。したがって、ロータ室25は、ロータ22を収容する。駆動ロータ20は、駆動軸16aに取り付けられている。駆動ロータ20は、駆動軸16aと一体的に回転する。従動ロータ21は、従動軸16bに取り付けられている。従動ロータ21は、従動軸16bと一体的に回転する。従動ロータ21は、駆動ロータ20とともに回転する。したがって、駆動ロータ20と従動ロータ21は、ロータ室25内で互いに逆方向へ回転される。
そして、ロータ22が回転することで、吸入孔45から吸入された水素ガスは、ロータ22の先端部によって閉じ込められるとともに、ロータ室25内で圧縮される。閉じ込められた水素ガスは、閉じ込められたまま、吐出孔46に向けて圧送される。閉じ込められた水素ガスは、吐出孔46からロータ室25外に吐出される。
<緩衝部材>
図3、図4及び図5に示すように、緩衝部材34は、第2シール部材28よりも径方向の内周側に配置されている。緩衝部材34は、環状である。緩衝部材34は、駆動軸16aの周面及び従動軸16bの周面に装着されている。緩衝部材34は、駆動軸16a及び従動軸16bの周面と、小径部142を画定したロータハウジング14の内周面との間に第2シール部材28とともに介在する。したがって、緩衝部材34は、ロータハウジング14と駆動軸16aとの間、及びロータハウジング14と従動軸16bとの間に設けられている。また、緩衝部材34は、第2シール部材28と、駆動軸16aの径方向に隣接するとともに、緩衝部材34には、駆動軸16aが貫通している。同じく、緩衝部材34は、第2シール部材28と、従動軸16bの径方向に隣接するとともに、緩衝部材34には、従動軸16bが貫通している。なお、駆動軸16aに装着された緩衝部材34と、従動軸16bに装着された緩衝部材34は同じであるため、緩衝部材34について、回転軸16に装着された緩衝部材34として説明する。
緩衝部材34は、環状である。緩衝部材34は、金属製である。緩衝部材34は、中央部に軸孔35を有する。軸孔35には、回転軸16が貫通している。回転軸16は、緩衝部材34の内側に圧入されている。したがって、緩衝部材34は、回転軸16と一体的に回転する。緩衝部材34は、回転軸16を囲む。
緩衝部材34の中心軸線Mは、回転軸16の軸心Lと同軸線上に位置する。緩衝部材34の軸方向は、回転軸16の軸方向に一致する。そして、緩衝部材34は、回転軸16の軸方向に厚さを有する。緩衝部材34は、軸方向の一方の端面に第1端面34aを有するとともに、軸方向の他方の端面に第2端面34bを有する。第1端面34aは、ロータ室25寄りの端面である。第2端面34bは、ギア室24寄りの端面である。第1端面34a及び第2端面34bは環状である。第1端面34aと第2端面34bは平行である。軸孔35は、第1端面34a及び第2端面34bに開口する。
<第1溝及び第2溝>
緩衝部材34の第1端面34aには、第1溝361が形成されるとともに、第2端面34bには、第2溝362が形成されている。第1溝361は、第1端面34aに開口するとともに、第2溝362は第2端面34bに開口する。第1溝361は、第1端面34aよりも軸方向に凹むとともに、回転軸16の周方向へ延在する。第2溝362は、第2端面34bに開口する。第2溝362は、第2端面34bよりも軸方向に凹むとともに、回転軸16の周方向へ延在する。
第1溝361及び第2溝362の各々は、軸方向に見て歯車形状である。第1溝361及び第2溝362の各々は、複数の円弧状溝部36aと、複数の突状溝部36bと、を有する。複数の円弧状溝部36aの各々は、回転軸16の周方向へ円弧状に延在する。第1溝361において、円弧状溝部36aの周方向への寸法は、全ての円弧状溝部36aにおいて同じである。第2溝362において、円弧状溝部36aの周方向への寸法は、全ての円弧状溝部36aにおいて同じである。また、円弧状溝部36aは、緩衝部材34の径方向に開口幅を有する。
複数の突状溝部36bの各々は、緩衝部材34の径方向へ台形状に突出するように、回転軸16の径方向の外側に向けて円弧状溝部36aから延在する。第1溝361において、突状溝部36bの径方向への寸法は、全ての突状溝部36bにおいて同じである。第2溝362において、突状溝部36bの径方向への寸法は、全ての突状溝部36bにおいて同じである。各円弧状溝部36aは、2つの突状溝部36bに挟まれている。円弧状溝部36aの周方向の第1端には、円弧状溝部36aを挟む1つの突状溝部36bの基端が連続するとともに、円弧状溝部36aの周方向の他端には、円弧状溝部36aを挟むもう1つの突状溝部36bの基端が連続している。したがって、突状溝部36bは、円弧状溝部36aに連続している。突状溝部36bは、円弧状溝部36aからの突出端となる部分において、緩衝部材34の径方向に開口幅を有する。また、突状溝部36bは、径方向に延びる部分において、緩衝部材34の周方向に開口幅を有する。
第1溝361及び第2溝362の各々は、円弧状溝部36aと突状溝部36bとが、周方向に交互に連続する波形状である。第1溝361の円弧状溝部36aは、第2溝362の円弧状溝部36aよりも周方向への長さが短い。また、第1溝361の突状溝部36bは、第2溝362の突状溝部36bよりも、径方向への長さが短い。第1溝361と第2溝362は、回転軸16の軸方向に重なり合っていない。具体的には、第2溝362は、第1溝361よりも回転軸16寄りに位置している。第1溝361の突状溝部36bよりも周方向の内側に、第2溝362の突状溝部36bが位置している。また、第1溝361の円弧状溝部36aよりも径方向の内側に、第2溝362の円弧状溝部36aが位置している。
第2溝362の突状溝部36bにおいて、円弧状溝部36aからの突出端となる部分であり、かつ周方向に延びる部分は、第1溝361の突状溝部36bにおいて、円弧状溝部36aからの突出端となる部分であり、かつ周方向に延びる部分よりも、回転軸16の径方向において、回転軸16寄りに位置している。また、第2溝362の突状溝部36bにおける、径方向に延びる部分は、第1溝361の突状溝部36bにおける、径方向に延びる部分よりも、回転軸16の周方向において内側に位置している。したがって、第1溝361と第2溝362とは、回転軸16の径方向に離れているとともに、回転軸16の周方向に離れている。
<弾性変形部>
緩衝部材34は、弾性変形部39を有する。弾性変形部39は、内側弾性部39aと、外側弾性部39bと、一対の弾性部39cと、を有する。内側弾性部39aは、第1溝361の円弧状溝部36aと第2溝362の円弧状溝部36aとの間に位置する部分である。内側弾性部39aは、回転軸16の径方向において、円弧状溝部36a同士の間に位置するとともに、回転軸16の周方向へ円弧状に延在する。外側弾性部39bは、第1溝361の突状溝部36bの突出端となる部分と、第2溝362の突状溝部36bの突出端となる部分との間に位置する部分である。外側弾性部39bは、回転軸16の径方向において、突状溝部36bの突出端同士の間に位置するとともに、回転軸16の周方向へ円弧状に延在する。一対の弾性部39cは、第1溝361の突状溝部36bの径方向に延びる部分と、第2溝362の突状溝部36bの径方向に延びる部分との間に位置する部分である。
<内周側環状部及び外周側環状部>
緩衝部材34は、回転軸16の径方向における内周側に位置する内周側環状部38aを有する。内周側環状部38aは、第2溝362の円弧状溝部36aよりも回転軸16寄りの部分である。内周側環状部38aは環状である。また、緩衝部材34は、回転軸16の径方向における外周側に位置する外周側環状部38bを有する。外周側環状部38bは、第1溝361の突状溝部36bにおける突出端となる部分よりも径方向の外側の部分である。外周側環状部38bは環状である。第1溝361及び第2溝362は、回転軸16の径方向において、内周側環状部38aと外周側環状部38bの間に位置している。したがって、弾性変形部39は、回転軸16の径方向において、内周側環状部38aと外周側環状部38bの間に位置し、かつ第1溝361と第2溝362との間に挟まれている。
図4に示すように、緩衝部材34において、回転軸16の径方向への内周側環状部38aの寸法を厚さD1とする。緩衝部材34において、回転軸16の径方向への外周側環状部38bの寸法を厚さD2とする。緩衝部材34において、回転軸16の径方向への内側弾性部39a及び外側弾性部39bの寸法を厚さD3とする。緩衝部材34において、回転軸16の周方向への弾性部39cの寸法を厚さD4とする。内周側環状部38aの厚さD1及び外周側環状部38bの厚さD2は、内側弾性部39aの厚さD3、及び外側弾性部39bの厚さD3より大きい。言い換えると、内側弾性部39aの厚さD3、及び外側弾性部39bの厚さD3は、内周側環状部38aの厚さD1より小さい。また、弾性部39cの厚さD4は、内側弾性部39aの厚さD3、及び外側弾性部39bの厚さD3より小さい。すなわち、内側弾性部39aの厚さD3、及び外側弾性部39bの厚さD3、並びに弾性部39cの厚さD4は、内周側環状部38aの厚さD1、及び外周側環状部38bの厚さD2よりも小さい。
上記緩衝部材34において、内側弾性部39a及び外側弾性部39bの各々は、第1溝361と第2溝362の間で、回転軸16の径方向へ弾性変形する。弾性部39cは、第1溝361と第2溝362の間で、回転軸16の周方向へ弾性変形する。
<第2シール部材と緩衝部材>
第2シール部材28のリップ部28bは、外周側環状部38bの外周面に押し付けられることによって、当該外周側環状部38bの外周面に密接している。これにより、第2シール部材28は、小径部142を画定するロータハウジング14の内周面と、緩衝部材34の外周面との間をシールしている。この第2シール部材28により、ロータ室25はシールされている。
第2シール部材28と緩衝部材34とは、ロータハウジング14と回転軸16との間との間において、回転軸16の径方向に隣接している。第2シール部材28と緩衝部材34は、回転軸16の外周側において、回転軸16の径方向に並んでいる。なお、回転軸16の径方向へのリップ部28bの厚さを調節したり、リップ部28bにコイルバネを巻き付けたりして、緩衝部材34に対するリップ部28bの押付力を調節してもよい。
緩衝部材34に対するリップ部28bの押付力は、回転軸16の径方向への第2シール部材28の弾性変形のし易さでもある。以下の説明において、回転軸16に対するリップ部28bの押付力を、単にリップ部28bの押付力と記載する。リップ部28bの押付力が大きいほど、径方向への力が回転軸16から緩衝部材34に作用したとき、リップ部28bは弾性変形し難い。言い換えると、リップ部28bの押付力が小さいほど、径方向への力が回転軸16から緩衝部材34に作用したとき、リップ部28bは弾性変形し易い。
緩衝部材34の弾性変形のし易さは、内側弾性部39a及び外側弾性部39bの厚さD3に依存する。厚さD3が小さいほど、緩衝部材34は、回転軸16の径方向へ弾性変形し易い。言い換えると、内側弾性部39a及び外側弾性部39bの厚さD3が大きいほど、緩衝部材34は、回転軸16の径方向へ弾性変形し難い。そして、第2シール部材28より緩衝部材34の方が、回転軸16の径方向へ弾性変形しやすいように、内側弾性部39a及び外側弾性部39bの厚さD3が設定されている。
このため、回転軸16の径方向への力が、回転軸16から緩衝部材34及びリップ部28bに加わったとき、緩衝部材34は、リップ部28bよりも先に径方向に弾性変形する。つまり、緩衝部材34は、第2シール部材28よりも、回転軸16の径方向に弾性変形し易い。このため、回転軸16の径方向への力が、回転軸16から緩衝部材34及びリップ部28bに加わったとき、緩衝部材34の方が、リップ部28bより大きく弾性変形する。
[第1の実施形態の作用]
ルーツポンプ10の動作時、ロータ室25への水素ガスの吸入圧と吐出圧との差圧や、電動モータ50の振動に伴う回転軸16の共振などの影響で、回転軸16に軸ブレが発生する。回転軸16の軸ブレが発生すると、回転軸16の径方向への力が、緩衝部材34に加わる。
図6に示すように、緩衝部材34の周方向のいずれかの位置において、軸ブレに伴い、内周側環状部38aが外周側環状部38bに向けて、回転軸16の径方向に沿って接近する。接近した内周側環状部38aと外周側環状部38bの間では、内側弾性部39a及び外側弾性部39bが弾性変形する。180度反対側では、軸ブレに伴い、内周側環状部38aが、外周側環状部38bから回転軸16の径方向に沿って離間する。離間した内周側環状部38aと外周側環状部38bの間では、内側弾性部39a及び外側弾性部39bが弾性変形する。つまり、緩衝部材34が、回転軸16の径方向に弾性変形する。すると、回転軸16の軸ブレに伴って発生する力は、緩衝部材34の弾性変形によって吸収される。このため、第2シール部材28は、径方向に大きく弾性変形することが抑制されたまま、回転軸16とロータハウジング14との間をシールした状態が維持される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1-1)緩衝部材34は、第2シール部材28よりも径方向の内周側に配置されるとともに、回転軸16と一体的に回転する。第2シール部材28は、緩衝部材34の外周面とロータハウジング14の内周面との間に配置されている。そして、第1溝361と第2溝362が開口することによって、緩衝部材34は第2シール部材28よりも径方向に弾性変形できる。このため、回転軸16が軸ブレしたとき、第2シール部材28に比べて、緩衝部材34の方を大きく弾性変形させることができる。回転軸16から加わる力は、緩衝部材34の弾性変形によって、当該緩衝部材34に吸収される。よって、第2シール部材28を大きく弾性変形させることなく回転軸16とロータハウジング14との間をシールした形状を維持できる。
このため、軸ブレに伴う第2シール部材28の弾性変形を加味して、回転軸16に対する第2シール部材28の押付力を大きくしなくてもよくなる。その結果、押付力を大きくすることを原因として、第2シール部材28の摩耗が進行し易くなることを抑制できる。以上から、回転軸16の軸ブレに伴う第2シール部材28の弾性変形を原因として、第2シール部材28によるシール性能が低下することを抑制できる。
(1-2)第1溝361及び第2溝362の各々は、複数の円弧状溝部36aと、複数の突状溝部36bとが周方向に交互に連続する波形状である。これにより、緩衝部材34は、回転軸16の周方向及び径方向へより弾性変形し易くなる。このため、緩衝部材34は、回転軸16から加わる力を吸収し易い。
(1-3)第1溝361は、緩衝部材34の第1端面34aに開口するとともに、第2溝362は、緩衝部材34の第2端面34bに開口する。これによれば、緩衝部材34は、第1溝361と第2溝362に挟まれた弾性変形部39を有する。例えば、緩衝部材34の軸方向の一端面のみに溝が開口する場合と比べると、緩衝部材34を弾性変形させやすい。
(1-4)緩衝部材34は、第2シール部材28よりも径方向の内周側に配置されるとともに、回転軸16と一体的に回転する。そして、回転軸16が軸ブレしたとき、第2シール部材28よりも緩衝部材34を弾性変形させることができる。このため、回転軸16からの力が、第2シール部材28に直接加わることを抑制できるため、第2シール部材28の弾性変形をより抑制できる。
(1-5)弾性変形部39は、回転軸16の径方向に延びる弾性部39cを有する。この弾性部39cにより、緩衝部材34は、回転軸16の周方向にも弾性変形できる。したがって、回転軸16の軸ブレに伴うリップ部28bの弾性変形を、回転軸16の全方位に吸収して、第2シール部材28によるシール性能が低下することを抑制できる。
(1-6)第1溝361及び第2溝362の各々は、回転軸16の周方向の全体に亘って複数の円弧状溝部36aを有するとともに、複数の突状溝部36bを有する。このため、第1溝361及び第2溝362の各々は、波形状であり、かつ歯車状である。よって、緩衝部材34は、周方向のいずれの位置においても、弾性変形し易い。したがって、回転軸16がいずれの方向に軸ブレしても、緩衝部材34を弾性変形させることができる。
(1-7)緩衝部材34は、内周側環状部38aと、外周側環状部38bと、内側弾性部39aと、外側弾性部39bと、を有する。そして、内周側環状部38aの厚さD1は、内側弾性部39aの厚さD3、及び外側弾性部39bの厚さD3より大きい。これによれば、内周側環状部38aは、内側弾性部39a及び外側弾性部39bよりも剛性が高くなる。このため、内周側環状部38aを回転軸16の圧入代として用いることができるとともに、内側弾性部39a及び外側弾性部39bは弾性変形し易くなる。
(第2の実施形態)
次に、流体機械をルーツポンプに具体化した第2の実施形態を図7~図9にしたがって説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図7及び図8に示すように、ロータハウジング14における第2凹部14cの周囲には、緩衝部70が設けられている。緩衝部70は、小径部142の外周側に設けられている。緩衝部70は、ロータハウジング14と一体に設けられているが、第1の実施形態の緩衝部材34と同様に機能するため、緩衝部材であるとも言える。なお、小径部142は、第1の実施形態に比べて、回転軸16の軸心Lに向けて突出している。また、小径部142は、回転軸16の軸方向に厚さを有する。
緩衝部70は、第1の実施形態と同じ第1溝361及び第2溝362を有する。第1溝361は、小径部142を形成している内壁面14eから軸方向に凹むように形成されている。したがって、第1溝361は、内壁面14eに開口している。第2溝362は、小径部142を形成している段差面143から軸方向に凹むように形成されている。したがって、第2溝362は、段差面143に開口している。
緩衝部70には、第1溝361及び第2溝362について、複数の円弧状溝部36a及び複数の突状溝部36bが形成されている。緩衝部70は、内周側環状部70aを有する。内周側環状部70aは、第2溝362の円弧状溝部36aよりも回転軸16寄りの部分である。内周側環状部70aは環状である。また、緩衝部70は、外周側環状部70bを有する。外周側環状部70bは、小径部142を形成する部分のうち、第1溝361の突状溝部36bの突出端となる部分よりも径方向の外側の部分である。外周側環状部70bは環状である。第1溝361及び第2溝362は、回転軸16の径方向において、内周側環状部70aと外周側環状部70bの間に位置している。
緩衝部70は、弾性変形部71を有する。弾性変形部71は、内側弾性部71aと、外側弾性部71bと、一対の弾性部71cと、を有する。内側弾性部71aは、第1溝361の円弧状溝部36aと第2溝362の円弧状溝部36aとの間に位置する部分である。内側弾性部71aは、緩衝部70の周方向に延びる円弧状である。外側弾性部71bは、第1溝361の突状溝部36bの突出端となる部分と、第2溝362の突状溝部36bの突出端となる部分との間に位置する部分である。外側弾性部71bは、緩衝部70の周方向に延びる円弧状である。一対の弾性部71cは、第1溝361の突状溝部36bの径方向に延びる部分と、第2溝362の突状溝部36bの径方向に延びる部分との間に位置する部分である。
[第2の実施形態の作用]
ルーツポンプ10の動作時、ロータ室25への水素ガスの吸入圧と吐出圧との差圧や、電動モータ50の振動に伴う回転軸16の共振などの影響で、回転軸16に軸ブレが発生する。回転軸16の軸ブレが発生すると、回転軸16の径方向への力が、第2シール部材28及び緩衝部70に加わる。
このとき、図9に示すように、緩衝部70の周方向のいずれかの位置において、軸ブレに伴い、内周側環状部70aが外周側環状部70bに向けて、回転軸16の径方向に沿って接近する。接近した内周側環状部70aと外周側環状部70bの間では、内側弾性部71a及び外側弾性部71bが弾性変形する。180度反対側では、軸ブレに伴い、内周側環状部70aが、外周側環状部70bから回転軸16の径方向に沿って離間する。離間した内周側環状部70aと外周側環状部70bの間では、内側弾性部71a及び外側弾性部71bが弾性変形する。つまり、緩衝部70が、回転軸16の径方向に弾性変形する。すると、回転軸16の軸ブレに伴って発生する力は、緩衝部70の弾性変形によって吸収される。このため、第2シール部材28は、径方向に大きく弾性変形することが抑制されたまま、回転軸16とロータハウジング14との間をシールした状態が維持される。
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の(1-2)、(1-3)、(1-5)~(1-7)と同様の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
(2-1)緩衝部70は、小径部142の外周側に設けられている。第2シール部材28は、回転軸16の周面とロータハウジング14の内周面との間に配置されている。そして、第1溝361と第2溝362が開口することによって、緩衝部70は弾性変形できる。このため、回転軸16が軸ブレしたとき、第2シール部材28よりも緩衝部70を径方向に弾性変形させることができる。回転軸16から加わる力は、緩衝部70の弾性変形によって、当該緩衝部70に吸収される。よって、第2シール部材28を大きく弾性変形させることなく回転軸16とロータハウジング14との間をシールした形状を維持できる。
このため、軸ブレに伴う第2シール部材28の弾性変形を加味して、回転軸16に対する第2シール部材28の押付力を大きくしなくてもよくなる。その結果、押付力を大きくすることを原因として、第2シール部材28の摩耗が進行し易くなることを抑制できる。以上から、回転軸16の軸ブレに伴う第2シール部材28の弾性変形を原因として、第2シール部材28によるシール性能が低下することを抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができるなお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○第1溝361及び第2溝362の突状溝部36bは、軸方向に見て台形状でなくてもよい。図10に示すように、突状溝部36bは、軸方向に見て、滑らかに突出する形状であってもよい。その他にも、突状溝部36bは、三角形状であったり、矩形状であったり山形状であったりしてもよい。
○第1の実施形態において、緩衝部材34には、第1溝361及び第2溝362のいずれか一方だけが形成されていてもよい。第2の実施形態において、緩衝部70には、第1溝361及び第2溝362のいずれか一方だけが形成されていてもよい。
○第1溝361及び第2溝362のいずれか一方は、突状溝部36bの形成されていない環状であってもよい。
○第1溝361及び第2溝362において、突状溝部36bの数は適宜変更してもよい。
○第1溝361及び第2溝362のいずれか一方は、環状でなくてもよい。例えば、第1溝361は、周方向の一箇所又は複数箇所において、円弧状溝部36aと突状溝部36bとが周方向に離れていてもよい。
○第1の実施形態の緩衝部材34において、第1溝361及び第2溝362に加えて、さらに溝を設けてもよい。第2の実施形態の緩衝部70において、第1溝361及び第2溝362に加えて、さらに溝を設けてもよい。そして、溝を追加することにより、緩衝部材34及び緩衝部70において、回転軸16の径方向へ、より弾性変形し易くしてもよい。
○緩衝部材34及び緩衝部70のいずれか一方は、ギアハウジング13と回転軸16との間において、第1シール部材17aと径方向に隣接して設けられていてもよい。
○緩衝部材34は、第2シール部材28よりも径方向の外周側に配置されていてもよい。
○流体機械は、スクリューポンプや、スクロールポンプであってもよい。この場合、ロータは、スクリューや可動スクロール及び固定スクロールとなる。また、ロータ室は、スクリューを収容するスクリュー室であり、可動スクロール及び固定スクロールを収容する空間となる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
[態様1]ハウジングと、前記ハウジングに挿入され、軸受を介して回転可能に支持された回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、前記ハウジングには、前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を有するロータ室が画定され、前記ロータ室は、前記回転軸が貫通するシール部材によってシールされ、前記シール部材は、弾性材料からなり、環状のベース部と、前記ベース部から前記回転軸の径方向の内側に向けて延在する環状のリップ部と、を有し、前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室内で圧縮され、前記吐出孔から前記ロータ室外に吐出される流体機械であって、前記ハウジングと前記回転軸との間には、前記シール部材と前記径方向に隣接し、前記回転軸が貫通する環状の緩衝部材が設けられ、前記回転軸の軸方向における前記緩衝部材の少なくとも一方の端面には、前記緩衝部材を前記シール部材よりも前記径方向に弾性変形させるように、前記回転軸の周方向へ延在する溝が開口していることを特徴とする流体機械。
[態様2]前記溝は、前記回転軸の周方向に延在する円弧状溝部と、当該円弧状溝部に連続し、かつ前記径方向の外側に向けて前記円弧状溝部から延在する突状溝部と、が前記周方向に交互に連続する波形状である[態様1]に記載の流体機械。
[態様3]前記溝は、前記緩衝部材の一方の端面に開口する第1溝と、他方の端面に開口する第2溝と、を有し、前記第1溝及び前記第2溝の各々は前記波形状であり、前記第1溝と前記第2溝は、前記径方向に離れているとともに、前記周方向に離れている[態様2]に記載の流体機械。
[態様4]前記緩衝部材は、前記径方向の内周側に位置する内周側環状部と、前記径方向の外周側に位置する外周側環状部と、前記径方向において前記内周側環状部と前記外周側環状部との間に位置し、かつ前記径方向において前記第1溝と前記第2溝との間に挟まれる弾性変形部と、を有し、前記径方向への前記弾性変形部の厚さは、前記径方向への前記内周側環状部の厚さより小さい[態様3]に記載の流体機械。
[態様5]前記緩衝部材は、前記シール部材よりも前記径方向の内周側に配置され、前記緩衝部材は、前記回転軸と一体的に回転する[態様1]~[態様4]のうちいずれか一つに記載の流体機械。
10…流体機械としてのルーツポンプ、11…ハウジング、16…回転軸、17a…第1シール部材、22…ロータ、25…ロータ室、28…第2シール部材、28a…ベース部、28b…リップ部、31…第1軸受、32…第2軸受、33…第3軸受、34…緩衝部材、34a…第1端面、34b…第2端面、36a…円弧状溝部、36b…突状溝部、38a…内周側環状部、38b…外周側環状部、39…弾性変形部、45…吸入孔、46…吐出孔、361…第1溝、362…第2溝。

Claims (5)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに挿入され、軸受を介して回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、
    前記ハウジングには、前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を有するロータ室が画定され、
    前記ロータ室は、前記回転軸が貫通するシール部材によってシールされ、
    前記シール部材は、弾性材料からなり、環状のベース部と、前記ベース部から前記回転軸の径方向の内側に向けて延在する環状のリップ部と、を有し、
    前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室内で圧縮され、前記吐出孔から前記ロータ室外に吐出される流体機械であって、
    前記ハウジングと前記回転軸との間には、前記シール部材と前記径方向に隣接し、前記回転軸が貫通する環状の緩衝部材が設けられ、
    前記回転軸の軸方向における前記緩衝部材の少なくとも一方の端面には、前記緩衝部材を前記シール部材よりも前記径方向に弾性変形させるように、前記回転軸の周方向へ延在する溝が開口していることを特徴とする流体機械。
  2. 前記溝は、前記回転軸の周方向に延在する円弧状溝部と、当該円弧状溝部に連続し、かつ前記径方向の外側に向けて前記円弧状溝部から延在する突状溝部と、が前記周方向に交互に連続する波形状である請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記溝は、前記緩衝部材の一方の端面に開口する第1溝と、他方の端面に開口する第2溝と、を有し、前記第1溝及び前記第2溝の各々は前記波形状であり、前記第1溝と前記第2溝は、前記径方向に離れているとともに、前記周方向に離れている請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記緩衝部材は、前記径方向の内周側に位置する内周側環状部と、前記径方向の外周側に位置する外周側環状部と、前記径方向において前記内周側環状部と前記外周側環状部との間に位置し、かつ前記径方向において前記第1溝と前記第2溝との間に挟まれる弾性変形部と、を有し、前記径方向への前記弾性変形部の厚さは、前記径方向への前記内周側環状部の厚さより小さい請求項3に記載の流体機械。
  5. 前記緩衝部材は、前記シール部材よりも前記径方向の内周側に配置され、前記緩衝部材は、前記回転軸と一体的に回転する請求項1又は請求項2に記載の流体機械。
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