JP2024047465A - 切断装置及び棒状部材の切断撤去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】横臥姿勢の棒状部材を切断し撤去する工事において、作業工程の簡略化を図るとともに、切断撤去に係る作業安全性を向上する。【解決手段】棒状部材を切断する切断装置であって、前記棒状部材を把持する複数の把持機構と、該把持機構を支持する吊りビームと、前記把持機構を挟んだ両側に対をなして配置される切断機構と、該切断機構を前記吊りビームに対して上下方向に移動自在に保持する移動機構と、を備え、前記把持機構が、前記吊りビームから垂下するように設けられる。【選択図】図2
Description
本発明は、横臥姿勢の棒状部材を切断し撤去する工事に用いる切断装置、及び切断装置を用いた棒状部材の切断撤去方法に関する。
例えば、水中もしくは水上で、既存の構造物を切断し撤去する工事では、切断位置によらず潜水士による水中作業が発生する場合が多い。潜水士による水中作業は、天候や付近を通過する船舶の影響を受けやすく、作業性や安全管理など多くの課題を有している。また、近年では人員確保も容易ではないため、潜水士による水中作業をできる限り削減するべく、様々な装置や工法が検討されている。
特許文献1には、水上に位置する床版と、この床版を支持する水中に位置する脚部と、により構成された脚付構造物の撤去方法が開示されている。具体的には、床版の下面に作業台船上に設置した支持架台を接触させる。次に、切断装置で脚部を切断する。こののち、作業台船を移動させる。
上記の方法によれば、切断作業及び撤去作業を作業台船上で実施できるため、潜水士による水中作業を省略できる。しかし、切断撤去予定の水平部材が床版のような水平板ではなく、梁のような棒状部材である場合、安全性や作業性を考慮すると、梁の下面に支持架台を接触させるのみでは足りず、梁を何らかの方法で固定させる必要が生じるため、作業が煩雑となりやすい。
ところで、例えば、特許文献2のような切断把持装置を採用して水上に位置する梁部材のみを切断し、別途脚部を切断撤去する方法も考えられる。特許文献2の切断把持装置は、重機のアーム先端に取り付けたクラッシャーアタッチメントの両側に、連結手段を介して一対の切断手段を設置したものである。これにより、クラッシャーアタッチメントで梁部材の中間部を把持しつつ、梁部材の両側を一対の切断手段で切断すれば、容易に梁部材を切断撤去できる。
特許文献2のような、切断把持装置を重機のアーム先端に取り付ける構造は、梁部材が鉄骨造など軽量部材であり、かつ切断部分が短小である場合に好適である。しかし、水上で重機を採用する場合、切断予定の梁部材近接に水上足場や作業台船など配置し、これらを利用して重機を据え付ける必要があるため生産性に欠ける。
また、水上足場や作業台船などに重機を据え付ける場合、水の流れや波浪の影響を受けやすい。このため、梁部材をクラッシャーアタッチメントにより1点で支持する構成は、作業安全性に課題が生じる。さらに、梁部材がRC造やSRC造のような重量物であったり、切断部分が長大な場合には、一度の作業で梁部材を切断撤去することは困難である。このため、重機で取り扱うことの可能な重量を考慮し、単位長さづつ切断撤去する工程を繰り返し実施せざるを得ず、作業が煩雑となりやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、横臥姿勢の棒状部材を切断し撤去する工事において、作業工程の簡略化を図るとともに切断撤去に係る作業安全性を向上することである。
かかる目的を達成するため本発明の切断装置は、棒状部材を切断する切断装置であって、前記棒状部材を把持する複数の把持機構と、該把持機構を支持する吊りビームと、前記把持機構を挟んだ両側に対をなして配置される切断機構と、該切断機構を前記吊りビームに対して上下方向に移動自在に保持する移動機構と、を備え、前記把持機構が、前記吊りビームから垂下するように設けられることを特徴とする。
本発明の切断装置は、前記把持機構が、上部に挿通された回動軸まわりに回動し下部が開閉する一対の爪部を備えるチャック機構よりなり、前記一対の爪部の間に、横臥姿勢の前記棒状部材を側方から挟持する挟持部が形成されるとともに、前記一対の爪部各々の下端に、上昇するにつれて前記挟持部に向かうように傾斜する傾斜面が設けられることを特徴とする。
本発明の切断装置は、前記切断機構が、前記棒状部材を切断する切断具と、該切断具を支持する門型フレームと、を備えるとともに、前記移動機構が、前記門型フレームの縦材に設けられた案内部材と、前記縦材が貫通されて前記案内部材上を移動する移動体と、を備え、前記門型フレームの、上方に前記切断具の駆動部が設けられ、下方に前記案内部材が設けられることを特徴とする。
本発明の切断装置は、前記切断具が、ワイヤーソーを備えることを特徴とする。
本発明の棒状部材の切断撤去方法は、横臥姿勢の棒状部材を本発明の切断装置により切断撤去する棒状部材の切断撤去方法であって、横臥姿勢の前記棒状部材に向けて前記切断装置を吊り下し、前記把持機構に前記棒状部材を把持させる工程と、一対の前記切断機構を前記吊りビームに対して下降させ、前記棒状部材を切断する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の棒状部材の切断撤去方法は、一対の前記切断機構を交互に下降させて、前記棒状部材を切断することを特徴とする。
本発明の棒状部材の切断撤去方法は、前記棒状部材が、コンクリート部材であることを特徴とする。
本発明の切断装置及び棒状部材の切断撤去方法によれば、クレーンなどの揚重装置を利用して横臥姿勢の棒状部材に向けて切断装置を吊り下すことで、切断装置の把持機構により棒状部材を把持し、また、棒状部材を把持した状態で切断機構により棒状部材を切断できる。さらに、切断後は、切断装置とともに棒状部材を揚重装置で吊り上げ撤去できる。
したがって、棒状部材が、地上にある場合や水上もしくは水中に位置する場合などいずれであっても、簡略な作業工程で切断撤去することが可能となる。特に、棒状部材が、水上もしくは水中に位置する場合には、潜水士による水中作業を省略することができ、作業安全性の向上を図ることができる。
また、切断装置が揚重装置に支持されているため、棒状部材がコンクリート造など重量物である場合にも、容易に切断撤去作業を実施できる。さらに、把持機構を複数設けることで、棒状部材をより安定して支持でき、切断撤去に係る作業安全性を向上することができる。
また、切断機構を構成する門型フレームの、上方に切断具の駆動部が設けられるとともに下方に移動機構の案内部材が設けられる。これにより、棒状部材が水面に近い高さ位置にある場合や水中にある場合も、門型フレームの高さや案内部材の長さを適宜調整することで、切断具の駆動部を水上に配置した状態を維持しつつ棒状部材を切断できる。これにより、切断具の駆動部は、水中利用を考慮した設備を省略することも可能となる。
加えて、把持機構を一対の爪部を備える支点開閉型のチャック機構により構成し、一対の爪部各々の下端に、上昇するにつれて挟持部に向かうように傾斜する傾斜面を設ける。これにより、傾斜面に横臥姿勢の棒状部材を当接させながら、把持機構を下降させることで、一対の爪部を開状態に回動することができ、把持機構を開閉させる動力が不要となる。これにより、把持機構に水中利用を考慮した設備を省略することが可能となる。
本発明によれば、揚重装置を利用して横臥姿勢の棒状部材に向けて切断装置を吊り下すことで、切断装置の把持機構により棒状部材を把持し、また棒状部材を把持した状態で切断機構により棒状部材を切断でき、作業工程の簡略化を図るとともに、切断撤去に係る作業安全性を向上することが可能となる。
本発明は、地上、水中もしくは水上に横臥姿勢で構築された棒状部材を、切断し撤去するための装置及び方法である。切断対象となる棒状部材は、鉄骨造もしくはコンクリート造などいずれでもよく、何ら制約を受けるものではない。
本実施の形態では、海上に構築した水上構造物を撤去するにあたり、これらを支持する既存杭に架け渡されたコンクリート梁を、切断して撤去する場合を事例に挙げ、図1~図9を参照しつつ、その詳細を説明する。
≪≪≪連結部材の切断工事の概略≫≫≫
図1(a)で示すように、道路やデッキ、人工地盤などの水上構造物300を支持する複数の既存杭Pには、これらを連結するコンクリート梁310が架け渡されている。このコンクリート梁310を、図1(b)で示すように水上で切断分離し、そのまま揚重撤去する作業は、図2で示すような、切断装置100を用いて実施する。
図1(a)で示すように、道路やデッキ、人工地盤などの水上構造物300を支持する複数の既存杭Pには、これらを連結するコンクリート梁310が架け渡されている。このコンクリート梁310を、図1(b)で示すように水上で切断分離し、そのまま揚重撤去する作業は、図2で示すような、切断装置100を用いて実施する。
≪≪≪切断装置の概略≫≫≫
切断装置100は、図2(a)で示すように、クレーンなどの揚重装置Mを利用して揚重することの可能な構造を有しており、吊りビーム10と、吊りビーム10の長さ方向中間位置に設けられた一対の把持機構20と、吊りビーム10の両端各々に設置された切断機構30と、吊りビーム10に対して切断機構30を上下方向に移動させる移動機構80と、を備える。
切断装置100は、図2(a)で示すように、クレーンなどの揚重装置Mを利用して揚重することの可能な構造を有しており、吊りビーム10と、吊りビーム10の長さ方向中間位置に設けられた一対の把持機構20と、吊りビーム10の両端各々に設置された切断機構30と、吊りビーム10に対して切断機構30を上下方向に移動させる移動機構80と、を備える。
把持機構20は、コンクリート梁310を把持できる機構であれば、ガス式や機械式のチャック機構などいずれも採用することができる。また、切断機構30も、コンクリート梁310を切断可能であれば、ワイヤーソーやコンクリートカッタなどいずれをも採用することができる。また、切断対象の棒状部材がコンクリート造でない場合には、適切な切断具を適宜採用すればよい。
≪≪≪切断装置を用いた連結部材の切断撤去方法≫≫≫
上記の切断装置100を利用してコンクリート梁310を切断分離し、撤去する手順は、次のとおりである。ここでは、切断機構30にワイヤーソー40を採用する場合を事例に挙げる。
上記の切断装置100を利用してコンクリート梁310を切断分離し、撤去する手順は、次のとおりである。ここでは、切断機構30にワイヤーソー40を採用する場合を事例に挙げる。
まず、図2(a)で示すように、ワイヤーhw及び吊り具Gを介して揚重装置Mに吊持された切断装置100を、コンクリート梁310の上方で吊り下げる。次に、切断装置100の吊りビーム10が、コンクリート梁310の直上で略平行となるように位置決めする。
図2(b)で示すように、切断装置100を降下させ、一対の把持機構20にコンクリート梁310を挟持させる。また、一対の切断機構30各々を、コンクリート梁310の両端近傍における、傾斜切断部Cfの形成予定位置に据え付ける。
こののち、図3(a)で示すように、ワイヤーソー40を周回駆動させつつ切断機構30を所定の速度で下降させ、コンクリート梁310に押し当てる。こうして、切断機構30によるワイヤーソー切断を実施し、コンクリート梁310の両端近傍各々に傾斜切断部Cfを形成する。
このとき、コンクリート梁310は、一対の把持機構20により2点で安定して支持されている。したがって、一対の切断機構30を同時に稼働させて傾斜切断部Cfを形成するなどの手間は不要であり、交互に作動させて傾斜切断部Cfを形成すればよい。
こうして、コンクリート梁310の両端近傍各々に傾斜切断部Cfを形成したのち、図3(b)で示すように、揚重装置Mを利用して切断装置100とコンクリート梁310とを吊り上げて撤去する。なお、一対の傾斜切断部Cfが逆ハの字をなすように、吊りビーム10に対して一対の切断機構30を設置しているため、切断分離されたコンクリート梁310は、残置部分と競り合うことなく、容易に吊り上げることができる。
上記のとおり、切断装置100を採用すれば、コンクリート梁310が、水上もしくは水中に位置する場合にも、潜水士による水中作業を省略しつつ、簡略な作業工程で、コンクリート梁310を切断し、撤去することが可能となる。
≪≪≪切断装置の詳細≫≫≫
上記の切断装置100について、把持機構20として機械式の支点開閉型チャック機構を採用し、また切断機構30としてワイヤーソー40を採用する場合を事例に挙げ、切断装置100の詳細を、以下に説明する。
上記の切断装置100について、把持機構20として機械式の支点開閉型チャック機構を採用し、また切断機構30としてワイヤーソー40を採用する場合を事例に挙げ、切断装置100の詳細を、以下に説明する。
≪吊りビーム≫
吊りビーム10は、図3(b)示すように、ワイヤーhwなどの吊り具が装着される一対の吊り金具11と、吊り金具11が取り付けられる梁部材12とを備える。梁部材12は、図4(a)の平面図で示すように、間隔を設けて並列配置した2本のH形鋼121により構成され、上フランジに跨って設けられた吊り金具11により連結されている。
吊りビーム10は、図3(b)示すように、ワイヤーhwなどの吊り具が装着される一対の吊り金具11と、吊り金具11が取り付けられる梁部材12とを備える。梁部材12は、図4(a)の平面図で示すように、間隔を設けて並列配置した2本のH形鋼121により構成され、上フランジに跨って設けられた吊り金具11により連結されている。
吊り金具11は、図4(a)(b)で示すように、梁部材12にボルトなどの締結材を介して締結されており、吊りビーム10の長手方向に間隔を設けて2体設置されている。そして、図4(b)で示すように、この吊り金具11の下方に、把持機構20が配置されている。
≪把持機構≫
把持機構20は、図4(b)及び図5(a)で示すように、梁部材12の下面に設置される取付金具21と、回動軸23を介して取付金具21に上部が接続された一対の爪部22とを備えている。
把持機構20は、図4(b)及び図5(a)で示すように、梁部材12の下面に設置される取付金具21と、回動軸23を介して取付金具21に上部が接続された一対の爪部22とを備えている。
回動軸23は、軸方向と吊りビーム10の延在方向の向きとが合致するように配置されている。取付金具21は、図4(b)で示すように、梁部材12の下面に当接する当接板211と、当接板211から垂下する一対の支持板212とを備える。
一対の支持板212は、吊りビーム10の延在方向に間隔を設けて配置され、板面も吊りビーム10の延在方向に向いている。これら一対の支持板212の間に、爪部22の上端近傍が挿入されるとともに回動軸23が挿通されて、一対の支持板212と爪部22が接続されている。
爪部22は、図5(a)で示すように、吊りビーム10の断面方向に間隔を設けて対をなして設けられ、各々が回動軸23周りに回動自在に設置されている。そして、この対をなす爪部22の間に、コンクリート梁310を挟持する挟持部25が形成されている。
挟持部25は、対をなす爪部22各々が、取付金具21から垂下するとき閉状態となる。一方、図5(b)で示すように、対をなす爪部22が回動軸23周りに回動すると両者の下端部が離間し、開状態となる。このような開閉動作は、対をなす爪部22各々の下部に設けられた傾斜面24により実現される。
傾斜面24は、爪部22の下端から上昇するにつれて挟持部25の内方に向かうよう傾斜し、対をなして略ハの字を形成するように形成されている。これにより、図6(a)で示すように、把持機構20をコンクリート梁310の上方から吊り下ろし、このコンクリート梁310を傾斜面24に当接させる。
この状態で、さらに把持機構20を下降させると、図6(b)で示すように、コンクリート梁310が傾斜面24を介して、対をなす爪部22を押し拡げる。これにより、対をなす爪部22が回動軸23周りに鉛直回転し、挟持部25は開状態となる。続けて把持機構20を下降させると、図6(c)で示すように、コンクリート梁310が挟持部25に入り込み、対をなす爪部22は、回動軸23周りに逆方向に鉛直回転して垂下姿勢となる。
これにより、挟持部25は閉状態となり、コンクリート梁310が挟持される。また、図6(c)で示すように、対をなす爪部22各々の設けた傾斜面24の上側には、挟持部25に対向する保持部26が設けられている。したがって、コンクリート梁310を挟持部25に挟持したのち、把持機構20を引き上げると、コンクリート梁310が保持部26に載置されるとともに、挟持部25の閉状態が維持される。
このように把持機構20は、コンクリート梁310を挟持することの可能な機械式のチャック機構として機能する。なお、例えば挟持部25を挟持したコンクリート梁310を取り去るべく、挟持部25の開状態を維持する場合には、図5(b)で示すように、係止ピン27を用いる。
対をなす爪部22各々の上端近傍と支持板212には、挟持部25を開状態としたときに連通する貫通孔28が設けられている。この貫通孔28に係止ピン27を挿入すると、対をなす爪部22における回動軸23周りの鉛直回動を阻止できる。これにより、挟持部25の開状態を維持することができる。
切断装置100は、図3(b)で示すように、このような把持機構20を吊りビーム10の延在方向に間隔を2機設けている。したがって、連結部材31が切断分離されても、図3(b)で示すように、コンクリート梁310を安定して吊持することが可能となる。なお、把持機構20の設置数は2機に限定されず、3機以上設ける構成としてもよい。
≪切断機構≫
切断機構30は、図7(a)で示すように、ダイヤモンドソーワイヤーをエンドレス状に加工したワイヤーソー40、駆動プーリ50、ガイドプーリ群60、及び門型フレーム70を備える。
切断機構30は、図7(a)で示すように、ダイヤモンドソーワイヤーをエンドレス状に加工したワイヤーソー40、駆動プーリ50、ガイドプーリ群60、及び門型フレーム70を備える。
門型フレーム70は、一対の縦材71と、縦材71の上半側でこれらを連結する2本の横材72とにより構成されている。この門型フレーム70の、横材72に駆動プーリ50が設置され、縦材71にガイドプーリ群60が設置されている。
駆動プーリ50は、門型フレーム70と平行な面内で回転することにより、掛け回されたワイヤーソー40に一定の緊張力と高速回転力を付与するものであり、その背面には、図7(b)で示すように、駆動プーリ50を駆動する駆動部51が設置されている。
ガイドプーリ群60は、駆動プーリ50と同様に門型フレームと平行な面内で回転するよう、一対の縦材71各々の上端部近傍及び下端部近傍の適所に、設置されている。その数量はいずれでもよいが、本実施の形態では、第1~第4のガイドプーリ61~64の合計4個を設けている。これらガイドプーリ群60と駆動プーリ50に掛け回されるワイヤーソー40は、図7(a)(b)で示すように、門型フレーム70の下端であって一対の縦材71の間の切断エリアで、コンクリート梁310の上面と接する。
これにより、駆動プーリ50を回転させて、門型フレーム70に平行な面内を周回走行しつつ、図2(b)及び図3(a)で示すように、吊りビーム10に対して門型フレーム70を下方へスライドさせる。すると、周回走行するワイヤーソー40がコンクリート梁310に押し当てられるため、切断機構30はコンクリート梁310をワイヤーソー切断できる。
このような構成の切断機構30は、図7(b)で示すように、切断機構30を備えた門型フレーム70が吊りビーム10に対し、傾斜した姿勢で設置されている。したがって、コンクリート梁310には、ワイヤーソー切断により傾斜切断部Cfが形成される。また、切断機構30は、図7(b)で示すように、移動機構80を利用して吊りビーム10に接続することで、上下動が自在となっている。
≪≪≪移動機構≫≫≫
移動機構80は、図7(b)で示すように、吊りビーム10を構成する梁部材12の端部に設けた接続治具81と、接続治具に固定される一対のスライダー82と、スライダー82の移動を案内する案内部材83と、を備えている。
移動機構80は、図7(b)で示すように、吊りビーム10を構成する梁部材12の端部に設けた接続治具81と、接続治具に固定される一対のスライダー82と、スライダー82の移動を案内する案内部材83と、を備えている。
接続治具81は、梁部材12の端面に固定される端板811と、端板811から突出し梁部材12に平行な接続板812と、により構成されている。端板811は、図4(a)で示すように、梁部材12を構成する一対のH形鋼121を連結するように接続されている。
接続板812には図7(b)で示すように、複数のボルト孔8121が形成されており、このボルト孔8121にスライダー82に設けたボルト821を挿通し固定することで、接続治具81と一対のスライダー82とが接続される。
一対のスライダー82は筒形状に形成されており、図7(a)で示すように、門型フレーム70を構成する一対の縦材71各々が貫通している。また、スライダー82には、外周面に前述のボルト821が取り付けられている。さらに、例えばモーター822の駆動により回転するピニオンギア(図示せず)が内装されている。なお、図7では、モーター822のモーター軸が、一対のスライダー82に跨って設けられている場合を事例に挙げている。
これらに対応して門型フレーム70の縦材71各々には、図8(a)で示すように、案内部材83としてラックが設けられている。これにより、スライダー82内のピニオンギアが回転すると、図8(b)で示すように、案内部材83とともに門型フレーム70が、吊りビーム10に対して上下動する。このとき、案内部材83は、駆動プーリ50より下方の高さ範囲(門型フレーム70の下半)に設置されている。
このため、門型フレーム70を吊りビーム10に対して下降させても、駆動プーリ50が吊りビーム10より下方側に移動することはない。したがって、コンクリート梁310が水面に近い高さ位置にある場合や、水中にある場合も、駆動プーリ50を水上に配置したまま、切断作業を実施できる。これにより、切断機構30は、水中利用を考慮した設備を省略することが可能となる。
なお、図8(a)(b)では、切断機構30の門型フレーム70を吊りビーム10に対して傾斜姿勢で設置するため、梁部材12の端面を傾斜させて、移動機構80の接続治具81を設置している。しかし、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、ボルト孔8121の位置を調整する、もしくは、スライダー82に設けるボルト821の位置を調整するなど、吊りビーム10に対して門型フレーム70所望の角度で傾斜できる構成を有していれば、いずれの方法を採用してもよい。
上記のとおり、切断装置100は、移動機構80を介して吊りビーム10の両端各々に切断機構30を設けることで、コンクリート梁310を一対の把持機構20で把持しつつ、傾斜切断部cfを設けることが可能となる。
また、門型フレーム70を構成する縦材71の長さや案内部材83の設置高さ範囲を適宜調整すれば、コンクリート梁310の梁成が大きい場合も、傾斜切断部Cfを形成し切断分離することが可能となる。
本発明の切断装置100及び切断撤去方法は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、切断対象の棒状部材にコンクリート梁310を採用したが、これに限定されるものではない。コンクリート造や鉄骨造などいずれの棒状部材にも、切断装置100を採用することができる。
また、切断装置100の使用位置は、地上、水上もしくは水中など何ら制限はないが、例えば、水上もしくは水中などで採用する場合には、図9で示すように、切断機構30に集塵装置90を設ける構成にすると良い。
集塵装置90は、切断機構30の門型フレーム70に取り付けた支持フレーム91と、高圧水を噴射する噴射ノズル92と、集塵パン93と、給水ポンプ94とを備える。噴射ノズル92、集塵パン93、及び給水ポンプ94はいずれも切断機構30の切断エリアに近接した設置されており、コンクリート梁310を挟んだ一方側に噴射ノズル92を配置し、他方側に集塵パン93及び給水ポンプ94を設置している。
これにより、コンクリート梁310のワイヤーソー40が当接する部分に向けて、噴射ノズル92から高圧水を噴射させつつ切断作業を行うと、この高圧水によりコンクリートくずの大部分を集塵パン93に収集できる。そして、収集したコンクリートくずは、給水ポンプ94を介して速やかに地上へ排出できる。したがって、コンクリート梁310が水上もしくは水中のいずれにある場合にも、コンクリートくずが水中に拡散することを防止でき、環境に配慮したコンクリート梁310の切断工事を実現できる。
100 切断装置
10 吊りビーム
11 吊り金具
12 梁部材
20 把持機構
21 取付金具
211 当接板
212 支持板
22 爪部
23 回動軸
24 傾斜面
25 挟持部
26 保持部
27 係止ピン
28 貫通孔
30 切断機構
40 ワイヤーソー(切断具)
50 駆動プーリ
60 ガイドプーリ群
61 第1のガイドプーリ
62 第2のガイドプーリ
63 第3のガイドプーリ
64 第4のガイドプーリ
70 門型フレーム
71 縦材
72 横材
80 移動機構
81 接続治具
811 端板
812 接続板
8121 ボルト孔
82 スライダー(移動体)
821 ボルト
822 モーター
83 案内部材
90 集塵装置
91 支持フレーム
92 噴射ノズル
93 集塵パン
94 給水ポンプ
300 水上構造物
310 コンクリート梁(棒状部材)
P 既存杭
Cf 傾斜切断部
G 吊り具
hw ワイヤー
M 揚重装置
Sl ヘドロ
Sg 海底
10 吊りビーム
11 吊り金具
12 梁部材
20 把持機構
21 取付金具
211 当接板
212 支持板
22 爪部
23 回動軸
24 傾斜面
25 挟持部
26 保持部
27 係止ピン
28 貫通孔
30 切断機構
40 ワイヤーソー(切断具)
50 駆動プーリ
60 ガイドプーリ群
61 第1のガイドプーリ
62 第2のガイドプーリ
63 第3のガイドプーリ
64 第4のガイドプーリ
70 門型フレーム
71 縦材
72 横材
80 移動機構
81 接続治具
811 端板
812 接続板
8121 ボルト孔
82 スライダー(移動体)
821 ボルト
822 モーター
83 案内部材
90 集塵装置
91 支持フレーム
92 噴射ノズル
93 集塵パン
94 給水ポンプ
300 水上構造物
310 コンクリート梁(棒状部材)
P 既存杭
Cf 傾斜切断部
G 吊り具
hw ワイヤー
M 揚重装置
Sl ヘドロ
Sg 海底
Claims (7)
- 棒状部材を切断する切断装置であって、
前記棒状部材を把持する複数の把持機構と、
該把持機構を支持する吊りビームと、
前記把持機構を挟んだ両側に対をなして配置される切断機構と、
該切断機構を前記吊りビームに対して上下方向に移動自在に保持する移動機構と、を備え、
前記把持機構が、前記吊りビームから垂下するように設けられることを特徴とする切断装置。 - 請求項1に記載の切断装置において、
前記把持機構が、上部に挿通された回動軸まわりに回動し下部が開閉する一対の爪部を備えるチャック機構よりなり、
前記一対の爪部の間に、横臥姿勢の前記棒状部材を側方から挟持する挟持部が形成されるとともに、
前記一対の爪部各々の下端に、上昇するにつれて前記挟持部に向かうように傾斜する傾斜面が設けられることを特徴とする切断装置。 - 請求項1に記載の切断装置において、
前記切断機構が、前記棒状部材を切断する切断具と、該切断具を支持する門型フレームと、を備えるとともに、
前記移動機構が、前記門型フレームの縦材に設けられた案内部材と、前記縦材が貫通されて前記案内部材上を移動する移動体と、を備え、
前記門型フレームの、上方に前記切断具の駆動部が設けられ、下方に前記案内部材が設けられることを特徴とする切断装置。 - 請求項3に記載の切断装置において、
前記切断具が、ワイヤーソーを備えることを特徴とする切断装置。 - 横臥姿勢の棒状部材を請求項1に記載の切断装置により切断撤去する棒状部材の切断撤去方法であって、
横臥姿勢の前記棒状部材に向けて前記切断装置を吊り下し、前記把持機構に前記棒状部材を把持させる工程と、
一対の前記切断機構を前記吊りビームに対して下降させ、前記棒状部材を切断する工程と、
を備えることを特徴とする棒状部材の切断撤去方法。 - 請求項5に記載の棒状部材の切断撤去方法において、
一対の前記切断機構を交互に下降させて、前記棒状部材を切断することを特徴とする棒状部材の切断撤去方法。 - 請求項5に記載の棒状部材の切断撤去方法において、
前記棒状部材が、コンクリート部材であることを特徴とする棒状部材の切断撤去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022153099A JP2024047465A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 切断装置及び棒状部材の切断撤去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022153099A JP2024047465A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 切断装置及び棒状部材の切断撤去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024047465A true JP2024047465A (ja) | 2024-04-05 |
Family
ID=90527447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022153099A Pending JP2024047465A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 切断装置及び棒状部材の切断撤去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024047465A (ja) |
-
2022
- 2022-09-26 JP JP2022153099A patent/JP2024047465A/ja active Pending
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