JP2024047253A - 撮像装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】測色に適した複数の波長に分光した画像を撮像する撮像装置及び方法を提供する。【解決手段】撮像装置1は、被写体Obに照明光を照射する照明部10と、第1波長λ1及び第2波長λ2を含む複数の波長に分光して被写体Obを撮像する撮像部100と、を備える。撮像装置1は、第1波長λ1の光の強度を低下させて、被写体Obを撮像する。【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置及び方法に係り、特に複数の波長に分光した画像を撮像する撮像装置及び方法に関する。
特許文献1には、被写体を複数の波長に分光して撮像する撮像装置が記載されている。また、特許文献2には、複数の波長で高い発光出力を有する発光手段から対象に光を照射し、その反射光を受光手段で受光し、波長ごとの出力比を演算して、対象の色調を判別するカラーセンサが記載されている。
本開示の技術に係る一つの実施形態は、測色に適した分光画像を撮像できる撮像装置及び方法を提供する。
(1)第1波長及び第2波長を含む複数の波長に分光して被写体を撮像する撮像部と、撮像部で受光される第1波長の光の強度を低下させる制御を行う調整部と、を備えた撮像装置。
(2)撮像部で撮像された画像から第1波長と第2波長の強度比を算出するプロセッサを更に備えた、(1)の撮像装置。
(3)第1波長は、被写体の分光反射率が第2波長よりも高い波長である、(1)又は(2)の撮像装置。
(4)第1波長が、可視光域よりも長い波長域の波長である、(3)の撮像装置。
(5)撮像部は、光学系と、イメージセンサと、を含み、調整部は、光学系に第1波長の光量を低下させる光学素子を配置して、撮像部で受光される第1波長の光の強度を低下させる、(1)から(4)のいずれか一の撮像装置。
(6)第1波長及び第2波長を含む光を被写体に照射する照明部を備え、調整部は、照明部から照射する光の第1波長の強度を低下させる、(1)から(4)いずれか一の撮像装置。
(7)調整部は、撮像部で受光される第1波長の光の強度を所定量低下させる、(1)から(6)のいずれか一の撮像装置。
(8)調整部は、被写体を撮像する場合に、第1波長の光が飽和しない範囲まで光の強度を低下させる、(1)から(6)のいずれか一の撮像装置。
(9)調整部は、第1波長の光の強度を第2波長の光の強度まで低下させる、(1)から(6)のいずれか一の撮像装置。
(10)第1波長の光の強度は、同じ被写体を複数回撮像した場合に又は同種の複数の被写体を撮像した場合に最大となる強度である、(1)から(6)のいずれか一の撮像装置。
(11)第1波長及び第2波長を含む複数の波長に分光して被写体を撮像する撮像方法であって、第1波長の光の強度を低下させて、被写体を撮像する、撮像方法。
(12)撮像された画像から第1波長と第2波長の強度比を算出する、(11)の撮像方法。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
[色の測定]
色は、基準波長と測定波長との強度比によって定義される。したがって、基準波長と測定波長とに分光して撮像することで、対象の色の測定できる。しかし、撮像の際、光源の映り込み等によって、対象の表面にテカリ(表面反射)が発生すると、正確な測色が困難になる。以下の実施の形態では、テカリの影響を抑制して、測色に適した分光画像を撮像できる撮像装置について説明する。
色は、基準波長と測定波長との強度比によって定義される。したがって、基準波長と測定波長とに分光して撮像することで、対象の色の測定できる。しかし、撮像の際、光源の映り込み等によって、対象の表面にテカリ(表面反射)が発生すると、正確な測色が困難になる。以下の実施の形態では、テカリの影響を抑制して、測色に適した分光画像を撮像できる撮像装置について説明する。
[撮像装置の構成]
図1は、撮像装置の概略構成を示す図である。
図1は、撮像装置の概略構成を示す図である。
同図に示すように、本実施の形態の撮像装置1は、照明部10、撮像部100及び画像処理部200を備える。
撮像装置1は、照明部10から測定対象物Ob(被写体)に向けて照明光を照射し、その反射光を撮像部100で受光して、測定対象物Obを撮像する。撮像により得られた画像データを画像処理部200で処理し、測定対象物Obの色を測定する。
[照明部]
照明部10は、測定対象物Obに向けて照明光を照射する。本実施の形態では、照明光として白色光を照射する。照明部10には、たとえば、ハロゲンランプ照明、LED(Light Emitting Diode)照明(たとえば、ブロードスペクトルLED照明等)等を採用できる。
照明部10は、測定対象物Obに向けて照明光を照射する。本実施の形態では、照明光として白色光を照射する。照明部10には、たとえば、ハロゲンランプ照明、LED(Light Emitting Diode)照明(たとえば、ブロードスペクトルLED照明等)等を採用できる。
[撮像部]
図2は、撮像部の概略構成を示す図である。
図2は、撮像部の概略構成を示す図である。
撮像部100は、2つ波長(2バンド)に分光した画像を撮像可能に構成される。同図に示すように、撮像部100は、主として、レンズ部110及びカメラ部120で構成される。
レンズ部110は、入射した光を2つの波長に分光する。レンズ部110は、光学系の一例である。レンズ部110は、鏡筒111内に複数のレンズ群112A、112B、及び、フィルタユニット113を備える。なお、図2では、便宜上、2つのレンズ群112A、112Bのみを図示している。
各レンズ群112A、112Bは、少なくとも1枚のレンズで構成される。図2では、便宜上、各レンズ群112A、112Bを1枚のレンズで表現している。
フィルタユニット113は、鏡筒111に着脱自在に装着される。フィルタユニット113は、鏡筒111に装着することにより、所定位置に位置決めされて配置される。フィルタユニット113が配置される位置は、レンズ部110における瞳位置又は瞳位置の近傍である。瞳位置の近傍とは、|d|<φ/(2tanθ)の関係を満たす領域をいう。ここで、θは、瞳位置での最大主光線角度(主光線角度は光軸Zとなす角度)、φは、瞳径、|d|は、瞳位置からの距離である。
図3は、フィルタユニットの概略構成を示す図である。
フィルタユニット113は、フィルタ枠114、及び、そのフィルタ枠114に装着されるフィルタ群で構成される。
フィルタ枠114は、2つの開口部114A、114Bを有する。一方の開口部114Aを第1開口部114A、他方の開口部114Bを第2開口部114Bとする。各開口部114A、114Bは、円形状を有し、対角の位置に配置される。なお、開口部の数、形状及び配置は、これに限定されるものではない。
各開口部114A、114Bは、それぞれフィルタの装着部を構成する。各開口部114A、114Bには、複数枚のフィルタが任意の組み合わせで着脱自在に装着される。
本実施の形態では、第1開口部114Aに、第1偏光フィルタ115A、第1バンドパスフィルタ116A、及び、NDフィルタ(Neutral Density Filter:減光フィルタ)117Aが装着される。第1偏光フィルタ115Aは、透過軸が第1角度α1に設定され(たとえば、α1=0°)、第1方向に振動する光(偏光)を透過させる。第1バンドパスフィルタ116Aは、第1波長λ1の光を透過させる。NDフィルタ117Aは、透過する光の量を一定量低下させる。本実施の形態において、NDフィルタ117Aは、第1開口部114Aを通過する光(第1波長λ1の光)の光量を制御する手段として機能する。よって、本実施の形態において、第1開口部114Aは、撮像部100で受光される第1波長λ1の光の強度を低下させる制御を行う調整部の一例である。また、NDフィルタ117Aは、第1波長λ1の光量を低下させる光学素子の一例である。
また、第2開口部114Bに、第2偏光フィルタ115B及び第2バンドパスフィルタ116Bが装着される。第2偏光フィルタ115Bは、透過軸が第2角度α2に設定され(たとえば、α2=90°)、第2方向に振動する光(偏光)を透過させる。第2バンドパスフィルタ116Bは、第2波長λ2の光を透過させる。
以上の構成により、レンズ部110に入射した光は、フィルタユニット113を通過する過程で2波長に分光され、かつ、波長ごとに特定の方向に振動する光(偏光)となって出射する。具体的には、第1方向に偏光した第1波長λ1の光、及び、第2方向に偏光した第2波長λ2の光に分光されて出射する。また、第1波長λ1の光については、NDフィルタ117Aにより、一定量減光されて出射される。
なお、透過軸の角度は、X軸と平行になる状態を0°とし、物体側(正面側)から見て反時計回りの方向をプラス(+)の方向としている。したがって、透過軸の角度がα1度とは、X軸に対し反時計回りにα1度傾いた状態である。また、透過軸の角度がα2度とは、X軸に対し反時計回りにα2度傾いた状態である。
X軸は、光軸Zと直交する平面に設定される軸である。光軸Zと直交する平面において、X軸と直交する軸をY軸とする。後述するように、カメラ部120に備えられるイメージセンサ121は、その受光面の上下の辺がX軸と平行に配置される。また、左右の辺がY軸と平行に配置される。
[カメラ部]
カメラ部120は、図2に示すように、イメージセンサ121を有する。イメージセンサ121は、レンズ部110の光軸上に配置されて、レンズ部110を通過した光を受光する。
カメラ部120は、図2に示すように、イメージセンサ121を有する。イメージセンサ121は、レンズ部110の光軸上に配置されて、レンズ部110を通過した光を受光する。
イメージセンサ121は、いわゆる偏光イメージセンサで構成される。偏光イメージセンサとは、偏光子を搭載したイメージセンサである。偏光子は、画素ごとに備えられる。偏光子は、各画素において、たとえば、マイクロレンズとフォトダイオードとの間に配置される。なお、この種の偏光イメージセンサは、公知であるので、その詳細についての説明は省略する(たとえば、国際公開第2020/071253号等参照)。
イメージセンサ121に搭載される偏光子の種類(透過軸の角度)は、撮像する波長の数に応じて選択される。2波長に分光した画像を撮像する場合、少なくとも2方向の偏光子が備えられる。本実施の形態では、4方向の偏光子を備えた偏光イメージセンサを使用する。
図4は、イメージセンサにおける画素及び偏光子の配置の一例を示す図である。
同図に示すように、マトリクス状に配置される画素に対し、透過軸の角度が異なる4つの偏光子が規則的に配置される。透過軸の角度が、β1の偏光子を第1偏光子、β2の偏光子を第2偏光子、β3の偏光子を第3偏光子、β4の偏光子を第4の偏光子とする(一例として、β1=0°、β2=45°、β3=90°、β4=135°)。
第1偏光子を備えた画素P1を第1画素、第2偏光子を備えた画素P2を第2画素、第3偏光子を備えた画素P3を第3画素、第4偏光子を備えた画素P4を第4画素とする。第1画素P1、第2画素P2、第3画素P3及び第4画素P4からなる2×2の画素を1つの画素セットSPとし、この画素セットSPが、X軸及びY軸に沿って繰り返し配置される。
このように4方向の偏光子が搭載されたイメージセンサでは、ワンショットで4方向の偏光画像を撮像できる。
イメージセンサ121は、たとえば、駆動部、ADC(Analog to Digital Converter)、及び、信号処理部等を備えたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型で構成される。この場合、イメージセンサ121は、内蔵する駆動部に駆動されて動作する。また、各画素の信号は、内蔵するADCによってデジタル信号に変換されて出力される。更に、各画素の信号は、内蔵する信号処理部によって、相関二重サンプリング処理、ゲイン処理、補正処理等が行われて出力される。信号処理は、デジタル信号に変換した後に行う構成としてもよいし、デジタル信号に変換する前に行う構成としてもよい。
カメラ部120には、イメージセンサ121の他、イメージセンサ121で撮像された画像のデータを出力する出力部(不図示)、カメラ部120の全体の動作を制御するカメラ制御部(不図示)等が備えられる。カメラ制御部は、たとえば、プロセッサ及びメモリを備えたマイクロプロセッシングユニット(Micro Processing Unit:MPU)で構成される。マイクロプロセッシングユニットは、所定の制御プログラムを実行することで、カメラ制御部として機能する。
なお、カメラ部120から出力される画像のデータは、いわゆるRAW画像データである。すなわち、未処理の画像データである。このRAW画像データが、画像処理部200で処理されて、2波長に分光した画像が生成される。
[画像処理部]
画像処理部200は、カメラ部120から出力される画像データ(RAW画像データ)を処理して、複数の波長に分光した画像(分光画像)を生成する。具体的には、第1波長λ1の画像及び第2波長λ2の画像を生成する。また、画像処理部200は、生成した2つの波長の画像について、画素ごとに強度比を算出し、算出した強度比をマッピングしたデータを生成する。
画像処理部200は、カメラ部120から出力される画像データ(RAW画像データ)を処理して、複数の波長に分光した画像(分光画像)を生成する。具体的には、第1波長λ1の画像及び第2波長λ2の画像を生成する。また、画像処理部200は、生成した2つの波長の画像について、画素ごとに強度比を算出し、算出した強度比をマッピングしたデータを生成する。
図5は、画像処理部のハードウェア構成の一例を示す図である。
同図に示すように、画像処理部200は、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、補助記憶装置214、入力装置215、出力装置216及び入出力インターフェース(Interface:I/F)217等を備える。このような画像処理部200は、たとえば、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータで構成される。
画像処理部200は、プロセッサであるCPU211が、所定のプログラム(画像処理プログラム)を実行することにより、画像処理部として機能する。CPU211が実行するプログラムは、ROM212又は補助記憶装置214に記憶される。
補助記憶装置214は、画像処理部200の記憶部を構成する。補助記憶装置214は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成される。
入力装置215は、画像処理部200の操作部を構成する。入力装置215は、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成される。
出力装置216は、画像処理部200の表示部を構成する。出力装置216は、たとえば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)等のディスプレイ等で構成される。
入出力インターフェース217は、画像処理部200の接続部を構成する。画像処理部200は、入出力インターフェース217を介して、撮像部100のカメラ部120と接続される。
図6は、画像処理部が有する機能のブロック図である。
同図に示すように、画像処理部200は、画像データ取得部220、分光画像生成部221、強度比演算部222、マップデータ生成部223、出力制御部224及び記録制御部225等の機能を有する。これらの機能は、CPU211が、所定のプログラム(画像処理プログラム)を実行することで実現される。
画像データ取得部220は、撮像部100で撮像された画像データ(RAW画像データ)を取得する。画像データは、入出力インターフェース217を介して取得される。
分光画像生成部221は、撮像により得られた画像データに対し、所定の信号処理を施して、第1波長λ1及び第2波長λ2の画像データを生成する。分光画像生成部221は、画像データ取得部220で取得された画像データに対し、画素セット単位で混信を除去する処理(混信除去処理)を行って、各波長λ1、λ2の画像データを生成する。以下、この処理について概説する。
上記のように、4方向の偏光子が搭載されたイメージセンサ(偏光イメージセンサ)では、ワンショットで4方向の偏光画像を撮像できる。この4方向の偏光画像には、それぞれ各波長λ1、λ2の画像成分が所定の割合(混信率)で含まれている。混信率は、フィルタユニット113の各開口部114A、114Bに装着される偏光フィルタ115A、115Bの透過軸の角度α1、α2と、イメージセンサ121の各画素P1、P2、P3、P4に備えられる偏光子の透過軸の角度とで定まる。具体的には、レンズ部110に装着される各偏光フィルタ115A、115Bの透過軸の角度α1、α2と、各画素P1、P2、P3、P4に備えられる偏光子の透過軸の角度β1、β2、β3、β4との角度差の余弦(cos)の二乗によって求められる。したがって、たとえば、第1開口部114Aを通過した光(第1波長λ1の光)が、第1画素P1で受光される割合(混信率)は、cos2(|α1-β1|)で算出される。
α1=90°、α2=0、β1=0°、β2=45°、β3=90°、β4=135°とすると、第1波長λ1の光が、第1画素P1で受光される割合は0、第2画素P2で受光される割合は1/2、第3画素P3で受光される割合は1、第4画素P4で受光される割合は1/2となる。また、第2波長λ2の光が、第1画素P1で受光される割合は1、第2画素P2で受光される割合は1/2、第3画素P3で受光される割合は0、第4画素P4で受光される割合は1/2となる。
混信率は既知であり、この既知の混信率の情報を利用することで、各波長の画像を生成できる。具体的には、次のようにして、各波長の画像を生成する。
イメージセンサ121で撮像された画像(RAW画像)における第1画素P1の画素値をY1、第2画素P2の画素値をY2、第3画素P3の画素値をY3、第4画素P4の画素値をY4とする。
また、生成される第1波長λ1の画像の対応画素の画素値をX1、第2波長λ2の画像の対応画素の画素値をX2とする。
第1波長λ1の光が第1画素P1で受光される割合をb11、第2波長λ2の光が第1画素P1で受光される割合をb12とすると、X1、X2とY1との間には、次の関係が成り立つ。
b11*X1+b12*X2=Y1…(3-1)
また、第1波長λ1の光が第2画素P2で受光される割合をb21、第2波長λ2の光が第2画素P2で受光される割合をb22とすると、X1、X2とY2との間には、次の関係が成り立つ。
また、第1波長λ1の光が第2画素P2で受光される割合をb21、第2波長λ2の光が第2画素P2で受光される割合をb22とすると、X1、X2とY2との間には、次の関係が成り立つ。
b21*X1+b22*X2=Y2…(3-2)
また、第1波長λ1の光が第3画素P3で受光される割合をb31、第2波長λ2の光が第3画素P3で受光される割合をb32とすると、X1、X2とY3との間には、次の関係が成り立つ。
また、第1波長λ1の光が第3画素P3で受光される割合をb31、第2波長λ2の光が第3画素P3で受光される割合をb32とすると、X1、X2とY3との間には、次の関係が成り立つ。
b31*X1+b32*X2=Y3…(3-3)
また、第1波長λ1の光が第4画素P4で受光される割合をb41、第2波長λ2の光が第4画素P4で受光される割合をb42とすると、X1、X2とY4との間には、次の関係が成り立つ。
また、第1波長λ1の光が第4画素P4で受光される割合をb41、第2波長λ2の光が第4画素P4で受光される割合をb42とすると、X1、X2とY4との間には、次の関係が成り立つ。
b41*X1+b42*X2=Y4…(3-4)
X1、X2について、上記式(3-1)~(3-4)の連立方程式を解くことで、第1波長λ1の画像及び第2波長λ2の画像の対応画素の画素値X1、X2を取得できる。
X1、X2について、上記式(3-1)~(3-4)の連立方程式を解くことで、第1波長λ1の画像及び第2波長λ2の画像の対応画素の画素値X1、X2を取得できる。
このように、各画素での混信率の情報を利用することで、撮像により得られた画像データから各波長の画像を生成できる。
なお、上記の連立方程式は、行列Bを用いて、BX=Yと表わすことができる。ただし、Bは、b11、b12、b21、b22、b31、b32、b41、b42を要素とする4×2行列、Xは、X1、X2を要素とする1×2行列、Yは、Y1、Y2、Y3、Y4を要素とする4×1行列である。行列Bの逆行列B-1を行列Aとすると、X1、X2は、行列Aを上記式の両辺に掛けることで算出できる。すなわち、X=AYにより算出できる。行列Aは、混信除去行列である。
画像処理部200は、混信除去行列Aの各要素を係数群として保持する。係数群の情報は、たとえば、補助記憶装置214に記憶される。分光画像生成部221は、補助記憶装置214から係数群の情報を取得して、混信除去処理を行い、各波長λ1、λ2の画像を生成する。生成される画像は、各波長λ1、λ2の反射率強度のグラフとなる。すなわち、各画素の値が、測定対象物Obの反射率強度を示すグラフとなる。
強度比演算部222は、分光画像生成部221で生成された各波長λ1、λ2の画像データについて、画素ごとに第1波長λ1と第2波長λ2の強度比を算出する。たとえば、第1波長λ1の反射率強度をV1、第2波長λ2の反射率強度をV2とすると、強度比Rは、R=V1/V2として算出される。
マップデータ生成部223は、強度比演算部222で算出された強度比Rを画素位置に基づいてマッピングしたマップデータを生成する。マップデータは、強度比を色又は色の濃淡で表わしたデータで構成される(図11参照)。マップデータを生成することで、第1波長λ1と第2波長λ2の強度比を撮像画像に対応させて可視化できる。
出力制御部224は、分光画像生成部221で生成された各波長λ1、λ2の画像、及び、マップデータ生成部223で生成されたマップデータの出力を制御する。本実施の形態では、出力装置216であるディスプレイへの出力を制御する。
記録制御部225は、ユーザからの指示に応じて、分光画像生成部221で生成された各波長λ1、λ2の画像、及び、マップデータ生成部223で生成されたマップデータの記録を制御する。生成された各波長λ1、λ2の画像、並びに、マップデータは、補助記憶装置214に記録される。
[撮像装置の作用]
本実施の形態の撮像装置1では、任意の2波長(第1波長λ1及び第2波長λ2)で被写体を撮像できる。したがって、第1波長λ1を基準波長、第2波長λ2を測定波長として撮像することで、対象の色を測定できる。しかし、対象の表面にテカリが発生していると、正確な色の測定が困難になる。したがって、テカリの影響を抑えて撮像することが重要となる。
本実施の形態の撮像装置1では、任意の2波長(第1波長λ1及び第2波長λ2)で被写体を撮像できる。したがって、第1波長λ1を基準波長、第2波長λ2を測定波長として撮像することで、対象の色を測定できる。しかし、対象の表面にテカリが発生していると、正確な色の測定が困難になる。したがって、テカリの影響を抑えて撮像することが重要となる。
図7は、分光反射率のグラフ(分光反射率曲線)を示す図である。同図は、ある植物の葉の部分の分光反射率のグラフを示している。横軸は波長(nm)、縦軸は反射率の強度である。図中、太線で示す曲線C1は、テカリの無い場合の分光反射率のグラフを示している。一方、細線で示す曲線C2は、テカリのある場合の分光反射率のグラフを示している。
図7に示すように、テカリがある場合、どの波長においても、一定の強度でテカリ成分が観測される。すなわち、テカリ成分は、分光反射率のグラフ上でオフセットとして計上される。図7に示す例は、テカリ成分が0.05の場合の例である。
テカリの影響を抑えるためには、基準波長(第1波長λ1)の選択が重要となる。
測定波長(第2波長λ2)が、550nmであるとする。図7に示す例において、波長550nmでの反射率強度は、テカリがない場合、0.2であり、テカリがある場合、0.25である。
測定波長よりも高い反射率強度となる波長域から基準波長を選択する場合と、測定波長よりも低い反射率強度となる波長域から基準波長を選択する場合を考える。
測定波長よりも高い反射率強度となる波長域から基準波長を選択する場合として、波長800nmを基準波長に選択した場合を考える。図7に示す例において、波長800nmでの反射率強度は、テカリがない場合、0.8であり、テカリがある場合、0.85である。この場合、テカリがない場合の強度比は、0.2/0.8=0.25であり、テカリがある場合の強度比は、0.25/0.85=0.29である。
測定波長よりも低い反射率強度となる波長域から基準波長を選択する場合として、波長680nmを基準波長に選択した場合を考える。図7に示す例において、波長680nmでの反射率強度は、テカリがない場合、0.05であり、テカリがある場合、0.1である。この場合、テカリがない場合の強度比は、0.2/0.05=4であり、テカリがある場合の強度比は、0.25/0.1=2.5である。
基準波長として800nmを選択した場合、強度比はテカリの有無で0.25から0.29に変化する。一方、基準波長として680nmを選択した場合、強度比はテカリの有無で4から2.5に変化する。このように、基準波長として選択する波長によって、テカリの有無による強度比の変化量が異なる。680nmを基準波長とするよりも、800nmを基準波長とする方が、テカリの有無による強度比の変化量が小さい。よって、基準波長は、測定波長よりも高い反射率強度となる波長域から選択した方が、テカリに対し感度を低くでき、テカリの影響を抑制できる。したがって、基準波長は、測定波長よりも高い反射率強度となる波長域から選択することが好ましい。
一方、撮像の際は、各波長の画像が白飛びしないように撮像する必要がある。白飛びとは、各画素の信号が、飽和した状態である。測定波長よりも高い反射率強度となる波長域から基準波長を選択した場合、各波長の画像で白飛びが生じないようにするには、基準波長の画像を基準にして、露出を設定する必要がある。しかし、基準波長の画像を基準にして露出を設定すると、測定波長の信号が十分に得られない事態が生じ得る。このため、本実施の形態では、基準波長の反射率強度を低下させて撮像する。
ここで、基準波長の反射率強度を低下させると、測定波長は基準波長よりも反射率強度が低いため、強度比の数値も小さくなってしまう。しかし、反射率強度を下げると、テカリのオフセットも同じ比率で下がるため、比を取って計算する場合、結果に影響はない。
図8は、反射率強度を下げた場合の反射率強度とテカリ成分の関係を示す図である。
同図は、反射率強度がほぼ一定となる800nm超の領域(赤外光の領域)で反射率強度を下げた場合の例を示している。図中、実線で示す曲線C3は、800nm超の領域で反射率強度を下げた分光反射率のグラフを示している。また、破線で示す曲線C4は、反射率強度を下げる前の分光反射率のグラフを示している。
上記のように、テカリ成分は、分光反射率のグラフ上でオフセットとして計上される。図8に示すように、反射率強度を下げると、強度とともにテカリ成分のオフセットも同じ比率で下がる。たとえば、赤外光の領域の反射率強度を下げることは、青色光を照射した状態と同等であり、その条件下で撮像したデータを撮像後、白色光による照明に戻した場合でも、テカリ成分の割合は一定となる。
このように、基準波長の反射率強度を下げても、比を取って計算する場合、結果に影響はない。
本実施の形態の撮像装置1では、フィルタユニット113の第1開口部114AにNDフィルタ117Aを装着することで、基準波長(第1波長λ1)の光量を所定量低下させる。
[測定手順]
図9は、撮像装置を用いた色の測定の手順を示すフローチャートである。
図9は、撮像装置を用いた色の測定の手順を示すフローチャートである。
まず、測定対象物の分光反射率のデータを取得する(ステップS1)。
測定対象物の分光反射率のデータは、たとえば、測定対象物をマルチスペクトルカメラないしハイパースペクトルカメラで撮像して取得する。
次に、取得した分光反射率のデータに基づいて、基準波長(第1波長λ1)及び測定波長(第2波長λ2)を選定する(ステップS2)。
測定波長は、測定対象物に基づいて選定する。基準波長は、測定波長に基づいて選定する。上記のように、基準波長は、測定波長よりも反射率強度が高い波長域から選定する。この際、反射率強度の変化の少ない領域から選定することが好ましい。反射率強度の変化が少ない領域とは、反射率強度が、ほぼ一定となる領域、ないし、なだらかに変化する領域である(たとえば、図7の例では、波長800nm超の領域)。一般に、多くの自然界の動植物の分光反射率特性は、可視光域でその色に応じた特徴的な凹凸があり、赤外光域では、あまり凹凸がなく単純な特性であることが多い。したがって、基準波長は、可視光域よりも長い波長域(赤外光域)から選定することが好ましい。
次に、選定した基準波長及び測定波長の下で測定対象物を撮像する(ステップS3)。
撮像は、選定した基準波長及び測定波長に対応したバンドパスフィルタをレンズ部110に装着して行う。
具体的には、基準波長に対応したバンドパスフィルタを第1バンドパスフィルタ116Aとして、フィルタユニット113の第1開口部114Aに装着する。第1開口部114Aには、この他、第1偏光フィルタ115A及びNDフィルタ117Aを装着する。NDフィルタ117Aを装着することにより、基準波長の光が一定量減光される。
また、測定波長に対応したバンドパスフィルタを第2バンドパスフィルタ116Bとして、フィルタユニット113の第2開口部114Bに装着する。第2開口部114Bには、この他、第2偏光フィルタ115Bを装着する。測定波長の光は、減光されずにレンズ部110から出射される。
撮像後、得られた画像データ(RAW画像データ)を処理し、基準波長と測定波長の強度比を算出して、マップデータを生成する(ステップS4)。
画像データの処理は、画像処理部200で行われる。画像処理部200は、まず、撮像により得られた画像データに対し、混信除去処理を行い、基準波長及び測定波長の画像データを生成する。次いで、画素ごとに基準波長及び測定波長の強度比を算出する。次いで、算出した強度比をマッピングして、マップデータを生成する。
基準波長及び測定波長の画像データ、並びに、マップデータは、所定のフォーマットで出力装置216に出力される。また、ユーザからの指示に応じて、補助記憶装置214に記録される。
図10は、基準波長及び測定波長の画像の一例を示す図である。
図10(A-1)は、測定対象物(object)を示している。本例での測定対象物は、トマトである。同図において、円SRで囲んだ領域は、テカリが生じている領域である。
図10(A-2)は、図10(A-1)に示す測定対象物の分光反射率のグラフである。同図は、図10(A-1)の枠MF内の分光反射率曲線を示している。各波長での強度は、枠MF内の強度の積算値である。
図10(B)は、測定波長(第2波長λ2)の画像である。本例では、測定波長を650nmとした場合の例を示している。
図10(C)は、基準波長(第1波長λ1)の画像である。本例では、基準波長を720nmとした場合の例を示している。基準波長は、測定波長よりも高い反射率強度となる波長域から選択している。また、撮像に際して、光量を低下させている。
図11は、マップデータの一例を示す図である。
図11(A)は、本実施の形態の撮像方法で撮像した場合のマップデータを示している。すなわち、基準波長を720nm、測定波長を680nmとし、基準波長の光量を低下させて撮像した場合のマップデータを示している。
図11(B)は、比較例を示している。図11(B)は、基準波長を580nmとした場合のマップデータを示している。すなわち、測定波長よりも反射率強度が低い波長域から基準波長を選択した場合の例を示している。なお、基準波長の光量は低下させていない。
図11(B)に示すように、測定波長よりも反射率強度の低い波長域から基準波長を選択した場合、マップデータ上でもテカリ部分を視認できる。一方、測定波長よりも反射率強度の高い波長域から基準波長を選択した場合、図11(A)に示すように、テカリの有無で値に差がなく、テカリの影響を抑制できることが確認できる。
図12は、基準波長の光量を下げずに撮像した場合の比較例を示す図である。
図12(A-1)は、基準波長の光量を下げて撮像した場合の基準波長の画像の一例を示している。また、図12(A-1)は、生成されるマップデータの一例を示している。
図12(B-1)は、基準波長の光量を下げずに撮像した場合の基準波長の画像の一例を示している。また、図12(B-1)は、生成されるマップデータの一例を示している。すなわち、基準波長の光量を制御せずに撮像した場合の例を示している。
図12(B-1)に示すように、基準波長の光量を制御せずに撮像すると、基準波長の画像に白飛びが生じる場合がある。同図に示す例では、円OEで示す領域において、画像に白飛び(飽和)が生じている。撮像した画像に白飛びが生じると、図12(B-2)に示すように、正確な色の測定ができなくなる。
基準波長の光量を下げることで、図12(A-1)に示すように、白飛びを抑制できる。この結果、図12(A-2)に示すように、正確な色の測定が可能になる。
以上説明したように、本実施の形態の撮像装置1によれば、基準波長と測定波長の2波長の強度比を算出して、対象の色を測定する場合において、基準波長の光量を下げて撮像することにより、テカリの影響を抑制して、精度よく対象の色を測定できる。
[変形例]
[基準波長の光量の制御の変形例]
上記のように、正確に色を測定するには、基準波長の画像において、白飛び(飽和)を生じさせないことが重要となる。よって、基準波長の光は、撮像した画像が白飛びしない範囲(飽和しない範囲)まで低下させることが好ましい。
[基準波長の光量の制御の変形例]
上記のように、正確に色を測定するには、基準波長の画像において、白飛び(飽和)を生じさせないことが重要となる。よって、基準波長の光は、撮像した画像が白飛びしない範囲(飽和しない範囲)まで低下させることが好ましい。
上記実施の形態の撮像装置1は、第1開口部114Aに装着するNDフィルタ117Aによって、基準波長の光量を一律に低下させる構成である。すなわち、基準波長の光量を常に一定量低下させる構成である。本構成は、構成を簡素化できる、という利点がある。一方、基準波長の光量を常に一定量低下させる構成のため、低下後の反射率強度が測定波長の反射率強度よりも低くなる場合がある。この場合、撮像条件、撮像環境等によって、測定波長の画像で白飛びが生じる可能性がある。したがって、より安定した測定を行うには、撮像条件、撮像環境等に応じて、下げる量を調整することが好ましい。
[第1の調整方法]
実際の撮像環境下で測定対象物をテスト撮像し、測定波長の反射率強度及び基準波長の反射率強度を実測する。基準波長の反射率強度が、測定波長の反射率強度と同じ(実質的に同じと認められる範囲を含む)になるように、基準波長の光量を調整する。この場合、基準波長の反射率強度が、測定波長の反射率強度とほぼ同じになるNDフィルタを選択する。
実際の撮像環境下で測定対象物をテスト撮像し、測定波長の反射率強度及び基準波長の反射率強度を実測する。基準波長の反射率強度が、測定波長の反射率強度と同じ(実質的に同じと認められる範囲を含む)になるように、基準波長の光量を調整する。この場合、基準波長の反射率強度が、測定波長の反射率強度とほぼ同じになるNDフィルタを選択する。
基準波長の反射率強度を測定波長の反射率強度まで下げることにより、双方の画像で白飛びが発生するのを抑制できる。
図13は、測定の手順を示すフローチャートである。
まず、測定対象物の分光反射率のデータを取得する(ステップS11)。次に、取得した分光反射率のデータに基づいて、基準波長(第1波長λ1)及び測定波長(第2波長λ2)を選定する(ステップS12)。次に、テスト撮像を実施する(ステップS13)。すなわち、実際の撮像環境と同じ環境で測定対象物を撮像する。次に、テスト撮像の結果に基づいて、基準波長の光量を調整する(ステップS14)。本例では、基準波長の反射率強度が、測定波長の反射率強度と同じ、ないし、ほぼ同じになるように調整する。調整はNDフィルタで行う。調整の完了後、測定対象物を撮像する(ステップS15)。撮像により得られた画像データを処理し、基準波長と測定波長の強度比を算出して、マップデータを生成する(ステップS16)。
本例によれば、基準波長及び測定波長の双方の画像で白飛びの発生を抑制できるので、安定した測定を実現できる。また、本例に依れば、強度比を1に近づけた状態で測定できるので、微妙な差も把握しやすくできる。
なお、テスト撮像については、他の撮像装置(たとえば、マルチスペクトルカメラないしハイパースペクトル)を用いて実施してもよい。マルチスペクトルカメラないしハイパースペクトルでテスト撮像する場合、上記ステップS11~S14の処理を一括して行うことができる。マルチスペクトルカメラないしハイパースペクトルでテスト撮像し(ステップS13)、測定対象物の分光反射率のデータを取得する(ステップS11)。また、取得した分光反射率のデータに基づいて、基準波長及び測定波長を選定する(ステップS12)。更に、取得した分光反射率のデータに基づいて、基準波長の光量を調整する(ステップS14)。
更に安定した測定を実施するには、テスト撮像を複数回実施することが好ましい。この場合、最も高い反射率強度が測定された測定波長に合わせて、基準波長の光量を調整する。すなわち、同一対象を複数回撮像して測定される測定波長の反射率強度の中から最も高い反射率強度と同じ、ないし、ほぼ同じになるように、基準波長の光量を調整する。たとえば、3回撮像し、1回目の撮像での測定波長の反射率強度がVt1、2回目の撮像での測定波長の反射率強度がVt2、3回目の撮像での測定波長の反射率強度がVt3であったとする。Vt1<Vt2<Vt3である場合、最も高い反射率強度Vt3と同じ、ないし、ほぼ同じ反射率強度となるように、基準波長の光量を調整する。このように基準波長の光量を調整することにより、基準波長及び測定波長の双方の画像で白飛びの発生を抑制できる。
同種の測定対象物を一度に複数個まとめて撮像できる場合は、次のように調整することもできる。すなわち、同種の測定対象物を一度に複数個まとめてテスト撮像し、各測定対象物の測定波長の反射率強度を求める。測定波長の反射率強度が最も高い測定対象物を検出し、その測定対象物の測定波長の反射率強度と同じ、ないし、ほぼ同じになるように、基準波長の光量を調整する。一度の撮像で複数個のデータを取得できるので、効率よく基準波長の光量を調整できる。なお、ここでの「同種」は、測定対象物と同じ種類(実質的に同じ種類と認められるものを含む)の意味である。
[第2の調整方法]
撮像環境の制約により、基準波長の反射率強度を測定波長の反射率強度まで下げられない場合がある。この場合、制約下で、最大限下げられるまで、基準波長の反射率強度を下げる。たとえば、絞りの調整で光量を調整する場合、絞り込みすぎると回折の影響で解像度が低下する。したがって、この場合は、回折の影響が出ない範囲で下げる。
撮像環境の制約により、基準波長の反射率強度を測定波長の反射率強度まで下げられない場合がある。この場合、制約下で、最大限下げられるまで、基準波長の反射率強度を下げる。たとえば、絞りの調整で光量を調整する場合、絞り込みすぎると回折の影響で解像度が低下する。したがって、この場合は、回折の影響が出ない範囲で下げる。
[撮像装置の変形例]
撮像装置については、少なくとも2波長に分光して被写体を撮像でき、かつ、少なくとも一方の波長(基準波長)の光量を制御できる構成であればよい。以下、本発明が適用可能な撮像装置について説明する。
撮像装置については、少なくとも2波長に分光して被写体を撮像でき、かつ、少なくとも一方の波長(基準波長)の光量を制御できる構成であればよい。以下、本発明が適用可能な撮像装置について説明する。
[偏光方式のマルチスペクトルカメラ]
上記実施の形態の撮像装置1は、いわゆる偏光方式のマルチスペクトルカメラの一形態である。偏光方式とは、偏光を利用した方式のマルチスペクトルカメラのことである。偏光方式のマルチスペクトルカメラは、所定のフィルタユニットを搭載したレンズ部と、偏光イメージセンサを搭載したカメラ部とで構成される。フィルタユニットは、複数の開口部を備えたフィルタ枠を有し、瞳位置又はその近傍に配置される。フィルタ枠の開口部には、任意の組み合わせで複数のフィルタが装着される。各開口部にバンドパスフィルタ及び偏光フィルタを装着することで、複数の波長に分光される。すなわち、フィルタユニットは、瞳分割手段として機能し、分割された各瞳領域(開口部)にバンドパスフィルタ及び偏光フィルタを装着することで、複数の波長に分光される。
上記実施の形態の撮像装置1は、いわゆる偏光方式のマルチスペクトルカメラの一形態である。偏光方式とは、偏光を利用した方式のマルチスペクトルカメラのことである。偏光方式のマルチスペクトルカメラは、所定のフィルタユニットを搭載したレンズ部と、偏光イメージセンサを搭載したカメラ部とで構成される。フィルタユニットは、複数の開口部を備えたフィルタ枠を有し、瞳位置又はその近傍に配置される。フィルタ枠の開口部には、任意の組み合わせで複数のフィルタが装着される。各開口部にバンドパスフィルタ及び偏光フィルタを装着することで、複数の波長に分光される。すなわち、フィルタユニットは、瞳分割手段として機能し、分割された各瞳領域(開口部)にバンドパスフィルタ及び偏光フィルタを装着することで、複数の波長に分光される。
偏光方式のマルチスペクトルカメラにおいて、被写体を2波長に分光して撮像する場合、フィルタユニットは、上記実施の形態の撮像装置1のように、2つの開口部を備えていればよい。
上記実施の形態のイメージセンサ121は、4種類の偏光子を搭載した構成であるが、2波長に分光する場合、2種類の偏光子を備えていればよい。この場合、2つの偏光子の透過軸の角度を直交する関係とし、かつ、レンズ部に搭載する偏光フィルタの透過軸の角度を偏光子の角度に合わせることにより、混信除去処理を不要にできる。たとえば、レンズ部に第1偏光フィルタ及び第2偏光フィルタを搭載し、イメージセンサに第1偏光子及び第2偏光子を搭載する場合、第1偏光子及び第2偏光子の透過軸を直交するように設定する。また、第1偏光フィルタの透過軸を第1偏光子と同じ角度に設定し、かつ、第2偏光フィルタの透過軸を第2偏光子と同じ角度に設定する。一例として、第1偏光子の透過軸の角度を0°とした場合、第2偏光子の透過軸は90°に設定する。また、第1偏光フィルタの透過軸は0°に設定し、第2偏光フィルタの透過軸は90°に設定する。これにより、第1偏光子を搭載した画素は、第1偏光フィルタを透過した光のみ受光し、第2偏光子を搭載した画素は、第2偏光フィルタを透過した光のみ受光する。すなわち、第1偏光子を搭載した画素は、第1開口部114Aを通過した光のみ受光し、第2偏光子を搭載した画素は、第2開口部114Bを通過した光のみ受光する。よって、混信除去処理は不要となる。
上記実施の形態の撮像装置1では、基準波長(第1波長)の光を透過させる開口部(第1開口部)にNDフィルタを装着して、基準波長の光量を調整する構成としている。偏光方式のマルチスペクトルカメラにおいて、基準波長の光量を調整する手段は、これに限定されるものではない。たとえば、開口部の径を調整して、光量を調整する構成とすることもできる。すなわち、絞りにより、光量を調整することもできる。この他、光源側の制御で、基準波長の光量を制御する構成とすることもできる。この点については、後述する。
偏光方式のマルチスペクトルカメラに類似した方式のマルチスペクトルカメラとして、いわゆる指向性センサを使用したマルチスペクトルカメラが知られている(たとえば、特開2020-73862号公報)。指向性センサは、各画素に備えられたマイクロレンズと遮光板とによって、瞳分割された各瞳領域の画像を選択的に受光するイメージセンサである。偏光方式のマルチスペクトルカメラと同様に、指向性センサを使用したマルチスペクトルカメラにも本発明を適用できる。
[その他の方式のマルチスペクトルカメラ]
偏光方式のマルチスペクトルカメラは、ワンショットで複数波長に分光した画像を撮像できる。分光画像の撮像は、必ずしもワンショットで行う必要はない。したがって、撮像する波長を時系列的に切り替えて撮像する方式のマルチスペクトルカメラにも本発明は適用できる。この場合、基準波長の画像を撮像する際に、光量を低下させて撮像する。光量を制御する方法は、特に限定されない。上記実施の形態のように、NDフィルタを使用して、光量を制御してもよいし、また、撮像条件(絞り値及び/又はシャッタスピード)を変えることで、光量を制御してもよい。また、照明光の光量を変えて、光量を制御してもよい。また、撮像する波長を切り替える方法についても、特に限定されない。バンドパスフィルタを使用して、撮像する波長を切り替える構成としてもよいし、照明光の波長を変えて、撮像する波長を切り替える構成としてもよい。たとえば、マルチスペクトル照明を使用し、照射する光の波長を変えて、複数の波長の画像を撮像する構成とすることもできる。
偏光方式のマルチスペクトルカメラは、ワンショットで複数波長に分光した画像を撮像できる。分光画像の撮像は、必ずしもワンショットで行う必要はない。したがって、撮像する波長を時系列的に切り替えて撮像する方式のマルチスペクトルカメラにも本発明は適用できる。この場合、基準波長の画像を撮像する際に、光量を低下させて撮像する。光量を制御する方法は、特に限定されない。上記実施の形態のように、NDフィルタを使用して、光量を制御してもよいし、また、撮像条件(絞り値及び/又はシャッタスピード)を変えることで、光量を制御してもよい。また、照明光の光量を変えて、光量を制御してもよい。また、撮像する波長を切り替える方法についても、特に限定されない。バンドパスフィルタを使用して、撮像する波長を切り替える構成としてもよいし、照明光の波長を変えて、撮像する波長を切り替える構成としてもよい。たとえば、マルチスペクトル照明を使用し、照射する光の波長を変えて、複数の波長の画像を撮像する構成とすることもできる。
[光量の制御]
撮像部で撮像される基準波長の光量を制御する方法として、撮像部側で調整する方法の他、照明部側で調整する方法を採用することもできる。
撮像部で撮像される基準波長の光量を制御する方法として、撮像部側で調整する方法の他、照明部側で調整する方法を採用することもできる。
照明部側で基準波長の光量を制御する場合、照明部には、たとえば、特定の波長の光の強度を選択的に調整できる構成のものを使用する。これにより、基準波長の強度を制御して、照明光を照射できる。
上記実施の形態の撮像装置1において、NDフィルタ117Aに代えて、照明部10で基準波長の光量を制御する場合、照明部10からは、基準波長(第1波長)及び測定波長(第2波長)の光を含む光を照射し、かつ、基準波長の強度を低下させて照射する。
この他、基準波長の照明光と、測定波長の照明光とを順番に切り換えて照射し、2回に分けて撮像する構成とすることもできる。
なお、本発明において、照明光には、照明装置等を用いた人口光の他、太陽光等の自然光が含まれる。たとえば、太陽光を光源とする場合、太陽が照明部として機能する。この場合、装置としての照明部は、不要となる。
[画像処理部]
上記実施の形態の撮像装置1では、撮像部100と画像処理部200とを別体で構成しているが、カメラ部120に備えられるプロセッサに画像処理部の機能を実現させてもよい。
上記実施の形態の撮像装置1では、撮像部100と画像処理部200とを別体で構成しているが、カメラ部120に備えられるプロセッサに画像処理部の機能を実現させてもよい。
また、画像処理部が実現する機能は、各種のプロセッサ(Processor)で実現される。各種のプロセッサには、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU及び/又はGPU(Graphic Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。プログラムは、ソフトウェアと同義である。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。たとえば、1つの処理部は、複数のFPGA、或いは、CPUとFPGAの組み合わせによって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどに用いられるコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip,SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
1…撮像装置
10…照明部
100…撮像部
110…レンズ部
111…鏡筒
112A…レンズ群
112B…レンズ群
113…フィルタユニット
114…フィルタ枠
114A…開口部(第1開口部)
114B…開口部(第2開口部)
115A…偏光フィルタ(第1偏光フィルタ)
115B…偏光フィルタ(第2偏光フィルタ)
116A…第1バンドパスフィルタ
116B…第2バンドパスフィルタ
117A…NDフィルタ
120…カメラ部
121…イメージセンサ
200…画像処理部
211…CPU
212…ROM
213…RAM
214…補助記憶装置
215…入力装置
216…出力装置
217…入出力インターフェース
220…画像データ取得部
221…分光画像生成部
222…強度比演算部
223…マップデータ生成部
224…出力制御部
225…記録制御部
Ob…測定対象物
P1…画素(第1画素)
P2…画素(第2画素)
P3…画素(第3画素)
P4…画素(第4画素)
SP…画素セット
Z…光軸
S1~S4…撮像装置を用いた色の測定手順
S11~S16…撮像装置を用いた色の測定手順
10…照明部
100…撮像部
110…レンズ部
111…鏡筒
112A…レンズ群
112B…レンズ群
113…フィルタユニット
114…フィルタ枠
114A…開口部(第1開口部)
114B…開口部(第2開口部)
115A…偏光フィルタ(第1偏光フィルタ)
115B…偏光フィルタ(第2偏光フィルタ)
116A…第1バンドパスフィルタ
116B…第2バンドパスフィルタ
117A…NDフィルタ
120…カメラ部
121…イメージセンサ
200…画像処理部
211…CPU
212…ROM
213…RAM
214…補助記憶装置
215…入力装置
216…出力装置
217…入出力インターフェース
220…画像データ取得部
221…分光画像生成部
222…強度比演算部
223…マップデータ生成部
224…出力制御部
225…記録制御部
Ob…測定対象物
P1…画素(第1画素)
P2…画素(第2画素)
P3…画素(第3画素)
P4…画素(第4画素)
SP…画素セット
Z…光軸
S1~S4…撮像装置を用いた色の測定手順
S11~S16…撮像装置を用いた色の測定手順
Claims (12)
- 第1波長及び第2波長を含む複数の波長に分光して被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部で受光される前記第1波長の光の強度を低下させる制御を行う調整部と、
を備えた撮像装置。 - 前記撮像部で撮像された画像から前記第1波長と前記第2波長の強度比を算出するプロセッサを更に備えた、
請求項1に記載の撮像装置。 - 前記第1波長は、前記被写体の分光反射率が前記第2波長よりも高い波長である、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記第1波長が、可視光域よりも長い波長域の波長である、
請求項3に記載の撮像装置。 - 前記撮像部は、光学系と、イメージセンサと、を含み、
前記調整部は、前記光学系に前記第1波長の光量を低下させる光学素子を配置して、前記撮像部で受光される前記第1波長の光の強度を低下させる、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記第1波長及び前記第2波長を含む光を前記被写体に照射する照明部を備え、
前記調整部は、前記照明部から照射する光の前記第1波長の強度を低下させる、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記調整部は、前記撮像部で受光される前記第1波長の光の強度を所定量低下させる、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記調整部は、前記被写体を撮像する場合に、前記第1波長の光が飽和しない範囲まで光の強度を低下させる、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記調整部は、前記第1波長の光の強度を前記第2波長の光の強度まで低下させる、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記第1波長の光の強度は、同じ前記被写体を複数回撮像した場合に又は同種の複数の前記被写体を撮像した場合に最大となる強度である、
請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 第1波長及び第2波長を含む複数の波長に分光して被写体を撮像する撮像方法であって、
前記第1波長の光の強度を低下させて、前記被写体を撮像する、
撮像方法。 - 撮像された画像から前記第1波長と前記第2波長の強度比を算出する、
請求項11に記載の撮像方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022152776A JP2024047253A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 撮像装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022152776A JP2024047253A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 撮像装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024047253A true JP2024047253A (ja) | 2024-04-05 |
Family
ID=90527233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022152776A Pending JP2024047253A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 撮像装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024047253A (ja) |
-
2022
- 2022-09-26 JP JP2022152776A patent/JP2024047253A/ja active Pending
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