JP2024044537A - 液化ガスタンク - Google Patents

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Abstract

Figure 2024044537000001
【課題】タンク本体内のポンプへの給電用ケーブルの配索、および前記ポンプの吊り上げ時における前記給電用ケーブルの回収を容易にする。
【解決手段】液化ガスタンク1は、液化水素LHを貯留するタンク本体10と、上端にバレル開口2Aを有し、タンク本体10を垂直方向に貫通するポンプバレル2と、タンク本体10内に設置され、ポンプバレル2を通して液化水素LHを外部へ払い出すポンプ3と、タンク本体10内のポンプ10を、ポンプバレル2内およびバレル開口2Aを通して外部に取り出すポンプ吊り上げ装置51と、ポンプバレル2のタンク本体10からの突出部分202の側方から分岐する分岐部4と、分岐部4からポンプバレル2を通して配索され、ポンプ3への給電用の電気ケーブル31と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、液化ガスを貯留するタンクに関する。
液化水素や液化天然ガスなどの低温の液化ガスを貯留するタンクとして、多重殻構造を備えた平底タンクが知られている。この種のタンクは、タンク本体を垂直方向に貫通するポンプバレルと、前記タンク本体内に設置されるポンプとを備える。タンク本体内に貯留されている液化ガスは、前記ポンプの稼働により、前記ポンプバレルを通して外部へ払い出される。前記ポンプのメンテナンス時には、前記タンク本体内のポンプが前記ポンプバレルを通して吊り上げられる(例えば特許文献1)。
特開2011-69466号公報
前記ポンプには、給電用の電気ケーブルの付設を要する。一般に、前記ポンプは前記タンク本体内の底部付近に設置される。このため、タンク外部から前記タンク本体の底部へ前記電気ケーブルが配索され、当該電気ケーブルの終端部が前記ポンプに電気的に接続される。一方、前記メンテナンス時には、前記ポンプに付随して前記電気ケーブルも吊り上げられる。従って、前記ポンプの吊り上げも際に、適宜な手法で前記電気ケーブルを回収する必要がある。当該回収の作業がスムースに進まないと、前記ポンプの吊り上げに支障を来すことがある。
本開示の目的は、タンク本体内のポンプへの給電用ケーブルの配索、および前記ポンプの吊り上げ時における前記給電用ケーブルの回収を容易に行うことができる液化ガスタンクを提供することにある。
本開示の一局面に係る液化ガスタンクは、液化ガスを貯留するタンク本体と、上端開口を有し、前記タンク本体を垂直方向に貫通するポンプバレルと、前記タンク本体内に設置され、前記ポンプバレルを通して前記液化ガスを外部へ払い出すポンプと、前記タンク本体内の前記ポンプを、前記ポンプバレル内および前記上端開口を通して外部に取り出す吊り上げ装置と、前記ポンプバレルの前記タンク本体からの突出部分の側方から分岐する分岐部と、前記分岐部から前記ポンプバレルを通して配索され、前記ポンプへの給電用の電気ケーブルと、を備える。
本開示によれば、タンク本体内のポンプへの給電用ケーブルの配索、および前記ポンプの吊り上げ時における前記給電用ケーブルの回収を容易に行える液化ガスタンクを提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る液化ガスタンクを概略的に示す断面図である。 図2は、上記液化ガスタンクの分岐部の拡大断面図である。 図3は、ポンプバレル内における電気ケーブルの結束状態を示す図である。 図4は、タンク本体からのポンプの吊り上げ状況および電気ケーブルの回収状況を示す、液化ガスタンクの断面図である。 図5は、タンク本体からのポンプの吊り上げ状況および電気ケーブルの回収状況を示す、液化ガスタンクの断面図である。
以下、図面を参照して、本開示に係る液化ガスタンクの実施形態を詳細に説明する。本開示の液化ガスタンクは、低温の液化ガスを貯留する平底タンクである。貯留される液化ガスは、例えば液化水素、液体ヘリウム、液体窒素、液化天然ガス、液化石油ガスまたは液化アンモニア等である。
[液化ガスタンクの全体構造]
図1は、本開示の一実施形態に係る液化ガスタンク1を概略的に示す断面図である。液化ガスタンク1は、極低温の液化水素LHを貯留するタンクであって地上据え置き式の多重殻構造を備えた平底タンクである。液化ガスタンク1は、液化水素LHを貯留するタンク本体10と、液化水素LHをタンク本体10から払い出すための構造体であるポンプバレル2と、タンク本体10内において液化水素LHに浸漬された状態で設置される潜没式のポンプ3と、ポンプバレル2から分岐する分岐部4と、ポンプバレル2を通してポンプ3を吊り上げるポンプ吊り上げ装置51とを備える。
タンク本体10は、液化水素LHを貯留する貯留空間を有する。図1では簡略化して単殻構造を示しているが、実際のタンク本体10は、二重殻構造または三重殻構造 などの多重殻構造を備えている。二重殻構造の場合、タンク本体10は、基礎の上に立設される外槽と、この外槽に内包される内槽と、外槽と内槽との間の保冷層とで構成される。液化水素LHは、前記内槽の内部に貯留される。前記保冷層には、例えば粒状パーライトのような粉体断熱材と低沸点ガスとが充填される。三重殻構造の場合、タンク本体10は、前記外槽と前記内槽との間にさらに中間槽を備える構造となる。この他、タンク本体10は、平底以外の形状を備えるタンク、あるいは地中埋め込み式のタンク等であっても良い。
ポンプバレル2は、タンク本体10内の液化水素LHを外部へ払い出す際の導出管であって、液化水素LHが流通する内部空間であるバレル内空間20を有する。ポンプバレル2は、タンク本体10を垂直方向に貫通するように設置された円筒体であり、タンク屋根11より下方の部分であってタンク本体10内に収容される内側部分201と、タンク本体10から上方へ延び出す突出部分202とを含む。ポンプバレル2の下端部21は、タンク本体10の底板付近に配置され液化水素LH内に没入されている。ポンプバレル2の上端部22は、タンク屋根11を貫通して所定高さ位置に配置されている。バレル内空間20は、下端部21と上端部22との間において鉛直方向に延び、ポンプ3を通過させ得る内径を有している。
ポンプ3は、下端部21付近のバレル内空間20に収容されている。ポンプバレル2の下端部21の取り入れ開口には、フート弁23が取り付けられている。ポンプ3はフート弁23の上に載置された状態で配置され、ポンプ3の自重によってフート弁23が垂下することで、下端部21の前記取り入れ開口が開放された状態となる。ポンプ3は、タンク本体10内の液化水素LHを取り込み、圧力を上げてバレル内空間20へ液化水素LHを送り出す。
ポンプバレル2の上端部22付近には、払い出しポート24が突設されている。ポンプバレル2の上端には、バレル内空間20と外部空間とを連通させるバレル開口2A(上端開口)と、当該バレル開口2Aの外周縁に配置されたトップフランジF1とが設けられている。液化ガスタンク1の運用時、トップフランジF1にヘッドプレート25が取り付けられることで、バレル開口2Aが封止される。ポンプ3の稼働により、バレル内空間20から払い出しポート24を通して、液化水素LHが払い出される。
ポンプバレル2の突出部分202には、バレル内空間20を上下に仕切ることが可能なバルブ26が設けられている。バルブ26が「閉」とされると、バレル内空間20のバルブ26よりも上方の空間と下方の空間とが隔離された状態となる。一方、バルブ26が「開」とされると、前記上方の空間と前記下方の空間とが連通し、且つ、吊り上げられるポンプ3の通過を許容する。このようなバルブ26としては、中空ボール状の弁体を有するボール弁を用いることができる。図1の例では、バルブ26が払い出しポート24よりも下方の位置に配置されている例を示している。これに代えて、バルブ26の下方に払い出しポート24を配置しても良い。
例えばポンプ3のメンテナンス時に、ポンプ3がバルブ26の上方まで吊り上げられた後に、バルブ26が「閉」とされる。これにより、ヘッドプレート25の取り外しや分岐部4の開放を行っても、ポンプバレル2を通したタンク外部の空気のタンク本体10内への進入、もしくはタンク本体10からの水素ガスの外部への流出を抑制できる。なお、バルブ26をポンプバレル2の上下方向に複数設け、バレル内空間20においてバルブ間に中間室を形成可能としておけば、前記空気の進入や前記水素ガスの流出をより抑制し易くなる。
分岐部4は、ポンプバレル2の突出部分202の側方から分岐する筒体である。突出部分202のバルブ26よりも上方の領域であって上端部22付近の側壁には、分岐開口2Bが開設されている。分岐部4は、当該分岐開口2Bから側方へ突出する態様で、突出部分202に取り付けられている。この取り付け状態において、分岐部4の内部空間である分岐部内空間40と、ポンプバレル2のバレル内空間20とは連通している。分岐部4については、図2に基づき後記で詳述する。
分岐部4からポンプバレル2を通して、電気ケーブル31が配索されている。電気ケーブル31は、ポンプ3が備えるモーターへ電力を供給する給電用のケーブルである。電気ケーブル31は、分岐部内空間40から分岐開口2Bを経てバレル内空間20に入り、下端部21に配置されているポンプ3に至るよう配索されている。電気ケーブル31の先端には給電端子3E(図5)が備えられ、当該給電端子3Eがポンプ3の給電部に電気的に接続されている。
ポンプ吊り上げ装置51は、ポンプ3のメンテナンス時等に、タンク本体10内に設置されたポンプ3を、ポンプバレル2内およびバレル開口2Aを通して外部に取り出す。また、ポンプ吊り上げ装置51は、メンテナンス後のポンプ3や新たなポンプ3の設置のため、ポンプバレル2を通してポンプ3を吊り下げる。バレル内空間20には、ポンプ3の吊り上げ用のリフティングワイヤ32が垂下されている。ポンプ吊り上げ装置51は、リフティングワイヤ32の巻き取りおよび繰り出しを行うドラムと、当該ドラムを回転駆動するモーターを含む。
ポンプ3には、リフティングワイヤ32の下端が取り付けられる。リフティングワイヤ32の上端側は、ヘッドプレート25に取り付けられたシールヘッド27を通して外部に引き出される。シールヘッド27は、昇降するリフティングワイヤ32が、バレル内空間20の気密性を損なうことなくヘッドプレート25を貫通するようシールするシール構造部を有している。
[分岐部の詳細]
続いて、上述の分岐部4の拡大断面図である図2を参照して、分岐部4の詳細構造を説明する。分岐部4は、分岐開口2Bに着脱が可能な基端開口4Aと、当該基端開口4Aとは反対側の先端開口4Bとを有する筒体であって、基端フランジ41、先端フランジ42、上方部43およびポケット部44を備えている。
基端フランジ41は、基端開口4Aの周縁に設けられたフランジである。ポンプバレル2の分岐開口2Bの周縁には、分岐フランジF2が設けられている。基端フランジ41と分岐フランジF2とが連結ボルトを用いて突き合わせ接続されることで、分岐部4がポンプバレル2に取り付けられている。前記連結ボルトの締結を解くことで、分岐部4をポンプバレル2から取り外すことができる。先端フランジ42は、分岐部4の突出先端である先端開口4Bの周縁に設けられたフランジである。先端フランジ42には、先端開口4Bを塞ぐ封止プレート45が着脱可能に取り付けられている。封止プレート45の取り付けにより、分岐部内空間40の気密性が確保される。
封止プレート45には、ケーブル引き出し管33およびターミナルヘッダ34と、振動計35とが取り付けられている。ケーブル引き出し管33は、電気ケーブル31の端部31Aを保持している。換言すると、端部31Aはケーブル引き出し管33を介して封止プレート45に取り付けられている。ケーブル引き出し管33は、電気ケーブル31の封止プレート45の貫通部を気密化するシール機能も有している。ターミナルヘッダ34は、ポンプ3への給電用の三相交流電力の受電口であって、外部電源に繋がれた電力ケーブルのコネクタにプラグイン接続される。
振動計35は、ポンプ3の振動状態を検出するセンサーである。ポンプ3には、振動検知用のプローブが取り付けられている。振動計35と前記プローブとは、信号ケーブル36によって接続されている。信号ケーブル36も、電気ケーブル31と同様に、分岐部内空間40およびバレル内空間20に通してポンプ3に至るよう配索されている。電気ケーブル31および信号ケーブル36に添設されるように、サポートワイヤ37が配索されている。サポートワイヤ37の基端部は、封止プレート45の内面側に突設されたブラケット451に係止されている。
図3は、ポンプバレル2内における電気ケーブル31の配索状態を示す図である。電気ケーブル31は、三相交流のU、V、Wの各相の電力を供給する三相ケーブル31U、31V、31Wからなる。電気ケーブル31、信号ケーブル36およびサポートワイヤ37は、ケーブルクランプ38によって一体的に結束されている。これにより、電気ケーブル31および信号ケーブル36の、バレル内空間20における引き上げ時に、サポートワイヤ37に引き上げ荷重を負担させることができる。電気ケーブル31および信号ケーブル36の引き下げ時も同様である。ケーブルクランプ38は、電気ケーブル31の長手方向に所定間隔を置いて複数が取り付けられている。
一部のケーブルクランプ38には、ケーブルガイド39が取り付けられている。ケーブルガイド39は、支持梁の両端に回動自在に取り付けられた一対のガイドコロ391を備える。ガイドコロ391は、ポンプバレル2の内壁面と接触して転動する。ケーブルガイド39の付設により、電気ケーブル31および信号ケーブル36のバレル内空間20における昇降移動時に、その移動抵抗を減らすことができる。
上方部43は、分岐部4において基端開口4Aに近い領域であり、分岐開口2Bから略水平方向に延び出している。ポケット部44は、上方部43からさらに側方に延び出し、先端開口4Bに至る部分である。ポケット部44は、ポンプバレル2からの分岐箇所である分岐開口2Bに対して、下方に垂下するように延び出している。すなわち、ポケット部44は、上方部43から斜め下方に延び出す傾斜部分と、当該傾斜部分の下端から水平方向に延びて先端開口4Bに至る水平部分とを含む。このような上方部43およびポケット部44を含む分岐部4は、側面視で緩いS字カーブを為す形状を有している。
分岐部4の分岐部内空間40を外部に対して開放すると、タンク周囲の空気が分岐部内空間40を通してバレル内空間20に入り込み、当該空気が液化水素LHで冷却されて凝縮することが想定される。この場合、空気中の水分、窒素、酸素の凝縮物がポンプバレル2の内壁に付着し、ポンプ3の吊り上げを阻害することがある。また、タンク本体10内に液化水素LHが貯留されるゆえ、バレル内空間20および分岐部内空間40には、液化水素LHが気化した水素ガスが発生する。この水素ガスが、開放された分岐部4を通して外部へ流出することも起こり得る。
上記の点に鑑み、分岐部4にはポケット部44が設けられている。封止プレート45を外して先端開口4Bを開放した場合、タンク周囲の空気が分岐部内空間40に入り込む。バレル内空間20および分岐部内空間40に発生する水素ガスは、空気よりも比重の軽いガスである。このため、ポンプバレル2からの分岐箇所より下方に垂下するポケット部44には、比較的比重の重い空気G1が滞留する層が、ポケット部44よりも高い位置にある上方部43には比較的比重の軽い水素ガスG2の層が、それぞれ形成される。つまり、空気G1と水素ガスG2との比重の違いに基づき、ポケット部44には、空気溜まりからなるシール層が形成される。
図2には、空気G1の層と水素ガスG2の層との模式的な境界BLが示されている。上述の空気溜まりシール層により、先端開口4Bを開放時において、空気が分岐部内空間40からバレル開口2A内へ進入することを抑制できる。また、バレル開口2A内の水素ガスの先端開口4Bからの流出を抑制できる。なお、封止プレート45の取り外し時における水素ガスの流出抑制、並びに空気の進入抑制のため、先端フランジ42の周囲を、パージ機能を備えたハウジングで覆うようにしても良い。
分岐部4には、分岐部内空間40をパージするパージ機構として、パージガス供給ポート46が備えられている。パージガス供給ポート46は、先端開口4Bの近傍に配置されて、所定のパージガスを分岐部内空間40へ供給する。パージガス供給ポート46には開閉弁47が取り付けられている。前記パージガスを排出するパージガス排出ポートは、本実施形態では払い出しポート24が用いられる。払い出しポート24とは別個に、パージガス排出ポートをポンプバレル2の突出部分202に設けても良い。また、パージガス排出ポートを、図2に示すパージガス供給ポート46の位置に、パージガス供給ポートをポンプバレル2側に設けても良い。
分岐部4にタンク本体10に貯留されている液化水素LHが入り込む可能性がある。この場合、ポケット部44に液化水素LHの液溜まりが生じることとなる。この液化水素LHの流出を防ぐため、例えばポンプ3の吊り上げ作業の前に、パージガス供給ポート46からパージガスを供給する。この際、バルブ26を閉とし、払い出しポート24から前記パージガスを排出する。前記パージガスとしては、窒素ガスなど不活性ガスを用いることができる。また、メンテナンス後にポンプバレル2を通してポンプ3をタンク本体10内に収容する際、パージガス供給ポート46からパージガスを供給すれば、分岐部内空間40内の空気を排除できる。この際のパージガスとしては、例えば水素ガスを用いることができる。
[ポンプ吊り上げ時のケーブル回収動作]
図4および図5は、タンク本体10からのポンプ3の吊り上げ状況、および電気ケーブル31の回収状況を示す断面図である。なお、図4および図5では、図示簡略化のため図2に示した信号ケーブル36およびサポートワイヤ37の記載が省かれているが、これらはケーブルクランプ38で連結されているので、電気ケーブル31と一体的に回収される。
図1の状態からリフティングワイヤ32がシールヘッド27を通して引き出され、ポンプ吊り上げ装置51のドラムに巻き掛けられる。ポンプ吊り上げ装置51によるリフティングワイヤ32の巻き取り動作により、ポンプ3がバレル内空間20において吊り上げられる。フート弁23は、上記の吊り上げによってポンプ3の重量が加わらなくなると上昇し、下端部21の液化水素LHの取り入れ開口を封止する。上記の吊り上げ前に、払い出しポート24もしくはバルブ26よりも下方に設置したノズルから水素ガスを圧送し、バレル内空間20内の液化水素LHをタンク本体10内へ戻すようにしても良い。
図4は、バレル内空間20においてポンプ3がバルブ26のやや上方まで吊り上げられた状態を示している。この段階で、バルブ26は閉止される。ポンプ3の吊り上げに付随して、電気ケーブル31もバレル内空間20で引き上げられる。分岐部4を通して電気ケーブル31を回収するため、ポンプ3の吊り上げ前、あるいは少しの吊り上げの後に封止プレート45が取り外され、分岐部4の先端開口4Bが開放される。封止プレート45には、電気ケーブル31の端部31Aが取り付けられているので、封止プレート45の取り外しにより当該端部31Aを先端開口4Bから容易に引き出すことができる。信号ケーブル36およびサポートワイヤ37も同様である。なお、封止プレート45を外す前に、パージガス供給ポート46からパージガスを供給し、分岐部4内をパージすることが望ましい。
先端開口4Bに対向して、ケーブル巻取装置52が配置される。ケーブル巻取装置52は、電気ケーブル31(並びに信号ケーブル36およびサポートワイヤ37)の巻き取りおよび繰り出しを行うドラムと、当該ドラムを回転駆動するモーターを含む。ポンプ吊り上げ装置51によるポンプ3の吊り上げに並行して、ケーブル巻取装置52による電気ケーブル31の巻き取りが実行される。
図5は、バレル内空間20においてポンプ3が分岐開口2Bの近傍まで吊り上げられた状態を示している。この段階で、分岐部4がポンプバレル2から取り外される。実際は、基端フランジ41が分岐フランジF2から取り外され、これらフランジ41、F2の間に所要の作業スペースが確保できる程度に、分岐部4がポンプバレル2から離間される。続いて、開放された分岐開口2Bを作業窓として、電気ケーブル31の給電端子3Eをポンプ3から取り外す作業が行われる。
その後、ポンプバレル2の上端のバレル開口2Aを封止しているヘッドプレート25と、トップフランジF1のボルト接続が解除される。そして、ポンプ3がバレル開口2Aよりも上方に吊り上げられるまで、ポンプ吊り上げ装置51によるリフティングワイヤ32の巻き取りが継続される。ヘッドプレート25およびシールヘッド27は、ポンプ3に下支えされる形で、ポンプ3と共に上方に持ち上げられる。
続いて、吊り上げたポンプ3を地上に降ろす作業が行われる。例えば、ポンプ吊り上げ装置51を、タンク本体10の径方向外側まで移動させるホイストレールが、タンク屋根11に設置される。ポンプ3を吊った状態のポンプ吊り上げ装置51を、前記ホイストレールに沿って径方向外側へ移動させ、前記ドラムに巻き取られているリフティングワイヤ32を繰り出すことで、ポンプ3が地上に降ろされる。
メンテナンス後に、ポンプ3をタンク本体10に設置する際には、上記と逆の作業が行われる。ポンプ吊り上げ装置51で吊った状態のポンプ3を、バレル開口2Aからバレル内空間20内へ降下させてゆく。例えば、図5の状態までポンプ3を吊り下げたら、ヘッドプレート25でバレル開口2Aを封止すると共に、電気ケーブル31の給電端子3Eをポンプ3に接続する。
続いて、分岐部4をポンプバレル2の分岐開口2Bに装着すると共に、分岐部4の先端開口4Bに封止プレート45を取り付ける。その後、パージガス供給ポート46からパージガスとして水素ガスを供給し、分岐部内空間40およびバレル内空間20の上部をパージする。しかる後、バルブ26を開とし、ポンプ吊り上げ装置51でポンプ3を所定位置まで吊り降ろす。同時に、巻き取られている電気ケーブル31がケーブル巻取装置52から繰り出される。この際、分岐部4にはポケット部44が備えられているので、空気がバレル内空間20へ進入することはない。電気ケーブル31の繰り出しを終えたら、先端フランジ42に封止プレート45が取り付けられ、先端開口4Bが封止される。この後、パージガス供給ポート46から水素ガスを供給して、ポケット部44の空気を追い出すようにしても良い。
[変形実施形態]
以上、本開示に係る液化ガスタンクの実施形態を説明したが、本開示は上掲の実施形態に何ら限定されない。例えば、上述の液化ガスタンク1について、次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、分岐部4がポンプバレル2に対して着脱可能な態様を例示した。分岐部4は、着脱式でなくとも良い。この場合、給電端子3Eをポンプ3に対して簡易に着脱できる機構を付設することが望ましい。或いは、分岐部4の基端フランジ41の近傍に、給電端子3Eの着脱作業用の開閉扉を設けても良い。
(2)上記実施形態では、リフティングワイヤ32をドラムで巻き取るタイプのポンプ吊り上げ装置51を例示した。これに代えて、液化ガスタンク1の周囲、もしくはタンク屋根11にクレーンを設置し、当該クレーンでポンプ3の吊り上げ、および吊り降ろしを行わせるようにしても良い。あるいは、ポンプ3を吊った状態の吊り上げ装置51ごと、前記クレーンで吊り降ろすようにしても良い。
(3)上記実施形態では、分岐部4の先端開口4B付近に設置したケーブル巻取装置52にて、回収される電気ケーブル31を巻き取る例を示した。ケーブル巻取装置52を設置せず、ポンプ3の吊り上げにより先端開口4Bから飛び出してくる電気ケーブル31を、タンク屋根11上において作業員が束取りするオペレーションとしても良い。
[本開示のまとめ]
以上説明した具体的実施形態には、以下の構成を有する開示が含まれている。
本開示の第1の態様に係る液化ガスタンクは、液化ガスを貯留するタンク本体と、上端開口を有し、前記タンク本体を垂直方向に貫通するポンプバレルと、前記タンク本体内に設置され、前記ポンプバレルを通して前記液化ガスを外部へ払い出すポンプと、前記タンク本体内の前記ポンプを、前記ポンプバレル内および前記上端開口を通して外部に取り出す吊り上げ装置と、前記ポンプバレルの前記タンク本体からの突出部分の側方から分岐する分岐部と、前記分岐部から前記ポンプバレルを通して配索され、前記ポンプへの給電用の電気ケーブルと、を備える。
この液化ガスタンクによれば、ポンプバレルのタンク本体からの突出部分に、分岐部が設けられる。従って、前記タンク本体内に設置されるポンプへの給電に不可欠な電気ケーブルを、前記分岐部から前記ポンプバレルを通して配索できる。一方、前記ポンプの前記タンク本体内からの吊り上げ時には、前記分岐部を通して前記電気ケーブルを容易に回収できる。つまり、前記ポンプを前記ポンプバレルの上端開口に向けて吊り上げつつ、当該ポンプに付随して引き上げられる電気ケーブルについては、前記上端開口とは別個の引き出し経路となる前記分岐部を通して回収できる。従って、前記ポンプの吊り上げ時における前記電気ケーブルの回収を容易に行うことができる。
第2の態様に係る液化ガスタンクは、第1の態様の液化ガスタンクにおいて、前記タンク本体には、空気よりも比重の軽いガスの液化ガスが貯留され、前記分岐部は、前記ポンプバレルからの分岐箇所から下方に垂下するように延び出すポケット部を含む。
第2の態様によれば、ポンプバレルからの分岐箇所より下方に垂下するポケット部には比較的比重の重い空気が滞留する層が、その上方には比較的比重の軽い液化ガスの気化ガスの層が、それぞれ形成される。つまり、両者の比重の違いに基づき、前記ポケット部には、空気溜まりからなるシール層が形成される。このため、分岐部を通して電気ケーブルの回収を行う際に、タンク周囲の空気のポンプバレル内への進入を抑制できる。
第3の態様に係る液化ガスタンクは、上記の第1または第2の態様の液化ガスタンクにおいて、前記ポンプバレルは、前記突出部分の側壁に分岐開口を備え、前記分岐部は、前記分岐開口に着脱が可能な基端開口と、当該基端開口とは反対側の先端開口とを備える。
第3の態様によれば、分岐部がポンプバレルに対して着脱できる。このため、ポンプの吊り上げ時に分岐部を取り外し、分岐開口において前記ポンプに接続されている電気ケーブル端部を外すといったオペレーションが可能となる。また、ポンプの吊り上げ開始時、分岐部の先端開口にケーブル巻取機等を配置して電気ケープルを回収できる。
第4の態様に係る液化ガスタンクは、第3の態様の液化ガスタンクにおいて、前記分岐部の前記先端開口を塞ぐように当該先端開口に着脱が可能な封止プレートを備え、前記電気ケーブルの端部は、前記封止プレートに取り付けられている。
第4の態様によれば、封止プレートの着脱により、分岐部内を密閉または開放できる。例えば、通常時には前記封止プレートを先端開口に装着してポンプバレルを密閉し、メンテナンス時には前記封止プレートを先端開口から取り外して電気ケーブルを回収するという運用が可能となる。また、前記封止プレートを外すだけで電気ケーブルが引き出し可能となり、ケーブル回収作業性を良好にできる。
第5の態様に係る液化ガスタンクは、第1から第3の態様の液化ガスタンクにおいて、前記分岐部内の空間をパージするパージ機構を備える。第5の態様によれば、分岐部内に存在する空気などをパージできる。
第6の態様に係る液化ガスタンクは、第4の態様の液化ガスタンクにおいて、前記分岐部の前記先端開口の近傍、もしくは前記基端開口の近傍またはポンプバレルに配置されるパージガス供給ポートと、前記分岐部の前記基端開口の近傍またはポンプバレル、もしくは前記先端開口の近傍に配置されるパージガス排出ポートと、を備える。
分岐部には、タンク本体に貯留されている液化ガスの液溜まりが生じ得る。第6の態様によれば、ポンプの吊り上げ前に、パージガス供給ポートおよびパージガス排出ポートを使用して、前記液溜まりをパージガスにて排出できる。また、メンテナンス後にポンプバレルを通してポンプをタンク本体内に収容する際、パージガスにて分岐部内の空気などを排除できる。
1 液化ガスタンク
10 タンク本体
2 ポンプバレル
20 バレル内空間
2A バレル開口(上端開口)
2B 分岐開口(分岐箇所)
24 払い出しポート(パージ機構/パージガス排出ポート)
3 ポンプ
31 電気ケーブル
31A 端部(電気ケーブルの端部)
4 分岐部
4A 基端開口
4B 先端開口
44 ポケット部
45 封止プレート
46 パージガス供給ポート(パージ機構)
51 ポンプ吊り上げ装置
52 ケーブル巻取装置
LH 液化水素(液化ガス)

Claims (6)

  1. 液化ガスを貯留するタンク本体と、
    上端開口を有し、前記タンク本体を垂直方向に貫通するポンプバレルと、
    前記タンク本体内に設置され、前記ポンプバレルを通して前記液化ガスを外部へ払い出すポンプと、
    前記タンク本体内の前記ポンプを、前記ポンプバレル内および前記上端開口を通して外部に取り出す吊り上げ装置と、
    前記ポンプバレルの前記タンク本体からの突出部分の側方から分岐する分岐部と、
    前記分岐部から前記ポンプバレルを通して配索され、前記ポンプへの給電用の電気ケーブルと、を備える液化ガスタンク。
  2. 請求項1に記載の液化ガスタンクにおいて、
    前記タンク本体には、空気よりも比重の軽いガスの液化ガスが貯留され、
    前記分岐部は、前記ポンプバレルからの分岐箇所から下方に垂下するように延び出すポケット部を含む、液化ガスタンク。
  3. 請求項1に記載の液化ガスタンクにおいて、
    前記ポンプバレルは、前記突出部分の側壁に分岐開口を備え、
    前記分岐部は、前記分岐開口に着脱が可能な基端開口と、当該基端開口とは反対側の先端開口とを備える、液化ガスタンク。
  4. 請求項3に記載の液化ガスタンクにおいて、
    前記分岐部の前記先端開口を塞ぐように当該先端開口に着脱が可能な封止プレートを備え、
    前記電気ケーブルの端部は、前記封止プレートに取り付けられている、液化ガスタンク。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の液化ガスタンクにおいて、
    前記分岐部内の空間をパージするパージ機構を備える、液化ガスタンク。
  6. 請求項4に記載の液化ガスタンクにおいて、
    前記分岐部の前記先端開口の近傍、もしくは前記基端開口の近傍または前記ポンプバレルに配置されるパージガス供給ポートと、
    前記分岐部の前記基端開口の近傍または前記ポンプバレル、もしくは前記先端開口の近傍に配置されるパージガス排出ポートと、を備える液化ガスタンク。
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