JP2024044220A - 電力取引プログラム、電力取引方法および電力取引装置 - Google Patents

電力取引プログラム、電力取引方法および電力取引装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電力取引に関する取引情報を取引時間単位毎にブロックチェーンに記録せずとも、電源リソースの需給に関する過剰計上を防ぐこと。【解決手段】小売電気事業者Bの電力取引装置100は、電力の供給側と需要側との取引情報である電力トラッキングレコードTRをブロックチェーンBCに格納する。電力取引装置100は、供給側の発電家Aの電源リソースGをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、需要側の需要家Cで電源リソースGを要求する複数の需要家Cの需要量と、供給量と需要量との差分の余剰電力と、を電力トラッキングレコードTRとし、ブロックチェーンBCに格納する。電力の供給量=需要量+余剰電力としてブロックチェーンBCに格納することで、余剰分電源リソースがなくなり、2重計上を防ぐ電源リソース管理が不要となる。【選択図】図1

Description

本発明は、電力取引プログラム、電力取引方法および電力取引装置に関する。
近年、ブロックチェーン(BC)を利用した様々なサービスが展開され、電力取引にも応用されている。ブロックチェーンは、取引履歴がオープンであり、取引履歴の改ざんが困難なことから、暗号資産の台帳管理などの様々な分野で利用されている。
電力取引にブロックチェーン技術を利用した技術として、再生可能エネルギーの供給と需要の取引管理や、電力の需給に関する2重計上の防止等の技術が提案されている(例えば、下記特許文献1~6参照。)。また、ブロックチェーンでゼロ知識証明を利用し、トランザクションの非インタラクティブプライバシー保護型検証を行う技術が提案されている(例えば、下記特許文献7参照。)。
特開2020-107202号公報 特開2021-135833号公報 特開2022-16506号公報 特開2018-78702号公報 特開2021-108525号公報 米国特許出願公開第2018/0267597号明細書 特表2020-512572号公報
電力の再生可能エネルギーの取引では、予め定められた所定の取引時間単位、例えば、30分単位での電源リソースの需給に関する取引記録をブロックチェーンに都度記録する。この場合、データ量が膨大となりシステムの処理負担が重くなる等のスケール問題が発生する。これに対し、30分単位での取引記録を都度ブロックチェーンに記録せず、例えば、ゼロ知識証明を使い1カ月等の一定期間の取引にまとめながら、30分単位での取引であることを保証することが考えられる。しかし、取引において例えば、発電量以上の電力を需要家に渡してしまう等の電源リソースの2重計上を防止するためには、30分単位の取引時間単位毎の処理が必要となり、処理負担がかかる。このため、ブロックチェーン上ですべての電力取引について、取引時間単位毎の情報の管理を不要とする等で取引管理の負担を軽減し、かつ、過剰計上を防ぐ新たな方法が要望されている。
一つの側面では、本発明は、電力取引に関する取引情報を取引時間単位毎にブロックチェーンに記録せずとも、電源リソースの需給に関する過剰計上を防ぐことを目的とする。
本発明の一側面によれば、電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引プログラムにおいて、前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、処理を行うことを要件とする。
本発明の一態様によれば、電力取引に関する取引情報を取引時間単位毎にブロックチェーンに記録せずとも、電源リソースの需給に関する過剰計上を防ぐことができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる電力取引方法の実施例の説明図である。 図2は、電源リソースのアグリゲート期間の分割を示す説明図である。 図3は、ゼロ知識証明による電力トラッキングレコード作成の説明図である。 図4は、ゼロ知識証明作成の入力データである電力供給量のデータ例を示す図表である。 図5は、ゼロ知識証明作成の入力データである電力需要量のデータ例を示す図表である。 図6は、ゼロ知識証明作成の入力データである余剰電力量のデータ例を示す図表である。 図7は、ゼロ知識証明作成の入力データであるマッチングデータのデータ例を示す図表である。 図8は、ゼロ知識証明作成の出力データである電力トラッキングレコードのデータ例を示す図表である。 図9は、実施の形態にかかるアグリゲートのノード作成の説明図である。 図10は、2重計上防止の記録例を示す図表である。 図11は、実施の形態にかかる電力取引装置のデータの流れを示す説明図である。 図12は、電力取引装置のハードウェア構成例を示す図である。 図13は、電力取引装置が行う電力取引の全体処理例を示すフローチャートである。 図14は、電源リソースの登録処理例を示すフローチャートである。 図15は、電源リソースの契約処理例を示すフローチャートである。 図16は、電源リソース単位のアグリゲート処理例を示すフローチャートである。 図17は、余剰電力の計算処理例を示すフローチャートである。 図18は、マッチングデータの作成処理例を示すフローチャートである。 図19は、マッチングデータ作成の前処理例を示すフローチャートである。 図20は、発電量と需要量と余剰電力の分配処理例を示すフローチャートである。 図21は、ゼロ知識証明による電力トラッキングレコードの作成処理例を示すフローチャートである。 図22は、電力取引処理全体のシーケンス図である。 図23は、スマートコントラクトの電源リソースの登録処理例を示すフローチャートである。 図24は、ブロックチェーンに格納する発電源情報例を示す図表である。 図25は、スマートコントラクトの電源リソース譲渡の処理例を示すフローチャートである。 図26は、ブロックチェーンに格納する譲渡情報例を示す図表である。 図27は、スマートコントラクトの電源リソース分割の処理例を示すフローチャートである。 図28は、スマートコントラクトの電力トラッキング情報登録の処理例を示すフローチャートである。 図29は、ブロックチェーンに格納する電力トラッキング情報例を示す図表である。 図30は、スマートコントラクトの電力トラッキング情報参照の処理例を示すフローチャートである。 図31は、需要家別の電力トラッキング情報の出力処理例の説明図である。 図32は、需要家別の電力トラッキング情報の生成処理例を示すフローチャートである。 図33は、第三者機関による検証処理例を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して、開示の電力取引プログラム、電力取引方法および電力取引装置の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる電力取引方法の実施例)
図1は、実施の形態にかかる電力取引方法の実施例の説明図である。実施の形態の電力取引方法は、再生可能エネルギーの電力取引に関する処理を行うコンピュータにより実施する。
実施例での電力取引方法では、発電家Aと、小売電気事業者Bと、需要家C(群)との間での電力取引を行う。発電家Aは、指定した発電所が発電した電源リソース(電力)Gをすべて小売電気事業者Bに売却する電力契約K1を行う。発電家Aと小売電気事業者Bとの間には様々な契約があるが、ここでは発電量すべてを売却する契約とする。需要家Cは、需要した電力を小売電気事業者Bから購入する電力契約K2を行う。
図1には、電力取引システムの構成例を示す。電力契約の内容は小売電気事業者Bの電力取引装置100が管理する。電力取引装置100は、電力契約管理部101、マッチング部102、ゼロ知識証明作成部103を含む。発電家Aの発電家システム110、小売電気事業者Bの電力取引装置100、需要家Cの需要家システム120は、それぞれブロックチェーンBCにアクセス可能である。ブロックチェーンBCは、各システムとの間に配置されたスマートコントラクトSCの処理により情報を格納する。
電力取引にかかる電力取引システムは、以下の(1)Step1~(3)Step3の処理を実施する。
(1)Step1.小売電気事業者Bによる電源リソース購入情報の格納
発電家Aは、予め電源リソースGの情報をブロックチェーンBCに登録する。そして、小売電気事業者Bは、発電家Aが発電した電力の譲渡を受ける電力契約K1を行う。これにより、電力取引装置100は、電力契約管理部101の制御により、契約期間に発電された発電量を電源リソースGとして購入(譲渡)した情報をブロックチェーンBCに格納する。この電源リソース購入情報には発電家Aの署名が付けてあることが好ましい。
このStep1では、小売電気事業者Bの電力取引装置100は、発電家Aとの契約について、発電家Aの電源リソースの一部を電力契約K1により譲渡されたことをブロックチェーンBC上に記載する。これにより発電家Aが発電した電源リソースGは、小売電気事業者Bのものとして扱うことができる。
(2)Step2.小売電気事業者Bによる電源リソースのアグリゲート期間の分割
小売電気事業者Bの電力取引装置100は、Step1で購入した電源リソースGの情報をアグリゲート期間に分割してブロックチェーンBCに格納する。小売電気事業者Bは、電源リソースGの譲渡がブロックチェーンBCに格納された後に、電源リソースGをアグリゲート期間に分割する。
電力取引装置100の制御により、例えば、ブロックチェーンBCのUTXO(Unspent Transaction Output)ノード151は、電源リソースGをアグリゲート期間(例えば1カ月)毎に分割する。
(3)Step3.小売電気事業者BによるStep2で分割した電源リソース単位の取引情報のアグリゲート
小売電気事業者Bの電力取引装置100は、以下の手順で取引情報のアグリゲートを行い、アグリゲート結果である電力トラッキング情報(電力トラッキングレコードTR)をブロックチェーンBCに格納する。
Step3.1 アグリゲートに必要な情報を用意
電力取引装置100は、アグリゲート期間中の30分単位(取引時間単位と称する)の実際の電力の発電量と、すべての需要家で要求する電力の需要量を収集する。需要家は、需要量に相当する電力を電力の供給側に要求し、需要量の電力を消費する。また、電力取引装置100は、30分の取引時間単位において「供給量=需要量」とするために、30分単位で余った電力を受け取る「余剰電力」の枠を定義する。発電家Aの発電家システム110には、スマートメータ111が設けられ電力の発電量の発電実績GAを計測する。需要家Cの需要家システム120には、スマートメータ121が設けられ電力の需要量の需要実績RAを計測する。また、需要家システム120には、電力トラッキング情報参照部122が設けられる。電力トラッキング情報参照部122は、ブロックチェーンBCにアクセスし、アグリゲート結果である電力トラッキングレコードTRを参照する。電力取引装置100は、これらスマートメータ111,121の発電実績GAと需要実績RAとを、ルートA等を経由して収集する。
Step3.2 アグリゲート期間中のマッチングデータを用意
電力取引装置100のマッチング部102は、Step3.1で処理したデータから発電と需要のマッチングデータを生成する。マッチングデータは、発電実績GAと、需要実績RA(余剰電力を含む)のアグリゲート期間(1カ月)のマッチング結果である。図1の例では、電源リソースは一つとしているためマッチング要素はないが、通常は電源リソースが複数であることが想定される。複数の電源リソースがある場合には、需要家Cでは需要した電力がどこで発電された電源リソースからどれだけ供給されたかを明確にする必要がある。このために、電力取引装置100のマッチング部102は、30分の取引時間単位でのマッチングデータを作成する。
Step3.3 ゼロ知識証明で電力トラッキングレコードを作成
Step3.1とStep3.2のデータに基づき、電力取引装置100のゼロ知識証明作成部103は、ゼロ知識証明により電力トラッキングレコードTRと、ゼロ知識証明書ZCを作成する。
Step3.4 ブロックチェーンにアグリゲート結果を格納
電力取引装置100は、Step3.3で作成した電力トラッキングレコードTRとゼロ知識証明書ZCをブロックチェーンBCに格納する。この格納時、電力取引装置100は、アグリゲートに対応するノード152を作成する。このアグリゲートのノード152作成のためのインプットは、アグリゲート期間に対応する電源リソースG、電力トラッキングレコードTR、ゼロ知識証明書ZCである。アウトプットは、電源リソースGをすべて使い切っているので必要ない。これにより、アグリゲートで使用した電源リソースGを使用したことになり、他で使用することができなくなる。
上記説明した実施例の電力取引装置100では、電力取引での2重計上等の過剰計上を防ぐための上記30分の取引時間単位での取引記録の処理において供給量に対し、需要量に「余剰電力」を加えた電力取引の処理を行う。ここで、「供給量(発電実績GA)=需要量(需要実績RA)+余剰電力」とすることで、電源リソースGの余りを管理する必要がなくなる。
ここで、例えば、電力の再生可能エネルギー取引で、30分の取引時間単位での取引記録をブロックチェーンで管理するには負担が重く、2重計上を防止するための構成として以下の構成が考えられる。例えば、30分の取引時間単位での取引記録をブロックチェーンに格納する際に、ゼロ知識証明で一定期間の取引記録としてアグリゲートする。正しい各入力データからアグリゲートすることで、30分の取引時間単位での取引記録の開示を不要にし、アグリゲート結果が正しいことを保証する。そして、ブロックチェーンのUTXOノードにより、まだ割り当てていない電源リソースを管理することで2重計上防止を行うことが考えられる。
この場合、アグリゲート結果である電力トラッキングレコードで需要家に割り当てた電源リソースと残りの電源リソースをUTXOノードで管理することになる。電力トラッキングレコードは需要家毎にアグリゲート期間で作成され、それに合わせ電源リソースの割り当てのためUTXOノードを作成することで電源リソースの2重計上を防ぐことが考えられる。
このUTXOノードを含む電力取引の方法では、需要家毎の取引時間単位で取引情報をゼロ知識証明でアグリゲートすることで取引情報を集約し、スケールの問題を解決する。しかし、ここで集約しているのは取引情報のみで、2重計上防止のために必要になる電源リソースの情報は集約できない。取引情報のアグリゲートだけでなく、2重計上を防止するための情報もアグリゲートすることで、このスケール技術は完成すると考える。
取引情報は、アグリゲートして集約した情報を活用する一方、2重計上を防止するための情報は、30分の取引時間単位で利用可能な電源リソースを表現する必要があるため、集約すると必要な情報が消える。このため、2重計上を防止するための情報は、取引情報と同様にゼロ知識証明でアグリゲートして集約することができない。アグリゲートするためには、30分の取引時間単位で電源リソースのすべての供給量と需要量を等しくして電源リソース管理を不要にすることが求められる。ここで、供給量と需要量は共に逐次変化するため30分の取引時間単位で電力の「供給量=需要量」として余剰電力が発生しない状態は現実的にできない。そのため、従来は、アグリゲートを行わずに、未使用の電源リソースをUTXO(拡張UTXO方式)で管理することになる。
このような従来の不具合に対応し、実施の形態では、上述したように、2重計上を防止する情報もアグリゲートを可能にするために、余剰な電力を発生させず30分の取引時間単位の電源リソースGの情報の管理を不要にする。実施の形態の図1に示したUTXOノード151は、電源リソースGの情報をアグリゲート期間(例えば1カ月)に分割する構成であり、上記拡張UTXO方式により、アグリゲートを行わず未使用の電源リソースGをUTXOノードで管理する構成とは異なる。
図1に示したスマートコントラクトSCは、ブロックチェーンBCに対する上述した各情報の登録、処理、参照等の各機能別の処理を各パラメータに基づきプログラム処理する下記の各リストを有する。
1.電源リソース登録
機能:ブロックチェーンBC上に電源リソースの登録を行う。
パラメータ:発電家A(発電源保有者)、発電源識別子
2.電源リソース譲渡
機能:発電源が発電した電力権利の譲渡期間分を発電家A(発電源保有者)から譲渡する
パラメータ:発電源識別子、譲渡期間、譲渡先
3.電源リソース分割
機能:発電源のリソースをアグリゲート期間単位に分割する
パラメータ:電源リソース、アグリゲート期間
4.電力トラッキング情報登録
機能:電力トラッキングレコードTRを登録する
パラメータ:電源リソース(アグリゲート期間)、電力トラッキングレコード群(アグリゲート結果)TR、ゼロ知識証明書ZC
5.電力トラッキング情報参照
機能:電力トラッキングレコードTRを参照する
パラメータ:アグリゲート期間
図2は、電源リソースのアグリゲート期間の分割を示す説明図である。上述したStep2の処理例を示す。図2の例では、電源リソースGを電力契約K1に対応した電源リソース契約情報k1(2020年から2025年の電源リソースG)をUTXOノード151にインプットする。UTXOノード151は、1カ月単位に分割した電源リソース「2020年1月分」GR1、「2020年2月分」GR2、…、「2025年12月分」GRnをアウトプットする。なお、この分割した電源リソースGR(GR1~GRn)は、記述された期間に発電された電源リソースGを使用する権利を記載するのみであり、実際の発電量等の情報は記載されない。
図3は、ゼロ知識証明による電力トラッキングレコード作成の説明図である。上述したStep3.3の処理例を説明する。ゼロ知識証明作成部103には、アグリゲート期間の電力供給量(発電実績GA)と、需要家C毎の電力需要量(需要実績RA)と、余剰電力の電力需要量と、Step3.2で作成されたマッチングデータ等が入力される。アグリゲート期間の電力供給量と、需要家C毎の電力需要量と、余剰電力の電力需要量は、いずれも30分の取引時間単位のデータである。
ゼロ知識証明作成部103は、入力されたデータをゼロ知識証明でアグリゲートして電力トラッキングレコードTRを作成する。ゼロ知識証明により、アグリゲート期間中の需要、供給のトラッキングであることを証明できる。ゼロ知識証明作成部103は、アグリゲート結果としての電力トラッキングレコードTRと、ゼロ知識証明書ZCを出力する。ここで、電力トラッキングレコードTRは、30分の取引時間単位の取引情報は保持していないが、30分の取引時間単位の取引情報を1カ月単位にアグリゲートして作成された情報であることを証明できる。
次に、図4~図8を用いて、ゼロ知識証明で用いる各データ例を説明する。これらのデータは、例えば、電力取引装置100のメモリ等の記憶部に記憶され、ゼロ知識証明作成部103がデータ入出力する。
図4は、ゼロ知識証明作成の入力データである電力供給量のデータ例を示す図表である。ゼロ知識証明作成部103への入力データである、電力供給量(発電実績GA)のデータ400は、電力の供給者(発電家A)別に、30分の取引時間単位の期間、および取引時間単位の期間毎の電力の供給量の情報を含む。
図5は、ゼロ知識証明作成の入力データである電力需要量のデータ例を示す図表である。電力需要量(需要実績RA)のデータ500は、電力の需要家C別に、30分の取引時間単位で電力の供給を受けた(需要)期間、および取引時間単位の期間毎の需要量の情報を含む。
図6は、ゼロ知識証明作成の入力データである余剰電力量のデータ例を示す図表である。ゼロ知識証明作成部103への入力データである、余剰電力量のデータ600は、30分の取引時間単位の期間、および取引時間単位の期間毎の余剰電力量の情報を含む。余剰電力は、マッチングデータが示す電力の供給者と需要者との関係において、取引時間単位毎の電力供給量と電力需要量との差分に相当する。
図4~図6に示した取引時間単位毎の電力供給量、電力需要量および余剰電力の関係の具体例を説明する。例えば、取引時間単位の期間が「2021/9/1の00:00~2021/9/1の00:30」の30分間において、図4に示す供給者側の発電家Aが供給する電力供給量が「5000kWh」であるとする。また、図5に示す需要側で2つの需要家α,βの電力需要量がそれぞれ「2000kWh」であるとする。この場合、図6に示したように、取引時間単位の期間における余剰電力量は、5000-(2000+2000)=1000kWhとなる。
図7は、ゼロ知識証明作成の入力データであるマッチングデータのデータ例を示す図表である。マッチングデータは、マッチング部102が生成出力する。ゼロ知識証明作成部103への入力データである、マッチングデータ700は、電力の需要者別に、30分の取引時間単位の電力の供給元(発電家A)、および取引時間単位の期間毎の電力の供給量(需要量)の情報を含む。マッチングデータは需要家C毎に30分の取引時間単位の需要データとその供給元へのリンクの情報を有し、取引時間単位で需要と供給が過不足ない状態とされる。
図7の例では、取引時間単位の期間が「2021/9/1の00:00~2021/9/1の00:30」の30分間において、需要家αに対する電力の供給元は供給A(発電家A)のみである。これに対し、需要家βに対する電力の供給元は2つの発電家(供給A,供給B)であり、供給A,Bからそれぞれ500kWhの供給を受けていることが示されている。
図8は、ゼロ知識証明作成の出力データである電力トラッキングレコードのデータ例を示す図表である。電力トラッキングレコードTRのデータ800は、ゼロ知識証明作成部103によるゼロ知識証明のアグリゲート結果であり、30分の取引時間単位での取引情報をアグリゲート期間毎に集約した情報である。図8に示す電力トラッキングレコードTRのデータ800は、需要者(需要家C)別に、アグリゲート期間(1カ月)における電力需要量と、供給元(発電家A)、および供給量の情報を含む。
図9は、実施の形態にかかるアグリゲートのノード作成の説明図である。図9に示すように、実施の形態の電力取引装置100は、発電家A側の電源リソースGをアグリゲート期間に分割する。一方、需要家C側は複数の需要家C(1~nの群)をまとめ、これに「余剰電力」SUを加えてアグリゲートのノード152を作成する。
実施の形態の電力取引装置100では、需要量に「余剰電力」SUを加えた手法により、需要量の調整を可能にする。需要家C側に余剰電力SUとして受け皿を設けることで30分の取引時間単位で電力の「供給量=需要量」とした、いわゆるブロックチェーンでの同時同量の取引記録が可能となり、供給量を使い切ることができる。その結果、電力取引装置100のゼロ知識証明により、アグリゲートした時に30分の取引時間単位の供給量を過不足なく使い切ることができ、余る電源リソースがなくなる。また、実施の形態によれば、UTXOノード151において、2重計上を防止するための電源リソース管理を不要にすることができる。
電力取引装置100が行う処理では、最初に供給量の電源リソースGを使い切りサイズのアグリゲート期間にする。次に、供給量の方が多いため余剰電力が発生するが、使い切るために需要家ではなく余剰分を受け取る「余剰電力」SUを小売電気事業者Bが用意し、余剰分を受け取ることですべて使い切るようにする。
図10は、2重計上防止の記録例を示す図表である。例えば、「余剰電力」SUが受け取った電力はアグリゲートされるため30分の取引時間単位の情報は消えるが、アグリゲート期間中の再生可能エネルギー価値として小売電気事業者Bが別途販売することが可能である。その場合、図10に示すように、アグリゲート期間の余剰電力SUの販売先(再販先)をブロックチェーンに明記することで、2重計上を防ぐ管理が行える。
図10に示すように、アグリゲートのノード152が保持する情報1000は、アグリゲート期間毎の保有者識別子(小売電気事業者)、余剰電力の販売先識別子(需要家)が関連付けられている。図10の例では、アグリゲート期間「2021年2月」は、保有者識別子が「小売電気事業者X」であり、余剰電力の販売先識別子が「需要家Z」である。例えば、需要家Zは、普段は小売電気事業者Bから電力取引しているが、2021年2月については、異なる「小売電気事業者X」と取引したことが明記されている。
図11は、実施の形態にかかる電力取引装置のデータの流れを示す説明図である。図11には、図1に記載したシステムにおける主要なデータ処理を抽出したものである。図11の左枠1101の処理では、電源リソースGの事前分割を行う。また、右枠1102の処理では、余剰電力SUを含め需要家Cをまとめる。そして、中央部1103の処理では、電源リソースGの事前分割と、余剰電力SUを含め需要家Cをまとめた処理と、を融合させて電力トラッキングを管理する。この管理では、2重計上を防止しながら30分の取引時間単位の電源リソース管理を不要にすることができる。
(電力取引装置のハードウェア構成例)
図12は、電力取引装置のハードウェア構成例を示す図である。電力取引装置100は、図12に示す汎用のハードウェアからなるコンピュータで構成することができる。また、電力取引装置100は、クラウド、例えば、ネットワークNW上のサーバ群で構成してもよい。
電力取引装置100は、CPU(Central Processing Unit)1201と、メモリ1202と、ディスクドライブ1203と、ディスク1204と、を有する。また、電力取引装置100は、通信I/F(Interface)1205と、可搬型記録媒体I/F1206と、可搬型記録媒体1207と、を有する。また、各構成部は、バス1200によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU1201は、電力取引装置100の全体の制御を司る制御部として機能する。CPU1201は、複数のコアを有していてもよい。メモリ1202は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU1201のワークエリアとして使用される。メモリ1202に記憶されるプログラムは、CPU1201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU1201に実行させる。
ディスクドライブ1203は、CPU1201の制御に従ってディスク1204に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク1204は、ディスクドライブ1203の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク1204としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
通信I/F1205は、通信回線を通じてネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して外部のコンピュータ、およびブロックチェーンBCのスマートコントラクトSCに接続される。外部のコンピュータは、例えば、図1に示した発電家システム110、需要家システム120である。そして、通信I/F1205は、ネットワークNWと装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F1205には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
可搬型記録媒体I/F1206は、CPU1201の制御に従って可搬型記録媒体1207に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体1207は、可搬型記録媒体I/F1206の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体1207としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。図12に示したCPU1201は、図1に示した電力取引装置100の処理を実施する。
また、図1に示した発電家システム110、需要家システム120、およびスマートコントラクトSCについても、図12同様のハードウェア構成とすることができる。また、電力取引装置100は、スマートコントラクトSCの機能を有してもよい。さらに、スマートコントラクトSCは、図12相当のハードウェア構成をクラウドにより実現してもよい。
(実施の形態の処理例)
次に、実施の形態の電力取引装置100およびシステムの処理例について説明する。図1に示した電力取引にかかる電力取引装置100、および発電家システム110、需要家システム120は、それぞれ処理した情報(データ)を自システム内に一時保持するとともに、ブロックチェーンBCに格納する。以下の各処理において「格納」とは、それぞれブロックチェーンBCへの格納を示す。
図13は、電力取引装置が行う電力取引の全体処理例を示すフローチャートである。はじめに、電力取引装置100は、小売電気事業者Bの電源リソース契約情報k1を格納する(ステップS1301)。次に、電力取引装置100は、小売電気事業者Bの電源リソースGをアグリゲート期間別に分割する(ステップS1302)。そして、電力取引装置100は、分割した電源リソース単位にアグリゲートの処理を行い(ステップS1303)、以上の処理を終了する。このアグリゲート結果は、例えば、1カ月単位の電力トラッキングレコードTRである。
図14は、電源リソースの登録処理例を示すフローチャートである。発電家Aは、発電家システム110により電源リソースGを登録し(ステップS1401)、処理を終了する。この際、発電家システム110は、スマートコントラクトSCを実行し、電源リソースGをブロックチェーンBCに登録する。
図15は、電源リソースの契約処理例を示すフローチャートである。小売電気事業者Bは、発電家Aが発電した電力の譲渡を受ける電力契約K1の電源リソース契約情報k1に従い契約期間に発電された発電量を電源リソースGとして購入した情報を格納する。小売電気事業者Bの電力取引装置100は、電源リソース契約情報k1に従い電源リソースを譲渡するスマートコントラクトSCを実行し、契約期間に発電された電源リソースGを小売電気事業者Bのものとして登録し(ステップS1501)、処理を終了する。
図16は、電源リソース単位のアグリゲート処理例を示すフローチャートである。小売電気事業者Bの電力取引装置100は、アグリゲートに必要な情報を収集する(ステップS1601)。ここで、電力取引装置100は、アグリゲート期間中(1カ月)の発電家Aの実際の発電量(発電実績GA)と、すべての需要家Cの需要量(需要実績RA)とを収集する。また、電力取引装置100は、余った電力を受け取る「余剰電力」SUの電力量を用意する。
次に、電力取引装置100は、アグリゲート期間中のデータからマッチングデータを作成する(ステップS1602)。次に、電力取引装置100は、ゼロ知識証明で電力トラッキングレコードTRを作成する(ステップS1603)。次に、電力取引装置100は、作成した電力トラッキングレコードTRを登録し(ステップS1604)、以上の処理を終了する。ここで、電力取引装置100は、スマートコントラクトSCを実行し、アグリゲート結果である電力トラッキングレコードTRをブロックチェーンBCに格納する。
図17は、余剰電力の計算処理例を示すフローチャートである。図17の処理は、図16のステップS1601に示した余剰電力SU算出の処理例である。電力取引装置100は、アグリゲート期間(1カ月)内での取引時間単位(30分単位)でのループ処理が終了したか否かを判断する(ステップS1701)。アグリゲート期間内での取引時間単位でのループ処理が終了していなければ(ステップS1701:No)、電力取引装置100は、取引時間単位の総発電量と総需要量が同一になる取引時間単位(30分単位)の余剰電力量を求める(ステップS1702)。
例えば、電力取引装置100は、余剰電力=総発電量-総需要量、の算出式により求める。ここでは、総発電量≧総需要量と想定している。
ステップS1702の処理後、電力取引装置100は、ステップS1701の処理に戻る。また、ステップS1701において、アグリゲート期間内での取引時間単位(30分単位)でのループ処理が終了すれば(ステップS1701:Yes)、電力取引装置100は、以上の処理を終了する。
図18は、マッチングデータの作成処理例を示すフローチャートである。図18に示す処理は、図16のステップS1602に示したマッチングデータ作成の処理例である。電力取引装置100は、マッチングデータ作成の前処理を行う(ステップS1801、図19参照)。この後、電力取引装置100は、アグリゲート期間(1カ月)内での取引時間単位(30分単位)のループ処理が終了したか否かを判断する(ステップS1802)。
アグリゲート期間内での取引時間単位でのループ処理が終了していなければ(ステップS1802:No)、電力取引装置100は、取引時間単位(30分単位)に発電量を需要量と余剰電力に分配する。そして、電力取引装置100は、どの発電をどこに配分したかの情報を取引時間単位(30分単位)のマッチングデータとする(ステップS1803)。ここで、発電量=需要量+余剰電力量のため、すべての発電量は配分されることになる。この後、電力取引装置100は、ステップS1802の処理に戻る。
また、ステップS1802の処理において、アグリゲート期間内での取引時間単位(30分単位)でのループ処理が終了すれば(ステップS1802:Yes)、電力取引装置100は、ステップS1804の処理を行う。ステップS1804では、電力取引装置100は、取引時間単位(30分単位)のマッチングデータをマージしてマッチングデータとする(ステップS1804)。そして、電力取引装置100は、以上の処理を終了する。
図19は、マッチングデータ作成の前処理例を示すフローチャートである。図19に示す処理は、図18のステップS1801に示したマッチングデータ作成の前処理例である。電力取引装置100は、前処理として、発電側(電源リソース)が複数の場合、マッチングのための順番を決める(ステップS1901)。この後、電力取引装置100は、需要側が複数の場合、マッチングのための順番を決める(ステップS1902)。これら発電側および需要側の順番は、例えば、発電家Aおよび需要家Cの識別子のソートにより決めることができる。そして、電力取引装置100は、以上の処理を終了する。
図20は、発電量と需要量と余剰電力の分配処理例を示すフローチャートである。図20に示す処理は、図18のステップS1803の分配の処理例である。電力取引装置100は、マッチングの順番の最初の電源リソースGを取り出す(ステップS2001)。次に、電力取引装置100は、需要側から順番に需要家Cを取り出す(ステップS2002)。電力取引装置100は、取り出す需要家Cがある場合(ステップS2002:Yes)、ステップS2003の処理に移行し、一方、取り出す需要家Cがない場合(ステップS2002:No)、ステップS2006の処理に移行する。
ステップS2003では、電力取引装置100は、需要家Cに需要分の電源リソースGを配分する(ステップS2003)。次に、電力取引装置100は、需要家Cが需要分に必要な電源リソースGを得たか否かを判断する(ステップS2004)。電力取引装置100は、需要家Cが需要分に必要な電源リソースGを得ていれば(ステップS2004:Yes)、ステップS2002の処理に戻る。一方、需要家Cが需要分に必要な電源リソースGを得ていなければ(ステップS2004:No)、電力取引装置100は、電源リソースGを次のリソースにし(ステップS2005)、ステップS2003の処理に戻る。
ステップS2006では、電力取引装置100は、余剰電力に電源リソースGを配分する(ステップS2006)。次に、電力取引装置100は、配分の結果を取引時間単位(30分単位)のマッチングデータとし(ステップS2007)、以上の処理を終了する。
図21は、ゼロ知識証明による電力トラッキングレコードの作成処理例を示すフローチャートである。図21に示す処理は、図16のステップS1603に示したゼロ知識証明の処理例である。電力取引装置100は、アグリゲート期間(1カ月)中の供給量と需要量(余剰電力を含む)のデータと、マッチングデータ(図20のステップS2007)を用意する(ステップS2101)。
そして、電力取引装置100は、インプットについては、ステップS2101で用意したアグリゲート期間中の供給量と需要量(余剰電力を含む)のデータと、マッチングデータとする。そして、電力取引装置100は、アウトプットをアグリゲート結果(電力トラッキングレコードTR)とし、ゼロ知識証明書を作成する(ステップS2102)。そして、電力取引装置100は、以上の処理を終了する。
図22は、電力取引処理全体のシーケンス図である。図22には、以上説明したシステム全体の発電家A、小売電気事業者B、需要家C、ブロックチェーンBC間でのデータの流れを示している。以下の処理では、図1に対応して、小売電気事業者Bは電力取引装置100による電力取引処理を行う。発電家Aは発電家システム110による電力取引処理を行う。需要家Cは需要家システム120による電力取引処理を行う。
発電家Aは、電源リソースGをブロックチェーンBCに登録処理する(ステップS2201)。ブロックチェーンBCは、発電家Aの電源リソースGを登録する(ステップS2202)。
小売電気事業者Bは、需要家Cとの間で電力取引の電力契約K2を行う。また、小売電気事業者Bは、発電家Aとの間で電力取引の電力契約K1を行う。小売電気事業者Bは、電力契約K1(電源リソース契約情報k1)に基づき、発電家Aから電源リソースGの譲渡を受けた情報をブロックチェーンBCに登録する(ステップS2203)。ブロックチェーンBCは、契約期間中の電源リソースGの発電家Aから小売電気事業者Bへの譲渡を登録する(ステップS2204)。
次に、小売電気事業者Bは、電源リソースGの分割を行う(ステップS2205)。小売電気事業者Bは、ブロックチェーンBC上で契約期間中の電源リソースGをアグリゲート単位に分割する(ステップS2206)。
次に、小売電気事業者Bは、発電家Aと需要家Cの電力取引をマッチングし、マッチングデータをゼロ知識証明でアグリゲートする(ステップS2207)。そして、小売電気事業者Bは、アグリゲート結果(電力トラッキングレコードTR)とゼロ知識証明書ZCをブロックチェーンBCに登録する(ステップS2208)。ブロックチェーンBCは、アグリゲート結果(電力トラッキングレコードTR)とゼロ知識証明書ZCを登録する(ステップS2209)。
この後、所定のタイミングで需要家Cがアグリゲート結果とゼロ知識証明書をブロックチェーンに要求したとする(ステップS2210)。ブロックチェーンBCは、需要家Cに対し、要求に対応する回答を行う(ステップS2211)。需要家Cは、ブロックチェーンBCからの回答により、電力取引のアグリゲート結果を利用することができる(ステップS2212)。
また、需要家Cは、契約期間中繰り返し、ステップS2210に示したアグリゲート結果とゼロ知識証明書を要求可能である。小売電気事業者Bは、需要家Cからのアグリゲート結果とゼロ知識証明書の要求毎に、ステップS2207以下の処理を実施し、要求毎の回答を行う(ステップS2213)。
(スマートコントラクトの処理例)
次に、上記電力取引システムと連携するブロックチェーンBCのスマートコントラクトSCの各処理例について説明する。
図23は、スマートコントラクトの電源リソースの登録処理例を示すフローチャートである。発電家Aによる電源リソースGの登録時、スマートコントラクトSCは、電源リソースGを管理するためのインスタンスを作成し、パラメータ等の発電源情報をブロックチェーンBCに格納し(ステップS2301)、以上の処理を終了する。
図24は、ブロックチェーンに格納する発電源情報例を示す図表である。図23の処理で作成される発電源情報2400は、発電家Aの発電源識別子、発電源保有者、等の情報を含む。
図25は、スマートコントラクトの電源リソース譲渡の処理例を示すフローチャートである。小売電気事業者Bが発電家Aとの電力契約K1(電源リソース契約情報k1)に基づき、スマートコントラクトSCは、譲渡者(小売電気事業者B)が譲渡の権利を保有しているか否かを判断する(ステップS2501)。ここで、譲渡者が譲渡の権利を持っているか登録されていなければ、発電源の保有者に対して判断する。スマートコントラクトSCは、譲渡者が譲渡の権利を保有していれば(ステップS2501:Yes)、ステップS2502の処理に移行し、譲渡者が譲渡の権利を保有していなければ(ステップS2501:No)、ステップS2503の処理に移行する。
ステップS2502では、スマートコントラクトSCは、権利を管理するためのインスタンスを作成し、パラメータ等の譲渡情報をブロックチェーンBCに格納し(ステップS2502)、以上の処理を終了する。ここで、提供元の情報として、権利からの譲渡の場合は権利識別子を格納し、まだ権利情報がない場合は発電源識別子を格納する。
ステップS2503では、スマートコントラクトSCは、譲渡権利なしとし(ステップS2503)、以上の処理を終了する。
図26は、ブロックチェーンに格納する譲渡情報例を示す図表である。図25の処理で作成される譲渡情報2600は、発電源の権利識別子、発電源識別子、権利保有者、権利保有期間、提供元、提供先、等の情報を含む。
図27は、スマートコントラクトの電源リソース分割の処理例を示すフローチャートである。スマートコントラクトSCは、電源リソースをアグリゲート単位に分割する際、分割者(譲渡者(小売電気事業者B))が権利を保有しているか否かを判断する(ステップS2701)。スマートコントラクトSCは、判断の結果、分割者が権利を保有している場合には(ステップS2701:Yes)、ステップS2702の処理に移行し、分割者が権利を保有していなければ(ステップS2701:No)、ステップS2703の処理に移行する。
ステップS2702では、スマートコントラクトSCは、権利をアグリゲート単位に分割する。ここで、スマートコントラクトSCは、分割分インスタンスを作成し、供給元には供給元の権利識別子、供給先には未使用なのでNULL、権利保有期間には分割した期間を設定し、ブロックチェーンBCに格納し(ステップS2702)、処理を終了する。ここで、「供給元」のインスタンスがUTXOノード151と同等な機能を果たす。
ステップS2703では、スマートコントラクトSCは、分割権利なしとし(ステップS2703)、以上の処理を終了する。図27に示した処理例では、スマートコントラクトSCは、図26の譲渡情報2600のような仮想的なテーブル作成で説明したが、実際には、図1等に示したUTXOノード151を作成している。
図28は、スマートコントラクトの電力トラッキング情報登録の処理例を示すフローチャートである。スマートコントラクトSCは、電力トラッキング情報を管理するためのインスタンスを作成し、電力トラッキング情報(電力トラッキングレコードTR)をブロックチェーンBCに格納し(ステップS2801)、以上の処理を終了する。この際、スマートコントラクトSCは、電力トラッキング情報の電源リソースには、電源の権利識別子を格納し、権利識別子を管理している情報の提供先に、電力トラッキング識別子を格納する。
図29は、ブロックチェーンに格納する電力トラッキング情報例を示す図表である。図29の処理で作成される電力トラッキング情報2900(電力トラッキングレコードTR)は、電力トラッキング識別子、小売電気事業者識別子、需要家リスト、電力トラッキング期間、電源リソース、電力トラッキング情報、ゼロ知識証明書、等の情報を含む。
図30は、スマートコントラクトの電力トラッキング情報参照の処理例を示すフローチャートである。需要家Cが需要家システム120により電力トラッキング情報2900の参照時、スマートコントラクトSCは、以下の処理を実行する。スマートコントラクトSCは、電力トラッキング情報2900の需要家Cと電力トラッキング期間から対応する電力トラッキング情報2900を求め、需要家システム120に返却し(ステップS3001)、以上の処理を終了する。
(需要家別の電力トラッキング情報の出力例)
上述した実施の形態では、複数の需要家Cの情報をまとめた形式でゼロ知識証明が内容の保証をしている。そのため、上述した実施の形態では、ある需要家は情報にゼロ知識証明書ZCを付けて第三者に提供する場合、他の需要家の情報も付けて提供することになる。
図31は、需要家別の電力トラッキング情報の出力処理例の説明図である。図31の(1)~(6)の処理順に従って、複数の需要家Cのうち、ある需要家(需要α)が必要な情報にのみ限定して提供する。このためには、別途ゼロ知識証明を使い、他の需要家C(需要β~n)の情報が含まれた状態から、必要な情報だけゼロ知識証明で取り出し、ゼロ知識証明書ZCとセットにして第三者に提供する。
図31の処理の前準備として、証明鍵と承認鍵を格納する領域を用意して登録および参照する各スマートコントラクトSCを用意する。例えば、1.電力トラッキング抽出用の証明鍵KAの登録、2.電力トラッキング抽出用の証明鍵KAの参照、3.電力トラッキング抽出用の承認鍵KBの登録、4.電力トラッキング抽出用の承認鍵の参照、用のスマートコントラクトSCを用意する。
また、ゼロ知識証明の証明鍵、認証鍵を作成し登録する。ゼロ知識証明には、事前に鍵を生成し、共有する必要がある。電力トラッキング情報から指定した需要家C(需要α)の電力トラッキング情報TRαを抽出するゼロ知識証明のロジックを構築し、鍵を生成し用意した上記のSCスマートコントラクトを使用して電力トラッキング情報TRαブロックチェーンBCに格納する。
図32は、需要家別の電力トラッキング情報の生成処理例を示すフローチャートである。図32は、図31の説明に対応する処理例を示す。例えば、ある需要家C(需要α)の需要家システム120は、抽出したアグリゲート期間を指定してスマートコントラクトSCで電力トラッキング情報2600を参照する(ステップS3201)。
次に、需要家システム120は、指定した需要家C(需要α)の電力トラッキング情報TRαを抽出するゼロ知識証明の証明鍵KZCをスマートコントラクトSCで参照する(ステップS3202)。
そして、需要家システム120は、電力トラッキング情報2900と証明鍵KZCから指定した需要家C(需要α)の出力範囲の電力トラッキング情報TRαを抽出し、ゼロ知識証明の証明書作成を行う(ステップS3203)。
この後、需要家システム120は、第三者機関3100に、トラッキング情報として、指定した需要家C(需要α)の指定出力範囲の電力トラッキング情報TRαとゼロ知識証明書ZCαを渡し(ステップS3204)、以上の処理を終了する。
図33は、第三者機関による検証処理例を示すフローチャートである。図32のステップS3204で渡された、需要家C(需要α)の指定出力範囲の電力トラッキング情報TRαとゼロ知識証明書ZCαに基づき検証処理例を説明する。第三者機関3100のシステムは、指定した需要家C(需要α)の電力トラッキング情報TRαを抽出するゼロ知識証明の承認鍵KBをスマートコントラクトSCで参照する(ステップS3301)。
次に、第三者機関3100のシステムは、指定した需要家C(需要α)の電力トラッキング情報TRαとゼロ知識証明の承認鍵KBから電力トラッキング情報TRαが正しいことを確認する(ステップS3302)。そして、電力トラッキング情報TRαが正しければ(ステップS3303:Yes)、第三者機関3100のシステムは、この電力トラッキング情報TRαが正しい旨の処理(承認)を行い(ステップS3304)、以上の処理を終了する。一方、電力トラッキング情報TRαが正しくなければ(ステップS3303:No)、第三者機関3100のシステムは、この電力トラッキング情報TRαに対する処理(承認)を行わずに、以上の処理を終了する。
以上説明した実施の形態の電力取引装置100は、電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する。電力取引装置100は、供給側での電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、需要側での電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、供給量と需要量との差分の余剰電力と、を取引情報とする。これにより、電力の供給量=需要量+余剰電力としてブロックチェーンBCに格納することで、余剰分電源リソースがなくなり、2重計上等の過剰計上を防ぐ電源リソース管理が不要にできる。
また、電力取引装置100は、供給側の電力の供給量、および需要側の電力の需要量を、所定の取引時間単位で取得し、アグリゲート期間内で取引時間単位毎に、電力の供給量と需要量との差分により余剰電力を求める。これにより、30分単位等の取引時間単位で供給量=需要量にでき、供給量を需要で使い切り余剰分電源リソースがなくなり、2重計上等の過剰計上を防ぐことができる。
また、電力取引装置100は、供給側が複数の場合、取引時間単位毎に、複数の供給側からの供給量を、複数の需要家のいずれに供給したかのマッチングデータを作成する。電力取引装置100は、マッチングデータをゼロ知識証明することで、アグリゲートした結果の電力トラッキング情報と、ゼロ知識証明書とを取引情報として作成し、ブロックチェーンに格納する。これにより、供給側のリソースが複数ある場合、需要側で受容した電力がどの供給側で発電された電力であるかのトラッキングが行えるようになる。
また、電力取引装置100は、供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割する処理は、スマートコントラクトを介して、ブロックチェーンのUTXOノードに対し、電力取引の契約期間の電源リソースを入力させる。これにより、アグリゲート期間毎に分割した電源リソースの出力を得ることができる。このように、ブロックチェーン上のUTXOノードを利用して、電源リソースを1カ月等のアグリゲート期間毎に簡単に分割できる。
また、電力取引装置100は、特定の需要家の取引情報の参照時には、ブロックチェーン上に格納された取引情報に含まれる複数の需要家毎の電力トラッキング情報と、事前に生成し格納した取引情報抽出用の証明鍵および承認鍵とを用いたゼロ知識証明により、スマートコントラクトを介して、指定した一つの需要家の取引情報を、証明鍵を用いて抽出する。電力取引装置100は、抽出した取引情報とゼロ知識証明書とを第三者に提供することで、第三者により承認鍵を用いた取引情報の検証を受けることができる。ブロックチェーン上には、複数の需要家の取引情報をまとめた形式でゼロ知識証明が内容を保証している。このため、ある需要家が取引情報を第三者に提供する場合、他の需要家の取引情報も提供することになる。この点、上記構成によれば、取引情報のなかから必要な需要家の取引情報だけゼロ知識証明で取り出し、ゼロ知識証明書とセットで第三者に提供することができる。
また、電力取引装置100は、ブロックチェーンに格納される取引情報は、アグリゲート期間単位の余剰電力の再販先を含む。これにより、アグリゲート期間中の余った電力を再生エネルギー価値として、例えば、小売電気事業者が再販することができ、再販時の余剰電力の販売先をブロックチェーン上に明記でき、2重計上を防ぐことができる。
また、電力取引装置100は、供給側の発電家と、需要側の需要家との間のそれぞれの電力契約に基づき、電源リソースの譲渡を受けた小売電気事業者において、上記処理を実行することができる。これにより、発電家から電源リソースは、小売電気事業者のものとして扱い、需要者との間で電源供給の電力契約に基づいた電力取引を行うことができる。
これらのことから、実施の形態によれば、電力取引装置100は、電源リソースの需給関係に関する取引情報を30分単位の取引時間単位ごとに記録せずとも、取引情報をアグリゲートして情報量を削減でき、かつ、リソースの過剰計上、すなわち、発電した電力量以上の電力を需要家に渡してしまう取引が行われていないかを検証できるようになる。
従来は、需要家毎に割り当てた分の電源リソースの余りを次の電源リソースに活用する。2重計上防止のためには、電源リソースの情報を二次元に拡張したUTXOノードで管理する必要があり、アグリゲートの対象ではなくデータ量が増加するためスケールの問題があった。これに対し、実施の形態では、需要家毎に電源リソースを用意して処理するのではなく、複数の需要家と電源リソースをアグリゲート期間でまとめて一括でアグリゲートし30分の取引時間単位において使い切る。電源リソースを使い切ることで2重計上防止のための情報もアグリゲート可能になる。その結果、ブロックチェーンを利用する上でのスケール問題となる30分の取引時間単位の情報をすべて削減することが可能となる。そして、例えば、従来、30分の取引時間単位の情報を扱うことで発生したスケール問題を生じることがない。
なお、本発明の実施の形態で説明した電力取引方法は、予め用意されたプログラムをサーバ等のプロセッサに実行させることにより実現することができる。本方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本方法は、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引プログラムにおいて、
前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、
前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする電力取引プログラム。
(付記2)前記供給側の電力の供給量、および前記需要側の電力の需要量を、所定の取引時間単位で取得し、
前記アグリゲート期間内で前記取引時間単位毎に、電力の前記供給量と前記需要量との差分により前記余剰電力を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の電力取引プログラム。
(付記3)前記供給側が複数の場合、前記取引時間単位毎に、複数の前記供給側からの供給量を、複数の前記需要家のいずれに供給したかのマッチングデータを作成し、
前記マッチングデータをゼロ知識証明することで、アグリゲートした結果の電力トラッキング情報と、ゼロ知識証明書とを前記取引情報として作成し、前記ブロックチェーンに格納する、
ことを特徴とする付記2に記載の電力取引プログラム。
(付記4)前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割する処理は、
スマートコントラクトを介して、前記ブロックチェーンのUTXO(Unspent Transaction Output)ノードに対し、電力取引の契約期間の前記電源リソースを入力させることで、アグリゲート期間毎に分割した前記電源リソースの出力を得る、
ことを特徴とする付記1に記載の電力取引プログラム。
(付記5)特定の需要家の前記取引情報の参照時には、
前記ブロックチェーン上に格納された前記取引情報に含まれる複数の需要家毎の前記取引情報と、事前に生成し格納した前記取引情報抽出用の証明鍵および承認鍵とを用いたゼロ知識証明により、スマートコントラクトを介して、指定した一つの需要家の前記取引情報を、前記証明鍵を用いて抽出し、
抽出した前記取引情報とゼロ知識証明書とを第三者に提供し、
前記第三者による前記承認鍵を用いた前記取引情報の検証を受ける、
ことを特徴とする付記1に記載の電力取引プログラム。
(付記6)前記ブロックチェーンに格納される前記取引情報は、前記アグリゲート期間単位の前記余剰電力の再販先を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の電力取引プログラム。
(付記7)前記供給側の発電家と、前記需要側の需要家との間のそれぞれの電力契約に基づき、前記電源リソースの譲渡を受けた小売電気事業者の電力取引装置に対し、上記処理を実行させることを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の電力取引プログラム。
(付記8)電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引方法において、
前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、
前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする電力取引方法。
(付記9)電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引装置において、
前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、
前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、
処理を行う制御部を備えたことを特徴とする電力取引装置。
100 電力取引装置
101 電力契約管理部
102 マッチング部
103 ゼロ知識証明作成部
110 発電家システム
111,121 スマートメータ
120 需要家システム
122 電力トラッキング情報参照部
151 UTXOノード
152 アグリゲートのノード
1201 CPU
1202 メモリ
1204 ディスク
1205 通信I/F
1207 可搬型記録媒体
A 発電家
B 小売電気事業者
C 需要家
BC ブロックチェーン
G,GR 電源リソース
NW ネットワーク
TR 電力トラッキングレコード
ZC ゼロ知識証明書

Claims (8)

  1. 電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引プログラムにおいて、
    前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、
    前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする電力取引プログラム。
  2. 前記供給側の電力の供給量、および前記需要側の電力の需要量を、所定の取引時間単位で取得し、
    前記アグリゲート期間内で前記取引時間単位毎に、電力の前記供給量と前記需要量との差分により前記余剰電力を求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力取引プログラム。
  3. 前記供給側が複数の場合、前記取引時間単位毎に、複数の前記供給側からの供給量を、複数の前記需要家のいずれに供給したかのマッチングデータを作成し、
    前記マッチングデータをゼロ知識証明することで、アグリゲートした結果の電力トラッキング情報と、ゼロ知識証明書とを前記取引情報として作成し、前記ブロックチェーンに格納する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力取引プログラム。
  4. 前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割する処理は、
    スマートコントラクトを介して、前記ブロックチェーンのUTXO(Unspent Transaction Output)ノードに対し、電力取引の契約期間の前記電源リソースを入力させることで、アグリゲート期間毎に分割した前記電源リソースの出力を得る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力取引プログラム。
  5. 特定の需要家の前記取引情報の参照時には、
    前記ブロックチェーン上に格納された前記取引情報に含まれる複数の需要家毎の前記取引情報と、事前に生成し格納した前記取引情報抽出用の証明鍵および承認鍵とを用いたゼロ知識証明により、スマートコントラクトを介して、指定した一つの需要家の前記取引情報を、前記証明鍵を用いて抽出し、
    抽出した前記取引情報とゼロ知識証明書とを第三者に提供し、
    前記第三者による前記承認鍵を用いた前記取引情報の検証を受ける、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力取引プログラム。
  6. 前記供給側の発電家と、前記需要側の需要家との間のそれぞれの電力契約に基づき、前記電源リソースの譲渡を受けた小売電気事業者の電力取引装置に対し、上記処理を実行させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の電力取引プログラム。
  7. 電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引方法において、
    前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、
    前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする電力取引方法。
  8. 電力の供給側と需要側との取引情報をブロックチェーンに格納する電力取引装置において、
    前記供給側の電源リソースをアグリゲート期間毎に分割した供給量と、
    前記需要側の前記電源リソースを要求する複数の需要家の需要量と、前記供給量と前記需要量との差分の余剰電力と、を前記取引情報とする、
    処理を行う制御部を備えたことを特徴とする電力取引装置。
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