JP2024040916A - 走査装置、走査方法及びプログラム - Google Patents

走査装置、走査方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2024040916A
JP2024040916A JP2022145574A JP2022145574A JP2024040916A JP 2024040916 A JP2024040916 A JP 2024040916A JP 2022145574 A JP2022145574 A JP 2022145574A JP 2022145574 A JP2022145574 A JP 2022145574A JP 2024040916 A JP2024040916 A JP 2024040916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
blind spot
spot area
moving object
target range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022145574A
Other languages
English (en)
Inventor
勇哉 堀井
Yuya Horii
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2022145574A priority Critical patent/JP2024040916A/ja
Publication of JP2024040916A publication Critical patent/JP2024040916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】死角領域に存在する移動体の認識精度の低下を抑制しつつ、検出時間を短縮可能にする。【解決手段】走査装置は、対象範囲内を複数の走査点で走査し、その走査による複数の走査点から取得される情報を基に、対象範囲内に存在する移動体の検出およびその動的情報を検出する。また走査装置は、対象範囲内で移動体が検出された場合、その対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定し、その死角領域内において他の移動体が検出された場合、対象範囲のうち死角領域以外の領域に対する走査点の密度が、死角領域内での走査点の密度よりも低くなるように制御する。そして、走査手段は、死角領域内で検出された他の移動体の動的情報を、設定手段にて死角領域の設定がなされた移動体に通知する。【選択図】 図1

Description

本発明は、交差点等の対象範囲を走査して移動体等を検出する技術に関する。
近年、車両運転時の事故防止に向けて、安全運転支援に関する技術開発が進められている。安全運転支援技術の一適用例として、車両に搭載された衝突被害軽減ブレーキシステムが挙げられる。衝突被害軽減ブレーキシステムは、車両に搭載されたセンサによって周囲を走行する他車両や自転車等の移動体を検出し、それら移動体の動的情報から、その移動体と衝突する可能性が高いと判断した場合に、運転者の代わりにブレーキを作動させる装置である。この衝突被害軽減ブレーキシステムによれば、走行中に先行車両が急停止した場合や自転車が脇から急に飛び出してきた場合に、運転者によるブレーキ操作よりも早く車両を減速させることができ、車両事故の発生率を低減することが可能である。
しかしながら、衝突被害軽減ブレーキシステムは車両に搭載されたセンサの取得情報に基づいてブレーキ制御を行うため、例えば見通しの悪い交差点の曲がり角など、車両にとって死角となる領域に存在する他の移動体等を検出することは困難である。つまり車両の死角領域に移動体が存在する場合、衝突被害軽減ブレーキシステムはかかる移動体を検知して予めブレーキを作動させることが出来ない。
このような見通しの悪い交差点での移動体の検出方法に関して、特許文献1では交差点全域を走査可能な箇所に3次元レーザーレーダを設置し、交差点に存在する移動体を検出する方法が開示されている。かかるレーザーレーダは、検出した移動体の動的情報を、路車間通信方式を用いて車両に送信する。これにより交差点を走行する車両は、自車両に搭載されたセンサでは検出できない交差点の死角領域の状況を認識できるようになるため、衝突被害軽減ブレーキシステムは前もってブレーキ制御を実行することが可能となる。
特開2018―206359号公報
前述した特許文献1に開示された技術では、交差点などの死角領域に存在する移動体を検出することはできるが、死角領域から飛び出してくる移動体との衝突事故を回避するためには、その検出時間を更に短くすることが望まれる。また例えば、移動体の認識精度の低下を容認すれば、検出時間をある程度短縮することは可能になると考えられるが、認識精度が低下すると、移動体の未検出や誤検出が生ずる可能性が高くなり望ましくない。
そこで、本発明は、死角領域に存在する移動体の認識精度の低下を抑制しつつ、検出時間を短縮可能にすることを目的とする。
本発明の走査装置は、対象範囲内を複数の走査点で走査する走査手段と、前記対象範囲内の前記走査による複数の走査点から取得される情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定手段と、前記死角領域内において前記検出手段により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査手段を制御する制御手段と、前記死角領域内で前記検出手段にて検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定手段にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、死角領域に存在する移動体の認識精度の低下を抑制しつつ、検出時間を短縮可能となる。
レーザーレーダの構成の一例を示す図である。 レーザーレーダと車両、移動体等が存在する交差点の一例を示す図である。 交差点における車両の死角領域の説明に用いる図である。 走査点の一例を示す図である。 投光タイミング制御による点群密度制御例を示す図である。 投光タイミングとミラー駆動制御による点群密度制御例を示す図である。 交差点全域を高い点群密度で走査した場合の例を示す図である。 死角領域以外の領域の点群密度を低くした例を示す図である。 交差点監視処理のフローチャートである。 車両が複数台存在する場合の点群密度制御例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。実施形態の構成は、本発明が適用される装置の仕様や各種条件(使用条件、使用環境等)によって適宜修正又は変更され得る。また、以下の実施形態において、同一の構成には同じ参照符号を付し、重複する説明は省略する。
<実施形態の走査装置の概要説明>
まず本実施形態に係る走査装置の概要を以下に説明する。本実施形態では、走査装置の一適用例として、走査対象範囲として道路上の交差点等を走査することによって交差点近辺での移動体の動き等を監視する交差点監視装置を挙げる。本実施形態の交差点監視装置としては、例えば3次元測距が可能なレーザーレーダやミリ波レーダなどを備えた装置が想定される。
交差点監視装置は、走査対象範囲である交差点を3次元的に走査し、当該交差点監視装置から交差点内の各地点(各地点に存在する移動体等を含む)までの距離を算出する。なお本実施形態では、走査対象範囲内で測距がなされる各点を走査点と呼び、3次元の単位空間当たりの走査点密度を点群密度と呼ぶ。そして交差点監視装置は、このような交差点(走査対象範囲)に対する3次元的な走査を行うことで、それら走査点ごとに得られる距離情報を基に、交差点付近を移動している移動体を検知する。例えば、移動体は、自動車や自転車等の車両や歩行者等の移動中の人物などである。
また交差点監視装置は、移動体を検知した場合、その移動体が自動車や自転車などいずれの移動体であるかを認識して当該移動体の動的情報を取得する。そして、交差点監視装置は、走査処理によって取得した移動体の動的情報を、無線通信等によって車両へ通知する。移動体の動的情報とは、当該移動体の検出および動きを示す情報であり、その移動体の検出結果、移動体の種類、移動体の位置、移動体の進行方向およびその移動の速度などを含む情報である。交差点監視装置は、このような走査処理を、移動体が交差点を離れるまで繰り返し実行する。また本実施形態では、道路上等を走行して任意の場所へ移動可能な移動体のうち、例えば乗用車や商用車、トラックのような特定の移動体を、特に「車両」と呼んでいる。また本実施形態において、車両は、例えば衝突被害軽減ブレーキシステムなどの種々の車両システムを搭載可能(搭載されていない車両も含む)なものを想定している。衝突被害軽減ブレーキシステムとは、車両に搭載されたセンサにより周囲の他車両や自転車等の移動体を検出し、それら移動体の動的情報を基に、自車両と移動体が衝突する可能性が高いと判断した場合に、運転者の代わりにブレーキを作動させるシステムである。
また本実施形態に係る交差点監視装置は、交差点に接近する移動体が車両であると認識した場合、その車両の死角となり得る領域(死角領域とする)を算出する。本実施形態の場合、車両の死角領域は、その車両に搭載されている衝突被害軽減ブレーキシステムからみた死角領域とするが、当該車両の運転者からみた死角領域も含まれる。そして交差点監視装置は、その車両の死角領域内において他の移動体を検出した場合、その死角領域内に存在している移動体の動的情報を詳細に取得できるだけの点群密度で、当該死角領域内を走査する。一方で、このときの本実施形態の交差点監視装置は、交差点(走査対象範囲)のうち死角領域以外の領域(死角領域を除いた残りの範囲)については死角領域よりも点群密度を低くして走査を行う。
なお、前述した特許文献1や特許文献2に開示されたレーザーレーダの場合、領域毎に走査する点群密度に違いはあるものの、1フレームあたりの総走査点数はどちらも同様であり、1フレームあたりの走査時間の短縮には至っていない。ここで、特許文献1や特許文献2に開示されたレーザーレーダにおいて、1走査点あたりの測定時間を短縮、もしくは1フレームあたりの総走査点数を少なくすれば、移動体の検出時間を短縮することができると考えられる。ただし、レーザー光の往復時間分は必ず待機する必要があるため、1走査点あたりの測定時間は短縮することはできない。一方で、1フレームあたりの総走査点数を少なくすれば移動体の検出時間を短縮することはできるが、1フレームあたりの総走査点数が少なくなると、移動体の認識精度が低下することになり好ましくない。
これに対し、本実施形態に係る交差点監視装置は、前述したように、車両の死角領域内では移動体の動的情報を詳細に取得可能となる高い点群密度で走査を行い、死角領域以外の領域では死角領域よりも低い点群密度で走査を行う。すなわち交差点監視装置は、衝突被害軽減ブレーキシステムが検知(もしくは運転者が認識)可能な死角領域以外の領域では点群密度を低くし、衝突被害軽減ブレーキシステムが検知(もしくは運転者が認識)できない死角領域では点群密度を高くしている。これにより本実施形態の交差点監視装置では、1フレームあたりの総走査点数を減らして移動体の検出時間を短縮しつつ、死角領域では移動体の認識精度の低下を抑制した交差点監視を可能としている。
<交差点監視装置の説明>
図1は、本実施形態に係る交差点監視装置の一例であるレーザーレーダ100の構成の一例を示した図である。本実施形態のレーザーレーダ100は、走査対象領域である例えば交差点の全域を3次元的に走査可能な位置に設置され、例えばフレームレートが10Hz、水平画角が150度、垂直画角が70度で走査可能な走査装置であるとする。図1に示した構成について説明する前に、図2を用いて本実施形態に係るレーザーレーダ100が設置される交差点200の一例について説明する。
図2には、交差点200に車両や自転車などの移動体が存在している態様の一例を示している。レーザーレーダ100は、交差点200の全域を3次元的に走査し、レーザー光の往復時間を用いて各地点(各走査点)までの距離を算出する。また、レーザーレーダ100は、交差点200の各地点での測距で得られた距離情報を基に、車両201の検知、その車両201の死角領域250に存在する他の車両や自転車、歩行者等の移動体203を検知する。ここで車両201の死角領域250とは、交差点200の曲がり角の向こう側のように、その車両201に搭載された衝突被害軽減ブレーキシステムのセンサでは検知できない(もしくは運転者から見えない)領域である。したがって、死角領域250から移動体203が車両201の前に急に出てきた場合、車両201の衝突被害軽減ブレーキシステムがその移動体203を検知してブレーキを作動させることができない可能性がある。なお死角領域250以外の領域251は、車両201の衝突被害軽減ブレーキシステムのセンサで検知可能な領域である。このため、その領域251内の移動体と車両201が衝突する可能性が高くなった場合、車両201の衝突被害軽減ブレーキシステムはブレーキを作動させることができる。なお図2の例では、交差点200として三方向から移動体等が進入可能なT字路の形態を挙げているが、十字路など、道路の分岐数が多い場合でも本実施形態は適応可能である。
レーザーレーダ100は、図1に示すように、投光部102、走査部103、受光部104、処理部101を有して構成されている。なお、図1に示したレーザーレーダ100は、表示装置105とカメラ106も備えているが、それらについては後に説明する。
投光部102は、レーザー光を発光して射出する装置である。投光部102は、例えば光源となるLD(Laser Diode)、レーザー光をコリメートする投光レンズ、および、LDを駆動させるLD駆動部等により構成される。これらの構成の図示は省略する。光源LDは、単色性および位相が揃っており、かつ高指向性の光ビーム、いわゆるレーザー光を発生させる光源である。光源LDの一例としては、媒質が半導体である半導体レーザーダイオードなどが挙げられる。LD駆動部は、後述するタイミング制御部141から送信される投光指令に基づいて駆動を行い、光源LDに電圧を印加することで発光制御を行う。
走査部103は、投光部102から射出されたレーザー光をミラーの反射により3次元的に偏向させる装置である。走査部103は、水平走査部131および垂直走査部132により構成されている。
水平走査部131は、例えばポリゴンスキャナ方式の走査部であるとする。水平走査部131は、四面の鏡面を多角形状に構成したポリゴンミラー、および鏡面化された四側面を所定の方向に回転させるポリゴン駆動モーター、それらポリゴンミラーおよびモーターを支持する筐体により構成されている。これらの構成の図示は省略する。ポリゴンミラーは、鏡面化されていない一対の二面の中心を回転軸として、ポリゴン駆動モーターにより高速に回転される。投光部102から投光されたレーザー光は、回転しているポリゴンミラーの反射によって水平方向に偏向され、交差点の水平方向に高速に射出される。ポリゴン駆動モーターは、後述する水平走査制御部142から送信される速度制御指令に基づいてポリゴンミラーを回転させる。水平走査制御部142がポリゴンミラーの回転速度を制御することにより、レーザーレーダ100は、水平方向に走査する点群密度を変更することができる。また、水平走査部131は、ポリゴンミラーの現在の角速度情報を水平走査制御部142に送信する。
垂直走査部132は、例えばガルバノスキャナ方式の走査部であるとする。垂直走査部132は、平面鏡であるガルバノミラー、およびガルバノミラーを揺動させるガルバノ駆動モーターにより構成される。これらの構成の図示は省略する。ポリゴンミラーで反射したレーザー光は、揺動しているガルバノミラーの反射によって垂直方向に偏向され、交差点の垂直方向に高速に射出される。ガルバノ駆動モーターは、後述する垂直走査制御部143から送信される揺動速度指令に基づいてガルバノミラーを揺動させる。垂直走査制御部143がガルバノミラーの揺動方向および揺動速度を制御することにより、レーザーレーダ100は、垂直方向に走査する点群密度を変更することができる。また、垂直走査部132は、ガルバノミラーの現在の角度情報を垂直走査制御部143に送信する。
なお、本実施形態では、水平走査部131としてポリゴンスキャナ方式を挙げ、垂直走査部132としてガルバノスキャナ方式を挙げたが、走査方式はこれらに限定されるものではない。走査方式は、例えばラスタースキャナ方式やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式などが用いられてもよい。
受光部104は、交差点の各地点で反射して戻ってきたレーザー光を受光し、光電変換を行う装置である。受光部104は、例えば反射光を集光する受光レンズ、および受光したレーザー光を電圧値に変換する光電変換素子により構成されている。これらの構成の図示は省略する。光電変換素子は、例えばフォトダイオードが挙げられる。交差点の各地点で反射して戻ってきたレーザー光は、投光されたレーザー光と同様に水平走査部131および垂直走査部132の光路を通って受光レンズに入射する。受光レンズにより集光されたレーザー光は、光電変換素子により電圧値に変換され、受光情報として保持される。受光情報は、例えば受光強度や受光時間等の情報が含まれており、後述の距離算出部110へ送信される。
処理部101は、本実施形態におけるレーザーレーダ100が3次元測距を行う際に、図1に示す各構成の制御や本実施形態に係る各処理を実行する機能部である。処理部101は、距離算出部110、認識部120、走査制御部140、通知部150を含んで構成される。処理部101は、ハードウェア構成として、演算や制御を行うCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を備える。これらの構成の図示は省略する。ROMは、基本的な設定データや本実施形態に係る一連の交差点監視処理プログラムを含む各種プログラムを記憶している。CPUは、処理内容に応じたプログラムをROMから呼び出してRAMに展開し、各構成部の動作を実行する。
距離算出部110は、レーザーレーダ100から交差点の各地点までの距離を算出する機能部である。距離算出部110は、後述するタイミング制御部141が投光部102に送った投光指令の時間と、受光部104から受信した受光情報の時間との間の時間差分を算出し、さらに光の速度を乗算することによって各地点までの往復分の距離を算出する。算出された距離情報は、記憶部121に記憶され、車両や自転車などの移動体を認識する際に使用される。
認識部120は、交差点に存在する移動体が車両や自転車など移動体の種類を認識する認識処理、および移動体が車両である場合の当該車両の死角領域の設定処理などを行う機能部である。認識部120は、記憶部121、移動体検出部122、死角領域設定部123により構成される。
記憶部121は、距離算出部110から受信した交差点の各地点での距離情報、移動体検出部122から受信した移動体の動的情報、および死角領域設定部123から受信した車両の死角領域の位置情報を記憶する機能部である。なお、記憶部121は、それらの情報に加え、レーザーレーダ100が設置されている交差点の地図情報を記憶していてもよい。処理部101は、例えば交差点における車両の有無を判定する際に、記憶部121から必要な情報の読み出し処理を行う。
移動体検出部122は、距離算出部110から受信した交差点の各地点における距離情報から移動体の検出、検出した移動体の種類、位置、および移動の速度等を認識し、それらを動的情報として記憶部121に記憶させる。移動体の検出および認識には、例えば深層学習を用いた認識処理を用いることができる。深層学習の一例としては、学習が容易で検出が速いYOLO(You Only Look Once)やFaster R-CNN(Regional Convolution Neural Network)、R-CNNなどが挙げられる。また、交差点に接近する車両の認識方法としては、上述の深層学習を用いる方法の他に、後述する路車間通信部151により車両から車両情報を受信することなどにより行うこともできる。また、交差点に常に存在している建物やガードレール、樹木、電柱などの静止物体については、初期設定によって認識処理から自動的に除外するようにしてもよい。
死角領域設定部123は、移動体検出部122により車両が交差点に接近していると検知された場合に、その車両の死角となり得る領域を死角領域として設定し、その設定した死角領域の位置情報を記憶部121に記憶させる。車両の死角領域の設定方法として、例えば移動体検出部122で検出された車両の位置に対応する死角領域を、記憶部121に予め設定しておく手法が挙げられる。
図3は、死角領域の設定方法の一例の説明に用いる図である。図3に例示したような三方向から進入可能な交差点200の場合、車両は、それぞれ四角で囲われた領域252、領域253、および領域254から、当該交差点200へ進入してくると想定される。図3のように、車両201が領域254内から交差点に進入する場合、領域252内の移動体は車両201に搭載されている衝突被害軽減ブレーキシステムのセンサにより検知可能であるが、領域253内の移動体はセンサの死角領域になる可能性が高い。このため、車両201が領域254に存在している場合、死角領域設定部123は、その領域253を車両201の死角領域であると判定する。一方、図示は省略するが、例えば車両が領域253に存在している場合、死角領域設定部123は、上述同様の理由により領域252および領域254を車両の死角領域として判定する。交差点200の領域252、領域253、領域254の各領域について、それぞれの領域に対してどの領域が死角領域になるかは、レーザーレーダ100を交差点に設置する際に、設置者等によって予め判断することができる。このため、領域253、領域254の各領域に対してどの領域が死角領域になるかを示す情報が、設置者により予め設定されて記憶部121に記憶されるとする。また、死角領域の他の設定方法として、移動体検出部122で検出された車両の位置情報と記憶部121に格納されている交差点の地図情報とから、車両の死角領域となり得る位置を深層学習により算出する方法が用いられてもよい。
通知部150は、路車間通信部151と表示制御部152を有する。表示制御部152については後に説明する。
路車間通信部151は、交差点に接近する車両の車両情報を受信する処理と、移動体検出部122で検出された移動体の動的情報を車両へ送信する処理とを行う機能部である。路車間通信部151は、無線LAN(Local Area Network)などの無線通信を介して、車両に搭載されている不図示の路車間通信機と接続され、お互いにデータの送受信を行う。車両から受信する車両情報とは、例えば当該車両を特定可能な車両識別子、タイムスタンプ、車両位置、車両速度、および車両の進行方向などを含む情報である。なお移動体検出部122は路車間通信部151が受信した車両情報を基に車両の接近を検出してもよい。また、車両へ送信する動的情報は、前述したような交差点に存在する移動体の種類、位置、および速度などの、時間の経過とともに都度変化するパラメータである。このとき、路車間通信部151は、交差点に存在する移動体全てに関する動的情報を送信してもよいし、該当する車両の死角領域に存在する移動体のみの動的情報を送信してもよい。また、路車間通信部151は、移動体の動的情報を送信する際に、予め受信していた車両識別子を参照して送信対象となる車両を決定する。これにより交差点に接近する車両が複数台存在していた場合においても、路車間通信部151は、各車両の死角領域に存在する移動体の動的情報を各々の車両に送信することが可能となる。
そして、レーザーレーダ100から移動体の動的情報を受信した車両(交差点に接近する車両)は、建物や道路などのオブジェクトの変化がない静的地図に、その受信した移動体の動的情報を重畳してダイナミックマップの作成を行う。なおダイナミックマップとは、道路やその周辺での自車両の位置が車線レベルで特定できる高精度な3次元地理空間情報及び、その上に自動走行などをサポートするために必要な各種の付加的地図情報を載せたマップである。これにより、車両の衝突被害軽減ブレーキシステムは、センサのみでは検出できない死角領域内の移動体の状況を認識可能となり、死角領域内の移動体と衝突する可能性が高い場合には前もってブレーキを作動させるようなことが可能となる。
走査制御部140は、交差点に対していかなる点群密度でレーザー光を投光するか、すなわち監視対象範囲の3次元空間内のどの位置にレーザー光を投光するか、を制御する機能部である。走査制御部140は、タイミング制御部141、水平走査制御部142、および垂直走査制御部143により構成される。
タイミング制御部141は、投光部102に投光指令を送信し、レーザー光の投光タイミングを制御する。
水平走査制御部142は、水平走査部131に速度指令を送信し、ポリゴン駆動モーターの回転速度を制御する。
垂直走査部132は、垂直走査制御部143に速度指令を送信し、ガルバノ駆動モーターの揺動速度を制御する。
以下、図4から図6を用いて、走査制御部140によるレーザーレーダ100の点群密度の制御例を説明する。
図4は、レーザーレーダ100による走査対象範囲(図4では監視範囲400とする)を表した図であり、投光タイミングおよびミラーの駆動速度を一様とした場合のレーザー光の各走査点の一例を示している。図4に示した監視範囲400(走査対象範囲)は、レーザーレーダ100が走査可能な範囲のうち、特に本実施形態で想定している交差点上で車両等の移動体が存在し得る範囲を表している。なお、実際の交差点は図2に示したT字路の交差点200のように様々な形状であるが、図4では、実際の交差点上の各走査点をわかり易く示すために、水平方向Hに11列、垂直方向Vに7行の点群密度で走査する例として表している。すなわち図4では、レーザーレーダ100が、投光部102および走査部103、走査制御部140により、監視範囲400を水平方向Hに11列、垂直方向Vに7行の点群密度で走査する例として表している。図4の例では、図中の黒丸で示されている各点が、レーザー光の走査点420を表している。またレーザーレーダ100の走査における最大サンプリング周波数は、図4の例の場合、走査点420同士の間隔、例えば座標(H1,V1)から座標(H2,V1)までを走査するのに要する期間に相当しているとする。なお、上述した7行×11列の各走査点による点群密度や最大サンプリング周波数はあくまで一例であり、監視範囲400の広さやレーザーレーダ100の性能によってそれらは任意の値に設定可能である。
図5は、監視範囲400内に注目範囲511が存在する場合において、投光タイミングのみを変更してレーザーレーダ100の走査点の点群密度を制御した一例を示す図である。ここで、注目範囲511は、車両の死角領域に他の移動体が存在している場合における、当該死角領域に相当する範囲である。すなわち前述した図2の例の場合、注目範囲511は、車両201の死角領域250に相当する範囲である。
本実施形態のレーザーレーダ100は、監視範囲400のうち注目範囲511(死角領域)を除いた残りの範囲(死角領域以外の領域)についてはタイミング制御部141によってLDの駆動頻度を低くするような制御が行われる。これにより、監視範囲400内で注目範囲511を除いた残りの範囲では、レーザー光による走査点の点群密度が低くなされる。すなわち本実施形態のレーザーレーダ100は、交差点において車両の死角領域以外の領域に対しては、レーザー光による走査点の点群密度を低くする。図5中に白丸で示されている各点521は、レーザーレーダ100において走査可能であるが走査を行っていない点(走査不実行点521と呼ぶ)を示している。レーザーレーダ100は、タイミング制御部141によるLDの駆動頻度を低くする制御により、図5中の白丸で示された各点での走査を間引く(レーザー光を投光しない)ようにしており、その間引かれた点が走査不実行点521である。
一方、本実施形態のレーザーレーダ100は、注目範囲511については、図4で例示したのと同様の最大サンプリング周波数でレーダ光の投光を行うとする。図5中に黒丸で示された各走査点420は、レーザーレーダ100において実際にレーザー光を投光した点である。すなわち注目範囲511内には走査不実行点521はなく、注目範囲511内の全ての走査点420においてレーザー光が投光されて走査が行われる。
このように本実施形態のレーザーレーダ100は、監視範囲400のうち注目範囲511以外の領域(死角領域以外の範囲)では、注目範囲511より低い点群密度で走査する。これにより図4のように全ての走査点420について走査する場合と比較して、図5の例では、各走査不実行点521でのレーザー光の往復時間分の待機が不要となり、1フレームあたりの走査時間の短縮が可能となる。すなわち図4のように全ての走査点420について走査を行う場合の1フレームあたりの総走査点数に対し、図5の例では、1フレームあたりの総走査点数が少なくなっているため、移動体の検出時間を短縮することが可能となる。一方で、注目範囲511では図4の例で挙げた最大サンプリング周波数にて走査を行っているため、注目範囲511に存在する移動体、つまり死角領域内に存在する移動体に対しては高い認識精度を維持することができる。
また、点群密度を低くする方法としては、図5で説明したようにLDの駆動頻度を低くして走査点を間引く方法の他に、例えば、走査行(例えば奇数行)ごとに走査を間引く方法や、走査列(例えば奇数列)ごとに間引く方法も適用可能である。なお、走査行や走査列ごとに間引く場合の図示は省略する。
図6は、点群密度を低くする他の方法の一例として、監視範囲400内に注目範囲511が存在する場合に、投光タイミングの変更およびミラーの駆動速度の変更によってレーザーレーダ100の走査点の点群密度を制御する例を示した図である。すなわちレーザーレーダ100は、前述のタイミング制御部141によるLDの駆動頻度を領域ごとに低くする制御に加えて、水平走査制御部142および垂直走査制御部143によってミラーの駆動速度を領域ごとに変更することも可能である。
図6は、注目範囲511以外の領域ではミラーの駆動速度を高速にすることで点群密度を低くし、一方で、注目範囲511ではポリゴンミラーおよびガルバノミラーの駆動速度を低速にすることで走査点420の点群密度を高くした場合の例を示している。すなわち前述した図5の例の場合、注目範囲511内では3行×4列=12点の点群密度で走査がなされるのに対し、図6の例の場合、注目範囲511に対して4行×6列=24点の点群密度となり、点群密度がより高くなっている。一方で、注目範囲511以外の領域では、ミラーの駆動速度の高速化により図5の例よりもさらに点群密度が低くなっている。なお図6の注目範囲511でも最大サンプリング周波数で走査が行われるが、図6の注目範囲511に対してはポリゴンミラーおよびガルバノミラーの駆動速度が低速になされるため、図5の注目範囲511よりも点群密度が高くなっている。図6の例の場合、1フレームあたりの総走査点数の減少によって検出時間が低減され、一方、注目範囲511ではより高精細な走査が行われるため、注目範囲511に存在する移動体をより高い精度で認識可能となる。
次に図7および図8を用い、図2や図3に示した交差点200に対するレーザーレーダ100の点群密度制御方法とその効果について説明する。
図7は、図4に示したように、レーザーレーダ100が交差点200全域を一様に走査した場合において、レーザー光が投光される全ての走査点420の一例を示した図である。各走査点420はレーザーレーダ100がそれぞれ距離を測定する測距点であり、ここでは、レーザーレーダ100が走査点420の1点を測距するのに要する時間を200ns、1フレームあたりの走査点数が50万点である想定例を用いて説明する。この想定例の場合、1フレーム分の距離情報を取得するのに要する時間は100msとなる。
図8は、車両201の死角領域250に移動体203が存在する場合において、図5や図6に示したように、本実施形態のレーザーレーダ100において点群密度の制御が行われた場合の一例を示す図である。本実施形態の場合、前述したように、レーザーレーダ100は、車両201の死角領域250では高い点群密度で走査を行い、一方、死角領域以外の領域251では死角領域250よりも低い点群密度にて走査を行う。
ここで、本実施形態の場合、死角領域250に対する点群密度は、例えば移動体203の動的情報を正確に取得できるだけの点群密度となされる。本実施形態では、死角領域250に対する点群密度は、一例として1平方メートルあたり40点の点群密度とする。すなわちレーザーレーダ100は、死角領域250においては、1平方メートルあたり40点の各走査点420で測距を行う。
一方、死角領域250以外の領域251に対する点群密度は、例えば新たに接近してくる車両などを大まかに認識できるだけの点群密度とする。本実施形態の場合、死角領域250以外の領域251に対する点群密度は、一例として死角領域250の点群密度よりも1/4となる割合に間引いた点群密度になされる。前述したように、死角領域250では1平方メートルあたり40点としているため、領域251では1平方メートルあたり10点の走査点にて測距を行うことになる。
上述の手法により、レーザーレーダ100は、1フレームあたりの走査点数を、図7で示した50万点から、例えば20万点に削減することができ、その結果、1フレームを測距するのに要する時間を40msに短縮可能となる。これは、点群密度を削減しない場合と比較して、60%早く移動体を検出可能になることを意味する。これにより、その検出結果をレーザーレーダ100から受信した車両の衝突被害軽減ブレーキシステムは、その分だけ早くブレーキを作動させることが出来る。
このように、本実施形態のレーザーレーダ100は、車両201の死角領域250以外の領域251を、死角領域250よりも低い点群密度で走査する。このため、本実施形態によれば、死角領域250に存在する移動体203の認識精度の低下を抑制しつつ、移動体203の検出時間を短縮することができる。
なお図8の例のレーザーレーダ100は、死角領域250以外の領域251の点群密度を低くして走査を行っているが、死角領域250に存在する移動体203の進行方向および位置、速度に応じて、走査点を間引く割合を変更してもよい。図示は省略するが、例えば移動体203が交差点200から遠ざかる方向に進行している場合、車両201と衝突する可能性は限りなく少ないため、移動体203の検出時間を短縮する必要は無い。したがって走査点を間引く割合を低くすることが可能である。また例えば、移動体203が交差点200に近づく方向に進行していたとしても、道路の分岐点からまだ十分に距離がある場合や移動体203の速度が低速である場合には、走査点を間引く割合を低くすることが可能である。
また図7および図8では、レーザーレーダ100の走査可能範囲を半径6~7mと想定し、走査点1点あたりの測距時間を200nsとしたが、測距時間は走査する交差点200の規模によって変更してもよい。例えば、レーザーレーダ100の走査可能範囲が広い場合、レーザー光の往復時間は増加するため、そのレーザー光の往復時間の増加分を考慮して測距時間を増やすようにする。また例えば、1フレームあたりの走査点数や各領域における点群密度についても、交差点200の規模やレーザーレーダ100の性能によって任意の値に設定可能である。
図9は、本実施形態に係るレーザーレーダ100における一連の交差点監視処理の流れを示したフローチャートである。図9のフローチャートは、レーザーレーダ100の内部のCPUが、ROMに格納された交差点監視プログラムを実行することで構成される距離算出部110、認識部120、通知部150、走査制御部140の各構成部による処理の流れである。図9のフローチャートに示した交差点監視処理は、レーザーレーダ100の電源が供給されている状態となっている場合に、繰り返し実行される。
ステップS901において、レーザーレーダ100の走査制御部140は、投光部102および走査部103を制御して、交差点200全域を最大サンプリング周波数にて走査を行う。
次にステップS902において、移動体検出部122は、受光部104の出力を基に距離算出部110が算出した距離情報に基づいて、交差点200に接近する車両が存在するか否かを判定する。車両の判定方法としては、距離情報を用いた深層学習または路車間通信による検出方法が挙げられる。移動体検出部122は、交差点200に接近する車両201が存在すると判定した場合、ステップS902でYesに分岐し、死角領域設定部123によるステップS903の処理が実行される。一方、移動体検出部122は、交差点200に接近する車両が存在しないと判定した場合、ステップS902でNoに分岐し、車両が検出されるまでステップS902の処理を繰り返す。
ステップS903において、死角領域設定部123は、車両201の死角領域を設定する。死角領域の設定方法としては、検出された車両201の位置に対応する死角領域を記憶部121に予め登録しておく方法や、車両201の位置情報と交差点200の地図情報から深層学習によって設定する方法などが挙げられる。
次にステップS904において、移動体検出部122は、死角領域設定部123で設定された死角領域250に移動体が存在するか否かを判定する。移動体の判定方法としては、距離情報を用いた深層学習による判定方法が挙げられる。移動体検出部122は、車両201の死角領域250に移動体203が存在すると判定した場合、ステップS904でYesに分岐し、ステップS905の処理を実行する。一方、死角領域250に移動体が存在しないと判定した場合、ステップS904でNoに分岐し、移動体検出部122は、ステップS902の処理に戻る。
ステップS905において、移動体検出部122は、検出した移動体203が交差点200に接近しているか否かを判定する。移動体203の接近状況の判定方法としては、距離情報を用いて移動体203の速度ベクトルを算出し、交差点200の地図情報と併せて判定する方法が挙げられる。移動体検出部122は、移動体203が交差点200に接近していると判定した場合、ステップS905でYesに分岐し、ステップS906の処理を実行する。一方、移動体検出部122は、移動体203が静止している、もしくは交差点200から遠ざかっていると判定した場合、ステップS905でNoに分岐し、ステップS902の処理に戻る。
ステップS906において、走査制御部140は、投光部102および走査部103を制御して、車両201の死角領域250を最大サンプリング周波数にて走査し、死角領域250以外の領域251を死角領域250よりも低い点群密度にて走査する。死角領域250の点群密度は、例えば1平方メートルあたり40点の走査点であり、死角領域250以外の領域251の点群密度は、1平方メートルあたり10点の走査点にて測距を行うことが挙げられる。上述の手法により、死角領域250の点群密度を維持したまま、1フレーム分を走査するのに要する時間を短縮することが出来る。
次にステップS907において、通知部150の路車間通信部151は、移動体検出部122で検出した移動体203の動的情報を車両201へ送信する。送信する動的情報は交差点200に存在する移動体全てに関する情報でもよいし、車両201の死角領域250に存在する移動体203のみの情報でもよい。
次にステップS908において、移動体検出部122は、車両201または移動体203が交差点200から離れたか否かを判定する。車両201または移動体203が交差点200から離れたと移動体検出部122が判定した場合、ステップS908でYesに分岐し、レーザーレーダ100による一連の交差点監視処理の実行は終了する。その後、レーザーレーダ100では、次の移動体の検知に備えて再度ステップS901から処理が実行される。一方、移動体検出部122は、車両201および移動体203が依然存在すると判定した場合、ステップS908でNoに分岐し、ステップS902の処理に戻る。
以上説明したフローチャートの処理により、レーザーレーダ100は、車両201の死角領域250以外の領域251を、死角領域250よりも低い点群密度で走査する。これにより、レーザーレーダ100は、死角領域250に存在する移動体203の認識精度の低下を抑制しつつ、移動体203の検出時間を短縮することができる。
前述した実施形態では、交差点200の近傍に存在する車両の台数が1台の例を想定して説明したが、車両が複数台存在する場合においても本実施形態は適用可能である。
図10は、交差点200の近傍に車両が複数台存在する場合において、レーザーレーダ100による走査点の点群密度制御の一例を示す図である。
図10に例示するように、車両201の他に車両1002が存在する場合、移動体検出部122は、車両201および車両1002を認識し、死角領域設定部123は各車両201、1002の死角領域をそれぞれ設定する。図10の場合、車両201の死角領域は領域253であり、車両1002の死角領域は領域1052および領域1054となる。
次に移動体検出部122は、車両ごとに算出した死角領域に移動体が存在するか否かを判定する。図10の場合、車両201の死角領域である領域253には車両1002が存在しており、車両1002の死角領域である領域1052および領域1054には移動体203および車両201が存在していると判定する。このため、走査制御部140は、それら領域1052、領域253、および領域1054を、最大サンプリング周波数にて走査し、車両201および車両1002の両車両の死角領域ではない領域1051を低い点群密度で走査する。
そして、通知部150の路車間通信部151は、車両201および車両1002のそれぞれの死角領域に存在する移動体の動的情報を、受信した車両識別子を参照して各々の車両に送信する。図10の例の場合、路車間通信部151は、車両201に対して領域253内の車両1002の動的情報を送信し、一方、車両1002に対しては領域1052内の移動体203の動的情報および領域1054内の車両201の動的情報を送信する。あるいは、路車間通信部151は、車両201および車両1002の両車両に対し、交差点200全域の動的情報を送信してもよい。
上述したような処理を行うことにより、交差点の近傍に車両が複数台存在する場合においても、各車両の死角領域に存在する移動体の認識精度の低下を抑制しつつ、移動体の検出時間を短縮することができる。
またレーザーレーダ100と車両との間の通知方法として、路車間通信部151による無線通信とは別の通知方法を用いてもよい。例えば、レーザーレーダ100は、表示制御部152および表示装置105を備えていてもよい。表示装置105は、例えば表示モニタやLED(Light Emitting Diode)発光部などである。レーザーレーダ100は、交差点200に進入する車両が路車間通信機能を有していない場合に、表示制御部152を使用して車両もしくは当該車両の運転者に対して情報を通知する。具体的には、移動体検出部122が車両の死角領域に移動体が存在するか否かを判定し、移動体が存在すると判定された場合、表示制御部152は、表示装置105に表示指令を送信する。表示指令を受信した表示装置105は、車両の死角領域に移動体が存在するため衝突の危険性がある旨を表示する。これにより、当該車両の衝突被害軽減ブレーキシステムシステムもしくは運転者は、レーザーレーダ100の表示装置105の表示を確認してブレーキ制御を行うことが可能になる。なお、車両に対する通知は車路間通信と表示装置への表示の両方により行われてもよい。
また、レーザーレーダ100は、例えば広画角での撮像が可能なカメラ106などの撮像装置を備えてもよい。レーザーレーダ100はカメラ106が交差点200を撮像した画像を取得し、認識部120の移動体検出部122はその画像から交差点200に存在する移動体を検出する。このように、レーザーレーダ100はカメラ106の画像からも移動体を検出できるため、レーザー光による走査のみを行う場合よりも移動体の認識精度を向上させることができる。
また本実施形態では、走査装置の一例として、レーザーレーダ100を例示したが、交差点200全域を3次元的に測距可能であれば他の走査装置が用いられてもよい。交差点200全域を3次元的に測距可能な走査装置の他の例としては、例えばミリ波レーダのような3次元測距センサを挙げることができる。ミリ波レーダを用いた場合も、前述した実施形態と同様の交差点監視処理が可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。上述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
各実施形態の開示は、以下の構成、方法、およびプログラムを含む。
(構成1)
対象範囲内を複数の走査点で走査する走査手段と、
前記対象範囲内の前記走査による複数の走査点から取得される情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定手段と、
前記死角領域内において前記検出手段により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査手段を制御する制御手段と、
前記死角領域内で前記検出手段にて検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定手段にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知手段と、
を有することを特徴とする走査装置。
(構成2)
前記制御手段は、前記死角領域では前記走査手段を最大サンプリング周波数で走査させるように制御することを特徴とする構成1に記載の走査装置。
(構成3)
前記検出手段は、前記複数の走査点から取得される情報を基に、前記移動体の検出、前記移動体の種類、前記移動体の位置、前記移動体の進行方向、および前記移動体の移動の速度を含む、前記動的情報を取得することを特徴とする構成1または2に記載の走査装置。
(構成4)
前記設定手段は、前記検出手段が前記対象範囲内で検出した前記移動体の種類が車両である場合に、前記死角領域を設定することを特徴とする構成3に記載の走査装置。
(構成5)
前記検出手段が前記対象範囲内で複数の車両を検出した場合、前記設定手段は前記車両ごとに前記死角領域を設定し、
前記通知手段は、前記車両ごとに設定した死角領域内に存在する前記他の移動体の動的情報を、前記死角領域の設定がなされた前記車両ごとに通知することを特徴とする構成4に記載の走査装置。
(構成6)
前記通知手段は、前記車両ごとの識別子を取得し、前記車両ごとに設定した死角領域内に存在する前記他の移動体の動的情報を、前記車両ごとの識別子を基に各々の車両に通知することを特徴とする構成5に記載の走査装置。
(構成7)
前記通知手段は、無線通信と表示の少なくともいずれかにより、前記動的情報の前記通知を行うことを特徴とする構成1乃至6のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成8)
前記制御手段は、前記死角領域に存在する前記他の移動体の進行方向、位置、および速度を基に、前記死角領域以外の領域における前記走査点の密度を変更するように前記走査手段を制御することを特徴とする構成3乃至6のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成9)
前記設定手段は、前記対象範囲に対して予め登録した死角領域のなかから、前記検出された移動体の位置に対応した前記死角領域を決定することを特徴とする構成1乃至8のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成10)
前記設定手段は、前記検出された移動体の位置と前記対象範囲の地図情報とを基に、深層学習によって前記死角領域を設定することを特徴とする構成1乃至8のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成11)
前記検出手段は、更に、前記対象範囲を撮像した画像をも用いて前記移動体を検出することを特徴とする構成1乃至10のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成12)
前記走査手段は、レーザー光を用いて前記走査を行うことを特徴とする構成1乃至11のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成13)
前記制御手段は、前記走査手段の前記レーザー光の投光タイミングと、前記レーザー光を偏向する速度との、少なくともいずれかを制御して、前記対象範囲内に前記レーザー光を投光した点である前記走査点の前記密度を変更することを特徴とする構成12に記載の走査装置。
(構成14)
前記走査手段は、ミリ波を用いて前記走査を行うことを特徴とする構成1乃至11のいずれか1構成に記載の走査装置。
(構成15)
前記対象範囲は、道路上の交差点であることを特徴とする構成1乃至14のいずれか1構成に記載の走査装置。
(方法1)
走査装置が実行する走査方法であって、
対象範囲内を複数の走査点で走査する走査工程と、
前記対象範囲内の前記走査による複数の走査点から取得される情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出工程と、
前記検出工程によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定工程と、
前記死角領域内において前記検出工程により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査工程での走査を制御する制御工程と、
前記死角領域内において前記検出工程で検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定工程にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知工程と、
を有することを特徴とする走査方法。
(プログラム1)
コンピュータを、
対象範囲内を複数の走査点で走査することによって前記走査点ごとに取得された情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定手段と、
前記死角領域内において前記検出手段により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査手段を制御する制御手段と、
前記死角領域内で前記検出手段にて検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定手段にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知手段と、
を有する走査装置として機能させるためのプログラム。
100:レーザーレーダ、102:投光部、103:走査部、131:水平走査部、132:垂直走査部、104:受光部、101:処理部、110:距離算出部、120:認識部、121:記憶部、122:移動体検出部、123:死角領域設定部、150:通知部、151:路車間通信部、140:走査制御部、141:タイミング制御部、142:水平走査制御部、143:垂直走査制御部

Claims (17)

  1. 対象範囲内を複数の走査点で走査する走査手段と、
    前記対象範囲内の前記走査による複数の走査点から取得された情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定手段と、
    前記死角領域内において前記検出手段により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査手段を制御する制御手段と、
    前記死角領域内で前記検出手段にて検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定手段にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知手段と、
    を有することを特徴とする走査装置。
  2. 前記制御手段は、前記死角領域では前記走査手段を最大サンプリング周波数で走査させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  3. 前記検出手段は、前記複数の走査点から取得された情報を基に、前記移動体の検出、前記移動体の種類、前記移動体の位置、前記移動体の進行方向、および前記移動体の移動の速度を含む、前記動的情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  4. 前記設定手段は、前記検出手段が前記対象範囲内で検出した前記移動体の種類が車両である場合に、前記死角領域を設定することを特徴とする請求項3に記載の走査装置。
  5. 前記検出手段が前記対象範囲内で複数の車両を検出した場合、前記設定手段は前記車両ごとに前記死角領域を設定し、
    前記通知手段は、前記車両ごとに設定した死角領域内に存在する前記他の移動体の動的情報を、前記死角領域の設定がなされた前記車両ごとに通知することを特徴とする請求項4に記載の走査装置。
  6. 前記通知手段は、前記車両ごとの識別子を取得し、前記車両ごとに設定した死角領域内に存在する前記他の移動体の動的情報を、前記車両ごとの識別子を基に各々の車両に通知することを特徴とする請求項5に記載の走査装置。
  7. 前記通知手段は、無線通信と表示の少なくともいずれかにより、前記動的情報の前記通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  8. 前記制御手段は、前記死角領域に存在する前記他の移動体の進行方向、位置、および速度を基に、前記死角領域以外の領域における前記走査点の密度を変更するように前記走査手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の走査装置。
  9. 前記設定手段は、前記対象範囲に対して予め登録した死角領域のなかから、前記検出された移動体の位置に対応した前記死角領域を決定することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  10. 前記設定手段は、前記検出された移動体の位置と前記対象範囲の地図情報とを基に、深層学習によって前記死角領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  11. 前記検出手段は、更に、前記対象範囲を撮像した画像をも用いて前記移動体を検出することを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  12. 前記走査手段は、レーザー光を用いて前記走査を行うことを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  13. 前記制御手段は、前記走査手段の前記レーザー光の投光タイミングと、前記レーザー光を偏向する速度との、少なくともいずれかを制御して、前記対象範囲内に前記レーザー光を投光した点である前記走査点の前記密度を変更することを特徴とする請求項12に記載の走査装置。
  14. 前記走査手段は、ミリ波を用いて前記走査を行うことを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  15. 前記対象範囲は、道路上の交差点であることを特徴とする請求項1に記載の走査装置。
  16. 走査装置が実行する走査方法であって、
    対象範囲内を複数の走査点で走査する走査工程と、
    前記対象範囲内の前記走査による複数の走査点から取得された情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出工程と、
    前記検出工程によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定工程と、
    前記死角領域内において前記検出工程により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査工程での走査を制御する制御工程と、
    前記死角領域内において前記検出工程で検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定工程にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知工程と、
    を有することを特徴とする走査方法。
  17. コンピュータを、
    対象範囲内を複数の走査点で走査することによって前記走査点ごとに取得された情報を基に、前記対象範囲内に存在する移動体の検出および当該移動体の動きを示す動的情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって前記対象範囲内で移動体が検出された場合、前記対象範囲内で当該移動体の死角となる死角領域を設定する設定手段と、
    前記死角領域内において前記検出手段により他の移動体が検出された場合、前記対象範囲のうち前記死角領域以外の領域内での前記走査点の密度が、前記死角領域内での前記走査点の密度よりも低くなるように前記走査手段を制御する制御手段と、
    前記死角領域内で前記検出手段にて検出された前記他の移動体の動的情報を、前記設定手段にて前記死角領域の設定がなされた前記移動体に通知する通知手段と、
    を有する走査装置として機能させるプログラム。
JP2022145574A 2022-09-13 2022-09-13 走査装置、走査方法及びプログラム Pending JP2024040916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022145574A JP2024040916A (ja) 2022-09-13 2022-09-13 走査装置、走査方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022145574A JP2024040916A (ja) 2022-09-13 2022-09-13 走査装置、走査方法及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024040916A true JP2024040916A (ja) 2024-03-26

Family

ID=90369083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022145574A Pending JP2024040916A (ja) 2022-09-13 2022-09-13 走査装置、走査方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024040916A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10345447B1 (en) Dynamic vision sensor to direct lidar scanning
US11725956B2 (en) Apparatus for acquiring 3-dimensional maps of a scene
US9759812B2 (en) System and methods for intersection positioning
US11250288B2 (en) Information processing apparatus and information processing method using correlation between attributes
KR20190047595A (ko) 색 선별 거울을 이용하는 자율 주행 차량용 3d lidar 시스템
JP7214888B2 (ja) レーダ電力制御方法および装置
US11440467B2 (en) Autonomous vehicle visual based communication
US11780436B2 (en) On-board sensor system
US11892539B2 (en) Measurement device, measurement method, and non-transitory storage medium
CN117561458A (zh) 用于车辆角安装的lidar系统和方法
RU2679923C1 (ru) Способ получения пространственной модели окружающей обстановки в режиме реального времени на основе данных лазерной локации и устройство для его осуществления
CN112578404B (zh) 一种行驶路径的确定方法及装置
US20220082701A1 (en) System, method, and components providing compressive active range sampling
CN108061905A (zh) 一种路面状况探测方法及装置
JP2024040916A (ja) 走査装置、走査方法及びプログラム
KR20240032860A (ko) 차량의 자율 제어를 위한 점유 맵핑
CN116257052A (zh) 机器人的速度规划方法、设备及计算机可读存储介质
JP2005214718A (ja) 検知装置及び検知方法
JP7338455B2 (ja) 物体検出装置
JP2006258507A (ja) 前方物体認識装置
JP2020051971A (ja) レーザ距離測定装置
US20210270967A1 (en) Maximum Range Indication in Lidar Point Data
US20230213623A1 (en) Systems and methods for scanning a region of interest using a light detection and ranging scanner
JP7396379B2 (ja) 測距制御装置、測距制御方法、測距制御プログラム、および測距装置
EP4390453A1 (en) Signal processing method and related apparatus