JP2024040735A - 空気調和システム - Google Patents

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Tatsu Miyakoshi
浩之 石野
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【課題】1つの温度調和用熱交換器で車室内空気を温調する場合に、中間温度の設定を可能とし、また、冷媒サイクルを小型にして冷媒充填量を少なくする空気調和システムを提供する。【解決手段】冷媒サイクル20、温水サイクル30、冷水サイクル40を備え、温水サイクル30の温水側分岐点34と、冷水サイクル40の温水冷水合流点43とを接続する温水供給バイパス通路50と、冷水サイクル40のうち温度調和用熱交換器11の調和水流出部11b側に設けられた流出水分岐点44と、温水サイクル30のうち温水側分岐点34と車室外熱交換器32との間に設けられた温水側合流点35との間を接続する流出水回収バイパス通路60と、温水側分岐点34と温水側合流点35との間を開閉可能な温水側制御部71と、温度調和用熱交換器11へ流入する温水と冷水との流量比を調整する流量比調整手段と、を有する。【選択図】 図1

Description

この発明は、車両に搭載される空気調和システムであって、1つの温度調和用熱交換器によって車室を任意の温度に調節可能な空気調和システムに関する。
従来において、1つの温度調和用熱交換器によって車室を温調する空気調和システムとして、特許文献1に示される空気調和装置が公知となっている。
これは、冷凍サイクルの冷媒の循環経路を切り替えることで、冷媒と車室内空気との熱交換を行う室内熱交換器を冷媒蒸発器または冷媒凝縮器として機能させて冷房運転と暖房運転を切り替えるようにしたものである。具体的には、図11に示されるように、冷媒圧縮機100、車室外熱交換器101、冷房用減圧装置102、室内熱交換器103、暖房用減圧装置104、第3熱交換器105、及びアキュムレータ106を冷媒配管110によって接続し、車室外熱交換器101と室内熱交換器103との間に、暖房運転時において冷房用減圧装置102を迂回して冷媒を通過させるための暖房用通路111を設け、室内熱交換器103とアキュムレータ106との間に、冷房運転時に暖房用減圧装置104および第3熱交換器105を迂回して冷媒を通過させるための冷房用通路112を設けたものである。
暖房用通路111には、暖房運転時に開弁し、冷房運転時に閉弁する電磁弁107が設けられ、冷房用通路112には、冷房運転時に開弁し、暖房運転時に閉弁する電磁弁が108設けられている。また、暖房用減圧装置104の上流側冷媒配管には、暖房運転時に開弁し、冷房運転時に閉弁する電磁弁109が設けられている。
このような空気調和システムにおいて、冷房モードが設定された場合には、電磁弁107を閉、電磁弁108を開、電磁弁109を閉として圧縮機を稼働させる。すると、図11(a)に示されるように、冷媒圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒が車室外熱交換器101を通過する際に外気と熱交換して凝縮液化される。凝縮液化された冷媒は、冷房用減圧装置102で減圧された後に、室内熱交換器103を通過する際に室内空気と熱交換して蒸発する。この室内熱交換器103で冷却された空気は、室内ファン121の作動により車室内に供給される。そして、室内熱交換器103で蒸発した冷媒は、冷房用通路112を通ってアキュムレータ106に流入し、ここで気液分離されてガス冷媒のみが冷媒圧縮機100に吸引される。
これに対して暖房モードが設定された場合には、電磁弁107を開、電磁弁108を閉、電磁弁109を開とし、室外ファン122を停止させた状態で冷媒圧縮機100を稼働させる。すると、図11(b)に示されるように、冷媒圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は、暖房用通路111を通って室内熱交換器103に導かれる。この際、室外ファン122は停止しているので、車室外熱交換器101で凝縮液化することなく室内熱交換器103へ導かれる。このため、室内熱交換器103に供給された冷媒は、室内熱交換器103を通過する際に車室内空気と熱交換して凝縮液化される。この室内熱交換器103で温められた空気は、室内ファン121の作動によって車室内に供給される。そして、室内熱交換器103で液化された冷媒は、暖房用減圧装置104で減圧された後に第3熱交換器105を通過する際に蒸発し、アキュムレータ106を介してガス冷媒のみが冷媒圧縮機100に吸引される。
なお、除湿モードが設定された場合には、上記の冷房モードと暖房モードが所定時間毎に交互に切換運転される。
特開平4-87828号公報
しかしながら、上述した空気調和システムにおいては、冷房モードと暖房モードの切り換えのみが可能であり、除湿モードを設定する場合にも、冷房モードと暖房モードを交互に切り換えることで対応しているだけであるので、冷房と暖房の間の中間温度に制御できない構成である。また、冷暖房に寄与する上述したサイクルは、その全体に冷媒を循環させる構成を前提としているので、車室外から車室内にかけて冷媒配管の敷設が必要であり、冷媒充填量が必然的に多くなる不都合がある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、1つの温度調和用熱交換器によって車室内空気を温調するシステムを前提としつつ、中間温度の設定を可能にすることができ、また、冷媒を充填するサイクルを小型にして冷媒充填量を少なくすることが可能な空気調和システムを提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る空気調和システムは、車両に搭載される空気調和システム(1)であって、
内部を冷媒が循環し、前記冷媒を圧縮する圧縮機(21)、前記圧縮機(21)で圧縮された冷媒を放熱する冷媒温水熱交換器(22)、前記冷媒温水熱交換器(22)で放熱された後の冷媒を減圧膨張可能な膨張弁(23)、及び前記膨張弁(23)を通過した冷媒に熱を回収可能な冷媒冷水熱交換器(24)、を有する冷媒サイクル(20)と、
内部を温水が循環し、温水ポンプ(31)、及び車両の外部の空気と熱交換する車室外熱交換器(32)、を有するとともに、前記冷媒温水熱交換器(22)にて前記冷媒サイクル20と熱的に結合する温水サイクル(30)と、
内部を冷水が循環し、冷水ポンプ(41)、及び車両の内部の空気と熱交換する温度調和用熱交換器(11)、を有するとともに、前記冷媒冷水熱交換器(24)にて前記冷媒サイクル(20)と熱的に結合する冷水サイクル(40)と、を備え、
前記温水サイクル(30)のうち前記冷媒温水熱交換器(22)と前記車室外熱交換器(32)との間に設けられた温水側分岐点(34)と、前記冷水サイクル(40)のうち前記冷媒冷水熱交換器(24)と前記温度調和用熱交換器(11)の調和水流入部(11a)との間に設けられた温水冷水合流点(43)とを接続する温水供給バイパス通路(50)と、
前記冷水サイクル(40)のうち前記温度調和用熱交換器(11)の調和水流出部(11b)と前記冷媒冷水熱交換器(24)との間に設けられた流出水分岐点(44)と、前記温水サイクル(30)のうち前記温水側分岐点(34)と前記車室外熱交換器(32)との間に設けられた温水側合流点(35)と、を接続する流出水回収バイパス通路(60)と、
前記温水サイクル(30)のうち前記温水側分岐点34と前記温水側合流点(35)との間に設けられ、前記温水側分岐点(34)と前記温水側合流点(35)との間を開閉可能な温水側制御部(71)と、
前記温水冷水合流点(43)を介して前記温度調和用熱交換器(11)へ流入する水のうち、前記温水供給バイパス通路(50)を流れる温水と前記冷水サイクル40を流れる冷水との流量比を調整する流量比調整手段と、
を有することを特徴としている。
したがって、冷房モード(MAX COOL)が設定された場合には、圧縮機、温水ポンプ、冷水ポンプを稼働させ、流量比調整手段により冷水サイクルからの冷水の流量比を最大とする(冷水の比率を100%とする)。
これにより、冷媒サイクルにおいては、圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒が、冷媒温水熱交換器で温水サイクルの温水に対して放熱され、膨張弁で減圧膨張された後に冷媒冷水熱交換器で冷水サイクルの冷水から吸熱して圧縮機に戻される。
温水サイクルにおいては、ここを循環する温水が流量比調整手段により冷水サイクルの冷水に混合されることがないため、温水サイクル内を循環するだけとなる。したがって、温水ポンプから圧送された温水は、冷媒温水熱交換器によって冷媒から吸熱して温められ(冷媒から放熱されて温められ)、この温められた温水が車室外熱交換器において外気に対して放熱し、圧縮機に戻される。したがって、温水サイクルにおいては、冷媒温水熱交換器によって冷媒サイクルから回収された熱を車室外熱交換器によって放出する機能を有し、温度調和用熱交換器によって放熱する機能は有さない。
また、冷水サイクルにおいては、流量比調整手段により温水サイクルからの温水が導入されることがないため、冷媒冷水熱交換器において冷媒サイクルの冷媒によって冷やされた冷水が冷水ポンプによって移送され、そのまま温度調和用熱交換器へ導入される。このため、温度調和用熱交換器には相対的に最も冷やされた冷水が供給される状態となるので、車両の内部の空気を十分に冷やすことが可能となる。そして、温度調和用熱交換器で温められた冷水は、冷媒冷水熱交換器において冷媒サイクルの冷媒によって冷やされ、再び温度調和用熱交換器へ導かれる。
これに対して、暖房モード(MAX HOT)が設定された場合には、圧縮機と温水ポンプを稼働させ、冷水ポンプを停止させる。そして、流量比調整手段により温水サイクルからの温水の流量比を最大(温水の比率を100%)として、温度調和用熱交換器へ供給する水を温水のみとする。この際、車室外熱交換器に通風させる室外ファンを止めることで、温水を車室外熱交換器で放熱させないようにしてもよい。
したがって、温水ポンプから圧送された温水は、冷媒サイクルの圧縮機で圧縮された高温高圧の冷媒と冷媒温水熱交換器を介して熱交換されて温められる(温水サイクルの温水が冷媒から吸熱する。温水サイクルの温水が冷媒から放熱されて温められる)。この際、車室外熱交換器では、室外ファンを稼働させなければ、この車室外熱交換器からの放熱を抑制することができ、したがって、冷媒温水熱交換器で温められた温水は、主として温度調和用熱交換器のみで放熱されるので、車両の内部の空気を十分に温めることが可能となる。
冷房モードでの温度と暖房モードでの温度の間の任意の中間温度を形成する中間モードが設定された場合には、圧縮機、温水ポンプ、冷水ポンプを稼働させ、流量比調整手段により、温水サイクルから温水供給バイパス通路を介して温度調和用熱交換器へ供給される温水と冷水サイクルから温度調和用熱交換器へ供給される冷水との流量比を目標空調温度と車室内の温熱状況との差などに応じて任意に設定する。
これにより、流量比調整手段により温水と冷水の混合比が調整されて温度調和用熱交換器へ流入される水の温度が調節されるので、この温度調和用熱交換器を通過する空気の温度を任意の中間温度に調節することが可能となる。
このように、冷水を循環させる冷水サイクルと温水を循環させる温水サイクルとの間に冷媒を循環させる冷媒サイクルを配し、この冷媒サイクルを、熱源を確保するための補助サイクルとして、又は、冷水サイクルと温水サイクルとの間で熱移動させるための中継サイクルとして用い、温度調和用熱交換器には接続しないようにしたので、冷媒サイクル自体は、小型にしてもよく、冷媒充填量を少なくすることが可能となる。
また、上述したように冷房モードや暖房モードの他に、流量比調整手段による冷水と温水の流量比を調整することで任意の中間温度を得る中間モードも容易に形成することが可能となる。
ここで、流量比調整手段は、温水供給バイパス通路(50)から温水冷水合流点(43)を通過させる温水と、冷水サイクル(40)から温水冷水合流点(43)を通過させる冷水との流量割合を調整可能な流量比調整部(70)を温水冷水合流点(43)に設けて構成するようにしてもよく、また、温水供給バイパス通路(50)を流れる温水と冷水サイクル(40)を流れる冷水との流量比を温水ポンプ(31)の圧送量と冷水ポンプ(41)の圧送量を調節して調整するものであってもよい。
前者によれば、温度調和用熱交換器へ供給する水の温度を温度調和用熱交換器の流入側に設けられた流量比調整部の一箇所のみによって調整することが可能となるので、温度調和用熱交換器へ流入する水の温度調整が容易となり、温度制御が直接的となる。
また、後者によれば、温水冷水合流点に新たな機器の設置が不要となり、それぞれのサイクル設備をそのまま利用することが可能となる。
以上の構成においては、各種変形例が可能である。
例えば、温水サイクル(30)の冷媒温水熱交換器(22)と温水側分岐点(34)との間に、電気温水加熱装置(81)を設け、温水サイクル(30)の加熱力を安定化させてもよい。
また、前記冷水サイクル(40)は、前記流出水分岐点(44)と前記冷媒冷水熱交換器(24)との間に設けられて発熱体(H)からの熱を回収する発熱体熱交換器(82)と、
前記冷水ポンプ(41)と前記温水冷水合流点(43)との間に設けた冷水側分岐点(45)と、前記流出水分岐点(44)と前記発熱体熱交換器(82)との間に設けた冷水側合流点(46)とを接続する冷水バイパス通路(90)と、
前記冷水バイパス通路(90)を開閉する冷水側制御部(72)と、
を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、冷水サイクルは、発熱体熱交換器によって発熱体から熱を回収することが可能となるので、発熱体の冷却を促進すると共に空気調和システムの暖房能力を向上させることが可能となる。
また、冷水サイクル(40)は、冷水バイパス通路(90)上に車室外熱交換器(32)を設けるようにしてもよい。
このような構成によれば、冷水サイクルは、車室外熱交換器によって外気から熱を回収することが可能となるので、空気調和システムの暖房能力を向上させることが可能となる。
さらに、冷水サイクル(40)は、前記冷水ポンプ(41)と前記冷水側分岐点(45)との間に第2車室外熱交換器(85)を設けるようにしてもよい。
このような構成によれば、冷水サイクルは、第2車室外熱交換器によって外気から熱を回収することが可能となるので、空気調和システムの暖房能力を向上させることが可能となると共に、外気から熱を回収するにあたり、配管の引き回しが不要となる。
なお、温水側制御部(71)は、絞り機能を有するようにすると好ましい。中間モードのとき、温水サイクルを流れる温水は、温水側分岐点34から温水供給バイパス通路50を経由して温度調和用熱交換器11に流入する温水と、温水が温水側分岐点34から温水側合流点35に流れる温水とに分岐する。このとき、温度調和用熱交換器11に流入する温水は、冷水サイクル40を流れる冷水の影響を受けて通水抵抗が上昇することがある。すなわち、温水側分岐点34に至った温水は、温水側合流点35に向けての流れに対し、温水冷水合流点43に向けて相対的に流れにくくなる場合がある。この結果、温度調和用熱交換器11に供給される温水量が十分に確保できず、温調機能を十分に発揮できないおそれがある。そこで、温水側制御部に絞り機能を持たせることで、温水供給バイパス通路を介して温度調和用熱交換器に向かう温水の量を確保しやすくなり、中間温度を形成しやすくなる。
以上述べたように、本発明に係る空気調和システムによれば、
内部を冷媒が循環し、圧縮された冷媒を放熱する冷媒温水熱交換器と、膨張弁を通過した冷媒に熱を回収可能な冷媒冷水熱交換器と、を有する冷媒サイクルと、
内部を温水が循環し、前記冷媒温水熱交換器にて冷媒サイクルと熱的に結合する温水サイクルと、
内部を冷水が循環し、前記冷媒冷水熱交換器にて冷媒サイクルと熱的に結合する冷水サイクルと、を備え、
温水サイクルの冷媒温水熱交換器の下流側に設けられた温水側分岐部と冷水サイクルの冷媒冷水熱交換器の下流側とを連通する温水供給バイパス通路と、温度調和用熱交換器の流出部側と温水サイクルの温水側分岐部より下流側とを連通する流出水回収バイパス通路と、
温水側分岐点と温水側合流点との間に設けられ、温水側分岐点と温水側合流点との間を開閉可能な温水側制御部と、
前記温水冷水合流点を介して温度調和用熱交換器へ流入する水の温水サイクルから流れ込む温水と冷水サイクルから流れ込む冷水との流量比を調整する流量比調整手段と、を備えているので、
冷媒を充填する冷媒サイクルを温水サイクルと冷水サイクルとの間に配設して温度調和用熱交換器から切り離した小さなサイクルとすることが可能となり、冷媒充填量を少なくすることが可能となる。
また、流量比調整手段により、温度調和用熱交換器に流入する水のうち、温水サイクルから流入する温水と冷水サイクルから流入する冷水の流量比を調節することで、温度調和用熱交換器へ流入する水の温度を任意に調節することが可能となるので、温度調和用熱交換器を通過する空気の温度を任意の中間温度に調整可能となる。
図1は、本発明に係る空気調和システムの基本構成例を示す図である。 図2は、図1で示す空気調和システムの各運転モードでの冷媒の流れを示す図であり、(a)は冷房モード、(b)は暖房モード、(c)は中間モードのそれぞれの状態を示す図である。 図3は、図1の空気調和システムの第1の変形例を示す図である。 図4は、図3で示す空気調和システムの各運転モードでの冷媒の流れを示す図であり、(a)は冷房モード、(b)は暖房モード、(c)は中間モードのそれぞれの状態を示す図である。 図5は、図1の空気調和システムの第2の変形例を示す図である。 図6は、図5で示す空気調和システムの各運転モードでの冷媒の流れを示す図であり、(a)は冷房モード、(b)は暖房モード、(c)は中間モードのそれぞれの状態を示す図である。 図7は、図1の空気調和システムの第3の変形例を示す図である。 図8は、図7で示す空気調和システムの各運転モードでの冷媒の流れを示す図であり、(a)は冷房モード、(b)は暖房モード、(c)は中間モードのそれぞれの状態を示す図である。 図9は、図1の空気調和システムの第4の変形例を示す図である。 図10は、図9で示す空気調和システムの各運転モードでの冷媒の流れを示す図であり、(a)は冷房モード、(b)は暖房モード、(c)は中間モードのそれぞれの状態を示す図である。 図11は、従来の空気調和システムを示す図であり、(a)は冷房モードの状態、(b)は暖房モードの状態を示す図である。
以下、本発明に係る空気調和システムの実施形態を図面により説明する。
図1において、空気調和システム1の概略構成例が示されている。この空気調和システム1は、空調ユニット10内に配置された1つの温度調和用熱交換器11によって車室CR内を冷房、暖房、又は中間温度に設定するもので、冷媒サイクル20と、温水サイクル30と、冷水サイクル40を備えている。
空調ユニット10は、車両前室FRと車室CRとを仕切る仕切板2より車室CR側に設けられているもので、最上流側に内外気切換装置12が設けられ、内気導入口13と外気導入口14の開度の比率がインテークドア15によって調整されるようになっている。車両前室FRは、内燃機関を有する場合はエンジンルームと呼ばれることがある。この空調ユニット10に導入される内気および/または外気は、送風機16の回転により吸引され、空調ユニット内に配置された温度調和用熱交換器11に送られ、ここで熱交換されて所望の温度に調整された後、空調ユニット10に設けられた図示しない複数の吹き出し口から車室CRに供給される。
温度調和用熱交換器11は、後述するように、ここを流れる水の温度を調節することで、空調ユニット10内を流れる空気の温度を調節するもので、空気を温調するために、空調ユニット10内に冷媒が流れる熱交換器やエアミックスドアの配置を不要としている。このため、温度調和用熱交換器11は、それ自体で車室CRへ送風する空気の温度を調整する必要から、空調ユニット10内の空気通路の断面全体を塞ぐように配設されている。
冷媒サイクル20は、その全体が車両前室FR側に設けられ、内部を冷媒が循環し、この冷媒を圧縮する圧縮機21と、圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒を放熱する冷媒温水熱交換器22と、この冷媒温水熱交換器22で放熱された後の冷媒を減圧膨張可能な膨張弁23と、膨張弁23によって減圧膨張された冷媒に熱を回収可能な冷媒冷水熱交換器24と、を有している。冷媒は、機能を発揮する成分であればよく特に限定しないが、例えばフロン系の媒体(HFC-134a、R-1234yf)が用いられる。
膨張弁23は、機械式膨張弁を用いることも可能であるが、ここでは開度を全開として冷媒を減圧膨張させずに通過させることが可能な電子式膨張弁が用いられている。
温水サイクル30は、内部を温水が循環し、温水ポンプ31と、車両の外部の空気と熱交換する車室外熱交換器(ラジエータ)32と、冷媒サイクル20と熱的に結合する冷媒温水熱交換器22と、を有している。温水サイクル30に配置される温水ポンプ31の位置は、後述する温水供給バイパス通路50、流出水回収バイパス通路60や、車室外熱交換器バイパス通路91といったバイパス通路上でない限り、特に限定しない。
車室外熱交換器32は、室外ファン33を稼働させることによって車室外熱交換器32のフィン間に外気を強制的に通過させることで、内部を通過する温水とフィン間を通過する外気とを熱交換させるようにしている。室外ファン33を稼働させない場合は、温水と外気との熱交換は多少あるものの、積極的な熱交換は行われず、温水サイクル30の温水は車室外熱交換器32を通過するだけとなる。この他、車室外熱交換器32の上流側に、図示しない通風部の面積を調整可能なグリルシャッタが設けられていてもよい。グリルシャッタの通風部の面積を最小とすることで、より確実に車室外熱交換器32を通過する空気の風量を抑制できる。また、グリルシャッタの通風部の面積を最大とすることで、車室外熱交換器32を通過する空気の風量を確保することができる。
また、冷媒温水熱交換器22は、冷媒サイクル20の冷媒と温水サイクル30の温水とを熱交換する。冷媒温水熱交換器22は、水コンデンサと呼ばれることがある。冷媒サイクル20が稼働している場合、冷媒温水熱交換器22には圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒が供給され、この冷媒から温水サイクル30の温水へ熱が移動する(冷媒は温水に対して放熱し、温水は冷媒から吸熱する)。
したがって、温水サイクル30においては、温水ポンプ31から圧送された温水は、冷媒温水熱交換器22によって冷媒サイクル20の圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒から吸熱して高温となり、この高温の温水が室外ファン33を駆動させることで車室外熱交換器32を通過する際に外気と積極的に熱交換されて冷却され、再び温水ポンプ31によって冷媒温水熱交換器22へ圧送される。
冷水サイクル40は、内部を冷水が循環し、冷水ポンプ41と、空調ユニット10内に導入された空気と熱交換する温度調和用熱交換器11と、冷媒サイクル20と熱的に結合する冷媒冷水熱交換器24と、を有している。冷媒冷水熱交換器24は、チラーと呼ばれることもある。冷水サイクル40に配置される冷水ポンプ41の位置は、後述する冷水バイパス通路90、第1バイパス通路90aや第2バイパス通路90bといったバイパス通路上でない限り、特に限定しない。
冷媒冷水熱交換器24は、冷媒サイクル20の冷媒と冷水サイクル40の冷水とを熱交換するもので、冷媒サイクル20が稼働している場合には、冷媒サイクル20の膨張弁23によって減圧膨張された低温低圧の冷媒が供給されて、この冷媒に対して冷水サイクル40の冷水から熱が移動する(冷水は冷媒に対して放熱し、冷媒は冷水から吸熱する)。
したがって、冷水サイクル40においては、冷水ポンプ41から圧送された冷水が、空調ユニット10内の温度調和用熱交換器11へ導かれ、ここで、空調ユニット内に導入された空気(車室CRに供給される空気)と熱交換器されて温められ、その後、冷媒冷水熱交換器24で冷媒サイクル20の低温冷媒によって冷却され(低温冷媒に対して放熱し)、その後、再び冷水ポンプ41によって温度調和用熱交換器11へ圧送される。
なお、温水サイクル30を流れる温水と冷水サイクル40を流れる冷水の成分は、機能を発揮する液体であれば特に限定しないが、例えば凝固温度を下げた不凍液や防錆成分が含まれたクーラントが用いられる。
そして、上述した温度調和用熱交換器11に供給する水(調和水)の温度を可変させるために、以下述べるバイパス通路と付帯設備が設けられている。
すなわち、温水サイクル30のうち冷媒温水熱交換器22の温水流出部22aと車室外熱交換器32の温水流入部32aとの間に設けられた温水側分岐点34と、冷水サイクル40のうち冷媒冷水熱交換器24の冷水流出部24aと温度調和用熱交換器11の調和水流入部11aとの間に設けられた温水冷水合流点43との間が温水供給バイパス通路50によって接続されている。
また、冷水サイクル40のうち温度調和用熱交換器11の調和水流出部11bと冷媒冷水熱交換器24の冷水流入部24bとの間に設けられた流出水分岐点44と、温水サイクル30のうち温水側分岐点34と車室外熱交換器32の温水流入部32aとの間に設けられた温水側合流点35とが、流出水回収バイパス通路60によって接続されている。
さらに、温水サイクル30のうち温水側分岐点34と温水側合流点35との間には、温水側分岐点34と温水側合流点35との間を開閉可能な温水側制御部71が設けられている。
そして、この空気調和システム1には、温水冷水合流点43を介して温度調和用熱交換器11へ流入する水のうち、温水供給バイパス通路50を介して流入する温水サイクル30の温水と、冷水サイクル40を循環する冷水との流量比を調整する流量比調整手段が設けられている。この流量比調整手段は、この例では、温水供給バイパス通路50から温水冷水合流点43を通過して温度調和用熱交換器11へ流入する温水と、冷水サイクル40から温水冷水合流点43を通過して温度調和用熱交換器11へ流入する冷水との流量割合を調整可能な流量比調整弁等からなる流量比調整部70を温水冷水合流点43に設けて構成されている。
したがって、温水冷水合流点43に設けられた流量比調整部70により、温水サイクル30から供給される温水と冷水サイクル40から供給される冷水との流量比が調節され、この流量比の調節により、温度調和用熱交換器11に流入する水の温度が調節され、引いてはこの温度調和用熱交換器11によって熱交換される空気の温度が調節されることになる。
以上の空気調和システムにおいて、次に各運転モードでの動作について説明する。なお、図2、図4、図6、図8、および図10において、冷媒サイクル20における冷媒の流れ、温水サイクル30における温水の流れ、冷水サイクル40における冷水の流れは、それぞれ次のように示される。
すなわち、冷媒サイクル20にて冷媒が流れている区間は細い実線で示され、冷媒が流れていない区間は細い点線で示される。温水サイクル30にて温水の流量が多い区間は太い実線、流量が少ない区間は細い実線、流れていない区間は細い点線で示される。冷水サイクル40にて冷水の流量が多い区間は太い実線、流量が少ない区間は細い実線、流れていない区間は細い点線で示される。
先ず、冷房モード(MAX COOL)が設定された場合には、図2(a)に示されるように、温水側制御部71を開、流量比調整部70を冷水サイクル40からの冷水の比率を100%として、圧縮機21、温水ポンプ31、及び冷水ポンプ41を稼働させる。また、室外ファン33を駆動させて車室外熱交換器32に強制的に外気を通風させる。
すると、冷媒サイクル20においては、前述した如く圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒は、冷媒温水熱交換器22にて温水サイクル30の温水に放熱し、その後、膨張弁23によって減圧膨張されて低温低圧になり、冷媒冷水熱交換器24にて冷水サイクル40の冷水から吸熱して蒸発気化し、圧縮機21に吸入される。
また、温水サイクル30においては、温水ポンプ31から圧送された温水は、冷媒温水熱交換器22にて冷媒サイクル20の高温高圧の冷媒から熱を回収して温められ、その後、車室外熱交換器32にて室外ファン33の駆動により車室外熱交換器32のフィン間を通過する外気に放熱し、冷却された後、再び温水ポンプ31によって冷媒温水熱交換器22へ圧送される。
また、冷水サイクル40においては、冷水ポンプ41に吸引される冷水は、冷媒冷水熱交換器24にて冷媒サイクル20の低温低圧の冷媒により冷却されており、冷水ポンプ41から圧送された後、温度調和用熱交換器11にて空調ユニット10内を通過する空気から熱を吸収して温められ、再び冷媒冷水熱交換器24にて冷却される。
以上により、空調ユニット10に導入された空気は温度調和用熱交換器11によって冷水と熱交換して冷却され、車室CRに供給される。温度調和用熱交換器11によって室内空気から回収された熱は、冷媒冷水熱交換器24を介して冷媒サイクル20の冷媒に伝達され、その後、冷媒温水熱交換器22を介して温水サイクル30を循環する温水に伝達され、車室外熱交換器32から系外へ放熱される。
このように冷媒サイクル20は、冷水サイクル40の温度調和用熱交換器11によって回収された熱を、温水サイクル30へ送り渡す中継的なサイクルとなり、しかも車室CRに配される空調ユニット10の温度調和用熱交換器11と接続する必要がないため、車室CR外に設置可能となる。このため、冷媒サイクル20自体は配管を車室CRへ引き回す必要がなく、配管長を短くして小型にすることができ、冷媒充填量を少なくすることが可能となる。また、冷媒サイクル20は、車室CR外に配置されるので、仮に冷媒サイクル20から冷媒漏れが生じた場合でも、車室CRに冷媒が漏洩する不都合はなく、使用する冷媒の選定自由度を高めることが可能となる。
次に、暖房モード(MAX HOT)が設定された場合には、図2(b)に示されるように、温水側制御部71を閉、流量比調整部70を温水サイクル30からの温水の比率を100%として、圧縮機21、温水ポンプ31を稼働させる。この際、膨張弁23は、全開状態とし、室外ファン33と冷水ポンプ41は停止させる。
すると、冷媒サイクル20においては、圧縮機21から吐出される一定の熱エネルギを有する冷媒は、冷媒温水熱交換器22にて温水サイクル30の温水に放熱し、その後、膨張弁23によって減圧膨張されることなく冷媒冷水熱交換器24へ導かれる。ここで、冷水ポンプ41は停止しており、冷水サイクル40は稼働しておらず、冷媒冷水熱交換器24へ導かれた冷媒は、冷水サイクル40と熱交換することなく圧縮機21へ吸入される。圧縮機21に吸入された冷媒は、圧縮機21が駆動することで一定の熱エネルギを与えられ、冷媒温水熱交換器22に向けて、再び吐出される。なお、膨張弁23が全開状態とされているため、冷媒サイクル20を循環する冷媒の圧力は、圧縮機21の吐出側から吸入側までの全区間で、概ね一定となっている。
また、温水サイクル30においては、温水ポンプ31から圧送された温水は、冷媒温水熱交換器22にて冷媒サイクル20の一定のエネルギを有する冷媒から熱を回収して温められた後、温度調和用熱交換器11にて空調ユニット10内を通過する空気に放熱し、車室外熱交換器32に導かれる。ここで、室外ファン33は稼働していないから、温水サイクル30の温水は車室外熱交換器32にて実質的に熱交換されること無くこれを通過し、温水ポンプ31に吸入される。
以上により、空調ユニット10に導入された空気は温度調和用熱交換器11によって温水と熱交換して加熱され、車室CRに供給される。すなわち、圧縮機21を駆動して冷媒に与えられた一定の熱エネルギは、冷媒温水熱交換器22を介して温水サイクル30を循環する温水に伝達され、温度調和用熱交換器11から車室CRへ放熱される。
次に、中間モード(MIXING)が設定された場合には、図2(c)に示されるように、温水側制御部71を開、流量比調整部70による温水サイクル30からの温水と冷水サイクル40からの冷水の流量比を任意に設定した状態とし、圧縮機21、温水ポンプ31、冷水ポンプ41を稼働させる。この際、室外ファン33は、温水サイクル30の温水の温度状況などによって停止、あるいは稼働させる。ここでは、温水サイクル30の温水の温度が過度に高温にはなっておらず、温水を冷却する必要性が低いとして、室外ファン33を停止した場合を説明する。
すると、冷媒サイクル20においては、冷房モードと同様、圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒は、冷媒温水熱交換器22にて温水サイクル30の温水に放熱し、その後、膨張弁23によって減圧膨張されて低温低圧になり、冷媒冷水熱交換器24にて冷水サイクル40の冷水から吸熱して蒸発気化し、圧縮機21に吸入される。
また、温水サイクル30においては、温水ポンプ31から圧送された温水は、冷媒温水熱交換器22によって冷媒サイクル20の高温高圧の冷媒から熱を回収して温められ、その後、温水側制御部71を介して車室外熱交換器32へ導かれる温水と、温水供給バイパス通路50を介して流量比調整部70へ導かれる温水とに分かれる。そして、車室外熱交換器32に流入した温水は、ここで殆ど放熱されずに再び温水ポンプ31に戻される。
また、冷水サイクル40においては、冷水ポンプ41に吸引される冷水は、冷媒冷水熱交換器24にて冷媒サイクル20の低温低圧の冷媒により冷却されており、冷水ポンプ41から圧送された後、流量比調整部70へ供給される。流量比調整部70には、温水供給バイパス通路50を介して温水サイクル30からも温水が供給されているので、流量比調整部70によって設定された流量比で温水と冷水が調和水流入部11aを通過して温度調和用熱交換器11に流入される。そして、温度調和用熱交換器11に流入された冷水と温水の混合水(温度調和水。単純に、調和水と言うこともある。)は、ここで空調ユニット10内を通過する空気と熱交換し、温度を調和して、調和水流出部11bから流出する。調和水流出部11bから流出した調和水は、流出水分岐点44に至り、一部は流出水回収バイパス通路60を経由して温水サイクル30に流入し、残りは冷水サイクル40を流れて、冷媒冷水熱交換器24に流入する。
流出水分岐点44から流出水回収バイパス通路60を経由して温水サイクル30に流入した調和水は、温水側合流点35にて、温水側分岐点34から温水側制御部71を経由して流れてきた温水と合流し、車室外熱交換器32へ導かれる。なお、温水供給バイパス通路50を流れる温水の量と、流出水回収バイパス通路60を流れる流出水の量とは、実質的に同一となっている。
したがって、温度調和用熱交換器11に供給される水の温度は、流量比調整部70で設定された温水と冷水との流量比によって決定され、空調ユニット10の温度調和用熱交換器11を通過した空気温度は、この温度調和用熱交換器11に供給される水の温度によって決定されることになる。このため、流量比調整部70での温水と冷水の流量比を、目標とする車室CRの制御温度と現実の車室CR内の温度との差や、さらに日射量等を加味した指標に応じて制御することで、車室CRの温熱快適性を適切なレベルに維持することができる。
以上の構成においては、温水側制御部71を開閉弁によって構成するようにしたが、開放させる場合においても絞り機能を持たせることが有用である。中間モードのとき、温水サイクル30を流れる温水は、温水側分岐点34から温水供給バイパス通路50を経由して温度調和用熱交換器11に流入する温水と、温水が温水側分岐点34から温水側合流点35に流れる温水とに分岐する。このとき、温度調和用熱交換器11に流入する温水は、冷水サイクル40を流れる冷水の影響を受けて通水抵抗が上昇することがある。すなわち、温水側分岐点34に至った温水は、温水側合流点35に向けての流れに対し、温水冷水合流点43に向けて相対的に流れにくくなる場合がある。この結果、温度調和用熱交換器11に供給される温水量が十分に確保できず、温調機能を十分に発揮できないおそれがある。そこで、温水側制御部71に絞り機能を持たせることで、温水供給バイパス通路50を介して温度調和用熱交換器11に向かう温水の量が確保しやすくなり、中間温度を形成しやすくすることが可能となる。
また、以上の構成においては、温水冷水合流点43を介して温度調和用熱交換器11へ流入する温水と冷水との流量比を調整するための流量比調整手段を、温水冷水合流点43に設けられた流量比調整部70によって調整する例を示したが、流量比調整手段は、温水冷水合流点43には何も設置せず、温水供給バイパス通路50を流れる温水と冷水サイクル40を流れる冷水との流量比を温水ポンプ31の圧送量と冷水ポンプ41の圧送量を調節して調整するようにしてもよい。
以上の基本構成に対して、図3以降に空気調和システム1の変形例が示されている。このうち、図3は、空気調和システムの第1変形例を示す。この車両用空調システムは、図1に示される空気調和システムに対して、温水サイクル30の冷媒温水熱交換器22と温水側分岐点34との間に電気温水加熱装置81を設けたものである。この電気温水加熱装置81は、電気を通電させることで温水を加熱するそれ自体公知のものであり、温水サイクル30の温水の加熱を暖房モードや中間モードで行うために、適宜利用される。
図4に示されるように、冷房モード(図4(a))及び中間モード(図4(c))おいては、電気温水加熱装置81を稼働させずに図2と同様の制御が行われるが、暖房モード(図4(b))においては、温水側制御部71を閉、流量比調整部70を温水サイクル30からの温水の比率を100%として、圧縮機21(冷媒サイクル20)や冷水ポンプ41を稼働させずに温水ポンプ31のみを稼働させ、また、電気温水加熱装置81を稼働させる。また、室外ファン33も停止させた状態とする。
これにより、温水サイクル30においては、温水ポンプ31から圧送された温水は、冷媒温水熱交換器22によっては加熱されず、電気温水加熱装置81によって加熱された後に温度調和用熱交換器11へ導かれる。このため、温水の加熱は冷媒サイクル20に依存せずに電気温水加熱装置81への通電量で調節可能となるので、温水の安定した加熱力を得ることが可能となる。
また、このような構成においては、暖房モード時に冷媒サイクル20を停止することが可能となるので、膨張弁23は、冷媒冷水熱交換器24によって冷水サイクル40の冷水から吸熱する場合でのみ必要となることから、外部からの弁開度の制御機能を持たない、通常の機械式膨張弁を用いれば足りることになる。
図5において、空気調和システム1の第2変形例を示す。この空気調和システム1は、図1で示す構成に対して、前記冷水サイクル40の流出水分岐点44と冷媒冷水熱交換器24との間に発熱体H(e-Axle:EV用トラクションユニットやINV:インバータ等)からの熱を回収する発熱体熱交換器82を設け、また、冷水サイクル40の冷水ポンプ41と温水冷水合流点43との間に設けた冷水側分岐点45と、流出水分岐点44と発熱体熱交換器82との間に設けた冷水側合流点46とを冷水バイパス通路90で接続し、この冷水バイパス通路90に、この冷水バイパス通路90を開閉する冷水側制御部72が設けられている。
このような構成においては、発熱体熱交換器82において発熱体Hからの排熱が冷水サイクル40の冷水によって回収され、この冷水によって回収された発熱体Hの熱が冷媒冷水熱交換器24を介して冷媒サイクル20の冷媒に伝達され、さらに冷媒温水熱交換器22を介して温水サイクル30の温水に伝達され、この温水サイクル30の温水を温める補助熱源として利用される。
したがって、発熱体熱交換器82による発熱体Hからの熱の回収は、冷房モードにおいては、図6(a)に示されるように、発熱体Hを冷却する機能のみを持たせたものであるが、暖房モードや中間モードにおいては、図6(b)、図6(c)に示されるように、発熱体Hの熱を回収して温度調和用熱交換器11へ供給する温水の温度を高める補助熱源としても機能させている。
特に、暖房モードにおいては、発熱体Hの排熱を暖房の熱源として有効利用するために、冷水側制御部72により冷水バイパス通路90を開とするとともに、流量比調整部70での温水と冷水の比率を調整し、冷水サイクル40の冷水を温度調和用熱交換器11に通過させないことで、冷水サイクル40を、発熱体熱交換器82を含むシンプルな循環回路としている。これにより、冷水サイクル40を温水サイクル30とは独立して作動させることができるので、冷水の循環量を十分に確保し、発熱体Hからの熱を効果的に回収して、冷媒サイクル20を介して温水サイクル30に伝達することが可能となる。
なお、第2の変形例では、冷房モード、暖房モード、中間モードのいずれのモードであっても、冷水サイクル40にて発熱体Hの排熱を発熱体熱交換器82によって回収し、冷媒冷水熱交換器22を介して冷媒サイクル20に伝熱する。ここで、冷水サイクル40から冷媒サイクル20へ伝熱を効率化するために、冷媒サイクル20が備える膨張弁23の弁開度を絞り、冷媒を低温低圧の状態として冷媒冷水熱交換器24に流入させることが好ましい。このため、冷媒サイクル20が備える膨張弁23は、いずれの運転モードでも常に弁開度が絞られて利用されることが好ましく、外部からの弁開度の制御機能を有さない通常の機械式膨張弁を用いることができる。
図7において、空気調和システムの第3変形例を示す。この空気調和システム1は、図5で示すサイクル構成において、冷水サイクル40に設けられる冷水バイパス通路90上に車室外熱交換器32を配置させた構成としている。
具体的には、冷水サイクル40の冷水ポンプ41と温水冷水合流点43の間と、温水サイクル30の温水側合流点35と車室外熱交換器32の間を第1バイパス通路90aで接続し、また、温水サイクル30の車室外熱交換器32と温水ポンプ31の間と冷水サイクル40の流出水分岐点44と発熱体熱交換器82の間を第2バイパス通路90bで接続する。また、温水側合流点35と車室外熱交換器32との間であって第1バイパス通路90aが接続する冷水導入点36には温水を導入するか冷水を導入するかを切り替える流入側三方弁72aが設けられ、車室外熱交換器32と温水ポンプ31との間であって第2バイパス通路90bが接続する冷水導出点37には温水を導出するか冷水を導出するかを切り替える流出側三方弁72bが設けられている。また、流出水分岐点44と発熱体熱交換器82との間であって第2バイパス通路90bが接続する冷水側合流点46には、温度調和用熱交換器11からの流体を帰還させるか車室外熱交換器32からの流体を帰還させるかを切り替える帰還側三方弁72cが設けられている。
さらに、温水サイクル30の温水側合流点35と冷水導入点36との間と、冷水導出点37と温水ポンプ31との間には、車室外熱交換器32をバイパスする車室外熱交換器バイパス通路91が設けられている。そして、この車室外熱交換器バイパス通路91には、ここを開閉する開閉弁72dが設けられている。
このような構成においては、冷房モードと中間モードは、図8(a)、図8(c)に示されるように、図6で示す空気調和システムと同様の流体の流れとなるが、暖房モードにおいては、図8(b)に示されるように、冷水バイパス通路90に冷水を通流させ、その過程でさらに外気から熱を回収することが可能となる。
すなわち、流入側三方弁72aを冷水を導入するように切り替え、流出側三方弁72bを冷水を導出するように切り替え、また、帰還側三方弁72cを車室外熱交換器32からの流体を帰還させるように設定すると、冷水ポンプ41から送出した冷水は第1バイパス通路90aを介して車室外熱交換器32へ導かれ、この車室外熱交換器32において外気と熱交換して外気から熱を回収する。そして、外気から回収された熱によって温められた冷水は、流出側三方弁72bを介して第2バイパス通路90bを通って帰還側三方弁72cを介して発熱体熱交換器82へ導かれる。冷水サイクル40においては、発熱体Hからの熱回収に加えて、車室外熱交換器32を吸熱器として用いることにより外気から熱回収を行うことも可能となり、これら回収された熱を冷媒サイクル20を介して温水サイクル30の温水に移動させることが可能となる。このため、暖房モードにおいては、温水の温度を十分に高めることが可能となる。
なお、このような暖房モードにおいては、車室外熱交換器32は、吸熱器として冷水サイクル側で用いられているので、温水サイクル30で同時に利用できないため、温水ポンプ31を送出した温水は、冷媒温水熱交換器22によって加熱された後に温度調和用熱交換器11へ供給され、その後、車室外熱交換器32をバイパスして車室外熱交換器バイパス通路91を通って再び温水ポンプ31へ戻される。
この第3の変形例においても、冷房モード、暖房モード、中間モードのいずれのモードであっても、冷水サイクル40にて発熱体Hの排熱を発熱体熱交換器82によって回収し、冷媒冷水熱交換器22を介して冷媒サイクル20に伝熱する。ここで、冷水サイクル40から冷媒サイクル20へ伝熱を効率化するために、冷媒サイクル20が備える膨張弁23の弁開度を絞り、冷媒を低温低圧の状態として冷媒冷水熱交換器24に流入させることが好ましい。このため、冷媒サイクル20が備える膨張弁23は、いずれの運転モードでも常に弁開度が絞られて利用されることが好ましく、外部からの弁開度の制御機能を有さない通常の機械式膨張弁を用いることができる。
以上の構成においては、車室外熱交換器32を吸熱器として用いるものであったが、配管の引き回しが複雑になる。そこで、同様の機能を実現するために、図9に示されるような第4の変形例としてもよい。
この例においては、冷水サイクル40において外気から熱を回収するために、冷水ポンプ41と冷水バイパス通路90(冷水側分岐点45)との間に第2車室外熱交換器85を配設するようにしている。このような構成においては、温水サイクル30の車室外熱交換器32とは別に、冷水サイクル40に個別の車室外熱交換器が設けられるので、図10に示されるように、冷房モード(図10(a))においては車室外熱交換器32が利用され、暖房モード(図10(b))においては第2車室外熱交換器85が利用されることになるため、図7に示されるような第1バイパス通路90aや第2バイパス通路90bが不要となり、また、車室外熱交換器バイパス通路91も不要となる。
この第4の変形例においても、冷房モード、暖房モード、中間モードのいずれのモードであっても、冷水サイクル40にて発熱体Hの排熱を発熱体熱交換器82によって回収し、冷媒冷水熱交換器22を介して冷媒サイクル20に伝熱する。ここで、冷水サイクル40から冷媒サイクル20へ伝熱を効率化するために、冷媒サイクル20が備える膨張弁23の弁開度を絞り、冷媒を低温低圧の状態として冷媒冷水熱交換器24に流入させることが好ましい。このため、冷媒サイクル20が備える膨張弁23は、いずれの運転モードでも常に弁開度が絞られて利用されることが好ましく、外部からの弁開度の制御機能を有さない通常の機械式膨張弁を用いることができる。
1 空気調和システム
10 空調ユニット
11 温度調和用熱交換器
11a 調和水流入部
11b 調和水流出部
20 冷媒サイクル
21 圧縮機
22 冷媒温水熱交換器
23 膨張弁
24 冷媒冷水熱交換器
30 温水サイクル
31 温水ポンプ
32 車室外熱交換器
34 温水側分岐点
35 温水側合流点
40 冷水サイクル
41 冷水ポンプ
43 温水冷水合流点
44 流出水分岐点
50 温水供給バイパス通路
60 流出水回収バイパス通路
70 流量比調整部
71 温水側制御部

Claims (8)

  1. 車両に搭載される空気調和システム(1)であって、
    内部を冷媒が循環し、前記冷媒を圧縮する圧縮機(21)、前記圧縮機(21)で圧縮された冷媒を放熱する冷媒温水熱交換器(22)、前記冷媒温水熱交換器(22)で放熱された後の冷媒を減圧膨張可能な膨張弁(23)、及び前記膨張弁(23)を通過した冷媒に熱を回収可能な冷媒冷水熱交換器(24)、を有する冷媒サイクル(20)と、
    内部を温水が循環し、温水ポンプ(31)、及び車両の外部の空気と熱交換する車室外熱交換器(32)、を有するとともに、前記冷媒温水熱交換器(22)にて前記冷媒サイクル(20)と熱的に結合する温水サイクル(30)と、
    内部を冷水が循環し、冷水ポンプ(41)、及び車両の内部の空気と熱交換する温度調和用熱交換器(11)、を有するとともに、前記冷媒冷水熱交換器(24)にて前記冷媒サイクル(20)と熱的に結合する冷水サイクル(40)と、を備え、
    前記温水サイクル(30)のうち前記冷媒温水熱交換器(22)と前記車室外熱交換器(32)との間に設けられた温水側分岐点(34)と、前記冷水サイクル(40)のうち前記冷媒冷水熱交換器(24)と前記温度調和用熱交換器(11)の調和水流入部(11a)との間に設けられた温水冷水合流点(43)とを接続する温水供給バイパス通路(50)と、
    前記冷水サイクル(40)のうち前記温度調和用熱交換器(11)の調和水流出部(11b)と前記冷媒冷水熱交換器(24)との間に設けられた流出水分岐点(44)と、前記温水サイクル(30)のうち前記温水側分岐点(34)と前記車室外熱交換器(32)との間に設けられた温水側合流点(35)と、を接続する流出水回収バイパス通路(60)と、
    前記温水サイクル(30)のうち前記温水側分岐点(34)と前記温水側合流点(35)との間に設けられ、前記温水側分岐点(34)と前記温水側合流点(35)との間を開閉可能な温水側制御部(71)と、
    前記温水冷水合流点(43)を介して前記温度調和用熱交換器(11)へ流入する水のうち、前記温水供給バイパス通路(50)を流れる温水と前記冷水サイクル(40)を流れる冷水との流量比を調整する流量比調整手段と、
    を有することを特徴とする空気調和システム。
  2. 前記流量比調整手段は、前記温水供給バイパス通路(50)から前記温水冷水合流点(43)を通過させる温水と、前記冷水サイクル(40)から前記温水冷水合流点(43)を通過させる冷水との流量割合を調整可能な流量比調整部(70)を前記温水冷水合流点(43)に設けて構成されることを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
  3. 前記流量比調整手段は、前記温水供給バイパス通路(50)を流れる温水と前記冷水サイクル(40)を流れる冷水との流量比を前記温水ポンプ(31)の圧送量と前記冷水ポンプ(41)の圧送量を調節して調整するものであることを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
  4. 前記温水サイクル(30)は、前記冷媒温水熱交換器(22)と前記温水側分岐点(34)との間に、電気温水加熱装置(81)を有することを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
  5. 前記冷水サイクル(40)は、前記流出水分岐点(44)と前記冷媒冷水熱交換器(24)との間に設けられて発熱体(H)からの熱を回収する発熱体熱交換器(82)と、
    前記冷水ポンプ(41)と前記温水冷水合流点(43)との間に設けた冷水側分岐点(45)と、前記流出水分岐点(44)と前記発熱体熱交換器(82)との間に設けた冷水側合流点(46)とを接続する冷水バイパス通路(90)と、
    前記冷水バイパス通路(90)を開閉する冷水側制御部(72)と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。
  6. 前記冷水サイクル(40)は、前記冷水バイパス通路(90)上に前記車室外熱交換器(32)を設けたことを特徴とする請求項5記載の空気調和システム。
  7. 前記冷水サイクル(40)は、前記冷水ポンプ(41)と前記冷水側分岐点(45)との間に第2車室外熱交換器(85)を設けたことを特徴とする請求項5記載の空気調和システム。
  8. 前記温水側制御部(71)は、絞り機能を有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の空気調和システム。
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