JP2024040592A - 画質処理装置、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 文字調整装置において斜線曲線部補正する加算フィルタを更新するといったことを行っておらず、印刷プロセス(帯電、露光、現像等)におけるデバイス状態の経時変化などを考慮した適切な補正が行えない。【解決手段】 文字領域の文字画質の異常を検査する文字画質検査部と、印刷物の文字の異常状態に応じて印刷装置の印刷プロセスのパラメータを調整する手段とを有する画像処理装置であって、前記文字画質検査部は、前記文字領域から縦横線と斜線曲線を検査し、前記検査領域の異常状態に応じて補正量を算出し調整する。【選択図】 図6
Description
本発明は、印刷物の画質を調整する画質処理装置、方法、およびそのプログラムに関する。特に、画像の文字部の調整に関する。
従来から、印刷の後処理として、印刷装置から出力される印刷物をカメラやラインセンサ等で読み取り、印刷が正常に行われているかを検査する印刷物検査装置が知られている。このような検査装置では、一般的に印刷物を読み取って得られる検査画像と、印刷物の元データから生成した基準画像とを比較し、その差分量から印刷物の品質を判定している。
また、印刷プロセス(帯電、露光、現像等)におけるデバイス状態の経時変化により、印刷物の文字部において、文字の太りや細りが生じる場合がある。このような文字の太り、細りを解消するために、印刷物の文字部の検査結果から、文字の太さを調整する技術が知られている。
特許文献1では、注目画素が、細線を形成する画素群の内の1つである細線画素であるか非細線画素であるかを検出する。注目画素が細線画素であることが検出された場合、細線画素である注目画素及びその周囲画素の画素値を加算フィルタにより重み付けした総画素値を算出する。算出した総画素値を注目画素及び周囲画素に割り当てることにより細線を補正する例が記載されている。
しかしながら、特許文献1の手法では、重み付けに用いる加算フィルタを更新するといったことを行っておらず、印刷プロセス(帯電、露光、現像等)におけるデバイス状態の経時変化などを考慮した適切な補正が行えない場合がある。
本発明は、以上の技術課題を解決するためになされたものであって、
印刷装置で印刷された印刷物を読み取って検査画像データとして取得し、前記印刷物の元データから基準画像データを生成する生成部と、前記基準画像データに基づき前記検査画像データを検品する欠陥検品部と、前記基準画像データと前記検査画像データの文字領域を決定する決定部と、前記文字領域の文字画質の異常を検査する検査部と、前記印刷物の文字の状態に応じて前記印刷装置の印刷プロセスのパラメータを調整する調整手段と、を有する画像処理装置であって、前記検査部は、前記文字領域から縦横線と縦横線以外の細線を検出し検査し、前記調整手段は、前記文字領域の状態に応じて補正量を算出し調整することを特徴とする。
印刷装置で印刷された印刷物を読み取って検査画像データとして取得し、前記印刷物の元データから基準画像データを生成する生成部と、前記基準画像データに基づき前記検査画像データを検品する欠陥検品部と、前記基準画像データと前記検査画像データの文字領域を決定する決定部と、前記文字領域の文字画質の異常を検査する検査部と、前記印刷物の文字の状態に応じて前記印刷装置の印刷プロセスのパラメータを調整する調整手段と、を有する画像処理装置であって、前記検査部は、前記文字領域から縦横線と縦横線以外の細線を検出し検査し、前記調整手段は、前記文字領域の状態に応じて補正量を算出し調整することを特徴とする。
本発明によれば、印刷画像データから縦横線部と斜線曲線部を検出し、補正量を算出することにより、文字を構成する線の角度等に依らず適切に文字画質を自動で調整することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施例において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<実施例1>
<印刷システム構成例>
図1は、実施例1に係る印刷システムを含むネットワーク構成例を示す図である。図1に示すように、印刷システム101は、外部コントローラ102と接続されている。印刷システム101及び外部コントローラ102は、画像処理システムを構成する。印刷システム101は、例えば、画像形成装置、複合機、又はマルチファンクションペリフェラル(MFP)と称されることもある。印刷システム101と外部コントローラ102は、内部LAN105及びビデオケーブル106を介して通信可能に接続されている。外部コントローラ102は、外部LAN104を介してクライアントPC103と通信可能に接続されている。外部コントローラ102は、例えば、画像処理コントローラ、デジタルフロントエンド(DFE)、又はプリントサーバと称されることもある。
<印刷システム構成例>
図1は、実施例1に係る印刷システムを含むネットワーク構成例を示す図である。図1に示すように、印刷システム101は、外部コントローラ102と接続されている。印刷システム101及び外部コントローラ102は、画像処理システムを構成する。印刷システム101は、例えば、画像形成装置、複合機、又はマルチファンクションペリフェラル(MFP)と称されることもある。印刷システム101と外部コントローラ102は、内部LAN105及びビデオケーブル106を介して通信可能に接続されている。外部コントローラ102は、外部LAN104を介してクライアントPC103と通信可能に接続されている。外部コントローラ102は、例えば、画像処理コントローラ、デジタルフロントエンド(DFE)、又はプリントサーバと称されることもある。
クライアントPC103は、外部LAN104を介して外部コントローラ102に対して印刷指示を行うことが可能である。クライアントPC103にはプリンタドライバがインストールされている。当該プリンタドライバは、印刷データを外部コントローラ102により処理可能なプリンタ記述言語(PDL=Page Description Language)のデータに変換する機能を有する。ユーザは、クライアントPC103を操作することにより、当該PCにインストールされた各種アプリケーションからプリンタドライバを介して印刷システム101に対する印刷指示を行うことができる。プリンタドライバは、ユーザからの印刷指示に基づいて、外部コントローラ102に対して印刷データすなわちPDLデータを送信する。外部コントローラ102は、クライアントPC103からPDLデータを受信すると、受信したPDLデータ解析、解釈を行う。解釈の結果に基づきラスタライズ処理を行い、印刷システム101に合わせた解像度のビットマップ画像を生成し、印刷システム101に対して投入することで印刷指示を行う。解像度は、通常600dpiで、高精細の場合は1200dpiの印刷システムが多い。以下、解像度は、600dpiの例で説明を行う。
印刷システム101は、それぞれ異なる機能を有する複数の装置を備え、製本処理等の種々の処理が実行可能となるように構成されている。本実施形態では、印刷システム101は、印刷装置107、インサータ108、欠陥検品文字検査装置109、大容量スタッカ110、及びフィニッシャ111で構成される。印刷装置107によって画像が印刷され、印刷装置107から排紙されたシート(用紙)は、インサータ108、欠陥検品文字検査装置109、大容量スタッカ110、及びフィニッシャ111の順に、各装置の内部を搬送される。本実施形態では、印刷システム101は画像形成装置の一例であるが、印刷システム101に含まれる印刷装置107が画像形成装置と称される場合もある。
印刷装置107は、印刷装置107の下部に配置された給紙部から給紙及び搬送されるシートに対してトナー(現像剤)を用いて画像を形成(印刷)する。インサータ108は、印刷装置107から搬送される一連のシート群に対して挿入シートを挿入する装置である。欠陥検品文字検査装置109は、印刷物の欠陥検品と文字画質調整を行う装置である。欠陥検品は、印刷装置107によって画像が印刷されたシートが搬送路を通じて搬送され、当該搬送されたシートの検査を行う装置である。より具体的には、欠陥検品は、搬送されたシートに印刷された画像を読み取り、得られた読み取り画像(検査画像)を、予め登録された基準画像と比較することで、シートに印刷された画像を検査(画像が正常か否かを判定)する。文字画質調整は、印刷装置107によって画像が印刷されたシートが搬送路を通じて搬送され、当該搬送されたシート上の文字再現を適切な画質に調整を行う装置である。より具体的には、文字画質調整は、画質検査(検査部)と調整からなる。画質検査は、搬送されたシートに印刷された画像を読み取り、得られた検査画像を、PDLデータをラスタライズしたビットマップ画像を基準画像とする。検査画像と基準画像を比較することで、シートに印刷された文字再現を画質検査(画像がカスレやつぶれなどを判定)する。前記画質検査結果で、カスレやつぶれがある際は、文字再現を適切な画質になるように、画像処理設定やプロセス設定を調整する。大容量スタッカ110は、多数のシートを積載可能な装置である。フィニッシャ111は、搬送されたシートに対して、ステイプル処理、パンチ処理、中綴じ製本処理等のフィニッシング処理を実行可能な装置である。フィニッシャ111による処理後のシートは所定の排紙トレイに排紙される。
<印刷システムブロック例>
図2は、印刷システム101、外部コントローラ102、及びクライアントPC103のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2を参照して、印刷システム101の構成例について説明する。
図2は、印刷システム101、外部コントローラ102、及びクライアントPC103のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2を参照して、印刷システム101の構成例について説明する。
印刷システム101の印刷装置107は、通信I/F(インタフェース)217、ネットワークI/F218、ビデオI/F220、HDD221、CPU222、メモリ223、UI表示部225を備える。印刷装置107は更に、画像処理部224、プリント部226を備える。これらは、それぞれ、システムバス213を介して互いに接続される。
通信I/F217は、通信ケーブル260を介してインサータ108、欠陥検品文字検査装置109、大容量スタッカ110及びフィニッシャ111と接続される。CPU222は、通信I/F217を介して、それぞれの装置の制御のための通信を行う。ネットワークI/F218は、内部LAN105を介して外部コントローラ102と接続され、制御データ等の通信に用いられる。ビデオI/F220は、ビデオケーブル106を介して外部コントローラ102と接続され、画像データ等のデータの通信に用いられる。なお、印刷装置107(印刷システム101)と外部コントローラ102とは、外部コントローラ102による印刷システム101の動作の制御が可能であれば、ビデオケーブル106のみで接続されていてもよい。
HDD221には、各種プログラム又はデータが保存される。CPU222は、HDD221に保存されたプログラムを実行することで、印刷装置107全体の動作を制御する。メモリ223には、CPU222が各種処理を行う際に必要となるプログラム及びデータが格納される。メモリ223は、CPU222のワークエリアとして動作する。UI表示部225は、ユーザからの各種設定の入力及び操作の指示を受け付け、設定情報及び印刷ジョブの処理状況等、各種情報の表示に使用される。
画像処理部224は、外部コントローラ102で生成したビットマップ画像を印刷システムに最適な画像に変換する。たとえば、カラーであれば色を最適に変換する色変換処理、文字であれば細線部を最適な太さに変換する細線太さ調整処理や、RIPでラスターデータに変換されたことにより生じるエッジのがたつきを低減するためのスムージング処理を行う。より具体的には、ある印刷システムにおいて、黒細線部がかすれる場合は、予め黒細線を太らせる細線太さ調整処理を行い、適切な黒細線を印刷する。白抜き細線部がつぶれる場合は、予め白細線を細らせる細線太さ調整処理を行い、適切な白細線を印刷する。また、RIP解像度がエンジン解像度より低い場合には、RIP後画像の斜線部や曲線部に中間調画素値を付加することによりスムージングされたエッジがなめらかな細線を印刷する。
プリント部226は、画像処理部224で印刷に最適なビットマップに変換された印刷データを、印刷装置107の下部に配置された給紙部から給紙及び搬送されるシートに対してトナー(現像剤)を用いて画像を形成(印刷)する。
インサータ108は、給紙部からの挿入シートの給紙、及び印刷装置107から搬送されるシートの搬送を制御する。
欠陥検品文字検査装置109は、通信I/F237、CPU238、メモリ239、画像読取部240、UI表示部242、及びHDD255を備える。これらのデバイスは、システムバス243を介して互いに接続される。通信I/F237は、通信ケーブル260を介して印刷装置107と接続される。CPU238は、通信I/F237を介して、欠陥検品文字検査装置109の制御に必要な通信を行う。CPU238は、メモリ239に格納された制御プログラムを実行することで、欠陥検品文字検査装置109の動作を制御する。メモリ239には、欠陥検品文字検査装置109用の制御プログラムが保存される。
画像読取部240は、CPU238の指示に従って、搬送されたシートを読取る。CPU238は、画像読取部240によって読取った画像を、欠陥検品用基準画像としてメモリ239に保存する処理を行う。CPU238は更に、画像読取部240によって読取られた検査画像と、メモリ239に保存されている欠陥検品用基準画像と比較し、その比較結果に基づいて、シートに印刷された画像を検査する欠陥検品処理を行う。また、PDLデータをラスタライズしたビットマップ画像を文字用基準画像とし、欠陥検品で用いた前記検査画像と比較することで、シートに印刷された文字再現を画質検査し、文字の調整量を求める文字画質調整処理を行う。欠陥検品用基準画像は、画像読取部240によって読取った画像を用いたが、文字画質調整と同じように、PDLデータをラスタライズしたビットマップ画像を欠陥検品用基準画像として欠陥検品処理を行うことは可能である。
UI表示部242は、欠陥検品結果、文字画質調整結果及び設定画面等の表示に使用される。UI表示部242は、ユーザによって操作され、ユーザから各種指示(例えば、欠陥検品文字検査装置109の設定変更、及び欠陥検品基準画像の登録指示、検査する文字種やサイズの指定等)を受け付ける。HDD255には、欠陥検品文字検査処理の欠陥検品と文字画質調整に必要な各種設定情報及び画像データが保存される。HDD255に保存された各種設定情報及び画像データは再利用が可能である。ビデオI/F244は、ビデオケーブル245を介して印刷装置107と接続され、画像データ(印刷データ)等のデータの通信に用いられる。
スタッカ110は、搬送路を搬送されてきたシートを、スタックトレイへ排紙するか、エスケープトレイへ排紙するか、又はシートの搬送方向の下流側に接続されているフィニッシャ111へ搬送する制御を行う。
フィニッシャ111は、シートの搬送及び排紙を制御する。CPU250からの指示に従って、ステイプル、パンチ、又は中綴じ製本等のフィニッシング処理を行う。
<外部コントローラ>
外部コントローラ102は、CPU208、メモリ209、HDD210、キーボード211、表示部212、ネットワークI/F213,214、及びビデオI/F215を備える。これらのデバイスは、システムバス216を介して互いに接続される。CPU208は、HDD210に保存されたプログラムを実行する。プログラムを実行することで、外部コントローラ102全体の動作(例えば、クライアントPC103からの印刷PDLデータの受信、PDLデータのラスタライズを行うRIP処理、及び印刷システム101への印刷データの送信)を制御する。メモリ209には、CPU208が各種処理を行う際に必要となるプログラム及びデータが格納される。メモリ209は、CPU208のワークエリアとして動作する。
外部コントローラ102は、CPU208、メモリ209、HDD210、キーボード211、表示部212、ネットワークI/F213,214、及びビデオI/F215を備える。これらのデバイスは、システムバス216を介して互いに接続される。CPU208は、HDD210に保存されたプログラムを実行する。プログラムを実行することで、外部コントローラ102全体の動作(例えば、クライアントPC103からの印刷PDLデータの受信、PDLデータのラスタライズを行うRIP処理、及び印刷システム101への印刷データの送信)を制御する。メモリ209には、CPU208が各種処理を行う際に必要となるプログラム及びデータが格納される。メモリ209は、CPU208のワークエリアとして動作する。
HDD210には、各種プログラム及びデータが保存される。キーボード211は、ユーザからの外部コントローラ102の操作指示の入力に使用される。表示部212は、例えば、外部コントローラ102における実行中のアプリケーションの情報、及び操作画面の表示に使用される。ネットワークI/F213は、外部LAN104を介してクライアントPC103と接続され、印刷指示等のデータの通信に用いられる。ネットワークI/F214は、内部LAN105を介して印刷システム101と接続され、印刷指示等のデータの通信に用いられる。外部コントローラ102は、内部LAN105及び通信ケーブル260を介して、印刷装置107、インサータ108、欠陥検品文字検査装置109、スタッカ110、及びフィニッシャ111と通信可能に構成される。ビデオI/F215は、ビデオケーブル106を介して印刷システム101と接続され、画像データ(印刷データ)等のデータの通信に用いられる。
<クライアントPC>
クライアントPC103は、CPU201、メモリ202、HDD203、キーボード204、表示部205、及びネットワークI/F206を備える。これらのデバイスは、システムバス207を介して互いに接続される。CPU201は、HDD203に保存されたプログラムを実行することで、システムバス207を介して各デバイスの動作を制御する。これにより、クライアントPC103による各種処理が実現される。例えば、CPU201は、HDD203に保存された文書処理プログラムを実行することで、印刷データの生成及び印刷指示を行う。メモリ202は、CPU201が各種処理を行う際に必要となるプログラム及びデータがされる。メモリ202は、CPU201のワークエリアとして動作する。
クライアントPC103は、CPU201、メモリ202、HDD203、キーボード204、表示部205、及びネットワークI/F206を備える。これらのデバイスは、システムバス207を介して互いに接続される。CPU201は、HDD203に保存されたプログラムを実行することで、システムバス207を介して各デバイスの動作を制御する。これにより、クライアントPC103による各種処理が実現される。例えば、CPU201は、HDD203に保存された文書処理プログラムを実行することで、印刷データの生成及び印刷指示を行う。メモリ202は、CPU201が各種処理を行う際に必要となるプログラム及びデータがされる。メモリ202は、CPU201のワークエリアとして動作する。
HDD203には、各種アプリケーション(例えば、文書処理プログラム)及びプリンタドライバ等のプログラム、及び各種データが保存される。キーボード204は、ユーザからのクライアントPC103の操作指示の入力に使用される。表示部205は、例えば、クライアントPC103における実行中のアプリケーションの情報、及び操作画面の表示に使用される。ネットワークI/F206は、外部LAN104を介して外部コントローラ102と通信可能に接続される。CPU201は、ネットワークI/F206を介して、外部コントローラ102と通信する。
図1の構成例では、印刷システム101に外部コントローラ102が接続されているが、本実施形態はこれとは異なる構成にも適用可能である。例えば、印刷システム101が外部LAN104に接続され、外部コントローラ102を介さずに、クライアントPC103から印刷システム101へ印刷データが送信される構成が用いられてもよい。この場合、印刷データに対するデータ解析や解釈及びラスタライズは、印刷システム101によって実行される。
<ハードウェア構成例>
図3は、印刷システム101のハードウェア構成例を示す断面図である。以下では、図3を参照して印刷システム101の具体的な動作例について説明する。
図3は、印刷システム101のハードウェア構成例を示す断面図である。以下では、図3を参照して印刷システム101の具体的な動作例について説明する。
印刷装置107において、給紙デッキ301,302には、各種記録材が収納される。各印刷デッキに収納された記録材のうち、最も上に位置する記録材が1枚ずつ分離されて搬送路303へ給紙される。画像形成ステーション304~307は、それぞれ感光ドラム(感光体)を含み、それぞれ異なる色のトナーを用いて、感光ドラムにトナー像を形成する。具体的には、画像形成ステーション304~307は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナーをそれぞれ用いてトナー像を形成する。
画像形成ステーション304~307において形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト308上に順に重ね合わせて転写される(一次転写)。中間転写ベルト308に転写されたトナー像は、中間転写ベルト308の回転に従って二次転写位置309まで搬送される。二次転写位置309では、搬送路303を搬送されてきた記録材に、中間転写ベルト308からトナー像が転写される(二次転写)。二次転写後のシートは、定着ユニット311へ搬送される。定着ユニット311は、加圧ローラ及び加熱ローラを備える。これらのローラ間を記録材が通過する間に熱及び圧力がシートに加えられることで、記録材にトナー像を定着させる定着処理が行われる。定着ユニット311を通過した記録材は、搬送路312を通って、印刷装置107とインサータとの接続点315へ搬送される。このようにして、記録材にカラー画像が形成(印刷)される。
記録材の種類に応じて更なる定着処理が必要な場合には、定着ユニット311を通過した記録材は、定着ユニット313が設けられた搬送路314へ導かれる。定着ユニット313は、搬送路314を搬送される記録材に対して更なる定着処理を行う。定着ユニット313を通過した記録材は、接続点315へ搬送される。また、両面印刷を行う動作モードが設定されている場合には、第1面に画像が印刷され、搬送路312又は搬送路314を搬送された記録材は、反転パス316へ導かれる。反転パス316で反転した記録材は両面搬送路317へ導かれ、二次転写位置309まで搬送される。これにより、二次転写位置309において記録材の第1面とは反対側の第2面にトナー像が転写される。その後、定着ユニット311(及び定着ユニット313)を記録材が通過することで、記録材の第2面へのカラー画像の形成が完了する。
印刷装置107における画像の形成(印刷)が完了し、接続点315まで搬送された記録材は、インサータ108内へ搬送される。インサータ108は、挿入する記録材がセットされるインサータトレイ321を備える。インサータ108は、インサータトレイ321から給紙した記録材を、印刷装置107から搬送される一連の記録材群における任意の挿入位置に挿入し、後段の装置(欠陥検品文字検査装置109)へ搬送する処理を行う。インサータ108を通過した記録材は、順に欠陥検品文字検査装置109へ搬送される。
欠陥検品文字検査装置109は、インサータ108からの記録材が搬送される搬送路333上に、撮影部であるCIS(Contact Image Sensor)331,332を備える。CIS331,332は、搬送路333を介して対向する位置に配置される。CIS331,332は、それぞれ、記録材の上面(第1面)及び下面(第2面)を読み取るように構成される。なお、撮影部は、例えば、CISに代えてCCDやラインスキャンカメラで構成されてもよい。
欠陥検品文字検査装置109は、搬送路333を搬送される記録材に印刷された画像を検査する検品処理を行う。具体的には、欠陥検品文字検査装置109は、搬送中の記録材が所定に位置に到達したタイミングに、撮影部(CIS331,332)を用いて、当該記録材の画像を読み取る読取処理を行う。更に、欠陥検品文字検査装置109は、読取処理により得られた画像に基づいて、記録材に印刷された画像を検査する。欠陥検品文字検査装置109を通過した記録材は、順に大容量スタッカ110へ搬送される。
本実施形態では、欠陥検品文字検査装置109は、記録材に印刷された画像を読み取って得られた検査画像と、予め登録された基準画像とを比較することで、検品処理を行う。検品処理における画像の比較方法には、例えば、画素ごとの画素値を比較する方法、エッジ検出により得られた物体の位置を比較する方法、OCR(Optical Character Recognition)による文字データの抽出を用いる方法がありうる。また、欠陥検品文字検査装置109は、予め設定された検査項目について検品処理を行う。検査項目の例には、画像の印刷位置のずれ、画像の色合い、画像の濃度、画像に生じたスジ又はカスレ、印刷抜け等がありうる。
大容量スタッカ110は、記録材の搬送方向の上流側の装置(欠陥検品文字検査装置109)から搬送されてきた記録材が積載されるトレイとして、スタックトレイ341を備える。検品装置109を通過した記録材は、大容量スタッカ110内の搬送路344を搬送される。搬送路344を搬送される記録材が搬送路345へ導かれることで、当該記録材はスタックトレイ341に積載される。
大容量スタッカ110は、排紙トレイとしてエスケープトレイ346を更に備える。本実施形態では、エスケープトレイ346は、欠陥検品文字検査装置109による検品の結果、印刷された画像に異常があると判定された記録材の排紙に使用される。搬送路344を搬送される記録材が搬送路347へ導かれることで、エスケープトレイ346へ搬送される。大容量スタッカ110において積載及び排紙されずに搬送された記録材は、搬送路348を通じて後段のフィニッシャ111へ搬送される。
大容量スタッカ110は、搬送される記録材の向きを反転させるための反転部349を更に備える。反転部349は、例えば、大容量スタッカ110に入力された記録材の向きと、スタックトレイ341に積載されて大容量スタッカ110から出力される際の記録材の向きとを同一とするために用いられる。なお、大容量スタッカ110において積載されずにフィニッシャ111へ搬送される記録材に対しては、反転部349による反転動作は行われない。
フィニッシャ111は、記録材の搬送方向の上流側の装置(欠陥検品文字検査装置109)から搬送されてきた記録材に対して、ユーザによって指定されたフィニッシング機能を実行する。本実施形態では、フィニッシャ111は、例えば、ステイプル機能(1個所又は2箇所綴じ)、パンチ機能(2穴又は3穴)、及び中とじ製本機能等のフィニッシング機能を有する。
フィニッシャ111は、2つの排紙トレイ351,352を備える。フィニッシャ111によるフィニッシング処理が行われない場合には、フィニッシャ111へ搬送されてきた記録材は、搬送路353を通じて排紙トレイ351へ排紙される。フィニッシャ111によってステイプル処理等のフィニッシング処理が行われる場合には、フィニッシャ111へ搬送されてきた記録材は、搬送路354へ導かれる。フィニッシャ111は、搬送路354を搬送される記録材に対して、処理部355を用いて、ユーザによって指定されたフィニッシング処理を実行し、排紙トレイ352へ排紙する。
<全体処理>
図4は、印刷装置107によって実行されるプリント動作に対して、欠陥検品文字検査装置109によって実行される印刷物の欠陥検品処理と文字画質調整処理の手順を示すフローチャート図である。図4の各ステップの処理は、印刷装置107のCPU222と欠陥検品文字検査装置109のCPU238によって実行される。
図4は、印刷装置107によって実行されるプリント動作に対して、欠陥検品文字検査装置109によって実行される印刷物の欠陥検品処理と文字画質調整処理の手順を示すフローチャート図である。図4の各ステップの処理は、印刷装置107のCPU222と欠陥検品文字検査装置109のCPU238によって実行される。
S401で、検品文字検査装置109において、CPU238は欠陥検品、文字画質自動調整の設定をプリント行う前にユーザから受け付ける。欠陥検品設定がオンの時は、CPU238は、図5の欠陥検品設定を欠陥検品文字検査装置109の各部に行う。文字画質自動調整設定がオンの時は、CPU238は、図6の文字画質検査設定を欠陥検品文字検査装置109の各部に行う。
S402で、印刷ジョブが開始されると、クライアントPC103や外部コントローラ102の印刷指示により、プリント動作を開始する。本実施例では、説明を簡単にするため、PDLデータは、文字画像を含むPDF(Portable Document Format)とし、このPDFを外部コントローラ102にダイレクトプリント指示した例で、以後の説明を行う。
S403で、前記PDFの印刷ジョブは、外部コントローラ102のCPU208は、PDFファイル内の記載から、文字をフォント種、サイズ、用紙の指定位置などPDL解釈を行う。
ステップS404で、CPU208は、PDL解釈部で解釈した通りの解像度設定に従ったビットマップにラスタライズする。そして、S405で、CPU208は、ラスタライズされたビットマップを基準画像として生成する(生成部)。S406で、基準画像を外部コントローラ102のHDD部210に一時保存し、その後、欠陥検品文字検査装置109へ送り、欠陥検品文字検査装置109のHDD255に保存する。基準画像の解像度は、600dpiとして以後説明を行う。
S407で、CPU208は、ラスタライズしたビットマップデータをビデオI/F220から、ビデオケーブル106を通して、印刷装置107のビデオI/F205に送信する。ビットマップデータを受け取った印刷装置107のCPU222は、プリント部226で、印刷を行う。
S408で、欠陥検品文字検査装置109のCPU238は、画像読取部240で、前記印刷された印刷物を読取り、S409で欠陥検品と文字検査の検査画像としてHDD部255に一時保存する。画像読取部240で、前記印刷された印刷物を読取る際の解像度は、図6の文字検査設定で指定されている解像度または、読取部の最高解像度で読み取り、文字の細かい部分を読取れるようにする。本実施例では、読取解像度は、600dpiとして以後説明を行う。
次にS410において、欠陥検品文字検査装置109は欠陥検品と文字画質調整のいずれか、もしくは両方の処理を実施する判断を行う。実施する処理はS401でユーザにより設定された動作設定に従う。欠陥検品設定がオンの時は、欠陥検品文字検査装置109はS411で欠陥検品処理(欠陥検品部)を、文字画質自動調整設定がオンの時は、S412で文字画質調整処理をそれぞれ実施する。各処理の詳細については後述する。
S413にて全ページの印刷および欠陥検品処理が終了していない場合、印刷装置のCPU222と欠陥検品ユニットのCPU238は、S404からS412の処理を継続する。また、全ページの印刷および欠陥検品処理が終了したと信号を受信すると、図4の手順による印刷と欠陥検品文字検査処理を終了する。
<欠陥検品処理>
図5は、S411において、欠陥検品文字検査装置109によって実行される印刷物の欠陥検品処理の手順を示すフローチャートである。本例では、印刷設定として、大容量スタッカ110を印刷物の排紙先とする設定(即ち、大容量スタッカ110のスタックトレイ341を排紙先とする設定)が予め行われている。
図5は、S411において、欠陥検品文字検査装置109によって実行される印刷物の欠陥検品処理の手順を示すフローチャートである。本例では、印刷設定として、大容量スタッカ110を印刷物の排紙先とする設定(即ち、大容量スタッカ110のスタックトレイ341を排紙先とする設定)が予め行われている。
まず、S501で、図4のS406にて検品文字検査装置109のHDD部255に保存された基準画像と、S409にて検品文字検査装置109のHDD部255に保存された読取装置331、332による検査画像を読み出す。
S502で、画像読取部331、332による印刷物の検査画像は150dpiに解像度変換が行なわれる。次に、S503で、CPU238は、変形補正パラメータを作成する。
そして、S504で、S503で作成された変形補正パラメータに基づき、S501で取得した基準画像の変形補正を行い、検査画像とS504で変形補正を行った基準画像との位置合わせが行なわれる。S505で、CPU238は、S501で取得した検査画像とS504で変形補正を行った基準画像とを比較する処理を行う。画像の比較処理が完了すると、次にS506で、CPU238は、比較処理における基準画像との比較の結果、印刷された画像が正常であるか否かを判定する。
CPU238は、印刷された画像が正常である場合には、S506からS507へ処理を進め、印刷された画像が正常であることを示す欠陥検品結果を、欠陥検品文字検査装置109の表示部241に表示する。更にCPU238は、S508で、印刷装置107に対して、印刷物を大容量スタッカ110のスタックトレイ341に排紙するよう指示する。印刷装置107は、欠陥検品文字検査装置109からの指示に基づいて、大容量スタッカ110に対して、搬送される印刷物をスタックトレイ341に排紙するよう指示する。
一方、CPU238は、印刷された画像が正常ではない(画像に異常がある)場合には、S506からS509へ処理を進め、印刷された画像が正常ではないことを示す欠陥検品結果を、欠陥検品文字検査装置109の表示部241に表示する。続いて、CPU238は、S510で、印刷装置107に対して、印刷シートを大容量スタッカ110のエスケープトレイ346に排紙するよう指示する。印刷装置107は、欠陥検品文字検査装置109からの指示に基づいて、大容量スタッカ110に対して、搬送される印刷シートをエスケープトレイ346に排紙するよう指示する。
<文字画質調整処理>
文字画質調整S412では印刷物の文字部に特化して検査を行い、印刷物の文字に異常(太り、細り、かすれ、潰れ等)があると判断した場合に印刷装置107に文字画質調整制御情報を送り、印刷物の文字が正常になるように制御する。
文字画質調整S412では印刷物の文字部に特化して検査を行い、印刷物の文字に異常(太り、細り、かすれ、潰れ等)があると判断した場合に印刷装置107に文字画質調整制御情報を送り、印刷物の文字が正常になるように制御する。
図6はS412で実施する文字画質調整処理における文字画質調整判定処理のフローの一例を示す図である。
まずS601において、欠陥検品文字検査装置109のメモリ239に保存された基準画像と、S409にて欠陥検品文字検査装置109のメモリ239に保存された検査画像を取得する。
次に、S602において、S403にて解釈されたPDLの文字データに基づき、文字画質調整の際に参照する文字領域が決定される(決定部)。
次に、S603において、S602で取得した複数の文字領域から定量化に用いる縦横線部と斜線曲線部を選択する。ここで、斜線曲線部とは縦横線以外の細線を意味し、濁点や読点のような一般的に「点」と呼称されるような部分であっても良い。
縦横線部と斜線曲線部の選択手法について、図7、図8を用いて説明する。
図7は縦横線部と斜線曲線部を選択する処理フローの一例を示す図である。まずステップS701においてステップS601で読みだした基準画像に対してスムージング処理を行ったスムージング処理後画像を得る。ここで、得られるスムージング処理後画像は、外部コントローラ102によりシミュレーションを用いて得られるものでも良いし、印刷装置107の画像処理部224において実際にスムージング処理を行った画像を読みだしたものでもよい。
次に、ステップS702において、基準画像と、ステップS701でスムージング処理をかけたスムージング処理後画像の差分画像を生成する。
図8は基準画像とスムージング処理画像、および、生成した差分画像を表した模式図である。図8(a)は基準画像に含まれる文字「N」を示している。図8(b)は図8(a)にスムージング処理をかけたスムージング処理後画像を示している。「N」の斜線部やセリフ部分にスムージング処理がかかっている。
図8(c)は図8(a)と図8(b)の差分画像を示している。ここで各画像は0(黒)~255(白)の多値画像であり、図8(c)の各画素値は図8(a)と図8(b)の各画素値の差分絶対値により求められる。
次に、ステップS703で縦横線部を決定する。縦横線部にはスムージング処理がかからないため、差分画像8(c)において、差分が少ない箇所を参照することにより縦横線部801を求めることができる。
次に、ステップS704で斜線曲線部を決定する。縦横線部にはスムージング処理がかからないため、差分画像8(c)において、差分が多い箇所を参照することにより斜線曲線部801を求めることができる。
ここでは「N」の一文字について、縦横線および斜線曲線を決定する例を用いて説明したが、決定に用いる文字の種類、および個数については特に限定しない。また決定する縦横線部および斜線曲線部は、各々1つ以上であれば、任意の複数個所を決定しても構わない。
次にS604について縦横線部を定量化する。図9は縦横線部を定量化するフローの一例を示す図である。
まず、ステップS901で縦横線部を含む文字座標を取得する。縦横線部のみでは基準画像と検査画像間での位置合わせが困難なため、文字全体での処理を行うことが好ましい。
次にステップS902において、文字位置情報に基づいて、文字切り出しを行い、S903において、切り出した文字の変形(位置合わせ処理)を行う。
図10は文字切り出し処理と変形処理を説明した模式図である。図10(a)は印刷元データの文字部を示した図である。破線矩形1001はPDL解釈部から得られた文字位置情報を示しており、矩形の左上座標(x1,y1)と右下座標(x2,y2)で文字座標が与えられている。図(b)は検査画像データの文字部を示した図である。ここで、検査画像データは読み取り時の位置ずれや拡縮等により、印刷元データの文字位置情報から求めた矩形1002内に文字が収まらない場合がある。そのため検査画像から文字を切り出す際には少し大きめの範囲(破線矩形1003)で切り出すのが望ましい。
図10(c)は変形処理を表す模式図である。本実施例ではアフィン変換を用いた変形処理を説明するが、位置合わせ手法はこれに限定されるものでない。印刷元データを破線矩形1001で切り出した印刷元文字画像1004と検査画像データを破線矩形1002で切り出した検査文字画像1005から画像変換パラメータを求める。印刷元文字画像1004と検査文字画像1005から対応する特徴点1006を検出する。一点鎖線で結ばれた特徴点がそれぞれ対応する特徴点である。特徴点検出にはAKAZEなどの公知の手法を用いることができる。得られた特徴点の座標が一致するように、変形補正パラメータを算出する。(x’,y’)の座標位置を(x,y)に変形補正させる処理に際して、下記式のa~fが補正パラメータとなる。
算出したパラメータを用いて検査文字画像の変形(位置合わせ)を行う。図10(d)は印刷元文字画像1007と位置合わせ後の検査文字画像1008を示している。
次にS904でCPU238はS903で位置合わせした基準文字画像と検査文字画像の差分データを生成する。具体的には、基準文字画像と検査文字画像の同じ位置の画素ごとに、画素値の差分値を計算する。差分は次式により算出する。
差分値=検査文字の画素値-基準文字画像の画素値
図11は文字特性の定量化を説明するための模式図である。図11(a)は図10(d)の基準文字画像内の縦横線部1009を、図11(b)は図9(d)の検査文字画像内の縦横線部1010をそれぞれ拡大した図である。真黒の画素が文字部を表している。ここでは、説明を簡略化するため2値化(真白255、真黒0)した画像を用いているが、RGB各色8bitのカラー画像をそのまま用いてもかまわない。
図11は文字特性の定量化を説明するための模式図である。図11(a)は図10(d)の基準文字画像内の縦横線部1009を、図11(b)は図9(d)の検査文字画像内の縦横線部1010をそれぞれ拡大した図である。真黒の画素が文字部を表している。ここでは、説明を簡略化するため2値化(真白255、真黒0)した画像を用いているが、RGB各色8bitのカラー画像をそのまま用いてもかまわない。
図11(c)は図11(a)と図11(b)から求めた差分データである。真黒の画素が差分値0、真白の画素が差分値255、斜線網掛けの画素が差分値―255である。
次にS905において差分データをもとに印刷物の縦横線太り量を算出する。まず、差分データの中で負の差分値があらかじめ定めた負の閾値(th1)以下の画素数N1を計算する。続いて、正の差分値があらかじめ定めた正の閾値(th2)以上の画素数N2を計算する。そして、N1とN2の画素数の差(N1-N2)の、縦横線部画素数に対する割合から縦横線太り度αを算出する。
α=(N1-N2)/(縦横線部画素数)
縦横線太り度αが正値をとる場合、縦横線太りと判断されるため、調整量を変更し縦横線を細らせるように制御する。一方、αが負値をとる場合、縦横線細りと判断されるため、調整量を変更し縦横線を太らせるように制御する。具体的な縦横線調整処理については後述する。
次に、ステップS605で縦横線部の調整が必要かどうかを判断する。縦横線太り度αが許容値内の場合、縦横線調整を実施せずステップS607に遷移する。縦横線太り度αが許容値外の場合、S606に進み縦横線調整制御を実施する。
S606では、S604で求めた縦横線太り度αをもとに縦横線調整制御を実施する。まず文字太り度αをもとに調整レベルLcを決定する。調整レベルLcは、例えば、文字太り度αと調整量を対応付けたテーブルを予め用意しておき、それを参照して決定する。
図12は文字太り度αと調整レベルLcの関係を示すテーブルの一例である。例えば図11(c)の場合、もとめた文字太り度αは、
であったから、図12のテーブルを参照し調整レベルLcは+1と決定できる。調整レベルLcを決定すると、欠陥検品文字検査装置109は求めた調整レベルLcを印刷装置107にフィードバックする。次のレンダリングから印刷装置107の画像処理部224において、調整レベルLcを用いて縦横線調整処理を行うことにより、縦横線調整制御を実施することができる。
であったから、図12のテーブルを参照し調整レベルLcは+1と決定できる。調整レベルLcを決定すると、欠陥検品文字検査装置109は求めた調整レベルLcを印刷装置107にフィードバックする。次のレンダリングから印刷装置107の画像処理部224において、調整レベルLcを用いて縦横線調整処理を行うことにより、縦横線調整制御を実施することができる。
ここで、調整レベルLcを用いた画像処理部224での縦横線調整の一例について、図13を用いて説明する。図13(a)、(b)、(d)、(e)は順に、図13(c)の画像に対して、調整レベルLcの値に応じて調整を行った画像を示す。ここでは図13(a)、(b)、(d)、(e)の順に、調整レベル-2で1(=0.5×2)画素細らせた線を示している。さらに、調整レベル-1で0.5(=0.5×1)画素細らせた線、調整レベル+1で0.5(=0.5×1)画素太らせた線、調整レベル+2で1(=0.5×2)画素太らせた線の画像を示している。
1画素幅細らせるあるいは太らせる調整は、図13(a)、(e)に示すように、入力画像である図12(c)の線の画像に対して、線を示す画像部分の片側のすべての画素に対して、1画素分、間引くあるいは付加することで行われる。
次に0.5画素幅細らせるあるいは太らせる調整は、図13(b)、(d)に示すように、入力画像である図12(c)の線の画像に対して、線を示す画像部分の片側の画素を1画素置きに、間引くあるいは付加することで行われる。
次に、ステップS607において、斜線曲線部の定量化を行い、斜線曲線太り量を算出する。斜線曲線部の定量化方法は、縦横線部と同様であり、斜線曲線太り度βは以下の式で求められる。
β=(N1-N2)/(斜線曲線部画素数)
次に、ステップS608で斜線曲線部の調整が必要かどうかを判断する。斜線曲線太り度βが許容値内の場合、斜線曲線部の調整を実施せず文字調整フローを終了する。斜線曲線太り度βが許容値外の場合、S609に進み縦横線調整制御を実施する。
次に、ステップS608で斜線曲線部の調整が必要かどうかを判断する。斜線曲線太り度βが許容値内の場合、斜線曲線部の調整を実施せず文字調整フローを終了する。斜線曲線太り度βが許容値外の場合、S609に進み縦横線調整制御を実施する。
次に、ステップS609において、S607で求めた斜線曲線太り度βをもとに斜線曲線調整制御を実施する。斜線曲線部の画質調整は印刷装置107の画像処理部224により行うスムージング処理の調整レベルを制御することにより行う。
ここで、スムージング処理について図14、図15を用いて説明する。図14はスムージング処理の一例を説明した模式図である。14(a)はスムージング処理前のRIP後画像を示している。まずRIP後画像から斜線曲線部のエッジ画素を検出する。エッジ画素は黒画素と白画素についてそれぞれ検出する。エッジ画素値の検出にはテンプレートマッチング等公知の手法を用いることができる。
続いて、検出したエッジ部の画素値を中間調画素に置き換える。図14(b)はエッジ黒画素周辺領域1401を示す図である。エッジ黒画素1403をふくむ3×3画素の近傍画素1404の平均値を用いて、エッジ黒画素1403を置き換える。図14(c)はエッジ画素を中間調画素に置き換えた後の画像である。
白画素についても同様である。図14(d)はエッジ黒画素周辺領域1402を示す図である。エッジ白画素1406をふくむ3×3画素の近傍画素1407の平均値を用いて、エッジ黒画素1406を置き換える。図14(e)はエッジ画素を中間調画素に置き換えた後の画像である。
エッジ画素値の置き換えには、例えばLUTを用いる。図15はスムージング処理に用いる。図15スムージング処理の画素置き換えに用いるLUTを示したグラフである。エッジ画素近傍の平均画素値を入力としてエッジ画素を置き換える画素値を出力する。図15は入力と出力が線形の場合のLUTを示している。
ステップS609では、まず斜線曲線太り度βをもとに調整ガンマγcを決定する。調整ガンマγcは、例えば、斜線曲線太り度βと調整量を対応付けたテーブルを予め用意しておき、それを参照して決定する。
図16は斜線曲線太り度βと調整ガンマγcの関係を示すテーブルの一例である。調整レベルLcを決定すると、欠陥検品文字検査装置109は求めた調整レベルLcを印刷装置107にフィードバックする。次のレンダリングから印刷装置107の画像処理部224において、調整ガンマγcを用いてスムージング処理を行うことにより、斜線曲線調整制御を実施することができる。
調整ガンマγcを用いた画像処理部224での斜線曲線調整の一例について、図17を用いて説明する。図17はスムージング処理前の画像が0(黒)~255(白)の多値画像の際にスムージング処理に用いるLUTを示している。画像処理部224は調整ガンマγcを用いてスムージング処理用LUTの出力画素値を下記式で更新する。
(出力画素値)=255×(出力画素値/255)^(調整ガンマγc)
図17はスムージング処理用LUTと調整ガンマγcの関係の一例を示した図である。1701はデフォルトの、入出力が線形のスムージング処理用LUTを示している。グラフ1702はグラフ1701を調整ガンマγc=0.5で更新したLUT、グラフ1703はグラフ1701を調整ガンマγc=2.0で更新したLUTをそれぞれ示している。
図17はスムージング処理用LUTと調整ガンマγcの関係の一例を示した図である。1701はデフォルトの、入出力が線形のスムージング処理用LUTを示している。グラフ1702はグラフ1701を調整ガンマγc=0.5で更新したLUT、グラフ1703はグラフ1701を調整ガンマγc=2.0で更新したLUTをそれぞれ示している。
LUT1702を用いた処理では、LUT1701よりも出力画素値が大きくなる、すなわち255(白)に近づくため、斜線横線部が細くなる。
LUT1703を用いた処理では、LUT1701よりも出力画素値が小さくなる、すなわち0(黒)に近づくため、斜線横線部が太くなる。
図18は図14(a)のRIP後画像に対して、図17の各LUTを用いてスムージング処理を行った画像を示している。図18(a)はLUT1701、図18(b)はLUT1702、図18(c)はLUT1703を用いた処理後画像である。図18(a)と比べて、図18(b)は「N」の斜線部分が細く、図18(c)は「N」の斜線部分が太く処理されている。
以上、説明したような文字画質調整制御を行うことにより、印刷画像データから縦横線部と斜線曲線部を検出し、補正量を算出することにより、文字を構成する線の角度等に依らず適切に文字画質を自動で調整することができる。
<実施例2>
実施例1では、スムージング処理前後の画像の差分画像を用いて縦横線部および斜線曲線部を検出していた。これに対して、実施例2では、あらかじめ用意したパターンを用いたパターンマッチングにより、縦横線部および斜線曲線部を検出する。尚、実施例2に係るシステム構成及び各種装置のハードウェア構成等は前述の実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
実施例1では、スムージング処理前後の画像の差分画像を用いて縦横線部および斜線曲線部を検出していた。これに対して、実施例2では、あらかじめ用意したパターンを用いたパターンマッチングにより、縦横線部および斜線曲線部を検出する。尚、実施例2に係るシステム構成及び各種装置のハードウェア構成等は前述の実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
実施例2は図6のステップ603における縦横線部と斜線曲線部の選択で、パターンマッチングを用いる実施例である。
図19はパターンマッチングに用いるパターンの一例である。1901は縦横線検出用のパターンであり、1902は斜線曲線検出用のパターンである。
RIP後の画像に対して各パターンを用いたパターンマッチングを行うことにより、縦横線部および斜線曲線部の検出を行う。マッチングには公知の手法を用いる。
図19では1dоt線パターンを例示したが、これに限定されるものではなく、2dоt線や3dоt線、あるいは複数の太さの線のパターンを用いても良い。
以上、実施例2によれば、パターンマッチングにより縦線部と斜線曲線部を検出し、補正処理を行うことが可能となる。
<実施例3>
実施例1および2ではRIP処理後画像から画像処理で縦横線部および斜線曲線部を検出していた。これに対して実施例3では受信したPDLデータ解析により得られるフォント情報を用いて検出する。フォント情報には、フォント種、サイズ、用紙上の指定位置等が含まれている。これにより、検査領域の特定に際し、基準画像データに対する画像処理を無くし処理時間を低減することができる。
実施例1および2ではRIP処理後画像から画像処理で縦横線部および斜線曲線部を検出していた。これに対して実施例3では受信したPDLデータ解析により得られるフォント情報を用いて検出する。フォント情報には、フォント種、サイズ、用紙上の指定位置等が含まれている。これにより、検査領域の特定に際し、基準画像データに対する画像処理を無くし処理時間を低減することができる。
図20は縦横線文字および斜線曲線文字の検出に用いる文字リストの一例を示している。文字リストには予め縦横線で構成される文字、斜線曲線で構成される文字を登録しておく。
ステップS603においてCPU222はPDLデータ解析により得られるフォント情報と文字リストを参照し、縦横線の定量化に用いる文字を縦横線文字リストから、斜線曲線文字の定量化に用いる文字を斜線曲線文字リストから選択する。
以上、実施例3によれば、検査領域の特定にかかる処理時間を低減し、補正処理を行うことが可能となる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
Claims (7)
- 印刷装置で印刷された印刷物を読み取って検査画像データとして取得し、前記印刷物の元データから基準画像データを生成する生成部と、
前記基準画像データに基づき前記検査画像データを検品する欠陥検品部と、
前記基準画像データと前記検査画像データの文字領域を決定する決定部と、
前記文字領域の文字画質の異常を検査する検査部と、
前記印刷物の文字の状態に応じて前記印刷装置の印刷プロセスのパラメータを調整する調整手段と、
を有する画像処理装置であって、
前記検査部は、前記文字領域から縦横線と縦横線以外の細線を検出し検査し、前記調整手段は、前記文字領域の状態に応じて補正量を算出し調整することを特徴とする画像処理装置。 - 前記検査部は、前記基準画像データと前記基準画像データにスムージング処理をかけたスムージング処理後画像の差分画像に基づいて、縦横線と縦横線以外の細線を検出することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記調整手段は、縦横線部について縦横線の太さ補正量を算出し、縦横線以外の細線部について補正量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記検査部は、前記基準画像データに対してパターンマッチングにより縦横線と縦横線以外の細線を検出することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記検査部は、前記印刷物の元データの解析した結果から縦横線および縦横線以外の細線の検査に用いる文字を検出することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
- 画像処理装置の制御方法であって、
印刷装置で印刷された印刷物を読み取って検査画像データとして取得し、
前記印刷物の元データから基準画像データを生成し、
前記基準画像データに基づき前記検査画像データを検品し、
前記基準画像データと前記検査画像データの文字領域を決定し、
前記文字領域の文字画質の異常を検査し、
前記印刷物の文字の状態に応じて前記印刷装置の印刷プロセスのパラメータを調整する
工程と、
を有することを特徴とする制御方法。 - コンピュータに、請求項6に記載の制御方法の各工程を実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022145032A JP2024040592A (ja) | 2022-09-13 | 2022-09-13 | 画質処理装置、方法およびプログラム |
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JP2022145032A Pending JP2024040592A (ja) | 2022-09-13 | 2022-09-13 | 画質処理装置、方法およびプログラム |
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2022
- 2022-09-13 JP JP2022145032A patent/JP2024040592A/ja active Pending
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