JP2024037085A - 分娩兆候検知装置、分娩兆候検知システム、分娩兆候検知プログラム、記憶媒体及び分娩兆候検知方法 - Google Patents

分娩兆候検知装置、分娩兆候検知システム、分娩兆候検知プログラム、記憶媒体及び分娩兆候検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分娩中に母体外へ抜け落ちて分娩の兆候を誤検知してしまうことを抑制する分娩兆候検知装置を提供する。【解決手段】本開示の監視端末50は、複数の牛10の胃袋10S内に胃袋内端末20が留置されて胃袋内端末20が取得した牛10の胃袋10S内の圧力や温度等の情報が監視端末50に無線送信される。本実施形態では、分娩時に陣痛や陣痛に伴う分娩行動によって胃袋内圧力P1が上昇する特性を利用し、監視端末50は、胃袋内圧力P1の変化に基づいて分娩兆候を検知する。このように、本実施形態では、分娩兆候を検知する胃袋内端末20が胃袋10S内に留置されるので、分娩中に胃袋内端末20が体外へ抜け落ちる虞がなく、分娩の兆候を誤検知するという問題の発生を抑えることができる。【選択図】図6

Description

本開示は、動物の分娩兆候を検知する分娩兆候検知装置、分娩兆候検知システム、分娩兆候検知プログラム、記憶媒体及び分娩兆候検知方法に関する。
従来の分娩兆候検知装置として、動物の膣内にセンサを挿入し、膣内の圧力変化を計測することによって分娩の兆候を検知するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-098173公報(段落[0008])
しかしながら、上述した従来の分娩兆候検知装置では、膣内に挿入されたセンサは分娩中に母体外へ抜け落ちて分娩の兆候を誤検知してしまうことがあり、その対策が求められている。
上記課題を解決するためになされた本開示の第1の態様は、動物の胃袋内に配置される圧力センサにて計測される胃袋内圧力の情報を取得し、前記情報に基づいて前記動物の分娩兆候を検知する分娩兆候検出部を有する分娩兆候検知装置である。
本開示の第2の態様は、動物の胃袋内に配置される圧力センサにて計測される胃袋内圧力の情報を取得し、前記情報に基づいて前記動物の分娩兆候を検知する分娩兆候検知方法である。
本開示の第1及び第2の態様によれば、分娩兆候を検知する圧力センサを胃袋内に配置するので、分娩中に圧力センサが動物の体外へ抜け落ちる虞がなく、分娩の兆候を誤検知するという問題の発生を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る分娩兆候検知システムの全体構成を示す概略図 胃袋内端末及び監視端末の電気的な構成を示すブロック図 胃袋内端末の制御的な構成を示すブロック図 送信制御プログラムのフローチャート 監視端末が実行する動作を示すフローチャート 監視端末の制御的な構成を示すブロック図 分娩兆候検知プログラムのフローチャート 圧力変化検出処理が実行するプログラムのフローチャート 第2実施形態の外気圧補正部が実行するプログラムのフローチャート 第3実施形態の圧力変化検出処理が実行するプログラムのフローチャート
[第1実施形態]
本開示の分娩兆候検知システム100に係る第1実施形態について、図1~図8を参照して説明する。図1に示した本実施形態の分娩兆候検知システム100は、複数頭の牛10の胃袋10S(具体的には、第1胃又は第2胃)内に配置される複数の胃袋内端末20と、胃袋内端末20が取得した牛10の情報を監視する監視端末50と、監視端末50を介して胃袋内端末20が取得した情報の提供を受ける外部端末70と、を備えている。これらは、無線基地局400,401を含んだ通信ネットワーク101を介して接続されている。なお、監視端末50が特許請求の範囲の「分娩兆候検知装置」、「コンピュータ」に相当する。
胃袋内端末20は、図2に示すように、圧力センサ21A、温度センサ21B、装置制御部22及び無線回路23等を備え、これらは、胃袋10S内のルーメン液や食渣等から保護するための図示しないケースに収容されている。なお、胃袋内端末20は、牛10の口から投入されて胃袋10S内に留置される。
圧力センサ21A及び温度センサ21Bは、牛10の胃袋10S内の圧力及び温度を計測し、その計測結果を装置制御部22に送信する。装置制御部22は、圧力センサ21A及び温度センサ21Bから取得した計測結果に基づく信号を無線回路23に無線送信させる。なお、胃袋内端末20に、例えば、加速度センサ等も備えて、牛10の情報として胃袋10S内の圧力及び温度以外の情報も無線送信する構成であってもよい。
装置制御部22は、CPU22Aとメモリ22Bとからなる。CPU22Aは、無線回路23、圧力センサ21A及び温度センサ21B等の機器に接続されて、それら機器を制御して後述する送信制御プログラムPG1を実行する。メモリ22Bには、送信制御プログラムPG1と胃袋内端末20毎に設定された識別番号等が記憶されている。
なお、胃袋内端末20は、装置制御部22、無線回路23、圧力センサ21A及び温度センサ21B等に電源を供給する図示しない電池を備えている。また、ケース内には図示しない錘が収容されており、胃袋内端末20が牛10の胃袋10S内に安定して留置されるようになっている。
送信制御プログラムPG1は、装置制御部22に電池から電力が供給されている間実行される。そして、CPU22Aが、送信制御プログラムPG1を実行することで図3に示される第1トリガ生成部24A、第2トリガ生成部24B、データ取得部25及びデータ送信部27等の制御ブロックとして機能する。
第1トリガ生成部24Aでは、所定の間隔(例えば、10[秒])で第1トリガTG1が生成され、それら第1トリガTG1が生成される度に圧力センサ21Aが胃袋10S内の圧力の計測を行う。そして、圧力センサ21Aの計測結果を、データ取得部25が受け取って圧力データを生成する。なお、所定の間隔が特許請求の範囲の「第1の周期」に相当する。
第2トリガ生成部24Bでは、一定期間N1(例えば、10[分])毎に第2トリガTG2が生成され、それら第2トリガTG2が生成される度に、温度センサ21Bが胃袋10S内の温度を計測し、データ取得部25がその計測結果に基づいて温度データを生成すると共に、データ送信部27が圧力データ及び温度データから送信データD1を生成して無線回路23を使用して無線送信する。なお、一定期間N1が特許請求の範囲の「第2の周期」に相当する。
具体的には、データ送信部27は、データ設定部27Aとデータ生成部27Bを備えている。ここで、データ取得部25が取得した圧力データ及び温度データは、バッファ26に一時的に蓄積されるようになっており、データ設定部27Aは、バッファ26から読み出した複数の圧力データからそれらの平均値を演算して胃袋内圧力P1として設定する(本実施形態では、例えば、60個の圧力データから平均値を演算する)。このとき、温度データも胃袋内温度T1として設定される。そして、データ生成部27Bは、予め定められたデータ長さのデータフレームに、胃袋内圧力P1及び胃袋内温度T1と、メモリ22Bから読み出した胃袋内端末20の識別番号とを格納した送信データD1を生成する。なお、胃袋内圧力P1及び胃袋内温度T1以外の牛10の情報も取得する場合には、送信データD1にそれらの情報も格納してもよい。
以下、図4を参照して、胃袋内端末20のCPU22Aが実行する送信制御プログラムPG1について説明する。CPU22Aは、図示しない発振回路から出力される周期信号の1つとしての例えば0.1[秒]周期の割込信号を受ける度に、送信制御プログラムPG1を実行する。送信制御プログラムPG1の「L1」は、時間をカウントするためのカウンタであり、また、「S1」は、上記した一定期間N1の長さを決定するための設定値であり、本実施形態では、一定期間N1を10分にするためにS1は6000(=10分×60秒/0.1秒)に設定されている。また、MOD(L,Y)は、LをYで割った余りを出力する関数である。
図4に示すように、CPU22Aは、送信制御プログラムPG1を実行すると、カウンタL1を1つインクリメントし(S11)、割込信号のカウント数が100と一致したかを、ステップS12の関数MOD(L1,100)で判定する。そして、関数MOD(L1,100)の判定によりカウント数が100と一致しない場合は(S12でNO)、そのまま送信制御プログラムPG1から抜け、カウント数が100と一致すれば(S12でYES)、圧力計測処理が実行される(S13)。このとき、ステップS12を実行しているときのCPU22Aが上述した第1トリガ生成部24Aをなし、ステップS12でYESと判定することが、第1トリガTG1の生成に相当する。また、圧力計測処理(S13)を実行しているときのCPU22Aがデータ取得部25に相当し、圧力センサ21Aの計測結果を受け取って圧力データを生成する。
そして、圧力計測処理(S13)を実行後、カウント数がS1と一致したかを判定し(S14)、そこでYESであれば、送信処理が実行される(S15)。ここで、ステップS14を実行しているときのCPU22Aが、上記した第2トリガ生成部24Bに相当し、ステップS14でYESと判定することが、第2トリガTG2の生成に相当する。また、送信処理(S15)を実行しているときのCPU22Aがデータ取得部25とデータ送信部27に相当する。その送信処理(S15)では、データ取得部25とデータ送信部27として既に説明したように、一定期間N1毎の温度データである胃袋内温度T1と、一定期間N1に生成された複数の圧力データの平均値である胃袋内圧力P1を格納した送信データD1を生成して送信する。そして、送信処理(S15)を実行後、カウンタL1を「0」にリセットして送信制御プログラムPG1は終了する(S16)。
さて、複数の胃袋内端末20からの送信データD1は、監視端末50で受信される。具体的には、図1に示すように、胃袋内端末20からの送信データD1は、まず、複数の牛10を飼育している牛舎や牧場に設置されたゲートウェイ500で受信される。ゲートウェイ500は、中継基地局としての機能と、プロトコル変換の機能を備えている。そして、ゲートウェイ500は、胃袋内端末20からの送信データD1を汎用通信回線300を介して監視端末50に送信する。本実施形態では、1つのゲートウェイ500が1つの監視端末50に接続されているが、例えば牛舎や牧場毎にゲートウェイ500を設置し、複数のゲートウェイ500が1つの監視端末50に接続されていてもよい。
監視端末50は、サーバコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータによって構成されており、送信データD1に含まれる牛10の情報に基づいて、識別番号毎に牛10を監視し、体調等に変化や異常があった場合等に外部端末70にその情報を通知するようになっている(図1参照)。なお、監視端末50は、複数のサーバーからなるクラウドサーバーでもよい。
監視端末50は、図2に示すように、少なくとも、通信回路51と、CPU52とメモリ59を含む制御部50Aと、記憶媒体60等を有してなる。
通信回路51は、汎用通信回線300を介して胃袋内端末20からの送信データD1の受信を行うと共に、外部端末70にデータの送信を行う。
記憶媒体60は、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等で構成されており、図6に示すように、識別番号記憶部61及びプログラム記憶部62等を有する。識別番号記憶部61には、各胃袋内端末20の識別番号が格納されて、識別番号から各胃袋内端末20を特定することが可能となっている。プログラム記憶部62には、後述する分娩兆候検知プログラムPG2等が格納されている。そして、CPU52に分娩兆候検知プログラムPG2を実行させることで、監視端末50を、牛10の分娩兆候を検知する分娩兆候検知装置として機能させるようになっている。
なお、分娩兆候検知プログラムPG2は、上記構成に限られず、例えば、非一時的な記憶媒体であるCD-ROMやUSBメモリ等に記憶させておいてそれらから読み出して実行する構成でもよいし、汎用通信回線300を通じてアプリケーション等のサービスを利用して実行する構成でもよい。
CPU52は、図5に示すように、複数の胃袋内端末20から送信されてくる送信データD1を通信回路51を通して受信すると(S17でYES)、データ取込処理(S18)、疾病検知処理(S19)、分娩兆候検知処理(S20)、発情検知処理(S21)を実行し、牛10の体調に関わる異常や異変の検知を緊急度の高い順で行うようになっている。そして、CPU52は、データ取込処理を実行することで、図6のブロック図に示すデータ取込部53として機能し、分娩兆候検知処理を実行することで、図6のブロック図に示す体温低下検出部54、分娩兆候検出部57、情報送信部58等として機能する。そして、分娩兆候検知処理を実行するときに上述の分娩兆候検知プログラムPG2が実行される。本実施形態では、疾病検知処理及び発情検知処理の詳細は省略する。なお、疾病検知処理は、家畜特有の病気である鼓脹症等牛10の病気を検知する処理である。
データ取込部53は、受信した送信データD1に受信時刻を付加し、各送信データD1に含まれる胃袋内圧力P1及び胃袋内温度T1等の牛10の情報を識別番号毎に分けてバッファ53Aに蓄える。これにより、分娩兆候検知処理は識別番号毎に実行されるようになっている。
体温低下検出部54は、取得した胃袋内温度T1が、基準温度Tcより低下したか否かを判別し、低下した場合を分娩兆候としての体温低下が現れたと判別する。ここで、分娩とは、胎児が産道を経て母体外へ娩出される一連の現象をいい、陣痛の発来とともに始まり,胎児の娩出によって終わる。牛10は、一般的に、分娩が始まる前に体温が低下することが知られており、本実施形態ではこの特性を利用している。具体的には、基準温度Tcは、平常温度Ts(分娩期間より前の平常時の胃袋内温度T1)に予め定められた基準差分値αを加えた値で設定され、体温低下検出部54は、取得した胃袋内温度T1の基準温度Tcを超えた低下、言い換えると、胃袋内温度T1が平常温度Tsに対して基準差分値αを超えて低下する体温低下が基準回数を超えて連続して現れた場合に、分娩兆候としての体温低下が現れたと判別する。以下、分娩兆候としての体温低下が現れたと判別したことを「第1分娩兆候条件が成立した」ということとする。なお、基準温度Tcは、データ記憶部56に記憶されている。
平常値更新部55Aは、例えば、1時間毎に動作し、バッファ53Aから読み出した直近2週間分の胃袋内圧力P1及び胃袋内温度T1から時間帯毎の平均値を算出し、それぞれ平常圧力Ps(分娩期間より前の平常時の胃袋内圧力P1)及び平常温度Tsとして設定し、データ記憶部56に記憶させる。平常値更新部55Aが実行されるのは、第1分娩兆候条件が成立しないときである。つまり、牛10に分娩兆候としての体温低下が現れない限り毎時平常値更新部55Aが実行されて平常圧力Ps及び平常温度Tsが更新されていく。
本実施形態では、胃袋内端末20は、少なくとも分娩予定日の2週間以上前までに牛10の胃袋10S内に投入され、その後3日間は、体温低下検出部54が実行されないように設定されている。以下、胃袋内端末20が胃袋10S内に投入されて3日経過したことを、「判別実行条件が成立した」ということとする。
外気圧補正部55Bは、取得された胃袋内圧力P1と、データ記憶部56に記憶されている平常圧力Psを、外気圧の影響をキャンセルした判別用圧力値ΔP1、判別用平常圧力値ΔPsに補正する。具体的には、牛舎や牧場には、外気圧Pgを計測する図示しない圧力計が設置されていて、胃袋内圧力P1が取得される度に、外気圧Pgを圧力計にて計測して胃袋内圧力P1から差し引いた値を判別用圧力値ΔP1として設定する。同様に、平常圧力Psが更新される度に、外気圧Pgを圧力計にて計測して平常圧力Psから差し引いた値を判別用平常圧力値ΔPsとして設定する。
なお、平常圧力Psは、上述したように2週間分の平均値から算出されたものであるので、その間の外気圧の平均値Pを1気圧(1013hPa)とみなして、平常圧力Psから平均値Pを差し引いた値を判別用平常圧力値ΔPsとして設定してもよい。
分娩兆候検出部57は、第1分娩兆候条件が成立したことを条件として実行され、取得された胃袋内圧力P1の変化により分娩兆候を検出する。ここで、胎児を母体外に娩出させる力は、主に陣痛と、陣痛に伴う分娩行動(例えば、母体に腹圧(いきみ)を加える等)による。そして、本実施形態では、分娩時に、陣痛や陣痛に伴う分娩行動によって胃袋内圧力P1が上昇する特性を利用し、取得した胃袋内圧力P1が平常圧力Psよりも所定の基準を超えて上昇したときに、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたと判別する。
ここで、本実施形態では、外気圧の影響をキャンセルするために、胃袋内圧力P1と平常圧力Psを、上述した外気圧補正部55Bにて補正された判別用圧力値ΔP1、判別用平常圧力値ΔPsを用いる。分娩兆候検出部57において、判別用平常圧力値ΔPsは、第1分娩兆候条件が成立する直前に取得された平常圧力Psから算出されたものを用いる。具体的には、判別用平常圧力値ΔPsに予め定められた基準差分値F1を加えた値を圧力基準値Paとして設定し、分娩兆候検出部57は、判別用圧力値ΔP1が、圧力基準値Paより上昇した場合、即ち、判別用圧力値ΔP1が、判別用平常圧力値ΔPsに対して基準差分値F1を超えて上昇した場合に、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたと判別する。そして、このときの判別用圧力値ΔP1は比較圧力値P2として設定され、データ記憶部56に記憶される。以下、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたと判別したことを「第2分娩兆候条件が成立した」ということとする。
そして、第2分娩兆候条件成立後、分娩兆候検出部57は、判別用圧力値ΔP1が、所定の基準を超えて低下したか否かを判別し低下したときに、胎児が娩出されたと判別する。これは、胎児が娩出されると胃袋内圧力P1が低下する特性を利用している。具体的には、比較圧力値P2から予め定められた基準差分値F2を差し引いた値を圧力基準値Pbとして設定されており、分娩兆候検出部57は、判別用圧力値ΔP1が、圧力基準値Pbより低下した場合、即ち、判別用圧力値ΔP1が、比較圧力値P2に対して基準差分値F2を超えて低下した場合に、胎児が娩出されたと判別する。以下、胎児が娩出されたと判別したことを「分娩終了条件が成立した」ということとする。なお、圧力基準値Pa,Pbは、データ記憶部56に記憶されている。
基準値設定部55Cは、基準温度Tc及び圧力基準値Pa、Pbを設定する。基準温度Tcは、平常値更新部55Aにより平常温度Tsが更新される度に設定され、上述したように、平常温度Tsに基準差分値αを加えた値で設定されてデータ記憶部56に記憶される。圧力基準値Paは、第1分娩兆候条件が成立する直前に取得された平常圧力Psに基づいて設定され、上述したように、判別用平常圧力値ΔPsに基準差分値F1を加えた値で設定されてデータ記憶部56に記憶される。圧力基準値Pbは、第2分娩兆候条件が成立したときに設定され、上述したように、比較圧力値P2から基準差分値F2を差し引いた値で設定されてデータ記憶部56に記憶される。なお、判別用平常圧力値ΔPsが特許請求の範囲の「個別データ」に相当し、基準差分値F1が特許請求の範囲の「固定データ」、「固定圧力値」に相当する。
情報送信部58は、上述の第1分娩兆候条件、第2分娩兆候条件、分娩終了条件が成立する度に、その旨を外部端末70に通知する。具体的には、条件が成立したデータの送信元である識別番号に対応する胃袋内端末20を識別番号記憶部61から特定し、その胃袋内端末20と、上記条件が成立した旨の情報と、判別時刻とを含んだ送信データD2を生成して、通信回路51を介して外部端末70に通知する。
なお、外部端末70は、例えば、畜主等が所有し、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの携帯情報端末であり、監視端末50と通信可能な一般的な通信手段であればよい。外部端末70は、前述したように、監視端末50から送信データD2の通知を受信する。また、外部端末70から監視端末50にアクセスして、各牛10の分娩の経過について、例えば、胃袋内温度T1や胃袋内圧力P1の変化を自由に閲覧できるように構成されていてもよい。
以下、図7,8を参照して、監視端末50のCPU52が実行する分娩兆候検知プログラムPG2について説明する。なお、分娩兆候検知プログラムPG2の「FLG1,FLG2」はフラグであって、これらは初期状態で「0」になっている。
図7に示すように、CPU52は、分娩兆候検知プログラムPG2を実行すると、FLG1が「1」であるか否かを判別し(S31)、FLG1が「1」でなければ(S31でNO)、胃袋内端末20が胃袋10S内に投入されて3日経過したか否か(判別実行条件が成立したか否か)を判別する(S32)。そこでNOであれば、平常値更新処理(S36)を実行して分娩兆候検知プログラムPG2から抜ける。そして、判別実行条件が成立すると(S32でYES)、続いて、分娩兆候としての体温低下が現れたか否か(第1分娩兆候条件が成立したか否か)を判別する(S33)。そこでNOであれば、平常値更新処理(S36)を実行して分娩兆候検知プログラムPG2から抜ける。つまり、第1分娩兆候条件が成立しない限りは平常値更新処理(S36)が繰り返し実行されるようになっている。
一方、第1分娩兆候条件が成立すると(S33でYES)、CPU52は、FLG1を「0」から「1」に切り替える(S34)と共に、第1分娩兆候条件が成立したことを報知する第1分娩兆候報知処理(S35)を実行した後、圧力変化検出処理(S37)を実行して分娩兆候検知プログラムPG2から抜ける。即ち、第1分娩兆候条件が成立したことを条件として、圧力変化検出処理(S37)が実行されるようになっている。そして、一旦第1分娩兆候条件が成立すると(S31でYES)、分娩が終了するまでは(図8のS49参照)、圧力変化検出処理(S37)が繰り返し実行される。ここで、ステップS31~S34を実行しているときのCPU52が上述した体温低下検出部54に相当し、ステップS35を実行しているときのCPU52が上述した情報送信部58に相当し、ステップS36を実行しているときのCPU52が上述した平常値更新部55Aに相当し、ステップS37を実行しているときのCPU52が上述した分娩兆候検出部57に相当する。
平常値更新処理(S35)では、平常値更新部55Aとして既に説明したように、直近2週間分の胃袋内圧力P1及び胃袋内温度T1の平均値を算出して平常圧力Ps及び平常温度Tsとして設定する。本実施形態では、平常値更新処理(S35)は、1時間毎に実行されるが、数時間置きであってもよく、また、これらに限られない。
図8には、圧力変化検出処理(S37)のプログラムが示されている。圧力変化検出処理では、まず、CPU52がFLG2が「1」であるか否かを判別し(S41)、「1」でなければ(S41でNO)、判別用圧力値ΔP1が、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたか否か(第2分娩兆候条件が成立したか否か)を判別する(S42)。そこでNOであれば、直ちに圧力変化検出処理のプログラムから抜ける(S42でNO)。そして、第2分娩兆候条件が成立した場合には(S42でYES)、FLG2を「0」から「1」に切り替える(S43)と共に、第2分娩兆候条件が成立したことを報知する第2分娩兆候報知処理(S44)を実行後、このときの判別用圧力値ΔP1を比較圧力値P2として設定して(S45)、圧力変化検出処理のプログラムから抜ける。ここで、ステップS41~S43,S45を実行しているときのCPU52が上述した分娩兆候検出部57に相当し、ステップS44を実行しているときのCPU52が上述した情報送信部58に相当する。
そして、CPU52は、第2分娩兆候条件が成立した後は(S41でYES)、胎児が娩出されたか否か(分娩終了条件が成立したか否か)を判別する(S46)。そこでNOであれば、直ちに圧力変化検出処理のプログラムから抜ける(S46でNO)。そして、分娩終了条件が成立した場合には(S46でYES)、分娩終了条件が成立したことを報知する分娩終了報知処理(S47)を実行した後、FLG2を「1」から「0」に切り替える(S48)と共に、FLG1を「1」から「0」に切り替えて(S49)圧力変化検出処理のプログラムから抜ける。ここで、ステップS46,S48,S49を実行しているときのCPU52が上述した分娩兆候検出部57に相当し、ステップS47を実行しているときのCPU52が上述した情報送信部58に相当する。
本実施形態の分娩兆候検知システム100の構成に関する説明は以上である。本実施形態の分娩兆候検知システム100では、複数の牛10の胃袋10S内に胃袋内端末20が留置されて胃袋内端末20が取得した牛10の胃袋10S内の圧力や温度等の情報が監視端末50に無線送信される。本実施形態では、分娩時に陣痛や陣痛に伴う分娩行動によって胃袋内圧力P1が上昇する特性を利用し、監視端末50は、胃袋内圧力P1の変化に基づいて分娩兆候を検知する。このように、本実施形態では、分娩兆候を検知する胃袋内端末20が胃袋10S内に留置されるので、牛10の膣内に挿入したセンサにより分娩兆候を検知する従来の構成のように、分娩中に胃袋内端末20が体外へ抜け落ちる虞がなく、分娩の兆候を誤検知するという問題の発生を抑えることができる。また、膣内に分娩兆候を検知するセンサを挿入する場合、センサは胎児が娩出されるときに母体外へ排出されるものであり、また、センサの膣内への長期間の挿入は感染症を発症するという問題もあるため、分娩が近づいた牛10に対してその都度適切なタイミングでセンサを挿入する必要があり、畜主等に対する負担が大きく、また母体や胎児にストレスを与えるという問題もある。これに対して、本実施形態の胃袋内端末10は、膣内ではなく胃袋10S内に配置されるものであるから、分娩に関わらず胃袋10S内に常駐させておくことができ、畜主等に対する負担や、母体や胎児に対するストレスを軽減することができる。また、分娩予定のない牛10に対しても胃袋10S内に留置しておくことが可能なので、鼓脹症等の疾病の検知や発情の検知等、分娩兆候の検知以外の牛10の体調管理にも流用することができる。
また、本実施形態では、監視端末50は、複数の胃袋内端末20から胃袋10S内の情報を収集して識別番号毎に分娩兆候の検知を行い、その結果を外部端末70に通知するようになっている。これにより、複数の牛舎や牧場で飼育されている複数の牛10に対して一括して監視することが可能となる。従って、多頭の牛10の妊娠が重なっていた場合であっても、畜主等は、分娩に立ち会うために巡回やカメラ等により分娩の兆候の開始を監視し続ける必要がなくなり、想定外の早産を見逃すことをも抑制できる。従って、畜主の監視労力を軽減しつつ、分娩に立ち会えないことによる分娩事故の発生も抑制できるので、家畜生産のコストを削減し、生産性を向上させることもできる。
また、本実施形態の監視端末50では、一般的に、分娩が始まる前に牛10の体温が低下する特性を利用し、分娩兆候としての体温低下が現れたことを条件として分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇を判別する構成となっている。そして、分娩兆候としての体温低下が現れたことが外部端末70に通知されるので、畜主等は、例えば、分娩兆候としての体温低下が現れたことの通知を以て、分娩兆候の監視の開始時期が到来したと判断して牛10の元に駆け付ければ、効率的に牛10の分娩に立ち会うことができる。
そして、監視端末50は、取得した胃袋内圧力P1の上昇が分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇に相当するか否かを平常圧力Psに基づいて判別する。ここで、平常圧力Psは、牛10毎に分娩期間より前の平常時の胃袋内圧力P1の平均値により設定されるが、本実施形態では、平常圧力Psは、分娩兆候としての体温低下が現れるまでの間に取得される直近の胃袋内圧力P1に基づいて定期的に更新される構成となっている。これにより、胃袋内圧力P1の上昇が、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇に相当するか否かの判別の信頼性を向上させることができる。また、分娩兆候としての体温低下を判別する際にも、胃袋内温度T1を平常温度Tsと比較するが、その平常温度Tsについても、同様に、牛10毎に分娩期間より前の平常時の胃袋内温度T1の平均値により設定され、定期的に更新されていくので、分娩兆候としての体温低下か否かの判別の信頼性を向上させることができる。さらに、本実施形態では、外気圧の影響をキャンセルした補正値判別用圧力値ΔP1、判別用平常圧力値ΔPsを用いて判別を行うので、より一層判別の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、胎児が娩出されると胃袋内圧力P1が低下する特性を利用して、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じた後、胎児の娩出に相当する圧力低下があった場合に、胎児が娩出したと判別する構成となっている。これにより、出生時刻をおおよそ特定することができ、例えば、分娩後の子牛の授乳の管理の目安等に利用することができる。
さらに、本実施形態では、胃袋内端末20は、圧力センサ21Aから10[秒]毎に計測結果を取得するが、それらのデータを取得する度に監視端末50に無線送信するのではなく、無線送信の間隔を10[分]に1回とすることで胃袋内端末20の電力消費を抑えることが可能になる。しかも、10[分]毎にその間の全てのデータを送信するのではなく、それらの平均値を送信するのでデータ量も少なく、一層胃袋内端末20の電力消費を抑えることが可能になる。さらに、無線送信の間隔は10[分]間隔ではあるが、圧力センサ21Aの計測間隔は、10[秒]毎と短く設定されているので、陣痛や陣痛に伴う分娩行動を見逃す虞も軽減することができる。
[第2実施形態]
本実施形態では、監視端末50の外気圧補正部55Bが、取得された胃袋内圧力P1及び平常圧力Psを補正するのではなく、予め設定されている基準差分値F1,F2を補正するところが前記第1実施形態と異なる。以下、本実施形態の監視端末50について第1実施形態の監視端末50と異なる構成に関してのみ説明する。
外気圧補正部55Bは、第1分娩兆候条件が成立した後に実行され、図9に示すように、外気圧Pgを取得し(S50)、外気圧Pgの平均値Pを1気圧とみなして、外気圧Pgから平均値Pを差し引いた値を差分補正値ΔPfとして設定する(S51)。そして、ステップS52により、基準差分値F1,F2は、予め設定されている基準差分値F1,F2から差分補正値ΔPfが差し引かれた値に補正される。
そして、本実施形態では、分娩兆候検出部57において、胃袋内圧力P1と平常圧力Psとの差分が基準差分値F1を超えて上昇した場合に、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたと判別される。そして、このときの胃袋内圧力P1を比較圧力値P2として設定され、続いて、取得した胃袋内圧力P1と比較圧力値P2との差分が基準差分値F2を超えて低下した場合に、胎児が娩出されたと判別される。
この構成によっても、外気圧Pgの影響をキャンセルして胃袋内圧力P1の変化を平常圧力Psに基づいて判別することができ、胃袋内圧力P1の上昇が、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇に相当するか否かの判別の信頼性を向上させることができる。
[第3実施形態]
本実施形態では、監視端末50の分娩兆候検出部57が、第2分娩兆候条件成立後、分娩終了条件が成立する前での間に、第3分娩兆候条件が成立したか否かを判別するところが前記第1実施形態と異なる。以下、本実施形態の監視端末50について第1実施形態の監視端末50と異なる構成に関してのみ説明する。
分娩兆候検出部57は、第2分娩兆候条件成立後、取得した胃袋内圧力P1の判別用圧力値ΔP1が、所定の基準を超えてさらに上昇したときに、胎児の娩出が間近であると判別する。これは、分娩が進むと陣痛の間隔が短くなっていく特性と、胃袋内圧力P1が一定期間N1の間に圧力センサ21Aにより計測された複数の圧力データの平均値であることから、分娩が進むと判別用圧力値ΔP1が徐々に上昇していく特性を利用している。具体的には、比較圧力値P2に予め定められた基準差分値F3を加えた値を圧力基準値Pcとして設定されており、分娩兆候検出部57は、判別用圧力値ΔP1が圧力基準値Pcより上昇した場合、即ち、判別用圧力値ΔP1が、比較圧力値P2に対して基準差分値F3を超えて上昇した場合に、胎児の娩出が間近であると判別する。以下、胎児の娩出が間近であると判別したことを「第3分娩兆候条件が成立した」ということとする。また、第3分娩兆候条件が成立した旨は外部端末70に通知される。これにより、畜主等は、より一層効率的に牛10の分娩に立ち会うことができる。
図10には、圧力変化検出処理のプログラムが示されている。まず、CPU52は、FLG3とFLG2が「1」でなければ(S53及びS41でNO)、ステップS42で第2分娩兆候条件が成立したか否かを判別し、そこでNOであれば、直ちに圧力変化検出処理のプログラムから抜ける(S42でNO)。一方、第2分娩兆候条件が成立した場合には(S42でYES)、FLG2を「0」から「1」に切り替える(S43)と共に、第2分娩兆候条件が成立したことを報知する第2分娩兆候報知処理(S44)を実行後、このときの判別用圧力値ΔP1を比較圧力値P2として設定して(S45)、圧力変化検出処理のプログラムから抜ける。
そして、CPU52は、第2分娩兆候条件が成立した後は(S41でYES)、胎児の娩出が間近であるか否か(第3分娩兆候条件が成立したか否か)を判別する(S54)。そこでNOであれば、直ちに圧力変化検出処理のプログラムから抜ける(S54でNO)。そして、第3分娩兆候条件が成立した場合には(S54でYES)、FLG3を「0」から「1」に切り替える(S55)と共に、第3分娩兆候条件が成立したことを報知する第3分娩兆候報知処理(S56)を実行して圧力変化検出処理のプログラムから抜ける。
そして、CPU52は、第3分娩兆候条件が成立した後は(S53でYES)、分娩終了条件が成立したか否かを判別する(S46)。そこでNOであれば、直ちに圧力変化検出処理のプログラムから抜ける(S46でNO)。そして、分娩終了条件が成立した場合には(S46でYES)、分娩終了条件が成立したことを報知する分娩終了報知処理(S47)を実行した後、FLG3を「1」から「0」に切り替え(S57)、FLG2を「1」から「0」に切り替え(S48)、FLG1を「1」から「0」に切り替えて(S49)圧力変化検出処理のプログラムから抜ける。ここで、ステップS53,S54,S55,S57を実行しているときのCPU52が上述した分娩兆候検出部57に相当し、ステップS56を実行しているときのCPU52が上述した情報送信部58に相当する。
[他の実施形態]
(1)前記実施形態の監視端末50は、分娩兆候検出部57において、胃袋内圧力P1の変化を判別する際に、胃袋内圧力P1及び平常圧力Psの値として、外気圧Pgの影響をキャンセルした補正値を用いていたが、外気圧Pgの影響を補正しないで判別を行ってもよい。
(2)前記実施形態の監視端末50は、分娩兆候検出部57において、胃袋内圧力P1の上昇が分娩兆候としての圧力上昇に相当するか否かを判別する際に、胃袋内圧力P1との比較に用いる平常圧力Psは、直近の平常時の2週間分の胃袋内圧力P1の平均値であったが、直近の平常時の2週間未満或いは2週間分以上の胃袋内圧力P1の平均値であってもよいし、また、過去の複数の胃袋内圧力P1に基づいて予め定められ、更新されない構成であってもよい。また、平常圧力Psは、牛10毎に設定されていたが、牛10の個体差を無視した固定値であってもよい。
(3)前記実施形態の監視端末50において、基準差分値F1,F2及び基準差分値αは、全牛10共通で予め定められていたが、牛10毎に設定されてもよい。例えば、基準差分値F1は、平常時の胃袋内圧力P1の平均値から取得した標準偏差σに基づいて、3σと設定し、圧力基準値Paを平常時の胃袋内圧力P1の平均値に3σを加えた値としてもよい。同様に、基準差分値F2及び基準差分値αにおいても、平常時の平均値から取得した標準偏差σに基づいて設定してもよい。
(4)前記実施形態の監視端末50は、分娩兆候検出部57において、胃袋内圧力P1の上昇が分娩兆候としての圧力上昇に相当するか否かを、平常圧力Psと比較して判別する構成であったが、胃袋内端末20から連続して取得した胃袋内圧力P1同士を比較し、後に取得した胃袋内圧力P1が、先に取得した胃袋内圧力P1よりも基準差分値F1を超えたか否かにより第2分娩兆候条件が成立したか否かを判別する構成であってもよい。
(5)前記実施形態の監視端末50は、分娩兆候検出部57において、分娩兆候としての圧力上昇に相当する胃袋内圧力P1の上昇が一回あれば、第2分娩兆候条件が成立したと判別される構成であったが、胃袋内圧力P1の上昇が基準回数を超えて連続して現れたときに、分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたと判別される構成であってもよい。ここで、分娩兆候がない牛10であっても、横臥の姿勢になったときに胃袋内圧力P1が上昇することがあるため、胃袋内圧力P1の上昇の連続回数が予め設定された基準回数を超えたときに分娩兆候としての胃袋内圧力P1の上昇が生じたと判別する構成とすれば、分娩の兆候とは関係なく、寝転んだりしたときの胃袋内圧力P1の上昇を分娩の兆候と区別することができる。
基準回数は、例えば、牛10毎に設定し、平常時に予め定められた基準値を連続して超える回数を算出し、その平均値から取得した標準偏差σに基づいて設定してもよい。
また、分娩兆候検出部57は、圧力基準値Paを超える胃袋内圧力P1の上昇の発生頻度が基準回数を超えた場合に、第2分娩兆候条件が成立したと判別する構成であってもよい。この場合、例えば、一定期間N1に取得される複数の圧力データのうち所定の閾値を超えたデータ数をカウントしてそのカウント数により判別する構成としてもよいし、一定期間N1を短くして、即ち、胃袋内圧力P1の取得間隔を短くして胃袋内圧力P1の上昇の発生頻度を判別する構成としてもよい。
また、体温低下検出部54において、胃袋内温度T1が平常温度Tsに対して基準差分値αを超えて低下する体温低下が基準回数を超えて連続して現れた場合に、分娩兆候としての体温低下が現れたと判別するが、この場合も、基準差分値αを超えて低下する体温低下の発生頻度が基準回数を超えた場合に、第2分娩兆候条件が成立したと判別する構成であってもよい。
(6)前記実施形態の監視端末50は、平常値更新部55Aが実行されるのは、第1分娩兆候条件が成立しないときであり、第1分娩兆候条件が成立すると、平常温度Tsが更新されない構成であったが、第1分娩兆候条件が成立した後も、平常値更新部55Aが実行され、平常温度Tsが更新される構成であってもよい。この構成によれば、第1分娩兆候条件の成立が誤りであった場合を検出することができる。
(7)前記実施形態の監視端末50では、体温低下検出部54を備えて、牛10に分娩兆候としての体温低下が現れたことを条件として分娩兆候検出部57が胃袋内圧力P1の変化を判別する構成であったが、体温低下検出部54を備えず、胃袋内圧力P1の変化のみで分娩兆候を検出する構成であってもよい。
(8)監視端末50は、分娩兆候の監視対象となっている牛10と監視対象ではない牛10とを予め識別し、複数の胃袋内端末20から送信されてくる送信データD2に対して、分娩兆候の監視対象となっている牛10については分娩兆候検知処理を実行し、監視対象となっていない牛10については分娩兆候検知処理を実行せず、疾病検知処理、発情検知処理だけを実行するようにしてもよい。
(9)前記実施形態の監視端末50では、第1分娩兆候条件、第2分娩兆候条件、第3分娩兆候条件、分娩終了条件が成立したときに、その旨を外部端末70に通知する構成であったが、例えば、分娩が始まる前から、又は、第1分娩兆候条件が成立した後から、胃袋内圧力P1や胃袋内温度T1の変化等牛10の分娩の経過を定期的に通知する構成であってもよい。
(10)前記実施形態では、胃袋内端末20を牛10の胃袋10Sに留置する構成であったが、他の動物の胃袋10S内に留置してもよい。
(11)前記実施形態では、胃袋内端末20では、一定期間N1の間に取得した複数の圧力データの平均値を胃袋内圧力P1として監視端末50に無線送信する構成であったが、複数の圧力データの最大値や中央値等を胃袋内圧力P1としてもよいし、またこれらに限られない。また、平均値と最大値の両方を無線送信する構成であってもよい。
また、胃袋内端末20は、一定期間N1の間に取得した複数の圧力データのうち、連続して計測された圧力データ同士の間の変化が最も大きくなるときの圧力データの大きい方を胃袋内圧力として無線送信する構成であってもよいし、一定期間N1の間に取得した複数の圧力データのうち、最大値と最小値の差分の絶対値を胃袋内圧力として無線送信する構成であってもよい。
また、胃袋内端末20は、連続して計測された圧力データ同士の間の増圧量又は減圧量の何れか一方の累積値を算出して無線送信し、監視端末50は、その累積値が予め定められた固定圧力値を超えたことに基づいて分娩兆候を判別する構成であってもよい。
(12)前記実施形態では、胃袋内端末20では、一定期間N1の間に複数の圧力データを取得し、その間に取得した複数の圧力データの平均値を胃袋内圧力P1として監視端末50に無線送信する構成であったが、取得した全ての圧力データを一定期間N1毎に送信する構成であってもよいし、また、圧力データを取得する度に送信する構成であってもよい。
また、胃袋内端末20は、一定期間N1毎に取得した温度データを胃袋内温度T1として送信する構成であったが、一定期間N1の間に複数回取得して、それらの平均値、最大値や中央値等を胃袋内温度T1として送信する構成であってもよいし、取得した全ての圧温度データを一定期間N1毎に送信する構成であってもよい。
また、前記実施形態では、所定の間隔として10[秒]毎に圧力データを取得し、一定期間N1として10[分]毎に無線送信していたが、所定の間隔や一定期間N1の長さはこれらに限られない。また、胃袋内端末20を外部から操作可能にして、分娩兆候の監視対象の牛10と監視対象ではない牛10とで圧力データの取得のタイミングを切り替え可能に構成してもよい。この場合、例えば、分娩兆候の監視対象ではない牛10に対しては、圧力データの取得間隔を10[秒]より長く設定し、分娩兆候の監視対象となった場合に圧力データの取得間隔を10[秒]に設定されるようにしてもよい。また、無線送信のタイミングも分娩兆候の監視対象の牛10と監視対象ではない牛10とで切り替え可能に構成してもよい。
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
本願出願には、後述する複数の特徴が含まれている。なお、これら特徴の記載においてカッコ内の数字は、上記実施形態において対応する符号である。
[特徴1]
動物(10)の胃袋(10S)内に配置される圧力センサ(21A)にて計測される胃袋内圧力(P1)の情報を取得し、前記情報に基づいて前記動物(10)の分娩兆候を検知する分娩兆候検出部(57)を有する分娩兆候検知装置(50)である。
特徴1によれば、分娩兆候を検知する圧力センサ(21A)を胃袋(10S)内に配置する分娩兆候検出部(57)を有するので、分娩中に圧力センサ(21A)が動物(10)の体外へ抜け落ちる虞がなく、分娩の兆候を誤検知するという問題の発生を抑えることができる。
[特徴2]
前記動物(10)の胃袋(10S)内に配置される温度センサ(21B)にて計測される胃袋内温度(T1)の情報を取得し、前記胃袋内温度(T1)が予め定められた基準温度(Tc)より下がった体温低下を分娩兆候の1つとして検出する体温低下検出部(54)を備え、
前記分娩兆候検出部(57)は、前記体温低下が検出されたことを条件として作動する特徴1に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴2の分娩兆候検知装置(50)では、一般的に、分娩が始まる前に動物(10)の体温が低下する特性を利用し、分娩兆候としての体温低下が現れたことを条件として分娩兆候検出部(57)が胃袋内圧力(P1)の変化を検出するので、分娩兆候検出部(57)による分娩兆候の検出を効率的に行うことができる。
[特徴3]
外気圧(Pg)の情報を取得して、前記外気圧(Pg)の変動分が前記胃袋内圧力(P1)から取り除かれるように補正する外気圧補正部(55B)を備える特徴1又は2に記載の分娩兆候検知装置(50)。である。
特徴3によれば、胃袋内圧力(P1)から外気圧(Pg)の変動分が取り除かれるように補正されるので分娩兆候の検出の信頼性を向上させることができる。
[特徴4]
前記分娩兆候検出部(57)は、前記胃袋内圧力(P1)と予め定められた圧力基準値(Pa,Pb,Pc)とを比較して前記胃袋内圧力(P1)の変化を前記分娩兆候の1つとして検出する特徴1から3の何れか1の特徴に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴4のように、胃袋内圧力(P1)を予め定められた圧力基準値(Pa,Pb,Pc)とを比較して胃袋内圧力(P1)の変化を分娩兆候の1つとして検出してもよい。
[特徴5]
分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の前記胃袋内圧力(P1)の個別データ(ΔPs)と、予め定められた固定データ(F1)とを記憶するデータ記憶部(56)と、
前記個別データ(ΔPs)と前記固定データ(F1)とから前記動物(10)の個体毎の前記圧力基準値(Pa)を設定する基準値設定部(55C)と、を備える特徴4に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
[特徴6]
前記個別データ(ΔPs)は、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の平均の前記胃袋内圧力(P1)のデータであり、
前記基準値設定部(55C)は、前記固定データである固定圧力値(F1)を前記個別データ(ΔPs)の前記胃袋内圧力に加えた値として前記圧力基準値(Pa)を設定する特徴5に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
[特徴7]
前記個別データは、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の前記胃袋内圧力(P1)の平均値と標準偏差(σ)であり、
前記基準値設定部(55C)は、前記固定データである定数を前記標準偏差(σ)に乗じて前記平均値に加えた値として前記圧力基準値(Pa)を設定する特徴5に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴5~7のように、圧力基準値は、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の前記胃袋内圧力(P1)の個別データと、予め定められた固定データとで設定してもよい。例えば、特徴6のように、個別データ(ΔPs)を、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の平均の前記胃袋内圧力(P1)のデータとして、圧力基準値(Pa)を、個別データ(ΔPs)に固定データである固定圧力値(F1)を加えた値としてもよいし、特徴7のように、個別データを、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の前記胃袋内圧力(P1)の平均値と標準偏差(σ)として、圧力基準値(Pa)を、胃袋内圧力(P1)の平均値に固定データである定数を前記標準偏差(σ)に乗じて加えた値としてもよい。
[特徴8]
前記分娩兆候検出部(57)は、前記胃袋内圧力(P1)が前記圧力基準値(Pa)を超えて大きくなったことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する特徴4から7の何れか1の特徴に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴8の分娩兆候検知装置(50)では、陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う動物(10)の分娩行動により胃袋内圧力(P1)が上昇する特性を利用して分娩兆候の1つとして検出する。
[特徴9]
前記分娩兆候検出部(57)は、前記圧力基準値を超える前記胃袋内圧力(P1)のピークの発生頻度が基準回数を超えたことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する特徴4から7の何れか1の特徴に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴9の分娩兆候検知装置(50)では、陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う動物(10)の分娩行動により胃袋内圧力(P1)の上昇の発生頻度が増えることを利用して分娩兆候の1つとして検出する。
[特徴10]
前記分娩兆候検出部(57)は、前記圧力基準値(Pa)を超える前記胃袋内圧力(P1)の上昇が基準回数を超えて連続したことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する特徴4から7の何れか1の特徴に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴10の分娩兆候検知装置(50)では、陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う動物(10)の分娩行動により胃袋内圧力(P1)の上昇が定期的に生じることを利用して分娩兆候の1つとして検出する。
[特徴11]
前記分娩兆候検出部(57)は、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士を比較し、その変化を前記分娩兆候の1つとして検出する特徴1から3の何れか1の特徴に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
特徴11のように、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の比較により分娩兆候を検出してもよい。
[特徴12]
前記分娩兆候検出部(57)は、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の間の変化が予め定められた固定圧力値を超えて大きくなったことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する特徴11に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
[特徴13]
前記分娩兆候検出部(57)は、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の間の増圧量又は減圧量の何れか一方の累積値が、予め定められた固定圧力値を超えたことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する特徴11に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動の検出は、特徴12のように、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の間の変化が予め定められた固定圧力値を超えて大きくなったことに基づいてもよいし、特徴13のように、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の間の増圧量又は減圧量の何れか一方の累積値が、予め定められた固定圧力値を超えたことに基づいてもよい。
[特徴14]
特徴1~13に記載の分娩兆候検知装置(50)と、
複数の前記動物(10)の胃袋(10S)内に配置されかつ前記圧力センサ(21A)を有して、前記胃袋内圧力(P1)の情報を前記分娩兆候検知装置(50)に無線送信する複数の胃袋内端末(20)と、を備え、
前記分娩兆候検知装置(50)には、検知した前記分娩兆候に関する情報を、通信ネットワーク(101)を介して外部端末(70)に送信する情報送信部(58)が備えられている分娩兆候検知システムである。
特徴14によれば、分娩兆候検知装置(50)は、複数の胃袋内端末(20)から胃袋(10S)内の情報を収集して分娩兆候の検出を行い、その結果を外部端末(70)に通知することができる。これにより、複数の牛舎や牧場で飼育されている複数の動物(10)に対して一括して監視することが可能となる。
[特徴15]
前記胃袋内端末(20)は、前記圧力センサ(21A)により第1の周期で前記胃袋内圧力(P1)を計測し、その複数周期分の計測結果に基づく前記胃袋内圧力(P1)の情報を、前記第1の周期よりも長い第2の周期(N1)で無線送信する特徴14に記載の分娩兆候検知システムである。
特徴15によれば、圧力センサ(21A)の計測間隔よりも無線送信の間隔を長くしているので、胃袋内端末(20)の電力消費を抑えることが可能になる。また、無線送信の間隔よりも圧力センサ(21A)の計測間隔を短くすることでは、胃袋内圧力(P1)の変化を見逃す虞も軽減することができる。
[特徴16]
前記胃袋内端末(20)は、前記第1の周期の前記複数周期分の計測結果の平均値、最大値又は中間値を前記胃袋内圧力(P1)の情報として無線送信する特徴15に記載の分娩兆候検知システムである。
特徴16によれば、複数取得した計測結果の平均値、最大値又は中間値を送信するのでデータ量も少なく、一層胃袋内端末(20)の電力消費を抑えることが可能になる。
[特徴17]
前記胃袋内端末(20)は、前記第1の周期の前記複数周期分の計測結果のうち、連続する前記計測結果同士の間の変化が最も大きくなるときの前記計測結果の大きい方を前記胃袋内圧力(P1)の情報として無線送信する特徴15に記載の分娩兆候検知システムである。
[特徴18]
前記胃袋内端末(20)は、前記第1の周期の前記複数周期分の計測結果のうち、最大値と最小値の差分の絶対値を前記胃袋内圧力(P1)の情報として無線送信する特徴15に記載の分娩兆候検知システムである。
胃袋内圧力(P1)の情報として、特徴17のように、複数取得した計測結果のうち、連続する計測結果同士の間の変化が最も大きくなるときの計測結果の大きい方を無線送信してもよいし、特徴18のように、複数取得した計測結果のうち、最大値と最小値の差分の絶対値を無線送信してもよい。
[特徴19]
コンピュータ(50)を、
特徴1~13に記載の分娩兆候検知装置(50)として機能させる分娩兆候検知プログラム(PG2)である。
[特徴20]
特徴19の分娩兆候検知プログラム(PG2)を記憶する記憶媒体(60)である。
分娩兆候検知プログラム(PG2)は、特徴20のように、記憶媒体(60)に記憶されていてもよいし、例えば、ROMやUSBメモリ等に記憶させておいてそれらから読み出して実行する構成でもよいし、汎用通信回線(300)を通じてアプリケーション等のサービスを利用して実行する構成でもよい。
[特徴21]
動物(10)の胃袋(10S)内に配置される圧力センサ(21A)にて計測される胃袋内圧力(P1)の情報を取得し、前記情報に基づいて前記動物(10)の分娩兆候を検知する分娩兆候検知方法である。
[特徴22]
前記胃袋内圧力(P1)と予め定められた圧力基準値(Pa,Pb,Pc)とを比較して前記胃袋内圧力(P1)の変化を前記分娩兆候の1つとして検出する特徴21に記載の分娩兆候検知方法である。
[特徴23]
前記動物(10)の胃袋(10S)内に配置される温度センサ(21B)にて計測される胃袋内温度(T1)の情報を取得し、前記胃袋内温度(T1)が予め定められた基準温度(Tc)より下がった体温低下を分娩兆候の1つとして検出し、
前記体温低下が検出されたことを条件として前記胃袋内圧力(P1)の変化を検出する特徴21に記載の分娩兆候検知方法である。
[特徴24]
連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士を比較し、その変化を前記分娩兆候の1つとして検出する特徴21に記載の分娩兆候検知装置(50)である。
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
10 牛(動物)
10S 胃袋
20 胃袋内端末
21A 圧力センサ
21B 温度センサ
50 監視端末(分娩兆候検知装置、コンピュータ)
54 体温低下検出部
55B 外気圧補正部
55C 基準値設定部
56 データ記憶部
57 分娩兆候検出部
58 情報送信部
60 記憶媒体
70 外部端末
101 通信ネットワーク
F1 基準差分値(固定データ、固定圧力値)
F2,F3 基準差分値
N1 一定期間(第2の周期)
P1 胃袋内圧力
Pa,Pb,Pc 圧力基準値
Pg 外気圧
ΔPs 判別用平常圧力値(個別データ)
T1 胃袋内温度
Tc 基準温度
σ 標準偏差
PG2 分娩兆候検知プログラム

Claims (24)

  1. 動物(10)の胃袋(10S)内に配置される圧力センサ(21A)にて計測される胃袋内圧力(P1)の情報を取得し、前記情報に基づいて前記動物(10)の分娩兆候を検知する分娩兆候検出部(57)を有する分娩兆候検知装置(50)。
  2. 前記動物(10)の胃袋(10S)内に配置される温度センサ(21B)にて計測される胃袋内温度(T1)の情報を取得し、前記胃袋内温度(T1)が予め定められた基準温度(Tc)より下がった体温低下を分娩兆候の1つとして検出する体温低下検出部(54)を備え、
    前記分娩兆候検出部(57)は、前記体温低下が検出されたことを条件として作動する請求項1に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  3. 外気圧(Pg)の情報を取得して、前記外気圧(Pg)の変動分が前記胃袋内圧力(P1)から取り除かれるように補正する外気圧補正部(55B)を備える請求項1に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  4. 前記分娩兆候検出部(57)は、前記胃袋内圧力(P1)と予め定められた圧力基準値(Pa,Pb,Pc)とを比較して前記胃袋内圧力(P1)の変化を前記分娩兆候の1つとして検出する請求項1に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  5. 分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の前記胃袋内圧力(P1)の個別データ(ΔPs)と、予め定められた固定データ(F1)とを記憶するデータ記憶部(56)と、
    前記個別データ(ΔPs)と前記固定データ(F1)とから前記動物(10)の個体毎の前記圧力基準値(Pa)を設定する基準値設定部(55C)と、を備える請求項4に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  6. 前記個別データ(ΔPs)は、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の平均の前記胃袋内圧力(P1)のデータであり、
    前記基準値設定部(55C)は、前記固定データである固定圧力値(F1)を前記個別データ(ΔPs)の前記胃袋内圧力に加えた値として前記圧力基準値(Pa)を設定する請求項5に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  7. 前記個別データは、分娩期間より前の前記動物(10)の個体毎の前記胃袋内圧力(P1)の平均値と標準偏差(σ)であり、
    前記基準値設定部(55C)は、前記固定データである定数を前記標準偏差(σ)に乗じて前記平均値に加えた値として前記圧力基準値(Pa)を設定する請求項5に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  8. 前記分娩兆候検出部(57)は、前記胃袋内圧力(P1)が前記圧力基準値(Pa)を超えて大きくなったことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する請求項4に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  9. 前記分娩兆候検出部(57)は、前記圧力基準値を超える前記胃袋内圧力(P1)のピークの発生頻度が基準回数を超えたことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する請求項4に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  10. 前記分娩兆候検出部(57)は、前記圧力基準値(Pa)を超える前記胃袋内圧力(P1)の上昇が基準回数を超えて連続したことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する請求項4に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  11. 前記分娩兆候検出部(57)は、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士を比較し、その変化を前記分娩兆候の1つとして検出する請求項1に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  12. 前記分娩兆候検出部(57)は、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の間の変化が予め定められた固定圧力値を超えて大きくなったことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する請求項11に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  13. 前記分娩兆候検出部(57)は、連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士の間の増圧量又は減圧量の何れか一方の累積値が、予め定められた固定圧力値を超えたことに基づいて陣痛の発来又は陣痛の発来に伴う前記動物(10)の分娩行動を検出する請求項11に記載の分娩兆候検知装置(50)。
  14. 請求項1~13に記載の分娩兆候検知装置(50)と、
    複数の前記動物(10)の胃袋(10S)内に配置されかつ前記圧力センサ(21A)を有して、前記胃袋内圧力(P1)の情報を前記分娩兆候検知装置(50)に無線送信する複数の胃袋内端末(20)と、を備え、
    前記分娩兆候検知装置(50)には、検知した前記分娩兆候に関する情報を、通信ネットワーク(101)を介して外部端末(70)に送信する情報送信部(58)が備えられている分娩兆候検知システム。
  15. 前記胃袋内端末(20)は、前記圧力センサ(21A)により第1の周期で前記胃袋内圧力(P1)を計測し、その複数周期分の計測結果に基づく前記胃袋内圧力(P1)の情報を、前記第1の周期よりも長い第2の周期(N1)で無線送信する請求項14に記載の分娩兆候検知システム。
  16. 前記胃袋内端末(20)は、前記第1の周期の前記複数周期分の計測結果の平均値、最大値又は中間値を前記胃袋内圧力(P1)の情報として無線送信する請求項15に記載の分娩兆候検知システム。
  17. 前記胃袋内端末(20)は、前記第1の周期の前記複数周期分の計測結果のうち、連続する前記計測結果同士の間の変化が最も大きくなるときの前記計測結果の大きい方を前記胃袋内圧力(P1)の情報として無線送信する請求項15に記載の分娩兆候検知システム。
  18. 前記胃袋内端末(20)は、前記第1の周期の前記複数周期分の計測結果のうち、最大値と最小値の差分の絶対値を前記胃袋内圧力(P1)の情報として無線送信する請求項15に記載の分娩兆候検知システム。
  19. コンピュータ(50)を、
    請求項1~13に記載の分娩兆候検知装置(50)として機能させる分娩兆候検知プログラム。
  20. 請求項19の分娩兆候検知プログラム(PG2)を記憶する記憶媒体(60)。
  21. 動物(10)の胃袋(10S)内に配置される圧力センサ(21A)にて計測される胃袋内圧力(P1)の情報を取得し、前記情報に基づいて前記動物(10)の分娩兆候を検知する分娩兆候検知方法。
  22. 前記胃袋内圧力(P1)と予め定められた圧力基準値(Pa,Pb,Pc)とを比較して前記胃袋内圧力(P1)の変化を前記分娩兆候の1つとして検出する請求項21に記載の分娩兆候検知方法。
  23. 前記動物(10)の胃袋(10S)内に配置される温度センサ(21B)にて計測される胃袋内温度(T1)の情報を取得し、前記胃袋内温度(T1)が予め定められた基準温度(Tc)より下がった体温低下を分娩兆候の1つとして検出し、
    前記体温低下が検出されたことを条件として前記胃袋内圧力(P1)の変化を検出する請求項21に記載の分娩兆候検知方法。
  24. 連続して取得した前記胃袋内圧力(P1)同士を比較し、その変化を前記分娩兆候の1つとして検出する請求項21に記載の分娩兆候検知方法。
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