JP2024036967A - 展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース - Google Patents

展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース Download PDF

Info

Publication number
JP2024036967A
JP2024036967A JP2022141549A JP2022141549A JP2024036967A JP 2024036967 A JP2024036967 A JP 2024036967A JP 2022141549 A JP2022141549 A JP 2022141549A JP 2022141549 A JP2022141549 A JP 2022141549A JP 2024036967 A JP2024036967 A JP 2024036967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
humidity control
failure sign
humidity
control system
failure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022141549A
Other languages
English (en)
Inventor
正 澤田
Tadashi Sawada
勉 河西
Tsutomu Kasai
康次 堤
Koji Tsutsumi
勇 石橋
Isamu Ishibashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Itoki Corp
Original Assignee
Itoki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Itoki Corp filed Critical Itoki Corp
Priority to JP2022141549A priority Critical patent/JP2024036967A/ja
Publication of JP2024036967A publication Critical patent/JP2024036967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Freezers Or Refrigerated Showcases (AREA)

Abstract

【課題】展示ケースにおける調湿システムの故障予兆を検出することを目的とする。【解決手段】展示ケース故障予兆検出装置40は、展示品を内部に収容して展示可能な展示室12を備える展示ケース10において、展示室内の湿度を調整する調湿システム20に関する状態を取得する調湿状態取得部41と、調湿状態取得部の出力に基づいて、調湿システムに関する故障予兆の有無を判定する判定部42と、判定部の判定結果に応じた処理を行う制御部44と、を備える。【選択図】図2

Description

この開示は、美術館や博物館に設置される展示ケースの故障予兆を検出する技術に関する。
特許文献1は、調湿ユニットを備える展示ケースを開示している。調湿ユニットは、展示室内に送られる気体に対して、タンクから送られる水分により給湿するか又は除湿してタンクに水分を送るフィルタ部を備えている。展示ケースは、展示室と調湿ユニットとの間で空気を循環させるためのコンプレッサ、タンク内の水分をフィルタに送るポンプ等を備えている。
特開2022-26257号公報
特許文献1に開示の展示ケースによると、展示室内の空気が展示品の保管に適した湿度に調整されるため、展示品の劣化が抑制される。
しかしながら、調湿ユニットが故障してしまった場合には、故障箇所の特定、故障修理のために必要となる部品の手配及び入手等に時間を要してしまう可能性がある。すると、展示ケースは、展示品の保管に適した湿度を提供できる状態に直ぐに復帰できない可能性がある。この点、美術館や博物館における展示ケース内に収容される展示品については、湿度管理を良好に保ち展示品の劣化や損傷を抑制することが特に要請される。
このため、上記のような状態を回避するために、調湿を行うためのシステムの故障を未然に回避することが望まれる。
そこで、本開示は、展示ケースにおける調湿システムの故障予兆を検出することを目的とする。
上記課題を解決するため、展示ケース故障予兆検出装置は、展示品を内部に収容して展示可能な展示室を備える展示ケースにおいて、前記展示室内の湿度を調整する調湿システムに関する状態を取得する調湿状態取得部と、前記調湿状態取得部の出力に基づいて、前記調湿システムに関する故障予兆の有無を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じた処理を行う制御部と、を備える。
この展示ケース故障予兆検出装置によると、展示ケースにおける調湿システムの故障予兆を検出できる。
実施形態に係る展示ケースを示す斜視図である。 調湿システムを示すブロック図である。 判定部及び故障予兆制御部の処理例を示すフローチャートである。 機械学習装置の様子を概念的に示す説明図である。 状態データに学習済モデルを適用した様子を概念的に示す説明図である。 変形例に係る判定部及び故障予兆制御部の処理例を示すフローチャートである。
以下、実施形態に係る展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケースについて説明する。
<展示ケースの全体構成について>
展示ケースの全体構成について説明する。図1は展示ケース10を示す斜視図である。
展示ケース10は、美術館又は博物館において、展示品を展示するためのケースである。展示品としては、例えば、美術品、工芸品又は貴重な資料であることが想定される。
展示ケース10は、展示室12を備える。展示室12は、周りに対して仕切られた空間を有する室である。展示品が展示室12内に収容されて展示される。展示室12の仕切のうちの少なくとも一部は透明である。当該透明部分を介して展示室12外から展示品が観察され得る。
例えば、展示室12は、サイドパネル13と、天井部14と、底部15とを備える箱状に形成されている。サイドパネル13は、ガラス板又はアクリル樹脂板等の透明板によって構成される。例えば、4つのサイドパネル13が方形状の展示空間を形成するように組立てられる。天井部14が4つのサイドパネル13の上方開口を塞ぐ。底部15が4つのサイドパネル13の下方開口を塞ぐ。これにより、周囲4方及び上下が仕切られた展示空間が形成される。
4つのサイドパネル13の一部は不透明であってもよい。天井部14及び底部15は透明であってもよいし、不透明であってもよい。サイドパネル13と、天井部14と、底部15とのうちの少なくとも一部が透明であればよい。
展示室12は気密室であることが好ましい。例えば、サイドパネル13と天井部14と底部15との各間にシリコーン樹脂等のコーキング材が充填されることで、サイドパネル13と天井部14と底部15との隙間を気体が通過しないように構成される。これにより、展示室12内の展示空間内の気体が外部に漏れること、及び、外部の空気が展示空間内に侵入することが抑制される。
上記サイドパネル13のうちの少なくとも1つ、天井部14及び底部15のいずれかは、開閉可能な扉であってもよい。例えば、1つのサイドパネル13が扉としてヒンジを介して開閉可能とされていてもよい。また、1つのサイドパネル13が引戸式の扉として開閉可能とされていてもよい。この場合、開閉可能な扉が閉じられた状態で、当該扉がゴム等の弾性材で形成されたシール部分に接触して、展示室12が気密状態に保たれるとよい。
展示室12は、立方体箱状であってもよいし、直方体箱状であってもよい。展示室12は、縦長であってもよいし、横長であってもよい。展示室12が方形箱状であることは必須ではない。例えば、展示室12は、多角柱状又は円柱状の外観形状を有していてもよい。
展示ケース10は、機器収容室18を備える。機器収容室18内に、調湿システム20及び故障予兆検出装置40が組込まれる。図1では機器収容室18の開閉可能な扉が開かれた状態が示される。
調湿システム20は、展示室12内の湿度を調整するシステムである。調湿とは、湿度を調整することであり、例えば、湿度を一定値又は一定範囲に保つことである。調湿システム20は、展示室12内の湿度を、当該展示室12内の展示物の劣化を抑制し得る適切な値又は範囲に保つシステムである。
すなわち、展示室12内の湿度が高すぎると、展示品にカビが生えたり、吸湿による変形を生じさせたり、さび等の化学変化を引き起したりする可能性がある。また、展示室12内の湿度が低すぎると、乾燥による収縮、硬化、ひび割れ等を生じさせる可能性がある。さらに、展示室12内の湿度が大きく変化すると、収縮膨張を繰返すことによって、展示品にダメージが生じる可能性がある。そこで、調湿システム20によって、展示室12内の湿度を所定値又は所定範囲に保つことによって、展示品が劣化し難くなる。
しかも、展示品の素材によって、劣化を抑制するのに適切な湿度が異なる可能性がある。そこで、調湿システム20によって、展示室12内の湿度を展示物の素材等に応じた所定値又は所定範囲に保つことによって、当該展示物の素材に応じて展示品を劣化し難くできる。
故障予兆検出装置40は、調湿システム20の故障予兆を検出する装置である。調湿システム20の故障予兆とは、当該調湿システム20が故障して調湿動作ができなくなる前の前触れとなる状況である。よって、故障予兆が検出された状態では、調湿システム20は調湿動作を継続可能であるが、近い将来、調湿動作を継続できなくなることが想定される。
すなわち、既に述べたように、調湿システム20が故障してしまうと、展示室12は、展示品の保管に適した湿度を提供できる状態に直ぐに復帰できない可能性がある。この場合、展示室12に他の調湿手段を適用するとか、展示物の保管場所を変更するといったような適切な手段を講じないと、展示物の劣化が進行する可能性がある。
美術館又は博物館における展示品は、歴史的価値や美術的価値、希少価値がある発掘品、美術品又は骨とう品であることが想定される。このため、美術館又は博物館における展示品に対して劣化や破損を抑制することが強く要請される。また、不適切な湿度の影響による展示物の劣化は、目に見えないレベルで進行する可能性がある。一見、多少の期間であれば適切な湿度条件から外れた条件で保管しても問題無いように見えても、歴史的価値や美術的価値、希少価値がある展示品のように、将来に亘って永年保存すべき展示品については、目に見えないレベルでの劣化についても抑制することが強く要請される。
故障予兆検出装置40が調湿システム20の故障予兆を検出することによって、当該調湿システム20が故障して調湿動作ができなくなる前に、湿度を適切に保つための対応を容易にとることができる。例えば、調湿システム20の故障前に部品を手配したり、部品を交換したりすることができる。また、必要に応じて他の調湿システム20又は他の展示ケース10の手配等も可能となる。
なお、展示ケース10において、展示室12に対する機器収容室18の位置は任意である。例えば、展示室12の上又は横に機器収容室が位置していてもよい。また、展示室12が機器収容室18を備えることは必須ではない。例えば、調湿システム20又は故障予兆検出装置40が、展示室12内に配置されていたり、展示室12から外に露出する位置に配置されていたりしてもよい。
<調湿システムについて>
調湿システム20の一例について説明する。調湿システム20は、調湿を行うためのアクチュエータを少なくとも1つ含むシステムである。
図2は調湿システム20を示すブロック図である。本実施形態では、調湿システム20は、展示室12内の気体の湿度を調整しつつ循環させるシステムである。
より具体的には、調湿システム20は、コンプレッサユニット22と、調湿ユニット30とを備える。展示室12とコンプレッサユニット22との間、コンプレッサユニット22と調湿ユニット30との間、調湿ユニット30と展示室12との間のそれぞれが、配管Pによって接続されている。これにより、展示室12内の気体が、配管P、コンプレッサユニット22、配管P、調湿ユニット30及び配管Pを通って展示室12内に戻るように循環して流れることができる。
コンプレッサユニット22は、展示室12内の気体を吸引し、当該気体を、調湿ユニット30を介して展示室12内に送込む。つまり、コンプレッサユニット22は、展示室12内の気体を、調湿システム20内に循環させるユニットである。調湿ユニット30は、循環する気体を吸湿し、又は、加湿するユニットである。
調湿システム20は、さらに、湿度センサ38と調湿制御部37とを備える。湿度センサ38は、展示室12内の湿度を検出するセンサである。調湿制御部37は、湿度センサ38の出力に基づいて、展示室12内の湿度が一定値又は一定範囲に保たれるように、調湿ユニット30を制御する。
調湿システム20の各部についてより具体的に説明する。
コンプレッサユニット22は、モータ23aを含むコンプレッサ23を備える。コンプレッサ23は、例えば、アルミボックス23b内に収容された形態で、機器収容室18内に配置される。モータ23aの駆動によってコンプレッサ23は展示室12内の気体を吸引する。吸引された気体は、展示室12に戻る経路に送出される。本実施形態では、コンプレッサ23から送出される気体は、一旦エアタンク24に貯留された後、調湿システム20に送出される。
コンプレッサユニット22は、排熱ユニット25を備えていてもよい。排熱ユニット25は、例えば、モータ25a及び当該モータ25aによって回転されるファンを有する。モータ25aの駆動によってファンが回転する。これにより、コンプレッサユニット22の周囲で高温となった空気がコンプレッサユニット22から離れる空間に向けて排出される。これにより、コンプレッサユニット22が冷却され、当該コンプレッサ23の熱によるダメージが軽減され、コンプレッサ23が長期間安定して動作を継続することができる。排熱ユニット25は省略されてもよい。
展示室12内の気体は、コンプレッサユニット22から調湿ユニット30に送出される。本実施形態において、コンプレッサユニット22と調湿ユニット30との間に水分トラップ26及びオイルトラップ27が介在する。コンプレッサユニット22から調湿ユニット30に送出される気体中の水分が水分トラップ26によって分離され、当該気体中の油分がオイルトラップ27によって分離される。分離された水分及び油分は排液ドレイン28に送られる。水分トラップ26及びオイルトラップ27は省略されてもよい。
調湿ユニット30は、切替弁31a、31bと、除湿フィルタ32と、加湿フィルタ33とを備える。切替弁31aは、気体が送られる流路を選択的に切替える弁である。切替弁31bは、気体の送り元となる流路を選択的に切替える弁である。除湿フィルタ32は、気体を除湿するフィルタであり、例えば、多孔質材料を用いたフィルタである。加湿フィルタ33は、気体を加湿するフィルタである。
コンプレッサユニット22から送出された気体は、切替弁31aに送込まれる。切替弁31aは、配管を介して除湿フィルタ32と加湿フィルタ33とに接続される。除湿フィルタ32と加湿フィルタ33とは、配管を介して切替弁31bに接続される。切替弁31a、31bは、調湿制御部37の制御によって、除湿フィルタ32側に繋がる状態と、加湿フィルタ33側に繋がる状態とに選択的に切替えられる。
切替弁31a、31bが除湿フィルタ32側に切替えられることによって、コンプレッサユニット22から送出された気体が、切替弁31aから除湿フィルタ32を経て切替弁31bに流れ込んで、展示室12に戻される。気体が除湿フィルタ32を通る際に除湿されるため、展示室12には、元の湿度よりも低下した湿度の気体が戻される。
切替弁31a、31bが加湿フィルタ33側に切替えられることによって、コンプレッサユニット22から送出された気体が、切替弁31aから加湿フィルタ33を経て切替弁31bに流れ込んで、展示室12に戻される。気体が加湿フィルタ33を通る際に加湿されるため、展示室12には、元の湿度よりも上昇した湿度の気体が戻される。
調湿ユニット30は、加湿フィルタ33に水を供給する水供給機構を備えていてもよい。本実施形態では、加湿フィルタ33には、ポンプ34、放熱部35及びタンク36を備える水供給機構が接続される。タンク36には、加湿フィルタ33に対して供給する水が貯留される。タンク36の水は加湿フィルタ33に供給される。ポンプ34は、モータ34aを含み、モータ34aの駆動によって加湿フィルタ33内で余剰となった水が吸上げられる。吸上げられた水は、放熱部35に送られる。放熱部35は、例えば、外部に熱を放つヒートシンクを含む。放熱部35に送られた水は、外気と熱交換されて冷却された後、タンク36に戻される。なお、除湿フィルタ32によって回収された気体中の液体がタンク36に送られてもよい。
上記水供給機構を備えることは必須ではない。加湿フィルタ33に対する水の供給は、例えば、毛細管現象を利用してなされてもよい。
調湿ユニット30によって調湿された気体は、展示室12に戻される。本実施形態において、調湿ユニット30と展示室12との間に因子吸着フィルタ29が介在する。因子吸着フィルタ29は、気体中に含まれる成分であって、展示物にとって有害成分な成分のうちの少なくとも1つを除去するフィルタである。例えば、因子吸着フィルタ29は、気体中の酸、アンモニア、及び、ホルムアルデヒドのうち少なくとも一つを除去するフィルタである。調湿ユニット30から送出される気体が因子吸着フィルタ29を経由して展示室12内に戻される。この際、気体中の有害成分が因子吸着フィルタ29によって除去される。因子吸着フィルタ29は省略されてもよい。
湿度センサ38は、展示室12内の湿度を検出するセンサである。例えば、湿度センサ38は、吸湿状況によって変化する吸湿体の抵抗値又は静電容量を検出することによって湿度を検出するセンサである。調湿システム20は、1つの湿度センサ38を備えていてもよいし、複数の湿度センサ38を備えてもよい。調湿システム20が複数の湿度センサ38を備える場合、例えば、複数の湿度センサ38によって検出される複数の検出値の平均値が、展示室12内の湿度として取扱われてもよい。
調湿制御部37は、プロセッサ及び記憶部等を備えるコンピュータによって構成されている。記憶部には、湿度センサ38の検出結果に基づいて、調湿ユニット30を制御するためのプログラムが格納されている。
調湿制御部37は、例えば、湿度センサ38の出力に基づく展示室12内の湿度が予め設定された基準値よりも大きい場合に、調湿ユニット30に、循環する気体の湿度を低下させる吸湿動作を実行させる。例えば、気体が除湿フィルタ32を通過するように、切替弁31a、31bを切替える。また、湿度センサ38の出力に基づく展示室12内の湿度が予め設定された基準値よりも小さい場合に、調湿ユニット30に、循環する気体の湿度を増加させる加湿動作を実行させる。例えば、気体が加湿フィルタ33を通過するように、切替弁31a、31bを切替える。これにより、展示室12内の湿度が予め設定された基準値に近づくように調湿される。
湿度センサ38の出力に基づく展示室12内の湿度が予め設定された基準値と同じである場合、吸湿動作及び加湿動作のいずれを行わせてもよい。調湿制御部37は、展示室12内の湿度が基準値と異なる場合にコンプレッサ23を動作させ、展示室12内の湿度が基準値と同じ場合にコンプレッサ23を停止させるように、コンプレッサ23の動作制御を行ってもよい。
調湿制御部37が調湿ユニット30に吸湿動作を行わせる基準値(以下、吸湿基準値という)と、加湿動作を行わせる基準値(以下、加湿基準値という)とは異なっていてもよい。吸湿基準値は加湿基準値よりも大きくてもよい。この場合、展示室12内の湿度は、吸湿基準値と加湿基準値との間の範囲となるように調湿される。
この場合において、調湿制御部37は、展示室12内の湿度が加湿基準値未満、かつ、吸湿基準値を超える場合には、コンプレッサ23を停止させるように、コンプレッサ23の動作制御を行うとよい。展示室12内の湿度が吸湿基準値と同じである場合に、吸湿動作を行わせるかどうかは任意である。また、展示室12内の湿度が加湿基準値と同じである場合に吸湿動作を行わせるかどうかは任意である。
なお、調湿システムの構成例は上記例に限られない。調湿システムは、少なくとも1つのアクチュエータを利用して展示室内の湿度を調整するシステムであればよい。例えば、展示物の特性上、展示室12の湿度をなるべく小さくすることが要請される可能性がある。このような場合には、コンプレッサの駆動によって、展示室の気体が、継続的に除湿フィルタを経由する経路を循環するようにしてもよい。
<故障予兆検出装置について>
故障予兆検出装置40は、調湿状態取得部と、判定部42と、故障予兆制御部44とを備える。
調湿状態取得部は、調湿システム20に関する状態を取得する。調湿システム20に関する状態とは、例えば、調湿システム20の動作に伴って変動し得る状態であって、センサ等の検出素子によって、当該状態を物理量として把握可能な状態である。本実施形態では、調湿状態取得部は、コンプレッサ23のモータ23aの状態データを出力するセンサ41である例が説明される。
より具体的には、センサ41は、モータ23aの状態、例えば、モータの駆動電流を検出するセンサである。つまり、コンプレッサ23は、展示室12から気体を吸引し、当該気体を圧縮して調湿システム20を経て展示室12内に送出す。モータ23aは、気体を圧縮させる動力を生じさせる。このため、モータ23aの動作状態はコンプレッサ23が気体を吸引して送出す動作と関連している。例えば、モータ23aの動力伝達系において、滑り、過負荷又は摩耗等が生じたり、モータ23a自体に摩耗、加熱等による異常が生じたりした場合、駆動電流に異常が生じることが想定される。このため、モータ23aの駆動電流の状態に基づくことで、調湿システム20の故障予兆が検出され得る。センサ41が取得した状態データは、センサ41から判定部42に出力される。
なお、モータ23aは、調湿を行うためのアクチュエータの一例である。上記ポンプ34のモータ34a及び排熱ユニット25のモータ25aも、調湿を行うためのアクチュエータの一例である。状態取得部としてのセンサは、モータ23aの状態データを検出することに加えて又は代えて、モータ34a及びモータ25aの一方又は両方の状態データを検出してもよい。調湿システムが他のアクチュエータを備える場合、状態取得部は、当該他のアクチュエータの状態データを検出してもよい。
なお、調湿システム20におけるアクチュエータの状態を取得する調湿状態取得部は、モータ23a等の駆動電流を検出するセンサである必要は無い。例えば、アクチュエータの状態を取得する調湿状態取得部は、モータ23aの回転に起因する振動又は音を検出するセンサ又はモータ23aの発熱による温度を検出するセンサであってもよい。アクチュエータの状態を取得する調湿状態取得部は、モータ23aの負荷率、回転速度、加速度等を取得してもよい。また、アクチュエータの状態を取得する調湿状態取得部は、モータ23aの使用時間、オンオフ回数であってもよい。
また、調湿システムの状態を取得する調湿状態取得部がアクチュエータの状態を取得することは必須ではない。調湿システムの状態を取得する調湿状態取得部は、配管、フィルタ、切替弁等の各部における振動、音、温度又は気体の流速を取得してもよい。気体の流れによって、振動、音、温度又は気体の流速が変化すると考えられるところ、調湿システム20の故障予兆は、当該振動、音、温度又は気体の流速に影響を及すと考えられるからである。
また、調湿状態取得部は、調湿制御部37におけるメモリの書込エラー、読込みエラー等の発生回数、湿度センサ38の検出エラー回数等であってもよい。調湿制御部37又は湿度センサ38が不調となれば、調湿ユニットの故障に繋がると予測されるからである。
調湿システム20に関する状態は、調湿システム20そのものに関する状態である必要は無く、当該調湿システム20の動作によって変化する状態であってもよい。例えば、調湿システムに関する状態を取得する調湿状態取得部は、展示室12内の湿度を検出する湿度センサ38であってもよい。
判定部42は、調湿状態取得部の出力に基づいて、調湿システム20に関する故障予兆の有無を判定する。ここでは、判定部42は、センサ41の出力に基づいて、調湿システム20に関する故障予兆の有無を判定する。
すなわち、判定部42は、プロセッサ42a及び記憶部43等を備えるコンピュータによって構成されている。記憶部43には、プログラム43aが格納されている。プロセッサ42aがプログラム43aに従って後述する故障予兆の有無の判定に係る処理を実行する。
故障予兆制御部44は、判定部42の判定結果に応じた処理を行う。すなわち、故障予兆制御部44は、プロセッサ44a及び記憶部45等を備えるコンピュータによって構成されている。記憶部45には、プログラム45aが格納されている。プロセッサ44aがプログラム45aに従って後述する判定結果に応じた処理を行う。本実施形態では、故障予兆制御部44は、判定部42の判定結果が故障予兆有りであれば、故障予兆有り信号を、報知装置に出力する。故障予兆有り信号は、故障の予兆があることを示す信号であり、文字又は記号に関連付けらた信号であってもよいし、報知装置の報知動作に関連付けられた信号であってもよい。
報知装置は、視覚情報出力装置又は聴覚情報出力装置である。
視覚情報出力装置は、故障予兆有り情報を視覚的に認識可能に出力する装置である。視覚情報出力装置は、例えば、液晶表示装置又は有機EL(electro-luminescence)表示装置であってもよい。表示装置47は、故障予兆有り情報に対応付けられた発光ダイオード等の発光部を有しており、当該発光部の発光の有無又は発光態様によって故障予兆有りを表示してもよい。本実施形態では、視覚情報出力装置は、表示装置47である例が説明される。
聴覚情報出力装置は、故障予兆有り情報を聴覚的に認識可能に出力する聴覚情報出力装置である。聴覚情報出力装置は、故障予兆有りを示すメッセージ又は故障予兆有りと対応付けられたメッセージを再生するスピーカであってもよい。聴覚情報出力装置は、故障予兆有りと対応付けられたブザー音を発するブザーであってもよい。本実施形態では、聴覚情報出力装置は、スピーカ48である例が説明される。
<動作>
上記判定部42及び故障予兆制御部44の処理例について図3を参照して説明する。
調湿システム20の調湿動作中において、ステップS1に示すように、判定部42がセンサ41の出力に基づいて調湿システム20に関する状態を取得する。
次ステップS2において、判定部42がセンサ41の出力に基づいて、故障予兆の有無を判定する。故障予兆有りと判定されると、ステップS3に進み、故障予兆無しと判定されると、ステップS4に進む。故障予兆の判断処理例については後述する。
ステップS3において、判定部42は、故障予兆制御部44に対して故障予兆有りとの判定結果を通知する。その後、ステップS4に進む。
ステップS4において、判定部42は、調湿システム20が電源オフされたか否かを判定する。例えば、調湿システム20が電源スイッチを備えており、当該電線スイッチがオン操作されることで、調湿システム20が調湿動作を行い、電源スイッチがオフ操作されることで、調湿システム20が調湿動作を停止する。ステップS4において電源オフされていないと判定されると、ステップS1に戻り、電源オフされたと判定されると処理を終了する。
また、調湿システム20の調湿動作中において、故障予兆制御部44は、ステップS11において、故障予兆判定出力の有無を判定する。故障予兆判定出力有りと判定されると、ステップS12に進み、故障予兆無しと判定されると、ステップS13に進む。
ステップS12において、故障予兆制御部44は、報知処理を実行する。報知処理は、例えば、故障予兆制御部44が、表示装置47に故障予兆有り情報を送信する処理である。これにより、表示装置47が故障予兆有りを示す視覚的情報を表示する。また、報知処理は、例えば、故障予兆制御部44が、スピーカ48に故障予兆有り情報を送信する処理である。これにより、スピーカ48が故障予兆有りを示す聴覚的情報を発する。この後、ステップS13に進む。
ステップS13において、故障予兆制御部44は、調湿システム20が電源オフされたか否かを判定する。ステップS13において電源オフされていないと判定されると、ステップS11に戻り、電源オフされたと判定されると処理を終了する。
以上の処理によって、調湿システム20に故障予兆有りと判定されると、故障予兆有りとの情報が表示装置47及びスピーカ48を通じて報知される。
故障予兆の有無を判定する処理例について説明する。故障予兆の有無の判定については、周知技術を含む各種処理を適用可能である。例えば、状態データに対して、故障予兆有りと判定する所定の条件を設定しておき、状態データが所定の条件を満たした場合に故障予兆有りと判定されてもよい。例えば、モータ23aの駆動電流が所定の上限電流値を超えた場合、モータ23aの負荷率が所定の上限値を超えた場合、モータ23aの定速運転時の速度変化範囲が所定の条件範囲を超えた場合、モータ23aの回転加速度が所定の条件加速度に達することができない場合、モータ23aの使用時間が所定の条件時間を超えた場合、モータ23aのオンオフ回数が所定の条件回数を超えた場合、調湿システム20のいずれかの部位の温度が所定の条件温度を超えた場合、調湿システム20におけるメモリ、センサ読込の異常回数が所定の条件回数を超えた場合、調湿システム20に異常な振動、異常音又は異常温度が検出された場合、所定部位における気体の流速が所定範囲から逸脱した場合等のうちの1つ又は組合せによって、故障予兆の有無を判定してもよい。
故障予兆の有無は、状態データに対して機械学習により生成された推測モデルを適用することで判定されてもよい。
例えば、図4に示すように、機械学習装置150に、学習用データが入力される。学習用データは、調湿状態取得部によって得られた調湿システム20の状態データによって構成される。例えば、学習用データは、モータ23aの駆動電流の時系列データを、一定時間毎に区切ったデータ列群によって構成される。学習用データは、調湿システム20の複数種の状態データ(例えば、モータ23aの駆動電流、振動周波数等)を含む、多次元データであってもよい。学習用データが多次元データである場合には、機械学習の処理に適する次元となるように次元削減されてもよい。
機械学習装置150としては、如何なる識別器が用いられてもよく、例えば、SVM(サポートベクターマシン)であってもよいし、ニューラルネットワークであってもよい。学習は、正常動作中の状態検出データに基づく教師無し学習であってもよいし、正常動作中の状態検出データと故障予兆継続中の状態検出データとに基づく教師有り学習であってもよい。
図4の下部には、正常動作中の状態検出データに基づく教師無し学習を行った場合に、学習された推測モデルが概念的にされる。なお、本例では、機械学習装置150としては、OCSVM(One-Class Support Vector Machine)が適用されている。同図において、学習用データは2つの特徴量1、2によって表現される。図中における等高線Lは、分類スコアが同じになる線を示している。より多数の等高線Lによって囲まれるほど、正常運転に近く、等高線Lから外側に外れるほど、正常状態から外れ以上度が増すことを示している。
図5に示すように、上記ステップS1で得られた状態データに、上記のように学習された推測モデル150Mを適用する。調湿システム20の動作状態が正常である場合には、図5の左に示すように、状態データ152aは、正常と判断される等高線L内に収る。このため、故障予兆は無いと判定される。これに対して、調湿システム20の動作状態が正常から外れている場合には、図5の右に示すように、状態データ152bは、正常と判断される基準等高線Lの外に外れることが多くなる。このため、調湿システム20の動作中における状態データが、正常と判断される基準等高線Lの外に外れた場合、又は、基準等高線Lの外に外れることが所定数を超えた場合等に、故障予兆有りと判定され得る。
<効果等>
以上のように構成された展示ケースの故障予兆検出装置40によると、展示ケース10における調湿システム20の故障予兆が検出される。故障予兆が検出されれば、故障によって調湿システム20が停止に至る前に、故障予兆箇所の特定、故障修理のために必要となる部品の手配及び入手等が可能となる。さらには、故障予兆を示した箇所の事前整備、交換等も可能となる。これにより、調湿システム20の故障を未然に回避でき、展示品の保管に適した湿度を維持できる。また、実際に故障が発生しても迅速に故障修理を行うことが可能となり、展示品の保管に適した湿度を提供できる状態に直ぐに復帰できる。また、故障を未然に防ぐために、調湿システム20を過剰に整備点検及び部品交換する必要がなくなり、調湿システム20を適切なタイミングで整備できる。
また、モータ23a等の状態データに基づいて調湿システム20の故障予兆を検出することで、調湿システム20の動作に大きな影響を与えると考えられる部品の故障予兆を効果的に判定できる。これにより、展示品の劣化を有効に抑制できる。
また、判定部42が、状態データに対して、機械学習により生成された推測モデル150Mを適用することで、調湿システム20の故障予兆の有無を判定する。これにより、故障予兆の有無が容易に判定される。
また、故障予兆有りと判定された場合に、当該故障予兆が表示装置47及びスピーカ48等の報知装置を通じて報知される。これにより、故障予兆が判定された場合の対応が容易に実行される。
報知装置が、視覚情報出力装置又は聴覚情報出力装置であれば、展示ケース10の利用者又は保守管理者が、故障予兆有り情報を認識し易い。
展示ケース10が調湿システム20と故障予兆検出装置40とを備える構成であれば、展示ケース10によって、展示ケース10の調湿と調湿システム20の故障予兆判定とを行える。
{変形例}
なお、判定部42及び故障予兆制御部44は、単一のコンピュータによって構成されていてもよい。判定部42及び故障予兆制御部44の各処理は、調湿制御部37によって処理されてもよい。判定部42及び故障予兆制御部44が、展示ケース10に組込まれていることは必須ではない。
例えば、判定部42が展示ケース10に組込まれ、故障予兆制御部44が展示ケース10の外に設置されてもよい。また、例えば、判定部42及び故障予兆制御部44が、展示ケース10の外に設置されてもよい。また、表示装置又はスピーカ等を含む報知装置が展示ケース10の外に設置されてもよい。
これらの場合において、展示ケース10外の判定部42への状態データの送信、展示ケース10外の故障予兆制御部44への判定結果の送信又は展示ケース10外の報知装置への故障予兆有り情報の送信は、無線通信、LAN(Local Area Network)又は公衆通信網を介してなされてもよい。
報知装置が展示ケース10の外に設置される場合、当該報知装置は、遠隔地に存在する端末装置に備付けられることが想定される。例えば、遠隔地にある管理基地局のコンピュータによって表示制御される表示装置に故障予兆が表示されたり、持運び可能な携帯端末装置(例えば、スマートフォン)の表示画面に故障予兆が表示されたりしてもよい。
故障予兆制御部44は、判定部42の判定結果に応じて、報知処理ではない処理を行ってもよい。例えば、モータ23aの故障予兆が有ると判定された場合に、調湿システム20の動作負荷を軽くする処理を実行してもよい。調湿システム20の動作負荷を軽くする処理としては、モータ23aの回転速度を定常状態よりも下げたり、許容される湿度幅を広げてモータ23aの動作時間を減らしたりすることが考えられる。
また、上記実施形態では、調湿システム20の故障予兆が1つの状態であると把握されることを想定した説明がなされた。調湿システム20が示す故障予兆の兆候は、故障が生じる可能性からして、複数レベルに分けて把握可能であることが想定される。このため、判定部42は、状態取得部からの状態データに基づいて複数レベルの故障予兆の有無を判定し、故障予兆制御部44は故障予兆のレベルに応じて異なる処理を変更してもよい。
図6は第1レベルの故障予兆と第2レベルの故障予兆とを行う場合の処理例を示すフローチャートである。以下では、主に図3との相違点が説明される。
判定部42は、ステップS1後、ステップS2aに進む。ステップS2aにおいて、第1レベルの故障予兆段の有無が判定される。ステップS2aにおいて第1レベルの故障予兆段有りと判定されるとステップS3aに進み、第1レベルの故障予兆段無しと判定されるとステップS2bに進む。
ステップS3aでは、第1レベルの故障予兆判定が判定部42から故障予兆制御部44に通知される。その後、ステップS4に進む。
ステップS2bに進んだ場合、第2レベルの故障予兆段の有無が判定される。ステップS2bで第2レベルの故障予兆段有りと判定されるとステップS3bに進み、第2レベルの故障予兆段無しと判定されるとステップS4に進む。
ステップS3bでは、第2レベルの故障予兆判定が判定部42から故障予兆制御部44に通知される。その後、ステップS4に進む。
故障予兆制御部44では、ステップS11aにおいて第1レベルの故障予兆の有無が判定され、第1レベルの故障予兆有りと判定されると、ステップS12aに進み、無しと判定されるとステップS11bに進む。
ステップS12aでは第1処理が実行される。その後、ステップS13に進む。
ステップS11bに進んだ場合、第2レベルの故障予兆の有無が判定され、第2レベルの故障予兆有りと判定されると、ステップS12bに進み、無しと判定されるとステップS13に進む。
ステップS12bでは第2処理が実行される。その後、ステップS13に進む。
ステップS2a、S2bの判定は、図3に示すフローチャートのステップS2と同様の処理によってなされる。ここで、上記第1レベルの故障予兆は第2レベルの故障予兆よりも故障に結び付きやすい状態である。例えば、モータの状態値(例えば駆動電流)に対して互いに異なる2つの条件値を設定し、状態値が大きい方の条件値を超えた場合に第1レベルの故障予兆有りと判定し、状態値が小さい方の条件値を超えた場合に第2レベルの故障予兆有りと判定してもよい。また、例えば、図4及び図5に示す推測モデルを例にすると、第1レベルのデータは、第2レベルのデータよりも、等高線Lの外側周辺に位置することとなるデータである。第1レベルの故障予兆有りと判定された場合、第1レベルの故障予兆有りと判定された場合よりも、故障が生じ易い。このため、第1処理は、第2処理よりも、調湿システム20の故障が近いことを想定した処理であることが好ましい。
例えば、第1処理及び第2処理の両方が報知処理であるが、第1処理の報知態様の注意喚起効果が、第2処理の注意喚起効果よりも高いことが想定される。例えば、表示装置47の表示色を、第2処理よりも第1処理で目立つ色にしたり(例えば、黄色から赤色にする)、スピーカ48の音量を、第2処理よりも第1処理で大きくしたりすることが考えられる。
また、例えば、第1処理で部品の手配を促す報知処理を実行し、第2処理で部品の交換を促す報知処理を実行してもよい。
また、例えば、第2処理で報知処理を実行して展示ケースの利用者又は保守管理者に故障に備えた行為を促し、第1処理で調湿システム20の動作負荷を軽くする処理を実行してもよい。
これにより、故障予兆のレベルに応じて、異なる処理が実行される。例えば、故障予兆のレベルに応じて、調湿システム20に適切な動作を行わせたり、利用者又は保守管理者に適切な行為を促したりすることができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
第1の態様は、展示品を内部に収容して展示可能な展示室を備える展示ケースにおいて、前記展示室内の湿度を調整する調湿システムに関する状態を取得する調湿状態取得部と、前記調湿状態取得部の出力に基づいて、前記調湿システムに関する故障予兆の有無を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じた処理を行う制御部と、を備える、展示ケース故障予兆検出装置である。
第1の態様によると、展示ケースにおける調湿システムの故障予兆が検出される。故障予兆が検出されれば、故障に至る前に、故障予兆箇所の特定、故障修理のために必要となる部品の手配及び入手等が可能となる。さらには、故障予兆を示した箇所の整備、交換等も可能となる。これにより、調湿を行うためのシステムの故障を未然に回避でき、展示品の保管に適した湿度を維持できる。また、故障が発生しても迅速に故障修理を行うことが可能となり、展示品の保管に適した湿度を提供できる状態に直ぐに復帰できる。
第2の態様は、第1の態様に係る展示ケース故障予兆検出装置であって、前記調湿システムが、調湿を行うためのアクチュエータを含み、前記調湿状態取得部は、前記アクチュエータの状態データを出力する。
第2の態様によって、調湿を行うためのアクチュエータの故障予兆を検出することができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る展示ケース故障予兆検出装置であって、前記判定部は、前記調湿状態取得部からの出力データに対して、機械学習により生成された推測モデルを適用することで、前記調湿システムの故障予兆の有無を判定する。
第3の態様によると、機械学習により生成された推測モデルの適用によって、故障予兆の有無を判定できる。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る展示ケース故障予兆検出装置であって、前記制御部は、前記判定部の判定結果が故障予兆有りであれば、故障予兆有り信号を、報知装置に出力する。
この場合、故障予兆有りと判定されると、当該故障予兆が報知装置を通じて報知される。これにより、故障予兆が判定された場合の対応を容易に行える。
第5の態様は、第4の態様に係る展示ケース故障予兆検出装置であって、前記報知装置は、故障予兆有り情報を視覚的に認識可能に出力する視覚情報出力装置、又は、故障予兆有り情報を聴覚的に認識可能に出力する聴覚情報出力装置とされている。
第5の態様によると、展示ケースの利用者又は保守管理者が、故障予兆有り情報を認識し易い。
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る展示ケース故障予兆検出装置であって、前記判定部は、前記調湿状態取得部からの出力に基づいて、第1レベルの故障予兆の有無と、前記第1レベルよりも故障発生の可能性が高い第2レベルの故障予兆の有無と、を判定し、前記制御部は、前記第1レベルの故障予兆の際に行う第1処理と、前記第2レベルの故障予兆の際に行う第2処理と、を異ならせる。
これにより、故障予兆のレベルに応じて、異なる処理が実施される。
第7の態様は、展示品を内部に収容して展示可能な展示室を備える展示ケースであって、前記展示室内の湿度を調整する調湿システムと、第1から第6のいずれか1つの展示ケース故障予兆検出装置と、を備える、展示ケースである。
これにより、展示ケースによって、展示室の調湿及び調湿システムの故障予兆判定を行える。
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 展示ケース
12 展示室
20 調湿システム
22 コンプレッサユニット
23 コンプレッサ
23a モータ
25 排熱ユニット
25a モータ
30 調湿ユニット
31a、31b 切替弁
32 除湿フィルタ
33 加湿フィルタ
34 ポンプ
34a モータ
37 調湿制御部
38 湿度センサ
40 故障予兆検出装置
41 センサ
42 判定部
44 故障予兆制御部
47 表示装置
48 スピーカ
150 機械学習装置
150M 推測モデル

Claims (7)

  1. 展示品を内部に収容して展示可能な展示室を備える展示ケースにおいて、前記展示室内の湿度を調整する調湿システムに関する状態を取得する調湿状態取得部と、
    前記調湿状態取得部の出力に基づいて、前記調湿システムに関する故障予兆の有無を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に応じた処理を行う制御部と、
    を備える、展示ケース故障予兆検出装置。
  2. 請求項1に記載の展示ケース故障予兆検出装置であって、
    前記調湿システムが、調湿を行うためのアクチュエータを含み、前記調湿状態取得部は、前記アクチュエータの状態データを出力する、展示ケース故障予兆検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の展示ケース故障予兆検出装置であって、
    前記判定部は、前記調湿状態取得部からの出力データに対して、機械学習により生成された推測モデルを適用することで、前記調湿システムの故障予兆の有無を判定する、展示ケース故障予兆検出装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の展示ケース故障予兆検出装置であって、
    前記制御部は、前記判定部の判定結果が故障予兆有りであれば、故障予兆有り信号を、報知装置に出力する、展示ケース故障予兆検出装置。
  5. 請求項4に記載の展示ケース故障予兆検出装置であって、
    前記報知装置は、故障予兆有り情報を視覚的に認識可能に出力する視覚情報出力装置、又は、故障予兆有り情報を聴覚的に認識可能に出力する聴覚情報出力装置である、展示ケース故障予兆検出装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の展示ケース故障予兆検出装置であって、
    前記判定部は、前記調湿状態取得部からの出力に基づいて、第1レベルの故障予兆の有無と、前記第1レベルよりも故障発生の可能性が高い第2レベルの故障予兆の有無と、を判定し、
    前記制御部は、前記第1レベルの故障予兆の際に行う第1処理と、前記第2レベルの故障予兆の際に行う第2処理と、を異ならせる、展示ケース故障予兆検出装置。
  7. 展示品を内部に収容して展示可能な展示室を備える展示ケースであって、
    前記展示室内の湿度を調整する調湿システムと、
    請求項1又は請求項2に記載の展示ケース故障予兆検出装置と、
    を備える、展示ケース。
JP2022141549A 2022-09-06 2022-09-06 展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース Pending JP2024036967A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022141549A JP2024036967A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022141549A JP2024036967A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024036967A true JP2024036967A (ja) 2024-03-18

Family

ID=90273177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022141549A Pending JP2024036967A (ja) 2022-09-06 2022-09-06 展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024036967A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8842433B2 (en) Environmental control for module housing electronic equipment racks
US20200400324A1 (en) Interactive outdoor display
JP5820375B2 (ja) データセンタ冷却ユニットを効率的に調整する方法及び装置
US9845966B2 (en) Air conditioning system
US10257959B2 (en) Method and apparatus for monitoring electromechanical device performance and reliability
US20120215373A1 (en) Performance optimization in computer component rack
CN104101051A (zh) 一种空调器及其冷媒循环异常检测控制方法和装置
JP2014115012A (ja) ファン制御装置
US20210307211A1 (en) Controlling a Working Condition of Electronic Devices
US20140054025A1 (en) Programmable temperature controller for hazardous location enclosures
US11662128B2 (en) Refrigerant leak detector for a vending machine
KR102206459B1 (ko) 공기조화기 및 그 제어방법
CN106123473A (zh) 一种冰箱的控制方法、控制装置及冰箱
KR102609095B1 (ko) 공기조화기 및 그 제어방법
JP2024036967A (ja) 展示ケース故障予兆検出装置及び展示ケース
JP2010027911A (ja) ラック装置及び電子機器の冷却方法
JP2006064253A (ja) 空調機監視システム、および空調機監視方法
JP6314533B2 (ja) データセンター
US20230250986A1 (en) Thermostat with external interrupt
KR20050006001A (ko) 와인냉장고
JP2016111080A (ja) コンデンサ劣化診断装置、インバータ装置、及び家電機器
CN113339979B (zh) 一种移动空调及其高温保护方法、装置、及存储介质
US9651320B2 (en) ICT equipment
WO2018009947A1 (en) System method and apparatus for enclosure environmental control
CA2885449C (en) System for controlling operation of an hvac system having tandem compressors