JP2024035907A - 脱水システム - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリュープレスから排出される汚泥の状態をリアルタイムに把握することができる脱水システムが提供される。【解決手段】脱水システムDSは、脱水装置SPと、脱水装置SPから排出されたケーキの画像データを生成する画像取得装置200と、画像取得装置200によって取得された画像データに基づいて、ケーキの状態を判定する制御装置6と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、脱水システムに関する。
従来から、上下水処理場、し尿処理場、工場排水処理場、有機性廃棄物処理場などの液体処理施設から排出される汚泥(液体含有物)を圧搾して、該汚泥から水を分離する(すなわち、脱水する)装置として、スクリュープレスが知られている。
このスクリュープレスは、スクリーン(多孔板)から形成されたろ過筒と、ろ過筒の内部に配置されたスクリューと、を備える。スクリューは、ろ過筒に投入された汚泥を圧搾し、脱水する。脱水された汚泥(ケーキ)は、ろ過筒の排出側端部から排出される。ケーキは、その含水率ができる限り低下した状態で、ろ過筒の排出側端部から排出されることが望ましい。
スクリュープレスは、汚泥の脱水に広く用いられるが、様々な事象(汚泥の性状(例えば、汚泥の濃度、汚泥の温度、汚泥の粘性、汚泥の化学組成などの物性値)の変動や汚泥量の変動)により、刻々と汚泥の脱水状態が変化しうる。これらの事象に対し、汚泥の脱水は、脱水ケーキの含水率を維持するために、スクリュープレスの操作因子(例えば、凝集剤の注入率や機械設備の回転速度など)を調整して運転するが、汚泥の性状や量が変動するため、脱水ケーキの含水率が変動したり、供回りが発生(脱水機内の汚泥が排出部へ搬送できない現象)するといった課題がある。
そこで、本発明は、スクリュープレスから排出される汚泥の状態をリアルタイムに把握することができる脱水システムを提供することを目的とする。
一態様では、第1スクリューおよび第2スクリューを備える同軸型の脱水装置と、前記脱水装置から排出されたケーキの画像データを生成する画像取得装置と、前記画像取得装置によって取得された前記画像データに基づいて、前記ケーキの状態を判定する制御装置と、を備えている、脱水システムが提供される。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記脱水装置内部の供回りの発生を判定する。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキに形成されたスクリュー跡に生じた欠けの有無を判定し、前記欠けの有無に基づいて、前記供回りの発生を決定する。
一態様では、前記脱水装置は、前記ケーキの移送方向に沿って、前記ケーキにスリットを形成するスリット形成部材を備えており、前記制御装置は、前記スリット形成部材によって形成されたスリットの形状に基づいて、前記供回りの発生を決定する。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキに形成されたスクリュー跡に生じた欠けの有無を判定し、前記欠けの有無に基づいて、前記供回りの発生を決定する。
一態様では、前記脱水装置は、前記ケーキの移送方向に沿って、前記ケーキにスリットを形成するスリット形成部材を備えており、前記制御装置は、前記スリット形成部材によって形成されたスリットの形状に基づいて、前記供回りの発生を決定する。
一態様では、前記制御装置は、前記供回りが発生していると決定した場合、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を大きくする。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキの含水率を判定する。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキに形成されたスクリュー跡を境界に、前記ケーキを、基準領域と、前記基準領域と比較する比較領域と、を区画し、前記比較領域の含水率が前記基準領域の含水率よりも高いか否かを判定する。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキの含水率を判定する。
一態様では、前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキに形成されたスクリュー跡を境界に、前記ケーキを、基準領域と、前記基準領域と比較する比較領域と、を区画し、前記比較領域の含水率が前記基準領域の含水率よりも高いか否かを判定する。
一態様では、前記制御装置は、前記比較領域の含水率が所定の目標値から外れた第1条件と、前記基準領域の含水率と前記比較領域の含水率との間の差分が所定の値以上である第2条件と、のうちの少なくとも1つの条件を満たす場合、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を調整する。
一態様では、前記脱水装置は、液体含有物が投入されるろ過筒と、前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を検出する圧力センサと、を備えており、前記制御装置は、前記圧力センサから送られる信号に基づいて、圧力値を測定し、前記測定した圧力値のデータに基づいて、汚泥の状態判別モデルを構築し、前記状態判別モデルと、前記画像データと、に基づいて、前記脱水装置の運転状態を判定する。
一態様では、前記制御装置は、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルが格納された記憶装置と、前記画像データを前記モデルに入力し、前記ケーキの状態を示す判定結果を前記モデルから出力するための演算を実行する処理装置と、を備えている。
一態様では、前記脱水装置は、液体含有物が投入されるろ過筒と、前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を検出する圧力センサと、を備えており、前記制御装置は、前記圧力センサから送られる信号に基づいて、圧力値を測定し、前記測定した圧力値のデータに基づいて、汚泥の状態判別モデルを構築し、前記状態判別モデルと、前記画像データと、に基づいて、前記脱水装置の運転状態を判定する。
一態様では、前記制御装置は、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルが格納された記憶装置と、前記画像データを前記モデルに入力し、前記ケーキの状態を示す判定結果を前記モデルから出力するための演算を実行する処理装置と、を備えている。
一態様では、前記制御装置は、前記ケーキの状態を示す判定結果に基づいて、前記ケーキの、前記第2スクリューとの供回りの発生を防止するように、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を制御する。
一態様では、前記制御装置は、前記ケーキの状態を示す判定結果に基づいて、前記ケーキの含水率が所定の含水率になるように、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を制御する。
一態様では、前記制御装置は、前記ケーキの状態を示す判定結果に基づいて、前記ケーキの含水率が所定の含水率になるように、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を制御する。
制御装置は、画像取得装置によって取得された画像データに基づいて、ケーキの状態を判定することができる。したがって、制御装置は、スクリュープレスから排出される汚泥の状態をリアルタイムに把握することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、脱水システムを示す図である。脱水システムDSは、有機性廃棄物としての汚泥(有機汚泥)に対して脱水処理を行うためのシステムである。図1に示すように、脱水システムDSは、汚泥を貯留する汚泥貯留槽101と、凝集汚泥を調製する凝集槽103と、汚泥貯留槽101内の汚泥を凝集槽103に供給する汚泥供給ポンプ102と、を備えている。
図1は、脱水システムを示す図である。脱水システムDSは、有機性廃棄物としての汚泥(有機汚泥)に対して脱水処理を行うためのシステムである。図1に示すように、脱水システムDSは、汚泥を貯留する汚泥貯留槽101と、凝集汚泥を調製する凝集槽103と、汚泥貯留槽101内の汚泥を凝集槽103に供給する汚泥供給ポンプ102と、を備えている。
脱水システムDSは、ポリマ剤(すなわち、凝集剤)が溶解されたポリマ溶解槽105と、ポリマ溶解槽105内のポリマ剤を凝集槽103に供給するポリマ供給ポンプ106と、を備えている。凝集槽103内の凝集汚泥は、ポリマ剤を汚泥に添加することによって、調製される。脱水システムDSは、凝集槽103で凝集された凝集汚泥から水分を分離して流動性の低い濃縮汚泥を生成する濃縮機104と、濃縮機104で濃縮された濃縮汚泥(液体含有物)を脱水する脱水装置SPと、を備えている。
図2は、脱水装置の一実施形態を示す図である。図2に示すように、脱水装置SPは、円筒状のスクリーンケーシング(ろ過筒)1と、スクリーンケーシング1内で、スクリーンケーシング1と同心状に配置され、濃縮汚泥を所定の移送方向Dに移送する、同軸(2軸)の第1スクリュー3および第2スクリュー4と、第1スクリュー3を回転させる第1回転機構7と、第1スクリュー3とは独立に第2スクリュー4を回転させる第2回転機構20と、を備えている。以下、脱水装置SPをスクリュープレスSPと呼ぶことがある。
スクリーンケーシング1は、パンチングメタルなどのスクリーン(多孔板)から形成されており、外筒および内筒を有する二重構造を有している。スクリーンケーシング1の上流側端部には、汚泥の投入口(言い換えれば、ホッパ)2が形成されている。投入口2からスクリーンケーシング1に投入された汚泥は、回転する第1スクリュー3および第2スクリュー4により、スクリーンケーシング1内で所定の移送方向Dに移送される。
脱水システムDSは、その構成要素としての装置の動作を制御する制御装置6を備えている。図1に示すように、制御装置6は、汚泥供給ポンプ102、ポリマ供給ポンプ106、凝集槽103(より具体的には、凝集槽103内のポリマ剤および汚泥の混合液を攪拌する攪拌機103aの動作)、濃縮機104、およびスクリュープレスSPの動作を制御するように構成されている。
図2に示すように、制御装置6は、プログラム(各種データを含む)を格納する記憶装置6aと、記憶装置6aに格納されたプログラムに含まれる命令に従って演算を実行する処理装置6bと、を備えている。
制御装置6は、第1回転機構7および第2回転機構20の動作を制御するように構成されている。第2スクリュー4は、第1スクリュー3とは独立に回転可能なように、第1スクリュー3に連結されている。第1スクリュー3および第2スクリュー4は、スクリーンケーシング1および排出チャンバー33をそれぞれ貫通して延びている。排出チャンバー33は、スクリーンケーシング1に接続されている。この排出チャンバー33に、後述するプラグケーキがスクリーンケーシング1から排出される。第2スクリュー4の軸方向の長さは、第1スクリューの軸方向の長さよりも短い。
第1スクリュー3は、汚泥の移送方向Dにおける下流側に向かってその径が徐々に大きくなる円錐台形状(テーパ形状)の第1スクリュー軸3Aと、第1スクリュー軸3Aの外面に固定された第1スクリュー羽根3Bと、を有している。第2スクリュー4は、円筒形状の第2スクリュー軸4Aと、第2スクリュー軸4Aの外面に固定された第2スクリュー羽根4Bと、を有している。第2スクリュー4は、汚泥の移送方向Dにおいて第1スクリュー3の下流側に配置されている。
スクリーンケーシング1の上流側の端部は閉塞壁8によって密封されている。第1スクリュー軸3Aの一方の端部(移送方向Dにおける上流側端部)はこの閉塞壁8を貫通して延びている。この閉塞壁8には、閉塞壁8と第1スクリュー軸3Aとの間の隙間をシールする水封装置10が設置されている。閉塞壁8を貫通して延びる第1スクリュー軸3Aの上流側端部は、ベース(図示せず)に設置された軸受11,12により軸方向の移動を拘束されながら回転自在に支持されている。なお、軸受11,12の一方を省略することができる。
第1スクリュー軸3Aの上流側端部は、第1スクリュー3を回転させるための第1回転機構7に連結されている。本実施形態では、第1回転機構7は、第1駆動機(例えば、電動機)14と、第1駆動機14の回転軸に固定されたスプロケット15と、第1スクリュー軸3Aに固定されたスプロケット16と、これらスプロケット15,16に巻きかけられたチェーン17と、を備える。
スプロケット16は、上記軸受11,12の間に位置している。第1回転機構7の第1駆動機14を駆動すると、この第1駆動機14の回転軸に固定されたスプロケット15が回転し、チェーン17を介して第1スクリュー軸3Aに固定されたスプロケット16を回転させる。その結果、第1スクリュー3が第1回転機構7により回転させられる。第1駆動機14は、制御装置6に接続され、制御装置6は、第1駆動機14の動作を制御することができるように構成されている。
第2スクリュー4の第2スクリュー軸4Aは、第1スクリュー軸3Aと同心状に配置される。第2スクリュー軸4Aの外径は第1スクリュー軸3Aの最大径と同一である。第2スクリュー軸4Aには、排出チャンバー33の内壁33Aを貫通して延びる縮径部4Fが形成されている。
第2スクリュー軸4Aの上流側端部は、図示しないすべり軸受を介して第1スクリュー軸3Aに回転自在に支持され、第2スクリュー軸4Aの下流側端部は、ベース(図示せず)に設置された軸受22,23により軸方向の移動を拘束されながら回転自在に支持されている。なお、軸受23を省略することができる。
第2スクリュー軸4Aの下流側端部は、第2スクリュー4を回転させるための第2回転機構20に連結されている。本実施形態では、第2回転機構20は、第2駆動機(例えば、電動機)24と、第2駆動機24の回転軸に固定されたスプロケット25と、第2スクリュー軸4Aに固定されたスプロケット26と、これらスプロケット25,26に巻きかけられたチェーン27と、を備える。
スプロケット26は、軸受22,23の間の位置している。第2回転機構20の第2駆動機24を駆動すると、この第2駆動機24の回転軸に固定されたスプロケット25が回転し、チェーン27を介して第2スクリュー軸4Aに固定されたスプロケット26を回転させる。その結果、第2スクリュー4が第2回転機構20により回転させられる。
第2駆動機24は、制御装置6に接続される。第2駆動機24には、インバータ(図示せず)が内蔵されており、制御装置6は、インバータを介して第2駆動機24の動作を制御することができるように構成されている。すなわち、制御装置6は、インバータを介して第2駆動機24の回転速度および回転方向を制御することができる。第2駆動機24は、第2スクリュー4を第1スクリュー3とは独立して回転させることが可能である。なお、第1駆動機14も、第1駆動機14の回転速度および回転方向を変更可能なインバータ(図示せず)を内蔵している。
第1スクリュー羽根3Bは、第1スクリュー軸3Aの軸方向に沿って螺旋状に延びており、第2スクリュー羽根4Bは、第2スクリュー軸4Aの軸方向に沿って螺旋状に延びている。第1スクリュー羽根3Bが固定されている第1スクリュー3の部分と、第2スクリュー羽根4Bが固定されている第2スクリュー4の部分を合計した長さは、スクリーンケーシング1の軸方向の長さと同一か、または長い。
スクリーンケーシング1(より具体的には、内筒)と第1スクリュー羽根3Bとの間には微小な隙間が形成されており、第1スクリュー羽根3Bはスクリーンケーシング1に接触することなく回転することができるようになっている。同様に、スクリーンケーシング1の内面と第2スクリュー羽根4Bとの間には微小な隙間が形成されており、第2スクリュー羽根4Bはスクリーンケーシング1に接触することなく回転することができるようになっている。
回転する第1スクリュー羽根3Bおよび第2スクリュー羽根4Bは、スクリーンケーシング1の上流側端部に形成された投入口2からスクリーンケーシング1に投入された汚泥を排出チャンバー33に向かって(すなわち、移送方向Dに)移送することができる。
本実施形態では、第2スクリュー羽根4Bの巻き方向(すなわち、螺旋方向)は、第1スクリュー羽根3Bの巻き方向とは逆である。したがって、投入口2から投入された汚泥を、排出チャンバー33へ送り出すときは、図2に示すように、第2スクリュー4を第1スクリュー3とは逆方向に回転させることになる。
一実施形態では、第2スクリュー羽根4Bの巻き方向を、第1スクリュー羽根3Bの巻き方向と同一にしてもよい。この場合、投入口2から投入された汚泥を、排出チャンバー33へ送り出すときは、第2スクリュー4を第1スクリュー3と同方向に回転させることになる。
図2に示すように、スクリーンケーシング1は、第1スクリュー3が配置された脱水領域1Aと、第2スクリュー4が配置されたプラグ形成領域1Bと、に分割される。脱水領域1Aで汚泥が移送される空間は、スクリーンケーシング1の内面と、第1スクリュー羽根3Bと、第1スクリュー軸3Aと、によって形成される。
この移送空間の断面積は、図2に示すように、汚泥の移送方向Dに沿って漸次減少する。したがって、投入口2から投入された汚泥がこの移送空間を第1スクリュー羽根3Bによって移送されるに従って、汚泥は圧搾され、脱水される。スクリーンケーシング1のスクリーン(多孔板)を通過したろ液は、スクリーンケーシング1の下方に配置されたろ液受け38によって回収される。ろ液受け38には、ドレイン39が接続されており、ろ液受け38によって回収されたろ液は、ドレイン39を介してスクリュープレスSPから排出される。
プラグ形成領域1Bで汚泥が移送される空間は、スクリーンケーシング1の内面と、第2スクリュー羽根4Bと、第2スクリュー軸4Aと、によって形成される。図2に示すように、この移送空間の断面積は一定である。プラグ形成領域1Bでは、脱水領域1Aで脱水された汚泥(すなわち、ケーキ)によって、プラグケーキが形成される。
プラグ形成領域1B内のケーキは、第2スクリュー羽根4Bによって移動を妨げられることで圧搾され、低含水率のケーキとなる。この低含水率のケーキが、後続のケーキの移動を妨げるプラグケーキを形成する。第2スクリュー軸4Aの周りに形成されたプラグケーキによって、後続のケーキには背圧が加えられ、後続のケーキはさらに圧搾される。プラグ形成領域1Bでプラグケーキから分離された液体は、ろ液受け38によって回収され、ドレイン39を介してスクリュープレスSPから排出される。
プラグケーキを形成した後、制御装置6は、第2回転機構20を駆動させて、第2スクリュー4を回転させる(または第2回転機構20を操作して、第2スクリュー4の回転速度を大きくする)。第2スクリュー4を第1スクリュー3の回転方向とは逆方向に回転させることにより、プラグケーキは、少しずつ排出チャンバー33に送り出される(すなわち、排出される)。このように、プラグケーキの形成とプラグケーキの排出とが連続的に行なわれるので、常にプラグ形成領域1Bにプラグケーキが存在する状態で、スクリュープレスSPを運転することができる。
しかしながら、スクリュープレスSPでは、様々な事象により、刻々と汚泥の脱水状態が変化しうる。そこで、脱水システムDS(より具体的には、制御装置6)は、スクリュープレスSPから排出されるケーキの状態をリアルタイムに把握するように構成されている。以下、このような構成について、図面を参照して説明する。
図3は、画像取得装置を示す図である。図2および図3に示すように、脱水システムDSは、スクリュープレスSPから排出されたケーキの画像データを生成する画像取得装置200を備えている。画像取得装置200は、静止画像または連続画像(すなわち、動画)を生成するように構成されている。画像データは、静止画像データおよび連続画像データ(すなわち、動画データ)を含む。
画像取得装置200によって撮像される画像は、モノクロ画像であってもよいが、好ましくはカラー画像である。画像取得装置200の一例として、イメージセンサ(例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ)を挙げることができる。一実施形態では、画像取得装置200は、赤外線写真や紫外線写真など、可視光線の波長とは異なる波長を有する写真を撮像してもよい。
図2に示す実施形態では、画像取得装置200は、スクリュープレスSPの排出側(すなわち、排出側端部、排出チャンバー33側)に配置されている。より具体的には、画像取得装置200は、排出チャンバー33の上方(すなわち、排出されるケーキの上方)に配置されており、スクリーンケーシング1から連続的に排出されるケーキをリアルタイムに撮像可能である。画像取得装置200は、そのシャッタースピードを調整して、排出されるケーキの、より詳細な画像データを取得してもよい。
画像取得装置200がスクリーンケーシング1から排出されるケーキを撮像することができれば、画像取得装置200の配置場所は特に限定されない。例えば、画像取得装置200は、排出されるケーキの下方に配置されてもよく、排出されるケーキの側方に配置されてもよい。撮像環境を安定させるために、画像取得装置200をカバー部材で覆ってもよい。
図2に示す実施形態では、単一の画像取得装置200が配置されているが、複数の画像取得装置200が配置されてもよく、画像取得装置200は、カメラと照明装置との組み合わせであってもよい。画像取得装置200のレンズに汚れが付着することを防止するために、画像取得装置200は、レンズを覆う透明板(またはフィルター)を備えてもよい。
制御装置6は、画像取得装置200に電気的に接続されている。記憶装置6aは、画像取得装置200によって取得されたケーキの画像データを記憶するように構成されており、処理装置6bは、記憶装置6aに記憶された画像データに基づいて、ケーキの状態を判定するように構成されている。一実施形態では、制御装置6(より具体的には、処理装置6b)は、画像データに基づいて、ケーキの供回りの発生を判定するように構成されている。
図4は、スリット形成部材の一実施形態を示す図である。図4に示すように、スクリュープレスSPは、ケーキの移送方向Dに沿って、ケーキにスリットを形成するスリット形成部材210を備えている。スリット形成部材210は、スクリーンケーシング1の外面に固定されており、スクリーンケーシング1から排出されるケーキにマーク(ひっかき傷)を付するひっかき棒である。
図5(a)および図5(b)は、スリット形成部材の他の実施形態を示す図である。図5(a)および図5(b)に示すように、スクリュープレスSPは、スクリーンケーシング1と一直線上に延びる円筒部材(鞘管)212に配置されたスリット形成部材211を備えている。円筒部材212は、排出チャンバー33(図2参照)に接続されており、内壁33Aから突出している。スリット形成部材211は、円筒部材212の内面に固定されており、スクリーンケーシング1から排出されるケーキにスリット(マーク、ひっかき傷)を付する。
第2スクリュー羽根4Bは円筒部材212には存在していないため、回転する第2スクリュー羽根4Bが円筒部材212の内面に固定されたスリット形成部材211に接触することはない。一実施形態では、第2スクリュー羽根4Bが固定されている第2スクリュー4の部分の長さよりもスクリーンケーシング1の軸方向の長さが長い場合には、スリット形成部材211をスクリーンケーシング1の内面に固定しても、第2スクリュー羽根4Bはスリット形成部材211には接触しない。したがって、この場合には、スクリュープレスSPは、必ずしも円筒部材212を備える必要はない。
図6は、ケーキに付されたスリットを示す図である。スクリーンケーシング1内のケーキは、回転する第2スクリュー羽根4Bとともに回転しながら、スクリーンケーシング1から排出される。排出されるケーキは、回転する第2スクリュー羽根4Bによって形成されたスクリュー跡を有している。
排出されるケーキに供回りが発生していない場合、ケーキは、回転しつつ、スムーズにスクリーンケーシング1から排出されるため、ケーキに形成されたスリットは、排出されるケーキの移送方向Dに対して一定の回転角度で延びている。スリットは、排出されるケーキの回転角度を、画像データとして明確に示すために形成されており、スリットの回転角度はケーキの回転角度に対応している。スリットの回転角度は、スリットの、ケーキの移送方向Dに対する回転角度を意味し、スリットの回転角度がケーキの移送方向Dに対して垂直な方向に近づけば、スリットの回転角度が大きくなる。
排出されるケーキに供回りが発生している場合、ケーキの一部は、スクリーンケーシング1内で停滞してしまい、スクリーンケーシング1からスムーズに排出されない。したがって、供回りが発生している場合、スリットの回転角度は、供回りの有無を判定するための指標となる基準回転角度よりも大きくなる。
供回りの程度は、スリットの回転角度に応じて異なる。例えば、供回りの程度が小さければ、スリットの回転角度は小さくなる(すなわち、スリットの回転角度がケーキの移送方向Dと平行な方向に近づく)。供回りの程度は大きければ、スリットの回転角度は大きくなる(すなわち、スリットの回転角度がケーキの移送方向Dに対して垂直な方向に近づく)。
このように、制御装置6は、画像取得装置200によって取得された画像データに基づいて、スリット形成部材210(またはスリット形成部材211)によって形成されたスリットの形状(本実施形態では、スリットの回転角度)を把握し、スリットの形状に基づいて、供回りの発生を決定する。
制御装置6は、取得した画像データを追加的に処理(例えば、加工処理、水増し処理)してもよい。追加的な処理の一例として、トリミング、白黒化、標準化、圧縮などの処理を挙げることができる。一実施形態では、制御装置6は、複数の画像データ同士を結合してもよい。例えば、制御装置6は、複数の画像取得装置200で撮像した複数の画像を結合したり、単一の画像取得装置200で時間変化に応じて撮像した複数の画像データを結合してもよい。
制御装置6は、スリットの回転角度に応じて、供回りの有無を判定することはもちろん、供回りの程度(例えば、供回りレベルの低・中・高)を判定してもよい。供回りの程度は、スリットの回転角度の大きさに対応しており、これら供回りの程度とスリットの回転角度の大きさとの相関関係を示すデータ(相関データ)は記憶装置6aに記憶されている。
制御装置6は、機械学習アルゴリズムにより構築された少なくとも1つのモデルが格納された記憶装置6aと、画像データをモデルに入力し、ケーキの状態を示す判定結果をモデルから出力するための演算を実行する処理装置6bと、を備えてもよい。
機械学習アルゴリズムとしては、ディープラーニング法(深層学習法)が好適である。ディープラーニング法は、隠れ層が多層化された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)をベースとする学習法である。本明細書では、入力層と、二層以上の隠れ層と、出力層で構成されるニューラルネットワークを用いた機械学習をディープラーニングと称する。ディープラーニング法を用いることで、これまで人の目と経験に基づいて判定していたケーキの状態を、ケーキの画像データに基づいてコンピュータにより判定が可能となる。
モデルの入力層には、ケーキの画像を構成するピクセルデータが入力される。ピクセルデータは、各画素の色指標値(RGB値、グレースケールに従った輝度値、白または黒を表す数値など)を含む。制御装置6は、ニューラルネットワークに定義されるアルゴリズムに従って演算を実行し、モデルの出力層は、ケーキの状態を示す判定結果を出力する。
ディープラーニングなどの機械学習アルゴリズムにより、ケーキの状態を、スリットの回転角度を含む多様な要素を含めて学習(教師あり学習または教師なし学習)し、ケーキの状態の判定が可能なモデルを構築することができる。機械学習アルゴリズムを用いた上記モデルは、そのモデルを用いた運転を実施している脱水システムDSにおいて、新たに得られるデータを基に継続的に更新される。実情に合わせて更新されていくモデルは、適切な判定結果を継続的に出力することが可能となる。
制御装置6は、スクリュープレスSP側に配置されたコンピュータであってもよいし、クラウド上にあるサーバーを利用してもよい。コンピュータは、GPUを搭載してもよい。記憶装置6aは、制御装置6の内部に配置されてもよく、制御装置6の外部に配置されてもよい。制御装置6は、画像データを出力する出力装置を備えてもよい。
脱水システムDSは、制御装置6の他に、画像データを取得する監視装置(図示しない)を備えてもよい。監視装置は、撮像された画像や画像判別結果の出力値を保存するように構成されてもよく、ユーザーは、監視装置を介して、撮像された画像や画像判別結果の出力値などを確認したり、保存してもよい。監視装置は、警報を発信してもよい。警報はスクリュープレスSPに発報されてもよく、中央監視室に発報されてもよい。一実施形態では、個人に対して、警報に相当するメールが送信されてもよい。
監視装置のサーバーは、エッジデバイスであってもよく、クラウドサーバーであってもよい。監視装置がクラウドサーバー上にある場合には、ユーザーは、インターネットにより、遠隔で、ケーキの状態を監視してもよい。監視装置の監視画面は、撮像された画像・動画、出力結果のグラフ、出力結果を演算(移動平均処理を含む)したグラフ、グラフの凡例、警報、制御の閾値を表示してもよく、ユーザーは、監視装置の監視画面を通じて、上記閾値などを設定してもよい。監視装置は、上記の出力結果を用いて、演算するように構成されてもよい。
図7は、スクリュー跡に生じた欠けを示す図である。一実施形態では、制御装置6は、画像データに基づいて、第2スクリュー羽根4Bによって形成されたスクリュー跡に生じた欠けの有無を判定し、欠けの有無に基づいて、供回りの発生を決定してもよい。スクリュー跡は回転する第2スクリュー羽根4Bによって形成されている。図7では、欠けは、第2スクリュー羽根4Bの裏面側によって形成されたスクリュー跡に生じているが、第2スクリュー羽根4Bの表面側によって形成されたスクリュー跡に生じる場合もある。
スリットの回転角度と同様に、供回りの程度は、スクリュー跡に生じた欠けの大きさに応じて異なる。図7に示すように、供回りの程度が小さければ、小さな欠けが生じ(図7の異常1参照)、供回りの程度が大きければ、大きな欠けが生じる(図7の異常2参照)。制御装置6は、画像取得装置200によって取得された画像データに基づいて、欠けの形状(例えば、欠けの大きさ)を把握し、欠けの形状に基づいて、供回りの程度を決定する。
一実施形態では、制御装置6は、画像データに基づいて、スリットの形状および欠けの形状を把握し、これらの形状に基づいて、供回りの発生を決定してもよい。一実施形態では、制御装置6は、画像データに基づく物体検出(特定の物体の位置情報を検出する手段)により、スリットの形状および欠けの形状を把握してもよい。
一実施形態では、制御装置6は、画像データに基づく領域検出(特定の物体の面積情報を検出する手段)により、欠けの大きさを把握してもよい。画像解析の手法は特に限定されない。画像解析の手法として、分類、物体検出、セグメンテーションのいずれかの手法を用いることができる。
本実施形態によれば、制御装置6は、画像取得装置200によって取得された画像データに基づいて、ケーキの状態を判定することができる。したがって、制御装置6は、スクリュープレスSPから排出されるケーキの状態をリアルタイムに把握することができる。
制御装置6は、ケーキの状態に基づいて、供回りが発生していると決定し、第2回転機構20(および/または第1回転機構7)を動作させて、第2スクリュー4(および/または第1スクリュー3)の回転速度を現在の回転速度よりも一時的に大きくする。このような構成により、ケーキを速やかに排出することができ、供回りを解消することができる。
特許文献1は、同軸作動型のスクリュープレスを開示しているが、本実施形態のように構成されたスクリュープレスSPを開示していない。特許文献1では、第1スクリューと第2スクリューは、独立に回転するため、これら2つのスクリューの回転速度を適切に制御することは難しい。例えば、第2スクリューの回転速度が高すぎると、後続の汚泥を圧搾するためのプラグがろ過筒内に形成されず、含水率の高いケーキが排出されてしまう。一方で、第2スクリューの回転速度が低すぎると、プラグが後続の汚泥から高い圧力を受けて、ろ過筒内にこびりついてしまう。本実施形態では、制御装置6は、スクリュープレスSPから排出されるケーキの状態をリアルタイムに把握することができるため、第2スクリュー4(および/または第1スクリュー3)の回転速度を適切に制御することができる。
特許文献2は、ろ過筒の外面の画像を生成し、画像に基づいて前記第2スクリューの回転速度を決定し、第2スクリューを前記決定された回転速度で回転させることを開示している。しかしながら、ろ過筒の外面の画像を取得するカメラは、高湿度環境な脱水機室内に配置されており、ろ過筒の定期的な洗浄による水や汚泥の飛散がある環境に配置されている。したがって、カメラのレンズに曇りが発生したり、水・汚泥が付着するおそれがあるため、カメラのメンテナンスが煩雑である。また、カメラは、ろ過筒の側面を撮像しているため、供回りや含水率を直接的に判定することは困難である。本実施形態によれば、画像取得装置200は、スクリーンケーシング1から排出されるケーキを撮像するように構成されているため、画像取得装置200の設置環境に起因する問題は生じない。
特許文献3は、脱水機(軸摺動式スクリュープレス、ベルトプレス、同軸差動型スクリュープレス)に対し、原汚泥、凝集槽、濃縮槽などにカメラを設置し、含水率を範囲内に収めることを開示している。しかしながら、特許文献3は、テーパーコーンを有さない同軸差動型スクリュープレスに対して、ろ過筒から排出されたケーキを撮像する脱水システムDSとは異なる。また、特許文献3は、供回り(および/またはケーキの含水率)を常時把握することを目的とする脱水システムDSとは異なる目的を有している。本実施形態に係る脱水システムDSでは、制御装置6は、供回りの有無や含水率の把握といった、より詳細な脱水状態を常時、把握することで、より高度な運転制御が可能となる。
一実施形態では、制御装置6は、画像データに基づいて、ケーキの含水率を判定してもよい。例えば、制御装置6は、含水率の状態(高・低など)を判定してもよく、含水率の数値(例えば、割合(%))を判定してもよい。一実施形態では、制御装置6は、含水率の数値を範囲分けしてもよい(例えば、70~75%、75~80%、80~85%などの範囲)。数値を範囲分けする場合には、制御装置6は、分類精度の高い3~5%の刻み幅で範囲分けすることが好ましい。
一実施形態では、制御装置6は、ケーキの状態を示す判定結果に基づいて、ケーキの含水率が所定の含水率になるように、少なくとも第2スクリュー4の回転速度を制御するように構成されてもよい。
図8は、2つの領域に区画されたケーキを示す図である。図8に示すように、制御装置6は、画像データに基づいて、ケーキを2つの領域に区画してもよい。より具体的には、制御装置6は、ケーキのスクリュー跡を境界に、ケーキを、基準領域SL1と、基準領域SL1と比較する比較領域SL2と、を区画してもよい。
基準領域SL1は、ケーキの移送方向Dにおいて、先にスクリーンケーシング1から排出されるケーキの領域であり、比較領域SL2は、ケーキの移送方向Dにおいて、基準領域SL1よりも後にスクリーンケーシング1から排出されるケーキの領域である。
制御装置6は、比較領域SL2の含水率が基準領域SL1の含水率よりも高いか否かを判定する。例えば、制御装置6は、基準領域SL1の含水率と比較領域SL2の含水率とを比較し、比較領域SL2の含水率が所定の目標値から外れた場合(第1条件)、第2回転機構20を動作させて、第2スクリュー4の回転速度を調整(制御)するように構成されている。所定の目標値は、記憶装置6aに記憶されている。
例えば、比較領域SL2の含水率が目標値よりも高い場合、制御装置6は、ケーキの含水率を低くするために、第2スクリュー4の回転速度を小さくする。比較領域SL2の含水率が目標値よりも低い場合、制御装置6は、ケーキの含水率を高くするために、第2スクリュー4の回転速度を大きくする。一実施形態では、制御装置6は、基準領域SL1の含水率と比較領域SL2の含水率との間の差分が所定の値以上である場合(第2条件)、第2スクリュー4の回転速度を調整(制御)してもよい。
上述した実施形態では、供回りを回避するために、および/またはケーキの含水率を目標の含水率の範囲に収めるために、制御装置6は、凝集槽103(図1参照)に添加する凝集剤(無機・有機)の添加量、汚泥の、スクリュープレスSPへの投入量、脱水システムDSの構成要素(凝集槽103の攪拌機103a、濃縮機104、スクリュープレスSPの第1回転機構7および第2回転機構20)の回転速度を制御してもよい。
供回りが発生した場合には、制御装置6は、第2スクリュー4の回転速度を大きくすることが望ましい。ケーキの含水率が目標の含水率の範囲から外れた場合には、制御装置6は、凝集剤の添加量および第2スクリュー4の回転速度を制御することが望ましい。
図9は、スクリュープレスの他の実施形態を示す図である。図9に示すように、スクリュープレスSPは、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力を検出する複数の圧力センサ40(40A,40B,40C,40D)を備えている。一実施形態では、スクリュープレスSPは、単数の圧力センサ40を備えてもよい。複数の圧力センサ40のそれぞれは、制御装置6に電気的に接続されている。したがって、制御装置6は、複数の圧力センサ40のそれぞれから送られる信号に基づいて、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力を測定し、測定した圧力に基づいてスクリュープレスSP(より具体的には、第1スクリュー3および第2スクリュー4)の運転状態を判定するように構成されている。
図9に示すように、スクリーンケーシング1は、第1スクリュー3が配置された第1スクリューエリアPtと、第2スクリュー4が配置された第2スクリューエリアPpと、第1スクリューエリアPtと第2スクリューエリアPpとの間の切り替わりエリアPyと、に区画される。
図9に示す実施形態では、複数の圧力センサ40のそれぞれは、第1スクリューエリアPt、第2スクリューエリアPp、および切り替わりエリアPyのそれぞれに配置されている。より具体的には、圧力センサ40A,40Dは第1スクリューエリアPtに配置されており、圧力センサ40Bは第2スクリューエリアPpに配置されており、圧力センサ40Cは切り替わりエリアPyに配置されている。
図10は、スクリュープレスの運転状態に異常が発生した場合における圧力測定値の変化を示す図である。図10において、横軸は時間を示しており、縦軸は圧力測定値を示している。図10に示すグラフでは、第1スクリューエリアPtの圧力測定値のピークが不規則に変化している。この場合には、スクリーンケーシング1内の汚泥が第1スクリュー3と供回りしている可能性が高い。したがって、制御装置6は、第1スクリュー3の回転速度を大きくすることにより、汚泥の、第1スクリュー3との供回りを解消することができる。
図11は、画像取得装置によって取得された画像データと、圧力値のデータと、を組み合わせたデータセットを示す図である。図11に示すように、制御装置6は、複数の圧力センサ40(または単数の圧力センサ40)から送られた信号に基づいて測定した圧力値のデータ(例えば、波形データ)と、画像取得装置200によって取得した画像データと、を統合して、データセットを作成してもよい。
上述したように、圧力値の変化(圧力値が高いと含水率は低下する関係)を基に含水率や供回り有無の状況を把握することができるため、圧力値のデータを用いることで運転の状態をさらに精度よく判定することができる。この圧力値のデータをデータセットとして、汚泥の状態判別モデル(含水率、供回り)を構築することができる。モデル構築用の圧力値のデータセットは、数値としての圧力値をそのまま利用してもよく、または圧力値に基づいて描画されたグラフの画像を用いてもよい。
図12は、圧力値のデータセットと、画像データのデータセットと、を示す図である。制御装置6は、構築する汚泥の状態判別モデルとして、圧力値のデータ(例えば、波形データ)と、画像データと、を組み合わせて、データセットを構築してもよく(図11参照)、図12に示すように、圧力値のデータセットと、画像データのデータセットと、を構築して、これらデータセットから、個別のモデルを構築してもよい。
制御装置6は、距離センサ40Dによって検出された信号に基づいて、投入口2に投入された汚泥の高さを測定することができる。第1スクリュー3および第2スクリュー4の回転速度が適切であるにもかかわらず、測定された汚泥の高さが異常に高い、もしくは上昇傾向にある場合には、汚泥の、第1スクリュー3との供回りに起因して、投入される汚泥の量が適切でない、もしくは供回りが発生して汚泥が適切に搬送されていないおそれがある。この場合、汚泥の投入量を減らす、もしくは第1スクリュー3の回転速度を高くすることにより、汚泥の、第1スクリュー3との供回りを解消することができ、スクリュープレスSPの運転の最適化を実現することができる。このように、制御装置6は、距離センサ40Dによって検出された信号に基づいて、汚泥が第1スクリュー3(および/または第2スクリュー4)と供回りしているか否かを判定することができる。
このように、制御装置6は、複数の圧力センサ40A~40Cおよび距離センサ40Dのそれぞれから送られる信号に基づいて、スクリュープレスSPの運転状態を判定し、かつ画像データに基づいて、ケーキの状態を判定するように構成されてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 スクリーンケーシング
1A 脱水領域
1B プラグ形成領域
2 投入口
3 第1スクリュー
3A 第1スクリュー軸
3B 第1スクリュー羽根
4 第2スクリュー
4A 第2スクリュー軸
4B 第2スクリュー羽根
4F 縮径部
6 制御装置
7 第1回転機構
8 閉塞壁
10 水封装置
11,12 軸受
14 第1駆動機
15,16 スプロケット
17 チェーン
20 第2回転機構
22,23 軸受
24 第2駆動機
25,26 スプロケット
27 チェーン
33 排出チャンバー
33A 内壁
38 ろ液受け
39 ドレイン
40A~40C 圧力センサ
40D 距離センサ
101 汚泥貯留槽
102 汚泥供給ポンプ
103 凝集槽
103a 攪拌機
104 濃縮機
105 ポリマ熔解槽
106 ポリマ供給ポンプ
200 画像取得装置
210,211 スリット形成部材
212 円筒部材
DS 脱水システム
SP 脱水装置(スクリュープレス)
1A 脱水領域
1B プラグ形成領域
2 投入口
3 第1スクリュー
3A 第1スクリュー軸
3B 第1スクリュー羽根
4 第2スクリュー
4A 第2スクリュー軸
4B 第2スクリュー羽根
4F 縮径部
6 制御装置
7 第1回転機構
8 閉塞壁
10 水封装置
11,12 軸受
14 第1駆動機
15,16 スプロケット
17 チェーン
20 第2回転機構
22,23 軸受
24 第2駆動機
25,26 スプロケット
27 チェーン
33 排出チャンバー
33A 内壁
38 ろ液受け
39 ドレイン
40A~40C 圧力センサ
40D 距離センサ
101 汚泥貯留槽
102 汚泥供給ポンプ
103 凝集槽
103a 攪拌機
104 濃縮機
105 ポリマ熔解槽
106 ポリマ供給ポンプ
200 画像取得装置
210,211 スリット形成部材
212 円筒部材
DS 脱水システム
SP 脱水装置(スクリュープレス)
Claims (12)
- 第1スクリューおよび第2スクリューを備える同軸型の脱水装置と、
前記脱水装置から排出されたケーキの画像データを生成する画像取得装置と、
前記画像取得装置によって取得された前記画像データに基づいて、前記ケーキの状態を判定する制御装置と、を備えている、脱水システム。 - 前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記脱水装置内部の供回りの発生を判定する、請求項1に記載の脱水システム。
- 前記制御装置は、
前記画像データに基づいて、前記ケーキに形成されたスクリュー跡に生じた欠けの有無を判定し、
前記欠けの有無に基づいて、前記供回りの発生を決定する、請求項2に記載の脱水システム。 - 前記脱水装置は、前記ケーキの移送方向に沿って、前記ケーキにスリットを形成するスリット形成部材を備えており、
前記制御装置は、前記スリット形成部材によって形成されたスリットの形状に基づいて、前記供回りの発生を決定する、請求項2に記載の脱水システム。 - 前記制御装置は、前記供回りが発生していると決定した場合、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を大きくする、請求項2に記載の脱水システム。
- 前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記ケーキの含水率を判定する、請求項1に記載の脱水システム。
- 前記制御装置は、
前記画像データに基づいて、前記ケーキに形成されたスクリュー跡を境界に、前記ケーキを、基準領域と、前記基準領域と比較する比較領域と、を区画し、
前記比較領域の含水率が前記基準領域の含水率よりも高いか否かを判定する、請求項1に記載の脱水システム。 - 前記制御装置は、前記比較領域の含水率が所定の目標値から外れた第1条件と、前記基準領域の含水率と前記比較領域の含水率との間の差分が所定の値以上である第2条件と、のうちの少なくとも1つの条件を満たす場合、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を調整する、請求項7に記載の脱水システム。
- 前記脱水装置は、
液体含有物が投入されるろ過筒と、
前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を検出する圧力センサと、を備えており、
前記制御装置は、
前記圧力センサから送られる信号に基づいて、圧力値を測定し、
前記測定した圧力値のデータに基づいて、汚泥の状態判別モデルを構築し、
前記状態判別モデルと、前記画像データと、に基づいて、前記脱水装置の運転状態を判定する、請求項1に記載の脱水システム。 - 前記制御装置は、
機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルが格納された記憶装置と、
前記画像データを前記モデルに入力し、前記ケーキの状態を示す判定結果を前記モデルから出力するための演算を実行する処理装置と、を備えている、請求項1に記載の脱水システム。 - 前記制御装置は、前記ケーキの状態を示す判定結果に基づいて、前記ケーキの、前記第2スクリューとの供回りの発生を防止するように、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を制御する、請求項10に記載の脱水システム。
- 前記制御装置は、前記ケーキの状態を示す判定結果に基づいて、前記ケーキの含水率が所定の含水率になるように、少なくとも前記第2スクリューの回転速度を制御する、請求項10に記載の脱水システム。
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