JP2024031554A - エンジン装置 - Google Patents

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祐輔 岡
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
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Abstract

Figure 2024031554000001
【課題】過給領域であり且つスカベンジ領域であるときのエミッションの悪化を抑制する。
【解決手段】過給領域であり且つスカベンジ領域であるときには、ポート噴射弁から燃料噴射した燃料が霧化するのに必要な時間を霧化必要時間としたときに、排気バルブを閉弁したタイミングをポート噴射弁から燃料噴射を開始する開始タイミングとし、点火時期から霧化必要時間だけ前のタイミングを最終停止タイミングとし、開始タイミングから最終停止タイミングまでの時間に基づいてポート噴射弁から燃料噴射するポート燃料噴射量を計算し、全燃料噴射量よりポート燃料噴射量が大きいときには、全燃料噴射量からポート燃料噴射量を減じて得られる燃料噴射量を筒内噴射弁から燃料噴射する筒内燃料噴射量として計算する。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、エンジンをスカベンジ領域内で運転するときには、エンジンの排気弁が閉弁した後に、ポート噴射弁から燃料を噴射するようにエンジンを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、上述した制御により、ポート噴射弁から噴射された燃料と空気との混合気が吸気通路から排気通路に吹き抜けるのを抑制している。
特開2022-015812号公報
過給機を有するエンジンを備えるエンジン装置では、過給領域では排気中の粒子状物質の低減を図るためにポート噴射弁からの燃料噴射を行なうことが良好である。過給領域であり且つスカベンジ領域では、上述のエンジン装置のように、ポート噴射弁から燃料噴射することが良好であるが、ポート噴射弁から噴射した燃料が十分に霧化する前に点火されると、噴射された燃料の一部が不完全燃焼して煤などとなり、排気中の粒子状物質が増加してしまう。
本発明のエンジン装置は、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときのエミッションの悪化を抑制することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
過給機と可変バルブタイミング機構とポート噴射弁と筒内噴射弁とを有するエンジンと、
前記エンジンを制御する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときには、前記ポート噴射弁から燃料噴射した燃料が霧化するのに必要な時間を霧化必要時間としたときに、排気バルブを閉弁したタイミングを前記ポート噴射弁から燃料噴射を開始する開始タイミングとし、点火時期から前記霧化必要時間だけ前のタイミングを最終停止タイミングとし、前記開始タイミングから前記最終停止タイミングまでの時間に基づいて前記ポート噴射弁から燃料噴射するポート燃料噴射量を計算し、全燃料噴射量より前記ポート燃料噴射量が大きいときには、前記全燃料噴射量から前記ポート燃料噴射量を減じて得られる燃料噴射量を前記筒内噴射弁から燃料噴射する筒内燃料噴射量として計算する、
ことを特徴とする。
本発明のエンジン装置では、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときには、排気バルブを閉弁したタイミングをポート噴射弁から燃料噴射を開始する開始タイミングとし、点火時期から霧化必要時間だけ前のタイミングを最終停止タイミングとする。開始タイミングから最終停止タイミングまでの時間に基づいてポート噴射弁から燃料噴射するポート燃料噴射量を計算し、全燃料噴射量よりポート燃料噴射量が大きいときには、全燃料噴射量からポート燃料噴射量を減じて得られる燃料噴射量を筒内噴射弁から燃料噴射する筒内燃料噴射量として計算する。ここで、霧化必要時間は、ポート噴射弁から燃料噴射した燃料が霧化するのに必要な時間である。ポート噴射弁の燃料噴射の開始タイミングを排気バルブを閉弁したタイミングとし、ポート噴射弁の燃料噴射を停止する最終のタイミングを点火時期から霧化必要時間だけ前のタイミングとすることにより、ポート噴射弁から噴射された燃料は十分に霧化するから、ポート噴射弁から噴射された燃料の一部が不完全燃焼して煤などとなって排気中の粒子状物質が増加するのを抑制することができる。開始タイミングから最終停止タイミングまでの時間に基づいて計算されたポート燃料噴射量が全燃料噴射量以上のときには、ポート噴射弁から全燃料噴射量が燃料噴射される。一方、ポート燃料噴射量が全燃料噴射量未満のときには、ポート噴射弁からポート燃料噴射量が燃料噴射されると共に、筒内燃料噴射弁から全燃料噴射量からポート燃料噴射量を減じて得られる筒内燃料噴射量が燃料噴射される。即ち、ポート燃料噴射量が全燃料噴射量未満のときには、できる限りポート噴射弁から燃料噴射し、不足分を筒内噴射弁から噴射するのである。これにより、過給領域における排気中の粒子状物質の低減を図ることができる。これらの結果、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときのエミッションの悪化を抑制することができる。
霧化必要時間として吸気管から燃焼室までの温度が高いほど短く且つ吸気管圧力が大きいほど長くなる傾向に設定するものとしてもよい。これは、吸気管から燃焼室までの温度が高いほど霧化が良好となり、吸気管圧力が大きいほど霧化が不良となることに基づく。
本発明の実施例のエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。 電子制御ユニット70により実行される過給・スカベンジ領域燃料噴射量設定処理の一例を示すフローチャートである。 霧化必要時間設定用マップの一例をに示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン装置10が備える電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。実施例のエンジン装置10は、エンジン12からの動力を用いて走行する一般的な車両や、エンジン12に加えてモータを備える各種のハイブリッド車両に搭載され、図1や図2に示すように、エンジン12と、可変バルブタイミング機構15と、過給機40と、浄化装置37と、PMフィルタ38と、燃料供給装置16と、電子制御ユニット70とを備える。
エンジン12は、燃料タンク11から供給されるガソリンや軽油などの燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁28と、燃焼室31内に燃料を噴射する筒内噴射弁29と、点火プラグ32とを有する。筒内噴射弁29は燃焼室31の頂部の略中央に配置されており、燃料をスプレー状に噴射する。点火プラグ32は、筒内噴射弁29からスプレー状に噴霧される燃料に点火できるように筒内噴射弁29の近傍に配置されている。
エンジン12は、ポート噴射弁28と筒内噴射弁29とを有することにより、ポート噴射モードと筒内噴射モードと共用噴射モードとのうちの何れかで運転可能となっている。実施例では、全燃料噴射量に対するポート噴射弁28による燃料噴射量の割合をポート噴射割合Rp(0≦Rp≦1)としており、ポート噴射モードはポート噴射割合Rpが値1の場合であり、筒内噴射モードはポート噴射割合Rpが値0の場合であり、共用噴射モードではポート噴射割合Rpが値0より大きく値1より小さい場合(0<Rp<1の場合)である。
ポート噴射モードでは、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してインタークーラ25、スロットルバルブ26、サージタンク27の順に通過させ、吸気管23のサージタンク27よりも下流側の ポート噴射弁28から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。この混合気を吸気バルブ30を介して燃焼室31に吸入し、点火プラグ32による電気火花によって爆発燃焼させる。そして、爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン33の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。筒内噴射モードでは、ポート噴射モードと同様に空気を燃焼室31に吸入し、吸気行程や圧縮行程あるいは膨張行程において筒内噴射弁29から1回または複数回に分けて燃料を噴射し、点火プラグ32による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト14の回転運動を得る。特に膨張行程で燃料噴射する場合には筒内噴射弁29から噴射したスプレー状の燃料に点火できるように膨張行程での筒内噴射弁29の燃料噴射と点火プラグ32の点火とが同期して行なわれる。共用噴射モードでは、空気を燃焼室31に吸入する際にポート噴射弁28から燃料を噴射すると共に吸気行程や圧縮行程あるいは膨張行程において筒内噴射弁29から1回または複数回に分けて燃料を噴射し、点火プラグ32による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト14の回転運動を得る。
燃焼室31から排気バルブ34を介して排気管35に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)を有する浄化装置37と排気中の粒子状物質(煤など)を除去するPMフィルタ38とを介して外気に排出される。なお、クランクシャフト14には、エンジン12をクランキングする図示しないスタータと、エンジン12の動力により発電するオルタネータ48とが取り付けられている。オルタネータ48は、図示しないバッテリからエンジン冷却系38のファンモータ38dやウォーターポンプ38eなどに電力を供給する電力ラインに発電した電力を供給する。
可変バルブタイミング機構15は、、燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ30を開閉するインテークカムシャフトの回転位置を進角したり遅角したりして吸気バルブ30の開閉タイミングを変更すると共に排気バルブ34を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を進角したり遅角したりして排気バルブ34の開閉タイミングを変更する周知の機構として構成されている。
燃料供給装置16は、燃料タンク11と、フィードポンプ11pと、低圧供給管17と、高圧ポンプ18と、高圧供給管19と、を備える。燃料タンク11からの燃料はフィードポンプ11pにより圧送されて低圧供給管17を介してポート噴射弁28に供給されている。フィードポンプ11pは、図示しないバッテリからの電力の供給を受けて作動する電動ポンプとして構成されており、燃料タンク11に配置されている。なお、図示しないが、低圧供給管17にはフィードポンプ11p側からポート噴射弁28側の方向の燃料の流れを許容すると共に逆方向の燃料の流れを規制する逆止弁も取り付けられている。また、低圧供給管17からの燃料は高圧ポンプ18により圧送されて高圧供給管19を介して筒内噴射弁29に供給されている。高圧ポンプ18は、エンジン12からの動力(実施例では、吸気バルブ30を開閉するインテークカムシャフトの回転)により駆動されるポンプとして構成されている。高圧ポンプ18は、その吸入口に接続されて燃料を加圧する際に開閉する電磁バルブ18aと、その吐出口に接続されて燃料の逆流を規制すると共に高圧供給管19内の燃圧を保持するチェックバルブ18bと、エンジン12の回転(インテークカムシャフトの回転)により作動するプランジャ18cとを有し、エンジン12の運転中に電磁バルブ18aが開弁されたときに低圧供給管17の燃料を吸入し、電磁バルブ18aが閉弁されたときにプランジャ18cによって圧縮した燃料をチェックバルブ18bを介して高圧供給管19に断続的に送り込むことにより、高圧供給管19に供給する燃料を加圧する。なお、高圧ポンプ18の駆動時には、低圧供給管17内の燃圧や高圧供給管19内の燃圧(燃料の圧力)は、エンジン12の回転(インテークカムシャフトの回転)に応じて脈動する。
過給機40は、ターボチャージャとして構成されており、コンプレッサ41と、タービン42と、回転軸43と、ウェイストゲートバルブ44と、ブローオフバルブ45とを備える。コンプレッサ41は、吸気管23のインタークーラ25よりも上流側に配置されている。タービン42は、排気管35の浄化装置37よりも上流側に配置されている。回転軸43は、コンプレッサ41とタービン42とを連結する。ウェイストゲートバルブ44は、排気管35におけるタービン42よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管36に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。ブローオフバルブ45は、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管24に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。
この過給機40では、ウェイストゲートバルブ44の開度の調節により、バイパス管36を流通する排気量とタービン42を流通する排気量との分配比が調節され、タービン42の回転駆動力が調節され、コンプレッサ41による圧縮空気量が調節され、エンジン12の過給圧(吸気圧)が調節される。ここで、分配比は、詳細には、ウェイストゲートバルブ44の開度が小さいほど、バイパス管36を流通する排気量が少なくなると共にタービン42を流通する排気量が多くなるように調節される。なお、エンジン12は、ウェイストゲートバルブ44が全開のときには、過給機40を備えない自然吸気タイプのエンジンと同様に動作可能になっている。
また、過給機40では、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高いときに、ブローオフバルブ45を開弁させることにより、コンプレッサ41よりも下流側の余剰圧力を解放することができる。なお、ブローオフバルブ45は、電子制御ユニット70により制御されるバルブに代えて、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高くなると開弁する逆止弁として構成されるものとしてもよい。
電子制御ユニット70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUに加えて、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、データを記憶保持する不揮発性のフラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを備える。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。
電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、燃料タンク11内の圧力を検出する内圧センサ11aからのタンク内圧Ptnkや、エンジン12のクランクシャフ
ト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ14aからのクランク角θcr、エンジン12の冷却水の温度を検出する図示しない水温センサからの冷却水温Tw、スロットルバルブ26の開度を検出するスロットルポジションセンサ26aからのスロットル開度THを挙げることができる。吸気バルブ30を開閉するインテークカムシャフトや排気バルブ34を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出する図示しないカムポジションセンサからのカムポジションθcaも挙げることができる。吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ23aからの吸入空気量Qaや、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた吸気温センサ23tからの吸気温Tin、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた吸気圧センサ23bからの吸気圧(コンプレッサ前圧)Pin、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間に取り付けられた過給圧センサ23cからの過給圧Pcも挙げることができる。サージタンク27に取り付けられたサージ圧センサ27aからのサージ圧(スロットル後圧)Psや、サージタンク27に取り付けられた温度センサ27bからのサージ温度Tsも挙げることができる。ポート噴射弁28に供給する燃料の燃圧を検出する燃圧センサ28aからの低圧燃圧Pfpや筒内噴射弁29に供給する燃料の燃圧を検出する燃圧センサ29aからの高圧燃圧Pfdも挙げることができる。排気管35の浄化装置37よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ35aからのフロント空燃比AF1や、排気管35の浄化装置37の下流側に取り付けられたリヤ空燃比センサ35bからのリヤ空燃比AF2、排気管35に取り付けられたエキゾースト圧センサ35cからのエキゾースト圧Pex、PMフィルタ38の上流側および下流側に取り付けられた差圧センサ39からのフィルタ差圧Ppmも挙げることができる。
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、可変バルブタイミング機構15への制御信号や、スロットルバルブ26への制御信号、ポート噴射弁28への制御信号、筒内噴射弁29への制御信号、点火プラグ32への制御信号を挙げることができる。ウェイストゲートバルブ44への制御信号や、ブローオフバルブ45への制御信号、電磁バルブ18aへの制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、エンジン12の回転数Neや負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)KLを演算している。回転数Neは、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいて演算される。負荷率KLは、エアフローメータ23aからの吸入空気量Qaと回転数Neとに基づいて演算される。電子制御ユニット70は、冷却水温Twや負荷率KLなどに基づいて吸気バルブ30近傍の吸気管23から燃焼室31までの温度Tccを推定している。また、電子制御ユニット70は、吸入空気量に対する吸気管から排気管へ流れる空気量の比であるスカベンジ率Scを演算している。実施例では、スカベンジ率Scは、吸気管23の圧力(サージ圧センサ27aからのサージ圧Ps)と排気管35の圧力(エキゾースト圧センサ35cからのエキゾースト圧Pex)との差圧とスカベンジ率Scとの関係を実験や機械学習などにより予め定めてスカベンジ率設定用マップとして記憶し、吸気管23の圧力と排気管35の圧力との差圧が与えられるとマップから対応するスカベンジ率を導出することにより演算するものとした。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット70は、エンジン12の要求負荷率KL*に基づいて、スロットルバルブ26の開度を制御する吸入空気量制御や、ポート噴射弁28からの燃料噴射や筒内噴射弁29からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御、点火プラグ32の点火時期Tpを制御する点火制御、ウェイストゲートバルブ44の開度を制御する過給制御、電磁バルブ18aの開閉による高圧供給管19の燃圧制御などが行なわれる。燃料噴射制御には、ポート噴射弁28からの燃料噴射量や筒内噴射弁29からの燃料噴射量を設定する燃料噴射量の設定やポート噴射弁28の噴射時期や筒内噴射弁29の噴射時期を設定する燃料噴射時期の設定が含まれる。
次に、実施例のエンジン装置10の動作、特に、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときの燃料噴射量の設定の際の動作について説明する。図3は、電子制御ユニット70により実行される過給・スカベンジ領域燃料噴射量設定処理の一例を示すフローチャートである。
過給・スカベンジ領域燃料噴射量設定処理が実行されると、電子制御ユニット70は、まず、過給領域且つスカベンジ領域であるか否かを判定する(ステップS100)。過給領域であるか否かの判定は、エンジン12の回転数Neが予め定めた閾値(例えば2000rpmや2500rpmなど)以上であるか以下かを判定することにより行なうことができる。スカベンジ領域であるか否かの判定は、スカベンジ率が閾値(例えば2%や5%など)以上であるか否かを判定することにより行なうことができる。過給領域且つスカベンジ領域ではない(過給領域であるがスカベンジ領域ではない領域、過給領域ではないがスカベンジ領域である領域、過給領域でもなくスカベンジ領域でもない領域)と判定したときには、ポート燃料噴射量Qpおよび筒内燃料噴射量Qdについては各領域における通常の設定手法により設定し(ステップS110)、本処理を終了する。過給領域且つスカベンジ領域ではない領域におけるポート燃料噴射量Qpおよび筒内燃料噴射量Qdについては本発明の中核をなさないため、その詳細な説明は省略する。
ステップS100で過給領域且つスカベンジ領域であると判定したときには、排気バルブ34の閉タイミングをポート噴射弁28の燃料噴射を開始するポート燃料噴射開始タイミングTstartとして設定する(ステップS120)。排気バルブ34の閉タイミングは、エキゾーストカムシャフトの回転位置を検出する図示しないカムポジションセンサからのカムポジションθcaから求めることができる。
続いて、ポート噴射弁28から噴射した燃料が霧化するのに必要な時間(霧化必要時間)Tmistを設定する(ステップS130)。霧化必要時間Tmistは、実施例では、吸気バルブ30近傍の吸気管23から燃焼室31までの温度Tccと吸気管23のポート噴射弁28近傍の圧力(サージ圧Psで代用)と霧化必要時間Tmistとの関係を予め実験や機械学習などにより求めて霧化必要時間設定用マップとして記憶しておき、温度Tccとサージ圧Psとが与えられるとマップから対応する霧化必要時間を導出することにより設定するものとした。霧化必要時間設定用マップの一例を図4に示す。霧化必要時間設定用マップでは、霧化必要時間Tmistは、吸気バルブ30近傍の吸気管23から燃焼室31までの温度Tccが高いほど小さく(短く)、サージ圧Psが大きいほど大きく(長く)なるように設定される。これは、ポート噴射弁28から噴射した燃料が、吸気バルブ30近傍の吸気管23から燃焼室31までの温度Tccが高いほど霧化しやすく、サージ圧Psが大きいほど(吸気管負圧が小さいほど)霧化し難いことに基づいている。
次に、点火時期Tpから霧化必要時間Tmistだけ前のタイミングをポート噴射弁28からの燃料噴射を停止する最終のタイミング(最終停止タイミング)Tendとして設定する(ステップS140)。ここで、点火時期Tpは、エンジン12の冷却水の温度(冷却水温)Twと負荷率KLとにより求めることができる。実施例では、点火時期Tpは、冷却水温Twと負荷率KLと点火時期Tpとの関係を予め実験や機械学習などにより定めて点火時期設定用マップとして記憶しておき、冷却水温Twと負荷率KLとが与えられるとマップから対応する点火時期を導出することにより求めるものとした。点火時期Tpは、冷却水温Twが高いほど進角側になるように負荷率KLが大きいほど進角側になるように設定するものとした。
そして、ポート噴射弁28から噴射可能な燃料噴射量の最大値であるポート燃料噴射最大量Qpmaxを計算し(ステップS150)、ポート燃料噴射最大量Qpmaxが全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qall以上であるか否かを判定する(ステップS160)。ポート燃料噴射最大量Qpmaxは、最終停止タイミングTendからポート燃料噴射開始タイミングTstartを減じてポート噴射弁28からの燃料噴射時間を計算し、得られた燃料噴射時間に低圧燃圧Pfpと係数kpを乗じることにより計算することができる。全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qallは、例えば吸入空気量Qaに基づいてフロント空燃比AF1が目標空燃比AF*(例えば、理論空燃比)となるように計算することができる。
ステップS160でポート燃料噴射最大量Qpmaxが全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qall以上であると判定したときには、ポート噴射弁28から全燃料噴射量Qallを噴射可能と判断し、ポート噴射弁28から噴射する燃料噴射量であるポート燃料噴射量Qpに全燃料噴射量Qallを設定すると共に筒内噴射弁29から噴射する燃料噴射量である筒内燃料噴射量Qdに値0を設定し(ステップS170)、本処理を終了する。この場合、ポート噴射弁28については、排気バルブ34の閉タイミングであるポート燃料噴射開始タイミングTstartで開弁され、全燃料噴射量Qallの噴射完了したタイミングで閉弁される。なお、筒内噴射弁29からは燃料噴射されない。このようにポート燃料噴射開始タイミングTstartを排気バルブ29の閉タイミングとすると共にポート噴射弁28から噴射された燃料が霧化するのに必要な時間を経過することにより、ポート噴射弁28から噴射された燃料の一部がそのまま排気管35に排出されるのを抑止することができると共に燃料の一部が不完全燃焼して煤などとなって排気中の粒子状物質が増加するのを抑制することができる。
ステップS160でポート燃料噴射最大量Qpmaxが全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qall以上ではない(未満である)と判定したときには、ポート噴射弁28から全燃料噴射量Qallを噴射することができないと判断し、ポート燃料噴射量Qpにポート燃料噴射最大量Qpmaxを設定すると共に全燃料噴射量Qallからポート燃料噴射最大量Qpmax(ポート燃料噴射量Qp)を減じて得られる値を筒内燃料噴射量Qdとして設定し(ステップS180)、本処理を終了する。この場合、ポート噴射弁28については、排気バルブ34の閉タイミングであるポート燃料噴射開始タイミングTstartで開弁され、ポート燃料噴射最大量Qpmax(ポート燃料噴射量Qp)の噴射完了した最終停止タイミングTendで閉弁される。一方、筒内噴射弁29については、吸気行程或いは圧縮行程で筒内燃料噴射量Qdだけ燃料噴射する。このようにポート燃料噴射開始タイミングTstartを排気バルブ29の閉タイミングとすると共にポート噴射弁28からの燃料噴射を優先することにより、ポート噴射弁28から噴射された燃料の一部がそのまま排気管35に排出されるのを抑止することができると共に燃料の一部が不完全燃焼して煤などとなって排気中の粒子状物質が増加するのを抑制することができる。もとより、全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qallをポート噴射弁28および筒内噴射弁29から噴射することができる。
以上説明した実施例のエンジン装置10では、過給領域且つスカベンジ領域であるときには、ポート燃料噴射開始タイミングTstartを排気バルブ29の閉タイミングとすると共にポート噴射弁28からの燃料噴射を優先する。これにより、ポート噴射弁28から噴射された燃料の一部がそのまま排気管35に排出されるのを抑止することができると共に燃料の一部が不完全燃焼して煤などとなって排気中の粒子状物質が増加するのを抑制することができる。実施例のエンジン装置10では、過給領域且つスカベンジ領域であるときにポート燃料噴射最大量Qpmaxが全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qall未満であるときには、ポート燃料噴射量Qpにポート燃料噴射最大量Qpmaxを設定すると共に全燃料噴射量Qallからポート燃料噴射最大量Qpmax(ポート燃料噴射量Qp)を減じて得られる値を筒内燃料噴射量Qdとして設定する。これにより、ポート噴射弁28から噴射された燃料が霧化するから、燃料の一部が不完全燃焼して煤などとなって排気中の粒子状物質が増加するのを抑制することができる。これらの結果、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときのエミッションの悪化を抑制することができる。もとより、全燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qallをポート噴射弁28および筒内噴射弁29から噴射することができる。
実施例のエンジン装置10では、エンジン12として、筒内噴射弁29が燃焼室31の頂部の略中央に配置されているものを用いたが、筒内噴射弁29が燃焼室31の側壁(サイド)に配置されているエンジンを用いるものとしても構わない。
実施例のエンジン装置10では、過給機40は、吸気管23に配置されるコンプレッサ41と排気管35に配置されるタービン42とが回転軸43を介して連結されるターボチャージャとして構成されるものとした。しかし、これに代えて、エンジン12やモータにより駆動されるコンプレッサが吸気管23に配置されるスーパーチャージャとして構成されるものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、過給機40が「過給機」に相当し、ポート噴射弁28が「ポート噴射弁」に相当し、筒内噴射弁29が「筒内噴射弁」に相当し、エンジン12が「エンジン」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要
素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、11 燃料タンク、11a 内圧センサ、11p フィードポンプ、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a クランクポジションセンサ、15 可変バルブタイミング機構、16 燃料供給装置、17 低圧供給管、18 高圧ポンプ、18a 電磁バルブ、18b チェックバルブ、18c プランジャ、19 高圧供給管、22 エアクリーナ、23 吸気管、23a エアフローメータ、23b 吸気圧センサ、23c 過給圧センサ、24 バイパス管、25 インタークーラ、26 スロットルバルブ、27 サージタンク、27a サージ圧センサ、27b 温度センサ、28 筒内噴射弁、28a 燃圧センサ、29 吸気バルブ、30 燃焼室、31 点火プラグ、32 ピストン、34 排気バルブ、35 排気管、35c エキゾースト圧センサ、36 バイパス管、37 浄化装置、38 PMフィルタ、39 差圧センサ、40 過給機、41 コンプレッサ、42 タービン、43 回転軸、44 ウェイストゲートバルブ、45 ブローオフバルブ、70 電子制御ユニット。

Claims (2)

  1. 過給機と可変バルブタイミング機構とポート噴射弁と筒内噴射弁とを有するエンジンと、
    前記エンジンを制御する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、過給領域であり且つスカベンジ領域であるときには、前記ポート噴射弁から燃料噴射した燃料が霧化するのに必要な時間を霧化必要時間としたときに、排気バルブを閉弁したタイミングを前記ポート噴射弁から燃料噴射を開始する開始タイミングとし、点火時期から前記霧化必要時間だけ前のタイミングを最終停止タイミングとし、前記開始タイミングから前記最終停止タイミングまでの時間に基づいて前記ポート噴射弁から燃料噴射するポート燃料噴射量を計算し、全燃料噴射量より前記ポート燃料噴射量が大きいときには、前記全燃料噴射量から前記ポート燃料噴射量を減じて得られる燃料噴射量を前記筒内噴射弁から燃料噴射する筒内燃料噴射量として計算する、
    ことを特徴とするエンジン装置。
  2. 請求項1記載のエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記霧化必要時間として、吸気管から燃焼室までの温度が高いほど短く且つ吸気管圧力が大きいほど長くなる傾向に設定する、
    エンジン装置。
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