JP2024031316A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力センサのチップサイズを大きくすることなく、測定のバラツキが抑制できるようにする。【解決手段】この圧力センサは、基台101、ダイアフラム102、可動電極104、固定電極105を備え、さらに、基準室103の外部の基台101の裏面に形成され基台101を挟んで固定電極105と対向させて設けられた補正電極106を備える。補正電極106は、固定電極105に対応する位置に形成されている。例えば、固定電極105と補正電極106とは、基台101を挾んで平面視で同じ領域内に形成されている。【選択図】 図1
Description
本発明は、静電容量の変化を検出することで圧力を計測する圧力センサに関する。
静電容量式の隔膜真空計などの圧力センサは、ダイアフラム(隔膜)を含むセンサチップを測定対象のガスが流れる配管などに取り付けて、圧力を受けたダイアフラムのたわみ量、すなわち変位を静電容量値に変換し、静電容量値から圧力値を出力する。この圧力センサは、ガス種依存性が少ないことから、半導体設備をはじめ、工業用途で広く使用されている。この容量式の圧力センサにおいて、熱膨張の影響などによる測定のバラツキを抑制するために参照電極(補正電極)を用いる技術がある(特許文献1)。補正電極により得られる容量変化を基準として補正することで、測定のバラツキを抑制することができる。
しかしながら、従来技術では、可動電極の周囲に補正電極を設けるため、可動電極に加えて補正電極を形成する領域が必要となり、センサチップの小型化を妨げている。例えば、半導体製造装置などの精密な圧力制御が求められる装置では、内部状態管理の高度化要求に伴いセンサチップの実装数が増える傾向にあり、常にセンサチップの小型化の要求があり、改善が求められている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、圧力センサのチップサイズを大きくすることなく、測定のバラツキが抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係る圧力センサは、基台と、基台の表面から離間して基台と向かい合う対向面を有するダイアフラムと、基台とダイアフラムの対向面との間に形成された基準室と、基準室の内部で対向面に設けられた可動電極と、基準室の内部の基台の表面に設けられて可動電極と向かい合う固定電極と、基準室の外部の基台の裏面に形成され、基台を挟んで固定電極と対向させて設けられた補正電極とを備える。
上記圧力センサの一構成例において、補正電極は、固定電極に対応する位置に形成されている。
上記圧力センサの一構成例において、補正電極と固定電極との間の容量を基準とし、ダイアフラムの変位による可動電極と固定電極との間の容量変化を圧力値に変換して出力するように構成された圧力値出力部を備える。
上記圧力センサの一構成例において、基準室の内部で、可動電極の周囲に形成された副可動電極と、基準室の内部の基台の表面で固定電極の周囲に設けられて副可動電極と向かい合う副固定電極とを備える。
上記圧力センサの一構成例において、副可動電極は、可動電極の周囲を囲う状態に形成され、副固定電極は、固定電極の周囲を囲う状態に形成されている。
上記圧力センサの一構成例において、固定電極または副固定電極と補正電極との間の容量を基準とし、ダイアフラムの変位による可動電極と固定電極との間の容量変化を第1圧力値に変換して出力し、ダイアフラムの変位による副可動電極と副固定電極との間の容量変化を第2圧力値に変換して出力するように構成された圧力値出力部を備える。
上記圧力センサの一構成例において、固定電極または副固定電極と補正電極との間の容量を基準とし、ダイアフラムの変位による可動電極と固定電極との間の容量変化を第1圧力値に変換して出力し、ダイアフラムの変位による副可動電極と副固定電極との間の容量変化を第2圧力値に変換して出力するように構成された圧力値出力部を備える。
以上説明したように、本発明によれば、基台の裏面に補正電極を設けるので、圧力センサのチップサイズを大きくすることなく、測定のバラツキが抑制できる。
以下、本発明の実施の形態に係る圧力センサについて説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1にかかる圧力センサについて、図1を参照して説明する。この圧力センサは、基台101、ダイアフラム102、可動電極104、固定電極105を備える。この圧力センサは、例えば真空計として用いることができる。
はじめに、本発明の実施の形態1にかかる圧力センサについて、図1を参照して説明する。この圧力センサは、基台101、ダイアフラム102、可動電極104、固定電極105を備える。この圧力センサは、例えば真空計として用いることができる。
ダイアフラム102は、基台101の表面から離間して基台101と向かい合う対向面を有する。ダイアフラム102は、可動領域121で基台101と離間して配置されている。ダイアフラム102の可動領域121は、基台101の平面の法線方向に変位可能とされている。ダイアフラム102が測定対象からの圧力を受けると、可動領域121が変位する。
基台101とダイアフラム102の対向面との間には、基準室103が形成される。基準室103は、例えば、真空とされている。可動電極104は、基準室103の内部でダイアフラム102の対向面に設けられている。固定電極105は、基準室103の内部の基台101の表面に設けられて可動電極104と向かい合っている。
さらに、この圧力センサは、基準室103の外部の基台101の裏面に形成された補正電極106を備える。補正電極106は、固定電極105に対応する位置に形成されている。例えば、固定電極105と補正電極106とは、基台101を挾んで対向させて設けられ、平面視で同じ領域内に形成されている。
なお、ダイアフラム102は、ダイアフラム基板111に設けられた支持部112によって、基台101の上に支持されている。支持部112は、ダイアフラム102の周囲を取り囲むように配置されている。ダイアフラム基板111の支持部112と基台101とは、可動領域121の外側の接合部113で接合されている。なお、基台101の方に、支持部を設けることができる。例えば、基台101,ダイアフラム基板111は、平面視正方形とされている。また、ダイアフラム102は、平面視円形とされている。基台101およびダイアフラム基板111は、例えばサファイアやアルミナセラミックなどの絶縁体から構成することができる。
可動電極104と固定電極105とは、容量を形成する。この容量は、ダイアフラム102の可動領域121が変位する(撓む)ことで、変化する。よく知られているように、静電容量式の圧力センサは、固定電極105と可動電極104との間に形成される容量の変化により、ダイアフラム102の受圧領域(可動領域121)で受けた圧力を測定する。
また、この圧力センサは、圧力値出力部110を備える。圧力値出力部110は、補正電極106と固定電極105との間の容量を基準とし、ダイアフラム102の反り(変位)による可動電極104と固定電極105との間の容量変化を測定する。圧力値出力部110は、測定した容量変化を、設定されているセンサ感度を用いて圧力値に変換して出力する。
例えば温度の上昇により基台101およびダイアフラム基板111が熱膨張すると、ダイアフラム102が圧力を受けていなくても、可動電極104と固定電極105との間隔が変化し、容量が変化する。このため、圧力に変化がなくても、圧力が変化した測定結果が出力されてしまう。
これに対し、実施の形態1によれば、補正電極106を設けているので、補正電極106と固定電極105との間の容量を基準とすれば、上述した温度変化による可動電極104と固定電極105との間の容量の変化を補正できる。上述した温度の変化による熱膨張は、基台101においても発生し、固定電極105と補正電極106との間隔も変化して容量が変化する。固定電極105と補正電極106との間の容量は、圧力が変化しても影響を受けず、熱膨張の変化に影響を受ける。
このため、補正電極106と固定電極105との間の容量を基準として可動電極104と固定電極105との間の容量変化を測定すれば、圧力の変化によるダイアフラム102の変位による可動電極104と固定電極105との間の容量変化が測定できる。また、補正電極106は、基台101の裏面に形成するため、補正電極106を設けるためにチップサイズを大きくする必要が無い。このように、実施の形態1によれば、圧力センサのチップサイズを大きくすることなく、測定のバラツキが抑制できるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る圧力センサについて、図2、図3を参照して説明する。この圧力センサは、基台201、ダイアフラム202、可動電極204、固定電極205、副可動電極206、副固定電極207を備える。この圧力センサは、例えば真空計として用いることができる。
次に、本発明の実施の形態2に係る圧力センサについて、図2、図3を参照して説明する。この圧力センサは、基台201、ダイアフラム202、可動電極204、固定電極205、副可動電極206、副固定電極207を備える。この圧力センサは、例えば真空計として用いることができる。
ダイアフラム202は、基台201の表面から離間して基台201と向かい合う対向面を有する。ダイアフラム202は、可動領域221で基台201と離間して配置されている。ダイアフラム202の可動領域221は、基台201の平面の法線方向に変位可能とされている。ダイアフラム202が測定対象からの圧力を受けると、可動領域221が変位する。
基台201とダイアフラム202の対向面との間には、基準室203が形成される。基準室203は、例えば、真空とされている。可動電極204は、基準室203の内部でダイアフラム202の対向面に設けられている。固定電極205は、基準室203の内部の基台201の表面に設けられて可動電極204と向かい合っている。
また、この圧力センサは、基準室203の内部で、可動電極204の周囲に形成された副可動電極206と、基準室203の内部の基台201の表面で固定電極205の周囲に設けられて副可動電極206と向かい合う副固定電極207とを備える。例えば、副可動電極206は、可動電極204の周囲を囲う状態に形成されている。また、例えば、副固定電極207は、固定電極205の周囲を囲う状態に形成されている。
例えば、副可動電極206は、可動電極204の周囲を、一部(可動電極204に接続する引出し電極の配置領域)を除いて囲う状態に形成することができる。同様に、副固定電極207は、固定電極205の周囲を、一部(固定電極205に接続する引出し電極の配置領域)を除いて囲う状態に形成することができる。なお、例えば、固定電極205に接続する引出し電極を、固定電極205および副固定電極207が形成される基台201の表面に形成せず、基台201を貫通させて外部に引き出す場合は、固定電極205の周囲の全域を覆う状態に副固定電極207を形成することができる。
例えば、可動電極204(固定電極205)は、平面視で円形とされ、副可動電極206(副固定電極207)は、平面視で円環とされている。例えば、可動電極204(固定電極205)の面積と、副可動電極206(副固定電極207)とは、略同一の面積とすることができる。
さらに、この圧力センサは、基準室203の外部の基台201の裏面に形成された補正電極208を備える。補正電極208は、例えば、基台201を挟んで固定電極205および副固定電極207が形成されている領域に対向させて配置することができる。また、補正電極208は、例えば、基台201を挟んで固定電極205が形成されている領域に対向させて配置することができる。また、補正電極208は、例えば、基台201を挟んで副固定電極207が形成されている領域に対向させて配置することができる。
なお、ダイアフラム202は、ダイアフラム基板211に設けられた支持部212によって、基台201の上に支持されている。支持部212は、ダイアフラム202の周囲を取り囲むように配置されている。ダイアフラム基板211の支持部212と基台201とは、可動領域221の外側の接合部213で接合されている。なお、基台201の方に、支持部を設けることができる。例えば、基台201,ダイアフラム基板211は、平面視正方形とされている。また、ダイアフラム202は、平面視円形とされている。基台201およびダイアフラム基板211は、例えばサファイアやアルミナセラミックなどの絶縁体から構成することができる。
可動電極204と固定電極205とは、容量を形成する。この容量は、ダイアフラム202の可動領域221が変位する(撓む)ことで、変化する。よく知られているように、静電容量式の圧力センサは、固定電極205と可動電極204との間に形成される容量の変化により、ダイアフラム202の受圧領域(可動領域221)で受けた圧力を測定する。
また、この圧力センサは、圧力値出力部210を備える。圧力値出力部210は、固定電極205または副固定電極207と補正電極208との間の容量を基準とし、ダイアフラム202の変位による可動電極204と固定電極205との間の容量変化を第1圧力値に変換して出力する。また、圧力値出力部210は、ダイアフラム202の変位による副可動電極206と副固定電極207との間の容量変化を第2圧力値に変換して出力する。圧力値出力部210は、測定した各々の容量変化を、設定されているセンサ感度を用いて圧力値に変換して出力する。
実施の形態2によれば、可動電極204と固定電極205との間の容量変化により低圧領域を測定し、副可動電極206と副固定電極207との間の容量変化により高圧領域を測定する。
例えば、図4Aに示すように、ダイアフラム202が受圧していない状態から、ダイアフラム202が受圧する圧力がある圧力値(第1圧力)に達すると、図4Bに示すように、ダイアフラム202の変位により可動電極204が固定電極205に当接する。この状態となると、第1圧力以上の圧力を受けても、可動電極204と固定電極205との間の容量は変化しない。
一方、可動電極204が固定電極205に当接した第1圧力では、副可動電極206は、副固定電極207に当接していない。このため、第1圧力以上の圧力を受けることで、副可動電極206と副固定電極207との間の容量は変化する。例えば、第1圧力よりさらに高圧の第2圧力を受けることで、図4Cに示すように、副可動電極206が副固定電極207に当接するまでは、副可動電極206と副固定電極207との間の容量は変化する。
したがって、上述した圧力センサにより、第1圧力までの低圧測定レンジでは、可動電極204と固定電極205との間の容量変化を第1圧力値に変換して出力し、第1圧力から第2圧力までの高圧測定レンジでは、副可動電極206と副固定電極207との間の容量変化を第2圧力値に変換して出力することができる。この圧力センサによれば、測定レンジを拡張することができる。
また、実施の形態2に係る圧力センサにおいても、前述した実施の形態1と同様に、熱膨張の影響を受けることなく、圧力の変化によるダイアフラム202の変位による可動電極204と固定電極205との間の容量変化、副可動電極206と副固定電極207との間の容量変化が測定できる。
例えば温度の上昇により基台201およびダイアフラム基板211が熱膨張すると、ダイアフラム202が圧力を受けていなくても、可動電極204と固定電極205との間隔が変化し、容量が変化する。このため、圧力に変化がなくても、圧力が変化した測定結果が出力されてしまう。一方、熱膨張により、補正電極208と固定電極205との間の容量も変化する。したがって、補正電極208と固定電極205との間の容量を基準とすれば、上述した温度変化による可動電極204と固定電極205との間の容量の変化を補正できる。
また、補正電極208は、基台201の裏面に形成するため、補正電極208を設けるためにチップサイズを大きくする必要が無い。このように、実施の形態2においても、圧力センサのチップサイズを大きくすることなく、測定のバラツキが抑制できる。
以上に説明したように、本発明によれば、基台の裏面に補正電極を設けるので、圧力センサのチップサイズを大きくすることなく、測定のバラツキが抑制できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…基台、102…ダイアフラム、103…基準室、104…可動電極、105…固定電極、106…補正電極、110…圧力値出力部、111…ダイアフラム基板、112…支持部、113…接合部、121…可動領域、201…基台、202…ダイアフラム、203…基準室、204…可動電極、205…固定電極、206…副可動電極、207…副固定電極、208…補正電極、210…圧力値出力部、211…ダイアフラム基板、212…支持部、213…接合部、221…可動領域。
Claims (6)
- 基台と、
前記基台の表面から離間して前記基台と向かい合う対向面を有するダイアフラムと、
前記基台と前記ダイアフラムの前記対向面との間に形成された基準室と、
前記基準室の内部で前記対向面に設けられた可動電極と、
前記基準室の内部の前記基台の表面に設けられて前記可動電極と向かい合う固定電極と、
前記基準室の外部の前記基台の裏面に形成され、前記基台を挟んで前記固定電極と対向させて設けられた補正電極と
を備える圧力センサ。 - 請求項1記載の圧力センサにおいて、
前記補正電極は、前記固定電極に対応する位置に形成されていることを特徴とする圧力センサ。 - 請求項1または2記載の圧力センサにおいて、
前記補正電極と前記固定電極との間の容量を基準とし、前記ダイアフラムの変位による前記可動電極と前記固定電極との間の容量変化を圧力値に変換して出力するように構成された圧力値出力部を備える
ことを特徴とする圧力センサ。 - 請求項1記載の圧力センサにおいて、
前記基準室の内部で、前記可動電極の周囲に形成された副可動電極と、
前記基準室の内部の前記基台の表面で前記固定電極の周囲に設けられて前記副可動電極と向かい合う副固定電極と
を備えることを特徴とする圧力センサ。 - 請求項4記載の圧力センサにおいて、
前記副可動電極は、前記可動電極の周囲を囲う状態に形成され、
前記副固定電極は、前記固定電極の周囲を囲う状態に形成されている
ことを特徴とする圧力センサ。 - 請求項4または5記載の圧力センサにおいて、
前記固定電極または前記副固定電極と前記補正電極との間の容量を基準とし、前記ダイアフラムの変位による前記可動電極と前記固定電極との間の容量変化を第1圧力値に変換して出力し、前記ダイアフラムの変位による前記副可動電極と前記副固定電極との間の容量変化を第2圧力値に変換して出力するように構成された圧力値出力部を備える
ことを特徴とする圧力センサ。
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