JP2024030245A - ウォームギヤの検査装置、及びウォームギヤの検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォームギヤ単体にて当該ウォームギヤの噛み合い騒音を検査できるウォームギヤの検査装置、及びウォームギヤの検査方法を提供する。【解決手段】本発明は、相手ギヤの回転角度に対するウォームの回転軸と前記相手ギヤの回転軸との軸間距離の変位量Xを二階微分して得られる加速度Aの絶対値、又は前記加速度Aの最大値Ap1と最小値Ap2の差分Dxにより、ウォームの噛み合い騒音の良否を判定する。このため、ウォームを製品に組み付ける前、すなわちウォームの製造段階(製造業者)において、当該ウォームの噛み合い騒音の検査を行うことができる。【選択図】図7
Description
本発明は、ウォームギヤの検査装置、及びウォームギヤの検査装置に関する。
例えば以下の特許文献1に記載される従来のウォームギヤの品質検査として、従来は、ウォームギヤを適用する製品に組み付けた状態で、当該ウォームギヤの噛み合い騒音を検査していた。
しかしながら、前記従来のウォームギヤの検査方法は、ウォームギヤを適用する製品に組み付けた状態でなければ当該ウォームギヤの噛み合い騒音の検査を行うことができなかった。このため、ウォームギヤの製造段階(製造業者)で噛み合い騒音の検査を行えない不都合があり、改善の余地が残されていた。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、ウォームギヤ単体で当該ウォームギヤの噛み合い騒音を検査することができるウォームギヤの検査装置、及びウォームギヤの検査方法を提供することを目的としている。
本発明は、その一態様として、相手ギヤの回転角度に対するウォームの回転軸と前記相手ギヤの回転軸との軸間距離の変位を二階微分して得られる加速度の絶対値、又は前記加速度の最大値と最小値の差分を用いて、ウォームギヤの噛み合い騒音の良否を判定する。
本発明によれば、ウォームギヤ単体で、当該ウォームギヤの噛み合い騒音を検査することができる。
以下、本発明に係るウォームギヤの検査装置、及びウォームギヤの検査方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、下記の実施形態では、本発明の検査対象であるウォームギヤを従来と同様の自動車用冷却水の流量制御弁に適用したものを例示して説明する。
(ウォームギヤの構成)
図1は、流量制御弁CVにおいて第2ハウジングを取り外して減速機構4が露出した状態の流量制御弁CVの平面図を示している。図2は、図1のA-A線に沿って切断した流量制御弁CVの断面図を示している。
図1は、流量制御弁CVにおいて第2ハウジングを取り外して減速機構4が露出した状態の流量制御弁CVの平面図を示している。図2は、図1のA-A線に沿って切断した流量制御弁CVの断面図を示している。
図1、図2に示すように、本実施形態に係るウォームギヤが適用される流量制御弁CVは、ハウジング1の内部に収容される弁体2と、弁体2を駆動する電動モータ3と、電動モータ3の回転力を減速して弁体2に伝達する減速機構4と、を備える。すなわち、流量制御弁CVは、図示外の機関(エンジン)の運転状態に基づいて弁体2の回転位置が制御されることによって、流量制御弁CVに導かれた冷却水が、例えば図示外のヒータやオイルクーラ、ラジエータなどに分配される。
ハウジング1は、弁体2と電動モータ3を収容する第1ハウジング11と、第1ハウジング11に接続され、減速機構4を収容する第2ハウジング(図示外)と、を有する。第1ハウジング11は、内部に弁体2を収容可能な筒状の弁体収容部111と、弁体収容部111に対して並列に設けられ、電動モータ3を収容可能なモータ収容部112と、を有する。第2ハウジング(図示外)は、第1ハウジング11の軸方向(弁体2及び電動モータ3の回転軸方向)の一端部に被せるように取り付けられ、内部に減速機構4を収容可能な減速機構収容部121を画定する。
電動モータ3は、出力軸32が第2ハウジング(図示外)側へ臨むかたちでモータ本体31がモータ収容部112に収容される。電動モータ3は、モータ本体31の出力軸32側の端部において径方向(電動モータ3の回転軸に直交する方向)の外側へ延びるように設けられたフランジ部33を介して、モータ収容部112の開口縁部に複数のスクリュ34により固定される。なお、電動モータ3は、図示しない車載の電子コントローラにより制御され、車両の運転状態に応じて弁体2を回転駆動する。
減速機構4は、2組の食い違い歯車である、第1ウォームギヤ41及び第2ウォームギヤ42によって構成される。第1ウォームギヤ41は、電動モータ3の出力軸32と同軸上に設けられ、出力軸32と一体となって回転する第1ウォーム411と、電動モータ3の出力軸32と直交して配置される第1支持軸43により回転支持され、第1ウォーム411と噛み合う第1斜歯歯車412と、によって構成される。第2ウォームギヤ42は、第2支持軸44により回転支持され、第1斜歯歯車412と一体となって回転する第2ウォーム421と、弁体2の回転軸20に一体回転可能に固定され、第2ウォーム421と噛み合う第2斜歯歯車422と、によって構成される。
ここで、第1斜歯歯車412と第2斜歯歯車422は、当該両歯車412,422が直列に並んで一体に形成された複合歯車部材40であって、この複合歯車部材40の軸方向両端部に挿入される第1支持軸43及び第2支持軸44を介して、第1ハウジング11の1対の軸受部113,113に回転可能に支持される。これにより、電動モータ3の出力軸32から出力された回転駆動力が、第1ウォームギヤ41及び第2ウォームギヤ42を介して減速され、弁体2に伝達される。なお、本実施形態では、第1ウォーム411が本発明に係るウォームに相当し、第1斜歯歯車412が本発明に係る相手ギヤに相当する。
図3は、本実施形態に係るウォームギヤの検査装置5の概略図を示している。
本実施形態に係るウォームギヤの検査装置5は、例えば図3に示すように、台状に形成された支持ベース50と、支持ベース50に固定され、第1回転軸線Z1上にウォームである第1ウォーム411を回転可能に支持する固定支持体51と、支持ベース50に対して相対移動可能に設けられ、第1回転軸線Z1に直交する第2回転軸線Z2上に相手ギヤである第1斜歯歯車412を回転可能に支持する可動支持体52と、を有する。
固定支持体51は、支持ベース50に固定された基部511と、基部511の側方に延出し、第1ウォーム411を回転可能に支持する固定支持部512と、を有する。固定支持部512は、当該固定支持部512に回転可能に支持される第1支持軸513を介して、第1回転軸線Z1上において第1ウォーム411を回転可能に支持する。また、固定支持部512に支持される第1支持軸513には、支持ベース50に設けられた周知のステッピングモータ53が、所定の伝達機構(例えばプーリ及びベルト)を介して接続される。これにより、第1ウォーム411は、ステッピングモータ53から出力される駆動力により、第1回転軸線Z1周りに回転する。
また、ステッピングモータ53は、第1ウォーム411の回転角度θx1を計測可能な回転センサ54を内蔵する。回転センサ54は、パルス信号により第1ウォーム411の回転角度θx1を計測する。なお、本実施形態は、第1ウォーム411の回転角度θx1を計測可能な回転センサ54が第1ウォーム411を回転駆動するステッピングモータ53に内蔵された態様を例示するが、回転センサ54は、ステッピングモータ53に内蔵された態様に限定されず、例えばステッピングモータ53の外部に設けられていてもよい。
可動支持体52は、本発明に係る支持体に相当するものであり、支持ベース50に支持される可動ベース521と、可動ベース521にフローティング状態に配置され、第1斜歯歯車412を回転可能に支持する可動支持部522と、を有する。可動ベース521は、当該可動ベース521に連係されるアクチュエータ524及び減速機構525を介して、第1回転軸線Z1と第2回転軸線Z2との軸間距離Lを調整可能となっている。可動支持部522は、第2支持軸523を介して、第1斜歯歯車412と第2斜歯歯車422とを一体に形成してなる複合歯車部材40を、第1回転軸線Z1に直交する第2回転軸線Z2周りに回転可能に保持する。また、可動支持部522は、第1回転軸線Z1に直交する第1ウォーム411の径方向Dにおいて固定支持体51に対して相対移動可能に設けられると共に、付勢機構526を介して第1ウォーム411側へ常時付勢されている。
以上のような構成から、検査装置5では、可動支持体52に回転支持される第1斜歯歯車412が、固定支持体51に回転支持される第1ウォーム411と噛み合わされ、ステッピングモータ53により回転駆動される第1ウォーム411に従動して回転する。すると、可動支持体52において、第1斜歯歯車412を回転支持する可動支持部522が第1ウォーム411側へ向けて常時付勢されていることにより、第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の噛み合いに応じて、第1ウォーム411に対し第1斜歯歯車412が接近又は離間するように、第1斜歯歯車412を支持する可動支持部522が第1ウォーム411の径方向Dに沿って移動(変位)する。
また、可動支持体52は、第1回転軸線Z1と第2回転軸線Z2の軸間距離Lであって第1ウォーム411の径方向Dにおける可動支持体52の移動距離(変位)を計測可能な変位センサ55を有する。変位センサ55には、例えば光学式リニアスケールが用いられる。なお、変位センサ55は、可動支持体52の変位量を計測可能なセンサであれば、検査装置5の仕様等に応じて任意に変更可能である。
図4は、図3に示す検査装置5の要部を拡大表示した検査装置5の斜視図を示している。図5は、図4のB-B線に沿って切断した検査装置5の断面図を示している。図6は、図5のC-C線に沿って切断した検査装置5の断面図を示している。なお、図示の便宜上、図4、図5では、それぞれ固定支持体51の基部511及び固定支持部512を省略すると共に、可動支持体52の可動ベース521を省略し、図6では、可動支持体52の可動ベース521を省略している。
図4~図6に示すように、検査装置5は、台状に形成された支持ベース50と、支持ベース50に固定され、第1回転軸線Z1上に第1ウォーム411を回転可能に支持する固定支持体51と、支持ベース50に対して相対移動可能に設けられ、第1回転軸線Z1に直交する第2回転軸線Z2上に第1斜歯歯車412を回転可能に支持する可動支持体52と、を有する。
固定支持体51は、例えば図4、図5に示すように、支持ベース50に固定された基部511と、基部511の側方に可動支持体52と対向して設けられ、第1支持軸513を介して第1ウォーム411を回転可能に支持する固定支持部512と、を有する。固定支持部512は、第1ウォーム411の内部を軸方向(第1回転軸線Z1に沿う方向)に貫通状態に形成されたウォーム貫通孔411aを貫通する軸部材514の軸方向両端部を回転可能に支持する一対の第1支持軸515と、を有する。
可動支持体52は、例えば図4、図6に示すように、支持ベース50に支持される可動ベース521と、可動ベース521にフローティング状態に配置され、第1斜歯歯車412を回転可能に支持する可動支持部522と、を有する。可動支持部522は、軸方向(第2回転軸線Z2に沿う方向)の両端側に挿入された一対の第2支持軸523,523を介して複合歯車部材40を回転可能に支持するコ字形状に形成されていて、所定の金属材料により一体に形成されている。具体的には、可動支持部522は、第1ウォーム411の径方向Dに沿って概ね平行に延びる一対の支持アーム部522a,522bと、この支持アーム部522a,522b同士を繋ぐ直線状の接続部522cと、を有し、前記一対の支持アーム部522a,522bに回転支持される一対の第2支持軸523,523により、第2回転軸線Z2周りに第1斜歯歯車412を回転可能に支持する。
(ウォームギヤの検査方法)
図7(a)は、第1斜歯歯車412の回転角度θx2に対する第1ウォーム411の回転軸線Z1と第1斜歯歯車412の回転軸線Z2との軸間距離Lの変位量Xの波形を表したグラフを示している。図7(b)は、図7(a)に示す軸間距離Lの変位量Xを一階微分して得られる速度Vの波形を表したグラフを示している。図7(c)は、図7(a)に示す軸間距離Lの変位量Xを二階微分して得られる加速度Aの波形を表したグラフを示している。
図7(a)は、第1斜歯歯車412の回転角度θx2に対する第1ウォーム411の回転軸線Z1と第1斜歯歯車412の回転軸線Z2との軸間距離Lの変位量Xの波形を表したグラフを示している。図7(b)は、図7(a)に示す軸間距離Lの変位量Xを一階微分して得られる速度Vの波形を表したグラフを示している。図7(c)は、図7(a)に示す軸間距離Lの変位量Xを二階微分して得られる加速度Aの波形を表したグラフを示している。
第1ウォーム411と第1斜歯歯車412を噛み合わせてなる第1ウォームギヤ41の噛み合い騒音の検査を行うには、まず、製品に搭載した状態で実際に噛み合わせて使用する予定の一組の第1ウォームギヤ41を、検査装置5にセットする(例えば図4参照)。続いて、ステッピングモータ53を回転させて、第1ウォームギヤ41を構成する第1ウォーム411と第1斜歯歯車412とを噛み合い駆動する。そして、回転センサ54及び変位センサ55によって、第1斜歯歯車412の回転角度θx2に対する第1ウォーム411の回転軸線Z1と第1斜歯歯車412の回転軸線Z2との軸間距離Lの変位(変位量X)を計測すると共に、軸間距離Lの変位量Xを一階微分して速度Vを、さらには軸間距離Lの変位量Xを二階微分して加速度Aを、それぞれ計測する。なお、第1斜歯歯車412の回転角度θx2は、第1ウォーム411を回転駆動するステッピングモータ53の回転角度θx1に基づいて算出される。
すると、例えば図7(a)に示すような軸間距離Lの変位量Xの波形データ、図7(b)に示すような速度Vの波形データ、さらに図7(c)に示すような加速度Aの波形データが得られる。そして、この得られた各波形データのうち、図7(c)に示す加速度Aの波形データに着目すると、当該波形データでは、角度θ1、θ2、θ3、θ4、θ5において、加速度Aの絶対値が所定の閾値Pよりも大きくなっている。さらに、角度θ2において記録された加速度Aの最大値Ap1となり角度θ4において記録された加速度Aの最小値Ap2との差分Dxが、所定の閾値Qよりも大きくなっている。
上記加速度Aが著しく増大する現象は、角度θ1、θ2、θ3、θ4、θ5において、第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の二歯面間における微小な凹凸(引っ掛かり)を乗り越えることによって発生する。すなわち、加速度Aは、速度Vの変化量であるため、上記凹凸(引っ掛かり)を乗り越えた状態が、急峻な速度Vの変化量である過大な加速度Aとして、当該加速度Aの波形データに現れることとなる。
なお、本実施形態では、上記凹凸(引っ掛かり)を乗り越えた状態が、微小な変化Fとして、軸間距離Lの変位量Xの波形データにも現れているが、上記凹凸(引っ掛かり)の程度によっては、当該軸間距離Lの変位量Xが微小なものとなり、第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の噛み合い騒音を適切に確認できないおそれがある。さらには、上記加速度Aを用いた評価では不良と判断されるものであっても、上記凹凸(引っ掛かり)の程度によってはJISの噛み合い誤差の規格内に収まってしまうことがあるため、前記JISの噛み合い誤差の規格によって第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の噛み合い騒音を適切に検査することは困難であった。
そこで、本実施形態に係るウォームギヤの検査方法では、軸間距離Lの変位量Xを二階微分して得られる加速度Aにより、第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の噛み合い騒音を検査(測定)することとした。この軸間距離Lの変位量Xを二階微分して得られる加速度Aに基づいて噛み合い騒音の不良が確認された場合には、当該不良と判定された第1ウォーム411と第1斜歯歯車412を不良品として除外する。そのうえで、前記不良の原因が第1ウォーム411及び第1斜歯歯車412のいずれにあるかを、第1ウォーム411及び第1斜歯歯車412の各マスターギヤによって判定することができる。
また、第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の二歯面間における微小な凹凸(引っ掛かり)は、主として第1ウォーム411を形成する転造ダイスの寿命が原因で生じ得ることから、第一次的には、前記転造ダイスの寿命の管理を適切に行うことにより、噛み合い騒音が規定値を超えるような第1ウォーム411が大量に製造されてしまう不具合を抑制することが望ましい。そのうえで、本実施形態では、前記転造ダイスの寿命以外の突発的又は偶発的な要因により発生し得る第1ウォーム411と第1斜歯歯車412の二歯面間における微小な凹凸(引っ掛かり)による噛み合い騒音について、検査装置5によって適切に検査(選別)可能となり、第1ウォーム411及び第1斜歯歯車412の品質不良を抑制することができる。
(本実施形態の作用効果)
前記従来のウォームギヤの検査方法は、ウォームギヤを搭載する製品に当該ウォームギヤを組み付けた状態でなければウォームギヤの噛み合い騒音の検査を行うことができなかった。このため、ウォームギヤの製造段階(製造業者)で噛み合い騒音の検査を行えない不都合があり、改善の余地が残されていた。
前記従来のウォームギヤの検査方法は、ウォームギヤを搭載する製品に当該ウォームギヤを組み付けた状態でなければウォームギヤの噛み合い騒音の検査を行うことができなかった。このため、ウォームギヤの製造段階(製造業者)で噛み合い騒音の検査を行えない不都合があり、改善の余地が残されていた。
また、特公平7-76681号公報に記載されるように、検査装置に加速度センサを搭載し、この加速度センサを用いてウォームの歯面検査を行うことが知られている。しかしながら、検査装置に加速度センサを搭載する場合、設備費用が増大するうえ、当該装置は特定のウォームギヤ専用の検査装置となってしまい、ウォームギヤの製造コストが増大してしまうおそれがあった。また、加速度センサの設置には高い精度が要求されるため、当該加速度センサの管理が煩雑となり、ウォームギヤの生産性の低下や、製造コストの増大を招来してしまうおそれもあった。
これに対して、本実施形態に係るウォームギヤの検査装置及び検査方法では、以下の効果が奏せられることにより、前記従来のウォームギヤの検査装置の課題を解決することができる。
すなわち、本実施形態に係るウォームギヤの検査装置5は、ウォーム(第1ウォーム411)と相手ギヤ(第1斜歯歯車412)からなるウォームギヤ(第1ウォームギヤ41)の噛み合い騒音を検査するウォームギヤの検査装置であって、相手ギヤ(第1斜歯歯車412)を回転可能に保持すると共に、ウォーム(第1ウォーム411)にウォーム(第1ウォーム411)の回転軸(第1回転軸線Z1)に対する径方向から相手ギヤ(第1斜歯歯車412)を噛み合わせて前記径方向へ移動可能に設けられた支持体(可動支持体52)と、相手ギヤ(第1斜歯歯車412)の回転角度θx2、及びウォーム(第1ウォーム411)の回転軸(第1回転軸線Z1)と相手ギヤ(第1斜歯歯車412)の回転軸(第2回転軸線Z2)との軸間距離Lを計測可能なセンサ(回転センサ54及び変位センサ55)と、を有し、ウォーム(第1ウォーム411)を回転させて、センサ(回転センサ54及び変位センサ55)によって計測された相手ギヤ(第1斜歯歯車412)の回転角度θx2に対する前記軸間距離Lの変位(変位量X)を二階微分して得られる加速度Aの絶対値、又は前記加速度Aの最大値Ap1と最小値Ap2の差分Dxにより、ウォームギヤ(第1ウォームギヤ41)の噛み合い騒音の良否を判定する。
換言すれば、本実施形態に係るウォームギヤの検査方法は、ウォーム(第1ウォーム411)と相手ギヤ(第1斜歯歯車412)からなるウォームギヤ(第1ウォームギヤ41)の噛合い騒音を検査するウォームギヤの検査方法であって、相手ギヤ(第1斜歯歯車412)の回転角度θx2に対するウォーム(第1ウォーム411)の回転軸(第1回転軸線Z1)と相手ギヤ(第1斜歯歯車412)の回転軸(第2回転軸線Z2)との軸間距離Lの変位(変位量X)を二階微分して得られる加速度Aの絶対値、又は前記加速度Aの最大値Ap1と最小値Ap2の差分Dxにより、ウォームギヤ(第1ウォームギヤ41)の噛み合い騒音の良否を判定する。
このように、本実施形態では、相手ギヤである第1斜歯歯車412の回転角度θx2に対するウォームである第1ウォーム411の回転軸(第1回転軸線Z1)と第1斜歯歯車412の回転軸(第2回転軸線Z2)との軸間距離Lの変位量Xを二階微分して得られる加速度Aの絶対値、又は前記加速度Aの最大値Ap1と最小値Ap2の差分Dxにより、第1ウォームギヤ41の噛み合い騒音の良否を判定する。これにより、第1ウォームギヤ41(複合歯車部材40)を製品に組み付ける前、すなわち第1ウォームギヤ41(複合歯車部材40)の製造段階(製造業者)において、当該第1ウォームギヤ41の噛み合い騒音の検査を行うことができる。
さらに、本実施形態では、加速度センサ等により第1斜歯歯車412の加速度Aを直接検出するのではなく、第1ウォーム411の回転軸(第1回転軸線Z1)と第1斜歯歯車412の回転軸(第2回転軸線Z2)との軸間距離Lの変位量Xを二階微分して加速度Aを得ている。このため、検査装置の支持体(本実施形態に係る可動支持体52に相当)に加速度センサを配置して、ウォームホイール(本実施形態に係る第1斜歯歯車412に相当)の加速度を検出することによってウォームの歯面を検査する前記従来の検査方法と比べて、加速度センサの煩雑な管理が不要となり、ウォームギヤの生産性の向上が図れる。
加えて、本実施形態では、前記従来の検査方法のように前記加速度センサを用いないことから、既存の検査装置の構成を大きく変更する必要がなく、当該検査装置を特定のウォームギヤ専用の検査装置とする必要もない。したがって、検査装置に要する設備費用の増大や、ウォームギヤの製造コストの増大を招来してしまうおそれもない。
また、第1ウォームギヤ41を構成する一方のギヤ(第1ウォーム411又は第1斜歯歯車412)を検査用ギヤ(マスターギヤ)によって構成した場合には、当該検査において噛み合い騒音が良好と判定されても、実際の製品(流量制御弁CV)に搭載した後に第1ウォームギヤ41の噛み合い騒音が不良となってしまうおそれがある。これに対して、本実施形態では、実際に噛み合う第1ウォーム411と第1斜歯歯車412とに基づいて第1ウォームギヤ41の噛み合い騒音を検査するため、当該第1ウォームギヤ41が搭載される製品(流量制御弁CV)の品質をより的確に保証することができる。
また、加速度Aに基づいて第1ウォームギヤ41の噛み合い騒音を検査することによって、第1ウォーム411の回転軸(第1回転軸線Z1)と第1斜歯歯車412の回転軸(第2回転軸線Z2)との軸間距離Lの変位量Xでは発見できない噛み合い騒音の不良についても適切に検査して良否を判定することができる。
また、本実施形態では、前記相手ギヤは、斜歯歯車(第1斜歯歯車412)であり、支持体(可動支持体52)は、斜歯歯車(第1斜歯歯車412)の回転軸線(第2回転軸線Z2)の方向がウォーム(第1ウォーム411)の回転軸線(第1回転軸線Z1)に対して直角方向となるように、相手ギヤ(第1斜歯歯車412)を保持する。
このように、本実施形態では、第1ウォーム411の相手ギヤが、斜歯歯車である第1斜歯歯車412によって構成されている。このため、第1ウォーム411の相手ギヤが平歯車により構成されている場合と比べて、第1ウォーム411から相手ギヤ(第1斜歯歯車412)への動力伝達効率が向上するうえ、第1ウォーム411と相手ギヤ(第1斜歯歯車412)の噛み合い騒音も低減することができる。
本発明に係るウォームギヤの検査装置5、及びウォームギヤの検査方法は、前記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏し得る形態であれば、検査対象であるウォームギヤの仕様等に応じて自由に変更可能である。
特に、前記実施形態では、ウォームギヤの検査装置5及びこれを用いた検査方法の検査対象であるウォームギヤの一例として第1ウォームギヤ41を例示したが、第2ウォームギヤ42についても同様に検査できることは言うまでもない。
また、第1ウォーム411及び第2ウォーム421の相手ギヤについては、前述のように、動力伝達効率及び噛み合い騒音の観点から、本実施形態で例示したような斜歯歯車(第1斜歯歯車412及び第2斜歯歯車422)によって構成されることが望ましいが、例えば製造コストなどウォームギヤの仕様等に応じて、平歯車に変更することも可能である。
41…第1ウォームギヤ(ウォームギヤ)、411…第1ウォーム(ウォーム)、412…第1斜歯歯車(相手ギヤ)、5…検査装置、52…可動支持体(支持体)、54…回転センサ(センサ)、55…変位センサ(センサ)、Z1…第1回転軸線、Z2…第2回転軸線、L…軸間距離、θx2…回転角度、X…変位量(変位)、A…加速度、Ap1…最大値、Ap2…最小値、Dx…差分、
Claims (4)
- ウォームと相手ギヤからなるウォームギヤの噛み合い騒音を検査するウォームギヤの検査装置であって、
前記相手ギヤを回転可能に保持すると共に、前記ウォームに前記ウォームの回転軸に対する径方向から前記相手ギヤを噛み合わせて前記径方向へ移動可能に設けられた支持体と、
前記相手ギヤの回転角度、及び前記ウォームの回転軸と前記相手ギヤの回転軸との軸間距離を計測可能なセンサと、
を有し、
前記ウォームを回転させて、前記センサによって計測された前記相手ギヤの回転角度に対する前記軸間距離の変位を二階微分して得られる加速度の絶対値、又は前記加速度の最大値と最小値の差分により、前記ウォームギヤの噛み合い騒音の良否を判定する、
ことを特徴とするウォームギヤの検査装置。 - 請求項1に記載のウォームギヤの検査装置であって、
前記軸間距離の変位は、前記支持体の前記径方向の移動距離である、
ことを特徴とするウォームギヤの検査装置。 - 請求項2に記載のウォームギヤの検査装置であって、
前記相手ギヤは、斜歯歯車であり、
前記支持体は、前記斜歯歯車の回転軸線の方向が前記ウォームの回転軸線に対して直角方向となるように、前記相手ギヤを保持する、
ことを特徴とするウォームギヤの検査装置。 - ウォームと相手ギヤからなるウォームギヤの噛合い騒音を検査するウォームギヤの検査方法であって、
前記相手ギヤの回転角度に対する前記ウォームの回転軸と前記相手ギヤの回転軸との軸間距離の変位を二階微分して得られる加速度の絶対値、又は前記加速度の最大値と最小値の差分により、前記ウォームギヤの噛み合い騒音の良否を判定する、
ことを特徴とするウォームギヤの検査方法。
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JP2022132964A JP2024030245A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | ウォームギヤの検査装置、及びウォームギヤの検査方法 |
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2022
- 2022-08-24 JP JP2022132964A patent/JP2024030245A/ja active Pending
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