JP2024027943A - クレンジング化粧料 - Google Patents

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Tone, (Yoshida) Miwa
竜成 杉野
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Abstract

【課題】本発明の目的は、スクワランを基剤として含みながらも、クレンジング力及び透明性が良好であるクレンジング化粧料を提供することにある。【解決手段】上記目的は、スクワランと、ホホバ種子油と、エステル油と、フェニル基及びトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサンであるシリコーン油と、4個以上のエステル結合を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルである非イオン性界面活性剤(ただし、テトラオレイン酸ソルベス-40を除く )と、水とを含むクレンジング化粧料などにより解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚上の化粧料及び汚れを除去する目的で使用される、溶剤型のスキンケア化粧料であるクレンジング化粧料に関する。
メイクアップ化粧料、皮膚の汚れといった油性の汚れを除去する皮膚洗浄料において、洗浄力(クレンジング力)及び洗浄後の使用感を両立したものが望まれている。皮膚洗浄料の例として、液状のクレンジングオイルが挙げられる。一般的に、クレンジングオイルは、メイク汚れを落とす皮膚洗浄料の中でも、優れたクレンジング力を発揮することが知られている。しかし、クレンジングオイルは、皮膚上の皮脂を過剰に洗い流す傾向にあり、使用後の皮膚が乾燥するおそれがある。
そこで、クレンジングオイルの基剤として、保湿成分としても使用される油剤を使用することが考えられる。このような油剤の一種として、スクワランが挙げられる。スクワランは、サメ類の肝油から得られるスクワレンに水素添加して得られるものであり、無色透明の油剤である。スクワレンは、小麦胚芽油などにも存在する他、ヒトの皮脂中にも含まれており、コレステロールの先駆物質として知られている。スクワランは化学的に安定であり、同じ炭化水素の流動パラフィンより油性感が少なく、感触の非常によい、代表的な良質オイルである。スクワランは、皮膚刺激がほとんどなく、エモリエント効果にすぐれており、特に高級化粧品の成分として用いられている(例えば、非特許文献1を参照)。
スクワランを基剤として含むクレンジングオイルとしては、例えば、スクワラン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ホホバ種子油及びテトラオレイン酸ソルベス-40を含む頭皮用クレンジングオイル化粧料が知られている(特許文献1を参照)。
一方、皮膚洗浄料としては、石油由来の油剤が基剤として一般的に用いられている。このような油剤の一種として、流動パラフィンが挙げられる。流動パラフィンを基剤として含む皮膚洗浄料としては、流動パラフィン(27.54質量%~27.587質量%)、イソノナン酸イソノニル、メチルフェニルポリシロキサン(5.00質量%)、ホホバ油、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40EO)(14.00質量%)、精製水を含む液状透明皮膚洗浄料が知られている(特許文献2を参照)。
特開2015-089869号公報 特開2004-256474号公報
化粧品成分用語事典2012、第6版、2012年8月31日発行、第30頁~第31頁
肌上の化粧料及び汚れを除去する目的で使用されるクレンジング化粧料は、クレンジング力及び使用感に加えて、清潔感を訴求するために透明であることが望ましい。特許文献1に記載の頭皮用クレンジングオイル化粧料は透明であるか否かが不明であるところ、本発明者らが調べたところによれば、スクワランと非イオン性界面活性剤とを組み合わせただけでは透明なクレンジング化粧料は得られない。
特許文献2に記載の液状透明皮膚化粧料は、基剤として流動パラフィンを用いている。非特許文献1に記載があるとおり、石油由来の流動パラフィンは、天然物由来のスクワランに比べると、油性感が大きく、感触がよくない。さらに、特許文献2に記載の液状透明皮膚化粧料は、非イオン性界面活性剤であるテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(40EO)に対して流動パラフィンの量が少ない。結果として、特許文献2に記載の液状透明皮膚化粧料は、クレンジング力が劣り、非イオン性界面活性剤による刺激感が大きいおそれがある。
また、使用感に優れたスクワランを基剤として含みつつも、クレンジング力及び透明性が良好であるクレンジング化粧料はこれまでにほとんど知られていない。
そこで、本発明は、スクワランを基剤として含みながらも、クレンジング力及び透明性が良好であるクレンジング化粧料を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、スクワランを基剤として、さらにホホバ種子油を用いることにより、エモリエント効果に優れ、洗浄後に皮膚にしっとり感を付与するクレンジング化粧料を調製することができた。しかし、これらを含みつつ、透明な化粧料を得ることは困難であった。
そこで、本発明者らは、さらに試行錯誤を繰り返して、成分の相溶性を高めるために非イオン性界面活性剤を用いたところ、透明なクレンジング化粧料を得る場合もあれば、そうではない場合もあることを見出した。また、得られたクレンジング化粧料は、透明性が高くても、保管条件によっては、分離、白濁、固化などが見られるものであった。
上記した知見をもとに、本発明者らがさらに検討を進めたところ、スクワラン及びホホバ種子油に加えて、エステル油及び水、さらに所定の非イオン性界面活性剤及び所定のシリコーン油を組み合わせたところ、クレンジング力が高く、かつ透明なクレンジング化粧料を得ることに成功した。しかも、驚くべきことに、得られたクレンジング化粧料は、経時安定性に優れたものであった。
本発明者らは、このような知見を基に、本発明の課題を解決するものとして、スクワラン、ホホバ種子油、エステル油、水、所定の非イオン性界面活性剤及び所定のシリコーン油を含むクレンジング化粧料を創作することに成功した。本発明は、これらの知見及び成功例に基づき完成された発明である。
したがって、本発明の一側面として、以下の各態様が提供される。
[1](A)スクワランと、
(B)ホホバ種子油と、
(C)エステル油と、
(D)フェニル基及びトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサンであるシリコーン油と、
(E)4個以上のエステル結合を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルである非イオン性界面活性剤(ただし、テトラオレイン酸ソルベス-40を除く)と、
(F)水と
を含むクレンジング化粧料。
[2]前記成分(D)は、含有量が15質量%~30質量%である、[1]に記載のクレンジング化粧料。
[3]前記成分(D)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の割合((A)/(D))は0.5~5.0である、及び/又は、前記成分(E)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の割合((A)/(E))は5~40である、[1]に記載のクレンジング化粧料。
[4]前記成分(A)は、含有量が29質量%~60質量%である、[1]に記載のクレンジング化粧料。
[5]前記成分(A)~(F)の含有量の合計が80質量%~90質量%である、[1]に記載のクレンジング化粧料。
[6]前記成分(D)は、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン及びフェニルトリメチコンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれか1項に記載のクレンジング化粧料。
[7]前記成分(E)は、テトラオレイン酸ソルベス及びペンタオレイン酸ソルベスからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれか1項に記載のクレンジング化粧料。
[8]含有量が29質量%~60質量%のスクワランと、
含有量が1質量%~15質量%のホホバ種子油と、
含有量が1質量%~40質量%のエステル油と、
含有量が12質量%~35質量%のフェニル基及びトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサンであるシリコーン油と、
含有量が0.5質量%~10質量%の4個以上のエステル結合を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルである非イオン性界面活性剤(ただし、テトラオレイン酸ソルベス-40を除く )と、
含有量が0.8質量%~2.3質量%の水と
を含む、クレンジング化粧料。
本発明によれば、クレンジング力があり、かつエモリエント効果の高いスクワランを基剤として、さらにエモリエント効果の高いホホバ種子油を含みながらも、エステル油、水、所定の非イオン性界面活性剤及び所定のシリコーン油を含むことにより、クレンジング力及び透明性が良好であるクレンジング化粧料を提供することができる。本発明の一態様のクレンジング化粧料は、含有するスクワラン、ホホバ種子油、エステル油、シリコーン油その他のクレンジング効果のある油剤を含むことにより、良好な使用感をもって、皮膚上にある、メイクアップ化粧料、皮膚の汚れといった油性の汚れを除去するために、日常的に使用することが期待される。
さらに、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、安定性に優れるものであることから、長期間の使用及び保存が可能である。また、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、複雑な工程を経ずに製造できることから、工業的規模で製造することが可能である。
以下、本発明の各態様の詳細について説明するが、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、化粧品分野における当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてなされている理論や推測は、本発明者らのこれまでの知見や経験によってなされたものであることから、本発明の技術的範囲はこのような理論や推測のみによって拘泥されるものではない。
「及び/又は」は、列記した複数の関連項目のいずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせ若しくは全ての組み合わせを意味する。
「含有量」は、濃度と同義であり、クレンジング化粧料の全体量に対する成分の量の割合を意味する。ただし、各成分の含有量の総量は、100%を越えることはない。本明細書では、別段の定めがない限り、含有量の単位は「質量%(wt%)」を意味する。なお、成分の含有量は、市販品を用いる場合は、市販品に含まれる成分の量であることが好ましいが、市販品自体の量であってもよい。
数値範囲の「~」は、本明細書において、その前後の数値を含む範囲であり、例えば、「0質量%~100質量%」は、0質量%以上であり、かつ、100質量%以下である範囲を意味する。「超過」及び「未満」は、その前の数値を含まない、下限及び上限をそれぞれ意味し、例えば、「1超過」は1より大きい数値であり、「100未満」は100より小さい数値を意味する。
「含む」は、含まれるものとして明示されている要素以外の要素を付加できることを意味する(「少なくとも含む」と同義である)が、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。すなわち、「含む」は、明示されている要素及び任意の1種若しくは2種以上の要素を含み、明示されている要素からなり、又は明示されている要素から本質的になることを意味し得る。要素としては、成分、工程、条件、パラメーターなどの制限事項などが挙げられる。
整数値の桁数と有効数字の桁数とは一致する。例えば、1の有効数字は1桁であり、10の有効数字は2桁である。また、小数値は小数点以降の桁数と有効数字の桁数とは一致する。例えば、0.1の有効数字は1桁であり、0.10の有効数字は2桁である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、スクワラン(成分(A))と、ホホバ種子油(成分(B))と、エステル油(成分(C))と、所定のシリコーン油(成分(D))と、所定の非イオン性界面活性剤(成分(E))と、水(成分(F))とを含む。
成分(A)のスクワランは、通常知られているとおり、スクワレンの水素添加物である。スクワランは、クレンジング化粧料へ、皮膚からの水分蒸散を抑えてうるおいを保ち、皮膚を柔らかくするエモリエント作用、皮膚の水分を補うこと、水分の蒸発を防ぐことなどを通じて皮膚のうるおいを保つ保湿作用、油性の汚れを溶かして除去するクレンジング作用といった作用を付与するように機能する。成分(A)は、サメ肝油、植物油などの天然油に含まれるスクワレンに水素添加すること、サトウキビの抽出液を発酵させること、その他の公知の方法によって得ることができる。成分(A)は、市販されているものであってもよい。
成分(A)の含有量は、スクワランに期待する作用を発揮し得る量であればよく、特に限定されないが、例えば、クレンジング化粧料を使用して洗浄した後に、皮膚へしっとり感を付与したい場合は、好ましくは25質量%~70質量%であり、より好ましくは29質量%~60質量%であり、さらに好ましくは30質量%~55質量%である。成分(A)の含有量は、クレンジング化粧料の基剤として用いることから、配合成分の中で最も多い量であることが好ましい。
成分(B)のホホバ種子油は、通常知られているとおり、シモンジア科植物であるホホバ(Simmondsia chinensis;Jojoba)の種子から得られる液体ロウである。成分(B)は、成分(A)と同様に、クレンジング化粧料へ、エモリエント作用、保湿作用、クレンジング作用といった作用を付与するように機能する。成分(B)は、ホホバの種子から圧搾や抽出することなどにより得ることができる。成分(B)は、市販されているものであってもよい。
成分(B)の含有量は、ホホバ種子油に期待する作用を発揮し得る量であればよく、特に限定されないが、例えば、クレンジング化粧料を使用して洗浄した後に、皮膚へしっとり感を付与したい場合は、好ましくは0.1質量%~20質量%であり、より好ましくは1質量%~15質量%であり、さらに好ましくは3質量%~12質量%である。
成分(C)のエステル油は、通常知られているとおり、脂肪酸とアルコールとから合成される合成油である。本発明の一態様のクレンジング化粧料は、成分(C)を含有することにより、成分間の混和性が向上し、調製後の透明性が向上するので、透明性の優れた化粧料であり得る。また、成分(C)は、該作用に加えて、クレンジング化粧料へクレンジング作用といった作用を付与するように機能する。
成分(C)は、上記作用を期待できるものであれば特に限定されず、例えば、エチルヘキサン酸セチル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)などが挙げられるが、常温下で比較的低粘度であることによりスクワランその他の成分との相溶性が良好であるとの観点から、エチルヘキサン酸セチル、トリエチルヘキサノイン及びイソノナン酸イソノニルが好ましい。成分(C)は、上記したものの1種の単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。成分(C)は、公知の方法により合成するなどして得てもよいし、市販されているものであってもよい。
成分(C)の含有量は、エステル油に期待する作用を発揮し得る量であればよく、特に限定されないが、例えば、エステル油によるクレンジング化粧料の透明性の観点から、好ましくは0.1質量%~50質量%であり、より好ましくは1質量%~40質量%であり、さらに好ましくは3質量%~35質量%である。
成分(D)は、フェニル基及びトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサンであるシリコーン油である。中でも、同一のSi原子に、フェニル基及びトリメチルシロキシ基が結合している構造を有することが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、成分(D)を含有することにより、成分間の混和性が向上し、調製後の透明性が向上するので、透明性の優れた化粧料であり得る。また、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、成分(D)を含有することにより、保管時に各成分が均一に溶解した状態を維持することができるので、経時安定性に優れた化粧料であり得る。また、成分(D)は、該作用に加えて、クレンジング化粧料へクレンジング作用といった作用を付与するように機能する。
成分(D)は、上記作用を期待できるものであれば特に限定されず、例えば、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、アミノプロピルフェニルトリメチコンなどが挙げられるが、常温下で比較的低粘度であることによりスクワランその他の成分との相溶性が良好であるとの観点から、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン及びフェニルトリメチコンが好ましい。成分(D)は、上記したものの1種の単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。成分(D)は、公知の方法により合成するなどして得てもよいし、市販されているものであってもよい。
成分(D)の含有量は、成分(D)に期待する作用を発揮し得る量であればよく、特に限定されないが、例えば、成分(D)によるクレンジング化粧料の透明性及び経時安定性の観点から、好ましくは10質量%超過40質量%以下であり、より好ましくは12質量%~35質量%であり、さらに好ましくは15質量%~30質量%である。
成分(D)の含有量は、クレンジング化粧料の透明性の観点で、成分(A)の含有量と一定の関係にあることが好ましい。すなわち、成分(D)は、成分(A)に対して一定の量以上で含有していることが好ましい。この観点から、成分(D)の含有量に対する成分(A)の含有量の割合((A)/(D))は、例えば、好ましくは5.4未満であり、より好ましくは0.5~5.0であり、さらに好ましくは1.0~3.5である。
シリコーン油について、本発明者らが調べたところによれば、成分(D)に代えて、ジフェニルジメチコン、ジメチコン又はシクロペンタシロキサンを用いた場合、得られるクレンジング化粧料の透明性又は経時安定性が損なわれる傾向にあることがわかった。そこで、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、ジフェニルジメチコン、ジメチコン及びシクロペンタシロキサンを含む場合であっても、これらの含有量の合計は、成分(D)の含有量よりも少ないことが好ましく、10質量%未満であることがより好ましく、1質量%未満であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがなおさらに好ましい。
成分(E)の4個以上のエステル結合を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルである非イオン性界面活性剤は、エーテル化した部分を有する4価以上の多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合してなり、かつ界面活性作用を示す非イオン性界面活性剤である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、成分(E)を含有することにより、保管時に各成分が均一に溶解した状態を維持することができるので、経時安定性に優れた化粧料であり得る。また、成分(E)は、該作用に加えて、クレンジング化粧料において、各成分の相溶性を高める界面活性作用を発揮する。
成分(E)は、上記作用を期待できるものであれば特に限定されず、例えば、酸化エチレンが複数モル付加され、脂肪酸がオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸から選ばれる、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルが挙げられる。付加する酸化エチレンのモル数は限定されず、例えば、6モル、30モル、40モル、60モルなどが挙げられる。ただし、いかなる場合であっても、成分(E)からは、テトラオレイン酸ソルベス-40が除外される。
成分(E)は、4価以上の多価アルコールを構成単位として有することで嵩高い構造をとり、これが奏功してクレンジング化粧料の経時安定性が良好になると推測される。また、成分(E)は、クレンジング化粧料の経時安定性が良好になる傾向にあることから、親水親油バランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance;HLB)が8~14が好ましく、8.5~12であることがより好ましく、9~10.5であることがさらに好ましい。これらの観点から、成分(E)は、例えば、テトラオレイン酸ソルベス-30、ペンタオレイン酸ソルベス-40、テトラオレイン酸ソルベス-6、テトラオレイン酸ソルベス-60、テトラステアリン酸ソルベス-60などが好ましく、クレンジング化粧料の経時安定性の観点から、テトラオレイン酸ソルベス-30及びペンタオレイン酸ソルベス-40がより好ましい。成分(E)は、上記したものの1種の単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。成分(E)は、公知の方法により合成するなどして得てもよいし、市販されているものであってもよい。
成分(E)の含有量は、成分(E)に期待する作用を発揮し得る量であればよく、特に限定されないが、例えば、クレンジング化粧料の経時安定性の観点から、好ましくは0.1質量%~20質量%であり、より好ましくは0.5質量%~10質量%であり、さらに好ましくは1質量%~5質量%である。
成分(E)の含有量は、クレンジング化粧料の経時安定性の観点で、成分(A)の含有量と一定の関係にあることが好ましい。この観点から、成分(E)の含有量に対する成分(A)の含有量の割合((A)/(E))は、例えば、好ましくは3~50であり、より好ましくは5~40であり、さらに好ましくは10~30である。
非イオン性界面活性剤について、本発明者らが調べたところによれば、成分(E)に代えて、3価以下の多価アルコールと脂肪酸のエステル化によって得られる、多価アルコール脂肪酸エステルであるイソステアリン酸PEG-10、トリオレイン酸PEG-30グリセリル又はトリオレイン酸PEG-40グリセリルを用いた場合、得られるクレンジング化粧料の経時安定性が損なわれる傾向にあることがわかった。そこで、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、イソステアリン酸PEG-10、トリオレイン酸PEG-30グリセリル及びトリオレイン酸PEG-40グリセリルを含む場合であっても、これらの含有量の合計は、成分(E)の含有量よりも少ないことが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
成分(F)の水は、通常化粧料を作製するために用いられる水であればよく、例えば、水道水、蒸留水、精製水、イオン交換水などが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(F)は、クレンジング化粧料に対して、低温下での固化を防ぐように作用する。一方、成分(F)が過剰に存在すると、クレンジング化粧料の透明性が損なわれる傾向にある。そこで、成分(F)の含有量は、クレンジング化粧料に対して、低温下での固化を防ぎ、かつ透明性を損なわない程度の量であれば特に限定されないが、例えば、これらの観点から、好ましくは0.5質量%超過2.5質量%未満であり、より好ましくは0.8質量%~2.3質量%であり、さらに好ましくは1.0質量%~2.0質量%である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、透明性及び経時安定性を兼ね備えたものであるために、成分(A)~(F)の含有量の合計は、好ましくは75質量%~95質量%であり、より好ましくは80質量%~90質量%である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、本発明の課題を解決し得る限り、成分(A)~(F)に加えて、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分は特に限定されず、例えば、通常のクレンジング化粧料に用いられる成分などが挙げられ、より具体的には油剤、界面活性剤、保湿剤、安定化剤、香料、酸化防止剤、キレート剤、美容成分、防腐剤、pH調整剤、清涼剤、増粘剤、色材などが挙げられる。その他の成分の含有量は、本発明の課題解決を妨げない限り、当業者により適宜設定し得る。その他の成分の幾つかについて以下に列挙するが、これらはあくまでも例示であり、限定されるものではない。
油剤は、成分(A)~(D)以外の油剤であり、例えば、油性エモリエント成分及びクレンジング成分として使用されている油剤などが挙げられ、具体的には、カニナバラ果実油、ブドウ種子油、アルガニアスピノサ核油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ果実油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、チャ実油、月見草油、コムギ胚芽油、マカデミアナッツ種子油、ヘーゼルナッツ種子油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、ノバラ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティーツリー油、ハッカ油、コーン油、ナタネ油、ヒマワリ油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、コメ胚芽油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油などの植物油;ポリイソブテン、パラフィン、ポリオレフィン、イソパラフィンなどの直鎖及び分岐鎖の炭化水素油;ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸などの高級脂肪酸;セタノール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキシルデカノール、2-デシルテトラデシノール、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)などの高級アルコールなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。油剤の含有量は、1質量%~20質量%であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料における成分(A)~(D)及び油剤からなる油分の含有量の合計は、クレンジング化粧料に良好なクレンジング力及びエモリエント作用を付与し得るという観点から、好ましくは75質量%~95質量%であり、より好ましくは80質量%~90質量%である。
界面活性剤としては、成分(D)以外のクレンジング成分として使用されている界面活性剤が挙げられ、具体的には、ジイソステアリン酸PEG-8、ジイソステアリン酸PEG-12、ジステアリン酸PEG-150、ラウリン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-25、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-45、ステアリン酸PEG-55、オレイン酸PEG-10などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル;パーム核脂肪酸アミドDEAなどの脂肪酸アミド;ステアリン酸グリセリル(SE)などのグリセリン脂肪酸エステル;ラウリン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10などのポリグリセリン脂肪酸エステル;ステアリン酸PEG-5グリセリル、ステアリン酸PEG-15グリセリル、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-5グリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ヤシ脂肪酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、イソステアリン酸PEG-20ソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;PEG-20水添ヒマシ油、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンセチルエーテル(セテス-20)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;PPG-4セテス-1、PPG-8セテス-20、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-6デシルテトラデセス-20などのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;水添レシチン、水添リゾレシチンなどのレシチン誘導体などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。乳化剤の含有量は、0質量%~15質量%であることが好ましい。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ブチレングリコール(BG)、プロピレングリコール(PG)、ジグリセリン、ジプロピレングリコール(DPG)、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、ヒアルロン酸とその塩及びその誘導体、ポリクオタニウム、トレハロース、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、加水分解エラスチン、乳酸ナトリウム、シクロデキストリン、ピロリドンカルボン酸などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。保湿剤の含有量は、0質量%~5質量%であることが好ましい。
安定化剤としては、例えば、エタノール、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、クエン酸、エデト酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。安定化剤の含有量は、0質量%~5質量%であることが好ましい。
香料としては、市販のものでもよく、精油でもよい。例えば、ノバラ油、ニオイテンジクアオイ油、パルマローザ油、セイヨウハッカ油、ローマカミツレ花油、ティーツリー葉油などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。香料の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロールなどのビタミンE及びその誘導体;チオタウリン、メマツヨイグサ抽出液、βカロチン、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物、ピロ亜硫酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。
キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸2ナトリウム(EDTA-2Na)、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、リン酸3ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。キレート剤の含有量は、0質量%~0.1質量%程度が好ましい。
美容成分としては、例えば、リンゴタンニン(リンゴ果実エキス)、カンゾウ根エキス、レスベラトロール、チューベロース多糖体、ヤエヤマアオキ果汁、チンピエキス、アレカカテチュエキス、マヨラナ葉エキス、ヒオウギエキス、マグワ根皮エキス、加水分解コメエキス、加水分解コメヌカエキス、豆乳発酵液、ビルベリー葉エキス、グリチルリチン酸ジカリウムなどが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。美容成分の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、プロピルパラベンなど)およびそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、安息香酸、安息香酸塩類、サリチル酸、サリチル酸塩類、ソルビン酸及びその塩類、クロルフェネシン、ヒノキチオール、イソプロピルメチルフェノール、パラクロルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素などが挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。防腐剤の含有量は、0質量%~1質量%であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、クレンジング化粧料として用いられる限りにおいて、その機能及び/又は効果については特に限定されない。本発明の一態様のクレンジング化粧料は、クレンジング力、透明性及び経時安定性が良好であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料のクレンジング力は、例えば、後述する実施例に記載の方法により、クレンジング後の肌表面及び皮溝にメイクアップ化粧料が残存しないことにより、「○」と評価される程度であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の透明性は、例えば、後述する実施例に記載の方法により、20℃にて、少なくとも24時間静置し、次いで再度均一になる様に容器ごと振とう撹拌した後、黒色直線を引いた白色紙を背景にして静置した際に、濁りがなく透明であり、背景の黒色直線が見えることにより、「〇」と評価される程度であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の経時安定性は、例えば、後述する実施例に記載の方法により、50℃又は50℃及び5℃にて、1ヵ月間静置して保管した場合に、分離、白い濁り及び/又は固化が見られないことにより、「○」と評価される程度であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の使用感は特に限定されないが、例えば、後述する実施例に記載の官能評価により、「摩擦感の無さ」、「伸び広がりの良さ」、「べたつきの無さ」、「ぬるつきの無さ」及び「乾燥感の無さ」の5項目の平均点がすべて3点以上である程度であることが好ましく、このうち1項目以上の平均点が4点以上であることがより好ましく、このうち2項目以上又は3項目以上の平均点が4点以上であることがさらに好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の具体的な態様は、成分(A)を25質量%~70質量%、成分(B)を0.1質量%~20質量%、成分(C)を0.1質量%~50質量%、成分(D)を10質量%超過40質量%以下、成分(E)を0.1質量%~20質量%で含み、及び成分(F)を0.5質量%超過2.5質量%未満で含むクレンジング化粧料である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の別の具体的な態様は、成分(A)を29質量%~60質量%、成分(B)を1質量%~15質量%、成分(C)を1質量%~40質量%、成分(D)を12質量%~35質量%、成分(E)を0.5質量%~10質量%で含み、及び成分(F)を0.8質量%~2.3質量%で含むクレンジング化粧料である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の別の具体的な態様は、成分(A)を30質量%~55質量%、成分(B)を3質量%~12質量%、成分(C)を3質量%~35質量%、成分(D)を15質量%~30質量%、成分(E)を1質量%~5質量%で含み、及び成分(F)を1.0質量%~2.0質量%で含むクレンジング化粧料である。
上記した本発明の一態様のクレンジング化粧料の具体的な態様について、成分(D)の含有量に対する成分(A)の含有量の割合((A)/(D))は5.4未満、0.5~5.0若しくは1.0~3.5であることが好ましく;成分(E)の含有量に対する成分(A)の含有量の割合((A)/(E))は3~50、5~40若しくは10~30であることが好ましく;及び/又は成分(A)~(F)の含有量の合計は75質量%~95質量%若しくは80質量%~90質量%であることが好ましい。
本発明の一態様のクレンジング化粧料の製造方法は特に限定されず、成分(A)~(F)及び任意のその他の成分を全体的に均質になるように混合することなどにより製造することができる。その他の成分において、固化しているものがあれば、事前に加温溶解することが好ましい。加温する際の温度は特に限定されないが、例えば、65℃~85℃である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、その使用態様や剤形については特に限定されず、例えば、クレンジングオイルとして使用できる。また、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、増粘剤を用いることにより、クレンジングジェルとして使用してもよい。また、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、シートなどに含浸すること、噴射することなどが可能である。そこで、本発明の一態様のクレンジング化粧料は、含浸シート、ポンプなどのスプレーといった剤形とすることが可能である。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、メイクアップ化粧料、皮膚の汚れといった油性の汚れを除去するために使用できる。本発明の一態様のクレンジング化粧料の使用方法は特に限定されず、その使用態様及び剤形に応じた方法を適宜選択すればよい。例えば、本発明の一態様のクレンジング化粧料がクレンジングオイルである場合、その適量を手に取り、顔に塗布してメイクアップ化粧料又は皮膚によくなじませた後、流水で洗い流し、皮膚上の油性の汚れをクレンジングオイルとともに除去する。また、本発明の一態様のクレンジング化粧料を使用した後の皮膚は、しっとりとして、うるおいが保たれることが期待される。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。なお、表中の数値は、質量%(%(w/w))を表わす。
[例1.スクワラン含有クレンジング化粧料の官能評価]
(1-1)クレンジング化粧料の調製
表1に示した各成分をこの順にビーカーへ投入した。ビーカー中の成分を、室温にて、手動で撹拌して、クレンジング化粧料を調製した。ただし、表中のジイソステアリン酸PEG-12のみ、80℃の湯浴にて事前に加温溶解した。
(1-2)官能評価方法
訓練を受けたパネラー5名を対象として、クレンジング化粧料を直接的に顔へ塗布することにより、「摩擦感の無さ」(クレンジング化粧料を顔に塗布して広げる場合に、顔と手指との間にひっかかり(抵抗)を感じないこと)、「伸び広がりの良さ」(化粧料を顔に塗布して広げる場合に、大きな力を加えることなく、なめらかに塗り広げることができること)、「べたつきの無さ」(顔の化粧料を洗い流した後に、顔と手指とがくっつくような粘着感を感じないこと)、「ぬるつきの無さ」(顔の化粧料を洗い流した後に、肌の上に化粧料の油性成分が残るような残油感を感じないこと)、及び「乾燥感の無さ」(顔の化粧料を洗い流し、水分をふき取った後に、肌の上の油分が過剰に洗い流される印象を受けないこと)について、5段階評価(5点が最高評価、1点が最低評価)により点数をつけてパネラー間の平均点及び標準偏差を求めた。
(1-3)官能評価結果
官能評価の結果を表1に示す。表1に示すとおり、炭化水素油としてスクワランを用いた実施例1のクレンジング化粧料は、ミネラルオイル及びオレフィンオリゴマーを用いた参考例1及び2のクレンジング化粧料と比べて、「摩擦感の無さ」、「伸び広がりの良さ」、「べたつきの無さ」及び「乾燥感の無さ」が優れていた。また、実施例1のクレンジング化粧料は、「ぬるつきの無さ」について、参考例1及び2のクレンジング化粧料と同程度又はそれ以上であった。
以上の結果を総合すると、炭化水素油としてスクワランを用いたクレンジング化粧料は、他の炭化水素油を用いたクレンジング化粧料に比べて、使用感の優れたクレンジング化粧料であることがわかった。
[例2.クレンジング化粧料の物性評価]
(2-1)クレンジング化粧料の調製
上記(1-1)と同様にして、表2及び表3に示した各成分を用いてクレンジング化粧料を調製した。
(2-2)透明性
試作後のクレンジング化粧料を規格ガラス瓶(7K瓶)に入れて20℃にて、24時間以上静置した後、再度均一になる様に容器ごと振とう撹拌した。撹拌後の容器を、黒色直線を引いた白色紙を背景にして静置した際に、濁りがなく透明であり、黒色直線が見えた場合を「〇」とし、白く濁り、黒色直線が見えなかった場合を「×」として評価した。
(2-3)経時安定性
試作後のクレンジング化粧料を規格ガラス瓶(7K瓶)に入れて、過酷試験条件として50℃にて保管し、1ヵ月の間、1週間ごとに、取り出した直後に分離の有無を目視にて確認し、次いで20℃にて24時間以上静置した後に、撹拌して、白い濁りの発生の有無を確認した。分離が無く、かつ白い濁りが発生しなかった場合を「〇」とし、分離が有り、及び/又は白い濁りが見られた場合を「×」として評価した。また、5℃の保管品は、上記20℃と同様の評価方法に加え、5℃の恒温槽から出した直後に、目視にて確認し、瓶容器の下部に固化したクレンジング化粧料が見られなかった場合を「○」とし、見られた場合を「×」として評価した。
(2-4)クレンジング力
市販のメイクアップ化粧料(ファンデーション又は口紅)の米粒大量を直径1.5cmの面積におさまるように前腕内側に均一に塗布した後、クレンジング化粧料(20μL)を滴下し、指で15秒間なじませた。次いで、30秒間流水ですすぎ、マイクロスコープによりクレンジング前後の肌状態を倍率50倍で観察した。クレンジング後の肌表面及び皮溝にメイクアップ化粧料が残存していなければ「〇」とし、残存していれば「×」として評価した。
(2-5)評価結果
クレンジング化粧料の評価結果を表2及び表3に示す。
表2が示すとおり、スクワランに加えて、ホホバ種子油、エステル油、水、特定のシリコーン油及び特定の非イオン性界面活性剤を含むクレンジング化粧料は、総じて、透明性、経時安定性及びクレンジング力が優れたものであった。
それに対して、表3が示すとおり、スクワランを含みつつも、エステル油、特定のシリコーン油若しくは特定の非イオン性界面活性剤を含まないクレンジング化粧料は、透明性又は経時安定性が劣っていた。また、特定のシリコーン油の含有量が過小である、又は水の含有量が過剰であるクレンジング化粧料は、透明性が劣っていた。さらに、水を含まない、又は水の含有量が過小であるクレンジング化粧料は、低温においた際に容器下部にて固化した。
一方、表3が示すとおり、スクワランに代えて、ミネラルオイルを用いた参考例3~4のクレンジング化粧料は、エステル油又は特定のシリコーン油を含まなくとも、透明性、経時安定性及びクレンジング力に影響はなかった。
以上のとおり、クレンジング化粧料の基剤としてスクワランを用いる場合、ホホバ種子油、エステル油、水、特定のシリコーン油及び特定の非イオン性界面活性剤を組み合わせることにより、透明性、経時安定性及びクレンジング力が優れたクレンジング化粧料が得られることがわかった。
本発明の一態様のクレンジング化粧料は、クレンジング力があり、かつエモリエント効果の高いスクワランを基剤として、さらにエモリエント効果の高いホホバ種子油を含みながらも、エステル油、水、所定の非イオン性界面活性剤及び所定のシリコーン油を含むことにより、クレンジング力及び透明性が良好であることから、メイクアップ化粧料、皮膚の汚れといった皮膚上の油性の汚れを除去するために、クレンジングオイル、含浸シート、スプレーなどのスキンケア化粧品などとして利用することができる。


Claims (8)

  1. (A)スクワランと、
    (B)ホホバ種子油と、
    (C)エステル油と、
    (D)フェニル基及びトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサンであるシリコーン油と、
    (E)4個以上のエステル結合を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルである非イオン性界面活性剤(ただし、テトラオレイン酸ソルベス-40を除く)と、
    (F)水と
    を含むクレンジング化粧料。
  2. 前記成分(D)は、含有量が15質量%~30質量%である、請求項1に記載のクレンジング化粧料。
  3. 前記成分(D)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の割合((A)/(D))は0.5~5.0である、及び/又は、前記成分(E)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の割合((A)/(E))は5~40である、請求項1に記載のクレンジング化粧料。
  4. 前記成分(A)は、含有量が29質量%~60質量%である、請求項1に記載のクレンジング化粧料。
  5. 前記成分(A)~(F)の含有量の合計が80質量%~90質量%である、請求項1に記載のクレンジング化粧料。
  6. 前記成分(D)は、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン及びフェニルトリメチコンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載のクレンジング化粧料。
  7. 前記成分(E)は、テトラオレイン酸ソルベス及びペンタオレイン酸ソルベスからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載のクレンジング化粧料。
  8. 含有量が29質量%~60質量%のスクワランと、
    含有量が1質量%~15質量%のホホバ種子油と、
    含有量が1質量%~40質量%のエステル油と、
    含有量が12質量%~35質量%のフェニル基及びトリメチルシロキシ基を有するメチルフェニルポリシロキサンであるシリコーン油と、
    含有量が0.5質量%~10質量%の4個以上のエステル結合を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルである非イオン性界面活性剤(ただし、テトラオレイン酸ソルベス-40を除く )と、
    含有量が0.8質量%~2.3質量%の水と
    を含む、クレンジング化粧料。

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