JP2024024543A - 非接触触感呈示装置及び非接触触感呈示システム - Google Patents

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大志 松島
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Abstract

【課題】手指を汚染することなくユーザーに好適な操作感の非接触触感を呈示すること。【解決手段】マグネットを有する可動体と、可動体を振動自在に支持する弾性部と、可動体の共振周波数と同等な周波数の電流の供給により磁場を生成して、マグネットとの電磁相互作用により可動体を振動させるコイルを有する固定体と、内部に流体を貯留し、ダイアフラムを有するチャンバー部を有し、可動体の共振振動に伴う前記ダイアフラムの変形に従って、チャンバー部の流体の出し入れを行い、チャンバー部から出る流体により触感を呈示する流体放出部とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザーに非接触で触感として知覚可能な出力を呈示する非接触触感呈示装置及びこれを用いた非接触触感呈示システムに関する。
従来の技術として、タッチパネルに接触したユーザーの指腹等に対し、接触操作する際の操作感(触覚)をフィードバックする技術の一つとして、アクチュエータによりタッチパネルに振動を付与する触覚呈示装置が知られている(特許文献1参照)。
例えば、特許文献1は、パネルの操作面に対する操作の操作量を検出する操作検出部と、操作面に振動を付加するアクチュエータと、操作検出部の結果に基づいてアクチュエータの駆動制御を行なう制御部とを有する。
特開2020-071674号公報
ところで、タッチパネル等の操作装置を操作する場合、タッチパネルに対して不特定多数の人の操作が想定されるが、タッチパネル表面に、ウィルス汚染や汚れ等の付着がある場合、ウィルス感染等が広がるという問題がある。
また、非接触を検知するセンサを有するデバイスである場合、接触は避けられるものの、操作完了を通知する手段が画面表示や発音に限定されるので、触覚として付与する操作感のバリエーションが乏しいという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、手指を汚染することなくユーザーに好適な操作感の非接触触感を呈示する非接触触感呈示装置及び非接触触感呈示システムを提供することを目的とする。
本発明のアクチュエータの一つの態様は、
マグネットを有する可動体と、
前記可動体を振動自在に支持する弾性部と、
前記可動体の共振周波数と同等な周波数の電流の供給により磁場を生成して前記マグネットとの電磁相互作用により前記可動体を共振振動させるコイルを有する固定体と、
内部に流体を貯留し、ダイアフラムを有するチャンバー部を有し、前記可動体の共振振動に伴う前記ダイアフラムの変形に従って、前記チャンバー部の流体の出し入れを行い、前記チャンバー部から出る流体により触感を呈示する流体放出部と、
を有する構成を採る。
本発明のアクチュエータの一つの態様は、
マグネットを有する可動体と、
前記可動体を振動自在に支持する弾性部と、
前記可動体の共振周波数の近傍の周波数の電流の供給により磁場を生成して前記マグネットとの電磁相互作用により前記可動体を振動させるコイルを有する固定体と、
内部に流体を貯留し、ダイアフラムを有するチャンバー部を有し、前記可動体の振動に伴う前記ダイアフラムの変形に従って、前記チャンバー部の流体の出し入れを行い、前記チャンバー部から出る流体により触感を呈示する流体放出部と、
を有する構成を採る。
本発明の非接触触感呈示システムの一つの態様は、
上記構成の非接触触感呈示装置と、
ユーザーの非接触操作を検知する操作部を有する操作装置と、
検知された非接触操作に応じて前記コイルに通電して前記可動体を共振振動させる制御部と、
前記操作装置に設けられ、前記チャンバー部から出る流体を、前記ユーザーに向かって放出する放出孔と、
を有するようにした。
本発明によれば、手指を汚染することなくユーザーに好適な操作感の非接触触感を呈示するアクチュエータ及びシステムを実現することができる。
本発明に係る実施の形態1の非接触触感呈示装置の一例であるアクチュエータの外観斜視図である。 同アクチュエータの要部構成を示す縦断面図である。 同アクチュエータにおいてケースを外した内部構造を示す図である。 同アクチュエータの分解斜視図である。 駆動ユニットの斜視図である。 駆動ユニットをケース本体に収容した状態の縦断面図である。 図7Aは、アクチュエータにおいて、放出壁部の上縁部の構成を示す斜視図であり、図7Bは、図7AのX部分の拡大図である。 図7のX部分の構成を示す断面図である。 本発明に係る実施の形態1の非接触触感呈示装置の一例であるアクチュエータの動作の説明に供する図である。 同アクチュエータの動作の説明に供する図である。 同アクチュエータの動作の説明に供する図である。 同アクチュエータのコイルに供給される電流の共振周波数と流体放出部から放出される流体の速度の関係を示す図である。 アクチュエータの変形例を示す斜視図である。 同アクチュエータの変形例の要部構成を示す縦断面図である。 同アクチュエータの変形例における流体放出部の要部構成を示す部分分解図である。 同アクチュエータの変形例の分解図である。 同アクチュエータを有する非接触触感呈示システムの要部構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[アクチュエータの全体構成]
図1は、本発明に係る実施の形態1の非接触触感呈示装置の一例であるアクチュエータの外観斜視図であり、図2は、同アクチュエータの要部構成を示す縦断面図である。また、図3は、同アクチュエータにおいてケースを外した内部構造を示す図であり、図4は、同アクチュエータの分解斜視図である。
なお、本実施の形態における「上」側、「下」側は、理解しやすくするために便宜上付与したものであり、アクチュエータにおける可動体の往復動方向の一方、他方を意味する。すなわち、アクチュエータが電子機器(図示省略)に搭載される際には上下が逆になっても左右になっても構わないが、アクチュエータにおいて突出する出力軸部25の進退移動方向と、ユーザーの操作部への操作方向とが同じであることが好ましい。これは、以下の各実施の形態でも同様である。
本実施の形態1に係るアクチュエータ(振動アクチュエータ)1は、ハプティクス等における操作検出に対して空中触覚フィードバックを行うデバイスとして用いられることが好ましい。アクチュエータ1は、例えば、ユーザーが非接触して操作する操作部(例えば、タッチパネル等)に接続され、ユーザーの操作による可動体20の移動に応じて可動体を駆動して、ユーザーに、ユーザーが知覚可能な出力を呈示する。
アクチュエータ1は、例えば、ユーザーに非接触で触感を呈示するアクチュエータであり、ユーザーの操作部への非接触操作に応じた可動体20の往復動による流体の放出を、ユーザーの触感、力感として伝達する。また、アクチュエータ1は、流体放出に伴う振動を聴覚に訴えるべく、ユーザーに音として呈示してもよい。また、アクチュエータ1は、携帯型ゲーム端末機器等の電子機器に振動発生源として実装されてもよい。
なお、本実施の形態における非接触触感は、触感の他、力感等を、可動体の移動、振動により放出される流体を、所定の量、速さ等でユーザーに空中で付与する。例えば、空中触覚フィードバック、空中力覚フィードバックといってもよく、ハプティクスで用いられる機能である。
本実施の形態のアクチュエータ1は、図1及び図2に示すように、ケース本体11及びブラケット12を有するケース10内側に収容する駆動ユニット13と、流体放出部14と、を有する。駆動ユニット13の駆動により流体放出部14が流体を外部に放出する。
駆動ユニット13は、コイル保持部52を含む固定体50の主要部と可動体20とを弾性支持部81、82で接続して構成される。
可動体20は、ケース10内で固定体50に対して、ケース10の軸方向(上下方向)で移動、具体的には、振動する。
流体放出部14は、可動体20の共振周波数と同等の周波数の電流がコイル61、62に供給されることによる可動体20の振動に伴うダイアフラム15の変形に従って、チャンバー部14aの流体の出し入れを行う。これにより、チャンバー部14aから放出される流体がユーザーに当たることで、ユーザーに触感を呈示する。
なお、アクチュエータ1が、ケース10内に駆動ユニット13を有することにより、アクチュエータ1において、可動体20を、弾性支持部81、82を介して固定体50に固定する主要部の組立を、ケース10とは別工程で精度良く行うことができる。
アクチュエータ1では、可動体20に設けられた出力軸部25を介して可動体20と流体放出部14とが接続され、可動体20の可動により流体を放出する。
アクチュエータ1は、マグネット30を可動体20に備え、コイル61、62を固定体50に備え、通電されるコイル61、62とマグネット30の協働(電磁相互作用)により可動体20が一直線方向(軸方向)で往復動する。
アクチュエータ1では、流体放出部14は、ケース10の一部とともに形成し、可動体20は、ケース10内で可動体20と固定体50との間に架設された弾性支持部81、82を介し、固定体50に対して往復動自在に支持される。
アクチュエータ1では、駆動ユニット13は、具体的には、出力軸部25、マグネット30の他、一対のヨーク41、42、一対のスリーブ22、24を有し、固定体50は、環状の一対のコイル61、62の他、アウターヨーク70を有する。
なお、ヨーク41、42、スリーブ22、24、コイル61、62は、それぞれ一対ずつ設けた構成としたが、これに限らず、一直線方向の双方向、あるいは片方に移動自在を実現できれば、各部1つずつあるいは3つ以上にしてもよい。
アクチュエータ1では、コイル61、62、アウターヨーク70、マグネット30及びヨーク41、42が、可動体20を可動させる磁気回路を構成する。アクチュエータ1では、端子部75を介して図示しない電源供給部からコイル61、62が通電されて可動体20は可動する。
<可動体20>
可動体20は往復動方向である軸方向の双方向あるいは軸方向の片方である一方向に往復移動可能である。
可動体20は、非可動時において、弾性支持部81、82を介して、往復動方向の長さの中心が、コイル保持部52の往復動方向の長さの中心に対して、可動体20の軸方向と直交する方向で、所定間隔をあけて対向するように配置される。本実施の形態では、マグネット30およびヨーク41、42における往復動方向の長さの中心が、上下で離間するコイル61、62間の往復動方向の長さの中心と、往復動方向と直交する方向で対向する位置に配置されることが好ましい。なお、コイル保持部52の内周面と可動体20の間に磁性流体が介在するようにしてもよい。
可動体20は、図2、図4~図6に示すように、出力軸部25、マグネット30、ヨーク41、42及びスリーブ22、24の他、環状の固定部26及びばね接続部28を有する。
可動体20は、マグネット30を中心に往復動方向の双方向で、それぞれヨーク41、42、スリーブ22、24、環状の固定部26、ばね接続部28が連設されている。具体的には、可動体20は、マグネット30の表裏面30a、30bにヨーク41、42が積層配置されて構成され、ヨーク41、42の開口部412、422に一端部が係合されたスリーブ22、24の他端部で、弾性支持部81、82が係合する。
なお、可動体20では、マグネット30及びヨーク41、42の面一の外周面20aが、保持部本体522の内周面522aの内側で、当該内周面522aに対して所定間隔を空けて対向する。可動体20が往復動に移動する際には、外周面20aが内周面522aに沿って接触することなく往復移動する。なお、往復移動方向は、コイル61、62の軸方向の双方向(図9の矢印F、-F方向参照)であり、マグネット30の着磁方向でもあり、また、コイル保持部52の軸方向でもある。
マグネット30は、中実であり、往復動方向に着磁されている。マグネット30は、具体的には、マグネット30は、コイル61、62に包囲される位置に離間して配置される。マグネット30は、円盤状に形成され、往復動方向(厚み方向)で離間する表裏面30a、30bをそれぞれ異なる極性(例えば、表面30aをS極、裏面30bをN極)の磁極面として有する。
マグネット30は、コイル61、62(詳細は後述する)に対して、コイル61、62の径方向内側で間隔を空けて位置するように配置される。言い換えれば、マグネット30の径方向外側で間隔を空けてコイル61、62は配置されている。ここで、「径方向」とは、コイル61、62の軸に直交する方向であり、往復動方向と直交する方向でもある。この径方向における「間隔」は、保持部本体522を含むコイル61、62と、マグネット30との間の間隔であり、可動体20の往復動方向に互いに接触することなく移動可能な間隔とする。すなわち、本実施の形態では、「間隔」とは、保持部本体522とマグネット30との間の所定間隔を意味している。
マグネット30は、本実施の形態では、径方向外側の外周面の幅方向の中心で、保持部本体522の中心と、軸方向と直交する方向で対向するように配置されている。なお、マグネット30は、コイル61、62の内側で、コイル61、62の軸の延在方向、つまり往復動方向に、2つの着磁面をそれぞれ向けて配置されるものであれば、筒状、板形状等のように円盤状以外の形状であってもよい。
本実施の形態では、マグネット30は中実体であるので、筒状体の場合と異なり、開口部を加工する手間が省け、磁極面なる表裏面の面積が開口部の形成により減少することがない。また、マグネット30の軸方向の中心が、可動体20の軸方向の中心と一致することが望ましい。マグネット30の着磁方向は、可動体20の移動方向と平行である。
ヨーク41、42は、磁性体であり、マグネット30とともに可動体側磁気回路を構成する。ヨーク41、42は、マグネット30の磁束を集中させて、漏らすことなく効率良く流し、マグネット30とコイル61、62間に流れる磁束を効果的に分布させる。
また、ヨーク41、42は、磁気回路の一部としての機能の他、スリーブ22、24を固定する機能を有し、さらに、ヨーク41、42は、可動体20において、可動体20の本体部分としての機能、及び、ウェイトとしての機能を有してもよい。
ヨーク41、42は、本実施の形態では、マグネット30と同外径の円環平板状に形成されている。ヨーク41、42は、マグネット30を中心に、マグネット30を挟むように配置された同形状の部材であるが、異形状の部材としてもよい。なお、ヨーク41、42は、マグネット30に吸引されてマグネット30に固着するとともに、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化型接着剤もしくは嫌気性接着剤を介してマグネット30に固定される。
ヨーク41、42のそれぞれの中央部に、開口部412、422が軸方向、つまり、厚み方向に貫通して設けられている。開口部412、422には、それぞれ上下のスリーブ22、24の一端部が内嵌して固定されている。
開口部412、422は、スリーブ22、24のそれぞれの軸(ここでは、弾性支持部81、82の中心と一致する)が可動体20の中心軸上に位置するように、スリーブ22、24を支持している。開口部412、422は、ヨーク41、42における開口度合いを調整して、可動体20の重さを調整し、好適な往復動出力を設定できる。
本実施の形態では、ヨーク41、42は、可動体20の非往復動時において、コイル61、62の内側(径方向内側)で、コイル61、62の軸方向と直交する方向で、コイル61、62のそれぞれに対向するように位置する。
ヨーク41、42において、マグネット30の上側(表面側)のヨーク41の上面の高さ位置が、上側のコイル61の高さ方向(往復動方向)の中心の位置と対向することが好ましい。加えて、マグネット30の下側(裏面側)のヨーク42の下面の高さ位置が、下側のコイル62の高さ方向(往復動方向)の中心の位置と対向することが好ましい。
スリーブ22、24は、可動体側磁気回路を弾性支持部81、82に固定する機能を有するとともに、可動体20のウェイトとしての機能を有する。スリーブ22、24は、マグネット30及びヨーク41、42を挟むように対象に設けられ、可動体20の往復動出力を増加させている。なお、スリーブ22、24は、本実施の形態では、同一形状に形成されており、部品の製作コストの削減が図られている。スリーブ24についての詳細は、スリーブ22の説明においてスリーブ22、24等のようにスリーブで対応する符号を併記して、スリーブ22について主な説明を行い、スリーブ24の説明は省略する。
スリーブ22、24は、本実施の形態では、可動体20の中心軸に沿って延在する可動体の軸としても機能し、ヨーク41、42と、弾性支持部81、82との間に介設される。
スリーブ22、24は、接合部222、242と、ばね固定部224、244とを有する。これら接合部222、242とばね固定部224、244とが、それぞれ往復動方向に連設されている。
スリーブ22、24は、筒状体であり、内部を貫通する貫通孔23を有している。スリーブ22の貫通孔23内には出力軸部25の基端部が挿入され強固に固定されている。
接合部222、242は、可動体20の軸線上に配置される筒状体であり、それぞれヨーク41、42に接合する。接合部222、242は、一端部側をヨーク41、42の開口部412、422にそれぞれ挿入して内嵌して接合される。一方、接合部222、242の他端部は、互いに、マグネット30を中心に互いに逆方向に向けて配置され、可動体20の移動方向で離間する両端部を構成する。他端部のそれぞれで後述する弾性支持部81、82が接合される。
本実施の形態では、スリーブ22、24は、ヨーク41、42に圧入により接合されているが、これに限らず、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化型接着剤や嫌気性接着剤を用いた接着により接合されてもよい。また、接合部222、242は、筒状体としたが、中実の円柱体であってもよく、軸線上に凹部を有する棒状体であってもよい。
ばね固定部224は、スリーブ22において接合部222から他方側(上方)に突出するように設けられ、且つ、接合部222よりも外径が大きい筒状体である。ばね固定部224では、その先端(上端)面である接合面が出力軸部25回りに配置される。
出力軸部25は、可動体20に接続され、可動体20とともに可動し、可動体20の動作を外部に出力する。出力軸部25は、可動体20の軸線上に配置されており、基端側がスリーブ22に内嵌して可動体20に固定されている。
出力軸部25の基端部は、マグネット30の表面30aに当接するように配置されている。出力軸部25の先端部は、弾性支持部81としての上側板ばねの内径側の端部(他端部)である内周部802を挿通し、弾性支持部81の上方でピストン16に内嵌している。出力軸部25は、ピストン16を介してダイアフラム15に接続され、それぞれの軸線は同一である。
出力軸部25は、弾性支持部81の内周部802を挿通して、ばね固定部224の接合面に当接した状態で、ばね固定部224と環状の固定部26とで挟持されている。これにより、出力軸部25周りで、ばね固定部224は弾性支持部81に接合されている。
このように、出力軸部25は、可動体20に、可動体20の移動方向の一方向に、弾性支持部81に対してマグネット30の反対側まで突設されており、ピストン16を軸方向に進退動自在である。
一方、マグネット30を挟みスリーブ22のばね固定部224とは逆側に配置されたばね固定部(下側のばね固定部)244は、弾性支持部82である下側板ばねにおいて内径側の端部である内周部802に接合されている。
ばね固定部244は、スリーブ24において接合部242から他方側(下方)に突出するように設けられ、且つ、接合部242よりも外径が大きい筒状体である。ばね固定部244では、その先端(下端)面である接合面に、弾性支持部82としての下側板ばねの内周部802を当接させた状態で、接合面で開口する貫通孔に挿入されたばね接続部28とともに、内周部802を挟持している。
具体的には、ばね接続部28は、ばね固定部244の貫通孔に軸状の挿入部282を挿入することにより、挿入部の基端部の外周に設けられたフランジ284で、ばね固定部244の接合面とともに弾性支持部82の内周部802を挟持する。これにより、ばね固定部244と弾性支持部82とが接合している。
ばね接続部28は、例えば、ブラインドリベット等のリベットとしてもよい。ばね接続部28は、軸状の挿入部282をカシメ等の圧入によりばね固定部244の貫通孔内で固定されている。
スリーブ22、24を、可動体側磁気回路を構成するヨーク41、42に設けるだけで、弾性支持部81、82である上側板ばね、下側板ばねを可動体20に対して容易に組み付けることができ、組立性を高めることができる。
なお、スリーブ22、24は、磁性材料により構成されてもよいが、非磁性材料により構成されることが望ましい。スリーブ22、24が非磁性材料であれば、ヨーク41からの磁束が上方に流れることがないとともに、ヨーク42からの磁束が下方に流れることがなく、効率良くヨーク41、42の外周側に位置するコイル61、62側に流すことができる。
<弾性支持部81、82>
図6は、駆動ユニットをケース本体に収容した状態の縦断面図である。
弾性支持部81、82は、駆動ユニット13において、可動体20に対し移動方向の両側に配置され、固定体50のコイル保持部52に対して、可動体20を移動方向に移動可能に支持する。
弾性支持部81、82は、板ばねであり、可動体20の移動方向で、可動体20を挟むように配置され、且つ、それぞれ可動体20と固定体50との双方に移動方向と交差するように架設されている。
詳細には、弾性支持部81、82は、可動体20において往復動方向で離間する両端部(上下端部)のそれぞれと、それぞれの両端部より径方向外側に配置される固定体50(コイル保持部52)の開口縁部とに跨って配置される。本実施の形態では、弾性支持部81、82は、可動体20を往復動方向で挟むように、それぞれ往復動方向と直交する方向に沿って、且つ、互いに対向して配置されている。
弾性支持部81、82は、非磁性体であってもよいし磁性体(具体的には、強磁性体)であってもよい。弾性支持部81、82は、非磁性体の板ばねであれば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼板を用いて構成されてもよい。また、弾性支持部81、82が磁性体であれば、SUS301等のステンレス鋼板を適用可能である。弾性支持部81、82の材料としては、例えば、非磁性材料(SUS304、SUS316等)に比べて、磁性材料(例えば、SUS301)の方が、耐久性が高く、安価であることが知られている。弾性支持部81、82は、本実施の形態では、SUS301で構成されている。
弾性支持部81、82は、可動体20を、可動体20の可動体の非往復動時及び往復動時のいずれにおいても、固定体50に接触しないように支持する。弾性支持部81、82は、可動体20を振動自在に弾性支持するものであれば、どのようなもので構成されてもよい。
弾性支持部81、82は、それぞれ常態時が平板状である複数の板状の渦巻ばねである。弾性支持部81、82では、それぞれ円環板状の内周部802の外縁部に等間隔を空けて円弧状の変形アーム部804が径方向外側に延出し、変形アーム部804の端部に円環板状の外周固定部806に接続して構成されている。
内周部802は、スリーブ22、24のばね固定部224、244の接合面上に配置される形状を有し、例えば、ばね固定部224、244の接合面の外径と略同一の外径を有する。変形アーム部804は、弾性変形可能であり、一端部で外周固定部806と接合し、他端部で内周部802と接合し、外周固定部806と内周部802とを連結する。
弾性支持部81、82では、可動体20の軸方向(往復動方向)で離れる両端部(ばね固定部224、244)に、それぞれの内周部802が接合されている。また、弾性支持部81、82では、外周固定部806側が、可動体20の両端部のそれぞれにおいて、径方向外側(放射方向)に張り出すように配置される。
外周固定部806は、外周縁に切欠が形成され、切欠にコイル保持部52の範囲形成突部(位置決め片部)54を係合した状態で、コイル保持部52の両開口縁と、ケース10とに挟持される。
具体的には、弾性支持部81では、外周固定部806は、ケース10内において、フランジ部527の環状の上端面527aと蓋部17の押圧部128とに挟持されて固定される。なお、上端面527aは、上側(一方側)のフランジ部527の上側(一方側)において、範囲形成突部54を避けた部分の上側(一方側)の端面を意味する。
また、下側の弾性支持部82では、外周固定部806は、アクチュエータ1において可動体20よりも径方向外側で、コイル保持部52の下端部に固定されている。具体的には、弾性支持部82の外周固定部806は、コイル保持部52の下端部を形成する下側のフランジ部528の環状の下端面528aにおいて、範囲形成突部54を避けた部位に固定される。
弾性支持部81の外周固定部806は、コイル保持部52(図2参照)の上端部を形成する上側のフランジ部527の環状の上端面527aにおいて、範囲形成突部54を避けた部位に固定される。なお、コイル保持部52の構成に関する詳細は後述する。
弾性支持部82の外周固定部806は、ケース10内において、フランジ部528の環状の下端面528aと、底部114の周縁部に設けられた段差部118とに挟持されて固定される。なお、下端面528aは、下側(他方側)のフランジ部528の下側(他方側)において、範囲形成突部54を避けた部分の上側(他方側)の端面を意味する。
このように、アクチュエータ1では、出力軸部25を有する可動体20は、振動方向(軸方向)の両端部のそれぞれで弾性支持部81、82により移動自在に支持されている。これにより、可動体20は、移動方向における直進性がより確保されている。
なお、弾性支持部81、82に、減衰部(ダンバー)810を装着してもよい。減衰部810は、弾性支持部81,82による共振峰を抑え、且つ、広範囲にわたる安定した振動を発生させる。減衰部810は、弾性支持部81、82を介して支持する可動体20が、コイル保持部42内において中心軸の位置がずれて配置されるような状態、つまり軸ずれを起こしている場合、これを調整して可動体20に好適な可動を行わせることができる。減衰部810は、例えば、エラストマーを板ばねである弾性支持部81のブリッジ部分、外周部806と変形アーム804との間に挿入することで双方に接触しつつ配置されることが好ましい。減衰部810は、弾性支持部81に固着せずに複数取り付けられることが好ましい。減衰部810は、弾性支持部81、82における鋭いばね共振を減衰して、共振周波数付近での振動が著しく大きくなることで周波数による振動の差が大きくことを防止する。
<固定体50>
図2に示すように、固定体50は、コイル61、62を保持するとともに、コイル61、62の径方向内側で、可動体20を、弾性支持部81、82を介して移動方向(コイル軸方向、可動体20の軸方向)に移動自在に支持する。
固定体50は、コイル61、62及びアウターヨーク70の他、コイル61、62を保持するコイル保持部52を有する。
コイル保持部52には、コイル61、62の他に、弾性支持部81、82を介した可動体20及びケース10等といったフォースフィードバックを発生させる構成要素が略全て接続されることにより、アクチュエータ1は構成されている。
コイル保持部52は、筒状体であり、外周面に配置されるコイル61、62を保持し、内周面522aでマグネット30を囲み、内部に、マグネット30を有する可動体20が移動自在に配置される。コイル保持部52は、ボビン状に形成されてよく、その場合、コイル61、62は、コイル保持部52において内側の筒状の保持部本体(保護壁)の外周に巻回されて配置される。
コイル保持部52は、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート(poly butylene terephtalate;PBT)等の樹脂により形成された筒状体である。コイル保持部52は、本実施の形態では、難燃性の高いベークライト等のフェノール樹脂を含む素材で構成される。
コイル保持部52が、フェノール樹脂を含む素材で構成されることにより、難燃性が高まり、保持するコイル61、62に電流が流れた際にジュール熱により発熱しても、駆動の際の安全性の向上を図ることができる。また、この素材により、寸法精度が高まり、コイル61、62の位置精度が高まるため、移動、往復動或いは、振動させる際の特性のばらつきを低減出来る。
コイル保持部52は、具体的には、筒状の保持部本体522と、保持部本体522の外周から放射方向に突出する中央フランジ部526及びフランジ部527、528と、端子部75と、範囲形成突部54と、を有する。
保持部本体522は、内側に配置される可動体20の駆動時におけるコイル61、62への衝突を保護する保護壁部として機能する。保持部本体522の厚みは、移動する可動体20が接触しても、外周側のコイル61、62に何ら影響を与えない強度をする厚みである。
保持部本体522の外周側には、中央フランジ部526及び各フランジ部527、528間(コイル取付部52b、52c)に、コイル61、62が、コイル軸方向に並んで配置されている。保持部本体522は、コイル61、62を、可動体20のヨーク41、42の外周面(マグネット30及びヨーク41、42の外周面)に対して、径方向外側で囲むように位置させている。
具体的には、保持部本体522の外周面には、中央フランジ部526及び各フランジ部527、528により仕切られ、且つ、外周側に径方向外側に開口する凹状のコイル取付部52b、52cが設けられている。
端子部75は、コイル61、62のコイル巻線を絡げて、外部機器と接続するコネクタ結線部として機能する。端子部75を介してコイル61、62と外部機器とが接続され、外部機器からコイル61、62への電力供給が可能となる。
端子部75は、保持部本体522の外周部分に突設された導電性を有する部材である。端子部75は、本実施の形態では保持部本体522の外周において移動方向の中心に配置される中央フランジ部526の外周面に圧入される。これにより、端子部75は、中央フランジ部526の外周面から突出するように設けられている。
フランジ部527、528は、保持部本体522の軸方向(本実施の形態では移動方向であり、上下方向でもある)で離間する両端部に設けられ、コイル保持部52の上下端部を構成する。
フランジ部527、528は、中央フランジ部526から離間する方向側の端部(本実施の形態では上下端部)で、弾性支持部81、82が固定される。
フランジ部527は、一方側の開口端面に、軸方向(上下方向)に突出する突起状の範囲形成突部54を有する。一方の開口端面は、範囲形成突部54を介してブラケット12を受けて位置決めする位置決め受部として機能する。フランジ部528は、他方の開口端面に、移動方向に突出する突起状の範囲形成突部54を有する。他方の開口端面は、範囲形成突部54を介して底部114を受ける底面受部として機能する。
範囲形成突部54は、コイル保持部52の上下端部に設けられ、ケース10内にコイル保持部52を収容した際に、蓋部17及び底部114と、可動体20との間の移動範囲を形成する。
範囲形成突部54は、フランジ部527、528のそれぞれから往復動方向(上下方向)に突設された突状辺部である。範囲形成突部54は、フランジ部527、528の円環状の上下の端面(それぞれ「上端面、下端面」、「開口端面」とも称する)527a、528aにおいて、所定間隔を空けて設けられている。上端面527aは、一方側の開口端面であり、下端面528aは、他方側の開口端面を意味している。
範囲形成突部54は、弾性支持部81、82に設けられた切欠に嵌合して、弾性支持部81、82の径方向の位置決めを行う。この構成により、駆動ユニット13の各個体において、弾性支持部81、82の取付位置をコイル保持部52に対して一律に設定して、コイル保持部52に対する弾性支持部81、82の安定した位置出しを行うことができる。また、コイル保持部52に対して弾性支持部81、82は、複数の構成部品を介して固定体側に固定されることがない。これにより、部品公差に影響されにくい構造で、回転するような周方向及び径方向への移動が規制され、製品として、弾性支持部81、82のバラツキを抑制し、安定した特性を実現できる。
コイル保持部52は、上下端面の範囲形成突部54を、ブラケット12の縁部と、底部114の内周縁部のそれぞれの対向する形状の部位に、嵌合した状態で、ケース10に収容され、ブラケット12の縁部と底部114の縁部とに固定される。
<コイル61、62>
コイル61、62は、通電により磁場を生成して、マグネット30との電磁相互作用により、コイル61、62の軸方向(マグネット30の着磁方向)を移動方向として、可動体20を移動させる。コイル61、62は、可動体20の径方向外側に配置されている。コイル61、62は、マグネット30とともにボイスコイルモータと同様の磁気回路を構成する。
コイル取付部52b、52cには、コイル61、62が配置され、コイル61、62は、本実施の形態では、ヨーク41、42に対して往復動方向と直交する方向で対向する位置に配置されている。
コイル61、62は、コイル保持部52に、コイル軸方向(往復動方向)の長さの中心位置が、可動体20の往復動方向の長さの中心位置(マグネット30の往復動方向の中心位置)と、往復動方向で略同じ位置(同じ位置も含む)となるように、保持されている。なお、本実施の形態のコイル61、62は、互いに逆方向に巻回されて構成され、通電時に逆方向に電流が流れるように構成されている。コイル61、62は、凹状のコイル取付部52b、52c内で接着等により固定されており、ケース10の内側で、外周面をアウターヨーク70により囲まれている。
コイル61、62のそれぞれの端部は、中央フランジ部526の端子部75に絡げて接続されている。コイル61、62は、端子部75を介して、外部の電源供給部に接続される。例えば、コイル61、62のそれぞれの端部は、直流供給部に接続され、直流供給部からコイル61、62に直流電源が供給される構成としてもよい。これにより、コイル61、62はマグネットとの間に、互いの軸方向で互いに接離方向の一方向に移動可能な推力を発生できる。
また、コイル61、62のそれぞれの端部は、交流供給部に接続され、例えば、交流供給部からコイル61、62に可動体20の共振周波数と同じ周波数の交流電源(交流電圧)が供給される。電源供給によりコイル61、62はマグネットとの間に、互いの軸方向で互いに接離方向に移動可能な推力を発生する。コイル61、62には、可動体20の共振周波数と同等の周波数の電流(例えば、交流電流)が供給される。
<アウターヨーク70>
アウターヨーク70は、コイル保持部52の外周面を囲み、コイル61、62を径方向外側で覆う位置に配置される筒状の磁性体である。アウターヨーク70は、磁気回路において、アクチュエータ1から放射方向への外部への漏れ磁束を防止する。
アウターヨーク70は、アウターヨーク70の往復動方向の長さの中心を、内側に配置されるマグネット30の往復動方向の中心と同じ高さとなる位置となるように配置されている。このアウターヨーク70のシールド効果により、アクチュエータの外側への漏えい磁束の低減を図ることができる。
また、アウターヨーク70は、磁気回路において、推力定数を大きくして電磁変換効率を高めることができる。アウターヨーク70は、マグネット30の磁気吸引力を利用して、マグネット30とともに磁気ばねとしての機能を有する。磁気ばねは、弾性支持部81、82を機械バネにした際の応力を低下させることができ、弾性支持部81、82の耐久性を向上させることができる。
<ケース10>
ケース10は、周壁部112及び底部114を有する有底筒状のケース本体11と、ケース本体11の開口部内に取り付けられるブラケット12とを有する。
ケース本体11は、内部に駆動ユニット13を位置決めして収容する。ケース本体11の周壁部112には切欠部102が形成され、切欠部102内に、端子部75が位置するように、駆動ユニット13が収容される。切欠部102と端子部75は、駆動ユニット13をケース本体11内に収容の際の位置決めとして機能する。
底部114は、可動体20の可動範囲を抑制する。底部114は、可動体20の可動範囲を設定するストッパーとなる可動範囲抑制部としての機能を有する。
ブラケット12は、環状体であり、ケース本体11内に収容した駆動ユニット13の上部に取り付けられるとともに、上部に取り付けられる流体放出部14を支持する。
ブラケット12は、出力軸部25(主に固定部26及びピストン16が取り付けられた部分)の移動方向の可動範囲を確保する。
ブラケット12の外周部には一部から径方向外側に突設され、ケース本体11の切欠部102に係合する位置決め突起部124が設けられている。位置決め突起部124は、ブラケット12をケース本体11の切欠部102に係合して、ケース本体11への取り付けの際の位置決めとして機能する。
なお、ケース10は、柱状である。柱状とは、その外周で対向するコイル61、62との協働により往復動方向に十分な推力を生じさせることができる高さ(厚さ)を有する形状である。例えば、本実施の形態のケース10は、有底円筒状のケース本体11とブラケット12とにより円柱状に形成されているが、この形状に限らず、楕円柱状、多角柱状であってもよく、往復動方向の長さが、往復動方向と直交する方向の長さよりも長くても、短くてもよい。なお、本実施の形態における楕円柱状、楕円形状における楕円形状とは、主に、平行な直線状の部分を含む楕円である。
<流体放出部14>
流体放出部14は、ケース10に取り付けられ、可動体20の可動によりノズル部19から流体(例えば空気)を放出する。
流体放出部14は、内部に流体を貯留し、ダイアフラム15を有するチャンバー部14aと、流体の通路なるノズル部19とを有する。流体放出部14は、可動体20の振動に伴うダイアフラム15の変形に従って、共振周波数で振動する可動体20の振動に応じたチャンバー部14aの流体の出し入れを行い、チャンバー部14aから出る流体によりユーザーに触感を呈示する。ダイアフラム15は、弾性変形する材料であれば、一般的なゴム材料で構成されてもよく、例えば、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等で形成される。
チャンバー部14aは、可動体20の可動により、容積が変化する。チャンバー部14aには開口部174を介してノズル部19が接続されている。
ノズル部19を介してチャンバー部14a内の流体(例えば空気)の出し入れが可能であり、特に、流体を外部に放出する。
具体的には、流体放出部14は、チャンバー部14aを構成し、ノズル部19を有する有蓋筒状の蓋部17及び蓋部17の内部を閉塞するように配置されたダイアフラム15と、蓋部17とともにダイアフラム15を挟み込む環状の放出壁部18とを有する。
放出壁部18は、ブラケット12に固定され、出力軸部25(具体的には、出力軸部25に取り付けられたピストン16)の振動方向の可動範囲を確保する。
放出壁部18は、蓋部17とともに、ダイアフラム15を挟持することにより、蓋部17とダイアフラム15とにより構成されるチャンバー部14aを保持する。放出壁部18はエアブラケットといってもよく、ピストン16や蓋部17と同様な樹脂、例えば、ABSにより形成されている。
図7Aは、アクチュエータにおいて、放出壁部の上縁部の構成を示す斜視図であり、図7Bは、図7AのX部分拡大図であり、図8は、図7のX部分の構成を示す断面図である。
放出壁部18の上面には内周部が突出するように段差部181が設けられ、段差部181と蓋部17の段差部176とでダイアフラム15の外周部154を挟持した状態で接合する。ダイアフラム15の外周部154、特に、外周縁部は、段差部176、181間の気密性を高めるために、折曲されていてもよい。
放出壁部18の段差部181では、環状の上開口部において内周部分1814の方が外周部分1812よりも上端部を蓋部17側に高く形成されている。内周部分1814と外周部分1812が段差を構成している。この段差に蓋部17の筒状本体の下端に設けられた段差部176の段差が、ダイアフラム15の外周縁部を挟んだ状態で係合する。
段差部181では、放出壁部18の上開口部の内周部分1814上に、ダイアフラム15の外周部154が配置され、この外周部154上に蓋部17の下端部が配置されている。
放出壁部18と蓋部17とでダイアフラム15の外周部154を挟持した構造では、段差部176、181の内周部分1764、1814でダイアフラム15を挟み、その挟持高さとは異なる高さ位置にある外周部分1762、1812で互いを接合できる。
これにより、アクチュエータ1では、ダイアフラム15の挟持部分での位置ズレが生じにくく、段差部176、181で挟持することにより気密性を高く保持できる。
また、ダイアフラム15を挟持する双方の内周部分1764、1814の少なくとも一方にダイアフラム15を、その全周に亘って押圧する環状突起部1816が設けられている。環状突起部1816は、内周部分1764、1814同士でダイアフラム15を挟持する際に、ダイアフラム15の外周部を全周で押圧して変形させる。これにより、ダイアフラム15の位置ずれ防止の他、可動体20自体の挙動を安定化させることができる。なお、環状突起部1816は、蓋部17の段差部176の内周部分1764に設けられてもよいことは勿論である。
ダイアフラム15は、蓋部17とともに、ノズル部19に連通するチャンバー部14aを構成する。チャンバー部14aは、放出壁部18に取り付けられてダイアフラム15の可動により、内部空気の吸引放出を行う。
ダイアフラム15は、放出壁部18と蓋部17との間に、双方の内部空間を振動方向で仕切るように配置された状態となっている。
ダイアフラム15の下面中央部には、ピストン16が固定されている。ダイアフラム15の中心とピストン16の中心、つまり、出力軸部25の中心は、同一軸上に配置されている。ピストン16は、例えば、ABS等の樹脂により形成され、小径部と、ダイアフラム15の中央部に当接される大径部162とを有する。大径部162は、ダイアフラム15を押圧して変形させ、対向する蓋部17の内面に沿うように変形させる。これによりダイアフラム15は、チャンバー部14a内の空間を押し潰すように変形し、チャンバー部14a内の流体を無駄なく放出できる。
よって、ダイアフラム15は、出力軸部25の移動により、中央で垂直に押し上げられて変位するように設けられ、ダイアフラム15は極力大きく動けるように構成され、より高出力化を実現可能となっている。なお、流体を高出力する際では、ダイアフラム15への負荷はなるべく小さくする構成であることが望ましい。
可動体20の可動により、最大振幅でダイアフラム15は変位し、流体が強く出力され、高い触感を付与する。
また、変形するダイアフラム15の変形方向に、ここではダイアフラムの中心部の上、と同じ方向で流体を放出させるので、ダイアフラム15は、押し上げられていない状態では、自重でフラットな形状で負荷が掛からず、機械的な負担を抑制できる。
蓋部17の円盤状の天面部172は、本実施の形態におけるアクチュエータ1の天面部であり、可動体20に対して、可動体20の往復動方向で所定間隔を空けて平行に配置される。なお、蓋部17は、流体放出部14の一部であり、天面部172の中央部にノズル部19が立設され、ABS等の樹脂により形成される。ノズル部19は、天面部172とともにABS等の樹脂により形成される。
<アクチュエータ1の動作>
図9は、本発明に係る実施の形態1のアクチュエータの動作の説明に供する図である。
アクチュエータ1の動作について、マグネット30において着磁方向の一方側(本実施の形態では上側)の表面30a側がS極、着磁方向の他方側(本実施の形態では下側)の裏面30b側がN極となるように着磁されている場合を一例に、図9を用いて、説明する。
アクチュエータ1では、可動体20は、ばね-マス系の振動モデルにおけるマス部に相当すると考えられるので、例えば、共振が鋭い(急峻なピークを有する)場合、往復動を減衰することにより、急峻なピークを抑制できる。振動を減衰することにより共振が急峻では無くなり、例えば、共振時の可動体20の最大振幅値、最大移動量がばらつくことがなく、好適な安定した最大移動量による振動が出力される。
マグネット30の裏面30b側から出射し、ヨーク42からコイル62側に放射され、アウターヨーク70を通り、コイル61を介してマグネット30の上側のヨーク41からマグネット30へ入射する磁束の流れmfが形成される。
したがって、図9に示すように通電が行われると、マグネット30の磁界とコイル61、62に流れる電流との相互作用により、フレミング左手の法則に従ってコイル61、62に-f方向のローレンツ力が生じる。
-f方向のローレンツ力は、磁界の方向とコイル61、62に流れる電流の方向に直交する方向である。コイル61、62は固定体50(コイル保持部52)に固定されているので、作用反作用の法則に則り、この-f方向のローレンツ力と反対の力が、マグネット30を有する可動体20にF方向の推力として発生する。これにより、図10に示すように、マグネット30を有する可動体20側がF方向、つまり底部(ケース本体11の底面)114側に移動する。
出力軸部25は、図10A、図10Bに示すように、F方向、つまり底部(ケース本体11の底面)移動して、ピストン16を介して接合されたダイアフラム15もF方向に移動する。これにより、可動体20の最大振幅により、チャンバー部14aは最大容量で流体を取り込むことができる。
一方、コイル61、62の通電方向が逆方向に切り替わり、コイル61、62に通電が行われると、逆向きのf方向のローレンツ力が生じる。このf方向のローレンツ力の発生により、作用反作用の法則に則り、このf方向のローレンツ力と反対の力が、可動体20に推力(-f方向の推力)として発生し、可動体20は、図11に示すように、-F方向、つまり、固定体50の蓋部17の天面側に移動する。
これにより、出力軸部25も-F方向、つまり蓋部17側に移動して、ピストン16を介して接合されたダイアフラム15も-F方向に移動し、チャンバー部14a内を収縮して取り込んだ空気を放出する。図11A、図11Bで示すようにでは最大振幅で駆動し、流体(空気)を放出している。
このようにアクチュエータ1では、可動体20を蓋部17側、或いは、底部114側の一方にのみ移動させることで、ユーザーの操作に応じて、出力軸部25を介してダイアフラム15を変動させて流体を外部に放出し、ユーザーに所謂、空中触覚を呈示する。
また、コイル61、62に、電流を交互に逆向きに供給して往復動、或いは振動させることもでき、これを用いて、ユーザーの操作による可動体20の移動に応じて駆動して、流体を外部に放出できる。
また、アクチュエータ1では、通電していない場合の非駆動時(非振動時)においては、マグネット30とアウターヨーク70との間に磁気吸引力がそれぞれ働き磁気バネとして機能する。このマグネット30とアウターヨーク70との間に発生する磁気吸引力と、弾性支持部81、82の元の形状に戻ろうとする復元力により、可動体20は、元の位置に戻る。
アクチュエータ1は、電源供給部(制御部)から一対のコイル61、62へ入力される交流波によって駆動される。つまり、一対のコイル61、62の通電方向は周期的に切り替わり、可動体20には、図9に示すように、蓋部17の天面部172側の-F方向の推力と底部114側のF方向の推力が交互に作用する。これにより、可動体20は、振動方向に振動する。
これにより、可動体20は、移動方向、または、振動方向に移動し、流体を放出してフォースフィードバックを行うことができる。このようにアクチュエータ1によれば、低コストで容易に製造でき、より容易に使いやすい検出機能と触感フィードバック機能を有するものとなる。
<アクチュエータ1の駆動原理>
アクチュエータ1の駆動原理について簡単に説明する。本実施の形態のアクチュエータ1では、可動体20の質量をm[kg]、ばね(ばねである弾性支持部81、82)のばね定数をKspとした場合、可動体20は、固定体50に対して、下式(1)によって算出される共振周波数F[Hz]で振動する。
Figure 2024024543000002
可動体20は、ばね-マス系の振動モデルにおけるマス部を構成すると考えられるので、コイル(一対のコイル61、62)に可動体20の共振周波数Fに等しい周波数の交流波が入力されると、可動体20は共振状態となる。すなわち、電源供給部からコイル(一対のコイル61、62)に対して、可動体20の共振周波数Fと略等しい周波数の交流波を入力することにより、可動体20を効率良く振動させることができる。
アクチュエータ1の駆動原理を示す運動方程式及び回路方程式を以下に示す。アクチュエータ1は、下式(2)で示す運動方程式及び下式(3)で示す回路方程式に基づいて駆動する。
Figure 2024024543000003
Figure 2024024543000004
すなわち、アクチュエータ1における質量m[kg]、変位x(t)[m]、推力定数Kf[N/A]、電流i(t)[A]、ばね定数Ksp[N/m]、減衰係数D[N/(m/s)]等は、式(2)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、電圧e(t)[V]、抵抗R[Ω]、インダクタンスL[H]、逆起電力定数K[V/(rad/s)]は、式(3)を満たす範囲内で適宜変更できる。
このように、アクチュエータ1では、可動体20の質量mと板ばねである弾性支持部81、82のばね定数Kspにより決まる共振周波数Fに対応する交流波によりコイル61、62への通電を行った場合に、効率的に大きな振動出力を得ることができる。
また、アクチュエータ1は、式(2)、(3)を満たし、式(1)で示す共振周波数を用いた共振現象により駆動する。これにより、アクチュエータ1では、低消費電力で駆動、つまり、可動体20を低消費電力で直線往復振動させることができる。また、減衰係数Dを大きくすれば、高帯域に渡り振動を発生させることができる。
図12は、アクチュエータ1のコイルに供給される電流の共振周波数と流体放出部から放出される流体の速度の関係を示す図である。
コイル61、62に供給される電流は、図12に示すように、可動体20の質量mと板ばねである弾性支持部81、82のばね定数Kspにより決まる共振周波数(「可動体20の共振周波数」ともいう)Fと同等の周波数または、共振周波数近傍(共振周波数の近傍)の周波数の電流である。共振周波数近傍の周波数は、共振周波数Fのマイナスα~プラスαの範囲の周波数であり、例えば、αは50、30であることが好ましい。すなわち、共振周波数近傍の周波数は、可動体20の共振周波数のマイナス50Hz~プラス50Hzの範囲の周波数であることが好ましい。更に好ましくは、共振周波数近傍の周波数は、可動体20の共振周波数のマイナス30Hz~プラス30Hz(共振周波数のプラス30Hzからマイナス30Hzと同じ)の範囲の周波数である。
この範囲内の周波数の電流の供給により、可動体20は振動し、アクチュエータ1(詳細には流体放出部14)から放出される流体の速度は、所望の好適な速度となる。よって、本実施の形態のアクチュエータ1(後述する変形例1のアクチュエータ1A、非接触触感呈示システム300も同様)によれば、流体としての空気を放出して、手指を汚染することなくユーザーに好適な操作感の非接触触感を呈示できる。
本実施の形態によれば、可動体20の上下(振動方向)に板状の弾性支持部81、82を配置している。これにより、アクチュエータ1は、可動体20を上下方向に安定して駆動すると同時に、マグネット30の上下の弾性支持部81、82から効率的に一対のコイル61、62の磁束を分布できる。これにより、アクチュエータ1として、高出力の振動を実現することができる。
<変形例>
図13は、アクチュエータの変形例を示す斜視図であり、図14は、同アクチュエータの変形例の要部構成を示す縦断面図であり、図15は、同アクチュエータの変形例における流体放出部の要部構成を示す部分分解図である。また、図16は、同アクチュエータの変形例1の分解図である。
アクチュエータ1Aは、アクチュエータ1と同様に、例えば、ユーザーに非接触で触感を呈示するアクチュエータであり、ユーザーの操作部への非接触操作に応じた可動体20Aの往復動による流体の放出を、ユーザーの触感、力感として伝達する。
アクチュエータ1Aは、アクチュエータ1と比較して、ケース10の縦横を変えたものであり、基本構成は同様である。よって、アクチュエータ1Aでは、アクチュエータ1と同様の構成要素ついては、同名称で、同符号「A」を付して説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
すなわち、アクチュエータ1Aは、図13~図16に示すように、ケース本体11A及びブラケット12Aを有するケース10A内側に収容する駆動ユニット13Aと、流体放出部14Aと、を有する。駆動ユニット13Aの駆動により流体放出部14Aが流体、ここでは空気を外部に放出する。
駆動ユニット13Aは、駆動ユニット13と同様に、コイル保持部52Aを含む固定体50Aの主要部と可動体20Aとを弾性支持部81A、82Aで接続して構成され、ケース10A内に収容されている。
アクチュエータ1Aは、マグネット30Aを可動体20に備え、コイル61A、62Aを固定体50Aに備える。通電されるコイル61A、62Aとマグネット30Aの協働(電磁相互作用)により可動体20Aが、ケース10Aの軸方向(上下方向)に沿って一直線方向(軸方向)で往復動する。
可動体20Aに設けられた出力軸部25Aは、可動体20Aと流体放出部14Aとが接続する。
アクチュエータ1Aでは、流体放出部14Aは、ケース10Aの一部とともに設けられ、可動体20Aは、ケース10A内で可動体20Aと固定体50Aとの間に架設された弾性支持部81A、82Aを介し、固定体50Aに対して往復動自在に支持される。
アクチュエータ1Aでは、駆動ユニット13Aは、具体的には、出力軸部25A、マグネット30Aの他、一対のヨーク41A、42A、一対のスリーブ22A、24Aを有し、固定体50Aは、環状の一対のコイル61A、62Aの他、アウターヨーク70Aを有する。
流体放出部14Aは、流体放出部14と同様に、可動体20Aの共振周波数と同等の周波数の電流がコイル61A、62Aに供給されることによる可動体20Aの振動に伴うダイアフラム15Aの変形に従って行う。すなわち、ダイアフラム15Aの変形に従って、可動体20Aの共振振動に応じたチャンバー部14aの流体の出し入れを行い、チャンバー部14aから出る流体(例えば、空気)がユーザーに当たる。これによりアクチュエータ1Aは、ユーザーに触感を呈示する。
なお、アクチュエータ1Aは、アクチュエータ1と同様の構成により、同様の作用効果を有する。
加えて、アクチュエータ1Aでは、各部材の軸方向の厚みを小さくするとともに、径方向の寸法を大きくしている。特に、チャンパー部14aの容量を可変するダイアフラム15に接合されるピストン16Aにおいて、ダイアフラム15に接合する面の径(大径部の押圧面162Aの径)を大きくできる。この大径のピストン16Aで、ダイアフラム15Aを押圧して変形させる際に、ダイアフラム15Aの中央において、ダイアフラム15Aに直交するように移動してダイアフラム15Aを押圧する。これにより、押圧面162Aが、可動体20Aの最大振幅でダイアフラム15Aをその中央部で押圧して、より効果的に変位させることができ、軸方向の長さが小さく、低背化された構成でも、好適に安定して振動し、流体を放出可能なアクチュエータ1Aを実現できる。
<非接触触感呈示システム300>
図17は、アクチュエータ1を有する非接触触感呈示システム300の要部構成を模式的に示す図である。非接触触感呈示システム300は、アクチュエータ(振動呈示装置)1と、操作パネル310と、放出孔320と、接続管330と、制御部340と、を有する。
非接触触感呈示システム300では、非接触操作部312と、放出孔320とは、操作パネル(ここでは非接触操作パネル)310に設けられている。非接触操作部312は制御部340に接続され、ユーザーによる操作、つまり、非接触操作部312にユーザーの指が近接すると、その情報を制御部340に主力する。放出孔320には、接続管330を介してアクチュエータ1のノズル部19が接続されている。
非接触触感呈示システム300では、非接触操作部312に、図示しない周知の非接触センサが用いられる。非接触センサは、非接触操作部312に近接するユーザーの指を検知し、この検知に基づいてアクチュエータ1が可動する。非接触センサは、静電容量センサ、超音波センサ、光センサ等である。光センサ等では、赤外光を用いて検知対象からの反射光を受光して検知できる。例えば、光等検知対象の検出は、20mm~50mm、30mm~50mm、20~25mmの距離とすることが望ましい。これら検出した距離分離れているユーザーに対して、アクチュエータ1は流体を放出してユーザーに触感を呈示可能である。
制御部340は、例えば、非接触操作部312へのユーザーの指Uの非接触操作に応じて、アクチュエータ1を駆動する。制御部340は、例えば、非接触操作部312とアクチュエータ1に接続され、CPU、RAM、ROM、アクチュエータの駆動回路等を有する。制御部340は、非接触センサから入力される信号に応じて、アクチュエータ1のコイル61、62に通電して、マグネット30との電磁相互作用を発生させる。
アクチュエータ1が駆動して、可動体20が移動することにより、流体である空気を、接続管330を介して放出孔320に送出し、ユーザーの指Uに吹き付ける。
これにより、ユーザーに非接触での操作に応じて非接触操作の操作感を触感として付与できる。よって、ノズル部19を接続管330、放出孔320を介して適宜、非接触の触感呈示に適した配置とすることで非接触操作の操作感を好適に付与できる。非接触操作部312及び放出孔320と、ユーザーの指Uとの距離は、例えば30~50mm等のように適宜設定可能である。
<まとめ>
アクチュエータ1、1Aは、コイル61、61A、62、62Aを有する固定体50、50Aと、コイル61、61A、62、62Aの径方向内側に配置され、且つ、コイル61、61A、62、62Aの軸方向に磁化されたマグネット30、30Aを有する可動体20、20Aと、流体放出部14、14Aと、を備える。加えて、アクチュエータ1、1Aでは、平板状の弾性支持部81、81A、82、82Aが、流体放出部14、14Aのダイアフラム15、15Aを動かす可動体20、20Aをコイル軸方向である移動方向で離間する両端部で、移動自在に弾性保持している。
ダイアフラム15、15Aは、板ばねである弾性支持部81、81A、82、82Aのばね定数Ksp[N/m]と可動体20、20Aの質量m[kg]で設定される共振周波数の電源がコイル61、61A、62、62Aに供給されることによる共振する可動体20、20Aの振動に伴い変形する。これにより、可動体の共振振動に応じた流体をユーザーに向かって放出し、ユーザーに非接触触感を付与する。
また、弾性支持部81、81A、82、82Aが板ばねであることにも起因して、可動体20、20Aの移動方向への移動の際の直進性は確保され、ダイアフラム15、15Aを安定して高振幅で且つ円滑に駆動することができる。
アクチュエータ1、1Aによれば、より好適に空気(流体)を放出でき、安定かつ強い触感を実現できる。非接触触感を呈示することで、手指の汚染を伴うことなく、ユーザーに好適な操作感の触感を呈示できる。よって、非接触操作パネル310との併用により、非接触でも良好な操作感の操作パネルを実現できる。
また、ダイアフラム15、15Aは、ダイアフラム15、15Aの中央部でピストン16、16Aを介して、ダイアフラム15、15Aに対して垂直方向に移動する可動体20、20Aの出力軸部25、25Aに接合されている。これにより、ダイアフラム15、15Aは、その中央部を垂直に押し上げる形で変位することにより、最大振幅となり、ノズル部19を介して流体が強く出力され、高い触感を付与できる。
ダイアフラム15は、その外周部154を、蓋部17と放出壁部18の段差部176、181で挟持されている。ダイアフラム15の外周部154は、段差部176、181において、外周部分1762、1812に対して高さの異なる内周部分1814、1764で挟持され、気密的に密閉された状態で保持されている。また、さらに、ダイアフラム15は外周部154の全周を環状突起部1816で押圧された状態で、蓋部17と放出壁部18とで挟持されている。なおダイアフラム15Aもダイアフラム15と同様に、アクチュエータ1Aにおいて、蓋部17Aと放出壁部18Aの段差部176、181で挟持されている。
これにより、ダイアフラム15の位置ずれを抑制して、可動体20の挙動を安定させることができる。また、ダイアフラム15が段差部176、181で挟持され接着固定されているので、内部の流体(空気)の漏れを抑制できる。
このように、ダイアフラム15の固着を確実にしつつ空気漏れを抑制した構造にすることにより、安定した非接触触感を付与できる。
また、コイル保持部52には、端子部75が外方に突出して設けられているので、コイルのコイル線の絡げと半田付けが容易になり、外部機器とコイル61、62との接続を容易にできる。また、可動体20にマグネット30を設けているので、上記構成で可動体20にコイルを設ける場合と比較して、強い触感表現とするため高振幅なデバイスとすることが可能となり、その際の信頼性の確保も容易となる。また、コイル61、62をマグネット30の周囲を包囲する構成であるので、その磁気回路から高出力で且つ高効率化が可能となる。
また、これを備える非接触触感呈示システム300は、ユーザーの非接触操作を検知する操作部を有する操作装置である操作パネル310と、検知された非接触操作に応じてコイル61、62に通電して可動体20を振動させる制御部340とを有する。操作パネル310には、チャンバー部14aから出る流体を、ユーザー(指U)に向かって放出する放出孔320が設けられている。これによりユーザーの非接触操作に応じて、非接触で触感を付与できる。また、放出孔320を操作パネル310に位置させることで、適宜、触感呈示に適した配置しているので、優れた非接触触感を呈示する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係るアクチュエータは、流体を放出することにより手指を汚染することなく好適な操作感の非接触触感を呈示するフィードバック機能を有し、非接触で触感等を呈示するアクチュエータとして有用である。
1 アクチュエータ
10 ケース
11 ケース本体
12 ブラケット
13 駆動ユニット
14 流体放出部
15 ダイアフラム
16 ピストン
17 蓋部
18 放出壁部
20 可動体
20a 外周面
22、24 スリーブ
23 貫通孔
25 出力軸部
26 固定部
28 ばね接続部
30 マグネット
30a 表面
30b 裏面
41、42 ヨーク
50 固定体
52 コイル保持部
52b、52c コイル取付部
54 範囲形成突部
61、62 コイル
70 アウターヨーク
75 端子部
81、82 弾性支持部(弾性部)
102 切欠部
112 周壁部
114 底部
115 開口部
118 段差部
124 位置決め突起部
126 中央開口
128 押圧部
172 天面部
222 接合部
224、244 ばね固定部
242 接合部
282 挿入部
284 フランジ
300 非接触触感呈示システム
310 非接触操作パネル
312 非接触操作部
320 放出孔
412 開口部
422 開口部
522 保持部本体
522a 内周面
526、527 フランジ部
527a 上端面
528 フランジ部
528a 下端面
802 内周部
804 変形アーム部
806 外周固定部
810 減衰部

Claims (11)

  1. マグネットを有する可動体と、
    前記可動体を振動自在に支持する弾性部と、
    前記可動体の共振周波数と同等な周波数の電流の供給により磁場を生成して前記マグネットとの電磁相互作用により前記可動体を振動させるコイルを有する固定体と、
    内部に流体を貯留し、ダイアフラムを有するチャンバー部を有し、前記可動体の共振振動に伴う前記ダイアフラムの変形に従って、前記チャンバー部の流体の出し入れを行い、前記チャンバー部から出る流体により触感を呈示する流体放出部と、
    を有する、
    非接触触感呈示装置。
  2. マグネットを有する可動体と、
    前記可動体を振動自在に支持する弾性部と、
    前記可動体の共振周波数の近傍の周波数の電流の供給により磁場を生成して前記マグネットとの電磁相互作用により前記可動体を振動させるコイルを有する固定体と、
    内部に流体を貯留し、ダイアフラムを有するチャンバー部を有し、前記可動体の振動に伴う前記ダイアフラムの変形に従って、前記チャンバー部の流体の出し入れを行い、前記チャンバー部から出る流体により触感を呈示する流体放出部と、
    を有する、
    非接触触感呈示装置。
  3. 前記マグネットは前記コイルに包囲される位置に離間して配置される、
    請求項1または2記載の非接触触感呈示装置。
  4. 前記弾性部は、前記可動体を振動方向で離間する複数の箇所で、前記固定体に対して、前記振動方向に移動自在に弾性支持している、
    請求項1または2記載の非接触触感呈示装置。
  5. 前記弾性部は、板ばねであることを特徴とする請求項3記載の非接触触感呈示装置。
  6. 前記ダイアフラムは、前記可動体に、前記ダイアフラムの中央部で固定されている、
    請求項1または2記載の非接触触感呈示装置。
  7. 振動方向と垂直に面を配置される前記ダイアフラム上に、前記ダイアフラムの変形方向に沿って開口するように配置され、前記チャンバー部に対して出し入れされる流体の通路となるノズルを有する、
    請求項1または2記載の非接触触感呈示装置。
  8. 前記固定体は、筒状に形成され、前記コイルで囲むように前記可動体を移動自在に収容するコイル保持部を有し、
    前記ダイアフラムは、前記コイル保持部の一方の開口部と、前記流体放出部との間に、段差部を介して挟持されている、
    請求項1または2記載の非接触触感呈示装置。
  9. 前記固定体は、筒状に形成され、前記コイルで囲むように前記可動体を移動自在に収容するコイル保持部を有し、
    前記ダイアフラムは、前記コイル保持部の一方の開口部と、前記流体放出部との間に接着固定されている、
    請求項1または2記載の非接触触感呈示装置。
  10. 前記コイルに供給される前記共振周波数の近傍の周波数は、前記共振周波数のプラス30Hzからマイナス30Hzである、
    請求項2記載の非接触触感呈示装置。
  11. 請求項1または2記載の非接触触感呈示装置と、
    ユーザーの非接触操作を検知する操作部を有する操作装置と、
    検知された非接触操作に応じて前記コイルに通電して前記可動体を振動させる制御部と、
    前記操作装置に設けられ、前記チャンバー部から出る流体を、前記ユーザーに向かって放出する放出孔と、
    を有する非接触触感呈示システム。
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