JP2024023592A - 加熱要素 - Google Patents

Abstract

【課題】非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素を提供する。【解決手段】加熱要素１はロッド１０を有し、ロッド１０は、長手方向軸線と、遠位端部部分１３と、長手方向軸線に沿ったそれぞれの長手方向位置にある第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２とを有する。第２のテーパ部分１２は、遠位端部部分１３から第１のテーパ部分１１に向かって延び、ロッド１０の断面積は、第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２のそれぞれにおいて、遠位端部部分１３からの距離とともに増加する。長手方向軸線と第１のテーパ部分１１の外側テーパ面１１ｓとの間の第１の角度は、長手方向軸線と第２のテーパ部分１２の外側テーパ面１２ｓとの間の第２の角度よりも小さい。【選択図】図１

Description

本発明は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素、非燃焼型エアロゾル供給デバイス、及び非燃焼型エアロゾル供給システムに関する。非燃焼型エアロゾル供給デバイスはタバコ加熱製品であることができる。

背景

シガレット、シガーなどの喫煙品は、タバコの煙を生成するために使用時にタバコを燃焼させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を作ることによって、このような喫煙品の代替物を提供しようと試みられている。このような製品の例としては、いわゆる「非燃焼加熱式」製品又はタバコ加熱デバイス若しくは製品があり、これらは材料を燃焼ではなく加熱することによって化合物を放出する。材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品であってもよく、これはニコチンを含有していても、又は含有していなくてもよい。

本発明の第１の態様は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素であって、加熱要素はロッドを備え、ロッドは、長手方向軸線と、遠位端部部分と、長手方向軸線に沿ったそれぞれの長手方向位置にある第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分とを有し、第２のテーパ部分は、遠位端部部分から第１のテーパ部分に向かって延び、ロッドの断面積は、第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分のそれぞれにおいて、遠位端部部分からの距離とともに増加し、長手方向軸線と第１のテーパ部分の外側テーパ面との間の第１の角度は、長手方向軸線と第２のテーパ部分の外側テーパ面との間の第２の角度よりも小さい、加熱要素を提供する。

例示的実施形態では、第１の角度は０．５°～２５°である。

例示的実施形態では、第１の角度は５°～２０°である。

例示的実施形態では、第１の角度は１０°～１５°である。

例示的実施形態では、第１の角度は、使用中のタバコ産業製品からのロッドの取り外しを容易にするように選択される。

例示的実施形態では、第１のテーパ部分は、ロッドの長さの大部分にわたって延びている。

例示的実施形態では、第２のテーパ部分は円錐形である。

例示的実施形態では、第２のテーパ部分は非円錐形である。

例示的実施形態では、ロッドは平坦なストリップである。

本発明の第２の態様は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素であって、加熱要素はロッドを備え、ロッドは長手方向軸線及び外側テーパ面を有し、ロッドの長さの少なくとも大部分は、長手方向軸線と外側テーパ面との間の角度が０．５°～２５°である、加熱要素を提供する。

例示的実施形態では、角度は５°～２０°である。

例示的実施形態では、角度は１０°～１５°である。

例示的実施形態では、角度は、使用中のタバコ産業製品からのロッドの取り外しを容易にするように選択される。

例示的実施形態では、ロッドは、遠位端部部分と、長手方向軸線に沿ったそれぞれの長手方向位置にある第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分とを備え、第２のテーパ部分は、遠位端部部分から第１のテーパ部分に向かって延び、ロッドの断面積は、第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分のそれぞれにおいて、遠位端部部分からの距離とともに増加し、角度は、長手方向軸線と第１のテーパ部分の外側テーパ面との間の第１の角度であり、第１の角度は、長手方向軸線と第２のテーパ部分の外側テーパ面との間の第２の角度よりも小さい。

例示的実施形態では、第２の角度は４５°以下である。

例示的実施形態では、第２の角度は１０°～４０°である。

例示的実施形態では、第２の角度は１５°～３５°である。

例示的実施形態では、第２の角度は、使用中のタバコ産業製品内へのロッドの挿入を容易にするように選択される。

例示的実施形態では、第２のテーパ部分は、遠位端部部分から第１のテーパ部分に向かって延びている。

例示的実施形態では、第１のテーパ部分は、長手方向軸線の方向において第２のテーパ部分よりも長い。

例示的実施形態では、ロッドは、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む。

例示的実施形態では、ロッドは、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料からなるか、又はこれから本質的になる。

例示的実施形態では、加熱材料は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された１つ又は複数の材料を含む。

例示的実施形態では、加熱材料は、金属又は金属合金を含む。

例示的実施形態では、加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、モリブデン、炭化ケイ素、銅、及び青銅からなる群から選択された１つ又は複数の材料を含む。

例示的実施形態では、ロッドは導電性である。

例示的実施形態では、長手方向軸線に直交して、ロッドは、円形、楕円形、長方形、正方形及び三角形からなる群から選択される断面形状を有する。

例示的実施形態では、ロッドは、使用時に略非圧縮性である。

本発明の第３の態様は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスであって、エアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品の少なくとも一部を受容する加熱チャンバと、加熱チャンバ内に突出して加熱チャンバの軸線と一致するか又は平行なロッドを備えた加熱要素と、ロッドを加熱し、以てタバコ産業製品が加熱チャンバにあるときにエアロゾル化可能な材料を加熱させる加熱デバイスとを備え、ロッドは、遠位端部部分と、軸線に沿ったそれぞれの軸線方向位置にある第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分とを有し、第２のテーパ部分は、遠位端部部分から第１のテーパ部分に向かって延び、ロッドの断面積は、第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分のそれぞれにおいて、遠位端部部分からの距離とともに増加し、軸線と第１のテーパ部分の外側テーパ面との間の第１の角度は、軸線と第２のテーパ部分の外側テーパ面との間の第２の角度よりも小さい、非燃焼型エアロゾル供給デバイスを提供する。

例示的実施形態では、軸線は加熱チャンバの中心軸線である。

例示的実施形態では、加熱チャンバは細長であり、軸線は加熱チャンバの長手方向軸線である。

例示的実施形態では、第１の角度は０．５°～２５°である。

例示的実施形態では、第１の角度は５°～２０°である。

例示的実施形態では、第１の角度は１０°～１５°である。

例示的実施形態では、第１の角度は、使用中のタバコ産業製品からのロッドの取り外しを容易にするように選択される。

例示的実施形態では、第２の角度は４５°以下である。

例示的実施形態では、第２の角度は１０°～４０°である。

例示的実施形態では、第２の角度は１５°～３５°である。

例示的実施形態では、第２の角度は、使用中のタバコ産業製品内へのロッドの挿入を容易にするように選択される。

例示的実施形態では、第２のテーパ部分は、遠位端部部分から第１のテーパ部分に向かって延びている。

例示的実施形態では、第１のテーパ部分は、軸線の方向において第２のテーパ部分よりも長い。

例示的実施形態では、ロッドは、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む。

例示的実施形態では、ロッドは、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料からなるか、又はこれから本質的になる。

例示的実施形態では、加熱デバイスは、ロッドに侵入する変動磁場を発生させるための磁場発生器を備える。

例示的実施形態では、加熱材料は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された１つ又は複数の材料を含む。

例示的実施形態では、加熱材料は、金属又は金属合金を含む。

例示的実施形態では、加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、モリブデン、炭化ケイ素、銅、及び青銅からなる群から選択された１つ又は複数の材料を含む。

例示的実施形態では、ロッドは導電性である。

例示的実施形態では、軸線に直交して、ロッドは、円形、楕円形、長方形、正方形及び三角形からなる群から選択される断面形状を有する。

例示的実施形態では、ロッドは、使用時に略非圧縮性である。

例示的実施形態では、加熱要素は、本発明の第１の態様又は第２の態様による加熱要素を備える。

本発明の第４の態様は、非燃焼型エアロゾル供給システムであって、本発明の第３の態様による非燃焼型エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品とを備え、タバコ産業製品は、第２のテーパ部分と、第１のテーパ部分の少なくとも一部とがタバコ産業製品に侵入するように、非燃焼型エアロゾル供給デバイスの加熱チャンバに挿入可能である、非燃焼型エアロゾル供給システムを提供する。

例示的実施形態では、タバコ産業製品は、第２のテーパ部分と、第１のテーパ部分の少なくとも一部とがエアロゾル化可能な材料に侵入するように、非燃焼型エアロゾル供給デバイスの加熱チャンバに挿入可能である。

非燃焼型エアロゾル供給デバイス又は非燃焼型エアロゾル供給システムの例示的実施形態では、エアロゾル化可能な材料は、非液体材料である。

非燃焼型エアロゾル供給デバイス又は非燃焼型エアロゾル供給システムの例示的実施形態では、エアロゾル化可能な材料は、タバコを含む。

非燃焼型エアロゾル供給デバイス又は非燃焼型エアロゾル供給システムの例示的実施形態では、エアロゾル化可能な材料は、再構成されたエアロゾル化可能な材料、例えば再構成されたタバコを含む。

本発明の第５の態様は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素であって、加熱要素は、タバコ産業製品のエアロゾル化可能な材料に侵入し、加熱する際に使用するためのものであり、加熱要素は、使用時にエアロゾル化可能な材料に接触するように構成された外面を有し、外面は、加熱要素をエアロゾル化可能な材料から取り外すときに加熱要素によって加わるエアロゾル化可能な材料への摩擦力を低減し、以て、加熱要素がエアロゾル化可能な材料から取り外される間、エアロゾル化可能な材料が加熱要素に引っ張られる程度を低減するように選択された表面粗さを有する、加熱要素を提供する。

例示的実施形態では、外面は、研磨、例えば電解研磨されている。

例示的実施形態では、外面は、低摩擦材料でコーティングされている。例示的な低摩擦材料は、当業者には周知されているであろう。

ここで、本発明の実施形態は、添付の図面を参照し、単なる例示として説明する。

非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素の一実施例の概略側面図を示す。 図１の加熱要素の概略上面図である。 非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素の別の実施例の概略上面図を示す。 非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素のさらなる実施例の概略上面図を示す。 非燃焼型エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品とを備えた非燃焼型エアロゾル供給システムの一実施例の概略側断面図を示す。

詳細な説明

本明細書で使用する場合、「エアロゾル化可能な材料」という用語は、加熱時に揮発した成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態でもたらす材料を含む。「エアロゾル化可能な材料」は、非タバコ含有材料であっても、又はタバコ含有材料であってもよい。「エアロゾル化可能な材料」としては、例えば、タバコ自体、タバコ誘導体、膨張タバコ、再構成タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの１つ又は複数を挙げることができる。エアロゾル化可能な材料は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再構成されたタバコ、再構成されたエアロゾル化可能な材料、液体、ゲル、固体、非晶質固体、ゲル化シート、粉末、又は塊などの形態であることができる。「エアロゾル化可能な材料」としては、他の非タバコ製品がさらに挙げられ、これは、製品によってはニコチンを含有していても、又は含有していなくてもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、グリセロール又はプロピレングリコールなどの１つ又は複数の保湿剤を含んでいてもよい。

いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料は、「非晶質固体」の形態である。本明細書で「非晶質固体」と呼ばれる任意の材料は、代替的に「モノリシック固体」（すなわち非繊維質）、又は「乾燥ゲル」と呼んでもよい。場合によっては、「厚膜」と呼んでもよい。いくつかの実施例では、非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ材料及び／又はニコチン源、水、並びに任意選択で香料から本質的になっていても、又はこれらからなっていてもよい。

いくつかの実施例では、ゲル又は非晶質固体は、連続気泡フォームなどのフォームの形態をとる。

本明細書で使用する場合、「加熱材料」又は「ヒーター材料」という用語は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を意味する。

誘導加熱とは、導電性物体が、変動磁場が物体に侵入することによって加熱されるプロセスである。このプロセスは、ファラデーの誘導法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、電磁石に交流電流などの変動電流を通すデバイスとを備えることができる。電磁石と加熱される物体が、結果として電磁石によって生成された変動磁場が物体に侵入するように適切に相対的に配置されると、１つ又は複数の渦電流が物体内に生じる。物体は、電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、このような渦電流が物体に生じると、物体の電気抵抗に逆らって渦電流が流れることにより、物体が加熱される。このプロセスをジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ぶ。誘導加熱され得る物体はサセプタとして公知である。

サセプタが閉じた電気回路の形態である場合、使用中のサセプタと電磁石との間の磁気結合が強化され、その結果、ジュール加熱がより大きく、又は改善されることが判明している。

磁気ヒステリシス加熱とは、磁性材料で作られた物体が、変動磁場が物体に侵入することによって加熱されるプロセスである。磁性材料は、原子規模の多数の磁石、又は磁気双極子を含むと考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場と整列する。そのため、例えば電磁石によって生成されるような交流磁場などの変動磁界が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の配向は印加される変動磁場と共に変化する。このような磁気双極子の再配向により、磁性材料に熱が生じる。

物体が導電性かつ磁性である場合、変動磁場が物体に侵入すると、物体においてジュール発熱及び磁気ヒステリシス発熱の両方が生じ得る。さらに、磁性材料の使用により、磁場を強くすることができ、これは、ジュール発熱及び磁気ヒステリシス発熱を強化することができる。

上記の各プロセスでは、熱伝導による外部の熱源ではなく、物体自体の内部で熱が生じるため、特に適切な物体の材質及び幾何形状、並びに物体に対する適切な変動磁場の大きさ及び配向を選択することによって、物体の急速な温度上昇及びより均一な熱分布を実現することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱は、変動磁場発生源と物体との間に物理的な接続を必要としないため、設計自由度及び加熱プロファイルの制御がより優れたものとなり得、コストは低下し得る。

図１を参照すると、一実施例による加熱要素の一実施例の概略側面図が示されている。加熱要素１は、図５を参照して後述するデバイス１００のような、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのためのものである。

加熱要素１はロッド１０を備える。ロッド１０は、例えば、ピン、棒、又は平坦なストリップの形態であってもよい。ロッド１０は、長手方向軸線Ａ－Ａを有する。長手方向軸線Ａ－Ａに直交して、ロッド１０は、円形、楕円形、長方形、正方形及び三角形からなる群から選択される断面形状を有することができる。他の実施例では、例えば、星形又は六角形などの他の断面形状が用いられてもよい。本実施例では、ロッド１０は、使用時に略非圧縮性である。

ロッド１０は、第１のテーパ部分１１、第２のテーパ部分１２、及び遠位端部部分１３を有する。遠位端部部分１３は、ロッド１０の自由端部を構成する。使用時に、自由端部は、後述するように、エアロゾル化可能な材料の後の加熱のために、エアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品に最初に入るロッド１０の端部である。遠位端部部分１３は、ロッド１０の近位端部部分１４から遠位にある。近位端部部分１４は、ロッド１０が非燃焼型エアロゾル供給デバイスの残りの部分に取り付け可能又は設置可能な（又は取り付けられた、若しくは設置された）ロッド１０の端部部分であってもよい。本実施例では、近位端部部分１４は、第１のテーパ部分１１の一端である。他の実施例では、ロッド１０は、第１のテーパ部分１１と近位端部部分１４との間に、非テーパ部分のような１つ又は複数のさらなる部分（図示せず）を備えることができる。

第１のテーパ部分１１及び第２テーパ部分１２は、長手方向軸線Ａ－Ａに沿ったそれぞれの長手方向位置にある。第２のテーパ部分１２は、第１のテーパ部分１１と遠位端部部分１３との間に配置されている。第２のテーパ部分１２は、遠位端部部分１３から第１テーパの部分１１に向かって延びている。本実施例では、第２のテーパ部分１２は、第２のテーパ部分１２が遠位端部部分１３と第１のテーパ部分１１とをつなぐように、遠位端部部分１３から第１のテーパ部分１１に向かって延びている。他の実施例では、ロッド１０は、遠位端部部分１３と第１のテーパ部分１１との間に１つ又は複数のさらなる部分（図示せず）を備えることができる。第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２は、ロッド１０の断面積が、第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２のそれぞれにおいて、遠位端部部分１３からの距離とともに増加するように、構成され、配置されている。

ロッド１０は、長手方向軸線Ａ－Ａの方向に長さＬを有する。いくつかの実施例では、長さＬは、５ｍｍ～１００ｍｍ、例えば、７ｍｍ～７０ｍｍ、又は１０ｍｍ～５０ｍｍ、又は１１ｍｍ～４０ｍｍである。他の実施例では、ロッド１０の長さＬは、これらの範囲のうちの１つ以外にあってもよい。ロッド１０の長さＬは、ロッド１０の長さＬに直交する方向に測定されたロッド１０の寸法、又は任意の寸法よりも大きいことが好ましい。

第１のテーパ部分１１は、長手方向軸線Ａ－Ａの方向に長さＬ１を有する。第２のテーパ部分１２は、長手方向軸線Ａ－Ａの方向に長さＬ２を有する。本実施例では、ロッド１０の長さＬは、第１のテーパ部分１１の長さＬ１及び第２のテーパ部分１２の長さＬ２の合計である。ロッド１０が、第１のテーパ部分１１と近位端部部分１４との間に１つ又は複数のさらなる部分（図示せず）を備える実施例では、ロッド１０の長さＬは、第１のテーパ部分１１の長さＬ１及び第２のテーパ部分１２の長さＬ２の合計よりも大きい。

いくつかの実施例では、第１のテーパ部分１１及び第２テーパ部分１２は、長手方向軸線Ａ－Ａの方向の長さに等しい、又は実質的に等しい長さである。いくつかの実施例では、第１のテーパ部分１１の長さＬ１は、第２のテーパ部分１２の長さＬ２よりも小さい。しかし、本実施例では、第１のテーパ部分１１の長さＬ１は、第２のテーパ部分１２の長さＬ２よりも大きい。さらに、本実施例では、第１のテーパ部分１１は、ロッド１０の長さＬの大部分にわたって延びる。

第１のテーパ部分１１は、外側テーパ面１１ｓを有し、第１の角度α１は、長手方向軸線Ａ－Ａと第１のテーパ部分１１の外側テーパ面１１ｓとの間に規定される。同様に、第２のテーパ部分１２は、外側テーパ面１２ｓを有し、第２の角度α２は、長手方向軸線Ａ－Ａと第２のテーパ部分１２の外側テーパ面１２ｓとの間に規定される。

第２の角度α２は、使用中のエアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品へのロッド１０の挿入を容易にするように選択される。遠位端部部分１３及び第２のテーパ部分１２は、エアロゾル化可能な材料などのタバコ産業製品を効果的に穿孔することができる。例えば、遠位端部部分１３及び第２のテーパ部分１２は、そのような挿入の間、エアロゾル化可能な材料の部分を変位又は分割しなければならないことがある。第２の角度α２は、遠位端部部分１３及び第２のテーパ部分１２がタバコ産業製品へのそのような挿入を容易にするために十分に「鋭利」であることを可能にすることと、第２のテーパ部分１２が、使用時に加えられる力に耐える十分な頑強性及び有用な加熱要素であることを可能にする十分な熱質量を有することを確実にすることとの間の許容可能な折衷案を提供するように選択されてもよい。

本実施例では、第２の角度α２は約１５°である。しかし、他の実施例では、第２の角度α２は、約１０°～約４０°、又は約１５°～約３５°など、４５°以下の任意の角度であってもよい。第２の角度α２は、第２のテーパ部分１２の全長Ｌ２に沿って一定であっても、又は第２のテーパ部分１２の長さＬ２に沿って変化してもよい。しかし、第２の角度α２が第２のテーパ部分１２の長さＬ２に沿って変化する実施例では、好ましくは、第２のテーパ部分１２の外側テーパ面１２ｓのどの部分も、長手方向軸線Ａ－Ａに対して４５°よりも大きい角度を規定しない。

いくつかの公知の非燃焼型エアロゾル供給デバイスでは、加熱されたエアロゾル化可能な材料の破片が、デバイスの加熱チャンバ内の加熱要素の表面に引っ掛かるか、又は別様に付着し得ることが分かっている。エアロゾル化可能な材料がデバイスから取り出されると、結果的に、消費されたエアロゾル化可能な材料の破片が壊れ、その後、加熱チャンバに堆積し得る。これは、加熱チャンバが定期的な清掃を必要とするため、衛生上の観点からは望ましくなく、使用済みのエアロゾル化可能な材料が新鮮なエアロゾル化可能な材料によって生成されるエアロゾルに異味を加える可能性があるため、感覚的な観点からも望ましくない。

したがって、第１の角度α１は、タバコ産業製品からのロッド１０の解放を容易にするように選択される。より具体的には、第１の角度α１は、加熱要素が取り外されている間にエアロゾル化可能な材料が加熱要素に沿って引っ張られる程度を低減するように選択される。第１の角度α１は、タバコ産業製品からのロッド１０の引き抜きを容易にすることと、第１のテーパ部分１１が、使用時に加えられる力に耐える十分な頑強性及び有用な加熱要素であることを可能にする十分な熱質量を有することを確実にすることとの間の許容可能な折衷案を提供するように選択されてもよい。

本実施例では、第１の角度α１は約１０°である。しかし、他の実施例では、第１の角度α１は、約０．５°～約２５°の任意の角度、例えば、約５°～約２０°、又は約１０°～約１５°であってもよい。第１の角度α１は、第１のテーパ部分１１の全長Ｌ１に沿って一定であっても、又は第１のテーパ部分１１の長さＬ１に沿って変化してもよい。しかし、第１の角度α１が第１のテーパ部分１１の長さＬ１に沿って変化する実施例では、好ましくは、第１のテーパ部分１１の外側テーパ面１１ｓのどの部分も、長手方向軸線Ａ－Ａに対して約０．５°～約２５°の範囲外の角度を規定しない。

本実施例では、長手方向軸線Ａ－Ａと第１のテーパ部分１１の外側テーパ面１１ｓとの間の第１の角度α１は、長手方向軸線Ａ－Ａと第２のテーパ部分１２の外側テーパ面１２ｓとの間の第２の角度α２よりも小さい。さらに、本実施例では、第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２の第１の角度α１と第２の角度α２との間には、点の変化又は段階的な変化がある。他の実施例では、第１のテーパ部分１１は、明確な点の変化又は段階的な変化なしに第２のテーパ部分１２へと滑らかに移行してもよい。いくつかの実施例では、第１の角度α１及び第２の角度α２は、等しいか、又は実質的に等しくてもよい。第１の角度α１及び第２の角度α２が、等しいか、又は実質的に等しい実施例では、第１の角度α１及び第２の角度α２は、約０．５°～約２５°の任意の角度、例えば、約５°～約２０°、又は約１０°～約１５°の任意の角度であってもよい。

第１の角度α１及び第２の角度α２並びに第１のテーパ部分１１の長さＬ１及び第２のテーパ部１２の長さＬ２を含む加熱要素１の寸法は、加熱要素１が使用時に挿入されるタバコ産業製品２００と適合するように選択される。角度α１、α２及び長さＬ１、Ｌ２が小さすぎると、加熱要素１がタバコ産業製品２００のエアロゾル化可能な材料２０１を効果的に加熱できなくなり得る。他方で、角度α１、α２及び長さＬ１、Ｌ２が大きすぎると、加熱要素１がエアロゾル化可能な材料２０１内に収まらなかったり、挿入時にエアロゾル化可能な材料２０１を変位させすぎたり、又はエアロゾル化可能な材料２０１の周りに巻かれたラッパー（存在する場合）に、使用時に加熱要素１がラッパーを焦がしたり、若しくは別様に損傷させ得るほど加熱要素１を近づけることがある。単なる例として、ロッド１０の近位端部部分１４は、８ｍｍ未満、又は７ｍｍ未満、又は６ｍｍ未満の長手方向軸線Ａ－Ａに直交する幅を有することができる。

図１は、加熱要素１の概略側面図を示す。加熱要素１の概略上面図が図２に示されている。したがって、図２の図は、図１の図と直交する方向にある。図２で見てとれるように、ロッド１０は、長手方向軸線Ａ－Ａに直交する両方向で同じ断面形状を有する。したがって、ロッド１０は、長手方向軸線Ａ－Ａに関して回転対称性を有する。実際、本実施例では、第２のテーパ部分１２は円錐形であり、第１のテーパ部分１１は円錐台形である。このように、ロッド１０は、無限回転対称性であるか、又は無限位数の回転対称性を有する。他の実施例では、ロッド１０は、２次、３次、４次、６次、又は８次のような、非無限位数の回転対称性を有していてもよい。

図１及び図２に示す実施例の変形では、図３に示すように、ロッド１０は、上から見たときに、第１のテーパ部分１１及び第２のテー部分１２の合わせた全長Ｌ１、Ｌ２にわたって、一定の、又は略一定の角度α３でテーパしている。側面から見たとき、図３の加熱要素１は、図１に示すものと同じ寸法を有する。角度α３は、約０．５°～約２５°の任意の角度、例えば、約５°～約２０°、又は約１０°～約１５°であってもよい。

図１及び図２に示す実施例の別の変形では、図４に示すように、ロッド１０は、上から見たときに、第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２でテーパしていない。すなわち、ロッド１０の断面積は、第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２の合わせた全長Ｌ１、Ｌ２にわたって一定、又は略一定である。側面から見たとき、図４の加熱要素１は、図１に示すものと同じ寸法を有する。

他の実施例では、上から見たときに、ロッド１０は異なる形状を有していてもよい。例えば、ロッド１０は、上から見たときに、第２のテーパ部分１２の長さＬ２にわたってテーパし、第１のテーパ部分１０の長さＬ１にわたってテーパしないことができる。側面から見たとき、ロッドは、依然として図１に示すものと同じ寸法を有する。

本明細書に記載の実施例のうちのいずれか１つのロッド１０は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含むことができる。例えば、ロッド１０は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料からなる、又は本質的に加熱材料からなることができる。ロッド１０は、変動磁場の侵入によってそれぞれ加熱可能な２つ以上の異なる加熱材料を含む、又は２つ以上の異なる加熱材料からなっていても、又は本質的に２つ以上の異なる加熱材料からなっていてもよい。いくつかの実施例では、ロッド１０は、支持体と、支持体上又は支持体内の加熱材料とを含むことができる。支持体は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含まない、又は実質的に含まなくてもよい。例えば、支持体は、セラミック材料、ガラス、又はポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）などのポリマーを含むことができる。加熱材料は、１つ又は複数の進路の形態で支持体に設けられてもよく、これらの進路はそれぞれ、曲がりくねった、及び／又は螺旋状の経路を辿っていてもよい。このように、ロッド１０又はその少なくとも一部は、導電性であることができる。

いくつかの実施例では、ロッド１０の加熱材料はアルミニウムである。しかし、他の実施例では、加熱材料は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された１つ又は複数の材料を含むことができる。いくつかの実施例では、加熱材料は、金属又は金属合金を含むことができる。いくつかの実施例では、加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、モリブデン、炭化ケイ素、銅、及び青銅からなる群から選択された１つ又は複数の材料を含むことができる。他の加熱材料（複数可）は他の用途で使用されてもよい。

加熱要素が鋼（例えば、軟鋼又はステンレス鋼）などの鉄又はアルミニウムを含むことができる実施例などのいくつかの実施例では、加熱材料は、使用時に加熱要素の腐食又は酸化を回避するのを手助けするためにコーティングされてもよい。このようなコーティングは、例えば、ニッケルメッキ、金メッキ、又はセラミック若しくは不活性ポリマーのコーティングを含むことができる。

いくつかの実施例では、ロッド１０は、代替的に、又は追加的に、電流をロッド１０に流すことができるように電気エネルギー源をロッド１０に接続することによって、抵抗加熱可能である。

図５を参照すると、非燃焼型エアロゾル供給システムの一実施例の概略側断面図が示されている。

システム１０００は、非燃焼型エアロゾル供給デバイス１００と、エアロゾル化可能な材料２１０を含むタバコ産業製品２００とを備える。本実施例では、エアロゾル供給デバイス１００は、タバコ加熱製品（当該技術分野では、タバコ加熱デバイス又は非燃焼加熱式デバイスとしても知られている）である。

エアロゾル供給デバイス１００は、タバコ産業製品２００を受容する加熱チャンバ１１０と、タバコ産業製品２００が加熱チャンバ１１０にあるときにエアロゾル化可能な材料２１０を加熱させる加熱デバイス１１２とを備える。

エアロゾル供給デバイス１００は、加熱チャンバ１１０とエアロゾル供給デバイス１００の外部とを流体接続させる少なくとも１つの空気流入口（図示せず）を規定できる。ユーザは、タバコ産業製品２００を介して加熱チャンバ１１０から揮発した成分（複数可）を引き出すことによって、エアロゾル化可能な材料の揮発した成分（複数可）を吸入可能にすることができる。揮発した成分（複数可）が加熱チャンバ１１０及びタバコ産業製品２００から取り除かれると、エアロゾル供給デバイス１００の空気流入口（複数可）を介して空気が加熱チャンバ１１０に引き込まれてもよい。

本実施例では、加熱チャンバ１１０は、軸線Ｈ－Ｈに沿って延び、タバコ産業製品２００の一部のみを収容するようにサイズ決め及び成形される。本実施例では、軸線Ｈ－Ｈは、加熱チャンバ１１０の中心軸線である。さらに、本実施例では、加熱チャンバ１１０は細長いため、軸線Ｈ－Ｈは、加熱チャンバ１１０の長手方向軸線Ｈ－Ｈである。他の実施例では、加熱チャンバ１１０は、細長くても、細長くなくてもよく、タバコ産業製品２００全体を受容するように寸法決めされてもよい。

エアロゾル供給デバイス１００は、ロッド１０を備えた加熱要素１を有する。ロッド１０は、加熱チャンバ１１０内に突出し、加熱チャンバ１１０の軸線Ｈ－Ｈと一致している。他の実施例では、ロッド１０は、加熱チャンバ１１０の軸線Ｈ－Ｈと一致するのではなく、加熱チャンバ１１０の軸線Ｈ－Ｈと平行であることができる。

加熱デバイス１１２は、ロッド１０を加熱し、以てタバコ産業製品２００が加熱チャンバ１１０にあるときにエアロゾル化可能な材料２１０を加熱させる。本実施例では、加熱要素１は、図１及び図２に示され、上述された加熱要素１である。しかし、他の実施例では、エアロゾル供給デバイス１００の加熱要素１は、本明細書に記載の図１及び図２に示す加熱要素１の変形例のいずれであってもよい。そのため、本実施例では、再び図１を参照すると、加熱要素１のロッド１０は、遠位端部部分１３と、軸線Ｈ－Ｈに沿ったそれぞれの軸線方向位置における第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２とを有する。第２のテーパ部分１２は、遠位端部部分１３から第１のテーパ部分１１に向かって延び、ロッド１０の断面積は、第１のテーパ部分１１及び第２のテーパ部分１２のそれぞれにおいて、遠位端部部分１３からの距離とともに増加する。軸線Ｈ－Ｈと第１のテーパ部分１１の外側テーパ面１１ｓとの間の第１の角度α１は、軸線Ｈ－Ｈと第２のテーパ部分１２の外側テーパ面１ｓとの間の第２の角度α２よりも小さい。

図５の実施例では、加熱デバイス１１２は、ロッド１０に侵入する変動磁場を発生させるための磁場発生器を備える。本実施例では、磁場発生器１１２は、電源１１３と、コイル１１４と、コイル１１４に交流電流などの変動電流を流すデバイス１１６と、コントローラ１１７と、コントローラ１１７のユーザ操作のためのユーザインタフェース１１８とを備える。

本実施例の電源１１３は、充電式バッテリーである。他の実施例では、電源１１３は、充電式バッテリー以外、例えば、非充電式バッテリー、コンデンサ、バッテリーとコンデンサのハイブリッド、又は主電源への接続であってもよい。

コイル１１４は、任意の適切な形態をとることができる。いくつかの実施例では、コイル１１４は、銅などの導電性材料の螺旋状コイルである。いくつかの実施例では、コイル１１４は、加熱要素１の少なくとも一部を取り囲む。いくつかの実施例では、コイル１１４は、加熱チャンバ１１０の少なくとも一部を取り囲む。いくつかの実施例では、コイル１１４は、加熱チャンバ１１０の長手方向軸線と実質的に整列した長手方向軸線に沿って延びる。整列した軸線は、一致していてもよい。あるいは、整列した軸線は、互いに平行であっても、又は斜めであってもよい。いくつかの実施例では、コイル１１４は、平面コイルである。すなわち、コイル１１４は、面内に横たわる銅などの導電性材料の螺旋を備えることができる。面は、平坦な面であっても、又は湾曲した面であってもよい。面が湾曲した面である場合のいくつかの実施例では、面は、ロッド１０の軸線Ａ－Ａ及び／又は加熱チャンバ１１０の軸線Ｈ－Ｈを中心に湾曲していてもよい。

本実施例では、コイル１１４に変動電流を通すためのデバイス１１６は、電源１１３とコイル１１４との間に電気的に接続されている。本実施例では、コントローラ１１７も、電源１１３に電気的に接続され、デバイス１１６と通信可能に接続されてデバイス１１６を制御する。より具体的には、本実施例では、コントローラ１１７は、電源１１３からコイル１１４への電力の供給を制御するように、デバイス１１６を制御するためのものである。本実施例では、コントローラ１１７は、集積回路（ＩＣ）、例えば、プリント回路基板（ＰＣＢ）のＩＣを備える。他の実施例では、コントローラ１１７は、異なる形態をとってもよい。いくつかの実施例では、エアロゾル供給デバイス１００は、デバイス１１６及びコントローラ１１７を備えた単一の電気コンポーネント又は電子コンポーネントを有することができる。コントローラ１１７は、本実施例では、ユーザインタフェース１１８のユーザ操作によって操作される。ユーザインタフェース１１８は、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを備えることができる。他の実施例では、ユーザインタフェース１１８は、遠隔にあり、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）などを介してエアロゾル供給デバイス１００の残りの部分と無線で接続されていてもよい。

本実施例では、ユーザによるユーザインタフェース１１８の操作により、コントローラ１１７は、デバイス１１６に交流電流をコイル１１４に通させる。これにより、コイル１１４は、交流磁場を発生させる。コイル１１４及びロッド１０は、好適には、コイル１１４によって発生する変動磁場がロッド１０に侵入するように、相対的に配置される。ロッド１０の加熱材料が導電性である場合、この侵入により、加熱材料に１つ又は複数の渦電流が発生する。加熱材料の電気抵抗に抗した加熱材料における渦電流の流れにより、ジュール加熱により加熱材料が加熱される。ロッド１０の加熱要素が磁性材料である場合には、印加される磁場の変化に伴って加熱要素の磁気双極子の配向が変化し、加熱要素に熱が発生する。

本実施例のエアロゾル供給デバイス１００は、加熱チャンバ１１０の温度を検知する温度センサ１１９を備える。温度センサ１１９は、コントローラ１１７が加熱チャンバ１１０の温度を監視することができるようにコントローラ１１７に通信可能に接続されている。温度センサ１１９から受信した１つ又は複数の信号に基づいて、コントローラ１１７は、加熱チャンバ１１０の温度が所定の温度範囲内に留まることを確実にするために、必要に応じて、コイル１１４を通る変動電流又は交流電流の特性をデバイス１１２に調整させることができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数又はデューティサイクルであってもよい。所定の温度範囲内で、使用時には、加熱チャンバ１１０に配置されたタバコ産業製品内のエアロゾル化可能な材料２１０は、エアロゾル化可能な材料２１０を燃焼させることなくエアロゾル化可能な材料２１０の少なくとも１つの成分を揮発させるように十分に加熱される。したがって、コントローラ及びエアロゾル供給デバイス１００は、全体として、エアロゾル化可能な材料２１０を燃焼させることなくエアロゾル化可能な材料２１０の少なくとも１つの成分を揮発させるようにエアロゾル化可能な材料２１０を加熱するように構成される。温度範囲は、約５０℃～約３５０℃、例えば、約１００℃～約３００℃、又は約１５０℃～約２８０℃であってもよい。他の実施例では、温度範囲は、これらの範囲のいずれか以外であってもよい。いくつかの実施例では、温度範囲の上限は、３５０℃よりも高くなり得る。いくつかの実施例では、温度センサ１１９は省略されてもよい。

いくつかの実施例では、加熱要素１は、代わりに、抵抗加熱器に電気を通すことによって加熱される抵抗加熱器であり、コントローラ１１７は、抵抗加熱器への電気の通過を制御するように構成される。このような実施例では、コイル１１４と、コイル１１４に変動電流を通すためのデバイス１１６とは省略されてもよい。

タバコ産業製品２００は、第２のテーパ部分１２と、第１のテーパ部分１１の少なくとも一部とがタバコ産業製品２００に侵入するように、非燃焼型エアロゾル供給デバイス１００の加熱チャンバ１１０に挿入可能である。より具体的には、本実施例では、第２のテーパ部分１２及び第１のテーパ部分１１の少なくとも一部がタバコ産業製品２００のエアロゾル化可能な材料２１０に侵入するように、タバコ産業製品２００が加熱チャンバ１１０に挿入可能である。上述したように、ロッド１０の長手方向軸線Ａ－Ａと第２のテーパ部分１２の外側テーパ面１２ｓとの間に規定された第２の角度α２は、ロッド１０によるタバコ産業製品２００のそのような侵入を容易にする。

いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料２１０は、非液体材料である。いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料２１０は、ゲルである。いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料２１０は、タバコを含む。しかし、他の実施例では、エアロゾル化可能な材料２１０は、タバコからなっていても、実質的に全体がタバコからなっていても、タバコとタバコ以外のエアロゾル化可能な材料とを含んでいても、タバコ以外のエアロゾル化可能な材料を含んでいても、又はタバコを含んでいなくてもよい。いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料は、蒸気若しくはエアロゾル形成剤、又は保湿剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、若しくはジエチレングリコールを含んでいてもよい。いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料２１０は、再構成されたエアロゾル化可能な材料、例えば、再構成されたタバコを含む。

いくつかの実施例では、エアロゾル化可能な材料２１０は、略円形断面及び長手方向軸線を有する略円筒形である。他の実施形態では、エアロゾル化可能な材料２１０は、異なる断面を有していても、又は細長くなくてもよい。

タバコ産業製品２００のエアロゾル化可能な材料２１０は、例えば、８ｍｍ～１２０ｍｍの軸線方向長さを有していてもよい。例えば、エアロゾル化可能な材料２１０の軸線方向長さは、９ｍｍ、又は１０ｍｍ、又は１５ｍｍ、又は２０ｍｍよりも大きくてもよい。例えば、エアロゾル化可能な材料２１０の軸線方向長さは、１００ｍｍ未満、又は７５ｍｍ未満、又は５０ｍｍ未満、又は４０ｍｍ未満であってもよい。

図５に示すようないくつかの実施例では、タバコ産業製品２００は、使用時にエアロゾル化可能な材料２１０から放出されるエアロゾル又は蒸気をフィルタリングするフィルタ構成２２０を備える。代替的に、又は追加的に、フィルタ構成２２０は、タバコ産業製品２００の長さにわたる圧力低下を制御するためのものであってもよい。フィルタ構成２２０は、１つ又は複数のフィルタを備えることができる。フィルタ構成２２０は、タバコ産業で使用される任意のタイプのものであることができる。例えば、フィルタは、セルロースアセテートで作られていてもよい。いくつかの実施例では、フィルタ構成２２０は、略円形断面及び長手方向軸線を有する略円筒形である。他の実施形態では、フィルタ構成２２０は、異なる断面を有していても、又は細長くなくてもよい。

いくつかの実施例では、フィルタ構成２２０は、エアロゾル化可能な材料２１０の長手方向端部に当接している。他の実施例では、フィルタ構成２２０は、例えば、隙間、及び／又はタバコ産業製品２００の１つ又は複数のさらなる構成要素によって、エアロゾル化可能な材料２１０から離間されていてもよい。いくつかの実施例では、フィルタ構成２２０は、添加物又は香料源（例えば、添加物又は香料含有カプセル又はスレッド）を含んでいてもよく、これは、例えば、濾過材料の本体によって、又は濾過材料の２つの本体の間に保持されていてもよい。

タバコ産業製品２００は、エアロゾル化可能な材料２１０及びフィルタ構成２２０の周りに巻き付けられて、エアロゾル化可能な材料２１０に対してフィルタ構成２２０を保持するラッパー（図示せず）をさらに備えていてもよい。ラッパーは、ラッパーの自由端部同士が重なるように、エアロゾル化可能な材料２１０及びフィルタ構成２２０の周りに巻き付けられてもよい。ラッパーは、タバコ産業製品２００の円周方向外面の一部又はすべてを形成してもよい。ラッパーは、紙、カード、又は再構成されたエアロゾル化可能な材料（例えば、再構成されたタバコ）などの任意の適切な材料で作られ得る。紙は、当該技術分野で公知のティッピングペーパーであってもよい。ラッパーは、重なり合った自由端部の分離を防止するのを手助けするように、ラッパーの重なり合った自由端部を互いに接着する接着剤（図示せず）をさらに含んでいてもよい。他の実施例では、接着剤は省略されても、又はラッパーは説明されたものとは異なる形態をとってもよい。他の実施例では、フィルタ構成２２０は、接着剤など、ラッパー以外の接続具によってエアロゾル化可能な材料２１０に対して保持されてもよい。いくつかの実施例では、フィルタ構成２２０は省略されてもよい。

タバコ産業製品２００中のエアロゾル化可能な材料２１０の揮発可能な成分のすべて、実質的にすべて、又は多くが消費されたら、ユーザは、デバイス１００の加熱チャンバ１１０からタバコ産業製品２００を取り出し、タバコ産業製品２００を廃棄することができる。

上述したように、ロッド１０の長手方向軸線Ａ－Ａと第１のテーパ部分１１の外側テーパ面１１ｓとの間に規定された第１の角度α１は、タバコ産業製品２００からのロッド１０のそのような取り出しを容易にする。より具体的には、第１の角度α１は、ロッド１０が取り外されている間にエアロゾル化可能な材料２１０がロッド１０に沿って引っ張られる程度を低減するように選択される。これは、消費されたエアロゾル化可能な材料２１０の破片が壊れ、その後、加熱チャンバ１１０に堆積する程度を回避又は低減するのに役立つ。ユーザは、その後、別のそのようなタバコ産業製品２００を用いてデバイス１００を再利用することができる。

加熱要素にテーパ部分（複数可）を設けることに代えて、又は加えて、加熱要素は、使用時にエアロゾル化可能な材料に接触するように構成された外面を有することができ、外面は、加熱要素をエアロゾル化可能な材料から取り外すときに加熱要素によって加わるエアロゾル化可能な材料への摩擦力を低減し、以て、加熱要素がエアロゾル化可能な材料から取り外される間、エアロゾル化可能な材料が加熱要素に引っ張られる程度を低減するように選択された表面粗さを有する、加熱要素を提供する。例えば、外面は、研磨、例えば電解研磨されてもよく、かつ／又は外面は低摩擦材料でコーティングされてもよい。例示的な低摩擦材料は、当業者には周知されているであろう。

いくつかの実施例では、タバコ産業製品２００は、タバコ産業製品２００が使用可能であるデバイス１００とは別に販売、供給、又は別様に提供される。しかし、いくつかの実施例では、デバイス１００及び１つ又は複数のタバコ産業製品２００は、キット又はアセンブリなどのシステムとして、場合によっては清掃用具などの追加の構成要素と一緒に提供されてもよい。

様々な問題に対処し、当該技術分野を進歩させるために、本開示は全体として、特許請求された発明を実施することができ、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための優れた加熱要素、優れた非燃焼型エアロゾル供給デバイス、及び優れた非燃焼型エアロゾル供給システムを提供する様々な実施形態を、例示及び実施例によって示す。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルに過ぎず、網羅的及び／又は排他的ではない。これらは、特許請求され、又は別様に開示された特徴の理解及び教示を助けるためにのみ提示されている。本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び／又はその他の態様は、特許請求の範囲で定義された本開示の限定、又は特許請求の範囲の均等物の限定とはみなすべきではなく、本開示の範囲及び／又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を利用したり、変更を加えたりしてもよいことを理解されたい。様々な実施形態は、好適には、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組み合わせを含むか、これらからなるか、又はこれらから本質的になっていてもよい。本開示は、現在特許請求されていないが、将来請求され得る他の発明を包含することができる。

Claims (15)

1. 非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素であって、
   前記加熱要素はロッドを備え、前記ロッドは、長手方向軸線と、遠位端部部分と、前記長手方向軸線に沿ったそれぞれの長手方向位置にある第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分とを有し、
   前記第２のテーパ部分は、前記遠位端部部分から前記第１のテーパ部分に向かって延び、前記ロッドの断面積は、前記第１のテーパ部分及び前記第２のテーパ部分のそれぞれにおいて、前記遠位端部部分からの距離とともに増加し、
   前記長手方向軸線と前記第１のテーパ部分の外側テーパ面との間の第１の角度は、前記長手方向軸線と前記第２のテーパ部分の外側テーパ面との間の第２の角度よりも小さい、加熱要素。
2. 前記第１の角度が０．５°～２５°である、請求項１に記載の加熱要素。
3. 加熱要素がロッドを備え、前記ロッドが、長手方向軸線及び外側テーパ面を有し、前記ロッドの長さの少なくとも大部分は、前記長手方向軸線と前記外側テーパ面との間の角度が０．５°～２５°である、非燃焼型エアロゾル供給デバイスのための加熱要素。
4. 前記ロッドが、遠位端部部分と、前記長手方向軸線に沿ったそれぞれの長手方向位置にある第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分とを備え、
   前記第２のテーパ部分が、前記遠位端部部分から前記第１のテーパ部分に向かって延び、前記ロッドの断面積は、前記第１のテーパ部分及び前記第２のテーパ部分のそれぞれにおいて、前記遠位端部部分からの距離とともに増加し、
   前記角度が、前記長手方向軸線と前記第１のテーパ部分の外側テーパ面との間の第１の角度であり、
   前記第１の角度が、前記長手方向軸線と前記第２のテーパ部分の外側テーパ面との間の第２の角度よりも小さい、請求項３に記載の加熱要素。
5. 前記第２の角度が４５°以下である、請求項１、２、及び４のいずれか一項に記載の加熱要素。
6. 前記第２のテーパ部分が、前記遠位端部部分から前記第１のテーパ部分に向かって延びている、請求項１、２、４、及び５のいずれか一項に記載の加熱要素。
7. 前記第１のテーパ部分が、前記長手方向軸線の方向において前記第２のテーパ部分よりも長い、請求項１～６のいずれか一項に記載の加熱要素。
8. 前記ロッドが、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む、請求項１～７のいずれか一項に記載の加熱要素。
9. 前記ロッドが導電性である、請求項１～８のいずれか一項に記載の加熱要素。
10. エアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品の少なくとも一部を受容する加熱チャンバと、
    前記加熱チャンバ内に突出して前記加熱チャンバの軸線と一致するか又は平行なロッドを備えた加熱要素と、
    前記ロッドを加熱し、以て前記タバコ産業製品が前記加熱チャンバにあるきに前記エアロゾル化可能な材料を加熱させる加熱デバイスとを備え、
    前記ロッドが、遠位端部部分と、前記軸線に沿ったそれぞれの軸線方向位置にある第１のテーパ部分及び第２のテーパ部分とを有し、
    前記第２のテーパ部分は、前記遠位端部部分から前記第１のテーパ部分に向かって延び、前記ロッドの断面積は、前記第１のテーパ部分及び前記第２のテーパ部分のそれぞれにおいて、前記遠位端部部分からの距離とともに増加し、
    前記軸線と前記第１のテーパ部分の外側テーパ面との間の第１の角度は、前記軸線と前記第２のテーパ部分の外側テーパ面との間の第２の角度よりも小さい、非燃焼型エアロゾル供給デバイス。
11. 前記軸線が前記加熱チャンバの中心軸線である、請求項１０に記載の非燃焼型エアロゾル供給デバイス。
12. 前記加熱チャンバが細長であり、前記軸線は前記加熱チャンバの長手方向軸線である、請求項１０又は１１に記載の非燃焼型エアロゾル供給デバイス。
13. 前記加熱要素が、請求項１～９のいずれか一項に記載の加熱要素を含む、請求項１０～１２のいずれか一項に記載の非燃焼型エアロゾル供給デバイス。
14. 請求項１０～１３のいずれか一項に記載の非燃焼型エアロゾル供給デバイスと、
    エアロゾル化可能な材料を含むタバコ産業製品とを備え、前記タバコ産業製品は、前記第２のテーパ部分と、前記第１のテーパ部分の少なくとも一部とが前記タバコ産業製品に侵入するように、前記非燃焼型エアロゾル供給デバイスの前記加熱チャンバに挿入可能である、エアロゾル供給システム。
15. 前記タバコ産業製品が、前記第２のテーパ部分と、前記第１のテーパ部分の少なくとも一部とが前記エアロゾル化可能な材料に侵入するように、前記非燃焼型エアロゾル供給デバイスの前記加熱チャンバに挿入可能である、請求項１４に記載の非燃焼型エアロゾル供給システム。

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