JP2024022353A - 作業機械 - Google Patents

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輝樹 五十嵐
Teruki Igarashi
太郎 秋田
Taro Akita
翔太 石田
Shota ISHIDA
昭広 楢▲崎▼
Akihiro Narasaki
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Abstract

Figure 2024022353000001
【課題】油圧ポンプを共有する旋回油圧モータと油圧シリンダとを同時に駆動する旋回複合操作時に、油圧シリンダの制御性を良好に保つことが可能な作業機械を提供する。
【解決手段】コントローラ40は、油圧シリンダ5および旋回油圧モータ15のうち油圧シリンダ5のみを駆動する場合は、流量制御弁D3(第2流量制御弁)の開口面積を油圧シリンダ5の目標速度に応じて制御し、油圧シリンダ5と旋回油圧モータ15とを同時に駆動する場合は、旋回油圧モータ15の目標速度に応じて流量制御弁D7(第1流量制御弁)の開口面積を制御すると共に、流量制御弁D3(第2流量制御弁)の開口面積を、負荷検出装置202b,6bで検出された旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほど、前記油圧シリンダのみを駆動する場合に制御される前記第2流量制御弁の開口面積に比べてより小さくなるように流量制御弁D3(第2流量制御弁)を制御する分流制御を実行する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、マシンコントロールが実行可能な作業機械に関する。
近年、油圧ショベル等の作業機械に対する半自動運転、自動運転、遠隔操縦等の要望が高まっており、作業機械の電子制御化が進んでいる。作業機械の電子制御化の手法として、電磁弁を用いて油圧アクチュエータを制御するものがある。その一例として、油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧アクチュエータを制御するための制御弁を、電磁弁により生成された操作圧(パイロット圧)で操作する方法が知られている。
半自動運転や自動運転において、バケットの爪先を所定の目標面に沿うように動作させるには、複数の油圧アクチュエータを如何なる負荷条件や速度においても、各アクチュエータの目標速度で精度良く制御することが重要となる。
ここで、半自動運転(マシンコントロール)の実行時に、各油圧アクチュエータの複合操作時に制御性が優先される時は負荷によらず各油圧アクチュエータを精度良く制御する方法を開示している先行技術文献として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、各油圧アクチュエータの複合操作時に制御性が優先される時は、各油圧アクチュエータを駆動するためにコントロールバルブ内に複数ある流量制御弁のうち特定の流量制御弁のみを駆動させ、ブームシリンダおよびアームシリンダで異なるポンプを使用することで、複数の油圧アクチュエータ同士の分流をなくし、お互いの油圧負荷の影響を受けないようにする制御、および油圧回路構成が記載されている。
特許6817457号公報
しかしながら、油圧ショベルにおいては、ブーム、アーム以外にも上部旋回体を旋回させるための旋回油圧モータが搭載されており、旋回油圧モータ専用のポンプが搭載されていないことが一般的であるため、旋回油圧モータは他のアクチュエータ(ブームシリンダまたはアームシリンダ)とポンプを共用することになる。つまり、ブームとアームの複合操作時の制御性を確保するために、ブームシリンダとアームシリンダとで異なるポンプを使用し、ブームシリンダとアームシリンダとで分流が生じないようにしていても、ブームまたはアームと旋回の複合操作時に、旋回油圧モータとブームシリンダまたはアームシリンダとで分流が生じ、旋回油圧モータの負荷に応じて、旋回油圧モータと同じポンプを共用しているアクチュエータの制御性が悪化する場合がある。
具体的には、ブームまたはアームと旋回の複合操作によって作業装置が地面に押し付けられている場合に、ポンプから吐出された作動油が旋回油圧モータに流れ込みにくい状態(高圧状態)となることで、旋回油圧モータと他のアクチュエータとの圧力差が大きくなる。その結果、旋回油圧モータに流入しなかった分の作動油が、旋回油圧モータと同じポンプを共用している他のアクチュエータ(ブームシリンダまたはアームシリンダ)に流れ込むこととなり、他のアクチュエータの制御性が悪化する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、油圧ポンプを共有する旋回油圧モータと油圧シリンダとを同時に駆動する旋回複合操作時に、油圧シリンダの制御性を良好に保つことが可能な作業機械を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、前記上部旋回体に取り付けられた作業装置と、前記上部旋回体を前記下部走行体に対して旋回させる旋回油圧モータと、前記作業装置を駆動させる油圧シリンダと、前記旋回油圧モータと前記油圧シリンダとに供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから前記旋回油圧モータに供給される作動油の流量を制御する第1流量制御弁と、前記油圧ポンプから前記油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御する第2流量制御弁と、前記第1流量制御弁と前記第2流量制御弁とを制御するコントローラと、を備えた作業機械において、前記旋回油圧モータの負荷を検出する負荷検出装置を備え、前記コントローラは、前記油圧シリンダおよび前記旋回油圧モータのうち前記油圧シリンダのみを駆動する場合は、前記第2流量制御弁の開口面積を前記油圧シリンダの目標速度に応じて制御し、前記油圧シリンダと前記旋回油圧モータとを同時に駆動する場合は、前記旋回油圧モータの目標速度に応じて前記第1流量制御弁の開口面積を制御すると共に、前記第2流量制御弁の開口面積を、前記負荷検出装置で検出された前記旋回油圧モータの負荷が大きくなるほど、前記油圧シリンダのみを駆動する場合に制御される前記第2流量制御弁の開口面積に比べてより小さくなるように前記第2流量制御弁を制御する分流制御を実行するものとする。
以上のように構成した本発明によれば、油圧ポンプを共有する旋回油圧モータと油圧シリンダとを同時に駆動する旋回複合操作時に、旋回油圧モータの負荷が大きくなるほど第2流量制御弁の開口面積が小さくなる。これにより、油圧ポンプから吐出される作動油が油圧シリンダに偏って流れ込むことが防止されるため、油圧シリンダの制御性を良好に保つことが可能となる。
本発明によれば、油圧ポンプを共有する旋回油圧モータと油圧シリンダとを同時に駆動する旋回複合操作時に、油圧シリンダの制御性を良好に保つことが可能となる。
本発明の第1の実施例における油圧ショベルの側面図 本発明の第1の実施例における油圧システムの構成を示す図 バケット先端位置の演算方法の説明図 本発明の第1の実施例における制御システムのハードウェア構成図 表示装置の表示画面の一例を示す図。 本発明の第1の実施例におけるコントローラの機能ブロック図 バケットの先端が補正後の目標速度ベクトルの通りに制御されたときの、バケットの先端の軌跡の一例を示す図 本発明の第1の実施例における目標圧演算部によるブーム上げ目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 本発明の第1の実施例における目標圧演算部によるブーム上げ目標パイロット圧の演算処理を示すフローチャート 第3メインポンプからブームシリンダに供給される作動油の流量を制御する流量制御弁のメータアウト特性を示す図 第3メインポンプからブームシリンダに供給される作動油の流量を制御する流量制御弁のメータイン特性を示す図 第3メインポンプの吐出圧からブームシリンダボトム圧を引いた圧力差とメータイン/メータアウト比率との変換テーブルを示す図 本発明の第2の実施例における油圧システムの構成を示す図 本発明の第2の実施例における制御システムのハードウェア構成図 本発明の第2の実施例におけるコントローラの機能ブロック図 本発明の第2の実施例における目標圧演算部によるアーム引き目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 第2メインポンプからアームシリンダに供給される作動油の流量を制御する流量制御弁のメータアウト特性を示す図 第2メインポンプからアームシリンダに供給される作動油の流量を制御する流量制御弁のメータイン特性を示す図 本発明の第3の実施例における目標圧演算部によるブーム上げ目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 旋回操作量と補正後/補正前比率との変換テーブルを示す図 本発明の第4の実施例における目標圧演算部によるアーム引き目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 本発明の第5の実施例における目標圧演算部によるブーム上げ目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 第3メインポンプの吐出圧からブームシリンダボトム圧を引いた圧力差と補正比率との変換テーブルを示す図 本発明の第6の実施例における目標圧演算部によるアーム引き目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 本発明の第7の実施例における目標圧演算部によるブーム上げ目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図 本発明の第8の実施例における目標圧演算部によるアーム引き目標パイロット圧の演算処理を示すブロック図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の要素には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施例における油圧ショベルの側面図である。なお、本実施例では作業装置の先端にアタッチメント(作業具)としてバケット10を装着した油圧ショベルを例示して説明するが、バケット以外のアタッチメントを装着した油圧ショベルやその他の作業機械にも本発明は適用され得る。
図1に示すように、油圧ショベル1は、車体1Bと、車体1Bに取り付けられる多関節型の作業装置(フロント作業機)1Aとを含んで構成されている。車体1Bは、左右の走行モータ(油圧モータ)により走行する下部走行体11と、下部走行体11の上に取り付けられた上部旋回体12とを有する。上部旋回体12は、旋回油圧モータ15により下部走行体11に対して旋回する。上部旋回体12の旋回中心軸は油圧ショベル1が水平地に停車した状態で鉛直である。上部旋回体12には運転室16が設けられている。
作業装置1Aは、鉛直面内でそれぞれ回動する複数の駆動対象部材(ブーム8、アーム9及びバケット10)が連結された構成である。ブーム8の基端はブームピン91を介して上部旋回体12の前部に回動可能に連結されている。このブーム8の先端にはアームピン92を介してアーム9が回動可能に連結されており、アーム9の先端にはバケットピン93を介してバケット10が回動可能に連結されている。ブーム8は油圧シリンダであるブームシリンダ5によって駆動され、アーム9は油圧シリンダであるアームシリンダ6によって駆動され、バケット10は油圧シリンダであるバケットシリンダ7によって駆動される。油圧シリンダ5,6,7は、一端が閉塞された有底筒状のシリンダチューブと、シリンダチューブの他端の開口を塞ぐヘッドカバーと、ヘッドカバーを貫通し、シリンダチューブに挿入されるシリンダロッドと、シリンダロッドの先端に設けられ、シリンダチューブ内をロッド室とボトム室とに区画するピストンと、を備える。
ブームピン91にはブーム角度センサ30、アームピン92にはアーム角度センサ31、バケットリンク13にはバケット角度センサ32、上部旋回体12には車体傾斜角度センサ33が取り付けられている。角度センサ30,31,32は、それぞれブーム8、アーム9、バケット10の回動角度α,β,γ(図3に示す)を検出し、検出結果を表す信号をコントローラ40(後述)に出力する。車体傾斜角度センサ33は、基準面(例えば水平面)に対する上部旋回体12(車体1B)の車体傾斜角θ(図3に示す)を検出し、検出結果を表す信号をコントローラ40(後述)に出力する。
上部旋回体12には一対のGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球衛星測位システム)用のアンテナ(以下、GNSSアンテナと記す)14a,14bが設けられている。コントローラ40は、GNSSアンテナ14a,14bで受信された複数の測位衛星からの衛星信号(GNSS電波)に基づいて、グローバル座標系における上部旋回体12の位置及び方位を算出する。
図2は、油圧ショベル1に搭載される油圧システムの構成を示す図である。図2では、ブームシリンダ5、アームシリンダ6及びバケットシリンダ7、旋回油圧モータ15に関わる油圧回路について示し、走行モータに関わる油圧回路については図示を省略している。
運転室16内には、操作装置である電気操作レバー装置A1~A4が設置されている。電気操作レバー装置A1~A3は作業装置1A(ブーム8、アーム9、またはバケット10)の動作を指示する作業操作装置であり、電気操作レバー装置A4は上部旋回体12の動作を指示する旋回操作装置である。電気操作レバー装置A1,A3は、運転席(図示せず)の左右の一方側に配置された操作レバーB1を共有している。操作レバーB1によって電気操作レバー装置A1が操作されると、コントローラ40が電磁弁55a,55b,56a,56bを作動させる。これにより、ブームシリンダ5(ブーム8)が駆動される。操作レバーB1によって電気操作レバー装置A3が操作されると、コントローラ40が電磁弁59a,59bを作動させる。これにより、バケットシリンダ7(バケット10)が駆動される。電気操作レバー装置A2,A4は、運転席の左右の他方側に配置された操作レバーB2を共有している。操作レバーB2によって電気操作レバー装置A2が操作されると、コントローラ40が電磁弁57a,57b,58a,58bを作動させる。これにより、アームシリンダ6(アーム9)が駆動される。操作レバーB2によって電気操作レバー装置A4が操作されると、コントローラ40が電磁弁60a,60bを作動させる。これにより、旋回油圧モータ15が駆動される。
ブームシリンダ5のロッド側の入出力口には圧力センサ5aが取り付けられ、ブームシリンダ5のボトム側の入出力口には圧力センサ5bが取り付けられている。アームシリンダ6のロッド側の入出力口には圧力センサ6aが取り付けられ、アームシリンダ6のボトム側の入出力口には圧力センサ6bが取り付けられている。バケットシリンダ7のロッド側の入出力口には圧力センサ7aが取り付けられ、バケットシリンダ7のボトム側の入出力口には圧力センサ7bが取り付けられている。旋回油圧モータ15の一方の入出力口(Aポート)には圧力センサ15aが取り付けられ、他方の入出力口(Bポート)には圧力センサ15bが取り付けられている。
上部旋回体12には、原動機であるエンジン18、第1メインポンプ201、第2メインポンプ202、第3メインポンプ203及びパイロットポンプ48が搭載されている。第1メインポンプ201、第2メインポンプ202、第3メインポンプ203及びパイロットポンプ48は、エンジン18によって駆動され、タンクから吸引した作動油を吐出する。第1メインポンプ201の吐出口には圧力センサ201bが取り付けられ、第2メインポンプ202の吐出口には圧力センサ202bが取り付けられ、第3メインポンプ203の吐出口には圧力センサ203bが取り付けられている。
第1メインポンプ201はレギュレータ201aを有し、第2メインポンプ202はレギュレータ202aを有し、第3メインポンプ203はレギュレータ201aを有する。メインポンプ201,202,203は、レギュレータ201a,202a,203aによって1回転当たりの吐出容量(押しのけ容積)が制御される可変容量型の油圧ポンプである。本実施例におけるメインポンプ201,202,203は、斜板の傾転角によって吐出容量が制御される斜板式の油圧ポンプである。メインポンプ201,202,203は、複数の油圧アクチュエータ(ブームシリンダ5、アームシリンダ6、バケットシリンダ7、旋回油圧モータ15)を駆動する圧油を吐出する。パイロットポンプ48は、1回転当たりの吐出容量が一定の固定容量型の油圧ポンプである。
レギュレータ201a,202a,203aは、電気操作レバー装置A1~A4の操作量に基づきコントローラ40で算出されたレギュレータ圧の目標値(以下、目標レギュレータ圧とも記す)PPc201,PPc202,PPc203に応じた油圧信号によって駆動され、メインポンプ201,202,203の吐出容量を制御する。
具体的には、レギュレータ201a,202a,203aは、それぞれレギュレータ電磁弁(図示せず)を備えている。コントローラ40は、目標レギュレータ圧に応じた電気信号(励磁電流)をレギュレータ電磁弁に出力する。これにより、レギュレータ電磁弁が駆動され、レギュレータ電磁弁によって、斜板を操作するレギュレータ圧が生成される。レギュレータ電磁弁は、パイロットポンプ48の吐出圧(パイロット1次圧)を減圧することにより、コントローラ40からの指令に応じたレギュレータ圧(パイロット2次圧)を生成する電磁比例減圧弁である。
レギュレータ電磁弁により生成されるレギュレータ圧によって斜板の傾転角(すなわち吐出容量)が変化することにより、メインポンプ201,202,203の吐出流量が変化する。したがって、メインポンプ201,202,203の吐出流量は、コントローラ40によって算出される目標レギュレータ圧に応じて変化する。
油圧システムは、複数の電磁弁55a~60bを有する。複数の電磁弁55a~60bは、コントローラ40からの指令(電気信号)に応じて、後述する流量制御弁D1~D7を操作する操作圧(以下、パイロット圧)を生成する。複数の電磁弁55a~60bは、パイロットポンプ48の吐出圧を減圧することにより、電気操作レバー装置A1~A4の操作レバーB1,B2の操作方向及び操作量に応じたパイロット圧を生成する電磁比例減圧弁である。
パイロットポンプ48の吐出配管170にはロック弁39が設けられる。吐出配管170におけるロック弁39の下流側は、複数に分岐され電磁弁55a~60bに接続されている。本実施例のロック弁39は電磁切換弁であり、そのソレノイドは上部旋回体12の運転室16に配置されたゲートロックレバー(図示せず)の位置センサと電気的に接続されている。ゲートロックレバーのポジションは位置センサで検出され、その位置センサからゲートロックレバーのポジションに応じた信号がロック弁39に入力される。ゲートロックレバーのポジションがロック位置にあればロック弁39が閉じて吐出配管170が遮断され、パイロットポンプ48から電磁弁55a~60bへのパイロット圧の供給が遮断される。ゲートロックレバーのポジションがロック解除位置にあればロック弁39が開いて吐出配管170が開通し、パイロットポンプ48から電磁弁55a~60bへパイロット圧が供給される。吐出配管170が遮断された状態では電気操作レバー装置A1~A4による操作が無効化され、掘削、旋回等の動作が禁止される。
コントローラ40は、電気操作レバー装置A1~A4の操作レバーB1,B2の操作量と操作方向に応じて電磁弁55a~60bを駆動する電気信号(励磁電流)を生成し、操作レバーB1,B2の操作方向に対応する電磁弁55a~60bに出力する。油圧システムは、メインポンプ201,202,203から吐出され油圧シリンダ5~7、および旋回油圧モータ15へ供給される作動油の流れを制御する制御弁ユニット17を備えている。制御弁ユニット17は、複数の流量制御弁D1~D7を含んで構成されている。ここで、1つのメインポンプから吐出される作動油が2以上のアクチュエータに同時に供給されるように、当該2以上のアクチュエータに対応する2以上の流量制御弁を制御することを分流制御と称する。
流量制御弁D1は、電気操作レバー装置A1の操作に応じて、第1メインポンプ201からブームシリンダ5に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁55a,55bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC1,C2を介して流量制御弁D1の受圧室E1,E2に入力される。流量制御弁D1のスプールは、受圧室E1,E2に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D1のスプールが駆動されることにより、第1メインポンプ201からブームシリンダ5への圧油の供給方向及び流量が制御され、ブームシリンダ5が駆動される。
流量制御弁D2は、電気操作レバー装置A1の操作に応じて、第2メインポンプ202からブームシリンダ5に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁55a,55bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC3,C4を介して流量制御弁D2の受圧室E3,E4に入力される。流量制御弁D2のスプールは、受圧室E3,E4に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D2のスプールが駆動されることにより、第2メインポンプ202からブームシリンダ5への圧油の供給方向及び流量が制御され、ブームシリンダ5が駆動される。
流量制御弁D3は、電気操作レバー装置A1の操作に応じて、第3メインポンプ203からブームシリンダ5に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁56a,56bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC5,C6を介して流量制御弁D3の受圧室E5,E6に入力される。流量制御弁D3のスプールは、受圧室E5,E6に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D3のスプールが駆動されることにより、第3メインポンプ203からブームシリンダ5への圧油の供給方向及び流量が制御され、ブームシリンダ5が駆動される。
このように、ブームシリンダ5は、3つのメインポンプ201,202,203から吐出される作動油の流量が3つの流量制御弁D1,D2,D3によって制御されることで駆動される。なお、コントローラ40が、電磁弁55a,55b,56a,56bのうち、電磁弁56a,56bにのみ指令を与えた場合、ブームシリンダ5は第3メインポンプ203から吐出される作動油のみによって駆動される。
流量制御弁D4は、電気操作レバー装置A2の操作に応じて、第2メインポンプ202からアームシリンダ6に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁57a,57bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC7,C8を介して流量制御弁D4の受圧室E7,E8に入力される。流量制御弁D4のスプールは、受圧室E7,E8に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D4のスプールが駆動されることにより、第2メインポンプ202からアームシリンダ6への圧油の供給方向及び流量が制御され、アームシリンダ6が駆動される。
流量制御弁D5は、電気操作レバー装置A2の操作に応じて、第1メインポンプ201からアームシリンダ6に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁58a,58bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC9,C10を介して流量制御弁D5の受圧室E9,E10に入力される。流量制御弁D5のスプールは、受圧室E9,E10に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D5のスプールが駆動されることにより、第1メインポンプ201からアームシリンダ6への圧油の供給方向及び流量が制御され、アームシリンダ6が駆動される。
このように、アームシリンダ6は、2つのメインポンプ201,202から供給される作動油の流量が2つの流量制御弁D4,D5によって制御されることで駆動される。なお、コントローラ40が、電磁弁57a,57b,58a,58bのうち、電磁弁57a,57bにのみ指令を与えた場合、アームシリンダ6は第2メインポンプ202から吐出される作動油のみによって駆動される。
流量制御弁D6は、電気操作レバー装置A3の操作に応じて、第1メインポンプ201からバケットシリンダ7に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁59a,59bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC11,C12を介して流量制御弁D6の受圧室E11,E12に入力される。流量制御弁D6のスプールは、受圧室E11,E12に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D6のスプールが駆動されることにより、第1メインポンプ201からバケットシリンダ7への圧油の供給方向及び流量が制御され、バケットシリンダ7が駆動される。このように、バケットシリンダ7は、第1メインポンプ201から吐出される作動油の流量が流量制御弁D6によって制御されることで駆動される。
流量制御弁D7は、電気操作レバー装置A4の操作に応じて、第3メインポンプ203から旋回油圧モータ15に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁60a,60bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC13,C14を介して流量制御弁D7の受圧室E13,E14に入力される。流量制御弁D7のスプールは、受圧室E13,E14に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D7のスプールが駆動されることにより、第3メインポンプ203から旋回油圧モータ15への圧油の供給方向及び流量が制御され、旋回油圧モータ15が駆動される。このように、旋回油圧モータ15は、第3メインポンプ203から吐出される作動油の流量が流量制御弁D7によって制御されることで駆動される。
図3は、バケット先端位置の演算方法の説明図である。作業装置1Aの姿勢は、図3に示すショベル基準座標系に基づいて定義できる。図3のショベル基準座標系は、上部旋回体12を基準に設定された座標系である。ショベル基準座標系では、ブームピン91の中心軸に原点が設定され、上部旋回体12の旋回中心軸と平行に(上部旋回体12の真上方向に)Z軸が設定され、Z軸と直交する方向(上部旋回体12の前方)にX軸が設定される。以下では、X軸に対するブーム8の傾斜角をブーム角α、ブーム8に対するアーム9の傾斜角をアーム角β、アーム9に対するバケット10の傾斜角をバケット角γと記す。また、水平面(基準面)に対する車体1B(上部旋回体12)の傾斜角、すなわち水平面(基準面)とX軸とのなす角を車体傾斜角θと記す。
ブーム角αはブーム角度センサ30により、アーム角βはアーム角度センサ31により、バケット角γはバケット角度センサ32により、車体傾斜角θは車体傾斜角度センサ33により検出される。ブーム角αは、ブーム8を上限まで上げた状態(ブームシリンダ5が最伸長状態)で最小となり、ブーム8を下限まで下げた状態(ブームシリンダ5が最収縮状態)で最大となる。アーム角βは、アームシリンダ6が最収縮状態で最小となり、アームシリンダ6が最伸長状態で最大となる。バケット角γは、バケットシリンダ7が最収縮状態(図3の状態)で最小となり、バケットシリンダ7が最伸長状態で最大となる。
ショベル基準座標系におけるバケット10の先端部の位置(以下、先端位置Pbと記す)は、XbkをX方向位置、ZbkをZ方向位置として、以下の(式1),(式2)で表される。

Xbk=L1cos(α)+L2cos(α+β)+L3cos(α+β+γ)…(式1)

Zbk=L1sin(α)+L2sin(α+β)+L3sin(α+β+γ)…(式2)

ここで、L1は、上部旋回体12とブーム8とを連結するブームピン91の中心軸からブーム8とアーム9とを連結するアームピン92の中心軸までの長さである。L2は、アームピン92の中心軸からアーム9とバケット10とを連結するバケットピン93の中心軸までの長さである。L3は、バケットピン93の中心軸からバケット10の先端位置(例えば、バケット10の爪先)Pbまでの長さである。
図4を参照して、マシンコントロール(Machine Control:MC)及びマシンガイダンス(Machine Guidance:MG)を行う制御システム21について説明する。図4は、油圧ショベル1の制御システム21のハードウェア構成図である。
コントローラ40は、電気操作レバー装置A1~A4の少なくとも1つが操作された場合に、一定条件下でオペレータの操作に介入して作業装置1Aの動作を制限するMC機能を備えている。MCには、電気操作レバー装置A2によるアーム操作、もしくは電気操作レバー装置A1によるブーム操作をする際に実行される「領域制限制御」、及び、電気操作レバー装置A1によるブーム下げ操作や電気操作レバー装置A3によるバケット操作をする際に実行される「停止制御」が含まれる。
領域制限制御は「整地制御」とも呼ばれる。領域制限制御が実行されている間、掘削目標面St(図3に示す)から下側の領域を作業装置1Aが掘削しないように、ブームシリンダ5、アームシリンダ6及びバケットシリンダ7の少なくとも1つが制御される。領域制限制御では、アーム操作やブーム操作によって、バケット10の先端部が掘削目標面Stに沿って移動するように、作業装置1Aの動作が制御される。例えば、コントローラ40は、アーム操作がなされた場合に、掘削目標面Stに垂直な方向のバケット10の先端部の速度ベクトルがゼロになるように、ブーム上げ又はブーム下げの指令を行う。また、コントローラ40は、ブーム操作がなされた場合に、掘削目標面Stに垂直な方向のバケット10の先端部の速度ベクトルがゼロになるように、アーム引き又はアーム押しの指令を行う。これにより、回動運動であるアーム動作やブーム動作によるバケット10の先端部の軌跡が、掘削目標面Stに沿う直線軌道に補正される。
停止制御は、掘削目標面Stよりも下方の領域にバケット10の先端部が侵入しないように、ブーム下げ動作やバケット動作を停止する制御である。停止制御では、コントローラ40は、バケット10の先端部が掘削目標面Stに接近するにつれブーム下げ動作やバケット動作を減速させる。
なお、本実施例では、MC時の作業装置1Aの制御点を、油圧ショベル1のバケット10の爪先に設定しているが、制御点は作業装置1Aの先端部分の点であればバケット10の爪先以外にも変更可能である。例えば、バケット10の底面やバケットリンク13の最外部に制御点を設定してもよい。また、掘削目標面Stから最も距離の近いバケット10上の点を制御点に設定してもよい。つまり、状況に応じて制御点は変化してもよい。
MCでは、電気操作レバー装置A1~A4の非操作時に作業装置1Aの動作をコントローラ40により制御する「自動制御」と、電気操作レバー装置A1~A3の操作時にのみ作業装置1Aの動作をコントローラ40により制御する「半自動制御」と、がある。なお、MCは、オペレータ操作にコントローラ40による制御が介入するため「介入制御」とも呼ばれる。
また、制御システム21は、MGとして、例えば、図5に示すように、掘削目標面Stと作業装置1A(例えば、バケット10)との位置関係を表示装置53に表示する処理を実行する。
図4に示すように、制御システム21は、コントローラ40と、コントローラ40に接続されコントローラ40に信号を出力する姿勢検出装置50、目標面設定装置51、車体位置検出装置14、電気操作レバー装置A1~A4、外部入力装置96、圧力センサ5a~7b、201b、202b、203bを有する。また、制御システム21は、コントローラ40に接続されコントローラ40からの信号に基づいて制御される表示装置53、レギュレータ201a,202a,203a、及び電磁弁55a~60bを有する。
姿勢検出装置50は、ブーム角度センサ30、アーム角度センサ31、バケット角度センサ32及び車体傾斜角度センサ33を有する。これらの角度センサ30,31,32,33は、油圧ショベル1の姿勢に関する情報を取得し、その情報に応じた信号を出力する。すなわち、角度センサ30,31,32,33は、作業装置1Aの姿勢、すなわち作業装置1Aを構成する複数の駆動対象部材(ブーム8、アーム9、及びバケット10)の姿勢を検出する姿勢センサとして機能している。なお、角度センサ30,31,32には、例えば、姿勢に関する情報としてのブーム角α、アーム角β及びバケット角γを取得し、取得した角度に応じた信号(電圧)を出力するポテンショメータを採用することができる。また、車体傾斜角度センサ33には、上部旋回体12の姿勢に関する情報として直交3軸の角速度及び加速度を取得し、この情報に基づき車体傾斜角θを算出し、車体傾斜角θを表す信号をコントローラ40に出力するIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)を採用することができる。
なお、車体傾斜角θの演算は、IMUの出力信号に基づき、コントローラ40が行うようにしてもよい。また、角度センサ30~32はそれぞれ基準面に対する傾斜角を測定するセンサ(IMU等)や油圧シリンダ5~7のストロークを検出するセンサで代替することもできる。
目標面設定装置51は、掘削目標面の位置情報、掘削目標面の基準面(水平面)に対する傾斜角度情報等の掘削目標面に関する情報をコントローラ40に入力可能な装置である。例えば、目標面設定装置51は、グローバル座標系(絶対座標系)で規定された掘削目標面の3次元データを格納した外部端末(図示せず)に接続され、外部端末から掘削目標面の3次元データが入力される。なお、目標面設定装置51を介したコントローラ40への掘削目標面の入力は、オペレータが手動で行ってもよい。
車体位置検出装置14は、一対のGNSSアンテナ14a,14bを含み、車体1B(上部旋回体12)の位置及び車体1B(上部旋回体12)の方位を算出し、演算結果をコントローラ40に出力する。
外部入力装置96は、オペレータによって操作され、操作に応じた入力信号をコントローラ40に出力する入力装置である。外部入力装置96は、例えば、表示装置53の表示画面に設けられる静電容量式のタッチセンサである。また、外部入力装置96は、複数のスイッチ、レバーを備えたものであってもよい。
図5は、表示装置53の表示画面の一例を示す図である。図5に示すように、表示装置53は、コントローラ40からの表示制御信号に基づいて、様々な表示画像を表示画面に表示する。表示装置53は、例えば、タッチパネル式の液晶モニタであり、運転室16内に設置されている。コントローラ40は、MG機能として、表示装置53の表示画面に掘削目標面Stと作業装置1A(例えば、バケット10)の位置関係を表す表示画像を表示させる。図に示す例では、掘削目標面St及びバケット10を表す画像と、掘削目標面Stからバケット10の先端部までの距離が目標面距離H1として表示されている。目標面距離H1は掘削目標面Stを基準に上方向に正の値、下方向に負の値をとる。なお、図5に示す表示画像は、オペレータに操作されるモード切替スイッチ(図示せず)によりMCを実行するモードが設定されているか否かに関わらず、表示装置53に表示させることができる。オペレータはこの表示画像を参考に、作業装置1Aを操作することができる。
コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の処理装置41、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性メモリ42、所謂RAM(Random Access Memory)と呼ばれる揮発性メモリ43、入力インターフェース44、出力インターフェース45、及び、その他の周辺回路を備えたコンピュータで構成される。これらのハードウェアは、協働してソフトウェアを動作させ、複数の機能を実現する。なお、コントローラ40は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。また、処理装置41としては、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
不揮発性メモリ42には、各種演算が実行可能なプログラム及び閾値などの各種データが格納されている。すなわち、不揮発性メモリ42は、本実施例の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体(記憶装置)である。揮発性メモリ43は、処理装置41による演算結果及び入力インターフェース44から入力された信号を一時的に記憶する記憶媒体(記憶装置)である。処理装置41は、不揮発性メモリ42に記憶されたプログラムを揮発性メモリ43に展開して演算実行する装置であって、プログラムに従って入力インターフェース44、不揮発性メモリ42及び揮発性メモリ43から取り入れたデータに対して所定の演算処理を行う。
入力インターフェース44は、各種装置(姿勢検出装置50、目標面設定装置51、車体位置検出装置14、電気操作レバー装置A1~A4、外部入力装置96、圧力センサ5a~7b,201b,202b,203b)から入力された信号を処理装置41で演算可能なデータに変換する。また、出力インターフェース45は、処理装置41での演算結果に応じた出力用の信号を生成し、その信号を各種装置(レギュレータ201a,202a,203a、電磁弁55a~60b、及び表示装置53)に出力する。
コントローラ40がレギュレータ201a~203aを制御することによりメインポンプ201~203の吐出容量が変化する。コントローラ40が電磁弁55a~60bを制御することにより、流量制御弁D1~D7のスプールが作動し、油圧シリンダ5~7、旋回油圧モータ15が作動する。コントローラ40が表示装置53を制御することにより表示装置53の表示画面に所定の画像が表示される。
図6は、コントローラ40の機能ブロック図である。コントローラ40は、不揮発性メモリ42に記憶されているプログラムを実行することにより、操作量演算部141、姿勢演算部142、目標面演算部143、目標速度演算部144、目標圧演算部145、バルブ指令演算部146、及び表示制御部147として機能する。目標圧演算部145及びバルブ指令演算部146は、電磁弁55a~60bを制御することにより、油圧アクチュエータである油圧シリンダ5,6,7、旋回油圧モータ15を制御する電磁弁制御部148として機能する。
操作量演算部141は、電気操作レバー装置A1,A2,A3、A4の操作信号(操作量及び操作方向)に基づいて、電磁弁55a~60bにより生成するパイロット圧の目標値(以下、目標パイロット圧とも記す)Pi0を算出する。操作量演算部141は、電気操作レバー装置A1によってブーム上げ操作が行われた場合、電磁弁55aにより生成するパイロット圧の目標値PiBM12U0及び電磁弁56aにより生成するパイロット圧の目標値PiBM3U0を算出する。操作量演算部141は、電気操作レバー装置A1によってブーム下げ操作が行われた場合、電磁弁55bにより生成するパイロット圧の目標値PiBM12D0及び電磁弁56bにより生成するパイロット圧の目標値PiBM3D0を算出する。
操作量演算部141は、電気操作レバー装置A2によってアーム引き(アームクラウド)操作が行われた場合、電磁弁57aにより生成するパイロット圧の目標値PiAM1C0及び電磁弁58aにより生成するパイロット圧の目標値PiAM2C0を算出する。操作量演算部141は、電気操作レバー装置A2によってアーム押し(アームダンプ)操作が行われた場合、電磁弁57bにより生成するパイロット圧の目標値PiAM1D0及び電磁弁58bにより生成するパイロット圧の目標値PiAM2D0を算出する。
操作量演算部141は、電気操作レバー装置A3によってバケット引き(バケットクラウド)操作が行われた場合、電磁弁59aにより生成するパイロット圧の目標値PiBKC0を算出する。操作量演算部141は、電気操作レバー装置A3によってバケット押し(バケットダンプ)操作が行われた場合、電磁弁59bにより生成するパイロット圧の目標値PiBKD0を算出する。
操作量演算部141は、電気操作レバー装置A4によって旋回右操作が行われた場合、電磁弁60aにより生成するパイロット圧の目標値PiSWR0を算出する。操作量演算部141は、電気操作レバー装置A4によって旋回左操作が行われた場合、電磁弁60bにより生成するパイロット圧の目標値PiSWL0を算出する。
姿勢演算部142は、姿勢検出装置50により検出された姿勢情報(角度情報)、及び、不揮発性メモリ42に記憶されている作業装置1Aの寸法情報(L1,L2,L3)に基づき、ショベル基準座標系(ローカル座標系)における作業装置1Aの姿勢と、バケット10の先端位置Pbを算出する。バケット10の先端位置Pb(Xbk,Zbk)は、既述のとおり、(式1)及び(式2)により演算できる。なお、グローバル座標系における作業装置1Aの姿勢と、バケット10の先端位置が必要な場合には、姿勢演算部142は、車体位置検出装置14により検出された上部旋回体12のグローバル座標系における位置と方位に基づいて、ショベル基準座標系の座標をグローバル座標系の座標に変換する。
目標面演算部143は、目標面設定装置51からの情報に基づき掘削目標面Stを設定する。具体的には、目標面演算部143は、目標面設定装置51からの情報に基づき掘削目標面Stの位置情報を算出し、その演算結果を揮発性メモリ43に記憶する。目標面演算部143は、目標面設定装置51を介して3次元データで提供される掘削目標面を作業装置1Aが移動する平面(作業装置の動作平面)で切断した断面形状(図3に示す)を2次元の掘削目標面Stとして算出する。
なお、図3では掘削目標面Stが1つであるが、掘削目標面Stが複数存在する場合もある。掘削目標面Stが複数存在する場合、目標面演算部143は、バケット10の先端部に最も近いもの、バケット10の先端部の鉛直下方に位置するもの、あるいは、任意に選択したものを演算対象の掘削目標面Stとして設定する。
目標速度演算部144は、領域制限制御(整地制御)において、作業装置1Aによって掘削目標面Stを超えて掘削目標面Stよりも下側を掘削してしまわないように、各油圧シリンダ5,6,7の目標速度を算出する。目標速度演算部144は、姿勢演算部142での演算結果及び操作量演算部141での演算結果に基づいて、各油圧シリンダ5,6,7の目標速度を算出する。
図7を参照して、領域制限制御中の目標速度の演算方法について詳しく説明する。図7は、バケット10の先端が補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに制御されたときの、バケット10の先端の軌跡の一例を示す図である。ここでの説明では、図7に示すように、Xt軸及びYt軸を設定する。Xt軸は、掘削目標面Stに平行な軸であり、Yt軸は、掘削目標面Stに直交する軸である。
目標速度演算部144は、操作量演算部141によって算出された電磁弁55a~59bの目標パイロット圧Pi0(PiBM12U0,PiBM3U0,PiBM12D0,PiBM3D0,PiAM1C0,PiAM2C0,PiAM1D0,PiAM2D0,PiBKC0,PiBKD0)に基づいて、各油圧シリンダ5,6,7及び旋回油圧モータ15の一次目標速度Vtgt1(VtgtBMU1,VtgtBMD1,VtgtAMC1,VtgtAMD1,VtgtBKC1,VtgtBKD1,VtgtSWR1,VtgtSWL1)を算出する。
目標速度演算部144は、各油圧シリンダ5,6,7の一次目標速度と、姿勢演算部142によって算出されたバケット10の先端位置Pbと、不揮発性メモリ42に記憶してある作業装置1Aの寸法情報(L1,L2,L3等)とに基づいて、図7に示すバケット10の先端部の目標速度ベクトルVcを算出する。
目標速度演算部144は、バケット10の先端部と掘削目標面Stとの距離である目標面距離H1が0(ゼロ)に近づくにつれて、バケット10の先端部の目標速度ベクトルVcにおける掘削目標面Stに垂直な成分Vcy(Yt軸方向の速度成分)が0(ゼロ)に近づくように油圧シリンダ5,6,7のうち必要な油圧シリンダの一次目標速度を補正して、二次目標速度を算出する。これにより、バケット10の先端部の目標速度ベクトルVcが、補正後目標速度ベクトルVcaに変換される。目標面距離H1が0(ゼロ)のときの目標速度ベクトルVcaは掘削目標面Stに平行な成分Vcx(Xt軸方向の速度成分)のみになる。このため、領域制限制御では、掘削目標面Stよりも下側の領域にバケット10の先端部が侵入しないように、掘削目標面St上又はその上方にバケット10の先端部(制御点)が保持される。以下、このように、バケット10の先端部の速度ベクトルを変換(補正)する制御のことを方向変換制御とも記す。
方向変換制御は、ブーム上げ又はブーム下げとアームクラウドとの組み合わせにより実行される場合と、ブーム上げ又はブーム下げとアームダンプとの組み合わせにより実行される場合とがある。いずれの場合においても、目標速度ベクトルVcが掘削目標面Stに接近する下向き成分(Vcy<0)を含むとき、目標速度演算部144は、その下向き成分を打ち消すブーム上げ方向のブームシリンダ5の目標速度を算出する。反対に目標速度ベクトルVcが掘削目標面Stから離れる上向き成分(Vcy>0)を含むとき、目標速度演算部144は、その上向き成分を打ち消すブーム下げ方向のブームシリンダ5の目標速度を算出する。
なお、モード切替スイッチ(図示せず)により、領域制限制御(整地制御)が行われないモードが設定されている場合、目標速度演算部144は、電気操作レバー装置A1~A3の操作に応じた各油圧シリンダ5~7の一次目標速度に対する補正は行わない。
このように、目標速度演算部144は、操作量演算部141及び姿勢演算部142の演算結果に基づいて、油圧シリンダ5,6,7の伸長速度/収縮速度の目標値である目標速度VtgtBMU1,VtgtBMD1,VtgtAMC1,VtgtAMD1,VtgtBKC1,VtgtBKD1を算出する。一方本実施例では、整地制御によって旋回油圧モータ15の操作に対する介入は行わない。よって、操作量演算部141で算出された目標パイロット圧PiSWL0,PiSWR0を基に変換テーブルを介して、旋回油圧モータ15の目標速度VtgtSWR1,VtgtSWL1に変換し出力する。
目標圧演算部145は、圧力センサ5a~7b,201b~203bの検出結果に基づき、流量制御弁D1~D6の前後差圧ΔPを測定する。目標圧演算部145は、測定した流量制御弁D1~D6の前後差圧ΔPと、流量制御弁D1~D6の流量係数Cと、流量制御弁D1~D6を通過する作動油の目標流量Qに基づいて、流量制御弁D1~D6の目標開口面積Aを算出し、この目標開口面積Aをスプール開口テーブルに従って目標パイロット圧Pi1に変換し出力する。
ここで目標開口面積Aを算出する際にはオリフィス式(式3)を用いる。

A=Q/C√ΔP …(式3)

なお、このオリフィス式は各シリンダのメータアウト側、メータイン側両方に適用することができる。メータアウト側に適用する場合、Aは流量制御弁D1~D6のメータアウト目標開口面積Aout、Qは流量制御弁D1~D6のメータアウト通路部を通過する作動油の目標流量Qout、Cは流量制御弁D1~D6のメータアウト通路部の流量係数Coutであり、ΔPは流量制御弁D1~D6のメータアウト通路部の圧力センサ5a~7bによって検出される油圧シリンダ5~7のメータアウト側(出口側)の圧力Paoから予め不揮発性メモリ42に記憶されているタンク圧Ptを減算することにより得られる(ΔPout=Pao-Pt)。なお、タンク圧Ptは、タンクあるいはタンクへの戻り配管に取り付けられる圧力センサ(図示せず)により検出される圧力を採用してもよい。
一方、メータイン側に適用する場合、Aは流量制御弁D1~D6のメータイン目標開口面積Ain、Qは流量制御弁D1~D6のメータイン通路部を通過する作動油の目標流量Qin、Cは流量制御弁D1~D6のメータイン通路部の流量係数Cinであり、ΔPは流量制御弁D1~D6のメータイン通路部の圧力センサ5a~7bによって検出される油圧シリンダ5~7のメータイン側(入口側)の圧力Paiを、圧力センサ201b~203bによって検出されるポンプ吐出圧Ppから減算することにより得られる(ΔPin=Pp-Pai)。
目標流量Qout,Qinは、目標速度演算部144によって算出された油圧シリンダ5~7、旋回油圧モータ15の目標速度Vtgt1(VtgtBMU1,VtgtBMD1,VtgtAMC1,VtgtAMD1,VtgtBKC1,VtgtBKD1,VtgtSWR1,VtgtSWL1)を油圧シリンダ5~7、旋回油圧モータ15のメータアウト側、メータイン側の流量に変換することにより得られる。
ブーム8及びアーム9を動作させる際に優先的に使用するメインポンプ(流量制御弁)は、予め定められている。油圧シリンダ5~7に供給される作動油の目標流量Qinが、1つ目のメインポンプ(以下、優先第一ポンプとも記す)から吐出できる最大流量(最大吐出流量とも記す)を上回った場合に、2つ目のメインポンプ(以下、優先第二ポンプとも記す)が使用される。
本実施例では、ブーム8の優先第一ポンプは第3メインポンプ203であり、ブーム8の優先第二ポンプは第1メインポンプ201である。また、アーム9の優先第一ポンプは第2メインポンプ202であり、アーム9の優先第二ポンプは第1メインポンプ201である。なお、バケット10および旋回油圧モータ15を動作させる際、優先的に使用されるポンプはない。バケット10は、常に第1メインポンプ201から供給される作動油によって動作される。旋回油圧モータ15は、常に第3メインポンプ203から供給される作動油によって動作される。
本実施例において、流量制御弁D1と流量制御弁D2は個別に制御可能な構成ではない。このため、ブーム8の優先第二ポンプは、実質的に第1メインポンプ201と第2メインポンプ202となる。しかしながら、第1メインポンプ201から作動油が供給される流量制御弁D1の方が流量制御弁D2よりも早く開き始めるように、流量制御弁D1,D2のメータイン通路部の開口を設計することで、第1メインポンプ201を優先第二ポンプとして使用できるようにしている。
各油圧シリンダ5~7の目標流量Qは、優先第一ポンプの目標流量(以下、第一目標流量)Q1と、優先第二ポンプの目標流量(以下、第二目標流量)Q2とに分配される。1つのメインポンプから吐出できる最大流量をQmaxとすると、Q>Qmaxの場合、Q1=Qmax,Q2=Q-Qmaxとなる。また、Q<Qmaxの場合、Q1=Q,Q2=0となる。Q1がQmax以下となるような目標速度の設定を行うことで、各ポンプの分流が生じなくなり精度よくブーム8、アーム9,バケット10を精度よく制御することが可能となる。
図8および図9を参照して、旋回油圧モータ15およびブームシリンダ5の優先第一ポンプである第3メインポンプ203からブームシリンダ5のボトム室に供給される作動油を調整するための流量制御弁D3の目標パイロット圧(ブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1)の算出方法を説明する。図8は、目標圧演算部145によるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1の演算処理を示すブロック図である。図9は、同演算処理を示すフローチャートである。
メータアウト目標開口演算部F101は、ブームシリンダ5の目標メータアウト流量から第2流量制御弁のメータアウト目標開口面積を算出する(ステップS1)。メータアウト目標開口演算部F101では、オリフィス(式3)に従い、ブーム上げの目標メータアウト流量Qout1BmUと、圧力センサ5aで検出されるブームシリンダロッド圧と定数であるタンク圧Ptとの差圧と、流量係数Cоとに基づいて、ブーム上げメータアウト目標開口面積Aout_Bm1Uが算出される。
メータアウト目標パイロット圧演算部F102は、メータアウト目標開口面積からメータアウト目標パイロット圧を算出する(ステップS2)。メータアウト目標パイロット圧演算部F102では、図10に示す流量制御弁D3のメータアウト特性に従い、メータアウト目標開口演算部F101で算出されたブーム上げメータアウト目標開口面積Aout_Bm1Uがブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uに変換される。
メータイン目標開口演算部F103は、ブームシリンダ5の目標メータイン流量から第2流量制御弁のメータイン目標開口面積を算出する(ステップS3)。メータイン目標開口演算部F103では、オリフィス式(式3)に従い、ブーム上げの目標メータイン流量Qin1BmUと、圧力センサ203bで検出される第3メインポンプ203の吐出圧と圧力センサ5aで検出されるブームシリンダボトム圧との差圧と、流量係数Cinとに基づいて、ブーム上げメータイン目標開口面積Ain_Bm1Uが算出される。
メータイン目標パイロット圧演算部F104は、メータイン目標開口面積からメータイン目標パイロット圧を算出する(ステップS4)。メータイン目標パイロット圧演算部F104では、図11に示す流量制御弁D3のメータイン特性に従い、メータイン目標開口演算部F103で算出されたブーム上げメータイン目標開口面積Ain_Bm1Uがブーム上げメータイン目標パイロット圧Piin_Bm1Uに変換される。
演算部F105,F106,F108は、メータアウト目標パイロット圧およびメータイン目標パイロット圧の加重平均を算出するにあたり、メータアウト目標パイロット圧およびメータイン目標パイロット圧の各重みを決定する(ステップS5)。減算部F105では、圧力センサ203bで検出される第3メインポンプ203の吐出圧から圧力センサ5aで検出されるブームシリンダボトム圧を引いた圧力差が算出される。
メータイン/メータアウト比率演算部F106では、図12に示す変換テーブルに従い、第3メインポンプ203の吐出圧からブームシリンダボトム圧を引いた圧力差がメータイン/メータアウト比率R1(1.0~0.0)に変換される。メータイン/メータアウト比率R1は、メータイン目標パイロット圧の重みに相当する。
減算部F107では、メータイン/メータアウト比率演算部F106で算出されたメータイン/メータアウト比率R1が1.0から減算される。減算部F107の演算値(1.0-R1)は、メータイン目標パイロット圧の重みに相当する。
演算部F108~F110は、メータアウト目標パイロット圧とメータイン目標パイロット圧との加重平均を第2流量制御弁の目標パイロット圧として算出する(ステップS6)。乗算部F108では、メータイン目標パイロット圧演算部F104で算出されたブーム上げメータイン目標パイロット圧Piin_Bm1Uとメータイン/メータアウト比率演算部F106で算出されたメータイン/メータアウト比率R1とが乗算される。
乗算部F109では、メータアウト目標パイロット圧演算部F102で算出されたブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uと減算部F107の演算値とが乗算される。
加算部F110では、乗算部F108の演算値と乗算部F109の演算値とが加算され、ブーム8の優先第一ポンプである第3メインポンプ203からの流入流量を調整するための流量制御弁D3のブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1が算出される。
演算部F105~F110においては、第3メインポンプ203の吐出圧からブームシリンダボトム圧を引いた圧力差が0.0に近い場合、第3メインポンプ203の作動圧はブームシリンダボトム圧と近いということになり、旋回油圧モータ15は高圧使用されていないと判断できる。第3メインポンプ203の吐出圧とブームシリンダボトム圧の差圧が10MPa程度まで大きくなっていくと、ブームボトム圧よりも第3メインポンプ203の吐出圧が十分高いということになり、これは旋回油圧モータ15が高圧で使用されていると推測できる。
ここで、メータイン/メータアウト比率R1の比率が1.0に近づいていくほど、メータアウト目標パイロット圧演算部F102で算出されるブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uよりも、F104で算出されるブーム上げメータイン目標パイロット圧Piin_Bm1Uの割合が大きくなる。こうして、旋回油圧モータ15が高圧で使用されていないときには、第3メインポンプ203から吐出される作動油がブームシリンダ5と旋回油圧モータ15のどちらかに偏って流れ込むことはなく、流量制御弁D3のメータアウト側でオリフィス式によって算出されたブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uによって概ね目標速度通りにブーム上げ動作を行うことが可能となる。
一方、旋回油圧モータ15が高圧で使用されているときには、第3メインポンプ203から吐出される作動油が旋回油圧モータに流れ込まず、ブームシリンダ側に偏って流れ込むため、流量制御弁D3のメータイン側に適用したオリフィス式によって算出されたブーム上げメータイン目標パイロット圧Piin_Bm1Uによって概ね目標速度通りにブーム上げ動作を行うことが可能となる。
また、ブーム8の優先第二ポンプ(メインポンプ201,202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D1,D2の合成メータアウト目標開口面積Aout_Bm1Uは、第二目標流量Qout2BmUと、圧力センサ5aによって検出されるブームシリンダ5のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D1とD2のメータアウト側の合成開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D1,D2の目標パイロット圧PiBM2U1が算出される。
また、ブーム8の優先第一ポンプ(第3メインポンプ203)からの流入流量を調整するための流量制御弁D3のメータアウト目標開口面積Aout_Bm1Dは、第一目標流量Qout1BmDと、圧力センサ5bによって検出されるブームシリンダ5のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D3のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D3の目標パイロット圧PiBM1D1が算出される。
また、ブーム8の優先第二ポンプ(メインポンプ201,202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D1,D2の合成メータアウト目標開口面積Aout_Bm2Dは、第二目標流量Qout2BmDと、圧力センサ5bによって検出されるブームシリンダ5のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D1,D2のメータアウト側の合成開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D1,D2の目標パイロット圧PiBM2D1が算出される。
また、アーム9の優先第一ポンプ(第2メインポンプ202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D4のメータアウト目標開口面積Aout_Am1Cは、第一目標流量Qout1AmCと、圧力センサ6aによって検出されるアームシリンダ6のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D4のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D4の目標パイロット圧PiAM1C1が算出される。
また、アーム9の優先第二ポンプ(第1メインポンプ)からの流入流量を調整するための流量制御弁D5のメータアウト目標開口面積Aout_Am2Cは、第一目標流量Qout2AmCと、圧力センサ6aによって検出されるアームシリンダ6のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D5のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D5の目標パイロット圧PiAM2C1が算出される。
また、アーム9の優先第一ポンプ(第2メインポンプ202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D4のメータアウト目標開口面積Aout_Am1Dは、第一目標流量Qout1AmDと、圧力センサ6bによって検出されるアームシリンダ6のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D4のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D4の目標パイロット圧PiAM1D1が算出される。
また、アーム9の優先第二ポンプ(第1メインポンプ201)からの流入流量を調整するための流量制御弁D5のメータアウト目標開口面積Aout_Am2Dは、第一目標流量Qout2AmDと、圧力センサ6bによって検出されるアームシリンダ6のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D5のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D5の目標パイロット圧PiAM2D1が算出される。
バケット引きの第1メインポンプ201からの流入流量を調整するための流量制御弁D6のメータアウト目標開口面積Aout_Bk1Cは、第一目標流量Qout1BkCと、圧力センサ7aによって検出されるバケットシリンダ7のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D6のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D6の目標パイロット圧PiBKC1が算出される。
バケット押しの第1メインポンプ201からの流入流量を調整するための流量制御弁D6のメータアウト目標開口面積Aout_Bk1Dは、第一目標流量Qout1BkDと、圧力センサ7bによって検出されるバケットシリンダ7のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D6のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D6の目標パイロット圧PiBKD1が算出される。
このように、本実施例では、旋回操作が非操作の場合ブーム8、アーム9、及びバケット10のそれぞれのメータイン目標流量Qinがメインポンプ1つの最大吐出流量以下の場合、1つの油圧シリンダに対して、1つのメインポンプを割り当てることができる。このため、分流の影響を受けずに、オリフィス式(式3)で算出された流量制御弁の開口によって、目標流量(目標速度)に非常に近い精度で各油圧シリンダ5~7を動作させることができる。
コントローラ40の不揮発性メモリ42には、パイロット圧と流量制御弁D1~D7の開口面積との関係を規定する開口特性テーブルが記憶されている。
目標圧演算部145は、各メインポンプ201,202,203に割り当てられる各油圧シリンダ5~7のメータイン側の目標流量の総和を各メインポンプ201,202,203の目標流量Q201,Q202,Q203として算出する。つまり、目標圧演算部145は、以下の(式4)により第1メインポンプ201の目標流量Q201を算出し、以下の(式5)により第2メインポンプ202の目標流量Q202を算出し、以下の(式6)により第3メインポンプ203の目標流量Q203を算出する。

Q201=Qin1BmU+Qin1BmD+Qin1AmC+Qin1AmD+Qin1BkC+Qin1BkD…(式4)

Q202=Qin2BmU++Qin2BmD+Qin2AmC+Qin2AmD…(式5)

Q203=Qin3BmU+Qin3BmD+Qin3SWR+Qin3SWL…(式6)

ここで、Qin1BmUは、ブーム上げの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D1を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1BmDは、ブーム下げの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D1を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1AmCは、アーム引きの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D5を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1AmDは、アーム押しの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D5を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1BkCは、バケット引きの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D6を通じてバケットシリンダ7に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1BkDは、バケット押しの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D6を通じてバケットシリンダ7に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2BmUは、ブーム上げの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D2を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2BmDは、ブーム下げの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D2を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2AmCは、アーム引きの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D4を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2AmDは、アーム押しの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D4を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin3BmUは、ブーム上げの場合の第3メインポンプ203から流量制御弁D3を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin3BmDは、ブーム下げの場合の第3メインポンプ203から流量制御弁D3を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin3SWRは、旋回右の場合の第3メインポンプ203から流量制御弁D7を通じて旋回油圧モータ15に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin3SWLは、旋回左の場合の第3メインポンプ203から流量制御弁D7を通じて旋回油圧モータ15に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。
不揮発性メモリ42には、メインポンプ201,202,203の目標流量Q201,Q202,Q203と、レギュレータ201a,202a,203aの目標レギュレータ圧との関係を規定するレギュレータ圧テーブルが予め記憶されている。レギュレータ圧テーブルは、メインポンプ201,202,203ごとに定められる。
目標圧演算部145は、レギュレータ圧テーブルに従い、メインポンプ201,202,203の目標流量Q201,Q202,Q203に基づいて、目標レギュレータ圧PPc201,PPc202,PPc203を算出する。
バルブ指令演算部146は、操作量演算部141により算出された目標パイロット圧Pi0(PiSWR0,PiSWL0)、目標圧演算部145により算出された目標パイロット圧Pi1(PiBM1U1,PiBM2U1,PiBM1D1,PiBM2D1,PiAM1C1,PiAM2C1,PiAM1D1,PiAM2D1,PiBKC1,PiBKD1)に応じた電気信号を電磁弁55a~60bに出力する。また、バルブ指令演算部146は、目標圧演算部145により算出された目標レギュレータ圧PPc(PPc201,PPc202,PPc203)に応じた電気信号をレギュレータ201a~203aのレギュレータ電磁弁に出力する。
バルブ指令演算部146から出力された電気信号(励磁電流)によって、電磁弁55a~60bのソレノイドが励磁されることにより、電磁弁55a~60bが作動し、流量制御弁D1~D7に作用するパイロット圧が制御される。これにより、整地制御時に油圧シリンダ5~7の動作速度が目標速度に制御される。また、バルブ指令演算部146から出力された電気信号(励磁電流)によって、レギュレータ201a~203aのレギュレータ電磁弁のソレノイドが励磁されることにより、レギュレータ電磁弁が作動し、レギュレータ201a~203aの受圧部に作用するレギュレータ圧(パイロット圧)が、目標圧演算部145で算出された目標レギュレータ圧PPcに制御される。これにより、メインポンプ201~203の吐出流量が目標流量Q201,Q202,Q203に制御される。
以上のように、本実施例におけるコントローラ40は、領域制限制御時の油圧シリンダ5~7の目標速度から流量制御弁D1~D6を通過する作動油の目標流量Qを算出し、オリフィス式(式3)を用いて、目標流量Qと、流量制御弁D1~D6の前後差圧ΔPとに基づいて、流量制御弁D1~D6の目標開口面積Aを算出し、この目標開口面積Aを流量制御弁の開口テーブルを基にパイロット圧へ変換している。一方領域制限制御の対象となっていない旋回油圧モータ15に関しては、操作レバーのストロークから算出されたパイロット圧がそのまま出力される。
旋回油圧モータ15と同じく第3メインポンプ203を第一優先ポンプとするブームシリンダ5については、オリフィス式(式3)を流量制御弁D3のメータアウト側に適用して算出した目標パイロット圧(メータアウト目標パイロット圧)と、メータイン側に適用して算出した目標パイロット圧(メータイン目標パイロット圧)との加重平均を流量制御弁D3の目標パイロット圧として算出する。この荷重平均のおけるメータアウト目標パイロット圧およびメータイン目標パイロット圧の各重みは、第3メインポンプ203の吐出圧からブームシリンダボトム圧を引いた圧力差を基に判別される旋回油圧モータ15の負荷に応じて決定される。
旋回油圧モータ15との分流の生じない、他のアーム9、バケット10については各流量制御弁のメータアウト側に適用したオリフィス式(式3)によって算出された目標パイロット圧を出力する。
このように、オリフィス式(式3)を用いて目標パイロット圧を算出することにより、油圧シリンダの負荷圧(油圧負荷条件)が変化したとしても、その負荷圧に応じた目標開口面積を求めることができる。このため、油圧システムにオープンセンタシステムを採用した場合であっても、目標流量(目標速度)で精度よく油圧シリンダ5~7を動作させることができる。その結果、領域制限制御などのMCによる作業を精度よく行うことができる。
(まとめ)
本実施例では、下部走行体11と、下部走行体11上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体12と、上部旋回体12に取り付けられた作業装置1Aと、上部旋回体12を下部走行体11に対して旋回させる旋回油圧モータ15と、作業装置1Aを駆動させる油圧シリンダ5と、旋回油圧モータ15と油圧シリンダ5とに供給される作動油を吐出するメインポンプ203(油圧ポンプ)と、メインポンプ203(油圧ポンプ)から旋回油圧モータ15に供給される作動油の流量を制御する流量制御弁D7(第1流量制御弁)と、メインポンプ203(油圧ポンプ)から油圧シリンダ5に供給される作動油の流量を制御する流量制御弁D3(第2流量制御弁)と、流量制御弁D7(第1流量制御弁)と流量制御弁D3(第2流量制御弁)とを制御するコントローラ40と、を備えた油圧ショベル1(作業機械)において、旋回油圧モータ15の負荷を検出する負荷検出装置203b,5bを備え、コントローラ40は、油圧シリンダ5および旋回油圧モータ15のうち油圧シリンダ5のみを駆動する場合は、流量制御弁D3(第2流量制御弁)の開口面積を油圧シリンダ5の目標速度に応じて制御し、油圧シリンダ5と旋回油圧モータ15とを同時に駆動する場合は、旋回油圧モータ15の目標速度に応じて流量制御弁D7(第1流量制御弁)の開口面積を制御すると共に、流量制御弁D3(第2流量制御弁)の開口面積を、負荷検出装置203b,5bで検出された旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほど、油圧シリンダ5のみを駆動する場合に制御される流量制御弁D3(第2流量制御弁)の開口面積に比べてより小さくなるように流量制御弁D3(第2流量制御弁)を制御する分流制御を実行する。
また、本実施例における作業装置1Aは、上部旋回体12に回動可能に取り付けられたブーム8と、ブーム8に回動可能に取り付けられたアーム9とを有し、油圧シリンダ5は、ブーム8を駆動するブームシリンダ5である。
以上のように構成した本実施例によれば、第3メインポンプ203を共有する旋回油圧モータ15とブームシリンダ5とを同時に駆動する旋回ブーム上げ複合操作時に、旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほど流量制御弁D3(第2流量制御弁)の開口面積が小さくなる。これにより、第3メインポンプ203から吐出される作動油がブームシリンダ5に偏って流れ込むことが防止されるため、ブームシリンダ5の制御性を良好に保つことが可能となる。
また、本実施例におけるコントローラ40は、作業装置1Aの動作範囲が所定の目標面の上または前記目標面の上方に制限されるように油圧シリンダ5の目標速度を演算するマシンコントロールを行うと共に、前記マシンコントロールの実行中に前記分流制御を実行する。これにより、マシンコントロール実行下での旋回ブーム上げ複合操作時に、ブームシリンダ5の制御性を良好に保つことが可能となる。
また、本実施例における負荷検出装置203b,5bは、第3メインポンプ203(油圧ポンプ)の吐出圧を検出する第1圧力センサ203bと、ブームシリンダ5(油圧シリンダ)の負荷圧を検出する第2圧力センサ5bとを有する。これにより、旋回ブーム上げ複合操作時の旋回油圧モータ15の負荷を間接的に検出することが可能となる。
また、本実施例における油圧ショベル1は、上部旋回体12の動作を指示する旋回操作装置A4と、作業装置1Aの動作を指示する作業操作装置A1~A3とを備え、流量制御弁D7(第1流量制御弁)は、旋回操作装置A4の操作量に応じたパイロット圧により制御され、流量制御弁D3(第2流量制御弁)は、作業操作装置A1~A3の操作量に応じたパイロット圧により制御され、流量制御弁D3(第2流量制御弁)は、パイロット圧に応じてメータアウト開口面積が増加するメータアウト特性(図10に示す)と、パイロット圧に応じてメータイン開口面積が増加するメータイン特性(図11に示す)とを有し、前記メータイン特性および前記メータアウト特性は、同一のパイロット圧で比較した場合に、メータイン開口面積よりもメータアウト開口面積が小さくなるように設定されており、コントローラ40は、ブームシリンダ5(油圧シリンダ)の目標流量に基づいて流量制御弁D3(第2流量制御弁)のメータアウト目標開口面積Aoutを算出し、前記メータアウト特性においてメータアウト目標開口面積Aoutに対応するパイロット圧をメータアウト目標パイロット圧Pioutとして算出し、ブームシリンダ5(油圧シリンダ)の目標流量に基づいて流量制御弁D3(第2流量制御弁)のメータイン目標開口面積Ainを算出し、前記メータイン特性においてメータイン目標開口面積Ainに対応するパイロット圧をメータイン目標パイロット圧Piinとして算出し、旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほどメータアウト目標パイロット圧Pioutの重みが増加するようにメータアウト目標パイロット圧Pioutとメータイン目標パイロット圧Piinとの加重平均を算出し、流量制御弁D3(第2流量制御弁)のパイロット圧を前記加重平均と一致するように制御する。これにより、旋回ブーム上げ複合操作時の流量制御弁D3のパイロット圧を、旋回油圧モータ15の負荷が増加するに従って、メータアウト目標パイロット圧Pioutからメータイン目標パイロット圧Piinまで滑らかに減少させることが可能となる。
また、本実施例における油圧ショベル1(作業機械)は、流量制御弁D3(第2流量制御弁)のメータアウト通路部の前後差圧を検出する第1圧力センサ5aと、流量制御弁D3(第2流量制御弁)のメータイン通路部の前後差圧を検出する第2圧力センサ203b,5bとを備え、コントローラ40は、ブームシリンダ5(油圧シリンダ)の目標流量と前記メータアウト通路部の前後差圧とに基づいてメータアウト目標開口面積Aoutを算出し、ブームシリンダ5(油圧シリンダ)の目標流量と前記メータイン通路部の前後差圧とに基づいてメータイン目標開口面積Ainを算出する。これにより、流量制御弁D3(第2流量制御弁)のメータアウト目標開口面積Aoutおよびメータイン目標開口面積Ainを高い精度で算出することが可能となる。
本発明の第2の実施例における油圧ショベルについて、第1の実施例との相違点を中心に説明する。第1の実施例では、第3メインポンプ203からブームシリンダ5と旋回油圧モータ15とで分流が発生する構成における整地制御時のパイロット圧の制御方法について説明した。本実施例では、第2メインポンプ202からアームシリンダ6と旋回油圧モータ15とで分流が発生する構成における整地制御時のパイロット圧の制御方法について説明する。
図13は、本実施例における油圧システムの構成を示す図である。図13では、ブームシリンダ5、アームシリンダ6及びバケットシリンダ7、旋回油圧モータ15に関わる油圧回路について示し、走行モータに関わる油圧回路については図示を省略している。
図13において、第1の実施例における油圧システム(図2に示す)と異なる点は、第3メインポンプ203を備えていない点と、制御弁ユニット17が流量制御弁D3を含んでいない点と、第2メインポンプ202から流量制御弁D7を介して旋回油圧モータ15に作動油が供給される点である。
流量制御弁D1は、電気操作レバー装置A1の操作に応じて、第1メインポンプ201からブームシリンダ5に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁55a,55bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC1,C2を介して流量制御弁D1の受圧室E1,E2に入力される。流量制御弁D1のスプールは、受圧室E1,E2に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D1のスプールが駆動されることにより、第1メインポンプ201からブームシリンダ5への圧油の供給方向及び流量が制御され、ブームシリンダ5が駆動される。
流量制御弁D2は、電気操作レバー装置A1の操作に応じて、第2メインポンプ202からブームシリンダ5に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁55a,55bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC3,C4を介して流量制御弁D2の受圧室E3,E4に入力される。流量制御弁D2のスプールは、受圧室E3,E4に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D2のスプールが駆動されることにより、第2メインポンプ202からブームシリンダ5への圧油の供給方向及び流量が制御され、ブームシリンダ5が駆動される。
このように、ブームシリンダ5は、2つのメインポンプ201,202から吐出される作動油の流量が2つの流量制御弁D1,D2によって制御されることで駆動される。なお、コントローラ40が、電磁弁55a,55b,56a,56bのうち、電磁弁55a,55bにのみ指令を与えた場合、ブームシリンダ5は第1メインポンプ201から吐出される作動油のみによって駆動される。
流量制御弁D4は、電気操作レバー装置A2の操作に応じて、第1メインポンプ201からアームシリンダ6に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁57a,57bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC7,C8を介して流量制御弁D4の受圧室E7,E8に入力される。流量制御弁D4のスプールは、受圧室E7,E8に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D4のスプールが駆動されることにより、第1メインポンプ201からアームシリンダ6への圧油の供給方向及び流量が制御され、アームシリンダ6が駆動される。
流量制御弁D5は、電気操作レバー装置A2の操作に応じて、第2メインポンプ202からアームシリンダ6に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁58a,58bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC9,C10を介して流量制御弁D5の受圧室E9,E10に入力される。流量制御弁D5のスプールは、受圧室E9,E10に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D5のスプールが駆動されることにより、第2メインポンプ202からアームシリンダ6への圧油の供給方向及び流量が制御され、アームシリンダ6が駆動される。
このように、アームシリンダ6は、2つのメインポンプ201,202から供給される作動油の流量が2つの流量制御弁D4,D5によって制御されることで駆動される。なお、コントローラ40が、電磁弁57a,57b,58a,58bのうち、電磁弁58a,58bにのみ指令を与えた場合、アームシリンダ6は第2メインポンプ202から吐出される作動油のみによって駆動される。
流量制御弁D6は、電気操作レバー装置A3の操作に応じて、第1メインポンプ201からバケットシリンダ7に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁59a,59bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC11,C12を介して流量制御弁D6の受圧室E11,E12に入力される。流量制御弁D6のスプールは、受圧室E11,E12に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D6のスプールが駆動されることにより、第1メインポンプ201からバケットシリンダ7への圧油の供給方向及び流量が制御され、バケットシリンダ7が駆動される。このように、バケットシリンダ7は、第1メインポンプ201から吐出される作動油の流量が流量制御弁D6によって制御されることで駆動される。
流量制御弁D7は、電気操作レバー装置A4の操作に応じて、第2メインポンプ202から旋回油圧モータ15に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ40の指令によって駆動される電磁弁60a,60bによって生成されたパイロット圧は、パイロットラインC13,C14を介して流量制御弁D7の受圧室E13,E14に入力される。流量制御弁D7のスプールは、受圧室E13,E14に入力されるパイロット圧に応じて駆動される。流量制御弁D7のスプールが駆動されることにより、第2メインポンプ202から旋回油圧モータ15への圧油の供給方向及び流量が制御され、旋回油圧モータ15が駆動される。このように、旋回油圧モータ15は、第2メインポンプ202から吐出される作動油の流量が流量制御弁D7によって制御されることで駆動される。
図14は、本実施例における制御システム21のハードウェア構成図である。図14において、第1の実施例(図4に示す)と異なる点は、圧力センサ203bおよびレギュレータ203aを備えていない点である。
図15は、本実施例におけるコントローラ40の機能ブロック図である。図15において、第1の実施例(図6に示す)と異なる点は、目標圧演算部145の演算処理にある。
目標圧演算部145は、圧力センサ5a~7b,201b,202bの検出結果に基づき、流量制御弁D1~D6の前後差圧ΔPを測定する。目標圧演算部145は、測定した流量制御弁D1~D6の前後差圧ΔPと、流量制御弁D1~D6の流量係数Cと、流量制御弁D1~D6を通過する作動油の目標流量Qに基づいて、流量制御弁D1~D6の目標開口面積Aを算出し、この目標開口面積Aをスプール開口テーブルに従って目標パイロット圧Pi1に変換し出力する。
ここで目標開口面積Aを算出する際にはオリフィス式(式3)を用いる。

A=Q/C√ΔP …(式3)

なお、このオリフィス式は各シリンダのメータアウト側、メータイン側両方に適用することができる。メータアウト側に適用する場合、Aは流量制御弁D1~D6のメータアウト目標開口面積Aout、Qは流量制御弁D1~D6のメータアウト通路部を通過する作動油の目標流量Qout、Cは流量制御弁D1~D6のメータアウト通路部の流量係数Coutであり、ΔPは流量制御弁D1~D6のメータアウト通路部の圧力センサ5a~7bによって検出される油圧シリンダ5~7のメータアウト側(出口側)の圧力Paoから予め不揮発性メモリ42に記憶されているタンク圧Ptを減算することにより得られる(ΔPout=Pao-Pt)。なお、タンク圧Ptは、タンクあるいはタンクへの戻り配管に取り付けられる圧力センサ(図示せず)により検出される圧力を採用してもよい。
一方、メータイン側に適用する場合、Aは流量制御弁D1~D6のメータイン目標開口面積Ain、Qは流量制御弁D1~D6のメータイン通路部を通過する作動油の目標流量Qin、Cは流量制御弁D1~D6のメータイン通路部の流量係数Cinであり、ΔPは流量制御弁D1~D6のメータイン通路部の圧力センサ5a~7bによって検出される油圧シリンダ5~7のメータイン側(入口側)の圧力Paiを、圧力センサ201b,202bによって検出されるポンプ吐出圧Ppから減算することにより得られる(ΔPin=Pp-Pai)。
目標流量Qout,Qinは、目標速度演算部144によって算出された油圧シリンダ5~7、旋回油圧モータ15の目標速度Vtgt1(VtgtBMU1,VtgtBMD1,VtgtAMC1,VtgtAMD1,VtgtBKC1,VtgtBKD1,VtgtSWR1,VtgtSWL1)を油圧シリンダ5~7、旋回油圧モータ15のメータアウト側、メータイン側の流量に変換することにより得られる。
ブーム8及びアーム9を動作させる際に優先的に使用するメインポンプ(流量制御弁)は、予め定められている。油圧シリンダ5~7に供給される作動油の目標流量Qinが、1つ目のメインポンプ(以下、優先第一ポンプとも記す)から吐出できる最大流量(最大吐出流量とも記す)を上回った場合に、2つ目のメインポンプ(以下、優先第二ポンプとも記す)が使用される。
本実施例では、ブーム8の優先第一ポンプは第1メインポンプ201であり、ブーム8の優先第二ポンプは第2メインポンプ202である。また、アーム9の優先第一ポンプは第2メインポンプ202であり、アーム9の優先第二ポンプは第1メインポンプ201である。なお、バケット10および旋回油圧モータ15を動作させる際、優先的に使用されるポンプはない。バケット10は、常に第1メインポンプ201から供給される作動油によって動作される。旋回油圧モータ15は、常に第2メインポンプ202から供給される作動油によって動作される。
各油圧シリンダ5~7の目標流量Qは、優先第一ポンプの目標流量(以下、第一目標流量)Q1と、優先第二ポンプの目標流量(以下、第二目標流量)Q2とに分配される。1つのメインポンプから吐出できる最大流量をQmaxとすると、Q>Qmaxの場合、Q1=Qmax,Q2=Q-Qmaxとなる。また、Q<Qmaxの場合、Q1=Q,Q2=0となる。Q1がQmax以下となるような目標速度の設定を行うことで、ブーム8、アーム9で分流が生じず、精度よく制御することが可能となる。
図16を参照して、旋回油圧モータ15およびアームシリンダ6の優先第一ポンプである第2メインポンプ202からアームシリンダ6のボトム室に供給される作動油を調整するための流量制御弁D5の目標パイロット圧(アーム引き目標パイロット圧PiAM1C1)の算出方法を説明する。図16は、本実施例における目標圧演算部145によるアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1の演算処理を示すブロック図である。
メータアウト目標開口演算部F201では、オリフィス式(式3)に従い、アーム引きの目標メータアウト流量Qout1AmCと、圧力センサ6aで検出されるアームシリンダロッド圧と、定数となるタンク圧Ptの差圧と、流量係数Cоとに基づいて、アーム引きメータアウト目標開口面積Aout_Am1Cが算出される。
メータアウト目標パイロット圧演算部F202では、図17に示す流量制御弁D5のメータアウト特性に従い、メータアウト目標開口演算部F201で算出されたブーム上げメータアウト目標開口面積Aout_Am1Cがアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cに変換される。
メータイン目標開口演算部F203では、オリフィス式(式3)に従い、アーム引きの目標メータイン流量Qin1AmCと、圧力センサ202bで検出される第2メインポンプ202の吐出圧と圧力センサ6aで検出されるアームシリンダボトム圧との差圧と、流量係数Cinとに基づいて、アーム引きメータイン目標開口面積Ain_Am1Cが算出される。
メータイン目標パイロット圧演算部F204では、図18に示す流量制御弁D5のメータイン特性に従い、メータイン目標開口演算部F203で算出されたアーム引きメータイン目標開口面積Ain_Am1Cがアーム引きメータイン目標パイロット圧Piin_Am1Cに変換される。
減算部F205では、圧力センサ202bで検出される第2メインポンプ202の吐出圧から圧力センサ6aで検出されるアームシリンダボトム圧を引いた圧力差が算出される。
メータイン/メータアウト比率演算部F206では、図12に示す変換テーブルに従い、第2メインポンプ202の吐出圧からアームシリンダボトム圧を引いた圧力差がメータイン/メータアウト比率R1(1.0~0.0)に変換される。
減算部F207では、メータイン/メータアウト比率演算部F206で算出されたメータイン/メータアウト比率R1が1.0から減算される。
乗算部F208では、メータイン目標パイロット圧演算部F204で算出されたアーム引きメータイン目標パイロット圧Piin_Am1Cとメータイン/メータアウト比率演算部F206で算出されたメータイン/メータアウト比率R1とが乗算される。
乗算部F209では、メータアウト目標パイロット圧演算部F202で算出されたアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cと減算部F208の演算値とが乗算される。
加算部F210では、乗算部F208の演算値と乗算部F209の演算値とが加算され、アーム9の優先第一ポンプである第2メインポンプ202からの流入流量を調整するための流量制御弁D5のアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1が算出される。
演算部F205~F210においては、第2メインポンプ202の吐出圧からアームシリンダボトム圧を引いた圧力差が0.0に近い場合、第2メインポンプ202の作動圧はアームシリンダボトム圧と近いということになり、旋回油圧モータ15は高圧使用されていないと判断できる。第2メインポンプ202の吐出圧からアームシリンダボトム圧を引いた圧力差が10MPa程度まで大きくなっていくと、アームシリンダ6ボトム圧よりも第2メインポンプ202の吐出圧が十分高いということになり、これは旋回油圧モータ15が高圧で使用されていると推測できる。
ここで、メータイン/メータアウト比率R1の比率が1.0に近づいていくほど、メータアウト目標パイロット圧演算部F202で算出されるアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cよりも、メータイン目標パイロット圧演算部F204で算出されるアーム引きメータイン目標パイロット圧Piin_Am1Cの割合が大きくなる。こうして、旋回油圧モータ15が高圧で使用されていないときには、第2メインポンプ202から吐出される作動油がアームシリンダ6と旋回油圧モータ15のどちらかに偏って流れ込むことはなく、流量制御弁D5のメータアウト側でオリフィス式によって算出されたアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cによって概ね目標速度通りにアーム引き動作を行うことが可能となる。
一方、旋回油圧モータ15が高圧で使用されているときには、第2メインポンプ202から吐出される作動油が旋回油圧モータに流れ込まず、アームシリンダ側に偏って流れ込むため、流量制御弁D5のメータイン側に適用したオリフィス式によって算出されたアーム引きメータイン目標パイロット圧Piin_Am1Cによって概ね目標速度通りにブーム上げ動作を行うことが可能となる。
また、アーム引きの優先第二ポンプ(第1メインポンプ201)からの流入流量を調整するための流量制御弁D4のメータアウト目標開口面積Aout_Am2Cは、第一目標流量Qout2AmCと、圧力センサ6aによって検出されるアームシリンダ6のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス(式3)によって算出され、流量制御弁D4のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D4の目標パイロット圧PiAM2C1が算出される。
ブーム上げの優先第一ポンプ(第1メインポンプ201)からの流入流量を調整するための流量制御弁D1のメータアウト目標開口面積Aout_Bm1Uは、第一目標流量Qout1BmUと、圧力センサ5aによって検出されるブームシリンダ5のロッド室の圧力に基づき、オリフィス(式3)によって算出され、流量制御弁D3のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D3の目標パイロット圧PiBM1U1が算出される。
また、ブーム上げの優先第二ポンプ(第2メインポンプ202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D2のメータアウト目標開口面積Aout_Bm2Uは、第二目標流量Qout2BmUと、圧力センサ5aによって検出されるブームシリンダ5のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス(式3)によって算出され、流量制御弁D2のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D2の目標パイロット圧PiBM2U1が算出される。
また、ブーム下げの優先第一ポンプ(第1メインポンプ201)からの流入流量を調整するための流量制御弁D1のメータアウト目標開口面積Aout_Bm1Dは、第一目標流量Qout1BmDと、圧力センサ5bによって検出されるブームシリンダ5のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス(式3)によって算出され、流量制御弁D3のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D1の目標パイロット圧PiBM1D1が算出される。
また、ブーム下げの優先第二ポンプ(第2メインポンプ202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D2のメータアウト目標開口面積Aout_Bm2Dは、第二目標流量Qout2BmDと、圧力センサ5bによって検出されるブームシリンダ5のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D2のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D2の目標パイロット圧PiBM2D1が算出される。
また、アーム押しの優先第一ポンプ(第2メインポンプ202)からの流入流量を調整するための流量制御弁D5のメータアウト目標開口面積Aout_Am1Dは、第一目標流量Qout1AmDと、圧力センサ6bによって検出されるアームシリンダ6のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D5のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D5の目標パイロット圧PiAM1D1が算出される。
また、アーム押しの優先第二ポンプ(第1メインポンプ201)からの流入流量を調整するための流量制御弁D4のメータアウト目標開口面積Aout_Am2Dは、第一目標流量Qout2AmDと、圧力センサ6bによって検出されるアームシリンダ6のボトム室の圧力に基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D4のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D4の目標パイロット圧PiAM2D1が算出される。
バケット引きの第1メインポンプ201からの流入流量を調整するための流量制御弁D6のメータアウト目標開口面積Aout_Bk1Cは、第一目標流量Qout1BkCと、圧力センサ7aによって検出されるバケットシリンダ7のロッド室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D6のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D6の目標パイロット圧PiBK1C1が算出される。
バケット押しの第1メインポンプ201からの流入流量を調整するための流量制御弁D6のメータアウト目標開口面積Aout_Bk1Dは、第一目標流量Qout1BkDと、圧力センサ7bによって検出されるバケットシリンダ7のボトム室の圧力とに基づき、オリフィス式(式3)によって算出され、流量制御弁D6のメータアウト側の開口とパイロット圧の関係に基づいて流量制御弁D6の目標パイロット圧PiBK1D1が算出される。
このように、本実施形態では、旋回操作が非操作の場合ブーム8、アーム9のメータイン目標流量Qinがメインポンプ1つの最大吐出流量以下の場合、1つの油圧シリンダに対して、1つのメインポンプを割り当てることができるため分流の影響を受けずに、オリフィス式(式3)で算出された流量制御弁の開口によって、目標流量(目標速度)に非常に近い精度でブーム8とアーム9を動作させることができる。
一方バケット10が複合された場合には、第1メインポンプ201がブーム8とバケット10の第一優先ポンプとなるため、ポンプやブームシリンダ5、バケットシリンダ7の圧力条件における流量制御弁D1とD6に対するパイロット圧力の補正が必要となるが、本実施例ではその説明の詳細は省く。
目標圧演算部145は、各メインポンプ201,202に割り当てられる各油圧シリンダ5~7のメータイン側の目標流量の総和を各メインポンプ201,202の目標流量Q201,Q202として算出する。つまり、目標圧演算部145は、以下の(式7)により第1メインポンプ201の目標流量Q201を算出し、以下の(式8)により第2メインポンプ202の目標流量Q202を算出する。

Q201=Qin1BmU+Qin1BmD+Qin1AmC+Qin1AmD+Qin1BkC+Qin1BkD…(式7)

Q202=Qin2BmU+Qin1BmD+Qin2AmC+Qin2AmD+Qin2SWR+Qin2SWL…(式8)

ここで、Qin1BmUは、ブーム上げの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D1を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1BmDは、ブーム下げの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D1を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1AmCは、アーム引きの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D4を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1AmDは、アーム押しの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D4を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1BkCは、バケット引きの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D6を通じてバケットシリンダ7に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin1BkDは、バケット押しの場合の第1メインポンプ201から流量制御弁D6を通じてバケットシリンダ7に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2BmUは、ブーム上げの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D2を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2BmDは、ブーム下げの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D2を通じてブームシリンダ5に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2AmCは、アーム引きの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D5を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2AmDは、アーム押しの場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D5を通じてアームシリンダ6に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2SWRは、旋回右の場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D7を通じて旋回油圧モータ15に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。Qin2SWLは、旋回左の場合の第2メインポンプ202から流量制御弁D7を通じて旋回油圧モータ15に供給される作動油のメータイン側の目標流量である。
不揮発性メモリ42には、メインポンプ201,202の目標流量Q201,Q202と、レギュレータ201a,202aの目標レギュレータ圧との関係を規定するレギュレータ圧テーブルが予め記憶されている。レギュレータ圧テーブルは、メインポンプ201,202ごとに定められる。
目標圧演算部145は、レギュレータ圧テーブルに従い、メインポンプ201,202の目標流量Q201,Q202に基づき、目標レギュレータ圧PPc201,PPc202を算出する。
バルブ指令演算部146は、操作量演算部141により算出された目標パイロット圧Pi0(PiSWR0,PiSWL0)、目標圧演算部145により算出された目標パイロット圧Pi1(PiBM1U1,PiBM2U1,PiBM1D1,PiBM2D1,PiAM1C1,PiAM2C1,PiAM1D1,PiAM2D1,PiBKC1,PiBKD1)に応じた電気信号を電磁弁55a~60bに出力する。また、バルブ指令演算部146は、目標圧演算部145により算出された目標レギュレータ圧PPc(PPc201,PPc202)に応じた電気信号をレギュレータ201a、202aのレギュレータ電磁弁に出力する。
バルブ指令演算部146から出力された電気信号(励磁電流)によって、電磁弁55a~60bのソレノイドが励磁されることにより、電磁弁55a~60bが作動し、流量制御弁D1~D7に作用するパイロット圧が制御される。これにより、整地制御時に油圧シリンダ5~7の動作速度が目標速度に制御される。また、バルブ指令演算部146から出力された電気信号(励磁電流)によって、レギュレータ201a,202aのレギュレータ電磁弁のソレノイドが励磁されることにより、レギュレータ電磁弁が作動し、レギュレータ201a,202aの受圧部に作用するレギュレータ圧(パイロット圧)が、目標圧演算部145で算出された目標レギュレータ圧PPcに制御される。これにより、メインポンプ201,202の吐出流量が目標流量Q201,Q202に制御される。
以上のように、本実施例におけるコントローラ40は、領域制限制御時の油圧シリンダ5~7の目標速度から流量制御弁D1~D6を通過する作動油の目標流量Qを算出し、オリフィス式(式3)を用いて、目標流量Qと、流量制御弁D1~D6の前後差圧ΔPとに基づいて、流量制御弁D1~D6の目標開口面積Aを算出し、この目標開口面積Aを流量制御弁の開口テーブルを基にパイロット圧へ変換している。一方領域制限制御の対象となっていない旋回油圧モータ15に関しては、操作レバーのストロークから算出されたパイロット圧がそのまま出力される。
旋回油圧モータ15と同じく第2メインポンプ202を第一優先ポンプとするアームシリンダ6については、オリフィス式(式3)を流量制御弁D5のメータアウト側に適用して算出した目標パイロット圧(メータアウト目標パイロット圧)と、メータイン側に適用して算出した目標パイロット圧(メータイン目標パイロット圧)との加重平均を流量制御弁D5の目標パイロット圧として算出する。この荷重平均のおけるメータアウト目標パイロット圧およびメータイン目標パイロット圧の各重みは、第2メインポンプ202からアームシリンダボトム圧を引いた圧力差を基に判別される旋回油圧モータ15の負荷に応じて決定される。
旋回油圧モータ15との分流の生じない、他のブーム8、バケット10については各流量制御弁のメータアウト側に適用したオリフィス式(式3)によって算出された目標パイロット圧を出力する。
このように、オリフィス式(式3)を用いて目標パイロット圧を算出することにより、油圧シリンダの負荷圧(油圧負荷条件)が変化したとしても、その負荷圧に応じた目標開口面積を求めることができる。このため、油圧システムにオープンセンタシステムを採用した場合であっても、目標流量(目標速度)で精度よく油圧シリンダ5~7を動作させることができる。その結果、領域制限制御などのMCによる作業を精度よく行うことができる。
(まとめ)
本実施例では、下部走行体11と、下部走行体11上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体12と、上部旋回体12に取り付けられた作業装置1Aと、上部旋回体12を下部走行体11に対して旋回させる旋回油圧モータ15と、作業装置1Aを駆動させるアームシリンダ6(油圧シリンダ)と、旋回油圧モータ15とアームシリンダ6(油圧シリンダ)とに供給される作動油を吐出するメインポンプ202(油圧ポンプ)と、メインポンプ202(油圧ポンプ)から旋回油圧モータ15に供給される作動油の流量を制御する流量制御弁D7(流量制御弁)と、メインポンプ202(油圧ポンプ)からアームシリンダ6に供給される作動油の流量を制御する流量制御弁D5(第2流量制御弁)と、流量制御弁D7(第1流量制御弁)と流量制御弁D5(第2流量制御弁)とを制御するコントローラ40と、を備えた油圧ショベル1(作業機械)において、旋回油圧モータ15の負荷を検出する負荷検出装置202b,6bを備え、コントローラ40は、アームシリンダ6および旋回油圧モータ15のうちアームシリンダ6のみを駆動する場合は、流量制御弁D5(第2流量制御弁)の開口面積をアームシリンダ6の目標速度に応じて制御し、アームシリンダ6と旋回油圧モータ15とを同時に駆動する場合は、旋回油圧モータ15の目標速度に応じて流量制御弁D7(第1流量制御弁)の開口面積を制御すると共に、流量制御弁D5(第2流量制御弁)の開口面積を、負荷検出装置202b,6bで検出された旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほど、アームシリンダ6(油圧シリンダ)のみを駆動する場合に制御される流量制御弁D5(第2流量制御弁)の開口面積に比べてより小さくなるように流量制御弁D5(第2流量制御弁)を制御する分流制御を実行する。
また、本実施例における作業装置1Aは、上部旋回体12に回動可能に取り付けられたブーム8と、ブーム8に回動可能に取り付けられたアーム9とを有し、油圧シリンダ6は、アーム9を駆動するアームシリンダ6である。
以上のように構成した本実施例によれば、第2メインポンプ202を共有する旋回油圧モータ15とアームシリンダ6とを同時に駆動する旋回アーム引き複合操作時に、旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほど流量制御弁D5(第2流量制御弁)の開口面積が小さくなる。これにより、第2メインポンプ202から吐出される作動油がアームシリンダ6に偏って流れ込むことが防止されるため、アームシリンダ6の制御性を良好に保つことが可能となる。
また、本実施例におけるコントローラ40は、作業装置1Aの動作範囲が所定の目標面の上または前記目標面の上方に制限されるようにアームシリンダ6の目標速度を演算するマシンコントロールを行うと共に、前記マシンコントロールの実行中に前記分流制御を実行する。これにより、マシンコントロール実行下での旋回アーム引き複合操作時に、アームシリンダ6の制御性を良好に保つことが可能となる。
また、本実施例における負荷検出装置202b,6bは、第2メインポンプ202(油圧ポンプ)の吐出圧を検出する第1圧力センサ202bと、アームシリンダ6(油圧シリンダ)の負荷圧を検出する第2圧力センサ6bとを有する。これにより、旋回アーム引き複合操作時の旋回油圧モータ15の負荷を間接的に検出することが可能となる。
また、本実施例における流量制御弁D5(第2流量制御弁)は、パイロット圧に応じてメータアウト開口面積が増加するメータアウト特性(図17に示す)と、パイロット圧に応じてメータイン開口面積が増加するメータイン特性(図18に示す)とを有し、前記メータイン特性および前記メータアウト特性は、同一のパイロット圧で比較した場合に、メータイン開口面積よりもメータアウト開口面積が小さくなるように設定されており、コントローラ40は、アームシリンダ6(油圧シリンダ)の目標流量に基づいて流量制御弁D5(第2流量制御弁)のメータアウト目標開口面積Aoutを算出し、前記メータアウト特性においてメータアウト目標開口面積Aoutに対応するパイロット圧をメータアウト目標パイロット圧Pioutとして算出し、アームシリンダ6(油圧シリンダ)の目標流量に基づいて流量制御弁D5(第2流量制御弁)のメータイン目標開口面積Ainを算出し、前記メータイン特性においてメータイン目標開口面積Ainに対応するパイロット圧をメータイン目標パイロット圧Pioutとして算出し、旋回油圧モータ15の負荷が大きくなるほどメータアウト目標パイロット圧Pioutの重みが増加するようにメータアウト目標パイロット圧Pioutとメータイン目標パイロット圧Piinとの加重平均を算出し、流量制御弁D5(第2流量制御弁)のパイロット圧を前記加重平均と一致するように制御する。これにより、旋回アーム引き複合操作時の流量制御弁D5のパイロット圧を、旋回油圧モータ15の負荷が増加するに従って、メータアウト目標パイロット圧Pioutからメータイン目標パイロット圧Piinまで滑らかに減少させることが可能となる。
また、本実施例における油圧ショベル1(作業機械)は、流量制御弁D5(第2流量制御弁)のメータアウト通路部の前後差圧を検出する第1圧力センサ6aと、流量制御弁D5(第2流量制御弁)のメータイン通路部の前後差圧を検出する第2圧力センサ202b,6bとを備え、コントローラ40は、アームシリンダ6(油圧シリンダ)の目標流量と前記メータアウト通路部の前後差圧とに基づいてメータアウト目標開口面積Aoutを算出し、アームシリンダ6(油圧シリンダ)の目標流量と前記メータイン通路部の前後差圧とに基づいてメータイン目標開口面積Ainを算出する。これにより、流量制御弁D5(第2流量制御弁)のメータアウト目標開口面積Aoutおよびメータイン目標開口面積Ainを高い精度で算出することが可能となる。
本発明の第3の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
図19は、本実施例における目標圧演算部145によるブーム上げ目標パイロット圧PiAM1C1の演算処理を示すブロック図である。図19において、目標圧演算部145は、第1の実施例の構成(図8に示す)に加えて、最大値選択部F301、補正後/補正前比率演算部F302、減算部F303、乗算部F304、乗算部F305、および加算部F306を有する。
最大値選択部F301では、目標パイロット圧PiSWR0,PiSWL0のいずれか大きい方の値(最大値)が旋回操作量として選択される。補正後/補正前比率演算部F302では、図20に示す変換テーブルに従い、最大値選択部F301で選択された最大値(旋回操作量)が補正後/補正前比率R2に変換される。減算部F303では、補正後/補正前比率R2が1.0から減算される。乗算部F304では、加算部F110で算出されたブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1と補正後/補正前比率R2とが乗算される。乗算部F305では、メータアウト目標パイロット圧演算部F102で算出されたブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uと減算部F303の演算値とが乗算される。加算部F306では、乗算部F304の演算値と乗算部F305の演算値とが加算され、ブーム8の優先第一ポンプである第3メインポンプ203からの流入流量を調整するための流量制御弁D3のブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1が算出される。
演算部F301~F306においては、旋回操作量が所定の閾値(図20では1.5MPa)以下の場合は、補正後/補正前比率R2はゼロとなり、旋回油圧モータ15が高圧で使用されるような使い方ではなく、負荷の軽い均し作業で使用されていると判断し、加算部F110で算出されるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1に代えて、メータアウト目標パイロット圧演算部F102で算出されるブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uがブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1として出力される。
一方、旋回操作量が所定の閾値(図20では1.5MPa)を超えている場合は、旋回操作によって車体を側壁などに押し付けるような動作によって旋回油圧モータ15が高圧で使われていると判断され、旋回操作量が増えるにつれて補正後/補正前比率R2が増加し、メータアウト目標パイロット圧演算部F102で算出されるブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uの割合が減少し、加算部F306から出力されるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1は、加算部F110で算出されるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1に近づいていく。
こうして第3メインポンプ203とブームシリンダ5の負荷のみではなく旋回操作量に応じてパイロット圧を補正することによって、高圧側の圧力条件の多少の誤差がパイロット圧に演算に影響を与えないような旋回操作量の範囲を定め、その範囲でブーム上げのメータアウト側のみを加味した外乱の少ない条件でブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1を算出することができる。
(まとめ)
本実施例におけるコントローラ40は、ブームシリンダ5と旋回油圧モータ15とを同時に駆動する場合は、操作装置A1~A4の上部旋回体12に対する操作量(旋回操作量)に応じてメータイン目標パイロット圧Piinの重みが減少するようにメータイン目標パイロット圧Piinとメータアウト目標パイロット圧Pioutとの加重平均(加算部F110で算出されるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1)を補正する。これにより、上部旋回体12を小さい操作量で駆動する旋回均し作業時などにおいて、旋回始動時や作業装置1Aが何かに当たって旋回油圧モータ15の負荷圧および第3メインポンプ203の吐出圧が過渡的に高くなることに起因する流量制御弁D3(第2流量制御弁)のパイロット圧の変動を防止することが可能となる。
また、本実施例におけるコントローラ40は、ブームシリンダ5と旋回油圧モータ15とを同時に駆動する場合でかつ操作装置A1~A4の上部旋回体12に対する操作量(旋回操作量)が所定の閾値(1.5MPa)以下の場合は、流量制御弁D3(第2流量制御弁)のパイロット圧をメータアウト目標パイロット圧Pioutと一致するように制御する。これにより、旋回ブーム上げ複合操作時に、旋回操作量が所定の閾値(1.5MPa)以下の場合は、ブームシリンダ5を単独で駆動する場合と同様の制御性を確保することが可能となる。
本発明の第4の実施例について、第2の実施例との相違点を中心に説明する。
図21は、本実施例における目標圧演算部145によるアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1の演算処理を示すブロック図である。図21において、目標圧演算部145は、第2の実施例の構成(図16に示す)に加えて、最大値選択部F401、補正後/補正前比率演算部F402、減算部F403、乗算部F404、乗算部F405、および加算部F406を有する。
最大値選択部F401では、目標パイロット圧PiSWR0,PiSWL0のいずれか大きい方の値(最大値)が旋回操作量として選択される。補正後/補正前比率演算部F402では、図20に示す変換テーブルに従い、最大値選択部F401で選択された最大値(旋回操作量)が補正後/補正前比率R2に変換される。減算部F403では、補正後/補正前比率R2が1.0から減算される。乗算部F404では、加算部F210で算出されたアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1と補正後/補正前比率R2とが乗算される。乗算部F405では、メータアウト目標パイロット圧演算部F202で算出されたアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cと減算部F403の演算値とが乗算される。加算部F406では、乗算部F404の演算値と乗算部F405の演算値とが加算され、アームシリンダ6の優先第一ポンプである第2メインポンプ202からの流入流量を調整するための流量制御弁D5のアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1が算出される。
演算部F401~F406においては、旋回操作量が所定の閾値(図20では1.5MPa)以下の場合は、補正後/補正前比率R2はゼロとなり、旋回油圧モータ15が高圧で使用されるような使い方ではなく、負荷の軽い均し作業で使用されていると判断し、加算部F210で算出されるアーム引きメータアウト目標パイロット圧PiAM1C1に代えて、メータアウト目標パイロット圧演算部F202で算出されるアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cがアーム引きメータアウト目標パイロット圧PiAM1C1として出力される。
一方、旋回操作量が所定の閾値(図20では1.5MPa)を超えている場合は、旋回操作によって車体を側壁などに押し付けるような動作によって旋回油圧モータ15が高圧で使われていると判断され、旋回操作量が増えるにつれて補正後/補正前比率R2が増加し、メータアウト目標パイロット圧演算部F202で算出されるアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cの割合が減少し、加算部F406から出力されるアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1は、加算部F210で算出されるアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1に近づいていく。
こうして第2メインポンプ202とアームシリンダ6の負荷のみではなく旋回操作量に応じてパイロット圧を補正することによって、高圧側の圧力条件の多少の誤差がパイロット圧に演算に影響を与えないような旋回操作量の範囲を定め、その範囲でアーム引きのメータアウト側のみを加味した外乱の少ない条件でアーム引き目標パイロット圧PiAM1Cを算出することができる。
(まとめ)
本実施例におけるコントローラ40は、ブームシリンダ5を駆動すると同時に旋回油圧モータ15を駆動する第2モードにおいて、旋回操作装置A4の操作量(旋回操作量)に応じてメータイン目標パイロット圧Piinの重みが減少するようにメータイン目標パイロット圧Piinとメータアウト目標パイロット圧Pioutとの加重平均(加算部F110で算出されるアーム引き目標パイロット圧PiAM1C)を補正する。
以上のように構成した本実施例によれば、上部旋回体12を小さい操作量で駆動する旋回均し作業時などにおいて、旋回始動時や作業装置1Aが何かに当たって旋回油圧モータ15の負荷圧および第2メインポンプ202の吐出圧が過渡的に高くなることに起因する流量制御弁D5(第2流量制御弁)のパイロット圧の変動を防止することが可能となる。
また、本実施例におけるコントローラ40は、ブームシリンダ5を駆動すると同時に旋回油圧モータ15を駆動する第2モードにおいて、旋回操作装置A4の操作量(旋回操作量)が所定の閾値(1.5MPa)以下の場合は、流量制御弁D5(第2流量制御弁)のパイロット圧をメータアウト目標パイロット圧Pioutと一致するように制御する。これにより、旋回アーム引き複合操作時に、旋回操作量が所定の閾値(1.5MPa)以下の場合は、アームシリンダ6を単独で駆動する場合と同様の制御性を確保することが可能となる。
本発明の第5の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
図22は、本実施例における目標圧演算部145によるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1の演算処理を示すブロック図である。図22において、目標圧演算部145は、第1の実施例におけるメータイン目標開口演算部F103およびメータイン目標パイロット圧演算部F104(図8に示す)に代えて、補正比率演算部F501および乗算部F502を有する。
補正比率演算部F501では、図23に示す変換テーブルに従い、減算部F105で算出された圧力差が補正比率R3に変換される。乗算部F502では、メータアウト目標パイロット圧演算部F102で算出されたブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uと補正比率演算部F501で算出された補正比率R3とが乗算される。乗算部F108では、乗算部F502で算出された値とメータイン/メータアウト比率演算部F106で算出されたメータイン/メータアウト比率R1とが乗算される。
(まとめ)
以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様に、第3メインポンプ203の吐出圧からブームシリンダボトム圧を引いた圧力差に応じて、ブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1がブーム上げメータアウト目標パイロット圧Piout_Bm1Uよりも小さくなるように補正される。これにより、第3メインポンプ203を共有する旋回油圧モータ15とブームシリンダ5とを同時に駆動する旋回ブーム上げ複合操作時に、ブームシリンダ5の制御性を良好に保つことが可能となる。
本発明の第6の実施例について、第2の実施例との相違点を中心に説明する。
図24は、本実施例における目標圧演算部145によるアーム引き目標パイロット圧PiAm1C1の演算処理を示すブロック図である。図24において、目標圧演算部145は、メータイン目標開口演算部F203およびメータイン目標パイロット圧演算部F204(図16に示す)に代えて、補正比率演算部F601および乗算部F602を有する。
補正比率演算部F601では、図23と同様の変換テーブルに従い、減算部F205で算出された圧力差が補正比率R3に変換される。乗算部F602では、メータアウト目標パイロット圧演算部F202で算出されたアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cと補正比率演算部F601で算出された補正比率R3とが乗算される。乗算部F208では、乗算部F602で算出された値とメータイン/メータアウト比率演算部F206で算出されたメータイン/メータアウト比率R1とが乗算される。
(まとめ)
以上のように構成した本実施例においても、第2の実施例と同様に、第2メインポンプ202の吐出圧からアームシリンダボトム圧を引いた圧力差に応じて、アーム引き目標パイロット圧PiAM1C1がアーム引きメータアウト目標パイロット圧Piout_Am1Cよりも小さくなるように補正される。これにより、第2メインポンプ202を共有する旋回油圧モータ15とアームシリンダ6とを同時に駆動する旋回アーム引き複合操作時に、アームシリンダ6の制御性を良好に保つことが可能となる。
本発明の第7の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。第1の実施例では、旋回油圧モータ15の負荷を、メインポンプ203の圧力(圧力センサ203bの検出値)と、旋回油圧モータ15との間で分流が生じるブームシリンダ5の負荷圧(圧力センサ5bの検出値)とを用いて判断しているが、本実施例では、旋回油圧モータ15のAポートおよびBポートに取り付けられた圧力センサ15a,15bの検出値を用いて判断する。
図25は、本実施例における目標圧演算部145によるブーム上げ目標パイロット圧PiBM1U1の演算処理を示すブロック図である。本実施例における目標圧演算部145は、減算部F105およびメータイン/メータアウト比率演算部F106(図8に示す)に代えて、最大値選択部F701およびメータイン/メータアウト比率演算部F702を有する。
最大値選択部F701では、旋回油圧モータ15のAポート圧またはBポート圧のいずれか大きい方の値(最大値)が旋回油圧モータ15の負荷圧として選択される。メータイン/メータアウト比率演算部F702では、図12と同様の変換テーブルに従い、最大値選択部F701で選択された最大値(旋回油圧モータ15の負荷圧)がメータイン/メータアウト比率R1に変換される。
(まとめ)
本実施例における旋回油圧モータ15の負荷を検出する負荷検出装置15a,15bは、旋回油圧モータ15の負荷圧を検出する圧力センサ15a,15bを有する。
以上のように構成した本実施例によれば、第1の実施例よりも高い精度で旋回油圧モータ15の負荷を検出することが可能となる。
本発明の第8の実施例について、第2の実施例との相違点を中心に説明する。第2の実施例では、旋回油圧モータ15の負荷を、メインポンプ202の圧力(圧力センサ202bの検出値)と、旋回油圧モータ15との間で分流が生じるアームシリンダ6の圧力(圧力センサ6bの検出値)とを用いて判断しているが、本実施例では、旋回油圧モータ15のAポートおよびBポートに取り付けられた圧力センサ15a,15bの検出値を用いて判断する。
図26は、本実施例における目標圧演算部145によるアーム引き目標パイロット圧PiAM1C1の演算処理を示すブロック図である。本実施例における目標圧演算部145は、第2の実施例における減算部F205およびメータイン/メータアウト比率演算部F206(図16に示す)に代えて、最大値選択部F801およびメータイン/メータアウト比率演算部F802を有する。
最大値選択部F801では、旋回油圧モータ15のAポート圧またはBポート圧のいずれか大きい方の値(最大値)が旋回油圧モータ15の負荷圧として選択される。メータイン/メータアウト比率演算部F802では、図12と同様の変換テーブルに従い、最大値選択部F801で選択された最大値(旋回油圧モータ15の負荷圧)がメータイン/メータアウト比率R1に変換される。
(まとめ)
本実施例における旋回油圧モータ15の負荷を検出する負荷検出装置15a,15bは、旋回油圧モータ15の負荷圧を検出する圧力センサ15a,15bを有する。
以上のように構成した本実施例によれば、第2の実施例よりも高い精度で旋回油圧モータ15の負荷を検出することが可能となる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、本発明は必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
1…油圧ショベル(作業機械)、1A…作業装置(フロント作業機)、1B…車体、5…ブームシリンダ(油圧シリンダ)、5a…圧力センサ(第1圧力センサ)、5b…圧力センサ(第2圧力センサ、負荷検出装置)、6…アームシリンダ(油圧シリンダ)、6a…圧力センサ(第1圧力センサ)、6b…圧力センサ(第2圧力センサ、負荷検出装置)、7…バケットシリンダ(油圧シリンダ)、7a,7b…圧力センサ、8…ブーム、9…アーム、10…バケット、11…下部走行体、12…上部旋回体、13…バケットリンク、14…車体位置検出装置、14a,14b…GNSSアンテナ、15…旋回油圧モータ、15a,15b…圧力センサ(負荷検出装置)、16…運転室、17…制御弁ユニット、18…エンジン(原動機)、21…制御システム、30…ブーム角度センサ、31…アーム角度センサ、32…バケット角度センサ、33…車体傾斜角度センサ、39…ロック弁、40…コントローラ、41…処理装置、42…不揮発性メモリ、43…揮発性メモリ、44…入力インターフェース、45…出力インターフェース、48…パイロットポンプ、50…姿勢検出装置、51…目標面設定装置、53…表示装置、55a,55b,56a,56b,57a,57b,58b,59a,59b,60a,60b…電磁弁、91…ブームピン、92…アームピン、93…バケットピン、96…外部入力装置、141…操作量演算部、142…姿勢演算部、143…目標面演算部、144…目標速度演算部、145…目標圧演算部、146…バルブ指令演算部、147…表示制御部、148…電磁弁制御部、170…吐出配管、201…第1メインポンプ、201a…レギュレータ、201b…圧力センサ、202…第2メインポンプ、202a…レギュレータ、202b…圧力センサ(第1圧力センサ、負荷検出装置、第2圧力センサ)、203…第3メインポンプ、203a…レギュレータ、203b…圧力センサ(第1圧力センサ、負荷検出装置、第2圧力センサ)、A1~A3…作業操作装置、A4…旋回操作装置、B1,B2…操作レバー、C1~C14…パイロットライン、D1,D2…流量制御弁、D3…流量制御弁(第2流量制御弁)、D4…流量制御弁、D5…流量制御弁(第2流量制御弁)、D6…流量制御弁、D7…流量制御弁(第1流量制御弁)、E1~E14…受圧室、F101…メータアウト目標開口演算部、F102…メータアウト目標パイロット圧演算部、F103…メータイン目標開口演算部、F104…メータイン目標パイロット圧演算部、F105…減算部、F106…メータイン/メータアウト比率演算部、F107…減算部、F108,F109…乗算部、F110…加算部、F201…メータアウト目標開口演算部、F202…メータアウト目標パイロット圧演算部、F203…メータイン目標開口演算部、F204…メータイン目標パイロット圧演算部、F205…減算部、F206…メータイン/メータアウト比率演算部、F207…減算部、F208,F209…乗算部、F210…加算部、F301…最大値選択部、F302…補正後/補正前比率演算部、F303…減算部、F304,F305…乗算部、F306…加算部、F401…最大値選択部、F402…補正後/補正前比率演算部、F403…減算部、F404,F405…乗算部、F406…加算部、F501…補正比率演算部、F502…乗算部、F601…補正比率演算部、F602…乗算部、F701…最大値選択部、F702…メータイン/メータアウト比率演算部、F801…最大値選択部、F802…メータイン/メータアウト比率演算部、St…掘削目標面。

Claims (9)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、
    前記上部旋回体に取り付けられた作業装置と、
    前記上部旋回体を前記下部走行体に対して旋回させる旋回油圧モータと、
    前記作業装置を駆動させる油圧シリンダと、
    前記旋回油圧モータと前記油圧シリンダとに供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから前記旋回油圧モータに供給される作動油の流量を制御する第1流量制御弁と、
    前記油圧ポンプから前記油圧シリンダに供給される作動油の流量を制御する第2流量制御弁と、
    前記第1流量制御弁と前記第2流量制御弁とを制御するコントローラと、を備えた作業機械において、
    前記旋回油圧モータの負荷を検出する負荷検出装置を備え、
    前記コントローラは、前記油圧シリンダおよび前記旋回油圧モータのうち前記油圧シリンダのみを駆動する場合は、前記第2流量制御弁の開口面積を前記油圧シリンダの目標速度に応じて制御し、前記油圧シリンダと前記旋回油圧モータとを同時に駆動する場合は、前記旋回油圧モータの目標速度に応じて前記第1流量制御弁の開口面積を制御すると共に、前記第2流量制御弁の開口面積を、前記負荷検出装置で検出された前記旋回油圧モータの負荷が大きくなるほど、前記油圧シリンダのみを駆動する場合に制御される前記第2流量制御弁の開口面積に比べてより小さくなるように前記第2流量制御弁を制御する分流制御を実行する
    ことを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記コントローラは、前記作業装置の動作範囲が所定の目標面の上または前記目標面の上方に制限されるように前記油圧シリンダの目標速度を演算するマシンコントロールを行うと共に、前記マシンコントロールの実行中に前記分流制御を実行する
    ことを特徴とする作業機械。
  3. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記作業装置は、前記上部旋回体に回動可能に取り付けられたブームと、前記ブームに回動可能に取り付けられたアームとを有し、
    前記油圧シリンダは、前記ブームを駆動するブームシリンダまたは前記アームを駆動するアームシリンダである
    ことを特徴とする作業機械。
  4. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記負荷検出装置は、前記油圧ポンプの吐出圧を検出する第1圧力センサと、前記油圧シリンダの負荷圧を検出する第2圧力センサとを有する
    ことを特徴とする作業機械。
  5. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記負荷検出装置は、前記旋回油圧モータの負荷圧を検出する圧力センサを有する
    ことを特徴とする作業機械。
  6. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記上部旋回体の動作を指示する旋回操作装置と、
    前記作業装置の動作を指示する作業操作装置とを備え、
    前記第1流量制御弁は、前記旋回操作装置の操作量に応じたパイロット圧により制御され、
    前記第2流量制御弁は、前記作業操作装置の操作量に応じたパイロット圧により制御され、
    前記第2流量制御弁は、パイロット圧に応じてメータアウト開口面積が増加するメータアウト特性と、パイロット圧に応じてメータイン開口面積が増加するメータイン特性とを有し、
    前記メータイン特性および前記メータアウト特性は、同一のパイロット圧で比較した場合に、メータイン開口面積よりもメータアウト開口面積が小さくなるように設定されており、
    前記コントローラは、
    前記油圧シリンダの目標流量に基づいて前記第2流量制御弁のメータアウト目標開口面積を算出し、
    前記メータアウト特性において前記メータアウト目標開口面積に対応するパイロット圧をメータアウト目標パイロット圧として算出し、
    前記油圧シリンダの目標流量に基づいて前記第2流量制御弁のメータイン目標開口面積を算出し、
    前記メータイン特性において前記メータイン目標開口面積に対応するパイロット圧をメータイン目標パイロット圧として算出し、
    前記旋回油圧モータの負荷が大きくなるほど前記メータアウト目標パイロット圧の重みが増加するように前記メータアウト目標パイロット圧とメータイン目標パイロット圧との加重平均を算出し、
    前記第2流量制御弁のパイロット圧を前記加重平均と一致するように制御する
    ことを特徴とする作業機械。
  7. 請求項6に記載の作業機械において、
    前記第2流量制御弁のメータアウト通路部の前後差圧を検出する第1圧力センサと、
    前記第2流量制御弁のメータイン通路部の前後差圧を検出する第2圧力センサとを備え、
    前記コントローラは、
    前記油圧シリンダの目標流量と前記メータアウト通路部の前後差圧とに基づいて前記メータアウト目標開口面積を算出し、
    前記油圧シリンダの目標流量と前記メータイン通路部の前後差圧とに基づいて前記メータイン目標開口面積を算出する
    ことを特徴とする作業機械。
  8. 請求項6に記載の作業機械において、
    前記コントローラは、前記油圧シリンダと前記旋回油圧モータとを同時に駆動する場合は、前記旋回操作装置の操作量に応じて前記メータイン目標パイロット圧の重みが減少するように前記加重平均を補正する
    ことを特徴とする作業機械。
  9. 請求項8に記載の作業機械において、
    前記コントローラは、前記油圧シリンダと前記旋回油圧モータとを同時に駆動する場合でかつ前記旋回操作装置の操作量が所定の閾値以下の場合は、前記第2流量制御弁のパイロット圧を前記メータアウト目標パイロット圧と一致するように制御する
    ことを特徴とする作業機械。
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