JP2024022022A - 無線送電装置、無線電力伝送システム、制御装置および制御方法 - Google Patents

無線送電装置、無線電力伝送システム、制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】送電アンテナパネル間の構造誤差(段差=距離差)に対する送電用マイクロ波の位相補正を行うことができる無線送電装置を提供する。【解決手段】本発明の一形態に係る無線送電装置は、送電アンテナパネル群を具備する。送電アンテナパネル群は、パイロット信号受信アンテナと、送電アンテナモジュールと、パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含む。複数の送電アンテナパネルは、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成される。第2の送電アンテナパネルは、第1の送電アンテナパネルで検波されたパイロット信号の復調波である第1の復調波と、第2の送電アンテナパネルで検波されたパイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を計算する。【選択図】図4

Description

本発明は、無線送電装置に関し、さらに詳しくは、マイクロ波による長距離無線電力伝送のために必要となる、大口径(アンテナパネルの多数結合により構成)送電用フェーズドアレイアンテナの構造系誤差を補正する制御方法、並びに、これを用いたマイクロ波ビーム制御装置、及びこれを備えたマイクロ波無線電力伝送システムに関する。
宇宙空間において巨大なソーラーパネルを展開して太陽光発電を行い、発電した電気エネルギーをマイクロ波の電波により地上に伝送する、『宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power Systems;SSPS)』というシステムコンセプトがある。このコンセプトは、1968年に米国のグレーザー博士により初めて提案され(非特許文献1)、その後、米国特許が発行された(特許文献1)。SSPSの基本構成としては、太陽光発電パネルと送電アンテナを備えた宇宙空間の太陽発電衛星(Solar Power Satellite: SPS)と、受電アンテナアレイ等を備えた地上の受電設備から構成される。SSPSは、太陽発電衛星を高度約36,000Kmの静止軌道上に配置することで昼夜問わず発電が可能となり、その電気エネルギーを概ね10GHz以下のマイクロ波(雲や降雨の水分子によるエネルギー吸収の影響が殆どない「電波の窓」と言われる周波数帯域)に変換し、地上の受電設備に向けてマイクロ波無線電力伝送を行うことから、概念上、天候に左右されることなく安定的に再生可能エネルギーを地上に供給できる『持続可能な新たな電源』として期待できる。
このSSPS実現に向け、これまでマイクロ波による長距離無線電力伝送のための技術開発が進められている。この技術では、軌道上の太陽発電衛星から地上の受電設備までの『長距離無線電力伝送』を行う際、受電設備(受電アンテナ側)から太陽発電衛星(送電アンテナ側)に向けてパイロット信号を送信し、その到来方向を太陽発電衛星(送電アンテナ側)にて高精度に検知し、それと同方向に打ち返すようにマイクロ波送電ビームを指向させる手法(レトロディレクティブ方式と言われる)が有力と考えられている。
また、宇宙から地上までの長距離無線電力伝送を実用に見合う相応の高い効率で行うためには、マイクロ波を放射する送電アンテナの開口径は、電波の特質上、必然的にKmの大規模なサイズとなる(非特許文献2)。これ程の大口径送電アンテナは、フェーズドアレイアンテナを搭載した剛体アンテナパネルを多数結合させた一つの平面構造のフェーズドアレイアンテナ(=送電アンテナパネル群)として構築されることが考えられるが、宇宙空間においては、重力傾斜トルクや熱歪み等の外乱の影響を受けることにより、送電アンテナ全体として構造的に完全な平面を維持することはできない。したがって、個々の送電アンテナパネルの位置が基準から変動してしまうことは避けられず、送電マイクロ波のビームを高精度に指向制御するにあたっては、この点を踏まえたマイクロ波位相補正は必須となる。
複数の送電アンテナパネル間における構造誤差(段差=距離差)を補正する手段の一つに、素子電界ベクトル回転法(Rotating-element Electric-field Vector Method:REV法)(非特許文献3)を応用する手法が考えられている(非特許文献4)。REV法は、本来はアンテナ素子や給電回路の電気的特性のばらつきのキャリブレーションに用いられる手法であり、フェーズドアレイアンテナの各素子に接続された可変移相器に着目し、アレイ動作状態で一つの素子の位相を0度から360度まで変化させたときのアレイアンテナ合成電界の振幅変化を測定して、当該素子から放射されるマイクロ波の必要な振幅と位相を求める手法である。送電アンテナパネル間の構造誤差がある状態で各送電アンテナパネル単位の電界が余弦的に変化することを利用して、受電設備側にて送電マイクロ波の合成電界が最大となる位相を補正値として読み、これを各送電アンテナパネル内の初段高出力増幅器の前段にある移相器に与えることで、構造誤差を電気的に補正する。
米国特許明細書第3781647号
Peter E. Glaser, "Power from the Sun: It's Future", Science, Vol.162, pp.857-886, 1968 William C. Brown, "Beamed Microwave Power Transmission and its Application to Space", IEEE trans. on Microwave Theory and Techniques., Vol.40, No.6, pp.1239-1250, 1992. 真野清司, 片木孝至, "フェイズドアレーアンテナの素子振幅位相測定法‐素子電界ベクトル回転法‐", 電子通信学会論文誌, vol.J65-B, no.5, pp.555-560, March 1982. 牧野克省, 上土井大助, 中台光洋, 谷島正信, 大橋一夫, 高橋智宏, 佐々木拓郎, 本間幸洋, "SSPSの実現に向けた高精度マイクロ波ビーム方向制御装置の開発とその技術実証試験", 電子情報通信学会技報, SANE 2015-22, pp.37-42, June 2015.
マイクロ波による長距離無線電力伝送を実用に見合う高い効率で行うには伝送距離に応じた相応の送電アンテナの大口径化が必須であるが、送電アンテナの大口径化は多数の剛体アンテナパネルの結合(アンテナパネル群)によって構成される。そのため、宇宙空間においては、重力傾斜トルクや熱歪み等の外乱の影響を受けてアンテナパネル間に段差等の構造的な誤差が生じる。このような大口径送電アンテナ(平面構造のフェーズドアレイアンテナ)の構造誤差に対する位相補正にREV法を適用すると、剛体アンテナパネル毎に(シーケンシャルに)上述の操作を行う必要があるため、送電アンテナが大規模であればある程、相当の時間を要することになる。この間、実効的なマイクロ波無線電力伝送は休止することとなり、システム稼働率は低下する。
また、REV法を用いる位相補正法は、移相器のビット数相応の精緻な位相補正は可能であるものの、軌道上の発電衛星と地上の受電設備間の相対的位置関係が変化しない静止軌道上の発電衛星を想定した手法であるため、中軌道等の地球周回軌道上にある発電衛星には原理上、適用は難しい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、実効的なマイクロ波無線電力伝送を休止させることなく、また、中軌道等の地球周回軌道上にある発電衛星においても特定の時間間隔にて、送電アンテナパネル間の構造誤差(段差=距離差)に対する送電用マイクロ波の位相補正を行うことができる無線送電装置、無線電力伝送システム、制御装置および制御方法を提供することにある。
本発明の一形態に係る無線送電装置は、平面構造の送電アンテナパネル群を具備する。
前記送電アンテナパネル群は、受電装置から変調波として送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含む。複数の送電アンテナパネルは、第1の信号処理装置を有しパネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、第2の信号処理装置を有し位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成される。
前記第2の信号処理装置は、位相補正演算部と、位相制御信号生成部とを含む。
前記位相補正演算部は、前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を計算する。
前記位相制御信号生成部は、前記位相補正値に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を制御する。
本発明の一形態に係るマイクロ波無線電力伝送システムは、受電装置と、無線送電装置とを具備する。
前記受電装置は、レクテナアレイと、変調波として送信されるパイロット信号を送信するパイロット信号送信アンテナとを有する。
前記無線送電装置は、前記パイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、前記レテクナアレイへマイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含む平面構造の送電アンテナパネル群を有する。前記送電アンテナパネル群は、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成される。
前記第2の送電アンテナパネルは、信号処理装置を含む。前記信号処理装置は、位相補正演算部と、位相制御信号生成部とを有する。
前記位相補正演算部は、前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を計算する。
前記位相制御信号生成部は、前記位相補正値に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数の送電アンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を制御する。
本発明の一形態に係る制御装置は、受電装置から変調波として送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含み、前記複数の送電アンテナパネルが、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成された、平面構造の送電アンテナパネル群の構造誤差に対する放射マイクロ波の位相補正を行う制御装置であって、位相補正演算部と、位相制御信号生成部とを具備する。
前記位相補正演算部は、前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を算出する。
前記位相制御信号生成部は、前記位相補正値に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を制御する。
本発明の一形態に係る制御方法は、受電装置から変調波として送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含み、前記複数の送電アンテナパネルが、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成された、平面構造の送電アンテナパネル群の構造誤差に対する放射マイクロ波の位相補正を行う制御方法であって、
前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、
前記位相差に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相補正値を算出する。
本発明によれば、実効的なマイクロ波無線電力伝送を休止させることなく、例えば中軌道を周回する太陽発電衛星と地上受電設備との間の位置関係のように、送受間の相対的位置関係が変化する状況下においても送受のアンテナが正対する(AZ=0となる)タイミングにて、平面構造の送電用フェーズドアレイアンテナ(送電アンテナパネル群)の構造誤差(段差=距離差)に対するマイクロ波の位相補正を高速に(同時並行的に)行うことができる。
本発明の一実施形態(宇宙太陽光発電システム)に係るマイクロ波長距離無線電力伝送システムの構成を示す基本ブロック図である。 本発明の一実施形態(宇宙太陽光発電システム)に係るマイクロ波長距離無線電力伝送システムの概略図であるとともに、大規模な平面構造の送電用フェーズドアレイアンテナ(送電アンテナパネル群)を構成する各送電アンテナパネルが基準面から段差等の構造誤差(距離差)が生じている状態を示す模式図である。 送電アンテナパネル、及びそれを構成する送電アンテナアレイ等の概略図である。 第1の送電アンテナパネル、及び第2の送電アンテナパネルに搭載されるビーム制御装置の構成を示す基本ブロック図である。 送電アンテナパネルに搭載されるビーム制御装置の回路構成の概略を示す基本ブロック図である。 第1の送電アンテナパネル、及び第2の送電アンテナパネルに搭載されるビーム制御装置で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。 各送電アンテナパネルにおけるマイクロ波位相補正について説明する概念図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[システム概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロ波長距離無線電力伝送システム100(宇宙太陽光発電システム)の構成を示す基本ブロック図である。図2は、マイクロ波長距離無線電力伝送システム100の概略図であって、平面構造の送電用フェーズドアレイアンテナ(送電アンテナパネル群)12を構成する各送電アンテナパネル40が基準面から構造誤差(段差=距離差)が生じている状態を示す模式図である。
本実施形態のマイクロ波長距離無線電力伝送システム100は、無線送電装置10と、受電装置20と、ビーム制御統制装置30とを備える。
受電装置20は、地上の受電サイトに設置される。受電装置20は、無線送電装置10から送電されるマイクロ波ビームBを受電する受電アンテナ(レクテナアレイ)21と、無線送電装置10へパイロット信号Pを送信するパイロット信号送信アンテナ65とを有する。
受電アンテナ(レクテナアレイ)21は、マイクロ波ビームBを受信するアンテナ部と、受信したマイクロ波ビームBを直流電力に変換する整流回路とを備えたレクテナのアレイで構成される。
パイロット信号送信アンテナ65は、パイロット信号P(例えば、周波数2.45GHz)を放射する。ビーム制御装置80Cは、パイロット信号Pをキャリア波とした変調波(例えば、変調周波数100MHzで振幅変調した振幅変調波)を送信することが可能に構成される。キャリア波の周波数、及び変調方式、変調周波数は勿論、これらの例に限られない。パイロット信号送信アンテナ65は、受電アンテナ21を構成するレクテナアレイの中央部に配置されるが、これに限られない。
無線送電装置10は、太陽光発電機能を備えた発送電一体型の宇宙機(発電衛星)である。無線送電装置10は、太陽光を電力に変換する発電部11と、受電装置20の受電アンテナ(レクテナアレイ)21に向けてマイクロ波ビームを形成、指向する大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12とを有する。無線送電装置10は静止軌道上の発電衛星であってもよいし、静止軌道以外を地球周回する発電衛星であってもよい。本実施形態において無線送電装置10は、例えば赤道上空を周回する低軌道から中軌道上の発電衛星として構成される。図2に示すように、無線送電装置10と受電装置20との間の距離はフレネル領域内であり、より具体的には、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の開口径をA、送受電されるマイクロ波の波長をλとすると、概ね、2A2/λ以下である。
大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12は、図1及び図2に示すように、複数の送電アンテナパネル40(40A,40B)の結合体で構成される。各送電アンテナパネル40は、後述するように、パイロット信号Pを受信する受信アンテナ素子(パイロット信号受信アンテナ)と、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールとを含む送電アンテナサブアレイ51を有する(図3参照)。これら複数の送電アンテナパネル40が所定の基準平面上において互いに柔軟結合されることで、一辺の長さがkm級の矩形の大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12が構成される。
発電部11は、太陽光発電モジュールを有する。太陽光発電モジュールは、複数の送電アンテナパネル40にそれぞれ配置される。典型的には、太陽光発電モジュールは、マイクロ波を放射するアンテナ素子が実装されるアンテナ形成面とは反対側の送電アンテナパネル40の表面に配置されるが、マイクロ波を放射するアンテナ素子が実装される面にも混在して配置される、つまり送電アンテナパネル40の両面に配置されることもある。これにより、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12と面積と同等の広い発電面を得る。
ビーム制御統制装置30は、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12とともに地球周回軌道を回る発電装置(無線送電装置10)の一部である。ビーム制御統制装置30は、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12と相互に無線通信可能であり、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12を構成する各送電アンテナパネル40に対して、時刻同期、位相同期など、マイクロ波ビームBを形成するのに必要な基本的な情報を送信する。
[大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)]
続いて、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の詳細について説明する。大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12は、図2に示すように複数の送電アンテナパネル40の結合体で構成される。
図3は、送電アンテナパネル40の一方側の表面(地球側の表面)であるアンテナ形成面の概略構成図である。
各送電アンテナパネル40は、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12が1つの平面として形成されるように、アジマス方向(図3においてX軸方向)とエレベーション方向(同Y軸方向)にマトリクス状に配列される。重力傾斜トルクや熱歪み等の外乱から大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12を保護するため、隣接する2つの送電アンテナパネル40間の連結は、互いに所定量の相対変位が可能な柔軟結合とする。
各送電アンテナパネル40は、それぞれ同様の構成を有し、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列された複数の送電アンテナサブアレイの集合体で構成される送電アンテナアレイである(以下、送電アンテナパネル40を送電アンテナアレイ40ともいう)。また、各送電アンテナアレイ40は剛体(完全な平面)であり、構造変形が無い最小構成要素である。
送電アンテナアレイ40は、図3に示すようにマトリクス状に配列された複数(本例では15×15)の送電アンテナサブアレイ51で構成される。この例では、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ15の送電アンテナサブアレイ51がマトリクス状に配列されることで、1つの送電アンテナアレイ40が構成される。各送電アンテナサブアレイ51は、マトリクス状に配列された複数(本例では9(3×3))の送電アンテナモジュール(本例ではアンテナ4素子で一つのモジュール)53で構成される。
複数の送電アンテナサブアレイ51のうち1つは、パイロット信号Pを受信することが可能なパイロット信号受信アンテナ60を含む送受信アンテナサブアレイ52で構成される。送受信アンテナサブアレイ52の位置は送電アンテナアレイ40の中央が望ましい。図3に示す例では、送電アンテナアレイ40の中央に配置される送電アンテナサブアレイ51が、送受信アンテナサブアレイ52として構成される。
図3に示すように、送受信アンテナサブアレイ52は、マトリクス状に配列された複数のアンテナ素子で構成される。より具体的に、送受信アンテナサブアレイ52は、4つの送電アンテナモジュール(本例ではアンテナ4素子で一つのモジュール)53と、5つのパイロット信号受信アンテナ60とを有する。各送電アンテナモジュール53は、送受信アンテナサブアレイ52の4隅の位置に配置される。
5つのパイロット信号受信アンテナ60は、パイロット信号Pを受信するためのアンテナ素子であり、図2に示すように、アジマス方向(X方向)に配列された一対の第1受信アンテナ素子(60A、60B)と、エレベーション方向(Y軸方向)に配列された一対の第2受信アンテナ素子(60A、60B)とを含む。第1受信アンテナ素子(60A、60B)および第2受信アンテナ素子(60A、60B)は、図2に示すように、中心に位置する受信アンテナ素子60Cを挟んでX軸方向およびY軸方向にそれぞれ互いに対向して配置される。
なお、5つのパイロット信号受信アンテナ60の位置に送電アンテナモジュール53(本例ではアンテナ4素子で一つのモジュール)が配置されたものが、送電アンテナサブアレイ51に相当する。
本実施形態では、以上のように構成される複数の送電アンテナパネル40が第1の送電アンテナパネル40Aおよび第2の送電アンテナパネル40Bの2つに分類される。
第1の送電アンテナパネル40Aは、複数の送電アンテナパネル40のうち、パネル位置や位相補正の基準となる送電アンテナパネルであり、一枚のみ存在する。第2の送電アンテナパネル40Bは、位相補正を行う対象となる送電アンテナパネルであり、本実施形態では、第1の送電アンテナパネル40A以外の全ての送電アンテナパネルである。第1の送電アンテナパネル40Aは、例えば、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の中央部に位置される。
第1の送電アンテナパネル40Aと第2の送電アンテナパネル40Bは互いに基本構成を共通とするが、後述するようにビーム制御装置80における信号処理装置90の構成が異なる。
図5は、各送電アンテナパネル40に搭載されるビーム制御装置80の回路構成の概略を示す基本ブロック図である。
各送電アンテナパネル40に搭載されるビーム制御装置80は、同図に示すように、マイクロ波発振器71と、第1の移相器72と、第1の増幅器73と、第2の移相器74と、第2の増幅器75とを有する。
マイクロ波発振器71は、例えば、3GHz~30GHzのマイクロ波帯で、周波数5.8GHz(波長5.17cm)のマイクロ波を発振する。第1の移相器72は、各送電アンテナモジュール53のアンテナ素子から放射されるマイクロ波の位相を送電アンテナパネル単位にて一括的に調整する。第2の移相器74は、各送電アンテナモジュール53のアンテナ素子から放射されるマイクロ波の位相を個別に調整する複数の移相器で構成される。第2の増幅器75は、各送電アンテナモジュール53のアンテナ素子から放射されるマイクロ波を増幅する。
ビーム制御装置80は、パイロット信号受信アンテナ60で受信したパイロット信号Pに基づいて、第1の移相器72および第2の移相器74を制御する。ビーム制御装置80は、パイロット信号受信アンテナ60で受信したパイロット信号Pから、次の2つの目的の情報を得る。
第1の情報は、パイロット信号Pの到来方向を算出するための情報である。ビーム制御装置80は、受信アンテナ素子60Aと60Bの和信号Σ(A+B)と、受信アンテナ素子60Aと60Bとの間の差信号Δ(A-B)とを、X軸方向については第1受信アンテナ素子(60A、60B)、Y軸方向については第2受信アンテナ素子(60A、60B)にて得た信号から算出する。和信号Σと差信号Δの正規化誤差信号(Δ/Σ)は、角度関数として表される。
ビーム制御装置80は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれについて正規化誤差信号を生成することで、アジマス方向およびエレベーション方向についてパイロット信号Pの到来方向を検出する。続いて、ビーム制御装置80は、各送電アンテナモジュール53のアンテナ素子から放射されるマイクロ波により形成されるビームがパイロット信号Pの到来方向と同じ方向に指向するように、第2の移相器74を制御する。この制御は、ビーム制御統制装置30から送信される時刻同期信号および位相同期信号に基づいて、各送電アンテナパネル40にて実行される。
第2の情報は、各送電アンテナパネル40間の構造誤差(段差=距離差)を補正するための位相補正値を算出するための情報である。
大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12は、多数の送電アンテナパネル40の柔軟結合により構築される。そのため、重力傾斜トルクや熱歪み等の外乱を受け、その許容レベルを超えてしまうと、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12のフェーズドアレイアンテナとしてのアンテナ形成面は、完全な平面構造を維持することができなくなる(図2参照)。送電マイクロ波のビーム方向を極めて高精度に制御するには、個々の送電アンテナパネル40は基準位置から変動することも考慮に入れ、これを踏まえた電気的な補正制御(マイクロ波の位相補正制御)が必要とされる。
そこで本実施形態では、後述するように、パイロット信号受信アンテナ素子60にて受信したパイロット信号Pから変調信号を検波(復調)し、復調波全波整流波形の積分値と各送電アンテナパネル40の構造誤差(段差=距離差)相当の時間積分値との比から積分時間を算出し、積分時間から位相差を求めるとともに、これを距離差に置き換えて送電マイクロ波の位相補正値を算出する。
ビーム制御装置80は、算出した上記正規化誤差信号(Δ/Σ)に基づき、第2の移相器74を制御する。これにより、当該送電アンテナパネル40の各送電アンテナモジュール53のアンテナ素子から放射されるマイクロ波により形成されるビームを受電装置20の受電アンテナ(レクテナアレイ)21へ向けることができる。
ビーム制御装置80はさらに、算出した上記補正値に基づき、第1の移相器71を制御する。これにより、送電アンテナパネル40間の構造誤差(段差=距離差)を補償する位相補正が実現可能となる。
以下、ビーム制御装置80の詳細について説明する。ここでは、第1の送電アンテナパネル40Aに搭載されたビーム制御装置80を第1のビーム制御装置80Aとし、第2の送電アンテナパネル40Bに搭載されたビーム制御装置80を第2のビーム制御装置80Bとする。また、受電装置20に搭載されたビーム制御装置80を第3のビーム制御装置80Cとする。
[第1のビーム制御装置]
図4は、第1のビーム制御装置80A、及び第2のビーム制御装置80Bの構成を示すブロック図である。第1のビーム制御装置80Aは、パイロット信号受信アンテナ60、追尾受信機81Aと、復調器82Aと、無線送受信部83Aと、信号処理装置90A(第1の信号処理装置)とを有する。
無線送受信部83Aは、ビーム制御統制装置30との間で時刻同期信号や位相補正同期信号などを送受信するための無線通信モジュールである。
復調器82Aは、第1の送電アンテナパネル40Aの受信アンテナ素子60で受信したパイロット信号Pから変調信号を復調(検波)する検波回路等を構成する。復調器82Aは、パイロット信号Pから検波した復調波を全波整流する整流回路を含む。復調器82Aは、ハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェアで構成されてもよい。復調器82Aがソフトウェアで構成される場合、復調器82Aは信号処理装置90Aの一部として構成されてもよい。
追尾受信機81Aは、パイロット信号受信アンテナ60で受信したパイロット信号Pから上述の第1の情報としてパイロット信号Pの和信号と差信号を得て、これを基にパイロット信号Pの到来方向を算定するための各種演算処理を実行するように構成される。算定したパイロット信号Pの到来方向の情報を信号処理装置90Aの位相制御信号生成部93Aへ出力する。
信号処理装置90Aは、CPUやメモリを有するコンピュータで構成され、その機能ブロックとして、基準信号生成部91と、位相制御信号生成部93Aとを有する。
基準信号生成部91は、第1の送電アンテナパネル40Aにのみ搭載される。基準信号生成部91は、典型的には、CPUやメモリを有するコンピュータで構成され、復調器82Aの出力に基づいて、後述する基準時刻信号(トリガー信号)を生成する。
位相制御信号生成部93Aは、パイロット信号Pの到来方向の情報を基に、送電マイクロ波のビーム中心をパイロット信号Pの到来方向と同じ方向に指向させるための、当該第1の送電アンテナパネル40Aに実装されたアンテナ素子(複数の送電アンテナモジュール53)から放射されるマイクロ波の位相値を生成、指示する。
[第2のビーム制御装置]
一方、第2のビーム制御装置80Bは、図4に示すとおり、パイロット信号受信アンテナ素子60、追尾受信機81Bと、復調器82Bと、無線送受信部83Bと、信号処理装置90B(第2の信号処理装置)とを有する。
無線送受信部83Bは、ビーム制御統制装置30との間で時刻同期信号や位相補正同期信号などを送受信するための無線通信モジュールである。
復調器82Bは、第2の送電アンテナパネル40Bの受信アンテナ素子60で受信したパイロット信号Pから変調信号を復調(検波)する検波回路等を構成する。復調器82Bは、パイロット信号Pから検波した復調波を全波整流する整流回路を含む。復調器82Bは、ハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェアで構成されてもよい。復調器82Bがソフトウェアで構成される場合、復調器82Bは信号処理装置90Bの一部として構成されてもよい。
追尾受信機81Bは、受信アンテナ素子60で受信したパイロット信号Pから上述の第1の情報としてパイロット信号Pの和信号と差信号を得て、これを基にパイロット信号Pの到来方向を算定するための各種演算処理を実行するように構成される。算定したパイロット信号Pの到来方向の情報を信号処理装置90Bの位相制御信号生成部93Bへ出力する。
信号処理装置90Bは、CPUやメモリを有するコンピュータで構成され、その機能ブロックとして、位相補正演算部92と、位相制御信号生成部93Bとを有する。
位相補正演算部92は、第1のビーム制御装置80Aで生成した上記基準時刻信号(トリガー信号)を基に、第1のビーム制御装置80Aの復調器82Aで検波された復調波(第1の復調波)と、第2のビーム制御装置80Bの復調器82Bで検波された復調波(第2の復調波)との間の位相差を算出し、この位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を算出するための各種演算処理を実行するように構成される。位相補正演算部92は、算出した送電マイクロ波の位相補正値の情報を位相制御信号生成部93Bへ出力する。
位相制御信号生成部93Bは、追尾受信機81Bで算出されたパイロット信号Pの到来方向の情報、及び、位相補正演算部92で算出された送電マイクロ波の位相補正値の情報に基づいて、当該第2の送電アンテナパネル40Bに実装されたアンテナ素子(複数の送電アンテナモジュール53)から放射されるマイクロ波の位相を制御する位相制御信号を生成し、生成した位相制御信号に対応する位相差を第1の移相器72へ指示する。
以下、ビーム制御装置80の詳細について、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の動作とともに説明する。
なお以下の説明では、第1の送電アンテナパネル40Aを基準パネル40Aともいい、第2の送電アンテナパネル40Bをパネル40B1、…40Bともいう。
[大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)の動作]
図6は、ビーム制御装置80で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
第1のビーム制御装置80Aおよび第2のビーム制御装置80Bは、第3のビーム制御装置80Cから送信されたパイロット信号Pの受信の有無を検知する。
パイロット信号の受信の有無は、例えば、パイロット信号受信アンテナ60の和信号Σ(A+B)または受信アンテナ素子60Cの出力(受信レベル)が所定以上か否かにより検知する。
ここで、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12は、空間を伝播するパイロット信号Pの波面が平面波に近似されるパイロット信号送信アンテナの遠方界領域に配置される。このため、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の各送電アンテナパネル40(40A、40B1、…40B)のアンテナ形成面が基準平面上に整列しているときは、各送電アンテナパネル40(40A、40B1、…40B)のパイロット信号受信アンテナ60は、パイロット信号Pを同相(等位相面)で受信する(ステップ101)。
また、各送電アンテナパネル40(40A、40B1、…40B)のパイロット信号受信アンテナ60でパイロット信号Pが同相(等位相面)で受信されるためには、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の法線方向が地上の受電装置20に向けられている必要がある。したがって、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12が周回衛星である場合、受電装置20(パイロット信号送信アンテナ65)は、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12が天頂方向に位置する瞬間に(アジマス方向の角度がゼロの位置関係になるタイミングで)、パイロット信号Pを受信するよう天頂方向に向けて送信する。
第1のビーム制御装置80Aおよび第2のビーム制御装置80Bは、パイロット信号Pを受信したとき、パイロット信号Pから変調信号を復調(検波)し、復調波全波整流波形をモニタする(ステップ102)。
図7は、第1の送電アンテナパネル40Aおよび第2の送電アンテナパネル40Bにおいて検波したパイロット信号Pの復調波波形を示している。ここでは、基準パネルである第1の送電アンテナパネル40Aと、複数の第2の送電アンテナパネル40B(40B1、…40B)として任意の2つのパネル(以下それぞれ、パネル40B、パネル40Bともいう)の復調波波形を示している。
第1のビーム制御装置80Aは、基準パネル40Aがパイロット信号Pを受信したとき、その復調波波形の瞬時値がゼロとなる時刻のタイミングを示す基準時刻信号を、ビーム制御統制装置30に送信する(ステップ103)。基準時刻信号は、時刻情報ではなくトリガー信号である。基準時刻信号を受信したビーム制御統制装置30は、パネル40B,40Bを含む全ての第2の送電アンテナパネル40Bへ基準時刻信号を一斉に無線配信する。これにより、第1の送電アンテナパネル40Aからの距離によらず、全ての第2の送電アンテナパネル40Bは基準時刻信号を同時に受信できる。
基準パネル40Aは、パイロット信号Pを受信している間、基準時刻信号(時刻情報ではなくトリガー信号)を連続的に配信する。
第2のビーム制御装置80Bは、基準時刻信号を取得する(ステップ104)。基準時刻信号は、無線送受信部83Bを介して位相補正演算部92で取得される(図4参照)。第2のビーム制御装置80B(信号処理装置90B)は、取得した基準時刻信号に基づき、位相差算出処理を実行する。この位相差算出処理では、基準パネル40A(第1の送電アンテナパネル40A)にてパイロット信号Pから検波された第1の復調波波形と、第2の各送電アンテナパネル40Bにてパイロット信号Pから検波された第2の復調波波形との間の位相差が算出される。
(位相差算出処理)
位相差算出処理に際しては、本実施形態では、第2の送電アンテナパネル40B(各パネル40B,40B,… 40B)において、基準時刻信号を受けてから第2の復調波波形の瞬時値がゼロになる時刻まで第2の復調波波形を積分することで得られる積分値に基づき、送電マイクロ波の1波長分(本例ではλP=5.17cm、周波数5.8GHz)に相当する物理空間(距離)PSにおける第1の復調波波形と第2の復調波波形との間の位相差を算出する。
図7の模式図を参照して説明すると、物理空間(距離)PSの横軸方向の長さは送電マイクロ波の1波長分(本例ではλP=5.17cm)に相当し、図中の二点鎖線で囲んだ時間領域に相当する。また、この物理空間(距離)PSの横軸方向の長さ(=λP)は、復調波波形λmを用いるとλm/kで表される。例えば、復調波波形が100MHzの正弦波である場合、k=58となる。なお、λm/2=150cmに対し、λP=λm/58=5.17cmであることから、図7に示す物理空間(距離)PSの時間的分解能は、それより左側の時間領域よりも高い。
物理空間(距離)PSに示す第2の送電アンテナパネル40B(パネル40B,40B)では、第2の復調波波形の瞬時値がゼロになるタイミングは、基準時刻(基準時刻信号を取得する時刻)と時間差があり、パネル40Bについては基準時刻信号を取得した後に上記瞬時値がゼロになり、パネル40Bについては基準時刻信号を取得する前に上記瞬時値がゼロとなっている。これは、パネル40Bにおける復調波波形は基準パネル40Aの復調波波形に対して遅れ位相(=ωΔt1=2πfmΔtB1)であり、パネル40Bにおいては基準パネル40Aの復調波波形に対して進み位相(=ωΔtB2=2πfmΔtB2)であることを意味する。これら復調波波形の位相差を復調波波形の波長λmを基に物理空間(距離)PSにおける微小距離差ΔLB1、ΔLB2に置き換え、この微小距離差に相当する送電マイクロ波波長の位相差を位相補正値とする。
以下、位相差ΔLB1、ΔLB2の算出方法について説明する。
まず、復調波波形半周期分の時間積分値Sall(時間0~T/2、Tは復調波波形の周期)と、復調波波形が送電マイクロ波1波長分(本例ではλP=5.17cm)の物理空間(距離)PSを通過する0~T/k(瞬時値が0となる時間からT/k後の振幅レベルまで)の時間の積分値S0を予め算出しておく(既知とする)。
基準パネル40Aの復調波波形に対して遅れ位相となるパネル40Bにおける復調波波形の時間積分については、基準時刻信号を受けて積分を開始し(ステップ104)、復調波波形の瞬時値がゼロになれば積分終了とする(ステップ105)。そのときの積分時間をtB1、積分値をSB1とすると、積分値SB1、S0およびSallは、復調波波形の振幅をVm、周波数をfmとすると、それぞれ次の式(1)~(3)で算出される。
Figure 2024022022000002
Figure 2024022022000003
Figure 2024022022000004
ここで、tB1<(T/4)の場合、積分比SB1/S0(S0は既知、SB1は実測)より積分時間tB1を割り出すことで(ステップ106)、基準パネル40Aの復調波波形の位相差2πfmB1が求まる(ステップ107)。次いで、この位相差2πfmB1を復調波波形の波長λmを基に距離差ΔLB1に置き換える(ステップ108)。
また、tB1>(T/4)の場合は、基準パネル40Aの復調波波形に対して進み位相となるパネル40Bにおける復調波波形の積分時間tB2の場合に相当する。積分比SB2/S0=(Sall-Sall')/S0(Sall,S0は既知、Sall'は実測)より積分時間tB2を割り出すことで(ステップ106)、基準パネル40Aの復調波波形との位相差2πfmB2が求まる(ステップ107)。次いで、この位相差2πfmB2を復調波波形の波長λmを基に距離差ΔLB2に置き換える(ステップ108)。
基準パネル40Aの復調波波形に対して進み位相となるパネル40Bにおける復調波波形の時間積分についても、基準時刻信号を受けて開始し、復調波波形の瞬時値がゼロになれば終了とする。先述の通り、tB1>(T/4)の場合に相当し、積分時間tB2を割り出し、基準パネル40Aの復調波波形との位相差2πfmB2を復調波波形の波長λmを基に距離差ΔLB2に置き換える(ステップ108)。
そして、第2のビーム制御装置80Bは、距離差ΔLB1、ΔLB2を送電マイクロ波波長における位相差に変換し(ステップ109)、この値を送電アンテナパネル40の段差等の構造誤差に対する位相補正値とする。そして、第1の移相器72へ当該位相補正値を指示する(ステップ110)。
つまり、パネル40Bについては、基準パネル40Aから放射されるマイクロ波との位相差がΔLB1に相当する位相差となるようにパネル40Bの第1の移相器72を制御し、パネル40Bについては、基準パネル40Aから放射されるマイクロ波との位相差がΔLB2に相当する位相差となるようにパネル40Bの第1の移相器72を制御する。
その他のパネル40Bについても上述と同様にしてパネル40Bの構造誤差(段差=距離差)に相当する位相差をそれぞれ算出し、算出された位相補正値に基づいて各パネル40Bの第1の移相器72をそれぞれ制御する。
以上により、第1の送電アンテナパネル40Aの位置を基準として第2の送電アンテナパネル40Bの構造誤差(段差=距離差)を電気的に補正する。第2の送電アンテナパネル40Bの位置が基準となる第1の送電アンテナパネル40Aとの間で段差が生じた場合でも、送電アンテナパネル40の単位で放射マイクロ波の位相補正を行うことで、大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12から放射されるマイクロ波ビームBの中心を受電装置20に向けて高い精度で指向することが可能となる。
以上のようにして実行される一連のマイクロ波位相補正の処理は、アジマス方向(地球周回の発電衛星においては、その進行方向に相当。以下、AZ方向)およびエレベーション方向(地球周回の発電衛星においては、進行方向と直交する方向に相当。以下、EL方向)の各々について実施される。
AZ方向の位相補正は、無線送電装置10(発電衛星)が移動している(周回している)状況下においては、検知しているパイロット信号Pの到来方向がAZ方向で角度ゼロとなるタイミングに行う。
また、EL方向の位相補正については、パイロット信号Pの到来方向がAZ方向で角度ゼロとなる瞬時におけるEL方向の到来角をθEL(第3のビーム制御装置80Cからのパイロット信号のEL到来角)とすると、隣接する送電アンテナパネル40(中央に実装するパイロット信号受信アンテナ60C)同士の間隔をdとして、パイロット信号の到来角方向においてdsinθELの距離差が生じることに留意する。
以上のように本実施形態によれば、第1のアンテナパネル40Aにおいて検波される復調波と、第2のアンテナパネル40Bにおいて検波される復調波との位相差(第1のアンテナパネル40Aにおいて配信される基準時刻信号をトリガーとして求める)を基に、第2のアンテナパネル40B全てにおいて放射マイクロ波の位相補正制御(位相指令更新)を同時並列的に行うため、送電アンテナパネル群12が大規模であっても高速制御が可能となる。また、従来のREV法による位相制御と比較して、遥かに短時間で大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12から放射されるマイクロ波ビームの位相補正が可能となる。
さらに、送電マイクロ波の位相補正に関する制御は変調信号を重畳したパイロット信号波を用いることから、実効的なマイクロ波無線送電(無線電力伝送)のオペレーションを休止させることなく、位相補正が可能となる。
加えて、無線送電装置(発電衛星)を静止軌道上に配置するなど、無線送電装置と受電装置の相対的位置関係(方向)が変化しない場合においては、各送電アンテナパネル40間の構造誤差(段差=距離差)の常時モニタリング、あるいは変位変化量の即時検知が可能となり、リアルタイムでの位相補正が可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、パイロット信号Pの変調方式として振幅変調を例に挙げたが、これに限られず、送電アンテナパネル40における復調波波形に周期があり、その瞬時値がゼロとなるタイミングをもって、第1の送電アンテナパネル40Aにおける復調波と第2の送電アンテナパネル40Bにおける復調波との位相が求められれば、どのような変調方式も適用できる。
また、以上の実施形態では、長距離無線電力伝送を行う宇宙太陽光発電システムに本発明を適用した例について説明したが、これに限られず、例えば、地上や洋上に設置する大口径送電アンテナとその上空を滞空する飛翔体との間の長距離マイクロ波無線電力伝送システムなどにも本発明は適用可能である。
さらに以上の実施形態では、位相補正の基準となる基準パネル(第1の送電アンテナパネル)40Aで生成された基準時刻信号(トリガー信号)を位相補正の対象となる各パネル(第2の送電アンテナパネル)40Bへビーム統制制御装置30を介して一斉に無線配信するように構成されたが、これに限られず、ビーム統制制御装置30を介さずに基準パネル40Aから隣接する各パネル40Bへ、さらに各パネル40Bからこれらに隣接する他のパネル40Bへと基準時刻信号が順次中継配信されてもよい。この場合、例えば、各パネルに設けられた無線通信モジュールを介して、あるいは、各パネル間に設けられたフレキシブル配線部材などの電気的コンタクトを介して、基準時刻信号が送信することができる。
さらに大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12の平面形状は矩形に限られず、その他の多角形や円形であってもよい。大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)12を形成する複数の送電アンテナパネル(第1の送電アンテナパネル40A、第2の送電アンテナパネル40B)の平面形状も同様に矩形以外の多角形で形成されてもよく、この場合は例えば六角形がこのましく、これにより各送電アンテナモジュール53の間隔を一定にすることができる。
10…無線送電装置(太陽発電衛星)
11…発電部
12…大口径送電アンテナ(送電アンテナパネル群)
20…受電装置(受電設備)
21…受電アンテナ(レクテナアレイ)
30…ビーム制御統制装置
40…送電アンテナパネル
40A…第1の送電アンテナパネル
40B…第2の送電アンテナパネル
51…送電アンテナサブアレイ
52…送受信アンテナサブアレイ
53…送電アンテナモジュール
60,60A,60B,60C…パイロット信号受信アンテナ(受信アンテナ素子)
65…パイロット信号送信アンテナ
71…マイクロ波発振器
72…第1の移相器
73…第1の増幅器
74…第2の移相器
75…第2の増幅器
80…ビーム制御装置
80A…第1のビーム制御装置(送電アンテナパネル40A(基準パネル内))
80B…第2のビーム制御装置(送電アンテナパネル40B内)
80C…第3のビーム制御装置(受電装置20内)
81A,81B…追尾受信機
82A,82B…復調器(検波回路)
83A,83B…無線送受信部
90A,90B…信号処理装置
91…基準信号生成部
92…位相補正演算部
93A,93B…位相制御信号生成部
100…マイクロ波無線電力伝送システム

Claims (12)

  1. 受電装置から変調波として送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含み、前記複数の送電アンテナパネルが、第1の信号処理装置を有しパネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、第2の信号処理装置を有し位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成された、平面構造の送電アンテナパネル群を具備し、
    前記第2の信号処理装置は、
    前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を計算する位相補正演算部と、
    前記位相補正値に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を制御する位相制御信号生成部と
    を含む
    無線送電装置。
  2. 請求項1に記載の無線送電装置であって、
    前記第1の信号処理装置は、前記第1の復調波波形の瞬時値がゼロとなる時刻のタイミングを示す基準時刻信号を生成する基準信号生成部を有し、
    前記位相補正演算部は、前記第2の復調波の半周期の時間積分の値と前記基準時刻信号を受信するタイミングから前記第2の復調波波形の瞬時値がゼロになる時刻までの前記第2の復調波波形の時間積分の値との比から前記第2の復調波波形の積分時間を割り出し、前記第1の復調波と前記第2の復調波との間の位相差を前記積分時間より算出する
    無線送電装置。
  3. 請求項1に記載の無線送電装置であって、
    前記第2の信号処理装置は、
    前記複数の送電アンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を前記第2の送電アンテナパネル単位で一括的に調整する第1の移相器と、
    前記複数の送電アンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を個別に調整する第2の移相器と、をさらに有し、
    前記位相制御信号生成部は、前記位相補正値に基づき前記第1の移相器を制御する
    無線送電装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の無線送電装置であって、
    前記第2の送電アンテナパネルは、位相補正を行う対象となる複数の送電アンテナパネルである
    無線送電装置。
  5. 請求項4に記載の無線送電装置であって、
    前記第1の送電アンテナパネルから前記基準時刻信号を受信し、前記複数の第2の送電アンテナパネルへ前記基準時刻信号を一斉に無線配信するビーム制御統制装置をさらに具備する
    無線送電装置。
  6. 請求項4に記載の無線送電装置であって、
    前記第1の送電アンテナパネルは、前記送電アンテナパネル群の中央部に位置する送電アンテナパネルである
    無線送電装置。
  7. 請求項1に記載の無線送電装置であって、
    前記送電アンテナパネル群は、前記複数の送電アンテナパネルにそれぞれ配置された太陽光発電モジュールをさらに有する
    無線送電装置。
  8. レクテナアレイと、変調波として送信されるパイロット信号を送信するパイロット信号送信アンテナとを有する受電装置と、
    前記パイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、前記レテクナアレイへマイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含み、前記複数の送電アンテナパネルが、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成された、平面構造の送電アンテナパネル群、を有する無線送電装置とを具備し、
    前記第2の送電アンテナパネルは、
    前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を計算する位相補正演算部と、
    前記位相補正値に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を制御する位相制御信号生成部と、を有する信号処理装置
    を含む
    無線電力伝送システム。
  9. 請求項8に記載の無線電力伝送システムであって、
    前記受電装置は地上に設置され、
    前記無線送電装置は、発電部を備えた、宇宙空間にある太陽発電衛星である
    無線電力伝送システム。
  10. 請求項9に記載の無線電力伝送システムであって、
    前記受電装置は、前記無線送電装置がアジマス方向の角度がゼロの位置関係になるタイミングで前記パイロット信号を送信する
    無線電力伝送システム。
  11. 受電装置から変調波として送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含み、前記複数の送電アンテナパネルが、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成された、平面構造の送電アンテナパネル群の構造誤差に対する放射マイクロ波の位相補正を行う制御装置であって、
    前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、その位相差に基づき送電マイクロ波の位相補正値を算出する位相補正演算部と、
    前記位相補正値に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相を制御する位相制御信号生成部と
    を具備する制御装置。
  12. 受電装置から変調波として送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナモジュールと、前記パイロット信号受信アンテナで受信した前記パイロット信号を検波する復調器とをそれぞれ有する複数の送電アンテナパネルを含み、前記複数の送電アンテナパネルが、パネル位置や位相補正の基準となる第1の送電アンテナパネルと、位相補正を行う対象となる第2の送電アンテナパネルとにより構成された、平面構造の送電アンテナパネル群の構造誤差に対する放射マイクロ波の位相補正を行う制御方法であって、
    前記第1の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第1の復調波と、前記第2の送電アンテナパネルで検波された前記パイロット信号の復調波である第2の復調波との間の位相差を算出し、
    前記位相差に基づいて、当該第2の送電アンテナパネルにおける前記複数のアンテナモジュールから放射されるマイクロ波の位相補正値を算出する
    制御方法。
JP2022125299A 2022-08-05 2022-08-05 無線送電装置、無線電力伝送システム、制御装置および制御方法 Pending JP2024022022A (ja)

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