JP2024020138A - 光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイス - Google Patents

光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、近赤外光を適正にカットすることができる上、レンズの形状による光学特性の差が撮像画像に影響しにくい光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイスを提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、近赤外光吸収成分を含むガラスであって、波長700nmの光に対する吸収係数α700が2.0mm-1以下である光学ガラスに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルスチルカメラやカラービデオカメラ等の固体撮像素子の色補正フィルタ等に使用される、近赤外光の吸収性に優れた光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイスに関する。
デジタルスチルカメラ等に使用されるCCDやCMOSなどの固体撮像素子は、可視領域から1200nm付近の近赤外域にわたる分光感度を有している。したがって、固体撮像素子はそのままでは良好な色再現性を得ることができないので、赤外線を吸収する特定の物質が添加された近赤外線カットフィルタガラスを用いて固体撮像素子の視感度を補正している。この近赤外線カットフィルタガラスとしては、近赤外域の波長の光を選択的に吸収するように、フツリン酸ガラスにCu(銅)を添加したフィルタガラスが開発され、使用されている。
固体撮像素子を用いた撮像デバイスは、薄型化が進展している。撮像デバイスを薄型化する手段として、例えば、撮像光学系を構成する複数のレンズのうちの1枚をCu2+を含むフツリン酸ガラスからなる近赤外線吸収ガラスで形成し、レンズに色補正機能を付加することで、レンズ系とは別に色補正フィルタを用いる必要のない方法が提案されている(特許文献1)。
特許文献1で提案されているレンズは、中心軸部分における厚みをt[mm]、ガラス中のCu2+の含有量をMCu[カチオニック%]としたときに、MCu×tが0.9カチオニック%・mm~1.6カチオニック%・mmの範囲にあるメニスカス形状を有するレンズとしている。これにより、Cu2+の含有量を小さくしてレンズの厚みを所定の厚み以上としているので、中心軸に沿ったレンズ内光路長と光軸から離れた部分におけるレンズ内光路長に差があるレンズであっても、各光路を通過する光線の光透過量差を小さくすることができ、色補正ムラの少ないレンズを提供することができる。
特開2007-101585号公報
近年、近赤外光を照射・受光する顔認識装置と撮像デバイスとを近接して配置したモバイル機器が多く用いられている。この場合、顔認識装置から照射される近赤外光が撮像デバイスの撮像画像に悪影響を及ぼさないよう、撮像デバイスに用いられる色補正フィルタには、より高い近赤外光のカット特性が求められる。
しかしながら、前述の特許文献1に記載のレンズは、ガラス中のCu2+の含有量に制限があり、色補正フィルタとして十分な効果が得られないおそれがある。また、ガラス中のCu2+は、近赤外から可視赤色の波長域に吸収特性を持つため、仮に特許文献1に記載された含有量を超えてガラス中にCu2+を含有すると、レンズの厚みによる赤色の透過率が大きく相違し、色補正ムラ等、撮像画像に影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、近赤外光を適正にカットすることができる上、レンズの形状による光学特性の差が撮像画像に影響しにくい光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイスを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の光学特性を備えることで、従来のレンズと比較して、特にレンズの形状による光学特性の差が撮像画像に影響しにくい光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイスが得られることを見出した。
本発明は以下のとおりである。
[1]
近赤外光吸収成分を含むガラスであって、波長700nmの光における吸収係数α700が2.0mm-1以下である光学ガラス。
[2]
近赤外光吸収成分を含むガラスであって、
ガラスの厚さが0.20mm~1.00mmの範囲において、任意の厚みt、t(ただし、|t-t|=0.05mm)における波長600nmの光の透過率をそれぞれT、Tとしたときに、|(T―T)/(t―t)|の最小値が30%/mm以下である光学ガラス。
[3]
ガラスの厚さが0.2mmでの波長700nmの光の透過率をT700とし、ガラスの厚さが0.2mmでの波長1000nmの光の透過率をT1000とした場合、T700/T1000が1.0超である前記[1]または[2]に記載の光学ガラス。
[4]
ガラスの厚さが0.2mmでの波長400nmの光の透過率をT400とし、ガラスの厚さが0.2mmでの波長1000nmの光の透過率をT1000とした場合、T400/T1000が1.0超である前記[1]~[3]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[5]
ガラスの厚さが2.0mmでの波長範囲500nm~950nmの光の透過率が50%となる波長IR50が600nm~900nmの範囲内にある前記[1]~[4]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[6]
ガラスは、屈伏点が650℃以下である前記[1]~[5]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[7]
ガラスは、フッ素を実質的に含有しない前記[1]~[6]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[8]
ガラスは、アンチモンを実質的に含有しない前記[1]~[7]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[9]
ガラスは、銅を実質的に含有しない前記[1]~[8]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[10]
ガラスは、近赤外光吸収成分として、銅、鉄およびイッテルビウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する前記[1]~[9]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[11]
ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
25%~75%、
Al 2.5%~22%、
ΣRO 0%~20%(ただし、ROは、LiO、NaO、及びKOから選ばれる1つ以上の成分、ΣROはROの合量を表す)、
ΣR'O 0.1%~35%(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分、ΣR'OはR'Oの合量を表す)、
Fe 0.1%~35%
を含有する前記[1]~[10]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[12]
ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
25%~75%、
Al 0.1%~22%、
ΣRO 0.5%~20%(ただし、ROは、LiO、NaO、及びKOから選ばれる1つ以上の成分、ΣROはROの合量を表す)、
ΣR'O 0%~35%(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分、ΣR'OはR'Oの合量を表す)、
CuO 0.1%~15%
を含有する前記[1]~[10]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[13]
ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
SiO 0.1%~50%、
15%~40%、
0%~15%、
Yb 10%~60%
を含有する前記[1]~[10]のいずれか1に記載の光学ガラス。
[14]
前記[1]~[13]のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
[15]
前記[1]~[13]のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるプレス成形用ガラスプリフォーム。
[16]
前記[1]~[13]のいずれか1項に記載の光学ガラスを有する、光学デバイス。
[17]
前記[1]~[13]のいずれか1項に記載の光学ガラスおよび該光学ガラスと異なる光吸収特性の光学フィルタを有する、光学デバイス。
本発明によれば、近赤外光を適正にカットすることができる上、レンズの形状による光学特性の差が撮像画像に影響しにくい光学ガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイスを提供できる。
レンズの形状、光の入射位置・入射角度によりレンズ内を透過する光の光路長が相違することを説明するためのレンズの断面図である。 例4のガラスの厚さ別の外部透過率を示す図である。 例8のガラスの厚さ別の外部透過率を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
また、本願明細書において、範囲を示す「A~B」は、「A以上B以下」を意味する。
また、本願明細書において、透過率は外部透過率を意味する。
本発明の実施形態の光学ガラス(以下、単に「ガラス」ともいう。)は、近赤外光吸収成分を含むガラスであって、波長700nmの光における吸収係数α700が2.0mm-1以下である。本実施形態のガラスがこのような光学特性を備えることで、レンズ形状による透過光の光路長の相違があったとしても、光路長に起因する波長700nmの光の光学特性の差が非常に小さい。そのため、近赤外光吸収特性を備えつつ、撮像画像に影響しにくいレンズとして好適な光学ガラスを得ることができる。
光学素子(レンズ)は、典型的には、撮像素子の受光面に被写体像を結像し、かつその画像の歪み、収差を抑制するためのものであり、例えば、撮像デバイスの撮像光学系に複数枚用いられる。レンズは、要求される光学特性により、球面、非球面、凸状、凹状、メニスカス状、平面状、これら形状の組み合わせが適宜採用される。このように、レンズが特定の形状を備える場合、レンズ内を透過する光の光路長は、レンズへの光の入射位置、入射角度によって変わる。
平凸レンズ1(一方が凸面、他方が平面のレンズ)を透過した光が撮像素子3に到達する状況を図1に示す。ここで、平凸レンズ1の光軸を透過する光の光路長2aと平凸レンズの光軸から離間した位置から光軸に対して角度がついた状態で平凸レンズ内を透過した光の光路長2bとを比較すると、前者の平凸レンズの光軸を透過する光の光路長2aが、後者の光路長2bよりも長いことがわかる。そして、ガラスに特定波長の光を吸収する成分が含まれる場合、そのガラスを透過する特定波長の光は、光路長が長くなるほど透過率は低くなる。
本実施形態のガラスは、近赤外光吸収成分を含有し、波長700nmの光に対する吸収係数α700が2.0mm-1以下である。可視領域で用いるカメラでは、ヒトの視感度に合わせ、波長600nm~700nmの間にカット端(透過帯と阻止帯との境界)を有する光学特性の吸収フィルタを用いることが多い。吸収係数とは、光がある媒質に入射したとき、その媒質がどれくらいの光を吸収するのかを示す定数であり、長さの逆数の次元を持つ。したがって、吸収係数はガラスの厚さには無関係であるが、吸収された光の波長及びガラスの化学的性質に依存する。
波長700nmの光に対する吸収係数α700は、入射角0°でガラスに光を入射した際の光学特性を分光光度計(日本分光社製、型番:V-570)により測定し、得られた透過率から下記の式(1)を用いて求めることができる。
吸収係数α700(mm-1)=(-log10(T700/100)-A700)/t・・・(1)
ただし、T700は波長700nmの光の外部透過率(%)であり、tはガラスの厚さ(mm)である。A700は、ガラスの表面反射を考慮した補正項であり、波長700nmの光のガラスの片面反射率(%)をR700とすると、下記の式(2)を用いて求めることができる。
700=-log10((1-R700/100))・・・(2)。
本実施形態のガラスは、上記光学特性を備えることで、波長700nmの光をほぼ吸収することがない。そのため、入射位置、入射角度によりレンズを透過する光の光路長が相違した場合であっても、波長700nmの光の透過に及ぼす影響が小さく、結果として撮像画像への悪影響を抑制することができる。例えば、レンズを透過する光の光路長が1.0mm、2.0mmと差があったとしても、その差を認識しがたい撮像画像を得ることができる。
本実施形態のガラスの波長700nmの光に対する吸収係数α700は、2.0mm-1以下が好ましく、1.5mm-1以下がより好ましく、1.0mm-1以下がさらに好ましく、0.5mm-1以下がさらに一層好ましく、0.25mm-1以下が特に好ましく、0.1mm-1以下が最も好ましい。ガラスの波長700nmの光に対する吸収係数α700が2.0mm-1を超えると、撮像画像の一部に色再現性が悪い色補正ムラが発生することが懸念される。
本発明の別の実施形態の光学ガラス(以下、単に「ガラス」ともいう。)は、近赤外光吸収成分を含むガラスであって、ガラスの厚さが0.20mm~1.00mmの範囲において、任意の厚さt、t(ただし、|t-t|=0.05mm)における波長600nmの透過率をそれぞれT、Tとしたときに、|(T―T)/(t―t)|の最小値が30%/mm以下である。以下、(T-T)をΔTと記載することがある。また、(t―t)をΔtと記載することがある。さらに、|(T―T)/(t―t)|を|ΔT/Δt|と記載することがある。
本実施形態のガラスは、|(T―T)/(t―t)|の最小値が一定以下であり、厚さの相違に起因する光学特性の変化が小さいガラスの厚さの範囲が存在する。そのため、レンズ形状による透過光の光路長の相違があったとしても、光学特性の変化が小さいガラスの厚さの範囲を用いることで、光路長に起因する波長600nmの光の光学特性の差が非常に小さく、近赤外光吸収特性を備えつつ、撮像画像に影響しにくいレンズとして好適な光学ガラスを得ることができる。|(T―T)/(t―t)|の最小値は25%/mm以下がより好ましく、20%/mm以下がさらに好ましく、15%/mm以下がさらに一層好ましく、10%/mm以下が最も好ましい。なお、透過率T、透過率Tは、ガラス表面の反射を含む外部透過率である。
ガラスの厚さが0.20mm~1.00mmの範囲内で、|(T2―T1)/(t2―t1)|は、一定とならないことがある。具体的には、ガラスの波長600nmの光に対する吸収係数が一定以上であると、ガラスの厚さt,tが薄いほど、|(T―T)/(t―t)|が大きくなる傾向がある。そのため、|(T―T)/(t―t)|の最小値が30%/mm以下であれば、ガラスの厚さが1.00mm超の範囲においても、光路長に起因する波長600nmの光の光学特性の差が非常に小さい光学ガラスを得ることができる。
光学素子(レンズ)は、前述のとおり、レンズが特定の形状を備える場合、レンズ内を透過する光の光路長は、レンズへの光の入射位置、入射角度によって変わる。本実施形態のガラスは、上記光学特性を備えることで、ガラスの厚さの変化に伴う波長600nmの光の透過率の変化率が小さい。そのため、入射位置、入射角度によりレンズを透過する光の光路長が相違した場合であっても、波長600nmの光の透過に及ぼす影響が小さく、結果として撮像画像への悪影響を抑制することができる。例えば、レンズを透過する光の光路長に差があったとしても、その差を認識しがたい撮像画像を得ることができる。
本実施形態のガラスもしくは別の実施形態のガラスは、近赤外光吸収成分を含有する。近赤外光吸収成分とは、ガラスに含有されることで、ガラスを透過する波長750nm~1200nmの光を吸収する。具体的には、ガラスを透過する波長750nm~1200nmの光のうち、波長940nmの光の透過率がガラス厚み2.0mmで50%以下となるよう含有する。近赤外光吸収成分としては、銅、鉄、イッテルビウムから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。ここで、近赤外光吸収成分として銅を用いる場合、銅の含有量が多いと波長700nmの光に対する吸収係数が2.0mm-1を超えるおそれがあり、銅の含有量は光学特性への配慮が必要である。他方、鉄、イッテルビウムは、波長700nmの光に対する吸収係数への影響が少なく、所望の赤外光吸収特性に応じて、含有量を適宜調整することができる。
本実施形態のガラスは、ガラスの厚さが0.2mmでの波長700nmの光の透過率をT700[%]とし、ガラスの厚さが0.2mmでの波長1000nmの光の透過率をT1000[%]とした場合、T700/T1000が1.0超であることが好ましい。本実施形態のガラスは、前記T700/T1000は1.5以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましく、3.0以上がさらに一層好ましく、5.0以上が最も好ましい。なお、透過率T700、透過率T1000は、ガラス表面の反射を含む外部透過率である。本実施形態のガラスは、このような光学特性を備えることで、色補正ムラの発生が抑制され、かつ近赤外光の影響を抑制された撮像画像を得ることができる。
本実施形態のガラスは、ガラスの厚さが0.2mmでの波長400nmの光の透過率をT400[%]とし、ガラスの厚さが0.2mmでの波長1000nmの光の透過率をT1000[%]とした場合、T400/T1000が1.0超であることが好ましい。本実施形態のガラスは、前記T400/T1000は1.5以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましく、3.0以上がさらに一層好ましく、5.0以上が最も好ましい。なお、透過率T400は、ガラス表面の反射を含む外部透過率である。本実施形態のガラスは、このような光学特性を備えることで、色補正ムラの発生が抑制され、かつ近赤外光の影響を抑制された撮像画像を得ることができる。
本実施形態のガラスは、ガラスの厚さが2.0mmでの波長範囲500nm~950nmの光の透過率が50%を示す波長IR50が600nm~900nmの範囲内にあることが好ましい。本実施形態のガラスがこのような光学特性であることで、撮像素子において色再現性がより良い画像を得ることができる。
前記透過率が50%を示す波長IR50は、より好ましくは605nm以上、さらに好ましくは610nm以上、さらに一層好ましくは615nm以上、最も好ましくは620nm以上である。また、前記透過率50%を示す波長IR50は、近赤外線遮蔽の観点で、890nm以下がより好ましく、880nm以下がさらに好ましい。なお、上記透過率は、ガラス表面の反射を含む外部透過率である。
本実施形態のガラスは、屈伏点が650℃以下であることが好ましい。本実施形態のガラスは、このような熱特性を備えることで、ガラスをプレス成形する際に必要な温度を低くすることが可能である。そのため、プレス成形に用いられる金型の劣化を抑制することができる。本実施形態のガラスは、屈伏点が625℃以下であることがより好ましく、600℃以下であることがさらに好ましく、575℃以下であることが最も好ましい。
本実施形態のガラスは、ガラス中にフッ素を実質的に含有しないことが好ましい。フッ素を含有するガラスをプレス成形すると、成形中にフッ素が揮発することでガラス表面に脈理が発生し、光学的均質性が著しく悪化するおそれがある。本実施形態のガラスは、フッ素を実質的に含有しないことで、脈理発生を抑制し、優れた光学的均質性を有する高品質な光学ガラスを得ることができる。
なお、本発明において、ガラス中に特定成分を実質的に含有しないとは、意図して添加しないという意味であり、原料や製造工程等から不可避的に混入する場合を考慮し、ガラス中の特定成分の濃度が0.01モル%以下であることをいう。
本実施形態のガラスは、ガラス中にアンチモンを実質的に含有しないことが好ましい。アンチモンは、ガラス原料の溶融工程で脱泡剤として用いられる成分であるものの、環境負荷物質であり、廃ガラスのリサイクル等を考慮し、ガラス中に実質的に含有しない。
本実施形態のガラスは、ガラス中に銅を実質的に含有しないことが好ましい。銅は、ガラス中でCu(1価)、Cu2+(2価)の状態で存在する。Cuは、近紫外から可視領域(波長300nm~600nm付近)に吸収特性を備えるため、近赤外領域に吸収特性を備えるCu2+がCuよりも多い状態でガラス中に存在するよう、ガラス原料を溶融する際、ガラスの酸化還元状態が調整される。しかしながら、Cu2+の近赤外光の吸収領域は、可視の赤色波長域に及ぶため、Cu2+をガラス中に過剰に含有すべきではない。銅は、ガラス中に酸化物(CuO)換算で1.5モル%以下含有することが好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
本実施形態のガラスは、近赤外線吸収成分として、銅、鉄およびイッテルビウムからなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
銅は、前述のとおりガラス中にCu2+の状態で存在することにより近赤外光の吸収特性を備える。但し、Cu2+の近赤外光の吸収領域は、可視の赤色波長域に及ぶため、波長600nm~700nmの光の透過率への影響を少なくするべくガラス中の含有量に配慮することが好ましい。
鉄は、ガラス中でFe2+(2価)とFe3+(3価)の状態で存在し得る。Fe2+は近赤外線を吸収するが、Fe3+は可視領域の光を吸収する。そのため、近赤外領域に吸収特性を備えるFe2+がFe3+よりも多い状態でガラス中に存在するよう、ガラス原料を溶融する際、ガラスの酸化還元状態を調整する。このようにすることで、ガラスに鉄を含有し、近赤外吸収特性を得ることができる。
イッテルビウムは、ガラス中に含有することで、波長900nm~1000nm付近の光、特に波長940nmの光を効率良く吸収する。さらに吸収帯から透過帯に遷移する際の光学特性の変化が急峻であるため、最大吸収波長領域以外の領域の透過性を高く保持でき、可視光領域や、可視光から800nm程度の近赤外光領域にかけての透過性に優れる。そのため、光学ガラスの厚さの相違による、波長600nm~700nmの光の透過率の変動が少ない光学特性を得ることができる。
次に、本発明のガラスには3つの好ましい態様があり、まず第1の態様のガラス(以下、ガラスAと称する。)について説明する。
<第1の態様のガラス>
本発明の実施形態のガラスAは、酸化物基準のモル%表示で
25%~75%、
Al 2.5%~22%、
ΣRO 0%~20%(ただし、ROは、LiO、NaO、及びKOから選ばれる1つ以上の成分、ΣROはROの合量を表す)、
ΣR'O 0.1%~35%(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分、ΣR'OはR'Oの合量を表す)、
Fe 0.1%~35%
を含有することが好ましい。上記各成分の含有量を上記のように限定した理由を以下に説明する。
は、ガラスを形成する主成分であり、近赤外領域のカット性を高めるための成分である。しかし、Pの含有量が25%未満では、近赤外領域の光をカットする効果が十分得られず、またガラス中の鉄成分におけるFe3+の割合が増加することで可視領域の光の透過率が低下するため好ましくない。Pの含有量が75%を超えるとガラスが不安定になる、耐候性が低下する等の問題が生じるため好ましくない。Pの含有量は、より好ましくは30%~73%であり、さらに好ましくは32%~70%であり、さらに一層好ましくは33%~65%である。
Alは、ガラスを形成する主成分であり、ガラスの耐候性を高める、ガラスの強度を高める、などのための必須成分である。しかし、Alの含有量が2.5%未満ではその効果が十分得られず、Alの含有量が22%を超えるとガラスが不安定になる、赤外線カット性が低下する等の問題が生じるため好ましくない。Alの含有量は、より好ましくは3.0%~20%であり、さらに好ましくは3.5%~18%である。
R'O(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分)は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための必須成分である。R'Oの合計量(ΣR'O)が0.1%未満ではその効果が十分得られず、ΣR'Oが35%を超えるとガラスが不安定になる、赤外線カット性が低下する、ガラスの強度が低下する等の問題が生じるため好ましくない。ΣR'Oは、より好ましくは1.0%~33%であり、さらに好ましくは1.5%~32%である。ΣR'Oは、さらに一層好ましくは2.0%~30%であり、もっとも好ましくは2.5%~29%である。
MgOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。MgOを含有する場合、その含有量としては0.5%~15%が好ましい。MgOの含有量が0.5%未満ではその効果が十分得られず、MgOの含有量が15%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。MgOの含有量は、より好ましくは1.0%~13%であり、さらに好ましくは1.5%~10%である。
CaOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。CaOを含有する場合、その含有量としては0.1%~10%が好ましい。CaOの含有量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、CaOの含有量が10%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。CaOの含有量は、より好ましくは0.3%~8%であり、さらに好ましくは0.5%~6%である。
SrOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。SrOを含有する場合、その含有量としては0.1%~10%が好ましい。SrOの含有量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、SrOの含有量が10%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。SrOの含有量は、より好ましくは0.3%~8%であり、さらに好ましくは0.5%~8%である。
BaOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。BaOを含有する場合、その含有量としては0.1%~10%が好ましい。BaOの含有量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、BaOの含有量が10%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。BaOの含有量は、より好ましくは0.5%~8%であり、さらに好ましくは1.0%~6%である。
ZnOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などの効果がある。ZnOを含有する場合、その含有量は0.5%~20%が好ましい。ZnOの含有量が0.5%未満ではその効果が十分得られず、ZnOの含有量が20%を超えるとガラスの溶解性が悪化するため好ましくない。ZnOの含有量は、より好ましくは1.0%~18%であり、さらに好ましくは1.5%~17%である。
Feは、近赤外線カットのための成分である。Feの含有量は0.1%以上35%以下が好ましい。Feの含有量が35%未満であるとガラスの肉厚を薄くした際にその効果が十分に得られず、Feの含有量が35%以上であると可視領域の光の透過率が低下するため好ましくない。Feの含有量は、好ましくは0.5%~35%、より好ましくは1.0%~35%、さらに好ましくは2.0%~35%である。
Oは、必須成分ではないものの、ガラスの熱膨張係数を上げる、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。ROの合計量(ΣRO)が20%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。ΣROは、より好ましくは0.5%~18%であり、さらに好ましくは1.0%~16%であり、さらに一層好ましくは1.5%~15%である。
LiOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。LiOを含有する場合、その含有量は0%~10%が好ましい。LiOの含有量が10%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。LiOの含有量は、より好ましくは0.5%~8%であり、さらに好ましくは1.0%~7%である。
NaOは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。NaOを含有する場合、その含有量は0%~20%が好ましい。NaOの含有量が20%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。NaOの含有量は、より好ましくは0.7%~18%であり、さらに好ましくは1.0%~16%である。
Oは、必須成分ではないものの、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などの効果がある成分である。KOの含有量としては、0%~15%が好ましい。KOの含有量が15%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。KOの含有量は、より好ましくは0.5%~13%であり、さらに好ましくは0.7%~10%である。
は、必須成分ではないものの、ガラスを安定化させるために10%以下の範囲で含有してもよい。Bの含有量が10%を超えると耐候性が悪化したり、溶融温度が高くなりすぎるおそれがあり好ましくない。Bの含有量は、好ましくは0%~9.0%であり、より好ましくは0%~8.5%であり、さらに好ましくは0%~8.0%であり、もっとも好ましくは0%~7.5%である。
次に、第2の態様のガラス(以下、ガラスBと称する。)について説明する。
<第2の態様のガラス>
本発明の実施形態のガラスBは、酸化物基準のモル%表示で
25%~75%、
Al 0.1%~22%、
ΣRO 0.5%~20%(ただし、ROは、LiO、NaO、及びKOから選ばれる1つ以上の成分、ΣROはROの合量を表す)、
ΣR'O 0%~35%(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分、ΣR'OはR'Oの合量を表す)、
CuO 0.1%~15%
を含有することが好ましい。
は、ガラスを形成する主成分であり、近赤外線カット性を高めるための成分である。Pの含有量が25%以上であれば、その効果が十分得られ、Pの含有量が75%以下であれば、ガラスが不安定になる、耐候性が低下する等の問題が生じにくい。そのため、Pの含有量は、好ましくは30%~73%であり、より好ましくは35%~70%であり、さらに好ましくは40%~70%であり、さらに一層好ましくは45%~70%であり、最も好ましくは50%~70%である。
Alは、ガラスを形成する主成分であり、ガラスの強度を高める、ガラスの耐候性を高めるなどのための成分である。Alの含有量が0.1%以上であれば、その効果が十分得られ、Alの含有量が22%以下であれば、ガラスが不安定になる、近赤外線カット性が低下する等の問題が生じにくい。そのため、Alの含有量は、好ましくは0.25%~20%であり、より好ましくは0.50%~20%であり、さらに好ましくは0.75%~20%であり、さらに一層好ましくは1.00%~20%であり、最も好ましくは1.25%~20%である。Alの含有量が1.40%以上であれば、ガラスの耐候性を高めることができる。
O(ただし、ROは、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1つ以上の成分)は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。ROの合計量(ΣRO)が0.5%以上であれば、その効果が十分得られ、ΣROが20%以下であれば、ガラスが不安定になりにくいため好ましい。そのため、ΣROは、好ましくは0.5%~20%であり、より好ましくは1.0%~20%であり、さらに好ましくは2.0%~20%であり、さらに一層好ましくは3.0%~20%であり、最も好ましくは4.0%~20%である。
LiOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。LiOの含有量は0%~15%が好ましい。LiOの含有量が15%以下であれば、ガラスが不安定になる、近赤外性カット性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。LiOの含有量は、より好ましくは0%~8%であり、さらに好ましくは0%~7%であり、さらに一層好ましくは0%~6%である。
NaOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。NaOの含有量は0%~15%が好ましい。Na2Oの含有量が15%以下であれば、ガラスが不安定になりにくいため好ましい。NaOの含有量は、より好ましくは0.5%~14%であり、さらに好ましくは1.0%~13%であり、さらに一層好ましくは2.0%~13%である。
Oは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などの効果がある成分である。KOの含有量としては、0%~15%が好ましい。KOの含有量が15%以下であれば、ガラスが不安定になりにくいため好ましい。KOの含有量は、より好ましくは0.5%~14%であり、さらに好ましくは1.0%~13%であり、さらに一層好ましくは2.0%~13%である。
また、上記ROで示すアルカリ金属成分は、各成分を二種類以上同時に添加することでガラス中において混合アルカリ効果が生じ、Rイオンの移動度が減少する。それによりガラスが水と接触した際に、水分子中のHイオンとガラス中のRイオンのイオン交換によって生じる水和反応を阻害し、ガラスの耐候性が向上する。そのため、本実施形態のガラスは、LiO、NaOおよびKOから選ばれる2つ以上の成分を含むのが好ましい。この場合、RO(ただし、ROは、LiO、NaOおよびKO)の合計量(ΣRO)としては、7%~18%(ただし7%を含まない)が好ましい。ROの合計量が7%超であれば、その効果が十分得られ、18%以下であればガラスが不安定になる、近赤外線カット性が低下する、ガラスの強度が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。そのため、ΣROは好ましくは7.0%を超え18%以下であり、より好ましくは7.5%~17%であり、さらに好ましくは8.0%~16%であり、さらに一層好ましくは8.5%~15%であり、最も好ましくは9.0%~14%である。
R'O(ただし、R'OはCaO、MgO、BaO、SrO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分)は、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。R'Oの合計量(ΣR'O)は0%~35%が好ましい。R'Oの合計量が35%以下であれば、ガラスが不安定になる、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する、ガラスの強度が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。ΣR'Oは、より好ましくは0.5%~30%であり、さらに好ましくは1.0%~35%である。さらに一層好ましくは1.5%~30%であり、さらに一層好ましくは2.0%~30%である。
CaOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。CaOの含有量としては0%~10%が好ましい。CaOの含有量が10%以下であれば、ガラスが不安定となる、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。CaOの含有量は、より好ましくは0%~8%であり、さらに好ましくは0%~6%であり、さらに一層好ましくは0%~5%である。最も好ましくはCaOを実質的に含有しない。
MgOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させる、ガラスの強度を高めるなどのための成分である。MgOの含有量としては0%~15%が好ましい。MgOの含有量が15%以下であれば、ガラスが不安定になる、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。MgOの含有量は、より好ましくは0%~13%であり、さらに好ましくは0%~10%であり、さらに一層好ましくは0%~9%である。最も好ましくはMgOを実質的に含有しない。
BaOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。BaOの含有量としては0.1%~10%が好ましい。BaOの含有量が10%以下であれば、ガラスが不安定となる、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。BaOの含有量は、より好ましくは0%~8%であり、さらに好ましくは0%~6%であり、さらに一層好ましくは0%~5%である。
SrOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、ガラスを安定化させるなどのための成分である。SrOの含有量としては0%~10%が好ましい。SrOの含有量が10%以下であれば、ガラスが不安定となる、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。SrOの含有量は、より好ましくは0%~8%であり、さらに好ましくは0%~7%である。最も好ましくはSrOを実質的に含有しない。
ZnOは、ガラスの溶融温度を低くする、ガラスの液相温度を低くする、などの効果がある。ZnOの含有量は0%~15%が好ましい。ZnOの含有量が15%以下であれば、ガラスの溶解性が悪化する、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。ZnOの含有量は、より好ましくは0%~13%であり、さらに好ましくは0%~10%であり、さらに一層好ましくは0%~9%である。最も好ましくはZnOを実質的に含有しない。
CuOは、近赤外線カットのための成分である。CuOの含有量が0.1%以上であれば、その効果が十分に得られ、また15%以下であれば、可視光域の透過率が低下する、短波長赤外域の透過率が低下するなどの問題が生じにくいため好ましい。CuOの含有量は、より好ましくは0.1%~10%であり、さらに好ましくは0.1%~5.0%であり、さらに一層好ましくは0.1%~2.5%であり、特に好ましくは0.1%~1.5%、最も好ましくは0.1%~1.0%である。
は、ガラスを安定化させるために10%以下の範囲で含有してもよい。Bの含有量が10%以下であれば、ガラスの耐候性が悪化する、近赤外線カット性が低下する、短波長赤外線の透過性が低下する等の問題が生じにくいため好ましい。Bの含有量は、好ましくは9%以下であり、より好ましくは8%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、さらに一層好ましくは6%以下であり、最も好ましくはBを実質的に含有しない。
次に、第3の態様のガラス(以下、ガラスCと称する。)について説明する。
<第3の態様のガラス>
本発明の実施形態のガラスCは、酸化物基準のモル%表示で
SiO 0.1%~50%、
15%~40%、
0%~15%、
Yb 10%~60%
を含有することが好ましい。
Ybは、波長900nm~1000nm付近の光、特に波長940nmの光を効率良く吸収し、透過率を低くするための成分である。本実施形態のガラスにおいてYbの含有量が10%以上であればその効果が十分に得られ、Ybの含有量が60%以下であれば、ガラスの失透性が悪化する、溶融性が悪化する、蛍光による迷光が発生する等の問題が生じにくい。
そのため、Ybの含有量は好ましくは10%~60%であり、より好ましくは15%~60%であり、さらに好ましくは20%~60%であり、さらに一層好ましくは25%~60%であり、さらにより一層好ましくは30%~60%であり、特に好ましくは40%を超え60%以下であり、最も好ましくは45%~60%である。
SiOは、ガラスを形成する主成分であり、ガラスの耐失透性及び液相温度に対する粘性を高くするための成分である。本実施形態のガラスにおいてSiOの含有量が0.1%以上であれば、ガラスが不安定になる、耐候性が低下する、ガラス中に脈理が発生する等の問題が生じにくい。SiOの含有量が50%以下であれば、ガラスの溶融性が悪化するなどの問題が生じにくい。
そのため、SiOの含有量は好ましくは0.1%~50%であり、より好ましくは0.1%~40%であり、さらに好ましくは0.1%~30%であり、さらに一層好ましくは0.1%~20%であり、特に好ましくは0.1%~10%であり、最も好ましくは0.1%~3%未満である。
は、ガラスを形成する主成分であり、ガラスの耐失透性及び液相温度に対する粘性を高くするための成分である。本実施形態のガラスにおいてBの含有量が15%以上であれば、ガラスが不安定になる等の問題が生じにくい。Bの含有量が40%以下であれば、ガラスの耐候性が低下する、ガラス中に脈理が発生する等の問題が生じにくい。
そのため、Bの含有量は好ましくは15%~40%であり、より好ましくは15%~38%であり、さらに好ましくは15%~36%であり、さらに一層好ましくは15%~34%であり、特に好ましくは15%~32%であり、最も好ましくは15%~30%である。
本実施形態のガラスCは、安定したガラスを得る観点から、SiO及びBの少なくとも一方を含むことが好ましい。SiO及びBの合計含有量は、ガラスが不安定になる等の問題が生じにくい観点から65%超であることが好ましく、また、ガラスの溶融性が悪化する等の問題が生じにくい観点から80%以下であることが好ましい。
そのため、SiO及びBの合計含有量は、より好ましくは65%超79%以下、さらに好ましくは65%超78%以下、さらに一層好ましくは65%超77%以下、特に好ましくは65%超76%以下、最も好ましくは65%超75%以下である。
は、ガラスの溶融性と安定性を改善するための成分である。本実施形態のガラスにおいてPの含有量は0%~15%が好ましい。Pの含有量が15%以下であれば、ガラスの耐候性が悪化する、ガラスが分相する、ガラス中に脈理が発生する等の問題が生じにくい。
の含有量は、より好ましくは1%~13%であり、さらに好ましくは2%~12%であり、さらに一層好ましくは3%~11%であり、最も好ましくは4%~10%である。
Gaは、ガラスのヤング率を高める、溶融性と安定性を改善するための成分である。本実施形態のガラスにおいてGaの含有量は0%~30%が好ましい。Gaの含有量が30%以下であれば、ガラスの失透性が悪化する、反射率が上がり反射光による迷光が発生するなどの問題が生じにくい。
Gaの含有量は、より好ましくは0.5%~28%であり、さらに好ましくは1.0%~26%であり、さらに一層好ましくは2.0%~24%であり、最も好ましくは3.0%~22%である。
ZrOは、ガラスのヤング率を高める、ガラスの液相温度に対する粘性を高くするための成分である。本実施形態のガラスにおいてZrOの含有量は0%~7%が好ましい。ZrOの含有量が7%以下であれば、ガラスの失透性が悪化する、溶融性が悪化する等の問題が生じにくい。
ZrOの含有量は、より好ましくは0%~6%であり、さらに好ましくは0%~5%であり、さらに一層好ましくは0%~4%であり、最も好ましくは0%~3%である。
Laは、ガラスのヤング率を高める、溶融性を改善するための成分である。本実施形態のガラスにおいてLaの含有量は0.1%~20%が好ましい。Laの含有量が0.1%以上であればその効果が十分得られ、20%以下であれば、ガラスの失透性が悪化する、反射率が上がり、反射光による迷光が発生する等の問題が生じにくい。
Laの含有量は、より好ましくは0.5%~19%であり、さらに好ましくは1.0%~18%であり、さらに一層好ましくは2.0%~17%であり、最も好ましくは2.0%~16%である。
Alは、ガラスのヤング率を高める、ガラスの屈折率を低くするための成分である。本実施形態のガラスCにおいてAlの含有量は0.1%~20%が好ましい。Alの含有量が0.1%以上であればその効果が十分得られ、Alの含有量が20%以下であれば、ガラスの失透性が悪化する、反射率が上がり、反射光による迷光が発生する等の問題が生じにくい。
Alの含有量は、より好ましくは0.1%~18%であり、さらに好ましくは0.1%~15%であり、さらに一層好ましくは0.1%~13%であり、最も好ましくは0.1%~11%である。
Al、GeO、Ga、及びP成分の合計量と、SiO及びB成分の合計含有量との比、すなわち(Al、GeO、Ga、及びPの合計含有量)/(SiO及びBの合計含有量)は、Yb成分を含むガラスを失透させることなくガラス化させる観点から、0.1未満であることが好ましい。
本実施形態のガラスCは、本発明の目的を損なわない範囲で、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、Sb、Cl、F、その他の成分を含有してもよい。
本実施形態のガラスは、光学素子に用いられることが好ましい。本発明における光学素子とは、各種レンズであって、可視光等の特定の波長の光を透過し、かつ光を屈折させて光線束を収束、もしくは発散させる機能を持つものである。レンズの形状としては、光に入射面と出射面を、球面、非球面および平面の組み合わせにより構成される。また、光を集光、拡散、平行化、均一化するため、複数のレンズが片面もしくは両面の面上に配列したレンズアレイであってもよい。また、一方向に対してのみ屈折力を持った、円筒面で構成されたシリンドリカルレンズであってもよい。また、通常のレンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らしたのこぎり状の断面を持つフレネルレンズであってもよい。
本実施形態のガラスを用いた光学素子は、レンズの断面形状による透過光の光路長の相違があったとしても、光路長に起因する波長600nm、700nmの光の光学特性の差が非常に小さい。そのため、近赤外光吸収特性を備えつつ、撮像画像に影響しにくい光学素子を得ることができる。
本実施形態のガラスは、プレス成形用ガラスプリフォームに用いられることが好ましい。プレス成形用ガラスプリフォームは、レンズをプレス成形する際に用いられる塊状のガラスをいう。プレス成形用ガラスプリフォームは、重量および形状を適正に管理することで、プレス成形後に研削や研磨をすることなく、レンズを得ることができる。本実施形態のガラスを用いたプレス成形用ガラスプリフォームは、光学素子に加工することで、レンズ形状による透過光の光路長の相違があったとしても、光路長に起因する波長600nm、700nmの光の光学特性の差が非常に小さい。そのため、近赤外光吸収特性を備えつつ、撮像画像に影響しにくいレンズを製造するためのプレス成形用ガラスプリフォームを得ることができる。
本実施形態のガラスは、レンズの光軸方向の厚みが0.20mm~3.00mmであることが好ましく、0.20mm~2.00mmであることがより好ましく、0.20mm~1.50mmであることがさらに好ましく、0.20mm~1.00mmであることが最も好ましい。また、レンズの光軸方向の厚さの最大値と最小値との差は、0.05mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましい。
本実施形態のガラスは、例えば次のようにして作製できる。
まず、例えば、上記ガラスA、ガラスB、ガラスCのいずれかの組成範囲になるようにガラス原料を秤量、混合する(混合工程)。この原料混合物をルツボに収容し、電気炉内において800℃~1650℃の温度で加熱溶解する(溶解工程)。十分に撹拌・清澄した後、金型内に鋳込み、塊状のガラスを得る(塊状ガラス成形工程)。塊状ガラスを切断・研磨して所定の重量、形状のプレス成形用ガラスプリフォームを得る(プリフォーム成形工程)。次いで、プレス成形用ガラスプリフォームを加熱し、金型を用いてプレス成形することで、所望の光学素子を得る(光学素子成形工程)。
本実施形態のガラスは、ガラスの少なくとも一面に機能層を有してもよい。ガラスに機能膜を設けることで、所望の光学特性、耐候性の向上等の機能を付与することができる。
機能層としては、光学特性を付与するための誘電体膜が挙げられる。誘電体膜は、IRカット膜(近赤外線を反射する膜)、UV/IRカット膜(紫外線及び近赤外線を反射する膜)、UVカット膜(紫外線を反射する膜)、反射防止膜などがある。これらの誘電体膜は、単層構成もしくは多層構成であって、蒸着法やスパッタリング法などの公知の方法により形成できる。
他の機能層としては、光学特性を付与するための光吸収層が挙げられる。光吸収層は、赤外域や紫外域に最大吸収波長を有する吸収材を含む樹脂からなる。吸収材は、銅錯体などの無機色素、スクアリリウム色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、ジインモニウム色素などの有機色素などがある。これら吸収材を添加した透明樹脂を用い光吸収層をガラス表面に設けることで、ガラスに所望の光学特性を付与することができる。透明樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などがあり、これらを単独もしくは2種以上混合して用いてもよい。
他の機能層としては、ガラスの耐候性を向上させるための誘電体膜、樹脂コーティングが挙げられる。
他の機能層としては、ガラス表面の光の反射を抑制するためのモスアイ(Moth-eye、蛾の目)構造とも呼ばれる微細な凹凸構造が挙げられる。これら微細な凹凸構造は、適切な周期と高さを有する微細構造をガラス表面に形成することで、光が散乱することなく、広い波長領域と入射角で高い反射防止性能を示すことができる。凹凸構造は、ガラスに適宜のマスクを設けてドライエッチングする方法、ナノインプリント技術を用いて樹脂を成形するなどの公知の方法により形成できる。
本実施形態のガラスは、光学デバイスに適用できる。光学デバイスとは、光を利用して情報の記録や伝達などを実現する装置をいう。光学デバイスとしては、例えば、デジタルスチルカメラの撮像装置、光を検出し電気信号に変換する光センサなどが挙げられる。本実施形態のガラスを光学デバイスに適用することで、光学ガラスの形状に起因する光学特性の差が撮像画像や光センシングに影響しにくいという利点がある。
本実施形態のガラスは、光学デバイスに適用する際、本実施形態のガラスと異なる光吸収特性を備える光学フィルタと併用することができる。光学フィルタの光吸収特性としては、例えば、本実施形態のガラスと異なる波長域に吸収能を備えること、本実施形態のガラスと同一の近赤外波長域に異なる吸収能を備えること、などである。本実施形態のガラスを異なる光吸収特性を備える光学フィルタと併用して光学デバイスに適用することで、単一のガラスでは得ることが難しい光学特性を得ることができる。光学フィルタとしては、撮像装置の撮像素子の近傍に設けられる赤外線カットフィルタ、光学デバイスの被写体側の開口部を覆うカバーガラス、光学デバイス内に設けられるレンズなどが挙げられる。また、本実施形態のガラスと光学フィルタとは積層して用いてもよい。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。例1~例7が実施例のガラスであり、例8,例9が比較例のガラスである。
なお、ガラスの透過率は、所定の厚さのガラスサンプルの入射角0度の実測透過率を元に、以下の式(3)を用いて厚さt(0.20mm~2.00mm、0.05mm間隔)の透過率に換算して求めた。式(3)においてRはガラスの屈折率(分散を考慮)を用いて算出した片面反射率(%)である。
換算透過率(厚さtmm)=100×(1-R/100)×{実測透過率/(100×(1-R/100))}(t/実測厚さ)・・・(3)
[ガラスの作製]
これらガラスは、表1に示す組成(酸化物モル%、ガラス原料を溶融する前の原料を酸化物に換算した値)となるよう原料を秤量・混合し、内容積約400ccのルツボ内に入れて、大気雰囲気下または還元雰囲気下で、800℃~1650℃で2時間溶融した。その後、清澄、撹拌し、およそ300℃~500℃に予熱した縦100mm×横50mm×高さ20mmの長方形のモールドに鋳込み、約-1℃/分で室温まで徐冷して、縦40mm×横30mm×厚さ0.2mm~1.5mmの範囲で所定の厚さに切断し、両面を光学研磨し、板状体のガラスを得た。表1で屈伏点の数値が記載されていないガラスは、屈伏点を測定していないことを意味する。ガラスの屈伏点は、以下の方法により測定した。前記徐冷されたガラスを直径4.0mm~6.0mm×長さ10mm~20mmの円柱形状のガラス試料に加工する。熱機械分析装置(リガク社製、型番:TMA8311)を用い、このガラス試料に200mNの荷重を印加した状態で、4℃/分の昇温速度で加熱し、1秒ごとに温度に対する伸び量(単位:mm)を測定して得られたグラフ(いわゆる熱膨張曲線)を作成する。上記グラフにおいて見かけ上膨張が停止する温度、即ち温度上昇に伴い伸びが増加から減少に転じる変曲点の温度を屈伏点とする。
なお、各ガラスの原料は、下記に示すものを使用した。
SiO:酸化物、
:HPO、Al(PO、Mg(PO、Zn(PO、LiPO、NaPO、KPO、およびPBOのいずれか1種以上、
Al:酸化物、Al(POおよびAl(OH)のいずれか1種以上、
LiO:LiPO、LiNO、およびLiCOのいずれか1種以上、
NaO:NaPO、NaNO、およびNaCOのいずれか1種以上、
O:KPO、KNO、およびKCOのいずれか1種以上、
:酸化物、PBO、およびHBOから選ばれる1種以上、
CaO:Ca(PO、およびCaCOのいずれか1種以上、
SrO:SrCO、SrSO、およびSr(NOのいずれか1種以上、
MgO:酸化物、およびMg(POのいずれか1種以上、
BaO:Ba(NO、Ba(PO、およびBaCOのいずれか1種以上、
ZnO:酸化物、およびZn(POのいずれか1種以上、
ZrO:酸化物、
Fe:酸化物、およびFeのいずれか1種以上、
CuO:酸化物、Cu(PO、及びCuSOのいずれか1種以上、
Ga:酸化物、
La:酸化物、
F:AlF、LaF、MgF、CaF、SrF、BaF、LiF、NaF、KF、のいずれか1種以上。
なお、ガラスの原料は上記に限らず公知のものを用いることができる。
Figure 2024020138000002
[評価]
以上のようにして作製した各ガラス板について、分光光度計(日本分光社製、V-570)を用いて波長350nm~1200nmの透過率(入射角0度)を測定し、上記式(3)を用いて厚さt(0.20mm~2.00mm、0.05mm間隔)の透過率に換算した。換算された透過率から、以下を算出した。各ガラスの光学特性の結果を表2に示す。表2において、α700、|ΔT/Δt|、T700/T1000、T400/T1000およびIR50の意味は、既述の通りである。
Figure 2024020138000003
例4、例8の各ガラスについて、透過率の厚さ依存性し確認するため、分光光度計(日本分光社製、V-570)を用いて波長350nm~1200nmの光の透過率(入射角0度)を測定し、上記式(3)を用いて厚さ(0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm)別の透過率を求めた。例4の厚さ別の透過率を図2、例8の厚さ別の透過率を図3にそれぞれ示す。
上記結果より、例1~例7(実施例)のガラスは、厚さの変動に対し、波長600nm、波長700nmの光における光学特性の変化が小さいことがわかる。そのため、これらガラスを光学素子に用いた場合、近赤外光吸収特性を備えつつ、撮像画像に影響しにくい光学素子を得ることができる。
本発明のガラス、光学素子、プレス成形用ガラスプリフォームおよび光学デバイスは、近赤外光を適正にカットすることができる上、レンズの形状による光学特性の差が撮像画像に影響しにくく、撮像デバイス用途に好適に用いることができる。
1 レンズ
2a 光路長
2b 光路長
3 撮像素子

Claims (17)

  1. 近赤外光吸収成分を含むガラスであって、
    波長700nmの光に対する吸収係数α700が2.0mm-1以下である光学ガラス。
  2. 近赤外光吸収成分を含むガラスであって、
    ガラスの厚さが0.20mm~1.00mmの範囲において、任意の厚みt、t(ただし、|t-t|=0.05mm)における波長600nmの光の透過率をそれぞれT、Tとしたときに、|(T―T)/(t―t)|の最小値が30%/mm以下である光学ガラス。
  3. ガラスの厚さが0.2mmでの波長700nmの光の透過率をT700とし、ガラスの厚さが0.2mmでの波長1000nmの光の透過率をT1000とした場合、T700/T1000が1.0超である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. ガラスの厚さが0.2mmでの波長400nmの光の透過率をT400とし、ガラスの厚さが0.2mmでの波長1000nmの光の透過率をT1000とした場合、T400/T1000が1.0超である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  5. ガラスの厚さが2.0mmでの波長範囲500nm~950nmにおける透過率が50%となる波長IR50が600nm~900nmの範囲内にある請求項1または2に記載の光学ガラス。
  6. 前記ガラスは、屈伏点が650℃以下である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  7. 前記ガラスは、フッ素を実質的に含有しない請求項1または2に記載の光学ガラス。
  8. 前記ガラスは、アンチモンを実質的に含有しない請求項1または2に記載の光学ガラス。
  9. 前記ガラスは、銅を実質的に含有しない請求項1または2に記載の光学ガラス。
  10. 前記ガラスは、近赤外光吸収成分として、銅、鉄およびイッテルビウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1または2に記載の光学ガラス。
  11. 前記ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
    25%~75%、
    Al 2.5%~22%、
    ΣRO 0%~20%(ただし、ROは、LiO、NaO、及びKOから選ばれる1つ以上の成分、ΣROはROの合量を表す)、
    ΣR'O 0.1%~35%(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分、ΣR'OはR'Oの合量を表す)、
    Fe 0.1%~35%
    を含有する請求項1または2に記載の光学ガラス。
  12. 前記ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
    25%~75%、
    Al 0.1%~22%、
    ΣRO 0.5%~20%(ただし、ROは、LiO、NaO、及びKOから選ばれる1つ以上の成分、ΣROはROの合量を表す)、
    ΣR'O 0%~35%(ただし、R'OはMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOから選ばれる1つ以上の成分、ΣR'OはR'Oの合量を表す)、
    CuO 0.1%~15%
    を含有する請求項1または2に記載の光学ガラス。
  13. 前記ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
    SiO 0.1%~50%、
    15%~40%、
    0%~15、
    Yb 10%~60%
    を含有する請求項1または2に記載の光学ガラス。
  14. 請求項1または2に記載の光学ガラスからなる光学素子。
  15. 請求項1または2に記載の光学ガラスからなるプレス成形用ガラスプリフォーム。
  16. 請求項1または2に記載の光学ガラスを有する、光学デバイス。
  17. 請求項1または2に記載の光学ガラスおよび該光学ガラスと異なる光吸収特性の光学フィルタを有する、光学デバイス。
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