JP2024019012A - 香炉及び香炉の使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用時における安全性が高く、かつ、着火させた線香を、下方に向けて投入し、火元が所定位置にとどまりながら燃焼する香炉、及び、そのような香炉の使用方法を提供する。【解決手段】着火してなる線香を、火元を下方に向けて、投入するための香炉及びその使用方法であって、重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、香炉及び香炉の使用方法に関する。
特に、使用時における安全性が高く、かつ、着火させた線香(棒状の香材等を含む。以下、同様である。)の火元が、下方を向いた状態で、所定位置(所定範囲を含む。以下、同様である。)にとどまり、所望の煙を飛散させながら燃焼する香炉、及び、そのような香炉の使用方法に関する。
従来、線香立て支持具の上部平板のスプリング部分に、線香を投入し、転倒防止を図りつつ、燃え残りの少ない線香立て支持具が提案されている(特許文献1参照)。
より具体的には、図11に示すように、以下の構成(イ)~(ヘ)からなる線香立て支持具100である。
(イ)軽量鋼材又は金具で形成され、上部平板と支持具103下部の形状は丸型、角型、多角形、長方形等としてある。
(ロ)上部の平板の太さに合わせ複数本の線香102を立てるためのスプリング104を1~24本位設けてある。
(ハ)支持具103単体は小型軽量で、安定感を高める方法として支持具103下部に磁石かオモリ106を内蔵してある。
(ニ)磁力やオモリ106で、銅製や真鍮製の線香立てケース101にも安定使用が出来る様に固定されている。
(ホ)線香立てケース101の中に綺麗に収まり違和感の無い高さにしてある。
(ヘ)お香や線香102の太さに応じたスプリング104と支持具の形状とし仏具に合う塗装としてある。
実用新案登録第3213617号公報(実用新案登録請求の範囲、図面等)
しかしながら、図11に示す線香立て支持具は、線香に着火した後に、線香の下方を把持しながら、火元を上方に向けた状態で、線香をスプリング内に投入しなければならなかった。そのため、火元の位置関係で、少なからず、使用者において、やけど等の問題が生じるおそれがあった。
逆に言うと、火元を下方に向けた状態で、線香をスプリング内に投入しても、燃焼気体が投入されないことから、火元が消えてしまい、線香を最後まで燃焼させることが出来なかった。
又、線香の火元が、基本的に外部に露出していることから、意図的ではないにしても、外部から燃焼物が供給されたような場合に、発火し、ひいては、火事の原因になりやすいという問題もあった。
更に言えば、従来の線香立て支持具において、線香の配合成分や種類によるところが大きいものの、煙の発生量の調節が、事実上困難であるという問題も見られた。
そこで、本発明の発明者は鋭意検討した結果、線香に着火した後に、火元を下方に向けて、所定箇所に筒状部材内に浮かせた状態で載置し、筒状部材の内部に、所定の空気を適宜導入することによって、線香の火元を下方に向けて載置し、かつ、かかる線香の火元が所定位置にとどまりながら、最後まで燃焼することを見出した。
すなわち、本発明によれば、簡易構造かつ小型軽量の香炉であっても、使用時における安全性が高く、かつ、着火させた線香の火元が所定位置にとどまりながら、所望の煙を飛散させつつ燃焼する香炉、及び、そのような香炉の使用方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、着火してなる線香を、火元を下方に向けて、投入するための香炉であって、重力方向に沿って、下方(重力方向、及び重力方向に対して所定角度をなす斜め方向下方)に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口(第1の流入口と称する場合がある。)と、を備えることを特徴とする香炉が提供され、上述の課題を解決することが出来る。
このような簡易構造かつ小型軽量の香炉であっても、使用時における安全性が高く、かつ、燃焼気体を流入させることによって、着火させた線香の火元が所定位置にとどまりながら、所望の煙を飛散させながら燃焼させることが出来る。
本発明の香炉を構成するにあたり、取り付け具が、バネ状物であることが好ましい。
このように所定物からなる取り付け具を用いることによって、着火させた線香の投入等が容易になるばかりか、適度に伸縮して、機械的強度に弱い線香であっても、比較的に柔軟に変形して、線香を破損せずに保持することが出来る。
しかも、バネ状物が金属製やセラミック製であれば、通常、耐熱性や通気性に優れており、内部に線香の火元があっても、長期間にわたって、所定燃焼を保持することが出来る。
その上、バネ状物であれば、市販品でも安く、かつ、各種サイズが揃っていることから、線香の種類に最適なものを選択し、その上、汚染されたような場合に、交換自体も容易である。
本発明の香炉を構成するにあたり、筒状部材の上方に、フランジ付きの金属筒状物を備えることが好ましい。
このようにフランジ付きの金属筒状物が所定場所に設けてあることによって、筒状部材の内部の取り付け具に、容易に着火した線香を投入することが出来る。
しかも、質感や加工性の良さ等から、筒状部材を木製としたとしても、着火した線香との直接的な接触を防止することが出来る。
本発明の香炉を構成するにあたり、筒状部材の下方に、通気口(第2の流入口と称する場合がある。)を有する受皿が設けてあることが好ましい。
このように構成することによって、燃焼気体の流入口を更に広げたり、狭くしたり、更には、増減させたりすることが出来る。従って、着火させた線香の種類や形態等に応じて、所望の燃焼時間で、適切に燃焼させたり、燃焼速度を所望の値に微調整することが出来る。
更に言えば、燃焼時に発生する排出気体を、かかる第2の流入口を介して、外部に対して、効率的に排出することが出来る。
本発明の香炉を構成するにあたり、取り付け具と、筒状部材とが、金属状突起部を介して、係合してあることが好ましい。
このように金属状突起部を介して、取り付け具と、筒状部材とを係合することによって、取り付け具に投入した線香の火元の影響を、筒状部材に直接伝えることを防止し、かつ、両者の固定性を高めることが出来る。
本発明の香炉を構成するにあたり、筒状部材が、木製であることが好ましい。
このように構成することによって、香炉としての、質感や高級感を高めることができ、ひいては、香炉の塗装として、漆塗り等の手法も容易に採用することが出来る。
本発明の香炉を構成するにあたり、流入口を、火元の位置よりも下方に設けてあることが好ましい。
このように構成することによって、第1の流入口から取り入れた空気を、より効果的に火元に導くことができるとともに、燃焼によって発生した二酸化炭素が、火元の周囲に溜まってしまうのをより効果的に防ぐことができる。
本発明の香炉を構成するにあたり、取り付け具の可能に、線香が燃焼した際に発生する灰を受けて、溜めておくための金属製の灰受部材を設けてあることが好ましい。
このように構成することによって、線香の燃焼により発生した灰を、灰受部材内に集めることができ、発生した灰を廃棄することが容易になるとともに、周囲への灰の飛散を防止し、空気の流入口の目詰まり等をより効果的に防ぐことができる。
そして、火のついた状態の線香が、意図せず取り付け具から抜け出たような場合であっても、火元が、筒状部材や台座に接触して、燃えてしまうことをより効果的に防ぐことができる。
本発明の別の態様は、着火してなる線香を、投入するための香炉の使用方法であって、下記工程(1)~(3)を有することを特徴とする香炉の使用方法である。
工程(1):重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、を備える香炉を準備する工程。
工程(2):線香に着火する工程。
工程(3):着火した線香を、火元を下方に向けた状態で、取り付け具に対して、投入する工程。
このような簡易構造かつ小型軽量の香炉を用いて、所定工程を経て、着火してなる線香を下方に向けた状態で燃焼させることによって、使用時における安全性が高く、かつ、燃焼気体を流入させることによって、着火させた線香の火元が所定位置にとどまりながら、発煙しながら、最後まで無駄なく燃焼させることが出来る。
本発明の香炉の使用方法を実施するにあたり、下記工程(4)を、工程(1)~(3)の前後、或いは、各工程の間に、更に含むことが好ましい。
工程(4):燃焼気体を流入させるための流入口を調整し、筒状部材から外部に飛散する煙量を調整する工程。
図1(a)~(b)は、本発明の香炉を説明するために供する図である。 図2(a)~(b)は、本発明の香炉における線香の燃焼状態を説明するために供する図である。 図3(a)~(c)は、本発明の香炉における各部位の寸法を説明するために供する図である。 図4(a)~(c)は、本発明の香炉における取り付け具の形状例を説明するために供する図である。 図5(a)~(d)は、本発明の香炉における流入口の形状例を説明するために供する図である。 図6(a)~(c)は、本発明の香炉における変形例を説明するために供する図である。 図7(a)~(b)は、本発明の香炉における別の変形例を説明するために供する図である。 図8(a)~(c)は、本発明の香炉における好ましい態様の一例を説明するために供する図である。 図9(a)~(b)は、本発明の香炉の燃焼状態に起因した煙の飛散例を説明するために供する図(写真a(倍率:約1/3倍)、写真b(倍率:約1/2倍))である。 図10は、本発明の香炉の使用方法を説明するために供するフロー図である。 図11は、従来の香炉を説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に例示されるように、着火してなる線香12を、火元12´(図2(b)参照)を下方に向けて、投入するための香炉10であって、重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香12を投入するための取り付け具14を有する筒状部材16と、当該筒状部材16の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口18と、を備えることを特徴とする香炉10である。
以下、適宜図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。又、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の符号を付して示し、その説明を省略する場合もある。
1.基本構成
第1の実施形態は、基本的に、図1(a)~(b)に示すように、線香12を裁置するための取り付け具14を有する筒状部材16と、当該筒状部材16の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口18と、を備えていることを特徴とする。
すなわち、線香を裁置するための取り付け具を有する筒状部材を備えることによって、火元を下方に向けたまま線香を安定して支持し、線香が筒状部材の外に転倒することを効果的に防止することが出来る。
又、図2(a)~(b)に示すように、筒状部材16の中で、火元12´(以降、燃焼部分12´と称する場合がある。)を下にした状態で線香12が燃焼することから、煙突効果によって、線香から上がる煙の形状を、細く密度が高い状態に制御することが出来る。
更に、筒状部材16の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口18を備えることによって、燃焼によって発生した二酸化炭素等の排出気体(以降、単に排出気体と称する場合がある。)を、筒状部材16の上方の開口部や流入口18を通して排出でき、火元の周囲に、燃焼に必要な気体(以降、燃焼気体と称する場合がある。)を効率的に導くことが出来る。
なお、燃焼気体とは、酸素濃度が15~25%の範囲内の値である気体として定義することが出来るが、より効率的に燃焼させる観点から、16%以上とすることがより好ましく、17%以上とすることが更に好ましい。
2.線香
(1)種類
線香の種類については、特に制限されることなく、配合成分が異なる各種線香(香材を含む)に対応することが出来る。
例えば、線香の成分として、炭化物基材(タブの木皮、ジンコウ、ビャクダン、ケイヒ、チョウジ等の粉末)、香料、松ヤニ等が多用されているが、特に、松ヤニ等の配合量(例えば、15重量%以上)が比較的多いと、比較的少ないもの(例えば、15重量%未満)と比べて、燃焼性が異なり、排出される煙の量も変化することが知られてる。
そこで、燃焼気体の流入量を調整することによって、配合成分としての松やにの使用量にかかわらず、いずれの線香も、最後まで無駄なく燃焼させながら、所定時間にわたって、所定量の煙を飛散させることが出来る。
又、線香のその他の成分として、粘着剤、安定剤、防腐剤等を含むことが好ましい。
具体的には、線香の硬さ、密度、燃焼時のヤニの量を調整することを、より容易にするために、粘着剤として、タブ粉やデンプン等を配合してあることが好ましい。
そして、線香の燃焼性を調整することを、より容易にするために、安定剤として、例えば、アルミナ等のセラミックスを配合してあることが好ましい。
更に、防腐剤として、リュウノウやモツヤク等を配合してあることが好ましい。
この理由は、このような成分を配合してあることで、燃焼時間、煙の量、保管性の調整を、効果的に行うことができるためである。
より具体的には、その他の成分の配合量を5~40重量%の範囲内の値とすることが好ましく、10~35重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、15~30重量%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
この理由は、このような配合量とすることで、燃焼速度の調整や線香が燃焼した際に発生するヤニの量を調整することが出来るためである。
又、香材の場合には、香料として、サンダルウッド(白檀)、丁子、沈香、伽羅、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、イソイースーパー、メチルジヒドロジャスモネート、エチレンブラシレート、ゲラニオール、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、トナリド(6-アセチル-1,1,2,4,4,7-ヘキサメチルテトラリン)、γ-ウンデカラクトン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、ジヒドロインデニル-2,4-ジオキサン、α-イソメチルイオノン、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ-ナフチルケトン、ローズフェノン、クマリン、バニリン、スチラックスレジノイド、ベンジルベンゾエート、ウンデカナール、ベンジルサリチレート、イオノン、α-イオノン、β-イオノン、リリーアルデヒド、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-t-ブチルアセトフェノン、アセチルセドレン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトアルデヒド、イソロンギホラノン、及びシス-3-ヘキセノール等の少なくとも一種又は二種以上の混合物を含むことが好ましい。
更に、これらの香料は、全体量の0.1~50重量%範囲内の値とすることが好ましく、1~30重量%範囲内の値とすることがより好ましく、5~20重量%範囲内の値とすることが更に好ましい。
(2)太さ
線香の太さについても、特に制限されないものの、通常、1~3mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる線香の太さであれば、1本、或いは2本以上の複数であっても、取り付け具に容易に固定して、所定場所において、線香の下方から先端まで、無駄なく燃焼させることが出来るためである。
従って、線香の太さを1.2~2.8mmの範囲内の値とすることがより好ましく、1.5~2.5mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、かかる線香の太さであれば、線香の燃焼速度を調整しながら、所定量の煙をより効率的に飛散させることが容易になると言う利点もある。
更に言えば、線香の太さについて、10%程度のばらつきがあることが知られているが、取り付け具に立て掛けられた線香の傾斜角度や、燃焼気体の流入量の調整によって、太さのばらつきによらず、より安定して線香を燃焼させることが出来る。
(3)長さ
線香の長さについても、特に制限されないものの、通常、10~300mmの範囲内の値とすることが好ましく、30~200mmの範囲内の値とすることがより好ましく、80~140mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
この理由は、このような長さとすることにより、取り付け具に対して投入することが、より容易になるためである。
特に、線香の場合、機械的強度が乏しいために、着火前であっても、更には、保管時であっても、余分な力がかかると折れてしまい、長さが不ぞろいになる場合がある。
しかしながら、長さが不ぞろいで、特に、比較的短い線香であっても、着火させて、取り付け具に対して、より容易に投入することが出来る。
従って、このような長さの範囲内であれば、線香を無駄にすることなく、燃焼速度を調整しながら、所定量の煙をより効率的に飛散させることが出来る。
ここで、一般的な、灰に線香を立てる態様の香炉は、灰に含まれる水分が、立てられた線香に浸透してしまい、5~10mm程度が燃焼せずに、残ってしまう場合があった。
そのため、このような態様の香炉の場合、線香の長さは、燃え残る長さと灰に立てる長さを考慮して、少なくとも30mm程度必要であった。
一方、本発明は、線香の下方から先端まで、無駄なく燃焼させることができるため、本発明の香炉であれば、10mm未満の長さの線香であっても、より無駄なく使用することが出来る。
従って、10mm未満の線香を使用する場合には、線香の長さを3mm以上とすることが好ましく、4mm以上とすることがより好ましく、5mm以上とすることが更に好ましい。
3.筒状部材
筒状部材は、図1(a)~(b)に示されるように、後述の取り付け具14によって、火元を下方に向けた状態で、支持された線香12の周囲の気流を制御するための部材である。
具体的には、筒状部材の長尺方向を重力方向に沿って配置した場合に、重力方向に貫通しており、上下に開口部を有する筒状の部材である。
すなわち、このような部材を備えることで、線香の火元に対して、安定的に燃焼気体を供給するとともに、燃焼後の排出気体を効率的に排出することが出来る。
(1)形状
筒状部材の形状としては、側面に流入口を設けることができれば特に制限されないものの、通常、円柱形、四角柱形、多角形柱(例えば5~12角形)、円錐台形、四角錐台形、多角形錐台形、砂時計型、ひょうたん型等であることが好ましい。
この理由は、このような形状であれば加工が容易であり、香炉全体としてより簡易な構造とすることが出来るためである。
従って、より簡易な構成とする観点から、円柱形、四角柱形とすることがより好ましく、円柱形とすることが更に好ましい。
(2)形態
又、筒状部材の平面形状の外径D1(円相当径)は、図3(c)に示すように、平面上に載置した場合に転倒しにくい大きさであれば特に制限されないものの、通常、10~150mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような外径であれば、載置した際の安定性が高く、持ち運びが容易になるためである。
従って、より取り扱い性を向上させる観点から、筒状部材の平面形状の外径を15~100mmの範囲内の値とすることがより好ましく、20~50mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
なお、平面形状の外径(円相当径)とは、上方から眺めた場合に、筒状部材の外壁面の輪郭によって囲われてなる平面形状の直径(円相当径)として定義することが出来る。
又、筒状部材の平面形状の内径D2(円相当径)は、図3(c)に示すように、取り付け具を内壁面に接触させずに、内部に設けることが出来る大きさであれば特に制限されないものの、通常、5~130mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような内径であれば、取り付け具を容易に内部に設けることが出来るとともに、線香を取り付け具に立て掛けたような場合であっても、筒状部材の内壁面に接触させずに、線香を載置することがより容易に出来るためである。
従って、より取り扱い性を向上させる観点から、筒状部材の平面形状の内径を10~90mmの範囲内の値とすることがより好ましく、15~40mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
なお、平面形状の内径(円相当径)とは、上方から眺めた場合に、筒状部材の内壁面の輪郭によって囲われてなる平面形状の直径(円相当径)として定義することが出来る。
又、筒状部材の長尺方向に沿った長さH1(図3(a)参照)は、使用する線香と同程度の長さであれば、特に制限されないものの、通常、20~200mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような長さであれば、線香を上方から投入しやすいとともに、意図せず取り付け具から外れた場合であっても、線香が、筒状部材の外側に転倒してしまうことを効果的に防ぐことが出来るためである。
従って、筒状部材の長さを30~150mmの範囲内の値とすることがより好ましく、40~100mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
(3)材質
又、筒状部材の材質は、使用するにあたり十分な強度があり、耐火性、耐熱性等を有していれば、特に制限されないものの、通常、木材、難燃紙、セラミック、金属、ガラス材等の少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このような材質であれば、耐火性や耐熱性が良好であり、精度良く所定の位置に対して、流入口等を空けることが出来るためである。
従って、より生産性を向上させ、かつ、塗装等の装飾を容易にする観点から、筒状部材を木製とすることが好ましい。
具体的には、集成材、中密度繊維板(MDF)、樹脂含浸木材(WPC)等の木材を含むことがより好ましい。
そして、筒状部材を木製とする場合には、少なくとも内面に耐火処理層として、ガラス、アルミニウム、フッ素等の無機系コーティング層や、ポリイミド、カーボン等の耐熱層を有していることが好ましい。
一方、より耐火性や耐熱性を高める観点から、金属を用いる場合には、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅等を用いることがより好ましい。
そして、筒状部材を金属とする場合には、防錆処理メッキを有していることが更に好ましい。
又、筒状部材の内周面又は外周面に対して、断熱層を設けてあることが好ましい。
具体的には、断熱層は、吹き付け等による塗膜やテープ状であり、例えば、アルミナ、アルミ、ロックウール、ガラスウール、エポキシ樹脂、難燃発泡ウレタン等を含むことが好ましい。
この理由は、線香を燃焼させた際に発生する熱量が筒状部材の外側に伝わり、香炉が高温になることを防ぐことができるためである。
従って、特に、金属製とした場合に、筒状部材が高熱になり、使用者等が接触して、火傷等の負傷をしてしまうリスクを効果的に低減させることが出来るためである。
4.取り付け具
取り付け具14は、図2(a)~(b)に示すように、筒状部材16の内部(上方から眺めた場合に筒状部材16における貫通部より内側)に設けられ、火元12´を重力方向又は斜め方向下方に向けた状態(以降、単に下方に向けた状態と称する場合がある。)で、一本又は複数本の線香12を上方から投入して支持するための部材である。
そして、線香12を筒状部材16に立て掛けた際に、線香12と、取り付け具14とが接する少なくとも二点(符号P1、符号P2)の摩擦力によって、燃焼部分に対する線香12の荷重負荷を低減させつつ、線香12を支持する部材である。
具体的には、バネ状物であるが、筒状部材の下方に設けられた底板(図示せず。)や後述の台座上に、接着剤、ネジ、突起物への嵌合等により固定された骨組構造の部材である。
よって、燃焼部分が上方に進むに従い、燃焼済みの部分が灰12´´となって崩れ落ちて、かかる灰がクッションとなって、線香12が下方側に滑り落ちる衝撃を低減させる仕組みになっている。
従って、このような取り付け具が設けられていることで、燃焼部分である火元を実質的に、同じ位置や同じ範囲で、かつ浮かせた状態で、着火された線香の燃焼を維持することが出来る。
ここで、燃焼部分である火元の位置としては、燃焼速度や線香の粘性によって、次第に上昇する場合もあるものの、取り付け具の下方の固定箇所(取り付け具が金属状突起部を介して固定されている場合には金属状突起部の頂点)から、上方に向かって、0.01~2cmの範囲内の位置が好ましく、0.1~1.5cmの範囲内の位置がより好ましく、0.5~1cmの範囲内の位置が更に好ましい。
この理由は、このような位置とすることで、外部から取り込んだ燃焼気体を、燃焼部分に、効率的に導くことが出来るためである。
なお、線香を浮かせた状態とは、火元と、取り付け具の下方の固定箇所とが、実際に離間している状態であることが好ましいが、離間していない場合であっても、赤熱した部分が、線香の灰によって、実質的に浮いているような状態であっても良い。
又、取り付け具の形状は、図4(a)~(c)に示すように、螺旋状物14a(バネ状物)、格子状物14b、剣山状物14c、筒状物(図示せず)等の少なくとも一つの取り付け具を用いることが好ましい。
この理由は、このような取り付け具を用いることにより、筒状部材に対して、固定部材や接着剤等を用いて固定し、より安定して線香を支持することが出来るためである。
従って、取り付け具としては、立て掛けた際の安定性の観点から、バネ状物を用いることが特に好ましい。
ここで、取り付け具の下方には、固定を容易に行う観点から、後述の金属状突起部を挿入するための組付け穴を別途設けてあることも好ましいが、バネ状物、格子状物、筒状物であれば、重力方向に沿って貫通部を組付け穴として使用できるため好ましい。
又、取り付け具を円相当形とした場合に、その平面形状の外径D3は、図3(c)に示すように、線香を立て掛けた際に転倒しにくい大きさであれば特に制限されないものの、通常、3~50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような外径であれば、強度が向上し、線香を立て掛けた場合であっても、変形して筒状部材に接触することをより効果的に防ぐことが出来るためである。
従って、取り付け具の外径は、4~30mmの範囲内の値とすることがより好ましく、5~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、取り付け具を円相当形とした場合に、その平面形状の内径D4は、図3(c)に示すように、特に制限されないものの、通常、1.5~45mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような内径であれば、載置した際の安定性が高く、線香を立て掛けた際に、筒状部材に線香が接触することを効果的に防ぐことが出来るためである。
従って、取り付け具の内径は、2~25mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~8mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、取り付け具の重力方向に沿った長さは、使用する線香が立て掛けた際に倒れない程度の長さであれば、特に制限されないものの、通常、20~200mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような長さであれば、線香を上方から投入しやすいとともに、意図せず線香が転倒してしまうことを効果的に防ぐことが出来るためである。
従って、取り付け具の長さを30~150mmの範囲内の値とすることがより好ましく、40~100mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
一方、取り付け具の長さは、線香の安定性を高める観点から、筒状部材の長さに対して、重力方向上方に、1~20mm突出させてあることが好ましく、2~15mm突出させてあることがより好ましく、3~10mm突出させてあることが更に好ましい。
又、取り付け具に対して、線香を立て掛けた際の傾斜角度θ(図2(a)参照)は、線香の太さや取り付け具の最大径によって変わるものの、通常、重力方向を0°として、当該重力方向に対して45°以下の傾斜角度とすることが好ましい。
この理由は、燃焼が進んだ場合であっても、線香が滑り落ち易く、より安定して、同じ位置かつ浮かせた状態で線香を保持することが出来るためである。
従って、取り付け具に対して、線香を立て掛けた際の傾斜角度θを、重力方向に対して30°以下の傾斜角度とすることがより好ましく、15°以下の傾斜角度とすることが更に好ましい。
又、取り付け具をバネ状物とした場合に、そのバネ定数を0.01~2N/mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このようなバネ定数とすることにより、線香を立て掛けた際に撓りにくく、筒状部材に線香が接触することを効果的に防ぐことが出来るためである。
従って、バネ状物のバネ定数を、通常、0.03~1N/mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.05~0.8N/mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
5.流入口
(1)機能
流入口(第1の流入口)は、筒状部材の外部から内部に向かって、線香が燃焼するための燃焼気体を取り入れるための部位である。
すなわち、筒状部材における取り付け具の所定位置で、線香が、火元を下にした状態で燃焼継続し、ひいては、線香全体を燃焼させるための所定の燃焼条件とするように、外部から燃焼気体を導入するための開口部である。
又、火元を下にした状態で線香が燃焼継続した場合、排出気体が生じるが、かかる排出気体を、流入口を介して、外部に排出する機能も有している。
よって、このような燃焼気体を流入させ、排出気体を外部に排出するための流入口を備えることによって、火元の周囲を、燃焼継続に必要な状態に効率的に維持ことが出来る。
なお、線香全体を燃焼させる所定の燃焼条件とは、基本的に、燃焼気体と同程度の酸素濃度条件とすればよく、着火した線香を、火元を下方に向けて取り付け具に投入した状態で、筒状部材の上方の開口部に対して、10~20mm下方の領域の酸素濃度を測定することで確認することが出来る。
(2)位置
又、流入口の位置についても、特に制限されるものではないが、円形の流入口を想定した場合、かかる流入口の位置を、筒状部材の長さH1に対して、1/2以下の位置に配置してあることが好ましい。
この理由は、取り入れた燃焼気体が、線香の燃焼による上昇気流に乗って、効果的に燃焼部分まで、より効果的に供給されるためである。
従って、1/3以下の位置に配置してあることがより好ましく、1/4以下の位置に配置してあることが更に好ましい。
よって、例えば、筒状部材の下方の開口部からの流入口の中心の高さH2(図3(a)参照)を5~100mmの範囲内の値とすることが好ましく、8~75mmの範囲内の値とすることがより好ましく、10~50mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、第1の流入口は、図2に示すように、火元12´よりも、下方に設けてあることが好ましい。
この理由は、このような位置に第1の流入口を設けてあることで、第1の流入口から取り入れた空気を、より効果的に火元に導くことができるとともに、燃焼によって発生した二酸化炭素が、火元の周囲に溜まってしまうのをより効果的に防ぐことができるためである。
従って、第1の流入口は、火元の位置(赤熱部分)と、流入口の位置(流入口の中心)との、鉛直方向に沿ってなる距離Xを1~30mmの範囲内とすることが好ましく、2~20mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
(3)大きさ及び個数
流入口の大きさ(一つあたり)や個数についても、特に制限されるものではないが、円形の流入口を想定した場合、通常、直径0.5~20mmの範囲内の値としてあることが好ましい。
この理由は、このような大きさの流入口であれば、燃焼気体等の流入が容易になるばかりか、形成自体も、ドリル等を用いて、容易かつ均等に出来るやすいためである。
従って、流入口の大きさ(一つあたり)に関し、直径1~15mmの範囲内の値とすることがより好ましく、直径3~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
一方、一つの筒状部材に対して、流入口を複数設けてあることが好ましい。
この理由は、このような流入口の個数であれば、燃焼気体と、排出気体との流路をより効率的に形成できるためである。
従って、一つの筒状部材おける流入口の個数は、通常、2~20個とすることが好ましいが、3~12個とすることがより好ましく、4~8個とすることが更に好ましい。
又、流入口は、図5(a)~(c)に示すように、少なくとも一つの流入口を長穴にすることが好ましい。
具体的には、図5(a)に示すように、重力方向に沿って延びる長穴18aが設けてあることが好ましい。
この理由は、このような長穴とすることにより、線香の燃焼が進んで、燃焼部分の高さが変わった場合であっても、効果的に燃焼気体を、線香の燃焼部分へ供給することが出来るためである。
そして、このような長穴の場合、長穴の長さL1を5~100mmの範囲内の値とすることが好ましく、8~75mmの範囲内の値とすることがより好ましく、10~50mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
更に、長穴の幅W1を1~30mmの範囲内の値とすることが好ましく、2~20mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、図5(b)に示すように、水平方向に沿って延びる長穴18bが設けてあることも好ましい。
この理由は、このような長穴にすることで、後述の可変流入口や第2の流入口を組み合わせて、燃焼気体の供給量を効率的に調整することが出来るためである。
そして、このような長穴の場合、長穴の長さL2を10~100mmの範囲内の値とすることが好ましく、20~80mmの範囲内の値とすることがより好ましく、30~50mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
更に、長穴の幅W2を1~30mmの範囲内の値とすることが好ましく、2~20mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、図5(c)に示すように、筒状部材の周囲を斜めに延びる長穴18cが設けてあることも好ましい。
この理由は、このような長穴にすることで、燃焼気体を供する高さやその量を、より精度よく調整することが出来るためである。
従って、このような長穴の場合、長穴の長さL3を15~150mmの範囲内の値とすることが好ましく、30~120mmの範囲内の値とすることがより好ましく、45~75mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
更に、長穴の幅W3を1~30mmの範囲内の値とすることが好ましく、2~20mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
一方、図5(d)に示すように、長穴の代わりに、円形の流入口を、重力方向に沿って列状に設けてあることも好ましい。
この理由は、このように円形の穴が、列状に設けてあることで、加工や容易で、設計の自由度をより向上させることが出来るためである。
6.フランジ付きの金属筒状物
フランジ付きの金属筒状物は、火元を下方に向けた状態で、線香を筒状部材に投入する際に、筒状部材の端部を、線香の燃焼部分から保護するための部材である。
従って、図3(a)~(c)に示すように、所定長さ、所定直径(円相当径)の貫通部を有する金属製の円筒部材と、その一旦の縁に取り付けられたフランジから構成することが出来る。
但し、フランジ付きの金属筒状物と同等に機能を発揮出来る部材であれば、筒状部材に係止部材と、金属筒状物(金属以外の耐火物も含む。)との組み合わせからなる複合部品や、テーパ状の円筒部材の構成等であっても、代替可能である。
ここで、図3(b)は、図3(a)におけるA-A線に沿って切断した断面図であり、図3(c)は、図3(a)を上方から見た場合の平面図である。
従って、フランジ付きの金属筒状物において、通常、金属筒部分の長さを3~30mmの範囲内とし、貫通部の所定直径(円相当径)を、通常、10~40mmの範囲内とすることが好ましい。
そして、フランジの所定直径(円相当径)を、通常、12~45mmの範囲内とすることが好ましく、15~30mmの範囲内とすることが更に好ましい。
更に言えば、フランジの厚さを、通常、0.1~10mmの範囲内とすることが好ましく、0.5~5mmの範囲内とすることが更に好ましい。
7.通気口(第2の流入口)
図7(a)~(b)に示すように、筒状部材16の下方に、筒状部材16を回転軸として回転させることができ、側面に通気口34(以降、第2の流入口34と称する場合がある。)を有する受皿が設けてあることが好ましい。
具体的には、受皿は、筒状部材の下方から側面を囲うように、設けてあることが好ましい。
この理由は、このように構成することによって、受皿を回転させて、筒状部材に設けた第1の流入口と、第2の流入口との位置を合わせて、開口部の面積を更に広げたり、反対に位置をずらして、開口部の面積を狭くしたりすることが出来るためである。
すなわち、着火させた線香を更に無駄なく、燃焼させたり、燃焼速度を所望の値に微調整することができ、図9(a)~(b)に示すように、例えば、細く、紐状の煙を、より長時間にわたって発生させることが出来る。
更に言えば、かかる第2の流入口を介して、燃焼時に発生する排出気体を、より効果的に外部に排出することが出来る。
ここで、図7(b)は、図7(a)におけるB-B線に沿って切断した断面図である。
なお、第2の流入口の大きさ、形状、位置等は、第2の流入口の機能を考慮して、適宜選択することが出来る。
8.その他
(1)台座
図1に示すように、筒状部材16の下方に、更に、所定の台座24を設けることが好ましい。
この理由は、このように台座が設けてあることによって、重心の調整が容易になって、転倒しにくい香炉とすることが出来るためである。
ここで、台座の形状は、特に限定されないものの、図3(b)に示すように、台座上部24a、台座中部24b、台座下部24cの少なくとも3つの部材を含むことが好ましい。
そして、少なくとも台座上部24aと、台座中部24bとを円筒状とするとともに、それぞれの内径を、筒状部材16の内径以上の大きさとすることが好ましい。
すなわち、台座上部及び台座中部の内径を、筒状部材の内径の1.1~5倍の範囲内の値とすることが好ましく、1.2~3倍の範囲内の値とすることがより好ましく、1.3~2倍の範囲内の値とすることが更に好ましい。
この理由は、このような形状とすることで、線香の燃焼に起因して発生した灰を落とすための灰処理空間を、より容易に形成することが出来るためである。
又、台座中部24bの平面形状の外径(円相当径)が、台座上部24a及び台座下部24cの平面形状の外径(円相当径)よりも大きいことが好ましい。
すなわち、台座中部の平面形状の外径が、台座上部の外径の1.3~3倍の範囲内の値とすることが好ましく、1.4~2.8倍の範囲内の値とすることがより好ましく、1.5~2.5倍の範囲内の値とすることが更に好ましい。
この理由は、このように台座が、少なくとも3つの部材を含むことで、既製品の部材を組み合わせて、比較的複雑な形状にすることができ、より容易に安定した台座を設けることが出来るためである。
更に、このように台座中部の外径を大きくすることにより、台座のバランスが安定して、台座に筒状部材を載せた場合であっても、転倒するリスクを低減させることができるためである。
従って、台座及び筒状部材の組付けの方法や、台座の部材同士の組付けの方法は、特に限定されないものの、台座及び筒状部材や、台座の部材同士が、接着剤、ネジ(ボルト)、セットピン等によって、固定されていることが好ましい。
一方、香炉の洗浄やメンテナンスを容易にする観点から、台座の部材に、それぞれ上方の部材と嵌合する凹部(図3(b)及び図7(b)参照)を設けてあり、それぞれ嵌合させて組付けてあることも好ましい。
又、図3(b)に示すように、台座24をしっかり固定でき、かつ、適宜移動が容易に出来るように、底部に、3点支持や、4点支持の脚部28を設けることも好ましい。
具体的には、脚部の形状は、球状、平板状、突起状であることが好ましい。
そして、脚部の材料は、樹脂製のビーズ材、ゴム材、金属であることが好ましい。
この理由は、このように脚部が設けてあることにより、接地面の凸凹等によらず、安定して配置することが出来るためである。
従って、脚部の、重力方向に沿った高さは、1~20mmの範囲内の値とすることが好ましく、2~15mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~10mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
(2)筐体
特に図示しないものの、少なくとも線香を裁置するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、を内部に収容する筐体を設けることが好ましい。
この理由は、このように筐体が設けてあることによって、かかる筐体外部の風等の影響をなくし、安定的かつ安全に線香の燃焼を行うことが出来るためである。
(3)金属状突起部
又、図3(b)に示すように、取り付け具14と、筒状部材16とが、金属状突起部26を介して、係合してあることが好ましい。
すなわち、取り付け具の底部に組付け穴を設け、かかる組付け穴に対して金属状突起部の上端を挿入するように係合してあることがより好ましい。
ここで、取り付け具と、筒状部材とが、金属状突起部を介して係合している場合とは、筒状部材が台座上に固定されており、台座に金属状突起部が固定されているような場合も含んでいる。
この理由は、このように係合してあることで、金属状突起部を介して、取り付け具と、筒状部材とを、簡易かつ強固に係合することが出来るためである。
そして、取り付け具に投入した線香の火元の熱が、筒状部材に直接伝わることを、より容易に防止することが出来るためである。
更に、線香が燃焼した際に発生する灰を、金属状突起部の下方に落として、線香の周囲に、灰が過度に堆積することを防ぎ、より安定して線香を燃焼させることが出来るためである。
従って、金属状突起部を、底板や後述の台座から、上方に向けて突出させた、金属の長尺状の突起物とすることが好ましい。
具体的には、図1(b)に例示すように、金属状突起部26が、ネジ(ボルト含む)等のネジ溝を有する構成であり、ワッシャ26´´を介して、下方から台座24を貫通しており、上方からナット26´で締めて、台座24に固定されていることが好ましい。
又、金属状突起部の形状は、特に限定されないものの、ネジ状(皿ネジ、平ネジ、タッピングネジ、ボルトネジ等)、釘状、リベット状、棒状、針金状、フック状等の少なくとも一つであることが好ましい。
又、金属状突起部の材質は、金属であれば特に限定されないものの、通常、鉄、真鍮、ステンレス、アルミ、チタン等であることが好ましい。
この理由は、このような形状や材質とすることで、市販の材料を用いることができ、より容易に突起物を形成することが出来るためである。
ここで、金属状突起部は、取り付け具と組付けしやすいように、金属状突起部の直径を、取り付け具の内径よりも若干小さくしてあることが好ましい。
具体的には、金属状突起部の直径を1~45mmの範囲内の値とすることが好ましく、2~24mmの範囲内の値とすることがより好ましく、3~8mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
従って、金属状突起部をネジ部材とした場合には、例えば、ISOのメートルネジ規格における呼び径がM1~M45の範囲内のネジ部材とすることが好ましく、M2~M24の範囲内のネジ部材とすることがより好ましく、M3~M8の範囲内のネジ部材とすることが更に好ましい。
このとき、金属状突起部の直径を、取り付け具の内径よりも0.1~3mm小さくしてあることが好ましく、0.3~2.5mm小さくしてあることがより好ましく、0.5~2mm小さくしてあることが更に好ましい。
この理由は、このような直径とすることにより、取り付け具に、金属状突起部を挿入して係合した際の遊びが少なくなり、固定性をより向上させることが出来るためである。
ここで、取り付け具をバネ状物とし、金属状突起部をネジ部材とした場合に、ネジ部材のネジ山の間に、バネ状物の先端部分が嵌合するように取り付けてあることが好ましい。
すなわち、所定ネジであれば、ネジ溝が切ってあることから、それらと、取り付け具のバネ状物が絡み合って、より強固に接続出来る。
この理由は、このように取り付けてあることで、香炉を洗浄等する際に、香炉に対する取り付け具の脱着が容易なばかりか、取り付け具を傾けずに固定することが、より容易になるためである。
従って、取り付け具と、金属状突起部とを嵌合させる長さが明確になるように、取り付け具又は金属状突起部の少なくとも一方に、重複予定部を識別する印や色違い部を設けてあることが好ましい。
一方、取り付け具及び金属状突起部の形状に寄らず、金属状突起部と、取り付け具とを、接着剤で固定したり、セットピンにより共締めしたり、金属状突起部に爪や溝を設けて引っ掛けたりする等の種々の固定方法を用いることが出来る。
又、金属状突起部は、筒状部材の下方の開口部から所定量突出させることが好ましい。
この理由は、このように突出させることで、燃焼して灰になった線香が、燃焼部分の周囲に堆積して、燃焼気体の供給を妨げることを効果的に防ぐことが出来るためである。
従って、金属状突起部の突出高さH3(図3(b)参照)を5~100mmの範囲内の値とすることが好ましく、8~75mmの範囲内の値とすることがより好ましく、10~50mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
(4)塗装
少なくとも筒状部材を、木製とし、その周囲に、香炉としての質感や高級感高めることができ、ひいては、香炉の耐久性を向上させる塗装として、漆塗り等の手法により、漆塗装や、金箔処理を併せて施すことも好ましい。
なお、かかる漆の種類は、特に制限されるものではなく、天然漆であっても、或いは、合成樹脂製の漆であっても良い。
(5)センサ
又、特に図示しないものの、線香の燃焼部分の周囲における環境情報を測定する各種センサを設けてあることが好ましい。
具体的には、環境情報として、温度、湿度、酸素濃度、二酸化炭素濃度等を測定出来るセンサを有していることが好ましい。
この理由は、投入する線香の種類を変更したことによる燃焼不良等の発生を、より効果的に低減させることが出来るためである。
又、測定位置は、線香の燃焼部分との距離を可能な限り空けないことが好ましいが、通常、30mm以下となる位置であることが好ましい。
この理由は、センサを、このような位置に配置することにより、火の消し忘れ等のリスクを低減し、より安全に使用することが出来るためである。
(6)ヒーター
又、特に図示しないものの、取り付け具の下方に、線香を着火するためのヒーターを設けてあることが好ましい。
この理由は、このようにヒーターが設けてあることにより、線香を予め着火する必要がなく、線香を投入する使用者が燃焼部分に触れずに香炉の中で着火出来るようになるため、より安全に使用することが出来るためである。
(7)灰受部材
又、図8(a)に示すように、取り付け具14の下方に、線香12が燃焼した際に発生する灰を受けて、溜めておくための金属製の灰受部材27aを設けてあることが好ましい。
具体的には、灰受部材として、平板の縁部を上方に向かって湾曲させてなる平皿形状の部材を設けてあることが好ましい。
この理由は、このように灰受部材を設けてあることにより、線香の燃焼により発生した灰を、灰受部材内に集めることができ、発生した灰を廃棄することが容易になるとともに、周囲への灰の飛散を防止し、空気の流入口の目詰まり等をより効果的に防ぐことができるためである。
そして、火のついた状態の線香が、意図せず取り付け具から抜け出たような場合であっても、火元が、筒状部材や台座に接触して、燃えてしまうことをより効果的に防ぐことができるためである。
従って、図8(a)で示すように、灰受部材27aが、台座24に対して、鉛直方向に沿って貫通する金属状突起部26を固定軸として、固定部材27b及びナット26´によって固定されていることが好ましい。
又、灰受部材の材質は、鉄、真鍮、タングステン、アルミ、チタン等の金属であることが好ましい。
この理由は、このような材質とすることにより、香炉の耐火性を、より向上させることができるためである。
(8)内壁部材
又、図8(b)に示すように、筒状部材16の内側に、内壁部材17を有することが好ましい。
具体的には、金属、セラミックス、ガラス等からなる円筒部材を有することが好ましい。
この理由は、このような部材を有することにより、線香の火によって、筒状部材が燃焼したり、熱により炭化してしまうことを、より効果的に防ぐことができるためである。
従って、内壁部材の外周面と、筒状部材の内周面が接着されていることが好ましい。
そして、内壁部材において、第1の流入口にあたる部分に、開口部を有することが好ましい。
(9)ハトメ部材
又、図8(b)に示すように、取り付け具14の上方における、線香12の投入口の縁部に沿って、ハトメ部材15を有することが好ましい。
この理由は、このような部材を有することにより、投入する線香を真っ直ぐ案内することができ、取り付け具に対して、より容易に線香を投入することができるためである。
(10)消火部材
又、図8(c)に示すように、線香12及び取り付け具14に対して、上方から被せて、線香12が燃焼するための酸素の供給を防止する消火部材13を有することが好ましい。
この理由は、このような部材を有することにより、線香を個別に消火することができ、線香の燃焼時間や煙の量等を、より容易に制御することができるためである。
従って、特に図示しないものの、消火部材は、載置した面に生ずる隙間を減らして、消火部材内への酸素の流入を低下させるために、台座に対して、平ワッシャ等を介して、載置してあることが好ましい。
9.変形例
第1の実施形態の香炉における変形例としては、使用場所や使用する線香の種類等によって適宜態様を変更することが出来るものの、例えば、図6(a)~(c)に示す態様とすることが好ましい。
具体的には、流入口は、線香の種類等に合わせて、開口面積が変えられる可変流入口とすることが好ましい。
より具体的には、図6(a)に示すように、可変流入口は、第1の流入口18を有する筒状部材16(内側筒状部材16と称する場合がある。)に、調整用流入口19を有する外側筒状部材16´を重ねて二重構造としてあることが好ましい。
そして、二重壁構造の内側筒状部材、又は外側筒状部材を適宜回転させて、これらに設けた流入口の重なり合いが調整出来る態様であることが好ましい。
この理由は、可変流入口として、流入口における面積や、存在位置を所望の状態に、より容易に調整することが出来るためである。
又、別の変形例として、図6(b)に示すように、一つの台座上に、筒状部材を複数設けた香炉10´とすることが好ましい。
この理由は、筒状部材が、複数設けてあることにより香炉の使用者が複数いる場合であっても、使用者ごとに投入する筒状部材を分けて、同時に使用することが出来るためである。
従って、筒状部材同士の間隔は、特に制限されないものの、通常、10~100mmの範囲内の値であることが好ましく、15~80mmの範囲内の値であることがより好ましく、20~50mmの範囲内の値であることが更に好ましい。
又、更に別の変形例として、図6(c)に示すように、一つの台座上に、少なくとも一つの筒状部材を傾けて配置した香炉10´´とすることが好ましい。
この理由は、筒状部材を傾けて配置してあることにより、使用者側に傾けて投入しやすくしたり、複数の筒状部材の傾き方向を変えて、小さいスペースで、多くの筒状部材を配置したり出来るためである。
従って、筒状部材の傾斜角度を、重力方向を0°として、重力方向に対して10~60°の傾斜角度とすることが好ましく、20~50°の傾斜角度とすることがより好ましく、30~40°の傾斜角度とすることが更に好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、着火してなる線香を、投入するための香炉の使用方法であって、下記工程(1)~(3)を有することを特徴とする香炉の使用方法である。
(1)重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、を備える香炉を準備する工程。
(2)線香に着火する工程。
(3)着火した線香を、取り付け具に対して、火元を下方に向けて、投入する工程。
香炉の使用方法であって、下記工程(1)~(3)を含むことを特徴とする香炉の使用方法である。
1.第1の工程
第1の工程(工程(1))は、図10のフロー図において、符号S1で示すように、重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、を備える香炉を準備する工程である。
加えて、かかる香炉に投入する線香を準備する。
すなわち、第1の工程において、基本的に、第1の実施形態で説明した香炉及び線香をそのまま使用することが出来るため、ここでの再度の説明は省略する。
2.第2の工程
第2の工程(工程(2))は、図10のフロー図において、符号S2で示すように、線香に着火する工程である。
すなわち、マッチ、ライター、ろうそく等によって、棒状の線香の一方の端部に着火し、端部を赤熱した燃焼状態とする工程である。
なお、準備する線香の種類は問わないが、配合成分として、松ヤニ等の配合量が多い場合には、着火しやすいものの、次工程である第3の工程において、燃焼気体の流入量を比較的多くするなどの工夫が必要である。
3.第3の工程
第3の工程(工程(3))は、図10のフロー図において、符号S3で示すように、着火した線香を、重力方向に沿って、下方(重力方向、及び重力方向に対して所定角度をなす斜め方向下方)に向けて、筒状部材の中にある取り付け具に投入する工程である。
すなわち、取り付け具の典型例である、バネ状物に対して、着火した線香を、火元を下方の先端として、所定方向から投入する工程である。
そして、図10のフロー図において、符号S4で示すように、筒状部材の上方の開口部から、線香の燃焼に起因する煙を、効率的に飛散させることが可能となる。
4.第4の工程
又、第4の工程(工程(4))として、燃焼気体を流入させるための流入口を調整し、筒状部材から外部に飛散する煙量を調整する工程を、第1の工程~第4の工程の前後、或いは、各工程の間に、含むことが好ましい。
この理由は、使用する環境や線香の種類が変わった場合であっても、所望の状態で、燃焼させることが、より容易になるためである。
なお、具体的な使用例については後述する。
5.第5の工程
又、第5の工程(工程(5))として、図10のフロー図において、符号S5で示すように、火のついた線香を、所望のタイミングにおいて、消火する工程を含むことが好ましい。
この理由は、所望のタイミングで消火することにより、使用者が、香炉を短時間だけ使用するような場合であっても、使用時間に併せて線香を燃焼させることが、容易に行うことができるためである。
6.後工程
又、後工程として、香炉の洗浄工程を備えることが好ましい。
すなわち、筒状部材の内部に堆積した灰を外部に排出したり、洗浄剤によって、線香の燃焼に起因して発生した木タール(ヤニ)を除去したりする工程を備えることが好ましい。
例えば、ヤニの除去のための洗浄剤としては、特に限定されないものの、家庭用中性洗剤(界面活性剤)、重曹水、除光液(アセトン)、アルコール等を用いることが好ましい。
この理由は、取り付け具、筒状部材等に付着したヤニが、燃焼部分の周囲で硬化し、燃焼空気の供給が妨げられることを効果的に防ぐことが出来るためである。
7.使用例(煙の調整例を含む。)
(1)比較的長時間燃焼させたい場合。
線香の燃焼時間を長くする方法としては、特に制限されないものの、例えば、所望の燃焼時間に応じて、線香の種類を選定することが好ましい。
具体的には、線香の長さを長くしたり、アルミナの含有量が比較的多い線香を使用したりすることが好ましい。
又、別の方法としては、流入口の開口面積を比較的狭くする等によって、燃焼気体の供給量を減らしたりすることが好ましい。
具体的には、香炉の設計段階で、使用する線香の種類に合わせて流入口の大きさを決めることが好ましいが、例えば、筒状部材を二重構造として、外側筒状部材又は内側筒状部材を回転することにより、流入口と、調整用流入口との位置をずらして、流入口の開口面積を狭く調整することが好ましい。
(2)比較的多量の煙を飛散させたい場合。
線香を燃焼させた際の煙の量を多くする方法としては、特に制限されないものの、例えば、線香の太さを太くしたり、松ヤニの配合量が比較的多い線香を使用したりすることが好ましい。
又、別の方法としては、流入口の開口面積を比較的広くする等によって、燃焼気体の供給量を増やしたりすることが好ましい。
具体的には、香炉の設計段階として、使用する線香の種類に合わせて流入口の大きさを決めることが好ましいが、例えば、筒状部材を二重構造として、流入口と、調整用流入口との位置を、外側筒状部材又は内側筒状部材を回転することにより合わせて、流入口の開口面積を広く調整することが好ましい。
(3)比較的広範囲に煙を飛散させたい場合。
煙を広範囲に飛散させる方法としては、特に制限されないものの、例えば、先述のように煙の量を多くしたり、筒状部材の上方の開口部を比較的広くしたりすることが好ましい。
具体的には、香炉の設計段階で、筒状部材の形状を逆円錐台形とし、筒状部材の内径を、重力方向に沿って、下方から上方に向かって大きくすることが好ましい。
(4)比較的細く、紐状に煙を飛散させたい場合。
煙を細く、紐状に飛散させる方法としては、特に制限されないものの、例えば、筒状部材の長さを比較的長くしたり、筒状部材の上方の開口部を比較的狭くしたりすることが好ましい。
具体的には、香炉の設計段階で、筒状部材の形状を円錐台形とし、筒状部材の内径を、重力方向に沿って、下方から上方に向かって小さくすることが好ましい。
一方、筒状部材を円柱形状とした場合であっても、フランジ付きの金属筒状物の内径を比較的小さくすることによっても、筒状部材の上方の開口部を狭くした場合と同様の効果を得ることが出来る。
本発明によれば、線香に着火した後に、線香を、火元を下方に向けて、取り付け具に浮かせた状態で載置し、かつ、筒状部材の内部に、所定の空気を適宜供給することが出来るようになった。
又、火元の気流を制御することによって、発生する煙の量や拡散度合いを調整することが出来るようになった。
よって、簡易構造かつ小型軽量の香炉であっても、各種線香を用いて、使用時における安全性が高く、かつ、着火させた線香の火元が所定位置(所定範囲)にとどまりながら、無駄なく最後まで燃焼させることの出来る香炉、及び、そのような香炉の使用方法を提供することが期待出来る。
従って、線香を立てるために、香炉用砂も不必要になって、燃え残りの阻害物の発生もなく、所望時間にわたって、所望の煙を発生させることができ、典型的には、手元供養用の香炉として好適に使用することが期待出来る。
又、火元を上方に向けて挿す態様に比べて、使用者の手と、火元とを離すことができ、2本目以降の線香を挿す際の安全性を高めることが期待出来る。
そして、香炉用砂に挿して使用する態様に比べて、線香の傾斜や位置を揃えて配置することができるため、簡易構造かつ小型軽量であっても、多くの線香を支持可能にすること期待出来る。
更に、例えば、筒状部材と、取り付け具とを分離可能にでき、取り付け具に線香を立てた後、筒状部材を被せる態様とすることで、線香を立てる際の容易さと、燃焼の安定性を両立可能にすることが期待出来る。
その他、本発明によれば、線香に着火した後に、線香の火元を下方に向けて載置し、無駄なく燃焼させられるが、場合によっては、火元を上方に向けた状態や、上方斜めに傾けた状態で、燃焼させることも可能である。
すなわち、筒状部材の取り付け具に、線香における火元と反対側を下方に向けて、投入することによっても、多少取り使いの注意は必要ではあるものの、そのような態様での使用も可能である。
よって、本発明の香炉は、線香の使用法に関して、二刀流であるということが出来る。
10:香炉
12:線香
13:消火部材
14:取り付け具
15:ハトメ部材
16:筒状部材
17:内壁部材
18:第1の流入口
22:フランジ付きの金属筒状物
24:台座
26:金属状突起部
27a:灰受部材
27b:固定部材
32:受皿
34:通気口(第2の流入口)
θ:線香の角度
H1:筒状部材の高さ
H2:第1の流入口の高さ
H3:金属状突起部の突出高さ
L1~L3:長穴の長さ
W1~W3:長穴の幅
α:長穴の傾斜角度

Claims (10)

  1. 着火してなる線香を、火元を下方に向けて、投入するための香炉であって、
    重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、
    当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、
    を備えることを特徴とする香炉。
  2. 前記取り付け具が、バネ状物であることを特徴とする請求項1に記載の香炉。
  3. 前記筒状部材の上方に、フランジ付きの金属筒状物を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉。
  4. 前記筒状部材の下方に、通気口を有する受皿が設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉。
  5. 前記取り付け具と、前記筒状部材とが、金属状突起部を介して、係合してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉。
  6. 前記筒状部材が、木製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉。
  7. 前記流入口を、前記火元よりも下方に設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉。
  8. 前記取り付け具の下方に、前記線香が燃焼した際に発生する灰を受けて、溜めておくための金属製の灰受部材を設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉。
  9. 着火してなる線香を、投入するための香炉の使用方法であって、下記工程(1)~(3)を有することを特徴とする香炉の使用方法。
    工程(1):重力方向に沿って、下方に向けた状態で、着火してなる線香を投入するための取り付け具を有する筒状部材と、当該筒状部材の下方及び/又は側方から、燃焼気体を流入させるための流入口と、を備える香炉を準備する工程。
    工程(2):線香に着火する工程。
    工程(3):着火した線香を、火元を下方に向けた状態で、前記取り付け具に対して、投入する工程。
  10. 下記工程(4)を、前記工程(1)~(3)の前後、或いは、各工程の間に、更に含むことを特徴とする請求項9に記載の香炉の使用方法。
    工程(4):燃焼気体を流入させるための流入口を調整し、前記筒状部材から外部に飛散する煙量を調整する工程。
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