JP2024018416A - 緑化資材、緑化方法 - Google Patents

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Kazuyoshi Ozawa
康生 加藤
Yasuo Kato
秀雄 竹内
Hideo Takeuchi
麻衣子 河野
Maiko Kono
貴子 大野
Takako Ono
真弓 田中
Mayumi Tanaka
暢 板川
Satoru Itagawa
毅志 山口
Takeshi Yamaguchi
聖司 堂本
Seiji Domoto
祐一 大津
Yuichi Otsu
晴夫 高山
Haruo Takayama
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Abstract

【課題】可塑剤を含有していたとしても耐浸食性に優れる緑化資材を提供する。
【解決手段】水と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと、可塑剤とを含有する緑化資材である。水とポリ酢酸ビニルとの体積比が80:20~99.2:0.8であり、水とポリ酢酸ビニルと可塑剤との合計体積を100%としたときのポリビニルアルコールの体積が0.005体積%~0.5体積%であり、水とポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤との合計重量を100重量%として、0.1重量%以上2.5重量%以下の増粘剤と0.1重量%以上2.5重量%以下の分散剤を更に含む。
【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和3年8月2日 ウェブサイトのアドレス https://confit.atlas.jp/guide/event/jsce2021/proceedings/list 〔刊行物等〕 開催日 令和3年9月9日 集会名、開催場所 土木学会全国大会第76回年次学術講演会、東海大学湘南キャンパス(神奈川県、平塚市)
本発明は、緑化資材、及び、これを用いた緑化方法に関する。
従来、造成地その他の土壌を対象とする緑化工事のために、緑化資材が利用されている。緑化資材には種子や肥料等が配合されていてもよく、これを土壌に散布することで種子が発芽し、植物が繁茂し、土壌が安定化する。
緑化資材には、防塵性や耐浸食性、生分解性等を有するものがある。特に特許文献1に開示されている緑化資材は、生分解性に重点がおかれていること、及び、内分泌撹乱化学物質である疑いがある可塑剤を含有しない樹脂エマルジョン又はその粉末であることを特徴としている。
特許第3884002号公報
樹脂を有効成分としながらも可塑剤を含有しない緑化資材は、種子の発芽を阻害しない利点があるが、降雨による浸食を受けやすい傾向がある。耐浸食性を補うために植生シートを設置したり緑化資材を再散布したりする等の作業を行うのは手間が掛かる。また、法面を対象とする場合には植生シートの設置作業の安全性が問題となる。そこで本発明は、可塑剤を含有していたとしても耐浸食性に優れる緑化資材を提供することを目的とする。また、この緑化資材を用いた緑化方法を提供することを目的とする。
本発明は、水と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと可塑剤とを含有する緑化資材であって、水とポリ酢酸ビニルとの体積比が80:20~99.2:0.8であり、水とポリ酢酸ビニルと可塑剤との合計体積を100%としたときのポリビニルアルコールの体積が0.005体積%~0.5体積%であり、水とポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤との合計重量を100重量%として、0.1重量%以上2.5重量%以下の増粘剤と0.1重量%以上2.5重量%以下の分散材を更に含む緑化資材を提供する。また、本発明は、法面の土壌を対象として、上記の緑化資材を散布する緑化方法を提供する。
この緑化資材は、植物の健全率が高く耐浸食性にも優れるので、散布後に降雨があっても確実に植物を生育させることができる。ここで、緑化資材の構成原料の製造過程ないし流通過程で添加される可塑剤は、種子の発芽率やその後の健全率を低下させる原因となる。しかしながら、本発明の緑化資材では各成分が低濃度で有効であるため、含有している可塑剤の濃度もその分小さくすることができるので、発芽率や健全率への悪影響を小さくできる。
本発明の緑化資材は、種子と肥料とを含んでいてもよい。ポリ酢酸ビニル等の成分と共に種子と肥料とを含んでいると、緑化に必要な資材の散布を一度で済ませることができる。
本発明の緑化資材は、土壌を対象として散布したとき土壌の表面で被膜を形成するものであってもよい。この場合、被膜が降雨に対する抵抗となるので、耐浸食性に優れる。
本発明によれば、可塑剤を含有していたとしても耐浸食性に優れる緑化資材を提供することができる。また、この緑化資材を用いた緑化方法を提供することができる。
粉塵飛散防止効果を示すグラフである。 (A)、(B)ともに、浸食防止効果を示すグラフである。 (A)、(B)、(C)いずれも、緑化効果を示すグラフである。 (A)、(B)、(C)いずれも、緑化効果を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<緑化資材の構成>
本実施形態の緑化資材は、土壌の表層に散布する液状の混合物であって、水と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと、増粘剤と、分散剤と、可塑剤とを含有する。これらの材料からなる資材基材の中に、種子と肥料とを含んでいてもよい。
水とポリ酢酸ビニルとの体積比は80:20~99.2:0.8であり、この体積比は85:15~99:1であってもよく、90:10~98.5:1.5であってもよい。体積比がこれらの範囲内にあると、緑化資材の粘性が散布に程よい状態に維持され、且つ、土壌に散布した場合に土壌の表面に高分子からなる被膜を形成することができる。
ポリビニルアルコールの含有量は、水とポリ酢酸ビニルと可塑剤との合計体積を100%としたとき、0.005体積%~0.5体積%である。下限値としては0.01体積%や0.05体積%であってもよく、上限値としては0.3体積%や0.1体積%であってもよい、ポリビニルアルコールの含有量が高すぎると緑化資材の粘性が高くなって散布しにくくなる傾向がある。また、ポリビニルアルコールの含有量が低すぎると、ポリ酢酸ビニルが水に溶解しにくくなる傾向がある。これらの事情からポリビニルアルコールの含有量は上記範囲内にあることが好ましい。
ポリビニルアルコールは、緑化資材中ではポリビニルアルコール分子の状態で存在していてもよく、酢酸ビニルの乳化重合の残余物の形態として存在していてもよい。その他、ポリビニルアルコール分子に由来する分子構造の形態で存在していればよい。
緑化資材中の水、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルアルコールの組成割合は、例えば、核磁気共鳴分光法(NBR)、赤外吸収分光法(IR)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、液体クロマトグラフィー(LC)、熱分解-質量分析法(Pyrolysis-MS)によって測定することができる。
増粘剤は、緑化資材の粘性を高くし、耐浸食性を高めることに役立つ。特に、対象土壌の含水比が高い場合に緑化資材を適用するのに役立つ。また、緑化資材が増粘剤を含んでいることで、緑化資材を法面に散布した場合でも、法面を流れ落ちない程度の粘性となる。特に、緑化資材が種子を含んでいる場合は、散布後、種子が法面の傾斜にしたがって流れ落ちないように緑化資材の粘性によって種子を保持することができる。
増粘剤の含有量は、水とポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤との合計重量を100重量%として、0.1重量%以上2.5重量%以下である。この下限値としては、0.2重量%、0.3重量%、又は0.4重量%が好ましい。上限値としては、2.0重量%、1.75重量%、1.50重量%、1.25重量%、1.0重量%、0.75重量%であってもよい。緑化資材の粘性は散布のしやすさにも影響する。
また、増粘剤の含有量は、水とポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤との合計重量を100重量%として、0.52重量%以上2.5重量%以下であってもよい。この下限値としては、0.55重量%、0.57重量%、又は0.6重量%が好ましい。上限値としては、2.0重量%、1.75重量%、1.50重量%、1.25重量%、1.0重量%、又は0.75重量%であってもよい。緑化資材の粘性は散布のしやすさにも影響する。
増粘剤としては、水溶性であることが好ましく、中でも生分解性が高いことから多糖類が好ましい。多糖類としては、グァーガム、アラビアガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、タマリンドシードガム、カラギーナン、カラヤガム、スクシノグリカン、ローカストビーンガム、大豆多糖類、プルラン、サイリウムシードガム、カードラン、アルギン酸・PGA、ジェランガム、グルコマンナン、寒天、ペクチン等が挙げられる。これらの中でもガラクトマンナンを主成分とするグァーガムが好ましい。
分散剤は増粘剤の混合時に団粒化を防止し、液体に均一に溶解することに役立つ。分散剤の含有量は、水とポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤との合計重量を100重量%として、0.1重量%以上2.5重量%以下である。この下限値としては、0.2重量%、0.3重量%、又は0.4重量%が好ましい。上限値としては、2.0重量%、1.75重量%、1.50重量%、1.25重量%、1.0重量%、0.75重量%、又は0.65重量%であってもよい。
分散剤(ただし、界面活性剤を除く。)としては、常温で液体又は固体のものを用いる。ここで常温とは15℃~25℃をいう。常温で液体の分散剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プパノール、2-ブタノール等が挙げられる。常温で固体の分散剤としては、ショ糖、カプサイシン、デキストリン、グルコース、フルクトース、乳糖、パノチノース、マルトオリゴ糖、フルクオリゴ糖、ポリエチレングリコール粉末、ポリエチレングリコール顆粒等が挙げられる。
増粘剤と分散剤の含有量の合計は、水とポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤との合計重量を100重量%として、0.2重量%以上5.0重量%以下であってもよく、0.4重量%以上4.0重量%以下であってもよく、0.6重量%以上3.0重量%以下であってもよく、0.8重量%以上2.0重量%以下であってもよく、0.9重量%以上1.5重量%以下であってもよく、0.95重量%以上1.3重量%以下であってもよい。
緑化資材は、種子と肥料とを含んでいてもよい。種子は、バミューダグラス、シーサイドベントグラス、クリーピングレッドフェスク、ペレニアルライグラス、メドハギ等の種子であってもよい。緑化資材を散布した後に形成される被膜は、その耐浸食性から降雨が浸透しにくくなるため、乾燥に強い植物種であることが好ましい。乾燥に強いという観点からはバミューダグラスが好ましい。種子の混合量としては、上記の資材基材(水、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、可塑剤、増粘剤、分散剤からなる組成)を100重量%としたとき0.05重量%~1.0重量%であってもよい。
肥料は、通常の植物の肥料として用いられるものであれば種類は問わない。肥料の混合量としては、上記の資材基材(水、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、可塑剤、増粘剤、分散剤からなる組成)を100重量%としたときN-P-Kを15%-15%-15%としたとき0.3重量%~2.5重量%であってもよい。ここで、Nは窒素を表し、Pはリンを表し、Kはカリウムを表す。散布する面積を基準とした場合、10g/m~80g/mであってもよく、20g/m~60g/mであってもよい。
本実施形態の緑化資材は、可塑剤を含有している。可塑剤は、上記の資材基材の構成原料の製造過程ないし流通過程で添加されるものであり、その量は微量である。可塑剤を敢えて添加する必要はないが、上記の資材基材に含有されている可塑剤を敢えて取り除く必要もない。含有されている可塑剤は、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルその他のフタル酸エステルや、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アセチルクエン酸トリブチル等であってよい。
<緑化資材の調整と散布(緑化方法)>
緑化資材の調製方法としては、ポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールと可塑剤とを適量の水に混合して溶解させた後に、加水して上記組成割合とする方法が好ましい。例えば、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルアルコールを、ポリ酢酸ビニルの1倍~3倍の体積の水に混合し(つまりポリ酢酸ビニルとして25体積%~50体積%とし)、これを常温で、又は加温しながら撹拌して溶解させる。そして、全体の組成割合が上記組成割合の範囲内となるように水を追加する。そして、増粘剤と分散剤を添加して撹拌する。また、各時点で団粒が発生したときには、混合液を濾過して団粒を取り除いてもよい。そして、最後に種子と肥料とを混合する。このようにして緑化資材を調製することができる。
上記のようにして調製した緑化資材は、上記組成割合を有しているので、適度な粘性を有しており散布しやすい。緑化資材の散布方法としては、ハイドロシーダー(車)、エンジンポンプ、、ハイウォッシャー等を用いる方法が挙げられる。散布する対象は、平面であっても法面であってもよい。
<効果>
本実施形態の緑化資材は、種子と肥料とを含んでいることで、緑化に必要な資材の散布を一度で済ませることができる。散布された種子はその後、発芽し、成長し、繁茂する。ここで、緑化資材の構成原料の製造過程ないし流通過程で添加される可塑剤は種子の発芽率や健全率(緑化資材によって種子の発芽後に根が生育できず、芽が立てないものが発生する。健全率=([根が健全に生育し、芽が自立した植物個体数]/[発芽した植物個体数])×100)を低下させる原因となるが、本実施形態の緑化資材では各成分が低濃度で有効であるため、含有している可塑剤の濃度もその分小さくなり、発芽率や健全率への悪影響を小さくできる。従来、可塑剤の影響を排除したい場合は緑化資材を構成する各成分を自前で合成する必要があったが、本実施形態の緑化資材は、濃度の面から可塑剤の影響を実質的に排除することができるので、可塑剤を含有したポリ酢酸ビニルの購入品を薄めることでも有効に調製することができる。このようにして調製した緑化資材であっても、種子の発芽やその後の生育を阻害することなく緑化の目的を果たすことができる。
本実施形態の緑化資材は、土壌を対象として散布すると、約24時間で土壌の表面で被膜を形成する。被膜が降雨に対する抵抗となるので、対象土壌は耐浸食性に優れるものとなる。土壌に含まれる水によって緑化資材が薄まったとしても、緑化資材が増粘剤を含んでいるので十分な被膜を形成することができる。例えば、降雨直後等のように土壌の含水比が高い場合は、散布した緑化資材が土壌中の水によって薄まることが考えられるが、増粘剤の添加によって粘性が高められているので、土壌に浸み込みにくく、土壌の表面に被膜が形成されて浸食防止効果が奏される。また、この被膜は対象土壌の表面から粉塵が飛散するのを防止する効果もある。
上記のことから、短期的には散布直後から浸食防止効果と粉塵飛散防止効果が現れる。そして長期的には、種子が発芽して生育するにしたがって、緑化が進み、根を張った植物体がこれらの効果を担うようになる。このようにして、本実施形態の緑化資材の散布によって法面の保護と緑化が達成される。
なお、増粘剤として生分解性が高い多糖類を用いた場合は、ポリ酢酸ビニルの生分解も期待できる。ポリ酢酸ビニルは本来は生分解性に乏しいが、生分解性が高い多糖類が共存すると生分解しやすくなることを本発明者らは見出した。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、具体的な実験例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実験例に限定されるものではない。
<緑化資材の調製>
水、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、増粘剤、分散剤、種子、肥料からなる緑化資材を、表1に示した配合でそれぞれ調製した。ポリ酢酸ビニルは可塑剤を含有している市販品と含有していない市販品とを使い分けた。増粘剤はグァーガムを用いた。分散剤はポリエチレングリコール粉末を用いた。種子はバミューダグラス、シーサイドベントグラス、クリーピングレッドフェスク、ペレニアルライグラス、メドハギを混合したの種子を8~14g/m用いた。肥料は高度化成肥料「15-15-15」を50g/m用いた。
緑化資材の調製手順としては、基材資材(ポリ酢酸ビニル、PVA、増粘剤、分散剤)をタンクに入れ、これに水とともに増粘剤及び分散剤を撹拌しながら加えた。全量が800mLとなるまで水を加えた。これに種子及び肥料を加えた。このように調製した緑化資材を以下の試験に供した。散布量は平面の場合は2L/m、法面の場合は3L/mとした。
<粉塵飛散防止試験>
緑化資材をハイドロシーダーで1割勾配の法面に散布した。散布後の法面浸食や緑化状況を7ヵ月にわたって観察した。緑化資材の配合は、
区画1:上記の標準的な種子吹付工法の配合(8g/m)、
区画2:標準配合に対し十分な余裕を持たすため種子量を1.7倍に増量した配合(14g/m)、
区画3:室内試験の発芽阻害を考慮して種子量を1.3倍に増量した配合(11g/m)、
区画4:種子入りのわら製緑化シート(従来工法)
をそれぞれ設定した。
施工後3ヵ月及び7ヵ月で植被率の調査を行った。コドラート法により植被率を測定すると7ヵ月後時点で区画2及び区画3は60%、区画1は70%となっており,区画1では法面緑化工の成績判定が「可」(植被率≧70%)であることが分かった。また、区画4では植被率は80%であったが、緑化シートが敷設されていない法面上部で降雨浸食が確認された。一方、区画1~3では浸食は見られず、植被率は緑化シートにやや劣るものの緑化資材の散布により浸食防止と緑化を達成していると判断できた。2日後、14日後、30日後、60日後、90日後、120日後、150日後、180日後の累計の粉塵飛散量を測定した。下記の評価基準に従った結果を表1に示した。
・評価基準
A…180日経過後の粉塵飛散量が0.02g未満。
B…180日経過後の粉塵飛散量が0.02g以上。
緑化資材を散布しなかった例と、A評価であった実験例5と、B評価であった実験例6のデータを図1に示した。この結果によれば、増粘剤を含んでいる実験例5では、増粘剤を含んでいない実験例6よりも粉塵飛散量を低く抑えることができた。
<耐浸食性試験>
人工降雨装置を用いて耐浸食性試験を行った。底に多数の孔が開いた金属製のバット(23cm×19cm×3cm)に土木用繊維シートを敷き、その上に土壌を敷き詰めた。種子と肥料を含んでいない緑化資材を各配合で土壌に散布した。3日間養生して被膜を形成させた。
土壌表面の角度が水平に対して45度となるように、バットを人工降雨装置の下に置いた。人工降雨装置を稼働してバット内の土壌に対して雨を降らせた。降らせた雨量は80mm/時間とした。土壌表流水をピッチャーで集水し、10分おきに新しいピッチャーに差し替えた。それぞれのピッチャーに溜まった水の濁度をTD-M500(オプテックス社)で測定した。結果を表1に示した。
・評価基準
A…60分後での濁度が10FTU以下である。
B…60分後での濁度が10FTUを超え100FTU以下である。
C…60分後での濁度が100FTUを超えている。
緑化資材を散布しなかった例と併せて、経時グラフを図2に示した。増粘剤をある程度以上に含んでいる試験体では、濁度が低かったことから土壌の浸食・流出がほとんど生じていないことが分かる。
<緑化試験>
直径11.3cmの円筒形の鉢(ノイバウエルポット1/10000a)に土壌を詰め、種子と肥料とを含んでいる緑化資材を散布した。散布してから2日間、被膜形成のために常温養生した。その後、恒温槽で培養した。培養条件は、温度20℃、湿度70%、水分率60%とした。二週間後に、発芽率、健全率、最大伸長量を求めた。結果を表1に示した。
・評価指標
「発芽率」…([発芽した個体数]/[散布した種子数])×100
「健全率」…([根が健全に生育し、芽が自立する植物個体数]/[発芽した植物個体数])×100
「最大伸長量」…発芽個体の中で最も高い地上部の長さ
・健全率の評価基準
A…90%以上100%以下。
B…80%以上90%未満。
C…80%未満。
緑化資材を散布しなかった例と併せて、発芽率、健全率、最大伸長量をグラフ化したものを図3及び図4に示した。実験例1は緑化は可能であったが健全率と最大伸長量が劣っていた。実験例4は発芽率は劣っているが、健全率と最大伸長量が優れていた。
<生分解性試験>
土壌中での好気的究極生分解度試験(JISK6955:2006準拠)を行った。各材料の皮膜を粉砕し、供試体の炭素含有量(ThCO)を測定した。500mL容量の試験容器に畑地の土壌400gと供試体1gを投入し、約25℃で培養し、定期的にCO発生量を測定した。その際,ブランク試験のCO発生量(BLCO)も測定し、下記式から生分解度を求めた。なお、本試験はすべてn=2で実施した。
生分解度(%)={(供試体CO発生量mg-BLCO発生量mg)/ThCOmg}×100
・評価基準
A…生分解性を示した。
D…生分解性を示さなかった。
実験例1~5は生分解性を示したが、実験例6は生分解性を示さなかった。
Figure 2024018416000001
本発明は、例えば造成された法面の緑化のために利用することができる。

Claims (4)

  1. 水と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと、可塑剤とを含有する緑化資材であって、
    前記水と前記ポリ酢酸ビニルとの体積比が80:20~99.2:0.8であり、
    前記水と前記ポリ酢酸ビニルと前記可塑剤との合計体積を100%としたときの前記ポリビニルアルコールの体積が0.005体積%~0.5体積%であり、
    前記水と前記ポリ酢酸ビニルと前記ポリビニルアルコールと前記可塑剤との合計重量を100重量%として、0.1重量%以上2.5重量%以下の増粘剤と0.1重量%以上2.5重量%以下の分散剤を更に含む、緑化資材。
  2. 種子と肥料とを含む、請求項1記載の緑化資材。
  3. 土壌を対象として散布したとき前記土壌の表面で被膜を形成するものである、請求項1又は2記載の緑化資材。
  4. 法面の土壌を対象として、請求項3記載の緑化資材を散布する、緑化方法。

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