JP2024017281A - 財務分析システム、財務分析方法及びプログラム - Google Patents

財務分析システム、財務分析方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】事業体の財務分析をする際に、事業体の実態に応じた財務状況を判断することができること。
【解決手段】財務分析システム100は、事業体の事業概況に関する情報を取得する取得部3と、前記取得部3によって取得された事業概況に関する情報に基づいて、「営業損益」の欄の金額に、「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「報酬」の金額を加算した利益額を算出する処理部4と、前記処理部4で算出した前記利益額を表示部14に表示させる出力部5と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、財務分析システム、財務分析方法及びプログラムに関する。
営業利益や売上高等の事業概況に関する情報から財務分析に関する支援を行うシステムやプログラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のシステムでは、売上増加率や営業利益率等に基づき、収益性、安全性等について、グラフを生成したり、各種指標を提示したりして、財務に関するアドバイスを行うことができる。
特開2003-203150号公報
ところで、例えば、営業損益(営業利益)は、売上高-売上原価-販管費で求められるが、販管費には役員報酬を含む人件費が含まれている。役員報酬には、代表者の報酬も含まれている。事業体は、事業概況に関する情報を申告する際、節税のために、例えば、代表者に対する報酬を高く設定することがある。
このように、従来の財務分析システムでは、事業体の事業概況に関する情報から直接得られる財務情報に基づいてアドバイスを行うものであるから、事業体の実態に応じた利益や資産額等が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを正確に判断することができない場合がある。
本発明は、事業体の財務分析をする際に、事業体の実態に応じた財務状況を判断することができる財務分析システム、財務分析方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る一態様の財務分析システムは、事業体の事業概況に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記事業概況に関する情報に基づいて、前記事業体の財務情報を取得し、前記財務情報から法人事業概況説明書に記載の「代表者に関する報酬等の金額」の欄のいずれかの項目の額を加算又は減算して金額を算出する処理部と、前記処理部により算出された前記金額を表示部に表示させる出力部と、を備える。
また、上記財務分析システムにおいて、前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「営業損益」の欄の金額を取得し、前記処理部は、前記「営業損益」の欄の金額に対して、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「報酬」の金額を加算した利益額を算出するのが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記出力部は、前記「営業損益」の欄の金額」と、前記利益額とを前記表示部に切替え可能に表示させることが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「資産の部合計」の欄の金額を取得し、前記処理部は、前記「資産の部合計」の欄の金額から、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「貸付金」と「仮払金」との合計額を減算し、代表者債権額が除外された資産額を算出することが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記出力部は、前記「資産の部合計」の欄の金額と、前記代表者債権額を除外した後の資産額とを前記表示部に切替え可能に表示させることが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「負債の部合計」の欄の金額を取得し、前記処理部は、前記「負債の部合計」の欄の金額から、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「借入金」と「仮受金」との合計額を減算し、代表者債務額が除外された負債額を算出することが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記出力部は、前記「負債の部合計」の欄の金額と、前記代表者債務額を除外した後の負債額とを前記表示部に切替え可能に表示させることが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「純資産の部合計」の欄の金額を取得し、前記処理部は、前記「純資産の部合計」の欄の金額に対して、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「借入金」の額を加算し、代表者借入金加算後の純資産額を算出することが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記出力部は、前記「純資産の部合計」の欄の金額と、代表者借入金加算後の純資産額とを前記表示部に切替え可能に表示させることが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記出力部は、横軸を期間とし、縦軸を金額とした棒グラフを表示しつつ、基準となる前記横軸に対し、上方に債権額を示し、下方に債務額を示し、1つの画面で、代表者に対する前記債権額と前記債務額とを表示させることが好ましい。
また、上記財務分析システムでは、上記態様において、前記取得部は、法人事業概況説明書から、前記事業体の事業概況に関する情報を取得することが好ましい。
また、本発明に係る一態様の財務分析方法は、事業体の事業概況に関する情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記事業概況に関する情報に基づいて、前記事業体の財務情報を取得し、前記財務情報から法人事業概況説明書に記載の「代表者に関する報酬等の金額」の欄のいずれかの項目の額を加算又は減算して金額を算出する処理ステップと、前記処理ステップにより算出された前記金額を前記表示部に表示させる出力ステップと、を備える。
また、本発明に係る一態様のプログラムは、上記財務分析方法の各ステップを、プロセッサに実行させるためのプログラムである。
本発明に係る上記態様の財務分析システム、財務分析方法及びプログラムは、事業体の財務分析をする際に、実態に応じた事業体の財務状況を判断することができる、という利点がある。
実施形態に係る財務分析システムのシステム構成図である。 実施形態に係る財務分析システムにおけるユーザ端末のブロック図である。 実施形態に係る財務分析システムにおける管理端末のブロック図である。 法人事業概況説明書の概略図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、自社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、自社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、自社比較機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、管理機能の表示画面の表示例を示す画面図である。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、取得ステップのフローチャートである。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能及び自社比較機能のフローチャートである。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、管理機能のフローチャートである。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、他社比較機能のフローチャートである。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、自社比較機能のフローチャートである。 実施形態に係る財務分析システムにおいて、管理機能のフローチャートである。
<実施形態>
本実施形態に係る財務分析システム100は、対象の事業体の財務状況に関して分析を行い、経営に関する情報の提示を行うことができるシステムである。財務分析システム100は、図1に示すように、事業体が所有する複数のユーザ端末1と、管理サーバ2(「財務分析装置」又は「サーバ装置」という場合がある)と、データベースシステム7と、を備える。
以下の説明では、複数のユーザ端末1として各々を区別する場合、「第1ユーザ端末1a」「第2ユーザ端末1b」などと記載し、複数のユーザ端末1の各々を示す場合には、単に「ユーザ端末1」又は「各ユーザ端末1」と記載する。
本明細書でいう「事業体」とは、事業を行う主体を意味する。「事業体」としては、特に制限はなく、例えば、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、有限責任事業組合、一般社団法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、個人事業主、パートナーシップ等が挙げられる。事業体の規模としては特に制限はなく、例えば、大会社、中会社、小会社等のいずれの規模であってもよい。
本実施形態に係る財務分析システム100では、対象の事業体の事業概況に関する情報を取得し、この情報に基づいて、経営に関する指標値及び財務に関する情報を算出し、「他社比較機能」と「自社比較機能」とを実行させることができる。さらに、財務分析システム100では、ユーザは、「他社比較機能」と「自社比較機能」とを使用して、対象の事業体に対して、アドバイスやコンサルティングを行うことができながらも、ここで使用した対象の事業体の事業概況に関する情報、及び経営に関する指標値並びに財務に関する情報について、複数のユーザ端末1で共有する機能(これを「管理機能」という)を実行することができる。
「他社比較機能」は、対象の事業体の財務に関する情報と他社の財務に関する情報とから、各々の事業体についての経営に関する指標値を算出し、算出した指標値を用いて、自社と他社との比較を提示する機能のことである。「自社比較機能」とは、対象の事業体の事業概況に関する情報から必要な情報を抽出し、自社の財務状況と、代表者に対する報酬等の金額を加算又は減算し、実態に応じた財務状況との比較を提示する機能である。「管理機能」とは、事業体ごとに、例えば、事業概況に関する情報、経営に関する指標値、財務に関する情報等を登録し、複数のユーザ端末1で閲覧できるようにし、また、各ユーザ端末1から入力した情報を他のユーザ端末1でも閲覧できるように、情報の共有を実行可能な機能である。これら「自社比較機能」「他社比較機能」及び「管理機能」については、後から詳細を説明する。
本実施形態に係る財務分析システム100は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。本実施形態に係る財務分析方法は、コンピュータシステム(財務分析システム100)上で用いられる。つまり、財務分析方法は、プログラムでも具現化可能である。本実施形態に係るプログラムは、本実施形態に係る財務分析方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
(財務分析システム100の構成)
以下、本実施形態に係る財務分析システム100、財務分析方法及びプログラムについて詳しく説明する。
本実施形態に係る財務分析システム100は、上述したように、複数のユーザ端末1と、管理サーバ2と、データベースシステム7と、を備える。図1に示すように、複数のユーザ端末1、管理サーバ2及びデータベースシステム7は、ネットワークを介して相互にデータ通信が可能に接続されている。ネットワークとしては、特に制限はなく、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、ゲートウェイ等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。また、ネットワークと端末装置との接続は、有線通信又は無線通信のいずれであってもよい。
(ユーザ端末1)
ユーザ端末1は、本実施形態に係る財務分析システム100のユーザが使用する通信端末機器である。ユーザは、ユーザ端末1を使用して、対象の事業体に対して、経営に関する情報を提示することができる。ユーザ端末1としては、特に制限はなく、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ノート型PC(Personal Computer)、ディスクトップ型PC、スマートウォッチ、スマートグラス等のウェアラブル端末等が挙げられる。ユーザ端末1は、図2に示すように、通信部11と、処理部12と、入力部13と、表示部14と、を備える。
通信部11は、ユーザ端末1を、直接的に、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、ネットワークに接続する。通信部11は、ネットワークに接続されている管理サーバ2との通信機能を有している。これにより、ユーザ端末1は、ネットワークに接続されている他のユーザ端末1、管理サーバ2、及びデータベースシステム7との間で、通信可能に構成される。
入力部13は、ユーザ端末1から財務分析システム100へデータ入力及び制御信号を入力する。入力部13は、例えば、ユーザインタフェースである。ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネルディスプレイを含み、ユーザの操作の受け付けと、ユーザへの情報の表示を行うことができる。ユーザインタフェースは、本実施形態では、タッチパネルディスプレイであるが、これに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ、ジェスチャセンサ等の入力装置を有してもよい。また、ユーザインタフェースは、マイク等の音声入出力部やカメラを有していてもよい。
処理部12は、ユーザ端末1の全体的な処理を実行する。処理部12は、ストレージに記憶されるプログラムに従って、各種処理を実行するプロセッサにより実現される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)等が挙げられる。
表示部14は、処理部12で処理された処理結果を出力する。表示部14としては、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、液晶ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクター、ホログラム、プロジェクションマッピング、スピーカ、プリンタ等が挙げられる。
(管理サーバ2)
管理サーバ2は、財務分析システム100のサービスを複数のユーザ端末1に提供するサーバ装置である。管理サーバ2は、図3に示すように、取得部3と、処理部4と、出力部5と、通信部6と、を備える。本実施形態では、管理サーバ2は、上述したように、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステム(ここではサーバ装置)を主構成とする。取得部3、処理部4、及び出力部5は、1以上のプロセッサがプログラムを実行することによって実現されている。
(取得部3)
取得部3は、事業概況に関する情報を取得する部分である。取得部3によって取得された事業概況に関する情報は、データベースシステム7に格納される。本実施形態に係る事業概況に関する情報は、法人事業概況説明書から取得される。法人事業概況説明書には、図4に示すように、事業体の売上高81(「売上(収入)高」の欄の金額)、売上原価82(「売上(収入)原価」の欄の金額)、販管費83(「販管費のうち」の欄の金額)、営業損益84、資産額85(「資産の部合計(負債の部合計+純資産の部合計)」の欄の金額)、負債額86(「負債の部合計(資産の部合計-純資産の部合計)」の欄の金額、代表者に対する報酬額87(「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の金額)、及び純資産88(「純資産の部合計(資産の部合計-負債の部合計)」の欄の金額)等の情報が含まれている。
取得部3は、法人事業概況説明書の記載内容から事業概況に関する情報を取得し、データベースシステム7において、事業概況に関する情報を事業体の名称に関連付けて記録する。ただし、事業概況に関する情報としては、法人事業概況説明書から取得する場合に限らず、例えば、上場会社であれば有価証券報告書から取得してもよいし、府省が公表する統計データをまとめた法人企業統計調査から取得してもよい。
取得部3は、例えば、管理サーバ2に接続された端末装置により、法人事業概況説明書をスキャニングして得た画像データに対してOCR(Optical Character Recognition)処理を実行して、事業概況に関する情報を取得することができる。管理サーバ2に接続された端末装置としては、特に制限はなく、例えば、スキャナ装置、マルチコピー機、カメラを有するユーザ端末1、ファクシミリ、複合プリンタ等が挙げられる。また、取得部3は、事業概況に関する情報が、csvファイルやexcelファイル等に記録されている場合、これらのファイルから直接的にデータを取得してもよい。
また、取得部3は、事業概況に関する情報を提供する外部サービスのAPI(Application Programming Interface)を用いて、事業概況に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部3は、有価証券報告書をWeb上で開示するAPIや、法人企業統計調査の調査結果を開示するAPIを利用して、事業概況に関する情報を取得することができる。
(処理部4)
処理部4は、管理サーバ2の全体的な処理を実行する。処理部4は、図3に示すように、指標算出部41と、利益額算出部42と、資産額算出部43と、負債額算出部44と、純資産額算出部45と、共有部46と、を備える。図3において、指標算出部41、利益額算出部42、資産額算出部43、負債額算出部44、純資産額算出部45、及び共有部46は実体のある構成を示しているわけではなく、処理部4によって実現される機能を示している。
処理部4は、取得部3により取得した事業概況に関する情報から、経営に関する指標値を算出することができる。経営に関する指標値に関する演算は、指標算出部41で実行することができる。
また、処理部4は、取得部3によって取得された事業概況に関する情報に基づいて、事業体の財務情報を取得し、財務情報から、法人事業概況説明書に記載の「代表者に関する報酬等の金額」の欄のいずれかの項目の額を加算又は減算して金額を算出することができる。当該演算は、利益額算出部42、資産額算出部43、負債額算出部44、及び純資産額算出部45で実行することができる。ここにおいて、本明細書でいう「事業体の財務情報」は、事業体の営業損益の額、資産額、負債額、純資産額の少なくとも1つを意味する。
(指標算出部41)
指標算出部41は、取得部3により取得した事業概況に関する情報から、所定期間ごとの経営に関する指標値を算出する。経営に関する指標値とは、売上高、売上原価及び販管費等から、経営、財務又は/及び会計に関して、状況の把握をしやすいように、数値で表したものを意味する。指標値としては、例えば、売上高営業利益率、売上高人件費率、総資本営業利益率、総資本回転率、手元流動性比率、キャッシュ・コンバージョン・サイクル、借入金月商倍率、当座比率、流動性比率、自己資本比率、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、仕入債務回転期間等が挙げられる。なお、本明細書でいう「販管費」とは、販売費及び一般管理費、すなわち「販売管理費」を意味する。
売上高営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を表す指標値のことである。売上高営業利益率によって、対象となる事業体が黒字経営かどうかを判断することができる。売上高営業利益率は、売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100 にて算出することができる。また、営業利益=売上高-売上原価-販管費にて算出することができる。
売上高人件費率は、売上高に対する人件費の割合を表す指標値のことである。売上高人件費率によって、事業体の収益に対して人件費が多くないかどうかを判断することができる。売上高人件費率は、売上高人件費率(%)=人件費÷売上高×100 にて算出することができる。また、人件費=役員報酬+従業員給料+労務費にて算出することができる。
総資本営業利益率は、総資本に対する営業利益の割合を表す指標値のことである。総資本営業利益率によって、投下した資本が収益に効率的に使用されているかどうかを判断することができる。総資本営業利益率は、総資本営業利益率(%)=営業利益÷総資本×100 にて算出することができる。
総資本回転率は、資本の有効活用度を表す指標値のことである。総資本回転率によって、総資本がどれだけ効率的に売上高を生み出したかどうかを判断することができる。総資本回転率は、総資本回転率(回転)=売上高÷総資本 にて算出することができる。
手元流動性比率は、短期の支払い能力を表す指標値であり、売上高に対する流動的な資産の割合を表す指標値のことである。手元流動性比率によれば、売上がゼロと仮定した場合において、何ヶ月継続して支払い能力があるかを判断することができる。手元流動性比率は、手元流動性比率(%)=(現金預金+有価証券)÷売上高×100 にて算出することができる。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、仕入れから現金を回収するまでの日数を示す指標値のことである。キャッシュ・コンバージョン・サイクルによって、資金繰りは良いかどうかを判断することができる。キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、キャッシュ・コンバージョン・サイクル=売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数 にて算出することができる。
借入金月商倍率は、借入金が月間売上高の何倍であるかを表す指標値のことである。借入金月商倍率によって、借入金が多すぎないかどうか、借入金の返済余力はあるかどうか、を判断することができる。借入金月商倍率は、借入金月商倍率(倍)=借入金÷月平均売上高 にて算出することができる。
当座比率は、短期のうちに返済・支払い期限が到来する流動負債に対し、現金や有価証券等の当座資産の割合を表す指標値である。当座比率によって、事業体の短期的な債務支払い能力を判断することができる。当座比率は、当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100 にて算出することができる。
流動性比率は、流動負債に対する流動資産の割合を表す指標値のことである。流動性比率によって、事業体の短期的(1年以内)な安全性(支払い能力)を判断することができる。流動性比率は、流動性比率(%)=流動資産÷流動負債×100 にて算出することができる。
自己資本比率は、総資本に対する自己資本の割合を表す指標値のことである。自己資本比率によって、財務健全性が高いかどうかを判断することができる。自己資本比率は、自己資本比率(%)=純資産÷総資本×100 にて算出することができる。
売上債権回転期間は、売上債権に対する売上高の割合を表す指標値のことである。売上債権回転期間によって、売上債権が効率的に回収されているかどうかを判断することができる。売上債権回転期間は、売上債権回転期間(日数)=売上債権÷売上高×365(日) にて算出することができる。
棚卸資産回転期間は、売上原価に対する棚卸資産の割合を表す指標値のことである。棚卸資産回転期間によって、事業体が所有する棚卸資産がどのくらいの期間で販売されたかどうかを計ることができる。棚卸資産回転期間は、棚卸資産回転期間(日数)=棚卸資産
÷売上原価×365(日) にて算出することができる。
仕入債務回転期間は、商品を仕入れてから買掛金や支払手形が決済されるまでの期間を表す指標値である。仕入債務回転期間によって、取引先の資金繰りが適正かどうかを判断することができる。仕入債務回転期間は、仕入債務回転期間(日数)=仕入債務÷売上原価×365(日) にて算出することができる。
このように、本実施形態に係る指標算出部41では、様々な種類の指標値を算出することができるが、上述した例は例示に過ぎず、他の指標値を算出するように構成されてもよい。
指標算出部41は、所定期間ごとの経営に関する指標値を算出する。ここでいう「所定期間」とは、指標値を算出するのに必要な期間を意味し、指標値に応じて適宜決定されてもよいし、ユーザが任意に選択してもよい。所定期間は、例えば、3ヶ月、6ヶ月、1年間等が挙げられる。指標算出部41は、例えば、売上高営業利益率を算出するとき、所定期間として3ヶ月が選択された場合には、3ヶ月営業利益÷3ヶ月売上高×100 を3ヶ月ごとに1年以上にわたって(好ましくは複数年にわたって)算出することができる。指標算出部41によって算出された指標値は、データベースシステム7のデータベースに格納される。
(利益額算出部42)
利益額算出部42は、取得部3で取得された事業体の営業損益に対して、「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「報酬」の額を加算した利益額(以下、「代表者報酬加算後の利益額」という場合がある)を算出する。ユーザは、代表者報酬加算後の利益額を見ることによって、営業損益に関し、事業体の実態に応じた利益が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを、適切に判断することができる。ここで、「取得部3で取得された事業体の営業損益」とは、処理部4によって加算又は減算した金額を算出する前の金額を意味し、法人事業概況説明書に書かれた具体的な金額のみを示すものではなく、法人事業概況説明書に記載されているその他の金額から算出した金額を用いても良い。
ここで、「営業損益」は、法人事業概況説明書の「営業損益」の欄を利用できるが、売上高-売上原価-販管費でも求められる。また、本明細書では、「営業損益」は、利益となった場合は「営業利益」、損失となった場合は「営業損失」と呼ばれることがあるため、「営業利益」、「営業損失」という場合がある。「営業利益」をマイナスで表示することで、「営業損失」を表す場合がある。
販管費には役員報酬を含む人件費が含まれる。役員報酬には、代表者の報酬も含まれている。事業体は、事業概況に関する情報を申告する際、節税のために、代表者に対する報酬を高く設定することがある。代表者に対する報酬が多くなれば、販管費が多くなり、結果、営業利益が小さくなるからである。このため、単に営業利益を見るだけでは、事業体の実態に応じた利益が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを正確に判断することができない場合がある。そこで、利益額算出部42では、事業体の営業損益から代表者に対する報酬を加算した利益額を算出することで、実態に応じた利益額を評価できるようにする。
本実施形態では、「代表者に対する報酬」として、法人事業概況説明書において、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「報酬」の項目を使用する。これを営業利益(営業損益)に対して加算することで、代表者報酬加算後の利益額を算出する。ただし、本発明では、「代表者に対する報酬」として、法人税申告書に添付する勘定科目内訳書から、代表者への報酬額を抽出してもよい。また、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「報酬」以外にも、代表者に対する損益にかかわる項目を利用しても良い。例えば、代表者に対する損益にかかわる項目は、賃借料、又は支払利息などを利用できる。
利益額算出部42によって算出された金額は、データベースシステム7のデータベースに格納される。
(資産額算出部43)
資産額算出部43は、事業体の資産額(総資産)から代表者に対する債権についての金額(以下、「債権額」という場合がある)を差し引いた金額(以下、「代表者債権額除外後の資産額」という場合がある)を算出する。ユーザは、代表者債権額除外後の資産額を見ることによって、資産額に関し、事業体の実態に応じた資産がどの程度であるか、を判断することができる。
ここで、「資産」には、代表者に対する事業体の債権(例えば、貸付金等)が含まれる。事業体は、代表者に貸付をすると、本来、代表者は返済する義務を負うが、事業体を自分のものだと考えていることもあって、代表者は返済することなく放置することがある。すなわち、資産額として現れる金額が、実態に応じた資産額よりも多くあらわれることになり、正確な資産額を評価することができない。そこで、資産額算出部43では、事業体の資産額から代表者に対する債権額を差し引いた金額を算出することで、実態に応じた資産額を評価できるようにする。
本実施形態では、「代表者に対する債権」として、法人事業概況説明書において、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「貸付金」と「仮払金」とを足した金額を使用する。これを資産額から差し引くことで、代表者債権額除外後の資産額を算出する。ただし、本発明では、「代表者に対する債権額」としては、金銭消費貸借契約書や法人税申告書等の書類から、代表者への債権額を抽出してもよい。また、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「貸付金」と「仮払金」以外にも、代表者に対する債権にかかわる項目を利用しても良い。例えば、代表者に対する債権にかかわる項目は、立替金、前払金、又は預け金などを利用できる。
資産額算出部43によって算出された金額は、データベースシステム7のデータベースに格納される。
(負債額算出部44)
負債額算出部44は、事業体の負債額から代表者に対する債務についての金額(以下、「債務額」という場合がある)を除外した金額(以下、「代表者債務額除外後の負債額」という場合がある)を算出する。ユーザは、代表者債務額除外後の負債額を見ることによって、負債額に関し、事業体の実態に応じた負債額がどの程度であるか、を判断することができる。ここでいう「負債額」は、法人事業概況説明書にいう「負債」を意味する。
負債には、代表者に対する借入金が含まれる。事業体は、代表者から借入をして、資金繰りを行うことがある。この場合、負債として現れる金額(負債額)に、代表者に対する債務額が含まれるため、例えば、数字上は債務超過であるが、代表者に対する借入金を除くと債務超過になっていないケースもあり得、実態に応じた負債額を評価することができない。そこで、負債額算出部44では、事業体の負債額から代表者に対する債務額を除外した金額を算出することで、実態に応じた負債額を評価できるようにする。
本実施形態では、「代表者に対する債務額」として、法人事業概況説明書において、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「借入金」と「仮受金」とを足した金額を使用する。これを負債額から差し引くことで、代表者債務額除外後の負債額を算出する。ただし、本発明では、「代表者に対する債務額」としては、金銭消費貸借契約書や法人税申告書等の書類から、代表者への債務額を抽出してもよい。また、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「借入金」と「仮受金」以外にも、代表者に対する債務にかかわる項目を調整しても良い。例えば、代表者に対する債務にかかわる項目は、前受金、又は預り金などを利用できる。
負債額算出部44によって算出された金額は、データベースシステム7のデータベースに格納される。
(純資産額算出部45)
純資産額算出部45は、事業体の純資産額に対して代表者に対する借入金を加算した金額(以下、「代表者借入金加算後の純資産額」という場合がある)を算出する。ユーザは、代表者借入金加算後の純資産額を見ることによって、債務超過になっていないか等の事業体の実態に応じた財政状態を判断することができる。
ここで、「純資産」は、返済義務がない事業体の資産を意味する。すなわち、純資産とは、資産(総資産)から、他人資本である負債額を除いた金額のことである。純資産額には、代表者に対する借入金が含まれていないが、代表者に対する借入金は返済しないことが多く、資本金と同等と考えることができ、代表者に対する借入金を純資産に含めて評価できるようにする。
本実施形態では、「代表者に対する借入金」として、法人事業概況説明書において、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「借入金」を使用する。これを純資産額に対して加算することで、代表者借入金加算後の純資産額を算出する。また、「10 代表者に対する報酬等の金額」の欄の「借入金」以外にも、代表者に対する債務にかかわる項目を利用しても良い。例えば、代表者に対する債務にかかわる項目は、仮受金、前受金、又は預り金などを利用できる。
純資産額算出部45によって算出された金額は、データベースシステム7のデータベースに格納される。
(共有部46)
共有部46は、データベースシステム7に記録されたデータベースの情報を、複数のユーザ端末1で共有させる。データベースには、例えば、事業概況に関する情報が事業体に関連付けて記録されている。このため、第1ユーザ端末1aを用いて、事業概況に関する情報を記録した場合でも、この事業概況に関する情報を第2ユーザ端末1bに対して共有させることができる。また、データベースには、事業概況に関する情報から、各指標値、営業利益(営業損益)、代表者報酬加算後の利益額、資産額、代表者債権額除外後の資産額、負債額、代表者債務額除外後の負債額、純資産額、及び代表者借入金加算後の純資産額が、事業体に関連付けて記録されている。このため、これらの情報については、複数のユーザ端末1で同期させ、複数のユーザ端末1に情報を共有させることができる。
また、共有部46は、第1ユーザ端末1aを使用して記録した情報(例えば、事業体についてのコメント、評価等)を、第2ユーザ端末1bに共有させることもできる。これによって、ある事業体の情報を、他のユーザにも共有することができる。
(出力部5)
出力部5は、処理部4による処理の結果(例えば、算出結果等)を、ユーザ端末1の表示部14に表示させる。出力部5は、図3に示すように、指標出力部51と、利益額出力部52と、資産額出力部53と、負債額出力部54と、純資産額出力部55と、管理画面出力部56と、を備える。図3において、指標出力部51、利益額出力部52、資産額出力部53、負債額出力部54、純資産額出力部55、及び管理画面出力部56は、実体のある構成を示しているわけではなく、出力部5によって実現される機能を示している。
ここで、上述の「他社比較機能」は、対象となる事業体の経営に関する指標値を用いて、他社と比較する機能である。他社比較機能は、出力部5のうち、指標出力部51によって実現され得る。「自社比較機能」は、対象となる事業体の財務状況を、代表者の報酬等を加算又は減算した場合と、加算又は減算しない場合とを比較できる機能である。自社比較機能は、利益額出力部52と、資産額出力部53と、負債額出力部54と、純資産額出力部55とで実現され得る。「管理機能」は、対象となる事業体について、事業概況に関する情報、指標値、及び財務状況に関する情報を、複数のユーザ端末1の間で共有する機能である。管理機能は、上述した共有部46及び管理画面出力部56で実現され得る。
(指標出力部51)
指標出力部51は、指標算出部41による算出結果を、ユーザ端末1の表示部14に表示させる。指標出力部51は、指標算出部41によって算出された時間(期間)に対する指標値に基づき、グラフを表示する。
ここで、図5~図13には、指標出力部51によって出力される表示部14における表示画面9aの一例を図示する。指標出力部51はグラフとして、図5等に示すように、横軸を時間(期間)とし、縦軸を指標値とした折れ線グラフを表示する。ここでは、指標値の一例としての手元流動性比率についての表示画面を例示して、説明する。
指標出力部51は、最初に、縦軸を指標値とし、横軸を時間としたグラフエリア91を表示させる。このとき、指標値に応じて、評価基準の閾値を表示してもよい。本実施形態では、評価基準の閾値として、200%以上を「優良」と表示し、100%以下を「改善」と表示している。
指標出力部51は、対象となる事業体の指標値を「自社」、当該事業体の属する分野の中小会社の平均値を「中小会社」、当該事業体の属する分野の大会社の平均値を「大会社」とし、それぞれについてグラフを表示する。なお、中小会社及び大会社の指標値は、法人企業統計調査の調査結果を使用する。ここでは、公表されている平均値を利用するが、特定の競業他社の事業概況に関する情報を取得し、これより指標値を算出して用いてもよい。
図5に示すように、指標出力部51は、グラフエリア91を表示させた後、図6以降に示すように、グラフエリア91上に、対象となる事業体の折れ線グラフを表示させる。折れ線グラフの表示方法としては、グラフの全体を一度に表示してもよいが、本実施形態に係る指標出力部51は、時間に対する指標値を、横軸に沿って順に連続表示させ、折れ線グラフを表示させる。これによって、ユーザが折れ線グラフをより把握しやすく訴えることができ、ユーザは容易に指標値を把握することができるようになる。
図5,6に示すように、対象となる事業体の、例えば2015年4月から2016年3月までの1年間に対応する指標値の位置(400%以上)にアイコン92を表示させ、2016年4月から2017年3月までの1年間に対応する指標値の位置(0%)に向かって、直線的に、アイコン92を移動させると共に、その移動軌跡をグラフとして表示する。同様に、図7,8に示すように、2018年、2019年…と続け、2022年まで、横軸に沿って連続表示させる。
ここでいう「連続表示」とは、横軸に沿って途切れることなく表示させることを意味する。したがって、グラフを表示する際に、アイコン92が停止することなく移動するか、一時停止するかは特に問わない。本実施形態では、アイコン92は、横軸の一端から多端まで(すなわち、2016年3月から2022年3月まで)停止することなく移動するが、アイコン92が、年度ごとに一時的に停止することも連続表示の範疇である。
次いで、図8~10に示すように、2016年に対応する位置(220%)に表示された中小会社のアイコン92について、指標値を横軸に沿って順に連続表示させる。
その後、図11~13に示すように、2016年に対応する位置(120%)に表示された大会社のアイコン92について、指標値を横軸に沿って順に連続表示させる。
これによって、ユーザは、対象となる事業体、中小会社及び大会社の指標値の移り変わりを視覚的に把握することができ、変化の過程や事業体の成長度合いがわかりやすい。
本実施形態に係る指標出力部51は、グラフエリア91を表示させた後、事業体、中小会社及び大会社の順に表示させたが、例えば、グラフエリア91を表示させた後、事業体、中小会社及び大会社について、同時に、横軸に沿って連続表示させてもよい。
指標出力部51は、折れ線グラフの横軸方向の先端にアイコン92を表示させることで、各折れ線グラフがどの指標値を表しているかを明確にすることができる。アイコン92に表示される図については、ユーザが適宜変更することができるようにしてもよいし、写真等の画像を使用してもよい。
また、例えば、図13に示すように、表示画面9aには、「年間比較」「3ヶ月比較」を選択するタブが設けられている。「3ヶ月比較」を選択することで、3ヶ月間(例えば、当年1月から3月)の指標値についての折れ線グラフを表示することができる。また「年間比較」を選択することで、1年間(例えば、前年4月から当年3月)の指標値についての折れ線グラフを表示することができる。ここでは、「年間比較」と「3ヶ月比較」の2つのタブだけであるが、例えば、「4ヶ月比較」「半年比較」等を適宜選択できるようにしてもよい。また、1年のうち、3ヶ月ごとの指標値の推移を表示できるようにしてもよい。
また、「アドバイス」タブを選択することで、指標値に応じたアドバイスが表示される。本実施形態では、折れ線グラフを見るだけで、優良なのか、改善すべきなのかが一見して把握できるが、「アドバイス」タブを選択することで、より具体的なアドバイスを表示させることができる。アドバイスは、指標値に応じたコメントを予め記録しておいてもよいし、専門家に対して指標値を提示して、チャット機能などを使用して、リアルタイムでアドバイスを提供してもよい。
(利益額出力部52)
利益額出力部52は、利益額算出部42による算出結果を、ユーザ端末1の表示部14に表示させる。利益額出力部52は、利益額算出部42によって算出された結果に基づき、グラフを表示する。
ここで、図14には、利益額出力部52によって出力される表示部14における表示画面9bの一例を図示する。利益額出力部52は、グラフとして、横軸を時間(期間)とし、縦軸を金額とした棒グラフを表示する。ここでは、棒グラフによって、グラフを表示するが、例えば、円グラフ、帯グラフ、ヒストグラム等の他のグラフによって表示してもよい。表示画面には、グラフエリアの下に、グラフに対応する年度の売上高、営業利益(又は代表者報酬加算後の利益額)、売上高に対する営業利益の割合が、表にして示される。
表示画面には、「決算書」「代表の報酬なし」のタブが設けられている。「決算書」が選択されると、取得部3で取得された営業損益(営業利益)が表示される。「代表の報酬なし」が選択されると、営業損益(営業利益)の金額に代表者報酬を加算した金額(以下「代表者報酬加算後の利益額」ということがある。)が表示される。図14では、「代表の報酬なし」が選択された表示画面が示されており、「営業利益」の項目に、代表者報酬加算後の利益額が表示されている。グラフでは、売上高を薄色グラフで示し、営業利益又は代表者報酬加算後の利益額を濃色グラフで示している。各グラフは、横軸から上端までの高さで、金額を示している。
このように、本実施形態では、表示画面9bにおいて、上部のタブによって、取得部3で取得された営業損益(営業利益)と、代表者報酬加算後の利益額とが切替え可能に表示されている。このため、ユーザは、取得部3で取得された営業損益(営業利益)と代表者報酬加算後の利益額とを比較しながら、代表者報酬が含まれた、事業体の実態に応じた利益額を評価できる。
(資産額出力部53、負債額出力部54)
資産額出力部53は、資産額算出部43による算出結果を、ユーザ端末1の表示部14に表示させる。また、負債額出力部54は、負債額算出部44による算出結果を、ユーザ端末1の表示部14に表示させる。資産額出力部53及び負債額出力部54は、資産額算出部43及び負債額算出部44によって算出された結果に基づき、グラフを表示させる。
ここで、図15には、資産額出力部53及び負債額出力部54によって出力される表示画面9cの一例を図示する。グラフでは、横軸を期間とし、縦軸を金額とした棒グラフを表示する。本実施形態では、基準となる横軸に対し、上方に債権額(代表者債権額。図15では「債権額」と表記。)を示し、下方に債務額(代表者債務額。図15では「債務額」と表記。)を示し、1つの画面で、代表者に対する債権額と債務額とを表示することができる。ただし、本発明では、債権額と債務額とを別々の画面で表示してもよい。表示画面9cには、グラフエリアの下に、グラフに対応する年度の債権額、債務額、債権額と債務額との差額が、表にして示される。
表示画面9cには、代表者債権額として、代表者に対する債権額が表示され、代表者債務額として、代表者に対する債務額が表示されている。そして、差額として、代表者債権額と代表者債務額との差額が表示されている。
代表者の債権債務は精算されないこともあり、その増減は経営に大きな影響を及ぼすことがある。このため、表示画面9cでは、その増減を時系列で確認することができる。
(純資産額出力部55)
純資産額出力部55は、純資産額算出部45による算出結果を、ユーザ端末1の表示部14に表示させる。純資産額出力部55は、純資産額算出部45によって算出された結果に基づき、グラフを表示させる。
ここで、図16には、純資産額出力部55によって出力される表示画面9dの一例を図示する。グラフでは、横軸を期間とし、縦軸を金額とした棒グラフを表示する。本実施形態では、基準となる横軸(「債務超過」と記載されたライン)に対し、各グラフが下方に延びると「債務超過」であると評価でき、基準となる横軸(「資本金」と記載されたライン)に対し、各グラフが上方に延びるほど純資産額が多いと評価できる。なお、グラフエリアにおいて、事業体の資本金に対応するラインに「資本金」と表示されている。
表示画面9dには、「決算書」「代表者借入含む」のタブが設けられている。「決算書」が選択されると、取得部3で取得された事業体の純資産額が表示される。「代表者借入含む」が選択されると、代表者借入金加算後の純資産額が表示される。図16では、「代表者借入含む」が選択された表示画面9dが示されている。
このように、本実施形態では、表示画面9dにおいて、上部のタブによって、代表者に対する借入金が含まれていない純資産額と、代表者借入金加算後の純資産額とを切替え可能に表示させることができる。このため、ユーザは、取得部3で取得された純資産額と、代表者借入金加算後の資産額と、を比較しながら、事業体の実態に応じた純資産を評価することができる。
(管理画面出力部56)
管理画面出力部56は、共有部46によって共有される情報について、事業体ごとにまとめて表示部14に表示させる。以下では、指標算出部41により算出された事業体の経営指標に関する情報、及び、利益額算出部42と資産額算出部43と負債額算出部44と純資産額算出部45とのうちの少なくとも一つにより算出された事業体の収益に関する情報を表示させるモードを、第1のモードとする。また、管理画面出力部56で、表示画面9eを表示させるモードを、第2のモードとする。
ここで、図17には、管理画面出力部56によって出力される表示画面9eの一例を図示する。表示画面9eには、事業体についての情報を、第1ユーザ端末1aからデータベースに登録するための画面の一例が示されている。
表示画面9eには、事業体の企業情報(例えば、代表者の年齢、従業員の平均年齢等)、会社の評価(例えば、ユーザの主観で5段階で評価する)、余剰金の目安、成約の可能性(例えば、ユーザの主観でAからEで評価)、及び事業体についてのコメントが表示されている。ユーザは、第1ユーザ端末1aを用いて、事業体についての情報を入力する。また、第1ユーザ端末1aを用いて、事業概況に関する情報を入力する。この表示画面9eによって入力された情報は、共有部46によって、第2ユーザ端末1bにも共有される。すなわち、管理画面出力部56は、第1ユーザ端末1a及び第2ユーザ端末1bに、事業概況に関する情報を表示可能である。
例えば、会社の評価として、図17に示すように、重要指数、安全性指数、収益性指数、及び資金効率性指数を表示することができる。重要指数とは、ユーザにとっての重要度を示す指数である。安全性指数とは、財務上の安全性の高さを示す指数である。収益性指数とは、収益性の高さを示す指数である。資金効率性指数とは、資金の回収の効率の高さを示す指数である。いずれも5段階評価で示し、最も低い値が1、最も高い値が5、平均が3である。
例えば、成約の可能性として、A:可能性が極めて高い、B:可能性が高い、C:どちらとも言えない、D:可能性が低い、E:可能性が極めて低い などとして、対象となる事業体に対する各ユーザの手応えを共有する。
また、表示画面9eには、コメント欄が設けられている。コメント欄に情報を記入することで、事業体に応じた特有の情報を共有することができる。
処理部4は、第2のモードを実行するときに、第2のモードの使用を許可されたユーザによる操作かどうか認証を行う。認証としては、例えば、ログインID及びパスワード、生体認証、認証コードを発行する2段階認証等が挙げられる。生体認証としては、例えば、指紋認証、顔認証、音声認証、静脈認証、虹彩認証等が挙げられる。なお、認証としては、パスワードのみであってもよい。
これら管理画面を用いて、事業体について関連付けられた情報を、複数のユーザ端末で共有することで、複数のユーザは、多種多様な情報を営業活動に有効に活用することができる。
(通信部6)
通信部6は、管理サーバ2を、直接的に、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、ネットワークに接続する。通信部6は、ネットワークに接続されているユーザ端末1と、データベースシステム7との通信機能を有している。これにより、管理サーバ2は、ネットワークに接続されているユーザ端末1、及びデータベースシステム7との間で、通信可能に構成される。
(データベースシステム7)
データベースシステム7は、データベースを記憶する。データベースシステム7は、サーバにより実現され得る。データベースには、事業体に関連付けて、事業概況に関する情報、指標算出部41により算出された指標値が記録されている。また、データベースには、上述したように、各指標値、営業利益、代表者報酬加算後の利益額、資産額、代表者債権額除外後の資産額、負債額、代表者債務額除外後の負債額、純資産額、及び代表者借入金加算後の純資産額が、事業体に関連付けて記録されている。
また、データベースには、事業体に関する情報が記録されている。事業体に関する情報としては、例えば、事業体の連絡先(住所、電話番号等)、事業体の担当者の電子メールアドレス、ホームページアドレス、過去の取引情報(取引履歴、取引額、見積り額、割引額等)、業種、年商、資本金、代表者の年齢、従業員の平均年齢、面談した場所等が記録されている。
(フローチャート)
本実施形態に係る財務分析システム100の動作の一例を、フローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る財務分析システム100では、事業概況に関する情報を取得する取得ステップと、事業概況に関する情報に基づいて処理を実行する処理ステップと、処理ステップによる結果を表示する出力ステップと、を実行する(この方法を「財務分析方法」という場合がある)。
取得ステップの一例として、事業体の事業概況に関する情報を取得するフローチャートを、図18に示す。まず、管理サーバ2は、事業概況説明書を、例えば、ユーザ端末1を用いて読み込むようにリクエストする(ST1)。このとき、管理サーバ2は、法人事業概況説明書について、取込み方法を指定する(ST2)。取込み方法としては、例えば、ユーザ端末1のカメラを用いた写真データ、テキストデータ等が挙げられる。
管理サーバ2は、取り込んだ事業概況説明書について、OCR処理を実行する(ST3)。そして、管理サーバ2は、事業概況説明書に記載された内容をデータベースに保存する(ST4)。
ユーザは、ユーザ端末1を用いて、事業体の事業概況に関する情報について確認し、修正すべき事項があれば、ユーザ端末1を使用して修正を実行する(ST5)。ユーザ端末1を用いて修正を実行すると、管理サーバ2は、修正を実行した箇所について、データベースの内容を更新する。これによって、財務分析システム100では、事業概況に関する情報を取得することができる。
次に、処理ステップ及び表示ステップによる他社比較機能及び自社比較機能の一例を、図19を用いて説明する。
図19に示すように、ユーザが、ユーザ端末1を用いて、事業体の管理画面を表示させ、事業体の事業概況に関する情報を表示させる(ST11)。この状態でユーザが、例えば、他社比較機能を実行すると(ST12)、管理サーバ2は、他社比較機能で実行しようとする事業体についての事業概況に関する情報をデータベースから参照し、事業体の経営に関する指標値を算出する(ST13)。その後、管理サーバ2は、ユーザ端末1の表示部14に、指標値等のグラフを表示させる。ユーザは、ユーザ端末1に表示された表示画面を確認する(ST14)。
なお、図19において「分析情報」とは、指標算出部41による処理結果、利益額算出部42による処理結果、資産額算出部43による処理結果、負債額算出部44による処理結果、及び純資産額算出部45による処理結果の少なくとも1つを意味する。
図21には、他社比較機能のシーケンス図を示している。図21に示すように、他社比較機能を実行するには、予め、対象となる事業体とは別の事業体についての事業概況に関する情報を取得し、データベースに登録しておく。そして、ユーザ端末1を用いて、ユーザが他社比較機能を実行すると、上述したように、管理サーバ2は、他社比較機能で実行しようとする事業体についての事業概況に関する情報をデータベースから参照し、事業体の経営に関する指標値を算出する。そして、ユーザ端末1にグラフを表示する。
図22には、自社比較機能のシーケンス図を示している。図22に示すように、ユーザ端末1を用いて、ユーザが自社比較機能を実行すると、管理サーバ2は、「第一表示情報」と、「第二表示情報」とを生成し、ユーザ端末1に表示させる。ここにおいて、「第一表示情報」は、取得部3で取得された売上高、取得部3で取得された営業利益、取得部3で取得された資産、取得部3で取得された負債、及び取得部3で取得された純資産額のいずれかを指す。「第二表示情報」は、代表者報酬加算後の利益額、代表者債権額除外後の資産額、代表者債務額除外後の負債額、及び代表者借入金加算後の純資産額のいずれかを指す。次に、共有部46及び管理画面出力部56による管理機能の処理の一例を、図20,23を用いて説明する。
ユーザが、ユーザ端末1を用いて、管理画面を表示させると(ST21)、管理サーバ2は、複数の事業体の事業概況に関する情報の一覧のデータを生成する(ST22)。管理サーバ2は、生成した一覧のデータを基に、ユーザ端末1に一覧表示を行う(ST23)。ユーザは、表示された情報を基に、目的に合わせて特定の条件を入力して、複数の事業体を並び替えて表示でき(これを「ソート表示」という場合がある)、表示された情報を基に、事業体についての情報を確認することができる。
また、ここでは、管理画面出力部56が、ユーザの操作に応じて、一覧表示及びソート表示をする例を挙げたが、例えば、ユーザが所望の条件を入力して、条件に適合する事業体の一覧を表示する集約表示を実行してもよい。また、集約表示を行った後で、ソート表示を実行してもよい。
このように、本実施形態に係る財務分析システム100を用いて、自社比較機能、他社比較機能及び管理機能を組み合わせて使用する。例えば、保険のセールスの担当者がユーザ端末1(第1ユーザ端末1a;「担当者端末」という場合がある)を所有し、担当者の上司が別のユーザ端末1(第2ユーザ端末1b;「上司端末」という場合がある)を所有するとする。この場合、セールス担当者は、第1ユーザ端末1aを用いて、事業体の担当者に対して、会社診断をする建前で、第1モードを実行して、会社診断をしながら、会社の財務状態や資産の状況等の情報を入手することができる。すなわち、担当者は、事業体の担当者に会社診断を行う際に、第1ユーザ端末1aを用いて、事業概況に関する情報を入力し、経営に関する指標値や、代表者に対する報酬を加算した利益額等のグラフ(図5から図16の少なくとも一つ)を提示して、事業体の担当者に対して、実態に応じた、有用な情報を提供することができる。
一方、セールスの担当者は、事業体の担当者が表示部を見ていないときに、手元で、第2モードを実行して、事業体の余剰金、代表者の年齢、従業員の平均年齢、会社の評価、成約の可能性、年商、資本金等の情報を確認し、例えば、余剰金が多い会社に対しては、セールスの営業を積極的に行ったり、代表者の年齢や従業員の平均年齢に応じた保険のセールスを行ったりするといった判断ができる。
また、担当者の上司は、第2ユーザ端末1bを用いて、第2モードを実行すれば、複数のセールスの担当者が入力した複数の事業体の情報を共有することができる。また、集約表示、一覧表示、ソート表示等を実行することで、効率よく、所望の情報を得ることができる。
<変形例>
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上記実施形態では、事業概況に関する情報として、法人事業概況説明書から得た情報を一例に説明したが、上述したように、有価証券報告書、法人企業統計調査のほか、決算書、確定申告書から得た情報を使用してもよい。
上記実施形態に係る財務分析システム100における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは財務分析システム100に必須の構成ではない。財務分析システム100の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。財務分析システム100の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよいし、クラウド及びエッジに分散して実現されてもよい。クラウドは、インターネット上にあってもよいし、オンプレミスにあってもよい。
また、実施形態において、管理サーバ2及びデータベースシステム7が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
上記実施形態に係る財務分析システム100では、対象となる事業体の事業概況として単体の事業体の事業概況を利用して説明したが、単独ではなく、2社以上の事業体の事業概況を合算させた金額を用いても良い。例えば、第1の事業体の事業概況と、第2の事業体の事業概況とを合算させた金額を用いることができる。これにより、第1の事業体が第1の事業体を事業買収する際、事業買収した後の財務情報を的確に把握できる。
ひいては、第1の事業体は、第2の事業体を買収する際、第1の事業体の事業概況と、第2の事業体の事業概況とを合算させた金額を用いることで、買収後の事業体の事業概況を把握できるため、その買収の判断材料に利用できる。
第2の事業体の事業概況は、例えば、取得部3を通じて取得するようにしても良い。すなわち、ユーザは、取得部3を通じて、第1の事業体の事業概況を取得し、その後、第2の事業体の事業概況も取得する。その後、処理部4は、第1の事業体の事業概況と第2の事業体の事業概況とを合算する。その後、ユーザが、その合算後の金額を用いて、上述した各機能を利用できるようにしても良い。
100 財務分析システム
1 ユーザ端末
1a 第1ユーザ端末
1b 第2ユーザ端末
14 表示部
2 管理サーバ
4 処理部
5 出力部

Claims (13)

  1. 事業体の事業概況に関する情報を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記事業概況に関する情報に基づいて、前記事業体の財務情報を取得し、前記財務情報から法人事業概況説明書に記載の「代表者に関する報酬等の金額」の欄のいずれかの項目の額を加算又は減算して金額を算出する処理部と、
    前記処理部により算出された前記金額を表示部に表示させる出力部と、
    を備える、
    財務分析システム。
  2. 前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「営業損益」の欄の金額を取得し、
    前記処理部は、前記「営業損益」の欄の金額に対して、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「報酬」の金額を加算した利益額を算出する、
    請求項1に記載の財務分析システム。
  3. 前記出力部は、前記「営業損益」の欄の金額」と、前記利益額とを前記表示部に切替え可能に表示させる、
    請求項2に記載の財務分析システム。
  4. 前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「資産の部合計」の欄の金額を取得し、
    前記処理部は、前記「資産の部合計」の欄の金額から、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「貸付金」と「仮払金」との合計額を減算し、代表者債権額が除外された資産額を算出する、
    請求項1に記載の財務分析システム。
  5. 前記出力部は、前記「資産の部合計」の欄の金額と、前記代表者債権額を除外した後の資産額とを前記表示部に切替え可能に表示させる、
    請求項4に記載の財務分析システム。
  6. 前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「負債の部合計」の欄の金額を取得し、
    前記処理部は、前記「負債の部合計」の欄の金額から、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「借入金」と「仮受金」との合計額を減算し、代表者債務額が除外された負債額を算出する、
    請求項1に記載の財務分析システム。
  7. 前記出力部は、前記「負債の部合計」の欄の金額と、前記代表者債務額を除外した後の負債額とを前記表示部に切替え可能に表示させる、
    請求項6に記載の財務分析システム。
  8. 前記取得部は、前記財務情報として、前記事業体の「純資産の部合計」の欄の金額を取得し、
    前記処理部は、前記「純資産の部合計」の欄の金額に対して、前記「代表者に関する報酬等の金額」の欄の「借入金」の額を加算し、代表者借入金加算後の純資産額を算出する、
    請求項1に記載の財務分析システム。
  9. 前記出力部は、前記「純資産の部合計」の欄の金額と、代表者借入金加算後の純資産額とを前記表示部に切替え可能に表示させる、
    請求項8に記載の財務分析システム。
  10. 前記出力部は、横軸を期間とし、縦軸を金額とした棒グラフを表示しつつ、基準となる前記横軸に対し、上方に債権額を示し、下方に債務額を示し、1つの画面で、代表者に対する前記債権額と前記債務額とを表示させる、
    請求項1に記載の財務分析システム。
  11. 前記取得部は、法人事業概況説明書から、前記事業体の事業概況に関する情報を取得する、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の財務分析システム。
  12. 事業体の事業概況に関する情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記事業概況に関する情報に基づいて、前記事業体の財務情報を取得し、前記財務情報から法人事業概況説明書に記載の「代表者に関する報酬等の金額」の欄のいずれかの項目の額を加算又は減算して金額を算出する処理ステップと、
    前記処理ステップにより算出された前記金額を表示部に表示させる出力ステップと、
    を備える、
    財務分析方法。
  13. 請求項12に記載の財務分析方法の各ステップを、プロセッサに実行させるためのプログラム。
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