JP2024017191A - 電池システム - Google Patents

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紘崇 伊藤
Hirotaka Ito
寛史 吉田
Hiroshi Yoshida
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Abstract

【課題】組電池の充放電電力を適切に制限する。【解決手段】統合ECU80は、複数のセルの内部温度のうちの最高内部温度が閾値温度を超えた場合、バッテリ10の充放電電力の制御上限値(Win,Wout)が小さくなるようにPCU71を制御する。電池ECU50は、隣接する2つのセルごとに算出された内部抵抗差のうちの最大内部抵抗差と、電流センサ22により検出された電流とに基づいて、最大発熱量差を算出する。電池ECU50は、温度センサ23により検出された外部温度に、最大発熱量差から算出される最大温度差を加算することで基準温度を算出する。統合ECU80は、電気ヒータ42によるバッテリ10の加熱中または加熱停止から所定期間内には、外部温度と電気ヒータ42による加熱量とに応じて定まる内外温度差を基準温度に加算した温度を最高内部温度として使用する。【選択図】図5

Description

本開示は電池システムに関する。
組電池を構成する複数のセル(単電池)のうち少なくとも1つのセルに温度センサを設け、その温度センサの検出値に基づいて、温度センサが取り付けられていない他のセルの温度を推定する技術が提案されている。たとえば特開2014-26752号公報(特許文献1)に開示された電池温度算出装置は2つの温度センサを含む。第1の温度センサ(温度センサ33)は、温度測定の対象のセルに取り付けられている。第2の温度センサ(温度センサ34)は、制御基板に取り付けられている。温度測定の対象のセルについては、第1の温度センサの検出値に基づいて最高温度が算出される。一方、温度測定の非対象のセルの各々については、対象セルの最高温度と、第2の温度センサの検出値との温度差に基づいて、最高温度が算出される(特許文献1の段落[0027]~[0034]参照)。
特開2014-26752号公報
複数のセルの内部温度のうち、いずれかのセルの内部温度が閾値温度を超えた場合、全てのセルの内部温度が閾値温度未満である場合と比べて、電池パックの充放電電力の制御上限値(後述するWin/Wout)を小さく設定することが考えられる。これにより、組電池(特に内部温度が閾値温度を超えたセル)のさらなる温度上昇を抑制して組電池を保護できる。
内部温度を過度に低く推定した場合、充放電電力を制限するタイミングが遅れ、組電池を十分に保護できない可能性がある。逆に、内部温度を過度に高く推定した場合には、充放電電力が過度に制限され、組電池を十分に活用できない。
温度センサは、セルの外部に取り付けられ、セルの外部温度を検出する。一方で、組電池の保護および活用に必要とされるのは、上記のようにセルの内部温度である。セルの外部温度からセルの内部温度を正確に推定し、組電池の充放電電力を適切に制限することが望ましい。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、組電池の充放電電力を適切に制限することである。
本開示の一態様に係る電池システムは、直列接続された複数のセルを含む組電池と、組電池を流れる電流を検出する電流センサと、複数のセルのうちの少なくとも1つのセルの外部温度を検出する温度センサと、組電池を加熱する加熱装置と、組電池を充放電する電力変換器と、制御装置とを備える。制御装置は、複数のセルの内部温度のうちの最高内部温度が閾値温度を超えた場合、最高内部温度が閾値温度未満である場合と比べて、組電池の充放電電力の制御上限値が小さくなるように電力変換器を制御する。
制御装置は、複数のセルのうちの隣接する2つのセルごとに、隣接する2つのセルの各々の電圧と、電流センサにより検出された電流とに基づいて、隣接する2つのセル間の内部抵抗差を算出する。制御装置は、隣接する2つのセルごとに算出された内部抵抗差のうちの最大内部抵抗差と、電流センサにより検出された電流とに基づいて、最大発熱量差を算出する。制御装置は、温度センサにより検出された外部温度に、最大発熱量差から算出される最大温度差を加算することで基準温度を算出する。制御装置は、加熱装置による組電池の加熱中または加熱停止から所定期間内には、外部温度と加熱装置による加熱量とに応じて定まる内外温度差を基準温度に加算した温度を最高内部温度として使用する。
本開示によれば、組電池の充放電電力を適切に制限できる。
本開示の実施の形態に係る車両の全体構成を概略的に示す図である。 組電池および監視ユニットの構成をより詳細に示す図である。 本実施の形態におけるバッテリの充放電制御の処理手順を示すフローチャートである。 昇温制御に伴う内外温度差の時間変化の一例を示す図である。 本実施の形態におけるバッテリの内部温度推定処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
[実施の形態]
以下の実施の形態では、本開示に係る電池システムが車両である例について説明する。しかし、本開示に係る電池システムの用途は車両用に限定されない。本開示に係る電池システムは任意の用途(たとえば定置用)に適用可能である。
<車両構成>
図1は、本開示の実施の形態に係る車両の全体構成を概略的に示す図である。車両1は、モータジェネレータ(後述)が搭載された電動車両である。車両1は、この例では電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)であるが、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)であってもよく、燃料電池車であってもよい(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)であってもよい。車両1は、プラグイン充電に対応していないハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)であってもよい。
車両1は、バッテリ10と、監視ユニット20と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)30と、電池温度制御システム40と、電池ECU(Electronic Control Unit)50と、インレット61と、AC/DCコンバータ62と、充電リレー(CHR:Charge Relay)63と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)71と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)72と、動力伝達ギヤ73と、駆動輪74と、統合ECU80とを備える。
バッテリ10は、複数の電池セルを含む組電池である。各セルは、リチウムイオン電池などの二次電池である。バッテリ10は、モータジェネレータ72を駆動するための電力を蓄え、PCU71を通じてモータジェネレータ72へ電力を供給する。また、バッテリ10は、モータジェネレータ72の発電時にPCU71を通じて発電電力を受けて充電される。
監視ユニット20は、バッテリ10の状態を監視するための各種センサを含む。具体的には、監視ユニット20は、電圧センサ群21と、電流センサ22と、温度センサ群23とを含む。電圧センサ群21は、バッテリ10(後述するように各セル)の電圧を検出する。電流センサ22は、バッテリ10に充放電される電流を検出する。温度センサ群23は、バッテリ10(少なくとも1つのセル)の温度を検出する。各センサは、その検出値を電池ECU50に出力する。
SMR30は、バッテリ10とPCU71と間、および、バッテリ10とAC/DCコンバータ62との間を結ぶ電力線上に設けられている。SMR30は、電池ECU50からの指令に従って開閉される。SMR30が開放(オフ)されると、バッテリ10は、PCU71およびAC/DCコンバータ62から電気的に切り離される。
電池温度制御システム40は、電池ECU50からの制御指令に従って、バッテリ10の温度を制御(昇温/冷却)するように構成されている。本実施の形態において、電池温度制御システム40は、冷媒回路41と、電気ヒータ42とを含む。冷媒回路41は、たとえばヒートポンプシステムと同様の構成を有し、冷却液が冷却経路内を循環することによってバッテリ10を冷却する。電気ヒータ42は、たとえばPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータであって、冷却経路内の冷却液を加熱することによってバッテリ10を昇温する。電気ヒータ42は、本開示に係る「加熱装置」に相当する。
電池ECU50は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ51と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリ52と、各種信号が入出力される入出力ポート(図示せず)とを含む。電池ECU50は、各センサから受ける信号ならびにメモリ52に記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、バッテリ10の状態を管理する。
本実施の形態において、電池ECU50は、監視ユニット20内の各センサの検出値に基づいて電池温度制御システム40を制御することによって、バッテリ10の温度を適切な温度範囲内に制御する。特に、電池ECU50は、低温環境下(たとえば氷点下)において電気ヒータ42によりバッテリ10を加熱することによってバッテリ10を昇温する。バッテリ10がリチウムイオン電池である場合、低温環境下ではリチウム析出(負極に金属リチウムが析出する現象)が起こりやすい。リチウム析出を防止するためには、負極電位の低下が抑制されるように充電電流を制限することも考えられる。しかし、そうすると、バッテリ10の充電時間が長くなり得る。そこで、バッテリ10を昇温することで、充電電流の制限を抑制し、それにより充電時間を短縮できる。以下、このような制御を「昇温制御」と称する。昇温制御については後に詳細に説明する。
インレット61は、充電ケーブルの先端に設けられた充電コネクタ(図示せず)が機械的な連結を伴って接続されるように構成されている。インレット61と充電コネクタとが接続されることで、充電設備と車両1との間の電気的な接続が確保される。
AC/DCコンバータ62は、充電設備から充電ケーブルを介して供給される交流電力を、バッテリ10を充電するための直流電力に変換する。車両1が急速充電に対応する場合には、車両1は、AC/DCコンバータ62に代えてまたは加えて、DC/DCコンバータ(図示せず)を含んでもよい。なお、AC/DCコンバータ62は、本開示に係る「電力変換器」の一例である。
CHR63は、バッテリ10とAC/DCコンバータ62とを結ぶ電力線にSMR30に直列に接続されている。CHR63は、統合ECU80からの指令に従って開閉される。CHR63が閉成(オン)され、かつ、SMR30が閉成されると、インレット61からの電力によりバッテリ10を充電可能な状態となる。
PCU71は、SMR30とモータジェネレータ72との間に電気的に接続されている。PCU71は、コンバータおよびインバータ(いずれも図示せず)を含み、統合ECU80からの指令に従ってモータジェネレータ72を駆動する。なお、PCU71は、本開示に係る「電力変換器」の他の一例である。
モータジェネレータ72は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。モータジェネレータ72の出力トルクは、動力伝達ギヤ73を通じて駆動輪74に伝達され、車両1を走行させる。また、モータジェネレータ72は、車両1の制動動作時には、駆動輪74の回転力によって発電することができる。モータジェネレータ72による発電電力は、PCU71によってバッテリ10の充電電力に変換される。
統合ECU80は、電池ECU50と同様に、プロセッサ81と、メモリ82と、入出力ポート(図示せず)とを含む。統合ECU80は、各センサから受ける信号ならびにメモリ82に記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、車両1を所望の状態に制御するための各種制御を実行する。統合ECU80は、たとえば、バッテリ10とPCU71との間で充放電される電力を制御する(詳細は図3参照)。また、統合ECU80は、充電設備と通信するとともに、AC/DCコンバータ62およびCHR63を制御することによって、車両1のプラグイン充電を制御する。電池ECU50と統合ECU80とは相互に通信可能に構成されている。電池ECU50と統合ECU80とが一体的に構成されていてもよい。電池ECU50および統合ECU80は、本開示に係る「制御装置」に相当する。
<組電池および監視ユニットの構成>
図2は、バッテリ10および監視ユニット20の構成をより詳細に示す図である。バッテリ10は、直列接続されたM個のセル101~10Mを含む。Mは2以上の自然数であれば特に限定されないが、典型的には十数個~数十個である。
電圧センサ群21は、たとえば、多数の電圧センサの処理回路が集積された電圧監視IC(Integrated Circuit)によって実現され、一体的に構成されている。電圧センサ群21は、M個の電圧センサ211~21Mを含む。電圧センサ211は、セル101の電圧V[1]を検出する。電圧センサ212は、セル102の電圧V[2]を検出する。それ以外の電圧センサ213~21Mについても同様である。
電流センサ22は、バッテリ10を流れる電流I(すなわち、セル101~10Mを共通して流れる電流I)を検出する。
温度センサ群23は、N個の温度センサを含む。Nは1以上かつM未満の自然数である。すなわち、すべてのセルに温度センサが設けられているわけではない。図2に示す例では、温度センサ231は、セル101の温度T[1]を検出する。温度センサ23Nは、セル10Mの温度T[N]を検出する。ただし、温度センサの設置対象のセルは、この例のように両端のセルに限られるものではなく、適宜設定され得る。
温度センサ群23により検出される温度は、複数のセルのうちの少なくとも1つのセルの電池ケース外側の温度である。以下、この温度を「外部温度Tout」と記載する。バッテリ10の温度上昇に起因する異常(劣化および/または故障を含む)からバッテリ10を保護するためには、セルの内部温度を用いることが望ましい。したがって、本実施の形態では後述するようにセルの外部温度Toutから内部温度Tinが算出される。そして、図3にて説明するように、セルの内部温度Tinを用いてバッテリ10の充放電が制御される。
なお、図2では、バッテリ10に含まれる全セルが直列接続された構成を例に説明したが、バッテリ10の構成はこれに限定されるものではない。バッテリ10は、直列接続されたセル群(スタックまたはブロックとも呼ばれる)を2以上含んでもよい。また、バッテリ10に設けられる温度センサの個数が複数個であることは必須ではなく、1個であってもよい。
<充放電フロー>
図3は、本実施の形態におけるバッテリ10の充放電制御の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、たとえば予め定められた周期ごとにメインルーチン(図示せず)から呼び出されて実行される。フローチャート内のステップは、統合ECU80によるソフトウェア処理により実現されるが、統合ECU80内に配置されたハードウェア(電気回路)により実現されてもよい。以下、ステップをSと略す。
S1において、統合ECU80は、内部温度推定処理により推定された複数のセルの各々の内部温度Tinを電池ECU50から取得する。内部温度推定処理については図5にて説明する。後に詳細に説明するように、ここで取得される内部温度Tinは、複数のセルの内部温度のうちの最高温度である。
S2において、統合ECU80は、内部温度Tinが予め定められた閾値温度を超えているかどうかを判定する。閾値温度は、セルの異常を引き起こし得る温度よりも僅かに低い温度であり、実験的に定めることができる。
最高内部温度が閾値温度以下である場合(S2においてNO)、統合ECU80は、バッテリ10の充電電力の制御上限値Winおよびバッテリ10からの放電電力の制御上限値Woutの各々(の絶対値)を通常値に設定する(S4)。一方、最高内部温度が閾値温度よりも高い場合(S2においてYES)、統合ECU80は、Win(の絶対値)を通常値よりも小さく設定し、かつ、Wout(の絶対値)を通常値よりも小さく設定する(S3)。WinおよびWoutを通常値よりも制限することにより、バッテリ10(特に内部温度Tinが閾値温度を超えたセル)のさらなる温度上昇を抑制してバッテリ10を保護できる。
<内外温度差の変化>
内部温度Tinを過度に低く推定した場合、WinおよびWoutを制限するタイミングが遅れ、バッテリ10を十分に保護できない可能性がある。逆に、内部温度Tinを過度に高く推定した場合には、WinおよびWoutを制限するタイミングが早過ぎ、バッテリ10を十分に活用できない。よって、内部温度Tinの推定精度を向上させることが望ましい。
たとえば特許文献1には、セルの通電に伴う発熱を考慮して内部温度を推定することが記載されている。しかし、セルの外部からの加熱については特許文献1では想定されていない。本実施の形態では、昇温制御時における電気ヒータ42による加熱が考慮される。
電気ヒータ42によりバッテリ10を加熱すると、加熱箇所に近いセルの内部の温度Tinが局所的に高くなる。通常、電気ヒータ42による加熱箇所と温度センサの設置箇所とは異なる。したがって、内部温度Tinが上昇するのに従って、内部温度Tinと、温度センサ群23により検出される外部温度Toutとの間の温度差が拡大する。以下、この温度差を「内外温度差Δτ」と記載する。本実施の形態においては、充放電時の発熱に伴う温度上昇量に加えて、電気ヒータ42に起因する内外温度差Δτをさらに考慮して内部温度Tinが推定される。より具体的には、内部温度の基準温度(後述する基準内部温度Tref)に内外温度差Δτを加算することによって、内部温度Tinが推定される。
まず、内外温度差Δτの加算を開始するタイミングについて説明する。昇温制御の開始前にも内外温度差Δτを加算すると、そうしない場合と比べて、内部温度Tinが高く推定される。これは、バッテリ10の保護の観点からは好ましい安全側の処理であるものの、WinおよびWoutを過剰に制限し得る。したがって、内外温度差Δτの加算を開始するタイミングは昇温制御の開始後(この例では開始時)である。これにより、WinおよびWoutの過剰な制限を防止できる。
次に、内外温度差Δτの加算を終了するタイミングについて説明する。
図4は、昇温制御に伴う内外温度差Δτの時間変化の一例を示す図である。横軸は経過時間を表す。縦軸は内外温度差Δτを表す。図4には、時刻t0に昇温制御を開始した後、時刻tcにて昇温制御を終了(中断)した場合の内外温度差Δτの時間変化が、時刻tc以降も昇温制御を継続した場合の内外温度差Δτの時間変化と比較して示されている。
図4に示すように、昇温制御の開始以降、内外温度差Δτが拡大する。拡大した内外温度差Δτは、昇温制御を終了しても直ちには解消されない。そのため、昇温制御の終了に伴って直ちに内外温度差Δτの加算も終了するよりも、昇温制御の終了後も内外温度差Δτの加算を継続することが望ましい。したがって、内外温度差Δτの加算を終了するタイミングは、昇温制御の終了後、所定期間(たとえば数分~数十分)が経過した後である。これにより、内部温度Tinの過小な推定を防止できる。
<内部温度推定フロー>
図5は、本実施の形態におけるバッテリ10の内部温度推定処理の処理手順を示すフローチャートである。各ステップは、電池ECU50によるソフトウェア処理により実現されるが、電池ECU50内に配置されたハードウェア(電気回路)により実現されてもよい。
S101において、電池ECU50は、温度センサ群23から1以上の温度を取得する。そして、電池ECU50は、取得された温度のなかの最高温度を外部温度Toutとして設定する。最も高い温度を採用することで、以降の演算処理において温度を過度に低く見積もることが抑制され、安全側の温度推定が実現される。
S102において、電池ECU50は、複数のセルの各々の内部抵抗を算出する。内部抵抗は、電圧センサ群21により検出される電圧と、電流センサ22により検出される電流とに基づいて、公知の手法により算出される。電池ECU50は、隣接する2つのセル間の各々について、内部抵抗差を算出する。i番目のセルと、そのセルに隣接する(i+1)番目のセルとの間の内部抵抗差ΔR[i]は下記式(1)のように表される(iは自然数)。
ΔR[i]=R[i+1]-R[i] ・・・(1)
S103において、電池ECU50は、S102にて算出されたすべての内部抵抗差ΔR[i]のなかの最大値である最大内部抵抗差ΔRmaxを算出する。
ΔRmax=max(ΔR[1],ΔR[2],・・・) ・・・(2)
S104において、電池ECU50は、最大内部抵抗差ΔRmaxに電流I(電流センサ22の検出値)の2乗値を乗算することで、バッテリ10の充放電に伴う最大発熱量差ΔQmaxを算出する(下記式(3)参照)。
ΔQmax=ΔRmax×I ・・・(3)
S105において、電池ECU50は、最大発熱量差ΔQmaxに熱抵抗θを乗算することで最大温度差ΔTmaxを算出する(下記式(4)参照)。熱抵抗θ[単位:K/W]とは、セル内部において発生する単位時間・単位熱量当たりのセル外部の温度変化量であり、セルの仕様(電池ケースの熱伝導のしやすさ等)に応じて事前に求められている。
ΔTmax=ΔQmax×θ ・・・(4)
S106において、電池ECU50は、S101にて算出された外部温度Toutと、S105にて算出された最大温度差ΔTmaxとに基づいて、基準内部温度Trefを算出する(下記式(5)参照)。基準内部温度Trefとは、後に内外温度差Δτを内部温度に反映させる際の基準(ベース)となる温度である。
ref=Tout+ΔTmax ・・・(5)
S107において、電池ECU50は、バッテリ10の昇温制御が実行中であるかどうかを判定する。たとえば外気温センサ(図示せず)より検出される外気温が基準温度(たとえば氷点下などの低い温度)を下回った場合に昇温発生が発生して昇温制御が実行される。
昇温制御の実行中である場合(S107においてYES)、電池ECU50は、内外温度差Δτを初期値Δτ(0)に設定する(S108)。内外温度差の初期値Δτ(0)は、好ましくは可変値である。具体的には、電池ECU50は、外部温度Tout(温度センサ群23の検出値)と、予め定められた期間における電気ヒータ42による加熱量(たとえば消費電力量)と、内外温度差の初期値Δτ(0)との間の対応関係を規定したマップ(図示せず)を参照することで、外部温度Toutおよび発熱量から内外温度差の初期値Δτ(0)を算出できる。昇温制御の実行中には、内外温度差Δτは初期値Δτ(0)に維持される。
昇温制御の実行中でない場合(S107においてNO)、電池ECU50は、昇温制御の終了(昇温要求の解除)から所定期間内であるかどうかを判定する(S109)。所定期間は、図4に示したように、昇温制御の終了後に内外温度差Δτが解消するのに要する時間(たとえば数分~数十分)であり、事前の実験または熱解析シミュレーションにより定められる。昇温制御の終了から所定期間内である場合(S109においてYES)、電池ECU50は、昇温制御終了からの経過時間に応じて内外温度差Δτが減少するように、内外温度差Δτを算出する(S110)。
具体的には、電池ECU50は、下記の漸化式(6)に従って内外温度差Δτを算出できる。式(6)において、なまし定数をKで表す。mは演算回数(演算周期数)である。
Figure 2024017191000002
あるいは、電池ECU50は、下記式(7)に従って内外温度差Δτを算出してもよい。式(7)は式(6)と等価であり、どちらを用いてもよい。
Figure 2024017191000003
なお、式(6)または式(7)に従って内外温度差Δτを繰り返し算出した場合、電池ECU50の演算負荷が増大し得る。したがって、演算回数mの増加に伴って内外温度差Δτがどれだけ減少するか式(6)または式(7)に従って予め算出しておき、その算出結果をマップ(テーブル)として電池ECU50のメモリ52に格納しておいてもよい。これにより、電池ECU50の演算負荷を低減できる。
S108またはS110の処理の実行後、電池ECU50は、処理をS111に進める。S111において、電池ECU50は、S108またはS110にて算出された内外温度差Δτを、S106に算出された基準内部温度Trefに加算することで内部抵抗Tinを算出する(下記式(8)参照)。これにより、一連の処理が終了する。
in=Tref+Δτ ・・・(8)
なお、昇温要求の解除から所定期間が経過した後(S109においてNO)には、電池ECU50は、S110の処理をスキップして処理を終了する。
以上のように、本実施の形態においては、外部温度Toutと所定期間におけるセルの加熱量とから内外温度差Δτが算出され、内外温度差Δτを基準内部温度Trefに加算することで内部温度Tinが算出される。これにより、電気ヒータ42による局所的な加熱に伴って一部のセルの内部温度が高くなることを考慮に入れて内部温度Tinを算出することが可能になる。したがって、バッテリ10を十分に保護できる。一方、内外温度差Δτを考慮するのは、電気ヒータ42によるバッテリ10の昇温制御中または昇温制御の終了から所定期間内であり、常時ではない。したがって、バッテリ10の充放電電力が過度に制限されてバッテリ10を十分に活用できないない状況も避けられる。よって、本実施の形態によれば、バッテリ10の充放電電力を適切に制限できる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 バッテリ、20 監視ユニット、22 電圧センサ群、21 電流センサ、23 温度センサ群、30 SMR、40 電池温度制御システム、41 冷媒回路、42 電気ヒータ、50 電池ECU、51 プロセッサ、52 メモリ、61 インレット、62 コンバータ、63 CHR、71 PCU、72 モータジェネレータ、73 動力伝達ギヤ、74 駆動輪、80 統合ECU、81 プロセッサ、82 メモリ。

Claims (1)

  1. 直列接続された複数のセルを含む組電池と、
    前記組電池を流れる電流を検出する電流センサと、
    前記複数のセルのうちの少なくとも1つのセルの外部温度を検出する温度センサと、
    前記組電池を加熱する加熱装置と、
    前記組電池を充放電する電力変換器と、
    前記複数のセルの内部温度のうちの最高内部温度が閾値温度を超えた場合、前記最高内部温度が前記閾値温度未満である場合と比べて、前記組電池の充放電電力の制御上限値が小さくなるように前記電力変換器を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記複数のセルのうちの隣接する2つのセルごとに、前記隣接する2つのセルの各々の電圧と、前記電流センサにより検出された電流とに基づいて、前記隣接する2つのセル間の内部抵抗差を算出し、
    前記隣接する2つのセルごとに算出された内部抵抗差のうちの最大内部抵抗差と、前記電流センサにより検出された電流とに基づいて、最大発熱量差を算出し、
    前記温度センサにより検出された外部温度に、前記最大発熱量差から算出される最大温度差を加算することで基準温度を算出し、
    前記加熱装置による前記組電池の加熱中または加熱停止から所定期間内には、前記外部温度と前記加熱装置による加熱量とに応じて定まる内外温度差を前記基準温度に加算した温度を前記最高内部温度として使用する、電池システム。
JP2022119675A 2022-07-27 2022-07-27 電池システム Pending JP2024017191A (ja)

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