JP2024015970A - 鞍乗電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体フレームの大型化を抑えて、バッテリケースを好適に支持する。【解決手段】鞍乗電動車両1は、操舵軸が挿通されるヘッドパイプ20と、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレーム21と、を含む車体フレーム4と、前記車体フレームに支持されるバッテリケース8と、前記バッテリケースの後方に位置し、車輪3を駆動する駆動力を発生する電気モータを収容するモータケース64と、を備える。前記前フレームは、前記バッテリケースの底面を支持する少なくとも1つの下後支持部と、前記下後支持部に隣接して且つ前記モータケースに固定される少なくとも1つのモータ固定部44と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、鞍乗電動車両に関する。
特許文献1は、バッテリからの電力によって電気モータが駆動され、前記電気モータの駆動力によって車輪が駆動される鞍乗型の電動車両を開示している。
国際公開第2015/068753号公報
航続距離を長くするためには、十分な量のバッテリを車載する必要がある。バッテリの総重量が大きくなると、バッテリを支持するための構造を強固にする必要があり、車体フレームが大型化する。
本開示の一態様は、車体フレームの大型化を抑えて、バッテリケースを好適に支持することを目的とする。
本開示の一態様に係る鞍乗電動車両は、操舵軸が挿通されるヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレームと、を含む車体フレームと、前記車体フレームに支持されるバッテリケースと、前記バッテリケースの後方に位置し、車輪を駆動する駆動力を発生する電気モータを収容するモータケースと、を備える。前記前フレームは、前記バッテリケースの底面を支持する少なくとも1つの下後支持部と、前記下後支持部に隣接して且つ前記モータケースに固定される少なくとも1つのモータ固定部と、を有する。
本開示の他態様に係る鞍乗電動車両は、操舵軸が挿通されるヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレームと、を含む車体フレームと、前記車体フレームに支持され、鉛直方向に対して傾斜して前下方に向けて延びたバッテリケースと、を備える。前記前フレームは、前記バッテリケースの下面の後端部を支持する下後支持部を有する。
本開示の一態様によれば、前フレームがバッテリケースの底面を支持する位置と、前フレームがモータケースに固定される位置とが互いに隣接することで、バッテリケースの慣性力がモータケース固定部に好適に伝達される。よって、車体フレームの大型化を抑えて、バッテリケースを好適に支持できる。
本開示の他態様によれば、傾斜したバッテリケースを効果的に支持できる。
図1は、実施形態に係る鞍乗電動車両の左側面図である。 図2は、図1の車両の右側面図である。 図3は、図1の車体フレームの左前から見た斜視図である。 図4は、図1のモータユニットの左前から見た斜視図である。 図5は、図4のモータユニットの左後から見た斜視図である。 図6は、図4のモータユニットの断面図である。 図7は、図1の車両の要部の底面図である。 図8は、図1のモータケース及びその近傍の拡大図である。 図9は、図8の仮想三角形等を拡大した模式図である。 図10Aは、図1のバッテリケース及びその近傍の拡大図である。図10Bは、図10Aのバッテリケース及びその近傍の正面図である。 図11は、図1のバッテリケース及びその近傍を左上から見た斜視図である。 図12は、図3の車体フレームのリヤサスペンションブラケット及びその近傍の左後から見た斜視図である。 図13Aは、図12の上リヤサスペンションブラケット及びその近傍の上方から見た断面図である。図13Bは、図12の上リヤサスペンションブラケット及びその近傍の左側面図である。 図14は、図1の車両の導風構造の左前から見た斜視図である。 図15は、図14の導風構造の断面図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。なお、以下の説明における方向は、車両1を運転する運転状態の運転者から見た方向を基準とし、前後方向は車長方向に対応し、左右方向は車幅方向に対応する。
図1は、実施形態に係る鞍乗電動車両1の左側面図である。図2は、図1の車両の右側面図である。図1に示すように、車両1は、運転者がシートに跨って乗る鞍乗車両であって、走行のための駆動力を発生する原動機として電気モータを備えた電動車両である。車両1は、内燃機関を備えない。本実施形態では、車両1は自動二輪車であるが、他の種類の鞍乗車両、例えば、自動三輪車等であってもよい。
車両1は、前輪2及び後輪3を備える。例えば、前輪2は従動輪であり且つ後輪3は駆動輪である。前輪2及び後輪3は、車体フレーム4を支持する。前輪2は、フロントサスペンションとしてのフロントフォーク5を介して車体フレーム4の前部に接続されている。フロントフォーク5には、操舵軸6が接続されている。操舵軸6は、車体フレーム4のヘッドパイプ20に角変位可能に挿通されている。操舵軸6には、運転者が手で握るハンドル7が接続されている。
前輪2と後輪3と間には、バッテリケース8及びモータユニット16が配置されている。バッテリケース8及びモータユニット16は、車体フレーム4に支持されている。バッテリケース8は、バッテリ9を収容するバッテリ収容空間BSを画定している。バッテリケースには、上方からアッパカバー10が取り付けられている。アッパカバー10は、ハンドル7の後方かつ車体フレーム4の上方に位置している。アッパカバー10は、図示しないブラケットを介して車体フレーム4に固定されている。即ち、バッテリケース8は、アッパカバー10を介して車体フレーム4に固定されている。
アッパカバー10は、ベース58及び蓋59を有する。ベース58は、バッテリケース8の上部に取り付けられている。ベース58は、ストレージ空間SSを画定している。ベース58は、ストレージ空間SSを上方に開放する開口58aを有する。蓋59は、ベース58の開口58aを開閉可能にベース58に取り付けられている。
アッパカバー10の後方には、運転者が着座するシート11が配置されている。シート11は、車体フレーム4に支持されている。後輪3は、車体フレーム4にスイングアーム12を介して接続されている。スイングアーム12の前端支持部12aは、車体フレーム
4のピボットフレーム23に対し、左右方向に延びるピボット軸91を介して回動自在に接続されている。バッテリケース8の後方かつピボット軸91の前方には、モータユニット16が配置されている。モータユニット16は、前フレーム21とピボットフレーム23との間に介在している。モータユニット16は、ピボット軸91に近接した位置に配置されている。すなわちモータユニット16は、車両1のうちで比較的下側の位置に配置されている。
モータユニット16が出力する駆動力は、チェーン73を介して後輪3に伝達される。スイングアーム12は、ショックアブソーバとしてのリヤサスペンション13を介して車体フレーム4に接続されている。リヤサスペンション13は、上下方向に延びている。リヤサスペンション13の上端部は、車体フレーム4に連結され、リヤサスペンション13の下端部はサスペンションリンク14を介して車体フレーム4に連結されている。車体フレーム4のピボットフレーム23の左下端部には、サイドスタンド15が取り付けられている。
車両1には、モータユニット16を制御するECUであるコントローラ92が搭載されている。コントローラ92は、シート下に形成される収容空間に配置される。コントローラ92は、運転者のアクセル操作及びバッテリ残量などに応じて、予め定められるプログラムに従って、電気モータ68を制御する。具体的には、コントローラ92は、予め定められるプログラムに従って、電気モータ68に電力を与えるためのインバータ69に動作指令を与える。
図3は、図1の車体フレーム4の左前から見た斜視図である。以下、主に図3を参照しながら(図1及び2も適宜参照しつつ)車体フレーム4について説明する。車体フレーム4は、ヘッドパイプ20、前フレーム21、後フレーム22及びピボットフレーム23を備える。前フレーム21は、ヘッドパイプ20から下後方に延びている。前フレーム21は、ヘッドパイプ20から左右方向に分かれて突出し、互いに左右方向に離れた左フレーム31及び右フレーム32を有する。
後フレーム22は、前フレーム21の左フレーム31に接続された左フレーム34と、前フレーム21の右フレーム32に接続された右フレーム35と、を有する。左フレーム31,34は車体フレーム4の左フレームを構成し、右フレーム32,35は車体フレーム4の右フレームを構成する。前フレーム21の左フレーム31及び右フレーム32は、互いに実質的に左右対称であり、後フレーム22の左フレーム34及び右フレーム35は、互いに実質的に左右対称であるため、以下では主に左フレーム31,34について説明する。
前フレーム21の左フレーム31は、上長手フレーム41及び下長手フレーム42を有する。上長手フレーム41は、ヘッドパイプ20の上部から下後方に向けて延びている。下長手フレーム42は、ヘッドパイプ20の下部から下後方に向けて延び、上長手フレーム41から下方に離れている。上長手フレーム41及び下長手フレーム42は、互いに複数のブリッジフレーム43によりトラス状に連結されている。即ち、前フレーム21は、トラス構造を有する。言い換えると、前フレーム21は、三角形または略三角形の枠が前後方向に複数並んだ形状を有する。上長手フレーム41、下長手フレーム42及びブリッジフレーム43は、それぞれ丸パイプである。
下長手フレーム42の後端には、モータ固定部44が設けられている(図7も参照)。モータ固定部44は、下長手フレーム42の後端から左右方向内側に突出している。モータ固定部44は、左右方向に延びた有底円筒形状を有する。モータ固定部44には、板状の下後支持部45が溶接されている。下後支持部45は、モータ固定部44のうち下長手
フレーム42から左右方向内側に突出した部分に溶接されている。下後支持部45は、下長手フレーム42にも溶接されている。
このように、下後支持部45は、その2つの辺がそれぞれ車体フレーム4の各部に固定されている。具体的には、下後支持部45のうち車幅方向に延びる辺と前後方向に延びる辺とが、それぞれ車体フレーム4の各部に固定されている。下後支持部45は、モータ固定部44よりも前側かつ下長手フレーム42よりも左右方向内側に配置されている。下後支持部45は、モータ固定部44に隣接している。下後支持部45は、ボルト孔を有する。下後支持部45のボルト孔は、下後支持部45がモータ固定部44に溶接された部分の車幅方向内側端よりも車幅方向外側に配置されている。下後支持部45のボルト孔は、下後支持部45が下長手フレーム42の溶接された部分の前端よりも後側に配置されている。
下後支持部45は、後述するようにバッテリケース7の下面を載置可能となるように、バッテリケースの下面の傾斜と平行となるように配置されている。すなわち、下後支持部45は、後下方に向けて延びるように傾斜し、下長手フレーム42及びモータ固定部44に固定されている。また、下長手フレーム42が後下方に向けて延びるように傾斜することで、下長手フレーム42が鉛直に延びる場合に比べて、下後支持部45の下長手フレーム42への溶接長をなるべく増やすことができる。また、下後支持部45の鉛直方向上方には、ブリッジフレーム43と、上長手フレーム41と、シートフレーム48とを連結する連結部(連結体98)がある。これによって、下後支持部45は、安定的に上方から支えられる。
下長手フレーム42の中間部には、下長手フレーム42から前下方に突出する下前支持ブラケット46が接合されている。上長手フレーム41の中間部には、上長手フレーム41から上方に突出する上前支持部47が接合されている。上前支持部47には、上方に突出する突起47aが設けられている。なお、右フレーム32も同様に、上長手フレーム41、下長手フレーム42、ブリッジフレーム43、モータ固定部44、下後支持部45、下前支持ブラケット46、及び、上前支持部47を有する。
後フレーム22の左フレーム34は、シートフレーム48及び支持フレーム49を有する。シートフレーム48は、前フレーム21の上長手フレーム41の中間部から上後方に延びている。支持フレーム49は、前フレーム21の上長手フレーム41の後端部から上後方に延びている。支持フレーム49は、シートフレーム48の下方に位置し、水平方向に対してシートフレーム48よりも大きく傾斜している。支持フレーム49の後端部は、シートフレーム48の後部に接続されている。なお、右フレーム35も同様に、シートフレーム48及び支持フレーム49を有する。
前フレーム21の左右一対の上長手フレーム41の中間部と、後フレーム22の左右一対のシートフレーム48の前端部とは、一対の連結体98を介して接続されている。左フレーム31,34に接合された連結体98と、右フレーム32,35に接合された連結体98とは、互いに左右方向に離れ、バッテリケース8(図1参照)の左右方向の側方に配置されている。前フレーム21の左右一対の下長手フレーム42の後端と、後フレーム22の左右一対の支持フレーム49の前端とは、左右方向に延びた1つのクロスフレーム40を介して接続されている。
ピボットフレーム23は、前フレーム21の後側にある。ピボットフレーム23は、クロスフレーム40から下方に突出している。ピボットフレーム23は、一対の縦フレーム37、ピボット支持パイプ38、ロアクロスフレーム39、一対のモータ固定部87、及び、一対のモータ固定部88を有する。一対の縦フレーム37は、互いに左右方向に並ん
で上下方向に延びている。一対の縦フレーム37の左右方向の間隔は、モータケース64(図1参照)の左右方向寸法よりも小さい。縦フレーム37は、後方に向けて凸になるように湾曲した形状を有する。
ピボット支持パイプ38は、一対の縦フレーム37の中間部に溶接され、左右方向に延びている。ピボット支持パイプ38は、一対の縦フレーム37よりも左右方向両側に突出している。ピボット支持パイプ38には、ピボット軸91(図1参照)が挿通される。ロアクロスフレーム39は、一対の縦フレーム37の下端部に溶接され、左右方向に延びている。
一対の縦フレーム37の上部には、互いに左右方向に離間した一対のモータ固定部87が固定されている。モータ固定部87は、例えば、左右方向に向いたボルト孔を有する板状のブラケットである。モータ固定部87は、縦フレーム37から前方に突出している。モータユニット16の着脱を容易にするために、車体フレーム4のモータ固定部の少なくとも1つは、車体フレーム4の残余の部分に対して着脱可能になっている。具体的には、一対のモータ固定部87の1つが、車体フレーム4の残余部分に対して着脱可能になっている。本実施形態では、右のモータ固定部87は、縦フレーム37に溶接され、左のモータ固定部87は、縦フレーム37に着脱可能にボルト固定されており、図3において左のモータ固定部87の図示は省略されている。
これによって、車両組み立て時において、モータユニット16を車載する際に、モータ固定部87とモータユニット16との干渉を防ぐことができる。具体的には、モータユニット16を右のモータ固定部87に仮固定した状態で、左のモータ固定部87を縦フレーム37に取り付け、その左のモータ固定部87をモータユニット16に固定する。これによって、モータユニット16の着脱性を向上しつつモータユニット16を安定的に固定できる。
ロアクロスフレーム39には、互いに左右方向に離間した一対のモータ固定部88が接合されている。モータ固定部88は、例えば、左右方向に向いたボルト孔を有する板状のブラケットである。モータ固定部88は、ロアクロスフレーム39から前方に突出している。ロアクロスフレーム39には、下リヤサスペンションブラケット90が接合されている。下リヤサスペンションブラケット90は、ロアクロスフレーム39から後方に突出している。クロスフレーム40及び一対の縦フレーム37には、上リヤサスペンションブラケット89が溶接されている。
図4は、図1のモータユニット16の左前から見た斜視図である。図5は、図4のモータユニット16の左後から見た斜視図である。図6は、図4のモータユニット16の断面図である。図4乃至6に示すように、モータユニット16は、モータケース64を備える。モータケース64は、モータ収容部64a、インバータ収容部64b、減速機収容部64c及びスプロケット収容部64dを有する。モータユニット16が車体フレーム4に搭載されたフレーム搭載状態で、インバータ収容部64bは、モータ収容部64aの右側に隣接している。以後、モータユニット16が車体フレーム4に搭載された状態をフレーム搭載状態と称することがある。フレーム搭載状態において、減速機収容部64cは、モータ収容部64aの左側に隣接している。フレーム搭載状態において、スプロケット収容部64dは、減速機収容部64cの左側に隣接している。
モータ収容部64aには、電気モータ68が収容されている。電気モータ68は、後輪3を駆動するための駆動力を出力するモータ駆動軸68aを有する。モータ駆動軸68aは、左右方向に延びている。インバータ収容部64bには、インバータ69が収容されている。インバータ69は、バッテリ9(図1参照)からの電力をモータ駆動可能な電力に
変換する。本実施形態では、インバータ69は、バッテリ9からの直流電流を三相交流電流に変換して電気モータ68に供給する。インバータ69は、コントローラ92(図1参照)によって制御される。
減速機収容部64cには、出力軸70及び減速機71が収容されている。出力軸70は、電気モータ68の外部に配置され、モータ駆動軸68aに平行に配置されている。減速機71は、モータ駆動軸68aの駆動力を減速して出力軸70に伝達する。減速機71は、例えば、減速ギヤ対である。フレーム搭載状態において、減速機71は、電気モータ68の左側に配置されている。スプロケット収容部64dには、出力軸70の端部に固定されたスプロケット72が収容されている。
モータ収容部64aは、円筒形状を有する。即ち、モータ収容部64aは、モータ駆動軸68a周りの周方向に延びる外周面を有する。モータ収容部64aの円筒部分は、成形加工又は切削加工によって、非分割のワンピースに形成されている。モータ収容部64aには、前固定部64f、上後固定部64g及び下後固定部64hが設けられている。前固定部64f、上後固定部64g及び下後固定部64hは、車両側面視においてモータ収容部64aの外周面から径方向外方に突出している。フレーム搭載状態において、前固定部64fは、モータ収容部64aの前側かつ下側に位置している。フレーム搭載状態において、上後固定部64gは、モータ収容部64aの後側かつ上側に位置している。フレーム搭載状態において、下後固定部64hは、モータ収容部64aの後側かつ下側に位置している。
前固定部64fは、モータ収容部64aの外周面から径方向外側に突出した腕部64faと、腕部64faの先端に設けられ且つ車体フレーム4のモータ固定部44との接続部となるパイプ部64fbと、を有する。腕部64faは、モータ収容部64aの径方向に沿って延びている。腕部64faは、モータ駆動軸68aの軸線方向、すなわちフレーム搭載状態でのモータユニット16の左右方向に延びている。パイプ部64fbは、腕部64faに沿ってモータ駆動軸68aの軸線方向、すなわちフレーム搭載状態でのモータユニット16の左右方向に延びている。パイプ部64fbの内部空間は、ボルト挿通孔である。
上後固定部64g及び下後固定部64hも、前固定部64fと同様の構造を有する。即ち、上後固定部64gは、モータ収容部64aの外周面から径方向外側に突出した腕部64gaと、腕部64gaの先端に接続されたパイプ部64gbを有する。下後固定部64hは、モータ収容部64aの外周面から径方向外側に突出した腕部64haと、腕部64haの先端に設けられ且つ車体フレーム4のモータ固定部88との接続部となるパイプ部64hbと、を有する。上後固定部64g及び下後固定部64hの腕部64ga,64hは、モータ収容部64aの径方向に沿って延びるとともに、モータ駆動軸68aの軸線方向すなわちフレーム搭載状態でのモータユニット16の左右方向に延びている。
各固定部64f,64g,64hは、モータユニット16の左右方向の外側面より左右方向の内側に配置されている。言い換えると、パイプ部64fb,64gb,64hbの左右方向一方側の端面は、モータユニット16の左右方向一方側の端面よりも左右方向内側に配置されている。パイプ部64fb,64gb,64hbの左右方向他方側の端面は、モータユニット16の左右方向他方側の端面よりも左右方向内側に配置されている。即ち、モータユニット16の各固定部64f,64g,64hは、モータユニット16の左右方向両側の外側面よりも左右方向内側の位置で車体フレーム4のモータ固定部44,87,88と連結されている。これによって、車体フレーム4の左右方向寸法が大きくなることを抑えることができる。また、前フレーム21の左フレーム31の端部(モータ固定部44)と前フレーム21の右フレーム32の端部(モータ固定部44)との間の左右方
向における距離が大きくなることが防がれる。
モータケース64において、パイプ部64fbの車幅方向内側の中央部64fb1は、パイプ部64fbの車幅方向外側の側部64fb2に対して外径が小さい。即ち、パイプ部64fbの外形は、段付き形状を有する。言い換えると、パイプ部64fbの中央部64fb1は、隣接するバッテリケース8から後方に退避しており、パイプ部64fbの中央部64bf1とバッテリケース8との間に隙間G(図7参照)が形成されている。これによって、電源ケーブル93は、バッテリケース8とパイプ部64fbとの間を通過しやすい。
モータ収容部64aの外周面には、当該外周面から径方向外側に突出した複数のリブ64kが設けられている。複数のリブ64kは、モータ収容部64aの外周面の周方向に延びている。即ち、リブ64kは、モータ駆動軸68aの軸線周りに延びている。複数のリブ64kは、互いにモータ駆動軸68aの軸線方向、すなわちフレーム搭載状態でのモータケース64の左右方向に間隔をあけて並んでいる。モータケース64の径方向において、リブ64kの突出量は、前固定部64f、上後固定部64g及び下後固定部64hの何れの突出量よりも小さい。
リブ64kは、前固定部64fから上後固定部64gまで延びるリブ64kと、前固定部64fから下後固定部64hまで延びるリブ64kと、上後固定部64gから下後固定部64hまで延びるリブ64k(図7参照)と、を含む。即ち、リブ64kは、固定部64f,64g,64hのうち互いに隣り合うもの同士を連結している。言い換えると、複数のリブ64kによって、モータ収容部64aの外周面には、当該外周面を一周するリブ構造が設けられている。
複数のリブ64kのうち特定リブ64kaは、腕部64fa,64ga,64haをモータ収容部64aの外周面に連結する補強部材として機能する。特定リブ64kaは、それ以外の残余のリブ64kbに比べて、腕部64fa,64ga,64ha付近での径方向寸法が大きい。腕部64fa,64ga,64haとモータ収容部64aの外周面とを連結する補強部材として機能するリブ64kaは、モータケース64の周方向における複数の位置に配置されることが好ましい。
前固定部64f、上後固定部64g及び下後固定部64hは、モータ収容部64aの外周面とともにリブ64kを経由して相互に荷重を伝達する。これによって、モータケース64の肉厚増加を抑えながらも、モータケース64が車体フレーム4の一部として良好に機能する。また、前方からの走行風がモータケース64に導かれる構成の場合、複数のリブ64kによって走行風が後方に滑らかに案内されて放熱性も向上する。また、モータケース64が露出する車両1においては、リブ64kに沿って走行風が流れることで、リブ64kに起因する走行抵抗の増加を防ぐことができる。
インバータ収容部64bの上面には、一対の端子65及び通信コネクタ66が設けられている。一対の端子65は、それぞれ電源用の正極端子及び負極端子である。一対の端子65には、それぞれ一対の電源ケーブル93(図1参照)の端子が接続される。一対の電源ケーブル93は、それぞれ正電源ケーブル及び負電源ケーブルである。通信コネクタ66は、コントローラ92に接続される通信ケーブル95(図1参照)のコネクタが接続される。
モータケース64には、モータケースカバー67が取り付けられている。モータケースカバー67は、車体フレーム4に取り付けられてもよい。モータケースカバー67は、側カバー部67a及び端子カバー部67bを有する。モータケースカバー67は、ワンピー
スである。側カバー部67aは、モータケース64の右側面を覆う。端子カバー部67bは、一対の端子65を覆う。側カバー部67aは、上方から見て一対の端子65を覆うとともに通信コネクタ66を露出させる。モータケースカバー67は、端子65の保護と車両1の外観向上とを兼ねる。
モータケース64は、ケース本体81、モータカバー82、減速機カバー83、スプロケットカバー84及びインバータカバー85を含むアッセンブリである。ケース本体81は、モータ収容部64aを構成し、実質的に円筒形状を有する。前固定部64f、上後固定部64g、下後固定部64h及びリブ64kは、ケース本体81の外周面に設けられている。
モータカバー82は、ケース本体81の左開口を閉鎖するようにケース本体81にボルト固定されている。ケース本体81及びモータカバー82は、モータ収容部64aのモータ配置空間S1を画定している。電気モータ68は、モータ配置空間S1に配置されている。電気モータ68のモータ駆動軸68aは、モータカバー82を貫通して左側に突出している。モータカバー82は、モータ駆動軸68aを支持する軸受74を支持している。モータカバー82は、出力軸70を支持する軸受75も支持している。
減速機カバー83は、車両側面視において左方からモータカバー82を覆うようにモータカバー82にボルト固定されている。減速機カバー83は、車両側面視においてモータカバー82よりも小さい。モータカバー82及び減速機カバー83は、減速機収容部64cの減速機配置空間S2を画定している。モータ駆動軸68aの左端部は、減速機配置空間S2に配置されている。出力軸70の右部は、減速機配置空間S2に配置されている。減速機71は、減速機配置空間S2に配置されている。減速機71は、モータ駆動軸68aの回転を減速して出力軸70に伝達する減速ギヤ対である。
スプロケットカバー84は、車両側面視において左方から減速機カバー83を覆うように減速機カバー83にボルト固定されている。スプロケットカバー84は、車両側面視において減速機カバー83よりも小さい。スプロケットカバー84は、車両側面視においてモータ駆動軸68aの外側に配置されている(図8も参照)。減速機カバー83及びスプロケットカバー84は、スプロケット収容部64dのスプロケット配置空間S3を画定している。出力軸70の左部は、スプロケット配置空間S3に配置されている。スプロケットカバー84は、出力軸70を支持する軸受76を支持している。
スプロケット配置空間S3には、出力軸70に固定されたスプロケット72が配置されている。スプロケット72には、後輪3に接続されるチェーン73が巻き掛けられる。スプロケットカバー84は、スプロケット配置空間S3を後方に開放するチェーン通過口84aを有する。即ち、チェーン73は、チェーン通過口84aを通過してスプロケット72に係合している。なお、チェーン73は無端ループの一例であり、スプロケット72は係合回転体の一例である。前記無端ループとしてチェーン73の代わりにベルトが用いられる場合には、前記係合回転体としてスプロケット72の代わりにプーリが用いられてもよい。また、チェーン73やベルトのほかに、ドライブシャフトを含むギアトレインによって、出力軸70の動力を後輪3に伝達してもよい。このように、出力軸70は、動力伝達構造を介して後輪3に動力を伝達する。
インバータカバー85は、車両側面視において右方からケース本体81を覆うようにケース本体81にボルト固定されている。インバータカバー85は、インバータ収容部64bのインバータ配置空間S4を画定している。インバータ69は、インバータ配置空間S4に配置されている。
図7は、図1の車両1の要部の底面図である。図7に示すように、前フレーム21の左フレーム31のモータ固定部44と、前フレーム21の右フレーム32のモータ固定部44とは、モータケース64の前固定部64fを介して左右方向に連結されている。左フレーム31及び右フレーム32のモータ固定部44は、有底円筒形状を有し、モータケース64の前固定部64fに当接して且つボルト孔を有する底板44aを含む。
左フレーム31及び右フレーム32のモータ固定部44は、モータケース64の前固定部64fを左右方向に挟んでいる。ボルトB1は、左右フレーム31,32のモータ固定部44の底板44aのボルト孔と、モータケース64の前固定部64fのパイプ部64fbのボルト挿通孔と、に挿通してナットN1に螺合されている。これにより、左フレーム31のモータ固定部44と、モータケース64の前固定部64fと、右フレーム32のモータ固定部44とが、互いにボルトB1で締結されている。左右フレーム31,32のモータ固定部44がモータケース64の前固定部64fを左右方向に挟むことで、左右方向から外力が作用しても左右フレーム31,32が互いに近づくように変形しにくい。即ち、モータケース64の前固定部64fがクロスフレームとして機能する。
ピボットフレーム23の一対のモータ固定部88は、モータケース64の下後固定部64hを左右方向に挟んでいる。ボルトB3は、一対のモータ固定部88のボルト孔と、下後固定部64hのパイプ部64hbのボルト挿通孔と、に挿通してナットN2に螺合されている。これにより、モータケース64の下後固定部64hがピボットフレーム23の一対のモータ固定部88にボルトB3で締結されている。モータケース64の下後固定部64hのパイプ部64hbは、一対のモータ固定部88を左右方向に連結するクロスフレームとして機能する。
同様に、図4及び8に示すように、モータケース64の上後固定部64gも、一対のモータ固定部87に左右方向に挟まれた状態で一対のモータ固定部87にボルトB2で締結されている。即ち、モータケース64の上後固定部64gのパイプ部64gbは、一対のモータ固定部87を左右方向に連結するクロスフレームとして機能する。
図7に示すように、スイングアーム12は、左右方向に互いに離間した一対の前端支持部12aを有する。スイングアーム12の前端支持部12aがピボットフレーム23のピボット支持パイプ38(図3参照)を左右方向に挟んだ状態で、前端支持部12a及びピボット支持パイプ38にピボット軸91(図1参照)が左右方向に挿通されている。即ち、スイングアーム12の前端支持部12aは、ピボットフレーム23のピボット支持パイプ38に対してピボット軸91を介して回動自在に接続されている。
ピボットフレーム23の一対の縦フレーム37(図3参照)は、スイングアーム12の一対の前端支持部12aに対して左右方向内側に位置している。即ち、ピボットフレーム23の一対の縦フレーム37の間の左右方向の間隔は、スイングアーム12の一対の前端支持部12aの間の左右方向に間隔よりも小さい。一対のモータ固定部88の左右方向の間隔は、一対の下リヤサスペンションブラケット90の左右方向の間隔よりも大きい。
車体フレーム4のモータ固定部44は、モータユニット16の前固定部64fの締結面から左右方向外側に延びている。モータ固定部44は、モータユニット16の左右方向外側端まで延びている。具体的には、右側のモータ固定部44は、インバータ収容部64bよりも左右方向外側に突出している。左側のモータ固定部44は、減速機収容部64cよりも左右方向外側に突出している。これによって、モータユニット16よりもモータ固定部44が障害物に接触しやすく、モータユニット16の損傷を防ぐことができる。
図8は、図1のモータケース64及びその近傍の拡大図である。図8に示すように、リ
ヤサスペンション13の下端部は、サスペンションリンク14を介してスイングアーム12及びピボットフレーム23に連結されている。サスペンションリンク14は、第1リンクプレート61及び第2リンクプレート62を有する。第1リンクプレート61は、リヤサスペンション13の下端部と、ピボットフレーム23の下サスペンションブラケット90と、第2リンクプレート62の一端部と、に回動自在に連結されている。第2リンクプレート62の他端部は、スイングアーム12に回動自在に連結されている。
モータ駆動軸68a及び出力軸70は、車両側面視において、前固定部64fと上後固定部64gと下後固定部64hとを結ぶ仮想三角形Tが囲む領域に位置している。また当然に、モータ駆動軸68aの軸線及び出力軸70の軸線は、仮想三角形Tが囲む領域に位置している。モータケース64の前固定部64f、上後固定部64g及び下後固定部64hは、車両側面視にてモータ駆動軸68a及び出力軸70を囲む仮想三角形Tの頂点に位置づけられる。
具体的には、仮想三角形Tの頂点には、前固定部64fの締結箇所の中心と、上後固定部64gの締結中心と、下後固定部64hの締結中心とが位置する。即ち、仮想三角形Tの頂点には、前固定部64f、上後固定部64g及び下後固定部64hにそれぞれ設けられるボルトB1~B3の軸心が位置する。モータケース64が車体フレーム4の一部として機能し、モータ駆動軸68aの周囲においてモータケース64がトラス構造のようにして車体フレーム4の剛性を高める。すなわち、モータケース64は、剛性メンバとして機能しつつ、圧縮又は引張りの荷重が優位に作用することで曲げ荷重が作用することを抑えることができる。よって、モータケース64が車体フレーム4として有効に利用され、車両1の軽量化を図ることができる。また、車両側面視でモータユニット16と重なる領域においてフレームを無くす又は減らすことができる。
車両1は、ハイブリッド車両ではなく、内燃機関を備えないバッテリ電動車両(BEV)
であるため、バッテリ9が大型化している。しかし、前述したような車体フレーム4が採用されることで、車体フレーム4によって大重量のバッテリ9が適切に支持され且つフレーム重量の増加が抑えられ、車両1の軽量化が図られる。
モータケース64における前固定部64fと上後固定部64gとの間の部分と、車体フレーム4のフレームVと、車体フレーム4のフレームWとを含むフレーム構造は、車両側面視で略三角枠状を有する。よって、モータケース64が隣接するフレームV,Wとともにトラス構造として機能して車体フレーム4の剛性を高めることができる。なお、本実施形態では、フレームVは複数のブリッジフレーム43の1つとし、フレームWは上長手フレーム41の一部としているが、それに限られない。
フレーム搭載状態において、モータ駆動軸68aは、出力軸70の前方かつ下方に位置する。車両側面視において、減速機71の70%以上100%以下の割合を占める部分は、仮想三角形Tの内側に位置している。減速機71は、車両側面視において電気モータ68に重なっている。フレーム搭載状態において、モータケース64の前固定部64fは、上後固定部64gより下方かつ下後固定部64hより上方にある。モータ駆動軸68a及び出力軸70は、互いに前後方向及び上下方向に対して傾斜した方向に並んでいる。出力軸70は、車両側面視において電気モータ68の外縁よりも内側に配置されている。スプロケットカバー84は、モータ収容部64aの外縁の内側に配置されている。ピボット軸91は、上下方向において上後固定部64gと下後固定部64hとの間に位置している。
ピボット軸91は、出力軸70よりも下方に位置する。ピボット軸91は、モータ駆動軸68aよりも上方に位置する。車両側面視において、モータ駆動軸68aの軸心と出力軸70の軸心とを結ぶ直線は、水平方向に対して20度以上70度以下、好ましくは40
度以上50度以下の角度で傾斜している。例えば、車両側面視において、減速機71の80%以上100%以下の割合を占める部分は、電気モータ68に重なっている。車両側面視においてスプロケット72の90%以上100%以下の割合を占める部分は、電気モータ68に重なっている。車両側面視において、減速機71及びスプロケット72の一部は、電動モータ68よりも上方に位置してもよい。上述したように軸配置を工夫し、車両側面視において、電気モータ68を下方に配置しながら減速機71およびスプロケット72の上方突出を許容することで、モータユニット16を全体的にピボット軸91に近づけることができる。
フレーム搭載状態において、前固定部64f及び下後固定部64hは、モータ収容部64aの下端よりも上方に位置している。上後固定部64gは、モータ収容部64aの上端よりも下方に位置してもよいし、モータ収容部64aの上端よりも上方に位置してもよい。モータ駆動軸68a、出力軸70及びピボット軸91は、上後固定部64gより下方かつ下後固定部64hより上方に位置している。即ち、上後固定部64gの高さと下後固定部64hの高さとの間の高さ範囲に、モータ駆動軸68a、出力軸70及びピボット軸91が位置している。
仮想三角形Tの一辺Taすなわち前固定部64fの締結中心と上後固定部64gの締結中心とを結ぶ仮想直線は、車両側面視において、支持フレーム49の延長線に沿って延びている。モータケース64の下後固定部64hは、ピボット軸91よりもサスペンションリンク14とピボットフレーム23との連結点Qに近い。これにより、サスペンションリンク14からの荷重によるピボットフレーム23の応力が低減される。モータケース64は、リヤサスペンション13の上端の高さとリヤサスペンション13の下端の高さとの間に高さ範囲に位置している。
モータケース64の上後固定部64gは、上リヤサスペンションブラケット89の前方に隣接している。モータケース64の下後固定部64hは、下リヤサスペンションブラケット90の前方に隣接している。ピボットフレーム23は、車両側面視において、モータケース64の後面に沿って湾曲した形状を有する。ピボットフレーム23のうち上後固定部64gと下後固定部64hとの間の区間は、後方に凸な円弧状に湾曲している。ピボットフレーム23とモータケース64とは、前後方向において互いに直接的に対向している。
このようにピボットフレーム23がモータケース64に沿って湾曲することで、全体的にピボットフレーム23とモータケース64との距離を近づけることができる。これによって、車体フレーム4のモータ固定部87,88が、フレーム本体からモータケース64に向けて突出する突出量を抑えることができる。モータケース64の上後固定部64g及び下後固定部64hがケース本体からピボットフレーム23に向けて突出する突出量を抑えることができる。
モータ固定部44は、車両側面視において、下長手フレーム42とブリッジフレーム43との接合部P1に隣接している。即ち、下長手フレーム42及びブリッジフレーム43は、互いに接合され且つ互いの接合部P1が後述するモータケース64の前固定部64fに対し、車両側面視において隣接した第1フレーム及び第2フレームの役目を果たす。本実施形態では、接合部P1と前固定部64fとの間の距離は、残余の固定部64g,64hの各々と前固定部64fとの間の距離よりも短い。よって、前記第1フレーム及び前記第2フレームのトラス部分の交点P1となる部分からの荷重をモータケース64の前固定部64fに伝えることができ、トラス構造としての機能が向上する。
モータ固定部87は、車両側面視において、上長手フレーム41と支持フレーム49と
の接合部P2に隣接している。即ち、上長手フレーム41と支持フレーム49は、互いに接合され且つ接合部P2が後述するモータケース64の上後固定部64gに対し、車両側面視において隣接した第3フレーム及び第4フレームの役目を果たす。本実施形態では、接合部P2と上後固定部64gとの間の距離は、残余の固定部64f,64hの各々と上後固定部64gとの間の距離よりも短い。よって、前記第3フレーム及び前記第4フレームのトラス部分の交点P2となる部分からの荷重をモータケース64の上後固定部64gに伝えることができ、トラス構造としての機能が向上する。なお、第1フレーム及び前記第2フレームの接合部P1が前固定部64fに近接した構成と、第3フレーム及び前記第4フレームの接合部P2が上後固定部64gに近接した構成と、の両方が採用されずに一方のみが採用されてもよい。
図9は、図8の仮想三角形T等を拡大した模式図である。図9に示すように、本実施形態では、仮想三角形Tは、上後固定部64gと下後固定部64hとの間の距離が、前固定部64fと上後固定部64gとの間の距離および前固定部64fと下後固定部64hとの間の距離よりも短くなる形状を有する。更に具体的には、仮想三角形Tは、二等辺三角形に近い形状に形成される。車両側面視において、モータ駆動軸68aの軸線Xと前固定部64fの締結中心とを結ぶ直線L1は、仮想三角形Tの前側の角αを等分割するように延びる。また、車両側面視において、モータ駆動軸68aは、前固定部64fの締結中心とピボット軸91の軸心とを結ぶ直線L4に部分的に重なるように配置されている。
車両側面視において、モータ駆動軸68aの軸線Xと各固定部64f,64g,64hの締結中心とを結ぶ各直線のうち互いに隣接する直線のなす角度θ1,θ2,θ3は、60度より大きく且つ180度未満の範囲内の角度である。例えば、軸線Xと前固定部64fの締結中心とを結ぶ直線L1と、軸線Xと上後固定部64gの締結中心とを結ぶ直線L2の間の角度θ1は、軸線Xと下後固定部64hの締結中心とを結ぶ直線L3と、軸線Xと前固定部64fの締結中心とを結ぶ直線L1との間の角度θ3と実質的に同じである。「実質的に同じ」とは、両者の角度差が20度未満を意味する。このように、両角度θ1,θ3を互いに同程度にすることで、上後固定部64g及び下後固定部64hは、前固定部64fから後方に伝わる荷重を適切に分担できる。
図2に示すように、バッテリケース8は、モータケース64の前方において低く配置されている。具体的には、バッテリケース8の下端は、モータケース64の上端より下方に位置している。バッテリケース8は前下方に向けて斜めに延びるように鉛直方向に対して傾斜している。具体的には、バッテリケース8の前面及び後面は、車両側面視において、前下方に向けて斜めに延びるように鉛直方向に対して傾斜している。言い換えると、バッテリケース8は、その軸線が、上端から下方に進むにつれて前方に向かうように傾斜した状態で車体フレーム4に固定されている。また、バッテリケース8の底面は、前端から後方に進むにつれて下方に向かうように傾斜した状態で車体フレーム4に固定されている。
バッテリケース8は、ケース本体51及びロアカバー52を備える。ケース本体51は、容器部55及びフランジ部56を有する。容器部55は、バッテリ9を収容するバッテリ収容空間BSを画定している。フランジ部56は、容器部55の上端からフランジ状に突出している。ケース本体51は、バッテリ収容空間BSを後上方に向けて開放してフランジ部56により画定される上開口51aを有する。アッパカバー10は、上開口51aを塞ぐようにバッテリケース8に取り付けられている。
ロアカバー52は、ケース本体51の下面に取り付けられている。ロアカバー52は、上方に開放された凹形状を有する。ロアカバー52は、ケース本体51の下面とともにケーブル収容空間CSを画定している。ケーブル収容空間CSには、バッテリ収容空間BSに収容されたバッテリ9に電気的に接続された電源ケーブル93および通信ケーブル99
が配置されている。ロアカバー52の後面は、各ケーブル93、99が通過するケーブル通過口WHを有する。各ケーブル93,99は、ケーブル通過口WHを通じてロアカバー52から外部に導出される。電源ケーブル93は、バッテリケース8からモータケース64、具体的にはインバータ収容部64bに延びている。通信ケーブル99は、バッテリケース8からコントローラ92に延びている。
本実施形態では、ケーブル通過口WHは、ロアカバー52の下面より上方の位置にあり、ロアカバー52の後面にある。ケーブル通過口WHは、バッテリケース8の下端よりも上方に位置している。ケーブル通過口WHは、前フレーム21のモータ固定部44の下端よりも上方に位置している。これによって、各ケーブル92,99が障害物に接触することが防がれる。各ケーブル92,99は、ケーブル通過口WHからロアカバー52の後方に延びてから、バッテリケース8の後面に沿うように上方に向かって延びる。車両側面視において、各ケーブル92,99は、ケーブル通過口WHからバッテリケース8とモータ固定部44との間の隙間を通過して、バッテリケース8とモータケース64との間を上方に延びる。
モータケース64の下端は、バッテリケース8のケーブル通過口WHよりも下方に位置している。電源ケーブル93は、バッテリケース8とモータケース64との間を上下方向に通過している。バッテリケース8は、前方から見て電源ケーブル93に重なっている。例えば、電源ケーブル93の全体は、前方から見てバッテリケース8により隠されている。電源ケーブル93は、バッテリケース8及びモータケース64により保護されている。
図7及び8に示すように、前フレーム21は、バッテリケース8の底面の後端部を支持する板状の下後支持部45を有する。左の下後支持部45と右の下後支持部45との間の隙間の左右方向寸法は、バッテリケース8の左右方向寸法よりも小さい。左の下後支持部45の左端と右の下後支持部45の右端との間の左右方向の距離は、バッテリケース8の左右方向寸法以上である。これによって、バッテリケース8の下面後部の左右方向端部を下後支持部45に好適に積載できる。即ち、バッテリケース8の底面の後端部は、前フレーム21の下後支持部45に上方から載せられている。下後支持部45は、バッテリケース8に下方からボルト固定されている。
図10Aは、図1のバッテリケース8及びその近傍の拡大図である。図10Bは、図10Aのバッテリケース8及びその近傍の正面図である。図10A及びBに示すように、前フレーム21は、下前支持ブラケット46を有する。具体的には、下前支持ブラケット46は、下長手フレーム42の中間部から前下方に突出している。下前支持ブラケット46には、サポート17が固定されている。サポート17は、バッテリケース8の下面の前端部を支持する。
サポート17は、下前支持部78及び一対の腕部79を有する。下前支持部78は、バッテリケース8の下面の前端部の下側に位置し、バッテリケース8の下面両端より左右方向両側に突出している。下前支持部78の上面は、バッテリケース8の下面を下方から支持する支持面である。一対の腕部79は、下前支持部78の左右方向の両端から前フレーム21に向けて延び、下前支持ブラケット46にボルト固定されている。下前支持部78と腕部79とは、互いに別体であり、互いにボルト固定されている。なお、サポート17は、ワンピースであってもよい。
バッテリケース8の下面は、水平方向に対して傾斜して下後方に斜めに延びている。すなわち、バッテリケース8の下面は、前端から後方に進むにつれて下方に向かうように傾斜している。バッテリケース8の前下部は、車両側面視において前フレーム21から下側に食み出している。サポート17は、前フレーム21に連結されている。腕部79は、車
両側面視において、下前支持部78の上面の垂線Lが延びる垂線方向に対して傾斜している。即ち、腕部79は、バッテリケース8の前面よりも後傾しており、後上方に斜めに延びている。言い換えると、腕部79は、下長手フレーム42との接続部分から前方に進むにつれて下方に向かうように傾斜している。サポート17の下前支持部78は、バッテリケース8に下方からボルト固定されている。具体的には、サポート17の下前支持部78は、ロアカバー52の前方においてケース本体51の下面にボルト固定されている。
図11は、図1のバッテリケース8及びその近傍を左上から見た斜視図である。図11に示すように、バッテリケース8は、バッテリ収容空間BSを上方に開放する上開口51aを有する。前フレーム21は、バッテリケース8の前上部を支持する前上支持部47を有する。上前支持部47には、上方に向いた突起47aが設けられている。突起47aは、バッテリケース8の上開口51aの周囲のフランジ部56の孔に下方から挿入されている。フランジ部56は、上前支持部47により下方から支持されている。これにより、バッテリケース8の前フレーム21にバッテリケース8を容易に組み付けできると共に、バッテリケース8が安定的に支持される。
前フレーム21は、バッテリケース8の前方及び後方にそれぞれ配置された第1クロスフレーム96及び第2クロスフレーム97を含む。第1クロスフレーム96は、バッテリケース8の前方において左右方向に延びて左フレーム31と右フレーム32とを連結している。第2クロスフレーム97は、バッテリケース8の後方において左右方向に延びて左フレーム34と右フレーム35とを連結している。
第1クロスフレーム96は、モータ固定部44より上方かつ第2クロスフレーム97よりも下方に位置している。即ち、第1クロスフレーム96と、第2クロスフレーム97と、クロスフレームとして機能するモータケース64の前固定部64fとは、車両側面視においてバッテリケース8を3点で囲むように配置されている。これにより、左フレーム31と右フレーム32とが左右方向に互いに近づくような前フレーム21の変形が好適に防止され、バッテリケース8が良好に保護される。
本実施形態では、車両側面視において、第1クロスフレーム96の中心と、第2クロスフレーム97の中心と、モータケース64の前固定部64fの締結中心とを互いに結ぶ直線からなる三角形状の領域内に、バッテリケース8の重心が位置している。具体的には、第1クロスフレーム96は、バッテリケース8の前面の上端から下端までの範囲における中間位置に配置されている。第2クロスフレーム97は、バッテリケース8の後面の上端から下端までの範囲における上側位置に配置されている。モータケース64の前固定部64fは、バッテリケース8の後面の上端から下端までの範囲における下側位置に配置されている。
図12は、図3の車体フレーム4の上リヤサスペンションブラケット89及びその近傍の左後から見た斜視図である。図12に示すように、上リヤサスペンションブラケット89は、ピボットフレーム23の一対の縦フレーム37とクロスフレーム40とに溶接されている。上リヤサスペンションブラケット89は、リヤサスペンション13の上端部が接続される接続孔89aを有する。上リヤサスペンションブラケット89は、縦フレーム37の後方に配置されている。上リヤサスペンションブラケット89は、クロスフレーム40の後面に溶接されている。
図13Aは、図12の上リヤサスペンションブラケット89及びその近傍の上方から見た断面図である。図13Aに示すように、上リヤサスペンションブラケット89は、一対の縦フレーム37の左右方向内側の対向面に溶接部Wにおいて溶接されている。これにより、上リヤサスペンションブラケット89が縦フレーム37の後面に溶接される場合に比
べ、縦フレーム37の曲げ応力が上リヤサスペンションブラケット89の溶接箇所に及ぼす影響が低減される。
図13Bは、図12の上リヤサスペンションブラケット89及びその近傍の左側面図である。図13Bに示すように、上リヤサスペンションブラケット89は、車両側面視において、リヤサスペンション13に対向するアーチ状の端縁89bを有する。上リヤサスペンションブラケット89の端縁89bは、上前方に向けて凹んでいる。リヤサスペンション13は、車両側面視において、上下方向において上リヤサスペンションブラケット89と重なり、かつ、前後方向において上リヤサスペンションブラケット89と重なっている。
図14は、図1の車両1の導風構造の左前から見た斜視図である。図15は、図14の導風構造の断面図である。図14及び14に示すように、車両1は、一対のサイドカウル18と、ロアカウル19と、を備える。一対のサイドカウル18は、バッテリケース8の下方の空間を左右方向両側から覆っている。ロアカウル19は、一対のサイドカウル18の間に画定される空間を下方から覆うように一対のサイドカウル18の下端部に接続されている。即ち、サイドカウル18及びロアカウル19は、モータケース64の前方かつバッテリケース8の下方の導風空間WSを左右及び下方から覆っている。
サイドカウル18及びロアカウル19は、導風空間WSを前方に開放する前開口Mを有する。前開口Mには、前後方向に開口した複数の導風孔80aを有する導風カバー80が配置されている。即ち、導風カバー80は、導風空間WSは前方から覆われている。導風空間WSは、バッテリケース8の下面とロアカウル19の上面との間に画定されている。バッテリケース8の下面は、下後方に向けて斜めに延びている。導風空間WSの上下方向寸法は、実質的に後方にいくにつれて減少する。
導風カバー80の導風孔80aから導風空間WSに流入した走行風は、導風空間WSにおいて後方に向けて加速し、モータケース64に当たってモータケース64を冷却する。モータケース64の外面が車両側面視において実質的に円形状であるため、導風空間WSの走行風は、モータケース64の外周面に沿って滑らかに後方に流れる。サイドカウル18及びロアカウル19は、導風空間WSを後方に開放する後開口Nを有する。モータケース64を冷却した走行風は、後開口Nを通って後方に排出される。
バッテリケース8の下面が後下方に向かうように傾斜することで、前方からモータケース64に向かう流路が狭められる。これによって、走行風が増速しながらモータケース64に導かれる。同様に、モータケース64の外面が円筒形状を有することで、モータケース64とロアカウル19との間において後方に向かう流路が狭められる。これによって、走行風が増速しながらモータケース64に沿って流れる。このようにして、モータケース64に衝突する走行風の流速を高めることで、モータケース64の冷却効果を高めることができる。
走行風は導風カバー80の導風孔80aを通過できるが、導風カバー80は、比較的大きい異物が導風空間WSに進入するのを防止する。たとえば、異物が、ケーブル92,99やモータユニット16の端子65に衝突することが防がれる。ロアカウル19は、その下部においてドレン孔DHを有する。導風カバー80の導風孔80aを通って導風空間WSに水が進入し得るが、その進入した水はロアカウル19のドレン孔DHから車外に排出される。なお、導風カバー80は、省略されてもよい。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略
などを行った実施形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。例えば、1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれる。
車体フレーム4の構造は、一例であって、他のフレーム構造が採用されてもよい。例えば、車体フレーム4は、ダブルクレードルタイプ、バックボーンフレーム、モノコックフレームなどの他のフレーム構造であってもよい。車両1は、カウルのないネイキッドタイプでもよいしカウルのあるタイプでもよい。
前述した実施形態では、減速機71の減速比が固定されているが、減速機71は減速比を変更可能な変速機であってもよい。前述した実施形態では、減速機71を収容せずに電気モータ68を収容するモータ収容部64aに各固定部64f,64g,64hが設けられているため、減速機収容部64c及びスプロケット収容部64dには車体フレーム4に伝達される荷重が伝達されることを防がれ、減速機収容部64c及びスプロケット収容部64dの剛性要求を抑えることができる。
本実施形態では、モータケース64において、前固定部64fと上後固定部64gとの間を延びるリブ64kと、前固定部64fと下後固定部64hとの間を延びるリブ64kと、上後固定部64gと下後固定部64hとの間を延びるリブ64kと、の3群が設けられたが、剛性要求の状況に応じて当該3群のうち何れかが省略されてもよいし、リブ64kの形状を異ならせてもよい。
バッテリケース8は、ヘッドパイプ20とシート11との間に配置されることが好ましいが、他の位置に配置されてもよい。たとえば、モータケース64の上方に配置されてもよいし、モータケース64の後方に配置されてもよい。減速機71は、省略されてもよい。即ち、電気モータ68のモータ駆動軸68aに直接的にスプロケット72を設け、モータ駆動軸68aを出力軸としてもよい。また、モータ駆動軸68aが仮想三角形Tの領域内に配置された状態で出力軸70が仮想三角形Tの領域外に配置されていてもよい。
モータユニット16は、バッテリケース8の後方に配置されることが好ましいが、バッテリケース8の下面を車体フレーム4で支持できる構造であれば他の配置でもよい。たとえば、インホイールモータとして後輪3に電気モータが内蔵されてもよいし、シート11とピボット軸91との間にモータユニット16が配置されてもよい。バッテリケース8は、鉛直方向に対して斜めに傾斜して配置されることが好ましいが、バッテリケース8が鉛直方向に沿って配置されていてもよい。
バッテリケース8は、他の位置に配置されてもよい。フレームに対するモータユニット16の固定位置は、他の位置でもよく任意に選択されてもよい。
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
操舵軸が挿通されるヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレームと、を含む車体フレームと、
前記車体フレームに支持されるバッテリケースと、
前記バッテリケースの後方に位置し、車輪を駆動する駆動力を発生する電気モータを収容するモータケースと、を備え、
前記前フレームは、前記バッテリケースの底面を支持する少なくとも1つの下後支持部と、前記下後支持部に隣接して且つ前記モータケースに固定される少なくとも1つのモータ固定部と、を有する、鞍乗電動車両。
この構成によれば、前フレームがバッテリケースの底面を支持する位置と、前フレームがモータケースに固定される位置とが互いに隣接することで、バッテリケースの慣性力がモータケース固定部に好適に伝達される。よって、車体フレームの大型化を抑えて、バッテリケースを好適に支持できる。
[項目2]
前記バッテリケースは、前下方に向けて斜め延びるように鉛直方向に対して傾斜している、項目1に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、バッテリの荷重をモータケースに十分に負担させることができ、前フレームを軽量化できる。
[項目3]
前記車体フレームは、互いに左右方向に離れた左フレーム及び右フレームを含み、
前記少なくとも1つの下後支持部は、前記左フレームの下後支持部と、前記右フレームの下後支持部と、を含み、
前記少なくとも1つのモータ固定部は、前記左フレームのモータ固定部と、前記右フレームのモータ固定部と、を含み、
前記モータケースは、前固定部を含み、
前記左フレームの前記モータ固定部と前記右フレームの前記モータ固定部とは、前記モータケースの前固定部を介して互いに連結されている、項目1又は2に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、モータケースの前固定部がクロスフレームとして機能することで、前フレームの下後支持部の撓みを防止できる。
[項目4]
前記車体フレームは、前記バッテリケースの前方において前記左フレームと前記右フレームとを連結する第1クロスフレームと、前記バッテリケースの後方において前記左フレームと前記右フレームとを連結する第2クロスフレームと、を含み、
前記第1クロスフレームは、前記モータ固定部より上方かつ前記第2クロスフレームよりも下方に位置している、項目3に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、第1クロスフレームと、第2クロスフレームと、クロスフレームとして機能するモータケースの前固定部とが、車両側面視においてバッテリケースを3点で囲むように配置される。そのため、左フレームと右フレームとが互いに近づくような前フレームの変形が好適に防止され、バッテリケースを良好に保護できる。
[項目5]
前記前フレームは、互いに左右方向に離れた左フレーム及び右フレームを含み、
前記少なくとも1つの下後支持部は、前記左フレームの下後支持部と、前記右フレームの下後支持部と、を含み、
前記少なくとも1つのモータ固定部は、前記左フレームのモータ固定部と、前記右フレームのモータ固定部と、を含み、
前記左フレーム及び前記右フレームの各々は、前後方向に延びた長手フレームと、前記長手フレームの後端部から左右方向に突出した前記モータ固定部と、前記長手フレーム及
び前記モータ固定部の両方に接合された前記下後支持部と、を含む、項目1乃至4のいずれか1項に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、下後支持部の剛性が高くなり、バッテリケースを安定支持できる。
[項目6]
前記バッテリケースの下面の前端部を支持するサポートを更に備え、
前記バッテリケースの下面は、下後方に斜めに延び、
前記前フレームは、下後方に斜めに延び、
前記バッテリケースの前下部は、車両側面視において前記前フレームから下側に食み出しており、
前記サポートは、前記前フレームに連結されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、バッテリの低重心化による走行安定性の向上と前フレームの軽量化とを両立できる。
[項目7]
前記サポートは、前記バッテリケースの下面の前端部の下側に位置する前下支持部と、前記下前支持部の左右方向の両端から前記前フレームに向けて上方に延びた腕部と、を有し、
前記腕部は、後上方に斜めに延び、前記下前支持部の支持面の法線方向に対して傾斜している、項目6に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、走行中に前輪を介して受ける前下方から後上方に向けた荷重をサポートが良好に受け止めることができる。
[項目8]
前記バッテリケースの上開口を塞ぎ且つ前記車体フレームに固定されたアッパカバーを更に備え、
前記バッテリケースは、前記アッパカバーを介して前記車体フレームに固定されている、項目1乃至7のいずれか1項に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、バッテリケースを安定支持できる。
[項目9]
前記バッテリケースから前記モータケースに延びる電源ケーブルを更に備え、
前記バッテリケースの後面は、前記電源ケーブルが通過するケーブル通過口を有し、
前記モータケースの下端は、前記バッテリケースの前記ケーブル通過口よりも下方に位置している、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の鞍乗電動車両。
この構成によれば、バッテリケースが電源ケーブルを前方から覆うため、露出した電源ケーブルをバッテリケースにより保護できる。また、ケーブル通過口よりも下方にモータケースの下面が位置するので、モータケースが路面障害物から電源ケーブルを保護できる。
[項目10]
操舵軸が挿通されるヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレームと、を含む車体フレームと、
前記車体フレームに支持され、鉛直方向に対して傾斜して前下方に向けて延びたバッテ
リケースと、を備え、
前記前フレームは、前記バッテリケースの下面の後端部を支持する下後支持部を有する、鞍乗電動車両。
この構成によれば、傾斜したバッテリケースを効果的に支持できる。
1 車両
4 車体フレーム
8 バッテリケース
9 バッテリ
10 アッパカバー
12 スイングアーム
13 リヤサスペンション
14 サスペンションリンク
16 モータユニット
17 サポート
20 ヘッドパイプ
21 前フレーム
22 後フレーム
23 ピボットフレーム
31 左フレーム
32 右フレーム
34 左フレーム
35 右フレーム
37 縦フレーム
38 ピボット支持パイプ
40 クロスフレーム
44 モータ固定部
45 下後支持部
46 下前支持ブラケット
47 上前支持部
47a 突起
48 シートフレーム
49 支持フレーム
51 ケース本体
51a 上開口
52 ロアカバー
56 フランジ部
64 モータケース
64a モータ収容部
64b インバータ収容部
64c 減速機収容部
64d スプロケット収容部
64f 前固定部
64g 上後固定部
64h 下後固定部
64k リブ
65 端子
67 モータケースカバー
67a 側カバー部
67b 端子カバー部
68 電気モータ
68a モータ駆動軸
69 インバータ
70 出力軸
71 減速機
72 スプロケット
73 チェーン
78 下前支持部
79 腕部
80 導風カバー
81 ケース本体
82 モータカバー
83 減速機カバー
84 スプロケットカバー
85 インバータカバー
87 モータ固定部
88 モータ固定部
89 上リヤサスペンションブラケット
90 下リヤサスペンションブラケット
91 ピボット軸
93 電源ケーブル
96 第1クロスフレーム
97 第2クロスフレーム
B1~B3 ボルト
BS バッテリ収容空間
WH ケーブル通過口
P1 接合部
P2 接合部
T 仮想三角形

Claims (10)

  1. 操舵軸が挿通されるヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレームと、を含む車体フレームと、
    前記車体フレームに支持されるバッテリケースと、
    前記バッテリケースの後方に位置し、車輪を駆動する駆動力を発生する電気モータを収容するモータケースと、を備え、
    前記前フレームは、前記バッテリケースの底面を支持する少なくとも1つの下後支持部と、前記下後支持部に隣接して且つ前記モータケースに固定される少なくとも1つのモータ固定部と、を有する、鞍乗電動車両。
  2. 前記バッテリケースは、前下方に向けて斜め延びるように鉛直方向に対して傾斜している、請求項1に記載の鞍乗電動車両。
  3. 前記車体フレームは、互いに左右方向に離れた左フレーム及び右フレームを含み、
    前記少なくとも1つの下後支持部は、前記左フレームの下後支持部と、前記右フレームの下後支持部と、を含み、
    前記少なくとも1つのモータ固定部は、前記左フレームのモータ固定部と、前記右フレームのモータ固定部と、を含み、
    前記モータケースは、前固定部を含み、
    前記左フレームの前記モータ固定部と、前記右フレームの前記モータ固定部とは、前記モータケースの前固定部を介して互いに連結されている、請求項1又は2に記載の鞍乗電動車両。
  4. 前記車体フレームは、前記バッテリケースの前方において前記左フレームと前記右フレームとを連結する第1クロスフレームと、前記バッテリケースの後方において前記左フレームと前記右フレームとを連結する第2クロスフレームと、を含み、
    前記第1クロスフレームは、前記モータ固定部より上方かつ前記第2クロスフレームよりも下方に位置している、請求項3に記載の鞍乗電動車両。
  5. 前記前フレームは、互いに左右方向に離れた左フレーム及び右フレームを含み、
    前記少なくとも1つの下後支持部は、前記左フレームの下後支持部と、前記右フレームの下後支持部と、を含み、
    前記少なくとも1つのモータ固定部は、前記左フレームのモータ固定部と、前記右フレームのモータ固定部と、を含み、
    前記左フレーム及び前記右フレームの各々は、前後方向に延びた長手フレームと、前記長手フレームの後端部から左右方向に突出した前記モータ固定部と、前記長手フレーム及び前記モータ固定部の両方に接合された前記下後支持部と、を含む、請求項1又は2に記載の鞍乗電動車両。
  6. 前記バッテリケースの下面の前端部を支持するサポートを更に備え、
    前記バッテリケースの下面は、下後方に斜めに延び、
    前記前フレームは、下後方に斜めに延び、
    前記バッテリケースの前下部は、車両側面視において前記前フレームから下側に食み出しており、
    前記サポートは、前記前フレームに連結されている、請求項1又は2に記載の鞍乗電動車両。
  7. 前記サポートは、前記バッテリケースの下面の前端部の下側に位置する前下支持部と、前記下前支持部の左右方向の両端から前記前フレームに向けて上方に延びた腕部と、を有
    し、
    前記腕部は、後上方に斜めに延び、前記下前支持部の支持面の垂線方向に対して傾斜している、請求項6に記載の鞍乗電動車両。
  8. 前記バッテリケースの上開口を塞ぎ且つ前記車体フレームに固定されたアッパカバーを更に備え、
    前記バッテリケースは、前記アッパカバーを介して前記車体フレームに固定されている、請求項1又は2に記載の鞍乗電動車両。
  9. 前記バッテリケースから前記モータケースに延びる電源ケーブルを更に備え、
    前記バッテリケースの後面は、前記電源ケーブルが通過するケーブル通過口を有し、
    前記モータケースの下端は、前記バッテリケースの前記ケーブル通過口よりも下方に位置している、請求項1又は2に記載の鞍乗電動車両。
  10. 操舵軸が挿通されるヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから後方に延びた前フレームと、を含む車体フレームと、
    前記車体フレームに支持され、鉛直方向に対して傾斜して前下方に向けて延びたバッテリケースと、を備え、
    前記前フレームは、前記バッテリケースの下面の後端部を支持する下後支持部を有する、鞍乗電動車両。
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