JP2024014464A - 空中表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を提供する。【解決手段】 空中表示装置は、画像を表示する表示素子20と、表示素子20から出射された光を受けるように配置され、表示素子20から出射された光を、面内に直交する法線側に屈折させる光補正素子30と、光補正素子30から出射された光を受けるように配置され、光補正素子30から出射された光を、光補正素子30と反対側に反射し、空中に空中像を結像する光学素子50とを含む。【選択図】 図1
Description
本発明は、空中表示装置に関する。
画像や動画などを空中像として表示可能な空中表示装置が研究され、新しいヒューマン・マシン・インターフェースとして期待されている。空中表示装置は、例えば、2面コーナーリフレクタがアレイ状に配列された2面コーナーリフレクタアレイを備え、表示素子の表示面から出射される光を反射し、空中に実像を結像する。2面コーナーリフレクタアレイによる表示方法は、収差が無く、面対称位置に実像(空中像)を表示することができる。
特許文献1は、透明平板の表面から突出した透明な四角柱を2面コーナーリフレクタとして使用し、複数の四角柱を平面上にアレイ状に配置した光学素子を開示している。また、特許文献2は、第1及び第2光制御パネルの各々を、透明平板の内部に垂直に多数かつ帯状の平面光反射部を一定のピッチで並べて形成し、第1及び第2光制御パネルを、互いの平面光反射部が直交するように配置した光学素子を開示している。特許文献1、2の光学素子は、表示素子から出射された光を直交する反射面で2回反射させ、空中像を生成している。
特許文献1、2の光学素子を利用した表示装置は、光学素子の斜方向から観察することで空中像を認識できるものであり、光学素子の法線方向からの観察では良好な空中像を認識することは難しい。
本発明は、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を提供する。
本発明の第1態様によると、画像を表示する表示素子と、前記表示素子から出射された光を受けるように配置され、前記表示素子から出射された光を、面内に直交する法線側に屈折させる光補正素子と、前記光補正素子から出射された光を受けるように配置され、前記光補正素子から出射された光を、前記光補正素子と反対側に反射し、空中に空中像を結像する光学素子とを具備する空中表示装置が提供される。
本発明の第2態様によると、前記光学素子は、前記光補正素子から出射された光のうち面内に直交する第1面に拡がる光成分を前記面内に直交する法線側に反射し、前記光補正素子は、前記表示素子から出射された光のうち前記面内かつ前記第1面に直交する第2面に拡がる光成分を前記法線側に屈折させる、第1態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第3態様によると、前記光補正素子は、底面に設けられた複数の第1レンズ面と、上面に設けられた複数の第2レンズ面とを有し、前記複数の第1レンズ面は、凸レンズを構成し、それぞれが第1方向に延び、前記第1方向に直交する第2方向に並び、前記複数の第2レンズ面は、凸レンズを構成し、それぞれが前記第1方向に延び、前記第2方向に並ぶ、第1又は第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第4態様によると、前記光学素子は、前記光補正素子から斜め方向に入射した光を法線方向に反射する、第3態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第5態様によると、前記光学素子は、平面状の基材と、前記基材の下に設けられ、それぞれが前記第2方向に延び、前記第1方向に並んだ複数の光学要素とを含み、前記複数の光学要素の各々は、前記基材の法線に対してそれぞれが傾き、互いに接する入射面及び反射面を有する、第4態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第6態様によると、前記表示素子、前記光補正素子、及び前記光学素子は、互いに平行に配置される、第1又は第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第7態様によると、前記光補正素子と前記光学素子との間に配置され、前記表示素子から出射された光の一部を透過する配向制御素子をさらに具備する、第1又は第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第8態様によると、前記配向制御素子は、交互に配置された複数の透明部材及び複数の遮光部材を含み、前記複数の遮光部材は、前記配向制御素子の法線に対して傾いている、第7態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第9態様によると、光を発光する照明素子をさらに具備し、前記表示素子は、前記照明素子からの光を受けるように配置され、液晶表示素子で構成される、第1又は第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明によれば、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を提供することができる。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[1] 空中表示装置1の構成
図1は、本発明の実施形態に係る空中表示装置1の斜視図である。図1において、X方向は、空中表示装置1のある1辺に沿った方向であり、Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、Z方向は、XY面に直交する方向(法線方向ともいう)である。図2は、図1に示した空中表示装置1のXZ面における側面図である。図3は、図1に示した空中表示装置1のYZ面における側面図である。
図1は、本発明の実施形態に係る空中表示装置1の斜視図である。図1において、X方向は、空中表示装置1のある1辺に沿った方向であり、Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、Z方向は、XY面に直交する方向(法線方向ともいう)である。図2は、図1に示した空中表示装置1のXZ面における側面図である。図3は、図1に示した空中表示装置1のYZ面における側面図である。
空中表示装置1は、画像(動画を含む)を表示する装置である。空中表示装置1は、自身の光出射面の上方の空中に、空中像を表示する。空中表示装置1の光出射面とは、空中表示装置1を構成する複数の部材のうち最上層に配置された部材の上面を意味する。空中像とは、空中に結像する実像である。
空中表示装置1は、照明素子(バックライトともいう)10、表示素子20、光補正素子30、配向制御素子40、及び光学素子50を備える。照明素子10、表示素子20、光補正素子30、配向制御素子40、及び光学素子50は、この順にZ方向に沿って配置され、互いに平行に配置される。照明素子10、表示素子20、光補正素子30、配向制御素子40、及び光学素子50は、互いに所望の間隔を空けるようにして、図示せぬ固定部材で所望の位置に固定される。
照明素子10は、照明光を発光し、この照明光を表示素子20に向けて出射する。照明素子10は、光源部11、導光板12、及び反射シート13を備える。照明素子10は、例えばサイドライト型の照明素子である。照明素子10は、面光源を構成する。照明素子10は、後述する角度θ1の斜め方向に光強度がピークになるように構成してもよい。
光源部11は、導光板12の側面に向き合うように配置される。光源部11は、導光板12の側面に向けて光を発光する。光源部11は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)からなる複数の発光素子を含む。導光板12は、光源部11からの照明光を導光し、照明光を自身の上面から出射する。反射シート13は、導光板12の底面から出射された照明光を、再び導光板12に向けて反射する。照明素子10は、導光板12の上面に、光学特性を向上させる部材(プリズムシート、及び拡散シートを含む)を備えていてもよい。
表示素子20は、透過型の表示素子である。表示素子20は、例えば液晶表示素子で構成される。表示素子20の駆動モードについては特に限定されず、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、又はホモジニアスモードなどを用いることができる。表示素子20は、照明素子10から出射された照明光を受ける。表示素子20は、照明素子10からの照明光を透過して光変調を行う。そして、表示素子20は、自身の表示面に所望の画像を表示する。
光補正素子30は、表示素子20から出射された光を受ける。光補正素子30は、Y方向において、光を屈折する機能を有する。また、光補正素子30は、表示素子20から出射された光のうちYZ面に拡がる光成分を、光補正素子30の素子面に直交する法線側に屈折させる。素子面とは、光補正素子30が面内方向に広がる仮想的な平面を言う。素子面は、面内と同じ意味である。その他の素子の素子面についても同じ意味である。光補正素子30は、自身の底面に設けられた複数の凸レンズ面と、自身の上面に設けられた複数の凸レンズ面とを有する。光補正素子30の詳細な構成については後述する。
配向制御素子40は、不要光を低減する機能を有する。不要光とは、空中像を生成するのに寄与しない光成分であり、法線方向に光学素子50を透過する光成分を含む。配向制御素子40は、XZ面において、法線方向に対して角度θ1の斜め方向を中心として所定の角度範囲の光成分を透過し、上記角度範囲以外の光成分を遮光するように構成される。配向制御素子40の詳細な構成については後述する。
光学素子50は、底面側から斜めに入射した光を上面側に反射する。また、光学素子50は、配向制御素子40から出射された光のうちXZ面に拡がる光成分を、光学素子50の素子面に直交する法線側に反射する。光学素子50は、空中表示装置1の正面の空中に空中像2を結像する。光学素子50の詳細な構成については後述する。空中像2は、光学素子50の素子面に平行であり、2次元の画像である。光学素子50の正面にいる観察者3は、空中像2を視認することができる。
[1-1] 光補正素子30の構成
図4は、図1に示した光補正素子30の斜視図である。図4には、光補正素子30の一部を拡大した拡大図も図示している。図4の拡大図は、YZ面における側面図である。
図4は、図1に示した光補正素子30の斜視図である。図4には、光補正素子30の一部を拡大した拡大図も図示している。図4の拡大図は、YZ面における側面図である。
光補正素子30は、自身の底面に設けられた複数の第1レンズ面31と、自身の上面に設けられた複数の第2レンズ面32とを有する。
複数の第1レンズ面31は、それぞれがX方向に延び、Y方向に並んで配置される。各第1レンズ面31は、柱状の凸レンズで構成される。換言すると、複数の第1レンズ面31は、レンチキュラ-レンズを構成する。
複数の第2レンズ面32は、それぞれがX方向に延び、Y方向に並んで配置される。各第2レンズ面32は、柱状の凸レンズで構成される。換言すると、複数の第2レンズ面32は、レンチキュラ-レンズを構成する。
第1レンズ面31と第2レンズ面32とは、同じピッチを有する。ここでいうピッチとは、第1レンズ面31及び第2レンズ面32の各々のY方向の幅である。第1レンズ面31と第2レンズ面32とは、平面視において同じ位置に(完全に重なるように)配置される。
光補正素子30は、ガラス、又は透明な樹脂(アクリル樹脂を含む)で構成される。
図5は、光補正素子30の構成を説明するYZ面における側面図である。
第1レンズ面31において、曲率半径R1、主点H1、焦点距離f1とする。第2レンズ面32において、曲率半径R2、主点H2、焦点距離f2とする。光補正素子30の厚みをT、第1レンズ面31及び第2レンズ面32の各々のピッチをPとする。
第1レンズ面31において、曲率半径R1、主点H1、焦点距離f1とする。第2レンズ面32において、曲率半径R2、主点H2、焦点距離f2とする。光補正素子30の厚みをT、第1レンズ面31及び第2レンズ面32の各々のピッチをPとする。
第1レンズ面31と第2レンズ面32とは、互いの光軸が一致している。曲率半径R1と曲率半径R2とは、同じに設定される。曲率半径R1、R2からそれぞれ焦点距離f1、f2が算出される。曲率半径R1、R2、及び焦点距離f1、f2に基づいて、光補正素子30の厚みTが設定される。ピッチPは、任意に設定可能である。曲率半径R1、R2、焦点距離f1、f2、厚みT、ピッチP、及び光補正素子30の屈折率は、光補正素子30に求められる特性に応じて適宜設定される。
このように構成された光補正素子30は、底面側から入射した光を、複数の第1レンズ面31で屈折させ、さらに複数の第2レンズ面32で屈折させる。そして、光補正素子30は、YZ面において、表示素子20のある点から放射状に出射された光成分を、光補正素子30の素子面に直交する法線側に屈折及び集光させる。
[1-2] 配向制御素子40の構成
図6Aは、図1に示した配向制御素子40の平面図である。図6Bは、図6AのA-A´線に沿った配向制御素子40の断面図である。
図6Aは、図1に示した配向制御素子40の平面図である。図6Bは、図6AのA-A´線に沿った配向制御素子40の断面図である。
基材41は、XY面において平面状に構成され、直方体を有する。基材41は、光を透過する。
基材41上には、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の透明部材43が設けられる。また、基材41上には、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の遮光部材44が設けられる。複数の透明部材43と複数の遮光部材44とは、隣接するもの同士が接するようにして交互に配置される。
複数の透明部材43及び複数の遮光部材44上には、基材42が設けられる。基材42は、XY面において平面状に構成され、直方体を有する。基材42は、光を透過する。
透明部材43は、XZ面において、基材41の法線方向に対して角度θ1の斜め方向に延びる。透明部材43は、XZ面において、側面が角度θ1だけ傾いた平行四辺形である。透明部材43は、光を透過する。
遮光部材44は、XZ面において、基材41の法線方向に対して角度θ1の斜め方向に延びる。遮光部材44は、XZ面において、側面が角度θ1だけ傾いた平行四辺形である。遮光部材44は、光を遮光する。遮光部材44の厚みは、透明部材43の厚みより薄く設定される。
隣接する2個の遮光部材44は、Z方向において互いの端部が若干重なるように配置される。
基材41、42、及び透明部材43としては、ガラス、又は透明な樹脂(アクリル樹脂を含む)が用いられる。遮光部材44としては、例えば、黒の染料又は顔料が混入された樹脂が用いられる。
このように構成された配向制御素子40は、法線方向に対して角度θ1の斜め方向の光強度がピークになるように、表示光を透過することができる。例えば、配向制御素子40は、法線方向に対して30°±30°の範囲以外の光成分を遮光するように構成される。望ましくは、配向制御素子40は、法線方向に対して30°±20°の範囲以外の光成分を遮光するように構成される。
なお、変形例として、配向制御素子40は、照明素子10と表示素子20との間に配置してもよい。また、配向制御素子40を省略して、空中表示装置1を構成してもよい。
[1-3] 光学素子50の構成
図7は、図1に示した光学素子50の斜視図である。なお、図7には、光学素子50の一部を拡大した拡大図も図示している。図7の拡大図は、XZ面における側面図である。
図7は、図1に示した光学素子50の斜視図である。なお、図7には、光学素子50の一部を拡大した拡大図も図示している。図7の拡大図は、XZ面における側面図である。
光学素子50は、基材51、及び複数の光学要素52を備える。基材51は、XY面において平面状に構成され、直方体を有する。
基材51の底面には、複数の光学要素52が設けられる。複数の光学要素52の各々は、三角柱で構成される。光学要素52は、三角柱の3個の側面がXY面と平行になるように配置され、1つの側面が基材51に接する。複数の光学要素52は、それぞれがY方向に延び、X方向に並んで配置される。換言すると、複数の光学要素52は、XZ面において鋸歯状を有する。
複数の光学要素52の各々は、入射面53及び反射面54を有する。Y方向から見て、左側の側面が入射面53であり、右側の側面が反射面54である。入射面53は、表示素子20からの光が入射する面である。反射面54は、入射面53に外部から入射した光を、光学要素52の内部で反射する面である。入射面53と反射面54とは、角度θpを有する。
基材51及び光学要素52は、透明材料で構成される。光学要素52は、例えば、基材51と同じ透明材料によって基材51と一体的に形成される。基材51と光学要素52とを個別に形成し、透明な接着材を用いて基材51に光学要素52を接着してもよい。基材51及び光学要素52を構成する透明材料としては、ガラス、又は透明な樹脂(アクリル樹脂を含む)が用いられる。
このように構成された光学素子50は、入射光を内部で反射して、空中に実像を結像する。また、光学素子50は、素子面の正面の位置に、空中像を結像する。
[1-4] 空中表示装置1のブロック構成
図8は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、制御部60、記憶部61、入出力インターフェース(入出力IF)62、表示部63、センシング装置64、及び入力部65を備える。制御部60、記憶部61、及び入出力インターフェース62は、バス66を介して互いに接続される。
図8は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、制御部60、記憶部61、入出力インターフェース(入出力IF)62、表示部63、センシング装置64、及び入力部65を備える。制御部60、記憶部61、及び入出力インターフェース62は、バス66を介して互いに接続される。
入出力インターフェース62は、表示部63、センシング装置64、及び入力部65に接続される。入出力インターフェース62は、表示部63、センシング装置64、及び入力部65のそれぞれに対して、所定の規格に応じたインターフェース処理を行う。
表示部63は、照明素子10、及び表示素子20を備える。表示部63は、画像を表示する。
センシング装置64は、検知領域に存在する検知対象物(物体)を検知する。センシング装置64は、空中表示装置1が生成した空中像2の一部又は全部を含む空間領域(検知領域)に赤外光を出射し、検知対象物で反射した赤外光を検知する。センシング装置64は、赤外光を発光する発光部と、赤外光を検知する受光部(センサ)とを含む。
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサにより構成される。制御部60は、記憶部61に格納されたプログラムを実行することで各種機能を実現する。制御部60は、表示処理部60A、位置算出部60B、及び情報処理部60Cを備える。
表示処理部60Aは、表示部63(具体的には、照明素子10、及び表示素子20)の動作を制御する。表示処理部60Aは、照明素子10のオン及びオフを制御する。表示処理部60Aは、表示素子20に画像信号を送信し、表示素子20に画像を表示させる。
位置算出部60Bは、センシング装置64の動作を制御する。位置算出部60Bは、センシング装置64に赤外光からなる検知領域を形成させる。位置算出部60Bは、センシング装置64から送られる複数の検知信号に基づいて、検知領域内の検知対象物の位置を算出する。例えば、位置算出部60Bは、複数の検知信号に基づいて、検知領域のうちユーザがタッチした位置を算出する。位置を算出する方法は、既知の方法(三角測量の原理など)が用いられる。
情報処理部60Cは、空中表示装置1が表示する画像を生成する。情報処理部60Cは、記憶部61に格納された画像データを用いることが可能である。情報処理部60Cは、図示せぬ通信機能を用いて外部から画像データを取得してもよい。
記憶部61は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置と、RAM(Random Access Memory)、及びレジスタ等の揮発性記憶装置とを含む。記憶部61は、制御部60が実行するプログラムを格納する。記憶部61は、制御部60の制御に必要な各種データを格納する。記憶部61は、空中表示装置1が表示する画像のデータを格納する。
入力部65は、タッチパネルやボタンなどを含み、ユーザが入力した情報を受け付ける。情報処理部60Cは、入力部65が受け付けた情報に基づいて、表示部63に表示する画像を選択することが可能である。
[2] 空中表示装置1の動作
次に、上記のよう構成された空中表示装置1の動作について説明する。
次に、上記のよう構成された空中表示装置1の動作について説明する。
図2及び図3の矢印は、光路を示している。図2及び図3に示すように、表示素子20から出射された光は、光補正素子30を透過した後、配向制御素子40に入射する。光補正素子30の動作については後述する。表示素子20から出射された光のうち角度θ1の光成分(角度θ1を中心とした所定の角度範囲の光成分を含む)は、配向制御素子40を透過する。配向制御素子40を透過した光は、光学素子50に入射する。光学素子50は、入射光を、配向制御素子40と反対側の空中に結像し、空中に空中像2を表示する。
図9は、光学素子50における光の反射の様子を説明する斜視図である。図10は、光学素子50における光の反射の様子を説明するXZ面の側面図である。図10は、観察者3の両目(すなわち、両目を結ぶ線)がX方向に平行な状態で光学素子50を見た図である。図11は、光学素子50における光の反射の様子を説明するYZ面の側面図である。図11は、観察者3の両目がY方向に平行な状態で光学素子50を見た図である。なお、図11では、光補正素子30の屈折作用については考慮していない。
表示素子20の表示面における任意の点“o”から出射された光は、光学素子50の入射面53に入射し、反射面54に到達する。反射面54の法線方向に対して臨界角よりも大きい角度で到達した光は、反射面54で全反射され、光学素子50の光学要素52が形成されている側の反対側の平面から出射される。臨界角とは、その入射角を超えると全反射する最少の入射角である。臨界角は、入射面の垂線に対する角度である。
図10のXZ面では、点“o”から出射された光は、光学要素52の反射面54で全反射され、その光は空中で結像されて空中像を生成する。
図11のYZ面では、点“o”から出射された光は、光学要素52の反射面54で反射されず、その光は空中で結像することがないため空中像の生成に寄与しない。
すなわち、観察者3が空中像を認識できる条件は、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態(例えばX方向に対して±10度)である。また、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態でY方向に沿って視点を移動した場合、空中像を常に認識することができる。
図12は、光学素子50における入射面53及び反射面54の角度条件を説明する図である。
Z方向(素子面に垂直な方向)に対する入射面53の角度をθ2、Z方向に対する反射面54の角度をθ3、入射面53と反射面54とのなす角度をθpとする。角度をθpは、以下の式(1)で表される。
θp=θ2+θ3 ・・・(1)
θp=θ2+θ3 ・・・(1)
表示素子20から角度θ1で出射された光は、入射面53に入射する。光学素子50の材料の屈折率をnp、空気の屈折率を1とする。入射面53における入射角をθ4、屈折角をθ5とする。反射面54における入射角をθ6、反射角をθ7(=θ6)とする。光学素子50の上面における入射角をθ8、屈折角をθ9とする。屈折角θ9が出射角である。出射角θ9は、以下の式(2)で表される。
θ9=sin-1(np*sin(sin-1((1/np)*sin(90°-(θ1+θ2)))+θ2+2θ3-90°)) ・・・(2)
θ9=sin-1(np*sin(sin-1((1/np)*sin(90°-(θ1+θ2)))+θ2+2θ3-90°)) ・・・(2)
反射面54における臨界角は、以下の式(3)で表される。
臨界角<θ6(=θ7)
臨界角=sin-1(1/np) ・・・(3)
すなわち、反射面54における入射角θ6は、反射面54における臨界角より大きく設定される。換言すると、反射面54の角度θ3は、反射面54に入射する光の入射角が臨界角より大きくなるように設定される。
臨界角<θ6(=θ7)
臨界角=sin-1(1/np) ・・・(3)
すなわち、反射面54における入射角θ6は、反射面54における臨界角より大きく設定される。換言すると、反射面54の角度θ3は、反射面54に入射する光の入射角が臨界角より大きくなるように設定される。
また、入射面53に入射した光は、入射面53で全反射されないように設定される。すなわち、入射面53の角度θ2は、入射面53に入射する光の入射角が臨界角より小さくなるように設定される。
光学素子50の素子面と空中像2の面との角度、及び光学素子50の素子面と空中像2の面との距離は、光学素子50に入射する光の角度θ1、光学素子50の屈折率、光学素子50の入射面53の角度θ2、光学素子50の反射面54の角度θ3を最適に設定することで調整が可能である。
図13は、空中表示装置1が生成する空中像の一例を説明する斜視図である。空中表示装置1は、長方形の筐体を備え、空中表示装置1を構成する複数の素子が当該筐体内に収容される。空中表示装置1は、最上面に光出射面1Aを備え、当該光出射面1Aから空中像2を生成するための光を出射する。図13では、空中像2としてボタンを例示している。
空中表示装置1に含まれるセンシング装置64は、空中像2を含む空間領域に検知領域64Aを形成する。検知領域64Aは、赤外光で形成される。観察者3の指3Aが空中像2をタッチすると、センシング装置64は、観察者3の指3Aを検知する。位置算出部60Bは、センシング装置64から送られる複数の検知信号に基づいて、観察者3の指3Aの位置を算出する。これにより、空中表示装置1は、観察者3に向けてボタン2を表示させるとともに、観察者3がボタン2を押したことを検出できる。
次に、光補正素子30の動作について説明する。図14は、光補正素子30の動作を説明するYZ面の側面図である。図14には、表示素子20及び光補正素子30を抽出して示している。図14には、光線を追跡した様子を示している。
なお、配向制御素子40は、XZ面における光の拡がりに対して配向を制御している。配向制御素子40の遮光部材44はY方向に延在しているため、配向制御素子40は、YZ面では光の拡がりに対してほとんど配向を制御していない。YZ面における光の作用については、配向制御素子40は、ほぼ影響を及ぼさないため、図14のYZ面における側面図では、配向制御素子40の図示を省略している。同様に、光学素子50は、XZ面における光の拡がりに対して反射を制御している。光学素子50の光学要素52はY方向に延在しているため、光学素子50は、YZ面では光の拡がりに対してほとんど反射を制御していない。YZ面における光の作用については、光学素子50は、ほぼ影響を及ぼさないため、図14のYZ面における側面図では、光学素子50の図示を省略している。
表示素子20は、光補正素子30に向けて光を出射する。図14では、表示素子20の点“o”から出射された光を示しており、当該光は、所定の拡がりを持って表示素子20から出射される。表示素子20から光補正素子30に入射した光は、複数の第1レンズ面31で屈折し、複数の第1レンズ面31で屈折した光は、複数の第2レンズ面32で屈折する。光補正素子30で2回屈折した光は、空中の点“o´”で結像する。点“o´”は、空中像2が結像する位置である。例えば、点“o”から光補正素子30までの距離は、光補正素子30から点“o´”までの距離と同じである。点“o´”の位置は、表示素子20と光補正素子30との距離、及び図5に示した光補正素子30の光学特性を調整することで適宜設定される。
なお、光補正素子30は、XZ面おける光の拡がりに対してはレンズとして機能しないため、XZ面における光線をほとんど屈折させない。すなわち、光補正素子30は、XZ面における光線にほとんど影響を及ぼさない。
図15は、観察者3が空中像2を見る様子を説明する模式図である。図15は、YZ面における側面図であり、また、観察者3が空中表示装置1を正面から見た場合を示している。観察者3の両目を結ぶ線は、X方向に平行な状態である。
空中表示装置1に含まれるセンシング装置64は、空中像2を含む空間領域に検知領域64Aを形成する。空中像2は、検知領域64Aと同じ位置に形成される。観察者3は、平面視において検知領域64Aと同じ位置に空中像2を視認する。図15の動作は、図13の動作に対応している。
図16は、観察者3が空中像2を見る様子を説明する模式図である。図16は、YZ面における側面図であり、また、観察者3が空中表示装置1の正面からY方向にずれた位置から空中表示装置1を見た場合を示している。
図16の場合、観察者3は、光補正素子30で屈折した光のうち図16の左側の領域の光成分を視認する。結果として、観察者3は、平面視において検知領域64Aと同じ位置に空中像2を視認する。
図17は、図16に対応する空中表示装置1の動作を説明する斜視図である。センシング装置64は、空間の決まった位置に検知領域64Aを形成する。空中表示装置1の正面からY方向にずれた位置から空中表示装置1を観察した観察者3は、空中表示装置1の正面の空中像2を視認する。これにより、センシング装置64は、観察者3の指3Aをより正確に検知できる。
図18は、観察者3が空中像2を見る様子を説明する模式図である。図18は、YZ面における側面図であり、また、観察者3が空中表示装置1の正面からY方向と反対方向にずれた位置から空中表示装置1を見た場合を示している。
図18の場合、観察者3は、光補正素子30で屈折した光のうち図18の右側の領域の光成分を視認する。結果として、観察者3は、平面視において検知領域64Aと同じ位置に空中像2を視認する。
図19は、図18に対応する空中表示装置1の動作を説明する斜視図である。センシング装置64は、空間の決まった位置に検知領域64Aを形成する。空中表示装置1の正面からY方向と反対方向にずれた位置から空中表示装置1を観察した観察者3は、空中表示装置1の正面の空中像2を視認する。これにより、センシング装置64は、観察者3の指3Aをより正確に検知できる。
[3] 比較例
図20は、比較例に係る空中表示装置1の動作を説明する斜視図である。
図20は、比較例に係る空中表示装置1の動作を説明する斜視図である。
比較例に係る空中表示装置1は、光補正素子30を備えていない構成である。光補正素子30が存在しない場合、表示素子20から出射された光は、YZ面においてほとんど屈折しない。すなわち、表示素子20から出射された光は、YZ面においてほとんど直線的に光学素子50を透過する。
観察者3が空中表示装置1の正面からY方向にずれた位置から空中表示装置1を見た場合、空中像2は、観察者3の視線とともにY方向に移動する。同様に、観察者3が空中表示装置1の正面からY方向と反対方向にずれた位置から空中表示装置1を見た場合、空中像2は、観察者3の視線とともにY方向と反対方向に移動する。
センシング装置64は、空間の決まった位置に検知領域64Aを形成する。この場合、前述した2種類の空中像2は、検知領域64Aと重なっていない。よって、観察者3が指3Aで空中像2としてのボタンをタッチしても、センシング装置64は、観察者3の指3Aを検知できない可能性がある。
これに対し、本実施形態に係る空中表示装置1は、YZ面において光を屈折させる光補正素子30を備えている。本実施形態に係る空中表示装置1の動作は前述した通りである。これにより、本実施形態は、比較例による問題を解決できる。
[4] 変形例
次に、空中表示装置1の変形例について説明する。図21は、変形例に係る空中表示装置1のXZ面における側面図である。光補正素子30は、配向制御素子40と光学素子50との間に配置してもよい。変形例に係る空中表示装置1においても、上記実施形態と同じ動作を実現できる。
次に、空中表示装置1の変形例について説明する。図21は、変形例に係る空中表示装置1のXZ面における側面図である。光補正素子30は、配向制御素子40と光学素子50との間に配置してもよい。変形例に係る空中表示装置1においても、上記実施形態と同じ動作を実現できる。
[5] 実施形態の効果
本発明の実施形態によれば、表示素子20から出射された光を光学素子50で反射させることで、空中に空中像2を表示することができる。また、空中表示装置1の正面方向において、空中像2を表示することができる。また、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を実現できる。
本発明の実施形態によれば、表示素子20から出射された光を光学素子50で反射させることで、空中に空中像2を表示することができる。また、空中表示装置1の正面方向において、空中像2を表示することができる。また、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を実現できる。
また、光補正素子30は、YZ面において光を空中表示装置1の法線側に屈折させる。よって、観察者3がY方向(光学素子50の光学要素52が延びる方向)に沿って視線を動かした場合でも、空中表示装置1の正面から見た場合と同じ位置に空中像2を表示させることができる。
また、空中表示装置1は、センシング装置64を備える。センシング装置64は、空中像2を含む空間領域に検知領域64Aを形成し、この検知領域64Aに存在する対象物を検知することができる。
また、観察者3がY方向に沿って視線を動かした場合でも、空中表示装置1は、空中像2を検知領域64Aに重ねて表示することができる。これにより、空中像2を観察者3が指3Aなどでタッチした場合に、より正確に観察者3の指3Aを検知することができる。
また、観察者3の両眼がX方向(すなわち、複数の光学要素52が並ぶ方向)に平行、又はそれに近い状態で光学素子50を見た場合に、観察者3は、空中像を視認することができる。また、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態でY方向に沿って視点を移動した場合、空中像を常に視認することができる。また、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態において、より広い視野角を実現できる。
また、空中表示装置1を構成する複数の素子を平行に配置することができる。これにより、Z方向に小型化が可能な空中表示装置1を実現できる。
上記実施形態では、表示素子20と光学素子50とを平行に配置している。しかし、これに限定されず、光学素子50に対して表示素子20を斜めに配置してもよい。表示素子20と光学素子50との角度は、0度より大きく45度より小さい範囲に設定される。この変形例の場合、光補正素子30は、表示素子20と平行に配置され、配向制御素子40は省略される。
上記実施形態では、光学要素52の左側の側面が入射面53、右側の側面が反射面54として定義している。しかし、これに限定されず、入射面53と反射面54とを逆に構成してもよい。この場合、実施形態で説明した空中表示装置1の作用も左右が逆になる。
上記実施形態では、表示素子20として液晶表示素子を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、様々な種類の表示素子を用いることが可能である。表示素子20は、例えば、自発光型である有機EL(electroluminescence)表示素子、又はマイクロLED(Light Emitting Diode)表示素子などを用いることが可能である。マイクロLED表示素子は、画素を構成するR(赤)、G(緑)、B(青)をそれぞれLEDで発光させる表示素子である。自発光型の表示素子20を用いる場合、照明素子10は不要である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…空中表示装置、2…空中像、3…観察者、10…照明素子、11…光源部、12…導光板、13…反射シート、20…表示素子、30…光補正素子、31…第1レンズ面、32…第2レンズ面、40…配向制御素子、41,42…基材、43…透明部材、44…遮光部材、50…光学素子、51…基材、52…光学要素、53…入射面、54…反射面、60…制御部、60A…表示処理部、60B…位置算出部、60C…情報処理部、61…記憶部、62…入出力インターフェース、63…表示部、64…センシング装置、64A…検知領域、65…入力部、66…バス。
Claims (9)
- 画像を表示する表示素子と、
前記表示素子から出射された光を受けるように配置され、前記表示素子から出射された光を、面内に直交する法線側に屈折させる光補正素子と、
前記光補正素子から出射された光を受けるように配置され、前記光補正素子から出射された光を、前記光補正素子と反対側に反射し、空中に空中像を結像する光学素子と、
を具備する空中表示装置。 - 前記光学素子は、前記光補正素子から出射された光のうち面内に直交する第1面に拡がる光成分を前記面内に直交する法線側に反射し、
前記光補正素子は、前記表示素子から出射された光のうち前記面内かつ前記第1面に直交する第2面に拡がる光成分を前記法線側に屈折させる
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記光補正素子は、底面に設けられた複数の第1レンズ面と、上面に設けられた複数の第2レンズ面とを有し、
前記複数の第1レンズ面は、凸レンズを構成し、それぞれが第1方向に延び、前記第1方向に直交する第2方向に並び、
前記複数の第2レンズ面は、凸レンズを構成し、それぞれが前記第1方向に延び、前記第2方向に並ぶ
請求項1又は2に記載の空中表示装置。 - 前記光学素子は、前記光補正素子から斜め方向に入射した光を法線方向に反射する
請求項3に記載の空中表示装置。 - 前記光学素子は、平面状の基材と、前記基材の下に設けられ、それぞれが前記第2方向に延び、前記第1方向に並んだ複数の光学要素とを含み、
前記複数の光学要素の各々は、前記基材の法線に対してそれぞれが傾き、互いに接する入射面及び反射面を有する
請求項4に記載の空中表示装置。 - 前記表示素子、前記光補正素子、及び前記光学素子は、互いに平行に配置される
請求項1又は2に記載の空中表示装置。 - 前記光補正素子と前記光学素子との間に配置され、前記表示素子から出射された光の一部を透過する配向制御素子をさらに具備する
請求項1又は2に記載の空中表示装置。 - 前記配向制御素子は、交互に配置された複数の透明部材及び複数の遮光部材を含み、
前記複数の遮光部材は、前記配向制御素子の法線に対して傾いている
請求項7に記載の空中表示装置。 - 光を発光する照明素子をさらに具備し、
前記表示素子は、前記照明素子からの光を受けるように配置され、液晶表示素子で構成される
請求項1又は2に記載の空中表示装置。
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