JP2024014284A - 回転電機用ステータの製造方法及び回転電機用ステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向に視て導体部に重なる領域を利用して、バスバー部材及びコイルエンドに接合する接着固定部を形成可能とする。【解決手段】ステータコアと、ステータコアに装着され、軸方向両端にコイルエンドを有するステータコイルと、軸方向一端側のコイルエンドに対して軸方向外側に配置され、導体部と絶縁材料部とが一体化された形態であり、導体部の端部が絶縁材料部から露出するバスバー部材と、バスバー部材の導体部の端部と、ステータコイルの端部とを接合する接合部と、バスバー部材及びコイルエンドに接合する接着固定部とを備え、接着固定部は、軸方向に視て導体部に重なり、かつ、径方向一方側において径方向に視て絶縁材料部から露出する、回転電機用ステータが開示される。【選択図】図9
Description
本開示は、回転電機用ステータの製造方法及び回転電機用ステータに関する。
バスバー部材及びコイルエンドの間の接合強度を高めるために、高粘度ワニスを用いてバスバー部材及びコイルエンドに接合する接着固定部を形成する技術が知られている。この場合、バスバー部材の径方向端部にブリッジ(梁部位)を設け、ブリッジを包み込みつつコイルエンドに接合する接着固定部を形成することで、バスバー部材及びコイルエンドの間の接合強度を高めることを可能としている。
上記の従来技術は、複数のバスバーを絶縁材料部により一体化したバスバー部材のうちの、軸方向に視てバスバーに重ならない領域(ブリッジを形成可能な領域)に接着固定部を設けることで、バスバー部材及びコイルエンドの間の接合強度を高めている。しかしながら、バスバー部材の小型化や複数のバスバーの配置の高密度化を図る場合、軸方向に視てバスバーに重ならない領域が限られてしまい、接着固定部を形成する箇所を確保することが難しくなる。
そこで、1つの側面では、本開示は、軸方向に視て導体部に重なる領域を利用して、バスバー部材及びコイルエンドに接合する接着固定部を形成可能とすることを目的とする。
1つの側面では、ステータコアと、
前記ステータコアに装着され、軸方向両端にコイルエンドを有するステータコイルと、
軸方向一端側の前記コイルエンドに対して軸方向外側に配置され、導体部と絶縁材料部とが一体化された形態であり、前記導体部の端部が前記絶縁材料部から露出するバスバー部材と、
前記バスバー部材の前記導体部の端部と、前記ステータコイルの端部とを接合する接合部と、
前記バスバー部材及び前記コイルエンドに接合する接着固定部とを備え、
前記接着固定部は、軸方向に視て前記導体部に重なり、かつ、径方向一方側において径方向に視て前記絶縁材料部から露出する、回転電機用ステータが提供される。
前記ステータコアに装着され、軸方向両端にコイルエンドを有するステータコイルと、
軸方向一端側の前記コイルエンドに対して軸方向外側に配置され、導体部と絶縁材料部とが一体化された形態であり、前記導体部の端部が前記絶縁材料部から露出するバスバー部材と、
前記バスバー部材の前記導体部の端部と、前記ステータコイルの端部とを接合する接合部と、
前記バスバー部材及び前記コイルエンドに接合する接着固定部とを備え、
前記接着固定部は、軸方向に視て前記導体部に重なり、かつ、径方向一方側において径方向に視て前記絶縁材料部から露出する、回転電機用ステータが提供される。
1つの側面では、本開示によれば、軸方向に視て導体部に重なる領域を利用して、バスバー部材及びコイルエンドに接合する接着固定部を形成することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。なお、図1A等では、見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。
図1Aは、ステータ21の一部を示す斜視図である。図1Bは、バスバー部材70を取り外した状態のステータ21の一部を示す斜視図である。図2は、組み付け状態の4つの同芯巻きコイル20だけを取り出した斜視図である。図3は、同芯巻きコイル20の単品状態を示す斜視図である。なお、図1Aにおいて、Y方向は、径方向に対応し、Y1側が径方向外側に対応し、Y2側が径方向内側(ステータ21の中心軸Iに近い側)を表す。なお、図1A及び図1Bでは、バスバー部材70に係る後述の成形部60の図示が省略されている。
以下の説明において、軸方向とは、ステータ21の中心軸I(図9等参照)が延在する方向を指し、径方向とは、中心軸Iを中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、中心軸Iから離れる側を指し、径方向内側とは、中心軸Iに向かう側を指す。また、軸方向外側とは、ステータ21の軸方向の中心から離れる側を指し、軸方向内側とは、ステータ21の軸方向の中心に近づく側を指す。また、周方向とは、中心軸Iまわりの回転方向に対応する。
ステータ21は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなるステータコア211を備え、ステータコア211の径方向内側には、ステータコイル22が巻回される複数のスロット2111が形成される。スロット2111は、周方向に等間隔に複数形成される。なお、スロット2111の数や形状等は任意である。
ステータコイル22は、例えば、図2及び図3に示すような、いわゆる同芯巻きコイル20の形態であり、それぞれ、所定巻回数で巻回された平角線が曲げ加工されることにより成形されるカセットコイルである。ステータコイル22は、断面が矩形状(具体的には、長方形)に形成された平角線を含む。この平角線は、導電性の高い例えば銅やアルミニウム等の金属により構成されてよい。ステータコイル22は、平角線が絶縁性の被覆により覆われてよい。
図2に示す例では、周方向に90度ずつ離れた4つの同芯巻きコイル20が、一の同芯巻きコイル20の第2渡り線240が、当該一の同芯巻きコイル20に隣接する他の一の同芯巻きコイル20の第3渡り線250に接合する関係で、互いに接続されている。
各同芯巻きコイル20はそれぞれ、所定巻回数で巻回された形態のカセットコイルである。なお、所定巻回数は任意であり、図1A及び図1Bに示すような、より多い巻回数であってもよい。
各同芯巻きコイル20はそれぞれ、図3に示すように、スロット収容部230、232と、第1渡り線234、236と、第2渡り線240と、第3渡り線250とを有している。なお、スロット収容部230、232及び第1渡り線234、236は、同芯巻きコイル20の本体部(略六角形状の閉ループ部)を形成する。第1渡り線236は、第2渡り線240及び第3渡り線250とともに、軸方向一方側(リード側)のコイルエンドを形成し、第1渡り線234は、軸方向一方側(反リード側)のコイルエンドを形成する。なお、図3に示す例では、一の同芯巻きコイル20は、スロット収容部230、232、第1渡り線234、236をそれぞれ複数含むのに対して、第2渡り線240及び第3渡り線250はそれぞれ1つだけ含む。
スロット収容部230、232はそれぞれ、ステータコア211のスロット2111内に挿入(収容)される、そのスロット2111を軸方向に貫くように略直線状に延びる部位である。同一の同芯巻きコイル20において、スロット収容部230とスロット収容部232とは、ステータコア211の周方向に所定距離離れた互いに異なるスロット2111に収容される。
第1渡り線234、236はそれぞれ、スロット収容部230、232に接続するとともに、ステータコア211の軸方向端面から軸方向外側に向けて突出した、周方向に離れた2つのスロット収容部230、232同士を繋ぐ部位である。第1渡り線236は、頂部2361と、斜行部2362、2363とを含む。なお、第1渡り線234についても同様であるが、ここでは符合を付していない。
第2渡り線240及び第3渡り線250は、周方向に離れた2つの同芯巻きコイル20のスロット収容部230、232同士を繋ぐ。
第2渡り線240は、図3に示すように、複数の曲げ加工を介して成形されてよい。具体的には、第2渡り線240は、第1斜行部2402と、第1エッジワイズ曲げ部2404と、第1直線部2406と、第1フラットワイズ曲げ部2408と、第2直線部2410と、第2エッジワイズ曲げ部2412と、第3直線部2414と、第3エッジワイズ曲げ部2416と、第4直線部2418とを含む。なお、第1斜行部2402は、スロット収容部230の端部2302から形成される。スロット収容部230の端部2302は、スロット収容部230の軸方向外側に延在する部位を周方向外側(周方向でスロット収容部230、232間の中心から離れる側)に向けてエッジワイズ曲げして形成される。
第3渡り線250は、図3に示すように、複数の曲げ加工を介して成形されてよい。具体的には、第3渡り線250は、第2斜行部2502と、第4エッジワイズ曲げ部2504と、第5直線部2506と、第2フラットワイズ曲げ部2508と、第6直線部2510とを含む。なお、第2斜行部2502は、スロット収容部232の端部2322から形成される。スロット収容部232の端部2322は、スロット収容部232の軸方向外側に延在する部位を周方向外側(周方向でスロット収容部230、232間の中心から離れる側)に向けてエッジワイズ曲げして形成される。
なお、ここでは、同芯巻きコイル20の特定の構成について説明したが、同芯巻きコイル20の詳細な構成については、任意である。例えば、第2渡り線240及び第3渡り線250の形状等は任意である。
また、各同芯巻きコイル20のうち、後述するバスバー部材70と接合する同芯巻きコイル20は、図3(図2)に示した形態と若干異なる形態を有してよい。例えば、第2渡り線240は、第1フラットワイズ曲げ部2408から第3エッジワイズ曲げ部2416までの部分が曲げ成形されない形態であってもよい。
また、同芯巻きコイル20のような同芯巻きコイルとは異なる形態のコイル片(例えばU字状の形態のコイル片)がステータコイル22を形成してもよい。以下では、ステータコイル22は、平角線が絶縁性の被覆により覆われた構成であるとし、「一のコイル導線22a」とは、特に言及しない限り、ステータコイル22を形成する複数のコイル導線のうちの、任意の一のコイル導線を指す。
複数のコイル導線22aは、上述したように(図1Aも参照)、ステータコア211のスロット2111に収容され、かつ、スロット2111よりも軸方向外側に延在する端部同士が接合される。図2及び図3に示す同芯巻きコイル20では、スロット収容部230、232がステータコア211のスロット2111に収容され、かつ、スロット2111よりも軸方向外側に延在する第2渡り線240と第3渡り線250の端部同士(第4直線部2418の端部と第6直線部2510の端部)が接合される。コイル導線22aの端部同士の接合は、溶接等により実現されてよい。この場合、コイル導線22aの端部は、少なくとも一部の被覆が除去された状態(すなわち導体端部22A(後出の図5参照)が露出した状態)で重ね合わされ、被覆が除去された部分同士が溶接により接合されてよい。この場合、溶接は、レーザ溶接やTIG溶接のような任意の方法で実現されてよい。以下、このようにして端部同士が重ね合わされて接合されたコイル導線22aの2つの端部を、「接合部402」とも称する。
複数のコイル導線22aは、接合部402に成形材料の成形部60を有してよい。成形部60は、複数のコイル導線22aの接合部402全体を覆う。成形部60は、複数のコイル導線22aの接合部402に係る電気的な絶縁性を確保する機能を有する。すなわち、複数のコイル導線22aの接合部402は、上述したように接合の際に被覆が除去されるので、成形部60は、当該被覆が除去された部分全体を覆うことで、被覆と同様の機能を果たす。成形部60は、樹脂材料の射出成形により形成されてよい。
図4Aは、成形部60の説明図である。なお、図4Aにおいて、X方向は、周方向に沿った方向に対応する。図4Bは、他の態様の成形部60Aの説明図である。図4Bにおいて、Z方向は軸方向に平行な方向を表し、Z1側が、図4Bに示すコイルエンドに対する軸方向外側に対応する。図5は、成形部60の内部を透視図により模式的に示す側面図である。
成形部60は、周方向に隣り合う2組の接合部402に対して1つずつ設けられる。なお、図4Aでは、成形部60は、周方向に隣り合う2組の接合部402ごとに1つずつ設けられるが、1組の接合部402ごとに1つずつ設けられてもよいし、周方向に隣り合う3組以上の接合部402ごとに1つずつ設けられてもよい。なお、図4Aでは、成形部60は、上下方向に型締めされて成形されるが、図4Bに示す成形部60Aのように、径方向に型締めされて形成される形態であってもよい。
ここで、図1Aを再度参照するに、リード側コイルエンドには、バスバー部材70が配置される。バスバー部材70は、以下で詳説するように、コイルエンドに対して強固に接合(固定)される。
以下、図6以降を参照して、本実施例のバスバー部材70とコイルエンドとの固定構造について詳説する。
図6は、本実施例のバスバー部材70を軸方向に視た概略的な平面図である。図7は、図6に示したバスバー部材70の内部を透視で示す概略的な平面図である。図7Aは、中性線バスバー74Nの単品状態を軸方向に視た概略的な平面図である。図8は、ステータコイル22の結線態様の一例の説明図である。図9は、本実施例による図6のラインA-Aに沿った概略的な断面図である。図10Aは、接着固定部51及びその周辺の絶縁材料部90だけを抜き出して図9の矢印R91に視て示す図であり、図10Bは、接着固定部51及びその周辺の絶縁材料部90だけを抜き出して図9の矢印R92に視て示す図である。
バスバー部材70は、バスバー74U、74V、74W、74Nと絶縁材料部90とが一体化された形態であり、バスバー74U、74V、74W、74Nが絶縁材料部90から径方向に延在する。絶縁材料部90は、例えば樹脂材料により形成される部位である。この場合、バスバー部材70は、インサート成形により形成されてもよい。
バスバー74U、74V、74Wは、それぞれ、U相、V相及びW相に係るバスバーである。バスバー74Nは、中性線バスバーである。バスバー74U、74V、74W、74Nは、それぞれ一ピースのバスバー(板金部材)により形成されてよい。
本実施例では、バスバー74U、74V、74W、74Nは、図8に示すようなステータコイル22のY結線に対応した構造を有する。具体的には、ステータコイル22は、U相、V相及びW相がそれぞれ2つ以上の組で並列に接続される。図8に示す例では、ステータコイル22は、Y結線が2組存在するいわゆる2Y結線の構成である。
本実施例では、ステータコイル22が2Y結線に対応する構造(図8を参照して後述)であるのにもかかわらず、中性線バスバー74Nが一ピースのバスバーにより形成される。具体的には、中性線バスバー74Nは、図7Aに示すように、2組に係る中性点N1、N2(図8参照)の間が接続部740Nを介して結合した一ピースの形態である。なお、図7では、中性線バスバー74Nのうちの、接続部740Nの周方向一端側につながる部位741は、第1組の3相(図7AのU(1)、V(1)、W(1)参照)に係るY結線を形成し、接続部740Nの周方向他端側につながる部位742は、第2組の3相(図7AのU(2)、V(2)、W(2)参照)のY結線を形成する。これにより、部位741及び部位742が別々のピースで形成される場合に比べて、部品点数が低減された効率的な構造を実現できる。
バスバー74U、74V、74W、74Nは、好ましくは、図7に概略的に示すように、必要な絶縁距離だけ軸方向にオフセットしつつ、軸方向に視て重なる態様で設けられる。これにより、バスバー部材70の周方向及び径方向の体格の低減を図ることができる。本実施例では、一例として、バスバー74U、74V、74Wは、それぞれの外部端子71(図1Aや後出の図9参照)よりも径方向外側において、軸方向に視て中性線バスバー74Nに重なる構造(以下、「2階建て構造」とも称する)である。なお、本明細書において、特定方向に視て2要素が「重なる」とは、特定方向に視て一方が他方に部分的に重なる態様や、特定方向に視て一方が他方を包含して重なる態様を含む概念である。
バスバー74U、74V、74W、74Nは、それぞれ、絶縁材料部90から露出して径方向内側に延在する径方向内側端部80を有する。バスバー74U、74V、74W、74Nのそれぞれの径方向内側端部80は、周方向に並ぶ態様で絶縁材料部90から露出してよい。径方向内側端部80のそれぞれは、コイル導線22aの端部(導体端部22A)に接合される。なお、径方向内側端部80とコイル導線22aの端部との間の接合についても、上述したコイル導線22aの端部同士の接合方法と同様の方法で実現されてよい。また、径方向内側端部80とコイル導線22aの端部との間の接合部402には、図4Bに示す成形部60Aと同様の成形部60A(後出の図9等参照)が形成されてよい。
バスバー74U、74V、74W、74Nは、それぞれ、絶縁材料部90から露出して径方向外側に延在する径方向外側端部81を有する。径方向外側端部81は、周方向に並ぶ態様で絶縁材料部90から露出してよい。径方向外側端部81のそれぞれは、コイル導線22aの端部(導体端部22A)に接合される(図5参照)。なお、径方向外側端部81とコイル導線22aの端部との間の接合についても、上述したコイル導線22aの端部同士の接合方法と同様の方法で実現されてよい。また、径方向外側端部81とコイル導線22aの端部との間の接合部402には、図4Aに示す成形部60と同様の成形部60(後出の図9等参照)が形成されてよい。
なお、本実施例では、上述した2階建て構造に起因して、バスバー74U、74V、74W、74Nは、それぞれの径方向内側端部80が略同じ軸方向位置で絶縁材料部90から露出する一方、それぞれの径方向外側端部81が異なる軸方向位置で絶縁材料部90から露出する。この場合、径方向外側端部81は、露出してからの軸方向の長さが異なることで、同じ軸方向位置で径方向外側に曲げられてよい。
バスバー74U、74V、74Wは、それぞれ、絶縁材料部90から露出して軸方向外側に延在する外部端子71を有する。外部端子71は、インバータ(図示せず)を介して電源(図示せず)に電気的に接続される動力線端子を形成する。
本実施例では、図9に模式的に示すように、軸方向で第1渡り線236とバスバー部材70との間に、硬化した接着剤の部位50、51(以下、「接着固定部50、51」と称する)が設けられる。接着固定部50、51は、軸方向で第1渡り線236とバスバー部材70との間に設けられ、第1渡り線236とバスバー部材70とに接合(接着により接合)する。
接着固定部50、51は、接着剤により形成される。接着剤は、任意であるが、高粘度ワニスが好適である。ここで、高粘度ワニスとは、例えば、200Pa・sより大きい粘度を有するワニスであり、好ましくは、300Pa・s以上の粘度を有するワニスである。この場合、後述するような製造時の重力を受ける部分(後述する梁部位94まわりの空洞部98)にも延在できる接着固定部51を形成できる。なお、スロット2111内にワニスが充填される場合(図示せず)は、80以上200Pa・s以下の粘度を有する低粘度ワニスが用いられてよい。なお、高粘度ワニスは、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はエポキシ系樹脂等により形成されてよい。接着固定部50、51(特に接着固定部51)の好ましい形成方法は、後述する。
接着固定部50、51は、軸方向で第1渡り線236とバスバー部材70との間に延在し、かつ、第1渡り線236とバスバー部材70とに接合することで、第1渡り線236とバスバー部材70との間で生じうる振動を無くす又は低減する機能(以下、「振動低減機能」と称する)を有する。
接着固定部50は、上述した特許文献1に開示されるようなブリッジ500を包み込みつつコイルエンドに接合する。ブリッジ500は、周方向で径方向内側端部80間に形成されてよい。接着固定部50は、周方向に沿って複数個形成されてよい。
接着固定部51は、軸方向に視てバスバー74U、74V、74W、74Nのいずれかに重なり、かつ、径方向外側において絶縁材料部90から露出する。本実施例では、接着固定部51は、軸方向に視てバスバー74Uに重なる。接着固定部51は、軸方向に視て、バスバー74Uの周方向X2側の端部に重なってよい。この場合、接着固定部51は、バスバー74Uの径方向外側端部81と同じ周方向位置であってもよいが、バスバー74Uの径方向外側端部81に対して周方向でわずかにオフセットしてもよい。
接着固定部51は、バスバー部材70のうちの絶縁材料部90に形成された孔又は開口を利用して形成されてよい。接着固定部51は、軸方向に視てバスバー74Uに重なるものの、バスバー74Uに貫通孔を形成することなく、設けられる。具体的には、接着固定部51は、バスバー74Uのうちの軸方向に視て接着固定部51が重なるバスバー部位よりも、軸方向でコイルエンドに近い側に位置する。すなわち、軸方向外側から軸方向に視たとき、接着固定部51のうちの、バスバー74Uに重なる部分は、バスバー74Uよりも軸方向内側(すなわち軸方向でコイルエンドに近い側)に位置する。
接着固定部51は、絶縁材料部90側では、絶縁材料部90の径方向外側の表面に接合してもよいが、好ましくは、絶縁材料部90自体に両端が支持された梁部位94に接合する。この場合、絶縁材料部90と接着固定部51との間の接合強度が高くなり、その結果、バスバー部材70とコイルエンドとの間の接着固定部51を介して接合強度を効果的に高めることができる。
具体的には、本実施例では、図9から図10Bに概略的に示すように、絶縁材料部90は、径方向外側の側面において、絶縁材料部自体に両端が支持された梁部位94を有する。梁部位94は、周方向に延在する。絶縁材料部90は、梁部位94のまわり(延在方向に交差する方向)に空洞部98を有する。空洞部98は、図10Aに示すように、径方向外側に開口するとともに、軸方向内側(コイルエンドに対向する側)に開口する。
この場合、接着固定部51は、好ましくは、梁部位94を包み込む態様で形成される。すなわち、接着固定部51は、図9に概略的に示すように、空洞部98に延在して、梁部位94の軸方向外側及び軸方向内側を覆うとともに、梁部位94の径方向内側を覆う。また、接着固定部51は、図9に概略的に示すように、梁部位94の径方向外側をも覆ってよい。これにより、接着固定部51が梁部位94を包み込むことになり、絶縁材料部90と接着固定部51との間の接合強度を効果的に高めることができる。
ところで、複数のバスバーを比較的高い密度で、比較的小型のバスバー部材に配置した場合でも、バスバーに貫通孔を形成できる場合は、当該貫通孔を利用して、コイルエンドとバスバー部材に接合する接着固定部を形成することが可能である。
しかしながら、かかるバスバーに形成される貫通孔は、バスバーの断面積を局所的に低下させるので、電気的な特性の低下を招くおそれがある。すなわち、バスバーの断面積は、貫通孔が形成される箇所で、局所的に小さくなる。このような断面積の低下は、バスバーを介してステータコイル22に流す電流の上限値(電気量の上限値)の低下を招く。すなわち、バスバー部材70の電気的な特性の低下を招く。
この点、本実施例によれば、上述したように、バスバー74Uに貫通孔を形成することなく、軸方向に視てバスバー74Uに重なる接着固定部51を形成できる。これにより、バスバー部材70の電気的な特性を低下させることなく、接着固定部51を形成できる。
ところで、特に、車両環境においては、路面からの入力や、内燃機関を搭載する車両では内燃機関からの入力等に起因して、ステータ21を含む回転電機が加振されやすい。また、特に、バスバー部材70は、第2渡り線240等に比べて有意に大きい質量を有し、振動しやすい。バスバー部材70が振動すると、バスバー部材70の径方向内側端部80及び径方向外側端部81とコイル導線22aの端部との間の接合部402(図5の接合部402参照)の信頼性が低下するおそれがある。
この点、本実施例によれば、上述したように、軸方向で第1渡り線236とバスバー部材70との間に接着固定部50、51が設けられるので、接着固定部50、51の振動低減機能によって、接合部402の際(きわ)やその近傍での応力集中を低減でき、バスバー部材70のバスバー74U、74V、74W、74Nとコイル導線22aの端部との間の接合部402の信頼性を高めることができる。
接着固定部50、51は、好ましくは、バスバー部材70全体にわたって比較的均一に振動低減機能を発現できるように、バスバー部材70の周方向全長にわたって比較的均一に配置される。同様に、接着固定部50、51は、好ましくは、バスバー部材70の径方向全長にわたって比較的均一に振動低減機能を発現できるように、バスバー部材70の径方向全長にわたって比較的均一に配置される。
本実施例では、接着固定部50は、径方向内側における軸方向に視てバスバー74U、74V、74W、74Nに重ならない領域(ブリッジ500を形成可能な領域)を利用して、周方向に沿って均一に配置できる。また、接着固定部51は、径方向外側における軸方向に視てバスバー74Uに重なる領域を利用して、周方向の中央付近に配置できる。これにより、バスバー部材70全体にわたって比較的均一に振動低減機能を発現できる。なお、本実施例では、接着固定部50は、1箇所だけに形成されるが、周方向の異なる位置に複数個形成されてもよい。
また、本実施例では、接着固定部50は、径方向内側に形成されるのに対して、接着固定部51は、径方向外側に形成されるので、バスバー部材70の径方向全長にわたって振動低減機能を発現できる。例えば、接着固定部50、51のうちの接着固定部50だけを備える図11に示すような比較例のバスバー部材70’では、絶縁材料部90’が接着固定部51を備えていないため、矢印R11で模式的に示すように、径方向内側を支点として径方向外側が軸方向に振動しやすくなる。このような振動が生じると、特に径方向外側端部81とコイル導線22aの端部との間の接合部402(図5の接合部402参照)に比較的高い応力が発生しやすくなる。これに対して、本実施例では、上述したように径方向内側及び外側のいずれも接着固定部(接着固定部50、51)が設けられるので、かかる比較例で生じる不都合を防止できる。
なお、接着固定部50は、軸方向の貫通孔501を伴うブリッジ500を形成する関係上、軸方向に視てバスバー74U、74V、74W、74Nに重ならない領域(バスバー部材70の径方向の端部)にしか形成できない。また、本実施例では、上述した外部端子71よりも径方向外側の2階建て構造に起因して(すなわち、中性線バスバー74Nが存在することに起因して)、軸方向の貫通孔501を伴うブリッジ500と同様のブリッジを、外部端子71よりも径方向外側に形成することが困難である。
この点、本実施例によれば、2階建ての2階側のバスバー74Uの下側(軸方向内側)のデットスペースを利用して接着固定部51を設けることで、接着固定部50が形成できないような箇所においても、バスバー部材70とコイルエンドとの間を接合できる。
なお、本実施例は、図6から図8を参照して上述したように2Y結線の構造のバスバー74U、74V、74Wに適用されているが、4Y結線のような他の並列結線構造にも適用可能である。例えば、図12及び図13に示す例では、バスバー部材70Aは、4Y結線の構造を有する。図12は、4Y結線の構造が適用されたバスバー部材70A全体の斜視図であり、図13は、梁部位94を通る切断面による断面形状を示す斜視図である。この場合、接着固定部51(図12及び図13には図示せず)が設けられる梁部位94は、図12及び図13に示すように、周方向でバスバー74Uの対の径方向外側端部81の間に形成されてもよい。この場合、径方向外側の開口部99への外部からのアクセス性が良好となり、接着固定部51を形成するための接着剤の注入工程の容易化を図ることができる。
なお、図12及び図13に示す例では、バスバー74Uにおける径方向外側端部81よりも径方向内側の部位811は、その軸方向内側の表面(コイルエンドに対向する側の表面)が、絶縁材料部90Aから露出している。これにより、空洞部98の容積を最大化でき、梁部位94まわりの接着固定部51の形成が容易となる。なお、この場合、接着固定部51は、軸方向に視て、主に部位811に重なることになる。
次に、図14以降を参照して、上述したステータ21の製造に好適な製造方法について説明する。
以下の説明において、特に言及しない限り、第1渡り線236とは、ステータコア211の軸方向外側で周方向に延在する上述したリード側の複数の第1渡り線236の全体(集合)を指す。従って、第1渡り線236の表面(軸方向外側表面)とは、複数の第1渡り線236の全体の表面(軸方向外側表面)であり、第1渡り線236のそれぞれの表面(軸方向外側表面)の集合を表す。
図14は、ステータ21の製造方法の流れを概略的に示すフローチャートである。図15から図17は、図14を参照して説明する各工程のいくつかの説明図である。なお、図14のフローチャートは、ステータ21の製造方法の流れの一例を示しているにすぎず、各ステップの処理順序は適宜、前後されてもよいし、並行的に又は同時に実現されてもよい。
本製造方法は、まず、ステップS111において、ステータコア211、コイル組立体、及び上述したバスバー部材70Aを準備する工程(準備工程の一例)を含む。コイル組立体は、複数の同芯巻きコイル20が円環状に配置された組立体であってよい。なお、変形例では、同芯巻きコイル20とは異なる任意の形態のコイル片が利用されてもよい。
本製造方法では、バスバー部材70Aが準備されるが、バスバー部材70についても実質的に同様に適用可能である。
次に、本製造方法は、ステップS113において、コイル組立体をステータコア211に組み付ける工程(装着工程)を含む。本工程は、例えば、インサータ等の治具により、コイル組立体を形成する各スロット収容部230、232をステータコア211のスロット2111に挿入することで実現されてよい。これにより、ステータコイル22がステータコア211に巻装されたステータ組立体であって、軸方向両側にコイルエンドを有するステータ組立体が形成される。
次に、本製造方法は、ステップS114において、バスバー部材70Aを、ステータ組立体におけるリード側のコイルエンド上に、載置する工程(配置工程)を含む。この場合、バスバー部材70Aは、コイルエンドの軸方向外側の表面(すなわち第1渡り線236の表面)に当接する態様で、載置されてもよい。
次に、本製造方法は、ステップS115において、ステータコア211に巻装された複数の同芯巻きコイル20において、バスバー部材70Aが配置されない周方向範囲において、軸方向に重なる対の渡り線である第2渡り線240と第3渡り線250の端部同士を溶接により接合する工程を含む。また、本製造方法は、ステップS115において、バスバー部材70Aが配置される周方向範囲において、第2渡り線240及び第3渡り線250の各端部とバスバー部材70Aのバスバー74U、74V、74W、74Nの各径方向内側端部80及び各径方向外側端部81とを溶接により接合する工程(接合工程の一例)を含む。
また、本製造方法は、ステップS116において、図15に模式的に示すように、バスバー部材70Aが配置されない周方向範囲において、第2渡り線240と第3渡り線250の間の接合部(図示せず)に成形部60(図4A参照)を形成する工程を含む。また、本製造方法は、ステップS116において、バスバー部材70Aが配置される周方向範囲において、第2渡り線240及び第3渡り線250の各端部とバスバー部材70Aの74U、74V、74W、74Nの各径方向内側端部80及び各径方向外側端部81との間の各接合部402に成形部60、60Aを形成する工程を含む。
次に、本製造方法は、図16に矢印R17で模式的に示すように、ステップS117において、バスバー部材70Aが配置された側を上側として、接着固定部51Aを形成すべく、バスバー部材70Aに高粘度ワニス(図示せず)を注入する注入工程を含む。高粘度ワニスの注入は、図16に矢印R17で模式的に示すように、梁部位94に対して径方向外側から実行されてよい。この場合、高粘度ワニスは、圧送されて噴出される形態で注入されてもよい。高粘度ワニスの注入は、高粘度ワニスが梁部位94を包み込むように、梁部位94に隣接した開口部(軸方向外側の開口部99)及び梁部位94自体に向けて実行されてよい。図17に概略的に示すように、高粘度ワニスが自重で下方に流動してコイルエンドに接合するように実行される。高粘度ワニスは、比較的流動性が低いがゆえに、比較的低速で下方へと流れることから、梁部位94を包み込むような形態の接着固定部51Aの形成に好適である。なお、高粘度ワニスは、比較的低速で下方へと流れることから、高粘度ワニスの注入自体は、断続的に実行されてもよい。このようにして、高粘度ワニスがコイルエンドに到達すると、図17に概略的に示すように、コイルエンドとの間の必要な接合範囲が確保される。
なお、図17に示す例では、高粘度ワニスは、コイルエンドの径方向外側にも至っているが、これに限られず、コイルエンドの軸方向外側に留まるように注入されてもよい。
同様に、注入工程(ステップS117)では、更に、接着固定部51Aを形成するための高粘度ワニスを注入した後、接着固定部50を形成すべく、高粘度ワニスを貫通孔501に対して軸方向外側から注入してもよい。この場合、高粘度ワニスの注入は、ノズルからの滴下の形態で実現されてもよい。なお、接着固定部50を形成するための高粘度ワニスの注入は、接着固定部51Aを形成するための高粘度ワニスの注入よりも前に実行されてもよいし、並行で実行されてもよい。
ついで、本製造方法は、ステップS119において、高粘度ワニスを硬化させる工程を含む。なお、高粘度ワニスは、同芯巻きコイル20を構成するコイル導線22a同士の間に保持(含浸)されうるワニスとともに硬化されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、好ましい実施例として、接着固定部51、51Aに加えて、接着固定部50が設けられるが、接着固定部50は省略されてもよい。
また、上述した実施例では、外部端子71よりも径方向外側でバスバー74U、74V、74Wが中性線バスバー74Nに重なる2階建て構造を有するが、径方向内外が反転した構造が実現されてもよい。すなわち、外部端子71よりも径方向内側でバスバー74U、74V、74Wが中性線バスバー74Nに重なる2階建て構造が実現されてもよい。この場合、接着固定部51(接着固定部51Aも同様)は、外部端子71よりも径方向内側で同様に形成されてよい。
また、上述した実施例では、周方向の両端が支持された周方向の梁部位94を有することで、絶縁材料部90と接着固定部51(絶縁材料部90Aと接着固定部51Aについても同様、以下同じ)との接合強度を高めているが、これに限られない。例えば、梁部位94に代えて又は加えて、径方向の梁部位が設けられてもよい。この場合、径方向の梁部位94は、径方向内側の端部だけが支持された片持構造であってよい。この場合も、径方向の梁部位まわりに空洞部(図示せず)を形成し、高粘度ワニスにより梁部位を包み込むことで、接合強度を高めることができる。なお、この場合、梁部位は、絶縁材料部90とは別体で形成され、絶縁材料部90に接合されてもよい。
また、上述した実施例では、接着固定部51は、梁部位94を包み込むように設けられるが、これに限られず、接着固定部51は、例えば梁部位94のうちの、径方向内側及び軸方向両側の3方を覆うように設けられてもよい。また、梁部位94が省略されてもよい。例えば、図18に示す変形例によるバスバー部材70Bでは、絶縁材料部90Bは、上述した実施例の接着固定部51Bにおける梁部位94(及び空洞部98)が設けられる箇所に、同様の梁部位を有していない。この場合、接着固定部51Bは、図18に示すように、絶縁材料部90Bの径方向外側の側面及び軸方向内側の表面とともに、コイルエンドの側面及び/又は軸方向外側の表面に接合してもよい。
21・・・ステータ(回転電機用ステータ)、211・・・ステータコア、22・・・ステータコイル、51、51A、51B・・・接着固定部、70、70A、70B・・・バスバー部材、71・・・外部端子(動力線端子)、74U、74V、74W・・・バスバー(導体部、複数のバスバー)、74N・・・中性線バスバー(導体部、複数のバスバーのうちの1つ)、80・・・径方向内側端部(導体部の端部)、81・・・径方向外側端部(導体部の端部)、90、90B・・・絶縁材料部、94・・・梁部位
Claims (8)
- ステータコアと、
前記ステータコアに装着され、軸方向両端にコイルエンドを有するステータコイルと、
軸方向一端側の前記コイルエンドに対して軸方向外側に配置され、導体部と絶縁材料部とが一体化された形態であり、前記導体部の端部が前記絶縁材料部から露出するバスバー部材と、
前記バスバー部材の前記導体部の端部と、前記ステータコイルの端部とを接合する接合部と、
前記バスバー部材及び前記コイルエンドに接合する接着固定部とを備え、
前記接着固定部は、軸方向に視て前記導体部に重なり、かつ、径方向一方側において径方向に視て前記絶縁材料部から露出する、回転電機用ステータ。 - 前記導体部は、複数のバスバーを含み、
前記複数のバスバーは、電源に電気的に接続される動力線端子を含み、
前記複数のバスバーの少なくとも2つは、前記動力線端子よりも前記径方向一方側において、軸方向に視て互いに重なる、請求項1に記載の回転電機用ステータ。 - 前記絶縁材料部は、前記径方向一方側の側面において、前記絶縁材料部自体に両端が支持された梁部位を有し、
前記接着固定部は、前記梁部位を包み込む、請求項1に記載の回転電機用ステータ。 - 前記梁部位は、周方向に延在し、
前記絶縁材料部は、前記梁部位まわりに、前記接着固定部が延在する空洞部を有する、請求項3に記載の回転電機用ステータ。 - 前記接着固定部は、前記導体部のうちの軸方向に視て前記接着固定部が重なる部位よりも、軸方向で前記コイルエンドに近い側に位置する、請求項1に記載の回転電機用ステータ。
- 前記接着固定部は、200Pa・sより大きい粘度を有するワニスにより形成される、請求項1に記載の回転電機用ステータ。
- 導体部と絶縁材料部とが一体化された形態のバスバー部材を準備する準備工程と、
ステータコアにステータコイルを装着し、軸方向両側にコイルエンドを有する組立体を形成する装着工程と、
前記準備工程で準備した前記バスバー部材と、前記装着工程で形成した前記組立体とを用いて、前記バスバー部材が軸方向一端側のコイルエンドに対して軸方向外側に位置する配置状態を形成する配置工程と、
前記配置状態において、前記バスバー部材の前記導体部の端部と、前記ステータコイルの端部とを接合する接合工程と、
前記配置状態において、径方向一方側から接着剤を注入することで、前記バスバー部材及び前記コイルエンドに接合する接着固定部であって、軸方向に視て前記導体部に重なり、かつ、径方向一方側において径方向に視て前記絶縁材料部から露出する接着固定部を形成する注入工程と、を含む、回転電機用ステータの製造方法。 - 前記絶縁材料部は、前記径方向一方側の側面において、前記絶縁材料部自体に両端が支持された梁部位を有し、
前記注入工程は、前記梁部位を包み込むように前記接着剤を注入することを含む、請求項7に記載の回転電機用ステータの製造方法。
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