JP2024010728A - 熱量計及び熱量計測方法 - Google Patents

熱量計及び熱量計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱量測定の不確かさが時系列的にどのように変化するかを直接的に評価することを可能にする。【解決手段】熱量計を、熱電変換部と、この熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成すると測定領域部と、熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで補償用ヒータと第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部と、第一の発熱体を加熱する第一の加熱部と、第二の発熱体を加熱する第二の加熱部と、測定領域と参照領域との温度差により熱電変換部で発生する熱起電力に基づいて補償用ヒータを加熱する第三の加熱部と、第一の発熱体に印加する電力と第二の発熱体に印加する電力とを求めるとともに、熱電変換部で発生する熱起電力がゼロとなるように第三の加熱部から補償用ヒータに印可する電力の情報を用いて測定試料の発熱量を演算して求める演算部とを備えて構成した。【選択図】図1

Description

本発明は熱量計及び熱量計測方法に関する。
入力補償型の示差走査熱量計では、測定試料と補償用ヒータのホルダを同じ熱条件下に配置し、二つの温度が同じになるように補償用ヒータの熱量を調節し、その熱量が測定試料の熱量として測定される。熱流束型の示差走査熱量計では、測定試料と標準試料のホルダを同じ熱条件下に配置し、発熱する測定試料と発熱しない標準試料の間の熱移動量を測定することで、試料の熱量を測定する。示差走査熱量計は、相転移・融解に伴う吸発熱や試料の比熱容量などの基礎的な物性の測定に用いられることが多く、測定の高精度化や、測定値の不確かさ評価が重要となる。また示差走査熱量計では、試料の温度を変化させて走査したときの熱量を測定するため、温度変化に関わる測定時間を短くして測定のスループットを向上させることも重要である。
この技術分野に関連して、特許文献1には、発熱体から基準試料と測定試料までの熱供給の均等化を図った構造を有し、また基準試料と測定試料の温度差を熱電素子によって測定することで測定の高精度化を図るための熱量計として、基準試料容器収納孔、試料容器収納孔及びその間に形成された細隙を有する対称形状の試料部と、発熱体に対向する受熱部と、該受熱部と試料部とを連結する狭小断面積の熱伝導部とから成り、前記試料部、受熱部及び熱伝導部はすべて熱良導材で形成され、前記細隙にはその両壁面の温度差を検出する熱電素子を挿入してなる試料受熱部材を備え、該試料受熱部材は断熱シールド内に収納されたことを特徴とする熱量計が開示されている。
特開昭59-153156号公報
特許文献1に開示されている技術では、基準試料及び測定試料が発熱体から供給される熱量の定量化、また発熱体以外の要素から供給される熱量の定量化がなされていない。このような構成においては、示差走査熱量測定中の各試料において、熱バランスが保たれているかは事前の装置校正などによって間接的に判断するしかなかった。従って、測定の最中において、熱量測定の不確かさを直接的に評価することができなかった。
本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、熱量測定の不確かさが時系列的にどのように変化するかを直接的に評価することが可能な熱量計及び熱量計測方法を提供するものである。
上記した課題を解決するために、本発明では、熱量計を、熱電変換部と、この熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成すると測定領域部と、熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで補償用ヒータと第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部と、第一の発熱体に電力を印加して加熱する第一の加熱部と、第二の発熱体に電力を印加して加熱する第二の加熱部と、測定領域と参照領域との温度差により熱電変換部で発生する熱起電力に基づいて補償用ヒータに電力を印加して加熱する第三の加熱部と、第一の加熱部で第一の発熱体に印加する電力と第二の加熱部で第二の発熱体に印加する電力とを演算して求めるとともに、熱電変換部で発生する熱起電力がゼロとなるように第三の加熱部から補償用ヒータに印可する電力の情報を用いて測定試料の発熱量を演算して求める演算部とを備えて構成した。
また、上記した課題を解決するために、本発明では、熱量計を、熱電変換部と、この熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成すると測定領域部と、熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで基準試料と第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部と、第一の発熱体に電力を印加して加熱する第一の加熱部と、第二の発熱体に電力を印加して加熱する第二の加熱部と、第一の加熱部で第一の発熱体に電力を印加し第二の加熱部で第二の発熱体に電力を印加しているときに熱電変換部で発生する熱起電力に基づいて測定試料の発熱量を演算して求める演算部とを備えて構成した。
更に、上記した課題を解決するために、本発明では、熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成した測定領域部と、熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで補償用ヒータと第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部とを備えた熱量計を用いて測定試料が発生する熱量を計測する熱量計測方法において、第一の発熱体に第一の加熱部から電力を印加して第一の発熱体を加熱し、第二の発熱体に第二の加熱部から電力を印加して第二の発熱体を加熱し、第一の発熱体と第二の発熱体とが加熱されている状態で測定領域と参照領域との温度差により熱電変換部で発生する熱起電力がゼロとなるように第三の加熱部から補償用ヒータに電力を印可するとともに、補償用ヒータに印可する電力の情報を用いて演算部で測定試料の発熱量を求めるようにした。
更にまた、上記した課題を解決するために、本発明では、熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成した測定領域部と、熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで基準試料と第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部とを備えた熱量計を用いて測定試料が発生する熱量を計測する熱量計測方法において、第一の発熱体に第一の加熱部から電力を印加して第一の発熱体を加熱し、第二の発熱体に第二の加熱部から電力を印加して第二の発熱体を加熱し、第一の発熱体と第二の発熱体とが加熱されている状態で測定領域と参照領域との温度差により熱電変換部で発生する熱起電力の情報を用いて演算部で測定試料の発熱量を求めるようにした。
本発明によれば、熱量測定の不確かさが時系列的にどのように変化していくかを直接的に評価することが可能となる。さらに、評価された熱量測定の不確かさを制御する構造を有することで、熱量測定の精度を向上する手段を提供する。また、評価された熱量測定の不確かさを基準として測定条件を定めることで、示差走査熱量測定の測定時間を短縮することが可能となる。
本発明の実施例1に係る入力補償型示差走査熱量計の概略の構造を示すブロック図である。 熱起電力と通過熱量との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る入力補償型示差走査熱量計の出力部の一例を示す表示画面の正面図である。 本発明の実施例1に係る入力補償型示差走査熱量計測方法における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1の変形例1に係る入力補償型示差走査熱量計測方法における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1の変形例2に係る入力補償型示差走査熱量計測方法における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る熱流束型示差走査熱量計の概略の構造を示すブロック図である。
本発明は、加熱炉内で測定試料と標準試料の温度を調節する際に、測定試料、標準試料ともに、外部からの熱の流入出がある場合に、加熱炉内や試料容器が載っている部材に温度差や熱流量の差が生じているかが測定の不確かさに影響を与えることを考慮して、測定に生じる不確かさを評価し、さらに制御して測定精度を向上させることにより、測定試料、標準試料からの熱損失を定量化できるようにしたものである。
すなわち、本発明では、熱量計のセンサ部の全面を熱電変換部で覆った構造にし、測定した熱電変換部の熱起電力から温度差または熱流量に変換し、熱電変換部で覆った各面からの熱損失を定量化できるような構成にするとともに、さらに、熱起電力がゼロになるように制御することにより、熱損失を低減して能動的に断熱し、測定に生じる不確かさを評価し、さらに制御して測定精度を向上させることができるようにした。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
本発明の第1の実施例による熱量計の一形態を説明する。
図1は本実施例における入力補償型示差走査熱量計1(以下、熱量計1と記す場合もある)の構造を示す概要図である。熱量計1は、立体的に形成された測定領域2、立体的に形成された参照領域4、測定領域2の一部とともに参照領域4の一部を覆って壁面を構成する熱電変換部7、立体的に形成された測定領域2の残りの壁面を構成する熱電変換部8、立体的に形成された参照領域4の残りの壁面を構成する熱電変換部9、熱電変換部8の外側には伝熱部12、熱電変換部9の外側には伝熱部13を備えている。熱量計1は、このほかに、測定部101、102、103、104、105、演算部106、表示部107、制御部108、109、110、111、112、電源部113、114、115、116、117を備えている。制御部108と電源部113との組み合わせで、一つの加熱部を構成する。他の制御部と電源部との組み合わせについても同様である。
測定領域2と参照領域4とは同一形状とし、かつ測定領域2を囲む熱電変換部8を構成する部材と伝熱部12とを構成する部材とは、参照領域4を囲む熱電変換部9を構成する部材及び伝熱部13を構成する部材とそれぞれ同一材料で構成されることが望ましい。特に、測定領域2を囲む部材及び参照領域4を囲む部材は熱容量が小さくなりかつ、温度均一性が保たれやすい形状が望ましい。また低比熱かつ高熱伝導率の材料で構成されることが望ましい。
測定領域2と参照領域4は多面体でもよいし、曲面で構成されていても良い。測定領域2は、熱電変換部7と熱電変換部8によって全面が隙間なく覆われていることが望ましい。参照領域4は、熱電変換部7と熱電変換部9によって全面が隙間なく覆われていることが望ましい。
熱電変換部7は、測定領域2と参照領域4の間の通過熱量17に応じて熱起電力V14を生じる。測定部101は熱電変換部7の熱起電力V14を測定する。事前に校正することによって、熱電変換部7における熱起電力V14:201と通過熱量17:202の図2のグラフ200に示すような関係203を取得しておく。図2のグラフ200において、縦軸は、通過熱量202に替えて、熱電変換部7の測定領域2側の面と参照領域4側の面との温度差にしてもよい。また、熱電変換部7の熱起電力に対する両面間温度差の関係と、熱電変換部7の熱抵抗値を測定して、熱起電力に対する通過熱量の関係に換算してもよい。
図1においては、測定領域2から参照領域4の方向に通過熱量17が移動するように矢印が図示されているが、参照領域4から測定領域2の方向に通過熱量17が移動する場合であってもよい。
熱電変換部8は、測定領域2を囲む壁面のうち熱電変換部7で構成される壁面以外の壁面を構成し、その外側に配置された伝熱部12との間の通過熱量18に応じて熱起電力V15を生じる。測定部102は熱電変換部8の熱起電力V15を測定する。事前に校正することによって、熱電変換部8における熱起電力V15と通過熱量18の関係を取得しておく。
熱電変換部9は、参照領域4を囲む壁面のうち熱電変換部7で構成される壁面以外の壁面を構成し、その外側に配置された伝熱部13との間の通過熱量19に応じて熱起電力V16を生じる。測定部103は熱電変換部9の熱起電力V16を測定する。事前に校正することによって、熱電変換部9における熱起電力V16と通過熱量19の関係を取得しておく。
演算部106は、熱起電力V14から熱電変換部7の通過熱量17を演算し、熱起電力V15から熱電変換部8の通過熱量18を演算し、熱起電力V16から熱電変換部9の通過熱量19を演算する。熱電変換部7、熱電変換部8、熱電変換部9は、温度依存性を考慮して事前の校正を行うとより高精度な通過熱量の演算が可能となる。
熱電変換部7、熱電変換部8、熱電変換部9はそれぞれひとつ以上の熱電変換部品からなる。熱電変換部品には、例えば平板状のペルチェモジュールを用いる。ペルチェモジュールは一般に、2枚のセラミック基板の間に電極を実装し、n型熱電半導体とp型熱電半導体を直列に接続した構成を持つ。ペルチェモジュールは、端子間の電圧を測定することで、ペルチェモジュールの両面間の熱移動を高感度に検出することができる。熱電変換部品にはその他、熱流束センサやサーモパイルなどを用いても良い。あるいは、測定領域2と参照領域4の少なくとも表面を絶縁性材料で構成し、その表面に電極、n型熱電半導体、p型熱電半導体を直接実装してもよい。
熱電変換部7の熱電変換部品としてペルチェモジュールを用いると、従来の示差走査熱量計の多くで採用されているサーモパイルを使用するよりも、組み立てが容易となり、かつ熱電変換部品の両面間の熱移動を高感度で検出できることが期待される。
一例として、測定領域2と参照領域4の外形を立方体形状とした場合、熱電変換部品には正方形平板状のペルチェモジュールを用いる。熱電変換部7には一枚、熱電変換部8と熱電変換部9にはそれぞれ五枚のペルチェモジュールを使って、測定領域2と参照領域4とを形成する立法形状の6つの面の全面を隙間なく覆う。これにより、熱電変換部7により測定領域2と参照領域4との間の通過熱量を、熱電変換部8により測定領域2と外部環境との間の通過熱量を、熱電変換部9により参照領域4と外部環境との間の通過熱量をそれぞれ測定することが可能となる。
熱電変換部8と熱電変換部9を構成する熱電変換部品は、一つの面に対して熱電変換部品を一つ配置し、一つの熱電変換部品に対して一つの測定装置で熱起電力を測定し、各面における通過熱量を個別に演算しても良い。また、各面に対応する複数の熱電変換部品を直列に接続して一つの測定装置で熱起電力を測定して、通過熱量を演算しても良い。
測定領域2は内部に測定試料3、発熱体10が格納され、参照領域4は内部に補償用ヒータ5、発熱体11が格納される。また、熱電変換部8の外側に伝熱部12を備え、熱電変換部9の外側に伝熱部13を備える。
補償用ヒータ5は、測定領域2と参照領域4の間の温度差がゼロとなり、熱電変換部7を介して測定領域2と参照領域4の間の通過熱量17がゼロとなるように動作させる。本実施例では、測定部101で測定している熱電変換部7の熱起電力V14が略ゼロとなるように、制御部108で補償用ヒータ5へ供給する電力を決定して、電源部113によって補償用ヒータ5へ電力を供給する。これにより、熱電変換部7を介して測定領域2と参照領域4の間の通過熱量17が略ゼロとなる状態を形成することができる。但し、測定や制御にはばらつきが存在するため、通過熱量17が完全にゼロとなる状態を維持し続けることはできず、ゼロの近辺で変動し続ける。
このように、完全にゼロとならずに熱電変換部7の両面間に発生した温度差301、又は残留した熱電変換部7の通過熱量17は、示差走査熱量測定における不確かさを生じる要因の一つとなる。この不確かさを第一の不確かさuとする。第一の不確かさuとして、演算部106で求めた熱電変換部7の両面間に発生した温度差301又は熱電変換部7の通過熱量17の瞬時値311を評価しても良いし、ある時間区間312における通過熱量17:301の平均値と標準偏差の値を評価してもよい。
図1において、伝熱部12及び伝熱部13はそれぞれ少なくとも一つ以上の伝熱部品からなる。伝熱部品には、例えば平板状のペルチェモジュールを用いる。ペルチェモジュールは一般に、2枚のセラミック基板の間に電極を実装し、n型熱電半導体とp型熱電半導体を直列に接続した構成を持つ。ペルチェモジュールは、電流を流すことでヒートポンプとして作用し、電流の向きを変えることで加熱・冷却を行うことができる。その他、面状のヒータなどを用いても良いが、この場合では冷却することはできない。
伝熱部12は、熱電変換部8の内外の温度差がゼロとなり、熱電変換部8の通過熱量18がゼロになるように動作させる。本実施例では、測定部102で測定している熱電変換部8の熱起電力V15が略ゼロとなるように、制御部109で伝熱部12へ供給する電力を決定して、電源部114によって伝熱部12へ電力を供給する。これにより、立方体形状の測定領域2を囲む5つの面の熱電変換部8を構成する各熱電変換部品の測定領域2の側と伝熱部12の側との両面間の温度差を略ゼロにし、熱電変換部8の通過熱量18が略ゼロとなる状態を形成することができる。
伝熱部13は、熱電変換部9の内外の温度差がゼロとなり、熱電変換部9の通過熱量19がゼロになるように動作させる。本実施例では、測定部103で測定している熱電変換部9の熱起電力V16が略ゼロとなるように、制御部110で伝熱部13へ供給する電力を決定して、電源部115によって伝熱部13へ電力を供給する。これにより、立方体形状の参照領域4を囲む5つの面の熱電変換部9を構成する各熱電変換部品の参照領域4の側と伝熱部13の側との両面間の温度差を略ゼロにし、熱電変換部9の通過熱量19が略ゼロとなる状態を形成することができる。
しかし、実際には、測定や制御にはばらつきが存在するため、通過熱量18と通過熱量19とが完全にゼロとなる状態を維持し続けることは難しい。残留した通過熱量18と通過熱量19とは、熱量計1を用いた示差走査熱量測定における不確かさを生じる要因の一つとなる。この不確かさを第二の不確かさuとする。
第二の不確かさuとして、第一の不確かさuの場合に説明したのと同様に、演算部106で求めた通過熱量18と通過熱量19の瞬時値をそれぞれ評価しても良いし、ある時間区間における通過熱量18と通過熱量19の平均値と標準偏差の値をそれぞれ評価してもよいし、通過熱量18と通過熱量19の差の瞬時値を評価しても良いし、ある時間区間における通過熱量18と通過熱量19の差の平均値と標準偏差の値を評価してもよい。
例えば、熱電変換部8と熱電変換部9を構成する熱電変換部品としてペルチェモジュールを使用し、かつ、伝熱部12と伝熱部13を構成する伝熱部品としてもペルチェモジュールを使用する。このとき、熱電変換部8と熱電変換部9を構成するペルチェモジュールの熱起電力がそれぞれ略ゼロとなるように、伝熱部12と伝熱部13を構成するそれぞれのペルチェモジュールによって加熱・冷却を行うと、熱電変換部8と熱電変換部9を構成するペルチェモジュールの両面間の温度差を高精度に極小化することが可能となる。その結果、一般的な断熱材や断熱構造を使用するよりも高い断熱効果が期待できる。
補償用ヒータ5によって測定領域2と参照領域4の間の通過熱量17がゼロとなり、かつ、伝熱部12によって熱電変換部8の通過熱量18がゼロとなり、かつ、伝熱部13によって熱電変換部9の通過熱量19がゼロとなる状態が形成されたことは、つまり、測定領域2と参照領域4が同じ温度になっており、かつ測定領域2から外部への熱損失がなく、かつ参照領域4から外部への熱損失がない状態が形成されたことを意味する。本実施例における熱量計1は、この状態が形成されたことを確認してから示差走査熱量測定を開始する。
入力補償型示差走査熱量計1では、測定試料3の温度を走査して熱量変化を測定する。発熱体10、発熱体11は、それぞれ測定領域2と参照領域4の温度を走査するための発熱体として働く。発熱体10と発熱体11には、発熱量を精密に一致させることができる発熱体を用いるのが望ましい。例えば、電気抵抗値を精密に決定することが可能で、かつ電気抵抗値の安定性に優れた金属箔抵抗を用いる。
電源部116から発熱体10に供給される電力は測定部104によって測定され、予め求めておいた発熱体10の抵抗値に基づいて演算部106によって発熱体10の発熱量Q10が演算される。電源部117から発熱体11に供給される電力は測定部105によって測定され、予め求めておいた発熱体11の抵抗値に基づいて演算部106によって発熱体11の発熱量Q11が演算される。
入力補償型示差走査熱量計1では、測定領域2と参照領域4との温度が同一(測定領域2と参照領域4との間に温度差がない状態)のまま温度を走査させる必要があるため、発熱体10の発熱量Q10と発熱体11の発熱量Q11の差が略ゼロとなるように電源部116と電源部117から供給する電力をそれぞれ制御部111と制御部112とで制御する。但し、測定や制御にはばらつきが存在するため、発熱量Q10と発熱量Q11の差が完全にゼロとなる状態を維持し続けることはできない。
残留した発熱量Q10と発熱量Q11の差は、示差走査熱量測定における不確かさを生じる要因の一つとなる。この不確かさを第三の不確かさuとする。第三の不確かさuとして、演算部106で求めた発熱量Q10と発熱量Q11の差の瞬時値を評価しても良いし、ある時間区間における発熱量Q10と発熱量Q11の差の平均値と標準偏差の値を評価してもよい。
演算部106は、第一の不確かさu、第二の不確かさu、第三の不確かさuから一般的な不確かさ評価手法によって合成不確かさuを演算する。
従来の示差走査熱量計では、特許文献1で開示されているように加熱炉の空間に測定試料と基準試料を格納しており、測定試料と基準試料に供給される熱量をリアルタイムに定量化できる構造になっていなかった。そのため、示差走査熱量測定中の各試料において熱バランスが保たれているかは事前の装置校正などによって間接的に判断するしかなく、受熱や熱損失に関わる不確かさをリアルタイムに直接的に評価できる構造となっていない。
一方、本実施例では上記の原理によって、熱電変換部7の通過熱量17に起因する第一の不確かさuと、熱電変換部8の通過熱量18と熱電変換部9の通過熱量19に起因する第二の不確かさuと、発熱体10の発熱量Q10と発熱体11の発熱量Q11の差に起因する第三の不確かさuとが、時系列的にどのように変化するかをリアルタイムに直接的に評価することが可能となった。
電源部116から発熱体10に供給する電力は制御部111によって決定し、電源部117から発熱体11に供給する電力は制御部112によって決定する。制御部111と制御部112は、発熱体10の発熱量Q10と発熱体11の発熱量Q11の差が略ゼロとなるように供給する電力を決定する。
ここで、熱量計1による測定にかかる時間は、温度を走査する速さによって特徴づけられる。本実施例においては、発熱量Q10と発熱量Q11が大きくなるほど測定領域2と参照領域4の昇温速度が大きくなり、測定時間を短縮することができる。
しかし、補償用ヒータ5によって熱電変換部7の熱起電力V14を略ゼロにすることができる応答速度、または伝熱部12によって熱電変換部8の熱起電力V15を略ゼロにすることができる応答速度、または伝熱部13によって熱電変換部9の熱起電力V16を略ゼロにすることができる応答速度を超えて発熱量Q10と発熱量Q11を大きくしてしまうと、測定領域2と参照領域4周りの熱バランスが保たれなくなる。その結果、通過熱量17、通過熱量18、通過熱量19が略ゼロとなる状態を維持できなくなり、測定結果に含まれる不確かさが増大してしまう。
本実施例では、入力補償型の示差走査熱量測定中にリアルタイムで測定している熱起電力V14と熱起電力V15と熱起電力V16が略ゼロとなり、かつ発熱量Q10と発熱量Q11の差が略ゼロとなる状態が維持されているかどうかを判断し、維持されていれば発熱量Q10と発熱量Q11を増大させるように、制御部111と制御部112が発熱体10と発熱体11に供給する電力を決定し、電源部116と電源部117が電力を供給する。これにより、熱量測定の不確かさが増大しない範囲において測定領域2と参照領域4の昇温速度を最大化し、最短の測定時間で示差走査熱量測定を完了することができる。これは本実施例において、第一の不確かさu、第二の不確かさu、第三の不確かさuを示差走査熱量測定中にリアルタイムで評価することが可能となったことによって実現される。
あるいは、第一の不確かさu、第二の不確かさu、第三の不確かさuから合成不確かさuを演算し、測定者によって事前に設定された測定の不確かさの許容値を合成不確かさuが超えない範囲において発熱量Q10と発熱量Q11を増大させるようにしても良い。
図3は、表示部107の画面400に、発熱量及び不確かさ表示領域310とグラフ表示領域320とを設け、それぞれにデータを表示した例を示している。
発熱量及び不確かさ表示領域310には、示差走査熱量測定によって得られた測定試料3の発熱量Q:311、第一の不確かさu:312、第二の不確かさu:313、第三の不確かさu:314を表示する。また、第一の不確かさu:312、第二の不確かさu:313、第三の不確かさu:314から求められる合成不確かさu:315を表示する。
また、グラフ表示領域320には、測定試料3の発熱量Q:321と温度322との関係を示すグラフとして、測定試料3の発熱量Qの時間変化を実線323で表示し、合成不確かさu:324の時間変化をグレー領域で示している。
このように、発熱量及び不確かさ表示領域310に各データを表示することで、測定試料3の発熱量と不確かさの瞬時値がわかり、また、グラフ表示領域320のように表示することにより、測定試料3の発熱量と不確かさの時系列の推移を確認することができる。
なお、図3においては、同じ画面300に発熱量及び不確かさ表示領域310とグラフ表示領域320とを設定した例を示したが、発熱量及び不確かさ表示領域310とグラフ表示領域320とをそれぞれ別の画面に表示するようにしてもよい。
図4には、上記に説明した第一乃至第三の不確かさの情報を用いて計測を行う場合の処理フローについて説明する。
まず、熱電変換部7で発生する起電力V14を測定部101で測定する(S401)。熱電変換部7で発生する起電力V14がゼロになるように、すなわち熱電変換部7の測定領域2の側の面と参照領域4の側の面の間の温度差がゼロになるように、補償用ヒータ5の出力(温度)を制御する(S402)。次に、演算部106において、この状態における測定部101で測定した起電力V14の情報を用いて第一の不確かさuを算出する(S403)。
この時同時に、測定部102において熱電変換部8で発生する起電力V15を測定して(S404)、この起電力V15がゼロになるように制御部109で電源部114から伝熱部12に印加する電力を制御して、熱電変換部8の外側(測定領域2と反対側)の温度を調整する(S405)。
また、参照領域4においても同様に、測定部103において熱電変換部9で発生する起電力V16を測定して(S406)、この起電力V16がゼロになるように制御部110で電源部115から伝熱部13に印加する電力を制御、熱電変換部9の外側(参照領域4と反対側)の温度を調整する(S407)。
この状態で、演算部106において、測定部102で測定した起電力V15の情報と測定部103で測定した起電力V16の情報とを用いて、第二の不確かさuを算出する(S408)。
次に、演算部106において、S403で求めた第一の不確かさuとS408で求めた第二の不確かさuとが両方とも予め設定した値よりも小さく、略ゼロと見做せるかをチェックする(S409)。
第一の不確かさuと第二の不確かさuとのうちの少なくとも一方が略ゼロと見做せないと判定した場合(S409でNoの場合)は、計測の初期状態が不安定であると判断して再度S401~S408までのステップを繰り返す。
一方、第一の不確かさuと第二の不確かさuとの何れもが略ゼロと見做せると判定した場合(S409でYesの場合)は、計測の初期状態が安定したと判断して熱量計測を開始して(S410)、予め設定した温度プログラム(例えば、測定領域2と参照領域4の昇温速度を設定するために、電源部116から発熱体10に印加する電力と電源部117から発熱体11に印加する電力とを制御するプログラム)に基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10の加熱を開始する(S411)とともに、制御部112で電源部117を制御して発熱体11の加熱を開始し(S412)、電源部116から電力を印加した発熱体10の発熱量と電源部117から電力を印加した発熱体11の発熱量から第三の不確かさu3を算出する(S413)。
次に、測定部101による熱電変換部7の起電力V14の測定(S414)と測定部102による熱電変換部8の起電力V15の測定(S417)と測定部103による熱電変換部9の起電力V16の測定(S419)とを同時に開始する。
S414で測定部101による熱電変換部7の起電力V14を測定した結果に基づいて熱電変換部7で発生する起電力V14がゼロになるように補償用ヒータ5の出力(温度)を制御し(S415)、演算部106において、この状態における測定部101で測定した起電力V14の情報を用いて第一の不確かさuを算出する(S416)。
また、S417で測定部102による熱電変換部8の起電力V15を測定した結果に基づいて、この起電力V15がゼロになるように制御部109で電源部114から伝熱部12に印加する電力を制御する(S418)。更に、S419で測定部103による熱電変換部9の起電力V16を測定した結果に基づいて起電力V16がゼロになるように制御部110で電源部115から伝熱部13に印加する電力を制御する(S420)。
この状態で、演算部106において、S417で測定部102において測定した起電力V15の情報とS419で測定部103において測定した起電力V16の情報とを用いて、第二の不確かさuを算出する(S421)。
次に、S416で算出した第一の不確かさuとS421で算出した第二の不確かさuと、S413で算出した第三の不確かさuとの情報を用いて、合成不確かさuを算出する(S422)。
次に、予め設定した温度プログラムによる温度の走査が終了したかをチェックし(S423)、温度の走査が未だ終了していない場合には(423でNoの場合)、S416で算出した第一の不確かさuと、S421で算出した第二の不確かさuと、S413で算出した第三の不確かさu3とが全て予め設定した基準値以下で、それらが全て略ゼロと見做せるかをチェックする(S425)。
第一の不確かさuと第二の不確かさuと第三の不確かさu3とが何れか一つでも略ゼロとは見做せない場合(S425でNoの場合)には、予め設定したプログラムに基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10に印加する電力を低減して発熱体10の発熱量を低減するとともに、制御部112で電源部117を制御して発熱体11に印加する電力を低減して発熱体11の加熱量を低減する(S427)。その後、S413に戻って、発熱体10と発熱体11の加熱量を低減した状態における第三の不確かさuを算出し、S414、S417、S419の各ステップに進む。
一方、S425において第一の不確かさuと第二の不確かさuと第三の不確かさu3とが全て略ゼロと見做せると判定した場合(S425でYesの場合)には、発熱体10と発熱体11の加熱量が予め設定した上限値に達していないかをチェックする(S426)。
チェックの結果、まだ上限値に達していないと判定した場合(S426でNoの場合)には、予め設定したプログラムに基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10に印加する電力と制御部112で電源部117を制御して発熱体11に印加する電力とをそれぞれ増加させて、発熱体10と発熱体11の加熱量を増加させる(S428)。その後、S413に戻って、発熱体10と発熱体11の加熱量を増加させた状態における第三の不確かさuを算出し、S414、S417、S419の各ステップに進む。
一方、S426において発熱体10と発熱体11の加熱量が予め設定した上限値に達していると判定した場合(S426でYesの場合)には、発熱体10と発熱体11の加熱量はそのままの状態でS413に戻って、この状態における第三の不確かさuを算出し、S414、S417、S419の各ステップに進む。
このような操作を繰り返すことにより予め設定した温度プログラムによる温度の走査が終了した場合には(S423でYesの場合)、熱量計測を終了する(S424)。
本実施例によれば、入力補償型示差走査熱量計において、熱量測定の不確かさが時系列的にどのように変化していくかを直接的に評価することが可能となる。さらに、評価された熱量測定の不確かさを制御する構造を有することで、熱量測定の精度を向上する手段を提供する。また、評価された熱量測定の不確かさを基準として発熱体の加熱条件などの測定条件を調整できるようにしたことで、入力補償型示差走査熱量測定の測定時間を短縮することが可能となる。
また、本実施例によれば、図1に示した入力補償型示差走査熱量計1を用いて図4に示したようなフローに沿って第一乃至第三の不確かさu~uを略ゼロに維持した状態で入力補償型示差走査熱量計測を実行することにより、測定領域2と参照領域4との熱バランスを保った状態で測定領域2に設置した測定試料3の温度上昇速度を速くすることができ、発熱体10及び11の加熱量を増加させない場合と比べて入力補償型示差走査熱量計測の時間を短縮できるようになるとともに、測定の精度を向上させることができる。
[変形例1]
図4を用いて説明した処理フローの第1の変形例として、第一乃至第三の不確かさを合成して求めた合成不確かさの情報を用いて入力補償型示差走査熱量計測を行う場合について、図5を用いて説明する。図5において、S501からS523までの処理は図4で説明したS401からS423までの処理と同じであるので、説明を省略する。
S525において、S522で算出した合成不確かさuが予め設定した基準値よりも小さくて略ゼロと見做せるかを判定する(S525)。
S525における判定の結果、合成不確かさuが予め設定した値よりも大きく、略ゼロと見做せないと判定した場合(S525でNoの場合)には、予め設定したプログラムに基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10に印加する電力を低減して発熱体10の発熱量を低減するとともに、制御部112で電源部117を制御して発熱体11に印加する電力を低減して発熱体11の加熱量を低減する(S527)。その後、S513に戻って、発熱体10と発熱体11の加熱量を低減した状態における第三の不確かさuを算出し、S514、S517、S519の各ステップに進む。
一方、S525において合成不確かさuが予め設定した値よりも小さく、略ゼロと見做せると判定した場合(S525でYesの場合)には、発熱体10と発熱体11の加熱量が予め設定した上限値に達していないかをチェックする(S526)。
チェックの結果、まだ上限値に達していないと判定した場合(S526でNoの場合)には、予め設定したプログラムに基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10に印加する電力と制御部112で電源部117を制御して発熱体11に印加する電力とをそれぞれ増加させて、発熱体10と発熱体11の加熱量を増加させる(S528)。その後、S513に戻って、発熱体10と発熱体11の加熱量を増加させた状態における第三の不確かさuを算出し、S514、S517、S519の各ステップに進む。
一方、S526において発熱体10と発熱体11の加熱量が予め設定した上限値に達していると判定した場合(S526でYesの場合)には、発熱体10と発熱体11の加熱量はそのままの状態でS513に戻って、この状態における第三の不確かさuを算出し、S514、S517、S519の各ステップに進む。
このような操作を繰り返すことにより予め設定した温度プログラムによる温度の走査が終了した場合には(S523でYesの場合)、熱量計測を終了する(S524)。
本変形例1によれば、実施例1で述べた効果に加えて、第一乃至第三の不確かさu~uから求めた合成不確かさuを略ゼロに維持した状態で入力補償型示差走査熱量計測を実行することにより、測定領域2と参照領域4との熱バランスを保った状態で測定領域2に設置した測定試料3の温度上昇速度を速くすることができ、発熱体10及び11の加熱量を増加させない場合と比べて示差走査熱量計測の時間を短縮できるようになるとともに、測定の精度をより向上させることができる。
[変形例2]
図4を用いて説明した処理フローの第2の変形例として、第一乃至第三の不確かさu~uに替えて起電力V14~V16の情報を用いて入力補償型示差走査熱量計測を行う場合について、図6を用いて説明する。図6において、S601からS608までの処理は図4で説明したS401からS408までの処理と同じであるので、説明を省略する。
S609において、測定部101で測定した熱電変換部7の起電力V14、測定部102で測定した熱電変換部8の起電力V15、測定部103で測定した熱電変換部9の起電力V16が、何れも予め設定した値よりも小さくて略ゼロと見做せるかを判定する。
起電力V14~V16のうちのいずれか一つでも略ゼロと見做せないと判定した場合(S609でNoの場合)は、S601、S604、S606に戻って、それぞれの個所における起電力の測定を継続する。
一方、起電力V14~V16の全てが略ゼロと見做せると判定した場合(S609でYesの場合)は、S610に進んで熱量計測を開始するが、S610からS623までのステップは、実施例1の図4において説明したS410からS423までのステップと同じであるので、説明を省略する。
S623において、予め設定した温度プログラムによる温度の走査が未だ終了していない場合には(423でNoの場合)、S614で測定した熱電変換部7の起電力V14、S617で測定した熱電変換部8の起電力V15、S619で測定した熱電変換部9の起電力V16、及び電源部116から発熱体10に印加する電力から求められる発熱体10の発熱量Q10と電源部117から発熱体11に印加する電力から求められる発熱体11の発熱量Q11の差が何れも予め設定した値よりも小さくて略ゼロと見做せるかを判定する(S625)。
S625における判定の結果、何れか一つでも略ゼロであるとは見做せない場合(S625でNoの場合)には、予め設定したプログラムに基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10に印加する電力を低減して発熱体10の発熱量を低減するとともに、制御部112で電源部117を制御して発熱体11に印加する電力を低減して発熱体11の加熱量を低減する(S627)。その後、S613に戻って、発熱体10と発熱体11の加熱量を低減した状態における第三の不確かさuを算出し、S614、S617、S619の各ステップに進む。
一方、S625において全てが略ゼロと見做せると判定した場合(S625でYesの場合)には、発熱体10と発熱体11の加熱量が予め設定した上限値に達していないかをチェックする(S626)。
チェックの結果、まだ上限値に達していないと判定した場合(S626でNoの場合)には、予め設定したプログラムに基づいて制御部111で電源部116を制御して発熱体10に印加する電力と制御部112で電源部117を制御して発熱体11に印加する電力とをそれぞれ増加させて、発熱体10と発熱体11の加熱量を増加させる(S628)。その後、S613に戻って、発熱体10と発熱体11の加熱量を増加させた状態における第三の不確かさuを算出し、S614、S617、S619の各ステップに進む。
一方、S626において発熱体10と発熱体11の加熱量が予め設定した上限値に達していると判定した場合(S626でYesの場合)には、発熱体10と発熱体11の加熱量はそのままの状態でS613に戻って、この状態における第三の不確かさuを算出し、S614、S617、S619の各ステップに進む。
このような操作を繰り返すことにより予め設定した温度プログラムによる温度の走査が終了した場合には(S623でYesの場合)、熱量計測を終了する(S624)。
本変形例2によれば、実施例1で述べた効果に加えて、起電力V14~V16の情報を用いて示差走査熱量計測を行うので、第一乃至第三の不確かさu~uを求めて入力補償型示差走査熱量計測を行う場合と比べて比較的簡単な構成(ソフトウェア)で測定領域2と参照領域4との熱バランスを保った状態で測定領域2に設置した測定試料3の温度上昇速度を速くすることができ、発熱体10及び11の加熱量を増加させない場合と比べて入力補償型示差走査熱量計測の時間を短縮できるようになるとともに、測定の精度を向上させることができる。
本発明の第2の実施例として、熱流束型示差走査熱量計測に摘要した例を、図7を用いて説明する。
図7は実施例2における熱流束型示差走査熱量計70の構造を示す概要図である。実施例1において図1を用いて説明した構成と同じものには同じ番号を付してある。それらの構成の特徴や動作については、実施例1で説明した入力補償型示差走査熱量計1の場合と同様である。
本実施例における熱流束型示差走査熱量計70の構成は、実施例1の図1に示した入力補償型示差走査熱量計1の構成における参照領域4の補償用ヒータ5が基準試料6に置き換わり、図1の制御部108と電源部113が不要となる。演算部1061は、熱起電力V24から熱電変換部7の通過熱量217を演算することで、測定試料3の発熱量を測定する。
図7に示した構成において、熱電変換部8は、測定領域2を囲む壁面のうち熱電変換部7で構成される壁面以外の壁面を構成し、その外側に配置された伝熱部12との間の通過熱量218に応じて熱起電力V25を生じる。測定部102は熱電変換部8の熱起電力V25を測定する。事前に校正することによって、熱電変換部8における熱起電力V25と通過熱量218の関係を取得しておく。
熱電変換部9は、参照領域4を囲む壁面のうち熱電変換部7で構成される壁面以外の壁面を構成し、その外側に配置された伝熱部13との間の通過熱量219に応じて熱起電力V26を生じる。測定部103は熱電変換部9の熱起電力V26を測定する。事前に校正することによって、熱電変換部9における熱起電力V26と通過熱量219の関係を取得しておく。
演算部1061は、熱起電力V24から熱電変換部7の通過熱量217を演算し、熱起電力V25から熱電変換部8の通過熱量218を演算し、熱起電力V26から熱電変換部9の通過熱量219を演算する。熱電変換部7、熱電変換部8、熱電変換部9は、温度依存性を考慮して事前の校正を行うとより高精度な通過熱量の演算が可能となる。
本実施例においては、測定部101で測定される熱電変換部7の熱起電力V24から演算される通過熱量217は測定試料3の発熱量に相当するため、第一の不確かさuに相当する不確かさは評価しない。また、実施例1における第二の不確かさuと同様に、残留した通過熱量218と通過熱量219の不確かさを第二の不確かさu22とする。さらに、実施例1における第三の不確かさuと同様に、残留した発熱量Q10と発熱量Q11の差の不確かさを第三の不確かさu23とする。
また、実施例1の場合と同様に、第二の不確かさu22、第三の不確かさu23から一般的な不確かさ評価手法によって、実施例1における合成不確かさuに相当する合成不確かさu24を求める。
本実施例においては、上記したような第二の不確かさu22、第三の不確かさu23、合成不確かさu24を用いて実施例1において図4を用いて説明したような処理フロー、又はその変形例として図5又は図6を用いて説明したような処理フローに沿って測定試料3の発熱量を測定することで、熱流束型示差走査熱量計測を行う。
本実施例においても、実施例1の場合と同様に、熱流束型示差走査熱量計70を用いた熱流束型示差走査熱量計測おいて、熱量測定の不確かさが時系列的にどのように変化していくかを直接的に評価することが可能となる。さらに、評価された熱量測定の不確かさを制御する構造を有することで、熱量測定の精度を向上する手段を提供する。また、評価された熱量測定の不確かさを基準として測定条件を定めることで、示差走査熱量測定の測定時間を短縮することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 入力補償型示差走査熱量計
2 測定領域
3 測定試料
4 参照領域
5 補償用ヒータ
6 基準試料
7、8、9 熱電変換部
10、11 発熱体
12、13 伝熱部
80 熱流束型示差走査熱量計
101、102、103、104、105 測定部
106、1061 演算部
107 表示部
108、109、110、111、112 制御部
113、114、115、116、117 電源部

Claims (15)

  1. 熱電変換部と、
    前記熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成する測定領域部と、
    前記熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで補償用ヒータと第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部と、
    前記第一の発熱体に電力を印加して加熱する第一の加熱部と、
    前記第二の発熱体に電力を印加して加熱する第二の加熱部と、
    前記測定領域と前記参照領域との温度差により前記熱電変換部で発生する熱起電力に基づいて前記補償用ヒータに電力を印加して加熱する第三の加熱部と、
    前記第一の加熱部で前記第一の発熱体に印加する電力と前記第二の加熱部で前記第二の発熱体に印加する電力とを演算して求めるとともに、前記熱電変換部で発生する熱起電力がゼロとなるように前記第三の加熱部から前記補償用ヒータに印可する電力の情報を用いて前記測定試料の発熱量を演算して求める演算部と
    を備えたことを特徴とする熱量計。
  2. 請求項1記載の熱量計であって、
    前記測定領域部の前記第一の壁面は、前記第一の発熱体を前記第一の加熱部で加熱したときに、前記第一の壁面を通って前記測定領域から外部に熱が流出するのを防止する第一の熱流出防止手段で構成され、
    前記参照領域部の前記第二の壁面は、前記第二の発熱体を前記第二の加熱部で加熱したときに、前記第二の壁面を通って前記参照領域から外部に熱が流出するのを防止する第二の熱流出防止手段で構成されていることを特徴とする熱量計。
  3. 請求項2記載の熱量計であって、
    前記第一の熱流出防止手段は前記測定領域を囲む前記第一の壁面を形成する測定領域熱電変換部と、前記測定領域熱電変換部の外側で電力を供給することにより前記測定領域熱電変換部を加熱する測定領域側伝熱部とを備え、前記第二の熱流出防止手段は前記参照領域を囲む前記第二の壁面を形成する参照領域熱電変換部と、前記参照領域熱電変換部の外側で電力を供給することにより前記参照領域熱電変換部を加熱する参照領域側伝熱部とを備えていることを特徴とする熱量計。
  4. 請求項3記載の熱量計であって、
    前記演算部は、前記第一の加熱部で前記第一の発熱体に印加する電力と前記第二の加熱部で前記第二の発熱体に印加する電力とを、前記測定領域熱電変換部で発生する熱起電力の情報及び前記参照領域熱電変換部で発生する熱起電力の情報と、前記熱電変換部で発生する熱起電力の情報とを用いて求めることを特徴とする熱量計。
  5. 請求項4記載の熱量計であって、
    前記演算部は、前記熱電変換部で発生する前記熱起電力から算出される前記熱電変換部の通過熱量に起因する第一の不確かさと、前記測定領域熱電変換部で発生する前記熱起電力から算出される前記測定領域熱電変換部の通過熱量の情報と前記参照領域熱電変換部で発生する前記熱起電力から算出される前記参照領域熱電変換部の通過熱量に起因する第二の不確かさと、前記第一の発熱体の発熱量と前記第二の発熱体の発熱量の差に起因する第三の不確かさの情報とを求め、前記求めた前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを用いて、又は前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを合成して求めた合成不確かさの情報を用いて前記第一の発熱体と前記第二の発熱体に印加する電力量を演算して求めることを特徴とする熱量計。
  6. 熱電変換部と、
    前記熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成すると測定領域部と、
    前記熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで基準試料と第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部と、
    前記第一の発熱体に電力を印加して加熱する第一の加熱部と、
    前記第二の発熱体に電力を印加して加熱する第二の加熱部と、
    前記第一の加熱部で前記第一の発熱体に電力を印加し前記第二の加熱部で前記第二の発熱体に電力を印加しているときに前記熱電変換部で発生する熱起電力に基づいて前記測定試料の発熱量を演算して求める演算部と
    を備えたことを特徴とする熱量計。
  7. 請求項6記載の熱量計であって、
    前記測定領域部の前記第一の壁面は、前記測定領域を囲む壁面を形成する測定領域熱電変換部と、前記測定領域熱電変換部の外側にあって前記第一の発熱体を前記第一の加熱部で加熱したときに電力を供給することにより前記測定領域熱電変換部を加熱して前記第一の壁面を通って前記測定領域から外部に熱が流出するのを防止する第一の熱流出防止手段を備え、前記参照領域部の前記第二の壁面は、前記参照領域を囲む壁面を形成する参照領域熱電変換部と、前記参照領域熱電変換部の外側にあって前記第二の発熱体を前記第二の加熱部で加熱したときに電力を供給することにより前記参照領域熱電変換部を加熱して前記第二の壁面を通って前記参照領域から外部に熱が流出するのを防止する第二の熱流出防止手段を備えていることを特徴とする熱量計。
  8. 請求項7記載の熱量計であって、
    前記演算部は、前記熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記熱電変換部の通過熱量に起因する第一の不確かさと、前記測定領域熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記測定領域熱電変換部の通過熱量の情報と前記参照領域熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記参照領域熱電変換部の通過熱量に起因する第二の不確かさと、前記第一の発熱体の発熱量と前記第二の発熱体の発熱量の差に起因する第三の不確かさの情報とを求め、前記求めた前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを用いて、又は前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを合成して求めた合成不確かさの情報を用いて前記第一の発熱体と前記第二の発熱体に印加する電力量を演算して求めることを特徴とする熱量計。
  9. 熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成した測定領域部と、前記熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで補償用ヒータと第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部とを備えた熱量計を用いて前記測定試料の発熱量を計測する方法であって、
    前記第一の発熱体に第一の加熱部から電力を印加して前記第一の発熱体を加熱し、
    前記第二の発熱体に第二の加熱部から電力を印加して前記第二の発熱体を加熱し、
    前記第一の発熱体と前記第二の発熱体とが前記加熱されている状態で前記測定領域と前記参照領域との温度差により前記熱電変換部で発生する熱起電力がゼロとなるように第三の加熱部から前記補償用ヒータに電力を印可するとともに、前記補償用ヒータに印可する前記電力の情報を用いて演算部で前記測定試料の発熱量を求めることを特徴とする熱量計測方法。
  10. 請求項9記載の熱量計測方法であって、
    前記第一の発熱体を前記第一の加熱部で加熱したときに、前記測定領域部の前記第一の壁面を通って前記測定領域から外部に熱が流出するのを第一の熱流出防止手段で防止し、前記第二の発熱体を前記第二の加熱部で加熱したときに、前記参照領域部の前記第二の壁面を通って前記参照領域から外部に熱が流出するのを第二の熱流出防止手段で防止しながら前記発熱量を求めることを特徴とする熱量計測方法。
  11. 請求項10記載の熱量計測方法であって、
    前記第一の熱流出防止手段は前記測定領域を囲む壁面を形成する測定領域熱電変換部と前記測定領域熱電変換部の外側で電力を供給することにより前記測定領域熱電変換部を加熱する測定領域側伝熱部とを備えて前記測定領域熱電変換部の熱起電力がゼロとなるように前記測定領域側伝熱部に供給する電力を制御し、前記第二の熱流出防止手段は前記参照領域を囲む壁面を形成する参照領域熱電変換部と前記参照領域熱電変換部の外側で電力を供給することにより前記参照領域熱電変換部を加熱する参照領域側伝熱部とを備えて前記参照領域熱電変換部の熱起電力がゼロとなるように前記参照領域側伝熱部に供給する電力を制御しながら前記発熱量を求めることを特徴とする熱量計測方法。
  12. 請求項11記載の熱量計測方法であって、
    前記演算部は、前記熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記熱電変換部の通過熱量に起因する第一の不確かさと、前記測定領域熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記測定領域熱電変換部の通過熱量の情報と前記参照領域熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記参照領域熱電変換部の通過熱量に起因する第二の不確かさと、前記第一の発熱体の発熱量と前記第二の発熱体の発熱量の差に起因する第三の不確かさの情報とを求め、前記求めた前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを用いて、又は前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを合成して求めた合成不確かさの情報を用いて前記第一の発熱体と前記第二の発熱体に印加する電力量を演算して求めることを特徴とする熱量計測方法。
  13. 熱電変換部の一方の面を第一の壁面で囲んで測定試料と第一の発熱体を収納する測定領域を内部に形成した測定領域部と、前記熱電変換部の前記一方の面の反対側の面を第二の壁面で囲んで基準試料と第二の発熱体とを収納する参照領域を内部に形成する参照領域部とを備えた熱量計を用いて前記測定試料の発熱量を計測する方法であって、
    前記第一の発熱体に第一の加熱部から電力を印加して前記第一の発熱体を加熱し、
    前記第二の発熱体に第二の加熱部から電力を印加して前記第二の発熱体を加熱し、
    前記第一の発熱体と前記第二の発熱体とが前記加熱されている状態で前記測定領域と前記参照領域との温度差により前記熱電変換部で発生する熱起電力の情報を用いて演算部で前記測定試料の発熱量を求めることを特徴とする熱量計測方法。
  14. 請求項13記載の熱量計測方法であって、
    前記第一の壁面は前記測定領域を囲む壁面を形成する測定領域熱電変換部と、前記測定領域熱電変換部の外側で電力を供給することにより前記測定領域熱電変換部を加熱する測定領域側伝熱部とを備え、
    前記第二の壁面は前記参照領域を囲む壁面を形成する参照領域熱電変換部と、前記参照領域熱電変換部の外側で電力を供給することにより前記参照領域熱電変換部を加熱する参照領域側伝熱部とを備え、
    前記測定領域熱電変換部の熱起電力がゼロとなるように前記測定領域側伝熱部に供給する電力を制御するとともに、前記参照領域熱電変換部の熱起電力がゼロとなるように前記参照領域側伝熱部に供給する電力を制御しながら前記発熱量を求めることを特徴とする熱量計測方法。
  15. 請求項14記載の熱量計測方法であって、
    前記演算部は、前記熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記熱電変換部の通過熱量に起因する第一の不確かさと、前記測定領域熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記測定領域熱電変換部の通過熱量の情報と前記参照領域熱電変換部で発生する熱起電力から算出される前記参照領域熱電変換部の通過熱量に起因する第二の不確かさと、前記第一の発熱体の発熱量と前記第二の発熱体の発熱量の差に起因する第三の不確かさの情報とを求め、前記求めた前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを用いて、又は前記第一の不確かさと前記第二の不確かさと前記第三の不確かさの情報とを合成して求めた合成不確かさの情報を用いて前記第一の発熱体と前記第二の発熱体に印加する電力量を演算して求めることを特徴とする熱量計測方法。
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