JP2024006485A - エネルギー管理システム - Google Patents

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剛史 秋葉
Takashi Akiba
慎悟 田丸
Shingo Tamaru
史之 山根
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Abstract

【課題】所望の環境負荷度を満足した水素利用を実現可能な計画装置を提供する。【解決手段】電力供給を受けて製造された燃料物質の供給に係る環境負荷度を管理するエネルギー管理システムであって、計画装置10は、再生エネルギーの価値を取引する市場、電力市場及び相対取引などにより調達された電力量(単位時間平均電力)及び再生エネルギーの価値を取引する市場、電力市場及び相対取引などにより調達された電力量に由来する環境負荷度(たとえばCO2排出量)を取得する再エネ情報受信部110と、電力量情報及び排出情報に基づいて、燃料物質の供給に係る環境負荷度の目標値を満足した燃料物質の供給を受けるために電力供給の供給量を算出する演算部114と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、例えば水素などの燃料物質の供給計画を生成するエネルギー管理システムに関する。
クリーンエネルギーは、二酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)など、大気汚染や地球温暖化の原因となる物質を排出しない、あるいは排出が少ないエネルギーである。新たなクリーンエネルギーとして水素エネルギーが注目されつつある。水素は、電力と水を利用して水素製造装置によって生成される。生成された水素は、例えばバッファタンクのような水素貯蔵供給装置により、タンクローリーやパイプラインなどの水素輸送装置に充填・送出されて輸送される。輸送された水素は、需要地にて水素供給装置により供給された水素から、水素発電装置によって電力と熱が生成される。
エネルギーがクリーンであることを示す指標として、一般的にはCO排出量が用いられる。
電力のCO排出量は、電力が自然エネルギー由来の再エネ発電設備で発電されたものなのか、あるいは火力発電所で発電されたものなのか等によって異なる。すなわち、水素を製造するにあたって利用する電力も、電力がどのように生み出されたのかによってCO排出量が影響を受けることになる。
水素利用者の立場では、水素が水素供給装置によって供給される場合だけでなく、外国から輸入された輸入水素を利用する場合もある。この場合、当該輸入水素が現地で製造された際の電力や輸送に基づきCO排出量が紐づけられる。したがって、最終的な水素利用者が求めるCO排出量を満足させるには、複雑な検討が必要である。
特開2011-164700 特開2011-164900
このように、従来のエネルギー管理システムでは、所望のCO排出量を満足させた水素利用を検討することが困難であるという問題がある。実施形態のエネルギー管理システムは、かかる課題を解決するためになされたもので、所望の環境負荷度を満足した水素利用を実現可能なエネルギー管理システムを提供することを目的とする。
実施形態のエネルギー管理システムは、電力供給を受けて製造された燃料物質の供給に係る環境負荷度を管理するエネルギー管理システムである。このエネルギー管理システムは、電力供給を受けた電力量を示す電力量情報及び該電力量情報に対応し電力供給に由来する環境負荷度を示す排出情報を取得する受信部と、電力量情報及び排出情報に基づいて、燃料物質の供給に係る環境負荷度の目標値を満足した燃料物質の供給を受けるために電力供給の供給量を算出する演算部とを備える。
実施形態のエネルギー管理システム全体の構成を示す図である。 実施形態のエネルギー管理システムにおける計画装置の機能構成を示すブロック図である。 実施形態の計画装置において計画作成に用いる変数の関係を示す図である。 実施形態の計画装置において計画作成に用いる変数の関係を示す図である。 実施形態の計画装置の動作を示すフローチャートである。 実施形態の計画装置の動作を説明する図である。
以下に説明する実施形態は、電力供給や水素製造などシステム内の各要素間及びシステム内の各要素と外部の要素間における電力(電力量)や水素(供給量)それぞれの授受毎に、CO排出量などの環境負荷度(排出情報)を紐づけている。これにより、これら各要素間を移動する物量の算出と併せて環境負荷度の算出を可能としている。すなわち、物量と環境負荷度の両者を総合した最適化を可能にするものである。
(実施形態の構成)
図1に示すように、実施形態の計画装置10は、水素製造装置20、水素貯蔵供給装置30、水素輸送装置40、電力系統60、再エネ発電装置70、及び蓄電池装置80と相互接続されたエネルギー管理システム1の構成要素である。さらに水素供給装置50と接続されてもよい。この実施形態では、環境に負荷を与える物質としてCOを例に説明するが、これには限定されない。例えば、NOxなどにも適用することができる。また以下の説明において、クリーンエネルギーを示す指標として、CO排出量やNOx排出量などを総称して環境負荷度と称する。
計画装置10は、水素製造装置20、水素貯蔵供給装置30、水素輸送装置40、電力系統60、再エネ発電装置70及び蓄電池装置80から取得したパラメータに基づいて、水素製造装置20への電力供給量や、電力の供給元及び供給量、CO排出量などの最適化を図る水素供給計画などを作成する。
水素製造装置20は、電力を用いて燃料物質としての水素を製造する要素である。水素製造装置20は、電力系統60、再エネ発電装置70及び蓄電池装置80のいずれか一以上から供給された電力を利用して水素を製造する。水素製造装置20は、供給を受けた単位時間平均電力や製造した単位時間水素量、排出した単位時間積算CO排出量などの情報を計画装置10に提供する。水素製造装置20は、計画装置10が作成した計画に基づいて水素を製造する。排出した単位時間積算CO排出量は、予め机上計算により算出された値を提供してもよい。
なお、燃料物質は水素に限定されない。例えば、アンモニア、メタン、メタノール、ナフサ、ガソリン、灯油、ジェット燃料(SAF)、軽油、重油、エタノール、エチレン、LPG、一酸化炭素などでも構わない。アンモニアは、水素製造後や水素貯蔵後や水素輸送後に水素をアンモニアに変換したものでも良いし、水素製造装置の代わりに電力から直接アンモニアを製造する装置を用いて製造したアンモニアでもよい。
水素とCOから製造される物質、例えば、メタネーションにより製造されるメタン、メタノール合成により製造されるメタノール、FIT合成反応により製造されるナフサ、ガソリン、灯油、ジェット燃料(SAF)、軽油、重油などについての環境負荷度は、(1)製造時の原料であるCOのCO量を水素のCO排出量に加算し、対象物質のCO排出量とする、(2)製造時の原料であるCOのCO量の半分を水素のCO排出量に加算し、対象物質のCO排出量とする、(3)製造時の原料であるCOのCO量をゼロとし、水素のCO排出量だけを対象物質のCO排出量とする、のいずれかにより、この対象物質の環境負荷度を管理しても良い。
水素貯蔵供給装置30は、水素を貯蔵し気体水素から液体水素あるいは気体水素から圧縮水素への変換や供給をする要素である。水素貯蔵供給装置30は、水素製造装置20が製造した水素や輸入した輸入水素を貯蔵するとともに、水素輸送装置40を介して水素を水素需要家に供給する。水素貯蔵供給装置30は、貯蔵水素量や水素輸送装置40への供給量、貯蔵水素のCO排出量などの情報を計画装置10に提供する。CO排出量は、予め机上計算により算出された値を提供してもよいし、水素輸出元などから取得した値を提供してもよい。水素貯蔵供給装置30は、計画装置10が作成した水素貯蔵供給計画に基づいて水素を貯蔵し水素需要家50に水素を供給する。
水素輸送装置40は、水素貯蔵供給装置30に貯めおかれた水素を輸送する機能をもつ要素である。水素輸送装置40は、例えば、タンクローリーなどの輸送用車両や貨物船舶、鉄道、パイプラインなどである。水素輸送装置40は、水素輸送装置40における貯蔵水素量や輸送量、貯蔵水素などのCO排出量などの情報を計画装置10に提供する。CO排出量は、予め机上計算により算出された値を提供してもよいし、水素貯蔵元などから取得した値を提供してもよい。
水素供給装置50は、水素輸送装置40を介して提供された水素を水素需要家に供給する要素である。水素供給装置50は、例えば、水素ステーションのように水素ユーザへ直接水素を供給する。
電力系統60は、電力市場や電力相対契約先や自己託送元などから電力を調達するための要素である。電力系統60として、火力発電装置や原子力発電装置、再生エネルギー発電装置、これらの装置の複数の組み合わせを含んでもよい。この場合、例えば複数の再生エネルギー発電装置の組み合わせであってもよい。また、電力系統60は、装置単体ではなく複数の装置を有する電力事業者であっても構わない。電力系統60は、一般に電力を販売するが、他の電力事業者などから電力を購入する立場を持っていてもよい。電力系統60は、供給する電力の単位時間平均電力や、単位時間積算CO排出量などの情報を計画装置10に提供する。
再生エネルギー発電装置(再エネ発電装置)70は、例えば風力発電や太陽光発電などのように電力系統60よりも環境負荷を低く抑えて電力を供給する要素である。再エネ発電装置70は、一般に電力需要家に対して電力を販売するが、電力系統60に対して電力を販売する立場を持っていてもよい。しかし、再エネ発電装置70は、一般に電力を購入する立場を持っていない。再エネ発電装置70は、供給した単位時間平均電力や単位時間積算CO排出量などの情報を計画装置10に提供する。
蓄電池装置80は、水素製造装置20に供給される電力を補助する要素である。蓄電池装置80は、電力系統60や再エネ発電装置70から電力の供給を受けて充電することができる。蓄電池80は、電力系統60や再エネ発電装置70に対して電力を販売する立場を持ってもよい。蓄電池装置80は、単位時間平均電力や単位時間積算CO排出量などの情報を計画装置10に提供する。蓄電池装置80は、補助装置であるから必須ではなく、省略してもよい。
図2を参照して、実施形態の計画装置10の構成を説明する。計画装置10は、CPUやメモリなどからなるコンピュータにより実現することができる。図2に示すように、実施形態の計画装置10は、製造情報受信部102、貯蔵情報受信部104、輸送情報受信部106、系統情報受信部108、再生エネルギー発電情報(再エネ情報)受信部110、電池情報受信部112、演算部114、出力部116、及び記憶部118を備えている。
製造情報受信部102は、水素製造装置20から情報を受け取るインタフェースである。製造情報受信部102は、例えば、水素製造装置20における貯蔵やロスなどの単位時間水素量や、対応する単位時間積算CO排出量などを受信して記憶部118に記憶させる。
貯蔵情報受信部104は、水素貯蔵供給装置30から情報を受け取るインタフェースである。貯蔵情報受信部104は、水素貯蔵供給装置30の貯蔵水素量や水素輸送装置40への供給量、貯蔵水素のCO排出量などを受信して記憶部118に記憶させる。
輸送情報受信部106は、水素輸送装置40から情報を受け取るインタフェースである。輸送情報受信部106は、水素輸送装置40の貯蔵水素量や輸送量、貯蔵水素などのCO排出量などを受信して記憶部118に記憶させる。
系統情報受信部108は、電力系統60から情報を受け取るインタフェースである。系統情報受信部108は、電力系統60の供給電力の単位時間平均電力や、単位時間積算CO排出量などを受信して記憶部118に記憶させる。
再エネ情報受信部110は、再エネ発電装置70から情報を受け取るインタフェースである。再エネ情報受信部110は、再エネ発電装置70が供給した単位時間平均電力や単位時間積算CO排出量などを受信して記憶部118に記憶させる。
再エネ情報受信部110は、再エネ発電装置70から直接情報を受信する形態には限定されない。例えば、再生エネルギーの価値を取引する市場と、電力市場や相対取引の電力との組み合わせであってもよい。この場合、再生エネルギーに由来する電力量を間接的に調達していることになる。すなわち、再エネ情報受信部110は、再生エネルギーの価値を取引する市場、電力市場及び相対取引などにより調達された電力量(単位時間平均電力)を受信する。同様に、再エネ情報受信部110は、再生エネルギーの価値を取引する市場、電力市場及び相対取引などにより調達された電力量に由来する環境負荷度(たとえばCO排出量)を受信する。
再生エネルギーの価値を取引する市場は、たとえば、再生エネルギー価値取引市場や非化石価値取引市場などが例示される。また、市場以外に、Jクレジット制度や非化石証書、グリーン電力証書といった証書による、電力量とそれに対応するCO排出量またはCO削減量またはCO吸収量とが紐づけられた情報などが、調達された電力量及びそれに由来する環境負荷度として用いることができる。
電池情報受信部112は、蓄電池装置80から情報を受け取るインタフェースである。電池情報受信部112は、蓄電池装置80は、単位時間平均電力や単位時間積算CO排出量などを受信して記憶部118に記憶させる。
演算部114は、水素供給(利用)に係る計画を作成する演算装置である。演算部114は、水素製造装置20、水素貯蔵供給装置30、水素輸送装置40、電力系統60、再エネ発電装置70、蓄電池装置80などから送られる情報を利用して、数理最適化などの手法により水素利用に関する計画を作成する。最適化の方法としては、非線形計画法やメタヒューリスティックな方法(遺伝的アルゴリズムなど)が例示される。演算部114は、電力調達元それぞれの調達実績値及び電力需要先それぞれの消費又は貯蔵実績値に基づいて、電力調達元と電力需要先との相互の電力流通量を推定してもよい。また、演算部114は、電力流通量の推定結果に基づいて、環境負荷度の初期値を設定してもよい。
出力部116は、演算部114が算出した最適解をユーザに提供するインタフェースである。出力部116は、ディスプレイ装置を含んでもよく、グラフや図表などの形でユーザに最適解演算の結果を提供することができる。出力部116は、算出した最適解に基づいて、水素製造装置20、水素貯蔵供給装置30、水素輸送装置40、電力系統60、再エネ発電装置70、蓄電池装置80などへの制御信号を生成し、各々の装置に送信してもよい。
記憶部118は、製造情報受信部など各受信部が受信した情報を記憶し、演算部114の演算結果を記憶する。記憶部118は、一般的な記憶媒体の形態でもよいし、データベースの構造を有してもよい。記憶部118は、例えば不揮発性メモリやハードディスク、メモリディスクなどにより実現される。
(電力供給に係る計画立案のパラメータ)
実施形態の計画装置10では、図3に示すように、発電装置と消費装置の入出力の組み合わせ毎に個別の変数を設定する。かかる組み合わせの変数を使って各装置の入出力変数を定義し、この変数を使って数理最適化などを行うことで、発電個所と電力消費個所の電力経路履歴を取得したり、水素利用に係る電力供給、CO排出量の最適化などを実現することが可能になる。すなわち、計画の立案が可能になる。以下、図3に例示される変数について説明する。
(電力系統60から供給される電力)
GR_PCHS(t):電力系統60からの単位時間平均電力[kW]
GR2BAT(t):電力系統60から蓄電池装置80への単位時間平均電力[kW]
GR2EC(t):電力系統60系統から水素製造装置20への単位時間平均電力[kW]
電力系統60から供給される単位時間平均電力xGR_PCHS(t)は、電力系統60から蓄電池装置80への単位時間平均電力xGR2BAT(t)と電力系統60から水素製造装置20への単位時間平均電力の和で表される。すなわち、数式(1)が成立する。

GR_PCHS(t)=xGR2EC(t)+xGR2BAT(t) ・・(1)
(電力系統60に販売された電力)
GR_SELL(t):電力系統60への単位時間平均電力[kW]
PV2GR(t):再エネ発電装置70から電力系統60への単位時間平均電力[kW]
BAT2GR(t):蓄電池装置80から電力系統60への単位時間平均電力[kW]
電力系統60へ供給される単位時間平均電力xGR_SELL(t)は、再エネ発電装置70から電力系統60への単位時間平均電力と蓄電池装置80から電力系統60への単位時間平均電力の和で表される。すなわち、数式(2)が成立する。

GR_SELL(t)=xPV2GR(t)+xBAT2GR(t) ・・(2)
(蓄電池装置80から供給される電力)
BAT_DG(t):蓄電池装置80からの単位時間平均電力[kW]
BAT2EC(t):蓄電池装置80から水素製造装置20への単位時間平均電力[kW]
蓄電池装置80からの単位時間平均電力xBAT_DG(t)は、蓄電池装置80から水素製造装置20への単位時間平均電力と蓄電池装置80から電力系統60への単位時間平均電力の和で表される。すなわち、数式(3)が成立する。

BAT_DG(t)=xBAT2EC(t)+xBAT2GR(t) ・・(3)
(蓄電池装置80へ供給される電力)
BAT_CG(t):蓄電池装置80への単位時間平均電力[kW]
PV2BAT(t):再エネ発電装置70から蓄電池装置80への単位時間平均電力[kW]
蓄電池装置80への単位時間平均電力xBAT_CG(t)は、再エネ発電装置70から蓄電池装置80への単位時間平均電力と電力系統60から蓄電池装置80への単位時間平均電力の和で表される。すなわち、数式(4)が成立する。

BAT_CG(t)=xPV2BAT(t)+xGR2BAT(t) ・・(4)
(再エネ発電装置70が供給する電力)
ηPV(t):再エネ発電装置70からの単位時間平均電力の設定値または予測値[kW]
PV(t):再エネ発電装置70からの単位時間平均電力[kW]
PV2EC(t):再エネ発電装置70から水素製造装置20への単位時間平均電力[kW]
再エネ発電装置70からの単位時間平均電力xPV(t)は、再エネ発電装置70から蓄電池装置80への単位時間平均電力と、再エネ発電装置70から水素製造装置20への単位時間平均電力と、再エネ発電装置70から電力系統60への単位時間平均電力の和で表される。すなわち、数式(5)、(6)が成立する。

PV(t)≦ηPV(t)・・(5)

PV(t)=xPV2BAT(t)+xPV2EC(t)+xPV2GR(t) ・・(6)
(水素製造装置20へ供給する電力)
EC(t):水素製造装置20への単位時間平均電力[kW]
水素製造装置20への単位時間平均電力xEC(t)は、再エネ発電装置70から水素製造装置20への単位時間平均電力、蓄電池装置80から水素製造装置20への単位時間平均電力、電力系統60系統から水素製造装置20への単位時間平均電力の和で表される。すなわち、数式(7)が成立する。

EC(t)=xPV2EC(t)+xBAT2EC(t)+xGR2EC(t) ・・(7)
(蓄電池装置80へのCO排出量)
BAT_CG_CO2(t):蓄電池装置80への単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
ηGR_CO2(t):電力系統60からの単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量[kg-CO2/kW]
ηPV_CO2(t):再エネ発電装置70からの単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量[kg-CO2/kW]
蓄電池装置80への単位時間積算CO排出量xBAT_CG_CO2(t)は、電力系統60からの単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量と電力系統60から蓄電池装置80への単位時間平均電力の積と、再エネ発電装置70からの単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量と再エネ発電装置70から蓄電池装置80への単位時間平均電力の積との和により表される。すなわち、数式(8)が成立する。


BAT_CG_CO2(t)=ηGR_CO2(t)・xGR2BAT(t)+ηPV_CO2(t)・xPV2BAT(t) ・・(8)
(水素製造装置20へのCO排出量)
EC_CO2(t):水素製造装置20への単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
水素製造装置20への単位時間積算CO排出量xEC_CO2(t)は、電力系統60からの単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量と電力系統60系統から水素製造装置20への単位時間平均電力の積と、再エネ発電装置70からの単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量と再エネ発電装置70から水素製造装置20への単位時間平均電力の積との和で表される。すなわち、数式(9)が成立する。

EC_CO2(t)=ηGR_CO2(t)・xGR2EC(t)+ηPV_CO2(t)・xPV2EC(t)+xBAT2EC_CO2(t) ・・(9)
(蓄電池装置80でのCO排出量)
BAT_DG_CO2(t):蓄電池装置80からの単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
BAT_CO2(t):蓄電池装置80の蓄電電力量のCO排出量[kg-CO2]
BAT_SOC(t):蓄電池装置80の蓄電電力量[kWh]
蓄電池装置80からの単位時間積算CO排出量xBAT_DG_CO2(t)は、蓄電池装置80の蓄電電力量のCO排出量に対して、蓄電池装置80の蓄電電力量に対する蓄電池装置80からの単位時間平均電力の割合を乗じた値で表される。すなわち、数式(10)が成立する。

BAT_DG_CO2(t)=xBAT_CO2(t)・xBAT_DG(t)/xBAT_SOC(t) ・・(10)
(蓄電池装置80から水素製造装置20へのCO排出量)
BAT2EC_CO2(t):蓄電池装置80から水素製造装置20への単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
蓄電池装置80から水素製造装置20への単位時間積算CO排出量xBAT2EC_CO2(t)は、蓄電池装置80からの単位時間積算CO排出量に対して、蓄電池装置80からの単位時間平均電力に対する蓄電池装置80から水素製造装置20への単位時間平均電力の割合を乗じた値で表される。すなわち、数式(11)が成立する。

BAT2EC_CO2(t)=xBAT_DG_CO2(t)・xBAT2EC(t)/xBAT_DG(t) ・・(11)
(電力に関する最適化)
演算部114は、数式(1)~(11)に加えて、以下の数式(12)及び(13)を制約式として、数式(14)で示す目的関数の値が最小となるような最適化を実行する。

BAT_SOC(t)+xBAT_CG(t)-xBAT_DG(t)=xBAT_SOC(t+1) ・・(12)

BAT_CO2(t)+xBAT_CG_CO2(t)-xBAT_DG_CO2(t)=xBAT_CO2(t+1) ・・(13)

Figure 2024006485000002
ここで、
ηGR_PCHS(t):電力系統60からの単位時間平均電力あたりの買電単価[円/kW]
ηPV_SELL(t):電力系統60への単位時間平均電力あたりの売電単価[円/kW]
であり、コストと利益の最適化をなす演算を行う。すなわち、数式(14)について数式(1)~(13)を制約式として解を求める。
(水素供給に係る計画立案のパラメータ)
続いて、図4を参照して、水素製造装置20、水素貯蔵供給装置30、水素輸送装置40におけるCO排出量などの最適化を図る変数について説明する。
(水素製造装置20が供給する水素量)
EC_OUT(t):水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間水素量[Nm3]
EC_LOSS(t):水素製造装置20で大気放出などロスした単位時間水素量[Nm3]
水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間水素量xEC_OUT(t)は、水素製造装置20への単位時間平均電力に所定の関数fを適用し、水素製造装置20で大気放出などロスした単位時間水素量を減じることで表される。すなわち、数式(15)が成立する。

EC_OUT(t)=f(xEC(t))-xEC_LOSS(t) ・・(15)

関数fは、非線形性を持った関数であってもよい。供給電力と生成される水素が必ずしも比例しないからである。その場合、関数fを区分線形で表現しても良い。
(水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30へのCO排出量)
EC_OUT_CO2(t):水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間積算CO排出量xEC_OUT_CO2(t)は、水素製造装置20への単位時間積算CO排出量に対して、水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間水素量と水素製造装置20で大気放出などロスした単位時間水素量の和に対する水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間水素量の割合を乗じたものとして表される。すなわち、数式(16)が成立する。

EC_OUT_CO2(t)=xEC_CO2(t)・(xEC_OUT(t))/(xEC_OUT(t)+xEC_LOSS(t)) ・・(16)
また、xEC_OUT_CO2(t)は、水素製造装置20から水素貯蔵供給装置30への単位時間水素量ではなく、水素製造装置20への単位時間平均電力[kW]に対して一定の変換効率値で水素に変換された場合の単位時間水素量を用いても良い。変換効率は理論限界値でも良いし任意の値でもよい。すなわち、数式(17)が成立する。
ηEC_EFF(t):水素製造装置の電力から水素への変換効率[Nm3/kW]

EC_OUT_CO2(t)=xEC_CO2(t)・(xEC_OUT(t))/(ηEC_EFF(t)・xEC(t)+xEC_LOSS(t)) ・・(17)
さらに、xEC_OUT_CO2(t)は、水素製造装置20への単位時間積算CO排出量に任意の係数を乗じた値でも構わない。すなわち、数式(18)が成立する。
ηEC_CO2_EFF(t):水素製造装置の入力電力の単位時間積算CO排出量から水素の単位時間積算CO排出量への変換係数[-]

EC_OUT_CO2(t)=ηEC_CO2_EFF(t)・xEC_CO2(t) ・・(18)
(水素貯蔵供給装置30からのCO排出量)
BUF_TNK_OUT_CO2(t):水素貯蔵供給装置30からの単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
BUF_TNK_CO2(t):水素貯蔵供給装置30の貯蔵水素のCO排出量[kg-CO2]
BUF_TNK_OUT(t):水素貯蔵供給装置30からの単位時間水素量[Nm3]
BUF_TNK(t):水素貯蔵供給装置30の貯蔵水素量[Nm3]
水素貯蔵供給装置30からの単位時間積算CO排出量xBUF_TNK_OUT_CO2(t)は、水素貯蔵供給装置30の貯蔵水素のCO排出量に対して、水素貯蔵供給装置30の貯蔵水素量に対する水素貯蔵供給装置30からの単位時間水素量の割合を乗じたものとして表される。すなわち、数式(19)が成立する。

BUF_TNK_OUT_CO2(t)=xBUF_TNK_CO2(t)・(xBUF_TNK_OUT(t)/xBUF_TNK(t) ・・(19)
(水素輸送装置40に関係する変数)
水素輸送装置40や水素供給装置50は、水素需要家に水素を供給する要素である。このうち水素輸送装置40は、その上流である水素貯蔵供給装置30から水素を供給される要素であるから、水素輸送装置40について以下の変数が定義される。
SHIP(t):輸送装置への単位時間水素量[Nm3]
輸送装置への単位時間水素量xSHIP(t)は、水素貯蔵供給装置30からの単位時間水素量の水素がそのまま供給されるから、数式(20)が成立する。

SHIP(t)=xBUF_TNK_OUT(t) ・・(20)

水素貯蔵供給装置30からの単位時間水素量の水素に対してロスがある場合は、ロス分を減算したり係数を乗じたりしても構わない。例えば圧縮機などで発生するロスである。
CO排出量については以下の変数が定義される。
SHIP_CO2(t):輸送装置への単位時間積算CO排出量[kg-CO2]
輸送装置への単位時間積算CO排出量xSHIP_CO2(t)は、水素貯蔵供給装置30からの単位時間水素量の水素がそのまま供給されるから、数式(21)が成立する。

SHIP_CO2(t)=xBUF_TNK_OUT_CO2(t) ・・(21)

水素貯蔵供給装置30からの単位時間水素量の水素に対してロスがある場合は、ロス分を減算したり係数を乗じても構わない。例えば圧縮機などで発生するロスである。
水素輸送装置40に特有の変数として、以下のものが挙げられる。
SHIP_TNK(t):水素輸送装置40の貯蔵水素量[Nm3]
輸送装置の貯蔵水素量xSHIP_TNK(t)について、t-1で水素輸送装置40が水素貯蔵供給装置30から切り離される場合等、水素輸送装置40に充填出来ない場合は0であり、供給可能な状況ではt-1での水素輸送装置40の貯蔵水素量が加味される。すなわち数式(22)が成立する。

SHIP_TNK(t)=0(充填できない場合)
SHIP_TNK(t)=xSHIP_TNK(t-1)+xSHIP(t) ・・(22)
(CO排出量に関する最適化)
演算部114は、数式(15)~(22)に加えて、以下の数式(23)~(25)を制約式として、数式(26)~(28)を満足するような最適化処理を実行する。すなわち、水素輸送装置40の貯蔵水素量xSHIP_TNK(t)が水素輸送装置40の貯蔵水素量の目標値を満足し(数式(26))、かつ、水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量xSHIP_TNK_CO2(t)が水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量の目標値下限以上であって(数式(27))、水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量の目標値上限以下となる(数式(28))よう最適化する。
SHIP_TNK_OBJ(t):水素輸送装置40の貯蔵水素量の目標値[Nm3]
SHIP_TNK_CO2(t):水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量[kg-CO2]
SHIP_TNK_CO2_LOWER_OBJ(t):水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量の目標値下限[kg-CO2]
SHIP_TNK_CO2_UPPER_OBJ(t):水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量の目標値上限[kg-CO2]

BUF_TNK(t)+xEC_OUT(t)-xBUF_TNK_OUT(t)=xBUF_TNK(t+1) ・・(23)

BUF_TNK_CO2(t)+xEC_OUT_CO2(t)-xBUF_TNK_OUT_CO2(t)=xBUF_TNK_CO2(t+1) ・・(24)

SHIP_TNK_CO2(t)+xSHIP_CO2(t)=xSHIP_TNK_CO2(t+1) ・・(25)

SHIP_TNK(t)≧xSHIP_TNK_OBJ(t) ・・(26)

SHIP_TNK_CO2(t)≧xSHIP_TNK_CO2_LOWER_OBJ(t) ・・(27)

SHIP_TNK_CO2(t)≦xSHIP_TNK_CO2_UPPER_OBJ(t) ・・(28)

なお、上記実施形態では数式(27)~(28)がCO排出量を所望の範囲に収める制約条件となっているが、これには限定されない。例えば、数式(27)が示す水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量の目標値下限をオプションとし、数式(28)が示す水素輸送装置40の貯蔵水素のCO排出量の目標値上限を必須の制約条件としてもよい。また、不等式ではなく、数式(27)~(28)の範囲外となる条件をペナルティとし、たとえば次の数式(29)に示すように、数式(14)などの目的関数に重み付きペナルティとして追加してもよい。この場合、数式(29)の最適化に伴い数式(27)~(28)を満たすようにするための最適化も図ることになる。
ηSHIP_TNK_CO2_LOWER_WEIGHT:貯蔵水素のCO排出量の目標値下限水素に対する制約を最適化の評価関数で満たすための重み係数[-]
ηSHIP_TNK_CO2_UPPER_WEIGHT:貯蔵水素のCO排出量の目標値上限水素に対する制約を最適化の評価関数で満たすための重み係数[-]

Figure 2024006485000003
ここで、max関数は、引き算の結果マイナスになった場合、0に補正するためのものである。
実施形態の計画装置10では、装置間の電力供給量や水素量をパラメータとして用い、さらにCO排出量に関するパラメータをも用いる、水素供給に関する最適化だけでなく、CO排出量を最適化することができる。ここで、パラメータとして、電力系統60の売電単価と電力系統60からの電力に関して、電力系統60が、電力市場や相対取引など複数の調達先を選択できる場合、それに対応させ複数のパラメータを有していてもよい。
(再生エネルギーの価値取引に由来する制約式の例)
GR_PCHS(t)を例えば以下のように置き換え、新たに、ηGR_CO2_REL(t)、ηCUT_CO2(t)を以下のように定義する。これは、電力系統60や再エネ発電装置70に替えて再生エネルギーの価値取引により電力を調達する例である。
GR_PCHS(t):電力会社から相対契約で購入した電力に対する電力系統60からの単位時間平均電力[kW]
ηGR_CO2_REL(t):電力会社から相対契約で購入した電力に対する単位時間平均電力あたりの単位時間積算CO排出量[kg-CO2/kW]
ηCUT_CO2(t):再生エネルギーの価値を取引する市場から購入した単位時間積算CO削減量[kg-CO2]

ηGR_CO2(t)=max(0,(xGR_PCHS(t)・ηGR_CO2_REL(t)-ηCUT_CO2(t)))/xGR_PCHS(t) ・・(30)

ここで、max関数は、引き算の結果マイナスになった場合、0に補正するためのものである。
再生エネルギーの価値を取引する市場から購入した単位時間積算CO削減量は、ここでは、単位時間毎に設定されるものとしたが、例えば年間総量のCO削減量がある場合は、プラント稼働時間で各単位時間に割り振っても構わない。また、年間総量のCO2削減量を時刻の早い順に割り振っても構わない。他の割り振り方でも構わない。
CO排出量の目標値下限や目標値上限の単位を[kg-CO2]としたが、真の目標値の単位が[kg-CO2/Nm3]や[kg-CO2/MJ-H2]であって、そこから貯蔵容量をもとに算出されたものでも構わない。また、kgではなく、g(グラム)やt(トン)などでも、演算が正しく行われるのであればその範囲でいずれでも構わない。MJ-H2ではなく、J-H2やkJ-H2などでも演算が正しく行われるのであればその範囲でいずれでも構わない。また、kWは、WでもWhでもkWhなどでも、演算が正しく行われるのであればその範囲でいずれでも構わない。
(実施形態の計画装置の動作)
次に、図5を参照して、実施形態の計画装置10の動作を説明する。製造情報受信部102、貯蔵情報受信部104、輸送情報受信部106、系統情報受信部108、再エネ情報受信部110、電池情報受信部112は、それぞれ接続された装置から所定の情報を受信する(S200)。受信した情報は、記憶部118に記憶される。この段階で記憶部118が記憶する情報は、現時点の情報だけでなく過去の情報を含むものとする。
演算部114は、各受信部が収集した情報を記憶部118から読み出して電力経路履歴を作成する(S210)。電力経路履歴は、電力系統60、再エネ発電装置70、蓄電池装置80などの電力供給源それぞれが、水素製造装置20、水素貯蔵供給装置30、水素輸送装置40、水素供給装置50などの電力需要先それぞれへ、どのくらいの電力量を供給するのかを示す情報である。
演算部114は、電力経路履歴に基づいて水素供給に係る計画の初期状態を作成する(S220)。初期状態は、直近の計画作成時の諸パラメータでもよいし、予め想定される状況における諸パラメータであってもよい。
演算部114は、計画作成に当たっての終了条件を設定する(S230)。終了条件は、例えば、最適化の反復回数、厳密解からの差分、終了日時、水素製造装置20の水素製造量、水素製造量やCO排出量などの条件未達成、達成など諸々の条件を採用することができる。
演算部114は、ステップ210やステップ220において準備されたパラメータを変数として設定し、所定の制約条件をもとに目的関数を最小化する最適化処理を行う(S240)。なお、目的関数によっては、最大化でも構わない。
出力部116は、演算部114が生成した計画を記憶部118に記憶させる(S250)。演算部114が生成した計画は、目的関数や制約条件をなす諸変数のデータの集合体であり、データ列として記憶してもよいし、グラフ化されてもよい。また、出力部116は、生成した計画に係る諸変数のデータを水素製造装置20、電力系統60、再エネ発電装置70及び蓄電池装置80などに指令として送り、水素製造量や電力供給量などに反映させる。
続いて、図6を参照して、計画装置10による最適化処理の概要について説明する。図6は、時刻tに対して、電力系統60からの買電電力、再エネ発電装置70からの供給電力予測、蓄電池装置80の充放電電力、蓄電池装置80の蓄電電力量(SOC)、蓄電池装置80のCO排出量、水素製造装置20への入力電力、水素輸送装置40の水素貯蔵量、水素輸送装置40のCO排出量の変動を表している。時刻tは、計画に際しての時間スロットであり、例えば30分単位である。
時刻tにおいて、電力系統60からの買電がゼロであるから供給電力ゼロである。このとき、再エネ発電装置70の発電予測値が示されており、併せて蓄電池装置80が充電状態であることが示されている。水素製造装置20へ供給されるのは再エネ発電装置70からの供給電力と蓄電池装置80への充電電力の差分である。
時刻t+1において、蓄電池装置80が放電状態に転じたため、水素製造装置20への入力電力が時刻tよりも増加している。
時刻t+2において、再エネ発電装置70からの電力供給低下が見込まれ、電力系統60から電力供給を受けている。そのため、電力系統60からの電力、再エネ発電装置70からの電力、蓄電池からの電力が水素製造装置20に供給されている。
時刻tからt+2までの電力供給経路の推移により、t+2からt+3の間における目標水素量は達成されている。また、水素輸送装置40に貯蔵されている水素についてCO排出量も上限値と下限値の双方を満たしている。
実施形態の計画装置10は、供給電力に関する最適化とCO排出量の最適化を図るので、ユーザにおいて所望のCO排出量を担保しつつ必要な水素製造量を確保することが可能になる。
なお、上記実施形態は、供給電力とCO排出量の組み合わせ全てを紐づけて最適化処理を行っているが、これには限定されない。例えば、水素製造元や水素供給元からの水素供給量(輸入量)と当該水素製造元や水素供給元に由来するCO排出量の組み合わせ全てを紐づけて最適化処理を行ってもよい。すなわち、物質などの要素の授受全てに対して対応するCO排出量の情報を紐づけている。この場合、水素などの燃料物質を製造せず供給元から燃料物質の輸入等を行っている場合でも、燃料物質の輸入量とCO排出量との最適化を図ることが可能になる。供給電力量とCO排出量との紐づけと燃料物質輸入量とCO排出量との紐づけとが組み合わされていても同様に適用することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…水素供給システム、10…計画装置、20…水素製造装置、30…水素貯蔵供給装置、40…水素輸送装置、50…水素供給装置、60…電力系統、70…再エネ発電装置、80…蓄電池装置、102…製造情報受信部、104…貯蔵情報受信部、106…輸送情報受信部、108…系統情報受信部、110…再エネ情報受信部、112…電池情報受信部、114…演算部、116…出力部、118…記憶部。

Claims (15)

  1. 電力供給を受けて製造された燃料物質の供給に係る環境負荷度を管理するエネルギー管理システムであって、
    前記電力供給を受けた電力量を示す電力量情報及び該電力量情報に対応し前記電力供給に由来する前記環境負荷度を示す排出情報を取得する受信部と、
    前記電力量情報及び前記排出情報に基づいて、前記燃料物質の供給に係る環境負荷度の目標値を満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記電力供給の供給量を算出する演算部と
    を備えたエネルギー管理システム。
  2. 前記電力供給は、第1電力供給源と、該第1電力供給源の環境負荷度と異なる環境負荷度をもつ第2電力供給源を含み、
    前記受信部は、
    前記第1電力供給源から供給される電力量を示す第1電力量及び該第1電力量に対応し前記第1電力供給源に由来する前記環境負荷度を示す第1負荷情報を取得する第1受信部と、
    前記第2電力供給源から供給される電力量を示す第2電力量及び該第2電力量に対応し前記第2電力供給源に由来する前記環境負荷度を示す第2負荷情報を取得する第2受信部と、を含み、
    前記演算部は、前記第1電力量、前記第1負荷情報、前記第2電力量、及び前記第2負荷情報に基づいて、前記燃料物質の供給に係る環境負荷度の目標値を満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記第1電力供給源及び前記第2電力供給源それぞれから受けるべき電力の供給量を算出すること
    を特徴とする請求項1記載のエネルギー管理システム。
  3. 前記第1電力供給源は、電力系統であり、前記第2電力供給源は、再生エネルギー発電装置であることを特徴とする請求項2記載のエネルギー管理システム。
  4. 調達した燃料物質の供給に係る環境負荷度を管理するエネルギー管理システムであって、
    前記調達した燃料物質の供給量を示す供給情報及び該供給情報に対応し前記調達した燃料物質に由来する前記環境負荷度を示す排出情報を取得する受信部と、
    前記供給情報及び前記排出情報に基づいて、前記燃料物質の供給に係る環境負荷度の目標値を満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記調達した燃料物質の供給量を算出する演算部と
    を備えたエネルギー管理システム。
  5. 前記調達した燃料物質は、第1供給源と、該第1供給源の環境負荷度と異なる環境負荷度をもつ第2供給源それぞれから調達され、
    前記受信部は、
    前記第1供給源から調達される前記燃料物質の第1供給量及び該第1供給量に対応し前記第1供給源に由来する前記環境負荷度を示す第1負荷情報を取得する第1受信部と、
    前記第2供給源から調達される前記燃料物質の第2供給量及び該第2供給量に対応し前記第2供給源に由来する前記環境負荷度を示す第2負荷情報を取得する第2受信部と、を含み、
    前記演算部は、前記第1供給量、前記第1負荷情報、前記第2供給量、及び前記第2負荷情報に基づいて、前記燃料物質の供給に係る環境負荷度の目標値を満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記第1供給源及び前記第2供給源それぞれから受けるべき供給量を算出すること
    を特徴とする請求項4記載のエネルギー管理システム。
  6. 前記環境負荷度の目標値は、上限値を有し、
    前記演算部は、前記上限値を満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記電力供給の供給量を算出すること、を特徴とする請求項1記載のエネルギー管理システム。
  7. 前記環境負荷度の目標値は、さらに下限値を有し、
    前記演算部は、前記下限値をさらに満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記電力供給の供給量を算出すること、を特徴とする請求項6記載のエネルギー管理システム。
  8. 前記環境負荷度の目標値は、上限値を有し、
    前記演算部は、前記上限値を満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記調達した燃料物質の供給量を算出すること、を特徴とする請求項4記載のエネルギー管理システム。
  9. 前記環境負荷度の目標値は、さらに下限値を有し、
    前記演算部は、前記下限値をさらに満足した前記燃料物質の供給を受けるために前記調達した燃料物質の供給量を算出すること、を特徴とする請求項8記載のエネルギー管理システム。
  10. 前記演算部は、前記燃料物質を製造する製造装置、製造された前記燃料物質を貯蔵する貯蔵供給装置、貯蔵された前記燃料物質を輸送する輸送装置のうち少なくとも一以上が受けるべき電力量を演算することを特徴とする請求項1記載のエネルギー管理システム。
  11. 前記系統情報及び前記再生エネルギー情報は、電力市場、環境価値取引市場、電力相対契約先、蓄電池及び自家用発電機のうち少なくとも一以上の電力調達元から、水素製造装置及び蓄電池のうち少なくとも一以上の電力需要先までの、単位時間毎の電力を含み、
    前記第1排出情報および前記第2排出情報は、前記単位時間毎の電力に対応する環境負荷度を含み、
    前記演算部は、前記単位時間毎の電力及び対応する前記環境負荷度それぞれを個別に変数としたうえで、前記電力の調達コスト及び前記環境負荷度の少なくとも一方を最小化する最適化演算すること
    を特徴とする請求項3記載のエネルギー管理システム。
  12. 前記第1供給量及び前記第2供給量は、前記燃料物質の製造拠点または前記燃料物質の貯蔵拠点のうち少なくとも一以上の調達元から、前記燃料物質の貯蔵装置または前記燃料物質の供給装置のうち少なくとも一以上の需要先までの、単位時間毎の燃料物質供給量を含み、
    前記第1負荷情報および前記第2負荷情報は、前記単位時間毎の電力に対応する環境負荷度を含み、
    前記演算部は、前記単位時間毎の燃料物質供給量及び対応する前記環境負荷度それぞれを個別に変数としたうえで、前記燃料物質の調達コスト及び前記環境負荷度の少なくとも一方を最小化する最適化演算すること
    を特徴とする請求項5記載のエネルギー管理システム。
  13. 前記演算部は、電力調達元それぞれの調達実績値及び電力需要先それぞれの消費又は貯蔵実績値に基づき、前記電力調達元と電力需要先との相互の電力流通量を推定することを特徴とする請求項2記載のエネルギー管理システム。
  14. 前記演算部は、前記電力流通量の推定結果に基づいて、前記環境負荷度の初期値を設定することを特徴とする請求項13記載のエネルギー管理システム。
  15. 前記第2の受信部は、再生エネルギーの価値を取引する市場、電力市場及び相対取引のいずれか一以上から調達された電力量を前記第2電力量として受信するとともに、前記調達された電力量に由来する前記環境負荷度を前記第2負荷情報として受信することを特徴とする請求項2記載のエネルギー管理システム。
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