JP2024005428A - 転動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境にやさしいバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーで樹脂部を構成してなる転動装置を提供する。【解決手段】案内レール3に外嵌すると共に、案内レールに沿って直進移動するスライダ5と、スライダ5の内面側に形成された転動溝に保持され、転動溝と軸との間で転動する複数個の転動体と、スライダ5に形成され、転動溝の一端側から他端側に転動体を循環させる樹脂製の循環経路と、で構成された直動装置であって、循環経路がバイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、直動軸受装置、転がり軸受装置などの転動装置を構成している樹脂部の改良に関する。
従来、例えば、産業用機械等に用いられるリニアガイド装置、ボールねじ等の直動する転動装置では、エンドキャップ等の循環部品やスペーサ等の樹脂部に、また、各種のガイド部に用いられている樹脂巻き転がり軸受装置等の転動装置では、軸受の外輪外周部に設けられた樹脂巻き部などの樹脂部に、耐衝撃性や摺動特性が要求されることから、ポリアセタールコポリマーが多く使用されてきた(特許文献1)。
昨今、地球温暖化・気候変動など地球環境が著しく変化しきており、早急に環境保全に取り組んでいく必要性が高まってきている。
しかしながら、従来、転動装置の樹脂部を形成するポリアセタールコポリマーは、主原料のメタノールを含めて、全て石油由来のものであり、環境に考慮したものではなかった。そこで、環境保全に考慮した樹脂部を有する転動装置の提供が切望されている。
特開2009-204141号公報
本発明は従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、環境にやさしいバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーで樹脂部を構成してなる転動装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、第1の本発明は、樹脂部がバイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで形成されていることを特徴とする転動装置としたことである。
第2の本発明は、第1の本発明において、軸に外嵌すると共に、前記軸に沿って直進移動する直動体と、前記直動体の内面側に形成された転動溝に保持され、前記転動溝と前記軸との間で転動する複数個の転動体と、前記直動体に形成され、前記転動溝の一端側から他端側に前記転動体を循環させる樹脂製の循環経路と、で構成された直動装置であって、
前記樹脂部が前記循環経路であることを特徴とする転動装置としたことである。
第3の本発明は、第2の本発明において、前記直動体の端面には樹脂製のシール部材が配設されており、
前記樹脂部が前記シール部材であることを特徴とする転動装置としたことである。
第4の本発明は、第1の本発明において、少なくとも、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に組み込まれる複数個の転動体と、前記外輪の外周部に設けられる樹脂巻き部と、を含む樹脂巻き転がり軸受であって、
前記樹脂部が前記樹脂巻き部であることを特徴とする転動装置としたことである。
第5の本発明は、第1の本発明乃至第4の本発明のいずれかにおいて、前記ポリアセタールコポリマーのバイオ度を、90.9%~99.99%としたことを特徴とする転動装置としたことである。
本発明によれば、バイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで樹脂部を形成したため、従来の石油由来成分を原料とするポリアセタールコポリマーに比べて、環境にやさしい転動装置とすることができる。
また、バイオ度が90.9~99.99%と高いポリアセタールコポリマーは、化学的組成は変わらないことから、石油化学由来原料のみでバイオ度が0%であった従来のポリアセタールコポリマーと比べて、機械的物性や耐熱性等の特性に差異はない。
本発明転動装置の第一実施形態であるリニアガイド装置を示す概略斜視図である。 第一実施形態に組み込まれるエンドキャップの概略背面図である。 リターンガイドを装着した状態のエンドキャップの斜視図である。 直動案内転動装置の正面図である。 図4のA-A線概略断面図である。 リターンガイドの正面図である。 保持器の斜視図である。 本発明転動装置の第二実施形態であるコマ式ボールねじを示す概略斜視図である。 図8に示すコマ式ボールねじに組み込まれるコマの一実施形態であって、(a)は平面から見た概略斜視図、(b)は裏面から見た概略斜視図である。 図8に示すコマ式ボールねじを循環コマ部分で拡大して示す概略断面図である。 本発明転動装置の第三実施形態である循環式ボールねじをシール装着部分で拡大して示す概略断面図である。 本発明転動装置の第四実施形態である樹脂巻き転がり軸受装置を示す概略断面図である。 樹脂巻き転がり軸受装置の他の実施形態を部分的に示す概略断面図である。 樹脂巻き転がり軸受装置の他の実施形態を部分的に示す概略断面図である。 樹脂巻き転がり軸受装置の他の実施形態を部分的に示す概略断面図である。 樹脂巻き転がり軸受装置の他の実施形態を部分的に示す概略断面図である。
以下、本発明転動装置の一実施形態について説明する。
図1乃至図11は、本発明転動装置を、直動軸受装置に適用した実施の一形態で、図12乃至図16は、本発明転動装置を転がり軸受装置に適用した実施の一形態である。
なお、本実施形態は本発明の一実施形態に過ぎず何等限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
<第一実施形態>
例えば、図1は、本発明転動装置である直動軸受装置(リニアガイド装置)1に本発明を適用した実施の一形態である。
リニアガイド装置1は、角形の案内レール(軸)3上に、横断面形状がほぼコ字形のスライダ(直動体)5が軸方向に相対移動可能に跨架されている。このスライダ5は、スライダ本体5Aの軸方向の両端部にエンドキャップ5B,5Bが着脱可能に固着されて構成されている。
また、案内レール3の上面3aと両側面3b,3bが交差する稜線部には、断面ほぼ1/4円弧形状の凹溝である転動体転動溝(転動溝)7A,7Aが軸方向に形成されている。
さらに、案内レール3の両側面3b,3bの中間位置には、断面ほぼ半円形の凹溝である転動体転動溝(転動溝)7B,7Bが軸方向に形成されている。なお、転動体転動溝7Bの溝底には、転動体9の脱落を防ぐ保持器11のための逃げ溝13が、軸方向に形成されている。
スライダ本体5Aの両袖部5a,5aの内側のコーナ部には、案内レール3の転動体転動溝7Aに対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体転動溝(転動溝)15が形成され、両袖部5a,5aの内側面の中央部には案内レール3の転動体転動溝7Bに対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体転動溝(転動溝)17が形成されている。
そして、上記の案内レール3の転動体転動溝7Aとスライダ5の負荷転動体転動溝15とで負荷転動体転動路19が構成され、案内レール3の転動体転動溝7Bとスライダ5の負荷転動体転動溝17とで負荷転動体転動路21が構成されている。
スライダ本体5Aの袖部5aの上部肉厚に、負荷転動体転動路19に平行な軸方向に延びる断面円形の貫通孔からなる転動体戻し路23が形成され、袖部5aの下部肉厚内に、負荷転動体転動路21に平行な同様の軸方向に延びる貫通孔からなる転動体戻し路25が形成されている(図4参照。)。
エンドキャップ5Bは断面ほぼコ字状に形成されている。そして、スライダ本体5Aとの接合面(裏面)には、図2に示すように、斜めに傾斜した半円状の上凹部27と下凹部29とが、両袖分部5a,5aの上下に形成されるとともに、半円状の両凹部27,29の中心部を横断して半円柱状の凹溝31が設けてある(図2及び図3参照。)。
半円柱状の凹溝31には、樹脂材料を射出成形して得た半円筒状のリターンガイド33(図6参照)が嵌合される。なお、図4は、リターンガイド33が装着されたエンドキャップ5Bの斜視図である。このリターンガイド33の外径面の中央部には、転動体9の案内面となる断面円弧状の凹溝35が半円状に形成され、また、リターンガイド33の内径側の凹部37は潤滑剤通路であり、その凹部37から外径側の凹溝35に抜ける貫通孔37Aが給油孔として形成されている。
このようなリターンガイド33を半円柱状の凹溝31に組み込むことにより、エンドキャップ5Bの裏面に断面円形の半ドーナツ状の湾曲路39が上下二段に形成される(図5参照。)。このエンドキャップ5Bをスライダ本体5Aに取り付けると、湾曲路39によって、スライダ本体5Aの負荷転動体転動路21と転動体戻し路25とが連通される。そして、上段の負荷転動体転動路19と転動体戻し路23も同様に連通される。
負荷転動体転動路19,21,転動体戻し路23,25,湾曲路39で構成される転動体無限循環経路に、多数の転動体9が転動自在に装填されている。
スライダ5の上段の負荷転動体転動路19及び下段の負荷転動体転動路21にそれぞれ装填された転動体9は、スライダ5を案内レール3に組み付けない状態では脱落してしまう。よって、これを防止するために、射出成形された樹脂材料製の保持器11が用いられている(図4及び図5参照。)。
下段の負荷転動体転動路21内の転動体脱落防止用の保持器11は、断面角形状の保持器で、その長手方向の両端側は転動体9を滑らかに案内するため弓なりに湾曲され、端末には取付け部が形成されている。装着は、エンドキャップ5Bの転動体掬いあげ突部に形成された保持器取付け穴に前記取付け部を差し込んで行われる。スライダ5を案内レール3に組みつけた状態では、保持器11は案内レール3の保持器用の逃げ溝13内に収容され、案内レール3とは干渉しない。
これに対して、上段の負荷転動体転動路19内の転動体脱落防止用の保持器43は、ほぼ長方形の枠形状である(図7参照。)。この保持器43は、その枠45の長手方向の外側縁にほぼ1/4円弧状の転動体保持面47が形成され、前後端には係止突部49が突設されている。装着は、エンドキャップ5Bの裏面の取付け穴に係止突部49を差し込むことにより行われる。これにより保持器43はエンドキャップ5Bに支持されて、案内レール3の上面3aとこれに向き合うスライダ本体5Aの内面との間の空間に収容され、転動体9を転動体保持面と負荷転動体転動溝15の溝面とで挟持して保持する(図4参照。)。
そして、本実施形態のリニアガイド装置1を構成する樹脂部、例えば、エンドキャップ5B・リターンガイド33などからなる循環経路・保持器11(43)のいずれか又は全てが、後述するバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを主原料として作製されていることに特徴を有している。本発明において、リニアガイド装置は、エンドキャップ5Bなどの樹脂部以外の構成において特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において設計変更可能である。
<第二実施形態>
図8乃至図10は、本発明転動装置の一実施形態である直動軸受装置(コマ式ボールねじ)に本発明を適用した実施の一形態である。
コマ式ボールねじ51は、ねじ軸(軸)53、ナット(直動体)55、複数のボール57、コマ(樹脂部)59で構成されている(図7乃至9参照。)。図9にて符号61で示す部材は、ボールねじ51を挿入する円環状のスリーブ(外嵌部材)である。
ねじ軸53の外周面とナット55の内周面には、螺旋溝63,65が形成されており、ねじ軸53はナット55を貫通している。
ねじ軸53の螺旋溝63とナット55の螺旋溝65とにより、ボール57が転動する転動路が形成される。ボール57は、転動路と、ナット55の貫通孔に配設されるコマ59のボール戻し路(S字状溝)67とからなる循環経路内に配置されている。
ねじ軸53とナット55は、転動路内で転動し循環経路内を循環するボール57を介して相対移動する。
そして、本実施形態では、コマ(樹脂部)59が、後述するバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを主原料として作製されていることに特徴を有している。本発明において、コマ式ボールねじは、コマ59以外の構成において特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において設計変更可能である。
<第三実施形態>
図11は、本発明転動装置の一実施形態である直動軸受装置(ボールねじ)に本発明を適用した実施の一形態である。
本実施形態では、外周面71aに螺旋状のねじ溝71bを有するねじ軸71に、ボールねじナット73が多数のボール75を介して螺合されている。
ボールねじナット73は、内周面73aにねじ軸71のねじ溝71bに対応したねじ溝73bを有すると共に、そのねじ溝73b内を転動するボール75を導いて循環させるための図示しないボール循環経路(樹脂部)を肉厚の胴部分に有している。
ナット73の端面の環状の凹部77には、合成樹脂製のシール部材(樹脂部)81が嵌着され、止めねじ79によりボールねじナット73に固定されている。
そして、本実施形態では、シール部材81が、後述するバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを主原料として作成することに特徴を有している。本発明において、ボールねじは、シール部材81以外の構成において特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において設計変更可能である。
<第四実施形態>
図12乃至図16は、本発明転動装置の一実施形態である転がり軸受装置(樹脂巻き転がり軸受装置)に本発明を適用した実施の一形態である。
本実施形態の樹脂巻き転がり軸受装置83は、少なくとも、内輪85と、外輪87と、内輪85と外輪87との間に組み込まれる複数個の転動体89と、外輪87の外周部に設けられる樹脂巻き部(樹脂部)91と、を含んで構成されている。そして、樹脂巻き部91を、後述するバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを主原料として作製することに特徴を有している。
本発明において、樹脂巻き転がり軸受装置83は、樹脂巻き部91以外の構成において特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において設計変更可能である。
本実施形態において樹脂巻き部91は、外輪87の外周部87aにて円環状に一体で、かつ外輪87の外周部87aから両側部87bのシール溝に至る手前までを覆うようにして配設されている。すなわち、樹脂巻き部91の幅を、軸受(外輪87)幅よりも広くすることにより抜け止め力強度を向上させている。
また、本実施形態では、樹脂巻き部91の外周部91aはフラット(平滑)に形成されている。
樹脂巻き部91は、例えば、後述するポリアセタールコポリマーからなる樹脂ペレットを用いて、転がり軸受をコアにして、インサート成形により外輪87の外周部87aに一体に配設する。なお、樹脂巻き部91の作製は限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、樹脂巻き転がり軸受装置の他の形態の一例として、図13乃至図16を示すことができる。
図13は、図12と同様に形成されているが、樹脂巻き部91の外周部91aの一側(図面にて向かって左側)を、環状に突出させたフランジ部93を設けている。
図14は、図12と同様に形成されているが、樹脂巻き部91の外周部91aをR状に凹設して環状U溝部95を設けている。
図15は、図13と同様に形成されているが、樹脂巻き部91の外周部91aをV字状に凹設して環状V溝部97を設けている。
図16は、図12と同様に形成されているが、樹脂巻き部91の外周部91aに複数個の環状溝部99を設けている。
また、樹脂巻き転がり軸受装置を構成する、保持器やシール部材を後述するバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを主原料として作製することも本発明の範囲内である。
なお、樹脂巻き転がり軸受装置は本実施形態に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で広く設計変更可能である。
さらに、本実施形態では、樹脂巻き転がり軸受装置を一例として説明したが、外周に樹脂巻き部を備えていない一般的な転がり軸受装置に本発明を適用することはもちろん可能で、この転がり軸受装置を構成する樹脂部、例えば保持器やシール部材などが、後述するバイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを主原料として作製されることも本発明の範囲内である。
「樹脂部の具体的構成」
樹脂部であるエンドキャップ5B、リターンガイド33、循環コマ59などの各種循環部品、保持器11(43)、シール部材81、及び樹脂巻き転がり軸受装置83の樹脂巻き部91を形成しているベース樹脂としては、バイオマスプラスチックのポリアセタールコポリマーを使用することができる。
ポリアセタールコポリマーは、植物由来のバイオメタノールから得られたトリオキサン(ホルムアルデヒドの三量体)を主原料として、コモノマー成分にエチレンオキサイドもしくは1,3-ジオキサンのような少なくとも2個の隣接炭素原子を有する環状エーテルをトリオキサンに対して、0.1~10モル%添加して重合することで製造される。
ポリアセタールコポリマーは、上記の添加割合から、バイオ度(バイオ比率)は、90.9~99.99%である。
ポリアセタールコポリマーは、ポリアセタールホモポリマーに比べて、分子構造の差から、熱安定性が高く、直動装置及び樹脂巻き転がり軸受装置等に求められるクリープ破壊寿命等の長期特性に優れている。
ポリアセタールコポリマーの分子量は、射出成形できる範囲、具体的には数平均分子量で13000~28000、より好ましくは、耐疲労性、成形性を考慮すると、数平均分子量で18000~26000の範囲である。数平均分子量が13000未満の場合は分子量が低すぎて耐疲労性が悪く、実用性が低い。
それに対して数平均分子量が28000を越える場合は、溶融粘度が高くなりすぎ、循環部品等や樹脂巻き部等を精度良く射出成形で製造することが難しくなり、好ましくない。
ベース樹脂は、樹脂単独でも一定以上の耐久性を示し、循環部品等や樹脂巻き部等が接触する可能性がある相手部材(転動体、ハウジング、レール等)の摩耗に対して有利に働き、循環部品等や樹脂巻き部等として十分に機能する。しかしながら、より過酷な使用条件で使用されると、循環部品等や樹脂巻き部等が破損、変形、摩耗することも想定されるため、信頼性をより高めるために、強化材を配合しても構わない。
強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等が好ましく、上記に挙げたポリアミド樹脂との接着性を考慮してシランカップリング剤等で表面処理したものが更に好ましい。
また、これらの強化材は複数種を組み合わせて使用することができる。
衝撃強度を考慮すると、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状物を配合することが好ましく、更に相手材の損傷を考慮するとウィスカー状物を繊維状物と組み合わせて配合することが好ましい。混合使用する場合の混合比は、繊維状物及びウィスカー状物の種類により異なり、衝撃強度や相手材の損傷等を考慮して適宜選択される。
ガラス繊維としては、一般的な平均繊維径である10~13μmのものの他、少ない含有量で高強度化と耐摩耗性の改善が可能な平均繊維径が5~7μmのもの、あるいは異形断面のものがより好適である。
炭素繊維としては、強度を優先するのであれば、PAN系のものが好適であるが、コスト面で有利なピッチ系のものも使用可能である。
平均繊維径としては、5~15μmのものが好適である。
炭素繊維は、繊維自体の強度、弾性率が高いため、ガラス繊維に比べて、循環部品等や樹脂巻き部等の高強度化、高弾性率化が可能である。
アラミド繊維としては、強化性に優れるパラ系アラミド繊維を好適に使用することが可能である。
平均繊維径としては、5~15μmのものが好適である。アラミド繊維は、ガラス繊維及び炭素繊維のように、鉄鋼材料を傷つけることはないので、循環部品等や樹脂巻き部等が接触する相手部材の表面状態を悪くすることがないので、直動装置や樹脂巻き転がり軸受装置等の音響特性等を重視する場合は、更に好適である。
これらの強化材を含有させる場合は、全体の10~40重量%、特に15~30重量%の割合で配合することが好ましい。強化材の配合量が10重量%未満の場合には、機械的強度の改善が少なく好ましくない。強化材の配合量が40重量%を超える場合には、成形性が低下すると共に、強化材の種類によっては、相手材への傷つけ性が高くなるので好ましくない。
更に、添加剤として樹脂に、成形時及び使用時の熱による劣化を防止するために、ヨウ化物系熱安定剤やアミン系酸化防止剤を、それぞれ単独あるいは併用して添加することが好ましい。
(実施の形態の例)
・樹脂部組成:表1
・エンドキャップ構造:図2、図3、図5
・リターンガイド構造:図5、図6
・循環コマ構造:図8、図9、図10
・シール構造:図11
・樹脂巻き部構造:図12
[エンドキャップ、リターンガイド、保持部材、循環コマ、シール部材の作製]
表1に示すポリアセタールコポリマーからなる樹脂ペレットを用いて、エンドキャップ、リターンガイド、保持部材、循環コマ、シール部材を射出成形(1点のピンゲート)により、作製する。
[樹脂巻き部の作製]
表1に示すポリアセタールコポリマーからなる樹脂ペレットを用いて、樹脂巻き部を、転がり軸受をコアにして、インサート成形により作製する。
Figure 2024005428000002
本発明は、直動軸受装置、転がり軸受装置などの種々の転動装置に広く利用可能である。
1 リニアガイド装置(直動軸受装置)
3 案内レール(軸)
5 スライダ(直動体)
5B エンドキャップ(樹脂部)
9 転動体
11(43) 保持器(樹脂部)
31 戻し路(循環通路)
33 リターンガイド(樹脂部)
51 コマ式ボールねじ装置(直動軸受装置)
53 ねじ軸(軸)
55 ナット(直動体)
57 転動体(ボール)
59 コマ(樹脂部)
83 樹脂巻き転がり軸受装置
91 樹脂巻き部(樹脂部)

Claims (5)

  1. 樹脂部がバイオメタノールを原料とするポリアセタールコポリマーで形成されていることを特徴とする転動装置。
  2. 軸に外嵌すると共に、前記軸に沿って直進移動する直動体と、前記直動体の内面側に形成された転動溝に保持され、前記転動溝と前記軸との間で転動する複数個の転動体と、前記直動体に形成され、前記転動溝の一端側から他端側に前記転動体を循環させる樹脂製の循環経路と、で構成された直動装置であって、
    前記樹脂部が前記循環経路であることを特徴とする請求項1に記載の転動装置。
  3. 前記直動体の端面には樹脂製のシール部材が配設されており、
    前記樹脂部が前記シール部材であることを特徴とする請求項2に記載の転動装置。
  4. 少なくとも、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に組み込まれる複数個の転動体と、前記外輪の外周部に設けられる樹脂巻き部と、を含む樹脂巻き転がり軸受であって、
    前記樹脂部が前記樹脂巻き部であることを特徴とする請求項1に記載の転動装置。
  5. 前記ポリアセタールコポリマーのバイオ度を、90.9%~99.99%としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転動装置。
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