JP2024005022A - 厚鋼板 - Google Patents

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仁秀 吉村
Hitohide Yoshimura
崇之 加賀谷
Takayuki Kagaya
史寿 高峰
Fumitoshi Takamine
仁志 古谷
Hitoshi Furuya
祐太 中村
Yuta Nakamura
陽一 萱森
Yoichi Kayamori
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Abstract

【課題】溶接後熱処理後の低温靭性が改善され、溶接後熱処理時の割れが抑制される厚鋼板を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.080~0.170%、Si:0.10~0.50%、Mn:1.10~1.50%、P:0.020%以下、S:0.0050%以下、Ni:0.61~0.95%、Cr:0.10~0.90%、Mo:0.30~1.00%、V:0.005~0.050%、Al:0.010~0.080%、N:0.0010~0.0080%、O:0.0050%以下、残部:Fe及び不純物からなり、式1(各[元素記号]は各元素の含有量)を満たす化学組成を有し、表面から1/4板厚位置における結晶粒の円相当直径の上位10個の平均が80μm以下である厚鋼板。0.60≦VX≦1.90 … 式1VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])【選択図】なし

Description

本開示は、厚鋼板に関する。
橋梁、建築、造船及び圧力容器等の構造体は溶接が施される。これらの構造体には、溶接で生じた残留応力を除去又は緩和するために溶接後熱処理(Post Weld Heat Treatment、以下、「PWHT」と称する場合がある。)が行われる場合がある。近年、これらの構造体の大型化や過酷な使用環境などを考慮し、鋼板の厚肉化に加えて、PWHT後の鋼板の強度及び低温靭性を向上させることも求められている。
従来技術において、これらの構造体に使用するための種々の厚鋼板及びその製造方法が提案されている(特許文献1~7等を参照)。
また、溶接後熱処理時には母材の溶接熱影響部から割れが生じることがあり、これを防止することも重要である。例えば、特許文献8には、溶接継手に600℃で2時間保持する熱処理を施し、試験ビード側の断面で割れの有無を観察する試験方法が記載されている。
特開2011-1620号公報 国際公開第2014/103629号 特開2021-8653号公報 国際公開第2021/156925号 国際公開第2015/162939号 特開2015-183279号公報 国際公開第2020/137812号 特開平5-51696号公報
構造体にPWHTが施された場合、鋼板には不純物元素の濃化や合金炭化物の粗大化等が生じ、低温靭性が低下する傾向がある。そのため、PWHT後の低温靭性を向上させることは一般に困難である。PWHT後の低温靭性を向上させるためには、焼入れ性を高める合金の含有量を増加させることが有効である。しかし、鋼板の焼入れ性を高めると、PWHT時に発生する溶接熱影響部の割れの防止が困難になることがわかった。
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、厚鋼板においてPWHT後の低温靭性が改善され、PWHT時の割れを抑制することができる(溶接後熱処理時の耐割れ性に優れる)厚鋼板を提供することにある。
本開示の発明者らは、上記目的を達成するために、厚鋼板の化学組成及び製造条件について検討を行った。その結果、本開示の発明者らは、厚鋼板の化学組成を所定の範囲内に制御しつつ、熱間圧延、及び熱間圧延後の熱処理を適切に制御することにより、厚鋼板において結晶粒を微細化してPWHT後の低温靭性を向上しつつ、溶接熱影響部における硬さを低減することでPWHT時の割れを防止することができることを見出し、本開示の発明を完成させた。
上記目的を達成し得た厚鋼板は、以下のとおりである。
<1> 質量%で、
C:0.080~0.170%、
Si:0.10~0.50%、
Mn:1.10~1.50%、
P:0.020%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:0.61~0.95%、
Cr:0.10~0.90%、
Mo:0.30~1.00%、
V:0.005~0.050%、
Al:0.010~0.080%、
N:0.0010~0.0080%、
O:0.0050%以下、
Cu:0~0.60%、
Nb:0~0.050%、
Ti:0~0.050%、
W:0~0.50%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
REM:0~0.0050%、
残部:Fe及び不純物からなり、かつ下記式1を満たす化学組成を有し、
表面から1/4板厚位置の圧延方向断面の圧延方向1mm、板厚方向0.4mmの範囲の方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の円相当直径の大きい方から上位10個の平均が80μm以下である厚鋼板。
0.60≦VX≦1.90 … 式1
VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])
式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Ni]、[Cr]、及び[Mo]は、それぞれC、Si、Mn、Ni、Cr、及びMoの各含有量(質量%)を意味する。
<2> 1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、さらに800℃から200℃まで8℃/sで冷却した場合に、表面から1/4板厚位置におけるビッカース硬さHV10が下記式2を満たし、
加熱温度が650℃であり、保持時間が15時間である熱処理を行った場合に、表面から1/4板厚位置における引張強さが600MPa以上であり、かつ、-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが70J以上である、<1>に記載の厚鋼板。
634×√[C]+140-HV10>0 … 式2
<3> 前記化学組成が、Ni:0.61~0.85%及びCr:0.10~0.75%の少なくとも一方を満たす、<1>又は<2>に記載の厚鋼板。
本開示によれば、厚鋼板においてPWHT後の低温靭性が改善され、溶接熱影響部のPWHT時の割れを抑制することができる(溶接後熱処理時の耐割れ性に優れる)厚鋼板が提供される。
応力腐食割れ(SCC)試験を説明するための概略図である。
<厚鋼板>
本開示に係る厚鋼板は、好ましくは高強度の厚鋼板、より具体的には600MPa以上の引張強さを有する厚鋼板であって、特には溶接後熱処理(PWHT)に相当する、加熱温度が650℃であり、保持時間が15時間である熱処理(以下、「650℃×15時間の熱処理」とも称する。)を行った場合に600MPa以上の引張強さを有する厚鋼板において、結晶粒を微細化してPWHT後の低温靭性を向上させたものである。また、本開示に係る厚鋼板は、好ましくは、溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理、すなわち、1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、800℃から200℃まで8℃/sで冷却する熱処理を行った場合に硬さが所定以下となるように化学組成を制御することでPWHT時の割れを防止させたものである。溶接熱影響部のPWHT時の割れは、650℃×15時間の熱処理によって発生し、割れの発生の有無の確認は冷却後に行われる。
なお、厚鋼板のPWHT時の耐割れ性は、溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理を施した後、引張定荷重をかけつつ昇温し、破断の有無で評価することができる。
ここで、本開示において、結晶粒とは、電子線後方散乱回折法(EBSD)で結晶方位を測定した場合に、隣接する粒の方位差が15°以上の境界で囲まれた領域をいう。また、後で詳しく説明するが、本開示において、粗大粒径及び平均粒径とは、上記EBSDによって測定された各結晶粒の円相当直径等に基づいて算出される粒径をいう。
本開示に係る厚鋼板は、以下に示す具体的な実施形態によって実現することが可能である。以下、本開示に係る厚鋼板を実現するための具体的な実施形態についてより詳しく説明するが、これらの説明は、本開示の好ましい一実施形態の単なる例示を意図するものであって、本開示をこのような特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
本開示に係る厚鋼板は、質量%で、
C:0.080~0.170%、
Si:0.10~0.50%、
Mn:1.10~1.50%、
P:0.020%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:0.61~0.95%、
Cr:0.10~0.90%、
Mo:0.30~1.00%、
V:0.005~0.050%、
Al:0.010~0.080%、
N:0.0010~0.0080%、
O:0.0050%以下、
Cu:0~0.60%、
Nb:0~0.050%、
Ti:0~0.050%、
W:0~0.50%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
REM:0~0.0050%、
残部:Fe及び不純物からなり、下記式1を満たす化学組成を有し、
表面から1/4板厚位置の圧延方向断面の圧延方向1mm、板厚方向0.4mmの範囲の方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の円相当直径の大きい方から上位10個の平均(本明細書において「粗大粒径」と称する場合がある。)が80μm以下である。
0.60≦VX≦1.90 … 式1
VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])
ここで、[C]、[Si]、[Mn]、[Ni]、[Cr]、[Mo]は、それぞれC、Si、Mn、Ni、Cr、及びMoの各含有量(質量%)である。
そして、本開示に係る厚鋼板によれば、1400℃で5秒保持した後に1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、さらに800℃から200℃まで8℃/sで冷却した場合に、表面から1/4板厚位置におけるビッカース硬さHV10が下記式2を満たし、650℃×15時間の熱処理を行った場合に、表面から1/4板厚位置における引張強さが600MPa以上、-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが70J以上を達成することが可能である。
634×√[C]+140-HV10>0 … 式2
先に述べたとおり、溶接後熱処理(PWHT)によって不純物元素の濃化や合金炭化物の粗大化等が生じ、厚鋼板の低温靭性が低下する傾向があるため、PWHT後の低温靭性を向上させることは一般に困難である。これに関連して、本開示の発明者らは、粗大な組織の形成を抑制する方法について検討を行った。その結果、VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])を1.90以下とするように化学組成を制御することで細粒化できることを見出した。
しかし、VX値を低くしすぎると、溶接後熱処理時に溶接熱影響部から割れが発生し、構造部材として使用できないという課題が生じた。そこで、本開示の発明者らは、割れ発生と溶接熱影響部の硬さとの関係を調査した。その結果、溶接熱影響部の硬さとC含有量との関係がPWHT時の割れ発生に影響するという知見が得られた。さらに検討を行った結果、溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理、すなわち、1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、さらに800℃から200℃まで8℃/sで冷却する熱処理が施された厚鋼板のビッカース硬さHV10とC含有量との関係で、PWHT時の割れ発生を評価できることが判明した。具体的には、表面から1/4板厚位置におけるビッカース硬さHV10が634×√[C]+140-HV10>0を満たせば、PWHT時の割れ発生を防止できることがわかった。さらにこの条件を達成するにはVX値を0.60以上とする必要があることを見出した。
以下、本開示に係る厚鋼板について詳しく説明する。本開示の説明において、各元素の含有量の単位である「%」は、特に断りがない限り「質量%」を意味するものである。
化学組成の各元素の含有量の下限値が「0」と表記されている場合、その元素は任意成分であり、含有しなくてもよいことを意味する。
「~」を用いて表される数値範囲において、「~」の前後に記載される数値に「超」及び「未満」が付されていない場合は、これらの数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、各元素の含有量について、下限値と上限値が別々に記載されている場合、下限値と上限値を任意に組み合わせた数値範囲をその元素の含有量としてもよい。
本開示に係る厚鋼板の化学組成は、質量%で、
C:0.080~0.170%、
Si:0.10~0.50%、
Mn:1.10~1.50%、
P:0.020%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:0.61~0.95%、
Cr:0.10~0.90%、
Mo:0.30~1.00%、
V:0.005~0.050%、
Al:0.010~0.080%、
N:0.0010~0.0080%、
O:0.0050%以下、
残部:Fe及び不純物からなり、かつ式1を満たす化学組成でもよいし、
さらに下記A群及びB群からなる群から選択される1種又は2種以上を含む化学組成でもよい。A群は、主に、強度、靭性などの機械特性を向上させる元素である。B群は、主に、酸化物や硫化物の形態を制御する元素である。本開示に係る厚鋼板において、ボロン(B)は不純物であり、0.0003%以上の含有は好ましくない。
[A群]Cu:0.60%以下、Nb:0.050%以下、Ti:0.050%以下、及びW:0.50%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
[B群]Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、及びREM:0.0050%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
[C:0.080~0.170%]
炭素(C)は、母材(厚鋼板)の強度確保のために必要な元素である。このような効果を十分に得るために、C含有量を0.080%以上とする。C含有量は0.085%以上、0.090%以上又は0.095%以上であってもよい。一方で、Cを過度に含有すると、靭性劣化が顕著となる場合があり、また強度が過剰となる傾向もある。したがって、C含有量を0.170%以下とする。C含有量は0.165%以下、0.160%以下又は0.155%以下であってもよい。
[Si:0.10~0.50%]
ケイ素(Si)は脱酸元素であり、強度の向上にも寄与する元素である。これらの効果を十分に得るために、Si含有量を0.10%以上とする。Si含有量は0.12%以上、0.14%以上又は0.16%以上であってもよい。一方で、Siを過度に含有すると、島状マルテンサイトが生成し、靭性が低下する場合がある。したがって、Si含有量を0.50%以下とする。Si含有量は0.45%以下、0.40%以下又は0.35%以下であってもよい。
[Mn:1.10~1.50%]
マンガン(Mn)は脱酸元素であり、焼入れ性を向上させる元素でもある。母材の強度を十分に確保するために、Mn含有量を1.10%以上とする。Mn含有量は1.12%以上、1.14%以上又は1.16%以上であってもよい。一方で、Mnを過度に含有すると、焼入れ性が過剰となるため、強度が過度に上昇して靭性が低下する。したがって、Mn含有量を1.50%以下とする。Mn含有量は1.48%以下、1.46%以下又は1.44%以下であってもよい。
[P:0.020%以下]
リン(P)は不純物であり、粒界に偏析して靭性を低下させる。このため、P含有量を0.020%以下とする。P含有量は0.015%以下、0.010%以下又は0.008%以下であってもよい。P含有量は少ないほど好ましいため、下限は特に規定しない。しかしながら、製造コストの観点から、P含有量は0.0001%以上、0.0005%以上又は0.0010%以上であってもよい。
[S:0.0050%以下]
硫黄(S)は不純物であり、中心偏析を助長し、脆性破壊の起点となる延伸形状のMnSが生成する原因となることがある。このため、S含有量を0.0050%以下とする。S含有量は0.0045%以下、0.0040%以下又は0.0035%以下であってもよい。S含有量は少ないほど好ましいため、下限は特に規定しない。しかしながら、製造コストの観点から、S含有量は0.0001%以上、0.0005%以上又は0.0010%以上であってもよい。
[Ni:0.61~0.95%]
ニッケル(Ni)は、靭性を確保するために有効な元素である。このような効果を得るために、Ni含有量を0.61%以上とする。Ni含有量は0.62%以上、0.63%以上又は0.64%以上であってもよい。一方で、Niを過度に含有すると、製造コストが上昇するのに加えて、焼入れ性が過剰となり却って母材の靭性が低下することがある。このため、Ni含有量を0.95%以下とする。Ni含有量は0.90%以下、0.85%以下、0.80%以下又は0.75%以下であってもよい。
[Cr:0.10~0.90%]
クロム(Cr)は、耐炭酸ガス腐食性や焼入れ性の向上に寄与し、強度に影響を与える元素である。これらの効果を得るために、Cr含有量を0.10%以上とする。Cr含有量は0.15%以上、0.20%以上又は0.25%以上であってもよい。一方で、Crを過度に含有すると、母材の靭性が低下することがある。このため、Cr含有量を0.90%以下とする。Cr含有量は0.85%以下、0.80%以下、0.75%以下、0.70%以下又は0.65%以下であってもよい。
[Mo:0.30~1.00%]
モリブデン(Mo)は、母材の強度を向上させる元素である。また、Moは、炭化物の粗大化を抑制する元素であり、粗大な炭化物と母相との界面の選択的腐食による応力腐食割れ(SCC)の防止に寄与する。このような効果を十分に得るために、Mo含有量を0.30%以上とする。Mo含有量は0.35%以上、0.40%以上又は0.45%以上であってもよい。一方で、Moを過度に含有すると、母材の強度が過剰に上昇して靭性を損なうことがある。このため、Mo含有量を1.00%以下とする。Mo含有量は0.95%以下、0.90%以下又は0.85%以下であってもよい。
[V:0.005~0.050%]
バナジウム(V)は、焼戻工程及び溶接後熱処理で炭窒化物を析出し、母材の強度の向上に寄与する元素である。このような効果を十分に得るために、V含有量を0.005%以上とする。V含有量は0.007%以上、0.009%以上又は0.011%以上であってもよい。一方で、Vを過度に含有させても効果が飽和し、靭性劣化を招くことがある。このため、V含有量を0.050%以下とする。V含有量は0.048%以下、0.046%以下又は0.044%以下であってもよい。
[Al:0.010~0.080%]
アルミニウム(Al)は脱酸元素であり、セメンタイトの生成を抑制する元素でもある。さらに、Alはピン止め粒子AlNとして細粒化に寄与する。これらの効果の少なくとも1つを得るために、Al含有量を0.010%以上とする。Al含有量は0.015%以上、0.020%以上又は0.025%以上であってもよい。一方で、Alを過度に含有すると、介在物が多くなり、靭性低下を招くことがある。このため、Al含有量を0.080%以下とする。Al含有量は0.070%以下、0.060%以下又は0.050%以下であってもよい。
[N:0.0010~0.0080%]
窒素(N)は、AlNとして析出することで結晶粒を微細化し、靭性を向上させるために必要な元素である。このような効果を十分に得るために、N含有量を0.0010%以上とする。N含有量は0.0015%以上、0.0020%以上又は0.0030%以上であってもよい。一方で、Nを過度に含有すると、AlNが過剰に析出し、破壊の起点として靭性を低下させる場合がある。したがって、N含有量を0.0080%以下とする。N含有量は0.0070%以下、0.0060%以下又は0.0050%以下であってもよい。
[O:0.0050%以下]
酸素(O)は不純物であり、O含有量を0.0050%以下とする。O含有量は0.0045%以下、0.0040%以下又は0.0030%以下であってもよい。Oは低減することが好ましいが、脱酸コストの観点から、O含有量は0.0001%以上、0.0002%以上、又は0.0003%以上であってもよい。
本開示に係る厚鋼板の基本化学組成は上記のとおりである。さらに、本開示に係る厚鋼板は、必要に応じて以下の任意選択元素のうち1種又は2種以上を含有してもよい。
[A群]Cu:0.60%以下、Nb:0.050%以下、Ti:0.050%以下、及びW:0.50%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
[B群]Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、及びREM:0.0050%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
以下、これらの任意選択元素について詳しく説明する。
[Cu:0~0.60%]
銅(Cu)は、強度の上昇に寄与する元素である。Cu含有量は0%であってもよいが、このような効果を得るためには、Cu含有量は0.05%以上であることが好ましい。Cu含有量は0.15%以上、0.20%以上又は0.25%以上であってもよい。一方で、Cuを過度に含有すると、母材の靭性が低下することがある。このため、Cu含有量を0.60%以下とする。Cu含有量は0.55%以下、0.50%以下又は0.45%以下であってもよい。
[Nb:0~0.050%]
ニオブ(Nb)は、NbCNの形態におけるピン止め効果により組織を微細化し、低温靭性を向上させる元素である。Nb含有量は0%であってもよいが、このような効果を得るためには、Nb含有量は0.003%以上であることが好ましい。Nb含有量は0.006%以上、0.010%以上又は0.015%以上であってもよい。一方で、Nbを過度に含有させてもピン止め効果が飽和するとともに、粗大な炭化物や窒化物の析出による靭性劣化を招くことがある。このため、Nb含有量を0.050%以下とする。Nb含有量は0.045%以下、0.040%以下又は0.035%以下であってもよい。
[Ti:0~0.050%]
チタン(Ti)は、脱酸に利用すると、Al、Ti、Mnからなる酸化物相を形成し、組織を微細化し強度に影響を与える効果が得られる。Ti含有量は0%であってもよいが、上記の効果を得るためには、Ti含有量は0.003%以上であることが好ましい。Ti含有量は0.006%以上、0.010%以上又は0.015%以上であってもよい。一方で、Tiを過度に含有すると、Ti酸化物やTi炭窒化物が形成されて靭性劣化を招くことがある。このため、Ti含有量を0.050%以下とする。Ti含有量は0.040%以下、0.035%以下又は0.030%以下であってもよい。
[W:0~0.50%]
タングステン(W)は、耐食性向上に寄与し、強度に影響を与える元素である。W含有量は0%であってもよいが、これらの効果を得るためには、W含有量は0.05%以上であることが好ましい。W含有量は0.10%以上、0.15%以上又は0.20%以上であってもよい。一方で、Wを過度に含有すると、HAZ(熱影響部)の靭性が低下することがある。このため、W含有量を0.50%以下とする。W含有量は0.45%以下、0.40%以下又は0.35%以下であってもよい。
[Ca:0~0.0050%]
カルシウム(Ca)は、酸化物や硫化物の形態を制御する元素である。Ca含有量は0%であってもよいが、このような効果を得るためには、0.0001%以上であることが好ましい。Ca含有量は0.0005%以上、0.0010%以上又は0.0015%以上であってもよい。Caを過度に含有すると、上記の効果が飽和し、介在物の形成によって靭性を損なうことがある。このため、Ca含有量を0.0050%以下とする。Ca含有量は0.0045%以下、0.0040%以下又は0.0035%以下であってもよい。
[Mg:0~0.0050%]
マグネシウム(Mg)は、酸化物や硫化物の形態を制御する元素である。Mg含有量は0%であってもよいが、このような効果を得るためには、0.0001%以上であることが好ましい。Mg含有量は0.0005%以上、0.0010%以上又は0.0015%以上であってもよい。Mgを過度に含有すると、上記の効果が飽和し、介在物の形成によって靭性を損なうことがある。このため、Mg含有量を0.0050%以下とする。Mg含有量は0.0045%以下、0.0040%以下又は0.0035%以下であってもよい。
[REM:0~0.0050%]
希土類金属(REM)は、Sc、Yの2元素と、La、Ce、Ndなどのランタノイド15元素との合計17元素の総称を意味する。REM含有量とは、前記17元素の合計含有量を意味する。REMは、酸化物や硫化物の形態を制御する元素である。REM含有量は0%であってもよいが、このような効果を得るためには、0.0001%以上であることが好ましい。REM含有量は0.0005%以上、0.0010%以上又は0.0015%以上であってもよい。REMを過度に含有すると、上記の効果が飽和し、介在物の形成によって靭性を損なうことがある。このため、REM含有量を0.0050%以下とする。REM含有量は0.0045%以下、0.0040%以下又は0.0035%以下であってもよい。
本開示に係る厚鋼板において、上記の元素以外の残部は、Fe及び不純物である。不純物とは、厚鋼板を工業的に製造する際に、鉱石やスクラップ等のような原料を始めとして、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本開示に係る厚鋼板に対して意図的に添加した成分でないものを包含するものである。
以下、本開示に係る厚鋼板の化学組成に係る式(VX)、結晶粒の平均粒径、厚鋼板の組織、板厚、及び機械特性について説明する。
[0.60≦VX≦1.90]
VXは焼入れ性の指標である。VXはマルテンサイト変態の臨界冷却速度に関する指標であり、VXが低くなるほど、焼入れによる変態温度が低下することで組織を細粒とすることができる。厚鋼板のVXは、1.90以下とする。厚鋼板のVXは1.80以下、1.70以下又は1.60以下であってもよい。一方で、VXが低くなるほど、厚鋼板の硬さが高くなる傾向があり、PWHT時に溶接熱影響部からの割れを引き起こし易くなる。厚鋼板のVXは、0.60以上とする。厚鋼板のVXは0.70以上、0.80以上又は0.90以上であってもよい。本開示におけるVXは下記式によって算出することができる。
VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])
式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Ni]、[Cr]及び[Mo]は各元素の含有量(質量%)であり、該当する元素を含有しない場合は0である。
本開示においては、適切な結晶粒の平均粒径(粗大粒径)の達成と、溶接後熱処理時の溶接影響部からの割れの発生の防止のために、化学組成を前述した範囲内に制御することが重要である。
[結晶粒の粗大粒径:80μm以下]
厚鋼板中の粗大な組織は脆性破壊の起点となるため、厚鋼板の靱性、特には低温靭性を低下させる。本開示によれば、厚鋼板において顕著に改善された低温靭性を達成するために、方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒のうち円相当直径の大きいものから10個選択し、それらの円相当直径の平均値(以下、「結晶粒の粗大粒径」と称する場合がある。)が80μm以下に制御される。結晶粒の粗大粒径は、好ましくは70μm以下、より好ましくは65μm以下、最も好ましくは60μm以下である。結晶粒の粗大粒径は小さいほど好ましいため、下限は特に規定しない。結晶粒の粗大粒径は5μm以上又は8μm以上であってよい。
本開示において、結晶粒の粗大粒径は以下のように決定される。まず、厚鋼板の表面から板厚方向に板厚の1/4の位置(1/4板厚位置)のL断面(厚鋼板の圧延方向及び板厚方向に平行な断面)を鏡面研磨し、次いで電子線後方散乱回折法(EBSD)により任意の圧延方向1.0mm×板厚方向0.4mmの領域の結晶方位を測定し、隣接する粒の方位差が15°以上である領域を1つの結晶粒と定義して、個々の結晶粒の粒径を円相当直径として算出する。結晶方位の測定は、任意の1箇所で行えばよい。これらの結晶粒のうち円相当直径の大きいものから10個選択し、それらの円相当直径の平均値を「結晶粒の粗大粒径」として決定する。
[旧オーステナイト粒のアスペクト比:1.0~1.8]
本開示に係る厚鋼板では、1/4板厚位置における方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の粗大粒径を規定すればよく、当該結晶粒や旧オーステナイト粒などの他の結晶粒の形態、例えばアスペクト比などは特に限定されない。しかしながら、例えば、表面から板厚方向に2mmの位置における旧オーステナイト粒のアスペクト比は1.0~1.8であってもよい。後述する製造方法のように、熱間圧延工程、焼入工程が施される場合、表面から2mm深さ位置における旧オーステナイト粒のアスペクト比は1.0に近くなる傾向がある。熱間圧延後、そのまま焼入れが施されると、旧オーステナイトが圧延方向に延伸し、当該アスペクト比が1.8を超える場合がある。
当該旧オーステナイト粒のアスペクト比は以下のように決定される。まず、厚鋼板の表面から板厚方向に2mmの位置のL断面(厚鋼板の圧延方向及び板厚方向に平行な断面)を鏡面研磨し、次いで電子線後方散乱回折法(EBSD)により任意の圧延方向1.0mm×板厚方向0.4mmの領域の結晶方位を測定し、方位差が20°以上45°以下である境界で囲まれた領域を1つの旧オーステナイト粒と定義する。結晶方位の測定による旧オーステナイト粒の定義は、任意の1箇所で行えばよい。次に、個々の旧オーステナイト粒の圧延方向長さ及び板厚方向長さを測定し、各旧オーステナイト粒のアスペクト比を算出する。算出された全ての旧オーステナイト粒のアスペクト比の算術平均を「旧オーステナイト粒のアスペクト比」として決定する。
[溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さHV10:634×√[C]+140-HV10>0]
溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さHV10を634×√[C]+140-HV10>0とすることで、構造体の溶接継手の母材と溶接熱影響部の硬さの差を低下させることができ、PWHT時の割れを防止することができる。本開示において、厚鋼板の溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さHV10は以下のように決定される。まず、厚鋼板の表面から板厚方向に板厚の1/4の位置(1/4板厚位置)から任意の大きさに切断した試験片(例えば12mm×12mm×70mm)を採取する。具体的には、元の厚鋼板の厚さをtとした場合、試験片厚12mmの中心が元の厚鋼板の1/4t位置であり、試験片長さ70mmが元の厚鋼板の圧延方向となるように12mm×12mm×70mmの試験片を採取する。試験片に、1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、800℃から200℃まで8℃/sで冷却する熱処理を付与する。この熱処理は、サブマージアーク溶接継手の溶接熱影響部の熱履歴に相当する。その後、試験片の12mm角の接断面内の元の厚鋼板の1/4t位置において、荷重10kgfでビッカース硬さを3点測定し、その算術平均を「溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さHV10」として決定する。ビッカース硬さは、JIS Z 2244:2009に従って測定され、測定前に650℃×15時間の熱処理は行われない。
ここで、溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理の温度は、厚鋼板の表面温度であり、試験片の表面に取り付けた熱電対によって測定する。
[板厚]
本開示に係る厚鋼板は、熱間圧延及び熱処理によって製造される厚鋼板であり、熱間圧延後にコイル状に巻き取って製造される薄鋼板、熱延鋼帯は含まれない。本開示に係る厚鋼板の板厚は特に限定されないが、例えば30mm以上であり、40mm以上の板厚が好ましく、70mm以上の板厚を有することが好ましい。厚鋼板の化学組成及び組織を前述した範囲内に制御することで、このような厚い鋼板においても、高強度を維持しつつ、優れた低温靭性、特には優れたPWHT後の低温靭性を達成することが可能となる。本開示においては、厚鋼板の板厚は特に限定されないが、75mm以上、80mm以上又は90mm以上であってもよい。上限は特に限定されないが、厚鋼板の板厚は150mm以下であってもよい。
[機械特性]
本開示に係る厚鋼板によれば、優れた機械特性、例えば高強度、より具体的には600MPa以上の引張強さ(TS)を達成することができる。引張強さは好ましくは610MPa以上であり、より好ましくは620MPa以上である。引張強さは800MPa以下又は780MPa以下であってもよい。
また、本開示に係る厚鋼板によれば、PWHT後においても高強度を維持することができ、例えば650℃×15時間の熱処理(PWHTに相当)を施した場合でも600MPa以上の引張強さ(TS)を達成することができる。650℃×15時間の熱処理後の引張強さは好ましくは600MPa以上、より好ましくは620MPa以上であり、800MPa以下又は780MPa以下であってもよい。
ここで、PWHTに相当する650℃×15時間の熱処理の加熱温度(650℃)は、試験片が採取される厚鋼板の表面温度であり、熱電対で測定される。
さらに、本開示に係る厚鋼板によれば、同様にPWHTの有無にかかわらず優れた降伏強さ(YS)を達成することが可能である。より具体的には、本開示に係る厚鋼板は、650℃×15時間の熱処理(PWHTに相当)を施した場合及びこのような熱処理を行わない場合の両方で450MPa以上、好ましくは470MPa以上、より好ましくは480MPa以上の降伏強さを達成することができる。
加えて、本開示に係る厚鋼板によれば、同様にPWHTの有無にかかわらず優れた低温靭性を達成することが可能である。より具体的には、本開示に係る厚鋼板は、650℃×15時間の熱処理(PWHTに相当)を施した場合及びこのような熱処理を行わない場合の両方で、-50℃でのJIS4号シャルピー衝撃吸収エネルギーの平均値が70J以上、好ましくは100J以上、より好ましくは120J以上の低温靭性を達成することができる。
本開示に係る厚鋼板は、上記のようにPWHT前だけでなくPWHT後においても優れた強度及び低温靭性を示すことができるため、例えば、橋梁、建築、造船及び圧力容器等の構造体において使用するのに非常に適している。本開示に係る厚鋼板は、とりわけ、圧力容器用の厚鋼板として、-10℃以下の低温領域で各種ガスを反応させるような圧力容器等の用途においても極めて有用である。
引張強さ(TS)及び降伏強さ(YS)は、JIS Z2241:2011に準拠した引張試験によって測定される。引張試験には、1/4板厚位置から採取された、厚鋼板の板幅方向に平行な方向(C方向)を長手方向とするJIS14A号試験片が使用される。
シャルピー衝撃吸収エネルギーの平均値は、JIS Z2242:2018の規定に準拠し、半径2mmの衝撃刃を用いて-50℃でシャルピー衝撃試験によって測定される。シャルピー衝撃吸収エネルギーは、3本の試験片を用いて測定され、それらを平均することにより算出される。シャルピー衝撃試験には、厚鋼板の1/4板厚位置から採取された、厚鋼板の板幅方向に平行な方向(C方向)を長手方向とするVノッチ試験片が使用される。
引張試験及びシャルピー衝撃試験の前には、溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理は行われない。
[本開示に係る厚鋼板の製造方法]
次に、本開示に係る厚鋼板の製造方法について説明する。
「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
以下の説明は、本開示に係る厚鋼板を製造するための特徴的な方法の例示を意図するものであって、本開示に係る厚鋼板を以下に説明するような製造方法によって製造されるものに限定することを意図するものではない。
本開示に係る厚鋼板の製造方法は、熱間圧延工程、焼入工程、焼戻工程を含み、熱間圧延後にコイル状に巻き取る巻取工程を含まない。以下、各工程についてより詳細に説明する。本製造方法に供する鋼片としては、本開示の化学組成の範囲内であれば、特には限定されず、当業者に公知の任意の適切な鋳造条件下で製造された鋼片を使用することができる。例えば、鋼片は、造塊-分塊スラブであってもよいし、連続鋳造スラブであってもよい。製造効率、歩留り及び省エネルギーの観点からは、鋼片としては連続鋳造スラブを用いることが好ましい。
[熱間圧延工程]
まず、本開示において規定される化学組成を有する鋼片が、熱間圧延工程において再加熱され、次いで圧下率40%以上で熱間圧延される。再加熱の温度は、圧延ロールの負荷を低減する観点から1000℃以上とすることが好ましく、組織の粗大化を抑制する観点から1250℃以下とすることが好ましい。熱間圧延の終了温度は、冷却時にオーステナイトからフェライトへの変態が開始する温度以上であることが好ましく、例えば、800℃以上である。熱間圧延の終了温度は、1000℃以下であってよい。
[焼入工程]
熱間圧延工程後、鋼板は一旦150℃以下まで冷却され、次いで800℃以上の温度(焼入温度)に再加熱され、次に1.0℃/s以上の平均冷却速度で200℃以下まで冷却される。ここで再加熱温度T(℃)を下記式3及び4を満たすように制御することにより、金属組織の粗大化を抑制することができ、すなわち厚鋼板の1/4板厚位置における方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の平均円相当直径(粗大粒径)を確実に80μm以下とすることが可能となる。パラメータRが1.0未満であると低温靭性を確保することができ、パラメータRが0を超えると引張強さを確保することができる。
0<R<1.0 ・・・式3
R=(T-AC)/130 ・・・式4
ここで、ACは鋼板中の合金元素から決定される相変態に関する係数であり、下記式5で求められる。
AC=937-476×[C]+56×[Si]-20×[Mn]-16×[Cu]-27×[Ni]-5×[Cr]+38×[Mo]+125×[V]+136×[Ti]-19×[Nb] ・・・式5
ここで、[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Ni]、[Cr]、[Mo]、[V]、[Ti]及び[Nb]は各元素の含有量(質量%)であり、対応する元素を含有しない場合は0である。
パラメータRが大きすぎると、結晶粒が粗大化してしまい、十分な低温靭性を達成することができない場合がある。一方、パラメータRが小さすぎると、再加熱時のオーステナイト化が不十分となるために十分な鋼板の引張強さを達成することができない場合がある。焼入工程の冷却速度は、引張強さを確保するために1.0℃/s以上とする。焼入工程の冷却速度は、20.0℃/s以下であってよく、10.0℃/s以下であってよい。
[焼戻工程]
最後に、鋼板は、焼戻工程において焼戻し処理され、具体的には550~700℃の焼戻温度で30分~2時間にわたり加熱される。このような焼戻し処理により、強度を適切な範囲に調整するとともに靭性の向上を図ることができる。焼戻し後の冷却速度は特に限定されず、例えば空冷によって冷却すればよい。
以下、実施例によって本開示に係る厚鋼板をより詳細に説明するが、本開示に係る厚鋼板はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例では、本開示に係る厚鋼板を製造し、得られた厚鋼板の機械特性について調べた。
[厚鋼板の製造]
まず、連続鋳造法により表1に示す化学組成を有するスラブを鋳造した。表1に示す成分以外の残部はFe及び不純物である。また、空欄は意図的に添加していないことを示す。
次いで、これらのスラブから表2に示す製造条件により板厚70mm以上の厚鋼板を製造した。熱間圧延は表2に示す圧下率で実施し、熱間圧延工程後、鋼板を一旦150℃以下まで冷却し、次いで表2に示す再加熱温度T(℃)に再加熱した後、焼入れ、焼戻しを行った。焼戻し時間は1時間である。
[測定及び評価]
得られた厚鋼板における結晶粒の平均粒径及びアスペクト比、機械特性、並びに溶接後熱処理時の耐割れ性は下記の方法により決定した。
[結晶粒の粗大粒径]
結晶粒の粗大粒径は以下のように決定した。まず、厚鋼板の1/4板厚位置のL断面(厚鋼板の圧延方向及び板厚方向に平行な断面)を鏡面研磨し、次いで電子線後方散乱回折法(EBSD)により任意の1箇所の圧延方向1.0mm×板厚方向0.4mmの領域(板厚方向0.4mmの中心が元の厚鋼板の1/4板厚位置)の結晶方位を測定し、隣接する粒の方位差が15°以上ある領域を1つの結晶粒と定義して、個々の結晶粒の粒径を円相当直径として算出した。次に、これらの結晶粒のうち円相当直径の大きいものから10個選択し、それらの円相当直径の平均値を「結晶粒の粗大粒径」として決定した。
[旧オーステナイト粒のアスペクト比]
旧オーステナイト粒のアスペクト比は以下のように決定した。鋼板の表面から板厚方向に2mmの位置のL断面(鋼板の圧延方向及び板厚方向に平行な断面)を鏡面研磨し、次いで電子線後方散乱回折法(EBSD)により任意の1箇所の圧延方向1.0mm×板厚方向0.4mmの領域の結晶方位を測定し、方位差が20°以上45°以下である境界で囲まれた領域を1つの旧オーステナイト粒と定義して、個々の旧オーステナイト粒の圧延方向長さ及び板厚方向長さを測定し、各旧オーステナイト粒のアスペクト比を算出する。算出された全ての旧オーステナイト粒のアスペクト比の算術平均を「旧オーステナイト粒のアスペクト比」として決定した。
[機械特性]
厚鋼板に関するPWHT後の機械特性を評価するため、得られた厚鋼板に対してPWHTに相当する650℃×15時間の熱処理を行った場合の引張強さ(TS)、降伏強さ(YS)及び-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーの平均値(KV)を測定した。引張試験及びシャルピー衝撃試験に使用される試験片は、650℃×15時間の熱処理が行われた厚鋼板の1/4板厚位置から採取された。
TS及びYSは、上記熱処理を行った厚鋼板の板幅方向に平行な方向(C方向)を長手方向とするJIS14A号試験片に基づいてJIS Z2241:2011に準拠した引張試験を行うことで測定した。
-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーの平均値は、同様に上記熱処理を行った厚鋼板のC方向を長手方向とするVノッチ試験片に基づいてJIS Z2242:2018の規定に準拠して、半径2mmの衝撃刃を用いて-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーを3本測定し、それらを平均することにより算出した。
以下では、TSが600MPa以上であり、-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーの平均値(KV)が70J以上である場合を、PWHT後の低温靭性が改善された高強度の厚鋼板として評価した。
[溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さHV10]
溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さの測定に使用される試験片は、厚鋼板の1/4板厚位置から採取される。試験片(12mm×12mm×70mm)には、1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、800℃から200℃まで8℃/sで冷却する熱処理が付与される。その後、JIS 2244:2009に準拠して荷重10kgfでビッカース硬さを3点測定し、その平均を求めた(HV10)。また、下記式によって求められるHYを算出した。
HY=634×√[C]+140-HV10
[溶接後熱処理時の耐割れ性]
溶接後熱処理時の耐割れ性の評価には、厚鋼板の1/4板厚位置から採取された丸棒試験片(φ10mm、中央部φ6mm)が使用される。丸棒試験片には、1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、800℃から200℃まで8℃/sで冷却する熱処理が施される。その後、丸棒試験片に200MPaの引張定荷重をかけつつ200℃/hrで昇温し、650℃までに破断の有無を評価する。破断しなかった場合を溶接後熱処理時の割れを防止できる高強度の厚鋼板として評価した。破断しなかった場合をG、破断した場合をBとした。
結果を表3に示す。溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さHV10及びHYは、表3の「溶接熱影響部に相当する性質」の欄に示した。また、表3には示していないが、旧オーステナイト結晶粒のアスペクト比は、表3中の鋼板番号1~54において1.8以下であった。鋼板番号55の旧オーステナイト結晶粒のアスペクト比は、直接焼入れで製造したため、2.1であった。
表1~3を参照すると、比較例28~30及び32~34では、C、Si、Mn、Cr、Mo又はV含有量が低かったために十分なTSが得られなかった。
比較例31では、Ni含有量が低かったために十分な低温靭性が得られなかった。
比較例35、36では、Al又はNの含有量が低かったために、AlNによるピン止め効果が十分に得られず、結晶粒が粗大化して低温靭性が低下した。
比較例37、39及び42~45では、C、Mn、Ni、Cr、Mo又はV含有量が高かったために強度が過大となり低温靭性が低下した。
比較例38では、Si含有量が高かったために島状マルテンサイトが生成して低温靭性が低下した。
比較例40、41では、P又はSの含有量が高かったために低温靭性が低下した。
比較例46では、Al含有量が高かったために粗大な析出物が析出したり、介在物の量が多くなったりして低温靭性が低下した。
比較例47及び48では、N又はOの含有量が高かったために介在物などが多く生成して低温靭性が低下した。
比較例49では、Bを添加したために溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さが高くなり耐割れ性が低下した。
比較例50では、VXの値が低かったために溶接熱影響部の熱サイクルに相当する熱処理後のビッカース硬さが高くなり耐割れ性が低下した。
比較例51では、VXの値が高かったために結晶粒が粗大化し低温靭性が低下した。
比較例52では、焼入工程におけるパラメータRが0.0以下で、再加熱時のオーステナイト化が不十分であり、降伏強さ、引張強さ、低温靭性がいずれも不足した。
比較例53では、焼入工程におけるパラメータRが1.0を超え、結晶粒が粗大化して低温靭性が低下した。
比較例54では、焼入工程の冷却速度が遅かったために十分な強度が得られなかった。
比較例55では、熱間圧延後に直接焼入れを行ったため、結晶粒が粗大化し低温靭性が低下した。
これとは対照的に、全ての発明例(本開示例)において、厚鋼板の化学組成及び結晶粒の粒径を適切に制御することにより、PWHTに相当する650℃×15時間の熱処理を行った場合でも、溶接熱影響部からの割れが抑制され、TSが600MPa以上の高強度でかつ-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが70J以上の低温靭性に優れた厚鋼板を得ることができた。
また、表3には示していないが、PWHT前の機械特性についても測定したところ、全ての発明例に係るPWHT前の厚鋼板において、TS:600MPa以上、-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーの平均値:70J以上を達成することができた。
[耐SCC性]
さらに、表1の化学組成を有し、表2の製造工程によって得られた鋼板のうち、鋼板番号1(本開示例)、鋼板番号33(比較例)のサブマージアーク溶接継手が作製された。フュージョンラインから1~3mmの範囲の1/4板厚位置のL断面で、実施例1と同様にして、溶接熱影響部の結晶粒の粗大粒径が測定された。サブマージアーク溶接継手にPWHTが施された後、耐SCC性が評価された。
耐SCC性の評価試験には、サブマージアーク溶接継手の表面近傍から採取された短冊状試験片(厚さ3mm、幅10mm、長さ115mm)が使用された。図1は、実施した耐SCC性の評価試験を概略的に示している。図1において、1はアミン水溶液、2はCOの気泡、3は短冊状試験片、4は4点曲げジグ、5は参照電極(SSE)、6は対極(Pt)、7はオイルバス、8はヒーターである。長手方向の中央部に溶接部が配置された短冊状試験片は、図1に示すように4点曲げジグで定変位に保持され、中央2点間の試験片表面の引張応力は300MPaに設定された。具体的には、試験片の表面に歪みゲージを貼付し、反対側からネジで変位を与え、鋼板の応力-歪み曲線(引張試験)の300MPaに対応する歪みに調整する。試験片はジグと共に腐食環境に浸漬され、SCCを加速するための電位を与えられた(図1)。
720時間の試験期間の経過後、腐食環境から取り出され、ジグから外された試験片は、洗浄後に中央2点間で複数断面を切り出された。各断面には研磨、エッチングが施され、光学顕微鏡による観察により、SCCの最大深さが各溶接熱影響部で実測された粗大粒径を超えるかどうかで有害性が判定された。
SCC試験は、アミンを使用する酸性ガス吸収容器を模擬するため、下記の条件で行われた。
腐食環境:COガスを飽和させたアミン水溶液環境
試験溶液(アミン水溶液):モノエタノールアミンを20質量%含む水溶液
試験溶液温度:70℃
印加電圧:-0.5V(SSE)
試験期間:720時間
鋼板番号33(比較例)では、粗大粒径を超える深さのSCCが溶接熱影響部に発生した。このように深いSCCは、亀裂先端の応力集中により成長が加速するため、アミンを使用する酸性ガス吸収容器の健全性を維持する上で好まれない。一方、鋼板番号1(本開示例)では、粗大粒径を超えるSCCは発生しておらず、良好な耐SCC性が確認された。
1 アミン水溶液
2 COの気泡
3 短冊状試験片
4 4点曲げジグ
5 参照電極(SSE)
6 対極(Pt)
7 オイルバス
8 ヒーター

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.080~0.170%、
    Si:0.10~0.50%、
    Mn:1.10~1.50%、
    P:0.020%以下、
    S:0.0050%以下、
    Ni:0.61~0.95%、
    Cr:0.10~0.90%、
    Mo:0.30~1.00%、
    V:0.005~0.050%、
    Al:0.010~0.080%、
    N:0.0010~0.0080%、
    O:0.0050%以下、
    残部:Fe及び不純物からなり、かつ下記式1を満たす化学組成を有し、
    表面から1/4板厚位置の圧延方向断面の圧延方向1mm、板厚方向0.4mmの範囲において、方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の円相当直径の大きい方から上位10個の平均が80μm以下である厚鋼板。
    0.60≦VX≦1.90 … 式1
    VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])
    式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Ni]、[Cr]、及び[Mo]は、それぞれC、Si、Mn、Ni、Cr、及びMoの各含有量(質量%)を意味する。
  2. 質量%で、
    C:0.080~0.170%、
    Si:0.10~0.50%、
    Mn:1.10~1.50%、
    P:0.020%以下、
    S:0.0050%以下、
    Ni:0.61~0.95%、
    Cr:0.10~0.90%、
    Mo:0.30~1.00%、
    V:0.005~0.050%、
    Al:0.010~0.080%、
    N:0.0010~0.0080%、
    O:0.0050%以下を含み、さらに下記A群及びB群からなる群から選択される1種又は2種を含み、
    [A群]Cu:0.60%以下、Nb:0.050%以下、Ti:0.050%以下、及びW:0.50%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
    [B群]Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、及びREM:0.0050%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
    残部:Fe及び不純物からなり、かつ下記式1を満たす化学組成を有し、
    表面から1/4板厚位置の圧延方向断面の圧延方向1mm、板厚方向0.4mmの範囲において、方位差15°以上の境界で囲まれた結晶粒の円相当直径の大きい方から上位10個の平均が80μm以下である厚鋼板。
    0.60≦VX≦1.90 … 式1
    VX=3.69-0.75×(2.7×[C]+0.4×[Si]+[Mn]+0.45×[Ni]+0.8×[Cr]+[Mo])
    式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Ni]、[Cr]、及び[Mo]は、それぞれC、Si、Mn、Ni、Cr、及びMoの各含有量(質量%)を意味する。
  3. 前記化学組成が、前記A群を含む請求項2に記載の厚鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記B群を含む請求項2に記載の厚鋼板。
  5. 1400℃に加熱して5秒保持した後に、1400℃から800℃まで32℃/sで冷却し、さらに800℃から200℃まで8℃/sで冷却した場合に、表面から1/4板厚位置におけるビッカース硬さHV10が下記式2を満たし、
    加熱温度が650℃であり、保持時間が15時間である熱処理を行った場合に、表面から1/4板厚位置における引張強さが600MPa以上であり、かつ、-50℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが70J以上である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の厚鋼板。
    634×√[C]+140-HV10>0 … 式2
  6. 前記化学組成が、Ni:0.61~0.85%及びCr:0.10~0.75%の少なくとも一方を満たす、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の厚鋼板。
  7. 前記化学組成が、Ni:0.61~0.85%及びCr:0.10~0.75%の少なくとも一方を満たす、請求項5に記載の厚鋼板。
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