JP2024002970A - 集束イオンビームシステム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料又はワークピース表面を改質するためのイオンビームシステムを提供する。【解決手段】イオンを生成するためのイオン源と、イオン源から受け取ったイオンを方向付けてイオンビームを形成し、イオンビームをターゲット領域に向けて集束させるように構成されたイオンビーム集束カラムと、改質される試料又はワークピースを受け取り、試料又はワークピース表面をターゲット領域に位置決めするための試料ステージと、を備え、イオンビーム集束カラムが、通過するイオンビームの横方向範囲を制限するように構成された非円形ビーム制限アパーチャを有するアパーチャプレートと、イオンビーム集束カラム内の1つ以上のレンズによって生成されるような球面収差を補償するために、イオンビームに4回非点収差を印加するように構成された多極収差補償器と、を備える、イオンビームシステムおよび、試料又はワークピースを改質する方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、集束イオンビーム(FIB)システム及び集束イオンビームシステムを動作させる方法に関する。特に、本システム及び方法は、向上した切断性能及びミリング性能を提供する。
微視的特徴を生成するための方法及びシステムは、材料をミリング、エッチング、又は堆積させるために、試料のターゲット表面上で微細に集束されたイオンビームを走査することを含む。ミリングは、イオンの衝突による材料の直接除去を含む。このプロセスはスパッタリングとして知られている。材料の堆積では、有機金属化合物などのガスが、試料表面上のイオンビームの衝突点に方向付けられる。ガスはイオンビームの存在下で分解して、試料表面に材料を加える。
FIBシステムは、電子ビームを試料に方向付ける代わりに、イオンビームを試料に方向付けることを除いて、走査電子顕微鏡又は透過電子顕微鏡に類似している。集束イオンビームミリングは、半導体産業及び微小電気機械システム(MEMS)の製造を含む多くの微細加工産業において使用されている。この技術は、これら又は他の産業における加工及び製造において、又は結果として得られる構造の構造分析をする際に使用してもよい。
後者の例は、透過電子顕微鏡(TEM)分析のための試料調製である。試料調製は、集束イオンビームシステムを使用して、表面又は層を除去するか、若しくはチャネルをエッチングし、次いで、電子ビームによって結像される。TEMは薄い試料を必要とするので、試料の調製が必要な場合がある。集束イオンビームを使用して、試料内の関心領域をミリングし、露出させてもよい。半導体材料中の粒界又は欠陥をミリングして、TEM分析のために関心領域を露出させてもよい。更に、SEM又はTEM分析では、分析のために材料の断面を露出させる必要がある場合がある。
MEMSの製造において、FIBは、材料を除去してMEMSの特徴を画定するために使用され得る。そのようなシステムは、ミクロン以下程度の寸法、場合によってはナノメートルサイズまでの寸法を有する特徴を有する。
一般に、集束イオンビームのビーム電流密度が高いほど、材料がより迅速に除去されるが、電流が低いほど、より正確に集束させることができる。
本出願人による米国特許第6,949,756(B2)号は、低電流密度及び鋭いエッジを有する成形イオンビームを提供する集束イオンビームシステムに関する。成形イオンビームは、2レンズ結像イオン集束カラム及び2つのレンズの間の成形アパーチャによって提供される。2つのレンズのうちの第2のレンズは、ターゲット面において試料上に成形アパーチャの像を形成する。成形イオンビームの電流密度は、エッチング又は堆積速度が吸着ガス分子の枯渇によって制限されないように低下させられる。全体のビーム電流は、エッチング及び堆積速度を増加させるために増加させることができる。ビームのサイズ又は直径は、非成形ビームよりも大きく、鋭いエッジ分解能を有する実質的に均一な電流密度プロファイルを有する。このようなビームは、広い領域にわたって均一なエッチング又は堆積を生成するために、ターゲット表面にわたって段階的に進むことができる。
同様に本出願人による米国特許第9,679,742(B2)号は、正確な切断を行うための鋭いエッジと、より高速な処理のための高電流ビームとを有する成形加工ビームを最適化する方法を記載している。イオンビームは、加工アパーチャを通して方向付けられ、イオンビームパラメータは、鋭いエッジ分解能を生成するイオンビームプロファイルを提供するように最適化される。
更に本出願人による米国特許第6,977,386(B2)号は、鋭いエッジを有する長方形、楕円形、及び半楕円形のアパーチャから所望の幾何学的形状を有する成形ビームスポットを生成するための改善された角度アパーチャ方式を記載している。より鋭いビームエッジは、アンダーフォーカスと組み合わせてイオンビーム軸に対して長方形又は楕円形のアパーチャをオフセットすることによって作られ得る。鋭いエッジは、精密ミリング用途に使用することができ、アンダーフォーカスは、効率的なミリングのために十分な電流又は電流密度を有するようにビームを十分に大きくすることを可能にする。
これらの従来技術は、鋭いエッジを有するイオンビームを提供するために、様々なアパーチャ及びデフォーカスを使用する。しかしながら、イオンビーム電流を増加させることによってミリング性能及びスループットを増加させることが望ましい。球面収差は、アパーチャが使用されるときにビーム電流の増加を妨げる。
本発明は、試料又はワークピース表面を改質するためのイオンビームシステムであって、イオンを生成するためのイオン源と、イオン源から受け取ったイオンを方向付けてイオンビームを形成し、イオンビームをターゲット領域に向けて集束させるように構成されたイオンビーム集束カラムと、改質される試料又はワークピースを受け取り、試料又はワークピース表面をターゲット領域に位置決めするための試料ステージと、を備え、イオンビーム集束カラムが、通過するイオンビームの横方向範囲を制限するように構成された非円形ビーム制限アパーチャを有するアパーチャプレートと、イオンビーム集束カラム内の1つ以上のレンズによって生成されるような球面収差を補償するために、イオンビームに4回非点収差を印加するように構成された多極収差補償器と、を備える、イオンビームシステムを提供する。細長いアパーチャ又はスロット形状のアパーチャであり得る非円形ビーム制限アパーチャは、ビームを小さいスポットサイズに閉じ込める。アパーチャを細長くすることによって、アパーチャは長寸法と短寸法とを有する。ビームの前縁は、短寸法の前縁であることが好ましい。長寸法は、増加したビーム電流の使用を可能にする。ビームが集束カラムによって小さいスポットに集束されるとき、従来、3次球面収差は、より大きな長寸法サイズが短寸法における最適なスポットサイズが達成されることを妨げるように、長スポットサイズ寸法と短スポットサイズ寸法との間の相互依存性をもたらし得る。多極収差補償器は、4回非点収差をイオンビームに提供して、この3次収差を補償し、試料又はワークピース表面に結像されるような短寸法における集束スポットの収差を妨げ又は制限し得る。多極収差補償器は、4回非点収差を印加してビームを成形し、3次球面収差を補償する。好ましくは、処理の精度を維持するためにビームの短寸法を維持しながら増加した電流を供給することができるように、細長いアパーチャ形状が使用される。電流が増加すると、試料からの材料の除去速度が増加し、それによってスループットが増加する。
非点収差は、人間の眼に一般的に関連する光学的効果である。人間の眼では、眼のレンズ又は眼の形状に対する異なる曲率によって、光が単一のスポットに集束されず、例えば垂直方向及び水平方向における異なる曲率に基づいて2つのスポットに集束される。イオンビームシステムでは、同様の効果が生じ、線に沿った像に伸縮効果を加えると考えることができる。2回非点収差は、2つの直交方向において同じ効果を有し、3回非点収差は、方位角方向の周りの3つの均等に分布した角度においてこの効果を有する。ここで使用されている4回非点収差は、方位角方向の周りの4つの分布した4つの均等に分布した角度でこの効果を有するが、対称性は、方位角方向の周りに均等に分布した8つの角度であるかのように見せる。
多極収差補償器は、8極子場を生成するように構成された多極素子であってもよい。多極素子は、8極素子であることが好ましく、12極子や16極子などの8極子よりも多い多極素子であることが好ましい。或いは、多極収差補償器は、8極子場などの対応する効果を提供するように積層された複数の多極素子又はサブ素子を備えてもよい。例えば、2つの8極サブ素子を積層して16極素子を形成し、8極子場を生成してもよい。多極素子の極数は偶数であることが好ましい。非円形ビーム制限アパーチャは、実質的に長方形のアパーチャなどのスロット形状のアパーチャであってもよい。実質的に長方形のアパーチャは、丸みを帯びた角を有してもよいが、角の半径は、辺の長さよりもはるかに小さい。丸みを帯びた角は、小さいサイズのアパーチャを製造する際の制限の結果であり得る。或いは、非円形ビーム制限アパーチャは、以下に述べるような他の形状をとってもよい。
多極収差補償器は、例えば、イオンビームが最終集束に到達する前に4回非点収差が印加されるように、最終集束レンズの前のイオンビーム経路に沿った位置に配置されることが好ましい。第1のレンズと最終集束レンズとの間の任意の位置、又は最終集束レンズからの球面収差によりビーム広がりが生じ始める前など、他の位置も可能である。
イオンビーム集束カラムは、イオン源を結像する。成形アパーチャは、一方の方向に沿った大きな像角度を可能にし、他方の方向に沿った像角度を制限する。成形アパーチャは、一方の方向における球面収差を制限するが、他方の方向における大きな像角度は、収差補償器を必要とする。収差補償器は、対角線方向に沿って収差を補償すると考えてもよい。
非円形ビーム制限アパーチャは、イオンビームの走査方向に平行な第1の寸法と、イオンビームの走査方向に直交する第2の寸法とを有してもよく、4回非点収差は、アパーチャの第1の寸法方向に位置合わせされる。
多極収差補償器は、8つ以上の極を備えてもよく、同じ極性の一対の極は、第1の寸法方向に沿って対向して構成されてもよい。金属イオン又は他の正に帯電したイオンから形成されるイオンビームの場合、極は第1の寸法に沿って対向して構成され、正電圧場を提供するように構成され得る。一般に、この一対の極の電圧は、イオンビームのイオンの電荷と同じでならなければならない。換言すれば、アパーチャの長軸は、好ましくは、多極素子の一対の対向する正のプレートの一方のプレートから他方のプレートへの方向に位置合わせされる。多極素子の場合、極は交番する極性である。8極素子の場合、各極は、方位角軸の周りに互いに45°でそれぞれ構成される。アパーチャの長軸に沿って位置合わせされた極は、好ましくは、アパーチャの長軸に対して最大約22.5°延在してもよい。
非円形ビーム制限アパーチャは、楕円形のアパーチャ、長円形のアパーチャ、又は実質的に長方形のアパーチャであってもよい。好ましくは、アパーチャは細長い形状又はスロット形状である。
非円形ビーム制限アパーチャは、実質的に長方形のアパーチャであってもよく、多極収差補償器は、長方形の長辺の方向に平行な方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備えてもよい。長方形のアパーチャの長い中心線は、一対の極の間の方向に沿って中心に置かれてもよい。
非円形ビーム制限アパーチャは楕円形のアパーチャであってもよく、多極収差補償器は、楕円形のアパーチャの長軸の方向に平行な方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備えてもよい。楕円形のアパーチャの長い中心線は、一対の極の間の方向に沿って中心に置かれてもよい。対応する考慮事項が長円形のアパーチャに適用されてもよい。
イオンビームシステムは、イオンビームを偏向させ、ターゲット領域にわたってイオンビームを移動させるように構成されたビーム偏向器システムを更に備えてもよい。偏向器システムは、イオンビームをターゲット領域にわたって第1の走査方向に移動させるように構成されてもよく、非円形のアパーチャは、ターゲット領域におけるイオンビームの長寸法が第1の走査方向に平行になるように、イオンビームの長寸法が位置合わせされて構成されてもよい。非円形のアパーチャは、イオンビームがターゲット領域において短寸法を有するように構成されてもよく、偏向器システムは、短寸法に対応する、すなわち短寸法の幅を有する前縁でターゲット領域にわたってイオンビームを移動させるように構成されてもよい。
偏向器システムは、ターゲット領域にわたってイオンビームをラスタ走査するように構成されてもよく、ターゲット領域におけるイオンビームの長寸法は、ラスタ走査の走査線方向に平行であってもよい。
イオンビームシステムは、イオンビームに4回非点収差を誘起するために多極収差補償器に電圧を印加するように構成された多極収差補償器制御部を更に備えてもよい。8極子場が使用される場合、4回非点収差が発生する。
イオンビーム集束カラムは、第1のレンズ及び第2のレンズを備えてもよく、第1のレンズは、イオン源によって生成されたイオンを収集してイオンビームを形成するように構成され、第2のレンズは、イオンビームをターゲット面に向かって集束させるように構成される。アパーチャプレートは、第1のレンズと第2のレンズとの間のイオンビームの経路内に細長いビーム制限アパーチャを提供するように配置されてもよい。多極収差補償器は、アパーチャプレートと第2のレンズとの間に配置されてもよい。
第2のレンズは、イオンビームをターゲット領域に向けて集束させるように構成されてもよい。より高いビーム電流及び細長いビーム断面を有するこの集束は、断面寸法間のスポットサイズの相互依存性を提供する3次球面収差をもたらし得る。多極収差補償器は、この球面収差を除去又は低減するために4回非点収差を提供するように構成される。
イオンビームシステムは、イオンビームミリング、ガスアシストミリング、又は堆積のために構成されてもよい。
本発明は、イオンビームを使用して試料又はワークピースを改質する方法であって、改質される表面を有する試料又はワークピースをターゲット領域に位置決めすることと、イオン源からイオンを生成することと、イオンビーム集束カラム内のレンズを使用してイオンからイオンビームを形成することと、イオンビームを非円形のアパーチャを通して方向付けることによってイオンビームの範囲を制限することと、イオンビーム集束カラム内の1つ以上のレンズから生じるイオンビームへの球面収差を補償するために、アパーチャ制限されたイオンビームに、多極収差補償器を使用して4回非点収差を誘起又は印加することと、試料又はワークピース表面を改質するために、イオンビームをターゲット面に方向付けることと、を含む方法を更に提供する。
多極収差補償器を使用して4回非点収差を誘起するステップは、多極素子を使用して8極子場を生成することを含む。4回非点収差は、ビームが最終集束レンズに到達する前にイオンビームに印加されてもよい。
本方法は、表面にわたってイオンビームを走査するために、試料又はワークピース表面に対してイオンビームを移動させることを更に含んでもよく、非円形のアパーチャは、イオンビームの走査方向に平行な第1の寸法方向と、イオンビームの走査方向に直交する第2の寸法方向とを有する。4回非点収差は、アパーチャの第1の寸法方向に位置合わせされてもよい。
多極収差補償器は、第1の寸法方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備えてもよい。好ましくは、金属イオンの場合、第1の寸法方向に沿って構成された極の極性は正である。
非円形ビーム制限アパーチャは、楕円形のアパーチャ、長円形のアパーチャ又は実質的に長方形のアパーチャであってもよい。好ましくは、アパーチャは、スロット形状のアパーチャを形成するように細長い。
非円形ビーム制限アパーチャは、実質的に長方形のアパーチャであってもよく、多極収差補償器は、長方形の長辺の方向に平行な方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備えてもよい。長方形のアパーチャの長い中心線は、一対の極の間の方向に沿って中心に置かれてもよい。
非円形ビーム制限アパーチャは楕円形のアパーチャであってもよく、多極収差補償器は、楕円形のアパーチャの長軸の方向に平行な方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備えてもよい。楕円形のアパーチャの長い中心線は、一対の極の間の方向に沿って中心に置かれてもよい。対応する考慮事項が長円形のアパーチャに適用されてもよい。
球面収差を補償することは、多極収差補償器を使用してイオンビームに4回非点収差を印加することを含んでもよく、4回非点収差は、アパーチャの細長い方向に位置合わせされる。補償なしでは、長寸法が短寸法に対する収差を引き起こす可能性がある。これにより、短寸法におけるスポットサイズが所望のように小さくなることを妨げる可能性がある。補償は、直交寸法間のスポットサイズの相互依存性を低減又は除去する。
本方法は、イオンビームを偏向させて、ターゲット領域にわたって第1の走査方向に移動させることを更に含んでもよい。非円形のアパーチャは、ターゲット領域におけるイオンビームの長寸法が第1の走査方向に平行になるように、イオンビームの長寸法が位置合わせされた状態で構成されてもよい。本方法は、前縁がイオンビームの短寸法に対応する状態で、イオンビームをターゲット領域にわたって移動させることを更に含んでもよい。
本方法は、ターゲット領域にわたってイオンビームをラスタ走査するステップを更に含んでもよく、ターゲット領域におけるイオンビームの長寸法は、ラスタ走査の走査線方向に平行であってもよい。
多極収差補償器制御部は、多極収差補償器に電圧を印加して、イオンビームに4回非点収差を誘起する。例えば8極子にわたって電圧を印加するステップは、8極子場を生成する。
本方法は、8極子又は多極素子に印加する電圧を決定して、8極子場を最適化して球面収差を補償するために、位置合わせステップを実行することを更に含んでもよい。
本方法は、走査方向におけるイオンビームのエッジの鋭さを最大化するように多極収差補償器を調整することを更に含んでもよい。調整することは、多極収差補償器の極に印加される電圧を調整することと、多極収差補償器の横方向及び/又は回転位置を調整することとのうちのいずれかを含んでもよい。或いは、イオンビーム位置は、多極収差補償器による最適な球面収差補償を有するように調整されてもよい。
本発明は、上述のステップのいずれかを含むイオンビームミリング、ガスアシストミリング又は堆積の方法を更に含んでもよい。
本発明は、本明細書に記載のシステム及び方法を使用して試料をミリング、切断又はエッチングすることを更に提供する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態及び従来技術の態様を説明する。
本発明による集束イオンビームシステムの概略図である。 それぞれ、試料の円形領域にわたる円形イオンビームスポット及び長方形イオンビームスポットミリング又はエッチングの概略図である。 それぞれ、試料の円形領域にわたる円形イオンビームスポット及び長方形イオンビームスポットミリング又はエッチングの概略図である。 細長いビーム制限アパーチャと円形ビーム制限アパーチャとを比較する概略図である。 ビーム電流が2倍にされて楕円形のアパーチャを通過するときに、円形イオンビームスポットがどのように3次収差を受けるかを示す。 本発明によるFIBシステムの集束カラムのための光学系構成の概略図である。 イオンビーム電流が増加したときに、8極子場によって提供される収差補償がスポット幅の収差をどのように制限するかを示す。 アパーチャ方向に対する8極子場の配向を示す8極子場の図である。 それぞれ、4極子場及び円形ビームに対する4極子場の効果、8極素子によって生成される8極子場及び8極子場の4回非点収差効果、並びに16極素子によって生成される8極子場の図である。 それぞれ、4極子場及び円形ビームに対する4極子場の効果、8極素子によって生成される8極子場及び8極子場の4回非点収差効果、並びに16極素子によって生成される8極子場の図である。 それぞれ、4極子場及び円形ビームに対する4極子場の効果、8極素子によって生成される8極子場及び8極子場の4回非点収差効果、並びに16極素子によって生成される8極子場の図である。 それぞれ、円形のアパーチャを通過した従来のビーム、長方形のアパーチャを通過したビーム、及び8極子場によって収差補償が提供された長方形のアパーチャを通過したビームについてのスポット密度図である。 それぞれ、円形のアパーチャを通過した従来のビーム、長方形のアパーチャを通過したビーム、及び8極子場によって収差補償が提供された長方形のアパーチャを通過したビームについてのスポット密度図である。 それぞれ、円形のアパーチャを通過した従来のビーム、長方形のアパーチャを通過したビーム、及び8極子場によって収差補償が提供された長方形のアパーチャを通過したビームについてのスポット密度図である。 本発明によるイオンビームを使用して試料を改質する方法のステップのフロー図である。
図1は、集束イオンビームシステム100の概略図である。システム100は、使用時に排気されるチャンバを備える。チャンバ100は、イオン源102が配置されるネック部110と、試料又はワークピース108が処理(例えば、ミリング又はエッチングなど)される処理部120とを備える。イオン源102は、ガリウムイオン源などの液体金属イオン源(LMIS)であってもよい。また、チャンバのネック部110には、イオン源からのイオンをビームに集束させるイオン集束カラム104がある。集束カラムは、ビームを良好に閉じ込められたビームに成形及び集束するための様々な静電レンズ及びアパーチャを備えてもよい。ネック部110の基部に向かって、又はチャンバの処理部120への入口に、偏向プレート106又は偏向電極が設けられる。偏向プレート106又は電極は、イオンビーム105が試料又はワークピースにわたって走査され得るように、イオンが試料に向かって移動する際に、イオンビーム105の伝播方向を操縦する。チャンバの処理部では、ワークピース又は試料108が可動ステージ112上に示されている。可動ステージ112は、試料をチャンバ及びイオンビームに対して移動させるように構成される。例えば、試料のイオンビームに対する大まかな位置合わせは、試料上の関心領域がイオンビームの入射とほぼ一致するように、可動ステージ112を使用して達成され得る。偏向プレート106は、処理されるより広い関心領域の部分にわたってイオンビーム105の正確な制御を実行する。可動ステージ112は、平面内のx方向及びy方向などの2つの方向における試料の移動を提供し得る。可動ステージ112はまた、偏向プレートによって提供されるイオンビームの走査方向に試料を位置合わせするために必要とされ得るような面内回転運動を提供してもよい。
イオンポンプ130は、チャンバを排気するために設けられる。ネック部110及び処理部120への接続は、イオンポンプがチャンバの各部分を一緒に排気するように動作するように提供される。チャンバ120の処理部を排気するために、ポンプシステム140も設けられている。真空制御部150は、イオンポンプ130及びポンプシステム140の両方を制御する。
集束イオンビームシステムはまた、イオンを生成するためにイオン源102に接続された高電圧電源160を必要とする。高電圧電源もイオン集束カラムに接続されている。イオン源102は、タングステンなどの不活性材料で作られた先端を有してもよい。先端は、針の先端と同様の微細な点まで延在している。先端のサイズは非常に小さいので、先端での電界は非常に高い。例えば、先端はナノメートル程度のサイズであってもよく、先端における電界は1×108ボルト/cm程度であってもよい。イオンビーム用のイオンを供給するための材料の供給源が、先端の近くに設けられる。ガリウムイオンなどのイオンは、先端の端部に流れ、先端における高電界によってイオン化される。集束カラム内の電極はまた、イオンを加速するための高電圧を提供する。ここで高電圧源160から印加される電圧は、1~50keVの範囲、30keVなどであってもよい。イオンビーム集束カラムにも高電圧が印加される。電位差は、イオンを試料及び可動ステージ112に方向付ける。
ビーム制御部170は、イオン集束カラム内の電極に接続され、また偏向プレート106にも接続される。ビーム制御部は、偏向プレート上の電圧を制御して、イオンビームが試料に当たる位置を変化させて、試料にわたってイオンビームを走査又は移動させるように構成される。例えば、イオンビームは、試料にわたってラスタ走査されてもよく、或いは、イオンビームは、別の所望のパターンで試料にわたって移動されてもよい。したがって、ビーム制御部は、偏向プレートにわたって電圧を印加して、ビームをx方向などの第1の方向に走査し、次いでy方向にステップし、ラスタ走査を形成するようにx方向に再び走査するパターン発生器を備えてもよい。図1において、偏向プレート106は、イオンビーム集束カラムを通過した後のイオンビームに作用するように設けられているものとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、偏向プレート106は、後述するように、ビームが集束カラム104の最終レンズを通過する前にイオンビームに作用するように設けられてもよい。いくつかの実施形態では、試料上でイオンビームによって走査されるパターンは、ビーム制御部170に結合されたユーザインターフェースを介してユーザによって直接制御されてもよく、又は制御部にプログラムされた所定の経路によって制御されてもよい。
チャンバの処理部120には、ガス源180及び結像システム185が設けられてもよい。ガス源180は、チャンバのこの部分の側面に設けられ、ガスを試料に向けて方向付けるように構成されてもよい。ガス源は、ガスを試料に方向付けるための移送管を含んでもよい。移送管は、ガスの供給を制御するためのバルブを含む。ガス源180は、堆積のために、又はエッチング若しくはミリングを向上するために使用される。試料のエッチング又はミリングされた領域上に材料を堆積させることが望ましい場合、ガスが放出され、露出された位置で試料の表面上に吸着される。エッチング又はミリングの目的のために、ガス状材料は、試料表面上に凝縮し得、イオンビームによって照射されると、入射位置におけるエッチング又はミリングを向上させ得る。
チャンバは、チャンバの処理部120へのドア190を更に備える。ドアは、試料又はワークピースを処理のためにチャンバに挿入できるように、チャンバへのアクセスを可能にする。ガスバルブ192は、チャンバのネック部110とチャンバの処理部120との間に設けられてもよい。ガスバルブ192は、ドア190が開かれたときに閉じられて、イオン源102及び集束カラム104を封止することができる。
真空制御部140及びガス源180は、材料をエッチング又は堆積するために、試料に方向付けられたチャンバ内の所望の蒸気流動を提供するように動作されてもよい。
上述したように、高電圧電源160は、集束カラムに電圧を供給して、イオンを加速及び集束させる。イオンが試料又はワークピースに衝突するとき、イオンのエネルギーは、表面に付着したガス間の反応を開始し、材料除去を増加させ得る。或いは、イオンによる材料の除去は、ガス分子が付着し得る露出した表面を残し得る。
真空システムは、チャンバを1.3×10-5Pa (1×10-7 Torr)~6.7×10-2 Pa(5×10-4 Torr)の圧力まで排気する。この圧力は、ガス源180からのガスの放出によってわずかに上昇し、それによって約1.3×10-3Pa (1×10-5 Torr)の圧力を提供する。
結像システム185は、チャンバの処理部120内に設けられ、2次放出を検出するための電子増倍器と、加工中のワークピースの画像を取り込むためのビデオカメラとを備えてもよい。いくつかの実施形態では、装置は、処理動作の間に試料を結像するための電子顕微鏡を含んでもよい。
本発明は、従来技術よりもミリング性能を向上させることを目的とする。米国特許第6,949,756(B2)号、同9,679,742(B2)号、及び同US6,977,386(B2)号に記載されている従来技術の方法は、より正確なミリング及びエッチング用途のためにイオンビームに鋭いエッジを提供するようにビーム形状が調整される方法を記載している。しかしながら、鋭いエッジの生成は、ビーム電流及びミリング速度の低下をもたらし得る。例えば、イオンビームに対する鋭いエッジを維持しながら、より大量の材料がより迅速に除去されるように、ミリング及びエッチング性能を向上させることが望ましい。
従来、集束イオンビーム切断又はミリングは、集束された対称スポットを用いて実行される。この場合、試料又はワークピースの表面から材料が除去される速度は、dxとして記載され得るスポットの幅に制限される。図2Aは、Y方向に試料のワークピースにわたって移動する幅dxの対称スポットを示す。スポットは、図において現在の走査位置の上の領域が材料を除去するためにイオンビームによって既に処理されているように、円形領域200にわたってラスタ走査されている。現在の走査位置の下の領域は、まだミリング又はエッチングされていない。
除去される材料の量及び所与のスポットサイズに対する除去速度は、スポットに対するビーム電流によって制限される。しかしながら、スポットサイズを増加させることなく電流を増加させると、電流密度が増加し、例えばビーム広がりによりイオンビームの切断精度が低下する。
電流、したがって材料除去速度を増加させる可能性は、スポットサイズを増加させて、電流密度を増加させず、精度を失わずに、より多くのイオンビーム電流を供給することができるようにすることである。ビームを細長くすることによって、ビーム幅dxは維持されるが、例えば、Y方向におけるビームの増加により、より多くの電流を印加することができる。例えば、例えば長方形のビームスポットの前縁においてビーム幅dxを維持するが、ビームが試料にわたって移動する方向(Y)に寸法が増加する長方形のビームスポットが図2Bに示されている。
このようにビームを成形するために、細長いビームを形成するアパーチャが使用される。例えば、図3に示されるように、アパーチャサイズが長さWy増加され、アパーチャの幅がWxに維持される長方形のアパーチャが使用されてもよい。
集束イオンビームシステムでは、電子顕微鏡及び光学システムと同様に、収差が、実際に達成することができるスポットサイズ及び形状を制限することができる。集束イオンビームシステムでは、色収差及び球面収差が制限要因である。従来の光学系と同様に、色収差は、異なる量だけレンズによって集束される異なるエネルギーを有するイオンの結果である。一般に、イオンビームシステムでは、イオン源及び集束カラムによって生成されるイオンは、明確に定義された狭い範囲のエネルギーを有する。球面収差は、イオンがレンズ中心軸に近いか遠いかに応じて異なる量でイオンを集束するレンズなどの光学系の結果である。ここで、光学系に言及するとき、我々は、光ビームを集束及び成形するための構成要素とは対照的に、イオンビーム集束及び成形構成要素を意味する。
イオンビームの場合、円形対称ビームは、スポットに集束されたときに球面収差を示すことがあり、この球面収差は、スポットサイズを、次式で与えられる直径dのディスクに制限する。
Figure 2024002970000002
ここで、Csは球面収差の係数であり、αはレンズからイオン軸へのビームの半角/収束角である。
これを細長いビームに拡大すると、ビームの2つの交差方向x、yにおける収差は、次式によって与えられるスポットサイズをもたらす。
Figure 2024002970000003
であり、
式中、α及びβは、それぞれx及びy方向に対するレンズからイオン軸へのビームの半角/収束角である。
x=Csαβの項は、細長いビームの2つの交差方向におけるビーム電流をリンクするため、問題である。すなわち、ビームのx次元は、αだけでなく、β(y方向の角度)によっても決定される。これは、ビームサイズを一方向、すなわちy方向に拡大することによってビーム電流を増加させると、他の方向、すなわちx方向に収差が生じることを意味する。同様に、図4は、ビームを楕円形に変化させ、電流を2倍に増加させる効果を示す。図4において、左側の図は、直径40nmの円形スポットに集束された従来の円形スポットを示す。右側の図では、ビームは楕円形のアパーチャを通過しており、電流は2倍に増加している。球面収差は、ビームをx方向及びy方向の両方に拡散させ、その結果、イオンビームの精度が低下する。
本発明は、3次球面収差Cを補償するために8極子場の使用を提案する。これは、8極子場によって提供される4回非点収差から生じる3次収差Aを打ち消す又は補償することによって行われる。すなわち、例えば、+x及び-x方向に集束効果を提供するが、+y及び-y方向にデフォーカスすることによって、4極子場を使用してイオンビームを線に集束させることができるのと同じ方法で、8極子場は、ビーム軸又は方位角方向の周りに45°ごとに集束又は延伸効果を提供する。集束の実際の方向は、8極子場とアパーチャとの間の相対的な回転配向に依存し、後の段落でより詳細に説明される。以下では、4回非点収差が、x方向及びy方向に異なる寸法を有するビームについての3次球面収差に対する補償をどのように提供するかを説明する。
x及びyにおける3次収差は、x=∂S/∂α及びy=∂S/∂βによって与えられる。x及びyに関してSに関する先の式を積分し、8極子場の4回非点収差によって提供される3次収差Aを加えると、以下のようになる。
Figure 2024002970000004
8極子の非点収差の大きさがA=C/3に設定されると、式は以下のように簡略化される。
Figure 2024002970000005
αに関してβ微分することによりx及びyにおける最小スポットサイズを得ること可能になり、以下によって与えられる。
Figure 2024002970000006
したがって、2つの交差方向における集束スポットサイズ間の相互依存性は、4回非点収差Aを生成する8極子場を使用して除去することができる。前の段落で式Aを参照すると、これを別の方法で考えることができる。A=C/3の関係を設定することによって、Csαβの項によって引き起こされる3次収差と8極子場の4回非点収差を使用して、Aαβの項から生じる3次球面収差を打ち消し、それによって補償してもよい。
8極子によって提供される非点収差を含まない(すなわちA=0)場合、式Bにおけるx値は、Csαβの追加項を含む。細長いアパーチャβ≫αは、この追加項は、細長いアパーチャ又はスロットアパーチャに対して非常に大きくなる。例えば、細長いアパーチャのαよりもβが5倍大きい場合、x方向の最小ビーム寸法は、球形ビームの場合の25倍に拡大する可能性がある。非点収差補償は、この項を実質的に除去する。しかしながら、球面収差の補償をもたらすために8極子場を印加するとき、x方向のビームのサイズは、所与のビームサイズに対して4/3倍(すなわち、約30%の増加)だけわずかに増加され得るが、より良好な全体的な制御が達成され得ることに留意されたい。
図5は、本発明を実施するためのイオンビーム集束カラム用の光学構成要素の実施形態を示す。イオンビーム集束カラムは、第1のレンズ210及び第2のレンズ235、並びに他の光学構成要素を備える。イオンビーム集束カラムは、例えば、図1に示すイオンビーム集束カラム104であってもよい。
イオンは、図1のイオン源102に対応するイオン源205で生成される。イオン源205を出るイオンは、ある範囲の角度で放出される。第1のレンズ210は、レンズに入射する範囲内のイオンを集束させる。第1のレンズは、収束に向かってイオンをもたらし、レンズの焦点距離に応じて、カラム内の他の構成要素なしで、イオンを第2のレンズ235に近い平面における集束にもたらす可能性がある。アパーチャプレートはアパーチャ215を有する。アパーチャは、細長い形状又はスロット形状などの非円形形状を有してもよい。アパーチャは、イオンビームを形成するイオンをある角度範囲内のイオンに制限する。このアパーチャは、ビームサイズを制限し、したがって、試料表面におけるスポットサイズ又は形状を設定するために使用される。静電8極素子220が、次に集束カラムに隣接して設けられる。好ましくは、8極素子は、最終レンズ235の前に方位角方向に沿って提供されるか、又は球面収差が生じる最終レンズによってイオンビームが十分に集束される前に提供される。8極素子220は、図5の左側の8極素子の平面図に示されるように、リングの周りに交番する極性の8つの電極を備える。換言すれば、印加される電圧は静的であるが、電圧の極性はすぐ隣の電極に対して反対である。したがって、リングの周りで1から8まで連続して電極に番号を付けることは、例えば、偶数番号の電極が正極性を有し、奇数番号の電極が負極性を有することを意味する。8極素子220は、上述のようにビームに4回非点収差を生成するために8極子場を提供する。4回非点収差は、上述の球面収差補償を提供する。4回非点収差を提供する代わりに、他の多極素子又は多極素子の組み合わせが使用されてもよい。このような非点収差は、より低次の多極素子に対しては可能ではないが、より高次の多極素子、例えば、12極子又は16極子の多極素子に対しては可能である。或いは、4回非点収差は、方位角方向に沿って直列に多極素子を積層することによって提供されてもよい。例えば、2つの8極素子を積層して16極素子を形成し、8極子場を生成し得る。いくつかの実施形態では、イオンビーム集束カラムは、他のビーム調整目的のための8極素子を備えてもよい。そのような場合、8極素子に追加の制御を提供して、その他のビーム調整機能と組み合わせて3次収差補償を生成し得る。この追加の制御は、収差補償及び調整機能を生成するために必要な制御電圧の重ね合わせを含んでもよい。
図5に示すイオンビーム経路内の次の構成要素は、イオンビームが試料又はワークピース上の所望の位置に入射するようにイオンビームを偏向させるために使用される偏向器アセンブリ230である。偏向器アセンブリ230は、表面にわたるラスタ走査などによって、試料にわたってイオンビームを走査し得る。偏向器230に続いて、集束カラム内に第2のレンズ235がある。第2のレンズは、イオンビームを試料又はワークピース表面上又はその近くの小さなスポットサイズに集束させる。
図5は、イオンビーム集束カラムの一実施形態を示すが、他の実施形態も可能である。例えば、図1は、イオンビーム集束カラムの後の偏向プレート106を示しており、したがって、第2のレンズ又は集束レンズ235の後に設けられる。これは、偏向プレート230又は偏向器アセンブリが第2のレンズ235の前に設けられる図5の実施形態とは異なる。更に、偏向プレート又はアセンブリは、スティグメータを含むか、又はスティグメータを伴ってもよい。従来の集束イオンビームミリングシステムでは、楕円ビームをより望ましい円形ビームに補正するためにスティグメータが使用されている。本発明では、イオンビームは楕円形又は長方形であってもよいが、ビームの寸法を調整又は延伸するためにスティグメータを設けてもよい。イオンビーム集束カラムは、他の多極静電デバイス、電磁多極デバイス、及びアパーチャなどのビーム補正及び操作のための他の特徴を更に備えてもよい。
ここで、例示的な実施形態において使用される制御電圧と組み合わせて、図4及び図6のプロットを更に説明する。図1に関連して、イオンビーム集束システムに必要な電圧のいくつかを説明した。図5は、本発明に必要な8極素子220が、1つの電極から次の電極へと交番する極性を有する電圧を必要とすることを示している。典型的には、ここで必要とされる電圧の大きさは10Vである。8極子の電極に印加される実際の電圧は、セットアップ中の最適化ステップによって決定される。例えば、試験片をエッチングする際に最小収差及び最も鋭い切断エッジが存在するまで8極素子電圧を変化させながら、試験片を結像し得る。8極素子が、ビームを偏向させる双極子などの更なるビーム調整機能を提供する場合、8極素子の選択された電極に追加の電圧を印加して、双極子場を8極子場に重ね合わせてもよい。
一実施形態では、非円形ビーム制限アパーチャ215は、40μm×80μmの寸法を有する長方形スロットであってもよい。40μmは主走査方向のビーム幅を設定し、80μmはビーム走査方向に沿ったビームの長さを設定する。これらのビーム寸法は、第2のレンズ235のパワーと組み合わせて、試料表面でのスポットサイズを決定する。ここで提供されるスロット寸法に対して、試料におけるスポットサイズは、40nmの最小寸法を有する。図6は、左側の図に従来の円形ビームを示す。図6の左側のスポットのサイズは、図4のものと同じである。図6の右側の図は、ここではビーム電流が2倍に増加されているが、図6ではビームが長方形のアパーチャを通過し、収差補償が印加されている点で、図4の右側の図と同様である。図6に見られるように、8極子場によって提供される収差補償は、スポットが走査方向に垂直な方向に拡散することを妨げる。換言すれば、収差補償は、電流が増加してもスポット幅を所望の40nmに保つ。走査方向のスポット幅は、いくらか増加した幅を有するが、これは、走査ビームの経路内にあるので、あまり重要ではない。イオンビームのこれらの収差部分が入射する材料は、ビームが走査するにつれて除去される可能性が高い。この技術は、エッチング又はミリングされた材料に対して鋭いエッジが維持されることを可能にする一方で、スループットも増加させる。
本発明は、ビーム電流の倍増を快適に達成する。この構成のために提供され得るビーム電流は、nA程度である。従来の切断及びミリング技術に対するビーム電流の増加は2~3倍であり、これはミリングスループットの2~3倍の増加を提供する。換言すれば、従来の構成と比較して、所与の時間間隔で2~3倍の量の材料を除去し得る。
本発明による収差補償は、ビーム品質に悪影響を及ぼすことなく、スロットの細長い方向に印加される電流を増加させてスロットアパーチャを使用することを可能にする。したがって、切断方向におけるスポットサイズを増加させることなく、より高いビーム電流を使用することができるので、ミリングスループットの増加を達成することができる。
図7~図9は、他の場と比較した8極子場の視覚化として提供され、細長いビーム形状に対する効果を示す。
図7の左側の図は、8極素子によって生成される8極子場の図である。同様の8極子場は、12極素子などのより高い多重度の素子によって生成し得る。上述したように、8極素子の8つの電極は、それらに印加される静電圧を有するが、電圧の極性は、8極素子の周りを移動するにつれて、1つの電極から次の電極へと正から負へと交番する。各電極上の電圧の大きさは、実質的に同じであってもよい。また、図7には、2つの例示的な細長いアパーチャ、すなわち、実質的に長方形のアパーチャ及び楕円形のアパーチャが示されている。実質的に長方形のアパーチャに対して示されるように、アパーチャの角は丸みを帯びていてもよい。各アパーチャの長軸又は中心線は、図2A及び図2Bに示されるように、ビームの走査方向であるY方向に位置合わせされる。楕円形のアパーチャの場合、これは楕円の長軸に対応する。長方形のアパーチャの場合、Y方向は長方形の長辺に平行であり、長辺間に等間隔で配置される。8極素子は、Y方向に位置合わせされた対向する電極が正極性を有するように通電又はバイアスされる。8極素子の場合、各電極は、方位角軸又はビーム軸に対して最大45°の角度をなす範囲を有する。正電極はY方向に対して22.5°で終了し、負電極が開始する。図7はまた、8極子場の力線を示す。磁界は、電極から離れるにつれて減少する。8極子場の対角線にある4つの暗い領域は、最大負場の領域を表す。上、下、左及び右の極値は、最大の正の場の領域である。イオンビームのイオンが金属イオンであり、したがって正電荷を有すると仮定した。正の磁界はY方向に位置合わせされる。イオンが負である場合、Y方向に位置合わせされた電極は負であるべきである。
図8A及び8Bは、4極子場を生成する4極素子と、8極子場を生成する8極素子との比較を提供する。前述したように、8極子場は4回非点収差を生成する。これは、長方形のアパーチャに対する非点収差の影響を示す矢印によって図8Bに表されている。図8Aは、比較のために4極素子によって生成される2回非点収差を示す。図8Aにおいて、2回非点収差は、円形断面を有するビームを長方形ビームに変換する。
図8Cは、16極素子が8極子場をどのように生成するかを示す。ここでは、1つの電極の極から次の電極の極へ極性を交番させる代わりに、各々は0ボルトである電極によって分離される。したがって、極の周りの電圧のパターンは、+V、0、-V、0、+V、0、-V、0、+V、0、-V、0、+V、0、-V、及び0であり得る。再び、8極素子に関して、アパーチャの長手方向軸に沿って位置合わせされた極は、正イオンに対して+Vである。
同様に、他の多極を使用してもよい。例えば、12極素子又は他の多極素子の場合、極は、アパーチャの対向する端部と位置合わせされる極に対して同じ極性を提供する電圧で通電されてもよく、他の極は交番する極性を提供する。他の極数を有する多極子も使用されてもよく、素子の極の周りの電圧分布が使用されてもよい。8極子よりも多い極子を有する多極子の場合、極/電極上の最大正電圧及び最大負電圧の位置を回転させることによって、場の回転位置を調整することができる。他の実施形態では、多極素子は、電極の第1の平面が方位角方向に沿って電極の第2の平面の上に積層されるように、積層された電極から構成されてもよい。例えば、2つの8極素子又はサブ素子を22.5°の角度オフセットで積層して、16極素子を形成してもよい。これはまた、最大及び最小電圧の相対的な回転位置決めを提供することができる。
これらの場合の各々において、8極子場によって生成される非点収差は、長方形のアパーチャの短辺及び長辺に平行な方向にビームの範囲を低減する(縮小する)力を提供し、対角線方向に延伸力を提供する。補償されないままの球面収差の影響は、イオンビーム集束カラムの1つ以上のレンズがビームの極値をオーバーフォーカスし、ターゲット面でのぼけを引き起こすことになる。ここで提供される収差補償は、オーバーフォーカスを補償するために、対角線などにおいてビームの極値を延伸する対向する方向に作用する。
図9A~図9Cは、スポット密度図である。図9Aは、円形のアパーチャを通過した従来の1nAビームのスポット密度図である。スポットは、ビームの中心において最も高い電流密度を示し、ガウス電流密度分布を有し得る。図9Bは、図9Aのアパーチャに対して5倍増加した長さを有する長方形のアパーチャを通過したビームのスポット密度図である。電流も5.6nAに増加させる。集束スポットに見られるように、水平方向にかなりのビーム広がりがある。したがって、垂直方向のミリングに使用されるとき、鋭い切断エッジを提供しない。図9Cは、図9Bのスポット密度図と比較して8極子場を加えた効果を示す。ここでは、同じアパーチャ及び電流が使用されるが、8極子場が球面収差を補償して、正確なミリングのためにスポット又はビームに鋭いエッジを提供する。
図9B~図9Cは長方形のアパーチャに関するが、楕円形のアパーチャを通過したビームのスポット密度図は同様である。
図10は、イオンビームを使用して試料又はワークピースを改質するための本発明による方法のフロー図である。改質することは、試料又はワークピースをミリング又はエッチングすることを含んでもよい。本方法は、ステップ710において、改質される表面を有する試料又はワークピースをターゲット領域に位置決めすることを含む。位置決めすることは、ワークピースの試料を可動ステージ112上に配置することと、改質される試料又はワークピースの領域がイオンビームが入射するターゲット領域にあるように可動ステージの位置を調整することとを含んでもよい。本方法は、ステップ720において、イオン源102又は205などのイオン源からイオンを生成することを更に含む。ステップ730において、イオンビーム集束レンズを使用してイオンビームが形成され、イオン源から発散するイオンを少なくとも部分的に収束又は集束させる。ステップ740において、イオンビームの少なくとも一部は、ビームの範囲を制限するためにアパーチャを通過し、アパーチャは、細長いスロット形状などの非円形形状を有する。ステップ750において、イオンビームは、8極素子などの多極収差補償器を通過し、4回非点収差を誘起し、イオンビームに対する球面収差を補償する。ステップ760では、イオンビームがターゲット面に方向付けられて、試料又はワークピース表面を改質する。方向付けることは、表面にわたってイオンビームを走査する偏向器システム又は偏向プレートによって行われてもよい。
当業者であれば、上述したイオンビームシステムに対して様々な修正及び変更を加え得ることを容易に理解するであろう。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、修正を加え得る。例えば、8極素子及び非円形ビーム制限アパーチャの位置決めを変更し得る。ビーム制限アパーチャのサイズ及び正確な形状も変更し得る。

Claims (16)

  1. 試料又はワークピース表面を改質するためのイオンビームシステムであって、
    イオンを生成するためのイオン源と、
    前記イオン源から受け取ったイオンを方向付けてイオンビームを形成し、前記イオンビームをターゲット領域に方向付けて集束させるように構成されたイオンビーム集束カラムと、
    改質される前記試料又は前記ワークピース表面を受け取り、前記試料又は前記ワークピース表面を前記ターゲット領域に位置決めするための試料ステージと、を備え、
    前記イオンビーム集束カラムが、
    通過する前記イオンビームの範囲を制限するように構成された非円形ビーム制限アパーチャを有するアパーチャプレートと、
    前記イオンビーム集束カラム内の1つ以上のレンズによって生成される球面収差を補償するために、前記イオンビームに4回非点収差を印加するように構成された多極収差補償器と、を備える、イオンビームシステム。
  2. 前記多極収差補償器が、8極子場を生成するように構成された多極素子である、請求項1に記載のイオンビームシステム。
  3. 前記多極素子が8極素子であるか、12極子又は16極子などの8極子よりも多くの極子を有し、又は8極子場を生成するように構成された複数の多極素子を備える、請求項2に記載のイオンビームシステム。
  4. 前記多極収差補償器が、イオンビーム経路に沿って最終集束レンズの前の位置に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のイオンビームシステム。
  5. 前記非円形ビーム制限アパーチャが、前記イオンビームの走査方向に平行な第1の寸法と、前記イオンビームの前記走査方向に直交する第2の寸法とを有し、前記4回非点収差が、前記アパーチャの前記第1の寸法と位置合わせされる、請求項1から3のいずれか一項に記載のイオンビームシステム。
  6. 前記多極収差補償器が、8つ以上の極を備え、前記第1の寸法に沿って対向して構成された一対の極が、同じ極性でバイアスされるように構成されている、請求項5に記載のイオンビームシステム。
  7. 前記非円形ビーム制限アパーチャが、楕円形のアパーチャ、長円形のアパーチャ又は実質的に長方形のアパーチャなどの細長いアパーチャである、請求項1から3のいずれか一項に記載のイオンビームシステム。
  8. 前記非円形ビーム制限アパーチャが、実質的に長方形のアパーチャであり、前記多極収差補償器が、前記長方形の長辺の方向に平行な方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備え、又は
    前記非円形ビーム制限アパーチャが、楕円形のアパーチャ又は長円形のアパーチャであり、前記多極収差補償器が、前記楕円形のアパーチャ又は前記長円形のアパーチャの長軸の方向に平行な方向に沿って対向して構成された同じ極性の一対の極を備える、
    請求項7に記載のイオンビームシステム。
  9. 前記イオンビームを偏向させ、前記イオンビームを前記ターゲット領域にわたって移動させるように構成されたビーム偏向器システムを更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のイオンビームシステム。
  10. 偏向器システムが、前記イオンビームを前記ターゲット領域にわたって第1の走査方向に移動させるように構成され、非円形のアパーチャが、前記ターゲット領域における前記イオンビームの長寸法が前記第1の走査方向に平行になるように、前記イオンビームの前記長寸法が位置合わせされて構成されている、請求項9に記載のイオンビームシステム。
  11. 前記非円形のアパーチャが、前記イオンビームが前記ターゲット領域において短寸法を有するように構成され、前記偏向器システムが、前縁が前記短寸法に対応する状態で前記イオンビームを前記ターゲット領域にわたって移動させるように構成されている、請求項10に記載のイオンビームシステム。
  12. 前記偏向器システムが、前記ターゲット領域にわたって前記イオンビームをラスタ走査するように構成され、前記ターゲット領域における前記イオンビームの前記長寸法が、前記ラスタ走査の走査線方向に平行である、請求項10に記載のイオンビームシステム。
  13. イオンビームを使用して試料又はワークピース表面を改質する方法であって、
    改質される表面を有する試料又はワークピース表面をターゲット領域に位置決めすることと、
    イオン源からイオンを生成することと、
    イオンビーム集束カラム内のレンズを使用して前記イオンからイオンビームを形成することと、
    前記イオンビームを非円形のアパーチャを通して方向付けることによって前記イオンビームの範囲を制限することと、
    前記イオンビーム集束カラム内の1つ以上のレンズによって生成される前記イオンビームに対する球面収差を補償するために、アパーチャ制限された前記イオンビームに、多極収差補償器を使用して4回非点収差を誘起することと、
    前記イオンビームをターゲット面に方向付けて、前記試料又は前記ワークピース表面を改質することと、を含む、方法。
  14. 多極収差補償器を使用して4回非点収差差を誘起することが、多極素子を使用して8極子場を生成することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記表面にわたって前記イオンビームを走査するために、前記試料又は前記ワークピース表面に対して前記イオンビームを移動させることを更に含み、前記非円形のアパーチャが、前記イオンビームの走査方向に平行な第1の寸法方向と、前記イオンビームの前記走査方向に直交する第2の寸法方向とを有し、4回非点収差が、前記アパーチャの前記第1の寸法方向に位置合わせされる、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 非円形ビーム制限アパーチャが、楕円形のアパーチャ、長円形のアパーチャ、又は実質的に長方形のアパーチャである、請求項13に記載の方法。
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